当疾患は足底に過多の負担を掛けることにより、足底を構成する腱膜に炎症を生じ、激しい焼灼感を生じます。
ことさらアーチ部に生じやすく、扁平足の場合はそれだけリスクも高まります。
跳躍運動の反復練習や長距離マラソンランナーに好発しやすい傾向が有りますが、足関節の可動域が狭い方は特に起き易いとされています。
当関節は、走歩行や跳躍動作の時に、衝撃を吸収する作用が有り、且つ、足底のアーチにも衝撃を吸収する作用が有るのですが、両方に十分な柔軟性が有れば、各々への衝撃を分散できますが、足首の関節が固くなってしまうと足首で衝撃を吸収できず、全て足底に衝撃が伝わる為に足底に過大な負荷が掛かってしまい、結果として足底部に激痛を伴います。
即ち、足関節の運動で大きな役割を果たしているのは前脛骨筋と腓腹筋(鮃筋も)なのですが、当筋群の拘縮によっても足関節への負担が過多になる為、その柔軟性を取り戻すことが肝要になります。
又、長時間立位姿勢を続けると、足底で体重を支え続けなければならず、負荷が過多になります。元来、人間には解剖学的構造上、二本足で長時間立ち続ける能力は備わっていない為、長時間の立位姿勢状態は、足底への負荷が増し、当疾患への引き金となります。腓腹筋の異常な緊張による浮腫感も併発します。
足底腱膜は踵骨の内側底面に起始し、足趾の基節骨に停止します。下半身は股関節・膝関節・足首・足底アーチの4関節で、運動時の衝撃を緩和しています。この四つの関節のうち、一つでも柔軟性を失うことで、他関節へ掛かる負荷はより一層増します。
アーチが高過ぎても低過ぎても、当疾患に罹りやすくなりますので、適度な高さに調整する必要が有ります。
当疾患はむしろ、足底腱膜を構成するアーチ、特に内側に位置する筋群へ刺鍼していきます(電気鍼)。
同時に、足関節の運動を為す前脛骨筋及び腓腹筋の緊張を解いていきます。
RSD(反射性交感神経性ジストロフィー)との判断が難しいことも有り、尚且つ、当疾患では歩行障害も伴う為、早期の治療が肝心です。