kakuregaokaO

鶯が鳴いている 夕暮れが近い

 

風が通り抜けるのを、木の葉がざわ、と教えてくれる

風に乗って、海猫の声も

海の方から、辿り着く

 

鳥居の向こうに眠る、スサノオ

石段に、腰掛ける僕

スサノオに抱かれるように

 

僕は今、何をしているのか 何をさせられているのか

そんなことさえ、気にならない日々

 

遠い昔、決めたように

 

流れる

 

雲のように

 

川面に浮かぶ木の葉の様に

 

僕の想いは、スサノオの想いでもあるのか

 

鳥は告げる

 

気にしないで

あなたは歩いてる 本当の道を

そのまま、行けばいい

 

それは、人の知らない道

 

新しい道

 

ふと、スサノオが笑った、そんな気がする

 

だから僕は、ただ、そっと

 

二本の煙草に、火を、灯す