愚痴

2009年08月05日

『酒が飲みたい夜は』

f106bfc1.jpg今日は午後からあれこれの打ち合わせが続き、さてようやく仕事ができるかとほっとしたと思ったら、夕方7時から急に週刊誌表紙の撮影スケジュールが入り、千駄ヶ谷のスタジオに向かいながら、「さて撮影終わったら今日中に装丁あと2冊仕上げなくっちゃいけないよなあ」と、ちょっと憂鬱な気分になって、なんだかこのままもうビールでも飲みにいっちゃおうか、とか思ったりして、高田渡の『酒が飲みたい夜は』という唄のことをぼんやり考えていた訳です。こんな歌詞

♪ 酒が飲みたい夜は 酒だけではない
未来へも口をつけたいのだ
日の明け暮れ うずくまる腰や
夕暮れとともに沈む肩
 
血の出るほど 打たれた頬が
そこでもここでも まだ火照っているのに
うなじばかりが 真っ青な夜明けを
真っ青な夜明けを待ち望んでいる

と続くんだけど、この歌詞はシベリア強制収容所に抑留された体験を持つ詩人、石原吉郎の作で、元の詩は

酒がのみたい夜は
酒だけでない
未来へも罪障へも
口をつけたいのだ
日のあけくれへ
うずくまる腰や
夕ぐれとともにしずむ肩
酒がのみたいやつを
しっかりと砲座に据え
行動をその片側へ
たきぎのように一挙に積みあげる
夜がこないと
いうことの意味だ

となってるようだ。
極限状況での「倫理」や「希望」の意味を考え抜いた詩人の作品で、なかなか一筋縄ではいかない詩だなあ。

とかとか、そんなこんだを考えてるうちに、本当に酒を飲みたい気分なのか疑問になり、撮影を終え、事務所に戻って装丁の続きをはじめている訳です。

shige4 at 22:07|PermalinkComments(0)