2010年09月

2010年09月27日

初めての英単語

休日にふと思い立ち、野球好きの長男に英単語をいくつか教えてみた。

まず、STRIKE

ふだん、SUTORAIKUとしか知らないところ、「“STRI”を一気に読むんだ」と教えたら興味を持ってくれた。
KUでなく、“K”で終わること。さらには何故か“E”が付くこと。
不思議そうな顔をしながらも、知的好奇心を少々くすぐられたようだ。

次に、BALL

ポイントは日本人の最難関の1つ、LとRの違いだ。
STRIKEの“R”とBALLの“L”。
舌の使い方を教えると、3回に1度ぐらいは上手く言える。

BAT

同じ“A”でも、BALLの“A”とは音が違う。

・・・などなど簡単ではない。


でも、そこは小学3年生。
頭や理屈で覚えようとするのでなく、教えたとおり素直に発音しようとする。

RIGHTになぜ“GH”が入ってるのか、GIANTSとDRAGONSで“G”の音が違うとか、大人だったら気になるようなことがたくさんあっても、「そういうものなんだ」で済んでしまう。


おそらくどんな言葉にも抵抗感が少ないんだろうな。

英語圏に住めばあっという間に身につくんだろう。
親父の仕事がドメスティックで、申し訳ない気持ちになってしまう。

彼は、これから英語に一生悩み続けるのか、武器にしていくのか分からないが、語学は楽しみながら習得してもらいたいと思う。

語学は、グローバルかつ情報社会を楽しみながら生きるための基礎的なツールなのだから。


shigetoku2 at 23:52|PermalinkComments(2)TrackBack(0) 家族と教育、子育て 

2010年09月25日

災害救助犬を育てよう

子どもたちと一緒に、解体中の狛江市立第七小学校へ災害救助犬の訓練を見学しに行った。

災害救助犬は、がれきに埋もれる人間の臭いをかぎつけ、発見するとワンワン吠えて知らせる、災害時には欠かせない存在である。

もとはと言えば、長男が「出動!災害救助犬トマト」の読書感想文を書き終えた8月終わり頃、ある新聞記事を目にしたのがきっかけだ。

災害救助犬や聴導犬、介助犬を育成するアジア・ワーキング・ドッグ・サポート協会傘下のS.A.R.D.(SEARCH AND RESCUE DOG)東京事務所代表・下條哉子さんが、実践的な訓練場所を探し求めて、中学時代の同級生である狛江市役所の課長さんに相談した。
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市内ではちょうど、小学校の解体工事が予定されており、副市長さんが新潟県中越地震の救助活動のご経験があり理解が深かったこともあって、今回の訓練の実現に至ったという。

何事も熱意と人脈、そしてタイミングが重要だ。




災害救助というと、さぞかし体が大きくて強そうな犬が勢揃いしてるんだろうと想像していたのだが、さにあらず。

ラブラドールリトリバーやシェパードのような大型犬ももちろんいるが、毛の手入れの行き届いたプードル、ちょこまかと動き回るダックスフントなど、愛らしい飼い犬がそのままがれきの上に登場する。
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小型犬は、斜面を登るのが大変だったりするが、狭い隙間をかいくぐって救助にあたることができるので、一概に不向きとは言えないそうだ。

2010_0920_130252-P9200106また、災害救助犬としての適性は、犬の種類とか嗅覚能力よりも、個々の犬の性格的な要素のほうが大きいという。たとえば、神経質すぎる犬は災害現場のような非日常の場所には不向きだったりする。

人間の場合と重ね合わせても、想像がつく話だ。


ところで訓練の一場面で、犬が、要救助者役の人が隠れていた場所と真逆の方向に走り出した。
「おいおい、どっちいっちゃうんだ、大丈夫かいな?」と思っていたら、やがて元に戻ってきて、無事に人を発見した。

訓練員の方のお話によれば、風が要救助者の臭いを運び、犬を風下方向に導いたが、臭いのもとがそこに存在しないと分かり、戻ってきたのだという。

目で見て物事を理解しようとする人間と、臭いを頼りにする犬の行動原理の違いだ。
分かっているようで、実際に目にしてみると興味深い。

災害救助犬は、警察犬と異なり、最初に犯人(要救助者)の臭いを記憶してから探し始めるわけではない。
捜索活動をする人間など、多数の人間の臭いが混在する中で、特定されていない(存在するかどうかも分からない)要救助者の臭いを嗅ぎ分けて探し当てるのだからすごい。


さて、第七小学校の解体現場を使えるのは、その日限りである。

次回の訓練のため、また別の訓練場所を探しまわらなければならないのである。

民間建築も含め、解体工事はまちじゅうで日常的に行われているはずだが、現場に立ち入って訓練する場所の提供をお願いしても、なかなか受け入れてくれないのが実情だそうだ。
確かに、解体工事を行う業者が場所提供するためには、工期の調整に手間やコストがかかるに違いない。
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もちろん、事故や怪我は訓練者側の自己責任であり、ボランティア保険にも加入している。

それでも災害救助犬の意義への理解は十分浸透しておらず、なかなか積極的な協力者が見つからないようである。

災害時の備えとして、こうした訓練活動が不可欠であることをもっと周知していかなければならないと思う。


前述したように、ごくふつうの飼い犬を訓練すれば、災害救助犬に育てることができる。
飼い主の方々と話すと、訓練を続けることは大変だが、愛犬との間で通常以上に信頼関係を強めつつ、社会の役にも立てるという楽しみや喜びが大きいそうだ。

社会貢献と自己実現。

今回の訓練に参加されていた方々の明るい笑顔が印象的だった。

shigetoku2 at 10:23|PermalinkComments(1)TrackBack(0) NPO | 行政・地方自治

2010年09月13日

放課後が変われば、教育が変わる

第11回「地域力おっはー!クラブ」のゲストスピーカーは、放課後NPOアフタースクール平岩国泰さん

このNPOでは、社会人による“市民先生”が、放課後の小学生たちにプロの技を教えるプログラムのコーディネートをしている。


【以下、平岩さんのプレゼンの(勝手な)要約】
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子どもの放課後の風景はずいぶん変わった。

昔は近所の子たちがお互いの家を訪ねて声掛け合ったりして、何となく集まって遊んでいたが、最近はアポなしでは遊ばないようになった。

外で遊ばずTVゲームで遊ぶ。

夕刻に、子どもの連れ去り事件が相次いだこともあった。

色んな意味で、放課後の過ごし方を変えなければならないという強い想いに駆られた。


「ゲームより面白く、塾より学びがある放課後」を目指そうと、’05年の長女誕生を機に、放課後活動を開始し、これまで5年間で100種類以上のプログラムを開催、1万人以上の子どもが参加した。

本物の大人との出会いを通じた体験プログラムである。

地域の方々からすれば、NPOの活動は、行政と比べ継続性が心配されるため、地域に根付き、地域に入り込んでコーディネートすることを心がけている。

’06年から世田谷区内の地区会館にて開催、’07年には区内の学校、’08年には港区や目黒区の学校へと活動に広がり、企業との提携プログラムも始まった。


衣・食・住にかかわるモノづくりが中心テーマである。

例えば、食をテーマに、シェフの市民先生が登場。
シェフの方は、しゃべりはそれほど得意でないことが多い。でも、本物の技を見せるからこそ、子どもたちは多くを学ぶ。
プログラムをきっかけに料理が好きになり、色んなことにトライ&エラーを繰り返す習慣が身に付き、学校の成績まで伸びたというケースもある。

みんなで家を建てるプログラム。
プロの建築士さんに対し、子どもたちがつくりたい建物をプレゼンし、それをもとに建築士さんが設計する。
設計に基づき1年かけて完成した“自分たちの家”は、2年連続グッドデザイン賞を受賞した。

音楽では、元かぐや姫の山田パンダさんがギターを教えてくれたりする。
障害児の子も、普通の勉強ではなかなか大変でも、音楽活動なら健常児と一緒に活動できる。

弁護士さんの協力を得て、模擬裁判を行った。
小学校低学年がうまくやれるだろうかと心配したが、被告人を訊問し、判決をうまく出すことができた。
弁護士さんからは「学校の勉強とちがって、世の中に出ると必ずしも“正解”はない。みんなで議論し、納得感のある結論を出すことが大事」との話があった。

企業からも協力いただいている。

ハーゲンダッツ社は、アイスクリームの重さを比べ、なぜハーゲンダッツが美味しいのかを解説。
放課後プログラムでの評判が良いので、今では学校の授業への引き合いもある。

松屋銀座では、店頭での売り子体験。
本当の売り場で本格的な体験を行うため、5回にわたって訓練を行い、その上で実地で本番。

TBSテレビ・ラジオでは、記者として取材をし、原稿書き。
本物のアナウンサーが原稿を読んでくれたり。


今後は特に、学校と放課後NPOとの協力関係の強化に取り組んでいきたい。

来年からは、私学との提携実績の積み重ねの結果、新渡戸文化学園(中野区)で、夢のアフタースクールが開校する。

全国各地に放課後NPOが広がっていくことを目指している。

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多くの大人が“市民先生”になり、子どもたちの学びの場が広がっていく社会。

上述の弁護士さんのコメントのとおり、世の中に“正解”はない。
特に成熟国家となったこれからの日本には、往時の「成功パターン」はないのである。

職業、経済、教養文化、科学技術、自然環境、食と農、家庭生活・・・。豊かさの尺度や価値観も様々だ。

そんな社会で生きていくため、子どもたちには幅の広い経験や視野を持ってもらい、狭量な考え方にとらわれずに生きる意義を見出してもらう必要があるのではないだろうか。

メディアの言うことが正しい、行政の言うことが正しい、周りのみんなが言ってることが正しい・・・。
自らの力で本質を考えることを置き去りにして、何となく他人が決めた生き方をしなければ間違うのではないかという不安。
日本をこんな閉塞的な社会にしてはならない。

色んな生き方をしている人々との出会いが、自ら考え行動することにチャレンジするきっかけとなる。
そんな出会いやきっかけに満ちた、夢あふれる温かな社会を目指したい。


放課後が変われば、教育が変わる!」。

平岩さんのNPOのキャッチフレーズである。

こんな風に、将来への責任感と気概をもって社会変革に取り組み、仕掛け続けるリーダーがどんどん登場することに期待したい。

日本の未来は、みんなでつくるのである!

shigetoku2 at 08:11|PermalinkComments(0)TrackBack(0) NPO | 家族と教育、子育て

2010年09月06日

パーソナルサポート実現へ、NPOの課題

NPOが若者就労・自立支援を行う横浜の「パーソナルサポーター特区」は、NPO相互、そしてNPOと行政との連携協力体制をいかに構築できるかがカギを握る。

お盆明けから、ユースポート横濱理事長の岩永さんらと一緒に、横浜市内のNPOなどを回りながら発したツイートを以下に編集してみた。

【以下、拙ツイッターより抜粋】
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ヨコハマ特区では、複数のNPOが共同で若者自立・就労を支援することにしています。
今日から各NPOをまわり、具体的な連携体制について個別に議論を始めました。
行政との協働も重要なポイントです。
単なる業務委託でなく、NPOがタテ割りを超えたイニシアチブを発揮できるかが成否を握ります。

不登校の生徒が通う楠ノ木学園
NPO法人なので、学校法人と異なり財政支援はなく、学費を払える高所得者しか通えません。
不登校状態は本来でなく、学校に通うのが本筋というのも分かりますが、不登校の背景には、家庭環境や発達障害などがあり、社会全体の課題と捉え直す必要があると思います。

引きこもりの若者が社会への第一歩を踏み出すための居場所(よこはま西部ユースプラザ)を運営しているNPOリロード
精神疾患や貧困への支援(医療、生活保護、住居確保)とか、就労訓練などとのつなぎをもっと充実させたいそうです。
そのためには行政のタテ割りを超える必要もありそうです。

横浜市寿町で20年来、路上生活者支援に取組む寿支援者交流会の高沢さん
自立生活をするのに必要なのは、住居や就労体験などの受け皿。
要支援者の増加により、相談後のアフターケアも大変だそうです。
個人情報の取扱いを含む、行政とNPOとの協力体制づくりも課題になりそうです。

横浜市磯子区の商店街で若者自立を支援するNPO夢・コミュニティ・ネットワーク
「他の支援団体との間で、要支援者本人も含めた、顔の見える関係が必要。行政にはちょっとした気の利く動きをしてもらいたい。」
この「ちょっとした」が意外と難関なのが現状です。言葉の通じる官民関係を作りたいです。

(株)シェアするココロの石井さんと織田さん
生活保護世帯を家庭訪問し、若者を引きこもりから脱却させる活動を続けて来られました。想像を絶するスキルと労力です。
また高校生に対し、就職後を展望した指導を行う必要があるとのこと。本田由紀著「教育の職業的意義」を想起しました。

NPO「月一の会
社会になじめない若者の居場所(横浜市北部ユースプラザ)を運営されています。
就労前のニーズだけでなく、就労後も若者が心の安寧を求め訪ねて来るそうです。
“居場所”の公的な必要性はなかなか理解されにくいようですが、若者の仕事定着を支える役割もあるかもしれません。

DV被害者を長らく支援して来られたNPO「かながわ女のスペースみずら」の阿部さん
一時保護から精神医療、行政との調整手法まで、話せば話すほど奥深いです。
ヨコハマ特区の若者支援は、NPOの知恵と行政のリソースを組み合わせ、官民融合による公共サービスの最適化を進めなければなりません。

コンピュータデザイン専門学校のアーツカレッジ・ヨコハマ
企業の協力を得て、女子学生4人がウェブ製作を実践経験してました。
先々が展望できる就職口があれば、スキル習得への意欲も高まります。
雇用開発とマッチングもパーソナルサポートの重要な役割になりそうです。

神奈川労働局
ハローワークでは、職員削減と求職者増により、個別対応がじっくりできないようですが、NPOに必要な情報共有やパートナーシップの必要性については、部長さんの理解を得ました。心強いです。

生活保護ケースワーカーとの連携について、横浜市保護課
個人情報取扱いのルール化など課題はありますが、大筋の方向性は一致しました。
問題意識を共有できる方々と話すと、前進する意欲が高まります。
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・・・ざっとこんな状況である。

色んな人たちと話せば話すほど、さらに連携する必要のある組織・団体が登場してくる。
この分野の課題は山積みである。


8月23日に開催された内閣府の第3回「パーソナル・サポート・サービス検討委員会」を傍聴し、認識を新たにした。

雇用問題が、景気に左右されるのは当然だが、新卒時の景気次第で一生が決まってしまう構造が続けば、正社員になれない人は不安な人生を永久に強いられる状況になってしまう。

このままでは社会不安が高まる懸念がある。

高度経済成長期の「新卒・正社員・終身雇用」という成功体験的パターンは、現代日本では通用しなくなってきていることを多くの方々が認識し、今後の社会の姿、あり方をよく展望しなければならないと思う。


shigetoku2 at 08:11|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 行政・地方自治 | NPO