2011年12月

2011年12月08日

民に尽くす政治とは

真珠湾攻撃で日本が不幸な戦争の口火を切った日から、ちょうど70年経ちました。

ほんの70年前、という感じがします。
当時の政治決断は、とてもじゃないが国民のことを考え、国民の幸せを願ったものとは思えません。


ところで、元世界銀行副総裁で南アジアの支援を手掛けてこられた西水美恵子さんが、今朝の新聞紙上のインタビューでこう述べています。

【以下、中日新聞より抜粋】
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私はブータンという国に出会って目覚めました。
先日、ワンチュク国王が来日されたので、ブータンの国民総幸福量(GNH)という考えは日本でも有名になりましたね。
・・・
人口70万人、面積は九州ぐらいの小さな国が中国、インドにはさまれています。
武器では太刀打ちできないから人間の幸せを中心に考える。
GNHはブータンの国家安全保障戦略そのものです。

ブータンと日本の違いは、国をつかさどる人の本気度。
自分の足で歩き村人の家で寝泊まりし、ヒルに血を吸われるような生活をする国王が「国民目線」といえば、信頼しますよ。
だから国民は現国王を「ピープルズキング(人民の王)」と尊敬しています。

日本の政治家が「国民の目線。被災者の目線」と言っても、視察に行っただけでしょう。
リーダーの姿勢、信念、情熱、本気度。
民に尽くすということが何かを知っているかどうかだと思います。

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政治への信頼低下が言われて久しい日本ですが、他者を批判するだけの政治は「民に尽くす」姿勢と限りなく遠いと思います。

大事なことは、まず国民一人ひとりが社会の担い手として、当事者として、社会に責任を持ち、社会に貢献することであり、政治家の仕事は、そういう尊い人々を下から支え続けることだと思います。

上から目線で、上から何かをばらまく政治は、右肩上がりの時代にはひょっとしたら通用したのかもしれません。

しかし、もはや時代が求めるものは違います。
近年求められる「政治のリーダーシップ」「決断力」というものも、政治家が国民と手を携え、国民と心を合わせて歩み、国民の暮らしを歯を食いしばって懸命に下支えする姿勢の中から生まれてくるのではないでしょうか。


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2011年12月07日

指揮者の魂

今年も、首都圏の岡崎高校同窓会「首都圏段戸会」の総会が開かれました。

恒例の同窓生による講演会は、「指揮者の役割とは」の演題で、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団の指揮者(アソシエイト・コンダクター)の大河内雅彦さんでした。
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(首都圏段戸会HPより。以下の写真も)
私の1つ下で、幸田町出身。
中学時代に岡崎高校の先輩の指揮を見て、「指揮者になりたい!」と目覚め、指揮をやるために岡高に入ったという逸材というか変わり種(!)です。

高校時代は、音楽の道に進むことを周囲に大反対されたそうですが、本人いわく「周囲が反対するのは当たり前。いま僕も若い人には『やめとけ』と言ってます。それでやめる子はそれまでの子です」と、さすがに道を切り開いてきた人物の言葉はスッパリしている。

当日はオーケストラの代わりに、ご友人2人のピアノ連弾でベートーベンの「運命」の演奏をしてくれました。
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ピアノでこれほどの演奏ができるんだ!とみんな感動してました。
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また、会場から2名が手を挙げ、「運命」の冒頭部分の指揮に挑戦しました。
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が、なかなか思うようになりませんね・・・(苦笑)。
指揮って本当に、高度で、不思議な技です。

本題の「指揮者の役割とは」について、大河内さんは次のように語ってくれました。

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指揮者は唯一の音を出さない人間。
(ある有名なピアニストから「指揮者は間違った音出さずに済むからいいね」と言われた。)

「コミュニケーション イズ オール」。

指揮は、オーケストラとのコミュニケーションがすべてである。

いわば指揮者にとっての楽器はオーケストラであるが、オーケストラは一人一人が音楽に対するアイデアやプライドもっている人間で構成されている。
このため、指揮者の意見を受け入れてもらうためには、演奏する側の音楽性を認め、共有し、共感してもらう必要がある。
自分の主観・個性を出すことより、作品意図を聴衆に伝えるための黒子に徹する。
なんだかんだ言いながらも、最後は「こいつの言うことなら聞いてやろう」という気持ちにさせていくことが必要。

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「コミュニケーション イズ オール」は、オーケストラに限らず、人間社会の本質にも通じると思います。

首都圏段戸会の仲間には、大河内さんのような新進気鋭のアーティストから、分子工学研究の第一人者の福山透さんのような大先輩もいらっしゃる。

年代、分野を超え、交流とつながりが深まる同窓会が、今後もずっと続いてほしいと思います。

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2011年12月06日

渋滞緩和策の3車線化は英断

ここを通る人は、いつも疑問と不満を持ち続けてきたことでしょう。

東名高速の豊田・岡崎・音羽蒲郡IC付近。

なぜ訳もなく、いつも渋滞するんだ!?

先般、NEXCO中日本は、この渋滞解消のため、「第二東名が完成するまでの暫定措置として」、車線の幅を狭くして、2車線を3車線にしました。
英断だと思います。
こういう決断って、日本ではなかなか見られないように思います。

実際走ってみると、車線が増えたおかげでスイスイ進みます。
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この写真を見ると、これまであった路肩をなくし、従来の車線をずいぶん狭くして3車線化したことが見てとれます。
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でも大きなトラックなどは、車線いっぱいに幅をとるようになったので、並んで走るのがちょっと怖いです。

この3車線区間は、速度制限を60kmにされていますが、万が一にも、3車線化したがゆえの事故が起こらないことを願います。
起こってしまうと、せっかくの英断が水の泡です。

報道によると、この3車線化により「渋滞が99%なくなり、事故も減った」そうです。
成果もちゃんと出ています。

安全第一の運転を心がけ、みんなで快適な移動を楽しみましょう。

shigetoku2 at 09:53|PermalinkComments(1)TrackBack(0)

2011年12月04日

子どもの冒険遊び場「プレーパーク」

プレーパークって、ご存知ですか?

禁止事項をなくし、「自分の責任で自由に遊ぶ」をモットーに掲げた遊び場です。

以前、東京の世田谷公園内で運営されているせたがやプレーパークについて、このブログに書いたこともあります。

豊田市にも、鞍ヶ池の少し奥まったところに鞍ヶ池プレーパークがあるんです。
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通常の公園と違い、山の斜面をそのまま生かした形状で、子どもたちが自由に遊べるよう、工具や木片も置いてあります。
長久手のゴジカラ村をなにか連想させます。

プレーパークのチラシには、こう解説されています。
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「危ない!汚れる!早く!仲良く!順番でしょ!」
「せっかくだから〇〇しなさい」
そんな言葉をグッと飲み込んで、子どもたちをとことん遊ばせよう。

「大ゲンカのくやしさ」「苦労した末の大失敗」「やりとげられた誇らしさ」
大人には教えられないこんな体験を子どもたちに手渡そう。

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うちの子どもたちも、さっそく木切れを手に、ノコギリと金づちで工作を始めました。
「船つくるんだ!」、「ゾウつくるんだ!」と大盛り上がりです。
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薪を燃やし、焼きトウモロコシやカラメルづくりも始まりました。
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先のチラシはこう続けます。
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親なら誰でも子どもに対して
失敗してほしくない
困らせたくない
ケンカなどトラブルを起こしてほしくない
人に迷惑かけてほしくない

・・・そんな思い少なからずありますよね。
これは仕方ないことかもしれません。

失敗するから自分のできることとできないことが分かり、
1人ではできないから、仲間と協力することを覚える。
迷惑をかけ合うからこそ、人との距離感を知り、
感謝の気持ちが生まれる。

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失敗させないために、転ばぬ先の杖を差し出し、転ぶ経験をさせないことが、子どもにとっていいことなのでしょうか?

考えてみれば、子どもたち同士がケンカを始めたときに自分の子を叱るのは、子どものためでなく、相手の子どもの親の目を気にしてのことも多いと思います。

親同士の理解のもと、子どもがまっすぐに育つ場がもっともっと必要だと思います。

shigetoku2 at 15:52|PermalinkComments(2)TrackBack(0)