2012年04月

2012年04月12日

生物は、設計図どおり生きているんじゃない

大ベストセラー『生物と無生物のあいだ』の福岡伸一さん(青山学院大学教授)がラジオで語っておられました。

非常に面白い話です。

【以下その概要です(私の意訳を含む)】
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20世紀、生物の本質は遺伝子だと言われていました。

しかし、重要な遺伝子を取り除いたマウスが、平気で生き、繁殖を続けるのです。
これはなぜでしょう?

遺伝子は生物の設計図であり、音楽でいうと楽譜に過ぎません。
楽譜をどう演奏するのか、時間や音の強弱をどう使うのかは、演奏者にゆだねられているのです。
音符が1つ抜けても、音楽は成り立つ。
楽譜が音楽を支配するわけではないのです。

生物は、遺伝子という設計図どおり機械的に生きているのではなく、常に動きながら、バランスをとりながら生きているのです。
設計図にないことが起こっても、何とかしてしまおうとします。

これを私は「動的平衡」と呼んでいます。

鴨長明は「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず」と言いましたが、同様に生物も常に「流れ」ている。
人間の体も常に入れ替わっています。
ウンチは食べ物のカスと思われていますが、実はウンチの半分は私たちの体の一部が破壊されたものなのです。
1年もすれば肉体はすっかり別物になる。

たとえば学校という存在だって、先生も生徒も毎年入れ替わるのに、校風は変わらない。
物事の本質は「動的平衡」なのです。

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なるほど、私たちは、この世に生を受けた以上、他者から支配されることなく、自分の意志や主体性をもって生きたい。
可能性は有限ではなく、無限だと思いたい。
規則的に機械的に生きるなんて、ありえない。
人生の使い方次第で、いくらでも豊かに生きられるはず。

生物の構造を解き明かすお話を聞く中で、私たち人間の生き方にも想いを致しました


ところで、福岡伸一さんが、従来の西洋的遺伝子論に対し、生物の本質は遺伝子ではないと気づいたのは、生物学者として巨額の実験に失敗した時に発見したそうです。

失敗した時こそが、学べる時なのですね

shigetoku2 at 18:04|PermalinkComments(2)TrackBack(0)

2012年04月10日

障がい者の仕事を企業からアウトソーシングする工夫

(有)カタリスト社がこの4月から、障がい者就労移行支援「あるく」をスタートしました。

障がい者個々人の適性をみながら、必要なスキルを身に付けるための訓練を行い、具体の仕事をもらえるよう企業とつなぎます。
カタリスト3



たとえば犬の画像をPC上で切り抜くという作業スキルを障がい者の方に身につけてもらい、デザイン会社から仕事をもらうのです。
きめ細かい犬の毛並みに沿ってマウスを動かして切り抜くという地道な作業は、デザイナーさんとしてはアウトソーシングしたくなる仕事なのでしょう。
カタリスト1


私も、PCでの細かい作業を体験してみましたが、なかなか骨が折れます。
カタリスト2


一方、障がい者が担うことのできる仕事は、会社の仕事の一部分であって、それ自体では自己完結しないことが多いです。

したがって、企業は、障がい者に丸ごとアウトソーシングできない場合、企業組織内の業務フローの見直しを伴うため、企業組織と障がい者職場との間に立つコーディネーターの役割は重要です。

“コーディネーター”といえば、養護学校も、通常の学校よりも就労へのつなぎを意識した教育を行っていますが、どうしても学校という立場上、企業との関わりは手薄になります。

このため、学校と企業との間に立ち、就職後も障がいを持つ若者をフォローし、サポートする民間の仕組みを充実させる必要があります。


現状では、障がい者の方が、作業所で売れそうな物を作るイメージがほとんどありません。
企業も法定雇用率をクリアする頭しかないことが多いです。

しかし工夫次第で、企業がより大きな利益を得つつ、働く人がより豊かな人生を送ることが可能となるはずです。
その工夫を創造することにもっと価値を認め、社会全体で推進するべきです。

shigetoku2 at 14:17|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2012年04月07日

介護タクシーを普及させよう!

介護タクシーって、知ってますか?

自宅などで暮らしている車イス利用者がもっと気軽に外出できるようにするため、介護ケア付きのタクシー(介護タクシー)を普及させようという動きが名古屋で始まりました。

これまで料金やサービスがまちまちで分かりにくいと言われてきた介護タクシーですが、これを適切に予約配車できるよう、一般社団法人「福祉・介護移送ネットワークACT」(代表理事:鎌倉安男元名古屋市議)が中心になって、4月から「ACTすまいるコールセンター」を立ち上げたのです。

ACTとは、「愛知・ケア・タクシー」の略。

野村忠生氏(日本福祉大学事業顧問)、石田芳弘氏(元衆院議員)、さいとうまこと氏(名古屋市議)、中山禎子氏(自治労名古屋社会福祉協議会ユニオン執行委員長)と並んで、私も、発起人の一人に名前を連ねさせていただきました。

3月4日にキックオフ会があり、介護タクシーの普及への想いを語り合う場となりました。
こんな若い女性も、強い信念を持って一生懸命、介護タクシーを運行しているんです。
介護タクシー



しかし介護タクシーの現状には、たくさんの課題があります。

利用者側から見ると・・・

・車いすのまま、タクシーに乗れるの?
・どこに頼めばいいの?
・無愛想なドライバーだったらどうしよう
・料金がバラバラで不安


事業者側から見ると・・・

・開業したけど営業方法が分からない
・予約が重なったら、お断りしなければならない
・予約がないときはヒマで不安
・急な事故や病気でお客様に迷惑かけたらどうしよう


ACTが実施したアンケートによると、福祉や社会貢献を動機に、介護タクシーに参入するが、実際の事業性については「思ったより厳しい」とする事業者が8割です。
そして、今後の需要は拡大する見込みだけれども、過当競争によるサービス水準低下が懸念されるとの声が多いのです。

そこで、「ACTすまいるコールセンター」は、次のことを目指して開設されました。
‥渡丹賈椶任翰徊渉未蠅亮嵶焦杣
⇒縮鷸に料金見積もり
宣伝効果による潜在需要増
じ率良い配車で機会損失を回避
サ泙併故等もACTで対応、重複予約はACTで逆配車


お年寄りの方々が要介護状態になってからの期間は、明治時代には半年程度だったのが、いまは著しく長期化し、12年程度にもなったと言われています。

要介護者が気軽に外出できるような行動の自由を担保することで、幸せに長生きできる社会をつくらなければなりません。


介護タクシーのサービスを展開するためには、介護保険や運送業法制など制度上の見直しや、関係機関・業界との連携もまだまだ必要な面がありますが、第一歩として、民間の立場から、現場の叫びをカタチにして、ネットワークとコールセンターの仕組みを作り上げるという今回の取り組みに大いに期待しています。

shigetoku2 at 04:29|PermalinkComments(6)TrackBack(0)

2012年04月05日

森林ビジネスを成り立たせるためにも教育が大切

フルハシEPO社の前田雅之研究開発室長さんから木質バイオマスについてのお話を聞きました。

木質バイオマスとは、建築材の廃材や、森林で伐採した間伐材などを再利用して、エネルギーに変換する仕組みをいいます。

フルハシEPOさんは、川崎市に国内最大、33メガワットの木質バイオマス発電施設を持っています。
3・11震災による電力不足もあって、東京電力に100%売電しているそうです。(写真:川崎バイオマス発電(株)HPより)
川崎バイオマス発電所写真



ただ、全国的な木材再利用の実態をみると、
・工場残材は340万トン発生し、90%再利用
・建設発生木材は410万トン発生し、95%再利用

なのに、
間伐材は800万トン発生するのに、ほとんど再利用できていないそうです。


つまり同じ木材でも、いったん建築材などとして都市部に集積されれば、その後もバイオマス工場に運搬しやすいのですが、森林で伐採した間伐材をわざわざバイオマスのために工場に集めるのは、コスト的に難しいということです。

また、間伐材は直前まで生きていた木なので、含水率49%(建設廃材は14.5%)と、燃焼しにくいというデメリットもあります。

いずれにしても、間伐材も、いったん建築用材や木製容器に加工・利用してから、バイオマス工場で再利用するという流れをつくる必要があります。


フルハシEPO

さて、期待がかかる木質バイオマスですが、これがビジネスとして回っていくためには、行政のサポートも必要です。
補助金など金銭的なことだけでなく、とりわけ教育環境づくりが大切です。

前田さんいわく「目の前にある木製の机や事務用品の材料は、どこから来たのか。国内なのか、海外なのか。国産材だとしたら、どの地方の木材なのか、といったことに幼少のころから関心を持てる教育環境をつくってもらいたい」とのことでした。


これから環境配慮型商品がビジネスとして定着するかどうかは、消費者が値段をとるか、社会性をとるかという消費者マインドによるところが極めて大きいと思います。

人間のための経済であるはずが、経済に人間が振り回される現状。
行き過ぎた市場経済を抑制し、持続可能な地球環境を守っていくことは、21世紀の人類の責務です。

あらためて教育の大切さを実感しました。

shigetoku2 at 12:39|PermalinkComments(2)TrackBack(0)

2012年04月04日

愛知県に移ってこられた被災者の心情

先月、震災で愛知県内に移転して来られた方々との「ふるさと交流会in犬山」が開かれました。
(写真は、挨拶される岡田和明副市長さん)
犬山被災者交流会


交流会場で、私も、釜石市で自営業をしていた女性と1時間ほど話し込みました。

昨年4月から、早々に愛知の県営住宅に移ってこられたそうですが、ご主人は釜石に残り仮設店舗で営業再開。
しかし、地域の住民の数が減る中、経営は思わしくないようです。

被災したふるさとを離れるのか、ふるさとに残って仕事を続けるのか?

この判断がいまだに被災者の方々の心をさいなみます。

被災地から愛知県に来られた方同士で
私、ふるさとを離れてきたけど、いいんだよね?
子を持つ親としては仕方のない判断だよ
やっぱりそうだよね、それでいいんだよね
というやりとりがよくあるそうです。

さらに、ふるさとに帰りたくても帰れない福島の方々に比べ、岩手の自分は文句を言えない、という地域間の違いも出たりします。

そんなに自分を責めなくても、と私たちは思ってしまいますが、裏返せばそれが東北の人や地域の絆の強さなのではないかと思います。
それは、理屈を超えた強さです。

最近では、一時の気分のふさぐ時期が過ぎ去り、人に対して話をしたくなる時期に至っているという見方もあるようで、被災者の方々の置かれた状況が刻一刻と変化しているのは間違いなさそうです。


ところで、この日、犬山はお祭りでした。

でも、本町通りのチンドン屋さんは、お祭りのときだけでなく、通常の週末にも来るそうです!
城下町の底力を感じますね。
ちんどん屋


shigetoku2 at 12:31|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2012年04月03日

若い力こそ、ニッポンの原動力!

幼・小中学生の空手大会「第18回オープントーナメントトヨタカップJr空手道選手権大会」に出席しました。
おいでんプロレス2
小刻みな手わざ・足技で闘う子どもたちに、目が離せませんでした。

精いっぱい力を出して、でも、負けてしまった子は悔しくて涙を隠せません。

悔しいこと、泣きたくなるようなことがなければ、人は大きくなりません。

序列化を嫌い、勝敗をつけることを避けてしまっては、人は育たないと思います。

勝っても、負けても、将来への大きな成長の糧になることは間違いありません。


豊田・おいでんプロレスからもゲストが登場しました。
おいでんプロレス1
影の忍者・猿投さん(左)と、ザ・グレート・足助さん(右)です。


【以下、大会に寄せた私からのご挨拶です】
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若い力こそ、ニッポンの原動力!

「第18回オープントーナメントトヨタカップJr空手道選手権大会」の開催おめでとうございます。

この大会を目標にがんばってきた皆さんは、今日、本番のピリッとした緊張感と、努力してきた自分への静かなる自信が、体の中をみなぎっていることでしょう。
ご家族や大切な方々の前で、日頃の成果を余すことなく思いっきり発揮していただきたいと思います。
道場訓のとおり、「初心忘るべからず、我が道は遠き道なり」です。長い人生を堂々と生き抜くには、青柳政司館長さんはじめ誠心会館の先生方のご指導のもと、礼節を重んじ、体を鍛え、心を磨き続けることが何より大切です。

子どもの頃から、夢や目標を持ってがんばることを体ごと経験した人は、強い心を持った大人になります。
心の強い人は、心のやさしい人です。
他者へのいたわり、地域への愛、社会への責任感を持つ人でいっぱいの21世紀・ニッポンにしていきましょう。

また、勝負ごとに勝ち負けはつきものです。
勝てば嬉しい、負ければ悔しい。
その気持ちを素直に受け止めて、どうしたら心と体がもっと強くなるのか、明日からの糧にしてください。

空手道を通じて、人の道を知り、修練を積んだ皆さんの若い力が、ニッポンの原動力になることを心待ちにしております。

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shigetoku2 at 18:46|PermalinkComments(0)TrackBack(0)