2012年05月

2012年05月11日

定年がなく、70代の多能工が活躍する会社

豊橋の工作機械メーカー(株)西島を訪れました。

この会社は、エンジン部品などを量産するための機械、すなわち「マザーマシン」をつくっています。
マザーマシンは、1つ1つがオーダーメイドで、ゼロからつくりあげるため、社員にはかなりの経験と技能が必要です。
経営上のポイントは2つ。自社一貫生産多能工育成です。
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1つ1つがオーダーメイドということは、当然ながら形も大きさも異なる製品が工場内に並びます。
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140人の社員は、多能工に育成されます。
大企業のように、機械、電気、組み立てを別々の部門で分担したりしません。

設計した社員が、みずから現地へおもむき納品、試運転、調整し、お金もらって帰ってきます。
リーマンショック後、国内需要の比率が下がり、海外へ納品に出向く社員が増えたそうで、豊橋の本社工場で作業する社員がやや少ないように見受けられました。
  
また、自社一貫生産により、他社に外注する必要がないので、納期が短期化している自動車メーカーからの受注にも対応しやすいそうです。
部門横断の能力を持つ多能工の社員が柔軟に対応するわけです。

多能工を育てるには、決まったカリキュラムはなく、人に応じ、長年かけて育てます。

この会社には定年制がないのです。

こちらは最高齢78歳のベテラン社員さんです。
熟練者と若手がペアで作業するのが基本だそうです。
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給料も、年齢に関係なく、技能に応じて支給されるので、60歳を超えても給料が上がっていく社員もいます。

70代で高給もらうと、年金がもらえなくなるのは、能力の高い高齢者の雇用を阻害する。制度を変えてくれ」と西島篤師社長さんはおっしゃっていました。

それにしても、私なんかより30歳以上も年長の方々が会社の屋台骨となっている姿を見て、若い私たちは、もっともっと死ぬ気で働かなければ、という想いに駆り立てられました。

shigetoku2 at 15:56|PermalinkComments(39)TrackBack(0)