家族と教育、子育て

2010年09月27日

初めての英単語

休日にふと思い立ち、野球好きの長男に英単語をいくつか教えてみた。

まず、STRIKE

ふだん、SUTORAIKUとしか知らないところ、「“STRI”を一気に読むんだ」と教えたら興味を持ってくれた。
KUでなく、“K”で終わること。さらには何故か“E”が付くこと。
不思議そうな顔をしながらも、知的好奇心を少々くすぐられたようだ。

次に、BALL

ポイントは日本人の最難関の1つ、LとRの違いだ。
STRIKEの“R”とBALLの“L”。
舌の使い方を教えると、3回に1度ぐらいは上手く言える。

BAT

同じ“A”でも、BALLの“A”とは音が違う。

・・・などなど簡単ではない。


でも、そこは小学3年生。
頭や理屈で覚えようとするのでなく、教えたとおり素直に発音しようとする。

RIGHTになぜ“GH”が入ってるのか、GIANTSとDRAGONSで“G”の音が違うとか、大人だったら気になるようなことがたくさんあっても、「そういうものなんだ」で済んでしまう。


おそらくどんな言葉にも抵抗感が少ないんだろうな。

英語圏に住めばあっという間に身につくんだろう。
親父の仕事がドメスティックで、申し訳ない気持ちになってしまう。

彼は、これから英語に一生悩み続けるのか、武器にしていくのか分からないが、語学は楽しみながら習得してもらいたいと思う。

語学は、グローバルかつ情報社会を楽しみながら生きるための基礎的なツールなのだから。


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2010年09月13日

放課後が変われば、教育が変わる

第11回「地域力おっはー!クラブ」のゲストスピーカーは、放課後NPOアフタースクール平岩国泰さん

このNPOでは、社会人による“市民先生”が、放課後の小学生たちにプロの技を教えるプログラムのコーディネートをしている。


【以下、平岩さんのプレゼンの(勝手な)要約】
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子どもの放課後の風景はずいぶん変わった。

昔は近所の子たちがお互いの家を訪ねて声掛け合ったりして、何となく集まって遊んでいたが、最近はアポなしでは遊ばないようになった。

外で遊ばずTVゲームで遊ぶ。

夕刻に、子どもの連れ去り事件が相次いだこともあった。

色んな意味で、放課後の過ごし方を変えなければならないという強い想いに駆られた。


「ゲームより面白く、塾より学びがある放課後」を目指そうと、’05年の長女誕生を機に、放課後活動を開始し、これまで5年間で100種類以上のプログラムを開催、1万人以上の子どもが参加した。

本物の大人との出会いを通じた体験プログラムである。

地域の方々からすれば、NPOの活動は、行政と比べ継続性が心配されるため、地域に根付き、地域に入り込んでコーディネートすることを心がけている。

’06年から世田谷区内の地区会館にて開催、’07年には区内の学校、’08年には港区や目黒区の学校へと活動に広がり、企業との提携プログラムも始まった。


衣・食・住にかかわるモノづくりが中心テーマである。

例えば、食をテーマに、シェフの市民先生が登場。
シェフの方は、しゃべりはそれほど得意でないことが多い。でも、本物の技を見せるからこそ、子どもたちは多くを学ぶ。
プログラムをきっかけに料理が好きになり、色んなことにトライ&エラーを繰り返す習慣が身に付き、学校の成績まで伸びたというケースもある。

みんなで家を建てるプログラム。
プロの建築士さんに対し、子どもたちがつくりたい建物をプレゼンし、それをもとに建築士さんが設計する。
設計に基づき1年かけて完成した“自分たちの家”は、2年連続グッドデザイン賞を受賞した。

音楽では、元かぐや姫の山田パンダさんがギターを教えてくれたりする。
障害児の子も、普通の勉強ではなかなか大変でも、音楽活動なら健常児と一緒に活動できる。

弁護士さんの協力を得て、模擬裁判を行った。
小学校低学年がうまくやれるだろうかと心配したが、被告人を訊問し、判決をうまく出すことができた。
弁護士さんからは「学校の勉強とちがって、世の中に出ると必ずしも“正解”はない。みんなで議論し、納得感のある結論を出すことが大事」との話があった。

企業からも協力いただいている。

ハーゲンダッツ社は、アイスクリームの重さを比べ、なぜハーゲンダッツが美味しいのかを解説。
放課後プログラムでの評判が良いので、今では学校の授業への引き合いもある。

松屋銀座では、店頭での売り子体験。
本当の売り場で本格的な体験を行うため、5回にわたって訓練を行い、その上で実地で本番。

TBSテレビ・ラジオでは、記者として取材をし、原稿書き。
本物のアナウンサーが原稿を読んでくれたり。


今後は特に、学校と放課後NPOとの協力関係の強化に取り組んでいきたい。

来年からは、私学との提携実績の積み重ねの結果、新渡戸文化学園(中野区)で、夢のアフタースクールが開校する。

全国各地に放課後NPOが広がっていくことを目指している。

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多くの大人が“市民先生”になり、子どもたちの学びの場が広がっていく社会。

上述の弁護士さんのコメントのとおり、世の中に“正解”はない。
特に成熟国家となったこれからの日本には、往時の「成功パターン」はないのである。

職業、経済、教養文化、科学技術、自然環境、食と農、家庭生活・・・。豊かさの尺度や価値観も様々だ。

そんな社会で生きていくため、子どもたちには幅の広い経験や視野を持ってもらい、狭量な考え方にとらわれずに生きる意義を見出してもらう必要があるのではないだろうか。

メディアの言うことが正しい、行政の言うことが正しい、周りのみんなが言ってることが正しい・・・。
自らの力で本質を考えることを置き去りにして、何となく他人が決めた生き方をしなければ間違うのではないかという不安。
日本をこんな閉塞的な社会にしてはならない。

色んな生き方をしている人々との出会いが、自ら考え行動することにチャレンジするきっかけとなる。
そんな出会いやきっかけに満ちた、夢あふれる温かな社会を目指したい。


放課後が変われば、教育が変わる!」。

平岩さんのNPOのキャッチフレーズである。

こんな風に、将来への責任感と気概をもって社会変革に取り組み、仕掛け続けるリーダーがどんどん登場することに期待したい。

日本の未来は、みんなでつくるのである!

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2010年05月17日

経産省の山田さん

経済産業省の山田正人さんが、先週末(5/8(土))の朝日新聞beで取り上げられていた。

育児休業を1年間取得し、そのときに貴重な体験をまとめた著書も出された方だ。

地域に飛び出す公務員ネットワーク」のメンバーでもあり、いまは横浜市の副市長をされている。


今回の記事であらためて印象に残ったのは、次の部分だ。

【以下記事より引用】
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保育園の送り迎えでパパ友・ママ友もでき、育児も板についてきたころ、小泉首相の「郵政解散選挙」があった。
ニュースでは連日のように選挙戦が報じられ、画面の向こうの世界にくぎづけになった。
だが、ママやパパたちとは、まるで話題に上らない。
「やっぱり生活の根っこはこっちだよな」。
霞が関特有の熱気に浸ってきた自分とのズレを痛感した。

「かつては『国家』とか『国益』とか大上段の議論ばかりしていた。
だが、それを因数分解したら『家庭の幸せ』に行き着くことを実感したことが育休の最大の収穫でした」。
復帰後は週2回は定時退庁し、3人の子どもを保育園に迎えにいった。

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本来、国家公務員は国民すなわち生活する人すべてのために仕事しているのであるが、霞が関の職場で語られる話題は、国民の日常生活の場面とは乖離していると思う。

もちろん国家公務員が国益や日本の将来を考えなくなったら、他の誰が考えるんだ、という自負を持って仕事をしているわけで、そのこと自体はまったく否定されるべきものではない。

だが、物事を考えるには、バランスというものが必要である。

霞が関の職員で5時や6時に家に帰る者はほとんどいないので、職場の外の世界がどうなっているのか、自分の目で確かめる機会がほとんどないのは事実である。
商店街で買い物する主婦、学校・塾・保育園帰りの子どもたちの姿を知らないばかりか、そもそも自分の家で子どもたちと食卓を囲むこともないのだから、実は平日の家庭のことも何も知らない。

最近、マスコミにも同様のことを言っている方がいた。

「私たちは夕方に記事を書き始め、深夜に帰宅する。たまに明るい時間帯に職場を離れる機会があると、こんなにたくさんの人たちが世の中で生活しているのかと新鮮に感じるほど。いつも帰る頃には、ネオンサインとコンビニしかやってないのでね。でもそれほど社会に触れていない人が書いた記事を読者は読んでるんですよね」と。

人間として生きていくのに不可欠な、人間同士の“愛”とか“信頼”・・・。
そうした言葉が、霞が関で交わされることはほとんどない。
多くのサラリーマン職場でも同様ではなかろうか。

雑談ならともかく、そんな議論を会議でまじめにしていたら、失笑を買ってしまいそうだ。

でも昨今、こうした愛や信頼の欠如ゆえに、どれほど多くの人たちが、空虚な人間関係の中で暮らしているだろう?

ささいな問題をきっかけとした他人とのトラブル、わずかな心の支えが途切れる悲しい出来事、心を引き裂かれるようなやりきれない事件・・・。

本気で日本を良い国にしようと考えるなら、今の社会に足らざるものが何かを考えるため、人間の現場にもっと想いを寄せ、日常的に見聞きする努力を怠るべきではない。

これは、一人ひとりの意思の問題であり、意識が問われているのである。

山田さんは、身をもって多くの公務員やサラリーマンにそのことを伝えてくださっているように思う。

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2010年03月08日

発達障害とNPO

中野区で発達障害などの小中高大生の教育に取り組むNPO法人翔和学園を訪問した。

東京メトロ・丸の内線の中野坂上駅を出ると、目の前にあるビルの2階フロアで、約100人の教育的支援にあたっている。
駅に降り立つと、学校の前で、登校してくる先生や生徒を待ち構えて「○○先生、おはようございます!」と声をかけてくる生徒がいたりして、一見して少し違う雰囲気である。


伊藤寛晃先生らのご案内により、朝9時20分から教室で始まる活動を見てビックリ!

小中学生のクラスでは、先生のリードのもと、大きな声で歌いながら、みんなで手をつなぎ、踊る。見学していた私も、子どもたちからのお誘いで、輪の中に入って踊った。
ひとしきり大騒ぎした後は、文章をトレーシングペーパーで書き取る練習。
さっきまでの騒ぎが嘘のように、教室はシ〜ンと静まり、子どもたちは作業に集中する。

高等部では、「走れメロス」「方丈記」「平家物語」などから抜粋されたタテ書き数行の文章が、スマートボード(電子黒板)に映し出されるのに合わせ、大きな声で朗読。
先生は、間髪を置かず、テンポ良く短い指示を出す。
中学時代はいじめられたり、教室でネグレクトされて声も出せなかった子たちが、はっきりと大きな声を発する。

大学部では、伊藤先生を中心に、朗読を中心とした授業が行われた。
全員で行う朗読だけでなく、映画の中で酔っぱらった田中邦衛さんが語るセリフとか、歌舞伎の弁天小僧菊之助のセリフなどは、一人ずつがユーモアたっぷりに発声する。
先生のギターにあわせ、卒業生が書き残した言葉を歌詞に使った歌をみんなで大きな声で歌う。

授業の一部には、眼の焦点を合わせる訓練を取り入れている。
通常の視力検査では判明しにくいのだが、眼の焦点を合わせるのに時間と苦痛を伴う子もおり、ノートと黒板を行ったり来たりするのを苦にして通常の授業についていけなくなる子がいるそうだ。
眼から入る情報をうまく認識できないデスレクシア(識字障害)を持つ子もいる。
このため、この学園では、眼科医や心理士による検査も行っているという。


先生方も“闘い”だ。

考え抜かれた授業内容を、子どもたちの注意を惹きつけ続けながら、テンポよく進めていく。
長い説明や叱り飛ばすだけの指導では、クラスがあっと言う間にバラバラになり、収拾がつかなくなってしまうそうだ。
先生たちの人並み外れた努力、卓越したスキルがなければとても乗り切ることができないだろう。

授業で明るくふるまっていた子どもたち一人々々には、翔和学園に来るに至るまで、語るのもつらい過去の人生があるという。

並外れた努力の甲斐あって、年度終盤には子どもたちはかなり落ち着き、まとまっているが、年度初めはみんな勝手バラバラで、先生たちは「傷だらけになりながらやっている」そうである。

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翔和学園は、発達障害を抱えていたり、人間関係やコミュニケーションに不安のある18歳以上の若者の社会的自立を目指すための学校として、94年に設立された。

設立当初は、福祉やコンピュータのコースなど、主に就労から自立に向けた技術的支援中心のカリキュラムを実践してきたが、活動を続ける中で、ここに来る学生たちにとって必要なことは、自立支援よりもまず、日常の基本的な生活力を身につけることだと強く認識するに至った。

そこで02年、養護学校や職業訓練校、専門学校とは一線を画し、「社会性を学び、集団の中で生きる力を身につける」という目的を第一に掲げ、実践する学園に生まれ変わり、その後、小中高生に対象を広げ、一貫した特別支援教育の実現を目指して活動中である。

【翔和学園パンフレットより】
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通常、学校で勉強するのは、社会を生きる基礎となる知識・素養を身につけるためであるが、実際に就労した際に求められるのは、計算力や読解力以上に、まず社会性である。

このため、発達障害などを抱える子どもたちが社会生活を送るうえで重要なのは、学力や技術よりもコミュニケーション能力と考えられ、翔和学園では、就労を意識した教育を行っているのである。


発達障害は、「発達でこぼこ」と表現する方もいるそうで、他の障害と異なり、能力を発揮できる分野とそうでない分野のバラつきがある。
しかし、周囲の無理解によって、適切な対応や指導を受けない子が、知的障害になっていくケースもあるという。

翔和学園は、学校法人でなくNPO法人なので、行政制度上の財政支援もなく、授業料は年間100〜150万円かかる。
通常の学校と異なり、学割もない。
それでも、山梨や茨城から数時間もかけて通学する子たちがいるそうだ。
16人の職員の給与水準は、通常の学校教員よりも低く、駅前の家賃負担も馬鹿にならない。

NPOには、社会的ニーズがあっても行政制度の対象になっていないサービスの必要性に気づき、こうした公益的な事業を自ら実施するという重要な役割がある。
こうしたサービスは、法で定める線引きの中に入ってこないものがあり、財政支援がなかなか得られないものもある。

しかし、こうした役割を“個人の想いで勝手にやっている私的領域”と片づけてしまうことには、大きな疑問がある。
社会的価値の高いNPO活動が、正しく評価され、社会に包摂されるための資金循環の仕組みが必要である。

これは、あらゆる立場に立たされた人々が、社会から温かく包まれ、支え合って生きていくことと同義だと思う。

困難に向き合い、様々なハードルを克服するために尽力されている翔和学園の取り組みに今後も注目していきたい。


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2009年12月24日

クリスマスの風景

毎年今の時期になると、キリスト教社会とは言い難い日本でも、まちはクリスマス一色になる。

10年以上前のことだが、ニューヨークに留学して、日本人としてのアイデンティティに頭を悩ませ続け、「日本でクリスマスを祝ったり、キリスト教会で結婚式をやるなんて」などと、“いいとこ取り”の日本人のやり方を嘆いていた頃を思い出す。

しかし今はもっぱら、子どもたちと街を歩くときの楽しい話題である。

何といっても、サンタの格好をした人や置物がまちじゅうにあふれるのである。

太ったサンタに、
やせたサンタ(ちょっとコワい)。太ったサンタちょっとこわいサンタ












屋根の上のサンタに(小さいけど見えるかな?)、
ローストチキンを寒そうに売ってるサンタ(注:撮影は本人了承済みです)。
ラテール屋根のサンタローストチキン売りのサンタ












さてクリスマスイブ。

我が家では、小2・小1になる長男・次男が、まだサンタを信じている。
親としては、いかに信じ続けさせるか、毎年苦心を続けている。
今年のプレゼントは、野球のグローブだ。
不思議がられぬように気をつけながら、手のサイズを(文字通りあの手この手で)確認し、お店に買いに行く。

クラスの友達の中には、すでにサンタはいないと悟っている子もいるようだが、「良い子じゃないとサンタは来ないんだよ(苦笑)」などと適当にごまかし続けている。

それにしても、サンタがいないと知った瞬間って、親に何て言ったのか?
自分の子どもの頃が思い出せない。

子どもたちの反応や成長を見守りつつ、若干、手間ひまもかけながら、“日本版クリスマス”(いまだ納得し切っているわけではないが)を楽しもうと思う。

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2009年11月02日

幼稚園に通うために

三男の願書受付のため、近くの幼稚園に行った。

幼稚園願書待ち希望者が多いため、なんと早朝の3時から並んだのである。

世田谷には幼稚園がたくさんあるが、小規模な園が多く、少しでも近いところに入れたい親が願書をもらいに殺到するようである。

今年春まで幼稚園児だった次男の場合、昨年4月に広島から引っ越してきたときには、すでに近場の幼稚園に空きがなく、少し遠い三軒茶屋の幼稚園まで通園せざるを得なかった。

次男を連れて、毎朝、職場と逆方向の三軒茶屋まで1駅歩いて送った日々は、ちょっと負担だったが、いまや懐かしくもある。
「もう歩きたくない!」とか「抱っこして〜!」とか、毎朝大騒ぎだったが、街を歩きながら色んな話をした。


いずれにしても、願書受付に出遅れてしまうと、来年4月以降の我が家の生活が大きく左右される。

月曜日の未明からなんでこんな所に並ばされなきゃいけないんだ〜と、東京の幼稚園事情を恨めしく思うが、ほかに選択肢がない以上、仕方がない。

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2009年08月04日

小中学生のまちづくり教育

全国の小中学校教員有志で構成されるTOSS(Teachers Organization of Skill Sharing)のサマーセミナーが有楽町よみうりホールで行われた。

ざっと1000人は集まっていただろうか、一つ一つのプレゼンに対する会場の反応や拍手はすごく、大変な熱気だった。

TOSSは、様々な教科の教育技術を法則化・共有し、学校教育の質を高めていく取り組みを続けているNPOだ。
総務省地域力創造グループでは、TOSSと連携して、全国の小中学校で「まちづくり教育」を進めていく方針である。

「まちづくり教育」とは、授業で通常行われている「まち調べ」の域を超え、どうしたら自分の住むまちがより魅力的になるか、子どもたち自身で考える力を身につけるための教育である。
これを実現するためには、まずはこれを教える先生たちが地域や行政と連携をとりながら、地域を知り、地域づくりのスキルを学ぶ必要がある。

その第一歩として、TOSSの先生方が夏休み期間中に、TOSSと総務省との連名文書を手に、各市町村長さんに対して「まちづくり教育」への協力要請をすることになっている。

今回のサマーセミナーは、TOSSと総務省との連携事業の事実上のキックオフの機会となった。


セミナーでは、電子黒板(スマートボード)を使い、立体的な画像をつくり上げることのできるグーグルの「スケッチアップ」技術を駆使した模擬授業が行われた。

森林保全の問題や、大都市のヒートアイランド問題をビジュアルに見せながら、小気味よいテンポで次々と繰り広げられた。

とりわけ、先生と子ども(役の先生)たちとの絶妙なやりとりは、エンターテインメント性すら帯びていた。

スケッチアップを使えば、画面上で地球と太陽と月をつくりだし、皆既日食の仕組みを学ぶ授業だってできてしまうのである。
構造物建築、都市計画、街路の景観・・・何にでも応用できるので、まちづくりの具体的なアイディアを授業の中でいくらでも創造できるのではないかと思う。
授業だけではない。地域で大人たちが取り組むまちづくりに活用する可能性のある技術ではないかと感じた。


プログラムの最後は向山洋一代表が、学校教育の10カ条について熱弁をふるわれた。
その中で印象的だったのは、「どんな小さなことでも子どもたちとの約束を守らなければならない」という言葉だ。
軽い気持ちで「みんなにお土産買ってくるからな」と言って旅行に行ったのに、何も持たずに帰ってくる。
そんな小さなことが2つ続くと、子どもとの信用関係が失われるというのだ。
大人にとっては冗談のように聞こえても、子どもたちはいつも先生の話を真剣に聞いているのだ。


ところで、「まちづくり教育」は、もしかしたら、地域で活動する大人たちにも応用できるスキルになるかもしれないと私は思っている。
大人であろうと、子どもであろうと、教わるべき基本は共通しているはず。
固定観念やしがらみが強くなっている大人に対する「まちづくり教育」は有効なのではないかと思うのである。
そこへ「スケッチアップ」のようなビジュアルな新技術が組み合わされば、かなり目から鱗のまちづくり談義ができるのではないかと思う。


さて、セミナー後の交流会では、模擬授業であれだけ会場を沸かせたTOSSの先生たちが、今度はバンド(おやじバンドって感じの)で歌や音楽を披露してくださった。

そして、向山代表のご令嬢でニューズウィーク誌「世界が尊敬する日本人100人」に選ばれたアニャンゴこと向山恵理子さんによるケニア音楽の演奏があった。

ニャティティという楽器は初めて本物を見たが、実に不思議なものだ。
小型ハープのような弦楽器を手で両手で鳴らしながら、足で打楽器を操作する。
しかも座ったままケニア語(たぶん)で歌い上げるのだから、並みの肺活量ではない。
小柄で可愛らしいアニャンゴさんがすごい迫力に見えた。

ちなみにアニャンゴさんがつい先日出版した「夢をつかむ法則 〜アニャンゴのケニア伝統音楽修業記」は、アマゾンで上位にランキングされたそうだ。

とにもかくにも、肩や腰を振る踊りにみんなで興じた。

いや〜、音楽は力だ!

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2009年07月14日

女優さんの社会貢献活動

世田谷区が発行している「GAYAGAYA≧50」というシニア向け無料誌があり、夏号をパラパラ見ていたら、女優の竹下景子さんのインタビュー記事が載っていた。

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「子育てが世界を広げてくれた」

私は名古屋、夫は浅草生まれですが、世田谷で生まれ育った息子2人にとっては、ここが故郷なんですね。
子どもたちが成長していく中で、歳ごとに自分の世界がどんどん広がっていく時期には、家庭だけではなく地域と関わりながら育っていくのがいいのではないかと考え、小学校までは地域の学校で過ごすことを選びました。
・・・
地域活動にも参加して、学校の校庭開放のお当番や、交通安全週間には黄色い旗を持って子どもを誘導する係もやりましたよ。
・・・
私自身も「竹下さん」と言われるよりは、「関口君のお母さん」と呼ばれるほうが普通になり、親も子も伸び伸びと生活することができました。

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投身大の人間をフランクに表現していて、とっても素敵である。
こんな風に育てられると、お子さんたちも故郷・世田谷への想い・愛着がさぞかし強いのではないだろうか。

ひるがえって、転勤族である私の悩みの一つは、子どものふるさとはどこなのか?という問題である。

長男は青森生まれ、次男は東京生まれ、三男は広島生まれ。

長男・次男が昨年まで身についていたのは広島弁。
「じゃけん」「なんよ」と言いまくっていた。
だがそれも東京生活の中であっという間に消えてしまった。

かといって、世田谷にもいつまで住むのかも分からない。

まあそれでも、その時どきを大切にするしかない。

竹下さんの言うように、「子どもたちが成長していく中で、歳ごとに自分の世界がどんどん広がっていく時期には、家庭だけではなく地域と関わりながら育っていくのがいい」。

世田谷であれどこであれ、家庭と地域と学校に関わっていこうと思う。


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(聞き手)仕事以外に社会活動も行われています。参加するきっかけはどんなことだったのでしょう。

それは、子どもを持ったことがとても大きかったと思います。
赤ちゃんのころ、軒先の洗濯物を見たご近所の奥様から「関口さ〜ん、雨が降ってきましたよ〜」と夕立を知らせていただいたことがありました。そんな細かなことの積み重ねですが、ベビーシッターさんをはじめ、公私を問わずお世話になった方がたくさんいて、いろいろな人と関わっていく中で、「これが生活かな、これが人のやさしさかな」と、大事なことを再発見することができました。

そして、だんだんと社会に関心を持つようになり、社会貢献活動に参加する機会が増えてきました。

たとえば「世界のこどもにワクチンを日本委員会(JCV)」では、途上国へのワクチン支援を行っています。ミャンマーを視察して、ワクチンを必要としている国や地域がまだたくさんあることを知りました。地味な活動ですが、続ける必要があると感じ、イベントなどに参加して協力を呼び掛けています。

それから倉本聰さんが立ち上げたNPO法人の「富良野自然塾」では、夏の三世代ファミリーキャンプに参加しています。これは富良野の大自然の中で、家族で地球のことを知り、空気や水の大切さを実感して、環境保護に関わってもらう活動です。

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子育てをきっかけに、途上国へのワクチンとか、環境保護の活動に昇華していくのが彼女のすごいところである。

しかし、本格的な活動に取り組むかどうかは別として、誰もがちょっとだけでもいいから関わってみよう、と思い立ちさえすれば関われるのが、社会貢献活動である。
その意味で、学校や職業におけるような選別もなく、気持ちさえあれば誰にでも開かれているのが、社会貢献の世界だ。

日本で暮らして本当に幸せ、と実感できるような社会をつくっていくためにも、万人が主体性を発揮して参加できるこうした活動は、わが国において今後ますます重要性を帯びてくるはずである。

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(聞き手)これから何か始めてみようという皆さんにアドバイスがあれば。

仕事とも趣味とも違う「何かの役に立っている」という充実感を得られるところが、社会貢献活動の魅力でしょうか。
喜んでくださる人たちの笑顔が、明日へのパワーにつながります。
新たな出会いもあり、始めてみると楽しいですよ。

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竹下さんのような方が、こんな風に呼び掛けてくれると、世の多くの人たちも参加するようになるかもしれない。

地域づくりに王道はないし、一人でできるものでもない。

“1人の100歩より、100人の1歩の方が尊い”と言われるように、社会を変化させていく主体は、1人のスーパーマンではなく、無名の民衆なのである。

ぜひ、多くの人たちとともに、21世紀の日本づくりに携わっていきたい。

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2009年06月25日

映画と人生、地域づくり

結婚記念日に休暇をとり、妻と(めちゃくちゃ久しぶりに)映画を観に行った。

最初は、TVで話題の“ルーキーズ”を観ようとしたのだが、上映時間が合わず、迷った挙句、結局マリオンで観たのは“60歳のラブレター”。

いままで広告で見たことなかったが、中村雅俊、原田美枝子、井上順、戸田恵子、イッセー尾形、綾戸智恵・・・とそうそうたるキャストだ。

定年退職したバリバリサラリーマンと専業主婦の夫婦、長年二人で魚屋を営み悪態をつき合いながら病気と闘う夫婦、妻と死別し売れっ子翻訳家女性と恋に落ちる医師という3組の熟年男女の心の動きを描く、笑いあり涙ありのストーリーだ。

HPにあるとおり、「豪華キャストが、個性的な3組の夫婦を熱演。歳を重ねてこそ感じる迷いや焦り、喜びや幸せ、そしてかけがえのない大切な人との絆を丹念に演じます。パートナーとどう人生を歩んでいくか、何より<わたし>はどう生きるのか。これからの人生をよりよく、美しく輝いて生きていこうとするすべての人たちに、勇気と希望を与えてくれる感動作です」。

例によって、私は涙をボロボロこぼしながら観ていたが、周りからも鼻をすする音が聞こえてきた。

平日ということもあってか、9割方は60歳前後と見える方々であった。
映画のタイトルが少々年齢を選ばせているような気がするが、30代や40代の方々にもお勧めの映画である。
残業も多く、仕事中心、組織にどっぷり浸かりがちな働き盛りのわれわれ世代にも、少し先を見据え、歳を重ねつつ幸せな人生を送るために何を大切にすべきなのか、時には考えるゆとりが必要ではないか。


さてその夜、近所の料理屋へ食事をしに行ったら、たまたま俳優・映画監督の竹中直人さんにお会いした。
竹中さんは最近、8/1封切りの「山形スクリーム」という映画をつくられたそうだ。

もともと以前から本気でバカバカしい映画を作りたいという思いはあったんですよ。そんな時にホラー映画を撮りませんかと・・・。それなら女子高生と落ち武者が戦うというのはどうだろう、場所は山奥にある小さい村で起きるのはどうだろう・・・そしてそんなイメージ通りの場所はどこだろうと探していたら、スタッフから山形がベストではないか・・・という意見が出たんです」。(HPの竹中監督インタビューより)

ロケ地は山形県の庄内地方だ。

この映画には、山形県鶴岡市に本拠を置く庄内映画村がかかわっているそうだ。
庄内映画村といえば、地元企業が共同で3年ほど前に設立された会社であり、今年3月総務省の第3回地域力創造に関する有識者会議に宇生雅明社長をお招きしたところだ。

まさに地域資源を最大限活用し、地域経済の活性化につなげることをミッションとしている地域づくり団体である。
今回の映画の制作では、芸能界を代表する映画監督と、地域おこしに燃える地元団体とのコラボが成立したわけだ。

山形県は、私の初任地であり、個人的にも想いの深い土地である。
このように話がつながってくると、本当にうれしい気持ちになる。


また、最近よく思うのだが、地域づくりは基本的に“楽しめる”要素がなければ、成り立たないし、続かない。
したがって、“バカバカし”かろうと何であろうと、とにかく多くの人たちが興味を持ち、ワクワク感を持って参加することは、一つの重要な要素なのである。

ただ、この辺り、実は行政がもっとも苦手とするところだ。
行政のプロは、慎重に慎重を重ね、言葉を選んで利害関係者の調整にあたることは大の得意である。
しかし、ともすると、正確を期するためか、人の感情に訴えるような言葉を使うのをためらい、表情もしかめっ面になってしまう。
まして、“バカバカしい”ことなど、あまり重要視しない傾向もある。

だがそれだけでは、地域は元気にならない。

日本の地域力をつくり出すため、何よりも、それにかかわる人たちの笑顔をつくり出すことが、地域活性化を目指す公務員の重要な能力の一つなのではないかと最近思うのである。(ほかにも公務員に求められる能力はたくさんありますけどね。)

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2009年06月22日

おやじの会と学校のコラボ

池尻小学校で学校公開週間が始まり、土曜日に授業が行われた。

この日に向けて、池小88会(おやじの会)で企画してきたのが、「大豆を育てて食べよう」プロジェクトである。
きっかけは、昨年末に88会が主催した、地場の大根を使った「おやこ料理教室」。
今年はさらに、学校の畑で大豆を育て、収穫した大豆を使って、料理教室をやろうと。

今回のポイントは、何よりも、学校の先生方とのコラボである。

大豆を育てるには、子どもたちが当番で水やりなどをする必要があるため、校長先生・副校長先生、担任の先生方と相談した結果、2年生が担当することになった。
苗植えは授業の中で行うことになり、お父さんたちが集まりやすい学校公開の土曜日に「生活科」の授業を60分に延長して(通常は45分)あててくれることになった。
さらに、学校の畑も広く提供してくれることになった。

先生方の絶大なるご理解のおかげである。

また、もう一つのポイントは、地域の方々とのコラボだ。

授業には、農業指導をしてくださる元JAの住友米一さんと、昨年の料理教室でも協力してくださった東京栄養食糧専門学校の小林陽子先生が、“先生”として登場することになった。

当日の学校との役割分担は、次のとおり。

・88会のお父さんたちは、朝8時に集合し、住友さんの指導のもと、子どもたちのために畑を耕し、畝をつくっておく。
・授業では、教室で小林先生が「大豆からつくられる食品」の説明をする。
・また、住友さんが子どもたちに大豆の苗を観察させ、畑への苗の植え方を説明する。
・畑に出て、子どもたちが苗を植えた後、88会メンバーは、苗が倒れないように添え木をゆわえる。


“子どもたちのために畝をつくっておく”などと言っても、お父さんたちも(私を含め)ふだん畑を耕すことはないので、実はこの日は貴重な「お父さんの農業体験」をさせてもらうことになった。

また、授業での住友さんの説明によると、大豆の根には「根粒」という粒がたくさんでき、根粒が大豆から得た栄養を土に供給するので、大豆をつくった後の畑は農作物がよく育つのだそうだ。

・・・へ〜、知らなかった。


今後の88会の役割は、
・夏休み中の水やり(学期中は、子どもたちが行う)を分担する。
・豆ができてくると、カラスなどに狙われるので、防鳥対策を講じる。
といったことだ。

秋にたくさん大豆が収穫できるといいなー!

秋の料理教室は、全学年を対象とする予定だ。
子どもたちの反応を見る限り、豆腐や納豆をつくりたい、という希望が強そうだ。

先生と親、そして地域の方々が協力しあって、こうした新しい教育プログラムが生まれれば、きっと子どもたちの心身の成長に良い影響が出てくるはずだ。

子どもの教育は学校まかせ、塾まかせ、という風潮が強い中、子どもたちの将来に期待し責任を持つ親や地域が、みんなで温かく見守り育てる姿勢も忘れずにいたいものだ。

shigetoku2 at 07:49|PermalinkComments(0)TrackBack(0)