地域活性化・地域の話題

2010年10月04日

太陽エネルギー100%自給の電動自転車

田園都市線・桜新町駅前の駐輪場では、電動アシスト自転車のレンタルを行っている。

太陽光発電した電気をリチウムイオン電池に蓄電し、電動アシスト自転車を充電するという、完全な天然エネルギー循環モデルだ。
レンタサイクル看板現在のリチウムイオン電池の技術水準では、容量は十分だし、放電ロスもかなり少ないようだが、メーカーの方によると、寒暖の耐久性をさらに追求する必要があるという。

また、価格もまだ高価であり、このあたりは今後の量産によって採算性も変動していくのではないだろうか。

ソーラーパネルちなみに私が見学したときには、ソーラーパネルからの送電は止まっていた。
リチウムイオン電池の蓄電量が十分なときは、送電がストップされる仕組みになっているそうだ。

理想的には、その容量オーバー分を売電できると完璧なのだが。
リチウムイオン電池ケース
この太陽光発電併設のレンタサイクルは、区内にもう2か所、桜上水(京王線)と経堂(小田急線)と、南北に直列するような位置に設置されている。
これは、世田谷区内の鉄道網は主に東西に走っており、南北の交通利便性が弱いという点を補おうという政策意図があるようだ。
この政策目的がどの程度達成されているかは不明だが、見学している間にも、会社の営業マンらしき人や、初老のご夫婦など、自転車を利用しに来る人が何人かいて、けっこう好評のようだ。

自転車バッテリー私も電動自転車を初めて乗ってみたが、ちょっと漕ぐとグッと進み、ちょっとびっくりするぐらいだ。
慣れれば平気だろうが、漕ぎ出しに少し気をつけないといけない。
が、とにかく快適。
上り坂ではすごい威力を発揮しそうだ。

自転車表示一回の充電で25キロ走る。
手元で電池残量が分かるので、安心して乗れそうだ。

世田谷区ではまだ顕在化していないかもしれないが、今後は、とくに公共交通機関が発達していないような、クルマなしで生活できない地域では、高齢ドライバーの問題が深刻化するだろう。
地域社会で、高齢者が快適かつ活発に活動するのにふさわしい乗り物として、電動アシスト自転車に注目してみたい。

CO2パネルまた、太陽光ですべて賄われているこのシステムで注目したいのは、地球環境への貢献である。

化石燃料を使った通常の電力を使った場合と比べ、CO2の削減効果がある。
また、クルマを使った場合と比べれば、相当な削減効果が出るはずだ。

ただ、いつも思うのだが、CO2の削減効果が何kgと言っても、専門家やかなり意識の高い人でなければ、その数字にどの程度の意義があり、どの程度の数値を目指すべきなのか、よく分からないことが多い。
環境貢献の効果をもっとうまく示す方法はないものか・・・。


またこのシステムは、通常の電力から切り離された、完全に独立した電源なので、災害などで停電した時への備えとしても有効なはずだ。

ライフラインの中でも、ガスや水道に比べ、電力は比較的回復が早いが、それでも例えば携帯電話やパソコンの充電のようなニーズは相当高いのではないかと思われる。
これに応える仕組みを作っておくと、いざというときに重宝されるのではないかと思う。


実はこのシステムの存在は、青森ITSクラブの仲間から情報を得たのだが、近年、青森県では電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)の普及に取り組んでおり、奥入瀬渓流や白神山地でのパーク&EVライドなどの構想が進んでいる。

こうした試みに、太陽光発電の仕組みが加われば、さらに完成度の高いシステムになるのではないだろうか・・・?

地域活性化のヒントは、そこらじゅうに転がっている。
都心の先取性と地方の現場のダイナミズムをうまく掛け合わせていきたい。

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2010年07月26日

ネット上のつながりの意義

爆笑問題の太田光さんと田中裕二さんが、歩道橋の上で「僕らはいつから、つながることが当たり前になったんだろう。」と語り合うNTTdocomoの広告がある。

二人の会話は、次のやりとりで終わる。
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太田:「ま、ケータイがなかった時代もそれはそれでよかったけどな。」

田中:「どうやって連絡取り合ってたんだっけ。」

太田:「・・・忘れちゃった。」

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以前は、飲み会の約束一つにも、幹事が個別に電話したりして日程・出欠確認し、場所も連絡していたのだろう。

そんなめんどくさいこと、本当にいちいちやっていたのか?

待ち合わせ場所で会えなかったとき、どうしていたのだろう?

・・・太田さんの言うとおり、忘れてしまった。

ほんの10数年前のことなのに。


ネットの普及した現在では、面白そうなコミュニティサイトやメーリングリスト(ML)に登録し、「今度どこどこで飲み会をしよう!」という情報をもとに、まったく面識のない人たちの輪にいきなり飛び込むことだってできる。

地域に飛び出す公務員ネットワーク」では、全国各地の公務員同士が、ML上でさんざん議論した後に、何かの場で初めて会うと「いや〜、あなたがあの議論をしていた〇〇さんでしたか!」てな感じでフェイス・トゥ・フェイスの関係がつくられていくことも多い。

最近では「あたらしい『新しい公共円卓会議』(PURC)」のMLや掲示板に集った人たちが、「新しい公共について語ろう!」と、各地でゲリラ的に集会をやっている。

初対面でもずっと前から知り合いのような感じがするし、下手な顔見知りなどよりも、ずっと深い相互理解や信頼関係を築くことができることも多い。


この流れは、日本社会が今後直面する大きな課題へのソリューションの1つだと思う。

日本では戦後、都市部への大規模な人口移動が起こり、職場中心の毎日を送るサラリーマンは、朝から晩まで居住地域の外で過ごしてきたこともあって、ベッドタウンとなった地域の生活空間では、人と人のつながりはきわめて薄いと言われている。

こうした中で高齢化が進めば、福祉や防災への不安が強まり、生き甲斐や安心など心豊かな日常生活を送ることが難しくなってくる。


しかし、この流れは不可逆であり、いまさら都市地域に農村のような地縁的な人間関係をつくりだすのは現実的ではない以上、何らかの手立てが必要である。

人口密集地におけるマンション暮らしの場合、“向こう三軒両隣”との濃いお付き合いは必ずしも必須ではない(し、現実的でもない)。
むしろ、多少の物理的距離があっても、深い理解と信頼に基づくつながりが重要なのではなかろうか。
ここで言うつながりとは、仕事上のみのつながりというよりは、より人間的な部分に立脚した関係を念頭に置いている。(もちろん仕事がきっかけということはありうるが。)

そして、これを補完する機能が、前述のネットを通じたコミュニケーションであろう。

少し離れたところにいても、たとえ会ったこともなくても、人と結びつき、つながることによって、人生がより豊かになることがある。

また、ネットで出会えば、リアルに顔を合わせることもさほど難しくない。


確かにネット上で見知らぬ人たちとニックネームで呼び合うような流儀のサイトもあったりして、なじめない人も少なくないとは思う(私もその流儀は得意ではない)。

が、人との絆を求めること自体は、人間ならば誰もが持っている特性であって、これからの日常生活をより豊かな人間関係に立脚したものにしようとするならば、ネット上の人間関係というのは、無視しえないものとなりそうだ。

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2010年06月29日

学校でのキャンプ

週末は、池尻小88(はちはち)会主催で、毎年恒例の「学校に泊まろうキャンプ」を開催した。

校庭にテントをたくさん並べ、子どもたちが泊まるのである。
ティピつくりちゅう
今年は、メンバーの一人がなぜか持っていたティピといわれるインディアンのテントを1張り、校庭の真ん中に立てたのだが、普通のテントと違い、設営方法も独特である。

いまのキャンプ用テントは少人数で(1人でも)つくれてしまうが、ティピには、相当な人数が必要である。


ティピ完成
長い竹竿を10本ぐらい円錐状に並べ、上の部分をロープでくくり、布をかけて完成。

中は、小学生なら20人ぐらい座れる広さである。

このティピは、夜の肝試しのスタート場所として使われることになった。


カレーライスフランクフルトを食べ、キャンプファイアーひげダンスの出し物(懐かし〜!)、仕掛け花火をみんなで楽しんだ。

いずれも88会と、近所の児童館スタッフによる手作りなのだが、年々レベルが上がっていくのが実感できる。

88会メンバーでもあるトロント出身のお父さんは「カナダでは校庭で火を焚くなんてありえないヨ」と言っていた。
森林資源の多いカナダでは、国民性として(?)山火事への警戒感が常にあるようだ。
管理主義的なイメージの日本の公立学校が、実は外国と比べて寛容な面もあると知ったのは新鮮だった。


さてここから先は、4年生以上の子どもたち限定の肝試しテントでの宿泊である。

昨年までは隣のものづくり学校で行っていたが、今年からは学校の校舎での実施を認められ、まさに“夜、いつもの校舎の廊下を歩く”企画となり、恐怖感たっぷりだ。

肝試しにかけるお父さんたちの意気込みは並々ならぬものがある。

舞台演出の仕事をするお父さんが、本格的な衣装を用意してくれた。
白いドーランに黒のメイクをしたり、お面をかぶったり、お母さんたちも加わってメイド系の妖怪コスプレ(でも可愛かったです)をしたり・・・。

私は、濡れぞうきんが目の前に飛んでくるという仕掛けを担当した。

はじめのうちは、自分の姿(仮面をかぶり、それなりに怖いつもりだったのだが)を現した後に、宙づりのぞうきんを揺らしていたのだが、思ったほど怖がってくれない。
そこで、途中から作戦変更し、柱の陰に隠れて、子どもたちが通りかかるときに突然ぞうきんが目の前に飛んでくるようにした。
このほうが圧倒的に効果的!
やはり何事も試行錯誤だな〜。

翌朝の解散式では、女の子たちから「肝試しが、怖すぎた」という声があがった。お父さんたちは男の子心理をくすぐられ、思わず自画自賛の拍手。


88会は、これまで“おやじの会”として活動してきたが、今年からはお母さんたちも加わり、パワーアップしている。

「父親も学校に参加しなきゃ」というレベルを越え、父親が参加するのは当たり前。それより、いくつになっても男女仲良く楽しもうというノリになってきた(?)。

でもやっぱり何より、子どもたちが学校楽しい!と思ってくれるように親も頑張ろう!という気持ちが、ほんとにみんな共通していると思う。

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2010年05月10日

最上訪問

今年のGWは、子どもたちのクラスメイトの3家族と一緒に、山形県鮭川村の鮭川村エコパークに2泊3日のキャンプをしに行った。

この地域(最上地方)は、国産スギの生産地である。
吉永小百合さんが登場するJR東日本「大人の休日倶楽部」のCMでも、スギの巨木を散策する有名なシーン(ロケ地:戸沢村)がある。

ロケ地には行けなかったが、鮭川村内の田んぼの真ん中にそびえる「トトロの木」と呼ばれる大きなスギの木を見に行った。
トトロの木
樹齢1000年ともいわれる木で、確かにトトロの姿そっくりで、大人が見ても面白い。
村の天然記念物であるが、指定されたのは、もちろんトトロが流行る前だ。
こんな地域資源が観光客を呼び込むのだから面白い。


続いて羽根沢温泉に行き、ヌルヌル感のあるお湯を楽しんだ。

この地域の温泉は、20世紀初頭に石油採掘をしたときに出たものだそうで、創業100年の歴史を誇る。
GW中は、温泉旅館の書き入れ時で、旅館の若い娘さん(たぶん20歳ぐらい)が親の手伝いをしに戻ってきていた。
3姉妹だそうだが、古い旅館をちゃんと誰かが継ぐのかな、と他人事ながら心配になった。

たまたま隣の新庄市から仲間と温泉に入りに来たという70代と見られるおじさんと、どこから来たなどと少し話をしていたら、「ザイは都会に飲み込まれて、これからはもう駄目だ」という話になった。
「ザイ」とは、田舎を意味する方言で、「在郷(ざいごう)」に由来する。
長らく地方に暮らす方が、二言目に「ザイは駄目」という言葉を発するのであるから、なんともやりきれないが、これが実感なのであろう。


少し足をのばして、羽黒山を訪れた。
出羽神社参道
いわずと知れた修験道の聖地である。

特筆すべきは、羽黒山には、出羽三山といわれる出羽神社・月山神社・湯殿山神社の3つを一緒に祭った三神合祭殿(国重要文化財)があることである。

羽黒山の参道沿いなどに並ぶスギ並木も、特別天然記念物に指定されている。

この山の上の神聖な空間を訪れたのは、新人で山形県庁に赴任していたとき以来、15年ぶりである。
また今度ゆっくり(大人だけで?)訪れたくなる地だ。



今回の旅で、一つだけ心残りだったのは、新庄市内にある「一茶庵(いっちゃん)ラーメン」に行けなかったことだ。
一茶庵ラーメンもつラーメンに酢を入れて食べる、忘れられない味である(これも15年越し)。
残念ながら今回立ち寄った時間には、お店が閉まっていた。

次回、最上を訪れるのはいつになるか分からないが、何十年ぶりであろうと、再チャレンジしたい。

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2010年03月23日

若手公務員のチャレンジ

第6回「地域力おっはー!クラブ」は、日本財団会議室で行われ、80人以上集まる大盛況であった。(日本財団さん、ご協力ありがとうございました!)


今回のゲストスピーカーは、みやざきわけもんフォーラム副代表の崎田恭平さん

理系の大学生だった崎田さんは、児童養護施設でのボランティアをきっかけに行政の仕事を選び、宮崎県庁で地域振興課に配属となる。
アフターファイブと土日は“一県民”として消防団やJCに参加したり、県・市町村の壁を取っ払おうと若手公務員の勉強会を立ち上げるなどの活動に取り組んでこられた。

まさに“地域に飛び出す公務員”を実践する人物だ。

昨年、厚労省に出向した崎田さんは、東京で宮崎県ゆかりの主に20代の若者による「みやざきわけもんフォーラム」を結成して、大学生・社会人に対するキャリアデザイン支援や、若者の起業支援のためのプロジェクトを企画しているそうである。
会合には、東国原知事にも参加いただいたこともあるそうで、今後のさらなる展開が期待される。


おっはー!クラブの良いところは、地域を元気にするという共通の目的で、幅広い年代や職業の方々が集まってこられることだ。
今回、大勢の諸先輩方の前で少し緊張気味の崎田さんに対し、業種を超えた先輩方から温かいアドバイスが投げかけられた。

タテ割り・肩書き・年功序列の従来秩序だけでは、ブレイクスルーは起こらない。
様々な場での出会いをきっかけとして、ちょっとした積極性と行動力が、日本の閉塞感を突破していくことになると思う。

この4月には、おっはークラブ参加者の方々の中には、異動で元の自治体に戻る方もいらっしゃる。
この1年間、東京で築いた人的つながりが、あっという間に全国津々浦々のつながりへと広がっていくのである。

中央集権・タテ割りから、地方分権・横断的つながりという流れを体現するのは、個々の意志ある人間に他ならないのである。


さて次回のおっはー!クラブは、4月21日(水)8時(日本財団会議室)に開催される。

ゲストスピーカーは、日本ファンドレイジング協会常務理事の鵜尾雅隆さん
元JICA職員で、日本にNPOへの寄付文化の革新を起こそうと、同協会を立ち上げられた、アツくてウィットに富んだ方である。

わが国のNPO界が、今後さらに成長していけるかどうかの重要なカギを握るのは、公共を担うおカネの流れを、税金というチャンネルだけでなく、個々人の具体的な想いをのせた寄付のチャンネルへと、どれだけ広げることができるかである。

鵜尾さんからは、そうした社会づくりに向けた仕掛けやチャレンジについて語っていただけると思う。
次回も、多くの皆さんにご参加いただきたい。


ちなみに最近、地域力おっはー!クラブのHP(暫定)が立ち上がった。

まだ未完成だが、今後はこのHPを通じて、朝の会などイベントの情報発信はもちろん、会員登録や出欠確認なども行えるようにしていこうと考えている。


昨年夏におっはーの企画を始めた事務局の石井あゆ子さんも、4月から総務省を離れ、北海道上士幌町で地域おこし協力隊員となられる。こんな強力な隊員がいたら、地域は元気になるはずだ。


そんなこんなで、3月・4月は色々な変化の季節だが、これからも日本中の多くの人たちの共感と行動によって、みんなで夢あふれる日本をつくっていきたいものである。
そのための地道な努力を今後も続けていく所存である。

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2010年03月16日

福祉NPOのメッカ・知多半島

愛知県半田市を拠点とする社会福祉法人むそう、NPO法人ふわりの理事長戸枝陽基さんを訪ねた。

戸枝さんは、半田市内外で、障がい者が就労し、社会で活躍できる場をつくっておられる方だ。

まず訪れたのは、養鶏場。なんと1個40円の高級な卵を生産している。
養鶏場のニワトリ養鶏場の卵






養鶏場の看板
知的障がいを持つ人でも、飼料の配合作業を行えるよう、使う原料の分量をボードに分かりやすく示し、一つ一つ作業を進めるごとにボード上のマークを移し替えることで、正確な作業をしやすい仕掛けが設けられている。








次は、パン屋の「なちゅ」。
なちゅお店の前なちゅ店内






製造と売り場に、数人の障がい者が従事している。
私もここで、おいしいあんパンを1つ購入した。

ラーメン店の「うんぷう」。
うんぷう






バイキングもあり、リーズナブルな価格で、ボリュームたっぷりの食事ができるお店だ。
残念ながら、食べていく時間はなかったが、また今度来てみたい。


こうした事業展開には、障がい者雇用に対する国の給付金を活用した工夫がある。
事業者からすると、障がい者がうまく健常者と一緒の生産ラインに入ってもらうことができれば、通常の事業よりも給付金が入る分だけ有利になる。
通常は低い賃金しかもらえない障がい者にとっても、生産性の高い仕事に従事し利益が上がれば、賃金が上乗せされる。
何より、障がいを持つ方にとって、お客さんと触れ合うことのできるお店で働いたり、市場価値の高い商品の生産に携わることができることは、とっても嬉しいことではないかと思う。

戸枝さんは、今後、児童館の運営に障害者スタッフを活用し、従来よりも充実した運営を実現しようと計画しているようである。

事業家としての手腕はもちろん、リバースモーゲージや市の指定寄付などを組み合わせた資金・資産の地域循環システムなど政策提案も積極的に行っておられ、非営利セクター全体をリードする存在だ。


半田市は知多半島に位置する人口12万人の市である。

この地域では、従来から福祉系NPOが発展し、介護保険対象外の「助け合い事業」(家事援助や子育て支援など)も広く行われてきたほか、高齢者の居場所作りや、障害者と共生する地域づくり、ひきこもりの若者のフリースクールなど、様々なNPO活動が盛んである。

最近では、認知症の方が行う契約行為や財産管理に対する成年後見センター機能を持つNPOも立ち上がっている。

日本福祉大学も半田市内に立地しており、地域リソースとして重要である。

半島地域全体では、5市5町に22団体、事業収入12億円超。相当規模の雇用を生み出している。

半島地域のNPOを中間支援するNPO法人地域福祉サポートちた(99年設立)は、大規模施設に象徴される“豪華客船型”に対して、人と人がつながり支え合う“イカダ連隊型”を標榜し、人材育成や情報交流促進を積極的に行っている。


行政も呼応する。

半田市の榊原純夫市長のマニフェストには、「議員や役人が市民目線でまちづくりをするよりも、何が大切かを市民が決め、市民が自分の考えでまちづくりが出来るというまさに市民自治を実行しようと思います。市民パワーの活用です。」とある。

半田市では来年度から、社会福祉協議会や様々なNPOが連なって、市民活動の事務局をつくる構想があるそうだ。
これまでの地域福祉のあり方をさらに進化させ、すべての人を社会に包含し、すべての人が生き甲斐を持って生きていける地域づくりに期待したい。

半田市のような中小都市がさきがけとなって、日本社会を覆う閉塞感を突破していくことが期待される。

そのための大きなカギを握るのは、常に現場からの目線で創造性を発揮する力強いNPOの存在である。

福祉NPOのメッカ・知多半島を今後も応援していきたい。

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2010年03月03日

ポイントは、誰のもの?

第5回「地域力おっはー!クラブ」は、八重洲にある鹿児島銀行東京事務所で行われ、70〜80人集まった。(鹿児島銀行さん、ご協力ありがとうございました!)

みんなで「おっはー!」とスタートし、女声アカペラカルテットXUXU(しゅしゅ)が「地域力おっはー!クラブの歌」を歌ってくれた。
今回は、歌詞中の「(みんなで♪)おっはー!」の部分を、みんなで声を合わせて歌ってみた。なかなか良い盛り上がりである。

ちなみにXUXUは、「題名のない音楽会」に3月14日(日)午前9時〜出演するそうだ。必見である!


さて、今回のゲストスピーカーは、株式会社サイモンズ斉川満社長。
サイモンズは、ポイントカードの発行・管理をしているベンチャー会社だ。

ポイントカードを加盟店で提示すると、100円の買い物につき1ポイント(=1円)たまる。

それだけなら良くある仕組みと同じだが、サイモンズカードの特徴は、1〜2年の有効期限が切れて失効したポイント地域活性化や社会貢献活動を行うNPOなどに寄付する仕組みになっていることである。

たとえば、マロニエ基金を通じて、盲導犬育成や自然保護などの活動に毎年寄付されている。
また、avexの社員東京農大(網走キャンパス)の学生など、利用者側がグループをつくって、グループ会員共通のポイントカードをつくるケースもあるそうだ。

現在、世の中に出回っているポイントの発行総額は8000億円以上と言われ、その4割が失効するとの試算もある。

失効ポイント分は、そのまま企業の収益になるのである。

客が使うはずだったポイントならば、失効分を地域社会に還元することができないものか・・・?

斉川さんは、もともとJALでマイレージカード事業に携われた方でありながら、大企業でのポイントの運用のあり方に疑問や限界を感じ、自らの想いで理想的な仕組みを社会に根付かせたいとお考えになったそうである。


もちろん、ハードルはある。

発行企業は、財務上、客に付与したポイント金額を引当金を積むべきところであるが、実際にはポイントの失効を見越して、全額引当を計上しないことが多いそうである。
失効分が全部使われることになれば、当然企業の負担は増えることになる。

しかし、地域活性化は、多くの国民(消費者)の願いである。
いろいろな形で、気軽に着実に地域社会に貢献できる資金循環の仕組みが定着することを期待したい。


次回のおっはー!クラブは、3月10日(水)8時から日本財団会議室にて開催される。

ゲストスピーカーは、みやざきわけもんフォーラム副代表の崎田恭平さん

崎田さんは、宮崎県庁から厚労省に出向されていて、実名ブログも書いていらっしゃる30歳の若手職員である。
当たり前だが、今の30歳の人は、10年後に40歳、20年後に50歳、社会の中核になっていくのであるから、将来を展望し、若い人たちの動向や考え方に着目し、みんなで応援することは、きわめて重要なことである。

多くの皆さんにご参加いただきたい。

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2010年02月12日

サッカーで地域を元気に

朝日新聞主催、ファミリーマート協賛の親子サッカー教室(@駒沢オリンピック公園)に子どもたちと一緒に参加した。

澤登サッカー教室元清水エスパルス・日本代表の澤登正朗さんがコーチであった。

プロ選手が指導してくれるだけでなく、子どもたちの目の前でフリーキックやボレーシュート、オーバーヘッドなど一流のプレーを実演してくれたのは、子どもたちの脳裏に強く焼きついたと思う。

長男は数日前に足首を骨折してしまったため車イスで見学だったが・・・。

朝日新聞社は、「Jリーグ百年年構想」のパートナーとして、年間100ヶ所でサッカー教室を開催するなど、広報・啓発事業を行っているようである。

澤登号外当日のグラウンドスタッフの人数も相当なものだったし、後日「参加記念修了証」を記念写真とともに郵送してくれることになっているなど、かなりの力の入れようである。

当日の練習模様を載せた“号外”新聞も発行された。(さすが新聞社!)。

Jリーグ百年構想のHPには、
○あなたの町に、緑の芝生におおわれた広場やスポーツ施設をつくること。
○サッカーに限らず、あなたがやりたい競技を楽しめるスポーツクラブをつくること。
○「観る」「する」「参加する」。スポーツを通して世代を超えた触れ合いの輪を広げること。

が掲げられている。

スポーツを通じて地域を元気にするというコンセプトだ。

2019年にはラグビーW杯も日本で開催されることになっているし、サッカーに限らず、様々なスポーツで地域社会が元気になっていくことが期待される。

そのためにも、サッカー教室のような継続的な活動は、中長期的・教育的視点から見てもきわめて重要だと思う。

また、こうした活動を支援してくれる企業も貴重なリソースである。

かく言う我が家は、当日、サッカーボールの景品に釣られ、ついでに新聞購読の申し込みまでしてしまったのであるが・・・。(朝日新聞様、本業への貢献もさせていただきました。)

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2010年02月05日

プレーパークと「新しい公共」

先週末、世田谷公園で、NPO法人プレーパークせたがやと、池尻小学校88会(おやじの会)の共同企画で「逃走者」という大鬼ごっこイベントが行われた。
逃走者イラスト逃走者横断幕
お父さんたちがサングラスと黒ネクタイ姿でハンター(鬼)役をやり、捕まった子どもたちは檻に収容される。

3つのカギがそろうと檻から解放され、また逃走を続けることができる。

逃走者人いっぱい子どもたちが2〜3百人集まる大イベントである。

しかし、広い敷地を縦横無尽に駆け回る子どもたちを捕まえるのは、予想以上に難しい。
上級生ともなると、1対1ではほとんど逃げられる。
でも、大人が数人で1人の子どもを追い込んで捕まえてしまうなんて、大の大人のやることか?
かといって、低学年の子どもたちばかり捕まえるのも大人げない。

・・・とかあれこれ考えていたが、ガキどももこざかしくて、捕まりそうになると「いまトイレに行くところ」とか「お腹が痛くて休憩中!」とか何とか言って(ほんとか??)、かわそうとする。
ひどい場合、タッチしたのに、素直に檻に向かわず、そのまま逃げ続ける子までいたりする。そりゃ完全にルール違反だろう!

こりゃまぁ手加減してたこちらが甘かったかと、今更ながら気づき、本気で追いかけ始める。
世田谷公園風景
もっとも、のどかな世田谷公園で、怪しいサングラス姿の男たちが小学生を追いかけ回す姿は、誤解を招きかねない光景だっただろうけども・・・。



さてプレーパークは、次のような考え方で運営されている。
【NPO法人プレーパークせたがやHPより】
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自分の責任で自由に遊ぶ

プレーパークは公園での自由な遊びをめざして、区と地域の人たちとプレーリーダーとの協力で運営されています。

ここの遊具は、区で作ったものではありません。
子どもの欲求に応じて、プレーリーダーやボランティアの人たちの手で作られていますので、安全点検にはみんなの協力が必要です。
気がついた事はプレーリーダーに知らせてください。

子どもが公園で自由に遊ぶためには、「事故は自分の責任」という考え方が根本です。
そうしないと禁止事項ばかりが多くなり楽しい遊びができません。

このプレーパークのモットーは、「自分の責任で自由に遊ぶ」です。
みんなの協力で楽しい遊び場をつくりましょう!
=========================

安全点検にはみんなの協力が必要です」というくだりは、昨今あまり見かけないフレーズである。

安全性の確保は、役所の責任だ!というのが“常識”になっているからだ。

もし何か事故が起こったら?など、いざというときの責任を中心に考えるのが、役所の普通の発想だ。
いや、これは役所の本来的な性質というよりは、住民、親の求めに対する役所の対応の結果として出来上がった姿と言ったほうが適切かもしれない。

しかしプレーパークの本質は、そうした責任論よりも、「禁止事項ばかりが多くなり楽しい遊びができません」、すなわち、子どもたちの遊びにおける想像力や発想力を最大限伸ばすことにこそあると思う。

規制でがんじがらめの閉塞感ある社会から脱し、真に豊かな社会をつくっていくためには、役所の出過ぎた対応を控えると同時に、住民自身が責任を持って地域社会を担っていく必要がある。

そう考えていくと、プレーパークには まさに「新しい公共」の考え方が映し出されているように思う。

逃走者の檻ちなみに、子どもたちを収容するための檻は、1週間前に88会メンバーが集合し、杭を打ち、ロープや網をゆわえたりして準備したものである。

大勢の地域の子どもたちが楽しんでくれた、手作り感たっぷりのイベントであった。

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2010年01月01日

混ざった暮らし

大晦日に、愛知県長久手町のゴジカラ村を訪問した。

雑木林に囲まれた斜面に、「もりのようちえん」、託児所、ケアハウス、特別養護老人ホームなど様々な施設があって、お年寄りから子どもたちまで幅広い年代の人たちがお互いに行き来しながら過ごせるようになっている。

理事長の吉田一平さんによると「昼間は大人も子どもも、みんなそれぞれに決められたルールや規則の中で生きているけれど、夕方5時を過ぎれば、誰もが本来の自分に戻る。そういう等身大のつきあいがいつもある場所を作りたかった」(奥様ジャーナル紙より)。

子育て世代の私からすると、やはり圧巻は「もりのようちえん」だ。

ごみごみした街なかに作られた手狭な幼稚園に比べ、広さはもちろんのこと、雑木林の中の斜面は、自然がそのまま残されており、季節によって移り変わる環境は、子どもの本能的な冒険心を否応なくくすぐるはずである。(私も子どもに戻って遊びたいぐらいだ!)
教室や職員室もログハウス風で、地域の人たちも出入りできる憩いの場になっている。

また、通常の老人施設は、要介護者と介護サービス提供者だけで構成され、世の中から隔絶された環境になってしまいがちなのに対し、ゴジカラ村の施設は、子どもや若い世代が出入りする環境にある。

このほかにも、今回は訪問できなかったが、ぼちぼち長屋では、寝たきりのお年寄りと子連れ家族や独身OLが、一つの「長屋」で共同生活を送る仕組みになっているそうだ。

吉田さんは、こうした「混ざった暮らし」をすることによって、固定的な人間関係によって失われがちな「立つ瀬」が得られ、人間の本来的な生き方ができるはずと語る。


ただ、このように従来の“通常”の概念を大きく転換する取り組みを実践されている吉田さんは、幼稚園や福祉施設に関する行政のタテ割り・画一的な設置基準とは戦い続けてこられたようだ。

広く納税者から集めた税金を扱う行政には、効率・平等・公平といった観点がどうしても伴いがちだ。
これは、すべての納税者に対して説明責任を求められる行政にとって、必要悪という側面もある。

しかし、すべてを行政の枠組みに当てはめようとすることに本来的な無理がある。

人の暮らしや人生に、タテ割り・画一といった合理的な整理はできないのである。

人間の本来的な生き方を肯定し、真に豊かな生活を送ることのできる日本をつくっていくためには、公共のあり方を行政が独占的にルール化してきた姿を改め、地域社会の様々な担い手の主体的な行動と責任による社会づくりが必要である。

新年を迎え、あらためて従来の官独占から、官民協働・官民融合による「新しい公共」への転換を進めていきたい想いが強くなる一方である。

皆様、こんな私ですが、本年もどうぞよろしくお願いいたします!!

shigetoku2 at 18:49|PermalinkComments(6)TrackBack(0)