2016年12月06日

新札事件 その5

【しきち】
高額紙幣交換をめぐるゴタゴタはまだ続いている。以下、同僚らとの会話。

「出回ってる新札の、2千ルピーっていう金額が大きすぎるよね。5百ルピーがまだ流通してない」
「ATMがほとんど稼働してないのも不便すぎる」
「引き出し可能な金額(ATMでは1日に2,000ルピー、窓口では週に2万4千ルピー)が小さすぎる」
「俺の義母が新札発表の1週間後に亡くなったんだけど、本当に現金を集めるのに苦労した。坊さんも斎場も、現金無しにはどうにもならない。結局、手数料を払って旧札から新札に交換する人物を見つけて、交換したんだ。口座には預金があるのにひどい話だよ!」
「それはひどいね!中央銀行の通達では、冠婚葬祭の費用は旧札でも支払えるようだったけど」
「通達くそくらえだ。結局、現金商売の現場じゃ受け取らないんだから。病院じゃ人が死んでるって話だぜ、心臓発作で家族を病院に連れて行ったって、金が支払えないから診察室に入れないってさ」
「・・・それはマズイね。私立の大きな病院じゃカード決済が当たり前だけど、田舎じゃそうもいかないだろうし。中央銀行は公立病院では旧札を受け取るって言ってるけど、受取拒否をいちいち取り締まるわけでもないから、有り得る話だね」

「俺の経験談を聞いてくれ。先週、シンガポールに出張で出かけた時、行きのタクシーでルピーの現金をほぼ使い果たした。だから忘れずにシンガポールドルを残しておいて、バンガロール空港の到着ターミナル内の両替屋に並んだ。1,800ルピー相当になるはずだったんだけど、2千ルピー札しかないから釣りの200ルピーを寄越せって言われてさ。『無い』と言ったら、ターミナルの外の両替屋なら少額紙幣があるかもしれないって言うんだ。仕方ないから外に出てみたら、ものすごい長い行列。やっと俺の番が来たらこれまた2千ルピー札しかないと言う。焦って『ここで替えられなかったら俺は帰宅できないんだ、何とかしてくれ』と拝み倒したよ。両替屋は知り合いやら何やらに電話して1,600ルピーの現金をかき集めて『これしか手当できない』と渡してきた。もう黙って受け取るしかなかったね。23時到着のフライトで、帰宅したのは午前2時過ぎだったよ」

この体験談はダントツ「ツイてない話」と認定され、しきちは「次回そんなことがあったら私が現金をタクシーで届けに行くから電話してよ!」と叫んだのであった。
  
Posted by shiki_chin at 02:46Comments(0)TrackBack(0)インド

2016年11月27日

新札事件 その4

【しきち】
10日間の旅を終えて、先週の日曜にインドに戻ってきた。しきちの目論見ははずれ、新札をめぐる混乱は続いている。体感した苦労をまとめると。

/兄イ500と2000ルピーが発行される予定だが、500ルピーの流通が遅れている。しきちもまだ手にしていない。2000ルピーは出回っているのだが、金額が大きすぎて釣り不足の商店では受け取り拒否。旧来の100ルピー札に人気が集中する結果に。
銀行ATMの新札対応に時間がかかっている。100ルピー札をたくさん補充して稼働しているATMがごくまれにあるが、長蛇の列。
6箙圓料觚では現金を引き出せるが、営業時間中に行かねばならず、週に24,000ルピーまでしか引き出せないという制限付き。


とりわけ,量簑蠅録執錣如△靴ちは2千ルピー札を5枚ほど手に入れてほくほくしていたのだが、確かに八百屋で野菜を買う際に使うわけにはいかない。結局購入自粛。またもや、なるべく現金を使わないよう、家で備蓄食材を調理して酒を飲むという生活である。しきちの職場には「メイドさんの月給が6千ルピーなのだが、2000ルピーを受け取り拒否され、100ルピーの確保にかけずりまわっている」という人もいる。しきちと同じような消費者は少なくなく、巷には買い控えムード満載で、乗用車から大衆食堂まで、多くのセクターで売り上げが減少。経済への影響が取りざたされている。

の問題も、近くに取引銀行の支店がないしきちは苦慮して、同僚にネットバンキングから送金して引き出してもらうという手段で乗り切っているが、万が一にも同僚に税務調査などの迷惑がかからぬよう最低限にとどめている。

とはいえ現在のインドではネット決済やeコマースがものすごく発達していて、電気・電話代等の支払いには支障がないし、日用品だって金額にかかわらずネットショッピングして配達してもらえる。よって、都市生活者への影響は大したことがないと言える。だがインド国民の7割と言われる農村生活者の苦労は並大抵のものではないだろう。野党主導の抗議ゼネストも画策されているらしく、まだまだ余波が続いているのである。
  
Posted by shiki_chin at 11:12Comments(0)TrackBack(0)インド

2016年11月19日

新札事件 その3

【しきち】
旧高額紙幣の使用廃止が発表された火曜深夜から4夜明けた、先週の土曜未明のことである。しきちはバンコク・ドンムアン空港の人気ないターミナルの端で、呆然と立ち尽くしていた。手には、インドのATMカード 。目の前には、緑・赤・青・黄ときれいに並んだタイのいろんな銀行のATM。それら全てのマシンに、しきちのカードはことごとく拒絶されてしまったのである。

しきち父と姉とのベトナム・ラオス6泊旅行。最初の宿泊地ダナンで集合すべく、LCCエアアジアで早朝にバンコクに着いたしきち、乗り継ぎのベトナム行きは新国際空港のスワンナプームから昼に出発する。二つの空港はタクシーでも30分ほどとかなり離れているが、時間は十分にあるため、屋台で麺を食べたりしながら公共交通機関で向かおうと考えていた。

昨日、4千ルピーの交換に成功したしきち、財布や他の隠し場所にある全ての高額紙幣も銀行口座に無事入金し「1週間の旅行が終わる頃には、新紙幣は余裕で流通していることだろう。タイミング良く海外に行くことになっていて良かったなあ、ウヒヒ」と密かにホクホクしていた。が、インド紙幣に気を取られすぎて、旅行のためにキープしてある米ドルや円の現金を財布に入れてくるのをすっかり忘れてしまっていた。持参した現金は、帰りのバス代の200ルピー(約340円)のみ。あとはクレジットカードが2枚。しかしメトロのチケットも屋台の麺もコンビニのジュースも、クレジットカードでは買えない。

昨日買い物でデビットカードを使ったばかりだから、パスワード間違いや磁気エラーは考えにくい。最近世界で頻発している銀行カード不正使用に備え、銀行が自主的に海外使用をブロックしてくれているのかもしれない。そういえば「海外にお出かけの際はご一報下さい」と銀行からのメールが来ていたような気もする・・・。

姉と父に会ったら現金をねだるしかない、それまでは体力も気力も現金も温存しよう。幸い、航空券を見せればスバンナプーム空港までの無料シャトルに乗れるはずだ。時間が余るが、空港でジッと過ごそう。腹が減りすぎたらクレジットカードを使える高級店で食事をしよう。

しきちは踵を返して無料シャトルに乗り、 新空港へ向かったのであった。  
Posted by shiki_chin at 13:16Comments(2)TrackBack(0)インド

2016年11月14日

新札事件 その2

【しきち】
不意に高額紙幣が使えなくなった水曜から二日たった、金曜のことである。

しきちも新札を求め、職場至近の政府系銀行に行ってみた。朝9時半、店内は意外にのどかで、カウンターの男性が「両替かい、10時過ぎたらおいで」と、声をかけてくれた。10時5分に再訪したところ、店内内には6時組程の地元客がいて賑わっているものの行列までにはなっていない。身分証明書の写しと、急札で四千円ルピーの現金、所定のフォームを差し出すと、5分後に手招きされてアッサリ両替が完了した。

もらったお札は新規発行のものではなく、今回刷新しない20ルピー(約34円)札。帯封つき、連番で200枚である。ハハッと、押し頂き、辞去したのであった。  
Posted by shiki_chin at 22:13Comments(0)TrackBack(0)インド

2016年11月10日

新札事件

a【しきち】
目覚めたら、自分の財布の中身が無効のお札だらけになっていた・・・。

完全にサプライズで行われた、インド全土の高額紙幣政策。日本の家族からの知らせで初めて知った、という友人が多い。しきちも姉のメールを見たのが最初だった。

政策は、ブラックマネーあぶり出しのために現行の500ルピー・1,000ルピーを刷新し、旧札は流通不可にするというもの。金融機関での預け入れには12月末まで応じるので、銀行に入れることのできない黒い金を持っている人は慌てふためくのだ。事実、シュレッダーで裁断された紙幣がゴミとして出されているのが発見された、などというホントかどうか良く分からない報道もみかけた。

発表のあった9日は急きょ、金融機関の窓口は閉鎖となった(窓口現金取引以外は通常通り)。高速道路の料金所では、500ルピーを受け取りを中止したために支払いが滞った車であふれるというシーンが見られた。しきちの職場でも、出張者の昼ご飯を買いに行く際に現金が使えないので急きょカード払いができる店にお遣いに行った。だが、いつぞやかのようにタイヤが燃えたりすることもなく、おおむね混乱なく一日が終わったようだ。

ちょうど飲み会でカード払いし、現金を回収したばかりだったしきちは、手元の現金を預けに銀行に行かねばならないなぁと思っている。また、近所の八百屋は現金しか受け取らないので新札が出回るまでは高額な野菜や果物はやめておこう、と思う。銀行では、来月末までに限っては口座を持たないフリーの人にも4,000ルピーまでの両替をしてくれるらしいが、新札がまだ印刷されていない今、果たして対応してくれるかどうか。

図は「手元の高額紙幣をどうするか」の対応表。出典はYahoo India。祝日がいきなり前倒し・後ろ倒しになった時にも思うのだが、周りのみんなが意外と落ち着いているのを見ると、不測の事態への対応にイライラしない懐の深さに感心するのである。
  
Posted by shiki_chin at 11:39Comments(2)TrackBack(0)インド

2016年10月23日

チェンナイで担々麺

【しきち】
こないだの週末、友人コヤノと「マハバリプラム・ポンデシェリ3日間の旅」に行ってきた。

ポンディシェリ(またはポンディチェリ)はタミルナドゥ州の内部にある連邦直轄地で、酒税等が安く抑えられている。フランス領だった歴史も相まって、ワインを飲みつつフランス料理に舌鼓を・・・という魅力的な地だ。

同僚など、バンガロールから夜行バスで遊びに出かけるものだが、我々は横着してチェンナイまで空路で行くことに。チェンナイからはおよそ4〜6時間のバスの旅である。

チェンナイ経由にした理由の一つが、秋平というらーめん屋さんに寄ることであった。到着日、颯爽と鉄道とバスを駆使して開店と同時に秋平へ。しきちは鶏白湯らーめん、コヤノは塩らーめんをチョイス。「これは美味しいじゃないか」と、帰りも同じ店で今度は担々麺をチョイス。ライスと餃子まで追加した。

日本と変わらぬ味の担々麺が、チェンナイで食べられる時代が来たんだなぁと感慨深い。物件オーナーとの約束により、豚肉は使用せずにスープやチャーシュー等のトッピング・餃子の具にもすべて鶏を使用しているとのことだが、却って鶏だしのうまみが利いており、インド人のお客さんにも受け入れられやすいのではないかと感心した。餃子も大変美味だ。店主の秋本さんとお話ししたところ、バンガロールにも進出を考えているとのこと。待ち遠しい。

AKI BAY
Plot #6, 137 Seetharam Nagar Main Road, Velachery, Chennai 600042
http://www.akibay.com/
  
Posted by shiki_chin at 18:23Comments(0)TrackBack(0)インド

2016年09月13日

水問題

【しきち】
バンガロールに動揺が走った。隣州との水利問題が抗議行動に発展し、多くの企業や商店が半ば強制的にシャッターを下ろしたのが先週の金曜。週末をはさんだ昨日の夕方からは、一部の暴徒がタイヤを燃やしたり車に投石する等の行動に出て、外資系を含む多くの企業は急きょ、社員の安全確保に追われた。

しきちのオフィスも昨日は4時ごろから帰宅して良いことになった。本日(火曜)はもともとイスラム教の祝日で出勤していないのだが、過激派の暴挙を防止するため、いくつかの地区では州政府により外出禁止令が発動されたこともあり、市内は渋滞なく静かな様子。TVのニュースで暴挙の様子が流れたため人々の不安が募ったようではあったが、本日の昼段階ではデマに煽られず落ち着いて行動することを声高に呼びかけている。写真はバンガロール市警察がリツイートした「市内は特に混乱なし、市バスも運行を始めつつある。噂にまどわされないように」というツイッターの書き込みや、祝日を祝うムスリムが例年どおり祈りを捧げている写真。

現代の生活で、停電よりも困るのが断水ではないだろうか。出勤前にシャンプーをしていたらシャワーの勢いが急に弱まり、やがて止まってしまった時のパニックといったらない。また、料理が途中で出来なくなったり、食器が洗えなくなったりするのにも参る。ズボラしきちでさえ、洗髪前にはある程度の湯をバケツに溜めるようにしているし、常時数リットルの飲み水は確保しているくらいだ。しきちのアパートでは30分程度を超える断水はまだ起こっていないのが救いである。

バンガロールでは上水はすべて各家庭の屋上になるタンクに補充されるのだが、タンクへの補給は給水車頼みの家庭がほとんどだ。共同で屋外の水場を使う家庭も少なくない。蛇口をひねれば水が出て来ることが奇跡とも思える。ダムはあるが急激な人口増加に追い付かず、水不足はいつも深刻である。そのため地域を流れるカヴェリ川の利権が重大事であり論争が何年も続いているのだ。一部暴徒の燃やしたタイヤの消火に水を使うのだから本末転倒も甚だしく、悲しくなる。せめて、無駄を省いた生活をしようと思う。  

Posted by shiki_chin at 17:25Comments(2)TrackBack(0)インド

2016年08月22日

バスの車内にて

バスの中で【しきち】
何度も書いていることではあるが、しきちは忘れ物・なくし物がひどい。今までに失くした財布は片手で数え切れず、傘は両手でも数え切れない。携帯電話も2年に1度のペースで失くしている。

意外にも、バンガロールでは失くしたものが発見されている頻度が日本よりも高い。バスの中で「アンタ、財布落としてるよ」と指摘された時は本当にありがたかった。言われなかったら絶対にそのまま降りていただろう。落とした携帯電話は通行人が警察に届けてくれたし、置き忘れた傘は翌日まで店に保管されていた。

昨日のことである。しきちが乗り換えたバスに、見覚えのある女性が乗ってきた。乗り換える前のバスでも一緒だった乗客だ。特に顔見知りのわけではないが、妊婦さんなのか太り気味なのか分からない点で記憶に残っていた。

バンドバッグとピンクの手提げかばんを持って、何となく重そうである。向かいの席の女性が席を少し詰めて、手提げかばんを置くスペースを作ってあげた。

車内が少し空いてきたころ、その女性は降りる様子で前の方に動いている。あれっ、ピンクの手提げかばんはどうしたんだろう・・・と思い、しきちは女性の腕を軽くつついて「あのバッグはあなたのじゃないの?」と指摘してみた。女性はあれっと言うように眉を上げ、ピンクのかばんを手にとると、サッサと降車していった。

お礼を言われる必要もないけど「イエス、そのとおり」とだけでも言ってもいいんじゃないのかなぁと少々残念ではあったものの、いつもは自分が指摘される忘れ物を指摘する側になり、ちょっと恩返ししたような気分である。

今日乗ったバスでは、乗客と車掌がお釣りのやり取りでケンカになっていた。バンガロールの市バスでは、小銭のお釣りが慢性的に不足しているのと金銭授受の時間を短縮するために、お釣りは後で受け渡されることが多い。切符の裏にお釣りの金額が3とか80とか書かれるので、降車前に請求するという仕組みだ。しきちはすっかり忘れて降りてしまったこともあるし、1ルピーならおまけしてもらうこともある。バスやオートでは少額紙幣と小銭をあらかじめ準備しておくのが良いだろう。
  
Posted by shiki_chin at 03:16Comments(0)TrackBack(0)インド

2016年08月17日

配車アプリ その2

https://www.olacabs.com/
【しきち】
前回・8月15日の画像は、メールで送られてくる「レシート」の一部。この日は20劼らいの距離を相乗りで利用し、約380円。左の画像は、別の配車アプリ「OLA」の公式サイトより、車を呼ぶ画面のイメージだ。「付近に3台車がいて、到着まで所要2分」と教えてくれている。

非常に便利な配車アプリだが「一人では不安なので使わない」「運転手と二人きりになるのが怖い」という声もある。首都デリーでタクシー乗客の女性が暴行された事件の影響も少なからずあるだろう。

しきちも、5分ほど居眠りした間に遠回りの道を通られたことがあり腹が立ったことがある。こんな場合はアプリの「フィードバック」機能から「遠回りをされた」という項目を選んでメールすると返金が受けられる。運転手の都合で配車キャンセルになった場合のキャンセル料も同じく還付される。

如何ともしがたいのが、金曜の夜や大晦日の夜、大雨の日などに車がつかまりにくいことだ。最高級の車種を選んでも「付近に空車無し」となり、ぼんやりとスマホを覗き込みながら待つことになる。しきちも30分待ちの憂き目にあったことがあり、しかもやっと来てくれたドライバーに「僕の家と反対方向だからなぁ・・・途中までじゃだめかな」と言われて弱り切ったこともある。「途中まででもいいよ、タクシーが客待ちしてるところがあるから」と提案したのだが、気の毒に思ってくれたのか、結局家まで連れて帰ってくれた。また、自分の現在位置がうまく伝えきれず、5分で来るはずの車と30分会えずに往生したこともあった。

思えばUBERが無いころは、シティタクシーなるものを半日や4時間といった単位で借りていた。遅くとも前日までに予約が必要なので、飲みに行って夜遅く帰る際などには使いにくい。深夜のオートリクシャは安全とは言えず人には勧めないのだが、やむなく使うことも少なくなかった。足回りの事情が悪いのを誰もが知っていて、一緒に飲みに行った人同士で必ず「今日、車が無い人は?」と確認しあって帰りの算段を付けるのが常だった。自分用の車を持たないしきちにはありがたかった。

とはいえ実は流しで捕まえられるオートリクシャが便利だと思っているしきち。このところ、配車アプリに客を取られたオートはマナーが改善しているように感じられるのはしきちのひいき目かもしれないが。

https://www.olacabs.com/  
Posted by shiki_chin at 14:12Comments(0)TrackBack(0)インド

2016年08月15日

配車アプリ その1

UBER【しきち】
スマホでタクシーを呼べる配車アプリ。UBERやOLAが一般的で、しきちもここ2年ほど、UBERのお世話になっている。デリーの地下鉄とともに、インドで暮らす外国人の足回りを画期的に向上させた配車アプリは、今や市民の生活に欠かせないと言っても過言ではない。

日本ではタクシー会社の配車に限って使われているそうであるが、当地ではアプリを立ち上げると付近にいるUBER契約車が地図上に表示されるので、目的地を入力して「呼ぶ」というボタンを押すとのこのこやってきてくれる。ドライバーはフロントガラスに設置したスマホ上の地図に乗客の入力した目的地までの道順が表示され、ナビゲーションシステムが音声案内もしてくれるので道に不案内でも営業できる。このためか、地方から来たばかりの英語を話さないドライバーも少なくはないのだが、何しろ目的地まではナビが案内してくれるから、利用者も特に道順を説明する必要はなく、その点はオートリクシャよりも楽である。

駐在員の奥様であるN子さんも、基本的に会社支給の車を使用できるとはいえ、旦那さんと別行動の時などUBERを活用している。そんなN子さんが「今日、UBERで家から来たんだけど、途中で知らない女の子が乗り込んできたわ。思わずにらんじゃった」と話し出した。

「それはN子さんが相乗り設定にしたからだと思いますよ」と間髪を入れずに独身のY子ちゃんが指摘する。配車アプリは「7人乗りミニバン」「セダン」「ハッチバック」など、車種を特定できるようになっており、同様に「相乗り」という選択肢を選ぶとおよそ3割から5割引で利用できる代わりに、同じ方向に行く同乗者とのシェアになるのだ。

「え!そんな設定があるの?!」と言いつつスマホを覗き込む二人。果たしてY子ちゃんの言うとおりで「どおりで最近料金が安いと思ってたのよね」とN子さん。急いでいない時はお勧めですよー、とヘビーユーザーのY子ちゃん。彼女らに刺激され、しきちも積極的に相乗りを使うようになった。反対側車線を通行していた車が20代の空港へ向かうらしき青年を乗せてしきちをピックアップするためUターン。そして途中でしきちの目的地へと寄り道をしてくれたのだが、青年も運転手も終始無言。Y子ちゃんも「そうそう。乗客同士は常に無言で、話しかけられたことって一度も無いです」とのこと。首都圏の通勤列車なみのマナーが確立されているらしく、面白い。

N子さんににらまれた女の子も、何事だろうかと疑問に思ったかもしれないが、黙ってスマホをいじっていたそうであった。
(その2は8月17日に更新予定)  
Posted by shiki_chin at 16:35Comments(0)TrackBack(0)インド