2021年07月10日

停電

【しきち】
バンガロール市および近郊では、停電は珍しくない。

日中に発生する地区ごとの計画停電は、たいてい2〜3時間で復旧する。電力公社のツイッターで「現在○○地区が停電中です。復旧は12時半の予定です」などと教えてくれる。

雨が降った後にも、しばしば停電する。感電事故を未然に防ぐものと聞いたことがある。15分で復旧することもあれば、1時間以上続くこともある。夜だと真っ暗な中、諦めて就寝してしまうこともある。

工場やオフィス、大規模な集合住宅はディーゼル自家発電機を備えていて、停電時は自動的に自家発電機に切り替えることで対応している。しきちのアパートにも発電機はあるのだが、各戸への供給ではなくエレベータや共有スペースの照明のみをまかなっている。家庭用の発電機を備えている人もいるが、しきちを含む多くは充電式電気スタンド程度しか持たない。在宅勤務用に、勤務先からパソコンと並んでUPS(無停電電源装置)を貸与してもらい、インターネット用のルーターに使っている。

朝10時ごろに電気が来なくなったのはある月曜のことだった。すぐ復旧するだろうと、ノートパソコン内蔵バッテリーとUPSでしのいでいたが、お昼になっても停電している。電力公社のツイッターにも情報がない。焦ったしきちは、団地内の発電機ルームに様子を見に行った。中には小さな作業机があり、技師が数人いる。聞くと「4時半まで停電だよ」と。やむなく同僚らに、停電のため夕方まで働けない旨を連絡した。

その週の木曜。気づいたらまた朝から停電である。忙しかったので電力を節約するのも忘れており、11時ごろにはUPSが充電切れに。聞きに行くと「5時まで停電」という。この時点でようやく団地のインフラ工事のための計画停電だと知った。急遽、勤務先に頼み込んでフル充電したUPSを届けてもらったのだが、来るまでの2時間は頭を抱えたまま家の中をウロウロ歩くばかり。カフェなどで仕事をしようにも、ロックダウン中で持ち帰りのみの営業なのも痛かった。

そして翌火曜。今回は事前に計画停電だと知っていたので、早起きしてUPS2個と携帯電話をフル充電し、パソコンは省電力モードに。停電になるとUPSを1つずつ使用し、電池が切れると発電機ルームに持ち込んで充電してもらった。最初は「5時だよ」と追い返されそうになったが、しきちの意図を察すると「そこのコンセント使っていいよ」と。2往復したら夕方になり電気が復旧した。

アパートの管理室によると、インフラ工事は無事に終了し、日中の一斉停電も以後は無いとのこと。在宅勤務の中、電気への依存を思い知った。住民は落ち着いて備えていたようで、騒いでいる様子は全くなかった。アパート住民用掲示板をまめにチェックすることの大切さが教訓に残った出来事であった。


Posted by shiki_chin at 16:39│Comments(0)