復興資金流用化問題MLブログ

25兆円の震災復興資金がありながら進まない被災地の復旧・復興。 全国民の増税協力とサービスの棚上げで集めた復興資金が"目的外使用"されている。 これを知った被災地から「返還を求める声」が上がり始めた。

ー被災者に寄り添ってー
怒りを明日のエネルギーに


趣旨:

被災地復興支援資金は、被災地の復興支援のために予算化されました。全国民の願いを受けて、国民的なサービス(高速道路無料化や子ども手当て等)の実施を棚上げし、増税(所得税、住民税、法人税)を行い、22兆円あまりが集められました。

ところが、その復興資金の兆を越える一部が被災地に使われず、国の役人たちによって流用されていることがわかりました。省庁の予算を増やし、特定の利権に繋がる流用を図っていたのです。

これほどの役人たちの腐敗は、かつてなかったことです。事実を明らかにし、本来の目的である被災地の復興や被災者、避難者の支援に使われるよう働きかけていくための情報発信ツールです。

監修:環境ジャーナリスト 青木泰

6・20講演シンポジウム            <避難住宅打ち切り撤回>
― 高まる資金流用への批判―
復興資金を被災地、被災者に戻せ!―
      
被災地や被災者・避難者への支援復興のために予算立てされた復興資金が、全国の市町村の清掃工場のごみ焼却炉などの建設補助金として使われています。

本年5月12日、富山県高岡地区広域圏事務組合でも、71億円の補助金を戻すことを求め、大阪堺市に続き住民訴訟が開始されました。お金を被災地・避難者に取り戻す試みが、大きく広がりつつあります。資金難を理由とした避難者への住宅手当の廃止等許されません。

東日本大震災ー原発事故後、先の3月11日で、4年を過ぎ大手メディアも一斉に、被災地に目を向け、被災地の復興の遅れや被災者や避難者の生活を伝えています。 

しかし震災復興が遅れている大きな理由として、震災復興予算が官僚機構によって利権流用され、今も放置されている事実については、ほとんど報道されていません。

 被災地への復興資金を国の各省庁の事業計画に流用するのは、火事場泥棒のような許せない行為です。このお金は、国民へのサービス(高速料金の無料化、育児手当)などを棚上げし、増税する中で作り出された復興予算です。

 絆キャンペーンの下、計画を立てたがれきの広域化処理(400万トン)が、わずか4%の18万トンで終わり、その結果残った数千億円の巨額の予算の使い道が、焼却炉の建設費への補助金だったのです。

  記

日時:6月20日(土)19時~21時半(18時半開場)
場所:東村山駅 駅ビル(ステーションサンパルネ)2階 コンベンションホール
   (042-395-5115) <「高田馬場駅」から西武新宿線で30分>
主催:NPOごみ問題5市連絡会&同開催東京実行委員会 (090-3088-60007)

来る6月20日の講演シンポジウムは、下記の講師で行われます。
講師:川渕映子 東北AIDE(エイド)&「復興資金返さんまいけ・富山」代表 
  同:飛田晋秀 写真家(福島の写真家)
  同:青木泰  環境ジャーナリスト
 
川渕映子さんは、東北大震災以降は、すぐに東北に大型バス1台をチャータし、数十人で、一週間に1度駆けつけるなど、驚異的な支援活動を行なってきた「東北AIDE(エイド)」の代表で、今回の富山県高岡の住民訴訟を、応援する本件訴訟の支援団体「復興資金返さんまいけ・富山」の代表です。進まない東北の復興に「お金が無いと」何度も聞かされる一方、地元の高岡地区の清掃工場に巨額の復興資金が投入されていたおかしさを知り、「復興資金返さんまいけ・富山」の代表になりました。


飛田晋秀さんは、震災とフクイチ事故前には、働く人を撮る写真家でした。震災と事故後、福島で生活することを選んだ親とともに、郡山市に残り、福島を取り続けています。撮り続けた写真は、全国やヨーロッパにも展示されています。飛田さんからは、福島の復興の現状を話していただきます。


青木泰さんは、東北支援、絆キャンペーンは、巨額の復興予算を予算化するための仕掛けでしかなく、がれきトリックの下に、資金流用がおこなわれていた事実を話していただきます。3人の話の中から復興資金を被災者・避難者のために取り戻す試みを、首都圏でも開始します。 シンポジウムに賛同・ご参加ください。(6月19日 会計検査院との交渉予定)

高岡提訴と安倍が守ろうとするもの
                  2015年5月15日  環境ジャーナリスト 青木泰
< 前置き >
 安保法制関連の法案が、昨日5月14日に閣議決定され、今国会に提出される。丁度その前々日高岡で住民訴訟の提訴が行なわれました。安倍内閣による法案提出の説明は、反安保の世論の中で米国との同盟関係を結んだおかげで、日本の今日が在り、現状の国際情勢の中で日米のより強い絆作りのために、米国の軍事行動に自衛隊の派遣をできるための法整備を行なうというものです。明らかな憲法違反の法整備ですが、視点を変えて、一体安倍は、何を守ろうとしているのでしょうか。
① 311以降、最大の問題は、1千年に一度と言う東北大震災-津波災害だった。この災害には、20兆円前後の復興資金予算化したが、被災地や被災者のために使われるために予算化した復興資金を、各省庁に資金流用されていた。分かっているだけで、1兆4千億円。数兆円に上ると言う話さえある。災害被災者を守ることは放置されている。
② 311による原発事故に伴う被ばくの影響。すでに子供の甲状腺がんが117人も発症を確認されているのに、御用学者を使って、「被ばくによる影響ではない」とし、今福島への帰還活動を行なっている。被爆者を守ろうとすることは放置されている。
③ 沖縄の辺野古基地反対の再三の選挙や反対活動に示された民意は無視され、沖縄の環境や住民を守るということは、まったく無い。
 政治が前面に立って、一番最初に守らなければならない点を欠落させ、むしろ「被災地、被災者の切り捨て」「福島、被爆者の切捨て」「沖縄の切り捨て」が進行している現実があります。安倍たちがレールを引こうとしているのは何なのでしょうか。おじいちゃま岸の幻影を追うお遊びに付き合えない。
 
<高岡提訴―復興資金流用問題に大きな一石>
5月12日、富山県高岡地区広域圏事務組合(高岡市、小矢部市、氷見市のごみを処理する1部事務組合)に対して、同組合の焼却炉の建設費補助を名目に、復興資金が使われたことに対して、その返還を求める住民訴訟が提訴されました。添付は、北陸中日新聞の報道(5月13日)。北日本放送が動画配信しています。以下のサイトをご覧ください。
http://www.knb.ne.jp/news/detail/?sid=7444


開三信さんが9人の原告の代表。富山県から被災地に震災直後から支援活動を行なってきた「東北AID(エイド)」代表の川渕映子さんが、本件訴訟の支援団体「復興資金返さんまいけ・富山」の代表、そしてがれきの広域化問題に係わってきた宮崎さゆりさんが、本件流用化問題をはじめとする事務局を担うと伺っています。

訴訟代理人弁護士は、大阪府堺市の資金流用への住民訴訟の弁護士でもある谷次郎弁護士です。

―訴訟に至る諸準備(住民監査請求、却下以降の住民訴訟の準備、弁護士さんのお願い選任、お金集め等)皆さん大変ご苦労様でした。堺市の本多真紀子さん、弁護士紹介や訴訟準備でありがとうございました。―

<復興資金流用問題とは、・・・・今も続いている>
復興資金流用問題は、被災地への一刻も早い復興を願い、未だに避難生活を送る被災者への支援を目的に集められたお金が、各省庁の通常予算に流用されていた違法な犯罪事件といえます。

復興資金は、その財源を、国民へのサービス(高速無料化や育児手当等)を棚上げし、さらに増税(所得税、住民税の増税)までして集めたものです。この流用は、そうした国民の思いを裏切るだけでなく、復興資金で立ち直ろうとしていた被災者をも裏切る卑劣な行為といえます。

被災者につぎ込まなければならない予算を、別に流用していたというだけで、未来を閉ざす行為であり、私自身も、この火事場泥棒のような行為を平気で行なう官僚体制を放置して、日本の明日は無いと考え、全国の皆さんと連携して、復興資金流用問題Mlブログの立ち上げに協力してきました。

(復興資金流用化問題MLブログhttp://blog.livedoor.jp/shikin_ryuyo/ 参照)

事実をたどると、被災地、被災者への支援を願って集めた資金を、各省庁が、通常予算で執行しなければならない事業に流用していたのです。流用されていた事例は、2013年当時、東京の税務署の建て替えに使われたり、原子力の研究費に使われたり、九州の林道建設に使われていた件が次々に明らかになり、さすがのNHKはじめ、大手新聞でもあまりのひどさに、批判的にこれらのニュースを取り扱いました。

しかしこの批判を受けて財務省の指示で、流用化を止めたのは、未執行であったうちわずか1000億円分だけでした。世論の批判への空気抜きのような対応でした。

確かに、官僚たちは、直接その予算を使って飲み食いしたわけではなく、直接の犯罪行為は成立しません。その金を本来各省庁の予算を使ってやらなければならない事業につぎこんだだけです。

しかし国家財政は、財形法定主義の立場で、歳出予定するものは、予算化し、国会での承認を得る事が、法令上の原則です。それで無ければ、国家の官僚たちに無限の裁量権を与えることになります。予算化のための法令上の主旨から逸脱した目的への歳出は、官僚たちにとって、絶対にやってはいけない事だったのです。

家計に例えれば、食費や保育費などを資金流用して、お父さんの遊興費に使ったようなものです。このような家庭が崩壊を免れる事が無い様に、国家も今回のような流用化は、腐敗と崩壊の端緒となります。

流用化先は、ゼネコン等の事業体への新たな事業予算化などであり、天下り先の確保や裏金請求と考えられ、民間企業における横領行為と同じで、官僚たちの懐を増やすのが目的です。
絆キャンペーンを掲げ、被災地の復興を、全国民の力で成し遂げようと謳いながら、他人の不幸を食い物にする行為であり、これまで官僚たちが行なってきた無駄な公共事業の推進と動機はまったく同じでした。今回も国交省では、沿岸部600箇所に上る総延長400キロにわたる防潮堤を建設する1兆円の無駄な防潮堤建設計画や厚生労働省では雇用創生事業といいながら、予算化した2000億円のうち1000億円しか被災地の地元で使われていないという報告もあります。

<なぜ全国の市町村の清掃工場の建設費に復興資金が使われる?>
 中でもひどかったのは、環境省です。そのひどさは、がれきの広域化との闘いを通して、実態が明らかになりました。(注1:「引きさかれた絆-がれきトリック、環境省との攻防1000日」参照)

環境省は、復興資金を全国の市町村の清掃工場等の焼却施設の建設・整備費の補助金に使っていたのでした。

環境省は、100以上の市町村にお金をばら撒き、金額は数百億円に上っていました。子ども被災者支援法が成立した後にも、1円も予算がつかず、お金が無いといっていた当時、復興資金を市町村の建設費の補助金にばら撒いていたのです。

金額的にその筆頭が86億円を支給した大阪堺市であり、2番目が今回の高岡地区広域圏事務組合の71億円だったのです。

誰が考えても復興資金を全国の清掃工場の焼却炉等の建設費に使われるのはおかしい!!

その疑問に対して環境省が示した見解は、その清掃工場でがれきの受け入れが可能になるように、建設整備する場合には、復興資金から補助金をつぎ込むようにしたということです。  (意味が分からない!!)

もう少し説明すると、環境省の見解は、被災地でのがれきの処理を早く進めるためには、全国の市町村の清掃工場に運んで処理するがれきの広域処理によって進める必要がある。
ところがその清掃工場が直ちに受け入れる事ができる条件に無いとき、その建設や整備費に復興資金に補助金をつぎ込んでよいというものです。

ほとんど風が吹けば桶屋が儲かるといった類の理屈です。

しかしこの屁理屈は元々間違っていました。がれきの広域化計画は、全国の市町村には、焼却能力に余力がある清掃工場があるので、そこを使って、がれきの受け入れを行うということで始められた計画でした。予定先が建設整備しなければ受け入れられないのであれば、被災地の地元で建設すれば、被災地での雇用対策にもなったのです。

環境省の説明を聴いていると、いよいよ今回の資金流用は、先に補助金をつぎ込みたい市町村があって、がれきの受け入れは全くの口実だった事が分かります。

<復興資金を受けたところで、がれきを受け入れたのは1割>
2013年3月、この資金流用問題が大きく取り扱われた中で、東京新聞の1面で報道されたのは、がれきの受け入れを口実にしながらこの補助金(注2)を受け取った市町村で、がれきを実際に受け入れていたのは、1割でしかなかったことが報道されました。

実際、堺市でも、受け入れの検討すら行なっていませんでした。

また高岡地区広域圏事務組合では、受け入れようにも保有する清掃工場が完成稼動したのが、2014年9月であり、がれきの広域化が、終了する予定は、2014年3月31日であり、この時点では、高岡地区広域圏事務組合には、焼却施設すらなかったのです。

環境省にとって大事だったのは、がれきの広域化ではなく、がれきの広域化で巨額の復興予算をつけ、それをばら撒く先がほしかっただけであることが分かりました。

今回の住民訴訟で、堺市での訴訟に続き、この高岡の問題も、司法の場で争われることになりました。

<「人のうわさも75日」に終わらせない>
誰が考えても、全国の市町村の清掃工場の建設費の補助金を、復興資金から出すのは可笑しい。

2013年当時、週刊ポスト(同年4月12日号)などでも「震災がれき受け入れ、『表明して撤回』でも176億円ーこれじゃやるやる詐欺だ」と取り上げました。

またがれきを1トンも受け入れず、もともと受け入れるつもりもなかった大阪堺市への86億円の環境省による押しつけのような流用は、大阪の地元では、メディアも取り上げる大問題になり、堺市への抗議は、500件を上回ったといいます。

これまでは、国や行政による理不尽な政策に対して、大きな批判と怒りを巻き起こしても、国は、ひたすらその批判に耐え、「人のうわさも75日」とほとぼりが冷めるのを待つというのが対応上の基本でした。

しかしこの問題には、大阪府、堺市の市民である本多真紀子さん他の住民が、1年後の2014年3月に住民監査を行い、そして6月には住民訴訟を行い、この86億円の返還を求めて今も訴訟中です。

また今回は、高岡地区広域圏事務組合(高岡市、小矢部市、氷見市)の市民らが原告になり提訴し、富山県全域からこの訴訟を応援する体制が作られつつあります。

応援団の代表である川渕映子さんは、元々東南アジア域を含め、災害支援等を行なってきたボランティア団体に所属していました。

東北大震災に対しては、すぐ後、大型バスを仕立て数十人で、金曜日夜から現地に炊き出し等の応援に駆けつけ、月曜の朝に帰るという行動を数ヶ月一週間ごとに続け、今も一ヶ月に一度てきた「東北AID(エイド)」(http://tohokuaid.net/)の代表者です。

当然そうした活動を通して、被災地の復興に対して改善提案等も行なってきましたが、「資金が無い」と言う厚い壁に阻まれてきたといいます。そうしたときに耳にしたのが、富山県高岡市に復興資金71億が投入されるという話だったのです。

今回の記者会見の中でも川渕さんは、「復興予算が(一般ごみ焼却施設に)使われるのは、高岡市民として恥ずかしい。きちんとした使い方をしてほしい」と話しています。

私たちは、資金流用化問題MLを立ち上げ、情報交換し、国が行ったこの許されない行為にたいし、怒りの声を冷ますことなく、行政への異議申し立てを行い、この許されない行政行為をチェックとしてきました。

チェックは、がれきの発送側の岩手県と、受け入れ自治体の両面から行われてきました。

がれきの広域化の発送地であった岩手県では、広域化自体がもともと必要なかったことが明らかになってきました。

環境省と岩手県、そして岩手県が測量と計画を委託した委託業者である応用地質(株)による官製談合によって、がれきの広域化の必要性を演出したことが、わかりました。

この件では、すでに国会での質問主意書として、山本太郎参議院議員と吉田忠智参議院議員から提出していただき、一方会計検査院や公正取引委員会への働きかけも行っています。

 がれきを出す側と受け入れ側自治体での闘いをつなぐ住民の闘いは、今回の高岡提訴を受けて、今また新たに始まりました。開きさん他皆さんへのご声援をお願いします。

 6月20日には、川渕映子さんを東京にお迎えして講演シンポジウムを行い、この資金流用問題を問うて行くことになっています。ご注目いただきたいと思います。

 
注1:「引きさかれた絆-がれきトリック、環境省との攻防1000日」 青木泰著 鹿砦社発行

注2:環境省は、市町村の清掃工場の焼却炉等の建設費の補助金を「循環型社会形成推進交付金」と言う名で支給してきました。市町村による財政的な格差があるため、一定の技術水準に合致させる目的もあって、補助金を出していました。もちろんその財源は、環境省の一般財源から支給してきましたが、今回の事例では、その財源に復興資金を使っていたのです。

その際、これまでのものを「循環型社会形成推進交付金<通常枠>」
今回のように復興資金からつぎ込むものを「循環型社会形成推進交付金<復旧・復興枠>と名づけ、これまでの補助金は、最大でも1/2だったものが、建設費のほぼ100%支給するという内容でした。

 復興資金流用についての調査のお願いと要望
   2014年9月12日      326政府交渉ネット

 311東北大震災で発生した膨大ながれきの処理は、被災地だけでは処理できないとして、国・環境省の手によって、全国の市町村で受け入れ処理するがれきの広域化として進められた。阪神淡路や中越地震の時には、被災地復興のためにがれきを他所に運び、余計なお金をかけることはまずいと、被災地での処理が原則だった。
 ところが、コストの検討を行うことなく、がれきの広域化の予算が組まれ、3年後の本年、2014年3月31日終了したが、環境省の発表でも目標の15%しか達成せず、(実際には4%前後)明らかに政策は失敗に終わった。
 がれきの処理費(被災3県)は、当初のがれき総量は約2400万トンと発表され、総額予算は、1兆700億円もの巨額になった。
 がれきの広域化は、ところが、広域化政策の失敗の裏で、復興資金から予算立てした巨額の余剰資金が残った。本来は財務省に返還し、被災地の復興にまわさなければならないお金を、環境省は全国の市町村の焼却施設への補助金に流用していた。
 資金流用先は、全国の市町村の清掃工場の焼却施設などであり、環境省が事業として行っている焼却炉メーカに係る事業への横流しであり、業界との癒着が問われる事態。
 改めて言うまでもなく、被災地の復興のために、国民は、高速無料化や子供手当ての新設を我慢し、税徴収に応じてきた。ところがその被災地の復旧や避難者への支援のために使われる災害復興予算が、国の役人によって流用されるという由々しき事態が起こっている。
 この件で今回は3回目の訪問であるが、国の予算、決算を点検監視する会計検査院として、この事態の解決に向けて、ご努力いただきたい。
 
1. これまでの経過
1)5月21日の要望書「復興資金の流用問題に関して―会計検査院への情報提供と要望」の提出。
 環境省によるがれきの復興予算の流用問題は、堺市の焼却炉建設への86億円の補助金で、週刊ポストやその他の大手メディアなども取り上げ、全国的に有名になった。そこでがれきの広域処理と堺市や富山県高岡地区広域事務組合への補助金に実態を伝え、調査に入ることを要請した。
 この日には、がれきの広域化処理の経過概要と堺市や高岡の問題を伝えた。
その際流用化には3つのパターンがあること、
① がれきの受け入れを行っていないのに復興資金からの補助金を貰っていた事例:堺市他読売新聞の調査では、244億円。東京新聞の調査では、受け取った市町村の9割はがれきの受け入れを行っていないと言うことだった。
② がれきの受け入れは、関連する別自治体(高岡市)が受け入れただけなのに、構成する一部事務組合(富山県高岡地区広域事務組合)の焼却炉建設に、補助金が支給され、その構成自治体(高岡市、小矢部市、氷見市)に復興交付金が支給されていた。
③ がれきは受け入れたが、復興資金からの補助金の対象事業は、がれきの受け入れに関係のない基盤整備事業(北九州市)やリサイクル施設(静岡市)への補助金。がれきの広域化の誘導策。
以上を伝え、どのように運営されてきたか、調査依頼した。
そして関連資料を提供した。

  2)7月4日「復興資金流用化についての調査のお願い」を提出。
 この時には、山本太郎、吉田忠智参議院議員によるこの件でのそれぞれの質問主意書の質問と国からの答弁が出されていることを伝え、ネット上のアドレスをお伝えした。同時に今回の環境省による流用化問題の法令上の根拠になっている環境省通知(環廃対第120315001号)について その問題点を解説した。
 その際一番基本にしたのは、この通知が先にあげた3つのパターンの違法事例にとって、免罪の根拠としてはならないという見解を伝えた。この通知そのものの違法性の点検もお願いした。
 その中で
① 今回の復興資金からの補助金の全体の仕組みについて説明した。
・ 環境省は、市町村の廃棄物処理施設への補助金(交付金)に支給に当たって、循環型社会形成推進交付金に、従来のものを「一般枠」、復興資金から出すものについて「復興枠」として定めた。
・ 「復興枠」では、事業費に対して一定の割合で環境省から補助金を出し、残りの事業費で、従来は市町村の後年度負担になる分(一部のみ交付税として補助)も、全額総務省からの交付税として補助される仕組みを作った。「復興枠」を選べば、市町村の事業費は、全額国の復興資金から補助金が出された。
・ その上で通知に示した条件に合致したものは、「復興枠」で補助金を受け取ることができた。
② 通知の内容とそのあいまい性
・ 復興枠で受け取れる条件は、
ア) 諸条件が整えばがれきの受け入れが可能となる
イ) 他の施設で受け入れたことにより、既存施設で処理することになる予定であった廃棄物を処理することとなる可能性があるもの
とされ、通知書を作るときには、がれきの受け入れを条件とし、その受け入れを促進させるための通知として体裁を整えながら、実際に運用するときには、記載された通知内容に適当に当てはめ、法令をすり抜けると言うやり方が行われている点を伝えました。
③ また本来なら,②に示した条件をクリアーした上で、記載されていた下記の文面が
「なお、受け入れ条件の検討や被災地とのマッチングを実施したものの、結果として災害廃棄物を受け入れることができなかった場合であっても、交付金の返還が生じるものではありません。」一人歩きしている点も指摘しました。
 もしこの文面が一人歩きするようでは、この通知自体その時点で法令違反の文書になる点も伝えました。
 
2. 今回のお願い
1) 第1回でお願いした件の確認。(説明は省略)
2) がれきの広域化と復興資金問題の基本問題についての報告と調査の依頼
<事実についての確認>
① がれきの総量についてー当初2400万トン最終的には1600万トン。3割減。  なぜこのように減少したのか?
cf仙台市は、当初から135万トンを予想。  最終的には134~135万トン。当初の予測値と殆ど変わっていない。
② がれきの総予算ー1兆700億円。
阪神淡路、中越地震でのがれきの処理コストは、1トン当たり2.2万円。
この計算では、2400万トン×2.2万円/トン=5280億円
倍額近い予算を立てていた。
 がれきの広域化処理の費用を、1トン当たり10万円とすると
       400万トン×10万=4000億円
③ がれきの広域化総量は、
  2013年度夏の段階で   宮城県発―6万トン、岩手県発6万トン 合計12万トン。3%。
  環境省は60万トンと発表しているが、それは県内委託処理した分が、下請け関連で県外処理された分を含む。 いずれにせよ環境省の発表を元にしてもわずか15%。 従って多くの予算を積み残している。
 <調査依頼>
① 従来のコストの2倍以上の予算が打ち立てられている。どのような計算立てで、予算化したか?
② がれきの総量の測定があまりのもずさんである。当初の発表量から3割減と言うのは、測定誤差の域を超えている。事態はどのようになっていたのか?
③ がれきの広域化の実態とその使用予算。広域化の必要性についての点検と残余予算の数金額は?
④ がれきに関連する予算とその決算、そして残余分の使い方の内容の詳細

3) 循環型社会形成推進交付金の「復興枠」での支給の具体的な事例
ー通知書の条件のイ)の事例―
交付金―交  交付税―税 合計―合
2012年(H24年度分)
北九州市             1億6,037万3千円  交
                  〃          税
                 3億2,074万6千円 合
堺市               40億 135万6千円 交
                 45億9,557万3千円 税
                 85億9、692万9千円  合
高岡地区広域圏事務組合       8億 555万2千円  交
高岡市               7億2、451万    税
氷見市               1億8,625万7千円 税
小矢部市               9,418万5千円  税
                  18億1,050万4千円 合
2013年(H25年)
北九州市              8億3、775万9千円  交
                  9億9,813万2千円   税
                  18億3,589万1千円  合
高岡地区広域圏事務組合       21億 4,373万3千円 交
高岡市               22億5,424万5千円  税
氷見市                5億7,952万2千円  税
小矢部市               2億9,304万8千円  税
                   52億7,054万8千円  合
4)総務省の交付税の問題
以上
    326政府交渉ネット  青木泰



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