軽傷事故に遭った方で、
自分は決して“軽傷ではない”、という方、いらっしゃいませんでしょうか?

5年前、北松・佐々町で飲酒運転の事故に遭い、
前歯4本が折れ唇などに裂傷を負った前川希帆さん(22)は、
プロのトランペット奏者を目指していた“無限の音色”を失いました。

前歯や唇はトランペットの演奏を大きく左右する身体部位で、
義歯や人工歯にしたり唇を縫ったりした場合、音色が変わります。

その音色について前川さんは「事故前は限界を知らなかった」と言います。
事故の直前、長崎県高等学校音楽コンクール金管楽器部門で金賞を取り
唯一の県代表者として九州大会に出場する筈でした。

何年経っても、どんなに練習しても、その“限界のない音色”を取り戻すことができません。
今は新たな夢 「音楽教師」にチャレンジしています。

けがは「軽傷」と診断されても
我が人生にとって決して軽くはない事故に遭った方、
まだたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。

そんな多くの“軽傷ではない”方々の一条の勇気になれば…そんな思いで取材を続けています。

志久弘樹