ご無沙汰しまくりの島田佳奈です。毎回こんな枕詞ばかり(笑)

さてさて今回は、メルマガ時代から愛読くださっている読者さんからリクエストをいただいた『愛生き』のバックナンバーを。
まぐまぐのほうでは諸事情によりバックナンバーを非公開にしてしまったので、リクエストあれば今後もこのようなカタチで再掲いたします。

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『それぞれの椅子』これは2004年12月に書いたもの。
当時は……ああそうだ、彼女のいる人と恋愛してた頃だw
だからというか「恋人になれなくてもいい」的な強がりが、じわっと行間から滲み出ていますね(苦笑)


『それぞれの椅子』

誰しも、心の中に椅子をいくつも持っている。
恋人の椅子。伴侶の椅子。名前のつけられない椅子。
その人の持つ愛情に応じて、たくさんの椅子がそこにはある。

あたしを座らせてくれる椅子。
それは、あちこちにあるようで。だけど、座り心地の良い椅子はなかなかなくて。

*  *  *  *  *  *  *  *

例えば。オンナに提供する椅子を、たったひとつだけしか持たない♂。
一見、一途で硬派に見える、そんな♂に、
椅子取りゲームのように群がるオンナは多い。

あたしは、そんな椅子にあえて座りたいとは思わない。
座りたいオンナが複数現れたのなら、きちんと自分の意思で考え、選ぶべきだ。

誰でもいいならば、つまりはあたしでなくともいいのだ。
傍観するだけで、自分の意思で選ぶことすらできない♂や、
自分がモテてると悦に入るだけの♂になど、魅力は感じない。

例えば、いつでも用意できて用がなくなれば片付ける、
浮気相手に提供する「折り畳み」椅子を用意する♂。
しかし、そんな椅子の座り心地など良くないのはオンナもわかっている。

「足が疲れていたから、一晩椅子を借りただけ」
そんな風に互いに割り切れれば、それでいいのかもしれないが、
それで済まされなくなったとしたら、これほど座り心地の悪い椅子もないだろう。

「ココに座れよ」と言わんばかりに、両手を広げてあたしを招く「椅子」があるとしたら。
あたしはその耐久性や、それまで座ってきたオンナの残り香を確かめてしまう。
なぜそれまで空席だったのか。それも知っておきたいポイントのひとつ。

「誰も座ってくれなかったから」では、あたしも座る気分になり難い。
空席を埋めるコトだけを考えている安易なサービス業みたいな椅子より、
「この椅子は特別だから、認めたヤツにしか座らせたくないんだ」
と豪語するような椅子を提供されてこそ、オンナ冥利に尽きるというもの。

*  *  *  *  *  *  *  *

座り心地の良い椅子。
どんな名称をつけていても構わない。
だが、同じような椅子をいくつも用意してしまう♂は信用しない。

同じカタチの椅子は、2つとあってはならない。
そんな椅子に他のオンナと隣り合わせに座るほど、
あたしは都合のいいオンナではない。

あたしというオンナが世界で一人しかいないように、
あたしを快適にする椅子は、
他のオンナを快適にする椅子では合わないのだ。

たったひとつのオリジナルでなくては、あたしは決して満足しない。

そんなプライドを保ってきたから、
世間で言う不倫やセカンドの立場に追いやられても、
あたしは涼しい顔を保つことができた。

あたしだけに許された「特別な椅子」を提供してくれる♂だったから……
不遇な関係にすら甘んじられるほど、愛してしまったのだ。

*  *  *  *  *  *  *  *

あたしも心の中に椅子をいくつも持っている。
しかしそれが他と異なるのは、ひとつの椅子には一人しか座らせない、ということ。
愛する♂を座らせる椅子は、ひとつとして同じカタチはなく、
そのために新しく椅子を作り、あたしはそれを提供する気分で近づいてゆく。

そして恋人と呼ばれる関係が終わりを迎えてしまう時、
「まだ座っていたいのなら、リフォームして提供するよ」
そんなスタンスで、彼の椅子を心の片隅に残す。

こんな風に表現すると、
「いろんな♂を同時にさまざまな椅子に座らせている」
不届きなオンナだと思うかもしれない。
実際、愛し合うようになった♂にそれらの椅子の違いを理解されず、
愛する彼を悲しませないために全てを廃棄処分にしたことも何度かあった。

それでも、あたしに後悔はない。
「特別な椅子」に座らせるのは、常にただ一人。
だけど長い一生のうち、ずっと一緒にいると「契約」を交わした♂以外は、
いつか男と女としては終焉を迎えることも知っている。

数ヶ月かもしれないし、数年かもしれない。
時はひとつとして留まってはくれないし、同じ相手とも、
いつまでも変化しない関係でいられるわけでもない。

そんな移ろいゆく日々の中で、
「彼氏」が「元彼」になったり。
「元彼」が「親友」になったり。
はたまた「親友」が「彼氏」に変化したり。

二人の紡ぎだす時間が新しい関係を作ってゆくのを、あたしは知っている。

互いが相手を「失いたくない」存在と認め合う間柄に、
本当の意味での「お別れ」の文字はない。

ある特定の誰かのために、椅子を処分することを辞さない、
そんな「あたし」に対しても理解し納得してくれる相手ならば……
一度は廃棄処分になろうとも、いつか気が熟した時に新しい椅子を提供し、
また新たな関係が生まれてゆく。

そう、何度でも。

*

あなたは椅子をいくつ持ってますか?
どんなカタチの椅子を持ってますか?

「あたしが座るための椅子」を……「あなた」は用意してくれますか?
ふふ。荒削りだけどなかなかいいよね(自画自賛w

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