2009年10月21日
●私が毎日巡回しているサイトの1つに「二次元至上主義!」というサイトがある。
こちらのサイトは、児ポ法の情報に強いので、関連情報のハブとして使わせていただいている。
ところが、最近の更新に、
■嘘をついて相手を貶めてお金を集めようとする中国人タレント(止めろ!規制社会・監視国家ブログ版)■
例によって例の如くなアグネス・チャン氏。
もちろん、児童虐待など数々の問題について、自国の方が日本など比較にならないほど酷い件についても、いつも通りに完全スルー。
このようなことが書いてあって、ガッカリしてしまった。
私たちが何のために児ポ法改訂に反対するかと言えば、単純所持や、二次元規制が、子供を含むすべての人の人権を守ることにならないばかりか、問題が単純化されることによって、多くの複雑な問題を見過ごしてしまい、その結果、子供の人権がよりいっそう侵害されることに繋がりかねないという問題があるからだ。
現実問題として、安全安全のためにと称し、子供を集団登下校させて自由を奪い、塾へ行くのも車で送り迎えする結果、ただでさえ失われている地域コミュニティーがさらに加速度的に失われているわけで、そうした中で家庭内や学校内での虐待などの人権侵害が、これまでよりも見えにくくなっている現状がすでにある。
児ポ法問題についても、私たちは、私たち自身が二次元の性的表現を楽しむ権利を守ると同時に、実在児童の人権を守るために児ポ法の安直な改訂を批判しているはずである。
しかし、このところ「アグネス・チャン」という、「中国人」で「女」という、ある種の人々には叩きやすい「敵」が出現してしまった。
その結果、「アグネスさえ批判すればいいんだ」と考えて、アグネスに対する安直なバッシングをもって児ポ法改悪反対という標語を叫ぶ人たちが増えてしまった。
こうした現状を、児ポ法に関心のない人たちがみれば「児ポ法反対を唱えている連中は、中国人バッシングをするだけの気持ちの悪い集団」と考えてもしかたがないだろう。
以前に前田雅英が「児ポ法改正反対派が反対メールや脅迫状を送ってきた」と論じていたが、児ポ法に乗じて中国人バッシングがまかり通る状況を知っている人たちは「やっぱり反対派が人格否定をするようなメールを送ったのだろう」と理解してしまう。
また、アグネス批判の文脈で「中国の方が日本より酷いじゃないか」ということを主張する連中も出てきてしまった。
「中国の方が悪い」という形で、子供の人権問題を理解することは、子供の人権というものを相対化することである。つまり、中国の問題をあげつらって日本の問題を論じることは、「中国の方が悪いのだから、日本はいいのだ」→「中国の方が虐待が多いのだから、日本の虐待は問題ではない」という結論に必ず至る言論なのである。結局、子供の人権を守るどころか、他国をダシにして子供の人権を守らないことを肯定してしまう。
アグネス・チャンの主張を批判するのはいい。しかし、彼女が中国人だからと言って、中国国内の人権侵害問題やチベットの問題を持ち出して「中国人の戯れ言」と見下し、一笑に付し、それで二次元規制に反対しているような態度をとることは、まさに故事成語本来の意味での「助長」である。
私たちのすべきことは、他人の人権を守ることであり、他人の人格を批判することではない。微妙な問題だからこそ、こうした区別はしっかり行う必要がある。
けれども、「悪貨は良貨を駆逐する」という言葉の通り、こうして長く二次元規制に反対してきた人ですら、こうした安直な「ヘイト」を主とする主張に流されてしまう。
ネトウヨ的な定型文を組み合わせた言論は、サイトの更新などにすごく楽ちんで、「まさに他人を批判している!」という快楽を安直に得ることができる。
こうした状況に対して俺から言えるのは「二次元規制反対というのは、人権を守るための主張である。ならば当然アグネス・チャンの人権も守られなければならない」んだと。それだけですよ。
これはシンプルだけど、もっとも重要な点。大人の人権を守れない人が、子供の人権を守れるはずがないでしょ。
*追記* 今回、例に出した「二次元至上主義!」さんは、有用な情報を提供してくれるサイトであり、決してヘイトを主にした言論ばかりをしているサイトではありません。もし、そうしたサイトならば、最初から巡回対象なんかにしませんから。