2008年06月16日

オーマイニュースに、フリーライターの渋井哲也さんによる、私へのインタビュー記事が掲載されています。
 短い記事ながら、私が語ったことの要点がしっかりと切り出されています。
 はてブを見ると「編集がいまいち」なんて言っている人がいますが、これは時間的には40分ぐらいしゃべっているわけです。なまじ会話調にして、それしか語っていないように見えるよりも、要点の切り抜きの方が正確に私の考え方が伝わると思います。

 で、反発を受ける点としては「彼より年下の犠牲者はかわいそうだけど、年上や年上の遺族は自己責任」という部分があるのでしょうが、一つ言っておくと、私も加藤容疑者よりも年上なのです。だからもし私自身が殺されたとしても、また仮に自分に子供がいて殺されたとしても、それは彼にああいう状況を課し、言論人としてそれを解消できなかった私の責任でもあるのです。
 そして、私は被害者だからといって、その罪を免責することはしません。心情的に同情しても、それとこれとは話が別です。
 そうした考えは、決して加藤容疑者の罪を軽くするものではありません(当たり前ですが、彼は殺人者として裁かれるべきです。そして私は加害者罪を軽くしてしまう死刑制度には反対です。生きながら罪と向かい合うことのみを強制される、仮釈放なしの無期懲役こそが、もっとも「犯罪者を厳しく罰する」刑罰だと考えています)。そうではなく、社会のすべてはかかわり合っているのです。各自がそれぞれに罪を抱えて生きているのなら、まずはその罪に自覚的になることが、やがて自らの罪を贖うことに繋がっていくのです。

 かつてmoonridersは「DON'T TRUST OVER THIRTY」というアルバムを発表しました。
 イギリスのヒッピー文化に端を発する、「30歳以上を信じるな!」という言葉を冠されたこのアルバムが発売されたとき、moonridersのメンバーは全員30歳以上でした。彼らは大人の欺瞞と誠実さを大人の側から歌ったのです。

 そして私は、私自身が彼よりも年上であり、かつ言葉がこうしてメディアに取り上げられる人間である以上、社会の欺瞞を俯瞰者の側ではなく、この社会を作り出している側から語るべきだと考えています。加藤容疑者によって心身に関わらず傷つけられた人たちや加藤容疑者本人に、誠実さを示す唯一の方法だと考えています。



(00:48)

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14日のTBSブロードキャスターにて、秋葉原無差別殺傷事件が取り上げられました。私が心配したとおりのテンプレート通りのオタクバッシングが主で、スポンサーの大トヨタへの遠慮でもあるのか、容疑者を追い詰めてしまった労働問題よりも、マスコミ用語の「心の闇」を分析する...
2. 派遣労働者諸君 自殺するな! 社会に復讐しろ!  [ 反米嫌日戦線「狼」(醜敵殲滅) ]   2008年06月16日 22:17
アキバの無差別殺人。 加藤容疑者は特殊な人間じゃない。 世の中に絶望して人を殺す若者は、この国の大企業によって無数に増産されている。 派遣労働者が、物言わぬバカだと思うなよ。 死刑を恐れないほどのどん底にいなければ理解できないアキバの凶行。 殺人が免罪さ....