2006年12月28日

「大臣の確約書」に想う

6ab7c031.jpg 「核廃棄物の県内持ち込み拒否へ条例制定を―2市民団体が27日、県に要望。東洋町の最終処分施設受け入れを懸念。」という記事が今朝の高知新聞朝刊に載るそうです。要望書を提出した2市民団体のうちのひとつは私も所属している「津野町高レベル放射性廃棄物を考える会」で、「葉山塾のおじちゃん(考える会の事務局長です)がテレビのニュースに出とった」と小学生の娘から電話が入りました。 近所の山中に全国で生み出された高レベル核廃棄物がやって来るかもしれないという事態は、振り返って考えてみるとめったにない経験でしたが、切実な思いを味わった地元民としては、同じ県内の東洋町のことも懸念せざるを得ず、知事へも要望せざるを得ませんでした。
 先日、東洋町の田嶋町長が経済産業省の甘利明大臣あてに質問状を提出し、大臣の回答を得たということが高知新聞で報道されました。
 質問状の内容は「『文献調査終了後の調査地区等選定に関して、地元の都道府県知事や市町村長の意に反して選定が行われることはない』と国会で答弁され、東洋町でも同様の説明がNUMOからされているが、最終処分に関する法律には『地元の同意が必要』と記載されていないため、多くの住民が『文献調査に応募したらその後は強制的に事業が進められ、地元に拒否権がないのでは?』と不安を抱いており、いずれ住民投票などによって調査継続が困難と判断された場合、市町村長の意見が保証されるのか大臣に伺いたい」という内容だったそうです。
 この質問状に対し、甘利大臣は「地元の理解を得るべく最大限の努力を行うが、それでもなお理解が得られず、知事または市町村長が概要調査地区等の選定につき反対の意見の場合はその意見に反しては選定がおこなわれることはない」と文書で回答したそうです。23日の高知新聞では「一部議員から『これ(回答文書)を信用せずして何を信用するのか。これまでより一歩踏み込み、応募して深く勉強していくべきだ』という意見も出て、取材に対し、田嶋町長は『住民には”応募すれば建設まで行くのではないか”という不安があるが、今回示された文書で払拭(ふっしょく)できると考える。来年2月には反対の立場の講師を招いた勉強会を予定。その後もパネルディスカッションなどを開き、一定の段階で議会と相談しながら方向性を見いだしたい』としている。」と報道されました。
 建設はしなくていいですから、調査に応募してくれるだけでOKですよという国の考えはどういうことなのかな?とまず素朴に疑問に思います。「商品を買わなくてもいいですが、アンケートだけ答えてくださいね」と言ってお客を取り込み、したたかに段階的に食いついてゆくキャッチセールスに酷似しているような気がしますが、それはおいて置きましょう。まさか、れっきとした大臣がそんなキャッチセールスもどきのことをするとは考えたくないですものね。
 しかし、東洋町と似た事例として、以前、地層処分の研究が地元に無断で行われた岐阜県東濃地方で、なし崩し的に最終処分場が作られるのではないかと住民が心配したため、科学技術庁が「最終処分場が作られることはない」との確約書を県に提出したことがあったそうです。この確約書について、高レベル放射性廃棄物処分懇談会専門委員の石橋忠雄弁護士(青森市)は「法的効力のない政策文書」との見解を出しています。('98.9.29 中日新聞)
 また、「地元の知事・市町村長の意に反して進めない」と答弁されていますが、同じ国会で、「当該都道府県知事等の同意を得るということを国の決定についての要件とするものではない」「(知事と市町村長の意見を尊重するという)本規定は法的拘束力を持つものではない」と答弁されたことも議事録に残っています。石橋弁護士が国の確約書に「法的効力がない」と警告したのもこの辺りが根拠になっているようです。
 また、もし仮に東洋町への確約書に法律並みの効力があったとします。しかし、肝腎の法律そのものは、守られているのでしょうか?「特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律」の「基本方針」の前書きに「最終処分事業は極めて長期にわたる事業であり、安全性の確保を大前提としつつ、安定的かつ着実に進めていくことが必要である。」と記載されていますが、津野町で開かれた国とNUMO共催の住民説明会でうたわれた”安全性”は仮定の上に仮定を重ねたような都合のよい推論でしかありませんでした。「安全、安全というが、もしもの時の責任は取れますか?取れる者は手を挙げてほしい!」といった住民の発言に説明会の壇上の国の役人、学者、NUMO幹部は誰も手を挙げませんでした。
 また、同じ「基本方針」で「選定においては、関係住民の理解と協力を得ることが極めて重要であり、そのためには、情報公開を徹底し透明性を確保することが必要である。」と書かれていますが、津野町で実際に行われたことは、200人近い住民をひとりたった7000円で六か所村ツアーに招待し、断れない状況で推進の署名をさせたり、情報開示しないまま地質調査を旧動燃が実施したりといったことでした。法律でうたっている「透明性」とはかけ離れた「不透明」な行為がなされていました。住民の知らないところで、こんなことをしていて「住民の理解と協力を得ることが極めて重要」はないだろうと思います。いくら「確約書」や法律があったとしても、運用する人間の民主的な感覚がなければ、紙切れに過ぎないということを痛感します。
 調査だけですよ、と言われても、それは、世界的に前例のない、どこにも安全の保証のない核のごみの埋め捨てへつながる前段階です。これまでの原発立地の体験談を読んでみると、各地で、巨額のお金を操り、小さな町の住民を一人一人調べ上げて、職域・地縁などの人間関係をズタズタに分断しながら、反対の意思さえ表明できなくさせることだって、実際なされています。「意に反しては進めない」とは言え、皆さんの大切な「意」を表明できなくされてしまえば、やはり進んでゆくのです。安全に生きることは国民の基本的な権利です。皆さんや将来世代の権利を決してやすやすと明け渡さないようにしていただきたいと心から願っています。

by Mikki (写真は「おしどり」Kさん提供)

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2006年12月02日

応募したあと引き返せる?引き返せない?

950b9339.jpg 東洋町で町主催の原子力発電環境整備機構による説明会が9月28日に開かれ、町民が「応募後、概要調査地区の選定など三段階で地元首長の意見を聞き尊重すると言うが、“尊重”とはどういう意味か」と質問し、資源エネルギー庁の吉野恭司・放射性廃棄物等対策室長は「(平成12年5月の国会答弁で)自治体などの同意がなければ事業を進めないと答えている。交付金を出した後、その先に進めなければ捨て金になるのではないかという議論もあるが、各段階で自治体が拒否権を持てるというのが国の約束だ」と述べたことが報道されました。(高知新聞朝刊9月29日25面)
 東洋町でのエネ庁室長の発言は、平成12年に可決された放射性廃棄物最終処理に関する法律案の国会衆参商工委員会討議での「自治体の首長の意に反して概要調査地区等の選定を行うことはない」という答弁を根拠にされたものと思います。しかし、一方、同じ国会で、「地元市町村長と知事の意見を聴き、十分に尊重してしなければならない」という規定(最終処分に関する法律第四条第五項)は「同意を得なければならない」という規定とは異なり、当該都道府県知事等の同意を得るということを国の決定についての要件とするものではない、同規定は法的拘束力をもたないとも答弁されています。
 市町村長や知事の意に反して進めないのか、それとも、市町村長・知事の意見尊重は法的拘束力はなく、その同意は必要ではなく、所詮は国が決めるのか一体どっちなのかよくわかりにくい玉虫色の国会答弁の内容です。高レベル核廃棄物処分の調査誘致で揺れる当の地元の東洋町の議員さんは11月19日に開かれた原子力資料情報室の西尾さんの講演会のあとの質疑で、「NUMO説明会で『各段階で地元が拒否できる』ということを大臣の確約書までもらえると何度も確認した」と発言されました。国会答弁のうち、「地元の意に反して進めない」ということが地元では強調されています。
 しかし、先日ある方が、資源エネルギー庁放射性廃棄物対策室に電話で問い合わせたところ、津野町及び東洋町の住民説明会の議事録やビデオ、録音等の公式記録は「存在しない」という返答が帰ってきたそうです。「地元の意に反して進めない」とエネ庁室長が東洋町で発言したことは、公式な文書としては残っていないことになります。また「地元市町村長・知事の同意を得ることは国の決定についての要件とするものではない」という答弁は、「内閣法制局と協議されており、国会議事録とともに、地方の説明会の答弁より、法的に上位」と回答したそうです。
 東洋町の議員さんが聞かれた東洋町での説明会での約束は記録が残されておらず、法的にも下位(!)なのだそうです。地元での約束と国での考え方には大きな差があるようです。西尾講演会で質問された議員さん、もう一度、直接エネ庁に連絡して「約束」の実効性を確認してみてください。議員さんたちは町民の代表ですから、実体のない約束に翻弄されることがないようにお願いしたいです。

写真は四万十源流の森のくまたか、地元の写真家Kさん提供

by Mikki

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2006年11月23日

東洋町の住民主催の勉強会に参加して

b3c3fad3.jpg高知県最東部、徳島県との境にある東洋町で、初めて住民主催で19日に開催された高レベル核廃棄物に関する勉強会(原子力資料情報室共同代表 西尾獏さん「『高レベル放射性廃棄物最終処分施設』への応募をどう考えるか」)に行ってきました。ちょっと遅くなりましたが、私なりに報告させていただきます。この講演の報告はこちらhttp://geki1015.cocolog-nifty.com/でいち早く掲載されていますので、あわせてご覧ください。
参加者は総勢150人ほどで、町外や徳島県側からも多く参加していました。
駐車場係のお兄さんたちが、工事現場の蛍光チョッキをつけ、点滅ランプでリレーで車を誘導してくれました。受付や会場係は殆どがイケ面・顔黒・茶髪の若い人々ばかりで、持参した佐渡のエコ・イラストレーターさんhttp://www015.upp.so-net.ne.jp/yamaneko/の可愛い冊子(六ヶ所村についても記載)も快く配布してくれました。
講師の西尾獏さんは、科学者らしい慎重な表現で、しかも大事なポイントを的確にわかりやすく伝えてくれました。核廃棄物や地層処分などの基礎的な説明から始まり、文献調査への応募から建設までの一連の流れを図を挙げて説明した上、法制定当時の深谷国務大臣の「最終的には国が決定するもの」との発言を紹介し、応募はあくまで処理場建設に応募するのであって、文献調査だけに応募しようとしている余呉町長は勘違いしていること、一旦文献調査に応募すれば、途中で降りることはできないことを説明しました。また、地層処分は唯一のやり方ではないこと、諸外国では、仮に地層処分をするにしても(まだどこもやったことはないけれども)100年間は回収可能にしておくとしているところがほとんどで、日本だけが安上がりだからと言って回収できない埋め捨てをしようとしていること、地層処分が技術的に確立していないこと、超長期間に渡って熱と放射能とが複合した影響の元、地中で廃棄物がどうなってゆくかはわかりようがなく、すべて実験室のデータしかないこと、大昔のガラスや金属が長期間保存されて土中から出てくる例があるから大丈夫とNUMO側は言うけれど、それはたまたま残ることがあるだけに過ぎない、輸送中の津波や地震などの事故の危険が心配などと解説してくれました。大勢の国民的議論を必要とする核燃料サイクルなのに、誰も十分に知らないままにしてお金で形をつけようということに大きな問題があること、東洋町に来て、「若い人たちが多いことに驚いた、原発の交付金をもらっている活気のない市町村よりもずっと活気を感じる、これを活かしてこのことを地域の将来を考える方向へとプラスに転じてほしい」と発言され、勇気づけてくれました。
質疑ですが、まず冒頭に壮年の男性が「私は賛成でもなく反対でもないが、まずは勉強しなければと思い、エネ庁・NUMO主催の勉強会に4回出席した。その中で、文献調査、概要調査、精密調査などの各段階でいつでも撤退できるということを何度も確認を取り、大臣の確約書ももらえると説明された。西尾さんは、一度文献調査に応募したら引き返すことはできないと言ったが、私たちは正反対のことを聴かされている。」と西尾さんの講演内容に反論しました。
私としては、9月29日付けの高知新聞朝刊でも「同意がなければすすめない」「各段階で拒否権がある」というエネ庁のY対策室長さんの東洋町住民説明会での発言が報道されていることもあり、以前に東洋町の住民のみなさんが住民説明会などで「不安だ」という意見をはっきりと発言しておられたと聞いていたのに、その後、妙に静かになってしまわれたように見えるのは、「各段階で拒否できる」ということを東洋町内で新聞報道も含めて聞かされているのが原因かなと感じていました。この方の反論を聞いて、「やっぱり」という感がしたので、「津野町からです」と立って、「概要・精密調査・建設の各段階で拒否できる」ということは、法律の運用でそういう場合もあるかもしれないが、法制定当時の深谷国務大臣は「知事や市町村長の意見を聴き、これを十分に尊重しなければならないという規定(最終処分に関する法律第4条第5項)は『同意を得なければならない』とは異なり、知事・市町村長の同意を得るということを国の決定についての条件とするものではない」と答弁しており、したがって「各段階で拒否できる」という対応をしてくれる大臣や役人さんの任期が切れたら確約書があっても拒否できなくなる可能性が高いと発言させてもらいました。
次に発言したのは、町内のご高齢の男性で、生命に危険のあるものを埋めようとしているのに、住民に何の説明もない、大臣だの議員だの偉い人ばかりが話をしている、美しい国を創りたいなどと言っているが、足元にこんな怖いものがあってどうするのか、偉い人は金をもらうとおかしくなるようだ、こんなものはこしらえたところで埋めてもらえませんか?と発言、大きな拍手が起こっていました。
若い女性から「生見はすごくいいところです。ここはそんなに処分場に適したところでしょうか?」と質問、駆けつけていた津野町の考える会の方から「実は津野町の小出裕章さんの講演会のときに岡山のIさんが提示してくれたのですが、以前旧動燃が住民に非公開で実施した地質調査では、津野町より適性がひとつ多い結果になっていました。」と返答しました。ちょっとしたどよめきが起こっていました。
後は風評被害についての質問があり、西尾さんから、東海村JCO事故の後、根拠がなくても納豆やホシイモが売れなくなったこと、いくらかは賠償されたが、全額ではなかったことなど返答されました。また、津野町その他からの参加者から、津野町が応募するかもしれないと聞いただけで、四万十しきびの売り上げが落ちたこと、四万十水系の民宿のキャンセルが相次ぐ被害が出たことなど発言されました。
徳島県側の隣接の海陽町の壮年男性が、東洋町とは生活圏は同じ、なのに何の相談もない、市町村長が応募したらできてしまうことはおかしい、こんなことは将来世代への犯罪に等しい、こんなごみの出る原発やそれを享受している生活そのものを見直さなければと発言され、拍手が起こっていました。
南国市で有機農業をされている方が、六ヶ所村へ行ったとき、50人くらいの農家の方たちと集まって話したが、「何ぼ反対しても無理に国に作られてしまった」と嘆いていた、その人たちから手紙が来たけど、再処理の試験操業が始まってから農協に「りんごは大丈夫か」などの問い合わせがどんどん入っている、東洋町にこんなものができたら、高知県全体の農産物が売れなくなってしまう、私は絶対に反対、広瀬隆さん、地質学者モレさんの講演会では、とんでもない危険なものと言っていた、モレさんは地中で5年で穴が空いて放射能が漏れるため、アメリカでは埋めることはできんようになっていると言っていたと発言されました。
海陽町の若い男性が、自分はアトピーがあるため、環境のよいところを求めて、海陽町に移り住んだ、もし、となりに処理場があったら絶対移ってくることはなかったと発言しました。佐渡のイラストレーターさんの冊子で「もし日本中の原発を止めても、電力は17%あまるという調査結果がある」と書いているが、本当ですか?と質問、西尾さんは、この出典そのものは知りませんが、真夏の電力需要ピーク時を除けば、原発を止めてもまかなえます、でも、火力発電にもCO2の問題があるので、電力を多く消費する生活スタイルそのものを見直す必要がありますと答えられました。
先ほども発言された町内のご高齢の方が、再度、発言され、こういう会が催されたら、わしら住民が何をしたらいいのかだんだんわかってくる、津野町や徳島や高知市内から心配して遠いところたくさん来てくれて礼を言います、よそからこんな応援をしてくれて地元のわしらが立ち上がらなければ情けない、今日を機にみんなで団結してやってゆこうと言われ、また聴衆から拍手が上がっていました。西尾さんからは、青森の例では、ある段階まで進んでしまうとその後ではどんなに住民が頑張ってもどうにもなりにくい、はじめの段階でみんなで考えてゆきましょうと締めくくられました。

講演会の報告は以上です。今回、東洋町の住民、特に若い皆さんが津野町よりもさらに人口規模の小さな町での人間関係に気を使う難しい状況の中、自分たち自身で偏らない勉強を皆と共にしようと立ち上がられたことに大きな拍手を送りたいと思います。

写真は講演会後の質疑の様子です。  By Mikki


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2006年11月13日

炎に寄せて

1ff8f6b9.JPG まだまだ完全に解決とは行かない津野町の核廃棄物処理場問題、東洋町や余呉町、六ヶ所村や全国の原発のある地域の皆さんのこと、そして、もっとささやかかもしれませんが、この地域の小さな子どもたちや住民、そして自分自身や家族にもいやおうなく生じるさまざまな出来事に、こころが圧倒されてしまいそうなここ数日でした。
 ・・・そんなときでも子どもたちのお弁当作りや仕事の準備のため、早起きして、子どもたちが起きる前に部屋を暖めようと薪ストーブの火を起こしました。
 その炎を見つめていると、なぜか、ほら、だんだん元気が出てきました。炎の癒しの力って素晴らしいです。常套文句ですが、「からだもこころも暖めてくれる」ってこのことですね。(炎を見たくらいで元気が出る私が単純なのかも・・)
 焚付け用の紙ごみを集めて(おかげで我が家の土間は待機している紙くずの山、見てくれが超悪いですが)、薪を集めて(準備してくれた連れ合いや近所のおじさんたちに感謝!)、ストーブで燃やす。灰は庭の木や畑に。はじめから終わりまで、等身大で暖を得られることがうれしいです。
 放射能汚染の慢性被害としての子どもたちの白血病やがん、そして大事故の危険性、風評被害など、大切な誰かに大きな犠牲を強いて成り立つ暮らしではなく、もっと穏やかで安心できる暮らしをみんなの力で少しずつ実現させてゆきたいものです。

By Mikki(写真は我が家の薪ストーブの炎。子供用柵が遮って、炎が見えにくくて申し訳ありません。)

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2006年11月10日

原子力環境整備機構への申し入れ

ab998616.jpg10月17日に、原子力資料情報室・原水爆禁止日本国民会議の連名で原子力環境整備機構に対して下記の申し入れがされていたのをネットで見つけましたので、紹介します。地元住民である私たちへの配慮の感じられる的確な申し入れをしていただき、とても嬉しく思いました。


高レベル放射性廃棄物処分場誘致に関する申し入れ

2006年10月17日
原子力発電環境整備機構
理事長 伏見 健司 様

高レベル放射性廃棄物処分場の誘致に関して現在、高知県津野町や東洋町、滋賀県の余呉町などから誘致の声があがっています。しかし、地元住民をはじめ、周辺自治体や県が反対の声や難色を示しています。このことは水面下で一部の人間としか進めてこなかったことの現れで、地域住民への合意形成はまったくなされていません。地域住民にとっては突然降って湧いたような動きであり、地域の人々に混乱と不安をもたらしています。さらにこのような国民的課題に対する国民的合意形成も全くなされていないのが現実です。地域的議論や国民的議論もなされないまま、まさに見切り発車で、地域住民の理解もないまま強引に進められています。

特に今回の動きは、自治体の財政難につけ込み、来年度には文献調査実施に伴う交付金が2.1億円から10億円に増額されることで誘発された動きともいえます。交付金を目当ての誘致に手をあげさせています。国策とはいいながら誘致する地域は交付金などの見返りがなければ絶対に誘致などに動くことはありません。まさに「金」によって成り立つ高レベル放射性廃棄物処分政策で、大きな問題です。

今回、声をあげている津野町は、四万十川の源流であり、余呉町は琵琶湖に隣接するなど、地域の住民の水源地にあたるところです。東洋町も海に隣接するなど、ひとたび汚染が進めば、周辺環境に大きな影響を与えるものです。

さらに、高レベル放射性廃棄物処分技術に関しても、地震国日本の地質の中で、強い放射能を超長期に渡って安全かつ完全に管理する技術が開発されたとは決していえず、まだまだ調査・研究の段階でしかないと私たちは考えます。さらに、現在の地下利用の観点で、将来に渡る地下開発を規定してしまうこと、さらに技術や情報を長い年月に渡り伝える手段の問題などまだまだ超えなければならないハードルは沢山あります。それらを含め国民的合意もない中で進められる高レベル放射性廃棄物処分場の誘致を進めることは、後の世代に膨大な放射能というツケをもたらす動きでしかありません。

私たちは、これ以上の水面下で進められる誘致に対して、地域住民に混乱と不安をもたらすものとして、さらに国民的な合意もないままに進められる貴機構の動きに対して断固抗議するものです。現在進めている動きを国民の前にまず明らかにし、透明で公正な議論をまず提起することを強く求めます。


原子力資料情報室
共同代表 西尾 漠

原水爆禁止日本国民会議
議 長 岩松 繁俊

(原子力資料情報室HP http://cnic.jp/ 最新ニュ−スより)


写真は津野町で開かれた小出先生講演会のときに配布された原子力資料情報室のパンフレット「埋め捨てにしていいの?原発のゴミ」の表紙です。当初、この問題のことを何も知らなかった私たちにとって、とてもわかりやすく情報を伝えてくれた冊子です。原子力資料情報室に追加をお願いしたら、すぐに送ってきてくれて、お世話になりました。 by Mikki 

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2006年11月08日

これからのこと

14f0d629.jpg これまで「津野町高レベル放射性廃棄物を考える会」などを通して活動してきた私たちですが、津野町での調査誘致問題に町長が終息宣言して一応の決着がついた今後、どういう動きをするのか、色々な方向性が話し合われています。
 当面、会としては役員を中心に推進の火種に対しての監視を続けることになりそうです。またあるメンバ−たちは、遠路、時々東洋町に出向きもして住民主催による講演会を支援する動きを続けています。また、新エネルギ−を活かした津野町の振興について、国内を走りまわり、模索しているメンバ−たちもいます。また、六ヶ所村再処理施設や核燃料サイクルの見なおしに私たちが何ができるのか、考えて行きたいと話し合っています。
 津野町を含む四万十源流の自然を求めて住みついた私たち新住民と土地の方たちの間でこれまで十分な交流ができていない面がありましたが、今回の活動を通してお互いの理解や信頼感が芽生えてきていますので、これを活かして、協働しあって活動を進めて行けたらと願っています。まだまだそれぞれのやりたいことへの温度差がありますので、今後は、各自が緩やかな連携を持ちながらできることをやってゆく、その中で手を組む必要が出てくればしっかり連携するということになるのかなというところです。

 私(Mikki)としましては、自然エネルギ−を活用した田舎暮らしを引き続き細々と楽しみながら、いろいろ活動について考えて行きたいと思います。
 我が家の自然エネルギ−の取り組みです。
*太陽光発電・・・平成12年に設置した当時、四電さんに「お宅は旧葉山村(現津野町)から北のこっちで初めて設置した家で、こんな日照の少ない山間地で元は取れませんよ」といやみを言われたことでした。確かに売電しても身入りは少ないような・・・
*二重ガラス・・・大工さんが取り寄せてくれた二重ガラスの温室効果のおかげで、寒い戸外から家に入るとぽかぽかです。夏などは室内は地獄のような暑さですが・・・。
*薪スト−ブ・・・冷えてきましたので、薪をせっせと積み、煙突も掃除して薪スト−ブを再開!することにします。(写真は我が家の昨年のシ−ズン前の薪小屋です。大体一冬でこの量ともう少しの薪を使います。この満杯状態に戻すため、薪運びをがんばらなくっちゃ)


 アドバイスいただくなどお世話になってきた末田一秀さんのHP「環境と原子力の話」の新着情報を紹介します。

<高レベル放射性廃棄物処分場の危険性と問題点 >
日時:11月11日(土) 午後7時〜9時

場所:保健福祉センター(大阪府豊能郡能勢町栗栖82番地の1)

講師:末田一秀

http://homepage3.nifty.com/ksueda/event.html

by Mikki

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2006年11月05日

秋晴れの日に

62d39352.JPG 昨日11月4日は、津野町の西隣にある梼原町の町制40周年と新庁舎落成の日でした。秋晴れの下、祝賀会にお邪魔しました。
 祝賀会には、県西部選出の山本有二金融・再チャレンジ担当相、国会議員、隣接市町村長や議会長さんたちも招かれていました。
 津野町の明神町長も来られていたので、ちょっと迷いましたが、話しかけて、終息宣言を早々と出してくれたことへのお礼を伝えました。ちょうどお隣の席にいた梼原町のある議員さんが「地方の町は何としてでもやってゆかんといかんので、大変苦しい思いをしている。そんなところへこんな話を持ってくる国がいかん」と話しかけてきてくれました。明神町長さんは、終始、少し複雑な表情を浮かべながらにこにこされて、ほとんど何もおっしゃいませんでした。
 津野町での推進説明会は、津野町議会が、経済産業省資源エネルギー庁・原環機構とともに主催しました。六ヶ所村への研修旅行を住民に呼びかける回覧文書も議員の名前で作成されていました。10月13日の推進・反対両陳情を白紙に戻す議決が行革特別委員会でされたあとも、議長はこれからも勉強を続けると発言しました。
 町長の終息宣言のあった10月30日の後も、いまだに六ヶ所村ツアーは続いています。

 疲弊した町の財政をどんな方法を使ってでも何とか立て直したいという議員としてのお気持ちはわかります。しかし、この地の将来の安心・安全を売り渡さないでほしいと町民の多くが活動や署名を通して強く訴え、町長も町民の気持ちや周辺市町村・県との関係を考え、調査誘致を終息すると発言した今となって、議員という公人が、未だに六ヶ所村へのツアーといった動きを支え続けるのは、町民に対して、混乱を招くと思います。ツアーの予約をキャンセルしてでも、議員の立場を町民に対して明瞭に示すべきではないでしょうか?

 推進していた議員さんたちが誘致しようとしたのは、交付金という甘い砂糖がどっさりかかっているけど、中身はいずれ流れ出してくる高レベルの放射能という致命的な毒です。ガラスで固めた毒を包む金属製の筒は、アメリカの地質学者ローレン・モレさんの講演によると埋設後早くてたった5年で地下水の中のバクテリアによって食い破られるという観察結果が出ているとのことです。そのため、アメリカでは、埋設の安全性が疑問視され、他の不祥事も相まって、予定されていたユッカマウンテンでの高レベル核廃棄物の埋設ができなくなっています(10月25日の拙ブログをご参照下さい)。また、地下で放射能レベルが十分に下がるまでに100万年という気の遠くなる期間が必要ですが、安全性を主張する原環機構NUMOの説明によってさえもガラス固化体を包む金属筒は5000年経てば確実に腐食し、地下からの放射能流出を防御できなくなります(9月26日記事をご覧下さい)。
 推進しようとした皆さんは、ただ「調査」を受け入れようとしたのであって、立地を誘致したわけではないとおっしゃるかもしれませんが、「ご地元には、いつでも拒否権がありますよ」などという国のお役人の甘い言葉を鵜呑みにせずに、法律や国会議事録を直接しっかりご覧になれば、調査を一旦受け入れると同意したと見なされ、その後拒否権など町議会にも町長にも誰にももてないことがお分かりいただけると思います。
 
 地方に根付いて生きている人たちの賢さが、今、問われているのだと思います。

写真は、梼原町地域活力センターで行なわれた祝賀会での酒樽の鏡開き。 By Mikki

 
 
 
 

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2006年11月02日

考える会からのメッセージ

98b2af40.JPG津野町を心配し、津野町高レベル放射性廃棄物を考える会をご支援くださった方々へ


 昨日10月30日、津野町議会において明神町長が、NUMOの公募には応募しないこと、この問題に関しては本日を持って終息させるという声明を発表しました。
 昨日は私どもにも期せずして、という感があり、夕刻一同が集いニュースを見て喜びを分かち合いました。

 9月5日の新聞を見て危惧を抱いた旧東津野村、旧葉山村の初対面の者同志が力を合わせ、慣れない運動でありながら縦横無尽に走りまわった成果ではありますが、2ヵ月足らずの短い期間にここまで持ち込めたのは、町内・外の皆様のご支援、ご協力があってこそ、と本当に心より感謝申し上げたいと思います。
 またたくさんのご署名、御芳志をいただきましたこと、厚く御礼申し上げます。
 誠にありがとうございました。

 当考える会は、まずは第一目標を達成したことになりますが、二度とこのような問題がおきないよう、津野町のさらなる発展のために新たに活動をおこす心構えでおります。
 また、同じ問題を抱える東洋町への支援・協力も継続していきたいと思っております。
 これからもどうか考える会を見守り、ご支援くださいますようお願い申し上げます。


 10月31日   津野町高レベル放射性廃棄物を考える会

 (写真は10月30日考える会の慰労会で、乾杯する会員たち)


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2006年11月01日

終息への働きかけ

0a81a9d7.jpg 津野町高レベル放射性廃棄物を考える会(会員27名)では、町長の終息宣言の3日前の10月27日に、町長に対して、「応募」も「誘致」もしないよう、署名(町内1628筆、町外1948筆)を添え、要請書を提出しました。(ちなみに、津野町の人口は、現在7159人、有権者数6053人)。
 考える会からの要請に続き、平成17年2月に津野町が合併する前の旧東津野村・葉山村両村の元村長、助役、教育長、議員などの要職にあった方たち40名が署名捺印を添え、30日に明神町長に申し入れ書を提出されました。以下、文面を紹介します。 

   申し入れ書

 本年9月5日新聞報道により表面化しました高レベル核廃棄物処理施設へ応募しようとした問題は、賛否双方により町長並びに町議会に陳情書が出される等、町内を二分する大問題となり、更には周辺自治体からも反対の意見書採決・議会決議が為される等、異常な中に10月13日特別委員会において「賛否双方の陳情書不採択」という変則議決により一応の終止符は打たれたのでありますが、私どもはこの間における町長並びに議員のあり方等について、その日を以って免罪に附するわけにはいかないのであります。

その理由として、
…内はもちろん周辺自治体にとっても数千年に及ぶ事柄であるにも関わらず、事前の説明も相談もなく、事を運ぼうとした姿勢は極めて前時代的であり、地域住民を蔑ろにするものである
町長・議員等の動向によって町内に無用の対立と混乱を持ち込み、周辺自治体に対しては著しく信頼を失墜した
9埓を預かる者として、津野町環境基本条例・同四万十川の保全及び振興に関する条例の基本的理念及び規定に則り町政を行なうべき立場を弁えず為した行為は、その責務を放棄したと断ずるものである
10月13日、津野町行財政改革特別委員会において、満場一致で「賛否双方の陳情書不採択」という変則決議後、町長・議長のコメントは特別委員会議決及び、町民を無視した言動であり許されるものでない

以上により、町長は住民の信を問うべき政治的道義的責任を全うすべきです。それが残された道です。議会としてもその責任を問われているのであり、議会代表者やそれに次ぐ立場の者として、見て分かる態度を以って応えるべきです。
 以上、津野町住民の良識において強く申し入れます。

津野町長  明神 健夫 様

写真は予定地と目されていた鈴が森のせせらぎ(写真提供、岡山のIさん) by Mikki


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津野町長の終息宣言

6f98cc92.jpg明神健夫町長の臨時町議会における発言です。(平成18年10月30日)

○先刻、大地行財政改革特別委員長から、9月定例議会に提出されておりました「高レベル放射性廃棄物の最終処分施設の設置可能性を調査する区域」の公募に関する陳情書3件について、審議の結果が報告され、採決の結果、全会一致で委員長報告どおり決定※をされました。(※調査推進陳情、反対陳情とも継続審議とする決定。Mikki注)
○ご案内のように、当該陳情書については、9月定例議会において、行財政改革特別委員会に付託をされ、慎重審議中でありましたし、また、議会制民主主義を尊重して、私は、本日まで意思表示を一切しておりません。
○これは、民主主義国家として当然のことでありますけれども、先刻、本会議で決定※されましたことを受けまして、この際、私の考えを申し上げておきたいと思います。(※10月13日、誘致推進陳情、反対陳情いずれも不採択とする決定。Mikki注)
○私は、町民の皆さんの意見、及び県と町の関係、また、周辺・流域自治体の意見と安定、並びに、議会が全会一致で決定されたことを重視し、当該公募には応募しないことをここに表明して、当該問題については、本日を以って終息させたいと考えております。
○慎重審議お疲れさまでございました。


写真は予定地と目されていた鈴が森の下流5-6kmの四万十川支流久保谷川の合歓の花(写真提供地元写真家Kさん) By Mikki


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