フランス語の勉強?

美容院/南三陸の絵はがき/4年ぶりのデフラグ

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Des Japonais à l'assaut des déchets parisiens
Par Roger Maveau
Depuis plus de dix ans, l’association japonaise Green Bird s’évertue à nettoyer bénévolement les rues de la capitale tout en sensibilisant les parisiens. Et ils ont encore du boulot…
À la sortie d’un métro du quartier de Montparnasse, à Paris, un à un, les participants s voient remettre un gilet et des gants verts floqués du nom de Green Bird, avant d’être équipés de longues pinces métalliques, de sacs-poubelle… Et de se déployer dans les rues adjacentes.
La vendeuse d’une échoppe de céramique voisine est sceptique : ≪ Si au moins ils avaient pensé à mettre un sac plastique dans la poubelle vide à côté d’eux… ≫ Des badauds chuchotent : ≪ Quelle drôle d’idée.  ≫ Ce qui unit ces nettoyeurs volontaires ? Beaucoup d’abnégation pour traquer les détritus abandonnés sur la chaussée : cannettes, bouteilles vides, emballages, mégots… Le tout grâce à du matériel envoyé par le siège de l’association… à Tokyo. Les gants, par exemple, sont griffés Laforêt Harajuku, un must de la mode nippone.
≪ J’AI EU HONTE ≫
≪ Tout a commencé à Tokyo, en 2002, sur les lieux des illuminations de Noël, raconte Tsuchiya, membre du secrétariat national de Green Bird au Japon. Les touristes laissaient des montagnes de déchets. Les jeunes des quartiers branchés de Harajuku et Omotesando ont commencé à les ramasser pour préserver la propreté de leur cadre de vie.  ≫ Le mouvement était lancé. Il regroupe plus d’une soixantaine de groupes actifs au Japon et n’a pas tardé à s’exporter.
En 2007, ulcérés par l’état de saleté de Paris, des expatriés japonais y créent une antenne locale. Une de plus dans la nuée des Green Bird, qui s’étend de Boston à Singapour en passant par Dakar, au gré de la diaspora nippone. On compte aujourd’hui une dizaine d’antennes dans le monde.
 Au Japon, je ne connaissais pas Green Bird ≫, s’amuse Yoshiko, membre depuis 2009 de l’antenne parisienne, dont elle est devenue responsable en 2013. Même histoire pour Mitsuhiro, qui a rejoint l’association avec son fils à son arrivée en France il y a deux ans, jugeant que ≪ les trottoirs sont sales avec tous ces mégots ≫. Kayoko, elle, a connu Green Bird via une association française de ressortissants : ≪ J’ai à mon tour convaincu d’autres amies de nous rejoindre.  ≫ C’est aussi par le bouche-à-oreille qu’est arrivée Chantal, une Française revenue du Japon et choquée par la différence de propreté entre les deux pays : ≪ J’ai eu honte de penser que cette initiative était menée par des Japonais effarés de voir tant de déchets dans les parcs parisiens ou jouaient leurs enfants. 
La dernière étude du site de voyages TripAdvisor, en 2014, révélait que Paris, première destination touristique mondiale, se situe seulement au 22e rang en termes de propreté, loin du lauréat… Tokyo.
Green Bird Paris repose sur un fonctionnement simple et efficace. ≪ Nul besoin d’être inscrit ou de nous informer à l’avance. Les rendez-vous mensuels sont annoncés sur Facebook, détaille Yoshiko. En fonction de la météo et des périodes de vacances, environ 30 à 50 personnes se déplacent, parfois même une centaine.  ≫
La mairie est informée une dizaine de jours à l’avance pour que les ordures ramassées soient collectées par un camion benne. Un système rodé qui fidélise les participants. ≪ J’ai vu un changement depuis quatre ou cinq ans. Avant, il n’y avait que des étudiants, expatriés et touristes japonais. Désormais, les Parisiens participent ≫, observe Yoshiko.
L’objectif de ces actions est double.
Bien sûr, assainir la ville… mais sans grande illusion, note Olivier, l’époux de Kayoko : ≪C’est plus symbolique qu’efficace. Il faudrait que les gens arrêtent de tout jeter par terre alors qu’une poubelle se trouve juste à côté.  ≫ Ensuite, sensibiliser les Parisiens. ≪ Les passants viennent se renseigner, poursuit Olivier, même s’ils ne participent pas, ils y réfléchissent.  ≫ ≪ On reçoit des encouragements, précise Michelle, certains participent spontanément.  ≫ Plus rarement, on les accuse de prendre le travail des agents municipaux.
Yoshiko estime que le comportement des Parisiens s’améliore, même s’ils partent de loin. ≪ Au Japon, note Olivier, l’espace public est sacré : on n’y jette rien.  ≫ Là-bas, les écoliers nettoient leur classe, les fumeurs ont un cendrier portable… Yoshiko se souvient même que, lors d’une sortie de Green Bird Japon après un typhon, ≪ il n’y avait quasiment rien à ramasser en dehors de parapluies cassés ! 
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澤田愛子 @aiko33151709
安倍政権の気持ち悪さ、おどろおどろしさ、暗さ、恫喝的姿勢って何だろう。過去のどんな右派政権とも異質なファッショを感じる。中曽根、橋本、小泉政権はれっきとした右派政権だった。が、安倍政権の不気味さ、気持ち悪さはそれらの比ではない。安倍三選なら日本はもう駄目だと実に嫌な気分にさせる。
うりん @rgpNHh60aIoTtgP
ドイツの公立高校に留学していたといき、歴史の授業で半年くらいはナチスについて取り上げていました。
授業内容も「ナチスのなにがいけなかったのか」「どんな方法でヒトラーが国民を扇動したのか」などについてディスカッション。
近年の日本を見ていて、こういう授業を取り入れるべきだと思います。

KIT Speakee Project @KITspeakee
センター試験(および後継の共通テストの英語以外)は,中等教育の終了後にしか受験できません。一方,英語民間試験は,共通テストとして使われるにもかかわらず,小学生の時からいつでも受けられるのですから,受験生だけでなく学校・教員を巻き込んで,準備が過熱するのは必然です。

予約をしていませんでしたが朝電話をかけて美容院で髪を切ってもらいました.
南三陸の絵はがきを送りました.津波関連なので,悲しい気持ちになってしまいました.
パソコンが調子悪いのでいろいろ見ていたらデフラグをしていません.4年ぶりのデフラグです.

<岩手・宮城内陸地震10年>あの日と歩む(1)祈る どこかで生きていて
 死者17人、行方不明者6人を出した2008年の岩手・宮城内陸地震は、14日で発生から丸10年となった。道路などのインフラは復旧し、山あいの集落はかつての姿を取り戻したかに見えるものの、人々の心の復興や地域再生の度合いはまだら模様だ。喪失感と向き合う遺族、産業振興に歯を食いしばる住民、集落の再興を誓う若者。関係者らの現在を見つめ、地域の未来を展望する。(若柳支局・古関一雄、栗原支局・土屋聡史、一関支局・浅井哲朗)
◎山形県金山町 高橋良平さん(28)
 台風の季節は少し憂鬱(ゆううつ)になる。各地の土砂崩れが報道される。被害映像を見るのがつらい。
 山形県金山町の会社員高橋良平さん(28)は内陸地震で両親を亡くした。父伸好さん=当時(56)=と母美也子さん=同(50)=が、栗駒山で消息を絶った。県境を越えて山菜採りに行ったはずだが、手掛かりは何も見つかっていない。
 10年に葬儀を営んだ。墓前で手を合わせるたびに浮かぶ言葉がある。「生きていてほしい」。両親を弔っているのに、自分でも矛盾していると思っている。でも願わずにいられない。
 数年前のテレビ番組が頭から離れない。行方不明者が記憶喪失となり、人里離れた場所で見つかったという話題。身近で起きるはずがないと分かっていても、奇跡を待ち望んでしまう。
 発災時は18歳。就職して間もない頃だった。1歳下の弟は高校3年生。2人で途方に暮れた。親戚と関係機関を回っても有力な情報はない。1年後の再捜索も成果はなし。無念だった。
 捜索終了を受けた記者会見。行政や捜索隊が努力してくれたのは十分承知していた。「両親も納得していると思う」。本音をのみ込んで質疑に応じた。
 3年前に結婚した。長男が生まれ、自分の家庭を持つことができた。居間から家族の笑い声が聞こえる。何げない暮らしの中で、親になったことを実感する。
 ふと思う。「父母がいたら今の自分をどう見てくれただろう。一緒にどんな生活を送っていただろう」
 あれから10年。現地で行われた14日の追悼式でも、祈りの言葉はいつもと同じだった。「お願いだから、どこかで生きていて」
●重なる思い
<悲しみと悔しさ深く>
 栗原市栗駒耕英にある駒の湯温泉の湯守菅原昭夫さん(62)は、母チカ子さん=当時(80)=と兄孝夫さん=同(58)=を亡くした。駒の湯温泉では7人が犠牲となった。
 10年たっても悲しみと悔しさは深くなっています。あの日のことを忘れたことはありません。
 日帰り入浴施設として温泉を再開して3年になります。12年の足湯に始まり、そばが売りのカフェが入るレストハウスも併設しました。湯を守り、山で生きていく覚悟です。
 今年も訪れた6月14日。慰霊碑の前でどんな言葉を重ねたらいいのか。しゃべる前も、しゃべった後も毎年思い悩みます。こうしたことが、いずれなくなればいいのですが。
<肖像画を眺める日々>
 仙台市青葉区の主婦伊藤千秋さん(75)は、弟の森正弘さん=当時(61)=と正弘さんの妻洋子さん=同(58)=が栗原市花山の白糸の滝付近で亡くなった。
 弟夫婦とは大の仲良しでした。彼の大きな顔写真を直視できずにいます。胸が詰まるからです。代わりに夫が描いた肖像画を眺める日々です。10年は節目と言われますが、彼を思う気持ちに節目はありません。
 今も時々、『まーさん、元気ですか』と語り掛けます。栗原市を訪ねる際は少しでも彼らの最期を感じようと、つい現場近くに足を運んでしまいます。
 14日の追悼式で地元の人が現場に残る弟の車からナンバープレートを外して持ってきてくれました。弟と思って大事に保管します。


大槌町旧庁舎/解体差し止め申請に理あり
 東日本大震災で被災した岩手県大槌町旧役場庁舎の存廃を巡る住民と行政の対立は、住民団体が解体工事の差し止めを求めて盛岡地裁に仮処分の申し立てへと発展した。
 町が復興を急げば急ぐほど事態は混迷の度を増していくかのようだ。打開の鍵を握っているのは誰なのか。
 当時の町長や職員ら40人が犠牲になった旧庁舎について申立書は「検証が不十分であり、拙速に解体すべきでない」と主張している。
 町はこれまでに2度の検証を行っているが、職員の動きや幹部職員の指示といった詳細は明らかにならなかった。当時、防災担当の総務課主幹だった平野公三町長ら事実を知る立場の生存職員ら80人から聴き取った調書は、公開の予定もないという。
 大槌町は大津波警報が発令された沿岸被災地で唯一、町が避難の指示や勧告を出さなかった自治体でもある。住民の約1割に当たる1286人が犠牲になっており、町役場の初動に疑念を抱く町民は少なくない。
 職員遺族は肉親の最期の様子を知らされないまま、同時に多大な犠牲を出したことへの非難の中で震災から7年3カ月の歳月を過ごしてきた。
 いかに復興まちづくりが進もうとも「あの日、何があったのか」という事実をうやむやにし続ける限り、町民の心は「3.11」で足踏みし、前を向くことができない。
 「解体の工期は隠すことなく伝える」としてきた町だったが、実際には解体業者の入札を内々に行い、平野町長は唐突に18日前後の工事着手を表明した。解体まで残された時間を考えれば、仮処分申請という緊急避難措置も致し方なかろう。
 ここまで事態がこじれてしまった要因は、幅広い住民の納得を置き去りにして事を急ぐ平野町長の行政手法にあると言わざるを得ない。
 町議会の対応にも疑問が残る。そもそも解体予算案の採決は可否同数となり、議長裁決で可決された。これは合議体としての議会が十分に機能していない証拠だ。住民と対話して課題を抽出し、対案を示すのが住民の代表機関本来の役割だ。
 申立書は「次世代に津波の脅威と教訓を伝える貴重な震災遺構」であると旧庁舎の社会的価値を強調している。だが、いまだに町民感情が揺れ動いている状態で保存か解体かを決するのは困難だろう。
 岩手県の仲裁に期待する声もあるが、達増拓也知事は「優れて自治の問題だ」と冷ややかに突き放す。これもまた役割の放棄と思えるが、指摘そのものには一理ある。混乱を極める町に問われているのは自治の成熟度だからだ。
 平野町長は「解体方針を掲げて信任された」と言うが、当選証書は白紙委任状ではない。こうした考えを改めない限り、もつれた糸をほぐすのは容易でない。


<戊辰戦争150年>列藩同盟の気概、活性化に生かせ ゆかりの白石城で会議
 戊辰戦争150年を記念して、奥羽越列藩同盟の発端となる会合の舞台となった宮城県白石市の白石城本丸広場で2日、各地の関係者が集う「白石会議2018」があった。参加した人々は史実を改めて振り返り、歴史を踏まえた現代のまちづくりについて語り合った。
 東大史料編纂所教授で歴史学者の本郷和人さん(57)が講演。列藩同盟結成への会議が白石で開かれた理由について、奥州藤原氏や初代仙台藩主の伊達政宗が防衛の要と位置付けていた歴史的な経緯を解説した。
 本郷さんは「経済的に豊かな藩の同盟で東北独立の夢は絵空事ではなかった。中央との戦いに負け続けたが、その都度立ち上がり我慢強くなった」と述べた。
 同盟ゆかりの白石、米沢、二本松、白河市の関係者は史実や活性化策で意見交換。白石市の菊地正昭副市長は「市民のプライド醸成を第一に(1995年に)復元した城を、催事や観光客の誘致にも生かしていきたい」と話した。
 当時の藩内337人が命を落とした二本松市と、新政府軍含め1000人超が戦死した白河口の戦いがあった白河市は、それぞれ戦没者の合同慰霊祭を行う計画を紹介。米沢市上杉博物館の担当者は「上杉ブランド」を売り出す市のソフト戦略を説明した。
 白石会議は1868(慶応4)年閏(うるう)4月11日、新政府から追討令を受けた会津藩を救済しようと、奥羽14藩が白石城に集結。翌5月の31藩による奥羽越列藩同盟の結成につながった。


<福島第2廃炉>東電社長が復興、経産両大臣に報告
 東京電力ホールディングスの小早川智明社長は15日、復興庁と経済産業省を訪れ、運転停止中の福島第2原発(福島県楢葉町、富岡町)の全4基の廃炉方針について報告した。
 復興庁で吉野正芳復興相と会談した小早川氏は「第2原発の扱いを曖昧にすることが、福島の復興を妨げていると判断した。具体的な廃炉計画は地元の安心に沿うものにしたい」と説明した。
 吉野氏は「福島の浜通りの復興に第2原発の廃炉は不可欠。復興の加速に大いに役立つ」と評価。ただ、2017年春に富岡町など4町村で福島第1原発事故に伴う避難指示が解除されたことを踏まえ「残念だが1年遅かった。解除の前に廃炉の判断をしてほしかった」と苦言を呈した。
 経産省で小早川氏と会談した世耕弘成経産相は「社長の責任で廃炉の方向性を示したことは高く評価したい。福島復興への貢献という視点で、廃炉に向けた具体的な検討をしっかり進めてほしい」と求めた。
 小早川氏は報道陣に「決定までのスケジュール感は見通せていない。福島第1原発の廃炉を含めた全体の作業ステップ、作業員や安全性の確保などしっかりと計画を組み立てるのが一番大きな課題だ」と述べた。


福島第二原発 目の前の廃炉に全力を
 東京電力が福島第二原発廃炉を表明。遅きに失した感はある。だがこの上は計十基の廃炉事業に全力を傾注し、速やかに成果を上げること。東電という企業に残された恐らく最後のチャンスである。
 「(福島第二原発が)復興の妨げ、足かせになる」と、東京電力の小早川智明社長は言った。
 そこへたどりつくまでに七年以上もかけたとすれば驚きだ。
 福島第二も第一同様、地震と津波の被害を受けて電源を喪失し、メルトダウン(炉心溶融)の危機に陥った。
 唯一生き残った外部電源を頼りに、何とか冷温停止に持ち込んだ。紙一重の僥倖(ぎょうこう)だった。
 サイトは二つ、しかし外から見れば同じ「福島原発」、誰がどう見ても福島で原発を動かすことは不可能だ。この決断は遅すぎる。
 第一の六基に加えて第二の四基。東電は世界史上例のない、原発十基の廃炉事業を背負うことになる。並大抵のことではない。
 メルトダウンを起こした第一原発の三基は、溶け落ちた核燃料の状態もまだ把握できていない。机上の工程表は示されてはいるものの、作業自体はスタートラインに立ったとも言い難い状況だ。地下水の流入、汚染水の処理にさえ、いまだ手を焼く状態だ。
 廃炉、賠償にかかる費用は推計二十一兆円。恐らくさらに膨らむことになるだろう。東電がどれだけ大企業だったとしても、到底背負いきれるものではない。
 その上さらに、第二の廃炉費用がのしかかる。
 「東電に原発運転の資格なし」と考えるのは、福島県民だけではない。
 東電は唯一残った新潟県の柏崎刈羽原発の再稼働に意欲を見せる。十日の新潟県知事選で与党の支持する新知事が誕生したが、新潟県民の原発不信、東電不信が解消されたわけではない。
 原発の安全を維持するには、膨大な費用がかかると教えてくれたのも東電だが、今の東電に、余力があるとは思えない。
 いくら「国策」だからと言って、血税の投入にも電気料金の値上げにも限度というものがあるはずだ。
 第二原発の廃炉を契機に東電は、今度こそ本当に生まれ変わるべきではないか。再稼働へのこだわりも、きっぱり捨てて。
 福島や新潟の不安や不信を受け止めて、目の前の巨大な課題を直視して、そこに全力を注ぐ姿勢をまず示すべきだろう。


福島第2原発廃炉 具体策を提示すべきだ
 遅すぎた判断であり、なぜこのタイミングなのかと勘ぐってしまう。
 東京電力は福島第2原発4基全てを廃炉にする方針を示した。福島第1原発事故から7年余りたっている。この間、福島県が繰り返し早期廃炉を求めていた。
 第2原発についての判断を東電に委ねてきた政府の責任は重い。原発を推進してきた政府が責任をとってもっと早く廃炉を促すべきだった。
 そもそも政府の新たなエネルギー基本計画の素案は、脱原発とは程遠い。再生可能エネルギーの主力電源化を打ち出し、エネルギー構造の転換への意欲は示したものの、将来の電源構成比率は据え置いている。
 原発については、福島第1原発事故の反省を踏まえ依存度を減らすとした一方で、重要な「ベースロード電源」との位置付けを維持した。「脱炭素化」を達成できる数少ない手段として今後も一定程度活用する方針だ。2030年度に「20〜22%」とする現行の原発比率も実質的に変わらない。
 環境問題に取り組む市民団体などでつくる「グリーン連合」は18年の「市民版環境白書」を発表している。二酸化炭素の排出量が多い石炭火力への依存を続ける政府の新たなエネルギー基本計画案を「世界の脱石炭の流れと逆の政策を打ち出している」と批判。日本の再生エネルギーの目標は欧州各国に比べて低すぎ、原発は不健全な延命策が取られていると指摘している。政府はこうした声に耳を傾けるべきだ。
 原発大国スウェーデンは、40年までに再生可能エネルギーで全ての電力需要を賄う目標を掲げている。先進的な取り組みを参考にしたい。
 福島第2原発は、炉心溶融事故を起こした第1原発と同じ沸騰水型軽水炉。東日本大震災で一時的に冷却機能を失ったが溶融は逃れた。東電が再稼働を目指しても、地元の同意を得られる見通しはなく、廃炉しか選択肢はなかったはずだ。
 しかし、東電は第1原発の廃炉作業のバックアップに必要として、廃炉判断を引き延ばしてきた。
 この時期に表明したのは、内堀雅雄知事が10月の知事選で再選を目指し出馬表明することと関係があるとみられる。内堀氏は福島県内の全原発の廃炉を公約に掲げて14年に初当選した。
 第1原発で汚染水を浄化した後に残る放射性物質トリチウムを含んだ処理水が増え続けている。水の処分は差し迫っている。第2原発の廃炉を表明する代わりに、汚染水処理に対して知事の理解を得たいという東電の思惑が透けて見える。
 しかし、廃炉の具体的な見通しは全くの白紙状態。廃炉作業は長期に及ぶ。東電は資金や人材、安全の確保など、早急に具体的な廃炉計画を提示すべきだ。


フカヒレ おしゃれに変身「新たな土産品に」 宮城・大和の食品加工会社が商品化
 宮城県大和町の食品加工会社「仙台Α覆澆鵑澆鵝法廚気仙沼産の高級食材フカヒレを使ったアクセサリー「ふかひれ物語」を作った。洋服や帽子にアクセントを加える小物として3種類を商品化し、注文を受け販売する。「宮城の新たな土産品にしたい」と近くホームページ(HP)でPRを始める。
 同社が作ったのは、アブラツノザメの尾びれで作った色違いの2品(長さ約7センチ)と、ヨシキリザメの背びれを材料とした丸い形の品(直径約5センチ)。自然素材ならではの味わい深い質感に仕上がり、一目見ただけではフカヒレが材料とは分からない。
 橋上晃己社長が「フカヒレを食材以外に活用できないか」と遊び心で発案した。フカヒレを専門に食品加工を約20年手掛けた経験を生かし、今年初めに試作品作りに着手した。
 フカヒレを蒸して固め、塗料で色を付け、つや出し加工を施す過程で試行錯誤を重ね、商品化にこぎ着けた。橋上社長は「食材を原料とした今までにないアクセサリー。宮城観光の土産になるし、新しいおしゃれとしても楽しめる」と手応えを語る。
 1個1700〜1900円。連絡先は仙台Γ娃横押複械苅院烹牽僑隠院


河北抄
 毎月9日の夕刻。たくさんの人が行き交う仙台市青葉区一番町の仙台フォーラス前に、ポケットティッシュを配るグループが現れる。さりげなく手渡すティッシュには、憲法9条による平和を願うメッセージが添えてある。
 市民団体「『テロにも戦争にもNOを!』の会」が2004年から続ける息の長い活動だ。世話人会代表の須藤道子さん(69)は「武力では何も解決しない。平和や憲法について市民一人一人が考えてほしい」と話す。
 01年の米同時多発テロを機に「運動家でなくともできることがある。命の重さについて声を上げないといけない」と発会。緩やかな参加を呼び掛け、今では約400人が賛同人として登録。戦争と平和をテーマにした映画上映会の収益やカンパでティッシュを作っている。
 ティッシュを配る日は9条にちなみ、メッセージの文言は著名人の言葉を引用するなど定期的に替えている。「思いが少しでも伝われば」と街頭に立つ須藤さんたち。多くの人に平和を考えるきっかけを与えてくれる貴重な活動だ。


<雄物川図書館>「白水社」出版物の購入に力 哲学書など2200冊収集、市民の財産に
 フランス文学の翻訳書や多様な言語の語学書で知られる「白水社」(東京)の出版物の購入に、横手市立雄物川図書館が力を入れている。創業者の福岡易之助(やすのすけ)(1885〜1931年)が地元出身で、入手した文学書や哲学書など約2200冊を郷土関係資料として所蔵している。
 図書館によると、前年度は図書購入費275万円のうち約20万円を白水社に充当。フランスの哲学者アンリ・ベルクソンの「新訳全集第7巻」など75冊を購入した。
 玄関の正面に、白水社専用の書棚が七つある。新書判の「文庫クセジュ」「白水Uブックス」の新刊は全て取得する。類書がほとんどない語学入門書「ニューエクスプレス」の「ロマ(ジプシー)語」、エチオピアの「アムハラ語」も棚に並ぶ。
 鈴木裕子司書は「白水社の出版物は図書館の財産になると考えている。市民に広く読んでもらえる工夫をしていきたい」と語る。
 収集を始めたのは2011年と比較的最近だ。福岡の関係者から約200冊寄贈されたのがきっかけ。続けて借りる熱心な読者もいるという。
 白水社は15年から、図書館に雑誌「ふらんす」を毎号贈っている。同社の担当者は「数多く収蔵していただき、ありがたいことで感謝している」と話す。
 秋田県南地方では仙北市学習資料館も新潮社の本を約3万冊所蔵する。創業した佐藤義亮(1878〜1951年)が旧角館町出身で、新潮社は全ての出版物を原則寄贈。特定の出版社に予算枠を設ける雄物川のケースとは異なる。


<戊辰戦争150年>私財投じ鶴ヶ城跡を保存 遠藤敬止の功績しのび、仙台であす慰霊祭
 戊辰戦争に参加した会津藩士で、明治時代に現在の七十七銀行頭取や仙台商工会議所会頭などを務めた遠藤敬止(1851〜1904年)の法要が17日、仙台市青葉区新坂町の充国寺で執り行われる。戊辰戦争150年の今年、鶴ケ城跡保存に力を尽くした功績を改めて学び、しのぶ。
 遠藤は会津藩士の長男として生まれた。戊辰戦争が始まると18歳で会津軍に従い転戦。最後の若松城(鶴ケ城)籠城戦に加わった。
 開城後は慶応義塾で経済学を学んだ。大蔵省に務めた後、1881年七十七銀2代頭取に就任。同4代頭取、仙台商議所会頭などを務め、東北経済の基盤づくりに貢献した。
 90年、政府による鶴ケ城払い下げが決まると旧藩主松平家に渡るよう私財をなげうって奔走。「戊辰戦争で亡くなった幾千もの魂が残る。保存して千古の記念とすべきだ」と訴え、実現させた。鶴ケ城は後に会津若松市に譲渡された。
 地元の顕彰会は1971年、遠藤をたたえる「頌徳(しょうとく)碑」を鶴ケ城北出丸に建立した。戊辰150年の記念事業を発信するウェブサイト「会津の先人たち」で「鶴ケ城跡保存の恩人」と紹介している。
 慰霊祭は例年、顕彰会が碑前で開催。百回忌(2003年)といった節目には墓地がある充国寺で行ってきた。今回は午前11時から法要があり、顕彰会や経済関係者らが参列する。
 顕彰会の新城猪之吉会長(末広酒造社長)は「遠藤翁がいなかったら鶴ケ城は知らない人の手に渡り、なくなっていたかもしれない。会津のシンボルとして城が今に残る歴史を、戊辰150年を機に多くの人に知ってほしい」と話す。


福島第2原発廃炉 東電の決断は遅過ぎる
 地元が望む廃炉に進むのは当然だろう。しかしなぜこれほど時間がかかったのか。遅過ぎる決断と言わざるを得ない。
 東京電力ホールディングスの小早川智明社長が、福島第2原発の全4基の廃炉を検討すると福島県の内堀雅雄知事に伝えた。福島第1の事故から7年余り、この時期の決断は先日の新潟県知事選で、各地で原発再稼働に前向きな政権与党の推す候補が勝ったことも影響していよう。まだ先だが、東電にとっては新潟にある柏崎刈羽原発の再稼働が視野に入ったからだ。
 ただ廃炉作業について具体的説明はなかった。社長は「検討はこれから」と述べるにとどまった。本気度が感じられない。
 福島第2の4基は、事故を起こした福島第1の南約12キロにある。東日本大震災では、炉心溶融(メルトダウン)は免れた。
 その廃炉は「福島県民の総意」である。県は20回以上も東電に要求してきた。県議会や、県内の全市町村議会も決議や意見書で廃炉を求めていた。こうした状況で、再稼働を地元が認めることは考えられない。
 それでも東電は「国のエネルギー政策などを総合的に判断する」などと廃炉の決断を先送りしてきた。今回やっと地元の声に応えた格好だ。「もっと早く判断できたのでは」との声が出るのも無理はあるまい。
 なぜこのタイミングだったのか。秋にある知事選で、再選を目指すとみられる内堀氏との関係をより強くする狙いもあったのだろう。今回の決断で内堀氏が「県内の原発は全て廃炉」という公約を守ったことになれば、東電としては貸しをつくったことになるからだ。
 福島第1の汚染水問題も絡んでいる。放射性のトリチウムが微量含まれるが、取り出すのは難しい。濃度を薄めた上で海に流す案を検討しているが、漁業関係者らの反発は必至だ。福島第2を廃炉にする代わりに汚染水では県から譲歩を引き出そうと考えているとの見方もある。
 廃炉の会計制度を国が見直し、費用を単年ではなく数年に分けて負担できるようになったことも決断を後押しした。
 今後最大の課題は廃炉をどう進めるか、である。安全を確保しながら確実に作業する責任は電力会社にある。ただ福島第2を含め廃炉の対象は全国22基に上り、「大量廃炉」時代の到来と言える。壁となっている放射性廃棄物をどう処分するか、解決には国の支援が不可欠だ。
 福島第2の廃炉には2800億円ほどかかる。東電が積み立ててきた約2千億円とは800億円もの開きがある。当初見積額で済むか不安も残る。最終処分まで考えないまま突っ走ってきた原発政策のつけが回ってきたと言えるのではないか。
 というのも商業用原発では国内初となる日本原子力発電の東海原発(茨城県)の廃炉が難航しているからだ。2017年度までに終える計画だったが、廃棄物の処分方法が決まらず2度延期となり、今は25年度完了を目指している。費用は約885億円と見積もるが、長期化すれば膨らむのは避けられない。
 メルトダウンした福島第1の廃炉も先行きが見通せない。第2が加わり、多額の費用や作業員確保なども一層求められる。東電は早急に具体的な手順や日程をまとめねばならない。


福島第2原発 「廃炉」表明なぜ今なのか
 東京電力ホールディングスの小早川智明社長が、停止中の福島第2原発全4基を廃炉とする方針を表明した。正式に決まれば、福島県内の原発全基が廃炉となる。
 小早川社長は福島県の内堀雅雄知事に会い、「このまま曖昧な状態を続けることが福島復興の足かせになる」とし、廃炉を検討すると伝えた。
 東電は、福島第1原発事故の当事者である。この未曽有の事故は、多くの人々の暮らしを脅かした。既に第1原発は6基全ての廃炉が決まっている。
 それを踏まえれば、第2原発を再び動かすことなど望めるはずがない。地元からも再三廃炉を求められていた。東電の判断は当然であり、むしろ遅きに失したといえる。
 ただし、小早川社長は「廃炉の具体的なスケジュールはこれから考える」とし、工程などは示していない。
 復興に資することを理由に挙げるなら、まずは廃炉の道筋を明確にすることが不可欠だ。速やかな対応を求める。
 一方でふに落ちないのは、なぜ、このタイミングでの表明となったのかだ。
 福島第2原発は、7年前の東日本大震災では一時的に炉心冷却機能を失ったものの、第1原発のような炉心溶融は免れた。再稼働の可能性が取り沙汰されてきた経緯もある。
 その扱いに注目が集まる中、東電は「国のエネルギー政策などを総合的に判断する」などとはぐらかし、結論を先延ばしにしてきた。
 長期間にわたって曖昧な態度を崩さずにいたのに、ここにきて福島第2の全基廃炉を東電が明言したことには、唐突な印象を受ける。
 気になるのは、政治絡みの思惑が指摘されていることだ。
 一つは、10月に控える福島県知事選に関連するものだ。内堀知事は4年前に県内全原発の廃炉を公約して初当選した。全基廃炉は、それに沿う。
 福島第2原発の廃炉を表明するのと引き換えに、第1原発の汚染水処理問題の進展に向けた協力を得る。東電側の狙いについて、こんな見方がある。
 事実だとすれば、復興のためだと訴えた小早川社長の言葉が色あせよう。
 もう一つは、本県で政権与党が支援した花角英世知事が誕生したことに関わる。「再稼働が全く見えない最悪の状況は避けられた」。東電関係者には、こうした声もあるという。
 東電は柏崎刈羽原発6、7号機再稼働を経営再建の柱と位置付け、強い意欲を見せてきた。今後、それに向けた動きにさらにウエートがかかることも予想される。
 花角知事は当選直後から安倍晋三首相や自民党の二階俊博幹事長と面会するなど、政権や与党との蜜月ぶりが際立つ。
 政府、自民党は原発推進の立場だ。原発再稼働に慎重姿勢を示して当選した花角知事がどう県民との約束を守るのか。目を凝らし続けなければならない。


[福島第2廃炉] 具体的な道筋示さねば
 未曽有の事故から7年以上が経過し、あまりに遅すぎた判断と言わざるを得ない。
 東京電力の小早川智明社長は、福島第2原発の廃炉方針を福島県の内堀雅雄知事に伝えた。
 福島県は2011年の東日本大震災に伴う原発事故を受け、早期の廃炉を一貫して求めてきた。
 第2原発は4基あり、正式決定すれば、廃炉作業が進む第1原発と合わせて福島県内の10基全てが廃炉となる。
 それだけに一つの方向性が打ち出されたことは一歩前進だろう。ただ、30〜40年の歳月がかかるといわれる廃炉の具体的な道筋は全くの白紙状態だ。
 第1原発に加え、多額の費用や作業員の確保、廃炉で出る大量の放射性廃棄物の処分など多くの難題が待ち構える。東電は速やかに正式決定し、工程表づくりに着手すべきだ。
 第2原発は、炉心溶融を起こして大量の放射性物質を放出した第1原発の南約12キロにある。原子炉の冷却機能を一時失ったが、炉心溶融は免れた。
 東電はこれまで「第1原発の廃炉の後方支援に必要だ」などと、態度をはぐらかし続けてきた。このタイミングで福島県の要請に応じる姿勢を見せた背景には何があるのか。
 小早川社長は知事との会談で、風評被害や住民の帰還が進まない状況を踏まえると、「曖昧では復興の足かせとなる」と語った。
 知事は、第2原発の廃炉が「帰還を迷う人にプラスのメッセージになる」と主張しており、それに沿う。根強く残る観光業や農林水産業に対する風評被害の払拭(ふっしょく)にも期待がかかる。
 東電側には別の狙いもあるとみられる。
 第1原発で汚染水を浄化した後に残る放射性物質トリチウムを含む水の処分は喫緊の課題だ。海洋放出を目指すが、風評被害を懸念する漁業関係者らの理解を得るには知事らの協力が欠かせない。
 廃炉方針を示す代わりに、汚染水を巡る交渉を進めたいとの思惑が透ける。
 東電の経営再建の鍵を握るのは新潟県の柏崎刈羽原発である。先日の知事選で再稼働に慎重だった前知事から、原発推進の与党が推す知事へ交代したことも後押ししたに違いない。
 廃炉には、原子力規制委員会による計画の認可が必要だ。放射性物質の除去や原子炉の撤去など難しい作業をどう進めるのか。
 第1原発の廃炉とともに長く険しい道のりになるだろう。覚悟を持って取り組む必要がある。


骨太の方針 甘い見通しが財政壊す
 政府が決めた経済財政運営の指針「骨太の方針」は究極の無責任な中身だ。財政健全化の目標を先送りするだけでなく一段と甘い指標を採り入れた。今良ければ「後は野となれ山となれ」なのか。
 安倍政権の五年間は、現実離れした高い経済成長見通しを掲げ、成長頼み一辺倒できたといっていい。歳出抑制や増税など痛みを伴う財政健全化には常に後ろ向きだった。今回の骨太の方針は、財政規律のなさはそのままに、さらに楽観的すぎる内容に後退した内容である。
 財政健全化の一里塚である「基礎的財政収支(PB)の黒字化」は、従来の二〇二〇年度から二五年度に先送りした。
 加えて中間指標として二一年度に対GDP(国内総生産)比での債務残高や財政収支の赤字、PBの赤字などを点検するとした。
 これはGDPが増えれば改善が見込まれるため、これまで以上に積極財政による成長志向を強めるおそれが強い。赤字そのものが減るわけではないので、より危うくなるともいえる。
 諸悪の根源は内閣府がつくる経済成長見通しの甘さだろう。名目で3%、実質2%というバブル期並みの現実離れした数字である。二五年度のPB黒字化も、消費税率の10%への引き上げ(一九年十月)後や東京五輪・パラリンピック後も含めて、高成長が続くのを前提としている。明らかに楽観的すぎるだろう。
 政府内の省庁がつくる経済見通しでは客観性に欠け、信頼性も著しく低いということだ。例えばドイツは経済財政見通しの策定には民間シンクタンクが関与する。カナダは経済見通しの前提であるGDPは民間の平均予測値を用いる。正確性や客観性を担保する仕組みを諸外国は採り入れている。
 世界一の借金大国である日本だけが、内々で都合のいい数字をはじき出していると非難されても仕方のない状況だ。これでは財政再建など進むわけはない。
 成長志向一辺倒の安倍政権は肝心なことも見落としている。財政の悪化により社会保障制度の持続可能性に国民が不安を抱いていることが、消費の低迷ひいては成長を阻害していることだ。
 国際通貨基金(IMF)がそう警告している。「積極財政」といえば威勢がいいが、財政規律を失った放漫財政は逆に成長を阻むのである。
 国民の安心感と納得感が得られる税財政改革が急務である。


骨太の方針 何のための消費増税か
 政府はきのう、経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)を閣議決定した。
 2019年10月に消費税率を10%に引き上げると明記した上で、増税後の経済悪化を食い止めるため、19、20年度の当初予算に対策経費を盛り込む考えを示した。
 増税分の税収約5兆円のうち、借金返済に充てるはずだった約2兆円が2年間、そっくり景気対策に回る公算が大きく、財政健全化はその分遠のく。
 何のために国民は新たな負担を求められるのか。これでは全く意味が分からなくなる。
 安倍晋三首相が約束していた「増税に耐えうる経済」が実現していないのであれば、増税そのものを見送るのが筋である。
 過去の税率引き上げの際には、事前の駆け込み需要の反動による消費の冷え込みが目立った。
 それでも景気対策の財政出動には同意できない。
 第一に、需要の先食いにしかならないことである。
 財政出動の具体策として検討されているのは、住宅ローン減税の拡充や、自動車取得時に免税対象となる車種の拡大だ。
 こうした高額品は一度購入すれば、しばらく買い替えの必要が生じない。対策が終われば、消費が落ち込むのは目に見えている。
 高額消費への支援は、所得の高い層に恩恵が偏る点にも問題がある。消費税率を上げる場合、所得の低い人ほど負担感が増す逆進性の緩和を最優先する必要がある。
 加えて懸念されるのが、財政規律の緩みである。
 景気対策を盛り込んだ当初予算の一般会計総額は初めて100兆円を超す可能性が高い。消費喚起を名目にすれば、どんな事業でも認められる結果になりかねない。
 新たな国民負担を求めた結果がばらまきでは本末転倒だ。
 そもそも消費税増税の目的は、持続可能な社会保障制度を確立することにあった。
 国民が将来への不安を持たずに生活できる仕組みをつくることが政府の責務であり、消費税はそのための貴重な財源のはずだ。
 ところが首相は選挙のたび増税を延期したり、借金返済分を教育無償化に回したりと消費税問題を都合良く利用し、社会保障制度の再構築を後回しにしてきた。
 今回の財政出動方針も、来年の統一地方選や参院選対策であるのは明らかだろう。
 選挙目当てのご都合主義と言うほかはない。あまりに無責任だ。


骨太方針 健全化先送りの無責任
 政府が閣議決定した経済財政運営の「骨太方針」は、財政健全化目標を2025年度に先送りした。本当に達成できるのか、不安はなお消えない。
 国の借金は1千兆円を超え、財政状況は先進国で最悪の水準にある。立て直しは待ったなしの課題だ。成長頼みの財政運営を続けるのでなく、歳出改革に本気で取り組まなくてはならない。
 国と地方の基礎的財政収支を黒字化する目標だ。公共事業や社会保障といった政策に必要な経費を税収などの基本的な収入でどれくらい賄えているかを示す。今は10兆円もの赤字が続いている。
 20年度の黒字化を掲げてきたものの、達成は絶望的とみられていた。19年10月に予定する消費税増税の使い道を変更し、教育無償化に充てるとしたのを機に断念を表明した経緯がある。
 骨太方針では、財政再建への取り組み状況を21年度に三つの指標で中間評価するとした。
 基礎的財政収支のほか、政策経費に国債の利払いを加えて計算する「財政収支」、借金の総額である「債務残高」だ。それぞれ国内総生産(GDP)比で数値目標を設ける。
 基礎的財政収支の黒字化は厳しい。政府が前提とするのは実質2%、名目3%以上の高い経済成長である。内閣府の試算では、それでも27年度にならないと黒字化しない。現在並みの名目1%台後半を前提にすると、27年度時点で8兆5千億円の赤字だ。
 安倍晋三首相は5月の経済財政諮問会議で「社会保障改革を軸としながら、3年間で持続可能な経済財政の基盤を固めていく必要がある」と強調した。言葉とは裏腹に取り組みは心もとない。歳出抑制に向けた数値目標など明確な歯止めは設けなかった。
 むしろ膨張が懸念される。消費税増税に向けて19、20年度当初予算で景気対策を行うなど、増税や20年東京五輪・パラリンピックの後に景気を失速させないよう財政出動の余地を確保した。歳出改革は後回しになりかねない。
 首相が秋の自民党総裁選で3選されたとしても、任期は21年までだ。25年度の黒字化目標にどこまで本腰を入れようとしているのか疑いたくもなる。
 借金に大きく依存しているにもかかわらず、政府予算の規模は年々、拡大している。財政規律の緩みは深刻だ。歳出全般に切り込まなければ、立て直しはおぼつかない。政府は具体的な取り組みを示す必要がある。


与党の国会運営 あまりに粗雑で強引だ
 会期末を目前に控えて、与党の強引な国会運営が目立っている。
 きのうは衆院内閣委員会で、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)整備法案を野党の反対を押し切って採決した。週明けの本会議で衆院を通過させる構えだ。
 参院の定数を6増する公選法改正案も今国会成立を目指す。合区で選挙区を失う自民党現職の救済を狙う党利優先の内容である。
 与党内では会期延長論も強まっている。安倍晋三首相が目玉と位置づける働き方改革関連法案や環太平洋連携協定(TPP)関連法案ともども、一気に成立させてしまおうというのだろう。
 一方、森友・加計問題で野党が求めている予算委員会の集中審議には応じていない。加計孝太郎氏や首相夫人の昭恵氏らの証人喚問はあくまでも拒否する姿勢だ。
 政権の都合ばかりを優先する身勝手な国会運営は認められない。会期を延長するというのなら、一連の疑惑に対する国民の疑問に答える審議を尽くすのが筋だ。
 カジノ法案は中途半端な依存症対策をはじめとして、多くの論点が未消化で残されている。なのに与党側は内閣委員会で、審議継続を求める野党の動議を無視し、怒号の中で採決を押し通した。
 働き方改革法案も、長時間労働を助長しかねない高度プロフェッショナル制度(高プロ)への懸念が解消されないまま参院に送られた。TPP関連法案は米国の離脱による影響が精査されていない。
 「重要」法案と言いながら、議論はそこそこに成立ばかりを急いでいる。とりわけ疑問なのが参院の選挙制度改革を巡る経緯だ。
 自民党案の提示を受け、参院各会派は代表者懇談会で対応を協議。野党側は自民案は受け入れがたいとして、伊達忠一参院議長にあっせん案の提示を求めた。
 ところが自民出身の伊達氏は「会期末が迫っている」ことを理由に協議を打ち切ってしまった。
 民主主義の土台である選挙制度は、与野党の合意の上で定められるべきものだ。中立であるべき議長が合意形成の努力を怠っては、責任放棄とのそしりを免れない。
 伊達氏は、各党が対案を出し、委員会などで審議せよと主張した。ならば今後、与党案の採決を強行することがあってはならない。
 なお疑念の尽きない森友・加計問題や激動する朝鮮半島情勢など国政の課題は山積している。国会に求められるのは、政権の意向に沿った拙速な法案成立ではなく、その議論を尽くすことである。


参院「合区」救済法案 仲裁を拒む議長の不見識
 参院選挙区の「合区」ではじき出された現職議員を救済する公職選挙法改正案を自民党が国会に提出した。野党の反対を押し切って、今国会で成立させる構えを見せている。
 合区に問題があるからといって、比例代表の定数を増やして「特定枠」を設けるというのは「裏口入学」を認めるようなものだ。野党の多くが「国民の理解が得られない」と反対しているのは当然だ。
 驚いたのは、民主政治の土台をなす選挙制度をめぐり、与野党の合意形成に力を尽くすべき立場にある伊達忠一参院議長が野党の求めた仲裁をあっさり拒んだことだ。
 そもそも合区は「1票の格差」を是正する暫定措置であり、2015年の公選法改正時、19年参院選へ向け抜本的な見直しを行うことが付則に定められている。
 与野党の主張の隔たりが大きいまま参院選まで残り約1年となったが、これまで議長が調整に動いた形跡はない。今週になってわずかに2回、各会派から意見を聞いただけで協議を打ち切るというのは、議長の責任を放棄したに等しい。
 伊達氏は当選回数が3回で、閣僚経験はない。にもかかわらず、自民党内の派閥の力学で議長に選ばれた経緯がある。
 選挙制度改革という重大な議題で三権の長にふさわしい見識を示すことなく与党の言いなりになるようでは、「良識の府」を掲げる参院の権威をおとしめることにならないか。
 同様に選挙制度が焦点となった00年当時の斎藤十朗参院議長は違った。次の参院選まで1年を切る中、比例代表に現行の「非拘束名簿式」を導入する公選法改正を強行したのが自民党だ。斎藤議長はあっせん案を与野党に提示したが、自民党と対立し、議長辞任に追い込まれた。
 伊達氏は80歳で迎える来年の参院選出馬に意欲を示している。そのため自民党の公認を得たい思惑が働いているのだとしたら、議長としての責任感は斎藤氏と比ぶべくもない。
 参院は「衆院のカーボンコピー」などと批判されて久しい。
 問われているのは、投票価値の平等という憲法の要請と参院のあり方をいかに整合させるか、だ。それを正面から論じないのであれば、国民の視線はますます厳しくなろう。


独自の役割 抜本論議を/参院選挙制度改革
 身勝手な案と言うべきだろうか。自民党が参院選の「1票の格差」是正に向けた公選法改正案を参院に提出した。
 従来、解消を主張していた「鳥取・島根」「徳島・高知」の合区を残し、定数を現行の242から6増。比例代表に「拘束名簿式」の特定枠を設ける内容だ。合区対象県で選挙区に擁立できない県の候補を特定枠で優遇する狙いだろう。党内の不満解消を優先した案であり、選挙制度はますます複雑になる。
 参院は本来、衆院の政党対立から距離を置き、中長期的な視点から法案を審議し、行政を監視する役割が期待される。「良識の府」「再考の府」と呼ばれたのはそのためだ。だが現実は衆院と同様の政党対立が持ち込まれ、「衆院のカーボンコピー」と指摘されている。本来的には参院の独自性、「あるべき姿」のための選挙制度を考える抜本的な議論が望ましい。
 今回の選挙制度改革は2013年の参院選の「1票の格差」を「違憲状態」とした最高裁判決を受けたものだ。15年に改正された公選法は合区を初めて導入。付則で19年の参院選に向けて「選挙制度の抜本的な見直しを検討し、必ず結論を得る」と明記した。
 自民党案には問題点がある。自民党は人口の大都市部への集中が進む中で「人口減少地域の声も国政に反映させる必要がある」と主張し、各都道府県から1人の議員を選出できるようにする憲法改正案をまとめている。合区を残す今回の案との整合性はどうなるのか。
 もう一つは比例代表に特定枠を設けることだ。現行の比例代表は、政党が順位を付けず、候補者個人の得票順で当選者が決まる「非拘束名簿式」だ。今回の案はその一部に、事前に定めた順位に従って当選者を決める「拘束名簿式」の特定枠を導入する。合区対象県の候補優遇という狙いが透けて見える。
 自民党案は議員1人当たりの有権者数が最も多い埼玉選挙区の定数を2増し、比例代表も4増する。埼玉選挙区の定数増で「1票の格差」は当面3倍未満に抑えられるが、抜本改革とは言いがたい。比例代表の4増は特定枠を設けるのに伴う措置だろう。
 ただし国民の代表である議員の数を増やすこと自体は一概に否定されるべきではない。国民の理解が得られる定数の考え方を示し、その理由を丁寧に説明すべきだ。


子どもの虐待/命を守ることが最優先だ
 何度も救い出す機会があったのに、できなかった。そう思えてならない。
 東京都目黒区で5歳の船戸結愛(ゆあ)ちゃんが親からの虐待で命を落とした事件である。
 「もうおねがい ゆるして ゆるしてください」とひらがなでつづったノートが残る。結愛ちゃんは必死で鉛筆を握っていたにちがいない。死亡が確認されたのは、女の子の成長を祝うひな祭りの前日だった。
 児童相談所、自治体、警察、病院など関係機関がどう対処すべきだったのか。検証すべき点はあまりに多い。
 事件を受けて政府はきのう関係閣僚会議を開き、児相の体制強化や虐待の早期発見などについて議論した。1カ月をめどに緊急対策をまとめる。
 子どもの命と安全を守るのが最優先である。いま一度その大前提に立ち返らねばならない。
 結愛ちゃんは以前住んでいた香川県で、父親の暴力のため2回も児相に一時保護されている。家に戻された後、結愛ちゃんのあざを見つけた病院が児相に知らせたが保護されなかった。
 児相は「緊急性が高い」とみていた。それでも、児童養護施設に入所させるなどして親から離す判断には至らなかった。
 今年1月、一家は東京で暮らし始めた。香川県の児相から情報を引き継いだ東京都の児相が2月に家を訪問したが、結愛ちゃんには会えなかった。親との関係づくりを優先させようとしている間に悲劇が起きた。
 転居や子どもの面会拒否は深刻な虐待のサインとされる。この場合、警察の協力を得て家庭への立ち入り調査をしていれば、との思いがぬぐえない。
 引き継ぎで危機感が共有されていたかも疑問だ。
 兵庫県でも市川町から姫路市に引っ越した両親が1歳の次男に暴行して大けがを負わせる事件が起きた。転居前からリスクを把握していたが、児相や自治体の連携が機能しなかった。
 虐待に関する相談は急増し、児相の業務は多忙を極める。子どもの状況の確認が難しい場合には、警察の関与を強めることも考えるべきではないか。
 被害を受けた子どもたちに「ゆるして」と言うべきは社会の方である。


相次ぐ児童虐待死 命守る仕組み総点検を
 救えた命だった。
 今月、東京都と北上市で相次ぎ発覚した児童虐待死亡事件。捜査の進展で浮かび上がってきた経緯から、そう感じざるを得ない。
 「きょうよりかあしたは もっとできるようにするから もうおねがい ゆるして」
 東京都目黒区で、5歳の女児が両親への謝罪文をノートに書き残し、衰弱死した。十分な食事を与えず死なせたとして、両親が保護責任者遺棄致死の疑いで逮捕された。
 父親は香川県で女児を何度も虐待し、東京に転居。都の児童相談所は県から情報を引き継ぎ、職員が家庭訪問したが、母親が拒否的反応を示したため女児に会えなかった。
 北上市では1歳の長男に十分な食事を与えず、死亡させた疑いで父親が逮捕、送検された。市は男児が通う認可外保育所から「心配な子がいる」と相談を受け、市要保護児童対策地域協議会(要対協)でも情報共有していたが、緊急性を把握できず、児相に通告しなかった。
 児童虐待が社会問題化する中、近年は市町村レベルの要対協の設置など、関係機関が連携を図り、早期発見し対応する仕組みは整ってきた。
 だが、形ばかりの連携では命を救えないことを、二つの事件は物語る。事前に情報が寄せられており、その情報を共有する仕組みもあり、介入して救うチャンスもありながら、救えなかった。
 中身がなければ意味がない。漠然と「心配だから見守りする」ではなく、リスク管理した上で、いつまで、どのように見守るか、といった明確なプランを関係機関が共有し対処していく仕組みでなければ、悲劇は繰り返される。専門職の配置や研修の充実など、市町村レベルの体制強化が急務だ。
 また、児相の人員不足はかねて深刻な課題。厚生労働省は、約3千人の児童福祉司を2019年度までに約550人増員する計画だが、これでは対応件数の急激な伸びに追いつかないだろう。さらなる人員拡充が求められる。
 母子保健のネットワークも総点検したい。乳幼児健診は絶好の機会だ。気になる子がいたら、あるいは健診を受けていない子がいたら、フォローする。電話で済まさない。家庭訪問して直接会い、気軽に相談できる関係をつくる。当たり前のことが、おろそかになっていないか。
 核家族化が進み、地域のつながりが希薄になる中、妊娠、出産、子育てに悩みを抱え、孤立している親は多い。
 悩みを気軽に相談できる仕組み、リスクが高い家庭を見守る仕組み、危機に早期対応する仕組み。各層の関係機関がしっかり連携してこそ、小さな命を守ることができる。


日朝会談模索 拉致解決へ戦略練り直せ
 これまで通り「米国頼み」を続けていても、展望は開けない。対北朝鮮外交の戦略を切り替える時期にきている。
 歴史的な米朝首脳会談が開かれ、北朝鮮は「完全な非核化」を、米国は北朝鮮の体制保証をそれぞれ約束した。非核化の実効性には疑問符が付くものの、半島情勢が緊張から対話へ大きく転換したのは間違いない。
 これを受け、北朝鮮に対する「圧力」一辺倒だった安倍晋三政権も、北朝鮮との直接対話に乗り出す方針を固めたという。米国が対話に転換したのをみて、このままでは取り残されると判断したのだろう。日本政府の受け身の姿勢が際立つ。
 日本は北朝鮮との間に、核、ミサイルに加えて拉致問題を抱えている。安倍首相は14日に拉致被害者家族と面会し「米朝会談を機会として捉え、後は日本が北朝鮮と直接向き合い解決していく決意だ」と語った。
 何か重大な決断であるかのような言いぶりだが、そもそも国民の生命に関わる拉致問題を、日朝の直接交渉で解決するのは当然である。トランプ米大統領に米朝会談で拉致問題を提起してもらったのは、あくまで側面支援にすぎない。もとより、それ以上の期待はできないのだ。
 政府は今後、小泉純一郎政権時代に北朝鮮と交わした「日朝平壌宣言」に盛り込まれた経済支援をカードにして、北朝鮮に拉致問題の解決や核、ミサイルの放棄を迫っていく構えだ。
 その方針は間違っていないが、「北朝鮮が必ず経済支援欲しさに擦り寄ってくる」という見通しは、やや甘過ぎないか。
 もし米朝の融和ムードに乗って中国や韓国などが北朝鮮との経済活動を再開すれば、日本の「経済支援カード」は比重が軽くなる。北朝鮮が「日本は後回しでいい」と考えかねない。
 政府は9月の国連総会やロシアでの国際会議に金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長が出席する可能性があることから、こうした場を利用して安倍首相と金正恩氏との首脳会談を模索している。
 北朝鮮はトップが判断しなければ何も動かない国だ。通常の事務レベルの駆け引きでは曲折が予想され、時間がかかり過ぎる。安倍首相と金正恩氏との直接会談が極めて重要になる。
 その前に、経済支援カードだけでなく、北朝鮮を拉致解決に向けて動かすためにどういう手だてと手順が有効なのか、早急に戦略を練り直すべきだ。
 北朝鮮と国際社会との交渉の歴史を見れば「北朝鮮にだまされる」ことへの警戒は必要だ。しかし、リスクを恐れるあまり、首脳会談に慎重になり過ぎるようでは困る。局面転換のチャンスを最大限に生かしたい。


日朝会談を悪用…安倍首相「総裁3選」へ露骨なムード作り
 8月か9月に「日朝首脳会談」実現に向け調整――。政府関係者の情報をもとに大メディアがこうはやし立てている。「対話のための対話は意味がない」と繰り返してきた安倍首相が百八十度方針転換し、14日は拉致被害者の家族とも面会して直接交渉への強い意欲を見せた。突如として浮上した“日朝会談ムード”だが、これにはウラがある。
 首相官邸は公式には何も発表していない。しかし、メディアは一斉に、12日の米朝首脳会談で金正恩朝鮮労働党委員長がトランプ米大統領に対し、安倍首相との会談に応じる用意があるとの考えを示したと報道。8月に安倍首相が平壌を訪問する案や9月にロシアで開かれる東方経済フォーラムを利用した会談の案が検討されていると伝えている。
 13日に安倍首相と会った自民党の萩生田幹事長代行が、金正恩は拉致問題について「解決済み」という従来の立場を示さなかったとして、「大きな前進」だと発言。西村官房副長官も「(北が交渉を)拒否することはないだろう」と楽観的だった。だが、「解決済み」と“言わなかった”とは「無言だった」とも取れる。どうして「前進」になるのだろうか。
「春から水面下で北と交渉してきた」という政府関係者の話も疑わしい。実際、日本政府に北とのパイプがないから、ここまでトランプ頼みだったわけだ。かつて北朝鮮の「ミスターX」と秘密交渉を行った田中均元外務審議官は「今の日本には北とのチャンネルが不足している」と嘆いていたし、朝鮮半島情勢に詳しい東京新聞の五味洋治論説委員は「外交ルートを通じて北朝鮮に厳重に抗議」というのは、「北朝鮮大使館にファクスを送っているだけ」と実情を明かしていた。最近も「官邸の首相側近が『北にアプローチしたけれど全く反応がない』と頭を抱えていた」(自民党ベテラン議員)という。
 安倍首相の茶坊主が都合のいい情報を流してムードをつくるのは、政権の常套手段である。萩生田は総裁特別補佐や官房副長官時代から何度もその役回りを演じてきた。西村はつい先日も、「G7で安倍首相が議論を主導した」とツイートしたら、その後、トランプが「合意文書に署名しない」と事務方に指示していたことが分かり、赤っ恥をかいたばかりだ。
 だからこのタイミングで、「8、9月の日朝会談」という情報が出されるのにも理由がある。9月の自民党総裁選対策だ。総裁選直前の日朝会談は安倍3選に効果絶大。「トランプと話せるのは安倍さんしかいない」「金正恩との会談を調整しているのは安倍さんだから、9月以降も続けるしかない」という流れをつくろうとしているのがミエミエなのである。
■“我田引水政権”の常套手段
「本当にこの『我田引水政権』には呆れます。メディアがトランプ大統領に確認できないのをいいことに、都合のいい筋書きを仕立て上げ、いかにも前進しているように見せかける。日朝首脳会談が実現するのではというムードづくりは、明らかに総裁選向けのアピールであり、世論調査対策でもあります。安倍首相は、内閣支持率が30%を切って党内の安倍離れが進むことを極度に恐れていて、なりふり構わず何でも利用しようと考えている。北風(北朝鮮の脅威)が利用できなくなったので、拉致問題を利用するしかなくなったということなのでしょう」(政治評論家・野上忠興氏)
 もちろん日朝会談が本当に実現するなら歓迎だが、安倍政権の三文芝居にだまされてはダメだ。


安倍首相に選べるか!?拉致問題と3選
 ★米朝首脳会談、新潟県知事選と行方の分からない2つが終わり、国会は延長の手続きに入ろうとしている。働き方改革、TPP、カジノ法だけでなく日切れ法案、米朝首脳会談の先にある日朝首脳会談やG7の報告など、国会でやるべきことは多い。ただ9月の総裁選を前に、長い国会は首相・安倍晋三の3選にプラスに働くのだろうか。細田派幹部が言う。「国会を開いている限り、野党は森友・加計学園疑惑の攻勢を続けるだろう。国会を早く閉じたいのはやまやまだが、露骨な強行採決もプラスにはならない。会期延長は悩ましい選択」という。 ★国対関係者は「首相は7月12〜14日にフランス訪問予定。直前の同10日までの延長でまとめたい。場合によっては強行採決も視野に入れざるを得ない。その直後には石破派の研修会がある。石破の出馬宣言の時には、国会を閉じておきたい」と見通しを語る。既に総裁選を軸に日程も固まろうとしているが、首相が気をもむのは日朝首脳会談の実現とその時期だ。なんとしても拉致問題に目鼻をつけ、3選に臨みたい。 ★政界関係者が言う。「当然、北朝鮮当局もそんな日本の政治日程を承知しているはずだ。圧力一辺倒の日本政府に対して不快感がある北朝鮮は、会談時期では主導権を握っている。心配なのは、相手が安倍晋三ではいやだと言い出した場合だ。以前から北朝鮮筋は安倍の時代には(事態は)動かないとしていた。駆け引き上手の北朝鮮が、総裁選が念頭にある首相に3選と、拉致問題解決のどちらかを選ばせる場面もあるかも知れない」。この外交は首相にしかできないと言い張る人たちは、どちらを選べと進言するのか。

【海洋プラごみ】日本は削減策を率先せよ
 海に投棄されたレジ袋やペットボトルが波などで微粒子状に砕けた、マイクロプラスチックの海洋汚染が地球規模で深刻化している。
 そのプラスチックごみ対策が欧米などで本格化する中、日本でも排出抑制に向け、議員立法の改正海岸漂着物処理推進法が成立した。
 マイクロプラスチックは5ミリ以下の破砕ごみで、化粧品や歯磨きなどに含まれるマイクロビーズもその一種。プラスチックは毒性の強いポリ塩化ビフェニールなどを吸着する性質があり、餌と間違えて食べるなどした魚や海鳥の被害事例が多数報告され、人体への連鎖的な影響にも懸念が強まっている。
 改正法は、プラスチックを材料に使うメーカーにごみの減量や使用自粛を要請する。ただ、強制的な規定はなく、事業者の理解をどう深めていくかが課題になる。
 国連機関などによると、世界の海に流れ込むプラスチックごみは毎年1千万トン前後に上る。漂流域は水深1万メートル以上にも及び、特にマイクロプラスチックは回収が難しく、海流などで広範囲に運ばれ、汚染が拡大している。
 被害が広がる国や地域は、プラスチック製品の規制などに相次いで乗り出している。
 米国では、レジ袋やプラスチック製のストローの使用を禁じ、企業と連携して紙製への転換を図る自治体が増えている。英政府も使い捨てストローなどの販売禁止やレジ袋への課金制度拡充といった方針を打ち出したほか、アフリカ諸国も法的規制に踏み切っている。
 世界各地でプラスチックごみ汚染への危機感が高まり、削減対策が加速する一方で、日本の対応の遅れが目立ってきている。
 日本など先進7カ国(G7)の環境相会合は昨年の成果文書で「地球規模の脅威」と位置付け、対策強化を宣言した。今年の首脳会議ではさらに数値目標を盛り込んだ文書が提案されたが、日本と米国は署名を見送った。
 政府関係者はG7文書の署名を拒否した理由を「産業界や消費者に影響が大きく、準備が整っていない」と釈明するが、国際社会からの理解は到底得られまい。
 日本はレジ袋の使用量が年間300億枚を超える「使い捨て大国」で、周辺の海に年間6万トンのプラスチックごみを流出させているとの試算がある。国内の海などで調べた魚の4割からマイクロプラスチックが検出された調査結果もある。海洋大国でもある日本は対策を先導すべき責任と役割を担うはずだ。
 改正法が努力義務にとどまった背景にも、消極的な政府方針との調整があったのではないか。
 国連は今年、プラスチックごみ対策を検討する専門家組織を立ち上げ、各国に有効策の提言を目指す。法的拘束力を伴う国際条約も視野に入れる。日本は率先して議論に加わり、国際社会の要請に応えていかなければならない。


「ラストアイドル」近田春夫プロデュース曲が反安倍と炎上!安倍に「顔洗って出直せ」麻生に「このタコ」と言って何が悪い!
 秋元康、つんく♂、指原莉乃、後藤次利、近田春夫といったプロデューサー陣がアイドルグループをプロデュースし、オーディションで競い合う番組『ラストアイドル in AbemaTV』(6月10日放送回)で披露された楽曲が、現在一部で批判を浴びている。
 この番組では、秋元康がプロデュースするSomeday Somewhere、つんく♂がプロデュースするシュークリームロケッツ、指原莉乃がプロデュースするLove Cocchi、後藤次利がプロデュースするLaLuce、近田春夫がプロデュースするGood Tearsが、それぞれ自身のオリジナル楽曲を披露し合い、視聴者や審査員票によって選ばれた勝者のグループが、この秋以降発売予定のラストアイドルのシングル表題曲に選ばれる。
 そのなかで波紋を呼んだのは、近田春夫がプロデュースするGood Tearsによる楽曲「へえ、そーお?」。ベリーダンスの衣装と振り付けを取り入れ、「ヘソ出し」をコンセプトにしたものだから、「へえ、そーお?」というタイトルにしたという、思わず脱力してしまう解説の後に披露された楽曲では、ジョルジオ・モロダー風なエレクトロディスコのトラックに乗せてこのように歌われていた。
〈へぇ、そーお?あ、そう?うっそーお!偉そう このたこ!〉
〈おうちに戻っておみおつけで おっととい/顔洗って出直しなさいね あっ別チャン〉
〈じゃあジャンジャンジャンケンポイポイそっちの負けよ/あそこしばってもいーかしら?/HOOKだ、さぁ!〉
〈ドンキホーテがお似合いね へえそぉ?嘘ばっかついちゃイヤよ あそう/ドンキホーテのお願いね うそ 屁理屈ばっかいっちゃダメよ AB〉
〈ヤベー あべー、あっキレちゃんたらもう〉
 曲を聴かないと、一見無意味でシュールな歌詞のどこが批判されているか理解できないと思うので、無粋を承知で、敢えて捕捉をつけてみる。
〈へぇ、そーお?あ、そう(麻生)?うっそーお!偉そう このたこ!〉
〈おうちに戻っておみおつけで おっととい/顔洗って出直しなさいね あっ別チャン(安倍ちゃん)〉
〈じゃあジャンジャンジャンケンポイポイそっちの負けよ/あそこしばってもいーかしら?/HOOKだ(福田淳一前事務次官)、さぁ〉
〈ドンキホーテがお似合いね へえそぉ?嘘ばっかついちゃイヤよ あそう(麻生)/ドンキホーテのお願いね うそ 屁理屈ばっかいっちゃダメよ AB(安倍)〉
〈ヤベー あべー(安倍)、あっキレちゃん(昭恵ちゃん)たらもう〉
「へえ、そーお?」が「反安倍ソング」「政治色つけるな」と批判される日本の言論状況のヤバさ
 このカラクリに気づいた人の一部から批判の声が出た。
〈近田春夫がGoodTearsに政治色を付けた
アイドルにこんな真似許される訳が無い。4人はこの歌を断る権利がある。偏った思想信条を歌わせる近田は即刻永久追放でお願いします。やっぱ近田は老害だったわ〉
〈ここまで露骨な歌詞をアイドルに歌わすのはちょっとひきますね・・・
Good Tearsはジョーカーを引いたと思う。いや番組が近田春夫というジョーカーを引いたのか〉
〈テロ朝から近田春夫に「ギャラが欲しけりゃ反安倍ソングを巧妙にアイドルに歌わせろ」ってオーダーしてるかも知れませんね(´-`).。oO(
アベガーソングにうんざりしますね(´・_・`)〉
 まるでとんでもない政権批判ソングを歌ったかのように捉えられているが、そこまでのものでもないだろう。おふざけのなかにサラッと社会風刺を入れるこの手法は、これまでの近田春夫の作品の延長線上にあるものだし、もっと言えば「オッペケペー節」をはじめ、日本文化のなかに古くから脈々と受け継がれているものの流れにあるともいえる。事実、近田春夫は番組のなかで「へえ、そーお?」について、このように解説している。
「歌詞の意味とかあんまないんですよ。どっちかっていうと、(歌っていて)口が気持ちいいとか、なんかこう景気がつく『アラ、エッサッサー』みたいなそういうね。響きとか、口を動かしてなんか楽しいとか、そういうことを考えてつくったもんで」
 先に少し触れた通り、近田春夫という作家は、おふざけのなかに権力への揶揄など社会風刺を混ぜる作風を持ち味のひとつとしてきた。24時を過ぎたらクラブを閉めなくてはならないよう定める風営法を〈Hoo!Ei!Ho!は単なる嫌がらせに決まってるんだから/本気で怒っちゃ損する/ドアとか閉めとけきゃバレないさ バレないさ〉(「Hoo!Ei!Ho!」)と茶化したり、〈週刊誌のページも逃げ道だらけ〉〈本当のタブーに挑戦してみてよ/そしたら僕も応援するから〉(「MASS COMMUNICATION BREAKDOWN」)と、二枚舌を使い分けるマスコミを皮肉ったりしてきた。
「へえ、そーお?」に対して「歌詞の意味とかあんまないんですよ」と言うのは、さすがに照れ隠しのポーズな気がするが、いずれにせよ大枠では「コミックソング」の範疇に入るものだろう。皮肉や茶化しが主で、政治や思想はほとんど含まれてはいない。やりたい放題の政権を茶化すくらいのこと、それこそネトウヨや中立厨がよく言う「右でも左でもない」というやつだろう。
 しかし、2018年の閉塞した日本の言論状況では、「へえ、そーお?」程度のくすぐりですら、権力者への悪口は過剰な反応を呼び起こす。そのことがよくわかる象徴的な出来事であった。(編集部)


イタリア新政権発足 難民排斥の人道危機懸念
 3月の総選挙から3カ月間の政治空白が続いた異常事態の末、イタリアに6月初め、移民・難民排斥と反欧州連合(EU)を掲げるポピュリズム(大衆迎合)的な新政権が発足した。
 総選挙で2党合わせて過半数を得票した新興組織「五つ星」と右派政党「同盟」の連立政権である。五つ星の首相候補だったディマイオ氏が副首相兼経済発展・労働相に、同盟のサルビーニ書記長が副首相兼内相に就任して実権を握り、両党の妥協で政治経験のない法学者コンテ氏を首相に据えた。
 新政権は始動早々、イタリア南部沖の地中海で人道支援団体が救助した約630人の移民・難民が乗った船の国内港への入港を拒否して周辺国と摩擦を引き起こした。
 EU統合に反対する「極右政権」(英紙)がイタリアに登場したことを誇示するもので、EUは英国の離脱に続く新たな重大な危機に直面することになった。
 EUは結束を固め危機の克服に全力を挙げてほしい。
 サルビーニ氏は就任直後に、公約に掲げたイタリアに滞在する約50万人の移民・難民の送還を実施に移すと宣言し、難民収容施設への予算削減も表明した。
 夏にかけて、地中海ルートでリビアなどから欧州を目指す移民・難民の増加が予想される中、人道危機の再燃が懸念される。
 それでも、同盟の支持率は総選挙時の約17%から27%に急上昇し、サルビーニ氏は現在イタリアで最も人気のある政治家だという最近の世論調査もある(英誌エコノミスト)。
 背景にはイタリアだけが移民・難民を押し付けられているという国民のEUへの根強い不信と怒りがある。EUは、ハンガリーなど東欧諸国の反発で挫折した難民受け入れの割り当て(クオータ)制の代替策を早急に討議して策定する必要がある。
 もう一つの懸念は経済大国イタリアで長引く経済不振だ。
 新政権は当面ユーロ圏からの離脱はしないと表明したが、欧州債券市場では、イタリア経済の先行き不安から国債の売りが相次ぎ、長期金利の指標となる10年物の利回りが大きく上昇した。五つ星が掲げる貧困層への支援や、同盟が公約した富裕層の減税など、財源が不透明な「ばらまき政策」は、EUが強く求める財政規律の順守に逆行する。
 新政権は、政権安定のためにも、EUとの対話努力を放棄してはいけない。

フウリエン/Toさんと相談/Anさんともお話し

ブログネタ
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La recherche scientifique nipponne se porte mal
Au Japon, le nombre de publications scientifiques est en baisse et les investissements dans le domaine stagnent, reconnaît Tokyo. Et le gouvernement ne prévoit pas de mesures pour enrayer ce déclin.
Le gouvernement japonais a rendu public le 12 juin son livre blanc sur les sciences et technologies 2018. Le document établit l’affaiblissement considérable de la capacité d’innovation scientifique du pays, relate la presse japonaise.
D’après l’Asahi Shimbun, le livre blanc rapporte que “le nombre d’articles scientifiques publiés par des chercheurs japonais était de 62 000 en 2015”, en baisse de 8,8 % par rapport à 2004. À titre de comparaison, la Chine a multiplié par cinq, sur la même période, le nombre d’études publiées, le faisant passer à 247 000 en 2015. Et même 460 000 publications en 2016, faisant de la Chine le premier pays pourvoyeur d’études scientifiques, selon Nature.
D’ailleurs, il y a moins de coopération internationale de la part des Japonais dans les domaines scientifiques et techniques. “Tous les indices, tels que le nombre d’articles publiés ou le montant des investissements, paraissent inférieurs [au Japon] à ceux concernant les pays occidentaux et la Chine”, commente le journal économique nippon Nihon Keizai Shimbun. “On ne perçoit pas la volonté du gouvernement de mettre en place plus de financements dans la recherche. La présence du Japon [dans les milieux scientifiques à l’échelle internationale] va pour l’instant continuer à diminuer”, pronostique le journal.
Masatoshi Inoue
フランス語
フランス語の勉強?
Sakino Takahashi @sakinotk
きょうは樺美智子さんの命日。直接の記憶はないけれど、両親が毎年話題にしていたことなどを思い出す。その8年後、山崎博昭さんが亡くなったときには、自分でテレビを見ていた。さらに9年後の東山薫さんのときには身につまされた。ほんとうに理不尽。忘れない。
船橋市・弓場清孝 @roro101577
今日は6月15日は樺美智子さんが機動隊に撲殺された日。毛沢東は樺さんの死について、「樺美智子は全世界にその名を知られる日本の民族的英雄になった」と述べた。
mnltbb @mnltbb
「人知れず微笑まん」。
ただ許されるものなら
最後に
人知れずほゝえみたいものだ
58年前の今日は岸内閣打倒のため闘った樺美智子さんが国家権力の暴力により命を落とした日。その孫が政権を牛耳ってやりたい放題の今のこの惨状を見たら彼女は何というだろうか?


フウリエンを教えてほしいと言われました.うーん.
夕方Toさんと相談して帰るときに偶然会ったAnさんともお話しました.

大阪・西成に1号店、激安「玉出」スーパー事業売却へ 鶏卵大手「イセ食品」系列企業に
 激安スーパーとして知られる「スーパー玉出」を、大阪府内を中心に45店舗展開する「玉出ホールディングス」(玉出HD、大阪市西成区)が、主力のスーパー事業を鶏卵生産大手「イセ食品」(埼玉県鴻巣市)系企業に売却する方針を固めたことが15日、分かった。屋号は当面維持するものの、24時間営業は見直す可能性が高い。
■1円セール…「日本一の安売り王」で有名
 関係者によると、玉出HDは7月上旬、イセ食品の関連会社が筆頭株主として35%を出資する小売会社「フライフィッシュ」(大阪市北区)に対し、堺市の別会社を通じ約45億円でスーパー事業を売却する。
 玉出HDは主力事業を不動産管理事業に移行させる。産経新聞の取材に、玉出HDの前田託次社長(73)は、「今年で74歳になることを踏まえ、信頼できる会社にスーパー玉出を発展させてもらいたいと考えた」と売却の理由を語った。
 売却先の幹部によると、スーパー玉出の従業員の雇用は原則的に引き継ぐが、店舗の整理や人員を再配置する可能性もあるという。
 スーパー玉出は昭和53(1978)年、西成区に1号店がオープン。「日本一の安売り王」をうたい、庶民層をターゲットに店舗を広げた。


北「労働新聞」が安倍首相の“モリカケ問題”を報道するワケ
 トランプ大統領に揉み手ですり寄る腰巾着が、何をエラソーなことを言っているのか。14日、北朝鮮による日本人拉致被害者の家族らと官邸で面会した安倍首相。「日本の問題として北朝鮮と直接向き合い、問題を解決していく決意」とドヤ顔で話していたが、モリカケ問題で明らかになった通り、国民に平気でウソをつく男である。北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長以上にまったく信用できない。そんな安倍首相に対する強い不信感は北も同じらしい。
 14日付の北朝鮮の「労働新聞」は〈安倍政権の首を絞める縄――不正醜聞事件〉と題した記事でモリカケ問題を取り上げ、こう報じた。
〈現在、安倍政権が森友及び加計学園問題に介入した事実資料が次々と明らかになっている。安倍首相の妻は、森友学園の名誉校長をしていた時、この学園に大阪府の国有地を安価で買えるようにしてやり、安倍首相は自分の友人が経営する加計学園獣医学部新設のために隠密に権力を発動した〉
〈安倍首相は不正醜聞事件に連座したことを認めれば、権力の座から追い出されるため、全てを否定しながら、責任転嫁、執拗な隠蔽行為をしている〉
〈日本の民心は、権力を悪用しながら不正腐敗を行っている安倍政権に背を向けている〉
 いやはや、日本の安倍政権ベッタリの御用新聞・テレビよりも、よっぽどマトモな報道だ。注目は、日本メディアで日朝首脳会談の可能性が取り上げられ始めたこのタイミングで「モリカケ問題」が報じられたことだ。
■「国民から信を失った首相に首脳会談ができるのか」
 元共同通信記者で、米朝首脳会談を取材したジャーナリストの浅野健一氏はこう言う。
「モリカケ問題を報じて『国民から信を失った首相に首脳会談ができるのか』と投げ掛けているのではないか。安倍政権は足元を見られているのです」
 米朝首脳会談報道の陰に隠れて新聞・テレビではほとんど報じられていないが、12日も衆院国交委で森友問題の衝撃の新事実が発覚。森友が約1.3億円で買った国有地をもとに金融機関から10億円を限度額に借り入れることを決め、それを当時の国交省大阪航空局長が承認していたというのだ。10億円の価値があると知りながら、国交省はなぜ、1.3億円で叩き売ったのか。まったく説明がつかない。
 カジノ法案などの今国会中の成立を目指す政府・与党内からは会期延長の声も出始めているが、となれば、当然、モリカケ問題が再燃するのは避けられない。国民に隠された新たな事実がまだ出てきそうだ。


安倍首相「カジノ法案」強行の背景にトランプの意向! 日米首脳会談に米カジノ企業トップ3人が同席
 安倍政権がまたもひどい強行採決をおこなった。昨日、「カジノ法案」こと統合型リゾート(IR)実施法案に反対して野党が石井啓一国交相の不信任決議案を提出したが、本日の本会議で与党の反対で否決。そのあと、衆院内閣委員会が開かれ、野党側は審議継続の動議を提出したのだが、自民党の山際大志郎委員長がこれを無視して、職権で法案を強行採決したのだ。
 このカジノ法案は、刑法で禁じられている賭博場であるカジノを合法化して解禁させようというもの。安倍首相はこの法案について「観光立国の実現に向け、世界中から観光客を集める滞在型観光を推進する」と喧伝するが、自治体調査ではカジノ入場者の7〜8割が日本人と想定されており、ギャンブル依存症患者の増加が医師や専門家からも懸念が示されている。さらに、今回の法案では、「特定資金貸付業務」というカジノ事業者が客に賭け金を貸し付けることを認めており、多重債務者の増加も心配されているのだ。
 その上、昨年に政府の有識者会議はカジノ施設の面積に制限を定めるべきだと提言し、政府も上限規制案を出していたが、与党協議でこれを削除。さらに、安倍首相は「独立した強い権限をもつ、いわゆる三条委員会としてカジノ管理委員会を設置し、世界最高水準のカジノ規制を的確に実施する」と豪語してきたが、6月8日の衆院内閣委員会では担当大臣である石井国交相が「カジノを管理するためにはカジノの実態を知っている人を任用することもありうる」と述べ、カジノ事業者が管理委員会事務局に入れる可能性を認めた。
 ようするに、安倍首相が何度も繰り返してきた「世界最高水準のカジノ規制」の根拠はどこにもないどころか、管理委員会は「カジノ推進機関」として機能する危険さえ出ているのだ。
 このように問題が次々に指摘されているにもかかわらず、衆院内閣委員会でのカジノ法案の審議時間は、野党が要求していた50時間には遠く及ばない、たったの18時間。そして、きょうの審議継続の動議を無視した強行採決……。与党には問題点や危険性を改めようという気がさらさらなく、「数の力で押し通す」ことしか頭にないのだ。
 とにかく今国会でカジノ法案を成立させる──。安倍首相がここまで血道を上げる理由は、一体何なのか。じつは、カジノ法案の背景には、トランプ大統領と米国カジノ企業の意向があった。
「シンゾウ、この企業を知っているか」トランプがあげたカジノ企業名
「昨年2月、安倍総理がトランプ大統領との初の首脳会談をおこなった日の朝食会には、米国カジノ企業のトップ3人が出席していました。そのうちのひとりは、トランプ大統領の最大の支援者であります。安倍総理はその場で『カジノ推進の法律をつくった』と紹介しました。まさにカジノ企業の要求に応えるものでした」
 昨日の衆院本会議でこんな指摘をしたのは共産党の塩川鉄也議員。
 安倍首相が米国カジノ企業トップと会合をもっていた──。じつは、この朝食会は、全米商工会議所と米日経済協議会の共催でおこなわれたもので、ラスベガス・サンズの会長兼CEOやMGMリゾーツの会長兼CEO、シーザーズ・エンターテイメントのCEOなどが参加していた。そもそも、米日経済協議会は安倍政権に対して2016年の段階からカジノ法案の制定を要求しており、安倍首相が朝食会で会った企業の首脳たちはいずれも日本へのカジノ進出を狙っている。安倍首相がこのとき陳情を受けたことは間違いないだろう。
 しかも、安倍首相にカジノ解禁を迫り、牽引してきたのは、トランプ大統領だ。昨年6月10日付の日本経済新聞には、こんなレポートが掲載されている。
〈「シンゾウ、こういった企業を知っているか」。米国で開いた2月の日米首脳会談。トランプ大統領は安倍晋三首相にほほ笑みかけた。日本が取り組むIRの整備推進方針を歓迎したうえで、米ラスベガス・サンズ、米MGMリゾーツなどの娯楽企業を列挙した。政府関係者によると首相は聞き置く姿勢だったが、隣の側近にすかさず企業名のメモを取らせた〉
 トランプの話に「へいへい」と前のめりで御用聞きに成り下がる安倍首相と側近の姿が目に浮かぶエピソードだ。安倍首相はこの件を塩川議員に追及された際、「まるでその場にいたかのごとくの記事でございますが、そんな事実はまったく一切なかった」(6月1日衆院内閣委員会)と答弁したが、朝食会にカジノ企業トップが顔を揃えていたことは認めている。朝食会が日米首脳会談に合わせてセットされたことを考えれば、トランプ大統領がカジノ推進について首脳会談で畳みかけないわけがない。
安倍首相とカジノ進出を狙うセガサミーホールディングス会長との蜜月
 さらに、安倍首相がカジノ解禁に突き進む理由はもう一つある。安倍首相は、カジノ進出を狙うセガサミーホールディングス会長の里見治氏と“蜜月関係”にあるからだ。
 セガサミーといえばパチンコ・パチスロ最大手の企業だが、2012年に韓国のカジノ企業と合弁会社を設立し、昨年4月には韓国・仁川に大型カジノリゾートをオープン。カジノが解禁されれば、その恩恵を大きく受ける企業だ。実際、セガサミーは五輪東京招致のオフィシャルパートナーとなり、政界の“五輪開催のタイミングでカジノ合法化へ”という動きのなかでカジノ利権の主導権を握ろうと存在感を高めてきた。そうしたなかで、セガサミーは国内カジノ利権の主導権を握るため政界工作をおこなってきたと言われている。
 そして、カジノ解禁に向けて里見会長が目をつけたのは、安倍首相その人だった。
 ふたりの出会いは第一次安倍政権時だと見られ、2007年1月30日には赤坂の全日空ホテルで安倍首相と里見会長は会食をおこなっている。さらに政権交代によって下野してからは、さらにふたりの関係は密になったという。
 そんな間柄を象徴するのが、2013年9月に開かれた、里見会長の愛娘と経産キャリア官僚だった鈴木隼人氏の結婚披露宴だ。ホテルオークラで開かれたこの披露宴には、森喜朗、小泉純一郎といった首相経験者や、菅義偉官房長官、茂木敏充経産相(当時)、甘利明経済再生担当相(当時)といった大物閣僚らが揃って駆けつけたが、そんななかで安倍首相は新婦側の主賓を務めている。
 さらに、安倍首相は主賓挨拶で「新郎が政界をめざすなら、ぜひこちら(自民党)からお願いします!」と、鈴木氏にラブコール(「FRIDAY」13年10月4日号/講談社)。実際、翌年12月に行われた解散総選挙で鈴木氏は比例で自民党から立候補するのだが、このとき鈴木氏は初出馬ながら比例上位に選ばれ、当選を果たす。ここに安倍首相の根回しがあったことは想像に難しくない。事実、昨年の衆院選でも、安倍首相はわざわざ鈴木議員の選挙区に応援に駆け付けている。
 また、015年1月には里見会長の自宅に銃弾が撃ち込まれるという発砲事件が起こったが、このときこぞって週刊誌が“カジノ利権の争いが事件の背後にあるのでは”と書き立てた。鈴木氏の衆院選当選によって安倍首相と里見会長の関係がより深くなり、カジノが解禁されれば“参入業者の最有力候補”となる里見会長へのやっかみがあったのではないかというのだ(「週刊朝日」2015年1月30日号/朝日新聞出版)。
パチンコ業者とは以前から…カジノ解禁は安倍首相の支援者への利権バラマキ
 娘婿という身内まで政界に送り込み、カジノ解禁、そして安倍首相との関係を盤石なものとした里見会長。しかも、このふたりには、金をめぐるキナ臭い噂も流れている。
 たとえば、「選択」(選択出版)2013年9月号の記事では、セガサミーの関係者が「安倍首相は、里見会長の元に直接訪ねてくるほどの間柄」と答えたり、セガサミー社員が〈業界団体の集まりで「安倍首相はウチが落とした」と公言してはばからない〉ことなどを紹介。その上で、里見会長の側近の一人が「参院選前に、里見会長は安倍首相に五千万円を手渡した」と吹聴している、と伝えている。
 これが事実なのかは定かではないが、しかし、もともと安倍首相はパチンコ企業との癒着が指摘され続けてきた人物。父・晋太郎の時代から福岡、山口で多くのパチンコ店を経営する七洋物産は地元の有力スポンサーであり、安倍家は下関市の広大な自宅と事務所を同社の子会社であるパチンコ業者・東洋エンタープライズから格安で賃借。さらに自宅のほうは1990年に所有権が同社から晋太郎に移り、それを安倍首相が相続。地元では「パチンコ御殿」と呼ばれているというが、里見会長との蜜月の前からパチンコ業界との“下地”はこうしてつくられていたのだ。
 このように安倍首相にとっては、カジノ解禁は支持者に利権をばらまくために必ず実行しなければならない宿願であり、いまはそこに“親分”であるトランプ大統領までがその背中を押している状態にある、というわけだ。だが、カジノ法案は前述したようにギャンブル依存という重大な問題を孕むだけでなく、反社会的勢力の温床になる危険性も指摘されている。だいたい、“誰かが必ず金を巻きあげられる”という不公平な仕組みを国が公認し、「成長戦略」にしようと目論むこと自体が社会的公正にもとる行為だ。
 そうした反論にはまともに取り合わず、審議継続を求める動議さえ無視して強行採決する──。カジノ法案は高度プロフェッショナル制度の創設を含む働き方改革関連法案とともに、絶対に許してはいけない法案であり、廃案を求めるほかない。(編集部)


安倍政権がカジノ法案強行…日本が「テロの標的」になる日
 野党の抵抗で、13日の採決が見送られたカジノ実施法案。安倍政権は15日にも、衆院通過を強行するつもりだ。国会審議では、ギャンブル依存に焦点が当たっているが、中東の専門家は、テロを懸念している。イスラム諸国を敵に回す可能性が大きいからだ。
 カジノが解禁されると、日本企業は運営実績がないため、外資のカジノ企業に運営を任せる予定だ。
 最有力とされているのが、トランプ大統領の最大のスポンサーであるアデルソン会長(84)が経営する「ラスベガス・サンズ」だ。アデルソン会長は「1兆円投資」を公言している。
 ユダヤ系米国人であるアデルソン会長は、ユダヤ人国家をパレスチナに樹立することを目指す筋金入りのシオニストとして有名。イスラエルが進めるパレスチナ占領地への入植地建設を資金面で支え、イスラエル建国70年にあたる今年も、イスラエルに7000万ドル(約77億円)寄付している。
 つまり、アデルソン会長率いるサンズ社の参入は、日本のカジノで稼いだ収益が、回り回ってイスラエルの入植地建設に充てられる可能性があるということだ。東京外大名誉教授の藤田進氏(アラブ・パレスチナ現代史)が言う。
「かつて日本は、イランをはじめイスラム諸国と友好な関係を築いていました。ところが、安倍政権になってから、日本のイスラエル寄りが鮮明になった。とりわけ、トランプ大統領誕生後は露骨です。そこにもってきて、カジノ解禁です。もし、サンズ社が参入することになったら、少しでも中東を知っている人からすれば、一方的にイスラエルに肩入れしているように取られかねない。もちろん、依存症の問題も大事ですが、カジノ解禁がイスラム世界にどう映っているのか。野党も含めてきわめて鈍感だと思います。日本が、テロのターゲットになる危険も高まると言わざるを得ません」
 中東外交にも火種――国民が反対するカジノ法案を強行成立させる必要があるのか。


カジノ整備法案 審議があまりに足りない
 さまざまな懸念や疑念が拭えないのに、なぜ採決を急ぐのか。カジノを含む統合型リゾート施設(IR)整備法案について、政府、与党はきょうにも衆院の委員会採決を目指すとみられ、立憲民主党など野党6党派は反発を強めている。
 カジノを解禁することに国民の不安は根強い。共同通信社が3月に実施した世論調査では解禁に反対が65・1%で、賛成の26・6%を大きく上回った。法案審議を通じて国民の理解は進むどころか、疑問が増しているのではないか。野党が十分な審議時間の確保を求めるのは当然だ。
 IRはカジノや国際会議場、ホテルなどを一体で整備する。誘致したい自治体の中から国が最大3カ所を選び、7年経過した後に増設を検討することになっている。
 政府はカジノを目玉に外国人観光客を呼び込むと説明してきた。しかし、誘致を目指す自治体の試算をみると、客の7〜8割は日本人と想定されている。政府は整備区域などが決まっていないとして、試算は示していない。
 カジノ事業者が利益を得て、日本人のギャンブル依存症を助長することにならないか。野党が指摘するように、カジノ解禁による懸念が膨らむのは当然だろう。
 依存症対策として法案には日本人客の入場制限も設けられた。入場回数は「週3回、月10回まで」とし、1回6千円の入場料を徴収する。入場料は当初、政府が与党に示した1回2千円より引き上げられたものの、利用者心理からして、この額で歯止めとなるかどうかは疑問だ。
 法案には、カジノ事業者が客に金銭貸し付けできる規定も盛り込まれた。外国人客だけでなく、一定額以上の預託金を納める日本人も、その場でカジノ事業者から賭け金を調達できるようになる。
 日本人の対象者は「高所得者に限る」と政府は説明するものの、預託金の水準は明らかになっておらず、法成立後に政令で定めるという。依存症対策に取り組む団体は「富裕層は使う金額も大きく、依存症が深刻になりかねない。貸し付けの容認はあまりに危険」と指摘する。慎重に審議すべきだろう。
 カジノの監督機関として新設されるカジノ管理委員会の規則なども、法成立後に決めるとして詳細が示されていない。政府は、事務局にカジノ事業者からの任用もあり得るという趣旨の答弁もしている。法成立後、事業者寄りにルールが決められるのではないかとの疑念が消えない。
 カジノの面積についても、政府の当初案には「IR全体の3%以下」に加えて「1万5千平方メートル以下」との面積上限があった。ところが法案からは面積上限が削除されており、野党は規制が不十分と批判を強めている。
 法案の根幹に関わる数々の論点について、審議を尽くすべきだ。


【カジノ法案】貸金は依存症招かないか
 競馬や競輪などの公営ギャンブルで、会場内で賭け金が借りられるとしたら、どうだろう。
 「ギャンブル依存症を助長しかねない」と、多くの批判や不安の声が出るに違いない。資金がなくてもギャンブルができるのだから。
 安倍政権は、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)整備法案で、それをこともなげに導入する構えだ。法案でカジノ業者に「特定資金貸付業務」を認めており、会期末が近づいてきた国会の争点に急浮上してきた。
 カジノ解禁は以前から、依存症を招かないかが問われ続けてきた。貸金となればなおさらである。
 何より政府の説明も、国会での議論も不十分だ。このまま採決する流れになることは許されない。
 法案によると、貸し付けは、訪日外国人と一定額以上の預託金をカジノ業者に納めた日本人が対象になる。政府は預託金の基準を明らかにしていないが、約800万円以上のシンガポールなどを例として示し、「対象は『富裕層』に限定される」(石井国土交通相)とする。
 だが、富裕層だからといってギャンブルで身を滅ぼしたり、周囲の人を不幸に巻き込んだりしないわけではない。
 大手製紙会社の元会長が海外のカジノで巨額の借金を背負い、犯罪に手を染めた事件が記憶に新しい。元会長は返済のため、子会社から55億円以上借り入れて損害を与えたとして実刑判決を受けた。
 しかも法案では、貸付金は2カ月間は無利子だ。それを過ぎて支払いがなければ年14・6%の延滞金を課し、借金の回収は業者に任せることもできる。
 確かに海外では、貸し付けが受けられるカジノが多いが、日本のカジノ解禁では入場者の大半が日本人になるとの予測もある。海外と同様のシステムにするのは問題がある。
 法案は、日本人の入場は週3回、月10回まで、入場料は6千円といった制約を設けている。これも依存症対策としては「不十分だ」との指摘が少なくない。
 安倍政権はIR整備を成長戦略の一環に位置付けるが、そもそも、なぜカジノなのか国民の理解は深まっていない。世論調査を見ても、解禁には極めて慎重だ。
 今国会ではIR法案とは別にギャンブル依存症対策法案が提出され、先月下旬に衆院を通過した。医療提供や社会復帰支援などの施策を国や自治体に義務付ける。
 パチンコ依存症などは大きな社会問題になってきた。多重債務や自殺にまでつながりかねず、国や自治体の政策の強化が求められる。
 だが、その実績もないまま、新たにカジノを解禁する姿勢は疑問だ。IR法案を成立させるための法案だと批判されても仕方がない。
 安倍首相はIR法案を巡って「依存症などの課題に万全な対策を講じる」と強調したはずだ。現状は「万全」に程遠い。 


野田氏 「選択的別姓を」総裁選公約表明、反対論けん制
 野田聖子総務相は15日、東京都内の日本記者クラブで記者会見し、秋の自民党総裁選に立候補した場合に、選択的夫婦別姓の導入を公約に掲げる意向を示した。「当然、総裁選の中の自分の公約の一つにはなる」と語った。ただ自民党内では、選択的夫婦別姓への反対論が根強く、支持拡大につながるかは不透明だ。
 選択的夫婦別姓は、夫婦が希望すれば結婚後もそれぞれの姓を名乗ることができる制度。野田氏は「当選してからずっと選択的夫婦別姓に関わってきた。与党、政府が率先垂範して真っ向から取り組んでいくことが大事だ」と強調した。導入に対する党内の反対論を念頭に「国家公務員の別姓使用を可能にした。『国家が壊れる』と言う人が多い中で、夫婦別姓でも何ともないと国民に伝えられればいい。働く女性が名字を変えることは非常に不利益だ。解消するためにぜひやりたい」と語った。
 立憲民主党など野党は今国会に選択的夫婦別姓を導入する民法改正案を提出している。これに関し野田氏は「与党との調整がない提出は無謀だ。民主主義はプロセス(が大事)だから、それを経ていない法案に賛成することはない」と述べ、距離を置いた。【田中裕之】


米サンフランシスコに初の黒人女性市長、接戦の市長選制する
リベラルな街として知られる米カリフォルニア州サンフランシスコで今月5日行われた市長選で、ロンドン・ブリード(London Breed)氏(43)が当選し、同市初の黒人女性市長が誕生することになった。
 サンフランシスコ市政執行委員会(San Francisco Board of Supervisors)委員長のブリード氏は選挙運動で「あなたの人生の結果を環境に委ねてはいけない。出自や過去にやったことにかかわらず、やりたいと思ったことは何でもできる」と訴えるとともに、白人とヒスパニック系が圧倒的多数を占め、アフリカ系の人口が減少しつつある同市の住宅危機に対処すると公約していた。
 投票は5日に行われたが接戦だったため開票結果が出るのが1週間遅れた。ブリード氏の得票率は50%をわずかに上回った。
 対立候補で、当選すればサンフランシスコ初の同性愛者であることを公表している市長になるはずだったマーク・レノ(Mark Leno)氏は13日に敗北宣言し、「彼女(ブリード氏)は優れた若い女性だ。とてもすばらしい仕事をするだろう。幸運を祈る。彼女の成功がサンフランシスコの成功だ」と語っていた。
 米国の公選された役職者約4万1000人のうち、黒人女性が占める割合は約2%と推定されている。


米朝会談・拉致問題進展なしで安倍首相が必死のゴマカシ! ゼロ回答を隠して「トランプ大統領は提起してくれた」
 昨日、シンガポールで行われたトランプ大統領と金正恩委員長の米朝首脳会談。保守系マスコミを中心に、米朝の合意文書に「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」が盛り込まれなかったことをネガティブに伝える報道が目立つが、それでも、わずか半年前には「全面戦争秒読み」とまで言われた米朝関係を考えれば、世界の平和にとって大きな一歩と言えるだろう。
 他方で、まったく評価するに値しないのが日本の安倍首相だ。なにせこの間、日本人拉致問題について「米朝会談は拉致問題解決の千載一遇の機会」と国内向けにPRしてきたのに、肝心の会談ではまったく“進展なし”だったからである。
 たとえば安倍首相は今年4月、拉致被害者家族らの集会のなかで米朝会談について「是非この千載一遇の機会を捉えて、この拉致問題について議題に乗せ、解決を強く迫ってもらいたい」と演説。「このチャンスを逃してはならないと、私もそう決意をしているところでございます」と自身のリーダーシップをアピールした。
 また米朝会談前日の11日には、トランプ大統領と電話会談の後、都内の派閥パーティに出席。手を振り上げながらを自慢げにこう述べると、会場は拍手に包まれた。
「(トランプ大統領に)私からあらためて、『拉致問題について、しっかり提起してもらいたい』。『それは安倍さん、100%保証する』と、力強い返答をいただいたところでございます」
 それが、蓋を開けたらどうだったか。周知の通り、合意文書では拉致問題の「ら」の字もなく、トランプ大統領も会見で「提起した」とごくごく簡単に述べたのみ。「提起」の内容については一切明かさず、金委員長の反応はおろか、会話のシチュエーションすら説明がなかった。
 だとすれば、「千載一遇のチャンス」「100%保証すると言われた」などと喧伝してきた安倍首相は、この結果に「遺憾の意」を示すのが当然だろう。
 ところが、である。安倍首相は一言の苦言を呈することなく、逆に、トランプが会見中の17時56分には早くも拉致問題の「提起」について「高く評価」「感謝したい」と述べ、早々とぶら下がり会見を切り上げ、立ち去ろうとしたのである。
萩生田光一がゼロ回答隠しで「金委員長は解決済みと言わなかった」とリーク
 まったく、この間のアピールは一体何だったのかと聞きたくなるではないか。
 当然、そこで記者から「拉致問題について合意文書に触れられていませんが」と呼び止められたのだが、すると安倍首相はやや苛ついた調子で「合意文書については米側から説明がすでにあったとおり」と言い、「米国大統領が金委員長に対して直接言及、提起したのは初めてのこと」と繰り返し強弁しただけだった。
 また、安倍首相は昨日夜のトランプ大統領との電話会談後の会見でも「私の考えについては、トランプ大統領から金正恩委員長に、明確に伝えていただいたということ」と強弁する一方で、「やり取りについては、今の段階では詳細について申し上げることはできません」と言っていたが、これは完全にゴマカシ。実際には、金正恩大統領から“拉致問題についてはゼロ回答”だったことをトランプ大統領から伝えられたため、「そもそも詳細がない」だけだったのはミエミエだ。
 全国紙の官邸担当記者が苦笑しながらこう語る。
「いま、萩生田(光一・自民党幹事長代行)さんがマスコミに『金委員長は「解決済み」とは言わなかった』という情報をしきりに流していますが、仮にそうだったとしても何も言ってもらえなかっただけでしょう。どれだけハードルを下げてるんだ?という話です(笑)。しかも、発言の主は萩生田さんですからねえ。実際は『解決ずみ』に近いゼロ回答の反応を伝えられたのに、それをごまかすために真偽不明の情報を流している可能性もある」
「ゼロ回答」にもかかわらず、トランプ大統領に平伏し、恥知らずにも「感謝」を連呼する安倍首相に、本当に拉致問題を解決する気があるのか。ようは、実際には何も進展していないのに、「提起」という言葉だけをとって“自らの手柄”にし、最大限に政治利用しようとしているだけではないか。
 拉致被害者の曽我ひとみさんは、メディアに向けたコメントのなかで「結果は何も出ませんでした」「もっと具体的な答えを引き出してほしかった」として、「とても残念としか言えません」と失望を表明しているが、あまりに当然の反応だろう。
拉致問題解決の「千載一遇のチャンス」を逃したのは安倍首相のせいだ
 こうした流れのなか、安倍首相は今頃になって日朝首脳会談の開催に前向きな発言をし始めているが、その本気度は不明だ。
 事実、安倍首相は先月、『プライムニュース イブニング』(フジテレビ)に生出演した際、日朝会談について「ただ会って話せばいいということではない」としたうえで、「拉致問題の解決」の定義について訊かれると「拉致被害者全員の即時帰国」と明言。自ら最大限のハードルを設定し、「拉致問題が解決しないなかで経済支援をしていくことはない」と語ったのだ。本音では日朝会談に否定的だが、「ゼロ回答」を突き付けられてやむなく積極的な姿勢を見せざるをえなくなっている。そういうことではないのか。
 念のため言っておくが、拉致問題の進展には日本側の直接的なアクションが求められており、日朝の首脳会談は不可欠だ。しかし、であればなおさら、安倍首相は、何が何でもイニシアチブを握らなければならなかったはずだ。実際、南北首脳会談以前、米朝が一触即発だった時期に日本が両者を仲介するチャンスは何度かあったし、南北首脳会談が決まって以降も、その流れに全面協力することで、朝鮮半島の平和構築にコミットすることはできた。
 しかし、実際に安倍首相がやったことといえば、まったく逆だった。3月6日に韓国大統領府が文在寅大統領と金委員長の南北首脳会談の合意を発表した際は、菅義偉官房長官や河野太郎外相、小野寺五典防衛相らが合意について非難するコメントを発し、安倍首相も国会で「圧力を最大限に高める」と言い放った。さすがに、米国が米朝会談を決めたときには属国根性丸出しで追従したが、それでも、狂った犬のように「圧力を継続する」と吠え続けたことを忘れてはならない。
 対話路線に冷や水を浴びせかけ、米韓および北朝鮮の足を引っ張り続けた結果、交渉から“蚊帳の外”にされたのは、誰の目にも明らかな失政。にもかかわらず厚顔無恥なことに、トランプ大統領に中身が何もない「提起」を“してもらった”だけでヘコヘコし、国内向けには「私が言ったことをしっかり伝えてもらった」と空疎なアピールを繰り返す。まさに政治的パフォーマンス以外の何物でもない。
 何度でも繰り返すが、今回の米朝会談では拉致問題は微動だにしなかった。このままでは、たとえ日朝会談にこぎつけたとして、単に安倍首相がパフォーマンスを重ねるだけで終わるだろう。そうしている間にも、拉致被害者と家族の高齢化は進んでいく。この宰相に拉致問題をまかせておいていいのか。いま、あらためて問われなくてはならない。(編集部)


やっぱり安倍と加計の「会ってない」は嘘だった! 面談時に加計学園が提供した資料が文科省で発見
 安倍首相と加計学園が「嘘」をついていることは、これではっきりした。2015年2月25日に「獣医大学いいね」と安倍首相が加計孝太郎理事長に述べたとされる面談時に学園側が提供したという資料が、文科省から見つかったのだ。しかも、この資料をもとにおこなった専門家への意見照会が、愛媛県新文書に書かれていた通りに実施されていたことを文科省が認めたのである。
 問題となっているのは、2015年3月15日に今治市と加計学園側がおこなった協議の内容を記した文書の記述。このなかには「文部科学省の動向について」という項目があり、そこには加計学園側の報告として、こう書かれていた。
〈(学園)文科省から獣医学教育の改善・充実に関する調査研究協力者会議委員に対する意見照会を実施しているもよう。
 2/25に学園理事長と総理との面会時の学園提供資料のうち、「新しい教育戦略」(別紙p.5−6)に記載の目指すべき大学の姿に関する部分を抜粋したアンケート形式の資料を示して、短期間での回答を求めている。アンケート結果は、柳瀬首相秘書官との面会時に、学園に対し、情報提供されるものと推測。
 なお、委員からの評判はおおむね良いとの情報を得ている。〉
 つまり、2月25日におこなわれた安倍首相と加計理事長の面談時に、加計学園理事長は安倍首相に「新しい教育戦略」という資料を提供し、その資料をもとに文科省は〈短期間〉で意見照会を実施している、と加計学園は今治市に報告していたのである。
 そして今回、文科省から、この「新しい教育戦略」と同じタイトルの資料が見つかったとして公表。その資料は「獣医学教育空白地域「四国」に新しい獣医学部を創設」「6つのコンセプトを掲げ、わが国そしてアジアをリードする新しい獣医学部を目指します」と大きく打ち出されている。まさに、「加計学園ありき」の資料だ。
「安倍・加計面談なかった」はウソ!愛媛県新文書の内容はすべて事実と符合 
 さらに、文科省は愛媛県新文書に書かれていたのと同じように、この資料をもとに「獣医学教育の改善・充実に関する調査研究協力者会議」の委員に対して意見照会のメールを3月9〜11日ごろに送信。委員からは1〜2日のうちに返答があったという(しんぶん赤旗6月10日付)。
 愛媛県新文書に書かれたのとまったく同じように、加計理事長が安倍首相との面談時に提供した資料と同じものが文科省から見つかり、その上、やはり愛媛県新文書に書かれてとおり、文科省は「獣医学教育の改善・充実に関する調査研究協力者会議」の委員に意見照会を1〜2日という〈短期間〉で実施していた──。ようするに、愛媛県新文書に記載された内容は事実とぴったり符号するのだ。
 ご存じのとおり、加計学園の渡邉良人事務局長は、2月25日の安倍首相と加計理事長の面談を「ふと思ったことをそのときに言った」として「嘘」だった言い張っているが、この言い分こそが完全な「嘘」であることが、今回はっきりした。このように2月25日を起点に物事が進行している事実を踏まえれば、「面談はなかった」という安倍首相と加計学園の言い分こそが「嘘」なのだ。
 実際、愛媛県新文書には、2月25日の面談結果を受けた動きがいくつも出てきて、それがすべて事実と合うかたちになっている。現に、柳瀬唯夫首相秘書官と加計側の協議については、〈2/25の学園理事長と総理との面会を受け、同秘書官から資料提出の指示あり〉〈3/24(火)で最終調整中〉と書かれているが、これも記載どおりに実施。さらに、〈安倍総理と加計学園理事長が先日会食した際に、獣医師養成系大学の設置について地元の動きが鈍いとの話が出たとのことであり、同学園としては柳瀬首相秘書官に4月2日午後3時から説明したい〉との記載もあるが、この協議も記載どおりにおこなわれている。2月25日の安倍首相・加計理事長の面談こそが、官邸主導で関係省庁が「加計ありき」で動き出す「号令」となったのは間違いないのだ。
 事実、文科省の意見照会に答えた委員は、〈文科省専門教育課の担当者から「加計学園が愛媛県今治市でやろうとしている獣医学部の計画について意見をうかがいたい」と依頼され、約一時間の聞き取りに応じた〉と証言している(東京新聞6月2日付)。この段階から、「加計学園の獣医学部新設のためのアンケート」を文科省はおこなっていたのだ。
文科省から報告を受けていた加計、官邸が有識者への意見照会をやらせた可能性も
 そして、今回新たに判明したのは、加計学園側が文科省の動きをタイムラグもなく把握していた、という事実だろう。前述したように、加計学園が文科省の意見照会が短期間で実施されていることを今治市に報告していたのは、2015年3月15日。一方、文科省がこの意見照会をおこなったのは、3月9〜11日ごろだ。しかも、15日の時点で加計側はすでに〈委員からの評判はおおむね良いとの情報を得ている〉と述べ、〈アンケート結果は、柳瀬首相秘書官との面会時に、学園に対し、情報提供される〉とまで言っているのだ。
 ようするに、加計側は意見照会の進捗について逐一報告を受けていただけではなく、委員への意見照会自体が官邸の指示で実施されていた可能性があるのだ。
 昨日おこなわれた会見で林芳正文科相は、加計理事長が安倍首相に提供したとされるこの「新しい教育戦略」という資料について、「県から提供を受けたと考えられる」などと述べたが、なぜそう「考えられる」のか、その根拠は示していない。一方、愛媛県は「資料が残っておらず、県から出したかはわからない。誰がつくったかもわからない」と朝日新聞の取材に答えている。林文科相は安倍首相と加計理事長の2月25日の面談事実を認めるわけにはいかないため、「愛媛県から提供された」と言うしかなく、苦し紛れの嘘をついているのだろう。
 何度も言うように、安倍首相と加計理事長が2月25日に面談をおこなったことは、もはや言い逃れができない事実だ。新たな嘘がどんどん更新されていくという「安倍ウソ劇場」に、慣らされてはいけない。(編集部)

おにぎりおいしい/ヒョーシ問い合わせがうれしい

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Qui sont les "Hikikomoris", ces jeunes Japonais qui vivent reclus dans leur chambre ?
ULTRA-MODERNE SOLITUDE - Une jeune personne qui reste cloîtrée chez elle pendant plus de six mois sans aller à l'école ou au travail et avec pour tout contact humain les relations avec des membres de sa famille. Ce phénomène a un nom : les "hikikomoris". Il a émergé au Japon à la fin des années 90 et se répand désormais partout dans le monde, y compris en France.
Romain LE VERN
Kezako "Hikikomori" ? Ce terme, qui signifie "se retrancher" en japonais, est utilisé pour désigner un "mal contemporain", un "trouble de conduite" qui frappe les adolescents comme les jeunes adultes. Que font-ils pour susciter une telle appellation ? Ils se retirent, ils se cloîtrent, le plus souvent dans leur chambre, pendant plusieurs mois ou plusieurs années, et n'en sortent pas, ou si peu. Dans cet espace solitaire, ils s'exilent sur Internet, jouent à des jeux vidéo, rompent leurs liens avec les autres, avec l'école, avec le monde du travail. Pour faire quoi ? Pour ne rien faire.
Un phénomène déconcertant de "néantisation existentielle" manifestant un désintérêt total pour le monde réel, ayant émergé dans les années 90 au Japon, touchant près d’un adolescent sur cent et prenant aujourd'hui une nouvelle dimension avec le vieillissement de ces centaines de milliers de reclus. Ainsi, dans une étude parue en 2016, plus d'un tiers des personnes "hikikomori" interrogées disaient s'être mises en retrait de la société depuis plus de sept ans, contre 16,9 % en 2009.
Comment devient-on "hikikomori" ?
Si l'on en parle de plus en plus ouvertement, si même des films (De l'autre côté de la porte, de Laurence Thrush) l'ont mis en lumière, le phénomène "hikikomori" reste mal compris, souvent lié à des "relations difficiles à l'école" (soit ce que l'on appelle au Japon "l’ijime", le harcèlement scolaire), à la peur du "monde professionnel", ou à une difficulté à trouver sa place dans le monde.
Pourtant, il s'avère bien plus complexe qu'une simple dépression, prenant les atours d'un rejet radical des normes sociales, s'exprimant en réaction à la figure de l'individu autonome et performant dans une société japonaise vieillissante ayant brutalement évolué d’une société traditionnelle à une société occidentalisée : "Les Hikikomoris ne sont pas armés pour le passage entre l’enfance et l’age adulte, ils s’enferment pour se détacher des modes et des injonctions de la société", affirme Kayo Ikeda, psychologue clinicienne. "Ils ne pensent à rien, n’ont aucune ambition, aucune préoccupation vis-à-vis de l’avenir et s’affirment par une absence totale d’idéal de vie. Ils questionnent notre rapport à la reconnaissance sociale. Ils interrogent les fondements même de notre société moderne."
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Nobuyo Yagi 八木啓代 @nobuyoyagi
おっと、6月14日はチェのお誕生日だったではありませんか。
時差の関係で、いまごろ私のTwitterやFacebookのラテンアメリカ人がお祝いをしていて
思い出しました。


朝早く鹿児島空港から関空へ.途中でおにぎりを食べたけどとてもおいしいです.
昼過ぎから出勤ですが,いきなりヒョーシ問い合わせがあってうれしいです.

<岩手・宮城内陸地震10年>亡き人への思いずっと 栗原で追悼「風化させぬ」
 岩手・宮城内陸地震は14日、発生から10年となった。宮城県栗原市内の慰霊碑前では遺族らが鎮魂の花をささげ、手を合わせた。市主催の追悼式もあり、関係者が地震の教訓の継承を誓った。
 土石流にのまれ7人が犠牲になった同市栗駒耕英の駒の湯温泉。市の観光アドバイザーで宿泊客だった麦屋弥生さん=当時(48)=と親交が深かった同市一迫のユリ園経営黒沢征男さん(74)と妻征子さん(73)は、慰霊碑に自宅のユリを手向けた。
 征男さんは「長女も世話になった。麦屋さんのまいた種が実を結んでほしい」と話した。
 同市花山地区の慰霊碑では、同市に渓流釣りに出掛けたまま行方不明になった七ケ浜町の会社員池端桂一さん=当時(44)=の妻志津江さん(55)が子ども3人と献花した。
 志津江さんは「当時のいろんなことを思い返した。支えてくれた人たちに感謝したい」と目頭を押さえた。長女(27)は「今も父が亡くなったという実感がない。父を思う気持ちはずっと同じだと思う」と語った。
 市栗原文化会館であった市主催の追悼式に、遺族や関係者約300人が参列。千葉健司市長が「教訓を風化させず次の世代に伝えていく」と誓った。前市長の佐藤勇さん(75)は「遺族の思いは生涯忘れることができない」と振り返った。
 内陸地震と同じ年に生まれた栗駒小4年の児童42人による発表もあった。栗駒山麓の復興の歩みや耕英地区開拓の歴史などを語り「魅力ある栗原をつくっていきたい」と声を合わせた。


河北春秋
 映画監督大林宣彦さん、詩人谷川俊太郎さん、評論家白井佳夫さん、俳優斎藤工さん…。来館した人々のサインがロビーの壁を埋める。赤いシートのこぢんまりした館内は銀幕との距離も近く、映画が一層濃密になった▼仙台市内で39年間、映画ファンから親しまれた「仙台セントラルホール」が今月末閉館する。赤字で親会社やスポンサーが撤退する危機を乗り越え、9年前から地元の合同会社が運営。ロードショーに乗らない話題作、名作の上映が魅力だった▼東日本大震災の後、被災地発の記録映画の上映にも取り組んだ。宮城県南三陸町の集落の被災前後を撮り続けた『願いと揺らぎ』や、広島の被爆者を治療した医師を追った『ヒロシマ、そしてフクシマ』−。筆者も昨年末、力作と出合った▼山田徹監督(34)の『新地町の漁師たち』。福島県の浜の人々が原発事故から再起する姿を5年間撮った。「震災、原発事故は終わらない。東北の映画館として伝えたい」と遠藤瑞知支配人が当時語った▼「上映館を探す中で『震災の映画など、もう見る人はいない』と断られたこともある」と山田監督。作家の思いに共感してくれたのがセントラルホールだった。赤字や老朽化が閉館の理由というが、惜しまれてならない。「さよなら上映」が23日から。

<福島第2廃炉>「安心して暮らせる」 地元歓迎 評価と不安
 「少しは安心して地元に暮らせるようになる」。東京電力が福島第2原発(福島県楢葉町、富岡町)の廃炉方針を福島県に伝えた14日、住民から歓迎の声が上がった。地域経済の行方や福島第1原発(大熊町、双葉町)の廃炉作業への影響を懸念する地元関係者もおり、東電の突然の方針表明に評価と不安が交錯した。
 「第2原発が廃炉になれば安心できる。もし再稼働となれば、住民の帰還のさらなる妨げになっていた」。楢葉町の竹本忠雄さん(67)はほっとした表情だ。
 町の避難指示は2015年9月に解除された。翌年に帰町した竹本さんは「望みは第1原発を含む完全な廃炉。安全に作業を進めてほしい」と求めた。
 同町議会は13年12月、第2原発廃炉を求める意見書を可決。町も東電や国に廃炉を重ねて要請してきた。
 松本幸英町長は「東電にようやく一歩踏み込んだ発言をしてもらったが、遅きに失した感もある。廃炉の時期をいつにするかなど、できるだけ早い判断を求めたい」と話した。
 廃炉には課題が山積する。富岡町から郡山市に避難する高橋四男さん(80)は「富岡は雇用などで原発に頼っていた。今は町に企業が少なく、経済面で不安だ」と今後を心配する。
 第1原発の廃炉作業への影響を懸念する声も。富岡町の宮本皓一町長は「第2原発が後方支援をすることで、第1原発の廃炉が早期に進めばいいと考えてきた。影響のないようにしてほしい」と注文を付けた。
 第1原発が立地する双葉町の伊沢史朗町長も「廃炉を同時に進めると作業員の確保も厳しくなると予想される。最優先すべきは第1原発だ」と述べた。
 今後の東電の動きに警戒感も広がった。焦点は第1原発にたまり続ける放射性物質トリチウムを含む処理水の処分方法の行方だ。
 福島県浪江町を拠点に試験操業を続ける相馬双葉漁協の高野一郎請戸地区代表は「第2原発の廃炉に異論はないが、トリチウム水の海洋放出は絶対にあってはならない」と強調。「廃炉で汚染水や廃棄物がどうなるのかの説明もしっかり聞きたい」とくぎを刺した。


<福島第2廃炉>小早川社長「曖昧な状態復興の妨げ」
 東京電力ホールディングスの小早川智明社長は14日、福島第2原発の全4基を廃炉にする方向性について、福島県庁で報道各社の取材に応じた。
 −廃炉の方向で検討に入ることを決めた理由は。
 「内堀雅雄知事や県議会、地元首長から再三の廃炉要請を受け、曖昧な状態を続けていることが(福島第1原発事故からの)復興の妨げになると考えた」
 −決断まで時間を要した。
 「もう少し早くできたらと考えるところもあるが、これ以上は延ばせないと判断した。福島の復興に向けた責任を果たすことが当社の経営の最大命題だ」
 −廃炉に向けた計画は。
 「これからさまざまな関係者に説明する。その上で課題を抽出して検討し、社内で正式に決定したい」
 −今回の判断に至る社内での議論は。
 「ごく最近、全号機廃炉の方向で検討したいと取締役会にも相談し、大きな方向性として賛意を得ている。具体的な検討や正式決定はこれからだ。(廃炉作業中の)福島第1原発を含めて廃炉計画をどう作るかがポイントになる。地元の意見も反映させていきたい」
 −経済産業省の有識者会議が5月、二酸化炭素(CO2)抑制などを強く打ち出した新たなエネルギー基本計画の素案を取りまとめた。今回の判断に影響しているのか。
 「私どもとしては低廉でCO2が少ない安定した電源から電気を調達してお届けするという意味で、原子力発電所は一定の役割を果たす重要な施設と考えている。当社として、どういう電源構成にしていくべきかは今後、社内で検討していく」


<福島知事選>「内堀氏に追い風」 近く出馬表明 支援政党は評価
 東京電力が福島第2原発の廃炉方針を示した14日、福島県知事選(10月11日告示、28日投開票)に向け準備を加速していた県政界にも波紋が広がった。廃炉方針は近く再選立候補を表明する内堀雅雄知事(54)への「手土産」との見方もあり、支援政党は「追い風になる」と評価。対立する政党からは「表明が遅すぎる」と辛辣(しんらつ)な意見も出た。
 14日正午すぎ、国民民主党県連や社民党県連など5者協議会は県庁で、内堀知事に再選に向けた立候補を要請した。
 東電が廃炉方針を内堀知事に伝えたのは同日午前。5者協の関係者は「選挙でアピールできる実績になる」と指摘した。
 内堀知事には政権与党の自民、公明両党に加え、非共産の国政野党も支援に回る。盤石の体制だが、共産党などからは「脱原発の政策などで国にものが言えない」などの批判もあった。
 「県内原発の全基廃炉」という1期目の公約を果たしたことで、「脱原発」を求める有権者にも支持を広げられる可能性がある。内堀知事は同日の記者会見で「原発事故に伴う風評払拭(ふっしょく)に向けた大切なスタートにつながる」とも述べた。
 これに対し、独自候補の擁立を目指す共産などの見方は冷ややかだ。
 同党県議の一人は「廃炉を表明させるまで7年は遅すぎる。他県の廃炉も要求して当然なのに訴えず、東電と全く対峙(たいじ)していない」と語り、候補擁立に影響がないことを強調した。


福島第2原発廃炉/遅すぎた決断 信頼は失墜
 福島第1原発の事故後も、存続か廃炉かずっと曖昧にされてきた福島第2原発(楢葉町、富岡町)について、東京電力が14日、4基全てを廃炉とする方針を福島県の内堀雅雄知事に伝えた。
 「原発事故からの復興の障害になる」という地元からの廃炉要請にようやく応えたことになるが、なぜここまで遅くなったのか、福島県民には理解不能だろう。
 東電は炉心溶融(メルトダウン)を引き起こした第1原発の事故だけでなく、第2原発の問題でも福島県民の信頼を大きく損ねたことを反省すべきだ。
 遅すぎる決定になったが、今後はできるだけ早く廃炉までの具体的な計画を策定し、県民の理解を得なければならない。第2原発は「運転開始から40年」を機に、廃炉を決めていくつもりではないかという観測もあったが、そんな悠長なことは許されない。
 第2原発1〜4号機(いずれも出力110万キロワット)が運転を開始したのは、1982年から87年にかけて。第1原発のおよそ10年後になり、東電は計10基の原子炉を福島県の浜通り地方に集中立地させる結果になった。
 東日本大震災の際、第2原発は4基とも運転中だった。津波で多くの非常用ディーゼル発電機や配電設備が使用不能になり、危機的な状況に陥ったが、懸命の復旧作業によって4日後には全て冷温停止にこぎつけた。
 第1原発のような重大事故は免れたものの、運転停止は7年3カ月に及んでいる。
 第1原発と第2原発はわずか12キロしか離れていない。一方の原発が破滅的な損害と放射能汚染をもたらしたのに、もう一方の原発が再稼働するなどということは到底理解を得られないだろう。
 東日本大震災から3カ月後の2011年6月には、当時の佐藤雄平知事が「脱原発」を明言、その4カ月後に県議会が「県内全原発の廃炉」を求める請願を採択した。
 原発事故によって第2原発の命運は尽きていたのに、東電は廃炉を言い出さないまま、ずるずると時間ばかりが過ぎてきた。
 内堀知事らが事あるごとに「第2原発廃炉」を求め、東電が曖昧な返答を繰り返すのは、まるで年中行事のようになっていた。
 極めて重大な原発事故を引き起こしてもなお、「第1原発の廃炉作業のバックアップに必要」「発電部門全体を考えてから結論」などと、理由にならない理由を並べ立てる東電に反発が強まっていたのは当然のことだ。
 福島県の被災者らにとっては、不当に待たされた揚げ句の廃炉決定になる。県は廃炉スケジュールの策定を東電に急がせなければならないし、政府も影響力を行使していくべきだ。東電任せにしておいては、またも振り回される事態になりかねない。


<福島第2廃炉>震災時冷却機能、一時失う
 東京電力が廃炉の方針を明らかにした福島第2原発は、2011年3月11日の東日本大震災で炉心溶融(メルトダウン)を起こし大量の放射性物質が放出された福島第1原発(双葉町、大熊町)と同様、原子炉の冷却機能を一時失い、危機にひんした。一部の外部電源が使えるなどしたため最悪の事態を回避できた。
 第2原発は4基あり、震災発生時は全て運転中だった。地震直後の原子炉の自動停止には成功したが、その後津波に襲われ1、2、4号機の原子炉が冷却機能を失った。原子炉格納容器の圧力も上昇し、放射性物質を大量に含む蒸気を外部に放出する「ベント」の準備も進めた。
 政府は第1原発に続き、同12日に第2原発も「原子力緊急事態」の対象に追加。半径3キロ圏の住民に避難指示を出し、10キロ圏の住民に屋内退避を求めた。
 ただ第1原発と比べて襲来した津波が低かったことや、外部電源の一部が使えたことなどから、震災4日後までに全4基の原子炉の安定的な冷却に成功。ベントも実施されなかった。
 事故収束後、原子炉内にあった核燃料は順次、使用済み燃料プールへ移送し、15年3月までに全4基で取り出しが完了、それぞれのプールで冷却を続けている。
 第2原発は現在、第1原発の廃炉作業の後方支援拠点として汚染水タンクの組み立てなどに活用されている。4基は運転開始から30〜36年が経過し、原則40年の運転期間に近づきつつある。


<福島第2廃炉>再建に不確定要素 人材や費用課題山積
 東京電力が福島第2原発(福島県楢葉町、富岡町)の廃炉を検討する方針を福島県に伝えた。事故を起こした福島第1原発と並行し、廃炉作業を進めるには人材確保に課題が残る。費用が想定より膨らむ可能性があり、経営再建に向けた不確定要素が増えるのは必至で、他の大手電力との提携強化を迫られそうだ。
 東電の小早川智明社長は福島第2の廃炉を検討することを近頃開かれた取締役会で伝達。東電関係者は「福島の復興を考えると、電源の確保や経済性という観点だけでは福島第2をどうするか判断できない。社内の位置付けが明確になった」と明かした。
 福島第2の4基は出力は各110万キロワットといずれも大型炉に分類される。経済産業省によると、廃炉費用は1基当たり580億〜870億円かかる見通しだ。電力各社は廃炉に必要な費用を解体引当金として積み立てており、電気料金に織り込まれている。
 東電は福島第2の4基の廃炉費用を計2766億円としており、国内の各原発に適用される制度に基づいて2017年度末時点で1975億円をすでに積み立てている。未引当金は791億円と巨額だが、廃炉決定後も一定期間は電気料金に反映し、経営への影響を抑えるとみられる。ただ廃炉によって生じる放射性廃棄物の処分などで、負担が増える恐れがある。
 福島第1の廃炉には30〜40年かかり、廃炉や賠償など事故対応費用は約16兆円かかる見込みだ。損益改善への貢献を期待する柏崎刈羽原発(新潟県)は、地元の強い不安から再稼働の時期は見通せていない。
 東電は福島第1に原発専業の日本原子力発電から技術者の派遣を受けている。原発事業の人材確保と経営効率化を狙って、他の電力大手との提携や協力関係の拡大が予想される。


<福島第2廃炉>東北各地の声「避難者の支援優先に」「風評残る、東電反省を」
 福島第1原発事故から7年3カ月余り。事故を起こした東京電力が14日、ようやく福島第2原発の廃炉を表明した。東北各地で暮らす原発事故の被害者らは遅すぎる判断を批判し、今もなお収束しない未曽有の被害に対する怒りや不満をあらわにした。
 原発事故後、南相馬市小高区から親族9人で避難し、米沢市で暮らす上野寛さん(53)は「廃炉の判断は遅いとすら思う。なぜ今なのか、第2原発でも大きな問題があったのではという疑念もある」と東電への不信感をにじませた。
 政府が福島第1原発の汚染水対策などに国費を投入する現状に対しても「第2原発にも国費が使われないか心配。避難者支援の予算確保を優先すべきではないか」と指摘した。
 福島市から米沢市に自主避難した武田徹さん(77)は「今も放射線量が心配な場所がある。福島県内の全原発廃炉が避難者の帰還促進につながるというのは早計だ」と冷ややかに見る。
 農産物直売所が閉鎖を余儀なくされるなど、原発事故の被害を受けた宮城県内丸森町の筆甫地区。自治組織の会長を務める引地弘人さん(70)は「廃炉は当たり前。今更という思いだ」と怒り、「風評被害はまだ残る。東電は反省してほしい」と強調した。
 反原発運動を続ける宮城県女川町議の阿部美紀子さん(66)も「放射性廃棄物を最終処分する方法のめども立っていない原発は、福島に限らず廃炉を進めるべきだ」と訴えた。
 東電の原発新設計画に翻弄(ほんろう)され続ける地域もある。東電は2011年1月、青森県東通村で東通原発の新設工事に着手したが、東日本大震災以降は中断したままだ。村内の40代主婦は「工事再開は絶望的。原子力産業にとって厳しい時代が続きそうだ」と地域の先行きを不安視した。


福島第2原発の廃炉 計画の具体化は速やかに
 福島第1原発の重大事故から7年余り。東京電力が、ようやく福島第2原発を廃炉にする方針を明らかにした。実現すれば、福島県内に10基あった原発はすべてなくなる。
 福島第2の存在は、避難生活や風評被害に苦しむ県民の心を逆なでしてきた。東電は、円滑な廃炉に向けた工程表づくりを急ぐ必要がある。
 福島第2は東日本大震災の際、第1と同様に津波をかぶった。それでも一部の外部電源が残ったため、重大事故は免れた。
 その後も停止したままだが、大量の核燃料は残っている。安全性や将来の再稼働を巡る県民の不安は根強く、県は東電や事実上の筆頭株主である国に、早期廃炉を求めてきた。
 再稼働には立地自治体の同意が必要だ。第2の再稼働はもともと、政治的にはあり得ない選択肢だった。
 また、第2の4基はいずれも運転開始から30年を超えている。原則40年のルールを延長して稼働するためには巨額の安全投資が必要となる。経営的にも存続させるメリットは乏しかったわけだ。
 それにもかかわらず、東電は廃炉決定を先延ばしにしてきた。
 廃炉を決めると原子炉や核燃料などを資産に計上できなくなるため、財政基盤が悪化する。東電はそれに耐えられる経営体力が整うのを待っていたとも思われる。
 しかし、そんな台所事情があったとしても、十分な説明もせず、うやむやな態度に終始してきたことは誠実さに欠けると言わざるを得ない。
 今回、福島県の内堀雅雄知事に廃炉の方針を伝えた東電の小早川智明社長は、第2が「復興の足かせになっている」と認めた。そうであれば、廃炉に向けた準備に早急に着手すべきだ。
 東電は福島第1の廃炉という極めて困難な作業を抱えている。重ねて第2の廃炉を円滑に進めるには、資金や人員などの経営資源の配分にも知恵を絞る必要がある。国とも連携し、計画の具体化を急いでほしい。
 福島第2が廃炉となれば、東電の原発は柏崎刈羽(新潟県)だけになる。再稼働に向け、地元への働きかけを一段と強めることも予想される。しかし、肝心なのはあくまで安全の確保と地元の納得であることを忘れてはならない。


福島第2廃炉/風評払拭し復興の加速を
 東京電力ホールディングスの小早川智明社長が、福島第2原発の全4基を廃炉の方向で検討すると表明した。東日本大震災で過酷事故を引き起こした第1原発はすでに廃炉が決まっており、実現すれば10基あった福島県内の原発はゼロになる。
 第2は震災で冷却機能が一時止まったが、再稼働が可能な状態だ。福島県や立地自治体は廃炉を求め続けていた。東電は明確な姿勢を示さず、政府も「他の原発とは違う」としながら判断を東電に委ねていた。
 県は脱原発依存を掲げ、自然エネルギーや農林水産業、観光を軸に復興を目指す。その動きを加速するため、根強い風評被害を払拭(ふっしょく)する弾みにしたい。
 原発の廃炉は東電の経営を大きく圧迫する。発電収入が得られなくなるだけでなく、設備や核燃料などの資産価値がゼロになるからだ。
 だが事故発生から7年を過ぎても、多くの県民が風評被害や避難生活に苦しむ現状を見れば、加害者である東電が福島第2の再稼働を目指しても認められる可能性は低い。決断が遅すぎたといえよう。
 廃炉が決まっても、福島の二つの原発には難題が山積する。
 第2では原子炉内から使用済み燃料をすべて取り出し、プールで冷却しているが、2016年11月に発生した地震では1時間40分にわたり冷却停止に陥った経緯がある。安全対策の徹底が求められる。
 さらに深刻なのは第1だ。燃料を冷やした後の汚染水は浄化処理後も処分のめどが立たず、敷地内に約105万トンを保管する。日々増え続けており、数年もせず満杯になるとみられる。
 微量のトリチウムが残っているが問題はないとして、原子力規制委員会は東電に海洋放出の実施を求めている。しかし、漁業者らの反発は必至だ。
 東電は「福島第1の廃炉とトータルで地域の安心に沿いたい」とコメントを出した。ただ廃炉の具体的なスケジュールは未定で、小早川社長は「これから考える」と述べた。
 東電は廃炉に向けた工程を速やかに公表し、県民に理解を求める必要がある。その上で帰郷を促せるよう、廃炉作業に全力を注がなければならない。


福島第2廃炉 原発依存の経営脱却を
 東京電力ホールディングスの小早川智明社長はきのう、内堀雅雄福島県知事に、福島第2原発の全4基を廃炉とする方向で検討すると伝えた。
 第1原発は廃炉が決まっており、第2原発も廃炉となれば、福島県の原発はなくなる。
 2011年の第1原発の事故後、地元は一致して第2原発の廃炉を求めていた。そもそも過酷事故を起こした東電が、福島で再び原発を動かすことは許されない。
 4基とも運転開始から30年を超えて老朽化が進み、廃炉の判断はむしろ遅すぎたと言えよう。
 第1原発の廃炉作業は困難を極めている。東電は第2原発について、早急に説得力のある廃炉工程を示す必要がある。
 原発を巡り、東電は柏崎刈羽原発(新潟県)を再稼働させる考えだが、新潟県の住民の多くは反対している。東電は原発頼みの経営から脱却する道を探るべきだ。
 福島第1原発では炉心溶融が起きる一方、第2原発の方は大惨事を免れた。
 小早川社長は、第2原発が「このままあいまいでは復興の足かせになる」と理由を述べたが、とうに分かっていた話ではないか。
 福島県議会と県内の市町村議会は決議や意見書で全10基の廃炉を求めている。第2原発の再稼働は事実上、不可能な状況だった。
 事故から7年以上も経過した今になって、唐突に廃炉の方針を表明したのは不可解だ。
 東電は柏崎刈羽原発を再稼働させる姿勢を変えていない。
 先の新潟県知事選で、原発再稼働に前向きな与党が全面支援する花角英世氏が当選した。これで柏崎刈羽が再稼働に前進したと判断し、福島第2の廃炉に踏み切ったとすれば、間違っている。
 知事選で有力2候補はいずれも再稼働に慎重だった。
 出口調査では、再稼働に「反対」と「どちらかといえば反対」が計60%を超えている。
 新しい花角知事は、前知事が進めた、福島の事故原因と、柏崎刈羽原発の事故時の住民避難計画の実効性を調べる検証委員会を引き継ぐと主張した。
 その言葉通り、徹底した検証を行わなければならない。
 柏崎刈羽原発は、07年の新潟県中越沖地震で想定を超える揺れを受け、機器が損傷し、屋外変圧器で火災が発生するなどした。新潟県民の不安は当然だ。
 与党も東電も地元の意向を尊重すべきだ。


福島第2原発  廃炉の道筋明確に示せ
 東日本大震災に伴う津波被害で停止したままの東京電力福島第2原発(福島県楢葉町、富岡町)の全4基を廃炉にする方針が、東電から福島県に伝えられた。
 第2原発は炉心の損傷は免れたものの、再稼働に向けた地元の同意が得られる見通しはなく、事実上廃炉以外の選択肢はなかった。
 一昨年11月に福島県沖で発生した地震では、3号機の使用済み核燃料プールの冷却が一時的に止まった。稼働していなくても、事故につながるリスクは存在する。
 同県は大惨事を招いた第1原発も含めて県内にある原発10基の全基廃炉を目指しており、繰り返し廃炉を求めていた。廃炉方針表明は遅きに失したというほかない。
 東電ホールディングスの小早川智明社長は「(廃炉について)あいまいでは復興の足かせになる」と語ったが、廃炉の工程については明らかにしなかった。
 廃炉には数十年単位の年月がかかる。その工程は、地域の復興計画にも影響しよう。東電は具体的なスケジュールを早期に示し、理解を得るよう努めてほしい。
 原発の廃炉は、使用済み核燃料を搬出し、原子炉を解体して更地にする。通常は約30年かかるとされる。炉心溶融に至った第1原発は事故発生から30〜40年での廃炉完了を目標に掲げている。
 燃料デブリ取り出しなど難度の高い作業が必要な第1原発と状況は異なるが、第2原発の廃炉には見通せない部分が多い。
 特に、高レベル放射性廃棄物などの埋設処分先の確保は、難航が予想される。見つからなければ廃炉計画の大幅な遅れにつながる。
 第1原発事故で出た汚染土などの中間貯蔵施設が本格稼働したのは事故から6年半もたった昨秋のことだ。処分地確保を東電だけで進めるのは難しい。国や県の適切な支援が求められる。
 廃炉費用も問題だ。東電は第2原発4基で計2800億円と見積もるが、前例のない作業だけに増える可能性がある。第1原発事故では当初2兆円だった試算が8兆円に膨らんでいる。
 賠償なども含めた費用約22兆円のうち東電の負担は約16兆円に上り、東電の経営にも大きくのしかかる。安易に国民負担に付け替えることがないよう、国も関与して十分な資金計画を練ってほしい。
 廃炉作業の安全性や作業員確保、第1原発の廃炉作業と同時並行できるかも課題だ。東電は、廃炉に向けた明確な道筋をしっかりと説明しなくてはならない。


【県内原発の全廃】課題ごとの道筋を探れ
 半世紀を超える本県の原子力の歴史は大きな節目に差し掛かる。東京電力は福島第二原発の4基全ての廃炉を検討する方針を明らかにした。福島第一の6基と合わせ、県内の原発は東日本大震災を契機にした廃炉の道をたどる。
 風評払拭[ふっしょく]や住民帰還などの復興の加速に一定の効果が見込めよう。しかし、着手や完了の時期を明確に見通すには、東電、国、県、立地地域がそれぞれの立場で課題に向き合う必要がある。
 東電は今後、廃炉工程を具体的に検討する。事故を起こした第一は優先度も難度も高い。第一と第二の両面作戦で作業の並行が可能か、それとも、時間差をつけるのか、といった基本的な考え方を早めに示す努力が大切だ。
 経済産業省は、電力会社が原発の廃炉を進めやすくするために電力会社の負担を少なくする電気事業の会計規則を変更した。ただ、東電は第一の廃炉や賠償、除染に当たり、国からさまざまな支援を受けている。厳しい経営が続く上、柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働への対応もある。第二の廃炉に充てる資金や人材の確保が欠かせない。
 第一と同じく、第二にも核燃料が保管されている。発電所と周辺地域の防災対策の徹底とともに、核燃料や放射性廃棄物の運び出しの道筋を明らかにしてほしい。
 県や立地地域への影響も予想される。原発の建設や運転に伴い、県にも地元にも東電からの税金、国からの交付金などの収入がある。国の復興関係交付金が年々、減少する見込みの中、廃炉に伴って原発関係の税金や交付金も減り続ける場合には財政運営の見直しを迫られる。廃炉関係の産業が、事故前の原発関連産業と同様に住民の働く場の確保に十分、つながるのかも見極めが必要だ。
 本県は全国有数の発電地域として、明治時代以来、電力の安定供給を支えてきた。2カ所の原発の発電設備量は震災前、日本の原発全体の2割を占めた。原発がなくなっても、火力、水力、再生可能エネルギーによる電力を県外に送る本県の役割は変わらない。新しい火力発電施設の建設も始まった。発電所の立地と地域振興の在り方、国のエネルギー政策との関わり方を改めて探る機会といえよう。
 国は第二の廃炉について「東電が県民の声にしっかりと向き合いながら判断すべき」との見解を示し続けてきた。国が話し合いの前面に出ることを避けたように地元には映った。国は廃炉に伴う立地地域の課題を的確に受け止めるべきだ。(安田信二)


第2原発廃炉へ/肝心なのはその先の道筋だ
 東京電力福島第1原発事故から7年余り。全基廃炉を繰り返し求めてきた本県からすれば、ようやくの感が否めない。具体的な道筋を示して実行に移すべきだ。
 東京電力ホールディングスの小早川智明社長が県庁を訪ね、内堀雅雄知事に、福島第2原発(停止中、楢葉町、富岡町)を廃炉する方向で検討すると伝えた。東電が第2原発の廃炉について方針を明言したのはこれが初めてだ。
 東日本大震災で事故を起こした福島第1原発は、既に6基全ての廃炉が決まっている。第2原発の4基が廃炉されれば、県内の原発は全てなくなることになる。
 小早川社長は「これ以上、曖昧な状況を続けるのは復興の足かせになる」と理由を説明した。根強い風評や住民の帰還が進まない状況を踏まえ「足かせ」を解消しようと考えるのであれば、廃炉の正式決定を含めスピード感を持って今後の作業を進めるべきだ。
 第2原発は、震災で原子炉の冷却機能を一時失ったが、炉心溶融を免れた。現在は使用済み燃料プールに約1万体の核燃料が保管されている。4基とも運転開始から30年以上が過ぎており、再稼働の審査に合格するためには多額の投資が必要という状況にある。
 その上、県や県議会などが原発事故の被害や住民感情などを踏まえ、第2原発の「全基廃炉」を求めてきた。しかし東電はこれまで国のエネルギー政策の動向などを理由に、廃炉するかどうかの判断を先送りしてきた。今回の方針表明について、地元自治体の首長が「むしろ遅すぎた。もっと早く判断できたのではないか」と指摘するのはもっともだ。
 小早川社長は今後について「廃炉の具体的なスケジュールはこれから考える」として工程などは明らかにしなかった。「しっかり対応し、形として全基廃炉を進めてほしい」という内堀知事の注文を真摯(しんし)に受け止めて廃炉計画の具体的な検討を進めてもらいたい。
 第2原発は震災後、第1原発の廃炉作業の後方支援や原子力人材の育成拠点としての機能を担ってきた。一方で、廃炉に着手することになれば作業で出る放射性廃棄物の処分などの難題を抱える。
 今回の方針表明は大きな前進だが、本県が復興を遂げていく課程の一里塚にすぎない。東電には山積する懸案を一つ一つ丁寧に解決していく努力が求められる。
 第1原発に目を移せば廃炉の前途は険しく、汚染水の処理も喫緊の課題となっている。原発を推進してきた国も高みの見物を決めることなく積極的に関与すべきだ。


福島第2原発 廃炉方針は当然として
 東京電力がようやく方針を示した。
 きのう福島県庁に内堀雅雄知事を訪ねた小早川智明社長が、福島第2原発について「廃炉とする方向で検討する」と伝えた。
 当たり前の判断に7年もかかったのは、東電が3・11後も、経営再建の柱に原発再稼働を据え続けてきたからだ。
 福島第1原発の事故の影響が及んだ自治体では、避難指示解除後も住民が戻っていない。地域の復興を継続して支援するためにも、東電は抜本的に経営構造を見直す必要がある。
 福島第2原発は第1から南に12キロ、楢葉町と富岡町にまたがって立地する。大震災発生時、4基の原子炉は稼働していた。幸い炉心溶融は免れ、冷温停止した。
 3カ月後、当時の福島県知事は脱原発を表明した。県議会も県内原子炉の全基廃炉を求める請願を採択。その後も再三、東電や国に廃炉判断を迫ってきた。
 東電は、第1の廃炉作業を支える拠点にする、火力や水力を含む全発電所の役割を整理したい、と曖昧な回答を繰り返した。
 この時期に方針を示したのはなぜか。第2の廃炉を公約した内堀氏が再選を目指す知事選が近いことが考えられる。第1でたまり続ける汚染水処分に県側の理解を得たい思惑もあるのだろう。市民団体は「新潟では必ず運転を再開するとの意思表示」とみる。
 柏崎刈羽原発の6、7号機は原子力規制委員会の審査を通り、与党が推した花角英世氏が新潟県知事に就いたばかりだ。
 原発利用は程度問題ではない。
 福島第1の事故処理費用は、当初見込んだ11兆円から22兆円に倍増している。廃炉作業も何十年かかるか分からない。原発依存から早く脱却し、廃炉や賠償、除染に最後まで責任を果たすことを、国民は東電に求めている。
 柏崎刈羽原発では、立地自治体の柏崎市長が1〜5号機の廃炉を決めなければ6、7号機の再稼働を認めないと言明している。花角知事も安全性の検証に2、3年を要すとしており、再建を託すにはどだい無理がある。
 原発の収益性が下がっているからこそ、東電は「他の電力会社との提携」を持ち出しているのだろう。原子力技術の蓄積を生かすのなら、廃炉や「核のごみ」減容化に道を探るのも手だ。
 東電はいまも国の管理下にある。国民の理解を得られる事業転換を図らなければ、経営の立て直しはおぼつかない。


放射性物質、東京湾奥部に集積 原発事故で放出
 東京電力福島第1原発事故で放出され、首都圏に降り注いだ放射性物質のセシウムが河川を通じて東京湾奥部に集積し、現在でも汚染が続いているとの長期観測結果を、近畿大の山崎秀夫・元教授らのグループが米科学誌プロスワンに、15日までに発表した
 山崎さんは「蓄積した放射性物質が人の健康に悪影響を及ぼす可能性は低いが、放射性物質が集まっている場所でのしゅんせつなどによって汚染を拡散させないような注意が必要だ」としている。
 グループは2011年8月から16年7月まで、東京湾と流れ込む河川の計約90カ所で土壌などを採取。セシウム濃度などを分析した。


<瑞巌寺 輝き新たに>観光資源を磨く好機
 日本三景の一つ、宮城県松島町の国宝・瑞巌寺は「平成の大修理」を終え、落慶法要を24日に行う。約10年に及ぶ修理により、仙台藩祖・伊達政宗が造営した名刹(めいさつ)は桃山文化の粋と輝きを再び放ち始めた。事業を振り返り、落慶を待つ地元を見つめる。
(塩釜支局・松田佐世子)
◎(下)お披露目
<花火で祝う>
 瑞巌寺の修理工事自体は109カ月かけて2017年11月に終わった。御成門や中門より早く修理された本堂は16年4月に拝観を再開。同6月の落語家桂歌丸さんの落語会を皮切りに、本堂での落慶記念行事が続く。今年5月に東大寺主催の東日本大震災犠牲者供養が行われ、今月17日は狂言師野村萬さんと能楽師友枝昭世さんによる人間国宝の競演がある。
 大半を主催するのが、落慶記念行事を担うため発足した地元・宮城県松島町の任意の官民組織「瑞巌寺慶讃(けいさん)会」。志賀寧(やすし)事務局長は「国宝・瑞巌寺は町の宝だ」と準備に奔走する。
 慶讃会はメイン行事として、落慶法要(24日)の前夜祭を22日に瑞巌寺周辺で催す。中でも国道45号を初めて通行止めにして行う武者行列は、寺を造営した仙台藩祖・伊達政宗役が伊達家18代当主泰宗さん、2代藩主忠宗役は父親が町出身の俳優千葉雄大さんだ。
 夜に花火大会があり、約4000発を打ち上げる。かつて観客でにぎわい、震災で中止となった松島灯籠流し花火大会の規模には及ばないが「震災後初めてお祝いの花火を上げられる」と志賀事務局長は言う。
<五輪見据え>
 震災は松島町の観光を直撃した。2000年から年間341万〜373万人で推移した町入り込み客は、震災発生の11年に223万人に激減。12、13年に290万人台に回復した後は減り、300万人の大台に届かない。14年のマリンピア松島水族館の閉館も響いている。
 「瑞巌寺落慶を好機としなければならない」。慶讃会会長も務める町観光協会の磯田悠子会長は力を込める。100〜150年に一度の大修理と落慶を体感できる巡り合わせに「貴重であり大きな感動だ。人々を巻き込み、他の観光資源も磨いていきたい」と話す。
 桜井公一町長も「落慶が観光復興の発火点になれば」と願う。尽力する最寄りのJR松島海岸駅のバリアフリー化も動きだした。「インバウンド(訪日外国人旅行者)にとって瑞巌寺は見てみたいターゲット」と2020年東京五輪を見据え観光誘客を思い描く。
 24日は瑞巌寺が行う落慶法要の後、寺の参道で町内4神社のみこし5基によるパレードがある。地元も熱を帯び、祝いのときを待つ。


袴田事件で再審取り消し 鑑定評価の仕組み検討を
 科学的とされる鑑定結果でも、その評価は難しい。
 1966年に起きた「袴田事件」で、死刑が確定した袴田巌元被告の再審決定を東京高裁が取り消した。
 焦点になったのは、犯人のものとされる着衣に付いていた血痕のDNA型鑑定だ。再審を決めた静岡地裁は「袴田元被告のものと一致しない」との弁護側鑑定の信用性を認めたが、高裁は信用性を否定した。
 鑑定の評価がなぜ正反対になったのか。高裁では、検察側が申請した鑑定人が、弁護側鑑定の手法を検証した。その中で、DNAの抽出に当たり、試薬を使った独自の方法を取ったことを「不適切だ」とする報告書をまとめた。他にも批判的な法医学者の意見書が出て、高裁はそうした意見をくんだ形だ。
 静岡地裁の決定から4年がたつ。専門家が別の専門家を否定する科学論争のためにいたずらに時間が経過した感は否めない。鑑定を科学的に突き詰めて事実解明することは重要だが、最先端の科学でも場合によってはあいまいな部分は残る。そこをどう考えるかだ。
 弁護側、検察側双方の鑑定人が意見をぶつけ合うだけでは限界がある。今回は極めて古い試料でのDNA型鑑定の信頼性が問われた。そのような難しい事案の場合、裁判所の主導下で、第三者的な立場の専門家を集め、鑑定や検証を担ってもらう仕組みが築けないだろうか。
 もちろん、鑑定結果が全てではない。その上で全証拠を総合して結論を出すのは司法の責任だ。
 事件発生から半世紀がたつのに、なぜ再審の決着がつかないのか。主な原因は、再審段階での証拠開示が検察の判断に委ねられていることだ。袴田事件で検察が衣類発見時の写真などを開示したのは第2次再審請求後の2010年だった。再審での証拠開示のルール作りが必要だ。
 この事件では1審段階で45通の自白調書のうち44通が証拠採用されなかった。捜査は自白偏重だった。
 「疑わしきは被告人の利益に」という刑事裁判の原則は再審でも例外ではない。弁護側は週明けにも最高裁に特別抗告する。最高裁は鑑定結果を含め十分かつ迅速な審理をし、その上で検察の立証が合理性を欠くならば再審の扉を開くべきだ。


袴田さん
 強盗殺人事件の裁判で被告の犯行時の着衣は事実認定を左右する証拠になる。付着した血痕や汗などが犯行を裏付けることがあるからだ▼だが、裁判開始後に衣服が別の物だったとなれば話は違う。52年前の「袴田事件」ではそれが起きた。起訴された袴田巌さんの衣服は当初パジャマだったが、途中で別のシャツなどになった。起訴状にも自白にもないのに検察は「途中で着替えた」と主張した▼不自然なことが多い袴田事件で、静岡地裁の再審決定を東京高裁が取り消した。地裁はシャツなどの証拠を「捜査機関の捏造(ねつぞう)の可能性がある」と指摘したが、高裁は「根拠に乏しい」と退けた。地裁が採用したDNA鑑定も「信用できない」と突っぱねた▼弁護団に「捏造なら証拠を出せ」「DNA鑑定が信用できるなら証明しろ」と言わんばかりである。疑いがあれば被告人の利益に、という刑事裁判の原則はどこにいったのか▼死刑判決を出した最初の裁判は、供述調書45通のうち、44通を不採用にした。強引な取り調べが明白だったからだ▼東京高裁は死刑と拘置の停止は取り消さなかった。裁判官は自信がなかったのだろう。弁護団はそう指摘する。再審は何としても認めたくない。そんな国家のメンツが、82歳の袴田さんの人生より優先されたのだろうか。

公文書管理 不正の背景解明してこそ
 改ざんしない、隠蔽(いんぺい)しない、勝手に廃棄しない−。公文書管理で国や地方自治体に求められるのは至極当然のことだ。
 「公文書は民主主義を支える国民共有の知的資源であり、適正な管理と適切な保存で現在及(およ)び将来の国民に説明する責任を全うする」
 そんな公文書管理法の規定を理解して守れば済むことだ、ともいえるだろう。
 安倍晋三首相が全閣僚に公文書管理の見直しを指示し、「行政全体の信頼が損なわれたことは痛恨の極みだ」と述べた。
 なぜ公文書管理を見直すか。言わずもがなである。政権を揺るがす疑惑に公文書のでたらめな扱いが絡んでいるからだ。
 森友学園問題では、首相の妻昭恵氏の名前も登場する財務省の決裁文書改ざんと交渉記録廃棄が発覚した。加計(かけ)学園問題では「総理のご意向」などと書かれた文書が、当初は怪文書扱いされたのに、よく調べたら文部科学省で見つかった。
 防衛省が「廃棄済み」としていた陸上自衛隊イラク派遣部隊の日報も、改めて捜したら発見された。そこには、政府見解とは異なる緊迫した現地情勢が記されていた。
 どれも人目に触れさせたくない文書だったのだろう。政府に絡む疑惑を裏付けかねないような公文書は「なかったこと」にしようとしたのが、一連の不祥事ともいえよう。
 ほぼ同時期に起きたのはなぜか。別々の官庁の無関係な問題では済まない。共通の土壌があるなら、それこそが出し切らねばならない「うみ」だろう。
 政権は1カ月をめどに見直しの具体策をまとめる。文書管理監視ポストの新設▽人事院の懲戒処分指針に公文書の改ざんなどを加える改定▽電子決済システムへの移行促進‐などが検討されているという。
 有識者による政府の公文書管理委員会でも、懲戒処分の基準明確化など、厳格な管理態勢を求める意見が相次いだ。
 官僚に対する厳しい戒めは当然、必要である。だが、官僚が公文書の不適切な扱いに走った動機や背景にメスを入れなければ、問題の核心に迫れないのではないか。
 改ざんや隠蔽、廃棄を誰が判断し指示したか。府省庁の幹部人事を差配する内閣人事局など政権中枢に官僚が忖度(そんたく)して不祥事に手を染めたのか。それとも別の理由や背景があるのか。そうした点が判然としないままでは見直しの方向も定まるまい。
 公文書を作成する公務員の規範意識を高めるだけでなく、「政と官」の適切な関係や情報公開の在り方などにも踏み込んで議論を深めるべきだ。


2市民グループ検審に申し立て…森友問題不起訴
 学校法人「森友学園」への国有地売却問題で、大幅値引きで国に損害を与えたとする背任容疑で告発された当時の財務省幹部らを不起訴とした大阪地検の処分を不服として、告発人の大阪、東京の二つの市民グループが14日、大阪第1検察審査会に審査を申し立てた。
 決裁文書の改ざんや学園との交渉記録の廃棄も含む一連の問題で、申し立てが判明したのはこれで5件となった。不起訴となった38人のうち佐川宣寿・前国税庁長官(60)ら29人が対象で、いずれも同審査会が審査する。


孤立するアメリカ 破壊のつけは我が身に
 今や米国は世界の深刻な不安要因である。トランプ大統領がいそしむ秩序破壊の後には混乱が広がる。そのつけは自身に返ってくることを悟るべきだ。
 米国の威信低下が著しい。米ギャラップ社が昨年、百三十四の国・地域で実施した世論調査によると、米国の指導力を評価する人は30%と、オバマ政権時の二〇一六年から18ポイントも下落した。
 しかも同盟国・友好国で評価しない人が多い。ノルウェーは評価しない人が83%と最も高く、カナダとメキシコも七割を超えた。
◆同盟国も「敵国」扱い
 自由、人権、民主主義という共通の価値観で結ばれた同盟国・友好国とのあつれきは、カナダで先週開かれたG7サミットを引き裂いた。米国の金利上げに伴う新興国の通貨安、イタリアの政治不安による欧州市場の動揺、中東情勢の混迷−。リスク要因に事欠かない状況を前にG7は結束できなかった。
 はらわたが煮えくり返る思いだったのだろう。議長国カナダのトルドー首相は総括記者会見で「第一次大戦以来、われわれは米軍兵士と肩を組んで異国の地で戦ってきた。米国が安全保障を理由にすることを軽く見るわけにはいかない。これは侮辱だ」と述べた。
 トランプ政権がカナダはじめ欧州連合(EU)や日本という同盟国に導入した鉄鋼・アルミニウムの輸入制限の理由に、よりによって安全保障を挙げたことを批判した発言だ。
 敵国同然の扱いをされたと怒るカナダと欧州は報復する構えだ。貿易戦争に発展しかねない雲行きである。
 第二次大戦の欧州戦線の先行きが見え始めた一九四四年七月、米国東部のブレトンウッズに連合国が集まり、米ドルを基軸通貨とする国際経済の仕組みを固めた。国際通貨基金(IMF)と世界銀行の創設も決まり、ブレトンウッズ体制は産声を上げた。
 米ホワイトハウスの西側にはIMFと世銀の両本部が付き従うように立つ。米国が事実上支配した戦後の世界経済体制を象徴する光景である。
 四八年には関税貿易一般協定(ガット)ができた。二九年の大恐慌によって各国が保護主義に走り世界経済のブロック化が進んだ。それが第二次大戦の遠因になったという反省から生まれた自由貿易推進のための協定だ。九五年にガットは発展的に解消し、世界貿易機関(WTO)が発足した。
 米国自身が大きな恩恵を受けたこうした経済体制を、トランプ氏は壊しにかかっている。
◆大国に求められる自律
 輸入制限には米国内でも、鉄鋼の大口消費者である機械メーカー、アルミ缶を必要とするビール業界などが反対を唱える。コスト上昇や雇用喪失につながるからだ。米製品の競争力もそがれ、世界経済も混乱する。貿易戦争に勝者はいない。
 独善と身勝手で米国を孤立に追いやるトランプ氏。それでも最近、支持率は持ち直し四割台に乗った。
 大国が身勝手な振る舞いをすれば、他国とのあつれきを生む。誰も国際規範を守ろうという気をなくす。混乱が広がり、そこにつけ込んで自分の利益を図る者が現れる。だからこそ大国は自ら律する意思が求められる。
 超大国の米国であっても力には限界があり、難しい国際問題には他国との協調対処が必要となる。昨年、北朝鮮に最大限の圧力をかけるよう各国に呼び掛けたのは、トランプ氏ではなかったか。
 一方、G7サミットと同時期に開かれた上海協力機構(SCO)の首脳会議。ホスト国の習近平中国国家主席がロシアや中央アジアなどの各国首脳らを前に、SCOは「世界の統治を完全なものにする重要な勢力だ」と述べた。国際舞台では米国の退場で生じた空白を中国やロシアが埋めにかかっている。
 G7サミットに出席したトゥスクEU大統領は「ルールに基づく国際秩序が試練に立たされている。その元凶が秩序の保証人たる米国であることにはまったく驚かされる」と語った。
◆秩序の保証人のはずが
 そのうえで「秩序を損ねるのは無意味なことだ、と米国を説得する。民主主義も自由もない世界を望む連中の思うつぼになるからだ」と力を込めたが、トランプ氏は耳を貸さなかった。
 破壊した後にどんな世界をつくる考えでいるのか。トランプ氏の場当たり的で一貫性に欠ける言動からは、そんなビジョンはうかがえない。
 責任あるリーダーの座から降りた米国。この大変動を乗り切るために、日本も選択肢をできるだけ増やして外交政策の可能性を広げる必要がある。


トランプと金正恩「9月再会談」浮上 核弾頭搬出の“密約”か
 トランプ大統領と金正恩委員長はいつ再会するのか――。早くも2回目の会談の開催時期が注目されている。12日の会談後の記者会見で、トランプは「(2回目について)まだ何も決まっていない」と語ったが、「おそらく必要だ」と明言。急浮上しているのが“9月再会談説”だ。すでに、トランプ・正恩は、“9月再会”に合意している可能性がある。
 6・12の米朝会談が行われる前から、今年秋に「2回目」の会談が行われる可能性が取り沙汰されていた。
 今月6日付の米ブルームバーグ通信は米政府高官のコメントを引用しながら、両首脳のウマが合えば「秋に後続会談を提案するとトランプ大統領が考えている」などと報じていた。
 会談場所とウワサされているのが、米フロリダ州パームビーチの「マールアラーゴ」。トランプの別荘地で、安倍首相との“ゴルフ会談”でおなじみの場所だ。
「トランプ大統領と金正恩委員長が一緒にゴルフをするとの話も出ており、その可能性はゼロではありません」(外交関係者)
 米朝会談後の会見でトランプは、「適切な時期に金委員長をホワイトハウスに招待するつもりだ」とも口にしている。ホワイトハウスになるか、別荘になるかはともかく、正恩との再会に前向きな姿勢を見せているのだ。実は、両首脳にとって、今年9月は特別な意味を持っているという。元韓国国防省北朝鮮情報分析官で拓大主任研究員の高永テツ氏がこう言う。
「11月には、米国の中間選挙があります。トランプ大統領はそれまでの間に、北朝鮮に『完全で検証可能かつ不可逆的な非核化』(CVID)への具体的な姿勢を示してもらいたいと考えているでしょう。北が保有しているとみられる核弾頭は約60発で、一説には、そのうち約20発を国外に搬出させるシナリオを描いているといいます。その時、非核化への一歩を示した見返りとして、9月か10月に金委員長を米国に招待する可能性があります。報道陣を前に金委員長と並んで、『核弾頭20発を廃棄した』と大々的にアピールすれば、トランプ大統領には格好の選挙運動になります」
 一方、北朝鮮にとっても、9月会談の実現が重要だという。
「9月9日は北朝鮮の建国記念日で、今年は70周年の節目です。米国との協議がうまくいって、経済支援を受けることになれば、核開発によって貧困に喘いでいた国民の反発を抑えられる。北朝鮮が歴史的に目標としてきた思想大国、軍事大国から一転して、経済大国を目指すというターニングポイントになるでしょう」(高永テツ氏)
 目に見える成果として、核弾頭の国外搬出だけでなく、再会談前に長距離大陸間弾道ミサイル(ICBM)を解体する可能性もあるという。米朝会談で非核化に向けた「密約」が交わされたとの見方もある。来週にも、ポンペオ国務長官とボルトン大統領補佐官が、北朝鮮の金英哲党副委員長と協議する予定だ。
 どこまで本気なのか、正恩は非核化に向けて迅速に取り組むとの認識を示したという。アッと驚くことが起きるかもしれない。


米軍機窓落下から半年…子供たちはヘリが飛ぶたび授業中断
 昨年12月、普天間第二小学校(沖縄県宜野湾市)の運動場に、米軍普天間基地所属の大型輸送ヘリCH53Eが重さ7・7キロの窓を落下させてから、13日で半年が経った。運動場の使用は再開されているが、子どもたちは毎日毎日、避難に追われて授業にならない状況が続いている。
 万一のことを考えて、小学校の上空を米軍機が飛ぶたびに避難しなければならないからだ。
 市教育委によると、事故で中止していた運動場使用を再開した2月13日から6月8日までの間の避難回数は何と527回。1日あたり5〜6回も避難していることになる。1日で23回も避難したこともあった。45分の授業時間で2〜3回避難することはザラ。プールの授業中でも水から上がり、ひさしの下に逃げるという。
「結果的に上空を飛ばなくても、こちらに向かって飛んでくると避難せざるを得ません。上空を常時、チェックしている監視員が子どもに声をかけて避難させています。いつまでも避難を続けるわけにもいかないので、沖縄防衛局とも協議を続けています」(市教育委・指導課)
 平穏な小学校生活は取り戻せないのか――。伊波洋一参院議員(沖縄県選出)が言う。
「2004年の沖縄国際大への米軍ヘリ墜落事故を受けて、07年に飛行ルートについての日米合意がされました。合意では、離陸も着陸も普天間二小からはかなり離れたルートになっています。米軍が合意を遵守すれば、本来、小学校での避難は必要ないはずです。例えば、着陸は小学校よりもっと前で旋回することになっているのに、直前の旋回が今でも続いています。安倍政権が、合意を守らない米軍に対して、しっかり守らせれば済むことなのです」
 どうして、安倍政権は米軍にルートを守らせないのか。


米軍F15飛行再開 撤去こそ有効な安全対策
 米軍の安全宣言は何度も聞いた。だが、事故は後を絶たない。墜落原因さえ解明されないままの飛行再開はあり得ない。強く抗議する。
 米空軍嘉手納基地所属のF15戦闘機が飛行訓練中に那覇市の南方約80キロの海上に墜落してから2日後、米軍は同型機の飛行訓練を再開した。
 県などは原因究明までの同型機の飛行中止、実効性ある再発防止策などの実施を沖縄防衛局を通して米軍に要求していた。防衛局は米軍にしっかりと伝えたのだろうか。伝えても無視されたならば、防衛局の存在意義を疑う。
 嘉手納基地を管理する第18航空団副司令官のリチャード・タナー大佐は「24時間でわれわれのF15全てを点検した結果、機体は安全に飛行再開できることを確信した」としている。
 信用できない。米空軍は、死傷者を出す重大事故が相次いでいることを受け、全ての航空機の飛行を1日停止し、安全点検を5月に実施したばかりある。点検したにもかかわらず、墜落事故は起きたのである。事故原因が分からないままでは、墜落の危険性は解消されない。
 事故原因は嘉手納基地の点検体制の不備、操縦士のミス、もしくはF15の欠陥などが考えられる。
 時間をかけて事故原因を徹底的に究明し、有効な再発防止策を講じない限り、県民の安全だけでなく、操縦士の安全も守れない。米軍はそのことを深く認識し、飛行訓練をやめるべきである。
 許せないのは日本政府の対応だ。防衛省は墜落事故が起きた際、原因が判明していないのに飛行停止を米側に求めなかった。それだけではない。飛行再開についても小野寺五典防衛相は「(米側が嘉手納基地に)今ある全機を確認した上で、飛行を再開したという判断だと思う」と述べた。まるで傍観者である。
 県民の安全が保障されていない中での飛行再開を問題視せず、米側の判断を追認する小野寺氏には、国民の安全を守る強い意志が一切ないと断じるしかない。
 墜落事故を重く受け止めず、事故原因が明らかになっていない中、飛行訓練を再開する米軍に異議を唱えず、追認することに終始する日本政府の責任は極めて重い。日本政府の主体性のなさが米軍機墜落事故の遠因にもなっていることを知るべきである。
 当事者意識のない日本政府の対応が米軍の訓練激化を招き、外来機の暫定配備を常態化させ、県民生活に重大な影響を与えている。
 F15は1979年に配備されて以降、今回を含めて県内で10件11機が墜落事故を起こしている。日本復帰後に県内で起きた米軍機の墜落事故は49件を数え、2割をF15が占め、機種別では最も多い。ここまできたら欠陥機だろう。
 最も有効な安全対策は、老朽化も進む危険なF15を全て撤去することである。


[米朝会談と沖縄]歴史の転換促す対策を
 4カ月で500回以上、多い日は1日20回も避難を繰り返す。あまりに異常である。
 米軍普天間飛行場に隣接する普天間第二小学校の運動場に、8キロ近い米軍ヘリの窓が落下してから13日で半年がたった。運動場の使用は2カ月後に再開されたが、児童は今も米軍機が近づくたびに、学校の方針に従い屋根のある場所へ避難する。
 飛行機が落ちてくるかもしれないと、授業や遊びが中断される小学校が一体日本のどこにあるのか。日常的な避難は憲法が保障する「教育を受ける権利」をも侵害する。
 再開された米軍F15戦闘機の飛行も、住民の安全への懸念を置き去りにするものだ。
 嘉手納基地所属のF15が本島近海に墜落してから2日しかたっていないにもかかわらず、米軍は13日、同型機の飛行を強行した。
 原因究明まで飛行停止を求める県の申し入れは無視され、再発防止策の説明さえない。米軍に追随するように「安全を確認した上での判断なのだろう」と話す防衛省。当事者能力を欠いた対応は子どもの使いのようだ。
 名護市辺野古の新基地建設を巡って12日、沖縄防衛局は海域の一部を埋め立てる土砂を8月17日から投入すると県へ通知した。
 透けるのは秋の知事選をにらんでの既成事実化だ。県が指摘する「留意事項違反」に丁寧に答えることなく、投入を急ぐのは政治的理由からだろう。
 国家の安全保障のために住民の暮らしが脅かされ続ける基地沖縄の状況は、公平・公正に明らかに反している。
■    ■
 史上初の米朝首脳会談で、トランプ米大統領と北朝鮮の金(キム)正恩(ジョンウン)朝鮮労働党委員長が約束したのは「新たな米朝関係の確立」だった。米朝の敵対関係を解消し、朝鮮半島の非核化促進を確認し合ったのである。
 非核化の具体的手順には触れていないが、共同声明で両国首脳が約束した共通の目標を確実に前へ進め、東アジアに唯一残る冷戦構造に終止符を打つべきである。
 トランプ氏は会談後の記者会見で、「将来、在韓米軍を縮小したり撤収させたりする可能性がある」とも語っている。
 今のところ不確定要素が多いものの、北朝鮮の脅威が大幅に緩和されれば、基地沖縄を取り巻く事情は大きく変わる。
 東アジアの変化のうねりを、沖縄の基地問題の解決に結び付けていく取り組みが必要だ。
■    ■
 県に求めたいのは、新基地建設に反対するだけの受け身の対応ではなく、大局観に立った基地対策である。
 今年2月、県議会は相次ぐ米軍ヘリ事故に抗議し、「普天間飛行場の即時運用停止」「在沖米海兵隊の国外・県外移転」を全会一致で決議した。
 名護市長に就任した渡具知武豊氏も「海兵隊の県外・国外移転」を公約に掲げての当選だった。
 与野党で一致するこれら要求をよりどころに、県民全体が納得できる基地対策を早急に打ち出すべきだ。


米朝会談でもトランプ任せの安倍首相に蓮池透が怒りの告白!「安倍首相は本気で北朝鮮と向き合う気がない」
 歴史的な米朝首脳会談が終わった。既報のとおり、安倍首相はこの間、「米朝会談は拉致問題解決の千載一遇の機会」と喧伝してきたが、蓋を開ければ米朝の合意文書では拉致問題は一言も触れられず、トランプ大統領も「提起した」と述べただけで、具体的な内容は一切明かされなかった。
 にもかかわらず、安倍首相は「拉致問題について明確に提起していただいたことについて、トランプ大統領に感謝したい」と尻尾を振りながら、「やり取りについては、今の段階では詳細について申し上げることはできません」と煙に巻いた。
 すでに拉致被害者の曽我ひとみさんがマスコミ向けのコメントで「とても残念としか言えません」と失望を表明しているが、拉致被害者の家族はいま、どのように感じているのか。
 米朝会談から一夜明けた13日、本サイトは元「北朝鮮による拉致被害者家族連絡会」(家族会)副代表・蓮池透氏にインタビューを行った。周知のように蓮池透氏は、2002年に帰国した拉致被害者の蓮池薫さんの兄であり、近年では、安倍首相らによる拉致問題の政治利用と圧力一辺倒を真っ向から批判している。
 米朝会談は蓮池氏の目にどう映ったのか。日本政府はどのようにして北朝鮮と向き合うべきか。安倍首相の言う「拉致問題の解決」は可能なのか。蓮池氏は「批判のための批判」ではなく、具体的方策を示しながら、現状の問題点を鋭く指摘した。ぜひ、最後まで読んでいただきたい。
(編集部)
……………………………………………………
●米朝会談の揚げ足取りばかりのNHKはじめマスコミはどうかしている
──まず、米朝会談について率直な感想を聞かせてください。
蓮池透氏(以下、蓮池) 米朝会談自体は評価していますよ。マスコミは揚げ足とりばかりしていますが、平和を望んでいないんですか、と言いたくなってしまう。だいたい、昨年まで戦争が勃発するとまで言われたんですよ。それなのにわずか1年足らずで、両国トップが握手をして、これから平和を目指そうという、そうした外交的にもダイナミックな合意のはずなのに、まったく評価しないなんてどうかしています。
 とくに驚いたのが、米朝会談の後、NHKで過去の核合意破綻の歴史をVTRで繰り返し流していたこと。結局、あなたがたは、また破綻させたいのか。いや、本当に破綻を望んでいるとしか思えない。合意についても「譲歩しすぎだ」とかのイチャモンばかりです。トランプ大統領を手放しで支持する気はないけれど、こと今回に関しては「これが始まりとなる」と言われている。だったら、一定の評価をしたうえで、これから合意の具体化に向けて関係各国、とくに日本はどのような役割を演じなければならないのか、例えば後押しをするとか、監視をするとか、を前向きに論じること、そういう誠実な態度をとるべきでしょう。
 むしろ、マスコミが批判すべきは、米朝首脳会談はそもそも拉致問題を議論する場ではなく、それを必死でごまかそうとしている安倍首相の態度です。
──たしかに、安倍首相が拉致問題の進展がなかったのをごまかしていたのはミエミエでしたね。
蓮池 前回の日米会談の時と同様、今回も安倍さんはトランプ大統領からの電話報告について「詳細について申し上げることができない」と言っていましたが、言うことがなかっただけでしょう。何もないから。
 それなのに、「拉致問題をトランプ大統領は提起してくれた」などと胸を張っている。
 だからなんなんでしょうか。ようするに「トランプ様、拉致問題を取り上げてくれてありがとう」と言っているだけ。いつまで他人事にしているのか、と呆れました。
 会談前からそうでしたよね。「トランプさんから『100%保証する』と言われた」なんて自慢して。
 トランプ氏も「自分でやれ」って思っているのではないですか。実際、トランプ氏は日米会談の時、拉致問題については「安倍総理のグレイト・パーソナル・インポータンス」と言っている。当然でしょう。その言葉の裏は「お前、自分のことは自分でやれ。俺に頼るなよ」ということですから。だいたい、日本が当事者なんだから、拉致問題をアメリカに頼むなんて筋違いだし、ありえない話で、大変恥ずかしいことです。そういう意味では、米朝会談は「安倍外交」の敗北なのだと思います。しかも、安倍さんや政府は、ただのアメリカ頼みなのに、家族や国民に過大な期待を与えている。ほんとうに罪作りだと思います。
──しかし、マスコミはそのことはほとんど追及しません。
蓮池 一昨日のトランプ氏の会見だって、日本のメディアは拉致問題についてほとんど質問していないでしょ、質問したのは上杉隆さんの「ニューズ・オプエド」ですよ。安倍首相が拉致問題で語ることがないから、質問しないという忖度でもしたのでしょうか。
 マスコミはアメリカ任せの安倍首相に対してもっと「日本のことは日本でやれ」と突っ込まければならないんです。トランプ氏任せの日本政府はおかしいと思わないのならば、もう、日本は独立国家じゃなくて従属国家ではないですか。でも、テレビも新聞もそれを指摘しない。NHKなんて「トランプ大統領が日本の拉致問題を取り上げた」などと嬉々としてニュース速報を打っていた。言及しただけで何もわからない。ましてや合意文書に一言も入っていなかったのに、ですよ。
 マスコミは結局、安倍首相の宣伝をしているだけ。ネットでも話題になっていましたが「会場をシンガポールにセッティングしたのは安倍総理」なんていう話を流したり、番組でもトランプ大統領の中継の最中に突然、安倍さんの会見へ切り替えたり。本当に露骨すぎます。
安倍首相は今頃「北朝鮮と向き合い」って臆面もなく言っているのか
──そういえば、マスコミはこの間、日本が米朝の橋渡しをしたなんていう報道も繰り返してきました。
蓮池 そんなこと言ってるのは、国内の御用メディアだけ。国際社会では逆ですよ。ただただトランプ氏にべったり、それが「安倍外交」と言われているもののすべてではないですか。上杉さんは「フェイク外交」と呼んでいましたが、その通りだと思います。
 しかも、安倍・トランプの関係は完全に安倍さんの「片思い」ですからね。片思いだから、結局、相手の都合がよいときにうまく利用されてしまう。会談の際の金委員長とトランプ大統領の握手を見ましたか。手厚い握手でしたけど、対等な感じがあった。それに比べて、トランプと安倍さんの握手って、なんなんですかね、あれ。まるで犬がご主人さまに「お手」をするような感じ。トランプ氏が手のひらを広げて、そこに安倍さんが「ポン」と手を置く。びっくりするぐらい情けない。まあ、握手はともかく、今回のことで、日本は完全にアメリカの従属国家だということが、あらためてわかりましたよね。
──トランプ大統領は「非核化費用は日本と韓国が払う」と言っていましたが、結局、その従属関係で、日本は金を払わされるだけになってしまうのではないかという懸念もされています。
蓮池 いや、お金を出すのはいい、と思います。ただし、別の名目でですが。つまり、私は北朝鮮に対する戦後賠償が拉致解決のために日本が切れる唯一の交渉カードだと主張してきました。しかし、それは日本が独自に北朝鮮と交渉する過程で切るべきカードであって、金正恩委員長の請求書をトランプ大統領が預かってきて安倍首相に渡すなんてことになったら、そのカードが使えなくなる。それがいちばん怖かった。今回、トランプ大統領からの請求書が非核化費用で、戦後賠償カードが残ったことは救いですが、こういうかたちでは、関係の改善には繋がらないでしょう。つまり北朝鮮が「お金を出したのは日本。だから日本を評価します」とはならない。あくまで金委員長が約束を交わしたのはアメリカのトランプ大統領とですから。
──この調子だと、今後、拉致問題が解決に向かうか不安ですね。安倍首相はようやく「日本が直接、しっかりと北朝鮮と向き合い、二国間で解決していかなければならない」などと言い始めましたが。
蓮池 「北朝鮮と向きあい」という言葉を聞いたときは、一瞬、進歩なのかな、圧力だけでなく少しは対話の必要性がわかったか、と思ったのですが、でも、すぐに思い直しました。たぶん、トランプ大統領に自分でやれ、と言われたからオウム返しに言っただけで、安倍さんは本気でそんなこと考えてない。圧力から対話へ路線転換した、と明言しない。
 だいたい今頃になって「北朝鮮と向き合い」って、臆面もなく言っているのか、という話でしょう。だったら、最初からなぜ向き合わないのか。小泉訪朝から16年も経って、ようやく北朝鮮と向き合うってどういうことですか、この態度の豹変は。だったら最初から向き合ってください、としか言いようがない。
 結局、安倍さんには、北朝鮮への圧力一辺倒でこの状況になり、そのツケがまわってきたという自覚がないんです。それで、トランプ氏が動いたから、ポチよろしく北朝鮮と向かいあう? あなたのバカの一つ覚えのような圧力が拉致被害者、そして家族の現在の惨状を招いているんですよ。その自覚がまるでない。その姿勢が変わらないかぎり、安倍首相が北と向き合って首脳会談をやったとしても、同じことの繰り返しですよ。
圧力一辺倒で北朝鮮との交渉カードをもっていない安倍政権
──たしかに、北朝鮮は基本的に「拉致問題は解決済み」という姿勢を崩していない。交渉はかなり難航しそうです。
蓮池 そもそも北朝鮮は拉致問題の再発防止を約束した2002年の平壌宣言に基づいて「解決済み」としているわけですね。一方、安倍首相はここにきて「平壌宣言に立ち戻る」というキーワードをしばしば持ち出していますが、それにのっとれば、日本政府は北朝鮮のいう「5人生存、8人死亡」を認定せざるをえない。安倍首相が「全員の即時帰国」を要求するのなら、これは矛盾です。
 だから重要なのは解決済みと言わせない情報をいかにもっているかなんです。インテリジェンスですよね。拉致被害者の誰がどこにいるのかという情報を独自に掴み、水面下で北朝鮮に突きつけて「これで解決済みと言えますか?」と迫る。それが外交というものでしょう。こうした情報を突きつける以外に、方法はない。それができないのなら、元の木阿弥です。
 ところが、日本はその突きつけるべき情報を全然もってない。特に安倍政権は圧力一辺倒で、そういう努力をまったくしてこなかった。
──ほんとうに日本政府は情報をもっていないんですか?
蓮池 弟は日本政府がインテリジェンスをもっているはずだと言いますが、わたしは経験上、そうは思えない。日本政府が誰から情報収集をしているかといえば脱北者、韓国国家情報院関係者、中朝国境の朝鮮族、その程度ですよ。そのような人たちから、情報が取れるわけがないじゃないですか。ガセネタつかまされるだけです。海外への多額の経済支援の一部を使えば、十分に可能だと思うのですが。それと、情報を取るためには、官僚が動くしかないのですが、その官僚が安倍政権下では機能していないですからね。財務省や経産省だけでなく、外務省も「忖度官僚」ばかりになってしまった。しかも、拉致問題については、「下手に動いたら、田中均さんの二の舞になる」という恐怖がある。
──たしかに、独自ルートを使って小泉訪朝を実現させた田中均・外務省アジア大洋州局長(当時)は、そのあと、当時の官房副長官で反北の急先鋒だった安倍氏の扇動によって「北朝鮮の手先」「国賊」という大バッシングを受けました。
蓮池 いまでは日本はもっと安倍支配が進んだから、それ以上のバッシングになるのが目に見えている。とにかく、安倍首相が圧力、圧力と言っているときに、忖度官僚が水面下で対話して情報を取るなんてやりっこない。そんな状態で時が経って、今頃になって、急に情報もってこいといわれて、取れるはずもないですしね。
──じゃあ、このまま、安倍首相が金正恩と首脳会談をやったとしても、日本が「全員返せ」、北朝鮮が「解決済み」と水掛け論で終わる可能性が高い、ということですか。
蓮池 というか、それ以前に、安倍首相が日朝首脳会談を本気でやる気があるかどうかも疑わしいですよね。金正恩氏に解決済みと言われて帰ってきたら、それこそ政権がもたない。いま6月でしょ、総裁選を控えて大胆なことはやらないのではないでしょうか。
 だいたい、安倍首相が本気で拉致被害者を取り戻そうとしていないのは、日本政府の準備体制をみてもわかりますよ。日本政府には、いまも被害者がもし帰国したらというシミュレーション、受け入れ態勢すらない。それでただ拉致被害者の帰国と言っている。弟が帰ってきたときと受け入れ体制は変わっていないんです。月額十何万円出すから自立しろって、その方針は変わっていない。そんなことで、帰ってきますか? 帰れますか? 
 もう一点は、拉致されて40年以上も経って、むこうでファミリーが構成されているわけですよね、子どもや孫もいるし。家族の誰かが北朝鮮の人と結婚していたりしたら、ファミリーのなかから、被害者だけをピックアップして、「あんただけ帰ってください」と言われて帰れますかね?
 そこまで考えてないんですよ。受け入れ態勢やバックアップの問題を、これを前回の被害者帰国からまったく学んでいない。「帰国したら一生面倒みます」くらいのことをしないと駄目だし、ファミリー全員連れ帰るのは無理でしょう。当事者が「わたしは家族と北朝鮮で曲がりなりにも暮らしているんで、生活が不安な日本には行きたくない」と言うかもしれない。子どもや孫の環境、語学、学校の問題だって発生する。そういう場合、どうするのですか? 国交があれば行ったりきたりできるけど、それがない。拉致問題を本当に解決しようと思えば、ピンポイントで被害者だけ帰ってこいというだけではなく、国交正常化や被害者とその家族が行き来できるような特別措置とか、よく考えておかなければならない問題なんですがね。
「外交の安倍」は嘘、「口だけ外交」「フェイク外交」の正体が明らかになった
──安倍首相はずっと「拉致被害者を全員取り戻す」と言ってきましたが、結局、ただのパフォーマンスにすぎなかったということですね。
蓮池 だから「外交の安倍」なんて大嘘なんです。安倍さんの外交というのは「かっこつけ外交」「口だけ外交」「フェイク外交」にすぎない。
 ロシアの(フィギュアスケート女子金メダリスト)ザギトワ選手に秋田犬を贈ったときの一件も呆れましたよ。あれは、ザギトワ選手が秋田犬を気に入ったことを知った民間団体がプレゼントしたものですが、安倍首相はわざわざロシアでの贈呈式に参加して、まるで「私があげたんだよ」って感じでしたよね。いや、それは違うでしょ(笑)。
 安倍さんはこういうふうになんの実体もないのに自分の手柄のように見せてきたわけですが、それが今回の米朝会談であらためて露わになった。
 いま、やらなければならないのは、そうした安倍首相の欺瞞を批判して、パフォーマンスでない、ほんとうに拉致問題の解決に向けた戦略、行動を後押しすることなんです。
 ところが、マスコミはそうした肝心なことを指摘しないで、2人の身長差ではハグは難しいとか、金委員長のシークレットブーツ疑惑だとか、そんなことを堂々と報道している。どうでもいいでしょ、そんなことは。とりわけ北朝鮮の話になると日本のマスコミは幼稚化するんですね。
 いや、幼稚だけならいいですが、安倍政権を忖度して、あいかわらず北朝鮮がいかにこれまで裏切りを続けてきて、信用できないか、金正恩氏がいかにとんでもないかだけをがなりたてている。わたしも金正恩氏の政治体制を支持するつもりはまったくないですが、それで、何か解決するんですか? しないですよ。
 結局、日本国中が、安倍首相とその忖度マスコミに煽られて、北朝鮮を普段の不平不満のはけ口にしているだけなんじゃないですか。安倍さんもマスコミもまあひどい。心の底からがっかりしました。
──かなり悲観的な状況であることはよくわかりましたが、それでも拉致問題を少しでも前に進めるためには、どうしたらいいんでしょう。
蓮池 安倍首相に辞めてもらって、もっとプラグマティックな外交戦略を持った総理大臣に就任してもらうのが一番早道でしょうが、それができないなら、現政権できちんと情報を入手する努力をしてもらって、国交正常化を同時並行して進めていくことを期待するしかない。安倍さんには、一縷の望みと最大限の皮肉を込めて、「“外交の安倍”というなら、その手腕をいまこそ発揮してください」と申し上げたいですね。(聞き手、構成・リテラ編集部)


対北朝鮮外交 日本の主体性問われる
 米朝首脳による完全非核化の合意を受け、政府は日本人拉致問題解決を目指し、安倍晋三首相と金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長による早期の首脳会談実現に動きだした。
 金氏は、拉致問題を提起したトランプ大統領に、会談実現を排除しない意向を示したという。
 朝鮮半島の緊張緩和は日朝対話の好機だ。拉致問題が置き去りにされることがあってはならない。
 ただトランプ氏から首相に伝えられた情報だけで、「拉致問題は解決済み」としてきた北朝鮮の姿勢が変化したと即断はできない。
 功を焦って首脳会談を行っても拉致被害者が帰国しなければ成功と言えない。金氏の真意を探り、周到な準備を重ねる必要がある。
 首相はきのう拉致被害者家族会と面談し「あとは北朝鮮と直接向き合い、解決していく決意だ。日本が主体的に責任を持って解決しなければならない」と述べた。
 だが、主体性が問われているのは首相自身ではないか。
 朝鮮半島の平和と安定に隣国として積極的に関与する中で、拉致問題を解決に導く―。本来は、日本にもそんな重層的な外交戦略があってしかるべきだった。
 しかし圧力一辺倒の日本は緊張緩和の流れに乗り遅れた。トランプ氏に追随するしかない首相は拉致問題の提起を委ね、自身も対話路線へと軌道修正した。
 これが、ここまでの経過だ。
 家族会側からは、解決への期待感の表明の一方、成果を見通せない会談に臨むことがないよう首相に念押しする発言もあった。十分に踏まえておきたい。
 金氏が日朝対話に前向きだとすれば、狙いは経済協力だろう。
 経済協力は拉致被害者の全員帰国に加え、非核化と弾道ミサイルの廃棄を確実に実行することが条件となる。その上で国交正常化交渉を進め協力の規模を協議する。
 日朝平壌宣言の趣旨に基づくこの原則は、譲ってはならない。
 日米韓の外相はきのう、非核化実現に向け引き続き緊密に連携することを確認した。だが、懸念されるのは米朝で認識のずれが早くも表面化していることだ。
 北朝鮮国営の朝鮮中央通信は「段階的非核化」で米朝が一致したと一方的に報じた。これは米国が掲げる「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」(CVID)を保証するものではない。
 米朝会談の成果を誇示する楽観的発言が目立つトランプ氏が安易に妥協しないよう、日韓は今後もくぎを刺していかねばならない。


拉致問題の解決 日朝首脳会談へ正念場だ
 この機を逃さず、日朝首脳会談の実現につなげ、拉致問題の解決を図ってほしい。
 政府は9月にロシア・ウラジオストクで開かれる経済会議や米ニューヨークの国連総会に北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長が出席する場合、安倍晋三首相との首脳会談実現を目指し、調整に入る方針を固めた。
 金氏は先の米朝首脳会談で安倍首相との会談に前向きな考えを示した。拉致問題解決への取り組みを促したトランプ氏に金氏から否定的対応はなかった。
 拉致問題を解決するための首脳会談を実現できるか。本格化させる北朝鮮との交渉が正念場だ。難しい局面だが、政府は全力を挙げてもらいたい。
 米朝首脳会談でトランプ氏は拉致問題が解決しない限り、日本は北朝鮮に経済支援を行わないとの安倍首相の立場を金氏に説明した。金氏は「首相と会う可能性がある。オープンだ」と述べたという。
 北朝鮮は拉致問題について「解決済み」との主張を繰り返してきた。今月初めにも日本が米に拉致問題提起を働き掛けていることを非難していた。
 こうした中、金氏の発言は大きな変化にほかならない。狙いは経済支援とみられるが、政府高官は北朝鮮が対日交渉を拒否することはないとみる。外務省の担当者は14日、モンゴルで北朝鮮の当局者と接触した。
 北朝鮮の真意は読み切れない。金氏に拉致問題解決の意思があるかどうか、慎重に見極める必要がある。
 とはいえ日本側は交渉の中で生存情報を突き付け、支援の条件を示すなど硬軟取り混ぜて説得してほしい。金氏に被害者の帰国を決断させるよう、粘り強い取り組みを求めたい。
 横田めぐみさんが1977年11月に新潟市で拉致されてから、40年が経過した。
 2002年10月には蓮池薫さん、祐木子さん、曽我ひとみさんら5人の被害者が帰国した。しかしそれから1人の被害者も帰って来ていない。15年以上、何の進展もないままだ。
 めぐみさん、曽我ミヨシさんら日本政府が認定した拉致被害者は12人を数える。さらに拉致の可能性を排除できない特定失踪者は400人を超える。
 被害者家族の高齢化は深刻だ。「一刻も早い帰国を」との訴えは切実だ。
 最重要の政治課題と安倍首相が位置付ける拉致問題に結果を出すことは、等しく国民の願いだといえよう。
 安倍首相は14日、家族会と面会し「日本の問題として北朝鮮と向き合い解決する。日朝首脳会談は拉致問題が前進しなければ意味がない」と述べた。
 家族会の飯塚繁雄代表は面会後「期待は膨らむが、焦らず的確な対応をお願いしたい」と話した。
 首相のトランプ氏への働き掛けは奏功し、膠着(こうちゃく)状態にあった日朝関係が久々に動き出す兆しが見えた。一歩踏み出し、これをどう問題解決に結び付けるか。首相の手腕が問われる。


日本人拉致問題 北の真意見極め打開図れ
 北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長が、先の米朝首脳会談で拉致問題を巡り「安倍晋三首相と会う可能性がある。オープンだ」と述べたという。政府は、日朝会談に前向きな考えを示したと受け止め、9月にロシア・ウラジオストクで開かれる東方経済フォーラムでの日朝首脳会談実現に向け、調整に入る方針を固めた。
 金氏の発言が事実なら大きな転機に違いない。だが、首相はトランプ大統領との電話会談のやりとりを「詳細は言えない」として明確にしていない。示したのは、金氏が拉致問題を「解決済み」とは言及しなかったということだけだ。解決には国民理解が欠かせない。米側の報告をきっちり説明するのが筋ではないか。
 北朝鮮の真意を見極めた上で9月といわず、あらゆるチャンネルを駆使するなど戦略を練り、膠着(こうちゃく)状態にある拉致問題の打開につなげるべきだ。
 トランプ氏は会見で拉致問題は「安倍首相の最重要事項であり、確かに取り上げた」としたが、北朝鮮が「問題に取り組むだろう」と述べただけで、どう議論されたかは示さなかった。
 北朝鮮メディアは米朝会談を報じる中で、拉致問題には触れなかった。米朝の共同声明では人権問題に関し、朝鮮戦争の戦没米兵の遺骨収集などが盛り込まれただけで、拉致問題は扱われなかった。米国以外は眼中にない北朝鮮らしい対応ともいえよう。
 北朝鮮は拉致問題を「解決済み」と主張してきた。米国追従、圧力一辺倒に傾いてきた日本に対して、不信感があることは否めない。首相は14日の拉致被害者家族会のメンバーとの面会で「日本の問題として北朝鮮と向き合い解決する」と述べた。日朝間の隔たり、確執をどう乗り越えていくか。金氏が「オープンだ」と述べたとされる、この機会を前向きに捉え交渉を前進させる以外にない。
 政府は、モンゴルで開催中の国際会議に外務省幹部を派遣し北朝鮮側と接触を図ったとされる。8月にシンガポールで開催される国際会議では、外相会談も模索するという。9月のフォーラムでの首脳会談実現につなげる努力を求めたい。
 非核化交渉を巡り、ポンペオ米国務長官は2021年1月のトランプ氏の1期目任期内にほぼ達成したいとの考えを明らかにした。そのためには米朝協議を加速化させるだろう。拉致交渉の足がかりとする手もあるのではないか。
 トランプ氏は北朝鮮の経済支援に関し「韓国と日本が大いに助けてくれる」と述べた。日朝には02年の平壌宣言というベースがある。過去の植民地支配で与えた損害や苦痛に「反省とおわび」を表明。その上で拉致や核・ミサイル問題などを包括的に解決、国交正常化後に経済協力を実施するとの内容だ。
 制裁と支援のバランスをどう図っていくか、難しさもあるが、北朝鮮も日本の支援を無視はできないはずだ。「自らの政権で完全に解決する」と強調してきた首相の覚悟が問われる。


[拉致問題] 機を逃さずしたたかに
 北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長が先の米朝首脳会談で、日本人拉致問題について「解決済み」と発言していなかったことが明らかになった。
 さらに「安倍晋三首相と会う可能性がある。オープンだ」と述べたことも分かった。いずれもトランプ米大統領から拉致問題を提起された際に言及した。
 これまでの北朝鮮の主張を撤回したのか見極めが必要だが、膠着(こうちゃく)状態にある拉致問題が動きだす好機とみていいだろう。日本政府は北朝鮮側と交渉を進め、解決への一歩となる日朝首脳会談を実現してほしい。
 当面、両首脳が会う可能性があるのは、9月にロシア極東ウラジオストクで開かれる東方経済フォーラムだ。ロシアは安倍首相と正恩氏を招待しており、日本政府は接触の機会を探ることになる。
 それまでに戦略を入念に練る必要がある。交渉の土台となるのは2002年9月、当時の小泉純一郎首相と金正日(キムジョンイル)総書記が署名した日朝平壌宣言だ。
 日本はこの中で植民地支配への「おわび」を表明、国交正常化後の経済協力に言及した。宣言に基づき、拉致・核・ミサイル問題を包括的に解決した上で、国交正常化を目指すのが、日本の一貫した方針である。トランプ氏は正恩氏に日本の立場を伝え、拉致問題への取り組みを促したとされる。
 一方、北朝鮮は14年のストックホルム合意で拉致問題再調査の特別委員会を設置したが、16年には特別委解体を発表、その後「解決済み」との主張を続けてきた。
 米朝首脳会談後、北朝鮮の朝鮮中央通信は拉致問題を一切報じていない。北朝鮮にとって拉致問題は重要度が低いのかもしれないが、この機を逃す手はない。
 双方の主張の隔たりは大きく、北朝鮮が手ごわい交渉相手であることは間違いない。だが、拉致被害者全員の帰国と真相解明は譲れない一線である。
 米朝関係が進展しつつある中、これまでの方針を見直す必要はないのか。国交正常化をまず優先し拉致問題解決につなげるべきだとの意見もある。北朝鮮を動かすには、したたかな戦略を立てて交渉に臨む必要がある。
 安倍首相はきのう、拉致被害者家族らと面会し「北朝鮮と向き合い解決する」と決意を述べた。被害者やその家族も高齢化し、残された時間は長くない。
 安倍首相は「自らの政権で完全に解決する」と強調してきた。朝鮮半島の平和と安定に積極的に関わり、拉致問題を解決に導く責任を果たすべきである。


「車いすの天才科学者」ホーキング博士の遺灰埋葬 ニュートン眠る英寺院に
 「車いすの天才科学者」として知られ、3月に76歳で死去した英科学者スティーブン・ホーキング博士の埋葬式が15日、ロンドンのウェストミンスター寺院で行われる。ニュートンやダーウィンら著名科学者らが眠る墓のそばに博士の遺灰を埋葬。
 式には抽選で選ばれた一般市民ら1000人以上が参列。病と闘いながら、ブラックホールなどに関する独創的な宇宙論を発表し続けた博士を追悼。
 英国会議事堂近くにあるウェストミンスター寺院は英国国教会の教会で世界遺産。多くの英国王や著名な政治家、作家らの墓があるほか、エリザベス女王の戴冠式も行われた。
 博士の葬儀は3月末、博士が長く在籍した英南部のケンブリッジ大の教会で行われ、友人や同僚ら約500人が参列した。


日大アメフト問題 法学部有志が要望書を提出「問題がうやむやになる」 田中理事長の説明責任などを要望した。
Takumi Harimaya 播磨谷拓巳 BuzzFeed News Reporter, Japan
日大アメフト部の悪質タックル問題で、日大法学部の学生有志が6月8日、大学に対し、早急な対応と学生への説明など5項目を求める要望書を提出していたことが、BuzzFeed Newsの取材で分かった。
5月6日にあった日本大学と関西学院大学のアメフト定期戦で日大の選手が関学の選手に悪質な反則行為をしたことが、社会問題に発展した。
これを受けて内田正人監督をはじめコーチ3人が辞任したが、いまだ日大当局の対応には疑問の声が上がっている。
「怠慢で危機感が欠けている」法学部有志が要望書提出
日大の対応を疑問視した学生有志が、田中英壽理事長、大塚吉兵衛学長に送った要望書は、以下のように始まっている。
「日本大学本部は一連の問題に対し、真摯に批判を受け止め、問題について真相解明を行い、説明責任を社会に対し果たすべきでした」
「しかし、現在の対応は風化することを望んでいると受け取られかねないような、非常に怠慢で危機感に欠けているものです」
学生が静観することは大学の問題ある態度を追認するに等しいと考え、要望書を出すことを決めたという。
「私たちは日本大学の一員である学生としての立場で、組織の中から改革を促していきたいと考えており、過激で暴力的な運動を行って大学と敵対することを目的にしているわけではありません」
「学生に課せられた役割と責任を放棄せずに日本大学本部に対し意見を伝えるために、私たちは要望書という形で意思表明を行うことにしました」
学生が要望した5事項
学生らが要望した項目は以下の5つ。
1.早急に対処を
「7月の第三者委員会の調査結果を待つという大学本部の態度は不適当で、大学全体の社会的信頼を損ねている。早急な対処を求める」
2.学生に説明を
「反則タックル問題への不誠実な初動対応と、記者会見や第三者委員会の設置が遅れた原因について、学生に説明することを求める」
3.田中理事長は公の場に
「社会に対する謝罪と説明責任を果たし、学内にも謝罪と説明を行うことは、最高責任者である田中英壽理事長の責務だ。速やかに公の場で、その義務を果たすことを求める」
4.学生や教職員の意見反映を
「今回の問題への対処と大学の将来に向け、学生と教職員の意見を集め、大学運営に反映される仕組みをつくることを求める」
5.あるべき姿に戻す改革を
「日本大学は、学問よりも経営を最優先にし、学問がないがしろにされている。大学のあるべき姿に戻すための改革に取り組むことを求める」
これらに対する回答を日大ホームページ上に、6月14日まで公開するように求めた。
「大学が問題をうやむやにする」
学生の一人は、要望書を出した経緯をBuzzFeed Newsにこう話す。
「大学に疑問を持ち出したのは、不誠実な記者会見を見たときからでした。そして、友人たちと『これはいけない』と考え始めました」
「そして日本大学の一員として、なにか行動をしなければと思ったのです。今回、要望書を出すに至ったのは、このまま学生がなにもしなければ大学が問題をうやむやにする恐れがあったからです」
日大当局の回答は
この要望書に対し、大学当局はホームページ上ではなく学生有志に直接、学生課長と課長補佐が回答を口頭で伝えてきたという。
以下がその内容だ。
1.早急に対応を
日本大学には就業規則があり、それを無視して直ちに対処するのは難しい。大学としては第三者委員会か警察の結論を待ち、それから就業規則に則って対処する。動きが小出しになっていることについて批判を受けていることは理解している。
2.学生に説明を
第三者委員会の設置が遅れたのは、身内ではない弁護士を探していたため。しっかり調査するには2カ月はかかる。時間稼ぎではない。
3.田中理事長は公の場に
教学のトップである学長は、保健体育審議会のトップでもある。大学のルールとしては、学長が出てくることは間違っていない。いずれ理事長が出て話すことになる。
4と5.将来に向けて改革を
大学としては学生のことを考え、問題解決に向け取り組んでいる。組織が大きいため改革は遅れるが、できることからやっている。
日大は今後の方針について随時、ホームページ上に掲載していくという。
一連の問題については、日大アメフト部選手たちが謝罪する旨の声明文を発表したり、日大教職員組合が内田正人前監督の全役職を解任を求める要求書を提出したりしている。
今回の問題で、日大の学生が大学側に要望書を出すのは初めて。


日本から「児童虐待」が絶対なくならない理由といま必要な10の対策 結愛ちゃんと家族が求めていたもの
井戸 まさえ
児童虐待はなぜ解決しないのか
東京都目黒区で虐待を受けたとされる船戸結愛(ゆあ)ちゃん(5)が3月に死亡した事件を受け、東京都の小池知事は6月8日、都内の児童相談所の体制強化を指示。
具体的には都内11ヵ所にある児童相談所の児童福祉司、児童心理司や一時保護所の職員の人数を増やし体制を強化すること、また、東京都が警視庁と共有する虐待情報の範囲を広げる方向で、連携を強化するとの方針を示した。
小池知事だけではなく、国民民主党の玉木雄一郎共同代表は以下の5点を【必要な対応策】として明示している。
1. 児童相談所の人的拡充と機能強化
2. 親権の制限をより容易に
3. 児童相談所と警察の全件情報共有
4. 里親や特別養子縁組の支援
5. 児童養護施設やファミリーホームなど、一時保護施設の拡充
読んで考え込む。これらは虐待事案が起る度に言われてきたことだからである。
問題は、なぜ今また同じことを言わなければならないか、政治の側の対応の遅滞にある。
一方で長年、子どもたちへの虐待や暴力が行き交う現場で活動している筆者としては、この内容では何年やっても虐待事案は止まないだろうとも思う。
つまり虐待現場は政治の想像を越えるもので、その認識の乖離こそ抜本的な解決策に至らない主因であるとも実感する。
公的機関をさける虐待親たち
まず、虐待家庭のほとんどは公的機関を「敵」だと思っているということを認識しなければならない。
実際に今回の船戸容疑者も「児童相談所がうるさかった」と香川県から東京とへの引っ越しの理由のひとつになったことを示唆している。
行政の目も手も入らない死角で、虐待は深刻化し、死に至る悲劇を生むのである。
ただし、当事者たちは最初から行政を敵視しているわけではない。むしろ助けを求めて市役所や区役所に何度も足を運び、窮状を訴えているケースが多い。
そこで彼らが経験するのは「たらい回し」である。
あちこちの窓口に行かされては何度も同じ話をさせられたあげく、上から目線の言葉を浴びせられ、望む支援は拒絶される。まるで「厄介者」扱い。
「人としての尊厳を傷つけられる」「二度と味わいたくない」屈辱の時間なのだ。
もちろん行政や福祉の現場で働く人々の多くは、相談者の状況を改善しようと努力しようとしていることも重々知っている。
しかし、それはあくまで法律や条例、過去の運用等に照らして一定の基準をクリアした、言わば「一次予選」を通過した人たち。最も助けを必要としている人々はその支援の網からも外れる(無戸籍者はその典型的な事例である)。
危機を目前とした人々でも「助けを求めること」は恥ずかしいことだという意識がある。
それでも勇気を出して役所に出向いたにも関わらず、冷笑され、結局は支援も受けられないとなったならば、その絶望は深い不信感になる。
彼らが二度と行政とは関わりたくないと思うのも無理はないのである。
そうした中で事態が深刻化するのだ。
父親が耐えられなかったこと
「ママ、もうパパとママにいわれなくても しっかりとじぶんからきょうよりか もっとあしたからは できるようにするから。もうおねがいゆるして ゆるしてください。おねがいします。ほんとうにもうおなじことはしません」
結愛ちゃんが残したメモは衝撃をもって受けとめられた。
「きょうよりか もっと あしたからは」……就学前の子どもが書いた内容としては切なすぎる。
しかし船戸容疑者夫妻はなぜこれほどまで執拗に結愛ちゃんに字を教え、勉強させようとしたのか。
児童虐待に詳しいルポライターの杉山春氏は以下のように指摘をしている。
「結愛ちゃんが書いた反省文を読むと、家族から強いコントロールを受けていたと感じます。社会的な力を失った親が、家族の中でも最も弱い者を標的にするという家族病理が現れたように思います。父親は、香川では虐待で通報され、書類送検されています。逮捕当時、無職でした。
そうした状況は、父親にとって、耐えられないほどのマイナス評価だったのではないかと想像します。この家族はそうした評価を下された場所から逃げ出したようにも見えます」(AERA.dot「結愛ちゃん虐待死「ひどい親」と批判しても事件は減らない 「評価」に追い詰められる親たち」)
連れ子がいる女性と再婚することは今ではそう珍しい話ではない。婚姻は人生を新たに出発するという意味ではリセットである。良き父、良き母としての評価は、子どもの振る舞いにかかっている。
これは船戸容疑者だけでなく、たとえばお受験に夢中になる親の中にも垣間見える場合がある。つまり世間の評価と自分の位置に著しい相違を見た場合、それを否定するために子どもを使う。注目すべきはそれが「学力」という点だったということだ。
それはこの夫婦がコミュニティから抜け出てしまうきっかけになったものなのかもしれない。だからこそ、年齢にそぐわない度を越した「しつけ」を行い、それができないと謝らせる。
「親」としての威厳が、彼にとっては最後に残ったプライドを唯一満たすものだったかのように。
欠損した「親」という役割を演じること
結愛ちゃんと船戸雄大容疑者との関係を考える時、昨年12月、拙著『無戸籍の日本人』の文庫化に伴う対談を収めるために行なった是枝裕和監督との対談内容が思い出される。文庫化の中には収められなかった『海街diary』に関してのやりとりである。
『海街diary』は脚本等全て手がける是枝作品には珍しく、吉田秋生の漫画を原作とした作品である。
綾瀬はるか、広瀬すず等、人気女優が登場する映画としても注目されたが、実は是枝監督はこの作品で「家族の欠損と、欠損した役割を補うよう変化して行く個人を描きたかったのだ」と言った。
「欠損した役割」とは何か。
『海街diary』の姉妹で言えば、父もいなくなり、母も家を出た後、長女が母の役割を担い、一家の仕切り役となる。また末っ子として甘えて来た三女は、父の再々婚相手との間に生まれた四女が同居することで「姉」を演じるようになる。
四女は異母妹である。通常の物語であれば「シンデレラ」のように確執が起るはずだが、『海街diary』の登場人物はそれぞれの「役割」を当たり前に受け入れて行く。
そこに衝突や葛藤がない。是枝監督はそれを「豊かだと感じた」と言う。
結愛ちゃんの養育環境について欠損した「父」という役割を船戸雄大容疑者は補おうとしたのであろうか。
母である船戸優里容疑者はそれまでのつらい記憶を封印して、欠損を埋めた新しい「家族」として再生して行くことを願ったのかもしれない。
「母」として空白となっている結愛ちゃんの「父」、家族の欠損を埋めることがまるで役割のように。
その気持ちは、子連れ再婚の経験者として想像に難くない。
しかし、期待された役割を自分の思い描いたようには果たすことができないと知ったとき、どうしたらよいのであろうか。
是枝監督は、自身の体験として、父が死に、自分に子どもができ「父」のポジション、役割を自分が担うことでしか、家族の中での自分の立ち位置が、役割が先へ進まなくなったとも吐露している。
自分の中に全く父性なんてないと思っていたが、子どもが生まれたらそんなこと言ってる場合じゃなくなり、父性があるなしの問題ではなく「そう振る舞わないといけなくなる」。別に自分の中の父性を探さなくても、子に手を引っ張られれば出てくるものだと。
それは「血縁」があるから、あると信じているから、なのだろうか。
血がつながらない子どもと自他ともに自覚し、それでも「父」として育てる葛藤。手を引っ張られても出てこなかったならば「父」としての振る舞いを単純化し先鋭化させて表さねばならない。それが暴力、虐待として暴走したとしても。
妻であり、母である船戸優里被告も、彼の葛藤に寄り添ったとは言えないだろう。前述の杉山氏の指摘通り、「父」として否定されることへの反証は小さな子どもを傷つけ、謝罪や懇願を得ることで得られないものだったのかと思うと胸が痛む。
家族と社会との接点は「仕事・職場」
結愛ちゃんとこの家族を救うために何ができたのであろうか。
あらためて考える。
政治の現場で出る施策に欠けているのは「雇用」という視点である。
報道でもある通り、船戸雄大容疑者は以前は仕事ぶりも認められ、退職時には慰留される人材でもあった。しかし、事件前後は失業中であった。
是枝監督の最新作『万引き家族』でも描かれたように、行政ともつながりたがらない複雑で深刻な問題を抱えた家族と社会との接点は「仕事」であり「職場」である。
必然的にそれぞれが抱えた「事情」は見え隠れすると同時に、何より経済的な自立は親自身の自己肯定にもつながる。
小さな子どもを抱えた家族が暮らしていくに十分な収入を仕事から得ていくことはとても大事であると思うし、ある程度の将来見通しが得られるか否かで、子育てに向き合う上での精神的な余裕は全く違う。
雇用のマッチングは難しい。しかし、児童手当や就学費援助といった子育て支援策に留まるのではなく、雇用の観点からも子育て中の失業家庭等についてのインセンティブを持たせる他の雇用施策は打てないものだろうか。
船戸雄大容疑者が香川県からの引っ越し先に東京都を選んだのは、東京で大学生活を送っていて土地勘もあったという報道がなされていた。
東京に行けばなんとかなると思っていたかもしれない。しかし、自分の不遇は改善されず、職もなく、明日が見えない暮らしを続けることは、理不尽だと思っていたに違いない。
5点の追加対応策
こうしたことを踏まえながら、私は玉木国民民主党共同代表の5点に加えてさらに5点を提案したい。
6. 役所の窓口の対応に対して対抗できる知見を持った民間団体との連携
7. 子どもを持つ家庭の失業対策
8. 地方自治体が独自で施策を行なうことを国や都道府県が妨げないこと
実は、地方自治体が独自判断で相談者を救おうと思っても、国や都道府県に確認を取った段階で「NO」となるケースがあるのだ。
例えば現在筆者が関わる荒川区に在住する7月で50歳になる無戸籍者のケースはその典型でもある。先般NHKの「おはよう日本」でその姿が放映されたので見た方もいるであろう。
両親が出生届を出さないまま死亡し、49歳に至るまで無戸籍のまま、建設現場等で働きながら生き延びてきた男性に対して、当初相談に行った足立区では区内に空きがなく荒川区の施設を紹介し、男性はそこに住むこととなった。
しかし、荒川区は住民であることを認識しているにもかかわらず男性を住民登録しない。マイナンバーカードが導入され、番号の提示がなければアルバイトさえ難しい現状を踏まえ、住民登録を望む当事者に対して、総務省の回答や東京都が示す問答集にはそうした手続きを可としていないというのが理由である。
総務省に聞けば、区は独自判断して住民登録をしてもなんら違法ではない、と言う。しかし荒川区はそれが明文化されて示されない限り、独自で判断はできないと言う。
総務省は明文化するまでもなく、地方分権一括法が成立以来「通知」は単なる指導的意味があるだけで、あくまで判断は自治体。そもそも法律にそう明記してあると言い張る。
だが、現実には国の通知や、東京都が定めた施行マニュアルを飛び越えて、福祉現場の担い手である地方自治体が動くことはなかなか難しい。
現場の人がいくら手助けをしたくとも、管理職が揃った会議では「前例がない」と言ったことで、支援は見送られるのだ。
そして死亡事故が起ってはじめてこうしたことも可視化される。
逆に、事前に、未然に最悪の事態が回避されていれば、死者が出ていなければ「大したことはない」と問題は見て見ぬ振りをされ、解決策も示されない。
つまりは解決したかったら、「死ね」ということとも取れる。
9. 「個別ケース」こそ大事。この困窮者ひとりをいかに助けられるかを考える
役所は「原則」と「例外」を持ち出し、この人だけの「個別ケース」で対応はできないと言う。しかし、実は「個別ケース」は問題の典型であり、それを解決できれば多くの人が救われることは多い。
10. 「家族」の再生のための周辺縁者をつくる
行政の目から「今日生きるため」に逃れようとする家族。
彼らには「役職」で接する以外の、ある意味濃厚な人間関係を築ける「家族」的存在が必要だったりす。
支援をしていてつくづく感じることだが、相談者と「遠い親戚」的な関係を築けたら、その支援は成功である。つまりは「本当に困った時に至る一歩手前で相談できる」という関係だ。
「家族」の再生は夫婦や親子といった成員だけで可能となるわけではないことを見て来た。ちょっとした距離を持った周辺縁者がいることがポイントでもある。
逆に言えばその周辺縁者がいないと、家族の再生はまず成功しない。
縁者は血縁には閉じていない。ある意味誰でもやろうと思えば関われるとも言える。
つまりはそれこそ「社会」。
結愛ちゃんと家族が求めていたものかもしれない。


河北抄
 病気や災害で親を亡くした遺児を支援する「あしなが育英会」(東京)から1冊の作文集が届いた。タイトルは『父の日にお父さんはいない』。
 同会が東京などで運営する心のケア施設「レインボーハウス」に通う遺児たちが書いた作文だという。「父の日」や「母の日」の体験談、亡き親への思いなど17編を寄せている。
 父親を病気で失った小学5年の男子は父の日にしたいことがある。「お父さんのことを忘れないように思い出して泣きたいです。(中略)そのありがたみを忘れたくないからです」
 5歳で父親を亡くした中学1年の女子は父の日、手紙を書いて仏壇に供えるのが「大事な大事な行事」だ。誰にも言えない悩み、友達や部活、家族のことなどをたくさん書く。「お父さんが見られなかった私の成長を、知ってほしい」
 17日は父の日。作文集からは、この日を複雑な気持ちで過ごす子どもの姿も伝わってくる。希望者には無料で配布する。連絡先はあしながレインボーハウス042(594)2418。

都城島津邸/霧島ファクトリーガーデン/あじさい公園/道の駅 すえよし/カレー

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Han04

Japon: Tepco envisage de démanteler aussi la 2e centrale nucléaire de Fukushima
La compagnie japonaise d'électricité Tokyo Electric Power (Tepco) étudie "concrètement" le démantèlement de la deuxième centrale atomique de la préfecture de Fukushima, moins connue que la première mais elle aussi touchée par le tsunami de mars 2011.
Tepco n'avait jusqu'à présent rien décidé pour Fukushima Daini (numéro 2), site qui compte 4 réacteurs, même si, pour la plupart des experts, il n'est pas envisageable de relancer ces installations pour des raisons psychologiques et techniques.
Le démantèlement des installations est un travail de titan qui prendra des décennies
La possibilité du démantèlement "a été évoquée ce matin par le PDG de notre entreprise lors d'une rencontre avec le gouverneur de Fukushima", a expliqué à l'AFP un porte-parole de Tepco.
"Nous allons étudier concrètement le démantèlement de tous les réacteurs", a déclaré le président Tomoaki Kobayakawa, selon le service de presse de Tepco.
La totalité des dix réacteurs de la préfecture disparaîtrait
Si était décidé le démantèlement de Fukushima Daini, la totalité des dix réacteurs de la préfecture disparaîtrait, Fukushima Daiichi en comptant six.
Après le violent séisme du 11 mars 2011, au large de la côte nord-est du Japon, un gigantesque raz-de-marée a détruit le rivage et ravagé la centrale Fukushima Daiichi, provoquant l'accident atomique le plus grave depuis celui de Tchernbobyl en URSS en 1986.
L'eau a aussi envahi la deuxième centrale, Fukushima Daini, mais, contrairement à ceux de Fukushima Daiichi, les systèmes de refroidissement de Daini n'ont pas été saccagés et le drame y a été évité.
Dans les deux cas, le démantèlement des installations est un travail de titan qui prendra des décennies et engloutira des sommes considérables, la plus dure tache étant l'extraction du combustible fondu de trois des six réacteurs de Fukushima Daiichi.
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異邦人 @Beriozka1917
経団連が国立大学の数に文句を付けているようだが、そもそも専門知識を学ぶ学生の時間を就職活動で潰し、産学連携などで大学を産業の下部構造に作りかえようとしているような、大学教育の破壊者は黙っていて頂きたい。政治を介して教育の質を下げ、知的向上の機会を阻害しているのは他ならぬ財界。
RICO(田中 紀子) @kura_sara
そうかー!アルコールでは、
「アルコール関連問題による社会的損失の推計」が出されてるんだな。
これがギャンブルでも欲しい。いやギャンブルでもきちんと出すべき。
論文によるとアルコールの社会的損失は毎年3.5兆円にものぼっていて、酒税より上まわっているらしい。
ギャンブルではどうか…

増田聡 @smasuda
「国立大の数を適正に」経団連が提言 https://www.sankei.com/economy/news/180613/ecn1806130036-n1.html … 国立大学協会も「大企業への法人税率の適正な向上を」と提言するべき
「国立大学協会はそのような提言をする立場ではない」と言われたら「お前もな」と返答する

Norichika Horie @NorichikaHorie
「国立大の数を適正に」経団連が提言 https://www.sankei.com/economy/news/180613/ecn1806130036-n1.html
私大が潰れないように国立を潰せということ。国民目線ではない。私大経営者の利害を代弁しているだけ。学生の経済的状況も、地方の長期的な経済の下支えも考えていない。「公」の視点が欠落している。

石川康宏 @walumono0328
財界による大学支配の動きが本格化。自滅への道になぜ気がつかない? あとはのとなれ山となれ・・。↓
「経済同友会も今月、経営上の問題を抱える私大の再生・再編を促す第三者機関「私立大学再生機構」(仮称)の設立を文部科学省などに求める提言を発表している」。

内田樹 @levinassien
サンデー毎日の原稿4500字をまず書き上げました。お題は「大学教育」。科学技術の論文生産力が急激に落ちていることを科学技術白書が認めました(遅いよ)。その原因については白書にはまともな言及がありません。
相変わらず「外部資金拡大による財源の多様化・人事マネジメントシステムの改革・人材の流動性・多様性の促進など戦略的な経営力の強化。国際頭脳循環への参画」などというどこかのコンサルが鼻歌まじり書いたようなことが「大学や研究機関の責務」として書かれています。ほんとうに頭悪いです。
論文生産力の低下の理由は端的に過去四半世紀の教育行政の失敗です。海外メディアははっきりそう伝えています。「いや、成功している」というのならデータを挙げて反論して欲しい。「政策は正しかったが大学教員が抗命して理想的な政策が実現できなかった」というノモンハン語法をまだ続けるのか。
せっかく朝のおつとめで「今日一日怒らず恐れず悲しまず」と誓言をしたのに、論文生産力のことについて書き始めて、英語入試の民間試験導入に際しての文科省の対応のすさまじさに談及ぶやさすがに忍耐の限度を超えてしまいました。ぶち。

Nobuyo Yagi 八木啓代 @nobuyoyagi
八木啓代のひとりごと:検審申立という第2幕が始まりました http://nobuyoyagi.blog16.fc2.com/blog-entry-777.html

ホテルでのんびり.チェックアウト12時までOKですが,10時くらいに出ました.6170円なので安い.しかも桃のスイーツやビールなどもあったので結構お得かも.
まず観光案内所が市役所内と思っていたら駅の中なのでした.駅に行って都城六月灯 おかげ祭りの提灯の場所を教えてもらいました.7月8日なので来ることはないのですが・・・
その後都城島津邸でガイドの人に案内してもらいました.説明がとても分かりやすかったです.
いい時間なので霧島ファクトリーガーデンでランチ.裂罅(れっか)水という特別なお水があるみたいです.わたしは霧島黒麹ランチでツレは冷や汁を頼みました.カレイのフリットと夏野菜の冷製パスタがおいしかったです.パスタというよりそうめんみたいでしたが.
あじさい公園までは遠いですが,車でも結構かかりました.さらに階段を上るのでクタクタ.でもアジサイきれい.
時間ギリギリだけど歴史資料館も見ました.
帰りに曽於の道の駅 すえよしに寄りました.
高速で1時間半くらいかかって帰ってシャワー浴びてカレー.おいしかったですよ.

<岩手・宮城内陸地震10年>「会いたい」亡き人思う 被災地の宮城・栗原で遺族ら黙とう
 死者17人、行方不明者6人を出した2008年の岩手・宮城内陸地震は14日、発生から10年を迎えた。被災地の宮城県栗原市では発生時刻の午前8時43分、遺族や市民が追悼のサイレンに合わせて各地で黙とうした。
 土石流にのまれ、7人が犠牲になった同市栗駒耕英の「駒の湯温泉」の慰霊碑には、遺族や地区住民ら約30人が集まって祈りをささげた。
 温泉従業員だった母高橋恵子さん=当時(55)=を亡くした会社員菅原恵美さん(41)は「すごく優しい母で姉妹のような関係だった。また会いたい。10年たってもこの気持ちは変わらない」と涙ぐんだ。
 同市花山の慰霊碑には遺族と地域住民、市関係者ら約20人が訪れ、献花台に花を手向けた。妹の森洋子さん=当時(58)=を亡くした仙台市青葉区の室伏節子さん(71)は「彼女を思うとつらくなるので、花山地区にはほとんど足を運べずにいた。今も胸が苦しい。妹ともっと一緒にいたかった」と目頭を押さえた。
 栗駒耕英地区と花山地区には千葉健司市長と千葉章副市長がそれぞれ訪れ、慰霊碑に献花した。この日午前11時からは同市築館の栗原文化会館で市主催の追悼式もあり、約300人が参列した。


<岩手・宮城内陸地震10年>傷痕残る山 生きる人々の歩みは続く
 死者17人、行方不明者6人を出した岩手・宮城内陸地震は14日、発生から10年となった。栗駒山麓周辺の被災集落では過疎と高齢化が進む一方、休止していた温泉宿が再開の準備を始めるなど光も差し込む。地域再興に向け、山に生きる人々の歩みは続く。
 内陸地震は2008年6月14日午前8時43分、岩手県内陸南部を震源に発生。マグニチュード7.2、栗原、奥州両市で最大震度6強を観測した。死者は宮城県14人、岩手県2人、福島県1人。行方不明者は宮城県4人、秋田県2人。
 国内最大級の地滑りが起きた荒砥沢崩落地(宮城県栗原市栗駒)は10年の歳月を経てもなお、のこぎりで山を切り落としたような荒々しい岩肌をさらす。栗原市は被災後、大規模崩落地を核とした防災教育や観光振興に力を入れてきた。土砂崩れなど山地災害が全国で頻発する中、内陸地震の爪痕は備えの在り方を再考するための貴重な財産でもある。
 市は14日、内陸地震発生時刻に防災行政無線でサイレンを鳴らし、市民に黙とうを呼び掛ける。市栗原文化会館で追悼式を行い、犠牲者の冥福を祈る。


復興支援の派遣職員319人、功績永遠に 宮城・東松島市が20年度にプレート設置へ
 宮城県東松島市は、東日本大震災の復興支援で全国から派遣された職員319人の名前を載せた張り紙を、同市野蒜の市震災復興伝承館に掲示した。復興事業が完結する2020年度をめどにプレートを作製し、感謝の気持ちを恒久的に残す。
 張り紙は縦1.45メートル、横84センチで、「感謝! 復興にご協力頂いた方々」と題して5月中旬に掲示。友好都市が縁で職員の派遣を継続している東京都大田区や埼玉県東松山市など73の自治体や公社の名称と職員名、派遣時期を記載した。
 市によると6月1日現在、地方自治法に基づき派遣された職員は全国71自治体の317人で、他の応援の枠組みで復興に貢献した2人の名前も加えた。派遣職員の人数が確定した後、正式な顕彰プレートを作製する予定。
 渥美巌市長は「派遣職員の功績を記録にとどめる観点から顕彰する必要がある。いつまでも感謝の心を忘れないようにプレートにして掲示したい」と話す。


<JR松島海岸駅>改修でバリアフリー化 上下ホームにエレベーター設置へ
 宮城県松島町のJR仙石線松島海岸駅のバリアフリー化など改修工事を巡り、桜井公一町長は13日、上りと下りの各ホームにエレベーターが設置される見通しを示した。町議会6月定例会の一般質問に答えた。
 町によると、JR東日本が本年度、実施設計を行い、来年度着工する。完成までおおむね3カ年を見込んでいるという。事業費は概算で約18億円で、町と県が6分の1ずつ、JR東と国が3分の1ずつ負担する。
 桜井町長は「2020年東京五輪までに、エレベーターが使えるようになっているのが町の望み」と述べ、早期設置を要望していく考えを強調した。
 定例会はほかに、4461万円を追加する18年度一般会計補正予算など8議案を原案通り可決、内海俊行教育長の再任など人事案3件に同意、専決処分3件を承認し、閉会した。


東電 福島の全原発廃炉へ 第2の4基も再稼働断念
 東京電力ホールディングス(HD)は14日、福島第2原発(福島県楢葉町、富岡町)1〜4号機を廃炉にする方針を表明した。2011年3月の福島第1原発事故後、第2原発もすべて運転を停止している。既に全6基の廃炉が決まった第1原発に続き全4基が廃炉となれば、地元自治体が求めてきた県内の全原発廃炉が実現する。
 東電HDの小早川智明社長が同日、福島県庁で内堀雅雄知事と面会し「福島第2原発を全号機、廃炉の方向で検討に入りたい」と述べた。東電が廃炉方針を明言したのは初めて。第1原発の廃炉作業の進捗(しんちょく)や風評対策への取り組みについて東電側が説明した後、内堀知事が「県民の強い思いだ」として、改めて県内の全原発の廃炉を求めたことに応じた。
 内堀知事は面会後に記者会見し、「東日本大震災と第1原発事故以降、多くの県民が県内の原発全基を廃炉にしてほしいと訴えてきた。今日、明確な意思表示をされたことを重く受け止めている。重要なスタートだ」と評価。
 その上で「今後、どういうスケジュールがあるのか東電や国に確認しながら、まず正式な判断を求めたい」と注文した。
 これを受け、世耕弘成経済産業相は14日、国会内で記者団に「経営トップの責任において地元の声や福島の現状を自ら受け止めて判断し、方向性を示したことは高く評価したい」と述べた。15日、小早川社長を呼び、廃炉方針を決めた経緯について説明を聞く。
 第2原発は1982年に1号機が営業運転を開始。87年から全4基体制で稼働してきたが、東日本大震災に伴う津波による被害を受け、全4基が運転を停止した。第1原発のような炉心溶融事故は免れたものの、一時、冷却機能を失うなど損傷が最も大きい1号機については既に廃炉にする方針を固めていた。比較的被害の少ない2〜4号機は、原子力規制委員会の審査に合格すれば再稼働する可能性が残っていたが、地元の根強い反対を受け、断念する方向となった。
 第1原発の廃炉費用は21. 5兆円に上る見込みだが、16年に基金を設立して費用を積み立てるなどの枠組みが決定した。【和田憲二、柿沼秀行】


河北抄
 昨年の今頃は、北朝鮮がミサイルを日本海に向け頻繁に打ち込んでいた。東北各地で着弾を想定した避難訓練が行われ、降りかかる危険を実感した。
 全国瞬時警報システム(Jアラート)が宮城県でも発報された時、埼玉で小学校長をしている知人から電話が来た。「学校はどんな対応か。訓練は必要?」と見舞いを兼ねて、真剣な情報収集。「災害以上に厄介なリスクだ」と、穏やかな空を見上げてそう答えるしかなかった。
 よもや北朝鮮の最高権力者が米国の大統領とにこやかに握手し、非核化の約束をすることになろうとは。
 ただ、北朝鮮は日本に届く中短距離ミサイルの廃棄を明言していない。保有し続ければ脅威は依然として残る。自国の平和と安定を求めるのなら、海を隔てた隣国の安全も保証してもらいたい。
 きょう、岩手・宮城内陸地震から10年を迎えた。宮城県沖地震から40年の12日には、各地で住民参加の訓練があった。鎮魂と防災。目的ははっきりしている。
 国際政治のとばっちりで強いられる避難訓練など金輪際ない方がいい。


米朝首脳会談 完全非核化へ協議継続を
 70年近く敵対的関係にあった米国と北朝鮮の両首脳が握手し、笑みを浮かべた。
 史上初の米朝首脳会談がシンガポールで行われ、「緊張と敵対関係の克服」をうたう共同声明が出された。
 共同声明で北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は「朝鮮半島の完全非核化」を約束し、トランプ米大統領は「北朝鮮の安全を確約」して、事実上の体制保証をした。
 だが、共同声明には、米国が求めてきた「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化(CVID)」との表現は盛り込まれなかった。
 トランプ氏は「包括的」な合意だと主張する。しかし、非核化措置をいつ、どのように実践するのかという具体策も先送りされた。非核化に至る段階的な手順も明示していない。
 トランプ氏は、会談後の記者会見で「技術的にも(非核化は)時間がかかる」「詳細を詰める時間がなかった」と釈明した。
 トランプ氏が言うように今回の会談は「プロセスの始まり」にすぎないのだろう。
 今回の会談に続き、ワシントン、平壌(ピョンヤン)で首脳会談をする展開もあり得る。さらに実務協議も重ねられるだろう。
 こうした首脳会談や実務協議を通じ、非核化の具体的な詰めを行う必要がある。
 北朝鮮が米国と首脳レベルで非核化を約束した事実は重い。北朝鮮は、完全な非核化を実行する本気度を明確に示すべきだ。
 トランプ氏は記者会見で、米朝両国が1950年から3年間にわたって戦火を交えた後、休戦状態にある朝鮮戦争について、間もなく終結することを期待していると述べた。
 さらに米韓合同軍事演習を中止する意向を表明し、在韓米軍を将来的に縮小したり撤収したりする可能性にも言及した。
 昨年は、北朝鮮の核・ミサイルと米国による武力攻撃の恐れで緊張が高まっていた。  
 今回の会談は、米朝接近という新局面を象徴し、朝鮮半島に残る冷戦構造の終焉(しゅうえん)につながり、日本を含む東アジアの秩序を転換させる可能性がある。
 トランプ氏は会見で、日本人拉致問題について会談で直接提起したことを明らかにした。共同声明には盛り込まれなかったが、「(北朝鮮が今後)問題に取り組むだろう」と述べた。 
 日本は今回の会談を突破口に、日朝関係を立て直し、主体的な対北朝鮮外交で拉致問題の解決を図っていくべきだ。


転機生かし戦略的外交を/日本人拉致問題
 朝鮮半島の非核化に関する米国と北朝鮮の共同声明は具体性を欠き、今後に課題と懸念を残すものだ。ただ北朝鮮の体制保証を約束した米大統領が、日本人拉致問題を北朝鮮側に提起したことは、一つの転機と捉えるべきだろう。この機会を生かし、膠着(こうちゃく)している拉致問題の打開につなげる戦略的な外交を求めたい。
 安倍晋三首相は米朝会談後、「トランプ大統領の支援を得て、日本が直接北朝鮮と向き合い解決する決意だ」と述べた。拉致は日本の主権に関わる問題であり、米国頼みではなく日本が主体的に解決すべき課題だ。
 政府は事務レベルの接触を重ね、首脳会談につなげていく道筋を模索する。だが最終的な決断は安倍首相と金正恩朝鮮労働党委員長のトップ会談に委ねられるだろう。拉致被害者もその家族も高齢化しており、猶予はない。
 トランプ大統領と金委員長の会談で拉致問題がどう議論されたのかは不明確だ。大統領は会談後の記者会見で拉致問題は「安倍首相の最重要事項であり、確かに取り上げた」としたが、北朝鮮が「問題に取り組むだろう」と述べただけだ。大統領から電話で報告を受けた首相の周辺によると、金委員長は拉致問題が「解決済み」とは言及しなかったという。だが、それ以上のやりとりを政府は明らかにしていない。しかし拉致解決には国民の理解が不可欠だ。政府は米側からの報告をきちんと説明すべきだろう。
 日朝協議のベースとなるのはやはり2002年の日朝平壌宣言だ。宣言は、日本が過去の植民地支配で多大の損害と苦痛を与えたことに「痛切な反省とおわびの気持ち」を表明。その上で「日本国民の生命と安全に関わる懸案問題」との表現で拉致を取り上げ、核・ミサイル問題との包括的な解決の上に、国交正常化後の北朝鮮への経済協力の実施を表明している。
 その後、安倍政権と金正恩体制下で結ばれた14年のストックホルム合意では拉致被害者の再調査を約束したが、交渉は頓挫した。
 双方の主張の隔たりは大きい。日本側が拉致被害者全員の帰国と真相究明、拉致実行犯の引き渡しを求めているのに対し、北朝鮮側はこれまで「解決済み」と主張してきた。その隔たりを乗り越える交渉は「自らの政権で完全に解決する」と強調してきた安倍首相に重い責任がある。


日韓負担!?非核化費用は天文学的金額か
 ★米朝首脳会談は1度で物事がすべて進むほど、朝鮮半島政治の複雑さと朝鮮戦争の傷痕は容易に“解決”するほど簡単ではないことを世界に思い知らせた。米国の情報によれば北朝鮮は12〜60個の核兵器や、300〜400カ所の核関連施設を持つといわれる。その現実の前に今回のあいまいな合意には政治的セレモニーの色彩が強いだけでなく、米朝会談の実施ありきで今後も交渉は続くことを示唆した。 ★非核化実現の工程は合意声明にも盛り込まれず、ただただ米トランプ大統領は非核化の費用を日韓両政府に負担させる考えを強調した。早速国内では議論沸騰だ。非核化の費用はその方法によっては天文学的金額になり期間も作業開始から7、8年はかかるだろう。首相・安倍晋三は積極的平和主義をうたうが極東の平和を得るための負担は我が国の防衛費と同等の意味合いを持つはずだが、トランプに言われるとなんでも言うことを聞くのでこの法外な命令をどうさばくか注目だ。 ★北朝鮮が暴走し核の脅威がもたらす安全保障のための国防費増額について、国民は容認してきたし政府も国難とあおってきた。では核廃棄のための予算が組まれると国防費は減額されるのか。そのデリケートな部分を、共同声明は非核化の範囲を北朝鮮とせず「朝鮮半島」としたことからもわかるように、北朝鮮が一方的に非核化しなくてもいいようにも読み取れるようにしてあいまいにさせた。在韓米軍の核撤廃と北朝鮮の核廃棄をパッケージで捉えれば、朝鮮半島に核廃絶はないかもしれない。つまり緩やかな現状維持。平和の議論の1歩ではあるが前進というにはあまりにもあいまいな入り口だ。

参院選挙制度 「抜本改革」はどうした
 理念を欠く制度改革は、新たな混乱を生むだけだろう。自民党が打ち出した参院選挙制度の改正案に、そんな思いを強くする。
 地方に強固な地盤を持つ自民党内にも、当の地方にも評判が悪い「合区」解消を憲法改正で実現する当初目標は、森友、加計学園問題の長期化などを背景に手詰まり状態。次期参院選を来年に控え、今度は一転、「1票の格差」是正へ合区を維持しつつ定数を増やす方向で公選法を改正するという。
 2016年の前回参院選で合区が導入されたのは鳥取と島根、徳島と高知の4県。これを継続したままで、選挙区と比例代表を合わせ定数を現行242から248に6増する。参院は3年ごとに議席の半数が入れ代わるから、改選数では3増だ。
 具体的には、議員1人当たりの有権者が最も多い埼玉選挙区の改選数を現行3から4に増やして格差是正を図る一方、比例代表の改選数も2増とする。ここに「特定枠」を設けるのがミソだ。
 比例代表は候補者個人の得票数の上位から順に当選が決まる。だが特定枠は合区対象で選挙区に擁立できない県の候補を載せ、得票数にかかわらず当選させる。
 いつ合区に組み入れられるかもしれない地方にあって、国政との距離を広げる合区の弊害を補う必要性は否定しない。とはいえ、有権者の審判とは別の基準で当選が決まる仕組みには違和感がある。
 自民党は来年の参院選で、改選期を迎える現職を合区対象の4県全てで抱えている。特定枠は、候補者調整で漏れる自民党現職の救済を想定した党利党略とする一部野党の批判は道理だろう。
 合区を導入した際の改正公選法は、付則で19年参院選に向けた選挙制度の抜本改革で「必ず結論を得る」と明記している。そもそも合区は「1票の格差」是正のための暫定措置とされていた。
 今回の自民案は、選挙が来年に迫る中で暫定措置に暫定を重ねた急場しのぎの印象が拭えない。目指す抜本改革からは、逆に遠ざかっているのが実態だ。
 投票価値の平等は憲法の要請だが、合区対象県では投票率の低下といった弊害が顕在化しているのも事実。国政参加への地方住民の意欲を減退させるとすれば、別の意味で不公平感が増すだろう。
 合区解消を目的とする自民党の改憲論は、二院制の下で参院をどう位置付けるかという根本的なところで議論に奥行きを欠く。人口減が進む中で場当たり的な「改革」を重ねるのは、結果的に地方を軽んじることにならないか。自分たちが実現を誓った「抜本改革」の本気度を疑う。


袴田事件再審認めず 疑わしきは被告に利益が原則だ
 1966年に静岡県で一家4人を殺害したとして、死刑判決が確定した袴田巌さんの第2次再審請求で、東京高裁は4年前の静岡地裁の決定を取り消し、裁判のやり直しを認めない決定をした。
 事件は長年冤罪(えんざい)を疑う声があり、確定判決には疑問点がなお残る。一審公判の裁判官からは「無罪の心証を持っていた」との告発もあった。1度開いた再審の扉が再び閉ざされた袴田さんはもう82歳。人生の大部分を無罪の訴えに費やし、その上、これからさらに審理が長期化することを危惧する。弁護団は近く特別抗告する方針だが、最高裁には「疑わしきは被告の利益に」という刑事裁判の鉄則にのっとり、慎重かつ迅速な判断を求めたい。
 争点は、犯人のものとされた「5点の衣類」に付着した血痕のDNA型鑑定だった。地裁は弁護側が提出した、新たな鑑定結果を基に、袴田さんのものでない可能性を認めたが、高裁は「一般的に確立した科学的手法でない。有効性に重大な疑問」と信用性を否定した。
 ただ、最近の再審請求では科学の進歩に伴い精度が高まったDNA型鑑定で重い再審の扉が次々と開けている。事件は半世紀以上経過し、証拠も随分古くなっている。新たな手法で従来不可能だった鑑定に挑んでも、今回のように「確立した手法でない」との理由で否定されてしまうと、古い事件の鑑定が困難になりかねず懸念が募る。
 地裁決定は5点の衣類を巡る証拠について、捜査機関による「捏造(ねつぞう)の疑いがある」とまで言及していた。事件から1年2カ月後になって発見されるなど不自然さがあり、見つかったズボンのサイズは当時の袴田さんの体形に合わなかった。ところが高裁決定に発見経緯を疑問視する言及はなく、ズボンも「はけなかったとは言えない」とあっさり受け流した。
 取り調べについては新たに開示された録音テープから深夜まで長時間連続し、心理的に追い込む手法だったことが浮かび上がった。供述の任意性の観点から「疑問と言わざるを得ない」と判断してはいるが、一連の証拠捏造の疑いは「具体的根拠に乏しい」と退けた。無罪の可能性を徹底的に検証したとは思えず、釈然としない。
 一方、高齢の袴田さんの健康状態を考慮し、死刑と拘置の執行停止を取り消さなかったことは理解できる。ただし確定死刑囚のまま保釈状態が長期化することは司法の矛盾であり、重たい課題を残した。
 何より再審手続きに時間がかかり過ぎる問題を解決しなければならない。1次請求が棄却されるまで27年、2次再審請求も2008年の提起から10年がたった。4年前の再審開始命令の段階で、審理を公開の法廷に移していれば、今日の袴田さんの不安定な立場は解決していた可能性がある。司法は制度の見直しを含め検討すべきだ。


「袴田」再審判断 地裁と高裁が正反対とは
 正反対となった裁判所の判断をどう受け止めればいいのか。
 1966年に静岡県で起きた一家4人の強盗殺人事件で死刑が確定した元プロボクサー、袴田巌さんの第2次再審請求で、東京高裁が再審開始決定を取り消した。
 静岡地裁が2014年に、再審開始を認めていた。弁護側は最高裁に特別抗告するとしている。審理の行方を注視しなければならない。
 争点は、犯行時の着衣とされた「5点の衣類」が袴田さんのものかどうかだった。
 静岡地裁は、衣類の血痕のDNA型が一致しなかったとする弁護側鑑定などを根拠に、再審開始を認めた。
 だが高裁はこの筑波大の本田克也教授の鑑定について「科学的原理や有用性に深刻な疑問がある。結果は信用できない」として、反対の判断を下した。
 本田鑑定の手法は研究途上であり、外部からのDNAに汚染されやすいなどの理由だ。鑑定結果のもととなるデータや実験ノートが保存されていないことにも疑問を投げ掛けた。
 近年は精度が増したDNA型鑑定で、再審の扉が次々と開いている。足利事件や東京電力女性社員殺害事件では鑑定が決定的な根拠となり、再審無罪が確定した。
 今回のケースは、DNA型鑑定の課題を示したといえる。
 地裁は、衣類が事件の約1年後に現場近くにある工場のみそタンクで発見された経緯や、ズボンのサイズなどに疑問を呈し、警察官による証拠の捏造(ねつぞう)の可能性にまで踏み込んだ。
 高裁決定はこうした点をことごとく覆し、正反対の結論を導いた形だ。
 袴田さんを犯人とした確定判決に合理的な疑いはないとする一方で、地裁の認めた死刑と拘置の執行停止については、支持した。82歳という年齢や生活状況、健康状態に照らすと「逃走の恐れが高まる危険性は乏しい」との判断からだ。
 再審開始を認めるには、証拠の明白性などが必要とされる。最高裁は1975年の「白鳥決定」で新旧証拠を総合的に検討し、有罪とするのに疑問が残れば再審を開始すべきだとした。
 今後の審理では、「疑わしきは被告人の利益に」という刑事裁判の鉄則を踏まえて、総合的に判断してほしい。
 さらに今回の件は、再審手続きの問題点を改めて浮き彫りにした。中でも時間がかかり過ぎるとの批判は、法曹関係者の間でも根強いものがある。袴田さんが最初に再審請求を申し立ててから40年近くがたつ。
 長期化を招く要因の一つとして挙げられるのが、再審請求の審理での証拠開示が法律で規定されていないことだ。証拠開示を求めるかどうかは、裁判官によって異なるとされる。
 袴田さんの第1次再審請求では、開示を巡るやりとりなどで結論が出るまで27年かかった。冤罪(えんざい)の救済という原点に立ってルールの整備を考える時期ではないか。


袴田さんの再審棄却 裁判の迅速化、工夫要る
 「裁判をやり直してほしい」という、死刑囚の訴えは東京高裁で退けられた。1966年に強盗殺人容疑で逮捕されてから半世紀余り。袴田巌さんは公判で無罪を訴え、それを裏付けるかもしれない新証拠も出てきた。刑と拘置は執行停止されているが、再審の扉は重い。
 今週初め、静岡地裁の決定を取り消し、再審開始を認めないとする東京高裁の棄却決定に袴田さんは「うそだ」と声を上げた。無理もなかろう。4年前に静岡地裁が再審開始を決定し、一筋の光を見ていたはずだ。
 事件は静岡県で起きた。みそ製造会社専務宅から出火、4人の他殺体が見つかる。元プロボクサーで同社従業員だった袴田さんは取り調べ段階で自白したが、裁判では無罪を訴えた。
 80年に死刑判決が確定後、本人や家族による2度の再審請求を経て静岡地裁が裁判やり直しを決めた。再審開始決定と同時に確定死刑囚が釈放されたのは初のケースという。しかし、その不安定な立場に変わりはない。
 再審での真相解明がようやく始まるかと思いきや、検察側が地裁の決定に異を唱え、即時抗告して高裁審理となった。
 確かに法的には認められているが、再審請求審の位置付けも忘れてはなるまい。本来は裁判をやり直すかどうかを決める手続きで、有罪か無罪か結論を出す場ではないはずだ。「疑わしきは被告人の利益に」という刑事裁判の鉄則にも反している。
 弁護団はやむなく特別抗告する。最高裁が再審開始を認めるかどうか結論を出すには、さらに時間がかかろう。82歳で健康不安も抱える袴田さんには厳しい。裁判の迅速化が求められている。再審の入り口でもめるのではなく、開始決定が出たら法廷で決着をつけるべきだろう。
 同時にDNA鑑定の在り方も考えねばならない。この裁判の最大の争点でもある。事件から1年2カ月後にみそ工場のタンク内で見つかった、犯人の着衣とされる「5点の衣類」に付着していた血痕のことだ。
 静岡地裁は弁護側が立てた筑波大教授の独自鑑定に基づき、衣類は袴田さんのものでなく「無罪を言い渡すべき明らかな証拠」と断じた。これに対し、検察は大阪医科大教授に検証を委託し、弁護側の鑑定手法に疑問を挟む意見書を出した。
 東京高裁の決定は袴田さんに厳しいものだった。弁護側鑑定を「確立した科学的手法と認められない」「有用性に疑問があるのに過大評価だ」と断じた。筑波大教授が鑑定データを破棄したのは解せないが、検察側にもかねて多くの問題点がある。
 当初、犯人の着衣は袴田さんの自白にあるパジャマとされたが、タンクから衣類5点が見つかると説明が変わる。あまりに不可解だ。発見時に撮影したカラー写真も、静岡地裁は「色合いや血痕は長期間みその中にあったにしては不自然」とし、証拠捏造(ねつぞう)の疑いまで指摘した。
 東京高裁で開示された逮捕後の録音テープからは連日の厳しい取り調べも浮かび上がった。自白強要が他にどれほど冤罪(えんざい)を生んだか、忘れてはならない。
 袴田事件は捜査手法や裁判制度、DNA鑑定の在り方など、刑事司法が抱える闇や課題を改めて浮かび上がらせたのではないか。その検証も必要だ。


財務省担当者ら不起訴は不当 市議が検察審査会に申し立て
森友学園への国有地売却をめぐり、大阪地検特捜部が財務省や近畿財務局の担当者らを不起訴にしたことについて、背任の疑いで告発していた大阪・豊中市の市議会議員が14日、不起訴は不当だとして検察審査会に審査を申し立てました。
検察審査会に審査の申し立てをしたのは大阪・豊中市議会の木村真議員です。
木村議員は大阪・豊中市の国有地が鑑定価格から8億円余り値引きされて森友学園に売却されたことについて、背任の疑いで告発していましたが、大阪地検特捜部は先月、財務省や近畿財務局の当時の担当者ら13人を不起訴にしました。
これに対し、木村議員は申し立てで「安倍総理大臣夫妻と学園の関係が明らかになるにつれ、財務省や近畿財務局は著しい安値での売却に協力していった。背任を裏付ける事実は多数あり、不起訴は不当だ」と主張しています。
会見した木村議員は「なぜ罪に問われないのか、納得できない。市民による審査会で常識的に判断すれば起訴すべきという結論が出るはずだ」と話していました。
森友学園をめぐる一連の問題では、財務省の決裁文書の改ざんなどで、不起訴になった佐川宣寿前理財局長らに対する検察審査会への申し立てがすでに行われています。


大阪医大 PCから試験問題など抜き出す 容疑の学生逮捕
 大阪医科大(大阪府高槻市)の教員用パソコンに情報を抜き出すソフトを無断で入れたとして、大阪府警サイバー犯罪対策課は14日、同大医学部4年、小花皓朗(あきお)容疑者(23)=大阪府箕面市=を不正指令電磁的記録供用の疑いで逮捕した。大学によると、教員が作成した試験や講義資料のほか、患者の診療情報など1万4655件のデータが抜き出され、小花容疑者は「自分の勉強のためにやった」と容疑を認めているという。
 逮捕容疑は今年1月25日と4月16日ごろ、大学の講義室に設置されている教員用パソコン2台にソフトをインストールした、としている。
 府警によると、このソフトはデータのバックアップなどのため、ファイルを移動・コピーさせるもので、インターネットで無料で入手できる。教員が講義室のパソコンにUSBメモリーを差し込むと、パソコンを介してUSB内の全てのデータが、学生用サーバーの「隠しフォルダー」にコピーされる仕組み。
 小花容疑者は、隠しフォルダーから講義資料や試験問題を閲覧していた疑いがある。全学生が見られる状態になっていたが、一見しただけではこのフォルダーに気付くことは難しく、小花容疑者だけが閲覧していた可能性が高い。
 大学によると、抜き取られたデータの大半は教員が講義で使う資料や試験問題などだったが、教員の履歴書のほか、カルテなど約200人分の診療情報も含まれていた。学外へのデータ流出は確認されていない。
 大学が5月17日、「パソコンに不審なソフトがインストールされている」と府警に相談し、監視カメラの映像などから小花容疑者の関与が浮上した。【宮川佐知子】


高プロでまたインチキ! 加藤勝信厚労相は架空の聞き取り調査をでっち上げ「私が企業に訪問しいろいろニーズを聞いた」と大嘘答弁
 安倍政権の驚くべきインチキが、またも露呈した。安倍首相が「労働者のニーズに応えるもの」とアピールし、一括法案で衆院を強行採決させた高度プロフェッショナル制度の創設だが、なんと法案を国会に提出する前におこなった労働者の聞き取りは1名だけだったことがわかったのだ。
 そもそも高プロは年収1075万円以上の一部専門職を対象に労働時間の規制から除外し、残業や休日労働に対して割増賃金が一切支払われないというもので、これが成立すれば「残業代ゼロ・定額働かせ放題」となる。安倍首相はこれを「働き方改革」と呼ぶが、実態は「働かせ方改革」であり、働く側ではなく企業だけがトクをする法案になっている。
 そのため、「高プロに必要性はあるのか」という声があがってきたのだが、加藤勝信厚労相は安倍首相と同様に、労働者から労働時間規制を外すことに肯定的な意見があると主張して「働く方からいろんなお話を聞かせていただいている」と答弁してきた。だが、その肝心のヒアリングした人数は、たったの12名でしかいないことが判明した。
 過労死につながる人の命がかかった重要法案を推し進めるのに、わずか12名に話を聞いただけ──。その上、この聞き取り対象者は、厚労省が聞き取りを依頼した企業側が選んでおり、企業側の同席者がいたことが発覚。端的にいえば“ヤラセ”調査だったのだ。
 これだけでも高プロにはもはや立法事実がないと言うほかないが、さらなる驚愕の展開が待っていた。12名に対する調査は、1名が2015年3月31日、2名が5月11日、そして6名が今年1月31日、3名が2月1日におこなわれたというのである。
 高プロの前身である法案が国会に提出されたのは、2015年4月3日。つまり、法案提出前に聞き取った声は、なんと1名だけだったのだ。しかも、法案要綱が示されたのは同年3月2日のことなので、根本的には0名。「労働者のニーズ」とやらは完全に後付けの言い訳だったのだ。
 しかも、12名のうち9名は、法案が審議されていた今年の1月31日以降に聞き取り調査がおこなわれているのである。そして、1月31日といえば、参院予算委員会で高プロのニーズについて野党が追求をした日なのだ。
加藤勝信厚労相は「私が企業を訪問し多くの労働者から直接話をきいた」と大嘘答弁していた!
 実際、この日の参院予算委員会では、加藤厚労相はこんな答弁をおこなっている。
「高度で専門的な職種、これはまだ制度ございませんけれども、私もいろいろお話を聞くなかで、その方は『自分はプロフェッショナルとして自分のペースで仕事をしていきたいんだ』と、そういったぜひ働き方をつくってほしいと、こういうご要望をいただきました。たとえば研究職のなかには、1日4時間から5時間の研究を10日間やるよりは、たとえば2日間集中したほうが非常に効率的にものが取り組める、こういった声を把握していたところでありまして、そうしたまさに働く方、そうした自分の状況に応じて、あるいは自分のやり方で働きたい、こういったことに対応する意味において、これ全員にこの働き方を強制するわけではなくて、そういう希望をする方にそうした働き方ができる、まさに多様な働き方が選択できる、こういうことで、いま議論を進めているところであります」
「いま、私がそうしたところへ、企業等を訪問したなかでお聞かせいただいたそうした意見、声でございます」
 加藤厚労相が自ら企業に出向き直々に大勢の労働者から話を聞き、多くの要望の声が寄せられているかのような答弁だが、実際にはこの日以前におこなわれた聞き取り調査はわずか3名。この3名も、加藤氏が厚労大臣になる前のものだ。その上、このあたかも直接話を聞いたように語っている「研究職」の意見は、労働基準局の職員が聞き取った1例だったのである。
 ようするに、厚労省は野党から高プロのニーズ問題に切り込まれることがわかって慌てて聞き取り調査をおこなった一方、加藤厚労相はリアリティたっぷりに、浪々と嘘を国会で吐いたのだ。しかも、こうして嘘がバレているにもかかわらず、加藤厚労相は昨日の定例会見で「12人に私は聞いているわけではなくて、厚生労働省の事務方を通じて聞いた」などと開き直ってみせた。さすがは安倍首相と昵懇の“お友だち大臣”、類は友を呼ぶとはこのことだろう。
 このように、完全に立法事実がないことが判明した高プロ。これまで加藤厚労相は話をはぐらかすばかりで、その話法は「ご飯論法」と呼ばれてきたが、ついにその答弁も崩壊したことからSNS上では「お粥論法」なる言葉まで使われはじめている。
 だいたい高プロは、加藤厚労相が説明しているような「労働者が自分の状況に応じて、自分のやり方で働ける」制度ではまったくない。企業側が規制なく自由に「○時から×時まで働け」と命じることができるようになる法律だ。残業代も支払わず24時間働けという指示すら可能で、労働者は自由に働けるどころか過重労働にも従わなくてはいけなくなる。「10日間働くより、2日間集中したい」なんて自らがでっち上げた架空のニーズにすら応えていない代物だ。
 だが、それでも安倍政権は高プロを、早ければ来週にも参院で強行採決させる気でいるのだ。
 労働者の声はハナから無視したこの法案が成立すれば、安倍首相とそれを支える経団連のお歴々が高笑いするだけで、働く側は長時間労働と過労死の危険に晒される。このデタラメ、でっち上げ、嘘八百に塗り固められた高プロの強行採決は、けっして許されるものではない。(編集部)


国立大学 運営費交付金、民間資金獲得で差 政府方針
 国立大学の基盤的運営費として配分する運営費交付金について、政府は、民間から得た研究費が多いほど額を増やし、少なければ減らす仕組みを今年中に作ることを決めた。大学間競争を促し外部資金の獲得増につなげる狙いだが、格差拡大につながる可能性がある。
 15日に閣議決定する統合イノベーション戦略に盛り込む。現行でも政府が国立大の目標達成度などを査定して運営費交付金を増減する仕組みはあるが、新たに民間資金の獲得状況を評価指標に加える。
 また同戦略では、代表的な公的研究費である文部科学省の科学研究費補助金(科研費)を若手に重点配分する。受け取れる若手研究者の数を1・5倍にし、40歳未満の研究者の半分程度(約3万人)の採択を目指す。
 一方、今年度で5カ年の期間が終わる内閣府の大型研究開発プロジェクト「革新的研究開発推進プログラム(通称インパクト)」の後継事業も検討する。インパクトは、チョコレートを食べると脳が活性化するなどといった成果の「誇大広告」が相次いだが、ハイリスク・ハイインパクトな大型研究開発は世界でも進んでいるとして、制度を見直した上で続けることが必要と判断した。【酒造唯】

RS新たに参加/特急くろしおで1駅/夜の道を都城へ

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Fig98

Le Japon réfléchit à réduire son plutonium
Les États-Unis ont demandé au Japon de réduire leurs stocks, qui pourraient être utilisés pour fabriquer une arme atomique.
Tokyo essaie d'échapper au collimateur de Donald Trump. Le gouvernement japonais étudie les dispositions nécessaires pour réduire les stocks de plutonium. Depuis l'accident nucléaire de Fukushima en 2011, le Japon, dont très peu de réacteurs ont redémarré, ne réutilise pas comme il l'aurait dû le combustible usé et en partie retraité qui s'est accumulé au fil des ans, ce qui inquiète les États-Unis.
"S'agissant de l'usage et de la gestion appropriés du plutonium, c'est un problème qui doit être pris en charge par le pays dans son ensemble, gouvernement et entreprises compris", a déclaré le ministre de l'Industrie Hiroshige Seko, selon des propos rapportés par une porte-parole. "Je souhaite que mon ministère s'en préoccupe", a-t-il ajouté.
Des stocks à l'étranger
Le porte-parole du gouvernement a assuré que "le gouvernement agissait de facon appropriée pour que soit maintenu le principe selon lequel le Japon ne possède pas de plutonium qui ne soit pas destiné à un usage précis".
Le Japon possède environ 47 tonnes de plutonium, dont une dizaine de tonnes au Japon et le reste à l'étranger (16,2 tonnes en France et 20,8 tonnes en Grande-Bretagne), selon un document datant de janvier de la Commission japonaise de l'Énergie atomique.
L'archipel est autorisé à extraire le plutonium du combustible usé, "en raison de son déficit de ressources énergétiques et du fait que les quantités d'uranium dans le monde sont limitées", est-il précisé dans ce même rapport.
L'usage civil de ce plutonium est la condition sine qua non des dispositions prises avec les États-Unis et l'Agence internationale de l'énergie atomique (AIEA), mais des craintes existent compte tenu des quantités que le Japon possède.
フランス語
フランス語の勉強?
市田忠義 @ichida_t
70年も喧嘩していた国の責任者が会談し、これからは仲良くしていこうと合意し、詳細はこれから詰めていくことになった。
ところが、仲良くなり方があいまいだとか、とにかくあらを探してたいした会談ではなかったとする論評を散見する。このプロセスを前向きに進める立場に立とうではないか。

町山智浩 @TomoMachi
学術論文の数が主要国で減少しているのは日本だけ。中国は約5倍に増えた。日本の研究者は海外との交流も減っている。00年度に海外派遣された研究者は7674だったが15年度は4415人に。
渡辺輝人 @nabeteru1Q78
この間、大学の教員をさんざんしばき倒し、正規を非正規に置き換え、予算を削減してきたわけで、当たり前だ。今、この国は学術の何たるかの分からない馬鹿者によって統治されている。 / “科学技術「基盤的な力、急激に弱まる」 論文数減少、…”
Nobuyo Yagi 八木啓代 @nobuyoyagi
「決裁の下りた公文書を改竄するのは民主主義国家ではあり得ない背信行為で、文民が犯しうる最大級の大罪です。言わば『民主主義国家に対する殺人罪』に相当」...この文言シビれたわ。あまりにも意外な方面からの一打。http://author.tkj.jp/kaidou/2018/06/post-90.php

大丸でずんだ餅を買って一安心.
午後からのRSは新たな参加者がいました.いつもの彼は全然ダメですが・・・でもとりあえず時間は間に合いました.
関空快速なのですが,前もってはるかにのるつもりで特急券を買っています.快速でも時間間に合いそうなのですが,特急券が無駄になるだけなので意味なく?特急くろしおで1駅,つまり天王寺から日根野まで乗りました.日根野からは先ほどの快速.
関空から鹿児島空港でさらに夜の道を都城へ移動しました.

<宮城県沖地震40年>激震の教訓「次」へ 宮城県が訓練、初動対応手順など確認
 宮城県沖地震(1978年)の発生から40年となった12日、県は大規模な地震と津波を想定した総合防災訓練を県庁などで実施し、初動対応の手順などを確認した。
 初めて加わった海上、航空の各自衛隊を含め、市町村や国の出先機関など85団体の計3000人が参加。三陸沖を震源とする地震で最大震度7を県内で観測し、大津波警報が発令されたと想定して演習した。
 県庁講堂に設けられた災害対策本部事務局には各機関の約200人が参集。被害や人命救助の状況を各市町村から聞き取るといった初動訓練に当たった。県内各地の圏域防災拠点では、支援物資の受け入れなどの手順を確かめた。
 村井嘉浩知事は災害対策本部会議に出席後、取材に対し「県沖地震などの大災害を経験しても、震災の被害をしっかりと防ぐことができなかった反省を踏まえて訓練をした。今回の内容を分析し、次年度以降に反映させたい」と述べた。
 初めて行う予定だった県防災ヘリコプター「みやぎ」の離着陸訓練は、天候不良で中止した。


<宮城県沖地震40年>市民参加型で備え強化 仙台では「シェイクアウト訓練」一斉実施
 宮城県沖地震の発生から40年、東日本大震災の発生から7年3カ月。再来のリスクに備え、市民参加型を重視した訓練が各地で導入されている。仙台市では12日、机の下に潜るなどして身を守る「シェイクアウト訓練」を学校や企業で一斉に実施。塩釜市や東松島市などでも、住民主体による防災力の強化に取り組む。
 シェイクアウトは「まず低く」「頭を守り」「動かない」という三つの安全行動を実践する訓練。仙台市宮城野区の幸町南小では校内放送で緊急地震速報が流れると、各教室の児童が担任の指導に従い、素早く机の下に潜り込んだ。
 1分後に待機を促す呼び掛けがあると児童は防災頭巾をかぶり、再び机の下に身を縮めた。6年の蜂谷日菜さん(11)は「静かに机の下に潜った後、体育館まで移動することができた。地震が起きたら、三つの安全行動を生かしたい」と話した。
 視察した郡和子市長は「家に帰ったら、(避難や安否確認など)災害時の約束事を決めてほしい」と強調した。訓練は昨年に続き2回目で、市民ら5万2884人が参加した。
 塩釜市は住民が参加しやすいよう、日曜の10日に総合防災訓練を開催した。約8000人が主会場の玉川小など20カ所で避難所運営の訓練に臨んだ。うち9カ所では東日本大震災の教訓を踏まえ、参加者による貯水槽の設置など初めての試みもあった。
 玉川小の体育館には、地震で市内全域が停電、大津波警報が発令されたとの想定で、住民が懐中電灯や携帯ラジオを手に集合。市職員らの指導で投光器や貯水槽、マンホールトイレなどの設置に挑戦した。
 貯水槽は、給水車が水の補給で戻る際に被災者の待ち時間を少なくするのが狙い。水1トン用の水槽を参加者が協力して組み立て、蛇口を取り付けた。同市の無職千葉隆さん(71)は「震災の時は給水車が来るのが遅かったので、貯水槽があれば便利だ」と話した。
 東松島市では、内陸部に集団移転したあおい地区が17日、東北大留学生を招き、外国人観光客に見立てた避難者受け入れや炊き出しなどの訓練を実施する。
 自衛隊の物資搬入や災害救助犬による捜索訓練なども予定。地区会会長の小野竹一さん(70)は「震災の時、われわれは飯を食わせてもらった立場だった。今度は支える番だということを、広く住民に意識付けしたい」と意気込む。


<宮城県沖地震40年>防災リーダー育成進み8870人に 目指すは1万人
 災害時に地域や企業で中心的な役割を担うために宮城県が創設した防災指導員や仙台市の地域防災リーダー(SBL)など「防災リーダー」の養成が県内で進んでいる。2017年度末の養成数は計8870人。県や市は20年度までに1万人に増やす目標を掲げ、講習への参加を呼び掛けている。
 防災指導員は宮城県沖地震に備え09年度に県が創設し、自主防災組織などの運営に主眼を置いた「地域コース」と、企業の事前防災や帰宅困難者対策に当たる「企業コース」がある。講習を経て認定される仕組みで、これまで計6535人が登録された。
 東日本大震災後には、要支援者の避難支援や企業の業務継続計画(BCP)策定演習など指導員のスキルアップを図るフォローアップ講習も設け、6年間で計1344人が参加。県危機対策課は「より専門的な知識を学び、地域版の防災マップづくりなど実践に生かしてもらう」と説明する。
 仙台市は12年度、初期消火や負傷者の応急手当てなど実技を盛り込んだSBL制度を独自につくり、計690人が認定された。「各地域から満遍なく受講者を推薦してもらい、地域に根ざして防災活動に取り組む人材を増やす」(市減災推進課)のが狙いだ。
 県教委も12年度から学校現場の防災リーダーとして、「防災主任」を公立学校に配置。毎年度700人前後の教員が常日頃の備えや防災マニュアルの作成などに当たる。異動などで担当を離れた後も、地域の防災指導員として活動するケースが多いという。
 災害時のノウハウを備え、経験を積んだ防災リーダーに対する地域の期待は高い。川平団地町内会自主防災会(仙台市青葉区)で副会長を務める中田芳江さん(71)は「宮城県沖地震は繰り返し起こるとされており、切れ目なく地域防災の担い手を確保することが重要だ」と指摘する。


<岩手・宮城内陸地震10年>栗原の有志が作った紙芝居、あす発表会 あの日の記憶共有を
 2008年の岩手・宮城内陸地震の記憶を共有しようと、栗原市の有志でつくる「いちはさま紙芝居一座」は地震発生から10年となる14日、当時の地域の様子などを題材にした紙芝居3部作の発表会を市役所玄関ホールで開く。メンバーは「あの日を振り返り、地域の絆の大切さを思い返してほしい」と話す。
 3部作は発生3カ月後に作った「山が崩れた!」と09年完成の「山に戻りたい!」、10年制作の「白い神馬」。幅広い世代が親しめる紙芝居を通じて内陸地震を伝えようと、座長の高橋千賀子さん(72)が中心になって完成させた。
 「山が崩れた!」は、被災した集落の様子を述懐。避難所や仮設住宅での生活など、当時の出来事を細やかに描いた。続編の「山に戻りたい!」は、農業を再開させるなどして復興を目指す住民の姿を表した。
 「白い神馬」は同市の洋画家菊地義彦さん(87)=河北美術展参与=が作画したファンタジー。大地震で土砂にのまれた栗駒山の守り主の白馬「シロ」が力を振り絞って地上に飛び出し、山を再生させる姿を描いた。
 一座は創作話の「白い神馬」はたびたび朗読してきたが、残り2作はほとんど発表してこなかった。内陸地震から3年後に東日本大震災が発生して沿岸部の惨状に注目が集まる中、山地被害を声高に伝えることにためらいがあったという。
 高橋さんは「発生から10年たち、あの日を振り返る機運が高まる中、読むべき時が来たと思った。作品が『6.14』を語り継ぐ一助になれば」と話す。
 正午〜午後1時。入場無料。連絡先は高橋さん0228(52)2566。


被災、語り継ぐ使命…内陸地震10年
一関の佐藤さん 助け合い、伝えたい
 奥州市で震度6強を観測し、県内で2人が死亡した岩手・宮城内陸地震から、14日で10年となる。被災した道路や橋は復旧し、当時の被害の大きさを今に伝えるのは、一関市厳美町の災害遺構「旧祭畤大橋」などわずかだ。地元の農業佐藤直樹さん(46)は14日、小学生に被災体験を語る予定で、「次の災害に向けた対策が取れるように語り継がなければならない」と話す。
 「激しい縦揺れで、家の中でピアノが弾んだ。窓のサッシが外れてフライングディスクのように飛んだ」。佐藤さんは、震源地近くの自宅での揺れを振り返った。それまで大きな地震に見舞われるなど、考えたこともなかった。「ドドン、ドドンと雷のような地鳴りが下から聞こえ、余震がひっきりなしに続いた」
 妻と4人の子ども、祖父母、両親の10人家族で、みんな無事だった。被害の大きさに気づいたのは、自宅前を走る国道342号の祭畤大橋が落ちたと観光客に聞いてからだ。消防団として近くの橋を見に行き、仰天した。橋げたが落ちて大きく変形しており、「映画の中にいる感じだった」。
 国道は反対の秋田県側も土砂崩れで通れず、地区は孤立状態に陥った。夕方、住民や観光客は順番に防災ヘリで救出された。一家の避難生活は約半年続いた。

 あれから10年。道路や橋の復旧工事が終わり、段差ができた水田も以前のようになった。「この3年くらいで、やっと完全に元の生活に戻った感じ」という。
 ただ、地震は地区に大きな爪痕を残した。
 かつて5世帯あったが、今は佐藤さん宅のみ。避難後に戻らなかった人もいれば、高齢になって離れた人もいる。「避難所で仕切りがいらないくらい仲が良く、地域のつながりは自慢だった。それが薄れてしまい寂しい」。以前は、紅葉を見に来る観光客の車が国道をひっきりなしに通ったが、今はわずか。自慢の大根を置く道路脇の直売所も売り上げは戻らない。
 地震の後、いち早く食器持参で駆けつけてくれた宮城県気仙沼市の伯母(当時62歳)が、2011年3月の東日本大震災で津波にのまれ、行方不明になった。宮城、岩手の遺体安置所を回って捜したが、今も見つからない。地震に振り回された10年間だった。
 長女(22)と次女(20)は「内陸地震を経験したから」と、共に看護師になって就職。長男(18)は専門学校に通うため自宅を出た。祖父母は亡くなり、にぎやかだった大家族は5人になった。「夢中で生活しているうちに10年が過ぎた」という。
 14日は厳美小学校の児童に、16日には災害遺構の見学ツアーに参加する児童に被災体験を話す。地震を知らない子どもに向け、「みんなで助け合うことの大切さを伝えたい」と話した。(藤吉恭子、平本秀樹)


<復興商談会>水産加工品、販路回復へ 仙台・国際センターできょうまで
 東日本大震災の被災地にある水産加工会社の販路回復と拡大を目指す「東北復興水産加工品展示商談会2018」が12日、仙台市青葉区の仙台国際センターで始まった。青森、岩手、宮城、福島、茨城の5県から約140社が出展し、国内外の商社や流通、小売業などの関係者に商品を売り込んだ。13日まで。
 東北六県商工会議所連合会と全国の水産関連3団体が主催し、今年で4回目。
 いわき市の「美味一膳」はグループ企業との共同出展で、板かまぼこなど練り製品を紹介した。四家(しけ)正典社長は「津波で原料のすり身が流され、東京電力福島第1原発事故の風評被害にも直面した。さまざまな業者と顔を合わせられる場はありがたい」と話した。
 新潟市の水産物卸売業「新潟冷蔵」の五十嵐清主席部長代理は、総菜や弁当といった中食向けの商品を求めて来場。「被災地の多くのメーカーが出展していて頼もしい。より良い商品を取り扱えるよう、われわれも頑張りたい」と語った。


震災きっかけ、大船渡・末崎町「居場所ハウス」開所から5年 人口減と向き合う拠点に
 東日本大震災をきっかけにできた大船渡市末崎町の「居場所ハウス」が、13日で開所から5年を迎えた。地元の高齢者らが運営を担い、震災で過疎化と高齢化が加速する地域の課題と向き合う拠点施設へと成長した。
 築60年の古民家を移築改装したハウスは2013年、米国の復興支援で開館。地元の高齢者らでつくるNPO法人「居場所創造プロジェクト」が運営する。
 日中はお年寄りが世間話に興じ、夜間は小中学生が勉強する地域住民のサロンだ。ほぼ毎日訪れるという大和田マツエさん(87)は「ここに来れば誰かがいるので楽しい」と語る。
 コーヒーやお茶の提供にとどまらず食堂や朝市を企画するなど意欲的な運営で、開館以来の利用者は延べ約3万4000人に達した。
 末崎町の人口は現在4133人。震災後に16.5%減少し、高齢化率は39.5%となった。地域の衰退が懸念される事態だが、ハウスは子ども預かりサービスを始めるなど、地域社会で重要な役割を担っている。
 運営費は民間補助金に依存しているため、今後の資金確保に不安はある。
 それでもハウス館長の鈴木軍平さん(73)は「災害公営住宅の入居者や独居世帯への配食や見守り、ハウスへの無料送迎バスの運行など地域課題を踏まえ、新たな活動を展開したい」と積極的だ。


荒浜再生に7年、活動に幕 津波被災住民の「願う会」会員減少し解散「支えられ、ここまで続けられた」
 東日本大震災で津波被害を受けた仙台市若林区荒浜地区の元住民でつくる「荒浜再生を願う会」が今月、7年間の活動に区切りを付け、解散する。現地再建を目指す被災者が2011年10月に設立し、地域のにぎわい創出などに取り組んだ。30日に現地で式典を開催し、歩みを振り返る。
 活動の柱だった語り部としての機能が、昨年一般公開が始まった震災遺構の旧荒浜小に移され、当初は約60人いた会員が数人まで減少。これから地区の跡地利活用が本格化することも考慮し、解散を決めた。
 会は代表の貴田喜一さん(72)らが中心となり、現地再建に向けて市への要望やフォーラムを重ねた。災害危険区域の指定に伴い、現地再建が困難になってからも、精力的に地区の活性化などに取り組んだ。
 貴田さんが自宅跡に建てたロッジを拠点に毎月、地区の清掃活動をし、大勢の賛同者や支援者が集った。同じ災害危険区域の宮城野区蒲生、新浜両地区の元住民らと連携し、被災地を巡るツアーも企画した。
 「現地再建がかなわず残念だが、多くの支援者に支えられ、ここまで続けられた」とかみしめる貴田さん。「会の旗を降ろしても、一人一人が荒浜のために再スタートを切りたい」と話し、将来を見据える。
 解散式は30日午前10時半からロッジで。支援者に感謝を伝えながら、活動を振り返る。参加申し込みは不要。連絡先は会事務局080(1019)3631。


被災農家支援 思い込め ボランティアが綿花植栽 宮城・東松島
 綿花栽培などを通じ、東日本大震災の被災農家を支援する「東北コットンプロジェクト」の苗植え作業が5月26日、宮城県東松島市大塩の東松島農場であった。
 趣旨に賛同する仙台市や東京都の企業7社などから約100人のボランティアが参加。約60アールの畑で、黒いビニールをかぶせた土の上に約10センチの苗を植え付けた。
 日本フットサルリーグ(Fリーグ)のヴォスクオーレ仙台の9選手はユニホーム姿で参加した。フロントスタッフの中島千博さん(31)は「震災で被災した選手もおり、地域の復興に思い入れがある。チーム一丸で一生懸命、苗を植えた」と汗を拭った。
 東松島農場は美里町の農業生産法人イーストファームみやぎ(赤坂芳則代表)が運営。11月下旬に約350キロの綿の収穫を見込む。
 同プロジェクトは被災農地の再生と雇用創出などを目的に2011年7月に発足。イーストファームなど県内3カ所の農場で綿花を栽培し、17年は綿約1.3トンを収穫した。安定した製品化と販売を目指す。


<戊辰戦争150年>「仁」の心で市政も一体 白河市議会、陣羽織姿で臨む
 左胸に「仁」の文字、背中に慰霊の彼岸花(ひがんばな)−。白河市議会は6月定例会初日の11日、市議や市幹部がえんじ色の陣羽織姿で着席した。
 陣羽織は戊辰戦争150年の記念事業として市が作った。「仁」は、白河口の戦いの戦死者を敵味方の分け隔てなく、今も手厚く弔っている思いやりの心を表している。
 「普段は是々非々の立場だが、きょうは何だか一体感を感じる」とある市議。「まさに『仁』の心が議会と市執行部を結んだということかな」と冗談交じりに話した。


<瑞巌寺 輝き新たに>「筋違」生かし壁補強
 日本三景の一つ、宮城県松島町の国宝・瑞巌寺は「平成の大修理」を終え、落慶法要を24日に行う。約10年に及ぶ修理により、仙台藩祖・伊達政宗が造営した名刹(めいさつ)は桃山文化の粋と輝きを再び放ち始めた。事業を振り返り、落慶を待つ地元を見つめる。
(塩釜支局・松田佐世子)
◎(中)震災越えて
<工法見直し>
 宮城県松島町の国宝・瑞巌寺で「平成の大修理」が始まって2年余り過ぎた2011年3月11日、東日本大震災が発生した。
 当時、本堂は工事用の素屋根で覆われ瓦や建具などが外され、柱や梁(はり)の骨組みだけ。本堂は閉鎖中で、寒さから寺の拝観者は数人だった。もし瓦が落ちて人に当たれば惨事となる。寺の千葉洋一総務課長は「被害が最小限だったのは、不幸中の幸い」と言う。
 松島湾からの津波は参道の4分の3まで達した。寺は避難所に指定されており、その夜は観光客や住民ら約300人が敷地内の陽徳院修行道場で過ごした。職員はろうそくをともし、食事を確保し、町が避難所を統合する16日まで人々を受け入れた。
 未曽有の震災は修理事業を中断させ、さらなる負担を強いた。震災前の耐震診断で何らかの対策が要るとされたが、震災を機に耐震工法見直し案が浮上。「たどりついたのが、瑞巌寺のために考案された特許技術だった」と稲富慶雲管理課長は説明する。
 本堂の白い壁の内部に、厚さ12ミリのポリカーボネート製の穴あき補強パネルをはめ込む。実に計約200枚。地震でゆがんでも形状が戻るパネルで、山形市の設計会社が開発した。
<膨らむ費用>
 壁内部には部材を斜めに交差させ建物強度を増す、創建当時の「筋違(すじかい)」の存在が今回の解体で発見された。筋違の普及は江戸後期以降で、江戸初期の採用は画期的。筋違を残しつつ補強パネルを加え、壁は3〜4センチ厚く修復された。
 こうした見直しに、誤算も加わった。3割と見積もった瓦の修理(新造)が後に7割必要と判明。国、県、町も補助したが、震災後の資材・労務費高騰が響き、事業費は当初の1.18倍の約17億円に膨らんだ。
 津波の塩害により参道の杉並木は枯れ、全1000本の半数近くを伐採した。土壌を入れ替え、今年5月末まで杉の苗木や季節感ある木々の植栽が続いた。
 未来への願いを込めた修理や復旧。瑞巌寺の見どころを稲富課長はこう話す。「戦乱による焼失や改変もなく、現存する桃山時代の建造物として価値が高い。技法が凝らされている。目に見える極楽浄土だ」
[メモ]本堂の江戸期の修理については明らかではない。近代になると明治期の1901〜03年に大規模に行われ、柱の根継ぎや柱と礎石の間の銅板はその頃の修理とみられる。屋根ふき替えは戦前に2回、戦後は52〜77年に4回。67年に部分修理を実施した。本堂と廊下は78年に宮城県沖地震、2003年度に三陸南地震と宮城県連続地震の被害復旧がなされた。


絶壁に心の塵落とす 宮城・丸森の修験寺で修行
 宮城県丸森町の修験寺「駒場滝不動尊愛敬院」の峰入り修行が5月27日、町内の岩岳であった。仙台市や白石市などから27人が参加。岩場で身を差し出し、心の塵(ちり)を払う「覗(のぞ)きの行」などに精進した。
 不動尊を出立した一行は、清滝で足を水に浸しながら勤行をした。山頂での覗きの行では、山伏が「親を大事にするか」などと問いかけ、修行者が大声で「はい、します」と返答した。
 初めて参加した仙台市太白区の会社役員加藤正男さん(61)は「還暦になって不動尊のお参りを始めた。修行は奥が深く、仕事や日常生活と次元の違う体験ができた」と話した。


<仙台セントラル閉館>「映画文化に大きな痛手」監督、ファンらから惜しむ声
 仙台市の映画館仙台セントラルホール(青葉区中央)が今月末閉館することが明らかになった12日、作品を上映した映画監督、催しに出演した音楽家、自主上映会を開いた映画ファンらから惜しむ声が上がった。
 「地元発の映画を大切にしてくれるありがたい存在だった。閉館は仙台の映画文化にとって大きな痛手だ」。東日本大震災で被災した宮城県南三陸町を舞台とする2本のドキュメンタリー作品を同ホールで上映した映画監督我妻和樹さん(32)=白石市=は肩を落とした。
 シンガー・ソングライターのあがた森魚(もりお)さん(69)=埼玉県川口市=は昨年1月、仙台市内の自主上映グループが同ホールで開いた特撮映画と講演を楽しむ催しでゲストとして歌った。「レトロ感がある個性的な映画館。良質の文化を味わう場がなくなってしまう」と嘆く。
 若林区の無職加藤嘉信さん(74)は2010年ごろから、同ホールの協力を得て平和や命の大切さをテーマとする新作の上映会を数回開いた。「公共施設で上映するより客層が広がるのでありがたかった」と感謝する。
 宮城県内の11館が加盟する県映画協会の加藤慶蔵会長(72)は「力関係の上で配給会社の方が強くなるなど、映画館の経営環境は厳しさを増している。特にセントラルホールのような基盤の弱い館は全国的に閉館が相次いでいる」と説明した。
 閉館後の施設の使い道は未定。我妻さんらは「何らかの形で営業を再開してほしい」と願っている。


<仙台セントラル閉館>赤字体質、老朽化も進み…40年の歴史に幕
 仙台市内で唯一、地元資本によって運営されている映画館「仙台セントラルホール」(青葉区中央)が6月末で閉館することが12日、分かった。インターネット動画の普及などにより映画離れが進み、恒常的な赤字経営に陥っていた。ミニシアター系の新作や旧作の上映に力を入れてきたが赤字体質は改善せず、40年の歴史に幕を下ろす。
 経営主体の合同会社仙台セントラル劇場の小野寺勉代表(63)は「東日本大震災で施設が一部損壊して客足が落ちた上に老朽化も進み、維持が困難」と閉館の理由を説明した。合同会社も解散する方向。
 1979年、青葉区中央通沿いに新築されたビル内で、不動産会社が経営する日乃出セントラル劇場として開館。赤字などのため経営者は3回入れ替わった。2007年からビル所有者の名を冠して桜井薬局セントラルホールとして運営。今年2月、命名権契約が切れて現名称になった。落語家を招いた魅知国(みちのく)仙台寄席、在仙プロダクションによるお笑いライブなども開かれた。
 座席数は154。米映画「シンドラーのリスト」が大ヒットした94年の来館者は年間10万人を超えたが、近年は1万人台にとどまっていた。
 23日から「セントラル特選さよなら上映」と銘打ち、フィルム映写機による「楢山節考」など国内の8作品を上映する。
 セントラルの閉館により、仙台市内の映画館はMOVIX仙台(太白区)、TOHOシネマズ仙台(青葉区)と、それぞれフォーラム運営委員会(山形市)が運営するフォーラム仙台(青葉区)、チネ・ラヴィータ(宮城野区)の計4館となる。


<旧優生保護法>宮城・柴田の女性が提訴へ 知的障害理由に10代で手術
 旧優生保護法(1948〜96年)下で強制不妊・避妊手術が繰り返された問題で、知的障害を理由に10代で不妊手術を強いられたとみられる宮城県柴田町の60代女性が、国家賠償を求めて仙台地裁への提訴を検討していることが12日、分かった。近く開示予定の県の手術記録を踏まえ、請求内容を決める。現在、東北では同種訴訟2件が係争中。
 支援弁護団によると、女性は首にへその緒が巻き付く「臍帯巻絡(さいたいけんらく)」のため仮死状態で生まれ、後遺症で重度の知的障害がある。1960年代に県北部の福祉施設に入所し、間もなく不妊手術を受けたとみられる。現在は柴田町の福祉施設に入所している。
 旧法を巡る同地裁への国賠訴訟提起を報道で知った女性の実姉が今年4月、弁護団に相談。5月上旬に女性が角田市の実家に帰省した際に下腹部の手術痕が確認され、弁護団は手術記録の開示を県に請求した。
 実姉は取材に「母親(故人)から当時、『(手術は)国の決めたことだからしょうがなかったのよ』と打ち明けられたことを報道を見て思い出した。妹がなぜ手術を受けなければならなかったのか、真実を知りたい」と語った。
 同地裁で13日に開かれる全国初の国賠訴訟の第2回口頭弁論で、国は救済法の策定義務を否定する反論書面を陳述する見通し。同日の弁論では、地裁に5月に提起された第2陣訴訟の審理も併合される見通しで、同訴訟でも国は請求棄却を求めるとみられる。


史上初の米朝首脳会談 後戻りさせない転換点に
 まさしく歴史的な瞬間だった。
 シンガポールでトランプ米大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が固い握手を交わした。やや硬い表情の金氏の緊張をほぐすように、トランプ氏が彼の右腕を軽くたたく。
 映画でも見るような光景である。
 朝鮮戦争(1950〜53年)以来、65年も対立してきた両国の史上初の首脳会談だ。数カ月前までは戦争の瀬戸際とも言われた米朝の「雪解け」は前向きにとらえたい。
 両国の共同声明には「新たな米朝関係」など4項目がうたわれた。米国が北朝鮮に安全上の保証(体制保証)を与え、北朝鮮が朝鮮半島の完全な非核化への「揺るがぬ関与」を確約することが合意の柱である。
非核化の担保が不十分
 固い約束のようだが、懸念は大いに残る。米朝の共同声明は、韓国と北朝鮮の首脳会談(4月27日)に伴う「板門店宣言」に基づくもので、米国が従来求めてきた「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化(CVID)」には触れていない。
 記者会見でこの点を問われたトランプ氏は、声明をよく読めば言及していると語る一方、別の記者の同趣旨の質問には「時間がなかった」と答えた。この辺が本音だろう。核廃棄をめぐる肝心な論議を詰め切れていないことをうかがわせた。
 そもそも北朝鮮がCVIDに同意したかどうかもはっきりしない。非核化についてトランプ氏は、金氏が会談で「やりたい」と語ったと説明し、ミサイルに使うエンジンの燃焼試験場の閉鎖を北朝鮮側から告げられたことも明らかにした。
 しかし非核化のプロセスがいつ始まり、いつ終わるのか。既に北朝鮮が保有する核爆弾はどう処理するのかなど、基本的な問題についても具体的なことは一切語らなかった。
 ポンペオ国務長官は会談直前、米国が求める非核化とはCVIDに他ならないと強調していた。米政府内の温度差もさることながら、北朝鮮が誠実に非核化を実行する保証がどこにあるのか。せっかくの歴史的な会談なのに合意内容がいつの間にか後戻りしないか不安になるのだ。
 金氏自身の声で非核化の決意や今後の手順を聞けなかったことも不安をあおる。米朝関係は改善されようと、日本をはじめとする近隣諸国の命運にかかわる核・ミサイル問題の行方は不透明と言わざるを得ない。
 半面、米国が北朝鮮に体制保証を与えたことで、いまだ休戦状態にある朝鮮戦争は終戦協定に向けた手続きが進む可能性が出てきた。韓国と北朝鮮の南北融和も加速し、東アジアに残った冷戦構造も解消に向かう見通しだ。こうした環境変化に日本も俊敏に対応する必要がある。
 共同声明には、朝鮮戦争の行方不明米兵(MIA)について北朝鮮が遺骨などの引き渡しに協力することもうたわれた。軍を重視するトランプ氏の意向をくんだのだろう。
 共同声明には盛られていないものの、トランプ氏は首脳会談で日本人拉致問題を提起したと述べた。訪米してトランプ氏に提起を要請した安倍晋三首相の顔を立てた格好だ。
トランプ流の危うさ
 注目されたのはトランプ氏が北朝鮮への軍事オプションを封印したと思えることだ。北朝鮮が合意を破った時は軍事行動も考えるかと聞かれたトランプ氏は、韓国などへの甚大な影響を考えれば軍事行動は非現実的との認識を示した。
 米韓軍事演習も北朝鮮の対応次第では中止する考えを示し、在韓米軍縮小にも前向きな態度を見せた。この辺は大きな路線転換と言うべきで、北朝鮮への軍事行動は不可能と判断してきた米国の歴代政権に、トランプ氏も同調したように映る。
 良くも悪くもトランプ流である。同氏は「権威」や「専門家」を嫌う傾向が強く、米国政治に通じた人々自身が米国の危機を招いたと述べる(著書「グレート・アゲイン」)一方、北朝鮮政策では過去の米政権の「失敗」を批判してきた。
 2016年の大統領選時には、金氏とハンバーガーを食べながら核問題を話し合う構想を口にした。今回の首脳会談は、形にとらわれずトップ交渉で問題解決を図ろうとする姿勢の表れだろう。
 だが、第三国で行われた首脳会談は「政治ショー」の色彩がつきまとった。金氏の訪米を招請したのもトランプ流だろうが、その成否は今後の推移で判断するしかない。焦点はもちろん、北朝鮮が速やかに核廃棄に着手するかどうか、である。


初の米朝首脳会談 非核化への新たな一歩に
 トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長がきのう、シンガポールで会談した。
 朝鮮戦争(1950〜53年)は休戦協定が結ばれているものの、法的には戦争状態が続いている。その解決の鍵を握る両国トップによる初の会談である。実現した歴史的意義は大きい。
 発表した共同声明には、米国が北朝鮮の体制を保証し、北朝鮮は完全な非核化に断固として取り組むことなどが盛り込まれた。
 70年に及ぶ敵対関係を解消し、新たな米朝関係を結ぶことになるという。
 とはいえ、その中身はまだ具体的ではない。完全な非核化が「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」(CVID)を意味するのかをはじめ、不透明な部分が数多く残された。
 非核化の方法や期限などは今後の協議に委ねられる。
 両首脳はさらに会談を重ねるという。トランプ氏は金氏をホワイトハウスに招き、自身も適切な時期の訪朝に意欲を示した。
 大切なのは、さらなる対話を通じて信頼関係を構築し、非核化の流れを確実にすることである。
 今回の首脳会談はそのための第一歩と位置付けられよう。
■曖昧さを残した合意
 合意はできても、履行は困難を伴う―。これが、四半世紀にわたる北朝鮮との非核化交渉を通じた国際社会の共通認識である。
 北朝鮮は見返りの経済支援を受けながら、合意内容を破棄して核・ミサイル開発を続けてきた。それが昨年の軍事的な緊張につながった。
 同様の過ちを繰り返してはならない。それを防ぐための大原則がCVIDだった。
 ポンペオ米国務長官も「朝鮮半島のCVIDは米国が受け入れる唯一の結果だ」と強調してきた。
 ところが、共同声明にその言葉はなかった。トランプ氏は「検証をしっかり実施する」と述べるにとどめた。最終目標がCVIDであることを改めて確認しなければならない。
 北朝鮮が保有する核兵器、弾道ミサイルを廃棄するか、国外に持ち出す。国際原子力機関(IAEA)が徹底検証し、二度と核開発できないようする。
 この作業をいつ、どのような手順で進めていくか、明確にする必要がある。
 トランプ氏は、対話継続中は米韓合同軍事演習を中止する意向を明らかにした。体制を脅かす行動は避ける配慮とみられる。
 一方で北朝鮮に対する制裁は当面、維持する考えも示した。トランプ氏の姿勢も定まらない部分がある。
 肝心なのは体制保証がCVIDの実現と表裏一体であることを、北朝鮮に念押ししていくことだ。
 北朝鮮は国際社会がつねに疑惑の目を向けていることを意識し、率先して非核化への行動を示すことが求められる。
■「戦争終結」へ道筋を
 共同声明には、米国と北朝鮮が「朝鮮半島において持続的で安定した平和体制を築くため共に努力する」ことも明記した。
 先の南北首脳会談で合意した「板門店(パンムンジョム)宣言」に沿って、朝鮮戦争の年内終結を南北間で宣言する。その上で米国、中国を交えて平和協定の調印を目指すことを表明したと言える。
 朝鮮戦争では、数百万の死傷者と1千万人の離散家族を生んだ。
 世界で唯一残されていた冷戦構造は、早期に解消されなければならない。
 かといって、単に戦争を終結させるだけでは、北東アジア情勢の安定にはつながらない。
 米朝ともに内向きのアピールに終わらせてはいけない。
■拉致解決へ重要局面
 日本人拉致問題についてはトランプ氏が金氏に提起した。トランプ氏は記者会見で、「(北朝鮮が今後)取り組む」と述べた。
 安倍晋三首相が再三、トランプ氏に会談で取り上げてもらえるよう要請した結果だ。
 首相は米朝会談を受けて「しっかりと北朝鮮と向き合い、2国間で解決していかなければならないと決意している」と強調した。
 きのう夜にはトランプ氏と電話会談し、今後の対応について協議した。
 問われるのは日本政府の行動だ。これまでの圧力一辺倒でその糸口をつかめるのか。
 高齢化する被害者家族からは「みんなが元気なうちに一刻も早く再会したい」との期待が寄せられている。
 首相はこの言葉の重みを受け止めるべきだ。
 北朝鮮は拉致問題だけでなく、国内の深刻な人権問題が指摘されている。そうした問題の解決に積極姿勢を示さなければならない。


米朝首脳会談/アジアの新地図を描く一歩に
 トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長による史上初の米朝首脳会談がきのう、シンガポールで開かれた。
 最大の焦点だった北朝鮮の非核化について、共同声明は「朝鮮半島の完全非核化を約束」としただけで具体的な中身に踏み込まなかった。
 そのほかにも多くの課題が積み残され、近く開かれる高官級の協議に委ねられることになった。期待外れの感は否めない。
 だが武力衝突寸前まで対立していた両国が、対話の扉を大きく開いた意味は大きい。
 両国はもちろん、日中韓ロの関係国も積極的に協力し、アジアの新たな地図を描く一歩としなくてはならない。

 共同声明で残念だったのは、「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化(CVID)」の文言が盛り込まれなかった点だ。
 米国が要求し続け、国際社会も支持する合意の最低ラインとみられていたが、米国側が譲歩したとみられる。
 会談後に会見したトランプ氏によると、金氏は「迅速に履行する」としたという。金氏を「素晴らしい人物」などとも評価した。
 しかし非核化を実現する具体的な時期については触れられなかった。トランプ氏自身「完全非核化には長い時間がかかる」と述べており、北朝鮮の求める「段階的非核化」を、結果的に受け入れた形だ。
 懸念するのは、それが北朝鮮の時間稼ぎに使われ、なし崩しに核保有が既成事実化する展開だ。今後の高官級協議では、CVIDについてもっと突っ込んだ議論をする必要がある。
 その上で、北朝鮮が保有する全ての核関連施設の申告と検証、核物質や大陸間弾道ミサイル(ICBM)の廃棄、国際原子力機関(IAEA)などによる査察といった手順を詰めなければならない。
 北朝鮮が保有しているとされる化学兵器も、その枠に含まれるのは当然だ。
裏切りから信頼へ
 米朝関係はこれまで裏切りの歴史だった。
 北朝鮮は過去に何度も非核化を約束し、見返りの援助を引き出してはほごにしてきた。
 だが今回の合意が過去と異なるのは、最高指導者が直接話し合った結果であることだ。
 会談を通じて、双方に一定の信頼関係を構築できた意義も大きい。
 トランプ氏は制裁は当面続けるとしたが、対話が続く間は韓国との合同演習の中止を約束した。北朝鮮の体制保証も明言した。一方、金氏はミサイルエンジン試験場の閉鎖に言及した。
 朝鮮半島情勢に詳しい木村幹(かん)神戸大大学院教授は「対話が今後も続けば、戦争は起こらない。悪い方向には進んでいない」と述べる。
 北朝鮮は今年4月、核開発と経済建設を同時に進める「並進路線」を転換し、「経済建設に総力を集中する」という新方針を打ち出している。
 その直後には、韓国との南北首脳会談に応じた。
 国際社会に積極姿勢をアピールしているのは、開かれた国に北朝鮮を変えていこうと金氏が退路を断った証しと受け止めたい。
 1950年に始まった朝鮮戦争は、3年後に米軍主体の国連軍と、北朝鮮の朝鮮人民軍、中国人民義勇軍の3者が休戦協定を結んだ。しかし、現在も国際法上、戦争状態が続いている。分断国家のベトナムやドイツが統一されたことで、朝鮮半島は冷戦構造が残る世界で唯一の地域となっている。
終戦合意を課題に
 会談の直前、トランプ氏は朝鮮戦争終結の可能性にも言及していたが、合意文書には盛り込まれず、今後の協議への課題となった。実現すればアジアの安全保障の構図も大きく塗り替えられる。
 日本にとって最大の関心事である拉致問題について、トランプ氏は「提起した」と述べるにとどめた。日本が今回の会談の当事者でない以上、これ以上の言及は難しかっただろう。
 安倍晋三首相は拉致問題について「最終的には日本と北朝鮮で話し合わなければいけない」と述べた。
 米朝が対話に大きくかじを切った今、日本もこれまでの北朝鮮との関係を再考する必要があるのは間違いない。首脳同士の会談を実現させて、問題を早急に解決するべきだ。
 朝鮮半島が分断された直接のきっかけは、第2次大戦直後に米国と旧ソ連が分割統治したことだ。だがさかのぼればそれより前の1910年、日本が植民地化した事実に行き着く。
 今年に入っての朝鮮半島を巡る激しい変化に、日本はかやの外に置かれた感がある。だが日本が朝鮮半島の命運に責任を負っているのは歴史的な事実だ。
 北朝鮮の変化の気運をとらえて拉致問題解決の糸口を見いだし、信頼関係を構築する。東アジアの安定と繁栄へ、日本はこれから動きだすべきだ。


米朝首脳会談  非核化の意思を現実に
 焦点の「非核化」に進展は見られなかった。だが、緊張を再燃させてはならない。米朝首脳は対話を重ね、実行に向けた協力を進めてほしい。
 七十年間にわたり対立していた米朝の首脳が会談するとあって、世界がシンガポールを見つめた。
 会談に入る前、トランプ米大統領は「大きな成功を収める」と自信を見せた。金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長も、「われわれは全てを乗り越えてここに来た」と応じた。
 当初は硬い表情だった二人は、言葉を交わし、握手して打ち解けていった。多くの人が交渉の行方に、希望を感じたのではなかったか。
◆対立から対話への転換
 両首脳が出会い、率直に語りあったことは、朝鮮半島で続いてきた対立を和らげ、対話局面に転換させる機会である。
 米朝両国の対立は、北朝鮮建国の一九四八年にさかのぼる。直接戦火を交えた朝鮮戦争(五〇〜五三年)を経て、この二十年ほどは、核問題をめぐる緊張と確執が高まった。
 トランプ氏と正恩氏も激しい言葉のやりとりをし、武力衝突の危険さえささやかれた。
 会談の最大のテーマが、北朝鮮の「完全な非核化」となったのも当然だろう。
 しかし、会談後に文書として両首脳が署名した「シンガポール共同声明」は、実効性の点で物足りず、北朝鮮の従来の立場を、あらためて確認するレベルにとどまった。
 共同声明は、非核化について四月二十七日の南北首脳会談で合意した「板門店宣言」を再確認し、「朝鮮半島の完全な非核化」に北朝鮮が努力するとした。
 米国が求めていたCVID(完全で検証可能、不可逆的な非核化)という言葉は入っておらず、実行に向けた具体的な日程の言及もなく、新味に欠けた。
◆今後の見通しは不透明
 トランプ氏も不十分さを実感していたに違いない。
 「この文書には盛り込まれていないことがある」と強調し、正恩氏がミサイルエンジン実験場の閉鎖を約束したと語った。
 またトランプ氏は、正恩氏が非核化のプロセスに「早期に着手するだろう」と述べたものの、今後順調に進むか不透明だ。
 長く険しい対立を、一回の会談で解消することは難しいに違いない。トランプ氏も、会談の成果は「一定の信頼醸成だった」と説明したほどだ。
 とはいえ、正恩氏が核放棄にどこまで本気なのか、今回も十分確認できなかったのは残念だ。
 首脳会談直前まで、事務方同士が調整を進めた。正恩氏は、北朝鮮に理解を示す中国を後ろ盾に、段階的に核放棄する従来の姿勢を譲らなかったようだ。
 正恩氏は、「北朝鮮に対する敵視政策と脅威がなくなれば、核を持つ必要はなくなる」と非核化への決意を表明、経済発展に専念する考えを強調してきた。
 正恩氏が本当に国内経済を発展させたいのなら、核やミサイルを使った駆け引きを、これ以上続けるべきではない。非核化に向けて動きだす時に来ている。
 今回の会談では、朝鮮戦争を終わらせるための「終戦宣言」も、大きなテーマとなった。
 「終戦宣言」は正式な終戦に先立ち、戦争を終える意思を確認し合うことだ。
 北朝鮮を安心させ、核放棄に応じさせるための「政治的メッセージ」だが、これも見送られた。
 代わりに合意文書の中では、「北朝鮮に安全の保証を与える」「米朝両国は、朝鮮半島に恒久的で安定した体制を築くことに努力」などの表現が盛り込まれた。
 完全な核放棄の実現前に、体制の保証を与えることを約束するものであり、北朝鮮にとって満足できる内容になったのではないか。
 朝鮮戦争の終戦は一刻も早く実現すべきだが、非核化の具体性が先行して示されるべきであることを忘れてはならない。
 正式な終戦には、北朝鮮と米中、そして韓国が加わった四者による平和協定の締結が必要になる。さらに将来的には、在韓米軍の見直しにもつながるだろう。
◆日本も首脳会談目指せ
 日本や北東アジア全体の安全保障にも、大きな影響が出ることが想定される。慎重かつ確実に進めてほしい。
 安倍晋三首相は、北朝鮮による日本人拉致問題について「正恩氏との間で解決しなければならない」と決意を語っている。トランプ氏も、会談で拉致問題を北朝鮮側に提起したと語った。
 自国民の人権に関わる問題を、他国任せにしてはならない。タイミングを見極めて、直接対話の機会を探らなければならない。


朝鮮半島非核化声明 新基地の必要論崩れる
 トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は、初の首脳会談を開いた。
 正恩氏は共同声明で南北首脳による板門店宣言を再確認し「朝鮮半島の完全非核化」を約束した。トランプ氏は非核化に向けた対話継続中は、米韓軍事演習を中止する意向を示した。在沖米軍も参加する演習中止は、朝鮮半島の緊張緩和につながる。
 米朝首脳会談を機に朝鮮半島に残る冷戦構造が解体へ向かう一歩とすべきだ。
 今回の米朝首脳会談の最大の焦点は、米国が求める完全で検証可能、不可逆的な非核化(CVID)を北朝鮮に認めさせるかだった。
 共同声明に盛り込まれなかったが、トランプ氏は「(非核化へ向け)揺るぎない決意を示した」と強調。非核化プロセスを迅速に始めることを明らかにした。
 非核化を巡っては米朝の思惑には隔たりがある。米国はCVIDを求め、北朝鮮は米国に段階的なアプローチを望む。トランプ氏は「完全な非核化には時間がかかる」との見方を示した。今回の会談は非核化に向けた入り口にすぎない。
 トランプ氏は非核化と並んで60年以上休戦状態にある朝鮮戦争の終結合意を検討していると明言していた。共同声明が実現したことで、東アジアに新しい秩序が構築される可能性がある。
 朝鮮戦争が終結すると、在沖米軍基地に大きな変化をもたらす。
 嘉手納基地を中軸とする沖縄の米空軍は、朝鮮戦争と深く関わっていた。嘉手納基地、米軍普天間飛行場、ホワイトビーチ地区は、在日米軍だけでなく朝鮮戦争時の国連軍基地でもある。
 朝鮮戦争が終結すると、沖縄に国連軍基地はなくなり、北朝鮮の攻撃対象から外れる。政府はこれまで北朝鮮を「脅威」とし「抑止力」として在沖米海兵隊の存在意義を主張してきた。朝鮮半島に平和が訪れれば脅威の前提が崩れる。普天間飛行場を維持し続けることや、名護市辺野古への新基地建設は大義名分を失い、必要なくなる。
 にもかかわらず政府は国内外の関心が米朝首脳会談に集まった12日、8月17日にも土砂を投入すると県に通知した。あえてこの日を選んだのではないかと疑いたくなる。
 東アジアで生まれつつある変化を敏感に感じ取れば、平和共存の枠組みづくりに水を差すような新基地建設は中止すべきだ。日本が注力すべきは新基地建設ではなく、米中韓ロなどとともに、朝鮮半島の非核化を実現することだ。
 一方、日本人拉致問題についてトランプ氏は北朝鮮に提起したことを明らかにし「今後取り組んでいく」と述べた。この間、拉致問題について日本側の戦略と具体的な取り組みが見えず、米国頼りになっている印象が拭えない。日本は解決に向け、主体的に取り組むべきである。


[米朝首脳会談]非核化手順の合意急げ
 朝鮮戦争の休戦から65年、史上初の米朝首脳会談が12日、ジェット・コースターのような曲折を経て、ようやく実現した。
 トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長は会談前、会場となったシンガポールのホテルで固い握手を交わし、会談の歴史的意義をアピールした。
 戦後の苦難を生きた韓国国民や在日コリアンにとってこの光景は、心を揺さぶられるものがあったに違いない。
 首脳会談の成果は、困難視されていた会談を実現し、共通の目標を合意文書にまとめたこと、それによって朝鮮半島に緊張緩和の風を吹き込んだこと、である。
 ただ、首脳会談には、合意そのものが空文化しかねない危うい側面がある。
 米国や日本が求めていたのは北朝鮮の「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」(CVID)だった。共同声明にはCVIDの文言がなく、非核化の具体的な手順にも触れていない。
 4月の南北首脳会談で確認された「板門店宣言」を再確認する形で、「北朝鮮は朝鮮半島における完全非核化に向けて努力する」と述べるのにとどまっている。
■    ■
 「板門店宣言」から一歩も進んでいない大ざっぱな内容なのである。なぜ、こんなことになってしまったのか。
 トランプ大統領は、十分な詰めも政府内部の検討もないまま、首脳会談を即断即決した。
 北朝鮮は実質的な核保有国である。核関連施設と核関連物質がどこにどれだけあるか、それをいつまでにどのような手順で廃棄するか。厳密な査察と検証が欠かせない。
 段階的な非核化と進展に応じた見返りを求める北朝鮮との間で、非核化に向けた調整を図るのは、極めて複雑な作業だ。
 トランプ氏も記者会見で「詳細を詰めるには時間がなかった」と見通しの甘さを認めざるをえなかった。 
 確認された共通目標に向かって、今後、非核化をどう具体化していくか。後戻りは許されない。
■    ■
 首脳会談のもう一つの焦点であった北朝鮮の体制保証について、共同声明は、朝鮮半島の完全非核化の見返りとして「北朝鮮に安全の保証を与える」ことを約束している。
 ただ、朝鮮戦争の「終結宣言」まで踏み込んだわけではなく、そのあとの「平和協定締結↓国交正常化」にも触れていない。
 「非核化」も「体制保証」も抽象的表現にとどまり、具体性に欠ける。大急ぎでまとめた印象は否めない。
 記者会見で明らかになったのは、外交とビジネスを区別せず、何事も金銭的な損得勘定で判断するトランプ流の考え方だ。
 トランプ氏は、北朝鮮との対話継続中は米韓合同演習を中止する考えを明らかにし、「中止によって多額の費用を節約できる」ことを理由に挙げた。
 「将来、在韓米軍を縮小したり撤収させたりする可能性がある」ことにも触れたが、ここでも念頭にあるのは「費用の節約」だろう。
 北朝鮮の非核化に向けた費用についても「日韓両国は経済支援の用意があり、米国が支援する必要はない」と言い切った。
 トランプ流の米軍再編が進めば、沖縄の基地負担が増すおそれがある。
 南北首脳会談や米朝首脳会談の実現の過程で、日本は局外者の悲哀を味わってきた。
 トランプ氏が会談の中止を打ち出すといち早く支持を表明し、予定通り開催することを決めると手のひらを返したように期待感を表明する。  「日米は常にともにある」(安倍晋三首相)と言いながら米国に付き従う安倍外交の姿勢は危うい。
 トランプ氏は、安倍首相の要請を受け、首脳会談で拉致問題を取り上げたことを明らかにした。拉致問題を解決するためには、北朝鮮との関係改善が欠かせない。
 日朝首脳会談の実現はそのための必須の条件だ。拉致問題の解決と、不幸な過去の清算を展望した日本独自の取り組みを求めたい。


米朝首脳会談 非核化の道筋早く示せ
 長きにわたって敵対関係にある米朝の首脳による、史上初めての会談がようやく実現した。
 米国のトランプ大統領と北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長が、シンガポールで歴史を刻む首脳会談を開いた。北朝鮮は朝鮮半島の完全な非核化に向けた努力を約束する―などとした共同声明に署名した。
 両首脳は最近まで互いに核兵器をちらつかせて「小さなロケットマン」「老いぼれ」などと、ののしり合ってきた。武力ではなく、対話による解決の道を選び、テーブルに着いたことを、まずは評価したい。
 ▽手順 具体化急げ
 ただ、最大の焦点である非核化については、共同声明に盛り込まれたものの、大枠合意したにすぎない。
 「完全な非核化」は会談前から北朝鮮側は表明してきた。たやすい作業ではないだけに、具体的な道筋について、声明に全く記されていないのは残念で、今後に不安も残る。
 声明に抽象的な文言が多いのも気になる。トランプ氏が会談後の単独会見で、その声明を過大に評価する様子には、違和感さえ覚えた。
 というのも、核・ミサイル問題を巡って、米朝はこれまで何度も交渉してきた。過去にも非核化に向けた合意が結ばれたものの、北朝鮮の裏切りなどでほごにされた経緯があるからだ。
 トランプ氏は「過去の失敗は繰り返さない」「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化(CVID)こそが成果となる」などと述べ、今回の会談に臨んだ。
 にもかかわらず、声明は過去の米朝間や6カ国協議の合意などと比べてもあいまいと言わざるを得ない。非核化の具体的な手順や達成時期、CVIDといった原則が抜け落ちている。
 トランプ氏は会談を「プロセスの始まり」と位置付けてきた。ならば、そのプロセスの具体化を急ぐ必要がある。
 ▽信頼関係は醸成
 北朝鮮が核物質や関連施設を正確に申告して国外へ搬出するほか、国際機関による検証や査察も含めた道筋を、早急に作成すべきだ。声明も「できるだけ早い日程でさらなる交渉を行う」としており、来週にも米朝高官級協議を開いて詰めるという。着実に進めてほしい。
 一方、もう一つの焦点である朝鮮戦争の終戦宣言は、共同声明では触れられていない。平和協定締結に向け、トランプ氏も金氏も意欲を示していたが、非核化を優先したのだろう。
 ソ連が崩壊した後も、世紀をまたいで、冷戦構造が唯一残っていた朝鮮半島である。共同声明は、両国が平和のために「新しい米朝関係を築く」とうたう。トランプ氏は今回の歴史的会談について「一定の信頼を醸成したことが成果」と述べた。確かに会談は、首脳間での信頼を構築する第一歩にはなったと言えよう。
 ただ真の和解に向け北朝鮮が米国に求めてきたのは、「軍事的脅威の除去」のはずである。トランプ氏は会見で、「米朝の対話が継続している間は米韓合同軍事演習を中止する」と述べた。今後も北朝鮮に非核化を求めるだけでなく、自らも軍縮に努めなくてはならない。
 ▽外交力 試される
 多くの人が心配する日本人拉致問題については、トランプ氏は会見で記者に問われ、会談で提起したと明かすにとどまった。金氏がどう対応したか分からず、被害者家族には物足りなかったかもしれない。本来は日本政府が自ら打開し、北朝鮮との交渉の道を探るべき問題だ。トランプ氏の言及を受け、安倍晋三首相は「日本がしっかり向き合い、解決していきたい」と述べた。当然のことだ。
 今後は、これまで存在感の希薄さが否めなかった日本政府の外交力が改めて試されよう。
 米国による「核の傘」を信奉する日本こそ、核に頼らない安全保障に向けた努力が求められるのではないか。拉致問題の解決を目指す上でも、北朝鮮を敵視するだけではなく、朝鮮半島の冷戦構造が転換する局面に備えて、新たな外交戦略を打ち出す必要がある。


米朝首脳会談  東アジア安保新たな段階に
 東アジアの安全保障環境を変える歴史的一歩となるのだろうか。
 トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長による初の会談がシンガポールで行われた。
 共同声明では、金氏が4月末の南北首脳会談での板門店宣言を再確認して「朝鮮半島の完全非核化」を約束、トランプ氏は北朝鮮の体制を保証すると確約した。
 両首脳は、朝鮮半島で持続的で安定した平和体制を築くため努力することでも合意した。
 北朝鮮の核・ミサイル開発をめぐって昨年まで一触即発の危機が続いていた朝鮮半島は、米朝が平和構築に向けて歩み寄る新たな段階に入った。
 緊張緩和を進め、平和への取り組みを加速させるよう、両国首脳にはいっそうの努力を求めたい。
 両国関係の再構築は、65年に及ぶ「戦争状態」にある朝鮮戦争の終結宣言を導き、冷戦時代から朝鮮半島に残る対立状態を終了させる可能性にもつながる。
 冷戦構造の枠組みを脱し、新たな地域安定の仕組みを構想し直す機会につなげたい。米朝だけでなく、日本、韓国、中国など周辺国も互いの関係を結び直し、東アジアの平和に貢献してほしい。
 実効性ある非核化を
 とはいえ、今回の首脳会談で最大の焦点だった「非核化」についての合意は不透明な部分も残る。
 事前の実務交渉で米国が求めていた「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化(CVID)」の文言は共同声明に明記されなかった。
 非核化プロセスについては、米国がCVIDを求めたのに対し、北朝鮮は行動ごとに見返りを求める「段階的措置」が必要と主張してきた。首脳会談で、トランプ氏が譲歩したともとれる。
 トランプ氏は、金氏がただちに非核化プロセスを実行すると語ったが、具体的にどのような過程で行うのかは見通せない。
 金氏が約束した非核化の実効性を担保するには、期限など具体的な工程を示し、専門家による現地査察などの検証が欠かせない。
 核・ミサイル開発で、北朝鮮は過去に何度も非核化に向けた合意をしながら核開発を継続してきた「前歴」がある。
 金氏が本気で約束したなら、国際社会に見える形でプロセスを示さなくてはならない。
 最大60発ともいわれる既存核兵器の保管先やウラン濃縮施設の所在情報が不明なままだ。国際原子力機関(IAEA)の査察を含め、実効性ある検証を受け入れなければ信用は得られないだろう。
 米国も、その点は強く求めていくべきだ。トランプ氏は、北朝鮮が最も切実に求めていた体制保証という「見返り」を与えた。非核化が確実に進む見通しもなくお墨付きを出したとなれば、過去の米政府の失敗を繰り返すだけだ。
 専門家の中には、国家の存亡をかけて親子3代にわたって開発した核兵器を完全に手放すことに懐疑的な見方もある。非核化に向けた確実な行動を、今後の交渉の中で詰めていく必要がある。
 米朝首脳会談で再確認した板門店宣言では、朝鮮戦争の終戦宣言をし、休戦協定を平和協定に転換することが盛り込まれている。実現すれば、非核化への取り組みを促す一助になると考えられる。
 日本も入る枠組みに
 戦争状態の終結は在韓米軍や合同演習などの不要論につながる可能性がある。トランプ氏も在韓米軍の縮小に言及しており、日本を取り巻く安全保障の現状は大きく変化することも予想される。
 北朝鮮が既存核兵器の廃棄などに踏み切らないままの平和協定転換は、かえって地域を不安定にする可能性があることには注意が必要だ。
 そうはいっても、今回の共同声明で、米朝が「緊張状態と敵対関係の克服」にふれたことは、東アジアの安全保障に新しい局面をもたらしたといえる。米朝だけでなく、周辺諸国も加え、これまでとは異なる新たな発想に立った安全保障体制を構想する必要もあるのではないか。
 板門店宣言では韓国、北朝鮮と米国の3者、または中国を加えた4者による会談を積極的に進めて平和体制を構築することが語られている。日本だけが置き去りにされるわけにはいかない。日本も加わって大きな枠組みをつくれるよう韓国や中国にも積極的に働きかけなければならない。
 「拉致」の突破口開け
 日本政府が最大の懸案とする拉致問題は共同声明には明記されなかったが、トランプ氏が金氏に提起した。ただ、金氏がどう反応したかは不明だ。
 最終的な解決には日朝が直接対話を重ね、安倍晋三首相と金氏の首脳会談につなげる必要がある。しかし北朝鮮は「拉致問題は解決済み」としており、交渉は難航が予想される。
 日朝が交渉を進めるには、北朝鮮側が歩み寄る環境が必要だが、トランプ氏がそこまで仲介してくれるかは分からない。
 米朝会談の成果をてこに、14日から予定される日朝非公式協議などの場で議論を積み重ね、早期の問題解決への突破口を開かなくてはならない。


米朝首脳会談/具体策に乏しい共同声明だ
 行き詰まった問題の解決を棚上げにし、北朝鮮側に大きく譲歩した内容と言えるのではないか。
 北朝鮮の核・ミサイル廃棄の行方を最大の焦点に、きのうシンガポールであった米国のトランプ大統領と金正恩朝鮮労働党委員長による史上初の首脳会談。両首脳は、北朝鮮の非核化などに言及した「シンガポール共同声明」に署名し、新たな米朝関係の構築を強調した。
 対話による一つの成果と解釈もできよう。しかし、急ごしらえのプランで具体性の乏しさは否めない。
 声明の内容が本当に世界の核危機を回避し、朝鮮半島の安定に結び付くのか。双方が「交渉の実」を取るためだけの演出に終わってしまう懸念を抱かざるを得ない。
 事前の交渉では、検証可能で後戻りできないなど厳しい条件を課す「完全な非核化」についての両国の認識の溝は深く、共同声明は困難とみられていた。
 金氏は声明で4月の板門店宣言をなぞる形で「朝鮮半島の完全な非核化」を約束。これに呼応しトランプ氏は北朝鮮の体制の安全を確約した。
 「完全な非核化」は、日本を射程に収める中短距離の弾道ミサイルを含め、全ての大量破壊兵器を対象に、期限や確実な査察を明確にしなければ世界に納得されまい。
 声明では具体策には言及せず、トランプ氏は「非核化プロセスを迅速に始める」と強調。詳細な工程は次回以降の協議に持ち越した格好だ。
 にもかかわらず、トランプ氏は北朝鮮が最も欲していた「体制保証」をあっさり与えた。北朝鮮がほとんど何の行動も起こしていないのにだ。
 米国による敵視政策の解消や在韓米軍の撤退などにつながる可能性がある。北朝鮮が現体制の安泰を手にし、非核化が達成される前に制裁が有名無実化するのではないか。
トランプ氏は米韓合同軍事演習を中止する意向もあるという。あまりに北朝鮮寄りだ。
 この国はこれまで何度も核放棄を約束しては、ほごにして米国や周辺国は煮え湯を飲まされてきた。同じ轍(てつ)を踏むことのないよう非核化の検証は徹底しなければならない。
 トランプ氏は安倍晋三首相との約束を守り、会談で拉致問題を提起したが、金氏がどう受け取ったは説明されなかった。むしろ戦没米兵の遺骨収集を熱心に語った。
 日本政府も、自国民の利益のために独自の交渉に踏み込んでほしい。北朝鮮は「解決済み」との姿勢に終始している。しかし被害者家族は誰一人認めていない。
 人権に背を向ける国が平和で豊かな経済国家を築けるわけがない。日本側の訴えに誠実に向き合うべきだ。
 米朝は、さまざまな課題を文書に残したことで目的を達したかのように安堵している。口先だけでなくどう履行していくかが問われている。


河北春秋
 「トランプ氏は大統領選で勝つ気はなかった」。米国のトランプ政権の衝撃的な裏話が登場する。1月に米国で出版され、話題を呼んだ暴露本『炎と怒り』だ▼本の題名は旧約聖書にある神の怒りを表した言葉。昨夏、北朝鮮が米軍の要衝グアム周辺にミサイルを発射した際、トランプ氏が「世界が見たこともない炎と怒りに見舞われる」と威嚇した時に使った▼当時の一触即発の雰囲気から一転。トランプ氏と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が初の米朝首脳会談に臨み、共同声明に署名した。金氏は完全非核化を約束。トランプ氏は北朝鮮に体制保証を与えることを確約し、日本人拉致問題も協議した▼北東アジアの平和に向けた一歩となる合意。ただ、「米国第一主義」を掲げるトランプ氏にとって会談は秋の中間選挙に向けた実績づくりが狙いとされる。北朝鮮の非核化の具体的な道筋は示されず、会談が成功かどうかは今後を見ないと分からない▼米国の作家、故スティーブン・コビー氏は著書『7つの習慣』で人格的に筋が通った人間が真の成功に導かれると説いた。成功の条件として挙げるのは、誠意、謙虚、誠実、勇気、正義、忍耐、勤勉、節制、黄金律。両氏のイメージとはどこか違う。共同声明を手放しで喜べない理由がそこにある。

米朝首脳会談 非核化へ明確な道筋描け
 米朝の歴史的な会談は、朝鮮半島に残る冷戦構造を終わりに導くのだろうか。
 トランプ米大統領と金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長による史上初の米朝首脳会談が12日、シンガポールで行われた。
 会談でトランプ大統領は北朝鮮に「安全」を保証し、金委員長は朝鮮半島の完全な非核化への決意を示した。
 激しく対立していた両国の指導者が直接握手を交わすシーンは、国際社会に朝鮮半島の緊張緩和を実感させた。
 ただ、会談では非核化の目標設定やプロセスは後回しにされた。北朝鮮がこれから、本当に真剣な姿勢で核放棄に向かうかどうかはまだ不透明だ。
 今回の会談は複雑で困難な交渉の始まりにすぎない。
 会談を政治ショーに終わらせず、東アジアの長期的な安定につなげるためには、米国をはじめ関係国が北朝鮮の完全非核化という原則を譲らず、効果的なプロセスを粘り強く練り上げ、実行していくほかはない。
 ●曖昧な合意に懸念
 焦点の非核化を巡っては、両首脳は大ざっぱな目標を確認するにとどまったようだ。
 両首脳が署名した共同声明では「板門店宣言を再確認し、北朝鮮は朝鮮半島の完全な非核化に取り組む」としている。
 非核化の中身やそのプロセスについては、具体性がほとんどない。トランプ氏も会談後の記者会見で「非核化は時間がかかる」などと述べただけだ。
 これまで米国や日本は、北朝鮮に対し「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化(CVID)」を求めてきた。共同声明にはこの原則が盛り込まれず、北朝鮮側がCVIDに同意したのかどうかは読み取れない。すでに保有する核兵器を破棄する意思があるのかも分からない。不安を抱かざるを得ない。
 具体的な非核化の行程表づくりは、さらなる首脳会談や外相レベルの協議に委ねられた。
 米国および関係国は、北朝鮮にCVIDでの非核化を早期に達成させるという原則を譲ってはならない。制裁緩和や経済支援などの見返りも、北朝鮮が核兵器や関連施設の申告や検証で誠実な態度を見せ、非核化への「本気度」を明確に示すまで待つべきである。
 ●緊張緩和には効果
 共同声明には、両国が「新たな米朝関係の確立」に向けて協力するとの文言が盛り込まれた。トランプ氏は会見で、現在「休戦」状態である朝鮮戦争についても「間もなく終結するという希望を持つことができるようになった」と述べた。
 非核化で具体的な成果がほとんどないまま、今回の会談で北朝鮮に「安全」を約束し、米韓合同軍事演習の中止まで示唆したことには、米国が焦り過ぎだとの批判もあるだろう。
 しかし、両首脳が直接対話して信頼関係を醸成したことは、率直に歓迎したい。昨年まで軍事衝突が取り沙汰されるほど緊張が高まっていたことを思えば、驚くほどの局面転換だ。
 北朝鮮との交渉はトップが決断しないと始まらない。今回つなげた首脳同士の回路を、今後の非核化に生かすべきである。
 ●日本は主体的に動け
 安倍晋三首相は米朝首脳会談に先立ち、日本人拉致問題を取り上げるよう、トランプ氏に再三要請していた。
 トランプ氏は「拉致問題を会談で提起した」と明言した。ただ、単なる問題提起だけなのか、金委員長から解決に向けた言質を取り付けたのか、現時点では判然としない。
 安倍首相は拉致問題の解決を政権最大の課題の一つと位置付け、北朝鮮への圧力路線をアピールしてきた。だが、米国が対話にかじを切った今、局面の変化に取り残されている。
 もともと拉致問題は日朝間で解決しなければならない課題である。日本政府は日朝平壌宣言に基づき、国交正常化とそれに伴う経済支援をてこにして、拉致、核、ミサイルの包括的解決を目指す方針だ。
 しかし安倍政権が圧力一辺倒の対応を続けているうちに、北朝鮮との対話のチャンネルは細っている。まずは対話の回路を修復し、首脳会談も視野に入れた直接交渉で拉致問題の解決を図らなければならない。もう「米国頼み」は通用しない。


合意実践の推進力が必要/米朝首脳会談
 北朝鮮の非核化と朝鮮半島の平和体制構築を単なる構想で終わらせず、実践に移す推進力が生まれたのだろうか。北朝鮮との交渉で「過去の失敗は繰り返さない」と強調してきたトランプ米大統領だが、共同声明に過大な意義を与える姿は、後に大きな失望をもたらしかねない懸念を抱かせる。
 初の米朝首脳会談がシンガポールで行われ、トランプ大統領と金正恩朝鮮労働党委員長が単独形式を含め約5時間、膝をつき合わせた。
 しかし、米朝の指導者が署名した共同声明の内容は、トランプ大統領が説明するような「偉業」とするにはあまりにも距離がある。過去の米朝間や6カ国協議の合意や共同声明に比べ、象徴的な文言が多く、非核化の具体的な手順や期間、さらに「完全で検証可能かつ不可逆的な非核化」というトランプ政権が最重視してきた原則は抜け落ちた。
 トランプ大統領は共同声明は「包括的な文書」と指摘したが、具体性に欠けることの裏返しと言わざるを得ない。
 昨年まで「小さなロケットマン」「老いぼれ」などと激しくののしり合ってきた米朝2人の指導者が首脳会談で向き合ったのは、朝鮮半島の緊張緩和と平和構築、何より首脳間の信頼構築に向けた第一歩としての意義はある。
 だが、政治家としての思惑も2人にはある。トランプ大統領は、くすぶるロシア疑惑捜査から目をそらし、11月の中間選挙を控え外交的成果を示したいと考えている。金委員長には、米国との関係改善を進めることで、2人の先代指導者を超える業績を獲得するという野心があるだろう。
 しかし、それ以上に朝鮮半島に残された冷戦構造を平和体制に転換するという世紀をまたいだ課題への覚悟が2人の指導者には問われている。
 完全な非核化はたやすい作業ではない。北朝鮮が実際に核兵器をどれだけ開発し、実戦配備しているのかさえ明らかになっていないためだ。日本や韓国、中国など関係国が足並みをそろえ共同声明の履行を支えることが重要だ。
 北朝鮮が米国に求める体制存続のための安全保障のメカニズム構築も、米朝だけで実現できるものではない。北東アジア全体の安全保障と新秩序を考えることが求められる。何より日本は、拉致問題解決のためにも、朝鮮半島の平和維持に積極的に関わる姿勢を示すことが必要だ。


米朝首脳会談 完全非核化に課題残す
 史上初の米朝首脳会談がシンガポールで開かれ、トランプ米大統領と金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長が「シンガポール共同声明」に署名した。声明では、金氏が4月の「板門店(パンムンジョム)宣言」を再確認し、朝鮮半島の完全非核化に向けて努力することを約束したものの、米国が要求していた「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化(CVID)」についての具体的な記述はなかった。トランプ氏の「率直で生産的だった」の発言とは、程遠い内容と言わざるを得ない。
 共同声明では▽両国民が平和と繁栄を切望していることに応じ、新たな米朝関係を確立すると約束する▽朝鮮半島において持続的で安定した平和体制を築くため共に努力する―などの文言が盛り込まれた。抽象的な表現が多く、まさにトランプ氏が何度も繰り返した「包括的な内容」にとどまった。
 焦点とされていた北朝鮮の完全非核化については期待外れの声明となった。「いつまでに、何をどうする」といった具体的な手順や期間、CVIDを含めた今後の道筋は描けなかった。南北首脳会談の内容から進展はなく、課題が残った。
 確かに会談後の会見でトランプ氏が「技術的に長い時間がかかる」と述べたように、非核化は簡単な作業ではない。北朝鮮が実際に核兵器をどれほど開発し、実戦配備しているのかさえ明らかになっていない。核活動の凍結から始まり、申告と査察、核関連施設の解体に至るまで、非核化のプロセスが難題に直面する要素はいくらでもある。
 それでもトランプ、金両氏は完全非核化を具体的に実践する責任がある。トランプ氏は北朝鮮の非核化プロセスが迅速に始まるとしたが、着実に前進させるためには、早急に工程表を策定することが必要だ。加えて日本や韓国、中国など周辺国が足並みをそろえて非核化の履行を支えることも重要になる。
 会談の成果として挙げられるとすれば、トランプ氏と金氏が歩み寄ったことだろう。昨年までは「小さなロケットマン」「老いぼれ」などとののしり合っていた。両氏が直接会って、信頼関係を築いたことは、朝鮮半島、さらには北東アジアの平和にとっても大きな一歩となったはずだ。非核化はもちろん、朝鮮戦争の終結、平和協定の締結までを見据え、声明にうたった「新たな米朝関係の確立」に向けて交渉を続けてほしい。
 日本にとっての懸案事項である拉致問題については残念ながら声明に盛り込まれなかったが、トランプ氏は「問題提起した。(北朝鮮が今後)取り組んでいく」と強調した。
 安倍晋三首相はこれまで「蚊帳の外」に置かれていた印象が強いが、トランプ氏の問題提起を突破口に日朝首脳会談の開催へ自ら積極的に動くべきである。拉致問題は最終的にはわが国の責任で解決しなければならない。


米朝首脳会談 まだ入り口にすぎない
 何度も開こうとして果たせなかった北朝鮮の非核化への扉は動いたのか。トランプ米大統領と金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長による史上初の米朝首脳会談が終わった。
 両者は朝鮮半島の完全な非核化で合意した。4月の南北首脳会談で採択した「核なき朝鮮半島」を目指す板門店(パンムンジョム)宣言を追認した形だが、非核化の行程表は未定だ。
 「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」(CVID)という大原則との整合性はどうなのか。トランプ氏は会見で妥協していないと強調、体制保証の約束はしても、さらに制裁は続くとした。確実な履行のために今後の取り組みこそが問われる。
 共同声明では朝鮮戦争の終結には至らなかった。世界に唯一残る冷戦構造の転換は持ち越しとなった。
 確かに「歴史的な」「世紀の」などの形容がつく会談だったには違いない。だが、評価を決めるのは早すぎる。今は入り口にすぎない。この一歩を確実な非核化へつなげてこそ、歴史の評価に耐えるものとなろう。
 CVIDを求める米側と、行動ごとに制裁を解除する「段階的非核化」を主張する北朝鮮の溝は完全に埋まったとはいえないだろう。
 むしろ、今後の道のりの方が長い。朝鮮半島を確実に安定させるために何が必要か。米朝だけでなく、国際社会、とりわけ日本と中国、韓国との連携が極めて重要だ。
 合意の最大の障害は「疑心暗鬼」だったのではないか。米側は「北朝鮮に何回もだまされてきた」とし、北朝鮮にしてみれば、イラン核合意やパリ協定、さらには先進7カ国(G7)首脳宣言を発表した後にひっくり返したトランプ氏に不安を覚えないはずはない。
 それでも会談を通じて「一定の信頼を醸成した」とトランプ氏は語った。何度も裏切られてきただけに、不安はあるがその言葉に光明を見いだすべきだと思う。
 数カ月前に「核のボタン」を誇示しながらどう喝し合っていた両首脳に、北東アジアの平和をもたらす役割をゆだねることになるとは、何という歴史の配剤だろう。
 日本の最大の懸案である拉致問題について、トランプ氏は「提起した」と明言した。安倍晋三首相、そして拉致被害者家族の訴えを聞いてくれたことには感謝したい。
 しかし、会談で一度語っただけで拉致被害者が帰国するわけではない。ここからは日本独自の行動が決定的に重要となる。
 新たな展開の中で日朝関係を再構築することが、拉致問題の解決だけでなく、北東アジアの平和に貢献するためにも欠かせない。


【初の米朝首脳会談】日朝の話し合いを急げ
 米国と北朝鮮は新たな一歩を踏みだした。敵対してきた両国のトップが初めて会い、共同声明を出した成果は評価できる。しかし、非核化の具体的な道筋や検証方法は示されず、北朝鮮の出方を見極める必要がある。
 日本政府が会談での取り上げを求めた日本人拉致問題について、トランプ米大統領は提起したことを明らかにした。共同声明には明記されなかったが、一定の前進といえよう。政府は北朝鮮の対応を分析しながら、首脳会談の早期開催を求め、拉致被害者の1日も早い帰国をはじめとする問題の全面解決に引き続き、全力を挙げるべきだ。
 トランプ氏は6月7日(日本時間8日)の安倍晋三首相との会談で、拉致問題を米朝首脳会談で必ず取り上げることを明言していた。日米両首脳は11日の電話会談でも再確認した。北朝鮮は「拉致問題は解決済み」との姿勢を取り続けている。
 米朝首脳会談でどのような表現で言及され、金正恩[キムジョンウン]朝鮮労働党委員長はどう答えたのか−。安倍首相はトランプ氏からの説明を被害者の家族や国民に速やかに伝え、政府の今後の取り組みを示す必要がある。
 新潟市で6月初めに開かれた日本新聞協会の会合で、被害者の曽我ひとみさんが講演した。曽我さんの母親も拉致され、行方不明となっている。講演の中で早急な日朝首脳会談の開催を要望した。
 安倍首相は日米首脳会談後の記者会見で拉致問題について「最終的には私と金正恩朝鮮労働党委員長で直接協議し、解決していく決意だ。問題解決に資する形で日朝首脳会談が実現すれば良い」と強調した。日朝両政府は話し合いを積み重ね、首脳会談につなげてほしい。
 曽我さんは報道機関に対して「拉致問題が解決していないこと、解決に奔走している家族がいることを伝え続けてほしい」と訴えた。全ての被害者を一日でも早く取り戻すために、報道機関として努力を続けたい。
 共同声明には米政府が求める「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」の文言は明記されなかった。トランプ氏は記者会見で、完全非核化には技術的に長い時間がかかるとの見方を示した。検証の在り方が大きな課題となる。
 朝鮮半島の動向は日本の安全保障に直結する。米朝の関係が改善されれば、北東アジアの国際情勢は大きく変わる。トランプ氏は日韓両国と引き続き協力する考えを強調した。日米韓の緊密な連携は今後も重要だ。(安田信二)


米朝首脳会談/非核化への道筋まだ見えず
 北朝鮮の非核化と朝鮮半島の平和体制構築を単なる構想で終わらせず、実践に移すための推進力は生まれたのだろうか。
 初の米朝首脳会談が行われ、トランプ大統領と金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長が単独形式を含め、約5時間にわたり膝をつき合わせた。しかし、共同声明の内容はトランプ大統領が自賛する「偉業」とするにはあまりにも距離がある。
 過去の米朝間や6カ国協議の合意や共同声明に比べて、象徴的な文言が多く、非核化の具体的な手順や期間、さらに「完全で検証可能かつ不可逆的な非核化」というトランプ政権が最重視してきた原則は抜け落ちた。
 トランプ大統領は、共同声明を「包括的な文書」としたが、具体性に欠けることの裏返しと言わざるを得ない。「過去の失敗は繰り返さない」と強調してきたトランプ大統領、そして金委員長は今後、共同声明の内容を実践する責任が問われることになる。
 昨年まで互いに激しくののしり合ってきた米朝2人の指導者が、首脳会談で向き合ったことは、朝鮮半島の緊張緩和と平和構築、首脳間の信頼づくりに向けた第一歩としての意義はある。
 政治家としての思惑も2人にはある。トランプ大統領は11月の中間選挙を前に外交的成果を示したいと考えている。金委員長には、先代指導者を超える業績を獲得しようとする野心があるだろう。
 しかし、それ以上に朝鮮半島に残された冷戦構造を平和体制に転換するという世紀をまたいだ課題への覚悟が2人の指導者には問われている。それこそが「歴史に名を残す」ことになる。
 完全な非核化はたやすい作業ではない。核活動の凍結から申告と査察、核関連施設や兵器の解体まで、非核化プロセスが難題に直面する要素はいくらでもある。それだけに非核化の実現に向けては、日本や韓国、中国など関係国が足並みをそろえ、共同声明の履行を支えることが重要になってくる。
 北朝鮮が求める体制存続のための安全保障のメカニズム構築も、米朝だけで実現できるものではない。北朝鮮の非核化に相応し、北東アジア全体の安全保障と新秩序を考えることが求められる。6カ国協議の枠組みを地域安保の協議体として再生させることを検討する価値もあるだろう。
 これまで存在感の希薄さが否めなかった日本の外交力も改めて試されることになる。日本人拉致問題という懸案を抱えながらも朝鮮半島で起きつつある地殻変動に対応した独自の関与が求められる。


米朝首脳会談 非核化の行程描いてこそ
 トランプ米大統領と金正恩朝鮮労働党委員長の会談が行われた。
 焦点の非核化を巡る主張の隔たりは埋まらなかったのだろう。共同声明の内容は曖昧で核廃棄の具体的な期日や方法は盛り込まれなかった。
 それでも、朝鮮戦争以来、敵対してきた米国と北朝鮮の首脳が、関係改善に向け交渉の席に着いた意義は小さくない。
 史上初の会談は朝鮮半島の冷戦構造を解き、平和体制を築く出発点に位置付けられる。関係国も協力して核廃絶の行程を描き、着実に前進させてほしい。
<対話路線に転じて>
 挑発するように、昨年まで核実験とミサイル発射実験を繰り返し「国家核戦力完成」を宣言した金氏が、対話路線に転じたのは今年に入ってからだ。
 平昌冬季五輪に代表団を派遣したのを皮切りに、中国や韓国の首脳と、過去6年間は一度もなかった会談を続けた。米国務長官に就いたポンペオ氏とも、2度話し合っている。
 4月の文在寅韓国大統領との会談では「完全非核化」をうたった板門店宣言に署名。「米国が終戦と不可侵を約束すれば、核を持って苦しい生活をする必要があるだろうか」と漏らしたという。
 北朝鮮の姿勢が変わった背景に米国による軍事圧力に加え、国連安全保障理事会から科されてきた厳しい経済制裁がある。
 昨年から主要産品の石炭や繊維製品、海産物が全面禁輸となり、貿易のほとんどを占める対中国輸出が8割超も落ち込んだ。石油精製品の輸入も9割減り、原料が不足し平壌市内の製品生産に支障を来している。
 経済建設に総力を挙げる新路線を掲げた金政権にとり、制裁緩和は喫緊の課題となっている。
 こうした事情に、高度化する北朝鮮の核・ミサイルを看過できなくなった米国の思惑が重なる。中間選挙を控えるトランプ氏が3月、米朝会談の実現を求める韓国の高官に「よし会おう」と応じ、にわかに現実味を帯びた。
 「完全で検証可能な後戻りできない非核化」を突き付ける米国に北朝鮮が反発すると、トランプ氏は公開書簡で会談の中止を表明する。これも駆け引きのうちだったのか。北朝鮮の要人が金氏の親書を携えて訪米すると、姿勢を和らげ、見返りを得つつ非核化を進めるとする北朝鮮の主張に一定の理解を示し始めた。
<心もとない声明文>
 ふたを開けてみれば、今回の会談の成果は、北朝鮮の側に大きかったように思える。
 共同声明に「完全非核化」が明記されたとはいえ、いつ、何を、どのように―という記述はなく、板門店宣言の域を出ない。
 一方で北朝鮮は、朝鮮戦争の終戦宣言、平和協定の締結、国交正常化といった具体的な手順こそ欠くものの、最もほしかった体制保証の言質を得ている。
 これまでに米朝間や6カ国協議で結ばれた核放棄の合意は、北朝鮮による秘密裏の核開発や査察拒否で破綻してきた。トランプ氏は過去との違いを「われわれは(約束を)進める人だ」と説明したがいかにも心もとない。
 北朝鮮には現在、14〜33個の核兵器があると推定されている。年3〜5個の増産能力があるとみられるものの、半世紀に及ぶ核開発の全容は定かでない。
 解明には、国際原子力機関の専門職員300人が3年間活動する必要があるといい、米国の研究機関は核廃絶に最長で10年かかると予測している。
 米国が訴えてきた「1〜2年以内の非核化」に無理があったのかもしれない。これからの交渉では専門家の意見も入れ、綿密な行程表を作らなければならない。
<深刻な人権侵害も>
 米朝間の歩み寄りを見越してか、中国やロシアが北朝鮮の制裁緩和に向けた動きを取り始めている。失敗を避けるには、非核化と「見返り」で各国が足並みをそろえることが不可欠だ。
 安倍晋三政権が要請してきた拉致問題を、トランプ氏は「提起した」と言う。けれど、主要な議題にはならなかったようだ。
 日本人や韓国人の拉致被害者だけでなく、北朝鮮の政治犯収容所には12万人が拘束されていて、強制労働や拷問などの迫害を受けているとされる。政治家の粛清も後を絶たない。
 仮に非核化に進展があったとしても、人権弾圧に目をつぶったまま、国際社会が金政権を承認することはできないはずだ。
 国際人権団体は米朝会談の直前、金氏に宛て「劣悪な人権状況の改善」を求める書簡を送った。日本政府は、近くモンゴルで開く国際会議を手始めに北朝鮮との直接対話に臨む構えでいる。
 交渉の際、拉致問題にとどまらず、人権侵害を改めることが国際包囲網を解く鍵になると説くべきだ。各国の幅広い支持を取り付け、北朝鮮が抱えるもう一つの問題の解消を主導したい。


米朝首脳会談 完全非核化 実現できるか
 米朝の首脳が初めて直接会談し、関係改善に意欲を見せ、信頼関係を築いた意義は大きい。
 歴史的な会談が、北東アジアの平和と安定へ向けた着実な第一歩となるか。今後の交渉を見守らなければならない。
 トランプ米大統領と金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長がシンガポールで米朝首脳会談を行い、朝鮮半島の完全非核化と平和体制構築を目指す共同声明に署名した。
 ただ共同声明には非核化についての期限や手順など、具体的措置は一切明記されなかった。
 日本人拉致問題についてトランプ氏は、会談で提起したことを明らかにした。
◆具体的な道筋見えず
 共同声明は、朝鮮半島の完全非核化への決意を確認し、トランプ氏は北朝鮮に安全の保証を与えると約束したほか、米朝は朝鮮半島で持続的な平和体制を築くため努力することなどが盛り込まれた。
 気がかりなのは、米国が「完全な」と共に求めてきた「検証可能」「不可逆的」という文言が、共同声明に入らなかったことだ。
 会談の成果についてトランプ氏は「非常に誇りに思う」とし、金氏も「特別な絆を築いた」と述べたが、具体的な道筋が見えない中で違和感が拭えない。
 トランプ氏はさらに、北朝鮮の非核化プロセスを迅速に始めると強調し、金氏をホワイトハウスに招待すると述べるなど、再会談をする意思を示した。
◆着実な対話の継続を
 米朝が歴史的な敵対関係に終止符を打てば、北東アジアの安定化につながるだけでなく世界の安全保障体制に与える影響も大きい。
 米国は北朝鮮に核兵器の放棄や引き渡しなどを求めている。それには、核兵器開発につながるウラン濃縮やプルトニウム抽出の停止のほか、国際機関による核関連施設の検証が不可欠だ。
 会談前には北朝鮮が受け入れるかについては懐疑的な見方が多かった。北朝鮮は6カ国協議などで幾度も約束をほごにしてきた過去があるだけに警戒が必要だ。
 トランプ氏が北朝鮮に安全の保証を与えると確約したのは、体制の保証を求める北朝鮮を安心させ、早期非核化の決断を促す狙いがあるのだろう。
 一方で北朝鮮への制裁についてトランプ氏は、「当面維持する」とした。その上で、「北朝鮮の核兵器による脅威がなくなれば解除する」と言及した。
 制裁緩和は非核化完了後との、これまでの方針通りといえる。だが北朝鮮はこれまで、非核化の行動を取るごとに見返りを得る段階的措置を求めてきた。
 北朝鮮は国連安全保障理事会や米国などから厳しい経済制裁を科され、平壌の市民生活には表向き目立った変化はないものの、この状態が続けば経済が立ちゆかなくなるとの見方もある。
 早期に制裁緩和が得られなければ約束をほごにする恐れもある。着実な対話を進める必要がある。
 トランプ氏はシンガポールに入国する前、60年以上休戦状態にある朝鮮戦争の終結合意を検討していると明言し、会談後の会見でも「間もなく終結することを期待している」と述べた。
 米朝の軍事的緊張の根本的な原因は、朝鮮戦争から続く対立にあり、それが北朝鮮の核・ミサイル開発を招いてきた。
 ただ休戦協定は米軍中心の国連軍と北朝鮮の朝鮮人民軍、中国人民義勇軍の3者が締結した。
 平和協定締結に向けては中国との議論が必要となり、米朝だけで解決できないのが現実だ。中韓とも連携が不可欠だ。
 拉致問題についてはトランプ氏は会見で、「(北朝鮮が今後)取り組む」と述べた。
◆日朝首脳会談開催を
 安倍晋三首相は「日本が直接、北朝鮮と向き合い、2国間で解決していかなければならないと決意している」と語った。
 これを機に金氏との首脳会談を実現するため、日朝間の対話を推進してほしい。
 北朝鮮はこれまで「拉致問題は解決済み」と主張してきた。米朝会談でその姿勢に変化があったのか。精査する必要がある。
 日本政府は、今月14、15両日にモンゴルで開かれる国際会議に合わせた北朝鮮当局との非公式協議や、8月のシンガポールでの国際会議に合わせた日朝外相会談を視野に働き掛けを進める方針だ。
 拉致、核・ミサイル問題を包括的に解決すれば、日朝平壌宣言に基づき国交正常化と経済支援に乗り出すとの基本方針を粘り強く説明し、首脳会談につなげたい。
 拉致被害者の家族は高齢化が進み、今回が「最後のチャンス」との声が上がっている。
 その期待を裏切ることのないよう、あらゆる外交努力を払わねばならない。


米朝首脳会談 非核化の道筋 急ぎ詰めよ
 「リトルロケットマン」「老いぼれ」などと言葉の戦争を繰り広げ、一触即発の状態にあった昨年を思えば、大きな関係改善といえるだろう。ただ、非核化やミサイル放棄などの難題解決に向けては決意表明だけで何ら道筋らしいものは示されず、むしろ会談のための会談だったとの印象は拭えない。
 トランプ米大統領と金正恩朝鮮労働党委員長による史上初の米朝首脳会談。双方が会談開催、共同声明合意への努力をたたえ合う姿に国際社会も安堵(あんど)し、歓迎の意を表した。一方で、声明からは米政権が最重要視してきた「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化(CVID)」の原則が抜け落ちるなど、トランプ氏が評した「偉業」には程遠い内容と言わざるを得ない。
 安倍晋三首相が最重要課題に掲げ、再三、会談で取り上げるよう促した日本人拉致問題について、トランプ氏は「提起した」としたが会見で詳細には言及しなかった。首相は先の日米会談で「最終的には日朝首脳会談による解決しかない」ことを強調したが、足がかりとなる発言が金氏からあったのか、早急に明らかにすべきだ。その上で日本独自に日朝会談の糸口を探る必要がある。
 米国側は、会談前日にポンペオ国務長官がCVIDを北朝鮮に求めるとしていた。それには、保有核兵器の申告や各関連施設の査察受け入れなど具体的な行動への確約が欠かせない。だが、声明には「朝鮮半島の完全非核化に努力する」と明示されただけだった。あくまで「段階的な非核化」でその都度見返りがほしい北朝鮮に押し切られたとみるべきだろう。
 北朝鮮が最も望んでいるとする「体制の保証」に関しては、当初、米国が朝鮮戦争の「終結宣言」に言及するとみられたが、「安全を保証する」との文言にとどまった。トランプ氏は会見で、終結宣言も今後の協議に委ねられる見通しだとしたが、結ばれれば、北朝鮮は在韓米軍の撤退を求めてくる可能性も否定できず、米側が言質を与えなかったとの見方もできる。
 トランプ氏が今回の会談を非核化プロセスの「始まり」と位置付けたように、スタートラインに立っただけの状況でしかなく、火種の多くが温存されたままとなった。トランプ氏が、金氏と「特別な絆を築いた」とするならば、再度の首脳会談や高官級会談を早期に開催し、非核化などの具体的道筋を詰めるべきだ。
 完全な非核化は、たやすい道のりではない。北朝鮮との交渉で「過去の失敗は繰り返さない」と強調してきたトランプ氏だが、共同声明を過大に評価する姿からは、二の舞いを危ぶむ声も少なくない。非核化の実現に向けては、日本や韓国、中国などの関係国が一致して声明の履行を支える仕組みも必要だ。
 とりわけ日本は拉致問題解決のためにも、朝鮮半島の平和維持に積極的に関わる姿勢を示さなければならない。外交力が今こそ問われている。


初の米朝首脳会談 「非核化」行動で示せるか
 今度こそ北朝鮮の非核化へ向けた一歩となるのか。トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長による会談が開かれ、朝鮮半島の完全非核化や米国による北朝鮮の事実上の体制保証を盛り込んだ共同声明に署名した。
 冷戦の時代から今に至るまで、激しい敵対関係にあった両国の首脳が史上初の会談に臨み、笑顔で握手を交わして関係改善に踏みだした。歴史的な一歩であり、アジア地域のみならず、国際社会の大きな不安定要因である北朝鮮リスクを軽減する上で画期的な会談である。
 北朝鮮が強く求めてきた体制保証は、朝鮮半島の完全な非核化とバーターで盛り込まれた格好だ。ただ、肝心の非核化が本当に実現へ動きだすのか、具体的な見通しは不十分と言わざるを得ない。
 米国や日本は北朝鮮に「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」を求めてきた。そのためには、いつまでに、どういう方法で非核化を進め、さらに核兵器を隠し持っていないかを検証する査察体制も欠かせない。しかし、共同声明にはその点の具体的な記述は盛り込まれなかった。
 トランプ氏は時間が足りなかったことを理由に挙げ、北朝鮮側が迅速にプロセスに着手するだろうと述べた。とはいえ、北朝鮮の非核化は過去に国際社会が約束をほごにされてきた経緯があるだけに、懸念をぬぐい去るには物足りない内容となった。
 北朝鮮に対する経済制裁に関しては、トランプ氏は当面継続する考えを示した。非核化の取り組みが不十分な段階で制裁を緩め、過去の二の舞いになることのないよう毅然(きぜん)とした対応が求められよう。
 日本にとっては拉致問題を巡るやりとりがもう一つの大きな注目点だった。トランプ氏は会談で問題を提起したと明言した。ただ、日朝間の問題でもあり、共同声明では触れられなかった。
 日本の意向を受けてトランプ氏が北朝鮮に圧力を加え、「拉致問題は解決済み」という北朝鮮の姿勢を変えさせ、その後の日朝交渉で解決の道筋をつける。日本はそんなシナリオを描くが、北朝鮮の出方は読み切れず、現段階では展開が開けたとは言い難い。
 世界の注目を集めた首脳の顔合わせだったが、内容的には北朝鮮を巡る課題を解決するための出発点にすぎない。両国は首脳間の合意を履行するため、早い時期に高官級協議を開くことで合意した。
 韓国と北朝鮮の南北首脳会談に続く今回の米朝会談で、朝鮮半島を巡る対話ムードは一気に高まった。ただ、融和路線が先走りすることなく、北朝鮮がどんな具体的な行動をとるか、慎重に見極めていくことが重要だ。外交成果を得ようとするあまり、トランプ政権が過度に北朝鮮に妥協する事態も避けねばならない。日本をはじめ関係国が連携を図り、北朝鮮の脅威を取り除くことにつなげたい。


米朝首脳会談/合意実践の推進力必要
 北朝鮮の非核化と朝鮮半島の平和体制構築を単なる構想で終わらせず、実践に移す推進力が生まれたのだろうか。北朝鮮との交渉で「過去の失敗は繰り返さない」としてきたトランプ米大統領だが、共同声明に過大な意義を与える姿は、後に大きな失望をもたらしかねない懸念を与える。
 初の米朝首脳会談がシンガポールで行われ、トランプ大統領と金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長が単独形式を含め5時間、膝を突き合わせた。会場となったホテルの廊下などを2人だけで歩く場面もあった。
 しかし、米朝の指導者が署名した共同声明の内容は、トランプ大統領が説明するような「偉業」とするにはあまりにも距離がある。過去の米朝間や6カ国協議の合意や共同声明に比べ、象徴的な文言が多く、非核化の具体的な手順や期間、さらに「完全で検証可能かつ不可逆的な非核化」というトランプ政権が最重視してきた原則は抜け落ちた。
 トランプ大統領は共同声明は「包括的な文書」と指摘したが、具体性に欠けることの裏返しと言わざるを得ない。トランプ大統領と金委員長には今後、共同声明の内容を具体的に実践する責任が問われることになる。
 昨年まで「小さなロケットマン」「老いぼれ」などと激しくののしり合ってきた米朝2人の指導者が首脳会談で向き合ったのは、朝鮮半島の緊張緩和と平和構築、何より首脳間の信頼構築に向けた第一歩としての意義はある。
 だが、政治家としての思惑も2人にはある。トランプ大統領は、くすぶるロシア疑惑捜査から目をそらし、11月の中間選挙を控え外交的成果を示したいと考えている。金委員長には、米国との関係改善を進めることで、2人の先代指導者を超える業績を獲得するという野心があるだろう。
 しかし、それ以上に朝鮮半島に残された冷戦構造を平和体制に転換するという世紀をまたいだ課題への覚悟が2人の指導者には問われている。それこそが「歴史に名を残す」ことにもなる。
 完全な非核化はたやすい作業ではない。北朝鮮が実際に核兵器をどれだけ開発し、実戦配備しているのかさえ明らかになっていないためだ。核活動の凍結から始まり、申告と査察、核関連施設と核兵器の解体に至るまで、非核化プロセスが難題に直面する要素はいくらでもある。
 それだけに、非核化の実現に向けては、日本や韓国、中国など関係国が足並みをそろえ共同声明の履行を支えることが重要となってくる。
 北朝鮮が米国に求める体制存続のための安全保障のメカニズム構築についても、米朝だけで実現できるものではない。北朝鮮の非核化に相応し、北東アジア全体の安全保障と新秩序を考えることが求められる。中断してから今年で10年となる6カ国協議の枠組みを、地域安保の協議体として再生させることを検討する価値もあろう。
 何より、これまで存在感の希薄さが否めなかった日本の外交力が、改めて試されることになっている。日本人拉致問題という懸案を抱えながらも、朝鮮半島で起きつつある地殻変動に対応した日本独自の関与が求められる。拉致問題解決のためにも、朝鮮半島の平和維持に積極的に関わる姿勢を示すことが必要だ。


米朝首脳会談 完全非核化へ妥協なき道筋示せ
 非核化への具体的な道筋もなく、東アジアの平和は実現できない。「世紀の会談」は成果の大々的アピールとは裏腹に今後への不安を浮かび上がらせた。
 トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が史上初の米朝首脳会談を行い、共同声明に署名した。正恩氏は「朝鮮半島の完全非核化」を約束。トランプ氏は北朝鮮の安全を保証すると確約し、米韓軍事演習の中止や、将来的な在韓米軍撤退の可能性にまで言及した。
 ののしりあい、軍事衝突まで懸念された昨年から比べれば、両首脳が膝を交え、関係改善を誓った意味は大きい。「持続的で安定した平和体制を築く」との約束を強く胸に刻み、国際社会も力を合わせて、朝鮮半島の冷戦構造転換を実現させたい。
 ただ、その道のりは見えてこない。非核化の約束は、4月の南北首脳会談における板門店宣言をなぞったにすぎず、米政府が強く求めていたはずの「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化(CVID)」の文言は文書に記されることさえなかった。いつどのような方法で廃棄し、検証するかは会見でも全く言及されず、過去に米朝や6カ国協議で交わされた合意より明らかに後退している。これでは実効性は疑わしい。
 秋の中間選挙を控えて成果を得たいトランプ氏が、曖昧な合意で、体制保証だけを前のめりに約束したことを危惧する。非核化への大枠合意の末、細部を詰められず約束をほごにされ続けた苦い過去を省み、安易な妥協は慎むべきだ。
 トランプ氏は今後何度でも協議すると説明した。ならばまず具体的な工程表づくりを急がなければならない。会談では、ミサイルエンジンの実験場破壊など、文書に示した以外の内容も話し合ったとする。だが「時間がなかったため文書には入らなかった」とし、実行の担保はない。金氏を信用した理由を記者から問われても「熱心だったから」と相手を持ち上げる楽観ぶりで、納得できない。
 これまで「気合だ」「直感、それが私のやり方」と交渉力を自画自賛してきた。だが非核化への険しい道のりは、査察体制を整えた緻密で透明性の高い計画と忍耐強い実行・検証がなければ乗り越えられない。そもそも北朝鮮の核関連施設は全土に分散、核兵器が実際は何個どこにあるのかも分かっていない。国際的な監視の下、実態把握から始める必要がある。
 日本人拉致問題については、トランプ氏が会談で提起したと言うものの共同声明には盛り込まれなかった。北朝鮮は「解決済み」との立場を崩しておらず米国からはしごを外される懸念が拭えない。トランプ氏は、北朝鮮への経済支援は日本が負うと明言するが、良好な関係構築は人権問題の解決が前提であることはいうまでもない。日本は今回の会談を突破口に独自外交を強めて、今度こそ拉致問題解決に結ばなければならない。


【米朝首脳会談】「成果」にも懸念は拭えず
 これをもって「歴史的会談」と判断することはまだできない。
 トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長が、シンガポールで史上初の首脳会談を行った。北朝鮮の非核化を盛り込んだ共同声明にも署名した。
 ただし国際社会が求めてきた「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」を担保する記述は、声明にはない。北朝鮮はこれまでも非核化を巡る合意を破り続けてきただけに、初の会談の「成果」にも懸念を抱かざるを得ない。
 共同声明で正恩氏は「朝鮮半島の完全な非核化に向けて努力すると約束する」とした。しかし、これは4月の南北首脳会談での板門店(パンムンジョム)宣言を再確認しただけである。
 非核化をいつまでに成し遂げるのか。トランプ氏は当初、「極めて短期間」での実現が望ましいとしていたが、この日は「技術的に長い時間がかかる」との考えを示した。
 北朝鮮が将来にわたって核兵器を隠し持ったり、秘密裏に開発を続けたりすることはないか。それをどうチェックしていくのか。声明文を読んだだけでは、数々の疑問は解消されない。
 一方でトランプ氏は、北朝鮮に安全の保証を与えると確約。記者会見では米韓合同軍事演習を「挑発的」と述べ、中止する意向を表明した。在韓米軍の将来的な縮小、撤収の可能性にも言及している。
 北朝鮮に対し現在行っている制裁は当面維持するとしたものの、北朝鮮への「譲歩」が先行しているのではないか、との印象も受ける。むろん交渉事ではそれが必要なケースはあろう。相手を刺激する軍事演習や外国への駐留軍隊も本来、ない方が自然である。
 とはいえ、そうするためには北朝鮮に非核化のプロセスを必ず、しかも迅速に履行させる必要がある。再び「空約束」だけで、経済支援などの「果実」を奪われる愚を繰り返すわけにはいかない。
 朝鮮戦争以来の緊張と敵対関係が続く米朝に、国家間の信頼関係などなかった。今回初めて首脳同士が握手し会談したこと自体、画期的なのは確かだろう。北朝鮮が国の存亡をかけ、親子3代の執念で完成させたとする「国家核戦力」。それを放棄させることの難しさも織り込み済みである。
 だからこそ初の会談を突破口に腰を据えた交渉を継続し、非核化の行程を早急に詰めるよう求める。
 トランプ氏は会談で日本人拉致問題も提起した、と明らかにした。正恩氏がどう対応したのか、詳細は分かっておらず共同声明にも盛り込まれていない。
 日本政府側が言う通り、拉致問題は「最終的には日本と北朝鮮とで話し合わなければならない」。米韓の協力も得て日朝交渉を活性化させ、「拉致は解決済み」という北朝鮮の姿勢を転換させる必要がある。米朝会談をてこに、解決の道を切り開く覚悟が日本に問われている。


[米朝首脳会談] 朝鮮半島の完全な非核化への一歩に
 トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長が史上初の首脳会談に臨んだ。
 米朝は朝鮮戦争(1950〜53年)後、65年間にわたって敵対関係にあった。今年3月、トランプ氏が金氏と会う意向を表明して以降、両氏の側近らが相互に訪問し事前協議を重ねた。
 金氏も中韓首脳と複数回会談するなど米朝首脳会談に並々ならぬ意欲を示し、周到に準備してきた。両国が北東アジアの平和と安定に向けて、新たなステージに踏み出したことをまずは歓迎したい。
 両首脳は共同声明に署名した。北朝鮮が朝鮮半島の完全非核化を約束し、米国は北朝鮮の安全の保証を確約したとの内容だ。ようやく交渉のスタートラインに立ったと言えよう。
 声明に署名したことは意義があるとはいえ、これまで北朝鮮は何度も非核化の意思を示しながら核開発を進めた経緯がある。
 トランプ氏は会見で「金氏がすぐに非核化のプロセスへの取り組みを始めるだろう」と述べた。金氏に全幅の信頼を置いているようだが、危惧せざるを得ない。今後も実務者協議や首脳会談を重ね、完全な非核化を実現したい。
■工程表の作成が急務
 北朝鮮は2016〜17年の2年間で弾道ミサイル40発を発射、昨年9月には6回目の核実験を強行した。既に少なくとも10〜20個の核弾頭を保有し、核関連施設も100カ所以上に上るという。
 また、昨年11月に日本海に発射した大陸間弾道ミサイル(ICBM)の「火星15」はエンジンの能力だけで言えば、米ワシントンを含む全米を射程に収めるとされる。近年、核兵器能力を相当程度完成させてきたとみるべきだろう。非核化のハードルは格段に高くなっている可能性がある。
 会談の焦点の一つは非核化へのプロセスだった。トランプ政権は「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」を掲げてきた。
 そのためには核兵器の放棄や国際原子力機関(IAEA)による査察受け入れのほか、完了時期を示したロードマップ(工程表)の作成が欠かせない。
 だが、米の主張は共同声明には明記されなかった。今後、実務者レベルで詰めるべきだろう。
 また、制裁緩和は非核化完了後との米側方針に対し、北朝鮮は非核化の行動を取るごとに見返りを得る段階的措置を求めてきた。
 トランプ氏は会見で「制裁は当面続ける。核問題が重要ではなくなった時に考える」と、あいまいな表現でかわした。しっかりした検証の態勢が必要である。
 会談は南北首脳会談での板門店宣言を追認、北朝鮮の非核化への意思を再確認するにとどまった。トランプ氏は成果に胸を張ったが、肩透かしの感もある。
 非核化の作業には10年以上かかるとされる。しかも歴代米政権は何度も北朝鮮に裏切られてきた。その過去を忘れてはならない。
 1994年には米朝枠組み合意が結ばれた。北朝鮮がプルトニウムを抽出しやすい黒鉛減速炉を凍結・解体する代わりに、米国が軍事転用しにくい軽水炉2基を提供するといった内容だった。だが、2002年に北朝鮮のウラン濃縮型核開発疑惑が表面化し、合意は事実上破棄された。
 また、05年の6カ国協議の共同声明では、すべての核兵器と核開発の放棄が盛り込まれた。しかし翌年、北朝鮮は核実験に踏み切り、約束はほごにされた。
 両首脳が信頼関係を築くことは有益だ。ただ、ロードマップもなく、信頼だけで朝鮮半島の非核化を実現するのは困難だろう。両首脳は歴史的な大事業を成し遂げるだけの覚悟が問われる。
■拉致巡る日朝対話を
 北朝鮮が非核化の見返りとして重視した安全の保証はトランプ氏が確約し、共同声明にも盛り込まれた。いずれ朝鮮戦争の終戦宣言もテーマになろう。だが、平和協定締結までに非核化を確実にしなければ、北東アジアの安全保障は不安定化する。
 トランプ氏は会見で「在韓米軍縮小は今のところ考えていない」としたが、米国が北東アジア戦略を見直すことになれば、日本の安保体制にも大きな影響を及ぼす。
 北東アジアの安保体制を考えるために、6カ国協議の枠組みを再び立ち上げることも検討していいのではないか。
 日本政府が最優先課題に掲げる拉致問題についてトランプ氏は「提起した」と述べたが、声明には明記されなかった。
 02年に5人が帰国してから1人も被害者の帰国は実現していない。14年に拉致被害者らを再調査することで合意したが、北朝鮮は16年に再調査の中止を宣言。それ以降、交渉は停滞し「解決済み」と繰り返している。
 トランプ氏は北朝鮮への経済支援について「米国が出費する必要はない。日韓が支援するだろう」と発言したが、安易には受け入れられない。日本政府は拉致・核・ミサイルを包括的に解決する立場である。経済支援のカードは温存すべきだろう。
 拉致被害者全員の帰国を実現するためには、日朝首脳会談の実現が欠かせない。米国だけでなく中韓との連携を密にし、主体的な対北朝鮮外交に乗り出すべきだ。


日本も北朝鮮を知らなくては
 ★米朝首脳会談を世界が固唾(かたず)をのんで見守るが、北朝鮮と国交を持つ国は既に世界160カ国を超えている。もっとも、国交のある国々でも、北朝鮮に大使館を置いている国は24カ国にすぎない。韓国、米国が国交を樹立しておらず、日本も拉致問題などを抱えていて、北朝鮮はベールに覆われた独裁国家の様相だ。また脱北者も後を絶たず、独裁政治のみならず、経済的にも生活に困窮していることが分かる。 ★月末に公開されるドキュメンタリー「ワンダーランド北朝鮮」を見る機会を得た。韓国出身の女性、チョ・ソンヒョン監督は同胞の住むベールに包まれた国、北朝鮮を知るために韓国籍を放棄し、ドイツ国籍を収得して北朝鮮に入国。自由に取材活動ができない制約下で映画を撮り始める。首都・平壌、地方都市・元山などでのエンジニア、兵士、農家、画家、工場労働者など、“普通の人々”への取材は当局に言わされているというよりも、かなり自然で、等身大の北朝鮮の庶民が描かれている。 ★撮影は2年前に行われ、経済制裁下の庶民の生活はつつましいが、生活の知恵も旺盛だ。それは経済力にあふれ、飽食の現在の日本の生活から見れば、どこか懐かしい本来の生活でもあった。ドキュメンタリーとしては特出すべきものでもないが、同胞が入国して取材することがままならない国での撮影は、それだけでスクープともいえる。 ★軍人か政治家、党幹部の高圧的な発言や、当局の演出の中で見せられる市民の楽しげな生活。飢餓で苦しむ苦境を語る、脱北者とも違う今までに見たことのない普通の人たちの表情と、南北統一を夢見る庶民の声に、政治色は感じられない。厳しい独裁国家という現実だけをイメージとして持っていたが、この映画が伝えたのは、北朝鮮のことをほとんど知らないという情報不足の断片的国家像だ。これから日本も、双方の北朝鮮を知らなくてはなるまい。

佐川氏らの不起訴不服、市民団体 検察審査会に申し立て
 学校法人「森友学園」への国有地売却に関する決裁文書改ざん問題で、学者や弁護士らでつくる東京の市民団体は13日、大阪地検特捜部が佐川宣寿前国税庁長官らを不起訴としたのを不服として、大阪第1検察審査会に審査を申し立てた。他の団体からも申し立てが相次いでいる。
 市民団体は「健全な法治国家のために声をあげる市民の会」。八木啓代代表は同日、大阪市内で記者会見し「この案件は裁判にかければ、ほぼ間違いなく有罪になる」と強調した。


森友問題 佐川氏ら24人を検審に申し立て 市民団体
 学校法人「森友学園」(大阪市)への国有地売却を巡る問題で、虚偽公文書作成などの容疑で告発していた前国税庁長官、佐川宣寿氏(60)ら当時の財務省職員計24人を、大阪地検特捜部が不起訴処分にしたのは不当だとして、市民団体が13日、大阪第1検察審査会(検審)に審査を申し立てた。
 申立書では、国有地の取引に安倍晋三首相の妻昭恵氏らが関与したことを隠すため、決裁文書を改ざんするなどしたとして、虚偽公文書作成・同行使と公用文書毀棄(きき)の容疑で審査を求めている。
 申し立てた「健全な法治国家のために声をあげる市民の会」の八木啓代代表=東京都=は「市民感覚で判断し、司法の場で裁いてほしい」と訴えた。
 特捜部が不起訴にした先月末以降、検審への申し立てが相次いでいる。【宮嶋梓帆】


袴田さん即時抗告審 中途半端な取り消し決定
 1966年に静岡県のみそ製造会社専務一家4人が殺害された強盗殺人事件で死刑が確定した袴田巌さんの第2次再審請求を巡る即時抗告審で、東京高裁が静岡地裁の再審開始の判断を取り消す決定をした。
 検察側の有罪主張を支持する内容で、刑事裁判のやり直しは認めないが、袴田さんの釈放は維持するとの結論。良く言えば検察・弁護双方へ配慮したものだが、悪く言えば中途半端だ。
 無実を主張する弁護側は最高裁へ特別抗告をする構えであり、最高裁が広く納得を得られる決着を図るよう期待したい。
 66年、静岡県警に逮捕された袴田さんは自白をした。公判では否認を続けたが、みそ工場のタンクから血痕が付いたシャツなど5点の衣類が見つかり、鑑定の結果、その血液型が袴田さんや被害者らと一致するなどとして80年の最高裁判決で死刑が確定した。
 弁護側が行った第1次再審請求は最高裁の棄却決定で終わったが、弁護側は2008年、第2次請求を起こし、14年に静岡地裁が再審開始を決定、袴田さんは釈放された。
 静岡地裁は5点の衣類について弁護側が提出したDNA型鑑定に基づき、付着した血痕は袴田さん以外のものである可能性を認定、これを再審開始の有力根拠とした。東京高裁の審理で最も大きな争点となったのはDNA型鑑定の信用性だった。今回の決定は鑑定について「手法の科学的原理や有用性に深刻な疑問があり、結果は信用できない」と結論付けた。
 決定文の内容は鑑定の当否を争う訴訟の判決のようだ。しかし、再審請求は新旧証拠を総合的に判断し、確定判決の根拠が揺らぐかどうかを判断するもので、単なる鑑定裁判とは違う。
 即時抗告審では、警察がないとしてきた袴田さんの取り調べ録音テープが検察側から開示された。弁護側からは、弁護人との接見が盗聴されたとする新証拠も提出されるなどしている。
 これらの新証拠に基づき、衣類に付いた血痕の色や取り調べ状況などの新たな争点が浮上したが、それらの証拠全体を新鮮な目で多角的に見直す姿勢がもっと欲しかった。今後、冤罪(えんざい)の疑惑を招かないような捜査手法の見直しを強く求めたい。
 現行法には再審に関する条文が少ない。証拠開示ルールなどの規定がなく、定める必要性が指摘されている。海外には再審開始決定に対する検察の異議申し立てを制限する規定を置く国もある。この事件を機に再審を巡る論議を期待したい。


W杯、差別撲滅へ全64試合監視 ロシアで初導入
 【モスクワ共同】競技場における人種差別行為がたびたび問題になるロシアでの開催となるワールドカップ(W杯)で、国際サッカー連盟(FIFA)が「差別監視システム」を初めて導入する。差別撲滅を目指す団体「Fare」がFIFAと協力して2015年から実施しており、世界中のファンが集まる祭典でも厳しい目を光らせる。
 全64試合に派遣する監視員は、当該対戦チームの国から1人ずつとロシア人の3人。客席から差別的と判断できる横断幕などを確認した場合、写真や動画で証拠を押さえてFIFAに報告する。人種、宗教、性別などの差別だけでなく、民族主義など排外的な思想も対象となる。


開場迫った豊洲市場に致命的欠陥?
 10月に開場する豊洲市場(東京都江東区)に整備予定の観光拠点「千客万来施設」の着工が2020年東京五輪・パラリンピック後になることについて、東京都は11日、地元の江東区議会に経緯を説明した。区議からはこうした方針になったことの事前連絡がなかったことや、小池百合子知事自身が説明に来ないことへの反発の声が上がった。
 千客万来施設は江東区が市場受け入れの条件としている。事業者の「万葉倶楽部」(神奈川県小田原市)は小池知事が築地市場跡地を「食のテーマパーク」として整備する方針を示したことで競合を懸念。同社は、5月28日まで着工意思を明確にしていなかったが、同30日に小池知事が万葉の幹部と面会、同31日に一転して五輪後の着工を表明した。
 ところが今になって豊洲市場に致命的欠陥が見つかって、市場関係者から「またしても、延期せざるを得ない」という声が上がっている。
「豊洲は冷蔵庫からトラックに直接運び込むことを想定して設計しており、荷物の積み下ろしを短縮するために流通業界の主流になっているウイング型トラックの使用が困難なことが分かったんです。たとえ開場しても、作業が大幅遅延するのは目に見えている。欠陥を改善しない限り、延期するしかありませんよ」
 かつては魚の鮮度をキープするために、冷蔵庫内にトラックが入り、後方の扉を開いて、荷さばきをしていた。しかし現在では荷台の側面扉が開くウイング型トラックが主流になっている。フォークリフトを使って素早く、大量に荷さばきできるからだ。
「築地市場は鉄道輸送時代に造られたので設計が古いのは仕方ないですが、豊洲市場の設計プランもすでに時代遅れなんです。物流の主流であるウイング型トラックの荷台が建物の屋根に引っかかったりするようです」(同)
 開場まで約4か月。問題をクリアできるのか?

チュウカンテで楽ちん/キソキソも早く/キム・トランプ米朝首脳会談

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Oussouby Sacko, un Africain devenu Malien au Japon
Par Rafaële BRILLAUD, Correspondante à Kyoto (Japon)
A 52 ans, il vient d'être élu président de l'université Seika à Kyoto. Une grande première dans un archipel où les étrangers représentent moins de 2% de la population.
A ses côtés, les Japonais font figure de gringalets. Dans le petit café de Kyoto, Oussouby Sacko impose sa tête de plus et sa corpulence généreuse avec une étonnante fluidité. Sous la casquette en tweed et devant la double ration de tartines, le verbe est haut, la parole franche et le regard direct. L’homme d’origine malienne n’est pas japonais pour un sou en dépit de sa naturalisation et de vingt-sept années passées dans l’archipel. Il brosse même à rebours les habituels attributs nippons puisqu’il est bon vivant, infatigable fêtard et voyageur, polyglotte surdoué.
En cette rentrée qui vient de débuter au Japon, il s’érige en modèle d’intégration à la présidence de la Kyoto Seika University. Jamais un Africain n’avait encore été élu à un tel poste. Une première remarquée dans une société loin de briller par sa diversité.
Le Japon ne reconnaît pas les talents directement, ne pratique pas l’élitisme, modère l’intéressé. Pour réussir, il faut en maîtriser la langue et les codes, ce qui n’est guère aisé, même pour certains Japonais, puis grimper les marches pas à pas et apprendre la patience, car on ne peut sauter d’étape. Si on respecte cela, il est facile d’accéder à des postes à responsabilités. ≫ Reste que les étrangers représentent moins de 2% des 127 millions d’habitants. Et parmi eux, les ressortissants africains ne seraient pas plus de 15 000. La facilité présumée du parcours d’Oussouby Sacko, 52 ans, est donc toute relative.
Tollé auprès des collègues
Le professeur d’architecture a été élu par les professeurs et l’administration de son université, avec une participation de l’ordre de 95%, signe de l’intérêt porté à ce scrutin. ≪J’ai gagné à une voix près ! souligne celui qui se présentait pour la première fois. Au début c’était trop lourd. Si on gagne, il vaut mieux bien gagner. Alors une seule voix de différence… Puis je me suis dit que plus de la moitié de mes collègues m’acceptaient et valorisaient ce que j’avais fait jusque-là. ≫ Il évite d’emblée la division en faisant de son rival un des deux vice-présidents.
Le second est une mère célibataire, de quoi susciter un tollé auprès de ses collègues. ≪Je voulais une femme mais je ne connaissais pas sa situation familiale quand je l’ai choisie. Elle m’a avoué qu’elle vivait seule avec un fils de 10 ans; j’ai dit que nous allions essayer de nous adapter à cela et qu’elle ferait de même. Mais les Japonais étaient vraiment contre sa nomination, car c’est un poste où il faut toujours être en alerte. ≫ Oussouby Sacko n’a rien cédé. Dans un pays où le consensus est de mise, comment parvient-il à changer les choses sans esclandre ? ≪Il paraît que j’ai une manière très polie d’affirmer en japonais≫, glisse-t-il dans un sourire.
Né à Bamako, Oussouby Sacko étudie d’abord la littérature francaise sur les bancs de l’école. ≪Nous lisions des poèmes évoquant la neige que nous n’avions jamais vue chez nous. ≫ Après le bac, il décroche une bourse pour faire des études d’architecture à l’étranger. Le gouvernement choisit la destination, la Chine. Il se plaint – ≪Qu’est-ce que j’ai fait pour être envoyé là-bas? ≫ – puis se ravise: ≪J’ai finalement estimé que c’était une chance de voir un autre monde.
Il part en 1985 et reste six ans, à Pékin puis Nankin, sans enthousiasme. ≪Les Chinois ne voulaient construire que des gratte-ciel alors nous apprenions à faire du Manhattan. ≫ Le temps d’un voyage, il découvre avec délice le Japon voisin. ≪J’ai retrouvé des valeurs que nous avions au Mali : l’importance de la relation humaine, le respect d’autrui et de l’âge…≫ Il s’installe dans l’archipel en 1991 et ne le quitte plus, sans trop l’avoir prémédité - ≪Tous les ans, je dis que je vais rentrer au Mali l’année prochaine !
Malheureux au début
Marié avec une Japonaise, père de deux fils, Oussouby Sacko affirme avec justesse que c’est au Japon qu’il est devenu Malien. ≪En Asie, j’ai eu la chance de me rencontrer moi-même, dit-il. Nous, les Maliens, nous pouvons très facilement embrasser la culture que nous allons rencontrer en France ou en Europe, car c’est l’idéalisation de ce qu’on apprend à l’école, c’est ce qu’on nous dessine dans la tête. Au Japon en revanche, on nous rappelle toujours que nous sommes des gaijin, des étrangers. Ce n’est pas un rejet, mais une manière de montrer notre différence. Je devais souvent présenter mon pays et cela m’a permis d’en apprendre davantage à son sujet.
Au début, trop pressé d’apprendre le japonais et les manières locales, Oussouby Sacko est malheureux. ≪J’ai finalement compris que je n’y arriverai jamais et qu’il valait mieux que je reste moi-même, que j’essaye d’avoir un échange avec eux et non pas d’être comme eux. C’est un peu ce que je fais à l’université, j’ai ma propre manière de faire, je donne à voir quelque chose de différent.
Iconoclaste assumé, le professeur faisait cours à ses étudiants dans divers cafés de la ville, parlait avec eux autant d’architecture que de vie privée: ≪Une classe c’est une famille. ≫ Il parle aujourd’hui de diversité et de globalisation, d’ouverture des facs aux étrangers et aux minorités. Mais qui sait vraiment ce qu’Oussouby Sacko fera à l’échelle d’une université.
Japan: man freed after 45 years on death row could go back to jail
Tokyo high court rules against 2014 decision that conviction of Iwao Hakamada was unsafe
Justin McCurry in Tokyo
A Japanese man who was freed in 2014 after spending 45 years on death row could be sent back to prison after a court overturned the decision to grant him a retrial.
Iwao Hakamada was sentenced to hang in 1968 for the murders two years earlier of a company president, his wife and their two children in Shizuoka prefecture, central Japan. A district court in Shizuoka freed him in 2014 and ordered a retrial, saying police may have fabricated evidence, but the Tokyo high court on Monday ruled against it.
It said the lower court had overstated the value of DNA evidence that cast doubt on the safety of his conviction, and that there were insufficient grounds to suspect that police had forged evidence.
Hakamada, an 82-year-old former professional boxer, told reporters from his home in Shizuoka that his conviction had always been unsafe. “It is all lies,” he said, according to Kyodo news.
His 85-year-old sister, Hideko, who has campaigned to prove her brother’s innocence, said the high court ruling was “regrettable,” but added that his supporters would continue the fight to clear his name.
Hakamada’s lawyers are expected to appeal to the supreme court.
The Tokyo court agreed to allow Hakamada, who is in poor health, to remain free on humanitarian grounds until a final decision has been made on his retrial.
A live-in employee at the victims’ miso paste plant, he had initially confessed to the four killings but later retracted it and insisted he was innocent throughout his two-year trial. Hakamada told the court that police had beaten and threatened him during 20 consecutive days of questioning.
At the time of his 2014 release, he was thought to be the world’s longest-serving death row inmate.
Hakamada’s family had pleaded with prosecutors not to challenge the lower court decision, saying decades on death row had seriously damaged his mental and physical health.
Hiroka Shoji, east Asia researcher at Amnesty International, described Monday’s ruling as a gross injustice.
“Hakamada’s conviction is based on a forced ‘confession’ and there remain serious unanswered questions over DNA evidence,” Shoji said.
“Time is running out for Hakamada to receive the fair trial he was denied 50 years ago. Any appeal by Hakamada’s legal team should be heard without undue delay. He is elderly and has poor mental health because of his many years on death row.
“To send Hakamada back to prison would not only set the Japanese authorities against international safeguards protecting those with mental disability and the elderly from the use of the death penalty, but would be plain cruel.”
Campaigners against the death penalty have used Hakamada’s case to draw attention to Japan’s “secret executions”, accusing authorities of driving prisoners insane and subjecting them to “cruel, inhuman and degrading” treatment.
Human rights groups have criticised Japan’s practice of informing death row inmates of their impending execution just hours before they are led to the gallows. Families are sometimes informed only after the hanging has taken place. An Amnesty International report said the practice causes “significant mental illness”.
Typically, condemned prisoners spend several years on death row in Japan. Hakamada’s execution has been delayed by a series of appeals against his convictions that ended unsuccessfully in the supreme court in 1980. Since then, his legal team have been pushing for a retrial.
Some prisoners have been executed while their case for a retrial is being heard.
フランス語
フランス語の勉強?
Shoko Egawa @amneris84
日朝会談でよい成果が出ることを願う。ただ、「体制保証」って、邪魔者は叔父や兄に至るまで殺し、批判は一切許さない金正恩独裁体制を認めるということだから、私たちが核やミサイルの脅威から解放されるために、北朝鮮の人々の人権抑圧を容認するということに、後ろめたさは残る。
冨永 格(たぬちん) @tanutinn
米朝会談後のトランプ会見。内容はともかく時間が許す限り質問に応じるのはリーダーの常識で、それはトラさんも同じ。スタッフが用意した応答要領をプロンプターで読むことも、事前調整もできないが、あの程度はこなして当然なんですね。官邸が仕切る首相会見のショボさを思い、政治記者の奮起を望む。
きっこ @kikko_no_blog
今日12日の米朝首脳会談について、欧米メディアの大半が「トランプ大統領は日本の拉致問題を始め北の人権問題には一切言及しなかった」と報じたのに対して、日本の読売と産経は「トランプ大統領が拉致問題を提起し、安倍首相が謝意を表わした」と報じた。一体どちらが真実なのか?
北との交渉がうまく行かず拉致問題が先送りされるたびに安倍晋三応援団のネトウヨどもは口をそろえて「パヨクは拉致被害者が帰ってこれなくて嬉しいだろ」と連呼するが、そもそも拉致問題を自分の支持率稼ぎに利用して10年以上にわたって前に進めなかったのが安倍晋三という稀代の売国奴だと自覚しろ。
欧米メディアの情報では、米国と北朝鮮との事前の擦り合わせで、北朝鮮は「北の人権問題には触れない」と言う大前提で今日の米朝首脳会談に応じたと伝えられている。この情報が事実なら、トランプ詣でを続けた安倍晋三の自作自演劇は「日本国内向けのパフォーマンス」だったということになる。

杉原こうじ(NAJAT・緑の党) @kojiskojis
文在寅「ほんの始まりにすぎず、今後多くの困難があるかもしれない。しかし我々は過去にはもう決して戻らない、この果敢な旅を諦めることはない。歴史とは、行動を起こし、難題に立ち向かった人々の記録だ」
韓国大統領、「冷戦に終止符打つ」米朝合意を歓迎(AFP=時事)


昨日に続いてチュウカンテ.今日はとても楽ちん.もちろん後で仕事頑張らないといけませんが.
キソキソも早く終わって一安心.明日うまく時間通りに追われるかどうかですが・・・
歴史的と言われるキム・トランプ米朝首脳会談.1回あっただけでは大きな進歩とは言えないかもしれないけど,今後良い方向になるよう見守っていくのがいいと思います.

気仙沼でボランティアが行方不明者の集中捜索「諦めない、手掛かり必ず」
 東日本大震災から7年3カ月となった11日、気仙沼市本吉町野々下の海岸で行方不明者の集中捜索があった。一般社団法人「気仙沼復興協会」が受け入れたボランティアが雨の中、懸命に手掛かりを捜した。
 東京都、神奈川県、京都府など全国から集まったボランティアと協会のスタッフ計10人が参加。犠牲者に黙とうをささげた後、熊手を使い、岩の隙間などを丁寧に捜した。
 初めて捜索に参加した横浜市の会社員佐山萌音(もえね)さん(20)は「家族の帰りを待つ方々がたくさんいる。これからも被災地のための手伝いを続けたい」と話した。
 気仙沼市によると、市内の行方不明者は215人(5月末現在)。


大槌旧庁舎解体差し止めを 住民団体、盛岡地裁に仮処分申請
 東日本大震災の津波で当時の町長ら40人が犠牲になった岩手県大槌町の旧役場庁舎について、住民団体「おおづちの未来と命を考える会」(高橋英悟代表)は11日、平野公三町長に対して解体工事の差し止めを求める仮処分を盛岡地裁に申し立てた。
 併せて考える会は、18日にも解体工事を始める方針の町に地裁判断を待つよう要請した。平野町長は「対応は現在検討中」との談話を出した。
 申立書は「震災時の役場対応には落ち度があり、原因の検証を続けるには旧庁舎を保存する必要がある」と主張。解体以外の方法を検討しないのは、地方公共団体の財産を効率的に運用すべき地方財政法上の注意義務に違反すると訴えた。
 さらに、旧庁舎は震災遺構として「社会的、経済的に高い価値を有する」と指摘。専門家や保存を望む町民の意見を考慮しないまま価値を見極めずに解体するのは、文化財保護法上の保護義務に違反するとした。
 一般会計当初予算案と解体費4700万円を盛り込んだ補正予算案を一括提出した手続きについても地方自治法に反するとした。
 高橋代表は「今すぐ結論を出すのではなく、子どもたちのために何を残せるか、一度立ち止まって考えたい」と訴えた。考える会は解体工事への公金支出に違法性があるとして町監査委員に住民監査も請求しており、棄却された場合は住民訴訟の提起を検討している。


<大槌町旧庁舎解体>差し止め仮処分申請「なぜ犠牲」見詰めて 住民団体代表一問一答
 東日本大震災で被災した岩手県大槌町の旧役場庁舎の解体を目前に、住民団体「おおづちの未来と命を考える会」は11日、解体の差し止めを求める仮処分を盛岡地裁に申し立てた。記者会見した高橋英悟代表との主なやりとりは次の通り。
 −仮処分の申請に踏み切った理由は。
 「町内では旧庁舎解体についての議論がタブー視されている。震災時に町は避難勧告や避難指示を出さず、1286人の犠牲者が出た。どうしてこのような事態に陥ったのかを見詰めなくてはならない」
 「なぜあの時、あの場で亡くならなければならなかったのか、全く分からないまま過ごしている町職員の遺族がいる。解体前にやらなければならないことがたくさんある」
 −平野公三町長に伝えたいことは。
 「2月の町民説明会でも、3月定例町議会でも質問に全く答えていない。旧庁舎跡地を防災用空き地とする方針も含めて本当にそれでいいのか、意見を聞く時間を持ってほしい」
 −町は18日にも解体に着手する。
 「震災発生から7年3カ月がたっても、つらい思いを抱えた方が大勢いる。考えることをやめてしまった町民とも連携し、声に出せない声を行政に届けたい」
 −町民に訴えたいことは。
 「先祖は何度も津波を乗り越えてきた。私たちも震災を後世にどう伝えるべきか考える時期に来ている。何ができるのか、立ち止まって一緒に考えたい」


<大槌町旧庁舎解体>是か非か、職員遺族ら思い交錯
 解体差し止めを求める仮処分が申し立てられた11日、岩手県大槌町の旧役場庁舎前には雨の中で手を合わせる町民の姿があった。この日は東日本大震災の月命日。「解体される前に花を供えたかった」。建物を巡り、職員遺族らの感情が交錯した。
 「前を通るのも嫌だったけれど、夫が働いた所だから…」。職員の夫=当時(51)=を亡くした女性(59)は、ほぼ7年ぶりに旧庁舎を訪ねた。
 解体差し止めの動きに、女性は「解体は仕方がないと考えていた。裁判所の判断を見守りたい」。亡くなった職員の母(80)は「なぜ、ここまでこじれてしまったのか」とつぶやいた。
 親類や友人が犠牲になった団体職員松崎誠さん(45)は「(建物を目にして)当時を思い出す人がいるのはかわいそう。自分も見たくない」と解体を望む。「事態を長引かせず、追悼公園にして慰霊碑を建ててほしい」と願った。
 やはり同級生が犠牲になった無職岩間英二さん(63)は「津波の脅威を伝える遺構として残した方がいいように思うが、忘れたい気持ちもある」と話した。
 仮処分を申し立てた「おおづちの未来と命を考える会」の高橋英悟代表は11日午後、大槌町役場を訪れ、「司法判断確定までの解体工事の中止」を要請。平野公三町長に代わって要請書を受け取った沢舘和彦副町長は「町長に伝えた上で返事したい」と硬い表情で応じた。


大槌旧庁舎「震災遺構に価値」
解体工事差し止め…住民が仮処分申請
 大槌町の旧役場庁舎を巡り、住民団体「おおづちの未来と命を考える会」は11日、「震災遺構として価値がある」などとして、解体工事の差し止めを求める仮処分を盛岡地裁に申し立てた。東日本大震災で被災した旧庁舎の解体問題は、司法の判断が示される見通しになった。
 申立書では、旧庁舎について、震災遺構としての社会的・経済的価値が高く、文化財に該当すると指摘。建物の解体を決めた町を「価値を判断しようとせず、検討を怠った」と批判し、財産の管理と運用を定めた地方財政法と、文化財の保存を求める文化財保護法に違反すると主張している。
 住民団体は今月4日、解体予算の執行差し止めを求めて住民監査請求を行った。しかし、町はすでに解体工事契約を業者と結び、18日頃から工事が始まる見通しが示されたことから、監査結果が出るのを待たずに仮処分申請に踏み切った。監査結果次第では住民訴訟を起こす方針という。
 住民団体は11日、監査結果や仮処分申請に対する地裁の判断が示される前に解体工事が始まる可能性があるとして、自主的な工事中止を求める要請書を町に提出した。高橋英悟代表(46)は「町長には多くの意見を聞く時間を持ってほしい。少なくとも司法判断が確定するまでの間、解体工事は中止されるべきだ」と訴えた。
 平野公三町長は「対応は現在検討中で、コメントは差し控えたい」とする談話を出した。


東松島の観光、再び光を 24日つり大会で復興アピール 参加者募集
 東日本大震災で被災した宮城県東松島市で24日、観光復興を目的とした釣り大会が開かれる。市内沿岸一帯の岸辺を釣り場とし、客足が戻らない観光スポットを再認識してもらう。仙台市宮城野区の観光コンサルタント会社「やどかり」が企画し、参加者を募集している。
 同市の2017年の観光客入り込み数は68万7147人で、震災前の10年比で38.8%減少。17年の宿泊観光客数も10年比26.1%減の5万7944人と伸び悩む。
 同社の佐々木洋一代表(43)は東松島市の観光関係者との交流を通じ、復興支援イベント開催の可能性を模索。今回、震災前に同市で釣り大会の運営に携わった経験を生かした。
 佐々木代表は「岸釣りをしながら復興を実感してもらい、東松島をレジャースポットとして見てもらえるようにしたい」と話す。
 当日は午前6時半、宮戸島の月浜海水浴場駐車場に集合。一般ルアーとペアの2部門で釣果を競う。ペアは親子かカップル、夫婦、女性同士のいずれか。対象魚は一般がヒラメ、マゴチ、アイナメ、ソイ。ペアは魚種を規定しない。釣り上げた魚のうち大きい3匹の総重量で審査し、上位者に無料宿泊券などを贈る。
 一般3000円(定員100人)、ペアが1人2000円(25組50人)。連絡先は佐々木代表080(4516)0291。


東京の飲食店で南三陸産「ギンザケのコンフィ」ふっくら柔らか一流の味
 宮城県南三陸町産の養殖ギンザケの消費を首都圏で拡大しようと、同町の復興支援に取り組む三井不動産が12日、都内の飲食店で「ギンザケのコンフィ」の提供を始める。企画に携わった関係者の試食会が11日にあり、一流シェフ監修のメニューを味わった。
 三井不動産が日本橋に開設している南三陸町の情報発信拠点「わたす日本橋」のレストランで、7月中旬ごろまで提供する。料理は帝国ホテルの田中健一郎総料理長(67)が監修。同町から直送されるギンザケをオリーブオイルに漬けて低温でじっくり焼き上げ、柔らかい食感に仕上げた。
 田中さんは昨年、都内有名ホテルの料理人らによる一般社団法人「料理ボランティアの会」の復興支援活動で南三陸町を訪れた。「南三陸のギンザケは見た目、味ともに素晴らしい。鮮度が落ちにくいことも首都圏の料理人にとってはありがたい」と話す。
 試食会に参加した県漁協志津川支所の阿部富士夫支所長(55)は「今まで食べたことのない味と食感。東京の人にも地元の食材のおいしさを味わってほしい」と期待を込めた。


<私の復興> 故郷で取り戻す日常
◎震災7年3ヵ月〜福島県浪江町・種苗店経営佐藤秀三さん(73)
 胸ポケットには常に線量計を入れている。病院やスーパーはなく、不安や不便さを挙げたらきりがない。ただ、故郷で取り戻した日常は何物にも代え難い。
 福島県浪江町は昨年3月、東京電力福島第1原発事故に伴う避難指示が帰還困難区域を除いて解除された。町内で種苗店を営む佐藤秀三さん(73)は二本松市の仮設住宅での6年間の避難生活を終え、妻芳子さん(71)と自宅に戻った。
 健康管理のため、町から貸与された線量計に貼られた「1」の通し番号は帰還した住民第1号を表す。「線量が何ミリでも、戻りたいという思いは誰よりも強かった」と振り返る。
 原発事故は町を汚染し、面積の8割が帰還困難区域に指定されたが、愛着は捨てられなかった。大正時代から続く種苗店は亡き母が行商して歩き、商圏を拡大した老舗だ。「のれんを守りたい」。高線量地域を通って一時帰宅を繰り返し、維持管理に努めた。
 今春で解除から1年を迎えたが、帰還した住民は約700人と人口の4%にとどまる。野生鳥獣に荒らされた家屋と、更地が混在する街並みは殺風景だ。除染廃棄物を中間貯蔵施設へ運ぶトラックの騒音ばかりが重く響く。
 避難指示の解除を巡っては、賛成派と反対派に町が割れた。町が2017年1月から全国10会場で開いた住民懇談会。「解除したら賠償が打ち切られる」「国や東電の思うつぼだ」と否定的な意見が大勢を占め、佐藤さんら帰還を望む住民との溝が深まった。
 故郷で心を痛める再会があった。
 一時帰宅で訪ねてきた知人男性に「店もないし、医者もいない。こんなとこ誰も住まねえぞ」と言い放たれた。「帰還するもしないも選択の自由。互いを否定すべきじゃない」と反論をのみ込んだ。
 故郷で取り戻した喜びもあった。
 今年の正月、千葉県などに分散避難した娘と孫の2家族が集まり、7年ぶりに10人全員が顔をそろえた。みんなで年越しの除夜の鐘を突き、恒例だった浪江神社に参拝。町内の請戸漁港から拝む初日の出は格別だった。
 居間のこたつを囲むと会話も弾んだ。孫娘が「将来はお婿さんをもらって店を継ごうかな」と笑った。店は販路が途絶え、厳しい現実に直面する。「冗談だろ」と返したが、内心はうれしくてたまらなかった。
 「復興の定義は人それぞれだけど、佐藤家の復興は達成できたんじゃないか」。久方ぶりのだんらんが、味気なかった6回分の正月の記憶を上書きした。
 今年4月にはなみえ創成小・中校が開校、地元での義務教育が再開された。認定こども園も開設された。合わせて23人だが、子どもが駆け回る光景が戻った。
 「浪江はまだ捨てたもんじゃない」と日々、意を強くする。「町を地図から消滅させたくない。帰還した自分たち、そして故郷を離れる選択をした人たちのためにも」と願う。(報道部・桐生薫子)
●私の復興度・・・88パーセント
 原発事故で被災した自治体の復興は、避難指示が解除され、住民が住んだり、立ち寄ったりできることだと思う。ようやく自宅に戻れたので、復興度は限りなく100%に近い。ただ生活再建が進まず、0%で止まっている町民は無視できない。末広がりへの希望を込め、88%としたい。


<岩手・宮城内陸地震10年>栗原・荒砥沢崩落地の立ち入り制限 ガイド同伴前提 19年度解除へ
 岩手・宮城内陸地震で発生した国内最大級の地滑り地帯「荒砥沢崩落地」(栗原市栗駒)に関し、栗原市の官民でつくる栗駒山麓ジオパーク推進協議会は11日、ガイド同伴を前提に2019年度の立ち入り制限解除を目指す方針を明らかにした。
 市内で同日あった協議会の本年度総会で示した。事務局によると、18年度内に崩落地のルート測量や危険箇所の確認を完了。見学者を安全に案内する「上級ジオガイド」の養成を進め、林野庁など関係機関の許可を得る方針。
 荒砥沢崩落地は長さ約1300メートル、幅約900メートル。これまでの調査で、移動体と呼ばれる横滑りした山塊など一部は土地が安定し、危険性が極めて低いことが分かっている。
 地震研究者ら専門家は東北森林管理局職員の同伴で入山が許可されているが、一般の立ち入りは制限されたまま。協議会は18年度に市が開設を予定するジオパーク活動の拠点施設「ビジターセンター」と合わせて周知し、地震の記憶伝承を強化したい考えだ。
 栗駒山麓ジオパーク推進アドバイザーを務める東北学院大の宮城豊彦教授は総会で「10年前の地震の瞬間をそのまま残す場所は世界的にも貴重だ。ぜひ計画を進めてほしい」と話した。


震災不明者を田野畑で捜索
 東日本大震災から7年3か月となった11日、田野畑村の真木沢海岸で岩泉署が行方不明者の捜索を行った。
 同村の行方不明者は15人。小雨が降る中、岩泉署員3人が長さ約1メートル20の警杖を使い、海藻などの漂着物をかきわけながら手がかりを捜した。震災直後に警察官になった小山遼巡査長(25)は「当時は何もできず、無力感があった。一人でも多くの人の手がかりを見つけたい」と話した。
 今月は、沿岸5署のうち宮古署を除く4署が捜索を行う予定。県によると、震災による県内の行方不明者は5月末現在1115人。


【東日本大震災】 被災者の揺れ動く感情「考えて」 浜松市の女性ディレクター制作映画が「山本美香賞」に
 東日本大震災の津波で家族4人を失った男性を追ったドキュメンタリー映画を、浜松市の映像ディレクター笠井千晶さん(43)が制作し、災害の悲惨さや防災の重要性を伝えようと、各地で上映会を開いている。「大切な人を災害で亡くす悲しみを、二度と繰り返してほしくない」。映画を見た人の意識が少しでも変わるのを願い続ける。
 映画「Life 生きてゆく」は5月、シリア取材中に死亡した都留市出身のジャーナリスト、山本美香さんの遺志を引き継ごうと創設された「山本美香記念国際ジャーナリスト賞」を受賞。男性や家族に寄り添いながら、最愛の人たちを亡くした喪失感や、生活再建に向けて揺れ動く感情を丹念に描き、評価された。
 男性は、津波で母親と長女を失い、父親と長男が行方不明の福島県南相馬市の上野敬幸さん(45)。映画は平成23年6月から5年半の間、上野さんや妻(41)、震災半年後に生まれた次女(6)との生活を中心に記録した。
 東京電力福島第1原発事故の影響で、発生直後に自宅が屋内退避区域に指定され、自衛隊や警察の不明者捜索が実施されなかったため、上野さんは消防団の仲間と自力で捜し始める。
 当時、愛知県のテレビ局に勤めていた笠井さんは、記者として「自分の目で被災地を見なければ」と福島を訪れた。休みのたびに通ううち、上野さんに出会う。当初は拒まれたが、たまたま再会したのをきっかけに打ち解けると、上野さんは誰にも見せない心の痛みを伝えるように。
 捜索中、自宅裏で津波にのまれた8歳の長女の遺体を見つけ、自ら安置所に運んだことや、妊娠中の妻が茨城県に避難していて、長女の火葬にすら立ち会えなかったことを聞いた。
 「福島では想像を超える悲しいことが起きているのに、原発事故だけが注目され、津波被害がほとんど知らされていない」。上野さんから伝わった思いを映画にしようと決意。テレビ局を退職し、昨年1月に完成させた。
 全国各地で開いた上映会は約20回。今年5月に三重県鈴鹿市であった上映会では「災害で大切な人を亡くし、後悔している人がいることを知ってほしい。そして、自分の身にも起きるかもしれないと考えてほしい」と呼び掛けた。
 2012年8月に銃撃戦に巻き込まれ倒れた山本さんも、帰国後に被災地の取材を再開するつもりだったという。「山本さんと私の伝えたかったことが重なっているかは分からないが、受賞で背中を押してもらった気がする」。これからも福島を撮り続けようと、固く胸に誓っている。


宮城県沖地震から40年
28人が犠牲となった昭和53年の宮城県沖地震から12日で40年がたちます。仙台市では地震から身を守る姿勢を一斉にとるシェイクアウト訓練が行われます。
今から40年前の昭和53年6月12日に起きた宮城県沖地震はマグニチュード7.4の大地震で、建物の倒壊などで宮城県で27人、福島県で1人が死亡しました。
宮城県は6月12日を「みやぎ県民防災の日」として定めていて、16人が亡くなった仙台市では、去年から、参加者が自分の身を守るポーズを一斉にとるシェイクアウト訓練を行っています。
12日の訓練は午前9時に直下型の地震が起きた想定で、それぞれ低い姿勢をとった後、テーブルなどの下に入って頭を守り、動かない姿勢を1分間とり続けるということです。
このほか、家具などの転倒防止対策がとられているかどうかや、食料の備蓄ができているかなどもこの機会に確認するよう呼びかけています。
仙台市の担当者は「宮城県沖地震は、都市型地震の典型ともいわれている。災害に備えるため自分に何が出来るかを考えるきっかけにしてほしい」と話しています。


<宮城県沖地震40年>再来リスク(下)津波防災 最大級想定 重い課題 避難態勢の見直し急務
 国や東北各県が防災体制を見直すきっかけとなった宮城県沖地震の発生から、12日で40年となる。2011年3月11日の東日本大震災後も、科学者は宮城県沖を含めた太平洋側で大地震や大津波が起こりうるとして、警鐘を鳴らし続ける。「6.12」の教訓を振り返りながら「3.11」後の備えを検証する。(報道部・小沢邦嘉)
<3県未策定>
 東日本大震災の津波被害を教訓に、岩手、宮城、福島の被災3県沿岸では総延長約400キロにわたる防潮堤の建設が進む。高さは数十年〜百数十年に1度発生する津波を想定し、設計された。高さ10メートルを超える工区も計約50キロに及ぶ。
 住民の命と財産を守る巨大プロジェクトだが、自治体に防潮堤を超える水準の対策を求める法律もある。2011年12月施行の津波防災地域づくり法だ。
 発生頻度は極めて低くても、起こり得る新たな「最大級の津波」を念頭に置いて浸水域を策定するよう都道府県に義務付けた。青森など34道府県は浸水想定まで策定済みだが、被災3県は「最大津波」のシミュレーションもこれからだ。
 国土交通省の担当者は「復興まちづくりや防潮堤の整備が途上にあるなど、被災県にはやむを得ない事情もある」と現時点では容認姿勢を見せる。
 津波防災法に基づく対策は被災自治体の重い課題となりかねない。東北大災害科学国際研究所の今村文彦教授(津波工学)は「被災3県が想定すべき最大津波は、3.11の数値より大きくなる可能性もある」と指摘する。
 国交省は過去の津波実績などを基に、より厳しい条件の想定を求める。震災は干潮時に起きており、仮に満潮時なら津波は1メートルほど高くなる。浸水想定では地震による地盤沈下や、防潮堤などの構造物が破壊された場合も考慮しなければならない。
<改善策探る>
 今村教授は「3.11のように想定を超える事態は将来にわたって起こり得る。最大津波を、固定概念にとらわれず備えるための情報と理解すべきだ」と強調。「自治体は1次避難、2次避難といった多段階の防災計画を住民と協力して作ってほしい」と促す。
 1978年の宮城県沖地震で津波による被害はなく、発生した津波も最大30センチだった。それでも県は2004年、次の宮城県沖地震に向けた津波対策を想定し、気仙沼市で最大10メートルなどの推定値を公表していた。
 震災で巨大津波の襲来と甚大な被害が現実となった東北の被災地。将来想定の前に、避難態勢の見直しなど難題が山積する。
 石巻市は震災から6年以上を経た17年5月に津波避難の対策検討会議を設け、改善策を探り続けている。前年に発生した福島県沖地震に伴う津波では、避難を巡る課題が改めて浮き彫りになったからだ。
 市や東北大が津波浸水域の5000世帯に実施した調査によると、津波警報が出たにもかかわらず、避難した人は約4割にとどまった。うち半数以上は、渋滞に巻き込まれる可能性が高い車で移動していた。
 東北大の佐藤翔輔准教授(災害情報学)は「3.11の経験がある地域では、よほど大きな地震でなければリスクを低く見積もる傾向が出てきている。津波警報や注意報レベルでも警戒し、適切な避難を習慣化する取り組みが必要だ」と訴える。


<宮城県沖地震40年>あの日の記憶忘れず 次への備えにつなげる
 1978年6月12日に発生し、28人が犠牲になった宮城県沖地震から40年となった。戦後初の都市型災害とされ、直撃を受けた仙台市では宅地崩壊やブロック塀の倒壊など大きな被害が出た。「あの日」を振り返りながら、東日本大震災を経てますます重要視される「備え」のいまを考える。(報道部震災取材班)
◎被害総額、県予算に匹敵/被害の概要
 宮城県沖地震は1978年6月12日午後5時14分ごろ、金華山沖60キロの深さ40キロを震源に発生した。マグニチュード(M)7.4と推定され、当時の震度基準で仙台、石巻、大船渡、新庄、福島で5を記録。津波警報も発令されたが、最高は仙台新港の30センチだった。
 死者は28人(宮城県27人、福島県1人)。このうち18人はブロック塀や石塀の倒壊などで死亡した。負傷者は1万1028人で、うち仙台市内が9300人を占めた。7573棟の建物が全半壊した。
 約68万戸(宮城県内42万戸)が停電。宮城の8万7740戸で断水し、3分の2を占める仙台市の全面通水は10日後だった。市の都市ガスは完全復旧まで約1カ月を要した。宮城の被害総額は当時の県の一般会計予算に匹敵する規模の2687億6414万円に上った。
◎意識高める催し多く/市民講座や防災模試
 宮城県沖地震と東日本大震災による2度の経験を、いかに次への備えにつなげるか。市民講座や防災模試を通し、意識を高める取り組みが広がっている。
 仙台市で2015年にあった国連防災世界会議で採択された国際的な防災行動指針「仙台防災枠組」。実践のあり方などを学ぶ講座が5月18日、青葉区であり、受講した町内会役員や企業担当者ら約80人が地域防災との関わりを考えた。
 東北大災害科学国際研究所と仙台市が16年度から開催。災害研の今村文彦所長と泉貴子准教授が講師を務めた。参加した太白区西中田町内会の元役員渡部公康さん(56)は「福祉避難所の整備や学校との連携といった町内会活動が仙台防災枠組と結び付いていると知った」と意を強くした。
 ヤフーは今年3月、スマートフォンのアプリで、防災に関する知識を問う「全国統一防災模試」を初めて実施。宮城は参加率、平均点とも1位だった。
 問題を監修した東北大災害研の佐藤翔輔准教授は「地震などの大きな被害から学んだ成果が示された形になった。防災の催しが多いことも、意識を高める要因になったのではないか」と分析する。


<宮城県沖地震40年>手を携え備えへ動く 自主防災のいま
 1978年6月12日に発生し、28人が犠牲になった宮城県沖地震から40年となった。戦後初の都市型災害とされ、直撃を受けた仙台市では宅地崩壊やブロック塀の倒壊など大きな被害が出た。「あの日」を振り返りながら、東日本大震災を経てますます重要視される「備え」のいまを考える。(報道部震災取材班)
◎次世代の担い手育成/仙台・片平地区まちづくり会
 仙台市青葉区片平地区の町内会などで構成する「片平地区まちづくり会」は東日本大震災を教訓に、防災行動マップ作成や避難所整備、地域の外国人と連携した訓練など多様な取り組みを展開する。子どもたちの防災学習やまちづくり活動も推進し、共助の先進例として注目される。
 震災後、地域の指定避難所の片平丁小には一時、3000人近くが殺到した。近隣には東北大の留学生が多く、外国人避難者への対応で混乱した。
 反省を基に、会は2012年以降、地区の防災訓練で企画段階から留学生らに参加してもらい、相互の理解を促進。地区の避難場所や避難方法などをまとめた防災行動マップの日本語版と英語版を作成し、配布した。今野均会長(76)は「日頃から外国人の住民をお客さん扱いせずに活動する必要がある」と話す。
 次世代の担い手育成にも力を入れる。15年度、地域学習に取り組んだ当時の片平丁小6年生らが結した片平子どもまちづくり隊を部会の一つに位置付けた。16年度からは毎年、小中学生らが住民の話を聞きながら街を散策し、災害時の危険箇所や地域の歴史を学ぶゲームを開催している。
 まちづくり会メンバーで子どもたちの活動をサポートする会社員溝井貴久さん(34)は「地域に愛着を持ってもらうことが防災につながる」と強調。まちづくり隊代表で、ゲームに参加した五橋中2年菅原直之さん(13)は「いろいろな人々と関わる機会が増え、地元について学ぶことができる」と実感する。
 まちづくり会は今後、震災後の活動を検証し、各地で被害が相次ぐ大雨災害の対策にも力を入れる方針だ。今野会長は「高齢者の孤立防止などの課題もあり、多様な観点から取り組みたい」との考えを示す。
◎交流深め活動の礎に/マンション ライオンズ長町南第2
 仙台市太白区の「ライオンズマンション長町南第2」では意欲的に防災活動を展開し、住人同士が共に助け合える「顔の見える関係づくり」を目指す。
 入居者約10人が5月中旬、太白区の大年寺などを散策した後、1階集会所で茶菓を囲んで懇談した。2014年に始めた講座「ぼうさいカフェ」の一環で、地元の地理や歴史を学び、防災に生かす試み。年5回ほど開催し、地名の由来と災害の関係、長町−利府断層などを取り上げた。
 築30年のマンションには27世帯が暮らす。半壊判定された11年の東日本大震災前まで交流は活発ではなかった。14年に自主防災組織を結成。防災マニュアルを作り、防災倉庫を購入して備蓄品をそろえた。
 毎年3月、避難訓練を実施。風化を防ぐ意味も込めて毎月、当番制で発電機を点検する。かつて物置状態だった集会所は、いつでも使えるようにした。
 防災組織の設立時に理事長だった保坂誠さん(70)は「入居者にはさまざまなスキルや能力を持つ人々がおり、活動の力になる」と強調し「べったりした近所付き合いではなく、緩くつながることがマンション流のこつ」と話す。
◎通信網や誘導灯整備/企業 仙台卸商センター
 宮城県沖地震で加盟業者3社が全壊、241社が一部損壊する大きな被害に遭った仙台市若林区の協同組合仙台卸商センター。約17万坪に252社が集積する全国有数の卸商団地はいま、防災に力を入れたエリアに生まれ変わりつつある。
 団地は2011年の東日本大震災でも大きなダメージを受け、30社が建て替えを迫られた。15年、国の安心・安全まちづくり整備事業でインフラを一新。公衆無線LAN「Wi−Fi(ワイファイ)」を導入し、災害時は衛星通信に切り替え、連絡手段が途切れないよう対策を強化した。
 防犯カメラ付きの街路灯21台は災害時、赤色に変わって避難者らに注意を促す仕組みとし、避難経路を示す誘導灯を18台設置した。市地下鉄東西線の開業に伴って15年に卸町駅ができ、16年には卸商センター事務局が入居する複合型災害公営住宅が完成した。
 17、18年度は区のモデル地区に指定され、住民と連携した防災や防犯活動などの取り組みも始まった。卸商センターの担当者は「2度の被災を乗り越えた会員企業がこの先も事業を発展できるよう、災害に強い街づくりを進めたい」と意気込む。
◎地域の災害リスク把握を/仙台市防災・減災アドバイザー及川由佳里さん
 仙台市の防災・減災アドバイザー及川由佳里さんに、災害に向けた心構えなどを聞いた。
 −地震から身を守る上で重要なポイントは何か。
 「自分の身は自分で守るのが基本。地震が起きたら机やテーブルの下に身を隠すと分かっていても、訓練の機会が少ない大人は万が一の時に動けない場合がある。宮城県沖地震では、とっさに屋外に飛び出して、けがをしたケースもあった。身近な場所で避難訓練に参加してほしい」
 −日頃の備えは。
 「食料の備蓄は1週間分が必要。高いハードルに感じられるかもしれないが、レトルト食品や乾麺を食べながら買い足す循環備蓄ならば案外、難しくない。複数の部屋で分散保管が望ましい。まず飲料水から始めてはどうか。家具を寝室に置かざるを得ない場合は、ベッドや入り口をふさがない配置にしてほしい」
 −共助も大切になる。
 「仙台市では宮城県沖地震以降、町内会単位の自主防災組織の結成を推進してきた。組織率は9割以上だが、防災訓練の参加者や内容はマンネリ化している地域もある。住民同士が平時から顔の見える関係をつくることが欠かせない」
 −豪雨や土砂崩れ、噴火など多様な災害に向けた取り組みとは。
 「ハザードマップで自分の住む地域の災害リスクを把握する必要がある。災害を想定して、どう行動するか具体的にイメージすることが備えになる。避難所までのルートに危険箇所がないかも確かめてほしい」
 −昨年、女性初のアドバイザーに就いた。
 「今まで防災に関心が薄かった若い世代や女性への呼び掛けが自分の役割。お母さんには、小さな子どもにカードゲームで防災を教えたり、非常食の料理会を開くことなどを提案している。主婦の視点で防災グッズを100円ショップでそろえるのも面白い。楽しみながら取り組んでほしい」


<宮城県沖地震40年>災害に備え連携確認 仙台市、大規模被害想定し訓練
 仙台市は市民防災の日の12日、大規模災害を想定し、宮城野区の宮城県消防学校で自衛隊や消防、関係団体による訓練を実施した。1978年の宮城県沖地震から40年。各機関は連携を確認し、災害に対する心構えを新たにした。
 訓練は長町−利府線断層帯を震源とする直下型の地震が発生し、市内で最大震度6強の地震が発生したと想定。自衛隊や消防、市と応援協定を結ぶ団体など17団体が、倒壊した建物に取り残された人の救出や仮設トイレの設置などを訓練した。
 郡和子市長は終了後「災害時に落ち着いて連携し、活動するよう訓練を糧にしてほしい」と講評した。
 午前9時には市内の学校や企業などで、机の下に潜るなどして身を守る「シェイクアウト訓練」が一斉に行われた。
 マグニチュード(M)7.4を記録した宮城県沖地震では、現在の仙台市域で16人が死亡、860棟以上の建物が全壊した。


仙台唯一の地元資本映画館「仙台セントラル」月末で閉館 映画離れで赤字体質加速
 仙台市内で唯一の地元資本による映画館「仙台セントラルホール」(青葉区中央)が6月末で閉館することが12日、分かった。ミニシアター系の新作や旧作の上映に力を入れたが、インターネット動画の普及などによる映画離れが赤字体質を加速させ、40年の歴史に幕を下ろす。
 経営主体の合同会社仙台セントラル劇場の小野寺勉代表(63)は「東日本大震災で施設が一部損壊したのに加えて老朽化も進み、維持が困難になった」と閉館の理由を説明。会社解散も余儀なくされる。
 1979年、青葉区中央通沿いに新築されたビル内で、不動産会社が経営する日乃出セントラル劇場として開館。赤字などのため経営者は3回入れ替わった。2007年からビル所有者の名を冠して桜井薬局セントラルホールとして運営。今年2月、命名権契約が切れて現名称になった。落語家を招いた魅知国(みちのく)仙台寄席、在仙プロダクションによるお笑いライブなども開かれた。
 座席数は154。米映画「シンドラーのリスト」が大ヒットした94年の来館者は年間10万人を超えたが、近年は10分の1程度に落ち込んでいた。
 23日から「セントラル特選さよなら上映」と銘打ち、フィルム映写機による「楢山節考」など国内の8作品を上映する。
 セントラルの閉館により、市内の映画館はMOVIX仙台(太白区)、TOHOシネマズ仙台(青葉区)と、それぞれフォーラム運営委員会(山形市)が運営するフォーラム仙台(青葉区)、チネ・ラヴィータ(宮城野区)の計4館となる。


袴田さん再審認めず/多くの疑問が残ったままだ
 一度は開いたはずの再審への扉が閉ざされた。審理の場は最高裁に移ることになる。再審を開くかどうか、その入り口の前で、さらに時間を要することになる。
 静岡県で1966年、みそ製造会社の専務一家4人が殺害された強盗殺人事件で、死刑が確定した元プロボクサー袴田巌さん(82)に対し、東京高裁はきのう、2014年の静岡地裁の決定を取り消し、再審開始を認めない決定をした。
 地裁決定はDNA型鑑定などを根拠に再審開始を認めたが、高裁は鑑定の信用性を否定した。確定判決には多くの疑問点が指摘されており、今回の高裁決定は十分な説得力を持っていない。
 即時抗告審では「犯行時の着衣」に付いた血痕のDNA型鑑定が焦点となった。高裁は「鑑定手法を過大評価している」として、地裁決定を退けた。
 高裁はDNA型鑑定の手法検証に審理の大半を割き、決定もそれを中心に判断を導いた。再審は誤判救済の制度だという広い視点でこの裁判全体を振り返れば、別の結論にたどり着いた可能性がある。
 最高裁は1975年、札幌市で警部が射殺された事件で「疑わしきは被告人の利益に」という刑事裁判の鉄則が再審にも適用されると説いた。いわゆる「白鳥決定」だ。
 同決定では確定判決の事実認定に合理的な疑いが生じれば、再審を開始できるとしている。新旧の全証拠を総合的に評価し、その結果、冤罪(えんざい)に苦しむ人を救済する再審に向けて、道を開いた。
 犯行時の着衣とされるシャツなど「5点の衣類」は、80年に確定した死刑判決を支えた重要な物証だ。だが、それは事件から1年2カ月後、工場のみそタンク内から突然見つかるという不自然さだ。ズボンは袴田さんには小さすぎるという問題もある。
 衣類の変色を基にして地裁が「(捜査機関による)捏造(ねつぞう)の疑い」にまで言及した点について、高裁は「具体的な根拠に乏しく、捏造した合理的な疑いは生じない」としたが、検証が十分とは言えない。
 68年の一審静岡地裁判決は自白は本人の意思に基づいていないとして、自白調書45通のうち44通を証拠として認めていない。このことからも自白は強要された疑いが残る。
 多くの疑問点を残したまま有罪認定した確定判決を総合的にどう判断するのか。最高裁では、こうした点をより深く審理してもらいたい。
 再審請求審の在り方も問われる。81年提起の第1次再審請求審は、最高裁で棄却されるまで27年。今回の第2次再審請求審も2008年の提起から既に10年がたつ。
 地裁が異例の釈放を決定し袴田さんが48年ぶりに獄中から解放されて4年余。年齢を考えれば、残された時間には限りがある。迅速に結論を出すことも求められている。


再審への道 「疑わしきは罰せず」だ
 五十二年前の強盗殺人事件で死刑が確定していた袴田巌さんの再審開始決定を東京高裁が取り消した。血痕のDNA型への評価の違いだ。司法は当時の捜査手法への厳しい目があるのを知るべきだ。
 袴田さんの事件は長く冤罪(えんざい)との疑いの声があった。一九六六年に起きた静岡県の旧清水市で一家四人が殺害された事件だ。
 再審開始を認めない決定に、十一日の東京高裁前では「不当決定」と書かれた垂れ幕が掲げられた。
 冤罪はまず犯人とされた人に罪をかぶせる不正義がある。同時に真犯人を取り逃がす不正義を伴う。この二重の不正義がある。
 元裁判官の木谷明氏の持論である。裁判官時代に約三十件もの無罪判決を書いた経験を持つ。一件を除き検察は控訴すらできなかった。その木谷氏の著書「『無罪』を見抜く」(岩波書店)にはこんなくだりがある。
 <冤罪は本当に数限りなくある、と思います。最近、いくつか有名な冤罪事件の無罪判決が報道されていますが、あれはあくまで氷山の一角ですよ。(中略)『なぜ、こんな証拠で有罪になるのだ』と怒りたくなる判決がたくさんあります>
 袴田さんの事件では一審で死刑判決に関わった元裁判官の熊本典道氏が「無罪だと確信したが、裁判長ともう一人の陪席判事が有罪と判断し、合議の結果で死刑判決が決まった」と二〇〇七年に明かした。熊本氏自身も判決言い渡し後に、良心の呵責(かしゃく)に耐えかねて裁判官を辞職したとも語った。
 「疑わしきは被告人の利益に」という言葉は刑事裁判の原則で、再審でも例外ではない。ところが日本の検察はまるでメンツを懸けた勝負のように、再審開始の地裁決定にも「抗告」で対抗する。間違えていないか。再審は請求人の利益のためにある制度で、検察組織の防御のためではない。
 かつ、検察はかき集めた膨大な証拠も不利なものは隠したりする。今回も新たに開示された取り調べ録音テープから、捜査員が袴田さんをトイレに行かせず、取調室に持ち込んだ便器に小便をさせた行為などがわかった。
 着衣に付いた血痕のDNA型の判定などで地裁と高裁の判断は分かれた。だが、問題なのは再審制度の在り方にもある。無実の人を救済せねばならないのは検察も同じではないか。最高裁では死刑囚の再審という究極の人権問題にも道筋を示してもらいたい。


「袴田」再審棄却 理解に苦しむ高裁決定
 1966年に静岡県で一家4人が殺された事件で死刑が確定した袴田巌さん(82)の第2次再審請求で、東京高裁はきのう、再審開始を認めた静岡地裁の決定を取り消し、請求を棄却した。
 地裁は袴田さんや被害者の血痕が付いたとされる衣類について、弁護側のDNA型鑑定の結果、袴田さんの着衣であることに疑問を示し、再審開始を命じていた。
 一方、高裁は「地裁は鑑定の手法を過大評価している」などと批判し、再審を始める明白な証拠とは認めなかった。
 再審制度の本来の目的は誤判からの救済、名誉回復である。
 地裁の決定から4年。証拠と法に照らし、審理を重ねた結論だとしても、再審請求審で求められる「無罪の発見」にどこまで迫ろうとしたのか、大いに疑問が残る。
 弁護団は特別抗告する方針だ。「死刑事件」に決して誤判は許されない。最高裁には改めて綿密な審理を求めたい。
 地裁と高裁の判断を分けたのは、科学鑑定に対する見解や姿勢の違いと言えよう。
 地裁はDNA型鑑定によって示されたいくつもの「矛盾」を袴田さんに有利な証拠ととらえ、問題の衣類は警察による証拠捏造(ねつぞう)の疑いがあるとさえ言及した。
 逆に、高裁は、このDNA型鑑定について「新規の手法で、一般的に確立した科学的手法とは認められない」と判断している。
 科学鑑定の進歩で有罪判決を覆す新証拠が発見される現代において、消極的すぎないだろうか。
 鑑定の手法自体は否定されたものの、「では、血痕付きの衣類は誰のものか」という争点への明確な答えはうかがえない。
 そもそも「袴田事件」は、警察が自白を強いた疑いが強く、証拠の全体的な構造も盤石とは言い難い。かつて死刑判決を言い渡した元裁判官の一人は「無罪の心証を持っていた」と告白している。
 最高裁は「白鳥決定」で、「疑わしきは被告人の利益に」という刑事裁判の原則は再審にも適用されると判示している。
 高齢の袴田さんの健康状態を考え、死刑や拘置の執行を停止するのであれば、速やかに再審公判に審理を移すのが筋だろう。
 最近相次いでいる再審開始決定を巡っては、検察の異議申し立てを認めるべきではないと指摘する専門家も少なくない。
 証拠開示に後ろ向きな検察の姿勢も含め、再審制度のあり方に関する議論を深めたい。


袴田事件/長すぎる再審への道のり
 無実の訴えは届かず、再審の扉は再び閉ざされた。
 1966年に静岡県で一家4人が殺害された強盗殺人事件で死刑が確定した元プロボクサー袴田巌さんの第2次再審請求で、東京高裁は裁判のやり直しを決めた2014年の静岡地裁決定を破棄した。
 地裁は、弁護側が無罪の証拠とした新たな鑑定結果を評価し、捜査機関による証拠捏造(ねつぞう)の疑いも指摘していた。それを覆す高裁の決定に弁護側は「不当で、承服できない」として、最高裁への特別抗告を決めた。
 逮捕から半世紀を過ぎ、袴田さんは82歳になった。地裁が認めた死刑と拘置の執行停止を、高裁は年齢や健康状態などから「取り消すのは相当でない」とした。妥当な判断である。
 袴田さんは長期拘束による精神的な影響が残り、意味が通じない発言をすることもあるという。無実を訴える再審への道のりは、さらに長引くことになる。裁判所は迅速に審理を進めるべきだ。
 高裁審理の最大の焦点は、地裁が再審を認める根拠としたDNA型鑑定の信用性だった。
 犯人の着衣とされた衣類の血痕について、地裁は袴田さんや被害者のものでない可能性を認めた。だが検察側は鑑定の有効性を疑問視し、高裁も「結果は信用できない」と判断した。地裁は捜査機関による衣類の証拠捏造の疑いも指摘したが「具体的根拠に乏しい」とした。
 だが、袴田さんを有罪とした根拠には多くの疑問が残る。
 今回の第2次請求審では約600の証拠が開示された。事件発生から1年以上過ぎて衣類が発見されるなど、不自然な点は少なくない。自白を引き出した取り調べの任意性なども地裁は問題視していた。
 今回、高裁は地裁と反対の判断を示した。最高裁でもそれらの信用性は争点になる。偏りのない判断を望みたい。
 袴田事件に限らず、再審請求では捜査当局が保管する証拠開示の攻防が審理を長引かせる一因となっている。
 自白偏重による冤罪(えんざい)は後を絶たない。「疑わしきは被告の利益に」との刑事裁判の原則に立ち返り、早期に証拠を開示した上で審理を進めるべきだ。


袴田事件の決定  再審回避の意図透ける
 刑事裁判の原則「疑わしい場合は被告人の利益に」に反する決定ではないか。
 1966年に静岡県で一家4人が殺害された強盗殺人事件で死刑が確定した元プロボクサー袴田巌さん(82)の第2次再審請求で、東京高裁は再審開始を認めた2014年の静岡地裁決定を取り消した。
 争点となったのは、静岡地裁が確定判決に対する疑義の決め手とした証拠衣類のDNA鑑定だが、東京高裁は「過大評価している」と指摘した。
 同地裁が指摘した「捜査機関による証拠のねつ造の可能性」も「具体的根拠に乏しい」と疑問を呈した。
 「無罪の可能性を示唆」して「拘置は正義に反する」とまで言い切った静岡地裁決定を取り消すにしては、「過大評価」や「根拠に乏しい」とは、歯切れが良くない決定である。
 最高裁は再審の判断枠組みを示した1975年の「白鳥決定」で「有罪への疑問が残れば再審開始とすべき」としている。
 東京高裁の決定理由は「有罪への疑問」を解消したとは、到底いえないのではないか。
 東京高裁は袴田さんの死刑と拘置の執行停止は取り消さなかった。
 年齢や精神状況を考えれば当然の措置であるとはいえ、再審開始を回避することだけが狙いだった、と指摘されても仕方がない。
 第2次請求審では、裁判所が検察に対し保管する証拠の開示を促し、約600点が開示された。
 その中には、袴田さんを有罪とするには不自然なものが幾つもあった。有罪証拠となったズボンのサイズが袴田さんにははけない細身用を示していたことなどだ。
 東京高裁はこうした点について判断しなかった。
 抗告審の過程では、検察が長く「存在しない」と説明してきた証拠衣類の写真ネガの存在が明らかになった。
 静岡地裁は証拠衣類の写真の色合いの不自然さを指摘し、DNA鑑定と合わせて再審開始を決定した。
 自らに不利な判断が出ると、ないと主張していた証拠が見つかったというのはいかにも不自然だ。
 弁護側は最高裁に特別抗告する方針だが、地裁と高裁の判断が正反対のため最終的な結論が出るには時間がかかるとみられている。
 冤罪(えんざい)の場合は救済も必要だ。袴田さんの年齢を考えれば一刻の猶予もない。真相解明を時のかなたに追いやることは、許されない。


最高裁は慎重かつ迅速に/袴田さん再審認めず
 静岡県で1966年に一家4人が殺害された強盗殺人事件を巡り東京高裁は、袴田巌さんの裁判をやり直す再審開始を認めない決定をした。死刑が確定し服役した袴田さんは2014年3月に静岡地裁の再審開始決定で刑の執行が停止され、ほぼ半世紀ぶりに釈放されたが、検察が異議を唱え即時抗告。さらに約4年が審理に費やされた。
 弁護側は「不当で、承服できない」とし最高裁に特別抗告する。一層の長期化は避けられないが、袴田さんは3カ月前に82歳になり、健康不安も抱える。最高裁には慎重かつ迅速な審理が求められる。
 即時抗告審の最大の争点は、確定判決で犯人の着衣とされた「5点の衣類」に付着した血痕のDNA型鑑定。地裁決定は衣類は袴田さんのものではなく「無罪を言い渡すべき明らかな証拠」としたが、検察は同じやり方でDNAを検出するのは困難と反論。鑑定は信用できないと主張した。
 鑑定を巡り高裁は、それを手掛けた筑波大教授と、疑問を呈した大阪医科大教授の尋問や検証実験などを基に「一般的に確立した科学的手法と認められない」と指摘。「有用性に深刻な疑問があるにもかかわらず、過大評価した」として、地裁決定を覆した。
 ただ刑と拘置の執行停止については「棄却決定が確定する前に取り消すのは相当ではない」と判断した。
 袴田さんは、みそ製造会社専務の一家4人を殺害したとして1966年8月に逮捕され、自白したが、公判で一貫して無罪を主張。そのさなかの67年8月、専務宅そばのみそ工場のタンク内から麻袋入りのシャツなど血痕の付いた5点の衣類が見つかり、検察側は犯行時の着衣を袴田さんの自白にあるパジャマから5点の衣類に変更した。
 静岡地裁は筑波大教授の鑑定について「前例のない方法」といった専門家らの批判も含めて検討を加え、信用性を認めた。一方、東京高裁は筑波大教授が鑑定に関するデータを保存していないことなども挙げ信用性を否定した。
 ただ袴田さんが犯人なら、専務宅の放火に使った油で5点の衣類を焼いてしまうのが自然で、なぜ多くの人が作業をする工場のタンクに隠したのか。地裁決定が指摘したいくつかの疑問は残る。「疑わしきは被告人の利益に」という刑事裁判の鉄則にたがわず、審理を尽くしてほしい。


袴田事件 再審の扉を閉ざすな
 確定した死刑判決には重大な疑義が生じている。にもかかわらず、袴田巌さんの再審開始を取り消す決定を東京高裁が出した。疑わしきは被告人の利益に―という刑事裁判の原則を顧みない、納得できない判断である。
 姉の秀子さんが2008年に申し立てた第2次再審請求に対し、静岡地裁は14年、犯人と認める証拠はないとして再審開始の決定を出していた。死刑と拘置の執行も停止し、袴田さんは釈放された。逮捕以来、48年ぶりだった。
 犯人が着ていたとされる衣類に付いた血痕が、DNA型の鑑定で、袴田さんのものでも被害者のものでもないとされた。地裁は、検察が新たに開示した証拠も踏まえ、捜査機関が証拠を捏造(ねつぞう)した疑いを指摘している。
 一方、高裁は今回のDNA型鑑定について「確立した科学的手法ではない」として信用性を認めなかった。証拠捏造の疑いについても「具体的な根拠に乏しい」と退けている。
 高裁は4年に及んだ審理の多くをDNA型の鑑定手法の評価に費やしてきた。その信用性を否定し、地裁の決定をことごとく不合理として、確定判決に合理的な疑いを挟む余地はないとする判断は、一面的で説得力を欠く。
 事件は1966年に起きた。静岡のみそ製造会社専務宅が全焼し、一家4人の他殺体が見つかった。血痕の付いた衣類が、みそ工場のタンクで発見されるのは、1年以上たってからだ。しかも、ズボンは袴田さんには小さすぎて履けないサイズだった。
 再審請求審で、地裁の求めにより検察側が初めて開示した証拠はおよそ600点にも上る。出火直後、袴田さんが従業員寮にいたことを同僚が証言していたことも分かった。事件前後に目撃した人がいない、としていた検察の立証と食い違っている。
 ほかにも判決が認定した事実と矛盾する点がある。確定判決の信頼性は揺らいでいる。冤罪(えんざい)の恐れに目をつむるかの姿勢は、司法の責任を自らなげうつに等しい。裁判自体をやり直し、全ての証拠を洗い直して、真相を明らかにしなければならない。
 袴田さんは82歳になった。長年の拘禁で精神を病み、釈放後は故郷の浜松で秀子さんと暮らす。初公判から一貫して無罪を訴え、死刑が確定した翌年に本人が再審請求をしてから40年近くになる。
 弁護団が特別抗告し、審理の場は最高裁に移る。再審の扉を一刻も早く開く判断を求める。


【袴田さん再審】取り消しに疑問拭えず
 死刑判決に再審の扉を開いたかに見えた司法判断から4年余り。歯車はまさかの逆回転である。
 1966年、静岡で一家4人が殺害された事件で死刑が確定した袴田巌さんの第2次再審請求で東京高裁が再審開始を認めない決定をした。再審を認めた2014年の静岡地裁決定を取り消した。
 地裁が認めた袴田さんの死刑と拘置の執行停止は支持した。年齢や健康状態などに配慮したものだが、再審を認めないことは死刑判決の維持を意味する。他の収監者との平等性に疑問を残す結果になった。
 この事件では、1968年の一審判決が、工場のみそタンクから見つかったシャツなど「5点の衣類」は犯人の着衣であり、袴田さんのものだと認めて死刑を言い渡した。
 袴田さんは、捜査段階で「自白」し、裁判では一貫して犯行を否認したが、80年に判決が確定した。長い年月を経て、再審への道が見え始めたのは、科学鑑定の進歩や司法制度改革によるところが大きい。
 弁護側は最新のDNA型鑑定を提出し、衣類の血痕は袴田さんや被害者のものではないと指摘した。司法制度改革を受けて約600点の証拠も開示され、事実認定に疑問を抱かせる証言や物証も明らかになった。
 刑事裁判は、検察官に犯罪の立証責任がある。証明できなければ被告人は無罪とするのが原則だ。証拠に疑義が出たとなれば、犯罪の立証の根拠が揺らぐ。
 静岡地裁はこれらを受け、再審開始と拘置の停止を決めた。衣類は捜査機関が捏造(ねつぞう)した証拠である可能性にまで言及した。極めて重い判断といってよい。
 検察側が即時抗告した東京高裁では、弁護側の鑑定手法の科学的有効性が最大の争点だった。同高裁は検証実験の結果から弁護側鑑定の問題点を指摘し、地裁が「鑑定手法を過大評価している」として決定を取り消した。
 鑑定の技術が進んだとはいえ、事件発生から半世紀以上がたつ。信頼性が問われるのは当然であろう。鑑定手法も再現できる客観性の高いものでなければならない。
 ただ、弁護側の鑑定に疑問が残るとしても、死刑判決を導き出した裁判の疑問点が解消されたわけではないだろう。証拠の再点検は不可欠ではないか。
 取り調べで「自白」を迫られる録音テープの存在も明らかになっている。死刑判決を書いた静岡地裁の元裁判官が、自白の任意性に疑問があるなど公判当初から無罪と考えていたと主張していることも重い。
 こうした観点から司法が再審の扉を閉ざすことには疑問が拭えない。やはり裁判をやり直し、真相を徹底究明することが望まれる。
 弁護側は最高裁に特別抗告する方針だ。第2次再審請求は既に10年を費やしている。袴田さんが高齢であることを踏まえても、最高裁で長い時間を要することは避けなければならない。


[袴田事件] さらに長期化忍びない
 死刑確定を挟んで半世紀以上も無実を訴え続ける袴田巌さんに、一度は開きかけた再審の扉が再び閉ざされた。
 東京高裁はきのう、2014年3月の静岡地裁決定を取り消し、再審開始を認めない決定をした。弁護側は特別抗告する方針で、審理の場は最高裁に移る。
 長年、死刑の恐怖におびえながら拘置生活を強いられ、「これ以上の拘置は耐え難いほど正義に反する」と、4年前の決定と同時に釈放された袴田さんである。高裁が、死刑と拘置の執行停止の地裁判断を支持し、再収監しなかったのは妥当と言えよう。
 袴田さんは82歳で健康不安を抱える。死刑囚の立場のままで審理をいたずらに長引かせるのは忍びない。最高裁は慎重な上にも迅速に結論を出してもらいたい。
 1966年6月、静岡県清水市(現静岡市)のみそ製造会社専務宅から出火し、焼け跡から一家4人の他殺体が見つかった。同8月に従業員だった袴田さんが強盗殺人などの疑いで逮捕された。
 袴田さんは、連日の取り調べでいったんは自白。公判では無罪を訴えたが、会社の工場のみそタンクから見つかった血痕のあるシャツなどの衣類が決定的証拠とされ、80年に死刑が確定した。
 81年からの第1次再審請求は退けられたが、2008年に姉の秀子さんが申し立てた第2次再審請求で、静岡地裁は捜査機関による証拠捏造(ねつぞう)の疑いを指摘し、再審開始を決定。これを不服とした検察側が即時抗告していた。
 即時抗告審で焦点となったのは、地裁の再審開始決定の大きな根拠となった衣類に付着した血痕のDNA型鑑定結果だ。
 弁護側鑑定人の大学教授が考案した特殊な鑑定手法について、検察側は科学警察研究所や別の大学教授に依頼して検証し「信用できない」と訴えた。双方の主張が平行線をたどり、即時抗告審に約4年を費やす結果となった。
 高裁決定は、DNA型鑑定結果について「鑑定手法を過大評価している」と判断。捜査機関による証拠捏造の疑いも「具体的な根拠に乏しい」として退けた。
 ただ、事件直後の家宅捜索では見つからなかった血痕の付いた衣類が1年2カ月後の一審公判中に見つかった経緯など、疑問点が全て解消したとは言いがたい。
 国家の名のもとに命を奪う死刑は慎重な判断が必要だ。地裁と高裁が異なる決定をしたことで、最高裁では難しい審理となろう。
 「疑わしきは被告人の利益に」という刑事裁判の鉄則に立ち返って判断すべきである。


袴田巌さんの支援団体が抗議活動 無実訴える
昭和41年に起きた、いわゆる「袴田事件」で死刑が確定し、その後、釈放された袴田巌さんの再審・裁判のやり直しについて、11日、東京高等裁判所が再審を認めない決定を出したことを受けて、支援する団体が、東京都内で抗議活動を行い、改めて無実を訴えました。
昭和41年に今の静岡市清水区で会社役員の一家4人が殺害された事件では、死刑が確定した袴田巌さん(82)が無実を訴えて再審を申し立てましたが、11日、東京高等裁判所は4年前の静岡地裁とは逆に再審を認めない決定を出しました。
一方、地裁が認めた釈放については、本人の年齢や健康状態などを踏まえ、取り消しませんでした。
袴田さんは元プロボクサーで、12日は元世界チャンピオンの輪島功一さんなど日本プロボクシング協会のメンバーや支援者およそ20人が東京・霞が関で抗議活動を行いました。
袴田さんの姉のひで子さんも参加してデモ行進を行い、「検察はタオルを投げろ」と書かれた横断幕を掲げながら「袴田さんは無実だ」と訴えました。
このあと会見した輪島功一さんは、「きのうの決定はミスジャッジだと思う。今後、最高裁判所で争われることになると思うが、袴田さんが元気なうちに無実の判断を出してほしい」と述べました。
また袴田さんの姉のひで子さんは、「これまでおよそ50年闘ってきたので、100年闘うつもりで頑張りたい」と述べました。


袴田事件 姉「生きている限り頑張る」 再審請求棄却に
 1966年に起きた「袴田事件」で、死刑確定後に静岡地裁の再審開始決定で釈放された袴田巌元被告(82)の姉秀子さん(85)が12日、浜松市中区の自宅近くの公園で報道陣の取材に応じた。東京高裁が11日に地裁の決定を取り消して再審請求を棄却したことに触れ、「生きている限り頑張るしかない」と、今後も再審を求めていく決意を述べた。
 高裁の決定を聞くため上京していた秀子さんは12日夕に帰宅。散歩中だった巌さんを公園に迎えに行った。元気そうな巌さんの表情を見て「今帰ったよ」と声をかけたという。
 高裁の決定には「長年闘ってきたのでごたごたしないし、巌が帰ってきているので悔しさはない。請求棄却も何とも思っていない。100歳まで生きるつもり。巌も長生きさせ、努力して頑張ります」と話した。【奥山智己】


「米朝歴史的和解」の舞台裏と取り残された日本の命運<上>
 世界中が固唾をのんで見守った。シンガポールのリゾート地、セントーサ島のカペラホテルで12日、史上初の米朝首脳会談がついに始まった。
 トランプ大統領と金正恩朝鮮労働党委員長が歴史的な対面を果たしたのは、予定より4分遅れの午前10時4分(現地時間午前9時4分)。6本ずつ交互に並んだ米朝両国の国旗を背に、2人はそれぞれ反対方向から現れると、中央でガッチリと右手で握手。当初は互いに硬い面持ちだったが、トランプが左手で正恩の右腕をポンポンと叩き、正恩が「お会いできて光栄です。ミスタープレジデント」と英語で語りかけると、互いの表情は緩み、代表記者団の記念撮影に応じた。
 トランプは真っ赤な“勝負ネクタイ”を結び、濃紺のスーツ姿。正恩は黒の人民服に身を包み、独特のヘアスタイルは普段に増して青々と刈り上がっていた。
 数秒間の撮影後、トランプが金正恩を導くように2人は会談を行う部屋に向かった。時折、トランプは正恩の背中を抱き、談笑しながら歩いた。部屋に入ると、会談冒頭にトランプは「素晴らしい議論をし、成功を収めるだろう。素晴らしい関係を築くであろうことに疑いはない」と語った。
 正恩が「ここまで簡単な道のりではなかった。我々には足を引っ張る過去があり、誤った偏見と慣行が時に目と耳を塞いできたが、あらゆることを乗り越えてこの場にたどり着いた」と応じた。静かに聞いてきたトランプは「その通りだ」とうなずくと、2人は再び握手。トランプは満足げに親指を軽く上げ、「サムアップ」のジェスチャーを見せた。
 会談冒頭の最後に「報道陣がいなくなったら話そう」と正恩に語りかけると、通訳だけを交えた一対一形式で会談。約45分後に2人は報道陣に姿をみせ、トランプが「会談はとても良かった」と話すと、会場を移し、拡大会談に移行。米側からポンペオ国務長官、ケリー大統領首席補佐官、ボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)が同席。北側は金英哲・党副委員長、李洙墉党副委員長、李容浩外相が同席した。
 拡大会談を終えると、午後0時半からワーキングランチ。トランプは午後5時に会見し、午後8時ごろ帰国の途に就く。正恩も本日中にシンガポールを後にする。
 今後も紆余曲折はあるだろうが、世界で唯一、残っていた東西冷戦構造が終焉を迎えれば、この会談はまさしく歴史の転換点ということになる。


「米朝歴史的和解」の舞台裏と取り残された日本の命運<中>
表に出てきた金正恩の笑顔を専門家はこう分析
 2011年12月に父の金正日総書記が死去して権力を継承して以降、徹底した秘密主義を貫いてきた金正恩。その動静は、北朝鮮の国営メディアを通じてしか知り得ず、強権的で狂気の独裁者というイメージが定着していた。
 ところが、4月27日の南北会談では、満面の笑みで韓国の文在寅大統領と握手を交わし、抱き合う姿がリアルタイムで報道された。あまりのイメージ落差に世界中が驚いたものだ。米朝首脳会談のためにシンガポール入りしてからも、金正恩はカメラの前で笑顔を見せ続けている。
 これは、米朝会談が自らのシナリオ通りに進んでいるという満足の笑顔なのか、それとも虚勢を張っているのか。専門家はこう分析する。
「表舞台に出てきてからの金正恩氏の笑顔は、非常に演技的なものに見えます。これまでは高圧的で強い指導者のイメージで世界と渡り合っていこうと考え、国営メディアを使ってそういう演出をしてきた。しかし、挑発し過ぎると、どんな報復をしてくるか分からないトランプ大統領にコワモテ路線は通用しないと判断したのでしょう。『トランプをハッピーにすれば、現体制が守られて自分たちもハッピー』という戦略に変えた。その象徴が、あのフレンドリーな笑顔です。トランプ大統領も表情がコロコロ変わります。威圧的で冷酷な顔をしたかと思えば、労働者や支持者には笑顔を振りまく。そういう手法を金正恩氏はよく研究していると思います。もちろん不安もあるでしょうが、どう接すれば自分たちに有利に働くかを計算し、トランプの先を行っている印象です」(明大講師の関修氏=心理学)
 やはり、したたかな男だ。中国の習近平国家主席と会談した際のやや緊張した面持ちが、金正恩の本心を表しているのかもしれない。
「圧力」から「猫なで声」で失笑されている安倍外交
 世界が注視した米朝会談。いま、国際社会から失笑されているのが安倍首相だ。
 なにしろ、ほんの数カ月前まで北朝鮮に対して「対話のための対話には意味がない」「最大限の圧力が必要だ」と声高に“圧力路線”を主張していたのに、一転、猫なで声で「国交を正常化し、経済協力を行う用意がある」と、金正恩に秋波を送っているのだから、信じられない。世界のリーダーから「この男には外交理念がないのか」とバカにされても当然である。
 あれだけ多用していた「最大限の圧力」も、トランプが「最大限の圧力という言葉は使いたくない」と明言した途端、パタッと口にしなくなってしまった。
「世界のリーダーは、安倍首相に呆れているでしょうね。重要な外交方針を“圧力”から“対話”にカンタンに変えてしまった。しかも、変更した理由も情けない。ひとつは、トランプ大統領が“米朝融和”へカジを切ったから合わせるしかなかった。もうひとつは『このままではバスに乗り遅れる』と慌てて北朝鮮に秋波を送ったのでしょう。関係国の米、中、ロ、韓は次々に北朝鮮との対話に向かっているのに、日本だけは接触できていませんからね。要するに、信念から外交方針を変えたわけではない。国際社会では、口にしたことをコロコロ変える、こういうトップが一番信用されない。しかも、安倍首相は、心の中で米朝会談の“失敗”を期待していることも見透かされています。世界のリーダーは、日本の首相を哀れに思っているはずです」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)
 いま頃、金正恩も「あの男、どうなっているんだ」と失笑しているに違いない。
この会談は声明だけのセレモニーか、今後の行方
 トランプは、シンガポール入りの直前になって「チャンスは1回きりだ」と言い出した。この会談は1回きりのセレモニーで終わるのか。
「本来、非核化と体制保証は慎重に進めていかなければなりませんが、トランプ大統領は一発で決めたがり、首脳会談についても『会えば1分で分かる』と言っていた。そういう人だから、物事が大きく動いたと言えます。金正恩氏がディールできる人物か、見極めたのでしょう。超大国の米国と、小国の北朝鮮が対等な立場で話し合ったという意味では画期的な会談であり、86年にゴルバチョフ書記長とレーガン大統領がレイキャビクで会った米ソ首脳会談と重なる。レイキャビクでは具体的に何も合意できなかったが、この会談が冷戦終結への大きな一歩になった。今回の米朝会談でも、会ってお互いの意思を確認することが重要だったのです」(朝鮮史の専門家で東大名誉教授の和田春樹氏)
 北は非核化を約束し、米国が体制維持を保証。それで東アジアの平和に向けた動きが加速すれば、今回の会談が第一歩なのだ。
「今後の具体的な交渉は、ひとつ決まれば、後退しないように信頼を積み上げ、少しずつ進めていくことになるでしょう。しかし、期限がある。トランプ大統領の最初の任期が切れる2年半後までに決着させなければなりません。お互いに失敗はできない。最後までまとめ上げるのは難しいが、それでも飛び込んでいった両首脳の決意は評価したい。革命的な変化を促す世紀の会談です」(和田春樹氏=前出)
 トランプは再選のツールとしてノーベル平和賞が欲しい。
 金正恩は、トランプ政権の間に国交正常化と不可侵条約を勝ち取らないと、次の政権でちゃぶ台返しされかねない。両者にとって、タイムリミットとの戦いでもある。
 レイキャビクの米ソ会談から冷戦終結のマルタ会談までは3年かかった。米朝はどうなるか。
■完全な非核化とは何か、何年かかるのか、途中で「やめた」とならないのか
 アメリカが北朝鮮に求めてきた完全な非核化。しかし、核を実戦配備した国が交渉で放棄した例は過去に一度もない。そもそも「完全で検証可能かつ不可逆的非核化」(CVID)は、実現可能なのか。
 すでに北朝鮮は核兵器を12〜60個も保有し、核の関連施設は300〜400カ所に及ぶという。地下にも広がる核関連施設の全容をつかみ、査察し、核兵器を解体するとなったら、その手間と費用はハンパじゃない。アメリカの核専門家は「15年かかる」と予測している。元韓国国防省北朝鮮情報分析官で拓大客員研究員の高永テツ氏はこう言う。
「非核化に15年かかると予測しているアメリカのハッカー博士は、何度も北朝鮮に入っている核の専門家です。非核化を実現するためには、国際原子力機関(IAEA)の査察チームが入って調査することになりますが、査察チームの専門家は300人。世界中で査察しているため、十分ではありません。トランプ大統領が『核廃棄は急がなくていい』と口にし始めたのも、CVIDはカンタンではないと理解したからでしょう。問題は、どこまでやったら非核化とするかです。極端に言えば、保有しているすべての核を国外に運び、全施設を破壊しても、データと技術者が残っていれば、もう一度、核をつくれる。結局、カギは、核を完全に放棄するという北朝鮮の意思が本当かどうかということになります」
 北朝鮮にとって核は命綱のようなものだ。核を保有しているから大国のアメリカとも渡り合える。非核化したら、ただの弱小国だ。途中で金正恩が、「やっぱり非核化をやめた」と反故にする可能性もゼロではないのではないか。


「米朝歴史的和解」の舞台裏と取り残された日本の命運<下>
朝鮮戦争終結で日本の安全保障、防衛予算は変わるのか
 60年以上も休戦状態にある朝鮮戦争の終結も、米朝会談のテーマだ。トランプは会談前、終戦宣言について「何らかの合意に署名できるかもしれない」と明言している。朝鮮戦争の終結は日本の安全保障を百八十度転換する好機にもなる。
「在日米軍には、朝鮮戦争を戦っている『朝鮮国連軍』として駐留中との存在理由もある。終結すれば、国連軍は解散され、在日米軍の駐留の意義は薄れます。半ば米軍の治外法権を認めた日米地位協定や、日米安保のあり方などを根底から見直す絶好のチャンス。それこそ、安倍首相が訴える『戦後レジームからの脱却』につながっていきます」(軍事評論家の前田哲男氏)
 朝鮮戦争の終戦宣言は、北の非核化の前進が大前提だ。北の脅威が消えれば、役立たずのイージス・アショア2基を2000億円もかけてアメリカから購入する必要もなくなるが、それを許さないのが安倍政権と自民の国防族だ。安倍政権が年末に策定する新防衛計画大綱への提言として、自民党は防衛費の対GDP比1%枠の突破を求め、2%への倍増をにおわせた。過去最大5兆円台の防衛費を、さらに10兆円規模まで膨らませたいようだ。
「集団的自衛権を容認し、トランプ大統領と兵器の大量購入を約束した手前、日本の安保環境を『戦後最大の危機的情勢』と位置づけなければ、安倍政権は存在意義を失う。北の脅威が消えれば、中国の脅威は去っていないと脅威をスリ替えるのは明白です。と同時に朝鮮戦争の終結で在日米軍が縮小すれば、それを口実に自主防衛の必要性を国民に説き、9条改憲まで一気に突き進みかねません」(前田哲男氏=前出)
 何でもかんでも政治利用するのが、ご都合主義首相の恐ろしさだ。
新たな市場、北朝鮮に群がる利権、ビジネスチャンス
 米朝会談の実現によって全世界が注目しているのが北朝鮮の「復興ビジネス」だ。
 ポンペオ米国務長官は「北朝鮮が早期に非核化措置を取れば、韓国と同じレベルの繁栄を達成できるように協力する」と働きかけてきた。南北の1人当たりのGDP(国内総生産)が同水準になったと仮定した場合、北の復興需要は10年間で約440兆円が見込まれるという。未開の地・北の市場は全世界にとって垂涎の的なのだ。
 その利権を狙って、米国は「インフラ」「エネルギー」「農業」の3分野を中心とする経済支援、いわゆる「北朝鮮版マーシャル・プラン」を検討しているという。
 とりわけ注目されているのが、約300兆円規模といわれる天然資源だ。北に眠る希少鉱物は中国大陸より豊富とみられている。経済評論家の斎藤満氏がこう言う。
「アメリカが関心を持っている利権は、北朝鮮のウランでしょう。原発を推進したいアメリカ国内の利権グループにとっては宝の山なのです。韓国経済に比べて北は、市場規模が数百分の1ともいわれており、経済発展の余地が極めて大きい。企業にとっては、安価で、よく“訓練”された労働力も投資のメリットでしょう」
 鉄道やガス、電力についてはすでに、韓国、ロシア、北の3者間での共同プロジェクトの可能性が持ち上がっている。中国は中国で、平壌や南浦港など北の国内4カ所について、北側から開発を要請されている。世界各国がビッグビジネスを狙って動きだしているのに、ひとり置いてけぼりを食らっているのが日本だ。
「国交正常化ができなければ、ビジネスチャンスもない。『1億年経ってもわれわれの神聖な地に足を踏み入れることはできない』とヤユされている安倍首相に、手だてがあるのか疑問です」(斎藤満氏=前出)
 このままでは経済支援という名目で、カネだけむしり取られてしまう。
今後、日本が負担させられるベラボーな戦後補償やインフラ整備
 このまま米朝融和が進んだら、いずれ日本は、北朝鮮への経済支援を迫られるのは間違いない。
 すでにトランプは、「もし非核化の合意に達すれば北朝鮮を支援する」「われわれは遠い国だ。しかし、日本は支援をすると思う」「安倍首相は経済支援すると言ってくれた」と、日米会談の時、ハッキリと口にしている。横にいた安倍首相も否定しなかった。
 驚くのは、北が核放棄の見返りに要求する経済支援の額だ。米経済誌フォーチュンと英ユーライゾン・キャピタル研究所の共同分析によると、なんとその金額は2兆ドル(約220兆円)と試算されている。実際、鉄道、道路、電力などのインフラを整備するとなったら、10兆円や20兆円じゃ済まないだろう。もちろん、日本が220兆円をすべて負担することはあり得ない。しかし、北朝鮮は、10年、20年かけて日本から巨額のカネを奪おうと考えているに違いない。元外交官の天木直人氏が言う。
「最悪なのは、どんなに支援しても日本だけは見返りがない恐れがあることです。経済支援するにしても、よその国は、自国の企業が儲かるように北朝鮮と話し合って“ひもつき”にするはずです。でも、日本はカネだけ取られる可能性が高い。シタタカな金正恩は、『中国、ロシア、韓国からの経済支援で十分だ』というポーズを取りかねない。実際、3カ国の支援で当面は十分でしょう。そうなると、日本は蚊帳の外にならないように、ますます巨額の経済支援をせざるを得なくなる恐れがあります」
 北と国交を結ぶとなれば経済支援とは別に日本は数兆円の戦後補償も迫られる。安倍外交の失敗により、日本はとんでもないツケを払わされることになる。
拉致問題だけが永遠に先送りされる亡国外交の結末
 歴史的会談の直前、アメリカに押しかけた安倍は、トランプから米朝会談で拉致問題に言及する確約を取ったと胸を張ったが、トランプの頭の中は自分の名声を上げることでいっぱいだ。拉致は二の次、三の次だろう。しかも安倍との共同会見でトランプは、拉致問題について「安倍首相にとって個人的に重要な事柄」と発言。拉致解決を望むのは、あくまで安倍個人との認識で、日本全体の問題として重く受け止めていないのだ。トランプはこの程度の認識なのに、「米朝会談での拉致言及を確約」と強調する安倍は、さながらフェイクニュース製造マシンのようだ。
「首相は拉致問題の早期解決のため、北と直接話し合いたいと日朝首脳会談に意欲を示していますが、何を今頃になって当然のことを言い出しているのか。なぜ就任5年間に同じことを言えなかったのか。今さら対話を求めても後の祭りです」と憤るのは、元家族会事務局長の蓮池透氏だ。こう続けた。
「弟(拉致被害者の薫氏)は、昨年から『必ず対話局面に転換する』と予測していましたが、安倍政権はその備えを怠り、圧力一辺倒。だから、いざ対話局面を迎えると蚊帳の外に置かれ、拉致問題は常に米韓頼み。トランプ大統領には拉致を材料に取引され、首相は軍用機をはじめ米製品を数十億ドル規模で購入すると約束させられる始末です。仮に日朝会談が実現したところで、北の『拉致問題は解決済み』との主張を覆すには、日本側が拉致被害者の誰がどこに生存しているかの情報をつかんでいなければ無意味です。“外交のアベ”を標榜するなら『当然、そのくらいの情報は持っていますよね』と、最大限の皮肉を込めた言葉を贈ります」
 外交の基本が全く通用しない圧力バカ首相の亡国外交。かくして拉致問題だけが永遠に先送りされかねないのだ。


米朝首脳会談 「へつらった」米紙がトランプ氏批評
ネット上ではトランプ氏称賛のコメント多く
 米朝首脳会談への関心は米国内でも高く、開始前から主要テレビ局が「会談まで、あと5時間」などとカウントダウン式に報じた。
 米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は、トランプ米大統領が会談後の記者会見で米韓合同軍事演習の中止に言及したことについて「北朝鮮への重要な譲歩であり、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長に核放棄させられるかの賭けだ」と指摘し、首脳会談を「重要なステップ」と評価した。一方で、共同声明については「(非核化について)時期や検証方法など具体性に欠ける」とした。
 ワシントン・ポスト紙(電子版)は、トランプ氏の金委員長に対する態度を「へつらった」と評した。両首脳の会談での「愛想の良さ」が、非核化を巡って埋まらない両国の隔たりを覆い隠したなどと指摘。「トランプ氏の関心事は本質ではなく、首脳会談の見え方だ。トランプ氏は非核化へのあいまいな約束を成功だとして売りつけようとするだろう」との専門家の批判を引用した。
 トランプ氏の支持者が多い地域では会談結果に肯定的な見方が強い。テネシー州東部在住のアジア系の女性会社員(43)は「トランプ大統領が北朝鮮のトップを引っ張り出しただけでもすごいと評価する声が多い。核問題よりも政治ショーとして関心を集めているようだ」と語る。インターネット上には「正しい方向に向けた良い一歩だ」「今年の初めにはこんなこと想像もできなかった」などとトランプ氏を称賛するコメントが多く見られた。
 首脳会談後、ポンペオ米国務長官はツイッターで、共同声明に盛り込まれた朝鮮戦争の米兵の遺骨収集などについて「個人的には最も意義深い」と書き込んだ。ツイッターでは「人権、信仰の自由、日本人の拉致被害者について北朝鮮と話し合った」と明かしたほか、13日にソウルと北京を訪れ「朝鮮半島の非核化を達成するチームを引き続き作り上げる」と意欲を示した。【高木香奈】


米朝首脳会談 北朝鮮、非核化を約束 声明に具体策盛らず
 【シンガポール高本耕太、渋江千春】トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は12日午前9時(日本時間同10時)過ぎから、シンガポール南部セントーサ島のカペラホテルで会談した。米朝首脳会談は史上初めて。両首脳は米国が北朝鮮に「安全の保証を提供」し、北朝鮮は「朝鮮半島の完全な非核化に対する揺るぎない約束を再確認」する共同声明に署名した。しかし、日米韓が求める北朝鮮の「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化(CVID)」は言及されず、非核化協議のスタート地点に立ったとの位置付けにとどまった。
 会談後の記者会見でトランプ氏は「完全非核化には技術的に長い時間がかかる」と述べた。両国は今後も合意の履行のための協議を継続することになっており、来週にもポンペオ国務長官やボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が非核化の詳細について、北朝鮮側と協議するという。
 声明では米国と北朝鮮が「新たな関係を作る」と強調。休戦状態にある朝鮮戦争(1950〜53年)の終結について「朝鮮半島の持続的で安定した平和体制の構築に向け努力する」と記された。また、朝鮮戦争で死去した米兵の遺骨収集で協力することも確認した。
非核化費用「韓国と日本が助ける」
 トランプ氏は記者会見で、非核化に向けた具体的なスケジュールや方策が定められなかったことについて「時間がなかった」と述べた。ただ、金委員長が会談で、ミサイルエンジンの実験場を破壊すると約束したと説明。「これは大きなことだ」と指摘した。北朝鮮は弾道ミサイル発射実験の凍結については具体的な行動を米国側に伝えたことになる。
 一方で、トランプ氏は、北朝鮮との対話が継続する間は米韓合同軍事演習を中止するとも示唆し、演習の費用が高額となることと共に「(北朝鮮に対して)挑発的だ」と、その理由を説明した。ただ、制裁については当面維持する方針を示した。非核化の費用については「韓国と日本が助けるだろう」とも述べた。
 日本人拉致問題について、トランプ氏は「会談の中で提起した」と述べたが、共同声明には盛り込まれなかった。北朝鮮国内の人権問題についても、非核化に比べると短い時間だが協議はしたという。
 この日の首脳会談は、会談場でトランプ氏と金委員長が握手をするところから始まった。最初に通訳のみを交えたトランプ氏と金委員長による1対1の膝詰め形式で約40分行った後、拡大会合には米国はポンペオ氏やボルトン氏、北朝鮮は党副委員長の金英哲(キム・ヨンチョル)、李洙墉(リ・スヨン)の両氏、李容浩(リ・ヨンホ)外相らが加わった。
 両首脳は昼食後にホテルの敷地内を並んで歩くなど、友好ムードが演出された。共同声明の署名式でトランプ氏は「非常に重要で包括的な文書だ」と発言。金委員長は「過ぎ去った過去を覆い隠し、新しい出発を知らせる歴史的な文書に署名。世界は重大な変化を目にすることになる」と語っていた。
 トランプ氏は結果について安倍晋三首相、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領に電話で説明した。安倍首相は電話協議後、記者団に「金委員長が朝鮮半島の完全な非核化を米国に約束した意義は大きい」と述べた。
 トランプ氏は12日午後6時半ごろ、帰国の途についた。一方、ロイター通信は、金委員長は同日午後11時20分ごろ、北朝鮮に向けて空路出発した。


強制不妊手術訴訟 法廷外の救済策が急務だ
 戦後の1948年に制定された旧優生保護法下で障害などを理由に不妊手術を強制した問題で、宮城県の60代女性が今年1月、初めて国に損害賠償を求め仙台地裁に訴訟を起こしたのに続き、5月には70代の男女3人が札幌、仙台、東京の各地裁に一斉提訴した。北海道などでも提訴の準備が進められるなど、次々と声が上がり始めている。
 ただ、仙台地裁であった第1回口頭弁論では、国側が原告側の求める救済立法を巡り「立法の義務はない」とする内容の書面を提出し全面的に争う構えを見せている。加えて手術を示す記録や民法上のハードルなどもあり、裁判は長期化が避けられない状況にある。被害者の高齢化は待ったなしであり、実態調査や議員立法による救済法案の提出など法廷外の解決に向けた取り組みを急ぐべきだ。
 第1回口頭弁論で、原告側は「子どもを産み育てるという自己決定権を奪い取る手術で、憲法で保障された基本的人権を踏みにじるものだ」と主張、早期救済を求めた。96年に条文が削除された後も国や国会は救済法を整備しなかった「不作為」を主張した。
 原告弁護団によると、これに対して国側は「国家賠償法がある以上、新たな救済法をつくる義務は国にも国会にもなかった」などと主張しているという。「不作為」を認めれば、補償制度をつくらざるを得ないための方便とも受け取れる対応であり、不誠実極まりない。国会などを中心に救済策の議論が進む流れに逆行するものだ。
 こうした「後ろ向き」ともいえる国の姿勢に対して、被害者らは反発を強めている。さらには全国被害弁護団の結成もあり、訴訟で国の責任を問う流れは広まっていくとみられる。
 だが、問題は半世紀に及ぶ旧法下で約2万5千人に不妊手術がなされ、うち1万6500人近くには強制だったとされる中で、手術に関する都道府県の資料の多くが廃棄されてしまっていることだ。全国で個人名の載った資料は約3900人という。国によると福井県では37人が手術を受けたが、個人名などの記載資料はないとしている。
 宮城県は公的な記録に名前がない場合でも、手術痕や本人の証言など一定の条件を満たせば認める方針を打ち出している。他の自治体にもこういった枠組みを取り入れる柔軟な姿勢を求めたい。
 厚生労働省は、救済策を検討する与党のワーキングチーム(WT)の要請に応じて、都道府県などへの資料保全を求め、調査範囲を全市町村、医療機関、障害者施設にまで広げた。
 法廷では救済立法の必要性を否定し、一方で実態調査を進める姿勢には疑念を拭えないが、ハンセン病患者のケースを想定しているとの見方もできる。2001年の熊本地裁判決をきっかけに当時の小泉純一郎首相の政治決断で一気に救済へと道が開かれた。強制不妊手術被害者の早期救済に政治が急ぎ向き合う時が来ている。


蓮舫氏、政界はセクハラ当たり前・支援者からダンスの強要も
「均等法以前、以後」といういい方があるように、1985年の男女雇用機会均等法の成立により、女性の社会進出が進んだことは間違いない。キャスターの安藤優子さんが言う。
「法律は画期的なもので、それまではゼロに近かった報道の職場にも女性がどんどん増えていき、今では女性記者の方が多い部署もあるほどです」
 女性に門戸が開かれたのはマスコミの世界だけではない。時を同じくして工事現場作業員やタクシードライバーなど、男の代名詞のような職場にも、少しずつ女性が増えていった。一方で、国の「制度」ができても人々の「意識」はなかなか変わらない。
「女だから政治家のおじさんに話を聞いてもらえるんだろうとか、女を武器にしてとか、職場では幾度となく言われました。それを否定するために、自分の女性性を封印して、おじさんのように振る舞っていた。今では後悔していますが、当時はそうするよりほかなかった」(安藤さん)
 そのうえ、「仕事は腰かけ」に何の疑問も抱かなかった上の世代からは男のような働き方を理解してもらえない。
「母親からは『黒いスーツを着てニュースなんてやらず、早く結婚して子供を産んで、お嬢さんのような生活をしてほしいのに』とよく言われました。実際、家庭を守るという“女性の役割”に固執する意見は現在も根強く、法律で正当な権利として認められていても育休や産休を取ると嫌みを言われたり、望まない職場に飛ばされたりすることもあります。たとえ法律ができたとしても、人々の意識が変わらないと女性を取り巻く環境は変わらないんです」(安藤さん)
 とりわけ旧態依然なのが政治の世界だ。日本の女性国会議員は世界でも指折りの少なさで、衆議院にいたっては10人に1人の割合だ。過去に何度も女性議員の必要性が議論され、「マドンナブーム」や「小泉チルドレン」など時に“風”が吹いたとしても、その数はなかなか伸びない。
 2004年にタレントから政治家に転身した参議院議員の蓮舫さん(50才)は「そもそも女性は議員に立候補するハードルが高い」と指摘する。
「結婚していない女性は両親が、既婚女性は夫や夫の家族が立候補に反対するケースが多いんです。男性は失敗してもやり直しがききますが、女性の場合は失敗を“恥”とする古い固定観念が残っていて、女性が政治に手を挙げることに対するハードルが高い。
 とくに地方に行くほど、『家庭を守るべきなのになぜ政治をやるんだ』『落選したら家に恥をかかせるじゃないか』というプレッシャーが強くなり、立候補に踏み切れなくなります」
 いくつもの障害を乗り越えて当選した後に待っているのは、男尊女卑の社会だ。
「いざ政界に入ったらセクハラ、パワハラは当たり前。とくに市町村など自治体議員はいまだに支援者からカラオケやダンスを強要されて、若い女性議員ほど厳しい環境になります。しかも政界には育休や産休が存在しない。女性議員にとって、政治家であることは試練の連続です」(蓮舫議員)
◆女性が議員になることは「公人リスク」も
 テレビ局勤務を経て、2009年に政界入りした元衆議院議員の三宅雪子さん(53才)も「前職のテレビ局時代からセクハラは日常茶飯事で慣れてしまった」と言う。
「お尻をポンと触られることはしょっちゅうでした。私はざっくばらんな性格なのであまり気になりませんでしたが、耐えられない人もいるでしょう」
 近年はネットの普及により、女性が議員になることは「公人リスク」を伴うと三宅さんが続ける。
「最近は政治家に対するネット関連の嫌がらせが増えてきているんです。いわれないデマを拡散されて、それを信じ込んだ人たちがネットを中心にバッシングをする。とくに女性議員に対して多いといわれており、メディアに頻繁に登場するような目立つ人はターゲットになりやすい。
『もうやっていられない』と追い詰められた地方議員から相談を受けることもあります。政治家はどうしても地元の有権者との距離が近くなるため、その距離感をコントロールすることも求められる」
 女性議員に降りかかる苦悩は、男性議員が圧倒的に多数を占める現状を変えるべく、足かけ6年にわたって候補者男女均等法の成立に尽力した“Qの会”(クオーター制を推進する会)代表の赤松良子さん(88才)もそんな息苦しさを感じてきた。クオーター制とは、議員や閣僚などの一定数を女性に割り当てる制度のこと。
 赤松さんは男女雇用機会均等法の施行後、駐ウルグアイ大使などを経て自民党政権崩壊後の1993〜1994年に細川・羽田内閣で文部大臣を務めた。
 文相就任時、男女平等の理念のもとに「横綱審議委員会に女性を任命すべき」「男女差による勲章の扱いを再検討すべき」などの持論を述べると、政財界やマスコミからバッシングを受けた。
《女性が大臣になるとすぐ男女平等を掲げるのはおかしい、勘違いするな》
 男社会を信奉し、赤松さんの活躍をやっかむ人々による心ない言葉を浴びても彼女はめげなかった。むしろ「女性であることでバッシングを受ける政治の世界にこそ男女平等が必要だ」と強く信じるようになった。
「均等法で会社は変わったが、そこから一歩外に出た社会はまだ変わっていない。とりわけ際立っていたのは政治の世界。そもそも国会議員の男女比が9対1だなんて、どう考えてもおかしい。旧態依然の社会を変えるためにも、まずは政治の世界を変える必要があると思った」(赤松さん)
 均等法で会社が変わったように法律を作れば世の中が動くと信じる赤松さんは、男女雇用機会均等法の“政界編”を成立させるべく、2012年に労働省時代の後輩や女性運動家、学者らとともにQの会を立ち上げ、ロビー活動を始めた。
 くしくも同じ年に発足した第二次安倍内閣も「女性が輝く社会」を掲げた。内容は上場企業の役員・管理職に女性を積極的に登用することを求め、取り組みや実績が顕著な企業を表彰するというもの。
 同じ“女性のために”と声をあげても、両者の中身はくっきり分かれている。
「政府は『女性が輝く社会』といいますが、お題目を唱えているだけです。言葉では威勢よく主張しても、国会議員の男女比が9対1という事実からわかるように、『女性が輝く社会』なんて絵に描いたモチに過ぎない。
 本気でそんな社会にしたいなら、まずは女性議員や女性閣僚、党の女性幹部を増やすべきです。ドイツではずっとメルケルさんが首相でイギリスでもメイさんが首相になった。世界と比べて日本の政治はあまりに遅れています」(赤松さん)


「女性装」東大教授出馬へ 埼玉県東松山市長選
 任期満了に伴う埼玉県東松山市長選(7月1日告示、8日投開票)に、「女性装」の東大教授として知られる安冨歩氏(55)=同市=が出馬する意向を固めたことが分かった。11日、共同通信の取材に虐待防止や市役所改革などを訴える考えを示し「子どもを守るという視点から全ての政策を見直したい」と述べた。
 安冨氏は大阪府出身で京大卒。住友銀行(当時)に勤務後、大学院に戻り、2009年から東大東洋文化研究所教授。
 市長選は他に、自民、公明が推薦する現職森田光一氏(65)が3選を目指して出馬する意向を示している。


是枝裕和監督をネトウヨや田端信太郎が「国に助成金もらってる」と攻撃も、町山智浩、想田和弘、松尾貴史らが一斉反論
 第71回カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞した『万引き家族』が、いよいよ8日から公開を開始した。この作品はパルムドール受賞後に急きょ公開館数を200館から300館に拡大して上映され、興行通信社が発表した全国映画動員ランキング(6月9日〜10日)では見事1位に輝いている。
 そんな吉報が届いた一方、またもやこの映画に対してネトウヨ層から非難の声が上がっている。それは、是枝裕和監督が文科相の祝意を辞退したことがきっかけだった。
 今月7日、参議院の文教科学委員会で野党議員の「政府は是枝監督を祝福しないのか」との質問に答えて、林芳正文部科学大臣が「『万引き家族』がパルムドールを受賞したことは誠に喜ばしく、世界的にも高い評価を受けたことは誇らしい。来てもらえるかわからないが、是枝監督への呼びかけを私からしたい」と、是枝裕和監督を祝福する意向を示したあと、当の是枝監督はブログにて〈実は受賞直後からいくつかの団体や自治体から今回の受賞を顕彰したいのだが、という問い合わせを頂きました。有り難いのですが現在まで全てお断りさせて頂いております〉と表明したのだ。
 さらに、その理由について〈映画がかつて、「国益」や「国策」と一体化し、大きな不幸を招いた過去の反省に立つならば、大げさなようですがこのような「平時」においても公権力(それが保守でもリベラルでも)とは潔く距離を保つというのが正しい振る舞いなのではないかと考えています〉とも綴り、映画が公権力から一定の距離を置くことの重要性を確認したうえで、政府などからの顕彰の類は固辞していると明かした。
 また、同ブログの最後には〈最後に一言だけ。今回の『万引き家族』は文化庁の助成金を頂いております。ありがとうございます。助かりました。しかし、日本の映画産業の規模を考えるとまだまだ映画文化振興の為の予算は少ないです。映画製作の「現場を鼓舞する」方法はこのような「祝意」以外の形で野党のみなさんも一緒にご検討頂ければ幸いです〉とも綴られていたのだが、これに対し、ネトウヨが大挙して噛みついたのだ。インターネット上ではこんな書き込みが溢れた。
〈距離を保つとか言いながら金だけはもらってるわけか〉
〈ただの祝意より、カネもらってる方がよっぽどべったりじゃねえかwwwww〉
〈はやく一人暮らししたいわー言いながらヌクヌク実家暮らししてるヤツみたい〉
日本会議会員の市議や田端信太郎も是枝裕和監督を攻撃
 是枝監督にかみついたのは一般人のネトウヨだけではない。日本会議首都圏地方議員懇談会会員でもある群馬県伊勢崎市議会議員の伊藤純子氏はこのようにツイートした。
〈作品の寸評はさておき、是枝監督の「公権力から潔く距離を保つ」発言には呆れた。映画製作のために、文科省から補助金を受けておきながら、それはないだろう。まるで、原発反対の意向を示しながら、国から迷惑施設との名目で補助金を受けている自治体と同じ響きがして、ダサい〉
 また、「過労死は自己責任」とツイートして大炎上したばかりの、株式会社スタートトゥデイ(ウェブサイトZOZOTOWN運営)コミュニケーションデザイン室長・田端信太郎氏もこのようにツイートした。
〈「金を出すなら、口も出す」というのが、古今東西、普遍の真理。国民から預かった「血税」のわけですからね。それとも、監督が助成金を拒絶したのに、映画会社と役所が結託して、勝手に口座に振り込まれたりしたのかしら?〉
 助成金を受け取ったんだから、国の言うことを聞けって、こいつらは文化助成の目的や、表現や芸術の自由すらわかっていないのか……と愕然としていたら、本サイトが何かを言うまでもなく、映画監督、評論家、芸能関係者らから一斉に反論の声が相次いだ。
 まず、助成金=国からお金をもらっているという認識自体が間違いであることを指摘したのは美術評論家の新川貴詩氏だ。
〈是枝監督は国の助成金をもらってるのに、けしからんという非難、あまりにアホらしいから黙ってたけど、一言だけいっておく。あれは、正確に言うと文化庁所管の芸術文化振興会による助成金で、この組織は独立行政法人。つまり厳密には政府の機関ではなくましてや公権力でもない〉
〈で、芸術文化振興会の財源は芸術文化振興基金の運用益。その基金は国だけじゃなく民間企業や個人からの資金で成り立ってる。確かに税金が注がれてはいるものの、それは半世紀以上も前のことであって、しかも全額政府出資ではない。よって、是枝監督への非難は、筋違いも甚だしい〉
町山、想田が反論!“助成金もらったら国の批判するな”は全体主義、ソ連と同じ
 しかし、ネトウヨや伊藤氏、田端氏の主張が問題なのは、それが「無知による間違い」というだけではない。タレントの松尾貴史氏は、「国=政権」と捉える危険性を指摘するツイートを投稿した。
〈芸術家に対する補助金とは「政権の都合の良い態度を取るものにのみ支給されるべきだ」という、歪んだ奇妙な考えの市議が、それを隠しもせず自ら拡散する臆面の無さ。安倍氏や林氏のポケットマネーと勘違いしているのか。国民が納めた税金だよ。この人の給料も、市役所ではなく市民が出してやっている〉
 さらに、映画作家の想田和弘監督は、伊藤議員のような考えは「全体主義」だと批判した。
〈ちなみに、政権批判をする人間は政府から助成金を受け取るべきではないという考え方が愚劣かつ全体主義的であることは言うまでもない。政府=公共とは右から左まであらゆる考えや思想に包摂的であるべきで、右だろうが左だろうが基準を満たしメリットがあるなら当然助成金を得られるべき〉
 もっと強烈だったのは、映画評論家の町山智浩氏だ。町山氏は〈政府の助成金受けたら政府を批判すべきじゃないという人はソ連に行ったほうがいいですよ〉と、一刀両断にしたのだ。
 しかし、これは町山氏の言う通りだろう。民主主義の国で行われている文化事業への助成はむしろ、表現や芸術、学問の自由を保護するためのものであって、助成金を受け取ったからといって、国に表現が支配されるということではまったくない。金をやるから、政府の言う通りつくれ、ということがまかりとおれば、それは、まさにソ連やナチスドイツ、戦前戦中の日本における国策映画とかわらなくなってしまう。
 ようするに、伊藤氏や田端氏はこの文化助成とプロパガンダの違いがまったくわかっていないのだ。いや、わかっていないどころか、文化的活動に検閲が加えられ、映画や音楽が政府の宣伝装置になることは当たり前だと考えているフシさえある。
安倍政権が推し進める愛国心と歴史修正主義植え付けの“明治”国策映画
 その頭の悪さには呆れ返るしかないが、しかし、こうした発想をもっているのは彼らだけではない。安倍政権じたいがいま、映画のプロパガンダ化を推し進めようとしている。
 そのひとつが、明治維新150周年を記念した支援事業だ。昨年1月、1868年の明治維新から150年の節目となる2018年に実施する記念事業として、明治期の国づくりなどを題材とした映画やテレビ番組の制作を政府が支援することを検討していると報道された。菅義偉官房長官はこれに関し、「大きな節目で、明治の精神に学び、日本の強みを再認識することは重要だ」とコメントしている。
 ようするに、安倍政権は愛国心植え付けと歴史修正主義正当化のために、明治を前面に打ち出した国策映画を作らせようとしているのだ。
 そして、是枝監督が文科省の顕彰を辞退したのも、こうしたプロジェクトに代表される国益や国策と映画の一体化に対する危機感が最大の理由だった。
 しかし、ネットの反応を見ていると、是枝監督の危機感が理解されているとは言い難い。それどころか、伊藤氏や田端氏のような頭の悪い暴論が一定の支持を集めている有様だ。
 このままいくと、安倍政権が旗をふる「極右プロパガンダ映画」が世界中に発信されるという恥ずかしい事態が現実になる可能性はかなり高いと言っていいだろう。(編集部)


共通テスト英語民間試験 教養学部英語部会から反発の声 「懸念解消されず」
 大学入試センター試験に代わり2020年度から始まる大学入学共通テストで、英語の民間試験利用を巡り東大が揺れている。4月27日、入試を担当する福田裕穂理事・副学長が従来の方針から一転、民間試験を利用する方向で検討を開始したとの文書を発表。これに対し、かねてから民間試験利用に対する危惧を五神真総長らに伝えていた教養学部英語部会が見直しを求めるなど、東大内では民間試験の利用に反発する声も根強い。民間試験利用を巡る議論の行方を探る。(取材・一柳里樹)
 英語部会の中尾まさみ教授(総合文化研究科)によれば、英語部会からの申し入れでは「昨年6月に国立大学協会(国大協)が示した民間試験利用の懸念点が解消されていない状態で民間試験の利用を決めるのは、問題があると主張した」。昨年6月の国大協総会では、民間試験の「認定の基準、学習指導要領との整合性、受験機会の公平性を担保する方法や、種類の異なる認定試験の成績評価の在り方など」について早急に検討するよう文部科学省に求めていたが、文科省は懸念への説明をしないまま7月に共通テストの実施方針を公表。その一方で11月、国大協は懸念が払拭されていない中、民間試験と大学入試センター実施の新テストの双方を全国立大学受験者に課す基本方針を決定していた。
 決定から半年以上が経過した今も「問題は解決されていない」と中尾教授。特に、英語圏への留学やビジネスなど異なる目的に基づいて作られた民間試験で「各試験の目的を考えず、点数を取りやすい試験の対策に奔走することには教育的な意味がない。4技能を分割した試験方式や得点配分も疑問だ」。こうした問題の解決策・対応策が示されないまま利用に踏み切ることは「大学での英語教育に責任を負う者として看過できない」と力を込める。
 高大接続研究開発センター長として、入試に関する重要事項の最終決定を行う入試監理委員会に所属する南風原朝和教授(教育学研究科)は、11月の国大協の決定を「専門的な検討を欠いた拙速な決定だ」と批判する。基本方針の作成に当たり、国大協から各大学への意見聴取期間はわずか1週間。どの大学も、学部長や教員から十分に意見を聞く余裕はなかったという。
 さらに、文科省の実施方針では民間試験・新テストどちらかのみを利用する余地が残されていたにもかかわらず、国大協が全受験生に民間試験と新テストの双方を課すと決めたことについても「アドミッション・ポリシーも異なる多様な大学の存在を無視した強すぎる制約。少なくとも2試験の併用は原則にとどめ、最終的には各大学の主体的判断に委ねるべきだ」と指摘。民間試験を利用するという東大の方針の基盤となった、国大協の決定の正当性に疑問符を付ける。
「根本から主体的・専門的に検討を」
 今後、民間試験を巡る議論の場は、4月の福田理事・副学長の発表で設置が公表されたワーキンググループに移る。南風原教授によれば、ワーキンググループの方針は今年の夏から秋ごろに決まる見込みだという。「英語部会の提起を歓迎している。ワーキンググループではただ国大協に追従するのではなく、民間試験の利用の是非について根本から主体的・専門的に検討すべき。他大学の模範となるような議論を期待したい」と南風原教授。中尾教授は「公平性・公正性・教育的意義を全うする選択をしてほしい」、同じく英語部会の伊藤たかね教授(総合文化研究科)は「英語の授業に責任を持つ教員の考え方を反映してほしい」と求めている。

 福田理事・副学長は、方針転換の経緯などに関する本紙の取材に「誤解を解くため説明したいとは思っているが、入試案件は極めて機密性が高く、決定プロセスを表に出せないことになっている」としている。

東日本大震災から7年3か月/袴田事件不当判決

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Sommet Kim-Trump : Shinzo Abe dans une position inconfortable
Le Premier ministre japonais, qui craint l'isolement de son pays, s'en remet au président américain, quitte à avaler de nombreuses couleuvres.
De notre correspondante à Tokyo, Karyn Nishimura-Poupée
Selon les tweets du vice-secrétaire général du gouvernement japonais, Yasutoshi Nishimura, qui se trouvait au Québec pour le G7, c'est le Premier ministre nippon, Shinzo Abe, qui, invité à s'exprimer par Trump, a trouvé la clé du compromis sur le commerce pour le communiqué final du sommet des six contre un… D'après la même source, le président francais Emmanuel Macron a dit : ≪ Merci, Shinzo, c'est grâce à toi. ≫ Les médias japonais se sont empressés de rapporter l'affaire, du moins la chaîne publique NHK et le quotidien d'extrême droite Sankei Shinbun.
Sauf que le beau compromis a été balayé d'un revers de tweet par le président américain Donald Trump quelques heures plus tard. Si Shinzo Abe s'est bien gardé de dénoncer une trahison, c'est parce qu'il est dans une position extrêmement délicate : Trump le tient. ≪ Si, pendant la bataille entre les Européens et Trump, Abe a semblé du côté des premiers (puisque les produits japonais sont aussi touchés par le protectionnisme de Trump), il s'est abstenu de critiquer ouvertement le président américain, se trouvant ainsi dans une position bancale. Hélas, c'est peut-être inévitable ≫, commente le journaliste et politologue Soichiro Tahara.
Kidnappés
Le Premier ministre japonais est en effet contraint, au moins jusqu'à mardi 12 juin, date de la rencontre historique entre Trump et le dictateur nord-coréen Kim Jong-un, de faire profil bas vis-à-vis de son cher ≪ Donald ≫. ≪ Shinzo ≫ a en effet supplié à maintes reprises le président américain d'aborder avec l'homme fort de Pyongyang la question des Japonais kidnappés par les Nord-Coréens dans les années 70-80. Sur les treize cas reconnus par la Corée du Nord, cinq sont rentrés il y a une quinzaine d'années après le voyage du Premier ministre d'alors, Jun'ichiro Koizumi, en Corée du Nord, mais les huit autres sont annoncés morts par Pyongyang, qui considère que ≪ la question est réglée ≫. Abe, lui, a bâti son fonds de commerce politique sur ce problème et jure urbi et orbi qu'il veut le régler avant de quitter le pouvoir.
≪ Il parle plus qu'il n'agit ≫, glisse un homme d'affaires qui connaît bien la Corée du Nord. Cette fois (et une partie des familles des kidnappés le lui reproche), il s'en remet à Donald Trump, quitte à avaler pas mal de couleuvres au passage.
Couleuvres
Avant le sommet des sept (Canada, Etats-Unis, France, Italie, Allemagne, Grande-Bretagne, Japon), Abe s'est rendu à Washington pour discuter avec Trump des préparatifs de la rencontre avec Kim Jong-un à Singapour. Et les deux dirigeants ont tenu une conférence de presse dans la foulée. En l'espace de quelques minutes, le Premier ministre japonais a avalé au moins quatre couleuvres sans broncher. Lui qui avait fait de l'expression ≪ maintenir la pression maximale sur Pyongyang ≫ son credo s'est vu signifier par Trump qu'il ne voulait plus que ce vocabulaire soit employé. Abe a obtempéré. Et d'une. Puis le même Trump s'est félicité, toujours devant Abe, de la ≪ chaleureuse et aimable ≫ lettre recue de la part de Kim Jong-un, lequel reste l'ennemi juré d'Abe qui se vante devant ses concitoyens d'avoir avec le président américain une relation tout à fait privilégiée. Et de deux couleuvres.
Trump a aussi indiqué, durant la même conférence de presse, qu'il serait disposé à inviter Kim aux Etats-Unis. Et de trois. Et à la question de savoir ce que Abe et Trump avaient convenu par ailleurs pour tenter de réduire le différend sur le déficit commercial enduré par les Etats-Unis vis-à-vis du Japon, le président américain s'est délecté à annoncer que le Japon s'était engagé à acheter ≪ pour des milliards et des milliards de produits supplémentaires, dont des avions Boeing, des appareils militaires, des produits fermiers et autres denrées ≫, alors que, quelques instants plus tôt, Abe avait assuré qu'il était trop tôt pour donner des détails. Et de quatre.
Hors jeu ?
Sans compter que Abe a aussi été forcé de dire un jour une chose et le lendemain le contraire puisqu'il a à chaque fois ≪ soutenu ≫ les déclarations du président américain qui ne cesse de changer d'avis. Pour autant, quoi qu'il fasse et dise, Abe a des soutiens très forts et très actifs au Japon. Il n'en reste pas moins que le Premier ministre tente de rester visible dans un contexte diplomatique agité où son rôle apparaît mineur en comparaison avec ceux de Trump, du président sud-coréen et de son homologue chinois. Abe, qui était totalement opposé au dialogue avec Pyongyang jusqu'à ce que le président américain soit pour, a assuré qu'il était en fait à l'origine de ce retournement, que c'était ≪ grâce à la pression constante du Japon que le régime de Corée du Nord en était venu à souhaiter la discussion ≫.
Abe qui, malgré une impressionnante liste de scandales l'éclaboussant, pourrait perdre gros si jamais, pendant le sommet de mardi, rien ne se passe sur le dossier des kidnappés, tant il le met en avant par ses déclarations quotidiennes à la télévision. Jusqu'à lundi soir encore, par téléphone, Trump ≪ l'a tenu informé des derniers avancements pour préparer le sommet avec Kim ≫. ≪ Je lui ai répété que je voulais que cette question des kidnappés soit clairement abordée et Trump m'a répondu je le garantis à 100 %, a assuré Abe, qui ≪ espère que le sommet Trump-Kim sera un succès ≫.
In Japan, Too, Outrageous Is the New Normal
By Koichi Nakano
TOKYO — A sketchy land deal implicating the prime minister’s wife is revealed, then a vast cover-up by government officials. The relevant minister acknowledges the wrongdoing, apologizes and says he will fulfill his duty — by refunding a year’s worth of his salary as cabinet minister, or about $15,600.
This is what passes for government accountability in Japan today.
The senior official in question is Taro Aso, the finance minister, who — with Prime Minister Shinzo Abe’s backing — has refused to resign.
Details of the land deal, which involves a school operator with ties to Mr. Abe’s wife, remain unclear. But it already is clear that the cover-up is worse than the crime and yet its culprits may get away with it. Although roiled by scandals and deflated by low popularity ratings, the Abe administration seems to think it can ride out the turbulence, banking on the few remaining checks on its power and public apathy about politics. And it may be right.
In June 2016, officials in the Finance Ministry discounted by more than 85 percent the asking price for land it sold to Moritomo Gakuen, the school operator. After Mr. Abe pledged to resign if evidence was found proving his or his wife’s involvement, government officials destroyed or tampered with records that might have compromised them. According to the finance ministry itself, more than 300 passages in over a dozen official documents were doctored in early 2017 to eliminate any inconsistencies with what ministry officials told opposition lawmakers who had grilled them about the deal.
Mr. Aso, who is also deputy prime minister, and Nobuhisa Sagawa, the former director-general of the Financial Bureau, which manages state-owned property, repeatedly gave false answers during questioning by lawmakers: on 11 occasions in the case of Mr. Aso and no fewer than 43 times in the case of Mr. Sagawa. Leaked government documents also indicate that the supposedly independent Board of Audit colluded with government ministries to shield Mr. Abe.
Suspicions linger that the finance ministry may still be hiding incriminating records. Yet on May 31, the prosecutor’s office in Osaka decided not to indict any of the 38 people (including 37 government officials) it was investigating for breaching taxpayers’ trust.
In another major scandal, another educational institution benefited from exceptional favors to win a state bid to open a veterinary school. Official documents from 2015 refer to “the prime minister’s intentions” as the force behind the deal and mention meetings between a local government official and a secretary to the prime minister and between Mr. Abe and the director of the school corporation, Kotaro Kake, a friend of Mr. Abe’s from university.
Mr. Kake and Mr. Abe have denied any impropriety. But only 14 percent of respondents in a poll conducted by the daily newspaper Mainichi on May 26-27 said they trusted the prime minister’s explanation about the deal; 70 percent said they did not.
Japan has long had problems with political accountability. A multimember-district system was established after World War II. By giving even small parties a chance of getting elected, it could have encouraged proportionality and representativeness. Instead, it quickly entrenched the conservative Liberal Democratic Party, which learned to toggle its candidates in response to shifts in the popular mood, and it fragmented the opposition. The L.D.P., Mr. Abe’s party, ruled for nearly four decades. A set of cozy relations known as the “iron triangle” developed between politicians, bureaucrats and corporations, and these groups’ pursuit of their narrow interests came to dominate politics, breeding collusion and corruption.
In the post-Cold War era, various reforms were introduced in hopes of creating a British-style two-party system and ensuring alternation of power. It was also thought that centralizing authority in the hands of the governing party’s leader, who had received a popular mandate by being elected, would increase democratic accountability.
But the system has failed, notably in the December 2012 election that most recently brought Mr. Abe to power. Although the L.D.P. received fewer votes then than in the 2009 election, which it lost, the party and its coalition partner secured a crushing majority in the Diet, as Japan’s parliament is known. After that, Mr. Abe made partisan appointments to key posts previously insulated from direct political influence, including at the Bank of Japan and the public broadcaster NHK. The L.D.P. took measures to curb the legislative branch’s ability to check the executive, including by limiting the opposition’s question time in the Diet.
With so much power now vested in the prime minister’s office, Mr. Abe embarked on a controversial series of laws, including on defense matters. Cronyism and corruption returned in force. Today’s scandals seem rather small compared with the Lockheed bribery case in the 1970s or the Recruit scandal of the late 1980s. But the extent of the recent cover-ups — and the fact that those seem designed to protect Mr. Abe personally — is new, and it undermines the legitimacy of Japan’s entire governance structure like never before.
So why, then, hasn’t there been more pushback?
One reason is that the opposition is too weak and too divided to hold this reckless administration accountable. When Mr. Abe called a snap election last fall, a poorly conceived attempt to challenge the government by launching a new challenger, the Party of Hope, ended in an abysmal failure, leaving the opposition even more fractured than before. In Sunday’s election for governor in Niigata, the front-runner for the opposition lost to the L.D.P. candidate even though she ran largely on a platform that opposed restarting the prefecture’s main nuclear power plant, a position favored by nearly 75 percent of voters, according to exit polls.
Unless the opposition can strengthen itself enough to threaten the L.D.P.’s grip on power, no internal rebellion is likely to materialize within the party itself. Mr. Abe is expected to seek a third term as party president during internal elections in September, and despite muted grumbling over his stewardship, a serious opponent has yet to emerge.
Mr. Abe’s popularity has seesawed in recent years, partly because of the scandals. Less than one-third of respondents in the Mainichi poll approved of his government (and 48 percent disapproved) — with nearly half of them citing as a reason the absence of a clear alternative. These are poor results, but Mr. Abe has weathered worse. The public seems more disgusted than outraged, resulting in its being alienated from politics rather than wanting to engage in it.
This suits Mr. Abe fine. In Sunday’s election in Niigata, for instance, which the L.D.P. candidate appears to have won by a bit more than 3 percent of votes, turnout was about 58 percent.
There have been so many scandals lately, it’s hard to keep track, or care. Logs of Japan’s peacekeeping force in South Sudan (and in Iraq many years ago) have disappeared from the Defense Ministry, only to surface at defense intelligence headquarters. The Health, Labor and Welfare Ministry has tampered with the results of workplace surveys that were supposed to serve as the factual basis for a comprehensive labor-reform bill. The twists and turns of the Moritomo Gakuen land deal have also been overtaken by extensive coverage of more sensationalistic stories, like illegal tackles in college football or the mysterious death of a munificent philanderer.
Conservative media outlets, apparently determined to protect Mr. Abe for ideological reasons — namely their shared hope of revising the Constitution — have played a part. The daily newspaper Yomiuri, for instance, has accused the opposition of being consumed by the scandals instead of the serious business of governing.
There was a time in Japan when if an administration was caught red-handed in as vast a cover-up as in this land-sale scandal, the mainstream media would have cried out in unison that Mr. Aso’s position was untenable. No longer.
Key democratic principles like transparency and accountability, which were never as entrenched here as in the United States anyway, no longer seem to be the lingua franca of public discussion. In this respect, the Abe administration is not unlike the Trump presidency: In Japan, too, what was once outrageous has become the new normal.
Koichi Nakano is a professor of political science at Sophia University, in Tokyo.
フランス語
フランス語の勉強?
増田聡 @smasuda
オレ大人数講義でうるさい学生には指差して「はいそことそこの君、退出してください。出て行くまで講義は中止します」とゆうて退出を待つ(黙って30分待ったこともある)。それは学生時代の教育心理学の先生の模倣です。将来大学で講義するかもしれない若い人に「大学はこんなとこ」と示しているつもり
まあオーディエンスにも場の集団的維持に責任を求めるE.YAZAWAメソッドともいえるかもしれない。「君たちは個人だがこの場では否応なしに集団なんで維持する責任を果たせよ」という自覚を涵養する必要性というか
あ、あと言うまでもなく大講義では出席は一切取ってません。友達とおしゃべりするために授業出るなら出てこないでくれ、成績評価には一切関係しないんで、といつもゆうている。ほんま聞く気ないなら授業出なけりゃいいしこの教員の講義程度は授業出なくてもわかってると試験で示せればそれでいいんです

吉田寛 Hiroshi Yoshida @H_YOSHIDA_1973
私は(ここ数年担当していませんが)大教室の授業で喋っている人がいると「話(講義)を止めて、喋っている人をじっと見つめる」作戦をとります。たいていの場合、数秒以内で「自分が(教師とクラス全体から)見られている」ことに気付いて、喋るのを止めます。また喋ったらまた同じことをやります。
内田樹 @levinassien
大学人も保険医も組織的に「政権批判」の立場をとっています。これは教育と医療が政権から集中的に攻撃されていることの自明の帰結です。なぜ教育と医療が執拗な攻撃にさらされるかというと、この二つが政治イデオロギーとも市場ともほんらい無縁であるべき社会的共通資本だからです。
だから権力者と財界人は教育と医療が自律的に機能することにはげしい嫌悪感と不安を感じます。自分たちが制御できないものが社会の中にあることに耐えられないからです。あの人たちは「制御という病」に罹患しているのです。

かもん弓(鴨志田 祐美) @kamo629782
あれだけの証拠隠しと,あれだけの不正義があっても再審開始を取り消すこの国の刑事司法。
体中の血が逆流しているのを感じる。

渡辺輝人 @nabeteru1Q78
何これ。意味がわからん。再審を開始するものと確信していたが。高裁の判断を前提としたら、袴田さんは死刑が確定した死刑囚なので、身柄を拘束しない意味も不明。 / “<袴田事件>東京高裁、再審開始認めず(毎日新聞) - Yahoo!ニ…”
異邦人 @Beriozka1917
静岡地裁は弁護側の科学的な鑑定結果を下に再審開始を認めましたが、東京高裁は本日、再審決定を取り消すという余りに不合理な決定を下しました。東京高裁が鑑定方法について必要な調査を行ったとは到底思えません。死刑冤罪と呼ばれる本件について、裁判所は逃げずに正面から向き合うべきです。
私はあなたのいなばではない❤ @soonsoul
裁判所が、死刑判決は間違っていないけど、再審の話に伴って停止していた刑の執行は停止し続けるって宣言するの、本当に大丈夫か?って感じ。責任持って死刑執行するようにしなさいよ。
それができないなら、死刑制度をやめなさいよ

Shoko Egawa @amneris84
再審は取り消したのに、死刑と拘置の執行停止は取り消さず、と。大島裁判長らは、自分の手で袴田さんを死刑台に連れていく自信はなかったのだろう。 →<袴田事件>東京高裁、再審開始認めず(毎日新聞) - Yahoo!ニュース
弁護士 戸舘圭之 @todateyoshiyuki
いちばん許しがたいのは再審開始決定を取り消しておきながら死刑の執行停止、拘置の執行停止は取り消さないという、高裁の意図がすけてみえる判断をあえてしてきた点
白鳥財田川決定引用してないのは意図的か。いままでの棄却決定はご挨拶程度ですも引用はしていたはず。

エンジェルベル党・総統 @kage_baystars
袴田事件で袴田さんを支持した裁判官はみんな地方に飛ばされて検察を支持した裁判官はみんな出世してる段階でもうこの事件の真相と答えと闇が見えている
Kawase Takaya @t_kawase
袴田事件、一言で言えば、裁判所よ、恥を知れ。要するに「これまでの経過とメンツがあるので、我々が間違っていました、ごめんなさい、とは言えない」「でも明らかに犯人ではないと言うことが判りつつあるので、死刑にして夢見が悪くなるのも何なので、放置してやる」ってことか。ふざけるな。
国立研究開発法人原田知世研究機構 @norinori1968
無罪判決に対する検察官上訴は憲法違反というのが私の見解。
通常の裁判であってもそう考えるべきだから、非常救済手段である再審に関して抗告が許されるはずがない。
裁判所は、即時抗告自体に対して厳しく批判しなければならないはず。
#袴田事件

兵頭正俊 @hyodo_masatoshi
袴田事件。裁判所が無罪を言い渡し、先輩たちの間違いを謝罪する。それをやると出世が消えるのでしょうね。それでこのままシャバで死んでくれるのを待つ。いかにも愚劣な日本の司法のようです。人権の問題意識が皆無なのですね。退化した殿上人の世界を見るようです。

東日本大震災から7年3か月です.ふと子どもの頃住んでいた社宅にはバラの木があったと思い出して悲しい気持ちになってしまいました.
袴田事件に関して東京高裁の不当判決も悲しいです.こちらは空いた口がふさがらないというか,なんというか・・・

死者行方不明者1万8千人余りに
東日本大震災の発生から11日で7年3か月です。
警察がこれまでに確認した死者と行方不明者は1万8433人となっています。
岩手県と宮城県では依然として61人の身元が分かっていません。
警察庁によりますと、警察によって死亡が確認された人は岩手県が4674人、宮城県が9541人、福島県が1614人など、あわせて1万5896人となっています。
死亡した人の99%は身元が確認されましたが、岩手県と宮城県では依然として61人の身元が分かっていません。
また、警察に届け出が出ている行方不明者は、岩手県が1115人、宮城県が1222人、福島県が196人など、あわせて2537人となっています。
一方、復興庁によりますと、避難生活による体調の悪化などで亡くなったいわゆる「震災関連死」は、去年9月末の時点で岩手県で464人、宮城県で926人、福島県で2202人など少なくともあわせて3647人となっています。
これで東日本大震災による死者と行方不明者は、「震災関連死」を含めて少なくともあわせて2万2080人となっています。


旧役場庁舎解体前に祈りささげる
東日本大震災の発生から11日で7年3か月となります。
津波で被災した大槌町の旧役場庁舎では、今月から予定されている解体工事を前に、旧庁舎を記憶にとどめようと遺族などが訪れ、祈りをささげました。
大槌町の旧役場庁舎は、震災の津波で当時の町長と職員あわせて40人が犠牲となり、いわゆる「震災遺構」として保存するかどうかで議論が続いていましたが、町は解体を決め、今月18日ごろから工事を始めることにしています。
解体される前の最後の月命日となる11日、旧庁舎を記憶にとどめようと早朝から遺族などが訪れ、祈りをささげました。
このうち、役場の職員だった同級生を亡くしたという64歳の男性は、静かに手を合わせたあと、ほうきで旧庁舎の周りを掃除していました。
この男性は「旧庁舎が解体されると震災のことは忘れられてしまうのではないかと心配しています。せめて献花台は必要だと思います」と話していました。
また、津波が押し寄せた当時、役場で勤務していた夫を亡くした59歳の女性は、花を供え、静かに手を合わせていました。
この女性は、「近く解体されると聞いて最後だと思って訪れました。震災直後は、悲しみが深く、外出ですらつらかったですが、7年あまりがたって、少しずつ元気を取り戻せてきた感じがします」と話していました。


旧庁舎解体工事差止仮処分を申立
大槌町の旧役場庁舎をめぐり、地元の住民団体の代表らが「震災遺構としての価値の検討が不十分だ」などとして、町長に対し、工事の差し止めを求める仮処分を盛岡地方裁判所に申し立てました。
仮処分を盛岡地方裁判所に申し立てたのは、大槌町の旧役場庁舎の解体の保留を求めている地元の住民団体の代表と、震災の津波で役場職員だった息子を亡くした女性のあわせて2人です。
今回の申し立てで、住民団体は、震災当時の町の対応の原因や検証が不十分なほか、津波の脅威と教訓を伝える震災遺構としての社会的・経済的価値の検討が不十分なまま、解体工事を強行しようとしているなどとして、大槌町の町長に対し解体工事の差し止めを求めています。
申し立てを行った「おおづちの未来と命を考える会」の高橋英悟代表は「旧庁舎の取り壊しをめぐるさまざまな意見に対して、町全体での議論が十分になされていない。未来に何を残して伝えていくべきか、熟慮をお願いしたい」と話していました。

一方、大槌町の平野公三町長はこの申し立てについて、「内容を確認していないことからコメントは差し控えたい」としています。

大槌町の平野公三町長はこの申し立てについて、「内容を確認していないことからコメントは差し控えたい」としています。
一方、大槌町の総合政策課はこの申し立てについて、「まだ内容を確認できていません」としています。


釜石市 議会に和解案を提案
東日本大震災の津波で釜石市の防災センターに避難して犠牲になったことをめぐり、遺族が市を訴えた裁判で、市は11日、行政責任を認めるなどとする和解案を議会に提案しました。
野田市長は「防災センターで多くの犠牲者が出た事実を重く受け止める」などと述べ、議員に理解を求めました。
この裁判は、東日本大震災で、釜石市の鵜住居地区にあった防災センターに避難し、津波で亡くなったことをめぐって遺族が市を訴えたもので、双方は先週、裁判所から示された和解案を受け入れる方針を明らかにしました。
これを受けて、釜石市は11日、議会に対し、市の行政責任を認めるなどとする和解案、それに遺族への和解金48万9500円を盛りこんだ補正予算案を提案しました。
野田市長は提案について、「防災センターで多くの犠牲者が出た事実を重く受け止める。犠牲を二度と繰り返さない決意を新たにし、より一層、取り組みを強化する」と述べ、議員に理解を求めました。
和解案と補正予算案の採決は議会最終日の今月22日に行われ、いずれも可決されたのち、来月3日、仙台高等裁判所で行われる双方の協議で、正式に和解が成立する見通しです。


<大槌町旧庁舎>「解体差し止めを」 住民団体が盛岡地裁に仮処分申請
 東日本大震災の津波で当時の町長ら40人が犠牲になった岩手県大槌町の旧役場庁舎について、住民団体「おおづちの未来と命を考える会」(高橋英悟代表)は11日、平野公三町長に対して解体工事の差し止めを求める仮処分を盛岡地裁に申し立てた。
 町は18日にも解体工事に着手する方針。考える会は、地裁判断が示されるまで着工しないよう町に要請する。
 申立書は「震災時の役場の対応には落ち度があり、原因検証には旧庁舎を保存する必要がある」と主張。解体以外の方法を検討しないのは、地方公共団体の財産を効率的に運用すべき地方財政法上の注意義務に違反すると訴えた。
 また、旧庁舎は震災遺構として「文化財になる可能性がある」と述べ、社会的価値を見極めないまま解体するのは、文化財保護法上の保護尊重義務に違反するとした。
 高橋代表は「本来であれば平野町長や町議会と議論を深めたかった。今すぐ結論を出すのではなく、子どもたちのために何を残せるか時間をかけて考えたい」と話した。
 考える会は解体工事への公金支出に違法性があるとして4日、町監査委員に住民監査を請求。請求が棄却された場合、住民訴訟の提起を検討している。


住宅再建、負担さらに 震災7年3カ月
 県内で住宅の工事単価が上昇し続けている。1坪当たりの工事単価の平均は昨年末時点で58万円と、東日本大震災前と比べて約20%高い。背景には資材高騰や職人不足があり、県は被災者の住宅再建の補助拡充を国に求めている。沿岸被災地では区画整理や高台造成の進展に伴い宅地が徐々に完成し、仮設住宅から恒久住宅への移行がピークを迎えている。11日で震災から7年3カ月。建築費の上昇が待望の自宅再建に踏み出す被災者に、重くのしかかっている。
 調査は元請けの木造住宅新築工事の1坪当たり単価平均で、県内の住宅関係団体や県などでつくる県地域型復興住宅推進協議会が震災後に継続して調べている。最新の昨年12月調査では64社が回答し、震災前の48万5千円から58万円に上昇した。
 単価上昇には資材高騰や人材不足が影響しているとみられる。他地域から職人や資材を賄う場合、宿泊費や輸送費などがかかるためコストが増す。
 調査では資材・人材不足による工事の遅れや工期の不透明さが施工業者の懸念事項として最も多かった。契約から完成までの平均期間は震災前の5・9カ月から7・5カ月に延び、県建築士事務所協会の鍋倉孝行副会長は「工期が延びれば建築費も上がる。最近は上がり幅が縮小しているが依然上昇傾向にあり、この状況はまだ続きそうだ」と語る。


映画「光リアル道」制作作業が始まる 震災後の福島県内を描く
 東日本大震災後の県内を描く映画「光リアル道(ひかりあるみち)」の制作が始まった。県内各地に実在する県民をモデルにドキュメンタリー風に紹介していくストーリーで、本県のリアル(現実)を発信する。3年にわたり撮影を進めて映画6本を制作する計画で、第1弾は来年2月の公開予定。
 課題を抱えながら悲しみなどは隠し、未来を見て町の進化に協力する人を取り上げる。伝統の復活や新たな取り組みなどを通して県民の心を再現し、国内外に福島を発信する狙い。
 俳優の渡辺裕之さん菅田俊さん、女優の芳本美代子さんらが出演する予定。現在、取材やロケハンを行っており、9月から撮影を始める。
 制作委員会には福島リバティライオンズクラブ(LC)などが所属している。実行委員会も設立し、委員長に同LC元会長の紺野隆さんが就いた。紺野さんらは映画PRのため福島民友新聞社を訪れた。実行委員会の杉中慎理事委員、監督の柿原利幸さん、プロデューサーの藤原健一さん、ユニコンスター所属のタレント湊祥希さんらが同行した。


デスク日誌 40年と10年
 史上初の米朝首脳会談で注目される12日は、東北に住む私たちにとって特別な日だ。1978年6月12日、宮城県沖地震が発生した。今年で40年になる。
 2日後の14日も同様だ。2008年6月14日、岩手・宮城内陸地震が起きた。今年で10年になる。
 宮城県沖地震は金華山沖を震源に発生。マグニチュード(M)7.4と推定され、宮城県で27人、福島県で1人が死亡した。ブロック塀や石塀の倒壊などで犠牲者が相次いだ。
 岩手・宮城内陸地震は岩手県内陸南部で発生した直下型地震で、M7.2。宮城県14人、岩手県2人、福島県1人が亡くなった。宮城県の4人、秋田県の2人が依然、行方不明になっている。
 死者・行方不明者が1万8000人を超える東日本大震災の甚大な被害に隠れているが、6月12日と14日が訪れるたび、二つの地震が残した爪痕を思い出す。
 報道部震災取材班を中心に二つの地震の特集を準備している。「恐ろしさで震えました」。宮城県沖地震を経験した女性の証言は今でも生々しい。被災の記憶をつなぐことは地元新聞社の役割と信じている。 (報道部長代理 山野公寛)


月命日 息子の墓前で近況報告
11日は震災の発生から7年3か月となる月命日です。
気仙沼市の寺では、津波で亡くなった息子の墓を訪れ、近況を報告する人の姿がありました。
気仙沼市の清水政志さん(83)は震災の津波で一緒に暮らしていた息子の卓さん(当時44歳)を亡くし、自宅も流されました。
月命日の11日、朝からときおり雨が降るなか、清水さんは気仙沼市内の寺にある卓さんの墓を訪れました。
清水さんは、自宅の再建を目指しながら仮設住宅での暮らしを続けていますが、宅地造成の遅れのため、まだ再建は果たせず、震災の2年後に母を、先月には長年連れ添った妻の道子さんを病気で亡くしました。
清水さんは、墓に向かって手をあわせながら、ことし秋に自宅の土地が引き渡される予定だということや仮設住宅で1人暮らしになってしまったことなど近況を報告していました。
清水さんは「7年という月日がたつ間に、津波を逃れた母も妻も亡くなり1人になってしまいました.みんな息子の卓のもとにいったので天国で仲よくにぎやかに過ごしてもらいたいです」と話していました。


再建した自宅でバラ見頃
東日本大震災の発生から11日で7年3か月となります。
岩手県陸前高田市では、津波で姉と弟を亡くした男性がかつて、一緒に育てていたバラを、再建した自宅で育てていて、いま見頃を迎えています。
陸前高田市小友町の中学校の教諭、高沢豊さん(58)は姉の玲子さん(当時55)と双子の弟の実さん(当時51)を津波で亡くしました。
高沢さんは震災前、2人に手伝ってもらいながら自宅の庭でバラを育てていたということで、津波で家は全壊しましたが、そのよくとしに5キロ離れた高台に再建し、再びバラを育て始めました。
そして、ことしも庭の一面に赤や白など色とりどりのバラが咲き、いま見頃を迎えています。
ことしは36種類が見事な花を咲かせていて、高沢さんは、多くの人たちに楽しんでもらおうと、休日には、庭を開放しているということです。
高沢さんは「被災地の心の癒やしとして花を通じたきずなも生まれています。寂しさもありますが、きれいなバラを咲かせるよう、亡くなった2人の分まで世話をしていきたい」と話していました。
高沢さんの住宅の庭は10月ごろまで土曜日と日曜日、それに祝日の日中に開放されています。


東日本大震災から7年3か月 名取市の寺で犠牲者に祈り
 東日本大震災の発生から6月11日で7年3か月です。被災地では、月命日に合わせ手を合わせる人の姿が見られました。
 宮城県名取市閖上の東禅寺には、雨の降る中、震災で家族を亡くした人たちが訪れ、墓に向かって手を合わせていました。
 震災の津波の被害を受けた東禅寺では、境内の建物が再建され、埼玉県に保管されていた鐘も6月7日に再び設置されました。
 県によりますと、県内では、5月末現在、関連死を含め、1万566人が亡くなり、1224人が行方不明のままとなっています。


震災から7年3カ月 ボランティアが不明者捜索
東日本大震災の発生から7年3カ月がたった。 宮城・気仙沼市では、ボランティアの人たちが行方不明者の手がかりを見つけようと、捜索を行っている。 震災の行方不明者の捜索は、ボランティアの受け入れ窓口になっている気仙沼復興協会が、月命日の毎月11日に行っているもの。 震災から7年3カ月となる11日は、東京や千葉、神奈川などから、7人のボランティアが駆けつけた。 雨の中、参加者たちは波消しブロックや岩の隙間をのぞき込みながら、不明者の手がかりに結びつくものを探していた。 参加した人は、「ご家族のところに、少しでも手がかりを戻してあげたい」、「まだ、こういう活動をしていることを、知らせることができればいい」などと話した。 県のまとめによると、今も気仙沼市の行方不明者は215人。 県全体では1,224人となっている。

<仙台満店>脳まで刺激 三陸の食文化
◎ホヤ/のんびり酒場(さかば)ニコル(青葉区)
 まるで恐竜の卵じゃないか(想像上の、だけど)。よもや食すとは。宮城県外から移り住み、初めてホヤを見たときの衝撃は忘れられません。
 あれから15年、ようやく味が分かり始めた私のお薦めは「のんびり酒場 ニコル」の「ホヤ三昧」(950円)。多面的なホヤの魅力を一皿で堪能できます。
 複雑で甘美な味わいが口中を満たす刺し身、独特の風味を卵が受け止めるホヤ卵、店主渾身(こんしん)の塩辛の3種盛り。みずみずしさや香り、味、余韻といったものが、口の中で放たれ脳までも刺激します。ホヤってこんなにおいしかったっけ。
 奥松島(宮城県東松島市)の漁師町で育った店主の伏谷淳一さん(44)。幼い頃から漁業の厳しさを肌身で感じ、本物の味を覚えました。店を出す時に決めたのは「信用する食材だけを扱い、一から自分の手で作る」こと。例えば塩辛は漁師に昔ながらの製法を習い、仕込み用の魚しょうから手作りするこだわりぶり。
 毎朝市場へ足を運び、生産者との交流や収穫の手伝いも欠かしません。「体が足りない」と苦笑しながらも労力を惜しまないのは、「三陸の豊かな食文化を途切れさせたくない」一心から。「生産者の思いを形にして、自分が伝えたい」。熱い。情熱の固まりです。
 話を戻してホヤ。食べた後に日本酒や水を含むと、えもいわれぬ魅惑の味が広がるのはよく知られています。でも「合わないと思われがちなワインも、なかなかいけますよ」と伏谷さん。新たなるマリアージュ、ぜひ、ニコルの自然派ワインでお試しを。(鶴)
[メモ] 仙台市青葉区大町2の11の1▽午後5時〜午前零時ごろ▽日曜休み▽15席。席数が限られるため予約がお勧め▽当日の水揚げによってメニューが決まる。秋田県産もち豚の料理も。ホヤ料理は他に「ホヤキムチ」「ヤンニョム和(あ)え」が登場する予定。最新情報はフェイスブックやブログで▽022(263)1628。


アジサイ潤い鮮やか 東北北部も梅雨入り
 仙台管区気象台は11日、東北北部が梅雨入りしたとみられると発表した。10日に東北南部と北陸が梅雨入りしたとみられるとの発表があり、日本列島は梅雨のない北海道を除き長雨の季節を迎えた。
 東北地方は前線や湿った空気の影響で、この先1週間は曇りや雨の日が多い予想。管区気象台は梅雨入りの条件を満たしたと判断した。東北の梅雨入りは平年より南部が2日早く、北部が3日早い。昨年より南部、北部とも20日早かった。
 仙台市青葉区の中心街では、色づき始めたアジサイのそばを雨傘を差した市民が通り過ぎていた。
 12日の東北は低気圧の影響で雨だが、昼すぎから曇りとなる所が多い見込み。


日大理事長辞任求め署名、提出へ 752人分、教職員組合
 日本大アメリカンフットボール部の悪質な反則問題で、日大教職員組合は11日、学校法人のトップである田中英寿理事長の辞任など上層部の一新を求めた要求書に賛同する教員らの署名が8日までに752人分集まったと発表した。11日中に大学側に提出する。
 組合によると、署名活動は、組合が要求書を大学に出した5月31日から始め、約7千人の教職員がいる日大と付属高のうち、組合員がいる職場を中心に募った。署名した人の大半は大学や付属高の教員で、元教員も含む。報復人事の恐れがあるとして、大学側に提出する際に氏名を公開して良いかを一人一人に確認した。


森友巡る首相夫人発言の記録作成 決算委で財務省認める
 学校法人「森友学園」への国有地売却問題を巡り、財務省の太田充理財局長は11日の参院決算委員会で、安倍昭恵首相夫人から「『いい土地ですから、前に進めてください』とのお言葉をいただいた」と学園側が主張したとされる2014年4月28日の交渉記録について、近畿財務局職員が「作った記憶がある」と話したと明らかにした。
 一方、記録自体は相当探したが、見つからなかったと釈明した。
 この日の質疑では、佐川宣寿前国税庁長官による文書改ざん開始の動機を巡り、財務省の矢野康治官房長が「国会でいろいろな糾弾を受けることを回避しようとした」と発言。その後、撤回する場面もあった。


「万引き家族」是枝裕和監督 絆とは…生まれ壊れるまで
 第71回カンヌ国際映画祭で最高賞「パルムドール」に輝いた是枝裕和監督(56)の「万引き家族」(8日から東京・TOHOシネマズ日比谷などで全国公開)は、万引で暮らす貧しい6人家族の物語。彼らの日常を通して、是枝監督は「よく耳にする“家族の絆”とはそもそも何か。改めて意味を考えたくなった」と語る。(高橋天地)

 着想は、家族が絡んださまざまな事件の報道から得た。中でも万引で生活する親子の事件が心に残った。逮捕された親子は、釣りざおだけは転売せず家に置いていたという。
 「家族で釣りをしたくて売らなかったらしい。仲良く釣り糸を垂れる親子の絵が頭に浮かんだ。万引は犯罪だが、ほほえましく、いい話だとも思った」と是枝監督。
 また、平成23年の東日本大震災以降、家族の絆という言葉が連呼されるようになったが、「どこかしっくりこない。犯罪だけでつながる家族にも、彼らなりの家族の絆があるのではないか」と考えたことも作品の製作を後押しした。
 物語の序盤で、親から虐待された幼いゆり(佐々木みゆ)が一家に加わる。同じく虐待された経験を持つ信代(安藤サクラ)は、次第にゆりをいとおしく思い始め、ゆりも二度と家に戻らない決意を固める。
 信代が「私たちは(ゆりに)選ばれたのかな?」と初枝(樹木希林)に問い、けげんな表情の初枝に「絆よ、絆」と口にする場面には強く胸を揺さぶられる。
 是枝監督は「作品のテーマに触れる重要な場面」と指摘。「家族の絆の強さは血のつながりではなく、過ごした時間が作るのではないか」と語る。
 鍵となるせりふだけに、安藤は「冗談めかして言うべきか、それとも思わず本音が出た…という感じで言うか」と迷っていたが、是枝監督は「恥ずかしさを出すために冗談めかしてほしい」と要望したという。
 本作には多くの切り口が盛り込まれた。是枝監督は「だめな父親を反面教師とする少年の成長物語でもあり、頑張って父親になろうとする男の物語でもある。家族が生まれてから壊れるまでを見つめることで描きたかった」と説明する。
 これまで多くの作品で家族のあり方を問うてきたが、「周囲が思うほど、そういう意識はない。一歩引いた場所から社会を見つめ、違和感や喜怒哀楽の感情を出発点に作品を作っていきたい」と強調した。

 【あらすじ】東京・下町の古ぼけた平屋。家主の祖母、初枝(樹木希林)、治(リリー・フランキー)と信代(安藤サクラ)の夫婦、息子の祥太(城桧吏)、信代の妹、亜紀(松岡茉優)が暮らしていた。生活の糧は初枝の年金と万引で賄っていた。ある日、親の暴力に苦しむ少女、ゆり(佐々木みゆ)と出会った治は不憫(ふびん)に思って自宅に連れ帰り、信代が娘として面倒を見ることにしたが…。


是枝裕和監督の目指す“invisible”なつながりとは。『万引き家族』を評価したカンヌの意義
是枝裕和監督作の『万引き家族』(公開中)を巡って、議論が巻き起こっている。是枝監督は「公権力とは距離を保つ」として祝意を辞退する考えを「「invisible」という言葉を巡って——第71回カンヌ国際映画祭に参加して考えたこと——」(6月5日)、「『祝意』に関して」(6月7日)と2度にわたって公式サイトで明らかにした。
カンヌは世界の激動に対峙しようとする映画祭である。映画には世界を変える力がある、と信ずる映画祭である。少なくともそうあろうとする。そんな、『万引き家族』をパルムドールに選んだカンヌ国際映画祭の意義を改めて見つめる。
是枝作品は総合的な評価と社会性を買われてパルムドールに輝いたが、そのほかの日本映画は演技など演出上の実験性が評価されていた。今年出品された日本映画は、監督週間のアニメ『未来のミライ』(7月20日公開)を含めて4本。長編コンペでは『万引き家族』と初カンヌ入りした濱口竜介監督『寝ても覚めても』(9月1日公開)、短編コンペでは2回目の佐藤雅彦とc-project &川村元気監督『どちらを選んだのかはわからないが、どちらかを選んだことははっきりしている』が上映された。
政府が反政府的と出国を拒否した監督、イランのジャファール・パナヒ監督とロシアのキリル・セレブレンニコフ監督の作品を、わざわざ監督不在をアピールしながら上映するのも、表現の自由、創作者の人権を守るという点でのカンヌのステートメントだ。
しかし、カンヌ常連とされる日本人監督の中で、おそらく是枝裕和監督ほどこの意志をもって映画作りをしている監督はいないと思う。ただし、是枝監督がモチーフとして取り上げるのは社会の小さな単位である「家族」であり、そこに集積される社会問題の澱をすくいあげること、言い換えれば、「家族」に映し出される社会の問題を観客に想像させること、が大切なのである。監督自身「いつもは家族の方に寄り添いますが、今回はより社会のほうを意識して作りました」と語っていた。ただしそれは映画祭を意識してのことではなく、国粋主義化の進む社会に対しての疑問としてなのだ。
そしてこれは日本だけではなく、世界各国の問題でもある。世界各国に広がる経済格差、そして貧困は、排他主義を誘い国粋主義を台頭させる。性別・人種・民族・宗教などによる分断と偏見や差別が横行し、人間を追いこんでいく。けれど、社会の多数の人々は追い込まれ最底辺にいる人々を無視し“見えない存在”として、そこにいないこと、見ないことにする。今年のカンヌのコンペ作品はそんな人々に焦点を当てた。
社会の歪みのトバッチリを一番受けるのが、子ども、である。今年の作品には、虐げられ、それでもその状況を負って立つ子どもたちの姿が目立った。ただ『万引き家族』の場合は“虐げている”と断罪されそうな血のつながらない”親たち”こそ、子どもを守り愛し“真の親”になろうとしている姿を描き、彼らを断罪して自分は安全地帯から社会を論ずる人々をこそ告発している。審査員賞の『カペナウム』が虐げる親を訴える少年を描き、そこで止まっているのとは違う。ここがパルムドールの選びどころだったのかと思った。
2015年に会長が代わり、いくつもの改革を進めるなかで、彼らは今年を一つの区切りとしようとしたのではないかと思うのだが、それがなぜ第70回という区切りのいい昨年ではなく、今年だったのか。それは今年が1968年のカンヌ映画祭粉砕運動から50年という区切りの年だったからだと思う。68年の運動は映画が「娯楽」と「芸術」の世界だけに安住せず、世界に社会に向き合うことも要求した。植民地の独立運動、ベトナム戦争、公民権運動、ウーマン・リブ、学生運動などが世界を揺り動かしていた時代である。映画祭メイン会場を占拠したメンバーの中心人物の一人がジャン=リュック・ゴダール監督であり、今年カンヌがスペシャルパルムドールを捧げた監督なのだ。コンペに出品されたゴダール監督の新作『The Image Book』は、様々な過去の作品やニュース映像、スチールなどをコラージュしモンタージュを重ね、今世界で起こっている暴力について描き出す作品であり、それとともに「映画」と「映像」の関係について問いかける実験的な作品になっていた。87歳にしてチャレンジを続ける監督らしく、自宅からのスマートフォンンによる「ビデオ通話」記者会見を行ったのも、話題のひとつだった。
映画がメッセージを伝えるということは、映画が「メディア」になるということだ。ルスキュール会長はカナル・プリュスの設立者でありメディア当事者でもある。その会長が昨年起こった“Netflix問題”に対してとった対応が、今年のアメリカ作品激減に繋がっているのではないか、と思う。昨年、Netflix製作の『Okja/オクジャ』に出演したティルダ・スウィントンが危惧していたが、アメリカで”興行的な成功が予測できない実験的な作品や作家的な作品を製作しようとするのはNetflixくらい”になっているとしたら、Netflixを拒否したカンヌにアメリカの“実験的な、作家的な作品”が出品されないことになる。また、海外の映画祭で賞をとることでアメリカ国内の興行につなげようというタイプの作品を多く送り出してきたプロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインがセクシャル・ハラスメントで訴追され映画界を追放されたことも影響しているかもしれない。カンヌ映画祭の多様性と華やかさを考えるとやはりアメリカ映画の出品は欠かせないので、この辺りは来年の対応を見ていきたいと思う。
ワインスタインについては授賞式のプレゼンターとして登壇した女優・監督のアーシア・アルジェントが「21歳の時、私は彼にカンヌでレイプされた。カンヌはワインスタインの狩場だった」と厳しい顔で告発。セクシャル・ハラスメント撲滅よりもジェンダー・イクオリティ獲得に寄ったカンヌでの女性運動に一言付け加え、審査員やゲストたちの顔をこわばらせた。気持ちはわかるが、そこから私たちはもうひとつ先を行こうとしているのにここで持ち出さなくても…。という顔、だったろうか。
映画界における女性の活躍を顕彰・支援する「ウーマン・イン・モーション」賞を2015年から設け、女性映画人の顕彰と育成を掲げたカンヌ映画祭が、女性審査員長のもとでどんな作品を選び出すかと注目されていたが、その点は審査員長の宣言通り「作品のクオリティ重視」の授賞になったと思う。3人の女性監督が長編コンペに選出されていたが、レバノンのナディーン・ラバキー監督『カペナウム』が審査員賞、イタリアのアリーチェ・ロルヴァケル監督・脚本の『ハッピー・アズ・ラザロ』が脚本賞を受賞。3人目のエヴァ・ハッソン監督『ガールズ・オブ・ザ・サン』は無冠だったが、その上映の際には82人の女性映画人がリュミエール劇場の大階段に集合し、映画におけるジェンダー・イクオリティを訴えるサイレントマーチを行った。82人とは全71回の長編コンペにおける女性監督の数である。男性は1688人というから、そのギャップは大きすぎる。映画学校の生徒の半分近くを女生徒が占めるという現在。まだまだ女性だからと妨げられることも多いという、その障壁を取り除く支援が必要なのだ。ウーマン・イン・モーションなどの活動がその一端になればいいと思う。
そして、映画は続く。20年間に8回撮影中止に追い込まれながらも完成したテリー・ギリアム監督の『ドン・キホーテを殺した男』をクロージングに、第71回カンヌ国際映画祭は閉幕した。どんな逆境にあっても諦めず、見果てぬ夢を追い続け、真の世界を追い続け、映画は続く、映画祭も続く、のである。まつかわゆま


「Where is ABE?」 マクロン仏大統領の投稿写真が物議
 9日閉幕の主要7カ国(G7)首脳会議(カナダ・シャルルボワ)では、鉄鋼・アルミ製品への高関税を課すトランプ米大統領と各国首脳の間で大激論。ようやく取りまとめた首脳宣言も、採択後にトランプが「認めない」とひっくり返す異例の展開だった。
 そんな中、閉幕前の8日にマクロン仏大統領のツイッターに投稿された写真が世界中で物議を醸している。
 写真には、各国首脳が書類片手にトランプと膝詰めで議論している様子が収められているが、なぜかどこにも安倍首相の姿が写っていないのだ。マクロンのツイッターには「Where is ABE?」などと疑問の声が寄せられている。
 写真は通訳を退席させた際の一幕らしいが、ロイター通信社が撮った写真にも安倍首相の姿はない。安倍首相は閉幕後の会見で「膝詰めで直接本音をぶつけ合った」と話したが本当か。まさか、トランプべったりの姿勢を見透かされ、“カヤの外”に追いやられたわけでは……。


新潟知事選 与党陣営「ニセ文春報道」で選挙妨害疑惑浮上
 自公支持の花角英世氏が辛くも勝利を収めた、10日の新潟県知事選。立民など野党6党派が推薦した池田千賀子氏との大激戦にやきもきしていた安倍政権もホッとしただろうが、能天気に喜んでいられると思ったら大間違い。選挙期間中に花角陣営が池田氏の“ニセ醜聞”を拡散した選挙妨害の疑いがあるとして、公職選挙法に抵触する恐れが指摘されているのだ。
 問題行為を指摘されているのは、投開票を4日後に控えた今月6日。自民党の地方支部が新潟県三条市で緊急議員会議を開催。自公の三条市議や県議が出席し、選挙戦について話し合った。その席で、花角氏の支援団体「県民信頼度ナンバーワンの県政を実現する会」の長谷川克弥代表代行が「(池田氏について)文春(報道)が選挙後に出るようだ。また下半身の話だ。そんなことになったら、また選挙になるではないか」と発言。すると、地元紙「三條新聞」(6月7日付)が〈自民党三条支部緊急議員会議 文春が選挙後にまたの話も〉という見出しで、発言内容を紹介したのだ。
 しかし、この話はデタラメ。しかも、池田サイドは文春から取材も受けていなかったという。要するにヨタ話だったワケだ。こんな話を選挙期間中にわざわざ記事にするメディアもどうかしているが、問題は、地元政界関係者やメディアが同席する公の場で、花角陣営が対立候補の醜聞が週刊誌報道される、などと踏み込んだことだろう。
 公職選挙法は〈当選を得させない目的をもつて公職の候補者又は公職の候補者となろうとする者に関し虚偽の事項を公にし、又は事実をゆがめて公にした者〉に対し、4年以下の懲役、または100万円以下の罰金に処すると規定。すでに地元では、花角陣営の行為が公選法に問われるのではないか、との声が上がり始めている。
 ジャーナリストの横田一氏が長谷川代表代行に発言の真意を聞くと「ツイッターで流れていた話を基に発言したが、情報を拡散する意図はなかった。新聞社には抗議する」と言い、一方の「三條新聞」は、横田氏が「虚偽(ウソ)の情報をそのまま記事にしたのではないか」と問いただしたのに対し、「発言をした当人に聞いて欲しい」と答えたというからムチャクチャだ。選挙に勝つためなら、ウソをついても平気の平左。アベ化の腐臭が地方にも拡大しているようだ。(取材協力=ジャーナリスト・横田一氏)


「安倍首相が米朝会談開催地を進言」が本当なら大失態! シンガポール・セントーサ島は日本が朝鮮人慰安婦を連行した場所
 明日12日、シンガポールで開催される米朝首脳会談。これに先駆け7日、米国でトランプ大統領との首脳会談を行った安倍首相は、拉致問題への言及の確約を取り付けたと嘯くが、この間、米朝韓と中国を中心に進められた対話路線への交渉から完全に“蚊帳の外”に置かれたことを考えれば、会談が終わるまでどうなるかは依然不透明だ。
 そんななか「外交の安倍」なる虚像をこしらえようと必死なのが、ご存知、“政権御用紙”こと産経新聞。昨日10日もカナダで行われたG7サミットについて「安倍首相が議論主導」し、議長国であるカナダのトルドー首相も「最後は安倍首相を頼ってくる」、トランプ米大統領は「シンゾー、どう思う?」「シンゾーの言うことに従う」を連発し、メルケル・ドイツ首相は「安倍首相にウィンク」などというにわかには信じがたいヨイショ記事を出していたが、このヨイショぶりは米朝会談についても同様だ。
 たとえば8日付東京版の記事では米朝会談に関してこんなふうに記していた。
〈トランプ氏を説得できる数少ない人物として国内外で知られる首相への米政権や米議会の期待も高い。
 米朝首脳会談の開催場所をめぐり、南北軍事境界線がある板門店での開催に傾いていたトランプ氏を翻意させ、シンガポールに決めさせたのは首相だ。それも米政権内から「首相から大統領に言ってほしい」との要請があったほど。
 今回の日米首脳会談に関しても、米側は日本側にトランプ氏に影響力のある首相への期待感を伝えてきている。〉
 記事を書いたのは、最近、名物記者の阿比留瑠比氏から「安倍首相に最も近い産経記者」の“2代目”を襲名したともいわれる田北真樹子記者だ。「蚊帳の外」のイメージを払拭したい意図がプンプンしてくるが、それにしても「シンガポールに決めさせたのは首相」というのは、かなり信じがたい。
 そもそも、記事を読めば瞭然だが、情報源が完全に不明だ。普通なら「政府高官によると」とか、それが難しくても「政府関係者によれば」などと最低限の情報源を明記するところを、あえて地の文で断言しているのである。さすがにこれは怪しすぎるだろう。
 たしかに、最初に米朝会談開催が正式発表されたすぐ後から、「安倍首相がシンガポールを薦めた」なる真偽不明の話がマスコミの間で飛び交ってはいた。しかし、安倍首相は生出演した5月11日放送の『プライムニュースイブニング』(フジテレビ)で、反町理・フジテレビ報道局解説委員長から「総理としてトランプ大統領に対してシンガポールがいいんじゃないかと推薦されたっていうまったくの未確認情報なんですけど、これ薦めたことあるんですか」と訊かれ、「具体的なことは控えさせていただきたいと思います」と否定も肯定もしなかった。
 ようするに、応援団や取り巻きに情報操作をさせる一方、自分は後から米国から正式に否定されることを恐れているから何も言えないのだろう。今回の産経記事にも“司令”が下ったのではと勘繰りたくもなるではないか。
米朝会談の舞台は旧日本軍が朝鮮人慰安婦を騙して働かせた慰安所のあった場所
 いずれにせよ、安倍応援団の産経がどんなに糊塗しようが、米朝会談に向かうこの間の国際社会の流れに安倍政権だけが置いてけぼりをくらったのは、まぎれもない事実である。そのうえで言うが、もしも、本当に安倍首相が開催地を指定したのならば、日本政府は、とりかえしのつかない失態を演じたことになるだろう。
 というのも、会談の舞台であるシンガポールのセントーサ島は、戦中の日本軍が朝鮮人の女性を騙し、慰安所に連行したことが明らかになっている場所だからだ。
 周知の通り、日本は太平洋戦争で東南アジア各国を侵略、傀儡政権を樹立したり、軍の統治下に置くなどの支配を進めていった。イギリスの植民地だったシンガポールもそのひとつだ。
 1941年12月8日、日本軍は真珠湾攻撃と同時に英領マレーへ奇襲上陸し、翌年2月にシンガポールを占領。シンガポールを「昭南島」なる名称に変え、日本語の使用を強制するなど圧政を敷き、華僑を抗日運動の中心とみなして粛清(虐殺)した。「大検証」と呼ばれるこの華僑粛清の実態は、トラックで島内の人目のない場所に運び、取り調べや裁判もなしに機銃掃射したり、一軒家を襲撃して華僑を見つけ次第殺害するなど、ほとんど無差別虐殺であった。終戦まで続いた日本統治時代は、いまでも“The Dark Years”と呼ばれている。
 そうした侵略のなかで、日本軍は各地に慰安所をつくった。華僑粛清の直後には日本軍の宣伝班の下で刊行された新聞に慰安婦募集の広告が出ている。慰安所には、大勢の朝鮮人女性も動員された。このことは「16歳の時にシンガポールの慰安所に連れて行かれた」という朝鮮人元慰安婦の証言だけでなく、近年発見されたビルマ(現・ミャンマー)とシンガポールの慰安所で帳場の仕事をしていた朝鮮人男性の日記からも明らかになっている。また、独立自動車第四二大隊にいた元日本軍兵士も「トタン塀」と呼んでいた慰安所には「娼妓は朝鮮人が多かったが、マライ人もいた」と証言している。
 そして、米朝会談が行われるシンガポールの南端、セントーサ島(旧称・ブラカンマティ島)でもまた、朝鮮人女性たちが慰安婦として働かされていた。しかも、彼女たちは別の仕事だと騙されて連れてこられたのだ。
 当時、東南アジアで通訳として従軍していた永瀬隆氏が証言している。永瀬氏は、日本が戦中につくらせたタイとビルマを結ぶ泰緬鉄道で陸軍の通訳をしていたことで知られる日本人男性だ。日本軍による泰緬鉄道建設にあたっては、数万人のアジア人労働者や連合国軍の捕虜が非人道的な扱いを受け犠牲となっている。永瀬氏は戦後、反戦平和の立場から個人でその慰霊と償いの社会活動を続け、2011年に亡くなった。
 その永瀬氏が生前、月刊誌「MOKU」(黙出版)1998年12月号での高嶋伸欣・琉球大学教授(現・名誉教授)との対談のなかで、セントーサ島での体験を語っていた。シンガポールでも数か月の間、陸軍の通訳として勤務しており、その時、慰安所の女性たちや軍の部隊長と話をしたことをこのように振り返っている。
「(セントーサ島には1942年の)十二月中旬までいました。十一月になって隊長が僕を呼んで、『実は朝鮮の慰安婦がこの部隊に配属になってくるんだが、彼女たちは日本語がたどたどしいから、日本語教育をしてくれ』というんです。僕は『嫌なことをいうな。通訳はそこまでしなきゃいけんのか』と思ったけど、その隊長はもう島の王様気取りでおるんです。仕方がないから、慰安婦の人たちに日本語を三、四回教えました」
 永瀬氏は「そのうちに、僕は兵隊じゃないから、慰安婦の人も話がしやすいんだな」と思ったという。そして、朝鮮人女性たちに慰安所にきた理由を聞くと、騙されて連れて来られたというのだ。
「それで僕も『あんたたちはどうしてここへ来たんだ』と聞いたら、『実は私たちは、昭南島(シンガポール)の陸軍の食堂でウエイトレスとして働く約束で、支度金を百円もらって軍用船でここへ来たんだけど、着いた途端に、お前たちは慰安婦だといわれた』というんです」
産経が「安倍が進言」と報じたセントーサ島が拉致問題解決の障害に
 つまり、日本軍は、彼女たち朝鮮人女性に性的労働をさせることを告げず、まして嘘の説明で騙してシンガポールの慰安所に連れて行ったのだ。永瀬氏の証言はこう続いている。
「それを聞いて、ひどいことをするなと思った。いま考えてみても、強制的に連行して慰安婦にするよりも、そうやって騙して連れてきて慰安婦にするほうが、僕は罪は深いと思います。
 とにかく、それから島の中に慰安所ができたんですが、隊長が慰安所の兵隊にくだしおかれる前に、慰安婦を毎晩代わりばんこに次から次へ味見しているという話を聞きました」
 繰り返すが、金正恩委員長とトランプ大統領が首脳会談を行うセントーサ島は、戦中、日本軍が朝鮮人女性を騙して慰安婦にした場所だったのである。
 安倍首相はかつて、自民党の若手勉強会で慰安婦の強制連行否定論をがなりたて、「韓国ではキーセンが日常」「元慰安婦=キーセンハウスで働く売春婦=強制性のない商業的行為(ビジネス)だから問題なし」という趣旨の発言をしていた。一方、北朝鮮国営の朝鮮中央通信は日朝関係について、慰安婦問題などをあげながら「朝日関係は本質的に、被害者と加害者の関係であり、加害者が被害者に謝罪と賠償をしなければならないというのは、問題の初歩だ」と強調している。安倍首相の歴史認識の欠如は以前からだが、こんな初歩的なことも知らないでシンガポール開催を進言したというのだろうか。
 前述の永瀬氏との対談者であり、東南アジアの近代史に詳しい高嶋琉球大名誉教授は、本サイトにこのように語る。
「朝鮮半島の人々にとってシンガポールは、捕虜に対する監視・労働強制などの役割を日本兵の下で押し付けられた朝鮮からの徴用による軍属の人々が戦後のBC級戦犯裁判で有罪判決を受け、チャンギ刑務所で処刑されたケースも少なくない因縁の場所です。しかも、シンガポール中に多数設置していた慰安所に大勢の朝鮮人女性が騙されて連れてこられていたという事実が再び思い起こされる。もし、安倍首相がトランプ大統領にシンガポールでの会談開催を薦めたり賛成したのであれば、改めて安倍首相とその側近たちの歴史に対する無知と無神経さを露呈させた“事件”になろうとしているように思えます」
 高嶋名誉教授はまた、拉致問題を巡る交渉の上でも、セントーサ島での会談は大きなマイナスになる可能性があると指摘する。
「こうした歴史背景を無視したまま、安倍首相の要望通りにトランプ大統領が拉致問題を提起すれば、北朝鮮側から『この場でそのようなことを話題にするとは恥知らずにも程がある、と日本側に伝えるべきだ』などと返されることは十分に考えられます」
 産経新聞や応援団の「安倍首相が米朝会談開催地を進言」報道がいつものごとくの安倍首相の嘘なのか、歴史に無知な結果なのはよくわからないが、いずれにしてもこのままいくと、米朝会談のあと、安倍首相と日本が国際感覚の欠如をさらすことになるのは目に見えているということだろう。(梶田陽介)
■主な参考文献 「シンガポールの日本軍慰安所」(林博史)/「戦争責任研究」No.4(1994年夏季号/日本の戦争責任資料センター)所収
「華僑粛清(シンガポール、マレー戦線)」(高嶋伸欣)/『歴史問題ハンドブック』(東郷和彦、波多野澄雄・編/岩波書店)所収
『旅行ガイドにないアジアを歩く シンガポール』(高嶋伸欣、鈴木晶、高嶋道、渡辺洋介/梨の木舎)


立憲民主は国民の求めを知るべき
 ★立憲民主党の地方組織設立が急だ。10日には同党栃木県連の設立大会が宇都宮市内で開かれ、あいさつに立った党代表・枝野幸男が「草の根の民主主義を取り戻したい。そのための地域組織、県連が立ち上がってうれしい。(野党が)連携して自公と一騎打ちの構図をつくる。地方選でも定数が少ないところは候補者を(野党間で)すみ分けるべきだ」と党勢拡大とともに、与野党対決の構図を作ることを強調した。 ★国民民主党が保守系野党を標榜(ひょうぼう)し、自民党ともタッグを組める対応を見せるなど、第2希望の党化するかも知れない中、「秋には野党無所属議員と国民民主党の幾人かが過去に元外相・松本剛明や元外務副大臣・山口壮が民進党を離れて自民党入りしたような動きも出るだろう。自民党と対立軸を掲げられる本格野党としての立憲民主党の役割は大きい」(野党幹部)。 ★それでも現在の立憲民主党の県連設立数はたかだか22都道府県にすぎない。勢いは示すものの、現実は甘くない。9日、地元大阪高槻で開かれた同党国対委員長・辻元清美はこうあいさつした。「(維新以外の)野党共闘で、自公政権をひっくり返す。イメージとしては09年に民主党が政権交代した時の流れをまた作りたい。まず自民への支持をチビチビと低下させる。このチビチビ作戦を辛抱づよく続けていると、ある時、ごろっと情勢がひっくり返る」。 ★となればまずは全選挙区の「1区」を制覇し、働き方、社会保障などの悩みを抱える都市型有権者をものにし、自民党の政策に疑問を持ち始めた国民へ処方箋を掲げるべきだろう。野党は与党の口車に乗って憲法観や安全保障論が一致しないと信頼できないとあおってきた。だが、ポスト安倍の筆頭格で党政調会長・岸田文雄は首相・安倍晋三とは正反対の憲法9条護憲の考えだ。まずは国民の求めているものは何かを知るべきだ。

袴田事件で東京高裁再審を認めず
昭和41年に起きたいわゆる「袴田事件」で、東京高等裁判所は、死刑が確定しその後釈放された袴田巌さんが求めていた再審・裁判のやり直しについて、静岡地裁とは逆に、認めない決定を出しました。
一方、4年前に地裁が認めた釈放については、年齢や健康状態などを踏まえ、取り消しませんでした。
昭和41年に今の静岡市清水区で会社役員の一家4人が殺害された事件では、従業員だった袴田巌さん(82)の死刑が確定しましたが、袴田さんは無実を訴え再審を申し立てました。
静岡地方裁判所は、4年前、犯人のものとされる衣類の血痕のDNA型が袴田さんと一致しなかったという弁護側の鑑定結果などをもとに、再審とともに釈放も認める異例の決定を出しました。
決定を不服として検察が抗告したため、東京高等裁判所でDNA鑑定が信用できるかどうかなどが改めて審理されました。
東京高等裁判所の大島隆明裁判長は、静岡地裁の決定を取り消し、再審を認めない決定を出しました。
決定では、「地裁が認めたDNA鑑定の手法の科学的原理や有用性には深刻な疑問が存在している。地裁の判断は不合理で認められない」という判断を示しました。
また、地裁が認めた釈放については、「本人の年齢や生活状況、健康状態などに照らすと決定が確定する前に取り消すのが相当とは言いがたい」として、取り消しませんでした。
いわゆる「袴田事件」で、東京高等裁判所が袴田巌さん(82)の再審・裁判のやり直しを認めない決定を出したあと、袴田さんは自宅のある静岡県浜松市内で午後2時ごろ支援者の前に姿をあらわし、支援者から決定が出たことについて説明を受けると、短く「ああ」と一言答えました。
また、支援者から「元気で」と声をかけられると「はい」と答えていました。
報道陣から「高裁の判断が出ましたが」と問われたのに対し、袴田さんは「そんなの嘘なんだよ。事件がないんだから。」と答えました。
袴田巌さんの再審を認めない決定が出たことを受けて、裁判所の前では袴田さんの支援者たちが「袴田さんは無実だ」「不当決定に私たちは断固抗議する」などと強く訴えました。
支援者の前で、西嶋勝彦弁護団長は「再審を認めないというとんでもない内容で、とても承服できません。巌さんが再び拘束されることがないように最大の努力をしていきたい。直ちに特別抗告する」と述べました。
袴田巌さんの姉のひで子さんは「残念でなりません。次に向かって進みます。みなさまのご声援をよろしくお願いいたします」と述べました。


袴田事件再審認めず 弁護団「結論ありき」姉「次に進む」
 一度は近付いたかに見えた再審への扉は、再び遠のいてしまった。1966年の「袴田事件」で、死刑が確定していた袴田巌元被告(82)。その再審開始を認めた静岡地裁の判断を覆した11日の東京高裁決定に、無実を信じてきた弁護団や支援者からは「残念だ」「許せない」などと落胆や怒りの声が相次いだ。
支援者、落胆と怒り
 「不当決定」。11日午後1時半過ぎ、東京・霞が関の東京高裁の正門前。女性弁護士が高裁決定を知らせる紙を掲げると、袴田さんの姉秀子さん(85)は「次に向かって進みます」と険しい表情を見せた。
 午後3時過ぎに始まった弁護団報告会でも高裁決定への批判が相次いだ。
 弁護団長の西嶋勝彦弁護士は「(静岡地裁の再審開始決定のもとになった)弁護側のDNA型鑑定を否定する検証実験の結果を待つだけで、即時抗告審に4年も費やした。結論ありきの決定だ」と悔しさをにじませた。また、確定判決では犯行時の着衣と認定された「5点の衣類」にも言及。弁護側が捜査機関による捏造(ねつぞう)だと主張したものの、高裁が「根拠に乏しい」と退けたことについて「捏造の現場を見ることはできず、論理的に推測するしかない。証明できるなら、とっくに無罪が出ている」と語った。
 地元・静岡で袴田さんの支援を続けてきた弁護団事務局長の小川秀世弁護士も「偏見、思い込みの判断だ」と怒りを隠さなかった。弁護団は最高裁に特別抗告する方針で、「今回の決定に対し、証拠に基づいてきちんと反論すれば道は十分に開ける」と話した。
 一方、ある検察幹部は「弁護側のDNA型鑑定は科学的ではなく、否定されて当然」と語り、「奪った現金の一部を女性に渡したことは捜査で裏付けられているし、凶器の刃物を静岡県内で入手したこともほぼ立証できている。こちらは証拠全体を見て、犯人性を判断している」と自信をみせた。
 別の検察幹部は「静岡地裁の決定は、捜査側による証拠の捏造に言及していたが、今回の高裁決定で捜査の正当性も理解されたと思う」と評価した。【服部陽、金寿英、古川幸奈】
大島隆明裁判長 「驚く判決を出す人」
 大島隆明裁判長(63)は東大卒で1977年に司法試験に合格し弁護士となったが、81年に裁判官に転身した。東京地裁や福岡高裁の判事、金沢地裁所長などを経て2013年から現職。
 東京高裁部総括判事としては、オウム真理教による東京都庁爆発物事件の判決(15年)で殺人未遂ほう助罪などに問われた女性信者に逆転無罪を言い渡した(最高裁で無罪が確定)。法曹界では「あっと驚く判決を出す」との評もある一方、同僚裁判官は「民事裁判の経験もあるが、刑事裁判の経験が長い。検察側・弁護側のいずれにも偏らず、丁寧に検討する人だ」と話す。【石山絵歩】


袴田元被告姉 50年闘ってきた。これからも頑張っていく
 袴田巌元被告に対する東京高裁の「再審開始取り消し」決定を受けて、東京都内で記者会見した姉秀子さんや弁護団の発言などは以下の通り。【荒木凉子】
 記者会見の冒頭、姉秀子さんや西嶋勝彦弁護団長、DNA型鑑定を担当した笹森学弁護士よりあいさつがあった。
秀子さん 身柄を拘束しないとあり一安心。(静岡地裁の再審開始決定から)4年になるが、巌も幸せという言葉がやっと出てきた。(2人で)一昨日東京に来るつもりだったが昨日になった。(巌さんも)朝まで来ると言っていたが、変に勘ぐりまして。「ローマに行こう」と言ったら「うそのローマなんて行かない」と言って散歩に出た。だから私一人で(東京に)来た。巌は不安定。精神的にも。拘禁症というか、なんというか。今日のことも半分くらい分かっていて、半分くらい分からない。そういう状況。これからも弁護士さんに頼るしかない。よろしくお願いいたします。
西嶋勝彦弁護団長 誠に残念な決定。裁判所がそれほど信頼できるわけではないと改めて確認された。DNA型鑑定を否定することに百万言の言葉を書いてある。(中略)再審請求審は無実を訴える人のための手続きで、とことん手続きを尽くしたい。なるべく迅速に最高裁の結論を得て、再審開始決定を勝ち取りたい。そして一日も早く再審公判の道をたどり、巌さんの無実が明らかになるよう努力したい。引き続き皆さんの支援を賜りたい。
笹森学弁護士 DNA型鑑定の信用性が今回の決定のほとんどを占めているが、実際に鑑定人尋問を行いながら、持っている疑問について裁判所は何ら聞かないで判断を下している。ほとんど書面上の判断。(中略)机上の理屈だけで判断し残念。これからはこの誤りを正していきたい。
 続いて報道陣との質疑応答があった。
−−笹森弁護士に。DNA型鑑定の認定について、決定の誤りを具体的に。
笹森弁護士 決定は「(抗告審でやった検証実験は)原審のやり方ではない」と。それは全く誤り。DNA型鑑定の判断の上でも疑わしきは再審請求人の利益に、と判断しなくてはならない。本当に合議がなされたのか疑問だ。
−−秀子さんに。巌さんにどう生活していってほしいか。
秀子さん 巌にはなるべく余計なこと言わないように4年間生活させていた。巌は自分がこうしたいと思うと、人の言うことは聞かない。それでも徐々に正気に返ったというか、明るくなった。いい知らせだったら、巌を「おめでとう」と言われるようにつれて歩き、喜びを味わわせたいと思っていた。昔の手紙に「凱旋(がいせん)したい」みたいなことが書いてあった。不幸なことに、それは味わわせられないが、それがいつか絶対できると思っている。「再審開始でおめでとう」と言われると信じている。今からそれに向かい、平凡だが生活していく。
−−この問題は国際社会に訴える問題として、コメントがあれば。
西嶋弁護団長 司法の一翼を担う裁判所がまともに事実認定の目を持たない。冤罪(えんざい)者を出してはならないという観点から審理していない。全体として承服しがたい。事実に対する厳格な認定、事実を全部調べて疑問を解消して袴田氏は有罪を免れないというのではなく、4年間、原決定のもとになったDNA型鑑定をつぶしてくれる鑑定人を待ち、鑑定結果を待つだけに費やした。結論ありきの決定。
−−第2次再審請求審で録音テープが明らかになったが、最初の裁判でそのような証拠が出ていれば結論は違ったか。
西嶋弁護団長 死刑判決の原審はたった1通の調書を採用し、他の(44通の)調書を証拠に挙げることができなかった。取り調べの実態がなんであったか真相が分かっていなかった。今回、少なくとも48時間分の録音テープが出て我々が詳細に分析した。暴言、暴力に等しいような圧迫が加えられた。そういう捜査のもと犯人にしたてられた。録音テープで捜査全体の問題ということを主張したつもりだったが、裁判所は聞く耳を持たなかった。最高裁では、先入観をもとに捜査官が追い詰めたことを明らかにしたい。
−−DNA型鑑定について。(弁護団側鑑定人の)鑑定の記録を鑑定人が残していないと裁判所が指摘している。
笹森弁護士 その通りだと彼(鑑定人)は証言したが、それは本筋ではない。鑑定と同じ方法で再現したにもかかわらず、採用しないのは全く理解できない。
−−(袴田氏の)釈放の判断を最高裁に投げているような形だが、率直な受け止めを。
西嶋弁護団長 二つの側面がある。一つは、開始するかどうかという判断と身柄拘束は分けて考えられている。いったん(地裁で)身柄拘束を解くという判断が出た。最終判断が出るまではそういう状態にしておくのは合理的な判断。もう一つ、最高裁の判断が出るまではそうしなさいと検察官に言っている。できるだけ短期間に最高裁に決定を出させて、再審公判に移行させたい。
−−今回の決定は(原審で新証拠とされた)DNA型鑑定の信用性を否定した。最高裁ではどのような闘い方が考えられるか。
笹森弁護士 高裁の理解に誤りがある。一つずつ、考え方が誤っているという主張をしていく。
−−改めて鑑定を追加ですることはあるか。
笹森弁護士 事実誤認の判断をしているので、きちんと説得できれば。(これまで)やったもので十分理解してもらえると思っている。
−−秀子さんに。巌さんの半生に全てをささげてこられた。48年で再審開始決定が出て、4年で逆の決定。期待しては裏切られてしまうこともあったかと思うが、この50年をふり返って、裁判所はどうあってほしいか。
秀子さん 裁判所も検察も、本当のことをちゃんと調べてほしい。事実を調べれば分かること。これまでもずっとそうだが、検察や裁判所のやり方を一切批判はしていないが、真実を正しい目で調べてもらいたい。
−−決定内容を知った瞬間の心境は。
秀子さん どっちが出ても構わないと元々は思っていた。必ずしもいい方向とか悪い方向とかはともかく、どちらが出ても頑張っていくと思っていた。悪く出たのは確かに残念だが、50年闘ってきた。これからも頑張っていく。
−−特別抗告以外で今後の行動は?
西嶋弁護団長 まだ全てではないが、まずは特別抗告。その中で、理由を補充し証拠を追加したりして突き返す努力をしたい。狭い裁判所の中だけでは(再審は)開けない。世間に向けて決定のひどさをアピールし、世界に向けて日本の裁判制度がいかにおかしいかアピールしたい。死刑制度という恐ろしい刑があり、無実をはらすのがいかに困難と期間を要するか、世界の人たちが知ったら何というか。広い土俵で闘っていく。


袴田事件 高裁再審認めず 東京高裁、地裁決定取り消し
 1966年に起きた「袴田事件」で死刑が確定し、2014年の静岡地裁の再審開始決定で釈放された袴田巌元被告(82)の即時抗告審で、東京高裁(大島隆明裁判長)は11日、地裁決定を取り消し、再審請求を棄却した。弁護側は高裁決定を不服とし、最高裁に特別抗告する可能性が高い。【石山絵歩】
 今後、審理は特別抗告審に移るとみられるが、地裁と高裁の判断が分かれたことで、袴田さんの再審開始の可能性は不透明な情勢となった。高裁は、死刑と拘置の執行停止は取り消さなかった。
 地裁は14年3月、確定判決で犯行時の着衣とされた「5点の衣類」について、「血痕が袴田さんや被害者と一致しない」とする弁護側のDNA型鑑定などを「新証拠」と認めて「後日捏造(ねつぞう)されたとの疑いを生じさせるもの」と結論づけ、再審開始決定を出した。
 同時に地裁は、死刑と拘置の執行を停止する決定も出し、袴田さんは逮捕から約48年ぶりに釈放された。検察側は、地裁決定を不服として即時抗告した。
 即時抗告審の東京高裁は15年12月、地裁で新証拠の一つと認められたDNA型鑑定(筑波大の本田克也教授が実施)の検証を決定。検察側が推薦した鈴木広一・大阪医科大教授に検証を依頼した。
 鈴木氏は昨年6月、本田氏が鑑定で用いた「特別なたんぱく質」が「DNAを分解する成分を含んでいる」などとして、鑑定手法を否定する報告書を高裁に提出。弁護側は「鈴木氏の検証は本田鑑定と同じ器具や手法を用いておらず、高裁から求められた(本田鑑定の)『再現』をしようとしていない」などと反論した。こうした経緯から、対立する2人の専門家の意見を踏まえ、高裁がどんな判断をするかが注目された。
 過去の死刑確定事件では、免田(発生は48年)▽財田川(同50年)▽島田(同54年)▽松山(同55年)の4事件で再審無罪が確定している。
 ■ことば 袴田事件
 1966年6月30日未明、静岡市清水区(当時・清水市)で、みそ製造会社の専務の男性(当時42歳)方から出火。焼け跡から、専務と妻(同39歳)、次女(同17歳)、長男(同14歳)が他殺体で見つかった。元プロボクサーで同社従業員の袴田巌さんが逮捕、起訴され、公判で無罪主張したものの、80年に最高裁で死刑が確定。第1次再審請求は2008年に最高裁で再審不開始が確定したが、第2次再審請求に対して静岡地裁が14年に再審開始を決定。検察側が即時抗告し、東京高裁が審理していた。


「袴田事件」第2次再審請求即時抗告審決定に対する会長声明
東京高等裁判所第8刑事部(大島隆明裁判長)は、本日、いわゆる袴田事件第2次再審請求事件(請求人袴田ひで子、有罪の判決を受けた者袴田巖)につき、検察官の即時抗告を認め、静岡地方裁判所の再審開始決定を取り消し、再審請求を棄却すると決定した(以下「本決定」という。)。
本件は、1966年(昭和41年)6月30日未明、袴田巖氏(以下「袴田氏」という。)が、当時の勤務先である味噌製造販売会社の専務宅に侵入し、一家4名を殺害し金員を強取した後、放火したとされた事件である。袴田氏は、逮捕後、1日平均12時間、最高16時間余に及ぶ過酷かつ違法な取調べにより自白したものの、第1回公判期日で否認した後、一貫して無罪を主張した。ところが、事件発生から1年2か月後に味噌醸造タンクの中から発見されたという5点の衣類が、袴田氏の犯行着衣とされて、静岡地方裁判所により死刑判決が下され、1980年(昭和55年)11月最高裁判所が上告を棄却し確定した。
第1次再審請求においては、裁判所は再審請求を認めなかったが、2014年(平成26年)3月27日、第2次再審請求審の静岡地方裁判所は、5点の衣類に関する本田克也筑波大学教授のDNA型鑑定(以下「本田鑑定」という。)及び血痕の付着した衣類を味噌漬けにする再現実験の報告書等を新規明白な証拠として認め、しかも、5点の衣類について警察によるねつ造証拠の可能性を認めて、本件について再審開始を決定し、死刑の執行停止をするとともに、これ以上拘置を続けることは耐え難いほど正義に反するとして、拘置の執行停止も認めたことで、袴田氏は47年7か月ぶりに釈放された。
しかし、検察官は即時抗告を申し立てた。即時抗告審では、原審で高く評価された本田鑑定の鑑定手法の有効性、開示された録音テープにより明らかになった袴田氏に対する違法な取調べの実態などが重要な争点となった。
本決定は、原決定において明白性を認める高度の証拠価値があるとした本田鑑定及び味噌漬け再現実験報告書の証拠価値をいずれも全面的に否定し、その他の新証拠についても新旧証拠の総合判断という名において明白性を否定した上で、捜査機関が5点の衣類をねつ造した合理的な疑いは生じないとして、原決定を取り消した。
また、科学的証拠であるDNA型鑑定に対する判断を誤った上に、総合判断と言いながら、実質的には各新証拠を孤立的に評価し原決定を取り消したものであり、再審の判断に当たり鉄則というべき「疑わしい時は被告人の利益に」と明言した白鳥・財田川決定を骨抜きにしたものにほかならない。
このように本決定は、袴田氏が50年以上もの間訴えてきた無実の叫びに真摯に向き合ったとは思われず、結果的に司法の役割を放棄し、人権救済の砦たる地位を投げ捨てているとの批判を免れない。
当連合会としては、袴田氏が高齢であること、本件が死刑事件であることから、再審無罪を勝ち取るまで、引き続き全力で支援していく所存である。
  2018年(平成30年)6月11日
日本弁護士連合会      
 会長 菊地 裕太郎


「袴田事件」の再審棄却について(談話)
1.1966年に静岡県で起きた強盗殺人事件の犯人とされ、死刑判決を受けた袴田巌さんの再審開始を巡る即時抗告審で、本日、東京高裁は、再審開始を認めた静岡地裁の決定を取り消し、再審開始を認めない決定をした。再審請求権は、冤罪被害を受けた者にとって、個人の尊厳を回復するための非常に重要な権利である。憲法の求めている人権保障や適正手続、「疑わしきは被告人の利益に」という刑事裁判の大原則が再審制度にも適用されるとした「白鳥決定」に照らして、直ちに再審を開始すべきであるにもかかわらず、再審の扉が再び閉ざされたことは、きわめて不当であり、認めることはできない。社民党として、断固糾弾する。
2.再審開始を認めた2014年の静岡地裁決定は、確定判決で犯行時の着衣とされた「5点の衣類」について、「捜査機関が捏造した疑いがある」と断じ、「拘置をこれ以上継続することは耐えがたいほど正義に反する」などと、捜査当局やこれまでの検察・裁判所の対応について、強い姿勢でただしている。一審の死刑判決に関わった裁判官の一人は、「死刑を判断するべきでなかった」と自責の念にかられ、裁判官を退官後、公の場で「あれは間違った判断だった」とまで明言している。当初の捜査についても不自然なところが多く、長時間にわたる苛酷な強圧的な取り調べなど、「自白」の信用性などが問われており、徹底的に検証する必要がある。また、検察側が提出していない証拠がもうないのかについても疑問がある。
3.その後、検察は即時抗告に踏み切り、東京高裁での即時抗告審は4年もの歳月を要した。無実を一貫して訴えてきた袴田巌さんは釈放されてはいるが、死刑の恐怖からいまもなお妄想の世界で苦しんでいる。今年3月には82歳になり、残された時間は多くはない。50年もの間、「死刑囚」として自由を奪われ、人生を奪われた事実を変えることはできない。しかし、司法が法と証拠に基づく公正公平な判断を示すことはできるはずである。最高裁においては、司法の良心に基づく決定をされんことを強く願う。
4.社民党は、死刑制度の廃止に踏み出すことを求めるとともに、取り調べの全過程の可視化や証拠の全面開示、代用監獄制度の廃止、要件緩和や検察の上訴の禁止など再審制度の見直し、自由な接見交通権の保障などを強く要求していく。


袴田事件「冤罪決定だ」と弁護団怒り 姉・秀子さん「いつか、おめでとうと伝えたい」
「こういう結果になりましたが、(袴田)巌の身柄は拘束されないとありますので、一安心しています」。1966年に静岡県の一家4人が殺害された袴田事件で、再審開始を認めないとした6月11日の東京高裁決定。記者会見で、袴田巌さんの姉・秀子さんは弁護団に批判を任せ、恨み言を口にしなかった。
たった1つ、秀子さんが語った希望は、「現実を正しい目で捉えていただきたい。それだけお願いします」。
「どっちが出ても構わないと思っていたんです。確かに残念です。でも、50年戦ってきたんです。これからも頑張ります」
再審開始と袴田さんの釈放を決めた2014年の静岡地裁決定から4年。拘禁反応が出ていた袴田さんにも、ようやく笑顔が増え、「幸せ」という言葉が出て来るようになったという。「幸せから縁遠かった。やっと出てきたんです」
しかし、高裁決定が確定すれば、袴田さんは再び拘置所に戻され、死刑が執行される可能性がある。
「良い知らせだったら、分からないまでも(袴田さんに)皆さんからの祝福を味わわせてあげたかった。でも、いつか絶対できると思っています。皆さんに『おめでとう』と言われると信じて、それに向かって平凡ですが、(今回の決定について)余計なことは言わないで暮らしていくつもりです。普通に『ただいま』と帰りたいと思います」
袴田さんは現在82歳。無実を証明するためには、再審開始決定を受けた上で、再審で無罪判決を取らなくてはならない。
弁護団長の西嶋勝彦弁護士は、最高裁での特別抗告審に向けて「時間をかける戦いはしたくない。合理的に短期間で決定を出させ、再審公判に移行させたい。(特別抗告審を長引かせ)袴田さんをできるだけ長く外にいさせるという戦略はとりたくない」と語った。
●「裁判所はそれほど信頼できる存在ではなかった」
秀子さんとは対照的に、弁護団からは高裁決定に厳しい批判の声が上がった。西嶋弁護士は「よもや取り消されるとは思っていませんでしたが、よく考えれば、裁判所はそれほど信頼できる存在ではなかった」ととびっきりの皮肉を込めた。
「検察だけがけしからんのではなくて、司法の一翼を担う裁判所がまともに事実認定の目を持たない。冤罪を出してはならないという意識ではない」
再審を認めた静岡地裁決定では、犯人が着ていたとされる衣類に付着したDNA型が、袴田さんや被害者のものと一致しないという本田克也教授(筑波大)の鑑定書が決め手になった。しかし、東京高裁はこれを「信用できない」と判断した。
「(裁判所は)4年間、何をやって来たのか。本田鑑定に疑問・疑念があるならば、鑑定人尋問で疑問をぶつければ良かった。裁判官からはまともな質問がなかったのに、決定書の中であれこれと批判がましい評価を続けている」
●「批判程度で済ませているからダメ」
村崎修弁護士は、「批判程度で済ませているから(裁判所の不当な判断が)終わらない。二度と起こさせてはいけないという戦いが必要」と怒りを隠さず、「記事にするなら、『冤罪決定』とやってくださいよ。こんなのをまともに受けられないですよ」と記者団に吐き捨てた。


日大・教職員組合「報復人事の恐れがあるので…」 田中理事長の辞任求める/アメフット
 アメフット部による悪質タックル問題に揺れる日大の教職員組合が11日、東京都内で会見を開いた。田中英寿理事長(71)の辞任などを求めた要求書を5月31日に提出したことを受け、賛同署名集めを行った学部・付属高校の専任教員のうち、44・6%にあたる752人の賛同署名が集まったと発表した。中間報告と前置きした上でこの人数は「報復人事の恐れがあるので、大学の非常勤講師、助教、助手、職員、高校教員などに関しては、本人が公開可とされていても、すべて公開不可とさせていただいた」と説明した。
 また「教員会議で『署名活動をする』とアナウンスしたら、全員から拍手が起こりました」という声があった一方、「名前を非公開にしても署名をすれば本部のことだから署名の洗い出しもするのではないかと思い怖くて怖くて、とても署名することができませんでした」という声も紹介された。
 名前を公開した教員からは、「報復は怖いけれども、当該学生がこの何倍もの恐怖を感じていたと思うと、教員が名前を出さないわけにはいかないと考えた」という声があがったという。


日大・田中理事長辞任求める署名活動 一般へも拡大へ 教職員組合が方針
 アメフット部による悪質タックル問題に揺れる日大の教職員組合が11日、都内で会見を開いた。田中英寿理事長の辞任などを求めた「要求書」を5月31日に提出したことを受けて、今回は、その要求書に賛同する署名を集めたことを報告。賛同署名集めを行った752人の賛同署名が集まったと発表した。今後は要望に応える形で学生や保護者、OB、他大学や一般市民らから幅広く署名を集めていく方針を示した。
 5月31日から6月8日に行った署名活動で集まった賛同署名の総数は752人分。うち、専任教員数は約650人という。
 会見に出席した日大教職員組合執行委員会の吉原令子副委員長は、署名活動を行う上で「学生から署名をしたいとか、保護者の方から署名をしたいとか。校友会の方から署名をしたいということがありました」という想定外の反応があったと振り返った。今後、こうした教員以外、あるいは学外の声も含めた署名活動を6月27日まで行うとした。ただし、現役の日大生、系列の高校の生徒らは「不利益を被らせないようにするため、慎重に検討し、対応いたします」とした。
 また、最終的な目標はあくまで、署名集めを行えた学部・系列高校の専任教員数の過半数に達する賛同を得ることとした。これは、現時点で署名活動を行えた法学部、文理学部、経済学部、商学部、理工学部、生産工学部、生物資源科学部と、系列高校の日大豊山高、日大豊山女子高、日大三島高、日大習志野高の4高校では専任教員数は1685人になり、もしも署名活動の学部・高校が広がらなければ843人が目標となる。
 日大の問題対応能力を皮肉る際に話題となった危機管理学部など、芸術学部や、スポーツ科学部など多くの学部、あるいは系列高校では署名活動そのものを行えていない。この理由を吉原副委員長は「内部的な問題かもしれませんが、校舎建て替えとか、どうしても本部に逆らえないような状況」が一部にあることも一因とし、「組合員がいない場所もありますので、なかなかそういうところには声が届きにくい、というところがあります」と説明した。
 ほかに、同組合の文理学部支部長を務める初見基氏は「組合員がいない、組合支部がない学部ですと、個人的に呼びかけても非常におびえている、たとえ名前を隠しても探り出されて報復されるのではないかという強いおびえがあります」と訴えた。


夜行バス「ドリームルリエ」が新幹線級の料金でも人気な訳は体験して分かる
東京=新大阪ののぞみ指定席が片道1万4,450円の中、東京=大阪間の夜行バスが片道1万4,000円〜と聞くと「高い」と感じる人は少なくないだろう。筆者もそのひとりだったが、実際に体験するとその人気ぶりがよく分かった。「ドリームルリエ(DREAM Relier)」がもたらしてくれる圧倒的な快適さは、今までにない夜行バス体験となった。
予約がとれにくかったプレシャスクラスを増席
ドリームルリエは、西日本ジェイアールバスとジェイアールバス関東が運行する高速バス「ドリーム号」における最上位モデルとして、2017年3月より導入された夜行高速バスであり、"最上のくつろぎ"を追求したモデルとなっている。車内には2列シートエリアの「プレシャスクラス」と3列シートエリアの「アドバンスクラス」の2クラスがあり、運行開始時に導入された「ドリームルリエ1号/2号」は、プレシャスクラス4席/アドバンスクラス14席という設定になっている。バス1台に18席しかないということからも、それぞれの席のゆとり具合を想像できるのではないだろうか。
そして2018年4月27日からは、ニーズの高いプレシャスクラスは2席増やして6席に、その一方でアドバンスクラスは4席減らして10席にした、全16席仕様の新車両「ドリームルリエ101号/102号」が導入された。さらに新車両には、各席に荷物置き場が設けられている。現在、この4台のドリームルリエで、東京発・大阪発をそれぞれ1日2便運行している。
また、1号/2号は東京(東京駅/新宿駅)=大阪(大阪駅)間を走る一方、101号/102号では以前から要望のあった京都駅への停車も入れた、東京(東京駅)=京都(京都駅)=大阪(大阪駅)間を走るダイヤもある。ただし、4月27日〜5月31日までの金・土・日曜運行のダイヤでは京都停車を設けていたが、6月1日〜7月5日までのダイヤでは京都停車がないのでご注意を。
アドバンスクラスも快適性アップ
今回、利用したのは東京発/大阪着の新車両101号。取材時のダイヤは22:20東京駅八重洲南口発/翌5:47京都駅烏丸口発/翌6:59大阪駅JR高速バスターミナル着だったが、6月1日〜7月5日の期間は23:10東京駅八重洲南口発/23:50バスタ新宿(新宿駅)発/7:50大阪駅JR高速バスターミナル着となる。なお、同期間の復路102号のダイヤは、23:00大阪駅JR高速バスターミナル発/翌6:59バスタ新宿(新宿駅)着/翌7:24東京駅日本橋口着となる。
前述の通り、ドリームルリエは2クラス制で、プレシャスクラスは普通運賃で片道1万4,000円〜1万8,000円、アドバンスクラスは普通運賃で片道1万400円〜1万2,500円となる。体験するなら、やはりプレシャスクラスに乗ってみたい。
ちなみに新車両のアドバンスクラスでは従来の車両と比べ、足元がさらにゆったりした空間に改良されるとともに、A席とB席もプライベートカーテンで個室感が向上。さらに、パーテーションの材質と形状の見直しできしみ音が軽減され、フットレストの横幅が広がったことで靴の収納も可能になる等の変更も施されている。次回はこちらのアドバンスクラスも体験してみたいと思う。
大阪まで雑誌・動画三昧もあり
改札を済ませて車内に入ると、左右にずらりと"個室"が並んでいた。全席にパーテーションが設置されており、プレシャスクラスでは高級感漂うゴールドのプレートで、それぞれの席が表示されている。シートにはフカフカのブランケットと上に袋があり、中にはスリッパとイヤホンが入っていた。このイヤホンはサイドに設置されているタブレット端末「iPad mini 4」用のようだ。
このiPad mini 4はアドバンスクラスも含め全席に設置されている。インターネットはもちろんのこと、人気雑誌が最新号を含め1,000冊以上読み放題の「dマガジン for Biz」 、インターネットテレビ局「Abema TV」といった雑誌・動画等のコンテンツを無料で楽しめる。iPad mini 4の側には収納型のミニデスクと、角度を自由に調整できる読書灯、降車ボタンがあり、反対側のサイドにはコンセントが設けられていた。
前方にはドリンクホルダーと収納ネットがあり、足元には独立式のフットレストが用意されている。このフットレストは物置の機能もあるので、スリッパに履き替えたら、この中に靴を入れよう。そして後方には、新車両から搭載されたネット付きの荷物置き場がある。ネットに端にはフックが付いているので、大きな荷物を置いても安心だ。
新設された荷物置き場。筆者はちょっと大きめのバックパックを置くのに使ったが、ネットのおかげで安心して荷物を入れることができた
新設された荷物置き場。筆者はちょっと大きめのバックパックを置くのに使ったが、ネットのおかげで安心して荷物を入れることができた
寝返りもしながら朝までぐっすり
シートはどうだろう。幅を測ってみると約60cmあり、成人男性も寝返りも可能だろう。シートの角度調整は手動になっている。最大限にリクライニングさせてもフルフラットまではいかないが、実際に横になってみると、ベッドの上に横になっているような気になってくる。シート背後にもパーテーションがあるため、通常の座席では必要な後部座席への配慮もここでは不要だ。緩やかに反り上がった頭部と広めにとられた枕のおかげで、寝返りもスムーズに打てる。
道中2度ほど、トイレ休憩が設けられた。通常であれば、通路をいく人の気配が気になるところだが、上部が開いた個室風ということもあり、横になっていても周囲が全く気にならない。パーテーションの効果もあるのだが、高く設けられた天井がもたらす開放感も理由のひとつだろう。ちなみに、車内にはトイレも設けられているので、トイレ休憩を待たなくても大丈夫だ。
もし寒さを感じるようなら空調を止めるほか、レッグレストヒーターを活用しよう。ヒーターのスイッチはサイドに設けられている。iPad mini 4を目にした時、寝るのがもったいない気がしていたが、他のバスではなかなか味わえない"最上のくつろぎ"を有効利用してぐっすり眠ってしまうのも悪くないように思えた。
実際、道中は寝て過ごし、バスは定刻よりも20分程度早く大阪に到着した。夜行バスとして考えると、東京=大阪間で1万4,000円〜は高いように感じるのは事実だろう。しかし、深夜に発って朝一から活動できるという意味で時間を有効活用するということ、前泊代が浮くこと、"最上のくつろぎ"体験ができるということを考えると、実効的な選択肢として十分検討に値するのではないだろうか。
※価格は税込


奈良学園大学、学部再編失敗で教員一斉強制解雇…学部新設で虚偽申請も
文=田中圭太郎/ジャーナリスト
 大学に入学する年齢である18歳の人口が、今年から減少する「2018年問題」。私立大学の約4割がすでに定員割れの状態にあり、これから本格的な淘汰の時代がやってくる。大学が再編や統合を迫られた時、大学で働く教職員はどうなるのか――。
 この点で注目されているのが、奈良学園大学をめぐる裁判だ。この大学では約40人の教員がリストラにあい、最終的に解雇された8人が大学を運営する法人を訴えている。筆者は奈良学園大学を訪れ、解雇された元教員を取材した。
教員約40人をリストラ
「私たちは、大学による学部の再編失敗のしわ寄せによって解雇されました。こんな解雇が許されたら、大学改革や再編の名の下で理不尽な解雇が可能になります。絶対に許すわけにはいきません」
 こう憤るのは、2017年3月末に奈良学園大学を解雇された川本正知さん(64)。京都大学大学院文学研究科博士後期課程を単位取得退学し、複数の大学・短大で非常勤講師を勤めたあと、1989年に奈良学園大学の前身、奈良産業大学に講師として勤務。1999年からは教授の立場にあった。
 実は、同じ時期に職を失った教員は川本さんだけではない。13年11月、約40人の教員が17年3月までに転退職するよう迫られた。多くの教員は他大学に移るなどして若干の優遇措置とひきかえに大学を去ったが、その他の教員は雇い止めされたほか、教職員組合を結成して最後まで交渉を試みた川本さんら8人が解雇された。
 8人は大学を運営する学校法人奈良学園を相手取り、地位の確認などを求めて17年4月に奈良地方裁判所に提訴。16年11月には、奈良県労働委員会に不当労働行為の救済の申し立てもしている。しかし、両者の主張は対立したままで、いまだ解決の糸口を見いだせていない。
 明確なのは、川本さんをはじめ、リストラされた約40人に非がないことだ。リストラの直接的な原因は、学部の再編の失敗にあった。
学部再編を申請するも文部科学省から「警告」
 奈良学園大学は1984年、奈良県生駒郡三郷町に奈良産業大学として開学。硬式野球部は過去に多くのプロ野球選手を輩出している強豪チームで、今年6月に開催される全日本大学野球選手権大会にも出場する。筆者が訪れた日は3月の春休み中だったが、練習があるのか、ユニフォーム姿の部員がキャンパス内を歩いていた。
 名称が奈良学園大学になったのは14年4月。名称が変わる直前はビジネス学部と情報学部を有していたが、法人は名称変更に合わせてこの2つの学部を「現代社会学部」に改編することと、「人間教育学部」と「保健医療学部」の新設を13年に文部科学省に申請した。
 しかし、新設する2学部は設置が認可されたが、「現代社会学部」は要件を満たしていないとして文部科学省から同年8月に「警告」を受けた。すると、法人は申請をやり直すのではなく、すぐさま申請を取り下げてしまった。
「現代社会学部」を申請する時点では、再編が成立しない時にはビジネス学部と情報学部に戻して募集を継続することを、教授会だけでなく、理事会も大学評議会も決議していた。申請を取り下げても、既存の2学部は存続するはずだった。
 ところがこの年の11月、法人は突然、教員向けの説明会を開催。ビジネス学部と情報学部の廃止を告げるとともに、教員約40人に対し転退職を迫ったのだ。
法人側は「警備員なら雇う」
 川本さんは、法人側の説明に唖然とした。2学部を廃止することも、自分たちがリストラされることも、まったく想像していなかったからだ。
 法人側が説明した解雇の理由は「過員」。新設の2学部のために、すでに約40人の教員を新規に採用していたので、教員が多すぎるというのだ。しかし既存の2学部を廃止するのは法人側の一方的な決定であり、教員にとって「過員」という理由は納得できるものではなかった。さらに、この説明会で法人側が言い放った言葉に川本さんは驚いた。
「法人側は私たちに、警備員なら雇用継続が可能だと言いました。この発言には耳を疑いました。既存の学部を残すという決定があったにもかかわらずリストラをするのは、道義的にも許されることではありませんし、教育機関とは思えない行為です」
 大学を運営する学校法人奈良学園は、幼稚園から大学まで10の学校を運営し、約200億円を超える流動資産を保有。ここ10年間で300億円以上の設備投資もしている。経営難を理由としない大量リストラは異例だ。
 このリストラを止めようと、川本さんらは教職員組合を結成して、奈良県労働委員会にあっせんを申請。16年7月には、奈良県労働委員会から「互いの主張を真摯に受け止め、早期に問題解決が図られるよう努力する」ことと、「労使双方は組合員の雇用継続・転退職等の具体的な処遇について、誠実に協議する」とのあっせん案が示された。労使双方がこのあっせんに合意し、団体交渉を進めるはずだった。
 ところが法人はこの合意に反して、8月には「事務職員への配置転換の募集のお知らせ」を一方的に配布。さらに11月には組合員に退職勧奨をすることを理事会で決定した。
 組合は退職勧奨を受けてすぐに、奈良県労働委員会に不当労働行為の救済を申し立てた。すると法人は、翌17年2月に解雇予告通知書を出して、3月末に組合員全員の解雇を強行。翌月、川本さんら組合員が提訴して、裁判と労働委員会の審判は現在も続いている。
大学や学部新設で2度にわたる虚偽申請
 学部の新設などをめぐる法人の不手際は、今回に限ったことではない。法人は06年に奈良文化女子短期大学を改組して「関西科学大学」を設立する申請をしたが、申請書類に虚偽の記載があったことが文部科学省から指摘され、取り下げざるを得なくなった。すでに亡くなっていた初代理事長を理事会の構成員として申請していたのだ。
 申請を取り下げた時には、すでに200人以上の入学者の内定を出していて、大きな問題となった。内定者には1人あたり30万円の補償金を支払ったほか、文部科学省から処分を受けて、新たな学部の申請は3年間禁じられた。
 さらに07年にビジネス学部の開設を申請した際にも、またも書類に虚偽記載があったほか、虚偽の教員名簿を提出したことが判明した。そして今回の「現代社会学部」では、設置計画に多くの欠陥が指摘された。
 これだけ大学設立や学部の再編に失敗しても、法人や大学の幹部はなんの総括もしていないし、責任も取っていないと川本さんは指摘する。
「自分たちは失敗の責任を取らずに、教員にリストラを押し付けたのが今回の問題の構図です。こんなことが許されたら、大学の経営陣が赤字学部の教員を一方的に解雇することが可能になってしまいます」
 川本さんら解雇された多くの教員は、収入がゼロになり、貯金を崩しながらなんとか生活している。なかには他の大学で非常勤講師をしている教員もいるが、収入は以前の半分にも満たない。それでも裁判は続けると川本さんは話す。
「私たちが泣き寝入りしたら悪しき前例になり、日本の私立大学全体に影響してしまうでしょう。大学教員の労働者としての権利が蹂躙されているのは明らかです。大学教育を守るためにも、諦めずに訴えていきます」
 筆者の取材に対し、学校法人奈良学園は「係争中にあるのでお答えできません」と話すのみだった。裁判の結果は、これからの私立大学教員の雇用を左右する。(文=田中圭太郎/ジャーナリスト)

コーリョク/ネツ/残念ながら新潟県知事負けた

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Japon : une attaque au couteau à bord d'un TGV fait 1 mort et 2 blessés
Une attaque au couteau à bord d’un TGV (bullet train) près de Tokyo a fait un mort et deux blessés, selon les autorités.
Une attaque au couteau à bord d’un TGV (bullet train) près de Tokyo a fait un mort et deux blessés, selon les autorités.
La police a déclaré avoir arrêté un suspect, Ichiro Kojima, après que le train eut fait un arrêt imprévu samedi soir à la gare d'Odawara à la suite d'un appel d'urgence. Le train se dirigeait vers Osaka depuis Tokyo.
Lorsque les policiers sont arrivés sur les lieux de l’incident, ils ont découvert le suspect au-dessus d’un homme couché inconscient sur le sol avec un couteau coincé dans sa cuisse. La victime a également été poignardée dans le cou et a ensuite été déclarée morte.
La police a déclaré que deux femmes dans la vingtaine avaient été blessées, mais leur état de santé ne suscitait aucune inquiétude sur leur vie.
Une enquête a été ouverte pour faire la lumière sur ce crime.
Le Japon est l'un des pays les plus sûrs au monde. La criminalité y est proche du zéro absolu et les meurtres par armes à feu sont pratiquement inexistants.
En 2014, le nombre de personnes mortes par balle s’élevait à 6 dans au Japon, contre 33.599 aux Etats-Unis par exemple.
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明日へ つなげよう▽サンドウィッチマンの東北酒場で逢いましょう海のイケメンSP
東京中野にある宮城の絶品グルメを提供する店を舞台に、東北の海で活躍するイケメン達の生き様を描く震災バラエティー。岩手宮古からは「ピンチをチャンスに生かすイカ王子」こと水産加工会社の2代目。宮城牡鹿半島からは「ほやっほやを届けたい…ホヤを愛しすぎる男」ことひたむきな若き漁師。福島相馬からは「漁師をカレイなるスターに」を目指すアイデア情熱満載の漁師が出演。サンドウィッチマン、たんぽぽ白鳥 久保田祐佳
明日へ1min.「みちのくモノがたり」「魂を打ち込む〜宮城 刀匠〜」
東北のキラリと光るモノづくりを伝えるシリーズ「みちのくモノがたり」▽東北のパワースポット「塩釜神社」に眠る秘宝たち▽宮城の宝!伊達政宗が愛したという日本刀「大和伝」登場▽鎌倉時代に確立された作風をただ一人受け継ぐ!刀匠・法華三郎信房の神髄とは?▽道具のすべてに血を通わせる”入魂”の刀づくり▽生き物のように変化する鉄と炎に向き合う鍛錬の日々▽毎日が修行!妥協を許さない刀匠・信房が追求する高みとは?
バリバラ「スモールワールド〜低身長の世界〜」
バリバラに“低身長の人たち”が参戦!極端に背が低いことでぶつかるバリア、誤解や偏見が明らかに!街角意識調査も実施し、世間が抱きがちな先入観をくつがえしていく。
“スモールワールド”、低身長の人たちの世界を2週にわたってお伝えする。スタジオには10人の低身長の人たちが大集合!第1回は日常生活に潜むバリアがテーマ。極端に背が低い人たちは、物理的な高さのバリアだけでなく「レストランでお子様ランチを出される」など、見た目から受けるさまざまな誤解や偏見に悩まされてきた。そこで今回理解を深めてもらうために街角意識調査を実施!世間が抱きがちな先入観をくつがえしていく。 ロッチ, 山本シュウ, 玉木幸則, マメ山田, 神戸浩,ベビ−・バギー

NHKスペシャル 大江戸 第2集「驚異の成長!!あきんどが花開かせた“商都”」
東京のルーツ・江戸の知られざる姿を、ドキュメンタリーやドラマ、超高精細CGなど多彩な演出で描く3回シリーズ。第2集は経済発展の物語。去年、江戸中期の経済成長率が同時期の世界トップクラスだったことが判明した。いわゆる「鎖国」をしていた日本で、経済発展を支えたのは何だったのか? 日本橋の商家に眠っていた記録などから見えてきたのは、庶民経済の広がりと、競争社会の中で生まれた独自のセーフティネットだった。 松平健,木村佳乃,溝端淳平, 沢城みゆき

またもや日曜出勤.何かが完全におかしいです.
コーリョクンとネツリを調べました.コーリョクンのほうはその位置が変化するのを思い出しました.ネツリは面倒です.
明日はもちろん仕事なので夜のんびりしていると,新潟県知事選のニュース.残念ながら脱原発の野党候補が負けてしまいました.なんだか無力感にとらわれてしまいそうです.

<大槌町旧役場庁舎>「壊す前に」真相究明を 解体に突き進む町、遺族ら思い複雑
 東日本大震災の津波で町職員ら40人が犠牲になった岩手県大槌町の旧役場庁舎の解体作業が18日にも始まる。異論が残る中、解体に突き進む町の姿勢を職員の遺族は複雑な思いで見つめてきた。過去2回の検証を経ても、肉親の最期の状況は分からない。「壊す前にやるべきことがあるはずだ」。そう訴える。
 「あんな検証は意味がない」。町の会社員倉堀康さん(34)が憤る。町職員だった兄=当時(30)=が行方不明になっている。庁舎前に設置された災害対策本部にいて津波にのまれたとみられる。
 町は2013年度に災害対応の検証結果を公表。議会や町民に不十分と指摘され、改めて17年度に検証結果をまとめた。
 しかし、どちらの検証からも災対本部の人の動きや幹部職員の指示の詳細は読み取れなかった。平野公三町長は当時、防災担当の総務課主幹。災対本部に詰めていたが、平野町長を含む役場関係者80人から聴き取った調書類は公開されないままだ。
 旧庁舎の解体を望む倉堀さんだが「何が起きたのかを全て明らかにし、後世に伝えることが最重要」と訴える。そのため、拙速な解体に反対し、震災検証の徹底を求める住民団体の主張にも一定の理解を示す。
 倉堀さん以外にも、「なぜ、命を落とさなければならなかったのか」との疑問を抱き続ける職員遺族は少なくない。検証報告書の送付も、遺族向け説明会の開催もしてこなかった町の対応が不信感を増幅させる。
 「生き証人」の一人、平野町長は「いくら説明しても納得してもらえるはずがない」と強弁。「検証の不十分さを承知した上で防災訓練などに生かす」「(必要なら個別に)当時の状況は知り得る限り話す」との姿勢を崩さない。
<検証の機運冷める/斎藤徳美岩手大名誉教授(地域防災)の話>
 震災で避難指示を出さずに町民の犠牲を拡大させた「失策」を含め、徹底的な検証と対策を議論する中で町は旧庁舎の存廃を判断するべきだった。旧庁舎を解体してしまえば、危機意識を保って防災に取り組むためのよりどころがなくなり、検証の機運も冷めてしまうだろう。


震災前の閖上、再現に協力を がれき再利用のブロック板購入協力者を募集
 東日本大震災で被災した名取市閖上地区に造成する「震災メモリアル公園」について、市が整備への協力者を募っている。震災がれきを再利用したブロック板で震災前の閖上地区の地形を表現する計画があり、板を購入して寄付するよう呼び掛ける。担当者は「惨禍の記憶を後世に引き継ぐ計画に賛同してほしい」と言う。
 ブロック板は30センチ四方で厚さ6センチ。閖上地区から出た震災がれきが原料だ。市は9000枚を敷き詰めて被災前の地区の形を再現。別の色のブロック板を使って幹線道路や貞山運河なども表し、旧小中学校や公民館があった場所には写真タイルを配置する。 計画は2019年5月に利用が始まる公園の整備概要に含まれており、ブロック板が敷かれるのは閖上地区が見渡せる日和山(6.3メートル)の海側に造られる「遺構と伝承ゾーン」内。完成すれば山頂から昔の街並みを思い起こすことができる。
 市から販売事業を委託されている市観光物産協会の相原いづみ事務局長は「ブロック板は公園内にずっと残っていく。震災を伝承するプロジェクトに協力してほしい」と話す。
 ブロック板は1枚3000円。購入者の名前は遺構と伝承ゾーンに設けられる寄贈銘板に記載される。家族の人数分を購入し、全員の名前を記すことも可能だ。名取市民かどうかは問わない。
 販売は10月中旬まで。連絡先は名取市観光物産協会022(382)6526。


<気仙沼・防潮堤施工ミス>議論はどこへ/県民の理解得られぬ 住民と知事 22センチ 深い溝
 東日本大震災に伴って宮城県が気仙沼市内湾地区の魚町に建設した防潮堤に関し、県と地元住民にあつれきが生じている。発端は今年3月、一部で22センチ高く造ったミスの判明。住民は高さを巡る長年の議論を踏まえて造り直しを求めるが、村井嘉浩知事は「金」と「時間」を理由に現状のまま設置する方針を崩さない。両者の溝は深く、着地点は見えない。(気仙沼総局・大橋大介)
<終始強気な発言>
 「(防潮堤高は)長い時間をかけて住民と県が決めた約束事だ」。今月6日に県庁を訪れ、造り直しを求める要望書を出した「内湾地区復興まちづくり協議会」の菅原昭彦会長が不満をぶつけた。
 市と市議会も住民意向の尊重を求める要望書を提出。菅原茂市長は「住民と合意のない防潮堤は造るべきではない」と迫った。
 県と地元の対立が決定的となったのは、気仙沼市役所で5月18日にあった協議会の会合。県は(1)造り直し(2)背後地かさ上げ(3)現状のまま設置−の3案を示して住民の選択を尊重するはずだったが、出席した村井知事は協議会が決めた「造り直し」を覆し、「現状設置」を提案した。
 村井知事が「既に工事は50%以上進んでいる。(造り直せば)時間がかかる。(高さが増し)安全度が高まった防潮堤への税金支出を県民は理解しない」と発言。終始強気だったことも住民の反発を招いた。
<「いらぬ」出発点>
 魚町の防潮堤の高さは、震災直後から県と地元で協議を重ねて決めた経緯がある。県は2011年9月に海抜6.2メートルを提案したが、景観への影響を懸念する住民側が反対。12年6月に設立された協議会は、高さなどに関して100回近く話し合いを重ねてきた。
 13年夏には村井知事が2度気仙沼を訪れ、建設への理解を求めた。最終的に14年2月、海抜4.1メートルの防潮堤上部にフラップゲートを設置する県の提案を住民が受け入れた。津波襲来時に浮上するため、ゲートは普段は視界を妨げない。悩んだ末の決断だった。
 被災して背後地で再建を目指す漁業会社「臼福本店」の臼井壮太朗社長は「元々『防潮堤はいらない』というのが出発点だった。約束を守るのは当然で、知事の一声で変わるのは許せない」と憤る。
<総意受け止めて>
 造り直しに国費投入は認められない。県は設置済みの7基のフラップゲート(長さ96メートル)を取り外し、ゲートを再利用する計画だが「使えるかどうかは分からない」(県担当者)。造り直しに2億〜3億円の費用を見込むが、ゲートの購入費が加われば膨らむ可能性がある。
 村井知事は5月18日の会合後の取材で「反対もあるがサイレントマジョリティー(声なき多数派)がいるのも事実」と指摘。「県民全体の利益」を強調した。だが「県のミスを、あたかも気仙沼がわがままを言っているかのようにすり替え、他地域から共感を得ようとしている」(協議会関係者)との声もある。
 協議会の菅原会長は「長い年月をかけた合意をほごにする理由が分からない。住民の総意を受け止めてほしい」と訴えている。
[気仙沼市魚町の防潮堤]宮城県が海抜4.1メートル、長さ312メートルで建設。上部に高さ1メートルのフラップゲートを設置する。市が背後地を盛り土して陸側からの見た目の高さを1.08メートルに保つ計画。2017年2月の国土地理院の水準点改定に伴う再測量で隆起を観測したため、県は同年3月、隆起した22センチを差し引く計画に変更した。18年9月の完成を見込んだが、完成済みの区間160メートル(ゲート設置済みは96メートル)で隆起分を考慮していなかった。
◎住民の意思反映当然
<元福島大教授で地方自治総合研究所の今井照主任研究員の話>
 今回の宮城県の対応は問題がある。住民の意思を反映するのは当然で、協議会の努力を裏切る行為だ。「造り直しに税金がかかる」とする知事の主張は明らかに論点のすり替え。「そのまま設置」を断言した面目もあるだろうが、いったん工事を中断し、住民と丁寧な協議を続けるべきだ。
◎寄り添う姿勢が大事
<首都大学東京の横山勝英教授(環境水理学)の話>
 防潮堤を造る上で、背後地にある街づくりへの配慮は重要。内湾地区は住民と行政が議論を重ね、街、生活、防潮堤を一体的に捉えて設計してきた象徴的な場所だった。安全性が低下するとして高さを下げることを理解しない県民もいるかもしれないが、知事は造り直しを決めた住民に寄り添う姿勢を見せるべきだ。


<あなたに伝えたい>仕事教わり手伝いたかった
◎山内ひろみさん(宮城県石巻市)滝子さんへ
 ひろみさん 母が40代の頃に父が亡くなり、母が社長や会長として会社を引っ張りました。男社会でも負けない気丈な性格で、宮城県産業廃棄物協会の理事も務めました。
 廃棄物を分別する作業は誰よりも速く、パワーショベルなど重機も自分で動かしていました。現場に朝早く出掛け、とにかく仕事が好きな人でした。
 私はというと、口うるさい母への反発もあり、若い頃に石巻を離れました。震災時も東京に住んでいましたが、母が亡くなり、私が母の遺志を継がなければという思いが募って帰郷しました。2012年1月に社長に就き、失敗しながらも何とかやってこれました。
 震災の年の8月、母のお別れの会を開き、約500人が参列してくれました。秋には事務所に仏壇を置きました。仕事好きの母なら会社に居たいのではないかと思って。気持ちを落ち着かせたい時は、いつもここで手を合わせています。
 昨年、石巻市にある旧石巻青果花き地方卸売市場の一部建物の解体工事を請け負いました。遺体安置所になった場所です。母の遺体も一時収容されました。菩提(ぼだい)寺の住職にお願いして解体前に法要を営み、母や地域で亡くなった方々の冥福を祈りました。
 ママへ。震災前に戻れるなら、たくさん教わることがあったし、もっと手伝ってあげられたらよかった。苦労する私を見て「ほら、見なさい」と思っているのかな。ママを見習って地域を大切に歩んでいきます。
◎男社会にも負けず会社引っ張った母
 山内滝子さん=当時(72)= 石巻市の産業廃棄物処理会社「重吉興業」の会長だった。現社長の長女ひろみさん(55)と長男を育てた。東日本大震災発生直後、会社の事務所から車で帰宅途中、津波に巻き込まれた。8日後、従業員が付近を重機で捜して遺体を見つけた。


防災・減災 二つの地震被害/命を守る備え確認し合おう
 災害史に刻まれた二つの地震被災で、節目となる日が巡ってくる。記憶を風化させることなく、あらためて備えの大切さを確認したい。
 6月12日は1978年の宮城県沖地震から40年、6月14日は2008年の岩手・宮城内陸地震から10年となる。それぞれ28人と23人が犠牲になった。東日本大震災の3.11と同様、鎮魂の日であることに変わりはない。
 特に宮城県民にとって6.12は「みやぎ県民防災の日」であり、防災・減災の原点でもある。3.11によって教訓は上書きされたが、原点をいま一度、思い起こしたい。
 三十数年の周期で起こるとされた宮城県沖地震に備え、県は各地に襲来する津波の高さや到達時間を公開していた。東日本大震災の前、どれだけの住民が「わがこと」として捉えていただろう。
 児童・教職員の計84人が死亡・行方不明となった石巻市大川小の津波訴訟で、仙台高裁の控訴審判決はまさに宮城県沖地震への事前防災を問いただした。
 高裁判決は、想定されていた宮城県沖地震で、大川小は津波被害の危険を認識できたとして「備えに過失がなければ、児童は津波の犠牲にならずに済んだ」と指摘した。
 教育現場に限らない。われわれは日頃から、津波への備えについて確かめ合う必要がある。
 国も12年6月、津波防災地域づくり法を全面施行し、将来起こり得る「最大クラスの津波」の浸水想定を設定するよう都道府県に義務付けた。
 津波浸水想定を公表したのは5月現在、34道府県を数えるが、東北では岩手、宮城、福島の3県がまだ公表していない。内閣府で検討中の日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震による被害規模が提示されてから、作業に着手する予定という。
 浸水想定は市町村の総合的な防災・減災対策やまちづくり、ハザードマップ作成の根拠となるだけに早急な対応が求められる。
 津波以外の備えにも目を向けなくてはいけない。6.14の岩手・宮城内陸地震は、中山間地を直撃した山岳直下型の地震だった。最大震度6強を記録し、土石流や大規模な山腹崩落が発生するなど、揺れの恐怖をまざまざと見せつけた。
 宮城県では、04年の被害想定で死者620人と推計された「長町−利府線断層帯」の直下型地震への警戒も怠ってはならない。
 揺れの被害に備えるためにも、6.14の記憶や教訓の伝承は欠かせないが、この10年の風化は著しい。3.11の津波被災によって脇に押しやられた感がある。
 宮城県は二つの地震被災の節目を契機に、過去の震災を伝え残す枠組みを模索するべきではないか。教訓を積み重ねて備えることが、命を守ることにつながるはずだ。


千原ジュニア 落語始めたきっかけは東日本大震災 被災地で「何もできなかった」悔しさから…
 お笑い芸人の千原ジュニア(44)が10日放送のフジテレビ「ボクらの時代」(日曜前7・00)に出演し、落語をやるようになったきっかけを明かした。
 この日は、長年プライベートで親交がある俳優の三浦誠己(42)と新井浩文(39)とともにトークを展開。新井は以前、出演作などを選んでいたといい、「(変わったきっかけは)震災はでかかった。それまで散々選び倒した仕事も(今は)ほとんど選んでない」と2011年の東日本大震災から仕事選びに大きな変化があったことを告白。今では作品を選ばず「来たのを順番にやるようになった」といい、「あの時、うちら(芸能)の仕事は真っ先に省かれた。デビューして初めて、2カ月、何にも(仕事が)なかった。給料じゃなくて、やった分しかこない。怖くなってきて、これは選んでいる場合じゃねぇなと思った。やれるうちにどんどんやっていこうと思って…」と心境の変化を明かした。
 ジュニアは今年4月に初の落語会を開催し、落語家として本格始動した。「俺も若手連れて被災地に行ったわけ」と震災後の被災地訪問を回顧し、「普段、こいつ全然おもろないと思ってたやつがものまねやって避難所がドカンを受ける。歌手の人は歌ってたりさ、オレは何もできなかった。ただただ、テレビに出ている人なだけで何もない」と悔しかった思いを吐露。「それで落語やるようになった」と、震災後の被災地訪問が落語を始める、大きなきっかけとなったとした。


「震災障がい者」熊本地震被災者らと意見交換
 阪神・淡路大震災で家屋の下敷きになるなどして体や心に障がいを負った人たちが、熊本地震などで障がいを負った人たちと初めて集会を開きました。
 阪神・淡路大震災で心身に障がいを負った「震災障がい者」と呼ばれる人たちについて、長く実態が把握されず、震災から15年経った2010年にようやく調査が始まりました。
 9日の集会では初めて、おととしの熊本地震や4年前に広島で起こった土砂災害で障がいを負った人たちが招かれ、被災後の経験などを語り合いました。
「(この集会に来て)障がいの内容が違ったとしても抱えている苦痛が同じなんだなと、一種の共有というか心の共有、安心感は持てました」(熊本地震で右足を失った梅崎世成さん)
 今後も交流を深め支援のあり方などについて国に訴えていくということです。


熊本地震で右脚失った梅崎さん 「震災障害者」の催し参加
 自然災害で心身に障害を負った人たちの交流会が9日、神戸市であり、熊本地震で右脚を失った東海大の梅崎世成[せな]さん(21)=大牟田市=が初めて参加。阪神大震災の被災者らと、「震災障害者」への理解不足や生活の困難さ、悩みを語り合った。
 梅崎さんは、熊本地震で南阿蘇村の東海大阿蘇キャンパス近くの自宅アパートが倒壊。救出まで約7時間も本棚に脚を挟まれ、「クラッシュ症候群」で右太ももから下の切断を余儀なくされた。
 交流会は、神戸市のNPO法人よろず相談室が2006年に阪神大震災で障害を負った人に呼び掛けて始まった。震災で家や仕事を失った上、障害者となった苦悩を共有し、前向きに生きる場として数カ月置きに開催。今回初めて、阪神大震災以外の障害者も招いた。
 梅崎さんは「地震は誰のせいでもなく、怒りをぶつける先がない。突然義足になり、相談できる相手もいない」と吐露。大震災で脊髄を損傷し車いす生活を送る飯干初子さん(71)=神戸市=は「今も足が痛み、生きるのがつらい時もある。苦しいこともあるけど一緒に頑張りましょう」と呼び掛けた。
 梅崎さんは「体験を共有できて、少し心が落ち着いた。熊本でもこのような交流の場ができてほしい」と強調した。(堀江利雅)


<宮城県沖地震40年>再来リスク(中)耐震対策 地盤特性、被害を左右 詳細調査進め地図作成
 国や東北各県が防災体制を見直すきっかけとなった宮城県沖地震の発生から、12日で40年となる。2011年3月11日の東日本大震災後も、科学者は宮城県沖を含めた太平洋側で大地震や大津波が起こりうるとして、警鐘を鳴らし続ける。「6.12」の教訓を振り返りながら「3.11」後の備えを検証する。(報道部・小沢邦嘉)
<柱全て大破>
 東日本大震災の発生後、東北大青葉山キャンパス(仙台市青葉区)で確認された建物被害が、耐震の専門家らに衝撃を与えた。
 四隅の柱が全て大破し、解体された工学部の人間・環境系研究棟。1969年建設の9階建てだが、78年の宮城県沖地震に耐えた。2000年の耐震改修で強度を高めたはずだった。
 被害状況を調べた東北大の源栄(もとさか)正人名誉教授(地震工学)は「40年前の地震で分かっていた地盤の特性が、改修時に適切に反映されなかったことも被害要因となった」と振り返る。
 研究棟には地震計が備えられていた。青葉山の地盤は安定している一方、78年の観測では10階建て程度のビルが反応しやすい周期1秒の揺れが、JR仙台駅前に比べて2倍に増幅する特性が確認されていた。
 研究棟を改修する際、学内に地盤特性への懸念はあったが十分考慮されなかった。3.11でも揺れの増幅が確認され、宮城県沖地震で生じた柱の内部損傷の見落としもあり、被害を広げる結果になった。
 教訓を踏まえ、源栄氏は「地盤特性の違いは地震リスクの地域内格差につながる。状況をよく理解し、建物の揺れの対策を検討してほしい」と強調する。
<防災の基礎>
 78年の地震では仙台市を中心に7500棟以上の住宅が全半壊した。被害は丘陵地や、沖積層が厚く地盤が弱い地域で目立った。
 当時、復旧復興の陣頭指揮を執った故山本壮一郎宮城県知事は、専門家の助言を基に「地質の再調査は防災の基本になる」と号令を掛けた。県は8000カ所をボーリング調査し、85年に「宮城県地震地盤図」をまとめ上げた。
 地盤図にはその後、追加の調査情報が加わり、県内自治体の防災マップの基礎になった。ただ、公表されたのは想定する地震の規模や震源からの距離から計算した「平均的な揺れ」の情報などが中心。地盤特性を知る上で限界もある。
 建物の揺れに最も影響するのは、地下100メートルより浅い地盤とされる。より詳しい地盤情報を防災に生かす取り組みが、首都直下地震の発生リスクを抱える関東で展開されている。
 国立研究開発法人・防災科学技術研究所(茨城県つくば市)の先名重樹主幹研究員(地盤地震工学)らは2014年、国の事業として浅い地盤の調査を開始した。約1万4000カ所で、車の走行などで日常的に発生する揺れを観測する「微動探査」を実施した。
 観測情報から地震の揺れの増幅特性を抽出する新たな仕組みを確立。過去の豊富なボーリング調査の分析データも活用しながら、250メートル四方ごとに詳しい揺れやすさを分析した地図をまとめている。
 首都直下地震の従来想定に比べ、震度が1上がる程度まで揺れが強まる可能性がある地域も確認された。先名氏は「東北を含め全国で早期に詳しい地盤情報のデータをまとめ、防災や地震動の研究に生かすべきだ」と指摘する。


小惑星落下で恐竜絶滅…わずか数年で生命復活していた 東北大など研究チーム解明
 約6600万年前の白亜紀末に恐竜や海洋生物などの大量絶滅を引き起こした小惑星が落ちたメキシコで、生物がわずか2〜3年で復活し、3万年以内に豊かな生態系が回復していた証拠を、東北大などの国際研究チームが発見した。従来説では地球の生態系回復は30万年かかったとされ、衝突地点に近いほど遅かったと考えられていた。
 国際深海科学掘削計画に基づき、31人の研究者が参加。小惑星衝突で生じたメキシコ・ユカタン半島付近の海底にある直径約180キロのクレーターで、2016年にボーリング調査した。800メートルに及ぶ地層を柱状に採取して解析した。
 白亜紀末からの2〜3年間で形成された堆積岩約1メートルを分析すると、プランクトンの化石が含まれていた他、エビかぜん虫とみられる生物の巣穴の跡が確認できた。その上にある少なくとも3万年以内にできた堆積岩では、白亜紀後期と同じレベルまで生態系が多様になっていた。
 地球上の他の地点で行われた調査よりも、クレーター内は生態系の回復が早かった。海洋循環や食物連鎖といった条件が偶然そろい、絶滅せずに生き延びたわずかな生物が新しい環境に適応するよう進化していったとみられる。
 東北大災害科学国際研究所の後藤和久准教授(地質学)は「今後なぜ地域によって回復のスピードが違うかを研究することで、生物の進化の秘密に迫れる」と話す。


<旧優生保護法>障害理由の中絶 宮城県内969件 旧法下で強制の可能性
 旧優生保護法(1948〜96年)下で強制不妊・避妊手術が繰り返された問題に絡み、宮城県内で妊娠女性らの精神疾患や遺伝性疾患を理由とした人工妊娠中絶が少なくとも969件あったことが、県公文書館の所蔵資料で分かった。旧法は妊娠女性に精神障害がある場合、本人同意を得ない中絶を認めており、優生思想に基づく強制中絶が行われた可能性がある。
 明確な記録が残る1950年以降、旧法に基づく障害が理由の中絶と強制不妊・避妊手術の件数推移はグラフの通り。強制不妊・避妊手術が急減した73年以降も障害が理由の中絶は毎年4〜37件実施され、母体保護法に改定される96年まで続いた。
 旧法の中絶要件は(1)本人か配偶者の遺伝性・精神疾患(2)血縁者の遺伝性・精神疾患(3)ハンセン病(4)母体の身体的・経済的理由(5)暴行による妊娠−で、要件を満たさない中絶は堕胎罪に問われた。(1)〜(3)の要件は優生思想に基づく差別規定だとして、母体保護法への改定時に削除。現在は(4)か(5)の要件でのみ認められる。
 旧法施行当初の中絶は、本人同意を前提に指定医師の申請を受けた地区優生保護委員会が「(中絶が)強制でないかどうか審査の上で適否を決定する」とされた。この審査制度は、手続きの煩雑さから非合法中絶が横行したため52年に廃止され、要件を満たせば医師の判断で可能になった。女性に精神障害がある場合は、保護者の同意で実施を認めた。
 70年代以降も精神障害などを理由とした中絶が続いた背景について、旧法下の中絶問題に詳しい園田学園女子大(兵庫県尼崎市)の山本起世子教授(社会学)は「70年代は優生思想への批判が強まり始めた一方、出生前診断も普及し始めた時期。旧法が掲げた『不良な子孫の出生防止』に、不妊・避妊手術に代わり中絶で対応しようとした可能性がある」と指摘する。
 旧法下の中絶を巡っては、81年に知的障害を理由に望まない中絶と不妊手術を強いられたとして、北海道の夫婦が6月下旬にも国に損害賠償を求める訴訟を札幌地裁に起こす方針。


強制不妊訴訟 国はあまりに不誠実だ
 国に人生を奪われた人たちに対し、あくまで責任を回避しようとする姿勢には驚きを禁じ得ない。
 旧優生保護法(1948〜96年)の下で知的障害を理由に不妊手術を強いられたとして、宮城県の60代女性が国に損害賠償を求めている訴訟で、全面的に争う国側の主張が明らかになった。
 原告側は「憲法が保障する自己決定権や法の下の平等に反する」として、救済や立法措置を怠ったのは違法と訴えている。
 これに対し、国側は、被害補償を求める場合は国家賠償法があり、立法行為は国会の裁量に委ねるべきで「補償制度を作る義務はない」と反論するという。
 政府、国会いずれの不作為も違法ではないというのである。
 これまで「当時は合法だった」と責任を否定してきた国が、今ごろ国賠法で救済できたと主張するのは、明らかに矛盾している。
 国会では、超党派議連や与党のチームが、救済に向けた議員立法作成に取り組んでいる。その流れにも水を差しかねない。
 国は、深刻な人権侵害を起こした事実を直視すべきだ。
 全国で1万6475人(道内2593人)が手術を強いられた。
 これまで札幌、仙台、東京の各地裁で計4人が国を訴えている。被害者の心の傷は大きく、今年1月に宮城県の女性が提訴するまで、声を上げられなかった。
 そんな事情を抱える被害者に対し、国賠訴訟を起こせばよかったと言わんばかりの態度を取るのは無神経で不誠実極まりない。
 2004年の国会答弁で、当時の坂口力厚生労働相は「(強制不妊手術の)事実を今後考えていきたい」と救済の必要性に触れた。
 この答弁を受け、原告側は「適切な措置をとる必要があった」と主張したが、国はやはり国賠法を理由に否定している。
 原告弁護団が「手術の違憲性には全く反論せず、小手先の答弁に終始している。反省する姿勢のかけらも見えない」と批判するは当然だろう。
 強制不妊手術について、3月の衆院厚生労働委員会で、加藤勝信厚労相は「与党チーム、議連等の議論も注視をし、必要な対応を図らせていただく」と述べた。
 必要な対応がこれなのか。
 被害者は高齢化しており、裁判で長引かせるのは、避けなければならない。
 国は原告に謝罪し、救済を急ぐべきだ。議員立法作成にも協力する必要がある。


優生手術の救済策 国は苦しみに向き合え
 「なくてもよい命はない」などと声を上げ、デモ行進する車いすの障害者ら。
 旧優生保護法下で強制不妊手術が繰り返されていた問題をめぐり、先月末、本県など全国の約150人が仙台市に集結。国に謝罪を求める横断幕を掲げ、中心街を歩いた。
 今、各地で被害者が沈黙を破り、声を上げ始めている。1月末、宮城県の60代女性が国に賠償を求めて仙台地裁に提訴したのを皮切りに、5月には70代の男女3人が提訴。全国被害弁護団が結成され、さらなる提訴の準備も進む。
 国の責任を問う動きが拡大する中、厚生労働省は都道府県などに、被害者の特定につながる可能性がある資料の保全を要請。自民、公明両党が救済策検討のために設けた合同ワーキングチームからの要請に応じた。
 ワーキングチームや超党派の議員連盟は、来年の通常国会で議員立法による救済法案の提出を目指す。
 旧法下では約2万5千人が不妊手術を受け、うち1万6500人近くが強制だったとされる。だが、手術を裏付ける資料は少なく、被害者の高齢化も進む。
 掘り起こしは急務だが、問題は救済策の中身だ。国は「当時は合法だった」の一点張り。仙台地裁訴訟に際しても「救済制度を立法する義務があったとまでは言えない」と反論する方針という。
 本気で救済する気があるのか。手術の裏付け資料がなかったり、「同意」を強要された被害者にも救済の手が及ぶのかなど、懸念は深まる。
 旧法は1996年、障害者差別や強制不妊手術に関する条文を削除し、母体保護法に改正。2004年、当時の厚労相が「重く受け止めている」と答弁したが、具体的な措置にはつながらなかった。
 障害者らに「不良」「劣等」などとレッテルを貼り、「なくてもよい命」としてきた旧法。その「反省なき改正」が、今なお差別意識を温存し、障害者を苦しめている現実に、国は向き合うべきだ。
 デモ行進に先立ち開かれたシンポジウムでは、旧法廃止後にもかかわらず、避妊手術を強要された精神障害の男性が苦しみを語った。
 「手術時間は10分。その時は、子どもを失った気持ちでした…」
 消え入るような声が、会場に重く響いた。
 「障害者には子育てできない、子どもを産むべきではない」との社会通念は根強い。「障害があっても産みたいという夢をかなえるため、どんな支援が必要か」へと発想を転換していく必要がある。
 国による優生手術の実態解明、被害者への謝罪と十分な補償があればこそ、過去との決別が可能になる。


参院合区救済の自民案 裏口入学枠は認められぬ
 これほど露骨な党利党略の選挙制度改革案を平然と出してくる自民党の無神経さにあきれる。
 おととい開かれた参院改革協議会で、参院定数を6増(埼玉選挙区2増、比例代表4増)とする自民党案に野党から批判が噴出した。
 参院選の「合区」導入に伴い、選挙区から立候補できなくなる現職を比例代表名簿に設ける特定枠で救済するのが自民案の狙いだ。
 参院選挙区の「1票の格差」を是正する暫定措置として導入された合区だが、投票率低下などの弊害が出ているのも事実だ。都道府県単位の選挙区を基本とするのには、それなりの理由がある。
 投票価値の平等というのは憲法の要請だ。合区を避けて答えを見つけようとするなら、参院議員を都道府県代表と位置づける憲法改正か、都道府県の枠組みを取り払うブロック制のどちらかしかないだろう。
 いずれにしても、衆院とは異なる参院のあり方を根本から問い直す議論が必要になる。自民党は改憲による合区解消を主張してきたが、参院のあり方に踏み込まない条文案に他党の理解は広がっていない。
 そもそも全国区で争う比例代表と、選挙区の1票の格差とは直接関係しない。改憲が難しいからといって、一転して合区を固定化し、選挙区候補者の調整弁に比例代表を使う発想は著しく合理性を欠いている。
 自民党は「国政上有為な人材」を当選させるためという強引な理屈で特定枠を正当化しようとしている。国政の役に立つかどうかと合区の問題は別次元の話だ。候補者調整で漏れた現職を有権者の審判とは別の党内事情で救済するのは、選挙の「裏口入学」にほかならない。
 気になるのは、投票価値の平等を重視する立場の公明党が自民案に一定の理解を示していることだ。議員1人当たりの人口が最も多い埼玉の定数増に格差是正の効果があるのは確かだが、現有議席を確保しやすくなるという打算が感じられる。
 国民の代表を選ぶ選挙制度は民主主義の根幹をなすルールだ。与党が数の力を振りかざして一方的にゆがめることは許されない。
 自民案のどこが抜本改革か。来夏の参院選までに必ず結論を得ると定めた公職選挙法の付則がむなしい。


犯罪被害者の会/理念引き継ぎ課題解決へ
 全国犯罪被害者の会(あすの会)が解散し、18年余りの歴史に幕を閉じた。目標としてきた被害者の権利確立で一定の役割を果たしたことや会員の高齢化が理由だ。
 2000年から岡村勲弁護士ら5事件の遺族が活動を始め、被害者の権利を守る法律がほとんどない時代に声を上げた。神戸市須磨区の連続児童殺傷事件で亡くなった土師(はせ)淳君の父守さんも、副代表幹事として活動してきた。
 国と司法を動かし、被害者をめぐる環境を大きく改善させたのは大きな功績だ。
 05年に権利保護の基盤となる犯罪被害者基本法が施行された。08年には刑事裁判で被告に質問できる被害者参加制度が導入され、10年には殺人など凶悪犯罪の公訴時効が撤廃された。
 一方で被害者や遺族の経済的支援やインターネット上の誹謗(ひぼう)中傷といった二次被害など、残された課題も少なくない。
 基本法で被害者保護の責任を定められた国や自治体は理念を引き継ぎ、課題解決への取り組みを重ねていかねばならない。
 大きな課題である経済的支援では、条例による支援充実の動きが広がりつつある。
 明石市は殺人事件などの加害者が賠償金を支払わない場合、市が一部を立て替え払いする全国初の改正条例を14年に施行している。福岡県は今年3月、殺人事件の遺族らによる訴訟支援を定めた条例を都道府県で初めて制定した。
 神戸市は被害者のきょうだいへの教育支援制度を新設する。
 二次被害防止では、大分県がネット上の中傷や周囲の心ない言動について、県民に十分な配慮を求める条例を施行した。
 被害者支援を具体化する取り組みは、他の自治体でも検討が必要だ。だが、住む場所によって差が広がるのは好ましくない。なにより国が率先して支援策の拡大に努めるべきだ。
 誰もが犯罪の被害者になる可能性がある以上、被害者の権利保護は社会全体の問題である。
 「被害者問題が終わったわけではない」。あすの会解散の日、岡村弁護士はこう訴えた。理念を共有し、被害者が実情に応じた支援を受けられるよう、社会の歩みを着実に進めたい。


あすへのとびら 小さな命を守るために 内密出産という選択肢
 妊娠したことを周囲に知られたくない女性が相談員にだけ身元を明かし、病院で匿名で出産する―。ドイツで法制化されている「内密出産」の仕組みだ。
 母親の名前と住所、子どもの生年月日、出生地を記した証書は、封をして国の機関が厳重に保管する。子どもは16歳になったら、それを見る権利を得る。2014年の法施行以降、既に300人以上が内密出産で生まれたという。
 日本でも、熊本の慈恵病院が導入に向けた検討を始めている。親が育てられない赤ちゃんを匿名で受け入れる「こうのとりのゆりかご」(赤ちゃんポスト)を07年に開設した病院だ。その取り組みを踏まえての動きである。
 ゆりかごは10年間で130人を受け入れ、小さな命を救う場になってきた。身元が分かった母親の一人は、子どもの口をふさいで殺そうとしたが、思いとどまって預けたと打ち明けている。
 重い課題として見えてきたのは、望まない妊娠をした女性が、誰にも明かせないまま自宅や車中で産む「孤立出産」の多さだ。全体の半数近くを占め、14年度以降の3年間では8割を超えた。
 出産は母子の命にかかわる。ゆりかごの存在がかえって、危険な孤立出産を招いていると懸念する声も出ている。
   <孤立する女性たち>
 慈恵病院は、ゆりかごと並行して、電話やメールでの妊娠相談に応じてきた。16年度は6500件を超す相談が全国から寄せられている。「お金がなくて、産んでも育てられない」「誰の子どもか分からない」…。多くの女性が、助けを求められずに孤立している状況が浮かび上がる。
 格差が深刻化し、母子家庭の多くが困窮にあえぐ。女性への性暴力は絶えず、「JKビジネス」と呼ばれるような10代の少女の性が商品化されている現実もある。一方で地域の人のつながりは薄れ、周りに頼れる人はいない。
 生後間もない赤ちゃんが遺棄、殺害される事件は各地で相次いでいる。先月末も、東京・歌舞伎町のコインロッカーで乳児の遺体が見つかった。20代の母親が、寝起きしていた漫画喫茶の個室で産み、手にかけたという。
 暗がりにいる人の姿は、明るい場所からは見えにくい。追いつめられ、声を上げられずにいる人に、どうすれば手を差し伸べられるのか。一病院、地域にとどまらず、社会全体で考えていかなくてはならない問題だ。
 政府は、ゆりかごを「違法とは言えない」として容認しつつ、積極的に関与してこなかった。内密出産にも正面から向き合う姿勢は見えない。公の安全網からこぼれ落ちる母子がいる現状をこのままにはできない。もがく女性を助け、子どもの命を守ることにつながる制度として検討すべきだ。
 ドイツでも、2000年から各地に開設された赤ちゃんポストをめぐって出産の危険性が議論になり、内密出産の導入につながった経緯がある。孤立出産を避け、母子の安全を図るとともに、「出自を知る権利」を保障できる制度として法に位置づけられた。
 ポストもなくなっていない。誰かに知られるくらいなら死んだ方がいい―。そう思いつめる女性の切実さに目を向ければ、最後のよりどころになるのがポストだと、ドイツの実情に詳しい千葉経済大短大部准教授の柏木恭典さん(教育学)は話す。
   <支援の新たな動き>
 ドイツで内密出産をした人は、相談した人全体の2割ほどにとどまるという。妊娠相談所がおよそ1600カ所ある手厚さに加え、母子支援の幅広い取り組みが当事者の選択の余地を広げている。日本でも、匿名での出産だけに目を向けるのでなく、母子の最善を図る多面的な支援の仕組みをつくっていく必要がある。
 自治体や保健所に相談窓口はあっても、24時間365日、助産師や看護師が相談に応じる慈恵病院のような態勢は整っていない。関係機関を結び、妊娠期から母子を支える「子育て世代包括支援センター」も長野県内を含め各地にできてきたが、まだ市区町村全体の3分の1に満たない。
 一方で、民間から新たな動きが出てきた。神戸の助産院は秋から、妊娠・出産に悩む女性を24時間態勢で受け入れる。無料、匿名で相談や健診が受けられる。埼玉の産婦人科医らは、望まない妊娠をした女性を支え、養子縁組につなげている。参加する医療機関が増え、各地に波及しつつある。
 子どもを守り育てることは社会の責任だ。妊娠・出産をめぐって一人で重荷を負い、苦しむ女性がいる。そのことに多くの人が向き合い、国や自治体の取り組みを促すとともに、自ら動き、身近な場に支援の取り組みを広げたい。


[原発事前同意] 対象拡大を新ルールに
 原発の再稼働を巡って、事前同意の対象を立地自治体に限定しているこれまでの方式に対し、周辺自治体が不満を抱いている実態が浮き彫りになった。
 日本原子力発電は、東海第2原発(茨城県東海村)の再稼働の条件となる事前同意の対象を立地自治体だけではなく半径30キロ圏内の5市に広げて安全協定を結んだ。
 これに関して、全国の原発30キロ圏の周辺自治体の約6割が「妥当」「どちらかといえば妥当」と評価したことが共同通信のアンケートで分かった。
 同意対象を拡大した「茨城方式」と同様に、事前同意を協定に盛り込んだり、立地自治体並みの協定を電力会社に求めたりすることを「検討」すると答えた自治体も約4割に上る。
 東京電力福島第1原発事故の反省を踏まえれば、同意対象の拡大を求める声が強いのは当然だ。
 福島の事故では放射性物質が広範囲に拡散。その教訓から事故に備えた住民避難計画の策定が義務付けられる範囲は10キロ圏から30キロ圏に広がった。
 防災整備の「義務」が課されるのに再稼働の判断という「権利」がないのは筋が通らない、という周辺自治体の主張は理解できる。
 だが、九州電力川内原発を皮切りに、立地自治体の同意だけで再稼働が進んでいるのが実態だ。
 今年3月の九電玄海原発3号機(佐賀県)は、30キロ圏に入る8市町のうち4市が反対したが、立地する玄海町と佐賀県の同意だけで再稼働した。周辺自治体の意向は置き去りにされてきたと言わざるを得ない。
 対象範囲を誰が決めるべきかについては、立地、周辺自治体の合わせて約7割が「国」と答えた。
 政府は再稼働について「地元の理解を得ながら進める」と説明しながら、同意の範囲についての判断は立地自治体の首長らに丸投げしている。範囲を広げて合意形成が難しくなることを避けているとしか思えない。無責任ではないか。
 国は、30キロ圏内のすべての自治体の同意を必要とするよう、安全協定の新ルールを示すべきだ。
 鹿児島県内の周辺自治体(6市2町)はアンケートで、3市1町が茨城方式を「どちらかといえば妥当」と答え、残る3市1町は「その他、無回答」だった。県は回答を拒否している。
 今後、運転延長などの問題が出てくることを考えれば、周辺自治体の声を聞き、協定の内容変更を検討することが必要だ。
 県は住民の安心・安全を第一に、周辺自治体との連携、信頼を深めてもらいたい。


パックンが日本のお笑い芸人が権力批判できない理由について鋭い考察!「目に見えない制裁が目に見えるからだ」
 NEWS・小山慶一郎と加藤シゲアキの未成年飲酒強要事件で、あらためて芸能人が報道番組に携わることの是非が議論になっているが、この問題は、なにも彼らの不祥事リスクが高いからというだけではない。
 その解説やコメントの質の問題だ。いま、数多くのワイドショーにお笑い芸人がコメンテーターとして登場しているが、そのほとんどは権力に迎合し、空気を読んだ当たり障りのないことしか語れない。
 その問題について、お笑いコンビ・パックンマックンのパックンことパトリック・ハーランが非常に鋭い考察を開陳している。
「週刊ニューズウィーク日本版」(CCCメディアハウス)2018年5月15日号でのことだ。まず、パックンは日本のお笑い文化についてこのように断言する。
〈100%の確信を持って「すごいです」と答えよう。とりあえず即答だ〉
 言っておくが、これは、ネトウヨ相手に「日本すごい」を連発しているケント・ギルバート的なそれではない。というか、そのパロディという意味合いも含めた「すごい」だ。
 アメリカから来たばかりの頃のパックンは、他の多くの外国人同様、日本のお笑いの何が面白いのかわからず、「リアクション芸」も「漫才」もまったく理解できぬまま〈「スリッパで頭をひっぱたくだけで笑いがとれるこの国ってすごいね〜」と、軽く蔑視していた〉という。
 ただ、芸人として実際に日本でお笑いをやっていくうちに、その考えは180度変わる。嘲っていた日本の笑芸には、実は卓越した技術が必要であることがわかってくる。ダチョウ倶楽部のような芸をするのにもセンスが必要であり、ただ「スリッパで頭をひっぱたくだけ」ではなかったのだ。
 これがポジティブな意味での「すごい」。しかし、パックンは同時に、このように続ける。
〈日本は忖度の国。体制側からの圧力は「すごい」〉
パックン「暗黙の了解を破ったらほぼ間違いなく芸能界から干されてしまう」
 日本のお笑いの、権力への迎合については、日本の脳科学者の茂木健一郎氏が「社会風刺を芸に昇華させることが出来ない日本のお笑い芸人は、国際的な基準と照らし合わせるとあまりにレベルが低く、オワコンである」と提言して大炎上。松本人志や太田光らがいっせいに反発した騒動は記憶に新しい。
 これに対して、パックンは〈欧米のコメディーをグローバルスタンダードとし、それに当てはまらないだけで日本のお笑いを否定することは行き過ぎだと思う〉としながら、日本の芸人たちが欧米的な風刺芸をできないのには権力側からの圧力という構造的な問題があると語るのだ。
〈それは目に見えない一線を越えたときの制裁が、目に見えるからだ。企業が怒ると広告が消える。政治家が怒ると、同じ政党の政治家も取材に応えないことがある。この仕返しは当の番組だけでなく、その放送局の全番組まで対象になり得る。そんな環境では、芸人は当然自粛する。もちろん、この暗黙の了解を破る選択はある。しかし、それを選択したら、ほぼ間違いなく芸能界から干されてしまう〉
 パックンのこの指摘は、日本の芸能界、テレビの本質を鋭く抉るものだ。けっして、表立った圧力があるわけではないし、パックンの言うように、「暗黙の了解を破る権利」はあるが、テレビで政権批判やタブーに踏み込んだ発言をした芸能人は十中八九、メディアから呼ばれなくなる。一方で、安倍政権をヨイショし、弱者叩きやヘイトすれすれの中国韓国批判を口にするようなタレントは、ひっぱりだこになっていく。その現実を、お笑い芸人たちは「目に見えて」わかっているのだ。だから、恐怖に怯え、過剰に空気を読み、体制に迎合する発言をしていく。
 そういう意味では、この期に及んで「日本だって政治ネタだってできる、面白くないだけ」などとゴマカシを口にしていた太田光なんかよりも、パックンのほうがはるかに、日本の社会やメディア、芸能界の構造をきちんと分析できているというべきだろう。
アメリカのマネのキャッチコピーに騙される日本国民に警告するパックン
 実は、パックンの鋭い日本社会批評はこれだけではない。たとえば、ニュースサイト「週プレNEWS」に掲載されたインタビューでは、小泉政権以降の日本の政治について「『これはアメリカのパクリだな』っていう動きがたくさん見られます」とバッサリ切り捨てていた。
 自民党が模倣し続けたというのは、政策面ももちろんそうだが、特にパックンが着目するのは「言葉」だ。
 たとえば、「安倍首相の『日本を取り戻す』も、共和党のジョン・マケインが選挙キャンペーンで使っていた『テイク・バック・アメリカ』そのまま」と指摘。
 また、「『戦後レジームからの脱却』ですね。この辺のマジックワードも、まさにアメリカのレトリックを倣っていると思います」とも語っている。
 パックンが指摘したこれらの言葉は、矛盾していることだったり、細やかな議論が必要なことだったりを、単純なロジックで覆い隠すためにつくられたキャッチコピーだ。つまり、響きの良い甘言で国民の目を潰す詐術である。
 また、パックンは「保守とは何か? 本来は現状を守るとか、古き良きを守るとかいう意味でしょうけど、日本の保守もアメリカの保守も『改革、改革!』と言っています。それ、保守じゃないじゃん!っていう」とも指摘。そして、このようにまとめていた。
「言葉には『意味』があるべきです。『矛盾している言葉を使ってはいけない』と野党は強く訴えないといけない」
 商売で「日本スゴイ」を連発しているケント・ギルバートのような連中に騙されていい気持ちになっている暇があったら、こういう客観的で知的な視点をもった外国人の意見に、もっと耳を傾けるべきだろう。(編集部)


元キャスター石井苗子 43歳からの看護大生活を支えた剣道道場
子育てなどもとっくに終わり、代わり映えしない日常で……なんてもったいない! いまだからこそ、あなた自身の人生を取り戻すべき。「人生100時代」を楽しみ尽くすための、「学び直し」という選択。彼女たちの一念発起を見習って、豊かな後半生を楽しもう!
「26歳のときに母を卵巣がんで、28歳のときに父を胃がんで亡くし、筋委縮症の妹と祖父母を抱え、突然一家の大黒柱になってしまいました。そのころは働いても働いてもお金が足りなくて、通訳として一日中働いていましたね」
そう話す石井苗子さん(64)。34歳のときに『CBSドキュメント』のキャスターに抜擢されてデビュー。ビートたけしに見いだされて『TVタックル』のキャスターになったころから、ようやく生活が安定するようになったという。そんな彼女が聖路加看護大学に入学したのは、43歳のとき。
「筋委縮症が悪化していた妹を自宅でみるため、仕事をしながら通える看護学校を探しました。そんな折、日野原重明先生から、聖路加看護大学が社会人枠の募集を開始することを聞いたのです」
受験に合格はしたが、1年目は仕事と学業の両立が難しく、2年間休学をした後、復学することに。
「授業は月〜金の毎日8時半〜18時半でみっちり。睡眠時間を削って、なんとか学業にはついていっていたものの、体は40代。5階建ての校舎の移動は階段のみで、18歳の同級生たちがみんな階段を駆け上がっていく中、私一人、踊り場でヘタれていました」
体力作りのため、剣道を始めようと、学校近くにある築地警察署の道場の門をたたいた。
「初日からボッコボコにされました。すっかり鼻をへし折られて、小さくなって『やめさせてください』と申し出たら、『警察署の道場なので、安易にやめることは許されない』と言われて……」
以来15年間続け、いまではなんと、三段の腕前だ。
看護大学卒業後は、教授の勧めで東京大学大学院を受験することに。「将来、高齢者と障害者は同じサービスが必要になっていく」という持論を展開し、合格した。
「入学したものの、大学院の講義を聞いているうちに『やっぱりついていけない!』と教授に弱音を吐きました。そうしたら、『せっかく受かったのに、そういう態度は許せん』と怒られたのです。剣道のときと同じ展開です(笑)」
年の離れた同級生たちと支え合いながら、2年間の研究を終えることができた。そして、再び教授の勧めで博士課程に進むことに。
「自分でもまさかの展開でした。私はへこたれていても、いつも教授や同級生に支えられたおかげで、学ぶことを続けられたんですね」
睡眠時間を削りながら勉強する生活が続いたが、家族が協力的だったことにも助けられた。
「夫は、私が大学に進学することに賛成してくれていましたし、家事など、やれることはしてくれました。受験生だった子どもたちも『母親が学生だから勉強をサボれない』って、ぼやきながら、一緒に勉強していましたよ(笑)」
学び直しのきっかけだった妹さんは8年前に他界した。
「救いは、私が看護の勉強を始めてから、妹の表情が明るくなったこと。彼女の気持ちを少しは理解できるようになっていたのかな」


立川談四楼手記、『笑点』はパヨク政権でもからかいます
『笑点』メンバーが政権批判をしたと騒ぎ、パヨク認定する向きがあるが、国策落語を強いられた過去を持つ落語家にはナンセンスである。政権批判は日常業務で、ツイッタランドにおける炎上案件を彼らは日毎夜毎繰り広げている。落語の黎明期には幕府を批判して島流しを食らった先達もいるくらいなのだ。
 ジャスト140文字、これが5月29日の私のツイートである。ちょっと固い言葉で、抗議の体を取っています。いやあまりの言い様だったからで、「『笑点』も墜ちた」ぐらいはまだいいんだ。ロクに番組を観てない人の言い草だからね。ただ「落語家が政治に口を出すな」「落語だけやってりゃいいんだ」にはカチンときた。『笑点』を観てないことについてはいいにしても、落語と落語家の歴史をまるで理解してない輩(やから)のほとんど妄言だからね。
「笑点」メンバー(前列左から)司会の春風亭昇太、新メンバーの林家三平、林家たい平(後列左から)三遊亭圓楽、三遊亭好楽、林家木久扇、三遊亭小遊三、山田隆夫=2016年5月
 まあ、少人数ならそれも一つの意見だろうとスルーしたけど、名のある人まで言ってるんだ。半面、「落語について無知であります」と表明しちゃってるわけだけど、著名人だけにフォロワーも多く、「いいね」やリツイートする人がかなりいて、一応ちゃんと抗議したということなんですね。
 驚いた。私のツイートに対する「いいね」とリツイートが合わせて15000に達したんだ。もちろん「クソリプ(見当外れな返信)」も飛んでくるが、賛同がはるかに凌いで、少し溜飲(りゅういん)を下げる思いがした。私は写真も動画も使わず、140文字のジャストを昼過ぎに3本投稿するのを旨としている。そりゃ過去には3万超えなんていうこともあったけど、1万を超えるツイートはなかなかないんだ。一言で言うと反響が大きかったということです。某紙もそれを取り上げるくらいに。
 落語家の政権批判はホント日常なんだ。それが証拠に『笑点』では民主党政権のときもやったし、それは昔からのものなんだ。つまり伝統でね。何しろあの番組は私の師匠の談志が作ったのだから、過激になるのも当然なのさ。
 酒で早くに死んでしまったんだが、春風亭梅橋(しゅんぷうていばいきょう)という人はスゴかったね。「酔っぱらい運転はなぜいけないか」の題に梅橋、こう答えたんだ。「轢(ひ)いた時に充実感がないから」。私が高校生の頃だったが、これには引っくり返ったよ。
ある日、なぞかけで「オッパイ」という題が出た。
 梅橋「オッパイとかけてヤクザの出入りときます」
   「その心は?」
 梅橋「すったもんだで大きくなります」ときた。
 「パンティ」がお題のときもスゴかった。
 「パンティとかけて美空ひばりのおっ母さんとときます」
「その心は?」
「いつも娘にぴったりと張り付いてる」
 全編この調子でね。今じゃ完全に炎上案件だよ。視聴率が上がるとスポンサーがうるさくなって、それで談志の降板に至る、という歴史なのさ。だから当時の過激さが少しだけ顔を出したというだけのことなのさ。
 戦時中の軍部との戦いにも触れないといけない。落語の本質は「三道楽煩悩(さんどらぼんのう)」の「飲む・打つ・買う」、つまり酒と博奕(ばくち)と女郎(じょうろ)買いなんだ。それをどう描くかで落語家の腕が問われるのだが、戦時中だから、どうしたって不謹慎ということになる。
 時代の空気を察した落語家は、いち早く動いた。時局にふさわしくない落語53席を葬ったのだ。これが世に言う「禁演落語」で、これもなぜ53席かで面白い説があるんだ。「東海道五十三次」になぞらえての53席という説と、もう一つは「53(ゴミ)みたいな落語」。つまり、どうでもいいネタを葬って軍部の目を欺いたという説があるんだ。どっちにしろギリギリ反権力をやってるんだね。
 しかし「国策落語」にはなす術(すべ)がなかった。なにしろ「お国のために国威発揚(こくいはつよう)の落語を作れ」という命令だから逃げようがないのさ。随分作られ演じられたというが、ほとんど残ってない。終戦直後、いろんな書類が焼かれたというから、ま、そういうことだろうね。
落語「出征祝い」を口演する林家三平さん=2016年3月1日、東京都台東区
 でも近年、林家三平師が祖父の林家正蔵作と言われる『出征祝い』を演じて話題となった。しかし評判は芳(かんば)しくなかった。慌てて声を大にして言っとくけど、三平師の技量のせいじゃないよ。国威発揚の落語が面白いわけがない、という真理によるものさ。
 前述したように、落語の基本は「飲む・打つ・買う」だよ。戦争と相性がいいはずないじゃないか。戦争と落語は180度両極に位置するものだからね。
 でね、その最中に志ん生はこう言ったんだ。「国策落語なんて野暮なもの、俺やだよ」。そう言って志ん生は戦時中に円生とともに中国に行ってしまうんだ。興味のある人は調べてみて。面白い話がワンサと出てくるから。
 落とし咄(ばなし)をするから咄家(はなしか)と言われてた江戸時代、冒頭のツイートにある通り、わがご先祖は幕府とも戦っていたんだ。スゴいね。「島流し」ってのが。時代劇のお白州(しらす)で発せられる「遠島(えんとう)を申しつくる」ってやつだ。
 いや、咄家だけでなく講釈師にもいてね。この人は島抜け、つまり脱走して捕まり、ついには死罪になったという歴史もあるんだ。吉村昭が『島抜け』という題で小説にしてるくらいでね。
 どうでしょう。いくらか反権力の歴史がお分かりいただけたでしょうか。あ、今、「共産党が政権を担ったらどうする?」という声がしました。
 経緯は省きますが、私は保守論壇の重鎮、西部邁先生にかわいがっていただきまして、あるとき先生が「今、一番まっとうな保守は共産党だ」と言ったのを鮮明に覚えています。それもあって、「共産党政権の誕生も夢ではない」と思う者ですが、約束します。「たとえ共産党と言えども政権を取ったら大いにからかいます」と。
 是枝裕和監督の『万引き家族』がカンヌ映画祭でパルムドールを受賞、安倍さんはメダルや賞が大好きなのにこれを無視、ようやく林芳正文科相が祝意を表明、それを監督が辞退するという日に記す。

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Au Japon, toujours moins de naissances
Sophie Amsili
La révélation de ≪ calendriers de grossesse ≫ dans des entreprises a relancé le débat sur les difficultés des Japonaises à concilier carrière et désir d'enfant.
Lentement mais sûrement, la population japonaise poursuit son déclin. Les chiffres qui viennent d'être publiés par le ministère de la Santé montrent que ce déclin, loin de s'inverser, atteint de nouveaux records.
Seules 946.060 naissances ont été enregistrées au Japon au cours de l'année, indique le journal ≪ Nikkei Asian Review ≫. Du jamais vu depuis le début des statistiques officielles en 1899. Pour la deuxième année consécutive , moins d'un million de bébés ont ainsi vu le jour dans l'archipel.
En parallèle, le nombre de décès a, lui, augmenté pour atteindre son plus haut niveau depuis la Seconde Guerre mondiale, à 1.340.433.
Quant au taux de fécondité, il a encore diminué de 1,44 à 1,43 enfant par femme. S'éloignant ainsi davantage de l'objectif de 1,8 fixé par le gouvernement pour 2025.
Débat sur les ≪ calendriers de grossesse ≫
Il est nécessaire d'améliorer les mesures de soutien [aux femmes] pour qu'elles puissent avoir des enfants sans inquiétude ≫, a commenté un responsable du ministère de la Santé cité par le ≪ Nikkei ≫.
Or une lettre ouverte publiée cette semaine dans le quotidien ≪ Mainichi Shimbun ≫ a justement remis en lumière les difficultés des femmes japonaises à concilier leur désir d'enfant et leur vie professionnelle.
Pour être tombée enceinte avant ≪ son tour ≫, une employée d'une garderie a été réprimandée par sa hiérarchie, raconte son mari dans la lettre. Le directeur de la garderie avait en effet mis en place un ≪ calendrier ≫ pour que ses employées féminines se marient et tombent enceintes chacune leur tour. Les futurs parents ont dû s'excuser pour ne pas avoir respecté l'ordre qui leur avait été attribué.
Moins de 100 millions d'habitants en 2053
La lettre a provoqué un débat dans le pays sur cette pratique qui ≪ n'est pas si rare ≫, explique Kanako Amano du NLI Research Institute, interrogée par l'AFP. Les jeunes femmes ≪ ne trouvent pas cela injuste, elles culpabilisent plutôt à l'idée de s'absenter pour cause de maternité ≫, poursuit-elle.
Une fois mères, plus de la moitié de ces jeunes femmes quittent leur travail. ≪ Aussi bien les femmes que les hommes estiment que le lieu de travail appartient aux hommes et qu'il est naturel que les femmes le quittent durant leur grossesse ≫, souligne Kanako Amano.
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助けて!きわめびと選「洗濯が楽しくなる!プロの技 大公開」
毎日の洗濯、大変ですよね。特にワイシャツやブラウス、おしゃれ着は、頑固な汚れがついたり、シワになると手間がかかって面倒。今回は、洗濯のきわめびとが、プロ直伝の技を大公開!頑固な汚れがしっかり落ちるアイテムと技とは?洗濯シワを減らす簡単なコツとは?アイロンが楽になる目からウロコの方法とは?これらを実践すれば、誰でも簡単に、そしてきれいに仕上がり、洗濯が楽しくなりますよ!好評につき、アンコール放送。 藤井隆,濱田マリ,小野塚康之, 自営業(クリーニング業)…中村祐一, 菱田盛之,木元美香
歴史秘話ヒストリア「あなたの先祖も手伝った!?伊能忠敬 究極の日本地図」
およそ200年前、全国を歩いて正確な日本地図を作った伊能忠敬。その偉業、日本中の人々が手伝ったことをご存じですか? 忠敬がたった1人ではじめた地図作りは、まず幕府を巻き込み、やがて多くの日本人をも巻き込んだ大プロジェクトへと発展!しかも地図作りを支える中心にいたのは、驚くことに、名もなき庶民たちでした。いつも誰かとともに歩き続けた男・伊能忠敬。17年に及ぶ日本地図作りの知られざる舞台裏に迫ります。 宇宙飛行士…毛利衛, 井上あさひ

レコードの回転数が33回転と45回転なのは知っていましたが,レコードの外側と内側で情報の密度が違うことを知りました.外側のほうが高域までの周波数を含んでいていいそうです.なるほど・・・
夕方フランス映画を見に行きました.Rock 'n Rollというコメディー.ちょっと物足りない感じです.でも近くの女性は面白かった・・・って言ってました.
家賃振込の催促がありました.振込に暗証番号がいるので梅田に行って振り込みました.大家さんm遅れてごめんなさい.
帰ってきてから申し込みチラシの準備をしました.忙しいです.

「龍神丸」漂流7年 沖縄沖で発見 岩手・山田の大石さん所有、長男対面「プレート飾る」
 東日本大震災の津波で岩手県山田町から流失した小型漁船「龍神丸」(0.8トン)が、7年以上の時を経て沖縄県沖で見つかった。山田町で漁師を営む船の所有者大石秀男さん(65)に連絡が入り、長男龍也さん(37)=東京都日野市=が現地で船と対面。「沈まずにいてくれたなんて」と再会を喜んだ。
 名護海上保安署(沖縄県名護市)によると、5月27日午前10時ごろ、今帰仁村(なきじんそん)の古宇利(こうり)島沖で、船首を海面から出して漂流している船を航行中のフェリーが発見した。船体番号から龍神丸と判明した。
 東京都八王子市で居酒屋「龍神丸」を経営する龍也さんが3日、船を保管している今帰仁村を訪問した。船体は塗装が落ち、穴も空いていたが、原形をとどめていた。
 龍也さんは「船底には岩手県沿岸と、それ以外の貝殻が交じって付着していた。いろいろな海域を回ったのだと思う」と感慨深げに話す。船名と船体番号が記されたプレートを外して持ち帰った。特注のケースに収め、店内に飾るという。
 秀男さんは船を山田湾でのカキやホタテの養殖作業に使っていた。震災当時は岸壁に係留していたが、ロープが切れて沖に流されたとみられる。「子どもの頃は父の仕事の手伝いで毎日のように乗っていた。本当にうれしい」と龍也さん。今後、今帰仁村と船の活用法を検討する。


<サッポロライオン>第1弾は気仙沼産メカジキ 三陸食材で復興応援 首都圏店舗でフェア
 ビアホールなど運営のサッポロライオン(東京)が首都圏の店舗で、東日本大震災の被災地の食材を使った復興応援フェアを展開している。第1弾として、気仙沼産メカジキなどを用いた特別メニューを6月末まで提供。被災した水産加工業者の販路回復や震災の風化防止につなげる。
 都内や神奈川県などにある「銀座ライオン」28店舗で実施。気仙沼産のメカジキの一口カツ(税抜き720円)、カルパッチョ風に仕立てたメカジキの塩あぶり(880円)、三陸ワカメとカツオのなまり節(580円)の3品を用意した。
 総料理長らが2月に気仙沼市を訪れ、食材を厳選して考案した。なまり節にはビールによく合うようマスタードを添えるなど、工夫を凝らした。通常メニューでも石巻産ギンザケを提供するなど、できる限り被災地の食材を活用する。
 同社は「震災から7年たち、首都圏では関心が薄れてきた。多くの人が被災地に思いをはせるきっかけになるといい」と話す。


震災後に、戻らぬ町と人の心<宮城県>高橋邦典、25年を振り返って
 昨年半ばに思うことあって、報道写真の世界から退くことになった。5年近くに渡って続けさせていただいたこの写真エッセイも、今回が最後。25年のキャリアの中、様々な国に足を運び、多くの人々と出会ってきた。最終回は、特に印象に残る経験をいくつか紹介したい。
 すべてが崩壊し、瓦礫と化した石巻に足を踏み入れたとき、僕は言葉を失った。北上し、女川、南三陸、気仙沼そして陸前高田と、訪れた町々もみな同じ惨状だった。戦場というものは知っているつもりだったが、ここまで完璧に、そして大規模に町が破壊し尽くされた光景など見たことがなかった。これが「平和な」日本、それも僕の故郷の東北で起こったという現実が信じられなかった。
 瓦礫の上や避難所で、住処のみならず、愛する家族を亡くした人々に出会い、話を聞かせてもらった。そんな彼らから、何度もこんな言葉を聞いた。
 「もっと大変な人たちがいるのだから……」
 絶望的な状況にありながら、まだ他人のことに気をまわすその姿勢に、僕は驚かされた。他国ではまず耳にすることのない言葉だ。こう思うことで、折れてしまいそうな心を自ら支えていたのだろうか。他者への思いやりを忘れぬことによって、彼らは人間としての尊厳を保ち続けたのかもしれない。
早いもので震災からもうすぐ7年。
 復興は徐々に進んできたが、現実は厳しい。瓦礫の上で出会った被災者の人々を、僕はその後も訪れてきたが、震災から4年後に再会した南三陸の若者の言葉が胸に刺さった。
 「津波によって壊されたものっつのは、建て直しきくんですよね。工事して人が手かけて時間かければなんとかなるんですけど、人が壊したものって多分戻らないんですよ」
 彼は、津波でほぼ壊滅した彼の村を元に戻そうと努力を続けてきた。しかし、震災直後には一丸となっていた村人達の気持ちが、年月が経つにつれバラバラになってしまった。いさかいも起こるようになり、お互いの心は離れていった。
 町が変われど、似たような話は多く聞いた。散りじりになった人々が、それぞれの場所で暮らしを確立することで、震災前のコミュニティーは消滅したのだ。
 瓦礫がなくなり、土地が整備され、家が建つようになっても、町のかたち、そして人の心が、元に戻ることはないのかも知れない。


気仙沼 かつおタタキのゆうパック発送
 水揚げ日本一を誇る宮城県気仙沼産の「生鮮カツオのたたき」を詰め合わせたゆうパックが、全国に向けて発送されました。
出発式には、郵便局や加工業者らおよそ40人が集まりテープカットをして第一便の発送を祝いました。
気仙沼は、22年連続の水揚げ日本一を目指す生鮮カツオの産地です。
 このゆうパックは、気仙沼港で朝に水揚げされたカツオをたたきに加工して詰め合わせ、その日のうちに発送します。
 8日は、およそ150個のゆうパックを積んだトラックが全国に向けて出発していきました。カツオのたたきのゆうパックは宮城県内各地の郵便局で7月31日まで受け付けています。


震災で失われた街並 写真でよみがえる 宮城・石巻
 震災で失われた石巻の街並の移り変わりを紹介する写真展が、石巻市で開かれています。
 石巻市の中瀬地区にあった芝居小屋「岡田座」の前を歩く着物姿の人たちに、1960年頃撮影されたJR石巻線の石巻駅。石巻で開かれている展示会では、市街地の移り変わりを収めた写真37点が紹介されています。震災で一変したかつての街並を懐かしんでもらおうと、市の教育委員会が企画しました。
 大正や昭和初期に撮影したとみられるモノクロ写真も展示されています。
 石巻市教育委員会の櫻田逸子さんは「震災でかなり流れてしまったものもあるが、懐かしいということのほかに、こういうふうに変わっていったんだなということを感じてほしい」と話します。
 「タイムトラベル」と銘打ったこの写真展は、石巻市の旧観慶丸商店で6月15日まで開かれています。


<宮城県沖地震40年>再来リスク(上)発生予測 間隔「早まる」可能性 手掛かり探し模索続く
 国や東北各県が防災体制を見直すきっかけとなった宮城県沖地震の発生から、12日で40年となる。2011年3月11日の東日本大震災後も、科学者は宮城県沖を含めた太平洋側で大地震や大津波が起こりうるとして、警鐘を鳴らし続ける。「6.12」の教訓を振り返りながら「3.11」後の備えを検証する。(報道部・小沢邦嘉)
<確率「不明」>
 再来を繰り返してきた宮城県沖地震は今後、いつごろ起きるのか。16年5月、一つの研究成果が英科学誌に掲載された。
 「東日本大震災の大地震の後、再来の間隔は短くなる可能性がある」。国の研究機関・海洋研究開発機構のチームが、約4年かけてスーパーコンピューターで解析した成果だった。
 3.11の巨大地震では、宮城県沖地震の震源域も含めた広い範囲で岩盤が動いた。地殻変動の状況は詳しく分からず、政府の地震調査委員会は11年秋、「30年以内に99%」としていた宮城県沖地震の発生確率を「不明」と修正した。
 「確率が不明のままでは油断につながりかねない」。海洋機構の中田令子特任技術研究員(地震学)らは「次の想定」の必要性を感じ、研究に着手した。
 過去の震源域やプレートの滑りやすさなどを基に、3.11のようなマグニチュード(M)9規模の地震後、宮城県沖でM7級が起きるさまざまなケースを計算。11年を起点にすると、多くのケースで平均の発生間隔(約37年)よりも短い間に大地震が想定される結果になったという。
 巨大地震後、東北では海底がゆっくり動く「余効滑り」という現象が確認されている。これを発生予測の計算に考慮すると、地震につながる岩盤のひずみの蓄積が早まるケースが目立ったのが要因だ。
 研究について東北大の松沢暢(とおる)教授(地震学)は「不確定要素もあり決定的なことは言えないが、とても丹念な計算ではある」と評価。「3.11の余震も含めると、東北の太平洋側でM7級の地震が数年に1度起きてもおかしくない状況にある」との見解を示す。
<海底も変形>
 海底の地殻変動を実測し、次に備える手掛かりを得ようという試みも進む。
 東北大などの研究グループは12年から日本海溝近くの20カ所で、衛星利用測位システム(GPS)と音波の測量技術を組み合わせた観測を展開。うち1カ所は、200キロメートルほど離れた地点に置いた。
 海溝の東側を震源とし、大きな津波を伴うとされる「アウターライズ地震」に警戒するのが狙いだ。東北大の日野亮太教授(海底地震学)は「海底の動きも速く変形が続いており、活発な地震活動が継続する可能性がある」と注視する。
 日野教授は宮城県沖や、1968年の十勝沖地震の震源に近い岩手・青森沖でも観測を強化する必要性を感じている。「長期戦を覚悟し、広い範囲で観測したい」。過去の大地震に向き合い、将来発生する兆候をつかむための模索が続く。
[宮城県沖地震]1978年6月12日午後5時14分、宮城県沖でマグニチュード(M)7.4の地震が発生。当時の基準で大船渡、石巻、仙台、新庄、福島で震度5を観測した。死者28人、負傷者は1万人を超え、住宅の全半壊は約7500戸。建物の耐震基準が大幅に見直されるなど、国が防災体制を改めるきっかけになった。


野口英世の解剖記録が地元へ
猪苗代町出身の細菌学者でアフリカのガーナで亡くなった野口英世の遺体を解剖した記録が、ガーナの研究所から猪苗代町の記念館に贈られました。
この記録は、野口英世が黄熱病のためガーナで亡くなった1928年5月21日に遺体を解剖した同僚のイギリス人研究者が作成しました。
没後90年になることから、猪苗代町にある野口英世記念館を運営する財団に贈られることになり、ガーナの関係者も出席して9日、式典が開かれました。
式典ではガーナ大学野口記念医学研究所のアブラハム・クワベナ・アナン所長から八子弥寿男理事長に記録が手渡されました。
アナン所長は野口博士のおかけでガーナに医学研究所が建てられ、現在もガーナをはじめとする西アフリカだけでなく、世界全体の医学に貢献しているなどと功績をたたえました。
贈られた記録は縦およそ50センチ、横およそ30センチのノートの1ページ分で、遺体の全身に黄疸がみられることや肺は出血した跡があり固くなっていることなどが英語で書かれています。
八子理事長は「黄熱病で亡くなったことを証明する貴重な記録で、多くの人に見てもらいたい」と話していました。
記録は、野口英世記念館で一般公開されています。


秋葉原事件10年 誰も追い詰めぬ社会を
 人々を孤立させ、追い詰める社会への警告だったのかもしれない。東京・秋葉原の無差別殺傷事件から十年。犠牲者の無念を胸に刻み、同様の悲劇が繰り返されない社会のありようを探り続けたい。
 「車でつっこんで、車が使えなくなったらナイフを使います みんなさようなら 時間です」
 十年前の六月八日。二十五歳だった加藤智大死刑囚はインターネットの掲示板にそう書き込み、歩行者天国で十七人を殺傷した。残虐な行動は、もとより厳しく断罪されねばならない。
 犯罪史に残る事件がなぜ発生したのか。十年後の私たちにもくみ取るべき教訓はないか。
 事件の背景に浮かんだのは、ありのままの自分を認め、受け止めてくれる居場所が見つからなかったことへのいら立ちだった。
 家庭は母親に支配されていた。子どもの幸せのためとして、自尊心を傷つけてまで名門高校、有名大学、一流企業へなどと、親の願望を強いることを「教育虐待」とも今は呼ぶ。その犠牲になった。
 意思疎通を欠いた環境で育った影響だろうか、怒りを言葉ではなく行動で示すようになった。仕事を転々としたのもそのためだった。裏返せば、自分を認めてほしいという欲求だったに違いない。
 不安定な非正規雇用の生活を送り、彼にとっては、自分を取り換えの利く部品として扱う現実は「建前」、真の自分でいられるネットは「本音」の世界だった。
 その大切な空間が嫌がらせで破壊され、犯行の引き金になっていく。裁判はそのように認定した。
 現代の競争社会で孤立し、生きづらさを抱える人々にも、同じような苦悩があるのではないか。無差別殺人はなお後を絶たない。
 家庭や学校、職場、地域、ネットといった空間を問わず、常に評価のまなざしにさらされ、時に大きな格差を意識させられる。成績や学歴、職業、地位、収入…。自分は不要とされないか。不安感や閉塞(へいそく)感は強まっている。
 誰も追い詰められない社会へ、築き直さねばならない時期なのかもしれない。社会の中でつながりを紡ぐのが難しく、孤独に埋没しがちな人々が多くいるという現実をまずは認識したい。
 ベストセラーの『君たちはどう生きるか』(吉野源三郎著)は語る。「人間が人間同志(どうし)、お互いに、好意をつくし、それを喜びとしているほど美しいことは、ほかにありはしない」。今日にも相通ずるのではないか。


自民参院選制度改革 党利党略のご都合主義
 自民党は参院選の「1票の格差」是正に向けた公選法改正案を了承した。合区を継続しつつ、比例代表を合わせて定数を6増する内容だ。
 具体的には、議員1人当たりの有権者数が最も多い埼玉選挙区の定数を2増やし、1票の格差を3倍未満に抑制する。比例代表の定数も4増やし、事前に定めた順位に従って当選者を決める「拘束名簿式」の特定枠を導入する。
 狙いは「鳥取・島根」「徳島・高知」の合区対象県で選挙区に擁立できなかった県の自民党候補を特定枠に登載し、救済を図る。党利党略のご都合主義である。
 最高裁は、都道府県単位で構成されてきた参院選挙区間の「1票の格差」が最大5・00倍に達した2010年参院選と、4・77倍だった13年参院選を「違憲状態」と判断。これを受け、16年参院選では鳥取、島根両県と徳島、高知両県をそれぞれ一つの選挙区とする「合区」が導入され、格差を是正した。
 改正公選法付則は19年参院選へ「選挙制度の抜本的見直しについて必ず結論を得る」と明記し、各党が議論を進めている。
 自民党は人口が少ない地域で強固な地盤を持つ。1票の格差拡大で合区対象県が増えれば議席が減るとの危機感が強い。このため、人口を絶対的な基準とせず、改選ごとに各都道府県から1人以上選出できるようにする憲法47条と92条の改正条文案を3月にまとめていた。
 それを来年夏の参院選までに改憲が「間に合わない」という理由で、合区を維持して定数増で対応するというのであれば、党方針と矛盾する。
 党内から異論もある。小泉進次郎筆頭副幹事長は「国民にどう映るか心配だ。なめてはいけない」と懸念を示した。船田元・憲法改正推進本部長代行は「お手盛りの印象が拭いきれない」と指摘している。
 改正公選法の付則に掲げた「抜本的見直し」とも程遠い。議員の身分に関わるだけに、徹底的に論議すべきである。
 今回、自民案で一部導入する「拘束名簿式」はかつて導入され、当選と落選を分けるライン上で、名簿順位をめぐって熾烈(しれつ)な争いが展開された。このため01年から、得票数の多い候補者から順に獲得議席の分だけ当選させる「非拘束名簿式」を導入したはずだ。それを政党の都合で復活させるのは筋が通らない。
 参院の選挙制度について、日本維新の会は当面、全国11ブロックの大選挙区制と全国比例の並立制を提起。立憲民主党は(1)合区を増やす(2)ブロック制導入(3)選挙区と比例代表の定数比率変更―のいずれかによる格差是正を検討する。公明党は全国11ブロックの大選挙区制を主張。共産党は全国9ブロックの比例代表制を打ち出した。
 与野党とも隔たりを埋め、改革を実現する責任がある。


犯罪被害者 救済制度の整備を着実に
 全国犯罪被害者の会が解散した。被害者家族と弁護士らが2000年に設立し、犯罪被害者基本法の制定などに尽力した。
 日本では戦後、冤罪(えんざい)事件への反省などから容疑者の人権擁護に力が注がれた。一方で被害者側には光が当たらなかった。
 その意味で、被害者の会の運動は画期的な地平を切り開いたといえる。解散の理由は、一定の目標を達したことや会員の高齢化だという。
 被害者救済制度の確立は道半ばである。3日の最終大会で会設立者の一人、岡村勲弁護士は「課題はまだある。次は国民の皆さんが立ち上がってほしい」と訴えた。真摯(しんし)に受け止め、救済制度の充実を目指す決意を新たにしたい。
 「被害者の権利は何一つ守られていない」−1990年代以降、被害家族から悲痛な声が上がり始めた。児童虐殺など凶悪事件が相次いで発生していた。
 犯罪に遭ったショックと、その後も続く肉体的・精神的な苦痛は、当事者でなければ容易には理解できない。だからこそ、被害者や家族を公的に支えていく仕組みづくりが必要だ。
 2004年の基本法制定を受け、被害者らが刑事裁判の法廷で被告に質問できるようになった。耐え難い被害感情を考慮し、殺人など凶悪犯罪の公訴時効は撤廃された。
 なお深刻なのは、損害賠償訴訟で勝訴しても、加害者に支払いの能力や意思がなく、泣き寝入りする被害者が多いことだ。事件で一家の大黒柱を失い、生活に困窮する遺族もいる。
 08年には、有罪判決後に同じ裁判所が刑事記録を調べるなどして損害賠償請求を審理する損害賠償命令制度が導入された。裁判を短期化し、被害者の負担を減らすのが狙いである。
 殺人事件などで数千万円の賠償が認められることもあるが、服役中の加害者に賠償能力があるのはまれだ。訴訟費用さえ被害者側が負担せざるを得ない場合もあり、被害者は理不尽さを重ねて味わうことになる。
 そうした点に着目したのが来年4月に基本的政策が施行される福岡県犯罪被害者支援条例である。損害賠償請求を適切に援助することなどを盛り込んだ。
 重要なことは、精神面のケアを含めて社会全体で総合的に支援する態勢である。
 大分県の犯罪被害者支援条例は、周囲の心ない言動による二次的被害の対策を柱とした。特に性犯罪被害者のケアが重要だ。想像を絶する苦痛と屈辱を被った上に、好奇の目や偏見にさらされる恐れがあるからだ。
 被害者の権利を尊重し、人間としての尊厳を取り戻せる環境を整えていきたい。


財政健全化計画 成長頼みの姿勢と決別を
 国と地方で1千兆円を超える借金を抱え、先進国で最悪の財政状況をどう立て直すのか。先行きは見通せない。
 政府は経済財政運営の「骨太方針」案に、新たな財政健全化計画を盛り込んだ。国と地方の基礎的財政収支を黒字化する目標時期を従来の2020年度から25年度へ、5年間先送りするのが柱で、19年10月に消費税率を10%へ引き上げることも明記した。
 基礎的財政収支は、社会保障といった政策経費を税収などの基本的な収入でどの程度賄えているか、財政の健全さを示すものだ。22年度からは団塊の世代が後期高齢者に差し掛かり、社会保障費が急増して財政運営が一段と厳しさを増していく。危機感を強め、財政再建を早急に軌道に乗せることが欠かせない。
 政府が新計画の検討に入ったきっかけは、安倍晋三首相が昨秋に表明した保育などの教育無償化だ。消費増税による増収分のうち、1兆7千億円を借金返済から無償化財源に回すとして20年度の黒字化を断念した。
 国内外へ約束した目標の撤回である。そうであれば今度こそ、確実に実現できる計画の策定が求められていたはずだが、5年間の先送りで黒字への転換を達成できるという見込みは甘さが否めない。
 頼りが依然として経済成長による税収増だからだ。名目3%超というバブル期以降、一度も達成していない高成長が続く前提を踏襲している。
 内閣府が1月に示した別の試算では、収支改善努力が足りなければ、25年度になっても赤字が続くと見込まれる。
 一方で、歳出改革については踏み込み不足が目立つ。予算の3分の1を占める社会保障費について、従来計画で3年間の増加額を計1兆5千億円程度としていたような数値目標を明記することを見送った。むしろ、今回は消費税増税や東京五輪後に景気が失速することを防ぐための財政出動の必要性に言及している。財政規律の緩みを招き、予算の大盤振る舞いにつながりかねない心配さえ出てくる。
 新計画では、目標先送りの代わりに21年度に三つの指標で中間評価することを打ち出している。基礎的財政収支の赤字を国内総生産(GDP)比で、現在の2%台後半から1・5%程度に引き下げるなどとするものだ。
 だが、内閣府の試算では、成長率を現状に合わせて名目1%台後半とする想定でも、今のペースで歳出抑制を続ければ達成が見込まれる甘い指標となっている。これでは歯止めとなるまい。
 足元では1〜3月期の実質国内総生産が個人消費や企業の設備投資の落ち込みなどから2年3カ月ぶりのマイナス成長に転じ、経済の先行きに不安が漂ってきた。財政再建を着実にするには、成長頼みの姿勢と決別し、現実を直視した上で歳入、歳出の両面から財政を再点検することが求められる。


財政出動配慮の「骨太」案 健全化の道筋 なぜ描かぬ
 政府が提示した経済財政運営の基本となる「骨太方針」案は、財政健全化の旗を掲げてみせながらも、歳出改革の数値目標設定を見送るなど、ちぐはぐな印象だ。2019年10月の消費税増税や、20年の東京五輪・パラリンピック後に向けた対応として、財政出動の余地を残す必要があったからとみられる。財政健全化の実効性をどう確保するか、課題は先送りされた。
 方針案は、新たな経済・財政再生計画(新計画)の策定を明記。その3本柱は引き続き▽デフレ脱却・経済再生▽歳出改革▽歳入改革―とした。財政健全化の前提には、実質2%程度、名目3%程度を上回る経済成長を置いている。
 ただ、この成長率は実現できるのか。実現したとして、持続的なものになるのか。政府はデフレ脱却はできていないとの立場だが、国内景気は長期回復が継続中で、既にデフレでない、とみる専門家も多い。
 それでも実質成長率は、18年度政府見通し(1月)が1・8%、経済協力開発機構(OECD)の18年予測(5月)が1・2%にとどまる。実質2%程度は高い水準なのであり、今後さらに進展する少子高齢化も経済再生と財政健全化の制約要因である。
 歳出改革にも問題が大きい。方針案は社会保障などの数値目標を今回、設定しなかった。基礎的財政収支の黒字化目標時期を5年遅らせて25年度とする中で、歳出改革の手綱が緩む可能性がある。政府は5月下旬、40年度の社会保障給付費が約190兆円に上るとの推計を公表していたが、そこへ向けた対応は手つかずとなった。
 新計画は、19〜21年度を「基盤強化期間」と位置付けるが、この間に巡ってくるのが消費増税や五輪・パラリンピック。方針案は、これらに伴い起きるとみられる家計負担増や需要減退の対策を、現下の経済の重要課題に挙げている。秋には自民党総裁選も控える。当面、財政出動の手足を縛られたくない、という政府の本音が透けてみえる。
 茂木敏充経済再生担当相は数値目標を見送った理由を、高齢化のペースが一時緩まることや賃金、物価の上昇予測などが「今後3年間の変動要因であるため難しい」とした。数値は予算編成の中で明らかにする考えも示した。しかし、今回の方針案は新計画策定という機会でもあり、少なくとも歳出改革の筋道は詳細に提示するべきではないか。
 基礎的財政収支の黒字化時期は、当初目標の20年度はもともと困難だったとはいえ、昨年の衆院選の際、消費増税の使途変更によってあっさりほごになった。そして今回の歳出改革数値見送り。財政運営に機動性や弾力性は必要としても、社会保障に対する安定財源確保は、場当たり的に対応できるような生易しい課題ではないだろう。
 25年度、あるいは40年度という将来の節目を、政治は責任をもって見据えているのか。先送りばかりが目立つ方針案が、課題解決に役立つとは思えない。


公明党からも会見要求 与党内で狭まる加計理事長“包囲網”
 いつになったら会見するのか――。安倍首相の“腹心の友”である加計学園の加計孝太郎理事長のことだ。愛媛県今治市に新設された獣医学部を巡り、学園側が安倍首相と理事長の“ウソ”の面会を県や市に伝えていた問題で、理事長の説明を求める声が与党内から噴出している。
 公明党の井上義久幹事長が8日、加計問題について「当事者が何らかの形で説明責任を果たすことが、国民の理解を得る意味で必要」と発言。これまで、“反安倍色”の強い石破派を中心に自民党内から理事長の会見を求める声が出ていたが、とうとう公明も同じことを言い出したのだ。
 公明の支持母体である創価学会の中には、加計学園の対応を疑問視する会員も少なくない。それを無視できなくなったのだろう。与党内からの要求で、理事長に対する“包囲網”が狭まると同時に、安倍も追い込まれている。
 腹心の友を差し出すのか、連立を組む「身内」の声を無視するのかの瀬戸際だ。
 ところが、そんなピンチを知ってか知らずか、当の学園は、国会からの文書提出の依頼を受けて、7日の参院予算委にペラ紙1枚を提出しただけ。安倍首相と理事長の面会をでっち上げたことを改めて謝罪したが、「(2人が)会食した事実もない」と回答。紙1枚でお茶を濁そうなんて、国会をナメすぎだ。
「加計理事長は相手に話を合わせてしまう性格だそうです。周囲は、記者からの厳しい質問にちゃんと受け答えできるか不安視しているようで、表に出られないのです」(加計学園関係者)
 とはいえ、このまま記者会見を開かなければ、問題を長引かせるだけだ。
「今治加計獣医学部問題を考える会」共同代表の黒川敦彦氏がこう言う。
「去年の3月からずっと加計理事長の説明を求め続けていますが、住民説明会にすら出てきたことがない。フザケタ話ですよ。国会やマスコミに紙1枚で対応する組織のトップが、まともな説明を出来るかは疑問ですけどね」
 会見してもしなくても、安倍首相にとっては頭の痛い話だろう。与党内の反発が高まり続けるのか。腹心の友にかかっている。


詐欺ペジー社から28億円戻らず 安倍政権なぜ返還請求せず
 安倍首相や麻生財務相との“関係”が指摘されるスパコン詐欺の「ペジーコンピューティング」。先月の初公判で、社長だった斉藤元章被告(50)は助成金詐取を認めている。
 斉藤被告が国から引っぱったカネは、総額87億円にもなる。よくも日本政府は詐欺師に87億円もつぎ込んだものだ。
 信じがたいのは、交付済みの総額約35億円の助成金の大半が戻っていないばかりか、安倍政権は返還請求すらしていないことだ。なぜ、カネを取り戻そうとしないのか。安倍首相への“忖度”なのか。
 ペジーへの公的資金の支出約87億円の内訳は、文科省所管のJST(科学技術振興機構)から52億円の無利子融資。さらに、経産省所管のNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)から35億2400万円の助成金の交付だ。文科省分の52億円は、4月6日に全額返還を受けている。ところが、経産省分35億円のうち、国庫に戻っているのは、5事業中、2事業の一部でわずか6億5000万円のみ。残りの約28億円はペジーに“あげた”ままなのだ。
 なぜか、世耕経産相は回収に積極的ではないのだ。
 NEDOは「今後、追加的に調査を行い、仮に不正が認められれば返還請求を行う」(広報部)とノンキな様子。しかし、モタモタしていると回収不能になってしまいかねない。
 ペジー社には、安倍首相と関係の深い元TBS記者の山口敬之氏が顧問に就任していた。ペジー社に渡った税金はどのように使われたのか。疑惑はひとつも解明されていない。「詐欺師」に大金の税金を“預け中”なんてもってのほか。すぐに返還請求すべきだ。

ブツブツのパワー1準備/待っていた人がいてゴメン

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Le premier hôtel Halal du Japon ouvre face au Mont Fuji
Devenu, au fil des années, une destination phare pour un nombre croissant de touristes étrangers, le Japon est également très prisé par les voyageurs musulmans avides de voir du pays, notamment en provenance d’Asie du Sud-Est.
Face à cet essor du tourisme islamique sur son territoire national, le pays du Soleil-Levant a décidé de renforcer son potentiel d’attractivité en proposant des prestations hôtelières de qualité, parfaitement adaptées aux besoins de cette clientèle spécifique, garantissant un séjour d’autant plus agréable que l’éthique musulmane n’aura pas en souffrir, bien au contraire.
A l’avant-garde des tendances, Tokyo, la capitale nippone animée et bigarrée dont les rues grouillent de touristes issus du monde entier, n’a pas hésité à se mettre à l’heure du Halal avant toutes les autres villes importantes du pays. Des restaurants ≪ halalisés ≫, dûment certifiés comme tels, ainsi que des espaces de prière ont ainsi émergé dans son paysage urbain, afin de satisfaire les attentes des visiteurs musulmans qui sont de plus en plus nombreux à y faire une halte dépaysante en toute confiance.
C’est dans ce contexte des plus favorables à l’accueil des amateurs d’évasion venus majoritairement d’Indonésie et de Malaisie, mais aussi du Moyen-Orient, que le Syariah Hotel Fujisan, le premier hôtel de standing officiellement labellisé Halal, a vu le jour au Japon en 2016.
Implanté sur un site d’exception près des rives du lac Kawaguchi, cet établissement confortable et calme, qui se déploie sur deux étages, offre à sa clientèle un large éventail de services ≪ islamiquement corrects ≫, un accès privilégié aux activités sportives et récréatives aux abords du lac, des visites guidées choisies avec soin, ainsi qu’une vue imprenable sur le point culminant du pays, le majestueux Mont Fuji.
Yamashita Yūji, le président du holding Fujisan Family qui possède l’hôtel, a indiqué que le choix de miser sur le marché touristique musulman s’est imposé après avoir observé, au cours de ces dernières années, la hausse sensible constante des visiteurs venus d’Indonésie, de Malaisie et de Singapour. ≪ Pendant des années, les touristes chinois ont constitué la majeure partie des visiteurs étrangers ≫, a-t-il expliqué, renchérissant : ≪ Récemment, force est de constater que des familles musulmanes d’Indonésie et de Malaisie sont de plus en plus nombreuses à venir visiter notre région de Fuji Five Lakes ≫.
Mais rares étaient les hôtels locaux à concocter des menus halal pour les gourmands et les gourmets, à proposer des espaces de prière et des salles pour les ablutions, à être dotés de huit chambres spacieuses, équipées de tapis de prière et de la précieuse boussole que représente la qibla, et cerise sur le gâteau, à remettre à la clientèle musulmane qui le souhaite des exemplaires du Noble Coran, ainsi que de longues robes pour se recueillir à la gent féminine.
≪ Nous avons voulu pallier cette carence pour attirer la clientèle musulmane en recrudescence chez nous. Notre hôtel est entièrement non-fumeur et sans alcool ≫, a souligné Yamashita Yuji qui ne peut que se féliciter de cette expérience concluante, dont il espère qu’elle essaimera dans les Fuji Five Lakes et ailleurs.
Un espoir qui est renforcé par le volontarisme politique du gouvernement japonais en la matière, à travers sa vitrine officielle qu’est l’Agence nationale du tourisme qui met tout en œuvre pour que le Japon soit un vrai petit coin de paradis pour les touristes musulmans.
フランス語
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ビーバップ!ハイヒール 忍術も黒装束もウソ!? 知られざる『忍者』の正体に迫る!
華麗な身のこなしで敵を倒し、様々な忍術を駆使して相手を翻弄する時代劇のヒーロー『忍者』。だがその実態は間違いだらけだった!? 闇に包まれた忍者の(秘)正体を全て暴く!!
ハイヒールの二人が世の中の様々な常識にハテナ?と疑問を抱き、スタジオのメンバー達と深く考えていく知的好奇心バラエティ
『歴史の影に忍びあり!知られざる忍者の正体』… 今夜、忍者のイメージが覆る! 手裏剣、黒装束、くのいち、水雲の術…その知られざる正体を全て解き明かす! ▼忍者が歴史を変えた!?『徳川家康 (秘)救出作戦』
ハテナの自由研究は、チュートリアルの『真実を見抜け!リアル女子並べ』… 年齢や男性経験など、見た目だけでは分かりにくい『女性の本当の姿』を見抜けるか!? 性欲の化け物・徳井が挑む!
ハイヒール(リンゴ・モモコ) チュートリアル(徳井義実・福田充徳) たむらけんじ ダレノガレ明美 大野聡美(ABCテレビアナウンサー) 江川達也 筒井康隆
吉丸雄哉(三重大学准教授、日本近世文学研究者)… 忍者研究の第一人者。東京大学文学部卒。同大学院博士課程満期退学。文学博士。2012年より現職。著書に『忍者の誕生』『忍者文芸研究読本』『武器で読む八犬伝』ほか

軍学共同反対連絡会 @AMR_Japan
北大の先生達が防衛省の研究の遂行について、踏みとどまってくれたことに敬意を表します
様々な議論を呼びそうですが、これを機に、多くの大学がその独自性を生かしつつ、研究者に不可欠な倫理と理性を持って、活発な議論を行い、きちんとした倫理指針と民主的な審査体制の構築が進むことを期待します


ブツブツのパワー1の準備が結構大変です.フォントを変更するだけでなく,いろいろ書き換え.追加でソクドウなども入れました.シゴトン??はどうする?
キソキソはいつもの彼だけなので安心していたら,待っていた人がいたみたいでゴメンなさい.

<震災遺構>旧門脇小校舎の保存 設計に市民の意見反映 17日ワークショップ
 東日本大震災の遺構として保存される石巻市の旧門脇小校舎について、市は17日、市民の意見を遺構整備の設計に反映させるためのワークショップを市防災センターで開く。
 現時点の設計案を示し、グループに分かれて校舎の活用法や機能などを話し合う。市民は誰でも出席できる。7月8日に同所で2回目のワークショップがある。
 市は4月、同校舎の遺構整備の設計業務などに関し、仙台市青葉区の鈴木弘人設計事務所など6社の共同企業体と契約。3階の観察棟を校舎脇に設け、津波火災による内部の被災状況を見学できる内容で、ワークショップの意見などを踏まえ、基本設計をまとめる。
 両日とも午前10時開始。連絡先は運営事務局022(262)0983。
 市は旧大川小校舎の遺構整備についても住民ワークショップを開く方針。開催時期は未定。


河北春秋
 「こんなに長く水揚げできないのは初めて」。ホタテを養殖している石巻市の知人の漁業者が言う。今年の水揚げを始めていたはずの3月下旬から出荷の自主規制が続く。国の基準値をはるかに上回る貝毒が発生して収まらない▼行楽や祭りでホタテが売れる大型連休の時期を逃し、「次の需要期である、お盆までに出荷できないとつらい」。東日本大震災を乗り越えた被災地の漁業者たちが、またも背負う試練だ▼貝毒による出荷の自主規制は、宮城県の牡鹿半島東部から岩手県南部の沿岸に広がる。宮城では昨年、養殖中のへい死や変形が多く発生して不漁だったが、同じ4月の時点の水揚げを比べて今年は94%減だという。「廃業を検討せざるを得ない」との声が本紙に載った▼原因は有毒なプランクトン。ホタテに食べられ、蓄積されて貝毒になる。水温上昇などで増殖するが、貝毒発生は震災後に各地で頻発、長期化している。それまで少なかった「まひ性」の貝毒も増えたという▼「津波で海底の砂や土が巻き上げられ、休眠していたプランクトンの種(胞子)がまん延した」と水産資源生態学の片山知史東北大大学院教授はみる。津波による環境の変化も一因なのだろう。海の中では対策も非常に難しい。養殖に懸ける漁業者の苦悩は続くのか。

津波訴訟 釜石市が和解へ 行政責任認め、遺族に謝罪方針
 東日本大震災の発生後、岩手県釜石市の鵜住居(うのすまい)地区防災センターに避難して津波の犠牲となった幼稚園臨時職員の片桐理香子さん(当時31歳)の遺族が市に約3490万円の損害賠償を求めた訴訟で、同市は8日、仙台高裁の和解案を受け入れる方針を明らかにした。「行政の責任」を認めて原告に謝罪し、和解金48万9500円を支払う内容。遺族側も受け入れる意向で、来月3日の和解協議で成立する見通し。
 この日の定例記者会見で野田武則市長は「行政の責任を重く感じている。二度と同じ悲劇を繰り返さないようにしたい」と述べ、和解内容を説明。片桐さんを含む園職員が園児らの救助に当たったことに「深い感謝の意」を示した。和解内容は11日開会の市議会定例会の承認を経て正式決定される。
 同センターは2階建てで、海岸から約1.2キロ、海抜約4メートルの低地にあり、津波発生時に逃げ込む「1次避難場所」ではなく、中・短期の避難生活を送る「拠点避難所」に指定されていた。高さ約9.5メートルの津波は屋上近くまで到達し、建物は全壊した。避難して犠牲となったことが確認された住民らは少なくとも162人。
 裁判は、センター近くの幼稚園に勤めていた片桐さんと住民女性(同71歳)の2遺族が正しい避難場所を事前に周知する安全配慮義務を怠ったなどとして2014年9月に提訴。1審・盛岡地裁は昨年4月、拠点避難所への避難について「誤解させたとは言えない」と市の過失を否定、原告の請求を棄却した。
 片桐さんの両親のみ控訴し、仙台高裁は今年2月、「行政としての在り方を考えるいしぶみにしてほしい」と和解を勧告。5月に最終的な和解案が提示され、原告、被告双方が協議を進めていた。
 また市の責任をめぐっては、提訴に先立つ14年3月、被災原因を究明するため市が設置した学識経験者らによる調査委員会も「行政の適切な対応で、生命を救う機会は多くあった。市の行政責任は重い」などと最終報告書で指摘していた。
 片桐さんの両親は8日、釜石市の和解方針に対し「私たちも同様の結論を出すことができると思っています」とコメントした。【小鍜冶孝志、中尾卓英】
 【ことば】拠点避難所  大規模災害の発生時、危機を回避した後の中・短期の避難生活で利用する避難所。岩手県釜石市では、市が避難勧告や避難指示を出した時に、災害内容に応じて開設するとし、小中学校の体育館など約20カ所を指定している。


震災の復興米、大阪で田植え 児童ら150人が参加
 東日本大震災の津波に耐えた「奇跡の復興米」の田植えが8日、大阪府富田林市桜井町であった。今年で5回目。震災の半年後、岩手県大槌町の津波で流された民家跡地に、3株の稲が育っているのが見つかり復興米と命名された。付近に田はなく、どこかから流れつき稲穂を実らせたエピソードが評判を呼んだ。
 この日の田植えには市立小5年の児童73人を含む関係者約150人が参加。「震災を忘れないようにしよう」と丁寧に植えた。富田林では、2014年2月に岩手県遠野市のNPO法人「遠野まごころネット」から支援のお礼にと種もみ1キロが贈られ、地元農協が協力し毎年栽培してきた。


コシノ氏“福島の酒とコラボで”
世界的なファッションデザイナーで、おととしから県内の伝統工芸品の職人とともに、ユニークな商品開発に取り組んでいるコシノジュンコさんが、ことしも活動を続けることになり、8日、内堀知事を訪問して、「福島の日本酒などとコラボしたデザインの開発を行いたい」と意気込みを語りました。
コシノジュンコさんは、売り上げが落ち込む県内の焼き物や漆器、木綿などの伝統工芸品を手がける21の事業者の職人とともに、おととしから若者を引きつける魅力的なデザイン開発に取り組み新たな市場の開拓を図っています。
そして、ことしも活動を続けることが決まり、8日、県庁の内堀知事を訪問しました。
この中でコシノさんは、「福島のおいしい日本酒に合う酒器を開発して、料理とともにすばらしい場を演出すれば自然と注目されると思う」と述べ、福島の自慢の日本酒や食を生かしたアイデアを活用していく考えを示しました。
これに対して内堀知事は「今回のコシノさんの提案を参考に、農業や林業とのコラボも考えていきたい」と応えていました。
県では今後、コシノさんなどのクリエーターとともに連携する新たな事業者を募集し、首都圏や海外に期間限定ショップを設けて販路拡大を進めることにしています。
会談のあとコシノさんは「生活感がデザインによってもっと明るくなることを目指して、私の本業のファッションと福島のお酒や料理を融合していきたい」と話していました。


津波で死亡 市と遺族が和解へ
東日本大震災で釜石市の防災センターに避難した女性が津波で亡くなったことをめぐり、遺族が市を訴えた裁判で、市は8日、行政責任を認めるなどとする和解案を受け入れる方針を明らかにしました。
遺族側も受け入れる意向を示していて、これにより、和解が成立する見通しとなりました。
この裁判は、東日本大震災で、釜石市の鵜住居地区にあった防災センターに避難し、津波で亡くなった住民の遺族が、防災センターが津波の避難場所ではないことを周知する義務を怠ったなどとして市に賠償を求めたものです。
1審で裁判所は訴えを退け、当時31歳の女性の両親が不服として控訴し、2審の仙台高等裁判所はことし2月、和解を勧告して、協議が行われてきました。
そして8日、釜石市の野田武則市長は会見で、裁判所が示した和解案を示したうえで、これを受け入れる方針を明らかにしました。
和解案には、釜石市は防災センターに避難した多くの住民が犠牲になったことについて行政責任を認めること、和解金として遺族に48万9500円を支払うことなどが盛り込まれています。
一方、遺族側も、この和解案を受け入れる意向を示していて、市議会での可決など手続きが順調に進めば、来月上旬にも和解が成立する見通しとなりました。
釜石市の野田市長は「たくさんの人が犠牲になり、行政としての責任を認めている。反省を踏まえて今後、防災対策に取り組んでいきたい」と話しています。
また、裁判の原告で、当時妊娠中だった娘の片桐理香子さんを亡くした寺澤泰樹さんと仲子さんは8日、弁護士を通じてコメントを発表しました。
このなかで、「裁判所は、私たちの気持ちをしっかりと受け止め、理解して、和解勧告してくれた。釜石市が、裁判所の和解勧告に応じて和解するという結論を出すのであれば、私たちも同様の結論を出すことができると思っている」としています。


試験焼却に反対の団体が抗議文
放射性物質を含む汚染廃棄物の試験焼却に反対する住民団体の代表者らが8日、高橋英文副市長に抗議文を提出しました。
大崎市の伊藤康志市長は7日、東京電力福島第1原発の事故で発生した汚染廃棄物の試験焼却について、ことし10月頃から始める方針を示しました。
これを受け、試験焼却に反対する住民団体の代表らが8日、高橋英文副市長に抗議文を手渡しました。
この中では「大崎市が先に開いた住民説明会で、試験焼却に反対意見が多かったにもかかわらず、伊藤市長は住民の声を無視し、強引に進めようとしている。試験焼却の方針を直ちに撤回するよう求める」としています。
これに対して、高橋副市長は「試験焼却に向け、6月市議会での議論を含め、今後、市民と話し合いを行い、理解を得るよう努力したい」と述べました。
試験焼却に反対する住民団体の若井勉共同代表は、「今回の伊藤市長の方針は撤回すべきで、市は話し合いを継続し、住民理解を得る努力をすべきだ」と話しています。


<チョコ南部の秘密>廃棄の真相 短編映画に 小松製菓 創業70年記念
 南部せんべいの製造販売で知られる小松製菓(二戸市)が、創業70年を記念して短編映画「告白 チョコ南部の秘密」(20分)を製作した。チョコレート菓子を大量に廃棄するという社内で実際にあった「事件」の真相を明かす。10日に地元で上映会を開き、地域や顧客に感謝の気持ちを伝える。
 2011年のバレンタインデー直前、社員は人気商品「チョコ南部」の販売に追われていた。そんな中、社長が商品3万箱(約1000万円相当)を廃棄するよう命じる。泣く泣く商品を捨てる社員たち。だが、そこには社長の熱い思いが隠されていた−。
 こんな実話に基づく映画は、撮影も本社の会議室や食堂、実際に商品を廃棄した市焼却炉で敢行した。
 社員や地元住民のほか、二戸市や盛岡市の劇団員が出演する。脚本、監督は映像制作のオッドピクチャーズ(東京)所属の細井尊人さん(40)が務めた。
 当時の営業課長で主人公のモデルとなった執行役員青谷耕成さん(40)は「自分の失敗談が映画になるとは思わなかった。大切な商品を捨ててまで守ろうとした会社の信念をお伝えしたい」と話す。
 映画は小松製菓本社に併設されたチョコレート工場兼店舗「2door(ツードア)」での催し「せんべいフェス」で午後2時から上映する。入場無料。11日以降は小松製菓のホームページで無料配信する。
 小松製菓は1948年創業。漫画家故おおば比呂司さんのイラストを採用したパッケージで知られる南部せんべい製造、販売の最大手。各地で販売店舗「岩手屋」などを展開している。


<八戸・サステクノ>軽量パワースーツ発売 農産物収穫や介護補助より楽に
 法政大教授が起業したベンチャーのサステクノ(八戸市)は、農作業や建設作業の負担を軽減する新型パワーアシストスーツ「エアロバック」を発売した。中腰の姿勢で行う作業を重視したのが特徴。従来の他社製品に比べ軽量で、価格も抑えた。
 エアロバックは空気圧によって伸縮する人工筋肉を利用。背負って使い、腰への負担を軽減する。重さ約1.8キロで肩や胸、ももに巻く安全ベルトなどにも装着可。防水機能も備える。
 従来製品は重さ5〜10キロで、重い物を持ち上げる動作の補助としての役割が大きかった。エアロバックは大幅に軽量化を図り、農産物の収穫や介護補助などの作業を立ったまま、中腰の姿勢で楽に続けることに重点を置いた。
 以前は60万〜100万円超だった価格も30万円(税抜き)に設定。同社は「人材確保が厳しい東北で、腰を痛めて離職する人が減るといい」と話す。
 同社は5月設立。エアロバックは法政大の石井千春教授(医療・福祉ロボティクス)の研究室で2年前に開発に着手した。
 介護施設などを回り、課題などを検証。除雪など仕事以外の利用面も想定されることから、東北地方での開業を決めたという。秋田県で昨冬行った除雪時の実証試験では関係者から好評価を得た。
 年間100台の販売を見込むエアロバックは既に注文が殺到。販売開始の今月1日には東海、四国地方からの来客もあった。担当者は「皿洗いなど台所で使っているとの話も聞いた。年間を通して使用できる提案をしていきたい」と語る。
 8月まで2台40万円(税抜き)のモニター価格でも販売。連絡先は同社0178(20)7875。


<旧優生保護法国賠訴訟>国「救済立法 義務なし」 仙台地裁弁論で主張へ
 旧優生保護法(1948〜96年)下で強制不妊・避妊手術が繰り返された問題を巡り、手術を強制された宮城県の60代女性が国に1100万円の損害賠償を求めた訴訟で、国が被害補償の法的義務を否定する趣旨の反論を予定していることが7日、女性側弁護団への取材で分かった。仙台地裁で13日に開かれる第2回口頭弁論で陳述するとみられる。
 旧法を巡る国家賠償請求訴訟で、国が詳細に反論・主張するのは初めて。
 弁護団によると、国は13日の弁論に提出予定の書面で「救済措置を講じなかった立法不作為の違法性が認められるのは、国民への権利侵害が明白な極めて例外的な場合に限られる」と強調。立法行為は国会の裁量に委ねられ、「補償制度を作る義務はない」と反論している。
 補償責任については「国会の立法行為は国民全体への政治責任を負うが、原則として個別の国民には対応しない」と指摘。被害補償を求める場合は国家賠償法に基づき個別に請求でき、「補償立法は必要不可欠ではない」とした。
 女性は憲法13条が保障する幸福追求権の侵害も主張しているが、国は旧法の違憲性に関する言及は避ける見通し。弁護団長の新里宏二弁護士(仙台弁護士会)は「国は憲法違反の法律下で違法な手術が行われた根幹部分に答えず、小手先の答弁に終始している。人権侵害に向き合い、反省する姿勢がかけらも見えない」と批判した。
 訴えによると、女性は15歳時に「遺伝性精神薄弱」を理由に不妊手術を受け、30歳前に手術が原因とみられる卵巣膿腫で右卵巣を摘出した。13日の弁論では、5月17日に旧法を巡る同様の訴訟を仙台地裁に起こした宮城県の70代女性の審理が併合される。同訴訟でも国は請求棄却を求める答弁書を提出する方針。
 同種訴訟は東京、札幌の両地裁でも起こされているほか、他地域にも提訴の動きがある。
[旧優生保護法]「不良な子孫の出生防止」を掲げ1948年に施行。ナチス・ドイツの「断種法」の考えを取り入れた国民優生法が前身で、知的障害や精神疾患、遺伝性疾患などを理由に本人の同意がない不妊手術を認めていた。ハンセン病患者は、強制隔離政策の下で戦前から療養所で断種や中絶を強要されていた状況があり、旧法で対象として規定。本人同意に基づく手術を容認した。96年に差別的条項を削除した「母体保護法」に改定されるまで、障害者ら約2万5千人に不妊手術が行われ、うち1万6500人は強制だったとされる。


政府の放送制度改革案 ネットと同列には扱えぬ
 政府の規制改革推進会議が放送制度の改革案を答申した。番組の政治的公平を定めた放送法4条を撤廃するかが焦点だったが、見送った。
 当初案は撤廃でインターネット事業者の放送参入を促すものだった。安倍晋三首相は政治的公平が不要なネット番組に進んで出演してきた。このため政権に都合のいい番組を増やしたいとの思惑が透けて見えた。
 見送ったのは各方面から反対が強まったからだ。当然の判断である。
 とはいえ政権が完全に諦めたとみるのは早計だろう。気がかりなのは今回の案が放送と通信の融合と称して両者の違いを軽視していることだ。4条撤廃と発想は同じだ。
 代表例は、放送と通信の番組をネットで流す際、同じサイトを使う仕組みを作るよう求めたことだ。
 現在、放送番組のネット配信はNHKと民放が別々に手がける。まず放送を一緒にし、さらにネット事業者も加われる体制にするという。
 ネットの普及でテレビ離れが進む中、規制改革推進会議は、新規参入で競争が加速すると、番組の魅力が高まり視聴者にメリットがあると主張する。本当にそうだろうか。
 参入が増えても質が向上する保証はない。放送はデジタル化でチャンネルが急増した。だが通販番組が多く質が伴っていないと言われる。
 しかもネットは極端に偏った情報やフェイク(偽)ニュースが目立つ。こうした懸念のあるものが放送番組と同じサイトで流れると、区別がはっきりしなくなる恐れがある。これでは視聴者に有害なだけだ。
 今回の案は、体力の弱い地方の放送局に対して、番組制作と放送設備を分離することも促した。
 他局との設備共有化などで経営基盤を強めるという。地方の情報発信拠点の維持は重要だが、設備を持たないネット事業者を参入させやすくする布石を打ったのなら問題だ。
 そもそも民主主義を支える公共的役割を担ってきた放送と、収益など市場原理で動くネット事業者を同列に扱うこと自体に無理がある。
 放送番組の魅力向上に必要なのは制作現場の力を高めることだ。それには、以前から問題になっている労働環境の改善が不可欠である。ネット事業者の参入ありきという逆立ちした発想では解決できない。


海のプラごみ 誰がクジラを殺すのか
 七つの海をプラスチックがわが物顔に泳ぎ回って、生き物が悲鳴を上げる−。そんな世界が現実になりつつある。クジラや魚の危機は必ず人にも及ぶ。温暖化並みの対策が求められているのだが。
 先月末、タイ南部の海岸にコビレゴンドウというクジラの仲間が打ち上げられ、五日後に衰弱死した。おなかの中から、袋など約八キロのプラスチックごみが見つかった。それが衰弱の原因だった。
 二月末、スペイン南部に流れ着いたマッコウクジラの体内からは、約三十キロが検出された。
 世界の海はプラスチックのごみに満ち、生態系の乱れを加速させている。事態は深刻なのである。
 国連環境計画(UNEP)が五日公表した報告書によると、世界のプラスチックの廃棄量は年々増え続け、二〇一五年には三億トンに達している。このうち約半分を、レジ袋やペットボトルといった使い捨て製品が占めている。
 使い捨てプラ製品の廃棄量は中国が最も多い。しかし一人当たりでは米国が世界一、次いで日本、欧州連合(EU)の順である。
 海を漂うプラごみは、紫外線や波の力で分解されて微小な粒子に変わる。直径五ミリ以下のものをマイクロプラスチックと呼び、洗顔料や歯磨き粉などに含まれるもの(マイクロビーズ)もある。
 これらはポリ塩化ビフェニール(PCB)のような有害物質を吸着する性質があり、のみ込んだ魚を食べた人間への影響も懸念されている。今や廃プラ問題は、温暖化に次ぐ国際環境問題になったと言われており、危機感を抱いた欧米やアフリカなどは、使い捨てプラの規制強化を進めている。
 EUは先月末、ファストフード店で使われるスプーンや皿、ストローなど、使い捨てプラ食器を禁止するよう、加盟国に提案した。
 米国は一五年、マイクロビーズの配合の禁止を決めた。フランスは二〇年から、使い捨てプラ容器を禁止する。
 日本では例えばレジ袋の削減は、企業や自治体の自主的な取り組み任せ。政府としては「プラスチック資源循環戦略」の策定は進めるものの、今のところ、国として使い捨て製品の流通規制にまでは踏み込むつもりがなさそうだ。
 プラごみを作り、捨てるのは人だけだ。人の仕業は必ず人に環(かえ)るというのも温暖化と同じである。海洋国、そして廃プラ大国日本は、ここでも世界の大きな流れに取り残されていくのだろうか。


防衛費2%提言 「専守」を超える危うさ
 防衛予算を北大西洋条約機構(NATO)が目標とする「国内総生産(GDP)の2%」にまで増やせば、現行のほぼ倍増だ。自民党の提言は、「専守防衛」の枠を超える危うさを秘めている。
 提言は自民党の安全保障調査会と国防部会がまとめ、安倍晋三首相ら政府側に提出した。年内に予定される「防衛計画の大綱(防衛大綱)」と「中期防衛力整備計画(中期防)」見直しに党の意見を反映させる狙いだ。
 二〇一三年十二月に決定した現行中期防は一四年度から五年間の防衛費の総額を一三年価格で二十三兆九千七百億円程度と定めている。年平均四兆八千億円程度、GDPとの比較では毎年1%未満だ。
 ところが提言は「NATOが防衛費の対GDP比2%達成を目標としていることも参考にしつつ」必要かつ十分な予算の確保を求めた。「戦後最大の危機的情勢」下で、国民の命と領土などを守り抜く体制構築のためだという。
 防衛費は政権復帰した首相の下で編成した一三年度以降、六年連続で増額、過去最大の更新も四年続く。「GDPの1%以内に防衛費を抑える考え方はない」と明言する首相の路線を後押しする狙いが提言にはあるのだろうが、防衛費倍増はいかにも行き過ぎだ。
 政府は戦争放棄と戦力不保持の憲法九条の下、必要最小限度の実力組織として自衛隊の保持に至るも専守防衛政策を堅持してきた。
 三木内閣が一九七六年に決めた防衛費を国民総生産(GNP)比1%以内とする枠は、中曽根内閣が八七年度予算から撤廃したが、その後も防衛費はおおむねGDP比1%程度を維持している。
 GDP比1%は、日本が専守防衛に徹するという国際的なメッセージだ。2%を参考にすると言い出せば、再び軍事大国化の意思ありと疑われても仕方があるまい。
 提言には「多用途運用母艦」とこれに搭載するF35BなどSTOVL(短距離離陸垂直着陸機)の導入も盛り込んだ。事実上の空母導入構想だ。「敵基地反撃能力」の必要性を訴え、長射程ミサイルの整備にも言及した。
 いずれも専守防衛を超える恐れがあるとして政府が導入を控えてきたものだ。国際情勢悪化を理由に一気に進めていいわけがない。
 そもそも提言は外交努力の視点に乏しい。財政状況も厳しい中、大盤振る舞いに国民の理解が得られるのか。軍事費を聖域として戦争に突き進んだ「いつか来た道」を、再び歩み出してはならない。


働き方改革法案/優先順位をつけて審議を
 働き方改革関連法案を巡る論戦の舞台が参院に移った。
 多様な働き方を選択できる社会の実現を「改革」の目的とする。しかし、長時間労働はもとより、過労死や過労自殺が一向になくならない現状からすれば、法案には重大な問題がある。
 経済界の要請に配慮して、労働時間規制の強化と緩和を強引に抱き合わせていることだ。
 衆院での法案審議中にも過労死が相次ぎ発覚した。
 東京のIT企業で裁量労働が適用されていた20代の男性社員と、在京テレビ局の50代の男性プロデューサーの2人が過労死として労災認定されていた。IT企業の男性は36時間連続の勤務もあった。
 これ以上、長時間労働を野放しにしてはならない。法案から残業時間の上限設定を切り離し、優先して実現させるべきだ。
 日本は労働時間を「原則1日8時間、週40時間」と定めている。ところが、労使が労働基準法36条に基づく「三六(サブロク)協定」を結び、さらに特別条項を設ければ残業は事実上の青天井となる。
 法案はここにメスを入れるものだが、繁忙時の残業上限を「月100時間未満」としている。労災認定の目安になる過労死ラインの月80時間を大きく超えており、適切といえるのか。
 与党、政府は20日までの国会会期を延長する方針を固める。労働者の健康を守り、企業の健全な競争力を保つ観点から、丁寧な審議をする必要がある。
 雇用者の4割近くを占める非正規労働者の待遇改善も待ったなしだ。
 法案に盛り込まれた「同一労働同一賃金」は、働き方の変化に対応した内容といえる。最高裁も先日、正社員との不合理な待遇格差の是正に向けて一定の判断基準を示した。
 企業の取り組みを促すためにも、個別の法案として速やかに成立させるべきだ。
 一方、高収入の一部専門職を残業規制から外す「高度プロフェッショナル制度(高プロ)」は労働者保護の観点から問題が多い。論戦は深まっておらず、拙速な導入は危うい。
 働く人の意欲を高めてこその「改革」だ。それなしに経済の持続的な成長は難しい。


外国人就労拡大 穴埋めにしてはならぬ
 政府は、外国人が就労できる新たな在留資格の創設を、「骨太の方針」の原案に盛り込んだ。
 これにより2025年までに、建設や介護、宿泊など5分野で50万人超の就業を目指すという。
 原則として認めていなかった単純労働に門戸を開放し、事実上の方針転換と言える。
 現在、少子高齢化などによる人手不足は極めて深刻だ。外国人労働者の受け入れ拡大は、世界の趨勢(すうせい)でもある。
 だが、そもそも現状でも、働きながら技術を習得する外国人技能実習制度で、賃金不払いや過重労働など問題が多発している。
 安易な拡大に踏み切る前に、問題点を検証し、就労環境の改善を図る必要がある。
 外国人を安価な労働力とみなし、人手不足の単なる穴埋めに充てるのは許されない。
 国内では約128万人の外国人労働者が働いている。
 17年の有効求人倍率は1・50倍と1973年以来の高水準で、新資格の対象となった分野は、とりわけ求人難が目立つ。
 新資格は5年間在留可能で、各業種の担当省庁の試験と日本語能力を考慮して決まる。
 技能実習生は3年の経験があれば、試験が免除される。
 新資格の取得で期間が5年延長される実習生については、トラブルが絶えない。
 今年に入っても、東京電力福島第1原発事故に伴う除染作業をさせたり、日産自動車が実習計画の規定より長時間、異なる作業をさせる問題などが発覚している。
 失踪者も昨年は7089人と前年に比べ4割も増えた。
 制度の抜本的な見直しが必要だ。受け入れ事業者の意識改革も欠かせない。
 その上で、社会保障も含めた待遇改善、語学教育の充実など、受け入れる環境を整備しなければならない。地域ぐるみの交流行事といった多文化共生の取り組みも求められよう。
 政府は「移民政策とは異なるものとして拡大する」と言う。
 それでも一定の試験に合格すれば、在留期間に上限を付けず、「家族帯同を認める」としている。これは移民とほとんど変わらないのではないか。
 人手不足の業界の要望に応じる形でこれ以上、場当たり的な対応を繰り返してはならない。
 現実から目をそらさず、移民を社会に迎え入れることについて、正面から議論を深めるべきだ。


自民お手盛り選挙改革に“進次郎砲”炸裂「国民をなめるな」
 またまた“進次郎砲”が炸裂だ。6日開かれた自民党の選挙制度改革に関する合同部会で、参院選の選挙区と比例代表それぞれで定数を増やす選挙制度改革案が了承された。比例で拘束名簿方式を一部導入する合区対象県の救済策も盛り込まれ、今国会での成立を目指すという。
 安倍首相はじめ政治家に国民の厳しい視線が注がれる中、議員定数を増やすお手盛り改革を強行するというのだ。そのセンスにア然だが、さすがに小泉進次郎筆頭副幹事長は黙っていなかった。
「モリカケ問題で結論が出せない中、こういったことにはしっかり結論を出す自民党の今の姿がいったいどうなのか。国民をなめてはいけない」とぶっ放したのだ。
 それでも収まらない進次郎氏は、加計学園が「安倍晋三首相と加計孝太郎理事長の面会はなく、愛媛県に誤った情報を与えた」と苦しい釈明をしたことを取り上げ、「やっぱりおかしい。どう考えたって愛媛県に嘘をつくのはおかしい」と疑問を呈した。真相解明のため国会に特別委員会を設置することも提案した。
 先日も「安倍首相がウミを出し切ると言ったのだから、その通りの行動をしなければいけない」「国民が納得してくれるような疑惑払拭をちゃんとやるべきだ」などと発言。強い発信力で世論への影響力を持つ進次郎氏の発言は、政府・与党が問題の幕引きを急ぐ中で波紋を広げそうだ。


参院定数自民案  小手先の変更にすぎぬ
 ご都合主義の選挙区定数変更案と言われても仕方ない。
 自民党が来夏の参院選に向け、新たな公選法改正案を了承した。
 選挙区の「鳥取・島根」「徳島・高知」の合区を維持しながら、比例代表と合わせて定数を6増やす内容で、今国会への提出、成立を目指すという。
 有権者が多い埼玉選挙区の定数を2増して「1票の格差」を3倍以内に抑える。比例代表ではあらかじめ決めた順位に従って当選者を決める「拘束名簿式」の特定枠を設ける。同党は、合区で擁立できなかった県の候補者を特定枠に登載して救済する方針だという。
 参院の役割やあるべき選挙制度の議論をなおざりにしたままの小手先の変更としか思えない。国民の理解は得られまい。
 選挙区の定数を増やしても依然として3倍もの格差が残る。比例代表に導入する特定枠は現行の「非拘束名簿式」と理念が異なるだけに、整合性について説明が求められよう。議員救済だけが目的なら党内から批判も出かねない。
 木に竹を接ぐような変更は、選挙制度をゆがめるだけだ。
 参院選挙区の1票の格差をめぐっては、最高裁が2013年参院選の4・77倍を「違憲状態」とした。これを受けて15年7月、合区を含む公選法改正がなされた。だが自民党は、安倍晋三首相肝いりの憲法改正案に都道府県単位で1人以上選出できる案を潜り込ませ、改憲で合区をなくそうとした。
 その改憲案の国会提出が困難と見るや、今回の変更案が出てきた。同党幹部は「来年の参院選が迫っており、結論を出さなければならない」と言うが、今国会の会期は20日までだ。十分な審議を前提にしているとは思えない。
 国会では森友・加計疑惑の真相解明もできていない。そんな状態で、自分たちの生き残り策につながる法案の成立を急ぐことは許されない。党内からも「国民にどう映るかが心配だ。なめてはいけない」(小泉進次郎筆頭副幹事長)と懸念の声も出ている。
 15年の法改正は付則で、19年の参院選に向けた抜本的な見直しを「引き続き検討し、必ず結論を得る」と定めている。制度改革は国会全体に向けられた課題である。しかし、野党側も積極的に議論してきたとは言い難い。
 自民案にある定数増は野党にも有利に働く面があるが、安易に乗ってはいけない。民主主義の根幹に関わる選挙制度改革は中途半端なものであってはならない。


自民の「合区」対策案 身を切る改革と対極だ
 自民党が、来年夏の参院選に向けた選挙制度改革案をまとめた。選挙区で「島根・鳥取」と「徳島・高知」の合区を継続しつつ、比例代表と合計で定数を6増とする。合区から立候補しない県の候補者を救済するのが狙いだが、財政難で国民に負担を強いる中で政治家が覚悟を示す「身を切る改革」に逆行している。
 合区は参院の「1票の格差」の是正に向け、3年前に導入が決まった。合区に消極的だった自民党が野党案に乗る形で受け入れた経緯がある。その後に議論する時間はあったのに、選挙まで残り1年余りになって改革案を出した。政権与党の責任を果たしているとは言えまい。
 改革案では、比例代表の定数を4増の100とする。3年ごとの改選数では2増になる。その純増分を「特定枠」として各党が候補者を処遇し、優先して当選できるようにする。党内調整で合区からの立候補を断念させた候補者を充てようという自民党の意図は明らかだろう。
 さらに選挙区では、1票の格差が前回3倍を超えた埼玉の定数を2増(改選数では1増)とし、3倍未満に収める。
 複雑で分かりにくい提案である。おとといの党部会で、森友、加計学園問題での党の鈍い対応を引き合いに「国民にどう映るか心配だ。なめてはいけない」と若手が懸念を示したのはもっともである。
 にもかかわらず、改革案は部会でそのまま了承された。社会保障で国民に負担を求める一方で、自分たちは保身に走るなど許されようもない。自民党は今国会で必要な法改正を目指すというが、強引に推し進めようとするなら「1強のおごり」以外の何物でもなかろう。
 こんな急場しのぎの改革案をまとめたのは、改憲で合区解消を目指す党の戦略が、来夏の選挙準備を考えると時間的に厳しくなったためだ。
 だが、改憲案は9条への自衛隊明記という憲法の根幹に関わる項目などとの抱き合わせで、時間を要することは十分に予想されていたはずだ。意図的に議論を先延ばしし、自分たちに有利な案を土壇場で出して押し切ろうと考えているのではないかと勘繰りたくなる。
 連立与党の公明党が一定の理解を示すのはなぜだろう。自民案で定員増を想定する埼玉選挙区は、公明党が議席を争い、毎回激戦を繰り広げている。自分たちに好都合だから賛同しようというなら、自民党ともども批判を浴びても仕方あるまい。
 地元の声を国政にしっかり反映させてほしいと願う有権者からすれば、合区の導入が不安を駆り立てている面は確かにある。とはいえ、県域を基にした選挙区選出の参院議員を、小選挙区選出の衆院議員と同様に「地域の代表」と捉えるべきかは議論があろう。参院の在り方にもつながる重要なテーマだ。
 参院の選挙制度をこのまま放置するわけにはいくまい。合区導入を決めた3年前の改正公選法の付則には、来夏の参院選に向けて「選挙制度の抜本的見直しについて引き続き検討を行い、必ず結論を得る」と明記している。
 各党の考えは、大選挙区制から合区の増まで幅広い。だからこそ国会で議論を深め、一定の結論を導かねばならない。


財政健全化計画 正念場なのに先送りとは
 先進国で最悪の財政をどう立て直すのか。政府が、経済財政運営の指針「骨太方針」の原案で、新たな財政健全化計画案を提示した。
 2019年10月に消費税を10%へ引き上げる必要性を明記する一方、新たな借金に頼らず税収などで政策経費を賄えるかを示す基礎的財政収支(プライマリーバランス=PB)の黒字化目標を、従来の20年度から25年度へ5年先送りした。
 歳出抑制の鍵となる19年度から3年間の社会保障費の伸びについても従来計画で明示していた数値目標の設定を見送った。
 財政再建に本腰を入れねばならない正念場なのに、真剣さが伝わってこない。その場しのぎの安易な手法を一体いつまで繰り返すつもりなのか。
 新たな健全化計画の焦点は財政再建の一里塚となるPB黒字化の時期がいつで、再建策にどこまで実効性があるかだった。
 17年度のPB赤字は約18兆5千億円に上る。これを黒字化する時期は昨年の衆院解散の際、来秋の消費税増税に伴う増収分の使途を教育無償化などに広げたことで、達成目標の「20年度まで」が先送りされていた。
 だが、PBの黒字化を急ぐことで、経済的ショックに対する財政対応の余地を回復し、持続可能な財政基盤を構築することは喫緊の課題だ。22年度からは団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になり、医療・介護費が急増する。今は良好な経済環境がいつまで続くかも不透明だ。
 25年度のPB黒字化はむしろ前倒しすべきで、もはや絶対に譲ってはならぬ一線である。
 そのため政府は、中間年の21年度に計画の進み具合を、国内総生産(GDP)に対する▽PB赤字の割合▽債務残高の割合▽財政収支赤字の割合−の3指標で点検するという。
 ただ、このうち債務残高と財政収支赤字の中間目標は来年度以降の歳出改革を織り込んでいない試算でも達成可能な甘いハードルだ。PBの改善が進まなくても、それを取り繕えるとの思惑が透けて見える。分母のGDPを増やせば歳出削減に踏み込まなくて済む便法にも映る。
 さらに気掛かりなのは、社会保障費の伸びに数値目標の設定を見送ったことだ。従来計画では伸びを16〜18年度の3年間で1兆5千億円程度にすると明示し成果もあった。今回も削減に数値を設定して歳出拡大圧力に抗することが必要ではないか。
 従来、財政健全化は消費税率の引き上げ延期や、甘い経済見通し、その結果としての税収下振れ、再三の補正予算編成などで遅れに遅れてきた。その揚げ句の目標先送りである。いいかげんに悪循環を断つべきだ。


非正規訴訟判決 格差の是正につなげねば
 非正規労働者の待遇格差是正に向け、考えるべき一石を投じたといえよう。
 同じ仕事をする非正規労働者と正社員との賃金格差解消を求めた二つの訴訟で、最高裁が初の判断を示した。
 まず注目したいのは、浜松市の物流会社で契約社員として働く運転手の男性が、正社員と比べて待遇に格差があるのは不当として是正を求めた訴訟だ。
 給食や通勤など6手当の支給で差があることが争われ、判決は5手当について、格差は違法と判断した。
 労働契約法は、非正規労働者と正社員との間で、「不合理な待遇格差」を禁じている。
 不合理かどうかは(1)職務内容や責任の程度(2)配置変更の範囲(3)その他の事情−を考慮するとしている。
 しかし、何が不合理に当たるかは下級審でも判断が分かれていた。最高裁が初めて一定の基準を示したことは意義がある。
 最高裁は手当の個別項目ごとに、不合理性を検討した。二審が認めなかった皆勤手当についても、出勤者の確保が目的であり、正社員との間で格差を設けるのは違法とした。
 半面、異動の可能性がある正社員にだけ住宅手当を支払うのは妥当だと判断した。
 職務内容や責任の程度と関係ない格差は、原則として認めないとの意思を示したといえる。
 非正規労働者に同様の待遇格差を設けている企業では、見直しが必要になるところも出てこよう。状況を見極めながら、柔軟に対応することを求めたい。
 一方、横浜市の運送会社を定年退職後に再雇用された非正規のトラック運転手が、同じ仕事なのに賃金が下がったのは不当として、是正を求めた訴訟の判決では、格差の大半は不合理ではないとの判断が下された。
 格差の妥当性を判断するには、定年後の再雇用という事情も考慮すべきとの初判断を示したが、多くの企業で実施されている定年再雇用後の賃下げを容認した形だ。
 最高裁は容認の理由として、再雇用者が正社員として定年まで働き、年金受給が見込まれることなどを挙げた。
 だが年金受給開始年齢の段階的引き上げなどで、60歳以上の就労者数は増え、1千万人を超えている。労働力不足が深刻化する中で今後、働く高齢者の存在感が増すのは間違いない。
 最高裁の判断は、時代や状況が変化する中で、高齢者が意欲を持ち続けられる労働条件が必要だとの課題を提示したともいえよう。
 非正規労働者と正社員の待遇格差の是正を図る「同一労働同一賃金」の導入は、働き方改革の柱の一つだ。
 政府は2016年12月に、どのような場合に不合理な待遇格差になるかについてのガイドライン案を作成した。
 ただ、非正規が多い再雇用に関する記載はない。今回の判決を踏まえ、再雇用の在り方についても改めて論議を深めていく必要がある。


【骨太方針案】健全化の覚悟が見えない
 ブレーキを緩めながら、アクセルは踏み込む余地を広げている。財政健全化への覚悟が見えてこない。
 政府が経済財政運営の指針となる「骨太方針」案を示した。
 これまでは2020年度としていた国と地方の基礎的財政収支を黒字化する時期は、5年も先送りして25年度としている。
 基礎的財政収支は社会保障などに必要な経費を借金(国債)に頼らず、どれだけ賄えているかを示す。国・地方を合わせた債務残高は既に1千兆円を超えている。黒字化は再建の第一歩だ。先送りは将来世代の所得をさらに先食いし、つけを回し続けることを意味する。
 新たな目標を達成できるかも見通せない。政府は名目3%超、実質2%前後の高成長が続くことを前提としている。アベノミクスがうまくいった場合の税収増を見込んでおり、経済見通しの楽観論は相変わらずだ。これで財政規律が緩めば、黒字化はさらに遠のく。
 当面の焦点である消費税増税は、予定通り19年10月に税率を10%に引き上げる必要があると明記した。その一方では景気への悪影響を抑えるため、19、20年度当初予算で臨時・特別措置を講じるという。
 14年に税率を8%に引き上げた際は、駆け込み需要とその反動減で景気が減速した。安倍首相は今回、「相当思い切った財政出動」に言及している。当初予算への上乗せであり、一般会計総額で初の100兆円突破も視野に入っている。
 消費意欲の減退を抑える配慮は必要にせよ、増税のために財政出動を繰り返すのでは、いつまでも健全化は見えてこないのではないか。
 社会保障費の膨張を抑える数値目標が見送られたことも危惧する。19〜21年度は、高齢化による増加分に相当する伸びに収める方針にとどめ、歯止めを設けなかった。
 政府は16〜18年度、3年間で計1兆5千億円程度の伸びとする目安を設定。各年度予算で目安に従って社会保障給付を効率化してきた。
 医療や介護、年金などにかかる社会保障費は削るばかりでなく、実効性ある手当ては必要だ。とはいえ、具体的な数字がなければ規律は緩み、実態に合った制度改革も進まない恐れがある。
 公共事業や防衛費などにも明確な歯止めは設けられていない。秋には自民党総裁選、来年は統一地方選、参院選が控える。与党からの歳出圧力に対応する余地を広げているとすれば、本末転倒だ。
 財政再建の鍵を握る社会保障費は、団塊の世代が75歳に差し掛かる22年に急増が始まる。厳しさを増す財政環境を目前に成長戦略の楽観論を押し出し、不人気政策による「痛み」の説明を避けていては将来に禍根を残す。
 巨額の借金体質は国民の将来不安に直結している。財政健全化は待ったなしの取り組みだ。政府は持続可能な将来ビジョンを示し、説明する責任から逃げてはならない。


賃金格差判決 是正は社会の流れだ
 正社員と非正規社員が同じ仕事をした場合、賃金などの待遇に格差があるのは妥当かどうかが争われた2件の訴訟で、最高裁は一部の手当については是正すべきだとしたものの、定年後の再雇用に伴う賃金減少については不合理ではないとの判決を言い渡した。
 労働契約法は正社員と非正規社員間の「不合理な格差」を禁じている。ただ、何をもって不合理とするかは明確ではなかっただけに「賃金総額の比較のみではなく、賃金項目の趣旨を個別に考慮すべきだ」との初判断を示した意義は大きい。
 物流会社の契約社員の運転手が6手当の格差是正を求めた訴訟では、住宅手当を、転勤がない契約社員に支払わないのは「不合理とはいえない」としたが、通勤手当や給食手当などの5手当は正社員と職務内容が異ならないので、支払わないのは「不合理」として賠償を命じた。
 非正規労働者は年々増加して2千万人を超えている。働く人の4割近くを占めるが、平均賃金は正社員の6割にすぎない。企業の労使交渉は正社員が対象で、非正規社員の待遇改善はなおざりにされてきたためだ。
 これに対して、判決は雇用の形態にかかわらず、合理的に説明できない格差は認められないという姿勢をはっきりと打ち出した。「同一労働同一賃金」の流れをこれまで以上に加速させることは間違いない。
 一方で、定年後に嘱託社員として再雇用された運送会社の運転手が、仕事の内容が同じなのに年収は以前より2割以上も下がったと賃金格差の是正を求めた訴訟では、賃金そのもののダウンは容認した。これには疑問も残ると言わざるを得ない。
 判決は、定年制は賃金コストを一定限度に抑制する制度だとし、再雇用者の賃金格差は年金の支給が予定されていることなどを考慮すると「不合理ではない」とした。だが、どれくらいのダウンなら許容されるかという目安には触れなかった。
 企業は高年齢者雇用安定法で希望者全員の65歳までの雇用確保を義務付けられている。今や定年退職者のほとんどが契約社員や嘱託社員として再雇用されているが、賃金は一般的に大幅に下がるのが実態だ。働きがいがないと感じている人も多い。
 少子高齢化で労働人口が減少していく中では、高齢者の就労拡大は欠かせない。経験豊富な高齢者が活躍すれば企業も活性化する。そういう好循環を実現するためにも、再雇用者が納得できる賃金体系を個々の企業で模索してもらいたい。


非正規格差で判決◆早急な待遇改善を求めたい◆
 同じ仕事をしている正社員と賃金水準に差があるのは労働契約法が禁じる「不合理な格差」に当たる-と定年後に再雇用された非正規労働者のトラック運転手が是正を求めた訴訟の上告審判決で、最高裁は正社員であれば受け取れた一部手当の支払いを会社側に命じた。この訴訟は一審判決が同じ水準の賃金支払いを命じ、注目を集めた。
再雇用の低賃金追認
 しかし二審判決で原告逆転敗訴となった。最高裁も一部手当を除き、その判断を是認し、格差が不合理かどうかを判断するに当たっては、定年後の再雇用という事情も考慮されるとの初判断を示した。多くの企業が導入している継続雇用制度で再雇用後の賃金が定年前より低く抑えられている現状を追認した形だ。
 非正規労働者は企業にとって雇用調整や人件費抑制をしやすいこともあって増え続け、2017年の平均で働く人の4割近い2千万人余りに達している。しかし正社員と同じ仕事をしても賃金や手当を低く抑えられることが多く、待遇格差が問題になってきた。格差是正は喫緊の課題である。ガイドラインづくりなどを通じ、早急に待遇改善の前進が求められる。
 不安定な働き方を減らすために13年4月に施行された改正労働契約法は、正社員と非正規との間で待遇に不合理な格差があってはならないと規定。不合理かどうかは、仕事の内容や責任の程度といった「職務の内容」のほか、転勤や昇進など「配置の変更範囲」や「その他の事情」を考慮して判断するとしている。
働き方改革に影響か
 横浜市の長沢運輸で定年後に再雇用されたトラック運転手3人が正社員と同じ水準の賃金を支払うよう求めた訴訟で一審東京地裁は、正社員との間で職務内容と配置の変更範囲に全く違いがないのに賃金に差があるのは不合理で、労働契約法に違反するとして原告勝訴の判決を言い渡した。二審東京高裁判決は「定年後の賃下げは社会的に容認されている」とし、不合理な格差ではないと判断。労働契約法にある「その他の事情」を重視した判断で、最高裁も同じ立場を取った。
 一方、浜松市にある物流会社の契約社員が起こした訴訟は手当の格差が争点となり、一審大津地裁彦根支部判決は通勤手当のみ不合理とした。二審大阪高裁判決はさらに無事故、給食、作業の3手当も不合理とし、最高裁はこれに皆勤手当も加えた。政府が今国会の最重要法案と位置付ける働き方改革関連法案で目玉政策の一つである「同一労働同一賃金」の実現に向け、国のガイドラインづくりに影響を与えるとみられる。
 非正規の待遇は時給で見た場合、欧州はフルタイムで働く人の7、8割に対し、日本は6割にとどまる。待遇差について、各企業が非正規に丁寧に説明する仕組みを整えることも必要だろう。


犯罪被害者対策 わが事として考えたい
 犯罪被害者や遺族の権利確立に大きな役割を果たしてきた全国犯罪被害者の会(あすの会)が先ごろ、18年余りの歴史に終止符を打った。
 東京の通り魔事件の被害者遺族が「殺人事件の犯人を死刑にする会」を結成、世の耳目を引いたのは1965年。戦後の新憲法の下、被疑者や被告人の人権問題に法律家らの関心が集まる一方、被害者が置き去りにされがちな傾向は以後も根強く残った。
 あすの会の活動により2004年に犯罪被害者基本法が成立。自治体に被害者支援を義務付けた。08年には、法廷で遺族らが直接被告に質問できる制度も整った。10年4月には殺人など凶悪犯罪の公訴時効が撤廃されるなど、被害者や遺族の存在に目が及ばなかった刑事司法に転換を促した功績は計り知れない。
 解散は会員の高齢化も一因だが、一連の法整備に伴い相談件数が減るなど、一定の成果を実感できたことが大きいという。やり切った末の幕引きと言えるだろう。
 小さな声が集まって国を動かした活動の足跡は、その中心を担ってきた岡村勲弁護士が自負する通り「市民運動の一つの手本」として長く記憶され続けるに違いない。
 それでも「課題は残る」と岡村さん。その一つが被害者補償の問題だ。一時金程度の保障では生活維持は難しい。適用対象外とされたり、法や制度の周知が及ばず救われない被害者も多くいる。
 警察庁の調べでは、児童虐待や性被害などを中心に、大半が加害者による賠償や公的給付金などの金銭補償を受けていない。ここから先は国民一人一人が被害者の置かれる状況をわが事として、岡村さんらの志を受け継ぎたい。
 県内では近年、いわて被害者支援センターへの相談件数が急増。10年度に15件だった直接支援は、14年度216件に跳ね上がり、17年度は290件。7年前の20倍近い。
 電話相談も大幅増。県や自治体、警察などが連携して利用促進に努めた結果だろう。裏返せば、なお需要が見込まれるということだ。
 センターは14年、事件・事故の窓口(019・621・3751)とは別に、性暴力被害専用の「はまなすサポートライン」(019・601・3026)を開設。二戸、奥州両地区に出張相談所を設けるなど、潜在需要の掘り起こしに積極的だ。
 性暴力などでは、被害者が声を上げにくい場合が多い。苦悩を独りで抱え込む中、心ない言葉を浴びて二重三重に傷つく場合もあるだろう。
 ある日突然、事件や事故に巻き込まれる可能性は誰にでもある。被害者や遺族の実態に向き合うことは、翻ってわが身のためと心得たい。


林文科相 カンヌ最高賞で祝意を 是枝監督は辞退表明
 フランスで先月開かれた第71回カンヌ国際映画祭で、メガホンを取った「万引き家族」が最高賞「パルムドール」を受賞した是枝裕和監督に対し、林芳正文部科学相が文科省に招いて祝意を伝える考えを示したところ、是枝監督が自身のホームページ(HP)に「公権力とは潔く距離を保つ」と記して辞退を表明した。
 林氏は7日の参院文教科学委員会で、立憲民主党の神本美恵子氏から「政府は是枝監督を祝福しないのか」と質問され、「パルムドールを受賞したことは誠に喜ばしく誇らしい。(文科省に)来てもらえるか分からないが、是枝監督への呼びかけを私からしたい」と述べた。今回の受賞を巡っては、仏紙「フィガロ」が安倍晋三首相から祝意が伝えられないことを「是枝監督が政治を批判してきたからだ」と報じていた。
 答弁を受け、是枝監督は同日、HPに「『祝意』に関して」と題した文章を掲載。今回の受賞を顕彰したいという自治体などからの申し出を全て断っていると明かした上で「映画がかつて『国益』や『国策』と一体化し、大きな不幸を招いた過去の反省に立つならば、公権力とは潔く距離を保つというのが正しい振る舞いなのではないか」とつづった。【伊澤拓也】


防衛省の研究助成継続を辞退、北海道大学が大学で初
 防衛省が大学などの研究を助成する制度について、軍事研究につながりかねないとする批判が出るなか、北海道大学がこれまで受けていた助成の継続を辞退していたことがわかりました。大学が助成を取り下げたのは初めてです。
 防衛省が防衛装備品につながる研究を助成する制度は3年前に始まり、大学に対する国の交付金が減る傾向にある一方で、予算は毎年増額され、昨年度は110億円に達しています。これまでに9つの大学の研究が選ばれていますが、このうち、北海道大学が、「船が受ける水の抵抗を小さくする研究」についての今年度の助成金の継続を辞退していたことがわかりました。
 制度をめぐっては、軍事研究につながりかねないとする批判が相次ぎ、去年、日本学術会議が制度への応募に否定的な声明を出していましたが、助成を受けていた大学が取り下げたのはこれが初めてです。北海道大学は理由について、「学術会議の声明を尊重した」としています。


北大が防衛省の助成辞退 「軍事研究」めぐる学術会議声明受け初
 軍事転用可能な基礎研究を助成する防衛省の公募制度をめぐり、これまでに約2330万円の助成を受けていた北海道大が継続を辞退していたことが8日、防衛装備庁や大学側への取材で分かった。同庁によると、助成を受けていた大学が、途中段階で取り下げたケースは初めて。
 この制度は平成27年度に創設され、これまでに企業や研究機関のほか、北大を含む9大学が助成対象として採択されている。日本学術会議は軍事研究につながりかねないと懸念する声を受け、昨年「研究の進捗管理などで政府の介入が著しく、問題が多い」との声明を出している。
 北大広報課は「声明を尊重し、今後については日本学術会議の検討結果を参考にする」と話した。同庁は、北大の辞退について「大学の意思を尊重する」としている。
 北大が助成を受けていたテーマは「船などが受ける水の抵抗を小さくする研究」。研究期間は28〜30年度とされていたが、今年3月、辞退を申し出たという。
 研究していた北大大学院工学研究院の村井祐一教授は「大学と長期間にわたって協議したので、その判断を受け止めたい」と話した。


焦点:米国がAIの軍事利用加速、核ミサイル防衛で極秘研究
米軍は人工知能(AI)を活用した秘密研究への投資を加速している。狙いは、北朝鮮などによる核搭載可能ミサイル発射の予測、そして移動式発射装置の追尾や捕捉を支援することだ。
この取組みについては、ほとんど報じられておらず、公表されている細部についても、国防総省の最新予算において、ほとんど理解不可能な専門用語の中に埋もれている。
だが、この研究に詳しい米当局者は、潜在的な核ミサイル攻撃に対する防衛を強化するため、どのようにAI主導のシステムを開発していくべきかについて多数の機密計画が進行中だとロイターに語った。
こうした研究が成功すれば、コンピューターシステムが自律的に思考することが可能となり、人間の能力を超えたスピードと精度で衛星画像を含む膨大な量のデータを解析して、ミサイル発射準備の兆候を探ることが可能になると、米当局者も含めた複数の情報提供者は語った。研究が機密指定であるため、彼らは匿名を希望した。
事前警告があれば、米国政府は外交的な選択肢を模索することもできるし、攻撃が差し迫っている場合には、敵ミサイル発射前に米軍が破壊、あるいは迎撃する余裕も生まれる。
「発射前にミサイルを発見し、ミサイル発射をいっそう困難にさせるために、できる限りのことをするべきだ」と当局者の1人は言う。

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立教180320

Corruption. Falsification de documents officiels : une crise de la démocratie au Japon
Trente-huit fonctionnaires du ministère japonais des Finances, jugés pour avoir falsifié des documents dans une affaire touchant le Premier ministre, ont été relaxés. Toute la presse japonaise s’insurge contre une décision qui ne dissipe par le scandale.
Jeudi 31 mai, le parquet d’Osaka a clos son enquête préliminaire sur l’affaire de falsification dans laquelle 38 fonctionnaires du ministère des Finances étaient poursuivis. Le parquet a décidé de ne pas les poursuivre en justice bien qu’il ait établi la falsification de documents liés à l’affaire de favoritisme imputé au Premier ministre Shinzo Abe.
Le gouvernement a trahi les citoyens”, commente le quotidien Asahi Shimbun. En effet, le Parlement a gaspillé beaucoup de temps : ‟La discussion sur ce scandale a duré plus d’un an, et en plus elle s’est s’appuyée sur des documents falsifiés”, souligne-il. Le quotidien ultraconservateur Sankei Shimbun va plus loin en rappelant dans un éditorial que ‟les documents officiels sont la base de la démocratie, si bien qu’une falsification est inacceptable”.
En 2016, le ministère des Finances aurait vendu à un ami du Premier ministre Shinzo Abe un terrain à très bas prix. Celui-ci était destiné à accueillir la construction d’une école privée. Cette affaire de favoritisme a été débusquée au début de l’année 2017 par une enquête de l’Asahi Shimbun, et le Parlement s’est immédiatement saisi du dossier.
La falsification de documents s’est surajoutée à ce premier scandale. En mars 2018, le ministère des Finances a admis que les parlementaires avaient en main des documents falsifiés. C’est alors que la justice a été saisie.
Des morceaux de phrases supprimés
À l’issue des investigations, le parquet a constaté que “dans 14 documents ayant servi à l’approbation de la vente, 300 parties de phrases contenant les noms d’hommes politiques et de l’épouse du Premier ministre, qui seraient intervenus dans la négociation des conditions de la vente, ont été supprimées”, relate le Mainichi Shimbun. Le parquet a cependant conclu que ces modifications n’avaient pas touché les points essentiels du contrat, tels que le prix du terrain, et c’est pourquoi les fonctionnaires ont été relaxés.
Àla suite de cette décision, lundi 4 juin, le ministre des Finances, Taro Aso, a toutefois ordonné la suspension de 20 d’entre eux. En revanche, en réponse à une question d’un journaliste, le ministre a repoussé toute éventualité de démission.
Pourtant, l’enquête menée par le procureur a bien établi la falsification de documents dans le ministère de Taro Aso, mais sans en examiner les raisons et les détails, souligne la presse japonaise. La question de l’implication de responsables politiques reste posée. D’après un éditorial du Tokyo Shimbun, l’enquête n’a par exemple pas établi pourquoi et comment le Premier ministre Shinzo Abe et son épouse seraient impliqués dans la vente initiale du terrain. ‟C’est un scandale sans précédent. Avant tout, Aso devrait démissionner”, s’exclame le quotidien centriste Mainichi Shimbun.
Masatoshi Inoue
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NHKスペシャル「ミッシングワーカー 働くことをあきらめて…」
40代・50代の働き盛りの世代で、長期間、無職の状態に陥る人が急増。求職活動も諦めてしまう人は「ミッシングワーカー」といわれ、問題視されている。その実態に迫る。
今、40代・50代の働き盛りの世代に異変が起きている。親の介護などがきっかけで働けなくなる人が増えているのだ。独身中高年650万人のうち6人に1人が無職、特に介護は独身者ほど負担が重い。こうして、長期間、働けなくなり、求職活動もあきらめてしまう人はミッシングワーカー(=消えた労働者)といわれ、問題視され始めている。労働市場から消えた存在、ミッシングワーカーの実態に迫り、解決策を探る。

岡口基一‏ @okaguchik
大学院生が退学処分 部落差別発言などで 大学の派遣職員について 「だってあの人は部落民だから。」 と発言 指導教授について 「医師や歯科医師の中には,普通の企業が採用しない在日や同和が混ざっています。その類の人種かもしれない。」 などと発言 http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/539/087539_hanrei.pdf

パワーアップ関連のチラシを焦って作りました.たたき台とはいえあまりにみっともないのはダメです.
Kaさんと上記の件含めていろいろお話しました.たまには話しないと.一方でAnさんとは話できなくて失敗です.
何か欲しいものある?と聞かれたのですが,何もないなぁ・・・と思っていました.遅い時間に「のぼりが欲しい」と思ってメールしました.

<気仙沼防潮堤ミス>住民団体「造り直しを」 知事宛て要望書提出
 宮城県気仙沼市内湾地区の防潮堤高を県が誤って施工した問題で、同市の住民団体「内湾地区復興まちづくり協議会」は6日、計画通り防潮堤を造り直すよう求める要望書を、村井嘉浩知事宛てに提出した。気仙沼市と同市議会も同日、住民の合意を尊重するよう求める要望書を提出。県は誤った高さのまま設置する方針を重ねて示した。
 県庁を訪れた協議会の菅原昭彦会長は、住民が県と議論を重ねて計画の高さを受け入れた経緯に触れ「(ミスで)約束がほごにされることは納得できない。明確な理由がない限り計画通りに進めてほしい」と求めた。
 菅原茂市長は「(県が)住民と同じ思いを持ってくれていない。正面から向き合うことが必要」と訴えた。菅原清喜市議会議長も、県に再考を促した。
 公務の知事に代わり応対した河端章好副知事は「『海の見える生活を大切にしたい』という住民の思いを念頭に、方策を考えている」と答えた。取材に対し「(造り直さない)今の方針をベースに住民に理解される方策を検討したい」と強調した。
 要望書で、協議会は「県全体の利益を理由に、非が地域住民の側にあるかのような意思が知事から示され、住民は全く納得していない」と批判。造り直しや高さを間違った原因の丁寧な説明など4項目を明記し、回答を求めた。
 市と市議会は造り直しの要望が内湾地区の総意とし、住民や地権者との合意を前提に、県が工事を進めることを強く要請した。
 菅原会長は「われわれの要望にかなうかどうかは県が示す方策の内容次第だ。ボールは県側にある」と話した。菅原市長は「オープンな協議の場で県が示した案の中から住民が造り直しを選んだ。決してわがままではないことを理解してほしい」と述べた。
 菅原会長ら3者は県議会の中島源陽議長にも同様の要望書を提出した。


震災遺構紹介の看板・標識設置へ
東日本大震災からまもなく7年3か月がたとうとする中、東北地方整備局は震災の記憶の風化を防ぐため、各地の震災遺構を紹介する看板や行き方を示した標識の設置などを行うことになり、達増知事らに報告しました。
東北地方整備局の津田修一局長は、7日、県庁を訪れ、達増知事をはじめ県の幹部に対し震災の教訓を伝えていくため、今年度国が取り組む事業について説明しました。
この中で津田局長は、震災の経験を記録として残すため、津波による被害の規模やその後の救援活動の実態を紹介する「震災伝承説明板」を各地に設置していくことや、主要道路などに震災遺構への行き方を示す案内標識を設置することなどを説明しました。
また、より多くの人が被災地をめぐりやすいよう、陸前高田市などで整備が進む「復興祈念公園」や各地の震災遺構、それに語り部活動を結びつけるルートを独自にまとめ、学生や旅行者向けのコースとして旅行会社に提案していく考えを示しました。
津田局長は、「震災の記憶が風化しないよう、被災地の関係施設を結び、情報発信をしていきたい。そのため県や民間団体とも話し合いながら事業を進めたい」と話していました。


名取 再建の寺に7年ぶり鐘戻る
東日本大震災で大きな被害をうけた名取市閖上地区の寺が再建され、寺の鐘が保管されていた埼玉県飯能市からおよそ7年ぶりに戻りました。
名取市閖上地区の東禅寺は、東日本大震災の津波で建物が全壊し、地区で暮らしていた230人あまりの檀家が犠牲になりました。
がれきの中から見つかった寺の鐘は、住職の三宅俊乗さんの大学の同級生が住職をしている埼玉県飯能市の法光寺で保管されてきました。
東禅寺がかさ上げされた土地にこのほど再建されたことから鐘が戻されることになり、7日午前8時半すぎ、トラックで運び込まれました。
そして、本堂の脇に鉄のやぐらが組まれ、2時間ほどかけて直径およそ1メートル、高さおよそ1.5メートルの鐘が取り付けられました。
東禅寺では午後から法光寺の関係者も参加して法要が営まれ、閖上地区におよそ7年ぶりに鐘の音が響く予定です。
東禅寺の三宅住職は「鐘は当初、諦めかけていたが、預かっていただいて大変ありがたかった。犠牲になった方の鎮魂の鐘として、また復興を目指す人たちの希望の鐘として後世に残していきたい」と話していました。


外国人就労の受け入れ拡大 共生政策も同時に議論を
 政府が「骨太の方針」の原案で、外国人就労の受け入れ拡大を打ち出した。原則として認めてこなかった単純労働にも門戸を開くもので、実質的な政策転換につながる。
 政府案によると、受け入れ対象は人手不足が深刻になっている建設や農業、介護などの5業種。2019年4月に新たな在留資格を設け、25年までに50万人超の就業を目指す。
 政策転換の背景にあるのは、少子高齢化に伴う労働力不足だ。高齢者や女性を含む「1億総活躍」、ロボット導入による省力化などでも賄いきれないと判断したのだろう。
 外国人労働者の拡大は世界的な動きであり、経済成長のためにも欠かせない。人口減少が進む日本で検討していくことは当然だ。
 ただし、それによって増加する外国人労働者に国内での共生を促す政策は見当たらない。
 人手不足解消という喫緊の課題にばかり目が行き、働く外国人の生活を守る視点が欠けているように思える。労働力の穴埋めと考えるだけでは、将来に禍根を残すことになりかねない。
 外国人受け入れの先例である技能実習制度では、賃金不払いや長時間労働などが問題化している。その二の舞いとしてはならない。
 優れた外国人材の獲得は中国や韓国、タイなども進めている。劣悪な条件を強いるようでは、獲得競争で後れを取りかねない。賃金などの労働条件はもちろん、社会保障などを含めた環境の整備が求められる。
 新制度について政府は「移民政策とは異なる」と強調している。確かに新制度による滞在期間は原則5年で、帰国を前提にしている。
 しかし、日本語や専門分野の試験に合格すれば期間が撤廃され、家族の帯同も認められる可能性がある。そうなれば「移民」との境界は、一段とあいまいになる。
 外国人の増加を巡っては、国民の間で治安悪化の懸念など不安が根強いことも否定できない。だからといって排外的な考えを優先するのは好ましくない。
 目指すべきは、外国人労働者が地域の人々と交流し、共に生活を営む社会であろう。そのためには、官民で就労受け入れを巡る議論を深める必要がある。


自民の選挙改革 ご都合主義が目に余る
 「抜本的な見直し」とは懸け離れた「小手先の見直し」との批判は免れまい。自民党の参院選挙制度改革案。理念を欠き、地方組織の不満解消を最優先にした弥縫(びほう)策だ。ご都合主義が目に余る。
 自民党の合同部会がきのう来年の参院選から導入する選挙制度改革案を了承した。総務会での了承を経て法案を今国会に提出し、会期内の成立を目指す、という。
 改革案の柱は二つ。一つは議員一人当たりの有権者数が最も多い埼玉選挙区の定数を二(三年ごとの改選数では一)増やすこと。もう一つは比例代表の定数を四(改選数では二)増やし、名簿順位を付けない現行制度の例外として、各党が事前に定めた順位に従って当選者を決める「拘束名簿式」の特定枠を導入することだ。
 「鳥取・島根」「徳島・高知」をそれぞれ一つの選挙区に統合する「合区」と「十増十減」の定数見直しを行った三年前の前回改正では、二〇一九年の参院選に向けて「選挙制度の抜本的な見直しについて引き続き検討を行い、必ず結論を得るものとする」と、改正法の付則に盛り込んでいた。
 自民党の改革案は「抜本的な見直し」という、国民との約束を果たす内容とはとても言えない。
 半数改選という憲法上の制約がある参院で定数増による「一票の不平等」是正は一概には否定しないが、そもそも埼玉の定数を増やしても、三倍近い格差が残る。
 最高裁が前回一六年参院選での格差三・〇八倍を「合憲」と判断したのは、抜本的に見直すとした立法府の姿勢を評価したからにほかならない。自民党案は投票価値の平等を追求する真剣さを欠く。
 さらに問題なのは特定枠の導入だ。「国政上有為な人材」らの選出を名目に、対象人数などは各党の判断に委ねてはいるが、自民党の狙いが、合区対象県で公認に漏れた県の候補を比例代表で救済することにあるのは明らかだ。
 これまで主張してきた憲法改正による合区解消が難しいからだろうが、自党の議席維持を優先する場当たり的な対応と批判されて当然だ。
 参院選挙制度改革では故西岡武夫氏が参院議長当時に全国九ブロックの比例代表制、公明党が十一ブロックの大選挙区制を提唱したことがある。抜本改革の参考になるのではないか。
 選挙制度の抜本見直しは本来、衆参それぞれの権限や役割などに踏み込んで議論すべきである。それを怠ってきた責任は、与野党が等しく負わねばならない。


参院定数6増案 ご都合主義にも程がある
 ご都合主義にも程がある。「1票の格差」是正に向けて参院定数を6増やすという。本気なのかと耳を疑いたくなる。党利党略が露骨な定数増など断じて容認できない。撤回すべきだ。
 自民党はきのう、選挙制度改革問題統括本部などの会合で公選法改正案を了承した。この案に公明党は一定の理解を示しつつも議論を続けるとしている。
 どんな案か。参院選挙区の「合区」を維持する一方、比例代表の定数を特定枠として4増する。さらに議員1人当たりの有権者数が最も多い埼玉選挙区の定数を6から8に2増やして、選挙区間の「1票の格差」を是正する−という内容だ。
 特定枠は事前に定めた順位に従って当選者を決める「拘束名簿式」を採用する。自民党は合区対象県で選挙区に擁立できなかった県の候補を特定枠に登載する方針という。
 2016年参院選で「鳥取・島根」と「徳島・高知」に導入された合区に対する自民党の不満は強い。19年の参院選では合区対象県すべてで自民党の現職議員が改選期を迎える。
 その救済策だとすれば、まさに党利党略そのものだ。野党が反発するのも当然だろう。
 「特定枠」という言葉が象徴するように、特定の目的から選挙制度を複雑に変更する発想も安易で乱暴に過ぎる。
 自民党は当初、合区解消を安倍晋三首相の悲願である憲法改正の項目に盛り込んで実現しようとした。森友・加計(かけ)問題などの疑惑解明が進まない中、国会の改憲論議も停滞している。
 このままでは19年の参院選に間に合わない−と焦った自民党が公選法改正の手法に切り替えたとしか思えない。それにしても突如浮上した案である。党内論議を尽くした形跡もない。
 にもかかわらず、自民党は今国会に改正案を提出し、成立を目指すとしている。
 合区導入を決めた改正公選法の付則に、19年参院選に向けて「選挙制度の抜本的見直しについて必ず結論を得る」と明記したことを忘れてはならない。まさか定数増が「抜本的見直し」というのではあるまい。
 大都市部への人口集中が進み、定数がそのままなら「1票の格差」は拡大する。定数を有権者の人口で一律に割り振れば、地方の議席は減るばかりだ。合区に有権者の戸惑いが根強いのも事実だが、定数増は「身を切る改革」に逆行する。
 だからこそ、抜本的見直しが必要なのだ。二院制における参院の役割と機能、議員の選出方法、定数と歳費など与野党で議論すべきことは多い。議会制民主主義の土俵となる選挙制度である。ごり押しは許されない。


セクハラ防止 表面的な対策でなく
 福田淳一前財務次官によるセクハラ問題をきっかけに、政府は中央省庁の幹部職員にセクハラ防止研修への参加を義務付けるなど緊急対策をまとめた。表面的な対応で片付けようとしていないか。
 中央省庁の幹部職員によるセクハラ問題をめぐっては、四月に辞職した前財務次官に続き、厚生労働省で福田祐典健康局長による女性職員へのセクハラ行為が発覚。外務省でもロシア課長にセクハラ疑惑が浮上するなど相次ぐ。
 セクハラ問題への対応が迫られる中での緊急対策は、各省庁の課長級以上の職員を対象にセクハラ研修への参加を義務付けるほか、受講状況を内閣人事局が確認。実質的に昇格の要件とするとしている。
 各省庁に通報窓口を整備するほか、省庁からの独立性を保つために、人事院には第三者的な相談窓口の設置を検討するよう求める。
 セクハラへの認識の欠けた人が幹部として昇任する組織は許されない。中央省庁が一斉に研修に取り組むことでセクハラの防止や理解促進に効果はある。だがこれらの策は民間企業ならすでに取り組んでいることだ。むしろ中央省庁がこれまで研修などを徹底していなかったことに驚かされる。
 前財務次官の問題では民放の女性社員が被害に遭い、対策は、野田聖子女性活躍担当相が女性記者や経営陣らメディア関係者との意見交換を踏まえてまとめた。対象は全職員だとしてもメディア関係者に絞った印象も拭えない。
 一連の問題が提起したのは、すべての人がセクハラという人権侵害に脅かされることなく、健全に働き、生活できる環境をどう整えるのかという問いだった。
 セクハラ問題が後を絶たないのは現行法に禁止規定がないことも一因だろう。政府は「現行法でセクハラ罪という罪はない」といった答弁書を閣議決定したが、法の不備でセクハラがなくならないのであれば、政府内に限らず、すべての人の被害防止や救済を目的とした法整備に踏み込む選択肢もある。野田氏も当初は「罰則付きの法整備」に意欲を示していた。政府内で議論が進まず、結論が先送りになったのは残念だ。
 国際労働機関(ILO)がセクハラを全面禁止にする条約制定に動きだそうとしている。条約ができ、日本が批准しないことになれば、国際的な反ハラスメントの動きにも取り残されかねない。セクハラ対策を表面的な取り繕いで済ませてはならない。


河北春秋
 古典落語『ねずみ穴』は六代目三遊亭円生が得意にした演目の一つだ。道楽で金を使い果たした男が兄からわずかな金を借りたのをきっかけに、まじめに働き、幸せな家庭を築く。だが、兄に金を返しに行った夜、ねずみ穴が原因で自宅の蔵が焼け、落ちぶれるという話▼落語の題名を1字で表した字がある。「穴」の下に「鼠(ねずみ)」と書いて「竄(ざん)」。ネズミが穴に隠れる様子を表した字で「逃げ隠れる」ことを意味する。表外字なのであまり目にしないが、最近はひらがなで紙面によく登場する。改ざんの「ざん」だ▼学校法人「森友学園」に関する決裁文書改ざん問題で財務省が関係者20人を処分したほか、検査データの改ざんを巡り、神戸製鋼所では本社が家宅捜索を受け、SUBARU(スバル)では新たな不正が判明。さまざまな改ざん問題が起き、世間を騒がせている▼改ざんに手を染め、うそをつく大人を子どもたちはどう見るのだろうか。反面教師にするならいいが、言い訳やへりくつが得意な大人にならないかと心配になる▼「ねずみ穴」には火事は夢だったというオチがあるが、政財界の改ざん問題は現実のこと。事実を隠そうとする“ネズミ”を抜け穴から逃がしてはいけない。真相を究明し、退治しないと、国民は大きな損害を受ける。

文書管理見直し 小手先でお茶を濁すな
 政府は財務省の決裁文書改ざんや防衛省による日報隠蔽(いんぺい)の問題を受け、再発防止に向けた公文書管理のさらなる見直しに着手した。
 安倍晋三首相は閣僚会議で「政府を挙げて見直しを徹底する」と述べ、更新履歴が残る電子決裁への移行促進などを指示。内閣府に専門ポストを新設する案もある。
 しかし、これだけでは抜本改革からほど遠い。
 公文書管理法は、公文書を「健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源」と定める。
 一連の不祥事は政権を「忖度(そんたく)」した官僚が、この理念を踏みにじった深刻な事態である。そこへの反省もなく、小手先の見直しでお茶を濁してはならない。
 政府の情報は主権者である国民のもので、歴史の検証に耐える記録を残すことは「全体の奉仕者」たる公務員の責務だ。その原点に立ち返る法改正が求められる。
 各府省庁は既に、昨年末に改正した政府のガイドラインに基づいて、行政の意思決定過程の検証に必要な公文書の保存期間を原則1年以上とするなどの運用改善を4月から始めている。
 だが、根本的問題が残る。まず見直すべきは、公文書を「行政機関の職員が組織的に用いるもの」とした公文書管理法の規定だ。
 この規定が、重要な文書やメールを「個人メモ」「手控え」として隠す抜け道に使われている。
 「組織的」の文言を撤廃し、全ての文書の保存と公開を義務付けなければならない。大統領の手書きメモまで保存している米国の公文書管理に見習いたい。
 改正ガイドラインでは、外部との打ち合わせ記録の作成に際しては、正確を期すため相手方に内容を確認するよう求めた。
 これでは加計学園問題のように当事者の証言が食い違う場合、差し障りのない表現に書き換えられ真実の記録と言えなくなる懸念がある。やはり撤廃すべき規定だ。
 野党は決裁文書改ざんへの罰則規定を設ける公文書管理法改正案を国会に提出している。
 これに対して政府は、懲戒処分の対象に公文書への不正行為を明記することにとどめたい考えだ。
 厳罰化は官僚を萎縮させ、記録を残さない風潮を助長するとの議論もある。だが現行法は悪質な決裁文書改ざんを想定しておらず、法の不備との指摘は免れまい。
 公文書問題では、国会の行政監視機能の空洞化が問われている。政府・与党は罰則導入を含め野党と協議を尽くす必要がある。


財政健全化計画 「骨太」の名に値しない
 とにかく財政出動を拡大したい安倍晋三首相の本音が表れた。
 政府は、経済財政運営と改革のの基本方針(骨太の方針)に盛り込む新たな財政健全化計画の原案をまとめた。
 借金に頼らず毎年度の政策経費を賄えるかどうかを示す基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)黒字化の時期は、これまでの目標だった2020年度から25年度へと先送りされた。
 併せて、三つの中間指標を設け、21年度時点の健全化の進み具合を検証する。
 従来の計画が破綻したのは、現実離れした経済成長率を前提に税収を過大に見積もり、財政規律を緩めたことが原因だった。
 その反省を生かすどころか、今回も目標や指標が恣意(しい)的に設定され、とても「健全化計画」の名に値しない。即刻見直すべきだ。
 新たな目標である25年度のPB黒字化は、税収の伸びに直結する名目成長率が20年度以降、毎年3%を超すことが達成条件となる。
 名目3%成長はバブル経済期以後1度も実現していない。幻想に近い高成長率を前提にした旧計画と同じ過ちをなぜ繰り返すのか。このままでは日本の財政に対する内外の信用が失墜しかねない。
 さらに解せないのが、今回新たに設けた中間指標である。
 いずれも21年度時点の国内総生産(GDP)対比で「PBの赤字を1・5%程度」「国と地方の債務残高を180%台前半」「財政収支の赤字を3%以下」にするという三つの指標を掲げた。
 このうち債務残高と財政収支の目標は、内閣府の中長期試算によれば、経済成長が低めに推移した場合でも達成できる見通しだ。
 25年度の目標達成のハードルは極めて高いのに、21年度の方は逆に低く設定し、整合性に欠ける。これは何を意味するのか。
 首相が秋の自民党総裁選で3選した場合の任期は21年秋までだ。
 目先の積極財政でPB黒字化のめどが立たなくなっても「健全化は進んでいる」と言えるよう達成容易な中間指標を持ち出した。そう勘繰られても仕方あるまい。
 旧計画には社会保障費の自然増を年5千億円程度に抑えるという目安があったが、今回は歳出抑制の数値目標すらもなくなった。
 25年度には団塊の世代全員が75歳以上になり、医療費や介護費が膨張することが分かっている。
 自分の政権の間だけうまく回ればよいと言わんばかりの計画は、国民に対してあまりに不誠実だ。


骨太方針  財政再建ますます遠く
 財政再建と成長戦略を同時に進める。そのかじ取りの難しさに引き比べて、政権の危機感や覚悟は今回も伝わってこない。
 経済財政運営の指針となる政府の「骨太方針」の素案が諮問会議に示された。少子高齢化と人手不足を踏まえ、外国人の就労拡大、幼保・高等教育の無償化による人づくりなどを盛り込んでおり、15日に閣議決定される見通しだ。
 素案では、消費税増税を2019年10月に予定通り「実施する必要がある」と明記。一方、増税と東京五輪後の景気失速に備えた特別な措置を19、20年度に講じるとして歳出拡大の余地を確保し、財政健全化の目標時期を5年遅らせて25年度とした。
 日本経済が「デフレ脱却への道筋を確実に進んでいる」というのは、その通りだろう。堅調な世界経済に支えられてもいよう。
 安倍晋三首相が掲げるアベノミクス3本の矢のうち、大規模な金融緩和、機動的な財政出動の2本は進んだ。だが、3本目の成長戦略は相変わらず遅れが目立つ。
 財政再建の鍵を握る社会保障改革についても、政権の腰は定まらない。団塊世代が75歳に差し掛かる手前の19〜21年度を経済財政の「基盤強化期間」と位置づけたものの、社会保障費抑制の目安となる数値は今回、示さなかった。財政規律が緩み、ずるずると歳出が膨らみかねない。
 秋には自民党総裁選、19年には統一地方選、参院選が控える。政治からの圧力で、無駄遣いや借金がさらに増えないか心配だ。有権者一人一人のチェックの目も重要になろう。
 骨太方針案に先立ち、政府の新たな成長戦略の素案も示された。30年までに無人自動運転による移動サービスを全国展開する目標や、人工知能(AI)関連の人材育成強化を掲げている。
 だが、政権発足以来打ち出してきた成長戦略のメニューには、効果や妥当性に疑問符がついているものが少なくない。特区などの規制緩和や助成制度の対象企業・団体選びは適正か。官民ファンドなどの形で、補助金のばらまきに近い非効率なことが行われていないか。詳しく検証し、説明責任を果たす姿勢こそが求められる。
 経済財政運営全体が、バブル期以来達成したことのない高成長を前提としていることにも、根本的な危うさがある。
 厳しい現実から目をそらしていては無責任との批判を免れない。政権はそれを肝に銘じるべきだ。


骨太方針案 財政再建から逃げるな
 危機的状況にある国と地方の財政を再建する気があるのだろうか。政府が示した経済財政運営の「骨太方針」案からは、その覚悟は伝わってこない。
 健全化には「入る」を量って「出(い)ずる」を制することが欠かせない。しかし「出ずる」方は今後も高齢化で社会保障費がさらに膨らんでいく。借金は1千兆円を超え、その返済も毎年相当な額に上る。生半可な覚悟と対策では決して抜け出せない。
 「入る」の柱の一つ、消費税については、2019年10月、10%に上げると明記した。安倍晋三首相は12年末の政権復帰以来、景気は回復基調にあると胸を張りながら、引き上げを2度も先送りした。財政危機は国民と「痛み」を分かち合わなければしのげない。理解が得られるよう努力すべきである。
 消費税率の引き上げに合わせ景気対策として大型予算を編成する意向も、首相は示した。駆け込み需要とその反動減に備えるためと説明しているが、それだけだろうか。19年は春に統一地方選、夏には参院選がある。選挙を視野にばらまきを考えているのであれば、本末転倒だろう。ブレーキを踏みつつアクセルをふかすような、ちぐはぐなことになってしまう。
 バブル崩壊後、20年以上も景気対策という名の下で公共事業に多額の予算を注ぎ込んだ。関連業界は潤ったが、必要な産業の構造改革などにつながったのか。地域振興券なども含め、どれだけ効果があったのか検証をしっかりしないまま、戦略なきばらまきという悪習を繰り返してはなるまい。
 景気対策の財源をどうやって賄うのか懸念される。第2次安倍政権は新たに借金する額を毎年抑えてきたが、財政再建に本腰を入れてきたとは言い難い。新たな借金を減らさなければ、放漫財政に逆戻りしかねない。
 基礎的財政収支を黒字にする年を20年度から25年度に先送りした。新たな借金をしなくても社会保障などの政策経費を賄えるという目標で、安倍首相自身が国際会議の場などで繰り返し強調した公約だった。「景気はいい」と主張する中での先送りは、どう受け止められるか。安倍氏が秋の自民党総裁選で3選を果たしたとしても、自分の政権では財政は再建できないと旗を降ろしたようなものだろう。
 しかも、内閣府の試算では黒字化できるのは27年度としていた。25年度で可能だとする今回の案とは食い違っている。どちらも、実質2%の成長を前提にしている点で見通しが甘すぎる、との指摘もある。
 「出ずる」方の主軸である社会保障給付費は、40年度に今の1・6倍に当たる約190兆円に膨らむと、政府は試算している。財源が確保できなければ抑制せざるを得ない。しかし今回の案では、伸びを抑える目安の数値を盛り込まなかった。従来は「年5千億円程度」としてきた。これでは歯止めが利かず健全化が遠のく恐れがある。きちんと国民に説明すべきだ。
 税収を増やすにせよ、歳出を抑制するにせよ、国民には「痛み」が伴う。バランスを取りながら、持続可能で健全な財政運営の将来像を示す―。そうしてこそ、「骨太」の方針たり得るのではないか。今回の案は、ビジョンも、長期的視点も欠いていると言わざるを得ない。


いま一度厳しい吟味を/骨太方針案
 経済財政運営の基本となる「骨太方針」の案が提示された。政府は与党などと最終調整、15日の閣議決定を目指す。しかし最大の焦点である財政再建に向けた取り組みは、実効性を欠くと言わざるを得ない。内容をいま一度厳しく吟味し、必要に応じた修正をためらってはならない。
 1千兆円超という債務残高は国内総生産(GDP)の2倍で、主要国で群を抜く劣悪さだ。歳出の3割超を占める社会保障費は、団塊世代が75歳に差し掛かる2022年以降急増する。今、しなければならないことは、間もなく到来する超高齢化社会に向け、持続可能な財政運営の基盤を早急に整えることだろう。
 案は、19年10月に消費税率を8%から10%に引き上げる必要性を明記した。これは最低限のラインだ。むしろ、さらなる引き上げを視野に入れることが可能かどうか検討すべきだが、逆に、増税による家計負担増や東京五輪後の需要減退を補うとして景気対策を打ち出した。これでは、タコが自分の足を食うようなものではないか。
 出発点は基礎的財政収支の黒字化だ。これは借金の返済や利払いを除き、必要な政策経費を国債に頼らずに、税収などの基礎的な歳入で賄える状態を指す。
 当初目標とした20年度の黒字化は早くから絶望視され、掲げ続けるだけの意味しかなかったが、安倍晋三首相は消費税収の使途変更で、これさえ投げ出した。新たな目標期限はできる限り早期に設定すべきだったが25年度に先送りされた。これでは遅すぎる。
 社会保障費の急増が22年に始まり、25年には団塊世代すべての人が75歳以上の後期高齢者になる。財政の最低限の備えがないまま、歳出が自動的に累増する状態に陥る。では、社会保障費の急増を少しでも和らげないといけないという議論も当然出てくるが、歳出を縛る効果がある数値目標の設定は見送られた。
 財政再建の試算は実質2%、名目3%超の高い成長率を前提としている。痛みを伴う歳出削減を避け、机上の空論になる恐れもある税収増に頼る姿勢は相変わらずだ。
 安倍政権の財政拡大は、金融緩和を進める日銀による国債大量購入に支えられてきた面が強い。こうした状況に寄りかかって放漫な歳出を許し、財政がここまで痛むのを放置してきた財務省は怠慢のそしりを免れない。


骨太方針案 実効性に欠ける内容だ
 政府は、経済財政諮問会議を開き、経済財政運営の「骨太方針」案を示した。当初2020年度としていた国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス=PB)の黒字化目標を5年先送りして25年度とした。一方で高齢化に伴い膨張し続ける社会保障費の歳出抑制に向けた数値目標は示さなかった。
 国の一般会計総額が過去最大の97兆7100億円となった18年度予算は33兆6900億円が借金。国債と借入金、政府短期証券を合計した国の借金(17年12月末現在1085兆円超)は膨らみ、財政健全化への道はもう後がないところまで来た。
 借金に頼らずに政策経費を賄うPB黒字化の達成には、経済成長による税収増とともに、年金、医療、介護などの社会保障費を抑制し歳出削減を図ることが不可欠だ。
 だが骨太方針案では、PB黒字化は「社会保障改革が軸」とし、19〜21年度を「基盤強化期間(仮称)」と位置付けたものの、肝心の対策に関しては及び腰で「検討する」との表現が目立つ。医療・介護費の自己負担割合が3割となる高齢者の対象拡大についても実施するのかどうかさえあいまいで、社会保障改革への政府の意志が全く感じられない。
 団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となる22年度以降、社会保障費の自然増は急激に伸びることが見込まれている。こうした課題にどう立ち向かうつもりなのか。具体的な対策を構築しなければ先送りした25年度のPB黒字化の達成もおぼつかない。財政健全化への将来像が見通せず、実効性に欠ける内容と言わざるを得ない。
 骨太方針案では、経済成長を重視する政策運営が改めて鮮明になった。財政との一体改革を進める考えだ。その経済成長の実現に向け、新たな施策が盛り込まれたのも特徴だ。その一つが外国人の人材受け入れ促進を目指した在留資格の創設。人手不足が深刻化する農業、建設業など5分野の人材確保を図る狙いがある。とはいえ、国内の労働力不足の解消につながるかは未知数だ。
 気掛かりなのは、財政健全化に向けて実質2%、名目3%を上回る経済成長が前提となっていることだ。今回提示した施策だけで高い成長率を達成できるとは到底思えない。国際通貨基金(IMF)の経済見通しは18年が実質成長率1・2%、19年が0・9%。現段階では政府見通しは期待値でしかない。
 政府は、選挙などを見据え、これまで国民の痛みを伴う改革を後回しにする手法を繰り返してきた。それが今の膨大な借金につながったことは論をまたない。間もなく到来する超高齢化社会に向けて財政の基盤を整えるには、国民全体で痛みを共有することも考えなくてはならないだろう。現役世代はもちろん、高齢者も納得のいく骨太方針が必要だ。


社会保障改革 削る議論ばかりでは
 増大する社会保障費にどう対処するのか。展望は開けぬままだ。
 「高齢化による増加分に相当する伸びに収める」。政府は、経済財政運営の骨太方針案に、社会保障費抑制の目標を掲げた。具体的な数値こそ見送ったものの、相変わらず医療や介護の給付費をいかに抑えるかという「出」の議論に偏っている。
 国民に負担を求めるのなら、公平な税制のあり方も同時に探らなくてはならない。
 方針案には、医療・介護費の自己負担が3割となる高齢者を増やす、介護サービスの利用に伴うケアプラン作成を有料にする、などの検討事項が挙がった。
 財務省の財政制度等審議会は▽75歳以上の医療費窓口負担を段階的に2割に引き上げる▽医療費総額の増加に応じて患者の自己負担率を自動的に上げる仕組みを導入する▽介護サービスの利用者負担を原則1割から2割に上げる―などを提案していた。
 政府の経済財政諮問会議も、社会保障費の一層の圧縮を主張している。もっと負担を、削減を、との掛け声ばかりが響く。
 団塊の世代全員が75歳以上となる2025年度に社会保障費は140兆円を超え、高齢者数が最多に近づく40年度には190兆円に膨らむ見通しだ。確かに、サービス利用者の一定の負担増は避けられそうにない。
 ただ、政府は16〜18年度で、給付費の増加を計1兆6千億円ほどに抑え込んだ。低年金で暮らす高齢者らに必要なサービスが行き渡らない事態が生じている。財源となる税制の見直しを欠いていたのでは、いずれ行き詰まる。
 超高齢社会を見据え、経団連や経済同友会は、消費税を10%からさらに引き上げるよう提言している。社会保障の財源を考える際、なぜ逆進性の高い消費税だけに矛先が向くのだろう。
 所得税の累進性や、個人と法人の資産課税を強化すべきとの指摘がある。国際間競争を理由に引き下げが進む法人税にしても、既にさまざまな軽減措置が講じられており、必要性に疑問が残る。
 サービスを削り、利用者の負担を増やして給付費を抑える―。いまの論議の方向性では、お金を持つ人と持たない人、健康な人と闘病や介護が不可欠な人との間で格差が広がるばかりだ。
 安心して望むサービスを受けられなければ、何のために高い社会保険料を払っているのかという不信を強める。社会保障制度の土台が揺らぎかねない。


「骨太方針」案 財政再建への意欲見えぬ
 安倍政権は財政再建に本気で向き合おうとしているのか。疑念を抱かざるを得ない。
 政府が経済財政運営の「骨太方針」案を示し、国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス)の黒字化の目標を5年先送りして、2025年度とするとした。
 高齢化に伴う社会保障費の増加や度重なる景気対策で財政は悪化し、国と地方の借金残高は1千兆円を超えている。
 基礎的財政収支は、社会保障や公共事業などの政策経費を、借金に頼らずにどの程度賄えているかを示す指標だ。1990年代から赤字が続いている。
 厳しい財政状況の中で政権はこれまで、2020年度黒字化を国内外に約束してきた。それを5年も遅らせるというのだ。
 目標の先送りに伴って政府が新たに示したのは、21年度に財政再建の取り組み状況を三つの指標で中間評価することを柱とした財政健全化計画だ。
 中間評価の指標とするのは、基礎的財政収支に加え、財政収支と債務残高である。
 いずれも国内総生産(GDP)比の数値目標を設定するが、政府が前提とする名目3%以上の経済成長を実現すれば容易に達成できる水準となっている。
 低すぎるともいえる目標を基に、安易な中間評価を下せば歳出改革の努力が緩み、黒字化がさらに遠のく懸念がある。
 社会保障などの歳出抑制に向けた数値目標の設定が見送られたことも大きな気がかりだ。
 財政再建の鍵を握る社会保障費は、団塊世代が75歳に差し掛かる22年以降に急増すると見込まれている。25年には全ての団塊世代が75歳以上となる。
 16〜18年度は増加額を3年間で計1兆5千億円程度に抑える目安を設けた。ところが19年度以降は「高齢化による増加分に相当する伸びに収める」方針を示すにとどめた。
 防衛費や公共事業などその他の支出にも明確な歯止めが見当たらない。財政の膨張に厳しくたがをはめることを放棄しているに等しく、痛みを伴う歳出改革に取り組もうという意欲をうかがうことはできない。
 骨太方針案では、少子化対策や社会保障の安定財源として、消費税率を19年10月に予定通り10%に引き上げる必要があると明記した。
 国内景気は回復傾向が続き、骨太方針案でも「デフレ脱却への道筋を確実に進んでいる」と評価する。ただ消費税増税や20年の東京五輪・パラリンピック後に需要が急減して景気が悪化することも懸念されている。
 このため消費税増税時の家計負担軽減に予算、税制両面で万全の策を講じるなど、柔軟に財政出動できる余地を残した。安倍政権の成長重視の政策運営が改めて鮮明になったといえる。
 超高齢社会を迎え、社会保障の充実と財政再建をどう両立させていくのか。必要なのは具体的な道筋を示すことだ。
 甘い経済見通しに頼って必要な改革から目を背けることなどあってはならない。


[骨太方針案] 財政再建の道筋を示せ
 政府が経済財政運営の基本的考えである「骨太方針」案を示した。15日の閣議決定を目指す。
 国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス)の黒字化を従来目標から5年先送りして2025年度とした。
 19年10月に消費税率を8%から10%に引き上げる方針は明記したが、膨張が続く社会保障などの歳出を抑制するための数値目標の設定は見送った。
 政府案からは財政再建への道筋は見えない。財政立て直しを確実に進められるよう、実効性のある内容に修正するべきだ。
 政府が最も懸念しているのは、14年4月の消費税率引き上げの際に起きた駆け込み需要と反動減による景気の冷え込みが再発することである。
 このため、19年の消費税増税と20年の東京五輪・パラリンピック後に景気を失速させないよう財政出動の余地を確保した。
 19、20年度の当初予算で「臨時・特別の措置」により景気対策を実施し、住宅や自動車の購入を支援する減税策も検討する。
 景気の腰を折らない政策は重要だが、一方で歳出改革が後回しになった印象が強い。
 新たな財政健全化計画では21年度に財政再建に向けた取り組み状況を三つの指標で中間報告する。いずれも国内総生産(GDP)比の低い数値目標であり、安易な中間評価で歳出効率化の努力が緩む可能性も指摘される。
 財政再建の鍵を握るのは、歳出の3割超を占める社会保障費だ。持続可能な制度とするための改革が欠かせない。
 方針案では19〜21年度を経済財政の「基盤強化期間」と位置付け、医療機関の外来受診に定額負担の導入を検討するといった改革メニューを盛り込んだ。
 しかし、社会保障費抑制については「高齢化による増加分に相当する伸びに収める」方針を示したにすぎない。
 来年の統一地方選や参院選への影響を考慮し、高齢者の負担増を控えたとすれば、問題の先送りで将来に禍根を残すだけだ。
 7年後には団塊世代が全員75歳以上になり、超高齢化と人口減少で経済が地盤沈下する恐れがある。財政再建と成長への投資の両立が重要だ。
 幼児教育・保育の無償化や外国人の就労拡大なども打ち出した。だが、無償化の範囲や外国人の就労に伴う影響、受け入れ体制など、議論が尽くされていない問題も多い。
 幅広く意見を聴き、丁寧に制度を作り上げることが求められる。


社会保障費190兆円 待ったなしで本格論議を
 安心できる老後は訪れるのだろうか。厳しい数字が突き付けられた。
 高齢者数がピークを迎える2040年度に、社会保障給付費が約190兆円に達するとの推計を政府が初めて公表した。18年度の121兆円の1・6倍になる。国内総生産(GDP)比では、2・5ポイント増の最大24%まで上昇する。
 財源をどうするのか。国や自治体の公費と国民負担の社会保険料を今よりもそれぞれ30兆円超ずつ増やさないと成り立たない。給付と負担の在り方について、早期に議論を本格化させないといけない。
 40年度の給付費の内訳は、年金が73兆2千億円、医療が66兆7千億円か68兆5千億円(2通りの推計)、介護が25兆8千億円、子ども・子育てが13兆1千億円、生活保護などの「その他」が9兆4千億円となる。
 とりわけ、医療と介護が全体の増加を押し上げている。医療の高度化に加え、75歳以上人口の増加で介護の需要が高まるためだ。
 政府はこれまで、団塊の世代が75歳以上になり急激な高齢化が進む25年度までの推計値しか出してこなかった。今回は、その先の見通しを示した数値だ。
 民主党政権時代の12年、民主、自民、公明3党が25年度を目標に「社会保障と税の一体改革」で合意し、消費税率10%への引き上げとそれに伴う社会保障の充実を打ち出した。消費税率は14年に5%から8%に引き上げたものの、その後は安倍晋三首相が10%への引き上げを2度延期し、ゴールは見えていない。
 40年度に190兆円だと、財政赤字解消分などを合わせて、消費税率を22%まで引き上げないといけないとの専門家の試算もある。
 増税だけで賄うには到底厳しい。自己負担の仕組みについて、現在の年齢別から収入や財産など負担能力に応じたものに改めるなど、制度の根本的な見直しも不可欠だ。
 40年は団塊ジュニア世代が65歳以上になる年だ。高齢者は増える一方、15〜64歳の現役世代が今より約1500万人も減る。
 働き手不足も深刻だ。政府の試算では、40年度に医療、介護、福祉分野で1065万人が必要になる。就業者の5人に1人が同分野で働かないとカバーしきれなくなる。
 安心できる将来像を描くために、税金や保険料の負担を増やすのか、給付を抑えるのか、サービスを見直すのか。喫緊の課題は山積している。
 しかし政府、与党内には議論を先送りする空気が漂っているという。来年の統一地方選や参院選を見据え、官邸筋には消極的な声もある。
 社会保障は国民の暮らしに直結する問題だ。待ったなしで取り組まないといけない。難題から逃げずに、正面から議論を進めるべきだ。持続可能な社会保障への青写真を早めに示し、国民を安心させてほしい。


幼保無償化「高所得者に恩恵」 国民・山井氏試算
 国民民主党の山井和則衆院議員は六日の衆院厚生労働委員会で、政府が来年十月からの導入を決めた所得制限のない幼児教育・保育無償化について「低所得者より高所得者に六倍の恩恵がいく『逆社会保障』政策だ」と批判し、根拠となる独自の試算を公表した。内閣府の担当者は、無償化に必要な予算額が固まっていないとして「(二〇一九年度予算案が決まる)年末までに試算する」と答えるにとどめた。 (坂田奈央)
 山井氏の事務所によると、試算は年収別の保育施設利用者数をまとめた厚労省の「福祉行政報告例」などを基に実施。無償化予算を総額八千億円とした場合、低所得の非課税世帯に使われるのは約二百六十億円なのに対し、年収八百万円以上の世帯向けは約千五百億円に上った。それぞれの人口比率は約17%と約13%という。
 現行の認可保育施設の保育料は、所得に応じて設定されている。生活保護世帯は無料になるなど低所得世帯は減免され、高所得世帯ほど高い。
 山井氏は無償化に関し「お金を投じることで、貧困家庭と高所得家庭の子どもの格差を広げる。史上最悪の子ども政策になる」と指摘。一九年四月から行う保育士の1%(月三千円相当)の賃金引き上げ予算が二百億円規模とされていることに触れ「保育の質の向上につながる保育士の処遇改善にもっと回すべきだ」と主張した。
 無償化を巡っては、自民党が五日に開いた「人生百年時代戦略本部」の会合でも、出席議員から「高所得者優遇になる」「所得制限をかけるべきだ」などの声が出た。


障害者不妊 「優生推進」学会が検証 戦前、法制定へ運動
 優生保護法(1948〜96年)の前身で、ナチス・ドイツの断種法をモデルにした国民優生法(40〜48年)の法制化を積極的に進めた日本民族衛生学会(現・日本健康学会、渡辺知保理事長)が、法案作成への関与やその後の対応について検証を始めた。年内をめどに資料などの調査を終え、見解をまとめる。「優生」に関わった国内の学会のうち、自らの関与を検証する試みは初めて。他の学会にも影響を与えそうだ。
 民族衛生学会は30年、東京帝国大教授で生理学者の永井潜氏を中心に創設。世俗的な優生思想を学問的な優生学に高めることを目指し、「遺伝性疾患」を不妊手術の対象とする断種法の制定運動も展開した。議員提案された法案を起草し、障害者らを対象にした不妊手術を推進する国民優生法の成立につながった。
 戦後は活動内容の方向性が変わり、不妊手術の対象を拡大した優生保護法の制定には関わっていないとされる。現在は公衆衛生学や保健学、環境学などから人々の健康を探る学術団体として活動。昨春、健康学会に改称。最近の強制手術の被害者救済の動きから、「優生」に関与した歴史の検証が必要だと判断した。
 理事の一人は「健康が絶対視されすぎると不健康な人を排除する方向に向かいかねない。負の歴史を繰り返さないための重要な作業だ」と話した。【千葉紀和、上東麻子】
 【ことば】国民優生法  「悪質な遺伝性疾患の素質を持つ者」の増加を防ぐため不妊手術を推進し、「健全な素質を持つ者」には中絶や不妊を制限した。旧厚生省が議員提案をたたき台に法案を作り、1940年に成立。法文で可能とした強制手術は行われなかったとされる。


メディア時評 安倍政権5年半で何があったのか=白井聡・京都精華大専任講師
 各紙紙面は、連日「モリカケ、モリカケ、モリカケ……」である。正直なところ食傷気味だが、新聞社が悪いわけではない。森友学園問題が表面化してから、すでに1年以上が経過した。「私や妻が関係していたら、首相も議員も辞める」と安倍晋三首相が大見えを切ってから起こったことのリストは長大なものとなる。
 高級官僚による虚偽答弁の連発、経過を国会答弁に適合させるための公文書の改ざんと隠蔽(いんぺい)、虚偽答弁を貫き通した佐川宣寿前国税庁長官の昇格と失墜、籠池泰典前理事長夫妻に対する異常な長期勾留、憲法違反との指摘が相次いだ臨時国会開会の遷延と冒頭解散。会計検査院への対応を巡る財務省と国土交通省の口裏合わせの疑惑も最近加わった。
 財務省が5月23日に国会に提出した森友学園との交渉記録文書では、昭恵氏付職員だった谷査恵子氏が、同省理財局に問い合わせた際の記録もあった。これに対し、安倍首相は「私や妻が関係していたら辞める」とした自らの答弁について、「贈収賄は全くない、という文脈で一切関わっていないと申し上げた」とする「新解釈」を披露した。ここまで書いていて、吐き気を催してくる。日本はここまで堕(お)ちたのかと実感する。
 常軌を逸した政権がこの国を滅ぼすのか、良識が破滅のふちからわれわれを引き返させるのか、メディアにとっても正念場である。そのなかで、毎日新聞5月24日朝刊が、957枚もの交渉記録文書のダイジェストを、事の時系列的経過がよくわかる形式で1ページ全面を使って掲載したことには目を見張った。大量の公文書に目を通すことは一般人には到底無理であり、新聞の存在意義がよく発揮された事案であったと思う。
 モリカケ問題は、安倍政権の不始末のごく一部である。安倍政権の5年余を詳細に振り返り、何があったのかを改めて思い起こさせる報道を期待したい。(大阪本社発行紙面を基に論評)
 ■人物略歴 しらい・さとし  1977年東京都生まれ。早稲田大卒、一橋大大学院博士課程単位修得退学。近著に「国体論」(集英社新書)。


森友学園 財務省報告書 改ざん「許容範囲」 廃棄「適切な管理」
 財務省が学校法人「森友学園」との交渉に関わる決裁文書を改ざんし、交渉記録を廃棄していた問題で、同省が4日公表した調査報告書からは、幹部が改ざんを「許容範囲」と捉えていたことや、残っていた記録を保存期間が過ぎていることを理由に問題発覚後に廃棄したことを「適切な管理」とみていたことが明らかになった。専門家は「一般常識から外れた文書管理だ」と厳しく批判している。【青島顕、片平知宏、大場弘行】
 報告書によると、2017年2月17日、森友学園問題の追及を野党から受けた安倍晋三首相が「私や妻が関係していれば首相も国会議員も辞める」と答弁した後、当時、財務省理財局長だった佐川宣寿(のぶひさ)前国税庁長官=停職3カ月相当=は、近畿財務局の政治家との応接録や森友学園との交渉記録について「文書管理のルールに従って適切に行われる」との考えを示した。
 理財局の中村稔総務課長=同1カ月=は応接録や交渉記録が任意に廃棄が可能な「保存期間1年未満」の文書だったために廃棄の指示だと受け止め、本省と近畿財務局の担当幹部らに伝達。廃棄が進められたという。
 決裁文書の改ざんも、佐川氏が起点となっていた。決裁文書にも首相の妻昭恵氏側や秘書らからの照会内容が記されているとの報告を中村課長らから受け、「そうした記載のある文書を外に出すべきではなく、最低限の記載とすべきである」との認識を示したという。
 中村課長らは「公表を求められる場合に備えて、記載を直す必要がある」との認識を持ち、その後の2月26日、本省と近畿財務局で照会内容が記載された部分を削除するなどの具体的な作業が始まったとされる。
 報告書では、職員たちが改ざんを進めた理由も列挙されている。(1)決裁に必要のない情報が多く含まれる(2)虚偽内容は追加しておらず、決裁の本質的な内容は変わらない(3)連日の国会対応などで職員が疲弊しており、議論の材料を増やしたくない(4)決裁権限を持つ職員による本質的な内容を変えない範囲での書き換え−−などの認識が職員にあったとしている。
 この結果、改ざんは「許容範囲」「ぎりぎり許される対応」との考えを持つようになったとしている。
 近畿財務局では、文書廃棄が必ずしも徹底されなかったほか、決裁文書改ざんにも多くの職員が反発していたという。
 報告書は廃棄、改ざんが「更なる質問につながり得る材料を極力少なくすることが主たる目的」としたが、首相答弁を受けた忖度(そんたく)の有無には触れなかった。また改ざん、廃棄の指示の時期についても明確にしていない。
専門家「本質から逃げた印象」 保存5年以上妥当
 財務省の佐川氏は昨年2月の国会で、森友学園との交渉記録を「保存期間1年未満で廃棄した」と繰り返し答弁。同省は(1)省の公文書の管理規則は、保存期間1〜30年に相当する文書の例を表で示しているが、交渉記録は当てはまらないこと(2)このため省の内規(規則細則)により、用途が済み次第、省の部課室の判断で廃棄できる「1年未満」になったこと(3)16年6月の売買契約締結で目的を達したこと−−から廃棄したなどと説明していた。
 これに対して政府の公文書管理委員会の委員を務める三宅弘弁護士は「交渉記録は契約過程の文書であり、保存期間は政府の公文書管理のガイドラインや、それに基づいて定められた財務省の公文書の管理規則を見れば5年以上であることは明らかだ。ガイドラインや管理規則に違反する」と指摘。さらに財務省が、1年未満文書について記した「規則細則」を公文書管理委員会に示していないことを批判していた。
 毎日新聞は昨年3月、三宅弁護士の「保存期間は最低でも5年だ」とする意見を記事にする際、中村稔・理財局総務課長に省としての説明を求めた。
 電話取材に応じた中村氏は「細則の規定から1年未満とし、契約締結とともに廃棄したということか」という記者の問いに「はい」と答えたが、根拠などの説明を求めると「国会で何度も答弁している」として答えなかった。
 今回の報告書を読んだ三宅弁護士は「報告書は昨年、理財局幹部が1年未満の根拠をどう説明していたのかに触れておらず、本質的な問題から逃げた印象だ。契約に関わる文書で、将来訴訟になるおそれもあるのだから捨てるべきではなく、近畿財務局の職員が改ざん・廃棄に抵抗したのは当然だろう」と話す。
財務省の決裁文書改ざん、交渉記録廃棄の流れ(4日公表の調査報告書などから。肩書は当時)
2017年
2月17日 安倍晋三首相が衆院予算委員会で「私や妻が(払い下げに)関係したということになれば、首相も国会議員も辞める」と答弁
2月21日 野党国会議員団が現地視察
同日以降  理財局幹部は政治家関係者との応接録について、報告を受けた際の佐川宣寿理財局長の反応から、廃棄の指示と受け止め関係先に指示。政治家関係者の記載がある決裁文書も佐川氏が「外に出すべきではなく、最低限の記載とすべきだ」としたことから直す必要があると認識
2月26日 理財局国有財産審理室長らが、一部の決裁文書の政治家関係者による照会部分を削除
2月27日 決裁文書の内容について佐川氏が「このままでは外に出せない。担当者に任せるのではなくしっかり見るように」と指示
3月20日 理財局幹部との協議で、佐川氏が「積み重ねてきた国会答弁を踏まえた内容」とするよう念押し。文書の改ざんが続けられる
5月8日  改ざん後の決裁文書を国会に提出


司法取引導入 冤罪を生まない制度に
 共犯者ら他人の犯罪捜査に協力する見返りに、自分の刑事処分を軽くできる司法取引の制度が新たに導入された。
 これまで日本では司法取引の制度はなかった。それだけに捜査機関の有力な武器となり、捜査や刑事裁判の在り方にも強く影響しそうだ。
 一方で虚偽の供述などによって、冤罪(えんざい)を生む危険がつきまとう。無実の人が罪に問われる事態を防ぎ、新制度を生かすには、検察側が慎重な運用に徹し、裁判所も厳格な審理、判断をすることが不可欠だ。
 司法取引は2016年に成立した改正刑事訴訟法に盛り込まれ、今月1日に施行。村木厚子・厚生労働省元局長の無罪が確定した文書偽造事件や大阪地検特捜部の証拠改ざん事件を機に、捜査・公判改革の一環として取り調べの録音・録画(可視化)などとともに採用された。
 逮捕や起訴された容疑者・被告が司法取引に合意し共犯者らの犯罪捜査に協力すれば、検察官は起訴の見送りや取り消し、軽い求刑などができる。
 対象犯罪は薬物・銃器関連や贈収賄などのほか、独禁法違反のような企業活動に絡む事犯も含む。殺人や強盗などは被害者感情への配慮から除かれ、自分の罪を認めて処分を軽くしてもらう制度も除外された。
 贈収賄、談合といった密室犯罪や組織的な振り込め詐欺などで、関わった人物が他人の犯行についても供述したり、証拠を提出したりすれば全容解明や主犯格の摘発の可能性が増す。捜査手法が変わるかもしれない。
 問題は、うその供述や証拠などにより、事件に無関係の人が巻き込まれる懸念が消えない点だ。冤罪を防ぐため、新制度では捜査協力者の弁護人にも取引協議への関与を求め、合意には弁護人の同意が必要とする。合意内容は書面化し、虚偽の供述などを処罰する規定も設けた。
 だが、取引協議に関与するとはいえ、弁護人が依頼者の供述などの真偽をどこまで疑い、見極められるかには疑問が残る。書面化された内容で供述の信頼度を点検できるかも不透明だ。
 そもそも供述への過度な依存が冤罪につながるとして、捜査・公判改革が進められてきた。検察側には安易な司法取引を避け、運用する場合でも、協力者の供述を客観証拠で十分に裏付けるよう求めたい。裁判所や弁護人も公判廷の尋問や証言などで信用性を確認する必要がある。
 司法取引の協議経過の可視化など、検証を可能にするような制度見直しも課題と言えよう。


司法取引◆冤罪防止に万全期すべきだ◆
 他人の犯罪解明に協力する見返りに、自分の刑事処分を軽くしてもらう司法取引を導入する改正刑事訴訟法が今月、施行された。対象は薬物・銃器犯罪や贈収賄罪のほか、脱税や談合といった企業の経済活動に関わる犯罪、組織的犯罪などに限定されている。捜査機関にとって有力な武器になるとみられている一方で、冤罪(えんざい)を生むリスクがつきまとう。冤罪への備えを尽くすため、議論と見直しを重ねる必要がある。
全容の解明に期待も
 例えば、贈収賄事件で逮捕された贈賄側企業の社員から、起訴しないことを条件に上層部の指示などについて供述を引き出し、役員や政治家の摘発につなげるといった捜査が可能になる。末端の容疑者をいくら逮捕しても、首謀者にたどり着くのが難しいとされる振り込め詐欺などで、全容解明への突破口になるとの期待もある。だが容疑者・被告が自らの利益のため、うそを言って無実の他人を巻き込み、冤罪への懸念は根強い。
 正式には「証拠収集等への協力および訴追に関する合意制度」と呼ばれる。容疑者・被告が取り調べへの供述や裁判での証言、証拠の提供など協力内容を示し、検察官は事情聴取や裏付け捜査により信用性を見極め、有利な取り扱いの中身を説明する。どちらから取引を申し入れてもいいが、協議には弁護人が必ず立ち会う。

 双方が協議内容を受け入れると、本人と弁護人、検察官の3者が合意内容書面に署名する。ただ捜査・裁判の効率化のために司法取引を多用する米国と異なり、犯した罪に相応の罰を科すことを重視する日本では、罪を不問に付すような取引には強い反発があった。
 法制審での議論を経て他人の罪を対象とする「捜査・公判協力型」は法制化されたが、自分の罪を取引材料にする「自己負罪型」には疑問が相次ぎ、見送られた。被害者感情に配慮し、殺人や性犯罪などは適用対象から外された。
虚偽供述に歯止めを
 法務省は、虚偽供述による「巻き込まれ」を防ぐため、取引の協議に弁護人の同意と立ち会いを義務付け、虚偽供述に5年以下の懲役を科す罰則を設けたと強調する。しかし、弁護人は容疑者・被告の利益を守る立場にあり、虚偽供述への十分な歯止めにはならない。罰則があるため、容疑者・被告がうそをつき通そうとする可能性もある。
 専門家は、取引に応じた容疑者・被告の供述の信用性を確かめる目的で検察官が行う聴取を録音・録画するなど詳細な記録を残し、協議過程の透明化を図るよう求めている。最高検は「自由な意見交換が阻害される」と否定的だが、うそを見抜くため、必要なときには、いつでも協議過程をつぶさに検証できる仕組みを整える必要がある。合意内容書面とともに一定の証拠提出を義務付けることなども課題に挙げられており、冤罪防止に万全の対策が必要だ。


働き方改革法案 過労死防ぐ議論を尽くせ
 衆院では本質的な議論が進まなかった。参院であらためて問題点を浮き彫りにし、過労死を防ぐための熟議を尽くさなければならない。
 安倍政権が今国会の最重要課題と位置付ける働き方改革関連法案が今週、参院で審議入りした。
 法案に含まれる「高度プロフェッショナル制度(高プロ)」は過労死を招くとして懸念や不安の声がある。衆院では、高プロに反対する過労死遺族らが傍聴する中、野党の質問が打ち切られ、委員会採決が強行された。「怒りと悔しさでいっぱいだ」と話す遺族の言葉に、誰のための法案かと思わずにいられない。
 電通の新入社員が過労自殺して社会問題になり、安倍晋三首相は昨年2月、遺族に面会した際に長時間労働抑制に取り組むと明言した。その対策として打ち出されたのが働き方改革だ。しかし、法案は残業時間の上限規制をうたう一方、経済界が求める労働時間規制の対象を外す高プロ創設も含まれた。正反対の性格の法案を抱き合わせ、法案審議を分かりにくくした政府の責任は大きい。
 参院本会議で安倍首相は「自律的な働き方ができる選択肢」として高プロ創設にあらためて意欲を見せた。だが、法案に高プロで働く人の裁量については書かれていない。仕事の成果目標や達成期限について首相は「各労使の話し合いにおいて決めることだ」と述べるにとどまった。
 これでは、過大な業務を与えられる懸念は消えない。政府は高プロの必要性に関して「12人から話を聞いた」とするが、実態把握としてはあまりにも不十分だろう。
 健康確保のため、企業は年間104日かつ4週で4日以上の休日を確保する。ただ、休日以外はいくら長時間労働をしても違法にならない。さらに企業は連続2週間の休日、終業後一定時間の休息など四つの選択肢から一つを選ぶが、「臨時の健康診断」でもよい。この程度で過労死を防げるか、疑念は拭えない。
 衆院の審議では、政府側は質問の趣旨をはぐらかすような答弁が目立った。参院でも丁寧な説明を怠れば、とても懸念は解消されないだろう。
 関連法案には大きな柱として残業時間の上限規制と、パートや契約社員などの非正規の人と正社員の間で不合理な待遇格差を禁じる「同一労働同一賃金」の導入もある。衆院でほとんど議論されておらず、参院で本格審議となる。
 残業時間の上限規制の必要性では与野党は一致する。法案は「繁忙期で月100時間未満、2〜6カ月で月平均80時間以内」と定めるが、これは過労死が認められる基準とほぼ同じで、一部野党は「月80時間未満」など、より厳しい規制を求めている。
 全ての働く人の命と健康に関わる極めて重要な法案だ。法案の修正をいとわず、政府と与野党は真摯(しんし)に議論を尽くすべきだ。


日立の英原発計画 時代に逆行 無責任な輸出許すな
 日立製作所が、英国での原発新設計画について、最終的な投資判断に向けた協議に移ることで英政府と基本合意した。2019年に結論を出す方針で、今後、本格交渉に入る。
 原発輸出は、日本政府が成長戦略の一つに掲げている。しかし、東京電力福島第1原発事故を受け、原発の安全対策費が巨額となり、輸出計画の多くは頓挫している。政府は日立の計画を資金面で後押しする考えだが事業がうまくいかなければ損失を被り、ひいては国民負担につながりかねない。多くのリスクを抱えた原発輸出は時代の流れに逆行している。無責任であり許されない。
 計画では英中西部のアングルシー島で、改良型沸騰水型軽水炉(ABWR)を2基建設し20年代前半の運転開始を目指している。事業費は福島原発事故の影響で当初の想定から2倍の3兆円規模まで膨らんだ。
 事業費のうち、2兆円程度を英側が融資する方針。残る1兆円を日立、英政府と現地企業、日本の政府系金融機関などが投資する方向で検討している。だが本来、原発輸出は民間の経済活動であり、日立が負担するのが筋だ。政府が介入するのであれば、原発輸出の社会的意義について国民に説明し、理解を得ることが不可欠だ。
 新設可否の判断の前提となる採算確保の見通しは厳しい。日立は電力買い取り価格について利益を確保できる高い水準での価格の保証を求めているが、英政府は国民の反発が強い電力料金の上昇につながることを懸念し、両者が求める価格には隔たりがある。また、日立はリスクを限定化するため、重大事故が起きた場合の損害賠償の範囲の明確化を求めている。
 これらの課題に折り合いがつかなければ、出資企業を集めることが困難となり、計画の撤回もあり得る。さらに、賠償責任に関しては上限を設けることで日立がそれ以上の責任を逃れることにつながる。安全確保に向けた動機付けが薄れる恐れもあり看過できない。
 そもそも、海外に活路を見いだそうとした日本の原発輸出は壁に当たっている。福島原発事故前に受注が決まっていたベトナムの原発2基をはじめ、トルコやリトアニアで建設費の高騰などを理由に計画の撤回や企業の参加見送りが相次いでいる。東芝は、米国の原発建設計画で巨額の損失を出し、傘下の米子会社ウェスチングハウス・エレクトリックが経営破綻した。
 忘れてならないのは、福島原発事故がいまだ収束せず、原因究明が終わっていない点だ。アングルシー島の地域住民から、こうした状況で原発輸出を進めようとする日本の姿勢に対して批判の声が上がっていることは当然だ。世界で再生可能エネルギーの普及が急速に進む中、原発にいつまでも固執していては取り残されてしまう。日英両政府と日立には、冷静に状況を直視することを求めたい。


【あすの会解散】被害者支援はなお途上だ
 わが国の犯罪被害者は、どこからも保護を受けない、あたかも国籍を失ったような存在であることが分かってきた―。
 自らも妻を殺害され、長く活動の中心を担ってきた岡村勲弁護士(宿毛市出身)は、会の公式サイトに設立時の趣旨をそう記している。
 犯罪被害者の権利の確立や支援を目指し、2000年1月から活動してきた全国犯罪被害者の会(あすの会)が解散した。
 会員の高齢化などを解散の理由に挙げた一方、「18年間で、被害者の司法における立場は格段に向上した」と活動を総括した。
 日本の刑事裁判は、冤罪(えんざい)事件への反省などから被疑者の人権擁護に力が注がれる一方、被害者やその家族の権利は長く置き去りにされてきた。被害者側は当事者としての権利がなく、捜査当局の「証拠品」にすぎないという批判すらあった。
 あすの会が、被害者側の司法参加に慎重な弁護士団体や法学者らと対峙(たいじ)し、大きな転換を促してきた功績は大きい。
 国は05年、被害者の保護を国、自治体の責務とする犯罪被害者基本法を施行。刑事司法が社会の秩序維持だけではなく、被害者や家族のためでもあることを明記した。
 08年には改正刑事訴訟法が施行され、被害者参加制度が始まった。黙って傍聴席に座ることしか許されなかった重大事件の被害者や家族は、法廷で被告人に直接質問し、求刑に関して意見を述べることができるようになった。
 殺人など最高刑が死刑である凶悪犯罪の公訴時効も、10年に撤廃された。長い時間がたっても処罰感情は薄れない、という遺族の心情が受け入れられた形だ。
 いずれも被害者側の権利に光を当て、心理的負担や司法への不満を軽減する法改正だ。「これから被害に遭う人たちに、自分たちと同じ苦しみを味わわせない」と訴えてきた執念が社会の共感を得て、結実したといえる。
 しかし、被害者対策は途上でもある。課題の一つには、支援の面で補償の充実を残している。
 17年度に犯罪被害給付制度に基づき、事件の遺族や被害者らに支払われた給付金は対象が計414人、総額で約10億100万円だった。
 犯罪に遭った被害者の肉体的、精神的なダメージはその後も続く。働き手が被害者になった場合、残された者は経済的に困窮する。まだまだ支援は不十分である。
 警察庁は今春から、原則不支給だった親族間の犯罪で、遺族が18歳未満の場合は支給を認めるなど制度の見直しを進めている。被害者や家族を公的に支え、社会全体で守っていく仕組みの拡充は今後も問われる。
 インターネットを背景にした事件や通り魔など、誰もが被害者になる恐れがある犯罪が後を絶たない。あすの会は解散に当たって今後の対策を国と国民に求めた。重く受け止めなければならない。


PICKUP 気体取り込み変形自在 京大、新結晶合成に成功
 狙った気体を無数のすき間に取り込んで形を変え、さらに元の形へ戻すこともできる新たな結晶の合成に成功したと、京都大高等研究院の北川進特別教授らの研究チームが米科学誌「サイエンス・アドバンシズ」に発表した。地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)を封入する技術などに役立つ新素材開発につながる可能性があるという。
 新たな結晶はジャングルジムのような格子状で、格子1辺の長さは1ナノメートル(ナノは10億分の1)。格子に囲まれた空間に、CO2や一酸化炭素などの狙った気体分子だけを取り込むことができる。
 気体を吸収する前の結晶は平たい形をしているが、気体を吸収すると立体的になる。この時、結晶内の酸素と水素原子が結びつき、つっかえ棒のような働きをするため、気体を抜いても形状が保たれるという。120度以上で加熱するとつぶれ、再び平たくなる。
 チームはこれまでも、気体を吸収する多孔質結晶の合成に成功していたが、気体の吸収や放出に伴って変形させたり、その形を記憶させたりすることは困難だった。今回、炭素や亜鉛イオンなどを含む3種類の化合物を混ぜ、加熱して結晶を合成した。
 結晶は柔らかいため、開いたり閉じたりの制御が容易で、効率的に気体の貯蔵と放出が可能という。北川さんは「体内の狙った臓器へ気体を運ぶ微小医療装置や、気体の有無を調べるセンサーなどへの応用も考えられる」と話している。【渡辺諒、菅沼舞】


訃報 日高六郎さん 101歳=社会学者 市民運動リード
 戦後の平和と民主主義運動の論客で、国民文化会議の代表として安保闘争やベトナム反戦、水俣病闘争など幅広い分野で市民運動をリードした社会学者の元東大教授、日高六郎(ひだか・ろくろう)さんが7日未明、入居していた京都市左京区の有料老人ホームで老衰のため亡くなった。101歳。本人の遺志で、妻暢子(のぶこ)さんら近親者だけで7日夕に密葬を営む。
 中国・青島市生まれ。1941年東大文学部社会学科卒。東大助手、海軍技術研究所嘱託を経て49年に東大新聞研究所助教授、60年教授。東大紛争を契機に69年退官、その後評論家活動を展開し、76〜89年京都精華大教授を務めた。
 著書に81年の毎日出版文化賞を受けた「戦後思想を考える」(岩波書店)をはじめ「現代イデオロギー」「日高六郎教育論集」など。訳書にE・フロム「自由からの逃走」がある。
 「現代における人間の解放とは何か」を学問・実践の場で考える立場から、55年に創立された国民文化会議の代表として積極的に発言。60年の安保闘争では市民運動の旗手の一人として先頭に立ち、ベトナム戦争や水俣病などの公害問題などでも平和活動家の観点から実践的評論活動を展開した。
 東大紛争の時「私が旗を振る時代は終わった」と苦悩の中で大学を去ったが、元社会党委員長の故飛鳥田一雄氏らと住民運動を対象にした総合雑誌「市民」を発行(その後廃刊)するなど、幅広い活動が共感を呼んだ。
 87年には京都市の市民グループが起こした「君が代」斉唱の法的拘束力を問う訴訟に原告として参加。88年に野間宏氏らと共にフロンガスの規制強化を求める要望書を当時の竹下登首相に出したり、90年衆院選では「三〇〇億円金権選挙を憂える三〇〇人委員会」の発起人として金権選挙の監視を呼び掛けたりするなど活動は多岐にわたった。
 89年にはエッセイストの暢子さんとパリ郊外へ移住したが、度々帰国し、発言を続けた。
 2001年3月の国民文化会議解散に際しては「主要メンバーも高齢化し、新しい運動は若い世代によって行われるほかないと考えた」と述べた。しかし、その後も活動の意欲は衰えず、05年、ドキュメンタリー「映画日本国憲法」への出演と「戦争のなかで考えたこと」の刊行を機に一時帰国した際に「戦争と共に生きた世代は間もなくいなくなる」と憂えた。06年から体調が優れず京都に戻っていた。
 30年来の知人男性が今年1月に面会した際にはベッドから起き上がって幼少期の中国での思い出を懐かしそうに語った。最近は寝たきりの状態だったが、今月1日にも短くあいさつを交わしたという。

関西梅雨入り/topが撮影会/紛失の新書購入

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Au Japon, la cavale du prisonnier qui voulait être enfermé
Par Rafaële BRILLAUD
Les vingt-trois jours de fuite de Tatsuma Hirao, évadé d’une prison ouverte, ont tenu l’archipel en haleine. Après l’épopée qui a mobilisé 15  500 policiers, le pays pourrait revoir le traitement de ses détenus.
Sa cavale a tenu le Japon en haleine durant près d’un mois. Tatsuma Hirao, 27 ans, s’était fait la belle et demeurait introuvable. Il laissait bien des indices de-ci de-là, tel ce mot laissé au ¬propriétaire d’un véhicule  : ≪J’emprunte votre voiture mais je ne l’abîmerai pas. ≫ Le fugitif a échappé durant trois semaines à plus d’un millier de policiers déployés sur une île de 23  km2. Dans un pays peu habitué aux évasions et encore moins à une telle chasse à l’homme, ce n’est pas tant l’inquiétude qui régnait qu’une forme d’amusement matiné d’incrédulité.
Le 8 avril, à 6 heures du soir, Tatsuma Hirao quitte donc la prison Matsuyama à Imabari, dans la préfecture d’Ehime au sud du Japon, où il purge une peine jusqu’en 2020 pour vol et autres délits. ≪L’homme a été apercu sur les caméras de vidéosurveillance s’échappant du dortoir≫, a expliqué le directeur de l’établissement, Mutsuhiro Kawauchi. Aucune prouesse dans cette escapade, car la prison n’est pas tout à fait comme les autres. Ni murs d’enceinte, ni barreaux aux fenêtres, ni cadenas aux portes. ≪C’est un établissement ouvert, où les détenus peuvent se déplacer librement, reprend le directeur. On leur fait confiance, on estime qu’ils sont capables de contrôler leur envie d’évasion. ≫ Seuls vingt d’entre eux s’en sont échappés depuis l’inauguration des lieux en 1961.
Caillou
Une voiture volée, retrouvée plus tard à une cinquantaine de kilomètres au Nord, sur l’île Mukaishima, incite d’emblée la police à concentrer les recherches sur cette zone vallonnée de 20 000 habitants. Tatsuma Hirao aurait emprunté la Setouchi Shimanami Kaidô, une chaîne de ponts prisée par les cyclistes qui relie l’île de Shikoku à celle d’Honshu. Le parcours de 70 kilomètres enjambe un chapelet d’îlots de la mer intérieure du Japon, Mukaishima étant le tout dernier. C’est là, sur ce caillou recouvert d’arbres fruitiers, que l’incroyable feuilleton débute et s’étire. Une autre voiture dérobée. Des chaussettes, un téléphone portable et des sandales qui disparaissent. Jusqu’à 12  000 personnes mobilisées quotidiennement pour les recherches. Mais point de fugitif.
Au seizième jour, 450 policiers et 16 chiens sont encore en alerte. Les routes qui sillonnent l’île ainsi que les gares maritimes sont surveillées. Le ministère de la Justice a dépêché des fonctionnaires pour garder les crèches et les écoles. Les habitants bougonnent car les survols d’hélicoptère font trop de bruit. ≪Je ne suis pas sûr qu’il soit encore sur l’île, soufflait un officier. Mais nous n’avons pas la preuve qu’il n’y est plus alors nous devons maintenir le niveau de mobilisation actuel. ≫ Le fugitif expliquera plus tard qu’il était en réalité caché, sur l’île aux mille habitations vides, dans le grenier d’une maison de vacances…
La cavale s’achève le 30 avril à Hiroshima, à 150 kilomètres par la route de la prison d’Imabari. A 11 h 25, l’employé d’un cybercafé signale à la police qu’un homme ressemblant au fugitif a été vu près de la gare d’Hiroshima. A 11 h 37, Tatsuma Hirao est arrêté alors qu’il marche dans la rue. Il tente de fuir et d’escalader le mur d’une école primaire, mais se fait rattraper.
Comment donc a-t-il pu quitter l’île qui était cernée par la police  ? Après son arrestation, il a affirmé avoir nagé de Mukaishima à Honshu dans la nuit du 24 avril. Là où le bras de mer est le plus étroit, la distance entre l’île et l’autre rive n’est que de 200 mètres. Et par chance il pleuvait ce jour-là, il n’a donc semblé étrange à personne qu’un homme se promène trempé de la tête au pied. Tatsuma Hirao a volé un vélo et pris un train pour Hiroshima, ultime étape de son incroyable course. Il s’est dit presque soulagé de cet épilogue, car il était épuisé après ses vingt-trois jours de cache-cache avec un total de 15  500 policiers.
Larcin
A la suite de cet incident, le gouvernement envisage de mettre un GPS aux détenus des quatre prisons ouvertes de l’Archipel. Mais il n’est guère évident de renforcer la surveillance dans des structures dont le principe même est d’encourager les détenus à devenir autonomes dans un environnement sans contrainte.
Les prisons ouvertes correspondent à la semi-liberté répandue en France, où les détenus travaillent le jour et dorment le soir en cellule, précise Kazumasa Akaike, spécialiste des établissements pénitentiaires à l’université Ryukoku de Kyoto. Elles rassemblent au Japon 1 % des détenus, qui ont des profils idéaux et sont soigneusement choisis. ≫ Entre 2011 à 2016, la prison Matsuyama n’a eu que 6,9  % de récidivistes à la sortie, ce qui est nettement inférieur à la moyenne nationale de 41,4  %. ≪Ces prisons pourraient toutefois accueillir le double de détenus, reprend le chercheur. Notre système pénitentiaire est très en retard. Un traitement classique des peines est privilégié, avec des prisons fermées et une discipline sévère. Ce caractère sécuritaire de la société japonaise est très gênant.
Tatsumo Hirao, qui a commis un menu larcin et une cavale plutôt héroique, affirme s’être évadé parce qu’il était ≪dégoûté ≫ des relations humaines. Il évoluait dans des pièces non verrouillées, travaillait sur un chantier naval avec d’autres employés. Mais il souffrait de se sentir trop surveillé par ses congénères auxquels il aurait préféré, dit-il, la compagnie… des quatre murs d’une cellule.
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ソノサキ 〜気仙沼のサメがファッションに大変身&ホストクラブ閉店後の厳しい世界
▽気仙沼から大追跡!サメが健康食品&ファッションアイテムに変身 ▽歌舞伎町ホストクラブの閉店後19時間に密着!No.1ホストの華麗生活vs売れない若手ホストの格差とは?
身近なモノや気になるアレの知られざる“ソノサキ”を大追跡し、バナナマンが笑い&感動と共に紹介する番組! 今夜の大追跡は… (1)『気仙沼のサメが驚きの大変身!』…サメといえば高級フカヒレだが、実は300年以上愛される伝統食品や高級ファッションアイテムなど、意外なものに変わっていた!捨てるところがほとんど無いというサメのソノサキとは?モデルの藤井サチが気仙沼を訪れ、驚き連発の加工工場を大追跡!(2)『新宿・歌舞伎町ホストクラブの閉店後から開店までの19時間に密着』…華やかな世界のソノサキには、厳しい完全実力主義の上下関係や地味な作業が存在していた。売れない若手ホストの頑張る姿に、スタジオのブルゾンちえみが「応援したい」とエールを送る!さらに、超高級車に乗る不動のナンバー1ホストの華麗なる生活にも密着。出勤前に会食があると言うので同行すると、そこにはアノ大物タレントの姿が!! バナナマン(設楽統、日村勇紀) 工藤阿須加、ブルゾンちえみ 藤井サチ ☆番組ホームページ:http://www.tv-asahi.co.jp/sonosaki/  視聴者の皆さんの気になるソノサキを大募集!  番組への感想&ご意見もお待ちしています!

山崎 雅弘 @mas__yamazaki
国外逃亡して潜伏しているのなら仕方ないが、国内にいて自由に行動しているのだから、報道各社は「紀州のドン・ファンの妻」でなく「加計孝太郎氏」にリポーターを送らないとおかしいだろう。なぜ取材に行かないのか。何度でもしつこく聞かないといけない。なぜ行かないのか。
もし日大アメフト部の監督が、再発防止のためという名目で監督に居座ろうとしても、メディアも国民も許さないだろうが、なぜか安倍氏や麻生氏が同じことをしても、メディアは淡々と垂れ流しで報じるだけで、怒る国民も少数派でしかない。居座ることを許してしまう。なぜなのか? この違いは何なのか?


雨ざあざあです.関西は梅雨入りしました.暑いよりはいいかな?
さて仕事しようとするとネクタイの怪しそうな?人がたくさん.まるでどこかの親分さんが来る前のようです.と思ったらtop3人が写真撮影していました.部屋でお弁当を食べようと思うけど,匂いがあるとヤバいかな??なんて思い,無駄に緊張しました.
夕方紛失の新書を購入しました.図書館に返しに行くのは明日以降です.

<リボーンアート・フェス>8月にプレイベント
 東日本大震災からの地域再生を願い、石巻市中心部や牡鹿半島を舞台に2019年夏に開かれるアートと音楽、食の総合祭「リボーンアート・フェスティバル(RAF)」の実行委員会は5日、プレイベントを8月4日〜9月2日に開催すると発表した。
 延べ26万人が来場した昨年のRAFに続く「トランジット! リボーンアート2018」として、規模を縮小して企画した。
 アート部門は、昨年のRAFのシンボルとなった巨大な鹿の像「White Deer(Oshika)」を牡鹿半島の荻浜に常設で再展示する。
 食部門は、フードディレクターにサローネグループ(東京)の藤巻一臣ゼネラルマネジャーを起用。著名シェフを招き、地元食材を使った料理をイベント会場などで提供する。荻浜地区に5月にオープンした地域住民による食堂「はまさいさい」も参加する。
 期間中は土日曜の計10日程度、各種イベントを催す。最終日は石巻市中瀬で「リボーンまつり」を開き、RAF実行委員長で音楽プロデューサー小林武史さん(新庄市出身)が手掛けた盆踊りを踊る計画もある。
 小林さんは「宮城や東北の人たちに、始まったばかりのRAFを忘れられないよう企画した。6メートルの白い鹿の作品と食を中心に、来年に向けてのプロセスを皆さんと一緒につくっていきたい」とコメントした。


<みちのく潮風トレイル>亘理・山元ルート 復興の道40キロ開通
 東日本大震災の沿岸被災地を歩いて支援する環境省のプロジェクト「みちのく潮風トレイル」で、亘理、山元両町を通る約40キロが5日開通した。今回、尾根を歩くルートが初めて選ばれた。亘理町の尾根を歩く登山道は住民が手弁当で整備しており、関係者から喜びの声が上がった。
 開通したのは亘理町側約19キロ、山元町側約21キロ。このうち、亘理、山元両町と角田市との境を通る約8キロが尾根ルートの登山道。亘理町役場から南西約2キロの地点から四方山(272メートル)を通り、鎮魂の鐘がある深山(287メートル)に向かう。
 亘理町側の登山道はかつて山に芝刈りに行くときなどに使われていたが、戦後に荒廃が進んだ。地元愛好家でつくる「亘理歩好(あるこう)会」のメンバーが、太平洋や阿武隈川などを見渡せる阿武隈山地の魅力を知ってもらおうと2010年から整備を始めた。
 震災後も草刈りなどを行い、14年までに整備をほぼ終えた。15年以降は、看板を設置する作業を続けた。トレイルへの設定は、会のメンバーが環境省に働き掛けていた。
 5日は、環境省東北地方環境事務所の常冨豊次長が両町役場を訪れ、山田周伸亘理町長と斎藤俊夫山元町長にそれぞれ地図を手渡した。亘理町役場の行事に出席した亘理歩好会の鈴木光範会長(75)は「やぶを払い、少しずつ道を切り開いてきたかいがあった。交流人口拡大に役立てばうれしい」と喜んだ。
 尾根以外では、山元町の震災遺構の旧中浜小などがルートに選ばれた。
 地図はトレイルの公式サイトで見ることができる。同省は八戸市から相馬市までの4県に全長900キロ超のルートを設定する。これまでに亘理、山元両町を含め約750キロが開通した。


震災と言葉 時間の経過が語らせる
 東日本大震災のとき、宮城県東松島市の小学5年生だった雁部那由多(がんべなゆた)さんは、高校1年になって語り始めた。
 「僕は語り伝えたい。あの日のことを、自分自身の言葉で。二度と悲しみが繰り返されることのないように」
 その言葉が収録された「16歳の語り部」(ポプラ社)には、亡くなった子に配慮した先生の指導もあって、震災の話は封印して何もなかったように振る舞ったとある。語り始めるには5年の歳月が必要だった。
 阪神大震災の教訓を伝えるためにつくられた「人と防災未来センター」(神戸市)で3年前に会った語り部の秦詩子さんが話してくれた。
 「震災のことをポツリポツリとでも話せるようになったのは、8年を過ぎてから。それまでは家族の中でも震災の話をできませんでした」
 仙台市在住の作家佐伯一麦(かずみ)さんは5月、講演で語った。
 「七回忌を区切りに、少しずつ被災者の声が聞かれるようになった。声を出すということは、歳月との共同作業なんです」
 あのとき、多くの人が言葉を失った。自身も被災地を訪ねると叫びや悲鳴は出てきても、言葉は出てこない。「言葉が真空状態になった。どうやって書いていけばいいのかと思った」と回想する。
 しかし、日常が戻ってくるとともに言葉も戻ってきた。佐伯さんは、芥川賞を受けた若竹千佐子さんの「おらおらでひとりいぐも」にも「あからさまではないが」と断りながら震災の影を見る。
 地割れが起きた地層の一番下から東北弁が露出してきたというのだ。「それを土台に物語が再建された」。災後文学の始まりかもしれない。
 人々からとつとつと、あるいは奔流のように出てくる言葉を、貴重な記録として書き残したい。または、傾聴という形で受け止めたい。言葉を吐いたことで楽になる人も多いはずだ。
 佐伯さんが最も注目するのは、震災を体験した子どもたちだ。「成長して『文学の言葉』を持ったときに、何を書くのか。初めて震災を書ききる文学が出てくる可能性がある」と。
 震災で失った言葉が時間の経過とともに戻ってくる。それを超えて、新たに紡ぎ出される言葉もある。まだ見ぬ、それらの言葉は新たな時代を彩ってくれるはずだ。
 そのために大人は何をすべきか。「自分たちに起こったことを、いいことも悪いことも記録として残しておくことが大切だ」。
 新たな言葉を生み出すための「ゆりかご」といえばいいだろうか。復興とは、日常とともに言葉を取り戻すこと。その作業はまだまだ続く。


<みちのく潮風トレイル>亘理・山元ルート 復興の道40キロ開通
 東日本大震災の沿岸被災地を歩いて支援する環境省のプロジェクト「みちのく潮風トレイル」で、亘理、山元両町を通る約40キロが5日開通した。今回、尾根を歩くルートが初めて選ばれた。亘理町の尾根を歩く登山道は住民が手弁当で整備しており、関係者から喜びの声が上がった。
 開通したのは亘理町側約19キロ、山元町側約21キロ。このうち、亘理、山元両町と角田市との境を通る約8キロが尾根ルートの登山道。亘理町役場から南西約2キロの地点から四方山(272メートル)を通り、鎮魂の鐘がある深山(287メートル)に向かう。
 亘理町側の登山道はかつて山に芝刈りに行くときなどに使われていたが、戦後に荒廃が進んだ。地元愛好家でつくる「亘理歩好(あるこう)会」のメンバーが、太平洋や阿武隈川などを見渡せる阿武隈山地の魅力を知ってもらおうと2010年から整備を始めた。
 震災後も草刈りなどを行い、14年までに整備をほぼ終えた。15年以降は、看板を設置する作業を続けた。トレイルへの設定は、会のメンバーが環境省に働き掛けていた。
 5日は、環境省東北地方環境事務所の常冨豊次長が両町役場を訪れ、山田周伸亘理町長と斎藤俊夫山元町長にそれぞれ地図を手渡した。亘理町役場の行事に出席した亘理歩好会の鈴木光範会長(75)は「やぶを払い、少しずつ道を切り開いてきたかいがあった。交流人口拡大に役立てばうれしい」と喜んだ。
 尾根以外では、山元町の震災遺構の旧中浜小などがルートに選ばれた。
 地図はトレイルの公式サイトで見ることができる。同省は八戸市から相馬市までの4県に全長900キロ超のルートを設定する。これまでに亘理、山元両町を含め約750キロが開通した。


防潮堤ミス 気仙沼市が県に要望
気仙沼市の防潮堤が県のミスで計画より高く整備され、県が高さを修正しない方針を示している問題で、気仙沼市は県に対し、高さの修正を求める地元住民らとの合意を前提に整備を進めるよう要望しました。
気仙沼市魚町地区の防潮堤が、県のミスで計画より22センチ高く整備された問題で、村井知事は高さを修正しない方針を示し、地元住民が強く反発しています。
この問題をめぐり、6日、気仙沼市の菅原市長や地元住民の団体の代表らが県庁を訪れ、河端副知事にそれぞれ要望書を手渡しました。
このうち、気仙沼市は、「県の意向は、これまで市民と行政の対話のもとで進めてきた形とは異なる」と指摘し、地元住民らとの合意を前提に防潮堤の整備を進めるよう求めています。
また、地元住民の団体は、「絶対にあってはならない前代未聞の施工ミスだ」としたうえで、修正しない県の姿勢に対し、「住民の県政に対する信頼は損なわれた」と批判しています。
そして、ミスの原因を速やかに文書で回答することや、当初の計画の高さで防潮堤を整備すること、それに防潮堤の背後にある土地の区画整理事業を遅れなく進めることなどを求めています。
このあと、河端副知事は記者団に対し、「工事のミスは県の責任であり、地元の要望を十分に受け止めた。住民が求める、海の見える生活を大切にし、復興・まちづくりの少しでも早い完成を念頭に進めていきたい」と述べました。
要望書を提出したあと、気仙沼市の菅原茂市長は記者団に対し、「住民の信頼に足りうるような方策が県から出されれば、合意できるよう市として協力していきたい。防潮堤に関わってきた人は景観や高さについて思いをずっと持っており、そうした思いを共有できないと解決しない問題だ」と話していました。
また、まちづくり協議会の菅原昭彦会長は、「ミスをしたからといって、何年もかけて協議を重ねてきた約束がほごにされる理由にはならない。このままでは住民は納得しない」と話していました。


震災で犠牲の漁業者などに祈り/span>
東日本大震災の発生から7年余りがたつ中、漁協の関係者たちが6日、亘理町の沖合に出て犠牲になった漁業者などに祈りをささげました。
これは、震災以降、宮城県漁協と交流を続けてきた兵庫県豊岡市にある寺の住職の呼びかけで行われました。
6日は、亘理町の荒浜漁港に漁協の関係者などおよそ20人が集まって船に乗り込み、5キロほど沖合に出て、震災で犠牲になった漁業者などに祈りをささげげました。
宮城県漁協では、震災で、当時港や自宅にいたおよそ400人の組合員が犠牲になったということで、集まった人たちは、お経が読み上げられる中、犠牲者の名前が書かれた紙や、花束などを海に投げ入れていました。
こうした供養が行われるのは今回が2回目で、前回は悪天候のため岸壁から祈りをささげたということです。
兵庫県の寺の住職を務める石部道宣さんは、「阪神・淡路大震災で皆さんにお世話になったので、そのお返しができればという思いで来ました。前回は海上に出られなかったので、きょうという日を迎えることができて良かったです」と話していました。
宮城県漁協の小野秀悦代表理事は、「震災から7年が過ぎて漁業も再開しましたが、私たち残った者が、きちんとやっていかなければならないという思いを新たにしました」と話していました。


津波被害の鐘 7年ぶり元の寺へ
東日本大震災で津波の被害を受けた名取市の寺の鐘が、保管されていた埼玉県飯能市の寺から7年ぶりに戻ることになりました。
元の寺に戻ることになったのは、名取市閖上地区にある東禅寺の鐘です。
東禅寺は東日本大震災の津波で本堂などが大きな被害を受け、鐘が住職どうしが知り合いの埼玉県飯能市の法光寺で7年間にわたって保管されてきました。
東禅寺が去年12月に再建されたことから元の寺に戻ることになり、5日は飯能市の小学生21人が招かれ、児童1人1人が別れの気持ちを込めて鐘をつきました。
そして、震災の犠牲者や被災地の復興を祈るお経が唱えられたあとトラックに大切に積み込まれました。
鐘は7日、故郷の寺のやぐらに設置される予定で、小学6年生の男子児童は「被災地の人たちが幸せに暮らしてほしいとの思いを込めて鐘をつきました」と話していました。
鐘を預かってきた法光寺の大野文敬住職は「鐘を返せる日がきてほっとしています。被災地への思いを持ち続け、できるかぎりのことをしていきたいです」と話していました。


<東松島市>野蒜小訴訟受け小中校長に危機管理の再確認指示
 東日本大震災の津波で死亡した東松島市野蒜小3年の女児=当時(9)=を巡る訴訟で最高裁が市の上告を退けたのを受け、市教委の工藤昌明教育長は5日、市内の小中学校長を集めた定例会議で、各校の危機管理体制を改めて確認するよう指示した。
 会議は鳴瀬桜華小であり、11校の校長ら17人が出席。工藤教育長は「司法の判断を真摯(しんし)に受け止め、判決内容を今後の防災教育に生かしていく。子どもの命が失われる悲しい出来事が二度と起きないよう努力したい」と述べた。
 具体的には市の学校防災マニュアルに沿い、保護者への児童生徒の引き渡しは名簿の記載者に限定することを確認。津波警報発令中は原則、名簿記載者でも引き渡さないこととし、保護者への周知を求めた。
 訴訟では、体育館に避難した女児を同級生の父親に引き渡した学校の対応が問われた。二審の仙台高裁判決は女児の自宅が学校より海側にあったことなどから、「津波に巻き込まれる危険を予見できたのに女児を引き渡した」として学校側の過失を認めた。
 市は7日開会の市議会6月定例会に損害賠償金などを盛り込んだ本年度一般会計補正予算を追加提案する。


<震災関連自殺>福島100人超 避難長期化が影響
 福島県内の東日本大震災関連の自殺者が100人を超えて101人となったことが、警察庁のまとめで分かった。今年に入ってから4月に2人増えた。福島だけで全国の計214人の半数近くを占め、岩手、宮城を含む被災3県では計204人に上る。
 警察庁が集計を始めた2011年6月以降の被災3県で確認された自殺者の累計の推移はグラフの通り。年別で福島は13年の23人が最も多く、その後もやや減った程度で昨年は12人だった。
 岩手は4月に1人増えて計49人で、年別は11年の17人が最多。宮城は3月に1人の自殺が確認されて計54人となり、年別は11年の22人が最も多い。
 福島県によると、東京電力福島第1原発事故の影響で4万人以上の県民が今も避難生活を続け、精神面を含めた支援が課題となっている。福島大が昨年、原発事故で大きな被害を受けた双葉郡の住民を対象にした実態調査で、半数以上がうつ病に近い傾向を示した。
 調査を主導した丹波史紀立命館大准教授(社会福祉論)は、自殺者が絶えない状況について「避難指示解除の時期や帰還のめどなど自分で判断できる材料が少なく、生活再建の見通しが立てづらい」と指摘。「長期化する避難生活の中で心身を病んでしまう傾向がある」とみる。


<震災関連自殺>福島いのちの電話 全国が支援、体制強化
 東日本大震災関連の自殺予防のため、社会福祉法人「福島いのちの電話」(福島市)は本年度、福島県の被災者対象の「ふくしま寄り添いフリーダイヤル」の体制を強化した。全国の他団体の協力を得て、毎月11日の無料相談を常に2回線で受けられるようにした。
 法人は「必ずつながる電話」を目指しており、事務局長の三瓶弘次さん(66)は「震災から時間がたったからこそ、被災者の思いを受け止めることがより必要だ」と強調する。
 専用回線による毎月の無料相談を昨年3月に始めた。相談が1日20件近くに上って話し中になることもあるため、仙台市の団体の協力を得て昨年12月から2回線に増設。さらに対応できるよう全国の「いのちの電話」に協力を求めた。
 本年度からは福島が1回線を受け持ち、もう1回線を全国の49団体が交代で担う。4、5月は仙台など東北の団体が協力し、6、7月は関東の団体が関わる。
 事務局は2月までに協力への呼び掛けを兼ねた研修会を各地で開催。東京電力福島第1原発事故の賠償金を巡るトラブルなど福島特有の悩みに関する資料を用意。県外にも避難者がいて福島だけの問題ではないと理解してもらった。
 寄せられる相談内容はさまざまだ。県外の避難者からは「賠償金を『うらやましい』と言われる」「友人に高速道路の無料措置を当てにされている」といった電話があった。
 「頑張れないことに罪悪感を抱く」と自分を追い込んだり、「この電話があるだけで救われる」と最後に言ってくれたりする例もあるという。
 「否定も助言もしない。丁寧に耳を傾けることが大切」と三瓶さん。震災の風化が進む中「忘れていない」というメッセージを届け続けることに力を注ぐ。
 無料相談は毎月11日午前10時〜午後10時。フリーダイヤル(0120)556189。


復興ツーリズム/本県の応援団増やす契機に
 復興の応援団となる理解者を増やし、災害の記憶の風化と風評を防ぐ取り組みを前に進めたい。
 災害の被災地を巡り、被災の現状や地域防災のあり方などについて学ぶ研修や旅行を「復興ツーリズム」と呼ぶ。県観光物産交流協会の調べで、東日本大震災で大きな被害を受けた本県では2016年度、3527件が行われ、9万2540人が参加していたことが分かった。復興ツーリズムの規模が判明したのは今回が初めてだ。
 被災地に足を運ぶことは、災害を人ごとではなく、自分に引き寄せて考えてもらうきっかけになる。一人でも多くの人に本県を訪れてもらうことで、正しい知識を基に被災地の状況を伝えることができる人の輪を広げたい。
 本県の復興ツーリズムは、関東からの来県が半数で、受け入れ先は浜通りが全体の8割弱を占めている。来県者を増やすためには、被災地の視察で何が求められているかを、先進地の事例から探ることが欠かせない。
 岩手県では、震災で一時減少した教育旅行が、震災前の水準を超えるまでに復活した。同県は、沿岸部の津波被災地の復興を学ぼうとする学校が増えたことが、回復の原動力になったとみている。
 被災地でしか学ぶことができない教訓や課題は、防災などに関心がある人にとって現地を訪れる十分な動機になる。教育関係団体などを中心にツアーを呼び掛け、復興の進展が人を呼び込み、その地域との絆を持った「交流人口」の増加に結び付くような好循環をつくりだしていくことが重要だ。
 宮城県の復興ツーリズムの現場では、震災直後の様子をどのように伝えるかが課題だという。みやぎ観光復興支援センターによると、語り部団体などは、スマートフォンの「拡張現実(AR)」技術などを使って当時の状況を示しながら、現地を案内するそうだ。
 震災からの長い年月の中で、被災地の町並みは変わりつつある。見えなくなってしまった災害の爪痕を「見える化」し、今の風景がどのような努力を重ねて出来上がったのかを説明することは、復興の歩みを伝える上で大切な試みだ。自治体には、ツアーを受け入れる団体の「伝える技術」を引き出すような支援を考えてほしい。
 ただ、本県は東京電力福島第1原発事故という固有の課題がある。これを誘客の障壁とみるか。それとも、環境回復や廃炉の問題を全国の人々と共有するための開かれた場として活用するか。本県の復興ツーリズムの方向性を決めるテーマとして議論が必要だ。


[口永良部島3年] 教訓学び噴火に備えを
 屋久島町・口永良部島の新岳噴火から3年がたった。
 今年4月には噴火警戒レベルが2(火山周辺規制)に引き下げられ、噴火前の8割に当たる100人余りが暮らす。移住者や山海留学の小中学生も増えて活気を取り戻しているのは喜ばしい。
 県内では桜島をはじめ、霧島連山の新燃岳や硫黄山が活発な活動を続けている。口永良部島の経験から教訓を学び、今後の火山対策に生かしたい。
 新岳は2015年5月29日に噴火し噴煙は高度9000メートルに達した。ほとんどの住民が高台の番屋ケ峰に避難し、犠牲者は出なかった。
 教訓の一つは、訓練の大切さである。新岳は14年8月にも噴火した。その時の混乱を踏まえて、避難所を火砕流や噴石の危険が少ない番屋ケ峰に一本化した。
 避難途中に歩いている人を見かけたら誰でも車に乗せることも決め、学校でも訓練を重ねた。噴火直後に児童生徒が落ち着いて避難できたのはその成果だった。
 避難場所・方法を周知して訓練を重ねるとともに、避難所の整備も欠かせない。番屋ケ峰の施設には噴火後、水などの備蓄品のほか、100人以上が寝泊まりできる部屋やシャワー室を設けた。
 噴火の状況によっては長期間の滞在を余儀なくされる。費用はかかるが、「転ばぬ先のつえ」である。施設の充実を急ぎたい。
 離島の場合、島外避難時の対応を詰めておくことが重要だ。
 新岳噴火後、警戒レベルは5(避難)に引き上げられた。町は住民の島外避難を決め、ほとんどの島民が屋久島へ避難した。
 避難生活は長引くことも予想される。口永良部島住民の避難生活は、火山活動が収まり帰島が許可されるまで7カ月間に及んだ。
 三島、十島両村にも気象庁が常時観測する硫黄島と諏訪之瀬島がある。島外避難になった場合、両村の役場のある鹿児島市が有力な避難先になる。
 鹿児島市は「住民を分散させずに受け入れる態勢が必要になる。協力は惜しまない」としている。住民の輸送態勢や避難場所の確保など関係機関との連携が必要になる。早急に協議を進めてほしい。
 今年1月の群馬県・草津白根山の噴火は想定外の地点で発生し、気象庁は前兆を観測できなかった。また、霧島連山の地下に大規模なマグマだまりがあることも明らかになっている。
 鹿児島県には11の活火山がある。いつ火山災害に見舞われるか分からない。被害を最小限に食い止める態勢づくりに行政と住民が一体となって取り組みたい。


アイヌ・仙台藩版「オセロー」 上演へ 現代の差別に一石
 シェークスピアの4大悲劇の一つ「オセロー」に登場するオセロー将軍とその妻を、アイヌ民族の男性や幕末の北海道で警備にあたる仙台藩士の娘として描き出した舞台「アイヌ・オセロ」が9、10の両日、東京都三鷹市大沢3の国際基督教大学で上演される。物語の根底に流れる人種差別を日本に置き換え、社会に一石を投じる。
 東北地方を舞台にシェークスピアの作品を翻案して演じる劇団「シェイクスピア・カンパニー」が上演する。主宰の下館和巳・東北学院大教授が脚本を担当し、アイヌ民族で演出家の秋辺デボ氏と共同演出した。今年1月に仙台市で初演を果たし、今回が2回目。
 下館教授によると、「オセロー」の根底には人種差別がある。「東北地方に置き換えるならアイヌ」と考え、秋辺氏の協力を得た。舞台にはアイヌ舞踏団の5人が参加し、アイヌの言葉や仕草も採用した。オセロー将軍をだますイアゴー役をアイヌと和人(アイヌ以外の日本人)の「ハーフ」とし、出自を隠している設定にした。
 下館教授は「仙台藩は幕末、北方警備に携わったためアイヌとの関係が深かった。シェークスピアの時代とは異なり、複雑で分かりにくい現代の差別問題を提起したい」と話す。
 開演は9日午後4時半と10日午後1時。一般3000円。電話予約(0120・240・540)。上演後に下館教授と秋辺氏の対談がある。来月14日には札幌市でも上演し、来夏のロンドン公演を目指す。【岡礼子】
 【ことば】オセロー  シェークスピア(1564〜1616年)の4大悲劇の一つで、嫉妬がテーマ。地中海に臨むイタリア・ベニスを舞台に、黒い肌のオセロー将軍が良家の白人の娘と結婚するが、オセローを妬む部下・イアゴーの策略で浮気を疑い、妻を殺害。後にだまされたことに気づいて自殺する。


<松島・瑞巌寺>「平成の大修理」完了 落慶法要22日に前夜祭
 宮城県松島町の国宝・瑞巌寺が約10年に及ぶ「平成の大修理」を終えて落慶法要を行うのを前に、前夜祭が22日、寺周辺で行われる。仙台藩祖・伊達政宗が造営した寺と地域の発展を願い、国道45号を一時通行止めにしての武者行列や花火大会などで祝賀ムードを盛り上げる。
 落慶法要の関連催事を担当する任意の官民組織「瑞巌寺慶讃(けいさん)会」によると、武者行列は午後1〜2時。政宗役に伊達家18代当主の泰宗さん、2代忠宗役に父が松島町出身の俳優千葉雄大さん(多賀城市出身)が扮(ふん)して馬に乗る。
 行列は総勢約90人で手作り甲冑(かっちゅう)姿の町民、栗原市の花山鉄砲組、仙台市の観光PR集団「伊達武将隊」、仙台藩志会などが加わる。
 瑞巌寺敷地内の陽徳院を起点とし、五大堂に参拝、中央広場で鉄砲組が演武した後、瑞巌寺本堂に戻る。国道45号は周辺の1.4キロ区間が午後0時40分〜3時に全面通行止めとなる。
 午後3時からは上空で航空自衛隊松島基地(東松島市)の曲技飛行チーム「ブルーインパルス」の展示飛行がある。改造バイクのブルーインパルスJr.の展示走行も午後に2回ある。
 花火大会は午後8時からで、約4000発を松島海岸中央桟橋の沖合から打ち上げる。海沿いの中央広場に500席の有料観覧席エリアを設ける。
 落慶法要は24日。瑞巌寺で同日に毎年行う藩祖忌を23日に前倒しするため、前夜祭は22日とした。慶讃会の志賀寧事務局長は前夜祭を「落慶を祝う事業のメインと捉え、より多くの人に祝ってほしい」と話す。
 有料観覧席は椅子1席3000円で町文化観光交流館、松島観光協会で販売中。連絡先は慶讃会022(352)9568=平日のみ午前9時〜午後5時=。


7つの酒蔵が連携の酒が完成
酒どころ宮城県の7つの酒蔵が、製造工程をそれぞれ分担して作った日本酒が完成し、5日、蔵元たちによる試飲会が行われました。
完成したのは、県内の7つの酒蔵がそれぞれの工程を分担して作り上げた日本酒「DATE SEVEN」で、酒蔵同士の交流を深め、技術力をさらに向上させようと3年前から毎年、テーマを決めて作っています。今年は食用米の「ひとめぼれ」を通常よりも多く33パーセントまで削った「純米大吟醸」に挑戦しました。5日は、蔵元の担当者が仙台市に集まって、完成した酒の試飲会が行われ、蔵元たちは「清らかで軽やかだ」とか、「香りもあり上品だ」などと感想を言い合っていました。
宮城県は、今年の全国新酒鑑評会で「金賞」の数は4位でしたが、「金賞」の割合は3年連続で日本一となるなど、酒造りの技術に定評があります。全国最多の15年連続金賞受賞中で、今年の「DATE SEVEN」づくりの代表を務めた川敬商店の川名由倫さんは、「毎年、ほかの酒蔵から技術や知識を得て、翌年の酒造りに生かすことができている。より高度な酒造技術で、おいしいお酒を造っていきたい」と話していました。
「DATE SEVEN」は名前にちなんで、今年7月7日に販売が解禁され、
乾杯は午後7時からできるということです。


骨太方針/つじつま合わぬ消費税対策
 アクセルとブレーキを同時に踏み、つじつまの合わない経済運営になりはしないか。
 政府が近くまとめる経済財政運営の「骨太方針」案が明らかになった。
 焦点は「消費税率引き上げと需要変動の平準化」である。日本が未曽有の高齢社会に突き進む中、安定的財源となる消費税率10%への増税を来年10月に行うことを明記した。
 2度の先送りを経て、ついにその時が来る。政府は引き上げ時期前後の悪影響を抑えるために臨時・特別措置を2019、20年度当初予算で講じるという。
 安倍晋三首相は「相当に思い切った財政出動をする」と述べている。何のことはない。増税する一方で景気対策を打つということだ。当初予算への上乗せ計上であるならば、相応の規模になろう。財源は一体どうひねり出すのか。
 14年4月、5%から8%への引き上げ時は駆け込み需要が集中。実施後の反動で景気が落ち込んだ苦い経験があった。特に住宅と自動車の影響が大きく、今回は住宅ローン減税や自動車購入時の税対策に具体的に踏み込む予定だ。
 消費減退要因を抑える配慮は当然だが、政府の姿勢はいつになく用意周到だ。景気の先行き不安が背景にあるとすれば、財政出動の圧力は今後も一層強まるのではないか。
 政府は一方で財政再建という最重要課題を担っている。健全化の指標「基礎的財政収支の黒字化」の時期を20年度から25年度へ先送りし、これ以上後ずさりできない地点に立っていると言える。
 膨大な借金体質の国の財政は、将来の国民の所得を「先食い」しているに等しい。
 増税のたびに当たり前のように歳出拡大し穴埋めに走るようでは、健全化はいつになっても実現できまい。
 今回、政府は政策経費と国債利払い費の総計で見る「財政収支」と「債務残高」の2項目を健全化指標に加えた。21年度に中間評価することも方針案に盛り込んだ。
 新指標は、政府が見込む名目3%以上の経済成長率を実現すれば達成が容易な水準だという。甘い経済見通しで当面の財政再建が進んだように印象づけ、財政出動の余地を残しておく意図がちらつく。
 消費税の増額分の一部は、安倍政権の看板政策「幼児教育・保育の無償化」の財源に充てられる。「待機児童解消が先」「体の良いばらまきだ」と反発を受けながら、引き上げに合わせて実施することが方針案に書き込まれた。
 これらの消費税財源は将来も固定化され、その分、需要度を増す介護・医療費を玉突き式に圧迫する懸念がある。社会保障費の削減には最大限慎重であらねばならない。
 消費税増税が暮らしにどう生かされるのか国民には見えづらい。将来不安の解消のためにも、社会保障費の在り方や財政再建の必要性も含め、政府は丁寧に説明すべきだ。


公文書管理 廃棄できないルールに
 学校法人「森友学園」での財務省の文書改ざんなどを契機に公文書管理の見直しを首相が指示した。国有地売却の文書なのに「廃棄した」との政府説明がなされた。廃棄させないルールが必要だ。
 森友問題の核心は約八億円もの値引きがなされたことだ。そんな大問題であるのに国会での政府説明は「廃棄した」の言葉でまかり通った。文書の保存期間が一年未満であるとの理由からだった。
 行政庁の職員が作成する文書は大別すると二種類ある。一つは閣議決定書や国会報告書、概算要求書などの正式文書。もう一つは業務連絡や問い合わせなどへの応答書などメモや備忘録である。前者は保存期間が一年以上で最長三十年である。後者は一年未満で各省の判断で廃棄できる。
 公文書管理法は、公文書を「健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源」と位置づけ、文書の作成から整理、保存するルールを定めた。ところが、正式文書ができあがる「過程」であるメモや備忘録が廃棄されてしまうと、どのような意思決定のプロセスを経たのか、後から検証できなくなってしまう。
 加計学園問題では昨年六月、「総理のご意向」と書かれた文書が見つかった。文部科学省では「存在が確認できない」としていたが、再調査で発見された。職員が備忘録として作った「個人メモ」の共有フォルダーの中にあった。これも廃棄が前提の文書ではなく、保存すべき重要な文書であるのはいうまでもない。
 「本件は、首相案件となっており」という愛媛県の文書もそうだ。県職員らが首相官邸で、加計学園問題に関し、当時の首相秘書官から受けたアドバイスを備忘録として書き残した。正式な文書ではないが、当然、今後も保存すべき文書に当たる。
 つまり、行政がどのように意思決定をしたか。その証拠、証明となる一枚一枚、一件一件のデータを蓄積しておくのが、公文書管理法の本来の趣旨なのだ。今回の不祥事で逆に官僚が残すべき行政文書を個人メモ扱いにし、一年未満で廃棄する恐れさえある。
 だから、行政庁による恣意(しい)的な運用・廃棄がなされないように、すべての文書を保存した方がよい。もはや紙の時代は去った。電子文書は保管場所の問題は生じない。米国では電子メール記録まで管理される。メモ一枚にせよ、民主主義を成り立たせる重要な礎石なのである。


公文書管理制度の改革 プロセス改ざんに罰則を
 公文書改ざんの再発防止策について、安倍政権は運用の見直しに矮小(わいしょう)化しようとしている。しかし、それでは全く不十分だ。
 安倍晋三首相は各閣僚に公文書管理の厳格化と再発防止策の検討を指示した。法令順守の意識改革や文書の更新履歴が残る電子決裁システムへの移行などが柱だ。
 だが、厳格な文書管理の指示が、実際には「余計な文書を残すな」と受け止められる可能性がある。官僚は萎縮して形式的な文書しか残さなかったり、文書自体を作らなくなったりする事態があり得る。
 財務省の決裁文書改ざんを巡っては、大阪地検が佐川宣寿前理財局長らを不起訴とした。
 改ざん部分の有無が、森友学園との契約内容や金額の結論に影響せず、刑法の虚偽公文書作成罪の「虚偽」に当たらないという解釈をした。
 しかし、公文書を管理・保存するのは政策の決定過程を国民に明らかにするためだ。経緯が不明ならば、途中で政治的な横やりなどが入っていないか検証ができなくなる。
 今回は、そのプロセスがそっくり削除されていた。文書の性質を変えてしまうような行為があった場合、「虚偽」と認定し処罰できる法改正に取り組む必要がある。
 公文書管理法は、行政などが正確に文書を残すことを前提としている。それが民主主義の根幹を支えることになるからだ。
 だが依然、抜け道もある。公文書管理法も情報公開法も「組織的に用いるものとして行政機関が保有しているもの」が公文書の条件だ。
 これを都合よく解釈し、不都合な文書を「私的メモ」としたり「廃棄した」としたりする言い訳に使っている。公務で作ったものは全て公文書とすることを検討すべきだろう。
 制度の運用も重要だ。
 公文書を「国民共有の知的資源」とする法の理念が官僚に根付いていない。研修を徹底させたい。
 併せて、文書管理の専門家を養成し配置する必要がある。欧米に比べると、この点が著しく劣っていると指摘されている。
 府省庁自身が文書の保存や廃棄を決めていることも、不祥事の原因のひとつだ。独立した第三者機関に委ねる仕組みも考えるべきだ。


財務省改ざん調査 真相究明が再発防止策だ
 財務省は学校法人「森友学園」への国有地売却を巡る決裁文書の改ざんや、森友側との交渉記録廃棄に関する調査報告書を発表、関係者20人を処分した。
 当時の佐川宣寿(のぶひさ)理財局長が、政治家名の記載された文書を「外に出すべきではない」として改ざんを主導。交渉記録廃棄は安倍晋三首相の「私や妻が関係していたなら首相も国会議員も辞める」との昨年2月の国会答弁が契機だったと認定した。佐川氏を「首謀者」に首相らへの「忖度(そんたく)」を事実上認める内容で、佐川氏を最も重い停職3カ月相当とし、退職金から513万円減額する。
 麻生太郎財務相は閣僚給与1年分(170万円)を自主的に返納するが、引き続き職にとどまる意向だ。安倍首相も政権への影響を抑えるため、続投を容認したが、麻生氏が佐川氏から何の報告も受けていなかったのかという疑問は残る。国会への改ざん文書提出に対する省としての「けじめ」も必要だし、政治家の進退問題に波及する事案ではないだろうか。
 大阪地検は既に、虚偽公文書作成容疑などで告発された佐川氏のほか、国有地売却価格が8億円余り値引きされた取引を巡る背任容疑でも財務省関係者らを不起訴にしている。安倍政権は財務省の調査報告と処分によって、森友問題の“幕引き”を図り、今国会の最重要法案と位置付ける働き方改革関連法案などの成立に突き進む構えだ。
 自衛隊の日報隠蔽(いんぺい)問題も含め行政不祥事への対応策として、政府は公文書管理を見直す方針だ。電子決裁システムへの移行を促進するほか、全府省庁の管理状況を横断的に監視する独立のポストを内閣府に新設する案も検討している。
 安倍首相も財務省調査の発表後「公文書の在り方を徹底的に見直し、再発防止策を講じる」と述べた。だが、それで改ざん発覚以来、強調してきた「うみを出し切る」ことになるのか。
 改ざんの動機について報告書は、国会審議の紛糾を回避するためと説明している。しかし、森友学園が計画していた小学校の名誉校長に一時就任した昭恵首相夫人や、政治家の記述の削除まで行う必要があったのかとの疑問は、謎として残る。
 これで幕引きすれば、国民の政治不信は解消されない。昭恵氏が国有地売却にどの程度関わっていたのか、事情を説明する場を設けるべきだろう。今後、同種の事案を繰り返さないため、佐川氏らが改ざんにまで踏み込んだ理由の究明も必要不可欠ではないか。


改ざん調査報告 政治責任はどう取るのか
 森友学園を巡る決裁文書改ざんなどの不祥事で、財務省は、当時理財局長だった佐川宣寿前国税庁長官が改ざんを主導したとする調査報告書を発表した。
 合わせて、佐川氏を最も重い停職3カ月相当にするなど関係者20人を処分した。安倍政権や与党はこれで区切りがついたとし、問題の幕引きを図りたいようだ。麻生太郎副総理兼財務相も閣僚給与1年分を自主返納するとした。
 だが果たしてこれで、国民が納得するだろうか。国会や国民を欺いた財務省による身内の調査では、まだ何かを隠しているのではとの疑念が拭えていない。
 問題の核心はいまだ解明されておらず、追及は引き続き必要だ。前回は刑事訴追を理由に真相を語らなかった佐川氏の再度の証人喚問も検討してよかろう。
 報告書は、決裁文書の改ざんは佐川氏が方向性を決め、理財局総務課長が中核的な役割を担ったと認定した。文書に政治家関係者の記載があったことから、佐川氏が「そうした文書を外に出すべきではない」と指示し、安倍昭恵首相夫人らに関する記述が削除された。佐川氏は自らの国会答弁を踏まえた内容にするよう念押ししたという。
 交渉記録を巡っては、佐川氏から「文書管理の徹底」以外の具体的指示はなかったものの、総務課長らは残っている記録は廃棄するよう指示されたと受け止めた。
 いずれも、国会審議が紛糾しないようにするのが主な目的だったという。国家公務員の中立性を無視し、政権におもねる重大な国民への背信行為だと言わざるを得ない。
 見逃せないのは、交渉記録の廃棄が、昨年2月に安倍晋三首相が国会で、「私や妻が関係していたなら首相も国会議員もやめる」と答弁したことがきっかけだったと認めたことである。
 安倍首相はこれまで、記録廃棄や文書改ざんは答弁と無関係だと強調しており、明らかに矛盾する。官僚の首相への忖度(そんたく)を事実上認めたに等しい。首相発言が元で、つじつま合わせの改ざんなどに走ったのなら、問題は官僚だけの責任にとどまるまい。
 報告書が、理財局内部の判断で改ざんなどが行われたと結論づけたのも不自然だ。政権を揺るがすような問題の対応を、事務次官や財務相、官邸に報告しないことがあり得るのだろうか。
 トップの責任を問われる麻生氏は「職責を全うする」と改めて辞任を否定した。その上、セクハラ問題の対応を含めて無責任な発言を繰り返している。これほどの不祥事で誰も政治責任を取らないとなれば、政権への信頼は取り戻せないことを知るべきだ。
 大阪地検特捜部が佐川氏らを不起訴処分にしたことに対して、市民団体などは検察審査会に審査を申し立てた。判断が妥当だったのか、この点も十分な審査を求めたい。


社説を読み解く 森友・加計問題 常態化した「ウソの連鎖」=論説副委員長・人羅格
読売・議論に「辟易してしまう」 他紙主張と際立つ違い
 「ウソは他人を巻き込む」。加計学園の獣医学部新設問題をめぐり、公文書の国会への提出などに応じた愛媛県の中村時広知事の言葉である。
 公文書管理と情報公開という車の両輪が二つとも政府によってないがしろにされた。ウソが政権を巻き込んで広がり、政治の土台がむしばまれている。
 1年以上にわたり政治を揺るがした「森友・加計」問題が大きな節目を迎えた。
 森友学園への国有地売却をめぐる公文書改ざん問題で、財務省は4日、調査報告書を公表した。
 翌5日の社説はこの問題に対する総括的な論評の場となった。ここで毎日新聞が主眼を置いたのは麻生太郎財務相続投への批判だ。
 国会に提出される文書を中央官庁が改ざんしたり、廃棄したりする前代未聞の不祥事である。にもかかわらず安倍晋三首相が麻生氏を続投させたのは「政権の致命傷にならないと高をくくっているのだろう」と指摘した。
 政治家が誰も責任を取らないようでは、ウソが常態化する。「政治道徳の堕落」を防ぐためにも麻生氏辞任は不可欠だと強調した。
       ◇
 他紙は朝日新聞が麻生氏の「即刻辞任」を求め、日経新聞は「時機をみて決断することを求めたい」と引責は必要とした。
 読売新聞は麻生氏が留任するのなら「組織風土の刷新」に取り組むよう促した。産経新聞は麻生氏を続投させる首相に「明確な指示を開示してほしい」と注文をつけた。
 改ざんを生んだ背景と構造についても各紙は論じた。首相は昨年2月17日、「森友」疑惑について「私や妻が関係していたということになれば、首相も国会議員も辞める」と言い切った。佐川宣寿前理財局長が国会で「記録はない」とウソの答弁をしたのはその1週間後だった。
 財務省の報告書は首相答弁を契機に文書廃棄が進んだことを認めた。毎日は改ざんや廃棄の「核心」は首相の妻昭恵氏の関与を隠そうとしたことだと分析し、読売も「首相答弁への配慮があったと見られても仕方がない」と指摘した。
       ◇
 一方で加計学園の問題は、新たな疑惑が浮かんでいる。
 国家戦略特区による獣医学部の設置認可より2年以上前の2015年2月25日、首相と加計学園の加計孝太郎理事長が面会し、首相が計画への賛意を伝えていたと愛媛県の文書に記されていた。
 この内容は、計画を初めて知ったのは「17年1月20日」だという首相の説明と真っ向から食い違う。
 その後、学園側は「面会の事実はなかった。誤った情報を愛媛県に説明していた」とのコメントを発表した。その通りだとすれば、加計学園は首相のお墨付きをでっちあげていたことになる。
 当の首相は学園に抗議せず、先月28日の衆参予算委員会でも学園への論評を避けた。この不自然さに翌29日毎日は「本来なら怒ってしかるべきだろう」、朝日は「学園の説明は額面通り受けとれない」と疑問を投げかけた。
 愛媛県の文書が面会を記した15年2月を境に、柳瀬唯夫首相秘書官(当時)の下で、学園や自治体との協議は活発化した。加計問題に残された大きな疑問である。
 そうした中で、他紙との違いが際立つのが読売の論調である。
 首相の面会が焦点だった予算委員会審議を受けた5月29日社説は「繰り返しの論議に辟易(へきえき)する」との見出しだった。「明確な根拠も示さず、疑惑をあげつらう野党と、粗い対応で混乱を招いた安倍首相の双方に責任があろう」と双方を同列に並べ、国会での疑惑追及に「同じ議論の繰り返しには辟易してしまう」と嫌悪感すら示した。
 読売は愛媛県が文書を国会に出した際も、政府と対立構図に見えるとして「違和感を拭えない」と評し「国会の混乱に幕を引く時だ」(5月24日)と主張した。
 普段は安倍政権に親和的な論調の産経が、同23日社説で加計氏の国会招致を求めたのと対照的である。財務省調査についての6月5日社説も、読売だけは上下2本掲載したうちの下で扱った。
       ◇
 「モリ・カケ」にエネルギーが割かれ、政策論争が後手に回る懸念は各紙とも共有している。だが、疑惑が長引いているのは、新事実が発覚し続けているためだ。
 両問題には共通点が多い。いずれも首相か、首相の妻と親しい学校法人が土地売却や認可などをめぐり厚遇され、行政がゆがめられたのではないかという疑惑だ。
 解明を急ぐためにも加計学園の関係者や、森友学園による小学校の名誉校長だった昭恵氏による説明が欠かせないと考える方が常識的ではないか。
 日経や産経は、国会に特別委員会を置き疑惑を解明することも検討すべきだと指摘した。政策論争と並行させるための提案だろう。
 「森友・加計」問題をめぐり「忖度(そんたく)」と称されるような官僚たちの行動の背景については、官邸へのいびつな権力集中に伴う弊害が指摘されている。
 首相在任中、公文書管理の法制化を進めた福田康夫元首相は最近の記者会見で「改ざんなんてことがあり得るのかと思った」と驚きを隠さずにいる。裏返せば、官僚たちをそこまで走らせる素地が安倍政権にあるということだ。
 内閣人事局が発足し、幹部人事は官邸に一元管理された。とりわけ安倍政権下で財務省は弱体化し、組織防衛を迫られていた。
 だからこそ、一連の事態は「官僚の不祥事」と片付けられない。「官僚のみに責任を押しつけるのではなく、内閣の政治責任を明確にすべきだ」(毎日、5日)と主張するゆえんである。
 ウソの常態化をどう食い止めていくのか。とりわけ、今後問われるのは、行政府から欺かれ続けた国会の力量である。
「森友」調査に対する各社5日社説の見出し
・毎日=居座った財務相の不実さ
・朝日=社会のモラルを掘り崩す
・読売=再発防止で信頼回復を急げ
・日経=地に落ちた財務省の信頼は回復できるか
・産経=財務省も首相も猛省せよ
加計「新文書」や国会審議をめぐる各社社説の見出し
・毎日=首相が怒らない不可解さ
・朝日=政治の惨状 首相に責任
・読売=繰り返しの論議に辟易する
・日経=特別委での事実解明も一案だ
・産経=重要法案と分けて解明を
 ※産経は5月23日、他紙は同29日


財務省の陰に隠れ次々「森友問題」国交省の大罪を見逃すな
 森友問題は財務省の報告書で終わりじゃない。ここにきて国交省の悪質な隠蔽や、会計検査院への圧力が次々と明らかになっているからだ。
 国交省は「財務省調査」報告に合わせて交渉記録を開示したが、この中身がスカスカなのだ。5日の衆院財務金融委で、共産の宮本徹議員が「国交省が開示した記録は2016年3月29日で終わっているが、その後も学園側と頻繁に交渉していたはずだ」と指摘した。
 実際、この翌日の3月30日の打ち合わせでは、3メートル下からのゴミの確定に難色を示す工事業者に、国側が「ストーリーはイメージしている」と言いくるめる音声データの存在が明らかになっており、4月5日にも現地試掘について協議していたことが分かっている。
 国交省の蝦名航空局長は財務金融委で、「3月30日」と「4月5日」の会合は認めたものの「議事録は作っていなかった」と苦しい弁明に終始した。近畿財務局が工事業者にゴミの場内処分の提案をした15年9月4日の「疑惑の打ち合わせ」の記録も残っておらず、宮本議員は「財務省だけでなく、国交省も都合の悪い記録の隠蔽を続けています」と憤りを隠さなかった。
 きのうは、国交省の“会計検査院対策”も明らかになった。すでに、昨年9月7日に蝦名航空局長と財務省の太田理財局長らが「金額よりトン数の方がマシ」などと口裏合わせをしていたメモが明らかになっているが、宮本議員は、国交省が8月に会計検査院に提出したとみられる「意見書」を暴露。「貴院による試算額は独り歩きし、無用の混乱を招く。重ねて、撤回を強く要請する」とあり、この通り、検査報告で試算額は外された。
 蝦名、太田両局長は、「検査プロセスのやりとりを受検する立場で言えない。検査院は独立していて、自立した判断をされている」と苦し紛れの言い訳をしていたが、全く信用できない。「森友・加計問題の幕引きを許さない市民の会」の醍醐聰東大名誉教授が憤る。
「結局、会計検査院と府省庁は仲間だということです。もう、会計検査院の検査に期待するだけムダです。有権者自身、何ができるかを考える段階です」
 国交省も、財務省と同じくらいのワルだ。有権者が目を光らせないといけない。


検証 森友・加計問題(その1) 陳謝案、首相耳貸さず 「森友に関与なら辞める」答弁前
 昨年2月中旬、杉田和博官房副長官、今井尚哉首相秘書官らが首相官邸の一室に集まった。当時民進党衆院議員だった福島伸享氏が17日の衆院予算委員会で学校法人「森友学園」の問題を取り上げることが分かり、安倍晋三首相の答弁をすり合わせるためだった。
 森友学園への大阪府豊中市の国有地の売却額を財務省近畿財務局が公表しないのはおかしいとして、木村真市議が大阪地裁に提訴したのは2月8日。大幅に値引きされた可能性が浮上し、この土地に学園が建設を予定した小学校の名誉校長に、首相の妻昭恵氏が就任していることも報じられた。
 このころ、国会では南スーダン国連平和維持活動(PKO)に派遣された陸上自衛隊部隊の日報問題と、「共謀罪」法案を巡って与野党が激しく対立していた。さらに2月15日の衆院財務金融委で森友問題が初めて論戦になり、政府側には早めに対処方針を決める必要があった。
 「首相が『自分も妻も問題には関わっていないが、こんな話になって申し訳ない』と言えば済むのではないでしょうか」。出席者からの提案に異論は出ず、今井氏が首相に伝えることになった。
 ところが、首相は「私も妻もまったく関与していない」と「陳謝案」に耳を貸さなかった。衆院予算委当日、「『安倍晋三記念小学校の寄付者銘板にお名前を刻印する』という名目で金を集めている」と追及した福島氏に、首相は「初めて知った」と反論。「私や妻が関係していたということになれば、間違いなく首相も国会議員も辞めるということは、はっきりと申し上げておきたい」と言い切った。
 昨年3月16日、学園の籠池泰典理事長(当時)は現地調査に訪れた参院予算委の野党議員らに「昭恵氏を通じ100万円の寄付を受けた」と証言した。菅義偉官房長官が「仮に寄付があっても問題はありません」と探りを入れると、首相は「昭恵はうそをつけない。そんなことするわけないと言われたよ」と意に介さなかった。
 一貫して強気の姿勢を崩さない首相。しかし、昨年2月17日の首相答弁は、財務省が決裁文書を改ざんし、交渉記録を廃棄するきっかけになった。首相が全面否定したにもかかわらず、安倍政権は今も森友問題に苦しむ。首相経験者は「最初に低姿勢で説明していれば、ここまで問題にはならなかった」と語る。


検証 森友・加計問題(その2止) 首相の過信、裏目に 麻生氏「脇が甘い」
 「私や妻が関与していたら首相も国会議員も辞める」という安倍晋三首相の発言は今国会で再び論戦の焦点になった。学校法人「森友学園」への国有地売却に関する決裁文書を財務省が書き換えた疑いがあるという3月2日の朝日新聞の報道が発端だった。
 同省幹部は「仮に近畿財務局の誰かが忖度(そんたく)して書き換えていたとしても、書き換え前の文書は残っていない」と政府・与党に説明に回り、政権内には当初、問題がここまで拡大するという危機感はなかった。しかし、間もなく状況は急変した。
 国土交通省は3月5日、改ざん前とみられる財務省の文書があったと杉田和博官房副長官に連絡。杉田氏は事実関係の確認を指示し、翌日、安倍晋三首相と菅義偉官房長官に報告した。首相は「もっといろいろ出てくるかもしれない」と漏らし、その不安は的中する。
 財務省の調査で改ざんが濃厚になり、3月9日、佐川宣寿国税庁長官(当時)は辞任に追い込まれた。この日、国有地売却を担当していた近畿財務局の職員が自殺していたことも明らかになり、政権は揺れた。野党は「トカゲのしっぽ切りだ」と首相や麻生太郎副総理兼財務相の政治責任追及を開始した。
 改ざんの報告を受けた麻生氏は「部下に責任を取らせて自分がポストにしがみついているのは不本意だ」と側近に語った。自民党関係者は「職員の自殺はショックだったようだ」と麻生氏が一時、辞任に傾いたことを認める。「安倍の脇が甘い」と麻生氏がこぼすのを聞いた同党議員もいる。
 しかし、麻生氏は2012年末の第2次安倍内閣発足後、閣内で首相を支え続けてきたキーマン。自民党麻生派は第2派閥でもあり麻生氏の進退は首相の党総裁3選戦略に影響する。
 首相とも麻生氏とも近い甘利明元経済再生担当相らが「美学を捨ててでも、汚れ役をやってほしい」と説得し、麻生氏を思いとどまらせたが、財務省には福田淳一事務次官(当時)のセクハラ疑惑というさらなる問題が浮上した。
 4月12日発売の週刊新潮の報道を受け、自民党幹部は「早くけじめを」と首相官邸に福田氏の辞任を求めた。ところが、麻生氏は事実関係が明らかになっていないことを理由に福田氏をかばい、福田氏が4月18日に辞任を表明した後も、「セクハラ罪という罪はない」などの発言で世論の批判を浴びた。自民党内には「麻生氏は辞めるべきだ」という不満が広がった。
 こうした中、首相は5月8日、東京都内の私邸近くのフランス料理店「シェ松尾 松濤レストラン」に麻生氏を招いた。関係者によると、2人は福田氏の後任人事などで意見交換したとされる。麻生氏の続投を前提にした会談だった。
 2週間後の5月22日、首相の出身派閥、細田派のパーティーに出席した麻生氏は、与党内にくすぶる辞任論を打ち消すかのようにあいさつした。「安倍政権のど真ん中で政権を支えていきたい。一緒になってやっているところをリアルに見せておかないといかん」
安倍1強「官」ゆがめ
 「国会を円滑に回すため汗をかいただけです」。学校法人「森友学園」への国有地売却に関する決裁文書改ざんに関与した財務省理財局の幹部職員は、同省の調査に「安倍政権を守ることの何が悪いのか?」と言わんばかりの調子で答えた。
 「安倍1強が長く続いた弊害かもしれない」。政府関係者はため息をつく。2012年12月に発足した第2次安倍政権。迅速な政策決定を霞が関は歓迎したが、やがて関係に変化が生じる。従来は省庁が行っていた幹部人事を内閣人事局が管理し、官邸が露骨に介入するようになったためだ。
 財務省では15年夏、第1次安倍政権で首相秘書官を務めた田中一穂氏が次官に就任。1979年入省組では3人目の次官で、省内では「同期で3人も次官が出るのは異例中の異例。官邸の意向が反映された」(幹部)とささやかれた。
 17年夏には、森友問題で「(交渉記録は)廃棄した」と強気の答弁を繰り返した前理財局長の佐川宣寿氏が国税庁長官に昇任。一方、野党の追及に歯切れが悪かった国土交通省の佐藤善信航空局長(当時)は、次官級ポストを確実視されながら省を去った。「役人たるもの佐川を見習えというメッセージだ」(経済官庁幹部)。霞が関ではそんな受け止めが広がった。ある閣僚経験者は、人事を握られた官僚たちを「官邸の顔色をうかがうヒラメのようになった」と指摘する。
 重要政策決定でも官邸の力は突出している。象徴的なのが、2度にわたる消費税増税の延期だ。とりわけ16年の再延期の際は、三重県で開かれた主要7カ国首脳会議(G7サミット)で安倍首相が突然、「世界経済は08年のリーマン・ショック前に似ている」と表明。「危機を回避する」として再延期を発表した。好調な経済を根拠に、予定通りの増税を信じていた財務官僚たちは言葉を失った。19年10月の増税も首相の判断一つで延期されかねない中、財務省内には「安倍政権を刺激したくない」との空気が漂う。
 そしてついに、安倍政権の国会運営のために不正に手を染めた財務省。「何度負けても財政再建の必要性を主張し続ける」(幹部)というかつての気概は感じられない。自民党ベテラン議員は言う。「安倍政権で官僚の過剰な『忖度』がまん延した。政と官の関係はゆがむ一方で、上(首相)を代えなければこの国は持たない」
安倍首相と森友・加計問題
愛媛知事へ恨み節
 3月25日の自民党大会の前夜、河村建夫元官房長官をはじめ山口県選出の国会議員らが東京・赤坂の中国料理店「赤坂飯店」で安倍首相を囲んだ。安倍内閣の支持率急落を心配した出席者が森友学園の問題に水を向けると、首相は「ご心配なく。あと1〜2週間もすれば落ち着く」と応じた。
 しかし、首相の見立て通りには運ばなかった。朝日新聞が4月10日、学校法人「加計学園」の獣医学部新設を巡る新たな問題を報じたからだ。柳瀬唯夫首相秘書官(当時)が15年4月2日に愛媛県、同県今治市、加計学園関係者と首相官邸で面会した際、新設を「首相案件」と述べたことを記した愛媛県の文書が存在するという内容だった。
 柳瀬氏は昨年7月の衆院予算委員会で、今治市職員との面会の有無を野党議員から問われ「お会いした記憶はない」と否定していた。この答弁が虚偽だった可能性が強まり、安倍政権は森友問題と並行して、加計問題への対応を迫られる事態に陥った。
 同じ昨年7月の衆院予算委で、首相は獣医学部新設計画を知った時期について、今治市での国家戦略特区で事業者認定される直前の「17年1月20日」と明言した。それ以前に首相秘書官が加計学園関係者と会っていれば、首相の答弁の信頼性が揺らぐ。そもそも首相と学園の加計孝太郎理事長は13〜16年だけで20回近くゴルフや会食を重ねた親友で、野党は特区認定の過程に疑念の目を向けている。
 首相の国会答弁に合わせて官僚が不自然な説明を繰り返す構図は、森友・加計問題に共通する。首相は「役人は私に忖度などしない。忖度は直接の上司にするものだ」と周囲に語っているが、政権が長期化するにつれ、官僚の意識は各府省の幹部人事を掌握する首相官邸に向かう。
 さらに愛媛県は5月21日、首相と加計氏が15年2月25日に面会したことをうかがわせる文書を国会に提出した。学園側は「県と今治市に誤った情報を与えた」と火消しに走り、学園の渡辺良人事務局長らが県に謝罪した。しかし、学園が「首相との近さ」を偽って県と今治市から補助金を引き出そうとしたことになるため、野党は引き続き追及する構えだ。
 安倍政権を揺るがす材料が愛媛県から次々に出てくる中、首相は中村時広知事に不信感を募らせている。
 中村氏は1990年の衆院選に無所属で立候補した際、首相の父晋太郎元外相が率いる自民党安倍派の支援を受けた。しかし、晋太郎氏は応援に入らず、中村氏は落選した。首相は最近、森喜朗元首相との電話でこうした過去のいきさつに触れ、「中村さんはいったい何を考えているんですか」と不満を漏らしたという。
 5日の「行政文書の管理の在り方等に関する閣僚会議」で、首相は「一連の公文書を巡る問題で行政全体の信頼が損なわれたことは痛恨の極みだ」と述べ、数秒間、頭を下げた。しかし、森友・加計問題が収束する気配はない。
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 高山祐、田中裕之、大久保渉が担当しました。
 ■ことば 森友学園問題  学校法人「森友学園」が2016年6月、大阪府豊中市の国有地を評価額から約8億円差し引かれた額で購入し、交渉経過が不透明だと国会で問題になった。学園がこの土地で建設を計画していた小学校の名誉校長には安倍晋三首相の妻昭恵氏が一時就任していた。
 大阪地検は昨年、学園の籠池泰典前理事長と妻を校舎建設の補助金を詐取したなどとして逮捕、起訴した。学園は開校を断念し、国が用地を買い戻した。
加計学園問題
 学校法人「加計学園」による獣医学部新設が2017年1月、愛媛県今治市の国家戦略特区で認定された。学園の加計孝太郎理事長は首相の親友だったため、事業者選定に首相の意向が反映されたのではないかと野党が追及した。文部科学省の複数の文書には、早期開学を巡り内閣府が「官邸の最高レベルが言っていること」「総理の意向」などと文科省に伝えたとされる記述があった。今年4月、学園が経営する岡山理科大の獣医学部が今治市に開学した。


特集ワイド 身内擁護、動かぬ与党 国会空転、野党のサボりのせい?
 森友、加計(かけ)両学園を巡る疑惑がいまだに解明されていない。政治責任などを追及する野党が大型連休前、審議拒否したことなどについて、与党は「野党がサボっていて国会審議が進まない」と批判した。ならば問いたい。与党はサボっていないのか? 【鈴木美穂】
 寝る−−。永田町言葉では、野党が審議拒否して国会に出てこないことを意味する。次のケースは「よく寝た」と表現されるのだろうか。野党6党が、麻生太郎財務相の辞任や加計学園問題での柳瀬唯夫・元首相秘書官の証人喚問を要求して、国会審議拒否を計18日間続けた件だ。
 野党の戦術に対し、与党は「職場放棄に相当する」「こんな国会、先進国ではない」などと痛烈に批判した。一見、審議を拒む野党にも非がありそうだが、国会の議論が深まらないのはなぜか。その原因の一つには「自公与党の対応がお粗末だから」との指摘がある。
 論ずる前に、5月28日の参院予算委員会の集中審議を振り返りたい。自民党の森雅子氏は、財務省の文書改ざん問題を取り上げ「官僚は何のために仕事をしているのか」などと指弾したが、行政府のトップである安倍晋三首相らの政治責任には切り込まなかった。さらに「地元に帰ると『国会でモリカケ問題ばかりやっているな』と怒られます。他にもいろいろな重要な国政の課題があるだろうと言われます」とも語った。問題の“幕引き”をにおわせたのか。
 公明党の宮崎勝氏は加計問題に言及したが「(首相と加計孝太郎理事長の面会が)ないということを証明するのはなかなか困難だということは分かるが」などと質問に前置きした。
 追及が“甘い”と言えそうな与党の対応について、「全日本おばちゃん党」代表代行で大阪国際大学准教授の谷口真由美さん(法学)は怒りをにじませながら話す。「質問時間が野党より多い与党議員がこのていたらくですよ。立法府である国会が、行政府の監視役を担うことへの自覚が乏しい。公文書を改ざんされるなど、これだけ行政府に冒とくされながら怒りを感じていないのは、役割への認識がないからです」
 野党は、森友・加計問題に関与したと疑われている人物を国会招致するよう求めている。谷口さんも「安倍首相の妻の昭恵さん、加計理事長、首相と理事長が面会したとする資料を明らかにした中村時広・愛媛県知事らを国会に呼んで証言してもらったらいい。そうすれば、誰の話に説得力があり、誰の話に矛盾があるのか、すぐ分かります」と、野党の意見に同意する。
 説明責任は政府側にあるのにもかかわらず、安倍首相は「(招致などは)国会がお決めになること」と繰り返し、与党も「国会招致は必要ない」「一般人なので難しい」などと拒否しているのはご存じの通りだ。
 与党が「仲間」である首相や政府を擁護するのは仕方がない、という声に真っ向から「ノー」を突き付けるのは、上智大教授の中野晃一さん(政治学)。「行政府は、国会を通して国民に説明します。安倍首相が間違ったことをすれば、当然ながら与党は重い責任を負う。なぜなら首相指名で安倍さんに投票したのは与党議員ですから。政府をつくった『製造物責任』があると言ってもいい」。もちろん与党の役割は政府をつくるだけにとどまらない。「政府の行動や方針が、民意を代表しているかをチェックする役目も担います。従って今の自公のように、何が何でも政府をかばったり、野党をたたいたりしているのはおかしい。そもそも国政選挙での与党の得票率を見れば有権者の一部しか支持していない『過剰代表』です。これを民意とはき違え、政府を擁護し続けるのは問題です」
 与党が、森友・加計問題で野党を批判するのはお門違いというわけだ。そもそも森友問題が発覚したのは1年あまり前。その時に与党が政府を厳しく追及していれば、時間を浪費することはなかったはずだ。
「行政府の監視」放棄
 立法府が行政府をチェックする。これは立法、行政、司法から成る「三権分立」の役割の一つである。森友・加計問題を巡る政府・与党の対応はこの構図をゆがませたのか。
 「自民党−『一強』の実像」などの著書がある一橋大教授の中北浩爾さん(政治学)が解説する。「憲法が要請する三権分立はこの四半世紀で実質的に大きく変わり、首相・自民党総裁へ権限が集中しています。小選挙区制の導入から内閣人事局の設置に至る一連の政治改革の影響です。さらに民主党政権が失敗した結果、野党が弱体化し、政権交代によるチェック機能が働かなくなってしまった。与党の自浄作用に期待したいのですが、自民党では派閥の力が弱まったため、首相官邸への異論が出にくい状況です」
 三権分立に影響を与えかねない要因として、与野党対決を先鋭化した小選挙区制のインパクトが大きいと見ている。「かつてに比べて与党内では、野党への敵対心が強まっています。本来なら監視対象である行政府を、立法府を構成する与党議員がかばう身内意識が働くのはそのためです。また、安倍首相の力の源泉は『お友達』への優遇に加え、派閥の領袖(りょうしゅう)らを重要ポストに据える党内融和にもあります。このような『アメ』も党内で異論を封じる役割を果たしている」
 身内意識が強いあまり、問題を解明しようとしない。この姿勢こそ「国会議員の仕事をサボっている」のではないか。
「調査権」封印のまま
 野党には、森友・加計問題に関する調査特別委員会の設置を目指す動きもある。強制力がある調査権を持ち、過去には、ロッキードやリクルート問題で設置された。一方、自公は「刑事事件に絡む事案ではない」「今回はこれに当たらない」と、設置には消極的だ。自民党の二階俊博幹事長にいたっては、財務省の公文書改ざん問題で佐川宣寿前国税庁長官らが不起訴になった5月31日、「これですっきりして(財務省職員は)仕事に励んでいただきたい」などと記者団に語った。
 中北さんは与党の鈍さに苦言を呈す。「刑事罰に当たらなければ『何をやってもOK』という話ではありません。国会議員には、道義上、政治上、高い見識と責任が求められる。今回の問題で首相答弁はつじつまが合っていない。本来であれば与野党の別なく、調査特別委員会の設置を考えるべきではないでしょうか」
 森友・加計問題は、国民や国会を欺いた重い事案であるのにもかかわらず、与党の責任追及が弱いこともあってか、安倍首相や麻生財務相は職責を全うする姿勢だ。安倍首相は今月4日、財務省の公文書改ざんの「政治責任」がどこにあるかを首相官邸で記者団に問われ、こう答えた。「政治責任とは、まさにこうしたことが二度と起こらないように対策を徹底して講じていくことであろうと思います」
 政府・与党はこのまま逃げ切る構えのようだが、前出の中野さんは「自民党内の瓦解(がかい)は既に始まっています」と指摘する。「安倍政権は今やガバメント(政府)というより、レジーム(体制)。自民党の多くの議員がそう感じているからこそ『忠義合戦』は続いている。中には『おかしい』と感じている議員もいるでしょう。でも、こんな状況に黙し続ける議員を有権者はこれからも信用できるでしょうか? レジームが崩壊する時はあっという間。ほころび始めると、この政権はもろいと思います」
 与党が自らの役割を放棄したツケは大きいのかもしれない。


有識者が安倍内閣に退陣要求「日本人の道義は地に堕ちた」
 世界平和や核兵器禁止などを訴える有識者でつくる「世界平和アピール七人委員会」が6日、安倍内閣に退陣を求める緊急アピールを発表した。財務省の文書改ざんや陸上自衛隊の日報隠蔽などの不祥事を受け、討議した結果だという。
 アピール文は以下。
「5年半にわたる安倍政権下で、日本人の道義は地に堕ちた。私たちは、国内においては国民・国会をあざむいて国政を私物化し、外交においては世界とアジアの緊張緩和になおも背を向けている安倍政権を、これ以上許容できない。私たちは、この危機的な政治・社会状況を許してきたことへの反省を込めて、安倍内閣の即時退陣を求める」
 首相官邸と財務省のウェブサイトにも送付した。
 同委員会は、ノーベル賞受賞者の故・湯川秀樹氏らが1955年に結成。現在は、武者小路公秀氏(国際政治学者)、大石芳野氏(写真家)、小沼通二氏(物理学者)、池内了氏(宇宙物理学者)、池辺晋一郎氏(作曲家)、眤七飴瓠丙邁函法島薗進氏(宗教学者)が委員を務める。
 今回のアピールは発足以来130番目となるが、時の内閣の退陣を求めるアピールは過去になく、初めてだという。


強制不妊手術で「子どもができないんだ、と涙が出た」、国を訴えた被害者「今も傷は癒えない」
旧優生保護法の「強制不妊手術」の被害について、国による早期の解決をもとめる院内集会が6月6日、東京・永田町の参議院議員会館で開かれた。実名で国を提訴した札幌市在住の小島喜久夫さん(77)ら当事者たちが登壇した。
●「精神分裂病」を理由に手術を受けさせられた
1941年生まれの小島さんは、養父母に育てられていたが、弟と妹が生まれたあと、養父母らの態度が冷たくなり、素行が荒れるようになった。19歳のころ、警察官に札幌市内の病院に連れて行かれて入院。数カ月後、その病院で「精神分裂病」を理由として、不妊手術を受けさせられたという。手術の記録は残っていない。
小島さんは今年5月17日、不妊手術で子どもを持つ機会を奪われるなど、苦痛を被ったとして、国を相手取り、札幌地裁に提訴した。小島さんは集会で「(病院で)『精神分裂病で障がい者(小児麻痺の障がいが右足に残っている)なので、そういう子どもが生まれてきたら困る』と言われた。子どもができないんだ、と涙が出ました」と振り返った。
●「今も心の傷がいえることはありません」
宮城県在住の飯塚淳子さん(仮名・70代)も今年5月17日、国を相手取り、仙台地裁に提訴した。飯塚さんは、地元の中学入学後、まったく身に覚えないことで犯罪者あつかいされたあと、中学3年から、知的障がいがないにもかかわらず、仙台市内の知的障がい児入所施設にいれられた。
飯塚さんは中学卒業後、職親にあずけられ、住み込みで働いていたが、そこで虐待されていたという。さらに16歳のころ、知的障がいがないにもかかわらず、「精神薄弱者」などの判定を受けて、何も知らされないまま、県の診療所に連れて行かれて、不妊手術を受けさせられた。
飯塚さんは「今も心の傷がいえることはありません」と心境を明かした。「すべての不妊手術の被害者に対して、国は謝罪して、事実を明らかにして、適切な補償をすることを強くのぞみます。裁判所には被害者の声を誠実に聞いていただいて、本質を見極めて、公正な審理をしていただきたい」と涙ながらにうったえた。
●弁護団は第三次訴訟の準備をしている
この集会は、全国優生保護法被害弁護団が主催した。旧優生保護法にもとづく強制不妊手術をめぐっては、今年1月、仙台地裁に提訴した宮城県の女性のケース(第一次訴訟)のほか、5月17日の全国3カ所(東京・札幌・仙台/第二次訴訟)とあわせて、裁判が計4件となっている。同弁護団によると、第三次訴訟の準備をしているという。
強制不妊手術は、全国で約1万6500件あったとされるが、全体の2割ほどしか記録が残されておらず、被害救済が遅れている。同弁護団は(1)国に対して、被害者に対する謝罪と賠償を内容とする立法をすみやかにおこなうこと、(2)都道府県に対して、実態調査にあわせた相談窓口を設置すること――などももとめている。


法廷外の解決へ対応急げ/強制不妊手術
 旧優生保護法の下で障害などを理由に不妊手術を強制されたとする人たちが次々と声を上げている。宮城県の60代女性が1月末、初めて国に賠償を求める訴訟を仙台地裁に起こしたのに続き、5月には70代の男女3人が札幌、仙台、東京の各地裁に一斉提訴。さらに北海道や熊本県で提訴の準備が進められ、全国被害弁護団も結成された。
 裁判で国の責任を問う動きは広がっていくだろう。しかし、1948年に制定された旧法から強制不妊手術などの差別的な条文が96年に削除されるまで約2万5千人に施され、うち1万6500人近くは強制だったとされる手術に関する都道府県の資料は、その多くが廃棄されてしまっている。
 手術を裏付ける公的な記録をそろえることができる人は少ない。手術痕や近親者の証言などを支えとする提訴もある。提訴に至っても、必要な救済措置などを取らなかった国の「不作為」を立証しなければならない。
 国側は「当時は合法だった」と争う構えを崩しておらず、長期化も懸念される。だが当事者らは高齢で、救済は時間との闘いになる。被害の実態調査や議員立法による救済法案の提出など、法廷外の解決に向けた取り組みを加速させるべきだ。
 厚生労働省は3月、都道府県と保健所を設置している市、東京23区に手術を受けた人の特定につながる可能性がある資料の保全を要請。4月には調査範囲を全市町村にまで広げ、医療機関や障害者施設も対象に含める方針を打ち出した。
 旧法は遺伝性疾患や知的障害、ハンセン病などの遺伝防止を目的に不妊手術や人工妊娠中絶を認め、不妊手術について本人や家族の同意がなくても、医師の診断と都道府県の優生保護委員会による審査を経て行う手続きを定めていた。だが共同通信のまとめでは、全国で個人名記載の資料により確認できるのは3900人余りにすぎない。
 宮城県は公的な記録に名前がなくても、手術痕や本人の証言などを基に手術を認定するとしている。こうした枠組みの整備を急ぐ必要がある。
 ハンセン病患者の隔離政策を巡っては、2001年の熊本地裁判決をきっかけに当時の小泉純一郎首相の政治決断で救済への道が開かれた。それから遅れること17年、政治は再び行動を迫られている。


地上イージス問題 徹底的に疑問の解明を
 防衛省が地上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」(地上イージス)の配備「最適候補地」として秋田市の陸上自衛隊新屋演習場を挙げたことについて、佐竹敬久知事と穂積志秋田市長はそれぞれの定例会見で疑問を呈し、共に配備の是非については現段階で判断できないとした。
 防衛省の福田達夫政務官が先日、県庁を訪れ、佐竹知事と穂積市長と面会し、新屋演習場を候補地と選定したことを説明した。その理由として日本海側の北と西に2基を速やかに配備するため、レーダーの障害にならない地形と用地取得などの手続きが不要な自衛隊施設から選んだことを挙げた。
 佐竹知事と穂積市長は新屋演習場が住宅地に隣接し、近くに小中学校、高校などがあることに大きな懸念を示している。「環境として最適候補地かは甚だ疑問」「内部で十分な検討がなされたのか疑義がある」と述べたのは当然であろう。そもそも先日の福田政務官との面会が短時間で終わり、十分な説明を受けられなかったことがこうした発言につながっている。
 地上イージスの配備に当たっては、小野寺五典防衛相が「地元首長の理解と協力が必須」と述べている。しかし佐竹知事、穂積市長の会見での発言からは理解には程遠く、現段階で協力できるような状況にはないことがはっきりした。
 一方、防衛省が夏以降に地質測量調査などに入ると説明したことについて、佐竹知事は会見で「役所からは自分たちに都合のいい結果が出るものだ」とも発言した。県政トップの発言としてはいかがなものか。誤解を招くことのないよう慎重に言葉を選ぶべきだ。
 県と市は、防衛省が調査の入札公告前に住民説明会を開催するよう東北防衛局に小野寺防衛相宛ての申し入れ書を提出した。地元では電磁波による健康被害が危惧されているほか、施設ができれば攻撃される危険があるのではといった不安がある。防衛省はできるだけ早期に説明会を開くべきである。
 防衛省は説明会でまず、佐竹知事、穂積市長、さらには住民が持っている「なぜ住宅地が隣接している新屋演習場なのか」という疑問に対して真摯(しんし)に答えなくてはならない。
 地上イージスの導入が閣議決定されたのは昨年12月だった。それから新屋演習場が最適候補地と明らかにするまで半年を要している。どうしても地元が置き去りにされた感は否めない。先日の説明も調査実施を一方的に伝えることが大きな目的だったのではとも取れる。
 防衛省は「配備ありきではない」と強調したが、なし崩し的な対応を重ねるようでは住民の不安は払拭(ふっしょく)できない。佐竹知事、穂積市長には防衛省からの説明を待つばかりでなく、自らが積極的に疑問の解決に向けて動くことが求められる。


天安門事件29年/民主化を粘り強く促せ
 1989年6月、中国の民主化運動が武力で弾圧された天安門事件から29年。共産党独裁の堅持を最重要課題に掲げる習近平国家主席は5年前に就任以来、露骨な人権、言論弾圧を強めており、中国の民主状況は悪化する一方だ。
 今年3月の憲法改正では、習氏の名前を冠した「新時代の中国の特色ある社会主義思想」が国の指導理念となり、国家主席の3選禁止規定が撤廃された。習氏1強体制の長期化が予想され、民主化への悲観的な見方がさらに強まってきた。
 新興大国として台頭する中国が世界で影響力を強める中、国際社会の民主化要求の声は弱まってきたが、決して諦めてはならない。欧米や日本は粘り強く民主化を促し続けるべきだ。
 昨年7月、国家政権転覆扇動罪で服役中だった民主活動家、劉暁波氏が肝臓がんで死去。9年近く劉氏を獄中に閉じ込め、自由な治療を認めなかった習政権に国際社会から非難の声が上がった。
 しかし、その声は小さく、中国に民主化を促す大きなうねりにはならなかった。特に民主化要求の最先鋒(せんぽう)だった米国の変化が目立つ。トランプ大統領は対中貿易赤字の解消へ強硬姿勢を強めるが、民主化はさほど重視していないようだ。
 対照的なのが、ドイツのメルケル首相だ。5月下旬に訪中した同首相は李克強首相との会談や共同記者会見で、劉氏の妻で中国当局に軟禁されている劉霞さんの処遇など人権問題を取り上げた。
 メルケル氏は、中国当局が拘束している人権派弁護士の妻たちにも面会し、人権問題を重視する姿勢を示した。李首相は譲歩する形で、劉さんの解放を求めるドイツと対話する意向を表明した。
 メルケル氏の積極的な対応を評価したい。日米や他の欧州諸国も足並みをそろえ、中国に民主化を働き掛けていくべきだ。それには共同で理論や方法を検討するなど各国の連携が必要だ。
 中国指導部は「民主主義は普遍的な価値ではない」と結論付けて「西側民主」の受け入れを拒否し、共産党指導下の「社会主義民主」を目指すと主張する。だが、いずれにせよ「民があるじ」なら、国民の多様な声が政治に反映される制度を整えるべきだ。
 習氏は「国の安全」つまりは「共産党独裁の堅持」を最も重視して、国家安全委員会を新設し「国家安全法」や「反テロ法」「インターネット安全法」などを次々に施行し、警察国家づくりに努める。2015年には人権派弁護士や活動家ら約300人を一斉に連行。未公認の宗教団体や少数民族運動への取り締まりも強めた。
 しかし、国民の生活が豊かになり、世論が多様化する中、中華帝国や毛沢東の時代に後戻りしたかのような強権政治によって国内の長期的な安定を維持するのは難しい。
 習氏は「人類運命共同体」の構築、現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」を提唱して国際社会に平和と共生を呼び掛ける。一方で、強軍・強国路線を打ち出し、南シナ海で軍事拠点化を進めており、各国の懸念は根強い。
 習氏は非民主的な状況が中国の国際的なイメージを大きく損なっていることを知るべきだ。


非正規待遇格差訴訟 不合理な賃金体系の見直し急務
 非正規社員が正社員と同じ待遇、賃金を求めた訴訟で最高裁が二つの判決を出した。待遇格差について賃金総額で比較するのではなく、給与や手当といった個別の賃金項目ごとに精査すべきだとした。一定の判断基準を示したことを評価したい。
 労働契約法は、正社員と非正規社員の格差は不合理であってはならないと規定する。しかし不合理とする対象が明確でなく判断基準が定まらないため、企業の待遇改善への取り組みが遅れ、非正規社員の賃金は抑制される状態が続いている。今後、企業は賃金項目ごとに格差を設けた理由に対して説明責任を果たさねばならない。不合理な賃金体系の見直しが急務だ。
 非正規社員の待遇引き上げが重要で、正社員の手当を下げ非正規社員に合わせることがあってはならない。「同一労働同一賃金」は、今国会で審議されている働き方改革関連法案の柱の一つ。不当な賃下げができないように法案や、政府が既に示している同一労働同一賃金ガイドラインの具体的内容を丁寧に議論しなければならない。
 浜松市の物流会社で契約社員として働く運転手の男性が会社に是正を求めた訴訟では、正社員が受け取る通勤手当や給食手当などの手当のうち二審が認めなかった住宅手当と皆勤手当の支給の適否を検討した。
 住宅手当については「転居を伴う配転がある正社員は多額となり得る」として格差を認めた一方、皆勤手当は出勤者の確保が目的で格差を設けるのは違法と判断した。「仕事の内容や課せられた責任に関係のない格差は認められない」という原則が明確になったといえる。
 物流会社は「中核的人材として業務に当たる正社員の手当を充実させるのは、会社の裁量の範囲内だ」と訴えてきた。判決も会社側の主張を一定程度認めたものの、格差を認めたのは一部にとどめた。各企業は正社員中心の制度を改めて、手当の趣旨、妥当性を個別に吟味する必要がある。
 横浜市の運送会社で定年退職後に再雇用された運転手が、賃金が下がったのは不当として会社に是正を求めた訴訟では、格差の合理性を判断する際に定年後の再雇用という事情も考慮されるとする初判断が示された。多くの企業が導入する継続雇用制度で再雇用後の賃金が、定年前より低く抑えられている現状を追認した形だ。
 全面的に格差を容認したわけではない。判決は、歩合給で労務の成果を賃金に反映するようにしたり、年金支給開始まで調整金を支給したりする会社側の配慮を指摘している。
 再雇用後の賃下げに関して政府のガイドラインに具体的な言及がない。60歳以上の就業者は1300万人おり、ここ数年、数十万人ずつ増加している。希望する高齢者が納得して働ける労働条件を整備することは政府の責務であり、国会で十分に議論を深めてほしい。


子どもシェルター◆行き場ない10代支える場に◆
 貧困や虐待、非行などが理由で家族の元で生活できない若者を受け入れる「子どもシェルター」の開設に向け、県内で動きが活発化している。弁護士有志が5月、NPO法人子どもシェルターみやざきの設立総会を開催。来春の開設を目指す。特に児童福祉制度のはざまにある10代後半の子どもの居場所づくりは長年の悲願だった。ようやく第一歩を踏み出す。
食事と休息の場提供
 宮崎家裁の2017年の少年事件(道交法違反を除く)は724件。減少傾向にあるが、付添人弁護士によると虐待や貧困、家庭不和など問題が重複するケースが多い。付添人弁護士は少年に寄り添い、立ち直りを助けるため環境調整などを行うが、審判の前段階で親が引き取りできなかったり、性虐待で家庭に戻れなかったりして少年院に送致される事案もある。
 宮崎市の金丸祥子弁護士は「家庭での受け入れさえできれば保護観察が見込め、社会内で処遇できるにもかかわらず、涙をのんできたケースが複数ある」。悔しさを原動力に勉強を重ね、仲間に開設を呼び掛けてきた。
 子どもシェルターは非行少年だけでなく、虐待などで帰住先のない子どもも受け入れる。一般家庭に近い小規模の住環境を準備し、安心して食事や睡眠、休息をとることができる。家庭から見捨てられ、人間不信に陥り、将来に展望を見いだせない子どもにとって、24時間常駐し親身に寄り添うスタッフの存在は貴重だろう。
 18歳以上20歳未満の子どもは児童福祉法上の措置から外れる一方で、民法上の親権下にあり、仮に親権に絡む事案が起きた場合には弁護士が法的に支援する。
制度のはざまも救済
 04年、東京に日本初の「カリヨン子どもの家」が開設され、子どもシェルターが現実化した。児童福祉法や更生保護法、生活保護法などに基づく制度のはざまで救済されず放置されたままの子どもも生まれており、弁護士がニーズに柔軟に対応しながら全国で展開、現在は18法人になった。11年には児童福祉法上の自立援助ホームの一形態に位置づけられ、行き場のない子どもたちを支える場所と仕組みが少しずつ整えられてきた。
 県内では、県弁護士会に子どもの権利委員会が発足した08年から子どもシェルターの開設を模索。これまで宮崎家庭・少年友の会や家裁調査官、県社会福祉士会との連携を図り、開設を見越した基盤づくりが行われてきた。県弁護士会が本年度始めた「子ども担当弁護士制度」とも連動する。
 罪を犯した少年の背景には過酷な生育歴や環境が見えることが多い。安心して養育されたり、学びや遊びや休息をとったりという、子どもの権利が剥奪されてきた悲しい結果でもある。人材確保や資金調達の課題もあるが、子どもシェルターの永続的運営には子どもたちの更生と成長を支える地域の温かな目が欠かせない。


河北春秋
 「輸入してまで食べ残す、不思議な国ニッポン」。日本人の食生活が豊かになって「飽食」と言われ、22年前にテレビなどで流れたCMだ。今は資源や環境に優しい「エコの時代」のはずだが、現実は…▼政府が昨年発表した国内の食品廃棄物は、年に約2800万トンと途方もない。うち621万トンが本来食べられた状態のまま捨てられた。輸入依存の国でいまだ続く無駄な飽食。高値のウナギのかば焼きも同様の扱いだという▼土用丑(うし)の日などの商戦の陰で、売れ残りは大量に廃棄される。そんな実態がグリーンピース・ジャパンの調査で分かった。昨年の処分量を回答した大手スーパー5社だけで、約1万3650匹分。大半がニホンウナギだ▼稚魚のシラスウナギは太平洋で生まれ、東アジアの川に上る。各地で捕られた稚魚を国内の養殖業者が買い、池で育てるが、乱獲などで漁獲は年々激減。昨年の丑の日には1パック2千数百円の国内産かば焼きが店頭に並んだ▼エコの時代の消費者なら、資源の回復まで我慢するほかない。だが、ウナギはなぜか毎年変わらず大量に出回る。国外の違法な漁や輸出が横行し、大手スーパーも仕入れルートを把握しきれない−と今回の調査は指摘した。絶滅も危惧されるウナギを捨てる愚は、もうやめにしたい。

入試ミス防止策  大学の説明責任が重要
 京都大や大阪大などの入試で相次いだ出題ミスを踏まえ、文部科学省が来年度の大学入試に向けた新ルールを公表した。
 試験問題や解答を「原則公表」とし、点検を複数回行うことや、外部からのミスの指摘に対しては大学として速やかに対応をすることを求めている。
 新ルールは最低限の手続きを示した。各大学は独自の対策も行いミス防止を徹底してほしい。
 昨年2月の入試について今年1〜2月、阪大が30人、京大が17人の追加合格を公表した。いずれも物理の問題に不備があった。
 不合格になった受験生は他大学や他学部に進学したり、浪人で再挑戦を目指していた。大学は他大学や予備校の学費、授業料などの補償に追い込まれた。
 近年の大学入試では毎年200〜300のミスが報告されているが、文科省は両大学の事案が重大と判断し、新ルールの公表に踏み切った。
 大学により対応が分かれそうなのは、解答例の公表だ。
 従来の要項では努力義務だったが、文科省は今回、公表を原則とした。一方で、記述式問題などでは出題意図や複数解答、標準的な解答を示せば良いとした。
 京大や東大は既に解答例を示すことには慎重姿勢を表明している。思考のプロセスを重視するためで、京大は「例を示すと、それ以外に解答がないとの印象を与えてしまう」、東大は「一つの解を覚えることは東大入試にふさわしくない」という。
 優秀な学生を集めるには、挑戦的な出題も必要という大学の意気込みは理解できる。重要なのは、学外から疑問が示された場合の対応ではないか。
 京大や阪大の出題ミスは、予備校の教師が設問の条件に不備があると指摘して分かったが、阪大はそれを認めるまでに1年近くかかった。
 新ルールは、外部からの指摘に速やかな対応を促した。大学が説明責任を怠れば、次は国による一律規制につながりかねない。各大学は丁寧な対応を心がけてほしい。
 入試ミスの背景には、問題作成を担える基礎分野の教員の減少があるとの指摘もある。
 特に国立大は教養部の廃止や改組が影響しているようだ。
 そうした中での解答例の作成や公表は、特定の教員の負担増にもなりかねない。入試ミス対策を通じて、大学教育のあり方も議論する必要がある。


近畿、東海、関東甲信が梅雨入り 平年より1〜2日早く、気象庁
 気象庁は6日、近畿、東海、関東甲信が梅雨入りしたとみられると発表した。平年より1〜2日早い。昨年に比べて近畿と東海が約2週間、関東甲信が1日それぞれ早くなった。各地方で向こう1週間は前線や湿った空気の影響で曇りや雨の日が多くなる見通し。
 気象庁によると、6日は本州の南岸に停滞する梅雨前線の影響で、関東から九州にかけて広い範囲で雨になっている。
 これまでに奄美や沖縄、九州、四国、中国が梅雨入りしたとみられている。近畿、東海、関東甲信の梅雨明けは平年でいずれも7月21日ごろ。昨年は関東甲信が同6日ごろ、近畿が同13日ごろ、東海が同15日ごろだった。


是枝裕和監督「万引き家族」は「誰か1人に向けて作っている」 取材先の女児との交流明かす
最新作「万引き家族」で、第71回カンヌ国際映画祭最高賞のパルムドールを獲得した是枝裕和監督が6月6日、東京・有楽町の日本外国特派員協会で行われた記者会見に出席した。
映画は、東京の下町で、万引きで生計を立てながら暮らすとある家族の姿を描く。是枝監督は「僕自身が2000年代からファミリードラマにこだわり、政治や社会的状況を後ろの方に下げて、家のなかの問題、自分が父親になって感じる切実な問題を、狭く深く掘ってみようと意識的に続けた。ファミリードラマにピリオドを打って、現代の日本が抱える問題の上に家族を置き、そこで起きる摩擦を描こうとしたのが、今回の、今までの作品と違うところです」としたうえで、「21年ぶりのパルムドールということもあり、僕が思っていた以上に色んな場所で取り上げられて、普段映画について語らない人たちもこの映画を語る状況になっています。一部で僕と僕の映画が物議を醸してはいますが、『映画が公開され劇場で見られる』という通常の枠を超えて、多くの人に届いていると、個人的には前向きにとらえています」と真摯に語った。
劇中では、レオ・レオニによる絵本「スイミー」が印象的な装置として登場する。撮影前に行った各所への取材を振り返った是枝監督は、「印象に残っているのは、親の虐待を受けていた子たちが暮らす施設」と切り出し、「取材をしていると、女の子がランドセルを背負って帰ってきた。『何の勉強をしているの?』と聞いたら、国語の教科書を取り出して『スイミー』を読み始めた。職員が『みんな忙しいんだからやめなさい』と言っても聞かずに、最初から最後まで読み通した。みんなで拍手をしたら、すごく嬉しそうに笑ったんです。この子はきっと、離れて暮らしている親に聞かせたいんじゃないか、と思った。朗読している女の子の顔が頭から離れなくて、すぐに脚本に書きました」と思いを巡らせた。
そして、テレビプロダクションに所属していたかつてを引き合いに、「先輩に言われていたことで、『誰か1人に向かって作れ』。不特定多数の人に向かって送るものほど、そうすることで、結果的に多くの人に伝わる。20代の時に言われ、ずっとそうしています」と胸に留める信念を明かす。「今、はっきりわかったんですが」と核心に迫り、「僕は『スイミー』を読んでくれた女の子に向かって作っているんだと思います」と感慨深げに語っていた。
一方で、フランスで次回作についての記事が掲載されてしまったことに言及し、「正式発表をする前の段階なのに、なぜかいろんなところから情報が漏れてくるという、よくわからない状況」「キャストや、ギャラまで載っているという。ちょっとびっくりしています」と苦笑い。続けて「秋にフランスで、主にフランスの役者さんたちと映画を撮ろうということになっていまして、6月の終わりごろからパリに渡って準備を進めます」と説明したが、「来月くらいには製作発表を開くつもりです」と話すにとどめた。
「万引き家族」は6月2、3日に先行上映され、興行収入約1.9億円を記録。8日から、東京・TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開される。

健康診断/書類にイラッ/パワーのセンケイ/ゴマカシ??

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Scandale au Japon: le ministre des Finances renonce à un an de salaire
Le ministre japonais des Finances a annoncé lundi renoncer à une année de rémunération après la falsification par son ministère de documents liés à un scandale de favoritisme menacant le Premier ministre Shinzo Abe.
"Je rends volontairement 12 mois de mon salaire de ministre, alors que ce problème a ébranlé la confiance du public dans le ministère et l'administration dans son ensemble", a déclaré Taro Aso à la presse, tout en excluant de démissionner.
Le responsable politique de 77 ans, qui gagne environ 30 millions de yens par an (235.000 euros) au titre de ses fonctions au gouvernement, est né dans une éminente famille d'industriels et dispose par ailleurs de revenus confortables faisant de lui le ministre le plus riche du cabinet de M. Abe.
La révélation que des modifications avaient été apportées à des textes officiels avait fortement secoué l'exécutif en mars. Les noms de Shinzo Abe et de son épouse, Akie, ainsi que celui de M. Aso lui-même, ont notamment été retirés de documents relatifs à la vente d'un terrain à prix réduit.
"Des documents administratifs officiels n'auraient jamais dû être altérés avant leur présentation au Parlement. Je trouve cela extrêmement regrettable", a souligné le ministre des Finances.
Une vingtaine de membres du ministère ont en outre été sanctionnés, par le biais de réductions salariales ou de réprimandes verbales. Parmi eux, figure un ancien haut responsable, Nobuhisa Sagawa, qui a démissionné en mars. Personnage clé du dossier, il a assuré dans une audition au Parlement que M. Abe n'était pas impliqué dans les falsifications, tout en laissant en suspens de nombreuses interrogations.
Les résultats des élections de septembre prochain ne sont plus assurés pour le Premier minister
Le chef du gouvernement, qui est aussi affaibli par plusieurs autres scandales, a vu sa popularité chuter en dessous de la barre symolique de 40%, considérée comme un signal d'alarme pour les responsables politiques japonais.
Au pouvoir depuis fin 2012, Shinzo Abe n'est désormais plus assuré de remporter l'élection à la tête de son parti prévue en septembre, une victoire qui ferait de lui le Premier ministre à la plus grande longévité.
フランス語
フランス語の勉強?
やがて空は晴れる...。 @masa3799
「ひるおび」で森友問題。大谷昭宏「(安倍総理は)二言目には『再発防止』と言うけど、この言い方は叱られた子どもがいきなり『もうしません』と言うだけの話であって、我々が知りたいのはなぜそんなことをしたのか。子どもじゃあるまいし、もうしません、もうしませんで何回通すんだという気がする」
knamekata @knamekata
モーニングショー。森友処分で注目の発言。
青木理「これで辞めなけば大臣を辞める人はいなくなる前例になる。悪くないとなればモラルが崩壊する。政権の忖度だけでなくこれでいいのか考えるべき」
玉川徹「テレビも悪い。アメフトも大事だが、この番組も含めもっと大事な問題があるのに取り上げない」

山羽明人@森の葦となれ @cIHtcCLzQtI7ZPX
#モーニングショー
財務省改ざんの動機について麻生「それがわかりゃ苦労せんのですよ」とふざけた答弁。(これだけでも辞任に値する。みんなわかってるんだよ。)
青木「普通の会社でtopがこんなこといったらへたすりゃ潰れる。公文書廃棄、改ざん自殺者まで出て、虚偽答弁佐川40回以上麻生10回以上」


健康診断なので朝ごはん食べていません.11時半からですが,今回は場所が変更になっています.でもいつものように血液採取などを済ませて無事終わりました.なんだか疲れたなぁ…という感じ.
昨日速達で届いた書類は午前中に郵便局に持っていって速達で送り返したのですが,肝心なところの記入がなくイラッとします.まあ大人の対応をしましょう.
パワーのセンケイを頑張りました.一方でセンセキについてはゴマカシ??ているような気がします.う〜んん.

<復興実感度>岩手・宮城で地域差 福島、7町村で帰還意向に開き
 東日本大震災からの復旧・復興に関する岩手、宮城両県の調査で、地域間の実感度に隔たりが生まれている。「進んでいる」との割合は宮古市から南三陸町にかけての沿岸部で低く、防潮堤や道路整備などの停滞が皮膚感覚の違いに直結。福島県では、東京電力福島第1原発事故で避難した7町村で、住民の帰還意向に大きな開きが出ている。
 「復興実感度」について、岩手、宮城両県が調べた過去3年間の推移はグラフの通り。地域間の格差は埋まっていない。
 岩手が5月7日に公表した2018年の調査結果では、市町村の復興が「進んでいる」「やや進んでいる」と回答した住民の割合は、宮古市以南の沿岸6市町が43.4%にとどまった。久慈市や洋野町など北部6市町村の58.5%に比べ、15.1ポイントも下回った。
 県が同時期に明らかにした復興関連工事の工程表の改訂版によると、沿岸全12市町村のうち6市町村で防潮堤や水門整備、産業用宅地造成などの完成時期が1年以上先送りされる見通しとなり、うち5市町が南部だった。県復興推進課は「人手不足や他事業との調整、工法見直しの影響を受けている」と分析する。
 宮城県が3月に示した17年の調査結果では、津波被災地を抱える4圏域別で実感度が最も高かったのは、仙台や名取など14市町村の「仙台圏域」(62.4%)。石巻、女川など3市町の「石巻」も62.0%に達したが、気仙沼市と南三陸町の「気仙沼・本吉」は46.2%と低迷した。
 県震災復興計画の施策重要度に関する問いで、気仙沼・本吉圏域は「交通基盤の確保・整備促進」がトップだった。県震災復興政策課は「リアス海岸の沿岸北部は背後地が狭く、事業などが物理的に進めにくい」と説明する。
 福島県と復興庁は原発事故で避難した7町村を対象に、復興を進める上で前提となる住民の帰還意向を尋ねる調査を12年度から実施。3月に17年度の結果をまとめた。
 「戻らない」と回答した割合は避難が長期化する4町で高く、双葉61.1%、大熊59.3%、浪江49.5%、富岡46.8%。低線量地区が一定範囲あり、住民帰還が徐々に進む川俣(14.7%)、葛尾(24.2%)、楢葉(27.5%)の3町村とは対照的だった。
 県生活拠点課の担当者は「原発に隣接し、帰還困難区域を抱える4町は明らかに復興が足踏みしている。避難先での住宅購入も年々進み、帰還しない意向に拍車を掛けている」と話す。


<復興実感度>低い気仙沼・陸前高田 喪失感回復になお時間
 東日本大震災から7年が経過したにもかかわらず、岩手県南部と宮城県北部の沿岸は、復旧復興に対する住民の実感度が半数以下にとどまる。県境を挟む南端と北端の陸前高田、気仙沼両市では復興事業の遅れなどが影響し、津波被害による喪失感の回復になお時間が必要となっている。
 気仙沼高で5月16日にあった復興をテーマにした特別授業。気仙沼市の小野寺憲一震災復興・企画課長が被害状況や復興の歩みを紹介し、「復興予算や制度をフル活用して雇用創出や産業再生を図る」と強調し、若者に定着を呼び掛けた。
 市は2013年度以降、10〜30代を対象に地元で活躍する事業者を交えた「ぬま塾」や活性化事業を考える「ぬま大学」を開設。停滞感を打破する新たな模索を続ける一方で、市内では昨年から今年にかけて復興事業の遅れが相次いだ。
 昨年秋には離島・大島に整備する観光ターミナルの開設時期が1年以上延び、気仙沼大島大橋の完成(18年度末)に間に合わない見通しが明らかになった。防潮堤建設の施工ミスも4月に表面化し、住民が県に造り直しを求めるなど反発を強めている。
 災害公営住宅の家賃や医療費への支援などが手厚い岩手県をうらやむ隣接の市民には、不満もくすぶる。岩手県が昨年10月に被災者医療費の窓口負担免除の継続方針を発表すると、気仙沼市も独自に延長を決めた。不公平感を和らげるため、小野寺課長は「隣県の動向も意識せざるを得ない」と明かす。
 死者・行方不明者が岩手県内最多の1760人に上った陸前高田市。県が5月に示した復興関連工事の工程表では、高田南地区で復興拠点整備事業の完成時期を18年度から2年間先延ばしするなど、4事業がさらに遅れる予定となった。
 市の村上弘人復興推進課長は「街が丸ごと津波でなくなった喪失感は今も大きい」と市民の思いを代弁する。「被災者の生活再建の加速に加え、移住定住策や交流人口の増加で活気を取り戻し、復興の実感を高めていくしかない」と話す。


<大槌町文化交流センター>10日オープン 「生きた証」を後世に
 東日本大震災で甚大な津波被害を受けた岩手県大槌町に10日、町文化交流センター「おしゃっち」がオープンする。図書館や多目的ホールに加え、震災伝承展示室を設置。震災の記憶と教訓を後世に伝える役割を担う。
 展示室は被災状況や復興の歩みを町民の証言を基に紹介。犠牲になった町民の人柄などを聴き取った回顧録「生きた証(あかし)」から6人を取り上げた。町を襲う津波の映像も放映する。
 多目的ホールでも、被災と復興の概要を映像で説明する。町役場が被災して行政機能が停止しても、住民同士の共助が有効に働いたことを伝える。展示内容は定期的に入れ替え、多くの人が繰り返し訪れることができるようにする。
 木造3階、延べ床面積約2200平方メートル。総事業費約14億3500万円は大半を復興交付金で賄った。


<大槌町文化交流センター>地元高校生が復興発信
 大槌町文化交流センターには、大槌高生有志の「復興研究会」の展示スペースも設けられた。研究会の活動を紹介するとともに、生徒が撮影した写真で町の復興を発信する。
 2013年春発足の研究会には現在、生徒190人のうち149人が所属。町内約180カ所の定点観測や他校との交流、防災・まちづくりの研究を続ける。
 定点観測で写真を約3000枚撮りためたが、発表機会が少なかった。そこで町は大槌高と協力協定を締結。センターに展示スペースを設けるほか、写真を掲載するウェブサイトの構築を支援する。
 2年佐々木慎也さん(17)は「被災した町並みを撮るのはつらいが、それ以上に建物や道路ができていくのがうれしい。多くの人に写真を見られることになり、責任を感じる」と語る。
 定点観測は震災と向き合い、復興まちづくりについて考えるのが狙い。旧役場庁舎の保存・解体問題を巡り、研究会が決定の先送りを求める要望書を平野公三町長に提出したこともある。
 研究会の活動を指導してきた実習教諭の松橋郁子さん(56)は「定点観測を通じて古里の未来に希望を持ち、町のことを思う気持ちを育てたい。復興の過程を目にする貴重な経験を忘れず、これからの人生に生かしてほしい」と話す。


<大槌町文化交流センター>映像・証言 リアルさ追求
 震災で人口の約1割に当たる1286人が犠牲になった大槌町は震災遺構が次々に取り壊される中、どのように伝承活動に取り組んでいくのか。回顧録「生きた証(あかし)」発刊や震災アーカイブ構築を手掛けた町文化交流センター所長の北田竹美さん(67)に聞いた。(聞き手は釜石支局・東野滋)
◎町文化交流センター所長 北田竹美さんに聞く
 −町は旧役場庁舎の解体を決めた。
 「旧庁舎などの遺構を震災伝承に活用すべきだと思う。ただ、解体が決まった以上は別の手段で取り組まなければならないだろう。センターの責任はより重くなった」
 −展示で重視したのは何か。
 「映像や証言によるリアルさの追求だ。『生きた証』を採録した経験から町民の言葉が最もリアルに震災を伝えると考え、公民連携での展示を目指した」
 −展示には地元の高校生も積極的に関わる。
 「若い世代に震災伝承を担ってほしいと考え、大槌高のほかにも大槌学園や吉里吉里学園の展示スペースを用意した。備えを『わがこと』にする防災文化の定着こそが犠牲者への弔いであり、今を生きる人間の責務だと考える」


石巻の水産加工会社、宮城産カキ台湾へ輸出 販路開拓、通年出荷目指す
 水産加工業の山一水産と川崎商店(ともに石巻市)は4日、宮城県産殻付きカキ16.7トンを台湾に出荷した。カキの需要が旺盛な台湾で同県産の評価は高く、8月末までに約300トンを輸出する予定。来年は900トンの輸出を目指し、販路開拓と通年出荷につなげていく。
 台湾に向けた両社の輸出は4月下旬に始まり、今回が3回目。4日は石巻市の冷凍加工施設で、石巻湾や女川湾などで水揚げされた殻付きカキをコンテナに積み込んだ。
 台湾ではカキが好んで食され、フランス産やニュージーランド産、広島県産などが流通している。産卵を控えて大きく育つ、春から夏にかけた時期のカキが好まれるという。
 宮城県産カキの引き合いは強く、来年は今年の3倍の出荷を要請されている。両社は需要増に対応するため他の水産加工業者と連携し、出荷体制を強化する。
 東京電力福島第1原発事故後、台湾は宮城県の水産物に放射性物質検査証明の添付を義務付けるなど、輸入規制を続けている。
 山一水産営業担当の草薙誠さん(51)は「当初は取引を控える雰囲気があったが、実際に県産カキを食べてもらったら良い反応を得られた。顧客の要望に応えられるよう体制を構築したい」と話した。


三陸ジオパーク 再審査へ知見の結集を
 日本一の地質多様性を誇る本県を中心に、東日本大震災の教訓の継承も柱に据える自然公園「三陸ジオパーク」。だが、「日本一」の理由を説明できる県民はどのくらいいるだろうか。理解を深める地道な取り組みを進めないと、世界への道は開けまい。
 ジオパークは4年ごとに再審査がある。三陸は昨年末、日本ジオパーク委員会の審査で「運営体制が脆弱(ぜいじゃく)」「全体のストーリーを各地域から読み取れない」など数々の課題を指摘され、4年延長の「再認定」を逃し、2年後に再審査を受ける「条件付き再認定」となった。
 課題が解決されなければ、認定取り消しの可能性もある。国連教育科学文化機関(ユネスコ)が認定する世界ジオパークへの歩みが、国内段階で足踏みしている格好だ。
 来年秋の再審査に向け、本年度は正念場。県が宮古市に推進センターを開設するなど、関係自治体が取り組みを本格化している。
 震災8年目の被災地は、復興の進展に伴って各地の津波の痕跡が姿を消す中、風化にあらがって教訓をどう継承していくかが課題だ。
 一方で今月、大船渡市防災観光交流センターが全面開館。10日には大槌町文化交流センター「おしゃっち」がオープンするなど、震災伝承の拠点施設が出そろってきた。
 関係自治体はギアを入れ直して連携を強め、新たな拠点施設も活用して、悠久の地球の営みとしての自然美と津波の両面を発信していく仕組みを整えることで、再審査を確実にクリアしてほしい。
 三陸各地のジオポイント(見どころ)を訪れると、順次解説板の設置が進み、パンフレット類も充実してきた。問題は次のステップだ。
 観光客が三陸の自然美に触れ、さらに学びを深めようと思っても、入門的知識以上のものを得るすべは乏しい。住民にとって、身近なジオポイントが三陸全体、さらには日本列島や地球の成り立ちの中でどんな位置を占めるのか知ろうとしても、総合的に解説した文献がない。
 震災後に地質、生態系、民俗などさまざまな分野で、三陸に関する知見が蓄積されている。とりわけ考古分野は、復興関連事業に伴う埋蔵文化財調査が各地で行われたことで、時代ごとの先人の土地利用形態が見えてきた。
 再審査に向け、知見を結集すべき時だ。各分野の専門家が最新の研究成果を持ち寄って取りまとめ、ガイド、住民、観光客に伝えていく仕組みづくりが求められる。
 津波からの防災、減災は地球規模の課題だ。三陸には、世界ジオパークとしての価値が十分にある。「宝の持ち腐れ」にしてはならない。


河北抄
 石巻市の市民有志14人がきのう、米ハワイへ出発した。「移民の歴史に思いをはせながら、先人が築いた礎を確認してきたい」。そんな思いを抱く。
 石巻とハワイは深いゆかりがある。日本初の移民は1868年、横浜からハワイに向けて船出した約150人だ。移民団の元締だったのが、石巻出身の牧野富三郎という人物。仙台藩の下級武士で具足師だったが、片言の英語を話すなど教養があったらしい。
 富三郎は、ハワイのサトウキビ畑で酷使される日本人の待遇改善に尽くした。親身に渡航者の相談に乗り、日本政府との連絡役も務めた。
 初の移民から150年。「2018年をハワイと石巻の交流元年にしよう」。市民有志らは昨年から、ハワイ宮城県人会などと記念の催しをホノルル市で開く準備を進めてきた。
 「富三郎の業績を学び、歴史を後世に伝えたい」。有志らは当初、石巻市に交流話を持ちかけたが、相手にされなかった。民間レベルで生まれた友好の潮流。大きな流れになればいい。


<福島・飯舘村>募集停止の相馬農高飯舘校 村立高化、拙速で頓挫 開校ありき計画に甘さ
 東京電力福島第1原発事故後の定員割れを受け、生徒募集を停止した福島県立の相馬農高飯舘校について、地元の飯舘村は村立化による存続案を白紙撤回し、今後の対応を県に委ねた。検討開始からおよそ半年。少子化で高校運営の在り方が問われる中、注目された手法はなぜ、急速にしぼんだのか。(福島総局・高田奈実)
<村議会から異論>
 「住民の合意を得られないと判断した。高校が再開できなくとも、若い人が来てくれるような村づくりに取り組む」
 5月7日の村議会全員協議会終了後、菅野典雄村長は厳しい表情で幕切れを宣言した。
 村立化は昨年秋以降、県から選択肢の一つとして示される形で浮上した。村は有識者らによる「再生を考える会」を設置。県などが設けた飯舘校の在り方に関する協議会とは別に検討してきた。
 村が今年4月26日の村議会全員協議会で具体的な方針を示すと「教育内容が決まっていない。現段階での予算化は無理がある」などの異論が続出。今回の撤回決定に至った。
 「残念だが、撤回は妥当だった」。菅野新一村議会議長が語るように、計画は生煮え感が拭えなかった。
 村は「食と農」を専門的に学ぶ特色あるカリキュラムを編成し、全国から生徒を集め村の復興を担う人材の育成を目指した。だが具体的な教員配置や実習内容は不明確な部分が多く、議会からは「食と農で全国から生徒が集まるのか」などの声が出た。
<復興予算当てに>
 財政面の見通しも甘かった。年間運営費1億5000万円の半額を国、県の補助金などで賄う計画を立てたが、県から補助制度創設の確約は得ていない。
 7000万円に収まると試算した村の持ち出し分では、インターネットで資金を募るクラウドファンディングの活用案などに、議会は「安定した財源確保には不向きだ」と指摘した。
 菅野議長は「時間をかけて検討すれば結果は変わっていたかもしれない」と言うが、村は2021年4月の開校ありきで計画策定を急いだように見える。
 新校舎の建設費約16億円は国の復興予算を充てる算段だった。国の復興・創生期間が終わる20年度内の完成と予算獲得を目指し、焦った可能性がある。
<話し合い不十分>
 原発事故の被災地では昨年春、双葉、富岡など県立高5校が募集停止を経て休校となった。飯舘校も20年春に休校となる見通しだ。
 県立からの高校移管を巡っては、青森県五戸町も3月、町立化などによる五戸高の存続を費用などの問題から断念している。
 飯舘校の村立化に関しては、住民を交えた十分な話し合いを経たかどうかなど熟度に疑問も残る。
 地元在住の同窓会長伊東利さん(70)は「村立による存続に期待はしたが、全国から生徒を集める運営方法など不安に思うところはあった」と打ち明ける。
 村の決定を受け、県と国、村による協議会は5月30日で解散。今後の対応は県に任された。
[相馬農高飯舘校]1949年、福島県飯舘村唯一の高校である相馬農高大館分校として開校。飯舘分校を経て2008年に現在の名称になった。普通科のみで生活福祉、自然科学の2コースがある。東京電力福島第1原発事故後、福島市の仮校舎で授業を継続。定員割れや村内出身生徒の減少などを受け、県は17年10月、18年以降の生徒募集停止を決めた。


中間貯蔵施設に関電出資報道「全く聞いてない」むつ市長、公開説明会要請
 関西電力がむつ市に建設中の使用済み核燃料中間貯蔵施設に出資する方向で最終調整しているとの報道について、宮下宗一郎市長は4日の定例記者会見で「全く聞いていない話で、憤りに加え不信感がある。信頼を維持できなければ事業を立ち止まって考えざるを得ない」と語った。
 市は施設を運営するリサイクル燃料貯蔵(RFS、むつ市)、RFSに8割出資する東京電力ホールディングス、2割出資する日本原子力発電の3事業者に公開説明会を開くよう要請。今週内の開催を目指す。
 宮下市長は5日、資源エネルギー庁長官と面談して事実確認をする予定。7日は鎌田光治副市長を県庁に派遣する。事実関係が確認できるまで、全職員に各事業者との接触を禁止した。
 宮下市長との一問一答は次の通り。
 −本当に報道された内容を知らなかった。
 「全く聞いていない。知っていたら、このような対応は取らない」
 −市長が知らない中で、話が進む余地はあるか。
 「立地協定の中で、受け入れる使用済み燃料は東京電力、日本原子力発電(原電)の各発電所からの発生分となっている。仮に他の会社が出資しても、協定を変えない限り受け入れることにならない」
 −1月にも似たような報道があった。関西電力との接触は。
 「一切ない。今回の件でも一切ない」
 −関電から正式に申し出があれば受け入れるか。
 「リサイクル燃料貯蔵(RFS)の新規制基準適合性審査が終わっていない。審査も通っていないのに先の話はできない。この事業ですら先行き不透明なのに、他の会社の話が出ること自体が論外」
 −1月の時との違いは。
 「憤りに加えて不信感。一体誰がうそをついているかだ。関電なのか、東電なのか、原電なのか、RFSなのか。県なのか、国なのか。報道なのか。真相を究明して早期の決着を図りたい」


河北春秋
 「M7.5 強震、仙台圏を直撃 被害 東北全域に及ぶ」。1978年6月12日に起きた宮城県沖地震を伝える翌日の本紙朝刊1面の記事だ。社会面には倒れた門柱で頭を打って死亡した仙台市の68歳の祖母と2歳のひ孫の記事が載っている。悲しむ家族。いつの時代も子どもの死ほど痛ましいものはない▼数日後に4階建てで1階部分がつぶれた仙台市の企業ビルの記事が掲載された。1階にいた社員48人は全員無事。「全員が机の下に潜り込んだ。揺れたら机の下に潜ること。これが実感です」と会社幹部は語った▼死者28人を出した災害から今年で40年。6月12日を「市民防災の日」と定める仙台市は昨年に続き、午前9時からシェイクアウト訓練を実施する▼シェイクアウト訓練は米国発祥の地震防災訓練で、世界的な広がりを見せる。合言葉は「まず低く」「頭を守り」「動かない」。机の下に隠れるなど、同時刻に参加者が学校や職場、家庭で自分の身を守る行動を1分間実践する。市は市民に参加登録を呼び掛けている▼シェイクアウトは「地震を吹き飛ばせ」を意味する英語の造語。いつ地震が来ても素早く命を守る行動を取れるか。家具は大丈夫か。食料備蓄は十分か。地震に負けないため日頃から確認すべきことはたくさんある。

立民枝野氏、責任取らない安倍政権は「モラル崩壊」
 立憲民主党の枝野幸男代表は5日の党会合で、森友学園をめぐる財務省の決裁文書改ざん問題で20人の処分者を出しながら、麻生太郎財務相が閣僚給与1年分(170万円)を返上するだけで、だれも明確な責任を取らない安倍政権を「モラル崩壊政権だ」と指摘し、痛烈に批判した。
 財務省が4日に発表した改ざん問題調査結果では、記録の廃棄は安倍晋三首相が夫妻の関与を否定し、関与なら辞任と明言した昨年2月の国会答弁がきっかけと認めた。一方で官邸への忖度(そんたく)は否定しており、矛盾が混在。枝野氏は「子どもでもだまされない、むちゃくちゃな中身。権力の中枢が知らぬ存ぜずで開き直り、何でもまかり通るなら、社会のモラルはなくなる」と指摘。「そんな社会が、安倍晋三首相の言っていた『美しい国』だというのがはっきりした」と、皮肉を交えて批判した。
 市民団体の告発を受けた佐川宣寿・前国税庁長官を不起訴処分とした大阪地検特捜部にも、怒りをぶつけた。この日、神戸製鋼の製品データ改ざん問題で、東京地検特捜部が強制捜査に踏み込んだが、枝野氏は東京と大阪の両地検特捜部を比べ、「官尊民卑の対応だ。何のための特捜だ。こんなことなら、大阪の特捜部は解散してもらってもいい」と、語気を強めた。


森友文書改ざん/職員処分で幕引きではない
 政府はこれで区切りを付けたいのだろうが、問題の核心はいまだ不透明で全容解明とは言えない。行政の監視役を担う国会が、追及を続ける必要があるだろう。
 財務省はきのう、決裁文書の改ざんなど森友学園を巡る一連の問題で、本省や近畿財務局などの職員20人の処分と調査報告を公表した。
 報告によると、学園との国有地取引に関する決裁文書を改ざん、破棄したのは2017年2月下旬以降だという。当時理財局長だった佐川宣寿前国税庁長官が政治家名の載る文書を「外に出すべきでない」として、改ざんを主導したと認めた。
 当時、佐川氏は国会答弁で政治家の取引への関与を否定し、交渉記録は「残っていない」と説明していた。改ざんと国会への虚偽報告という背信を重ねていたことになる。停職3カ月相当の重い処分は当然と言えよう。
 学園との交渉記録を破棄したのは、安倍晋三首相が夫妻の関与を全面否定した昨年2月の国会答弁が契機だと報告は認定した。安倍首相は、自身の答弁と記録破棄は無関係だと国会で強調しており、その矛盾について国民が納得する説明をしてもらいたい。
 一方、報告では国有地がなぜ約8億円も値引きされたのかという疑惑の根幹は分からずじまいだ。元の文書にあった「本件の特殊性」がはっきりしたわけではない。
 この問題を捜査していた大阪地検特捜部は、虚偽公文書作成容疑などで告発された佐川氏ら関係者を不起訴とし、詳細な経緯は明らかにならなかった。佐川氏も3月の証人喚問で、検察の捜査を理由に証言拒否を繰り返し、核心を語らなかった。
 捜査が終結して刑事訴追の恐れがなくなった今、国会は佐川氏に再喚問を求めるべきではないか。与党は再喚問には応じない構えだが、与党議員には国会の責務をあらためて思い起こしてほしい。
 公文書の改ざんと破棄は民主主義の根幹を揺るがす重大な問題だ。国権の最高機関である国会を欺く財務省の行為は、国民への裏切り行為でもある。うやむやのままで幕引きは許されまい。
 麻生太郎財務相は1年分の閣僚給与を自主返納するという。だが、責任はそれ以上に重いと言わざるを得ない。「再発防止と信頼回復に努める」と言う麻生氏自身が、国民からの信頼を既に失っているのではないか。
 一連の不祥事が起きたのは麻生氏の財務相在任中なのに自発的に対処しようとせず、佐川氏を「適材適所」として国税庁長官に昇格させた。前財務次官のセクハラ問題では無軌道な発言を繰り返した。
 文書改ざんについても「悪質な書き換えではなかった」「組織的ではない」と語るなど、事の重要さを理解しているとはとても思えない。辞任を考えるべきだろう。


森友文書改ざんの調査結果 居座った財務相の不実さ
 公文書の改ざんや廃棄、たび重なる虚偽答弁で1年以上にわたって国会を欺き続けた前代未聞の不祥事だ。財務省職員の処分だけでは済まない。当然ながら麻生太郎副総理兼財務相の引責辞任が不可欠である。
 森友学園への国有地売却問題で財務省が内部調査の報告書を発表し、佐川宣寿前理財局長が事実上、決裁文書の改ざんと交渉記録の廃棄を指示していたと認定した。
 では、なぜ指示するに至ったのか。報告書では国会審議で質問される材料を減らすのが主目的だったとしている。その核心は、安倍晋三首相の妻昭恵氏の関与を隠そうとしたことだと考えられる。
背信を生んだ組織防衛
 発端となったのは「私や妻が関係していたということになれば、間違いなく首相も国会議員も辞める」という昨年2月17日の首相答弁だ。
 報告書によると、この答弁を受けて、理財局の総務課長が近畿財務局などに昭恵氏の名前が入った文書があるかどうかの確認を求めた。その後、政治家関係者からの照会状況について報告を受けた佐川氏が改ざんや廃棄を指示した。
 昭恵氏の名前は決裁文書の改ざん箇所にも交渉記録にも出てくる。多くは学園側が言及したものだが、設立予定だった小学校の名誉校長に一時就くなど、昭恵氏自身が学園に肩入れしていたのは事実だ。
 売却価格の約8億円の値引きに直接関与した記録はなかったが、昭恵氏付の政府職員が貸し付け契約の優遇措置について照会した交渉記録が廃棄されていた。
 国民の共有財産である公文書の改ざんや廃棄は民主主義の根幹を揺るがすものだ。佐川氏ら財務省職員の責任は重い。
 安倍政権の5年半に起きた財務省の地盤沈下は著しい。金融緩和と財政出動による景気刺激が重視される中、財政再建を主張する財務省は首相官邸からうとまれてきた。
 首相官邸からの更なる批判を恐れ、過剰な組織防衛の意識が働いたとしても不思議ではない。
 改ざんや廃棄は麻生氏の財務相在任中に起きたことだ。
 「交渉記録は全て廃棄した」という佐川氏の不自然な答弁をとがめるどころか、国税庁長官に昇格させ、「適材適所」だと強調したのは麻生氏だ。「いわゆる改ざんといった悪質なものではない」と述べたり、前財務次官のセクハラ問題でも「セクハラ罪という罪はない」と繰り返したりと、部下を擁護する発言で財務省批判の火に油を注いでもいる。
 麻生氏は「進退については考えていない」といったが、財務省を監督する立場として今回の不祥事の責任を取らない方がおかしい。
政治道徳の堕落を招く
 古くから「政治は最高の道徳である」といわれてきた。実態を見ればそれほど清廉潔白な政治家ばかりでないのだろうが、時の政権が国民に範を示さなければ国の統治をゆがめてしまう。政治家はその建前を忘れてはならないという警句だ。
 これほど重大な不祥事を引き起こしておいて、政治家がだれも責任を取らないということでは、政治道徳の堕落につながる。
 麻生氏が居座りを決め込むことは国民に対して不誠実であり、政治不信に拍車をかけるだけだ。
 財務省のエリート官僚が公文書の改ざんに手を染めた背景には、省庁の幹部人事を官邸主導で決める内閣人事局を通して政治が官僚を支配している政権構造がある。
 憲法66条は「内閣は、行政権の行使について、国会に対し連帯して責任を負ふ」と定めている。首相は「行政府の長として責任を痛感している」というのであれば、官僚のみに責任を押しつけるのではなく、内閣の政治責任を明確にすべきだ。
 首相は「ウミを出し切る」といいながら、麻生氏を辞めさせようとしない。内閣支持率は下げ止まりの傾向にあり、「多弱」の野党は政権追及の迫力に欠ける。麻生氏を留任させても政権の致命傷にならないと高をくくっているのだろう。
 加えて9月に自民党総裁選を控え、3選を狙うのに麻生氏の協力が必要だという事情もあるようだ。不祥事の処理より首相の政治的な打算を優先させたことになる。
 森友問題の全容解明にはまだ至っていない。このままでは民主主義を毀損(きそん)した危険な状態が続く。政権としての政治責任にけじめをつけることを求める。


財務省の処分 佐川氏独断の不可解
 森友文書改ざん問題で財務省が公表した調査報告や処分は耳を疑う。国会や国民を欺き、民主主義の根幹を揺るがす行為を一部官僚の主導と矮小(わいしょう)化して幕引きを図る。どこまで国民を愚弄(ぐろう)するのか。
 「当時理財局長だった佐川宣寿前国税庁長官が『政治家名が記載された文書を外に出すべきでない』と発言し改ざんを主導した」
 「安倍晋三首相が夫妻の関与を全面否定した国会答弁を契機に、森友側との交渉記録を廃棄した」−報告書の要点をまとめると、こんなところなのである。
 先月二十三日に国会へ交渉記録を提出した際の説明から新たな事実はないといっていい。抜け落ちていた「二〇一四年四月二十八日」の記録(安倍昭恵氏が「いい土地だから進めてください」と言ったとされる)など真相は結局、やぶの中のままだ。
 安倍首相は先月、国会で改ざんや廃棄は自身の答弁と無関係だと説明しており、この点は今後国会の焦点になり得るだろう。
 ただ、国民に知らせるべきは、国民共有の財産である国有地がなぜ八億円も値引きされたかの真相である。昭恵氏の存在や、籠池泰典前理事長が「神風が吹いた」と形容したものは何かなどの疑問は解消されていない。
 そもそも国会審議を停滞させないためだとして一官僚の判断で公文書を改ざんするだろうか。逆にいえば、そんな官僚を高い倫理観が求められる国税庁トップに据えて「適材適所の人事だ」と言っていたのは誰だったか。麻生太郎財務相であり、安倍首相である。
 処分も、佐川氏を最も重い停職三カ月相当として退職金を減額するが、麻生財務相の続投はどうしても理解できない。改ざんに関わり自ら命を絶った近畿財務局職員の無念は一体何だったのか。
 一九九八年の旧大蔵省接待汚職では三塚博蔵相が引責辞任した。官僚ら七人が有罪となった刑事事件と単純に比較はできないが、ことは公文書という行政の手続きを検証するための貴重な史料を改ざんしたのである。
 さらに虚偽答弁により一年以上にわたって国会や国民を騙(だま)し続けた。民主主義を歪(ゆが)め、その罪深さは一年分の閣僚給与(約百七十万円)返上で済む話ではあるまい。
 麻生財務相は「私のリーダーシップの下、信頼回復に努める」というが、どれだけの国民が納得するだろうか。これでは「ウミを出し切る」という安倍首相の言葉も空(むな)しく響くばかりである。


「森友」文書調査 麻生氏は辞任に値する
 学校法人「森友学園」への国有地売却を巡る決裁文書の改ざんや交渉記録廃棄の問題で財務省がきのう調査報告書を公表した。従来の「書き換え」との表現を改め、初めて「改ざん」と明記した。
 改ざんは、当時理財局長だった佐川宣寿前国税庁長官が主導したと認定。安倍晋三首相が自身や昭恵夫人の関与を全面否定した昨年2月の国会答弁を契機に、交渉記録を廃棄したとした。
 民主主義の根幹である公文書の改ざんや廃棄により国会を欺くことは、国民への背信行為である。
 麻生太郎財務相はきのうの記者会見で閣僚給与の自主返納を表明した上で、自らのリーダーシップで信頼回復に努めると強調した。
 認識が甘すぎる。前代未聞の不祥事を起こした組織の長として責任の取り方は辞任しかあるまい。
 報告書は改ざんの動機について、理財局幹部が国会審議の紛糾を懸念したためだと結論付けた。
 土地取引への昭恵氏の関与を全面否定した首相答弁には明らかに無理がある。財務省はそう認識していたからこそ、追及を恐れたのではないか。やはり首相への「忖度(そんたく)」があったとみるしかない。
 首相は、廃棄や改ざんは自身の答弁と無関係だと先月の国会審議で強調した。報告書との整合性が厳しく問われよう。
 報告書からは、主な責任の所在を理財局に限定し、森友問題の幕引きを図るという政権の筋書きが透けて見える。官邸の関与などを徹底調査した跡はうかがえず、内部調査の限界は明らかだ。
 佐川氏については市民団体が大阪地検の不起訴処分を不服とし、検察審査会に審査を申し立てた。
 国会としても、約8億円の値引きに始まる一連の経緯の真相究明が責務である。野党が求める佐川氏の再喚問は不可欠だ。
 首相はきのう、「再発防止策を講じる。麻生氏にはその先頭に立ち責任を全うしてもらいたい」と述べた。だが、これまで問題を矮小(わいしょう)化するかのような発言を続けてきたのは、ほかならぬ麻生氏だ。
 「白を黒にしたような、改ざんといった悪質なものではないのではないか」と述べたのは、つい1週間前のことである。
 前事務次官のセクハラ問題への対応を見ても、麻生氏の交代なくして財務省の信頼回復は困難だ。
 秋の自民党総裁選を控えた首相は、麻生氏辞任による政権への打撃を懸念し、続投させたとの見方もある。そんな保身と打算があるとすれば、国民不在も甚だしい。


「森友」問題処分/辞任免れぬ麻生氏の責任
 学校法人「森友学園」への国有地売却を巡る決裁文書の改ざん問題で、きのう財務省の調査報告書が公表された。当時理財局長だった佐川宣寿前国税庁長官が改ざんを主導したと認定し、佐川氏を含め関係した幹部・職員20人を処分した。
 トップである麻生太郎財務相は閣僚給与の1年分を返上するが、「進退は考えていない」と続投を表明した。
 財務省では事務次官のセクハラ問題も記憶に新しい。いずれも麻生氏が大臣時代の不祥事だ。任命と監督責任があるのは明らかで、辞任は免れない。
 調査報告は、政治家名が記載された文書について佐川氏が「外に出すべきでない」と発言して改ざんの方向性を決定づけたとしている。その動機は、国会審議の紛糾を避けようとしたためと結論付けた。佐川氏の行為は民主主義を土台から揺るがすもので、極めて悪質だ。
 注目されるのは、安倍晋三首相が昨年2月、夫妻の関与を全面否定した国会答弁を、交渉記録を廃棄する契機となったと認めたことだ。
 首相が「私や妻が関係していたなら首相も国会議員も辞める」と言い切ったことをきっかけに、昭恵夫人の名前などが書かれた交渉記録を廃棄した。佐川氏らが「忖度(そんたく)」したと示唆する内容である。
 首相は、改ざんや廃棄が自身の答弁とは無関係と強調してきた。国会で、報告書との整合性が問われなければならない。
 麻生氏は「行政の信頼を失った。深くおわびする」と謝罪しながらも、自らの責任については再発防止に全力を挙げ「職責を全うする」と述べた。
 一連の不祥事では、麻生氏の発言も批判を受けてきた。「セクハラ罪はない」「(前事務次官は)はめられた可能性は否定できない」「改ざんとか、悪質なものではない」など、耳を疑うものばかりである。
 それでも首相は麻生氏をかばい続けている。副総理としても政権を支え続けてきた麻生氏が辞任すれば、首相自身が直接批判にさらされる。ひいては自民党総裁選の3選への影響を考えているとされる。だが、政治の責任を明確にしなければ、信頼回復はおぼつかない。


文書改ざんで処分 もはや総辞職しかない
 部下に責任を押し付けて、全てうやむやに終わらせることは許されない。
 財務省は、学校法人「森友学園」を巡る決裁文書の改ざんの調査報告書を発表した。森友との交渉記録廃棄は、安倍晋三首相が夫妻の関与を全面否定した昨年2月の国会答弁がきっかけだとし、首相への忖度(そんたく)とも受け取れる内容となっている。
 しかし、忖度には踏み込んでいない。あくまでも当時理財局長だった佐川宣寿前国税庁長官が、改ざんや交渉記録廃棄の方向性を決定付けたと認定。理財局総務課長が中核的な役割を担ったと認定した。国会審議の紛糾を恐れ、回避するのが動機だったと説明した。関係者20人を処分し、佐川氏を停職3カ月相当とした。
 監督する立場の麻生太郎財務相は、12カ月分の閣僚給与の自主返納にとどまった。麻生氏は会見で自らの「進退は考えていない」と述べ続投を表明した。
 麻生氏は「どうしてそうなったのか最初のきっかけが分からない」と人ごとのように語っている。不祥事が起きたのは組織を掌握できないからではないか。麻生氏は今後「私のリーダーシップの下」で意識改革すると強調した。国会の混迷を招いた責任を棚に上げて、居直る姿勢に驚くばかりである。
 公文書の改ざんは民主主義の根幹を揺るがす行為であり、国民に対する重大な背信行為だ。国家中枢の不正の最終責任は、行政の最高責任者である首相が負っている。官僚だけに重い責任を負わせて幕引きを図ろうとする安倍政権の政治姿勢を疑う。内閣総辞職して国民に信を問うべきである。
 森友側との交渉記録を巡っては、昨年2月に格安での土地売却の疑いが発覚。佐川氏が国会で「適切な取引だった」と繰り返した。
 首相が昨年2月17日に「私や妻が関係していたなら首相も国会議員も辞める」と答弁したことをきっかけに、理財局総務課長らが昭恵夫人の名前が入った交渉記録の存在を確認。昭恵夫人付の政府職員が理財局に電話して、森友側への優遇措置について問い合わせたことが明記されている。財務省関係者は「首相夫人の名前がプレッシャーとなったのは間違いないと思う」と共同通信の取材に答えている。
 今回の調査報告は第三者委員会ではなく、財務省の内部調査にすぎず、おのずと限界がある。昭恵夫人による関与など、前代未聞の不祥事の全容を明らかにしていない。これでは国民は納得しない。再調査が必要だ。
 安倍政権は、加計学園の獣医学部新設を巡る疑惑や、自衛隊の日報隠蔽(いんぺい)など次々と疑惑が発覚している。
 民主主義の手続きをないがしろにする強引な政権運営に、国民の政治不信は頂点に達している。


[財務省改ざん調査]麻生氏の辞職を求める
 安倍晋三首相への忖度(そんたく)が色濃く浮かび上がる報告だ。 
 森友学園への国有地売却を巡る決裁文書改ざん問題で、財務省が調査報告書をまとめた。
 当時理財局長だった佐川宣寿氏の主導で理財局や近畿財務局が行ったと認定する内容で、佐川氏を停職3カ月相当とするなど関係者20人の処分を発表した。
 民主主義の土台をも揺るがす不正は、なぜ起こったのか。
 安倍首相の妻、昭恵夫人の名前が消されるなどの改ざんは、国有地の大幅値引きという不可解な取引が発覚した昨年2月以降に生じている。
 報告書によると、佐川氏が「政治家関係者の記載のある文書は外に出すべきではない」などと発言したことを受け、部下が夫人に関する記述や国会議員秘書による照会記録を削除している。 
 交渉記録を巡っては、昨年2月に安倍首相が国会で「私や妻が関係していたなら、首相も国会議員も辞める」と答弁したのを契機に、夫人の名前が入った記録を廃棄していた。
 動機は、国会審議で森友学園が大きく取り上げられる中、質問につながる材料を極力少なくすることだったという。
 一見もっともらしく聞こえる説明だが、問題は国民の「知る権利」を傷つける不祥事に、なぜこれほど多くの官僚が手を染めたかである。
 為政者に都合のいいように事実をねじ曲げうその答弁までした背景こそが問われているのだ。
■    ■
 一連の問題行為は麻生太郎財務相に報告されなかったといい、記者会見で改ざんが起きた理由を問われた麻生氏は「分かれば苦労しない」と言い放った。
 財務省の最高責任者とも思えない、人ごとのような言い方だ。
 麻生氏は改ざんは組織的なものではないとも語っている。
 財務省理財局から近畿財務局へ指示があり、財務局では多くの職員が反発したにもかかわらず理財局の立場をおもんぱかって協力したというのに、これが組織的関与でなく何というのか。
 国会では「廃棄した」と虚偽の答弁を繰り返した上、文書を改ざんし、国民を欺き続けた前代未聞の事件である。
 麻生氏は閣僚給与1年分を自主返納することで続投する意向を表明しているが、大臣としての監督責任からは逃れられない。
 組織の長として責任をとって辞任するのが筋だ。
■    ■
 この問題で安倍首相は「行政への国民の信頼を損なう事態」と述べている。損なわれているのは政治の信頼である。
 公文書を巡っては森友の他にも、加計学園に関する問題、陸上自衛隊の日報隠蔽(いんぺい)問題など不祥事が続発している。 
 財務省の不祥事の責任は大臣にあり、行政の最終責任者は首相である。 
 行政の中に漂う「腐臭」を一掃するには、政治家がきちんと責任を取らなければならない。


財務省の調査報告 問われる麻生氏の進退
 森友学園問題の決裁文書改ざんなどを巡る一連の不祥事で、財務省がきのう、調査報告と処分を公表した。<
 驚いたのは、麻生太郎財務相が閣僚給与1年分を自主返納した上で、大臣続投を表明したことだ。前理財局長の佐川宣寿氏が改ざんを主導したとして最も重い停職3カ月になったのをはじめ計20人が処分された。麻生氏は処分の対象外だった。
 会見で麻生氏は、自主返納について「責任の所在を明確にするため」と説明したが、むしろ責任を曖昧にしていないか。文書改ざんなどにより、国会は1年以上も振り回されてきた。トップこそが最も重い責任を負うべきだろう。これでは部下に責任を押し付けたように映る。
 改ざんの動機は、佐川氏らが国会答弁との食い違いをなくし、審議での紛糾を避けるためだったという。どれだけの国民が納得しただろう。
 改ざんの結果として、安倍晋三首相夫人の昭恵氏や政治家と国有地売却問題との関係性が徹底的に消し去られたのである。表層の動機ではなく、公文書の重要性を十分知る官僚がなぜ改ざんにまで手を染めたのか。その本質に迫ってこそ、信頼回復や再発防止につながるはずだ。
 にもかかわらず、麻生氏は改ざんが起きた理由を「分かれば苦労しない」「その場の雰囲気、空気」などと人ごとのように答えていた。トップとしての自覚を著しく欠いている。
 3月に自殺した近畿財務局の男性職員は、上からの指示で「書き換えをさせられた」との内容のメモを残していた。麻生氏は「関与したことに非常に責任を感じて自ら身を絶たれた方がおられた。甚だ痛ましい」との受け止めを改めて述べた。ならば、せめて徹底的な調査で報いるべきではないか。
 調査報告では、安倍首相の答弁が及ぼした影響が明白になった。昨年2月17日に「私や妻が関係していたなら首相も国会議員も辞める」と発言したのをきっかけに、財務省が森友側との交渉記録などを廃棄したと認定した。安倍首相は自らの影響を否定し続けてきたが、もはや言い逃れはできまい。
 財務省の調査報告を受け、安倍首相は「公文書の在り方を徹底的に見直す」と官邸で記者団に表明した。しかし管理を監視するポストの新設などで再発防止につながるとは思えない。
 既に指摘されているように、2014年に設置された内閣人事局が影響しているのではないか。政治主導を強めるため、各省庁の幹部人事を一元化したことの弊害である。官僚が自らの出世のため、政権への忖度(そんたく)を過剰に働かせた可能性がある。検証する必要があろう。
 一連の不祥事を巡っては、佐川氏ら関係者38人が不起訴とされたが、刑事告発した市民団体はきのう、これを不服として検察審査会に申立書を郵送した。くじで選ばれた有権者が不起訴が妥当だったか吟味することになる。強制起訴すべきかどうか徹底的な審査が求められる。
 財務省の調査報告も、国会で野党が中心となって追及していくことになろう。全容解明に向けた戦略が欠かせない。刑事訴追を理由に説明を拒否した佐川氏には証人喚問で改めて話してもらう必要がある。このままでは到底「区切り」にならない。


森友問題処分 納得いかぬ麻生氏の続投
 これで「けじめ」がついたと言うのか。大阪地検の不起訴に続いて国民には納得し難い展開が続く。学校法人「森友学園」への国有地売却を巡る財務省の決裁文書の改ざん問題は、同省理財局内部の不祥事として幕引きを図るつもりなのか。
 麻生太郎財務相がきのう、改ざん問題の調査報告書と関係幹部・職員の処分を公表した。麻生氏は閣僚給与1年分を自主返納するという。
 決裁文書改ざんや交渉記録を廃棄した背景は何か、鑑定価格9億5600万円の国有地がなぜ1億3400万円まで値引きされたのか‐その真相は調査報告書でも判然としない。
 調査報告書は、安倍晋三首相が昨年2月17日に「私や妻が関係していたなら首相も国会議員も辞める」と国会答弁したことが改ざん問題のきっかけとなり、当時理財局長だった佐川宣寿(のぶひさ)前国税庁長官が改ざんや廃棄を方向付けた、と認定した。
 首相答弁を受けた理財局の動きは迅速で、昭恵氏の名前が入った文書の存否を確認した。その過程で、佐川氏は決裁文書や交渉記録について「外に出すべきではない」と述べたという。
 なぜか。報告書は「国会審議でさらなる質問につながる材料を極力少なくすることが改ざんや廃棄の主たる目的だった」「国会審議が相当程度紛糾することを懸念した」と説明する。
 国会紛糾の材料とは昭恵氏の名前だったのではないか。決裁文書には、国有地を視察した昭恵氏が「いい土地ですから前に進めてください」と語ったとされることが記載されていた。交渉記録には、昭恵氏付政府職員が理財局に問い合わせをしたとも書かれていた。
 財務省は、昭恵氏が国有地売却の行方に同省の忖度(そんたく)を含めて「関与」したと受け取られかねないとみて、それを裏付ける決裁文書や交渉記録の存在に危機感を抱いた−だから改ざんや廃棄に走ったのではないのか。
 国会審議への影響は直接の引き金かもしれないが、解明する必要があるのは、その背景である。麻生氏は「それが分かれば苦労はない」と述べた。「私のリーダーシップの下、再発防止と信頼回復を図る」と辞任も否定したが、もはや麻生氏のリーダーシップには期待できない。
 民主主義の根幹を揺るがす一連の公文書改ざん、廃棄だけではない。事務次官のセクハラ問題も含め、かつて「最強官庁」と言われた財務省の威信は失墜し国民の信頼も失った。これだけの疑惑や不祥事を引き起こした組織の最高責任者が部下の職員を処分し、自らは給与返納だけで居座り続ける。そんな組織が本当に再生できるだろうか。


財務省の処分  麻生氏は進退の決断を
 森友学園をめぐる文書改ざんや交渉記録廃棄などについて、財務省が内部調査の報告書を公表し、関係した職員20人を処分した。
 当時理財局長だった佐川宣寿前国税庁長官が文書改ざんの方向性を決定づけたとして最も重い停職3カ月相当とした。当時の事務次官も減給処分となった。監督責任を重くみたということだろう。
 麻生太郎財務相は閣僚給与1年分を自主返納するが、辞任はしないという。最高責任者である麻生氏の監督責任は問われないのだろうか。疑問の残る判断である。
 一連の問題は、改ざんした決裁文書を平然と国会に提出し、国民の代表である国会議員を欺いた前代未聞の不祥事である。
 関わった職員は深く反省すべきだが、そうした行為を許した政治の責任も見逃すことはできない。
 佐川氏が国会で「廃棄した」と説明したはずの資料が次々に見つかり、その度に審議は混乱した。
 麻生氏も佐川氏と同様、「記録は残っていない」などと事実と異なる答弁を11回行った。改ざんについても「悪質なものではない」と軽視するかのような発言を繰り返し、批判を浴びた。自らも混乱に拍車をかけていたといえる。
 佐川氏らが処分されたことで、麻生氏の言動の不適切さがあらためて明確になった。
 部下には懲戒処分も含めた責任をとらせながら、自らはトップの座に居続けることに説明がつくだろうか。安倍晋三首相は「責任を全うしてもらいたい」と続投を求めたが、もはや自ら出処進退を決断する以外に責任を全うする道はないのではないか。
 報告書は、官僚と政権の関わりにも言及している。佐川氏は部下が作成した原案を基に最終的な改ざん部分を決めていた。首相夫人や政治家に関する記述のほか、「本件の特殊性」などの表現を削除していたという。
 記録廃棄は、安倍首相が夫妻の関与を全面否定した昨年2月の国会答弁がきっかけだともしている。首相への「忖度(そんたく)」をうかがわせる部分だ。夫妻の関与が本当になかったかどうか、引き続き国会での真相解明が必要だ。
 森友問題は、財務省に対する国民の信頼を失墜させた。来秋に予定される消費税増税への対応や財政再建など重要な政策課題にも影響を与えることになろう。
 官僚に責任をかぶせて逃げ切ろうとする政権の体質への不信感も増幅した。処分を理由に幕引きすることは許されない。


忖度させた責任は重大/森友改ざん調査
 財務省が、学校法人「森友学園」への国有地売却を巡る決裁文書改ざんや交渉記録廃棄について、当時理財局長だった佐川宣寿前国税庁長官の主導で理財局や近畿財務局が行ったとする調査報告を公表した。
 麻生太郎財務相や官邸側は、関係幹部・職員計20人を処分、麻生氏も閣僚給与1年分を自主返納することでこの問題に区切りを付ける構えだ。しかし調査は、安倍晋三首相が夫妻の関与を全面否定した国会答弁を契機に交渉記録が廃棄されたと認定している。調査を前提にすれば安倍首相らへの「忖度(そんたく)」が要因だった可能性が高くなる。
 安倍首相は改ざん、廃棄に関して「行政への国民の信頼を損なう事態」と述べているが、政治の信頼の方が損なわれている。自らの言動を厳しく総括し、責任を明確にしなければ信頼回復は難しい。
 改ざんは昨年2月26日、特例扱いの定期借地契約を申請する決裁文書から、昭恵夫人の名前などを削除したことが始まりだ。当時、国会で国有地の格安売却の不透明さが追及される中、理財局総務課長らが国会議員秘書らによる照会状況を記載した文書の取り扱いを佐川氏に相談。「外に出すべきではなく、最低限の記載とすべきだ」という反応を総務課長らが書き直しと解釈、改ざんに至った。
 佐川氏はその後も自身の国会答弁を踏まえた内容に変えるよう念押しし、部下に「しっかり見るように」などと指示している。調査では、局長として改ざんの「方向性を決めた」と認定した。
 交渉記録を巡っては、安倍首相が昨年2月17日に「私や妻が関係していたなら首相も国会議員も辞める」と答弁したことをきっかけに、昭恵夫人の名前が入った交渉記録を確認した理財局総務課長らが他の議員秘書らによる照会記録とともに廃棄した。
 調査報告の中では佐川氏らの国会答弁と齟齬(そご)をなくして「国会質問を極力少なくする」ことが一連の行為の目的とされているが、行政や議会などの民主主義制度の根幹を支える公文書の信頼性を揺るがす愚行、蛮行であることに変わりはない。
 公文書を巡っては森友問題の他にも学校法人・加計学園を巡る問題、陸上自衛隊の日報隠蔽(いんぺい)など数え切れないほど不祥事が起きている。安倍首相は、深刻極まりない事態を直視すべきである。


森友改ざん報告 幕引きしてはならない
 財務省は4日、学校法人「森友学園」への国有地売却を巡る決裁文書改ざんの調査報告書を発表した。当時理財局長だった佐川宣寿氏が改ざんや交渉記録廃棄の方向性を決定付けたと認定。併せて、佐川氏をはじめ幹部や職員ら計20人を処分した。
 調査報告書によると、佐川氏は国会で森友問題が連日取り上げられる中、国会議員秘書らの名前が記載された決裁文書の取り扱いを理財局総務課長から相談され、「外に出すべきではない」と発言した。その後も自身の国会答弁を踏まえた内容に変えるよう部下に念押ししていた。改ざんの動機については、国会審議が紛糾することを回避する目的だったとした。
 財務省近畿財務局と森友学園の交渉記録を巡っては、総務課長らが安倍昭恵首相夫人の名前が入った記録を、他の国会議員秘書らによる照会記録と共に廃棄したという。安倍晋三首相が2017年2月の国会答弁で「私や妻が関係していたなら首相も国会議員も辞める」と明確に否定したのがきっかけだったと、首相への忖度(そんたく)を示唆した。
 「官僚中の官僚」と言われる財務省官僚が公文書を次々改ざんして国会でうその答弁を繰り返すという、あってはならない不祥事だ。忖度が本当なら、組織の在り方が根本から問われる。国民の行政に対する信頼は失墜したとあらためて厳しく指摘せざるを得ない。
 一連の不祥事はいずれも理財局の内部で行われ、麻生太郎財務相や他局の幹部らは関与していなかったと結論付けたが、果たして本当なのか。一局長の判断により、官僚たちがこれほど悪質な公文書改ざんや記録の廃棄を進めたとは、常識的には考えづらい。
 国有地が小学校用地として評価額より8億円余り低い約1億3400万円で森友学園に売却されたのが16年6月。17年2月に問題が表面化し、名誉校長に一時就任していた昭恵夫人の関与が疑われた。野党は昭恵夫人らの国会招致を求めているが、安倍首相はその必要がないと拒んでおり、実現していない。
 今回の調査はあくまでも財務省の身内による調査にすぎず、昭恵夫人の関与の有無を含めて詳細に調べ上げたとは言い難い。真相解明には程遠く、国会でさらに調査する必要がある。これを幕引きにしてはならない。
 麻生氏は閣僚給与1年分を自主返納するとした上で、「文書管理の徹底など必要な取り組みを全力で進めることで職責を全うしたい」と続投する意向を表明したが、財務省は前財務事務次官のセクハラ問題も含め、不祥事続きだ。これでけじめがついたとは到底思えない。
 野党は麻生氏の辞任を繰り返し求めている。事の重大さを踏まえれば当然の対応だろう。うみを出し切ると明言した安倍首相からも危機感が伝わってこない。行政府の長としての責任は極めて重い。


森友学園問題 引き続き解明が必要だ
 森友学園を巡る決裁文書改ざんの調査報告書が発表された。財務省は、理財局長だった佐川宣寿前国税庁長官が方向性を決定付けたと認定している。
 国会に改ざん文書を提出した前代未聞の不祥事である。本当に理財局の独断だったのか。身内の調査で幕引きにはできない。問題の核心である8億円の値引きは疑念が残ったままだ。引き続き解明を進めなくてはならない。
 報告書によると、国会審議が紛糾するのを回避するために改ざんした。佐川氏のほか、理財局総務課長が中核的な役割を担ったとしている。
 調査結果に合わせ、関係者20人の処分も発表した。佐川氏は停職3カ月相当としている。総務課長は停職1カ月、当時の事務次官は減給とした。
 交渉記録の廃棄は、昨年2月に首相が「私や妻が関係していたなら首相も国会議員も辞める」と答弁したことがきっかけだったと認定している。首相は先週の国会審議で、自身の答弁が起点ではないと発言していた。この主張を覆す調査結果である。
 森友が開校を目指した小学校は首相の妻、昭恵氏が一時、名誉校長に就任していた。官僚の忖度(そんたく)はなかったのか。麻生太郎財務相は昭恵氏の存在と文書改ざんは関係ないとしたものの、森友に対する特別扱いを隠そうとした可能性は否定できない。
 文書改ざん、記録の廃棄は森友問題の一部にすぎない。佐川氏は局長当時、森友側との事前の価格交渉を否定し、交渉記録は廃棄したとの答弁を繰り返した。そもそもなぜ事実と異なる説明をしたのか。報告書が出ても、肝心な点は曖昧なままだ。
 一連の問題について大阪地検特捜部は佐川氏ら全員を不起訴処分とした。法廷での解明は当面、望めない。佐川氏の再喚問をはじめ関係者を国会に招致し、事実関係をはっきりさせる必要がある。
 麻生氏の責任も改めて問わなければならない。報告書の公表に合わせ、閣僚給与1年分を自主返納する意向を示す一方、進退は考えていないとした。首相も「責任を全うしてもらいたい」と擁護を続けている。
 国会を欺く重大な問題を起こしながらトップが続投するのは筋が通らない。「白を黒にしたりしたような改ざんといった悪質なものではないのではないか」と問題を軽視するかの答弁もあった。組織の立て直しを任せることはできない。辞任すべきである。


「森友」調査報告 これでは到底納得できぬ
 やはり、安倍晋三首相に対する官僚の忖度(そんたく)が、国民や国会へのごまかしにつながったのではないか。その思いが増すばかりである。
 官僚側がルールを逸脱してまで改ざんに手を染めることになったのはなぜか。その核心が解明されたとはいえず、到底納得が得られるはずがない。動機の根幹が曖昧では再発防止にもつながるまい。
 学校法人「森友学園」への国有地売却に関する決裁文書改ざん問題で、財務省が調査報告書を発表した。
 理財局長だった佐川宣寿前国税庁長官が改ざんの方向性を決めたとし、国会審議の紛糾を恐れ、回避することが目的だったと結論付けた。
 一連の改ざんの始まりは、昨年2月26日だったという。国会で、森友問題が連日取り上げられていた頃だ。
 政治家関係者による照会状況の記載文書の取り扱いを部下から相談された佐川氏が「外に出すべきではない」とし、理財局総務課長らが改ざんした。
 佐川氏は自らの国会答弁を踏まえた内容に変えるよう念押しし、「しっかり見るように」とも指示していた。
 だが、これらは表面的な経緯にすぎない。公務員が守るべき倫理に背き、組織全体が窮地に追い込まれるようなことを、なぜしたのか。それこそが核心であろう。
 麻生太郎財務相は「昭恵首相夫人がかんでいるから(という理由で)書き直したものは認められない」と説明し、改ざんの動機は「正直分からない」と述べた。あまりに無責任としか見えない。
 見逃せないのは、森友側との交渉記録について、首相が夫妻の関与を全面否定した昨年2月17日の国会答弁を契機に廃棄したと認定したことだ。
 首相は国会審議で、記録廃棄や文書改ざんは自らの答弁とは関係ないとしていた。報告と矛盾する。改めて、首相の認識を問わなければならない。
 改ざん指示と首相が全面否定した答弁との関連についても、佐川氏を再度国会に招致してきちんとただすべきだ。
 報告を受け、麻生氏が続投の意向を表明したことも疑問を覚える。麻生氏は改ざんは「悪質ではない」と答弁するなど認識の甘さが際立つ。不祥事が相次ぐ組織のトップとして適格性に欠けるのは明らかだ。
 森友問題では、先に大阪地検特捜部が佐川氏らを不起訴とした。これに対し、市民団体が立件見送りは不当として検察審査会に審査申立書を郵送した。今後を注視する必要がある。
 危惧するのは、不起訴の判断と財務省の処分が出て、一件落着のようなムードが生まれてしまうことだ。幕引きは決して許されない。
 財務省の報告は、内部調査の限界を示した。国民を欺いた前代未聞の官の不祥事に、これからどう向き合っていくのか。国会の動きにも厳しく目を凝らし続けなければならない。


財務省改ざん調査/忖度の可能性高まった
 財務省が、学校法人「森友学園」への国有地売却を巡る決裁文書改ざんや交渉記録廃棄について、当時理財局長だった佐川宣寿前国税庁長官の主導で理財局や近畿財務局が行ったとする調査報告を公表した。関係幹部・職員計20人を処分、麻生太郎財務相も閣僚給与1年分を自主返納することでこの問題に区切りを付ける構えだ。
 しかし調査は、安倍晋三首相が夫妻の関与を全面否定した国会答弁を契機に交渉記録が廃棄されたと認定している。調査を前提にすれば安倍首相らへの「忖度(そんたく)」が要因だった可能性が高くなる。
 安倍首相は改ざん、廃棄に関して「行政への国民の信頼を損なう事態」と述べているが、政治の信頼の方が損なわれている。自らの言動を厳しく総括して責任を明確にしなければ信頼回復は難しい。
 改ざんは昨年2月26日、特例扱いの定期借地契約を申請する決裁文書から、昭恵夫人の名前などを削除したことが始まりだ。
 当時、国会で国有地の格安売却の不透明さが追及される中、理財局総務課長らが国会議員秘書らによる照会状況を記載した文書の取り扱いを佐川氏に相談。「外に出すべきではなく、最低限の記載とすべきだ」という佐川氏の反応を総務課長らが書き直しと解釈、改ざんに至った。
 佐川氏はその後も自身の国会答弁を踏まえた内容に変えるよう念押しし、部下に「しっかり見るように」などと指示している。調査では、局長として改ざんの「方向性を決めた」と認定した。
 交渉記録を巡っては、安倍首相が昨年2月17日に「私や妻が関係していたなら首相も国会議員も辞める」と答弁したことをきっかけに、昭恵夫人の名前が入った交渉記録を確認した理財局総務課長らが他の議員秘書らによる照会記録とともに廃棄した。
 調査報告の中では佐川氏らの国会答弁と齟齬(そご)をなくして「国会質問を極力少なくする」ことがこれらの行為の目的とされている。動機は何であれ行政や議会などの民主主義制度の根幹を支える公文書の信頼性を揺るがす行為であることに変わりはない。
 安倍首相は国会などで、自身の答弁は改ざんや廃棄とは無関係、官僚の忖度もなかったと否定しているが、「1強」状態が続く安倍政権の歩みを加味すればもはや説得力のない強弁に聞こえるだろう。
 2014年の内閣人事局発足に当たって、運用次第で官僚に忖度や萎縮が生じるとの強い懸念が与野党にあった。このような事態を招くことは十分、予見でき、安倍首相には回避する重い責任が課せられていたはずだ。
 官邸と官僚との関係で言えば、13年の内閣法制局長人事が転換点になると指摘していた官僚も少なからずいる。安倍首相が集団的自衛権の限定的な行使容認に向けて、慣例を無視して同じ主張の外務官僚を起用したからだ。主張が首相と同じであれば出世し、違えば出世できない、と受け止められた。
 公文書を巡っては森友問題の他にも学校法人・加計学園を巡る問題、陸上自衛隊の日報隠蔽(いんぺい)など数え切れないほど不祥事が起きている。安倍首相は「内なる国難」を直視するべきだろう。


「森友」財務省報告 疑惑の根幹が解明されていない
 前代未聞の公文書改ざんや廃棄は、安倍晋三首相の国会答弁を機に始まっていた。政権は関与を否定し続けるが、一部官僚に責任を押しつけて幕を引くことは認められない。
 学校法人「森友学園」への国有地売却を巡る決裁文書改ざんや交渉記録の廃棄問題で、財務省は調査報告と関係幹部らの処分を公表した。当時理財局長だった佐川宣寿前国税庁長官が、政治家の名が記載された文書を「外に出すべきでない」として改ざんを主導したと認定した。
 「私や妻が関係していたなら首相も国会議員も辞める」。この安倍首相の答弁を受け、理財局では昭恵夫人の名の記された書類を慌てて探し、改ざんや廃棄を進めていた。首相や政権をかばって局長が隠蔽(いんぺい)を指示し、その下の総務課長が中核的役割を担って部下に徹底させた。組織ぐるみの不正以外の何物でもなく、国民への許されない背信だ。公務員の義務である政治的中立を無視し、国民が正確な情報を得ることで成り立つ民主主義を根幹から崩す悪質さに、改めてがくぜんとする。
 同時に、原因をつくった安倍首相をはじめ政権が「政治の関与はない」と人ごとで済ます姿勢を見過ごすことはできない。佐川氏は官邸に菅義偉官房長官を訪れ、昭恵氏付職員が国有地の賃料優遇措置に関して財務省に照会したことの報告もしていた。理財局は一連の問題行為を麻生太郎財務相に報告していないというが、不自然だ。
 これほど重大な問題を引き起こしているにもかかわらず、麻生氏が閣僚給与の1年分170万円の自主返納だけで続投を表明したことは、全く承服できない。わずか15分の会見では、改ざんが「全省的、日常的に行われていない」として「組織ぐるみ」に否定の認識を示し、動機について「それが分かれば苦労はせん」と開き直った。
 なぜ国民のために働く公務員がそんな重大な「罪」を犯したのかが分からなければ、自身や安倍首相が強調する再発防止のスタートラインにも立てない。分かるように調査し、国民に説明するのが大臣の務めであり、それができないなら、閣僚の資質を欠いていると言わざるを得ず、辞任するのが当然である。
 改ざんや廃棄だけに特化した内輪による調査も不十分だ。問題の核心は、国有地が特例ずくめの取引で8億円も値引きされて売却されたこと。改ざん前の文書からは、首相の妻昭恵氏が「いい土地ですから進めてください」と述べたと学園側が近畿財務局に伝えて以降、取引が動きだした事実が見えた。その昭恵氏の名も複数の国会議員の名も文書からは消された。不都合な真実を隠すための改ざんだったのではとの疑念は拭えない。
 大阪地検特捜部は佐川氏ら関係者の不起訴を決め、責任を不問に付した。だが、刑事責任と政治責任とは別物。国会こそが真相の解明という重大な責務を果たさなければならない。


【文書改ざん処分】麻生氏は辞任に値する
 国会にうそをつき、国民を欺いた責任はこの上なく重い。
 学校法人「森友学園」への国有地売却を巡る決裁文書改ざん問題で、財務省が内部調査結果をまとめた。理財局長だった佐川宣寿前国税庁長官が廃棄の「方向性」を決めて主導したと認定した。
 昨年2月、森友問題が国会で取り上げられ、安倍首相が「私や妻が関係していれば、総理も国会議員も辞める」と関与疑惑を否定した。調査結果はこの首相答弁が改ざんのきっかけになったと結論付けた。
 元の文書の「応接録」などには、昭恵首相夫人の名前や国会議員秘書からの照会の記載があった。佐川氏が「外に出すべきではない」と理財局内で指摘し、総務課長らがその意を「廃棄」と酌んだという。
 佐川氏も「記録は残っていない」などと虚偽の説明を重ねることになり、その国会答弁と整合させるため改ざんが繰り返された。調査では、佐川氏らが文書を十分確認しないまま、審議の紛糾を懸念し、国会質問を少なくする目的があったとした。
 首相への忖度(そんたく)がうそを生み、うそを隠すためにうそを塗り重ねていく―。国会の追及を逃れるため、調査権を骨抜きにする。国民を愚弄(ぐろう)する背信行為だ。
 改ざんに関与した理財局内には「虚偽の内容を追加しているわけではない」「本質的な内容は変わらない」といった感覚があったという。公文書管理の規範意識の欠如が甚だしい。国民への説明責任の軽視以外の何物でもない。
 財務省は一連の改ざん・廃棄は理財局限りの独断だったとし、佐川氏を最も重い停職3カ月相当とするなど関係者計20人の処分を決めた。事務次官らには監督責任を問い、麻生財務相は閣僚給与1年分を自主返納するとした。
 国民の理解を得られるだろうか。財務省のみならず、行政府全体の信用を失墜させた。国権の最高機関を1年にわたってだまし続け、審議を空費させた罪は重い。特に、麻生氏は前事務次官のセクハラ問題も含め、財務省組織を統率できていなかったのは明らかだ。
 安倍首相は麻生氏を続投させる方針で、麻生氏も調査結果を受けてなお「私のリーダーシップの下で信頼回復に努める」と言った。国民の納得は得られまい。
 調査によると、土地売却を担当した近畿財務局内には理財局からの改ざんの指示に強い反発があった。だが、その抵抗はねじ伏せられた。「書き換えをさせられた」との内容のメモを残して自殺した財務局職員を追い詰めた組織の責任は重大だ。
 麻生氏は辞任に値する。
 安倍首相は先月、文書改ざんと自らの国会答弁とは関係ないとの認識を国会で示した。調査結果と矛盾する。疑惑はなお晴れていない。佐川氏の動機や、近畿財務局の反対の訴えがなぜ歯止めにならなかったのかも不明だ。国会は審議を仕切り直し、真相を解明する責任がある。


財務省改ざん調査 忖度させた責任取れ
 財務省が、学校法人「森友学園」への国有地売却を巡る決裁文書改ざんや交渉記録廃棄について、当時理財局長だった佐川宣寿前国税庁長官の主導で理財局や近畿財務局が行ったとする調査報告を公表した。
 麻生太郎財務相や官邸側が報道まで一連の行為を全く認識していなかったのかという疑念も残る中、関係幹部・職員計20人を処分、麻生氏も閣僚給与1年分を自主返納することでこの問題に区切りを付ける構えだ。
 しかし調査は、安倍晋三首相が夫妻の関与を全面否定した国会答弁を契機に交渉記録が廃棄されたと認定している。調査を前提にすれば安倍首相らへの「忖度(そんたく)」が要因だった可能性が高くなる。
 安倍首相は改ざん、廃棄に関して「行政への国民の信頼を損なう事態」と述べているが、政治の信頼の方が損なわれている。自らの言動を厳しく総括して責任を取らなければ信頼回復は難しい。
 改ざんは昨年2月26日、特例扱いの定期借地契約を申請する決裁文書から、昭恵夫人の名前などを削除したことが始まりだ。
 当時、国会で国有地の格安売却の不透明さが追及される中、理財局総務課長らが国会議員秘書らによる照会状況を記載した文書の取り扱いを佐川氏に相談。「外に出すべきではなく、最低限の記載とすべきだ」という佐川氏の反応を総務課長らが書き直しと解釈、改ざんに至った。
 佐川氏はその後も自身の国会答弁を踏まえた内容に変えるよう念押しし、部下に「しっかり見るように」などと指示している。調査では、局長として改ざんの「方向性を決めた」と認定した。
 交渉記録を巡っては、安倍首相が昨年2月17日に「私や妻が関係していたなら首相も国会議員も辞める」と答弁したことをきっかけに、昭恵夫人の名前が入った交渉記録を確認した理財局総務課長らが他の議員秘書らによる照会記録とともに廃棄した。
 調査報告の中では佐川氏らの国会答弁と齟齬(そご)をなくして「国会質問を極力少なくする」ことがこれらの行為の目的とされているが、動機は何であれ行政や議会などの民主主義制度の根幹を支える公文書の信頼性を揺るがす愚行、蛮行であることに変わりはない。
 安倍首相は国会などで、自身の答弁は改ざんや廃棄とは無関係、官僚の忖度もなかったと否定しているが、「1強」状態が続く安倍政権の歩みを加味すればもはや説得力のない強弁にすぎない。
 2014年の内閣人事局発足に当たって、運用次第で官僚に忖度や萎縮が生じるとの強い懸念が与野党にあった。このような事態を招くことは十分、予見でき、安倍首相には回避する重い責任が課せられていたのだ。
 官邸と官僚との関係で言えば、13年の内閣法制局長人事が転換点になると指摘していた官僚も少なからずいる。安倍首相が集団的自衛権の限定的な行使容認に向けて、慣例を無視して同じ主張の外務官僚を起用したからだ。主張が首相と同じであれば出世し、違えば出世できない、と受け止められた。
 公文書を巡っては森友問題の他にも学校法人・加計(かけ)学園を巡る問題、陸上自衛隊の日報隠蔽(いんぺい)など数え切れないほど不祥事が起きている。安倍首相は「内なる国難」を直視するべきである。(共同通信・柿崎明二)


[「森友」調査報告] 忖度させた責任は重い
 財務省は、学校法人森友学園への国有地売却を巡る文書改ざん問題の調査報告をまとめた。
 改ざんは理財局内で行われ、麻生太郎財務相をはじめ官房や他局幹部の関与はなかったと結論づけた。その上で、動機は当時理財局長だった佐川宣寿前国税庁長官が行った国会答弁と整合性を取るためだったとしている。
 報告と併せて、佐川氏を「停職3カ月相当」とするなど、関係した本省幹部や近畿財務局職員など計20人の処分も公表した。
 森友問題を巡っては先週、大阪地検特捜部が同省幹部らを不起訴とした。同省は今回の調査報告と処分で一連の問題に区切りをつけたいのだろう。
 だが、公文書改ざんという前代未聞の不祥事が、理財局内部だけで引き起こされたとは信じがたい。国会の追及を乗り切るためにこんなリスクを冒すだろうか。
 国会の証人喚問では、検察の捜査を理由に証言を避け続けた佐川氏である。国会で再喚問の場を設け、改めて納得のいく説明をしてもらいたい。
 報告で注目されるのは、森友側との交渉記録廃棄のきっかけが、安倍晋三首相が夫妻の関与を全面否定した昨年2月の国会答弁だったと認定したことだ。
 首相答弁を契機に昭恵首相夫人の名前の入った交渉記録の存在を確認し、他の議員秘書らによる照会記録とともに廃棄した。
 改ざんは、特例扱いの定期借地契約を申請する決裁文書から、昭恵夫人の名前などが書かれた経緯を削除したことから始まった。
 国会で森友問題が連日取り上げられる中で、理財局総務課長らから文書の取り扱いの相談を受けた佐川氏が「外に出すべきでない」と応じたという。
 首相は、先月の国会審議で記録廃棄や文書改ざんは自身の答弁と無関係だと強調したが、この矛盾をどう説明するのか。
 これこそ、首相の答弁とつじつまを合わせようと官僚たちが「忖度(そんたく)」した証しではないか。
 近畿財務局では、不本意な文書改ざんを強いられた職員が自ら命を絶つという悲劇があった。安倍首相は忖度させた責任の重さを自覚すべきだ。
 麻生氏は閣僚給与1年分を自主返納するが、大臣は続投する意向だ。今回の調査中に「どの組織でもあり得る」と言い放った麻生氏である。再発防止の徹底を託せるのか疑わしい。
 この調査結果を受けても、国有地売却に際して大幅に値引きされた経緯などは不明のままだ。国会での徹底解明が欠かせない。


森友問題 検査院報告への対応協議メモ 共産党公表
 学校法人「森友学園」への国有地売却を巡り、共産党は5日、財務、国土交通両省の局長が昨年9月、会計検査院報告への対応を協議した際のメモとされる文書を公表した。検査院が推計したごみ撤去費について、財務省側が「総額を消すことが重要」と語ったなどと記され、同党は「検査への働きかけの証拠だ」と指摘した。
 宮本岳志衆院議員らが公表した。文書によると、財務省の太田充理財局長と国交省の蝦名邦晴航空局長が、国有地売却の妥当性を検査していた会計検査院への対応を協議。ごみ撤去費を報告書に掲載するのを見送らせ、「失点を最小限にする」などのやり取りがあった。蝦名氏は5日の衆院財務金融委員会で「メモは現在も探索中」と答弁した。
 同党は、国交省が検査報告書原案への意見をまとめた内部文書も入手したとして公表。「撤去費の試算額を示すことは無用の混乱を招く恐れがあり、撤回を強く要請する」などと記されていた。
 検査院関係者によると、検査対象に報告書原案を示して事実確認し、意見が返されることは珍しくないが、報告内容の根幹には影響しないという。
 また、太田理財局長は5日の同委で、近畿財務局が国有地取引問題発覚直後の昨年2月、学園への報道機関の取材状況を問い合わせた「応接記録」にも改ざんの疑いがあると明らかにした。今年3月の同党からの資料請求に、詳細なやり取りを省いてA4判1枚に要約した文書を提出した。太田氏は「国会の質問材料を減らすため要約した。『改ざん』と言われるのも理解できる」と謝罪した。【杉本修作、渡辺暢】


神戸いじめ自殺 不信招いた市教委対応
 2016年10月に起きた神戸市立中3年女子生徒の自殺を巡り、市教委の担当者と当時の校長が、いじめの事実や加害者側の名前が記載された聞き取り調査のメモを隠していたことが分かった。
 遺族に対してメモの存在を否定し、市教委の設けた第三者委員会にも破棄したと説明していた。
 第三者委は独自に調査を行っていじめを認定したが、自殺との関連は不明とした。
 メモの中身が明らかになっていれば、異なる結論が出ていた可能性もある。隠蔽(いんぺい)を疑われても仕方あるまい。遺族が怒りと不信感を募らせるのは当然だ。
 徹底的な調査で真相と背景を解明する必要がある。
 メモは、自殺の5日後に友人らから聞き取って作成された。
 しかし、当時の校長から相談された市教委の指導主事は、メモは存在しないとするよう指示した。
 このため、遺族や第三者委だけでなく、遺族が神戸地裁に申し立てた証拠保全手続きでもメモは提出されていない。
 昨年8月、後任の校長がメモの存在を連絡したが、市教委は確認せず、今年4月になって、ようやくメモが学校内に保管されていたことが発覚した。
 指導主事らは、メモが存在し、情報開示請求を受けた場合、固有名詞を伏せるといった処理が煩雑になることを懸念したという。
 この言い訳が事実とすれば、度し難い事なかれ主義と言うほかない。いじめの意図的な隠蔽と五十歩百歩である。
 指導主事が単独で判断したというが、なぜそんなことが見過ごされたのか。市は再調査で組織の体質に踏み込んでもらいたい。
 もちろん、いじめの調査と公表は慎重さが求められる。だからこそ、教育現場の適切な対応を支える教委の役割は重要だ。
 いじめ防止対策推進法は、再発防止のための調査と保護者への十分な説明を定めている。
 17年3月には、調査に関するガイドラインも公表された。教委と学校に対し、不都合なことがあっても全てを明らかにし、自らの対応を見つめ直すよう求めている。
 不誠実な対応は、遺族を傷つけるだけでなく、いじめを受けている他の子どもにも無力感を与え、追い込んでしまいかねない。
 本年度は、いじめ対応などの相談に乗る弁護士を学校に派遣する制度も始まった。こうした仕組みも活用しつつ、教委と学校の意識改革を急がねばならない。


問われるのは自民党の責任だ
 ★「閉会後にのろしを上げるのかと思っていたが、国会が延長になることからどうやら野党の攻撃との相乗効果を狙うようだ」とはある自民党議員の声だ。9月にある自民党総裁選挙。政権は既に強引な政治を行う死に体ながら、首相・安倍晋三を支える官邸の政治家や官僚、側近たちによってあたかも何事もないように振る舞っているが、既に自民党の物差しから見ても相当に逸脱した内閣といえる。 ★それでも自分たちが選び支えた総裁を引きずり降ろすことは並大抵ではない。ただ国民から信用されず、責任を取らない政治の横行を阻止できなくて政権政党の責任はないのだろうか。冒頭の自民党議員の声は1つは党総務会長・竹下亘の「役所の不祥事も最終的には安倍晋三首相の責任であり、それぞれの担当の政治家が真正面から受け止めるのが政治のあるべき姿だ」との発言。もう1つは元首相・福田康夫の「おとがめなしになってしまったのは、あの事件で(近畿財務局職員が)自ら命を絶ったことはどうなるのか、ずいぶんギャップがある」の一言。「一点の曇りもない」と言い張る政府への直言だ。 ★そして元環境相・鴨下一郎は「日大の理事をやっている。これからどういうふうに、違反タックルをやったあの学生を救済するのがいいのか、大人たちがどう責任を取ったらいいのか」と日大と今の政局をなぞらえ責任問題に言及した。また政調会長代理・田村憲久は「加計さんが記者会見をするのも1つではないか」と首相の友人で国会で議題になって以来、公の場所に一切出てこない加計学園理事長・加計孝太郎を引っ張り出すべきとの考えを示した。鴨下、田村は石破派ではあるが、党内の危機感と自浄能力が言わせたことも分かる。国会開会中に事態は動きだすか。問われるのは自民党の責任だ。

開館70年の国会図書館
 きょう5日は国立国会図書館の開館記念日。国会議員の調査研究に資するため1948年6月5日に開館し、70年を迎えた。議員に限らず国民も情報を持つことが民主主義に不可欠とし、国民へのサービスも事業の柱に据える▼インターネットの普及とともに始めたのが、所蔵資料のデジタルデータ公開。開館50年の98年6月に始まった。業務の拠点は京都府精華町の関西館にある▼江戸期以前の和漢書や1968年までの図書や雑誌、憲政資料など266万点をデジタル化、うち著作権が切れた図書など53万点をネットで公開している▼ホームページに「国立国会図書館デジタルコレクション」があり、項目ごとの閲覧や単語検索ができる。「スポットライト」として東京市(当時)が編集した昭和天皇即位礼記録「昭和御大礼奉祝志」も紹介されている▼ネット非公開でも、入手困難な絶版書など150万点は「図書館送信」に参加している公共図書館でデータを利用できる。ただ、デジタル化できるのは年間2万数千点。所蔵資料全ては難しく、災害記録などを優先して進めている▼デジタル化で図書などの文化的資産が共有され、原資料の保存にも役立つ。公文書の扱いが問われているが、図書や雑誌も大切な国の財産だ。次代に伝える意義を確かめたい。

"立て看板"の消えた京大になにが残るのか 大学の強制撤去を早大教授が批判
京都大学のキャンパス周辺に設置されていた立て看板が、大学当局により強制撤去された。撤去の発端は、大学が京都市から景観条例にもとづく行政指導を受けたことだった。だが景観条例を理由に、立て看板を撤去することは妥当なのか。早稲田大学の卯月盛夫教授は「今回の取り組みは評価できない」と警鐘を鳴らす。その理由とは――。
早大教授「今回の取り組みは評価できません」
「京大名物」と言われてきた吉田キャンパス周辺の立て看板が、昨年末から規制され、今年5月に入って京都大学当局によって強制撤去された。現役学生やOBの一部は「京都大学の文化がなくなる」といった嘆きの声をあげている。
撤去の発端は、昨年10月、京都大学が京都市から屋外広告の規制条例に違反するとして文書で行政指導を受けたことだった。行政指導を受け、京都大学は12月に看板の設置場所を指定場所に限るという規定を策定。規定に合わない看板については、今年5月、強制撤去した。
大学側は「京都市屋外広告物に関する条例」を根拠としている。だが、都市デザインを専門とする早稲田大学の卯月盛夫教授は「今回の取り組みは評価できません」と大学と市の判断を真っ向から否定する。
「理由は2つあります。1つは、条例が基本的に民間の商業広告を規制するものであるからです。具体的には、繁華街にある飲食店などの看板が想定されており、京都大学を含む教育機関や公共施設については触れられていないのです。条例のガイドラインには、最後の行に「商業広告以外の営利を目的としないものも含みます」と書かれていますが、そうした曖昧な規定を根拠にするのは乱暴です」
「本来であれば公共性の強い京都大学のような場合は、大規模な教育機関の土地利用として京都市は別途詳細なガイドラインを設けるべきです。大学の立て看板を民間の看板と同じ内容で規制をかけようとしていることに違和感を感じます」
さらに2つ目にあげるのが、ガイドラインには「屋外広告物とは常時または一定期間掲示されるもの」と記述があるが、その期間が曖昧であるという点だ。
「自治体によりますが、例えば横浜市のみなとみらい地区では一定期間を10日間と定め、イベントの数日間は派手な看板を出せるようになっています。このような具体的な期間を定めているならまだしも、京都市はそれを明確にしていません」
つまり、条例の規制対象は商業広告を想定している点と、掲示期間の定義が不明確という点が、規制するのに無理があるというわけだ。この2点をクリアできなければ、条例を根拠とするのは乱暴であるという印象がぬぐえない。
大学の立て看板撤去はサークル活動を衰退させる根拠
また、このような法的な問題以上に、議論が盛り上がることになったのが、立て看板とともに学生文化が消滅するという文化的観点だ。
京都大学の吉田寮に住んでいたという43歳のOBは「50年来の伝統なので、あれこそが景観じゃないか。自然消滅するならわかるが、人から言われてなくすものじゃない」と語気を強める。
このOBは、学生の対応をみて「大学に抗議するより議員や市長に訴えたほうが効果的なのでは」と提案するが、しかしどう闘ってもこのような訴えはむなしく終わる可能性がある。かつて法政大学で、同じように規制され、結局、立て看板という学生文化が消えてしまったからだ。
2006年の立て看板規制について、当時学生だった32歳のOBはこう振り返る。
「法政大学は2006年にキャンパスの立て看板規制を強いられました。大学当局のブランディングの戦略上、古臭く貧乏臭いイメージを払拭するのが目的だったのでしょう。新左翼セクトの中核派を中心に強い反対運動が起こりましたが、規制から10年以上がたち、立て看板の文化はほとんど残っていません。縮小されたスペースでかろうじて生き残っていますが、現役学生はほとんど使っていないようです」
ただし、別の法大OBは「京大は法政ほど規制がスピーディに進むとは思いません」と推測する。
「京都大学は大学院生も多く、4年以上在籍する人も珍しくない。寮があるので大学を居場所にする人が多いからです」
しかし、京大を取り巻く状況は厳しい。規制強化の対象は立て看板だけではない。もうひとつの名物学生寮「吉田寮」にも寮生の退去命令が出されているからだ。京大の学生文化は深刻な危機にある。ある京大OBは「サークル活動で親しまれている西部講堂の利用規制も進むのではないか」と懸念する。
立て看板規制は受け入れるしかないのか?
では規制が強まる中で、立て看板に関してどのように決着をつけるべきなのだろうか。前出の卯月氏は、「京都大学周辺の地域特性を踏まえた新たな規制を作るべき」と提言する。
「ガイドラインの基本的な方針には『地域ごとの地域特性を踏まえた規制にすること』と書いてあります。京都市は観光都市であるだけでなく、大学都市も標榜しています。多くの大学が存在し若者の活気があることを京都市はポジティブに捉えているわけです。であれば、地域特性として基本的な方針に倣うべき。京都大学の立て看板をネガティブに評価することは、問題をよりこじらせてしまうことになるでしょう」
本当に「地域特性」という解釈が通じるのだろうか。他の自治体をみれば、前例はあると卯月氏はいう。
「地域の活性化のため、野球場やサッカースタジアムを造ることがありますが、チームカラーの赤や黄色が、屋外広告条例に違反しているとみられるほど大きく展開されているケースがあります。ですが、それが人の賑わいを誘っていれば、自治体はそれを地域特性として、その賑わいのある景観をポジティブに評価しているのです。そうした事例があることを考えれば、京都大学の立て看板も地域特性として受け入れられる余地はあるでしょう」
具体的な方法としては、学生側が自主的なルールを作成して議論を進めていくことがふさわしい、という。
「京大の歴史や地域の特性を踏まえ、学生が自主的なルールを作成し、京都市と京都大学と一緒に議論する場を設ける。ルール作りには1年くらいの時間をかけたほうがいいでしょう。これは、過去の京都市の景観に関する取り組みをさかのぼってみても、妥当といえます。11年前、京都市が新景観政策を発表して反対運動が起きた際、『子どもたちに京都のよさや美意識を伝えるため、伝統的な寺院がある町にけばけばしい色彩や醜い看板は好ましくない』と市長自らが教育のための景観政策だと訴えた歴史があります。私はこれを高く評価しています。当時のこの教育意識があれば、『京都市の景観の問題をみんなで考えましょう』とするのが、本来京都市のあるべき姿勢です」(卯月氏)
つまり立て看板規制を単なる「ベニヤ板を巡る議論」と捉えると、大きく事態を見誤ることになる。景観条例の解釈、学生文化の衰退という2つの危機に加え、根本的な問題は「自治体との話し合いが設けられていない」という点にあるからだ。
OBたちからは影響を最小限にとどめるためにも、立て看板が景観として受け止められる可能性を模索すべきという声が挙がっている。看板が撤去されたいま、それは果たして可能なのだろうか。一度、失われた文化を取り戻すことは簡単ではない。
亀山具依(かめやま・ぐい)ライター 1990年生まれ。4年半のOL生活を経て、現在はフリーのライターとして活動。体験や企画、潜入レポートを好む。週に一度、歌舞伎町のバーに勤める。


非正規の待遇格差、「正社員だから優遇」はもう終わり…正当性がなければ違法に
正社員と非正社員の待遇格差をめぐる2つの訴訟の判決が6月1日、最高裁第2小法廷(山本庸幸裁判長)で言い渡され、労働契約法20条が禁じる不合理な格差についての初判断が示された。
ハマキョウレックス事件では一部の手当について正社員との格差が違法と認定された一方、定年後に再雇用された非正社員(形式上は有期契約)が起こした訴訟(長澤運輸事件)では基本給や多くの手当の格差が不合理とは言えないと判断された。
今回の最高裁判決をどう見ればいいのか。企業や労働者にどのような影響を及ぼす可能性があるのか。労働者側の立場から労働事件を広く手がける河村健夫弁護士に聞いた。
●何が労働契約法20条の違反か、下級審の判断がバラバラだった
労働契約法20条は、非正規雇用のうち半年や1年など期間ごとに契約を更新する「有期労働契約」に対する不合理な差別を禁じていますが、その条文はとても分かりにくいものです。格差が不合理か否かを判断するには、(1)業務の内容や責任の程度(2)内容や配置の変更の範囲(3)その他の事情ーーの3要素を考慮するとしています。
これだけを見ると「同一労働同一賃金」を定めた条文かと思うかもしれませんが、そうではありません。
あくまで「有期雇用」の社員と、「正社員」と呼ばれる「無期雇用」労働者との間で労働条件に差があることを自体は前提としながらも、「いろんな事情を考えても不合理だよね」「この格差は差別だね」という場合に違法とするにとどまります。
労働契約法20条は、2013年の改正労働契約法の施行により認められました。しかし、有期雇用者に対するどのような「差別」が労働契約法20条違反となるかについては下級審の判断内容や判断手法がバラバラであったため、最高裁の判断が注目されていました。
●ハマキョウレックス事件の最高裁判決
まず、ハマキョウレックス事件の最高裁判決について検討します。
ハマキョウレックス事件は、運輸業を営む会社でドライバーとして勤務していた有期雇用の従業員が、無期雇用者(正社員)には支給されている(1)無事故手当、(2)作業手当、(3)給食手当、(4)住宅手当、(5)皆勤手当、(6)通勤手当ーーの6つの手当について有期雇用者に支給されないのは不当だとして提訴していました。
高等裁判所は、上記のうち(1)無事故手当(2)作業手当(3)給食手当(6)通勤手当の不支給を違法としましたが、最高裁はこれに加えて(5)皆勤手当の不支給も労働契約法20条違反と判断しました。
最高裁は手当の性質を個別にチェックし、手当の趣旨が有期雇用にも無期雇用にも該当するのであれば有期雇用への不支給を違法としました。逆に、手当の趣旨が無期雇用にのみ該当すれば不支給は適法としました。
例えば、有期雇用者には(4)住宅手当が支給されないことについて適法としています。この会社では、無期雇用者のみ転勤があるためでした。
ただし、最高裁は労契法20条に違反した場合に、会社に賠償義務があるとの判断を示しましたが、有期契約者の労働条件が無期契約者の労働条件と同一のものに置き換わる効力(補充効)は認めませんでした。
●長澤運輸事件の最高裁判決
次に、長澤運輸事件の最高裁判決を見ていきます。
長澤運輸事件は、同様に運輸業を営む会社でドライバーとして勤務していた有期雇用の従業員が、無期雇用者(正社員)には支給されている(1)能率給、(2)職務給、(3)賞与、(4)精勤手当、(5)住宅手当、(6)家族手当、(7)役付手当、(8)超勤手当について有期契約者には支給されないのは不当だとして提訴していたものです。
ただし、この事件で提訴した従業員は、
(1)もともと長澤運輸で無期雇用であったが定年後の再雇用によって有期雇用になった、
(2)「定年前の無期雇用者と、定年後再雇用の有期雇用者の業務内容等にまったく変化はない
という2点の特殊性がありました。
最高裁は、この事件でも手当などを個別的に検討する姿勢を見せ、(4)精勤手当、(8)超勤手当に関する不支給を労契法20条に違反するとしました。
最高裁が多くの手当や給与項目につき「適法」と判断したのは、定年後の再雇用であったことを極めて重視したからです。(1)定年後の再雇用は長期間の勤務を予定していない、(2)再雇用の前は無期雇用であった、(3)一定条件で年金も受給できるーーなどの理由を並べ、まったく同じ仕事をしていながら約20%もの賃金切下げを内容とする劣等処遇について、概ね適法と判断しました。
●経営側は「優遇を正当化しうるだけの職務内容」を準備する必要がある
では、これまで見てきたことを踏まえて、今後どのような影響があるか考えたいと思います。
まず今回、一部の手当は労働契約法20条違反に当たらないとの判断が示されましたが、どの会社も手当を支給しないまま逃げ切れるとは限らないと考えます。
最高裁は、労契法20条に違反するか否かについて、賃金項目・労働条件の趣旨や内容を個別にチェックする態度を示しました。そのため、単純に「住宅手当は有期雇用者に対して支給しなくても適法」などと考えるのは誤りです。
無期雇用者(正社員)を優遇するのであれば、優遇を正当化しうるだけの職務内容を準備しておかなければ違法となる、という現実を経営側も直視する必要があります。
●正社員と非正社員で連帯を
また、有期雇用者は無期雇用者と連帯する必要があります。先ほども述べましたが、最高裁は労働条件が置き換わる効力(補充効)を認めていません。そのため、無期契約者との間の具体的な差額を請求しなければ、労契法20条違反と認めてもらえません。
例えばハマキョウレックス事件では、6つの手当以外にも「家族手当」「賞与」「退職金」等が有期雇用者には支払われていませんでした。しかし、無期雇用者に支払われた「賞与」「退職金」などの具体的な金額が不明であったため、無期雇用者との差額を請求することができませんでした。そのため、最高裁でも「賞与」「退職金」等については労契法20条に違反するか否かの判断をしていません。
一般的に有期契約者は職場では少数派であり、社内の人間関係も緊密とは言い難い立場に置かれています。その上、他人の給料の中身はただでさえ聞くことがはばかられるもの。有期雇用者が無期雇用者に「給与明細見せて」などと、とても言えない状況でしょう。
しかし、最高裁判決を踏まえると、有期雇用者は無期雇用者と連帯し、それぞれの給与項目や労働条件を照らし合わせて提訴することで「勝率」を上げることが可能と言えます。最高裁判決は、結果として、有期雇用者と無期雇用者の連帯を促すことになるのではないのでしょうか。
●「正社員だから」優遇される時代は終わった
2つの最高裁判決は、無期雇用者を「優遇」するにはそれなりの正当性がなければダメだと、詳細に各種手当の性格を分析してみせました。「無期雇用者(正社員)だから」という理由のみで優遇される時代は終わったということです。
私は、今回の判決は劣等な処遇を受けている有期雇用者だけではなく、無期雇用者の中でも広く関心を呼ぶと考えています。それは、無期雇用者の中でも、職務内容を正しく反映した給与等の労働条件設定が行われていないと感じる人が多数存在するからです。若年層からの「仕事ができない高給取りのバブル世代」といった批判は世に溢れていますし、年功序列型の賃金制度に対する疑問の声も珍しくありません。
今回の最高裁判決は、無期雇用者の給与などの労働条件を優遇するなら、それなりの責任とリスクを取ってもらうことを求めています。最高裁判決に合わせて会社の雇用制度が改善されることにより、同一労働同一賃金に関する社会の意識と法制度にも変化が見られるでしょう。その意味で、今回の最高裁判決は有期雇用に関する判決という以上の影響力を持つと思います。
●「こんな劣等処遇はおかしい」声をあげよう
2つの最高裁判決は、訴えられた会社における無期雇用者と有期雇用者に関する労働条件を、個別具体的に検討しています。その上で、ハマキョウレックス事件では6つの手当のうち5つを違法とし、「定年後の再雇用だから」と多くの手当を却下した長澤運輸事件でも、2つの手当について労働契約法20条違反を認めました。
今回裁判の当事者となった2つの会社が、特殊な会社というわけでもないでしょう。日本のほとんどの会社は、有期雇用者に対して労契法20条に違反する労働条件を設定している可能性が高いと考えています。
労契法20条はとっつきにくい条文ですし、最高裁判決も有期雇用者から見れば不十分な内容でありますが、活用しない手はないと考えます。「こんな処遇はおかしい」と感じた有期雇用者が次々と声を上げることで、有期雇用者に対する劣等処遇を是正させることができるでしょう。
かつて、日本では女性が男性に比べて何年も早く定年になることが平然とまかり通っていました。しかし、今や男女が同年齢で定年を迎えることが常識です。それと同様に、「非正規雇用に対する劣等処遇なんて許されていたのか」と言われる未来を切り開くため、今回の最高裁判決が活用されることを望んでいます。

スイカおいしい・小2つも食べた/速達届く

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和光市フッ素180319

Les seniors japonais cherchent leur place dans la société
Le Japon vieillit à une vitesse record : en 2035, les plus de 75 ans représenteront 20 % de la population.
L’ancien premier ministre, Yasuhiro Nakasone, qui occupa ces fonctions de 1982 à 1987 et resta longtemps une figure de la politique japonaise, vient de fêter son centième anniversaire. L’empereur Akihito, âgé de 84 ans, se retirera l’année prochaine… Le Japon vieillit à une vitesse record – un Japonais sur sept est âgé de plus de 75 ans. Ses conducteurs aussi prennent de l’âge. Il y a une semaine, une nonagénaire a fauché des piétons à un carrefour dans la ville de Chigasaki, au sud-ouest de Tokyo, tuant une femme et blessant quatre autres personnes.
Les accidents de la route dus aux seniors
Ces drames émeuvent l’opinion et relancent périodiquement le débat sur les moyens d’affronter un vieillissement rapide – conjugué à une dénatalité qui ne l’est pas moins – et de la place des seniors dans la société. Selon les projections de l’institut pour la population et la sécurité sociale, en 2035 les plus de 75 ans représenteront 20 % la population ; trente ans plus tard, celle-ci sera tombée de 126 millions de 2015 à 88 millions, dont 40 % auront plus de 65 ans.
Dans le cas de la sécurité routière, les accidents ont atteint leur niveau le plus bas en 2016, mais le nombre de ceux dus à des seniors de plus de 75 ans a presque doublé. Aussi, le gouvernement a-t-il renforcé les examens périodiques de renouvellement de permis de conduire (tous les trois ans dans le cas de personnes âgées de plus de 75 ans). Ceux qui n’ont pas satisfait aux épreuves (vue, réflexes, maîtrise du véhicule) doivent passer un examen médical et leur permis de conduire peut être révoqué.
Les autorités incitent aussi les conducteurs seniors à renoncer volontairement à leur permis de conduire. Dans un pays où le civisme est de mise, au cours des cinq dernières années, plus de 400 000 seniors ont obtempéré sous la pression de leur famille ou par décision personnelle. Mais le renoncement à conduire est difficilement accepté dans les régions reculées. Sans voiture, les personnes âgées toujours valides perdent leur autonomie pour faire leurs courses, se rendre chez le médecin, voire effectuer un petit travail.
Dans les grandes villes, elles peuvent se débrouiller avec les transports en commun, mais dans les provinces, la privatisation des chemins de fer s’est traduite par la fermeture des lignes non rentables, tandis que l’exode des jeunes vers les villes a réduit le nombre des conducteurs de bus, de taxis ou de véhicules de livraison. Beaucoup de villages sont isolés et la voiture est une nécessité. Renoncer à conduire dans ces régions désertifiées devient un problème social.
Pour la retraite à 75 ans
La plupart des seniors vivent seuls – et beaucoup meurent seuls. Le Japon investit dans les industries du troisième âge, tel que le robot d’assistance domestique. Mais d’un point de vue psychologique, conserver une activité est essentiel pour les personnes âgées, tant qu’elles en ont la force. Le taux d’activité des seniors au Japon est élevé au point que des gériatres ont lancé un lancé une campagne en faveur du passage de l’âge de la retraite de 60 à 75 ans.
Pour des raisons à la fois culturelles et économiques, beaucoup de seniors japonais continuent à travailler au-delà de l’âge de la retraite. La pension pleine n’est versée qu’à 65 ans, et, dans l’intervalle, ceux qui en ont la possibilité continuent à travailler dans la même entreprise avec un salaire moindre et un statut différent. D’autres trouvent des emplois dans le secteur tertiaire qui offrent une vaste gamme de travail à temps partiel – contribuant à la qualité inégalée du service dans l’archipel, des supérettes ouvertes 24 heures sur 24 aux
administrations, et réduisant le taux chômage (3 %), mais augmentant la précarité
chez les jeunes.
Les moins qualifiés ou moins chanceux des seniors travaillent, casqués et sanglés dans des uniformes, à régler la circulation à proximité des chantiers de construction ou des travaux de voirie. Ils sont des dizaines de milliers à travers le Japon à effectuer ce travail, pour lequel ils sont recrutés par des agences spécialisées dans la sécurité des sites de construction. Les Japonais seniors travaillent par nécessité (en raison de l’insuffisance des retraites) mais aussi par souci de rester dans le flux de la vie active.
Même si le Japon parvenait à relancer la natalité (que depuis un demi-siècle, les gouvernements successifs ont été incapables d’enrayer), le redressement prendrait des décennies et l’allongement de l’espérance de vie continuera à poser de manière aigue la question de la place des seniors dans la société. ≪ Si les seniors peuvent continuer à travailler, leur contribution à l’économie en termes de production comme de consommation réduira la charge sociale du vieillissement ≫, estime l’économiste Atsushi Seike, ancien président de l’université Keio, à Tokyo. Encore faut-il leur en donner les moyens. Comme aux plus jeunes d’avoir des enfants.
フランス語
フランス語の勉強?
小西ひろゆき (参議院議員)@konishihiroyuki
かつての官僚経験からも断言するが、官僚は国会質問の数が増えるくらいでは改ざん・廃棄などしない。財務官僚は、官邸指示か自らの忖度によって違法行為に及んだに違いない。しかし、「安倍政権を守るために改ざん・廃棄した」と報告書に記述すると安倍内閣の辞職に直結するので隠ぺいしたのだろう。

守口の商店街で徳用スイカを買って,ランチは門真へ.以前ハワイアンがあったところ,今はインド・ネパール料理になっているところでカレーを食べました.ナンがおいしいです.
Wの人たちと曲線を描くのを試みましたがなかなか難しいです.
さて冷蔵庫に入れておいたスイカは冷えているので早速食べるとおいしいです.小さいスイカ2つですが全部食べてしまいました.
仕事を終え部屋にたどり着くと速達が届いていました.

<宮城県沖地震40年>集団移転の住民、地域活動担い地元と融和
 1978年6月12日の宮城県沖地震発生から間もなく40年となる。大規模な地滑りで防災集団移転の対象となった仙台市太白区緑ケ丘の住民は、約4キロ西に新たなコミュニティーを築いた。東日本大震災の被災地で集団移転などによる地域づくりの模索が続く中、38年の歴史を刻んだ移転団地から見えるものは何か。現状と歩みを追った。(報道部・菊池春子)
◎高齢化、新たな課題に
 「おはようございます」「体調はどう?」
 5月13日朝、太白区山田北前町。地域の自治会「山田住宅町内会」の定例の公園清掃に約20人が集まり、声を掛け合う。うち7人は宮城県沖地震に伴う移転者。近年引っ越した新住民を交え、共に汗を流す。
 「緑ケ丘から来た人もそうでない人も、もはや垣根がなく分からないほど」。地震前から暮らす町内会長の荒裕道さん(69)はこう話し、それぞれが地域の一員として町内会活動などを支えていると実感する。
 宮城県沖地震で住宅損壊などの大きな被害を受けた太白区緑ケ丘1、3丁目は、地震後の80年までに約20世帯が山田北前町に移転。大都市部で発生した災害としては初の防災集団移転で、住民らは手探りで生活再建を余儀なくされた。
 「みんな二重ローンを抱え大変な時期だった。移転者同士でお茶飲み会や忘年会などをして支え合った」。移転者の一人、佐藤啓子さん(77)は振り返る。
 移転後、町内会活動を始める際には単独か、近隣と一緒になるか住民で協議した。「罹災(りさい)者会」の世話人だった夫の故洋夫さんらが移転者らの意向を集約し、現在の町内会に加入。世帯数が少なく地元との連携が必要と判断したという。
 「当時の町内会長が度々訪ねてくれ、温かく受け入れてもらった」と振り返る佐藤さん。洋夫さんは町内会の役員に就き、移転者らも清掃などの当番を担う中で一体感が醸成された。
 地域住民によると、山田北前町は戦後、大陸からの引き揚げ者や仙台空襲の被災者の住宅が整備されたエリア。荒さんは「新住民を受け入れやすい土壌があったかもしれない」と言う。
 国土交通省のまとめでは、2011年の震災では岩手、宮城、福島3県などの計332地区、8395戸が集団移転の対象となった。災害公営住宅を含め数百世帯規模で新たな団地が形成され、コミュニティーづくりに腐心する地域があるほか、近隣の既存住宅地との融和が難しかったり、高齢化が進んだりと数多くの課題が存在する。
 山田北前町への移転から38年がたった緑ケ丘地区の被災世帯は世代交代が進み、現在残るのは11世帯。当初の約半分になった。お年寄りの独居世帯も増えており、コミュニティーの維持は曲がり角を迎えている。
 佐藤さんは集団移転で再出発したこれまでを振り返り、「住民同士のコミュニケーションが大事。リーダーとなる世話役の存在も大きい」と強調。「地域全体が高齢化している今、再びお茶会などで孤立防止を図れないか」と模索する。
[宮城県沖地震の防災集団移転]地震発生から2年後の1980年、仙台市は太白区緑ケ丘1、3丁目の一部を災害危険区域に指定。住宅新築を制限し、国や自治体が移転費用などを一部負担する防災集団移転が実施された。国土交通省によると、宮城県沖地震以前、東北で集団移転が行われたのは集中豪雨や山崩れの被害を受けた黒石市、山形県大蔵村などで、都市部の住宅地では初めて。太白区緑ケ丘地区は東日本大震災でも地滑り、地割れなどが発生し、4丁目の一部が防災集団移転の対象となった。


<むすび塾>南海トラフ備え確認 静岡新聞社と共催
 東日本大震災の教訓を今後の備えに生かすため、河北新報社は3日、巡回ワークショップ「むすび塾」を静岡市駿河区広野地区で開いた。静岡新聞社との共催で通算78回目。南海トラフ巨大地震への懸念が高まる中、静岡新聞社などが開発した防災アプリを使った避難訓練を行い、都市型津波への備えを話し合った。
 駿河湾に面する駿河区は、静岡県が2013年にまとめた地震被害想定で50センチ以上の津波が最短約3分で襲来、最大12メートルの津波が約16分で到達するとされる。
 訓練は県の想定に基づき、マグニチュード(M)9級の地震が発生したとの設定で実施。広野地区住民ら10人が参加し、東日本大震災の被災者3人や研究者らも同行した。防災アプリを使い、漁港や公園から避難場所までの距離や移動時間などを計測するシミュレーション機能も活用した。
 訓練後、同地区の静岡広野病院であったワークショップでは参加者ら14人が実践内容を振り返り、震災を教訓に地域の防災・減災に向けて活動を強化する考えを示した。
 静岡大防災総合センター長の岩田孝仁(たかよし)教授は「語り合いで浮かび上がった課題を一つずつ実行していくことが大切。地域全体を巻き込み、防災の取り組みを進めてほしい」と話した。
 河北新報社は14年から地方紙連携によるむすび塾を展開しており、共催むすび塾は通算12回目。静岡新聞社との共催は初めて。


手作り公園ひとまず幕 石巻・小渕浜 園内にカプセル、再会誓う
 東日本大震災で甚大な被害を受けた宮城県石巻市小渕浜で3日、NPO法人が2014年4月に整備した「みかん公園」の閉園会が開かれた。地区の支援活動に関わる県内外のボランティアや住民らが公園の一角にタイムカプセルを埋め、10年後の再会を誓った。
 公園は、全国各地の災害被災地を支援するNPO法人「幡ケ谷再生大学復興再生部」(東京)が、「がれきの中を走り回る子どもたちに、安全な遊び場を作ってやりたい」という地区の漁業木村美輝さん(48)の要望を受けて企画。約500平方メートルの住宅跡地を借り、13年4月から約1年かけて遊具や花壇を備える公園を完成させた。
 子どもたちの貴重な遊び場として親しまれたが、当時の小学生らは成長し、住宅の高台移転に伴って生活圏も離れたことから、公園の役割に一区切り付けようと閉園を決めた。土地を提供した小池智美さん(41)は「閉園は寂しいが、小渕浜に住む私たちにとっては前進なのだと思う」と力を込める。
 閉園会には約190人の関係者が集まり、同法人に参加するアーティストらのライブなどを楽しんだ。園内に10年後の自分への手紙を入れたタイムカプセルを埋め、再会を約束するメッセージを刻んだ石碑を設置した。
 同法人の代表を務めるロックバンド「BRAHMAN(ブラフマン)」のTOSHI−LOWさん(43)は「閉園しても縁が切れるわけじゃない。これからも小渕浜に足を運ぶつもり」と話した。


北限オリーブの商品化前進 石巻・栽培5年目 1500本超
 東日本大震災からの復興のシンボルとしてオリーブの特産化を目指す宮城県石巻市は2日、同市北上の津波被災地約2.6ヘクタールに苗木200本を植樹した。栽培は5年目に入り、今月中に商品化の最低ラインといわれる1500本を超える。農水産業や観光の振興、雇用創出への期待が膨らんでいる。
 苗木は香川県産で樹齢3〜4年、高さ約1メートル。約120人が作業し、国内最大の栽培面積を持つ農業生産法人「アライオリーブ」(香川県)の荒井信雅代表園主(58)が指導した。
 北上地区には月内に今回を含めて1150本が植樹される予定。実がなるまで3年程度、本格的な収穫には5年ほどかかるという。
 オリーブ栽培は市や復興庁、県、石巻専修大などでつくる「石巻市北限オリーブ研究会」が実証試験として取り組む。オリーブオイルなどの商品化を見据え、本年度は仙台三越が会員に加わった。
 栽培地は北上、雄勝、河北、網地島の4地区。昨年までに計500本が植樹された。昨年は台風などの影響で生育が懸念されたが、網地島を除く3地区で計4.7キロの実が収穫された。
 オリーブは中近東や地中海が産地で、国内は北関東が栽培の北限とされてきた。これまでの実証試験で寒冷地の東北でも越冬できることが分かった。2020年東京五輪・パラリンピックでは石巻産オリーブの冠をメダリストに贈る構想もある。
 荒井代表園主は「オリーブは葉も魚や家畜の餌に使え、特産化すれば裾野の広い産業になる。復興支援のためにも事業を伸ばしてほしい」と話した。


伝えたい震災の記憶 絆まつりで釜石出身・前川さん
 釜石市鵜住居町出身で、県立大1年の前川育緒佳(なおか)さん(18)=盛岡市本宮=は3日、同市で開かれた東北絆まつりの郷土芸能パレード出発式で、東日本大震災の復興支援への感謝の思いを伝えた。震災時、高台を目指し走った記憶を後世に伝承し、東北の絆を全国に発信するため、7年分の思いを自分の言葉で堂々と述べた。
 「東北の絆が空に響き渡り、日本の絆となるように祈りを込める」。大勢の観客や報道陣が見守る中、力強く語った言葉に割れんばかりの拍手が送られた。
 前川さんは鵜住居小5年生時に震災を経験。家族は無事だったが、自宅は津波で損壊し、約7年間にわたって仮設住宅での生活を余儀なくされ、今年春に県立大に入学した。
 震災時は釜石東中の生徒に手を引かれて高台に避難。「津波てんでんこ」の教えを守り、自ら命を守った行動は「釜石の奇跡(出来事)」と呼ばれた。


河北春秋
 東日本大震災は海の中の風景も変えた。漁場に沈むがれきを取り除いても、別のがれきが際限なく現れ、漁のじゃまをする。ホッキガイの産地である宮城県山元町では、漁具を工夫して何とか操業を続けていると本紙の記事が伝えていた▼漁師や水産関係の研究者が指摘するのは、震災の前後で取れる魚介類の大きさ、種類が劇的に変わったこと。手のひらほどだったマガレイは30〜40センチの大型が幅をきかせるようになった。ブリの魚影が薄れた代わりに、立派なマダイが水揚げされている▼宮城県水産振興課によると、資源の増加が著しいのはヒラメ、マダコ、ガザミ(ワタリガニ)など。ガザミは漁網をずたずたにするいたずら者だが、和洋中いずれの料理にも使える高級食材。宮城県では、震災前の水揚げ量が年間10トン以下だったのに、今は700トンを超す。活用しない手はない▼宮城県水産技術総合センター(石巻市)は先月、仙台湾でガザミの生息状況調査に乗り出した。津波でかき回された海底で何が起き、大繁殖につながったのか。海中の顔触れが変わった謎に迫る研究の始まりだ▼あの日、海は多くのものを奪った。そして今は恵み深く与えようとしているかのようだ。地球の生理を曇りのない目で見つめ、浜の活気につなげたい。

高速炉の開発/「もんじゅ」後継は断念が筋
 廃止が決まった高速増殖炉原型炉「もんじゅ」の後に続く新型原子炉の開発が不透明感を増している。
 政府は早々とフランスと共に新たな「高速炉」の開発に乗り出す方針を示したが、原子力委員会が「これまでのような国主導でなく民間で」と異議を唱えたからだ。
 もんじゅには1兆円以上も投入しながら、原子炉の稼働は1年にも満たず、事故と不祥事に終始した。新たな高速炉にも巨額の開発費が必要になるが、また国費を投入するのは反省がなさすぎる。
 国が開発から手を引くことを求めた原子力委の主張には確かに一理ある。
 ただ、それにしても高速炉開発を続けることの意義が曖昧だ。何を目指すのかしっかりと説明できないのでは、どこが主導しようと国民の理解は得られない。
 もんじゅ後継炉では、前のめりの経済産業省などと対照的に、原子力委は以前から慎重姿勢だった。実現可能性がはっきりしない高速炉より先に、原子力に対する国民の不信という現在進行形の課題に向き合うよう求めてきた。
 原子力委は4月、高速炉などの開発に当たっては今後、原子力関連企業や電力各社が主導して取り組むよう提言した。長らく続いた「官主導」から「民主導」への転換を訴えたわけだ。
 ただ、民の側の電力やメーカーからは「高速炉を商業ベースで開発するのは難しい」「国が長期ビジョンを示す必要がある」と、相変わらず国頼りの意見が出された。民間主導で行うとしたら、高速炉開発は立ち消えになる可能性が高いだろう。
 もんじゅ廃炉後の計画は、政府の高速炉開発作業部会で検討中。年末までに、今後10年間の工程表をまとめることになっている。
 これまでの議論で、今後建設するフランスの高速炉実証炉「ASTRID(アストリッド)」で共同研究することが決まっている。発電に加えて、放射性元素の分離や変換も行うとみられる。
 ただ、両国が取り組もうとしているのは高速炉。日本のもんじゅやフランスのスーパーフェニックスのような高速増殖炉ではない。「増殖」が抜け落ちたのは、使用した以上の核燃料を新たに作り出すことは目指さないということだろう。
 高速は「高速中性子」を核反応に利用することを意味する。一般的な原発はよりエネルギーが低い「熱中性子」を利用している。
 核燃料の増殖を行わない高速炉が、果たして研究開発に値するのだろうか。高速増殖炉の挫折が明らかになった以上、膨大な開発コストをかけて似たような仕組みの原子炉を開発したところで、経済的な効果は乏しいだろう。
 目の前の難題を先送りしたまま、原子力の夢をばらまくのはもうやめるべきだ。


司法取引 冤罪生まぬ慎重な運用を
 他人の犯罪を明らかにすれば、その見返りに自分の罪は軽くしてもらう−。そんな制度が今月1日から新たに導入された。「司法取引」である。
 末端の実行犯からは首謀者を特定しにくい組織犯罪などで効果が期待される。一方で、うその供述によって無実の人を巻き込む危険性をはらんでいる。慎重な運用を求めたい。
 司法取引は2016年に成立した改正刑事訴訟法に盛り込まれた。捜査当局に対し容疑者や被告が供述や証拠提出で協力すれば、検察は起訴の見送りや取り消し、より軽い求刑を行う。
 対象になる犯罪は、改正法では薬物・銃器関連、贈収賄、組織的詐欺などを挙げた。このほか新たに政令で、独占禁止法違反、金融商品取引法違反といった経済事件を多く追加した。
 米国では数多い事件を効率的に処理するため、古くから司法取引が行われてきた。ただし、誤った供述が有罪の根拠になった事件も少なくないという。
 日本では名古屋市発注の道路清掃を巡る談合事件で無実の人が巻き込まれる事案があった。03年に逮捕された市職員が「上司も知っていたはずだ」と供述し市幹部も逮捕された。判決は「部下が自分の責任を軽くするために上司を引き込んだ」と認め、市幹部の無罪が確定した。
 司法取引の合意には弁護人の同意が必要となる。取引過程も記録・保管しなければならない。うその供述には懲役5年以下の罰則を設けた。
 だが、これで十分なのか。取引に立ち会うのは容疑者側だけで、容疑者から供述される側は含まれない。
 うその供述で取引に合意すれば、罰則を恐れてさらにうそを押し通す危険性が指摘される。チェック機能は実際どこまで働くのか。懸念は尽きない。
 捜査当局は供述の裏付け捜査を徹底する必要がある。弁護側も安易な合意は避けるべきだろう。裁判所にはこれまで以上に厳しい証拠評価が求められる。
 司法取引の導入は、捜査の在り方を大きく転換させる刑事司法改革の一環である。この改革は、相次いだ冤罪(えんざい)事件への大きな反省から始まったことを忘れてはならない。
 改革のキーワードは「捜査の透明化」である。導入が進む取り調べの可視化(録音・録画)はその代表例だ。司法取引でも合意までの過程が後に検証可能でなければならない。
 物証に乏しく、自白や供述を偏重した事件に対し、裁判所が近年相次いで再審を決定している。「疑わしきは被告人の利益に」という刑事裁判の原則は司法取引でも厳守すべきであることは改めて言うまでもない。


司法取引の導入 冤罪生まぬ慎重な運用を
 組織犯罪の解明に資する期待はあるが、使い方を誤れば冤罪(えんざい)を生み出す危険をはらむ。慎重な運用が不可欠だ。
 逮捕された容疑者や起訴された被告が、他人の犯罪を捜査機関に明かす見返りに、自らの刑罰は軽くしてもらう「司法取引」を導入する改正刑事訴訟法が6月から施行された。
 改正刑訴法は、厚生労働省の局長だった村木厚子氏が起訴された文書偽造事件で、大阪地検特捜部の強引な取り調べが招いた冤罪がきっかけとなってできた。供述調書偏重を是正する刑事司法改革の一環といえる。
 導入に当たっては、反対意見も踏まえ、対象犯罪の限定や弁護人の関与を盛り込んだ。
 対象は贈収賄や詐欺など刑法上の財政経済犯罪、薬物・銃器犯罪、独占禁止法や金融商品取引法などの違反に限ることとした。殺人など被害感情の強い事件は外した。
 取引には弁護人の同意が必要で、協議の全過程に弁護人が立ち会う。合意後に検察官と容疑者または被告、弁護人の3者が署名した書面を作成する。
 検察当局は、新制度を用いることで、共犯者を含めた組織犯罪の全体像が分かりやすくなり、難しかった首謀者の摘発がしやすくなると期待する。
 確かにそうした面はあるだろう。一方で、うその供述の可能性などに対する懸念が根強くあることに注意を払うべきだ。
 学者や弁護士からは自分の罪を逃れるため無実の第三者の関与を供述する「引っ張り込み」や共犯者への責任転嫁による冤罪の危険性が指摘されてきた。
 防止策として、取引合意後にうその供述をした場合、5年以下の懲役とする虚偽供述罪が新設された。ただし、どこまで歯止めになるかは見通せない。
 弁護人が容疑者・被告と短時間の接触で供述の真偽を調べるのは難しいとの声もあり、対策は不十分との見方が出ている。
 実際に過去の冤罪事件は、共犯者とされる人物のうそや誇張された供述が元になった例が少なくない。
 最高裁長官は会見で、司法取引について「共犯者の供述の信用性はこれまでも慎重な検討が必要だった」とし「導入後も議論を深めることが欠かせない」と述べている。
 利益を約束して得られた供述の信用性は必ずしも高いとは言えない。それだけに捜査機関は、供述を裏付ける証拠があるかどうかを徹底的に吟味しなければなるまい。
 司法取引で得た供述などはあくまで端緒や情報の一つとし、証拠を丹念に積み上げていくことが極めて重要だ。
 過大に罪を軽減するなどバランスを欠く取引は避けなければならない。見返りを与える手法に違和感を持つ国民は少なくない。適正な運用をしなければ国民の理解は得られまい。
 改正刑訴法には取り調べの録音・録画(可視化)の義務付けも盛られた。1年以内に施行される。冤罪防止のため、厳格に運用してほしい。


天安門事件 「曲折の歴史」も消せぬ
 中国で民主化運動が武力弾圧された天安門事件から四日で二十九年。だが、事件は総括されていない。共産党独裁色が強まり、政権に不都合な歴史を消し去るような動きが目立つのが気がかりだ。
 共産党一党支配を厳しく批判して天安門事件後に当局の監視対象になりながら、獄中でノーベル平和賞を受賞した民主活動家が劉暁波(りゅうぎょうは)氏である。言論の自由を奪われたまま昨年七月に死去した。
 二〇〇八年に自由、平等、人権を「人類の普遍的価値」とする「〇八憲章」の起草を主導し、「国家政権転覆扇動罪」に問われ、懲役十一年の判決を受けた。
 劉氏が出席できなかった平和賞授賞式では「私が文字の獄(言論弾圧)の最後の犠牲者に」とのスピーチが代読された。残念ながら劉氏の死後、一党支配は一段と強まっており、劉氏の願いに反し、天安門事件直後よりも「文字の獄」は苛烈になっている。
 中国当局は劉氏の死後、妻の劉霞(りゅうか)さんを北京の自宅に軟禁している。非暴力で民主化を求めた劉氏の家族への重大な人権侵害である。劉霞さんの希望通り、早く出国を認めるべきである。
 香港紙・明報は昨年末、機密解除された英公文書をもとに、英政府が天安門事件の犠牲者を最大三千人と推計していたと報じた。中国政府による犠牲者三百十九人との公式見解と大きく食い違う。
 中国政府は「八〇年代末の政治風波」と結論付けた事件について、今年も新たな総括や反省に踏み込まなかった。事件はタブーとされてきただけでなく、三年前には環球時報が「(事件の記憶を)薄れさせるのは、中国社会が前向きに進む哲学的な一つの選択」と主張する評論まで掲げた。
 目を覆いたくなるような歴史にきちんと向き合い反省するのではなく、国民の記憶を薄れさせ、最後には消し去ろうとするのは誠実な態度とはいえない。
 今春、新たに採用された中学校の教科書から文化大革命の記述が半分消えた。かつて党が毛沢東の責任を認め「深刻な災難をもたらした内乱」と総括した文革の誤りの記憶を、教育の場で薄れさせる歴史への冒涜(ぼうとく)にも映る。
 習近平国家主席は文革について「世界の歴史をひもとけば、いかなる国家も民族も曲折に満ちてきた」と評したことがある。その通りであろうが、「曲折の歴史」にきちんと向き合ってこそ、進歩と新たな未来があろう。


働き方法案 過労死防ぐ原点どこに
 「働く人の視点」に立っているのか。徹底した審議が必要だ。
 働き方改革関連法案である。衆院本会議で可決され、きょうから参院で審議が始まる。
 衆院では審議は尽くされていない。参院では問題点を浮き彫りにして、労働者が安心して働ける法案にする必要がある。
 最大の問題は、一部専門職を労働時間規制の対象から外す「高度プロフェッショナル制度(高プロ)」だ。長時間労働を助長し、過労死を招きかねない。
 労働基準法では1日8時間、週40時間が労働時間の基本だ。これ以上働かせる場合は、割増賃金を支払う必要がある。企業に対するペナルティーの意味がある。
 高プロにはこの概念がない。求められるのは年間104日、4週で4日の休日だけだ。4連休があれば24日間連続して24時間労働をさせても違法ではない。
 導入要件も省令で具体的に決めることになっており曖昧だ。本人同意などが必要だけれど、労働者が拒めるのか疑問がある。
 政府は「多様な働き方を実現できる」とする。本当にそうなのか。労働者は業務量を選べない。過大な業務を与えられる懸念はつきまとっている。
 政府は衆院厚生労働委員会で、質問の趣旨をはぐらかして、関係のない答弁を繰り返した。疑問は解消されていない。
 働き方改革は、過労死の防止が出発点だった。広告大手電通で女性新入社員が過労自殺し、長時間労働が社会問題化したことを受けた。それなのに政府には過労死を防ぐ姿勢が感じられない。
 高プロでの過労死の懸念を少しでも取り除くには勤務間インターバル制度の義務化が欠かせないはずだ。終業から次の始業まで一定の休息時間を設ける制度で、長時間労働防止に効果があるとされる。高プロでは健康診断などを実施すれば導入する必要はない。
 法案のもう一つの柱である残業規制も同様だ。残業時間に罰則付きの上限を導入する。「月100時間未満、2〜6カ月で月平均80時間」で、労働基準監督署が過労死を労災認定する基準とほぼ同じだ。過労死を防げるとは思えない。引き下げが必要だ。
 安倍晋三首相は「全国過労死を考える家族の会」が求める面会をかたくなに拒否している。過労死を防げるのなら遺族に説明するべきだ。拒否するのは法案の問題をごまかすためではないのか。
 原点に立ち返り、法案の修正に取り組むべきである。


非正規格差で判決/待遇改善を前進させよう
 同じ仕事をしている正社員と賃金水準に差があるのは労働契約法が禁じる「不合理な格差」に当たるとして定年後に再雇用された非正規労働者のトラック運転手が是正を求めた訴訟の上告審判決で最高裁は、格差が不合理かどうかを判断するに当たっては、定年後の再雇用という事情も考慮されるとの初判断を示した。一部手当の支払いは会社側に命じた。
 この訴訟は一審判決が同じ水準の賃金支払いを命じ、注目を集めたが、二審判決で原告逆転敗訴となった。最高裁も一部手当を除き、その判断を是認した。多くの企業が導入している継続雇用制度で再雇用後の賃金が定年前より低く抑えられている現状を追認した形だ。
 また手当の格差が争点になった別の訴訟の判決でも、契約社員にも正社員に支給している複数の手当を会社側に支払うよう命じた。政府が今国会の最重要法案と位置付ける働き方改革関連法案で目玉政策の一つになっている「同一労働同一賃金」の実現に向けて具体的なルールを定める国のガイドラインづくりに影響を与えるとみられる。
 最高裁の判断は、定年後の再雇用で働く人にとっては不満が残るものだったかもしれない。ただ非正規労働者の格差是正が喫緊の課題であることに変わりはない。今後、ガイドラインづくりや労使交渉などを通じ、待遇改善を前進させることが求められよう。
 パートやアルバイト、派遣社員、契約社員など正社員以外の働き方をする非正規労働者は企業にとって雇用調整や人件費抑制をしやすいこともあって増え続け、2017年の平均で働く人の4割近い2千万人余りに達している。しかし正社員と同じ仕事をしても賃金や手当などを低く抑えられることが多く、待遇格差が問題になってきた。
 不安定な働き方を減らすために13年4月に施行された改正労働契約法は、正社員と非正規との間で待遇に不合理な格差があってはならないと規定。不合理かどうかは、仕事の内容や責任の程度といった「職務の内容」のほか、転勤や昇進など「配置の変更範囲」や「その他の事情」を考慮して判断するとしている。
 横浜市の長沢運輸で定年後に再雇用されたトラック運転手3人が正社員と同じ水準の賃金を支払うよう求めた訴訟で一審東京地裁は、正社員との間で職務内容と配置の変更範囲に全く違いがないのに賃金に差があるのは不合理で、労働契約法に違反するとして原告勝訴の判決を言い渡した。
 しかし二審東京高裁判決が「定年後の賃下げは社会的に容認されている」とし、不合理な格差ではないと判断。労働契約法にあるその他の事情を重視した判断で、最高裁も同じ立場を取った。
 一方、浜松市にある物流会社ハマキョウレックスの契約社員が起こした訴訟は賃金全体ではなく手当の格差が争点となり、一審大津地裁彦根支部判決は通勤手当のみ不合理とした。二審大阪高裁判決はさらに無事故、給食、作業の3手当も不合理とし、最高裁はこれに皆勤手当も加えた。
 正社員との格差是正を求める訴訟は各地で起きている。各企業で待遇差について、非正規に丁寧に説明する仕組みを整えることも必要だろう。


SNSに一石投じる 下重暁子さん「孤独とは自分を知ること」
 SNSでつながっていないと不安でしょうがない人が増えている。「孤独」を恐れ、群れていなければ、心配でしょうがない。そんな異様な社会に対して、「孤独こそ人生を豊かにする」と一石を投じたのがこの人、エッセイストの下重暁子さんだ。幻冬舎新書の「極上の孤独」は販売2カ月で27万部の大ヒット。孤独とは? 老いとは? 死に方とは? 孤独の達人に聞いた。
  ――「孤独」という言葉に注目し、著書を出したきっかけは何だったのでしょう。
 昨年ニュースになった「座間9遺体事件」が、筆を執るきっかけのひとつでした。今や、スマホなどを使