フランス語の勉強?

配布資料忘れて慌てて印刷/でもB5で1つ足りない

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松島とまと190312

Japon: Début d'une nouvelle opération délicate à la centrale de Fukushima
La centrale Fukushima Daiichi, située à quelque 220 kilomètres au nord-est de Tokyo, avait été inondée le 11 mars 2011 par un gigantesque tsunami

L’opération devrait prendre deux années. Tepco, opérateur de la centrale accidentée de Fukushima, a débuté lundi le retrait du combustible stocké dans la piscine du réacteur 3, un des plus endommagés, une opération délicate qu’il a plusieurs fois reportée.
C’est la deuxième fois que sera entreprise une telle manipulation, la piscine du réacteur 4 ayant déjà été vidée entre fin 2013 et fin 2014, mais l’état général du réacteur en question était différent : le coeur du numéro 4, contrairement au numéro 3, n’était pas entré en fusion puisqu’il était vide.
Les préparatifs ont pris beaucoup plus de temps que prévu
Le bassin de désactivation et refroidissement du réacteur 3 contient 566 assemblages de combustible nucléaire, pièces volumineuses de plusieurs mètres de long qui doivent être sorties avant que ne puissent se poursuivre les autres tâches dans le bâtiment qui a subi une importante explosion.
Le bassin de désactivation et refroidissement du réacteur 3 contient 566 assemblages de combustible nucléaire, pièces volumineuses de plusieurs mètres de long qui doivent être sorties avant que ne puissent se poursuivre les autres tâches dans le bâtiment qui a subi une importante explosion.
Le bâtiment du réacteur 3, qui fonctionnait en partie au combustible recyclé Mox, avait été transformé après l’accident en une forêt de ferraille en vrac. Il a fallu d’abord tout dégager et la piscine, située en hauteur, était aussi pleine de déchets divers.
Des équipements spéciaux, notamment une grue, ont été installés ensuite pour pouvoir sortir un à un les assemblages. Toutefois, les préparatifs ont pris beaucoup plus de temps que prévu initialement.
≪ Nous pensions au départ pourvoir débuter le retrait fin 2014, mais il y avait beaucoup de détritus et nous avons dû agir prudemment en raison de la radioactivité ≫, a expliqué une porte-parole de Tokyo Electric Power (Tepco).
Certaines opérations ne débuteront qu’en 2023
Le retard est aussi dû à la chute d’un équipement dans la piscine. Selon Tepco, ≪ le combustible n’a pas subi de très gros dommages ≫, ce qui en théorie facilite le travail.
Dans un premier temps, Tepco commence par retirer les sept assemblages non utilisés, ceux qui présentent normalement moins de risques. La suite des opérations sera plus longue.
Le retrait du combustible des piscines des réacteurs 1 et 2, les deux autres unités dont les coeurs sont entrés en fusion, ne devrait quant à lui pas débuter avant 2023. La piscine 1 en contient 392 assemblages et la piscine 2 en compte 615.
De violentes explosions en 2011
La centrale Fukushima Daiichi, située à quelque 220 kilomètres au nord-est de Tokyo, avait été inondée le 11 mars 2011 par un gigantesque tsunami consécutif à un puissant séisme au large.
L’alimentation électrique des circuits de refroidissement avait été coupée, entraînant la fusion des coeurs de trois des six réacteurs du site, puis de violentes explosions en raison de l’accumulation d’hydrogène par réaction chimique dans le bâtiment couvrant les unités et où se trouvent les piscines.
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フランス語の勉強?
ジョンレモン @horiris
仏紙の報道で嘘がバレましたね。
やっぱり…政府が絡んでたのか。
日本政府はこれまで、両社の提携について「政府が関与するものではない」との立場を表明していた。
日産・ルノーの統合案、経産省が阻止へ関与か 仏紙報道:朝日新聞デジタル … #ゴーン前会長

🇬🇧UK in Japan@UKinJapan
訪日中のハント外相が都立日比谷高校で模擬授業を実施。日本で英語を教えた経験も持つ外相は、日本語で、「日本語を学ぶのは大変だったが、日本と日本人を理解することが出来た。あなた達も外国語を学び、外国に住んでみると、文化や言語が違っても心は皆同じ人間だと気づくだろう」と語りました。

先週準備していたはずですが,配布資料忘れてました.当然慌てて印刷せざるを得ない状況.受付の人にもってきてもらいました.でもB5で印刷してしまっていました.さらに1つの資料が準備できていませんでした.次回からちゃんとしたいと思います.

熊本地震3年 各地で慰霊の集い 熊本県益城町
 熊本地震の前震から3年となった14日、甚大な被害を受けた益城町の各地区で慰霊や追悼の集まりがあり、灯をともして犠牲者を悼み、復興に向けて心を寄せ合った。
LED700個点灯 テクノ仮設
 約700個のLEDキャンドルがともされた県内最大の仮設団地「テクノ仮設」(同町小谷)では、入居者らが犠牲者に黙とうし、白菊を献花した。同団地自治会連合会の池田正三会長(79)は「孤立しないよう、住民同士で寄り添い合っていきたい」と話した。
 町地域支え合いセンターによると、入居世帯数はピーク時の半数に当たる249世帯。65歳以上の入居者は213人で、高齢化率は37.2%となっているという。(久保田尚之)
午後9時26分に黙とう 木山仮設
 木山仮設団地では、夕方から集会施設の前で竹灯籠やキャンドル約700個に灯がともされた。同団地を退去した子どもも加わった団地の子ども合唱団が「しあわせ運べるように」などを歌い、前震が起きた午後9時26分に合わせ黙とうした。
 夫婦2人暮らしの古田學さん(72)は、自宅が土地区画整理事業の区域内にあるため再建の見通しが立っておらず、「来年もここにいると思うと少し暗い気持ちになります」と不安をのぞかせた。(立石真一)
「4・14・16」境内に 木山神宮
 本震で本殿が倒壊した木山神宮では、地元住民らが、境内などにろうそくやLEDキャンドル計約700個を並べ、「4・14・16」の文字を浮かび上がらせた。
 同町の支援を続ける福岡市のボランティア団体「夢サークル」が企画。吉水恵介代表(62)は「新築の建物が目につくようになった。これからも支援を続けたい」と話した。
 同神宮の本殿は、近く復元工事が始まり、3年かけて再建される見込みという。(高橋俊啓)
入居者ら慰霊の会 馬水東道仮設
 馬水[まみず]東道[ひがしみち]仮設団地では、自治会と入居者を支援するNPO法人バルビー(熊本市東区)が共催し、約140基の灯籠をともして「慰霊の会」。約20人が手作りのタケノコおこわなどを味わいながら3年を振り返った。
 全56戸に現在入居する40世帯は住宅再建を待っており、うち23世帯は災害公営住宅に入居予定。自治会役員の宮崎律子さん(67)は「これからも交流を大切にしていきたい」と話した。(小多崇)


被災者包む子どもたちの歌声 熊本地震 16日で本震から3年
 震災関連死を含め273人が犠牲になった熊本地震は16日、本震発生から3年となる。震度7を2度観測した熊本県益城(ましき)町の木山仮設団地では15日夕、団地の子供たちで作る合唱団が復興を願う歌を披露し「あの日」と向き合う被災者たちを温かく包み込んだ。
 「傷ついた熊本を もとの姿にもどそう♪」。現在も131戸281人が身を寄せる団地内で歌声を響かせたのは、保育園児〜小学生計12人。地震翌年の2017年夏、仮設団地の見守り支援をしていた山本誠司さん(44)の呼びかけで結成した「スマイルナンバーワン」のメンバーたちだ。その中に町立益城中央小5年、村上颯太さん(11)の姿もあった。
 3年前の4月14日、町内の自宅2階で就寝中に震度7の前震に襲われた。家族8人全員無事だったが、自宅は全壊。ショックで情緒不安定になり、その後も鳴り響く緊急地震速報の音におびえ続けた。母和美さん(40)がトイレに立つだけで「ママ、どこ?」と声を震わせ、小学校でも地震から1年の追悼集会で息苦しくなり、途中退席した。
 村上さんが「合唱団に入りたい」と言い出したのは仮設団地に移って2年が過ぎた昨年夏。和美さんは驚いたが、被災地で給水活動する自衛隊員を見て「お返しがしたい」とつぶやいた時のことを思い出した。
 「被災したみんなを元気にしたい」。背をそらせ、全身から声を絞り出す村上さんら子供たちの姿に、住民からは拍手が鳴りやまなかった。「あの子なりにつらい記憶と向き合い、乗り越えようとしている」。歌い終わり、ほっとした表情で友達とはしゃぐ息子に、和美さんは目を細めた。【中里顕】


夫はけがで休職、保育園も見つからず…仮設「強制退去」焦る被災者 熊本地震3年
 仮設住宅退去後の住まいのめどが立っていない熊本地震の被災者が211世帯に上ることが明らかになった。14日で地震から3年。仮設住宅は今月から入居期限を順次迎えるが、熊本県は民間賃貸住宅などを希望する人の再延長は原則認めない方針。希望や経済状況に見合う住まいの「再建先」が見つかっていない被災者は焦りを募らせる。
 「このままだと強制退去になる」。熊本市東区の建設型仮設住宅に暮らす岩本優生子さん(21)は不安を隠せない。退去の期限が3カ月後の7月に迫るが、行くあては見つからない。
 夫の龍太郎さん(26)は2017年春、勤務中に足の靱帯(じんたい)を損傷し、現在も休職中。優生子さんは働きに出るため託児を希望したが、市の窓口で「近くの保育園は定員いっぱい」と断られ、収入は激減した。
 仮設住宅に入居したのは17年末。当時は引っ越し作業に追われ、市が再建困難な世帯向けに整備する「災害公営住宅」の申請を逃してしまった。
 市営住宅を探したが、紹介された部屋はエレベーターのない4階。龍太郎さんのけがが治らない中、幼い子ども2人を抱えて階段を上り下りするのは難しく、結局断念した。賃貸住宅も家賃の安い物件は築40年以上で耐震面に不安が残った。現在も物件探しを続ける優生子さんは「再建先が見つかるまで仮設住宅で生活させてほしい」と訴える。
 熊本県と国は、地震から時間が経過して被災地で民間の空き物件が増えたことなどを踏まえ、民間賃貸住宅や既存の公営住宅への入居希望者を2回目の期限延長対象から外した。県は「延長要件は見直さない。211世帯には、退去の期限までに再建先を見つけてもらうように市町村とともに支援を続ける」とする。
 被災者の生活実態を調査する熊本学園大の高林秀明教授(地域福祉論)は「個別事情に応じて延長を認めるべきだ。退去後に生活が立ちゆかなくならないよう、一定期間家賃を補助するなど低所得世帯の生活再建を段階的に支える制度も必要」と提言する。


桜田氏ら辞任 「長期政権のおごりや緩み生じている」61% 毎日新聞世論調査
 毎日新聞が13、14両日に実施した全国世論調査で、東日本大震災からの復興を軽視する発言で辞任した桜田義孝前五輪担当相や、安倍晋三首相らへの「忖度(そんたく)」発言で辞任した塚田一郎元副国土交通相の問題について、長期政権のおごりや緩みが「生じていると思う」とする回答が61%を占めた。「生じているとは思わない」は21%。
 また1日に発表された新元号「令和」に対して「好感を持っている」との答えは65%に上り、「好感を持っていない」は10%、「関心がない」は17%となった。
 安倍内閣の支持率は3月の前回調査から2ポイント増の41%、不支持率は同4ポイント減の37%だった。
 4月13、14日の2日間、コンピューターで無作為に数字を組み合わせて作った固定電話と携帯電話の番号に調査員が電話をかけるRDS法で調査した。固定では、福島第1原発事故で帰還困難区域などに指定されている市町村の電話番号を除いた。固定は18歳以上の有権者のいる845世帯から501人の回答を得た。回答率59%。携帯は18歳以上につながった番号672件から555人の回答を得た。回答率83%。


玉川徹氏 暴走発言の真意「おためごかし」じゃつまらない
 朝のワイドショー戦争で、テレビ朝日系の「羽鳥慎一モーニングショー」は3年連続視聴率1位。そんな人気番組で際立つのがこの人、玉川徹さんの歯に衣着せぬ発言だ。時にSNSで炎上も招くが、本人は気にする様子ナシ。視聴者もまさかテレ朝の社員だとは思っていないのでは。空気を読まない直言の原動力はどこにあるのか。
  ◇  ◇  ◇
  ――新元号が「令和」に決まった翌日、番組で「名は体を表す」とおっしゃっていました。まず、これについてお聞きしたい。
 やっぱり「令」の漢字が気になったんです。「命令」の「令」だから。そうしたら金田一秀穂氏(日本語学者)によると「令には『神のお告げ』という意味がある」ということだった。それで、「あー」と思ったんです。
  ――「神のお告げ」が安倍政権を表していると?
 神はお告げしないわけですよ。実際は人間が「神はこう言っています」と神を騙るだけ。日本の歴史を振り返ると権力と権威は別で、権力のある武家は権威がないから、それを朝廷や仏教に求めた。明治以降は政府が天皇を権威にして神様にした。安倍政権にはそういうものへのノスタルジーを常に感じるので、「名は体を表している」と思ったということです。
  ――元号の出典で国書にこだわったことには?
 保守政治家などは「日本の歴史と伝統を守る」と必ず言います。保守の人が最も守るべきは皇室・皇族の歴史と伝統で、まさに元号はそのもの。その元号はずっと中国の古典から出典を得てきて、「大化」から変わらないわけですよ。ところが今回、それを変えた。まあ、推察すれば中国の古典から取りたくないってことなんでしょうけど、そんな理由のために保守の人が大事にしてきた皇統の伝統をやめていいんですか。保守ではなくどちらかといえば進歩主義の僕ですら疑問です。
■ネトウヨは大事なお客さま
  ――はっきりモノを言うのでSNSなどで炎上したりしています。
 SNSは見ないようにしています。でも周囲に教えてくれる人が何人かいて。ただ、うちの番組を一番熱心に見ているのはネトウヨだと思うんです。番組を見ながらSNSに書き込んでいるわけで、一生懸命見てくれている。大事なお客さまですよ。
  ――番組での自分の立ち位置を意識していますか?
 新番組がスタートするにあたって羽鳥さんに「僕が悪役をやるので、羽鳥さんは善玉に徹して下さい」と言い、羽鳥さんも「それで行きましょう」と。僕はコメンテーターだけど、本質はディレクターなんです。今は僕らの番組が視聴率1位ですけど、以前は「とくダネ!」(フジテレビ系)が絶対的王者で、MCの小倉智昭さんはひとりで悪役と善玉をやっていた。「情報ライブ ミヤネ屋」(日本テレビ系)の宮根誠司さんも似たようなキャラクター。だったら、悪役と善玉を分けたらどうなのかなと以前から思っていたんです。
  ――じゃあ悪玉は演出なんですか?
 違う違う。自分の中にないものは無理ですから。自分の中の要素を強調して膨らませている感じです。最近は結構、素でやっています。ちょっと暴走気味で、時々反省しています。
  ――テレビ局の社員という立場なのに、暴走できるのは驚きです。
 会社はいいとは思ってはいないと思いますよ。でも視聴者の立場に立てば、社員だからって遠慮して当たり障りのないコメントで面白いですか? 僕ら出演者の間で「おためごかし」と言っているんですが、それじゃあつまらない。元号だって、他の番組では皆「素晴らしい」って言っていたけど、「本気か?」と思うわけですよ。どこか忖度して、褒めざるを得ないような雰囲気だからでしょう。
  ――テレビ番組も含め社会に同調圧力が蔓延している気がしますがどう思いますか?
 同調圧力は日本の特色でしょう。僕は子供の頃から「協調性がない」と通信簿に書かれてね。会社に入ってからも、同じように通信簿みたいなものに「協調性がない」と書かれてガッカリした覚えがあるんですよ。協調性がないのは日本ではダメな資質で、空気を読まなかったり、同調圧力に染まらなかったら不利益になる。でも協調性がないから自由にいろいろできたりする。僕みたいな人間がテレビに出てしゃべったりして会社側が嫌々ながらも良しとしているのだから、同調圧力はだんだん弱まってきているんじゃないですか。
  ――弱まってますか。
 これからAIなどがどんどん出てくる時代になる。産業革命くらいのインパクトがあるから、今までの生活や常識が通用しなくなると思う。同調圧力とか言っている場合じゃない。想像もつかないような社会になると思うんですよ。
■今は政治は視聴者にウケない
  ――最近、ワイドショーが政治をあまり扱わないのが気になります。「統計不正」もほとんどやらなかった。
 視聴者に響かないからですよ。「不正に年金が少なくなっていました」なら生活に直結するので怒りも湧いてくるけれど、「統計がいじられました」では「だから何?」って感じだと思うんです。政治の現場でも盛り上がらなかったし、盛り上がっていなければこっちでもできないですよ。
  ――ワイドショーが扱うからこそ世論が盛り上がるという側面もある。ワイドショーの役割は大きいと思いますが。
 もちろん。でも視聴者に関心を持ってもらえるかと考えると、今はウケない。今の政治状況がつまらないというか、世論も諦めちゃっている感があるでしょう。安倍政権がいいとは思っていないけど、マシだと思っている人がほとんどです。いくら野党が「統計不正だ」と言っても、「何も変わらないだろうな」と皆が思っているのが正直なところ。僕らは自分がどう考えるかも大事だけれど、世間がどう感じているのかを感じ取らなきゃいけない。忖度して政治を扱わないわけじゃありません。忖度していたら、元号であんな話できませんからね。
  ――政治はウケないからやらない。
 それがいいとは思っていないですよ。本当は工夫してでもやった方がいいという思いはある。だから沖縄の県民投票については、普通にやっても視聴者の関心を呼べないと思って、ウーマンラッシュアワーの村本大輔さんというフィルターを通して見てもらう企画を作りました。
  ――最近のニュースで気になったことは?
 人工透析の話にはかなり引っかかりました。人工透析は続けていれば普通と変わらない生活ができる。でも患者には、不自由さとか、機械に生かされている感覚とか、そうまでして生きなければならないのかとか、将来の不安とか、いろんな負の感情があると思うんです。そんな時に医者に「あなたは死ぬこともできますよ」と言われたらどんな影響を与えるのか。患者の身になれば分かるはずですよね。誰だって死ぬ選択肢はある。でもやっぱり医者は「生きろ」と言うべきなんだと僕は思うんです。「透析をやめれば死ぬけれど、それを選ぶ権利もあります」なんて、医者が言っちゃおしまいです。
■「想像力の欠如」と「不寛容」に暗澹たる思い
  ――確かに、あのニュースはいろいろ考えさせられました。
 でも、最も驚いたのは、多くの人が福生病院の対応はあれでいいと言っていることです。それって想像力の問題だと思います。機械に頼らないと生きていけない状況ではないから、想像力が働かないのでしょう。暗澹たる思いを抱きました。(シリアで拘束・解放されたジャーナリストの安田純平氏などに対する)自己責任論もそうです。渡航禁止の国に勝手に行って、紛争に巻き込まれて、税金を使ったという批判がありますが、あれだけ拷問に近いことをされたのに、どうして「帰国できてうれしいだろうな」と思えないのか。それも想像力のなさでしょう。国連の幸福度ランキングで日本が58位に下がって、足を引っ張ったのは92位という「寛容さ」のなさでした。これにも想像力の欠如が関係していると思います。嫌な気持ちになりますね。(聞き手=小塚かおる/日刊ゲンダイ)
▽たまかわ・とおる 1963年宮城県生まれ。89年京大大学院農学研究科修士課程修了後、テレビ朝日入社。「内田忠男モーニングショー」「サンデープロジェクト」「スーパーモーニング」などのディレクターを経て、現在「羽鳥慎一モーニングショー」の月〜金曜レギュラーコメンテーター。


京大のタテカン規制、学生ら「人間の鎖」で抗議 復活訴える
 京都市の屋外広告物条例などに違反しているとして京都大が吉田キャンパス(左京区)周辺への立て看板設置を規制してから5月で1年となるのを前に、市民や学生ら約50人が15日、正門付近で人間の鎖を作って京大や市に抗議を行った。「表現の自由は撤去できない」と書いた札を掲げ、立て看板復活を求めた。
 京大教育学研究科の大学院生が市民グループに呼びかけて実施。午後0時半から約10分、札を手に持った参加者らが正門から周辺の歩道に並んだ。参加した市民らは「タテカンは、学生の息づかいを伝えてくれた」などと口々に訴えた。
 京大周辺の名物だった立て看板を巡っては、市が2012年度から京大に法令違反を是正するよう指導。京大は、キャンパス周辺での立て看板を禁じ、設置を学内の指定場所に限定する新ルールを2018年5月から適用した。


東大OG山口真由氏、学生時代の飲み会は「東大三千円、女子大千円、東大女子は二千円」
 東大卒業生でニューヨーク州弁護士の山口真由氏が15日、テレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」で、現在話題となっている上野千鶴子氏の東大入学式での祝辞について言及。山口氏も東大時代に東大女子だからこそ受けた理不尽な出来事も披露した。
 番組では、上野氏の東大祝辞について特集。この日のコメンテーターだった東大OGの山口氏が自身の学生時代を振り返った。
 山口氏は「いろいろありますよ。私も入った時の飲み会で、東大の男の子は3000円で女子大の女の子は1000円、東大女子は2000円って言われて、私は男にも女にもあてはまらない中間的なカテゴリーに入ったんだなという感覚があった」という体験を語った。
 羽鳥慎一から「(東大女子で)引かれたことは?」という質問には「やっぱり東大の女の子なのに、ちゃんと切り分けも出来ないの?ってご飯食べに行って言われたり、なんでも東大なのにこれもできない、あれもできないと言われ、いい気持ちはしなかった。切り分けは(東大とは)関係ない」とも訴えた。
 卒業後は、財務省に入局し弁護士資格も取得した山口氏に、玉川徹氏は「女の幸せは?」と質問。山口氏は「やっぱり結婚して子どもをちゃんと生んできちんとした家庭を作ること」と回答。この回答に玉川氏は「東大女子でもそういう考えの人は多い」と語っていた。


「役に立たない学問」を学んでしまった人文系“ワープア博士”を救うには……? 非常勤講師「雇い止め」で「ガードマン」に
 最近、ネットで大きな話題になったのが、2016年に逝去した若手の日本思想史研究者・西村玲(りょう)さんについて報じた『朝日新聞』の記事だ(2019年4月10日付け)。
 西村さんは2004年に東北大学で文学博士号を取得後、日本学術振興会特別研究員(SPD)に選ばれ、さらに2008年に出版した著書『近世仏教思想の独創─僧侶普寂の思想と実践─』は日本学術振興会賞と日本学士院学術奨励賞を受賞するという、輝かしい業績を持っていた。
20以上の大学に応募するもポストがなく……
 私自身、修士課程までとはいえ、かつて文系の大学院で学んでいた経験がある。なので、上記の彼女のプロフィールには「すごい」「羨ましい」という称賛の言葉しか見つからない。よくわからない人のために(不正確を承知で)野球で例えるならば、甲子園出場校のエースから、プロ入り後に月間MVPと新人王に選出された若手選手……ぐらいの優秀なプレーヤーである。
 だが、西村さんはそれだけの業績にもかかわらず、20以上の大学に応募したが常勤のポストに就くことができなかった。日本思想史という、昨今の大学では好まれない「役に立たない学問」を専門にしていたとはいえ、あまりにもひどい話だ。
 もっとも『朝日新聞』報道では詳しい事情が曖昧に書かれていたが、西村さんの著書の版元出版社の元経営者でもある中嶋廣氏が自身のブログ上で紹介した本人の遺稿集(元編集者であった両親が作成)などによれば、彼女の逝去には他の事情もあったようだ。
 すなわち、先行きが見えない生活と将来への不安のなかで、ネットで知り合った10歳以上年上の医師の男性から猛烈なアプローチを受けた。熱意に押されて結婚したところ、夫と夫側親族が彼の重い精神疾患とそれによる休職を隠していたことが判明。加えて家庭内で夫から攻撃的な言動を繰り返し受け続け、彼女本人も精神的に病んでしまっていた――とされる。
 なので、彼女の逝去のみについて言えば、『朝日新聞』が報じるように若手研究者の就職難が第一義的な理由だったのかは一考の余地がある。メディアを通じて問題に一石を投じる選択をされたご遺族の心情を尊重するいっぽうで、将来への不安にあえぐ人文系の大学院生やポスドクたちが、報道を契機に過剰に自分を追い詰めることがないよう、心から願いたい。
◎SNS相談リンク(厚生労働省提供) 
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000199724.html
◎国際ビフレンダーズ東京自殺防止センター 
https://www.befrienders-jpn.org/ 相談電話番号:03-5286-9090
非常勤講師は5年で「雇い止め」が多い
 とはいえ、(広い意味では過去の私も含めた)わが国における人文系の大学院出身者の就職難や生活の困窮という問題は非常に深刻だ。非常勤講師の職業は5年勤務すると自動的に「雇い止め」に遭うことが多く、助教などのポストに就くことができても、その多くは任期制である。
 昨年9月に九州大学で、同大学院研究科の博士課程単位取得退学者の男性が非常勤講師の雇い止めに遭った末に経済的に困窮し、研究室に放火して死亡した事件も記憶に新しい(こちらは法学の分野だが)。
 加えて言えば、不器用なタイプの人はいっそう追い詰められやすい。知識は豊富だがアウトプットが下手だったり、「コミュ障」だったり外見の清潔感がなかったりと、一昔前ならある程度までは笑って許されていた変わり者の知識人タイプの人が、いよいよもって「詰む」ようになっている。
 所属先がなくなってしまうと学会に出席するときの肩書を書けず、また大学図書館の利用も難しくなるので、過去に在学した大学院に「研究生」という名目で籍だけ置かせてもらうような人も少なくない。
(余談ながら、筆者が過去に在籍した研究室のHPを修了から10年後くらいにのぞいてみたところ、10年前に博士課程や研究生だった先輩数人がまだ研究生のままで籍を置いており、ゾッとする気持ちを味わったことがある。これは自分自身の未来だったかもしれないからだ)。
大学院在学者は91年から2.5倍に
 大学院出身者の就職難は、日本国家が研究力の強化を図る“つもり”でおこなった、1990〜2000年代における大学院の拡充や大学教育現場への競争原理の導入、また新自由主義的な風潮のもとで各大学が進めていった「役に立つ学問」への偏重といった、国家政策やそれに準ずる大学側の姿勢の“改革”によりもたらされた面が多い。
 文部科学省のデータによると、平成初期の1991年(平成3年度)の大学院在学者数が9万8650人(うち博士課程は2万9911人)だったのと比べて、2016年(平成28年度)の在学者数は24万9588人(うち博士課程は7万3851人)と、ほぼ2.5倍に増加している。
 門戸が広がれば、以前ならば大学院を目指さなかった水準の学生も研究者を夢見て進学してくる。だが、学生をドカドカと入学させたにもかかわらず、少子化する日本においてその後の就職先のポストは限定的だ。しかも、博士課程まで進んでから研究者を目指さなかった場合のキャリアプランも、ほとんど示されてこなかった。
進路「死亡・不詳」が2割弱の衝撃
 もちろん、大学教授を目指すにせよ、歌手や漫画家を目指すにせよ、普通にサラリーマンとして生きるのと比べれば人生のバクチ度がはるかに大きい進路選択だ。実力主義の残酷な世界であり、能力が足りない人が「食えない」のは、国の政策だけが悪いのではなく、自己責任として甘受するべき部分もある。自分の能力を客観視して夢を諦める勇気もときには必要だ。
 だが、歌手志望者や漫画家志望者(の大部分)と、大学教授を夢見た若手研究者との最大の違いは、後者は曲がりなりにも最高水準の教育を受けていることだ。彼らは修士号や博士号を授与されたハイレベル人材であり、たとえ研究者としてのポストを得られなくても、本来ならば社会に対してなんらかの知的貢献ができる能力を持っている。
 ――だが、現実ではその能力は社会に還元されていない。本人がなんらかの資格を取っているか、実家が資産家でもない限り、人文系の大学院出身者は実学系や理系以上にツブシが効かないからだ。
 今回の『朝日新聞』記事でも、特に人文系の場合、博士号取得者で進学も就職もできなかった人が3割近く、進路が「死亡・不詳」とされた人も2割弱という、恐るべきデータが示されていた。博士号を取らずに大学院を離れた人の進路状況はより厳しいだろう。
「博士課程単位取得」のあと「ビルの清掃作業員」に
 筆者の身近にもそういう社会問題を体現している人物が2人いる。多少は話をぼかして紹介するが、いずれも年齢的には私と同年代の30代後半で、博士課程単位取得退学者(学位は修士)だ。
 例えばA君はもともと古代中国の学術史を研究しており、私が原稿を書くときに漢文の書き下し文をアルバイト的にチェックしてもらうこともある(例えば前回寄稿した「新元号『令和』、中国人はどう捉えた?」でもお手伝いいただいた https://bunshun.jp/articles/-/11357)。ただ、そんな彼の現在の職業はビルの清掃作業員だ。もちろん非正規労働者である。
 A君の年収は200万円くらいだ。対して毎月、大学院時代に借りた奨学金の返済で4万円(総額500万円程度)、家賃4.5万円プラス光熱費、国民健康保険料が飛んでいく。先日、年金の支払いを滞納していたところ給料を差し押さえられてしまい、極度に困窮したと聞いた。
 見かねた私が、生活苦を理由に奨学金返済を猶予してもらえばどうかと提案したが「好きな勉強をさせてもらったのだから払うのは義務」と言って聞かない(この手の妙な律儀さというか融通の効かなさは、高学歴ワーキングプアの人に多く見られる特徴だ)。
「雇い止め」され、大型スーパーの「ガードマン」に
 対してB君は、近代の日本占領時代の某国の宗教問題を研究している。彼はすさまじい博覧強記の人であり、例えばウェーバーでもマルクスでも孟子でも思想の概要を説明できる。インド人民党やアラブのバアス党の性質や、中央アジアのタンヌ・トゥヴァがソ連に併合された経緯について前フリ抜きでいきなり尋ねても、簡単な解説ならできてしまう。
 言語能力的な面でも、B君は英語と現代中国語と漢文のほかに、タイ語・シャン語・ビルマ語・クメール語の読み書きができて、ベトナム語とフランス語もすこし読める(※本人特定を避けるために個々の言語名はフェイクとする)。私は彼にこれらの国のニュースを調べてもらったり、現地の過激派組織が出した声明文を訳してもらうこともある。
 だが、そんなB君の年収は150万円ぐらいだ。昨年度、非常勤講師として勤務していた某大学で雇い止めに遭い、現在の職業は大型スーパーのガードマンである。
人文系の知識は「役に立つ」はずなのに……
 A君とB君に共通する特徴は、ぶっちゃけて言えば「知識はあるが論文が書けない」ことと、現代資本主義社会の基準で評価して「どんくさい」ことだ。適当な水準で妥協して論文を量産することができず、加えて自分の研究内容を俗っぽくアレンジしてメディアに売り込むことも、手練手管を使ってコネを広げてアカデミックな就職先を探すことも得意ではない。はっきり言って、研究以外に大量の雑務をこなさなくてはならない大学教員としての適性は高くないタイプである。
 だが、私はA君やB君について、現在の彼らの年収や職業が妥当な処遇であるとも思えない。なにより、彼らの知識や能力が世間でまったく無用なものだとも思えない。事実として、私は原稿を執筆する際に彼らの助言や手伝いを必要とすることが多々あり(そういうときは自腹なり出版社の経費なりで、然るべき対価を払うようにしている)、はっきり言って彼らの知識は「役に立って」いるのだ。
 先日、新元号の「令和」が決まった際、メディアでは古文・漢文についての不正確な説明や、言葉足らずな指摘が続出した。例えば「令和」の令について、「命令の令」だからダメだという浅薄な批判はあったが、令を使役の助動詞として漢文読みしたときに「和せしむ」と解釈できることへの違和感を示した報道は、私見ではほとんどなかったように思う(「和せしむ」の主語が国家であれ天皇であれ、あまり民主主義的な意味には取れないのだが)。
 ほかにも、社会における人文系の知識の必要性を感じる局面は多々ある。インバウンドによって外国人観光客が増加するなかで、中国の春節やイスラム教のハラールフード(イスラム法のうえで食べてよい食物)についてのメディアの説明は非常にいい加減だし、地方自治体が国際交流イベントなどの際に出す当該国の説明文が間違いだらけである例も多い。一部の歴史番組や歴史関連書籍が、デマを流している自覚なくメチャクチャな情報を発信する例も枚挙にいとまがない。
 これらはいずれも、街でコンビニ店員やガードマンとして働いている人文系の大学院出身者に2万円を支払い、1時間ほどでザッとチェックしてもらって意見出しをしてもらうだけで、大幅なクオリティの改善が期待できる分野だ。しかし、実際はそのようなことはなされないのである。
 現在の日本で「役に立たない学問」を研究する行為は、人生を棒に振ることと同義になってはいないか? 考えれば考えるほど暗澹たる気持ちになってしまう。


「電気グルーヴ」作品出荷停止 世界79か国6万人余が反対署名
ミュージシャンで俳優のピエール瀧被告がコカインを使用したとして逮捕・起訴された事件を受け、レコード会社が作品の出荷停止などを行っていることについて、対応の撤回を求める6万4000人余りの署名が集まり、15日、レコード会社に提出されました。
この事件を受けて、レコード会社の「ソニー・ミュージックレーベルズ」は、瀧被告が活動している「電気グルーヴ」のCDやDVDなどについて、逮捕翌日の先月13日から出荷を停止し、店頭からも回収するなどの対応を取っています。
これに対して、インターネット上では対応の撤回を求める署名活動が行われ、先月15日から今月10日までの間に世界79か国から集まった6万4606人の署名が、15日、レコード会社に提出されました。
その後、署名活動の発起人が賛同者とともに記者会見し、発起人の1人で社会学者の永田夏来さんが「作品は作り手だけでなく、受け手の財産でもあるはずです。リスナーが好きな音楽を選ぶ自由を回復してほしい」と訴えました。
また、賛同者でミュージシャンの巻上公一さんは「作品は薬物とは関係のない独立したものなので、すべて自粛するという措置に理解できない違和感がある」と述べていました。
署名の提出を受けた「ソニー・ミュージックレーベルズ」は「電気グルーヴがたくさんのファンの方々に愛されていることを改めて認識しました。出荷停止などの措置については、今後の捜査や裁判の行方を見守りながら次の判断を検討していきたいと考えています」とコメントしています。
署名に多くのコメント
今回の署名には3600件余りのコメントも寄せられ、「なぜ過去にさかのぼってまで楽曲をクローズさせるのか」とか、「法令違反はとがめられるべきだが、アーティストとしての活動までは制限されるべきではない」、「過剰な自粛がむしろ異常」といった意見が見られました。
また会見に同席した、賛同者で社会学者の宮台真司さんは「今回のような表現規制の措置は、日本にしかない特殊な出来事です。そもそも人間の表現は法よりも大きいもので、表現に対する社会の扱いは法よりも寛容であるべきです」と話していました。
同じく賛同者でラッパーのダースレイダーさんは「レコード会社の判断を糾弾するのではなく、むしろ、なぜそういう判断をする社会になっているのかを考えるべきだと思います。出荷停止が長く続くほど、違法アップロードなども増える可能性があり、社会的影響を考慮するうえでもなるべく早く解除することが望ましいと思います」と述べていました。
日本ペンクラブ「作品に罪はない」
ピエール瀧被告に関連する作品の多くが公開されなくなっていることを受けて、作家や詩人などで作る日本ペンクラブは15日、「作品に罪はない」と題した声明を発表しました。
声明は、日本ペンクラブの吉岡忍会長の名前で発表され、「近年、芸能人やミュージシャンをはじめとする表現者が逮捕、起訴されるたびに、その作品が封印される事態が繰り返されている」としたうえで、これらが関係する会社の自主規制によるものだと指摘し、「結果として表現者たちは作品の発表の場を奪われ、表現の自由が侵されている。このような風潮を、表現者の集まりである日本ペンクラブは深く憂慮するものである」と訴えています。
そして「こうしたさまざまな自主規制に対しては、音楽家や演出家、映画監督、作家などから『作品に罪はない』『作品と俳優は別人格』という声が聞かれた。文化の担い手でもある関係各企業はこのような声に真摯(しんし)に耳を傾け、事なかれ主義の自主規制に走らぬようせつに願う」としています。


野党勝利、政権交代へ=反移民政党が第2党−フィンランド総選挙
 【ロンドン時事】フィンランドで14日、任期満了に伴う議会(一院制、定数200)選挙の投開票が行われ、中道左派の野党・社会民主党(SDP)が第1党、反移民を唱える欧州連合(EU)懐疑派のフィン人党が第2党となった。政権交代となる見通しだ。両党の差はわずか1議席で、SDPにとって「紙一重」(AFP通信)の勝利だった。
 ヘルシンキからの報道によると、SDPが得票率17.7%で40議席、フィン人党は同17.5%で39議席を獲得。フィン人党の改選前議席は17で、一気に倍以上に増やした。
 SDPのリンネ党首は結果判明後、支持者の前で「われわれが最大政党であり、首相の党だ」と勝利宣言。今後は第4党となったシピラ首相率いる中央党などの与党連合に代わり、SDPを軸とする連立政権が樹立される方向だ。SDPはフィン人党との協力に否定的という。


[首相の任命責任] 認めただけで終わりか
 安倍政権の下で閣僚や副大臣、官僚の失言、暴言が止まらない。
 塚田一郎・前国土交通副大臣は、関門海峡をむすぶ下関北九州道路の予算化を巡る「忖度(そんたく)発言」で職を辞した。
 選挙の応援演説で、総理と副総理の地元事業であることを強調し、「国直轄の調査に引き上げた。私が忖度した」と、平然と言ってのけた。
 発言が事実であれば典型的な利益誘導になり、事実でなければ公然とウソをついて支持を集めようとしたことになる。
 桜田義孝・前五輪相は、岩手県出身の自民党衆院議員のパーティーで、同僚議員への支援が「復興よりも大事」だと発言し、辞任に追い込まれた。
 弁解の余地のない驚くべき発言である。桜田氏はこれまでも、閣僚としての資質を疑わせる発言を繰り返してきた。かばい続けてきたのは安倍晋三首相である。
 副大臣に続く大臣の辞任に対し、安倍首相は「任命責任は私にある」と語った。
 野党各党が衆参両院の予算委員会で集中審議を開くよう求めたのに対し、自民党の森山裕国対委員長は、委員会開催を拒否し、こんなふうに語ったという。
 「首相は任命責任を認め、国民におわびの言葉もあった。それ以上のものはない」
 任命責任は私にある、と語っただけで、責任は果たされたことになるのか。
 そもそも「任命責任を認める」というのは、どういうことなのか。
    ■    ■
 評論家の山本七平氏は、小室直樹氏との対談で日本軍隊の責任の取り方について触れ、「『私の責任です』といった瞬間に責任はなくなるんです。そういうのが日本的責任のとり方ですね」と答えている(「日本教の社会学」)。
 本人が責任を感ずれば、もう責任はなくなる、というのである。
 山本氏は、戦闘における敗戦の責任を取るか取らないかという問題で軍法会議にかけられた軍司令官は誰一人としていない、と指摘する。
 だが、ここで問題にしているのは平和時の総理大臣の任命責任である。
 自民党総裁選後の論功行賞で任命されたのが二階派「待機組」の桜田氏だったことは、周知の事実だ。大臣として必要な資質を備えているかどうかよりも、派閥の論理が優先されたというしかない。
 任命責任の軽視は政治不信を助長する。
    ■    ■
 安倍政権の中から政治家や官僚の失言、暴言が相次いでいるのはなぜか。
 政権与党として衆参両院で3分の2超の議席を維持し、自民党の中にも政権を脅かすような批判勢力はいない。
 野党は参院選が近づいているにもかかわらず、バラバラ感を漂わせている。行政権力を監視しチェックする機能が、かつてないほど弱体化しているのである。
 どのような議論を経て政策が決定されたのか、その過程も見えにくくなった。
 緊張感を失い「おごり」がはびこる現状は民主主義の危機と受け止めるべきである。

熊本地震から3年/さつまいも黒焦げ/条例制定

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塩竈市東日本大震災モニュメント190311

Japon : l'appel de Ghosn contre sa nouvelle arrestation rejeté par la Cour suprême
La Cour n'a pas motivé sa décision, mais elle met fin aux espoirs de l'ex-magnat de l'automobile d'obtenir une libération anticipée.
Retour à la case prison pour Carlos Ghosn. La Cour suprême du Japon a rejeté l'appel de l'ancien PDG de Renault-Nissan contre sa détention, ont rapporté ce samedi des médias japonais, anéantissant ses espoirs d'obtenir une libération anticipée.Il s'agissait d'une tentative employée pour la première fois dans cette affaire, dans le but de le faire libérer. La Cour suprême n'a pas motivé sa décision, ont indiqué les agences Jiji Press et Kyodo News, mais cette information n'a pu immédiatement être confirmée.
Le magnat de l'automobile déchu, âgé de 65 ans, avait déposé mercredi un recours devant la plus haute cour du Japon après une nouvelle arrestation, le 4 avril, pour des allégations de malversations financières. Vendredi, le tribunal de Tokyo avait autorisé la prolongation de sa garde à vue jusqu'au 22 avril.
Carole Ghosn potentiellement impliquée
Carlos Ghosn, qui se trouve dans la prison du quartier de Kosuge, au nord de la capitale, est interrogé par des enquêteurs du bureau des procureurs sur des détournements de fonds de Nissan, effectués via un distributeur de véhicules du constructeur à l'étranger. Il s'agit du sultanat d'Oman, d'après des sources proches du dossier. Sur un total de 15 millions de dollars versés entre fin 2015 et mi-2018, 5 millions ont été utilisés pour le bénéfice personnel de Carlos Ghosn, selon le bureau des procureurs.
D'après des éléments de l'enquête interne de Nissan, une partie des sommes qui auraient été détournées ont abouti sur les comptes de la société "Beauty Yachts", dirigée par son épouse Carole Ghosn et enregistrée dans les Iles vierges britanniques. L'argent aurait servi à l'achat d'un luxueux bateau, d'un coût de 12 millions d'euros, baptisé "Shachou" (prononcer "shatchô", patron en japonais), a précisé une personne au fait des investigations.
Un "complot" pour l'ex-PDG
Tombé en disgrâce depuis son interpellation le 19 novembre à Tokyo, Carlos Ghosn a déjà été inculpé à trois reprises : deux fois pour déclarations inexactes de revenus sur les années 2010 à 2018, dans des documents remis par Nissan aux autorités financières, et une fois pour abus de confiance. Il est notamment accusé d'avoir tenté de faire couvrir par l'entreprise des pertes sur des investissements personnels, lors de la crise économique de 2008.
Dans une vidéo enregistrée le 3 avril et diffusée cette semaine, Carlos Ghosn clame une nouvelle fois son innocence, se disant victime d'un "complot", d'une "trahison" d'une petite équipe de dirigeants de Nissan afin de le faire tomber et tenter d'empêcher un projet de fusion avec son allié Renault.
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バリバラ「見えない人の写真術」
「写真」がテーマ。いつでもどこでも、誰もが写真を撮ってSNS投稿する時代に、楽しみから取り残されることが多い視覚障害者。「見えないから撮れない」「どうせ何が写っているかわからない」と本人も周りも決めつけがちななか、見えなくても独自の楽しみ方を写真に見出した人たちを取材。「見えないと楽しめない」という常識を覆し、見えないからこそ深く味わうことができる「写真の魅力」にフォーカスする趣味応援企画! ジミー大西,鈴木奈々, 山本シュウ,大西瞳, 玉木幸則, 神戸浩,ベビー・バギー
明日へ つなげよう「姜尚中 断層帯を行く〜熊本地震から3年〜
熊本市出身の政治学者・姜尚中さんは、2016年、期せずして熊本地震を経験した。かねてから震災について論考を重ねてきたが、故郷での被災体験は、自らと災害との「距離」を一気に縮めた。あれから3年。姜さんは、地震を引き起こした断層に沿って被災地を訪ね歩くことにした。そこには、地震の痛手を乗り越えて少しでも前に進もうとする人々がいた。その声に耳を傾け、何かをつかもうとする、姜尚中さんの思索の旅。 東京大学名誉教授、熊本県立劇場理事長…姜尚中, 橋本愛
ポツンと一軒家 愛媛県と香川県で発見!!
衛星写真で発見!“何でこんな所に?”という場所にポツンと建つ一軒家を日本全国大捜索! 所ジョージ パネラー 林修 高橋一生  畠山愛理 キートン山田 小山茉美
◇愛媛県 標高400mほどにある集落で聞き込み開始。すると目指す一軒家はさらに山の上だと判明。幅の狭い山道を越え、まるでトンネルのような竹林をくぐった先に…突然開けた場所が!そこには何やら工事をする2人の男性の姿があった。林が「これまでにない初めての展開」と語る愛に溢れたドラマとは…。
◇香川県 目指す一軒家への行き方を教えてもらい木々の切れ間さえない深い森の中へ。「これ本当に行けるのか?」不安になる程さらに荒れた山道へ。しかしよく見ると道には落ち葉がほぼない。まさか1km以上の山道を誰かが掃除しているのか?高橋が「グッときた」と噛みしめるように語る夫婦の物語が一軒家には秘められていた。 ☆番組HP  https://www.asahi.co.jp/potsunto/ ☆Twitter  https://twitter.com/potsun_abctv


熊本地震から3年になります.地震後の連休に大分に行ったし,熊本にも益城町にも何度か行きました.でも残念ながらすっかり忘れていました.また熊本に行きたいと思いました.
晩ごはんに電子レンジでさつまいも暖めたら1回目は美味しくできたのですが2回目は黒焦げになってしまいました.
条例制定したから,それに従いなさい,ってメールが来ました.えぇ〜・・・

津波で子ども3人失う 石巻の夫婦、心の復興体験を児童書に
 東日本大震災の津波で子ども3人を失った石巻市の木工職人遠藤伸一さん(50)夫婦の被災体験をつづった児童向けノンフィクション「かがやけ!虹の架け橋」が出版された。悲しみに沈んだ2人を周囲の人々が支え、遠藤さんが木製遊具の製作を通じて懸命に前を向く姿を描いた。
 著者は児童文学作家の漆原智良さん(85)。小学校高学年の児童から読めるように平易な表現を用い、小学4年生以上で習う漢字にルビを振った。
 4章構成。第2章で遠藤さんの被災体験が記されている。地震発生後、同市渡波小にいた長男侃太(かんた)君=当時(10)=と次女奏(かな)さん=同(8)=を迎えに行き、渡波の自宅に送り届けた。その後、親戚の安否確認のために自宅を離れ、戻る途中で津波に遭った。長女花さん=同(13)=を含め子ども3人が犠牲となった。
 「もし家にいれば子どもたちは助かったかもしれない」。後悔は深く、妻綾子(りょうこ)さん(50)と打ちひしがれた日々を送った。
 第4章は、地域の子どもたちが遊べるよう被災した自宅跡地に木製の大型遊具「虹の架け橋」を製作した話を展開。「虹の架け橋を見ることで天国にいる子どもたちの存在を感じ取ることができる」。製作を通じ、希望を見いだした遠藤さんの心情を伝える。
 遠藤さんは出版について「震災後、人から多くの支えを受けて生かされてきた。人を支えるのは人でしかない。本を手に取った子が、生きることは楽ではないが人間は捨てたものではない、生きなければならないと感じ取ってほしい」と話す。
 四六判112ページ。税抜き1300円。連絡先はアリス館営業部03(5976)7011。


<げんちゃんハウス>「宮戸の味」復活 地元住民に憩いの場
 東日本大震災を機に宮城県東松島市宮戸島にオープンし、2017年3月に閉店した食堂「げんちゃんハウス」が13日、復活した。再開を心待ちにしていた地元住民らが軽食を口にしながら憩いのひとときを楽しんだ。
 午前10時の開店後、地域住民らが次々と来店し、コーヒーやピザトーストなどを注文した。同店を運営する地元のノリ養殖業尾形静子さん(66)が、自慢の板ノリをバターと塩で炒めた「ノリチップス」や昆布の煮物などを振る舞った。土産用の板ノリも手渡した。
 来店した宮戸市民センターの小峰秀雄所長(70)は「宮戸地区は食事どころが1カ所しかなかったので、再開は地域の住民もうれしいし、観光にも貢献してもらえる」と期待を寄せた。
 4卓12席。26日までは土日のみ営業し、メニューはおにぎりやピザトーストなどの軽食とデザート。27日以降は水曜日を除いて営業し、旬の魚介を使った日替わり定食もメニューに加える。当面は地元産の白魚の天ぷらとあさり汁を予定している。
 木造平屋の同店は12年11月に開店し、住民でつくる宮戸コミュニティ推進協議会が運営した。当初は観光客や工事関係者に重宝されたが、次第に客足が遠のき、閉店した。
 宮戸では昨年10月に韓国版トレッキング「宮城オルレ」のコースが開設されて観光客が増え、同店再開の声が高まっていた。調理師免許を持つ尾形さんが同協議会から建物を借り受け、スタッフ4人と運営する。
 尾形さんは「スタッフを始め協力してくれた皆さまのおかげで再開できた。9年ぶりに宮戸を訪れたお客もいてうれしい。ここに集まって話をして、宮戸を知ってもらいたい」と話す。
 営業は午前10時〜午後4時。連絡先は尾形さん090(7669)8759。


被災地区に活気創出 気仙沼・内湾に交流施設オープン 物産センターと運動場などにぎわう
 東日本大震災で被災した宮城県気仙沼市内湾地区に、市が整備した観光交流拠点施設「気仙沼市まち・ひと・しごと交流プラザ」が13日、オープンした。津波で被災した二つの施設の機能を備え、開館を待ちわびた多くの住民らでにぎわった。
 同市南町海岸にできた施設は、鉄筋一部鉄骨3階で延べ床面積約2400平方メートル。愛称は「創(ウマレル)」で、防潮堤と一体化した構造となっている。2階が観光集客施設「迎(ムカエル)」とつながり、内湾地区のにぎわい創出の役割も担う。
 いずれも津波で全壊した同市南町海岸の市観光物産センター「エースポート」と、同市潮見町にあった軽運動場などを備えた「市勤労青少年ホーム」の機能を兼ね備えた。チャレンジショップや軽運動室、誰でも自由に弾けるピアノが置かれたラウンジなどがある。
 オープニングセレモニーには関係者約100人が出席。気仙沼市出身のジャズピアニスト岡本優子さんがオリジナル曲などを弾き語りし、開館に花を添えた。
 菅原茂市長は「新たなまちづくりの拠点となる施設。市民の高い志が生まれることが気仙沼の復興につながる」とあいさつした。
 内湾地区には、被災した居酒屋などが入る商業施設「気仙沼スローストリート(仮称)」が8月に、鮮魚店などが入る「気仙沼スローフードマーケット(仮称)」が10月に、それぞれオープンする予定だ。
 住民団体「内湾地区復興まちづくり協議会」の菅原昭彦会長は「各施設が一体となり、内湾地区全体のにぎわい創出につなげていきたい」と話した。


<いわてを考える>第4部・県内格差(4)震災と台風豪雨/異なる支援制度で明暗
<20年度が期限>
 点在する集落に沿って流れる安家(あっか)川。土のうが積まれた川岸には、ひしゃげた標識や骨組みだけになった家が無残な姿をさらす。至る所で道路や河川の工事が続き、河川に並行して通る県道をトラックがひっきりなしに行き交う。
 2016年8月に発生した台風10号豪雨の被災地、岩手県岩泉町の復旧工事は、ようやく折り返し点を迎えた。災害公営住宅の建設やインフラの再整備が最終盤となった東日本大震災の津波被災地とは対照的な光景だ。
 台風豪雨被害も激甚災害に指定されたが、国の財政支援は20年度まで。特例で10年の復興期間が設けられた震災とは事情が異なる。町復興課は「一つの町でできる工事量を超えている。多少無理をしてでも期限内に終わらせるしかない」と説明する。
 震災復旧や三陸沿岸道の建設工事と時期が重なったため、人手や資材の調達は難航を極めている。
 県建設業協会岩泉支部の工藤俊治支部長は「どの社も、できる範囲でしか仕事を取れない。人手が足りないので一度リタイアした人にお願いして来てもらうこともある」と打ち明ける。
 震災と台風10号豪雨。短期間に岩手を見舞った二つの災害が「被災地格差」を生み出す結果となった。
<家賃減免なし>
 岩泉町は震災で沿岸部の小本地区が被災。台風豪雨は町全域に深い爪痕を残した。町の被害額は421億円に上る。復旧事業費のほぼ全額を国が負担した震災とは異なり、台風豪雨からの復旧は町にも1割程度の自己負担が生じる。
 18年度までの3カ年に町が計上した復旧費は総額30億円で、年間予算の4割に匹敵。今後は町単独事業の生活橋再建などの負担が見込まれる。
 被災地格差は町内にも内在していた。
 町は震災と台風豪雨で被災者向け災害公営住宅を計114戸整備。震災分51戸は13年に完成し、台風豪雨分63戸も20日に引き渡しが始まる。
 震災分は国が建設費全額を負担し、低所得世帯には家賃の減免措置がある。しかし台風豪雨分は建設費の3分の1が町の持ち出しで、家賃の減免も適用されない。
 同じ公営住宅で家賃格差が生じるため、差額は町がかぶる。中居健一町長は「災害の種類は違っても被災者の状況は同じ。差をつけてはならない。国には被災地の実情に応じた柔軟な制度運用をお願いしたい」と話している。


時評
岩手県沿岸部の久慈―盛(大船渡市)163キロを一貫運行する三陸鉄道の「リアス線」が開通した。南北に分かれていた路線に、JR東日本から移管された山田線の宮古―釜石間を加え、全国最長の第三セクターとして新たなスタートを切った。
 三鉄は1984年4月、当時の国鉄の経営悪化により廃線が決まった久慈線(久慈―普代)と宮古線(宮古―田老)に、未開通だった普代―田老間をつないだ北リアス線(71・0キロ)、盛―釜石間の南リアス線(36・6キロ)が同時開業。当初は黒字経営を維持し、「三セク鉄道の優等生」と呼ばれたが、沿線の人口減少に伴い利用者が落ち込むなどして赤字に転じた。
 企画列車の運行や駅命名権売却といった収益改善策に加え、県や沿線市町村からの財政支援を受けながら経営努力を続けてきたが、大きな転機となったのが2011年3月の東日本大震災だった。沿岸部を走る南北リアス線、山田線に大津波が押し寄せ、駅舎や線路、橋りょうが甚大な被害を受けた。
 全線にわたって不通を余儀なくされたが、最初に久慈―陸中野田間の運行を再開し、その後も徐々に拡大。被災地にとって「復興の象徴」の一つになったほか、北三陸を舞台にしたNHK連続テレビ小説「あまちゃん」で取り上げられ、全国的なブームにもなった。
 リアス線は、8年ぶりの列車運行となった宮古―釜石間を引き継いでの再出発だ。経営の現状に目を向ければ、人口減少が進む中でいかに利用者を確保して路線を維持していくのか、震災前と変わらぬ課題を抱える。高校生や高齢者ら交通弱者の足を守るため、さまざまな知恵を絞っていくことが必要だ。
 今年は「リアス線元年」の効果が期待される。6月から約2カ月間は、岩手県が「三陸防災復興プログラム2019」を展開し、沿岸市町村でさまざまなイベントを開催する予定。9、10月には釜石市でラグビーワールドカップの試合もあり、乗車機会の増加につなげたい。
 地域資源を見直し、掘り起こすきっかけにもしたい。2年後には八戸市―仙台市間の359キロで三陸沿岸道路が全線開通する。バス会社などと連携し、沿岸エリアに観光客を誘導する仕掛けを考えることも、地域振興の一つのアイデアではないか。
 三鉄はこれまでも、観光資源やブームをうまく生かしながら、地域に貢献してきた。新たな魅力づくりに努め、地域の人々により愛される鉄道となってほしい。


津波被災の海水浴場でゴミ拾い
東日本大震災の津波で大きな被害を受けた仙台市の海水浴場をきれいにしようと、14日、地元の人たちやボランティアがゴミ拾いを行いました。
仙台市若林区の荒浜地区にある深沼海水浴場は、被害を受けたあと大勢の海水浴客を受け入れる態勢が整わないため海開きができない状態が続いていて、今は夏場に数日の期間限定でオープンする程度です。
それでも、地元の海や海水浴場をきれいにしようと、震災前に荒浜地区に住んでいた人やボランティアなどおよそ80人が海岸のゴミ拾いを行いました。
ふだん訪れる人が少ないため、ゴミも少ないものの、参加者たちは海から流れ着いたプラスチックごみなどを1つ1つ拾い集めていました。
ごみ拾いを呼びかけた地元の庄子隆弘さんは、「震災から8年経ってもこれだけ多くの人が参加してくれてありがたい。再び多くの人が集まる場所にしていきたい」と話していました。
深沼海水浴場はことしも海開きはできない見通しで、期間限定でオープンするということです。


熊本地震3年 神戸大の学生組織、地域再生へ延べ198人派遣
 熊本地震の被災地で、神戸大学の学生組織「持続的災害支援プロジェクトKonti(コンティ)」が現地支援に取り組んでいる。これまで学生ら延べ198人を計28回派遣。がれきの撤去に始まり、今も地域コミュニティーの維持・再生に手を差し伸べる。前震から3年。関係者は「部外者だからこそできる寄り添いを続けたい」と意気込む。
 コンティは2016年5月に発足。11年の東日本大震災で被災者支援の足湯などに取り組んだ「神戸大東北ボランティアバスプロジェクト」のメンバーらが立ち上げた。名称は英語の「Continue(継続)」と「Contiguity(寄り添い)」を掛け合わせ、神戸大のアルファベッドの頭文字Kを充てた。
 拠点は阿蘇の自然豊かな熊本県西原村。本震で最大震度7を記録し、全家屋の半数を超える約1380戸が全半壊した。
 最初の1年は被害が出た農作物や設備の撤去を担った。翌年度から同村の畑(はた)地区と風当(かざあて)地区の2集落を活動場所に絞り、被災者を戸別訪問。揺れ動く心情や復興に向けた要望に耳を傾けた。コミュニティーづくりのイベントを企画し、地区外への移住者が集えるお茶会も開いてきた。
 「住宅を再建できていない人はまだいるが、集落は落ち着きを取り戻し、盛り上げようとする雰囲気が生まれている」
 コンティ代表で同大大学院修士課程の伊庭駿(すぐる)さん(23)は当初から支援に関わり、住民の意識の変化を感じてきた。かつては流しそうめんやクリスマスイルミネーションなど地区内の住民に楽しんでもらう催しを行ってきたが、最近は、住民から地区外の若者と交流を望む声が出てきた。
 背景には高齢化の問題が頭をもたげている。山焼きや草刈りなどの担い手不足が見込まれ、住民は阿蘇の景観を守る上で危機感を募らせているという。
 両地区では今月21日、まち歩きイベントを予定し、熊本県在住の大学生に参加を打診。コンティも現地で培ったネットワークを生かし、参加者集めに協力している。
 「人をつなぐ役割は先入観がない部外者だからやりやすい」と伊庭さん。「先行きへの不安を抱える人は少なくない。本当に必要な支援を行うためにも、被災者の声に耳を澄まし続けたい」と力を込めた。(金 旻革)


熊本地震、犠牲273人追悼 発生3年、再生誓う
 史上初めて震度7を2度観測し熊本、大分両県で273人が犠牲となった熊本地震は14日、発生から3年を迎えた。熊本県庁で県主催の追悼式が開かれ、妻を亡くした南阿蘇村の農業増田敬典さん(81)が遺族代表として「悲しみは尽きないが、自立した生活を送り、少しでも村の再建に役立ちたい」と述べ、再生を誓った。
 蒲島郁夫知事は1万6千人以上が仮設住宅などに仮住まいしているとし「住まいの再建は最優先課題。一人一人の気持ちに寄り添い、全ての人が確保できるよう全力で取り組む」と語った。
  式には遺族のほか、地震を次世代に語り継ぎ教訓にしてもらおうと、県内の高校生も招いた。


<熊本地震3年>熊本城復活に仙台の力 市教委職員 崩れた石垣修復
 熊本地震で被災した熊本城(熊本市中央区)の復旧に、仙台市教委が東日本大震災の経験を生かしながら協力している。地震から3年が経過した今も城内には崩落した石が転がり、立ち入り禁止が続く。仙台市教委の職員は「熊本城は復興のシンボル。力になりたい」と意気込む。
 大小二つの天守閣は周囲に足場が組まれ、外観の修復や石垣の積み直し作業の真っただ中だ。仙台市教委から2人目の派遣となった須貝慎吾さん(25)は10月に始まる特別公開に向け、天守閣近くの見学ルートで石材の回収などに当たっている。
 入庁2年目。1日付で熊本市役所に着任したばかりだ。「復旧は進んでいる印象だが、こんなに大規模な修復は大変な作業になる。これから忙しくなる」と気を引き締める。
 仙台市教委は文化庁の要請を受け、2017年4月から職員を派遣している。1人目は、東日本大震災後、仙台城跡の酉門(とりのもん)と清水門の石垣復旧を担当した関根章義さん(37)だ。熊本城で2年間、天守閣の石垣を元に戻す作業に携わった。
 復旧は(1)崩落状況の記録(2)崩落した石材の番号付け(3)石材の回収と仮置き(4)積み直し−が主な工程。速やかな復旧と同時に文化財の丁寧な調査が求められる。
 「仙台城跡の修復は訳が分からないまま夢中で作業した。熊本城は一連の流れが分かっていたので余裕を持てた」と関根さん。石垣の約3割(2万3600平方メートル、517面)が被害を受けた熊本城を初めて見た時も「時間はかかっても、しっかりと直せそうだ」と焦りはなかった。
 崩れた石の撤去や積み直しの現場に立ち会い、詳細な記録を残すため複数の角度から写真を撮るなど工夫した。昨年末には791個の石を積み直す大天守の石垣復旧が完了し、被害が大きかった小天守の石垣は解体作業まで見届けた。
 関根さんは「派遣職員としてやれるだけのことはやれた。自分が関わった小天守の石垣も完成したら見に行きたい」と語る。
 熊本城調査研究センターの金田一精さん(50)は「大規模な修復のノウハウがない中、震災の経験に基づくアドバイスはとても助かった。本年度も引き続き派遣してくれて心強い」と感謝する。
(報道部・鈴木拓也)
[熊本城]初代肥後熊本藩主加藤清正が1607年に築城。国指定特別史跡。勾配が急になる石垣の反りは「武者返し」と呼ばれる。熊本地震で13棟の国指定重要文化財と、天守閣を含む20棟の再建・復元建造物が倒壊または石垣が崩落するなどの被害を受けた。市は2018年3月に復旧基本計画を策定。38年度の復旧完了を目指す。


熊本地震3年 被災者へ息の長い支援を
 「震度7」を2度も記録し、甚大な被害に見舞われた熊本地震の発生から3年を迎えた。被災地では、復旧・復興の取り組みが進む一方で、生活再建など残された課題も多い。被災者に“普通の日常”が早く戻るよう官民挙げてのさらなる支援が求められる。
 熊本市では繁華街や商業施設が活気を取り戻してきた。大型商業施設や分譲マンションなどの大規模再開発も相次ぐ。有数の観光地・阿蘇地域への主要路線であるJR豊肥線は寸断されていたが、2020年度中の運行再開にめどがついてきたという。地域の再生を担う観光復興の弾みとなろう。
 深手を負った街のシンボル・熊本城は大天守が外観の修復をほぼ終えた。10月には天守閣前広場の特別公開が予定されている。大小両天守の内部修復が終わるのは21年春ごろだが、城内全域の復旧は37年ごろとなる。
 道のりは長いが、惨状が衝撃的だっただけに、威風堂々とした姿を日々取り戻していく光景は被災者や県民を元気づけることだろう。
 再生へと進む一方で、市街地では住民が去って空き地が増えた地域もある。山間部には依然として崖崩れや道路の通行止めの個所が残るなど、復興の地域格差も目につく。
 「創造的復興」を掲げる熊本県が最優先に据えるのが、被災者の恒久的な住居の確保だ。県内には3月末現在で、なお1万6千人超が仮設住宅などで“仮住まい”を余儀なくされている。災害公営住宅の建設が急がれる。
 避難先の主流は、被災者が民間賃貸住宅を見つけて行政が家賃を払う「みなし仮設住宅」だ。繰り返された震度7の直撃で大きな被害を受けた益城町などでは、被災者が他の自治体にあるみなし仮設に入ったケースが多い。地元に物件が乏しい上、被災後に建てるプレハブ仮設などに比べて迅速に入居できたからだ。
 だが、見知らぬ土地で孤立感を抱え、体の不調を招く被災者は多い。支援の目も届きにくい仮住まいでの孤独死は県内で28人に上る。
 益城町は支援団体に委託して、みなし仮設入居者の見守りをしている。懸命に取り組んでいるが、広範囲で十分手が回らないのが実情だ。期限が来て退去すると対象外となるが、それ以降も見守りが必要な世帯があるという。被災者に丁寧に寄り添える仕組みでなければ、真の復興はおぼつかない。
 西日本豪雨で大きな被害を受けた倉敷市真備町地区などでも、住み慣れた地域を離れてみなし仮設に入居したケースは多い。熊本地震での事例や課題などを参考に、被災者の実情を踏まえた息の長い支援に努めてもらいたい。
 南海トラフ巨大地震をはじめ、自然災害はいつどこで起きてもおかしくない。これまでの教訓を基に新たな知恵を積み重ねて、災害への対応力を高めていくことが必要だ。


熊本地震3年 住まい再建へきめ細かな支援を
 震度7を続けて2度記録した熊本地震から3年。熊本県内では道路などのインフラ復旧が進む一方、3月末現在で仮設住宅などで生活する被災者は約1万6500人に上る。国や県は、不自由を強いられている被災者の命と健康を守るとともに、住まいの再建へ個別の事情に応じた支援を強化する必要がある。
 仮設住宅などの入居者は、ピーク時の4万7800人から3分の1近くに減った。行政が民間賃貸住宅を借り上げた「みなし仮設住宅」の利用が多く、地域とのつながりを失った高齢者らの孤立防止が課題だ。2月には70代男性が誰にもみとられずに死亡し、仮住まいのまま「孤独死」したとみられる被災者は計28人となった。行政は戸別訪問や相談対応に一層力を尽くさなければならない。
 仮設住宅の入居期限は原則2年で、一定の条件を満たせば最長4年住める。県は転居費の助成や自宅再建のローン利子の補助のほか、保証人がいなくても民間賃貸住宅に入居できる仕組みをつくった。こうした支援策により、来年3月までに住まい再建を完了させたい考えだ。
 だが、期限ありきであってはならない。経済的な事情などで再建が困難な世帯もあり、きめ細かな対応を求めたい。
 県は、みなし仮設で4〜5月に入居期限を迎えるうちの1946世帯について、期限を延長しないことを決めた。6割以上がこれまでと同じ部屋を含む民間賃貸住宅に住む予定で、自宅に戻るのは2割超という。生活再建が途上なのは明らかで、行政のサポートが欠かせない。
 退去後も、高齢者や病気の人などは引き続き見守り支援が必要だ。各地で災害公営住宅が整備されつつあるが、入居した高齢者らが孤立する恐れがある。東日本大震災の被災地では今も課題となっている。行政は入居者同士に加え、地域や民間支援団体との交流を促進するなどし、コミュニティーづくりを後押ししてもらいたい。
 一方、インフラ面では、JR豊肥線・肥後大津―阿蘇の運行が2020年度中に再開の見通しとなった。地震で不通となったJR線の復旧が完了する。20年度には大分とを結ぶ国道57号の代替ルートも開通予定で、九州有数の観光地・阿蘇地域の復興が大きく前進する。
 ただ、主要路が寸断されている間に、山間部と都市部の復興格差が広がった。山間部では他の道路の通行止めや土砂崩れ防止工事も続き、安心して帰還できる状態にない。若い世代ほど避難先での生活が定着し、過疎高齢化の加速が懸念される。道路復旧などとともに、観光を絡めた地域活性化が急務だ。
 この1年間で大阪府北部地震や西日本豪雨、北海道地震など災害が相次いだ。各地で仮設住まいを余儀なくされている被災者が大勢いる。関係自治体は熊本地震の教訓を生かし、情報交換や相互連携に努め、一刻も早い生活再建につなげたい。


[熊本地震3年] 復興を後押しする力に
 震度7の激震を2度観測した熊本地震の発生からきょうで3年になる。
 犠牲者は熊本、大分両県で災害関連死を含めて273人、今も1万6519人(3月末現在)が仮設住宅などで仮住まいを続けている。
 長引く避難生活で、誰にもみとられずに死亡する「孤独死」も相次いでおり、熊本県の集計では28人に上る。被災者が安心できる暮らしを一日も早く取り戻せるよう、復興を加速させる必要がある。
 鹿児島県からも自治体間の職員派遣のほか、企業やボランティアなどの支援活動が続いている。隣県として、復興を後押しする力となりたい。
 仮設住宅入居者の約7割は、被災者が民間賃貸住宅を見つけ行政が家賃を払う「みなし仮設」で暮らしている。入居期限は原則2年で、条件を満たせば最大4年まで住むことができる。
 熊本県によると、4〜5月に入居期限を迎える2623世帯の7割以上は期限を延長しないという。ただ、このうち再建した自宅に戻るのは2割超にとどまる。中には家賃を払って同じ部屋に住み続ける人も多く、生活再建は容易でないことがうかがえる。
 被災者個々の状況に応じたきめ細かな支援や、見守り活動など孤立化を防ぐ対策の充実が必要だ。
 復興への動きは着実に進んでいる。
 無数の瓦がはがれ落ち損傷した熊本城は、大天守の外観の復旧がほぼ終わった。10月には立ち入りが制限されている天守閣前広場の一般向け特別公開が始まる。城の雄姿は復興の象徴として県民を勇気づけるに違いない。
 不通となっているJR豊肥線・肥後大津−阿蘇は、2020年度中の運行再開の見通しが立った。再開すれば地震で不通となったJR線の復旧が全て完了する。豊肥線は観光地・阿蘇地域への主要路線であり、観光復興の弾みとなろう。復旧を急いでほしい。
 熊本地震では、避難所を避け車やテントで寝泊まりする被災者が続出。居場所の把握や車中泊によるエコノミークラス症候群が問題になった。
 南海トラフ巨大地震が予想される中、プライバシー重視の風潮から避難行動は今後も多様化するだろう。
 国は、携帯電話の位置情報から居場所を把握するシステムの構築に向け実証実験を行ったほか、国と自治体が被災情報を共有するための専用サイトを立ち上げる準備も進めている。
 段ボールの間仕切りや簡易ベッドを調達したり、企業の会議室などを活用するために災害時の協定を結んだりして、避難所の機能と役割を見直す自治体も増えている。
 被災地の経験は、新たな災害対応への教訓となる。国や自治体は情報を収集し、被害を確実に軽減する対策を練り上げることが重要である。


益城を歩き地震を振り返る
熊本地震で震度7の揺れを2度観測した益城町で、住民たちが地域を歩いて回り、復興の状況を確認しながら地震の体験を振り返る催しが開かれました。
この催しには、益城町で自宅を再建した人や仮設住宅に住む人など地元の住民およそ30人が参加し、はじめに地震で倒壊した木山神宮で町の復興を祈りました。
そして、町を歩いて回りながら、橋の架け替え工事が進む様子や工事が終わった堤防などを確認していました。
益城町では、今も住宅が建設できずさら地になったままの土地もあり、参加者の中にはさら地を見てさびしそうな表情を見せる人もいました。
最後に住民たちは地震の直後、避難所などで配られていた水を注ぐだけで食べられる「アルファ米」などの非常食を食べ、地震の体験を振り返っていました。
参加した63歳の男性は「さら地がまだ多く、復興が進んでいるようには感じられなかった。地震から3年がたっても、地域の状況を見るたびにさびしい気持ちになります」と話していました。
催しを企画した住民の富田昭寿さん(70)は「今回のような催しで地震が起きた当時を思い出し、地域の防災力を高めていきたい」と話していました。


熊本地震から3年 県庁で追悼式
震度7の揺れに2度にわたって襲われた一連の熊本地震から3年となり、熊本県庁では追悼式が行われました。
一連の熊本地震では、災害関連死を含めて273人が犠牲になりました。
追悼式は午前10時から始まり、参列した遺族など全員で黙とうをささげました。
熊本県の蒲島知事が「今なお1万7000人近い方々が仮設住宅での生活を余儀なくされています。一人ひとりの気持ちに寄り添い、すべての方が恒久的な住まいを確保できるよう全力で取り組んでいきます」と述べました。
このあと、遺族を代表して熊本県南阿蘇村で被災し79歳だった妻のフミヨさんを亡くし、仮設住宅で1人暮らしを続ける増田敬典さん(81)が、「4月16日の夜、まさかの本震が私たちを襲い、妻は全壊した自宅の下から救い出されましたが息を吹き返すことはありませんでした。南阿蘇村は60年間妻と過ごしてきたふるさとです。今後も自立した生活を送ることで、亡き妻のためにも微力ながら復興の力になりたい」と述べました。
そして、参列者が順番に祭壇に歩み花を手向けていました。
地震で崩落した阿蘇大橋の近くで行方が分からなくなり、およそ4か月後に見つかった、熊本県阿蘇市の大学生大和晃さん(22)の両親は、遺影を抱いて追悼式に参列しました。
追悼式のあと、父親の卓也さんは「3年間は瞬く間に過ぎていき、晃がまだそこにいていつでも帰ってくるような気がします。目に見える復興とは裏腹に生活面の再建はまだまだだと思います」と話していました。
母親の忍さんは「晃に会えなくなった分だけ思いは募るばかりです。晃や亡くなった方たちが天国で穏やかにいてほしい」とことばを詰まらせながら話していました。
重い心臓病のため、熊本市民病院で治療を受けていた宮崎花梨ちゃん(4)は、地震のあと建物の耐震が不十分で倒壊のおそれがあるとして転院を余儀なくされ、その後、亡くなりました。
14日の追悼式に両親は、にっこりと笑った娘の写真と大好きだった犬のぬいぐるみを手に参列しました。
式のあと、母親のさくらさん(40)は「3年がたった今も、どうにか生きられる方法がなかったのかと悔しさがこみ上げてくる。娘が帰ってくる訳ではないので『復興』ということばを聞くとつらい。二度と私たちのような思いをする人が出ないようにしていきたい」と話していました。


熊本地震3年 住居再建など課題
270人以上が犠牲となった一連の熊本地震の発生から、きょう・14日で3年です。
仮設住宅などで暮らす被災者は、今も1万6000人を超えていて、長引く避難による体調悪化も懸念される中、住まいの再建や見守り支援が課題となっています。
熊本県によりますと、一連の熊本地震で被災し、仮設住宅や民間の賃貸住宅を活用した「みなし仮設」などで避難生活を送る被災者は、4万7000人を超えていたピーク時からおよそ65%減少しましたが、先月末の時点でも7304世帯、1万6519人に上っています。
熊本地震で犠牲になった人は合わせて273人で、この中では避難生活による体調の悪化などで、災害関連死と認定された人が217人と多くを占めています。
また、仮設住宅などで誰にもみとられずに亡くなった孤立死とみられるケースは28人に上っています。
自力で自宅を再建できない世帯のための「災害公営住宅」は、来年3月末までに1717戸整備される予定ですが、先月29日までに完成したのは、29%にあたる496戸となっています。
自宅の再建を望む被災者の中にも、ローンが組めないなどの理由で見通しが立たない世帯があり、長引く避難生活で体調悪化も懸念される中、住まいの再建や見守り支援をどう進めるかが課題となっています。


益城仮設 「少しずつ前に」
県内で最も多くの人が避難生活を送る熊本県益城町の「テクノ仮設団地」の住民からは地震から3年がたっても住宅の再建が進まないことへの不安の声が聞かれる一方、復興が少しずつ進んでいることへの期待の声が聞かれました。
町が整備する災害公営住宅への入居を待っている70歳の女性は「仮設住宅での生活は楽しいこともつらいこともあります。2年目よりも3年目と少しずつ前に進んでいるように感じます。次の住宅が決まったことで、前向きな気持ちになりました」と話していました。
自宅が全壊した80歳の男性は「地震から3年がたつが生活はあまり変わっていない。自宅を建て直す余裕はなく災害公営住宅ができるのを待つしかない」と話していました。
ことしの夏に自宅を再建する予定だという83歳の男性は「新しい自宅ができるのが楽しみです。ぜいたくは言えませんが仮設住宅の部屋は狭いので、広い家で暮らしたい」と話していました。
益城町では、こうしたプレハブ型の仮設住宅で、先月末時点で、依然862世帯1977人が避難生活を続けています。


熊本城の復旧は・・
熊本のシンボルとして親しまれている熊本城には、地元の人たちがふだんどおり、朝早くから訪れていました。
地震で崩れた石垣がそのままになっているところがある一方、大天守は2階から上の外観の部分の復旧工事をほぼ終えて、本来の姿を取り戻しつつあります。
天守閣が望める二の丸広場では地元の人たちが散歩をしたり、朝の体操をしたりしていました。
自宅が半壊する被害を受けた熊本市西区の72歳の女性は「3年は早かった気がします。熊本城は県民の誇りなので早く復旧して見学できるようになってほしい」と話していました。
毎日熊本城を見ているという68歳の男性は「はやく復旧して観光の手助けになってほしい」と話していました。
大天守の外観部分の復旧は、ことし秋には終わる見通しで、それにあわせて立ち入り規制も一部が解除されて天守閣付近まで歩いて見学できるようになります。
熊本城はふだん午後11時までライトアップされていますが、地震から3年となる14日と15日は、夜を徹し翌日の日の出までライトアップされます。


熊本地震時の「リアルな行動」を書籍に 避難所運営の大学生がライン履歴をまとめ 教訓つなぐ
 熊本県立大生らが、熊本地震時に避難所運営のため交信し合った無料通信アプリ「LINE」(ライン)の履歴をまとめた「熊本地震4・16 あの日僕たちは LINEでつないだ避難所運営の記録」(熊日出版)を出版した。A5判、112ページで、本震発生から3日間の生々しいやり取りを紹介。「経験を共有し今後に役立ててほしい」と呼び掛けている。
 「おにぎり足りません」「いちごが大量に余りました」−。本震が起きた2016年4月16日の履歴には、午後6時からわずか10分の間に、16人がやり取りした計40件のメッセージが残る。
 同大は本震2日前の前震を受けて避難所を開設。近隣住民ら最大約1400人を受け入れた。避難所運営に学生たちも関わり、連絡用の複数のライングループが自然発生的に立ち上がったという。
 これをリーダー格の3、4年生が主導して本震後の16日深夜までに登録メンバー約200人からなる「ボランティア本部」「避難場所」「リーダー」の3本に集約。伝達経路を明確にし、「スタンプは使わない」「不要な返信は控える」などのルールも決めた。
 近くの熊本赤十字病院の患者や赤ちゃん連れの親子など対応が難しい避難者もいたが、ラインによる迅速な情報共有で、何とか3日間を乗り切った。
 書籍化の構想は、地震発生から1年後の17年4月から始まった。当時の同大理事長で県の「くまもと復旧・復興有識者会議」座長の五百旗頭[いおきべ]真氏が、ラインの履歴について「防災を考える上で貴重な資料だ」と注目したのがきっかけだった。
 約120人が避難した武道場で責任者を務めた当時2年生の荒井祥さん(22)=同市中央区=をリーダーに、総合管理学部の澤田道夫教授(49)のゼミ生15人が中心となって編集作業に取り組んだ。
 本震後の16日夕から18日正午ごろまでの履歴は約2千件。このうち、「了解」などを意味する一部の返信は削り、約750件分を収録。当時の息遣いや臨場感を伝えようと、ほぼ原文のまま残した。
 澤田教授は「学生が普段から使い習熟したツールだからこそ非常時でもうまく転用できた」と指摘。「現場のリアルなやり取りを記録した本は日本で初めてと思われ、貴重だ」と評価する。
 荒井さんは記憶の風化や「思い出」として語られる現状に危機感を持つ。「『きつかった』という漠然とした記憶ではなく、具体的な行動記録を残して教訓を伝えることが大事。ぜひ、手に取って防災意識を高めてほしい」と力を込める。(社会部・前田晃志)


東京都内で「元気ばい新聞」配布 熊本地震3年で熊本県人会
 熊本地震から丸3年を前に、くまモンと東京熊本県人会のメンバーらが13日、東京・銀座で、熊本の復興状況を伝えるため熊日が毎月1万部を発行している無料情報紙「くまもと元気ばい新聞」(A2判、2ページ)を配布した。
 県東京事務所と一般社団法人「FOR KUMAMOTO PROJECT」が熊本地震の風化を防ごうと企画。4月号2千枚を街行く人に配った。
 今回の紙面は南阿蘇村の児童らでつくる「くまモン記者団」が取材を担当。児童ならではの視点をいかし、記事や写真で、復興するふるさとの“今”を伝えている。
 新聞を読んだ薄井里香さん(48)=東京都町田市=は「地震後、年3回は熊本に行き、復興の様子を見てきた。いつか必ず復興すると信じている」とエールを送った。(嶋田昇平)


熊本 南阿蘇村立野地区で復興の様子知るモニターツアー
熊本地震で大きな被害を受けた南阿蘇村の立野地区では、復興の様子などを知ってもらい人を呼び込もうというモニターツアーが開かれました。
このツアーは地元有志のグループが企画し、県外などから22人が参加しました。
南阿蘇村の立野地区は、大規模な土砂崩れで橋が崩落するなどして交通が寸断されたほか、断水が続いた影響で360世帯880人が「長期避難世帯」と認定され、地区を離れることを余儀なくされました。
復旧に伴っておととし、認定は解除されたものの、地区に戻ったのは44%の158世帯となっています。
ツアーでは被災した人たちが住む災害公営住宅に立ち寄り、今の暮らしをはじめ、地震当時の様子や復興状況などについて説明を受けました。
また、被災した菓子店では再び地元で営業を始めたということで、参加した人たちは復活したまんじゅうを味わっていました。
奈良から訪れた25歳の女性は「すてきなところなのでもっとたくさんの人が来て復興が進めばいいと思います」と話していました。
主催したグループの会長を務める高瀬大輔さんは「これをきっかけに若者が戻りにぎやかな立野になってほしいです」と話していました。
南阿蘇村立野地区の被害と復興状況
南阿蘇村の立野地区は3年前の熊本地震による大規模な土砂崩れの影響で多くの住宅が倒壊するなど、地区全体で被害が出ました。
また、地区にかかっていた阿蘇大橋が崩落するなどして交通が寸断されたほか、断水が続いた影響で、地震から半年後には被災者生活再建支援法に基づき「長期避難世帯」に認定されました。
その後、村の中心部につながる阿蘇長陽大橋が復旧したことや水道が復旧したことなどから「長期避難世帯」への認定はおととし10月に解除されました。
しかし、地区の住民たちが通学や通勤に利用していたJR豊肥本線や南阿蘇鉄道が今も運休しているほか、土砂災害対策が完了していないことなどから、今も地区に戻ったのは44%ほどの158世帯にとどまっています。


空自F35の墜落事故 日米で原因究明に全力を
 最新鋭のハイテク機がなぜ墜落したのか。原因不明のまま飛行再開や更なる配備を急ぐことは国民感情からも財政面からも認められない。
 航空自衛隊三沢基地に昨年配備されたばかりの最新鋭ステルス戦闘機F35Aが太平洋上に墜落した。機体は1人乗りで、3等空佐(41)が操縦していた。自衛隊や米軍が航空機と艦艇による捜索を続けている。
 防衛省によると、4機編隊による夜間訓練中で、3佐から「訓練中止」の交信があった直後にレーダーから機影が消えた。3佐は緊急脱出できなかったとみられる。
 事故機は過去に2回、冷却系統などのトラブルで緊急着陸したことがあった。そうした機体のトラブルが事故につながったのか。操縦士のミスや体調の急変が原因となった可能性はないのか。疑問は尽きない。
 事故原因を究明するためにも3佐と機体の捜索を急がなければならない。航跡などを記録したフライトレコーダーの回収は欠かせない。現場海域の水深は約1500メートルあるが、引き揚げる努力を尽くすべきだ。
 F35は米国が英国やオランダ、イタリアなど8カ国と共同開発した。陸上の滑走路を発着する標準的なAタイプと艦船への搭載が可能なB、Cタイプがある。米国の同盟国を中心に世界規模で配備が進む。
 日本は共同開発に参加せず、米政府からの有償軍事援助(FMS)で購入している。事故機はAタイプで、三菱重工業が国内で組み立てた。価格は約140億円にもなる。
 政府は「いずも」型護衛艦への搭載を想定するBタイプ42機と合わせ計147機のF35を配備する計画だ。原因究明なしに購入を進めることには国民の理解が得られまい。
 今回、Aタイプでは世界初の墜落事故となったことから、米国も神経をとがらせているようだ。軍事機密の塊といわれる機体が他国の手に渡ることも警戒している。
 機体の機密部分はブラックボックス化されており、原因究明には米軍との連携が必要になる。軍事機密を理由に事故調査を米軍任せにすることがあってはならない。
 政府は事故機のほかに三沢基地に配備済みの12機の飛行を差し止めた。拙速な飛行再開は避け、住民の不安解消に努めるべきだ。


オスプレイ訓練 既成事実化を認めない
 道民の不安を無視した訓練を、また強行するつもりなのか。
 防衛省は、在沖縄米海兵隊の輸送機オスプレイが参加する日米共同訓練を、来年1〜3月の間に道内で実施すると発表した。
 こうした訓練は2017年以来2回目だ。昨年も計画自体は立てられており、胆振東部地震で中止になった経緯がある。
 日米両政府が、道内での訓練を恒常的に行おうとする意図が明らかになったと言えよう。
 しかし、オスプレイは事故やトラブルが後を絶たず、安全性への懸念は払拭(ふっしょく)されていない。
 道民の生命や暮らしを危険にさらす恐れのある訓練を、既成事実化することは到底認められない。両政府は計画を撤回すべきだ。
 来年の訓練は、前回よりも心配すべき要素が増えている。
 一つは訓練空域の拡大だ。
 陸自帯広駐屯地(帯広市)の十勝飛行場を拠点に、北海道大演習場(恵庭市など)や矢臼別演習場(根室管内別海町など)といった複数箇所での実施が想定される。
 演習場の間を移動するルートなどには、市街地の上空が含まれる可能性がある。
 ひとたび事故が起これば住民を巻き込みかねない。
 沖縄県宜野湾市にある小学校の運動場に、米軍大型輸送ヘリコプターの窓が落下した事故は記憶に新しい。
 墜落や緊急着陸に至らなくとも、オスプレイで同様の事故が起きないとは言い切れまい。
 訓練を初めて冬季に実施する点も看過できない。
 米軍側はさまざまな自然環境下での訓練を求めているようだが、そもそもオスプレイの積雪寒冷地での訓練実績は皆無に等しい。道民の懸念は当然だ。
 機体が暴風雪に見舞われたりして、不測の事態に陥る危険性がないと保証できるのだろうか。
 オスプレイの分散訓練が、日米両政府が説明するように「沖縄の負担軽減」に結び付いているのかも疑わしい。
 むしろ、オスプレイの使用を国内でなし崩しに広げていく狙いが透けて見える。
 オスプレイは昨年、周辺に住宅が密集する横田基地(東京都福生市など)にも正式配備され、住民の不安が高まっている。
 オスプレイの基地や訓練がどうしても必要ならば、国外で、住民被害を招く恐れがない場所に移すべきだ。真の意味で沖縄の負担軽減にもつながるだろう。


ドローン規制法案 基地の実態を隠す悪法だ
 小型無人機ドローンの飛行禁止区域に在日米軍や自衛隊施設上空を追加したドローン規制法の改正案が衆院内閣委員会を通過し、衆院本会議でも可決されそうだ。
 表向きはラグビー・ワールドカップ日本大会や東京五輪・パラ五輪のテロ対策とされているが、明らかに米軍や自衛隊に対する報道機関の取材を制限しようという狙いがある。基地監視の目をふさぎ、国民の知る権利を侵害する法案だ。
 テロ対策という時限的な措置と、基地周辺の飛行を恒久的に規制する措置が一緒くたになった不自然な法案だ。米軍の傍若無人な振る舞いを助長する悪法で、このまま数の力で成立させてはならない。
 改正法案は、首相官邸、原子力事業所上空などのドローン飛行を禁じている現行法に、ラグビーW杯や東京五輪・パラ五輪会場のほか、自衛隊や米軍などの防衛関係施設を加える。
 政府が法案の主目的と称するW杯や東京五輪会場でのドローン飛行規制は暫定的な措置で、さらに報道機関には例外措置を取るとしている。
 しかし、米軍と自衛隊の施設はその周辺300メートルまでを恒久的に飛行禁止とし、例外規定もない。さらに米軍施設では提供水域も禁止区域に含まれる。
 名護市の辺野古新基地建設現場は米軍キャンプ・シュワブと周辺の提供水域に囲まれ、報道機関のドローンは近寄れなくなる。建設現場では県条例に反して赤土が流出している疑いがある。「K4」護岸付近から汚水が漏れ出している様子を市民団体がドローン撮影で確認している。
 東村高江での米軍ヘリ炎上事故ではドローン撮影によって事故直後の状況が明らかになった。ドローン撮影を封じれば工事の進捗(しんちょく)や基地建設による環境破壊などの実態を隠すことになる。
 米軍専用施設は沖縄本島の面積の14・7%を占め、住民生活と基地は隣り合わせにある。宮古島や石垣島では自衛隊駐屯地の建設が進む。ドローンは産業利用だけでなく災害時の情報収集や救助活動への活用が期待されている。基地の存在故にそうした活用も妨げられる恐れがある。
 法案では基地管理者が事前に承認すれば上空飛行は可能としている。しかし、辺野古新基地建設では沖縄防衛局が報道機関のドローン撮影に対し自粛要請を繰り返してきた。ハリス米太平洋軍司令官は2017年に日本政府に規制を要請している。米軍が事前申請で飛行を許可するとは考えにくい。
 日本新聞協会や日本民間放送連盟が批判する意見を発表し、慎重な対応を求めているのも、国民の知る権利を守る上で当然のことだ。
 米軍や自衛隊の都合を優先した法改正は断じて許されない。テロ対策に名を借りて国民の知る権利、報道の自由が阻害されてはならない。


[ドローン法改正案]情報隠しの懸念広がる
 小型無人機ドローンの飛行禁止区域を米軍基地などにも広げる規制法改正案が、衆院内閣委員会で与党などの賛成多数で可決された。
 政府は今国会での成立を目指すとしているが、国民の知る権利の侵害という懸念は払拭(ふっしょく)されていない。
 米軍基地が集中する沖縄では、日常生活の安全に関わる問題であり、拙速な立法化に反対する。
 首相官邸の屋上でドローンが見つかった事件を機に2016年に制定されたドローン規制法は、官邸や国会議事堂、原子力発電所など重要施設上空の飛行を禁じた。
 改正案は、その飛行禁止施設に自衛隊と在日米軍施設を加えるものだ。
 具体的な対象は防衛相が個別に指定。施設内および周辺300メートルが規制範囲。飛行に際しては、その都度、基地司令官など施設管理者の同意が必要となる。
 政府は「ドローンを使ったテロに備えるためだ」と説明する。危険を未然に防ぐことに異論はない。
 ただし、米軍基地や米軍の活動が県民の暮らしを脅かしている現実に、どう対応しようとしているのか。納得のいく説明は聞こえてこない。
 土砂投入が進む辺野古新基地のドローン撮影ができなくなれば、埋め立て承認時の留意事項が守られているかなどの監視は難しくなる。米軍機の事故現場では、取材活動が不当に制限されることになりかねない。基地からの油漏れなど、ただでさえ困難な米軍への取材はますます制約を受けることになる。
    ■    ■
 内閣委員会の質疑で、自衛隊では対象とならない訓練水域が、米軍の場合、対象となることも明らかになった。
 辺野古のキャンプ・シュワブ上を飛ぶドローン規制については、米太平洋軍司令官が防衛相に直談判した経緯があり、米側への配慮がにじむ法改正でもある。
 山本順三国家公安委員長は「取材活動を制限する意図は全くない。正当な理由があれば飛行を認める」と強調した。
 しかし、日本側に規制を要請した米軍がドローンでの撮影を認める可能性は低いと言わざるを得ない。
 辺野古沖の臨時制限区域で県がサンゴ調査を求めた際、米軍の許可が下りるまで半年かかったことを思い起こす。結果、サンゴ損傷の原因は分からずじまいだった。
 委員会を通過したとはいえ、疑問の解消は進んでいない。ここはいったん立ち止まって一つ一つの問題に向き合うべきだ。
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 そもそも改正案は、広大な基地が住民地域に接近している沖縄の実情をまったく無視している。
 飛行禁止区域が一挙に拡大すれば取材活動にとどまらず、農薬散布など影響は他分野に広がるだろう。
 米海兵隊が無人機やロボットなど最新兵器の実用実験をキャンプ・ハンセンで実施していたことが分かっている。
 私たちの大切な権利を制限する一方で、基地内では自由に無人機を飛ばすという理不尽がまかり通っているのだ。
 負担軽減に逆行している。


アサンジ氏逮捕 ロシア疑惑の行方を注視
 内部告発サイト「ウィキリークス」創設者のジュリアン・アサンジ容疑者がロンドン警視庁に逮捕された。
 ウィキリークスは2016年の米大統領選で民主党候補クリントン陣営のメールを暴露した。ロシア当局が選挙介入のため入手し、流出させたとされるメールである。
 身柄が米国に引き渡され、ロシアによる選挙介入疑惑に新たなメスが入るのか―。今後の最大の注目点だ。
 ウィキリークスは政府や企業の関係者に内部情報の提供を呼び掛け、公表するサイトである。アサンジ容疑者が中心になって06年に立ち上げた。
 9年前、アフガニスタン戦争に関する米軍の機密文書9万点を公開している。イラク戦争の文書も公開、民間人犠牲者が6万6千人にのぼることを暴露した。
 中でも注目されるのは米大統領選にからむ疑惑である。ロシア当局がサイバー攻撃で入手したとされるクリントン陣営のメールを公表。結果はトランプ陣営に有利に働いたとされる。大統領は「ウィキリークスが大好きだ」と集会で述べたことがある。
 アサンジ氏は性犯罪の疑いで10年に英国で逮捕され、保釈中にロンドンのエクアドル大使館に駆け込んだ。以来、籠城が続いていた。今回身柄が拘束されたのは、エクアドル政府が氏を見放したためである。
 氏がウィキリークスを立ち上げた動機ははっきりしない。同様に機密を暴露し、ロシアに亡命中の米中央情報局(CIA)元職員エドワード・スノーデン氏の場合は、情報機関による違法な盗聴や個人情報収集を告発するのが目的だった。米国内には氏を恩赦にするよう求める声がある。
 アサンジ氏については、訴追しないよう求める声は今のところ大きくない。スノーデン氏と同列には論じられない。
 それでもウィキリークスが明るみに出した事実は重大だ。政府の隠蔽(いんぺい)体質を暴いている。
 大統領選でのトランプ陣営とロシア当局の共謀関係については、はっきりした結論が出ていない。割り切れなさが残ったままだ。アサンジ氏の逮捕を機に、解明が進むことを期待したい。
 米憲法には、表現の自由、報道の自由の制限は許されないとする条文がある。ウィキリークスの暴露が表現・報道の自由の範囲内と見なされた場合は、裁判で無罪になる可能性がある。これも注目点の一つだ。


発達障害の理解  現場の知見を共有したい
 自閉症や発達障害のある人たちやその家族、支援する人たちの間で「巻物カレンダー」が支持を集めている。
 文字通り巻物のような紙を広げると、1カ月分の日付が横に並び、下の大きな空欄に予定を書き込める。兵庫県篠山市の会社「おめめどう」のオリジナル商品だ。
 自閉症や発達障害のある人たちには、日にちや曜日といった複数の情報が盛り込まれたカレンダーが苦手な人が多い。
 巻物カレンダーの簡素な作りは、そうした人が自分で予定を把握し、生活に役立ててもらう工夫だ。
 「おめめどう」は15年前、同市の奥平綾子さんが設立した。子どもが自閉症と診断されたのを機に、自閉症の人たちが家族や周囲の人たちと交流しやすくするツールを自作し始めた。いまでは全国に5千人を超える利用者がいる。
 今年も4月2日の国連世界自閉症啓発デーと同日からの発達障害啓発週間を機に、各地でさまざまな取り組みが行われた。
 注目したいのは、発達障害を当事者の個性と理解し、社会全体で支えようという動きだ。
 発達障害は脳機能の一部が関係しているとされる。人によって現れる症状は異なり、成人になって診断される例もある。
 人付き合いや学習が苦手といった生きづらさを抱えている人が少なくない。従来は、こうした問題は当事者が原因の障害と捉えられていたが、近年、捉え方が大きく転換しつつある。
 発達障害は個人の特性で、その特性を抱えた人が生きづらいのは、社会や文化といった環境の側に原因があるのではないか、という考え方だ。
 学習障害では、特定の文字体がきらきら光って見え、読めない人がいる。白い紙が苦手という例もある。
 読み書きが苦手と周囲に決めつけられていたのに、教科書のフォントを変えると読みこなせるようになった子どもがいる。
 自閉症スペクトラム障害の人は「これを明日までにやっておいて」「水を少し入れてほしい」などといわれると困惑することが多い、だが具体的な日時や量を示せば理解し行動できる。 
 複数の人が一度に話すと、音が聞き取れず、混乱してしまう人もいる。
 研究者が当事者や家族、支援者らからこうした事例を聞き取り、蓄積を進めている。
 「おめめどう」の奥平さんは、発達障害の人とのコミュニケーションでは「見て分かりやすく、具体的で肯定的」なことと、次に何が起きるのか、を明確にすることが不可欠という。
 こうした気づきの積み重ねが巻物カレンダーにつながった。
 議員立法による発達障害支援法が2005年に施行され13年が経過した。16年には障害者差別解消法が施行され、障害者への「合理的な配慮」が求められるようになっている。だが、具体的にどうしたらいいのかは、まだ浸透していないのではないか。
 障害者だけでなく、誰もが暮らしやすい社会につながるよう、現場の知見を社会全体で共有したい。


法科大学院改革 法曹の質向上につなげよ
 制度改革を、法曹界全体の質の向上に結び付けたい。
 法科大学院の最終学年で司法試験を受験できるようにするなど、法曹養成制度に関する改正法案を政府は国会に提出した。
 大学の法学部入学から最短5年間で法科大学院を修了できる「法曹コース」も設ける。
 受験生の時間的、経済的負担を軽減し、法曹の志願者減に歯止めをかけるのが狙いだ。人気低迷などから廃止が相次ぐ法科大学院の活性化を図る。
 現行制度では、司法試験の受験資格を得るには、法科大学院の修了と、例外的な予備試験の合格という二つの道がある。
 法科大学院修了には学部と法科大学院の合計で最短6年かかる。この短縮が改革の目玉だ。
 法曹コースは法学部を3年間で早期卒業して法科大学院に進む。法案では法科大学院と法学部が連携協定を結び、コースを設置できると規定した。
 1年以内に大学院修了予定で一定の成績を収めていると学長が認めれば大学院在学中に司法試験を受けられるようにする。
 法曹になるまでの負担軽減が実現すれば、法科大学院の人気回復につながる可能性はある。
 法曹コース開設を見据え、新潟大法学部は昨年来、東北、神戸、中央、慶応、早稲田の5法科大学院と連携協定を結んだ。3年間で卒業する学生を各大学院に送り出す内容だ。
 新大は2004年度に法科大学院を設置し、県内で活動する弁護士らを輩出してきたが、志願者が徐々に減り15年度に募集を停止した。
 これを公表した14年3月には法学部の入学手続き者が定員を下回り、初の2次募集を実施した。再び法曹養成ルートを設けることで人気復活を狙う。
 本県の弁護士は法科大学院設置など司法制度改革以降、従来より大幅に増えたが、なお偏在し弁護士過疎の地域がある。
 新大の法曹コース設置によって地元出身の法曹を養成し、偏在をなくす効果を期待したい。
 ただし、今回の制度改革については不十分との批判も出ている。予備試験を現状のままとしたからだ。
 経済的事情などから法科大学院へ進学できない人を念頭に始まった予備試験は、受験資格に制限がない。
 だが、そうした事情を持つ人はわずかで、優秀な法学部生や法科大学院生が予備試験合格者の大半を占める。
 法科大学院修了を待たずに司法試験に合格できるバイパスとして使われ、法科大学院の存在を脅かしている。予備試験に手付かずだったことで中途半端な改革との見方がある。
 法科大学院は実務に必要な教育を担う専門職大学院として開校した。在学中の司法試験受験が可能になると、実務教育への悪影響を危惧する声もある。
 国民が必要とする法律的なサービスに応えられる、質の高い法曹をいかに養成するか。弁護士の過剰や偏在の問題も含め、大局的観点から制度全体を捉え直すことも重要だろう。


【日本の液晶消滅】国策再編の検証が必要だ
 国内電機産業の衰退を改めて印象付ける出来事だ。
 中小型液晶パネル大手、ジャパンディスプレイ(JDI)が中国と台湾の企業連合の傘下に入る。JDIは日立製作所、東芝、ソニーの事業を統合した「日の丸液晶連合」。これにより日本の液晶産業は事実上消滅することになる。
 日の丸連合の立ち上げを主導したのは経済産業省だ。その見通しの甘さも問われかねない頓挫である。
 2012年に発足したJDIは、中小型液晶の出荷額で世界首位となった。ところが海外勢との価格競争が激化。主要顧客の米アップル社の需要低迷も響いた。液晶より薄く画質が鮮明な有機ELの開発も後手に回り、業績は急速に悪化。19年3月期まで5年連続の連結最終赤字となる見込みだ。
 この間、経産省の意を受けた官民ファンドの産業革新機構(現INCJ)が出資や融資などで計約4千億円を支援してきた。さらに支援を続ければ、本来淘汰(とうた)されるべき「ゾンビ企業」の救済と批判されよう。一方で税金も投入されている以上、破綻させれば国民負担の議論は避けられなくなる。
 海外へ日本の技術が流出する恐れがあるにしても、外資による再建に委ねるのはやむを得ない。
 かつて日本企業が世界市場をけん引したテレビやパソコンも、現在は韓国や中国などのメーカーが上位を占めている。産業界に「栄枯盛衰」はつきものだ。
 ただしそれとは別に、日の丸連合によって液晶産業を再興しようとした官製シナリオはなぜ狂ったのか。そこはきちんと検証しなければならない。
 JDIは3社の寄り合い所帯であることから内部で主導権争いが起きたり、課題を先送りにしたりする経営体質が問題視されていた。「政府の関与によって意思決定が遅れるなど、経営が振り回された面もある」といった指摘もある。
 実際、JDI同様の「国策再編」は失敗続きだ。
 公的資金を投入した半導体大手のエルピーダメモリは12年に破綻し、外資傘下となった。エルピーダも三菱電機、NEC、日立の事業の寄せ集めだった。同じ3社の半導体部門を統合したルネサスエレクトロニクスも13年に産業革新機構が出資。こちらも人員削減や工場閉鎖を重ねるなど苦戦している。
 こうした事例が今後もなくならなければ、国の産業政策の失敗を指摘する声はますます強まるだろう。
 現在のINCJも経営陣の報酬水準を巡って政府と対立し事実上、機能停止に陥っている状態だ。組織を立て直すのであれば官民ファンドの在り方や政府の関与の度合いなど、根本的な議論が欠かせない。
 日本の電機産業の復権は喫緊の課題だ。なぜ世界市場で埋没してしまったのか。ニーズを見極めることができていたか。顧客ファーストの原点に戻って考える必要がある。


衆院補選で自民党が沖縄・大阪ともに大惨敗の衝撃予想! GDP速報値もマイナスの公算で追い詰められる安倍政権
 7月に予定されている参院選挙。その行方を占うといわれるのが、1週間後の来週21日に投開票を迎える衆院補欠選挙だ。今回は、現職議員の死去に伴う衆院大阪12区、そして沖縄県知事選に当選した玉城デニー氏の後継を選ぶ沖縄3区の2つの選挙区でそれぞれ補欠選挙が行われるのだが、安倍自民党にとってはショッキングな結果になる可能性が濃厚になってきた。大手紙の政治部デスクが言う。
「安倍政権の信を問う格好の選挙だけに、報道各社とも力を入れていて、この週末(12〜13日)、電話世論調査を実施しました。そうしたところ、安倍政権にショッキングなデータが出てきたんです。自民党候補が2選挙区でいずれも野党候補に大差で破れ、全敗を喫する可能性が浮上しています」
 まずは、沖縄3区からみていこう。米軍の辺野古新基地建設に反対する無所属新人の屋良朝博氏が、辺野古新基地容認派の自民党候補、島尻安伊子・元沖縄北方担当相を大きく引き離しているようだ。
きょう14日付けの新聞報道では、島尻氏が「懸命に追う」「激しく追う」などと接戦をイメージさせているが、実際には「ダブルスコアくらいに差が広がっている」(前出・政治部デスク)という。なるほど、玉城知事を当選させた野党勢力の“オール沖縄”の面目躍如といったところだから、当然の結果だろう。
問題は、大阪12区の方だ。現職だった北川知克・元環境副大臣の死去に伴い、自民党が「弔い選挙」とうたって甥の北川晋平氏を擁立。当初、当選確実とみられていた。だがこちらも180度違ってしまったようだ。前出の政治部デスクが解説する。
「北川氏は、朝日と読売の調査によると、維新の新顔・藤田文武氏にリードを奪われているものの、もう1人の野党候補である樽床伸二・元総務相よりは優勢、もしくは互角と伝えられました。しかし、共同通信の調査結果をみると、北川氏は樽床氏にも差を付けられ、自民が3位に甘んじているんです」
 永田町では、調査結果の一部として、「藤田32ポイント」「樽床22ポイント」「北川19ポイント」「宮本岳志9ポイント」という数字が出回っており、なるほど、毎日新聞や東京新聞に掲載された共同の配信記事と併せてみると、安倍政権が大阪で権威失墜の憂き目にあることは歴然としているようだ。
「しかも、調査結果をつぶさに見てみると、各社とも、電話調査に応じた大阪12区の自民党支持層のうち、3割が藤田氏に流れ、同じく3割が樽床氏に流れている点で一致しました。つまり、自民党候補である北川氏に投票するはずだった有権者の実に6割近くが野党候補に投票する傾向が出ているわけです」(前出・大手紙政治部デスク)
 維新は安倍官邸に近い第二自民党的な存在だし、樽床も当選したら自民党に合流するのではないかという見方もささやかれている。そういう意味では、この2人が当選しても、大差ないとも言えるのだが、それでも、自民党公認候補がここまで苦戦するというのは全く予想されていなかったことだ。
「この結果は明らかに、今起きている安倍政権の不祥事が影響している。『私が忖度した』と安倍首相と麻生太郎財務相の地元への利益誘導を認めた塚田一郎国交副大臣や、『復興異常に議員が大事』と発言した桜田義孝五輪相によって繰り返された問題発言相次ぐ辞任劇が有権者の信頼を根こそぎ失わせた結果でしょう」(前出・大手紙政治部デスク)
5月に公表される四半期別のGDP速報値がマイナスになれば、消費税が争点に
 当然、こうした情勢調査結果はマスコミから安倍政権へ逐次伝達されており、政権中枢もかなりの衝撃を受けているといわれる。自民党関係者は「沖縄3区は野党の牙城だけにすっかり諦めていたんだが、大阪12区まで失うとなると大ごとだ。残る1週間で巻き返しを図らないといけない」と焦りを隠せないようだ。
「カギを握るのは創価学会票。維新とは対立関係にあるので、樽床氏に流れたとみられている。その学会票を自民党側に奪還することが先決で、菅官房長官と太いパイプでつながる佐藤浩・学会副会長に頼み込んで協力を仰がないと事態は好転しないだろう。果たして、残る1週間で形勢逆転に動き出すほど学会が動いてくれるかどうか……」(前出・自民党関係者)
 もはや選挙情勢をひっくり返すのは絶望的だろうとの観測も流れるなか、安倍政権が「心配しているのは7月に控えている参院選への影響だ。補選の選挙結果で、自民党支持層のなかにも「安倍政権はそろそろいいんじゃないか」という空気が広がれば、参院選で大敗北ということにつながりかねない、と危惧しているのだ。
 しかも、安倍政権にとっては、補選後にもうひとつ、政権を揺るがす“事件”が起きるとささやかれている。財務省関係者が打ち明ける。
「5月20日に公表される四半期別のGDP速報値がマイナスになる公算が強まっているんだ。参院選を目前にした時期にそんなマイナスの速報値が出たら、安倍首相が責任を問われることになるのは必至。そうなると、参院選での自民敗北の可能性はますます高まってくる」
 先日、『れいわ新選組』の立ち上げを宣言した山本太郎が“消費増税反対”を明確に打ち出し、共産党も“消費増税反対”を強調しているが、マイナスのGDP速報値が出れば、他の野党もこの動きに乗って、“ワン・イシュー選挙”戦略に出る可能性もある。そうなると、安倍自民党はますます厳しくなるだろう。
そんななかで、永田町でまたぞろささやかれはじめたのが、消費増税延期と衆院解散、衆参ダブル選挙だ。
「普通ならこれだけ準備を進めておきながら延期というのはありえないが、選挙で勝つためには手段を選ばない安倍首相に限ってはありえる話です。それに、消費増税最強硬派だった麻生財務相の政権内の影響力がかなり落ちていますからね。ただ、今回の場合は安倍首相が消費増税延期を言い出しても、野党も消費増税反対を言っていますから、起死回生につながるどうか」
 いずれにしても、今回の衆院補選の後、政局が大きく動きだす可能性がある。いっそうの注視が必要だろう。


ピエール瀧出演の『麻雀放浪記2020』に安倍政権への皮肉が! 改憲反対デモ弾圧、東京五輪崩壊、瀧は“森喜朗”役
 4月5日より斎藤工主演映画『麻雀放浪記2020』が公開されている。
『麻雀放浪記2020』にはピエール瀧が出演しており、逮捕によって一時は公開そのものを危ぶまれた。しかし、ピエール瀧出演部分のカットや、代役を立てての差し替えなどはいっさい行わずそのまま公開に踏み切っている。映画業界の画一的な自粛対応に一石を投じる英断で話題となったのはご存知の通り。
ピエール瀧出演の『麻雀放浪記2020』に安倍政権への皮肉が! 改憲反対デモ弾圧、東京五輪崩壊、瀧は“森喜朗”役
 しかし、『麻雀放浪記2020』に関して本サイトが注目したいところはまた別にある。それは、この作品が日本で製作された映画としては貴重な「社会風刺」「権力に対するブラックユーモア」の映画であるところだ。
『麻雀放浪記2020』は、阿佐田哲也(色川武大)による原作小説『麻雀放浪記』のリメイク作品。原作の『麻雀放浪記』は終戦直後の混乱した日本を舞台に主人公・坊や哲が博打で生き抜いていく姿を描いたドラマだが、リメイクの『麻雀放浪記2020』は、落雷の衝撃で坊や哲(斎藤工)が1945年から2020年にタイムスリップするというコメディーとなっている。
 ここで坊や哲がタイムスリップしてきた2020年の日本は、現実世界の日本とは少し違っている。その最たるものが、東京オリンピックだ。『麻雀放浪記2020』の世界での東京オリンピック(映画では「東京ゴリンピック」になっている)は戦争のために返上されている。
 また、『麻雀放浪記2020』の日本は監視社会化が進んでおり、警察は権力を振りかざして市民に対して横暴を働いている。
 たとえば作品冒頭、見慣れぬ街に飛ばされてきた坊や哲は右も左も分からずに浅草を彷徨うが、その途中でデモに出会う。そのデモでは「自衛隊の国軍化反対」「憲法改正反対」といった主張が行われていた。それに対し警察はデモの中止を命令。言うことをきかないデモ参加者には警官から殴る蹴るの暴力が加えられていた。突然始まった暴動に出くわした坊や哲は、道も分からぬまま監視カメラだらけの街を逃げ回る。
『麻雀放浪記2020』の世界の監視社会化ぶりを象徴するアイテムが、顔にかざして個人情報を調べる金属探知機のような機械だろう。この世界では顔認証と個人情報を紐づけたマイナンバーの登録が義務づけられているようで、その機械を顔にかざすだけで名前や誕生日などの個人情報のデータがすべて出る仕組みになっている。当然ながら1945年から来たばかりの坊や哲の顔はデータベースに登録されていない。そこで、坊や哲の顔に機械をかざしてもデータが出てこないことに警察官は驚き、「なぜ出てこない? 日本国民なら登録されているはずだろ!?」と激高する場面も描かれる。
 物語はその後、東京オリンピック中止で使われなくなった跡地を有効活用するため、技術の粋を集めたAIと人間を麻雀で戦わせる麻雀世界大会が行われることになり、そこに坊や哲が参加する流れとなる。
 この映画がワイドショーでしきりに取り上げられるきっかけをつくったピエール瀧が演じるのは、オリンピック組織委員会で委員長を務めている「杜」なる人物。役職といい、名前といい、現実の世界で東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会会長を務めている森喜朗氏をモデルにしたキャラクターなのは間違いないだろう。
 ピエール瀧が演じるこの「杜(=モリ)」という人物は物語の核に絡んでくる役ではなく、出演シーンを全カットしたとしても物語の筋は通る。しかし、『麻雀放浪記2020』にとって彼の演じるキャラクターは非常に重要なものだ。「権力を笑い飛ばす」という、映画が伝える“態度”の表明として、「杜」はなくてはならない存在である。
ピエール瀧演じる「森喜朗」にベッキー演じるAIが「モリとヤルのはない」と
 杜という男は、権力だけは手中におさめているが、それ以外は徹底的に愚鈍で、かつ、下衆なことしか考えていない、どうしようもない人物として描かれている。
 それが最も露骨に描かれるのが、麻雀世界大会で人間を迎え撃つ人型AIロボットのAIユキ(ベッキー)と、AIユキを開発したエンジニアの林田(矢島健一)が二人きりでいちゃつくシーンだ。
 二人の会話のなかで林田は、杜から何度も何度も「AIユキは人間とセックスする能力はあるのか?」と質問されて困っていると語り、そんな能力はないと嘘をついてやったとAIユキに語る(実際にはそういう能力も搭載されている)。そして、林田による愚痴に対しAIユキは「杜とヤルのはないです」と陰口を叩くのだ。
 森喜朗元首相といえば、かつて買春検挙歴を報じられたことも有名だが、こうしたセリフや描写は思わず森元首相を想起してしまう。現存する政治家をモデルにしたキャラクターと考えると、かなり攻撃的なシーンだろう。
 白石和彌監督は、『麻雀放浪記2020』の企画を引き受けることにしたのは、こういった社会に対する風刺を入れることができる作品だったからだと語っている。
 白石監督は最初にこの企画が提案されたとき断ろうとしたという。『麻雀放浪記』の映画作品としては1984年にイラストレーターの和田誠氏が監督を務めたものがあり、そちらは「キネマ旬報」によってその年の4位に選ばれるなど高い評価を得ている。
 過去にそれだけの作品がつくられていることから、最初白石監督は敢えていま再びこの作品に手をつける意義を感じなかったという。しかし、2020年にタイムスリップするというアイデアが監督の心を惹き付けた。その荒唐無稽なアイデアは表現の自由を大幅に広げてくれると感じたからだ。監督は映画の公式パンフレットに掲載されたインタビューでこのように答えている。
「「まずは坊や哲が全自動卓に驚いて……」とシミュレーションしていくと、「これはもしかしたら普通の映画じゃ描けないことを描けるチャンスかもしれない」と思えてきて。当時は五輪の話題や日本上空をミサイルが飛んだというニュースが流れていた頃だったので、「じゃあそういう時事も全部盛り込んだら?」と話したら、甘木さん(引用者注:プロデューサーの甘木モリオ氏)も、もう一人のプロデューサーの谷島さん(引用者注:谷島正之氏)も、「いいねえ、入れようよ!」と盛り上がってしまった。運悪く、二人とも頭のネジが二、三本外れた大人だった」
白石和彌監督が語っていた日本の民主主義と映画への危機感と問題意識
 白石監督は2019年4月12日付朝日新聞のインタビューで「いま、民主主義が経年劣化を起こしています。それに変わるシステムを生み出す力は人類にはもうありません。だからまたファシズムに戻るのではないか」と、現在の世界・日本への問題意識や危機意識を話している。
 実際、『麻雀放浪記2020』で出てきたディストピア描写も「絵空事」ではない。
 デモを行う市民に対して警察が暴力を行使する場面は、国会前のデモや、沖縄で起きていることを想起せずにはいられないものだ。
 また、過剰な監視社会化も現実の日本で起きていることである。街中にはりめぐらされた大量の監視カメラは言うまでもなく、Tカードの個人情報横流し事件や、政府による「東京オリンピック開催に向けたサイバー攻撃対策」という名目で一般市民のIoT機器への無差別侵入など、監視社会化・警察国家化はどんどん進行している。とりわけ安倍政権が、共謀罪など、市民の監視、言論弾圧体制を強化する法整備を強化していることも本サイトで繰り返し指摘している通りだ。
 もちろん『麻雀放浪記2020』はあくまで「麻雀」をテーマにしたエンタメ作品だ。こうした権力批判的な描写や設定は、メインのストーリーと直接的に絡んでいるわけではない。しかし『麻雀放浪記2020』は、日本映画のなかに「風刺」的な側面を意識的にもちこむことで一石を投じている。それは間違いない。映画公式パンフレットのなかで白石監督はこのように語っている。
「社会風刺やブラックなコメディの映画って、海外にはたくさんあるじゃないですか。でも最近の日本は無菌状態というか、社会のおかしな部分を笑い飛ばすような映画が極端に少ない」
 白石監督が語る日本映画の現状はまさしくその通りだ。ピエール瀧問題への対応も含め、『麻雀放浪記2020』のような勇気ある作品が多く生み出されることを切に願う。

寒くてストーブ/すだち日本酒/やはり天皇制はいらない!

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Isao Takahata : "De Heidi à Ghibli", la carrière du cinéaste japonais retracée dans un passionnant ouvrage
Par Clément Cusseau (@ClayMancuso)
Décédé il y a un an, le cinéaste japonais Isao Takahata – co-fondateur des studios Ghibli avec Hayao Miyazaki – fait l’objet d’un ouvrage biographique publié aux éditions Ynnis.
"De Heidi à Ghibli", la carrière du cinéaste Isao Takahata (Le Tombeau des lucioles, Mes voisins les Yamada...), emporté par un cancer il y a un peu plus d’un an, est retracée dans un livre signé Stéphanie Chaptal, publié aux éditions Ynnis. Au-delà de la biographie du co-fondateur des studios Ghibli (avec Hayao Miyazaki), cet ouvrage nous permet également de plonger dans les références qui ont forgé l’oeuvre de ce génie de l’animation, mais aussi d’aller à la rencontre de celles et ceux qui ont connu de près ou de loin l’homme et l’artiste.
De ses souvenirs d’enfance durant la Seconde Guerre mondiale, qui ont fait de lui un militant engagé dans la défense de la paix, à son amour pour la culture française, la carrière de ce pionnier du cinéma japonais est ici décortiquée avec précision et passion, l’ouvrage se dévorant d'ailleurs pour la qualité de ses textes ainsi que pour la richesse de ses illustrations qui nous rappellent le génie qu’a été Takahata malgré une carrière peu prolifique (neuf longs métrages réalisés en 45 ans).
Hommage à Isao Takahata – De Heidi à Ghibli est disponible depuis le 3 avril dernier aux éditions Ynnis.
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SWITCHインタビュー 達人達(たち)「パーヴォ・ヤルヴィ×かの香織」
NHK交響楽団の首席指揮者を務める、世界的な指揮者パーヴォ・ヤルヴィ。東北で日本酒造りにも携わる音楽家・かの香織と、人生を彩る音や美について語り合う。
N響リハーサル中のパーヴォを訪ねたかの香織。オーケストラの音を創り上げていく現場を目の当たりにして、その秘けつについて尋ねた。さらに祖国エストニアについての思いまで話は及ぶ。後半はパーヴォが宮城県に向かい、醸造中の酒蔵を見学。実家の酒蔵を継いだかのは、日本酒造りの過程でさまざまな「音」を発見するという。日本酒をこよなく愛するパーヴォと、酒造りと音楽活動に共通することなどを語り合った。 N響首席指揮者…パーヴォ・ヤルヴィ,音楽家・蔵人…かの香織, 六角精児,平岩紙

家政夫のミタゾノ #1
史上最“恐”の家政夫ふたたび!!女装した家政夫・三田園薫(松岡昌宏)が、派遣先の家庭の秘密を次々に暴いて、壊して、そして再生する…!?明日から使える家事ネタも満載!!
家政夫の三田園薫(松岡昌宏)は、勤め先の家政婦紹介所所長・結頼子(余貴美子)から、新人家政婦の五味麻琴(剛力彩芽)とともに、小さな町工場に派遣される。従業員らを家族同然に思う社長の花沢進助(橋本じゅん)や、彼らを献身的に支える妻(森脇英理子)と接したミタゾノは「油の汚れの下に素顔を隠した人もいたりして…」と意味深な言葉を残す。その言葉通り、花沢夫妻の知られざる顔がミタゾノの手により次々と暴かれ…!? 松岡昌宏、剛力彩芽、椿鬼奴、内藤理沙、余貴美子 橋本じゅん、森脇英理子、ジェシー

見えない人の写真術
いつでもどこでも、誰もが写真を撮ってSNS投稿する時代。しかし視覚に障害のある人は「見えないから撮れない」「どうせ何が写っているかわからない」と本人も周りも決めつけてしまいがち。そんな中、見えなくても独自の楽しみ方を写真に見出している人たちがいる。なんと視覚障害者と一緒に楽しむ写真教室もあるという!「見えないと楽しめない」という常識を覆し、見えないからこそ深く味わうことができる「写真の可能性」に迫る。 ジミー大西さん (芸人・絵描き) 鈴木奈々さん  (タレント) 安田章代さん  (視覚障害) 西尾憲一さん  (視覚障害) 上鍛治公博さん (視覚障害) 竹内一さん   (視覚障害) 竹保遥さん   (視覚障害) 尾大輔さん  (写真家)
NNNドキュメント 一四一冊目の春 くめさんが伝え続けること
生まれつき背骨に障害のある小倉くめさん(72)。37歳で仕事を失い「障害者が生きる価値はあるのか?」と死を考えた。そんな時、障害児を抱えた母親が親子心中する事件が起こる。くめさんはこうした痛ましい出来事を一つでもなくしたいと障害者問題を世に問う季刊誌"秘めだるま"を創刊。
以来35年間、たった一人で出版を続け、今春141冊目となった。いじめや差別と向き合い、自立と平等を伝え続けるくめさんを見つめる。 余貴美子 南海放送

ETV特集「すぐそばにいる他者の物語」
私たちが気づかない「他者」の眼ふるまいに苦しんできた人々が自らの経験を語る舞台「生きづらさを抱える人たちの物語」が2019年1月に上演された。演出はアメリカ最高位の舞台芸術賞を受賞したピン・チョン氏。出演者は一般公募から選ばれた、視覚・聴覚・LGBTなど「生きづらさ」を抱える6人。それぞれの「生きづらさ」を舞台や彼らの日常を通して当事者たちの言葉で紡ぎ、発見していくノーナレーションドキュメンタリー
高橋 幸美 @yuki843003
上野先生
何が悪かったんでしょう
私は「娘の翼を折らないようにしてきた」
娘は「頑張れば報われる」と思っていた
頑張るしかなかった
「頑張っても報われない」理不尽な企業文化があった
翼は折られた
東大生よ
#高橋まつり を忘れないで
誰も見たことのない日本に変えて欲しい
真の人権尊重の社会に

saebou @Cristoforou
上野先生の大学の祝辞について、政治的意見を祝辞で言うなみたいなコメントありましたが、そもそも祝辞とか悼辞というのはどれも相当に政治的なものなんだけどなんで上野先生の祝辞だけがあなたには政治的に見えるのかっていうことがまず問題で、そういうところを学ぶことから大学教育が始まります。



寒いです.思わず電気ストーブを出してしまいました.
でもスーパーで買ってきたすだち日本酒でいい気分.
宇都宮さんの天皇制に関する本はとても分かりやすいものでした.天皇制を考えることは民主主義を考えることとつながっている,というのが納得できました.いい本です.

<WTO逆転敗訴>ホヤ市場の復活遠く 宮城の生産者「崖から突き落とされた気分」
 韓国の水産物禁輸を巡るWTOの判断は、国内のホヤ生産量の6割を占める宮城県の水産業界に衝撃を与えた。巨大市場復活の夢を絶たれ、東日本大震災で壊滅的な被害を受けた生産者はなりわいの将来を案じた。
 県産養殖ホヤは震災前、約7割が韓国に輸出されていた。禁輸解除は再起を期す生産者の悲願だった。
 「早ければ来年か再来年には輸出が再開できると見込んでいた。崖から突き落とされた気分だ」
 県漁協の丹野一雄会長は語気を強め、「国内の消費者や他の国でも再び風評被害が広がるのではないか」と焦りの色を浮かべた。
 2013年9月に始まった禁輸措置で県産ホヤは半分超が余剰となり、生産者は数千トンを焼却処分する屈辱を味わった。
 同県女川町でホヤ養殖を営む男性(67)は「別の魚種に転向するにも資機材や人手の確保が難しい」と頭を抱える。矛先は日本政府に向かい「禁輸措置は東京電力福島第1原発事故が収束しないからだ。東京五輪もいいが事故対応に本腰を入れてほしい」と憤った。
 同じく優良な養殖場の志津川湾では、残念な結果に不安と漁師としての誇りを抱えながら、黙々とホヤの生育状況を確かめる姿があった。
 県漁協は東電による補償を「20年終了」で大筋合意している。前提はWTO勝訴と韓国への輸入再開だった。県漁協の平塚正信理事は「状況は変わった。東電との協議を含め迅速に対応する」と話した。
 韓国市場は同様に禁輸が続く中国と合わせ、水産業全体の復興の鍵を握る。宮城の水産物輸出関係者は「禁輸措置が解除されない限り、水産加工業の回復は難しい」と指摘した。


<WTO逆転敗訴>東北の水産復興暗雲 動揺、不安浜に走る
 東北の水産関係者に動揺と不安が走った。韓国による青森、岩手、宮城、福島を含む8県産の水産物輸入禁止措置を巡る世界貿易機関(WTO)の判断は、漁業者の想定を覆す逆転敗訴。東日本大震災、東京電力福島第1原発事故からの水産復興の針路に暗雲が漂った。
 「ホヤ養殖業者の3分の2以上は廃業に追い込まれるのではないか」
 国内有数のホヤ生産量を誇る宮城県。県漁協の阿部次夫ホヤ部会長はこう危惧し「再起するとき、韓国への輸出が念頭にあった。希望のともしびが消えてしまった」と肩を落とした。
 県漁協志津川支所の佐々木孝男運営委員長は「このまま輸出禁止が続けば生産者の意欲が下がってしまう」と懸念した。
 綾里漁協(大船渡市)の佐々木靖男組合長は「禁輸解除を期待していた。がっかりしている」と嘆く。浜は昨年、まひ性貝毒によるホタテの出荷自主規制に見舞われた。今回の敗訴と合わせ、「漁業離れが加速しないか」と危ぶんだ。
 禁輸措置が継続される魚種は28種に上り、ホヤ以外の影響も避けられない。
 青森県内からはホタテやイカが主に輸出されていた。県漁連幹部は「(敗訴を機に)風評被害が出てくるのが怖い」と指摘する。
 震災前、韓国にサンマなどを輸出していた鎌田水産(大船渡市)の鎌田仁社長は「最近は不漁続きだが漁獲量が回復した場合を考えると輸出できるようになった方がいい。日本の水産物は世界一安全だと自負している」と話した。
 本州一のマダラの水揚げ量を誇る宮古漁協(宮古市)の坂下尚司市場販売部長は「消費拡大を図る上で、残念な結果になった」。スケトウダラの主な輸出先は中国だが「震災前は韓国に輸出していたので痛手はあるだろう」とみる。
 禁輸措置は5年半に及ぶ。福島県漁連の野崎哲会長は「一審に当たる小委員会では理解を得られていただけにがっかりしている。影響が広がらないことを願う」と話す。同県農林水産部の鈴木秀明食産業振興監は「『福島産は危ない』というイメージを生む恐れはある」と警戒した。
 一方、釜石市の水産加工業の社長は「漁業者、加工業者とも既に禁輸を前提とした体制になっている」と冷静に受け止め、「国際捕鯨委員会(IWC)脱退が国際的な心証を悪くして敗訴の一因になったと思う」との見方を示した。


食と景色を召し上がれ 釜石「魚河岸テラス」きょう開業
 東日本大震災で被災した釜石市魚河岸地区に13日、新たなにぎわい拠点「魚河岸テラス」がオープンする。飲食店4店舗が入り、釜石湾の眺めを楽しみながら地元の山海の幸を味わえる。キッチンスタジオやイベントスペースもあり市民から観光客まで幅広い利用を見込んでいる。
 市が整備した施設は、鉄骨2階で延べ床面積は約1200平方メートル。事業費は約5億4000万円。地元の観光まちづくり会社「かまいしDMC」が指定管理者になる。
 飲食店は地中海料理、すし、食堂、カフェバーと、いずれも市内からの出店となった。「どんこ(アイナメ)の唐揚げバルサミコマヨネーズ」「甘こうじピクルス」など工夫を凝らしたメニューを提供する。
 施設運営委員の岩手大特任研究員北村志乃さん(35)は「海がきれいで女性に人気が出そう」と期待を寄せ、飲食店従業員の三塚麻央さん(27)は「皆さんの期待を感じる。楽しい店にしたい」と意気込んでいる。


住民の交流施設オープン 気仙沼
東日本大震災で大きな被害を受けた気仙沼市の港に13日、住民たちがイベントなどで利用できる交流施設がオープンしました。
オープンした「まち・ひと・しごと交流プラザ」は、気仙沼市が、津波で全壊した「観光物産センター」と「勤労青少年ホーム」を、国の復興交付金など14億8000万円をかけて再建したもので、市の関係者などが出席して記念式典が開かれました。
施設は、気仙沼湾を一望できるガラス張りの3階建てで、イベントやサークルを通じて地域の人たちが交流できる研修室や音楽スタジオのほか、起業したい人向けに店舗の経営を体験できるスペースも設けられています。
施設が整備された内湾地区には、ことし夏にも、飲食店や土産店などを集めた屋台村が整備される計画で、市はこの施設を核に、震災前のにぎわいを取り戻したいとしています。
内湾地区のまちづくり協議会の菅原昭彦会長は「住民と行政が協力して新しいまちのにぎわいを生み出せるよう努力したい」と話していました。


<気仙沼大島大橋>開通日3時間で2000台通行 観光客殺到、翌日も市内で渋滞
 7日に開通した気仙沼市の大島と本土を結ぶ気仙沼大島大橋で、開通直後の3時間の車の通行量が約2000台に達していたことが12日、分かった。宮城県が見込む1日平均通行量は2500台で、橋の開通を目当てに観光客が島に殺到した状況が浮き彫りとなった。
 同日、県気仙沼合同庁舎であった国、県、市の担当者が大島に関する交通対策を話し合う「気仙沼大島大橋交通対策調整会議」の初会合で報告された。
 県気仙沼土木事務所の職員が開通直後の7日午後3時から30分間、橋の大島側600メートル付近の県道で調査したところ約400台が通過。時間の経過に伴う減少分を考慮し、概算で2000台が通過したと結論づけた。
 市が8日に行った渋滞調査では、正午前と夕方に市内2カ所で最大1キロの渋滞が発生したことも明らかになった。今のところ朝の通勤時に影響はなく、路線バスにもほとんど遅れが出ていないという。


<ヤフー>幹部が市役所訪問、仙台進出表明 従業員採用を開始
 インターネット検索大手ヤフー(東京)の幹部が12日、仙台市役所を訪れ、7月に青葉区の市中心部に開設する「仙台オフィス」の立地表明書を郡和子市長に提出した。同社は新オフィスで働く契約社員20〜30人の採用を始めた。
 立地表明書などによると、仙台オフィスは民間ビルの1フロア380平方メートルに設置。本社の財務、経理業務の一部を移管し、7月1日にオープンする。契約社員20〜30人は採用後、正社員への登用を視野に入れる。業務委託先のスタッフも10人程度が働く。
 市は、市内に事務管理部門やコールセンターを新増設・移転する事業者に固定資産税相当額を助成する制度を設けており、同社も対象にする見通しだ。
 最高財務責任者(CFO)の坂上亮介常務執行役員は、2013年から河北新報社と復興支援イベント「ツール・ド・東北」を主催し、宮城県との縁が深まった経緯を説明。「仙台と東京は近く、新幹線で本社と行き来しやすい。東北大もあり、優秀な人材が豊富だ」と進出理由を語った。
 郡市長は「若い人材の東京流出に歯止めがかかると期待している。学生の人気が高い企業が、市内に働く場をつくる意味は大きい」と歓迎した。


地震3年を前に益城町に献花台
熊本地震から14日で3年となるのを前に、2度にわたって震度7の揺れに襲われた熊本県益城町に、13日から献花台が設けられました。
熊本県益城町は、3年前の4月14日と16日に震度7の揺れに2度襲われ、災害関連死を含めて45人が死亡したほか、町内の98%の住宅が被害を受けました。
熊本地震から14日で3年となるのを前に、町内の施設に13日から献花台が設けられました。
益城町の西村博則町長などが13日朝、献花台を訪れ、花を供えたあと両手を合わせ、犠牲者を悼んでいました。
益城町によりますと、先月末時点で、1484世帯3473人が、現在も仮設住宅などでの避難生活を余儀なくされています。
西村町長は「熊本地震では多くの人が大切なものをなくしましたが、お互いに支え合うことを学びました。復興は道半ばですが、にぎわいがあり、行ってみたいと思ってもらえる益城町をつくっていきたいです」と話していました。
益城町の献花台は今月16日まで設けられます。


益城町の「みなし」世帯 生活、健康の悪化5割 学園大教授が調査
 熊本県益城町で熊本地震に被災し、借り上げ型みなし仮設住宅(みなし仮設)に入居中の世帯のうち、生活や健康状態が地震前より悪化している世帯が5割を超えることが、熊本学園大社会福祉学部の高林秀明教授(49)の調査で分かった。同教授が12日、会見して明らかにした。
 高林教授は2〜4月、同町社会福祉協議会からみなし仮設入居者支援を委託されている一般社団法人「minori」の協力を得て調査。1558世帯の相談記録を基に、2月15日時点の状況をまとめた。
 高林教授によると、みなし仮設入居中の691世帯のうち、地震後に収入減などで生活状態が悪化した世帯が21・1%、持病が再発するなど健康状態が悪化した世帯が30・1%、いずれも該当する世帯が10・7%だった。
 一方、自宅を再建するなどして、みなし仮設から退去した867世帯をみると、生活状態の悪化が12・8%、健康状態の悪化が16・0%、いずれも該当するのが4・6%で、全て入居中の世帯より低かった。病人や障害者を抱える世帯の割合も、みなし仮設を退去した世帯の方が3・7〜9・3ポイント低かった。
 生活や健康状態が悪化した要因について、高林教授は「みなし仮設世帯の75%が町外で、孤立を招きやすい環境におかれ、地域につなぐ支援が十分でなかった」と指摘。「生活や健康状態が深刻な被災者が今後、みなし仮設を退去する。家賃や住宅ローンなどでさらに困難な状況に陥るかもしれず、積極的に支援するべきだ」と話している。(臼杵大介)


熊本地震3年 仮設団地集約、丁寧に説明 熊本県益城町・西村町長に聞く
 熊本地震から3年を迎える。建設型仮設住宅がある16市町村の首長に復旧・復興の進捗[しんちょく]状況や課題、防災・減災の取り組みなどを聞いた。
 −災害公営住宅(復興住宅)への入居が1月から始まりました。
 「2019年度中に全671戸の完成を目指しており、これまでに36戸が完成した。住まい再建なくして完全な復興はない。引き続き最優先で取り組む」
 −町内18カ所の建設型仮設団地の集約方針も示しました。
 「仮設団地の入居率は3月末現在で55・2%(862世帯1977人)。6月には50%、復興住宅への転居が完了する来年6月には20%以下になる見通しだ。孤立防止や防犯面を考慮し、来年6月から集約を始めたい」
 −今後の進め方は。
 「仮設住宅の入居期限延長申請を今年6月まで受け付ける。それぞれの入居者が住まいを再建する時期がより確実に把握できると思う。それを踏まえ、8月ごろには仮設団地ごとの集約時期を示したい。5月以降、仮設団地で住民説明会を開き、理解を得ながら丁寧に進める」
 −仮設団地からは入居者が減ることに不安の声もあります。
 「自治会役員の活躍で、仮設団地のコミュニティーや美化運動などが維持されてきた側面がある。だが退去が進み、役員のなり手が少なくなると自治会運営が厳しくなることも予想される。自治会への支援を委託しているNPO団体などと課題を共有し、役員の負担軽減を図りたい」
 −県道熊本高森線4車線化と木山地区復興土地区画整理事業には長い月日を要します。
 「4車線化は1月にモデル区間3カ所で着工した。用地取得は約50%に達していて、順次工事が発注される。区画整理事業は全地権者への個別説明が今月3日から始まったところだ。4車線化は2026年完成、区画整理は28年完成を目指している。二つの事業が着実に進んでいることを示すことで、復興の見通しを気に掛ける住民の不安を少しでも解消できるように努めたい」
 −公共施設などの復旧も進みました。
 「町総合運動公園の陸上競技場やテニスコート、四賢婦人記念館が3月に修復や再建を終えた。少しずつ地震前の姿を取り戻すことが心の復興につながっていくと思う。どう活用し、にぎわい作りにつなげていくかが知恵の絞り所だ」
 −今後の災害には、どう備えますか。
 「熊本地震後、県外の16の自治体や団体などと、被災者支援や災害時医療などに関する協定を結んだ。地震で変化した地形や街並みに対応したハザードマップ(災害想定地図)も新たに作成した。熊本地震の教訓や反省を踏まえ、できることは全部やっていく」(聞き手・立石真一)


激震で止まった時計を保管 熊本県益城町役場
 熊本地震で甚大な被害を受け解体された熊本県益城町役場。「震災の記憶を後世にとどめよう」と、プレハブの仮設庁舎には、前震と本震で止まったままの掛け時計が保管されている。
 行政棟にあった2個と議会棟の2個で、前震発生時刻の午後9時26分と本震の午前1時25分を差している。
 写真や資料などと同じ貴重なアーカイブ(保存、記録)として、庁舎解体前に保管が決まった。町は「今後、町内での展示会などで活用していきたい」と話す。(小野宏明)


「家計に不安」1年で倍増 熊本県内の被災者150人追跡調査
 熊本日日新聞社は12日、熊本地震で住宅被害を受けた県内被災者150人を対象に定期的に現状などを聞き取っている追跡調査の結果をまとめた。家計・生活費といった金銭的な面で不安を感じている被災者がこの1年で倍増。自宅再建費用など生活環境の激変で強いられた予定外の多額の出費が震災3年を迎えた今、被災者の肩に重くのしかかっている状況がうかがえる。
 調査は2016年10月、17年4月、18年4月に続き4回目。今回は、22〜88歳の125人(前回137人)から回答を得た。
 「現在や今後の生活に不安や不満があるか」と聞いたところ、「ある」は34%(42人)、「どちらかといえばある」は20%(25人)。合計54%で、1年前の前回調査と同じ割合だった。
 不安や不満を感じている内容を複数回答で尋ねると、最多は「住まい」の25%(31人)で、前回の31%(43人)より割合、人数とも減った。定住できる住まいの確保が一歩進んだためとみられる。
 一方、前回10%(14人)だった「家計・生活費」が2倍を超える23%(29人)に急増し、2番目に多くなった。理由としては、再建した住宅のローン返済額の増加や、子どもの教育に備えた貯金の減少などを挙げる人が目立った。
 玉名市の無職男性(68)は「収入は月3万円余りの年金のみ。貯金もなく、生活費は会社員の次男の収入に頼っている。次男名義の住宅ローンの返済や病気療養で出費がかさみ余裕がない」と窮状を訴えた。
 「立野(南阿蘇村)に家を残したまま、新たに中古の一戸建てを購入するので二重ローンになる。子どもの教育費や親の介護も不安」=大津町の看護師女性(54)、「ためていた教育資金の一部を自宅再建に充てたため、ローン返済と子どもの教育費が心配」=嘉島町、非常勤職員女性(51)=といった声もあった。
 不安や不満で3番目に多かったのは「仕事」の22%(27人)で、前回15%(20人)よりも増えた。
 西原村の建設業の男性(39)は「復興関連で公共工事が増えてはいるが、元請けから仕事がもらえるかどうか不安。会社を維持できるか」。南阿蘇村の会社役員の男性(59)は「経営する運送会社のトラックの台数を減らしたこともあり、売り上げが地震前に戻らない」とこぼした。
 不安や不満に「健康」を挙げた人は、18%(22人)で前回17%(23人)とほぼ変わらなかった。(熊本地震取材班)


熊本地震から3年 被災者に聞き取り
 熊本日日新聞社が12日まとめた、熊本地震で住宅被害を受けた被災者150人を対象に続ける追跡聞き取り調査では、住まい確保の見通しなど環境の変化のほか、「復興を実感するか否か」などの心境も尋ねた。さらに、地震半年後から4回目を数える今回の調査では、4月の統一地方選を踏まえ、行政や政治への評価についても聞いた。(熊本地震取材班)
住宅・復興 17%なお「再建めど立たず」
 住まいを「再建・確保できた」「見通しが立った」とする人は8割に上り、1年前の前回調査の6割を上回った。一方、2割弱が「見通しが立っていない」と回答。地震から3年を経て、今なお生活基盤が不安定な被災者の現状が浮き彫りになった。
 住まいの再建・確保の「見通しが立っていない」としたのは17%(21人)。前回の32%(44人)から半減した。見通しが立たない理由は「再建の資金が足りない」「県の土地区画整理事業が終わらないと再建できない」「希望に沿う賃貸住宅が見つからない」などだった。
 「住まいを再建・確保できた」は62%(77人)、「見通しが立った」は18%(22人)で、計80%を占め、前回の62%(86人)から18ポイント増えた。被災した自宅を解体し、地震前から住んでいた土地に家屋を再建した人や、再建を予定する人が大半を占めた。
 県全体の状況を見渡し、復興を実感するかどうかを尋ねた質問では、「実感する」は26%(32人)で、前回の9%(13人)から17ポイント増加。「ある程度実感する」とした41%(51人)と合わせると67%。前回より22ポイント増えた。
 ただ、「全く実感していない」が9%(11人)、「あまり実感できない」が18%(22人)で計26%が実感できないと回答した。
 今回初めて、自分の暮らしに限って「震災前の生活に戻った実感があるかどうか」を尋ねたところ、「実感する」が52%(65人)に対し、「実感できない」も40%(50人)。実感できない理由は、住まいが見つからないほか、「住み慣れた土地を離れ、近所付き合いがなくなった」「地震で仕事に影響が出て収入が減った」などが目立った。
政治対応 復旧や支援策「評価」62%
 地震後の政治の対応について、62%(77人)が評価した一方、インフラ復旧の遅れや被災者支援制度の不備を指摘する声も多かった。
 「熊本地震における知事や市町村長、県議会、市町村議会の対応」について「評価する」は21%(26人)、「ある程度は評価する」は41%(51人)。一方、「評価しない」は9%(11人)、「あまり評価しない」は12%(15人)だった。「どちらともいえない」は17%(21人)。
 「評価する」の理由は「災害査定や工事の発注が早かった」「政治の力が無ければもっと復興が遅れていた」。「評価しない」は「道路などの復旧は進んでいるが、末端まで支援が届いていない」「仮設で議員の姿を見かけたことはなかった」などの声が上がった。市町村議員に比べて「県議の顔が見えない」との指摘も多くあった。
 「必要な公的支援」や「災害対応や復旧復興で地方政治に望むこと」を尋ねたところ、「一部損壊の世帯へも手厚い支援を」「高齢者などインターネット弱者にも支援制度の情報が行き渡るようにするべきだ」など支援制度の拡充や利用しやすさへの注文が出た。
 復旧復興や被災者支援事業に関しては「地方に行けば行くほど、政治に声が届きづらく、細かな道路などの復旧の遅れを感じる」「一斉に公的支援を打ち切らず、生活保護世帯など弱い立場の被災者には支援を継続してほしい」など、地方や弱者への配慮を求める声が上がった。


熊本地震3年 復興急ぎ「令和」へ教訓を
 熊本地震の発生から、あすで3年の節目を迎える。熊本県内各地で今なお復旧・復興作業が続く。
 最大の被災地である益城(ましき)町では随所に、こんな工事用の看板が立っている。
 〈熊本地震で壊れた道路をなおしています〉
 今月に入り、期限を示す元号の部分が上書き修正された。
 〈令和元年○月△日まで〉
 熊本は大きな地震とは無縁−。そんな俗説が、広く信じられていた。平成という時代に大災害に見舞われた上、復興作業が新たな元号の時代にまで及ぼうとは、一体誰が想像しただろう。
 熊本だけではない。平成は日本列島が自然災害に翻弄(ほんろう)された時代である。多くの場合、「想定外」とされた事態だった。益城町の看板は、そんな時代を象徴する。
 各被災地の再建に全力を挙げ、同時に教訓を次代に確実に継承しなければならない。
 ▼被災地共通の壁が
 熊本地震の前震は2016年4月14日夜、本震は同16日未明にそれぞれ起きた。いずれも震度階級で最も大きい震度7を観測する未曽有の災害となった。
 熊本県内の全半壊家屋は4万3千棟余に上った。益城町は震源に近く、震度7を2度観測し、家屋倒壊が集中した。3年がたち、撤去後の更地が目立つ傍らで、新築の家屋が建ち始めている。被災者は少しずつだが生活の場を取り戻しつつある。
 それでも路地裏に入れば、小さな墓石が重なり合うように倒壊し、手つかず状態の墓地もある。災害の非情さを示す光景だ。
 熊本県は地震の数カ月後、「おおむね4年後のほぼ完全な復興」を打ち出した。19年度はその「4年後」に当たる。
 思い切って具体的な期限を示したことは、被災者のストレスと不安を和らげ、全国、とりわけ九州が復興に向け一丸となるメッセージとして適切な判断だったろう。
 しかし、現実は厳しい。被害は甚大な上、被災者支援や被災地復旧に関する行政手続きは煩雑である。財源は限られる。何より地元の行政職員の多くも被災者である。他の大災害被災地に共通する課題である。
 県によれば、復興の重点として挙げた10項目のうち、完了したのは災害廃棄物の処理だけだ。住まいの再建、阿蘇地方への鉄道や道路の回復、被災企業の事業再建など、大半は道半ばである。仮設住宅などで避難生活を送る人は、今なお1万6千人余に上る。
 国は、これまで以上に柔軟な財政措置を取るなど全力を傾注してほしい。被災地では「非常事態」が続いている。
 ▼災害前提の社会に
 昭和は、高度経済成長期以降は災害の平穏期に重なったとされる。国土の安定を前提に高速交通網の整備などが順調に進んだ。
 平成に入り、私たちの「常識」は覆された。長崎県の雲仙・普賢岳噴火を皮切りに、阪神大震災、福岡沖地震、新燃岳噴火、東日本大震災などが続いた。
 九州北部は近年、12年と17年の2度にわたり豪雨に見舞われた。昨年は大阪府北部地震、西日本豪雨、北海道地震などが続発した。
 平成が異常だったのだろうか。
 確かにこの30年ほどの間に、豪雨の頻発や台風の大型化は、温室効果ガスによる地球温暖化に起因するとの認識が広まった。
 一方、地震や火山噴火は、歴史をひもとけば一定の間隔で繰り返されてきたことが分かる。
 東北・三陸海岸を襲う大津波は昭和や明治、それ以前にも起きていた。多くの人は、東日本大震災を経てその歴史に気付き、災害列島に暮らす現実を自覚した。
 地震は、大地だけでなく政治や社会をも動かすといわれる。
 古くは慶長伏見地震(1596年)とその善後策の失敗が、豊臣秀吉の天下終焉(しゅうえん)の一因とされる。東日本大震災に伴う東京電力福島第1原発事故と、民主党政権の命運との関係を思い起こさせる。
 平成は、災害を前提にした社会システム構築が当然の命題であると教えてくれた時代ではないか。
 令和の和は、災害などが治まる「和らぐ」の意味を持つ。人知を尽くして、防災・減災に取り組む時代だとも言えよう。
 自然災害のうち、地震発生と火山噴火の予知は依然不可能という現実もある。それでも、私たちは今、以前と比較にならないほど災害に関する経験と知識、データを共有している。
 的確に活用し、政治的にも社会的にも、「次」への構えを整えることが重要だ。


熊本地震、14日で発生3年 益城町に追悼の献花台
 2016年4月の熊本地震で最大震度7の激震に2度襲われ、震災関連死を含む45人が亡くなった熊本県益城町は発生3年を翌日に控えた13日、町交流情報施設「ミナテラス」に献花台を設置した。西村博則町長や遺族が白菊を手向けて犠牲者の冥福を祈った。
 昨年まで町主催の追悼式典を開いていたが、今年は会場の改修工事が始まっていたため開催を見送って献花台を設けた。16日まで。
 89歳だった夫昭雄さんが避難先の岐阜県で亡くなり、震災関連死と認定された井芹葉子(いせり・ようこ)さん(86)はおいの千春さん(63)に伴われて献花。「主人に『何で早う逝ってしまったね』と語りかけました」と話した。現在は解体した自宅跡に建て直した家で1人暮らししているという。【福岡賢正】


火山学者はあの時 熊本地震3年(中)ピンチ救った大学連携 [熊本県]
 熊本地震の本震直後、中岳火口から上る黒煙(小規模噴火)を観測した京都大火山研究センター(南阿蘇村)の大倉敬宏教授は、危機感を募らせた。
 「地震が、阿蘇山のマグマにどんな影響を与えるのか。噴火リスクがあるのなら、一刻も早く知らせなければ」
 地震と噴火の関係は明らかではないが、20世紀最大規模の噴火とされる1991年のフィリピン・ピナツボ火山の噴火では、その前年にマグニチュード(M)7・8の大地震があった。富士山の宝永大噴火(1707年)の49日前には宝永大地震があった。
 活火山の阿蘇山では、10〜20年周期でマグマ噴火を繰り返しており、2014年11月から中岳の活動は活発化していた。熊本地震前年の15年9月にも比較的大きな噴火があっただけに、大倉は「最悪のシナリオ」を心配した。
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 16年4月16日の本震で施設が被災。地下のマグマの動きを探る地震・傾斜計などのデータの受信・分析ができなくなっていた。翌17日、観測機器を点検。一部の作動を確認できたが、受信不能が続けば、噴火予知の根拠となるデータは消滅してしまう危険があった。
 ピンチを救ってくれたのは京都大地球熱学研究施設(大分県別府市)。阿蘇の観測データを転送して一時保存してもらい、消滅を回避できた。別府市でも震度6弱が観測されたが、施設は無事だった。大倉たちはそのデータを大津町の仮施設に再転送してもらい、観測を続けた。
 観測態勢の復旧には、火山研がある全国6国立大の支援も大きかった。北海道大、東北大、東京大などの研究者たちが、地震後、いち早く交代で駆け付け、連絡調整や目配りに奔走してくれた。
 「あの頃、毎晩ミーティングをしていて、冷静な判断に何度助けられたことか」と大倉。1年後の17年4月、阿蘇市内の旧小学校舎に施設機能を移転させるまでの間、観測を支え続けてくれたのは、研究者たちの「共助」だった。
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 そんな中、阿蘇中岳では熊本地震から半年後の16年10月、比較的大きな噴火があり緊迫した。噴煙は上空1万1千メートルにまで達した。
 阿蘇山のマグマは、地震波の計測などから中岳火口に近い草千里直下6キロ、半径1〜2キロにあるとみられている。大倉らは地震後、マグマの動向を探るため、中岳火口を挟む2定点間の距離(7キロ)を計測していて、その年の夏ごろから、定点間の距離が約1センチ伸びる異変を観測していた。火山学者には大きな変化だった。
 一般的にはマグマの膨張を意味したが、地震に伴う断層のズレの可能性もあった。観測を続けた結果、マグマ本体の動きを示すものではなく、火山ガス膨張によるものと判明した。
 10月初め、火口直下の浅部で火山性地震が頻発し、マグマ水蒸気爆発が起きた。大量降灰が地震の被災地に追い打ちをかけたが、懸念された大規模な連動噴火には至らず、大倉らは胸をなで下ろした。
 「数千年に一度の大地震と連動噴火。そんなこと、あるはずないと思うでしょ。でも、阿蘇の地層年代を調べると、必ずしもそうとも言えないんですよ」
 大倉の話は続いた。 (敬称略)
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【ワードBOX】火山噴火 マグマ付近の熱で水蒸気圧が高まり灰や石を噴出するのが「水蒸気噴火」。より大規模なものとして、マグマ本体に直接地下水が触れて起こる「マグマ水蒸気噴火」、マグマそのものを噴出する「マグマ噴火」がある。阿蘇山では水蒸気噴火、マグマ水蒸気噴火が数年ごとに起こり、マグマ本体を噴水状に吹き上げる「ストロンボリ式噴火」などが10〜20年周期で起こっている。


尼崎JR脱線事故14年 風化防止へ被害者支援催し 川西
 尼崎JR脱線事故の被害者を支援するチャリティーイベント「フレンズかわにし2019」が13日、兵庫県川西市栄町の商業施設「アステ川西」であった。事故発生から25日で丸14年。負傷者らがこれまでの歩みを振り返り、楽器を演奏するなどして、買い物客らに事故の風化防止を訴えた。
 有志の市民らでつくる実行委員会が、事故翌年の2006年から毎年開催。会場では支援団体向けの募金箱が置かれたほか、売り上げの一部を寄付する工芸品店などが出店した。
 負傷者らのトークでは、先頭車両で脚の筋肉が壊死して「クラッシュ症候群」になった伊丹市職員の山下亮輔さん(32)=同市=と、次女が2両目で重傷を負った三井ハルコさん(63)=川西市=が登壇。山下さんは事故で「1日1日の大切さに気付いた」と話し、三井さんも「お茶を飲んだり、食器を洗ったりする家族の何気ない日々に、感謝するようになった」と語った。
 山下さんは「つらい経験を乗り越えたという前向きなメッセージを伝えたい」と、病院を退院後に自ら作詞した曲などをギターの弾き語りで披露。「安心して共に歩こう」と思いを込めた歌詞を歌い上げ、会場は温かな拍手に包まれた。(名倉あかり)


福知山線脱線事故 チャリティー
107人が死亡したJR福知山線の脱線事故から14年になるのを前に、沿線の兵庫県川西市で、13日、事故の風化を防ごうとチャリティーイベントが開かれました。
イベントは、JR川西池田駅の近くにある複合施設で開かれ、脱線事故が起きたとき先頭の車両に乗っていた、兵庫県伊丹市の職員の山下亮輔さん(32)がギターを手に自作の歌など4曲を披露しました。
このうち『君と歩く道』という曲は、事故で足に大けがをした山下さんが、苦しい入院生活を乗り越えようとした気持ちを歌詞に込めたということです。
会場では、事故の再発防止を願うメッセージを募り、訪れた人はポストカードに「みんなが幸せに暮らせますように」などと書いていました。
また、事故の犠牲者の追悼や被害者の支援のための募金も行われ、活動を行っている団体の代表に手渡されました。
イベントを主催した住民団体、「フレンズかわにし実行委員会」の勘原成俊代表は、「事故に思いをはせてもらうきっかけになればと思う。募金は被害に遭った人たちのために役立ててほしい」と話していました。


見えない「星」が見えた
 国際共同研究グループがブラックホールの写真撮影に成功。あるはずが、あったになった。
 周りの光さえのみ込むことから黒い穴と名付けられたが、実際には、もっとも重力が強い天体だ。かつては、光が出ないので観測は無理と考えられていた。
 撮影されたのは、M87銀河にある巨大ブラックホール。明るく輝く円盤と、その中にあるブラックホールシャドーと呼ばれる影の部分が写っている。ガスやちりが高速で周回しながら電波を出し、円盤を造っている。円盤の直径は一千億キロ。ブラックホールは影の中央にあり、太陽の六十五億倍の質量がある。
 観測はチリやハワイなど六カ所の電波望遠鏡を使った、国際協力プロジェクトとして行われた。参加した研究者は欧米など十七カ国・地域から二百人を超えた。発表も日本、米国、ベルギー、チリ、中国、台湾で同時にあった。
 電波望遠鏡はパラボラアンテナで電波を受けるが、一台では大きさに限界がある。このため何台も並べて巨大な望遠鏡として利用する方法が進歩した。今回はそれを地球規模に拡大し、原子時計で時間を合わせた。データの解析には米国とドイツのスーパーコンピューターが使われた。
 さて、写真から新たな謎も生まれた。
 従来の想像図では、円盤は均一に輝き、垂直方向に高温のガスが噴き出すジェットが描かれている。だが、撮影された円盤は下側が明るく、上側はやや暗い。ジェットは見えない。
 物理学は理論予想と実験や観測の結果との照応で進歩する。「違い」は大事な成果だ。一枚の写真ではブラックホールの回転が分からない。研究グループは、観測態勢の強化を進めている。次は動画が見られるかもしれない。
 国際協力と先端技術が、見えないとされていたブラックホールの姿をとらえた。それは国境を超えた協力が必要な時代である、ということも教えている。
 ブラックホールが見えても、日常生活や産業に影響はない。だが、地球規模で時計を同期し、巨大な装置を操作する技術は、いつの日か、きっと役に立つだろう。人類はこれまでもそうやって歴史を進めてきたのだから。


河北春秋
 「一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類には大きな飛躍である」。50年前、人類で初めて月面に降り立った米国の宇宙船アポロ11号のアームストロング船長はこう述べた。あの言葉に重なった▼「たった1枚の写真だが、非常に大きな意味を持った1枚です」。国立天文台水沢VLBI観測所(奥州市)の本間希樹教授が10日の記者会見で胸を張った。日本などの国際チームがブラックホールの輪郭を撮影することに初めて成功した、と発表した▼ブラックホールは恒星の残骸など大量の物質が圧縮され、強い重力を持つ天体。周囲では時間や空間がゆがみ、光さえ脱出できない。100年以上前にアインシュタインが存在を予言していた。ぼんやりした光の輪の中の「黒い穴」がついに捉えられた▼世界各地にある電波望遠鏡をつないで幅広く電波を集めることで、地球の直径に近い口径1万キロの巨大な仮想望遠鏡を作成。膨大なデータから画像に再構成した。本間教授らが開発したデータ処理法が貢献した▼天文学者の一人が「自分の目で見る日が来るとは思わなかった」と驚くほどの成果。ブラックホールや銀河の成り立ちが、自分の生きているうちにどこまで解明されるのか。普段、星空を見上げることも少ない身ながら、わくわくする。

【ブラックホール】撮影成功に多くの意義
 はるか宇宙の先に存在することが推測されながらも目にすることができなかったブラックホール。その姿がついに捉えられた。
 日米欧などの国際チームがブラックホールを直接撮影することに初めて成功した。
 画像には、周りをオレンジ色に光る高温ガスに囲まれた「黒い穴」が写り込んでいる。光さえ脱出できない特徴を強く印象付ける。
 ブラックホールは、100年余り前に理論物理学者アインシュタインが提唱した一般相対性理論によって、存在が予言されてきた。星や銀河の形成に大きな役割を果たしているとも考えられている。
 撮影の成功によって実存が証明され、相対性理論の正しさも裏付けられたことになる。画期的な成果といえよう。
 専門家からは早くも「ノーベル賞級の成果」との声が上がっている。数多くの日本人研究者が参加し、貢献したのも誇るべきことだ。敬意を表したい。
 ブラックホールは、太陽よりはるかに大きな質量を持つ星が一生を終える時に、自らの重力でつぶれてできると考えられている。
 非常に強い重力によってあらゆるものを吸い込み、光も発しないため直接観測することができなかった。周辺のガスが吸い込まれる時の現象や、ブラックホール同士が合体した時に生じる重力波を捉えるなど間接的に観測してきた。
 撮影に成功したのは、地球から約5500万光年離れたおとめ座のM87銀河の中心だ。この距離での観測は、地球から月面のテニスボールを見るほどの難しさという。
 こうした不可能を国際連携によって可能に変えた。世界6カ所の電波望遠鏡を組み合わせ、直径1万キロの地球サイズに匹敵するパラボラアンテナに仕立てた。一つの国では成し遂げられなかった成果だ。
 今後の研究の進展も期待したい。例えば、具体的にどう物質を吸い込んでいるのかや、高重力環境での物質の動きはどんな運動法則なのかつかむことなどがある。
 ブラックホールの宇宙での役割を知る手がかりになる可能性がある。大きな力で星やガスを引きつけ、銀河の形成に影響を及ぼしているとの見方もあり、興味深い。
 相対性理論に基づく予言では、3年前に別の国際チームが重力波の直接観測に成功している。こうした成果に、研究チームの取り組みはもちろん、理論を最初に打ち出したアインシュタインの功績の大きさを改めて感じる。
 もちろん100年以上にわたって、多くの科学者が地道に研究を積み重ねてきたことは忘れてはなるまい。
 国際連携によって大きな成果を実現していく流れが出てきたことも意義深い。宇宙の歴史をひもとき、地球や生命の起源に迫ることは人類共通の探求心だ。これからも英知を結集し、不可能を可能に変える取り組みを続けてほしい。


「あつまれ!げんしりょくむら」は炎上で閉鎖されたが…SNS拡散狙う原子力ムラの“ふざけたPR”は他にも
「あつまれ!げんしりょくむら」なるウェブサイトが波紋を広げている。人気ゲーム「おいでよ どうぶつの森」みたいな“ゆるカワ”を装っているが、そのタイトルが示すように、“原子力ムラ”自身がぶちあげた正真正銘の原子力広報サイトだ。
 同サイトは今月8日、原子力関連企業などでつくる業界団体・日本原子力産業協会(JAIF)が開設したものだ。トップページにはロドニー・グリーンブラット(「パラッパラッパー」などで知られる)のようなポップ調で描かれた江戸時代風のモチーフやキャラクターがひしめき合う。Twitterではこんな批判の声が多数あがり、大炎上した。
「控え目に言って狂っている」
「人をバカにするにもほどがあるっちゅうねん。瓦礫がむき出しの原発がころがってるっちゅうに。」
「まだ原発事故から8年しか経ってなく、故郷に帰れない人、故郷を捨てざるを得なかった人、自主避難支援を打ち切られて、途方にくれてる人、そういう人への配慮はまったくないのね」
「原子力ムラが本当にあることを原子力ムラ自ら公言するとは思わなかったです」
 こうした事態を受けて、JAIFは12日夜、同サイトを閉鎖。現在、トップページには〈次世代向けサイト「あつまれ!げんしりょくむら」のwebサイトについては、不適切な表現があったため削除いたしました。ご不快な思いをされた皆様に、慎んでおわびいたします〉との文言だけが記されている。「不適切な表現」な何であったかは一切明示されていない。
 いずれにしても、サイト開設から批判集中そして閉鎖に至るまでわずか5日と、あっという間だった今回の炎上案件。実際のところ、「あつまれ!げんしりょくむら」はどういった内容だったのか。
 たとえば「kurofune」なるサイト内コンテンツでは、ペリー風の外国人キャラクターが「ハロー ハロー ニホンのミナサーン!」と挨拶。このセンスに呆れるしかないが、ようは欧米の原発推進団体代表らのメッセージを紹介するというものだった。ほかにも鎌倉時代の六波羅探題をもじった「六波羅短大」なるコンテンツでは「シラバス」と題し、14歳で融合実験に成功したとされる核物理学者テイラー・ウィルソン氏の訪日動画などを掲載していた。サイトコンテンツは今後も更新を予告されていたが、閉鎖されるまでに原発事故の実態を説明するような記載は一切みあたらなかった。
 福島第一原発の未曾有の事故をまねいた原子力ムラが、ここまで呑気に原子力発電をPRしてしまう神経は、まさに「げんしりょくむら」を自称するだけのことはある。批判が殺到したのも当然だ。
 今回、ネット上で大きな批判があがったことによりJAIFは早期にサイトを閉鎖せざるをえなくなったようだが、しかし、こういう“原発PRサイト”は氷山の一角でしかない。
 本サイトでは定期的にレポートしてきたことだが、3.11以前の原子力ムラはマスコミに大量の広告を出稿することで、“原発批判”をタブーにしてきた。当然、東日本大震災を機にこうして形成された“安全神話”へ批判が集まり、一時期、原子力ムラも広告出稿を控えるようになったのだが、それが事故から数年後には完全に復活。それどころか、原子力ムラは新聞や雑誌、テレビなどのオールドメディアだけでなく、ウェブ媒体やSNSにも力を入れるようになっている。
JAIFは昨年にも「オレたちの原子力 あたしの原子力」なるバッドセンスPR
 実際、JAIFは今回大炎上した「あつまれ!げんしりょくむら」以前から、PRサイトに注力。昨年には「オレたちの原子力 あたしの原子力」なる広報サイトをオープンさせていた。
 この「オレたちの原子力 あたしの原子力」もまた「3年C組原発先輩」なるキャラクターが登場するなどコミカルなイラストが特徴だ。もちろん、中身は原子力発電を礼賛し、ゆるやかに安倍政権による原発再稼働へ誘導するような仕組みになっている。たとえば、原子力や放射線関係の学者、医師、環境運動家らが1分間の動画で質問に答えるという「ジジぃに訊け!」なるコンテンツ。そのQ&Aをいくつか並べてみよう。
Q「福島第一事故による健康影響って、結局のところどうなの?」→A「生活環境や社会の変化によって健康に悪影響が出る。『被ばく』により健康影響が出るとはまったく考えられていない」
Q「日本は広島長崎を経験しているのに、どうして被ばくに関するデマはなくならないの?」→A「オトナたちが、広島長崎で起こったことを『冷静に考えて勉強する』ことができていないのが原因だ」
Q「日本の再稼働のペースが遅いけど、温暖化に取り組む世界の風潮に影響するの?」→A「莫大な温室効果ガス削減につながることを考慮すると、大変な悪影響だと言える」
Q「原子力ゼロでも大丈夫だったじゃない、なんで原子力が必要なの?」→A「これまでは大丈夫だったが、これから何十年も大丈夫というワケではない」
 まさに原発に対する批判を抑えつけようとする“原発広告”のやり口そのものだ。しかし、なぜ原子力ムラは、こんな神経を逆撫でするバッドセンスなPRを繰り出しているのか。
JAIFの担当責任者が語っていた“不真面目路線”でのSNS拡散戦略
 2019年1月10日付の業界紙「電気新聞」に、JAIFの政策・コミュニケーション部の課長のインタビューが掲載されている。課長は「SNSを使った広報の反響」などについて聞かれ、このように語っていた。
「原子力反対の方の反応が目立ちますね。本当に細かく見て頂いていますが、たくさん雑言が寄せられる現状に、内心は傷ついています。メンタルがやられますよ。ツイッターは、何でもありの世界なので、無礼な発言が平気で来ます。ただ、こうやって反対の方々に、われわれの広報が届いたのは初めてです。それくらい反対の方に、インパクトを与えられているのではないでしょうか」
「真面目なコンテンツはたくさんあるのに一般には相手にされてきませんでした。多少きちっとしたスタイルを崩してでも、一般の方に届くことを優先しています」
 つまり、こうした一見“悪ノリ”としか思えないPRサイトの狙いは、「インパクト」によるSNSでの拡散らしいのだ。周知のように、「原発反対」が再びタブー化しつつあるオールドメディアとちがって、Twitterなどでは原発推進派と脱原発派の論争がずっと続いている。原子力ムラはそうしたネットの言論空間を意識し、原発推進の論調を後押しするために仕掛けていると考えていいだろう。
 それだけではない。原子力ムラは児童向けの“原発教育”にも熱心だ。東京電力HDなどの大手電力会社はHPで「原子力情報コーナー」を設けているが、なかには、子ども向けの「キッズコーナー」をわざわざつくっている会社も少なくない。
 たとえば関西電力は、「あかね先生がいく」と題したWEB漫画(紙芝居)を掲載。車の排気ガスを強調したうえで、「電気自動車は環境にいい」ともっていき、〈地球環境にこれ以上負担をかけないように、原子力、火力、水力の各発電方法の特徴を生かしてバランスよく組み合わせて、安定した電気を届けています〉とPR 。安倍政権と原子力ムラが推し進めているエネルギーミックス=原発温存に誘導する典型的な論法である。
 関電のキッズ向け漫画において、擬人化された原子力発電所は、ニコニコ顔で「けむりやガスは全然でないよ!」と話している。かわりに放射性物質が出ることをちゃんと説明するべきだろう。
 いずれにせよ、今回、大炎上の末閉鎖した「あつまれ!げんしりょくむら」は、あの手この手を使ってくる原発推進PRのほんの一部だ。こうしたあまりに軽薄なノリこそ、未曾有の原発事故と汚染を招いた“原子力ムラ”の精神構造を物語っているのではなかろうか。


まったく懲りない「原子力ムラ」“開き直りサイト”が大炎上
「国民をバカにしたような物言い」「開き直っているのか」――。原子力企業で構成される一般社団法人「日本原子力産業協会」が新たに立ち上げたホームページを巡り、批判の声が噴出している。
 問題となっているのは、同協会のサイト「あつまれ!げんしりょくむら」。同サイトの検索結果ページには、<日本原子力産業協会が制作する次世代層向けサイトです>との紹介文が添えられている。
 政府と東電の試算によると、福島原発の廃炉費用は8兆円、廃炉に要する期間は30〜40年である。福島原発事故の収束が見通せない状況で、原発事業を推し進める「原子力ムラ」が「あつまれ!げんしりょくむら」と呼びかけるのは、タチの悪い冗談と受け止められて当然だろう。
 挑発的なタイトルだけでなく、サイトの中身もなかなかブッ飛んでいる。
 トップ画面を彩るのは、子供向けの教育番組に出てきそうなカラフルなキャラクターだ。「ムラ」を表現するためか、殿様や侍、ろくろ首やロボットなどがポップな筆致で賑やかに描かれている。
「原子力ムラ」と「クールジャパン」を掛け合わせた安易な演出に見えなくもないが、より“味わい深い”のがサイトのコンテンツだ。「kurofune」「六波羅短大」「御用だ!」――。なにやら不思議な項目が並んでいるのだ。
「kurofune」を見ると、欧州で原発を推進する「欧州原子力学会」などから日本に対して、<原発を再稼働してくれてどうもありがとう>とのメッセージが紹介されている。
 鎌倉幕府の出先機関「六波羅探題」をもじった「六波羅短大」は、昨年4月に初来日した米国の“天才核物理学者”テイラー・ウィルソン(24)の訪日記録を紹介。ウィルソン氏は14歳のときに自宅のガレージで「核融合炉」を作った核物理学研究のホープだ。ちなみに、「御用だ!」には、まだ何も用意されていなかった。
 サイト立ち上げの目的や経緯、「六波羅短大」や「御用だ!」の意味について協会に問い合わせたが、多忙を理由に期日までの回答ができないと、けんもほろろの対応だった。
 まさか、朝廷の動きを監視する役割も担った「六波羅探題」に引っかけ、国民を監視するつもりじゃあるまいな。


経団連の提言 原発回帰、理解得られぬ
 電力インフラの底上げが必要という危機感は分からなくはない。しかし原発再稼働に前のめりな姿勢は理解できない。
 経団連が電力政策に関する提言を公表した。再生可能エネルギーを増やすため不可欠な送配電網の整備や、停滞する投資を促す仕組みづくりを求める一方、原発については再稼働・新増設推進や、最長60年の運転期間延長の検討を提案している。
 安全性確保や住民の理解が前提だというのは当然である。しかし原発回帰を目指す考えは国民には到底受け入れられまい。東京電力福島第1原発事故で、国民の多くは原発への不安や電力会社への不信感を募らせている。8年過ぎたとはいえ消え去ってはいない。
 提言には、うなずける指摘もある。例えば現状の問題点として石炭など化石燃料への依存度の高さを挙げている点だ。2016年の実績で国内の発電量の84%を火力が占めている。対策が急がれる地球温暖化防止に逆行していることは否定できない。国際社会から厳しい批判を浴びるのも無理はなかろう。
 電源を分散させることも求められる。過度に集中させると災害が多発する日本では心もとない。昨年9月、北海道で起きた地震による全域停電(ブラックアウト)で得た教訓のはずだ。忘れるわけにはいかない。
 老朽化しつつある送電設備の更新・次世代化や、需給調整や制御なども含めた電力システム自体の高性能化、蓄電池の開発なども不可欠である。
 そうした重要な提案を盛り込んでいるだけに、原発回帰に踏み込んだ部分は突出しているとしか思えない。火力を減らそうという温暖化防止の追い風に乗って、再稼働を進めたいとの思惑が透けて見えそうだ。
 経団連の中西宏明会長は、原子炉メーカーの日立製作所の会長でもある。日立は昨年末、政府と官民一体で進めていた原発輸出で、英国での建設計画を凍結した。事故の影響による安全対策強化で事業費が3兆円規模まで膨らみ、資金確保や採算が見通せなくなったためだ。海外での原発計画について中西氏は「民間の投資対象として難しくなった」と述べていた。
 1月には国内の原発について「再稼働をどんどんやるべきだ」とぶち上げた。一方で「国民が反対するものは造れない」「国民的議論が必要」とも述べた。なのに小泉純一郎元首相を顧問とする原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟から求められた公開討論会には応じていない。
 その理由を会見で問われ「エモーショナル(感情的)な反対をする人たちと議論をしても意味がない」と答えていた。自ら提案した国民的な議論から逃げているとしか見えない。立場を利用して原発関連産業を守ろうとしているのではないか、そんな疑念を抱かざるを得ない。
 原発の議論を避けているのは政府も同じだ。昨年閣議決定したエネルギー基本計画では、可能な限り依存度を低減するとした。国民の不安や国際社会の流れに沿った判断と言えよう。
 しかし実際は再稼働を進めている。野党が昨年提出した原発ゼロ基本法案もたなざらしにしたままだ。いつまで場当たり的な対応でごまかすのか。政府こそ、脱原発に向けた国民的論議の先頭に立つべきである。


英EU離脱延期 展望なき問題先送りだ
 期限を先延ばししたからといって、合意なき離脱の危機が去ったわけではない。
 英国の欧州連合(EU)からの離脱が最大で10月末まで約半年間、延期されることになった。延期は3月末に続いて2度目である。
 メイ首相とEUの間で合意した離脱協定案を英議会が承認すれば、それ以前の離脱も可能だ。しかし、協定案が下院で過半数の賛成を得られる展望はない。
 議会の同意が得られないまま、いたずらに時間が過ぎることになれば、再び合意なき離脱が現実味を帯びてくる。
 度重なる期限の延期をメイ氏も下院議員も重く受け止める必要がある。決められない英国がEUを振り回しているのが現状だ。
 それぞれが知恵を絞り、解決策を早期に示してほしい。
 離脱協定案は与党・保守党の支持を得られず、下院で3度にわたって否決された。
 英領北アイルランドとEU加盟国アイルランドの国境管理を巡る問題が原因である。過去の紛争を再燃させないため、自由な往来は保証しなければならない。
 しかし、国境に税関を置かずに関税徴収する方法が見つかっていない。このため英国全体がEUの関税同盟に残留する可能性があり、それではEUからの離脱とは言えないというのだ。
 メイ氏は保守党の強硬離脱派を見限り、野党第1党の労働党との間で妥協案を協議している。しかし、労働党は恒久的に関税同盟に残留することを求めており、メイ氏との隔たりは大きい。
 メイ氏は5月22日までに下院の承認を得て、欧州議会選に参加せずに6月の離脱を目指す考えだ。
 EUは協定案の再交渉には応じない構えで、メイ氏の取り得る選択肢は限られる。だが、なりふり構わぬ強引なやり方では承認を得られないことを認識すべきだ。
 EUの側に足並みの乱れが見えるのも心配だ。
 ドイツのメルケル首相らは1年の延期に賛同したが、フランスのマクロン大統領は国内事情も絡み、短期の延期しか認めない方針だった。10月末までの延期はその折衷案と言える。
 英国の離脱問題が長引き、EUが不安定になれば、各国で台頭する反EU勢力が欧州議会選で伸長することにもなりかねない。
 とはいえ、混乱を招く合意なき離脱は英国、EU双方にとって回避したいシナリオだ。EUの側にも柔軟な対応を望みたい。


EU離脱再延期/民意の再確認も選択肢だ
 欧州連合(EU)が、今月12日に迫っていた英国の離脱期限を最長で10月末まで再延期することを決め、英国も同意した。
 3月29日の当初期日を改めた1度目の延期に続き、世界経済に混乱をもたらす「合意なき離脱」に至る危機は寸前で回避された。だが、合意への道筋は依然見えていない。英政府と議会は、最悪の事態回避に最大限の努力を払わなければならない。
 迷走の要因は、対立を深める英国政治の混乱にある。円滑に離脱するためには、EUとの離脱合意案を、英下院が最終的に承認する必要がある。
 しかし、メイ首相はこれまでも与党保守党をまとめられず、最大野党労働党との協議も不透明だ。難局を打開する糸口は見当たらない。
 英下院は、EUとの関係を完全に断つよう求める強硬派から、離脱撤回を要求する残留派まで四分五裂の状態にある。現状は機能不全に陥っていると言っていい。
 EUは今回、再延期の条件として、5月下旬にある欧州議会選の参加を求めた。英下院が合意案を可決できず、議会選にも参加しなければ、6月1日に合意なき離脱を余儀なくされる。
 行き詰まりを打破するには、メイ首相が離脱戦略を根本的に見直すしかない。各党派も、ともに妥協点を探る責任がある。
 3年前に実施されたEU離脱の是非を問う国民投票は、離脱支持が52%、残留48%と僅差(きんさ)だった。しかし、最近の世論調査では、離脱を「誤り」とする人が49%で、「正しい」とした人の割合を9ポイント上回って逆転した。ロンドンでは、2度目の国民投票を求める市民らによる大規模デモも行われた。
 離脱の難しさと影響の大きさを目の当たりにした国民の意思をあらためて確認するのは選択肢の一つだろう。
 トゥスクEU大統領は「英国は、延期したこの時間を無駄にしないでほしい」と述べた。政府と議会は与えられた猶予を有効活用し、再度の国民投票実施も視野に対応を探るべきだ。
 不安定な状態がいつまでも続けば、英国やEUだけでなく、国際社会への影響は大きい。責任を持って最善の策を見つけねばならない。


英国のEU離脱再延期 欧州議選の準備も同時に
 混迷が続く英国の欧州連合(EU)からの離脱について、EUは10月末まで約半年間の延期を認めることにした。ただし、無条件ではない。
 EU側は厳しい条件を突き付けた。5月23日から始まる欧州議会選挙までに英議会が離脱合意案を承認できない場合、英国はその選挙に参加しなければならない。参加を拒めば6月1日に、経済界と市民が危惧する「合意なき離脱」を迎えるというのだ。
 つまり、欧州議会選に参加しなければ半年間の猶予を確保できず、合意なき離脱の恐れは眼前から消えないことになる。
 メイ英首相は依然、強気の姿勢で6月までの短期決着を目指している。離脱案を承認できた場合、前倒しの離脱が認められているからだ。
 そのために野党・労働党に協力を仰いでいる。だが、労働党が求めるEU関税同盟への残留案に難色を示し、与党・保守党の離脱強硬派も猛反発している。
 英議会は今年に入り既に3度も離脱案を否決した。労働党との協議も危ういものと見られている。
 ならば英政府は欧州議会選への参加準備を、英議会の合意形成の努力とともに同時並行で進めるべきだ。メイ氏にとっては矛盾の策かもしれないが、時間は確保できる。
 欧州議会はEUの政策決定を担い、28加盟国からの議員約750人が5年ごとに改選される。選挙は国別に行われ、各国の政党が候補者を立てる。
 参加のためには英政府が意思決定をしなければならない。メイ氏はこれまで、離脱することを前提に否定的だった。EUの影響力に縛られることを嫌う離脱派の反発もある。議員を送り出すことは、残留への道を開く可能性があるからだ。
 EU側にも不満が募っている。特にマクロン仏大統領は、英国に振り回されることがEU改革や諸課題の解決を阻害しているとして早期決着を主張してきた。1年の延期を容認する勢力との論議になり、半年の折衷策で収まった。
 厳しい意見を背景に、EUは英国に対し今後の政策決定を妨げないように、ともくぎを刺している。
 英国は限られた時間を無駄にしてはならない。


英の離脱再延期 混迷打開につながるのか
 最悪の事態がひとまず回避されたにすぎない。先行きは依然不透明で、混迷を打開できるかは見通せない。
 これ以上の混乱を招かないためにも、英国は速やかに結論を示すことが求められる。
 英国の欧州連合(EU)からの離脱を巡り、EU特別首脳会議が離脱期限を最長で10月末まで再延期することで合意した。
 離脱日は当初は3月29日だった。ところが、英国のメイ政権はEUと離脱条件をまとめた合意案の下院承認に失敗し、4月12日に延期されていた。
 EUが土壇場で再延期を認めたのは、経済や社会に大きな混乱をもたらす「合意なき離脱」を避けることが狙いである。
 ただし、離脱を巡って混迷の度を深める英国に対するEU側の不満や不信は増す一方だ。
 メイ氏が6月末までの延期を要請したのに対しEUが10月31日までとしたのは、英下院が離脱合意案を承認するめどが立たない中、小刻みな延期では対処できないという判断がある。
 トゥスクEU大統領は最長1年という案を提示し多くの加盟国は賛成したものの、具体的な方針を示さない英国の姿勢に不満を持つフランスが反発し約半年の延期となったのである。
 英国とEUがまとめた離脱合意案を英下院が承認すれば、離脱日の前倒しもできる。
 だが5月下旬に行われる欧州議会選までに離脱していない場合は、議会選に参加するという厳しい条件も付けられた。参加しなければ6月1日が離脱期限となり、「合意なき離脱」となる可能性がある。
 EUの各種政策決定などを妨げる「妨害行為」を防ぐ条件も突き付けた。英国に譲歩し、再び猶予を与えたEUとしては当然の要求といえよう。
 欧州議会選への参加については、英与党内の離脱強硬派が強く反対している。メイ氏も「国民投票から3年(近く)もたったのに、英国民に(欧州議会)選挙への参加を求めるのは間違い」との考えを示していた。
 メイ氏は特別首脳会議後、「可能な限り早期の離脱」を目指す考えを改めて強調したが、それが可能なのかどうか。
 メイ政権は、膠着(こうちゃく)状態を打開するため、最大野党である労働党との協議に踏み切った。
 しかし、EU関税同盟への残留など離脱後もEUと近い関係を求める労働党への急接近に、与党保守党内からは離脱強硬派を中心に反発が噴出している。
 離脱期限が決まらないことで、欧州に進出している日本企業にも大きな影響が出ている。
 「合意なき離脱」となれば物流の停滞などトラブルが予想され、在庫を余分に持つなどの対応を余儀なくされている。「方向性がいつまでも出ないことが一番困る」との声も聞こえる。
 このままでは企業の「脱英国」の動きが加速し、英国経済に大きな打撃を与えることになりかねない。
 メイ政権はそのことを強く自覚し、早期に打開策を見いだしてもらいたい。


戦闘機F35墜落 徹底した究明欠かせぬ
 航空自衛隊三沢基地(青森県)の最新鋭ステルス戦闘機F35Aが訓練中、青森沖に墜落した。F35の3タイプのうち、米空軍仕様のA型の墜落は世界で初めてだ。
 洋上でなく市街地だったなら大惨事になった可能性がある。基地周辺で住民の不安が高まっているのは当然だ。
 自衛隊機の重大事故は、昨年2月の佐賀県でのヘリ墜落や一昨年5月に北斗市で起きた偵察機墜落など後を絶たない。再発防止策が実効性を伴っていない。
 今回墜落したのは日本の次期主力戦闘機で、1機100億円を超す。政府は大量調達する計画だが、米国から「言い値」で購入し、防衛費増大の一因とされる高額装備品の一つでもある。
 安全面だけでなく、多額の税金を投入する点からも徹底した原因究明が欠かせない。結果次第では調達計画の見直しが迫られよう。
 岩屋毅防衛相は同型機の飛行見合わせを表明した。原因がはっきりしない限り、飛行再開は認められない。操縦士の捜索には全力を挙げてもらいたい。
 F35は敵のレーダーに映りにくいステルス性に優れるが、かねて技術的な問題が指摘されていた。
 米政府監査院(GAO)の報告書によると、昨年1月時点で千件近い問題が見つかっていた。今回の墜落機も過去2回不具合があった。短距離で離陸し垂直に着陸できるB型は昨年墜落例がある。
 今回の事故も、機体の欠陥だった可能性が疑われる。
 政府はこれまでにF35Aを13機調達し、今年3月、三沢基地に飛行隊を編成したばかりだった。
 操縦技術の面で問題がなかったかも検証する必要があろう。
 政府はF35を将来的に147機体制とする方針だが、この大量調達はトランプ米大統領の対日貿易赤字削減要求を受けたものだ。
 安全保障政策を貿易問題の取引に絡め、技術的な問題を後回しにしていなかったか、気になる。
 F35は、米側が提示した価格や納期を日本側が受け入れる対外有償軍事援助(FMS)の仕組みを通じて購入している。
 FMSによる高額装備品の調達は本年度7千億円を超え、10年前の10倍以上に増える見通しだ。
 F35Bは護衛艦「いずも」への搭載が予定され、事実上の空母化につながる装備でもある。
 そもそも専守防衛を基本とする日本がF35を大量調達する必要性はどこにあるのか。政府は多面的に検討し直すべきだ。


F35墜落事故  原因の徹底究明が必要
 航空自衛隊三沢基地の最新鋭ステルス戦闘機F35Aが、青森県沖の太平洋に墜落した。
 次期主力戦闘機とされ、事故は世界で初めてである。何があったのか、防衛省は原因を徹底究明してもらいたい。国民への丁寧な説明も求めたい。
 今月9日夜、基地の東約135キロの上空で他の3機と対戦闘機を想定した訓練中に消息を絶った。操縦士は墜落直前、訓練中止を無線で伝えていた。機体に何らかの異変が起きたことに気づいていたのではないか。
 当該機は2017年と18年の過去2回、飛行中に不具合が生じ、緊急着陸していた。部品交換後は異常が確認されなかったというが、看過できない。事故との関連を詳しく調べる必要がある。
 基地の地元住民からは「市街地に落ちたら」との不安の声も上がる。防衛省は同型機の飛行を当面見合わせる。原因が特定されるまでは当然のことだろう。
 F35Aは敵のレーダーで捉えにくいステルス性に優れ、「第5世代機」と呼ばれる。米ロッキード・マーチン製で米・英など9カ国が共同開発した。日本では老朽化したF4戦闘機の後継機として三沢基地に導入。3月に飛行隊が発足し、13機配備されていた。
 原因究明の鍵を握るのはフライトレコーダー(飛行記録装置)だが、回収のめどは立っていない。米軍が異例の態勢で捜索を支援しているのは機密情報に神経をとがらせているからだとされる。
 事故調査が米国主導にならないか気がかりだ。開発に参加しなかった日本側に軍事機密が開示されず、原因究明が難航する可能性もある。日米両国は連携を密にして調査を進めなければならない。
 政府は昨年12月に閣議決定した防衛計画の大綱や中期防衛力整備計画でF35Aを105機、短距離離陸・垂直着陸が可能なF35Bを42機導入し、計147機態勢にする方針を決めている。
 岩屋毅防衛相は予定通り配備を進める考えを示したが、原因究明が先決だ。機体に欠陥があれば大量調達計画に影響が出かねない。
 そもそも計画にはトランプ米大統領が求める米国製装備品の購入拡大に応える安倍晋三首相の狙いがあったとみられている。
 F35は米国が提示する金額や納期を日本が受け入れる対外有償軍事援助(FMS)でしか購入できず、1機当たりの取得価格は100億円超と高額だ。事故を踏まえ、今後の調達について国会で改めて議論する必要がある。


空自F35墜落 「防空の要」に何が起きた
 航空自衛隊三沢基地(青森県)に配備されている最新鋭ステルス戦闘機F35Aが、青森県沖の太平洋上で消息を絶ち、墜落した。
 老朽化したF4戦闘機の後継機として配備され、今年3月に飛行隊が発足したばかりだった。防衛省は「防空の要」と位置付け、将来的に100機以上を配備する計画だ。同型機では世界で初めて起きた墜落事故であり、徹底的な原因究明が待たれる。
 事故機は9日夜、戦闘機対戦闘機の訓練のために計4機で三沢基地を離陸し、約25分後、飛行中にレーダーから機影が消えた。直前に操縦士から、無線で「訓練中止」が伝えられたという。
 基地周辺の住民からは、一歩間違えれば大惨事になっていた、と不安の声が上がっている。岩屋毅防衛相は、配備済みのF35A計12機の飛行を当面見合わせることを明らかにした。事故原因が全く分からない以上、見合わせは当然の判断だろう。
 原因の究明には、まずは機体の回収が不可欠となる。ただ、現場周辺の水深は約1500メートルと深いため、海底に沈んでしまっていれば位置の特定や引き揚げに相当の時間を要する見通しだ。作業は難航も予想される。
 事故を起こした機体は2017年と18年の2回、飛行中に警報装置が作動するといった不具合を起こし、緊急着陸していたことも判明した。米政府監査院の報告書によると、F35は昨年1月時点で966件の技術的問題が見つかり、うち111件は安全性や重要な性能を危険にさらす問題だったとされる。
 構造上の欠陥がなかったかどうか、徹底した検証が必要だ。ただ、F35は「機密の塊」ともされ、機体を製造・販売する米国は機密情報に神経をとがらせているようだ。どこまで協力が得られるか見通せない面はあるものの、政府は責任を持って事故の検証に取り組む責任がある。
 今回の事故は、自衛隊の今後の装備調達にも影響を及ぼす可能性がある。防衛省はF35Aを計105機導入することを決めている。さらに、昨年に閣議決定された防衛計画の大綱や中期防衛力整備計画では、短距離で離陸し垂直に着陸することが可能なF35Bも配備したい考えで、計147機のF35が運用されることになっている。
 この計画を巡っては、米国が示す金額や納期を受け入れるしかない「対外有償軍事援助(FMS)」で購入することや1機当たり100億円を超す額になることに懸念も指摘されている。FMSについては、防衛省内にも身近な装備の予算にしわ寄せが来るといった声があるという。事故の検証結果次第では、計画の見直しも必要になろう。
 防衛省はきのう、海中の捜索活動に着手した。行方不明になっている操縦士と機体の発見にまずは全力を尽くしてもらいたい。


F35墜落事故/原因の徹底究明が必要だ
 青森県沖の太平洋上で航空自衛隊三沢基地(同県三沢市)の最新鋭ステルス戦闘機F35Aが訓練中に墜落した事故は、一歩間違えば「防空の要」が住民を巻き込みかねない危険性を露呈した。F35Aは日本の防衛を担う将来の主力戦闘機と位置付けられているほか、欧米の主要国でも導入が進む。防衛省・自衛隊はパイロットの救助と同時に、事故原因を徹底的に究明し、再発防止に取り組まなければならない。
 F35はレーダーで捕捉しにくいステルス性に優れ、高い機動力とミサイル探知能力も併せ持つ。開発主体は米ロッキード・マーチン。タイプは米空軍仕様で通常に離着陸するA型、短距離での離陸と垂直着陸が可能な海兵隊仕様のB型、海軍仕様で艦載機のC型の三つがある。このうち日本政府は空自の次期主力戦闘機として2011年12月、A型42機の導入を決めて、昨年1月に空自三沢基地へ初めて配備。先月にその飛行隊を新設した直後に事故が起きた。
 空自によると、墜落したF35Aは9日午後7時ごろ、対戦闘機を想定した訓練で他の3機と三沢基地を離陸。午後7時25分ごろ、基地の東約135キロの太平洋上でレーダーから機影が消え、無線連絡も途絶えた。その後、現場海域の周辺で尾翼の一部が見つかった。
 墜落事故の原因は、機体の不具合かパイロットの人為的ミスのいずれかが想定されるが、現時点でどちらに起因するかは予断を許さない。
 政府は昨年12月に閣議決定した防衛計画の大綱と中期防衛力整備計画(中期防)で、将来、全国の基地にAB両型で147機(うちB型42機)を配備する方針を明示している。それだけに今回の事故原因の特定は、地域住民の安全を守るために欠かせない。
 加えてF35Aの墜落事故は世界初で、国際的な影響も大きい。米国や英国、オーストラリア、イタリアなどが既に運用し、将来的には3千機以上となる見通しだ。徹底した原因究明の必要性は日本だけの問題ではない。
 実際、自衛隊に加え、米軍も哨戒機や艦艇を現場へ派遣して捜索に協力する異例の対応を取っている。ただ現場の周辺海域は約1500メートルと深く、海底に沈んでいると、機体の位置特定や引き揚げに時間を要する公算が大きい。
 他方、最新鋭のF35Aは「機密の塊」と称されるだけに調査の壁が懸念される。愛知県の三菱重工業小牧南工場で最終的に組み立てられたが、その工程や試験飛行は事実上、米国の管理下にある。
 このため、防衛省・自衛隊からは「機体やフライトレコーダー(飛行記録装置)が発見された場合、米軍やロッキード・マーチンがどこまで協力してくれるか見通せない」との声が漏れる。
 米国にとっても、今回の墜落事故の原因解明は抑止力を維持するために避けて通れない。米側が機密を盾に、調査に関与して、その過程や結果を隠さないよう日本政府は全面的な情報開示を求めていく必要がある。
 F35は米国が示す金額や納期を日本が受け入れる「対外有償軍事援助(FMS)」でしか購入できない。1機当たりの取得価格は2018年度の契約ベースで約116億円。原因究明での日米協力は同盟関係の試金石でもある。


越前市の「多文化共生」 新時代の民主主義 実現へ
 いろんな考えの人がいるけれど、みな平等。理解し合ってやっていこう―。「多文化共生社会」を平たく言い換えてみると、小学生にも通じる、当たり前の社会だということに気づく。
 不寛容さが大手を振る、偏狭な時代を終わらせたい。福井県内の市町で、住民に占める外国人の割合が最も高い越前市は昨年度末、多文化共生推進プランを策定、本年度から5年間で実行に移す。66施策から成るプランは「多文化共生の実現に向けた啓発」「子育て環境の充実」が2本柱。プラン策定委員長を務めた石川昭義・仁愛大人間生活学部長は「プランの根幹は人権とアイデンティティー」と言い切る。
 越前市の外国人住民の割合は1月現在で5・2%。「残り95%の日本人が、数の威を借りてルールを押しつけることは、マイノリティー(少数派)への迫害」と石川委員長は指摘する。「共存」は交流がなくても可能だが、目指すのは「共生」社会。「外国人も日本人も、互いの違いも含めて認め合う。ところどころで摩擦が起きても、それを粘り強く乗り越えることが成熟した民主主義」と言う。
 プランに基づき、越前市は本年度予算に1億円余を計上した。重点は、子育て・教育環境の充実と、言葉の壁を越えるためのコミュニケーション支援。▽学校と保護者の橋渡し役となるアクセスワーカー1人、日本語基礎指導員2人を増員▽多言語翻訳機を学校や保育園、児童センターを含む官民施設に約200台導入▽町内会からの連絡等の翻訳委託の拡充―などの具体策が並ぶ。
 市以外の取り組みでは、仁愛大が昨年度に行った、保育士を目指す学生や現役保育士を対象にしたポルトガル語入門講座を本年度も継続する方針だ。昨年度の講座では、「食事を全部食べられる?」と子どもに聞く文章や「お友達と遊んでいました」と保護者に活動報告する文章など、保育現場で必要な会話文を絵付きでまとめた資料を整備した。今後さらにプランを推し進めるには、産業界の参画が鍵の一つになろう。
 一方、改正入管難民法により外国人就労の拡大を目指す新制度が1日にスタートしたが、懸念された国の準備不足は解消していない。全国100カ所に国が設けるとした一元的相談窓口は、現在調整が進められている設置基準を前提に単純計算すると人口25万人以上の自治体に限られ、約8万3千人の越前市は対象外になる。法改正の主目的を、地方中小企業の人手不足解消といいながら、人口基準の設置でいいのか。地方切り捨てや丸投げと思わざるを得ない状態が続くなら、国への不信は強まるばかりだ。


ふるさと納税新制度 地域活性化が原点 一層見直しを
 ふるさと納税制度で過度な返礼品競争を防ぐ改正地方税法が成立した。総務省は、新たなルールを順守すると見込んだ自治体のみを制度の対象に指定する方針で、6月のスタートに向けて準備を進めている。
 返礼品の豪華さを競い、ネットショッピング化した現状を是正する必要はある。しかし、国が自治体の自由裁量に委ねられていた寄付の集め方に規制をかけることは、地方自治の侵害にもなりかねない。さらに、明確なルールがない中、財源不足に悩む自治体が制度に依存する構造をつくった責任もある。国は地域活性化を後押しするという本来の目的に立ち返り、制度自体の是非を含めて一層の見直しをしなければならない。
 新制度では、返礼品を「調達費が寄付額の30%以下の地場産品」に規制。地場産品は「自治体の区域内で生産された物品やサービス」などと定めた。過大な経費をかけたり、派手な広告をしたりと、募集が適正に行われていない場合も違反となる。
 総務省はこれまでも、基準を示して不適切な返礼品を自粛するよう自治体に求めており、取り組み実態を踏まえて指定する考えだ。昨年11月の時点で、基準を守っていない自治体は2カ月前の約4分の1に当たる91まで激減している。
 ただ、一部の自治体は「一方的だ」などと新制度に反発している。大阪府泉佐野市は、ネット通販大手「アマゾン」のギフト券を贈るキャンペーンを展開し、2018年度の寄付額は前年度の3倍近い約360億円を見込んでいる。静岡県小山町は同様の手法で18年度一般会計当初予算の2倍の規模を集めた。寄付を当てにした政策もあり、行政運営への影響が大きいことは間違いない。
 新制度には東京都を除く全自治体が参加を申請している。総務省は、多額の寄付を集めた泉佐野市などの姿勢を問題視しており、今後の審査で制度の対象外となる自治体が出てくる可能性がある。そうなれば、除外された自治体からの反発は必至であり、国との対立がより深まることが懸念される。
 また、新制度の地場産品に関する規定が曖昧な点も課題だ。具体的な基準は法に示されておらず、総務相が判断することになっている。国会でも「恣意(しい)的な判断が入る」との批判が上がっており、地場産品が少ない自治体への配慮も不明確だ。国は公平性を確保するよう、判断の根拠について説明を尽くすことが欠かせない。
 規制の強化を受けて、県内では新居浜市や鬼北町で、返礼品に地場産品にとどまらず、高齢者らの見守りサービスを加える動きが広がっている。故郷や縁のある自治体を応援するという制度の本来の目的に回帰しているともいえよう。自治体が地域の課題を改めて洗い出し、福祉や地域活動などへの支援をさらに充実できるよう、仕組みを発展させていく必要がある。


消費税増税まで半年◆公平性の問題残ったままだ◆
 10月の税率引き上げまで残り半年を切った。対策の制度設計やレジ・経理システムの更新など官民で準備が本格化してきた一方で、景気は、米中貿易摩擦や中国経済の不調を背景に減速感が出てきている。月例経済報告や日銀の企業短期経済観測調査では、輸出不振が鮮明になった。統一地方選も始まり、7月には参院選が控える。「選挙モード」に入った永田町は景気に敏感になってきた。
乏しい延期の可能性
 安倍晋三首相は過去2回、消費税増税を延期しており、政財界には3回目の延期観測もあるようだ。2016年の増税延期は、条件としていた「リーマン・ショック級や大震災級の事態」は発生していなかったが、首相は「増税は内需を腰折れさせかねない」との「新しい判断」を示して税率引き上げを先送りし、国民の信を問うとした参院選で勝利した。
 本当に世界的な経済の大混乱が起きれば、延期する緊急避難が必要になるかもしれない。しかし、景気の現状を見ると、外需不調による輸出の減退はあるが、個人消費や設備投資は堅調で、深刻な腰折れ懸念があるわけではない。
 総額2兆円に上る消費税増税対策を盛り込んだ19年度予算が3月に成立した。今回の税率引き上げに際し、政府は、自動車や住宅関連の減税に加え、飲食料品などに軽減税率を導入、このほかにもキャッシュレス決済でのポイント還元やプレミアム付き商品券の対策を実施する。
 目玉施策はポイント還元だ。クレジットカードやQRコードなど現金を使わずに中小の店舗で決済すると、代金の5%がポイントとして還元されるというのが制度の骨格だ。しかし対象の「中小事業者」と、対象にならない大企業の線引きが難航している。
ポイント還元に欠陥
 政府は、資本金や従業員数などで中小企業法の定義を満たす企業や個人を基本としているが、家電量販店などは資本金基準でいうと中小の分類になり、公平性の問題が指摘されている。
 還元分として付与されたポイントの経費は政府が決済事業者に補助するが、消費者が最終的に使わなかったポイント分はそのまま、事業者の手元に残ってしまう。
 付け焼き刃で打ち出した施策の欠陥が露呈した格好だ。改善策は財務省を中心に検討されているが、いずれも制度の根幹に関わる問題だ。
 そもそも、この施策は、高齢者や子どもなどキャッシュレス決済の手段を持たない消費者には向き合っていない。政策目的と行政の公平性の関係は、論点を整理して考え直す必要がある。
 ポイント還元には、増税による消費落ち込み防止、キャッシュレス決済の普及、中小企業支援という三つの目的があるが、少々詰め込み過ぎたのではないか。政策資源が別々の方向に拡散すれば、効果が薄れるのは自明の理だ。


[共通テスト] 記述式には課題が多い
 大学入試センターは、2020年度から始まる大学入学共通テストに向けて昨年11月実施した第2回試行調査の記述式問題の結果を発表した。
 共通テストは現在の大学入試センター試験の後継として実施され、今の高校2年生からが対象になる。本番まで既に2年を切っている。
 だが、試行調査からは問題作成や採点の在り方に多くの課題があることが明らかになった。受験生が混乱しないための対応策が急務である。
 共通テストは「思考力・判断力・表現力」の重視を掲げ、知識偏重の入試から考える力を問う方法への改革を目指す。その目玉として国語と数学の一部で記述式の問題が導入される。
 試行調査で数学の記述式問題は計3問出題され、平均正答率は3.4〜10.9%と低迷した。既に公表されたマークシート方式の結果と合わせた平均点も100点満点で26.61点と、目標の「5割程度」を大きく下回った。
 正答率が低すぎたり高すぎたりすると、学力差を正確に測れない。正答率が「5割程度」になるよう問題の分量や構成をうまく調整できるのか。
 17年に実施された初回試行調査でも数学は正答率が低く、センターは取り組みやすい問題に改めた。それでも改善されなかったことを考えれば、その難しさは明白だろう。
 国語の正答率は初回調査よりも改善した。だが、生徒の約3割が自己採点と実際の点数が一致しなかったのは看過できない。
 受験生は自己採点に基づいて受験校に出願する。自己採点が実際の得点とずれていれば、大学の選択を誤る恐れがあるからだ。
 センターは正答条件について例示を交えた冊子を作ったり、題材や問いかけをさらに工夫したりするとしている。それで受験生が正確に自己採点できるのか疑問が残る。
 今回の調査には高校生約6万8000人が参加し、委託先の民間業者が2000人態勢で採点したが、後の答案チェックで評価を見直した例が80件に上った。国語で正答とみなせる言葉の言い換えをどこまで認めるかの調整に手間取ったためという。
 本番では50万人以上が受験する。採点者によって、より評価がぶれる恐れはないのか。受験生は解答が適正に評価されたかどうか確かめようがない。明確な採点基準を設けて周知を図るのは当然だとしても、受験生の不安を解消する手だてが欠かせまい。
 試行調査は今回が最後としているが、このまま本番を迎えるには懸念材料があまりに多い。正答率を目標に近づけ、正確な自己採点につなげるためにもう一度実施すべきではないか。検証する機会を再度設けて、よりよい制度に仕上げていくべきである。


上野千鶴子の東大祝辞が「意義深い」と話題、トレンド入りも
4月12日に開かれた東京大学・入学式での上野千鶴子氏(70)の祝辞が話題を呼んでいる。上野氏は日本を代表するフェミニストの1人であり、「女性学」や「ジェンダー研究」の第一人者だ。
上野氏は祝辞の冒頭で、昨年発覚した東京医科大の医学部入試での女子差別に言及。“息子は大学まで、娘は短大まで”という親たちの考えにもふれ、「社会に出れば、もっとあからさまな性差別が横行しています」と指摘した。
さらに「がんばってもそれが公正に報われない社会があなたたちを待っています」と話した上野氏。「がんばったら報われるとあなたがたが思えることそのものが、あなたがたの努力の成果ではなく、環境のおかげだったこと忘れないようにしてください」として、こう呼びかけた。
「あなたたちのがんばりを、どうぞ自分が勝ち抜くためだけに使わないでください。恵まれた環境と恵まれた能力とを、恵まれないひとびとを貶めるためにではなく、そういうひとびとを助けるために使ってください」
上野氏は「ようこそ、東京大学へ」と結んだ。
努力が報われたことで得たものを、他者に還すよう新入生に語りかけた上野氏。Twitterでは「上野千鶴子」がトレンド入りするほどの反響を呼び、賛同する声が上がっている。
《「努力が許された今までの環境は当たり前に得られるものでなく1つの特権だ」という示唆は新入生にとって意義深いと思う》
《上位の大学に限らず入るには周囲の環境によるものがとても大きい。それを知らない人が多すぎる。そして大学では知る事自体ではなく考えられてその先に行く力をつける場だと思う》
《大学新入生が何をどういった方向で学んで考えればよいのかよくわかる。もちろん東大以外の大学新入生にも役に立つ》
自らの足元を見つめ直すのも、いいかもしれない。


「性差別 東大も」 頑張れ新入生 上野千鶴子さんエール
 「社会に出れば性差別が横行しています。東大もその例の一つです」。東大の入学式が十二日、東京都千代田区の日本武道館で行われ、東大名誉教授で社会学者の上野千鶴子さんが祝辞で、性差別の根深さについて語った。世の中には頑張っても報われない人がいるとして「あなたたちの頑張りを自分が勝ち抜くためだけに使わないでください」との願いも口にした。
 東大の今年の入学生三千百二十五人のうち女子は五百六十七人。セクハラなど性差別の問題に取り組んできた上野さんは壇上で、新入生の女子比率が長年「二割の壁」を越えないと指摘。教授などではさらに低く、歴代学長に女性はいないとした。
 さらに、女子や長期浪人生を差別した東京医科大の不正入試問題などを挙げ「頑張っても公正に報われない社会があなたたちを待っています」と話した。
 受験競争を勝ち抜いてきた新入生に「頑張れば報われると思えることそのものが、環境のおかげだったことを忘れないでください」と訴え、「恵まれた環境と能力を、恵まれない人々を助けるために使ってください」と呼び掛けた。
 一方、東大は多様性を認める大学でもあるとし「私をこの場に立たせたことがその証しです。異文化を恐れず、どんな世界でも生きていける知を身に付けて」と締めた。
 上野さんのメッセージを受け、東京都内の女子新入生(18)は「学内でも東大女子だと分かると勧誘しないサークルがあり差別だと思った。公の場で問題を話してくれてうれしい」と話した。多数が医学部に進学する理科三類に入った一浪の女子新入生(19)は「世間には『女子は浪人しない方がいい』という固定観念があると感じる。性差別は社会で取り組むべき問題だ」と話した。
 ◇ 
 東大はホームページで、上野千鶴子さんの祝辞を掲載している。


安倍首相が「桜を見る会」に『虎ノ門ニュース』ご一行を堂々招待! 百田尚樹、有本香、ケントらネトウヨ文化人に囲まれご満悦
 また今年も安倍首相が主催する「桜を見る会」が開催された。今年は、カズレーザーや小峠英二、ミッツ・マングローブ、IKKO、五木ひろし、石坂浩二、デヴィ夫人、市川猿之助などといった芸能人を含む約1万8200人が参加。7日に放送された『Abema的ニュースショー』(AbemaTV)で千原ジュニアが「桜を見る会」に誘われながら辞退したことを明かし「知らんおっさんと見たないわと思って断った」と話したことが話題となったが、一方、ジュニアの兄で安倍応援団芸人として知られる千原せいじはしっかり出席。
 そして、安倍首相は今年も、ももいろクローバーZとともに浮かれてポーズをとったり、GENERATIONS from EXILE TRIBEのメンバーと撮った写真をさっそくInstagramにアップするはしゃっぎっぷり。新元号に触れた上で「きょう咲き誇っているこの花のように、みなさんひとりひとりがそれぞれの花を咲き誇らせることができる、そういう時代を一緒につくっていこう」と挨拶。新元号の私物化をきょうも見せつけた。
 しかし、いま安倍首相は浮かれるような状況状態にはない。塚田一郎・前国交副大臣の「忖度」発言や桜田義孝・前五輪相の「復興以上に大事なのは議員」発言による「辞任ドミノ」のほか、航空自衛隊三沢基地の最新鋭ステルス戦闘機F35Aの世界初となる墜落事故が起こったばかり。いまだ操縦士の安否が確認されていない上、基地周辺に暮らす住民からは不安視する声も出ているというのに、芸能人と花見などしている場合ではないはずだ。
 毎度のことながら、無責任であることを取り繕おうともしない安倍首相の思い上がりぶりには反吐が出るが、きょうの「桜を見る会」では、もうひとつ、唖然とするような光景が繰り広げられた。
 というのも、じつはきょうの「桜を見る会」の招待客のなかに、あのフェイクデマ拡散ネトウヨ番組の面々が含まれていたからだ。そう。『真相深入り!虎ノ門ニュース』(DHCテレビ)の出演陣たちである。
 たとえば、テレビ朝日が午前中のニュースで報じた映像を見ると、安倍首相と昭恵夫人を取り囲んでいたのは、百田尚樹に有本香という世紀の欠陥本『日本国紀』(幻冬舎)のコンビに、ケント・ギルバート、竹田恒泰、上念司、石平太郎、須田慎一郎、大高未貴、藤井厳喜、武田邦彦らといった『真相深入り!虎ノ門ニュース』(DHCテレビ)のメンバーたちだった。
 また、ほかにも番組司会者である居島一平や、あの『殉愛』(幻冬舎)にも登場する、同番組のプロデューサーを務めるDHCテレビジョンの山田晃社長の姿まで……。
 さらに、『虎ノ門ニュース』出演陣が投稿した写真のなかには、『日本国紀』『殉愛』という二大事故本の版元である幻冬舎の見城徹社長の姿も確認できた。
 しかも、安倍首相はこのネトウヨ文化人オールスターズを歓待。石平のTwitterへの投稿によると、〈総理は我ら虎ノ門ファミリーの一人一人に声をかけて握手して下さった〉といい、有本はこんなツイートしている。
〈安倍総理主催『桜を観る会』に虎ノ門ファミリーで参加。「文化人・芸能人」の列前を歩いて私たちの前に来られた総理が「ここから雰囲気が違いますね〜。虎ノ門の皆さんが一番『左』に陣取っておられるのが面白い」といきなりの突っ込み。竹田恒泰さんが「我々から見たら一番右ですが」と即応酬。〉
 まったく気持ち悪すぎる会話だが、ようするに、安倍首相は自身の猛烈な擁護を繰り返すネトウヨ番組や、安倍応援本を多数送り出してきた出版社の社長といった“お仲間”を堂々と招待。手厚くもてなしていたのである。
ヘイトデマ垂れ流すネトウヨ番組の面々に囲まれご満悦の安倍首相
 そもそも『虎ノ門ニュース』は、例の沖縄ヘイトデマで知られる『ニュース女子』と同じDHCテレビが制作するネット番組であり、展開されるトークは、ネトウヨワールド全開の陰謀論や、もはや“安倍教”と呼ぶべき政権の徹底擁護ばかり。
 だが、そんなネット番組に、安倍首相は総裁選を控えた昨年9月6日、ついにVTR出演。同日未明には最大震度7を記録した北海道胆振東部地震が発生したというのに安倍首相の出演VTRは放送延期にもならず、安倍首相によるトランプ大統領やプーチン大統領との仲良し自慢が展開された。
 しかも、安倍首相は“番組を観たことがあるか”と問われると、「密かにありますね」と告白。インタビュー収録には別曜日レギュラーの百田も「スタッフ」として参加し、安倍首相も百田の姿を見つけると顔をほころばせながら手を挙げて挨拶するなど、“安倍応援団”に囲まれて終始ご満悦。最後には再び番組に出演することを約束したほどだった。
 総理大臣が自分の応援団であるネトウヨ文化人たちのネット番組に嬉々として出演する──。この事実だけで愕然とさせられるが、結局、安倍首相はこうした輩に慰撫されたくてたまらないのだ。
 いや、安倍首相を慰撫する“喜び組”の応援団のほうも同じだ。百田は桜田義孝前五輪相の辞任について〈自民党はアホが出世するシステムなのか、それともこんなアホでもマシな部類なのか!〉と投稿したが、歴史修正主義をばらまき、権力者に媚びを売ってベッタリの関係を築き、時にNHK経営委員に引き立てられ、時に著書を宣伝してもらってご満悦の百田のような存在こそ「アホが出世するシステム」なのではないのか。
 ともかく、安倍首相は相次ぐ大臣の暴言辞任に「批判を真摯に受け止める」などと言いながら、実際はお仲間に囲まれて癒やされることしか考えていない。このどうしようもない「アホが引き立てられるシステム」を、きょうはまざまざと見せつけられたのである。


公文書クライシス 首相と省庁幹部の面談記録「不存在」 官邸1年未満で廃棄
 安倍晋三首相と省庁幹部らとの面談で使われた説明資料や議事録などの記録約1年分を毎日新聞が首相官邸に情報公開請求したところ、全て「不存在」と回答された。官邸が記録の保存期間を裁量で廃棄できる1年未満に設定していることも判明した。官邸の担当者は「記録は政策を担当する省庁の責任で管理すべきだ」と説明したが、重要とみられる16件を抽出して府省側に同様の請求をしたところ、10件については説明資料の保有を認めたものの、どの府省も議事録の保有を認めなかった。識者は首相の政策判断の検証に必要だとして、記録を残すルール作りを求めている。
 政府は2017年12月、森友・加計学園問題などを受けて公文書ガイドラインを改定。官邸を含む府省庁に、政策や事業方針に影響を及ぼす打ち合わせ記録の作成を義務づけた。面談内容は未公表のため、ガイドライン改定後から今年1月末までの面談について、首相や秘書官らが受け取った説明資料と、議事録などやりとりが分かる記録を情報公開法に基づき請求した。
 首相の動静を伝える毎日新聞の「首相日々」に掲載された面談は請求期間で約1000件に上るが、官邸の文書管理を担当する内閣総務官はいずれの記録も「存在しない」と回答。議事録を作成したかどうかは不明だが、説明資料については、保存期間を国立公文書館の審査を経ずいつでも廃棄できる1年未満に設定し、面談後に廃棄していると明かした。内閣総務官室は取材に「官邸側が受け取った資料はコピーに過ぎず、原本は省庁にある」と説明した。
 一方、毎日新聞が「首相日々」から、全12府省の幹部に関わる16件の面談を抽出して府省側に開示請求したところ、全府省が議事録を残していないとしたり、存否すら明かせないと回答したりした。
 説明資料は、16件のうち6件が「存在しない」とされた。このうち、総務省は18年12月に総務相らと首相の面談で取り上げたテーマについて、面談記録がないことを理由に「答えられない」と回答。法務省も同月の事務次官と首相の面談のテーマは「記録がないため確認できない」と答えた。
 残り10件の説明資料は保管されていた。開示された資料などから、中央省庁の障害者雇用水増し問題や外遊準備などの案件だったことが判明したが、議事録未作成の理由について厚生労働省や外務省は「政策や事業方針に影響を及ぼす打ち合わせではなかったため」などと説明した。
 匿名で取材に応じた複数の省の幹部職員は「官邸は情報漏えいを警戒して面談に記録要員を入れさせない」「面談後に記録を作っても、あえて公文書扱いにはしていない」と証言した。【大場弘行、松本惇、片平知宏】
政権に都合のよい歴史が創作されかねない
 NPO法人「情報公開クリアリングハウス」の三木由希子理事長の話 首相面談の記録が省庁側にしか残されていないと、首相は自身に責任が生じる場面でも「聞いていない」などと言い逃れできる。省庁が面談の議事録を残していないのも問題で、政権に都合のよい歴史が創作されかねない。首相面談は官僚同士の打ち合わせとは別次元のもので、首相が見た資料や発言したことを可能な限り記録するルールが必要だ。それは、首相の政治責任を全うさせることにもつながる。
記録残すためのルールや仕組み必要
 政府の公文書管理委員会の初代委員長を務めた御厨貴・東京大客員教授(日本政治史)の話 首相の意思決定に関わる記録は、それがメモであっても最重要文書として後世に残さなければならない。ところが、官邸は記録を残さなくてもいい「聖域」となっている。近年は首脳外交が増えるなど首相自らが判断する案件も多く、将来の検証に堪える記録を残す必要性は高まっている。首相の記録を残すためのルールや仕組みを作ることは時代の要請だ。


【「平成」と乗りもの】高速バスの乗客、バブル期は都会に焦がれた若者 30年後の車内は
成定竜一(高速バスマーケティング研究所代表)
通勤や外国人旅行者の移動手段にも
 2019年現在、高速バスは毎日1万5000便が運行され、年間輸送人員は1億1500万人と、航空国内線を2割ほど上回るまでに成長しました。ただ、その内訳には変化が見られます。「高速バス開設ブーム」に沸いた平成初期は、首都圏〜北東北や京阪神〜九州など長距離の夜行路線が目立ちましたが、近年は新幹線網の拡充や航空自由化(LCCの台頭)の影響を受け、長距離夜行市場が縮小しています。
 それに代わり、おおむね片道250辧⊇衢4時間以下の短・中距離が市場を大きく伸ばしています。なかでも、千葉県木更津市、袖ケ浦市周辺から東京湾アクアラインを経由して東京都心へ向かう路線や、山形〜仙台間などでは朝ラッシュ時に3分間隔などと頻発し、鉄道に代わる通勤需要も取り込んでいます。1台当たりの定員が少なく、高頻度で運行できる高速バスは、所要時間のうえでも自宅から大都市の目的地まで鉄道と大差ない場合も。乗客は、夜行便では若年層が中心ですが、昼行便では老若男女、出張客らも多く見かけます。
 乗客の変化という面では近年、新しい動きも生まれています。インバウンド(訪日外国人)の急増です。彼らの旅行形態が、貸切バスを使う団体ツアーから、高速バスや鉄道を乗り継いで旅行するFIT(個人自由旅行)に変化しているのです。富士五湖や高山、白川郷といった中部地方の山間部、九州の湯布院など、鉄道の利便性がそれほど高くなく、「日本らしさ」が残っている地域への路線が人気です。また日本人観光客のあいだでも、大都市郊外からテーマパークやアウトレットモールへ直行する路線の利用が増えています。
 平成の終わりを迎え、かつての「フェニックス族」のように、憧れの都会へ焦がれるように高速バスへ飛び乗る若者は減ったように感じます。当時の若者が親の世代となり、大型ショッピングモールも続々と開業したいま、若者にとって地方はほどほどに住みやすく、昔ほど「逃げ出したい土地」ではなくなっているのでしょう。入れ替わるように、地方出身で都市に住む当時の若者世代が、親の介護などのため高速バスで地元に向かう姿が見られます。この「30年後のフェニックス族」こそ、「平成」日本社会の変化の象徴かもしれません。


“酔う”が美徳の日本でメッセージを込めた音楽は生まれない
 今年も都内の桜の名所は、大勢の花見客でごった返していた。この「お花見」という風習、外国人には理解し難いそうだ。美しさを鑑賞するのはともかく、その下に座り込んで酒を飲み騒ぐ姿は、とても不思議に映るみたいだね。
 昔から日本人は「酔う」を美徳としていた。美や快楽に身を委ねることを是とし、花に酔い、酒に酔い、歌に酔う……。五感を通じて得られる官能に溺れ、時に羽目を外す。人に迷惑を掛けない限り、大目に見られてきた。
 そこが西洋との違いだ。イエズス会の宣教師ルイス・フロイスも「ヨーロッパ文化と日本文化」(岩波文庫)で、〈われわれの間では酒を飲んで前後不覚に陥ることは大きな恥辱であり、不名誉である。日本ではそれを誇りとして語り、「殿 Tono はいかがなされた。」と尋ねると、「酔払ったのだ。」と答える〉(岡田章雄訳注)と書いた。フロイスは織田信長や豊臣秀吉にもじかに会った人物。日本人は当時も今も大して変わっていないんだね。
 音楽のとらえ方も西洋人と日本人では違う。日本人は「音楽に酔う」ことをよしとして癒やしも求める。西洋人が求めるのは「自分を高めてくれるかどうか」。その根本にあるのはキリスト教だ。西洋社会での音楽とは神がもたらす調和を表現したもので、教えを広めるために聖歌を歌った。そこにベートーベンが音楽は「芸術」で「作品」だと提唱し、一作ごとに異なる手法を追求、メッセージを込めたんだ。
 後世の音楽家たちも、それまでになかったもの、メッセージのあるものを作ろうと苦闘してきた。これはクラシック音楽に限らない。ジョン・レノンは「イマジン」で「国境などないって想像してごらん、人々が争う必要なんてないんだ」と歌い、ベトナム戦争の終結に影響を与えた。ボブ・マーリーのレゲエも、歌われるのは社会や政治へのアンチテーゼだ。
 最近もチャイルディッシュ・ガンビーノ(ドナルド・グローヴァー)が「ディス・イズ・アメリカ」で人種差別や銃の蔓延、拝金主義など米国社会の現実を歌った。そのミュージックビデオ(演出は作曲家の村井邦彦さんのご子息のヒロ・ムライさん)の過激さも話題になり、グラミー賞の4部門を受賞、きちんと評価されている。海外のヒットチャートにランキングされる楽曲は、メロディーがキャッチーだとかノリがいいとかだけで売れているものばかりでないんだ。
 それに比べると日本は、男と女がくっついたとか離れたとかの恋の歌があまりに多い。キリスト教文化のベースもなく、酔うことをよしとする民族性のため、「音楽はメッセージを表現するもの」という概念も生まれず、ガラパゴス化して発展してきたからだ。
 若いアーティストにはメッセージや社会性のある楽曲を発信して、海外からも注目されるようになってもらいたいね。

上野千鶴子の東大入学式祝辞に感動/でも・・・

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Toulouse : à la Foire internationale, le monde (et notamment le Japon) sera à portée de main
Du samedi 13 au lundi 22 avril 2019, c'est parti pour la fameuse Foire internationale de Toulouse : évasion, équipement, découvertes, rencontres et cap sur Tokyo au programme.
C’est sans conteste l’un des événements majeurs de la saison commerciale de la région Occitanie, et la certitude de trouver tout ce dont on a besoin… Et même plus.
Plus de 600 commerçants au parc des Expos
La Foire internationale de Toulouse, qui se tiendra du samedi 13 au lundi 22 avril 2019 au Parc des expositions rassemble, sous un seul et même espace, plus de 600 commerçants, porteurs des tendances actuelles dans les domaines du quotidien ; de l’équipement : des loisirs, du bien-être et du shopping ; de la gourmandise et de la gastronomie, du tourisme et de l’évasion. Elle est aussi ? et surtout ? Un lieu de rencontres et d’échanges avec des professionnels, des experts, des associations, des collectivités ou des organismes publics ; un vaste espace de 90 000 m2 dans lequel sont partagés des savoir-faire et des talents aussi divers que passionnants.
Alors, si vous avez prévu de refaire la salle de bains, la Foire est là pour fournir mille idées et suggestions. Si vous voulez tout simplement découvrir des métiers, des artisanats d’ici ou d’ailleurs en famille ou prendre rendez-vous pour une prochaine séance de remise en forme ou un week-end d’évasion ou un séjour en Italie, au Portugal ou encore plus loin… Tout cela, c’est à la Foire internationale !
Cap sur Tokyo
Cette année, le Japon est mis à l’honneur avec ≪ Expo Tokyo ! ≫. Cette exposition, inédite en France dont la conception et la réalisation sont l’œuvre de la Société NILOPOMA sur demande de la Foire internationale de Toulouse, reprend le principe d’un parcours labyrinthique, avec une succession d’évocations des grands moments de l’histoire et de la réalité contemporaine et futuriste de cette fascinante mégalopole. Un jardin japonais offrira une respiration, une oasis zen et spirituelle à mi-parcours de cette promenade, mais aussi l’occasion d’acquérir quelques objets traditionnels et de goûter à la cuisine du pays du Soleil levant.
D’autres nouveautés étonnantes rythmeront les déambulations sous le Parc des expos. L’espace Eco-Mobilité, présenté par Allianz, proposera de découvrir ? et d’essayer ! – les moyens de locomotion de demain. Voitures, scooters, vélos, karts, trottinettes électriques : à quoi ressembleront-ils dans quelques années ?
Si l’horoscope vous est favorable, tentez votre chance à la ≪ Vitrine magique ≫ qui, chaque jour, permettra de remporter un lot exceptionnel (billets aller-retour Toulouse-Tokyo par Air-France, voiture Smart, etc.) : il suffit de s’inscrire sur les bornes interactives (Hall 5)… et prier sa bonne étoile !
Yves Gabay
Infos pratiques :
Foire internationale de Toulouse
Du samedi 13 au lundi 22 avril de 10 h à 19 h (nocturne mardi 16, vendredi 19 et dimanche 21)
Au Parc des expositions, rond-point Michel Benech à Toulouse
Tarif plein : 7 € (4,50 € sur le site de la foire internationale jusqu’au 12 avril). Gratuit pour les enfants de moins de 10 ans.
NHK reporter laughed at for asking black hole team for more on Japan’s contributions
This week scientists released the first-ever captured image of a black hole. It’s a major milestone in scientific progress, and it can’t help but make most of us ponder both the vastness of the cosmos and the amazing capabilities of the human species.
However, to one reporter from Japan’s public broadcaster NHK, this momentous milestone was also the perfect opportunity to remind the world that Japan is pretty great too, you know.
The U.S. government’s National Science Foundation, one of dozens of organizations around the globe that contribute to the Event Horizon Telescope project which captured the image, held a press conference to discuss its success and findings. When the floor was opened up to questions, one came from the NHK reporter whose query, as shown in the video above, was: “I have a question about the international collaboration. I understand this is the enormous backup collaboration. Could you tell me more about the detail of the each country’s contribution, especially Japan?”
After the reporter speaks his home country’s name, there’s a brief pause, followed by a roll of soft laughter from the other journalists in attendance. A handful of Japanese Twitter users, though, have responded in a harsher tone.
“While the journalists from all sorts of other countries were asking questions about science, the NHK reporter was all like ‘Tell me about the contributions of Japan!’”
“The question from the NHK reporter during the NSF press conference was totally embarrassing.”
“That’s all you can expect from a public broadcaster. Does he know why he got laughed at? Is he embarrassed about what he did? It makes me sad to see how shallow Japan is, on an international level, about things like this exposed.”
However, Sheperd Doeleman, Event Horizon Telescope project director and the panelist who fielded the NHK reporter’s question, was willing to at least partially indulge him, responding with:
“I can say something about that. I’ve worked very closely with many people at the national astronomical observatory of Japan and others. Japan has played a very key role, as have a number of countries. Japan, for example, was one of the key members of the project that phased up ALMA. They took all the dishes in the ALMA [radio telescope] array in the high Atacama Desert [in Chile], and they made them essentially one dish that we could record on one set of equipment, and that has been huge. And they’ve been a key partner in the imaging techniques, and pushing that forward too.”
However, Doleman made sure to bring his statement back toward crediting the project’s success to the efforts of all its contributors, wrapping up his answer with:
“But the key is that each country, each region, each group, each institute, brought something in kind, and they brought their expertise, and they brought their work. You know, at the end of the day, you just need the stuff to get done, and everyone came with a full heart, really, and the expertise and the energy, to make this image that we’ve presented to you today.”
The “So anyway, what about Japan?” aspect of the NHK reporter’s question brings to mind the way that Japanese media organizations love to boast about the accomplishments of Japanese athletes on the world stage, sometimes trumpeting their victories as evidence of the greatness of the Japanese spirit. And in the reporter’s defense, it stands to reason that NHK’s audience would be especially interested in, and inspired by, the contributions of Japanese scientists. Still, at least a few critics would have preferred he’d been less concerned with national distinctions while gazing out into the wonders of space.
Source: YouTube/TIME via Jin via Twitter/@hausenjapan
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KI 表現がとても分かりやすく、筆者の優れた文章力を感じます。
日夜学生と接している賜物なのか、筆者自身の頭脳明晰ゆえなのか。内容的にもいちいちもっともだと感じます。現代の日本政治は、酒や煙草の値上げだの、年金額引き下げだのと、弱い一般国民と大学や初等・中等教育機関を苦しめることしか能がない、出来の悪い姑のような存在だ。と思えてきます。まあ、一方で一般国民は、大学については例えば東北大学と東海大学の区別もつかないレベルの人が多いのも事実です。ともあれ、今の政治はまるっきり教育についての正しい理解も国造りの根幹としての教育の重要性もわかってないですから、今後筆者の言う『病』はあっという間に大学界全体を蝕み、ただでさえ少子化なのにその子どもたちをさえ罹患させることでしょう。いっそ、こんな国は倒産して、赤字再建団体になるか、アメリカの属州になるか、すればいい、などとバカな思いが脳裏をよぎります。
勝沼悠 大学だけに留まらず教育、社会を考える上での必読書
 世間で言われる大学改革は本当に意味があるのか。
 欧米と日本の大学の歴史にふれ、なぜ大学の学問の自由が保障されるべきなのかから始まり、選抜機能など大学(受験)教育以外の機能についてもふれ、そこからあるべき大学教育は何かを説いていく。
 これは就活とも重なるところだが、受験の競争が厳しく人々の人生が追われてしまうのは受験システムの問題というより社会保障などの社会システム全体の問題なのだと思う。競争がうまく行えればよくなるという考えは危ういと感じた。
  大学だけに留まらず教育、社会を考える上での必読書。


上野千鶴子の東大入学式祝辞スゴイ.さすが!感動です.
でも東大新入生の反応はイマイチだったとネットで見ました.わたしが新入生だったとき同じ祝辞を聞いたらどう思うかな?と考えてみました.残念ながら東大の新入生と同じ反応だったかもしれません.うーんんん.

ピエール瀧も怪演「麻雀放浪記2020」に込められた批判精神
 コカインで逮捕されたピエール瀧被告(52)が保釈された翌日の5日から、出演作「麻雀放浪記2020」が劇場公開され話題になっている。
 逮捕の影響で、所属するテクノバンド、電気グルーヴの東京公演が中止、過去のCDなども出荷停止された。NHKは過去の出演ドラマの配信停止を決定、ディズニー映画「アナと雪の女王」吹き替え版のオラフ役も降板させられ、松竹映画「居眠り磐音」では出演シーンを奥田瑛二を代役として撮り直し、差し替えることが決まった。音楽活動、テレビ、映画と、あらゆる仕事が軒並みキャンセルとなっていた状況下、あえて公開を決めた東映の姿勢も物議を醸している。こうした背景について、映画批評家の前田有一氏が解説する。
「この映画は、今回の事件が起きる以前から一部業界内では話題になっていました。メガホンをとったのはかつて若松孝二監督に学び、商業主義に毒されない気骨ある映画作家として知られる白石和彌監督。そんな彼が、2020年の東京五輪が中止になった近未来の日本をアイロニカルに描いた。マスコミ向け試写会を一切行わない意向だったことからも、かなり過激な内容なのではないかとの臆測を呼んでいました」
 阿佐田哲也の原作小説を、舞台を戦後から2020年に大胆にアレンジしたギャンブルドラマ。1945年からタイムスリップしてきた凄腕の麻雀打ち、坊や哲(斎藤工)が、あまりに変わり果てた日本の姿に困惑しつつも、偶然にもブームとなっていた麻雀の腕ひとつで困難を切り開いていく姿をユーモアを交えて描く。
「iPhoneだけで撮影された、20年の日本社会の描写が強烈です。どこかの国が米軍基地にミサイルを撃ち込み国土は荒廃、マイナンバーチップを埋め込まない国民や、政府に反対するデモ隊は凶暴な警察に追われ、貧富の差も拡大している。現実の日本の問題点を強調したように感じられる、批判精神あふれる作風です。特にピエール瀧の役柄は、元五輪組織委員会会長でスケベな“モリ”という黒幕的な男。いかにも腹黒い権力者然とした役作りが、怪演と呼ぶにふさわしい」(前出の前田氏)
 白石監督自身も会見を開いて公開の意義を説き、過剰な自粛ムードやバッシングに異を唱えるなど、作品ともども息苦しい日本の空気を打ち破る勢いだ。
 興行収入的にはランク圏外だが、何かスキャンダルが起こるとお蔵入りになりがちな風潮の中、監督らの意向を尊重して公開した東映の英断は評価されてしかるべきだろう。


不当懲戒請求「余命読者」6人に支払い命令、個別の損害認める 弁護士2人が勝訴
ブログ「余命三年時事日記」を発端とした不当な懲戒請求をされたとして、佐々木亮弁護士と北周士弁護士がそれぞれ、懲戒請求者6人に各33万円(総額396万円)を求めていた訴訟の判決が4月12日、東京地裁であった。
谷口安史裁判長は、懲戒請求者6人に対し、各自、佐々木弁護士に30万円ずつ、北弁護士にも30万円ずつを支払うことを命じた(総額360万円)。各3万円の弁護士費用は認められなかった。
同様の事件では、嶋崎量弁護士が懲戒請求者を訴えた事件でも、個別に損害が認められている(横浜地裁2019年4月11日)。
佐々木弁護士、北弁護士は各960件の懲戒請求について、請求者全員を提訴する方針。同様の訴訟は現在150件進行しており、今後も和解の申し入れがない場合は提訴を続けるという。
●各自に請求可「抑止効果ある」
「余命三年時事日記」は2017年、朝鮮学校への補助金を求めた各弁護士会に反発し、読者に懲戒請求を呼びかけていた。
東京弁護士会の声明に対しても同様で、同会に所属する佐々木弁護士も、声明文に携わっていないにもかかわらず、懲戒請求の対象になった。
また、北弁護士は、佐々木弁護士に対する懲戒請求について、ツイッターで「損害の賠償は当然に認められるべき」などと投稿したことが「脅迫罪」になるという独自の理論で、余命読者に懲戒請求された。
判決では、今回の懲戒請求について、「事実上の根拠に欠けるものであることを知り得たにもかかわらず、あえてこれを行った」などとして、違法な懲戒請求だと認定。両弁護士が弁明を余儀なくされるなどして、精神的苦痛を受けたと判断した。
ただし、被害回復のため、ほかの弁護士に委任することが必要不可欠であったとまではいえないとして、弁護士費用(各3万円)は認めなかった。
北弁護士は、「弁護士費用は認められなかったが、こちらの主張が概ね認められたと考えている。各自に請求できるということで、(不当な大量懲戒請求について)抑止効果があると思う」と判決を評価した。


東大入学式 上野千鶴子さん「隠れた性差別 東大も例外でない」
東京大学の入学式が行われ、社会学者の上野千鶴子さんが祝辞の中で、新入生の女子が少ないことを指摘して、「隠れた性差別は、東京大学も例外ではない」と述べました。
東京大学の入学式は東京千代田区の日本武道館で行われました。今年度の新入生は、男子が2558人、女子が567人の合わせて3125人です。
式の祝辞で、東京大学名誉教授で社会学者の上野千鶴子さんが、去年相次いで発覚した医学部入試の女性差別に触れました。
そして、東京大学でも、女子の新入生の割合が2割に満たないことを指摘し「大学に入る時点で隠れた性差別が始まっている。東京大学も例外ではない」と述べました。
また、「大学で学ぶ価値とは、これまで誰も見たことのない知を生み出すための知を身につけることだ」と新入生を激励しました。
文科三類に入学した女子学生は「平成の時代に覆い隠せなくなった課題に向き合っていけるよう、哲学などを学んで教養を身につけ、多角的な視野を持てるようになりたい」と話していました。
理科一類に入学した男子学生は、「好きな化学を学び、将来はエネルギー問題の解決に貢献してノーベル賞をとり、令和の時代の教科書に載りたい」と話していました。


上野千鶴子さん「社会には、あからさまな性差別が横行している。東大もその一つ」
「あなたたちのがんばりを、どうぞ自分が勝ち抜くためだけに使わないでください」
4月12日、東京大学の2019年度入学式が日本武道館で行われた。
祝辞には、女性学のパイオニアである社会学者の上野千鶴子名誉教授が登壇。
2018年に発覚した東京医科大学の性別や年齢による差別的な不正得点調整について言及し、性差別について、がんばりが報われない社会、そして「知」とは何かについて新入生に語りかけた。
女子学生の置かれている現実と、研究者の女性比率
「ご入学おめでとうございます。あなたたちは激烈な競争を勝ち抜いてこの場に来ることができました」
上野さんは、祝辞の冒頭、そう言って新入生を歓迎した。
続けて「その選抜試験が公正なものであることをあなたたちは疑っておられないと思います。もし不公正であれば、怒りが湧くでしょう」と話し、2018年の東京医科大学の不正入試問題について触れた。
そして全国の医学部医学科でも、男子学生のほうが合格率が高いことや、東京大学でも入学者の女性比率は長きにわたって「2割の壁」を越えない現実を紹介。2019年度は18.1%と前年度を下回ったことも言及した。
一方で、他学部では理工系も文系も女子学生のほうが優位にあることや、女性受験生の偏差値が男性受験生よりも高いことも説明。
この現実に対し「この差は成績の差ではありません。『息子は大学まで、娘は短大まで』でよいと考える親の性差別の結果です」と指摘した。
「学部においておよそ20%の女子学生比率は、大学院になると修士課程で25%、博士課程で30.7%になります。その先、研究職となると、助教の女性比率は18.2、准教授で11.6、教授職で7.8%と低下します。これは国会議員の女性比率より低い数字です」と学生だけでなく研究職の女性割合も著しく低いことにも触れた。
そして「女性学部長・研究科長は15人のうち1人、歴代総長には女性はいません」と述べた。
「かわいい」の価値とは何か。「東大」と言えない女子学生の心情
上野さんは、東京大学で学ぶ学生が過ごす環境についても語った。
「他大学との合コンで東大の男子学生はもてます。東大の女子学生からはこんな話を聞きました」と切り出し、女子学生は「『キミ、どこの大学?』と訊かれたら、「東京、の、大学...」と答えるのだそうです」と話した。
続けて上野さんは「なぜ男子学生は東大生であることに誇りが持てるのに、女子学生は答えに躊躇するのでしょうか」と新入生に問いかけた。
そして「なぜなら、男性の価値と成績のよさは一致しているのに、女性の価値と成績のよさとのあいだには、ねじれがあるからです」と言い、「かわいい」という価値観について次のように語った。
「女子は子どものときから『かわいい』ことを期待されます。ところで『かわいい』とはどんな価値でしょうか?愛される、選ばれる、守ってもらえる価値には、相手を絶対におびやかさないという保証が含まれています。だから女子は、自分が成績がいいことや、東大生であることを隠そうとするのです」
また、東京大学の女子学生が入れず、他大学の女子学生のみが加入できる東京大学の男子サークルが半世紀以上続いている現状についても説明。
そして次のように警鐘を鳴らした。
「大学に入る時点ですでに隠れた性差別が始まっています。社会に出れば、もっとあからさまな性差別が横行しています。東京大学もまた、残念ながら例外ではありません」
「あなたたちのがんばりを、どうぞ自分が勝ち抜くためだけに使わないでください」
熾烈な受験を勝ち抜き東京大学へ入学した新入生に向け、努力の結実についても上野さんは次のように話した。
「がんばったら報われるとあなたがたが思えることそのものが、あなたがたの努力の成果ではなく、環境のおかげだったこと忘れないようにしてください」
そして「あなたたちが今日『がんばったら報われる』(と)思えるのは、これまであなたたちの周囲の環境が、あなたたちを励まし、背を押し、手を持ってひきあげ、やりとげたことを評価してほめてくれたからこそです」と念を押した。
続けて、「世の中には、がんばっても報われないひと、がんばろうにもがんばれないひと、がんばりすぎて心と体をこわしたひと...たちがいます。がんばる前から、『しょせんおまえなんか』『どうせわたしなんて』とがんばる意欲をくじかれるひとたちもいます」と語り、こう訴えた。
「あなたたちのがんばりを、どうぞ自分が勝ち抜くためだけに使わないでください。恵まれた環境と恵まれた能力とを、恵まれないひとびとを貶めるためにではなく、そういうひとびとを助けるために使ってください。そして強がらず、自分の弱さを認め、支え合って生きてください」
知とは何か
上野さんは、祝辞の最後、知とは何かについても触れた。
受験のように正解の分かる知識ではなく、未知への挑戦に背中を押した。
「大学で学ぶ価値とは、すでにある知を身につけることではなく、これまで誰も見たことのない知を生み出すための知を身に付けることだと、わたしは確信しています」と話し、「ようこそ、東京大学へ」と結んだ。
Shino Tanaka ハフポスト日本版ニュースエディター。 関心分野は医療、介護、性について、選択的夫婦別姓、動物など。あとアニメとマンガが好き。


「がんばっても報われない社会が待っている」東大の入学式で語られたこと
4月12日、日本武道館で東京大学の入学式が開かれた。
Saori Ibuki 伊吹早織 BuzzFeed News Reporter, Japan
「ご入学おめでとうございます。あなたたちは激烈な競争を勝ち抜いてこの場に来ることができました」
「その選抜試験が公正なものであることをあなたたちは疑っておられないと思います。もし不公正であれば、怒りが湧くでしょうーー」
4月12日に開かれた東京大学の入学式の祝辞が、話題を呼んでいる。
「がんばっても報われない社会が待っている」
新入生約3100人を前に祝辞を述べたのは、ジェンダー研究(女性学)の第一人者で、同大名誉教授の上野千鶴子さん。
上野さんは、東京医科大学が女子受験者を差別していた入試不正問題に触れ、「あなたたちはがんばれば報われると思ってここまで来たはずです。ですが、がんばってもそれが公正に報われない社会があなたたちを待っています」と述べた。
「がんばったら報われるとあなたがたが思えることそのものが、あなたがたの努力の成果ではなく、環境のおかげだったこと忘れないようにしてください」と言い、社会に根付く構造的差別に目を向けるよう求めた。
東大も例外ではない
さらに、東大入学者の女性比率が「2割の壁」を超えないことを挙げ、「社会に出れば、もっとあからさまな性差別が横行しています。東京大学もまた、残念ながらその例のひとつです」と指摘。
高校生新聞によると、同大の2019年度一般入試合格者のうち、女子は510人で、全体の16.9%だった。17年度の19.3%、18年度の18.2%と比べて比率は下がっている。
「世の中には、がんばっても報われないひと、がんばろうにもがんばれないひと、がんばりすぎて心と体をこわしたひとたちがいます。がんばる前から、『しょせんおまえなんか』『どうせわたしなんて』とがんばる意欲をくじかれるひとたちもいます」
「あなたたちのがんばりを、どうぞ自分が勝ち抜くためだけに使わないでください。恵まれた環境と恵まれた能力とを、恵まれないひとびとを貶めるためにではなく、そういうひとびとを助けるために使ってください」と訴えた。


平成31年度東京大学学部入学式 祝辞
ご入学おめでとうございます。あなたたちは激烈な競争を勝ち抜いてこの場に来ることができました。
女子学生の置かれている現実
その選抜試験が公正なものであることをあなたたちは疑っておられないと思います。もし不公正であれば、怒りが湧くでしょう。が、しかし、昨年、東京医科大不正入試問題が発覚し、女子学生と浪人生に差別があることが判明しました。文科省が全国81の医科大・医学部の全数調査を実施したところ、女子学生の入りにくさ、すなわち女子学生の合格率に対する男子学生の合格率は平均1.2倍と出ました。問題の東医大は1.29、最高が順天堂大の1.67、上位には昭和大、日本大、慶応大などの私学が並んでいます。1.0よりも低い、すなわち女子学生の方が入りやすい大学には鳥取大、島根大、徳島大、弘前大などの地方国立大医学部が並んでいます。ちなみに東京大学理科3類は1.03、平均よりは低いですが1.0よりは高い、この数字をどう読み解けばよいでしょうか。統計は大事です、それをもとに考察が成り立つのですから。
女子学生が男子学生より合格しにくいのは、男子受験生の成績の方がよいからでしょうか?全国医学部調査結果を公表した文科省の担当者が、こんなコメントを述べています。「男子優位の学部、学科は他に見当たらず、理工系も文系も女子が優位な場合が多い」。ということは、医学部を除く他学部では、女子の入りにくさは1以下であること、医学部が1を越えていることには、なんらかの説明が要ることを意味します。
事実、各種のデータが、女子受験生の偏差値の方が男子受験生より高いことを証明しています。まず第1に女子学生は浪人を避けるために余裕を持って受験先を決める傾向があります。第2に東京大学入学者の女性比率は長期にわたって「2割の壁」を越えません。今年度に至っては18.1%と前年度を下回りました。統計的には偏差値の正規分布に男女差はありませんから、男子学生以上に優秀な女子学生が東大を受験していることになります。第3に、4年制大学進学率そのものに性別によるギャップがあります。2016年度の学校基本調査によれば4年制大学進学率は男子55.6%、女子48.2%と7ポイントもの差があります。この差は成績の差ではありません。「息子は大学まで、娘は短大まで」でよいと考える親の性差別の結果です。
最近ノーベル平和賞受賞者のマララ・ユスフザイさんが日本を訪れて「女子教育」の必要性を訴えました。それはパキスタンにとっては重要だが、日本には無関係でしょうか。「どうせ女の子だし」「しょせん女の子だから」と水をかけ、足を引っ張ることを、aspirationのcooling downすなわち意欲の冷却効果と言います。マララさんのお父さんは、「どうやって娘を育てたか」と訊かれて、「娘の翼を折らないようにしてきた」と答えました。そのとおり、多くの娘たちは、子どもなら誰でも持っている翼を折られてきたのです。
そうやって東大に頑張って進学した男女学生を待っているのは、どんな環境でしょうか。他大学との合コン(合同コンパ)で東大の男子学生はもてます。東大の女子学生からはこんな話を聞きました。「キミ、どこの大学?」と訊かれたら、「東京、の、大学...」と答えるのだそうです。なぜかといえば「東大」といえば、退かれるから、だそうです。なぜ男子学生は東大生であることに誇りが持てるのに、女子学生は答えに躊躇するのでしょうか。なぜなら、男性の価値と成績のよさは一致しているのに、女性の価値と成績のよさとのあいだには、ねじれがあるからです。女子は子どものときから「かわいい」ことを期待されます。ところで「かわいい」とはどんな価値でしょうか?愛される、選ばれる、守ってもらえる価値には、相手を絶対におびやかさないという保証が含まれています。だから女子は、自分が成績がいいことや、東大生であることを隠そうとするのです。
東大工学部と大学院の男子学生5人が、私大の女子学生を集団で性的に凌辱した事件がありました。加害者の男子学生は3人が退学、2人が停学処分を受けました。この事件をモデルにして姫野カオルコさんという作家が『彼女は頭が悪いから』という小説を書き、昨年それをテーマに学内でシンポジウムが開かれました。「彼女は頭が悪いから」というのは、取り調べの過程で、実際に加害者の男子学生が口にしたコトバだそうです。この作品を読めば、東大の男子学生が社会からどんな目で見られているかがわかります。
東大には今でも東大女子が実質的に入れず、他大学の女子のみに参加を認める男子サークルがあると聞きました。わたしが学生だった半世紀前にも同じようなサークルがありました。それが半世紀後の今日も続いているとは驚きです。この3月に東京大学男女共同参画担当理事・副学長名で、女子学生排除は「東大憲章」が唱える平等の理念に反すると警告を発しました。
これまであなたたちが過ごしてきた学校は、タテマエ平等の社会でした。偏差値競争に男女別はありません。ですが、大学に入る時点ですでに隠れた性差別が始まっています。社会に出れば、もっとあからさまな性差別が横行しています。東京大学もまた、残念ながらその例のひとつです。
学部においておよそ20%の女子学生比率は、大学院になると修士課程で25%、博士課程で30.7%になります。その先、研究職となると、助教の女性比率は18.2、准教授で11.6、教授職で7.8%と低下します。これは国会議員の女性比率より低い数字です。女性学部長・研究科長は15人のうち1人、歴代総長には女性はいません。
女性学のパイオニアとして
こういうことを研究する学問が40年前に生まれました。女性学という学問です。のちにジェンダー研究と呼ばれるようになりました。私が学生だったころ、女性学という学問はこの世にありませんでした。なかったから、作りました。女性学は大学の外で生まれて、大学の中に参入しました。4半世紀前、私が東京大学に赴任したとき、私は文学部で3人目の女性教員でした。そして女性学を教壇で教える立場に立ちました。女性学を始めてみたら、世の中は解かれていない謎だらけでした。どうして男は仕事で女は家事、って決まっているの?主婦ってなあに、何する人?ナプキンやタンポンがなかった時代には、月経用品は何を使っていたの?日本の歴史に同性愛者はいたの?...誰も調べたことがなかったから、先行研究というものがありません。ですから何をやってもその分野のパイオニア、第1人者になれたのです。今日東京大学では、主婦の研究でも、少女マンガの研究でもセクシュアリティの研究でも学位がとれますが、それは私たちが新しい分野に取り組んで、闘ってきたからです。そして私を突き動かしてきたのは、あくことなき好奇心と、社会の不公正に対する怒りでした。
学問にもベンチャーがあります。衰退していく学問に対して、あたらしく勃興していく学問があります。女性学はベンチャーでした。女性学にかぎらず、環境学、情報学、障害学などさまざまな新しい分野が生まれました。時代の変化がそれを求めたからです。
変化と多様性に拓かれた大学
言っておきますが、東京大学は変化と多様性に拓かれた大学です。わたしのような者を採用し、この場に立たせたことがその証です。東大には、国立大学初の在日韓国人教授、姜尚中さんもいましたし、国立大学初の高卒の教授、安藤忠雄さんもいました。また盲ろうあ三重の障害者である教授、福島智さんもいらっしゃいます。
あなたたちは選抜されてここに来ました。東大生ひとりあたりにかかる国費負担は年間500万円と言われています。これから4年間すばらしい教育学習環境があなたたちを待っています。そのすばらしさは、ここで教えた経験のある私が請け合います。
あなたたちはがんばれば報われる、と思ってここまで来たはずです。ですが、冒頭で不正入試に触れたとおり、がんばってもそれが公正に報われない社会があなたたちを待っています。そしてがんばったら報われるとあなたがたが思えることそのものが、あなたがたの努力の成果ではなく、環境のおかげだったこと忘れないようにしてください。あなたたちが今日「がんばったら報われる」と思えるのは、これまであなたたちの周囲の環境が、あなたたちを励まし、背を押し、手を持ってひきあげ、やりとげたことを評価してほめてくれたからこそです。世の中には、がんばっても報われないひと、がんばろうにもがんばれないひと、がんばりすぎて心と体をこわしたひと...たちがいます。がんばる前から、「しょせんおまえなんか」「どうせわたしなんて」とがんばる意欲をくじかれるひとたちもいます。
あなたたちのがんばりを、どうぞ自分が勝ち抜くためだけに使わないでください。恵まれた環境と恵まれた能力とを、恵まれないひとびとを貶めるためにではなく、そういうひとびとを助けるために使ってください。そして強がらず、自分の弱さを認め、支え合って生きてください。女性学を生んだのはフェミニズムという女性運動ですが、フェミニズムはけっして女も男のようにふるまいたいとか、弱者が強者になりたいという思想ではありません。フェミニズムは弱者が弱者のままで尊重されることを求める思想です。
東京大学で学ぶ価値
あなた方を待ち受けているのは、これまでのセオリーが当てはまらない、予測不可能な未知の世界です。これまであなた方は正解のある知を求めてきました。これからあなた方を待っているのは、正解のない問いに満ちた世界です。学内に多様性がなぜ必要かと言えば、新しい価値とはシステムとシステムのあいだ、異文化が摩擦するところに生まれるからです。学内にとどまる必要はありません。東大には海外留学や国際交流、国内の地域課題の解決に関わる活動をサポートする仕組みもあります。未知を求めて、よその世界にも飛び出してください。異文化を怖れる必要はありません。人間が生きているところでなら、どこでも生きていけます。あなた方には、東大ブランドがまったく通用しない世界でも、どんな環境でも、どんな世界でも、たとえ難民になってでも、生きていける知を身につけてもらいたい。大学で学ぶ価値とは、すでにある知を身につけることではなく、これまで誰も見たことのない知を生み出すための知を身に付けることだと、わたしは確信しています。知を生み出す知を、メタ知識といいます。そのメタ知識を学生に身につけてもらうことこそが、大学の使命です。ようこそ、東京大学へ。
認定NPO法人 ウィメンズ アクション ネットワーク理事長
上野 千鶴子


京大が入試問題と解答例、出題意図公開 昨年の入試ミス受け
 京都大は12日、2019年度一般入試の試験問題と、その出題意図や解答例などを同大学ホームページ(HP)で公開した。昨年2月に発覚した入試ミスを受け、今月中に公表することを明らかにしていた。
 国語と外国語を除く各科目の全試験問題と、全科目の出題意図や解答例を公開した。選択肢から答えを選んだり固有名詞で解答したりする問題は主に解答例、論述問題は「自由な考え方を阻害しないために」と主に出題意図を掲載した。昨年2月に17年度入試での出題ミスが分かった物理は、空欄を埋める問題も「記述式問題の一つとして捉えている」として、全て出題意図のみを公表した。
 京大は文部科学省の方針を受け昨年12月、解答例や出題意図を公表すると明かしていた。HPには21年3月25日まで掲載する。現在公開していない科目は、著作物の利用許諾が得られれば後日公開する予定。HP以外にも、今月15日〜7月31日(土日や休日など除く)の午前9時〜午後5時、入試企画課の指定する場所で閲覧できる。


日本の大学にはなぜ2年間の教養課程があるのか? 大学教育にとって「教養」とは何だったのか(1)
(児美川 孝一郎:教育学者、法政大学キャリアデザイン学部教授)
 大学教育をめぐる議論において、最近ではめっきり聞かなくなってしまった言葉に、「教養」あるいは「教養教育」がある。日本の大学教育にとって、教養とはいったい何だったのか。大学における教養教育は、今どんな状況にあり、今後どうなっていくのか。このことについて、考えてみたい。
 なぜ、いまさら教養教育なのか。
 近年の大学改革のめざす方向は、「社会的ニーズ」という装飾を借りつつも、結局のところは、産業界の要望に見合うような人材の育成を、いかに効率的・効果的に進めていくかといった点に収斂しがちに見える。そうした状況だからこそ、今あらためて、日本の大学制度の「原点」に存在したはずの教養教育について、その意義や可能性、あるいは限界を確かめておくことは、けっして無駄な作業にはならないと思うからである。
新制大学の誕生
 ここでの議論に必要な限りで、ごく簡単に日本の大学の歴史を振り返っておこう。
 戦前の旧学制において、高等教育レベルの教育を提供していたと見なせる教育機関は、大学、大学予科、高等学校、専門学校、高等師範学校、女子高等師範学校、師範学校、青年師範学校と、実はきわめて多岐かつ多階層にわたっていた。しかし、戦後教育改革は、6・3・3・4制の単線型の学校制度体系を採用したため、戦後、これらの旧制の高等教育の諸機関は、すべて新制「大学」へと改編された。
 したがって、新制大学のうちには、旧制の高等学校や専門学校、師範学校のように、大学へと「昇格」した教育機関もあれば、旧制大学のように、他の教育機関と同等のレベルへと「降格」した(旧制大学は、すべて新制の大学院を併置することになったとはいえ)教育機関も存在している。しかし、これらはすべて、同格の新制「大学」となったのである。そして、この新制大学は、旧制の時代の学校種の特徴にかかわらず、すべて「教養課程」と「専門課程」を併せ持つ高等教育機関となった。
なぜ、「教養課程」が生まれたのか
 教養課程とは、学部・学科の専門にかかわらず、幅広く学術の基礎を学び、教養や人間性を涵養することを目的とする「一般教育」の課程であり、専門課程とは、特定の専門分野を深く学ぶことを目的とする「専門教育」の課程である。
 では、なぜ、新制大学においては、教養と専門を併置する教育課程が制度化されることになったのか。
 それは、第一義的には、新制大学が「学術の中心として、広く知識を授けるとともに、深く専門の学芸を教授研究し、知的、道徳的及び応用的能力を展開させることを目的とする」(学校教育法第83条)と規定されたように、幅広い教養と人間性の獲得を土台としつつ、特定の分野での専門性を身につけた人材の育成をめざす高等教育機関として位置づけられたがゆえである。
 比喩的に言えば、最高学府である大学は、「精神なき専門人」(M・ウェーバー)を生み出すような場であってはならず、専門的知識を持ちつつも、人間性にも優れた知的人材を輩出する場であるとされたということである。
 同じことを、歴史的経緯に即してみると、以下のようになる。戦前の旧制大学は、もっぱら専門教育を行う3年制の教育機関であったが、しかし、それは同時に、大学本科につながる予備教育の機関としての大学予科や、大学本科のいわば「前期」課程とも言うべき旧制高等学校と接続した教育機関であった。そして、ここでいう大学予科や旧制高等学校は、もっぱら一般教育を行う3年制の教育機関であった。
 つまり、日本の大学史においては、大学教育である以上は、教養課程と専門課程を併せ持つことが戦前以来の王道であり、戦後の新制大学は、旧制大学が、大学予科あるいは旧制高等学校の教養課程と大学本科の専門課程という、2段階にわたる6年制の課程として実施してきた教育を、同一段階の「大学」という4年制の教育課程の中に圧縮して取り込むことで成立したのである。
 そう考えれば、新制大学のほとんどが、教養課程と専門課程を同時並行で走らせるのではなく、4年間の就業年限のうちの前半の2年間を教養課程にあて、後半の2年間を専門課程にあてるといった教育課程を採用することになった理由も容易に理解できよう。
新制大学における一般教育
 こうして、戦後の大学においては、4年制のうちの前期に「教養課程」を置くことが一般的となった。それはまた、法制度的には、1991年に改訂される以前の大学設置基準が、大学の教育課程には「一般教育科目」「外国語科目」「保健体育科目」「専門教育科目」を設置することを定め、卒業に必要な最低単位数を、「一般教育科目」36単位、「外国語科目」8単位、「保健体育科目」4単位、「専門教育科目」76単位の計124単位と規定していたことによって、強力に支えられていた。
 このため、おおかたの大学は、「専門教育科目」以外の科目群をすべて「教養課程」に配置し、修業年限の前期に履修させるような体制を整えていった。国立大学の多くがそうであったように、「教養学部」を設置し、入学した学生をいったんこの学部に所属させつつ、後に専門学部へと進学させるような仕組みを整備した大学もあれば、「教養部」のような組織を設置して、一般教育科目、外国語科目、保健体育科目を担当する教員を、専門学部ではなく教養部に配置するような大学も存在した。
 いずれにしても、新制大学にとって一般教育は、専門教育と並んで、大学教育に欠くべからざる教育課程として位置づいたのである。少なくとも、1991年の大学設置基準の改訂(いわゆる「大綱化」)以前においては。
その後の一般教育の命運
 ただし、制度的には盤石な体制が整えられたかにも見える教養課程の教育は、その後、どのような命運を辿ることになったのか。それが、当初の理念どおりに、幅広い教養の獲得と人間性の涵養に資するような教育を提供することに成功してきたのかと問えば、そこは多分に怪しいところがある。
 1990年代までの大学教育を受けたことのある読者であれば、身に覚えがあるかもしれないが、学生の側からすれば、教養課程に属する一般教育の科目は、「パンキョー」などと揶揄され、専門科目よりもワンランク下の科目と見なされがちであった。また、それらの科目の内容についても、退屈で興味が沸かず、「何のためにこんなことを学ぶのか、分からない」といった受け止め方をされることも少なくなかった。
 もちろん、学生の中には、一般教育の科目に魅力を感じ、専門科目とは異なる知的刺激を受けたり、自らの視野を広げることができたと実感する者もいたであろうが、総じて言えば、教養課程の教育の評判は、芳しいものではなかったと言わなくてはならない。
一般教育が評判を落とした理由
 なぜ、そうなってしまったのかについては、いくつかの理由が考えられる。
 1つめは、戦前の旧制高校であれば、寮生活を通した人間的陶冶(とうや)といった側面も含めて、3年間の課程の教養教育として実施してきたものを、大学前期の2年間の教育で、しかも授業科目のみで実現しようとしたことには、そもそも無理があった可能性がある。
 しかも、2つめに、旧制大学における教養教育は、「大正教養主義」にも淵源を持つものとして、内面的、精神的、人格主義的なものであり、古典などの読書を通じて人格陶冶をめざすといった性格の色濃いものでもあった。そうした「教養」は、戦前のエリート青年には適したものであったかもしれないが、戦後、進学率の上昇とともに次第に大衆化した新制大学の学生には、十分な訴求力を持つことができなかったと見なくてはならない。
 3つめに、とはいえ、多くの大学は、一般教育の科目のすべてを「教養主義」理念に基づいて編成したわけではあるまい。しかし、では、戦後の新制大学にふさわしい「一般教育」の教育課程は、いかなる原理に基づいて、どのように編成されるべきなのか。実は、戦後日本の大学は、この点についての経験もノウハウも持ち合わせてはいなかった。おそらく、この問題がいちばん大きかったのではないか。
 外国語科目と保健体育科目は別として、一般教育科目を「人文」「社会」「自然」の3領域に区分する。そして、学生の所属学部等に応じて、それぞれの領域の必要単位数を定め、実際の履修は、すべて学生の自由選択に任せる。――ほとんどの大学が実施してきた(そして、現在もそうしている可能性の強い)教養課程のカリキュラムは、このパターンを出ないのではなかろうか。
 しかし、これでは、教育課程としての教育上のまとまりがどう担保され、個別の科目ではなく、課程全体としてどのような学習成果を生むことになるのかは、はなはだ曖昧なのである。学生の側からすれば、テレビ番組を次々と見せられて、確かに幅広い情報を得ることはできるかもしれないが、番組どうしのつながりや脈絡はいっさい示されないといった状態である。番組自体の内容が特段に面白ければ別であるが、多くは、興味そのものを失ってしまうのではないか。
一般教育の改革か、解体か
 以上のように見てくれば、戦後の大学における教養課程の教育には、一定の改革が施される必要があったことは確かであろう。実際に、そうした動きを見せた大学も少なくはなかった。


荒田交番で落成式 地域の治安強化へ期待 鹿児島市
 鹿児島中央警察署の旧上荒田交番と旧下荒田交番を統合し、新設した鹿児島市下荒田3丁目の「荒田交番」の運用が始まり、12日、落成式があった。住民ら約45人が参加し、地域の治安強化へ期待を寄せた。
 同署は荒田交番の新設により、パトロール回数や夜間の人員を増やすなど体制を強化。女性警察官を配置し、ドメスティックバイオレンス(DV)やストーカー相談にも力を入れる。

24はKoさん/14階/久しぶりSのKaさん/もらった本を貸した

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Powehi, le nom hawaïen du premier trou noir reconstitué en image
Un professeur de linguistique hawaïen a été chargé de donner un nom à la première image de trou noir de l'histoire, dévoilée mercredi. Il est allé puiser dans l'imaginaire de l'archipel.
"Mal nommer les choses, c'est ajouter au malheur du monde", assurait Albert Camus. Et si dans la genèse, il revient à Adam de donner un nom à "tout le bétail, aux oiseaux du ciel et à tous les animaux des champs", il chute hors de l'Eden peu après. Autant dire que le professeur Larry Kimura, professeur de linguistique à l'université de Hawaï-Hilo, avait de quoi trembler au moment où l'Event Horizon Telescope, la mission internationale d'astronomes et de chercheurs qui a révélé ce mercredi l'image d'un trou noir pour la première fois de l'histoire, est venu le trouver afin qu'il forge un nom à cette avancée inouïe des connaissances humaines. L'universitaire a finalement rendu son verdict, comme l'a noté ici le Honolulu Star-Advertiser: la prestigieuse vision s'appellera Powehi aux yeux de la postérité.
Kumulipo
Il a tiré cette désignation du Kumulipo, un chant hawaïen composé au XVIIIe siècle qui est le récit des origines du monde ainsi que de la généalogie de l'aristocratie locale. Ecrit en l'honneur de la naissance du prince Kalaninuiamamao, celui-ci l'a ensuite transmis à sa fille Kalaninuiamamao.
La signification du mot excède de beaucoup les trois petites syllabes de la retranscription de Powehi. On peut la rendre par "l'insondable création noire parée" ou encore par "la source noire embellie de la création sans fin". Si la communauté scientifique s'est tournée vers le professeur Kimura et la langue hawaïenne pour le baptême de la prunelle de ses yeux, c'est parce que sur les huit télescopes employés, deux sont installés sur l'archipel.
Origine d'une idée
"Avoir le privilège de donner un nom hawaïen à la toute première confirmation scientifique d'un trou noir veut dire beaucoup pour moi et la lignée à laquelle j'appartiens", a glissé Larry Kimura, cité par le Guardian. Jessica Dempsey, directrice adjointe du télescope James Clerk Maxwell de Mauna Kea, et membre de l'équipe ayant élaboré l'image du trou noir, a relaté: "Nous lui avons décrit ce que nous avions vu, que le trou noir illuminait et faisait briller l'obscurité qui l'entourait, et là il a eu l'idée du nom". Elle a affirmé: "Quand il l'a dit, j'ai failli tomber de ma chaise".
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10min.ボックス 日本史「縄文時代と弥生時代」
中高生「日本史」学習のための番組。指導要領のポイントとなる「伝統と文化」などを意識しながら、NHKの豊富な映像素材を利用、各時代の特徴を10分にまとめて伝える。今回は「縄文時代と弥生時代」。
10min.ボックス 地理▽どうしていろんな地図があるの?世界と日本の地域構成
「10min.ボックス地理」は、インパクトある映像で日本や世界の地域の様子を伝える中学生向けの社会科番組。1つの疑問をさまざまな「見方」から探究していく。
今回の疑問は「どうしていろんな地図があるの?」。メルカトル図法やモルワイデ図法、そして1999年に日本人によって考案された「オーサグラフ」などさまざまな地図を紹介。どうしてこうしたさまざまな地図があるのか、「移動」や「面積」などいくつかの「見方」をもとに探っていく。六大陸・三大洋の位置や、緯度・経度、世界各地との時差などもおさえつつ、世界やその中にある日本の地域構成についてもおさえていく。 柿原徹也


なんだか雑用でバタバタしました.
24の件でメールしたのですが見てもらっていなかったようで10階まで行ってKoさんにお願いしました.
さてさらに朝エレベーターで話ししたAnさんに話をするために14階.
夕方は久しぶりSのKaさんを待ってお話し.
その時にSaさんにもらった本を貸しました.
大したことしていないのに疲れました.

<桜田氏更迭>失言退場、東北あきれ顔「被災者見えてない」
 「いしまきし」「(五輪関連予算)1500円」と迷言を連発していた桜田義孝前五輪相が、「復興以上に大事」失言で降板させられた。東北のご意見番が口をそろえるのは、復興五輪の司令塔としての自覚のなさや政権のおごり。東京五輪・パラリンピックまで1年3カ月に迫る中での退場を、あきれ顔で見送った。
 「まずもって軽い。軽さをしまい込めないから問題発言をしてしまう」
 任命した安倍晋三首相と共に「深みがない」と切って捨てたのが、秋田市の詩人・エッセイスト、あゆかわのぼるさん(80)。最大被災地の石巻市を「いしまきし」と3回間違えた国会答弁を「被災地を知らず、知ろうともしていなかったことを物語っている」。
 青森市のタレント、伊奈かっぺいさん(71)は一連の発言をこう総括する。
 「受けを狙ったジョークのつもりだろうけれど、自分の立場ではジョークが成り立たないことを分かっていない。だけど、桜田さんは若者に夢を与えた。『こんなのでも大臣になれるんだ』という意味でね」
 「はじめての福島学」の著書がある開沼博・立命館大准教授も、被災地を地盤とする自民党衆院議員を「復興以上に大事」と持ち上げた大臣発言を「議員の先にいる住民の顔が見えていない」と看破した。
 「現政権のおごり、高ぶりを映し出した」と長井市のフォークグループ「影法師」メンバーの農業遠藤孝太郎さん(66)。釜石市の住職都築利昭さん(49)は「国民を助け、国を良くするのが務めなのに…」と怒りが収まらなかった。
 桜田氏の後任には、昨年10月に五輪相を退いたばかりの鈴木俊一氏(衆院岩手2区)が再登板する。
 植樹活動に取り組む気仙沼市のNPO法人「森は海の恋人」理事長の畠山重篤さん(75)は「どの大臣だって単なる飾り物。だが、鈴木さんが再登板するのだから結果的に良かったのではないか」と皮肉った。


<桜田氏更迭>東北議員反応「最悪のタイミング」「政権が被災地軽視」
 同僚議員を「復興以上に大事」と発言して更迭された桜田義孝前五輪相に対し、東北選出の国会議員は11日、与野党を問わず怒りをにじませた。野党は安倍晋三首相の任命責任を追及する必要性を強調。自民党からは、再び五輪相を務める鈴木俊一氏(衆院岩手2区)の手腕に「復興五輪」の前進を託す声が上がった。

 気仙沼市などを地盤とする自民党の小野寺五典前防衛相(衆院宮城6区)は「発言に驚いた。政治家より復興が大事だ」と指摘。「復興を後押しするのが復興五輪。五輪相の役割に逆行した。政府全体で襟を正すべきだ」と述べた。
 桜田氏と同じ自民党二階派に所属する平野達男元復興相(参院岩手選挙区)は「言語道断で弁護の余地はない。もっと早く辞めることができた。最悪のタイミングだ」と逆風を懸念した。鈴木氏の再登板については「被災者の思いを受け止め、復興五輪の理念実現に向けてレールを元に戻してくれる」と期待を示した。
 石巻市などが地元の無所属の安住淳元財務相(衆院宮城5区)は、桜田氏が石巻市を「いしまきし」と言い間違えたことに触れ「復興五輪の担当相が最大被災地の地名を分からないのはあり得ない」と批判。「震災で苦しむ人の気持ちを分かっていない。もっと早く辞めるべきだった」と語気を強めた。
 国民民主党の小熊慎司氏(衆院比例東北)は「桜田氏の資質は欠けていたが、安倍首相が閣僚に起用したこと自体が被災地を軽く見ている」と政権の体質を疑問視した。


<桜田氏更迭>被災3県知事 憤りと失望「復興に背」
 東日本大震災からの復興を軽視する失言で更迭された桜田義孝前五輪相に対し、2020年度末の国の復興・創生期間終了を見据え、復興事業を急ぐ岩手、宮城、福島3県の知事からは11日、憤りや失望の声が上がった。
 東京電力福島第1原発事故の影響が続く福島県。内堀雅雄知事は談話で「福島の復興はいまだ途上にあり、わが国の最優先課題だ」と指摘。「被災地への思い、理解に欠ける発言で極めて遺憾」と断じた。
 福島では20年東京五輪の野球・ソフトボールが開催される。後任の鈴木俊一衆院議員(岩手2区)には「被災地に寄り添った対応を期待したい」と求めた。
 「閣僚からあのような軽口が出るとは。政権が復興に背を向けていると言っても過言ではない」と厳しく批判したのは達増拓也岩手県知事。盛岡市出身の高橋比奈子衆院議員(比例東北)のパーティーでの発言だったことにも「非常にショックだ」と語気を強めた。
 失言で揺らぐ復興五輪の理念に関して「しっかりやらないと復興に対する国民の関心やエネルギーを奪いかねない。人手や予算不足の中で五輪に参画しようと頑張る被災地を裏切らないでほしい」と注文を付けた。
 村井嘉浩宮城県知事は「被災地に不適切とされる発言で、五輪まで1年余りの時期での辞任は非常に残念だ」との談話を出した。


<桜田氏更迭>「復興五輪が泣く」被災地首長、厳しく批判
 東日本大震災の復興より同僚議員が大事と失言し、事実上更迭された桜田義孝前五輪相に対し、道半ばの地域再生に取り組む被災自治体のトップは11日、「信じられない」「復興五輪が泣く」と厳しく批判した。
 石巻市の亀山紘市長は定例記者会見で「復興より大事なものがあるということ自体が信じられない」と強調し、「辞任は妥当な線ではないか」と突き放した。
 桜田氏が9日の国会答弁で石巻市を「いしまきし」と言い間違えたことを挙げ、「なじみのない地名もあり、ある程度の間違いはやむを得ないが、3回も間違われるのは困ったことだ」と不満をにじませた。
 気仙沼市の菅原茂市長は同日、報道各社の取材に対し、「復興五輪が泣く発言だ。3月11日から1カ月もたっていない。被災地に思いが至らないことが残念だ」と述べた。
 被災地を巡る閣僚の失言としては2017年4月、当時の今村雅弘復興相が「(被災地が)まだ東北で良かった」と発言、引責辞任している。菅原市長は「閣僚全員が復興大臣と明言する安倍内閣だが、徹底されていないことがあらわになった」と指摘。「震災から8年がたち、被災地ではない場所に住む皆さんの記憶は薄くなっているのかもしれない。全員が復興大臣という意識を再度、徹底してほしい」と注文を付けた。
 亀山市長は、被災地に対する政治家の失言が度々あることに「繰り返されることが問題であり、どこかに気持ちの緩みがあるのではないか。責任の重さを感じてほしい」と苦言を呈した。


河北春秋
 サッカーのオウンゴールは「自殺点」と呼ばれていた。改められたのは1994年のワールドカップ米国大会後。コロンビアのDFエスコバル選手が自国で射殺された事件が契機だった▼エスコバル選手は自身のオウンゴールでチームが敗退したと非難された。犯人はサッカー賭博で損した組織の一員とか。同選手がそうだったようにオウンゴールは懸命にプレーした結果で、仕方がないケースが大半。オウンゴールをして下を向く選手を見るたびに同情する▼こちらは全く同情の余地がない話。安倍政権にとってはオウンゴールと同じく、味方のミスによる失点だろう。更迭された桜田義孝前五輪相のことである。「東日本大震災の復興より同僚議員が大事」と全ての被災者を傷つける失言をした▼「被災地の道路が健全に動いたから良かった」「いしまきし」…。どうしてこうも発言が軽いのか。本人の言葉を借りれば、本当にがっかりさせられた。そんな同氏を適材適所として閣僚にしたのは首相である▼首相は「任命責任は首相たる私にある」と語るが、過去に何度も同じコメントを聞いたせいか、発言に重みが感じられない。考えてみれば、首相を間接的に選んだのは国民である。国民も「任命責任」について熟慮した方がいいのかもしれない。

桜田五輪相更迭/首相の任命責任が問われる
 安倍政権の看板の一つ「全閣僚が復興相」という言葉が空疎に響く。この政権の緩み、おごりは底なしだ。
 桜田義孝前五輪相が10日夜、東京都内であった自民党の高橋比奈子衆院議員(比例東北)のパーティーで「復興以上に大事なのは高橋さん」と発言し、事実上更迭された。
 桜田氏は3月にも東日本大震災の津波被害を巡り、沿岸部の国道や県道が各地で寸断されたにもかかわらず「健全に動いていたから良かった」と発言したばかりだった。
 2020年東京五輪・パラリンピックに向け「復興五輪」を主導するトップが、被災地の実情を理解しないばかりか、被災者の心情を逆なでした。17年4月に当時の今村雅弘復興相が「まだ東北で良かった」と述べ辞任に追い込まれたケースと重なる。政治家の資質に欠けると断じざるを得ず、更迭は当然だ。
 併せて問われるのは、安倍晋三首相の任命責任である。桜田氏は昨年10月の内閣改造で初入閣。自民党二階派が推す入閣待機組を「在庫一掃」で起用したのが実態だ。それでも首相は「適材適所」と強調し、桜田氏が失言を繰り返してもかばい続けた。
 道路整備を巡り「首相や副総理が言えないので私が忖度(そんたく)した」と発言した塚田一郎元国土交通副大臣を更迭した際にも、いったんは擁護した。森友、加計学園問題でも追及された「忖度疑惑」を悪びれることなく口にする塚田氏の態度は、政権のおごりそのものではなかったか。
 相次いだ更迭は、21日投開票の衆院補欠選挙への影響を最小限にとどめる判断があるが、首相が追い込まれた形で遅きに失した。身内に甘い体質が、多くの閣僚や官僚の問題発言を引き起こした土壌であることは隠しようもない。
 政権の緩みを招いたのは誰あろう首相自身なのである。最たる例が麻生太郎副総理兼財務相だ。一連の財務省不祥事に対する政治責任を不問とし、いまだ政権の中枢に据え続けるこだわりを示す。
 首相は桜田氏の前任だった鈴木俊一氏(衆院岩手2区)を再び五輪相に起用。後半国会に向け「内閣の全員が緊張感を持ち、丁寧な説明に努めたい」と強調するものの、額面通りには受け取れない。
 度重なる政権不祥事を巡っては、いっときは謙虚な姿勢を示す一方で、肝心の説明は尽くさないというパターンが繰り返されてきたからだ。
 前回の亥年(いどし)選挙は第1次安倍政権当時の07年で、閣僚の不祥事が相次ぎ支持率が急落。参院選で歴史的大敗を喫した経緯がある。今夏の参院選でも政権内で続く体たらくが、与党への逆風になることは避けられまい。
 それでも「1強」の陰で野党は多弱。不祥事があっても「数の力」で国会審議に影響はない。そう見くびるなら、おごりは改まるばかりか、でっぷりと肥大化するだけだ。


首相が桜田氏を更迭 半年余も守った罪は重い
 安倍晋三首相はなぜ、この人を閣僚に起用し、半年余も続投させてきたのか。そんな疑問が改めて募る。
 失言や失態が相次ぎ、その資質が問われてきた自民党の桜田義孝氏が五輪担当相を辞任した。首相は「任命責任は私にある」と謝罪したが、遅すぎた更迭と言うべきである。
 辞任に追い込まれたのは、高橋比奈子衆院議員(比例東北)のパーティーで語った「復興以上に大事なのは、高橋さん」との発言による。
 高橋氏へのリップサービスのつもりだったろうが、東日本大震災の被災者らがどう受け止めるか、配慮する発想自体がなかったと思われる。
 政府は東京五輪・パラリンピックを大震災からの復興を後押しする復興五輪と位置づけている。その責任者の桜田氏が復興五輪の意義も理解していなかったことになる。
 あいさつでは競泳の池江璃花子選手が白血病を公表した際、「がっかりしている」と述べて批判された点にも触れ、「私も『がっかり』という言葉は禁句」と冗談めかして語っている。あぜんとするほかない。
 予算の額や人名、地名を読み間違える。サイバーセキュリティー担当でもありながら、その分野の知識を著しく欠く。国会で質問に答えられず、事務方が助け舟を出す。昨年10月の就任以来、こんな場面を何度、目にしてきたことか。
 にもかかわらず首相が更迭しなかったのは、桜田氏を辞めさせれば、財務省の文書改ざんで責任を取らなかった麻生太郎副総理兼財務相の進退問題が再浮上し、辞任ドミノにつながると恐れたからかもしれない。
 だが多くの国民にとって、しどろもどろの答弁を繰り返す桜田氏は、もはや冷笑の対象だったのではないか。「これでも閣僚が務まるのか」と国民をあきれさせ、政治不信をいっそう深めた罪はことさら重い。
 昨秋の内閣改造で首相は「適材適所」と自画自賛した。だが主要閣僚を除けば、実態は桜田氏を含め党内各派閥の要請を受け入れる「滞貨一掃」人事だった。その後問題が起きても首相が多くを不問にしてきたことで政権の緩みはさらに広がった。
 現内閣では塚田一郎氏が「忖度(そんたく)」発言で副国土交通相を辞任したばかりだ。首相は再三「緊張感を」と口にするが、緩みという病は重症だ。


桜田五輪相更迭 政権の体質こそ問題だ
 遅きに失した感がある。桜田義孝五輪相(69)が辞任した。事実上の更迭だが、これまでも不適切な言動を繰り返してきた。桜田氏を擁護し、続投を許してきた安倍政権の体質こそ問題ではないのか。
 閣僚辞任の直接のきっかけは、十日夜、東京都内で開かれた自民党の高橋比奈子衆院議員(比例東北ブロック)の政治資金パーティーでの発言。あいさつに立った桜田氏は「復興以上に大事なのは高橋さんだ」と、支持を呼び掛けた。
 発言の中で、東日本大震災の被災地復興への協力も呼び掛けてはいるが、復興よりも自民党議員の当選の方が大事だという発言は、内閣の一員として、今も苦しむ被災者と真剣に向き合っているとは言い難い。
 桜田氏は発言からほどなく、安倍晋三首相を首相官邸に訪ね、辞表を提出。首相は辞表の受理後、記者団に「被災地の皆さんに深くおわびしたい」「今後も東北の復興に全力を傾ける」と述べた。
 桜田氏の発言内容は許し難く、近く投開票される衆院補選や統一地方選後半戦、夏の参院選を考えれば、閣僚辞任は避けられないと首相官邸は判断したのだろう。
 とはいえ、そもそもなぜ桜田氏を閣僚に起用し、これまで続投を認めてきたのか、理解に苦しむ。
 桜田氏は昨年十月の就任当初から不適切発言を繰り返してきた。
 昨年の臨時国会では二〇二〇年東京五輪・パラリンピックの基本コンセプトや大会ビジョン、政府の最終負担額を即答できず、要領を得ない答弁を繰り返した。
 今年に入ってからも、競泳の池江璃花子選手による白血病公表を「がっかりした」と述べたり、震災被災地の道路被害について「健全に動いていたから良かった」と事実誤認の発言をするなど、不適切発言と謝罪を繰り返してきた。
 閣僚としてのみならず、国民を代表する国会議員として、そもそも適任だったのだろうか。
 安倍内閣では、桜田氏に限らず閣僚らの失言があっても、首相は「しっかりと職務を果たしてもらいたい」などと擁護し、問題が拡大して初めて辞表を提出させ、任命責任を認めてきた。「批判は真摯(しんし)に受け止める」とも述べてきた。しかし、責任を自ら取ることはない。この繰り返しだ。
 問題があっても自らの非を認めず、数の力を背景に強引に突破する。長期政権のおごりとも言えるそうした政権の体質そのものが、桜田氏の責任と合わせて、厳しく問われなければならない。


桜田氏更迭 首相の対応が遅すぎた
 なぜ任命し、なぜ早く辞めさせなかったのか。そこが問われる。
 桜田義孝五輪相が自民党の高橋比奈子衆院議員のパーティーで、東日本大震災の「復興以上に大事なのは高橋さんだ」と発言し、安倍晋三首相は直後に更迭した。
 被災地の感情を逆なでする発言は論外であり、更迭は当然だ。
 だが桜田氏は入閣当初から失態続きで、閣僚の資質に欠けることは明白だった。首相がかばい続けてきたことにより、東京五輪・パラリンピックのイメージダウンを招いた。この結果は罪深い。
 第2次安倍政権発足後、閣僚の辞任は実に8人目だ。先週は塚田一郎国土交通副大臣が「忖度(そんたく)」発言で引責辞任した。長期政権の緩みも極まったとの感がある。
 桜田氏は9日の参院内閣委員会で宮城県の石巻(いしのまき)市を「いしまきし」と3回言い間違えた。先月には、震災直後に東北の交通網が「健全に動いていた」と述べ、事実誤認を認め撤回している。
 政府は東京五輪を「復興五輪」と位置付けている。なのに五輪相が被災地の地名や震災の状況すらまともに語れないようでは、看板に偽りありと言わざるを得ない。
 2年前には「(被害が)まだ東北でよかった」と発言した今村雅弘復興相が辞任した。首相は「復興は政権の最重要課題」「全員が復興相」と繰り返すが、口先だけで真剣味がまるで感じられない。
 見過ごせないのは、自民党の安倍1強体制の弊害だ。
 昨年9月の党総裁選で石破派を除くほぼ全ての派閥の支援を受けた首相は、直後の内閣改造で各派の入閣待望組を多く起用し、「滞貨一掃内閣」とも呼ばれた。
 二階派の桜田氏はその象徴とされ、適格性より党内の派閥力学を優先させた論功行賞人事だった。首相の任命責任はそこにある。
 こうした国民不在の姿勢は、首相が麻生派の塚田氏を忖度発言後も直ちに辞任させず、当初は擁護していたことにも共通する。
 忖度発言の舞台となった下関北九州道路計画を巡っては、新たな事実が明らかになっている。
 麻生太郎副総理兼財務相の地元福岡県選出で麻生派の大家(おおいえ)敏志参院議員も、首相と麻生氏の意向を忖度して整備促進を働き掛けたと受け取れる発言をしていた。国会での徹底解明が不可欠である。
 野党側はきのう、首相も出席する衆参予算委員会の集中審議開催を要求した。副大臣、閣僚が続けて辞任する政権の異常事態だ。与党に拒否する理由はない。


桜田五輪相更迭/安倍首相の責任は重大だ
 「復興五輪」の名が泣いている。桜田義孝五輪相が東日本大震災の被災地を地盤とする自民党同僚議員のパーティーで、この議員を「復興以上に大事」と発言し、即日更迭された。
 東日本大震災の被災地では8年たった今も約5万人が避難生活を送っている。復興途上で苦しむ多くの被災者の気持ちを傷つける許しがたい発言だ。更迭は当然である。
 桜田氏は就任直後から数々の失言で批判されていた。今年3月には東日本の被災地の交通被害について「健全に動いていたから良かった」と事実誤認し、今週の参院内閣委員会では宮城県石巻(いしのまき)市を「いしまきし」と何度も言い間違えた。被災地の実情を知ろうともせず、復興の厳しさを軽く見ていたのだろう。
 所管の東京五輪やサイバーセキュリティー対策についても知識不足をさらして失笑を買った。辞任は遅すぎたといえる。
 資質に欠ける閣僚をかばい続け、傷を広げた安倍晋三首相の任命責任は極めて重大だ。
 今回は一転、失言からわずか2時間後に更迭を決めた。大阪、沖縄の衆院補欠選と統一地方選のさなかであり、夏の参院選への影響まで考慮して幕引きを急いだとみられる。
 安倍1強政権の緩みは明らかだ。首相らへの「忖度(そんたく)発言」で塚田一郎元国土交通副大臣が辞任してから1週間もたたない。この2年で失言による政務三役の辞任は5人目となる。
 沖縄県で相次いだ米軍ヘリコプターの不時着を巡り「それで何人死んだんだ」と本会議場でやじを飛ばした内閣府副大臣、東日本大震災が「まだ東北で良かった」と言い放った復興相、台風被災地の視察で長靴を持参せず職員に背負われて水たまりを渡った内閣府政務官−。首相におもねる一方で、被災地や沖縄をおとしめるような言動が目立つのは偶然だろうか。
 安倍首相は「復興が政権の最重要課題」と繰り返す。米軍普天間飛行場の辺野古移設に反対する沖縄の県民投票結果を「真摯(しんし)に受け止める」と言う。
 しかし、誠実に聞こえる言葉と裏腹の振る舞いが、当事者のみならず国民の信頼を裏切ってきた。任命責任だけでなく、自らの姿勢をも省みるべきだ。


桜田五輪相更迭 首相の任命責任こそ重い
 論外の問題発言だ。即座に辞めさせられるのは当然である。同時に、厳しく問われるのは安倍晋三首相の任命責任だ。
 桜田義孝五輪相が事実上更迭された。東日本大震災の被災地を地盤とする自民党衆院議員のパーティーでこの議員を「復興より大事」と発言したという。
 「復興五輪」の理念を掲げて開催する2020年東京五輪・パラリンピックの担当閣僚である。大震災から8年余を経て復興の途上にある被災地の神経を逆なでし、五輪の開催意義を自らおとしめた責任は重い。
 昨年10月の内閣改造で初入閣した桜田氏は就任以来、数々の失言や放言を繰り返し、大臣の資質を疑問視されてきた。
 例えば、国会答弁が事前に準備した答弁書の読み上げばかりだと野党議員に指摘されると、「答弁書を間違いのないように読むことが最大の仕事だ」と開き直った。五輪憲章を読んだかと問われると「話には聞いているが、自分では読んでいない」と答弁し、国民を驚かせた。
 更迭の前日も参院内閣委員会で被災地の宮城県石巻市を「いしまきし」と3回も言い間違えていた。わずか半年の在任期間で「失言語録」が編めるような閣僚だったのだ。
 首相自身も認める通り、任命責任は当然、首相にある。ではなぜ衆院当選7回のベテランながら閣僚経験のなかった桜田氏を五輪相に抜てきしたのか。
 半年前を振り返ってみよう。先の内閣改造は、安倍首相が9月の自民党総裁選で連続3選を果たしたのを受けて行われた。この改造で計19閣僚のうち初入閣は実に12人に膨らんだ。桜田氏はその1人だ。
 総裁選でこぞって首相を支援した各派閥が抱える「入閣待機組」に配慮した論功行賞人事だったからではないか。「在庫一掃」という野党の批判に対し、首相が「適材適所」と決まり文句で反論したのを思い出す。
 いわば「派閥の論理」で首相が閣内に取り込み、かばい続けた閣僚をついに擁護できなくなった−というのが、今回の更迭劇の実相ではないか。
 「忖度(そんたく)発言」で辞任に追い込まれた国土交通副大臣に続く閣僚の更迭は、安倍政権にとって痛手となろう。21日投開票の衆院大阪12区、沖縄3区両補選や夏の参院選への影響を危ぶむ声も与党内から上がり始めた。
 時計の針を12年前に戻せば、今年と同じく統一地方選と参院選が重なる「亥年(いどし)」だった。
 第1次内閣での閣僚「辞任ドミノ」、参院選大敗、自身の退陣といった苦い教訓を、まさか忘れてはいまい。長期政権のおごりや緩みはないか。謙虚に反省して出直しを期すべきである。


桜田五輪相の更迭 政権の体質に問題がある
 閣僚の任に堪えられないことは明らかだった。桜田義孝前五輪相のことである。自民党の高橋比奈子衆院議員のパーティーで「復興以上に大事なのは高橋さんだ」と発言し更迭された。
 東日本大震災の復興の重要性を全く理解していない。被災者を傷つける、政治家としてあるまじき暴言である。
 桜田氏は昨年10月の五輪相就任以来、資質を疑わせる失言や不適切な発言を繰り返してきた。野党が罷免を要求したほどだ。
 国会で東京五輪・パラリンピック関連予算を「1500円」と述べたり「答弁書を間違いのないように読むことが最大の仕事」と答えたりした。
 競泳の池江璃花子さんが白血病を公表した際には、記者団の質問に「本当にがっかりしている」と配慮のないコメントをした。
 五輪憲章を読んでいるかを問われ、「話には聞いているが、自分では読んでいない」と答弁している。衆院予算委に遅刻して、審議の中断を招いたこともあった。
 致命的だったのは、復興五輪と位置付けているのに、震災の実態を把握していない点だ。津波被害に関し「まだ国道とか交通、東北自動車道も健全に動いていたから良かった」と事実誤認の発言をしている。今月の参院内閣委では宮城県石巻市を「いしまきし」と3度も言い間違えた。
 その都度、批判を浴びたが、安倍晋三首相は桜田氏の言動を事実上、放置してきた。任命した首相の責任は重大だ。
 五輪相は大会の円滑な準備・運営に関する施策を推進する重要なポストである。誰にでも務まると首相が考えたのなら五輪軽視も甚だしい。
 これまでの不適切発言も踏まえ、責任を取らせることにしたのは、21日に投開票される衆院大阪12区、沖縄3区両補欠選挙を前に、これ以上、目をつぶるわけにはいかないと判断したためだろう。
 浮かび上がってくるのは身内に甘い政権の体質だ。わけても、暴言、放言への鈍感さは目に余る。
 首相は、麻生太郎副総理兼財務相が不適切な発言をするたびに、不問に付してきた。
 「ドイツのワイマール憲法はいつの間にかナチス憲法に変わっていた。誰も気がつかない間に変わった。あの手口を学んだらどうか」「何百万人を殺したヒトラーは、いくら動機が正しくても駄目だ」「(財務事務次官のセクハラに関し)はめられ訴えられているんじゃないかとか、いろいろなご意見は世の中いっぱいある」「子どもを産まない方が問題だ」
 全て麻生氏の言葉だ。いまだに閣内にとどまっているのは不可解極まりない。
 今回の更迭劇は桜田氏だけの問題ではない。暴言、妄言に寛容な政権の姿勢が問われてこよう。政治家の言葉には責任が伴う。国会議員は、国民の模範となるような言動を心掛けるべきだ。


[桜田五輪相更迭]許せぬ被災地への愚弄
 失言を繰り返していた桜田義孝五輪相が辞任に追い込まれた。
 桜田氏が自民党の同僚議員を「復興以上に大事」と発言し、安倍晋三首相から事実上、更迭された。
 桜田氏が東日本大震災の被災地を地盤とする自民党衆院議員のパーティーのあいさつで飛び出した。被災地を愚弄(ぐろう)し、被災者を傷つける発言である。更迭は当然だ。
 桜田氏はこれまでにも失言を重ねてきた。ことし3月には、東日本大震災の津波被害に関連し「国道や東北自動車道が健全に動いていたから良かった」と事実誤認の発言をし、翌日に謝罪・撤回している。参院内閣委員会では被災地の宮城県石巻市を「いしまきし」と3回言い間違えた。
 相次ぐ失言に閣僚としての資質が問われ続けてきており、辞任は遅きに失したというほかない。
 安倍政権下では、被災地を軽視するような失言は過去にもある。2017年に、今村雅弘復興相が震災被害を「まだ東北でよかった」と発言し、辞任した。
 桜田氏の辞任は、5日に塚田一郎国土交通副大臣が道路建設計画を巡る「忖度(そんたく)」発言で辞めてから、1週間もたっていない。
 率先して復興のかじ取りと東京五輪・パラリンピックの成功に向けたけん引役となるべき五輪相の存在意義も問われる。
 安倍政権が掲げる「復興五輪」とはほど遠い発言が閣僚から続くのは、内閣全体で復興に取り組む姿勢が希薄化しているからではないか。
    ■    ■
 最大震度7を観測した東日本大震災では青森、岩手、宮城、福島各県を中心に大地震だけでなく、大津波による甚大な被害が出た。東京電力福島第1原発事故は収束のめどもたっていない。
 除染や生活インフラ整備が進む中、依然多くの区域で避難指示が続き、被災者が避難生活を強いられている。福島県の内堀雅雄知事は桜田氏の発言に「震災と原発事故から8年が経過したが、復興はいまだ途上で、国の最優先課題だ」と指摘する。
 桜田氏の発言から更迭までのスピード収拾は安倍政権が、度重なる閣僚の失態で、直近の統一地方選、夏の参院選への影響を抑えたい思惑があるのだろう。
 安倍首相はこれまで野党が求めてきた桜田氏の罷免を実行する機会があったにもかかわらず、拒否してきた。身内への甘さを露呈し、批判は免れない。
    ■    ■
 安倍政権下で相次ぐ閣僚の辞任は、長期化する「安倍1強」のおごり、緩みが続いているからである。安倍首相の任命責任は厳しく問われるべきである。
 安倍首相は「内閣全体で信頼を回復し、復興に向けて全力を傾ける」などと語ったが、内閣全体の被災地復興に取り組む切実さは十分に伝わってこない。
 「復興五輪」を目指すならば、まずは被災者の信頼を取り戻すことだろう。「寄り添う」という言葉だけでなく、復興支援を着実に行動で示すことが重要だ。


桜田五輪相更迭  首相の任命責任は重大
 桜田義孝五輪相が「復興以上に自民党議員の方が大事だ」と失言し、事実上更迭された。
 東日本大震災の被災地を地盤とする、衆院議員のパーティーでの発言だった。被災者の気持ちを傷つける、政治家としてあるまじき言葉である。
 桜田氏は失言を繰り返してきた。更迭は遅きに失したと言わざるをえない。
 なぜ、こんな人が閣僚になったのか。多くの国民は率直にそう思っているに違いない。
 震災関連に限っても、3月24日には被災地の道路被害に「健全に動いていたから良かった」と事実誤認の発言をした。
 今月9日には宮城県石巻市を国会答弁で3回にわたり「いしまきし」と言い間違えた。
 昨年10月に発足した第4次安倍改造内閣で初入閣したが、当初から資質を疑問視する声はあった。半年間、問題ばかりを起こしてきた印象がある。
 目前に迫る東京五輪・パラリンピックのため、一体どれだけの仕事をしたのか。任命しただけでなく、更迭を拒み続けてきた首相の責任は重大だ。
 安倍政権は今年2月で戦後単独2位の長期政権となり、11月には憲政史上最長となるが、おごりと緩みは極まった感がある。
 明らかに資質や能力に疑問符がつく人物が閣僚になっている。人材不足かもしれないが、大臣のポストが軽過ぎないか。
 特に現内閣は党内各派閥の推すがままの人物を登用して「在庫一掃」内閣とも批判された。「適材適所」と言って済ませようとしているが、国民は納得できまい。
 首相は「任命責任は私にある」と謝罪したが、同じように問題発言を繰り返してきた麻生太郎副総理兼財務相が居座っていることをどう考えるのか。
 本当に責任を自覚しているようには見えない。問われているのは首相の姿勢そのものである。
 閣僚辞任は第2次安倍内閣以降で8人目。この2年間は、不適切発言で政務三役の辞任が相次ぎ、「忖度(そんたく)」発言で塚田一郎国土交通副大臣が更迭されたばかりだ。
 被災地や沖縄といった困難な立場の人を、おとしめる発言が目立つ。「復興が第一」と掲げる安倍政権の地金が出たと取られても仕方ないだろう。
 21日に投開票を控える衆院補選や、参院選への影響も計り知れない。おごりを改め、根本的な「体質刷新」ができるかどうかが、政権に問われている。


五輪相更迭 首相の任命責任は重い
 自民党の同僚議員を東日本大震災からの「復興以上に大事」と発言し、桜田義孝五輪相が辞任に追い込まれた。
 震災の被災者を軽んじ、傷つける信じ難い言葉である。安倍晋三首相は間を置かずに事実上の更迭に踏み切ったが、辞めて済む問題ではなかろう。
 桜田氏は度重なる失言で閣僚としての資質が、問題視され続けていた。任命責任はもちろん、これまで擁護し、続投させてきた首相の姿勢自体が厳しく問われている。決して閣僚個人の問題ではない。
 桜田氏は3月にも東日本大震災の際に国道が「健全に動いていた」と事実誤認の発言をし、撤回に追い込まれた。今月9日には被災地の宮城県石巻市を国会答弁で3回も「いしまきし」と言い間違えてもいた。
 復興五輪を推進する担当大臣としての自覚がなさ過ぎるのにあきれる。少しでも勉強し、被災地に寄り添おうとする意識が全く伝わってこない。被災者から「われわれをないがしろにしているのではないか」と怒りの声が上がるのも無理はない。
 安倍内閣では、被災地を軽視するような閣僚の発言が過去にもあった。2017年に、当時の今村雅弘復興相が「まだ東北でよかった」との暴言を口にし、責任を取って辞任した。
 首相は、ことあるごとに「復興」を政権の最重要課題だとアピールしている。きのうも、桜田氏の辞任を受けて「全閣僚が復興相であるとの認識を再確認する」と強調した。
 だが、首相の言う「復興」が何を意味するのか明確に伝わってこない。そうしたあいまいさが、緊張感の欠如を招いているのではないか。
 復興五輪を理念に掲げる東京五輪の開幕まで500日を切り、国民により幅広い理解と支持を求めなければならない大切な時でもある。その先頭に立つべき五輪相の失言は、改めて政府と被災地の間に大きな温度差があることを浮き彫りにした。
 もともと被災地の復興と五輪の関係性を疑問視する声も強かった。被災地では「復興五輪という言葉だけが一人歩きしている」との声も少なくない。政府には誰のための、何のための復興五輪なのかをきちんと説明する必要がある。
 首相はこれまで野党が求める桜田氏の罷免を拒否してきた。その理由の一つは、桜田氏が二階俊博幹事長率いる派閥のメンバーだからだ。昨年9月の自民党総裁選で、3選を果たした首相を支えた二階派に配慮して桜田氏を入閣させた経緯もある。
 それでも今回、素早く更迭に踏み切ったのは21日投開票の衆院補選や統一地方選後半戦、さらには夏の参院選への影響を最小限に食い止めたいとの狙いからだろう。選挙が理由で重い腰を上げたのだとしたら、内閣の最高責任者としての自覚が足りないのではないか。
 閣僚の辞任は、安倍首相が12年に政権復帰して以来、桜田氏で8人目となる。今月5日には、塚田一郎国土交通副大臣が「忖度(そんたく)」発言で辞任したばかりだ。
 閣僚や副大臣の相次ぐ失言は、長期に及ぶ「安倍1強」体制のおごりや気の緩みの表れと言わざるを得ない。首相は謙虚に政権運営の手法を見つめ直すべきだ。


五輪相更迭 首相の責任が問われる
 桜田義孝五輪相が自民党衆院議員のパーティーで、この議員が復興以上に大事であると発言し、辞任した。事実上の更迭である。東日本大震災からの復興を最重要課題に掲げてきた安倍晋三首相にとっては大きなダメージとなる。桜田氏はこれまでも失言を繰り返し、閣僚としての資質が疑問視されてきた。更迭は遅きに失した感もある。安倍首相の任命責任が問われる。
 問題となった発言は、東京都内で10日夜に開かれた高橋比奈子衆院議員=東北比例=のパーティーで出た。あいさつの席上、「復興以上に大事なのは高橋さんだ」と述べた。被災者を傷つける発言であり、看過できるものではない。安倍首相が更迭を決めたのは当然である。
 桜田氏は度重なる失言で世間を騒がせてきた。先月には東日本大震災発生時の被災地の道路状況について「健全に動いていたから良かった」と事実と違う発言をしている。今月にも被災地の石巻市を「いしまきし」と言い間違えているが、今回はこれまでの失言とは性質が違う。いくら同僚議員のパーティーといえども許されない。
 桜田氏については野党から再三罷免を求められたが、安倍首相が拒否してきた経緯がある。しかしこの期に及んではかばいきれないと判断したのだろう。
 失言から間を置かずに更迭した背景には、今月21日投開票の衆院大阪12区、沖縄3区の両補欠選挙や統一地方選後半戦、さらには夏に控える参院選への影響を最小限に食い止めたいとの意向があったとみられる。だが5日には塚田一郎元国土交通副大臣が下関北九州道路建設計画を巡る「忖度(そんたく)」発言で辞任したばかりである。選挙への影響は大きいと指摘せざるを得ない。
 安倍政権ではこの2年間で、不適切な発言による政務三役の辞任が相次いでいる。中でも東日本大震災の被災者をはじめ困難な状況にある人たちをおとしめるような発言が引き金となったケースが目立つ。2017年には今村雅弘復興相(当時)が「(大震災が発生したのが)まだ東北で良かった」と発言し、辞任した。
 安倍首相は今月1日に新元号「令和」、9日に紙幣刷新というニュースを発表することで、政権に弾みをつける狙いがあったはずだ。それも桜田氏の失言、更迭で吹き飛んでしまった形である。
 桜田氏、塚田氏が辞任に追い込まれたのは「安倍1強」政権のおごり、緩みの表れである。「内閣全員が身を引き締め、批判があることも真摯(しんし)に受け止めなければならない」と安倍首相は語った。しかし失った信頼を取り戻すのは容易ではない。
 後半国会では安倍首相の任命責任を巡って、野党が厳しく追及するのは確実である。安倍政権がこれまで同様に数の力を背景に強引な運営を続けるようであれば、選挙で手痛いしっぺ返しに見舞われるだろう。


桜田五輪相辞任 「失言」から透けるもの
 怒りを通り越して、哀れというほかない。桜田義孝五輪相が、東日本大震災からの復興を巡る失言で辞任した。事実上の更迭となる。
 発言は、本県の自民党衆院議員、高橋比奈子氏のパーティーで飛び出した。「復興以上に大事なのは高橋さん」と、被災地を軽視するようなあいさつをした。
 議員を励ますつもりで、言葉を選び間違えたのかもしれない。だが、こうした言動がいかに被災者を傷つけるか。思いが至らないところに大きな問題がある。
 被災地に関する桜田氏の失言は今回にとどまらない。3月には、震災時の道路が「健全に動いていたから良かった」と述べた。被災の実情を見ていたのだろうか。
 当時は道路が寸断されて困難を極めたのだから、はなはだ理解が足りない。宮城県石巻市を「いしまき」と再三言い間違えるあたりにも、認識不足が表れている。
 2020年東京五輪は「復興五輪」と位置付けられる。それを担当する閣僚としての資質を明らかに欠いていた。辞任は当然だろう。
 他にも桜田氏は、競泳の池江璃花子選手の白血病公表に「がっかりした」と述べるなど、失言と謝罪を繰り返した。言葉に責任を持つ政治家の資質も不足している、と言わざるを得ない。
 閣僚の任に堪えないことは明白にもかかわらず、安倍晋三首相はかばい、続投させてきた。今回の更迭は、21日投票の衆院補選への影響を考慮したとみられる。
 昨秋の内閣改造では、桜田氏ら大臣を経験していない待機組の初入閣が目立った。能力を問わぬ「在庫一掃」人事とともに、首相の任命責任も厳しく問われる。
 さらに今回の問題は、不適格な大臣が発した軽口として片付けられない。「失言」から透けてくるものに目を凝らす必要がある。
 一昨年には、今村雅弘復興相が震災被害を「まだ東北で、あっちの方だったから良かった」と言い放ち、辞任に追い込まれた。桜田発言も通底していよう。
 震災は自分たちの身近ではなく、遠く離れた所で起きた。そんな感覚がどこかにあるのではないか。「あっちの方」「復興以上に大事」の発言に透けて見える。
 それが復興そのものや、復興五輪を担う閣僚の口から出るのだから根は深い。「閣僚全員が復興大臣」との首相の言葉もむなしく、政権全体の問題とも考えられる。
 後任の五輪相には本県被災地出身の鈴木俊一衆院議員が再登板した。内閣、政権、そして国民がもう一度、被災地と心を通わせることができるよう率先する責務があろう。


桜田五輪相更迭/真の復興五輪へ仕切り直せ
 幾度も失言を重ねた上の何ともお粗末なてんまつだった。閣僚を任せるには不適格な政治家だったと言わざるを得ない。
 安倍晋三首相が桜田義孝五輪相を事実上、更迭した。桜田氏は、東日本大震災の被災地を地盤とする同僚自民党衆院議員のパーティーで議員を「復興以上に大事」と発言。首相はこれまでの不適切な発言も踏まえ、責任を取らせる必要があると判断した。
 桜田氏は、東日本大震災に関連して、3月に「国道や東北自動車道が健全に動いていたから良かった」と事実誤認の発言をしたり、今月9日には被災地の宮城県石巻市を国会答弁で3回にわたり「いしまきし」と言い間違えたりするなど、失言と謝罪を繰り返してきた。更迭、辞任は当然のことだ。首相の任命責任も重い。
 2020年東京五輪は、大会理念として「復興五輪」を掲げている。その「旗振り役」である大臣が軽率な発言を重ね、更迭されるに至ったことについて、本県をはじめ被災各地から憤りや失望の声が上がったことを、政府は真剣に受け止める必要がある。
 復興五輪については、共同通信が、震災で被災した本県と宮城、岩手3県の42市町村長を対象に行ったアンケートで、半数の首長が復興五輪の理念について、十分に浸透していないと感じていることが分かった。また自治体の担当者からは「復興五輪という言葉だけが独り歩きし、被災地は置き去りになっている」との声があった。
 首相は桜田氏の更迭を巡って記者団に「全ての閣僚が復興相であるとの認識を再確認し、今後も東北の復興に全力を傾けていく」と述べた。その言葉を信じたいが、桜田氏の発言は、被災地と五輪だけでなく、政府と被災地の距離感をも示すものではないのか。
 被災3県のうち本県と宮城県では五輪の一部試合が行われる。五輪を成功させるためには距離感を縮めることが不可欠だ。五輪開幕まであと469日。再登板する鈴木俊一五輪相には、復興五輪の意義と目的を再認識し、真の復興五輪の実現へ力を尽くしてほしい。
 閣僚辞任は、第2次安倍政権発足後、桜田氏で8人目だ。今月5日には塚田一郎元国土交通副大臣が道路整備を巡る「忖度(そんたく)」発言で事実上更迭されたばかりだった。
 政務三役の相次ぐ不適切な発言は、1強状態が長期にわたる安倍政権のおごりと緩みの象徴ではないかという指摘が多い。そして、永田町で震災の風化が進んではいないか。首相の対応力と有言実行が問われる局面が続く。


桜田五輪相更迭 言葉の重みが問われる
 遅きに失した辞任である。失言を繰り返した桜田義孝五輪相が事実上更迭された。「任命責任は私にある」とする安倍晋三首相の言葉の重みも問われる。
 直接の引き金は東日本大震災に関わる発言だ。岩手県が地元の自民党衆院議員のパーティーで、復興以上に大事なのは議員だと述べた。その日のうちに首相に辞表を提出し、受理されている。
 記者団の取材に「被災者の気持ちを傷つけるような発言をしてしまい申し訳ない」と陳謝した。
 「復興五輪」をうたう大会の担当相である。自ら認めた通り、撤回して済む問題ではない。
 競泳の池江璃花子選手の白血病公表に「がっかりしている」と発言したのは2月だ。国会では用意された文書を誤読するなど、たどたどしい答弁を重ねてきた。
 1996年の衆院選で初当選し7期目だ。二階俊博幹事長が率いる二階派に所属する。当選回数を重ねながら閣僚経験のない「入閣待機組」を数多く起用した昨年10月の内閣改造で初入閣した。
 過去には従軍慰安婦を「職業としての売春婦」と述べるなど、舌禍を懸念されていた。適材適所と繰り返す首相は閣僚にふさわしいと考えて起用したのか。続投させてきたのは適切だったのか。任命責任を口にするなら、きちんと説明する必要がある。
 桜田氏は大震災での道路被害についても「国道とか交通、東北自動車道も健全に動いていたから良かった」と事実誤認の発言を3月にしていた。宮城県石巻市を「いしまきし」と言い間違えたことも合わせ、被災地への関心の薄さや理解不足を露呈している。
 2年前には、当時の今村雅弘復興相が「東北で良かった」と発言し、辞任した。首相は「全ての閣僚が復興相であるとの認識を再確認し、今後も東北の復興に全力を傾けていく」とするものの、度重なる無神経な発言は政権の被災地軽視を疑わせる。
 問題発言が相次ぐ状況にも改めて目が向く。首相と麻生太郎副総理兼財務相の地元の道路整備を巡る「忖度(そんたく)」発言で国土交通副大臣が事実上更迭されたばかりだ。2月には、麻生氏が少子高齢化に絡んで「子どもを産まないほうが問題だ」と発言し、撤回した。
 麻生氏については決裁文書改ざんなどの不祥事も続いたのに続投させている。身内への甘さが規律の緩みを助長していないか。問い直すべきは、閣僚や政治家ら個人の資質にとどまらない。政権そのものの姿勢、体質である。


桜田五輪相辞任 政治の劣化に言葉を失う
 政治家の質の低下、政治の劣化としか思えない。
 不適切な発言を繰り返し、閣僚としての資質が問われてきた桜田義孝五輪相が辞任した。被災地を軽視するような言語道断の失言の責任を取った。
 道路整備を巡る「忖度(そんたく)」発言で塚田一郎参院議員(新潟選挙区)が国土交通副大臣を辞めてから1週間もたたない中での「辞任ドミノ」だ。
 「安倍1強」の下で政権のおごり、緩みがかなり深刻なレベルにあるのではないか。そう受け止めざるを得ない。
 自民党の党内事情や派閥の意向を優先させた内閣人事が招いた結果でもあり、安倍晋三首相の責任は極めて重い。
 桜田氏は10日夜、東日本大震災の被災地を地盤とする高橋比奈子衆院議員(比例東北)のパーティーでのあいさつで「復興以上に大事なのは高橋さんだ」と発言した。
 震災から8年余りを経ても、避難生活を余儀なくされている被災者は多い。そうした現実を無視した、あきれるばかりの物言いである。神経を疑いたくなるほどだ。
 安倍首相は東日本大震災からの復興を最優先課題に掲げ、「全ての閣僚が復興相のつもりでやってほしい」と繰り返してきた。2020年東京五輪・パラリンピックの理念は「復興五輪」である。
 桜田氏の発言により、復興重視や復興五輪に疑念を持たれても仕方がない。
 後任の五輪相には被災地の衆院岩手2区選出で自民党の鈴木俊一元五輪相が復帰した。被災地の思いに寄り添い、信頼回復に努めなければならない。
 桜田氏はこれまでも不適切な発言を繰り返してきた。
 震災の被害に関しては「国道とか交通、東北自動車道も健全に動いていたから良かった」と事実誤認の発言もあった。
 競泳の池江璃花子選手が白血病を公表した際には「本当にがっかりしている」とコメントして強い批判を浴びた。
 桜田氏が五輪相に就いた昨年10月の内閣改造では、自民党総裁選の論功行賞として首相支持派閥が推した入閣待機組が多く起用された。当時、首相は「適材適所」を強調したが、「在庫処分」との指摘もあった。
 衆院当選7回の桜田氏も待機組の一人だった。
 桜田氏の失言や迷言が招いた混乱を振り返れば、首相の言葉とは裏腹の「不適材不適所」な人事であり、そのしわ寄せが国民に及んだといえる。
 塚田氏は自民党の新潟県連会長、桜田氏は千葉県連会長だ。政権が掲げる「地方創生」の担い手である首長や議員を決める統一地方選のさなかに共に問題発言をし、引責辞任を迫られる体たらくでもある。
 塚田氏、桜田氏の相次ぐ辞任は、「1強」といわれる現政権が抱える問題点を象徴するものではないか。
 辞任で幕引きとせず、今後の国会の場で追及していかなければならない。


桜田五輪相更迭 任命した首相の責任重い
 桜田義孝五輪相が同僚議員を「復興以上に大事」と発言し、事実上更迭された。失言を繰り返し、閣僚としての資質に疑問符が付いていたのに、安倍晋三首相は擁護し続投させてきた。任命、監督責任は重いと言わざるを得ない。「全閣僚が復興相」と言い続けてきた首相の信用度も問われる。
 安倍政権では、この2年間で不適切発言による政務三役の辞任が相次いでいる。東日本大震災を巡っては、2017年4月に今村雅弘復興相が「まだ東北で良かった」と発言。同年3月には務台俊介内閣府政務官が被災地に長靴を持参せず、背負われて水たまりを渡ったことについて「長靴業界はだいぶもうかったんじゃないか」と述べた。首相は大震災復興を最優先課題に挙げてきた。復興を後押しするどころか、被災者をおとしめてしまった以上、辞任は当然だった。
 18年1月には松本文明内閣府副大臣が沖縄での米軍ヘリコプターの不時着を巡り、国会で「それで何人死んだんだ」とやじを飛ばし辞任。今月5日には、選挙の応援演説で道路建設の国直轄調査に触れ「首相や副総理が言えないので、私が忖度(そんたく)した」と述べた塚田一郎国土交通副大臣が引責した。桜田氏で5人目となった。「1強」のおごり、緩みも甚だしい。
 桜田氏は就任当初から資質が問題視されてきた。五輪憲章を読んでいるかを問われ「話には聞いているが、自分は読んでいない」と答弁。兼務するサイバーセキュリティー担当として「自分でパソコンを打つことはない」と公言するなど、適材適所でないのは誰の目にも明らかだった。今回の発言では、菅義偉官房長官に電話で「こんなことを言ったみたいです」と報告。まるで自覚のない様子だったという。作家あさのあつこさんは、共同通信の取材に「政治家の質の低さに、怒りより恐怖を感じる」と述べている。
 気掛かりなのは「復興五輪」を掲げる東京五輪・パラリンピックへの影響だ。日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長も、招致疑惑で先月、退任を表明したばかり。相次ぐ辞任劇は国民の五輪熱を冷ましかねない。被災地の岩手県出身で再登板の鈴木俊一氏にはイメージ回復に尽くしてもらいたい。
 首相は、塚田氏をかばい続けたことが批判を浴び、桜田氏は発言から2時間で更迭した。第1次安倍政権で閣僚の失言や事務所経費問題などにより支持率低下を招き、「消えた年金問題」も重なって参院選に敗北、退陣に追い込まれた経緯がある。新元号や新紙幣の公表で政権浮揚を図ったつもりが、身内に足をすくわれた格好だ。
 失言、放言の常連である麻生太郎副総理兼財務相は、財務省の文書改ざん問題などがあったのにもかかわらず、居座っている。失言しても「撤回、謝罪すれば大丈夫」。そうした風潮が閣僚は無論、官僚にまでまん延している節がある。末恐ろしい事態だ。


桜田五輪相更迭 問われる首相の任命責任
 ついにというか、最後は腹立たしいまでの失言で大臣としての幕を下ろした。
 桜田義孝五輪相が、東日本大震災の被災地を地盤とする自民党衆院議員のパーティーで議員を「復興以上に大事」と失言し、批判を受けて辞表を提出した。事実上の更迭である。
 あまりに被災地の現状や被災者の心情に無知であり、逆なでする発言だ。安倍晋三首相は「内閣全員がより一層身を引き締めていかなければならない」と陳謝した。即刻の更迭は当然であろう。
 かつては2017年4月に今村雅弘復興相が、大震災被害を「まだ東北で良かった」と発言し、被災者を傷つけたとして辞任した。今回は、道路調査費の忖度(そんたく)発言による塚田一郎国土交通副大臣の辞任からまだ一週間もたっていない。政権を支える政治家の度重なる失言にはもうあきれるしかない。
 桜田氏は昨年10月の就任当初から発言が問題視されてきた。サイバーセキュリティー担当として「自分でパソコンを打つことはない」と国会で明言したり、「答弁書を間違いなく読むことが最大の仕事だ」と述べたりした。東京五輪の有力選手の病気公表には「本当にがっかりしている」と話すなど閣僚として資質不足は明らかだった。
 安倍政権は東京五輪・パラリンピックを「復興五輪」と位置づけている。だが桜田氏は今年3月にも大震災の津波被害について「国道とか、東北自動車道が健全に動いていたから良かった」と事実誤認し、認識のなさを露呈していた。五輪相にふさわしくない人物を選んだ安倍首相の任命責任も厳しく問われるのは間違いなかろう。
 これまで首相は、桜田氏に対する野党の罷免要求を拒んできた。ここに来ての更迭は統一地方選や衆院補欠選挙、さらには夏の参院選への影響を考慮してのこととみられるが、身内に甘いと批判されても仕方がない。
 一方、地元への利益誘導ととられる塚田氏の忖度発言については、野党が今後も国会で追及する構えだ。内容が事実でなかったとしても、支持者の歓心を買おうとする虚偽発言は許されない。職責を理解していない政治家が増え、言葉が軽んじられていることに憤りを覚える。
 相次ぐ失態は政権全体の気の緩みであり、自民1強による長期政権のおごりでもあろう。閣僚辞任は第2次安倍内閣になって8人目だ。ほかにも沖縄での米軍ヘリコプター不時着を巡り、「それで何人死んだんだ」と国会でやじをとばした内閣府副大臣などが辞任している。
 五輪まで500日を切った段階での担当大臣の辞任は、日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長の6月末での退任と合わせ、大きなイメージダウンでもある。安倍政権は高をくくらず、真摯(しんし)に受け止める必要がある。


桜田五輪相更迭/任命責任が問われる
 東日本大震災の被災地を地盤とする自民党衆院議員のパーティーで議員を「復興以上に大事」と発言した桜田義孝五輪相が安倍晋三首相から事実上、更迭された。安倍内閣が最重要課題と位置づける被災地の復興を軽視する発言で、閣僚辞任は当然だろう。
 道路整備を巡って、学校法人「森友学園」問題などで焦点となった「忖度(そんたく)」に言及、更迭された塚田一郎元国土交通副大臣の件に続く失態。1強状態が続く安倍政権のおごり、緩みの表れと言わざるを得ない。安倍首相の任命責任が厳しく問われることになる。
 桜田氏は10日夜、東京都内での高橋比奈子衆院議員=比例東北=のパーティーであいさつし「復興以上に大事なのは高橋さんだ」と述べた。その後、安倍首相に辞表を提出し、受理された。
 辞表提出後、桜田氏は記者団に発言を撤回するとともに「被災者の気持ちを傷つけるような発言をして申し訳ない」と陳謝した。安倍首相も官邸で記者団に「被災地の皆さんに深くおわび申し上げたい。任命責任は首相たる私にある。今後も東北の復興に全力を傾ける」などと語った。
 発言から更迭まで2時間というスピード対応だったのは21日投開票の衆院大阪12区、沖縄3区両補欠選挙や統一地方選後半戦、さらには夏の参院選への悪影響を最小限に食い止めたいという安倍首相側の意向が働いたとみられる。
 しかし、これで一区切りとはいかない。発言、さらには「被災者の気持ちを傷つけた」ことを辞任の理由にした陳謝の言葉に、桜田氏の被災地復興に対する認識の軽さがにじむからだ。
 最大震度7を観測した東日本大震災では、揺れに加えて青森、岩手、宮城、福島各県を中心に大津波が襲い、甚大な被害が出た。東京電力福島第1原発では原子炉6基のうち1〜5号機で全交流電源を喪失、1〜3号機で炉心溶融(メルトダウン)が起きた。さらに1、3、4号機の原子炉建屋が水素爆発し、大量の放射性物質が放出された。
 国は福島県内の11市町村にまたがる区域に避難指示を出した。除染や生活インフラの整備が進み、2014年以降、順次解除されたが、依然として多くの区域で避難指示が続き、2月末時点で約4万1千人が県内外で避難生活を送っている。
 国民の命と財産、そして領土、領海、領空を守ることが国家の最大の使命とされる。安倍首相はじめ保守系の国会議員が使うフレーズだ。その言葉通りなら、守るべき対象が危険にさらされた福島県の状況に深く思いを致し、一刻も早い解決に努力し続けることが国会議員の役割であるはずだ。しかし桜田氏の発言、陳謝からはそんな認識がうかがえない。
 17年4月にも当時の復興相だった今村雅弘氏が大震災について「まだ東北で良かった」と発言し、辞任しているが、被災地に対する思い入れが感じられない。
 桜田氏の直前に辞任した塚田氏も重大な問題に対する認識の甘さが目立つ。安倍首相らへの忖度の有無は、学校法人「森友学園」問題などで焦点となった。道路整備に関する話で、その言葉を持ち出すのは事態の深刻さを分かっていない証左だ。失言の背景に自民党の劣化がうかがえる。


桜田五輪相更迭 言葉を軽んじる政治 首相に一因
 失言や不適切発言を重ねた上の辞任だ。「いまさら」と受け止めた人も多いだろう。
 桜田義孝五輪相が自民党議員のパーティーで、東日本大震災からの復興を軽視するかのような発言をした責任を取り、安倍晋三首相に辞表を提出した。事実上の更迭だ。桜田氏は就任以来、「言葉が命」であるはずの政治家として、あるまじき発言を繰り返しており、資質が疑問視されてきた。辞任は当然で、むしろ遅きに失したと言える。
 首相は任命責任を認めて、謝罪した。だが、政治家の失言・暴言は桜田氏に限ったことではない。近年、政治家がこれほど軽々しく言葉を扱うようになった一因は、トップである首相自らが数の力のみを頼りとし、説明を軽んじ、熟議を通して幅広い合意形成を目指すことを放棄してきたことにあろう。首相は「内閣全体で信頼を回復していく」とも述べた。ならば、まず自身を省み、姿勢や手法を改めることから始めるべきだ。
 桜田氏は10日夜、高橋比奈子衆院議員のパーティーであいさつし、「復興以上に大事なのは高橋さんだ」と述べた。リップサービスのつもりなのかもしれないが、あまりにも配慮を欠いている。
 震災と東京電力福島第1原発事故の発生から8年が過ぎた。今も避難生活を送っている人々は5万人以上に上る。関連死を含めて犠牲者は2万2千人を超えた。原発事故処理の先行きは見通せない状況にあり、処理費用の総額は最大81兆円とする試算も出ている。
 東京五輪・パラリンピックは「復興五輪」との位置付けだ。被災地への理解、共感を持ち合わせない五輪相は、不適格としか言いようがない。桜田氏の発言を伝え聞いた官邸はすぐさま事態収拾に動き、2時間後に更迭したが、被災地を深く失望させた責任は政権全体で重く受け止めなければならない。
 桜田氏の失言は、昨年10月の就任からわずか半年で、枚挙にいとまがない。先月にも被災地の道路被害について「健全に動いていた」と事実誤認の発言をしたばかりだ。今月9日には国会答弁で、被災地の宮城県石巻市を「いしまきし」と何度も言い間違えた。
 野党からその都度追及を受けながらも、かばい続けてきたのはほかならぬ首相だ。桜田氏が二階俊博幹事長率いる二階派のメンバーだからだと見る向きは少なくない。もう一人、少子高齢化に関して「子どもを産まない方が問題」とするなど、桜田氏同様の暴言を繰り返してきた麻生太郎副総理兼財務相についても、首相は要職で遇し続けている。国民目線よりも政権の実力者や後ろ盾を重視する姿勢はまさしく、「首相1強」の緩みとおごり、そのものだ。首相は問題が起きるたびに、指摘や批判を「真摯(しんし)に受け止める」と口にしてきた。そろそろ言葉ではなく、具体的な行動で示してもらいたい。


【桜田五輪相更迭】首相の判断が遅すぎる
 さまざまな不適切発言をしてきた桜田義孝五輪相を安倍首相は事実上更迭した。やっとというべきか、判断が遅すぎたのではないか。
 昨年10月の内閣改造で初入閣後、桜田氏は失言やその撤回、謝罪などを繰り返してきた。
 昨年の衆院内閣委で「答弁書を間違いのないように読むことが最大の仕事」と発言。今年2月、競泳の池江璃花子選手の白血病公表の際は「本当にがっかりしている」と述べた。2月下旬には衆院予算委に遅刻し、野党の反発で審議が長時間ストップしている。
 今回は東日本大震災の被災地を地盤とする自民党議員のパーティーで、その議員を「復興以上に大事」と述べたという。先月下旬にも被災地の津波被害について「まだ国道とか交通、東北自動車道も健全に動いていたから良かった」と話し、撤回と陳謝をしたばかりだ。
 思慮不足というレベルを超え、被災者の思いを深く傷つける発言だ。
 与党からも閣僚としての資質を疑問視する声があった。それでも安倍首相は擁護こそすれ、更迭の動きは見せなかった。
 昨年の党総裁選で桜田氏が属する二階派が安倍首相を支持した経緯が躊躇(ちゅうちょ)させた理由との見方がある。そうした「忖度(そんたく)」が働いていたとすれば、組織力学を重視し、国民の思いや疑問をないがしろにしたと言わざるを得ない。
 安倍首相は「下関北九州道路」整備を巡り、「忖度」発言をした塚田一郎国土交通副大臣を5日、事実上更迭した。こちらも当初は擁護していたが、統一地方選前半戦の投開票が迫る中、森友学園問題などを思い起こさせる言葉は不利に働くと判断したのだろう。
 桜田氏の更迭は、21日投開票の衆院大阪12区と沖縄3区の両補欠選挙や統一地方選後半戦などへの影響を考慮したとみられる。いずれにしても安倍首相の任命責任は重い。
 桜田氏が入閣し、塚田氏が副大臣に就任した昨年10月の内閣改造を安倍首相は「実務型の人材を結集した、明日の時代を切り開く全員野球内閣だ」と強調した。一方で野党は「見飽きた顔と見慣れない顔をかき集めたインパクトのない布陣」「入閣待機組の在庫一掃」内閣などと批判した。森友学園を巡る財務省の決裁文書改ざんがあっても留任させた麻生財務相らの顔が浮かぶ。
 安倍首相の言う「実務型」の人材集団なら失言問題など起こさず、国民のために自らの職責を実直にこなしたらいいはずだ。「辞任ドミノ」を踏まえ、任命責任を改めて考えてほしい。
 安倍首相は後任の五輪相に鈴木俊一衆院議員を起用した。東日本大震災の被災地選出で、桜田氏の前任者だ。「実務型」を重視するなら、鈴木氏を留任させる選択もあっただろう。岩手県の達増拓也知事は「政権全体の復興に対する考えが定まっていないことが問題」と厳しく非難した。重く受け止めるべき言葉だ。


桜田五輪相更迭◆首相の任命責任を問いたい◆
 東日本大震災の被災地を地盤とする自民党衆院議員のパーティーで議員を「復興以上に大事」と発言した桜田義孝五輪相が事実上、更迭された。安倍内閣が最重要課題と位置づける被災地復興を軽視する発言で、閣僚辞任は当然だ。
 道路整備を巡り、学校法人「森友学園」問題などで焦点となった「忖度(そんたく)」に言及し、更迭された塚田一郎元国土交通副大臣の件に続く失態。安倍政権のおごり、緩みの表れと言わざるを得ない。安倍首相の任命責任が厳しく問われなければならない。
選挙見据え2時間で
 桜田氏は10日夜、東京都内での高橋比奈子衆院議員=比例東北=のパーティーあいさつで失言。その後、安倍首相に辞表を提出し、受理された。桜田氏は記者団に発言を撤回し「被災者の気持ちを傷つけるような発言をして申し訳ない」と陳謝。安倍首相も官邸で記者団に「被災地の皆さんに深くおわび申し上げたい。任命責任は首相たる私にある。今後も東北の復興に全力を傾ける」と語った。
 発言から更迭まで2時間というスピード対応だったのは21日投開票の衆院大阪12区、沖縄3区両補欠選挙や統一地方選後半戦、さらには夏の参院選への悪影響を最小限に食い止めたいという安倍首相側の意向が働いたとみられる。
 しかし、これで一区切りつけさせてはならない。発言、さらには「被災者の気持ちを傷つけた」ことを辞任の理由にした陳謝の言葉に桜田氏の被災地復興に対する認識の軽さがにじむからだ。
背景に自民党の劣化
 最大震度7を観測した東日本大震災では揺れだけでなく青森、岩手、宮城、福島各県を中心に大津波が襲い、甚大な被害が出た。東京電力福島第1原発では原子炉6基のうち1〜5号機で全交流電源を喪失、1〜3号機で炉心溶融(メルトダウン)が起きた。さらに1、3、4号機の原子炉建屋が水素爆発し、大量の放射性物質が大気中に放出された。
 国は福島県内の11市町村にまたがる区域に避難指示を出した。除染や生活インフラの整備が進み、2014年以降、順次解除されたが、2月末時点で約4万1千人が県内外で避難生活を送っている。
 国民の命と財産、そして領土、領海、領空を守ることが国家の最大の使命とされる。安倍首相はじめ保守系の国会議員が使うフレーズでもある。その言葉通りであれば、守るべき対象が危険にさらされた福島県の状況に深く思いを致し、一刻も早い解決に努力し続けることが国会議員の役割であるはずだ。
 桜田氏の直前に辞任した塚田氏も重大な問題に対する認識の甘さが目立つ。安倍首相らへの忖度の有無は、学校法人「森友学園」問題などで焦点となった。道路整備に関する話でその言葉を持ち出すのは事態の深刻さを分かっていない証左だ。失言の背景に自民党の劣化がある。


[桜田五輪相更迭] 安倍首相の責任は重い
 桜田義孝五輪相が東日本大震災の被災地を地盤とする同僚議員を「復興以上に大事」と発言、責任を取って辞任した。事実上の更迭である。
 桜田氏は入閣以来、失言やちぐはぐな国会答弁を繰り返し、閣僚としての資質を疑問視する声が相次いでいた。だが、それに耳を貸さず擁護してきたのは安倍晋三首相である。
 道路整備を巡って「忖度(そんたく)した」と発言した、塚田一郎議員が国土交通副大臣を辞任したのは先週のことだ。政権のおごりと緩みが、相次ぐ失態を招いたと言わざるを得ない。首相の責任は極めて重い。
 桜田氏は10日夜、都内であった自民党議員のパーティーで発言、辞表提出後、「被災者の気持ちを傷つけるような発言をしてしまい申し訳ない」と陳謝した。
 被災地には、家族を失った人たちが懸命に前を向き暮らしている。復興のために働く大勢の人もいる。そうした人の気持ちを踏みにじる内容だ。非常識な発言にあきれる。
 桜田氏は先月、被災地の津波被害に関して「道路が健全に動いていたから良かった」と事実誤認の発言をした。宮城県石巻市を国会答弁で3回も「いしまきし」と言い間違えた。
 競泳の池江璃花子選手の白血病公表に関しても「がっかりした」と述べた。そのたびに発言を撤回し、陳謝してきた。
 政治家にとって言葉が何より大切なのは言うまでもない。更迭は当然であり、むしろ遅すぎる。
 問題なのは、不適切な発言をした桜田氏をかばい続けた首相の姿勢である。「職責を果たしてもらいたい」などと、野党の罷免要求を拒み続けたのは、理解に苦しむ。身内に甘いとの指摘は免れまい。
 今回、更迭に踏み切ったのは、安倍政権が最優先課題と位置づける震災復興に関わる発言だったからだ。五輪・パラリンピックを通じ、復興した姿を世界にアピールしようとしていた首相も、これ以上かばいきれなかったというのが実情だろう。
 相次ぐ辞任は、政権にとって大きなダメージだ。発言から更迭まで約2時間というスピード決着は、事態の沈静化を急いだものとみられる。
 衆院補欠選挙や統一地方選後半戦の投開票が21日に迫り、夏には参院選が控える。影響を何としても最小限にとどめたいという政権の危機感があったのは間違いない。
 国会議員の不祥事や、不適切な言動は国民の政治不信を増幅させる。「政治家のレベルはこんなもの」と信頼を失墜させたとしたら問題の根は深い。
 「1強」の強引さが目立つ安倍政権である。気を引き締めて政権運営に当たるべきだ。


<災害公営住宅ネコ屋敷問題>明け渡しへ強制執行手続き 気仙沼市が開始へ
 宮城県気仙沼市唐桑町の災害公営住宅を不法に占拠し、ネコを十数匹飼育している埼玉県内の50代女性に対し、気仙沼市は11日にあった市議会震災調査特別委員会で、明け渡しを求めて強制執行の手続きに入る方針を示した。来週中にも仙台地裁気仙沼支部に強制執行の申し立てをする。
 市は明け渡しなどを求め、2018年12月に提訴。地裁気仙沼支部は19年3月下旬、市の請求通りに明け渡しと支払いを命じる判決を言い渡した。
 市は現在、女性と連絡が取れない状態。判決が確定する前に退去を強制できることも認められたため、悪臭が出る夏までに解決を図ろうと強制執行の手続きに入る方針を決めた。
 市によると、地裁気仙沼支部の執行官は2週間以内に建物明け渡しの催告をした後、約1カ月後の6月上旬には強制執行する見通し。動物愛護団体などから引き受けの申し出が複数ある。
 気仙沼市内湾地区の防潮堤高が誤って22センチ高く施工された問題も取り上げられた。市は日本港湾コンサルタント(東京)と小野良組(気仙沼市)を5月8日まで1カ月間指名停止としたことを明らかにした。9日にあった市建設工事競争入札業者資格審査委員会で決まった。


「気仙沼大橋架橋で損失」大島汽船、宮城県を提訴
 7日に開通した気仙沼市の大島と本土を結ぶ気仙沼大島大橋(356メートル)の架橋に伴う航路事業の廃止で損失を被ったとして、同市の運航会社大島汽船が11日、宮城県に約9000万円の損失補償を求める訴えを仙台地裁に起こした。
 訴えによると、1948年設立の同社は2003年から、市の第三セクターとして本土と大島を結ぶ定期旅客船の運航を続けた。架橋に伴い、航路事業は廃止された。
 同社は16年3月以降、連絡協議会を設け、県に補償を打診し続けた。県は昨年9月、離職者への退職金の一部を支払うと回答。船着き場の撤去費や営業損失などの補償は拒否した。
 同社は、他県で離島と本土との架橋に伴う渡航事業の廃止があった場合、適切な損失補償がなされてきたと指摘。「十分な補償を行わない県の不作為は違法だ」と主張している。
 仙台市内で記者会見した同社の白幡昇一社長(67)は「事業の廃止は仕方ないが、県の対応はあまりに冷たい」と述べた。
 村井嘉浩宮城県知事は「訴状が届いていないため、コメントは差し控える。届き次第、内容を精査し、対応を検討する」との談話を出した。


新種の川エビ 気仙沼で発見 東京農大など 従来種よりはさみ大型
 東京農大やNPO法人「森は海の恋人」(気仙沼市)でつくる研究グループが11日、気仙沼市の舞根湾に注ぐ川で新種の川エビを発見したと発表した。東日本大震災後に市内の河川や湿地で続けている生き物の調査で見つけた。主に東北と北海道に分布することから「キタノスジエビ」と名付けた。
 大きさは3〜4センチ。全国に分布するスジエビと酷似し、同種と考えられてきたが、はさみ部分が5〜9ミリとスジエビに比べて大きいことやDNAの解析から新種と分かった。
 国立科学博物館などでスジエビとして保存された標本を調べたところ、多数の新種が混在していたことが分かった。新種は北海道−兵庫県の日本海側と青森−宮城県の太平洋側に分布していた。
 陸前高田市から宮城県南三陸町までの範囲で生息が確認されたのは、コンクリート護岸などの人工物が少ない川に限られた。
 千葉晋東京農大教授(生態学)は「新種の分布は河川の豊かさや健全性が関係している可能性がある」と発見の意義を強調。森は海の恋人副理事長の畠山信さん(41)は「気仙沼の自然にはまだまだ見つかっていない良さや奥深さがある。今後も調査を続け、次世代に引き継ぎたい」と話した。


桜しょんぼり冬景色 仙台で積雪5センチ 4月は21年ぶり
 発達した低気圧の影響で、県内は10日夜から11日朝にかけて雪が降り続いた。仙台の最大積雪量は5センチを記録。4月に仙台で5センチ以上の積雪を観測するのは1998年以来、21年ぶりとなった。
 仙台管区気象台によると、11日午前8時までの県内各地の最大積雪量は栗原市駒ノ湯44センチ、仙台市青葉区新川15センチ、大崎市古川と石巻が各7センチなど。日中の気温も亘理の10.2度が最高で、3月中旬並みの冷え込みとなった。
 仙台市内では桜の花や枝に雪が積もり、通行人が珍しそうに眺めていた。雪が原因とみられるスリップ事故も起き、県警によると、10日午後6時から11日午前8時にかけて23件発生した。
 管区気象台によると、12日の県内は晴れ、昼前から夕方は曇りとなる見込み。予想最高気温は仙台、石巻、大崎市古川ともに13度。


WTO逆転敗訴 安全性を立証しようとの日本政府の狙い裏目に
 世界貿易機関(WTO)の紛争を処理する上級委員会は11日(日本時間12日未明)、韓国が東京電力福島第1原発事故後に福島など8県産の水産物の輸入を全面禁止しているのはWTO協定のルールに違反するとした1審の判断を覆し、日本は逆転敗訴した。勝訴をテコに輸出拡大を図ろうとしていた日本政府への打撃は大きい。一方、韓国は禁輸を継続する方針を示した。
 河野太郎外相は12日、「主張が認められなかったことは誠に遺憾だ」との談話を発表。さらに「韓国に対して規制全廃を求める立場に変わりはない」と2国間協議を呼び掛ける考えを示した。
 吉川貴盛農相は12日の記者会見で「復興に向けて努力してきた被災地を思うと誠に遺憾」と述べた。そのうえで「日本の食品の安全性を否定したものではない」と強調した。
 菅義偉官房長官は12日午前の記者会見で、「日本産食品は科学的に安全との1審の事実認定が維持されている」としたうえで「敗訴したとの指摘は当たらない」と語った。
 一方、韓国外務省は12日、「現行輸入規制措置は維持され、日本の8県全ての水産物に対する輸入禁止措置は継続される」との政府見解を発表した。
 1審の紛争処理小委員会(パネル)は昨年2月、韓国による輸入規制は「差別的」かつ「必要以上に貿易制限的」でWTOルールに違反するとした日本の主張をおおむね認め、韓国に是正を勧告していた。これに対し、上級委は「パネルは製品サンプル中の(放射性物質の)実測値のみに基づいて安全性を調査している」として議論の過程に問題があったとの見解を示した。さらに「WTOでは食品の安全性について科学的証拠が不十分な場合、暫定的に規制を認めている」との韓国の主張に対し、日本は反論しなかったとも指摘した。
 WTOの紛争処理手続きは2審制。上級委は最終審に当たる。30日以内にWTOの全加盟国会合で採択され確定する。
 韓国は2013年、東電の汚染水流出問題をきっかけに規制を強化。青森、岩手、宮城、福島、茨城、栃木、群馬、千葉の8県産の水産物の禁輸対象を一部から全てに拡大した。日本は「科学的根拠がない」と15年にWTOに提訴。日本が1審で勝訴した後、韓国は昨年4月に上訴していた。日本はWTOを通じて安全性を立証しようとしたが、裏目に出た形だ。
 原発事故後、一時は54カ国・地域が日本産食品の輸入を規制した。現在も23カ国・地域で続いている。【加藤明子、ソウル堀山明子】


WTO、日本が韓国に逆転敗訴 原発事故で8県水産物規制
 【ジュネーブ共同】世界貿易機関(WTO)の紛争処理の「二審」に当たる上級委員会は11日、韓国による福島など8県産の水産物輸入禁止措置を不当とした「一審」の紛争処理小委員会(パネル)の判断を破棄した。日本は逆転敗訴となった。 
 上級委は、パネルの判断はWTOの検疫関連協定の解釈に誤りがあると指摘。韓国の措置について「必要以上に貿易制限的」としたり、日本を不公正に差別したりしたものとはいえないとした。
 また、韓国政府が消費者保護のためにどのような措置を取れば適切かは判断できないとし、食品で許容できる放射線レベルなど安全性の問題でも見解を示さないとした。


原子力団体サイト「炎上」 命名や絵柄「ふざけすぎ」
 原子力関連企業などでつくる日本原子力産業協会が12日までに、次世代層向けとしてウェブサイト「あつまれ!げんしりょくむら」を開設し、ツイッターなどに「ふざけすぎ」「原発事故から数年しかたっていないのに」との批判が相次いで、炎上状態となっている。
 協会担当者は「さまざまな意見が寄せられていることは把握している」とし、サイト開設の狙いを「逆境の中でも原子力に関わる若手を応援し、関心ある学生の疑問に答えていきたい」と話す。
 開設は8日。ホーム画面いっぱいに戦国武将や妖怪、ピエロのような大勢のキャラクターを、コミカルなタッチで掲載。


ブラックホール初撮影 結実した科学の国際協力
 間接的にしか存在が確認されていなかったブラックホールの姿が、目に見える画像として初めて撮影されたことを喜びたい。
 国際共同研究チームが、世界各地の電波望遠鏡をつなぎ、月面上のテニスボールを見分けるほどの解像度を実現した成果だ。宇宙観測の新時代が幕を開けたと言える。
 ブラックホールの存在は約100年前、アインシュタインの一般相対性理論に基づき予言されていた。しかし、強大な重力を持ち、光すら脱出できない暗黒の天体のため、視覚的に捉えることができなかった。
 相対性理論の更なる検証や銀河の形成過程解明など、宇宙の謎に迫る知見が得られることを期待したい。
 撮影されたのは、地球から約5500万光年離れた銀河「M87」の中心部にある巨大ブラックホールだ。
 研究チームは、南米チリの「アルマ」や南極など世界6カ所の電波望遠鏡の観測データを解析し、リング状のガスの輝きの中に「黒い穴」が開いている姿を描き出した。ブラックホールから光すら抜け出せなくなる境界は「事象の地平面」と呼ばれ、この穴の内側にあるという。
 研究チームには、日米欧をはじめ中国や台湾など17カ国・地域から200人以上が参加する。観測成功の最大のポイントは、地球規模で望遠鏡を連携させたことだ。国境を越えた協力が結実した偉業で、発表が日米の他、中国や台湾でも同時に行われたことがそれを象徴している。
 画像を鮮明にするデータ処理技術を開発するなど、日本の研究者たちの貢献もたたえたい。
 より遠方のブラックホールが撮影できれば、ブラックホールの進化の過程が追跡可能となる。宇宙に電波望遠鏡を打ち上げて地上と連携すれば、解像度が更に高まる。今後の観測の進展が楽しみだ。
 ブラックホール研究が、日常生活に直接役立つわけではない。だが、「宇宙とは何か」という根源的な問いかけに応え、人類の「知の地平」を広げる試みを大切にしたい。
 米中露を中心に、宇宙の軍事利用競争が進む。世界の研究者たちが国境の壁を越えて手を携え、国際協力で成果を出した意義は大きい。
 若者が科学に興味を持つ、新たなきっかけにもなるはずだ。


ブラックホール/宇宙の謎に一歩近づいた
 炎のようなリングに包まれた漆黒の穴は、宇宙の摂理の深遠さを思わせる。
 非常に強い重力を持ち、光さえ吸い込む天体である「ブラックホール」の撮影に、日米欧などの国際チームが世界で初めて成功し画像を公開した。
 100年以上も前に物理学者アインシュタインが予言し、存在自体は明らかになっていたが、観測されたのは初めてだ。ノーベル賞級の成果との呼び声も高く、学界に与えたインパクトは大きい。また一歩、人類は宇宙の謎に迫った。
 観測されたブラックホールはおとめ座のM87銀河の中心にある。地球から約5500万光年も離れており、通常の電波望遠鏡では見えない。
 そこで欧米、南極、ハワイと世界6カ所の電波望遠鏡を組み合わせ、直径1万キロと地球規模のアンテナを持つ望遠鏡に匹敵する観測データを集めることにした。チームは総勢200人を超し、文字通り世界の才知の結集といえる。
 画像中央の黒い穴がブラックホールだ。周囲の時空間が大きな重力でゆがみ、吸い込まれたガスやちりが激しく加熱されてリング状に光を放っている。
 鮮明な画像が得られたのは、多くの日本人研究者の努力による。統計学を生かして望遠鏡の死角に当たる部分のデータを推定したほか、データの伝送システムにも技術を提供した。
 宇宙研究と言えば「はやぶさ2」のようなロケットに目が行きがちだが、地道な基礎分野でも日本人が世界的な研究に貢献できたことを喜びたい。
 一方で、謎も残された。
 今回のブラックホールでは以前に、「ジェット」と呼ばれる高速・高温のガス噴出が観測されている。あらゆる物質を吸い込む一方でなぜガスを噴き出すかは、宇宙物理学で最大の疑問の一つだ。しかし今回の画像では、ジェットの存在が確認できなかった。
 ブラックホールはほかにも未解明の点が多い。研究が進めば星や銀河ができる過程が分かり、宇宙の歴史にも迫れると期待されている。
 画像を緻密に分析するとともに、さらに観測を続け、新たな発見に結びつけてほしい。


ブラックホール  宇宙の解明へ姿見せた
 光さえ逃れられない「黒い穴」の姿を、人類は初めて目にすることができた。
 偉業に違いない。得られた画像が示すスケールの大きさに、畏れを抱く人もいるはずだ。
 地球から遠く離れた銀河の中心にある巨大なブラックホールの撮影に、日本などの国際研究チームが初めて成功したという。
 周りを取り巻くガスから発する光の中心に、輪郭がくっきりと写っている。
 ブラックホールは、100年以上前にアインシュタインの一般相対性理論をもとに、存在が予言されていた。
 これまで、吸い込まれていくガスなどから出るエックス線を観測した例はあるが、画像として捉えられたことはない。
 撮影によって、目に見えるかたちで、その存在が証明されたといってよいだろう。
 あれほど重いものが、一体どうやってできたのか。周辺の高温ガスは、星の形成にどう影響したのか。まだまだ、分からないことだらけである。
 ガスを吸い込む様子を詳しく観測できれば、重力の極めて強い場所で物質がどう動くか知ることにつながり、ビッグバンの前に超高密度で極小だったとされる初期の宇宙の様子もうかがえる。
 すると、星や銀河が出来上がる過程、つまりは宇宙の歴史が分かるそうだ。今回の快挙を、多くの謎の解明に向けた第一歩としてほしい。
 撮影されたのは、地球から約5500万光年も離れているおとめ座M87銀河の中心にあるブラックホールである。どのような方法で、姿を捉えたのか。
 見える光より波長が長く、途中にある障害物の影響を受けにくい電波を、データとして、なるべく多く集めなければならない。
 そこで、米国、欧州、南米、南極など世界6カ所の望遠鏡を組み合わせ、地球サイズの仮想的な望遠鏡をつくった。
 これは「超長基線電波干渉計(VLBI)」方式と呼ばれる。
 日本の国立天文台水沢VLBI観測所(岩手)や東北大、広島大の関係者に加えて、欧米などから200人を超える研究者が参加している。
 宇宙の研究においては、商業や軍事に利用するため、各国が覇を競う傾向もみられる。今回の初撮影は、研究者らによる国際協力の結果、得られた成果である。この点も、高く評価しておきたい。


イスラエル選挙 和平の枠組みを壊すな
 イスラエル総選挙は右派勢力が過半数を占め、ネタニヤフ首相が続投する見通しとなった。
 ネタニヤフ氏はトランプ米大統領の強力な後押しを受け、対パレスチナ強硬策を取ってきた。
 選挙戦最終盤には、ヨルダン川西岸のユダヤ人入植地を併合する考えも表明した。
 占領地に入植地を建設すること自体が国際法違反とされる。それらを併合するとなれば、パレスチナ、アラブ諸国の反発は必至だ。
 イスラエルとパレスチナの2国家共存を目指す和平の枠組みは行き詰まりの状態にある。これが完全に崩壊しかねない。
 この地域が一段と不安定になれば、影響は中東全域に及ぶ。ネタニヤフ氏は強硬策でパレスチナや周辺国と対峙(たいじ)するのではなく、和平の枠組みに戻るべきだ。
 ネタニヤフ政権は連続10年、通算13年に及び、続投すれば7月にも建国以来最長の政権となる。
 ネタニヤフ氏は検察から収賄罪などで起訴する方針を示され、同氏率いる右派「リクード」は苦戦が予想された。にもかかわらず国会120議席のうち35議席と、前回総選挙を上回る支持を集めた。
 ガンツ元軍参謀総長の中道政党連合「青と白」も躍進したが、同数の35議席にとどまった。
 勝因には、ネタニヤフ氏の盟友であるトランプ氏の存在が指摘される。トランプ氏は3宗教の聖地であるエルサレムをイスラエルの首都と認定し、米国大使館を移転させた。
 選挙戦中にも、シリアから奪ったゴラン高原についてイスラエルの主権を承認し、イスラエルと敵対するイランの革命防衛隊をテロ組織に指定した。右派の票を固め、情勢に影響した可能性がある。
 気がかりなのは米国が近く公表する新中東和平案である。イスラエル寄りの内容となるのは間違いなく、新たな火種となりそうだ。
 米国は本来、中立的な仲介役であるべきだ。トランプ氏はネタニヤフ氏に肩入れするのではなく、自制を促さなければならない。
 今回の選挙で1993年のオスロ合意を主導し、2国家共存による和平合意を目指してきた労働党はわずか6議席と落ち込んだ。
 イスラエル全体が右傾化を強める中、パレスチナ自治区では武力による抑圧、人権侵害が続く。ガザでは占領への抗議デモにイスラエル軍が発砲し、この1年だけで200人以上が死亡した。
 日本を含む国際社会もこれまで以上に関与を強める必要がある。


安倍政権マッ青 最高機密詰まる墜落F35Aで日米中ロ争奪戦
 青森県沖で墜落した空自のF35A戦闘機の機体回収の行方に対し、世界の軍関係者の注目が集まっている。
 回収作業は11日も、日米で捜索が続けられた。日米の航空機や艦船に加え、米軍は3000キロも離れたグアムから大型爆撃機B52も投入する異例の事態となっている。現在のところ、墜落したとみられる海域で破片が見つかっただけ。大部分の機体や操縦士は見つかっていない。
 日米がこれだけ大掛かりな回収作業を行っているのにはワケがある。最先端の軍事技術が使われているというステルス戦闘機だけに、墜落機が中国やロシアなどの他国に回収されたら大変な事態になるからだ。
 例えば、F35は秘密裏に敵の情報を集め、後方の航空機や艦船などに情報を送る役割を担っている。ネットワークの要である搭載ソフトは最高レベルの機密事項だ。
「搭載しているソフトは衝撃を受けると消滅するように対策がされていますが、問題はハードです。ステルス性は形状と素材が重要で、機体の一部でも分析されると使われている電波吸収材も明らかになってしまう。F35と同じ性能を持つ新たなステルス戦闘機が開発される恐れが出てくるのです」(軍事ジャーナリスト・世良光弘氏)
 米国には苦い経験がある。1999年、コソボ紛争で米国のステルス機F117が撃墜された。その時の残骸を入手した中国が新型ステルス戦闘機の開発を加速させたといわれているのだ。
「厄介なのがF35を掌握できるレーダーが開発されることです。F35のステルス性に疑問符がつけば、現在、米国が進める採用拡大にブレーキがかかるでしょう。場合によっては、開発をやり直す事態になりかねません」(世良光弘氏)
 F35は現在、日本を含む各国で390機以上が運用され、年末には500機になる見込みだ。それがパーになりかねないのだから、米国がカンカンになるのも無理はない。安倍政権がマッ青になっているワケだ。
 墜落機が消息を絶ったのはEEZ(排他的経済水域)だが、時間が経てば、機体の一部が公海にまで漂流しかねない。中国だけじゃなく、ロシアの原子力潜水艦も現場に向かっているはずだ。
 自衛隊の山崎幸二統合幕僚長は、11日の会見で、周辺国が機体の一部を収集する懸念について「しっかり監視していきたいが、公海上は手は出せない」と語った。機密が詰まったF35の機体をめぐって、日米中ロの“争奪戦”になってきた。


お騒がせ英議会…EU離脱延期決まった途端11日間の休暇入り
 欧州連合(EU)離脱でお騒がせの英国議会が11日、イースター(復活祭)に合わせた11日間の休会期間に入り、EU各国だけでなく英国民までア然とさせている。
 離脱期限を10月末まで再延期すると決めたEUのトゥスク大統領が同日未明、記者会見で「英国はこの時間を無駄にしないでほしい」と呼び掛けた直後、英下院のアンドレア・レッドソム院内総務が「皆さん、くつろいだ休暇を。ハッピー・イースター」と休暇入りを宣言。
 これにはツイッターで「トゥスク大統領の発言から数時間しか経っていないのに」と驚く声や「危機のさなかに、恥を知れ」などと怒りの声が上がっている。


国民健康保険料が大幅値上げ、年収400万円で年間10万円増額のケースも! 安倍政権は“人でなし”政権だ
「安倍晋三首相は増税によって、景気を悪化させようと決心しているように見える」──消費税の10パーセントへの引き上げまで半年を切ったなか、米経済紙のウォール・ストリート・ジャーナルが5日、こんな社説を掲載し、話題を呼んでいる。日銀短観をはじめとして経済指標がさえない内容であるのに増税を実施するのは「自傷行為になるだろう」と言うのである。
 それでなくても統計不正によって“アベノミクス偽装”がおこなわれていたことが発覚し、景気判断も信用に値するのかと不信感が高まっているというのに、何事もなかったかのように消費増税に踏み切るというのはあり得ない。
 しかも、今年以降、わたしたちの生活を直撃するのは、消費増税だけではない。国民健康保険の保険料が大幅に値上がりするというのだ。
 安倍政権は2018年4月から、市町村が担当していた国保の財政運営を都道府県に移した。国は“財政基盤を拡大することで国保財政を安定化させる”などと説明するが、実際には、これまで市町村が保険料を抑えるためにおこなってきた国保会計への公費の繰り入れをやめさせ、都道府県の算定する「標準保険料率」に合わせることを求めるものだ。
 国はこの変更で国保料が値上がりした市町村は全体の23パーセントだと言うが、しかし、国保の加入者の多い都市圏では値上がりした地域が続出。たとえば、「給与年収400万円・30代の夫と専業主婦、子2人の4人家族」の場合、東京都は51市町区村が値上げとなり、10市村が据え置き、値下げとなったのは千代田区のみ。しかも、江戸川区は年1万2300円の値上げで国保料は43万円に達し、21の区で年6800〜8600円増となり、国保料は42万円を超えたという。また、「年収240万円・非正規雇用の単身者」の場合も、東京都では72.6パーセントが値上げされている(しんぶん赤旗2月24日)。
 しかも、話はこれで終わりではない。この各都道府県の「標準保険料率」をもとに共産党が独自試算したところ、2019年度以降、市区町村が「標準保険料率」通りに国保料(税)を改定した場合、全国の約8割の自治体で平均4万9000円も値上げになることがわかったというのだ。
 この試算によると、たとえば東京都新宿区で「給与年収400万円・4人家族(30歳代の夫婦+子2人)」の場合、「2018年度の実際の国保料の額」は42万6200円だが、「2019年度の市町村標準保険料率で計算した国保料の額」(以下、2019年標準料試算)はなんと52万4700円。その差は9万8500円にもおよぶ。大阪市の場合も41万9500円(2018年度)が、2019年標準料試算では45万9900円となり、4万400円も高くなる。
 そもそも、国保の加入者は高齢者や非正規雇用の若者といった低所得者が多い。だが、「給与年収240万円・単身者(20歳代)」で新宿区の場合、試算では2018年度が16万2600円であるのに対し、2019年標準料試算では20万400円に跳ね上がる。こうした値上がりは名古屋市(16万9600円→17万6500円)、大阪市(20万2200円→21万2400円)や京都市(17万7200円→19万1800円)、福岡市(18万4900円→19万7600円)も同様だ。
 また、「年金収入280万円・高齢夫婦世帯(夫230万円・妻50万円、ともに65〜74歳)」で新宿区の場合は15万5000円→19万800円で3万5800円の値上がりで、名古屋市でも12万9000円→14万2300円、大阪市で16万6600円→18万2300円、京都市15万1100円→16万5000円、福岡市15万3400円→16万5400円となっている。
初診料や往診料など医療費が値上げラッシュ、安倍政権は「人でなし」政権
 高齢者や若者の貧困が深刻な社会問題になっているというのに、これほど大幅に値上がりするようなことがあれば、それは命にかかわる問題となるのは必至だ。一応、「標準保険料率」の活用は都道府県の判断にかかわり、市区町村も独自に負担抑制などを維持することも可能な状態ではあるが、7日の41同府県議選・17政令市議選で自民党が2015年を上回る議席を獲得した結果を見ると、都道府県や市区町村が国の圧力を撥ねつけるようなことができるのか、疑問だ。むしろ、安倍政権の徹底した「弱者切り捨て政策」を考えれば、数年のあいだにこうした試算のように大幅な値上げが起こる可能性のほうが高いだろう。
 いや、現実にこの4月からは、すでに生活に追い打ちをかけるような「値上げラッシュ」が起こっている。
 この問題を取り上げた「女性自身」(光文社)4月3日号によれば、「一部医療機関の初診料が800円値上げ(医療費3割負担の人は240円、1割負担の人は80円の値上げ)」や「一部在宅医療の往診費用が月2000〜4000円値上げ(うち1〜3割が患者負担)」、「40歳以上の介護保険料の負担増(65歳以上・大阪市の場合、月1000円以上の値上げ)」などがこの4月からはじまっている。そして、8月からは高額療養費制度も70歳以上を対象に、「年収約156〜370万円の世帯では外来費用は1人当たり支払い上限が1万4000円までだったのが、1万8000円に引き上げ」に。さらに、「年収370万円以上の世帯では1カ月の総医療費の上限額が約8万円だったのが、収入によって段階的に引き上げられ、最大で約25万円以上」となる。 
 こうした医療や介護といった命や生活の質にかかわる、けっして削れない分野で軒並み値上げした挙げ句、追い打ちをかけるように10月からは消費増税……。格差・貧困の拡大が叫ばれるなかで、法人税を引き下げる一方、低所得者ほど負担が大きい逆進性の高い消費税を増税しようという安倍政権の弱者に対する鬼畜ぶりはどうだ。成果などまるでない口だけの「アベノミクス」の幻想に惑わされず、統一地方選後半や参院選では投票によって、この「人でなし政権」にNOを叩きつけるほかないだろう。


忖度道路めぐり安倍首相の直接指示を証明する新事実が! 面会した議員が「総理から早期建設を、とのお言葉」
「私が忖度した」と安倍首相と麻生太郎財務相の地元への利益誘導を認めた塚田一郎国交副大臣につづき、「復興以上に大事なのは議員」と発言した桜田義孝五輪相と、安倍政権の「辞任ドミノ」が起きている。
 あまりにも当たり前すぎるだろう。桜田五輪相については大臣就任以前から「(慰安婦は)職業としての娼婦、ビジネスだ」などと堂々発言した人物であり、大臣としての資質などまるでゼロのネトウヨ議員でしかない。それを総裁選で安倍首相のバックアップに回った二階派への論功行賞人事で大臣に抜擢したのだ。安倍首相は「さまざまな批判があることも真摯に受け止めなければならない」などと耳タコフレーズを口にしているが、反省などまったくしていないのは明らかだ。きっといつものごとく、適当にいなしておけば、そのうち話題が消え去ってしまうだろうとタカをくくっているのだろう。
 しかし、もうひとつの問題、「安倍案件」として浮上した忖度道路問題に関しては、そのまま収束なんていうことは絶対にありえない。ここにきて、安倍首相自身が直接指示していた、という証言者までが出てきたからだ。
 それは、吉田博美・自民党参院幹事長が塚田国交副大臣に対して「塚田、わかってる? これは総理の地元と副総理の地元の事業なんだよ」「俺が何で来たかわかるか」と迫って忖度を引き出した際、その場に同席していた福岡県選出の大家敏志・参院議員だ。
 大家議員は昨年10月25日、やはり吉田自民参院幹事長とともに安倍首相と首相官邸で面会。いま「忖度道路」と呼ばれている「下関北九州道路」について陳情をおこなったことを自身のFacebookおよびブログに、こう記述していた。
〈山口県下関市のご出身である安倍総理からは「早期建設に向けた活動をしっかりと取り組むように」とお言葉を頂きました。〉
 この安倍首相の発言は、当時の西日本新聞朝刊にも記載されており、本サイトはそのことをいち早く指摘していたが、当事者である大家議員が自分のメディアで当時、そのことを開陳していたのだ。
 これは、安倍首相が陳情どころか「直接指示」していたという事実が確定的になったということだろう。
 しかも、大家議員は昨年12月9日にも、重大発言をしていることが判明した。北九州市でおこなわれた講演のなかで「総理と副総理の地元なので、2人がやるとぐちゃぐちゃ言われるから、参議院の吉田博美幹事長を引っ張り出した」と明言していたのだ。実際、この発言の約10日後の12月20日に大家・吉田両氏は塚田国交副大臣と面会していたわけで、これは、表立って動けない安倍・麻生の名代として吉田氏が圧力をかけていたことを認める発言と言っていいだろう。
 いや、安倍首相の指示は、今回、これらの事実が明らかになる以前からはっきりしている。4日の参院決算委員会で指摘されたように、安倍首相は下関や北九州にゆかりのある自民・公明党の国会議員有志によって結成された「関門会」のメンバーとして、2016年3月31日付けの石井啓一国交相に「下関北九州道路の早期実現に向けての要望書」を提出しているのだ。要望書の提出者欄にしっかりと〈安倍晋三〉と名前が記載されていた。
 さらに、この要望書には〈去る二月二十四日、安倍総理を囲み懇談会を開催させていただいたところ、その際、「第二関門橋」の早期建設促進の件が話題となり、「関門会」の総意として要請活動を行うこととなった〉と、安倍首相を囲んだ会で、要請活動が決まったことが明記されていたのだ。
直接指示の証拠がこれだけ出揃っても、本格追及できないマスコミ
 こんなあからさまな「総理案件」の要望書が提出されて、石井国交相が無視したとは考えられるはずがない。
 事実、塚田国交副大臣の発言どおり、実際に国直轄の調査計画に引き上げられ、先月29日には今年度から調査費は国が全額負担することが公表され、4000万円を計上。そして、国直轄で調査をおこなう道路の候補は全国で108路線もありながら、今年度に事業として予算を認められたのは下関北九州道路のみだったことも、池田豊人・国交省道路局長の答弁によってあきらかになっている。
 そこに加えて、今回の大家議員のブログやFacebookと発言である。もはや言い逃れできるような状況ではないはずだが、安倍首相は相変わらず「知らぬ存ぜぬ」をつらぬき、きょうおこなわれた参院本会議でも、「そもそも内閣総理大臣は要望や陳情をおこなう立場にはなく、また、石井国土交通大臣も『総理から指示があったとはまったく思っていない』と答弁しており、私が国交省の判断に影響を与えるようなことはなかったと承知しております。そのため私の指示で新たな調査をおこなうことは考えておりません」と強弁している。
 身内の「石井国交相が指示はなかったと言っている」などと言ってもなんの証拠にもならないのに、たったそれだけで「新たな調査はしない」と決定してしまう──。森友・加計問題をはじめとする「忖度」案件と同様、こうして疑惑の目を潰してしまおうとしているのだ。
 しかも、信じられないのが、これだけの証拠がそろいながら、まだ本格追及の姿勢を見せないマスコミだ。いったいどこまで、この政権の腐敗と不正を放置するつもりなのか。これでは、不正をやりたい放題の独裁国家と変わりがないだろう。


川口市の小学校、学校ぐるみで“クルド人少女のイジメ事件”隠し
織田朝日
 3月22日、埼玉県川口市にある芝中央小学校でも卒業式が行われた。足取りは重く、それでも一歩、一歩、学校へ向かう少女の心境はいったい、いかほどであったであろうか。
 少女はトルコ国籍クルド人である。両親とともに2歳で来日した彼女に、トルコの記憶は何もない。難民申請中である家族は入管の厳しい管理下に置かれ、あらゆる自由を制限されながら生活している。日本人の子供たちと見た目が違うため、学校では辛いことも多々あった。
 それでも少女はしっかり勉強し、この国で生き、弁護士の夢を叶えようと日々努力していた。この家族と筆者は10年以上の付き合いがあり、少女の成長をずっと見てきた。少女の苦労を知っているがゆえに、今回のイジメ事件は心がえぐられる思いであった。
以前の校長は、少女をイジメから守ってくれていたが……
 少女が6年生に上がった去年の4月、新しく鈴木彰典校長が就任した。ここからが不幸の幕開けとなる。以前の校長は、子供好きで誰にでも平等に接する人物であると当時の関係者は語る。人権意識の高い校長は、少女のことも常にイジメから守ってくれていた。
 しかし4月に新しい校長が就任してから事態は一変した。5月、数人の女子にクルド人少女がトイレに閉じ込められるという事件が起きた。のちの筆者の質問で、担任は「1人しかやっていない」と発言したが、事実究明をしていくうちに1人がドアを蹴飛ばし、3人が上からのぞく、残りは少女を罵倒したり、はやし立てたりしたという事実がわかった。証言の違いを追及すると、担任は口を閉ざしてしまうだけであった。
倒されて足を怪我したうえ、さらに蹴りを入れられる
 これだけでもあってはならない恐ろしい出来事だが、少女の不幸はまだまだ終わらなかった。辛いことはあってもなんとか学校に通い続けた。しかし今年の1月29日、徹底的に少女を追い詰める事件が起きた。
 体育の授業で男女混合のサッカーが行われた。少女は、A君が自分のことを「あいつは邪魔」と言うのを聞いた。次の瞬間、少女はA君に突き飛ばされ、転んでしまった。その際、足を怪我して、痛みに少女は泣き続けた。
 それに対しB君が、少女にサッカーを続行するよう指示した。少女は泣きながら「できない」と意思表示をしたが、聞き入れてもらえず無理やりサッカーをやらされた。当然、戦力にはならなかった。
 次の授業のために少女は教室に戻ったが、自分の机といすが誰かによって倒されていた。自分で直してからいすに座り、痛みと悲しさのあまり机に顔をうずめ泣き続けた。
 すると突然、何者かにいすを後ろに引っ張られ、少女は床に倒れ込んでしまった。やったのはB君であった。B君はサッカーの試合が散々だったのを逆恨みして、少女の背中を何度も蹴りまくった。泣いて嫌がる少女に対し、クラスメートが傍観しているなか、蹴りは容赦なく襲い続ける。
 中にはB君に、「お前の足が腐るから(蹴るの)やめろよー」と言う生徒さえいた。
教頭は「心が弱い」と、少女にも非があるかのような発言
 次の日、少女は病院で治療を受けた。その後に少女の母、従兄弟の妻(日本人)、少女の3人で学校に向かった。家族の苦情に対し岡和香子教頭は「(少女は)心が弱いから……」と、少女にもまるで非があるような発言をしたそうだ。
 筆者の質問に対し、教頭は「弱いなんて言っていない」と否定。何度も追及していくと「そもそも(少女の)母親には一切、会っていない」と答えた。
 しかし、間違いなく会っているという家族の証言により、再び「なぜ母親と会っていたのに会っていないと嘘を言ったのか」と質問した。教頭は、今度は「母親と会っていないなんて言っていない」と答えた。何故、証言がこうもコロコロ変わるのだろうか、学校の闇を感じる。
 A君の件に限っては、少女は養護教員に事情を訴えたが、それが職員たちに共有することなく終わり、「ただぶつかっただけ」という判断で終わっていた。
学校の教員たちは、誰一人として少女の側に立たなかった
 暴力事件のショック、そして学校側の不信感から、少女は登校拒否になってしまった。勉強がしたい、それでも学校に行くことは怖くてできない。なぜイジメをした側が、何事もなく毎日、学校に通い、自分は行くことができないのか? 少女の苦しみは募るばかりだった。
 また、この問題に関係ないPTAや「通訳」と称したほかのクルド人までが家に入り込んできた。その誰もが加害者側をかばう無神経さに、少女の嫌悪感は増す一方だった。
 支援者たちは、学校に何度も卒業式までの解決と、部外者の介入の停止を求めたが、学校の教員たちは誰一人として少女の気持ちを考えて行動するものはいなかった。たまに担任が卒業式の説明に来たが、まるで少女のせいで問題が解決しないとでも言うような態度に、更に傷つけられた。学校に少女を本気で呼び戻そうとする教員はいないようだった。
 教科書を取りに行くため、久しぶりに学校に顔を出せば、隣のクラスの子供にまで陰口を言われる始末だった。状況は良くならないどころか、目に見えて悪化の一途を辿り続ける。  そんな少女も、どうしても卒業式だけは参加したかった。1年から、辛い事があってもずっと頑張ってきた。自分がこの国で生きるために、家族の為に、そして自分の夢を叶えるために。この決心にいったい、どれだけ勇気が必要だっただろうか。決して簡単なことではない。
勇気をふりしぼって参加した卒業式で、再びイジメが……
 いよいよ卒業式。少女は母親と、心配で付き添いに来た支援者とともに学校へ向かった。他の生徒と違い、少女1人だけ図工室に通され、式開始まで待たされた。図工室には少女が学校に残していた勉強道具一式がまとめられて置いてあった。こんなやり方しか思いつかなかったのだろうか、学校側の対応に対して疑問がよぎる。
 いよいよ式が始まるので日本語教師が少女を迎えにきた。不安がる少女に 「私がついているから大丈夫」 と何度も繰り返す。それに対し筆者ら支援者は 「どうか彼女をお願いします!」 と何度も頭を下げた。
 別の入り口を案内され体育館へと支援者たちは入った。そこは、やはり何か異様で特殊な雰囲気が感じられた。ネットに出ている支援者の顔写真を、まるで卒業式をぶち壊す指名手配者のようにスマホで確認している保護者たち。ジロジロとしつこいほどに好奇の目で見てくる、卒業生の姉らしき人物たち。この薄気味悪い雰囲気は終わりまで続いた。
 ただひたすら「何ごともありませんように」という願いもむなしく、再び事件は起きてしまった。生徒たちが体育館へ向かう途中、1人の男児が少女の容姿と服装を大声でバカにしたのだ。最後までこの仕打ちはいったい何なのだろうか。図工室に戻った少女は母親の腕にしがみつき、泣き続けた。
「私は中立」と言いながら、加害者の側に立つ校長
 支援者は日本語教師に事情の説明を求めると「男児は少女に何か言っていたが、ぼそぼそと言っていたので何を言っていたのかわからない」と答えた。しかし教師は「私がついているから大丈夫」と言っていたのだ。この無責任ぶりはいったいなんなのだろうか。
 校長を呼び、ただちに男児に謝ってもらうよう求めた。しかし「全員の写真撮影が先だ。順番が崩れる」と、少女の件を後回しにした。「なぜ、被害者の側に立ってくれないのか」という支援者に対し「私は中立です」と校長はきっぱり答えた。
 その後、校長が少女と母親に「男児とその母親が校長室へ待っているので、そこで話し合ってください」と言ってきた。
 校長室で両者が顔を合わせても当然「言った」「言わない」という争いとなる。それを校長は仲裁に入る訳でもなく、少女に「(男児は)君のことを言ったのではないんだよ」と男児の味方をした。
「卒業式だから……終わりだから、もういいです」
 男児はなぜか話し合いの場で泣いていて、少女に「お前のせいだ、殺すぞ」と言ったり、机を蹴ったりする場面もあった。それでも校長は男児を叱ることもなく「もう卒業式なんだからさ、どうしたいの?」と、少女に何度も詰め寄った。
 相手の母親は「そっちのせいで卒業式を台なしにされた」と怒りをぶつけてきた。この場の雰囲気に耐えられなくなった少女は 「卒業式だから……終わりだから、もういいです」
 と言わざるを得なくなり、泣きながら学校を飛び出した。そこへ声をかける先生は一人もいなかった。せっかく勇気をだして卒業式に参加したのに。その夜、少女は37.8℃の熱をだしてしまった。
少女に“お守り”と持たせておいた小型カメラにイジメの証拠が
 後日、川口市教育委員会に支援者が電話したところ、校長から卒業式の件は「少女の勘違い」という報告があったというのだ。少女は校長たちの圧力で「もういいです」と言わされたが、男児の言い分についてはまったく認めていない。なぜそこまで少女に対してひどいことができるのか。少女が外国人だからなのだろうか。
 しかし、支援者が卒業式の日に「お守り」と称して少女のポケットに小型のカメラを入れていた。その動画を後日、証拠として校長に突きつけた。日本語教師は以前「ぼそぼそと言っていて聞こえなかった」と言っていたが、その動画を確認すると、男児は誰にでも聞こえるような大声で少女の悪口を言っていた。
 あるクラスメートからも「先生のそばで、大きな声で言っていた」という証言を得ることもできた。日本語教師もまた、少女を裏切ったことになる。  ここまで記事を読んで、いったいどれだけの大人たちがウソをついたのか、おわかりいただけるだろうか。本来、学校とは子供に「ウソはいけないと」教える存在なのではないのだろうか。どれだけ多くの教師をはじめ大人たちが、少女をよってたかって傷つけたのか。
 少女の件は、まだ何ひとつとして解決していない。被害者の声を黙殺するこの学校のやり方を見過ごしては、地獄を味わう子供は後を絶たなくなる。

東日本大震災から8年1か月/ランチ380円/3人で打ち合わせ

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Japon: le ministre chargé des JO remplacé après moult bourdes
Le ministre japonais chargé des jeux Olympiques et Paralympiques de Tokyo en 2020 a démissionné mercredi à 18 mois de l'événement et a été remplacé jeudi par son prédécesseur, après des gaffes à répétition.
Yoshitaka Sakurada "a présenté sa démission et je l'ai acceptée", a déclaré mercredi soir aux journalistes le Premier ministre Shinzo Abe, en présentant des excuses et disant se sentir "responsable du fait de l'avoir nommé".
Ce sont des propos jugés choquants vis-à-vis des habitants de la région sinistrée par le tsunami en mars 2011 qui ont précipité le départ de M. Sakurada, dont l'opposition avait déjà à maintes reprises exigé qu'il s'en aille pour incompétence.
Cette fois, lors d'un malheureux message de soutien à une députée du Parti libéral-démocrate (PLD, droite) lors d'une réception, il avait jugé que le fauteuil de cette élue "était plus important que la reconstruction" de la région saccagée qu'elle représente, selon des personnes présentes citées par la presse.
M. Sakurada n'en était pas à sa première gaffe: cette semaine, il a écorché trois fois de suite le nom de la ville la plus touchée par le tsunami (disant "Ishimaki" au lieu d'Ishinomaki), d'après les mêmes sources.
Il avait fait scandale en février en se disant "déçu" avec une nuance réprobatrice et sans compassion quand la nageuse Rikako Ike, grand espoir de médaille aux JO de Tokyo, a annoncé être atteinte d'une leucémie.
Il avait aussi suscité risée et inquiétude l'an passé en reconnaissant n'avoir "jamais utilisé un ordinateur" alors même qu'en plus des JO, il était ministre chargé de la Cybersécurité.
Son successeur, Shunichi Suzuki, avait déjà occupé le poste de ministre des JO avant d'être remplacé par M. Sakurada à l'occasion d'un remaniement en octobre 2018, surtout dicté par la volonté de distribuer les rôles entre clans du PLD.
La préparation des JO de 2020 a été émaillée de nombreuses péripéties. Le projet de stade a été changé in extremis pour raison de coûts, un logo plagiat a dû être retiré et plus récemment, le président du Comité olympique japonais, Tsunekazu Takeda, a décidé de se retirer, alors qu'il est mis en examen en France pour corruption active.
M. Takeda est soupçonné d'avoir autorisé deux versements suspects, en juillet et octobre 2013, pour obtenir "des votes favorables de membres du Comité international olympique" (CIO) lors de l'attribution des JO à Tokyo, le 7 septembre 2013.
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吉田弘幸 @y__hiroyuki
軽率な発言をしないだけで,現政権の大臣はみんな震災からの復興を軽視してるんじゃないかな。
達増拓也 TASSO 幸福保障・希望郷いわて@tassotakuya
桜田大臣問題。マスコミの取材を受けましたが、今年の3.11から1カ月程しか経っていないのに、復興についてあのような軽口を叩くというのは驚きであり、大変遺憾です。東日本大地震からの復興とセットで2020開催に選ばれた東京オリンピック・パラリンピックであり、復興を粗末にしてはなりません。

東日本大震災から8年1か月.時々写真を見て思い出して悲しくなります.月命日の11日はメディアにも少し取り上げられます.いいのかわるいのかわからない?と感じることもあります.悲しいことは忘れ去りたいという気持ちもあります.
梅田の地下を歩いていてレトロな感じのお店がありました.なんとランチ380円.手塚治虫の「ばるぼら」を少し読みました.
3人で打ち合わせしました.

<震災8年1カ月>気仙沼の震災遺構、開館1ヵ月で8200人来館
 気仙沼市が同市波路上瀬向に整備した「気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館」が10日、開館から1カ月を迎えた。年間見込みの1割以上に当たる約8200人が訪れ、震災遺構の旧気仙沼向洋高校舎や津波の脅威を伝える映像シアターで震災の教訓を学んだ。
 9日現在の来館者は8266人。1日平均276人で土、日曜が464人、平日191人。開館日の3月10日が1053人と最も多く、次いで3月17日の670人だった。平日で雨だった3月11日は494人。
 北海道から沖縄県までの全国各地をはじめ、海外からの来館も。団体客も多く、県外の自治体関係者が視察で訪れるケースもある。
 春休み中は中高生、大学生の姿も目立った。市内で合宿中だった高校の運動部が試合後などに訪問。5月には北海道の中学校4校が来館する予定だ。
 市は初年度に7万5000人の来館を見込み、今後は教育旅行や修学旅行の誘致に力を入れる。


<震災8年1カ月>石巻市の大原出張所開所、身近な行政窓口再開
 東日本大震災で被災し業務を休止していた石巻市牡鹿総合支所大原出張所が現地再建され、開所式が10日、同出張所であった。
 木造平屋で延べ床面積約78平方メートル。住民票や印鑑証明書発行などの窓口業務を担う。津波で浸水し解体された旧庁舎の跡地を海抜7.3メートルまでかさ上げした。建築費は約3500万円。業務は8日に再開した。
 災害危険区域内にあり、災害発生時は隣接する大原小に避難して職員や利用者の安全を確保する。
 式典には住民ら約30人が出席。亀山紘市長は「長期休止で地域の皆さんに不便をかけた。より身近な行政サービスの窓口として利便性を実感してもらえると確信している」と述べた。
 大原行政区の行政委員を務める石森彦一さん(70)は「出張所は漁業者が長靴のまま行ける気軽さがいい。再開までの8年間は長かった」と話した。


<震災8年1カ月>大熊町、避難指示解除「花は人呼ぶ」にぎわいに期待
 東京電力福島第1原発事故で福島県大熊町全域に出ていた避難指示が10日、大川原、中屋敷両地区で解除され、住民らはようやく訪れた節目を歓迎した。準備宿泊を続けてきた佐藤右吉さん(79)は大川原の自宅で解除を迎え、「町に戻る住民が増え、またいろいろな話ができるといい」と喜んだ。
 佐藤さんはいつも通り午前5時すぎに起床。犬の散歩を終えると庭や畑の手入れにいそしんだ。「風景は前日と変わらないが、気持ちは違う。これからは『いつでも遊びに来て』と言える」。表情が自然とほころぶ。
 仮役場がある会津若松市の仮設住宅と大川原の自宅を行き来しながら、この日を心待ちにしてきた。
 2012年12月、町の委託を受け両地区をパトロールする見守り隊が発足すると早速参加した。無人になった集落のために、きつい夜勤もこなしてきた。活動前後に除染が終わった自宅を訪れ、草が伸び放題だった庭を少しずつ整えた。
 準備宿泊が始まった昨年4月以降は自宅で過ごす日が増えた。「1人で晩酌をしながら一軒一軒みんなの顔を思い浮かべている」
 「人がどれだけ戻るのだろうか」と不安もある。パトロール中に次々と住宅が解体されるのを見た。避難先で住宅を確保する人が相次ぐ。子育て世代の帰還はなおさら難しいと感じる。
 数年前から庭で、ざる菊栽培に励む。「少しでも戻る人が増えてほしい」との思いからだ。当初は20株ほどだったが、昨年秋には約500株が花を咲かせた。
 「花は人を呼ぶ。住民を楽しませられるし、知らない人も来てくれて話ができる」。今年の秋に向けた苗作りが間もなく始まる。
 地区内の災害公営住宅に50世帯が入居を始める6月が待ち遠しい。妻タミさん(76)が自宅で過ごす日も増える見込みで、佐藤さんは「大熊も少し先が見えてきた。避難指示解除をきっかけに少しでもにぎやかになってほしい」と望んだ。


<震災8年1カ月>大熊町、建物や農地「イノシシ天下」 町、捕獲や柵設置し対策
 避難指示が10日に解除された福島県大熊町大川原、中屋敷両地区は、8年以上の住民不在の間に野生動物による被害が多発した。「イノシシ天下」(住民)となった場所もあり、荒らされた痕跡が残る。
 山間部の中屋敷では集会所の通用口がイノシシに破られた。国道沿いの土手が掘り起こされ、でこぼこになった箇所があった。町によると道路が崩れたケースもあるという。
 会津若松市に避難する中屋敷区長の佐藤順さん(70)の自宅ではジネンジョやユリの畑が荒らされた。佐藤さんは「野菜がいっぱいあったが全部駄目。イノシシは利口で捕獲わなもあまり効果がない」と話す。
 イノシシ被害は原発事故後1年目あたりから始まった。ハクビシンやネズミの被害に遭った家もあり、多くが既に取り壊された。
 町は前年度、2地区で約10件の農地被害を確認し、捕獲や電気柵の対策を講じた。「人の動きが増えれば生態も変わる」(産業建設課)とみて、今後も実情把握に努める考えだ。


東日本大震災8年1か月 行方不明者の捜索
 東日本大震災の発生から11日で8年1ヶ月です。宮城県南三陸町では、警察による行方不明者の捜索が行われました。
 南三陸町志津川の袖浜地区の海岸で行われた捜索には、南三陸警察署の署員8人が参加しました。地元の住民から「津波の漂流物が流れ着いている」との情報提供を受けて捜索を実施し、署員は波消しブロックの内側約200メートルの範囲を、石を取り除きながら行方不明者の手がかりを捜しました。
 宮城県のまとめによりますと3月末現在で、震災で宮城県内では関連死を含め1万565人が亡くなり、1、221人が行方不明となっています。


震災8年1か月 行方不明者捜索
東日本大震災の発生から11日で8年1か月となりますが、津波で大きな被害を受けた亘理町の海岸では、今なお行方不明になっている人たちの捜索が行われました。
11日は、午前10時に亘理町荒浜の阿武隈川の河口近くの海岸に地元の警察官6人が集まり、海に向かって黙とうしました。
そして10日から積もった雪をかき分けながら、かぎの付いた道具を使って枯れ葉を取り除いたり、波消しブロックの間を注意深く見たりしながら、行方が分からない人たちの手がかりを探していました。
亘理警察署の戸島和樹地域課長は、「行方不明者の発見に結びつく手がかりを1つでも多く発見して家族のもとに帰したい。震災を風化させないためにも捜索活動を続けたい」と話していました。


地域守った殉職警察官に祈り
東日本大震災の発生から8年1か月となった11日、気仙沼市では、津波に巻き込まれて殉職した警察官を慰霊しようと、地元の人たちが立てた地蔵の前で、登校中の小学生や中学生などが祈りをささげていました。
気仙沼市本吉町の大谷地区には、震災が起きた当時、大谷駐在所に勤務し殉職した警察官の千田浩二さん(当時30)を慰霊する地蔵が立っています。
8年前、千田さんは、海沿いにいた住民に高台に避難するよう呼びかけ、誘導中に津波に巻き込まれ亡くなりました。
震災が起きた後、地域の人に親しまれ、命をかけて住民を守った千田さんに対する感謝の気持ちを込めて、地域の人たちが遺体が見つかった場所のすぐ近くに地蔵を作りました。
月命日の11日、地蔵のそばを通って登校する中学生や小学生、それに児童の見守り活動をする人たちが地蔵の前で手を合わせて祈りをささげていました。
小学4年生の女の子は、「いつも見守ってくれてありがとうと祈りました」と話していました。
この地区で児童の見守り活動をする鈴木治雄さんは、「地域の誰からも親しまれる最高の警察官でした」と話していました。
同じく見守り活動をする鈴木美和子さんは、「震災を知らない子がこれから増えていくが、このお地蔵さんにみんなが祈りを続けて、記憶を伝えていってほしい」と話していました。


被災の着物使ったパッチワーク展
石巻市では、津波につかった着物の一部を再利用して制作したパッチワーク展が開かれています。
この展示会は、震災を忘れないようにしようと東京の市民グループが開きました。
石巻市の交流施設には、国内のほかカナダやウルグアイなど世界36か国の人たちが制作したパッチワークの作品およそ300点が展示されています。
展示されている作品は、50センチ四方の布に色とりどりのパッチワークが施されていて、被災した3軒の呉服店で津波につかった着物の布がパッチワークの一部に使われているということです。
このなかには、復興を願って「絆」という文字が縫われているものや、「東北わすれません」という文字を8枚の布で縫い付けた作品なども展示されています。
仙台市から訪れた女性は、「さまざまな色が使われていてきれいです。震災から8年が過ぎたなかで被災地を忘れないでいてくれることはありがたい」と話していました。
このパッチワーク展の入場は無料で、石巻市のかわまち交流センターで来月上旬まで開かれています。


桜田五輪相辞任 宮城の被災地からも憤りの声
 桜田オリンピック担当大臣が「復興以上に大事なのは議員だ」と発言し、10日夜に辞任したことを受け、県内の被災地からは憤りの声が上がっています。
 桜田オリンピック担当大臣は今夜、東京都内で開かれた自民党の高橋比奈子衆議院議員のパーティーで、「復興以上に大事なのは高橋さんだ」と発言し、この責任を取って辞任しました。
 県内の被災地からは憤りと失望の声が聞かれました。
 桜田大臣はきのうも石巻市を「いしまきし」と3回言い間違えるなど、去年10月の就任以降失言が相次いでいました。


桜田大臣辞任に県民は…
桜田オリンピック・パラリンピック担当大臣が、衆議院比例代表東北ブロック選出の自民党の高橋比奈子議員のパーティーで東日本大震災について触れた中で「復興以上に大事なのが高橋議員だ」と述べ、その後、「被災者のみなさんの気持ちを傷つけるような発言をした」などとして安倍総理大臣に辞表を提出し、受理されました。これについて、震災で大きな被害を受けた仙台市や石巻市で尋ねたところ、批判の声が相次ぎました。
このうち、40代の男性は「被災した人たちの気持ちを全く考えておらず、辞任は当然ではないか」と話していました。
また、震災で被災した登米市の60代の女性は「国民から選ばれた立場の人がそういう発言をすることがショックだ。復興五輪を掲げているのにありえないことだと思う」と話していました。
石巻市内に住む、高校2年生の男子生徒は「おかしい発言としか言いようがなく、
腹が立ちます。震災でどれほど大変な思いをしたのか分かっていないと思います」と話していました。
また、石巻市内に住む50代の男性は、「桜田大臣は、石巻の地名を『いしまき』と間違えた発言もあったと聞いていたので残念です。被災地のことをもっと考えて発言して欲しかったです」と話していました。


石巻市長「五輪相の辞任は妥当」
桜田オリンピック・パラリンピック担当大臣が東日本大震災の被災者の気持ちを傷つける発言をし、10日、事実上更迭されたことについて、震災の被災地、石巻市の亀山紘市長は記者会見で、「復興よりも大事なことがあるということが信じられず、辞任は妥当だ」と批判しました。
桜田オリンピック・パラリンピック担当大臣は10日、岩手県出身の自民党の高橋比奈子衆議院議員のパーティーに出席し、「復興以上に大事なのが議員だ」などと述べ、事実上更迭されました。
これについて、震災の被災地、石巻市の亀山紘市長は、記者会見で、「復興よりも大事なことがあるということが信じられない。東京オリンピックの復興の火が石巻に最初に展示されるなど、復興五輪の機運が少しづつ高まってきたなかで、こうした発言があるとは思わなかった。辞任は妥当だ」と批判しました。
一方、石巻市内に住む住民からも批判の声が相次ぎました。
40代の男性は、「発言を聞いて寂しく悲しい気持ちになった。もう被災地が忘れられてしまっているのかなと思った」と話していました。
また、50代の女性は、「何も考えずに発言をしているとしか思えず、被災地のことを考えていない発言だ。次の大臣にはこうした失言のないように考えて進めて欲しい」と話していました。


桜田五輪相 被災地から憤りの声
桜田オリンピック・パラリンピック担当大臣が東日本大震災の被災者の気持ちを傷つける発言をし、10日、事実上更迭されました。
これまでも発言が問題視されてきた桜田氏ですが、震災の被災地からは憤りの声が上がっています。
桜田オリンピック・パラリンピック担当大臣は10日、岩手県出身の自民党の高橋比奈子衆議院議員のパーティーに出席し、「復興以上に大事なのが議員だ」などと述べ、事実上更迭されました。
被災地からは憤りの声があがっています。
石巻市内に住む40代の男性は、「発言を聞いて寂しく悲しい気持ちになった。もう被災地が忘れられてしまっているのかなと思った」と話していました。
また、50代の女性は、「何も考えずに発言をしているとしか思えず、被災地のことを考えていない発言だ。次の大臣にはこうした失言のないように考えて進めて欲しい」と話していました。
石巻市の亀山紘市長は記者会見で、「復興よりも大事なことがあるということが信じられない。東京オリンピックの復興の火が石巻に最初に展示されるなど、復興五輪の機運が少しづつ高まってきたなかで、こうした発言があるとは思わなかった。辞任は妥当だ」と批判しました。
仙台市の郡和子市長は記者団に対し、「被災地の人々はまだまだ復興の途中だと思っており、その中での政府の要人の発言だったので、辞任してけじめをつけたのだろう。被災者も復興の道を歩んでいて、それを世界に発信する復興五輪にふさわしいものになるよう切にお願いする」と述べました。
宮城県の村井知事は、「復興五輪を掲げた大会の開催まで1年余りとなったこの時期に、被災地に対して不適切な発言で大臣が辞任し非常に残念だ。後任の鈴木大臣は、同じ被災地の岩手県の選出で、再登板でもあり、被災地のために尽力いただけると感じている」とコメントしています。
桜田氏の発言は自民党内からも批判が出ています。
自民党宮城県連の石川光次郎幹事長は、NHKの取材に対し、「被災地の感情を無視した発言で、非常に遺憾だ。失言も1度でなく、更迭は当然の結果だ」と述べました。
また、立憲民主党宮城県連の岡本章子代表はNHKへの取材に対し、「これまで数々の暴言・失言で信頼を損ねてきたので、辞任は当然だ。安倍総理大臣は、任命責任を厳しく問われるべきだ」と述べました。
桜田氏の後任には衆議院岩手2区選出で自民党の鈴木俊一前オリンピック・パラリンピック担当大臣が再び起用されました。


ギンザケ次々初水揚げ 宮城・南三陸
 東日本大震災で被災した宮城県南三陸町戸倉で10日、養殖ギンザケが今季初めて水揚げされた。昨年11月から大事に育てられてきたギンザケが、次々と港へと運ばれ、活気づいた。
 戸倉地区の漁師約20人が波伝谷漁港を午前5時に出発。3キロ沖のいけすから体長40センチほどに育った約4000匹を、網ですくい上げた。
 初日の水揚げ量は約4.5トン。このうち漁師たちが船上で生け締めした約1.2トンは県産養殖ギンザケのブランド「みやぎサーモン」として出荷された。
 漁は7月中旬まで続き、1500トンの水揚げを見込む。県漁協戸倉銀鮭養殖部会の佐藤正浩会長(51)は「今年も生育は順調。新鮮でおいしい魚を消費者に届けたい」と話した。


<トヨタ東日本>被災地の企業カイゼン支援 作業効率化で成果、異業種交流や若手育成も
 東日本大震災の被災地で、トヨタ流の「カイゼン」が広がっている。トヨタ自動車東日本(宮城県大衡村)は、企業に社員を派遣し、製造工程の無駄を省くなどの生産性向上を支援。作業効率化などの成果を導き出すとともに、異業種交流による若手の人材育成にも期待している。
 トヨタ東日本は昨年10月、水産加工業の釜石ヒカリフーズ(釜石市)に社員2人を派遣し、同社の若手とチームを結成。生産ラインの最終工程となる包装の改善策の検討に着手した。
 最初に取り組んだのは、生産予定の可視化だ。ヒカリフーズはサケやイカを原料に約400の加工品を取り扱うが、一日の生産計画は工場長らが決めており、現場の従業員に知らされるのは生産直前だった。
 チームは、生産品目や個数が一覧できる予定表の作成と掲示を習慣化し、従業員が事前準備をできるようにした。下処理など工程ごとに必要な人数、時間も計測。人手が足りない工程を他工程がサポートする体制を整えた。
 そうした作業環境の整備を踏まえた生産工程の改善では、単一だった包装工程の作業レイアウトを魚種や製品に応じたものに変更した。ヒカリフーズの白土満課長は「包装が追いつかず商品が滞留していた課題が改善され、従業員の負担も軽くなった」と語る。
 ヒカリフーズは震災後の2011年8月、同市の別の水産加工会社に勤めていた佐藤正一社長が、被災者の雇用の受け皿になろうと設立。現在は従業員約30人を雇用し、年間売上高約4億円の企業に成長した。
 カイゼン支援の受け入れについて、佐藤社長は「水産業にはない緻密さで各工程を分析し、感覚や経験に頼る部分を標準化できた。コスト削減につなげ、利益を給料などに反映していきたい」と手応えを語る。
 トヨタ東日本は13年度、震災で被災した岩手、宮城両県でカイゼン支援を開始。支援先は18年度末までに東北6県と新潟県の計103社に上り、うち被災地の企業は8割超を占める。
 企業とトヨタを仲介する岩手県沿岸広域振興局の担当者は「受け入れ企業の売上高や1人当たり生産額が増加するなどの成果が出ている」と評価する。
 支援するトヨタ東日本にとっても、異業種の従業員と互いに学び合うことで、社員の人材育成につなげる効果が期待できる。ヒカリフーズの支援を担当した小林勇貴さん(27)と菊地高広さん(30)は「全く違う業種で活動することで、現場の声に耳を傾ける意識が高まった。東北の多様な業種と組んでカイゼンを広めたい」と話した。


大熊町避難解除 「8年後」が物語る厳しさ
 未曽有の原発事故により苦しめられている被災地の再生に向けた、大きな節目ということはできるだろう。
 復興が少しでも前に進むことを願いたい。同時に、先行きの道のりが険しいことも改めて思わざるを得ない。
 東京電力福島第1原発事故で福島県大熊町全域に出ていた避難指示について、政府は10日、一部を解除した。除染が終わって放射線量が下がり、インフラ復旧が進んだことが理由だ。
 事故から8年余りの年月を経てようやく、第1原発の立地自治体で初めて避難指示が解除されたことになる。
 政府が解除を決定した5日、渡辺博道復興相は「(五輪が)もう来年だから、避難指示の解除は大変うれしい」と語った。だが、こんなふうに素直に歓迎できるのかどうか。現状を見つめれば違和感も覚える。
 今回の解除対象は線量が低い中屋敷、大川原の両地区で、大熊町の面積の4割に当たる。
 残る6割は、事故後の線量によって3分類された避難区域のうち最も線量が高い帰還困難区域のまま残る。引き続き立ち入りは禁止される。
 町は大川原地区を復興拠点として新役場庁舎を整備し、来月には業務を開始する。6月には拠点内にある災害公営住宅への入居も始まる。
 政府や町は一部解除をきっかけに復興が加速してほしいと期待するが、住民の意識とは大きなずれがあるようだ。
 解除対象の地区はこれまでも日中の立ち入りは可能だった。ただし解除前に、帰還に向け自宅に夜間も滞在できる準備宿泊に登録していたのは21世帯48人にとどまり、帰還への動きは鈍かった。
 震災時に住民登録していた世帯を対象に町が1月に行ったアンケートでは、戻らないと決めたとの回答が55%、帰還の意向を示したのは14%余りだった。
 避難者には、稼働していないとはいえ、原発への不安を訴える声がある。見えない放射線の恐怖にさらされ、住み慣れた土地を突然追われたことを思えば無理もあるまい。
 事故当時小学1年生だった子どもは今月、高校に入る年代になった。避難生活が長引くほど避難先での暮らしになじみ、帰還の壁が高くなるといった事情もあろう。
 やはり福島第1原発が立地する双葉町では全町避難が続く。唯一残る避難指示解除準備区域は、2020年春に解除させたい考えだ。
 帰還困難区域は大熊町を含めて7市町村に残り、解除は早くても22年になるという。
 原発事故は、多くの福島県民に長期にわたる避難生活を強いている。
 経団連は先頃、原発再稼働や新増設推進を求める政策提言を発表した。
 こうした中で、東電柏崎刈羽原発の立地県に暮らす私たち新潟県民は、原発の過酷事故がもたらす苦しみをしっかり見つめ続ける必要がある。


サクラにも積雪 仙台で21年ぶり5センチ
 宮城県内は南岸低気圧の影響で、11日朝にかけて本格的な雪となり、仙台では4月としては21年ぶりに5センチの積雪を観測しました。
 宮城県大河原町の一目千本桜です。満開となっているサクラに季節外れの湿った雪が積もりました。日本の南岸を東に進んだ低気圧の影響で、宮城県内は10日夜から11日朝にかけて広い範囲で雪となりました。積雪は最大で石巻と大崎市古川で7センチ、白石6センチと平地でも本格的に降り積もり、雪かきに追われる人の姿がみられました。
 仙台では、4月としては1998年以来21年ぶりとなる5センチの積雪を観測しました。西部では、雪の量が多くなっているため、なだれの発生に注意が必要です。この雪の影響で、宮城県内では10日夜から11日夜にかけて23件のスリップ事故がおきました。


ケーシー高峰さん死去 「笑い通し元気頂いた」ゆかりの地で惜しむ声
 山形県最上町出身のタレント、ケーシー高峰さん(85)が死去した。お色気混じりの軽妙な医事漫談で一躍人気者になり、映画、テレビドラマの名脇役で確固たる地位を築いた。折々に足を運んだ古里や、ついのすみかとなった地でも別れを惜しむ声が上がった。
 最上町の高橋重美町長は「けさのニュースで知り、大変ショックを受けている。笑いを通じて町民にたくさんの元気を頂いた。心からお悔やみ申し上げたい」と話した。
 ケーシーさんの母で、医師として戦前から長く町の医療に尽くした故門脇シヅエさん(1998年、99歳で死去)は名誉町民。高橋町長は「親子2代にわたり、最上町のために頑張っていただいた。本当に感謝している」と神妙な面持ちで語った。
 ケーシーさんは2011年6月、地元商工会が催した東日本大震災復興イベントで町に招かれ、昔なじみの人たちを前に最上弁を交えた漫談を披露。故郷を応援してほしいと、町から「絆大使」に委嘱され、快く引き受けたという。
 当時スタッフだった旅館業高橋治さん(42)は「年齢を感じさせない切れのある芸が印象に残っている。(スタッフに対しても)とても協力的で生まれ育った町への愛着が伝わってきた」と人柄をしのんだ。
 ケーシーさんはいわき市に住み、市応援大使の一人として震災や東京電力福島第1原発事故以来の風評払拭(ふっしょく)など市のイメージアップに貢献した。昨年は地域包括ケアへの理解を広げる市のイベントに2回出演。医事漫談で医療福祉の知識を面白おかしく伝え、会場を沸かせた。
 最後の出演となった昨年9月は、酸素補助のチューブを鼻に入れた状態でステージに上がった。担当した市地域包括ケア推進課の猪狩僚企画係長(41)は「老いたり病んだりしても自分らしく生きようと、舞台上の姿で示してくれたと感じた。今年の出演を相談しようと思っていただけに本当に残念です」と惜しんだ。


河北春秋
 目に浮かぶのは、黒板を背に白衣で「グラッチェ」「セニョール」などのスペイン語を連発し、お色気混じりの怪しげな医学知識を披露する姿である。漫談家で個性派俳優としても活躍したケーシー高峰さんが85歳で亡くなった▼山形県最上町出身。母シヅエさんの実家は代々続く医者の家系で、シヅエさんも当時無医村だった東小国村(現最上町)で開業し、名誉町民にもなった。本人は日大医学部に進んだものの、「自分には向いていない」と芸術学部に転部し芸人を目指した▼シヅエさんの落胆は大きく、実家は出入り禁止になった。白衣を着て、子どもの頃から聞き慣れた医学用語を使った漫談を発案したのは親を喜ばせたかったからという。他に例を見ない「医事漫談」が生まれ、高座やお茶の間を爆笑の渦に包んだ▼外科医のおいの誘いで1987年、いわき市に自宅を構えた。東日本大震災の際は自宅にとどまり、近所の避難所で炊き出しをして、得意のジョークで被災者をなごませた▼半生を振り返ってもらう本紙の連載「談(かたる)」に登場してもらったことがある。取材の合間には、下ネタも披露した。どんな内容だったのか、担当した女性記者は「私の口からは言えません」。何とかして人を喜ばせたいというサービス精神の旺盛な人だった。

火山学者はあの時 熊本地震3年(上)ベッドごと、ドカーン 「阿蘇山が連動噴火か」 [熊本県]
 熊本地震本震があったあの日、阿蘇山の「連動噴火」を懸念する火山学者がいた。京都大火山研究センター(南阿蘇村)の大倉敬宏教授(55)。施設は、大規模地滑りで5人が亡くなった高野台を見渡す高台にあり、大倉は前夜からただ一人、泊まり込んでいた。夜が明け、眼前に惨状が広がる中、中岳火口からたなびく異様な黒煙を観測した。それは素人にはピンと来ない異変なのだが、大倉を慌てさせた。危機感の背後には何があったのか。大倉の記憶をたどっていく。
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 本震(震度6強)があった2016年4月16日午前1時25分。大倉は6階建て施設の3階宿泊室で、ちょうど眠りに就いた頃に「簡易ベッドごと、ドカーンと吹き飛ばされた」。
 14日夜に前震(震度5弱)があり、阿蘇山にある観測機器の点検や、御嶽山(おんたけさん)(長野・岐阜両県にまたがり14年噴火、戦後最悪の噴火災害)への出張準備で遅くなり、泊まり込んでいた。
 「ジリリ」と非常ベルが鳴り響く中、階下へ急ぐ。非常用電源が作動して明るかったが、火災が心配だった。1階では書棚が壁を突き破り、水道管も破裂、床は水浸しだった。
 正面玄関の扉は開かず、裏口からガレージへ。まず電話したのは奈良県にいる妻。益城町が震源だと、テレビの速報が伝えていることを初めて知った。
 次に電話したのは九州大地震火山観測研究センター(長崎県島原市)。駆けつけていた准教授とつながった。「布田川断層が割れたらしい」。その言葉に「あーそうか」とふに落ちた。
 施設近くの立野峡谷は、少なくとも9万年前から繰り返される布田川断層地震による崩落と浸食で形成されたとされる。ただ、その地震は数千年周期で起こっていて「まさか自分が生きている間には起こらない」と思っていた。
 正常性バイアス(都合の悪い情報の過小評価)を痛感しつつ、まずは職員の安否確認と関係機関へ連絡。大津町にいた助教と手分けして対応に当たった。周囲は停電していて、施設だけが「灯台」のように明るかった。
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 「落ち着け」とポットで湯を沸かし、コーヒーを1杯飲んだ。午前3時前、1人の男性が着の身着のまま犬を連れて上がってきた。毛布とズボンを渡し、話を聞くと「まだ、家の中に90歳の母がいるんです」。
 夜が白み始めた午前5時ごろ、外の光景に「この世の終わりかと思った」。あったはずの道がなく、家々は60メートル流されていた。「阿蘇大橋が崩落したらしい」とのメールは既に入っていて、峡谷の大崩落斜面も確認できた。
 午前6時前、男性と一緒に家へ向かう。倒壊した家の前で「おーい」と呼び掛けると「おーい」と返事があった。のぞき込むと足が見え、がれきを取り除き、引っ張り出した。
 平時は白煙を上げている中岳火口から、灰交じりの黒煙がたなびく姿を観測したのは、その直前の午前5時半ごろ。気象庁からも「阿蘇が噴火しているらしい」と電話が入った。「これは大変なことになるかもしれない」。近くの避難所で一夜を明かした大倉は、翌17日から大急ぎで、火山観測態勢の復旧に追われることになった。 (敬称略)
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【ワードBOX】京都大学火山研究センター  1928(昭和3)年、日本初の火山研究・教育施設として設立された。29年に完成した建物は当時、まだ珍しい鉄筋コンクリート造りで、アールデコ調の内装を含め、国の文化財に指定されている。世界でも、米国のハワイ火山観測所(12年)などに次いで古い。8人が常駐し、研究を続けている。


外国人就労拡大/混乱招かぬよう準備万全に
 日本の社会になじむだろうか。大きな転換期となる。外国人労働者の受け入れを拡大する改正出入国管理法が4月に施行された。所管する「出入国在留管理庁」も発足した。文化や習慣の違う外国人を補完的に雇うという安易な感覚では定着は難しく、日本に対する国際的なイメージを損ないかねない。分け隔てなく共にキャリアを積むという意識で進めてほしい。
 改正法成立からわずか4カ月での施行となる。これだけ重要な案件にしては準備期間が短く、地方には不安が広がる。混乱や遅滞を招かないよう、国は責任を持ってフォローに万全を期すことを望む。
 新制度の柱は、単純作業を行う「特定技能1号」を設け、通算5年間の就労を可能とする点だ。人材不足の深刻な介護、外食、建設など14業種を対象に、5年で34万5000人の受け入れを見込む。
 すでに外国人労働者は増えており、昨秋には146万人と前年より18万人増加した。宮城県内では1万1000人が働く。仙台市とその近辺が全体の6割強を占めるものの、気仙沼・南三陸地域の伸びが著しい。水産加工業で働く技能実習生とみられる。
 震災の後、工場を建て直したが、働く人が残っておらず、募集しても集まらないとの嘆きが聞かれた。その声を裏付けるように、アジアの実習生に頼る実態が見え隠れする。特定1号は、条件を満たしやすい実習生からの移行が多いと予想される。東北の沿岸部などで、受け入れの素地はあると言っていい。
 昨年12月成立の改正法は中身が粗く、その後の政省令に細部を委ねた。報酬額を日本人と同等とすることや、言語に困らない支援体制を組むことなど企業に求める基準を政省令で示したのは、ことし3月半ばだった。
 宮城県の担当者は「国の考え方が分からない中で準備せざるを得ず、対応が追いつかなかった」と明かす。国との連絡調整や企業の受け入れ態勢は整っているのか、課題を残しての船出となる。
 介護、宿泊、外食の資格試験は4月中旬に始まる。経営者からは「せっかく雇っても途中で大都市の企業に転職するのではないか」と不安の声が漏れる。
 在留5年のうちに転職は認められている。より高い給与を求めて都会に出るという懸念はもっともで、首都圏に集中するとの見方は以前からあった。政府は、需給状況をチェックし、集中した地域には受け入れ自粛を要請するという。あくまで要請で強制力はなく実効性に疑問符が付く。
 少子化とともに労働力人口の減少は容易に解消できないだろう。外国人に頼るとすれば、より良い企業社会を築くパートナーとして、この地域で働きたいと思わせる環境づくりが欠かせない。問題点は常に見直し、次に生かす柔軟な姿勢が肝要と思われる。


空自F35墜落 国民が分かる究明に
 航空自衛隊の最新鋭ステルス戦闘機F35Aが訓練中に墜落した。不明隊員の無事を祈りつつも、多額の税金をつぎ込む次期主力戦闘機だ。機体に問題はないのか、事故原因の究明を急ぐべきである。
 F35Aはレーダーで捉えにくいステルス性に優れた最新鋭の「第五世代」戦闘機だ。米ロッキード・マーチン社が主体となり米英伊など九カ国が国際共同開発した。日本企業は開発には参加していないが、製造には加わり、事故機は愛知県の三菱重工業小牧南工場で組み立てた機体だった。
 操縦士の四十代の男性三佐は訓練を中止すると無線で伝えた後、消息を絶った。何らかの異変を認識していた可能性があるという。
 二〇一八年九月、米国で海兵隊仕様のF35Bの墜落例はあるが、F35Aの墜落は初めてだ。空自の航空事故調査委員会が調査を始めた。機体に原因があったのか、操縦に問題があったのか。事故原因の究明を急ぐべきは当然だ。
 F35Aは老朽化したF4戦闘機の後継機として、昨年一月、青森県三沢市の空自三沢基地に配備され、今年三月、十二機、八十人態勢で飛行隊が発足したばかりだ。
 岩屋毅防衛相はすでに同型機の飛行見合わせを表明し、三沢市の種市一正市長との面会では「地元の皆さまに大変ご不安を与えてしまい申し訳ない」と陳謝した。基地周辺住民の不安を考えれば、原因が究明され、対応策が完了するまで飛行を再開すべきではない。
 政府はF35を次期主力戦闘機と位置付け、F35Aと、短距離での離陸と垂直着陸が可能なF35Bを合わせて百四十七機まで調達する計画だ。仮に機体トラブルが墜落の原因なら、調達計画の妥当性も問われなければならない。
 大量調達にはトランプ大統領が求める米国製装備品の購入拡大に応える安倍晋三首相の狙いもあった。とはいえ、米国に配慮するあまり、事故原因究明の目が曇ってはならない。最新鋭戦闘機は米軍の軍事機密の固まりとされるが、可能な限り究明し、国民への説明を尽くすべきだ。
 F35A一機当たりの調達価格は一八年度の契約ベースで約百十六億円。多額の税金投入だ。F35Bのヘリコプター搭載型護衛艦「いずも」上での運用には、憲法が禁じる空母保有に当たるとの批判がある。
 安全保障政策は、国民の理解がなければ成り立たない。事故原因の究明と国民への丁寧な説明がその前提であることを、安倍政権は肝に銘じるべきである。


空自ステルス機墜落 105機追加購入、大丈夫か
 同型機では初めての墜落事故という。航空自衛隊三沢基地(青森県)の最新鋭ステルス戦闘機F35Aがおととい夜、青森県沖の太平洋上で墜落した。乗っていた3等空佐の救出に全力を挙げてもらいたい。
 戦闘機のパイロットとしての経験は豊富で、4機での訓練の編隊長を務めていたという。事故直前、他の3機に「訓練中止」を宣言したそうだ。機体に何らかの異変が起きたことに気付いていたのではないか。原因の究明も急がねばならない。
 墜落したのは基地から100キロ余り東の海上だった。それでも基地周辺の住民は不安を募らせる。「一歩間違えれば…」と思うのも無理はなかろう。
 三沢基地では昨年2月、米軍のF16戦闘機が離陸直後にエンジン火災を起こした。人に被害はなかったが、基地北側の小川原湖に燃料タンクを2個投棄したことは記憶に新しい。
 F35Aは、老朽化した旧型の後継機で、製造への国内企業参加は初めてだった。三沢基地では先月下旬、12機で飛行隊が発足し、ようやく訓練が本格化していた。おとといは戦闘機同士の戦いを想定して訓練中の4機のうち1機が墜落した。レーダーに映りにくいステルス性能を持っているが、訓練中は位置情報を発信して飛行を把握できるようになっていたそうだ。
 事故を受け、防衛省はすぐに同型機の飛行を当面見合わせることにした。原因を特定するまで必要なことだろう。
 米軍岩国基地(岩国市)には同じF35でもB型が配備されている。米空軍仕様のA型と違い、海兵隊仕様で垂直着陸や短距離での離陸ができるという。
 気になるのは政府がA、B両型のF35を105機追加購入すると決めたことだ。米国への配慮があったとも推測されている。B型より安いA型でも1機100億円を超す。維持費も高く、30年運用する場合は1機300億円に上るとの試算もある。購入費を含めた100機の合計だと4兆円を上回る。驚くほどの額と言えよう。
 安全性も疑わしい。米国では2014年、離陸前にエンジン付近から火が出るトラブルが発生。17年には飛行中に操縦士が低酸素症に似た症状を訴える事例が短期間に5件相次いだ。
 昨年6月には、米政府監査院が千件近い技術的問題が見つかったと指摘した。うち100件以上は安全性や重要な性能を危険にさらす問題があるという。深刻だと言わざるを得ない。きちんと対応したのか、防衛省やメーカーは説明が求められる。
 政府はF35を「近い将来の防空の要」と位置付け、今保有している350機近い戦闘機の半分近くを切り替える方針だ。それほど評価するのであれば、安全性を米国任せにせず、自ら厳しくチェックしなければなるまい。巨額のつけの支払いを余儀なくされるのは私たちである。
 F35Aには長距離巡航ミサイルを搭載させる計画だ。南西諸島防衛のためで射程は最長900キロ程度という。F35B搭載を念頭に海自の護衛艦「いずも」を事実上の空母に改修する方針もある。敵基地攻撃能力につながり、「専守防衛」という憲法の枠を踏み外しかねない。軍拡競争をあおらないか不安も残る。必要性を含め105機の追加購入は再点検すべきだ。


空自F35A 事故原因の徹底究明を
 航空自衛隊三沢基地のF35Aが青森県沖の太平洋に墜落した。
 最新鋭のステルス戦闘機だ。何があったのか、原因を究明し、国民に詳細を明らかにするよう政府に求める。
 9日午後7時ごろ、対戦闘機を想定した訓練のため4機で基地をたった。墜落したのは他の3機を指揮する編隊長機だ。25分ほどして太平洋上で「訓練中止」と告げた後、消息を絶った。自衛隊や海上保安庁が捜索し、機体の一部が見つかっている。
 F35Aの墜落事故は世界で初めてだ。「もし市街地に落ちていたらと思うと本当に怖い」といった不安、憤りの声が地元の人たちから出るのは当然である。
 岩屋毅防衛相は、地元市長との面会で「地元の皆さまに大変ご不安を与えてしまい申し訳ない」と陳謝した。F35Aの飛行を見合わせ、他の空自機も一部を除いて運航しないと説明している。住民らが納得できる再発防止策が整わない限り再開すべきではない。
 空自の航空事故調査委員会は操縦士が何らかの異変を認識していた可能性があるとみて原因を調べる。墜落機は三菱重工業の愛知県にある工場で組み立てられた。国内企業が製造に参加した初めての機体だ。この点も含め、徹底した調査と究明が欠かせない。
 F35は米ロッキード・マーチン社製で米、英、イタリアなど9カ国による国際共同開発機だ。レーダーで捉えにくいステルス性に優れ、高い機動力とミサイル探知能力を持つ。米空軍仕様のA型のほか、海兵隊仕様のB型、海軍仕様のC型がある。
 日本では老朽化したF4戦闘機の後継機として2018年1月にF35Aが初めて配備された。今年3月に12機、80人態勢で飛行隊を新設したばかりだ。9日時点では13機が配備されていた。
 事故が起きたことで、今後の調達計画も問われる。政府は昨年12月に閣議決定した防衛計画の大綱や中期防衛力整備計画で大量取得の方針を定めた。
 F35Aは将来的に105機配備することにしている。護衛艦の事実上の空母化に伴い、短距離での離陸や垂直着陸が可能なF35Bも導入する方針だ。安全性に疑問を残して進められない。
 米国が提示する金額や納期を受け入れる対外有償軍事援助(FMS)でしか購入できず、18年度の契約ベースで1機当たり約116億円と高額でもある。事故を踏まえ、今後の調達について国会で改めて議論する必要がある。


[空自のF35墜落] 最新鋭機に何が起きた
 航空自衛隊三沢基地(青森県)に所属する最新鋭ステルス戦闘機F35Aが太平洋上での夜間訓練飛行中に消息を絶ち、きのう朝までに周辺海域で尾翼の一部が見つかった。防衛省は墜落したと断定した。
 2018年9月に米国で起きた派生型のF35Bに続き、F35として2例目の墜落事故である。操縦していた40代の男性3等空佐は行方不明のままだ。一刻も早い救助を祈りたい。
 岩屋毅防衛相によると、墜落したF35Aは基地の東約135キロの洋上で「訓練中止」と無線通信した後、消息を絶ったという。総飛行時間3200時間というベテランパイロットが、直前に何らかの異変を認識していた可能性がある。
 今回の訓練に参加して無事だった3機を含む配備済みの同型機は当面飛行を見合わせるが、将来的には南西諸島の防衛にもあたるであろう重要な戦闘機である。早急に事故原因を究明すべきだ。
 F35Aは老朽化したF4戦闘機の後継機として昨年1月に同基地に初めて配備、今年3月に飛行隊が発足した。墜落機は愛知県にある三菱重工業の工場で組み立てられ、国内企業が製造に参加した初めての機体だった。
 F35は敵のレーダーに映りにくいステルス性に優れ、「第5世代機」と呼ばれる。米ロッキード・マーチン製で、米、英、伊など9カ国による国際共同開発機。他の航空機や艦船と多くの情報が共有でき、機動力、ミサイル探知能力が高い点も特長とされる。
 しかし、01年に本格的に始まった開発はその多機能性ゆえか、トラブルが多発。実際の配備まで15年以上かかったことで費用が膨らみ、F35Aの調達額は18年度の契約ベースで1機約116億円に上る。
 防衛省は昨年12月に閣議決定された新たな防衛力整備の指針「防衛計画の大綱」と「次期中期防衛力整備計画」(中期防)で、中国などとの緊張の高まりをにらみ、短距離離陸・垂直着陸が可能なF35Bと合わせて計147機の導入を決めている。だが、墜落事故によって影響は必至だ。
 計画には護衛艦「いずも」の事実上の空母化に合わせ、F35Bを念頭に置いた戦闘機新規導入や、F35Aに搭載する「JSM」など敵の射程圏外から攻撃できる長距離巡航ミサイル導入も明記している。
 ただ、地元・三沢市民からは「もし、市街地に落ちたら」と不安の声が上がる。高価な機体にもかかわらず、安全性が確認されなければ、今後の飛行訓練はもとより、機体の調達自体に国民の理解が得られないのは当然だ。
 空自の航空事故調査委員会による事故原因の追究とともに、防衛省は説明を尽くす必要がある。


経団連の提言 身勝手な原発擁護策だ
 構造的な問題を度外視した身勝手な原発回帰論と言うほかない。
 経団連が電力政策に関する提言を2年ぶりに発表した。原発を脱炭素社会に不可欠なエネルギーとし、再稼働や新増設を求めた。
 最長60年となっている既存原発の運転期間の延長や、審査などで停止した期間を運転期間に含めないで運転できる期間を事実上延ばすことも新たに盛り込んだ。
 東京電力福島第1原発事故は、原発がひとたび事故を起こせば取り返しがつかない現実を突きつけた。その教訓を生かす方策が見当たらない。
 再生可能エネルギーが急速に普及する中、安全基準の強化でコストが高騰した原発は、もはや有望なビジネスでもない。
 国民の不安に応えようとせず、世界の潮流に逆らって原発を推進するのは理解に苦しむ。
 安倍晋三政権や経済産業省は再稼働推進の姿勢を取るが、経団連の提言に乗って原発回帰を加速させることがあってはならない。
 提言は、温室効果ガスを排出する火力発電への依存度が8割を超え、再生エネで賄うにも限界があり、原発が不可欠だとした。
 政府のエネルギー基本計画で2030年度の原発の発電割合を20〜22%とする目標を掲げたことにも触れ、「廃炉が進めば達成が困難」と再稼働の必要性を訴えた。
 だが計画は原発依存度を低減すると明記している。目標達成のために再稼働するのは本末転倒だ。
 原発の大きな問題は使用済み核燃料の行き場がないことである。
 核燃料サイクルは事実上破綻し、高レベル放射性廃棄物の処分場選定も進んでいない。福島の事故原因は解明されておらず、廃炉のめども立たない。
 こうした負の側面をどう克服するか説明を尽くさず、再稼働や新増設を訴えるのは無責任である。
 提言を主導したのは原発メーカー、日立製作所出身の中西宏明会長だ。中西氏は「再稼働をどんどんやるべきだ」と発言し、原発と原爆が混同されて再稼働が進まないとの認識を示したこともある。
 日立は英国の原発建設計画を凍結したばかりで、原発ビジネスの行き詰まりを中西氏は分かっているはずだ。経団連会長の立場を利用して原発産業を守ろうとしているとの疑念も招きかねない。
 経団連が取り組むべきは、再生エネを有効活用して原発依存を脱する道筋を示すことだ。政治への発言力をそのためにこそ生かさなければならない。


ふるさと納税  法改正受け抜本議論を
 ふるさと納税制度で過度な返礼品競争を防ぐ改正地方税法が成立した。
 改正法は返礼品を「調達費が寄付額の30%以下の地場産品」に規制する。違反した自治体は制度の対象外となり、6月から寄付しても税優遇が受けられなくなる。
 自治体は事前に返礼品などに関する書類を添え、総務省に申請しなければならない。ルールを順守すると見込まれた自治体だけが対象に指定され、制度を活用できる。
 だが、地場産品かどうかを示す具体的な基準は明記されていない。総務相が判断するというあいまいな扱いとなった。
 寄付の集め方は自治体の自由裁量に委ねられてきたが、制度は大きな転換点となる。「国による事実上の許可制」(野党議員)に移行することにならないだろうか。
 高級和牛など、豪華すぎる返礼品が制度の趣旨をゆがめたのは事実だ。総務省はこれまでも一定の基準を示し、競争に走る自治体を戒めてきたが、返礼品の見直しに応じないところもある。駆け込み寄付を狙い、大阪府泉佐野市は通販大手アマゾンのギフト券を贈る「100億円還元」キャンペーンを2月に開始した。
 不公平さを解消するため政府が法規制に踏み切ったのは制度存続上やむを得ない措置といえる。
 とはいえ国の介入には「本来の趣旨を逸脱する」「地方分権に逆行する」との懸念も指摘されている。総務省は泉佐野市など全国4自治体への特別交付税を減額した。同省は返礼品問題でのペナルティーではないと強調するが、「懲罰的だ」との批判も出ている。
 ふるさと納税は、自治体に寄付すると自己負担の2千円を除いた額が住民税などから差し引かれる仕組みで2008年に始まった。17年度の寄付総額は過去最高の約3653億円に達する。
 寄付控除により都市部では住民税収入がマイナスとなる例が目立つ。高額所得者の節税対策に使われているとの批判も根強い。制度の見直しが必要なのは明らかだ。
 ただ、被災地支援にふるさと納税を活用した人は多い。寄付文化を一定根付かせた側面はある。故郷を応援するといった本来の趣旨を踏まえ、地方自治体は決められたルールの下でいかに地域を活性化させるかに知恵を絞ってほしい。
 法改正を受け、寄付税制や制度自体の在り方についても議論をさらに深めたい。長期的な視点に立ち、返礼品の存廃を含めた抜本的見直しが必要ではないか。


ゴーン事件 全容解明は適正な捜査で
 重大な犯罪の疑いがあっても長期の身柄拘束で容疑者に圧力をかける「人質司法」がまかり通ってはならない。その意味でこの事件からは目が離せない。東京地検特捜部が摘発した日産自動車の前会長、カルロス・ゴーン被告を巡る一連の事件だ。
 地検は108日に及ぶ身柄拘束を経て保釈されたゴーン被告を、新たな会社法違反(特別背任)容疑で逮捕した。4度目の逮捕である。弁護団はこれを不当と訴え、同被告が全面的に無実だと訴える動画を公開した。異例の展開である。
 新たな容疑は海外が舞台である。同被告は、中東オマーンの販売代理店を通じて日産の資金約5億6千万円を、自身が実質保有するレバノンの会社に還流させて日産に損害を与えた、とされる。資金は妻らが関係する別の会社に流れた疑いがあり、地検はレバノン政府が発行した妻のパスポートも押収した。
 事実であれば、私的流用をうかがわせる悪質な行為である。地検が捜査に力を入れること自体は当然であろう。裁判所は事件の広がりを考慮し、逮捕・勾留を認めたとみられる。
 しかし弁護側は、地検の動きを「不当な圧力で屈服させることが狙いだ」と批判し、勾留取り消しを求めて最高裁に特別抗告した。ゴーン被告は保釈後、外出や外部との接触が厳しく監視される状況にあった。その中で再び身柄を拘束する理由は見当たらず、新たな強制捜査を容認した裁判所の判断にも納得できないという主張である。
 同被告は11日に記者会見を予定していた。再逮捕で阻止される形になったことも地検に対する反発要因の一つのようだ。
 一連の事件で東京地裁は、身柄の拘束に慎重な姿勢を示してきた。地検による同被告の2度目の逮捕(有価証券報告書の虚偽記載容疑)時には勾留日数を10日に制限した。否認事件でありながら公判開始前に同被告の保釈を認めたことは、画期的な判断とも受け取られた。
 それが今回は、なぜ拘束を認めたのか。本来なら詳しい理由を明らかにすべきだろう。事件が地検と日産の司法取引に端を発し、検察側に有利な条件下で捜査が進められてきた点にも留意する必要がある。
 無論、全容は徹底解明すべきだ。世界的企業で発覚した巨額の不正疑惑を追及する意義は大きい。捜査に行き過ぎはないか自戒しつつ適正な立件作業を進めてこそ、摘発の価値が国内外から認められることになろう。
 今後、裁判所がゴーン被告の勾留を何日間認めるのか、再度の保釈を認めるのか。日本の刑事司法手続きの在り方が問われる局面はさらに続く。


大学入試 課題山積 円滑な実施へ不安残る
 本番まであと2年を切り、現行の大学入試センター試験から円滑に移行できるのか、懸念が拭えない。
 2020年度から始まる大学入学共通テストに向けた試行調査の結果が公表された。新たに導入される国語と数学の記述式問題で、採点の修正が相次いだほか、国語の自己採点で実際の採点と一致しない生徒が3割に上った。
 記述式は、マークシートに比べ、採点にぶれが生じる可能性がある。不公平が生じないよう採点基準の明確化が必要だ。自己採点は出願大学の選択に影響するため、精度の向上が欠かせない。大学入試センターと文部科学省は受験生や学校現場の不安を解消する重い責任がある。調査で得た知見を生かして問題点を解決し、準備に万全を期さなければならない。
 記述式問題の導入は知識偏重の入試を改め、思考力や読解力を問うのが狙いだ。英語の民間検定試験の活用とともに新テストの目玉とされる。調査は本番前の課題を探るため17年、18年の2回実施、今回は高校生約6万8千人が参加した。
 浮き彫りになったのは、記述式の採点の難しさだ。委託を受けた民間業者が2千人体制で採点したが、センターが後で答案チェックしたところ、評価を見直した例が80件に上った。国語で正答とみなせる言葉の言い換えをどこまで許容するか調整に手間取ったという。
 新テストは、推計50万人超が受験に臨み、採点者は1万人規模になる見通しだ。大規模な試験では、わずかな採点のぶれが大きな影響を及ぼす。本番ではこのぶれを抑え、1万人もの採点者に統一した採点基準を徹底できるのか、不安が残る。
 記述式の採点に苦慮するのは受験生も同じだ。新テストは、センター試験と同様、受験生が自己採点し、その結果を元に出願大学を決める。自己採点が不正確では、出願先の判断を誤る恐れがある。今回の調査で自己採点の精度が低かったことを踏まえ、センターは例示を交えて解説する冊子を作成し、学校側へ配布するという。採点の考え方や正答条件を分かりやすく伝え、受験生の理解が深まるようきめ細かな対応を求めたい。
 一方、数学の記述式は正答率が3〜10%と極めて低調で、作問の見直しが急務となる。マークシート部分と合わせても正答率は3割弱にとどまり、目標とした5割程度を下回った。センターは問題を簡潔にし、正答率を上げる方針だが、難易度を下げすぎると、思考力を十分に測れない。記述式を導入した意義が損なわれないよう知恵を絞る必要がある。
 新テストでは、24年度から民間試験に全面移行する英語でも問題が山積している。若者の進路を左右する入試の制度設計で拙速は許されない。国は受験生が安心して本番に臨めるよう、改善点を示し、再調査の必要性も検討すべきだ。


時評
 中東和平や地域の安定を大きく左右するイスラエル総選挙は、ネタニヤフ首相率いる右派「リクード」勢力が過半数を獲得する勢いで、首相続投の見通しとなった。
 首相は速やかに極右政党などとの連立協議を開始する考えだが、選挙直前になって、ユダヤ人入植地の併合など強硬姿勢を打ち出しており、和平の行方は一段と険しい。
 パレスチナ人との共存以外、平和が到来しないことをあらためて認識するよう首相に要求したい。
 ネタニヤフ氏は選挙の直前、ヨルダン川西岸のパレスチナ自治区内のユダヤ人入植地をイスラエルに併合する考えを表明した。単独で過半数を獲得するのは困難とみて、政権樹立の連立協議に極右政党を引き寄せるためだった。
 だが、この発言はパレスチナ側の強い反発を招いた。西岸は将来のパレスチナ国家の候補地だが、併合でイスラエルの飛び地ができれば、国家樹立が不可能になる恐れが強いからだ。
 1993年の「オスロ合意」でヨルダン川西岸とガザ地区というパレスチナ自治区ができたものの、恒久的な和平に向けた交渉は頓挫したままだ。
 その理由はパレスチナ人との共存を拒否するようなイスラエル側の強硬姿勢によるところが大きい。障害の一つが西岸へのユダヤ人入植の拡大だ。現在約260万人のパレスチナ人住民に対し、40万人のユダヤ人が住むまでになっている。
 しかも同氏は、国際的な枠組みであるイスラエルとパレスチナによる「2国家共存」を放棄し、自治区を併合した「大イスラエル」を模索している節がある。だが、この「大イスラエル」の下では、パレスチナ人が“二級市民”とされ、投票権などが与えられない恐れがある。かつての南アフリカのアパルトヘイト(人種隔離)の再来だ。
 そうなれば、イスラエルは深刻な治安悪化と国際的な非難にさらされることになるだろう。
 与党が予想以上に苦戦したのは首相が収賄罪で起訴されることになり、批判が集まったためだ。それでも挽回できたのは、トランプ米大統領が再三にわたり、援護射撃してきた結果だ。
 米大使館を係争の聖地エルサレムに移転するなど露骨に首相に肩入れし、中立的な和平調停者の立場を放棄した姿を印象付けることになった。米国は近く和平構想を公表する見通しだが、ユダヤ人とパレスチナ人の真の共生を図るものでなければ、画餅に帰すだけだろう。


渋沢栄一に猛反発 安倍政権「新紙幣」で日韓対立の火に油
「新元号の下での新しい日本銀行券(紙幣)にふさわしい人物と考えている」――。麻生財務相は9日、新紙幣のデザイン発表会見で、肖像画に採用された人物をこう評した。新元号発表との“相乗効果”によって政権浮揚につなげたい思惑が透けるが、対立激化の日韓関係にとっては最悪のタイミングだ。
  ◇  ◇  ◇
 日韓関係は今、「史上最悪」といわれている。昨年末からレーダー照射問題や徴用工問題などがくすぶり、10日はソウル市内の日本大使館の建設許可が取り消された。両国のミゾは日増しに深まるばかりで、自民党内からは「国交断絶」の強硬論が噴出している。
 さらに「最悪」の関係をこじらせたのが、新紙幣のデザインだ。韓国が、1万円札の肖像に「日本の資本主義の父」といわれる渋沢栄一(1840〜1931年)が採用されたことに反発しているのだ。
 渋沢はみずほ銀行の前身のひとつ「第一国立銀行」を設立するなど、明治を代表する実業家として知られる。ところが、韓国国内では、日本の植民地時代を象徴する“特別な存在”なのだ。
 実際、9日付の朝鮮日報(日本語版)は渋沢について、<日本で設立した第一国立銀行を韓半島に進出させ、日本による利権収奪を主導した><植民地時代の経済収奪の主役>と断じている。渋沢が日韓併合(1910年)直前の02年から、大韓帝国(当時)内で、自身の肖像が印刷された「第一銀行券」を発行していたからだ。
「日韓関係が最悪といわれる状況において、安倍政権が、紙幣発行の5年前という異例のタイミングで発表したのは大失敗です。新元号の発表に続いて“お祭りムード”を盛り上げようとしたのでしょうが、日韓の歴史問題の火に油を注いだも同然ですから。国内で評価が分かれる人物は肖像画に採用しないという不文律はあっても、海外への配慮が欠けていると国際問題になるのです」(元外交官の天木直人氏)
 新紙幣を巡る問題は、渋沢だけじゃない。5000円札の津田梅子(1864〜1929年)についても韓国から反発を受けそうだ。1883年、少女時代のホームステイ先だった米国のホストマザーに宛てて書いた手紙には、朝鮮訪問から帰国した父・仙から聞いた<興味深くおもしろい話>として、当時の朝鮮について次のように記している。
<いくつかの点では、動物の方がこのような汚い朝鮮人よりましだと思いますし、あるところには本当に野蛮な人びとがいるのです>
<ある意味で、世界で最悪の国のように思われます>
 現代とは時代背景が異なるとはいえ、ネトウヨに匹敵する“嫌韓ヘイト”と受け取られかねない。
 新紙幣の発行は、森友問題の渦中に安倍夫妻に忖度して公文書を改ざんした財務省理財局が担っている。
 超が付くエリートなら、渋沢や梅子を選定した後の韓国の反応を想像すべきだろう。まさか対韓強硬派の安倍政権に再び忖度した“確信犯”なのか。


安倍政権が元号に続き紙幣まで私物化! 異例の発表前倒しに田崎史郎も「空気を変えたかった」と政治利用を指摘
「元号の政治利用」で調子に乗る安倍首相だが、お次は「紙幣の政治利用」らしい。安倍政権は2024年から発行が始まる紙幣の新デザインを発表した。ところが、これがいろんなところで物議を醸している。
 まず、ひとつは一万円札の絵柄に渋沢栄一を選んだことに、韓国から批判の声が上がっていることだ。
 たとえば、ハンギョレ新聞は「金融・通貨の分野で日本政府の代理人の役割を果たし、朝鮮の様々な利権を取得した」と報じ、東亜日報は〈日韓併合直前に日本の民間銀行が現地で流通させた紙幣の肖像に渋沢が採用されたことを紹介。韓国の歴史観に照らして波紋が起きかねないとした上で「愛国心を強調する安倍晋三首相の政治哲学と合致する」との解釈を伝えた〉(朝日新聞より)。 
 江戸末期に生まれた渋沢は、第一国立銀行の創立などで知られる実業家だ。国内のマスコミ報道は「日本の資本主義の父」で「近代化の礎を築いた偉人」だと強調するが、韓国で「経済侵奪に全面的に乗り出した象徴的な人物」(聯合ニュース)という見方をされるのも仕方がない面はある。
 当時の日本政府は、本格的な韓国併合(侵略)に向けた地ならしのために、まず経済的進出を行ったのだが、その先鞭を担ったのが渋沢だったからだ。1878年、渋沢は当時の日本政府の対朝鮮方針に従うかたちで、第一国立銀行の釜山支店を設置。のちに第一国立銀行は実質的な韓国の中央銀行となり、流通した紙幣には渋沢の顔が印刷された。正確にいえば、1905年の第二次日韓協約で韓国は大日本帝国の「保護国」となり、1909年より中央銀行の機能は第一国立銀行から総督府体制下の韓国銀行に移行するわけだが、いずれにせよ、日本政府は韓国併合以前に韓国の金融経済の中心を掌握していたわけである。渋沢がその経済的侵略の「先導者」であるという評価は間違ってはいない。
 また渋沢は、韓国併合前年の1909年に大韓帝国の電気事業を独占していた韓美電気会社を買収し日韓瓦斯電気株式会社に改名したほか、鉄道網の整備にも関与している。渋沢が韓国への経済的侵略に積極的だったのは明らかだろう。
 ただ複数の評伝などから渋沢の発言を拾っていくと、対外戦争については、経済発展と背反するものとの認識から是々非々の立場をとっていたことがわかる。渋沢は日清戦争や日露戦争には戦費捻出などで積極的に寄与したが、台湾出兵やシベリア出兵、対華二十一か条要求には明確に反対論を唱えるなど、財界の中心人物として、政府の戦争の動きに一定の歯止めをかけようともしていた。国民の平和運動についても「軍備負担の苛重に苦しむ苦痛の叫びであり、軍備拡張に対する納税者の自覚である」と評価している。
 また、渋沢は日本人の朝鮮人差別についても批判していたようだ。1900年の講演には、同席していた銀行員を名指しして「口を極めて朝鮮を誹る、私は極めて弁護する」との発言が残っている。このあたりは見城悌治『渋沢栄一 「道徳」と経済のあいだ』(日本経済評論社)に詳しい。同書は渋沢について〈「文明人」としての振る舞いができており、意識的あるいは無知の所産として朝鮮人を見下す人々とは異なるとの自意識発露〉が見られるとしている(一方で同書は渋沢が〈「保護者」的高みから見下ろす視点にとらわれていたこともまた否定できない〉とも指摘しているが)。
 そう考えると、安倍政権にしては、リベラル寄りな人選とも言えなくはない。実際、安倍政権の国粋主義思想を考えると、神武天皇や吉田松陰を新紙幣に使ってもおかしくなかっただろう。しかし、国際社会から見ると、やはりこの人選には首を捻らざるをえない。それは韓国への配慮不足というだけではない。世界各国の通貨に描かれる肖像は、帝国主義全盛の19世紀後半から20世紀前半にかけては政治家や権力者の肖像が多かったが、第二次世界大戦後は芸術家や学者などの文化人が主流になっており、日本でもその流れを汲んでいたからだ。今回、民間人とはいえ大日本帝国の国策と近いところにいた渋沢を採用したのは、明らかにある種の反動だろう。
元号に続いて紙幣も私物化する安倍首相!政権浮揚のために異例の前倒し発表
 ただ、今回の新紙幣は、肖像の人選よりも、もっと別のところに大きな問題がある。
 それは今回、安倍政権が紙幣の新デザインを公表した時期が、明らかに従来よりも早すぎるということだ。事実、2004年11月に発行が始まった現行の紙幣デザインが発表されたのは2002年8月で、その間は2年あまり。1984年のデザイン刷新時も、発表から発行までは3年あまりだ。ところが、今回の発表は発行を予定する2024年から実に5年もの期間がある。なぜか。
 あきらかに政権浮揚の政治的効果を狙ったものとしか思えない。今月1日の新元号「令和」の発表でも内閣支持率が上昇しているように、世論は“お祝いムード”を歓迎する。麻生太郎財務省は「たまたま重なった」とうそぶいているが、そんなわけがないだろう。ようするに、元号の政治利用に味をしめた安倍政権は紙幣の新デザイン公表で二匹目のドジョウを狙いにきたわけだ。
 また、安倍首相の自民党総裁任期が2021年までであることも関係しているだろう。従来と同様に発行から2、3年前にしたのでは、自分の任期中に発表できるとは限らない。
 紙幣刷新の決定権を持つのは財務大臣だが、10日付の日本経済新聞によれば、財務省内には「安倍政権の間にやるべき」との考えがあり、2018年春頃に構想がスタート。省幹部が麻生財務相に案を示したのが昨年秋頃で、麻生自身も図柄の選定に携わり、一万円札に渋沢栄一を充てる構想を練っていたという。
 安倍首相とすり合わせを行ったのは年明けだ。10日付毎日新聞は、麻生財務相は事前に渋沢栄一らを図柄に選ぶことについて安倍首相に報告したが、〈特に異論は出ず、関係者によると「麻生氏の意向がそのまま実現した」という〉と伝えている。
御用ジャーナリスト田崎史郎も「新紙幣の発表は新元号とリンクしている」と
 10日放送の『ひるおび!』(TBS)では、財務省幹部の「『やれ』と言われた時に事務方が『すぐに出来ません』とは言えない」との言葉を紹介。官邸に近いジャーナリスト・田崎史郎氏が、「去年の6月か7月に麻生さんが印刷局を視察してるんですよ。それは、当時理財局長の太田(充)さんも一緒に行ってる。もう、その段階からやろうということになってたんだと思います」と指摘した。
 田崎氏は同日の『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日)でも、昨年6月4日に公文書改ざん問題の調査結果を発表した直後には、新紙幣に向け動き出していたと解説している。
 田崎氏ですら、新紙幣デザイン発表のタイミングについて「(準備のためだけでは)今でなければならない理由にならない」「やっぱり新元号の発表とリンクしてるんじゃないかって思わざるを得ない」「このタイミングで空気を変えたかったのでは。令和特需も意識している」とコメントしているように、発表時期はどう考えても政治判断によるものだろう。
 安倍首相は「お札を変えた総理大臣」というレガシーが欲しかったのではないか。だとすると「元号の私物化」に続いて「紙幣の私物化」と言わざるを得ない。リオ五輪閉会式での「安倍マリオ」の悪夢もそうだったが、安倍首相は何から何まで政権浮揚目的のパフォーマンスに利用している。こんな“私物化政治”をこの国の国民はいつまで許しておくのか。


ジャニーズの圧力いまだ健在! 稲垣吾郎最後のテレビ出演で沢木耕太郎が「分の悪い戦いには加勢したい」とエール
 安倍首相が「令和」発表の談話のなかで、なんの関係もない『世界に一つだけの花』を持ち出して、政治利用されたかたちになったSMAP。
 一方で当のSMAP本人たちは芸能界で冷遇が続き、ジャニーズ事務所を独立した稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾の3人は地上波テレビ番組からどんどん姿を消されている。
 3月28日深夜、2011年から続いてきた稲垣吾郎の冠番組『ゴロウ・デラックス』(TBS)が最終回を迎えた。これで、ジャニーズを独立した新しい地図の3人がもともと地上波テレビで持っていたレギュラー番組は完全になくなってしまった。
『ゴロウ・デラックス』は毎回作家(漫画家の場合もあるし、本を出版したタレントの場合もある)のゲストを招いて話す「読書バラエティ」。地上波の番組ではかなり貴重な「本」をテーマにした教養色の強いトーク番組だった。
 そんな『ゴロウ・デラックス』最後のゲストは、『深夜特急』(新潮社)などで知られるノンフィクション作家・沢木耕太郎。
 テレビには滅多に出演しないことで知られる沢木が出演オファーを承諾したことに稲垣は驚くが、その疑問に対して沢木は「単純に言えば気まぐれなんだけど」と照れ隠しをしながらこのように語った。
「でも、ちょっと分の悪い戦いをしている人のところには、加勢をしたくなるっていう感じもないことはなくって」
 具体的なことは語っていないが、「分の悪い戦い」というのが、SMAP解散や、その後の新しい地図の活動を指しているのは疑いようがない。言葉は少なくとも、力強い後押しである。
 しかも「分の悪い戦いに加勢」というのは単なる社交辞令ではないらしく、沢木は今年2月に公開された稲垣主演の映画『半世界』を鑑賞したことも明かす。沢木は映画タイトルが出た後の稲垣の表情を「あの顔はなかなかいい顔しててさ。大人の顔になってていい顔してるじゃん」と語るなど、役者としての稲垣を高く評価した。
 そんな『ゴロウ・デラックス』では、ゲストの本のなかで稲垣が気になった箇所を朗読するのがお決まりの流れなのだが、番組最後の朗読は沢木の25年分のエッセイを集めた本『銀河を渡る 全エッセイ』(新潮社)から朗読された。
 朗読を始める前に稲垣は「すごく大好きなフレーズがあるので、そこを朗読させていただきたいと思います」と語り、〈ゴロウが伝えたいこと〉というテロップが画面に映るなか、稲垣はこんな文章を読み始めるのであった。
〈先日も、書棚の前に立って本の背表紙を眺めているうちに、なんとなく抜き出して手に取っていたのは、トルーマン・カポーティの『犬は吠える』だった。
 この『犬は吠える』において、私が一番気に入っているのは、中身より、そのタイトルかもしれない。
 犬は吠える、がキャラバンは進む──アラブの諺。誰でも犬の吠え声は気になる。
 しかし、キャラバンは進むのだ。
 いや、進まなくてはならないのだ。
 恐ろしいのは、犬の吠え声ばかり気にしていると前に進めなくなってしまうことだ。
 犬は吠える、がキャラバンは進む〉
「犬は吠える、がキャラバンは進む」は沢木の文章にもあるとおり、カポーティのエッセイ集『犬は吠える』の巻頭に「アラブの諺」として掲げられている言葉。そして、小沢健二がフリッパーズ・ギター解散後、喧騒のなか最初に出したアルバム『犬は吠えるがキャラバンは進む』(後に『dogs』と改題)でも有名だ。
「犬は吠える、がキャラバンは進む」に込められた稲垣吾郎の強い気持ち
 以前、同番組に作家の燃え殻が出演した際に、稲垣が「小沢健二さん大好きです。フリッパーズ(ギター)も大好きでした。環境は違っていたけど、サブカルっていうのかな、そっちに対する憧れが……すごいメジャーななかにいたからこそ、そういうものに逆に憧れてました」と語っていたことを考えると、稲垣の頭にはオザケンのアルバムのこともあったのではないか。独立後の稲垣の生き生きとした活動ぶりの背景には、こうしたメジャー芸能界とはちがうオルタナティブな世界への理解と憧れがあったことも関係しているだろう。
 いずれにしても、この日稲垣が朗読した「犬は吠える、がキャラバンは進む」には、SMAPおよびジャニーズ事務所から離れ、古巣の事務所やその意向に怯える芸能メディアから陰に陽に妨害を受けながらも、それでも進もうとする稲垣の強い気持ちが込められていたことは間違いない。
 新しい地図の3人に対してのジャニーズ事務所からの「圧力」、および、メディア側からの「忖度」がほのめかされる報道は後を絶たない。
 たとえば、「週刊文春」(文藝春秋)2019年1月31日号では、新しい地図の3人を主役にした番組企画がNHKで進んでいたのにも関わらず、東京オリンピックをテーマにした特番に嵐を起用したいと考えるNHK 上層部がジャニーズ事務所に忖度し、決まりかけていた企画が白紙になったと伝えられている。
 新しい地図メンバー最後の地上波レギュラーであった『ゴロウ・デラックス』終了も、ジャニーズ事務所への忖度による既定路線だったといわれる。
 そんななか、希望を感じさせる動きも起きている。公正取引委員会がジャニーズ事務所に対して本格的な調査に乗り出す可能性があるのだ。
 本サイトでは以前も取り上げているが(https://lite-ra.com/2018/01/post-3745.html)、2018年に公正取引委員会は、タレントやスポーツ選手などフリーランスの働き方をする人に対し、雇い主が移籍制限などの不当な契約を強いることは独占禁止法違反にあたる恐れがあると結論づけている。
 これに関する調査は前年から始まっており、その際は委員会内に設置されているCPRC(競争政策研究センター)で、『芸能人はなぜ干されるのか?』(鹿砦社)の著者である星野陽平氏を呼んで勉強会も行っていた。そのレポート「独占禁止法をめぐる芸能界の諸問題」には、SMAPに関する嫌がらせの事例も紹介されている。
「週刊文春」2019年3月14日号によれば、2019年に入ってから各テレビ局に対して圧力の実態などを調査する動きが始まっており、ジャニーズ事務所に対しても直々に調査が入る予定だという。
 これが事実であれば、芸能界におけるジャニーズ事務所の圧力はかなり効力を失うことになる。
 新しい地図の3人を地上波のテレビ番組で見ることができる日はそう遠くないかもしれない。(新田 樹)


「自白を得る拷問」人質司法からの脱却を 弁護士と法学者1000人が声明
日産自動車の元会長、カルロス・ゴーン被告人の逮捕を受け、「冤罪弁護士」として知られる今村核弁護士が、4月10日、東京・丸の内の外国特派員協会で会見した。ゴーン氏の逮捕により海外で高まった日本の「人質司法」への批判の声を「刑事司法改革につなげたい」と述べた。
また、人質司法の解消を訴える声明(「『人質司法』からの脱却を求める法律家の声明」)に、4月8日までに1010人の弁護士や法学者が賛同したことも明らかにした。声明では、日本の取り調べや身体拘束が「自白を得る拷問のようだ」として、司法制度の改善を求めている。
●裁判官と検事「一体の伝統は続いている」
出席した記者からは、裁判所が勾留を認めやすいことや、自白調書を採用しがちな傾向について質問が出た。
今村弁護士は、戦前の司法省が裁判官と検察官両方の人事評価をしていたことや、戦後も検察官が裁判官室に出入りして裁判記録を借りるような慣行を紹介した上で、「法廷では弁護士だけが客のような扱いを受けている。判検(裁判官と検察官)一体の伝統は続いていると言わざるをえない」とした。
また「ある検察幹部は『記事は書かせるものだ』と言っていた。マスコミを広報誌にしようとしており、メディアの責任も重い」と指摘した。
●声明「否認していると年単位で拘束される」
声明は、ゴーン被告人の逮捕や勾留を巡り海外から日本の刑事司法への批判が高まる中で、今村弁護士が呼びかけ人となって集めた。
「人質司法」を(1)自白が得られるまで続く身体拘束や、(2)弁護人の立会いが認められない取り調べ(3)虚偽自白を含む自白の強制ーーなどの総称として定義している。
日本では取り調べの受忍義務があるとされる上、起訴前の保釈制度がない点を指摘をし、「長期間の拘束と取り調べで虚偽自白に陥る被疑者は少なくない。虚偽の自白調書で有罪判決を受けることがある」。また、起訴後に否認していると保釈されにくいとも指摘した。
人質司法の具体例として、郵便料金を巡る虚偽公文書作成などの疑いで起訴された元厚生労働省官僚の村木厚子氏の事件や公選法違反を巡る鹿児島・志布志事件を紹介。
「執行猶予付き判決や罰金刑が見込まれる事件」でも、村木氏は166日間、志布志事件では最大395日の身体拘束があった点を紹介し、「否認していると判決前に年単位で身体拘束される」と問題視している。
実際の取り調べや身体拘束については「自白を得る拷問のように扱われている。公正な裁判を受ける権利が保証されえているとは言い難い」とし、日本の刑事司法のあり方が、憲法や国際人権規約に違反している可能性を指摘した上で、「人質司法」からの脱却を訴える。


空腹の少年が万引き、警察呼ばず食べ物施す 米コンビニ店主
米オハイオ州トレドの大手コンビニ店で10代少年の万引き行為を発見した経営者が空腹が動機だったとする少年の真意をくみ取り、罪を警察に報告せず、店内の食べ物を与える寛大な処置を施す出来事がこのほどあった。
経営者のジテンドラ・シンさんはCNNの取材に、空腹のための万引きとの説明を聞いた時、偽りではない問題と考えたと説明。物を盗み、売り付けるような泥棒ではないと判断したとした。
「自らと家族の空腹を満たそうと万引きに走った少年の人生を台なしにしたくなかった」ともし、「刑務所に入れば人生に犯罪歴が残る。良い仕事などを得る機会もなくなる」と思いやった。
シンさんは「セブンーイレブン」店内の奥の事務所で働いていた際、店員が万引きの疑いがある行為を報告。監視カメラで、少年がガムやキャンディーを盗むのを確認した。
この後、店内で一部の商品の支払いをしていた少年にポケットの中身を全て出すよう求め、応じない場合、警官を呼ぶと警告。また、盗んだ理由を尋ねると、少年は自らと弟が空腹状態にあることを認めたという。
この時点で店員が緊急通報していたが、シンさんは電話を切るよう指示してもいた。
少年には、ガムやキャンディーは食べ物ではないと話し、「お腹が空いているなら私に求めろ。あげるから」ともさとしたという。食べ物を与えた後、少年を帰してもいた。
店内に居合わせた客がシンさんと少年のやりとりをフェイスブックに投稿。3700件の「いいね!」が集まるなどの反響を呼んだ。
シンさんは自らの行動がこれほど話題になったことに驚き、客足が戻り始めて来て、「いい人だね。善行を働いた」とほめられるとも話した。


誰が「維新」を支持したか――大阪・首長ダブル選挙の光景から
橋下時代の「熱狂的」聴衆はもういない
「松井さんと吉村さんが負けたら大阪の成長が止まってまうで」  
大阪維新の会の圧勝に終わった府知事・市長の「入れ替えダブル選挙」投票前夜、4月6日の難波・高島屋前。ごった返す土曜の夜のミナミの雑踏で、大阪市南部から来たという50代の男性は言った。スマホを手にした外国人観光客がひっきりなしに行き交う。
「関空がようなって、インバウンドもこれだけ来とる。万博かてこれからやのに、なあ」
 その2週間前、市長選が告示され、本格論戦が始まった3月24日には、天王寺公園で幼児を抱いた30代女性に話を聞いた。
「維新になって大阪が明るくなったと、ママ友たちも言ってます。こうして子連れで遊びに来る場所もできたし、地下鉄のトイレもきれいになった。アナウンスも丁寧やし」
 天王寺公園には4年前、民間委託で「てんしば」と呼ばれる芝生広場と商業施設ができた。市営地下鉄は、市が100%株主ながら、民間の新会社になって1年が経つ。維新が主導する公共施設民営化のメリットを彼女は感じている、ということだろう。
 いずれも、維新の松井一郎(現・大阪市長)と吉村洋文(現・大阪府知事)の街頭演説を聞いた後、その場にいた聴衆の中から適当に声をかけ、短い立ち話に応じてくれただけの人なので、これが代表的な声と言えるかはわからない。ただ、人混みの中で数十分間、足を止めて演説を聞くのだから、支持者ではあるのだろう。松井と吉村が「府市協調で進めてきた維新政治の成果」と誇る話を──本当にそう言えるのかは別として──好意的に受け止めていた。大阪都構想について聞いてみると、先の男性は「そら、やった方がええ」と即答。女性は「うーん、よくわからない」と首を傾げた。
 選挙期間中、維新の演説を何か所か見て回り、印象深かったのは、こうした穏健な支持層の姿だった。もちろん、維新のシンボルカラーである緑色ジャンパーを着て、緑のペンライトを振っているサポーターもいるのだが、大多数は、特別熱心に活動しているわけではなく、強い政治的志向も持っていない、いわゆる無党派の市民が自然発生的に集まっている感じがした。
「4年前」とは明らかに違う光景
 4年前までの光景とは明らかに違う。橋下徹の登場に熱狂し、敵をぶった斬る攻撃的な言動に拍手喝采を送っていた聴衆はもういない。現職の余裕か、松井・吉村の口調やキャラクターのせいか、いずれにせよ、維新は確実に大阪に定着し、「市民党」となった感がある。
 演説に対する反応や短い立ち話から、彼らが最も期待しているのは「大阪を成長させる経済浮揚策」なのだろうと感じた。それは市や区など狭い地域単位の利益誘導ではなく、個々人の賃金や税金に直結する話でもない。大阪府域全体に利益をもたらし、活性化させる政党として、さらに言えば、日本の中での大阪の都市格や存在感を復権させる牽引役として、彼らは維新を評価しているのではないか。
 維新はこの点を踏まえ、周到に戦略を練っていた。朝日新聞が選挙後に報じたところによれば、「二重行政」「民営化」「大阪の成長戦略」「大阪万博誘致」「大阪都構想」という5つのキーワードを演説に盛り込むよう、府議選・市議選候補者に指南メールが回っていたという。難波での松井の最終演説はその通り、前回の都構想住民投票を感慨深げに振り返るところから始まり、製造業の技術支援、インバウンドの好調、税収の増加などを実績として強調。「大阪の経済を成長させ、ニューヨークや上海など世界の都市と戦うには府市一体となる都構想が必要なんです」と語りかけた。
 相手の「野合」選挙を強調し、自分たちこそが「市民党」だと印象づけることも忘れない。「向こうは自民党から共産党までが手を組んだ大組織。われわれには組織がない。みなさんの口コミだけが頼りなんです」と投票を呼びかけ、演説を締めくくった。先にマイクを握った吉村は、橋下を受け継ぐように、公務員や既得権益批判、既成政党と野合批判を繰り広げたが、松井は最後まで、声を張り上げたり、強い言葉で聴衆を煽ったりすることはなかった。
自壊の負け戦で「逸材」を潰した自民
 一方の自民・公明を中心とする反維新陣営は、候補者選定のスタートから出遅れ、選挙戦が始まっても、不協和音ばかりが聞こえてきた。
 首長選の告示後に発行できる確認団体ビラを出しそびれた。SNSやブログも更新されない。府議・市議が自分の選挙で余裕がなく、個人演説会に知事・市長候補を呼べない。選対本部や応援に来るはずの人間が来ない。翌日の街頭演説予定を問い合わせてもわからない。自公以外の応援弁士を選挙カーに乗せ、陣営内でもめた……。
 「司令塔不在で、組織の体をなしてないんですよ」
 有力な支援者の一人は、あきれたように言う。「自民党はもともと、オーナー企業の集合体のようなもの。そこに公明をはじめ、他党や労組も入ってきて、全体を統括する人間が不可欠なのに、誰もその役割を果たさないからバラバラ。前回選挙の反省がまったく生かされていない。それに比べ、維新はトップダウンだから意思決定や指示が早い。現職の強みで業界団体も押さえている。『組織がない』なんて彼らは言いますけど、向こうの方がよほどしっかりした組織を築いてますよ」
 そもそも、いざ選挙となってから慌てて候補者探しに動くこと自体、いったいこれまで何をしていたのかという話である。 「選挙というのは、負けた時から次が始まるんです。マーケティングに喩えて言うならば、4年先を見据えて、市場(有権者動向)調査を行い、それを踏まえた商品(候補者)を選定し、販売戦略(選挙戦術)を立てないといけない。そうした活動が皆無だったんです」
 結果的に、擁立した候補者は悪くなかった。それどころか、維新の強引な政治手法や詭弁も厭わない言論術に対抗するには、最高の人選だったと言ってもいい。
「逸材」を活かせず機能不全を露呈した大阪自民
 市長候補の柳本顕は、25歳から大阪市議を5期務め、2015年5月の都構想住民投票では、反対派の先頭に立って勝利に導いた立役者だ。同年11月の市長選では敗れたものの、政策通で弁舌もさわやか。「自民党大阪府連きっての逸材」と言われてきた。7月の参院選出馬が決まっていたところを口説き落とされて、2度目の市長選に挑んだのだった。
 知事候補の小西禎一は、橋下府政時に「改革プロジェクトチーム」のリーダーに抜擢され、松井の下では副知事を務めた。「府庁のエース」と言われ、府下の自治体職員まで集まる「小西学校」が開かれるほど、行政内部では人望がある地方自治のプロだった。地味で言葉が硬いのは仕方がないが、本人も自覚し、演説や討論会を重ねるごとに上達していた。
 だが、いくら「商品」がよくても、スタートに出遅れ、組織が体をなさず、戦略も後手後手では、巻き返せるはずもない。維新の野合批判に焦り、「共産党とは一切関係ない」と否定して回ることにばかり熱心で、あとは先述したような内情だった。選挙戦中盤以降、マスコミ各社の焦点は既に勝敗にはなく、「松井と吉村の当確をいかに早く打てるか」の争いになっていた(結果、投票締め切りと同時に当確が打たれた)。
 自民党大阪府連は、政党としての機能不全を露呈し、自壊してゆく負け戦に、2人の逸材を巻き込んだ。その結果、柳本に「政治家としては息絶えたと思っている」という悲痛な敗戦の弁を吐かせてしまったのである。
維新支持者は「大阪」の代表者を求めた
 この選挙期間中に、とても興味深い本を読んだ。『維新支持の分析 ポピュリズムか、有権者の合理性か』(有斐閣)。善教将大・関西学院大学准教授が、2011年の前々回ダブル選から2015年の都構想住民投票までの維新に対する有権者の支持/不支持態度を調査し、詳細に要因分析を重ねた大変な労作である。
 同書によれば、維新を支持する有権者は、ポピュリストに扇動された「大衆」などではない。橋下が盛んに口にした公務員不信や「改革」への期待(新自由主義的志向)も、橋下個人への評価も、投票行動への影響は大きくなかったという。では、なぜ維新は勝ち続けるのか。それは「大阪」の利益の代表者だという政党ラベル(ブランドイメージのようなものか)を獲得し、有権者もそこに期待を寄せたからだという。
 重要なのは、ここで言う「大阪」とは、大阪市という行政区域に限定されない「抽象的な都市空間」を指していることだ。大阪の有権者は、個々人の地元という狭い範囲の利益ではなく、より集合的な「大阪」の利益を求め、政党ラベルを手掛かりに、自律的かつ合理的に維新を選択した、というのである。
 選挙で維新を支持したからといって、その主張を彼らが丸飲みしているわけでもない。正確な理解と批判的志向を持って慎重に判断したからこそ、住民投票で都構想は否決されたのだと、善教は言う。多くの有権者は、都構想によって大阪市という政令市が解体されることを理解していた。住民投票直前に賛成から反対へと態度を変えたのは、維新支持者に多かったという。だとすれば、今回の選挙で、維新が「大阪市はなくならない。町並みやコミュニティは残る」などと珍妙な言い訳をしていたのは、何の意味もなかったことになる。
 このほかにも興味深い分析結果が数々示されているが、もう一つ挙げるなら、維新支持は「自己強化」の段階に入っている、ということがある。それは、先述した維新の街頭演説から私が受けた印象と合致する。橋下時代に何度も見た熱狂的な雰囲気とは異なり(同書は、当時から「熱狂」などではなかったと否定するのだが)、穏健な支持層が着実に積み重なり、ごく自然に盛り上がっている感があった。
ポピュリズム論では説明できない維新支持
 維新支持者の動向はポピュリズム論では説明できないと、善教は繰り返し主張する。にもかかわらず、従来の維新をめぐる議論が、「独裁者に扇動され、誤った情報を鵜呑みにした大衆が熱狂的に支持した」というような単純な見方で、有権者を無視するか、愚者であるかのように扱ってきたことを痛烈に批判している。同書の執筆動機は、そうした論者の姿勢への不満にこそあったという。
 「橋下をめぐる過剰報道と、彼のメディアコントロールが、有権者の熱狂を作り出した」と主張した拙著『誰が「橋下徹」をつくったか』も、善教が批判する論に連なるものだ。実際、同書では拙著にも言及されている。維新や在阪メディアという情報供給側の異様な熱狂ぶりに注目するあまり、受容側である有権者の理性や判断力を軽視したと言われれば、率直に認め、反省せねばならない(ただ、そうであれば、当時のマスメディアの過剰な維新寄り報道の影響はなかったか、あるいは、報道がきわめて公正に行われていたことになり、そこにはまた新たな疑問が生じるのだが、これはまた別の問題だろう)。
 いずれにせよ、維新支持層は「抽象的な『大阪』の利益」を求めているという主張は、大いに頷ける。これは私の印象論に過ぎないが、その背景には、何ごとにおいても東京に対抗し、反発しながらも憧れる大阪の文化的土壌、つまり、根深く強烈な東京コンプレックスがあるのではないか。今回の選挙で、維新は「都構想で東京のような特別区になれば経済成長できる」と言い、自民は「東京の劣化コピーでしかない制度にしても意味がない」と主張した。これは実に重要な論点であり、票の分かれ目になったのではないか。
 大阪維新の会が誕生して、まもなく10年になる。私を含め、その政治手法やビジョンに異を唱えてきた者は、今こそ安易な予断を捨てて維新支持者の声に耳を傾け、対話し、なぜ彼らが支持するのか、支持し続けるのか、丹念に考える必要がある。大阪にこれほど深く根づいた維新政治への対抗軸を立てるには、そこから始めるしかないと考えている。
<取材・文/松本創 Twitter ID:@MatsumotohaJimu> 70年、大阪府生まれ。神戸新聞記者を経て、フリーランスのライター。著書に『誰が「橋下徹」をつくったか――大阪都構想とメディアの迷走』(140B、2016年度日本ジャーナリスト会議賞受賞)、『軌道 福知山線脱線事故 JR西日本を変えた闘い』(東洋経済新報社)など

雨/新しいメガネ/バイトしたい!/ご飯は大失敗

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"Tchernobyl, Fukushima, ce qui s'est passé deux fois peut se reproduire"
La principale leçon tirée de Tchernobyl et Fukushima par Tetsuji Imanaka, chercheur en génie nucléaire à l’université de Kyoto? Il faut abandonner le nucléaire.
En japonais, le proverbe est un peu moins affirmatif que notre "jamais deux sans trois". Mais le sens est le même. "Le proverbe japonais dit: si cela s’est passé deux fois, cela peut se reproduire", explique le professeur Tetsuji Imanaka, qui a été jusqu’en 2016 chercheur à l’institut des sciences nucléaires et des radiations de l’université de Kyoto. Il a consacré sa carrière aux risques du nucléaire, et a notamment travaillé sur les accidents de Three Mile Island et de Tchernobyl. Et il était, mardi, l’invité des Verts au Parlement européen. "Nous avons eu Tchernobyl, nous avons eu Fukushima, est-ce qu’il faut vraiment continuer à produire de l’électricité en utilisant une technologie qui en cas de problème, oblige à évacuer la population sur 30 kilomètres au moins? "
Très peu d’informations
En 2011, le Japonais pensait prendre sa retraite. Mais la catastrophe de Fukushima, survenue le 11 mars, va en décider autrement. "Très vite, j’ai décidé, avec une équipe, d’aller faire des recherches sur le terrain, parce que j’étais convaincu que la situation était très grave, mais qu’il y avait très peu d’informations qui filtraient. "
Le 28 mars, il se rend dans la commune d’Itate, à une quarantaine de kilomètres de la centrale, et découvre des doses de radiations qui dépassent les 20 microsieverts par heure. "Dans un réacteur nucléaire, normalement, à ce niveau, on lance une alerte, affirme Tetsuji Imanaka. Au point le plus élevé, nous avons même mesuré 30 microsieverts par heure. Les gens se sentaient vraiment abandonnés. En fait, la radioactivité venait du sol, qui avait été contaminé durant la nuit du 15 mars par la pluie et la neige, après l’explosion du bâtiment du réacteur 4. Nous avons fait des prélèvements et nous avons pu estimer que les doses de radioactivité étaient de 152 microsieverts par heure au moment de la contamination. À ce niveau, les spécialistes s’enfuient! " Iitate, qui compte 6.200 habitants, ne sera évacué que le 22 avril, plus d’un mois plus tard.
Quels effets cela a-t-il eu sur la santé de la population? "C’est trop tôt pour le dire, répond Tetsuji Imanaka. On a recensé près de 200 cancers de la thyroïde chez des enfants dans la préfecture de Fukushima. Mais un certain nombre de scientifiques disent que c’est l’effet du dépistage. C’est un débat qui a eu lieu également il y a 30 ans à Tchernobyl, puis finalement, il a bien fallu admettre qu’il y avait aussi les effets de l’accident nucléaire. "
Ce qui frappe le plus dans le récit du scientifique japonais qui a consacré sa carrière à démontrer que les centrales nucléaires n’étaient pas absolument sûres, contrairement à ce que le gouvernement et l’industrie avaient l’habitude d’affirmer, c’est l’impact que Tchernobyl comme Fukushima ont eu sur la vie des habitants déplacés. "En Ukraine comme au Japon, ils répètent que leur vie a été coupée en deux: il y a l’avant et l’après accident. Leur maison, leurs moyens de subsistance leur ont été enlevés."
Le 31 mars 2017, le gouvernement japonais a autorisé les habitants d’Itate à rentrer chez eux, après avoir décontaminé la zone. "Mais 10% seulement des résidents, principalement des personnes âgées, sont rentrés, indique Tetsuji Imanaka. Le niveau de radiation a fortement baissé: dans les maisons décontaminées, il est de 0,2 à 0,8 microsieverts par heure. Mais il faudra attendre 50 à 100 ans pour que le césium 137 revienne à des faibles doses, qui resteront encore deux fois plus élevées que la radiation naturelle. De plus, Itate est un village en zone montagneuse, avec des forêts où les niveaux de radioactivité sont nettement plus élevés. Et le paysage est complètement transformé, avec 2,3 millions de sacs Flecon, remplis de sol contaminés, entassés dans les champs, et qui ne devraient rejoindre un site de stockage temporaire que dans cinq ans
", témoigne le chercheur japonais.
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NHKスペシャル 平成史 第1回▽大リーガーNOMO〜トルネード・日米の衝撃
NHKスペシャル シリーズ「平成史スクープドキュメント」。第1回は日本選手の大リーグへの道を切り開いた野茂英雄の独占告白から追体験するトルネード旋風の衝撃!
平成を象徴する“事件”“出来事”に光をあて新証言と新資料によって掘り下げながら一つの時代を俯瞰(ふかん)して見つめていくNHKスペシャル シリーズ「平成史スクープドキュメント」。第1回は日本選手の大リーグへの道を切り開いた野茂英雄の大リーグ挑戦とその後の活躍の秘話。テレビに出演することがほとんどない野茂氏へのロングインタビューや日米球界関係者の新証言から日米に衝撃を与えたトルネード旋風の深層に迫る 野茂英雄,江夏豊, 大越健介, 広瀬修子

あおざかな @aosakana
毎試合バタバタなのに楽天首位になっちゃいましたね。今日のすべてのニュースはこのニュースを一面にしないためのスピンに違いない。
きむらとも @kimuratomo
「新撰組は時の権力者である幕府についたが?」と記者団。
「今の権力は誰が握ってるんですか?いちばんの権力を持つ人々に仕え、お守りいたす」
山本は権力を持つのは国民であり、その国民を守るんだ、と宣言した。
こりゃシビれるな。
おい、カネや安倍首相にナビき忖度する奴ら、恥ずかしいだろ。

枝野幸男@edanoyukio0531
【桜田五輪大臣の辞任について】
辞任は当然です。被災地の皆さんのみならず、全国で復興に取り組む皆さんの努力を一顧だにしないもので、信じられない発言です。今まで再三、大臣としての姿勢や見識を疑問視され続けてきたにもかかわらず、かばい続けてきた総理の責任が問われます。


雨です.でも仕事は頑張らないと.
新しいメガネができているはずなのでお店で引き取りました.古いのはレンズがダメになっていてとても見づらかったのですが,くっきりと見えます.
夕方Koさんがバイトしたい!とたずねてくれました.さてどうしたものやら.
電子レンジでご飯を炊こうとしたら大失敗.カチカチのご飯ができました.仕方ないのでお茶漬けにして食べました.
パソコン使ったことないセキュリティー担当で失言が多いおじさんがついに辞めさせられました.あまりにもひどい発言で当然です.でもそれ以上にひどい人,特に肩書が上の人でウソをつくおじさんもやめてほしいです.

桜田氏の失言「被災地を愚弄」「自らとどめ刺した」 地元・千葉からも厳しい指摘
 「復興五輪」の仕切り役の桜田義孝五輪相の突然の辞任。繰り返された失言には、東日本大震災の被災地に関するものもあり、東北の被災地や、液状化被害に苦しんだ住民もいる地元・千葉県民からは「被災地を愚弄(ぐろう)している」など厳しい指摘も相次ぎ、統一地方選への影響を懸念する声も漏れた。
 桜田氏が失言したのは、岩手県が地元の高橋比奈子衆院議員(比例東北ブロック)のパーティー。震災で住民の1割弱が死亡・行方不明となった同県大槌町出身で、自民党県連幹事長の岩崎友一県議は「誠に遺憾。それ以外にない。被災地を愚弄している。復興五輪が薄れてしまう。残念を通り越して言語道断だ」と憤った。
 桜田氏は3月にも自身の選挙区内の集会で「(震災時に)国道や東北自動車道が健全に動いていた」などと事実誤認の発言をし、謝罪。4月9日の参院内閣委員会でも、被災地の宮城県石巻(いしのまき)市を3回にわたり「いしまき」と言い間違えた。聖火リレーの出発地誘致活動をしてきた石巻市体育協会の伊藤和男会長(72)は「政治家に向いているのかな。復興五輪がこんな形で話題になり残念」と話した。
 一方、桜田氏は地元・千葉では自民党県連会長。統一選で陣頭指揮する立場だが、7日に当選したばかりの自民県議は「しょうがない人。自らとどめを刺した。副国交相の辞任もあり『またか』と有権者が思うかも」。別の自民県議は「統一選後半戦で自民に対する逆風は確実にある。浮動票を取り込めず、厳しい戦いになるのではないか」と嘆き、14日に告示が迫る船橋市議選に出馬する自民市議は「自分の選挙には関係がないと思って頑張りたい」と自らに言い聞かせた。
 識者らは「政権のおごり」と批判する。被災地で取材を重ねるフォトジャーナリストの安田菜津紀さんは「国会でも答弁書をなぞるだけで、被災地への思いがにじむことはなかった。生活でいっぱいいっぱいで、このような発言に怒るエネルギーさえなくなっている被災者もいることを知らないのではないか」と憤りを隠さない。
 政治アナリストの伊藤惇夫さんは「今回の失言は『またやったか』では済まない。何度も更迭すべきタイミングはあり、遅すぎた。復興五輪の担当大臣が復興を巡る失言とはまったく自覚がなく、派閥推薦丸のみで組閣した安倍内閣の慢心やおごりが表れている」と非難した。【藤井朋子、百武信幸、町野幸、千脇康平】


桜田五輪相、石巻市を「いしまきし」と3回言い間違い、謝罪
 桜田義孝五輪相は9日の参院内閣委員会で、2020年東京五輪・パラリンピックに関連した復興五輪イベントが3月に開かれた石巻市について「いしまきし」と3回言い間違い、謝罪する場面があった。
 桜田氏は3月24日に同市であった1964年東京五輪の聖火台の返還セレモニーを欠席した。その理由を問われた際、「いしまきし」と誤って発言した。事務方の助言を受けた後も「いしまきし」と再度言い「いしのまきし」と訂正する答弁を繰り返した。
 野党議員から「おかしいだろ」とやじが飛び、桜田氏は「間違ったことをおわびしたい」と陳謝した。
 東日本大震災による同市の死者・行方不明者は計3972人で、被災自治体で最多。質問した自由党の木戸口英司氏(岩手選挙区)は委員会後「政府は都合のいい時に『復興五輪』と言うだけで中身がスカスカなのが分かった」と皮肉った。


防災集団移転団地に夢の居酒屋 南三陸の三浦さん、火災と震災乗り越え開店
 東日本大震災後に宮城県南三陸町志津川に造成された防災集団移転団地で、初めての居酒屋「鷲巣(イーグルス)」が開店した。店主の三浦達也さん(51)は家族で営んでいたクリーニング店を襲った火災と震災の2度の災害を乗り越え、温めていた夢をかなえた。「町の人たちが楽しく酒を飲み、気晴らしできる場所にしたい」。新たな商売で町を盛り上げる決意だ。
 居酒屋は同町志津川の高台に140区画が整備された東団地に立つ。3日夜、店先の赤ちょうちんに明かりがともると、開店を待ちわびた町民が訪れ、店内はにぎやかな笑い声に包まれた。
 三浦さんはプロ野球東北楽天のファンで、町の応援協議会のメンバー。店の入り口に掲げたのれん、仕事着の作務衣(さむえ)の色はチームカラーのクリムゾンレッドにした。
 「ファンが集まれる店が町になかった。試合がある日は、みんなでテレビ中継を見ながら応援したい」。この日、夜のニュース番組でチームの勝利が報じられると、客との野球談議に花が咲いた。
 志津川の十日町地区で家族で営んでいたクリーニング店が2005年に火災で焼失。翌年に再建したものの、震災の津波で自宅を兼ねた店舗を再び失った。自宅にいた母も帰らぬ人となった。
 子どもの頃から仕事で忙しい両親に代わり、食事を作ることもあった。料理が得意だった三浦さんに、震災前年に病気で亡くなった父は生前、「食べ物屋をやってみたらどうだ」と勧めていたという。
 震災後はクリーニング店の再建を断念し、居酒屋での再出発を決めた。だが、当初は壊滅的な被害を受けた町の先行きが見えなかった。地元の水産加工場や設備管理の仕事などさまざまな職業に就いて食いつないだ。
 「石橋をたたいて渡る性格なので時間がかかってしまった」。17年度に東団地の造成が完了すると、居酒屋開業に向け本格的に動きだした。昨年12月に自宅兼店舗が完成し、仮設住宅の暮らしを終えた。
 カウンター6席、座敷8席のこぢんまりとした店内で、鶏の唐揚げやお好み焼きなど庶民的な料理を手頃な価格で提供する。時季になれば自ら釣った魚を調理し、振る舞うつもりだ。
 「火事の時、震災に遭った今回も周囲の助けに支えられた」。恩返しの気持ちを胸に、居酒屋店主として再起の一歩を踏み出した。


気仙沼の震災遺構 オープン1か月で8300人来館
 津波で被災した高校の旧校舎を整備した宮城県気仙沼市の震災遺構を訪れた人が、オープン1か月で約8300人となりました。
 震災の津波で被災した宮城県の気仙沼向洋高校の旧校舎を整備した「気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館」。10日は、4月から気仙沼市に派遣されている職員が見学に訪れました。この施設は、震災の記憶を後世に語り継ごうと、市が3月10日にオープンしたもので9日までに訪れた人の数は、8266人となっています。施設では、年間7万5000人の来館者を目標としていて、今後は首都圏などからの修学旅行の誘致に力を入れることにしています。


<全町避難>大熊町、初の避難解除、2地区対象、町面積の38%
 東京電力福島第1原発事故で全町避難した福島県大熊町の一部地区で、避難指示が10日午前0時に解除された。町は復興の第一歩を踏み出す。第1原発が立地する同県双葉、大熊両町では初の解除となり、住民の町への帰還に向けた取り組みが本格化する。
 解除対象は、大川原(居住制限区域)、中屋敷(避難指示解除準備区域)の両地区。放射線量が比較的低い地区で、面積は計約30平方キロと町全体の38%を占める。一方、住民登録(3月末)は計138世帯367人で、町全体の3.5%にとどまる。
 昨年4月に準備宿泊が始まり、登録する21世帯48人(今月3日現在)が既に長期宿泊している。大川原には東電の社員寮があり、廃炉作業に従事する約700人が特例として居住する。
 町は大川原を復興拠点に位置付ける。14日に新しい役場庁舎の開庁式を行い、5月7日に業務を開始。災害公営住宅は6月1日入居開始の50戸の入居者が決まり、続く2期分の40戸、移住者向け再生賃貸住宅も今後整備される。
 当初の帰還者は高齢者が多いと見込まれるが、生活環境の整備完了にはやや時間がかかる見通し。
 大川原に町が設置する診療所は2021年4月の開所を予定。町は当面、隣接する富岡町など町外施設の利用を呼び掛け、巡回車や送迎車の運行を準備する。スーパーを核とした商業施設は20年の開業予定。コンビニエンスストアなど3店舗を今年6月に先行オープンさせて対応する。
 町は大川原への住民帰還と復興の取り組みを呼び水に、事故前に住民の96%が暮らした帰還困難区域内に居住エリアを設ける「特定復興再生拠点区域」の避難指示解除やエリア拡大、まち再生へとつなげたい考えだ。


避難指示が解除された福島・大熊町大川原地区の状況
 東京電力福島第一原発事故で全住民の避難が強いられた福島県大熊町で4月10日、町西部の大川原(おおがわら)地区と中屋敷(ちゅうやしき)地区の避難指示が解除された。事故から8年以上が経過し、第一原発が立地する大熊、双葉の2町での避難指示解除は初めて。
 事故前の中心部だったJR常磐線大野駅周辺は帰還困難区域のため、町は大川原地区に新しい役場庁舎を建設。4月14日に開庁式があり、5月から業務を始める。新庁舎周辺で建設が進む復興住宅50戸には6月から住民が入居し、仮設のコンビニもできる。
 取材班は4月2日、除染を終えた大川原、中屋敷の2地区で空間放射線量を測定。政府が長期的な目標とする毎時0.23マイクロシーベルト以下になっていたのは、新庁舎や復興住宅周辺のわずかなエリアに限られていた。それ以外では線量は依然として高く、東と北側は、高線量の帰還困難区域に囲まれる状況を実感させられた。
 許可無しで国道6号まで抜けられるようになった。ただし、大野駅近くは毎時3〜4マイクロシーベルト。6号に近い地点は4〜6マイクロシーベルト、6号から福島第一原発に向かう道では毎時8マイクロシーベルト前後にまで上昇した。(山川剛史、小川慎一)


デスク日誌 海の輝きを
 「できたばかりの校歌の詩を送らせていただきます」。福島市の詩人和合亮一さんからメールが届いた。
 福島県浪江町の「なみえ創成小・中学校」。東京電力福島第1原発事故に伴う避難指示解除を受け、昨年4月に開校した。新年度は16人の児童・生徒が通う。
 和合さんは、若い頃、よく自転車で浪江の浜辺を訪れた。くらし面に連載中の「詩ノ交差点アリマス」で当時のことを「ぼうぜんと海を眺めていると、大きな宇宙の時間の底にぽつりと存在しているようで詩のようなものを書いてみたくなったものだった」と記す。
 校歌の作詞を依頼され、震災後、初めて現地に出掛けた。津波による付近の変わりように言葉を失った。だが、光明も見いだす。
 「沖の海景の明るさは変わっていない。子どもたちに景色を、あの光を贈りたいと思った」
 校歌の一節に「はじめの光を胸に生きる」という言葉がある。先月開かれた校歌完成の集いで、和合さんは、ここが最初にできたと語ったという。苦難の中でも、ふるさとの海の輝きを忘れないで前進してほしい。そんな思いが込められていると感じた。(生活文化部次長 加藤健一)


<気仙沼大島大橋>案内板なく「迷子」続々、気仙沼市に苦情など60件
 7日に開通した気仙沼市の大島と本土を結ぶ気仙沼大島大橋に関し、橋までのアクセスの分かりにくさや、観光情報の不備に対する苦情や問い合わせが相次いで市に寄せられていたことが9日、明らかになった。
 市観光課によると、問い合わせや苦情は8日だけで60件に達した。3割以上が「橋までの行き方が分からない」と、気仙沼市中心部から橋に向かうアクセスの分かりにくさを指摘する声だった。
 市内には大島大橋に誘導する案内板がほとんどない。特に、鹿折地区の県道から大島大橋がある県道大島浪板線までの経路に戸惑った利用者は多いという。島に入ってから迷った観光客の苦情もあった。
 他には「島の見どころはどこなのか」「島まで運行するバスはあるのか」「橋は有料か」など細やかな情報を求める指摘もあった。
 7日は一般の通行が始まった午後3時から午後6時ごろまで、島の船着き場がある浦の浜周辺の県道が仙台や県外ナンバーの車で混雑した。渋滞対策も今後の大きな課題だ。
 市は11月下旬まで、土日祝日を中心に島内の6カ所に交通誘導員や市職員を配置する方針。9日には市と県気仙沼土木事務所の担当者が、渋滞緩和や案内板の在り方などの対応策を話し合った。
 9日にあった定例記者会見で菅原茂市長は「道路を管理する県に開通後の状況を伝え、必要な措置を取ってもらう。交通誘導員の適切な配置方法は、早急に決めなければならない」と危機感を示した。


8割が「復興完了まで3年超」 被災16市町村長アンケート
 熊本地震から3年になるのを前に、建設型仮設住宅のある県内16市町村の首長に熊本日日新聞社が実施したアンケートによると、今後、復興完了までの期間を「3年以上」とする回答が8割の13人に上った。課題としては、職員の不足や厳しい財政状況を挙げ、国や県に支援の継続を求めている。
 アンケートは3月下旬、熊本市、宇土市、宇城市、阿蘇市、美里町、大津町、菊陽町、産山村、南阿蘇村、西原村、御船町、嘉島町、益城町、甲佐町、山都町、氷川町を対象に実施し、全市町村から回答を得た。
 今後、復興が完了するまでの期間は「3年程度」が7人で最も多く、「5年程度」が5人。益城町は「10年以上」と回答した。美里町と嘉島町は「1年以内」。熊本市は「一概に示せない」とした。
 復興の進み具合は、70%台に5人の回答が集中。93%から30%まで大きな開きがあった。項目別にみると、「道路などのインフラ」「地域経済」の復興に比べ「市民のくらし」の復興が進んでいない、と捉える首長が半数を占めた。熊本市と益城町は「回答は難しい」とした。
 復興を進める上での課題(複数回答)は、「職員の人手不足」と「財源不足」の各12人が最多で、「資材の不足・高騰」が10人で続いた。南阿蘇村は「風評」を挙げた。
 国や県への要望は、人的支援と財政支援の継続に加え、大津町は「生活再建後のコミュニティー形成などソフト面の支援」を訴えた。熊本市は「今後の災害に備えた統一的な被災者支援システムの導入」を提案した。(熊本地震取材班)


伸び悩む女性議員数 男性中心の議会いびつだ
 7日投開票された統一地方選・41道府県議会議員選挙には、389人の女性が挑み、過去最高の237人が当選した。女性の当選者に占める割合も10・4%になった。とはいえ、6道県で減少、選挙がなかった県内など6都県を含めると1桁の議会も40に上るなど依然、男性中心のいびつな状況に変わりはない。
 政府は2020年までに「社会のあらゆる分野において、指導的地位に女性が占める割合を少なくとも30%程度とする」目標を掲げている。特に今選挙は昨年5月に「政治分野の男女共同参画推進法」が成立してから初めて行われた選挙である。
 民主政治を支える議員数ですら到底目標におぼつかない現状を変えるために抜本的な対策を講じる必要がある。
 女性議員の少ない原因を女性議員に尋ねた昨年3月の内閣府の委託調査がある。最多の回答は「議員活動と家庭の両立が難しい」。次いで「家族や周囲の理解が得づらい」「政治は男性が行うものという考え方が強い」と続く。
 戦前の家父長制といった「家」制度的意識が女性の政治参加の足かせになっていないか。憲法24条は家族生活における個人の尊厳と両性の平等を定める。判例でも「夫たり妻たる故をもって権利の享有に不平等な扱いをすることを禁じ」ている。
 まして憲法14条は、すべて国民は法の下に平等であり、性別などにより政治的、経済的または社会的関係において差別されないと定める。政治は男性の専権と捉える意識がいまだにあるとすれば、時代錯誤も甚だしい。
 アファーマティブアクション(積極的な差別是正措置)と呼ばれる政策がある。差別の対象の是正、改善を法的に義務付け、あるいは行政指導などをする。
 諸外国の地方議会で女性の政治参加が増えているのは、その一つであるクオータ制(人数割当制)など、さまざまな取り組みがなされているためという。
 スウェーデンでは、1994年の選挙で多数の政党が男女交互の候補者名簿を作成した。英国では労働党が党内役員にクオータ制を導入した。 ドイツでは、緑の党がクオータ制を導入し、その後、社会民主党などの主要政党も導入している。
 国内の都道府県議会の女性割合ランキングを見ると、1位が東京の36人(28・35%)。以下、京都13人(21・67%)、神奈川19人(18・10%)と続く。沖縄は12位で6人(12・50%)だ。30%の目標に届く議会はない。
 政府が到達目標を掲げる女性の「指導的地位」の職業には議員のほか、企業や官公庁管理職、教員、研究者などが挙げられている。まずは各政党が女性候補者の割合を一定以上にする取り組みを進めるべきではないか。率先垂範することで、女性進出の障壁を崩したい。


大阪都構想より副首都構想から議論を進めるべきではないか
 大阪都構想を最大の争点として争われた大阪府知事、市長のダブル選挙は、ともに都構想の推進を訴えた松井一郎前大阪府知事と吉村洋文前大阪市長の勝利で終わった。松井氏が市長となり、吉村氏が府知事になる。
 この選挙結果を受けて、NHKなどメディアは「都構想の実現に弾みがついた」と報じている。再度、住民投票で民意を問うことになるのだろう。しかし、それは大阪を分断するものになるだろう。また、都構想の議論は実際には深まっていない。メディアの無責任な報道も含めて懸念される点は多い。
 都構想とは、大阪市を4つの特別区に分割して政令指定都市としての権限を大阪府に移譲するというものだ。モデルは言うまでもなく東京都だ。松井氏は候補者討論会で、「東京は1943年に東京都にかわりました。それから80年弱が経過して、まさに一極といわれる日本を牽引する、成長する大都市になった」と語っている。
 東京が、東京市を廃止して東京都になったことが日本を牽引する立場に押し上げたとの認識で、つまり、大阪もそうなることで日本を牽引する立場になるというのが都構想の考えだ。
 しかし、43年に当時の東京府が東京市を廃止して東京都になったのは、戦局が悪化する太平洋戦争に対応した国防上の理由だ。戦後も東京都の制度は残ったが、それが東京の発展の理由になったといえるのかは疑問だ。
 むしろ、東京が発展した理由は、64年の東京オリンピックに代表される国家的プロジェクトや大手企業の東京への集中に求める方が自然だろう。
 東京23区が、特別区の課題を議論する場として設置している特別区協議会という機関がある。そこに問い合わせても、都区制度と東京の成長の関係については否定的だった。「特別区はあくまで住民サービスとしての制度」というのが説明だ。仮に大阪が東京と同じような行政形態になったとして、それで大阪が東京と並ぶ日本を牽引する立場に立てるというのはどういう理屈なのか。急に企業が大阪に本社機能を移すようになるのか。この点はぜひ、説得力のある説明を求めたい。
 そして、もしそれができないなら、一度、都構想の議論を別の角度から行うことを求めたい。それは副首都構想だ。実際には大阪府と大阪市の行政の現場では、都構想より、副首都という言葉が使われている。副首都推進本部もある。そのビジョンとして、「西日本の首都として、中枢性、拠点性を高める」とか「首都機能のバックアップとして平時を含めた代替機能を備える」などとなっている。
 この副首都構想は都構想と表裏をなしているともいえるが、一方で、まず都構想ありきではなく、副首都構想から議論を進めることは可能だろう。印象論だが、大阪を副首都にするということについては、反対する大阪府民市民は少ないのではないか。既に大阪の分断は深まっている。その分断が更に深まることが大阪にとって良いはずはない。それは日本にとって良いものではない。
 副首都なら、都構想で分断された人々も共通の土台で議論ができるし、両者の溝を埋めることにもつながるだろう。当選した両氏には、その点を冷静に考えて対応していただきたい。


大阪ダブル選 都構想巡り徹底的な議論不可欠
 「大阪都構想」推進を掲げた政治団体・大阪維新の会が、大阪府知事と大阪市長の入れ替わりダブル選で圧勝し、引き続き二つのポストを守った。府議選でも過半数の議席を獲得、市議選は半数に届かなかったものの議席を伸ばした。
 大阪維新が「民意を得た」として悲願実現に弾みをつける形となったのは確かだ。だが、選挙で大勝した結果におごり、強引に政策を推進するのは許されない。都構想は長く大阪を分断してきた経緯があり、丁寧に合意形成を図ることが不可欠だ。大阪維新は構想反対派の意見を尊重しながら、徹底的に議論を深めなければならない。
 知事選、市長選とも投票率が前回を上回り、有権者の関心が高まる中、大阪維新は2011年、15年に続いてダブル選を制した。府議選、市議選でも躍進し、支持は底堅い。自民党は府議団、市議団の両幹事長が落選し、公明党は府議選では現職全員が議席を守ったが、市議選で現職1人が落選した。都構想推進派と反対派で明暗が分かれる結果となった。
 大阪都構想は、大阪市を廃止し、現行の行政区を東京23区と同様の特別区に再編し、府と市の二重行政の解消を目指す。実現するには府市の法定協議会で制度案を決定し、府市両議会の承認を得る必要がある。大阪維新は市議会で単独過半数の議席を得ておらず、承認されるのは決して容易ではない。
 さらに、住民投票で賛成多数を得るという高いハードルが控えている。出口調査によると、都構想に賛成と答えたのは大阪市民の6割近くに上り、反対派の自民党支持層でも5割近くが賛成と答えており、有権者が都構想に一定の理解を示したのは間違いない。ただ、反対の声は少なからずあり、無党派層では賛成49.2%、反対48.6%と僅差だった。大阪維新は有権者を二分している現実を重く受け止める必要があろう。
 今回の選挙で反維新が敗北した要因の一つに与党内部の足並みの乱れもある。首相や官房長官は親密な維新に配慮し、選挙期間中、一度も大阪入りしなかった。公明党も国政での日本維新の会との歩み寄りの余地を残そうと代表らの応援を見合わせた。中央の思惑により大阪を軽視した姿勢に有権者が反感を持った側面も否めない。
 選挙に勝ったとしても、知事と市長が立場を入れ替えて立候補するという大阪維新の政治手法を認めることはできない。任期途中に選挙で局面を打開しようとするのは党利党略と言わざるを得ない。府民を置き去りにして政治を私物化した振る舞いを真摯(しんし)に反省するよう求める。
 都構想は選挙の争点として、賛否について論戦が展開されたが、構想自体への住民の理解は深まっていない。なぜ都構想が必要なのか。生活はどう変わるのか。市民の疑問や不安に正面から向き合い、説明を十分に尽くさなければならない。


[安保法施行3年]「専守」の逸脱危惧する
 安全保障関連法が施行されてから3年が経過した。
 憲法解釈変更による集団的自衛権の行使容認や、他国軍への後方支援拡大、国連平和維持活動(PKO)拡充などを可能にした法律である。
 施行からこの間、自衛隊の任務は大幅に広がり、米軍との軍事一体化が急速に進んでいる。
 政府は2月、安保法に基づき、自衛隊が米軍の艦艇や航空機などを守る「武器等防護」を2018年に16件実施したことを明らかにした。17年の2件、16年のゼロに比べ大幅に増えた。
 当初政府は「可能な限り最大限の情報公開をする」との方針を示していたが、実施時期や具体的な状況の説明はない。国民の目が届かないところで、既成事実化することは許されない。
 政府は今月中旬からエジプト・シナイ半島に陸上自衛隊の幹部自衛官2人を派遣することを閣議決定した。
 安保法の新任務である「国際連携平和安全活動」を初適用し、イスラエル、エジプト両軍の停戦監視活動をする「多国籍軍・監視団」(MFO)に司令部要員として派遣する。国連が統括していなくても国際的な機関の要請を条件に派遣を認めるものだ。
 新任務の地ならしをして将来は部隊派遣を念頭に置いているのではないかとの疑念が拭えない。
 南スーダンのPKOでは安保法の「駆け付け警護」を付与。後に日報では直前に「戦闘」の表現が頻発していたことがわかったが、政府は「武力衝突」と強弁した。南スーダンの検証も不可欠である。
    ■    ■
 専守防衛が形骸化しかねない自衛隊の「打撃力」強化も懸念材料だ。
 政府は昨年12月、安保法施行後初めてとなる防衛力整備の指針「防衛計画の大綱」と、装備調達を進める「中期防衛力整備計画」(19〜23年度)を閣議決定した。
 海上自衛隊のヘリコプター搭載型護衛艦「いずも」を改修し、艦載機として米国から導入する最新鋭ステルス戦闘機F35Bを念頭に置く。事実上の空母化である。
 南西諸島防衛のために、敵の射程圏外から攻撃できる3種類の長距離巡航ミサイルの導入も明記した。
 いずれも敵基地攻撃能力の保有につながる。専守防衛を逸脱する可能性が高い。
 中国など周辺国の反発を招くのは間違いなく、軍拡競争につながりかねない。
    ■    ■
 自衛隊の任務がなし崩し的に広がり、米国の戦争に巻き込まれる。日本がそんな「戦争のできる国」に向かっていることを強く危惧する。
 安保法案は圧倒的な反対の世論や多くの憲法学者が「違憲」と指摘する中、衆参両院で強行採決を繰り返して成立した。安倍政権は憲法解釈の変更で、集団的自衛権の行使容認を閣議決定した。内閣法制局は検討過程を公文書として残しておらず、検証ができないことは重大な問題だ。
 国是の専守防衛が揺らいでいる。防衛予算の膨張、米国からの武器購入の急増、急激に変わる自衛隊の任務などを国会で議論すべきだ。


新たな自衛官派遣 国会の議論欠かせない
 政府は、エジプトのシナイ半島で同国とイスラエル両軍の停戦を監視している多国籍軍・監視団(MFO)の司令部要員として、陸上自衛隊の幹部自衛官2人を派遣する。
 2016年施行の安全保障関連法で新設された「国際連携平和安全活動」として、国連が統括しない多国籍軍の軍事的な活動に自衛官を派遣する初めてのケースとなる。
 政府は、MFOからの派遣要請が以前からあったというが、詳細を明らかにしていない。なぜ今なのか、緊急性や必要性についても政府の説明は不十分と言わざるを得ない。
 安保関連法を適用した新たな活動の実績作りが狙いだとしたら乱暴すぎはしないか。政府の判断だけで、自衛隊の活動がなし崩し的に広がっていく懸念が拭えない。MFOを含む自衛隊の海外派遣について、国会で徹底した議論が欠かせない。
 シナイ半島は、1967年の第3次中東戦争でイスラエルが占領し、79年のエジプト・イスラエル平和条約に基づき、エジプトに返還された。MFOは同半島の平和維持を目的に82年に設立され、米国を中心に12カ国から約1200人の軍人が派遣されている。
 自衛官2人の派遣期間は19日から11月30日まで、イスラエル、エジプト両国の連絡仲介を主な任務とする。拳銃と小銃を携行するが、戦闘行為に直接関与しないという。
 シナイ半島は、治安情勢が比較的安定しているとされる。政府も現地調査の結果、安全が保たれ、自衛官の勤務環境に問題がないと判断したという。
 国際貢献の必要性は認める。ただ中東では、米国が、イスラエルの主張するゴラン高原の主権を正式に承認するなど、新たな緊張の火種がくすぶっているのも事実だ。万が一の事態が起こらないとも限らない。
 MFOは米軍主導の活動である。今回派遣される自衛官が、米軍の指揮下に入り、より危険な任務に従事させられる可能性はないのか。この点でも、政府にはしっかりとした説明が求められる。
 そもそも安保関連法は、ほとんどの専門家から「違憲性」を指摘されている。歴代政権が憲法上許されないとした集団的自衛権の行使を、安倍政権が憲法解釈の変更によって認めたからだ。
 安保関連法の施行から3年たつが、その疑念はいっこうに晴れていない。その一方で、政府は実績作りを積み重ねる。
 南スーダンの国際平和維持活動(PKO)に派遣された陸自部隊に「駆け付け警護」を付与したほか、自衛隊が米軍の艦艇などを守る「武器等防護」の実施を増やしている。
 安保関連法が定める多国籍軍や機関への自衛隊派遣に対しては、国民の間でも依然として反対論は根強い。想定される活動の内容の議論は積み残したままである。今回のMFO派遣をその突破口にしようと考えているのなら見過ごせない。
 安倍政権は「防衛計画の大綱」を見直し、空母保有や長距離巡航ミサイルの導入など、平和憲法が定めた「専守防衛」から逸脱するような動きが目立つ。いま一度、自衛隊の国際貢献の在り方について、国会で議論を深める必要がある。


公正な大学入試  ルール化で信頼回復を
 性別や年齢で不利に扱ったり、成績順でなく特定の受験生を合格させたりすることを禁じる―。文部科学省の有識者会議が、大学入試の公正を保つ共通ルールを盛り込んだ中間報告をまとめた。至極当然であり、今更との感を否めないが、一歩前進と受け止めたい。
 昨年に発覚した医学部入試を巡る不正を受け、文科省は全学部共通のルール作りを急いでいる。
 中間報告は、募集や出願、試験、合否判定、発表など各段階で求められる対応を列挙し、大学側の説明責任を強調している。
 例えば、合否判定時、性別や年齢、現役・浪人などの属性を理由とする差別を「不適切」と明記した。一連の入試不正で浮かび上がった差別的な扱いは他学部でも起きる恐れがあり、当然だろう。
 さらに出願手続きで保護者の氏名や職業などの情報を求めないことや、採点の際は解答用紙の氏名を隠して複数人で行う、といった具体例も示した。判定がばらつきやすい小論文や面接は、評価方法のマニュアル化を求める。
 地域枠や私学の同窓生子女枠など「特定枠」について、募集要項に合理的な説明や募集人員の明示を要求したのも透明性を高めるのに有効だ。丁寧な説明や厳格な運用を前提にしてこそ、受験生らもその妥当性を納得できよう。
 文科省は従来、入試に関する指針「大学入学者選抜実施要項」で「公正かつ妥当な方法」とだけ定め、選抜方法は各大学の裁量に委ねてきた。だが、今回は具体的に踏み込み、学生募集や合否判定を巡ってやってはいけない「禁止事項」を明示したのが目立つ。
 入試は本来、各大学の責任で自律的に実施されるのが前提であろう。また、多様な能力や資質を評価するには、制約は少ない方がいい。とはいえ一連の入試不正を振り返れば、大学任せでは改善が難しい。広く社会の理解を得られる公正な制度とするには最低限のルール化はやむを得まい。
 文科省は最終報告を待って、6月に示す指針に反映し、来年度の入試から適用する方針という。
 入試不正の根絶は大学自体の反省と自浄力なしに進まない。各大学は新たな共通ルールを踏まえて入試方法を点検し、疑念が生じないよう改善してほしい。誰もが納得する透明で公正な入試の実現こそが信頼回復への第一歩となる。
 入試の合否は受験生のその後の人生を左右しかねない。落ち度のない若者に理不尽な思いをさせることは、決して許されない。


【大学共通テスト】不安は解消されていない
 大学入試センター試験の後継として大学入学共通テストが、2020年度から始まる。本番を前に試行調査が行われたが、数々の課題が解消されていない実態が浮き彫りになった。
 共通テストは、知識偏重から「思考力や判断力・表現力」を問う入試制度への改革を掲げる。その方向性や理念はいいとしても、出題や採点の仕方を巡って、教育現場やこれから受験する生徒らの間に批判や戸惑いの声が上がっている。
 共通テストの特徴は、国語と数学に記述式の問題を取り入れ、英語に民間の検定試験を導入することだ。マークシート式の問題に加えて、複数の記述式問題を課して思考力や表現力を評価する。
 センターは今月4日、昨年11月に行った調査の記述式問題の結果を公表した。
 その結果、3問を出した数学での平均正答率は3・4〜10・9%と低迷。既に公表されているマークシート式の結果と合わせた平均点は100点満点中26・61点だった。センターが目標とする「5割程度」には遠く及ばない。
 「問題が複雑すぎる」「分量も多すぎる」といった声は、17年の初回試行調査の直後から上がっていた。問題を簡潔にするなど調整の余地はあったはずだが、結果は改善されていない。
 この点、国語の点数はまずまずだが、より大きな問題がある。生徒の約3割が自己採点と実際の点数が一致しなかった。
 このままだと、受験生が自分の試験結果を把握できず、出願する大学を選択する際に混乱が生じかねない。受験生を不安にさせる選抜試験になれば本末転倒だ。
 受験者が50万人を超える本番で、解答を採点するのはセンターが委託した民間業者である。記述式は正解が明確なマークシート式と違い、採点者により評価がぶれる懸念は消えていない。
 英語を巡っても根本的な不安が残っている。センター試験が重視してきた「読む・聞く」に「書く・話す」を加えるため、8種類の民間検定試験を使うことが決まっている。複数の試験の成績を公平に採点できるのだろうか。こうしたことから民間試験を見送る大学も出ている。
 試行調査の結果を見る限り、このまま本番に突き進むことには疑問が残る。それでもセンターはこれ以上の試行調査はしない方針という。検証し改善する機会を設けるよう再考してもいいはずだ。
 このままでは受験生が不安を抱えたままの「見切り発車」になりかねない。せめて事前の準備に可能な限りの力を注ぎ、万全を期してほしい。出題内容、採点の態勢とも現状は生煮えの状態だ。
 記述式の理念はいい。しかしだからこそ、今後の方向を定める入り口が重要になってくる。よりよい方向へ議論を深めるために、さらに努力を重ねるべきだ。


留学生大量失踪の東京福祉大、元教授が緊急会見。元総長が「120億のカネが入るわけだよ」と会議で発言。金儲けのために留学生受け入れか
渦中の東京福祉大、元教授が緊急記者会見
 大量の留学生が行方不明となった東京福祉大学(東京都豊島区)。同大学の教授だった田嶋清一氏は4月10日に記者会見を開き、元総長である中島恒雄氏が「金儲け」のために留学生を大量に受け入れていたと告発した。
 同大学では、2018年度に「研究生」として受け入れた留学生3200人のうち、688人が行方不明となっている。2016年度からの3年間では累計で1400人が所在不明になっているという。
「研究生」とは、学部の正規課程に進学するための準備として、日本語や日本文化を学ぶ留学生のことを指す。授業に出席するのは、週に10時間以上でよいという。
 同大が大量の留学生を受け入れたのは、収入の確保が目的だったのではないかと指摘されてきた。
「そしたら、ガバチョガバチョじゃん」
 田嶋さんは2011年9月に行われた会議の議事録と録音データを公開。実際に、中島氏から「金儲け主義」とも思えるような発言があったと指摘した。議事録によると、経営学部の新設を目指す会議の中で、中島氏は以下のような発言をしている。
「120億の金が入るわけだよ、専門学校で。大学より大規模になっちゃう、もうかるの。何でそれをやらんの。聞いてんだよ、おい」
「そいで4年間やりゃあ、上手にやりゃ、おまえ、今の勝手な試算だけど、120億入るって。どうだ伊藤、すごいだろ、おまえ。このアイデアは」
「そしたら、ガバチョガバチョじゃん」
(表記は全て議事録ママ)
 これ以外にも中島氏は、“いくら儲かるのか”という話を繰り返ししている。田嶋氏は、「学校運営の目的が、教育や研究ではなく、金儲けにすぎなくなっている」と中島氏を批判した。
出所後も大学の経営に関与
 中島氏は2008年1月に強制わいせつ罪で逮捕され、懲役2年の実刑判決を受けている。それ以降、表向きは大学の教育と研究に関与してこなかったが、際には影響力を保持し続けていた。今年3月末の職員研修会にも参加し、大学側に問題はないことや報道が誤っていることを主張していたという。
 女子留学生への不適切な行為もあったという。田嶋氏は「十数年前から自宅に女子留学生を宿泊させています。中島氏に近しい人物によると『留学生たちに夜の相手をさせている』といいます」と話す。裁判で意に反した性行為があったことを認められた留学生がおり、彼女には(中島氏から)示談金を支払われています。
「留学生30万人計画」の影で留学生が食い物にされている
 指宿昭一弁護士は、「こういう大学があってもいいのか」と同大のあり方を批判する。
「留学生は金儲けの道具ではありません。『留学生30万人計画』の影で、こうした不適切な学校に食い物にされる留学生が後を絶ちません。大学と中島氏の責任を明確にするべきでしょう」
 2008年に策定された「留学生30万人計画」。留学ビザの発給基準も緩和され、2018年5月には、大学や日本語学校などに在籍する外国人留学生が約29万8000人に達した。こうした拙速な受け入れが、大量の留学生の行方不明というひずみをもたらしたと考えられる。


コンビニ岐路 持続可能なモデルとは
 道路を挟んだ向かい合わせでコンビニエンスストアが営業している。あるいは、数軒隣で。成り立つのだろうかと思っていると、いつの間にか閉店していることがある。地方都市でも珍しい光景ではなくなった。
 今や暮らしのインフラとして欠かせないコンビニ。主要7社が国内展開する店舗数は2月時点で約5万6千店に上る。2000年代初めは約4万店で推移していたが、ここ数年で再び出店の勢いが加速している。
 そのコンビニを巡っては、セブン−イレブン・ジャパンのフランチャイズ(FC)加盟店オーナーが人手不足から営業時間短縮に踏み切り、本部とトラブルになる事態が表面化した。
 身近なコンビニの問題とあって世間の注目が集まっている。便利さの象徴ともいえる24時間営業に対し、利用者からは要不要の声が相次いだ。当初、契約違反として違約金が生じると伝えたセブン側も一転して、容認。直営、FCの一部店舗で時短実験をスタートさせている。
 経済産業省が加盟店オーナーを対象にした調査では「従業員が不足している」と答えたのは61%。業務が複雑になり大変とのイメージが広がったことや、人材の取り合いなどが理由に挙がった。本部に対して利益配分の不満や人員応援、営業時間にオーナー裁量を求める意見もあった。
 出店攻勢を強めてきた各社だが、特定の地域に同じチェーン店を展開する戦略は、知名度や配送効率にメリットが大きい一方、利用客を奪い合うことにもなりかねない。乱立が共倒れを招く懸念はかねてより指摘され、人手不足が輪をかける形で現場の疲弊を色濃くしている。
 調査結果からオーナーの負担が大きくなっている事態を受け、経産省は是正に向けた行動計画策定をコンビニ各社に要請。人手不足への対応、加盟店オーナーとの対話の在り方、ITを活用した業務の効率化などに関する改善策をまとめ、月内の提出を促す。
 業界最大手のセブンは8日付で社長が交代。永松文彦社長は就任前の記者会見で、オーナーらとの意思疎通が希薄になっている状況に危機感をあらわにした。
 FC加盟店と本部が二人三脚で成長を支えたビジネスモデルは今、岐路に立たされている。加盟店ごとに経営環境は異なり、「全国一律」はもはやなじまない時代になっているのではないか。
 暮らしの生命線ともいえるコンビニ。持続可能なモデル構築に向け、利用客の意向を踏まえながら各社、どこまで見直していくのかが焦点となる。土地柄に応じた柔軟な対応が求められそうだ。


「忖度」発言問題 辞任で幕引きにできない
 国による直轄調査の再開は、どんな経緯で決まったのか。
 下関北九州道路を巡る「忖度(そんたく)」発言問題は国土交通副大臣の辞任で幕引きにできない。
 国交省は関係する会談記録を衆院に提出したものの、疑念は消えない。引き続き国会で事実関係を明らかにする必要がある。
 安倍晋三首相の地元の山口県下関市と、麻生太郎副総理兼財務相の地元の福岡県を結ぶ道路を巡る問題だ。副大臣だった塚田一郎参院議員が「首相や副総理が言えないので、私が忖度した」などと発言していた。
 福岡県知事選の応援集会でのことである。自民党の吉田博美参院幹事長から「分かっているな。これは総理の地元と副総理の地元の事業なんだよ」と指摘されたとも述べていた。
 国交省が提出したのは塚田氏と吉田氏の会談記録だ。吉田氏の発言として「総理、副総理の地元とは関係なく、中国・九州の経済や後世のため、オールジャパンで必要な道路」「総理、副総理と言うと国交省もやりにくいだろう」といった記述がある。
 塚田氏が紹介したやりとりは記されていない。その点で確かに発言は事実と異なる。とはいえ、忖度がなかったと裏付けるものではない。国交省の担当者は「必要性ははっきりしている道路」と述べている。整備ありきとも取れる。
 塚田氏は発言の翌日に撤回、謝罪していた。当初は職務を続ける考えを示したものの、批判の高まりを受けて辞表を提出した。事実上の更迭である。行政の公平性を理解しない人物に任せられるポストではない。当然の対応だ。
 問題は忖度の有無である。うやむやにはできない。
 下関北九州道路は国が1998年の全国総合開発計画に盛り込んだ。財政難などから2008年に打ち切った経緯がある。再始動は安倍政権下のここ数年だ。山口、福岡両県による独自調査への補助を17年度に始め、19年度からは直轄調査の再開を決めている。
 首相や麻生氏の存在が影響したと勘繰りたくなる急転である。首相は「行政には国民の信頼が何より重要だ。全閣僚、副大臣、政務官が改めて気を引き締める」と述べている。財政事情が厳しい中でなぜ再開か。政府は経過を詳しく説明する責任がある。
 改めて国会でたださなくてはならない。国交省の記録が提出されたことを踏まえ、野党は塚田氏の参考人招致を要求している。与党は応じるべきだ。


働き方改革関連法施行/長時間労働を見直そう
 働き方改革関連法が施行された。青天井だった時間外労働(残業)に初めて罰則付きの上限規制を導入。年休のうち最低でも5日取得させることが企業の義務となった。
 少子化で若者が減っており、介護を抱える人や子育て中の人、高齢者らが働きやすい環境の整備は不可欠だ。長時間労働の横行は許されず、仕事の見直しは待ったなしだ。多くの企業が既に働き方改革に取り組んでいるが、まだ不十分だ。労使でさらに知恵を絞ってほしい。
 残業時間は1カ月100時間未満、2〜6カ月平均で80時間以内と定められ、違反すると企業や労務担当者に罰金などが科される。100時間を大幅に上回る長時間の残業を強いられ、過労死や過労自殺に追い込まれたケースは後を絶たない。上限規制で働き過ぎの抑止効果が期待できる。
 ただ、月100時間は「過労死ライン」とされる労災認定基準と同水準で依然、長い。政府や企業は今後、上限時間を下げる努力をするべきだ。サービス残業のような脱法的行為も許されない。
 過労死防止で効果が期待されるのが勤務間インターバルだ。終業時間と次の始業時間との間に例えば11時間といった一定の休息時間を設ける制度で、導入を企業の努力義務とした。ただ厚生労働省の調査で、導入企業は2%程度にすぎない。人手不足などが障壁とされるが、可能な職場で始め、課題を探りながら導入機運を高めたい。
 日本は米国などと比べ正社員の解雇規制が厳しく、いったん雇うと雇用調整が難しい。このため繁忙時は社員の残業増などで対応し、長時間労働になりやすいとされる。
 若者の数が減り、企業は深刻な人手不足に陥っている。長時間労働が常態化する職場は採用に不利だ。疲れた体や頭を使って働いても、良いアイデアや商品は生まれない。労働時間の短縮は働く人だけでなく、企業にもメリットが大きい。
 一部の専門職を労働時間規制や残業代支払いの対象外とする高度プロフェッショナル制度が創設された。働く時間と成果が一致しない仕事が増え、経済界が求めていた。働く人がいつ、どれだけ働いても休んでも自由とされるが、「長時間労働を助長する」と野党や労組が反対してきた。
 政府は年間休日を104日以上とするなど対策を講じたとするが、不十分との声は多い。年収1075万円以上など現状では適用条件が厳しく制度の利用は少なそうだが、法律以上の手厚い健康対策を企業に求めたい。
 残業時間規制は4月から大企業に適用され、中小企業は1年遅れとなる。大企業が仕事の見直しを進めた結果、下請けの中小企業に業務量増加などのしわ寄せが出ることが懸念される。下請けいじめと言われるような事態がないよう、大企業の節度ある対応や政府の監視が必要だ。
 働き方改革は、単に仕事が楽になればいいというものではない。経営環境は厳しさを増し、競争は激化している。効率的に働き、限られた時間で成果を出すにはどうしたらいいのかを労使が考える良い機会だ。無駄な会議の廃止やITを活用した業務の効率化など働き方の工夫をさらに進め、効率化の成果を賃上げにつなげることが重要だ。


[ひきこもり調査] 中高年への支援が急務
 半年以上にわたり家族以外とほとんど交流せず、ひきこもり状態にある40〜64歳の人が全国で61万3000人に上ることが、内閣府の調査で初めて明らかになった。
 2015年に15〜39歳を対象に行った調査では約54万人で、これを大きく上回った。若者特有の問題と捉えられがちなひきこもりが、中高年にも広がっている実態に驚かされる。
 こうした人たちには行政のサポートが行き届いておらず、事態は深刻だ。政府は背景を分析し、早急に有効な支援策を講じる必要がある。
 昨年12月に全国5000世帯で聞き取り調査し推計した。男性が76.6%を占め、7年以上ひきこもり状態の人が半数近くに上る。きっかけは「退職」が最も多く、「人間関係」「病気」が続く。
 とりわけ就職氷河期世代に当たる40〜44歳の人は、3人に1人が20〜24歳でひきこもり状態になっている。就職活動がうまくいかず、ひきこもったケースも多いのだろう。
 人手不足が深刻化する中、働き盛りで中心的役割を担うべき世代が、社会に参画できていないのは大きな損失と言わざるを得ない。
 2000年代初頭から「地域若者サポートステーション」を全国に設置するなど、国の就労支援制度はあった。だが、30代までの若者が中心だったため40代以上は取り残され、今に至ったとみることもできよう。
 政府は「ひきこもりは若者特有」という認識を改め、幅広い世代へのきめ細かな制度を整えてほしい。
 気になるのは、3分の1の人が父親か母親が生計を立てていると回答したことだ。高齢の親の年金や蓄えに依存している姿が浮かぶ。
 ひきこもりが長期化すれば、親の病気や介護がのしかかり、親子共倒れになるリスクが高まるだろう。
 独居の高齢者なら地域で見回りの対象になるが、親子同居の世帯は周囲の目が届きにくく、実態を把握しづらいため、対策を難しくしている。
 15年に生活困窮者自立支援法が施行され、40歳以上も支援の対象になったが、相談窓口を設置しているだけの自治体も多い。専門的な知識を持つ人が訪問し、適切な支援ができるよう体制を充実させる必要がある。人材育成や財政負担など国の支援も欠かせない。
 「関係機関に相談したい」と答えた人は約半数に上る。不安に思うことは「家族に申し訳ない」「生きるのが苦しい」が多く、問題を切実に受け止めていることがうかがえる。
 ひきこもり状態になった背景はそれぞれだろう。だが、いまの社会に生きづらさがあるのは間違いなく、本人に責任を負わせるばかりでは問題は解決しない。本人の視点に立った支援の形を考えることが重要である。


透析中止 病院に怒り「残酷な死に方」 亡くなった女性の夫
 「残酷な死に方をさせられた……」。公立福生病院(東京都福生市)の人工透析治療を巡る問題で、治療の中止を選んで亡くなった女性(当時44歳)の夫(51)は病院に対する怒りをあらわにした。カルテには治療再開を何度も女性が求めたことが記録されていた。
 夫によると、昨年8月9日に病院に呼ばれた時、女性と外科医(50)の間で既に治療中止の合意ができているように感じた。「カテーテル(管)を入れて透析を続けることと、透析をやめる中止(離脱)という二つの選択肢が出た」と言う。
 「1週間の命」。夫によると、外科医からそう説明を受けた女性は同意書に署名し、夫も受け入れた。だが、内心では「途中で気が変わり、良くなって帰ってくる、治してくれる、と思っていた」。14日に入院した女性は翌15日、「(中止を)撤回したい」と言い出した。夫も胃潰瘍で入院した。「透析できるようにしてください」。外科医に伝えると、「分かった」と答えたという。「撤回したい」。そう何度も訴える発言が記録に残されていた。「再開してくれてもよかった。残酷な死に方をさせられた」と夫は言う。
 「とうたすかかか」。女性が夫に送った「助けて」と読める最後のメール。外科医は「『苦しいのを何とかして』という意味。透析をしたいのに(私が)聞いてくれないということではない」と話すが、夫は言う。「透析をすれば苦しみは取れる。透析をしてくれという訴えだったはずだ」【斎藤義彦】


桜田義孝五輪相の辞任について(談話)
社会民主党幹事長 吉川はじめ
1.本日、桜田義孝五輪相が辞任した。「放言・暴言・失言の製造機」とやゆされ、失言や失態が相次ぎ、所管事項もまともに答弁できないなど、閣僚の任にふさわしい資質でないことは、すでに明らかであった。本日の辞任は遅すぎる。社民党は、問題ある言動を重ね、明らかに不適格な桜田氏を閣僚に起用し、擁護し続けてきた安倍首相の任命責任を徹底的に追及する。
2.桜田氏は、本日開かれた自民党の高橋比奈子衆院議員のパーティーであいさつし、「おもてなしに協力していただければありがたいが、復興以上に大事なのは高橋さんだ」と語り、また、乾杯前にあいさつが増えたことに触れ、「がっかりしているんじゃないかと思ってですね。がっかりという言葉は禁句なんですけど」とも述べた。東日本大震災の復興よりも政治家を優先させる発言を行ったことは、「復興五輪」と言われる大会の担当大臣としてあるまじき発言である。「がっかりしている」という、謝罪・撤回した言葉をウケ狙いで使ったことも、全く反省の色が見られない証拠である。しかも記者団に対し、「言ったことありません。記憶にありません」と釈明したのも、往生際が悪い。
3.桜田氏は、東京五輪・パラリンピック担当相でありながら、東京五輪・パラリンピックの基本的なコンセプトを知らず、東京五輪・パラリンピックの大会予算の国負担分「1500億円」を「1500円」と言い間違え、「五輪憲章」について問われ、「話には聞いているが読んでいない」と答弁した。サイバーセキュリティを担当しながら、「自分でパソコンを打つことはない」と公表し、競泳の池江璃花子選手が白血病を公表したことに「がっかりしている」と発言した。さらに人の名前や地名を繰り返し間違えた。
4.東日本大震災の被害についても、高速道路がしっかりと動いていたという事実誤認の発言をし、被災地の宮城県石巻市を「いしまきし」と繰り返し間違えた。2013年に文部科学副大臣の時にも、東京電力福島第一原発事故で放射能に汚染された焼却ごみの灰について、「人の住めなくなった福島に置けばいい」と、とんでもない発言をしたことがある。東日本大震災の被害の実態や被災地の状況をわからない桜田氏を閣僚に任命したこと自体が問題であるし、桜田氏の「復興以上に大事なのは高橋さん」との発言は、復興庁所管の19年度予算案は1兆4781億円で過去最少を更新するなど、安倍政権の被災地、被災者軽視の姿勢を象徴するものである。被災地では公的支援縮小の動きが相次いでおり、社民党は柔軟かつ的確で息の長い国の支援継続・拡充を強く求めるとともに、切れ目のない復興政策を着実に進めるよう、安倍政権の復興への取り組みも厳しく追及していく。


NHKで国谷裕子を降板に追い込んだ“官邸の代弁者”が専務理事に復帰! 安倍政権批判の完全封殺へ
 安倍政権に対する目に余る「忖度」報道が相変わらずつづくNHKだが、今後はさらに「安倍放送局」に拍車がかかりそうだ。
 というのも、NHKは9日に板野裕爾・NHKエンタープライズ社長を専務理事に復帰させる人事を発表したからだ。
 板野氏は、経済部長、内部監査室長などを歴任して2012年に理事に就任。籾井勝人・前会長の「側近中の側近」「籾井シンパ」と呼ばれ、2014年には専務理事・放送総局長に昇格した人物だ。
 そして、この板野氏こそ、『クローズアップ現代』の国谷裕子キャスターを降板させた張本人と言われているのだ。
 今回の人事について、毎日新聞はこう報じている。
〈16年3月に「クローズアップ現代」の国谷裕子キャスターが番組を降板。複数のNHK関係者によると、番組全般を統括する放送総局長だった板野氏が、番組に対する政権内の不満を背景に降板を主導したとされる。また、15年の安全保障関連法案を巡る国会審議中、個別の番組で政治的公平性を保つのが難しいとの理由で、安保関連の複数の番組の放送を見送るよう指示したとも言われる。〉(Web版8日付)
 板野氏が国谷キャスターを降板に追い込んだ──。じつは、今年2月に発売された『変容するNHK 「忖度」とモラル崩壊の現場』(花伝社)でも、約30年にわたってNHKを取材してきた朝日新聞記者・川本裕司氏がこの内幕を詳細にわたって紹介。そこでは、NHK報道局幹部が「国谷キャスターの降板を決めたのは板野放送総局長だ」と証言。さらに、別の関係者は板野氏についてこう語っている。
「クロ現で国民の間で賛否が割れていた安保法案について取り上げようとしたところ、板野放送総局長の意向として『衆議院を通過するまでは放送するな』という指示が出された。まだ議論が続いているから、という理由だった。放送されたのは議論が山場を越えて、参議院に法案が移ってからだった。クロ現の放送内容に放送総局長が介入するのは前例がない事態だった」
 じつは、こうした板野氏の官邸の意向を受けた現場介入については、以前から証言が相次いでいた。たとえば、2016年に刊行された『安倍政治と言論統制』(金曜日)では、板野氏の背後に官邸のある人物の存在があると指摘。NHK幹部職員の証言として、以下のように伝えていた。
〈板野のカウンターパートは杉田和博官房副長官〉
〈ダイレクトに官邸からの指示が板野を通じて伝えられるようになっていった〉
 杉田和博官房副長官といえば、警察庁で警備・公安畑を歩み警備局長を務めた公安のエリートであり、安倍氏が内閣官房副長官だった時期に、同じ内閣官房で、内閣情報官、内閣危機管理監をつとめたことで急接近し2012年の第2次安倍内閣誕生とともに官房副長官(事務担当)として官邸入り。以後、日本のインテリジェンスの中枢を牛耳る存在として、外交のための情報収集からマスコミ対策、野党対策、反政府活動の封じ込めまで一手に仕切っている。実際、官邸のリークで「出会い系バー通い」を読売新聞に報道された前川喜平・元文科事務次官は、その前年の秋ごろ、杉田官房副長官から呼び出され、「出会い系バー通い」を厳重注意されたと証言している。
専務理事に復帰する板野氏は杉田官副房長官、JR東海・葛西敬之氏とべった
 板野氏は安倍首相の「後見人」と呼ばれる葛西敬之・JR東海名誉会長ともパイプをもつ。そして、杉田氏はJR東海の顧問をつとめていたこともあり、安倍首相に杉田氏を官房副長官に推したのも葛西名誉会長だといわれているほど。こうしたなかで杉田官房副長官の“子飼い”となった板野氏だが、NHK新社屋建設にかかわる土地取引問題では籾井会長に反旗を翻し、結果、籾井会長から粛清人事を受けて2016年4月に専務理事を退任した。
 もちろん、このとき板野氏が籾井会長を裏切ったのも杉田官房副長官の意向に従っただけで、実際に官邸は任期満了で籾井会長を引きずり下ろす方針で動いていた。逆に、粛清人事で板野氏を専務理事から外した籾井会長に対し、杉田官房副長官や菅義偉官房長官は怒り心頭。そのため、じつは籾井会長の後任は板野氏が選ばれるのでは、という見方も出ていたほどだった。
 ようするに、板野氏の専務理事復帰は満を持して官邸主導でおこなわれたわけだ。いったいNHKはこれからどうなってしまうのか。
 そもそも、板野氏の復帰以前に、NHKの報道局幹部幹部は完全に安倍政権の言いなり状態になっていた。
 たとえば、森友問題をめぐるNHK内部の“圧力”などを暴露したノンフィクション本『安倍官邸vs.NHK 森友事件をスクープした私が辞めた理由』(文藝春秋)を出版した元NHK記者の相澤冬樹氏は、局内上層部からの“圧力”を赤裸々に明かしている。
 その最たる例が、2017年7月26日の『NHKニュース7』で報じられた相澤記者のスクープをめぐる“恫喝”だ。これは近畿財務局の担当者が森友側に国有地の購入価格について「いくらまでなら支払えるか」と購入可能な金額の上限を聞き出していた、という事実を伝える内容。それまで「森友側との事前交渉は一切なかった」と強弁してきた財務省のウソ、佐川宣寿理財局長(当時)の虚偽答弁を暴く特ダネで、すべての大手マスコミが後追いに走った。しかし、その渾身のスクープ当日の夜、NHK局内では、こんなことが起こっていた。
〈ところがその日の夜、異変が起きた。小池報道局長が大阪のA報道部長の携帯に直接電話してきたのだ。私はその時、たまたま大阪報道部のフロアで部長と一緒にいたので、すぐ横でそれを見ていた。報道局長の声は、私にも聞こえるほどの大きさだ。「私は聞いてない」「なぜ出したんだ」という怒りの声。〉
 この「小池報道局長」というのは、政治部出身で安倍官邸とも強いパイプを持つとされる小池英夫氏のこと。国会でも取り上げられたように、森友問題関連のニュースで現場に細かく指示を出しているのは周知のとおりで、局内ではその頭文字から「Kアラート」なる異名がついている。相澤氏の著書によれば、小池報道局長からの大阪の報道部長への“怒りの電話”は、いったん切れても何度も繰り返しかけてきたという。
報道局長が森友報道の記者に「将来はないと思え」と恫喝するNHK
 しかも、信じがたいのは、小池報道局長の最後のセリフだ。
〈最後に電話を切ったA報道部長は、苦笑いしながら言った。
「あなたの将来はないと思え、と言われちゃいましたよ」
 その瞬間、私は、それは私のことだ、と悟った。翌年6月の次の人事異動で、何かあるに違いない……。〉
 大スクープを掴んだのに、逆に「将来はないと思え」と恫喝する──。これは加計問題でも同様のことが起こっている。NHKは、文科省の内部文書をスクープできたというのに、肝心の「官邸の最高レベルが言っている」などの部分を黒塗りにしてストレートニュース内で消化するという“忖度”報道を行い、翌朝の朝日新聞にスクープを譲ってしまった。さらに、早い段階で前川氏の独占インタビューも収録していたにもかかわらずお蔵入りにしてしまった。
 前述した『変容するNHK』では、当時の出来事として、こんなエピソードが紹介されている。
〈NHK関係者によると、加計学園問題を取材する社会部に対し、ある報道局幹部は「君たちは倒閣運動をしているのか」と告げたという。〉
 このように、NHKには社会部が安倍政権に都合の悪い事実を伝えようとすると、安倍政権の意向に沿うことしか頭にない政治部、報道局幹部がそれらに介入するという図式ができあがっているのだ。
 それに加えて、今回、“官邸の最大の代弁者”ともいえる板野氏が専務理事に復帰するのである。官邸はもっと直接的に報道に介入し、現場の萎縮はさらに進んでゆくことは間違いない。っこれまでは社会部のぎりぎりの奮闘によって、政権の不正や疑惑を追及する報道がわずかながらも放送されていたが、そうした報道は完全にゼロになるかもしれない。
 この異常な状況を打ち破るには、視聴者がメディアを監視し、声を上げてゆくほかない。本サイトもNHKの「忖度」報道を注視つづけるつもりだ。


[インタビュー]「君民一体という天皇制の本質は、戦後も変わらなかった」
原武史 放送大学教授
 原武史放送大学教授は、日本の天皇制について批判的に研究していた学者だ。最近「平成の終焉ー退位と天皇・皇后」という本を出版した。2日に東京で会った原教授は、「君民一体という天皇制の本質は、戦後も変わらなかった」と指摘した。
 -戦後も日本で「天皇制」が温存された理由は。
 =江戸時代から明治時代へと移行する際、天皇制が大きく変わる。明治以前まで天皇は京都にずっといたし、外出もほとんどしていなかった。 しかし、明治時代になって全国を回り始めた。臣民と天皇が一体化する空間が作られた。天皇が行く所に何万人もの人が広場に集まり、「君が代」を歌い万歳三唱をした。 君民一体化する空間が作られた。 昭和天皇は、敗戦後の1946年から54年まで、沖縄を除く全国を巡幸した。 敗戦後も広場に天皇が現われれば、人々は反射的に「万歳」をした。 原爆被害を受けた広島でもそうだった。
 -現在の天皇と国民の絆は以前より強くなったのか。
 =そうだ。昭和天皇は軍事指導者だったから人々との出会いも軍事行事がモデルだった。 兵士たちが並んでいれば、天皇が馬に乗って現れる観兵式がモデルだったし、他の行事にも極めて統制された状況で国民に会った。 しかし、平成天皇は完全に象徴天皇であるため、一人ひとりに話しかけるスタイルだ。 また、天皇と皇后がいつも一緒に日本の隅々を回った。 ひざまずいて相手と視線を合わせた。 一人一人との関係でミクロ化した国体が作られた。
 -戦後の天皇制はよりよい方向に移行したという意味か。
 =そうは言えない。 天皇と国民一人一人のつながりが強化されたが、本来はその間に政府や議会がなければならない。 代議民主主義制のもとで果たすべき政府や議会の役割が霞む。 被災地でも人々を励ますのは天皇と皇后だけのように見えてしまう。 首相や政治家も災害現場に行くが、印象に残らない。 まるで戦前の日本の超国家主義が復活しているようにも見える。
 -皇太子が新たな天皇になればどう変わると思うか。
 =雅子妃は外交官として活躍した人物だ。 そのような人物が皇后になれば、東アジア関係にも影響を及ぼす可能性がある。 現天皇皇后は「慰霊の旅」という名で南の島々ばかり行った。 1944年7月サイパン陥落後、もっぱら米国と戦って破れた島々だけ行った。 東アジア関係では影響を与えられない所である。 雅子妃が外交的センスを発揮するなら、現天皇の行くことができないところも行くことができる。 しかし、雅子妃の健康が回復しなければ、天皇だけが目立つだろう。 これは右派が喜ぶことだ。 現天皇皇后はいつも一緒に動いたが、右派が見るには権威ある行動ではない。
 -日本の戦後が清算されなかったと考える原因は、東アジアでは「天皇制」が残ったからだという見方がある。
 =そういう見方も当然ある。 GHQが中国内戦で共産党勝利、朝鮮戦争という冷戦の流れを見て、日本の天皇制を維持し、昭和天皇を退位させなかった。しかし、日本にいる人はそのような構造がよく見えない。 一般国民の立場から見れば、昭和天皇は再び地方を訪れたのであり、またやってきたので以前のように「万歳」をしたのだ。 天皇制が維持され、戦争の責任はあいまいになり、侵略という事実は隠蔽された。 天皇の慰霊の旅は南の島ばかりだ。これは戦争のイメージが最後の1年だけに限られるという話だ。 それ以前の歴史は隠蔽される。
 -日本がどのような政治形態で進むのが望ましいと思うか。
 =共和制への履行は現実的には難しいと思う。 当面の目標は、天皇の私的自由を認めなければならない。 天皇が被災地に行くなら、私的に行けばいいと思う。 天皇がそのように私的に行っても、みんなが気にせずとも良い状況が望ましい。 公的行為が平成になって肥大化したことに問題がある。

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マリアッチ190321

De plus en plus de Japonais n'ont jamais eu de rapport sexuel
Environ un trentenaire japonais sur 10 n'a jamais eu de relation hétérosexuelle et le nombre d'adultes sans expérience sexuelle au Japon augmente, selon une nouvelle étude basée sur des données d'enquêtes nationales.
Des données comparables d'autres pays développés montrent que "les adultes japonais ont tendance à devenir sexuellement actifs plus tardivement et qu'une proportion sensiblement supérieure d'entre eux demeurent sans expérience hétérosexuelle jusqu'à l'approche de la quarantaine".
Cette étude de l'Université de Tokyo a utilisé les données de sept séries de l'Enquête nationale sur la fertilité menée au Japon entre 1987 et 2015 et administrée par le ministère japonais de la Santé.
En 2015, 11,9% des femmes âgées de 30 à 34 ans et 12,7% des hommes du même âge interrogés ont dit n'avoir eu aucune expérience de relation sexuelle avec une personne du sexe opposé. Dans la tranche d'âge de 35 à 39 ans, ces pourcentages sont respectivement de 8,9% et 9,5%. Dans ces deux catégories, la proportion de personnes se déclarant vierges a augmenté de plusieurs points de pourcentage depuis les enquêtes menées en 1987 ou en 1992.
- Difficiles rencontres –
Les données de l'étude ne comportent aucune information sur les relations homosexuelles. Mais les auteurs estiment que, même en supposant que 5% des personnes interrogées n'aient que des relations homosexuelles, "on pourrait toujours dire qu'environ un homme sur 20 et une femme sur 20 de 30 à 39 ans (...) n'ont jamais eu de relation sexuelle".
Les auteurs de l'étude estiment que le Japon semble se distinguer des autres pays.
Des chiffres rassemblés aux Etats-Unis par exemple ne constatent que 1,9% de femmes âgées de 30 à 34 ans et 0,9% de femmes de 35 à 39 ans disent n'avoir pas eu de partenaire sexuel de sexe opposé. Pour les hommes aux Etats-Unis, ces taux sont de 3,1% et 1,4% respectivement.
Ces constatations devraient être sujet de préoccupation dans le contexte d'un Japon dont la population décline et le taux de fertilité est bas. Le gouvernement japonais tente de s'attaquer au problème par des mesures incitatives et des aides aux mères qui travaillent dont une augmentation du nombre de places en crèche.
"La situation des personnes qui restent sans expérience sexuelle du fait de difficultés à trouver un partenaire (...) pourrait être prise en considération dans les politiques à venir destinées à augmenter le taux de natalité", écrivent les auteurs.
- Désir de mariage –
L'épidémiologiste Peter Ueda, qui a dirigé cette étude, estime que "l'inactivité ou le manque d'expérience sexuels, volontaires ou non, ne doivent pas être montrés du doigt comme un phénomène exotique, ridiculisés ni forcément considérés comme un sujet d'inquiétude pour chacun".
"Des recherches supplémentaires sont nécessaires sur les raisons de l'inactivité sexuelle et sur la façon dont la dynamique du +marché de l'accouplement+ est peut-être en train d'évoluer", ajoute-il dans un communiqué diffusé par l'Université.
L'étude dit par ailleurs avoir constaté une corrélation entre relations sexuelles et situation financière, les hommes ayant un emploi permanent et à plein temps ayant plus de chances d'avoir eu des rapports sexuels. Les chercheurs ont néanmoins averti qu'il était selon eux difficile d'établir des relations de cause à effet sur les questions d'expérience sexuelle.
Ils ont également constaté que la plupart des personnes âgées de plus de 25 ans sans passé sexuel ayant répondu aux questions ont dit espérer se marier, "ce qui indique que leur manque d'expérience peut être involontaire".
Les scientifiques ont également souligné les limites de l'exercice, notamment le fait que les données proviennent de personnes qui répondent sur leur propre cas. Ils font également remarquer que l'inactivité sexuelle des répondants pourrait être encore plus importante qu'il n'y paraît car la question portait sur leur expérience en général quelle qu'en soit l'époque et la durée, sans précision sur leur activité actuelle par exemple.
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西谷文和 @saveiraq
一昨日、4月7日はアフリカのルワンダで大虐殺が始まった日であった。今から25年前の1994年、ラジオから流れるヘイトスピーチに煽られたフツ族の民兵がツチ族とツチ族をかばう「穏健派フツ族」を約100万人殺したのだ。1日1万人ずつ100日間。「ツチはゴキブリだ!」というデマ&ヘイト。
ルワンダ虐殺から25年、トランプさんのデマツイート、安倍首相のウソ、維新の会の数字ごまかしによるフェイクビラ、デマ宣伝は今も続く。 そして本日4月9日は16年前の2003年、バグダッドでフセイン像が倒された日である。
簡単に言えば、イラク戦争がなければアラブの春は起こらなかっただろうし、アラブの春がなければシリア内戦はない。シリア内戦がなければISは生まれていなかったし、ISがいなければ、ジャーナリストや人道支援者を含む多数の人々が殺されることはなかっただろう。その大元の責任はブッシュ政権にある。
さらに言えばイラク戦争がなければトランプ大統領は生まれていない。ライバルのヒラリーがイラク戦争に賛成していた、ということが多くの有権者を失望させ、棄権させた結果、トランプが浮上したのだ。

プロフェッショナル 仕事の流儀「地域を守る、命の闘い〜救急医・今明秀〜」
地方の救急医療のパイオニア!雪が舞う冬、医療過疎が進む青森をドクターヘリで駆け巡る!この道30年、1分1秒を争う極限の現場で命の重みを熟知する執念の医師に密着!
医療過疎が進む青森で地方の救急医療のパイオニアとして命を救ってきた医師!この道30年のエキスパート、救急医・今明秀(60)。雪が舞う冬の青森をドクターヘリで駆け巡る!若き日に感じたへき地医療の限界と絶望。そこから、行政にドクターヘリやドクターカーの導入を訴え、体制や仕組みづくりに立ち上がった。あきらめない強い気持ちを持ち、1分1秒を争う極限の現場で患者の命と向き合い闘い続ける、信念の医師を追う! 救急医…今明秀, 橋本さとし,貫地谷しほり

時論公論「都が病院を指導 透析治療中止が問いかけること」飯野奈津子解説委員
公立福生病院での人工透析中止による腎臓病患者死亡を受け、東京都は中止決定への記録が不十分などとして病院を文書で指導した。命に直結する人工透析中止の問題を考える。

もしかしたら・・・と思って行った京阪百貨店.ここにもマンゴー関連のものがありました.一つしかなかったです.でも買いませんでした.
ブツブツで声を張り上げてクタクタです.
パソコンはwifiがないので,借りてプレゼンしました.

河北春秋
 東北は一つ。立派な理念だが、6県が足並みをそろえて何かに取り組むのはそう簡単ではない。知事さんは自分の県の利益になるかどうかをまずに考える。ならないとなれば、力の入り具合に温度差が出る。場合によっては互いの綱引きが演じられもする▼JR東日本などJRグループ6社と東北6県が手を携えて取り組む大型観光宣伝「デスティネーションキャンペーン(DC)」が2021年4月から半年間、東北を舞台に実施されることになった▼東日本大震災から10年の節目の年である。「仙台・宮城」など一部を対象としたDCは東北でもたびたび行われてきたが、6県全体となると、旧国鉄時代の1985年、元号で言うと平成を飛び越えて昭和60年以来、2度目という▼やはり心配なのは、各県が観光客の我田引水に走らないかということ。その辺は意識しているのだろう。村井嘉浩宮城県知事は「旅行者を宮城に囲い込まず、いかに東北全体に誘うかに全力で取り組む」と意欲を語った。ぜひ言葉通りに願いたい▼最も期待が大きいのは訪日外国人旅行者(インバウンド)の取り込みだという。それなら、なおさら県境にこだわるのは無意味。今までにない、新しい周遊ルートの開拓など知恵を絞ってほしい。オール東北の力が試される。

デスク日誌 駅舎 
 3月10日、「とうてつ駅そば、最後の一杯」という他社の記事に嘆息した。八戸支局への取材手配をすっかり忘れていたからだ。
 十和田観光電鉄(十鉄(とうてつ))の旧三沢駅舎内で50年以上続く食堂が、現在地での営業を終えて仮店舗に移転した。駅前整備事業に伴う駅舎解体のためだ。すりガラス格子戸と木札メニュー、店舗前の木製の長椅子、煙突ストーブ。昭和の雰囲気と素朴な味が人気だった。
 旧駅舎は1959年に落成。64年に「観光センター」として増改築され、レストランや喫茶店、すし屋も入居したという。2012年の十和田と三沢を結ぶ鉄路廃線後、バス案内所と待合室、食堂だけが残った。
 人々が交差する「駅」は独特な場所だと思う。出発と別離の記憶は鮮明で時には琴線にも触れる。店員と客の表情を紙面で紹介したかった。八戸支局のN記者も「突然の法事で故郷の金沢に帰省中だった。日程が重なり残念」と悔やんだ。
 JR青森駅舎も同じ1959年の落成だ。解体が決まり、2020年度末には新駅舎ができる。NPO有志が「青森駅舎の還暦祝い」を計画。5月、花と感謝のメッセージが駅前を彩る。 (青森総局長 長内直己)


大阪ダブル選 国政政党への厳しい審判
 大阪を地盤とする地域政党の圧勝だった。裏を返せば、政権党を中心とした国政政党に対する、有権者の厳しい審判だったと言えるだろう。
 統一地方選の前半戦で注目された大阪ダブル選は、市長選で大阪維新の会代表の前知事松井一郎氏、知事選で前市長吉村洋文氏がそろって初当選した。
 両選挙とも一騎打ちの構図で、敗れたのは自民党推薦の無所属新人である。連立与党の公明はもとより、立憲民主、国民民主から共産まで国政で対立する与野党の枠を超えて自民推薦候補の支援に回る「反維新」包囲網をつくりながら完敗した。
 任期途中で知事と市長が同時に辞職し、目指すポストを入れ替えて立候補する。維新がそんな「奇策」に打って出たのは、行き詰まっていた「大阪都構想」に再挑戦するためだった。
 二重行政の弊害を取り除くため、大阪市を廃止し、広域行政を担う大阪府と東京23区のような特別区に再編する構想だ。
 「民意を問う」とダブル選に持ち込んだ維新の政治手法は、他党から「選挙の私物化」などと痛烈に批判されたが、民意は「やってみなはれ」と維新の背中を押したことになる。
 無論、有権者は白紙委任したわけではない。同時に行われた府市両議会の議員選で維新は府議会の過半数を占めたが、市議会は過半数に及ばなかった。構想実現には両議会の議決が必要で、最終的には住民投票で決まる。有権者は維新に両議会での建設的な合意形成と丁寧な説明を求めたと理解すべきだ。
 統一地方選前半戦の11道府県知事選で自民は大阪のほか、分裂選挙となった4知事選のうち福岡と島根で推薦候補が敗れた。憲政史上最長の長期政権すら視野に入った安倍晋三首相の「1強政治」に、おごり高ぶりはなかったか−と問いたい。
 福岡県知事選で党推薦候補の応援に駆けつけた国土交通副大臣が、安倍首相と麻生太郎副総理の地元を結ぶ道路計画を引き合いに「私は忖度(そんたく)します」と公言して事実上更迭されたのは「失言騒動」では済まされまい。
 これに対し「多弱」と呼ばれる野党は、ここでも影が薄かった。北海道以外の知事選は統一候補を擁立できず、自民が保守分裂選挙に没頭できる誘因になった感すらある。唯一の与野党対決となった北海道でも野党共闘の力を発揮できなかった。
 その意味では与野党ともに重い課題を突き付けられた統一選前半戦だったと言えよう。
 統一選は来週、より身近な市区町村の首長や議員を選ぶ後半戦へ入る。政党や候補者の主張に耳を澄まし、地域の将来を見据えて確かな1票を投じたい。


大阪ダブル選  都構想の議論は丁寧に
 「大阪都構想」を掲げる大阪維新の会が、大阪府知事・大阪市長のダブル選を制した。同日選となった議会選挙でも支持を集めた。
 府議選は目標とした過半数の議席を獲得し、勢力を大幅に拡大した。市議選では過半数に届かなかったが議席を積み上げた。
 市長選で当選した松井一郎前知事は「丁寧に議論を進め、最終的に住民に判断いただきたい」と述べ、新たな4年の任期で都構想の住民投票を目指す考えを示した。
 その言葉通り、まずは丁寧な議論を求めたい。橋下徹大阪市長時代の住民投票で一度否決された事実は重い。今回の選挙で具体案が示されたわけではなく、有権者が都構想の是非だけで投票先を決めたとは限らないだろう。
 否決の際に指摘された問題点が、その後改善されたともいえない。再び判断を仰ぐなら、改善点を示すことはもちろん、市民に納得いく説明が欠かせない。
 任期は十分ある。決着を急がずに冷静で透明性のある議論を重ね、合意形成を目指すべきだ。
 ダブル選は松井氏と吉村洋文前市長がともに辞任し、ポストを入れ替わって立候補した。
 住民不在の「奇策」だと反発もあった。何より任期を途中で投げ出したのは問題であり、地方選挙のあしき前例となりかねない。
 だが、1敗でも「維新政治」の転換点となるとの危機感を背景に、議会選挙で候補者を大量擁立した攻めの態勢が奏功した。
 憲法改正などの協力を期待し、関与を弱めた安倍晋三政権の姿勢が勝利を支えた点も見逃せない。
 橋下氏の時代から維新政治には強引な手法が目立つ。こうした姿勢は常に批判も招いてきたが、有権者は改めて支持を示した。
 長く沈滞ムードにあった大阪を何とかしたいという住民の思いがうかがえる。実績も含めて維新の取り組みが一定評価されているのは間違いないだろう。
 都構想が取りざたされて約10年になる。府と市の二重行政を解消しようとする狙いは分かるが、行政サービス低下への不安も根強い。
 なぜ都構想でなくてはならないのか。暮らしがどう変わるのか。維新にはこれ以上奇策を弄(ろう)したり、裏取引をしたりするのではなく、市民の疑問に正面から誠実に答えていく姿勢が必要だ。
 人口減少時代の地方自治の在り方が問われている。大阪に近接し、通勤者も多い京都、滋賀にとっても一定の影響を与える。都構想の行方を注視したい。


大阪で維新勝利 都構想は奇策なしで
 大阪府知事選と大阪市長選は、ともに「大阪維新の会」が制し、府議選と市議選でも勝利した。大阪都構想への再挑戦が見込まれるが、奇策に頼らず、慎重で丁寧な手続きを求めたい。
 任期を丸ごと務められるように、知事と市長が突如、辞職し、入れ替わって出馬した。自民や公明など反維新勢力の虚を突き、戦略的には成功だったとしても、法の“抜け道”的な奇策には感心できない。
 ともかくも、知事と市長はクロス選での当選を大勝で決めた。維新は、府議選でも過半数の議席を獲得し、市議選では半数には届かなかったものの、第一党を確保した。都構想へのお膳立てを整えたかにみえる。
 都構想は、政令市である大阪市を廃止し、同市を構成する二十四の行政区を四つの特別区に再編。東京都の特別区と同様に、区長と区議会を公選にして、「普通の市」に似た構造にする。
 これにより、大阪府と大阪市が同じような施設や組織をつくる「二重行政」が解消され、費用も節約できるという。これに対し、自民などは「新庁舎整備などに莫大(ばくだい)な経費が必要」「大阪都にしなくても、今の府と市が真摯(しんし)に議論すれば二重行政は軽減できる」と指摘する。「大阪市」が消えることへの抵抗感も大きいようだ。
 都構想の実現には、府市議会それぞれの同意が前提。過半数に届かない市議会での紛糾も予想される。そもそも、地域のあり方をがらりと変える施策である。数の力で突っ走らず、なるべく多くの会派の賛同を得る努力をすべきだ。
 維新が仕掛けた今回のクロス選は、都構想に反対する公明との協議が不調に終わり、電撃的に行われた。説得への努力は十分だったか。もう奇策は許されない。反対勢力との誠実で地道な協議が強く求められる。
 都構想の是非を問う住民投票は二〇一五年に一度、否決された。維新が目指すのは、府市議会の承認後の再度の住民投票での「可決」である。総務省によると、市町村合併をめぐる住民投票で「再投票」の先例はわずかにあるという。
 仮に、再投票にまで進むとしても、有権者に都構想の長所と短所を徹底的に周知した上で行うべきである。それがなくて、大混乱を招いた英国の欧州連合(EU)離脱問題のような例もある。今後のプロセスは、「急がず、丁寧に」をモットーにしてほしい。


大阪ダブル選/合意形成の努力怠るな
 統一地方選前半戦で注目された大阪府知事と大阪市長の入れ替わりダブル選は、大阪維新の会が制し、二つのトップの座を守った。府議選でも単独過半数を獲得し、看板政策の都構想の実現へ弾みをつけた格好だ。
 しかし今回の「民意」は、維新が都構想を一気に進めるお墨付きを与えたとは言い難い。ダブル選の勝利は、劇場型選挙を演出する奇策が奏功した側面が大きいことに加え、市議選では議席を増やしたものの、過半数に届かなかったからだ。
 府政、市政は、議会のできるだけ幅広い勢力と妥協点を見いだしながら進めることが肝心だ。住民投票にたどり着くには、勝利におごることなく、合意を取り付ける粘り強く地道な努力が欠かせない。
 ダブル選は、都構想を巡る公明党との協議が行き詰まったことから、松井一郎知事、吉村洋文市長がそろって辞職。4年の任期を確保するため松井氏が市長選に、吉村氏が知事選に立候補する手段に打って出た。同時に行われる府議、市議選の底上げを狙ったのは明らかで、党利党略と批判されても仕方ない振る舞いでもあった。
 そもそも公選法の規定では、出直し選挙の場合、再選しても残り任期が適用される。自身の都合で選挙時期を決められ、現職首長に有利に働きかねないことから、乱用を防ぐのが目的だろう。ところが、大阪のダブル選は、候補者を入れ替えて新たな任期を得ようとする、法の趣旨に背くような形となり、禍根を残したことを、維新も認識してもらいたい。
 都構想は、大都市地域特別区設置法に基づき大阪市を廃止し、現行の24の行政区を東京23区と同様の特別区に再編するものだ。橋下徹氏が市長時代の2015年5月の大阪市民を対象にした住民投票で、5特別区新設案が否決されている。維新は4特別区案を軸に据え、公明党に協力を求めたものの、賛同を得られず協議は決裂した。
 都構想を実現するには、まず府と市でつくる法定協議会で新制度案を決定し、府、市両議会の承認を得なければならない。その上で、住民投票で過半数の賛成を獲得することが必要となる。このため維新にとっては、依然として過半数を持たない市議会というハードルが残されている。
 地方自治は、首長、議会議員ともに住民の投票で選ばれる二元代表制をとる。議会は国会と同様に、都道府県や市町村の行政を監視する役割も担っており、その意味で大阪はここまで制度が機能していたとも言える。
 いったん直接民主主義の住民投票で示された「民意」は軽くない。新知事に当選した吉村氏は「都構想の再挑戦に踏み出したい」と強調したが、新市長となる松井氏は「反対の意見も聞きながら丁寧に進めていきたい」と他党との合意形成に努力する考えを示したのは当然だ。
 府政や市政は、都構想に是か非か、だけではない。地盤沈下と言われて久しい経済の再生や、社会保障、教育など暮らしに関わる身近な課題が山積する。これら一つ一つを解決していくことが、都構想への理解を広げる近道になるのではないか。2025年には万博も控える。「分断」から「統合」へ脱皮した大阪を目指してほしい。


公明市議団、大阪市長に「都構想はガチンコ」
 大阪市の松井一郎市長(大阪維新の会代表)は9日、就任あいさつで市議会各会派を回った。8日の就任記者会見では、大阪都構想について丁寧に議論を進めるとした一方、公明党の協力を引き出そうと次期衆院選で「戦う準備がある」とも発言。こうした揺さぶりに、市長と面会した公明市議団幹部は取材に「ノーサイドではない。都構想はガチンコだ」と妥協しない方針を示した。
 7日投開票された市議選(定数83)で維新は40議席と躍進したが、過半数にはわずかに届かなかった。松井市長と面会後、土岐恭生幹事長は報道陣に、「市長と知事が『圧倒的多数で民意を得た』と言っても、民意は維新に過半数を与えなかった」と答え、かたくなな姿勢を崩さなかった。
 土岐幹事長によると、松井市長は「丁寧に議会と対話していきたい」と述べた。都構想の制度案を話し合う法定協議会への参加を打診されたといい、「市議団として協議には応じるが、これまでの協力関係は白紙だ」と伝えたという。
 松井市長は8日の会見で「このままこう着状態なら、我々は衆院選を戦う」とけん制。住民投票への協力が得られなければ、次期衆院選で公明現職がいる選挙区に維新の候補者を立てる構えを見せた。【山下貴史】


脱炭素戦略】具体的道筋があってこそ
 掛け声はいいにしても、実効性が伴うかどうかは疑問がある。政府は、目標達成に向けた道筋を具体的に示すことが必要になろう。
 地球温暖化防止のためのパリ協定に基づき、日本の長期的対策の在り方を検討してきた政府の有識者懇談会が提言をまとめた。今世紀後半の早い時期に温室効果ガスの排出をゼロにする「脱炭素社会」を目指すことを柱にしている。
 政府は提言を踏まえ、6月に大阪市で開く20カ国・地域(G20)首脳会合までに戦略を策定するという。
 パリ協定は2020年に本格始動する。今世紀後半に世界の温室効果ガスの排出を実質ゼロにし、産業革命前と比べて気温上昇を2度未満、できれば1・5度に抑える目標を掲げている。
 排出量が世界5位の日本は現在、50年までに13年比で排出を80%減らす長期目標を掲げている。
 ところが、厳しい対策を敬遠する一部産業界の声に押され、本格的な脱炭素社会を実現する明確なビジョンは描けてこなかった。
 協定で各国は20年までに長期戦略を提出する必要があるが、先進7カ国で未提出は日本とイタリアだけだ。政府は昨夏から、ようやく経済団体や自治体のトップらでつくる懇談会で議論を始めていた。
 提言は、協定の目標実現に向けて日本の貢献を示すとしている。ただ政府が戦略で、化石燃料に頼る経済から転換する道筋を示せるかどうか課題を残している。
 提言は、二酸化炭素(CO2)排出量が多い石炭火力発電について、国内での全廃や発展途上国への援助の中止には踏み込んでいない。可能な限り依存度を下げるという玉虫色の表現にとどまっている。
 また、長期的な技術革新を前提にした記述も目立つ。CO2を回収して利用や貯蔵をする技術の開発を促しているほか、水素の製造コストを引き下げ、燃料として利用を広げる重要性も説いている。
 炭素税などCO2排出に課金して排出を減らす「カーボンプライシング」の導入に関しては、経済界出身の委員からの反対意見を反映。「専門的、技術的議論が必要」と是非の明言を避けている。いずれも、経済界への配慮が透ける。
 日本の経済界は長年、CO2の排出規制の導入に反対してきた。経済成長の足を引っ張り、国際競争力をそぐため、対策は企業の取り組みに任せるべきだという考え方だ。
 一方で、温暖化は科学者の予想を超えるペースで進む。世界の企業の中では、大災害など顕在化してきたリスクを深刻に受け止め、脱炭素社会づくりにビジネスチャンスを見いだす流れも出てきている。
 安倍首相は、「環境対策と成長の好循環を加速させる」としている。それも、目標達成に向けた政策転換や具体的な工程があってこそ説得力が生まれよう。世界の脱炭素化の動きを政府がどれほど真剣に捉えているかが問われている。


渋沢栄一の新1万円札採用を批判 韓国メディア「収奪の主役」
 【ソウル共同】日本政府が新1万円札に実業家渋沢栄一の肖像画を採用すると発表したことを受け、韓国メディアは9日、渋沢が「日本の帝国主義時代に朝鮮半島の経済を奪い取った主役だった」と強調した。
 聯合ニュースは、渋沢が設立した第一銀行が大韓帝国時代の1902〜04年に朝鮮半島で発行した紙幣にも渋沢の肖像画が使われたとし、「朝鮮半島の初めての近代的な紙幣に登場し、韓国に恥辱を抱かせた」と主張した。
 KBSテレビも、朝鮮半島の収奪の歴史を象徴する人物の肖像を採用するのは「過去の歴史を否定する安倍政権の歴史修正主義が反映された可能性がある」との見方を伝えた。

今日からコー/ちょっと緊張/ふぁいと!がうれしい/ホヤの日

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Les Anglais de la région inquiets face au Brexit
Un ≪choc≫, une ≪folie≫, une ≪déception≫…Les adjectifs ne manquent pas dans la bouche des Britanniques d'Occitanie pour qualifier le Brexit. Si en 2016, le débat entre pro et anti a pu diviser la communauté anglaise, on trouve aujourd'hui peu de voix pour défendre le retrait du Royaume-Uni, l'UE, alors que la perspective d'un Brexit sans accord n'a jamais été aussi probable. Dans cinq jours, tous les Britanniques qui n'ont pas obtenu – ou demandé – la naturalisation devront être en possession d'une carte de séjour sous peine d'être en infraction avec la législation française. Ces hommes et femmes qui vivent pour certains depuis plusieurs décennies en France pourraient à nouveau être considérés comme des ≪étrangers≫ dès vendredi, si les dirigeants de l'UE n'accordent pas un nouveau délai au Brexit.
Demandes de naturalisation en forte hausse
Sophie Bacou, restauratrice à Lauzerte dans le Tarn-et-Garonne est dans cette situation. En France depuis vingt-neuf ans, mariée à un Français avec qui elle a eu deux enfants, Sophie Bacou ≪n'a jamais ressenti le besoin de (se) faire naturaliser≫. Originaire d'Oxford, elle s'est parfaitement intégrée, dans le village de Montcuq, dans le Lot, où elle a tenu une librairie pendant vingt-cinq ans et a fait partie du Conseil municipal jusqu'en 2014. En 2016, l'annonce du résultat du Brexit l'a laissée ≪dans un état de choc pendant deux-trois jours≫. D'autant que Sophie, n'a pas voté lors du référendum, en vertu de la loi britannique qui retire le droit de vote aux citoyens expatriés depuis plus de quinze ans. ≪J'ai ressenti une grande frustration, explique-t-elle. Le Brexit nous concernait particulièrement, nous, Anglais résidant en France.≫ Sophie songe aujourd'hui sérieusement à faire une demande de carte de séjour et de naturalisation : ≪Je suis de plus en plus motivée≫, assure-t-elle. Depuis 2015, et jusqu'en 2017, les demandes de nationalité française n'ont cessé d'augmenter en Occitanie – elles sont ainsi passées de 47 à 518 en trois ans. En 2018, 450 dossiers ont été déposés. Des démarches qui pour la famille Morton résidents du Mas-d'Auvignon, dans le Gers n'ont pas abouti. ≪Avant le référendum, mon mari avait pressenti que les Britanniques allaient voter pour le Brexit, raconte Joy Morton, avocate à Condom, nous avons donc fait la demande à la préfecture.≫ Suite au refus des autorités françaises, les Morton ne se découragent pas et font valoir leur ascendance irlandaise pour demander – et obtenir – des passeports irlandais, et par là, le droit de rester en France. La République d'Irlande étant un État-membre de l'Europe. Préventivement, les Morton se sont ainsi protégés des conséquences d'une sortie de l'UE.
Des inquiétudes concrètes
Ce n'est pas le Brexit qui a décidé Nic Breese et sa famille, habitants du village de Lourdet en Haute-Garonne, à demander la nationalité française en 2017. ≪Notre fils est né juste avant notre arrivée en France en 2004. Il a fait toute sa scolarité ici, parle mieux français que moi. Il est Français… Pour lui, nous avons décidé de faire la demande, et nous l'avons obtenue en décembre 2017≫, raconte-t-il. Nic n'était pas inscrit sur les listes électorales pour le référendum en 2016, mais de toute façon il n'aurait pas voté. ≪Je vis en France, ce n'était pas à moi de choisir. Même si j'étais pour le maintien dans l'Union. Quand j'ai appris le résultat, j'ai été choqué. C'est de la folie…≫ Si Nic Breese semble poser aujourd'hui un regard extérieur sur le choix de ses compatriotes, il mesure parfaitement les enjeux du Brexit. ≪Ma belle-mère qui vit à côté de chez nous a dû faire une demande de carte de séjour. Et plusieurs amis sont dans ce cas. Les gens sont inquiets, notamment par rapport au droit à la sécurité sociale.≫
L'assurance maladie est en effet un des thèmes majeurs des interrogations des Britanniques de France qui craignent une sortie sans accord de l'UE. Depuis le 1er janvier 2016, toute personne résidente en France de manière stable et régulière peut prétendre à la protection universelle maladie. Suzanne et Michaël Spring, viticulteurs du domaine du Garinet, près de la commune du Boulvé dans le Lot, ont fait la demande de renouvellement d'une carte de séjour qu'il devrait recevoir au mois de mai. En tant qu'agriculteurs, ils cotisent à la MSA (la sécurité sociale agricole) et Susan avoue un certain flottement dans les réponses de l'administration face aux questions sur le Brexit. ≪Les fonctionnaires ne savent pas…≫, déplore-t-elle. Par contre, il pourrait être impossible pour elle de se représenter à son mandat de conseillère municipale en 2021. Car le droit de vote et l'éligibilité aux élections locales sont réservés aux seuls citoyens de l'Union européenne. Face aux tergiversations de la Chambre des communes, les Britanniques d'Occitanie conservent leur flegme malgré le risque d'un ≪hard Brexit≫. Sauf lorsqu'ils croisent un de leurs concitoyens résidant en France qui a voté… pour la sortie de l'UE. Joy Morton du Gers ne comprend toujours pas le choix de ses voisins favorables au Brexit. ≪Et le lendemain, ils ont fait une demande de carte de séjour !≫ s'exclame-t-elle. Le cas des voisins de Joy, s'il est rare, n'est pas isolé. En 2018, Nigel Lawson, ancien ministre des Finances de Margaret Thatcher et militant pro-Brexit, qui possède une propriété près de Vic-Fezensac, a fait lui aussi une demande de carte de séjour. Une démarche qui a déclenché un tollé dans son pays.
Mathieu Quintard
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今日からコーです.ちょっと緊張するし,疲れます.
そんなとき,こんな状況を知ってか知らずか「ふぁいと!」というメール.うれしいです.
ホヤの日だそうですが,大阪でホヤは売っていません.さみしいね.

気仙沼・内湾地区に観光交流拠点施設が完成
 東日本大震災で被災した宮城県気仙沼市内湾地区に市が整備する観光交流拠点施設「気仙沼市まち・ひと・しごと交流プラザ」が8日、報道関係者に公開された。愛称は「創(ウマレル)」でオープンは13日。2階が連絡橋でつながる観光集客施設「迎(ムカエル)」と共に内湾地区のにぎわい創出の役割を担う。
 施設は鉄筋一部鉄骨3階で延べ床面積約2400平方メートル。1階には市民の起業を促すチャレンジショップを整備。2階には軽運動室や観光客の休憩ラウンジがあり、ラウンジのピアノは誰でも自由に弾ける。3階には音楽スタジオや研修室がある。


<釜石ワイン>酸味すっきり 地元産ブドウ100%使用 販売に長い列
 岩手県釜石市産のブドウ100%で醸した「釜石ワイン」の発表会が7日、市内のイオンタウン釜石であった。釜石の土と気候に育まれた味を確かめようと、買い物客が長い列を作った。
 ケルナー、シャルドネなど3種類で、透明感のあるすっきりとした酸味が特徴。750ミリリットル入りで2160〜2700円。
 釜石ワインは、被災地に地場産業を興そうと、NPO法人遠野まごころネット(遠野市)が2014年に釜石市内でブドウの栽培を始めた。イオンが苗木1050本を寄贈するなど支援する。
 農業と福祉の連携を掲げ、障害者がNPOの職員やボランティアと約1ヘクタールの畑で農作業に取り組む。交通事故で高次脳機能障害を負った同市の千葉晋佑さん(52)は「みんなの汗と努力と工夫でできたワイン」と胸を張った。
 販売を開始した17年は約100本、昨年は約300本を製造し、今年は約1000本を瓶詰めした。来年は4000本の製造を目指す。まごころネットの佐藤正市理事長は「栽培面積を広げ、もっと増産したい」と話した。イオンタウン釜石などで販売する。


8日は「ホヤの日」頬張れば、あふれる海の香り 名取・閖上でイベント
 県産ホヤの消費拡大を目指す「ほやフェスティバル2019in閖上」が7日、宮城県名取市閖上のゆりあげ港朝市であった。昨年制定された「ホヤの日」(8日)にちなんだイベントで、旬の味覚をPRした。
 新鮮な女川町産の殻付きホヤを1000キロ用意。「ほやの唄」を披露するライブステージをはじめ、ホヤの詰め放題や、むき方を競う大会を企画し、大勢の来場者で盛り上がった。
 詰め放題に挑戦した大和町の会社員及川清広さん(53)は「旬のホヤは生で食べるのがうまい。冷凍しておけば、年中食べられる」とほくほく顔だった。
 仙台市の飲食業「飛梅」が日本記念日協会に「ホヤの日」制定を申請し、昨年7月に認定を受けた。県産ホヤは東京電力福島第1原発事故後、大消費地の韓国で輸入規制が続いており、国内での消費拡大が課題となっている。
 飛梅の松野悠紀業務本部長は「ホヤは刺し身や酢の物だけでなく、加熱すれば、ピザやパスタなど洋食にも合う。ホヤの可能性を知ってほしい」と話した。
 8〜14日には仙台市内の飲食店33店で、ホヤを使った各店独自メニューを楽しめる「仙台ほやフェア」が行われる。


<気仙沼大島大橋開通>喜びと 惜別と
 気仙沼大島大橋が開通し、離島・大島が本土と結ばれた7日、橋はにぎやかな祝いの舞や笑顔に包まれた。橋の開通に伴い、この日で廃止された定期航路を見送る島民の目には涙。喜びと別れが交錯した島の一日を追った。

河北抄
 通りが一層、華やかになったような気がする。仙台市青葉区の「マーブルロードおおまち商店街」のアーケードの大規模改修が終わった。雨漏りしていたアクリル樹脂の屋根が新しくなり、鉄骨部分は明るい白に塗り直された。
 アーケード街は駅に向かってクリスロード、ハピナ名掛丁へと約900メートル続く。おおまちは百貨店や時計店など老舗が多く、両商店街に比べ「大人の街」といった感じだろう。
 ただ、通りに面した空き店舗がぽつりぽつり。3店あった。そこだけくしの歯が欠けたような寂しさがある。クリスロード、ハピナ名掛丁には見当たらなかったのに。
 市中心部の商店街では、大型商業施設や飲食店が次々集積する仙台駅前に勢いがあるとされる。おおまちだけにあったのは駅前から距離があるせいだろうか。
 藩制時代、藩から主要商品の専売特権を与えられた御譜代町の一つ。一番町買い物公園との結節点でもあり、なんだかんだ言っても仙台の顔。改装をきっかけに元気を取り戻してほしい。


AMラジオの扱い 情報弱者を生まないよう
 災害時の情報インフラとして、ラジオの公益的な役割が重要視されている。慎重な対応が必要だ。
 日本民間放送連盟(民放連)が、ラジオのAM放送を廃止し、ワイドFM(FM補完放送)に転換することを可能にする制度改正を総務省に要請した。
 2028年までに改正するよう求めている。経営環境が厳しく、コスト低減を図りたい考えだ。
 インターネットの普及で、AM局の広告収入は1990年ごろをピークに激減している。
 AMはFMに比べて、遠くまで電波が届く特性がある半面、大規模なアンテナが必要となる。老朽化が進む放送設備の更新は大きな負担だ。
 民放AM47社の大半は、14年末から難聴や災害対策でワイドFMを始め、AMと同じ番組を流している。
 FMに一本化することで、送出コストや電波利用料などの負担を軽くしたいという考えは理解できる。
 だがAMを廃止した場合、リスナーは変わらずラジオを聴くことができるのか。課題が残る。
 ワイドFMを聴くには対応した受信機が必要だ。家庭用の普及率は現在約53%という(三菱総研調べ)。カーナビ搭載型も含めると、新たに家計の負担となりかねない。
 また、FMは音質はいいが、電波が遠くまで届きにくく、山の陰では聞こえにくいという難点がある。そのため北海道や離島ではAMが残る見通しだ。
 8年前の東日本大震災では、ラジオは避難の呼びかけや安否情報、生活関連情報を流し続けた。
 ネットで聴くこともできるが、受信機と電池があれば、停電時にも活躍するラジオの有用性は高い。ネットになじみの薄い人や高齢者ら、緊急時の情報弱者を生まないような配慮は不可欠だ。
 AMラジオ番組を普段聴いている人は、やはり同総研の調査によると約54%にのぼる。
 テレビに比べ自由度の高いラジオは、パーソナリティーの個性により、独自の文化を生んできた。直接話しかけられているような親密な感覚はラジオならではだろう。時に深夜放送は、孤独を癒やしてくれる。
 ラジオの持っている力を踏まえ、政府は総合的に判断すべきだ。


コンビニ営業時間 24時間見直し柔軟対応を
 一部のコンビニエンスストアで24時間営業を続けることが難しくなっている。持続可能な事業の在り方について、消費者も含めて議論を進める必要があろう。
 24時間営業の問題は2月、業界最大手セブン―イレブン・ジャパンで、東大阪市の加盟店オーナーが人手不足を理由に営業時間を自主的に短縮したことをきっかけに、大きな関心を集めた。
 セブンの本部は当初、同加盟店オーナーに違約金とフランチャイズ(FC)契約の解除を伝達した。その後24時間営業の議論が高まり、違約金や契約解除の撤回を伝え、営業時間の短縮実験にも乗り出した。だが対応が後手に回った感は否めなかった。
 セブンは古屋一樹社長が代表権のない会長となり、永松文彦副社長が8日付で社長に昇格する人事を発表した。加盟店対応の不備が要因となり、問題が社長交代に発展したことを重く受け止めたい。
 問題はもちろん、他のコンビニ各社にも共通している。ローソンが3日に那覇市で開いた全国FC加盟店オーナー代表者との意見交換会では、人手不足への危機感や時短の利点を訴える声が上がった。
 全店での24時間営業は、消費者にとっての利便性だけではなく、業界にとっても深夜・未明でも効率的に商品を届けられる利点がある。食品などの製造から物流までのシステムが確立しており、営業時間短縮が一筋縄には進まない事情があるという。
 だが人手不足は深刻化しており、24時間営業の見直しは不可避だろう。コンビニオーナーでつくる「コンビニ加盟店ユニオン」はこの問題に関して、「人間として限界に来ている」と訴えている。
 24時間の見直しは外食産業で先行している。宅配なども時短の取り組みが進む。FC展開が中心のコンビニとは背景が異なるが、時代の変化に柔軟に対応していかなければ、コンビニ業界の存続基盤が揺らぎかねない。
 各社も手をこまぬいているわけではない。レジの省力化技術導入による次世代型店舗の開発や、陳列棚の改善などを含めた従業員の作業負担軽減を図ってきている。取り組みを加速させてほしい。
 政府も動きだした。世耕弘成経済産業相は5日、コンビニ8社の経営トップらと意見交換し、人手不足や人件費上昇など加盟店が抱える問題の是正に向けた行動計画の策定を要請した。ただ国の経営関与は慎重であるべきだ。世耕氏が言うように、各社の「自主的な取り組み」で問題の打開策を見いだしてほしい。
 コンビニは誕生から約50年、沖縄でも大手進出から30年余りがたつ。災害時の支援拠点としての役割も含め、暮らしに不可欠な存在だ。だからこそ社会の働き方改革を先導し、オーナーとの共存共栄を図るような対応を期待したい。消費者の側も固定観念を改め、議論を進めたい。


[働き方改革法施行]労働環境是正の一歩に
 働き方改革関連法が施行された。事実上の青天井だった時間外労働に罰則付きの上限を設け、「同一労働同一賃金」が原則として正社員と非正規社員の間にある不合理な待遇の是正などを盛り込んだ。
 時間外労働の上限が定められたのは1947年の労働基準法制定以来初。「長時間労働」や「待遇格差」などに代表される日本の労働の価値観を変える第一歩である。
 時間外労働の上限は、大企業は今年4月1日から、中小企業は来年4月1日から適用される。残業時間を年間、単月、2〜6カ月間ごとに細かく規制し、これらを超過すれば6月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられる可能性がある。曖昧な労務管理は許されない。繁忙期に時間外労働に頼っていた企業では、雇用のあり方そのものを変える必要に迫られる。
 ただ上限は単月100時間、2〜6カ月平均80時間となるなど過労死ラインぎりぎりだ。企業の取り組みによっては長時間労働の解消につながらない危険性もある。
 柱の一つである一定の年収以上の人を労働時間規制から外す「高度プロフェッショナル制度」は、長時間労働の抜け穴となる危険性もある。安倍晋三首相は国会で「この制度は本人の同意が必要で、望まない人には適用されない」と答弁したが、その担保となる歯止めが必要だ。
 関連法は、過労死の根絶を求める世論の高まりに押されて実現した。企業や経営者は同法が意図するところをしっかりと認識し、労働環境の改善に努力してほしい。
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 同一労働同一賃金の厳格化は大企業で来年4月1日から、中小企業は2021年4月1日から適用される。
 国内の非正規社員は、働く人の4割を占める。一方、非正規の賃金は正社員の6割程度にとどまっている。県の調べでは県内の観光産業を支える宿泊・飲食サービス業に携わる女性従業員の8割が非正規という。非正規社員の待遇改善は格差社会の是正につながる喫緊の課題だ。
 ただ、具体的な内容は厚生労働省が作成する指針に基づいて労使交渉で決められる。格差解消のため、正社員の待遇が引き下げられる懸念も出ている。
 厚労省は指針の中で待遇引き下げによる格差是正は好ましくないとするが、関連法の理念を実現するには、安易な引き下げを食い止める実効性のある対策が求められる。
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 初の罰則規定とともに効力を発揮しそうなのが、労働基準関連法令に違反した企業名の公表制度だ。対象となるのは悪質な違反を繰り返したり、労働基準監督署が書類送検した企業(中小零細企業を除く)で、厚労省は「社会への啓発が目的」とする。
 人手不足による倒産は18年度、過去最多の400件だった。
 長時間労働や低賃金を前提とした雇用のあり方は、物づくりやサービスなど人の手で生み出されるあらゆる「商品」に密接に関わっている。国はもちろん、労使ともに不断の努力で働き方を見直さなければならない。


LGBT暴露被害 問われる多様性の内実
 「信頼して打ち明けたのに、勝手に周囲にばらされた」−。多くの性的少数者(LGBT)が、性的指向や性自認を本人の了解なく暴露(アウティング)される恐怖と隣り合わせで生きている。
 東日本大震災の被災自治体の首長らが立ち上げた一般社団法人「社会的包摂サポートセンター」が開設する「よりそいホットライン」。その性的少数者向け専用回線に、6年間で少なくとも110件の相談が寄せられていたことが分かった。実際の被害は、はるかに多いことだろう。
 この問題は命に関わる。2015年、一橋大法科大学院の男子学生が、同級生に同性愛を暴露された後に校舎から転落死した。両親は同級生とともに、「対応が不十分だった」として大学にも損害賠償を求めて提訴し、同級生とは和解が成立した。
 LGBTは各種調査で十数人に1人と、ごく身近な存在だ。近年は大手企業で同性カップルを認めたり、自治体が同性カップルを「結婚に相当する関係」と認める制度を導入するなど権利擁護の動きが進む。だが、偏見は根深い。
 どう被害を防ぐか。県内外の当事者の苦しみの声を踏まえれば、容易ではあるまい。
 例えば、外見からは分かりづらい精神障害の分野でも、家族会の集まりなどで「子どもの病気を親友に打ち明けたら、疎遠になった」といった悩みがしばしば話される。
 ただ「LGBTの場合、家族にすら言えない」との当事者の指摘は、重い。暴露被害の苦しみ。そして、暴露されるかもしれない不安から誰にも言えず抱え続ける苦しみ。同性愛男性の自殺未遂率が異性愛男性より高いといった統計の背後には、こうした事情もあるのではないか。
 それだけに、もし打ち明けられたら、相手がどれだけ自分を信頼し、どれだけ勇気を持って告白したかに思いをはせ、受け止めてほしい。
 一方、打ち明けられた側にとって、「多様性の尊重」が大切と頭では分かっていても、具体的にどう関わり、どんな声を掛ければいいか、戸惑いは大きいはずだ。
 当事者も、打ち明けられた人も孤立させないため、相談支援の拡充が求められる。その大前提が、LGBTの権利を擁護する法整備。今国会が一つの焦点になるだろう。
 野党6党派は既に先の臨時国会で、LGBT差別を禁じる法案を提出。自民党は特命委が先月、LGBTへの理解促進を図る法案の骨子を了承した。参院選をにらみ、多様性を尊重する姿勢をアピールするのが狙いだ。
 とりわけ自民党内には保守系議員の抵抗感が根強い。党内、そして国会で生産性のある議論を望む。


英EU離脱延期要請 時間稼ぎせず明確な打開策示せ
 英国の欧州連合(EU)からの離脱は、いよいよ出口が見えなくなっている。メイ首相は、離脱の期限を今月12日から6月30日まで再延期するようEU側に要請した。
 だが、再延期したとしても、最大のネックであるEUとの離脱合意案が下院で承認される見通しは立っていない。単なる時間稼ぎでは、混乱を引き延ばすだけだ。既に自動車などの企業が英国を離れる動きも加速している。さらに「合意なき離脱」となれば、社会や経済に及ぼす影響は国内にとどまらない。英政府と議会は、決められない政治を脱し、早期に明確な打開策を示す責任がある。
 当初3月29日だった離脱期限は、下院で合意案が2度否決された後、延期された。メイ氏が「可決されれば辞任する」と捨て身で臨んだ3回目の採決も否決された。今月12日に離脱期限が迫る中、最大野党の労働党との協議を続けているが、労働党は政権側が譲歩姿勢を見せないことに反発している。メイ氏は八方ふさがりの状況を抜け出すことができず、求心力の低下は深刻だ。
 代替案を示せない下院の責任も大きい。下院は与野党とも、EUとの関係を完全に断つよう求める離脱強硬派から、離脱撤回を求める残留派までさまざまな立場で分裂している。2回目の国民投票実施や離脱撤回、EUの関税同盟への残留など、これまで議員が提案した代替案はいずれも否決され、合意案を含めて過半数の支持が得られていない。反対ばかりで着地点を見いだせないようでは議会の役割を果たしているとは言い難い。
 EUは、メイ氏の延期要請を受け、10日の特別首脳会議で対応を協議する。再延期には全加盟国の同意が必要で「理由が不明確」といった批判がある中、認められるかどうかは予断を許さない。EU側は英政府が合意案を批准すれば、延長幅を短くするとの条件付きで、最大1年の延期を提案する動きもある。「合意なき離脱」で混乱に陥らないためにも、EUには英国内の情勢を鑑み、柔軟な対応を求めたい。
 ただ、EUは長期延長について、英国が離脱方針を抜本的に見直すための期間として想定しているとみられる。議会の解散総選挙や2回目の国民投票を延長の条件とする可能性もある。加盟国には、離脱問題への対応の労力が過重となり、EUの改革など、本来の課題への取り組みが滞っている不満もある。
 英国は、たとえEUを離脱しても欧州や国際社会の一員であることには変わりない。僅差で離脱の民意が示された3年前の国民投票の結果を尊重し、EUと離脱条件を詰めてきた。それ自体は、民主的な手続きとして当然といえよう。しかし、現状で円満な離脱への有効策が打てない以上、EUが提案を検討しているような根本的な方針転換も、選択肢の一つとして考える時期にきている。


千原ジュニア 安倍首相主催「桜を見る会」断る…「知らんおっさんと見たないわ」
 お笑いタレントの千原ジュニア(45)が7日にAbemaTVで放送された「Abema的ニュースショー」(正午〜午後2時)に出演し、毎年4月に総理大臣の主催で開催される「桜を見る会」に誘われたものの、断ったことを明かした。
 番組では、イチロー氏が国民栄誉賞を政府から打診されるも3度目の辞退をしたことを取り上げた。マーケティングアナリストの原田陽平氏が「イチローさんの世代は、千原ジュニアさんもですけど、団塊ジュニア世代と言われている。ホリエモンさんとか。ちょっと反発的なんです。ちょっと生意気な人が多いんです。人口も多くて競争が激しくて。ちょっと斜に構えた人が多い」と指摘した。
 ジュニアは「確かに」と応じ、「まったく違いますけど、桜を見る会みたいなんに今年も声かけてもうたんですけど、知らんおっさんと見たないわっつって。断ったんですけど。世代なんですかね」と述べた。「今年も」と言ったことから複数回、断っているとみられる。ジュニアはまた、「せいじやったらひょいひょい行くもんな」と兄のせいじなら行くだろうと述べて笑いを誘った。
 「桜を見る会」は今年は13日に新宿御苑(東京都新宿区)で開催される。


中村文則がジブリの雑誌で語った安倍政権批判に踏み込む理由「言うべきことを言わないのは読者への裏切り」
 露骨なまでの新元号発表の政治利用に、現役副大臣による「忖度」発言など、ここ最近、安倍首相による政治の私物化が相次いで表面化している。そして、「総理や副総理は言えないので私が忖度した」と公の場で言い放った塚田一郎国交副大臣の辞任を受け、安倍首相はいけしゃあしゃあと「政治家が語る言葉は真実を語らなければならない」と語り、塚田氏の派閥の長である麻生太郎副総理は質問する記者に「大きな声で言えや!」と苛立ちを露わにして不遜な態度を見せた。
 普通に考えれば、「これまで」なら、こんなあからさまな問題が発生し、その上、政権のツートップから思い上がりも甚だしい発言が飛び出せば、蜂の巣をつついたような騒ぎになっていただろう。しかし、いまの日本社会にそんな空気はまったくない。メディアも改元に浮かれ、忖度事案の暴露を深掘りしようとしない。
 そんななか、これらの問題にはっきりと物申したのは、作家の中村文則氏だ。
 中村氏は安倍首相が新元号発表で「前に出すぎた」パフォーマンスを繰り広げたことを〈ちょっとさすがに、あれは考えられない行為だった〉と指摘し、〈会見での質疑応答で、一億総活躍社会だの、働き方改革だの、抵抗勢力だの、政策発表のようなことまでやった首相は前代未聞〉と批判。さらに、新元号発表と同日に塚田氏が発した「忖度」発言と、新元号が〈政治の腐敗に嫌気がさしたことが背景にある「帰田賦」から結果的に選定〉されたことに触れ、〈新元号と共に、古い忖度政治を終わらせ、新しい時代のため今の内閣は身を引いたらどうか〉と引導を渡したのだ(毎日新聞愛知県版4月6日付)。
 中村氏といえば、2014年に発表した『教団X』(集英社)が50万部を超えるベストセラーとなった売れっ子でありながら、安倍政権批判をはじめとして社会的問題に踏み込んだ発言をおこなっている数少ない作家。そうした姿勢は作品にも反映され、現在は東京新聞や西日本新聞などで第二次世界大戦時を舞台にした「逃亡者」を連載中。また、2017年発表の『R帝国』(中央公論社)では全体主義国家を描き、政治の腐敗から民衆が目を背けて「真実ではなく半径5メートルの幸福」に逃げ込むという、まさに現在進行形のディストピアを描いた。
 森友・加計問題のような政治の私物化があきらかになっても、現役副大臣が「私が忖度した」と断言しても、政府統計の不正まで表沙汰になっても、なぜか政権への怒りが湧き起こらない社会──。こうした現状について、中村氏はスタジオ・ジブリが発行する小冊子「熱風」3月号に掲載された、ジャーナリスト・青木理氏との対談でこのように語っている。
「ものすごく大きなことから言うと、日本人って常に圧政を食らいながら生きてきたんでしょうね。古くは一揆だって徹底的に弾圧された。大正デモクラシーも結局は潰されてしまったし、戦後の60年、70年の安保闘争も最終的にはあさま山荘事件(1972年)などに行き着いてしまった。だから政治というものをあまり深く考えない方がいいという空気が、おそらく僕らよりも上の世代からあった気がします」
「現在の沖縄をめぐる問題だって、本当はみんな怒るべきなのに、怒ってもなかなか変わらない。一方で、何もしない自分への罪悪感を誰もが根底に持っていると思うんです。その罪悪感を感じたくないから見ないふりをするという人もいれば、罪悪感が湧いてきてしまうから逆に基地を肯定する、これは間違っていないんだと言って罪悪感を消そうとする心理になる人も多いんじゃないかと思いますね」
中村文則が分析する歪な「ナショナリズム」と「ヘイト」が台頭する構造
「言っても変わらないことを言いつづけるって、実はものすごいストレスなんです。言わない方がはるかに楽で」と中村氏は言う。そうしたなかで「半径5メートルの幸福」に浸る人がいる一方、「誰もが自分の仕事に夢や希望を抱けるような社会ではない」現状のなかで喪失した自信を取り戻すために、手っ取り早い「ナショナリズム」が台頭している──。中村氏はそう指摘するのだ。
「日本人は優秀だ、先の大戦は間違いじゃなかった、オレたちはなぜ謝罪ばかりしなくちゃならないんだと。そういう面で自信を抱くことで気持ちもちょっと強くなる、安定するという人間の感情を煽る連中も増えてきたからだと思います」
 テレビをつければ「韓国は反日」と連呼され、書店にはヘイト本がずらりと並ぶ昨今。最近では厚労省のキャリア官僚が韓国の空港で「韓国人は嫌いだ!」と叫んだり、日本年金機構の世田谷事務所長がSNSでヘイト発言を振りまいていたことが判明するなど、完全にタガが外れた状態にある。こうした現状についても、中村氏は「ある意味で差別は一種のタブーですが、そういったことをあえて口に出すというか、「オレ、言ってやった」とか「言っちゃいけないことを言ってやった」という係がいて、「あ、あの人、言っちゃったよ」と楽しむような、気持ち悪い快楽を楽しんだりする人もどんどん増えている。すると、それを煽って商売する人も増えるという悪循環に陥っているのが、とくにこの数年の状況」と言及し、「第二次安倍政権からというと語弊があるかもしれませんが、ちょうどそのころから一層顕著になったのは間違いない」と述べている。
 社会に対する不安を、つくり上げた「敵」への攻撃心に向けさせナショナリズムを煽る。しかし、それがなぜ広く受け入れられてしまうのか。中村氏は、その構造をこんなふうに分析している。
「いつの間にこうなっちゃったのかなとも考えるのですが、現実に多くの人は自分を恵まれていないとは思っていないでしょう。むしろ恵まれた側にいると思いつづけたい。いまは給料が低いけど、アベノミクスの成果だかなんだか知らないけれど、いつか上がっていくと思っている。年金がもらえないかもしれないっていうのも、本来は「そんなバカな!」と怒るべきなのに、怒るのがちょっと格好悪い気がするから、自分の責任でやるしかないと考える。そんなのは自己責任だしねという自分、そんなふうに言えるオレって自立しててカッコいい、という……。で、実際に老人になったとき、本当にお金がなかったらどうするのかということは考えたくない。まさに正常性バイアスです。原発だって大丈夫だと思いたいし、考えるのが嫌なので、地震もないし爆発もしない。そう考える方が楽だから見ない。そういうことでしょう」
中村文則が青木理に「数少ないから、励ましあっていかないと」
 これはまさに本質を突く分析と言えるだろう。しかし、中村氏自身はまったく逆で、時代の空気に抗するように発言しつづけている。それは、「大きな流れが一方的に傾いてしまうと、もはや止めることができない」「いま言っておかないと手遅れになるかもしれない」と感じているからだろう。
 だが、もうひとつ、中村氏の背中を押していることがある。それは「言うべきことを言う作家が少ない」という問題だ。
「新聞などに登場するのもメンバーが限られていて、今度はこの人かと言うような感じで、まるで持ち回りみたいになっている。こんな状況じゃなく、みんなが言ってくれるなら、僕もときどきは言うかもしれませんが、これほどは発言していなかったかもしれません。
 それにやっぱり、読者への裏切りだと思うんです。社会について僕が危機感を持っていなかったら、言う必要なんてない。でも、現実にマズいと感じ、この辺で止めておかないと大変なことになると思っていて言わないのは、それはビビって言わないということですよね。それは読者への裏切りじゃないですか。そんなヤツが書いた本、面白いのかと思いますし、おびえて何も言わない、思っていることを言わない作家の本なんて、そんなものが面白いのかって、どうしても考えてしまうんです」
 ヘイトで感情を煽る商売に精を出す輩が跋扈するなかで、こんな真摯な姿勢を持つ作家がまだいたのかと、正直、心を打たれた。しかし、それは同時に、孤独との戦いでもある。中村氏は対談の最後、相手の青木氏に冗談交じりにこう語りかけている。
「そういうジャーナリストの人だって、もはや限られていて、名前を挙げて数えられるくらいしかいない。でも、やっぱり一定数はいるんですよね、きちんとモノを言う人って。青木さんもそうだし、作家でも一定数はいる。それがある意味で希望でもあるし、人間社会の不思議でもある。そこは救いです。とはいえ数少ないから、こうなってくるとお互いちょっと励ましあっていかないとやっていられない。でないと辛すぎます(笑)」
 政治的発言や政権批判が社会においてタブー化するなか、思考停止に陥った現状に真正面からものを言い、いまこの時代が失った「考えること」「想像すること」の意味を伝えようとする。あえて孤独な、警鐘をならす“炭鉱のカナリア”になることを選んだ中村文則という作家に、エールを送りたい。


ふるさと納税めぐり総務省と対立 大阪・泉佐野市長を直撃
 総務省の肝いりで始まった「ふるさと納税制度」。地方自治体に知恵を絞って寄付金を集めるよう号令をかけながら、いざ制度が浸透し、自治体ごとに寄付金の偏りが出ると、返礼品は「寄付金の3割以下」「地場産品に限る」と規制を設け、従わない自治体を特別交付税の対象から排除した。さらに先月27日には、過度な返礼品競争を防ぐ改正地方税法が成立。6月以降、ルールを破った自治体は制度から除外される。そんな総務省と戦っているのが、地場産品が乏しく、独自のアイデアで2年連続寄付額日本一となった泉佐野市だ。国からの“仕打ち”にもまったくひるむことはない。千代松大耕市長に聞いた。
  ◇  ◇  ◇
  ――返礼品の見直しに応じず、多額の寄付金を集めた4自治体に特別交付税が配分されなくなった。
 特別交付税は、総務省の裁量が結構大きいのは分かっていました。総務大臣が「ペナルティーではない」と説明されたようですが、ペナルティーか、そうでないかは知る由もありません。ただ総務省があれだけ大々的に発表し、対象は4自治体だけですから、全国の自治体に対しての「見せしめ」と受け取っています。
  ――なぜ、こうも目の敵にされるのかという思いはないか。
 過去、日本一になった宮崎県都城市には「還元率を3割以下に」と通知を出し、泉佐野市が日本一になった時も「返礼品は地場産品に限る」と言ってきたように、努力している自治体を抑えつけてきた感があります。「出る杭は打たれる」ということでしょう。我々の努力を踏みにじるようなものと捉えています。
  ――2017年度に135億円の寄付金を集めたが、平坦な道のりではなかったとか。
 今でこそ関西国際空港も調子がいいのでありがたいのですが、赤字に苦しんだ時は同じようにしんどかった。関空から一番近いまちということで、開発に伴うインフラ整備などで莫大な投資をしてきた。(国の計画では)関空のおかげで素晴らしいまちになるから、その税収で借金を返済すればいいという前提でした。それが、バブル経済が崩壊し、企業の進出も進まず、借金だけが残った。それがまず1回目の裏切りです。
■さんざん煮え湯を飲まされてきた
  ――国の犠牲になったということですね。
 多少、大阪府から支援はありましたが、自主再建、財政健全化を図ってきた中で国が空港連絡橋を国有化したため、固定資産税が大幅に減少した。また北海道夕張市が財政破綻したこともあり、財政健全化法を施行して一般会計だけで見ていた地方自治体の財政状況を特別会計を加えた連結決算にしたため、対応に追われるなど、国の方針変更に大きく左右され、煮え湯を飲まされてきました。
  ――翻弄されてばかりです。
「たばこ税」の時もそうでした。卸売業者が自治体を選び、そこで払うと決めると、税金が入ってくる仕組みになっていたため、積極的に業者を誘致しました。それで税収が伸びたのですが、2年で税制を改正されました。ありとあらゆることを考えながら必死に財政健全化に取り組んできたので、今回も「またか」という思いです。
■少ない地場産品をアイデアで補う
  ――ふるさと納税に力を入れたのも、そういう事情があったからですか。
 財政破綻寸前で、夕張市に次いで2番目に全国で財政状況が悪い自治体でした。市民の皆さんも元気がなかった。全国の特産品を返礼品にしていますが、すべて市内の事業所が取り扱っていますので、必ずその業者に利益が入るよう考慮しています。ふるさと納税のおかげで活気が出て、市民も元気を取り戻しました。
  ――職員のアイデアと努力が全国の寄付者の賛同を得たのですね。
 手前味噌ですが、うちの職員はよくやってくれています。4〜9%という厳しい給与カットが続く中、昔のどん底の状態に戻さないという、強い意志を持って知恵を出し合ってやってくれている。地場産品が少ない自治体が豊富なところと競い合うには、アイデアでしか勝負できません。地場産業だけでなく、サービス業や飲食業など、いろんな事業者が参画できるのがうちの取り組み方です。他の自治体と比べていかに目立てるか、全国の寄付者の目に触れる機会をつくれるか。ポータルサイトとか広告を出せばとかではなく、そういうことを数年前から考えてやってきました。
  ――国の圧力に屈することなく、次から次へと手を打ってきた。
 長年、苦しい財政状況を味わってきて、それを経験したからこそできたのです。市民に負担をお願いし、職員の給与をカットして、苦しい時代を乗り越えてきた。国に裏切られ、振り回される中、信念を持って、他の自治体が取り組む前から本格的に研究してきた。反対意見があっても自分たちの主張、スタンスを貫き通してきた。その原動力というのはやはり、自主再建で市の財政を立て直し、ここまできたという歴史があるからです。
  ――集まった寄付金は何に使っているのですか。
 財政健全化団体でしたので、他の自治体と比べてサービスが遅れていました。例えば、市内の小学校には1校もプールがなかった。寄付金を財源にして、プールの整備に充てさせていただいている。また財政状況が悪かった時に花火大会を中止にしました。その後、市民の手で復活させてもらったのですが、毎年、ボランティアが市民に協賛金を求めるのには限界があります。集まらない年もありました。寄付金を使って、事業を支援させてもらっています。
  ――ふるさと納税制度を使って財政を立て直したのですね。
 はじめの5年ぐらいは制度そのものが注目されていなかったので、総務省も控除額を2倍にしたり、ワンストップ制度を設けて普及を促進しました。国と自治体が一緒に頑張って、ようやく広まった。それで勝ち組と負け組の自治体が出てきたら、急に方針を変えて抑えつけてきた。
財政破綻寸前からの再出発
 ――泉佐野市独自の取り組みを理解してもらえない歯がゆさはないか。
 総務省はもともと全国の地方自治体に均一的な行政サービスを行えるようやってきた省庁ですから。ただ泉佐野市としては対立しているとは思っていなくて、あくまで泉佐野市の考えるふるさと納税を地道にやっているだけ。それを一方的に批判されているということです。 
  ――地場産品が少ない中、寄付額日本一なのだから、むしろモデルケースではないか。
 うちが成功しているわけですから、全国の自治体がその気にさえなれば、どこでもやれます。職員の努力で積み重ねてきた手法なので、視察に来た他の自治体には包み隠さずお話ししています。どの自治体にもチャンスが広がるやり方です。
  ――制度除外を見越してHPに掲げた「泉佐野ふるさと納税は訳あって一旦閉鎖します」というキャッチはエッジが利いています。
 総務省が通知を出さず、各自治体に自由に競争させていたら、泉佐野に集まった寄付金はそれなりに分散されたと思います。総務省に抑えつけられ、泣く泣く言うことを聞く自治体が出てきて、異を唱える自治体との格差が生じた。自由競争なら全国に満遍なく行き渡り、多くの自治体が喜ぶ結果になったかもしれません。
  ――それがもともとの制度の趣旨ではないか。
 今や税収が大きく地方に流れているので、首都圏の自治体や国会議員から反発を食らったのではないか。本格的に動き出したら慌ててブレーキをかけ出したという印象です。もうちょっと制度自体を整備してから始めていたら、こういうことにはならなかったのかもしれません。規制は単なる後付けですよ。
  ――総務省の目の敵にされても寄付金は減りませんでした。
 総務大臣が泉佐野市のことを「社会的にも教育的にも悪影響が大きい」とかなり感情的に批判されましたが、それは泉佐野市に寄付していただいている300万人を超える寄付者の方々に対して大変失礼な発言ではないかとつくづく思いました。また、総務省は意に沿わない自治体にこれまでの取り組みに関して反省を促すというようなことを言っていたようですが、反省し全国の自治体にお詫びしなければならないのは、これだけの混乱を招き、自治体を振り回す原因をつくった総務省の方ではないでしょうか。 (聞き手=滝口豊/日刊ゲンダイ)
▽ちよまつ・ひろやす 1973年、泉佐野市生まれ。同志社大経済学部、米リンカーン大大学院修了後、99年、堀場製作所入社。2000年、泉佐野市議に初当選。在職中、大阪府立大大学院、和歌山大大学院を修了。4期連続市議に当選し、08年議長を務める。11年市長選に初当選。現在2期目。


保守分裂の地元知事選で風見鶏 “逃げ恥”稲田朋美氏の憂鬱
 保守分裂の上、総務省時代の上司、部下による異例の戦いとなった福井県知事選。自民党推薦の新人・杉本達治氏(56)が現職の西川一誠氏(74)に約9万票差で勝利した。
 地元の自民県議は杉本派と西川派で割れ、大モメだったが、最後までどっちつかずで中途半端だったのが、稲田朋美筆頭副幹事長(衆院福井1区)だ。
「稲田さんは県連顧問という立場上、知事選中、ちょくちょく地元に入っていましたが、杉本さんの隣でマイクを握るといった表立った動きはなかった。自らの選挙で“手足”となって活動する市議が多い杉本陣営には『私の心は杉本さんにある』と話す一方、西川陣営には『党本部は(杉本の)推薦ではなく、党議拘束のかからない支持にとどめる』とあやふやなことを言っていました。どちらにもいい顔をしていたわけです」(地元記者)
 稲田氏は先月22日付の地元の福井新聞に「なんとか保守が一丸となって戦うことができないものか…」と苦しい胸の内を明かすそぶりで語ったが、本心なのかは疑わしい。25日には、県知事選とは関係ない大阪市内であった統一地方選の集会に「女性議員飛躍の会」代表として登壇。「地方の女性議員の割合があまりにも少ない」と訴えた後、ちゃっかり政治資金パーティーまで開いていた。
「稲田さんは表舞台から遠ざかっていますから、『ポスト安倍』に向けて存在感を示したいのでしょう。地元の県知事選より自らの足場固めを優先させた格好です。ただ、17年都議選で『自衛隊としても支援をお願いしたい』と失言。彼女は自民大敗の“戦犯”でした。杉本、西川両陣営とも『来てほしくない』が本音だったようです」(福井県政関係者)
 “復権”は無理じゃないか。


大阪W選は維新「20時当確」自民府連“エゴむき出し”の自滅
 大阪府知事・市長のダブル選はフタを開けてみれば、維新の圧勝だった。いずれの選挙とも、いわゆる「午後8時当確」を許したのは「反維新」陣営の自滅が原因だ。
 選挙戦を通じて維新の吉村洋文、松井一郎両候補は反維新陣営に「野合」批判を繰り返したが、自民党府連は同じ土俵に乗ってしまった。共産党が自民推薦の府知事候補の小西禎一、市長候補の柳本顕両氏への表立った応援を控えた配慮をいいことに、「共産とは一緒に戦っていない」などと訴え、両氏は「自公」候補と強調。野合批判を気にして、エゴむき出しの自民党府連は維新の思うツボだ。
 反維新陣営は国民民主党や立憲民主党を含め、束になって戦うべきだったのに、自民が率先して和を乱し、てんでバラバラ。野党の自主支援は事実なのに、自民が野合を否定するほど、大阪の有権者に愛想を尽かされるアホらしさだった。
「自民党府連は大阪都構想の問題点や、維新以外の政党が結集せざるを得なかった事情を支援者にすらロクに説明せず、足場を全く固め切れなかった。自民から離れた保守票が、改革連呼で安倍政権と同類の『第2自民』である維新の両候補に流れた印象です。身勝手な入れ替え選挙に打って出て、創設者の橋下徹前代表の応援なしの逆風下で勝利し、維新の自信を深めさせた自民党府連の責任は重すぎます」(大阪政界に詳しいジャーナリスト・吉富有治氏)
 吉村氏も松井氏も今回の選挙結果をバネに、政令指定都市の大阪市を潰し、その権限、力、カネを収奪するだけの都構想に邁進していくのだろう。
「今回のダブル選で、公明は反維新候補に府本部レベルでしか推薦を出さなかった。党本部は保険をかけた形で維新の強さを見せつけられ、来る衆院選で大阪や兵庫の公明候補の選挙区に、維新が“刺客”を送り込んできたらマズイと震え上がっていることでしょう。党本部が中心となって維新に泣きつき、反維新陣営の府本部も寝返る姿が今から目に浮かびます」(吉富有治氏)
 かくして大阪は維新がやりたい放題のさばる街になる。


入管法改正 ちぐはぐすぎる政策
★4月から改正入管法施行で外国人労働者の受け入れが拡大しているが、文化庁が日本語の習熟度を段階別に示す指標をつくる方針を、いまさらながら決めた。10年に国際交流基金が語学力の国際指標「CEFR(セファール)」をベースに6段階の「JFスタンダード」を実施、年間約100万人が受験する国内最大の日本語検定試験になっている。既に民間の日本語検定が多く存在するがJFスタンダードと連動しておらず、日本語を学ぶ側も雇う側も指標がないため混乱が続いているという。★一方、日本語指導が必要な外国人児童の数は16年時点で3万5000人といわれているが、実態は児童だけでなくもっと多いはずだ。ところが東京福祉大学のように海外からの出稼ぎ目的の留学生を受け入れ行方不明となる事件が起きるなど、在留外国人の日本語教育はずさん。児童に日本語を教えていくにも行政の支援は薄く、期間が限られていたり、NPO任せの現実がある。また法整備も遅れている。本来は入管法改正前に整えておくべきことが、今になって慌てているというありさまだ。★入管法改正で外国人の就労者とそれに伴う外国人児童の存在は想定できたはずだ。日本に住む外国人は既に18年末で273万人を超えている。それに35万人を受け入れる体制などできていないし、多くの国民の善意では間に合わない状況だ。時を同じくして人手不足のコンビニの悲鳴が日本社会にとどろいた。24時間営業も外国人労働者や留学生頼みだ。しかし、時代は人間の代わりにAIを利用するネット決済などに移行しようとしている。コンビニだけの問題ではないものの、ともすれば人手不足は機械が解消し始める。それに経産省は一役買うという。なんとちぐはぐな政策なのだろう。法務省や厚労省、文科省、外務省と経産省は労働力について整合性の取れた政策はあるのだろうか。呼び込んだ外国人労働者と彼らを受け入れ就労準備に苦労する協力者たちは国の政策の被害者ではないのか。

寝て過ごしました/7時過ぎ投票行ったけど負けた→なぜ?

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Mme Ghosn a quitté le Japon alors que la justice voulait l’interroger
L’épouse de Carlos Ghosn a quitté le Japon après la nouvelle arrestation de l’ex-patron de Renault parce qu’elle s’est ≪sentie en danger≫, a-t-elle affirmé au Journal du Dimanche (JDD), alors que la justice voulait l’interroger selon plusieurs médias japonais.
Des procureurs japonais voulaient poser des questions à Carole Ghosn, sur la ≪base du volontariat≫, selon la chaîne publique NHK, la télévision privée Asashi et l’agence de presse Kyodo, cette dernière affirmant que des sommes éventuellement détournées, reprochées à son mari, pourraient avoir transité par une société dirigée par Mme Ghosn.
M. Ghosn, patron déchu de Renault, Nissan et Mitsubishi, a été interpellé jeudi matin à son domicile de Tokyo en raison de nouveaux soupçons de malversations financières, un mois à peine après avoir été libéré sous caution.
Mme Ghosn, qui était présente lors de l’arrestation, a indiqué avoir regagné la France malgré la confiscation de son passeport libanais par la police japonaise, en utilisant son autre document de voyage, américain.
≪L’ambassadeur de France m’a accompagnée à l’aéroport, il ne m’a pas lâchée jusque dans l’avion≫, a-t-elle raconté. ≪Jusqu’à la dernière seconde je ne savais pas si on me laisserait décoller. C’était irréel≫.
Elle a aussi dit avoir ≪refusé≫ de ≪signer un mandat en japonais≫ pendant l’interpellation de son mari. ≪Puis ils ont voulu m’emmener avec eux. Sur le conseil de mon avocat, j’ai refusé≫, a ajouté Mme Ghosn.
Carole Ghosn a également déclaré au JDD que son mari avait enregistré un message pour ≪désigner les responsables de ce qui lui arrive≫ et qui sera ≪bientôt≫ diffusé.
Placé une nouvelle fois jeudi en garde à vue, après 108 jours passés derrière les barreaux, M. Ghosn avait annoncé la veille qu’il comptait tenir une conférence de presse le 11 avril pour ≪dire la vérité à propos de ce qui se passe≫.
- Intervention de Le Drian -
≪Quand il a compris qu’il allait être arrêté, il a enregistré une interview par Skype pour TF1 et LCI≫, a expliqué Carole Ghosn au JDD. ≪Il a aussi enregistré une vidéo en anglais où il donne sa version de l’affaire. Il avait envie de désigner les responsables de ce qui lui arrive. Ce sont les avocats qui l’ont, elle sera diffusée bientôt≫, a-t-elle promis.
Réitérant sa foi dans l’innocence de son mari, Mme Ghosn a assuré ne pas vouloir qu’il soit ≪au-dessus des lois mais qu’il soit jugé de façon équitable (...) Je demande solennellement qu’on lui laisse la présomption d’innocence comme à tout citoyen français et j’en appelle au président de la République≫.
Samedi, le ministre français des Affaires étrangères, Jean-Yves Le Drian, avait appelé le Japon à respecter les droits et la présomption d’innocence de Carlos Ghosn lors d’un entretien avec son homologue nippon en marge d’une réunion du G7 à Dinard (nord-ouest de la France).
La nouvelle arrestation de M. Ghosn est fondée sur des soupçons d’avoir transféré des fonds de Nissan à une société ≪de facto contrôlée par lui≫, via un distributeur de véhicules du constructeur japonais à l’étranger, selon le parquet japonnais.
Carlos Ghosn est déjà sous le coup de trois inculpations: deux pour déclarations inexactes de revenus durant les années 2010 à 2018, dans des documents remis par Nissan aux autorités financières, et une pour abus de confiance.
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バリバラ「2020まで待てない!みんなで勝手にやる杯!」
新年度1本目は障害者による運動会「みんなで勝手にやる杯」を開催!ストローサッカー、目隠し玉入れなど体が動かなくても、目が見えなくてもできる競技をみんなで楽しむ。
4月から放送時間が変わるバリバラ、新年度1本目はスペシャル企画。2020東京パラリンピックを前に、障害者による大運動会「みんなで勝手にやる杯」を開催!筋ジストロフィーでも息を吹けば参加できるストローサッカー、視覚障害者とフェアに争う目隠し玉入れ、車いすの運転テクニックを競うリアル障害物競走など、当事者の声をヒントに考えた競技でみんなで楽しむ! ジミー大西,鈴木奈々,松本ハウス, 山本シュウ,大西瞳, 玉木幸則, ベビー・バギー, 神戸浩

サンデーモーニング
忖度発言で副大臣辞任 利益誘導の疑いは?▽異例の逮捕劇の是非▽タレントが大統領?▽プロ野球▽マスターズ直前情報▽奈紗3勝目▽オウンゴールで▽風をよむ
一週間の見逃せないニュース&スポーツをサンデーモーニングならではの視点でお送りします!◎世界と日本の出来事を掘り下げるカバーストーリー▽ ◎おなじみ・スポーツ御意見番「喝!&あっぱれ」◎関口宏の「一週間」ニュース◎時代と社会の断面を切り取るコーナー「風をよむ」〜〜 関口宏 橋谷能理子 唐橋ユミ 伊藤友里 水野真裕美(TBSアナウンサー) 張本勲(他) 三枝成彰 ◇番組HP http://www.tbs.co.jp/sunday/ 西野哲史 金富 隆

テレメンタリー 「伝えてくるけん 〜広島長崎ピースメッセンジャー〜」
長崎の高校生山西咲和(さわ)さんの祖母は被爆者。原爆の話になると悲しげに口を閉ざした。咲和さんは核廃絶署名をスイスの国連欧州本部に届ける高校生平和大使に応募し選ばれたのを機に祖母を訪ね、初めて被爆体験を聞いた。悲惨な戦争と原爆の記憶の底に、語りたくない理由があった。「二度と戦争したらいかん」と繰り返す祖母。「つらいこと思い出させてごめんね。みんなに、伝えてくるけん…」広島長崎の声を世界へ。 岡田健史 長崎文化放送
明日へ つなげよう「一魚一会 いのちの授業〜さかなクンと久慈8年の物語〜」
大震災で被災した三陸の人々の支援を続けている魚類学者・さかなクン。傷ついた子どもたちに笑顔が戻るようにと、地元の水族館再建にかかわりながら「いのちの授業」を続けてきた。海や小さな生き物と通して、さかなクンは子どもたちに何を伝えようとしてきたのか。今も厳しい現実を受け止めながら町の復興に向き合う人々が、新たに見つけた“大切なもの”とは…。さかなクンと久慈の8年に渡る再生の物語。 さかなクン, 福士蒼汰
NNNドキュメント'19
かつて“東京都湯沢町"と呼ばれた新潟県湯沢町…バブル崩壊でスキー人口が減少したいま、「雪国文化」で町をよみがえらせようという動きが出ている。変貌した町の姿とは。 玉川砂記子
『ガリレオX』第187回「宮大工 千年の技 失われゆく工匠の知恵を守れ」
 2018年、日本政府は、宮大工などが継承する「伝統建築工匠の技」をユネスコ無形文化遺産の候補として申請した。なぜいま宮大工の技術が、高い評価を受けているのか?そこに注目すると、目の錯覚を利用し建築する驚くべき“技"が浮かび上がってきた。その一方で人手不足に悩む宮大工の厳しい現状も見えてきた。 一体、宮大工の技とはどんなものなのか?そして、その技を如何にして守っていくのか?宮大工の“技"と“今"に迫ることでその可能性を探る。 千葉大学 小由製作所 竹中大工道具館 金田社寺建築
ナニコレ珍百景 離島や田舎で地元民も知らない謎を調査&まゆ毛犬SP
★日本全国の離島や田舎で驚きの光景を発見▼大木が屋根を突き抜けた家▼福井の海の岩に建つ謎の石碑は個人の墓?▼山形・飛島に1人だけの中学生▼一瞬でまゆ毛が生える犬
★福井の海の巨大岩に建つ謎の石碑…個人の墓?地元民も知らなかった意外な歴史▼茨城・ひたちなか郊外に廃墟のような謎の家が…鉄骨足場だらけ&足の踏み場もない民家の住人とは!?▼山形・飛島…1人だけの中学生が卒業…島民も涙▼兵庫・宍粟で巨木が屋根を貫いた家を発見▼広島…カワイイまゆ毛犬に一瞬で変身▼放送10年の歴代まゆ毛犬一挙紹介▼断末魔の叫び!?冷蔵庫に閉じ込められたエイリアン!?▼おむつでピタっと静止する犬
あの珍百景は今
3月19日に死ぬ運命の一族に一日密着…今年は無事!?▼長野・諏訪…心に刺さる大量の注意書き…店主が激怒!?恐怖のコインランドリーは今▼千葉・船橋の子どもに大人気のドライブスルー駄菓子店は今▼付せん学習で辞書を巨大化させていた少女は今▼長野・松本で客も苦笑…裏メニューで衝撃のモノマネショーが始まる焼肉店は今▼千葉・木更津の公園によく読むと笑える「監視カメラ」看板…放送から5年スゴイことに MC 名倉潤・堀内健(ネプチューン) 珍定委員長 原田泰造(ネプチューン) 進行 森葉子(テレビ朝日アナウンサー) 珍定委員 羽田美智子、速水もこみち 奥田民義、広居バン
☆番組HPで珍百景のご投稿お待ちしてます!  http://www.tv-asahi.co.jp/nanikore/ 皆様からの投稿のおかげで珍百景は続いております。地上波ゴールデン放送で採用賞金3万円…「ナニコレ!?」と思ったらスグ投稿!

ポツンと一軒家 長野県と鳥取県で発見!!
衛星写真で発見!“何でこんな所に?”という場所にポツンと建つ一軒家を日本全国大捜索! MC 所ジョージ パネラー 林修 森公美子 emma キートン山田 小山茉美
◇長野県 まずは最寄りの集落へ。そこには有名な“あの神社”があり、珍しく大きな町で聞き込み開始。一軒家への道を教えてもらい、雪が残る山道へ入る。凍結した急傾斜の坂道もどんどん進む…はずだったのだがなんとタイヤが滑って進まない!さらに身動きが取れず立ち往生!番組初の捜索中止になるのか!?
◇鳥取県 深い山の中に特徴的な屋根が見える今回の一軒家。集落で聞き込みをすると、近くに山の頂上にそびえ立つ城があるという。まさか一軒家の正体とは…。険しい山道を進んだ先で出会ったのは「先祖は侍」と語る一軒家の主。先祖代々山奥の一軒家に住むようになった背景には侍であるが故に起きた壮絶なドラマがあった。☆番組HP  https://www.asahi.co.jp/potsunto/ ☆Twitter  https://twitter.com/potsun_abctv


朝からいい気分で寝て過ごしました.
夕方起きて投票いかねばと思って,7時過ぎに区役所へ.でも投票は小学校でした.投票はいつも通り.でも8時ジャストにイシンの当選確実が出てびっくり.なぜ?悔しいけど明日早いので今日はヤケ酒しません.眠れないなぁ〜

<夜の森の桜>窓越しの花見「待っていてくれた」 富岡・帰還困難区域、9年ぶり町民ら観賞
 福島県富岡町で6日、東京電力福島第1原発事故に伴う帰還困難区域にある夜の森地区の桜並木を走るバスが運行され、町民らが9年ぶりの花見を楽しんだ。
 約900人が参加。10台のバスが次々と運行し、帰還困難区域内の1.5キロを含むコースを約20分かけて巡回した。区域内では約300本のソメイヨシノが見頃を迎え、町民らは車窓から写真を撮るなどして眺めた。
 桜並木は全長が2.2キロで、多くが帰還困難区域内にある。町民の心のよりどころである夜の森の桜と帰還困難区域内の再生への動きを見てもらおうと、町がバス運行を企画した。
 富岡町から郡山市に避難している無職宗像キイ子さん(68)は「人の気配がないのは寂しいが、やはり夜の森の桜が一番。誰もいなくても桜は毎年咲き、みんなを待っていてくれたんだと思った」と話した。


河北春秋
 漫画「釣りキチ三平」が世に出たのは1973年。高度経済成長期が終焉(しゅうえん)を迎えた昭和48年だった。大自然に溶け込み釣りの醍醐味(だいごみ)を伝える主人公の少年三平三平(みひらさんぺい)らが紡ぐ物語が人々の心に響き、少年漫画雑誌の連載は10年続いた▼作者の矢口高雄さん(79)は横手市増田町の出身。増田の中心部から20キロほど離れた山あいの狙半内(さるはんない)集落で生まれ育った。自然や古里を主題とした作品で広い支持を得た矢口さんの原点は狙半内にある▼平成になると漫画の奥深さを連携して発信する模索が東北で動きだす。「サイボーグ009」などを手掛けた故石ノ森章太郎さんの出身地の登米市、石ノ森萬画館がある石巻市、そして増田町が「みちのくマンガロード連絡協議会」を2001年に設立。遠野市も加わった▼矢口さんの故郷、増田町には1995年開館の増田まんが美術館がある。設立当時、漫画を主題にした美術館は珍しかった。日本の漫画文化をけん引するミュージアムと言っていいかもしれない▼増田まんが美術館は内容をぐんと充実させるため2年前から休館しリニューアルオープンを準備してきた。いよいよ迫る再開館日は元号が令和に切り替わる5月1日。昭和後期の釣りキチ三平から平成へと脈々と刻んできた横手の漫画史も次の扉を開く。

クリミア問題/既成事実化は許されない
 ロシアがウクライナ南部のクリミア半島を一方的に編入して5年が経過した。
 ロシアはこの間、自国との間の海峡に長大な橋を架け、半島に発電所や空港の新施設を建設するなど、「自国領」の既成事実化を進めてきた。
 プーチン大統領は「編入は愛国心を高揚し、われわれに大きな力を与えた」と国民を鼓舞するが、実態は武力占拠である。国際法違反にとどまらず、世界秩序を乱す。国際社会は平和的な解決の道を探るよう、強く求め続けねばならない。
 ウクライナでは5年前の政変で親ロシア政権が倒れ、親欧米派が政権を握った。ロシアは危機感からクリミアに軍を投入し、クリミアは独立を宣言した。さらに住民投票を受け編入条約に調印したが、投票は軍が展開する中で実施され、ウクライナ憲法に基づかない点から、欧米などは編入を認めていない。
 日米欧はロシアに経済制裁を科し、主要国(G8)の枠組みからも排除した。だがロシアの強硬姿勢は改まる様子がない。
 ウクライナ東部では親ロシア派が一部を武力占拠し、ウクライナ軍との戦闘が続いている。死者は1万人を超えた。これ以上、犠牲者を増やさないよう、各国が連携して終結への方策を探る必要がある。
 クリミア問題はロシアとウクライナの2国問題にとどまらない。ソ連末期から続いていた米欧との協調体制が崩壊し、軍拡競争の再燃が懸念される。米ロの中距離核戦力(INF)廃棄条約失効の流れも、その延長線上にあると言える。
 中国は領有権を主張する南シナ海で人工島を造成し軍事拠点化をもくろむ。力による大国の現状変更が相次げば、国際平和の維持は危うくなるばかりだ。
 日本政府はクリミア編入を認めず、制裁も続ける立場を強調する。しかし内容は輸入制限が柱で、プーチン政権要人の資産凍結に踏み切った欧米に比べ、効果は乏しい。安倍晋三首相がプーチン氏と会談を重ねる中でも、クリミア問題へどれだけ言及したかは伝わってこない。
 制裁が北方領土問題に与える影響を懸念しているのなら、対等な交渉はできないだろう。毅然(きぜん)とした態度で臨むべきだ。


選択的夫婦別姓/実現願う声は広がっている
 夫婦別姓を選択できない戸籍法の規定は憲法の保障する法の下の平等に反するとして、ソフトウエア開発会社の社長らが損害賠償を求めた裁判で、東京地裁は先日、原告の訴えを全面的に退けた。旧来の論法から一歩も踏み出そうとしない判断に、またしてもと失望を禁じ得ない。
 判決は夫婦同姓を定める民法の規定を合憲とした2015年の最高裁判決を踏襲。法律上の姓は一つであるべきで戸籍法が別姓を認めないことには合理性があるとした。
 原告らは戸籍上は妻の姓を選択し仕事では旧姓を使用するなどしていたが、銀行・証券口座やパスポートなどで煩雑な手間とともに、株式名義変更のコストなど経済的損失を被ったと主張。しかし、判決はこうした不利益への対処は立法の問題だとした。
 戸籍法の規定では、外国人と結婚する場合は同姓か別姓かを選ぶことができるが、日本人同士では別姓にできない。これを法の不備とする原告側の主張には、司法のあり方にも一石を投じたいという意図があったが、判決は法律論に終始した。
 15年の最高裁判決では、15人の判事のうち女性3人を含む5人が違憲の反対意見だった。1996年に法制審議会(法制審)が選択的夫婦別姓導入への民法改正を答申して20年余。法制審が同時に求めた婚姻年齢の男女差撤廃や嫡出・非嫡出による相続差別、女性の再婚禁止期間短縮は既に改正されている。
 国連女性差別撤廃委員会など内外から何度も是正を求められながら先送りを繰り返してきた国会と政府に判断を委ねられるだろうか。野党が提出した議案はたなざらしにされている。
 17年に実施された内閣府調査では、選択的夫婦別姓制度の導入に向けて民法を「改正してもかまわない」とする賛成意見が42.5%。改正の必要はないとする29.3%を大きく上回り、96年から5年ごとに実施している調査で最多となった。希望する人が別姓を選ぶための制度が、なぜ実現できないのだろうか。
 原告が主張する不利益は、現状では9割が夫の姓になる既婚女性のうち、旧姓を使用する人が日々体験している事象にほかならない。そうした不都合を嫌い、あるいはそもそも自身のアイデンティティーの一つである姓を失いたくないために、やむなく事実婚を選ぶカップルが、夫婦や家族としての安定した法的地位を得られない国のままでいいのだろうか。
 原告らによる選択的夫婦別姓制度導入に賛同を求める署名は5万人を超えた。原告側は最高裁まで争う方針で、同様の訴えは各地で起こされてもいる。地方議会で別姓法制化を求める意見書の可決や請願の動きもじわじわと広がっている。社会や意識の変化に、司法や国政が鈍感でいいはずがない。


[塚田副大臣辞任]国会は「忖度」の解明を
 安倍晋三首相と麻生太郎副総理兼財務相の地元の道路整備を巡り、「私が忖度(そんたく)した」と発言した塚田一郎国土交通副大臣が辞任した。
 道路事業を管轄する現職副大臣が便宜を図ったと受け止められかねない「忖度」発言である。辞任は当然だ。
 発言は1日夜、北九州市で開かれた福岡県知事選の自民党推薦候補の応援集会で飛び出した。麻生氏が推す候補で、塚田氏は麻生派である。
 塚田氏は、財政難などから2008年に凍結された「下関北九州道路」の要請で副大臣室を訪れた吉田博美・自民参院幹事長とのやりとりをこう紹介した。
 吉田氏が「塚田、分かっているな。これは総理の地元と副総理の地元の事業なんだよ。俺が何で来たか分かるか」と言い、塚田氏は「私は物わかりがいい。分かりました」と応じたという。
 塚田氏は「そりゃ総理とか副総理はそんなこと言えません。私は忖度しました」と明言し、行政の私物化につながりかねないことを自慢げに語ったのである。
 塚田氏は発言が批判されると翌日、「忖度」発言について「事実と異なるため撤回し、謝罪する」と文書で公表。その後の国会でも「(発言)翌日の報道で内容を思い起こし、事実と異なるという認識に至った」と撤回した。
 だが「忖度」発言を否定すれば、選挙向けの集票のために有権者にうそをついて、利益誘導するようなものである。いずれにしても政治家としてあるまじき行為だ。
    ■    ■
 塚田氏の発言は「安倍1強」下で、首相への「忖度」がはびこっている可能性をうかがわせるものである。
 辞任会見で塚田氏は「大きな会合で雰囲気にのまれ、事実と異なる発言をしてしまった」と釈明したが、とても信じられない。むしろ、塚田氏の発言は実名を挙げており、具体的で生々しい。一般的には実際にあったと受け止める人が多いのではないか。
 吉田氏も塚田氏が紹介した自身の発言を否定しているが、副大臣室を訪れたのは昨年12月20日。その後19年度予算に国の直轄調査費が計上された。塚田氏は応援集会で「新年度の予算で国直轄の調査計画に引き上げました」とはっきり言っている。
 行政の公正性がゆがめられることがなかったのかどうか、国会は事実関係を解明する必要がある。塚田氏は詳細な説明をしていない。辞任したからといって説明責任が消えるわけではないのである。
    ■    ■
 森友、加計学園問題で「忖度」が疑われる中、現職国交副大臣が「忖度」を自身の手柄のように語ること自体、政権内で問題を軽く受け止めている証しであろう。
 安倍首相は当初、塚田氏をかばい続け、野党が要求していた罷免を拒否。続投させる考えを示していた。
 塚田氏を事実上更迭したのは統一地方選前半の投開票が7日に迫り、与党内からも批判が出たためである。
 長期政権のおごりと緩みが出ているというほかない。安倍首相の任命責任も厳しく問われなければならない。


血税で人工島も 安倍首相の地元でムダな公共事業が常態化
 安倍首相と麻生副総理の地元を結ぶ道路整備計画をめぐり、「忖度発言」をした塚田一郎国交副大臣が5日辞任した。塚田氏は、整備計画について「公正な判断だった」「忖度した事実はない」とすっとぼけたが、とんでもない。安倍首相の地元では、首相の政治力で進んでいく無駄な公共事業が常態化しているのだ。
 塚田氏の命取りになった「下関北九州道路」は、地元では“安倍・麻生道路”と言われている。関門橋とトンネルに続く3本目の関門ルートは必要性に乏しく、凍結されていたが、「整備促進を図る参議院議員の会」会長の吉田博美自民参院幹事長が、昨年12月に塚田氏と面談し、「首相と副総理の地元事業なんだよ」と猛プッシュ。はたして、今年度予算で国直轄調査費として4000万円が計上された。
 塚田氏がどう言い繕おうと、安倍首相と麻生副総理に忖度した利益誘導だ。
 実は安倍首相の地元では、よく似た安倍案件がある。「週刊SPA!」(2014年1月28日号)で、ジャーナリストの横田一氏が詳細を報じている。こんな内容だ。
■安倍アイランド
 安倍首相の父・晋太郎時代から推進されてきた人工島「長州出島」は“安倍アイランド”と呼ばれている。「大型船が入港可能な国際港」を掲げ、755億円もかけて造成された。2009年から供用が始まったが、強風な上、既存の下関港の方が使い勝手がよく、期待していた外資のコンテナ船は寄りつかなかった。利用がほとんどない状態なのに、安倍政権は人工島と本州と結ぶ6・8キロの巨大バイパス整備に動き、720億円もの血税が投じられた。
■安倍道路
 安倍家の故郷である山口県長門市を通る「山陰自動車道」(下関市―鳥取市)が“安倍道路”だ。未開通区間(100キロ)は整備に推定4500億円もかかる。沿線人口わずか36万人で、県内にはすでに東西を結ぶ高速道路が2つもあり、渋滞もない。費用対効果が乏しく、建設が見送られてきたが、安倍政権になって急に進み始めた。
 必要性があやしい事業が、なぜか安倍政権で次々に花開いているのだ。横田一氏が言う。
「塚田副大臣の発言は、架空でもなければ、レアなことを言ったわけではありません。普段、起きていることをありのままに話したまでです。安倍首相の地元では、首相の政治力でムダな公共事業が前に進むことは、日常茶飯のことなのです。モリカケと同様に、問われるべきは安倍案件で行政が歪められ、巨額の血税が無駄にされていることです」
 塚田副大臣辞任で幕引きは許されない。


辺野古撤回取り消し 埋め立てありきで拙速だ
 世界に例のない水深90メートルの軟弱地盤改良工事も可能だ。ジュゴンの死骸が見つかっても工事によるジュゴンへの影響はない。米軍普天間飛行場の返還8条件も県は知っていたのだから問題はない―。
 名護市辺野古の新基地建設に伴う、県が埋め立て承認を撤回したことに防衛省沖縄防衛局が不服審査を申し立てていた件で、国土交通相は撤回は違法だとして取り消した。防衛局側の訴えを全て認めた裁決だ。
 訴えたのも国、裁決を出すのも国という、投手と球審が同じ状態なのだから、全てが国の思い通りの「ストライク」となるのは当然だ。
 今回の裁決では軟弱地盤工事の実現可能性は専門家1人の鑑定で妥当だとした。ジュゴンの保護にも目をつぶった。工事ありきであまりにも拙速ではないか。
 地方自治体の行為を、同じ内閣内の手続きによって取り消したことも問題だ。地方自治法の「国と地方自治体は対等協力の関係」という理念をも損なう前例が生まれた。地方の決定を国が抑え込むという構図は、単に沖縄県対国だけの問題ではなく、地方対国という、この国のありようにもつながる。
 さらに、普天間飛行場の返還にかかる8条件を国交相が「県も認識した上で承認した」とした。確かに2013年に日米で合意された「沖縄における在日米軍施設・区域に関する統合計画」には、普天間の返還条件として「普天間代替施設では確保されない長い滑走路を用いた活動のための緊急時における民間施設の使用の改善」など8項目が盛り込まれた。
 しかし8項目が普天間返還のハードルだと認識されたのは17年に稲田朋美防衛相(当時)が国会で、辺野古新基地が建設されても8条件が満たされなければ普天間は返還されないと明言したからだ。県は政府から8条件に関する説明は「一切ない」と言うが、国は今裁決で正当化した。
 裁決により、仲井真弘多元知事が出した辺野古の埋め立て承認の効力が復活する。裁決前はあくまでも埋め立て承認は翁長雄志前知事により撤回され、撤回を執行停止している状態だったからだ。承認の効力復活で、防衛局はいずれはしなければならない軟弱地盤の改良に伴う埋め立て工事の設計変更手続きを進めるだろう。
 辺野古新基地建設については常に重要な事項が後出しだ。軟弱地盤の問題も16年には報告書が出ていた。ジュゴンについても昨年7月時点の「行動範囲に変更が生じているとは認められない」との判断で押し切った。8条件についても説明はない。
 辺野古埋め立てはいまだ費用も期間も明示できないほどむちゃな計画だ。国が設計変更を申請しても工事が進められるかは疑問だ。それよりも新基地建設を断念することこそ取るべき選択だ。


中高年のひきこもり 孤立に気付き支援する仕組みを
 社会問題となっている「ひきこもり」が、若い世代だけでなく中高年にも広がっている。高年齢化・長期化は深刻だ。
 内閣府は、半年以上にわたり家族以外とほとんど交流せず、自宅にいる40〜64歳のひきこもりの人が全国に61万3千人いるとの推計値を公表した。男性が76.6%を占め、期間は7年以上が合計で46.7%と半数近くに上った。
 特に中高年のひきこもりを巡っては、親が80代、当事者の子どもが50代で、生活を親の年金に頼る「8050問題」も指摘されている。困窮から家族の健康や生命の危機にもつながりかねず、早期発見やきめ細かい支援の仕組みを構築しなければならない。一度レールから外れて社会から孤立してしまうと元に戻るのが難しい就労の仕組みを是正することも必要だ。
 15〜39歳の若年層を対象とした2015年の調査では、ひきこもりの人は54万人で、合わせて100万人を上回る。県内でも17年12月現在で民生・児童委員が把握している人数が千人に上る。年代別では40代以上、期間は10年以上が最多を占めており、全国と同様の傾向がみられる。 内閣府の調査では、ひきこもりのきっかけは「退職」が36.2%と最も多く、「職場になじめなかった」も19.1%を占めた。また、就職氷河期世代に当たる40〜44歳の3人に1人が、新卒で就職活動を行う「20〜24歳」でひきこもり状態になっており、仕事や就活がうまくいかなかったことが原因だと推測される。当時の経済状況の「被害者」と言っても過言ではないだろう。40〜44歳といえば働き盛りの年代であり、ひきこもりは社会的にも大きな損失だ。カウンセリングや就労支援による精神的、経済的なサポートが欠かせない。
 危惧されるのはここ数年、業界を問わず、希望退職者を募る企業が少なくないことだ。背景には業績不振による人員削減だけでなく、好調な企業もさらなる基盤強化や将来を見据えて事業の選択と集中を図っていることがある。ただ、退職した人たちが希望に見合った仕事を見つけられなければ、ひきこもりのきっかけにもなりかねない。国も企業への助成増額などで中高年の就労を促しているが、早期退職者の動向や影響について、長期的に調べる必要がある。
 調査の中で、「関係機関に相談したい」と回答した人は約半数に上った。割合は若年層より高く、状態改善の希望や先行きへの不安が切迫していることがうかがえる。一方で、実際に相談したことがある人は44.4%にとどまった。ひきこもりになると自責の念や恥ずかしさから本人も家族も周囲に相談しづらいとされる。相談や支援の遅れは、状況を悪化させる懸念が大きい。窓口の周知はもちろん、幅広い機関の連携により、孤立している人を見つける新たな体制が必要だ。


【中高年ひきこもり】現実を重く受け止めたい
 ひきこもりの人は若年層より中高年に多い―。そんな衝撃的な分析結果が明らかになった。
 内閣府が、全国調査を基に40〜64歳のひきこもりの人の数を推計したところ、61万3千人に上ることが分かった。2015年調査で判明した15〜39歳の約54万人を大きく上回る数字だ。
 ひきこもりという言葉が使われるようになったのは、ちょうど時代が昭和から平成に替わったころ。もっぱら若者の現象と受け止められてきたが、いまや幅広い年代に広がっているといってよい。
 それどころか、中高年の方が深刻な事態といえるかもしれない。調査では3人に1人が高齢の親に経済的に依存し、暮らし向きも上中下のうち「下」と答えている。
 このままでは、ますます社会から孤立し、生活もいつ行き詰まるか分からない。社会的な課題として重く受け止め、支援体制を整えることが急がれる。
 内閣府は、半年以上にわたり、家族以外とほとんど交流せず、趣味の用事や近所のコンビニに行く以外は自宅から出ない人を「ひきこもり」と定義している。
 若年層を対象にした調査は10年と15年に実施したが、中高年を調べたのは初めてだ。その結果、重い事実が次々と明らかになった。
 ひきこもりが7年以上の長期にわたる人が46・7%を占めた。全体の76・6%が男性であることも判明。ひきこもりになったきっかけは「退職」が最多だった。
 こうした現状を、個人や家庭の問題にすることはできない。時代的な背景も踏まえ、社会の問題として捉えていく必要がある。
 いまの40代の多くは就職氷河期を経験した。思うように仕事が見つからなかった人や、50代以上も含め08年のリーマン・ショックで職を失った人もいるだろう。
 非正規で働く人の雇い止めや派遣切り、弱い立場の労働者を使いつぶしにする「ブラック企業」も問題になった。社会とつながりを持とうにも、社会の側がそれを許さなかった側面はないだろうか。
 福祉の現場では、親が80代、本人が50代の「8050問題」が取り沙汰されている。生活を年金暮らしの親に依存しており、親が病気になったり、亡くなったりすれば、たちまち生活が困窮するからだ。
 国は若年層への支援策は打ち出してきたが、中高年への対応は後手に回ってきた。15年施行の生活困窮者自立支援法は40歳以上も支援対象にしているが、相談窓口を設置しているだけの自治体も多い。
 1人暮らしの高齢者は地域の見守り対象になりやすいが、親子の同居世帯は周囲の目や支援の手が届きにくい現実もある。今回の調査では、「関係機関に相談したい」と希望した人が半数近くに上っている。
 社会が成熟する中、取り残された人は多いのではないか。社会全体で真剣に向き合う必要がある。


技能実習制度/廃止含め抜本策検討を
 外国人就労を拡大する新制度で、新たな在留資格「特定技能1号」の取得を目指す外国人向けに受け入れ業種別の日本語・技能試験が国内外で始まる。今月中旬からフィリピンで介護、東京や大阪などで宿泊、外食と続く。これとは別に外国人技能実習制度で来日した実習生は3年間の実習を終えると、無試験で1号の資格を取得できる。
 政府は新制度により5年間で14業種に最大34万5千人の受け入れを見込んでいる。試算では、2019年度は6割弱が実習生からの移行組。その後、試験の合格者は徐々に増えていくが、5年たってもなお5割は移行組という。技能実習制度と新制度とは切っても切れない関係にある。
 その実習制度を巡り新制度スタート目前の先月末、賃金や残業代の不払い、長時間労働から実習中の事故死まで、過酷な労働実態が改めて浮き彫りになった。昨年の国会で野党から実習制度の問題点を追及され、山下貴司法相は17年に技能実習適正化法が施行され、それ以降は「適切な運用」が図られていると反論する一方、法務省に調査を指示していた。
 それ以前の実態調査がずさんだったことも明らかになり、法務省は10項目の改善策を示した。しかし、どれもやって当たり前のことばかりだ。技能実習は末期的な状況にあり、制度の廃止も含め、抜本策の検討に取り組まなくてはならない。
 法務省の調査では、実習先から失踪して17年1月〜18年9月に不法残留などで摘発された5218人のうち759人が最低賃金以下の給料や食費名目などによる過大な控除、時間外労働の割増賃金不払い、違法な時間外労働などを強いられていた疑いがあった。このうち今回の調査以前に把握し対応していた事案は38人分にすぎなかった。
 例えば縫製業の実習生は月給6万円で働かされ、月60時間の残業をしても割増賃金をもらえず、建設機械施工の2人が実習計画にない家屋の解体をさせられた。さらに12〜17年に実習生171人が死亡、うち43人はこれまで把握できていなかった。実習中の事故死28人、病死59人、自殺17人など。病死の3人は違法な時間外労働をさせられ、自殺の1人は3カ月半で休みが4日だけだった疑いがある。
 不正行為はもっとあるとみた方がいいだろう。調査対象となった企業など実習先は4280に上るが、うち383は協力拒否や倒産などで調査できずじまい。賃金台帳やタイムカードの写しなど詳細な資料を集めることができたのは7割弱にとどまっている。
 山下法相の答弁にあったように17年11月、実習生に対する人権侵害に罰則を設け、受け入れ先への監督を強化する適正化法が施行された。しかし失踪者は年々増え続けており、昨年は9052人に達した。調査結果を踏まえ、法務省は報酬は支払額を確認できる口座振り込みなどで行うよう義務付けるのをはじめ、初動対応の強化や実習生の支援・保護の強化、厳正な審査・検査など改善策を提示した。
 ただ実効性がありそうなのは口座振り込みくらいだ。日本で働く外国人は昨年10月時点で146万人。それがこれまでにないペースで増えていく。「共生社会の実現」に向けて政府は早急に手を打つべきだ。


ゴーン氏拘束 検察に執念と焦り見える
 今回が4回目の逮捕になる。しかも、いったん保釈された被告が再逮捕され、身柄を拘束されるのは異例だといえよう。
 東京地検特捜部が日産自動車の前会長カルロス・ゴーン被告を特別背任の疑いで再逮捕したのだ。ゴーン被告がオマーンの販売代理店側に、日産の資金を不正に送金した疑いが強まったとして立件に踏み切った。
 代理店に対して、日産の子会社から計1500万ドルを支出させた上、一部を自分が実質的に保有する預金口座に送金させて、日産に損害を与えたのが再逮捕の容疑だ。
 この代理店幹部が代表を務めるレバノンの投資会社を通じてゴーン氏の妻が代表の会社に資金が流れ、その一部がゴーン氏の家族が使うクルーザーの購入費に充てられた疑いもある。
 過去の計3回の逮捕のうち、2回は有価証券報告書に自分の役員報酬の額を少なく記載したという内容で、「形式犯」との指摘があり、長期にわたる拘留に批判は絶えなかった。
 3回目は特別背任で私的な投資で生じた損失を日産に付け替えたという内容であり、日産には実損が生じておらず、10年も前の話の事件化で検察内部で疑問の声も出ていた。
 4回目は、より悪質で背任性の高い容疑の立件を目指したのは明らかだ。ゴーン氏による会社の私物化を強く打ち出したかったのは間違いない。
 しかし、3回目と同様に4回目も海外での資金の使途解明には困難が伴う。立証は十分可能なのだろうか。
 再び身柄を拘束されたのは、「無罪請負人」といわれる敏腕弁護士などのチームが勝ち取った保釈から、わずか1カ月足らずのことだ。4回目の逮捕には検察側の執念さえうかがえる。
 一方で弁護側は法人として起訴され起訴事実を認めている日産と、全面否認しているゴーン氏らとの刑事裁判を併合して審理することは公正な審理に反すると公判の分離を申し立てた。
 ゴーン氏は自身のツイッターで「真実をお話しする」と11日に会見を開くと表明していたが、実現できない見通しだ。会見封じとの批判も起きよう。
 再逮捕で9月にも開かれる可能性のあった公判は遅れる公算が大きい。弁護側は徹底抗戦の構えで、公判では検察側が窮地に立たされる場面もあろう。
 4回目の逮捕は、検察側が「勝負手」を打ったようにも映るが、焦りも見て取れる。
 長期間の拘留で被告を追い詰め、局面を検察に有利にする日本のいわゆる「人質司法」は諸外国から特異な目で見られているとの指摘も多い。
 東京地裁はゴーン氏の拘留を認める決定をした。弘中惇一郎弁護士は「証拠隠滅の恐れがないと判断して保釈を認めたのに、拘留を認めたのは筋が通らない」と批判し、決定を不服として準抗告したが、棄却された。
 検察と弁護側の異例の攻防が注目されがちだが、事件を「人質司法」の抜本的改革につなげる機会にしなければならない。


飢餓1億人超 人道危機にどう対処する
 世界53カ国・地域の約1億1300万人が飢餓状態に陥っているという。世界食糧計画(WFP)などが先日発表した2018年の報告書である。
 主な原因の一つが紛争だ。食料生産の停滞に加え、支援物資が滞ることで状況が悪化している。
 国際社会は問題の深刻さに目を向けて、人道支援や紛争解決努力を強めねばならない。
 国連のグテレス事務総長は2年前、アフリカのソマリア、ナイジェリア、中東のイエメンなどで約2千万人が飢餓に直面する恐れがあると警告していた。
 中でも民族対立で農地が荒廃した南スーダンについて、北部地域が「飢饉(ききん)」に陥ったと宣言した。飢饉とは、1万人に2人以上が毎日餓死する状態を指す。
 飢餓の人口は3年続けて1億人を超えた。今の状況は26万人が死亡した11年のソマリア干ばつ以来の危機とされる。有効な手が打たれないまま今に至った。
 食料不足に陥る原因は地域によりさまざまだ。報告書によると、多いのは内戦、紛争だ。アフリカ中部のコンゴ(旧ザイール)ではバヌヌとバテンデ、両民族の衝突が止まらない。
 南スーダンでは紛争に干ばつ、害虫被害も加わって、農民が土地を離れ、避難民になっている。援助物資は武装勢力の妨害で人々に届かない。略奪に政府軍も関与しているとの情報もある。
 アフリカ南部やアフガニスタンでは干ばつ、洪水など温暖化が影響している。スーダン、ジンバブエではインフレなどの経済的要因により、約1020万人が飢餓に苦しんでいる。
 専門家の多くは、世界全体では食料は十分に生産されていると見ている。輸出国は過剰生産による価格下落をどう回避するかで知恵を絞っているのが現状だ。
 人々が飢えるのは、買うお金がなかったり、紛争や経済混乱などで市場に出回らなかったりするためである。各国の経済、社会を安定させて、農業生産力を回復に導く取り組みが急務だ。
 現状を見ると、先行きを心配させる材料に事欠かない。先進国は“援助疲れ”から抜け出せていない。特にトランプ米政権は「海外への支出を減らし、米国のために使う」と公言している。
 日本は人道支援で当面の危機に対処しつつ、各国の内政に目を向けた経済援助に力を入れるべきだ。自衛隊の派遣よりも、地に足のついた民生面の協力こそ日本の国際貢献にふさわしい。


原発関連コスト 料金転嫁は自重すべき
 原発に関連する新たな費用が、一部大手電力の電気料金に転嫁された。追随する動きがあるとみられ、今後、議論を呼びそうだ。
 転嫁の対象となったのは、使用済み核燃料を再処理して使用した後、さらに再処理される工程などに要する費用。しかし、現段階では具体的なことは未計画のままだ。
 今の時点で電気料金に上乗せすることは、原子力政策に対する一層の反発や不信を招くだろう。電力会社には自重を求めたい。
 核燃料サイクルの是非はともかく、日本原燃が青森県六ケ所村に建設中の工場で予定される再処理については、過去の原子力発電に伴う費用が既に転嫁されている。
 この再処理を経て作られるプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料はプルサーマル発電に使われる。
 現段階で具体化しているのはここまでだ。
 新たに転嫁されたのは、構想があっても未計画の「第2工場」での事業分。六ケ所工場の処理量を上回る使用済み燃料や、同工場で処理できない使用済みMOX燃料を扱う構想がある。ただ、建設場所や事業主体、工程などの具体的な計画はない。
 このような中で、関西電力が既に転嫁していることが分かった。2017年と18年の家庭向け電気料金値下げに併せて織り込んでいた。さらに1日、九州電力も転嫁を開始。他の大手電力も今後追随する見込みという。
 16年の制度改正により、全ての使用済み燃料の費用を国の認可法人に拠出する形に変わり、料金改定の機会に第2工場分の費用が転嫁できるようになった。とはいえ、構想段階でしかない工程の費用が上乗せされることに、納得感を抱く消費者は少ないのではないだろうか。
 関電と九電は、自社の原発が再稼働し、経営状況が改善したことで値下げに踏み切った。ただ、東京電力福島第1原発事故後の原発の長期停止を受けて大幅に値上げしており、その分が元に戻っただけとの見方もある。
 ところで、発電に要する費用において原発の優位性は低下していると言える。普及が進む再生可能エネルギーはコストが減少。一方、原発は福島事故を受けて安全対策費が高騰。使用済み燃料の最終処分や廃炉のありようによってはさらに膨らんでこよう。
 経済産業省や関電、九電は第2工場の総事業費や料金転嫁を積極的には公表していないようだ。世耕弘成経産相は転嫁に関し「何ら問題ない。全て公表した情報に基づいて行っている」としているが、原子力政策の全体像について国の説明と国民の議論はもっと必要ではないか。


石野卓球がワイドショーの道徳ファシズムに勝利した理由! 瀧・卓球叩きから『バイキング』批判に世論を逆転
 コカインを使用したとして起訴されたピエール瀧が保釈されたが、この問題をめぐる報道はこれまでの芸能人の薬物事件には見ることができなかった展開になっている。
 釈放にあたっても集中砲火が再び繰り広げられると思いきや、瀧のことはほとんどスルー。メディアの関心はむしろ、電気グルーヴのメンバーで、この間、ワイドショー的道徳ファシズムに徹底的に刃向かい続けている石野卓球に移っている。しかも、ネットニュースなどを見ると、当初の卓球バッシングとは真逆、卓球を応援し、『バイキング』(フジ)などのワイドショーを批判するトーンが圧倒的になっているのだ。『バイキング』で卓球批判を口にした東国原英夫も釈明に追い込まれる事態となっている。
 これ、もしかしたら、石野卓球が世間の悪しき道徳ファシズムと、その増幅装置となってきたワイドショー的言論に勝利しつつあるということではないのか。
この間、いったい何が起きたのか。卓球vsワイドショーのバトルを改めて振り返ってみよう。
 瀧被告が3月12日に緊急逮捕されたあと、一切釈明も謝罪もせず、瀧の逮捕までネタにする“悪ふざけ”ツイートを投稿し始めた卓球。これに対し批判の口火をきったのは、『バイキング』だった。25日の放送で「謝罪しないのはけしからん」と厳しく批判したのだ。
 とりわけ辛辣だったのは坂上で、「これなんなの?」「20歳そこそこの(人)だったらさ、『バカじゃないのか?』で済むけど」とバカにしたうえ、「ピエールさんの相方って考えたときに、違ったアプローチの仕方をしないと、納得は得られない」と説教。挙げ句、「ピエールさんは素直に取り調べに応じているのに」と、ピエール瀧よりも石野が問題という転倒した主張まで飛び出した。
 そして、これに追随するように、『直撃LIVEグッディ!』(フジ)など他のワイドショーも一斉に「謝らない石野はおかしい」という論調の攻撃を始める。
 だが、こうした攻撃にもかからず、卓球の態度はまったく変わらなかった。あいかわらず“悪ふざけ”全開のツイートを連発。さらに、ある時期からワイドショー批判も開始した。
 まずは本サイト、リテラが3月27日に配信した記事「ピエール瀧逮捕で石野卓球にワイドショーが『謝れ』攻撃! 同調圧力、連帯責任…日本の異常性を突いた卓球のツイートは間違ってない」をRT。直後には〈猥奴ショー〉〈TVワイドショーとか嘘ばっか〉と、自分の言葉でもワイドショーを批判した。
 その後も卓球の毒舌ツイートは止まらない。2日には、〈テレビ出るヤツダサくね?ニュース以外で〉〈“お茶の間の皆さん!”だってさ。〉とからかい、3日には、〈坂上忍、萩原健一さんの逮捕4回に対してはやんちゃって言うくせに逮捕もされてない石野卓球さんをあそこまで責めるのはなんで?〉というユーザーのツイートをRTして、〈そいつがフージのやり方ー〉と一言。
 さらに、瀧の保釈前後になると、卓球の毒舌はさらに勢いを増す。保釈の報道が出た3日には〈えー!?死刑じゃないの?〉と極悪人扱いの報道を皮肉るツイート。瀧の保釈金は卓球が払うんですよね?というツイートには〈韓国紙幣でね〉と返す。さらに、4日、瀧が実際に保釈されると、〈髪型wwwwwww〉など、七三分けにしていた瀧の髪型をからかうツイートを連発した。
松本人志の「ドーピング」発言にも「貧困な想像力」と一蹴
 また、同じく4日には、〈品行方正な人だけが作った音楽だけで満たされた世の中になりますよーに!って事でしょ?北朝鮮の普天堡電子楽団(ポチョンボ電子楽団)とか聴いてれば?〉〈自分の貧困な想像力を超えたものは無しとかドーピングとかで片付けるのはやめようぜ〉という、本質を突くようなツイートもしていた。
 ちなみに〈ドーピングで片付けるのはやめようぜ〉というのは、松本人志が『ワイドナショー』で口にした「薬物を使って演技したらドーピング。ドーピング作品は公開してほしくない」とへの切り返しだろう。
 まさに挑発としか思えないツイートの数々。しかし、この頃になると、卓球の悪ふざけや反撃を批判する声より、称賛する声のほうが大きくなり始める。そして、ネットではワイドショーの道徳ファシズムを糾弾する声が広がっていった。
〈卓球は頭いい。坂上忍他はアホなゴミクズ。まさに正論。〉
〈今から各局、ワイドショーが瀧の保釈と卓球の言動に「けしからん!」と鼻血と泡唾飛ばし、充血した目かっ開いて檄飛ばすの楽しみでならない 一人くらい血が登り過ぎてポックリいかねーかな? それが宮根や坂上忍なら尚爆笑!!!〉
〈ワイドショーなんか誰も見てないのに、ワイドショーに屈服させたくて必死。
ワイドショーはオワコンで卓球の方が影響力あるのに気づいてないのか許せないのか、もはや哀れなテレビメディア。〉
〈ワイドショー何様?と思っていたけれど、これじゃ怒られるわw 石野卓球最高!!〉
 すると、この空気におされて、ワイドショーなどのオールドメディアもトーンダウン。スポーツ紙や週刊誌のなかには、逆に、卓球のツイートを好意的に紹介する動きも出てきた。
「『バイキング』が騒ぐとこっちは焼け太る」とうそぶいた石野卓球
 卓球批判の急先鋒だった「バイキング」だけは、4日、ピエール瀧の釈放を特集するなかで、再び卓球のふざけたツイートを批判的に取り上げたものの、一週間前に「バカじゃないのか? お前」などと言っていた勢いはどこへやら。坂上忍の反論は「俺が思うには、本人があのスーツを着て七三で出てきているときに、これ(ツイート)ってプラスになるのか?」と、瀧の立場を慮っているふりをしたまったく説得力のないものだった(瀧は卓球が悪役を引き受けて自分への批判をそらしてくれたうえ、自分の殊勝な態度を笑い飛ばしてネタにしてくれたことに絶対に感謝しているはずだ)。
 しかも、電気グルーヴファンの土田晃之や田中卓志が「卓球さんはファンじゃない人にとってどう見られようが、なんとも思ってない」「こんなこと言えるの正直、卓球さんしかいない」と擁護的な意見を口にしても、坂上は満足な反論ができず、「テレビで生きてる人ではないっていうことなんですか。石野さんの場合は」とまとめるしかない有り様だった。
 だが、当の卓球はこの弱った『バイキング』にも容赦なかった。東国原英夫が番組のなかで「電気グルーヴを知らない方たちが見たときに『この人、社会人として大丈夫なのか』っていう目で見られることを自覚されているのかな」と発言したのを受けて、〈だいじょうぶだあ〉とまぜっかえしたのを皮切りに、猛烈な勢いで「バイキング」やワイドショー、テレビ批判を連続ツイートし始めたのだ。
〈いまやTVじゃバカか老人しか誘導できないよ〉
〈万人に受け入れられようと思ってたら電気グルーヴなんかやって無いっーの!〉
〈Alternativeって意味の分からないヤツらは”歌手”はみんな紅白に出たいと思ってる、と思ってるでしょ〉
〈器の小さなバイキング見っけ!〉(アニメ『小さなバイキングビッケ』のDVDジャケット画像とともに)
〈重度の猥奴症〉
 とどめは、こんなツイートだった。
〈バイキングでは電気グルーヴ=PUBLIC ENEMY No.1(意味において)あそこが騒ぐとこっちは焼け太る〉
〈さてと、バイキングでもからかってプロモーションの手伝いしてもらおうかな。〉
〈卓球の発言取り上げる、バイキングアンチが番組チェックする。これぞ卓球とバイキングのwin winの関係。〉
石野卓球は勝利したが、道徳ファシズムが敗北したわけではない
 自身の果敢なツイートにより過剰な自粛を排する動きが出てきたことを、卓球は「焼け太り」と露悪的にうそぶき、ギャグ化して、「win win」などとからかい、逆に「バイキング」の説教やバッシングがただの“商売”でしかないことを、あぶり出したのだ。
 こうした鮮やかな反撃を目の当たりにして、いまでは、ファンやネット民だけでなく、ネットニュースやオールドメディアまでが卓球の味方に転向。今度は一斉に『バイキング』叩きを始めている。
 たとえば、「WEB女性自身」は「坂上忍 石野卓球への苦言に批判殺到!『誹謗中傷の領域』」という記事を配信している。ふだんは、さまざまな芸能人に対して“道徳警察”ぶりを発揮して、誹謗中傷を繰り返している「女性自身」がよく言うよ、という感じだが、いずれにしても、こんな逆転現象が起きてしまったのである。
 冒頭で、「卓球がワイドショー言論に勝利しつつある」と言ったが、この状況を見るかぎり「卓球の完全勝利」と言ってもいいだろう。これまで、ネットやワイドショーに叩かれた多くのアーティストやミュージシャンが最初は闘うポーズを見せながら、結局、最後は世間の同調圧力に屈服してきたなかで、卓球は最後まで自分のスタイルを変えず、確信犯的な悪ふざけと、本質を突くテレビ批判で、その道徳ファシズムを押し返してしまったのだ。見事というほかはない。
 ただし、ひとつだけ注意しておかなければならないのは、卓球が勝利したからといって、ワイドショー的な道徳ファシズムが敗北したわけではない、ということだ。今回、ネットやオールドメディアが途中から態度を変えたのは、卓球の頭の良さや強度に加え、卓球が世界的に高い評価を得ているミュージシャンであり、何があっても支持してくれる熱狂的なファンがいたことも大きい。二流以下のタレントやミュージシャンが同じことをやったら、相変わらずボコボコにされてしまうだろう、もちろん卓球も、状況によっては、倍返しされることもありうる。
 そういう意味では、今回の逆転劇も結局、連中の“強いものにしっぽをふり、弱いものを叩く”という行動特性があらわれたにすぎない。ただし、卓球のおかげで道徳ファシズムのインチキぶりが多くの人々に可視化されたのは非常に貴重なことではある。(本田コッペ)


80代夫婦そろって大学入学「18歳学生と学ぶの楽しみ」
 花園大(京都市中京区)でこのほど、入学式が行われ、80代の夫婦が入学した。夫は大手企業に勤めた後に仏門に入り、長野県の寺で住職をしていた。後継者が見つかったため、学問を深めようと決心。「お釈迦(しゃか)様の考えを深く学び、自分が歩いてきた道のりや考えたことについて、他の学生と話をすることが楽しみ」と話している。
 入学したのは柴田文啓さん(84)と弘子さん(82)夫婦。文啓さんは福井大卒業後に工業計器の大手「横河電機」に就職し、役員まで務めた。30歳のころに禅に取り組んだことがきっかけで退職後に得度し、修行。長野県千曲市の臨済宗妙心寺派の開眼寺で住職を務めてきた。
 昨年秋、花園大が50歳以上の入学生の授業料を割り引く「100年の学び奨学金」制度を新設することを知った。同じころ開眼寺の後継者が見つかった。体系的に仏教を学んだことがなく、「人生を振り返る段階の今、第二の人生をささげてきた仏教をしっかりと学びたい」と考えた。弘子さんにも呼びかけ、一緒に入学を決めた。
 この日は学部の入学生509人の一員として、夫婦そろって入学式に臨んだ。今後は西京区の寺に下宿しながら同級生として通学する。弘子さんは「大学に通ったことがなかったので非常に楽しみ」と語る。文啓さんは仏教学者の佐々木閑教授の授業が特に楽しみといい、「心の支えとは何か、人としてどうあるべきか。日本の仏教文化が時代とともに変わる中、お釈迦様のオリジナルの考えに求めたい。18歳の学生とともに学べるのも楽しみだ」と抱負を述べた。


姉の結婚にエールを送る"佳子の乱"の意味 「平成史」でも特筆されるべき発言
「姉の希望がかなう形になってほしい」
まさに「佳子の乱」である。
秋篠宮佳子さんが国際基督教大学を卒業するにあたって、記者団からの質問に文書で回答した。
質問の中には、姉の眞子さんの結婚問題についても尋ねていたが、おそらく記者たちも、「姉の幸せを祈っています」程度の内容だと高をくくっていたに違いない。
だが、佳子さんは、結婚は当人の気持ちが大事、姉の希望がかなう形になってほしいと思うと、回答してきたのである。
その上、姉の婚約延期以来、週刊誌や新聞、ワイドショーなどで、おびただしい出所不明の憶測情報が垂れ流されたことについても、「情報の信頼性や情報発信の意図などをよく考えることが大切だ」と鋭く批判したのである。
皇族がここまで自分の意見を率直に口にしたのは、「浩宮の乱」といわれる皇太子の会見以来であろう。
今回の発言は2004年の「浩宮の乱」に匹敵する
2004年5月10日、欧州歴訪前の記者会見で皇太子は、「それまでの雅子のキャリアや、そのことに基づいた雅子の人格を否定するような動きがあったことも事実です」と述べ、宮内庁の雅子妃に対する陰湿なやり方を批判し、大きな衝撃と波紋を広げた。
今回の佳子さんの発言は、それと匹敵する、否、秋篠宮家の次女という立場を考えると、それ以上の覚悟と強い意志があったはずである。
NHKなど報道各社がウェブ上で全文を掲載している。かなりの長文である。一部を紹介したい。まずは、大学を卒業するにあたっての感想から。
「大学卒業を迎え、学生生活が過ぎるのはあっという間であったと感じております。また、恵まれた環境で過ごせたことを大変ありがたく思っております。
学習院大学では、約1年半、教育の分野を学びました。国際基督教大学では、英語で学ぶことも含め、幅広い分野を学び、最終的に心理学を専攻いたしました。一つの分野を集中的に学ぶことも、幅広く学ぶことも、どちらも非常に意義のある経験であったと感じております。
学業以外では、仲良くなった友人達と一緒に食事をしながら会話を楽しむなど、どちらの大学でも思い出深い学生生活を過ごすことができました」
「何をやりたいかではなく、依頼された仕事に取り組む」
短期留学したリーズ大学での経験が特に思い出深かったようだ。
「印象深かったことは、留学中の一連の経験と言えます。英語で学び、英語で生活をしたこと、様々な国の人と交流し、いろいろな文化に触れたこと、今までになかった新しい視野を持つことができたことなど、多くの経験ができたので、留学をしていた約9ヶ月間は非常に印象深い期間でした」
今後の進路と将来の夢については、こう答えている。
「公的な仕事は以前からしておりましたが、卒業後はその機会が増えることになると思います。どのような活動に力を入れたいかについては、以前にもお答えしたことがありますが、私が何をやりたいかではなく、依頼を頂いた仕事に、一つ一つ丁寧に取り組むというのが基本的な考え方です」
優等生的な答えだが、熱心に取り組んでいるダンスのことがあるのか、夢については微妙ないい方をしている。
「将来の夢は、あくまでも夢ですので、以前と変わらず自分の中で温めておきたいと思っています。大学院への進学は現時点では考えておりません」
「結婚に関する質問は、お答えするつもりはございません」
ダンスをめぐって、母親の紀子さんはヒップホップのようなダンスは皇族にふさわしくないし、皇后陛下からもお叱りを受けるのではないかと不安を抱いていたため、強く反対をしていたようだ。
だが、佳子さんはひそかにダンスのレッスンを続けている。そのため、「夢はダンス」と言えないもどかしさがあるのではないか。
家族については、
「両親には、公的な仕事に関することや、意見を聞いたほうが良いと感じる事柄についてアドバイスを求めることがあります。姉とは日常の出来事をお互いに報告しあったり、相談事をしたりします。弟とは、姉と同じように日常の会話をしたり、一緒にテレビを見たり、遊んだりしています。姉と弟と3人で話をしていると、非常に楽しく、たわいもないことで笑いが止まらなくなることもあります」
と、そつなく答えているが、やはり姉の眞子さんとの仲は特別なようだ。
「姉は、小さい頃から私のことを非常にかわいがってくれましたし、いつでも私の味方でいてくれました。いつもありがとうと思っています」
自身の結婚についての質問は、きっぱりと撥ねつけている。
「結婚の時期については、遅過ぎずできれば良いと考えております。理想の男性像については、以前もお答えしていますが、一緒にいて落ち着ける方が良いと考えております。相手がいるかについてですが、このような事柄に関する質問は、今後も含めお答えするつもりはございません」
「姉の一個人としての希望がかなう形になってほしい」
そして姉の眞子さんの結婚問題に言及して、こう言い切るのである。
「姉が結婚に関する儀式を延期していることについてですが、私は、結婚においては当人の気持ちが重要であると考えています。ですので、姉の一個人としての希望がかなう形になってほしいと思っています」
これに続けて、現在のマスコミ報道への厳しい批判をする。
「また、姉の件に限らず、以前から私が感じていたことですが、メディア等の情報を受け止める際に、情報の信頼性や情報発信の意図などをよく考えることが大切だと思っています。今回の件を通して、情報があふれる社会においてしっかりと考えることの大切さを改めて感じています」
姉の件に限らずとしてはいるが、間違いなく眞子さんと小室圭さんの婚約延期をめぐる報道合戦の異常な過熱ぶりに対して、憤っていることは間違いない。
平成史の中でも、特筆されるべき勇気ある発言
私がこれに注釈をつけるとすれば、小室圭さんの母親の元婚約者という人間の一方的な話を、検証もしないで報道し続けるおかしさ、どこの誰か分からない宮内庁関係者、秋篠宮家関係者のプライバシー侵害とも思えるコメントなどを載せ続けるなど、週刊誌を中心とした報道に対する至極的確な批判である。
失礼を顧みずに言わせてもらえば、週刊誌によれば、美智子皇后が小室母子に対していい感情を持っていないと報じられているが、情報の信頼性や情報発信の意図などを吟味すれば、そんなにご心配されることはありませんよという、美智子皇后へのメッセージではないのかと、私には思えるのだが、深読みし過ぎだろうか。
回答文書では、これ以降、天皇退位についての質問が続くが割愛する。
見てきたように、姉の眞子さんは小室圭さんとの結婚を今でも強く望んでいることを妹が公に認め、これ以上、メディアは2人の恋路の邪魔をしないでくれと宣言したのである。
平成という時代が終わろうとしている時、秋篠宮佳子さんの勇気あるこの発言は、平成史の中でも特筆されることになると思う。
24歳の女性が、どれだけの覚悟をもってこの文章を書いたのかを思うと、熱いものがこみ上げてくる。
「まさかここまではっきり仰るなんて……」
さて、秋篠宮夫妻、特に紀子さんは小室母子が嫌い、眞子さんと圭さんの結婚は白紙になったと報じてきた週刊誌は、この発言をどうとらえたのか。
『週刊新潮』(4/4号)は「『佳子さま』炎上で問われる『秋篠宮家』の家庭教育」、『週刊文春』(4/4号)も「奔放プリンセス佳子さまの乱全内幕」と、ともに巻頭で特集を組んだ。
『文春』では皇室記者が、回答を受け取ったときの衝撃を隠さない。
「佳子さまのご回答が、お父様のご意見に真っ向から反論するものだったためです。提出した質問文には、眞子さまの婚約延期への受け止めを問う項目が盛り込まれていたため、ご回答が注目されていましたが、まさかここまではっきり仰るなんて……」
と、あ然としている。
『文春』によれば、佳子さんと両親との仲は、佳子さんが子どもの頃は秋篠宮が手を上げることもあったそうで、以前からしっくりいっていなかったという。
「悠仁さまには決して手を上げないため、佳子さまが『なぜ私ばかりが』と反抗したこともあるそうです」(皇室ジャーナリスト)
「姉妹でタッグを組み、ご両親に反旗を翻した」
だがそうであったとしても、娘としては、両親がこの結婚に前向きではないのに、それに反旗を翻す発言をするのは相当な覚悟がいったこと推測するに難くない。
『文春』によれば、この文書を秋篠宮夫妻は事前に目を通しているはずだが、子どもの自主性を尊重してきた手前、手を入れるようなことはしなかったという。
手を入れる以前に、両親と佳子さんとのコミュニケーションはなくなっているようで、「2月の段階でも、秋篠宮さまは佳子さまの卒業後の進路を知らされていなかった」(秋篠宮家周辺)という。
これが事実なら、秋篠宮家は崩壊の危機にある。
昨年6月半ばに佳子さんがイギリス留学から帰国して、両親と眞子さんの「橋渡し役」になるのではと期待されていたそうだ。
だが、その期待に反して、「姉妹でタッグを組み、ご両親に反旗を翻したともいえる」(『文春』)乱を起こしたのだ。
なぜ学習院大学を中退して、国際基督教大学に進んだのか

『文春』の全体のトーンは、それほど厳しいものではない。学習院初等科の時にはフィギュアスケートに熱心に取り組み、小5の時には東京都スケート連盟主催の「スプリングトロフィー・フィギュアスケート競技大会」で優勝したことなどを紹介している。

佳子さんは学習院大学に通っていたのに中退して、姉の通っている国際基督教大学のAO入試を受験し、合格している。

その際、学習院側は、子どもの教育に関心を寄せていた佳子さんのために、小学校教員を養成する教育学科の開設を前倒しして環境を整えていたのにと、ガッカリしたという。

そこから秋篠宮家の教育方針についての批判につながるのである。

「もし眞子さまが学習院大学に進学されていたら、横のつながりも緊密ですから、小室家の借金トラブルのような何らかの問題が入ってきやすいのは間違いない」(皇室ジャーナリスト)
ICUで学び、「二度とない人生をいかに生きるのか」と考えた

私は、そうした考えには与しない。ICUに入ったからこそ、佳子さんのように、皇族である前に一人の人間として考えるという精神が養われたと思うからである。

ICUのウェブサイトには、日比谷潤子学長の挨拶文「生きることの課題を求めて」が掲示されている。そこにはこうある。
本学初代学長の湯浅八郎(1890─1981)は、『欽定英訳聖書』(King James Version)の「幻なければ民ほろぶ(Where there is no vision, the people perish.)」(「箴言」第29章第18節)を、「人間としての生きがい、団体としての理想実現を考える場合に大切な標語」と考え、「我々は一人一人、皆一度あって二度ない人生をおくっているのでありますが、どのような幻をもって生きているのか。我々の生きがいはどこにあるのか。これが第一義的な生きることの課題ではないでしょうか」と問いかけました(『若者に幻を』国際基督教大学同窓会、1981年、34─35頁)。私たちは、献学当時から今日まで60年間にわたって、本学に関わりを持った無数の人々の祈りに応えるべく、日々、生きることの課題に真摯に取り組んでいます。
二度とない人生をいかに生きるのか。そう考えれば、おのずと姉の結婚問題も、前述したような結論になるはずである。
『文春』は皇室ジャーナリストの山下晋司にこう言わせている。
「皇族は『国民とともに歩む』存在であり、ご結婚には公的な側面が絡んでくるのも事実です。例えば、結婚に伴なって国庫から一億円以上の『一時金』が支給されます。佳子内親王殿下は、そのことについてはどのようなお考えなのか、気になりました」
小さいことを気にするものだ。佳子さんなら、それだったら私はもらいません、そう言うに違いない。「俺たちの税金を小室圭なんかにやりたくない」などと、多くの国民が思うだろうか。それに結婚は庶民にとっても公なものである。皇室だけが特別ではない。
姉妹の「自由をわれらの手に」という闘争が始まった
『新潮』のほうはどうか。こちらはすごい。何しろ、どこのニュースサイトかは知らないが、「国民のことをまるで考えていない思慮の浅い言葉でした。悠仁様は、大丈夫なのか」という、佳子さん批判が多く寄せられているというのである。
そして、「その文言を読む限り、皇族というお立場を理解なさっていないとの指摘は止むを得まい」と切り捨てるのだ。
これはご両親への宣戦布告で、学習院へ行っていれば違っていたのにと、文春と同じように秋篠宮家の教育方針に疑問を呈するのである。こうした娘たちの反乱に、父親である秋篠宮は、このところやせて、心ここにあらずという体だという。
この佳子さんの次は、眞子さんも決起するに違いない。姉妹の「自由をわれらの手に」という闘争の火ぶたが切られ、さらに炎は広がるのではないか。
「女性は約束があれば一生でも待てるのよ」
どうやら、小室圭さんの弁護士資格試験は先に延びそうだという。母親の元婚約者との金銭トラブル解決に向けての話し合いもなかなか進まないようだ。
毎日携帯電話やSNSで連絡を取っていても、そのうち待ちくたびれて眞子さんの気が変わるのではないかと“忖度”する向きもあるようだ。
そんな人には以下の言葉を進呈しよう。
「酒井さん、女性は約束があれば一生でも待てるのよ。約束がないと一秒だって待てない」
山口百恵や天地真理など、数々のスターを作ってきた名プロデューサーの酒井政利が、往時を振り返る連載を『文春』でやっている。
これは、カメラマンの篠山紀信と結婚してさっさと芸能界を引退した南沙織が、引退後に酒井に言った言葉だそうだ。
眞子さんと圭さんの間では明確な約束があるはずだ。心配するのは野暮というものだ。
(文中一部敬称略)
元木 昌彦(もとき・まさひこ) ジャーナリスト 1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任する。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)、『編集者の教室』(徳間書店)、『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)、『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)などがある。

創作落語が面白い/マンゴーは阪急/阪神でいきなり団子

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Les leçons oubliées de Fukushima
Impact des changements climatiques, relance contestée de l’industrie nucléaire, accès des femmes au marché du travail pour stimuler l’économie, le Japon fait face à d’importants défis. Deuxième de trois textes sur quelques enjeux cruciaux au pays du Soleil-Levant.
Le Japon est aux prises avec un profond dilemme énergétique. Près de dix ans après la catastrophe nucléaire de Fukushima, les Japonais sont toujours aussi divisés quant à l’exploitation de cette source d’énergie dans leur pays. Le gouvernement a relancé l’industrie, mais la population a d’importantes réserves.
Au lendemain de la tragédie de Fukushima, en mars 2011, le Japon promettait à ses citoyens de délaisser l’énergie nucléaire pour miser sur les énergies renouvelables. Le Japon venait de subir le plus puissant tremblement de terre de son histoire : un séisme de magnitude 9 au large de ses côtes qui a causé un tsunami dévastateur ayant secoué deux centrales nucléaires dans la préfecture de Fukushima, au nord de Tokyo. En quelques heures, le niveau de radiation avait octuplé. Des dizaines de milliers de personnes ont été évacuées. Près de 20 000 personnes sont mortes — quoique le gouvernement ne recense pas encore de décès liés directement aux radiations. Les 54 centrales du pays ont été fermées.
Mais à peine un an et demi plus tard, l’élection du premier ministre Shinzo Abe a changé la donne. L’énergie nucléaire a été remise au menu du programme énergétique du gouvernement nippon.
Tokyo prévoit maintenant que le pays pourrait réexploiter 37 centrales nucléaires, au terme des études de sa nouvelle Agence de sûreté nucléaire. Le Japon n’en compte que neuf en activité pour l’instant. Six autres ont récemment obtenu le feu vert pour démarrer leurs opérations.
≪ Comme le Japon n’a pas de ressources naturelles, le gouvernement a besoin de cette énergie nucléaire ≫, fait valoir Hidenori Nishita, du bureau de l’économie environnementale du ministère de l’Économie du Japon. ≪ Les Japonais sont très nombreux et ils consomment beaucoup d’énergie. Pour assurer la qualité de vie de la population, on doit maintenir le prix de l’électricité et de l’énergie à un niveau raisonnable et stable. ≫
Un argument qui ne convainc toutefois pas le gouvernement de Fukushima, qui a rejeté le plan de Tokyo. La préfecture refuse catégoriquement l’idée de dépendre à nouveau de l’énergie nucléaire qui lui a causé tant de mal il y a à peine huit ans, et dont la région subit encore les effets. ≪ Le département a établi un plan d’action qui prévoit qu’en 2040, on utilise 100 % d’énergie renouvelable ≫, explique Nobuhide Takahashi, directeur adjoint de l’équipe de revitalisation du gouvernement local.
Et cette décision s’explique simplement. ≪ Bien évidemment, c’est à cause de cet accident à la centrale de Fukushima. La région a été affectée par la radioactivité. ≫
Mais les séquelles psychologiques se font en outre encore sentir dans la population. ≪ Les habitants de Fukushima se sont sentis vraiment trahis par l’opérateur de la centrale, Tepco, parce qu’il répétait sans cesse que ce genre de site nucléaire était sécuritaire à 100 %. Mais on a eu cet accident, dénonce M. Takahashi. Et les citoyens ne croient plus au mythe de l’énergie nucléaire. ≫
Le séisme et le tsunami qui l’a suivi ont fait 4100 morts dans le seul département de Fukushima. Près de 165 000 personnes ont été évacuées — soit ceux qui résidaient dans les 12 % du département qui ont été déclarés zone interdite. Un peu plus de 43 000 d’entre eux ne peuvent toujours pas rentrer à Fukushima aujourd’hui, alors que 3 % du département demeure inaccessible — soit l’équivalent de 370 km carrés.
Les citoyens restent encore traumatisés et ont donc choisi de miser sur les sources d’énergie renouvelables. La préfecture compte déjà un parc d’éoliennes et un site d’énergie solaire flottant. ≪ Même les départements voisins se concentrent davantage sur l’énergie renouvelable, après cet accident de Fukushima ≫, relate M. Takahashi.
Trop petit pour le renouvelable
Au ministère de l’Environnement, le sujet crée visiblement un malaise. Lorsque Tatsuya Abe est invité à commenter l’avis de la population sur le nucléaire, il laisse s’échapper un rire nerveux.
≪ Les discussions sont très partagées ≫, consent le fonctionnaire. Des mères de famille s’y opposent farouchement, inquiètes de la sécurité des centrales. Mais d’autres voient l’apport économique et la création d’emplois qu’entraînerait un redémarrage des centrales.
Le gouvernement japonais martèle qu’il n’a d’autre choix que de renouer avec l’énergie nucléaire. À la suite de la fermeture de ses centrales, il y a huit ans, le Japon a dû se tourner vers l’étranger pour s’approvisionner : son taux d’autosuffisance énergétique est passé de 20 % en 2010 à seulement 8 % en 2016. Et sa consommation d’énergies fossiles a augmenté de 8 % au cours de la même période, pour atteindre 89 % en 2016. La part d’énergie nucléaire du pays a inversement chuté de 10 %, pour se chiffrer à moins de 1 % il y a trois ans, alors qu’elle représentait 11 % de son apport énergétique en 2010, avant l’accident de Fukushima.
≪ Il faut trouver un équilibre ≫, plaide M. Nishita, du ministère de l’Économie. Le charbon ne coûte pas cher, mais il pollue, tandis que les énergies renouvelables sont vertes, mais plus dispendieuses. ≪ Donc le gouvernement du Japon souhaite relancer l’utilisation de l’énergie nucléaire ≫, résume-t-il.
Outre le coût d’une conversion nationale aux énergies vertes, M. Nishita argue que le petit pays insulaire ne peut tout simplement pas accommoder les imposantes infrastructures qu’il faudrait construire pour les produire. Le gouvernement prévoit qu’en 2030, de 20 % à 22 % de son électricité proviendra du nucléaire ; de 22 % à 24 % des énergies renouvelables ; 26 % du charbon ; et 27 % du gaz naturel.
≪ Le Japon est occupé en son centre par des chaînes de montagnes et il est bordé de falaises au bord de l’océan. Il n’y a pas d’espace pour construire des parcs d’éoliennes ou des sites solaires, note M. Nishita. Ce n’est pas réaliste de garder un terrain suffisamment grand pour fournir Tokyo en énergie solaire, par exemple. ≫ D’autant plus que les Japonais sont de gros consommateurs d’énergie, souligne-t-il. L’énergie solaire représentait 5 % de l’énergie produite au Japon en 2016, et l’hydroélectricité 7 %.
La préfecture de Fukushima, elle, compte néanmoins trouver le moyen de s’approvisionner entièrement de la sorte. Et elle espère entre-temps se remettre enfin de la catastrophe de 2011, en profitant notamment des Jeux olympiques de Tokyo de 2020 pour tenter d’attirer de nouveau les touristes. Le relais de la flamme olympique débutera d’ailleurs à Fukushima, l’an prochain.
≪ À la centrale de Fukushima-Daiichi, le problème n’est toujours pas tout à fait réglé. Il y a encore un grand souci de radioactivité, d’eau contaminée, relate Takahiro Sato, du bureau de promotion des J.O. à la préfecture. Mais tous les habitants de Fukushima souhaitent montrer leur courage. ≫
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みんなの2020 バンバン ジャパーン!「宮城のイチゴで復興を!ほか」
2020年まであと1年!“国際化待ったなし”の日本をバンバン盛り上げようというユニークな取り組みや、身近な在日外国人の暮らしを取材する番組。今回が最終回!
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リゾートマンションが立ち並ぶ新潟県湯沢町。東京からアクセスがよく、バブルに沸いた町は"東京都湯沢町"と呼ばれた。しかし、バブル崩壊でスキー人口は減少し閉鎖したスキー場も。そんな中、スキーに頼らない新たな町づくりを進める動きが出ている。都会の真似ではなく、自分たちの持つ「雪国文化」で町をよみがえらせようというのだ。バブルから何を学び、後世に何を伝えるのか。平成に入り変貌した町のいまを見つめる。 玉川砂記子 テレビ新潟
NNNドキュメント 3・11大震災シリーズ(87)復興ラグ 大震災8年 人は...町は...
東日本大震災発生から間もなく8年を迎える。被災地の住民の多くが、故郷とは別の土地で「生活の基盤」が出来上がっている。
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課題解決ドキュメント ふるさとグングン! みんなで描く未来の町〜岡山 倉敷市真備町〜
ニッポンの地域を元気にする、課題解決型ドキュメンタリー番組、「課題解決ドキュメント ふるさとグングン!」。人口減少や過疎、子どもの貧困など、様々な課題を抱える“お困り市町村”を、地域づくりの“達人”が訪問。住民たちと一緒に魅力的な地域をめざしていきます。
去年の西日本豪雨で町が水に浸かった倉敷市真備町。広大な仮設住宅の用地確保が難しいことから、住民たちは、町外の公営住宅や民間アパートなどにバラバラに移り住みました。また、主産業だったコメやブドウも被害を受けました。番組では、地域づくりの専門家、住民、農家、支援者、行政が一堂に会して話し合い、孤立を防ぎ、農業を再生させ、豊かな地域を作るにはどうしたら良いか話し合います。住民たちは、町の魅力を再発見し、動き出しました。 中村順子(認定NPO法人「コミュニティ・サポートセンター神戸」理事長) 結城登美雄(民俗研究家) 有森裕子 りゅうちぇる 山本哲也(NHKアナウンサー)

ETV特集 アンコール「熊を崇(あが)め 熊を撃つ」
東北の名峰・鳥海山のふもとで今も熊狩りを続ける「鳥海マタギ」。熊を“山の神様の使い”として崇めながら、なぜマタギは熊を撃つのか。息詰まる冬の熊狩りに密着した。
太古より雪深い地で狩りをなりわいとしてきた山の民マタギ。東北の名峰・鳥海山のふもとには最後のマタギ集落のひとつとされる「鳥海マタギ」の村がある。熊を“山神様の使い”と崇(あが)め、狩った熊を“授かりもの”として大切に暮らしの糧としてきた。過疎化や環境の変化で狩りで暮らすことが難しくなりマタギは消滅の危機にある現代。それでも熊を狩り続ける、あるマタギの息詰まる熊との闘いと自然と共に生きる暮らしに迫る 柄本佑

ぜんじろう @zenzenjiro
ピエール瀧氏の事務所解雇の件。『誠意を持って対応』単に切り捨てた事で『誠意』なら、本当に誰への誠意でなのか?きちんと更正させ、いい作品をまた届ける事も誠意のひとつ。
佐藤 章 @bSM2TC2coIKWrlM
もちろんウラは取れていないが面白い推理。安倍の本命は「安久」や「安永」だったが皇太子が拒否。安倍は仕方なく国学者に救いを求めたが反骨精神のあるこの国学者がすべてを察知。時の権力者になびかない中国知識人の古典由来の万葉集から「令和」。千年単位の壮大な皮肉。安倍晋三の本命元号を潰した皇室 - 皮肉が重なって誕生した「令和」
平野啓一郎 @hiranok
今の日本は「炭鉱のカナリア」がボロボロ死んでるのに、見ないフリしてるか、隠蔽してるか、余所の国のせいだと言ってるか、余所の国の方がもっと死んでると言ってるか、死ぬのが嫌なら逃げればいいとカナリアを批判してるか、まあ、そんなとこだろう。
ソウル・フラワー・ユニオン @soulflowerunion
ついに登場!説明も謝罪もしない石野卓球さんという救世主
http://agora-web.jp/archives/2038232.html
「『道義的説明責任がある』とか『相方が逮捕されたんだから神妙にしろ!』みたいな江戸時代の五人組制度支持者がまだこんなにもいるんだ!と驚く次第です」
こんなにもいるのですよ。奴隷の鎖自慢。

増田聡 @smasuda
専門家を「専門のことはなんでも知ってて専門外のことは何も知らない」と捉えるのはナイーブやなあと思います。専門家とは「専門のことに関して社会的責任を問われる」制度的存在でしかない。専門家の専門に関することがいい加減だったり逆に専門外のことを深く理解してたりすることはしばしばある
だから専門家はその内部で相互批判に常にさらされ、同時に専門外のことに関しては当該の専門家からの批判にさらされるのです。その成果の判断の最終審級は結局のところ「後世の歴史家の判断」に行き着くしかない
同時代の専門家の評価に向けて書くか、後世の歴史家に向けて書くかは当人の自由です(そのバランスをどうとるか、も当人の自由です)。「同時代の専門家からは無価値」なものが後世の歴史家に評価されることはいくらでもある。オレどっちかゆうたら後世向けのつもりですが、忘却の可能性の方が高い



山道 原発事故後から今日までのフクシマの姿を追い続けた良書
著者の青木記者を知ったのはSNS上であるが、誠実な対応をする記者ではないかという印象を持った。
10月の段階で第5刷であるからそれなりの評判がある著書なのであろう。
結論から先に言うと国の原子力政策のデタラメと原子力村を構成する国・経産省・御用学者・東電・原発立地自治体の利権構造の犠牲となったのが福島県民といえるだろう。
本来ならば原子力村関係者の責任が問われるのが当然なのであるが、そうならないところがこの国の不思議であり、おかしな点である。
そして自主避難者を含む福島県民に対して必要に応じて半永久的に補償がなされるのが当然である。(消費税を増税するくらいならばこれらの補償金に充てるべきではないか)
国政野党も選挙で議席増をしたいのであれば、表面的な脱原発ばかり唱えずにこのような細かい政策にも言及するべきである。
本作で問題となっているのは、原発内部や除染作業をする労働者の待遇や健康問題、低線量被爆の問題、自主避難者の自殺や家庭崩壊、核兵器製造能力を維持するための原子力村、自主避難者が避難先で受けているいじめの問題等であるが、学校でのいじめの問題などは、被差別部落、在日朝鮮人差別、アイヌ民族への差別に次ぐ新たな日本の人種差別が発生しているといえるだろう。
青木記者はあくまで記者という立場を顧慮して、公平中立に取材をしていくというスタンスを取り続けたことがこのような良書になることができたのだと思う。
一つ残念なことは、この著書のレビュー内の意見にもあったが、記者あるいはジャーナリストとしての意見が詳しく述べられていないこということである。
それがあくまでレポートであり、報告書みたいな感じになってしまった感がある。
青木記者には今後もフクシマ及び避難者等の実態を追い続けてもらいたい。

LET2FOREVER9BE 無関心と無知が最も恐ろしいことだと痛感した。
福島関連の報道がめっきり減った。「本当に大丈夫なのか」と考えていた折、本書をたまたま購入。読了して、すべての真実を包括したものでは勿論ないのであろうが、知っておくべき、あるいは考え続けるべき内容であると強く感じた。
本書の内容については他のレビュアーの方がすでに詳しいが、東電、政府、研究専門職、福島県庁、地元市町村、「安全な他所から訪れた」除染業者および作業員、無関心な外部の人々、そして避難者と、現地に残ることを選択した住民たち。福島原発事故という未曽有の大事故を取り巻く状況の深刻さがうかがえる一冊。また、専門的な知識がなくとも非常に読みやすい。
・「東電に入れば安泰だから」と東電に就職し、事故後に地元からの非難を浴び続けた地元採用職員
・政府からの援助打ち切りを恐れ、政府との談合に近い消極的な発表を続ける東電
・国からの支出を減らすため、東電への支援という名の圧力をかける政府
・核武装の抑止力維持のため原子力を保持したい政府
・各省庁における縦割り行政、責任の所在の不透明さ
・国からの援助打ち切りを恐れ、国に不都合な発表を差し控える研究者たち
・「安全」であることをアピールし、帰還する住民を増やしたい県庁
・「受け入れ」に伴う混乱を避けたい地元市町村
・除染作業に対する誇りもなく、除染作業を完了した旨偽装報告する除染担当業者
・金銭目的のため全国各地から集められた志の低い除染作業員
・その除染作業員を統括し、搾取するハイエナのような派遣組織
・避難者をいわれもなく非難する避難先の学校における児童や、その保護者たち
・自身の権利のみを主張して本当に困っている避難民に手を差し伸べない避難先の住民たち
・減った報道と利権にまみれた国からの発表をうのみにし、行動も起こさない我々
・ことなかれ主義の中避難者いじめをないものとする教育委員会
・避難児童を追い詰めるモラルのない子供たちとその保護者
・避難先でいじめに遭っていることを子供たちが打ち明けることができない場の空気
・地元に残ることを選択した福島県民からの避難者に対する非難
本書から読み取れるだけでもざっと以上のような状況があり、問題は山積したまま放置されている、というのが本書を通して受け取った最たる印象。解決策があるのかはわからないが、少なくとも「もう原発事故は過去の話」だとする世論がはびこっている内は原発事故の解決はなされないのであろう。何のリスクも負わず、ただ他者だけを批判する世論にも問題があるのだと思う。これからもこうした調査と問題提起が継続することを強く願う。


創作落語が福島駅の近くで開催されるというチラシをだいぶ前にもらっていました.前回は行きそびれたので,少し早目に向かいました.とはいえランチでピザ+ワインでいい気持ちになって大丈夫?案の定場所で少しだけ迷ってしまいました.
何かの市民活動かクラブのような感じなのでしょうか?素人落語と言っていました.プロだとお金かかるので無料なのは嬉しいです.創作落語は予想以上に面白かったです.
昨日のわがままメールのマンゴー関連のものを梅田で探し回ります.阪急でやっと見つかりました.小さいのがありました.
阪神で福岡・熊本・鹿児島物産展をしていて,いきなり団子を買いました.いろいろ思い出すし美味しいです.

火災、津波、かさ上げ立ち退き…陸前高田のジャズ喫茶、支援に感謝し4度目開店へ
 東日本大震災の津波で流失した岩手県陸前高田市のジャズ喫茶「h.イマジン」が8月、かさ上げされた中心市街地に再建される。店主の冨山(とみやま)勝敏さん(77)は、これまでに火災、津波、立ち退きと3回も店舗を失う憂き目に遭った。建設費の高騰で資金は不足気味だが「居心地のいい場所を作りたい」と4度目の開店を目指す。
 新店舗は木造2階で延べ床面積は約100平方メートル。以前の店に比べると手狭だが「多くの支援者の思いがこもった店にしたい」と恩返しを誓う。
 2003年、定年退職後に東京から大船渡市に移り住んでジャズ喫茶を開店した。店舗は10年に火災で焼失。陸前高田市の旧高田町庁舎を改装して再開したが、開店から3カ月足らずで震災の津波に襲われた。
 大船渡市で仮営業を続けながら、14年には陸前高田市の店舗跡地に震災ボランティア向けのバンガローを整備。喫茶店を併設しようとしたが、かさ上げ工事の対象地になって15年10月、転出を余儀なくされた。
 念願の新店舗には1950〜70年代のモダンジャズを中心に約3000枚のレコードやCDをそろえる予定だ。再起を応援する全国のジャズファンが「開店を楽しみにしている」と中古レコードやアンプを寄贈してくれた。
 ただ、店舗の建設費は当初の見込みから500万円増えた。復興庁のクラウドファンディング支援事業を活用し、ウェブサイト「キャンプファイヤー」で寄付を募っている。


<気仙沼大島大橋>あす開通 地元の悲願、実現
 気仙沼市の大島と本土を結ぶ気仙沼大島大橋(356メートル)が7日、開通する。離島の架橋事業は東北で初めてで、半世紀にわたる地元の悲願が実現する。観光振興に加えて、非常時の緊急輸送路としての役割が期待される。
 2014年11月に着工し、18年11月に工事が完了した。工事費は約60億円。片側1車線で歩道もある。橋脚間の長さは297メートルでアーチ橋としては東日本最長となる。7日は式典などの後、午後3時から一般の通行が可能になる。
 架橋は大島の浦の浜地区と、本土側の国道45号を結ぶ県道大島浪板線(8.0キロ)の整備事業の一環で、5.5キロが開通する。全区間の完成は20年度を予定。
 大島は東北最大の有人島で人口は2447(2月末現在)。架橋構想は1967年、宮城県勢発展計画に盛り込まれた。東日本大震災で島が孤立状態になったことなどから、国の復興事業で整備された。


<気仙沼大島大橋>開通後も診療継続 島で唯一の医師・森田さん
 気仙沼市の大島で唯一の医療機関「大島医院」の医師森田良平さん(54)は、7日に気仙沼大島大橋が開通した後も島に残る。「橋ができたら、いなくなるのでは」と心配した島民を喜ばせた森田さん。「まだまだ治さないといけない患者がいる」と気を張る。
 「橋ができたらいなくなるの?」。開通日が近づくにつれ患者から声を掛けられる機会が増えた。その度に「大丈夫。残るから」と応じたが何度も問われるため、医院の入り口に継続を知らせる張り紙もした。
 2017年3月末に前任者が辞めたのを受け、同6月に島に来た。建物などを無償貸与する気仙沼市が、橋開通までは勤務を続ける条件を付けていたのが島民の誤解を生んだようだ。
 首都圏の救命救急センターや整形外科で培った技術と経験を生かし、島民の信頼をがっちりとつかんだ。
 慢性的な膝や腰の痛みに苦しむ患者を何人も治した。評判を聞き、一関市から島に来た人もいた。最初は1日10人程度だった患者も、多い時は100人近く来院するまでになった。
 1人で治療に当たり、休日でも患者から呼ばれれば駆け付ける。24時間態勢で対応する。「熱や痛みで苦しむ人は放っておけない。医者として当たり前だ」と言い切る。
 気仙沼市出身で、実家は市内の開業医。子どもの頃、父親の昭夫さん(故人)が真夜中に呼ばれる姿を何度も見た。
 患者から「お父さんにもお世話になった」と言われることが多い。酒席を抜け出して治療に当たった父の話は何度か聞かされた。
 「東京でも田舎でも、やることは一緒。医者は職人、治すことが仕事だ」。地域医療に尽力する姿勢は、昭夫さんからしっかり受け継いだ。
 家族がいる東京に戻ることができるのは盆と正月だけだ。寂しさは、ほぼ毎日かける電話で紛らわす。
 いつ東京に戻るのか。「島の患者を全員治したらかな。橋を渡り、本土から患者が通ってくるような病院にするのが今の夢」。島と歩む決意は変わらない。


4月8日は「ほやの日」 宮城の「宝」刺し身や空揚げ楽しんで
 4月8日は「ほー(フォー)やの日」。昨年7月に日本記念日協会に認定されてから、初の「ほやの日」が間もなくやって来る。記念日に合わせてさまざまなほや普及推進イベントが予定されており、主催者は「宮城の『宝』ほやのおいしさを多くの人に知ってほしい」と準備を進めている。【本橋敦子】
 「ほやの日」の制定を同協会へ申請したのは、JR仙台駅西口近くのほや料理専門店「まぼ屋」。2017年にオープンし、ほや炊き込みご飯、ほやアヒージョ、ほやしゃぶしゃぶなど、今までにないほや料理を考案してきた。
 開店のきっかけは東日本大震災。震災前、一大消費地だった韓国が東京電力福島第1原発事故を理由に、ほやの輸入を禁止。全国一の生産量を誇る県産ほやは、出荷前に廃棄せざるを得ない状況に陥った。「このまま何もしなくていいのか」。仙台市内を拠点に飲食店を運営する「飛梅」(松野水緒社長)の社員からそんな声が上がり、2カ月間不眠不休で準備を進め、「まぼ屋」をオープンした。
 同社ではほやの消費を拡大しようと昨冬の忘年会シーズンから、「ほやフライ」を取り入れた宴会メニューの提供を始めた。だが、ほやと聞いただけで箸すら付けない人も。松野社長は「ほやの魅力が浸透していないことを実感した。『ほやの日』をきっかけに、ほやを食べることが習慣になれば」と願いを込める。
 制定後初の「ほやの日」を盛り上げるため、前日の7日には名取市閖上のゆりあげ港朝市で「ほやフェスティバル」を開催。女川町から海水と共にトラックで運んだ約1トンの活ほやを使用する。出店で、ほや空揚げやほやセリ汁などを楽しめるほか、「ほやむき選手権大会」を全国で初めて実施。ほやむき体験コーナーもあり、誰でも参加できる。
 8日から14日までは仙台市内33カ所の飲食店で、独自のほや料理が楽しめる「仙台ほやフェア」を開催。まぼ屋では8日に臨時営業し、活ほやのお刺し身とおすすめ日本酒のセット(通常1360円)などを480円で提供する。松野社長は「ほやには語り尽くせない魅力がある。この機会にもっとほやを知ってほしい」と呼び掛けている。


こども園2年目の春、2人入園 避難解除の浪江町
 福島県浪江町に昨春開園した町立認定こども園「浪江にじいろこども園」の入園式と進級式が5日、同園であった。3歳と4歳の2人を新たに迎え、園児9人で2年目をスタートさせた。
 園児の名が一人一人呼ばれ、門馬純子園長が「不安もあると思いますが、先生たちがいるので安心してください」と呼び掛けた。吉田数博町長は「友達と遊び、本を読み、昼食をいっぱい食べて元気に過ごして」とあいさつした。
 入園した小林祥太朗君(4)一家は福島市から町に引っ越したばかり。母の明恵さん(31)は「新生活はどきどきするが、不安はない。子どもにはすくすく育ってほしい」と話した。
 こども園は東京電力福島第1原発事故に伴う避難指示が2017年春に一部で解除されたことを受け、町が新たに整備した。園舎内外の放射線量を測定しているほか、給食の放射性物質濃度は基準値を国の基準より厳しく設定し、毎食検査している。


帰還困難区域「夜の森」初の花見バス 住民9年ぶり観賞 富岡
 東京電力福島第1原発事故の避難指示が大半で解除された福島県富岡町で6日、春の風物詩「桜まつり」が開催された。今年は2キロ以上続く桜並木のうち、立ち入りが原則禁じられた「帰還困難区域」に立ち入りできるよう、町が国と協議して花見バスを用意。町民らは9年ぶりの光景を懐かしみながら古里の復興を願っていた。
 桜並木のある「夜の森地区」は県内屈指の桜の名所。420本の桜が約2.2キロ続き、原発事故前は祭りが開催される2日間で約10万人が訪れた。
 町の全域に出された避難指示は2017年4月に大半が解除されたものの、夜の森地区の桜並木は約1.9キロが帰還困難区域にあたり、桜を自由に見ることができなかった。
 この日は定員40人のシャトルバスを10台運行。桜並木全体を約20分かけて巡った。富岡町からいわき市に避難している平子力也さん(79)は「木や花が原発事故前と比べると少なくなってしまったけれど、青い空にピンクの花が映えてとてもきれいだ。古里のシンボルを見るために皆が集まるのはいいことだ。来年も来たい」と話していた。
 町内の避難指示解除地域の住民登録者数は1日現在、9224人で、町内居住者は922人。【宮崎稔樹】


河北春秋
 <またか まただ またまたか またまたさ なれっこだな なれっこさ よくないな よくないよ どうする どうしよう 怒るか 怒ろう プン プン>。詩人谷川俊太郎さんの「また」という詩。政治家や官僚の問題発言を聞くたびに思い出す▼失言で物議を醸す代表格と言えば、麻生太郎副総理兼財務相。今回は麻生氏を「おやじ」と慕う側近の発言が問題になった。きのう辞任した塚田一郎国土交通副大臣の発言である▼麻生氏と安倍晋三首相の地元の道路整備を巡り、北九州市であった集会でこう語った。「首相や副総理が言えないので、私が忖度(そんたく)した」。事業を管轄する副大臣があからさまに利益誘導を認めるとは、開いた口がふさがらない▼驚いたのは本人の弁明。「大勢の人が集まる会で、我を忘れて誤った発言をした」。「記憶がない」はよく耳にするが、「我を忘れた」という言い訳は初めて聞いた。セクハラ発言やパワハラ発言をしても「我を忘れていた」と言えば、許されると考えているのだろうか▼辞任しても真相は闇に包まれたまま。近年、他の政治家の発言が問題化したケースでも説明責任は果たされることはなかった。国民が忘れるのを待つだけである。真摯(しんし)に、丁寧に、しっかりと。そんな決まり文句がむなしく響く。

塚田副大臣更迭→解決とはいかない官邸
★「忖度(そんたく)した」と発言し、辞任した自民党の国交副大臣・塚田一郎の罪は政権の中枢である首相・安倍晋三と副総理兼財務相・麻生太郎の選挙区を結ぶ道路建設の復活劇の当事者に忖度したと明言したこと。立憲民主党参院議員・蓮舫は「これは忖度じゃなくてもう利益誘導。税金は自民党のためのものだと、まさに明言しているようなもの」といえる。★本人は発言自体を撤回謝罪して結果辞任したがこの発言は福岡県知事選挙の応援演説での話。ともすれば知事選の有権者にうそ八百を話し続けたことにもなり、救うべき場所がない。共産党書記局長・小池晃は「塚田は衆院厚生労働委で『大勢が集まる会だったので、我を忘れて誤った発言をした』と釈明したが大勢が集まる場所で我を忘れる人は政治家やっちゃいけません」とSNSに書いたが、政治家失格と同義語だ。野党の強硬論に加えて与党内でも「統一地方選挙の真っ最中で参院選挙も控えていて選挙の現場は悲鳴を上げている」(自民党選挙関係者)というのも当然だろう。★ただ、官邸は更迭すれば解決というわけにもいかない。今まで公文書の改ざんがあろうが、セクハラで事務次官が辞めようが、自殺者が出ようが辞める気がさらさらなかった麻生に始まり、金銭スキャンダルが後を絶たない男女共同参画相・片山さつきや五輪相・桜田義孝の舌禍をも守り通した手前、この事案だけ更迭できない。「そんなことをしたら忖度ドミノが起こる」(自民党関係者)。弱っているのは公明党も同じだ。塚田の監督責任は国交相・石井啓一が17年11月から務めている。「当然石井の責任論にも飛び火するが、実は国交相は14年12月の第2次安倍内閣発足以来、公明党枠。国交省関連の陳情は自民党の副大臣が取りまとめる慣習がある。自民党にとっては副大臣が大臣の役割を担う。それが塚田の“忖度”発言を生んでいる」(自民党幹部)。自民党の身から出たさびでもあり、塚田の首だけでは済まなくなる。

忖度発言で副大臣辞任 首相は当初なぜかばった
 塚田一郎副国土交通相が山口、福岡両県を結ぶ道路整備に関し安倍晋三首相と麻生太郎副総理兼財務相の意向を「忖度(そんたく)した」などと発言した責任を取って、きのう辞任した。
 福岡県知事選の応援集会で語った、地元への露骨な利益誘導と受け取られる発言だ。辞任は当然である。むしろ問題なのは、安倍首相が当初「職責を果たしてほしい」と塚田氏をかばったことではないか。
 一転して辞任に至ったのは統一地方選の最中であり、世論の批判に加えて自民党内からも「このままでは選挙が戦えない」との声が強まったからだろう。首相が「責任を取る必要はない」と考えていたとすればこれも緩みやおごりの表れである。
 塚田氏は辞任の理由を「事実と異なる発言で迷惑をかけた」などと語った。首相らも「事実と違う」という点を強調している。
 では、事実と異なる点とは何を指すのか。首相らの意向を忖度して建設計画に国直轄の調査費をつけたという話自体が間違いだったということで首相らは収拾したいようだ。
 だが塚田氏は道路建設に関して参院自民党幹部らから要望を受けた際「俺が何で来たか分かっているか」と言われた点をはじめ、詳細なやり取りを演説で明かしている。その全てが作り話だったのだろうか。
 総事業費が2000億円以上とされる巨大公共事業に関わる問題だ。今後も国会で経緯の解明が必要だ。
 安倍政権では桜田義孝五輪担当相をはじめ、閣僚らの暴言や失言が相次いでいる。にもかかわらず首相は大半の閣僚を続投させてきた。
 最たる例が麻生氏だ。森友問題で財務省が前代未聞の決裁文書改ざんに手を染めた際も、省のトップである麻生氏は不問に付した。
 首相は必ず「説明責任を果たしてもらいたい」とは口にするが、その後関係者が十分に説明を尽くした例はほとんど見られない。
 国会は数の力で押さえているから予算や法案審議には影響しないと高をくくっているのかもしれない。だがけじめをつけてこなかった結果、政治のモラルは低下する一方だ。
 これほど批判されている忖度という言葉を塚田氏がひけらかしたのも、著しく節度が失われているからだろう。反省はそこからだ。


塚田副大臣辞任 問題に幕引きはできぬ
 塚田一郎国土交通副大臣がきのう、山口県と福岡県を結ぶ下関北九州道路計画の国直轄調査再開を巡り、地元の安倍晋三首相と麻生太郎副総理兼財務相に「忖度(そんたく)した」と述べた発言で引責辞任した。
 巨額の公共事業予算を執行する官庁の副大臣が、行政の公正性を真っ向から否定するような話を選挙集会で手柄のように語る。言語道断であり、発言から5日目の辞任は遅すぎたと言えよう。
 問題の本質は、公共事業予算の箇所付けに、政治家の不透明な関与がいまだに影響力を及ぼしている実態があるのかどうかだ。
 辞任を幕引きとしてはならず、国会は解明を続けねばならない。
 首相は前日まで「塚田氏は職責を果たしてもらいたい」と、野党側の罷免要求を拒否していた。
 「事実と異なることを述べたのは重大な問題だ」と言ったにもかかわらずだ。本人の発言撤回と謝罪で事態を乗り切れると考えていたなら、認識が甘すぎる。
 決裁文書改ざんがあっても麻生氏を続投させたように責任の所在を明確にせず、けじめをつけない政権の慢心が新たな問題を引き起こしている側面は否定できまい。
 忖度発言は昨年末に塚田氏が、参院自民党の吉田博美幹事長から要望を受けたことが発端だ。吉田氏は自民党で、下関北九州道路の「整備促進を図る参院議員の会」の会長を務めている。
 この際に吉田氏から、首相と副総理の地元事業だと「分かっているな」と念を押されたと塚田氏は発言したが、吉田氏は否定し、塚田氏も撤回した。
 ではどんなやりとりがあったのか。塚田氏と吉田氏は国会に参考人出席し、説明するべきだ。
 道路計画の推進に向け、首相は与党議員有志の会の要望書に名を連ね、麻生氏は整備促進期成同盟会の顧問を務めている。
 地元では「安倍・麻生道路」と呼ぶ声もあったという。
 政府は調査目的として、関門海峡を通る第3の道路として渋滞緩和や災害時の代替機能の検討といった観点を挙げている。だが、こうした理由で地元が整備を要望している道路は全国に少なくない。
 必要性より、首相と副総理の顔を立てたというのが実情ではないか―。そんな疑念を招いたのが塚田発言にほかならない。
 公共事業を私物化するような利益誘導政治を根絶し、予算執行の透明化を図る。長年指摘され、克服できていない課題に政府・与党は真剣に取り組む必要がある。


塚田国交副大臣更迭 利益誘導は行政ゆがめる
 本当のことを言ったのか、それとも、うそをついたのか。作り話にしては内容が具体的で、込み入っている。「忖度(そんたく)」発言で事実上、更迭された塚田一郎国土交通副大臣(参院議員)のことだ。
 塚田氏は、山口県下関市と北九州市を結ぶ「下関北九州道路」の国直轄調査への移行に関し、安倍晋三首相や麻生太郎副総理兼財務相が言えないので私が忖度した―などと述べた。北九州市で1日に開かれた福岡県知事選の自民党推薦候補の集会でのことだ。
 下関市は安倍首相の地元だ。北九州市は麻生副総理の中選挙区時代の地盤である。事実であれば、利益誘導にほかならず、断じて許されない。
 塚田氏は発言が問題化するや、事実と異なっていたとして撤回し、謝罪する旨を文書で発表した。これを額面通り受け取っていいのか、にわかには判断しかねる。
 自民党の吉田博美参院幹事長が副大臣室を訪れ「これは総理の地元と副総理の地元の事業」などと述べたことを紹介するなど、細かいやりとりにまで言及していたからだ。
 西日本新聞の報道によると、塚田氏は、吉田氏との面談について触れた上で「私は物わかりがいい。すぐ忖度します。『分かりました』と。総理とか副総理はそんなこと言えません。私は忖度しました。(中略)新年度の予算で国直轄の調査計画に引き上げました」などと明言している。
 下関北九州道路は財政難などから2008年に凍結されていた。調査費計上が決まったのは、吉田氏から要望を受けた後だ。吉田氏は関与を全面否定するコメントを発表したが、そのような趣旨のやりとりは本当になかったのだろうか。国民に向けてきちんと説明すべきだ。
 九州と本州を結ぶ幹線道路は、関門国道トンネル(1958年開通)、関門橋(73年開通)があるが、老朽化が進んでいる。補修工事などで渋滞したり、通行止めになったりすることが多いという。
 このため、地元自治体や経済関係者は「第3の関門道」として下関北九州道路の整備を求めてきた。関門トンネル、関門橋の代替機能を確保する意義は理解できる。
 とはいえ、有力な政治家の「我田引水」で恣意(しい)的な予算配分が行われるのなら、公平公正であるべき行政をゆがめてしまう。
 塚田氏は4日の参院決算委員会で「大勢の会合で熱が入った。うそを言っているとの認識で発言したわけではない」などと釈明した。
 安倍首相は「有権者の前で事実と異なることを述べたのは重大な問題だ」と答弁したが、どうしてそう言い切れるのか。塚田氏を任命した首相には、発言の真偽を含め事実関係を調べて明らかにする責任があるはずだ。
 問題の核心は忖度がはびこる安倍政権の体質にある。副大臣の辞任で幕引きというわけにはいかない。


「忖度」副大臣辞任 なかったとは信じ難い
 下関北九州道路の整備について「私が忖度(そんたく)した」と発言した自民党の参院議員塚田一郎氏が責任を取り、国土交通副大臣を辞任した。
 安倍晋三首相、麻生太郎副総理の地元に絡めた発言は、利益誘導を示唆する内容である。行政の公平性を疑わせた責任は重く、辞任は当然だ。
 道路事業を管轄する国交副大臣が首相らの意向をくんで便宜を図ったのならば「予算の私物化」に他ならない。忖度は「うそだった」と塚田氏は弁明したが、果たして真相はどうか。この道路に限らず、忖度による事業の有無を徹底的に検証する必要がある。
 安倍首相にも責任がある。野党に追及されても、塚田氏の罷免を拒んでいた。忖度発言の重大性に思いが至らなかったか。塚田氏への注意のみで幕引きを図ろうとした姿勢は到底信じられない。任命責任とともに厳しく問わねばなるまい。
 「首相や副総理は言えないので、忖度した」。塚田氏の発言は1日、北九州市での集会で飛び出した。
 昨年末に下関北九州道路について党幹部から要望を受けた際に、首相の地元と副総理の地元を結ぶ道路と言われ、塚田氏は「私は物分かりがいい」ので、すぐ忖度したそうだ。
 党幹部や福岡県選出参院議員との会談内容を詳細に明かし、得意げに話していたというからあきれてしまう。議員辞職を否定しているが、議員としても不適格だろう。
 「安倍麻生道路」とも呼ばれる、くだんの道路の建設構想は11年前に自公政権の下、国の財政難のため凍結された。しかし第2次安倍政権が発足すると、山口、福岡両県の自治体や経済界が実現への働き掛けを活発化していた。
 道路の調査費計上が決まったのは、昨年末に党幹部らが要望した後である。塚田氏は党幹部らとのやりとりを極めて具体的に紹介した上で、忖度したと述べている。発言を撤回、謝罪したとはいえ、忖度がなかったとは信じられない。むしろ忖度どころか、指示されて従ったのではないかと疑いたくなる。
 下関北九州道路は費用対効果をはじめ、改めて必要性を検討することが求められる。
 それにしても忖度がつきまとう政権である。森友学園、加計学園の問題でも、官僚による首相への忖度が疑われ、追及されている。解明が不十分だとして国民はまだ疑惑の目を向けている。にもかかわらず、今度は副大臣が自慢げに語るという無神経ぶりである。
 安倍政権の1強状態が続くがおごりと緩みもここまで極まったかとの感が拭えない。
 麻生氏が推す福岡県知事選の自民党推薦候補の応援集会で、発言した点も問題だ。麻生派の塚田氏は露骨に利益誘導を語ることで派閥の領袖(りょうしゅう)の権勢を有権者にアピールし、選挙を有利に運ぶ狙いだったとみられる。もはや政治モラルを無視することにも、ためらいはないのか。
 統一地方選や夏の参院選への影響を最小限に抑えるために、副大臣辞任で幕引きを図ったのに違いない。だが忖度による予算の私物化という疑惑である。行政の公平性のため、引き続き国会で追及し、事実関係を明らかにせねばならない。


塚田副大臣更迭 私物化なら許されない
 安倍晋三首相と麻生太郎副総理の地元の道路整備を巡り、「私が忖度(そんたく)した」などと発言した塚田一郎国土交通副大臣が5日、辞表を提出した。事実上の更迭だ。地方統一選のさなか、さらには夏の参院選を控え、安倍政権にとって大打撃である。
 問題の道路は、関門海峡を挟んで山口県下関市と福岡県北九州市を結ぶ「下関北九州道路」。山口県は安倍首相、福岡県は麻生氏の地元だ。塚田氏の発言は、道路を管轄する現職の国交副大臣として両氏の地元に便宜を図ったと取れる驚くべき内容である。これが本当なら、首相だから、副総理だから特別扱いしたことになる。明らかな行政の私物化であり、到底許されるものではない。
 忖度発言は北九州市で1日に開かれた福岡県知事選候補の応援集会の演説で行われた。翌日慌てて撤回したものの、副大臣としての発言は極めて重く、撤回すれば済むような話ではない。塚田氏は会見で「国政の停滞を招いた」と謝罪したが、取り返しがつかない。辞任は当然であり、むしろ遅きに失したと言える。
 下関北九州道路の整備は地元自治体や経済関係者が長年要望している。財政難などから2008年に国による調査が凍結されたが、13年度に山口、福岡両県が再開させ、19年度から国の直轄調査に移行となった。
 塚田氏は応援集会で、この国直轄調査移行について、自身の忖度の結果だと吹聴。首相や副総理が要望するわけにはいかないから、その思いをくみ取って19年度予算で国直轄に引き上げたなどと、まるで自身の手柄であるかのように語った。
 他の国会議員との生々しいやりとりも紹介。吉田博美自民参院幹事長らが下関北九州道路に関する要望のため副大臣室を訪問した際、「塚田、分かっているな」「これは総理の地元と副総理の地元の事業なんだよ」と告げられ、「分かりました」と応じたという。
 発言に対する批判を受け、「大変大きな会合で雰囲気にのまれ、事実と異なる発言をしてしまった」などと釈明したが、信じられない。あまりに具体的過ぎる。どこがどう異なるのか、国民に分かるよう丁寧に説明すべきだ。
 政府の対応は後手に回ったと指摘せざるを得ない。安倍首相は当初、塚田氏を擁護する姿勢を見せていた。だが批判の大きさに耐え切れず、急きょ方針転換した。塚田氏の発言は政治への信頼を大きく損なう重大事だ。地元の事業に関わる問題だからこそ毅然(きぜん)と対応するべきだった。長期政権による緩みが生じているのではないか。
 塚田氏が辞任しても、国民の政治に対する不信は払拭(ふっしょく)されない。下関北九州道路の調査の国直轄移行はどのようにして決まったのか。国会での徹底究明が不可欠だ。辞任を問題の幕引きにしてはならない。


塚田副大臣辞任 あきれた勘違いの果て
 「1強」安倍政権の要職に就いて、その威光を背景に何でもできると思い込む。そして、あからさまな利益誘導を誇らしげに語る。
 あきれた勘違いの果てと言うべきか。塚田一郎国土交通副大臣が5日、道路整備を巡る「忖度(そんたく)」発言の責任を取って辞任した。
 発言は、北九州市で1日開かれた福岡県知事選の自民党推薦候補の集会で出た。同市と山口県下関市を結ぶ道路について、本年度予算で自分が国の調査計画に引き上げたと明らかにした。
 下関は安倍晋三首相の地元で、北九州は麻生太郎副総理の地盤に近い。立場上、首相や副総理は予算要望を言えないから、自ら「忖度した」と明言している。
 しかも、道路整備に関して自民党の吉田博美参院幹事長らから要請を受けたことにも言及した。「これは総理と副総理の地元の事業なんだよ」と頼まれたという。
 あまりに生々しい利益誘導の告白であろう。忖度により税金の使い道をねじ曲げたことをむしろ自慢するとは、開いた口がふさがらない。
 下関と北九州を結ぶ道路計画は、財政難などから11年前に凍結されている。塚田氏は発言を撤回したが、本年度に調査計画として息を吹き返したのは、いかにも不自然と見るべきだろう。
 行政の公平性を揺るがした責任は極めて重い。塚田氏の辞任は当然だ。発言が明らかになった時点で安倍首相が直ちに更迭すべきであり、遅きに失したと言える。
 だが首相は当初、「職責を果たしてほしい」とかばい、罷免を拒否した。塚田氏が盟友・麻生氏の派閥に属することや、投開票を控えた統一地方選前半への影響を考慮したとみられる。
 新元号「令和」の発表による内閣支持率の上昇も頭にあったかもしれない。しかし、時間がたてば問題発言への逆風がやむと考えるのは、国民に生じた行政への重大な疑念を見誤っている。
 もっとも今回の問題は、一副大臣の資質で片付けられない。政権にはびこる慢心や思い上がりが、たまたま表れただけではないか。
 安倍政権では、森友・加計問題で首相に対する役所の「忖度」が浮かび上がった。不明朗な政策決定に、衆院議長が「民主主義の根幹を揺るがす」とまで指摘した。
 思い上がりととれる発言は取り巻きの役所にも及ぶ。先月は内閣法制局長官が国会で野党議員を批判し、撤回、謝罪に追い込まれた。
 長期政権のおごりが政権の体質になったとすれば見過ごせない。他にも不自然な予算付けや行政運営がないか、厳しい目を向けねばならない。


塚田副大臣更迭 説明責任果たしていない
 副大臣という公職への自覚を欠いた無責任な発言で国民や県民を裏切り、政治不信と混乱を招いた罪は極めて重い。辞任は当然である。
 ただし、問題の発言について説明責任が果たされたとはいえない。これで落着とするわけにはいかない。
 参院新潟選挙区選出の塚田一郎国土交通副大臣が、道路整備を巡る「忖度(そんたく)」発言の責任を取って辞任した。
 統一地方選や国政選挙への影響を抑えるため、事実上更迭されたとみられる。議員辞職については否定している。
 塚田氏は今月1日の福岡県知事選の応援集会に出席し、安倍晋三首相と麻生太郎副総理の地元を結ぶ「下関北九州道路」について、両氏の意向を忖度して国の直轄調査に引き上げたという趣旨の発言をした。
 発言が報道され、塚田氏は撤回。「予算の私物化」「利益誘導」との野党の批判に、「事実でない」「大勢が集まる会だったので、われを忘れて誤った発言をした」と釈明した。
 首相は塚田氏の罷免を繰り返し拒み、塚田氏本人も「説明責任をしっかりと果たすことで職責を全うしたい」などと述べていたが、自民党内からも批判が強まる中で耐えきれなくなった格好である。
 だが、塚田氏の釈明は説得力を欠く。発言では、自民党の吉田博美参院幹事長に「これは総理と副総理の地元の事業」などと言われたと明かしていた。会話の内容は具体的だ。事実でないとは、にわかに信じ難い。
 事実と異なる発言をした理由については、大勢の集会で「われを忘れた」と説明したが、こちらもふに落ちない。政治家が多くの人の前で話すことは日常的な行為のはずだ。
 国民をごまかすような言い方でなく、納得がいくようきちんと説明してもらいたい。
 塚田氏は副大臣として、所管事業に関し国民にうそをついたことになる。大勢の集会で「われを忘れて」ミスリードしたのが本当なら、政治家としての資質に疑問符が付こう。
 今回の問題はそれほど重いのだということを、肝に銘じなければならない。
 首相は塚田氏の「忖度」発言を受け、本人のしっかりとした説明を求めていた。改めて明確に指示すべきだ。
 辞任によって問題の幕引きを急ぎ、説明責任がうやむやになるようなことがあれば、政権の自己都合優先、国民軽視のそしりは免れまい。
 塚田氏は自民党県連会長である。本県自民党を束ねる立場にある人物が、今回のような発言で世間を大きく騒がせたことは甚だ情けない。失望感を抱いた県民は少なくないだろう。
 「麻生太郎命」「筋金入りの麻生派」。塚田氏は福岡の集会でこうアピールし、「忖度します」と聴衆に語り掛けた。
 有権者より派閥を優先するような内向き体質が、問題発言につながる緩みを招いた。そう思わざるを得ない。


国交副大臣の忖度発言/これで幕引きでいいか
 塚田一郎国土交通副大臣が、道路整備を巡って「安倍晋三首相や麻生太郎副総理(兼財務相)が言えないので、私が忖度(そんたく)した」と発言した問題で辞任した。安倍首相は当初、続投させる構えだったが、統一地方選や衆院補欠選挙への影響を抑えるため方針転換したとみられる。
 塚田氏の発言は、国交省の首脳が所管する行政を私物化し、選挙向けにそれを誇るような内容で、副大臣辞任だけでは済まされない。学校法人「森友学園」を巡る一連の問題で焦点となった忖度という言葉を使う軽薄さも尋常ではない。野党から議員辞職を求められても仕方ないだろう。
 1強状態が長期にわたる安倍政権のおごりと緩みを象徴する言動でもある。政府、国会双方で、忖度など行政をゆがめる行為がなかったのか事実関係を明らかにする必要がある。これで幕引きにしてはならない。
 塚田氏の発言は1日、北九州市で開かれた福岡県知事選の応援集会で飛び出した。
 副大臣室を訪れた吉田博美・自民参院幹事長から、安倍首相の地元の山口県下関市と、麻生氏の地元の福岡県を結ぶ「下関北九州道路」の国直轄調査について「これは総理の地元と副総理の地元の事業なんだよ」「俺が何で来たか分かるか」と言われたと紹介。「私は忖度しました」と断言した。
 下関北九州道路は、関門海峡を挟んだ下関市と北九州市を結ぶ「第3の関門道」として地元自治体や経済関係者などが長らく整備を求めている。財政難などを理由に2008年に凍結されたが、19年度から国の直轄調査が決まった。塚田氏は「今回の新年度の予算で国直轄の調査計画に引き上げました」とも強調していた。
 事実であれば、首相らに対する配慮で行政をねじ曲げたことになる。報道を受けて、塚田氏は翌日、文書で事実と異なる発言だったとして撤回、謝罪。3日には衆院厚生労働委員会などで「大勢が集まる会だったので、われを忘れて誤った発言をした」「忖度したことはないし、首相、副総理の地元だから特別な配慮をしたことはない」と釈明した。
 安倍首相も「有権者の前で事実と異なることを述べたのは重大な問題だ」と事実関係を否定する塚田氏の説明を追認。罷免要求に対しては「本人がしっかり説明し、このことを肝に銘じ職責を果たしてほしい」と否定していた。
 しかし、塚田氏の発言は極めて具体的で「われを忘れたことによる誤った発言」とはとても思えない。政府、国会は今後、関係者から事情を聴くなど調査を行うべきだ。
 仮に塚田氏の主張通り事実ではなかったとしても、発言は7日投開票の福岡県知事選の自民党推薦候補を応援する集会でなされている。さらに国の直轄調査は、選挙の対抗馬である「(現職)知事に頼まれたからではありません」とも述べているという。権限乱用による利益誘導で選挙戦を有利にしようとしたと見るのが自然だ。
 塚田氏があくまでも議員を辞職しないのであれば自民党が促す必要がある。昨年10月の内閣改造で「適材適所」として塚田氏を国交副大臣に任命した安倍首相が率先しなければならないことは言うまでもない。


[国交副大臣発言] 辞任で幕引き許されぬ
 安倍晋三首相と麻生太郎副総理の地元の道路整備を巡り、「忖度(そんたく)した」と発言した塚田一郎国土交通副大臣が辞任した。事実上の更迭とみられる。
 撤回したとはいえ、政治的な利益誘導を公の場で堂々と言い切ったあまりに不見識な発言であり責任は重大だ。更迭は当然で、むしろ遅すぎる。
 「安倍1強」の政治状況の下、政権のおごりと緩みが極まった感がある。本当に忖度など行政をゆがめる行為はなかったか。塚田氏を任命した安倍首相が率先して、事実関係の徹底解明に取り組むべきである。辞任で幕引きは許されない。
 発言は1日、北九州市で開かれた福岡県知事選の応援集会で飛び出した。
 塚田氏は、副大臣室を訪れた自民党の吉田博美参院幹事長から、安倍首相の地元の山口県下関市と麻生氏の地元の福岡県を結ぶ「下関北九州道路」の国直轄調査に関し、「これは総理の地元と副総理の地元の事業なんだよ」「俺が何で来たか分かるか」と言われたと紹介。「首相や副総理が言えないので、私が忖度した」と発言した。
 下関北九州道路は、2008年に財政難などの理由で国による調査が凍結されたが、19年度から国による直轄調査が決まった。塚田氏は「新年度予算で国直轄の調査計画に引き上げました」とも明言していた。
 事実とすれば、政権幹部への配慮で税金の使い道をねじ曲げたことになり、露骨な利益誘導と言える。
 報道を受け、塚田氏は翌日、事実と異なる発言だったとして文書で撤回、謝罪した。ならば、虚偽の発言をして有権者の歓心を買おうとしたのか。いずれにしても、政治家としてあるまじき言動である。
 理解できないのは、安倍首相が塚田氏の釈明を追認し、野党の罷免要求を重ねて拒否したことだ。首相は問題発言を繰り返す桜田義孝五輪相もかばい続けている。こうした身内に甘い姿勢が政権内に緩みを生んではいないか。
 森友、加計学園問題で首相側に対する官僚の忖度で「行政がゆがめられた」との批判を招いた安倍政権である。一連の問題で焦点となった「忖度」という言葉を不用意に使う軽率さもさることながら、野党に「利益誘導」との攻撃材料を与えたことは安倍政権にとって大きなダメージに違いない。
 あす投票が行われる統一地方選や参院選への影響を懸念する声が与党内に広がっていた。ここに来て更迭に踏み切ったのは、問題の幕引きを急ぎたいからにほかならない。
 だが、塚田氏の発言は極めて具体的で「われを忘れたことによる誤った発言」とはとても思えない。政府と国会は、関与を否定した吉田参院幹事長を含め、関係者から事情を聴くなど国民が納得するまで調査すべきである。


塚田氏地元「忖度暴露の功労者」「国とのパイプ、うそ」野党が攻勢
 公共事業を巡る「忖度(そんたく)」発言で副国土交通相を5日辞任した塚田一郎参院議員は、自民党新潟県連会長として統一地方選の陣頭指揮を執ってきたキーマン。それだけに、7日投開票の県議選や新潟市議選にとどまらず、自身の参院選への影響は必至だ。野党勢は自民を攻め立て、有権者からも厳しい声が上がっている。
 県内野党勢からは、塚田氏に議員辞職を求める声まで上がった。
 「これが安倍政権の本質だ。森友・加計問題から来る『忖度政治』の実情を暴露したという意味では彼は功労者なのでは」。社民党県連の渡辺英明幹事長は皮肉交じりにこう述べ、夏の参院選で3選を目指す塚田氏を「県民として恥ずかしい。これでも参院選に出るつもりか」とけん制した。
 黒岩宇洋衆院議員(新潟3区)も「『忖度した』ことを冗談交じりに言うなんて話にならない」と糾弾。「今回の失言で(参院選では)確実に10万票は減らしただろう。野党側はこれで勝利へのハードルが下がった」と期待感を示した。
 塚田氏は7日に投開票を迎える県議選と新潟市議選でも自民候補の応援に入っていたが、菊田真紀子衆院議員(新潟4区)は「私の選挙区でも『国とのパイプ』を強調していた。今回の忖度発言が本人の言うように『我を忘れて事実と異なることを言った』のであれば、『国とのパイプ』もうそになる」と指摘。「野党はこれからも『忖度する政治を変えよう』と主張していかなければならない」と語気を強めた。【南茂芽育】


[国交相 撤回取り消し]裁決の「公正さ」を疑う
 石井啓一国土交通相が、県による辺野古埋め立ての承認撤回を取り消す裁決を下した。
 沖縄防衛局が県への対抗措置として行政不服審査法に基づき審査請求していたもので、「県の撤回は違法」と判断された。
 昨年10月に撤回の効力が一時的に停止されたことに続く決定である。これにより行政上、仲井真弘多元知事の「埋め立て承認」が復活する。
 審査に際し県は、防衛局が私人の利益を救済する行審法を根拠に審査を求めたのは違法と訴えたが、「防衛局は一般私人と同様の立場で処分を受けた」とし退けられた。
 国の機関である防衛局が国の機関である国交相に対し審査請求したことも「法令の規定に基づくもので、制度の乱用ではない」と結論付けた。
 本当にそうなのか。
 防衛省に「普天間飛行場代替施設建設事業推進チーム」が設置された2015年以降、国交省から同省へ出向した職員が延べ18人に上ることが明らかになっている。承認撤回の効力停止にあたり文書決裁に加わった1人は出向中の幹部職員だった。
 撤回取り消しを受け、玉城デニー知事は「あたかも選手と審判を同じ人物が兼ねているようなもので『自作自演』だ」と批判した。
 国交相も防衛相も安倍内閣の一員として共通の国策を担っているのだから、まさにその通りだ。
 下された裁決は、県知事の裁量権を極端に狭めるような、都合のいい解釈である。
    ■    ■
 県が昨年8月、埋め立て承認の撤回に踏み切ったのは、新たに軟弱地盤や活断層の存在が判明したからだ。
 「マヨネーズ並み」といわれる軟弱地盤について、石井国交相は「安定性を確保して工事を行うことが可能であるとの鑑定結果を踏まえた」と説明し、改良工事による対応が可能との見解を示した。
 鑑定したのは地盤工学の専門的知見を有する研究者という。しかし改良は難しいとする専門家もおり、公正性と第三者性が保てる鑑定結果なのか疑問が残る。 
 本島周辺に生息する3頭のジュゴンのうち、個体Bと名付けられたジュゴンの死骸が発見されたばかりだ。残るAとCも18年秋と15年夏を最後に姿を見せていない。
 自然保護団体が土砂運搬船の影響など新基地建設との関連性を指摘しているにもかかわらず、裁決書は県の多方面からの訴えをことごとく退けている。ジュゴンAとCの広域調査や保護は行わず、工事の影響がないと言い切るのは説得性を欠く。
    ■    ■
 新基地建設を巡っては環境アセスの段階から、記載されるべき内容が記載されないなど多くの不備が指摘されてきた。情報公開と公平性の確保は当時から尾を引いている問題である。
 そもそも行審法は、強大な公権力から国民の権利救済を目的とした法律だ。
 今回の裁決で浮かび上がったのは、国が国に審査請求し一方的な解釈で裁決を下す、という制度そのものの欠陥である。


大学共通テスト  円滑実施へ不安が残る
 2020年度からの「大学入学共通テスト」導入に向けた試行テストの結果が公表された。
 試行テストは、高校生に実際に問題を解いてもらい、作問や採点の方法などの課題を探るのが狙いだ。
 思考力や判断力を重視するために新たに取り入れられる国語と数学の記述式問題で、正答率の低さや自己採点の難しさ、採点評価のぶれの可能性などの課題が改めて浮かび上がった。
 信頼性や公平性といった、入試の根幹に関わる重要な課題だ。受験生は不安を抱き、高校の先生たちは指導に困るのではないか。
 文部科学省と大学入試センターは責任を持って解決してほしい。
 課題の一つは、記述式問題の採点が、採点者によってぶれる可能性があることだ。
 記述式問題の採点は、大学入試センターが業務委託した民間業者が行う。約6万8千人が参加した今回は、2教科で約2千人が採点にあたり、センターがチェックした。その結果、80件の採点見直しがあった。
 国語で言葉の置き換えをどのように認めるかなど、調整に手間取ったためという。
 本番は50万人超が受験し、採点者も1万人を超える可能性がある。統一した採点方法をどこまで徹底できるのか、不安は拭えない。
 国語の記述式問題では、約3割の生徒が自己採点と実際の評価が一致しなかった。自己採点は志望校選びに直結する。明確で具体的な採点基準を早急に示すべきだ。
 計3問を出題した数学では正答率が3・4〜10・9%と低迷した。従来より問題の文章が増えたことなどが原因とみられる。
 大学入試センターは問題を簡潔にする方針という。だが、正答率を上げるため過度に修正すれば、記述式問題を導入した趣旨から外れかねない。
 試行テストについて同センターは「採点基準の論点は洗い出せた」としている。次はその論点をどのように本番に生かすかが重要だ。ぜひ公開し、高校にも意見を聞いてもらいたい。
 英語は24年から民間試験に全面移行する。民間試験は内容や形式が大きく違う。誰もが納得できる評価方法はあるのか。疑問は残ったままだ。
 民間試験は総じて受験料が高く、会場が実質的に都市部に偏る。家庭環境や居住地によって試験の公平性が失われる事態は絶対に避ける必要がある。


「令」は皇太子の「命令書」や「巧言令色」だとの声もある
 新元号の「令和」は、国民にはひとまずは受け入れられたようだ。共同通信社の緊急世論調査によると、73.7%が、「好感が持てる」と回答したそうだ。万葉集からの採用については、84.6%が評価すると答えたというのである。同時に内閣支持率も前回比9・5ポイントも上がって、52.8%になったというのだから、新元号発表のパフォーマンスは大成功という形になっているかに見える。
 つまり国内世論の左右両極に神格派と打倒派の人たちがいる。この両派はかつては7〜8%だといわれたが、今は4〜5%ではないかと推測されている。つまり残りの90%余の国民は、象徴天皇制を支持しているということになる。2016年の平成の天皇のビデオメッセージでの生前退位が90%以上の支持を得たが、あの数字が国民の総意を示している点が注目される。平成の天皇の生前譲位を支えた支持者の半数余が、令和を支持したといっていいのではないかと思われる。
 一見、令和をご祝儀として祝ったが、しだいにこの令という一語にシニカルな見方をする人々が増えそうな感じである。命令とか巧言令色の令とのイメージを払拭しない層もいるように思われる。加えて令旨のように、これはもともと皇太子の命令書をさすという研究者もいると聞く。こういう要素が絡むと元号の意味についてより専門的な分析が必要になるのであろう。
 新元号の発表がこうした政治的ショーのような形になるのも、これまでに例がない。現代日本は全てをショーとしてのみ込んでしまう空間なのかもしれない。それはともかくとして、こうした数字はある現象と結びつく。
 天皇に関する世論調査は、いくつかのメディアでも何年か置きに、定点観測ふうに行われている。それを確認していくと、右翼的解釈になるのだが、天皇を神とする人たちが一方に存在する。昭和10年代の教育がそうだったといえるのだが、そういう考え方が今もうかがえるということでもある。一方で左翼陣営の中に、天皇制打倒の確信を持つ政治的考え方が存在する。
 一方でこの新元号発表の儀式により、内閣の支持率が上がったわけだが、4月からの地方選やその後の参議院選挙などにどう影響するのかが、やがて明らかになる。新元号発表という内閣主催の儀式が国民にどう受け止められるのか、その結果も示されるといっていいのであろう。注目していきたい。


初の国書しかも万葉集…「令和」フィーバーは戦前そっくり
「我が国の豊かな国民文化と長い伝統を象徴する国書」――。安倍首相は新元号「令和」の典拠となった万葉集について、こう胸を張った。元号の典拠が「初の国書」だったことを強調していたが、実は、戦前にも似たようなことが起きている。皇子の名前の典拠に「初の国書」として万葉集が採用され、メディアが大フィーバーしていたのだ。
 万葉集が名付けの典拠だったのは、昭和天皇の7人目の皇子、1939年3月2日生まれの清宮(すがのみや)貴子内親王(現在の島津貴子氏)だ。国立国会図書館に記録が残る「東京朝日新聞」「東京日日新聞」「読売新聞」をチェックすると、同年3月9日付の各紙に礼賛記事が掲載されている。
「初めて萬葉集から」(東京日日)、「御ゆかしき御命名 萬葉から御選定」(東京朝日)、「特に萬葉から 聖慮畏し異例の出典」(読売)との見出しが躍る紙面からは、万葉集が出典となったことに世の中が狂騒する様子がうかがえる。
 当時は、日中戦争のきっかけとされる盧溝橋事件から2年後のこと。「産めよ殖やせよ国のため」の標語を掲げた「結婚十訓」が発表された年で、大戦に向かっていくさなかだった。当時の政府は国威発揚のために「漢籍」ではなく、「国書」を用いたのだろう。メディアも無批判に“大本営発表”を垂れ流していたわけだ。
■世間のムードは「中国憎し」
 まさに「令和」フィーバーに沸く現在とそっくりである。皇室の歴史に詳しい成城大教授の森暢平氏(ジャーナリズム論)はこう言う。
「清宮内親王の名付けがされた当時は、社会全体が『中国憎し』というムードでした。だから、清宮の名前の典拠を万葉集に求め、それを新聞が大々的に慶祝ムードで報じたことがナショナリズムの喚起につながった。今回の新元号選定過程では、安倍首相や周辺の意向が働き、万葉集が典拠になったと報じられています。元号発表セレモニー自体が政権に利用された側面があるのに、主要なメディアが礼賛報道ばかり続けている現状は、戦前と似た嫌な空気を感じます。歴代政権が漢籍を典拠にしてきたのは元号制定において中立性の担保になった。今回の決定は統一地方選のさなかでもあり、野党が反対できない元号制定で政治的アピールをしたことになんの批判もないのはおかしなことです」
 清宮内親王の誕生から6年後、日本は破滅に至ったのだ。お祝いムードばかり報じていてはダメなはずだ。


瀧被告にツイート連打「渦中の人物」石野卓球の“胸の内”
 ピエール瀧被告(51)の相方、電気グルーヴの石野卓球(51)の“つぶやき”が話題になっている。
 瀧被告が逮捕された直後は謝罪は一切なく「だとよ」と一言。石野は逮捕直後に渡欧、ネット上では「海外逃亡」と批判されたが「アホか! しばらく仕事キャンセルになってんのに日本にいる必要ある?」と返した。フォロワーからMDMAが好きなだけで謝らなきゃいけないのはどうか、という質問に「コカインです」と返し、「今日でツイッターやめます」とつぶやいたと思ったら18分後には再開。
 “ピエール叩き”に躍起になっているワイドショーを「猥奴ショー」と斬り、保釈が決定すると、「えー!? 死刑じゃないの?」「早く瀧に会いたいなー」とつぶやいた。芸能リポーターの川内天子氏がこう言う。
「渦中の人物でありながら、海外からいちばん俯瞰で成り行きを見ているのが石野さんです。遡ってSNSを見ると、キャラが全くブレていないし、SNSでどうやれば炎上するか分かっていながら上手にさばき、ピエール瀧さんの戻る場所をあたためて待っている。奇行というよりむしろ、長年連れ添った瀧さんへの愛を感じます」
 待ってくれている相棒がいる瀧被告は幸せ者だ。


殺人未遂不起訴 捜査は適正だったのか
 殺人未遂の疑いで逮捕された後、不起訴処分になった松本市の女性が記者会見して無実を訴えた。不当な捜査と勾留によって人権を侵害されたと警察や検察、裁判所を批判している。
 身柄の拘束は23日間に及んだ。経営する飲食店を休業せざるを得なかった上、犯人視する情報がSNSやインターネットで拡散されたという。実名で顔を出して会見に臨んだ女性は、ほかに被害回復の方法がないと述べた。
 逮捕、拘束されたことによって被る損害や社会的な不利益は大きい。起訴されなければ済む話ではない。地検は不起訴の理由を本人に告げていない。県警が「コメントはない」としたことを含め、捜査当局の姿勢は誠実さを欠く。
 憲法は、刑事手続きの適正さを確保し、人身の自由を守るため詳細な規定を置いている。長く勾留して取り調べる必要はあったか。逮捕したこと自体に問題がなかったか。捜査のあり方が問われる。地検、県警は説明すべきだ。
 女性は、店の従業員2人とともに2月に逮捕された。従業員と共謀し、客の男女に覚醒剤が入った飲み物を飲ませて殺害しようとした容疑だった。その後、従業員の1人は殺人未遂で、もう1人は傷害罪で起訴されている。
 女性は勾留期限の3月初めに処分保留で釈放され、29日に不起訴になった。殺人未遂という罪の重大さからすれば、容疑事実がありながら検察の裁量で起訴を見送る起訴猶予とは考えにくい。
 不起訴処分にはほかに、犯罪を認定できない「嫌疑なし」、証拠がそろわない「嫌疑不十分」などの場合がある。地検が実際にどう判断したのかは分からない。刑事訴訟法には、不起訴理由を告知する明文の規定がない。
 被害回復のための仕組みも乏しい。裁判で無罪になった人に対しては、憲法に基づいて国が補償することが刑事補償法で定められている。けれども、被疑者として身柄を拘束されて不起訴になった場合は、その対象にならない。
 別に補償規程はあるものの、法務省の内規にすぎず、判断は検察に委ねられている。嫌疑なしなら補償を受けられる一方、嫌疑不十分や起訴猶予のときは受けられず、不服申し立てもできない。
 補償の法制化を求める意見は以前からある。裁判で無罪になった場合と同じように法的な請求権を認めるのは難しいとしても、捜査権限の行使によって生じた被害をどう回復するか。制度のあり方にあらためて目を向けたい。


過度な返礼品 国の規制も「行き過ぎ」だ
 過度な「返礼品」は確かに問題だが、それを力ずくで抑え込もうとする国の姿勢も「行き過ぎ」ではないか。
 ふるさと納税を規制する改正地方税法が成立した。返礼品の過当競争を防ぐのが目的だという。改正法は、返礼品を「調達費が寄付額の30%以下の地場産品」と定めた。
 では「地場産品」とは何か。「自治体の区域内で生産された物品やサービス」と「これらに類するもの」という。改正法は「寄付金募集の適正な実施」も求めており、違反した自治体は制度の対象外とする。
 そもそも地方税法を改正してまで法律に書き込むべき事柄なのだろうか。素朴な疑問を禁じ得ない。さらに驚くべきなのは、改正法成立を受けて総務省が公表した税制優遇の対象となる自治体の指定手続きである。
 引き続き制度に参加を望む自治体は、改正法の基準に適合していると証明する書類を添え、総務省に申請しなければならない。総務省は書類を確認した上で対象自治体を告示する。指定の効力は原則1年で、更新制にするという。国(総務省)のお墨付きを得た自治体だけが、ふるさと納税制度を活用できる。事実上の国家統制的な許可制と言っても過言ではあるまい。
 高級和牛やギフト券など返礼と言うには豪華、過度な品が制度の趣旨をゆがめたのは事実だ。法改正に至るまで、総務省が一定の基準を示し過当競争に走る自治体を戒めてきた経緯もある。だからと言って「言うことを聞かないなら法律で縛る」という手法は乱暴ではないか。
 しかも地方自治に関わる問題である。国と地方を上下・主従の関係と見なした、地方分権改革以前の時代に逆戻りしたかのような印象さえ受けてしまう。
 過当競争の背景には、税収不足に悩む地方自治体の窮状がある。地方全体でみれば、ふるさと納税で地方の自主財源が増えるわけではない。限られた地方税収の奪い合いである。本来なら、地方全体が潤うよう税財源を国から地方へ移譲するという分権改革を議論すべきなのに、国の規制権限が強化されるとは本末転倒ではないか。
 法律で規制せざるを得ない状況であれば、むしろ返礼品は全廃した方がすっきりする。
 被災地支援にふるさと納税を活用する。そんな寄付文化が根付いた側面はある。他方、返礼品を規制しても元手は地方の税収となるはずだった税金だ。富裕層の節税対策に使われているとの批判や、行政サービスを受ける人が費用を負担する「受益者負担」の原則に照らして問題視する声も根強い。やはり制度の抜本的な見直しが必要だ。


「24時間あける必要ない」コンビニオーナーの不満爆発 WBSで紹介された「本部だけが馬鹿みたいに利益を出してる」という声
24時間営業の見直しで揺れるコンビニ業界。セブンイレブンジャパンは4日、永松文彦副社長を8日付けで次期社長とする交代人事を発表した。今回の会見で永松氏は、「経営者が直接コミュニケーションすることが重要」と話したが、これを聞いたコンビニオーナーの反応は冷ややかだ。
同日放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)は、加盟店オーナーを取材した。東京・八王子市で40年あまりセブンのフランチャイズ店を経営してきたオーナーのMさんは、
「個別にコミュニケーションを、など抽象的な言葉を言われても、現実にどういう方向に持って行くか言わないと判断のしようがない」
などと不満を口にしていた。(文:okei)
「労働時間が決められない個人事業主」の矛盾
オーナーをいら立たせるのは、店舗が赤字でも本部は利益を確保できるというやり方だ。加盟店は粗利の約半分(店舗によって率は異なる)をセブン本部に納めているため、夜間は人件費で赤字になってしまう。Mさんは、
「1時間あたり5人のお客さんのために、なんで人間がじっと店番をしなくてはいけないのか」
「一個でも売れればチャージ(利益)が取れる本部と、売るために人件費をかけなければならない店との利益相反です」
と語り、冷静に考えて夜中に店を開ける必要はないと訴える。
「はっきり言わせて頂ければ、24時間体制のビジネスモデル自体が限界にきている。何らかの形でビジネスモデルを変革していかないと、この問題は後を引くと思います」
しかし経営陣は会見で、「長年培ってきたブランド毀損するリスクがある」と、24時間営業を基本的に貫く姿勢をみせた。「加盟店オーナーから時短営業の申し出があるのは96店で、全体の約0.5%」で、実際に24時間営業をやめたい店はわずかだという。
これに解説キャスターの山川龍雄氏が、「わずかならば選択制にすればいい」と会見場で問い詰めると、井阪隆一社長は「私たちの収益性というよりは、加盟店の収益性だと思う。それで生活されているので」と、あくまで加盟店オーナーを守る立場を強調した。
オーナーの利益を守るためならば、オーナーの裁量権をもう少し認めるべきではないのか。山川氏は後に、加盟店オーナーは個人事業主だが、「営業時間の裁量権を与えられていない人が、独立した経営者と言えますか?」と矛盾を非難している。
夜間の人手不足を補うためオーナー自らが連続夜勤するケースもあり、働き方がブラック企業の末端労働者と変わらないと感じてしまう。
「夜間の時給アップの分は本部が出せばいいのでは」という声も
問題は、人手不足や24時間営業だけではない。セブンイレブンはこれまで同じ商圏に新店舗を次々に増やし拡大してきた。経済が成長続きの時代ならそれでもよかったが、結局客やスタッフの奪い合いで過酷な経営に追い込まれる加盟店が出ているのだ。前出のオーナー・Mさんは、
「本部だけかあんな馬鹿みたいに利益を出して、加盟店がこんなに苦しんでいる。おかしくないですか、ということ。ようするに公正な所得の分配にしてほしい」
と番組で訴えていた。
「24時間営業」はネットを中心に世論でも疑問視されている。議論の発端となった大阪の加盟店オーナーは先月、人手不足を理由に夜間営業を短縮しセブン本部から契約違反と指摘され物議を醸した。その後、この加盟店は契約解除も違約金請求もしないと発表があった。
ツイッターでは「全店が24時間営業じゃなくても全然だOKだと思う」「夜間の時給アップの分は本部が出せばいいのでは」といった意見も上がっている。


ゴーン氏再逮捕 異例の判断 検察の説明が不可欠
 東京地検特捜部は、会社法の特別背任容疑で日産自動車のカルロス・ゴーン前会長の4回目の逮捕に踏み切った。最初の逮捕以降、108日間にわたって身柄拘束され、1カ月前に保釈されたばかり。特捜部が手掛けた事件で、いったん保釈が認められた後に再び逮捕されるのは異例だ。
 事件は国際的にも注目を集めた。長期間、身柄拘束する日本の刑事司法に批判が強まっている。今回も逮捕ではなく、在宅のまま追起訴する選択肢もあったはずだ。ゴーン容疑者は近く会見を開く意向を示しており、弁護人は「逮捕は口封じだ」と非難している。特捜部の対応が再び問われるのは必至で、こうした厳しい見方を謙虚に受け止める必要がある。一連の判断について説明を求めたい。
 再逮捕容疑は、ゴーン容疑者が2015年12月〜18年7月、アラブ首長国連邦にある日産子会社からオマーンの販売代理店に支出させた資金の一部を、自分が実質的に保有する預金口座に送金させ、日産に約5億6300万円の損害を与えた疑い。
 資金の一部は、ゴーン容疑者の妻側に流れ、家族で使う高級クルーザーの購入代金に充てられたほか、息子が最高経営責任者(CEO)を務める米国の投資会社に渡った疑いがあるという。事実であれば、会社の私物化は色濃い。
 ゴーン容疑者は有価証券報告書に自分の役員報酬を少なく記載したとして2回逮捕された。さらに私的な投資の損失を日産に付け替えたとして特別背任容疑で再逮捕され、今年1月までに全て起訴されている。
 役員報酬の虚偽記載は「形式犯」との指摘があり、損失の付け替えも日産に実損は発生していない。証拠として弱く立証も難しいとの見方がある。特捜部が、より悪質で背任性が高い容疑での立件を迫られていたのは間違いない。
 ただ、検察内部には4回目の逮捕に消極的な意見もあったとされる。ゴーン容疑者は、住居の出入り口に監視カメラを設置するなど厳しい条件で保釈されていた。再三の拘束は、国際社会から人権侵害との批判が再燃する恐れがある。現地の販売代理店の捜査協力拒否が逮捕のきっかけとされるが、ゴーン容疑者に証拠隠滅の恐れや動きがあったのか、特捜部は明らかにするべきだ。
 東京地裁はゴーン容疑者の勾留を認める決定をした。今後はどこまで勾留期間を認めるかが焦点となる、保釈を認めた先月の地裁決定は否認を続けると勾留がなかなか解かれない「人質司法」の現状に一石を投じた。
 長期勾留は精神的、肉体的に追い詰められ、捜査機関の取り調べに迎合しやすくなる。冤罪(えんざい)の温床になりかねず、是正が不可欠だ。裁判所は検察側の意向をただ追認するのではなく、勾留の必要性をしっかり吟味し、事件の解明と厳正な司法手続きに力を尽くすべきだ。


仏外相「日本の主権を尊重、推定無罪原則にもこだわる」 ゴーン容疑者再逮捕で
 フランスのルドリアン外相は6日、河野太郎外相との5日の会談で日産自動車前会長カルロス・ゴーン容疑者の再逮捕に関し「フランスは日本の主権と司法の独立を尊重するとともに、推定無罪の原則にもこだわると伝えた」と明らかにした。
 ルドリアン氏は、日本のフランス大使館がゴーン容疑者に在外国民としての保護を提供し続けることにも言及したという。
 河野氏は訪問先のフランスで6日、ゴーン容疑者の再逮捕によってフランスとの関係が悪化することはないとの認識を示した。「日仏関係に何か影響があることは全くない」と述べた。記者団の質問に答えた。


イチローに国民栄誉賞を断られ安倍政権が赤っ恥! 国民栄誉賞の不公平な政治利用には村田諒太も苦言
 イチローが国民栄誉賞を辞退した。菅義偉官房長官が明かしたところによると、代理人を通じて内々に国民栄誉賞授与を打診したところ、辞退の申し出があったのだという。
 イチローが3月に引退して以降、イチローを「令和」第1号の国民栄誉賞として、大々的にアピールしようと目論んでいた安倍政権は、あてが外れた格好だ。
 周知のとおりイチローは、メジャーリーグで首位打者と盗塁王、MVPを獲得した2001年、最多安打記録を更新した2004年と、過去2回国民栄誉賞を打診されているが、いずれも断ってきた。にもかかわらず、官邸が3度目のアプローチ。「今回は受けてもらえる」と踏んでいたようだ。
「過去2回は辞退理由が『現役だから』だったため、引退した今回は受けてもらえると期待していたようです。しかも、官邸が注目したのは、第二次安倍政権発足直後、イチローが日経新聞のインタビューに応じ、日本の技術の海外流出を危惧する文脈で『安倍首相のことを応援している。頑張ってほしい』と発言していたこと。地方統一選に参院選、場合によっては衆参ダブル選、と選挙が目白押しなだけに、イチローに国民栄誉賞を受賞し安倍首相とイチローのツーショットを撮って、大々的にアピールしようと考えたようです」(全国紙官邸担当記者)
 だが、その目論見は完全に外れた。イチローは辞退の理由として「人生の幕を下ろした時に頂けるよう励みます」とコメントしているが、これは建前にすぎない。政治信条的には安倍政権に近い可能性もあるイチローだが、それとは関係なく、自分のスポーツ選手としての業績や価値が「国民栄誉賞」というかたちで利用されることを嫌ったのだろう。
 実際、安倍政権になってからの国民栄誉賞は露骨なまでに政治利用の道具と堕している。
 まず目を見張るのが、その乱発ぶりだ。国民栄誉賞は1977年の第1号の王貞治に始まって、これまで合計27組に授与されているが、そのうち1/4を超える7人が第二次安倍政権下での授与と突出している。
 しかも、安倍政権下での人選は基準が曖昧で、まさに安倍政権の「政権浮揚」「人気取り」に利用できる有名人を恣意的に選んで与えているとしか思えないのだ。
 典型が、2013年5月、プロ野球の長嶋茂雄と松井秀喜のダブル授賞だ。このときも「この2人よりも大記録を達成した選手はほかにたくさんいる」「メジャーリーグでの活躍なら、まず野茂英雄だろう」など異論が噴出した。
「実際、このときは夏の参院選に向けてPRに利用しようとしているのが見え見えでした。しかも、読売グループのドン・ナベツネに政権の後ろ盾になってもらうために、御機嫌とりでジャイアンツの2大有名選手に国民栄誉賞を与えたのではないか、という声もあった」(政治評論家)
 しかも醜悪だったのは、そんな批判をものともしない安倍首相の自己PRぶりだった。このときは、授与式が東京ドームで行われたのだが、授与直後の始球式にまで安倍首相は参加。長嶋がバッターボックスに立ち、松井がピッチャーを務めるなか、安倍首相も巨人のユニフォーム姿で審判役を務めたのだ。この模様はテレビでも生中継され、その年の夏に控えた参院選に向けたアピールに大いに利用された。
羽生結弦選手にだけ国民栄誉賞を与えた基準の曖昧さと恣意性
 さらに矛盾があらわになったのは、2018年7月に授与されたフィギュアスケートの羽生結弦選手のときだ。
 平昌五輪で羽生選手が金メダルを決めると、安倍首相はその夜、マスコミをかき集めて羽生選手へ祝福の電話をする姿を報じさせ、内々ではすぐに国民栄誉賞授与の検討に入った。そのため平昌五輪直後から羽生選手に国民栄誉賞が授与されるのではという観測は広がっていた。
 しかし、一方では、羽生選手だけに国民栄誉賞を授与する根拠がまったく見当たらないとの意見も根強かった。平昌五輪では、スピードスケートの高木菜那選手が二つの金メダルを獲得するなどの活躍が続出したし、連覇についても、オリンピック2連覇を成し遂げたアスリートは、北島康介、内村航平選手など他にもいる。これまで、オリンピック選手で国民栄誉賞を受賞したのは、3連覇の吉田沙保里、4連覇の伊調馨選手だけ。3連覇した柔道の野村忠宏ですら受賞していない。
 ところが、安倍政権は、羽生選手への国民栄誉賞授与を異例の早さで決定。しかも、その第一報は3月2日の読売新聞で、記事には「政府関係者が1日、明らかにした」とあった。3月2日といえば、朝日新聞が財務省の森友文書改ざん問題をスクープした日。新たな不正発覚から目をそらすために、政権が読売にリークしたのではないかと取りざたされた。
 政権浮揚や不正を糊塗するため人気あるスター選手へ「不公平」に国民栄誉賞を乱発する。本来どんな状況にあっても公平な基準がなければならない行政府のやることとはとても思えないが、特区や認可事業でまでお友だち優遇をやっている安倍政権らしいともいえる。
 しかし、こうした露骨な政治利用には、当のスポーツ選手からも異論が出たことがある。
 ボクシングの村田諒太選手だ。村田選手といえばロンドン五輪で金メダルを獲得後にプロ転向。2017年にはWBA世界ミドル級王者となったが、オリンピックメダリストがプロでも世界王者となるのは日本初の快挙だった。
村田選手が「企業や政治的に広告としての価値で判断」と批判
 そんな村田選手が、羽生選手に対し国民栄誉賞を授与することを検討しているという報道があった直後、東京新聞のコラムでこの件に触れ、〈五輪の価値とは競技レベル(競技人口、普及率等)ではなく、企業や政治的に広告として価値があるかどうかなのかと考えさせられる、いらないオマケのついた平昌五輪でした〉と批判。さらに、「週刊新潮」(新潮社)4月19日のインタビュー記事でも、国民栄誉賞に強く疑義を呈した。
「リオで多くの金メダリストが誕生しましたが、レスリングの伊調馨選手以外、国民栄誉賞は与えられなかった。ところが、平昌では目立ったからと、羽生結弦、小平奈緒両選手が検討されると報じられました(実際の授与決定は羽生のみ)。企業や政治的に広告としての価値があるかどうかで判断しているようだった」
 念のため言っておくと、村田選手はこのとき、羽生選手に授賞するなと言ったわけでも、単なる印象論で国民栄誉賞を批判したわけでもない。「週刊新潮」のインタビューでヴィクトール・フランクルの『夜と霧』についても語っているように、むしろ逆で、村田選手は「公平性とは何か」を高いレベルで考えたうえで、国民栄誉賞を批判していた。
 今回、イチローが国民栄誉賞を断った背景に、村田選手のような普遍的で深い考えがあったかどうかはわからないが、少なくとも、日本のスポーツ界における最大のヒーローが安倍政権の政治利用を拒否したことは、歓迎すべきことだろう。
 実際、イチローが国民栄誉賞を断ったあと、『ひるおび!』(TBS系)で八代英輝弁護士が「ほしくないにきまってるじゃないですか」
とコメントするなど、安倍応援団的ワイドショーでも、国民栄誉賞を送ろうとした安倍政権のほうが批判されるような状況になっている。また、立川志らくが「(イチローは)国民栄誉賞以上のものをもらってますから」とコメントするなど、国民栄誉賞の価値の低さも完全にあらわになってしまった。
 もともと、スポーツ界は数ある分野の中でもっとも政治利用されるケースが多い。実際、安倍政権下での国民栄誉賞受賞者7人のうち5人がスポーツ選手だし、橋本聖子参院議員、馳浩・元文科相らを筆頭に、スポーツ選手が政治家に転身する例も少なくない。これは日本のスポーツ界に脈々とある体育会的パターナリズムが一因だろう。
 スポーツ選手からも尊敬を集めているイチローの今回の行動が、こうしたスポーツ界の政治利用に歯止めをかけるきっかけになればいいのだが……。


米紙、日本の消費増税をやゆ 「安倍首相は景気悪化を決心」
5日付の米紙ウォールストリート・ジャーナルは、日本で10月に予定される消費税率引き上げについて「安倍晋三首相は増税によって、景気を悪化させようと決心しているように見える」とやゆする社説を掲載し、安倍氏にとって「増税は自傷行為になろう」と皮肉った。
 社説は、日銀企業短期経済観測調査(短観)など日本の経済指標はさえない内容だと指摘。輸出頼みの日本経済は中国や欧州など世界経済の減速の影響を受けやすいと強調した。
 また、アベノミクスの「第3の矢」とされる成長戦略が「全く始まっていない」と断じ、これが「投資と生産性の伸びの重荷だ」と批判した。


飼い猫は自分の名前聞き分ける 上智大准教授らが英科学誌に
 英科学誌サイエンティフィック・リポーツは4日付で「猫は自分の名前と他の言葉を聞き分けられる」という内容の日本人研究者の論文を掲載した。
 論文を執筆したのは、上智大の斎藤慈子准教授らのグループ。論文や上智大の発表によると、実験では家庭で飼われている猫に、猫の名前と同じ長さやアクセントの「一般名詞」などを四つ続けて聞かせた後で「自分の名前」で呼び掛けた。「自分の名前」を聞いた際には耳や顔を動かすなどの反応が大きくなる傾向が見られたという。同居する他の猫の名前とも区別できたほか、飼い主以外の声でも自分の名前を聞き分けることができた。
 論文では「猫の名前が、食べ物や遊びといったご褒美、あるいは動物病院や風呂などの罰を連想させる可能性があることを示唆している」と分析している。また、「猫のこの能力は特別な訓練の結果得られたものではなく、人との日常的な関わりの中で得られたもの」とした。
 家庭で飼われている猫だけではなく、猫カフェでも実験をした。猫カフェの猫は自分の名前と「一般名詞」との区別はできたものの、同居する他の猫の名前との区別はできなかった。【横山三加子】


京大「変人講座」が本に 「『ちょっと変』が許されない息苦しさ」から発案、人気広がり
 自由な学風で知られる京都大で、一風変わった個性的な研究者や学生を「変人」として紹介する講座が2年前から続き人気を呼んでいる。中心となる教員らが、講義の内容をまとめ、今月17日に「京大変人講座」(三笠書房、1728円)を出版する。
 講座を企画したのは、大学院人間・環境学研究科の酒井敏教授(地球物理学)。「本人は自分の事を変人と思わず、いたって真面目。でも、周囲から見るとちょっと変。生物の進化と同じで、微妙な変化の積み重ねが、ぶっ飛んだ進化につながる。そうした『ちょっと変』はとても重要」。「変人」に着目する意義をこう語る。
 近年は学内でもコンプライアンス(法令順守)が厳しくなり、大学の法人化により、合理化が進行。酒井さんは「『ちょっと変』が許されない息苦しさ」を痛感し、「最近の京大生がおとなしくなって自己規制をかけている」ことにも危機感を抱いたという。私大などで教員を務めるタレントの越前屋俵太さん(57)にナビゲーターを依頼し、2017年に有志で講座を開始。じわじわ人気が広がり、最近は毎回300人ほどが集まる盛況ぶりだ。講座は誰でも参加可(無料)で、3割程度が京大関係者という。
 本にはこれまで講師を務めた変人の研究内容を収録。「お客さまは神さま」ではない!(サービス経営学・山内裕准教授)▽安心、安全が人類を滅ぼす(法哲学・那須耕介教授)▽人は「不便」じゃないと萌(も)えない(システム工学・川上浩司特定教授)――など6章で、山極寿一学長と越前屋さんの対談も掲載。初回2万2000部を発行する。
 酒井さんは3月発売の「京大的アホがなぜ必要か カオスな世界の生存戦略」(集英社新書)でも「変人」の重要性を考察。「京大では変人・アホは文化だ。変人こそがイノベーションを追求する企業・組織には必要」としている。参加申し込みは講座のホームページから。【菅沼舞】

新幹線予約・高い/書籍依頼/マンゴーのわがままメール

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南気仙沼小学校_190310

Carlos Ghosn : retour en prison au Japon
Depuis le début de la journée du jeudi 4 avril, Carlos Ghosn est de nouveau derrière les barreaux à Tokyo (Japon). L’ancien grand patron se voit reprocher un nouvel abus de confiance.
Très tôt dans la matinée du jeudi 4 avril, une trentaine d’enquêteurs ont débarqué au domicile de Carlos Ghosn à Tokyo (Japon). Pour intervenir à l’abri des regards, ils masquent l’entrée du bâtiment. Interpellé, l’ancien patron est conduit au parquet de Tokyo, puis transféré dans le centre de détention où il avait déjà passé plus de 100 jours au cœur de l’hiver.
Des accusations déjà portées par Nissan et Renault
L’ancien PDG de Renault-Nissan se voit reprocher un nouvel abus de confiance. Il aurait fait transférer des fonds vers une filiale Nissan à Oman. Une partie aurait ensuite transité vers le fonds d’investissement de l’un de ses amis, au Liban. Cet argent aurait servi à acheter un yacht et à investir dans une start-up dirigée par son fils. Ces accusations, Renault en France et Nissan au Japon, les portaient depuis des semaines. L’avocat du PDG dénonce une alliance entre la justice japonaise et les constructeurs automobiles afin d’alourdir les charges contre son client.
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中居正広のキンスマスペシャル【志村けんが涙…いかりや長介への想い】
令和だョ!全員集合!昭和、平成を笑わせた男、志村けんが見せた涙…いかりや長介への強い思い…ドリフ秘話…東村山音頭…カラス…ひげダンス…中居と語るドリフとSMAP 中居正広 大竹しのぶ 假屋崎省吾 室井佑月 (他) 安住紳一郎(TBSアナウンサー)  ◇番組HP http://www.tbs.co.jp/kinsma/
Mme.tomoko @kamakura_salon
万葉集は、隠語だらけ。あの頃、口に出せば命すら危うい時代、優雅な歌に隠して底辺の人や反藤原の人の歌が…。最初が皇位継承権のなかったのに、身内を殺しまくって即位した雄略天皇の歌で始まり、雪(白梅)が降ったから新しい年は良いことがあるようにと最後の歌、アレは一冊丸ごと政権批判
南三陸日記
三浦英之
朝日新聞出版
2012-03-30


KOBO 鎮魂歌(レクイエム)
南三陸町には、昨年の夏、ボランティアで訪れたこともあって本書を手に取りました。
朝日新聞に掲載されていたコラムとのことですが、私は本書で初めて読み、心打たれました。
震災から一年間の南三陸町の人々の心の有り様を、そっと隣に寄り添うような文章で伝えてくれています。
被災地には、文字通り必死の思いで生き残り、その後も、悲しみを抱えながら、それでも前を向いて歩いていこうと頑張っている人が沢山いるのですね。
復興が遅れているのは、政治家や役人だけのせいだけではなく、自分達のような被災地から離れた地域に住む一般の人々の関心の低下にも原因があるような気がします。
是非、一人でも多くの方に本書を読んでいただき、被災地の現実に関心を持ってもらえたら、と思います。

K 写真と文章の組み合わせが秀逸
あまり期待せずに図書館で読みましたが、こういう本のために私の払った税金が使われて良かったと思います。でも、図書館に入っているがために、印税には、寄与できずもうしわけありません。
短い文章と見開きの写真。との組み合わせであっというまに読めてしまいますが、南三陸に常駐しなければかけない文章です。そして、短いけれど、非常に心に響くのは、多くの時間を過ごして知った内容をこの短い文章に凝縮しているからでしょう。
巨大なホテルが水の出ないまま、避難所になっているなど、通常の報道の絵につかわれる体育館に一面に避難者が寝ている光景とは違う、「避難所」など、報道されないが故にしられない内実にも迫ってほしいと思いました。


新幹線予約しました.でも高いです.仕方ないかな.
一方でゴタゴタになりそうな書籍依頼をしました.
マンゴーのわがままメールが来て,その後いらない,って.わがまますぎるよ.でもあわてぶりがおかしいです.

復興拠点連絡道路26日全通 志津川の3団地結ぶ
 南三陸町は4日、東日本大震災で被災した志津川地区で整備中の町道「復興拠点連絡道路」が26日に全線開通すると発表した。町が防災集団移転促進事業で高台に造成した志津川東、志津川中央、志津川西の3団地が結ばれる。
 最後に残っていた西工区は、西団地から国道398号の志中大橋交差点までの約120メートル。同工区の工事が完了して復興拠点連絡道路が全線開通することで、西団地から中央団地近くのショッピングセンターや、東団地周辺の町役場に向かうアクセスが容易になる。
 佐藤仁町長は4日の定例記者会見で「町の環状線として工事を進めてきた道路。生活の利便性向上が図られる」と述べた。
 復興拠点連絡道路は2013年11月に着工し、総延長約2.4キロ。総工費約34億9000万円には国の復興交付金を充てた。


<東北DC>震災10年の節目、知事ら「全力で協力」
 東北6県で2021年4〜9月に開催されることが決まった大型観光宣伝「東北デスティネーションキャンペーン(DC)」は、広域かつ6カ月に及ぶ前例のない取り組みになる。誘客実現には関係機関の利害を超えた連携が欠かせない。6県のトップらは期待と決意を示した。
 21年は東日本大震災から10年の節目に当たり、国の復興・創生期間(16〜20年度)の終了直後。吉村美栄子山形県知事は「震災を経て東北は経済と観光も一体と実感した。DCに向けて力を合わせ大きな花を咲かせたい」と歓迎。内堀雅雄福島県知事は「根強い風評が残る中、懸命に努力する姿を国内外に見てもらう機会にしたい」と話す。
 特に期待が大きいのは、訪日外国人旅行者(インバウンド)への訴求効果だ。観光庁の宿泊旅行統計によると、18年の東北6県の外国人延べ宿泊者数(従業員数10人以上の宿泊施設)は過去最高の約121万人で、前年比の伸び率は全国トップの25.6%を記録。一方、国内全体に占める割合は1.5%にとどまり、首都圏や関西圏に大きく水をあけられた状況が続く。
 仙台空港から入国し各地を周遊するなど、インバウンドは県境をまたぎ、広域で動く。自治体間のみならず、新幹線や在来線、航空路線、クルーズ船、高速バスといった交通機関も含めた横断的な連携による仕掛けが欠かせない。
 前例のない連携にいかに実効性を持たせるか。「復興に伴い広域的に移動できるインフラ整備が進んだ。多くの人に利用してほしい」と達増拓也岩手県知事。村井嘉浩宮城県知事は「旅行者を宮城に囲い込まず、いかに東北全体に誘うかという仕組みづくりに全力で協力する」と強調する。
 6県の官民でつくる東北観光推進機構の小縣方樹会長は「画期的なDC。未来を見据え、オール東北で大きなチャンスを大成功に導きたい」と力を込めた。


最後の調査捕鯨、石巻・鮎川から出港
 太平洋沿岸域のミンククジラの生息状況を調査する小型捕鯨船4隻が4日、石巻市の鮎川港を出港した。7月に商業捕鯨が31年ぶりに再開されるため、調査捕鯨は今回が最後となる。
 石巻市や和歌山県太地町などの小型捕鯨船が参加し、5月下旬まで計80頭を上限に鮎川沖と八戸沖で捕獲する。調査海域は海岸から約100キロ。生息数や体長、体重、年齢、胃の内容物などを調べ、捕獲枠算出の精度向上に必要な情報を集める。
 調査は日本鯨類研究所(東京)が主管し、地域捕鯨推進協会(福岡市)が実施。4月下旬まで鮎川沖で、5月は八戸沖で操業する予定。6月にオホーツク海沿岸域へ移り、さらに47頭を上限に捕獲する。
 調査団長の磯田辰也・同研究所主任研究員は「鯨類資源を持続的に利用するため調査を続けてきた。商業捕鯨再開後も研究は引き継がれていく。今回の調査でも質の高いデータや標本を採集したい」と話した。
 日本政府は昨年12月、国際捕鯨委員会(IWC)からの脱退を通告した。7月1日に商業捕鯨を再開し、領海と排他的経済水域でミンククジラ、イワシクジラなどを捕獲する。南極海や北西太平洋での調査捕鯨は取りやめ、今後は商業捕鯨と並行して調査する。


河北春秋
 東京地検特捜部は覚悟の上で勝負に出たのか。日産自動車のカルロス・ゴーン前会長(65)が中東オマーンの販売代理店側に支出された日産の資金を流用し多額の損害を与えたとして、会社法違反(特別背任)の疑いで再逮捕された▼ゴーン容疑者は自身のツイッターで11日に記者会見すると公表していた。東京拘置所に108日間も拘留され、先月6日に保釈されたばかり。「口封じ」と指摘されることは想像がつく▼案の定、弁護団の弘中惇一郎弁護士は「あってはならない再逮捕だ」と批判した。保釈後に再び逮捕・拘束されるのは異例。容疑を否認している容疑者が保釈されたのも、また異例という。事件は異例ずくめの展開になってきた▼逮捕は最初の昨年11月以降、4度目。「有価証券報告書に自分の役員報酬を少なく記載した」「私的な投資の損失を日産に付け替えた」。起訴内容が次々明らかになり、「犯罪者」であるかのようなイメージが先行してしまった。弁護団は保釈後、一刻も早く本人の記者会見を開くべきではなかったか▼弁護団も巻き返す。弘中氏によると、ゴーン容疑者は再逮捕前に一連の事件について説明する動画を撮影しており、近く公開するという。「最強弁護団」と「最強捜査機関」の闘い。目が離せそうにない。

ゴーン氏再逮捕/「口封じ」に見える強引さ
 「人質司法」として国内外から批判された特異性を、改めて感じさせる。東京地検特捜部はきのう新たな会社法違反(特別背任)の疑いで、日産自動車前会長のカルロス・ゴーン容疑者を再逮捕した。
 中東オマーンの販売代理店側に支出された日産の資金を流用し、約5億6300万円の損害を与えたという容疑だ。逮捕は4回目となる。
 ゴーン容疑者は最初の逮捕から108日間にわたり身柄拘束され、3月6日に保釈されていた。特捜部が手掛ける事件で、保釈された被告を再逮捕するのは異例だ。
 住居に監視カメラを置き、相手先を限定した携帯電話しか認めないなど、保釈には行動を厳しく制限する条件がついた。新たな立件は、身柄を拘束せず追起訴で十分との指摘もある。
 ゴーン容疑者は再逮捕前日、開設した自身のツイッターで「何が起きているのか、真実をお話しする」として11日の会見開催を公表していた。その直後の再逮捕は「口封じ」と見られても仕方がない。強引な印象を与え、再び日本の司法制度への議論が高まる可能性もある。
 4回目の逮捕は、検察が会社の私物化を強く印象づける狙いがあるのだろう。過去3回の逮捕容疑では有罪に持ち込めない可能性が高いことを示しているとの見方がある。
 最初の二つの容疑は、有価証券報告書に役員報酬を少なく記載したとの内容で、「形式犯でこれほど長期の勾留はおかしい」との批判が絶えなかった。
 三つ目の特別背任は、私的な投資で生じた損失を日産に付け替え、謝礼としてサウジアラビアの知人側に不正な支出をしたというものだ。これに対して弁護人は、日産には実損がなく、日産が問題視してこなかった10年も前の話を事件化していると批判する。
 9月に開かれる可能性があった公判は遅れる公算となった。関係者によると、ゴーン容疑者は再逮捕の容疑を否認し、「理不尽で恣意(しい)的だ」と非難した。一連の事件について説明する動画も公開する予定だ。
 異例の再逮捕後の勾留について、裁判所がどう判断するかも注目したい。


異例のゴーン被告再逮捕 「人質」批判に抗せるのか
 日産自動車前会長のカルロス・ゴーン被告を巡る事件を語る上でキーワードとなったのが人質司法だ。そうした批判に耐えうる再逮捕だったのかが今回問われる。
 東京地検特捜部は、ゴーン前会長を会社法違反(特別背任)容疑で再逮捕した。ゴーン前会長は先月6日、最初の逮捕から108日目に保釈された。それから1カ月足らずで再び身柄を拘束されるのは異例だ。
 ゴーン前会長は逮捕前日、交流サイト(SNS)ツイッターに公式アカウントを開設し、来週記者会見を開くと明らかにしたばかりだった。
 人質司法とは、自白しない限り被告の身柄拘束が長期化する日本の司法制度が抱える悪弊だ。長く自由を奪うことで、捜査当局の筋立てに沿った供述を引き出す手段として利用されてきた。
 記者会見したゴーン前会長の弁護人は「身柄拘束を利用して圧力をかけるわけだから、人質司法だ」と検察の手法を批判した。
 逮捕容疑は、オマーンの販売代理店経由で自身が実質的に保有する会社に約5億6300万円を送金し、日産に損害を与えたというものだ。
 資金の一部は、ゴーン前会長の家族が使用するクルーザーの購入に充てられた疑いが持たれている。形式犯との指摘が出ていた有価証券報告書の虚偽記載などとは異なり、私的流用の色合いが強く、厳正に捜査すべき事案である。
 仏ルノーがゴーン前会長側の不透明支出について仏検察当局に通報するなど日仏で刑事責任追及が進む。
 逮捕には検察内にも慎重論があった。長期勾留が海外メディアから批判を浴びたことを踏まえ、任意捜査で追起訴すべきだというものだ。
 一方、捜査が継続しているにもかかわらずゴーン前会長の保釈を認めた裁判所の判断に、検察内には不満がくすぶっていたとされる。
 逮捕や勾留は、あくまで容疑者や被告の逃亡や証拠隠滅を防ぐのが目的だ。その要件は厳格に判断すべきである。
 住居への監視カメラの設置など厳しい保釈条件下で生活していたゴーン前会長になぜ強制捜査が必要だったのか。これからの捜査や公判を通じ、それだけの内実があることを検察は示す責任がある。


4回目の逮捕  身柄拘束は必要なのか
 意外な展開に驚いた。
 日産自動車前会長のカルロス・ゴーン被告(65)が東京地検特捜部に再逮捕された。今度は中東オマーンの販売代理店に支出された日産の資金を流用したという会社法違反(特別背任)の疑いだ。
 4度目の逮捕である。
 およそ1カ月前に保釈された身で、証拠隠滅などがないよう厳しい条件が付いていた。なぜ再逮捕が必要なのか。
 長期の身柄拘束で追い詰め、自供を引き出そうとする「人質司法」への批判が、国内外で高まっている中で、疑問は膨らむ。
 特捜部が着手した事件で、保釈された被告を再逮捕するのは異例という。注目される捜査だけに、特捜部には納得できる説明が求められよう。
 新たに出てきた疑惑を捜査し、真相を解明するのは当然だ。今回はゴーン容疑者が日産の子会社からオマーンの代理店に、3回にわたり支出させた資金のうち計500万ドル(約5億6300万円)を、自身が実質的に保有する預金口座に送金させて、日産に損害を与えた疑いだ。
 この資金は容疑者の家族が関係する会社に渡り、クルーザーの購入にも充てられていたという疑惑も浮上している。
 これまで特捜部は、容疑者が報酬額を少なく偽装したり、私的投資の損失を日産に付け替えたりした疑いで起訴している。ゴーン容疑者による「会社私物化」の立証への執念がうかがえよう。
 そうであっても、これまでのような長期勾留して追及するやり方は、もはや支持を得られまい。
 容疑者を保釈のままで取り調べることはできないのか。
 疑惑を否認し、無罪を主張する姿勢は固く、供述を変えるとは考えにくい。携帯電話の使用制限やカメラ監視などの下で、証拠隠滅をはかるのは難しいはずだ。
 再逮捕しなくても、容疑を裏付ける証拠や証言を得るようにすればいいではないか。そうした疑問が浮かぶ。
 ゴーン容疑者がツイッターで、来週11日に記者会見を開くと公表した矢先だった。弁護団も特捜部の捜査を批判しており、公判前から対決姿勢を示している。特捜部が対抗したというのは、うがった見方だろうか。
 事件は新たな局面を迎えた。世界に名をはせた元経営トップの疑惑の解明と同時に、日本の司法のあり方も問われている。これからの勾留をめぐり、裁判所がどんな判断を示すのか。注視したい。


ゴーン前会長再逮捕/異例の判断巡り説明を
 日産自動車の前会長カルロス・ゴーン被告による会社資金流用疑惑などを捜査していた東京地検特捜部は4回目の逮捕に踏み切った。前会長は昨年11月の逮捕から108日間にわたり身柄を拘束された。先月6日に保釈され、今月11日には記者会見も予定していた。特捜事件で、いったん保釈された後に再び逮捕されるのは異例のことだ。
 今回の逮捕容疑は、2015〜18年にアラブ首長国連邦の日産子会社からオマーンの代理店に支出させた資金の一部を自分が実質的に保有する預金口座に送金させ、日産に5億円余の損害を与えた−とされる会社法の特別背任容疑。一部は前会長の妻が代表の会社に流れ、クルーザー購入に充てられた疑いがある。
 前会長は既に、有価証券報告書に自らの役員報酬を過少に記載したという金融商品取引法違反の罪と、私的な投資の評価損を日産に付け替えるなどしたとの特別背任罪で起訴されている。ただ過少記載や付け替えで日産に実損は生じておらず、特別背任については10年も前の話で、立証の難しさも指摘されている。
 そうした中、より悪質で背任性の高い事案の立件で「会社の私物化」を際立たせる狙いとみられる。しかし「人質司法」の批判が再燃するのは避けられまい。「口封じ」という見方も広がりつつある。異例の判断を巡って、検察は説明を尽くす必要があろう。
 ゴーン前会長は最初の逮捕以降、一貫して「無実」を主張。3日に11日の会見予定をツイッターに投稿した。その翌朝の逮捕だった。広報担当者を通じ「常軌を逸しており、恣意(しい)的だ」とする声明を発表。取り調べで新たな容疑を否認しているという。弁護団は「何のために身柄を拘束するのか」と反発している。
 流用された資金は、前会長の家族が使っていたクルーザーの購入代金の一部になったほか、前会長の息子が最高経営責任者(CEO)を務める米国の投資会社側に渡った疑いもあるとされる。
 検察は会社私物化をより鮮明にすることで有罪を確実にできるとみたのだろう。起訴済みの役員報酬の過少記載に「形式犯」の指摘が付きまとい、特別背任についても弁護団は争う余地が十分にあるとみて徹底抗戦の構えを見せているからだ。
 前会長は08年のリーマン・ショックによる私的投資の評価損を日産に付け替えたとされる。検察は付け替えた時点で特別背任が成立するとしているが、損失の負担義務は最終的に前会長側に戻っており、実際に損失が生じたと言えるか立証は難しいとの見方もある。
 さらに負担義務を戻す際に信用保証で協力したサウジアラビア人の知人側に日産子会社から12億円余を振り込ませたとされる。謝礼か業務委託料かは争いのあるところだろう。また特別背任立件のハードルはもともと高いとされ、過去に無罪になった例は複数ある。この件は海外の資金の流れも絡むことから、立証は困難を伴うといわれている。
 なぜ追起訴ではなく逮捕なのか。住居の出入り口に監視カメラを設置するなど厳しい条件付きで保釈されたとはいえ、検察は事件の関係者が多く、証拠隠滅の恐れがあると判断したのかもしれない。それならそれで国内外の理解を求める努力も求められよう。


ゴーン前会長4回目逮捕◆異例の判断 説明尽くさねば◆
 日産自動車の前会長カルロス・ゴーン被告による会社資金流用疑惑などを捜査していた東京地検特捜部は4回目の逮捕に踏み切った。昨年11月の逮捕から108日間にわたり身柄を拘束、先月6日に保釈され今月11日には記者会見も予定していた。特捜事件で、いったん保釈された後に再び逮捕されるのは異例のことだ。
「私物化」より鮮明に
 今回の逮捕容疑は、2015〜18年にアラブ首長国連邦の日産子会社からオマーンの代理店に支出させた資金の一部を自分が実質的に保有する預金口座に送金させ、日産に5億円余の損害を与えた-とされる会社法の特別背任容疑。一部はゴーン被告の妻が代表の会社に流れ、クルーザー購入に充てられた疑いがある。
 既に、有価証券報告書に自らの役員報酬を過少に記載したという金融商品取引法違反の罪などの特別背任罪で起訴されている。ただ過少記載や付け替えで日産に実損は生じておらず、特別背任については10年も前の話で、立証の難しさも指摘されている。
 そうした中、より悪質で背任性の高い事案の立件で「会社の私物化」を際立たせる狙いがあるとみられる。しかし「人質司法」の批判が再燃するのは避けられまい。「口封じ」という見方も広がりつつある。異例の判断を巡って、検察は説明を尽くす必要があろう。
 ゴーン被告は最初の逮捕以降、一貫して「無実」を主張。3日に11日の会見予定をツイッターに投稿した。その翌朝の逮捕。取り調べで新たな容疑を否認しているという。弁護団は「何のために身柄を拘束するのか」と反発する。
立件に高いハードル
 検察は会社私物化をより鮮明にすることで有罪を確実にできるとみたのだろう。起訴済みの役員報酬の過少記載に「形式犯」の指摘がつきまとい、特別背任についても弁護団は徹底抗戦の構えを見せているからだ。
 ゴーン被告は08年のリーマン・ショックによる私的投資の評価損を日産に付け替えたとされる。検察は付け替えた時点で特別背任が成立するとしているが、損失の負担義務は最終的にゴーン被告側に戻り、損失が生じたと言えるか立証は難しいとの見方もある。
 さらに負担義務を戻す際に信用保証で協力したサウジアラビア人の知人側に日産子会社から12億円余を振り込ませたとされる。謝礼か業務委託料かは争いのあるところだろう。また特別背任立件のハードルは高く、過去に無罪になった例は複数ある。この件は海外の資金の流れも絡むことから、立証は困難を伴うといわれている。
 なぜ追起訴ではなく、逮捕だったのか。住居の出入り口に監視カメラを設置するなど厳しい条件付きで保釈されたとはいえ、検察は事件の関係者が多く、証拠隠滅の恐れがあると判断したのかもしれない。それならそれで国内外の理解を求める努力も求められよう。


[ゴーン前会長] 異例の再逮捕の狙いは
 東京地検特捜部はきのう、新たな会社法違反(特別背任)の疑いで日産自動車前会長のカルロス・ゴーン容疑者を再逮捕した。4回目の逮捕になる。
 事件は異例づくめの展開を見せている。特捜部は昨年11月にゴーン容疑者を逮捕、12月に勾留延長請求が却下されると、再逮捕に踏み切った。
 ゴーン容疑者が3月6日、容疑を否認したまま保釈されたのも異例だったが、特捜部が手掛けた事件で保釈後に再び逮捕されるのも異例だ。
 ゴーン容疑者による会社の私物化を立証しようする特捜部の執念がうかがえる。だが、これまでも長期勾留に対する批判が出ていた。特捜部の威信を懸けた捜査に注目したい。
 再逮捕容疑は2015年12月〜18年7月にかけて、中東オマーンの販売代理店側に支出された日産の資金を流用、計500万ドル(約5億6300万円)の損害を与えた疑い。ゴーン容疑者は否認しているとされる。
 過去3回の逮捕容疑のうち、最初の2回は「形式犯」との指摘があった。3回目は私的な投資で生じた損失を日産に付け替えるといった特別背任容疑で逮捕され、全て起訴されている。
 今回の再逮捕容疑は、より悪質で背任性が高いと特捜部は踏んでいるようだ。より悪質なケースで立件することで、ゴーン容疑者が会社を私物化した実態を際立たせ、裁判を有利に運びたいとの狙いがあるのではないか。
 日産と企業連合を組むルノーは、不審な資金の流れが見つかったとして3月末、フランスの捜査当局に通報したとの報道もある。特捜部の捜査内容と符合する内容だという。
 海外での資金の使途を解明する必要もあり立証の壁は高いが、特捜部は証拠を積み上げて事件の全容を解明していかなければならない。
 ゴーン容疑者は最初の逮捕から保釈まで100日以上拘束された。否認すれば勾留が長引く「人質司法」だとして国際社会から批判が高まった。保釈後1カ月足らずで再び逮捕され、今回も同様の批判を招く可能性がある。
 さらに、ゴーン容疑者は自身のツイッターを開設し「真実をお話しする準備をしています」と、11日に記者会見することを公表したばかりだった。身柄拘束は「発言封じではないか」と受け止める向きもある。
 ゴーン容疑者は逮捕について「常軌を逸しており、恣意(しい)的だ」と検察に抗議する声明を広報担当者を通じて発表した。検察はこうした批判や疑問について説明を尽くし、国内外の理解を求めていくべきではないか。
 9月にも開かれる予定だった初公判は遅れる見通しだ。弁護側は徹底抗戦する構えを見せている。今後の日仏関係への影響も懸念されるだけに、慎重に取り調べを進める必要がある。


ゴーン氏の「裁判資料押収」に批判の声 「秘密交通権の侵害」の可能性
日産自動車・前会長のカルロス・ゴーン被告人の4回目の逮捕を受けて、弘中惇一郎弁護士が開いた4月4日の会見では、東京地検特捜部が、ゴーン被告人がもっていた裁判資料や携帯を押収したことが明らかになった。また、「たまたま居合わせた」(弘中弁護士)というゴーン被告人の妻の携帯電話やパスポートも押収したという。
弘中弁護士の説明によると、特捜部は捜索差押令状を持参した上で、「狭い制限住居にもっていた裁判のための資料」などを押収したという。具体的には携帯電話、書類、ノート、日記など。この点について、弘中弁護士は会見で「明らかな防御権侵害、弁護権侵害」と憤った。
さらに、一緒にいた妻のパスポートや携帯電話も押収しており、プライベートなやりとりや、妻の弁護士とのやりとりの記録なども含まれていたという。弘中弁護士は、「法律の定めたところに反するものだと思うし、文明国としてあってはならない暴挙」と指摘した。
今回の差押えに問題はなかったのか。神尾尊礼弁護士に聞いた。
●「秘密交通権の侵害」の可能性
押収はどのような根拠で、行われたのでしょうか。
「そもそも押収には2種類あります。裁判官が認めた捜索差押令状に基づくものと、逮捕に伴う捜索差押えです。
今回の押収が、どちらに基づくものがわからないのですが、逮捕に伴う差押えの場合、(裁判官が認めなくても)捜査官が『事件に関係している』と判断すれば可能です」
押収物に裁判資料が含まれていたことに、弁護士の間からは驚きの声があがっていました。
「(書類やノートなどの)中身に、起訴済みの事件について、公判で主張予定の内容や弁護人とのやりとりについて記載されているものが含まれていれば、(誰にも知られずに弁護人とのやりとりができる)秘密交通権の侵害と考えられます。
また(公判で主張しない、事実が明らかになるような資料があれば)実質的に黙秘権の侵害にもなります。弁護側の手の内を明かした状態で戦うことになり、フェアとは言えません」
●「違法収集証拠」として証拠能力を否定
妻のパスポートや携帯電話の差押えに問題はありませんか。
「見解が分かれると思いますが、(被疑者でなく)第三者の物については、押収すべき物の中に(逮捕事実となった)事件と関係するものが入っていると認められる場合、差押えの対象になることがあります。ただその後、事件との関連性の有無で争いになることはありえます」
弁護人は今後、どのように動くことになるのでしょうか。
「拘置所内で弁護人宛ての手紙に対して、令状による差押えを実施して、国家賠償請求が認められたケースがありますので、国賠の可能性はあります。
刑事裁判の中では、違法収集証拠として(今回押収した資料の)証拠能力を否定する主張も考えられます。ただ、主張が認められるかは、現時点ではなんとも言えないと思います」
●「逮捕状を裁判所が却下することは非常にまれ」
逮捕自体を疑問視する声もありますが、どう考えますか。
「逮捕は、証拠隠滅か逃亡の可能性がある場合に認められます。事件単位である以上、別件の事情を全て加味されるわけではありませんが、防犯カメラがついた制限住居や、10億円の保釈金の没収可能性を考えると、具体的に証拠隠滅や逃亡の可能性があったのかは疑問です。
ただ弁護人は、逮捕状を見ることすらできず、逮捕段階で争うことが実質的にできないこともあり、勾留するかを決める(逮捕から)48時間後までが勝負になるでしょう」
裁判所は逮捕を認めやすいと言われますが、どのような背景がありますか。
「逮捕状は、捜査機関の捜査が煮詰まっておらず、嫌疑のレベルが低い状態でも発付できると解釈されます。そのため認められやすいと考えます。
ただ実務上、逮捕状を裁判所が却下することは非常にまれです。裁判所のチェックが機能していないのではないかという問題意識があります」(弁護士ドットコムニュース)
神尾 尊礼(かみお・たかひろ)弁護士 東京大学法学部・法科大学院卒。2007年弁護士登録。埼玉弁護士会。刑事事件から家事事件、一般民事事件や企業法務まで幅広く担当し、「何かあったら何でもとりあえず相談できる」事務所を目指している。
事務所名:彩の街法律事務所 事務所URL:http://www.sainomachi-lo.com


ゴーン被告の“保釈中逮捕”は特捜部による完全な口封じだ! 検察“口封じ逮捕”の歴史と卑劣な本質
 4日午前6時前、東京地検特捜部は日産自動車前会長のカルロス・ゴーン被告を、オマーンに不正送金をおこなったとして特別背任容疑で4回目の逮捕をした。しかし、周知のように、ゴーン被告は3月6日に保釈されたばかり。その際、検察の準抗告も棄却され、裁判所は罪証隠滅や逃亡の恐れもないことが確認されていた。もちろん、10億円の保釈金も支払われていた。それが保釈から1カ月も経たないうちに、再び逮捕して身柄を拘束したのである。こんな話は、これまでほとんど聞いたことがない。
 ゴーン被告の弁護士である弘中惇一郎氏は「仮に追起訴する必要があると裁判所や検察が判断したとても、あえて身柄を取るという相当性・合理性がどこにあるのか」「法律の趣旨に反する、文明国としてはあってはならない暴挙だと思っている」と怒りをにじませながら語ったが、まさにそのとおりだろう。
 弘中氏によると、保釈の際、追起訴があるか裁判所が質問すると、検察は「あるともないとも言えないが、3月末までにはっきりさせる」と回答。4月に電話をして確認した際も、「何とも言えない」というものだったという。それが4月4日になって、突然の逮捕。しかも、検察は今回、すでに起訴されている裁判のための準備資料まで押収したという。これは明らかに弁護権の侵害だ。
 実際、今回の逮捕については、弘中氏だけでなく、多くの法律専門家が違和感を表明している。逮捕当日の4日『ひるおび!』(TBS)に出演した元東京地検特捜部副部長の若狭勝氏でさえ「保釈中の再逮捕は極めて異例」と指摘、普段は右派的発言が目立つ元裁判官の八代英輝氏も「この逮捕は必要かな?」「身柄拘束っていうのは恣意的にされてはいけないもの」「弁護人から批判されても当然」と疑問を呈していた。
 東京地検特捜部は一体なぜ、こんな暴挙をおこなったのか。弘中弁護士は「一種の口封じ」だと言っていたが、たしかに“口封じ逮捕”の可能性は非常に高い。
 ゴーン被告は3日までにツイッターを開設し、〈何が起きているのか真実をお話する準備をしています〉として、来週11日に記者会見を開くことを明らかにしていた。そして、そのツイートの翌日、4日に逮捕されてしまったのだ。
 一部にはゴーン被告が保釈にあたってつけられた「インターネットの接続不可」「パソコン使用も弁護士事務所でのみ」という条件を破ったからだと指摘する声もあったが、ツイッターは弁護士管理のもとでおこなわれたもので、保釈条件に反したわけではない。
 検察を動かしたのはそうではなく、ツイッターにも書かれていたゴーン被告が近く会見を開くという計画だったようだ。司法担当記者がこう話す。
「逮捕の方針は4月はじめに固まっていたようなので、ツイッターを見て、ということではない。ただ、ゴーン被告が近く会見を開き、検察捜査に対する告発、批判をおこなうことは察知していましたから、とにかくそれを阻止するために強引に逮捕に踏み切ったのでしょう。しかも、当初は、逮捕はもう少し後と思われていたのが、急に4日になった。これはやはり、ゴーン氏が会見のスケジュールを告知したからではないかと思いますね」
三井環事件でも実名裏金告発の直前に“口封じ”逮捕
 こうした見方について、新聞の解説記事やテレビのコメンテーターは「検察が口封じのために逮捕するなんてありえない」などと否定していたが、そんなことはまったくない。
 特捜部はこれまでも、不当逮捕を主張する容疑者や自分たちの不正を告発しようとする人物を恣意的に逮捕してきた。
 その典型が2002年に起きた三井環事件だ。当時、大阪高検公安部長という要職にあった三井環氏を、大阪地検特捜部が詐欺などの容疑で逮捕した事件だが、検察が身内の検事、しかも高検幹部を逮捕したのには裏があった。実は、三井氏は、検察の裏金づくりという不正を実名告発する準備を進めていたのだ。
 検察には、検察官が情報収集や内偵のために使う経費として「調査活動費」というものが認められ、毎年、全国の検察庁に数億円もの予算がつけられている。ところが、実際は情報提供者に支払われるべき調活費は、支払われることなく検察内部にプールされ、料亭やゴルフなどの遊興費に不正流用されていた。その金額は、1998年の時点で検察庁全体で6億円もの莫大な額になっていたとされる。
 三井氏は2001年頃から、この調査活動費の実態を「噂の真相」(休刊)や「週刊朝日」などの週刊誌に匿名で告発していた。ただ、新聞やテレビは匿名での告発を理由に取り上げず、一向に不正は正されなかった。そこで、三井氏は実名での告発を決意する。複数の新聞・テレビに話を持ちかけた結果、朝日新聞と共同通信、テレビ朝日や毎日放送で報道することが決まり、そのあと、国会で取り上げる動きも組まれた。
 ところが、そのうちのひとつであるテレビ朝日『ザ・スクープ』の収録日当日の2002年4月22日朝、三井氏は前述したように検察に逮捕されてしまうのだ。容疑は購入したマンションの移転登記の際、そこに住民票を移し、登録免許税50万円の軽減措置を受けようとしたとする「電磁的公正証書不実記載及び詐欺」と、自分を脅そうとしてきた暴力団組員の前科調書をとったことに対する「公務員職権濫用」。法律関係者もこぞって「普通なら絶対に逮捕はありえない」と首をひねる微罪逮捕だった。
 これはあとになってわかったことだが、検察は三井部長の実名告発の動きを察知。身辺を徹底的に洗っていた。そして、いよいよテレビや国会やテレビで証言することがわかると、強引に微罪を探し出し、その前に逮捕したのである。
長期勾留も口封じが目的! 人質司法が続く限り検察の腐敗は温存される 
 とにかく、今回のゴーン再逮捕は、この三井事件と展開がそっくりなのだ。
 いや、三井事件だけではない。検察の口封じ逮捕はほかにも山ほどある。最近では、2017年7月、森友学園前理事長だった籠池泰典氏とその夫人が補助金不正受給問題で大阪地検特捜部に逮捕され、異常な長期勾留をされたのも、国有地売却問題に関する安部首相夫人の関与を訴え、検察の動きを「国策捜査だ」と批判していた籠池夫妻に対する口封じが目的だった。
 いや、もっと根本的なことを言えば、いま、検察や警察がやっている長期勾留のほとんどは、“口封じ”が目的とも言える。身柄を拘束し続け、外部と遮断することで、容疑事実の否認、強引な取り調べや恣意的な捜査への批判を封じ込め、検察に屈服させる。それが究極の目的なのだ。
 そして、実際、この人質司法は冤罪や違法な捜査、検察という組織の腐敗を温存させてきた。
 もっとも、今回のゴーン被告再逮捕はこれまでと違う点がいくつかある。ひとつは、ゴーン被告がフランス人であることから、国際社会が日本の異常な人質司法を批判的な視点でチェックしていること。そしてもうひとつは、ゴーン被告の弁護に“無罪請負人”といわれる弘中弁護士がついて、徹底的に闘う姿勢を示していることだ。弘中弁護士はすでに、ゴーン被告の声明を収めた動画の存在を明かし、近いうちに公開することを予告している。
 楽観は許されないが、今回のゴーン再逮捕劇で、検察捜査の人質司法の問題点が大きな批判にさらされる可能性もゼロではない。


塚田副大臣発言 国民は事実が知りたい
 撤回では済まされない。塚田一郎国土交通副大臣が道路予算の計上で政権中枢の意向を忖度(そんたく)したと発言した。撤回・謝罪はしたが行政への信頼が真っ向から否定された。国民は何より事実が知りたい。
 問題の発言は一日夜、北九州市内で行われた福岡県知事選自民党推薦候補の応援演説会であった。
 安倍晋三首相の地元の山口県と麻生太郎副総理兼財務相の地元の福岡県を結ぶ「下関北九州道路」について、自民党の吉田博美参院幹事長から建設促進を要請され「総理とか副総理はそんなこと言えない。私は忖度しました」と、聴衆約六百人を前に述べた。
 さらに「新年度予算で国直轄の調査計画に引き上げた」と説明。調査費約四千万円を自らの判断で計上したかのように報告した。
 麻生派所属の副大臣として麻生氏が推す候補が勝利すれば、大型の利益誘導が可能と誇示したかったようだ。森友・加計学園問題で首相への官僚の忖度が疑われている中でのあけすけな物言いに、開いた口がふさがらない。
 翌二日、塚田氏は「一連の発言は事実とは異なるため撤回し、謝罪します」とのコメントを出したが、にわかには信じ難い。
 塚田氏は一日の発言で、吉田氏は福岡県選出の大家敏志参院議員と一緒に「『地元の要望がある』と副大臣室に来た」と述べ、吉田氏から「これは総理と副総理の地元の事業」「俺が何で来たか分かるか」と畳み掛けられると「私は物分かりがいい。すぐ忖度します。『分かりました』と」答えたという。事実と異なるという割にはやりとりが具体的だ。
 下関北九州道路は地元で「安倍・麻生道路」とも呼ばれている。二〇〇八年、道路特定財源の使途見直しに伴って他の海峡横断プロジェクトと一緒に計画が凍結されたが、その復活に政治が関わったのか否か。民主政治の公平性、透明性を確保する上で当事者の正確な説明が必要だ。
 首相は四日の参院決算委員会で自身の関与を否定。塚田氏に対しては発言の撤回・謝罪により罷免はしない考えを示した。だが、安易な幕引きは許されない。公明党の石井啓一国交相も主体的に事態解明に当たるべきだ。
 野党は塚田氏の辞任を要求するだけでなく、国政調査能力を十分に発揮してほしい。
 統一地方選や参院選が目前。選挙は税金の使途を考える機会だ。だからこそ、事実関係は速やかに明らかにされなくてはならない。


忖度発言/政権の緩みを放置するな
 統一地方選のさなか、とんでもない発言が政権内から飛び出した。北九州市で開かれた福岡県知事選の自民党推薦候補の集会で塚田一郎国土交通副大臣が、安倍晋三首相と麻生太郎副総理の地元を結ぶ下関北九州道路の整備について「首相や副総理が言えないので、私が忖度(そんたく)して、国直轄の調査計画に引き上げた」と公言したのだ。
 森友学園への国有地売却を巡る公文書改ざんや加計(かけ)学園の獣医学部新設問題で、官僚による政権への忖度が疑われ、行政の公平性に厳しい目が注がれている。そんな中で、公共事業の箇所付けを決める国交省のナンバー2が恣意(しい)的な利益誘導を手柄のように語った。あまりの無神経さに驚き、あきれる。
 塚田氏は批判を受けて「事実と異なる発言だった」と撤回、謝罪した。「大勢の会合で熱が入った」とも説明した。それが本当なら、激戦が伝えられる選挙で、うそを交えた応援演説で有権者の支持を集めようとしたことになる。政治家としての責任はより重大である。
 問題の道路建設構想は、2008年にいったん凍結されたが、12年に第2次安倍政権が発足すると地元自治体や経済界が働きかけを強め、19年度から国直轄で調査が再開された。
 「首相案件」として手心が加えられたのではないか。国民が当然抱くであろう疑惑を晴らすには、国交省が調査再開の経緯を明らかにする必要がある。
 首相の任命責任は免れない。ところが首相は、塚田氏の発言は「問題だ」と認めつつも「しっかり説明し、職責を果たしてほしい」として罷免を拒んだ。身内に甘い判断が、政権の緩みを招いているという自覚はあるのだろうか。
 首相が閣僚らの不祥事を不問に付すのは今回に限らない。就任直後から失言を繰り返す桜田義孝五輪相や、国税庁への口利き疑惑が浮上した片山さつき地方創生相への辞任要求もはねつけてきた。与党が圧倒的多数を占める国会で疑惑の解明は進まず、閣僚の資質に疑問符が付いても責任を問われない。
 これでは政権の緩みと慢心が広がるばかりだ。首相は重く受け止め、資質に欠ける閣僚らの処分に踏み切るべきである。


塚田氏忖度発言 ただちに辞任すべきだ
 国の予算を私物化するようなおごった物言いに、あきれ返る。
 塚田一郎国土交通副大臣が山口県下関市と北九州市を結ぶ「下関北九州道路」の整備計画を巡り、地元の安倍晋三首相と麻生太郎副総理兼財務相への「忖度(そんたく)」から国直轄調査に引き上げたと述べた。
 首相への忖度が行政の公正性や透明性をゆがめたとされる森友・加計(かけ)問題の教訓を踏まえないどころか、忖度は自身の政治力の証しだと胸を張ったように聞こえる。
 塚田氏は発言を撤回、謝罪したが、それで済む話ではなかろう。政府の要職にある政治家として不適格であり、即刻辞任すべきだ。
 発言は、福岡県知事選の自民党推薦候補の集会で飛び出した。
 参院自民党の吉田博美幹事長から、首相と副総理の地元の事業だと「分かっているな」と言われたとし、「総理、副総理が言えないので私が忖度した」と語った。
 関門海峡を挟んだ下関北九州道路計画は、2008年に国が凍結した。しかし13年度に福岡、山口両県などが独自調査を開始し、国は本年度から直轄で調査を再開すると決めている。
 地元が期待する道路の推進を、選挙戦で「手柄」として誇る。
 自民党の利益誘導体質が変わっていないことの表れであり、公共事業になお不透明な政治家の関与があるのではないかとの疑いを国民に抱かせた。発言の罪は重い。
 政府は計画を中止し、調査再開決定に至る経緯を検証すべきだ。
 塚田氏は、忖度と吉田氏の言葉は事実と異なるとし、「大勢が出席する会だったので、われを忘れて言ってしまった」と釈明した。
 こんな稚拙な言い訳を、誰が信じられようか。重大な発言が「われを忘れて」口をつき、有権者にウソをついたというなら、国会議員としての資質さえ問われよう。
 首相が、野党の罷免要求に応じないのも理解に苦しむ。
 財務省で森友問題を巡る決裁文書改ざんがあっても、首相は麻生氏を続投させた。政権の緩みと無責任な体質を象徴するのが、今も解明が進まぬ森友・加計問題だ。
 森友問題では先月、有印公文書変造・同行使容疑などで告発され、大阪地検特捜部が不起訴とした佐川宣寿前国税庁長官らについて、大阪第1検察審査会が「不起訴不当」と議決した。
 まっとうな市民感覚の表れだろう。検察が再捜査を尽くすべきなのは当然として、国有地が8億円も値引きされた問題の全容解明に取り組むのは国会の責任である。


副大臣の「忖度」  政治家も1強になびく
 撤回するだけでは済まないのではないか。塚田一郎国土交通副大臣の「忖度(そんたく)」発言である。
 福岡県知事選の応援演説で、安倍晋三首相と麻生太郎副総理兼財務相の地元同士を結ぶ道路整備の国による直轄調査への移行について、「私が忖度した」と語った。
 塚田氏は、道路事業の採択や遂行を所管する省庁の副大臣だ。恣意(しい)的に便宜を図ったと受け取られても仕方ない発言である。
 「安倍1強」のおごり体質が、首相側近の官僚だけでなく、政治家にも及んでいるのは深刻だ。
 塚田氏は演説で「首相や副総理が言えないので、私が忖度した」と述べた。自民党幹部から首相と麻生氏の地元を結ぶ事業であることを指摘され、「私は物わかりがいい。分かりましたと応じた」などと発言した。
 野党などの批判を受け、塚田氏は一連の発言を「事実と異なる」として撤回し、謝罪した。
 しかし、何が事実と異なるとしているのかは分かりにくい。
 首相らの意向を忖度して便宜を図ったとすれば、あからさまな利益誘導だ。公共事業への信頼性を著しく損なうことになる。
 一方、忖度した事実がないというなら、選挙応援の演説で聴衆を欺いていたことになる。
 塚田氏は自民党麻生派に所属し、知事選に麻生氏が擁立した候補が劣勢とされる中での焦りが背景にあったともいわれる。
 選挙戦での発言とはいえ、所管する事業を自分の裁量で左右できるかのように言うのは、政策を私物化していることにならないか。
 政治家としての資質が問われている。このまま副大臣を続けても職責を果たせるとは思えない。
 だが、安倍氏は発言を「問題がある」と認めながらも、野党からの罷免要求を拒否している。このまま沈静化を待つつもりなのか。
 安倍政権で起きた森友・加計問題では、首相側近の官僚が安倍氏らの意向を推し量って特別の計らいをしたかのような疑惑が持たれている。背景には、安倍氏周辺からの声には従っておいたほうが無難、との空気が行政の内部に満ちている状況があるのではないか。
 塚田氏の発言も、首相らの名前を出すことで行政を支配しているかのように見せようとの思い込みがあったようにみえる。
 有権者の負託を受けた国会議員でありながら、権力者におもねるような発言をして恥じない姿は、異論さえ聞こえてこない現在の自民党を象徴しているようだ。


呪い
 「カーネル・サンダースの呪い」といえば、関西でよく知られた都市伝説である。店先でおなじみだったあの人形が大阪・道頓堀川の中から見つかったのは、ちょうど10年前の春先のことだった▼阪神タイガースが1985年に優勝した際に、興奮したファンが投げ込んだ。その後、チームは長く優勝から遠ざかることになる。まるでばちが当たったように▼妙な符合で良くないことが起こると、人はよく「呪い」を持ち出す。もちろん信じているわけではないが、科学合理主義的な社会へのちょっとした抵抗もあるのだろう。いまささやかれているのは「改元の呪い」▼改元に関わった内閣は半年以内に退陣する。大正、昭和、平成ともそうだったという。令和ブームに乗ってちゃっかり支持率まで伸ばした現内閣は、浮かれていていいだろうか▼まさかとは思うが、ありえないような問題が出てきた。国土交通副大臣の「忖度(そんたく)」発言である。長期政権のおごりがむき出しになった。選挙でばちが当たりかねない▼「呪い」といえば、山崎ハコさんの怖い歌を思い出す方もいるのではないか。わら人形にくぎを刺すというショッキングな内容だが、実は自分にくぎを刺す、つまり自らの愚かさを戒めるいい歌だ。内閣にもお勧めである。 コンコン、コンコン…。

塚田副大臣辞任も、安倍首相の利益誘導疑惑が続々! 忖度案件の道路に要望書提出、山陰自動車道、下関人工島でも
「安倍・麻生道路」と呼ばれてきた下関北九州道路の建設計画をめぐって、「総理とか副総理が言えないので、私が忖度した」と発言した塚田一郎・国土交通副大臣がようやく辞任を表明した。
 しかし、問題は塚田副大臣の辞任で済む話ではない。これは安倍首相と麻生財太郎務相の地元に露骨な利益誘導がおこなわれたという話だからだ。
 先日の記事でも既に伝えたが(https://lite-ra.com/2019/04/post-4643.html)、塚田副大臣は、昨年12月、「私の逆らえない」相手だという吉田博美・自民党参院幹事長と福岡県選出の大家敏志・参院議員のふたりと面会。そこで「塚田、わかってる? これは総理の地元と副総理の地元の事業なんだよ」「俺が何で来たかわかるか」と言われ、対して塚田国交副大臣は「わかりました」と返答したと語っていた。そして、下関北九州道路は今年度から国直轄の調査となり予算として4000万円が計上された。
「逆らえない」相手である政治家の固有名詞まで挙げて、こんな具体的な嘘をつく理由はどこにもない。「忖度」どころか「圧力」があったと考えるのが普通だろう。
 しかも、やはり昨日おこなわれた野党合同ヒアリングでは、立憲民主党の長妻昭議員から「吉田氏と塚田氏の面会がだめ押しになって4000万円の予算がついたのではないか」と問われると、国交省側は「時系列的にはそうなる」と回答。またこの面会の際、国交省の池田豊人道路局長と担当課長までもが同席していた。
 さらに、ここにきて、「本人からしっかりと説明すべきで、そのことを肝に銘じて職責を果たしてもらいたい」などとまるで他人事のように語ってきた安倍首相に、直接的な関与を物語る物証が出てきた。
 2016年3月31日付けの石井啓一国交相宛てに提出された「下関北九州道路の早期実現に向けての要望書」。この要望書の提出者は「関門会」なるグループなのだが、その提出者のひとりとして〈安倍晋三〉と明記されているのだ。昨日の参院決算委員会で共産党の仁比聡平議員が突きつけた。
 総理大臣が国交相に対して「道路の建設を早く進めろ」と要望をおこなっていた──。その事実だけでも驚くが、この要望書には、こんなことが書かれていた。
〈「関門会」は、関門すなわち下関、北九州にゆかりのある自民党、公明党国会議員の有志によって結成された会である。去る二月二十四日、安倍総理を囲み懇談会を開催させていただいたところ、その際、「第二関門橋」の早期建設促進の件が話題となり、「関門会」の総意として要請活動を行うこととなった。〉
 つまり、安倍首相が発端となって、この要望書は提出されていたのである。
 要望書を読み上げた仁比議員が「こうやって忖度させてきたんじゃありませんか?」と追及すると、安倍首相は「私自身ですね、そういう要望書が出されたってことは、いま拝見するまで知らなかった」などと言い訳をしたが、無責任にもほどがある。実際、下関北九州道路は2008年の福田康夫政権時に調査が中止されたにもかかわらず、第二次安倍政権で復活。要望書が提出された翌年の2017年度からは自治体予算と国の補助で調査を再開させているのだ。
安倍首相が地元を通る「山陰自動車道」について「必ずできる」と豪語
 しかも、問題は下関北九州道路だけではない。第二次安倍政権になってから、こうした「安倍案件」の公共事業が息を吹き返し、事業化に向けて動き出しているのだ。
 たとえば、下関北九州道路と同様、「安倍道路」と呼ばれてきたのが、安倍首相の地元・長門市を通る「山陰自動車道」(山口県美祢市〜鳥取県鳥取市)。総事業費は約4500億円とも言われるものだが、本サイトでも連載をしているジャーナリストの横田一氏がこの問題をレポートした「週刊朝日」(朝日新聞出版)2013年6月7日号によれば、山陰自動車道は小泉純一郎政権時に総延長距離が1万4000キロから9342キロに引き下げられたのだが、第二次安倍政権の発足によって議論などなかったかのような状態に。そして、2013年1月には中尾友昭・下関市長(当時)が、このような安倍首相の発言を紹介したという。
「『(私が)首相になったから下関は良くなりますよ』と仰られ、『山陰自動車道は(国交省OBの)山本繁太郎知事が誕生したのだから必ずできますよ』とお墨付きを与えてくれました」
 実際、安倍首相は事ある毎にこの山陰自動車道に言及してきた。2016年には「国土の骨格となる基幹的な道路だ」「予算を確保したい」と言い、昨年7月にも「山陰は最大のミッシングリンク(高速道路未整備区間)だ」と明言。そして、国交省もそれに合わせるように、昨年11月、先行整備する優先区間を最終決定するために動きを進めている。
 さらに、同じく安倍首相のお膝元である山口県岩国市では、民主党政権時代に槍玉にあがって検証対象となった「平瀬ダム」が、安倍政権下の2014年3月より着工。2023年に完成予定となっているが、総工費は当初の想定から120億円増え、860億円にまで膨らんでいる。
下関人工島でも利益誘導、下関港「国際旅客船拠点形成港湾」選定の裏も
 また、父・晋太郎氏も推進した総事業費755億円の下関市の人口島「長州出島」も、「事業化には安倍首相や父晋太郎氏の国への働き掛けがあった」(東京新聞2014年2月19日付)と言われているが、今年3月1日、国交省が下関港を「国際旅客船拠点形成港湾」に選定したと下関市が発表。これにより、現在は岸壁を貨物船と客船が共用しているが、国がクルーズ船の専用岸壁を整備するという(西日本新聞3月7日付)。
 安倍首相の地元で、安倍政権の「国土強靱化計画」のもと、「無駄な公共事業」として見直された計画が復活したり、国がバックアップしている事実──。安倍首相は森友学園問題の追及を受けた際、「私自身がずっとかかわってきた山陰自動車道なんかもずっとミッシングリンクのままでございますし、妻が名誉校長だったからといって、近畿財務局がそれはそう簡単にそういう行為をするということはあり得ない」などと述べて森友問題を矮小化しようとした。だが、現実には、今回の下関北九州道路の問題が象徴するように、こうした公共事業でも森友や加計同様、「忖度」がなされ、安倍首相の地元への利益誘導は進んできたのだ。
 塚田国交副大臣の辞任は当然だが、それでこの問題を終わらせてはならない。安倍首相の「私物化体質」をこのまま放置しつづけるのかどうか。それがいま問われているのである。


「忖度」発言 撤回で済む問題ではない
 撤回、謝罪で済むと考えているなら、認識が甘過ぎる。
 塚田一郎国土交通副大臣が、安倍晋三首相と麻生太郎副総理兼財務相の地元の道路整備を巡り「忖度(そんたく)した」と述べた。利益誘導を公言するような人物に重責は任せられない。
 福岡県知事選の応援演説での発言である。麻生氏が擁立した自民党推薦候補の集会で、山口県下関市と北九州市を結ぶ「下関北九州道路」について「首相や副総理が言えないので、私が忖度した」などと述べた。
 翌日になって、発言は事実と異なるため撤回して謝罪すると文書で発表した。国会では「大勢が集まる会だったので、われを忘れて誤った発言をした」と説明している。苦しい釈明だ。
 「首相と副総理の地元事業」と指摘したとされた自民党の吉田博美参院幹事長は関与を全面否定するコメントを発表した。
 有権者にアピールしようと、現職の副大臣が特定の事業に便宜を図ったと取れる発言をした。忖度の有無とは別に、それ自体、見過ごせない問題である。行政の公平性に対する認識を欠いている。
 下関北九州道路は、1998年策定の全国総合開発計画に明記されたものの、国の財政難などから2008年に「当面、整備に着手する可能性がない」として凍結された経緯がある。
 第2次安倍政権発足後、地元の自治体などから実現への働き掛けが活発化した。国は19年度から直轄での調査再開を決めている。
 財政難は変わらないのに、なぜまた動きだしたのか。経過を踏まえると、演説でつい本当のことをしゃべったのではないかとの疑いが拭えない。塚田氏は「事業の必要性等を鑑み、直轄調査を実施することとした」とする。政府は根拠を詳しく説明すべきだ。
 森友、加計学園問題をちゃかすような発言でもある。官僚が首相周辺の意向を忖度し、行政がゆがめられたとの疑念は解消していない。もう終わったことと捉えているのか。政権内のおごりが改めて浮かび上がる。
 野党からの辞任要求に対して首相は「本人がしっかり説明し、このことを肝に銘じ職責を果たしてほしい」と拒んでいる。このまま沈静化を待とうというのか。
 安倍政権では政治家や官僚が失言、問題発言をしても撤回、謝罪するだけで責任を取らないケースが相次いでいる。甘い対応を重ねていては、規律の緩みも政治不信も止まらない。


塚田副大臣「忖度」発言 常態化する「1強」の緩み
 「首相や副総理が言えないので、私が忖度(そんたく)した」。塚田一郎国土交通副大臣が統一地方選の応援演説でこう述べた。安倍晋三首相と麻生太郎副総理兼財務相のお膝元である山口県下関市と福岡県の北九州市を結ぶ「下関北九州道路(下北道路)」建設を巡る発言だ。
 加計学園の獣医学部新設計画に関する首相補佐官の言葉を想起する。「総理は自分の口からは言えないから、私が代わりに言う」と、当時の文部科学事務次官に迫ったとされる。
 加計、森友学園を巡る問題では、官僚らによる「忖度政治」疑惑がやり玉に挙がった。森友問題では首相夫人らの記述を財務官僚が決裁文書から消し去るという、前代未聞の改ざん事件まで引き起こしたが、忖度の解明には、いまだ至っていない。
 塚田氏の発言で重要なのは「私が忖度した」と言い切っていることだ。実際、国の財政難などから2008年に凍結された下北道路は、地元の自治体や経済界が実現への働きかけを活発化させ、国は19年度から直轄での調査開始を決めた。
 塚田氏自身も応援演説で「新年度予算で、国で直轄の調査計画に引き上げました」と述べている。利益誘導は明らかだ。野党から「税金は自民党のためのものと明言しているようなものだ」と批判の声が上がるのも当然だろう。
 報道などで問題視されたことを受け、塚田氏は国会で「事実と反するので撤回した」と陳謝し、「大勢が集まる会だったので、われを忘れて事実とは異なる発言をした」と釈明した。応援演説ならではのリップサービスだとしても「うそだった」では通らない。
 塚田氏は麻生氏に秘書として仕え、現在は麻生派の参院議員。首相は麻生氏に遠慮してのことか、「事実と異なることを述べたのは重大な問題だ」と答弁したものの、野党の罷免要求は拒んでいる。
 政治を私物化する発言であり、うそが事実なら思い上がりも甚だしい。けじめをつけないことによるモラルの低下も懸念される。ただ、引導を渡すべき麻生氏も改ざん事件を起こした財務省のトップとしてのけじめが問われ続けている。政治家が誰一人責任を取らないことが既にモラルを破綻させているといえよう。
 ここにきて、官僚の暴走も相次ぎ表沙汰になっている。横畠裕介内閣法制局長官は「声を荒らげて発言することまで含むとは考えていない」と野党議員の質問姿勢を批判し、撤回、陳謝に追い込まれた。厚生労働省の課長が飲酒の揚げ句、韓国の空港で暴行したとして現行犯逮捕され、ツイッターに人種差別投稿を繰り返していた年金事務所長が更迭された。
 個人の資質を理由にするのでは済まない。塚田、横畠両氏の発言はかねて指摘されてきた安倍「1強」の緩みが、またぞろ噴き出した感が否めない。閣僚や官僚が官邸しか見ない、そんな統治の在り方である以上、常態化は無論、一層の政治の劣化も避けられない。


国交副大臣忖度発言 見識を疑う 政権の緩みが顕著だ
 安倍政権の緩みが顕著に表れている。政権幹部に忖度(そんたく)したことを臆面もなく明らかにし、地元への露骨な利益誘導を自分の手柄のように話す無神経さにはあきれるしかない。
 山口県下関市と北九州市を結ぶ「下関北九州道路」を巡り、問題発言をした塚田一郎国土交通副大臣である。安倍晋三首相への忖度により、行政の公平性がゆがめられたと批判を受けている加計、森友学園問題への反省はうかがえず、副大臣としての資質を疑わざるを得ない。
 下関北九州道路は、首相の地元下関市と、麻生太郎副総理兼財務相の地元福岡県を結ぶ。2008年に国による調査が凍結されたが、13年度に地元自治体が交通量の調査を再開、国は19年度予算に調査費を計上した。地元では「安倍・麻生道路」とも言われている。
 塚田氏は1日、北九州市で開かれた福岡県知事選の自民党推薦候補の集会で演説し、副大臣室を訪ねた自民党の吉田博美参院幹事長とのやりとりを紹介。「これは総理と副総理の地元の事業だ」と言われたと明かし、「私は物わかりがいい。すぐ忖度します。分かりましたと応じた」と発言した。所管する国交省の副大臣として便宜を図ることを約束したのであり、野党が批判するのは当然である。
 翌日、「事実と異なるため撤回する」として謝罪したが、これでは納得できない。何が事実で、何が事実でないか明確に説明する必要がある。「国において事業の必要性等を鑑み、直轄調査を実施することとした」と弁明している。実際は関与していなかったと言いたいのなら、演説で自らの力を誇示するために事実を捏造(ねつぞう)したということになり、看過できない。
 しかし、塚田氏は演説で「忖度」という言葉を何度も繰り返している。発言したことは事実で、撤回して済むような話ではない。副大臣の言動として、あまりに軽率で見識を疑う。「大勢が集まる会だったので、われを忘れた」とも言い訳しているが、自分を見失い、うそを言ってしまう人物に重責を任せることはできない。
 長期にわたる「安倍1強」によるおごりが、政権や官庁にまん延している。先月は、横畠裕介内閣法制局長官が国会答弁を撤回、謝罪する問題があった。内閣に対する国会の行政監視の役割を説明する中で、「(委員会で)声を荒らげて発言することまで含むとは考えていない」と野党議員の質問姿勢を批判した。官僚が政権の肩を持ち、野党をやゆして答弁するのは、越権行為と言わざるを得ない。
 塚田氏について首相は「発言は問題だが、本人がしっかり説明し、職責を果たしてもらいたい」と強調、罷免を拒否している。だが、閣僚が問題発言をしても責任を問われないケースが続き、甘い対応がおごりを助長している側面は否めない。政権は自らを律し、国民の不信に誠実に向き合わねばならない。


【国交副大臣発言】「忖度」のまん延を疑う
 行政の公平性、公正性は政治家の考えでゆがめることができ、首相と副総理の地元に利益誘導した―。そう公然と認めたとしか受け取れない発言だ。
 山口県下関市と北九州市を結ぶ「下関北九州道路」の整備を巡る塚田一郎国土交通副大臣の発言が、野党から強い批判を浴び、辞任を迫られる事態になっている。
 発言は、福岡県知事選に伴い北九州市で開かれた自民党推薦候補の集会で飛び出した。道路の事業化に向けた、国による2019年度からの直轄調査移行に関して、「安倍首相や麻生副総理が言えないので、私が忖度(そんたく)した」と述べた。
 下関市は首相、福岡県は麻生氏の地元である。
 塚田氏は、自民党の吉田博美参院幹事長から要望を受けたとも説明している。集会では、首相と麻生氏の地元事業だと指摘があったとして、「私は物分かりがいい。すぐ忖度する。分かりましたと応じた」と紹介した。
 この通りならば、事業を管轄する現職副大臣が政権の中枢に便宜を図ったことになる。公金を厳正に扱うべき立場として言語道断だ。
 塚田氏は、発言は事実と異なるとして撤回、謝罪。3日の衆院厚生労働委員会では、自身の発言は「全て事実ではない」とし、「大勢が集まる会だったので、われを忘れて誤った発言をした」と釈明した。
 仮にそうだとしても、政治家として驚くほどの資質の欠如である。
 そもそも「忖度」は、森友、加計問題を象徴する言葉だ。安倍1強の政治情勢の下で、官僚が首相の意向に配慮し、行政の公正性がゆがめられたのではないかとして、安倍政権は厳しい追及を受けている。
 その「忖度」を軽々しく繰り返し、聴衆の歓心を買おうとしたとするなら、無神経さにあきれる。安倍内閣が森友、加計問題への反省がなく、深刻にとらえていない証左ではないか。
 塚田氏は自ら辞任すべきである。首相も任命責任が問われる。
 ところが、首相は4日の参院決算委員会でも野党が求める罷免を拒否した。「発言は問題だが、本人がしっかり説明し、そのことを肝に銘じて職責を果たしてもらいたい」と強調している。
 安倍政権では、閣僚らの問題発言を本人の撤回、陳謝で済ませるケースが目立つ。財務省幹部によるセクハラを巡る「セクハラ罪という罪はない」など、数々の暴言、失言を繰り返しても、不問に付されてきた麻生氏がそれを象徴する。
 閣僚の辞任が相次ぎ痛手を負った第1次政権の「辞任ドミノ」の経験から、政権への打撃を回避したい思惑もうかがえる。だが、何を言っても責任を問われないのでは、政権の緩み、政治の劣化は増幅しよう。
 安倍政権では、やはり権力中枢への忖度がまん延していると、国民が疑いを深めるのに十分な発言だ。けじめを求める。


河北抄
 「私の言うことを国鉄が一つぐらい聞いてくれたっていいじゃあないか」。50年ばかり前に運輸大臣を務めた荒船清十郎という政治家の、本心がにじみ出た誠に正直な発言だ。
 戦後政治史に残る放言だろうが、何となく憎めない。当時は、国会議員の最大の役割は地元への利益誘導。国とのパイプ役が選挙民からも大いに期待された。
 自分の選挙区にある駅を急行の停車駅に−。亡き荒船さんは運輸相に起用されると、国鉄に働き掛けてそれを実現。後に発覚し、問題になった際の発言が冒頭の言葉。ほかに幾つかの疑惑もあり、結局、辞任する羽目となった。
 運輸省は現在の国土交通省。今は昔の利益誘導がこの役所では命脈を保っているのかもしれない。副大臣が道路整備を巡って耳を疑うような発言をして、きょう辞任した。
 「私が忖度(そんたく)した」と選挙応援の会場で自慢し、それが問題になると「我を忘れて…」。言葉の一つ一つがあまりにも軽すぎる。大丈夫なんだろうか、こういう人が参議院議員をしている国の将来は。


共通テストの記述式問題 採点の習熟に不安が残る
 大学入試センター試験に代わり2021年1月から始まる「共通テスト」の試行調査(プレテスト)の結果が公表された。国語や数学で記述式問題を導入することが目玉だが、採点の精度になお課題が多いことを浮き彫りにした。
 記述式問題を始めるのは、知識偏重から「思考力、判断力、表現力」重視への転換を進めるためだ。解答は入試センターから委託された民間業者が採点するため、不公平が生じないことが必要になる。
 だが、今回で2回目となる試行調査の採点をサンプル調査したところ、国語の記述式(3問)で0・3%の採点にミスがあり、成績を修正する必要が生じた。低い発生率に思えるかもしれないが、受験生1万人のうち30人に採点ミスが生じる計算になる。放置できないレベルだ。
 また、受験生の自己採点と、実際の採点が一致しない割合も国語の記述式の各問で約3割に上った。このままだと受験生が自分の試験結果を正確に把握できず、出願する大学の選択を誤るおそれがある。
 こうした問題が生じた原因は、各問で示している正答条件が幾つ満たされたかで段階的に評価される採点の基準が、業者側や受験生(高校)側に十分理解されなかった点にある。17年11月の1回目調査でも指摘されたが、改善されていないようだ。
 センター側は今後の対策として、採点者の質を高めるための事前研修や、自己採点する受験生ら向けに採点基準を解説する冊子を作成することなどを検討している。
 だが、試行調査については、センターは今回で終了するとしており、不安は残る。今回、10万人の受験を想定して業者が確保した約2000人が採点したが、本番は約50万人が受験するため採点者は約1万人必要となる。研修などでどこまで習熟させられるのか。
 本番で採点者と受験生が戸惑わないよう、事前の取り組みには万全を期してほしい。採点の際も、ダブルチェックの徹底など可能な限りの手立てを講じるべきだ。
 記述式問題の導入自体は理にかなっている。24年度からは国・数以外の教科への導入も検討されている。だからこそ、受験生が不利益を被ることがあってはならない。


大学共通テスト 本番は「満点」の態勢に
 二〇二〇年度から始まる大学入学共通テスト。本番前最後の試行調査では記述式で公平性が担保されるかなど課題が残った。受験生には節目の年に当たったことが「不運」では片付けられない。
 大学入試改革で、センター試験に代わって実施される共通テストでは、思考力・判断力・表現力を測ることに重点が置かれる。その柱の一つとして導入されるのが国語・数学の記述式問題だ。
 一七年から一八年にかけ、実際に高校生に解いてもらう形で試行調査が実施された。
 四日に公表された一八年調査の分析結果では、この目玉とされる記述式問題をめぐり、いくつか心配な点が残っていることが明らかになった。
 一つは採点にばらつきが出る可能性が除去できないことだ。今回は七万人弱の解答を、国語・数学合わせて約二千人が採点した。センターで点検し、採点結果が修正される事例が見られた。本番では五十万人規模の受験が見込まれ、採点する人数も五倍程度になると想定されている。採点基準の統一が徹底できるかは大きな課題だ。
 採点結果と受験生の自己採点が一致しない割合も国語の記述式では約三割に上った。受験生や学校、予備校関係者は志望校選びの時に苦慮する場面も出てきそうだ。
 大学入試センターでは採点の質を確保するため、本年度も記述式問題を約一万人の高校生に解いてもらう準備事業を実施。正答の条件などの考え方を受験生に分かりやすく示せるよう、改善を図るとしている。
 〇六年、英語のリスニングが初めて導入されたセンター試験では、試験に使うICプレーヤーが故障するなどトラブルが続発。全国で四百人以上が再試験を受けることになり、当時の小坂憲次文部科学相が会見で「心からおわびしたい」と受験生に陳謝する事態となった。同じ失態を繰り返してはならない。
 共通テストのもう一つの柱として、英語では民間検定試験が、センターが作成する試験と併存させる形で導入される。七団体八種類が認定されている民間試験の中には、現状で万単位の受験料が必要なものもある。共通テスト本体の受験料も記述式の採点者の人件費などを考えればセンター試験(三教科以上で一万八千円)より値上げされる可能性もある。
 経済的な事情で受験生が泣くことのない措置も、考えていく必要がある。


ゲノム編集食品 消費者の目線で慎重に
 遺伝子を効率的に改変するゲノム編集技術で生まれた食品が、年内にも流通する可能性がある。
 厚生労働省の専門部会が、その大部分を安全性審査の対象外とし、国に届け出れば販売可能とする報告書をまとめた。
 今後、制度の詳細を詰め、夏にも受け付けを始めるという。
 報告書を巡っては、安全性を懸念する意見が多数寄せられ、消費者団体も反対したが、政府が説明を尽くしたとは言い難い。
 しかも、安全性の確認方法などの届け出を求めるものの、その義務化は見送った。
 疑問や不安を置き去りにしたまま、性急に進めてはならない。政府は消費者の視点に立ち、慎重に対応すべきだ。
 ゲノム編集食品は既に、肉厚なマダイや血圧抑制成分を増やしたトマトなどが開発されている。
 報告書は、外部の遺伝子を挿入するゲノム編集について、遺伝子組み換えと同様に安全性を審査する一方、もともとの遺伝子を壊す方法は規制の対象外とした。
 遺伝子の一部を壊して新たな特性を持たせるのは、自然界でも起こる突然変異と区別できず、違反の発見が困難との理由だ。
 だからといって、開発情報の届け出すら義務化しないというのは無責任ではないか。
 狙った箇所以外の遺伝子を損なうリスクがある。長期的に、思わぬ影響が健康に出ることへの消費者の不安は根強い。
 生物多様性の観点からも疑問が残る。ゲノム編集された生物は交雑の可能性は低いとされるが、環境と無縁ではあるまい。
 それだけに、最低でも届け出を法的な義務とした上で、改変の内容などについて情報を公開する必要がある。
 引き続き、消費者庁が表示ルールについて検討する。
 消費者が食品を選択でき、流通経路を追跡できるようにするためにも、表示義務を課すべきだ。
 事は食の安全・安心にかかわる。消費者が十分に理解し、納得できる環境を整えねばならない。
 ゲノム編集作物の規制は、欧州連合(EU)各国と米国でも判断が分かれている。
 政府が昨年6月に策定した統合イノベーション戦略に盛り込まれ、これに沿って環境省や厚労省が検討してきた。
 「スケジュールありき」で審議時間も短く、このまま日本が米欧に先んじて解禁するのは拙速と言わざるを得ない。


ひきこもり 中高年への支援急がねば
 ひきこもりは中高年でも深刻化している。世話をする高齢の親と本人の共倒れが心配だ。対策を急がねばならない。
 内閣府が昨年初めて実施した中高年のひきこもりに関する調査で、自宅にいる40〜64歳のひきこもりの人は全国に推計61万3千人であることが分かった。
 2015年に若年層(15〜39歳)を対象に行った調査では、約54万人と推計されている。これを上回る数字だ。
 半年以上にわたり家族以外とほとんど交流せず、趣味の用事やコンビニに行く以外に自宅から外に出ない。内閣府は、こうした人を「ひきこもり」と定義している。
 調査の結果、ひきこもりのきっかけは「退職」が36%と最も多く、期間も7年以上が半数を占め、長期化が裏付けられた。高齢の親に経済的に依存している割合は3割に上る。
 福祉の現場では、80代の親と50代の本人の生活が困窮する「8050問題」が指摘されてきた。現実に親が病気などで倒れ、取り残された子どもが孤立する例が報告されている。
 自分が死んだ後の子どもの暮らしを心配し、必死に貯蓄する親もいる。
 国は今回の調査を踏まえて実態の分析を進め、孤立の不安や困窮から親子を守れるよう、施策に生かしてほしい。
 本県でも中高年のひきこもりは大きな課題だ。
 新潟市の「こころの健康センター」によると、11年度に設置した「ひきこもり相談支援センター」には17年度までに970人から相談があり、そのうち40代以上は170人に上る。
 親が高齢になって介護などを関係機関に相談して初めて、ひきこもりの家族がいることが分かる例があるという。
 ひきこもりを早期に把握した上で、きめ細やかで重層的な支援が必要だ。こころの健康センターは「切羽詰まらないうちに相談してほしい。それが支援の一歩になる」と呼び掛ける。
 新潟市では「ひきこもり相談支援センター」をはじめ、ひきこもりの子を持つ親の会や、自立に向けて支援するNPOなどが連携して対応している。
 現状では、国は相談センターの設置を促しているが、全国的には都道府県と政令市に一つずつある程度だという。窓口を設置しているだけの自治体も多いとされる。マンパワーも含め態勢の強化を進めたい。
 中高年のひきこもりは、バブル崩壊後に起きた就職氷河期の影響も指摘される。調査では、就職氷河期世代に当たる40〜44歳の3分の1は「20〜24歳」でひきこもりになっている。
 若い頃に職に就けなかったり、過酷な就労環境を経験したりした人が、自信を失い、人間不信に陥って、ひきこもってしまうケースがあるという。
 忘れてはならないのは、本人にきちんと寄り添った支援という視点だろう。強引に社会に引き戻すようなやり方ではなく、安心して過ごせる居場所づくりが求められる。


「妊娠は病気じゃない」の意味、日本とフランスでこんなに違います 妊婦の「しんどさ」を減らすヒント
男女平等を力強く推進し、「グローバルジェンダーギャップ」のランキングを短期間のうちに駆け上がったフランス。本連載「フランスに探る男女連携社会の作り方」は、フランスに男女の〈連携〉の在り方を学ぶ。
妊娠は病気じゃないんだから甘えるな
「おめでたですね」
医師が妊娠を告げるシーンで使われる、この定番の表現が私は苦手だ。私自身子どもが二人いて、彼らに恵まれたことは幸運だと思っている。が、そのための妊娠出産体験には、苦しい思い出が多いからだ。
私はフランスで妊娠、出産したが、妊娠中は不定愁訴の連続だった。始終うっすら吐き気のするつわりが数ヶ月続き、お腹が出始めると股関節神経痛に見舞われ、歩くたびに激痛が走った。
おまけに妊娠期間特有の糖代謝異常「妊娠糖尿病」も罹患していた。後期は胎動が激しく夜も熟睡できない。とにかく全身のどこかが常に、しんどかった。それでも胎児の成長は順調で、妊娠糖尿病以外は「正常な妊娠」の範疇だった。 
しんどいのは体だけではない。お腹の子に何かあっては、との不安から、転倒の危険がある階段の上り下りでは毎回緊張した。一度流産をしてからは、トイレに行くたびに出血が不安で肝を冷やした。
何かあったら傷つくのは、私と胎児だけではない。子の誕生を待ち望む家族を横目に、責任感で泣きたい気持ちになったのは、一度や二度ではなかった。つくづく、私にとって妊娠は「めでたい」だけではなかったのだ。
妊娠中、そんなしんどさを祖母に漏らしたことがある。すると国際電話の向こうの祖母は、語気を強めてこう言った。
「妊娠は病気じゃないんだよ。大げさな子だねぇ。甘ったれたことを言って!」 
とっさに私は何も言い返せず、モゴモゴと言葉を濁して話を変えたように思う。その言葉の衝撃は強烈だった。そして衝撃が過ぎた後は、ひたすら悲しかった。この辛さが「甘ったれたこと」だって? 妊娠は病気じゃないなんて、誰が言ったの? 心も体もこんなにしんどいのに!
妊婦のしんどさを理解しているフランス社会
祖母の発言が衝撃だったのは、私がそれに慣れていないせいもあった。フランスでは、妊娠出産に伴う不調や辛さを訴えて、祖母のような対応をされたことは一度もなかった。いや、より正確を期すなら、前半は同じだったが、後半が正反対というくらい違った。
フランスでも「妊娠は病気ではない」の認識は一般的だ。しかしそのあとは「だから大変だね」と続く。最初の妊婦健診で産婦人科医に受けた説明から、バスや地下鉄の中、スーパーマーケットのレジ待ちの列に至るまで。
妊娠は病気じゃない。だが、いつ重大事になってもおかしくないリスクを伴い、不快な症状も治療できないものが多い。それらは無事出産が終わるまで、どうしようもないことだ。そりゃあ大変だね。なるべく負担は少ない方がいいね、と。
妊娠をめぐる制度面でも、同じ認識をいつも感じた。妊婦健診と分娩関連費は全額、国民医療保険の対象で、立て替え支払いもない。つまり、自己負担はゼロだ。
妊娠6ヶ月からは、妊娠に関係ない疾病の医療費も全額、医療保険でカバーされ、これもやはり自己負担はない。国内の出産施設の7割は保険適用範囲内の公立病院だ(公立は自己負担ゼロ。私立病院では、部屋代やエコーなど基本医療費以外の料金が追加されることがある)。
公立病院の部屋や食事は平均的な疾病入院と同様かなりシンプルだけれど、医療面や安全面で問題はなく、助産師の育児サポートもしっかりしている。
ちなみに出産の際の無痛分娩(硬膜外麻酔)は90年代から妊婦の全員の「産科医療の権利」となり、こちらも自己負担はゼロで選択可能だ。2016年の調査では、経膣分娩(お産全体の約8割)の79%が無痛分娩だった。
それらの医療費の公的負担に加えて、子ども一人当たり12万円ほどの出産祝い金が支給される。
そんな環境で妊娠出産を経る間、「しんどさが、社会に理解されている」と、私は感じていた。その上で妊婦の負担をできるだけ減らせるよう、制度が作られているのだと。
日本の社会は妊婦に冷たい?
祖母の発言とフランスの環境を話すと、日本の知人たちはほぼ同じ反応をする。祖母の発言に関しては「まぁそうだろうね」「自分も言われた」。そしてフランスの社会や制度に関しては「羨ましい」だ。
「おばあちゃんならまだいいじゃん。私それ、自分の夫に言われたよ。産婦人科の待合室で、同伴した夫が堂々と座ってたりするしね」
「妊娠すると迷惑、ってあからさまに言う職場もあるよね。なんで今したんだ、とか責められたり。マタニティマークが嫌味だ特権だ、って言う人もいるんだよ」
「立て替え払いがないだけでも本当に羨ましい。出産の時は20万円くらい追加で払ったし、検診だって毎回5000円は飛ぶんだよ。ほら、妊娠は病気じゃないから」
日本の妊娠生活のしんどさを友人知人から聞くと、私はなんとも不思議な思いに駆られてしまう。彼女らの言うことはメディアでもよく目にしてきたし、都内在住の知人には、分娩費用だけで100万円近くかかった人もいる。
しかし一方で、漫画『コウノドリ』を愛読する私は、日本の周産期医療が世界トップレベルだとも知っている。
祝膳や母乳マッサージのような周辺サービスも充実しているし(どちらもフランスにはない!)、医療関係者の対応の細やかさは、フランスの確かだけども大らかなケアを受けていた私の方が羨ましいくらいだ。補助金などの制度面でも、日本の妊娠出産支援は決して貧しいわけではない(後述)。
その一方で、一般社会の妊婦に対する認識や態度は厳しい。日本労働組合総連合会が2015年、妊娠出産を経験した働く女性1000人に行った調査では、5人に一人が職場で「不利益な取り扱いや嫌がらせを受けた」と答えている。「妊娠は病気じゃない、甘えるな」の反応は、時代錯誤の少数派ではない、目の前の現実だ。
フランスでは、社会風潮と医療・行政のあり方が「妊婦支援」で一致している。しかし日本ではそれが、完全に分裂してしまっている。医療・行政は妊婦をフォローしているのに、社会は妊婦を突き放す。どうしてこんな奇妙な事態になってしまったのだろう。
日本とフランスのこの違いは、一体、どこから来ているのだろうか。
妊娠は病気ではない、それで? 〜フランスの場合〜
世界トップレベルの周産期医療で妊婦をフォローしながら、妊婦に厳しい日本社会。その不思議現象の軸にいつもあるのが、「妊娠は病気ではない」という考え方だ。フランスもそれは同じだと前述したが、妊婦に対する社会の姿勢は全く違う。日本とは、何が異なっているのだろう。
「確かにフランスでも妊娠は、疾病とは定義されていません。しかし、密な経過観察の必要な『一時的に脆弱な状態』とされています。乳幼児と同じ分類ですね」
そう答えたのは、フランスの医療行政を司る保健省の担当者だ。
「妊婦の脆弱さが一番強く現れるのは、やはり健康面。なのでフランスの社会保障法典では、妊娠の「リスクと帰結に対し、医療関係諸費を国の社会保障制度が担う」と明記されています」
フランスは国民皆保険制度、かつ正当に滞在する外国人も受益者と扱うので、国内で妊娠した女性はほぼ全員が、同じ権利を持つことになる。「妊娠・出産を国の医療保険がカバーするべき理由も、多岐に渡っているのですよ」と前置きしつつ、担当者はフランス行政の妊娠出産に対する公式見解を、簡潔に教えてくれた。 
ー 周産期の母子には、重大な健康上のリスクがあり、それが医療で効果的に予防できる
ー 妊娠出産を予防的にケアすることは、医療経済的に効率が良い。
ー 生殖と妊娠に関して、女性たちの機会の平等には配慮が必要。それは新生児期から始まる子の医療ケアでも同様である。
「フランスは第二次大戦後、人口回復のために出生を増やしたいという国の強い意志がありました。妊娠出産をめぐる制度設計に、その意思が影響したことは大きいですね」
最初の妊婦支援は補助金の支給、いわゆる「現金給付」から始まった。しかしそれでは、居住地域や行ける施設によって、受けられる医療に格差が生まれてしまう。国内の女性に同じ権利を与えるためには、各地の医療環境を揃える必要があるのだ。
そのため80年代より、仏全土で分娩全般の医療化と環境整備が進められ、90年代に女性政治家シモーヌ・ヴェイユが保健相となった際には、無痛分娩を含めた妊娠出産の必須医療環境を無償で与える「現物給付」の形になった。
「金銭ではなく支援環境を与える「現物給付」は、インフラ整備の手間も時間もかかります。が、周産期の母子のリスクをできるだけ広く均一にカバーし、予防診療を行うためには必要と、政治的意思で進められました」
経験者として、フランスの医療環境、特に出産入院に関しては、快適度は日本より低いと感じる。しかし誰もが自己負担ゼロでアクセスできる範囲が広く、その質も揃っている点は、私にはとても安心だった。
特に妊娠中は疲労や不安が強く、「医療を選ぶ」という成人として当たり前の作業すら、負担になる時期だったから。医療費の立て替え払いが一切ない、ということも、なんだかんだとお金のかかる妊娠出産時期には、心の余裕に繋がっていた。
妊婦は弱い存在と、法律が定めている 
保健省の担当者と話しながら、一つの疑問が頭に残った。制度作りの考え方は分かった。しかしなぜ妊婦を「乳幼児と同じ、弱い存在」とし、その全員を医療保険に入れることができたのか。その点にモヤモヤが残ったのだ。 
健康リスクの中でも、妊娠出産は女性の体だけのものである。国民のもう半分である男性にはないものだ。しかもフランス政界はつい10年前までかなりの男性優位社会で、行政の意思決定機関は男性ばかりだった。なぜフランスの男性たちは、自分には一生来ないリスクを、そこまで重要視することができたのだろう。
それを問うと担当者はキョトン、とした顔をして「繰り返しますが、政治がそう望んだ、ということです。当時の保健大臣は女性でしたし」と答えた。いやそれは分かるが、と食い下がり、日本のマタハラの現状などを伝えた。すると担当者はようやく質問の意図を理解したようで、「法律です」と続けた。
「妊婦は社会的弱者で、国民みんなが守らねばならない。そう法律で決められていますから」
その一例に、日本の刑法に当たる「フランス刑法典」の434-3条がある。
ここで妊婦は、未成年・障害者・高齢者・病人と並び、『自らの身を守ることのできない者』と定められている。彼らへの虐待・侵害・暴行は法律違反で、それを知ったすべての人は、司法または行政当局へ通報しなければならない。通報義務を怠った人には、3年以下の禁固刑または45,000ユーロ(約560万円)以下の罰則付きだ。
また外見や性別、出自などによる差別を禁止する刑法第225-1条の中にも、妊娠が列挙されている。加えて、雇用主に妊娠を理由にした不当な扱いを禁じ母体保護を命じる労働法と、医療費を社会保険でカバーする社会保障法が整備されている。
フランスの「妊娠は病気ではない」に続く「だから大変だね」の社会的な認識は、「妊婦」の法的な定義を基盤に培われたものだ。男女の性別の違いや、その妊娠が順調かどうかは関係ない。「妊娠している」という事実だけで、未成年や障害者、高齢者と同じ、社会の中の「守るべき弱者」となる。それゆえに国の医療保険に取り込むのが当然、という論理だ。
妊娠は病気ではない、それで? 〜日本の場合〜
一方の日本では、妊産婦の保護を母子保健法・労働基準法・男女雇用機会均等法の法律で定めている。が、フランスの刑法典のように、一般社会全体で妊産婦を「弱い、守られるべき存在」と定義する文章は、私が調べた限りでは見つかっていない(ご存知の読者がいらしたらぜひご教示ください)。
例えば、妊産婦と乳幼児の扱いを定める基本法「母子保健法」を見ても、「妊娠」と「弱さ」を結びつける記載はない。
第一条にある法律の目的には、「母性並びに乳児および幼児の健康保持および増進を図るため」。つまり妊婦とはもともと健康であることが前提で、この法律はそれを保持・増進するためにある、という認識だ。妊婦を「脆弱」とするフランスとの違いは、大きい。
もう一つ象徴的な例に、妊婦向けに健診を促す厚労省の「妊婦健診を受けましょう」という小冊子がある。
そのQ&Aの一つ目、妊婦側の質問はこうだ。「そもそも、なぜ妊婦健診を受ける必要があるのかしら。妊娠は病気じゃないのに…」。それに対する回答は「妊婦健診は、妊婦さんや赤ちゃんの健康状態を定期的に確認するために行うものです」と、妊婦の脆弱性には触れていない。フランスのように「病気じゃないけど普段より弱い状態なので、観察が必要です」ではなく、ただ「健康状態を確認しましょう」と言っている。
日本の法律や公的な資料では、妊婦は基本的に「健康である」とのスタンスがある。妊娠出産は問題なく正常に進むのがデフォルトで、その間の様々な体調不良は基本的に、妊婦が「不快」と感じる主観的な症状という扱いだ。
二本立ての支援システム
日本で「妊婦は健康である」という前提が浸透していることは、補助制度にも現れている。
前述の通り、フランスがすべての妊婦を脆弱な存在であると考え、医療の「現物給付」を行っている(医療保険の対象としている)のに対し、日本では妊婦は「健康(正常)」であることをデフォルトとし、そこに「異常」が発生した時だけ医療を「現物給付」(つまり、医療保険を適用)しよう、という原則だ。 
しかし実際、妊婦の体は完全な健康体ではない。妊娠出産が女性の体に及ぼす影響は国が変わろうと同じで、世界のどこでも、医療者の観察とケアが必要だ。「妊婦は健康である」との前提は、現実とは齟齬がある。
日本にも幸い、医療や行政の現場にはその齟齬を認識する人々がいて、「現物給付」以外の方法で妊婦を支援する制度が整えられてきた。
例えば経過観察の妊婦健診は医療保険対象外で、原則的に全額自己負担だが、補填制度がある。自治体が診療チケットを支給しており、提携医で受診し支払い時にそれを出せば、立て替え払いが必要なくなるシステムだ(自治体や施設によっては追加の自己負担もある)。
同じく「正常な」お産は医療保険の対象外だが、その費用を賄うために医療保険と同じ財源から、出産一時金(42万円)の給付がある(それを分娩施設が直接受け取る形にすれば、出産入院時の立て替え払いもない)。
どちらも現金(もしくはそれに類する診療券)を給付するシステムで、妊婦のデフォルトである「正常」で健康な人を、二本立てで支援している。
そして一度医学的に「異常」が発生すると、医療保険の対象内に取り込む仕組みだ。
「正常なお産」と「異常なお産」
「正常」と「異常」で妊娠の扱いが変わるこのシステムは、日本の医療現場ではどのように機能しているのだろう。
「産婦人科医が、一つ一つの医療行為について、これは私費、これは保険適応の医療行為と判断しています。すべて保険適応になったほうが、現場は助かりますね」
都内のある産婦人科医はそう答える。
そもそも日本では、なぜ最初から、あらゆる妊娠出産を医療保険の対象としなかったのか。どうして「正常」と「異常」で、保険適用にする・しないと分ける制度になったのか。単純な疑問を抱くのは、私だけではないだろう。フランスのような例を知ると、なおのこと。
産科医療の歴史を説く資料類には、その理由が明記されている。日本の妊産婦は医学的見地から「正常」と「異常」の二種類に区別され、まずその区別ありきで、現状の制度が整えられて来たとのことだ。
歴史上、出産は自宅で、産婆など女性たちの助け合いで行われてきた。安産なら万々歳だが、異常があれば母子の生死に直結する。その救命に医師が迅速に介入するため、出産を自宅外の施設で行うようになったのは、第二次大戦後のこと。
例えば昭和25年当時は、妊産婦の250人に一人が死亡していた。現在でも「妊産婦の死に直結するリスク」は250分の一とほぼ同じだが、周産期医療によってそのうちの99%が救命されている。産科医療は「異常なお産」のために発展したものなのだ。
「正常なお産」の方は明治以降、資格化・医療技能化が進められ、現在は主に助産師という医療職が担っている。が、助産師が扱う「正常なお産」は、医療保険の対象ではないとされてきた。なぜなら、医師が介入しないから。
そこで用いられたのが「医師の必要ない正常なお産は、健康な自然現象である」との見解だ。同じ妊娠出産という現象でも、医学的に「正常」か「異常」かで、制度上の括りが大きく変わる理由はここにあるのだ。
日本でも、全ての妊娠出産を区別せず、ひっくるめて医療保険対象とする議論は、過去にも何度もなされてきた。しかしその度に叶わず、現在の仕組みに至っている。その歴史や経緯の報告・研究はいくつもあり、無料で読めるものとしては大西香世氏の論考が分かりやすい。ご興味のある方には是非、ご一読を勧めたい。
命に関わらなければ「正常」なのか
医学的な見地で「正常なお産」と「異常なお産」を分け、フォローの枠組みが変わる日本の線引きは、一見とてもクリアだ。そして現在ではそのどちらにも、支援制度がある。
しかし、実際に妊娠出産を経験したものとしては、この「医学的に正常か、異常か」の線引き自体に、どうしても、苦々しい思いを抱いてしまう。
前述した通り、「医学的に正常」であっても、妊娠は女性にとってしんどいものだ。妊娠前には軽傷で済んだ感染症や転倒が引き金で、胎児死亡や母体の大出血に繋がる可能性は、どんな妊娠にもある。妊娠はそれ自体が、命に関わるハイリスクへの入り口なのだ。「異常」が起きていないときですら。
そして医学的見地ではなく、女性の体を人生全体から俯瞰するなら、妊娠出産こそ「異常期間」と私は思う。これは妊娠出産を経験した人なら、多く賛同してもらえる実感だろう。
妊娠中の9ヶ月間の体はあなたにとって「正常」でしたか「異常」でしたか? 「健康」でしたか「弱って」いましたか? そう問われて、迷わず「正常」「健康」と答えられる女性は、一体どれだけいるだろう。実際、月に一度の定期検診が必要なくらい、妊娠中の女性の体はそれまでとは違うのだ。
そしてこの「正常」と「異常」で妊娠を分ける観点こそが、日本社会の妊婦への無理解・不寛容と繋がっているように、私は感じてしまう。「正常な妊娠」が医者の介入の必要ない、医療保険の対象にもならないものなら、配慮の必要はないだろう。「甘ったれたことを言うな」という風に。
しかも妊娠出産に関係ない人々は、その冷たいスタンスを疑問に思うこともないのだ。彼らは国の制度が表すように、「妊娠は健康な自然現象」と思っている。だから配慮する理由も必要も感じない。異常じゃなければ正常、それが妊娠なのだから、と。
社会から妊娠のしんどさを減らすには
妊娠はしんどい、でも社会はそれを理解しない。そんな状況では、少子高齢化も致し方ないように思えてしまう。しかしそれを放置しては、日本は先細りの一方だ。この状況を変えて行くには、どうすればいいだろう。
一番のキモは、「妊娠は病気ではない」に続く、「だから健康だ」との固定観念を変えて行くことだと、私は思う。そしてその方策を思案すると、「男女連携」というこの連載のテーマに思い至る。
「妊婦の苦しさを理解しない社会」の半分は男性で構成されており、その社会の仕組みを作る意思決定層の大多数も、男性だ。そして現時点で、彼ら男性の子をしんどい思いで妊娠出産するのは、男性自身ではない。それができるのは女性だけだ。 
「妊娠はしんどいのだ。妊娠しているだけで、女性の体はいつもより弱くなり、正常な状態ではないのだ」。全世界共通の妊婦のリアルをまず、日本社会全体が認める。それを受けて意思決定現場で男女が連携し、妊婦の脆弱性を、あらゆる場面に反映していく。
法律や制度の変更に時間と労力がかかるなら、まずは妊婦を囲む一人一人の考え方から、変えていけないだろうか。産婦人科の待合室で席を立つ男性が一人増えれば、そこに座ってしんどさを軽減できる妊婦も一人、増えるのだ。
フランスで妊婦を「守るべき、弱い存在」と法律で決定し、医療保険で全額負担する仕組みを作ったのも、男性多数の現場だった。文化も歴史も異なる国と同じやり方はできないが、その発想や考え方を「他山の石」とすることはできる。「妊娠は病気じゃない。甘ったれるな」の呪いに傷ついた一人として、私はその変化を、切実に願っている。


はやぶさ2 衝突実験が成功 世界初、小惑星にクレーター作る
 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は5日、探査機はやぶさ2が世界初となる小惑星にクレーターを作る衝突実験に成功したと発表した。はやぶさ2は同日午前、小惑星リュウグウへ衝突装置をぶつける実験に挑んだ。はやぶさ2から分離された小型カメラが撮影した画像が地球へ届き、リュウグウの表面から岩石などが砕けたとみられる物質が飛び散る様子が写っていたという。
 はやぶさ2は2月にリュウグウへの着陸に成功し、表面の物質を採取できたとみられており、それに続く快挙となる。
 はやぶさ2は5日午前11時ごろに衝突装置、続いて小型カメラを分離し、爆発の影響から身を守るため、リュウグウの裏側へ退避した。衝突装置にはタイマーが付いており、分離から40分後に爆発し、ソフトボール大の銅のかたまりをリュウグウ表面へぶつけた。JAXAによると、退避は計画通り実施され、探査機の状態は正常だという。
 小型カメラは、はやぶさ2から分離された後、リュウグウから約1キロ離れた宇宙空間に浮かんだ状態で、衝突装置が爆発し、銅のかたまりがリュウグウ表面に衝突する様子を1秒に1枚のペースで撮影した。分離後は、カメラの方向やシャッターを切るタイミングなどは調節できないため、衝突の様子を撮影することは難易度が高いとみられていた。カメラには、リアルタイムでデータを送信するためのアナログカメラと、科学的な分析のため宇宙での衝突実験をより鮮明に記録するデジタルカメラの2台が搭載されていた。【永山悦子】

英語の外国人3人がコピー機の設定は?/机周りを少し整理

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Ghosn retourne en prison et dénonce une "arrestation révoltante"
Arrestation "révoltante et arbitraire", a jugé Carlos Ghosn, interpellé jeudi à son domicile de Tokyo sur de nouveaux soupçons de malversations financières.
Les enquêteurs du bureau des procureurs se sont rendus au petit matin à son immeuble.
L'ancien patron de Renault-Nissan a été plus tard conduit au centre de détention de Kosuge (nord de la capitale), où il a déjà passé plus de 100 jours avant d'être libéré sous caution il y a à peine un mois.
"C'est contre l'esprit de la loi ou de ce que la loi prévoit, et c'est un acte qui ne doit pas arriver dans un pays civilisé", s'est insurgé devant la presse son avocat Me Junichiro Hinoraka, promettant d'utiliser tous les recours possibles pour obtenir sa remise en liberté.
Le défenseur, visiblement courroucé, a par ailleurs dénoncé la confiscation du téléphone sans accès à internet de son client et de l'ensemble de ses notes, ainsi que du smartphone de sa femme, privée aussi de son passeport.
De son côté, le parquet a justifié cette décision par "un risque de destruction des preuves", selon le procureur-adjoint, Shin Kukimoto.
"Pour me briser"
Alerté dès mercredi par des rumeurs de presse, l'homme d'affaires de 65 ans s'était préparé à cette éventualité. "Il a enregistré une vidéo résumant son point de vue, document que nous prévoyons de diffuser", a annoncé Me Hironaka.
Le magnat de l'automobile déchu avait aussi rédigé une déclaration écrite, clamant son "innocence". "Pourquoi venir m'arrêter alors que je n'entravais en rien la procédure en cours, sinon pour me briser ?", a-t-il lancé.
Cette arrestation "fait partie d'une nouvelle manoeuvre de certains individus chez Nissan qui vise à m'empêcher de me défendre en manipulant les procureurs", a-t-il accusé, reprenant le thème du "complot" brandi dans de précédentes interviews accordées en prison.
"Mensonges", "acharnement" et "démolition systématique": il a usé de la même virulence dans un entretien accordé mercredi en urgence à TF1/LCI par Skype. "Je fais appel au gouvernement français pour me défendre, pour préserver mes droits en tant que citoyen pris dans un engrenage incroyable à l'étranger", a-t-il insisté.
Ce nouveau rebondissement dans un interminable feuilleton, qui s'est ouvert le 19 novembre avec l'arrestation surprise de celui qui était alors le tout-puissant PDG de l'alliance Renault-Nissan-Mitsubishi Motors, intervient alors même qu'il avait décidé de prendre la parole pour la première fois depuis sa sortie de prison.
M. Ghosn avait annoncé mercredi via Twitter, de façon impromptue, qu'il s'exprimerait devant la presse le 11 avril. Dans un court message sur un compte certifié créé pour l'occasion, il disait vouloir "dire la vérité à propos de ce qui se passe".
"Contraire à l'éthique"
Déjà sous le coup de trois inculpations pour déclarations inexactes de revenus sur les années 2010 à 2018, dans des documents remis par Nissan aux autorités financières, et pour abus de confiance, M. Ghosn est désormais sous la menace d'une quatrième mise en examen.
Le parquet le soupçonne d'avoir transféré des fonds de Nissan, pour un total de 15 millions de dollars entre fin 2015 et mi-2018, à une société "de facto contrôlée par lui".
Sur cette somme, 5 millions ont été détournés, a précisé le bureau des procureurs dans un communiqué. "Le suspect a trahi sa fonction (de patron de Nissan) pour en tirer des bénéfices personnels", a-t-il souligné.
Selon une source proche du dossier, le procédé a débuté dès 2012, portant sur une somme totale de plus de 30 millions de dollars versée à un distributeur de véhicules Nissan à Oman, montants dont une partie lui serait revenue indirectement.
Il aurait notamment acheté un yacht et investi dans une société dirigée par son fils aux Etats-Unis.
Des flux financiers similaires ont été signalés la semaine dernière par Renault à la justice française, à l'issue d'une enquête interne du constructeur qui s'interroge aussi sur des dépenses opaques au sein de la filiale commune avec Nissan, RNBV, basée aux Pays-Bas.
Une enquête a déjà été ouverte sur le financement du mariage de Carlos Ghosn au chateau de Versailles en octobre 2016.
"Carlos Ghosn est un justiciable comme les autres. Il bénéficie de la présomption d'innocence", a réagi jeudi le ministre français des Finances, Bruno Le Maire, tout en assurant avoir demandé, en tant qu'actionnaire de Renault, "la transparence totale".
Au Japon, la date du procès n'a pas été fixée. Ses avocats ont déposé cette semaine une requête au tribunal pour que l'ex-patron soit jugé séparément de Nissan, qui, bien qu'étant aussi inculpé sur un des volets, "a pris depuis le début le parti des procureurs", selon Me Hironaka.
Le dirigeant franco-libanais-brésilien espère être blanchi après avoir été dépouillé de la présidence des trois constructeurs qu'il avait unis et hissés au premier rang mondial.
Nissan, qui a encore une fois jeudi évoqué "des preuves substantielles d'un comportement ouvertement contraire à l'éthique", se prépare à tenir lundi une assemblée générale extraordinaire d'actionnaires. Le mandat d'administrateur de M. Ghosn devrait être révoqué, coupant tous ses liens avec l'entreprise qu'il a naguère sauvée de la faillite.
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フランス語の勉強?
Karyn NISHI-POUPEE🔊‏ @karyn_nishi
L'avocat japonais de #Ghosn est très très énervé après la nouvelle arrestation de son client. "Il n'y avait pas de raison de le rearrêter".
Donc, tous les journaux savaient dès le milieu de la nuit (avant l'heure de bouclage) que #Ghosn serait rearrêté ce matin

yoshita07 @Harunchan123
共産党の質問力は凄い、 仁比聡平。平成28年3月、関門会が石井国交大臣に下関北九州道路の早期実現に向けた要望書を提出。なんと、その筆頭に安倍晋三の名が。塚田副大臣はまさにその要望に応えただけ。
シンゾー真っ青「知らなかった、総理ではなく関門会の会員として名前があった、むにゃむにゃ」

山崎 雅弘 @mas__yamazaki
塚田一郎副国土交通相は1日夜に北九州市であった集会で、山口県下関市と北九州市を結ぶ下関北九州道路の建設計画を巡り、国が今年度から国直轄の調査への移行を決めたことについて、下関市が地盤の安倍晋三首相らを念頭に「私が忖度(そんたく)した」と述べた(毎日)
「利益誘導ととられかねない発言」とあるが、大手メディアはいつまで「ととられかねない」「と誤解されかねない」式の、上位者の顔色をうかがう甘やかし報道を続けるのか。明らかに「利益誘導を示唆する発言」だろう。なぜ「利益誘導を示唆する発言」とハッキリ書かないのか。誰の味方なのか。

首都圏学生ユニオン @s_gakuseiunion
小田急電鉄では、駅員の3割以上が学生バイトで、人身事故が起こった場合大学へ行けず、単位を犠牲にして働かされています。学生としての勉強する権利を侵害しています。
また、制服の着替え時間、移動時間・準備時間は未払いであり、正社員とほぼ同じ業務をしているのにも関わらず差別的に低い賃金です

南三陸日記
三浦英之
朝日新聞出版
2012-03-30


KOBO 鎮魂歌(レクイエム)
南三陸町には、昨年の夏、ボランティアで訪れたこともあって本書を手に取りました。
朝日新聞に掲載されていたコラムとのことですが、私は本書で初めて読み、心打たれました。
震災から一年間の南三陸町の人々の心の有り様を、そっと隣に寄り添うような文章で伝えてくれています。
被災地には、文字通り必死の思いで生き残り、その後も、悲しみを抱えながら、それでも前を向いて歩いていこうと頑張っている人が沢山いるのですね。
復興が遅れているのは、政治家や役人だけのせいだけではなく、自分達のような被災地から離れた地域に住む一般の人々の関心の低下にも原因があるような気がします。
是非、一人でも多くの方に本書を読んでいただき、被災地の現実に関心を持ってもらえたら、と思います。

K 写真と文章の組み合わせが秀逸
あまり期待せずに図書館で読みましたが、こういう本のために私の払った税金が使われて良かったと思います。でも、図書館に入っているがために、印税には、寄与できずもうしわけありません。
短い文章と見開きの写真。との組み合わせであっというまに読めてしまいますが、南三陸に常駐しなければかけない文章です。そして、短いけれど、非常に心に響くのは、多くの時間を過ごして知った内容をこの短い文章に凝縮しているからでしょう。
巨大なホテルが水の出ないまま、避難所になっているなど、通常の報道の絵につかわれる体育館に一面に避難者が寝ている光景とは違う、「避難所」など、報道されないが故にしられない内実にも迫ってほしいと思いました。


英語の外国人3人が来ました.背の高い3人.コピーをしたいのにコピー機の設定がなされていないようです.
机周りを少し整理しました.でもまだキタナイ.

寄り添う先生 志す春 「釜石の奇跡」の中学生が小学校教員に 岩手
 東日本大震災で岩手県釜石市鵜住居(うのすまい)地区の小中学生約600人が率先して高台へ避難し津波から命を守った「釜石の奇跡」。その中心となった釜石東中の卒業生から初めて学校の先生が誕生した。3月に岩手大教育学部を卒業した及川真穂さん(22)。「子どもたちの命を守れる教員」を目指して一歩を踏み出した。
 釜石市立甲子(かっし)小学校。及川さんは4日朝、2〜6年生約220人が集まった同小体育館での着任式(紹介式)と始業式に臨んだ。2年2組の担任と紹介され、「まほ先生と呼んでくれたらうれしいです。みなさんと一緒に勉強や行事ができることが楽しみです」と笑顔で語りかけた。
 中学2年生だったあの日。激しい揺れに「津波が来る」と直感した。当時、鵜住居小5年だった妹(19)らと合流し、高低差約40メートル、約1・6キロ先の峠まで全力で逃げた。津波が来たら、家族がてんでバラバラでもとにかく逃げろ、という「命てんでんこ」の言い伝えを守った。
 小中学校にいた子どもは全員助かった。だが、津波に襲われた町の光景が脳裏に焼き付き、多くの同級生が登校できなくなった。
 そんな子どもたちを教員たちが支えてくれた。避難所や仮設住宅に散らばった生徒の通学手段を確保したり、学用品の支援を呼び掛けたりしてくれた。隣町の小学校教員だった母朋子さん(48)も児童や保護者にずっと寄り添っていた。「つらい時、子どもたちの身近にいて一緒に危機を乗り越える」。及川さんはそんな理想を抱き、教員を目指すようになった。
 釜石東中2、3年時の担任だった佐々木俊さん(48)=現岩手県大船渡市立第一中教員=は「子どもたちに寄り添う気持ちを大切に、自然体で日々を楽しんでほしい」と教え子にエールを送る。
 あれから8年。乗用車が校舎3階に突き刺さるほどの津波に襲われた小中学校があった場所には昨夏、ラグビー・ワールドカップ会場の釜石鵜住居復興スタジアムが完成した。復興を遂げる釜石での教員生活が始まり、及川さんは「釜石の子どもたちが自らの命を守り、人を助けられるよう一緒に成長していきたい」と決意を語った。【中尾卓英】
釜石の奇跡(出来事)
 東日本大震災で岩手県釜石市の小中学生ほぼ全員が津波から避難し無事だったことから、当時、「釜石の奇跡」と注目された。中でも釜石東中の生徒は自主的に高台の3次避難場所まで駆け上がり、隣の鵜住居小の児童も一緒に避難。長年の防災教育の成果として約600人の命が守られた。だが、登校していなかった子どもや鵜住居地区防災センターに避難した多数の人が犠牲になったことなどを踏まえ、市は2013年から「釜石の出来事」と表現している。


地域への思い引き継ぐ 気仙沼・津波で被災の鹿折駐在所が再建
 東日本大震災の津波で被災した気仙沼署の鹿折駐在所が気仙沼市新浜町に移転新築して業務が始まり、3日に現地で開所式があった。敷地には津波からの避難誘導中に殉職した当時の所長門馬勝彦さん=当時(52)=の慰霊碑も完成した。
 被災した旧駐在所から南西約10メートルの場所にできた。木造平屋約100平方メートルで総工費は約3200万円。所内には門馬さんの遺影も掲げられた。
 入り口前にある門馬さんの慰霊碑(高さ約85センチ)は、地元の自治会や気仙沼署員らの寄付金で建てられ、犠牲になった地域住民を悼む意味も込められた。
 津波で全壊した駐在所は、2011年12月に中みなと町にあった店舗跡に入居して業務を開始。15年7月に同市西八幡町のプレハブ仮設庁舎に移った。
 開所式には門馬さんの妻恵子さん(60)=石巻市=や地元住民ら約60人が出席。同署の笠松真治署長は「地域に寄り添い、住民の安全、安心のよりどころにしたい」とあいさつした。
 慰霊碑の建立式もあった。月命日に気仙沼市に通う恵子さんは「立派な慰霊碑を建ててもらい、ありがたい気持ちでいっぱい。本人もどこかで見てびっくりしていると思う」と話した。
 気仙沼市内で被災した交番、駐在所の計4カ所はこれで全て再建された。堀川晶太所長は「地域のために尽くした門馬警部の遺志を引き継ぎ、住民に頼られる駐在所を目指す」と話した。


おしゃれにおいしく閖上再生 名取・商業施設25日にオープン
 東日本大震災の津波被害を受けた名取市閖上地区に整備中の商業施設「かわまちてらす閖上」のオープンが、25日に決まった。市内の運営会社が3日、発表した。閖上復興の拠点施設として、若い世代や子育て層を呼び込みたい考えだ。
 商業施設は名取川の堤防と同じ高さの側帯を盛るなどして整備した。約4500平方メートルの敷地に木造平屋の施設3棟などが連なる。外壁の色は、閖上地区の象徴の一つとされる名取川堤防沿いの松並木「あんどん松」をイメージし、ダークグリーンの「海松藍(みるあい)」を採用した。
 市内外の事業者が飲食13店、物販・水産加工品販売12店など計27店を展開する。このうち、震災前に閖上地区で営業していたのは飲食店「漁亭 浜や」、中華料理店「浜一番」、水産加工品店「まるしげ商店」など9店。当初は25店でスタートし、夏ごろに残り2店がオープンする見込み。
 カフェやスイーツの出店も目立つ。運営会社「かわまちてらす閖上」の桜井広行(こういち)社長は「名取川と太平洋が見える空間で、週末の夜には川べりを歩くデートコースを目指したい。若い人たちや家族連れに遊びに来てほしい」と期待する。
 25日は午前10時から記念式典を開く。5月6日まで各店でオープン記念セールを実施。ゴールデンウイーク期間中はゆりあげ港朝市からシャトルバスを運行する。
 商業施設は年中無休で営業時間は店舗ごとに異なる。


みんなで遊ぶの楽しみ、富岡・こども園開園
 東京電力福島第1原発事故に伴う避難指示が一部区域を除き2017年春に解除された福島県富岡町で3日、町立の認定こども園が開園した。町内で未就学児の保育を担う施設が再開したのは原発事故以来初。
 開園した幼保連携型「にこにここども園」には1〜5歳の7人が入園した。開園・入園式で佐藤邦春園長は「楽しく仲良く過ごしましょう」と呼び掛けた。園児は「チューリップ」などの歌を披露した。
 町立の保育所と幼稚園を統廃合し、園舎は鉄筋コンクリート平屋の保育所の建物を改修した。遊戯室にクライミングボード、園庭にはドーム状のトランポリンも設けた。入園した南星凪(せな)ちゃん(5)は「みんなで歌を歌うのと、外で遊ぶのが楽しみ」とうれしそうに話した。3歳の三女を通わせる会社員鈴木孝誌(たかふみ)さん(30)は「広くて充実した施設で、恵まれた環境だと思う。町に少しずつ子どもが増えればいい」と語った。
 原発事故前、町内には町立保育所・幼稚園と民間の幼稚園が計5カ所あり、500人を超す子どもたちが通っていた。


デスク日誌 もののけ
 人けのない住宅街を歩く。ガサッ、ゴソッ。嫌な音と気配がする。身構えながら進む。民家の庭先にいたのはイノシシだ。自分の体重は超えるだろうか。
 原発事故に伴う避難指示が解除された区域に取材で入ることが多い。車上でイノシシやサルに遭遇するのは珍しくない。が、こんな出合い頭は初めてだ。身を守るのはカメラしかない。
 にらみ合う。敵意はないようだが目はそらさない。「人間は来るな」。目の奥はそう訴えているようだ。
 宮崎駿監督のアニメ「もののけ姫」を思い起こす。その1頭の背後に、獣毛に白丸を描き人間に反旗を翻す怨霊めいた群れの存在を感じたからだ。
 原発事故で住民避難が長く続いた。ヒトとケモノの境界線が狂った。イノシシは山から下りた。人家に入り込み田畑を荒らした。営農再開を阻害し、住民の帰還意欲をそぐ。
 南相馬市に、捕獲したイノシシを焼却する施設ができた。年間1500頭を処分する。被ばく線量が高い個体もあるという。
 専用炉の今後を想像する。「亥(い)年なのに」「恨むなら東電を」。そう思って気がめいった。(南相馬支局長 佐藤英博)


<全町避難>福島・双葉のスーパー、新天地いわきで19日開店
 東京電力福島第1原発事故で全町避難する福島県双葉町のミニスーパーが避難先のいわき市錦町に新店舗を構え、19日に営業を再開する。新天地で一から顧客を開拓する挑戦だ。社長の松本正道さん(55)は「お客さんに笑顔になってもらい、自分たちも元気になりたい」と意気込む。
 店舗名は「ブイチェーン マルマサ 錦支店」。閉店したミニスーパーを買い取り、改修した。売り場は双葉町の店より広い約150平方メートル。以前と同様、生鮮品や食品をそろえる。
 当面は松本さんと従業員9人の態勢となる。いわき市で評判のだし巻き卵専門店の店主を迎え入れ、目玉商品にする。魚介や総菜の売り場は対面で要望に応え「店員の顔が見え、会話もできる地域密着店」を目指す。
 双葉町新山の店は町中心部の商店街を代表するミニスーパーだった。前身は実家の雑貨店。松本さんが22歳の時に中心部に進出して店を任された。魚介販売に力を入れ、商品陳列も工夫した。売り上げは伸び、やりがいも増した。
 原発事故は充実した日常と、築き上げたお客さんとのつながりを全て奪った。
 避難後は落ち込んだ。心の安定を取り戻そうと1年後、いわき市南台の町民向け仮設住宅に仮設店舗を出店。赤字経営だったが、仮設入居者の減少などから5年半弱で閉めるまで町民らの暮らしを支えた。
 新店を出す理由も「事故前の精神状態に少しでも近づきたいから」と言う。
 周辺は地元スーパーなどの商圏。顧客開拓は容易ではないが「双葉でも自分で工夫し、店を成長させた」と自信は揺るがない。
 同じ地区には双葉町の仮役場もある。避難した町民も多く、町のためにも働けると考えている。
 町は、中心部などの帰還困難区域に設けられる特定復興再生拠点区域(復興拠点)全域で2022年春に避難指示を解除し、居住開始を目指す計画を進める。ただ、どれほどの町民が戻るのかは見通せない。
 「まずは新しい店を軌道に乗せる。双葉町の店のことは後で考えたい」と松本さん。今回「錦支店」としたのは本店は双葉にあるとの思いからだ。
 避難後に結婚し、長女が1歳になった。「父親が店で働く姿も見せたい。成功すれば被災事業者に一つの例を示すことができる」と決意を新たにする。


<釜石大観音>鉄のまち見守り半世紀、7、8日に記念式典
 釜石市のランドマークとして親しまれている釜石大観音で7、8の両日、建立50周年の記念式典がある。東日本大震災に耐え、鉄のまちの盛衰を見つめてきた観音像を中心に法要を営み、コンサートなどを催す。
 釜石湾を一望して鎌崎の先端に立つ観音像は高さ48.5メートル。釜石市の石応禅寺が、度重なる津波や戦時中の釜石艦砲射撃などで犠牲になった人々の供養と平和を祈念し、1970年4月8日に建立した。
 「正確には建立から49年だが、今年の釜石は三陸鉄道リアス線の開業、釜石花巻道路の全通、ラグビーワールドカップと行事がめじろ押し。これに合わせようと数え年で50周年とした」と住職の都築利昭さん(49)。
 免震構造の観音像は、震災の揺れにもほぼ無傷で耐え抜いた。当時、境内にいた職員の佐々木富也さん(67)は「津波のしぶきが岬の中ほどまで上がった。引き波で湾の底が見えた」と大津波の様子を振り返る。
 近年の入場者は年間1万人前後で、建立当初の約3分の1に減少。カップル向けのモニュメントを設置したり、英語や中国語の案内板を整備したりして拝観客の増加に力を入れている。
 都築さんは「信仰と観光の両面で一層親しまれるよう努力したい。8日の記念法要では、これまでの支援に感謝し、震災犠牲者を供養したい」と話す。記念式典では観音像をかたどったキャラクター「かのっち」を披露する予定だ。
 7、8の両日は拝観無料。仲見世通りは7日、フリーマーケットなどのイベントを開催する。


「安倍・麻生道路」に忖度 政権の緩みが止まらない
 露骨な利益誘導と受け取られるようなことを選挙の応援演説で自慢げに語る無神経さにあきれる。福岡県知事選の集会で飛び出した塚田一郎副国土交通相の問題発言だ。
 塚田氏は今年度予算で「下関北九州道路」の建設計画に国直轄の調査費をつけたことを強調した。安倍晋三首相と麻生太郎副総理兼財務相の地元を結ぶことから「安倍・麻生道路」とも呼ばれている計画だ。
 塚田氏は副大臣室を訪れた自民党の参院幹部から「何とかしてもらいたい」と求められたという。「総理とか副総理がそんなことは言えない。私が忖度(そんたく)した」と語った。
 公共事業の予算措置に忖度を働かせるというのは言語道断だ。しかも、それを自身の手柄のように語る振る舞いには、公金を厳正に扱うべき立場にある自覚が感じられない。
 塚田氏は「発言は事実と異なる」と撤回し、菅義偉官房長官は記者会見で「二度とこのようなことがないように厳重注意した」と述べた。
 だが、安倍政権では横畠裕介内閣法制局長官が野党をやゆした国会答弁など、政権内の緩みと言うほかない失言が続いている。
 塚田氏の発言があったのは新元号が発表され、政権全体が高揚感に包まれていた1日の夜だ。手ごわい対抗勢力のいない「安倍1強」の全能感がモラルをマヒさせていないか。
 今回の統一地方選では野党の弱体化を背景に、自民党内の勢力争いが表面化した保守分裂の知事選が目立つ。福岡知事選もその一つで、3選を目指す現職に麻生氏の支持する新人が挑む構図だ。塚田氏は麻生派に所属しており、利益誘導をひけらかすことで麻生氏の影響力を誇示できると考えたのかもしれない。
 しかし、麻生氏が財務省のトップとして公文書改ざんの責任を問われていることを忘れてはならない。
 森友・加計問題では官僚による首相への忖度が疑われ、いまだに真相は解明されていない。塚田氏が忖度という言葉を冗談めかして使ったこと自体、政権内でことの重大性が共有されていない証左だろう。
 そもそも道路の建設計画は2008年にいったん凍結されていたものだ。公共事業の箇所付けで政治家が影響力を競った土建政治の時代に自民党は回帰したいのだろうか。


この身の程知らず 更迭すべきなのに
★「いいこと言った」と思ったら怒られた。1日、国土交通副大臣・塚田一郎が北九州市での集会で、下関と北九州を結ぶ「下関北九州道路」の整備で国の直轄調査への移行に関し「安倍総理と麻生副総理の地元の事業」「安倍晋三首相や麻生太郎副総理が言えないので、国直轄の調査計画に引き上げた。私が忖度(そんたく)した」と発言した。塚田は2日、「事実と異なるため撤回し謝罪する」というコメントを文書で出した。★与党は火消しにおおわらわだろうが国民の前に姿も現さず、この発言をなかったことにしようとする本人、任命した首相・安倍晋三、自民党の火消し係、それを中途半端に攻撃して追い詰めない野党議員。すべて国民の政治不信の元凶だ。日常茶飯に起こる程度の低い舌禍、軽口、冗談にならないような不規則発言、加えてセクハラやパワハラの類、ここ数年、政治の世界はごまかしたり改ざんしたり頬かむりして正すことをせず、あいまいにやり過ごしてきたものばかりだ。国民に反対の多い法案の強行採決、公文書改ざん、不正統計、政治の世界はうそ、ごまかしのオンパレードではないか。野党も国民もあまりの件数の多さに問題の重大さを忘れ、まひしてしまっている。★だが、こんな程度の政治に胸を張り、新たに新元号をいただく時代を受け入れていたら、この国はどんどんだめになるのではないか。ひとつひとつの問題に決着をつけ、曲がりなりにも内閣の一員が道路建設は首相と副総理の地元だから忖度したなどという疑念を想起させただけで、本来内閣は恥ずかしくて恥ずかしくてこの身の程知らずの副大臣を直ちに更迭すべき事案のはずだ。陳謝撤回で済ませていては年号は変わっても、この国に新時代は訪れない。

塚田氏忖度発言 撤回で幕引きとはいかぬ
 首相や副総理に配慮して、2人の地元に利益誘導した。そう認めたとしか受け取れない発言だ。発言の主は、現職の国土交通副大臣である。見過ごしになどできるわけがない。
 発言は既に撤回されたとはいえ、わだかまりが残っている国民や県民は少なくあるまい。まずは事実関係について、誠意ある説明を求める。
 参院新潟選挙区選出の塚田一郎国交副大臣による道路事業を巡る発言が、野党から強い批判を浴び、辞任を迫られる事態となっている。
 発言は、1日に北九州市であった福岡県知事選の自民党推薦候補の集会でのものだ。
 塚田氏は山口県下関市と北九州市を結ぶ「下関北九州道路」が事業化に向け本年度から国直轄調査に移行したことに関し、「安倍晋三首相や麻生太郎副総理が言えないので、私が忖度(そんたく)した」と語った。
 この道路は2008年3月に当時の自公政権が調査中止を決めたが、17年度から地元自治体による調査が再開された。19年度予算で、国は調査費として約4千万円を盛った。
 下関市は首相の地元、福岡県は麻生氏の地盤だ。額面通りに解釈すれば、道路事業を所管する国交省の副大臣が便宜を図ったことになる。問題視されるのは当然だ。
 塚田氏は2日、発言の撤回と謝罪に追い込まれ、3日の衆院内閣委員会でも「事実と異なる発言で多くの皆さまに大変なご迷惑をお掛けした。国民の皆さまにもおわび申し上げたい」と謝罪した。
 だが、これでは到底納得できない。「事実と異なる」とはどういう意味か。副大臣が、所管事業に関して国民にいいかげんな説明をしていたのか。
 塚田氏は、自民党の吉田博美参院幹事長と面会した際に「これは総理と副総理の地元の事業だよ」と言われたと明かし、「私は物分かりがいい。すぐ忖度する。分かりましたと応じた」と話した。
 これらの発言のどこまでが事実で、どこからが事実ではないのか。なぜ、そんな話をしたのか。国民が理解できるよう、記者会見などの場できちんと説明し、疑問に答えてもらいたい。
 首相や菅義偉官房長官も説明責任を果たすよう求めている。逃げは許されない。
 今回の問題の背景には、これまで指摘されてきた「安倍1強政権」のおごりや緩みがあるようにも感じられる。
 「忖度」は、首相官邸の意向を官僚がおもんぱかったとされる森友、加計学園問題を象徴するキーワードだ。これら二つの問題を巡り、安倍政権は厳しい批判にさらされた。
 にもかかわらず、聴衆へのアピールを狙うかのように副大臣が「忖度」の言葉を使う。森友、加計問題への反省は言葉だけだったのか。
 塚田氏は自民党県連会長でもある。自らに課せられた重い責務を自覚し、批判に正面から向き合わなければならない。


“安倍・麻生道路で大炎上 塚田副大臣「忖度」発言の真相
 国交副大臣の塚田一郎参院議員の発言が大炎上だ。塚田氏は1日、北九州市で行われた福岡県知事選の応援集会で、下関北九州道路(下北道路)の調査が今年度から政府直轄になったことについて、「総理とか副総理が言えないので、私が忖度した」と明言し、「(吉田博美参院幹事長から)これは総理と副総理の地元の事業だよ」と言われ「分かりました」と応じたエピソードまで披露。道路整備で便宜を図ったと口にしたのである。
 北九州市と下関市を結ぶ下北道路は、1998年に政府が策定した「海峡横断プロジェクト」のひとつとして調査が進められてきたが、大型公共事業への批判が高まり、2008年に凍結された。ところが、安倍政権下の17年度から、調査費約2100万円のうち700万円の補助金支給が始まり、19年度からは政府直轄で調査することが決定。一度は止まった計画が安倍政権下で復活したわけだ。
「安倍首相のお膝元・山口県と麻生副総理の地元・福岡県を結ぶ計画だけに、地元では『安倍・麻生道路』と呼ばれています。地元財界の試算では、建設費は約2000億円に上るとみられている。両県選出の国会議員にとっては、安倍総理と麻生副総理の在任中に事業化することが“最重要課題”といわれています」(福岡県政関係者)
 安倍首相自身も昨年10月、下北道路の整備促進を図る自民党参院議員との会談で「早期建設に向けた活動にしっかり取り組むように」と話していた。
「そもそも両県を結ぶ道路は、既に関門橋と関門トンネルの2ルートがある。交通量も減少傾向にあり、福岡県議会では、第3の道路を造る意味はないと野党が追及しています」(前出の福岡県政関係者)
■福岡知事選では劣勢に
 そんな中で、予算決定に関与できる塚田氏の発言は一発アウトだろう。
「塚田さんはお堅いタイプで、過去に失言したことはほとんどない。今回の失言は、二階幹事長と麻生さんの“代理戦争”になっている福岡県知事選が原因でしょう。塚田さんは麻生さんの元秘書で、『私は筋金入りの麻生派』と公言するほどの間柄。現状、麻生さんが支持する自民推薦の新人は、二階派が支援する現職に大差をつけられている。大惨敗だと、麻生さんの求心力が低下しかねません。焦る塚田さんが少しでも新人の票を増やすため、『安倍・麻生道路』をアピールし、やりすぎてしまったとみられています」(永田町関係者)
 塚田氏は「我を忘れて誤った発言をした」と釈明。ついつい“本音”を漏らしてしまったということか。


塚田国交副大臣「忖度」発言が嘘なわけがない! 安倍首相、麻生財務相の下関北九州道路“利益誘導”にこれだけの疑惑
 安倍政権の政治がいかに腐りきっているか。そのことが現役副大臣の発言によって明らかになった。1日に北九州市でおこなわれた集会で、自民党・麻生派所属の塚田一郎・国土交通副大臣が「総理とか副総理が言えないので、私が忖度した」と発言した問題だ。
 塚田国交副大臣が公の場で「暴露」したのは、北九州市と山口県下関市を結ぶ「下関北九州道路」について。下関北九州道路は2008年の福田康夫政権時に調査が中止されたが、第二次安倍政権で復活。2017年度からは自治体予算と国の補助で調査を再開させ、2019年度からは国の直轄事業として国が調査費を全額負担することになり、4000万円が計上されている。
 総事業費が2000〜2700億円もかかると試算されている一方、その必要性や採算がとれないのではと疑問視されている下関北九州道路。どうしてそれが復活したのか疑問視されてきたが、塚田国交副大臣は今回、本年度から国直轄の調査へと決定された内幕を明かし、「私が忖度した」と発言したのだから、これは大事件だ。
 塚田国交副大臣は昨日の国会で「我を忘れて誤った発言をした」などと釈明したが、実際の話はディテールに富んでおり、とてもじゃないが嘘の話だとは思えない。あらためて、塚田国交副大臣の発言を紹介したい。
 まず、塚田国交副大臣は「麻生太郎衆院議員にお仕えして、早20年近く。最初の総裁選は大変でした。その時代から麻生太郎命、一筋でやってきた。筋金入りの麻生派です」と述べ、その後、こんな話をはじめた。
「国土交通副大臣ですから、ちょっとだけ仕事の話をさせていただきますが、大家敏志さん(福岡県選出の自民党参院議員)がですね、私のもうひとり逆らえない吉田博美さんという参議院の(自民党)幹事長と一緒に、私の副大臣室にアポを取って来られました。『地元の要望がある』。これが下関北九州道路です。
 じつはこれ、経緯がありまして、11年前に凍結されているんです。なんでかわかります? 『コンクリートから人』っていう、とんでもない内閣があったでしょ。総理は『悪夢のようだ』と言いましたが、まさにそのとおりでございます。公共事業はやらないという民主党政権ができて、こういう事業は全部フリーズ、凍結しちゃったんです」
 事業がストップしたのは11年前の2008年であることは間違いないが、前述したように、それは福田政権時のことであって民主党政権時ではない。デマによって相も変わらずしつこい民主党政権叩きをつづけるのは安倍首相や麻生副総理とまったく同じだが、問題はこのあとだ。
「何とかしないといけないと。下関と北九州ですよ。よく考えてください。下関は誰の地盤ですか? 安倍晋三総理です。安倍晋三総理から麻生副総理の地元でもある北九州への道路事業が止まっているわけです。
 吉田(参院)幹事長が私の顔を見たら、『塚田、わかってる? これは総理の地元と副総理の地元の事業なんだよ』と。『俺が何で来たかわかるか』と。私、すごく物わかりがいいんです(会場笑い)。すぐ忖度します(会場笑い)。『わかりました』と。
 そりゃ総理とか副総理はそんなこと言えません、地元の。そんなこと、実際ないんですよ? 森友とかいろいろ言われていますけど、私は忖度します」
 吉田自民党参院幹事長といえば、2015年の安保法制の審議で自民党参院国対委員長として安保法制強行の先頭に立ち、先の総裁選では石破茂議員が掲げた「正直、公正」というスローガンに対し「(首相への)個人攻撃と受け取っている国民もいる」と批判するなど、安倍首相に近い人物だ。
 その吉田自民参院幹事長は国交副大臣にわざわざアポを入れ、「総理と副総理の地元の事業だとわかっているのか」「俺が何で来たかわかるか」と明確に圧力をかけ、塚田国交副大臣から見事に「忖度」を引き出していたのである。
塚田発言で「お友だち優遇」と「忖度」が横行する安倍政権の実態が露呈
 しかも、塚田国交副大臣の「総理とか副総理はそんなこと言えません」という発言は重大だ。加計問題で安倍首相は「私から指示を受けたという方はひとりもいない」などと主張しているが、実態は柳瀬唯夫首相秘書官や和泉洋人首相補佐官、杉田和博官房副長官といった官邸スタッフが暗躍していた。実際、和泉首相補佐官は「総理は自分の口からは言えないから、私が代わりに言う」と、吉田自民参院幹事長とそっくりの発言をおこなったとされている。ようするに、直接指示せずとも「総理のご意向」「首相案件」だというだけでこうした利益誘導はおこなわれるという証拠ではないか。
 そして、この下関北九州道路は「安倍首相と麻生副総理の地元」案件として、事業化に向けて動き出した。塚田国交副大臣はこう明言している。
「それでですね、この事業を再スタートするためには、いったん国で調査を引き取らせていただくということになりまして、これを、今回の新年度の予算に国で直轄の調査計画に引き上げました!(会場拍手)
 別に知事に頼まれたからではありません。大家敏志が言ってきた、そして私が忖度したということですので」
 唖然とするほかないだろう。安倍首相に近い吉田自民参院幹事長や、北九州市を含む福岡県を選挙区とする大家議員に「総理と副総理の地元の事業だとわかっているのか」と迫られたことを明かした上、「私は忖度します」と誇り、言われたとおりに国直轄の調査計画に引き上げたことを自身の手柄として堂々と胸を張っているのである。
 見てのとおり、塚田国交副大臣はこれが利益誘導だという事の重大性にまったく無頓着で、悪気などなく発言している。これは、それほど安倍政権下で「お友だち優遇」と「忖度」政治が当たり前になっているということを示す発言であり、そのディテールの細かさからも「我を忘れて誤った発言をした」とは到底考えられないのだ。 
 そして、実際にこの塚田国交副大臣の下関北九州道路をめぐる「証言」は、「誤った発言」どころか、あまりにも状況とぴたりと符号するものなのだ。
 というのも、この下関北九州道路にかんしては、以前から「安倍・麻生道路」と呼ばれ、「安倍案件なのでは」と囁かれてきた問題であり、吉田自民参院幹事長や大家議員が関与していることも確認されていた。
塚田「忖度」を引き出した吉田参院幹事長・大家議員は官邸で安倍首相から…
 たとえば、実際に安倍政権は、凍結されていた下関北九州道路を建設に向けて検討を再開させ、2017・2018年度予算でそれぞれ調査費700万円を計上。さらに、下関北九州道路の建設を目指して昨年11月2日に「整備促進を図る参院議員の会」を発足させた。そして、その会長に就任したのは吉田自民参院幹事長であり、幹事長には大家議員が就いている。
 その上、会発足直前の昨年10月25日には、ふたりは官邸で安倍首相と面談。そこで安倍首相は、下関北九州道路について、こう号令をかけていた。
「早期建設に向けた活動にしっかり取り組むように」
 問題となっている塚田国交副大臣が国交省副大臣室で吉田自民参院幹事長と大家議員が面談したのは昨年12月20日であり、塚田国交副大臣も面談の事実は認めている。ようするに、安倍首相主導のもと、下関北九州道路建設に向けて吉田自民参院幹事長と大家議員が動いていたのは事実なのだ。
 そして、塚田国交副大臣の発言どおり、実際に国直轄の調査計画に引き上げられ、先月29日には今年度から調査費は国が全額負担することが公表された。
 しかも、だ。いまから約1カ月前のしんぶん赤旗紙上で、下関市の自民党関係者はこんなことを語っているのだ。
「九州経済連合会の会長は、麻生太郎副総理の弟の泰氏だ。自民党内の会議では、安倍・麻生の関係でスタートした計画だといわれている。それだけに総理・副総理の在任中に事業化させたいという思いは両県の政治家に共通している。ここで動かなかったら経済界にも顔向けできない」(しんぶん赤旗3月5日付)
 どうだろう。塚田国交副大臣の今回の発言は、こうした証言と符号、見事に裏付ける内容になっているのである。
 新たに浮上した、森友・加計学園につづく「忖度」による利益誘導問題。しかも、現役の副大臣が悪びれもせずに公の場で手柄話として披露するほど、安倍政権が腐りきっていることが白日の下に晒されたのだ。今後、安倍首相と麻生副総理は全力で事実を否定しつづけるだろうが、今度こそ、この腐敗政権に終止符を打つときだ。


安倍政権と酷似「令和」元ネタは腐敗政治を嘆く内容だった
 政府が1日に決定した新元号の「令和」は、選定の最終段階で新たに追加されたものだと報じられている。3月上旬の段階では候補名になかったと複数の関係者が認めているのだ。事実上、「令和ありき」で選定作業を進めていたことがうかがえる。
 政府は3月上旬に案を絞り込み、菅官房長官が安倍首相に説明。その際に「令和」は含まれていなかった。3月中旬以降、「令和」の考案者とみられる中西進・国際日本文化研究センター名誉教授に要請し、追加提出を受けた数案の中から、安倍首相が「令和」だけを選び、選定作業で残っていた5案に加えて有識者懇談会に示したとされる。
「わざわざ万葉集研究の第一人者である中西氏に追加依頼したということは、どうしても出典を万葉集にしたかったのでしょう。安倍首相は『歴史上初めて日本の古典が出典』と大威張りでしたが、すぐに万葉集の出典は漢籍からの引用だったことが分かった。国書由来はマヤカシだとバレて赤っ恥です」(政治評論家・本澤二郎氏)
 しかも、元ネタの漢籍が腐敗政治に愛想を尽かした役人の呟きだと知ったら、卒倒するのではないか。
 政府が出典として示したのは、万葉集の「梅花の歌三十二首」序文にある<初春令月、気淑風和〉の一節。この序文は、中国後漢の学者で、役人でもあった張衡(78〜139年)の「帰田賦」を踏まえたものとされる。
「帰田賦」を口語訳すれば「田舎に帰ろう」といったところだが、<遊都邑以永久、無明略以佐時(都暮らしも長くなるが、世を良くする功績もない)>で始まる内容は、安倍首相がアピールする「ひとりひとりが輝く新しい時代」とは程遠い。政治の腐敗を嘆き、中央政府に愛想を尽かして故郷に帰る喜びをつづる厭世的な独白である。
 元ネタになった部分の句は<超埃塵以遐逝 與世事乎長辭、於是仲春令月 時和氣清>。日本語に訳すと、「さあ、この塵芥の世界から抜けてはるか彼方に去り、生臭い俗世との縁を絶とう。折しも今は春も半ばの良き月だ。時はなごやか、空気も澄んでいる――」というような意味だ。
「後漢書」によれば、年少時から文才にたけた秀才で、天文学、数学、地理学などにも通じた張衡は、地方の役人だったが、都に呼ばれ、中央政府の官僚になる。
 張衡が仕えたのは、6代皇帝の安帝だ。その治世は宮廷官僚の宦官が幅を利かせ、忖度や賄賂の横行を招いた。嫁の閻后も、側室の子を殺したり、縁故政治を増長させるなど、やりたい放題だった人物として評判が悪い。中央政府の腐敗に我慢できなかった張衡は順帝(8代皇帝)の時代に朝廷を辞し、「帰田賦」を書いたのだ。
 政治腐敗、側近の跋扈、縁故主義、そして“安帝”……。さすがに偶然の一致だろうが、中西氏が護憲派の「総がかり行動」の賛同者に名を連ねていたり、日本ペンクラブ編集の「憲法についていま私が考えること」に執筆していたことから、ネット上では「『令和』の元号は安倍首相への戒めか?」などの臆測も飛び交っている。
「偶然とはいえ、安倍悪政に物申すような元号を自分で定めるとは皮肉な話です。それでも『花が咲き誇るイメージ』などと言って安倍首相が浮かれているのは、教養も恥の概念もないからです」(本澤二郎氏=前出)
 後漢では安帝の時代が滅亡の端緒になったが、安倍政権は歴史にどう評価されるのか。


新元号「令和」への官邸誘導はやっぱりあった! マスコミが報じない有識者懇談会、衆参両院正副議長意見聴取の内幕
本サイトで繰り返し指摘しているように、4月1日に決まった新元号「令和」の決定経緯はまさに「官邸の私物化」といえる代物だったようだ。安倍晋三首相が「万葉集」を典拠にした点に執拗にこだわり、「国書から初めて引用した」と自画自賛した笑み満面の会見を見るにつけ、この政権が新元号の制定を政権浮揚のために利用したことは歴然としている。
 実際、決定直後の各社世論調査をみると、「新元号に好感を持っている」と回答したのは73%(共同通信)〜62%(読売新聞)と高い数字をはじき出している。ついで尋ねた内閣支持率も、共同通信の調査では前回(3月)に比べて9.5ポイントも上回る52.8%へと急上昇した。
「あれほど安倍政権に批判的だった新聞まで改元を前に旗を降ろしてしまい、政権批判の鳴りはピタリとやんでしまった。まさに安倍政権のシナリオ通りだったということでしょう」(全国紙社会部記者)
 しかも、ここにきて、新元号「令和」決定過程の疑惑も明らかになっている。安倍首相の会見やNHK岩田明子記者ら安倍応援団などの解説などから、「令和」が安倍首相や官邸主導であらかじめ決められていたのではないかという疑惑は根強く囁かれていたが、共同通信が3日の朝刊向けに、官邸の誘導を示唆する記事を配信したのだ。 
記事は、前回の「平成」が決まる際、誘導があったという当時の元号担当・的場順三元内閣内政審議室長の言葉を紹介したうえ、今回、政府が誘導性を排除する狙いから、近現代の元号の頭文字「M(明治)」「T(大正)」「S(昭和)」「H(平成)となっている案を除外したと書いている。
 また、有識者懇談会などで配布した原案書(A3判1枚)には、6案が「英弘(えいこう)」から五十音順に並べられ、「令和」は最後に記載されていたことを紹介。「結論ありきと疑われる要素は極力排除した」という政府証言を引用した。 
 ここまで読めば、安倍政権の“無罪”を立証するような内容なのだが、注目すべきは、その後の官邸内の様子を描いたくだり。
 官邸では、「広至(こうし)」は「字画は良いが書きづらい」、「万和(ばんな)」「万保(ばんぽう)」は「子どもには読みづらい」と指摘される一方で、「令和」については、新春の梅を描いた万葉集を典拠として「情景が浮かぶ」といった賛同の声が官邸内で相次ぎ、本命視されていたというのだ。この「情景が目に浮かぶ」というのはまさに、安倍首相が決定後に会見やテレビで説明した言葉と同じ表現だ。共同ははっきり書いていないが、どうやら新元号を「令和」にすることは、官邸内であらかじめ決定されていたらしい。
 実際、この共同の記事を受けて、元号選定に詳しい関係者を取材したところ、こんな内幕を明かしてくれた。
「共同の記事が書いている官邸内の評価そのものが有識者懇談会で伝えられた可能性は高い。それに6案のなかにある『万和』と『万保』みたいに同じ漢字を使った元号案が含まれているのもおかしな話。万の字を好むメンバーの賛成票を散らすことになってしまうからね。それだけ巧みな誘導がおこなわれたにもかかわらず、懇談会のメンバーから『令和』以外の案を推す意見も実際出たんだ。そうしたら、同席していた官邸の事務方が『一般の人名や会社名で使われている』とマイナスの要素を説明したらしい」
 これは、明らかに、官邸が有識者懇談会を誘導したということではないか。実際、有識者懇談会のメンバーからも、そのことを示唆する発言が出てきている。民放連会長の大久保好男・日本テレビ社長が「事前に候補を教えてもらったわけでもなく、準備できなかった。感想のようなものを述べたにとどまる」と懇談会が事後承認の機関に過ぎなかったことを認めたのだ。
官邸の強引なやり方に赤松広隆・衆院副議長が激怒! 意見聴取で「令和」への異論も
 新元号をめぐる安倍政権の強引な姿勢は、有識者懇談会に対してだけではない。その後の手続きでも露わになった。有識者懇談会が終わると、新元号案について衆参両院の正副議長への意見聴取をおこなうが、そのやり方をめぐって、衆院の赤松広隆副議長が激怒したのだという。
「官邸側は当初、新元号に関する衆参両院の正副議長への意見聴取を、国会内でおこなうことにこだわっていた。そして『発表までおとどまりいただきます。携帯電話は預からせていただきます』と書いた文書を正副議長に通知したんです。これに対し、国会は国権の最高機関であるとして赤松氏が猛反発。菅官房長官がなだめようと何度も電話をかけても赤松氏は携帯電話に一切出なかったほど。結局、衆院議長公邸で意見聴取がおこなわれたのですが、その後も赤松氏の怒りは収まらず、『安倍の安の字が元号に入っていたら絶対反対する』と周囲に話していました」(全国紙政治部デスク)
結局、「安」の字は元号に入っていなかったものの、前出の関係者によれば、「令和」についても、「令」の字が「政府による国民や立法府への命令をイメージさせ、新元号に上意下達の印象を与える」という趣旨の見解が意見聴取の際に示されたという。
ところが、こうした異論の存在は一切公にされず、まるで「令和」が国民総意の決定であるかのような世論づくりがおこなわれ、その結果、安倍政権は冒頭で説明したような政権浮揚にまんまと成功したというわけだ。全国紙社会部記者がため息交じりに語る。
「マスコミはその政権浮揚に完全に手を貸したかたちになりましたね。新聞・テレビは新元号が決まるまで特集記事や特番を組みながらカウントダウンし、国民的イベントを演出。その仕上げとして、決定後、安倍首相を出演させ、PRを垂れ流したわけですから」
いまからでも遅くはないだろう。政権浮揚に担がれたマスコミは、その元号決定までの経緯を子細に検証し、いかに政治的な産物だったかを白日の下に晒すのがせめてもの責務ではないか。


加計学園の岡山理大で入学式 獣医学部で定員上回る 四国枠はわずか1人
 学校法人「加計学園」が国家戦略特区の愛媛県今治市で昨春開学した岡山理科大獣医学部は3日、2期生を迎えて入学宣誓式を行った。入学者は獣医学科が172人、獣医保健看護学科43人の計215人。授業料免除などで四国で活躍する獣医師を育てる四国入学枠は「最大20人程度」としていたが、1人(前年4人)にとどまった。
 獣医学科は定員140人を大幅に上回ったが、獣医保健看護学科は前年に続き定員60人を割り込んだ。学園の入試広報担当者は「獣医学科は想定以上に併願者に来ていただいた。獣医保健看護学科はPRに務めたが、志願者増には結びつかなかった」と説明。四国入学枠については「志願者が少なかった。大事な制度なので働きかけを強め、維持していく」としている。
 この日は新入生、保護者らが入学宣誓式に臨み、千葉県出身の男性(18)は「獣医は小さい頃からの夢。しっかり勉強したい」と話した。【松倉展人】


廃琉置県140年 植民地主義から脱却せよ
 140年前の琉球の人々が今の沖縄を見たら何と言うだろうか。当時から連綿と続く植民地支配のにおいをかぎ取るに違いない。
 明治政府は1879年4月4日、琉球藩を廃し、沖縄県を置く旨を全国に布告した。「琉球処分」(琉球併合)といわれる廃琉置県である。これに先立ち政府は先鋭の武装警官や兵士ら約600人で首里城を包囲し、武力で威圧した上、尚泰王や官員らを城から追い出し占拠した。
 「処分」の直接の理由は、中国との外交禁止と裁判権の移管を琉球が拒否したことだったが、政府は最初から併合を狙っていた。琉球の士族らは激しく抵抗する。抵抗運動は瞬く間に全県へ拡大するが、政府が派遣した松田道之処分官は集会の全面禁止を命じ、警察を使って運動を弾圧する。多くの役人を逮捕し、棒で殴るなどして拷問した。
 「琉球処分」は井上馨大蔵大輔(現在の事務次官級)による1872年の建議書がきっかけとなった。琉球国王を「酋長」と蔑称で呼び、軍事の観点から琉球を「要塞」と位置付け「皇国の規模拡張」を狙う内容だった。琉球併合後、内務大臣の山県有朋は沖縄を日本帝国の南門とし「国防の要」として、日本海軍の国防戦略で最も重要な軍備対象の一つに位置付ける。
 琉球王国の約500年の歴史に終止符を打った廃琉置県の布告から140年がたった。沖縄は何が変わり何が変わらないのか。
 その間、沖縄は本土決戦に備える時間稼ぎのための「捨て石」作戦により、12万人余の県民が犠牲になった沖縄戦を体験した。その後、米国の統治下で広大な米軍基地が築かれ、反共防衛の「要石」にされる。日本復帰後も米軍基地は維持され、全国の約7割を占める米軍専用施設(面積)を背負わされている。尖閣諸島の有事などに備え、自衛隊配備の強化も進んでいる。
 こう見ると、琉球併合後の沖縄は、日米の軍事的なとりでにされ続けている点では変わらない。基地被害に苦しむ住民の意思を無視し、抵抗を抑え付け、沖縄を国防の道具のように扱う様もそうだ。それはもはや植民地主義と言うほかない。廃琉置県の布告は、それによる支配の始まりと言うこともできる。
 米軍新基地建設に向けた辺野古の埋め立てはその象徴である。沖縄の人々は知事選や国政選挙、県民投票などで何度も反対の民意を示してきた。にもかかわらず土砂の投入を強行し続ける政府の対応は「琉球処分」と重なる。
 しかし沖縄の人々は県民投票を実施したように、自分たちの大事なことは自分たちで決めるという自己決定権を主張するようになった。それは言い換えれば植民地主義の拒否だ。沖縄の民意に沿って辺野古新基地建設を断念する。それが日本政府や本土の人々にとって沖縄への植民地主義と決別する第一歩になる。


「入管庁」発足 人権意識を徹底してこそ
 外国人労働者の受け入れを拡大する改正入管難民法の施行に伴い、出入国在留管理庁が発足した。法務省の一部局だった入国管理局を格上げし、体制を増強した組織だ。同省の外局として、出入国審査と併せて外国人労働者の生活支援を所管する。
 「水際監視」が中心だった入管行政の幅を広げ、外国人の人権擁護に目を向けることは「多文化共生社会」に向けて欠かせない取り組みだ。職員の意識改革や関係機関との緊密な連携を進め、役割を果たしてほしい。
 改正法による新制度では「特定技能」という在留資格で事実上、単純労働者を受け入れる。規模は今後5年間で最大約34万5千人とされ、現在の外国人技能実習生の多数が新資格に移行すると見込まれている。
 改正法は、彼らの仕事や日常生活に支障がないよう、受け入れ企業に支援計画の作成を義務づけ、差別的待遇を禁じている。入管庁はその実施状況を監視し、指導や改善命令、立ち入り調査を行う権限を持つ。
 庁昇格で職員は約600人増の5400人体制となり、在留管理支援部や総合調整を行う部署などが新設された。そこで求めたいのは、実習生制度が抱えてきた諸問題を真摯(しんし)に見据え、同じ轍(てつ)を踏まぬよう職員らに人権意識を徹底することだ。
 法務省が先日公表した実習生に関する調査報告書を見ると、状況は深刻だ。実習先から失踪して2017年1月〜18年9月に摘発された5218人のうち最低賃金以下での労働や不当な残業を強いられた疑いがある実習生は759人に上った。死者は12〜17年の6年間で実習中の事故28人、病気59人、自殺17人など171人が確認された。
 調査は昨年の国会で実習生の実態把握の甘さが露呈したことを受けて実施された。対象者や期間が限定されているため、劣悪な労働環境はこれ以上に広がっていると考えるべきだ。報告書は、失踪や事故の際、初動対応や最終確認を怠った例など、入管側の問題も指摘している。
 政府は、悪質ブローカーの排除や自治体による相談窓口の拡充、日本語教育の充実など総合的な対策を掲げている。異国で暮らす外国人のためにはこれらも急務だが、何より安心して働ける職場環境こそが大前提だ。入管庁は新制度をつかさどる要の存在として、彼らを取り巻く全体状況を把握して諸施策を推進する役割が期待されている。
 無論、入国や在留資格の審査は厳格に行う必要がある。それと同時に在留を許可した人の人権は徹底して守る−。そうした姿勢がなければ、いずれ外国人の「日本離れ」が進むだろう。改めて指摘しておきたい。


外国人就労拡大 安心して働ける環境整備が急務
 外国人労働者の受け入れを拡大する新制度を盛り込んだ改正入管難民法が施行された。在留資格「特定技能1号」と「同2号」を創設し、政府は5年間で最大約34万5千人の受け入れを見込む。従来の高度専門職限定から、単純労働分野にも広げる施策の大きな転換となる。
しかし、改正法成立から約4カ月しかたっておらず、外国人向けの相談窓口設置や送り出し国との協力態勢などの準備は進んでいない。外国人や自治体にしわ寄せがいくことがあってはならず、国は受け入れ環境の整備を急がなければならない。
受け入れ拡大に向け、生活情報の多言語化など126の施策を盛り込んだ外国人支援の総合的対応策がとりまとめられた。ただ、目玉と位置付けた一元的な相談窓口の設置は、目標の100カ所に届いていない。一定の要件を満たす自治体は、窓口の設置などに使える交付金を申請できたが、準備期間が足りず申請は低調だった。
一自治体では対応できない部分もあり、国は支援を充実させる必要がある。外国人が居住する地域は広がっており、100カ所だけでは不十分だ。
政府は特定技能1号の外国人の主な送り出し国となる9カ国と、悪質ブローカー排除を目的とする協力覚書を交わすとしていたが、3月末時点でフィリピン、ネパール、カンボジア、ミャンマーの4カ国にとどまる。外国人労働者に対する人権侵害が続く状況が危惧される。残り5カ国との締結を急ぐ必要がある。
問題が多い技能実習制度も温存される。新制度スタートが迫った3月末、法務省は実習先から失踪した技能実習生5218人に関する調査結果を公表し、約15%の759人が最低賃金を下回るといった不正行為に遭っていた疑いがあると明らかにした。愛媛も無関係ではない。愛媛労働局や県警によると、昨年10月末時点の県内の外国人労働者8376人のうち、実習生が66.3%を占める。昨年失踪した実習生は131人に上る。
新たな在留資格には、試験に合格して来日する外国人だけでなく、日本で働いている実習生の移行も多数見込まれる。国は実習制度の課題を洗い出し、抜本的な見直しを進めるべきだ。
新制度で外国人を受け入れる企業には「日本人と同等以上の報酬」とする契約を結ぶよう定めた。しかし、中小企業が多い地方では報酬水準を確保するのが難しく、大都市圏に人材が流れる懸念がある。新制度が導入されても地方の人手不足の解消はおぼつかず、都市と地方の格差是正に力を入れることは国の責務だ。
世界はグローバル化が急速に進む。国内でも外国人との共生は既に現実となっている。外国人も生活者として地域を支える一員である。日本人、外国人関係なく人権が尊重され、安心して働ける社会を実現しなければならない。


セブン、一律24時間を見直しへ 加盟店ごとに「柔軟対応」
 セブン&アイ・ホールディングス傘下のセブン―イレブン・ジャパンは4日、永松文彦副社長(62)が8日付で社長に昇格する人事を正式発表した。永松氏は東京都内で記者会見し、コンビニ加盟店に一律に求めてきた24時間営業を店の事情に合わせて柔軟に見直す意向を示した。セブンの成長を支えてきたビジネスモデルは大きな転換点を迎えた。
 永松氏は加盟店ごとに経営環境は非常に大きく異なっているため「個店に合わせた柔軟な対応を営業時間においても判断していきたい」と説明した。
 同席したセブン&アイの井阪隆一社長も24時間営業に「実証実験を踏まえ、柔軟に対応していきたい」と語った。


芸備線97%復旧 早期全通、総力で当たれ
 あと4・5キロを残すまでに鉄路が回復した。西日本豪雨で被災したJR芸備線である。一日も早く全線が復旧することを願ってやまない。
 広島市安佐北区の中三田駅と三次市の三次駅を結ぶ43・7キロがきょう部分開通する。これで広島市から新見市まで総延長159・1キロのうち97%が復旧する。全通は今のところ秋まで待たねばならぬ。広島市との直結を願う広島県北地域の住民にとっては待ち遠しかろう。
 昨年7月の豪雨で、線路に土砂や雑木がなだれ込み、全線が不通になった。今回開通しなかった中三田駅と狩留家駅の区間にある第1三篠川橋梁(きょうりょう)は流失し、復旧工事が続いている。
 列車の運行が止まり、駅周辺のにぎわいがいったん途絶えた地域もあっただろう。通学以外にも影響が出た学校もある。
 生徒の4割が広島市から通う安芸高田市の向原高では、今春の入学者が半減する見通し。全線が復旧しても、生徒の減少に歯止めがかからなければ、学校の存続さえ危うくなる。
 山陽線や呉線、福塩線、木次線など西日本豪雨で被害を受けた路線が、次々と全線での運転再開を果たしていく中、芸備線だけが取り残された形となった。「後回しにされたのではないか」と言う多くの住民の声を聞いた。
 三篠川橋梁の再建の遅れを指摘する声もある。川幅を広げる県の河川改修工事とセットで行われている。梅雨など降水量の多い時期には、工事の自粛を国が求めている。橋脚の設置工事もその時期には見合わせる必要があった。
 JR西日本や県などには、住民感情に配慮し、工事の進捗(しんちょく)度合いなどについて、地元に対して丁寧な説明が求められる。
 橋桁の材料となる鋼材などの調達は、東京五輪に伴う建設ラッシュなどで難航している。工事のスピードアップに向けた手だてを工夫したい。
 全国の鉄道では、自然災害による被害をきっかけに廃線に追い込まれたケースも目立つ。三次駅で接続していた三江線も、島根県西部豪雨で鉄橋が被災した。それから5年足らずで廃線に追い込まれた。
 芸備線にとっても「人ごと」ではあるまい。運行休止で激減した利用客数が回復しなければ、同じ道をたどるかもしれない。沿線自治体は、地域と芸備線の在り方を見つめ直し、利用促進の手だてに知恵を絞る機会としなければならない。
 部分開通した列車と不通区間を走る代行バスを乗り継ぎ、三次市の尾関山へ桜見物に向かう人もいるだろう。今月下旬開館の妖怪博物館にも多くの観光客を運ぶはずだ。鉄道は沿線地域を元気づける役割を担う。
 西日本豪雨では、中国地方の多くの路線が被害を受けた。今後、山陽線や山陰線などが大きなダメージを受けた際、芸備線が代替ルートとしての機能を果たす可能性もあるはずだ。
 鉄路はライフラインの要である。芸備線の全線開通を総力を挙げて急がねばならない。


松橋事件無罪 冤罪の徹底検証も必要だ
 客観証拠がない事件で自白を決め手に有罪となった後、再審開始や再審無罪判決が出るケースが相次いでいる。
 熊本県松橋(まつばせ)町(現宇城市)で1985年に男性が刺殺された「松橋事件」の再審で熊本地裁は、殺人罪などで懲役13年の刑を受けて服役した宮田浩喜さん(85)に無罪判決を下した。検察側が上訴権を放棄したため確定した。
 晴れて潔白の身になるまで30年を超える長い歳月を要した。冤罪(えんざい)の怖さ、不条理をあらためて示したといえよう。
 この事件では、被害者の知人だった宮田さんが捜査段階で容疑を認めて逮捕された。一審の公判途中からは「うその自白をさせられた」などと否認に転じたものの、物的証拠がほとんど無い中で熊本地裁は宮田さんの自白を根拠に有罪の判断を下した。最高裁が被告側の上告を棄却して90年に確定した。
 再審開始へと状況を大きく動かしたのが、宮田さんが「凶器の小刀の柄に巻き、犯行後に燃やした」としていた、ないはずのシャツ片が存在したことだった。弁護団が、熊本地検の保管する証拠品の中から見つけ出した。自白の核心部分に疑義が生じ、小刀と遺体の傷の形状が一致しないとする新たな法医学鑑定書も再審開始の決め手となった。
 今回のケースは証拠開示の在り方を問いかけた。当初からシャツ片が開示されていれば、冤罪は防げた可能性がある。事件の早期解決を焦るあまり、自白と整合性がとれない証拠を隠していたと批判されても仕方なかろう。
 刑事訴訟法の改正で、現在は検察に全証拠のリストを弁護側に出すことが義務付けられた。だが、再審については規定がなく、検察の裁量に委ねられている。再審手続きでも証拠開示の明確なルールが求められよう。
 一方、冤罪を招いた背景などの解明が不十分になったのは残念だ。今年2月の再審初公判で熊本地裁は、検察側が申請した証拠の大半を却下して即日結審した。スピード審理は、宮田さんの年齢や、認知症で寝たきりという状態を考え、迅速に名誉回復を図ろうという判断だろう。
 しかし、問題点を検証し、刑事裁判の在り方を見直していくことも大切だ。冤罪を検証する第三者機関の検討も必要なのではないか。
 同じく自白に寄りかかった捜査が問われているのが、2003年に滋賀県の病院で患者が亡くなったケースである。人工呼吸器を外して死亡させたとして懲役12年の実刑を受けた元看護助手の女性の再審開始が確定した。自然死の疑いが強く、捜査員に迎合した女性の虚偽自白の可能性が指摘されている。
 人生の長い時期を奪い、人権を侵す冤罪を繰り返してはならない。警察や検察、裁判所は責任を認識し、取り調べの一層の可視化や、客観的証拠から真実に迫る裁判への不断の努力を求めたい。


時評
 熊本県で1985年、男性が刺殺された松橋事件の再審で、熊本地裁は殺人罪などで懲役13年が確定し、服役した宮田浩喜さんに無罪判決を言い渡した。過去の冤罪(えんざい)事件と同様に「虚偽の自白」で有罪とされたケースだ。「自白は誘導できる」のが実態である。捜査、裁判には客観的証拠を第一とする不断の点検と改革が必要だ。
 宮田さんは捜査段階で殺害を認め、熊本地裁の公判で否認に転じた。しかし一審判決は自白の信用性を認め有罪、福岡高裁、最高裁も一審判決を支持した。
 弁護団は検察に公判に提出されていない証拠の開示を請求し、97年に証拠約100点が開示された。その中に宮田さんが取り調べに「凶器の小刀の柄に巻き、犯行後に燃やした」と供述したシャツ片があった。
 燃やしたはずのシャツ片が残っていたわけで、自白調書の信用性が崩れ、再審の開始と無罪判決の根拠となった。
 問題は「証拠の王様」といわれる自白をどう判断するかである。証拠を突きつけられ、自白するのは通常の例である。
 しかし、密室で長時間の取り調べが何日も続くと異常心理状態に陥り、捜査官に誘導されやすくなる。やってもいない犯行を供述してしまうケースは過去の多くの事件から証明されている。戦後、熊本県で起きた免田事件など死刑事件4件が再審無罪となったが、いずれも自白があった。再審ではアリバイが成立したり、供述と鑑定結果が矛盾したりして誘導された虚偽の自白であることが明白になっている。
 この4件の再審無罪が続いた後、検察や警察は捜査を反省し、自白偏重から客観的証拠を重視する方針を表明した。だが、今回の事件は、83年の免田事件再審無罪判決後に起きている。反省が生かし切れていなかった。
 もう一つ見逃せないのは、弁護団の請求で初めて無罪の決め手となった物証が出てきた点だ。第一審で検察が全ての証拠を提出していれば、審理は別の展開になっていただろう。
 現在の司法制度では、検察は有罪の立証に必要な範囲で証拠を提出すればいいとなっている。ただし、弁護側の請求があれば証拠を開示し、証拠リストを提示しなければならない。
 今回の再審無罪の経過を踏まえるなら、弁護側の請求がなくても収集証拠の開示とリストの提出は検察の義務とすべきだ。
 取り調べの可視化など一連の刑事司法改革が始まったが、冤罪を生まない取り組みをさらに深化させなければならない。


ゴーン保釈後1カ月で異例の再逮捕 記者会見阻止が狙いか
 まさかの展開である。日産自動車の前会長、カルロス・ゴーン被告(65)が4日早く、東京地検特捜部に任意同行を求められ、会社法違反(特別背任)の容疑で再逮捕された。ゴーン被告は先月6日に保釈され、きのう、今月11日に記者会見を開くとツイッターで予告したばかりだった。特捜部が一度保釈された被告を余罪で再逮捕するのは極めて異例のこと。ゴーン被告は再び勾留され、拘置所に逆戻りとなりそうだ。
 けさ5時50分、東京地検特捜部の捜査員14人が東京都内のゴーン被告の自宅マンションに到着。駐車場にシートがかけられ、6時すぎに地検の車が入った。そして7時前には、報道陣のフラッシュが浴びせられる中、ゴーン被告を乗せたとみられる車が自宅を出発し、検察庁の敷地内に到着した。それからほとんど時間をおかず、ゴーン被告は再逮捕された。
 4度目の逮捕容疑は日産子会社からオマーンの販売代理店の預金口座に振り込んだ資金の一部を、ゴーン被告が実質保有する会社の口座に送金する手口で、2015年12月〜18年7月、日産に500万ドル(約5億6300万円)の損害を与えた疑い。
「CEOリザーブ」と呼ばれる日産の機密費からオマーンの販売代理店に支出された総額は少なくとも3200万ドル(約35億円)に上る。一部はペーパーカンパニーを通じ、ゴーン被告や家族が使うイタリア製クルーザーの購入費に充てられた疑いがあるという。
 関係者によると、ゴーン被告はこの件について、「送金は奨励金で、問題ない」と主張しているという。
 ゴーン被告は既に、自身の報酬の有価証券への過少記載と私的投資の評価損18億5000万円を日産に付け替えた特別背任の罪で逮捕・起訴され、108日間の身柄拘束の後、先月6日に保釈された。それから1カ月弱。保釈後の再逮捕は異例中の異例だが、ゴーン被告は全面否認しており、検察はゴーン被告の保釈に不満だった。しかも、ゴーン被告は保釈直後から記者会見する意向を示し、自らの潔白と日本の人質司法への批判などを海外メディアに向かって展開する可能性があった。
 実際、ゴーン被告はきのう、ツイッターに公式アカウントを開設。「何が起きているのか真実をお話しする準備をしています。4月11日木曜日に記者会見します」と投稿していた。このタイミングでの再逮捕は、特捜部が会見を阻止したかったという見方もできる。また、日産は来週8日に臨時株主総会を開いて、ゴーンを取締役から解任する予定。その前の再逮捕となった。ゴーン被告の代理人の弘中惇一郎弁護士は逮捕後、報道陣に「何のために身柄を拘束するのか分からない」と話した。


ゴーン4度目逮捕を弁護士批判「身柄とる意味分からない」
 日産自動車前会長カルロス・ゴーン被告の4度目の逮捕を受け、弁護人の弘中惇一郎弁護士が4日午前、報道陣の取材に応じた。
 特捜部が在宅捜査ではなく逮捕したことについて「証拠を集めて立件できると思えば追起訴すればいい。身柄を取る意味が分からない」「『人質司法』でゴーンさんをまた痛めつけ、検察側に有利な局面にしようとしている」と批判した。
 11日に予定しているゴーンの記者会見については「裁判所が勾留を認めなければ、予定通り行う」と述べた。弘中弁護士はきょう午後、日本外国特派員協会で記者会見を開く。
 一方、日産は来週8日に臨時取締役会を開き、ゴーン被告を取締役から解任する予定。西川広人社長はゴーン逮捕に「いろいろあるなという感じ、非常にショックを受けている」と話した。
■海外メディアも一斉速報
 ゴーン再逮捕を受けて、海外メディアも任意同行の様子や検察の対応を一斉に速報した。
 フランスのAFP通信は、ゴーンの自宅周辺にはスーツ姿の男性が警備にあたり、大勢の報道陣が集まってものものしい様子だったことを報じた。またゴーンがツイッターを開設し、今月11日に記者会見を行う予定だったことに触れ、「検察官たちは明らかにゴーン氏を拘束する用意を進めていた。記者会見が開かれるかは不透明になった」と指摘した。
 AP通信は「日本の検察官はゴーン氏を保釈からわずか1カ月足らずで再び取り調べることになった」と特捜部の異例の対応を伝えた。米紙ウォールストリート・ジャーナルは、特捜部が勾留延長を繰り返し、「ゴーン氏は3週間は勾留され、オマーンルートに関する取り調べを受けることになる」と報じた。


ゴーン前会長の弘中弁護士「強く抗議」動画で声明公開も
ゴーン前会長の弁護を担当する弘中惇一郎弁護士は、4日午後、前会長と接見したあと会見を開き、検察の捜査を批判しました。
この中で、弘中弁護士は「ゴーン前会長は容疑についてきっぱりと否定している。先月、裁判所から保釈を許され、一連の事件で証拠隠滅や逃亡のおそれが無いことは確認されている。通常であれば追起訴すれば済むことであり、強く抗議したい」と述べました。
また、再逮捕の際にゴーン前会長の携帯電話や、裁判に向けて準備していた書類、それにノートや日記が検察に押収されたことを明らかにし、「防御権の侵害だ。文明国としてあってはならない暴挙だ」と強く批判しました。
検察はゴーン前会長の妻、キャロル・ゴーンさんのパスポートや携帯電話も押収したということで、弘中弁護士は「容疑者でないにもかかわらず、押収することが許されるのか。プライベートの内容が含まれているため、一切閲覧しないように検察に申し入れた。奥さんも大変なショックを受けていた」と述べました。
また、今月11日にゴーン前会長が記者会見を開く予定だったことについて、「検察が再逮捕してくることもありうると思っていたので、ゴーン前会長はすでに11日の記者会見で言うべきことは最低限、動画で記録している」と述べ、ゴーン前会長の声明を公開する予定があることを明らかにしました。


【陸自シナイ派遣】海外活動の拡大に危惧
 政府はエジプト・シナイ半島でイスラエル、エジプト両軍の停戦を監視する「多国籍軍・監視団(MFO)」の司令部に、陸上自衛隊の幹部自衛官2人を派遣する計画を閣議決定した。
 2015年に成立した安全保障関連法は、国連が統括していないものの、国連平和維持活動(PKO)に似た活動を「国際連携平和安全活動」と規定。PKO参加5原則などの条件を満たせば、自衛隊を派遣できるようにした。今回はその初適用となる。
 国民の理解を置き去りに、安保法に基づく自衛隊の海外活動が拡大していくことを危惧する。
 「積極的平和主義」を掲げる安倍政権は、自衛隊の海外派遣の拡大に意欲を示している。一方で17年に南スーダンPKOから陸自部隊が撤収して以降は、アフリカ東部ソマリア沖での海賊対処活動などにとどまっている。米国中心のMFOから要請されていたシナイ半島派遣を、目に見える「国際貢献」の新たな実績づくりとする狙いがあろう。
 4度の中東戦争で対立したエジプトとイスラエルは、40年前に平和条約を締結。現在、両国関係は比較的安定している。司令部要員であれば直接、戦闘に参加することはないという判断もあろう。
 とはいえ、次の段階として今後、陸自部隊の派遣を要請されることはあり得るだろう。国連が統括しないMFOが、自衛隊の海外派遣をなし崩し的に広げる「アリの一穴」になりはしないか。
 南スーダンPKOでは、武装集団に襲われた国連職員らを救出する「駆け付け警護」などが新任務として付与された。MFO派遣で活動が拡大すれば、海外で自衛隊員が相手を殺したり、殺されたりする事態も想定されよう。それを受け入れる覚悟が、広く国民にできている状況だとはとても言えまい。
 安保法案の国会審議で、国際連携平和安全活動に関する議論は十分行われなかった。南スーダンPKOも、自衛隊員が「戦争だった」と指摘するほど危険な駐留であったことが判明している。にもかかわらず陸自日報の隠蔽(いんぺい)問題もあって、まともな検証はされていない。
 こうしたことを踏まえれば、MFOを含む自衛隊の海外派遣についていま一度、国会で深く議論する必要がある。
 そもそも安保法を巡っては「憲法違反」の疑いが払拭(ふっしょく)できていない。歴代政権が憲法上許されないとしてきた集団的自衛権の行使を、安倍政権が一転、憲法解釈の変更によって認めたからだ。今年3月、施行から3年を迎えたが、今も多くの裁判所で違憲訴訟が続いており決着はついていない。
 自衛隊が平時から、米軍艦艇などを守る「武器等防護」も急増している。国論が二分された状態のまま、新任務の既成事実化を急ぐ―。そうした姿勢では、国民の理解も自衛隊への信頼も深まることはない。


河北春秋
 欧米のメディアはひきこもりをそのまま「Hikikomori」と報道する。ひきこもりは日本の若者特有の問題とみているからだという。精神科医の斎藤環さんが著書『「ひきこもり」救出マニュアル』(筑摩書房)に書いている▼欧米の場合、社会から疎外された若者はホームレス化することが多い。これに対し、日本は儒教の影響からか、家族が彼らを包み込むため、ひきこもりが起こるらしい。ひきこもりは今、若者だけの問題ではない。衝撃的な数字が公表された▼40〜64歳の中高年を対象にした内閣府の初の調査によると、半年以上、家族以外と交流せず、自宅にひきこもる人が全国推計で61万人に上った。親が80代、本人が50代で困窮する「8050問題」が深刻化している▼61万人というと、秋田市、盛岡市の人口の合計とほぼ同じ。働き盛りの世代がひきこもることによる社会的損失は極めて大きい。本人も怠けているわけではない。「家族に申し訳ない」「何とかしたい」と思ってもできない人が多い▼15〜39歳の若年層を加えれば、ひきこもりは100万人を超える。一歩を踏み出せば、きっと居場所は見つかるはず。その一歩をどう支援できるか。家族だけでなく、行政、企業、地域をはじめ皆が真剣に考えるべき時が来ている。

小西禎一は言った「大阪らしさを取り戻さなきゃあかん」
 大阪府知事候補の小西禎一が遊説先から選挙事務所に戻ってきた。小西はなかなか面白い人で、自民党女性局のイベントでも人気がある。仲間内で集まってフットサルをやることもある。
 ――日本は西洋に先駆けて大衆社会が限界まで来てしまっているのではないか。それが一番悪い形で大阪で表出したのが「維新の会」という現象だと思う。先日、元大阪市長の橋下徹が「ダブル選挙で大阪を昔に戻すな」と述べていたが、どのように感じたか?
「維新がやってきたことは、住民の中に分断と対立をつくったことです。それは大阪らしくない。大阪はもっと柔らかでしなやかな『はんなり』という表現が合う文化だと思うんです。だから、大阪らしさを取り戻さなきゃあかん。ケンカしてどちらが腕力が強いみたいな話はおかしいです」
 ――なぜ大阪で維新が勢力を伸ばしたのか?
「世界的にもポピュリズムが広がってきているし、大阪にも鬱屈しているところがある。そうすると、人々は過激なものを求めてしまう。なんでもいいから世の中を変えればいいと。本当に良い方に変えているかは別にしてね」
 ――数値を見れば、維新政治により、明らかに大阪は悪くなっている。
「そうです。2018年の犯罪ランキングは、全国47都道府県中、大阪は最下位。福祉・インフラ・子どもの生活ランキングも最下位。幸福度ランキングは43位です。経済指標も全国と比べて悪化、現金給与総額の動きも、全国の平均を下回っています。だから僕は成長を実感できる府民生活の実現、健康で安心して暮らせる大阪の実現を公約で訴えているのです」
 ――前回の住民投票で維新はメモリのグラフの目盛りをごまかしたり、都合の悪いデータを隠した詐欺パネルを街頭演説やタウンミーティングで使っていた。維新が特異なのは、市民団体や学者から間違いを指摘された後も最後まで使い続けたこと。確信犯的にデマをばらまき、大阪市民をだましていたわけだ。なぜ、こんなことが許されるのか?
「彼らは二重行政の無駄の象徴としてWTCとりんくうゲートタワービルを例に出します。でもあれは単にバブルが崩壊しただけで、二重行政とは関係ない。維新は黒字化を手柄のように言うが、僕は昔からおかしいと思っている。行政の役割は赤字になるところに税金を配分することです。黒字になるなら民間企業がやればいい」
 ――維新は大阪市の赤バス(市交通局運営のコミュニティーバス)にも難癖をつけて潰した。彼らの発想は根本的に間違っているということか?
「うん。行政と民間企業の話をごっちゃにしたらイカン」
 維新により大阪が傾いた理由がわかってきた。


王将が「店で餃子を包む」のをやめたワケ 社員が疲弊したら、会社は悪くなる
「餃子の王将」の渡邊直人社長は、2013年の就任後、2つの大改革を行った。ひとつは「店で餃子を包むのをやめる」、もうひとつは「小麦粉を含む主要食材をすべて国産にする」。なぜ改革が必要だったのか。ノンフィクション作家の野地秩嘉氏が、渡邊社長に聞いた――。
メディアで注目を浴びる一方で現場は疲弊
「餃子の王将」をチェーン展開する王将フードサービス(以下、王将)の売上高は約781億円。従業員数は2203名、店舗数は736店舗。台湾にも2店舗、出店している(2018年3月31日現在)。
2013年に登板した同社代表取締役社長、渡邊直人は会社の改革に取り組んだ。現在の王将は改革の途上ではあるが、現場は大きく変わっている。
渡邊は言う。
「08年頃、当社はテレビ番組などメディアに取り上げられることで注目を浴び、利益も大きかったんです。しかし、現場は疲弊していました。工場や店舗の設備は従来のままだったのに、お客さんが増えて増えて、現場はてんてこ舞いでした。
それが13年になると、外食産業全体に陰りが出始めて、当社にもその影響が及びつつあった。利益は出ていましたけれど、工場、設備をそのまま使い、まったく投資をしていない状態で、社内には大きな危機感がありました。王将のためを考えると、どうしても抜本的な改革をしなきゃいけなかったんです」
「オレは庶民に、お腹いっぱい食べてもらいたい」
桃山学院大学を卒業した渡邊が入社した1979年当時、王将への就職を志望する大学卒は珍しかった。しかし、創業者で社長の故・加藤朝雄氏から面接を受け、そのド迫力と給料の高さにひかれて入社を決めた。
「わたしはスーツで面接に行ったのですが、加藤は現場で働く姿だった。
加藤は言うんです。
『オレは庶民に、お腹いっぱい食べてもらいたい。そんな店をつくるんや』
加藤が語ったロマンにしびれて入社しました。私は現場で掃除、仕込み、調理となんでもやりました。初任給は20万円で毎月4000円昇給。昇給は、人を逃がさないためですよ。初任給は高いと思ったけれど、働く時間を考えると、『これじゃ安い』と思いました」(渡邊)
そうして王将は庶民が腹いっぱい食べられるような価格の商品を提供した。かといってセントラルキッチンで調理したものを店舗に運ぶことはしなかった。庶民のために目の前で熱々の料理を作った。店舗のオープンキッチンで料理をすることにしたのである。それぞれの店長が出すメニューを自由に考える。餃子の具材はセントラルキッチンから運ぶが、包むのはすべて店でやる。
できたての熱い料理、店独自の料理を出すことによって、王将はチェーンではあるけれど、町の中華料理店のような温度を客に提供することができた。
社員が大事だから、店で餃子を巻くのをやめた
さて、そうして始まり、成長した王将だったが、渡邊がトップになった頃はそのままでは成長を維持できなくなったため、大きな決断をした。
渡邊がトップになって始めた大きな改革はふたつある。
ひとつは餃子を店舗で“巻く(餃子の餡を皮で包むこと)”のをやめ、工場で成型して各店舗に配送するようにしたことだ。
「店に来てくださったことのある方はわかると思うのですが、平均的な店舗で餃子は一日に1000人前くらい出ます。1人前が6個ですから、店長以下、従業員は営業時間の間、ずーっと餃子を巻いていなくちゃいけない。餃子を巻くのに追われて、他の料理を作ったり接客にあてたりする時間が少なくなってしまった。そのため、餃子を工場で作ることにしました」(渡邊)
餃子を工場で成型することにしたが、冷凍はしていない。すべてチルドで各店舗まで運んでいる。工場で成型するようになってから、従業員の労働時間は2割減と劇的に減っている。
「『企業は人なり』って簡単に言うけど、そんな生やさしいもんじゃないですよ。社員は企業の命ですよ。社員が疲弊したら、いつか会社は悪くなってしまう。わたしは社長になって、もっとも大事なのは社員の皆さんだと思いました。それもあって、店で餃子を巻くのをやめたんです」(同)
主要な食材を国産にしたらファミリーが増えた
もうひとつの大きな改革は14年の10月、主要な食材をすべて国産にしたことだ。たとえば餃子の場合、豚肉、キャベツ、ニラ、にんにく、生姜、小麦粉を国産に変えた。もともとすべてが海外産だったわけではないが、高いハードルだったのは小麦粉だ。中華麺用の小麦粉(餃子の皮も同じものを使用)の95%は海外産だった。なんといっても国産小麦は量が少ないから、手に入れるのは簡単ではない。そのうえ、価格は輸入小麦のほうが安い。「餃子の王将」のように、大量に使用している中華麺用の小麦粉を国産に変えるのはコストも上がるし、調達の手間もかかる。しかし、渡邊は断行した。
「いらっしゃるお客さまの層が変わりました。『餃子の王将』と言えば学生さん、ビジネスマン、現場の労働者といった方たちが主要な客層なんですが、食材を国産に変えてから、ファミリーの方々が増えました。私がいちばん嬉しかったのは、『“王将の餃子”は安心なので、離乳食にしています』というお母さんからのメッセージでした。そんなこと、以前ならとても考えられなかった」(同)
「王将調理道場」で料理のコツを教える
ほかにも改革はいくつかある。
16年には女性を主なターゲットとした新しい形の店舗「GYOZA OHSHO」も出した。女性デザイナーに店舗の設計をしてもらい、女性客が入りやすい雰囲気になっている。メニューもこれまでの王将とは違い、ヘルシーなそれがラインナップに入っている。なお、19年3月には東京の有楽町にもオープンした。
また、本社の隣に「王将調理道場」を作った。そこに全国から店長を集め、調理技術を磨き、料理のコツを教えることで、料理の品質向上を図っている。基本を大切にすることもまた改革のひとつだ。
こうした話を聞いて、わたしは地元の王将の店にあらためて足を運んだ。そして、餃子を頼む。久しぶりに行ったわけではない。前社長の時代から食べに行っていた店だ。出てきた餃子を食べても、まったく以前の味と同じ。そして、あらためて店内の従業員を見たら、確かに仕事はシンプルになっていた。
以前は餃子を巻きながら指示を出していた店長も、調理をするときは調理に集中し、部下に指示を出すときはふたりで話し合いをしていた。思うに、渡邊の行ったもっとも大きな決断は、やはり店で餃子を巻くのをやめたことだ。そして、社内の誰もがそう思っていたにもかかわらず誰もが口火を切るのを躊躇していたことなのだろう。習慣を変えることは簡単ではない。
休日は3000人前の餃子が出る「空港線豊中店」
さて、王将チェーンのなかで断トツの集客を誇るのが伊丹空港に近い空港線豊中店だ。同店舗は237席で24時間営業、休日ともなると2500人の客がやってきて、3000人前の餃子が出る。
店長の尾雄太は「わたしたち現場としては餃子を巻く時間がなくなったのは、すごくありがたかった。以前は営業中でも常に餃子を巻かないといけなかったから、部下の話もちゃんと聞くことができなかったし……。餃子を巻くことに追われてしまうところがありました。今では心に余裕をもって調理に集中できますし、接客もできます。よりいいものを出そうという気持ちで調理をできるのはありがたいことなんです」と言う。
また、国産食材に変えてから、「お客さまにママたちが増えました」とも言う。
では、彼ら現場の人間が大切にしている言葉はどういったものなのか。
「自奮自発」でお客さんに喜んでもらう
「わたしたちが入社当時から言われてきたのは、『自奮自発』ということです。自らを奮い立たせて、自ら行動を起こしてということをずっと言われてきました。王将は、現場に裁量権があり、店長が采配を振るってイベントをやったり、オリジナルメニューを出したりすることができる。それも現場の店長がその地域をよくわかっていて、理解したうえでやらなきゃならない。自奮自発で、お客さんに喜んでもらうというのが王将の現場の言葉です」(尾)
「餃子の王将」の麺、餃子の皮はすべて国産小麦だ。世の中にはおいしいとされる中華料理店は多い。同社よりも儲かっている飲食企業も多い。しかし、そのなかで、消費者に安心を届けるために、すべての食材を国産に変えたところはあるのだろうか。特に困難な麺や餃子の皮を国産小麦に変えたところはあるのか。
「餃子の王将」は富裕層やグルメのための高級店ではない。庶民のための店だ。庶民に腹いっぱい食べてもらうため、庶民に安心してもらうための店だ。彼らは日々、現場の言葉をたよりに、日本を支える庶民のために努力を続けている。(敬称略)
野地 秩嘉(のじ・つねよし) ノンフィクション作家 1957年東京都生まれ。早稲田大学商学部卒業後、出版社勤務を経てノンフィクション作家に。人物ルポルタージュをはじめ、食や美術、海外文化などの分野で活躍中。著書は『高倉健インタヴューズ』『日本一のまかないレシピ』『キャンティ物語』『サービスの達人たち』『一流たちの修業時代』『ヨーロッパ美食旅行』『ヤンキー社長』など多数。『TOKYOオリンピック物語』でミズノスポーツライター賞優秀賞受賞。


衆院大阪12区補選 共産出身“野党統一候補”大金星はあるか
 まさかの波乱は起きるのか。すでに有力3候補が出馬表明し、混戦必至となっている21日投開票の衆院大阪12区補選。そこに共産党の宮本岳志衆院議員(59=比例代表近畿ブロック)が、“野党統一候補”として出馬したいと名乗りを上げた。4人の争いとなればさらに激戦となるのは確実だ。
 補選は、自民党の北川知克元環境副大臣の死去に伴って行われる。現在、北川氏の甥で自民党の北川晋平氏(31)、日本維新の会の藤田文武氏(38)、無所属の樽床伸二氏(59)が立候補を表明している。
 宮本氏は、国会で初めて森友問題を取り上げるなど、一定の知名度がある。
「12区は北川石松元環境庁長官からの北川王国。現時点では、北川さんがややリードし、維新の藤田さんが猛追しています。いくら知名度があるとはいえ、宮本さんの当選は厳しい。任期途中で打って出る“無謀な戦い”に、永田町では『罰ゲームなのか』ともささやかれています」(永田町関係者)
 17年の衆院選大阪12区は、自民が7万1614票、維新が6万4530票、共産が2万2858票だった。樽床氏は希望の党の比例単独に回った。
 政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏が言う。
「今回は4人の立候補で票が割れます。もし投票率が低くなれば、当選ラインは6万票程度に下がることもあるでしょう。共産に加え、立憲民主党、国民民主党、無党派層の票が宮本さんに集まれば、当選ラインをうかがう戦いに持ち込める可能性があります。衆院選で、共産候補に他の野党が協力するのは沖縄だけです。今回の補選で、他党が宮本さんに全面協力して善戦すれば、野党共闘にも大きな意味を持つことになります」
 前回衆院選大阪12区の比例では、立憲1万8789票、希望1万5185票だった。前回の希望票の半分以上が樽床でなく、宮本氏に流れる可能性もある。


故内田裕也さんのROCK葬 愛された究極のトラブルメーカー
「安らかに……」という言葉がこれほど似合わない人もいないということか。
 先月17日に肺炎で死去した内田裕也さん(享年79)のお別れの会「内田裕也Rock’nRoll葬」が3日、青山葬儀所(東京都港区)で営まれた。映画・テレビ・音楽など芸能関係者と親族約950人が弔問に訪れた。
 トップで弔辞を読んだタレントの堺正章(72)が、「私たち後輩にとっては良き手本でもあり、悪しき手本でもありました。その悪しきの中に魅力がたくさん詰まっていたような、今思い返すとそんな気持ちになっています」と言えば、続く映画監督の崔洋一(69)は「裕也さん、安らかに眠るな。荒ぶる魂を永久に我らに」と締めてみせた。その後、弔辞に立ったミュージシャンの鮎川誠(70)は「ステージではいつでも飛び入り歓迎です。ありがとうロケンロール!」と決めた。
 喪主である実娘の内田也哉子さん(43)が謝辞を述べたが、そこでは「私の知りうる裕也は、いつ噴火をするかわからない火山であり」「半世紀近い婚姻関係の中、折々に入れ替わる父の恋人たちに……」「2人(裕也と妻の樹木希林)を取り巻く周囲に、これまで多大な迷惑をかけたことを謝罪しつつ……」などの言葉が並び、最後は「Fuckin’YuyaUchida,don’trestinpeacejustRock’nRoll!」と締めてみせた。
 その後、囲み取材に応じたミュージシャンの美勇士(37)は英ロックミュージシャン、ジミー・ペイジと対談した際に、裕也さんがケンカをしだしたエピソードを披露。
 裕也さんと同世代の歌手の尾藤イサオ(75)は、一緒にビートルズ来日公演の前座を務めた際、「オレは前座じゃない。共演してやったんだ」と裕也さんが語った話を披露した。


ガリガリガリクソン50kg減量…激痩せは心臓死リスク3.5倍
〈何をしても痩せなかった私が、人生の全てを賭けた最後のダイエットにより、5ヶ月で122・4kg→75・1kg(47・3kg減)になりました〉
 お笑いピン芸人・ガリガリガリクソン(33)が2日に“激痩せ”を公表し、世間をアッと言わせている。
 反応は〈素直にここまで、痩せられたら凄いと思う〉などと、おおむね称賛の拍手が送られているが、その一方で、5カ月で50kg近くという急激なダイエットに〈維持するのが大変〉〈非常に危ない〉などと心配する声も少なくない。
 東京慈恵医大病院糖尿病・代謝・内分泌内科の坂本昌也准教授も「一般論ですが」と前置きして、こう言う。
「ダイエットは体重の5%を半年で減らすことを目標にします。急激なダイエットには、いくつかの弊害があるからです。たとえば、身体が飢餓状態になるため、今後は普通の人と同じ食事量でも太りやすくなる。心筋梗塞や脳卒中など病気のリスクを上げることは明らかで、骨粗鬆症を起こしやすくなりますし、ダイエットとリバウンドの繰り返しが『寿命を縮める』ことは、国際的に権威のある医学雑誌でも発表されています。皮膚がたるむなど、美容面でもよくないですね。そもそもダイエットで重要なのは、減量後の体重を維持すること。それができない過激な方法は、医師としてお勧めできません」
 体重122kgのガリクソンなら半年で6〜7kg減ぐらいが“適正”だったわけで、50kgはさすがに度が過ぎているというのが、専門家の見方だ。
 急激なダイエットは死の危険もある重大病を招くことも分かっている。約16万人の女性を平均11・4年追跡調査した米ブラウン大附属病院の研究チームによれば、体重を5kg以上減らした後でリバウンドした女性は、心臓突然死のリスクが3・5倍も上昇したという。
■メンタル面でも心配
 体調はもちろんだが、本業にも支障が出ないか心配になる。
 元プロビーチバレー選手でタレントの浅尾美和は3日朝の情報番組で、ガリクソンの激痩せについて「ガリガリって、標準になった感じですよね」などとコメントしていたが、お笑い芸人が「標準」では笑えない。
「しばらくは激痩せネタで引っ張れるでしょうし、テレビからお呼びがかかるかもしれませんが、ガリクソンはこれまで“ニートっぽさ”で笑いを取っていたのに、“普通の人”になってしまったら笑いも半減どころじゃないでしょう」(在京キー局関係者)
 太りすぎはよくないが、痩せすぎてもいかがなものか、というわけだ。
「急激なダイエットによってホルモンのバランスが悪くなり、メンタル面に問題が出てくる可能性もあります。太っていることが需要のひとつになっている芸人さんでは、それを失うことで仕事面に影響が出て『あんなに頑張ったのに』とさらにメンタル面が悪くなることも考えられます」(前出の坂本准教授)
 人生の全てを賭けた最後のダイエットは吉と出るか、それとも……。

説明しました/酢みそも美味しい/リンゴ・カキもたくさん

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Japon: oui à une nouvelle ère impériale, non aux congés
Le système impérial au Japon suscite peu de contestation et l'entrée dans une nouvelle ère est saluée avec bonne humeur, mais une chose chagrine les laborieux travailleurs nippons: que ce changement s'accompagne d'un congé inédit de 10 jours consécutifs.
Incroyable mais vrai: 45% des Japonais se disent "mécontents" que la traditionnelle "Golden Week", série de jours fériés, ait été rallongée, courant cette année du 27 avril au 6 mai inclus. Seuls 35% sont "satisfaits" de cette configuration, selon un sondage du quotidien Asahi.
"J'avoue qu'avec 10 jours de vacances d'un coup, je ne sais pas trop ce que je vais faire de mon temps", confie Seishu Sato, 31 ans, qui travaille dans la finance à Tokyo.
"Je pourrais voyager mais ça sera bondé et cher partout. Je vais probablement finir par rester chez mes parents", dit-il, reflétant l'avis de la plupart des personnes.
Les Japonais n'ont pas l'habitude de prendre de longues vacances: selon le ministère du Travail, sur 18 jours de congés octroyés en moyenne aux salariés l'an passé, seulement 9 jours ont été pris.
Quant à ceux qui devront travailler, ils s'inquiètent aussi. "Pour les parents du secteur des services (restauration par exemple), c'est un casse-tête. Les garderies, les crèches, tout sera fermé", déplore sur le réseau social Twitter une personne en détresse.
Les banques aussi seront closes, et les clients sont incités à retirer suffisamment de liquide sur la période par peur que les réserves viennent à manquer dans les distributeurs.
La plupart des commerces resteront en revanche ouverts et, pour la troisième économie du monde, c'est un coup de pouce bienvenu, même si l'impact est jugé limité.
Les tour-opérateurs en particulier se frottent les mains. "La plupart de nos offres ont trouvé preneur dès l'an dernier", explique Hideki Wakamatsu, porte-parole de Nippon Travel Agency, ajoutant que de nombreux clients étaient sur liste d'attente.
- "Respect" –
Hormis ce congé exceptionnel dans un archipel rompu au dur labeur, les Japonais observent avec sérénité et bienveillance l'abdication de l'empereur Akihito et le début d'une nouvelle ère appelée "Reiwa" (belle harmonie).
L'immense majorité éprouve "un sentiment positif" ou "du respect" pour le souverain, 22% exprimant de l'indifférence mais quasiment aucun de l'hostilité, d'après une étude de la chaîne de télévision publique NHK.
"Leur façon d'aborder avec proximité, pendant ces 30 dernières années, les personnes agées, handicapées, isolées, victimes de catastrophes naturelles, autrement dit ces personnes laissées en plan par les politiques, a forcé l'empathie, le respect", souligne Takeshi Hara, professeur de sciences politiques au sein de l'Open University of Japan (OUJ).
Le fait que l'empereur Akihito ait épousé Michiko, le premier mariage d'amour de l'histoire impériale, "a renforcé leur image contemporaine", ajoute-t-il.
Sa popularité réside aussi dans sa "conscience de la responsabilité de la génération d'après-guerre" sur les atrocités commises par le Japon, complète Hideto Tsuboi, du Centre de recherches internationales d'études japonaises, basé à Kyoto.
A la différence de nombreuses monarchies constitutionnelles, il n'est de toute façon pas permis de dire du mal de l'empereur, un phénomène qualifié de "tabou du Chrysanthème", du nom du trône japonais.
- Deniers publics et rites impériaux –
Si les journaux à scandale osent certes de plus en plus fouiller dans la vie privée de la famille impériale, "il y a une pression pour ne pas critiquer l'institution impériale en public", note M. Hara, par crainte de représailles de fanatiques d'extrême-droite.
En 1961, un extrémiste avait pénétré dans la maison du patron de la maison d'édition d'un roman jugé trop critique, et poignardé sa gouvernante.
Plus récemment, en 1990, le maire de Nagasaki avait été blessé par balle après avoir estimé que l'empereur Hirohito, père d'Akihito, était en partie responsable de la Seconde guerre mondiale.
Seul élément à faire un peu débat: le financement par des fonds publics de rites purement religieux prévus pour l'intronisation de Naruhito, dont celui du Daijosai, qui doit être observé en novembre.
Plus de 200 citoyens japonais, dont des chrétiens et des moines bouddhistes, ont engagé des poursuites judiciaires contre le gouvernement, jugeant que cela pourrait contrevenir au principe de la séparation de la religion et de l'Etat.
Ils ont reçu le soutien inattendu du prince Akishino, fils cadet de l'empereur Akihito, qui deviendra prince héritier en mai.
"Je me demande s'il est correct de financer une chose aussi religieuse avec de l'argent public", avait-il déclaré fin 2018, ajoutant qu'il avait exprimé son opposition au chef de l'Agence de la maison impériale. "Il ne m'a pas écouté", avait laché le prince.
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歴史秘話ヒストリア「世にもマジメな魔王 織田信長 最新研究が語る英雄の真実」
旧態依然とした室町幕府を倒し、新たな時代を切り開いた戦国の革命児…そんな織田信長のイメージが近年、覆されはじめている。主流となりつつあるのは『朝廷や幕府の権威』を守ろうとする、まじめで保守的な織田信長像。実は最後の室町将軍・足利義昭の政権維持のために懸命に奔走していた。将軍の天下のために戦えば戦うほど、同盟者に裏切られ苦境に陥る信長。マジメすぎた戦国の『魔王』の素顔に迫る。新案内役は渡邊佐和子アナ 渡邊佐和子

今日は説明の日.少し短くなりました.
晩に酢みそでこんにゃく.美味しいです.
安売りのリンゴ・カキもたくさんいただきました.

石巻産カキ濃厚ソースに 長面浦の女性ら地元業者と開発
 東日本大震災で壊滅的な被害を受けた石巻市長面浦でカキ養殖に携わる女性たちが、地元産カキをふんだんに使ったオリジナルソースを開発した。同市の水産加工業者と連携し、出荷できない小ぶりのカキを活用した。長面地区のカキ養殖者は震災後に半減しており、商品開発を通して地域の復興と魅力発信を目指す。
 「牡蠣(かき)のソース バーニャカウダ風」として商品化した。カキのほか、オリーブオイルやにんにく、アンチョビーなどを原材料に使用。カキのバーニャカウダソースの自社商品がある「三養水産」(石巻市)が協力し、うま味を凝縮した濃厚な味に仕上げた。
 考案したのは長面地区の地域生活研究グループ「はまなす会」。出荷基準に満たないカキの扱いに悩んでいた浜畑千代子代表(60)が、知人が作ったカキのスープをヒントに「加工することで価値を生み出せる」と商品開発を決めた。
 浜畑さんらは宮城県の「みやぎ6次産業化・農商工連携チャレンジ支援事業」を活用し、2017年度からマーケティングなどを学んだ。
 当初はスープやポタージュ作りに取り組んだものの、味が定まらず苦戦した。三養水産の支援を受け、同社商品のペーストをベースにしたバーニャカウダソースの開発にこぎ着けた。ブランド名は「浜の母ちゃん」の意味を込め「まんま・まり〜の」とした。
 市内で3月に試食会があり、約50人がソースを野菜やパン、パスタなどに付けて味見した。「濃厚で、かにみそみたい」「生臭くない。何にでも合う」など高評価だった。
 長面地区は震災後、災害危険区域に指定された。約20あったカキ養殖業者は半分ほどになった。浜畑さんは「長面浦はとても自然豊かで、カキもおいしい。多くの人に訪れてほしい」と願いを込める。
 1個80グラムで1080円。同市相野谷の「喫茶去(きっさこ) HaMa」と、同市のいしのまき元気いちばで販売している。取り寄せも可能。連絡先は浜畑さん090(9746)3660。


津波で被災の仙台・藤塚地区、集団移転跡地に食・農・温泉施設21年秋にもオープン
 東日本大震災で被災した仙台市若林区藤塚地区に、レストラン、農園、温泉などの複合施設「アクアイグニス仙台」を整備する計画を2日、建設業の深松組(仙台市)が発表した。市の防災集団移転跡地利活用事業に応募し、候補に選ばれた。牧歌的な空間で有名シェフ監修の料理やデザートが味わえる場所とし、国内外からの誘客を図る。
 同社によると、敷地面積3万4000平方メートル。農園レストラン、ベーカリー、地元食材が並ぶマルシェ、物販棟、温泉棟などを建設する。延べ床面積は計1万平方メートルに及ぶ。温泉棟は高さ16メートルの3階建てで、津波発生時は避難場所に使う。
 田んぼビオトープ、収穫体験ができる畑、イチゴやトマトのハウスも配置する。周囲は駐車場とし、屋敷林「居久根(いぐね)」に見立てて樹木で包む。2020年春に着工し、21年秋ごろのオープンを目指す。地元から200人程度を雇用する。
 カフェやレストランのメニューは、世界的に活躍するパティシエの辻口博啓氏、鶴岡市のイタリア料理店「アル・ケッチャーノ」オーナーシェフ奥田政行氏、東京の人気店「賛否両論」店主笠原将弘氏が、地元食材を取り入れて考案する。3人はイベントとして開く料理教室にも参加する。
 「アクアイグニス」ブランドの施設は、同名の運営会社(東京)が三重県菰野(こもの)町で展開し、多くの行楽客を集めている。仙台市の施設は同社と深松組が共同運営する予定という。
 深松組の深松努社長は「すぐ近くに仙台空港があり、外国人観光客の利用が見込める。沿岸部の周遊観光の拠点にしたい」と話した。


<福島第1原発事故>じじい部隊笑顔の定年 全町避難見守り6年、任務全う
 東京電力福島第1原発事故で全町避難する福島県大熊町で、町内のパトロールや帰還の環境再生に取り組んできた町役場OBらによる「じじい部隊」が3月31日、6年間の活動を終了した。10日に大川原、中屋敷両地区の避難指示が解除され、町役場新庁舎も開庁されることで任務を全うした。
 じじい部隊は町役場現地連絡事務所駐在の臨時職員鈴木久友さん(66)、杉内憲成さん(67)、岡田範常さん(66)、横山常光さん(66)、中島孝一さん(66)、加井孝之さん(63)の6人。原発事故当時の町幹部職員や、その同級生らだ。
 役場が会津若松市に移った後の2013年4月、町内の一部が立ち入りできるようになり、一時帰宅の町民をサポートするため鈴木さんらは常駐を志願。坂下ダム施設管理事務所内に開設された連絡事務所に避難先のいわき市や郡山市などから通った。
 仕事はさまざま。用水路の点検や清掃、草刈りをはじめ「自宅が泥棒に入られた」といった町民の困り事に対応。土日曜日も含め交代で活動してきた。
 昨年4月、大川原、中屋敷両地区で長期宿泊が可能な準備宿泊が始まると、大川原地区の土手にブルーシートで作った町民へのメッセージ「かえろう」の文字を「おかえり」に変えた。
 引退を控えた今年3月には「役場が町に戻れば後輩の職員が温かく町民を迎える」と文字を撤去。町の復興を願いダム周辺に河津桜の苗木を植え「夢見桜」と命名した。
 3月30日が最後の仕事となった。翌31日の常磐自動車道大熊インターチェンジの開通式で多くの人を町に迎えるため、雨天にもかかわらず沿道の清掃活動に励んだ。
 31日は現地連絡事務所の閉所式が現地であった。渡辺利綱町長は「皆さんの活動によって帰還への勇気と希望を頂けた」と感謝。元総務課長の鈴木さんは「この6人だからこそやり遂げられた。今後も全町帰還できる環境づくりの力になりたい」と話した。


宮城を駆けてく、陽気なサザエさん♪ アニメ番組冒頭に宮城の観光地登場
 人気アニメ番組「サザエさん」のオープニングで、宮城県内各地の観光地を巡る映像の放送が始まることが2日、分かった。県が5月から実施する観光キャンペーンの一環。7日から春編が放送され、全国のお茶の間に向けて宮城の観光を発信する。
 春編では、船岡城址公園(柴田町)から見た白石川沿いの一目千本桜、伊豆沼(登米、栗原両市)のはすまつり、南三陸さんさん商店街(南三陸町)など11カ所が登場する。
 映像はいずれもイラストで、おなじみの主題歌が流れる中、サザエさん一家が各地を訪れる構成になっている。7月以降は夏編に切り替え、9月まで毎週放送される。
 サザエさんのアニメ番組は国民的な人気を誇り、今年10月に放送開始50周年を迎える。県観光課の担当者は「全国の方々が宮城に関心を持つきっかけになる」と期待を寄せる。
 サザエさん一家がキャラクターを務める観光キャンペーンの期間は5〜9月。ガイドブックの表紙やポスターにもサザエさんが登場する予定。


寒さ耐え、春を待つ 仙台で季節外れの雪
 真冬並みの寒気が上空を通過した影響で、仙台市で2日午後、季節外れの雪が降った。仙台管区気象台によると、4月の降雪は2013年以来6年ぶり。
 最高気温は3月上旬並みの7.7度で平年より4.5度低かった。市中心部では横殴りの雪を遮るように傘を差し、マフラーで冷たい風をしのぐ姿が目立った。
 気象台によると、3日も西高東低の気圧配置が続き、西部の山沿いで午前中から昼すぎにかけて雪が降りやすいという。


女性候補数伸びず/参画推進法の理念はどこへ
 実現する気がないのではないか。国と地方の議会議員選挙で男女の候補者の数ができる限り均等となることを目指す「政治分野の男女共同参画推進法」の成立後、初めての統一地方選の41道府県議選が告示された。女性候補の割合は12.7%と前回を1.1ポイント上回ったにすぎず、均等には遠く及ばない。政令市議選でも21.1%にとどまった。
 道府県議選を政党別に見ると、自民は1302人のうち女性は55人の4.2%、13県でゼロだった。公明は8.4%。共産が243人中111人の45.7%、立憲民主が177人中46人の26.0%など女性活躍を掲げながら国政与党は現職を温存し、新人の女性比率も低いままだ。
 東北の3県議選では、165人に対し、女性は16人で9.6%、このうち新人は6人にとどまる。
 総務省のまとめでは、昨年12月末時点の都道府県議会の女性議員割合は10.0%。女性ゼロはなかったが、3議会が1人。20%超は東京都議会だけで、政令市を含む市区議会で15.3%、町村議会は10.1%だった。
 今回の選挙で、こうした地方議会の現状が改善される気配はない。最大の壁となっているのは現職議員の現状だ。
 内閣府が全国の女性地方議員を対象に行ったアンケートによると、女性議員が少ない理由は「家族や周囲の理解が得づらい」に次いで「政治は男性が行うものという固定的な考え方が強い」が挙げられた。そもそも理解が得づらいのは、こうした固定観念が根強くはびこっているからではないか。
 地方議会は、誰にとっても身近な存在であっていいはずだ。しかし、実際には似通った階層の中高年の男性が議員の大半を占めている。女性にとどまらず、若者や会社員など多様な人々が立候補しやすい仕組み作りが必要だ。議会自身も、男性社会が作ってきた旧態依然のルールを変えていかなければならない。
 議会に1人では周囲の意識を変えるのは難しい。同年代の女性たちが抱える出産や子育て、介護などの事情を個人の資質の問題とすり替えられる懸念もある。まずは女性議員が声を上げられるだけの人数を確保したい。
 共同参画推進法は政党に努力を促すが、達成できなくても何のペナルティーも科せられない。今のままでは、何度選挙があっても均等にするのは困難だ。女性の割合を一定以上にするクオータ制などを導入しない限り、現状は変わりそうにない。
 夏には参院選がある。自民、公明両党は女性候補者擁立の数値目標設定を見送る方針だという。現職を擁立する限り、均等とは懸け離れた数にしかならないからだとみられる。衆参両院で13.8%という女性議員の割合を増やす気があるのか、各政党の取り組みに注目したい。


少ない女性候補 多様性阻む壁を崩せ
 立候補者数の男女均等を目指す法律が施行されたのに、統一地方選で女性比率はあまり増えていない。多様性を阻む壁を崩すことは地方自治の活性化にもつながる。政党はもっと汗をかくべきだ。
 道府県議選の女性候補者は全体の12・7%。前回から微増にとどまる。とくに自民党は4・2%と少なさが際立つ。少数者の意見が意思決定に反映されるには三割は必要という米研究者の理論は知られており、政府が掲げる女性管理職などの割合の目標も二〇二〇年に三割だ。立候補の段階でもその数字とはほど遠い。
 女性の政治分野への進出が遅れているとして「政治分野の男女共同参画推進法」はできた。どの国でも政治の世界に女性が加わることは至難の業だった。
 しかし百三十カ国以上が立候補者や議員の一定枠を女性に割り当てるクオータ制を採用することで比率を上げている。日本の推進法は紆余(うよ)曲折の末、候補者数を「均等」にするよう政党に努力を促す理念法にとどまった。
 育児との両立やセクハラなど、女性の方が高く感じる壁もある。だが立候補休職制度が整っていなかったり、供託金が負担になったりと、リスクが高いわりに議員という仕事の魅力が乏しく映ることは、性別にかかわらず幅広い裾野から立候補者が出てくることを妨げる障壁になっている。
 地方議員のなり手不足は深刻化しており、夏には参院選もある。政党は、推進法の理念を実現していく中で、普通の人から政治を遠ざけている独特の土壌や構造的な問題を改善する努力を重ねる必要がある。
 人口が減少していく中、地域の魅力を競うことが自治体の大きな使命となっている。財政規模も縮小していくことを考えれば、何を削るかの判断の意味も重くなる。多様な目で行政を監視、提案していく議会の役割は強まっている。
 埼玉県八潮市議会は三月、推進法の施行を受け「多様性の尊重」を盛り込んだ議会基本条例案を可決した。
 「議会の機能強化のため、議会活動と育児・介護等が両立できる環境整備等に努め、多様な立場の市民の声が反映されるようにしなければならない」と定める。女性だけでなく身障者や性的少数者(LGBT)など多様な代表が集まる議会の姿を念頭に置いているという。
 統一選が地方議会の未来の姿を候補者と有権者がともに考える場にもなればと願う。


議員の多様性/「男女均等」すらまだ遠い
 人口減少が加速する中、地域の将来像をどう描くか−。統一地方選の最大のテーマである。
 変化の激しい時代にあって、自治体の政策決定に多様な意見を反映させることがますます重要になってきた。だが、その道のりはかなり険しい。
 兵庫県議選の候補者の平均年齢は53・4歳。60代が最も多く、約3割を占める。女性は全体の18・1%だ。神戸市議選も女性候補は19・8%と少ない。兵庫を含む41道府県議選の女性比率は過去最高になったが、12・7%にとどまる。
 地方議会は、さまざまな人が暮らす町の縮図であるべきだ。ところが、議員の9割近くを男性が占める。女性議員がゼロの議会もなくならない。極めていびつな状況が続く。
 昨年5月、「政治分野の男女共同参画推進法」が成立した。男女の候補者を「できる限り均等」にするよう政党や政治団体に求めるが、自民党をはじめ大政党の消極姿勢が際立つ。
 女性の擁立にある程度時間がかかるのは理解できる。とはいえ、子育て環境の整備や福祉・介護の充実といった有権者の関心が高い施策にこそ、男女共同参画の視点が欠かせない。
 しかも、寿命の男女差により高齢になるほど女性の人口が多くなる。議会が「男性中心」のままでは、社会の実像との距離はさらに広がる。
 政党は候補者の発掘や育成を急ぎ、法の求める責任を果たさねばならない。地域も女性候補の擁立に努めてほしい。
 若い世代の政治参加も課題の一つだ。未来を担う若者の思いをどう施策に反映させるか。簡単ではないが、手をこまねいていれば地域の活力は失われかねない。議会はそのための努力や工夫を重ねるべきだ。
 「政治は年配の男性のものというイメージが根強い。払拭(ふっしょく)するためにも住民との接点を増やすことが大事」。26歳で初当選し、現在2期目の高砂市議、島津明香(はるか)さん(31)は話す。
 今後、地域で暮らす外国人労働者の増加が予想される。性的少数者(LGBT)への配慮も一層求められる。議会は社会の多様化と無縁であってはならない。


冤罪生む捜査風土 自白の絶対視は許されぬ
 容疑者の自白を絶対視するような捜査風土を変えなければならない。
 殺人罪で服役した元受刑者が求めた再審を認める司法判断が相次いでいる。捜査の見立てに沿った自白が強いられたり誘導されたりしたことが冤罪(えんざい)を招いた。
 1985年に熊本県松橋(まつばせ)町(現宇城市)で起きた殺人事件で、再審無罪が確定した宮田浩喜さんは「うその自白をさせられた」と述べていた。事件では、凶器に巻き、犯行後に燃やされたはずのシャツを検察が長年所持していたことが判明した。適切な証拠開示が行われていれば有罪にならなかったはずだ。
 2003年に滋賀県東近江市の病院で入院患者が人工呼吸器を外されて死亡したとされた事件でも、元看護助手の西山美香さんの再審開始が確定した。この事件は、殺人ではなく自然死だった疑いが強く、無罪の公算が大きい。西山さんは軽度の知的障害があり、他者に迎合しやすかったといい、ストーリーありきで自白が引き出されたのではないか。
 再審無罪が確定した足利事件でも自白が強要された。自白は「証拠の王様」と呼ばれ、裁判の中で重視される。そこに虚偽の供述を生む余地が残る。捜査機関は自白を得れば、証拠物全体をそれに合わせて評価してしまい、客観的な証拠収集がおろそかになりがちだ。この国の捜査機関の自白偏重体質は否定し難い。
 刑事訴訟法が改正され、取り調べの録音・録画制度が6月から義務化される。ただし、裁判員裁判対象事件などに限られ、刑事事件全体の約3%に過ぎない。
 カルロス・ゴーン日産自動車前会長の事件では、取り調べへの弁護人立ち会いの必要性が投げかけられた。西山さんの弁護側も求めている。
 欧米の主要国では容疑者の権利として定着している。取調室の密室性を取り除く制度改革は、正面から議論すべきテーマだ。
 捜査機関が収集した証拠の開示についても改善しなければならない。
 捜査で得られた証拠は公共物だ。刑訴法が改正され、検察が全証拠リストを弁護側に開示することが義務付けられた。だが、再審については法に規定がない。検察の裁量や裁判所の姿勢で開示が左右されるのは不合理であり、改める必要がある。


中高年のひきこもり 親子の共倒れを防がねば
 中高年でひきこもり状態の人が、これまで考えられていたよりはるかに多いことがわかってきた。老いていく親が不安を抱えながら生活を支えている。孤立している家族を救わなければならない。
 ひきこもりは子どもや若者の問題と見られることが多く、政府の過去2回の実態調査も15〜39歳が対象だった。2010年の約70万人から15年には約54万人に減ったが、ひきこもり状態が「7年以上」の人は2倍以上に増え、長期化と高齢化が懸念されていた。
 今回、内閣府は初めて40〜64歳の5000人を対象に調査した。「自室からほとんど出ない」「趣味の用事の時だけ外出する」などのひきこもり状態が半年以上続いている人は1・45%おり、推計61万3000人に上ることがわかった。
 バブル崩壊後の「就職氷河期」に条件のよい仕事に就けなかった世代のひきこもりが長期化していると見られていたが、40代からひきこもった人もいるなど多様な実像が浮かんだ。「専業主婦」「家事手伝い」の中にもひきこもり状態の人がいる。
 パワハラや長時間労働で体調を崩したことや、親の介護がきっかけなどさまざまな要因が背景にある。男性が4分の3以上を占める。5年以上ひきこもっている人が半数を超え、中には30年以上の人もいた。
 親の蓄えや年金でかろうじて生活を維持している人、高齢化が進むにつれて病気や障害を抱え、将来を悲観している人は多い。
 親自身も70〜80歳で介護が必要になる人が増えている。認知症や病気で親が倒れたとき、ひきこもっている人は生命の危機に直面する。
 厚生労働省は各自治体に相談窓口の設置を促しているが、都道府県と政令市に一つずつしかない。長期に及ぶひきこもりの人が自ら相談に行くのは難しい。
 一部の先進的な自治体や民間団体はひきこもりの人の自宅を訪ね、福祉や医療につなげる支援をしている。こうした「アウトリーチ」と呼ばれる支援がもっと必要だ。
 これまでは若年層を想定していたため、働いて自立することを目的にした支援が多い。ひきこもりの人の高齢化に合わせ、健康面や生活を支える多様な制度が求められる。


ひきこもり調査 中高年にも支援が必要だ
 半年以上、家族以外とほとんど交流せず、自宅にいる40〜64歳のひきこもりの人が61万3千人に上る―。そうした推計を内閣府が中高年に関する初の調査でまとめた。
 2015年の調査で約54万人と推計した15〜39歳の若年層を上回った。ひきこもりは若者の問題とのイメージを覆し、より深刻な実態が浮き彫りになった。国や自治体は中高年への支援も強化する必要がある。
 調査は昨年12月、40〜64歳の人がいる全国5千世帯を対象に行った。ひきこもりの人の4人に3人は男性で、期間は半数近くが7年以上と長期に及んでいた。
 きっかけ(複数回答)は退職が36・2%と最も多く、人間関係と病気がそれぞれ21・3%で続いた。40代以上はバブル崩壊後の就職氷河期に直面した人もおり、思うような仕事に就けなかったり、就職しても厳しい環境に置かれたりした人もいるとみられる。
 特に深刻なのは、3人に1人が高齢の親に経済的に依存していることである。親についても、地域での見守り対象となることが多い独居の高齢者と比べ、周りの目が届きにくい状況があろう。福祉の現場では親が80代、本人が50代で生活が困窮する「8050問題」も指摘されており、対応を急がねばならない。
 支援を求める当事者が多いことも分かった。今回の調査で「関係機関に相談したい」と答えた人は46・8%で、若年層を対象にした15年調査を14ポイント余り上回った。
 こうしたニーズに応じるため、09年度から国の事業で「ひきこもり地域支援センター」が設けられているが、設置は都道府県と政令市にとどまっている。
 そうした中、独自の取り組みを始めた自治体もある。例えば、総社市は17年4月、ひきこもり支援センター「ワンタッチ」を市社会福祉協議会に開設し、専門の職員が相談に応じている。
 この2年間で中高年を含めて約200件の相談に応じ、当事者らの声を受け、就職活動や外出の同行、居場所づくり、家族会の開催などを行っている。こうした支援が実り、20人近くが就職するなど社会参加を果たした。特に中高年は挫折を重ねて本人も家族も不安が大きいというが、一人一人に応じた適切な支援が大切なことを示している。
 課題は就労だけではない。ひきこもりが長期化するうちに、親も介護が必要になったり、経済的に苦しくなったりする。支援に当たっては関係機関の連携が欠かせない。「親の入院といった不慮の事態があれば、いつでも介入できる関係をつくっておくことが大事だ」と、孤立を防ぐように訴える専門家もいる。
 これまでの支援では、ひきこもる人を強引に引っ張り出し、社会に適応させる訓練もあった。そうした発想は転換し、本人の視点に立った支援を探ることが大切だ。


オスプレイ着陸/人ごとでない事故の危険
 米軍の輸送機オスプレイは特に事故の多い機種とされる。その危険が人ごとでないことが、改めて浮き彫りになった。
 海兵隊仕様のMV22オスプレイが伊丹市の大阪(伊丹)空港に緊急着陸したのは、おとといの午後だ。きのう点検を終えて飛び立ったが、一時、滑走路が閉鎖される事態になった。
 この影響で民間旅客機7便に最大19分の遅れが出た。同空港は1日当たり370便が発着する「空の玄関口」だ。滑走路は2本しかなく、空港機能がまひする恐れもあった。
 岩屋毅防衛相は「安全管理の徹底を米側に申し入れた」と述べた。当然である。原因究明と再発防止を強く迫るべきだ。
 今回、機体の損傷やけが人はなかった。米軍は「コックピットに警告灯が点灯したため」と説明し、最も安全な選択肢を選んで着陸させたとしている。
 だが、オスプレイは沖縄県で負傷者が出る墜落事故を起こしている。先月も鹿児島県の沖永良部空港に緊急着陸するなど依然、トラブルが絶えない。
 オスプレイは、プロペラを垂直、水平方向に切り替えて飛ぶ輸送機だ。もともとプロペラを傾けた際に不安定になり、操縦が難しいとされていた。
 米軍は訓練や基地間の移動などで全国各地でオスプレイを飛ばしている。安全が十分に確認されるまで、政府は飛行中止を要請しなければならない。
 他の軍用機と比べて安全面で優れていると米軍は強調する。それでも2年前にはオーストラリアで乗員3人が死亡する墜落事故が起きている。
 「いつ住宅に落ちてもおかしくない」という不安は、全ての地域に共通する問題だ。
 航空機事故が起きても、米軍はこれまで短期間の飛行停止などの対応で済ませてきた。2年前、沖縄県宜野湾市の小学校にヘリの機体の一部が落下した際もすぐに運用を再開した。
 政府は米側が主張する「安全」を追認してきた。国民の命と安全を守るため、今度こそ毅然(きぜん)とした対応を求めたい。
 オスプレイは、自衛隊も導入を計画し、佐賀空港への配備を目指している。しかし安全性に疑問符が付いた状況では、到底国民の理解は得られない。


首相の改元会見 謙虚さに欠けてないか
 「悠久の歴史と薫り高き文化、四季折々の美しい自然。こうした日本の国柄を、しっかりと次の時代へと引き継いでいく」
 安倍晋三首相は万葉集から引用した新元号「令和」について記者会見で談話を発表し、漢籍ではなく初の国書由来となる元号にこうした願いを託したと語った。
 万葉集が「幅広い階層の人々が詠んだ歌が収められ、わが国の豊かな国民文化と長い伝統を象徴する」との認識自体は、広く受け入れられるだろう。
 ただ談話は全体として、日本の伝統を重視する保守派の政治家としての色彩が濃い内容だった。
 新元号の選定過程では、首相自身に国書からの引用への強いこだわりがあったという。会見や夜のテレビ出演でも、そうした高揚感をにじませていた。
 しかし、元号は国民のものだ。
 選定した内閣の色に染めたり、祝賀ムードをテコに参院選へ政権浮揚を図ったりしているようにみられることは、あってはならない。
 首相に、そうした慎み深く謙虚な姿勢に欠けるところがなかったか。それが気がかりだ。
 首相の会見で、特に違和感を禁じ得なかった発言がある。
 平成時代に行われた政治、行政などのさまざまな「改革」は大きな議論を巻き起こしたが、「現在の若い世代は変わることをもっと柔軟に前向きに捉えている」。
 そんな認識を示し、一例として働き方改革を挙げた。さらに「1億総活躍社会をつくりあげることができれば日本の未来は明るいと確信している」と述べた。
 「次の時代の国造り」を問う記者からの質問に答えた形だったとはいえ、新元号の趣旨を説明する会見が政権の看板政策をアピールする場にすり替わってしまった。
 宗教評論家の大角修氏は「元号は純粋に儀礼的なもので、本来は選定や発表に関わる人は己を無にして臨まねばならない。そこに私的な思いを持ち込むから不純な印象を受ける」と会見を批判した。
 うなずける指摘だろう。
 天皇陛下の生前退位に伴う今回の改元は、昭和天皇の死去で自粛ムードに染まった平成への改元とは正反対の様相を呈している。
 改元を機に一つの時代を振り返り、次の時代に思いを致す。その心情は自然だが、国民がどんな思いを抱くかは千差万別である。
 政府の役割は、皇位継承と改元を円滑に執り行う「事務方」に徹すること。それ以上でも以下でもないのではないか。


安倍首相「令和は国書典拠」自慢の間抜け! 大元は中国古典で作者の張衡は安倍政権そっくりの忖度政治を批判
 新元号発表の“政治パフォーマンス”が成功したとみたか、意気揚々の安倍首相。とりわけ「令和」の出典が『万葉集』だと強調し、「初めて国書を典拠とした」と触れ回っている姿は、この宰相の中身がどれほど阿呆かを満天下に知らしめている。発表当日の1日に生出演した『ニュースウオッチ9』(NHK)ではこう宣った。
「『令和』というのは、いままで中国の漢籍を典拠としたものと違ってですね、自然のひとつの情景が目に浮かびますね。厳しい寒さを越えて花を咲かせた梅の花の状況。それがいままでと違う。そして、その花がそれぞれ咲き誇っていくという印象を受けまして、私としては大変、新鮮で何か明るい時代につながるようなそういう印象を受けました」
「中国の漢籍を典拠としたものと違って情景が目に浮かぶ」って……コレ、ヘイトじみた“日本すごい”言説という批判以前に、めちゃくちゃ頭が悪い発言だろう。そもそも「令和」の二文字の並びだけ見れば情景もクソもないし、政府の説明によれば「令和」は『万葉集』の梅花の歌の序文を典拠としたというが、それだって中国由来の漢文調で書かれたものだ。
 しかも、すでに各専門家や多くのメディアも指摘しているように、「令和」にはより古い中国古典からの影響が見てとれる。たとえば岩波書店文庫編集部のTwitterアカウントは1日、その“大元ネタ”についてこう投稿していた。
〈新元号「令和」の出典、万葉集「初春の令月、気淑しく風和らぐ」ですが、『文選』の句を踏まえていることが、新日本古典文学大系『萬葉集(一)』の補注に指摘されています。 「「令月」は「仲春令月、時和し気清らかなり」(後漢・張衡「帰田賦・文選巻十五」)とある。」〉
 張衡(78〜139)は後漢の役人・学者だ。本サイトも確認したが、その張衡が残した「帰田賦」(きでんのふ)は6世紀の『文選』に収録されており、そこにはたしかに「於是仲春令月、時和気清」とある。万葉集の成立は8世紀とされるが、当時は漢文・漢詩の教養が当たり前であり、「帰田賦」を参考にしたのは確定的だろう。
 “新元号の大元”である「帰田賦」はこのあと「原隰鬱茂。百草滋榮。王雎鼓翼、倉庚哀鳴…」と続いてゆく。『新釈漢文大系』(81巻、「文選(賦篇)下」明治書院)がつけている通釈はこうだ。
〈さて、仲春の佳い時節ともなれば、気候は穏やか、大気は清々しい。野原や湿原に植物は生い茂り、多くの草が一面に花をつける。ミサゴは羽ばたき、コウライウグイスは悲しげに鳴く…〉
 なんのことはない。大元になっている漢籍そのものが、自然の情景を描いているのだ。それを「中国の漢籍を典拠としたものと違って情景が目に浮かぶ」などとのたまうとは……。漢文の教養なんてなにもないくせに、知ったかぶりをして恥をさらす。まったくこの総理大臣は救い難い。
安倍首相は自分への皮肉が込められた元号を知らずに自慢していた!
 いや、それだけではない。ネット上ではいま、「令和」の大元が張衡の「帰田賦」であることが確定的になったことから、「張衡の『帰田賦』は安帝の政治腐敗に嫌気がさして田舎に帰ろうとしている役人の心情を綴ったもの」「安の字を持つ帝の腐敗に役人が嫌気をさす、というのは安倍政権で起きている構図そのものじゃないか」といったツッコミを浴びせられている。ようするに、安倍首相は自分への皮肉が込められた元号を知らずに自慢しているというのだ。
 本当だとしたら、こんな間抜けな話はないので、本サイトも検証してみた。すると、細部では解釈が間違っているところがあるものの、「帰田賦」の作者である張衡が、権力の腐敗に嫌気がさして田舎に引っ込んだ役人であるのは事実だった。
『後漢書』の「張衡列伝」によれば、張衡は現在の河南省南部に生まれた。年少から文才に秀で、天文、陰陽、暦算などに通じた学者肌の役人となった(実際、科学者としても評価されている)。「才は世に高しと雖も、而れども矯尚の情無し。常に従容として淡静、俗人と交わり接することを好まず」との評に従えば、いつも落ち着きを払い、決しておごることのない人物だったらしい。
 だが、張衡の清廉な精神は腐敗した権力によって阻まれてしまう。当時は、宦官勢力が外戚勢力との権力闘争に勝利しており、張衡は皇帝に意見書を提出するなどしてその腐敗した宦官専横の体制を是正しようとした。だが、そうした抵抗は失敗に終わり、張衡は自らの立場を危くしてしまった。
 ただし、相手は、ネットで言われているような「安」の字を持つ安帝ではなさそうだ。『後漢書』によれば、張衡は安帝(6代皇帝)のときに都・洛陽に呼ばれて大史令という官僚知識人の地位をあたえられる。順帝(8代皇帝)の頃に再び大史令となる。前述の意見書を上奏した相手は順帝であり、「帰田賦」もその時代に書かれたものだ。
「令和」の大元の作者が「法を遵守する者が災難に遭う」と批判
 それはともかく、張衡は実権力者であった宦官勢力に睨らまれ、136年に首都・洛陽から河間(現在の河北省あたり)へ移り行政官を務めた。『後漢書』によれば、2年後に辞職願いを上書するも徴され、再び都の官職に就いたのち引退する。139年、62歳で没。その頃に書かれた隠居の書が「帰田賦」だ。張衡はこのなかでその心情をこう語っている。
〈まことに天道は微かで見定めがたいものである以上、いっそかの漁夫を追って隠棲し、彼の楽しみを見習おうと思う。塵の如き俗界を離れて遠く立ち去り、世間の雑事とは永久に別れることにしよう〉(『新釈漢文体系』通釈より、以下同)
 さらに、地方転出の前年にあたる135年に書いた「思玄賦」には、朝廷の腐敗やそれに媚びる役人を厳しく糾弾する記述がある。こちらも『文選』におさめられているので、紹介しよう。
〈世の風俗は次第に変化し、規範に順う正しい行為を消し去ってしまった。ヨモギを大切そうに宝箱にしまうくせに、蘭やヨロイグサは香りが良くないと言う。美女の西施を捨てて愛さず、駿馬に荷車を引かせたりする。邪な行為をするものが志を得て、法を遵守する者が災難に遭うご時世である。天地は無窮で永遠だが、それに比べて人の世は、何と無原則であることか。しかし私は、志を低くして、とりあえず認められようとは思わない。舟無くして黄河を渡ろうとするような状態だ。巧みな笑顔で媚びへつらうようなやり方は、私の願い下げとすることだ。〉
 安倍首相のために平気で法や文書をねじ曲げる官僚だけが出世する、いまの安倍政権の姿と重なる。そして、張衡はこの腐敗と忖度にまみれた朝廷で官吏として働くことの苦悩をこう書いている。
〈人々に邪悪な行為が多いのを見るにつけても、自分だけ法に従うことが、かえって身を危うくするのではないかと恐れるのだ。心中にこのような煩悶を重ね、我が心は乱れる。ああ誰に向かって、この思いを告げたらよいのか。〉
 これも、良心が残っている官僚たちがいまの安倍政権下で抱えている苦悩そのものだろう。
「令和」考案者・中西進氏は護憲運動にも関わっていた
 ようするに、「おれは国書を典拠とする元号をつけた初めての総理だ」と悦に入っている安倍首相だが、実際は、自らの政権とそっくりな不正と忖度官僚の跋扈を嘆いた中国の役人の言葉を元ネタとする元号をつけてしまっていたのである。
 そんなところから、この「令和」という元号名が実は「安倍首相への皮肉とを込めて提案されたものではないか」などという憶測までとびかっている。「令和」の考案者が護憲運動にも関わったことのある文学者・中西進氏であったと報じられていることもこの説の拡散に拍車をかけている。
 まあ、さすがにそれはありえないだろうが、しかし、今回の新元号制定で改めてはっきりしたことがある。それは、安倍首相が押し出すナショナリズムがいかに浅薄でインチキなシロモノであるか、ということだ。「令和」の大元ネタがどうという以前に、そもそも日本の古典文学は、基本的に中国や朝鮮の影響下でつくられているものであり、いくら「国書典拠」を強調したところで、日本固有の文化、中国排除などできるはずがないのである。それを、皇室の伝統を排して「国書典拠」などというのは、無教養とバカのきわみといっていい。
 しかし、そのバカ丸出しのインチキが何の問題にもならずに、正論として通用してしまうのが、いまの日本の状況なのである。
 新元号「令和」の大元ネタの作者・張衡の「思玄賦」にはこんな一節がある。
〈折り合わないことなどは、本当の憂いではない。真に悲しいのは、多くの偽りが、真実を覆い隠してしまうことである。〉(小杉みすず)
■主な参考文献
『新釈漢文大系』81巻(明治書院)
『後漢書』列伝7(岩波書店)
鈴木宗義「張衡「帰田賦」小考」(「国学院中国学会報」2005年12月号所収)
富永一登「張衡の「思玄賦」について」(「大阪教育大学紀要」1986年8月号所収)


「令和以外の5つはケチのつけようがない」東大教授が指摘する『令』が抱える3つの問題
 新元号「令和(れいわ)」を決定する過程で、政府が検討した6つの最終案がすべて明らかになった。
 日本の古典に由来する案は3案で、「令和」のほか、日本書紀を出典とする「英弘(えいこう)」、日本古典と中国の詩経を出典とする「広至(こうし)」が検討されていた。また、中国の古典からは「万和(ばんな)」「万保(ばんぽう)」「久化(きゅうか)」の3案が出ていた。
 1日放送のテレビ朝日系『スーパーJチャンネル』に出演した安倍総理は、有識者懇談会では全員が出典を日本の古典にすることで一致し、「令和」を推す声が最も多かったと明らかにした。
 そうしたなか、「『令和』以外の5つはケチのつけようがない」と指摘するのは、歴史学者で東京大学史料編纂所の本郷和人教授。令和の「令」の字に理由があるとして、3つの点を説明する。
 「『令』は上から下に何か『命令』する時に使う字。国民一人ひとりが自発的に活躍するという説明の趣旨とは異なるのではないかというのが、まずひとつ批判の対象にならざるを得ない。
 もうひとつは、『巧言令色鮮し仁』という故事。“口先がうまく、顔色がやわらげて、人を喜ばせ、媚びへつらうことは、仁の心に欠けている”という意味で、この『仁』は儒教で最も大切な概念。今でいう『愛』を意味し、それに一番遠いのが巧言令色だと言っている。そこが引っかかる。
 皇太子殿下は日本中世史の研究者で、当然『令旨』という言葉もご存知だと思う。これは皇太子殿下の命令という意味で、天皇の命令ではない。つまり、『令』という字は皇太子と密接な結びつきがあるもので、天皇の密接な関係があるのは『勅』『宣』などの字。(天皇の生前退位で定める)新元号とは少しずれている」
 本郷氏はこれらを踏まえ、「普通に使うと使役表現となり、中世の人に読ませると『人に命令して仲良くさせる』となる。日本の古典から取ることは何の問題もないと思っているが、どうも自発的な感覚ではなくなってしまう」と改めて述べた。
 これを受けてフリーアナウンサーの柴田阿弥は「決まってしまったものはどうしようもないですし、本郷先生が言うように捉える人がいるだろうということも想像できる。いろいろな意見があって然るべきだし、どんな元号かよりもどんな時代にしていくかの方が大切かもしれない」と意見を述べていた。


「女性は専門性も無視」? 新元号に関する有識者紹介でカテゴリの中に「女性」、池上彰にも批判
 1日、ジャーナリストの池上彰が日本テレビ系ニュースサイト『NEWS24』に出演。新元号決定について解説したが、「有識者懇談会」に出席した女性有識者を「女性」と分類して紹介し、批判が殺到している。
 番組内では、新元号が発表されるまでの流れをパネルで解説。「菅義偉官房長官による新元号候補の最終選定」「元号に関する有識者懇談会」「衆参正副議長に意見を聞く」「全閣僚会議・閣議」のステップを踏み、新元号の発表に至ると説明した。
 番組によると、この一連の流れの中で特に注目されたのは「有識者懇談会」だという。懇談会に出席した有識者9人のうち、女性は作家の林真理子氏と千葉商科大学教授・宮崎緑氏の2人。7人の男性有識者はそれぞれカテゴリー別に、「学識経験者」「法曹界」「経済界」「教育界」「マスコミ界」と紹介されたが、2人は「女性」という括りで分類されることとなった。
 池上は「女性活躍社会をと言っているわけですから、女性がお2人」「作家の林真理子さんは文学者ですから、非常に言葉の感覚が鋭いということで選ばれたんでしょうね」「宮崎緑さんに関しては、今の天皇陛下の退位についての有識者懇談会に出ていらっしゃいますから、その繋がりで今回も」と話していた。
 これを受けて、ツイッターでは「すごいなこれ。女性は『女性』なのね。専門性とか経験とか無視されてしまうのね」「これは女性蔑視」「女性差別大国日本」など番組に対する批判が殺到。一方で、池上にも「池上さんもこんなもんなんだね。あ〜ぁ」「池上彰はこの分類になんら異を唱えなかったわけ?」「スタッフが作ったものかもしれないですが、それに気づかなかった池上彰氏の潜在意識の表れには違いありません」と厳しい声が寄せられている。


「令和」最終段階で追加 政府要請で中西氏提出か
 政府が新元号に決定した「令和」は、選定作業が最終段階を迎えた3月中旬以降、候補名に追加されたことが分かった。考案者との見方が専門家の間で浮上している中西進国際日本文化研究センター名誉教授が要請を受けて提出した可能性がある。政府は有識者懇談会で国書(日本古典)の採用を事実上促し、令和に決定した。複数の関係者が3日、明らかにした。
 菅義偉官房長官は1月下旬ごろ、元号担当の古谷一之官房副長官補らが事前に選定した20〜30の候補名提出を受け、絞り込み作業を開始。政府関係者によると、令和は3月上旬の段階では候補名になかった。


安倍首相“新元号ショー”の裏で、加計学園獣医学部のゴリ押し認可がまた露呈! 問題だらけで文科省が「改善」要求
 安倍首相の“私物化”が止まらない。新元号の発表後には異例の総理会見を開いたが、そこでは「ちょうど本日から働き方改革が本格的にスタートします」「かつては何年もかけてやっと実現するレベルの改革が、近年は国民的な理解のもと、確実におこなわれるようになってきた」「一億総活躍社会をつくることができれば、日本の未来は明るい」などと新元号にかこつけて自分の政策をアピールまでおっぱじめる始末だった。
 働き方改革では、経済界の要望に応えて“残業代ゼロで働かせ放題”の「高度プロフェッショナル制度の創設」をゴリ押し。安倍首相は過労死遺族の面談要求を拒否したその日、銀座の料亭で経団連の今井敬、御手洗冨士夫・両名誉会長らと会食するなど、国民の切実な声を無視した。そうやって“お友だち”を優遇して強行採決した法案を「かつては何年もかけてやっと実現するレベルの改革」「国民的な理解のもと」などと胸を張るとは、まったく国民を舐めきっている。
 だが、安倍首相の“お友だち優遇”政治の問題は、まだまだ終わらない。じつはつい先日も、あのアベ友案件で、やはりと言うべき結果が報告されたからだ。そう、加計学園問題だ。
 先月3月29日、文科省は、新たに開設された大学などにおける設置計画の履行状況を調査した結果を公表。そこで「改善」が指摘された私立106校のなかに、岡山理科大学獣医学部が入っていたのだ。
 しかも問題は、その「改善」を指摘された内容だ。公表された調査結果によると、岡山理科大の獣医学部に対して出された指摘は〈定年規程に定める退職年齢を超える専任教員数の割合が高いことから,定年規程の趣旨を踏まえつつ適切な教員組織の編制に努めること〉ということだった。
 そして、この問題は、獣医学部の新設を認める答申を出した文科省の大学設置・学校法人審議会(設置審)でも指摘されつづけていたものなのだ。
 簡単に振り返ると、加計学園の獣医学部新設をめぐっては、2017年、設置審は新設認可判断を8月から10月に延期したが、当初から設置審は「定年退職した65歳以上の教授と、大学を卒業したばかりの若手が多い」(毎日新聞2017年6月5日付)と指摘していた。実際、加計学園が文科省に提出した書類では、専任教員75人のうち、1〜6年生が揃う2023年度末時点で定年の65歳以上となる教員が20人にも及んでいた。
 ところが、同年11月9日に設置審は新設を認める結論の答申を出す。しかも、認可を認める答申が出されながらも、この「教員の定年問題」が解決されているわけではなかった。留意事項としてやはり〈完成年前に、定年規定に定める退職年齢を超える専任教員数の割合が比較的高い〉と注文がつき、その後も問題は解消されておらず、今回、「改善」の指摘が出されたのだ。
 いや、こうなることはある程度、想像できた結果なのかもしれない。というのも、新設を認める答申を出したあと、設置審の委員からは「みんな納得していない。忸怩たる思いだ」などと不満が噴出。マスコミに対して問題点を訴えるという事態となったからだ。
 しかも、設置審の委員が「依然として実習体制が十分でない」と指摘したところ、「取りまとめ役を務めた委員」が「設置審としてこれ以上認可を先延ばしにすれば、学園側と訴訟を含めたトラブルになる可能性がある」などと発言。「訴訟という言葉を聞かされ、何も言えなくなった」と話す委員もいたほどだった。
問題だらけの加計学園獣医学部のゴリ押し認可を安倍首相は説明せよ
 非公開の審議で、事実上、圧力が加えられたなかで出された、加計学園獣医学部の設置認可──。結果、開学後もさまざまな問題が起こっており、たとえば今年2月に本サイトで報じたように、「深刻な四国の獣医師不足を解消するため」という大義名分で新設されたはずなのに、四国で獣医師になることを希望する「四国枠」合格者がたった1名しかいなかったのである。
 この問題については、加計学園だけの責任ではない。なにせ、地方ではとくに確保に悩まされてきた公務員獣医師の問題は「地方では獣医大学があっても増えるものではない」「まずは待遇の改善をおこなうことが先決だ」と指摘されつづけていたのだ。だが、安倍首相はそうした意見に対してまともに答えず押し切った。結果、こうした状況に陥っていることを、安倍首相はしっかり国民に説明するべきだ。
 改元を自己アピールの機会にし、まるで新元号によって新しい時代に変わるかのような演出に余念がない安倍首相。まんまと成功しメディア各社の調査では支持率が軒並み上昇しているようだが、森友・加計問題をはじめ、安倍首相の疑惑が消えてなくなることなどけっしてないのである。


当時の橋下市長に反論 4年前の発言から知る小西候補の気骨
 4月7日に投開票が行われる大阪府市長選挙。市民の参加を得て候補者の発言やネットの言説を精査するファクトチェックを行っている。その中で把握したネット上のフェイクニュースについては前回書かせていただいた。それについては前回を読んでいただきたいが、大阪府知事選に出ている吉村洋文候補と小西禎一候補とのテレビでのやりとりが切り取られたものだった。
 この虚偽情報を見ると、小西候補はテレビ慣れしていないようだ。また、舌足らずなところもある。吉村候補が、前大阪市長としての知名度に加えて端正な顔立ちをしているので、見た目ではマイナスかもしれない。では、小西候補はどういう人物なのか? 実は私は知らない。調べると、吉村候補ら大阪維新の会をつくった橋下徹氏が大阪府知事だった時の府の幹部職員だった。どういう人物なのか? 当時の議事録をチェックして発言の内容を調べてみた。すると、その内容にうならされた。
「いやいや、それは戻り過ぎですよ、市長」
 これは4年前の大阪府市統合本部会議での小西候補の発言だ。会議は、府知事から大阪市長になった橋下氏の肝いりでできたもので、大阪府と大阪市の幹部総出で行われた。小西候補は松井府政の副知事として出ているのだが、その歯に衣着せぬ発言が目を引く。
■当時の橋下市長に猛反論
 圧倒的な発言力を持っていた当時の橋下市長。当然、議論は市長のワンマンショー的な色彩を帯び、誰も反論しない。事前に橋下氏と調整しているだろう松井一郎知事からも反論は出ない。
 その中で、ただひとり、小西副知事だけが異彩を放っている。
「僕はね、そこまで戻したらあかんと思うんですね、話(を)」
 こうした発言は、市が管理する事業に、府をどう関与させるかで出た。会議の冒頭で、府は大阪府全体に関わる観光事業などの範囲では予算を出すが、市がすべき維持管理費などへの支出はしないことが確認された。これは大阪市以外の市町村に責任を負う大阪府としてのギリギリの判断だっただろう。ところが橋下市長は納得していない。
 次のように話を蒸し返す。
「だって、じゃあ今までの制度を前提として、府庁、市役所の関係の中だったら、こんな議論はならないわけです」
 そこで反論するのが小西副知事だ。
「だから、それは否定してないですやん。でも、そこまで戻るんじゃなくて、そういう市長の問題意識をもとに議論したひとつの成果として、先ほど役割分担論を設置したわけですから、その中で議論していただきたいなと申し上げているんです」
「ですやん」に思わずニヤリとさせられる。正論だ。政策論議とは段階を経て進められるもので、その都度、話を元に戻していたら混乱するだけだ。引き下がらない市長に、こうも言っている。
「我々が今やろうとしているのは、現行制度の中での対応をどうするかと議論しているわけです」
 当然、孤軍奮闘だが、正論を曲げない気骨を感じる。別に、小西候補が府知事にふさわしいと言っているわけではない。知事には、丁寧に議論を組み立てる資質より大事なものがあると考える人もいるだろう。
 ただ、面白い人物だとは思う。実力者の発言でも間違っていれば指摘する。こんな幹部職員、今どきの霞が関にはひとりもいない。


柳本顕候補「大阪維新の駄々っ子に政治の責任は取れない」
 3月28日、選挙事務所は人でごった返していたので、部屋の隅にあるパイプ椅子の狭い席で、大阪市長候補の柳本顕から話を聞いた。
 ――今回のダブル選挙、大阪でなにが発生しているのか、一般の人にはよく見えてこない。だから「野党は野合だ」「共産党とも組むのか」といった大阪維新の会側の難癖にだまされてしまったりする。柳本さんは7月の参院選に出れば当選はほぼ確実と言われているが、それを投げうって今回、市長選に出た。損得勘定だけで判断する人々には理解できないだろう。その気迫はどこからくるのか?
「今回の選挙の演説で僕が最初に言ったのは〈大阪市が大好きです〉だった。これは自然に出てきた言葉です。僕は西成区という大阪の縮図みたいなところで生まれ育って、その中でも『ディープ西成』みたいなところにいた。そこで日々、人と人との関係を大切にしながら生活している方々の人情を感じてきた。弱者や労働者とのつながりが、僕の大阪愛の原点なんです」
 ――一方、大阪維新は住民を分断して対立感情をあおっている。自分たちのやり方に賛成するのは「味方」、反対するのは「敵」という発想なので、選挙違反を繰り返そうが、デマを拡散させようが、選挙に勝てばうやむやになると思っているフシがある。だから地道に政策の説明をするより、社会に一定の割合で存在する「正常な判断ができない人」をだまし切ろうとする。そこには徹底したニヒリズムがある。
「政治は多数決や数の論理ではありません。最後は夜通ししゃべって、お互い疲れ果てて、あいつがここまで言うならしゃあないかなとか、感情的に納得するところで、合意形成を図らなければならない。でも維新はそういうところを全く無視して前に進めようとするから、逆になにも前に進まない。世耕弘成さん(経産相)は前回の住民投票で分断された大阪市を修復するために、万博の誘致に積極的に取り組み、決まったときは、松井さん、吉村さんと抱き合って喜んだそうです。その矢先に維新が社会に分断をもたらす都構想をまたやると言い出したので、裏切られた気持ちだとおっしゃってました」
 ――大阪維新は住民投票は「1回しかやらない」「最後のチャンス」と何回も言っていた。それにだまされた大阪市民もいたようだが、案の定、嘘だった。
「今回は出直し選挙ではなくて投げ出し選挙です。クロス選挙ではなくてバッテン選挙です。維新による法の趣旨を逸脱した選挙です。彼らは駄々っ子と同じ。自分たちがやりたいことを、敵をでっちあげ、攻撃することにより押し通そうとする。失敗すれば人のせいにする。今だって、大阪会議(大阪戦略調整会議)や自民公明のせいにしています」
 ――異常な政治集団が拡大していく仕組みを解き明かした政治哲学者のハンナ・アレントは「政治は子供の遊び場ではない」と言っている。
「駄々っ子には政治の責任は取れません。維新が勝てば大阪市は消滅します」


外国人就労拡大   共生する社会につなげ
 外国人の就労を拡大する改正入管難民法が施行された。政府は移民政策ではないというが、現実には外国人と共生する社会へと、政策のかじを切ったといえる。
 しかし、それにしては多くの課題を積み残し、準備も整わないうちの見切り発車だ。日本に来て働き、隣人となる外国人の権利は守られるのか、懸念が先立つ。
 将来にわたる労働人口の減少を見据え、経済界から強い要請が出ている。一方で移民を認めない保守派の意向も無視できない。そのはざまで政府の姿勢が定まらずに、制度は生煮え、急ごしらえの感を拭えない。
 一体どれだけ外国人労働者に目が向けられたのか。
 新しく在留資格の「特定技能1号」「同2号」を設けている。このうち家族の帯同を認めるのは、熟練技能が必要な「2号」の建設など2種類だけ。生活者として当然の権利を制限するのは人権上問題ではないか。見直すべきだ。
 「1号」は外食業や農業、自動車整備など14種類で、日本語基礎テストや一部の職種で技能試験がある。政府は5年間で最大約34万5千人の受け入れを見込む。これには、32万人超に上る技能実習生の移行が計算されているようだ。
 しかし、その前に解決すべき問題があろう。日本の国際貢献として始まった技能実習生制度だが、長時間、低賃金、暴力など劣悪な労働環境下で働かせられる実習生は少なくない。昨年中に9千人以上が失踪しており、過去最多だ。
 法改正に伴う新指針で、最低賃金以上・基本給・割増賃金の支払い順守や、多額借金をさせる悪質仲介業者の対策強化などが打ち出されている。
 確かに多くの対策は用意されたが、実際の監視態勢は整っていない。運用の詳細を定めた政省令の公布、運用要領の公表は先月中旬になってからで、自治体や企業の準備は遅れている。一元的相談窓口も目標100カ所に遠く届かない。ハローワークの外国人労働専門官増員にしても、外国人急増に追いつかないのが現状だ。
 外国人労働者は昨年10月時点で146万人、この10年間で3倍だ。しかし、理念や政策の不在で、外国人の子どもたちの未就学など深刻な事態が生じている。
 外国人が暮らすまちの自治体、NPOに対応を委ねてきたが、それには限界がある。もっと政府が前面に出るべきだ。腰を据え、外国人を隣人とする多様な社会に向けて、取り組む時であろう。


外国人の就労拡大 受け入れ態勢、確立急げ
 外国人労働者の受け入れを拡大する新制度を盛り込んだ改正入管難民法が施行された。新たな在留資格「特定技能」を創設し、政府は5年間で最大34万5千人の受け入れを見込む。高度な専門職に限っていた従来の施策からの大きな転換となる。しかし法改正から4カ月弱しかたっておらず、相談窓口設置など準備は遅れている。自治体、事業者側ともに受け入れ態勢の確立に向けた環境整備が急務である。
 人口減少と少子高齢化が進む社会にあって、企業の人手不足は深刻である。外国からの労働者の受け入れは避けられない状況にある。特定技能は一定の技能を必要とする「1号」と、熟練技能を要する「2号」とがある。受け入れのほとんどが介護、農業、外食業など14業種に従事する1号と見込まれ、技能実習生は3年の経験があれば無試験で1号に移行できる仕組みとなっている。
 改正法は12月に成立したものの、運用の詳細を定めた政省令は3月15日に公布、法令解釈や具体的な留意点などを示した運用要領の公表は同20日だった。4月施行ありきにこだわり過ぎたことが準備不足のままでの船出につながった。
 その一つが在留手続きや雇用、医療、子育てなどあらゆる相談に対応する一元的な窓口の設置だ。対象は都道府県と政令指定都市、外国人の多い市町村の計111カ所で、国は交付金支給などで設置を支援する。
 しかし全国で交付金を申請したのは37自治体にとどまっている。外国人労働者にとっては、日本で安心して生活するための重要な窓口となるはずだ。未設置の自治体は早急に整備を進めるべきである。なお本県は交付金を申請済みで、4月1日から既存の外国人相談センター(秋田市)に専従の相談員1人を雇用し機能強化を図っている。
 特定1号の在留期間は通算5年だが、技能実習生とは違って、同一業務などの条件下で自由に転職できる。外国人労働者が地方よりも賃金が高い都市部に流れるのではという懸念が地方にはある。法務省は都市流入が顕在化すれば事業者に受け入れ自粛を要請したり、外国人に家賃や生活費が安い地方就労のメリットをアピールしたりするとしているが、より具体的で実効性の高い解決策が求められる。
 一方で外国人労働者が長時間労働や低賃金での労働を強いられるなどしている実態がある。この問題を踏まえ、法改正では「日本人と同等以上の報酬」や生活支援を受け入れ事業者に義務付けた。しっかりと守られるように指導を徹底することが重要である。
 日本経済は外国人の雇用なしには成り立たなくなっている。共生を目指すためには、外国人を単なる労働者としてではなく、社会の一員として、事業者はもちろん、地域全体で受け入れることが肝要である。


夫婦別姓の議論   まだ放置を続けるのか
 立法と司法の不作為が問われているのではないか。
 日本人同士の結婚で夫婦別姓を選べないのは、法の下の平等や個人の尊重を規定した憲法に違反する、と問う訴訟の判決があった。東京地裁は合憲と判断した。
 戸籍法の規定では、日本人と外国人の結婚と離婚、日本人同士の離婚の場合などには別姓を選べる。
 結婚して妻の姓に変えた会社社長が、戸籍法には不備があり、会社経営の実務に支障が生まれたとして、国を相手に損害賠償請求訴訟を起こしていた。
 最高裁は2015年、夫婦どちらかの姓を名乗るよう定めた民法750条について、「社会に定着している」として合憲判断を出している。
 今回の裁判は、戸籍法の条項が問題となり、東京地裁は、15年判決と同様に民法の規定を合憲と判断した。その上で、法律上の姓は一つが前提で、戸籍法が別姓を認めていないことには合理性があると結論づけた。
 民法と戸籍法の規定が矛盾している事実には言及していない。「日本人同士だけが別姓を選べないのはおかしい」という原告の問いには答えなかった。
 15年の最高裁判決は合憲判断に際し、夫婦の姓のありかたについて国会での議論を促した。大法廷の裁判官のうち女性3人を含む5人が違憲と判断した。
 今回の東京地裁判決も「現行法制度で別姓が認められていないことによる不利益は、立法裁量にゆだねられた問題」と指摘した。
 1996年に法制審議会が選択的夫婦別姓の導入を法相に答申してからすでに22年以上が経過している。
 この間、国会が放置を続けているのに、司法はまたも前例踏襲の判断を示した。原告が「司法の側からおかしいと声をあげてほしかった」と述べているのは当然だ。
 民間では旧姓使用が一般的になっている。国家公務員の旧姓使用も大幅に認められた。一方で、二つの姓を使い分けることの負担が聞かれるようになっている。
 法務省によると、夫婦同姓を義務とする国は他にない。それなら、「別姓は家族を崩壊させる」という指摘は当たらないだろう。
 原告らが求めているのは、夫婦が望むなら別姓を選べる制度だ。すべての結婚に強制するというものではない。
 家族や生き方の多様性を認め合うために、国会や裁判所はそれぞれの責任を果たしてもらいたい。


英EU離脱 混乱に終止符を打つ時
 欧州連合(EU)からの離脱を巡り、英国が混迷の度を深めている。当初の離脱予定日だった3月29日が過ぎても、問題の解決に向かう見通しが立たない。
 1日は、否決が続くEUとの離脱合意案の代替案を探る投票を下院で行った。2度目の国民投票実施など4案を採決したが、いずれも過半数に達しなかった。
 新たな離脱期日の来週12日が迫る。それまでに対応策を示せなければ「合意なき離脱」の可能性が高い。残された時間は限られる。
 社会と世界経済を混乱に陥れる「合意なき離脱」は許されない。その点だけは英議会も一致している。英国政治は不毛な権力闘争をやめ、決断しなければならない。
 英国のEU離脱を巡る一連の動きで、はっきりしてきたことがある。主導権が英国からEUへ、英首相から議会へ明らかに移った。
 離脱日についても、決められない英国にEUが最後通告を発した形だ。離脱合意案を英下院が可決すれば「5月22日」、否決なら「4月12日」と英側に突き付けた。
 追い詰められたメイ英首相は「離脱案を可決してくれるなら辞任する」と捨て身の勝負に出たが、議会をまとめきれず否決された。否決は3度目で、もはや首相が指導力を発揮するのは難しい。
 主導権を握った議会は3月末、離脱撤回や再国民投票など8案を下院の賛否にかけたが、過半数に達しなかった。今回の4案も同様で、離脱の代替案を提示できない。
 ここに来ても出口が見えないのは、アイルランドとの国境管理問題の難航がある。それを解決しないと英国がEUに縛り続けられることに離脱強硬派の抵抗が強い。
 合意なき離脱か、EUに離脱の長期延期を求めるか。八方ふさがりの英国は選択を迫られた。延期をEUに認めてもらうには、説得力のある案を出す必要がある。
 今回の4案のうち「EU関税同盟への残留」は、不支持と支持がわずか3票差だった。「2度目の国民投票」も僅差で、歩み寄れる余地はある。これらの案ならEU側の理解も得られよう。
 3度否決された離脱合意案も票差は縮まっており、メイ首相は4度目の採決を模索するとみられる。総選挙の選択肢も消えていない。
 英国からはホンダが工場撤退を決め、トヨタ自動車も現地生産をやめる可能性を明らかにした。各国企業も合意なき離脱の場合、英工場の生産停止を表明している。
 世界の冷ややかな視線を、これまで以上に意識しなければならない。英政府と議会は厳しく現実を見据えて、混乱に終止符を打つ時だ。


宮古島 弾薬庫問題 防衛相謝罪 一時島外…その後、島内新設庫へ
 防衛省が、宮古島(沖縄県宮古島市)に新設した陸上自衛隊宮古島駐屯地に、周辺住民には「造らない」と説明していた弾薬庫を造り、中距離多目的誘導弾などを保管していた問題で、岩屋毅(たけし)防衛相は二日、衆院安全保障委員会で「保管を明示的に説明していなかった」として謝罪した。駐屯地の弾薬は一時的に島外に搬出するが、最終的には約十四キロ先の採石場「保良(ぼら)鉱山」に新設予定の弾薬庫へ保管すると説明。島内で保管することは変わらず、住民は「弾薬を持ち込むな」と強く反発している。 (望月衣塑子)
 弾薬庫の新設が予定されている保良鉱山の周辺には集落が迫り、二百十一世帯、三百四十六人が住む。二〇一七年九月、地元紙の報道で弾薬庫や射撃訓練場の候補地になっていることが住民に知らされた。
 防衛省によると、保良鉱山には計約千六百平方メートルとなる三棟の弾薬庫を造り、地対艦・地対空誘導弾や迫撃砲弾などを保管する予定。周辺の二つの自治会はそれぞれ、弾薬庫配備に反対の決議をしたが、この日の答弁により、さらに宮古島駐屯地に配備されている多目的誘導弾と迫撃砲弾も加わることになった。
 一方、弾薬を搬出した後の駐屯地の弾薬庫について、防衛省整備計画局の担当者は「廃棄しない」と取材に明言した。今後の使い道は「小銃やこれに類する弾薬類を保管する。『弾薬類』の具体的な種類のお答えは差し控える」とし、公表しないと話した。
 防衛省は、尖閣諸島(沖縄県)周辺などへの海洋進出を活発化させる中国などを念頭に、宮古、石垣両島と鹿児島県の奄美大島へ、計約二千人規模の警備部隊とミサイル部隊の配置を計画している。
 宮古島については、二〇一五年五月、左藤章防衛副大臣(当時)が来島した際、七百〜八百人の部隊配置を打ち出した。


「1日の生活費677円」大学生の仕送りが過去最低に
1990年度には、1日あたり2460円だった下宿生の1日あたりの生活費。
28年後の2018年度には、1783円も下がって677円と過去最低となったことが、東京私大教連の調査でわかった。
3日午後、家計負担調査の記者発表に臨んだ私大助成部長の平林宣和さんは、「私大生を抱える家庭の負担は、もはや限界にきているということが明らかになっている」と述べた。
1日あたりの生活費 が677円。この金額で一体どんな生活をしているのか?
今どきのリアルな学生生活事情を取材した。
アルバイトと自炊は必須!? アプリも活用
大学2年の女子学生:仕送りはなくて、家賃だけ払ってもらってる。(家賃は)4万円です。(生活は)バイトがないと結構キツイです。1日の食費は200円ほどです。がんばります。
大学2年の男子学生:仕送り11万円もらってます。4万5000円が生活費で、1食にかけられるお金は、高くても500円とかそのくらい。僕も(1日)2食とかでやってるので。
大学4年の男子学生:仕送りはないので、生活費は家賃(約4万5000円)を奨学金で払って、残りの生活費、光熱費とか食費とかはバイトで稼いでます。バイト代は月に7〜8万円ぐらいです。
出費を抑えるため、大学生たちはあの手この手で節約していた。
大学2年の男子学生(仕送り4万円):自炊の時に少し量を多く作ることで、冷凍したりして、次の日のご飯にも使えるし、自分で作るのが一番安いと思っているので。
大学3年の女子学生(学生寮に住み、仕送りなし):暖房・冷房とか、そこまでかけたくないなと思っているので、断熱マットを窓に貼ったりして。ちょっと暖かくなる気がするので。メルカリとかも何回か使ったり。
家賃6万3000円、生活費の仕送りが5万円という大学3年生、湯浅太一さん(20)のお宅を拝見した。
湯浅太一さん:こちら冷蔵庫、スカスカなんですけど。焼きそばは安くて、自分で焼いて、100円で3食食べられるので。
湯浅太一さん:一回、偏った食生活をしすぎて味覚障害みたいになってしまったことがあって。オレンジやレモンの酸味を全く感じなくなった時があって。それ以降、健康も大事にしようと思っています。
仕送り額に占める「家賃」の割合は増加
まだまだ食べ盛りの時期である大学生からは切実な声が聞かれたが、仕送りの額は右肩下がりの傾向にある。
1994年度には、6月以降の月平均で1ヵ月の仕送り額は12万4900円あったが、2018年度には8万3100円と年を追うごとに下がっていっている。
さらに、仕送り額に占める家賃の割合にも変化が見られた。
1990年度には39.6%だったのが、2018年度には75.6%を超え、学生が生活費として使える額が減少しているのだ。
佐々木恭子キャスター:親も大変なら子も大変な時代です。 加藤綾子キャスター:本当ですね。風間さんの学生時代はどうだったんですか?
風間晋キャスター(フジテレビ報道局解説委員):僕の時は、仕送りの大体3分の1くらいが家賃だったんですよ。だから、それと比べてもこの家賃はすごいなと思う。
取材した学生たちからは、次のような声も聞かれた。 仕送りだけで生活費は足りている?という問いには「アルバイトがないと厳しい」「アルバイトをかけ持ちして、週6回働いている」と、学業との両立の大変さがうかがえた。さらに、自由に使えるお金があったら何をしたいかと聞くと、「高級焼肉をたらふく食べたい」「1万円分のメイク道具を一気に買いたい」という答えがあった。
加藤綾子キャスター:こういう夢が自分を強くする部分もあるかもしれませんが、勉学をするというのが大学生本来の目的ですよね。本末転倒にならないように、頑張ってほしいですね。

カントク/変な?文献→バナナ売り切れ?

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Brexit : les députés britanniques ne parviennent pas à s’accorder sur une alternative au plan de May
Après avoir rejeté trois fois déjà l’accord de la première ministre, les élus ont dit non aux nouvelles options qui leur étaient présentées et proposaient notamment de maintenir des liens étroits avec l’Union européenne.
A onze jours de la nouvelle échéance fixée au 12 avril, le jeu de massacre du Brexit continue. Le Parlement de Westminster se faisait fort de réussir là où Theresa May a échoué : sortir le processus de l’impasse en réunissant une majorité sur un plan alternatif à celui que la première ministre ne parvient pas à leur faire avaler. Mais les députés ont donné une nouvelle fois, lundi 1er avril au soir, le spectacle de leur désunion, de leur impuissance, voire de leur irresponsabilité, renforçant l’impression déjà forte de chaos.
Aucune des quatre motions soumises à leur vote – qui proposaient soit une rupture plus douce que celle voulue par Mme May, soit une remise en cause du Brexit – n’a recueilli de majorité. Il a manqué seulement trois voix (273 voix favorables contre 276) à la motion portée par l’ancien ministre conservateur Kenneth Clarke, doyen des Communes et proeuropéen de choc, pour passer. Celle-ci proposait le maintien du pays dans l’union douanière européenne. Le texte prônant l’organisation d’un second référendum, lui, a été défait à peine plus largement (280 voix favorables contre 292).
A première vue, l’échec des députés est une relativement bonne nouvelle pour Mme May, qui en a bien besoin. Aucune des propositions alternatives mises aux voix lundi n’a obtenu les 286 voix que l’accord de Brexit négocié par ses soins avec l’Union européenne a recueillies lors de son troisième passage devant les députés, le 29 mars. De quoi l’encourager à se lancer dans une quatrième tentative dans les jours qui viennent. Theresa May pourrait alors menacer les députés conservateurs, faute de voter son accord, d’aller vers un Brexit édulcoré, des élections anticipées, voire un nouveau référendum que son parti redoute. Sans garantie de succès, car cela suppose de convaincre une trentaine de députés supplémentaires, parmi les plus remontés contre elle, de soutenir l’accord.
Mardi 2 avril, le gouvernement devait tenir une longue réunion où la suite des opérations devait être décidée, y compris la mise en ordre de marche pour d’éventuelles législativ