
Japon: Début d'une nouvelle opération délicate à la centrale de Fukushima
La centrale Fukushima Daiichi, située à quelque 220 kilomètres au nord-est de Tokyo, avait été inondée le 11 mars 2011 par un gigantesque tsunami
L’opération devrait prendre deux années. Tepco, opérateur de la centrale accidentée de Fukushima, a débuté lundi le retrait du combustible stocké dans la piscine du réacteur 3, un des plus endommagés, une opération délicate qu’il a plusieurs fois reportée.
C’est la deuxième fois que sera entreprise une telle manipulation, la piscine du réacteur 4 ayant déjà été vidée entre fin 2013 et fin 2014, mais l’état général du réacteur en question était différent : le coeur du numéro 4, contrairement au numéro 3, n’était pas entré en fusion puisqu’il était vide.
Les préparatifs ont pris beaucoup plus de temps que prévu
Le bassin de désactivation et refroidissement du réacteur 3 contient 566 assemblages de combustible nucléaire, pièces volumineuses de plusieurs mètres de long qui doivent être sorties avant que ne puissent se poursuivre les autres tâches dans le bâtiment qui a subi une importante explosion.
Le bassin de désactivation et refroidissement du réacteur 3 contient 566 assemblages de combustible nucléaire, pièces volumineuses de plusieurs mètres de long qui doivent être sorties avant que ne puissent se poursuivre les autres tâches dans le bâtiment qui a subi une importante explosion.
Le bâtiment du réacteur 3, qui fonctionnait en partie au combustible recyclé Mox, avait été transformé après l’accident en une forêt de ferraille en vrac. Il a fallu d’abord tout dégager et la piscine, située en hauteur, était aussi pleine de déchets divers.
Des équipements spéciaux, notamment une grue, ont été installés ensuite pour pouvoir sortir un à un les assemblages. Toutefois, les préparatifs ont pris beaucoup plus de temps que prévu initialement.
≪ Nous pensions au départ pourvoir débuter le retrait fin 2014, mais il y avait beaucoup de détritus et nous avons dû agir prudemment en raison de la radioactivité ≫, a expliqué une porte-parole de Tokyo Electric Power (Tepco).
Certaines opérations ne débuteront qu’en 2023
Le retard est aussi dû à la chute d’un équipement dans la piscine. Selon Tepco, ≪ le combustible n’a pas subi de très gros dommages ≫, ce qui en théorie facilite le travail.
Dans un premier temps, Tepco commence par retirer les sept assemblages non utilisés, ceux qui présentent normalement moins de risques. La suite des opérations sera plus longue.
Le retrait du combustible des piscines des réacteurs 1 et 2, les deux autres unités dont les coeurs sont entrés en fusion, ne devrait quant à lui pas débuter avant 2023. La piscine 1 en contient 392 assemblages et la piscine 2 en compte 615.
De violentes explosions en 2011
La centrale Fukushima Daiichi, située à quelque 220 kilomètres au nord-est de Tokyo, avait été inondée le 11 mars 2011 par un gigantesque tsunami consécutif à un puissant séisme au large.
L’alimentation électrique des circuits de refroidissement avait été coupée, entraînant la fusion des coeurs de trois des six réacteurs du site, puis de violentes explosions en raison de l’accumulation d’hydrogène par réaction chimique dans le bâtiment couvrant les unités et où se trouvent les piscines.

フランス語の勉強?
ジョンレモン @horiris
仏紙の報道で嘘がバレましたね。
やっぱり…政府が絡んでたのか。
日本政府はこれまで、両社の提携について「政府が関与するものではない」との立場を表明していた。
日産・ルノーの統合案、経産省が阻止へ関与か 仏紙報道:朝日新聞デジタル … #ゴーン前会長
🇬🇧UK in Japan@UKinJapan
訪日中のハント外相が都立日比谷高校で模擬授業を実施。日本で英語を教えた経験も持つ外相は、日本語で、「日本語を学ぶのは大変だったが、日本と日本人を理解することが出来た。あなた達も外国語を学び、外国に住んでみると、文化や言語が違っても心は皆同じ人間だと気づくだろう」と語りました。
先週準備していたはずですが,配布資料忘れてました.当然慌てて印刷せざるを得ない状況.受付の人にもってきてもらいました.でもB5で印刷してしまっていました.さらに1つの資料が準備できていませんでした.次回からちゃんとしたいと思います.
熊本地震3年 各地で慰霊の集い 熊本県益城町
熊本地震の前震から3年となった14日、甚大な被害を受けた益城町の各地区で慰霊や追悼の集まりがあり、灯をともして犠牲者を悼み、復興に向けて心を寄せ合った。
LED700個点灯 テクノ仮設
約700個のLEDキャンドルがともされた県内最大の仮設団地「テクノ仮設」(同町小谷)では、入居者らが犠牲者に黙とうし、白菊を献花した。同団地自治会連合会の池田正三会長(79)は「孤立しないよう、住民同士で寄り添い合っていきたい」と話した。
町地域支え合いセンターによると、入居世帯数はピーク時の半数に当たる249世帯。65歳以上の入居者は213人で、高齢化率は37.2%となっているという。(久保田尚之)
午後9時26分に黙とう 木山仮設
木山仮設団地では、夕方から集会施設の前で竹灯籠やキャンドル約700個に灯がともされた。同団地を退去した子どもも加わった団地の子ども合唱団が「しあわせ運べるように」などを歌い、前震が起きた午後9時26分に合わせ黙とうした。
夫婦2人暮らしの古田學さん(72)は、自宅が土地区画整理事業の区域内にあるため再建の見通しが立っておらず、「来年もここにいると思うと少し暗い気持ちになります」と不安をのぞかせた。(立石真一)
「4・14・16」境内に 木山神宮
本震で本殿が倒壊した木山神宮では、地元住民らが、境内などにろうそくやLEDキャンドル計約700個を並べ、「4・14・16」の文字を浮かび上がらせた。
同町の支援を続ける福岡市のボランティア団体「夢サークル」が企画。吉水恵介代表(62)は「新築の建物が目につくようになった。これからも支援を続けたい」と話した。
同神宮の本殿は、近く復元工事が始まり、3年かけて再建される見込みという。(高橋俊啓)
入居者ら慰霊の会 馬水東道仮設
馬水[まみず]東道[ひがしみち]仮設団地では、自治会と入居者を支援するNPO法人バルビー(熊本市東区)が共催し、約140基の灯籠をともして「慰霊の会」。約20人が手作りのタケノコおこわなどを味わいながら3年を振り返った。
全56戸に現在入居する40世帯は住宅再建を待っており、うち23世帯は災害公営住宅に入居予定。自治会役員の宮崎律子さん(67)は「これからも交流を大切にしていきたい」と話した。(小多崇)
被災者包む子どもたちの歌声 熊本地震 16日で本震から3年
震災関連死を含め273人が犠牲になった熊本地震は16日、本震発生から3年となる。震度7を2度観測した熊本県益城(ましき)町の木山仮設団地では15日夕、団地の子供たちで作る合唱団が復興を願う歌を披露し「あの日」と向き合う被災者たちを温かく包み込んだ。
「傷ついた熊本を もとの姿にもどそう♪」。現在も131戸281人が身を寄せる団地内で歌声を響かせたのは、保育園児〜小学生計12人。地震翌年の2017年夏、仮設団地の見守り支援をしていた山本誠司さん(44)の呼びかけで結成した「スマイルナンバーワン」のメンバーたちだ。その中に町立益城中央小5年、村上颯太さん(11)の姿もあった。
3年前の4月14日、町内の自宅2階で就寝中に震度7の前震に襲われた。家族8人全員無事だったが、自宅は全壊。ショックで情緒不安定になり、その後も鳴り響く緊急地震速報の音におびえ続けた。母和美さん(40)がトイレに立つだけで「ママ、どこ?」と声を震わせ、小学校でも地震から1年の追悼集会で息苦しくなり、途中退席した。
村上さんが「合唱団に入りたい」と言い出したのは仮設団地に移って2年が過ぎた昨年夏。和美さんは驚いたが、被災地で給水活動する自衛隊員を見て「お返しがしたい」とつぶやいた時のことを思い出した。
「被災したみんなを元気にしたい」。背をそらせ、全身から声を絞り出す村上さんら子供たちの姿に、住民からは拍手が鳴りやまなかった。「あの子なりにつらい記憶と向き合い、乗り越えようとしている」。歌い終わり、ほっとした表情で友達とはしゃぐ息子に、和美さんは目を細めた。【中里顕】
夫はけがで休職、保育園も見つからず…仮設「強制退去」焦る被災者 熊本地震3年
仮設住宅退去後の住まいのめどが立っていない熊本地震の被災者が211世帯に上ることが明らかになった。14日で地震から3年。仮設住宅は今月から入居期限を順次迎えるが、熊本県は民間賃貸住宅などを希望する人の再延長は原則認めない方針。希望や経済状況に見合う住まいの「再建先」が見つかっていない被災者は焦りを募らせる。
「このままだと強制退去になる」。熊本市東区の建設型仮設住宅に暮らす岩本優生子さん(21)は不安を隠せない。退去の期限が3カ月後の7月に迫るが、行くあては見つからない。
夫の龍太郎さん(26)は2017年春、勤務中に足の靱帯(じんたい)を損傷し、現在も休職中。優生子さんは働きに出るため託児を希望したが、市の窓口で「近くの保育園は定員いっぱい」と断られ、収入は激減した。
仮設住宅に入居したのは17年末。当時は引っ越し作業に追われ、市が再建困難な世帯向けに整備する「災害公営住宅」の申請を逃してしまった。
市営住宅を探したが、紹介された部屋はエレベーターのない4階。龍太郎さんのけがが治らない中、幼い子ども2人を抱えて階段を上り下りするのは難しく、結局断念した。賃貸住宅も家賃の安い物件は築40年以上で耐震面に不安が残った。現在も物件探しを続ける優生子さんは「再建先が見つかるまで仮設住宅で生活させてほしい」と訴える。
熊本県と国は、地震から時間が経過して被災地で民間の空き物件が増えたことなどを踏まえ、民間賃貸住宅や既存の公営住宅への入居希望者を2回目の期限延長対象から外した。県は「延長要件は見直さない。211世帯には、退去の期限までに再建先を見つけてもらうように市町村とともに支援を続ける」とする。
被災者の生活実態を調査する熊本学園大の高林秀明教授(地域福祉論)は「個別事情に応じて延長を認めるべきだ。退去後に生活が立ちゆかなくならないよう、一定期間家賃を補助するなど低所得世帯の生活再建を段階的に支える制度も必要」と提言する。
桜田氏ら辞任 「長期政権のおごりや緩み生じている」61% 毎日新聞世論調査
毎日新聞が13、14両日に実施した全国世論調査で、東日本大震災からの復興を軽視する発言で辞任した桜田義孝前五輪担当相や、安倍晋三首相らへの「忖度(そんたく)」発言で辞任した塚田一郎元副国土交通相の問題について、長期政権のおごりや緩みが「生じていると思う」とする回答が61%を占めた。「生じているとは思わない」は21%。
また1日に発表された新元号「令和」に対して「好感を持っている」との答えは65%に上り、「好感を持っていない」は10%、「関心がない」は17%となった。
安倍内閣の支持率は3月の前回調査から2ポイント増の41%、不支持率は同4ポイント減の37%だった。
4月13、14日の2日間、コンピューターで無作為に数字を組み合わせて作った固定電話と携帯電話の番号に調査員が電話をかけるRDS法で調査した。固定では、福島第1原発事故で帰還困難区域などに指定されている市町村の電話番号を除いた。固定は18歳以上の有権者のいる845世帯から501人の回答を得た。回答率59%。携帯は18歳以上につながった番号672件から555人の回答を得た。回答率83%。
玉川徹氏 暴走発言の真意「おためごかし」じゃつまらない
朝のワイドショー戦争で、テレビ朝日系の「羽鳥慎一モーニングショー」は3年連続視聴率1位。そんな人気番組で際立つのがこの人、玉川徹さんの歯に衣着せぬ発言だ。時にSNSで炎上も招くが、本人は気にする様子ナシ。視聴者もまさかテレ朝の社員だとは思っていないのでは。空気を読まない直言の原動力はどこにあるのか。
◇ ◇ ◇
――新元号が「令和」に決まった翌日、番組で「名は体を表す」とおっしゃっていました。まず、これについてお聞きしたい。
やっぱり「令」の漢字が気になったんです。「命令」の「令」だから。そうしたら金田一秀穂氏(日本語学者)によると「令には『神のお告げ』という意味がある」ということだった。それで、「あー」と思ったんです。
――「神のお告げ」が安倍政権を表していると?
神はお告げしないわけですよ。実際は人間が「神はこう言っています」と神を騙るだけ。日本の歴史を振り返ると権力と権威は別で、権力のある武家は権威がないから、それを朝廷や仏教に求めた。明治以降は政府が天皇を権威にして神様にした。安倍政権にはそういうものへのノスタルジーを常に感じるので、「名は体を表している」と思ったということです。
――元号の出典で国書にこだわったことには?
保守政治家などは「日本の歴史と伝統を守る」と必ず言います。保守の人が最も守るべきは皇室・皇族の歴史と伝統で、まさに元号はそのもの。その元号はずっと中国の古典から出典を得てきて、「大化」から変わらないわけですよ。ところが今回、それを変えた。まあ、推察すれば中国の古典から取りたくないってことなんでしょうけど、そんな理由のために保守の人が大事にしてきた皇統の伝統をやめていいんですか。保守ではなくどちらかといえば進歩主義の僕ですら疑問です。
■ネトウヨは大事なお客さま
――はっきりモノを言うのでSNSなどで炎上したりしています。
SNSは見ないようにしています。でも周囲に教えてくれる人が何人かいて。ただ、うちの番組を一番熱心に見ているのはネトウヨだと思うんです。番組を見ながらSNSに書き込んでいるわけで、一生懸命見てくれている。大事なお客さまですよ。
――番組での自分の立ち位置を意識していますか?
新番組がスタートするにあたって羽鳥さんに「僕が悪役をやるので、羽鳥さんは善玉に徹して下さい」と言い、羽鳥さんも「それで行きましょう」と。僕はコメンテーターだけど、本質はディレクターなんです。今は僕らの番組が視聴率1位ですけど、以前は「とくダネ!」(フジテレビ系)が絶対的王者で、MCの小倉智昭さんはひとりで悪役と善玉をやっていた。「情報ライブ ミヤネ屋」(日本テレビ系)の宮根誠司さんも似たようなキャラクター。だったら、悪役と善玉を分けたらどうなのかなと以前から思っていたんです。
――じゃあ悪玉は演出なんですか?
違う違う。自分の中にないものは無理ですから。自分の中の要素を強調して膨らませている感じです。最近は結構、素でやっています。ちょっと暴走気味で、時々反省しています。
――テレビ局の社員という立場なのに、暴走できるのは驚きです。
会社はいいとは思ってはいないと思いますよ。でも視聴者の立場に立てば、社員だからって遠慮して当たり障りのないコメントで面白いですか? 僕ら出演者の間で「おためごかし」と言っているんですが、それじゃあつまらない。元号だって、他の番組では皆「素晴らしい」って言っていたけど、「本気か?」と思うわけですよ。どこか忖度して、褒めざるを得ないような雰囲気だからでしょう。
――テレビ番組も含め社会に同調圧力が蔓延している気がしますがどう思いますか?
同調圧力は日本の特色でしょう。僕は子供の頃から「協調性がない」と通信簿に書かれてね。会社に入ってからも、同じように通信簿みたいなものに「協調性がない」と書かれてガッカリした覚えがあるんですよ。協調性がないのは日本ではダメな資質で、空気を読まなかったり、同調圧力に染まらなかったら不利益になる。でも協調性がないから自由にいろいろできたりする。僕みたいな人間がテレビに出てしゃべったりして会社側が嫌々ながらも良しとしているのだから、同調圧力はだんだん弱まってきているんじゃないですか。
――弱まってますか。
これからAIなどがどんどん出てくる時代になる。産業革命くらいのインパクトがあるから、今までの生活や常識が通用しなくなると思う。同調圧力とか言っている場合じゃない。想像もつかないような社会になると思うんですよ。
■今は政治は視聴者にウケない
――最近、ワイドショーが政治をあまり扱わないのが気になります。「統計不正」もほとんどやらなかった。
視聴者に響かないからですよ。「不正に年金が少なくなっていました」なら生活に直結するので怒りも湧いてくるけれど、「統計がいじられました」では「だから何?」って感じだと思うんです。政治の現場でも盛り上がらなかったし、盛り上がっていなければこっちでもできないですよ。
――ワイドショーが扱うからこそ世論が盛り上がるという側面もある。ワイドショーの役割は大きいと思いますが。
もちろん。でも視聴者に関心を持ってもらえるかと考えると、今はウケない。今の政治状況がつまらないというか、世論も諦めちゃっている感があるでしょう。安倍政権がいいとは思っていないけど、マシだと思っている人がほとんどです。いくら野党が「統計不正だ」と言っても、「何も変わらないだろうな」と皆が思っているのが正直なところ。僕らは自分がどう考えるかも大事だけれど、世間がどう感じているのかを感じ取らなきゃいけない。忖度して政治を扱わないわけじゃありません。忖度していたら、元号であんな話できませんからね。
――政治はウケないからやらない。
それがいいとは思っていないですよ。本当は工夫してでもやった方がいいという思いはある。だから沖縄の県民投票については、普通にやっても視聴者の関心を呼べないと思って、ウーマンラッシュアワーの村本大輔さんというフィルターを通して見てもらう企画を作りました。
――最近のニュースで気になったことは?
人工透析の話にはかなり引っかかりました。人工透析は続けていれば普通と変わらない生活ができる。でも患者には、不自由さとか、機械に生かされている感覚とか、そうまでして生きなければならないのかとか、将来の不安とか、いろんな負の感情があると思うんです。そんな時に医者に「あなたは死ぬこともできますよ」と言われたらどんな影響を与えるのか。患者の身になれば分かるはずですよね。誰だって死ぬ選択肢はある。でもやっぱり医者は「生きろ」と言うべきなんだと僕は思うんです。「透析をやめれば死ぬけれど、それを選ぶ権利もあります」なんて、医者が言っちゃおしまいです。
■「想像力の欠如」と「不寛容」に暗澹たる思い
――確かに、あのニュースはいろいろ考えさせられました。
でも、最も驚いたのは、多くの人が福生病院の対応はあれでいいと言っていることです。それって想像力の問題だと思います。機械に頼らないと生きていけない状況ではないから、想像力が働かないのでしょう。暗澹たる思いを抱きました。(シリアで拘束・解放されたジャーナリストの安田純平氏などに対する)自己責任論もそうです。渡航禁止の国に勝手に行って、紛争に巻き込まれて、税金を使ったという批判がありますが、あれだけ拷問に近いことをされたのに、どうして「帰国できてうれしいだろうな」と思えないのか。それも想像力のなさでしょう。国連の幸福度ランキングで日本が58位に下がって、足を引っ張ったのは92位という「寛容さ」のなさでした。これにも想像力の欠如が関係していると思います。嫌な気持ちになりますね。(聞き手=小塚かおる/日刊ゲンダイ)
▽たまかわ・とおる 1963年宮城県生まれ。89年京大大学院農学研究科修士課程修了後、テレビ朝日入社。「内田忠男モーニングショー」「サンデープロジェクト」「スーパーモーニング」などのディレクターを経て、現在「羽鳥慎一モーニングショー」の月〜金曜レギュラーコメンテーター。
京大のタテカン規制、学生ら「人間の鎖」で抗議 復活訴える
京都市の屋外広告物条例などに違反しているとして京都大が吉田キャンパス(左京区)周辺への立て看板設置を規制してから5月で1年となるのを前に、市民や学生ら約50人が15日、正門付近で人間の鎖を作って京大や市に抗議を行った。「表現の自由は撤去できない」と書いた札を掲げ、立て看板復活を求めた。
京大教育学研究科の大学院生が市民グループに呼びかけて実施。午後0時半から約10分、札を手に持った参加者らが正門から周辺の歩道に並んだ。参加した市民らは「タテカンは、学生の息づかいを伝えてくれた」などと口々に訴えた。
京大周辺の名物だった立て看板を巡っては、市が2012年度から京大に法令違反を是正するよう指導。京大は、キャンパス周辺での立て看板を禁じ、設置を学内の指定場所に限定する新ルールを2018年5月から適用した。
東大OG山口真由氏、学生時代の飲み会は「東大三千円、女子大千円、東大女子は二千円」
東大卒業生でニューヨーク州弁護士の山口真由氏が15日、テレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」で、現在話題となっている上野千鶴子氏の東大入学式での祝辞について言及。山口氏も東大時代に東大女子だからこそ受けた理不尽な出来事も披露した。
番組では、上野氏の東大祝辞について特集。この日のコメンテーターだった東大OGの山口氏が自身の学生時代を振り返った。
山口氏は「いろいろありますよ。私も入った時の飲み会で、東大の男の子は3000円で女子大の女の子は1000円、東大女子は2000円って言われて、私は男にも女にもあてはまらない中間的なカテゴリーに入ったんだなという感覚があった」という体験を語った。
羽鳥慎一から「(東大女子で)引かれたことは?」という質問には「やっぱり東大の女の子なのに、ちゃんと切り分けも出来ないの?ってご飯食べに行って言われたり、なんでも東大なのにこれもできない、あれもできないと言われ、いい気持ちはしなかった。切り分けは(東大とは)関係ない」とも訴えた。
卒業後は、財務省に入局し弁護士資格も取得した山口氏に、玉川徹氏は「女の幸せは?」と質問。山口氏は「やっぱり結婚して子どもをちゃんと生んできちんとした家庭を作ること」と回答。この回答に玉川氏は「東大女子でもそういう考えの人は多い」と語っていた。
「役に立たない学問」を学んでしまった人文系“ワープア博士”を救うには……? 非常勤講師「雇い止め」で「ガードマン」に
最近、ネットで大きな話題になったのが、2016年に逝去した若手の日本思想史研究者・西村玲(りょう)さんについて報じた『朝日新聞』の記事だ(2019年4月10日付け)。
西村さんは2004年に東北大学で文学博士号を取得後、日本学術振興会特別研究員(SPD)に選ばれ、さらに2008年に出版した著書『近世仏教思想の独創─僧侶普寂の思想と実践─』は日本学術振興会賞と日本学士院学術奨励賞を受賞するという、輝かしい業績を持っていた。
20以上の大学に応募するもポストがなく……
私自身、修士課程までとはいえ、かつて文系の大学院で学んでいた経験がある。なので、上記の彼女のプロフィールには「すごい」「羨ましい」という称賛の言葉しか見つからない。よくわからない人のために(不正確を承知で)野球で例えるならば、甲子園出場校のエースから、プロ入り後に月間MVPと新人王に選出された若手選手……ぐらいの優秀なプレーヤーである。
だが、西村さんはそれだけの業績にもかかわらず、20以上の大学に応募したが常勤のポストに就くことができなかった。日本思想史という、昨今の大学では好まれない「役に立たない学問」を専門にしていたとはいえ、あまりにもひどい話だ。
もっとも『朝日新聞』報道では詳しい事情が曖昧に書かれていたが、西村さんの著書の版元出版社の元経営者でもある中嶋廣氏が自身のブログ上で紹介した本人の遺稿集(元編集者であった両親が作成)などによれば、彼女の逝去には他の事情もあったようだ。
すなわち、先行きが見えない生活と将来への不安のなかで、ネットで知り合った10歳以上年上の医師の男性から猛烈なアプローチを受けた。熱意に押されて結婚したところ、夫と夫側親族が彼の重い精神疾患とそれによる休職を隠していたことが判明。加えて家庭内で夫から攻撃的な言動を繰り返し受け続け、彼女本人も精神的に病んでしまっていた――とされる。
なので、彼女の逝去のみについて言えば、『朝日新聞』が報じるように若手研究者の就職難が第一義的な理由だったのかは一考の余地がある。メディアを通じて問題に一石を投じる選択をされたご遺族の心情を尊重するいっぽうで、将来への不安にあえぐ人文系の大学院生やポスドクたちが、報道を契機に過剰に自分を追い詰めることがないよう、心から願いたい。
◎SNS相談リンク(厚生労働省提供)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000199724.html
◎国際ビフレンダーズ東京自殺防止センター
https://www.befrienders-jpn.org/ 相談電話番号:03-5286-9090
非常勤講師は5年で「雇い止め」が多い
とはいえ、(広い意味では過去の私も含めた)わが国における人文系の大学院出身者の就職難や生活の困窮という問題は非常に深刻だ。非常勤講師の職業は5年勤務すると自動的に「雇い止め」に遭うことが多く、助教などのポストに就くことができても、その多くは任期制である。
昨年9月に九州大学で、同大学院研究科の博士課程単位取得退学者の男性が非常勤講師の雇い止めに遭った末に経済的に困窮し、研究室に放火して死亡した事件も記憶に新しい(こちらは法学の分野だが)。
加えて言えば、不器用なタイプの人はいっそう追い詰められやすい。知識は豊富だがアウトプットが下手だったり、「コミュ障」だったり外見の清潔感がなかったりと、一昔前ならある程度までは笑って許されていた変わり者の知識人タイプの人が、いよいよもって「詰む」ようになっている。
所属先がなくなってしまうと学会に出席するときの肩書を書けず、また大学図書館の利用も難しくなるので、過去に在学した大学院に「研究生」という名目で籍だけ置かせてもらうような人も少なくない。
(余談ながら、筆者が過去に在籍した研究室のHPを修了から10年後くらいにのぞいてみたところ、10年前に博士課程や研究生だった先輩数人がまだ研究生のままで籍を置いており、ゾッとする気持ちを味わったことがある。これは自分自身の未来だったかもしれないからだ)。
大学院在学者は91年から2.5倍に
大学院出身者の就職難は、日本国家が研究力の強化を図る“つもり”でおこなった、1990〜2000年代における大学院の拡充や大学教育現場への競争原理の導入、また新自由主義的な風潮のもとで各大学が進めていった「役に立つ学問」への偏重といった、国家政策やそれに準ずる大学側の姿勢の“改革”によりもたらされた面が多い。
文部科学省のデータによると、平成初期の1991年(平成3年度)の大学院在学者数が9万8650人(うち博士課程は2万9911人)だったのと比べて、2016年(平成28年度)の在学者数は24万9588人(うち博士課程は7万3851人)と、ほぼ2.5倍に増加している。
門戸が広がれば、以前ならば大学院を目指さなかった水準の学生も研究者を夢見て進学してくる。だが、学生をドカドカと入学させたにもかかわらず、少子化する日本においてその後の就職先のポストは限定的だ。しかも、博士課程まで進んでから研究者を目指さなかった場合のキャリアプランも、ほとんど示されてこなかった。
進路「死亡・不詳」が2割弱の衝撃
もちろん、大学教授を目指すにせよ、歌手や漫画家を目指すにせよ、普通にサラリーマンとして生きるのと比べれば人生のバクチ度がはるかに大きい進路選択だ。実力主義の残酷な世界であり、能力が足りない人が「食えない」のは、国の政策だけが悪いのではなく、自己責任として甘受するべき部分もある。自分の能力を客観視して夢を諦める勇気もときには必要だ。
だが、歌手志望者や漫画家志望者(の大部分)と、大学教授を夢見た若手研究者との最大の違いは、後者は曲がりなりにも最高水準の教育を受けていることだ。彼らは修士号や博士号を授与されたハイレベル人材であり、たとえ研究者としてのポストを得られなくても、本来ならば社会に対してなんらかの知的貢献ができる能力を持っている。
――だが、現実ではその能力は社会に還元されていない。本人がなんらかの資格を取っているか、実家が資産家でもない限り、人文系の大学院出身者は実学系や理系以上にツブシが効かないからだ。
今回の『朝日新聞』記事でも、特に人文系の場合、博士号取得者で進学も就職もできなかった人が3割近く、進路が「死亡・不詳」とされた人も2割弱という、恐るべきデータが示されていた。博士号を取らずに大学院を離れた人の進路状況はより厳しいだろう。
「博士課程単位取得」のあと「ビルの清掃作業員」に
筆者の身近にもそういう社会問題を体現している人物が2人いる。多少は話をぼかして紹介するが、いずれも年齢的には私と同年代の30代後半で、博士課程単位取得退学者(学位は修士)だ。
例えばA君はもともと古代中国の学術史を研究しており、私が原稿を書くときに漢文の書き下し文をアルバイト的にチェックしてもらうこともある(例えば前回寄稿した「新元号『令和』、中国人はどう捉えた?」でもお手伝いいただいた https://bunshun.jp/articles/-/11357)。ただ、そんな彼の現在の職業はビルの清掃作業員だ。もちろん非正規労働者である。
A君の年収は200万円くらいだ。対して毎月、大学院時代に借りた奨学金の返済で4万円(総額500万円程度)、家賃4.5万円プラス光熱費、国民健康保険料が飛んでいく。先日、年金の支払いを滞納していたところ給料を差し押さえられてしまい、極度に困窮したと聞いた。
見かねた私が、生活苦を理由に奨学金返済を猶予してもらえばどうかと提案したが「好きな勉強をさせてもらったのだから払うのは義務」と言って聞かない(この手の妙な律儀さというか融通の効かなさは、高学歴ワーキングプアの人に多く見られる特徴だ)。
「雇い止め」され、大型スーパーの「ガードマン」に
対してB君は、近代の日本占領時代の某国の宗教問題を研究している。彼はすさまじい博覧強記の人であり、例えばウェーバーでもマルクスでも孟子でも思想の概要を説明できる。インド人民党やアラブのバアス党の性質や、中央アジアのタンヌ・トゥヴァがソ連に併合された経緯について前フリ抜きでいきなり尋ねても、簡単な解説ならできてしまう。
言語能力的な面でも、B君は英語と現代中国語と漢文のほかに、タイ語・シャン語・ビルマ語・クメール語の読み書きができて、ベトナム語とフランス語もすこし読める(※本人特定を避けるために個々の言語名はフェイクとする)。私は彼にこれらの国のニュースを調べてもらったり、現地の過激派組織が出した声明文を訳してもらうこともある。
だが、そんなB君の年収は150万円ぐらいだ。昨年度、非常勤講師として勤務していた某大学で雇い止めに遭い、現在の職業は大型スーパーのガードマンである。
人文系の知識は「役に立つ」はずなのに……
A君とB君に共通する特徴は、ぶっちゃけて言えば「知識はあるが論文が書けない」ことと、現代資本主義社会の基準で評価して「どんくさい」ことだ。適当な水準で妥協して論文を量産することができず、加えて自分の研究内容を俗っぽくアレンジしてメディアに売り込むことも、手練手管を使ってコネを広げてアカデミックな就職先を探すことも得意ではない。はっきり言って、研究以外に大量の雑務をこなさなくてはならない大学教員としての適性は高くないタイプである。
だが、私はA君やB君について、現在の彼らの年収や職業が妥当な処遇であるとも思えない。なにより、彼らの知識や能力が世間でまったく無用なものだとも思えない。事実として、私は原稿を執筆する際に彼らの助言や手伝いを必要とすることが多々あり(そういうときは自腹なり出版社の経費なりで、然るべき対価を払うようにしている)、はっきり言って彼らの知識は「役に立って」いるのだ。
先日、新元号の「令和」が決まった際、メディアでは古文・漢文についての不正確な説明や、言葉足らずな指摘が続出した。例えば「令和」の令について、「命令の令」だからダメだという浅薄な批判はあったが、令を使役の助動詞として漢文読みしたときに「和せしむ」と解釈できることへの違和感を示した報道は、私見ではほとんどなかったように思う(「和せしむ」の主語が国家であれ天皇であれ、あまり民主主義的な意味には取れないのだが)。
ほかにも、社会における人文系の知識の必要性を感じる局面は多々ある。インバウンドによって外国人観光客が増加するなかで、中国の春節やイスラム教のハラールフード(イスラム法のうえで食べてよい食物)についてのメディアの説明は非常にいい加減だし、地方自治体が国際交流イベントなどの際に出す当該国の説明文が間違いだらけである例も多い。一部の歴史番組や歴史関連書籍が、デマを流している自覚なくメチャクチャな情報を発信する例も枚挙にいとまがない。
これらはいずれも、街でコンビニ店員やガードマンとして働いている人文系の大学院出身者に2万円を支払い、1時間ほどでザッとチェックしてもらって意見出しをしてもらうだけで、大幅なクオリティの改善が期待できる分野だ。しかし、実際はそのようなことはなされないのである。
現在の日本で「役に立たない学問」を研究する行為は、人生を棒に振ることと同義になってはいないか? 考えれば考えるほど暗澹たる気持ちになってしまう。
「電気グルーヴ」作品出荷停止 世界79か国6万人余が反対署名
ミュージシャンで俳優のピエール瀧被告がコカインを使用したとして逮捕・起訴された事件を受け、レコード会社が作品の出荷停止などを行っていることについて、対応の撤回を求める6万4000人余りの署名が集まり、15日、レコード会社に提出されました。
この事件を受けて、レコード会社の「ソニー・ミュージックレーベルズ」は、瀧被告が活動している「電気グルーヴ」のCDやDVDなどについて、逮捕翌日の先月13日から出荷を停止し、店頭からも回収するなどの対応を取っています。
これに対して、インターネット上では対応の撤回を求める署名活動が行われ、先月15日から今月10日までの間に世界79か国から集まった6万4606人の署名が、15日、レコード会社に提出されました。
その後、署名活動の発起人が賛同者とともに記者会見し、発起人の1人で社会学者の永田夏来さんが「作品は作り手だけでなく、受け手の財産でもあるはずです。リスナーが好きな音楽を選ぶ自由を回復してほしい」と訴えました。
また、賛同者でミュージシャンの巻上公一さんは「作品は薬物とは関係のない独立したものなので、すべて自粛するという措置に理解できない違和感がある」と述べていました。
署名の提出を受けた「ソニー・ミュージックレーベルズ」は「電気グルーヴがたくさんのファンの方々に愛されていることを改めて認識しました。出荷停止などの措置については、今後の捜査や裁判の行方を見守りながら次の判断を検討していきたいと考えています」とコメントしています。
署名に多くのコメント
今回の署名には3600件余りのコメントも寄せられ、「なぜ過去にさかのぼってまで楽曲をクローズさせるのか」とか、「法令違反はとがめられるべきだが、アーティストとしての活動までは制限されるべきではない」、「過剰な自粛がむしろ異常」といった意見が見られました。
また会見に同席した、賛同者で社会学者の宮台真司さんは「今回のような表現規制の措置は、日本にしかない特殊な出来事です。そもそも人間の表現は法よりも大きいもので、表現に対する社会の扱いは法よりも寛容であるべきです」と話していました。
同じく賛同者でラッパーのダースレイダーさんは「レコード会社の判断を糾弾するのではなく、むしろ、なぜそういう判断をする社会になっているのかを考えるべきだと思います。出荷停止が長く続くほど、違法アップロードなども増える可能性があり、社会的影響を考慮するうえでもなるべく早く解除することが望ましいと思います」と述べていました。
日本ペンクラブ「作品に罪はない」
ピエール瀧被告に関連する作品の多くが公開されなくなっていることを受けて、作家や詩人などで作る日本ペンクラブは15日、「作品に罪はない」と題した声明を発表しました。
声明は、日本ペンクラブの吉岡忍会長の名前で発表され、「近年、芸能人やミュージシャンをはじめとする表現者が逮捕、起訴されるたびに、その作品が封印される事態が繰り返されている」としたうえで、これらが関係する会社の自主規制によるものだと指摘し、「結果として表現者たちは作品の発表の場を奪われ、表現の自由が侵されている。このような風潮を、表現者の集まりである日本ペンクラブは深く憂慮するものである」と訴えています。
そして「こうしたさまざまな自主規制に対しては、音楽家や演出家、映画監督、作家などから『作品に罪はない』『作品と俳優は別人格』という声が聞かれた。文化の担い手でもある関係各企業はこのような声に真摯(しんし)に耳を傾け、事なかれ主義の自主規制に走らぬようせつに願う」としています。
野党勝利、政権交代へ=反移民政党が第2党−フィンランド総選挙
【ロンドン時事】フィンランドで14日、任期満了に伴う議会(一院制、定数200)選挙の投開票が行われ、中道左派の野党・社会民主党(SDP)が第1党、反移民を唱える欧州連合(EU)懐疑派のフィン人党が第2党となった。政権交代となる見通しだ。両党の差はわずか1議席で、SDPにとって「紙一重」(AFP通信)の勝利だった。
ヘルシンキからの報道によると、SDPが得票率17.7%で40議席、フィン人党は同17.5%で39議席を獲得。フィン人党の改選前議席は17で、一気に倍以上に増やした。
SDPのリンネ党首は結果判明後、支持者の前で「われわれが最大政党であり、首相の党だ」と勝利宣言。今後は第4党となったシピラ首相率いる中央党などの与党連合に代わり、SDPを軸とする連立政権が樹立される方向だ。SDPはフィン人党との協力に否定的という。
[首相の任命責任] 認めただけで終わりか
安倍政権の下で閣僚や副大臣、官僚の失言、暴言が止まらない。
塚田一郎・前国土交通副大臣は、関門海峡をむすぶ下関北九州道路の予算化を巡る「忖度(そんたく)発言」で職を辞した。
選挙の応援演説で、総理と副総理の地元事業であることを強調し、「国直轄の調査に引き上げた。私が忖度した」と、平然と言ってのけた。
発言が事実であれば典型的な利益誘導になり、事実でなければ公然とウソをついて支持を集めようとしたことになる。
桜田義孝・前五輪相は、岩手県出身の自民党衆院議員のパーティーで、同僚議員への支援が「復興よりも大事」だと発言し、辞任に追い込まれた。
弁解の余地のない驚くべき発言である。桜田氏はこれまでも、閣僚としての資質を疑わせる発言を繰り返してきた。かばい続けてきたのは安倍晋三首相である。
副大臣に続く大臣の辞任に対し、安倍首相は「任命責任は私にある」と語った。
野党各党が衆参両院の予算委員会で集中審議を開くよう求めたのに対し、自民党の森山裕国対委員長は、委員会開催を拒否し、こんなふうに語ったという。
「首相は任命責任を認め、国民におわびの言葉もあった。それ以上のものはない」
任命責任は私にある、と語っただけで、責任は果たされたことになるのか。
そもそも「任命責任を認める」というのは、どういうことなのか。
■ ■
評論家の山本七平氏は、小室直樹氏との対談で日本軍隊の責任の取り方について触れ、「『私の責任です』といった瞬間に責任はなくなるんです。そういうのが日本的責任のとり方ですね」と答えている(「日本教の社会学」)。
本人が責任を感ずれば、もう責任はなくなる、というのである。
山本氏は、戦闘における敗戦の責任を取るか取らないかという問題で軍法会議にかけられた軍司令官は誰一人としていない、と指摘する。
だが、ここで問題にしているのは平和時の総理大臣の任命責任である。
自民党総裁選後の論功行賞で任命されたのが二階派「待機組」の桜田氏だったことは、周知の事実だ。大臣として必要な資質を備えているかどうかよりも、派閥の論理が優先されたというしかない。
任命責任の軽視は政治不信を助長する。
■ ■
安倍政権の中から政治家や官僚の失言、暴言が相次いでいるのはなぜか。
政権与党として衆参両院で3分の2超の議席を維持し、自民党の中にも政権を脅かすような批判勢力はいない。
野党は参院選が近づいているにもかかわらず、バラバラ感を漂わせている。行政権力を監視しチェックする機能が、かつてないほど弱体化しているのである。
どのような議論を経て政策が決定されたのか、その過程も見えにくくなった。
緊張感を失い「おごり」がはびこる現状は民主主義の危機と受け止めるべきである。