フランス語の勉強?

mai 2017

RSスタートアップ終了/ブツブツで疲れて

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may2

Au Japon, une loi fait craindre un recul des libertés
Le texte, qui prévoit 277 cas d'actes pouvant être constitutifs de complot, risque de renforcer la surveillance de la population.
Shinzo Abe est-il en train de réduire drastiquement les libertés publiques de son peuple avec l'assentiment tacite de ce dernier? C'est la crainte des opposants à une ≪loi anticomplot≫ qui, déjà adoptée par la Chambre basse et en discussion à la Chambre haute, a toutes les chances d'entrer prochainement dans le droit nippon. Le projet de loi est un serpent de mer du débat politique. Présenté plusieurs fois depuis 2003, il avait toujours été repoussé.
フランス語
フランス語の勉強?
雨上がりの「Aさんの話」〜事情通に聞きました!〜洗濯&ロシア悪女&仰天バンジー
主婦が一生で費やす時間がなんと2年分という洗濯!その5大不満を簡単に解決!ロシア最強の悪女といわれる女帝の性癖に仰天!バンジーで急に落としたら人の顔は?
Aさんの話は主婦が一生で費やす時間がなんと18000時間という洗濯!5大不満である白シャツの黄ばみ、シワや縮み、部屋干しのイヤな匂いに色移りなど、簡単解消術を洗濯ハカセが伝授!さらにプロ中のプロに聞く“良いクリーニング店の見分け方”も!友近調査員は「ロシア政治専門家の目!」と題し、ロシア史上最強の悪女、エカチェリーナ2世を紹介!ロシア帝国歴代皇帝のなかで最長在位を誇り、領土を最大限にまで押し広げた女帝で、ロシア国民に愛されていたという。そんな彼女の“悪女”な一面とは・・・!スマイル調査員は「人は本当に驚いた時、どんな表情になる!?」を調査!よしたかにウソ企画でドッキリを仕掛け、「バンジージャンプ“3・2・1”の“2”で落とされたら、どんな顔で落ちていくのか?」を検証する!スタジオ大爆笑の表情は必見です!
雨上がり決死隊、ケンドーコバヤシ、海原やすよともこ、笑い飯・哲夫、友近、スマイル

陸海空 こんな時間に地球征服するなんて
それぞれのルートで地球一周を目指し世界各国を旅する地球規模の冒険ドキュメント番組です。ガチンコ取材で体を張り先の見えない企画で新しい旅を提案させていただきます。
地球一周を目指す5つのチームは、世界の様々な部族との接触を目指して地球を一周するU字工事の部族アースチーム、世界の様々な巨大怪魚を釣り上げることを目指して地球を一周するサンシャイン池崎の釣りまアースチーム、世界の様々なミステリーオカルトスポットを巡りながら地球を一周するオオカミ少年 片岡のミステリーアースチーム、豪華客船内部と乗船する様々なセレブ達の生活を追うREINAの豪華客船アースチーム。そして世界各国の様々な絶景をドローンで撮影しながら地球を一周するバッドナイス常田のドローンアースチーム。ガチンコ取材で体を張って、冒険家でさえ行ったことのない!?先の見えないテレビ初公開オンパレードの地球一周の旅を、視聴者の皆様に提案&お届けします!
地球コメンテーター:バイきんぐ小峠、大石絵理 U字工事、サンシャイン池崎、オオカミ少年 片岡、バッドナイス常田、REINAメイプル超合金 カズレーザー、Dream Ami、真壁刀義
※この番組は関東地区で生放送されたものを録画放送します。 ☆番組HP  http://www.tv-asahi.co.jp/chikyu-issyu/


RSスタートアップ終了しました.とりあえず一安心.でもまだこれからが大変なのですが・・・
その後ブツブツになってしまい,クタクタに疲れました.ここ何日かが忙しくなりそうです.

愛梨ちゃんの魂、永遠に ゆかりのキクが満開
 東日本大震災で津波の犠牲になった石巻市の佐藤愛梨(あいり)ちゃん=当時(6)=ゆかりのフランスギクが、仙台市泉区の東北生活文化大高で満開になった。
 フランスギクは、幼稚園児だった愛梨ちゃんが被災した石巻市南浜町に咲いていた。花を通じて震災の教訓を伝える「アイリンブループロジェクト」を進める美術家すがわらじゅんいちさん(52)=宮城県利府町=が2年前に見つけ、自宅に持ち帰った。その種から同校の生徒が苗を育て、今年初めて花を咲かせた。
 28日には、遺族やプロジェクトのメンバーがお花見会を開催した。母親の美香さん(42)と訪れた妹の珠莉(じゅり)さん(9)=小学4年=は「きれいな花はお姉ちゃんのよう。いっぱい咲いてうれしい」と喜んだ。


<復興を生きる>赤い実 妻の苦悩に光
◎3・11大震災/支え合い 二人三脚で/イチゴ農家 森弘一さん・陽子さん=宮城県亘理町
 手探りで始めたイチゴ栽培が間もなく3シーズン目を終える。宮城県亘理町の森弘一さん(55)と、看護師の仕事の傍ら手伝う妻の陽子さん(56)。少しずつ農業が板に付いてきた2人の歩みは、陽子さんが東日本大震災で抱えた胸の苦しみを和らげていく道のりでもあった。
 今月中旬、弘一さんは町内陸部にある逢隈地区のハウスで収穫の追い込みに入っていた。病院が休みだった陽子さんはいつものように出荷を手伝う。「去年より粒がそろっているみたい。お父さん、慣れてきたのかな」。一粒一粒を丁寧にパック詰めした。
 弘一さんは2013年7月まで製造業に従事していた。徹夜も珍しくない激務に心身の限界を感じ、脱サラを決意した。
 「農業もいいんじゃない?」。会社を辞める数カ月前、陽子さんが口にした。10年前に亡くなった父親は野菜作りが趣味で、子どもの頃、一緒に収穫を楽しんだ。農作物を育てることが何かの救いになるかもしれない。そう考えた。
 あの日、陽子さんは名取市閖上の高齢者施設で働いていた。避難が遅れ、入所者と津波にのまれた。室内で木の葉のように回った。
 奇跡的に助かった陽子さんは、がれきから助けた入所者や流れ込んで来た人々の心臓マッサージを一晩中続けた。だが、寒さもあり、油まみれの数十人が目の前で次々と絶命した。失血がひどかった若い女性は「4月から先生になるの」と言って息を引き取った。
 11年4月、陽子さんは違う事業所で医療現場に戻った。「最初は頑張ろうと思った」。でも一段落すると気持ちが落ちていった。「私だけ生きていいの?」。家族に問い掛けた。
 農業なら家族でいる時間が増える。支え合って生きていこう−。弘一さんが陽子さんの提案に乗ったのはそんな思いがあったからだった。亘理ならイチゴ。すぐに、新規就農のための相談機関を訪れた。
 農協などから紹介を受けて農家で研修を積み、14年に土耕栽培のハウスを借りることができた。1年目は14アールに苗1万本を植えた。慣れない肉体労働はきつかったが、陽子さんは夜勤明けでも手伝ってくれた。その年の12月、形は少々いびつだが、真っ赤なイチゴがなった。
 繁忙期には友人や知人のつてで頼んだボランティアも手伝ってくれた。2年目には次男が仕事を辞めて合流し、すぐに長女も加わった。今シーズンは22アールを作付けた。
 陽子さんの苦しみはまだ残る。それでも「イチゴをやる前は闇の中だった。今は道が開けた気がする」と言う。阿武隈川のそばにあるハウスを一歩出ると、初夏の風が頬をなでる。小さなイチゴ畑で、家族は新たな歩みを始めた。(亘理支局・安達孝太郎)


<CSRの陰>ひずみ 下に押し付け
 東日本大震災と原発事故は、復興CSR(企業の社会的責任)の対極にある、企業の利己、欲望、保身といった負の姿をもあぶり出した。大災害で顕在化した共感なき振る舞い。それもまた、被災地の現実だった。(「被災地と企業」取材班)
◎トモノミクス 被災地と企業[42]第9部 陰(3)いつわる/原発マネー
 「労働者を使い捨てにした。許せない」
 25日夜、北九州市。東京電力福島第1原発事故の収束作業に携わった元作業員の男性(42)=北九州市=は、市民団体が開いた集会で声を振り絞った。
 2011年10月から約2年、2次下請けの作業員として溶接などに従事し、被ばく。急性骨髄性白血病と診断され、15年に初の労災認定を受けた。
 会場で、男性は現場の実態を赤裸々に語った。
 第1原発4号機建屋内での足場設置工事でのこと。放射線を遮蔽(しゃへい)する鉛ベストが不足した。「着ないでこっそり入れ」。現場監督は事もなげに告げたという。
 ベストは重さ15〜20キロ。作業効率を優先し、着用しなかった。「知識が足りなかった」と男性は悔やむ。
 第2原発内にある建屋の搬入口の改良工事中、1次下請けの現場監督が持つ警報付き個人線量計がけたたましく鳴ったことがあった。監督は「大丈夫、大丈夫」と言って解除した。
 働く前、「管理者の指示には必ず従って下さい」と言われた。だが、現場監督らに作業員の健康を守る様子は感じられなかった。
 男性は今、通院しながら妻と息子3人と暮らす。事業者は安全配慮義務を軽視していたのではないか。男性は訴える。「廃炉作業は続く。東電や下請けは作業員の健康被害をなくす必要がある。企業は被害の補償態勢を確立すべきだ」
 福島県内で続く除染作業を巡っては、受託企業が作業員の給料をピンハネする悪質な事例が横行した。
 「日当1万円 朝夕食会社負担 寮費なし」
 12年7月から9月にかけ、同県楢葉町で側溝の土砂除去や高圧洗浄をした男性(36)が当初、都内の職業安定所で見た条件だ。2次下請けの会社だった。
 同年8月、危険手当が1日1万円もらえると知った。日当と合わせ2万円を受け取れるはずだったが、実際は1万2000円だった。
 勤め先の社長はこう説明した。1次下請けからは危険手当を含め2万2000円しか支払われない。これでは会社の利益が出ない。日当は、減額した上で寮費や食費を差し引き、2000円にする−。
 「うちが赤字にならないように引き下げただけだ。文句があるなら1次下請けに言ってくれ」。男性の抗議に社長は開き直った。
 「下げるなら労働者の合意を得るのが筋だ」。男性は同僚と、この会社と1次下請けを相手に交渉を重ね、不払いの数十万円を取り戻した。理不尽な思いは、今も消えない。
 国は除染を含む原発事故の処理費用を22兆円と試算する。原発マネーを巡り、多層化された請負構造のしわ寄せが末端の作業員を苦しめる。CSR(企業の社会的責任)の基本である、コンプライアンス(法令順守)が陰る。


感無量 旧牡鹿で震災後初の田植え
 東日本大震災で被災した宮城県石巻市旧牡鹿町の水田4.5ヘクタールで営農が再開され、地元生産者が30日、現地で田植えを行った。作業を終えた関係者は「復興への第一歩だ」と喜んだ。
 田植えは27日に始まり、農家5人が2015年11月に設立した「牡鹿地区生産組合」が担った。この日は組合員の農家がトラクターでひとめぼれの苗を植えた。
 営農再開した水田は、県が旧牡鹿町の谷川浜、大谷川浜の両地区で整備を進めている農地計22.5ヘクタールのうち、最初に完了した谷川浜地区の4.5ヘクタール。県は残りの農地について19年までの整備完了を目指す。
 両地区には震災前、約20軒の農家があった。津波で被害を受け再建を断念した人も多いという。生産組合の渥美浩晃組合長(55)は「10年以来、7年ぶりの田植えは感無量。後継者不足など課題も多いと思うが、以前のような活気ある集落にしていきたい」と話した。


<女川魚市場>復興前進 整備完了で式典
 東日本大震災で被災した宮城県女川町の女川魚市場で30日、復旧に伴う整備事業の完了を祝う式があった。町の基幹産業である水産業の中核施設が再生を果たし、復興が大きく前進した。
 式には関係者ら約80人が出席。須田善明町長は「市場は町の経済にとって非常に重要な存在。フル活用して町を発展させるとともに、これまでの支援に応えていきたい」と述べた。
 市場は津波で壊滅的な被害を受けたが、2011年7月に運営を再開した。13年に整備事業に着手し、今年4月完成。今月上旬、全面的に本格稼働した。
 東、中央、西の三つの荷さばき場と管理棟の計4施設で、延べ床面積は約2万平方メートル。総事業費は約83億円で国の補助金などを活用した。
 東荷さばき場は開放型で大量の魚を扱えるのが特徴。中央、西の両荷さばき場は鳥獣などが入らないようシャッターなどで囲われた密閉式で、高度衛生管理に対応する。
 16年は約4万3850トンを水揚げし、取扱額は約79億7200万円だった。


麻生が仕掛けた安倍降ろし案件
 ★参院の法務委員会でも、首相・安倍晋三が学校法人加計学園の役員を過去に務めていたと明らかにしたように、加計学園疑惑の質問が続く。その一方、野党民進党は攻めあぐねてもいる。「新事実が何も出てこない。官僚も様子見で、かん口令が敷かれているようだ。手詰まりだ」(民進党議員)という声も聞こえる。しかしメディアは連日、前文科事務次官・前川喜平の発言を引き出し、加計学園の“特別扱い”と「ゆがめられた行政」の実態をつまびらかにしている。 ★この前川発言や前川が「本物」と認めた文書を、官房長官・菅義偉は相変わらず「怪文書」とし、「再調査も行わない。(前川が)勝手に言っていることに、いちいち政府として答えることはない」と強気だが、官邸が混乱しているのは事実だ。それならば、民進党は同じことの繰り返しでも前川に質問し続ければいい。国会に呼べないからと諦めてしまわず、党に前川とメディアを呼んで、衆参の議員が話を聞き、疑似喚問をし続けるべきだ。その中から、何かが見えてくればいい。 ★一方、この加計学園疑惑は、自民党内の権力闘争との見方がある。26日、副総理兼財務相・麻生太郎は会見で「(獣医学部の新設は)獣医師の質の低下につながる」と批判的だ。8ページの文科省レクメモでも「麻生が難色」との認識。政界関係者が言う。「まさに麻生が仕掛けた安倍降ろしだ。もう1度首相に返り咲きたい麻生は、この9月で77歳になる。そのために派閥膨張計画も仕掛けている。昨年夏の内閣改造で地方創生相、文科相が変わり、加計学園の開学計画が加速した段階で、安倍退陣の材料になりかねないと感じていたのではないか」。首相と副総理の権力闘争に官僚が翻弄(ほんろう)された案件が、加計学園疑惑ということか。

河北春秋
 「私の内閣の方針に反対する勢力は、全て抵抗勢力だ」。16年前、首相として初の衆院本会議でこう叫んだのが小泉純一郎氏。郵政事業の既得権益打破を訴えて2カ月後の参院選で圧勝し、「聖域なき構造改革」を看板に長期政権を保った▼同じ自民党の郵政族議員ら、抵抗勢力とされた側はたまらなかった。「小泉劇場」と呼ばれた派手な言動を武器に仁義なき闘いを挑まれ、2005年の郵政民営化法成立で白旗を掲げた▼抵抗勢力なる言葉を久々に聞いた。29日の参院本会議での安倍晋三首相の答弁。小泉氏の首相在職日数1980日を前日に抜き、高揚感もあってか「政局目当てで既得権益に妥協したり、抵抗勢力と手を結ぶようなことは決してしない」と力説した▼こちらは今「安倍1強」の与党に抵抗勢力の姿が見えず、闘う相手は新たな疑念の影か。規制緩和策の国家戦略特区で、愛媛県内への大学獣医学部新設を巡って「総理の意向」と記された文書があると報じられた問題。答弁で首相は否定したが、前文部科学省事務次官が「文書は存在」「行政がゆがめられた」と主張する▼政府は強固な抵抗が残る既得権益を「岩盤規制」と呼び、「改革のドリルで穴を開ける」手法の柱とするのが国家戦略特区。さて、岩盤の底から何が出るのか。

野党は国会を止めよ 前川証人喚問は民主主義の天王山
 野党は何をやっているのか。「共謀罪」法案が30日、参院法務委員会で安倍首相も出席して質疑を行い、実質審議入りした。国会会期末まで20日間。与党がその気なら、ギリギリ法案を成立させられる日程だ。
 安倍の「腹心の友」が理事長を務める加計学園をめぐる問題では、文科省の前川前次官が、「総理のご意向」などと書かれた内部文書は「本物だ」と断言。野党は、要求してきた前川氏の証人喚問も拒否され続けているのに、なぜ、参院での審議入りをやすやすと認めてしまうのか。与党が証人喚問に応じるまで徹底抗戦すればいい。証人喚問が実現しないなら、今すぐ国会審議をすべてストップさせるべきだ。
 加計学園の問題は、いまや国民の重大な関心事だ。首相の親友のために、公平公正であるべき行政がゆがめられたという疑念。これは権力の乱用の問題なのである。ウヤムヤに終わらせてはいけない。
 野党は何をやっているのか。「共謀罪」法案が30日、参院法務委員会で安倍首相も出席して質疑を行い、実質審議入りした。国会会期末まで20日間。与党がその気なら、ギリギリ法案を成立させられる日程だ。
 安倍の「腹心の友」が理事長を務める加計学園をめぐる問題では、文科省の前川前次官が、「総理のご意向」などと書かれた内部文書は「本物だ」と断言。野党は、要求してきた前川氏の証人喚問も拒否され続けているのに、なぜ、参院での審議入りをやすやすと認めてしまうのか。与党が証人喚問に応じるまで徹底抗戦すればいい。証人喚問が実現しないなら、今すぐ国会審議をすべてストップさせるべきだ。
 加計学園の問題は、いまや国民の重大な関心事だ。首相の親友のために、公平公正であるべき行政がゆがめられたという疑念。これは権力の乱用の問題なのである。ウヤムヤに終わらせてはいけない。
■民進党が消滅しても共謀罪を止めた功績は残る
 このままズルズルと審議時間だけが積み重なり、前川氏の証人喚問も実現しないまま、共謀罪法案が成立なんてことになったら、目も当てられない。
 民進党執行部は、口では「共謀罪は絶対に阻止する」とか言うが、じゃあ、その覚悟を見せてくれよ! と言いたくなる。
「本気で止めたいなら、どうして審議拒否しないのか。どうせ、数の力で押し切られるとハナから諦めムードなのです。国会審議の場で疑惑を追及し、政権に少しでもダメージを与えられればいいという程度の軽い考えでいるのなら、反対のポーズは今すぐやめた方がいい。野党議員は、なぜ大勢の年配の人が国会前で共謀罪に反対して立っているのか、考えたことがあるのでしょうか。自分や親族に治安維持法でひどい目に遭った人がたくさんいるからです。そういう人たち一人一人の話を聞こうともせず、党利党略で国会戦術を考えている野党なら、存在意義はない。審議を止めて、解散・総選挙に打って出られることを恐れているフシもありますが、選挙になったって、いいじゃないですか。解散になれば、共謀罪を葬ることができる。たとえ選挙で負けて民進党が消滅しても、悪しき共謀罪を止めたという功績は歴史に残ります。国民のために働くとは、そういうことではないでしょうか」(政治ジャーナリスト・角谷浩一氏)
2つの学園問題も事件もみ消し疑惑も根っこは同じ
 本気で国民のことを考えた行動なら、野党が多少、荒っぽいことをしたって、世論はついてくる。
 特に今は、加計学園をめぐる問題で国民の疑念が高まっている。森友学園問題だって、何ひとつ明らかになっていない。関係書類を次々と廃棄する隠蔽体質。最高権力者の仲間内に便宜が図られる忖度行政の横行。不都合な存在はどんな手を使っても排除する恐怖政治……。政府に対する国民の不審は、頂点に達している。さらには、安倍に近いジャーナリストの準強姦事件がもみ消された疑惑まで浮上しているのだ。
 被害女性が29日、「ジャーナリストの山口敬之氏にレイプされた」と顔と名前を出して会見したことは衝撃的だった。証拠がそろい、山口氏への逮捕状も発行されたのに、逮捕直前に「上からの指示」で見送られ、その後、山口氏は嫌疑不十分で不起訴になったという。この東京地検の判断を不服として、被害女性は検察審査会に申し立てた。
 政治評論家の本澤二郎氏が言う。
「当時の刑事部長の判断で逮捕は見送られたそうですが、裁判所が令状を出したのに、それを一行政官が握り潰すなんて異常事態です。三権分立にも反している。事実ならば、内閣が吹っ飛ぶ大問題ですよ。しかも、事件をもみ消したとされる当時の刑事部長は、菅官房長官の秘書官を務めたことがあり、現在は共謀罪の運用に深く関わる警察庁組織犯罪対策部長だという。この人物も国会で証人喚問して事実を明らかにすべきです」
 加計問題も、もみ消し疑惑も、根っこは同じだ。首相の側近だけが甘い汁を吸う。そのために行政も捜査もゆがめられる。権力側の疑惑は「問題ない」「違法性はない」の一言で片づけられ、異議を唱えれば、指示だか忖度だか知らないが、御用メディアも加担して怪情報が流され、社会的に抹殺されかねない。そういう疑念を生じさせていること自体が問題なのである。
■野党議員の本気度が問われている
「たとえ容疑の証拠がそろっていても、首相と昵懇なら逮捕を免れるというのなら、それはもう法治国家とは言えません。この政権では、法の下の平等という基本概念さえ蹂躙されている。韓国の前大統領の利益供与事件なんてかわいく見えるほど、日本の首相官邸が犯罪の巣窟になっている。これ以上、政治の私物化を許していいのでしょうか。恣意的な捜査や起訴をよしとして、敵対者は弾圧するような卑しい権力に共謀罪を持たせたら、日本は暗黒国家にまっしぐらです。共謀罪法案は、野党が体を張って阻止しなければならない。前川前次官や組織犯罪対策部長らの証人喚問を実現させて、縁故政治の実態を暴くことができないのなら、審議拒否しかありません。ここで政治家が覚悟を決めなくてどうするんですか。顔までさらしてレイプ被害を訴えた若い女性の勇気を無駄にしてはいけません」(本澤二郎氏=前出)
 民進党が「正攻法の議論で戦うべきだ」とか「審議拒否は国民の理解を得られない」とか優等生ぶったところで、結局いいように押し切られるだけだ。淡々と審議に応じていることの方が理解できない。政権の御用メディアの批判を恐れて、萎縮しているだけじゃないのか。野党までが権力に忖度してどうする。
 なにしろ、相手はマトモじゃないのである。自分が決めたことに立法府も国民も従って当然と思っている。最初から話し合う気もなく、強行採決を連発して恥じることもない。そういう最高権力者に対し、正攻法で勝てるわけがない。本気で国民生活と日本の未来を考えた行動なら、必ず国民に理解される時が来る。
「身を捨ててこそ、浮かぶ瀬もあるのです。強行採決されそうになったら、野党議員が全員そろって議員辞職するという手もあります。体を張ってでも暴走政治を止める気概があるのか。自らの保身より、国民のことを考えて行動する覚悟があるのかどうか。野党議員の本気度が問われています」(森田実氏=前出)
 この期に及んで覚悟を見せられないなら、その時こそ、民進党は国民から完全に見捨てられるだろう。


「加計」の解明拒む安倍政権 その姿勢が行政ゆがめる
 なぜ、安倍晋三首相と与党は解明を拒み続けるのか。
 学校法人「加計学園」の獣医学部新設を巡る問題で、首相は「法令に基づき適切に手続きを進め、圧力が働いたということは一切ない」との国会答弁を繰り返している。
 文部科学省の前川喜平前事務次官が「本物だ」と証言した「総理の意向」と記された文書に関しては「文科省の調査で確認できなかった」と答えるだけだ。
 一方、自民党も「政治の本質に関係がない」(竹下亘国対委員長)と前川氏の証人喚問を拒んでいる。
 幕引きをひたすら急ぐ、こうした姿勢に強い疑問を抱く。
 前川氏は昨秋、和泉洋人首相補佐官から官邸に呼ばれ、獣医学部新設を急ぐよう直接求められたことも新たに明らかにしている。
 安倍首相の長い友人だったから加計学園に有利な手続きが急速に進んだのか。そこに首相の意向は働いたのか。あるいは内閣府などが首相の意向をそんたくしたのか。そして前川氏が証言したように「行政はゆがめられた」のか−−。
 まさにこれは公正でなくてはならない政治の本質の問題である。いずれの疑問にもまだ答えは出ていないにもかかわらず、首相はそんな疑問を抱くことそのものが「恣意(しい)的な議論だ」とまで答弁している。
 そもそも行政の記録文書は、行政が公正に行われていたかどうかを後に検証するために残すものだろう。
 首相らは文書の存在を認めると、これまでの全ての説明が揺らいでしまうと恐れているのだろうか。もはや怪文書などとは言えない状況なのに、「あるものを無かった」というような姿勢を続けること自体、既に行政をゆがめていると言っていい。
 首相は、国家戦略特区で既得権益を打ち破り、規制を緩和して獣医学部を新設する意義を強調している。だが、その政策判断が間違っていなかったかどうかは事実関係を確認したうえで検証すべき次の課題だ。
 手続きが適正だったと言うのなら、堂々と当事者を国会に呼んで話を聞けばいい。前川氏も応じる意向を示している証人喚問を行い、和泉氏らの説明も国会で聞くことだ。安倍首相が出席して衆院予算委員会の集中審議を開くことも必要だ。


公文書管理 意思決定が見えるよう
 学校法人加計学園をめぐる「文書」は怪文書扱いだった。森友学園への国有地売却の関連文書は財務省で廃棄されたという。役所での文書の扱いがあまりにずさんだ。公文書管理を見直すべきだ。
 公文書管理法という法律がある。第一条に崇高な目的が書かれている。まず公文書とは「健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源」であると位置づける。だから、それに鑑み「現在及び将来の国民に説明する責務が全うされるようにすることを目的」としているのだ。
 さらに第四条でもこう記す。「行政機関における経緯も含めた意思決定に至る過程」をも合理的に後になって検証することができるように、文書を作成することを義務付けるのだ。
 つまり行政機関の意思決定のプロセスが現在・未来の国民にもよくわかるようにするために、この法で定めているわけだ。
 ところが、昨今、政権周辺で起きていることは、この精神をまったく踏みにじっている。むしろ国民に知らしめないために文書がなかったことにしているかのようだ。その典型例が陸上自衛隊の南スーダン国連平和維持活動(PKO)派遣をめぐる行政文書である。
 「戦闘」などの表現が入った日報の原本が削除されたのである。その後、写しファイルが別の部署で見つかったにもかかわらず公表せず、「情報隠し」と厳しく指摘される事態になった。
 大阪の学校法人「森友学園」に国有地が格安で払い下げられた問題では、財務省との交渉内容が焦点だ。だが、国会答弁で同省は「記録の保存期間は一年未満。速やかに廃棄した」とし、電子データも同様に削除したという。
 しかも、六月には財務省は省内システムを入れ替える。記録の復元が不可能になる恐れがある。八億円もの値引きに関わる証拠書類の保存期間は五年に該当するという指摘もある。恣意(しい)的な解釈で記録を廃棄した判断には違法性すら伴う可能性があろう。
 「総理のご意向」と書かれた加計学園をめぐる文書もそうだ。政府は「確認できない」とするが、前川喜平・文部科学省前事務次官が存在を認めている。同省内で作成されたことなどを極めて具体的に証言している。
 前川証言に基づけば、怪文書どころか立派な行政文書である。省内に残っているはずであり、国会などで意思決定がどう働いたか徹底追及してもらいたい。


「加計学園」問題/追及はぐらかす首相答弁
 加計(かけ)学園ありきで事態が進んでいたのではないか。国会などで明らかになった資料やさまざまな証言に、疑念は強まるばかりである。
 だが政府は真相解明に後ろ向きで、早期に幕引きを図ろうとする意図が透けて見える。
 愛媛県今治市の国家戦略特区で計画される学校法人「加計学園」の獣医学部新設問題を巡り、連日、国会で質疑が繰り広げられる。学園理事長と安倍晋三首相の交友を背景に、内閣府を中心とする首相周辺が有利な取り計らいをするよう関係省庁に圧力をかけたのではないか、と野党側は厳しく追及する。
 首相は「圧力が働いたことは一切ない」と否定する一方、国家戦略特区の意義を強調して「規制改革には抵抗勢力が必ず存在する。安倍内閣は絶対に屈しない」とし、野党側を「抵抗勢力」になぞらえた。
 さらに「今治市の獣医学部誘致は旧民主党政権が前向きに検討してきた」として、筋違いの批判を展開する。
 問われているのは規制緩和の在り方ではなく、安倍政権下のあまりに不自然で不公正とも映る学部新設の経緯だ。これでは質問に答えるどころか、追及をはぐらかしている。不誠実と言うしかない。
 「総理のご意向」などと書かれた記録文書について、「文部科学省の内部文書で、確実に存在する。100パーセント真実だ」などと証言した、文科省前事務次官への政府の反応も尋常ではない。
 元官僚とはいえ、今は何の後ろ盾もない個人に対し、人格をおとしめる言葉を並べて信用性を損ねようとする。国民から反発の声が上がるのは当然だ。
 首相は学園理事長と長年の友人であるだけでなく、初当選の頃、学園の役員を務めていた。側近の官房副長官は学園が運営する大学で教壇に立ったことがある。本来なら誤解を招かぬよう、より公正な審査に徹するべきだっただろう。
 首相補佐官が前事務次官への働き掛けを強めていたことも明らかになった。政府に注がれる国民の視線は日を追って厳しさを増している。与党は関係者の国会喚問に応じ、事実の究明に努めるべきだ。


加計ありきは安倍首相の直接指示か 市長も「総理が主導」
 “腹心の友”の獣医学部新設に「総理のご意向」をにおわす新事実が現地の愛媛・今治市でも続出している。
 国家戦略特区に指定された今治市で、加計学園が事業主体として認定された今年1月から遡ること約3カ月。昨年の秋口から菅良二・今治市長は「(学部新設は)安倍総理がリーダーシップを持ってやるから、安心してほしい」と地元政界関係者に語っていたという。
「今治加計獣医学部を考える会」の黒川敦彦共同代表は、「市長の発言は私も聞いています。市の文書にも『首相主導』と明記されています」と語った。
 文書とは、市企画財務部が昨年11月10日に作成した「国家戦略特区の制度を活用した取組の進捗状況について」。特区制度を図で示した表題には「『総理・内閣主導』の枠組み」と太字で記されているから、分かりやすい。
■ゴリ押し審議官は学部新設に「後ろ向き」だった
「今治市の『総理・内閣主導』との認識を示すもので、『今後のスケジュール』と題されたページには『平成30年 開学』と明記されています。『首相主導』を意識して加計ありきのタイトな日程で進めたことを物語っています」(黒川敦彦氏)
 興味深いのは、文科省の「総理の意向文書」で、昨年9〜10月に「早期開学」を強硬に求めた内閣府の担当審議官が、市への説明では学部新設に消極的だったらしいことだ。
 昨年2月、今治市議会に提示された「大学獣医学部の新設について」との資料。内閣府の藤原豊審議官と市側のやりとりをまとめたもので、「(藤原氏より)新設大学への財政支援による今後の財政悪化や人口減少により学生が本当に集まるのか危惧されていた」との記載があるという。26日放送のテレビ朝日系「報道ステーション」が報じていた。
 消極的だった藤原氏が突如、強硬姿勢に変わったのはなぜか。菅市長の発言や市資料の文言通り「首相が主導」したのか。“加計ありき”は安倍の「直接指示」を疑わせるのだ。(取材協力=ジャーナリスト・横田一氏)


[共謀罪参院審議] 国連報告者に向き合え
 「深刻な欠陥のある法案をこれだけ拙速に押し通すことは絶対に正当化できない」
 「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案を巡り、国連特別報告者が政府に送った書簡でこう批判した。
 政府は書簡への反論に躍起になっている。安倍晋三首相は「一方的な見解を表明した、著しくバランスを欠く不適切なものだ」と述べた。
 政府、与党は今国会中の法案成立に向け、衆院で採決を強行するなどなりふり構わず突き進んできた。
 書簡に反発するのは、思わぬところから批判を受け、野党の反対論を勢いづかせたくないとの警戒感があるからだろう。
 法案はきのう、参院法務委員会に審議の場を移した。問題は一般人が捜査対象となり、監視社会を招く恐れなど数多くの疑問が依然、解消されていないことだ。
 このまま、衆院と同様に数の力を頼みとした「日程ありき」の拙速な審議は許されない。政府は、書簡の指摘を真摯(しんし)に受け止めるべきだ。
 国連特別報告者は国連人権理事会に任命され、個人の資格で表現の自由やテロリズムなど各地の人権状況の調査を行う専門家だ。
 共謀罪法案に関する書簡は当初、今月半ばに安倍晋三首相宛てに送られた。
 「プライバシーや表現の自由などを不当に制約する恐れ」に懸念を示し、法案にある「計画」や「準備行為」のあいまいさなどの「欠陥」を指摘する内容だった。
 これまで人権侵害の問題に関して国会論議が深まっていないことを考えれば、もっともな指摘といえる。
 ところが政府は耳を傾けるどころか、「特別報告者は国連の立場を代表するものではない」などと抗議した。
 国連特別報告者はこれに対し「法案の欠陥に一つも向き合っていない」と再度、書簡を送付した。異論を受け付けず、強弁するだけの日本政府の対応に違和感は大きかろう。
 仮に法案が成立した場合、何をすれば罪になるか、見えにくいという国民の不安は根強い。
 政府は「テロの未然防止」に効果があると強調するが、処罰の前倒しが監視強化につながり、プライバシーや表現の自由を圧迫するとの懸念は膨らむばかりだ。
 参院審議では、山積する疑問を一つ一つ丁寧に解消していくことが求められる。これなくして国連特別報告者はもとより、国民の理解や納得は得られまい。


「共謀罪」参院審議◆何をすれば罪か見えにくい◆
 犯罪の計画を罰する共謀罪の構成要件を取り込み「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案が参院本会議で審議入りした。
 数の力で衆院通過を強行した与党は会期延長も視野に今国会中の成立を目指す。対する野党は法案を巡る疑問や懸念を積み上げ、徹底追及により廃案に追い込みたいとしており、攻防は激しさを増しそうだ。しかし犯罪が実行されて初めて処罰するという刑事法の原則を大きく転換させる法改正であるにもかかわらず、肝心の国民の理解は深まっていない。
リスク説明あいまい
 共同通信世論調査では、8割近くの人が「政府の説明が不十分」と考えている。自民、公明両党支持層でも約7割がそう回答した。何をすれば罪になるか、見えにくいという不安は根強い。
 政府はこれまで、2020年東京五輪・パラリンピックに向けた「テロ対策」に不可欠と訴え、「テロの未然防止」に効果があると強調するが、法案成立がもたらすリスクとなると、あいまいな説明に終始してきた。処罰の前倒しが監視強化につながり、プライバシー権や表現の自由を圧迫するとの懸念は膨らむばかりだ。
 「一般人は捜査対象にならない」と言うが、その説明にもほころびが見える。衆院の審議で、政府は「一般人が対象になることはあり得ない」と繰り返した。ただ「嫌疑があれば、もはや一般人ではない」「正当な活動をしている団体でも目的が一変した場合には、犯罪集団とみなされる」とも説明。線引きはあいまいなままだ。
 さらに一般人は捜査の前段階で嫌疑があるかを調べる「調査・検討」の対象にもならないとまで言い切った。捜査機関による監視強化を否定したかったようだが、捜査実務ともかけ離れている。
どこから犯罪集団?
 法務省幹部がオウム真理教を例に取り、組織的犯罪集団か否かをどのように見極めるかについて答弁したことがある。
 宗教団体としての活動実態がある団体で教祖が殺人を正当化する教義を唱えるようになり、信者が教義の実現を目的に結合しているとする。それだけでは不十分で、内部に組織を設け、化学薬品や武器などの研究、開発、製造などを反復継続して行うようになり初めて、犯罪集団に該当することもあり得るという。
 これからも分かるように、まっとうな団体が犯罪集団に一変したと判断するには、かなりの時間と人員をつぎ込んで特定の団体やメンバーを継続的に監視し、情報と証拠を集めることが必要になる。市民団体や労働組合が監視対象にならない保証はない。
 ほかにも具体的に何が準備行為に当たるか、犯罪の合意に至るやりとりをどう入手するか、本当にテロの未然防止に効果があるのか-といった疑問が山積みになっている。一つ一つ丁寧に解消しなければ、国民の理解は得られない。


「共謀罪」審議 異論切り捨てを危惧する
 自らの主張は声高に叫び続けるのに、それと矛盾しそうな情報は受け入れず、議論から遠ざけようとする。加計(かけ)学園を巡る文書の問題でも表れた政権の手法と重なって見える。
 だが、異論の切り捨てや門前払いは、ただでさえ疑問の多い法案への懸念を強めるばかりだ。真摯(しんし)に向き合うべきである。
 「共謀罪」の趣旨を盛った「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案の審議の場が、参院に移った。
 審議入り初日の本会議で安倍晋三首相は、改正案に強い懸念を示した国連のケナタッチ特別報告者の指摘に対して「著しくバランスを欠く不適切なものだ」と批判を浴びせた。
 国連特別報告者は国連人権理事会に任命され、特定の国やテーマ別の人権状況に関する調査や監視を行う専門家だ。いかなる政府や組織からも独立している。
 ケナタッチ氏は日本政府に宛てた書簡で、改正案について「プライバシーを不当に制約する恐れがある。深刻な欠陥のある法案を拙速に押し通すことは絶対に正当化できない」などと主張した。
 犯罪を計画段階で処罰する「共謀罪」法案については捜査の乱用が懸念されている。一般人が対象になるのではないか、監視社会につながらないか、との不安が国民の間にも絶えない。
 「プライバシーを不当に制約する恐れがある」との指摘は、国内の懸念とも共通だろう。
 ケナタッチ氏の指摘について安倍首相は、書簡の内容は「日本政府の説明を聞いておらず、信義則にも反する」と非難した。
 これに関連し、先進7カ国首脳会議で懇談した国連のグテレス事務総長が「国連とは別の個人の資格で活動しており、特別報告者の主張は必ずしも国連の総意を反映するものではない」と発言したことも紹介した。
 首相の反論は、会期末が近づいている今国会中に何としても「共謀罪」法案を通したいという執念の表れでもあろう。しかし、待ってほしい。
 問題は、ケナタッチ氏の指摘の中身である。特別報告者の立場がどうかは別の話のはずだ。事務総長は「国連の総意を反映するものではない」と説明したというが、だから書簡の指摘が不当だということにはなるまい。
 加計学園の獣医学部新設計画を巡って出てきた「総理のご意向」などと書かれた文書について、前文部科学事務次官が「確実に存在していた」と明言した。
 この問題で菅義偉官房長官は、前次官の人格攻撃とも取れる話題を持ち出した。こちらも文書の真偽の問題とは別である。
 ケナタッチ書簡に対する首相の反論は、官房長官の発言を思い出させる。
 今の政権に最も求められるのは異論や疑問に対して正面から向き合い、丁寧に説明責任を果たしていくことである。
 政権運営の「不都合」を封じ込めようとするばかりでは、政治全体がゆがみかねない。


何が罪か なおあいまい/「共謀罪」法案 参院審議
 犯罪の計画を罰する「共謀罪」の構成要件を取り込み「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案が、参院本会議で審議入りした。衆院通過を強行した与党は、会期延長を視野に今国会中の成立を目指す。野党は法案を巡る疑問や懸念を積み上げ、廃案を求め攻勢を強めている。
 一方、犯罪が実行されて初めて処罰するという刑事法の原則を大きく転換させる法改正であるにもかかわらず、肝心の国民の理解は深まっていない。共同通信世論調査では、8割近くの人が「政府の説明が不十分」と考えている。
 何をすれば罪になるか、見えにくいという不安は根強い。政府はこれまで、2020年東京五輪・パラリンピックに向けた「テロ対策」に不可欠と訴え、盛んに「テロの未然防止」に効果があると強調するが、法案成立がもたらすリスクとなると、あいまいな説明に終始してきた。処罰の前倒しが監視強化につながり、プライバシー権や表現の自由を圧迫するとの懸念は膨らむばかりだ。
 「一般人は捜査対象にならない」という政府の説明にもほころびが見える。多くの論点が積み残しになっており、政府は審議時間にこだわらず、誠実に説明を尽くすことが強く求められる。
 適用対象について政府は当初から、テロ組織や暴力団など「組織的犯罪集団」に限定されると説明。下見や資金の用意など「実行準備行為」がないと処罰できないから「一般人が対象になることはあり得ない」と繰り返してきた。
 ただ一連の答弁の中では「嫌疑があれば、もはや一般人ではない」「正当な活動をしている団体でも目的が一変した場合には、犯罪集団とみなされる」とも説明し、一般人と捜査対象の間の線引きはあいまいなままだ。
 まっとうな団体が犯罪集団に一変したと判断するには、かなりの時間と人員をつぎ込んで、特定の団体やメンバーを継続的に監視し、情報や証拠を集める必要がある。そのとき、市民団体や労働組合が監視対象にならない保証はない。
 ほかにも具体的に何が準備行為に当たるか、犯罪の合意に至るやりとりをどう入手するか、本当にテロの未然防止に効果があるのか−といった疑問が山積みになっている。一つ一つ丁寧に解消していくことなしに、国民の理解は得られない。


「共謀罪」論戦 参院の真価が問われる
 「共謀罪」が成立する要件を変更しテロ等準備罪を新設する組織犯罪処罰法改正案がきのう、参院法務委員会で実質審議入りした。
 政府が言う「テロ対策」としての必要性への疑問、捜査当局の監視を強め内心の自由を侵しかねない危険性、刑法体系としての矛盾など、数々の問題点が置き去りにされたまま衆院を通過した。
 このまま成立させては禍根を残す。この法案の審議には難解な法律論がつきまとうが、そこを分かりやすく、本質を鋭くえぐる議論を与野党問わず展開してほしい。
 それが、「良識の府」「再考の府」と呼ばれる参院の務めだ。
 参院の審議では、国連のケナタッチ特別報告者が「プライバシーの権利と国民の自由に影響を及ぼす深刻な懸念がある」と指摘した安倍晋三首相宛ての書簡が、新たな論点に浮上している。
 首相は法務委で「実行準備行為を処罰するもので、内心を処罰するものではない」と反論した。
 だが「資金を調達する」などの準備行為は、本来は何の違法性もないものだ。それを摘発の手がかり、口実にして、犯罪の実行を共謀したという内心を処罰する―。これが本当のところではないか。
 危険な本質を建前で包み隠しても、議論は深まらない。
 沖縄県選出の糸数慶子氏は、米軍基地建設反対運動のリーダーが長期間拘束された例を挙げ、「共謀罪は政府に抵抗する行為を未然に一網打尽にする意図があるのではないか」と追及した。
 首相は「ご指摘のような意図は全くない」と否定したが、それを額面通りに受け取れないところが重大な問題なのだ。
 金田勝年法相は一昨日の参院本会議で、環境や人権の保護を掲げる団体でも、実態が組織的犯罪集団と認められれば処罰対象になる可能性があるとの見解を示した。
 通常の市民団体のデモ行為でも捜査当局の裁量次第で、組織的威力業務妨害を企てる犯罪集団として摘発されかねない―。かねて指摘されている懸念を追認した答弁とも受け取れる。
 恣意(しい)的な法解釈や捜査への明確な歯止めがない以上、そう言われてもやむを得ないのではないか。
 これほど問題山積の法案は、きちんと議論を尽くせば廃案という結論が見えてくるはずである。
 衆院で採決を強行した与党と、賛成に回った日本維新の会は、よもや来月18日までの会期内成立という結論ありきで委員会審議を進めることはないと信じたい。


国際連盟脱退時を彷彿 外務省“国連発言”恣意解釈の危うさ
 G7に出席した安倍首相と国連のグテレス事務総長との間で約10分間にわたってやりとりされた「会談」をめぐり、国連と日本の外務省がそれぞれ公表した内容の食い違いが鮮明になっている。
 例えば、慰安婦問題に対する談話の内容。外務省はグテレス氏が慰安婦問題に関する日韓合意について「賛意を示すとともに、歓迎する旨述べた」などと発表しているのだが、国連の事務総長報道官はこの内容を否定し、こう“訂正”した。
「事務総長は、慰安婦問題が日本と韓国の合意によって解決されるべきである、ということに賛同した。特定の合意内容については触れていないが、慰安婦問題解決の内容と本質を決めるのは日韓である、と述べた」
 菅官房長官は会見で、国連と日本の公表内容が異なることを質問されると「日本側が発表した通りだ」と反論したが、「違い」はこれだけじゃない。
 国連人権理事会の特別報告者ケナタッチ氏が共謀罪法案に懸念を示していることに対し、外務省は「(国連事務総長は)人権理事会の特別報告者は、国連とは別の個人の資格で活動しており、その主張は、必ずしも国連の総意を反映するものではない旨述べた」と発表している。ところが、事務総長報道官の発表を見ると「特別報告者は人権理事会に直接報告を行う独立した専門家である」とあるだけ。要するに日本政府・外務省は、国連事務総長の発言を恣意的に解釈して“盛って”発表しているのだ。
 国際問題に詳しい平和外交研究所代表の美根慶樹氏がこう言う。
「国連事務総長が、特定の国同士の対立案件について片方の言い分に加担することは考えられません。外務省と国連の発表は明らかに食い違っています。よく分からないのは外務省発表の『国連の総意』という表現です。『委員会の決定』とか『決議』ならありますが、『国連の総意』という言葉は聞いたことがありません」
 今の日本政府の対応を見ていると、かつての日本が国際連盟の総会決議に反発して脱退を決めた時と同じ。安倍政権なら「ごちゃごちゃ言うなら脱退するゾ」と本当に言い出しかねない。


詩織さん「デートレイプドラッグを」インタビュー1
 著書「総理」で安倍政権について書いた元TBSワシントン支局長山口敬之氏(51)から、準強姦(ごうかん)被害を受けたが不起訴とされたのは不当として、検察審査会に審査を申し立てたジャーナリスト詩織さん(28)が30日、日刊スポーツの取材に応じた。事件直前に乗ったタクシーについて、運転手の新証言を明かした。詩織さんの記憶は欠落しているが、運転手は、詩織さんが車に自力で乗り込み、ホテルに行くことを何度も拒んだ後、静かになったと話したという。
   ◇    ◇
 詩織さんは昨年7月22日の不起訴処分以後、事件当時の状況を独自に取材。被害を受けたという15年4月3日夜、山口氏と飲食した恵比寿のすし店から、被害に遭ったホテルまで乗ったタクシー運転手の証言を得たと話した。
 詩織さんは、すし店で日本酒2合を山口氏と飲んだ後、翌4日未明にホテルのベッドで被害に気づくまで「記憶が欠落している」という。一方で、運転手は詩織さんがタクシーに「自力で歩いて乗り込んでいた」と証言。証言によると、タクシーをホテルに向かわせようとする山口氏に対し、詩織さんは当初、何度も「駅で降ろしてください」と話していたが、その後、ホテルに行く同意はないまま詩織さんが静かになり、ホテルで降りる時には自力で動けず、山口氏が詩織さんを抱えて降りたという。
 詩織さんはワインや日本酒を問わず「お酒ですっぽり記憶をなくした経験はなく、被害に気づいて目が覚めた時も、お酒の二日酔いのような状態ではなく、頭がクリアだった」として「デートレイプドラッグを混入されたと思っている」とした。詩織さんの弁護士は、睡眠薬などの悪用により「他人からは普通に行動しているように見えても本人は覚えていないという症状が出るとされており、状況と合致する」と指摘した。
 山口氏は、フェイスブックで「法に触れることは一切していない」「1年4カ月にわたる精密な調査が行われ、結果として不起訴という結論が出た」とコメントしている。
 ◆デートレイプドラッグ 睡眠薬などの薬物服用後、一過性の記憶の抜け落ち症状が悪用され、被害時に抵抗不能で記憶がない状態にさせる目的で使用される薬物。飲み物などに混入される。アルコールとの同時使用では酒類が少量でも、効果が強まるとされる。


詩織さん実名で会見臨んだ最大理由/インタビュー2
 著書「総理」で安倍政権について書いた元TBSワシントン支局長山口敬之氏(51)から、準強姦(ごうかん)被害を受けたが不起訴とされたのは不当として、検察審査会に審査を申し立てたジャーナリスト詩織さん(28)が30日、日刊スポーツの取材に応じた。
 レイプ被害者は黙っていなければならないのか−。顔を出し、実名で会見に臨んだ最大の理由。「オープンにこの話をしていかないと、捜査も病院も周囲のサポート体制も、社会が変わらない」。
 ネット上では29日の会見の服装について「ボタンを開けすぎ」と批判されたが、想定済みだった。
 「本当に言いたいのは、スカートをはいていようが、何を着ようが、責められる対象にはなってはいけない。リクルートスーツを着てと言われたけど、なんで白いシャツを着て弱々しく被害者らしく映らないといけないんでしょう。普段着で批判されるって、おかしい。そこを変えたかった」
 レイプ被害における被害者、捜査のあり方を根本から変えるべきと主張する。強姦、準強姦罪などの性犯罪の改正案では親告罪から、被害者の告訴なしに起訴できる非親告罪となる方向だが「本当に変わるべきは一般的な考え方。こういう事件に遭ったら恥ずかしい、黙っていた方がいい、君が傷つくだけ、と言われる。でもその前から十分傷ついている。なのに周りから『傷つく』と断定されると苦しい」と吐露した。
 ホテルの防犯カメラ映像やタクシー運転手の証言などによると、自立歩行できず無意識で「帰りたい」と言っている。翌朝は逃げるようにホテルを出ているのに性行為について「『NO』と取られない。ハードルが高い。認識を変えていかないと」と訴えた。
 一部では山口氏が安倍首相に近いことが捜査に影響したと報道されたが「レイプの話は関係ない。分からないパワーはあったかもしれないけど、論点はそこではない」と話す。
 「安倍首相周辺から警視庁への捜査妨害があったと思うか」と問われると「(捜査員から)直接的には聞いていない」と語った。しかし、捜査段階ごとにさまざまな「障壁」があったのは確かだった。
 「最初は警察で『よくある話』と始まった。事件性の確認後も『今の法律では難しい』となり、次に『(相手が)TBSだから難しい』と言われた。『相手が政権側の方ととても近しい』という話もされた。ただ、山口氏がTBSを辞めたという話が入った途端(逮捕へ)いけるかもとなった。何なんだろうと思った」
 現在の政治情勢から「注目がそちらに行くとは思う」としながらも「政権と戦うというより、性犯罪被害について変えたい」という覚悟が前面に出ていた。


山口敬之のレイプ告発会見でテレビが見せた弱腰、安倍応援団は「逮捕ツブしたのはTBS」とデマで官邸擁護
 安倍首相の御用ジャーナリストである山口敬之氏からレイプされたという被害女性・詩織さん(苗字はご家族の意向で非公開)が会見を開いて大きな話題になっているが、この事件は、ジャーナリストによる卑劣なレイプ事件という問題、そして官邸が山口氏の逮捕を握り潰した可能性がある重大疑惑だ。
 現に、詩織さんが会見で語ったように、山口氏には準強姦罪容疑で逮捕状まで発布されていたが、逮捕寸前になぜか捜査打ち切りになっている。しかも、当時の捜査員は「警察のトップの方からストップがかかった」と話していたといい、実際「週刊新潮」(新潮社)の取材によって、捜査打ち切りを指揮したのが当時の警視庁刑事部長であり、“菅官房長官の片腕”として有名な警察官僚・中村格氏であることが判明。さらに「週刊新潮」第二弾の記事では、山口氏の“誤爆メール”によって、山口氏が首相官邸、内閣情報調査室の北村滋内閣情報官に事後対応について直接相談までしていた可能性が浮上している。北村内閣情報官は“安倍首相の右腕”と呼ばれる人物である。
 逮捕状まで出ていた案件を、官邸が自分たちを応援するジャーナリストだからという理由でもみ消す──。もしこれが事実なら、森友や加計学園問題以上の権力による暴挙であり、そうした大きな力が働いている可能性があるなかで、実名と顔を出してまで詩織さんは異議申し立てをしたのだ。
 そして、一昨日の会見には、新聞・テレビが全社勢揃いというほどの数の取材陣が殺到。そんなマスコミ記者に向かって、詩織さんは「今回、この件について取り上げてくださったメディアはどのくらいありましたでしょうか?」と語りかけ、「この国の言論の自由とはなんでしょうか? 法律やメディアは何から何を守ろうとしているのか、と私は問いたいです」と述べた。
 誰が、この被害女性をここまで追い込んだのか。その真相を突きとめるためには、官邸の関与が疑われる以上、メディアによる報道が不可欠だ。「言論の自由」をかけて、この不正を暴かなくてはならない。会見を取材した記者ならばそう強く感じたはず──そのように思われた。
 しかし、蓋を開けてみれば、メディアは相も変わらず保身と萎縮の塊でしかなかったのである。
ダンマリのTBSとフジ、弱腰のテレ朝、事件を矮小化した日テレ
 まず、スポーツ紙は日刊スポーツが大きく報じたほか軒並み会見の内容を伝えたが、肝心の大手新聞社は昨日の朝刊で取り上げたのは、毎日新聞と産経新聞がベタ記事で数十行ふれただけで、読売はいわずもがな朝日新聞すらも無視した。
 さらに、テレビのほうは、NHKは無論、民放キー局でも、山口氏の古巣であるTBSの『NEWS23』や『ひるおび!』、コメンテーターとして山口氏を重宝していたフジテレビの『とくダネ!』『直撃LIVEグッディ!』はスルー。フジと同様に山口氏を番組で起用していたテレビ朝日は、29日の『報道ステーション』は報道しなかったが、30日朝の『羽鳥慎一モーニングショー』と『ワイド!スクランブル』は伝え、番組でバラツキがあった。
 唯一、山口氏を起用してこなかった日本テレビは、29日夕の『news every.』にはじまり、夜の『NEWS ZERO』、30日朝の『ZIP!』『スッキリ!!』でも紹介。読売テレビ制作の『情報ライブ ミヤネ屋』までが取り上げた。
 だが、そうやって問題を取り上げた番組も、あきらかな“気遣い”が見て取れた。たとえば『モーニングショー』の場合は、山口氏のプロフィールをVTRで「元TBS記者でジャーナリスト。数々のテレビ番組に出演」とだけ紹介。同番組に出演していた山口氏は、“安倍首相の代弁者”として官邸情報を垂れ流していたが、しかしそのことにふれないばかりか、安倍首相を礼賛した代表作『総理』『暗闘』(幻冬舎)にもふれることはなかった。
 逆に、日テレのほうは「元TBS政治記者で安倍首相を官房副長官時代から取材」「TBS退社後は“安倍総理をよく知るジャーナリスト”として活動」と紹介しながらも、『スッキリ!!』では元警視庁捜査一課理事官の大峯泰廣氏が「有名人などの社会的影響が大きい事件の場合は一度逮捕状の執行をストップさせ、警視庁捜査1課が犯罪の立証ができるのか一から捜査し判断することはある」などとコメント。『ミヤネ屋』にいたっては、沖縄ヘイトデマを流している嵩原安三郎弁護士が、不起訴になる理由として“被害者にも落ち度があったとき”などのケースを挙げ、「いろいろなパターンがあるが、証拠がないというのは共通している」と解説するなど、今回の山口氏の事件を「よくあること」であるかのようにフォローしたのだ。
 しかし、これはけっして「よくあること」などではない。
「たしかに著名人など社会的影響力が大きいケースで、一課にうつるということはあり得るが、それも滅多にない。著名人でも所轄で逮捕されているケースはいっぱいあります。ましてや、今回のように逮捕状まで出て捜査がストップするということは異例中の異例」(大手紙社会部記者)
 事実、今回も様々な報道で弁護士や警察OBなど多くの専門家が「逮捕状が出たのに、逮捕されない、捜査がつぶれるというのは異例、聞いたことがない」と、口をそろえている。
 にもかかわらず、日本テレビはこの部分に一切ふれず、捜査つぶしを否定にかかったのだ。
ネットで広がる「TBS圧力」説はまったくのデマ!
 さらにほとんどのマスコミが一切報じていないのが、捜査つぶしへの官邸の関与だ。せいぜい『モーニングショー』でコメンテーターの青木理氏が、「安倍政権に近いということで仕事をしてきた」「政権への忖度があったのか」「官邸に相談していた疑惑もある」など、山口氏と安倍政権の近さやそれが捜査に影響した可能性にふれたくらいで、ほとんどのメディアがそこを避けてとおっていた。
 それどころか安倍応援団、ネトサポの連中はまるで予防線をはるかのように「安倍首相関係ないだろう、潰したのはTBS」「TBS記者時代の事件なんだから、TBSが警察に圧力をかけて捜査を潰したのでは」とわめいている。
 たしかに山口氏はTBS在職中にその職権をちらつかせて女性と会っており、TBSに説明責任があることは言うまでもない。しかし、TBSが捜査をつぶしたというのはあまりにも「あり得ない」話だ。
 たしかに、テレビ局や新聞社の社員が起こした事件を握り潰すということが昔は横行していたが、それは過去のもの。メディアが直接的な警察批判に踏み込むようになったここ20年あまりは、警察はマスコミ関係者の事件に甘くないし、むしろ積極的に情報を流しているほど。
 現に、ここ10年でもNHKのアナウンサーや放送技術局制作技術センターの職員、日本テレビの『恋のから騒ぎ』プロデューサー、テレ朝のコンテンツビジネス局社員らの強制わいせつ罪や、フジテレビ営業局社員の女性宅住居侵入など、NHKと民放キー局社員が逮捕されたニュースは数え切れないほどある。
 また、山口氏が所属していたTBSにいたっては、1999年に報道制作局長が痴漢行為で現行犯逮捕されたのをはじめ、報道局社会部記者が住居に侵入して入浴中の女性を盗撮した事件や、さらに別の社員も痴漢で捕まるなど逮捕が相次いだ。よもや、TBSが警察から出ている逮捕状にストップをかける力などもっていない。
 むしろ、所轄が逮捕寸前に警視庁刑事部長が指揮して逮捕を潰し、その後、不起訴にもっていった今回の経緯は、よほど大きな力がなければ成し得ないものだ。
 そして、前述したように「菅官房長官の片腕」として知られる当時の警視庁刑事部長・中村格氏本人が、逮捕をストップさせたことを言明しているのだ。さらには、山口氏が今回の報道を「安倍首相の右腕」たる北村内閣情報官に相談していたと思われる“誤爆メール”の存在も明らかになっている。捜査潰しに関与していたのは、明らかに官邸なのである。
 ところが前述したように、ほとんどのマスコミはこの「官邸による捜査潰し」疑惑を避けている。それどころか、TBSのせいだなどという的外れな陰謀論が跋扈し、官邸の介入により捜査がつぶされたという重大疑惑が隠蔽されようとしている。
 共謀罪で権力に都合の悪い人間を恣意的に検挙できるようになる一方、政権に近い人間であればレイプをしても逮捕されない。まさに、法治国家の根幹を揺るがす事態が進行している。メディアと野党はこの問題を徹底的に追及しなければならない。(編集部)


元TBS支局長の「レイプ事件」を闇に葬るメディアの大罪
「知り得ない力があった」――。29日、安倍首相と昵懇の元TBSワシントン支局長、山口敬之氏(51)に「レイプされた」と訴えたジャーナリストの詩織さん(28)。報道陣に素顔を明らかにして会見した勇気に心から敬服する思いだ。詩織さんが訴えたように、首相と「近しい関係」というだけで司法がゆがめられたのであれば、重大犯罪と言っていい。報道機関であれば、絶対取り上げるべき事件なのに、なぜか、30日の大手紙はダンマリだった。
 30日の朝刊各紙を見ると、比較的大きく取り上げたのは東京新聞だけ。毎日、産経、日経は数行のベタ記事扱い。朝日、読売に至っては一行も触れていなかった。
 朝日、読売両紙に未掲載の理由を問うと、「会見は取材した。その後も取材は継続しています」(朝日広報部)、「取材や編集の経緯は従来お答えしていない」(読売広報部)と回答したが、成人女性が司法記者クラブで素顔を見せて告発したのだ。裏付け取材が必要なのは理解できるが、当時の捜査状況は所轄に確認すればすぐに分かるはずだ。むしろ、これほどの重大案件の裏付け取材にモタついて翌朝の朝刊紙面に入れられないような記者であれば、無能と言われても仕方ない。
■柔道の内柴は「懲役5年」の実刑判決
 山口氏は被害女性との間のメールで、酩酊中に性行為に及んだことを認めている。アテネ、北京両五輪の柔道金メダリスト、内柴正人のケースとほとんど同じと言っていい。内柴も泥酔状態の教え子に乱暴したとして準強姦罪で逮捕され、14年に最高裁で懲役5年の実刑判決が確定している。メディア各社は内柴の逮捕前から、疑惑を大々的に報道していたではないか。ジャーナリストの青木理氏はこう言う。
「不起訴になった事件で、書きにくいというのはわかります。ただ、詩織さんの証言によれば、警視庁の刑事部長が口を挟んで、直前に逮捕を取りやめたという。また、山口氏が北村滋内閣情報官に相談したとみられるメールが誤って新潮社に送られたことも明らかになっている。不透明な警察権力が行使された蓋然性が高いと思います。勘のいいサツ回りの記者なら、うすうす真相は気付いていると思います。警察への遠慮があるのでしょうが、メディアはもっと取材をして、報じるべきでしょう」
 山口氏はフェイスブックで反論しているため、真意は分からないが、被害女性の会見後、こう書き込んでいる。
〈不起訴処分はすでに昨年7月に全ての関係者に伝えられています。私はこの結論を得て、本格的な記者活動を開始しました〉
 しかし、山口氏は不起訴決定が出る前に安倍首相をモデルにした「総理」(初版16年6月9日)を出版している。つまり、不起訴処分が出る前に本格活動を始めているわけで、ツジツマが合わない。“第2の内柴事件”と言われ始めた問題が、闇に葬りさられることがあってはならない。


「日本ではメディアに政府から圧力」国連特別報告者勧告
国連の人権理事会の特別報告者が、日本での表現の自由についての報告書をまとめ、法律を改正してメディアの独立性を強化すべきだなどと勧告しましたが、日本政府は事実の誤認があるなどとして、報告書の内容を見直すよう求めています。
国連の人権理事会は外部の専門家を特別報告者に任命していて、表現の自由を担当するカリフォルニア大学教授のデービッド・ケイ氏が30日、日本の表現の自由についての調査結果をまとめた報告書を公表しました。
この中で、ケイ氏は「日本ではメディアに対し、政府当局者からの直接的、間接的な圧力がある」などとしたうえで、日本の民主主義をさらに強化するためだとして、6つの分野で勧告をしています。
この中では、「メディアの独立性を強化するため、政府が干渉できないよう法律を改正すべきだ」として、放送法を一部見直すことなどを求めたほか、「慰安婦問題などでは、歴史の自由な解釈が行われるよう、政府が教科書の内容などに干渉するのを慎むべきだ」としています。
また、特定秘密保護法については、「安全保障の支障とならないかぎり、公共の利益にかなう情報を広めた人が処罰されないよう、新たな規定を盛り込むべきだ」としています。
これに対し、日本政府は「事実の誤認や不確かな情報に基づいて勧告している」などとして、報告書の内容を見直すよう求める文書を人権理事会に提出しました。
この報告書については、来月12日にスイスのジュネーブで開かれる人権理事会の会合で議論されます。


河野元衆院議長 憲法改正 全く同意できず
河野元衆議院議長は、東京都内で講演し、安倍総理大臣が憲法を改正して2020年の施行を目指す意向を示したことについて、「現実を憲法に合わせる努力をするのが先だ」と述べ、憲法改正には反対だという考えを示しました。
この中で、河野元衆議院議長は、安倍総理大臣が憲法を改正して2020年の施行を目指す意向を示したことについて、「憲法を現実に合わせて変えていくのではなく、現実を憲法に合わせる努力をするのが先だ。憲法改正には全く同意できない」と述べ、憲法改正には反対だという考えを示しました。
また、河野氏は安倍総理大臣が憲法9条を改正して、自衛隊の存在の明記を目指す考えを示していることについても、「理解のしようがない。9条は触るべきではなく、このままでいい。自衛隊を軍隊と言うべきとか、憲法に書き込むべきだという意見があるが間違っている」と述べました。
そして河野氏は「現行憲法を『借り物だ』と非難するのではなく、その憲法で70年も平和な日本を作り上げてきた。日本人はそしゃくして使っており、現行憲法は大事にすべきものだ」と述べました。


「辺野古」で国提訴へ 堂々と県の立場主張せよ
 法的な疑義を残したまま、沖縄の民意に反する工事を強行する国の不当性を追及する場となる。堂々と県の立場を主張してほしい。
 名護市辺野古での新基地建設工事で岩礁破砕許可を得ないまま作業を進める国に対し、県は7月にも工事差し止め訴訟を起こす。県議会6月定例会に、訴訟費用に関する議案を提出する。
 翁長雄志知事は「あらゆる手段を使い、辺野古新基地建設を阻止する」と言明してきた。その一手としての国提訴であり、支持したい。
 訴訟では名護市漁業協同組合による漁業権の一部放棄後、県に対する岩礁破砕許可の再申請が必要か否かが争点となる。
 国の立場は、岩礁破砕許可の前提となる漁業権が消滅したため、再申請の必要はないというものだ。1988年の仙台高裁判決を論拠としている。しかし、正反対の判決も出ており、判例は確定したとは言い難い。
 県の立場は、名護市漁協が放棄した漁業権はキャンプ・シュワブ周辺の一部であり、法的には「一部放棄による漁場の縮小」という「変更」に当たるため岩礁破砕許可の再申請は必要と主張してきた。
 県は仲井真弘多前知事の埋め立て承認書の規定を踏まえ、本体工事前の事前協議を求めたが、国は協議打ち切りを県に通告した。漁業権を巡る国と県の主張は対立したままだ。
 仲井真前知事が国に出した岩礁破砕許可の期限は3月末で切れている。それにもかかわらず、国は工事を強行した。沖縄側からすれば、岩礁破砕許可の免許を更新しないまま無許可で工事を強行し、辺野古の貴重な海を破壊していることになる。
 漁業権放棄と岩礁破砕許可を巡る法的対立がある以上、国は少なくとも県が求める事前協議に応じるべきであった。現在の沖縄に対する国の態度は、民主主義や地方自治の精神にもとる「問答無用」というべきものだ。
 辺野古新基地問題に絡んで、国は事あるごとに「法治国家」という言葉を用いて新基地建設を正当化してきた。しかし、法を逸脱する行為を繰り返してきたのは国の方だ。
 法廷ではこのような国の姿勢が厳しく問われるべきだ。提訴に向け、県は論理構築を急いでほしい。さらには埋め立て承認の撤回にも踏み込むべきだ。

ベルトで恥ずかしい・・・/キソキソあまりQがなくて/リッダから45年

ブログネタ
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Décès de la Japonaise qui avait annoncé le bombardement atomique d’Hiroshima
Yoshie Oka, qui avait informé l’armée japonaise du bombardement nucléaire d’Hiroshima, est morte à l’âge de 87 ans d’un cancer.
La chaîne NHK a affirmé que Yoshie Oka, la femme qui avait annoncé les bombardements d'Hiroshima et Nagasaki aux autorités japonaises, est décédé.
La Japonaise, qui souffrait d'un lymphome, est morte le 19 mai, à l'âge de 87 ans, mais le monde ne l'a appris qu'aujourd'hui.
Alors qu'elle était une jeune fille de 14 ans, elle aidait l'armée japonaise en tant qu'agent de liaison. En 1945, Yoshie Oka a contacté l'armée de l'empereur et a indiqué que ≪ Hiroshima a été détruit par une bombe d'un nouveau type ≫.
Nagasaki et Hiroshima ont subi un bombardement atomique de la part des États-Unis en aout 1945. L'utilisation de cette arme, fruit du Projet Manhattan, mené dans le plus grand secret pendant des années, allait sonner la capitulation du Japon et la fin de la Seconde Guerre mondiale.
Ses conséquences ont été catastrophiques: les villes ont été presque entièrement détruites. Plus de 70 000 habitants ont été tués sur le coup à Nagasaki et de 140 000 à Hiroshima. Une centaine de milliers d'autres sont morts des suites des radiations.
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金子勝‏@masaru_kaneko
【口利きデンデン首相2】和泉洋人首相補佐官が昨年、前川前事務次官を数回にわたり官邸に呼び、国家戦略特区制度による獣医学部新設の手続きを促していた。政府関係者が明らかにした。前川氏は学校法人加計学園が前提と受け止めたという。証人喚問を。
有田芳生‏@aritayoshifu
毎日新聞、東京新聞も報じていますが、1面トップ記事にしたのは朝日新聞だけ。都合の悪いことは「記録が残っておらず確認できません」と和泉洋人首相補佐官。記者から法務委員会で加計学園を総理に聞くかと問われました。おそらく小川敏夫さんが追及するでしょう。わたしは共謀罪に絞ります。
前原誠司@Maehara2016
著名なジャーナリストにレイプされたと、ある女性が実名と顔を公表して、検察審査会に不服申立てを行いました。相当な覚悟と勇気が必要だったと思います。真相は今後、明らかにされなければなりませんが、仮になんらかの圧力で逮捕も起訴もされなかったとすれば、大変由々しき問題です。→続
続→立法府にいる者は法律を作り、法を守る責務があります。ましてや法を曲げたり、犯罪を揉み消してはなりません。法治国家の生命線が崩れます。大統領とロシアの関係をFBIが独立性を持って調べているアメリカと同様、国家の正統性が問われます。(誠)


ベルトが裏返っていたみたいで,男子がこっそりとおしえてくれました.恥ずかしい・・・
夕方のキソキソではあまりQがありませんでした.少し楽だけど一方でちょっと寂しい感じも.
5月30日はリッダ闘争の日.45年前のオリオンの3つの星を考えたいと思いました.

<金華山>クライミング人気が復興後押し
 東日本大震災で被災した石巻市の離島・金華山が岩場の魅力と景観で、国内外のクライミング愛好家の人気を得ている。スポーツクライミングが2020年東京五輪の正式種目に決まり、競技への注目度もアップ。震災で落ち込んだ金華山観光の復興に向け、一筋の光明となっている。
 愛好家らでつくるNPO法人「ファースト・アッセント・ジャパン」(FAJ、仙台市)は13年から、クライミングなどで島の復興を目指す「宝島プロジェクト」を展開。土砂の除去や岩場のアプローチルートの調査、普及イベントに取り組んでいる。現在は島内8カ所にスポットがある。
 全域が山になっている島で、体だけで登るボルダリングや、岩を傷つけずにロープを張って登る「トラッド・ギア」の愛好者の案内にも力を入れている。地道な活動が浸透し、今月上旬のイベントには全国から56人が参加。応募開始2日で定員を超えたという。
 米国のアウトドアブランド「ザ・ノース・フェイス」などが制作した金華山でのクライミング動画も島の認知度を高める契機になった。国内外の著名なクライマーが岩場を攻略する映像を動画サイト「ユーチューブ」で公開している。
 米国出身のエリック・シックスさん(36)=東京都目黒区=も動画を見て22日に金華山を訪れ「素晴らしい岩場だ」と絶賛した。外国人向けガイド会社を設立予定のギント・アトキンソンさん(48)=茨城県つくば市=は「美しい景観に加え、神社がある。日本文化にも触れられ、外国人に好まれるだろう」と話す。
 スポーツクライミングの競技人口は五輪種目の追加決定で増加傾向にある。日本山岳・スポーツクライミング協会(東京)によると、今年3月時点の全国のジム数は約480カ所で、5年間で約2倍に増えた。愛好者は60万人と推計される。
 神奈川県逗子市から金華山を訪れた愛好家の石田哲也さん(58)は「関東近郊などのスポットはクライマーでいっぱい。誰もいない場所で登れるのはありがたい」と言う。
 FAJのむらかみみちこ理事長(46)=仙台市青葉区=は「以前は観光客でにぎわっていた金華山は、震災後すっかりさみしくなった。ボルダリングなどを通じて金華山ファンを増やしたい」と意気込む。
 金華山でのクライミングの連絡先はFAJ080(5578)2978。


<東松島市>企業版ふるさと納税積極活用
 東日本大震災で被災した東松島市が観光振興や子育て支援の事業に「企業版ふるさと納税」を積極的に活用している。2016年度は被災地支援やCSR(企業の社会的責任)活動をする7社から計610万円の寄付があった。市の担当者は「企業からの支援を事業に有意義に生かしたい」と感謝する。
 市は16〜19年度、「観光地域づくりプロジェクト」(総事業費1億6000万円)と「子ども・子育て応援プロジェクト」(同1070万円)を実施する。事業費は企業版ふるさと納税や一般財源で賄う。
 16年度の寄付は、観光プロジェクトにKDDIエボルバ(東京)、武田薬品工業(同)など6社から計560万円、子育て応援プロジェクトにドイツの自動車部品メーカー・ボッシュの関連会社から50万円。観光地の宮戸島に外国語併記の案内板を設置したり、子育て支援施設に遊具を補充したりして役立てた。
 市幹部らが、同制度をPRしようと東京都や仙台市で企業訪問を展開。阿部秀保前市長も来訪者に呼び掛けるなど力を入れ、一定の成果につながったとみられる。
 本年度は、観光では復興まちづくりや防災を学ぶツアーのルート作りや、同市野蒜地区の「震災メモリアルパーク」の環境整備に取り組む。子育て応援では、市内の施設に滑り台や親子が触れ合う空間を設ける。
 「復興のトップランナー」と称される同市には、視察研修などで国内外から訪れる人が絶えない。震災の影響で子どもの遊び場が減るなどの課題を抱える。
 武田薬品工業の吹田博史企業市民活動・寄付担当部長は「20年には東京五輪があり、海外から多くの観戦者らが来日する。東松島市にもアクセスし、復興の状況を見てほしい」と望む。
 市地方創生推進室の担当者は「企業版ふるさと納税は市と企業の双方にメリットがある制度」と協力を呼び掛け、渥美巌市長は「市は人口減少対策などの問題も抱える。企業の寄付に感謝し、復興にさらに力を入れる」と話す。
 [企業版ふるさと納税]2016年度に創設された制度。国が認定した地方創生のプロジェクトに対して企業が寄付した場合、法人住民税や法人税などの税額控除により、3割分の税負担を軽減する。この制度のほかに、税負担が寄付額の約3割減る仕組みがあり、これと合わせると、実質的な企業の持ち出しは寄付額の約4割となる。


段ボール製AT−ACT 女川に帰還
 映画「ローグ・ワン スターウォーズ・ストーリー」に登場する歩行型輸送機「AT−ACT」を強化段ボールで再現したオブジェが、女川町の町まちなか交流館に展示されている。東日本大震災からの復興途上の町に集客の仕掛けを作ろうと、町内の事業者らが東京で展示されたオブジェを「帰還」させた。
 町中心部の商業施設「シーパルピア女川」に店舗を構え、段ボール製のスーパーカー「ダンボルギーニ」で知られる梱包(こんぽう)資材会社、今野梱包(石巻市)が製作。昨年12月に東京であった映画イベントに合わせ、ウォルト・ディズニー・ジャパンの依頼を受けて約1カ月半で仕上げた。
 作品は高さ5メートル、幅2.1メートル、長さ5.2メートル。CGモデリングデータなどを参考に細部まで精巧に作り込んだ。今野梱包の今野英樹社長(44)は「こうした取り組みが実現できる環境が地元にあると多くの人に伝えたい」と話す。
 展示は7月末までの予定。休館日(原則第2、第4火曜)は観覧できない。連絡先は女川みらい創造0225(24)8118。


<CSRの陰>利益優先 見切り早く
◎トモノミクス 被災地と企業[40]第9部(2)すてる/破談
 東日本大震災からの復興の陰で、冷たいビジネスの論理が被災地を苦しめる。
 震災から約1年後、石巻市役所の市長室。コールセンター運営会社の社長が亀山紘市長と向き合った。
 「震災で大きな被害を受けた石巻市で、雇用創出の役に立ちたい」
 水産業が壊滅的な打撃を受けた同市で、働く場の確保は喫緊の最重要課題だった。亀山市長は「進出に感謝する」と歓迎した。
 同社の動きは速かった。2012年9月に石巻で業務を始め、10月には本社を東京から移転。翌春、地元の水産加工会社7社と連携し、共同通販を始めた。
 自社のノウハウを駆使し、クレジットカード会員に各社の商品のカタログを送り、電話注文を受ける内容。被災後、休業を余儀なくされた水産加工業者は多くの取引先を失っていた。
 「出来上がったカタログは立派で事業への意欲は高かった」。参加した山徳平塚水産の平塚隆一郎社長(57)は、販路回復に期待を寄せた当時を振り返る。
 事業には市の助成金が支給された。被災者就労支援事業を活用し、民間投資促進特区の事業者に認定され、税制優遇も受けた。
 見切りも早かった。
 売り上げは伸びず、半年後、運営会社は手を引いた。共同通販は1年足らずで終わり、石巻市の本社は13年9月で引き払った。
 事業に協力した一般社団法人新興事業創出機構(仙台市)理事長の鷹野秀征(ひでゆき)さん(51)は「こんなに早く撤退するとは思わなかった。想定よりも利益が上がらなくて見限ったのではないか」といぶかる。
 復興支援を掲げた企業が短期間で撤退する事例は引きも切らなかった。コールセンター運営のディオジャパンが東北各地に拠点を開設し、雇い止めや給料の未払いを連発した末に破産したのは、その典型だった。
 企業のエゴにも映る経営判断が、被災地を振り回したこともあった。
 「出店の相談をしたい」
 釜石市商業観光課長の平松福寿(ふくひさ)さん(54)の下に13年春、1本の電話があった。東北に本社がある老舗物販店からだった。
 商業施設の進出に期待は膨らんだ。平松さんは店舗開拓担当部長らと協議を重ね、テナントの場所や広さ、家賃を詰めた。
 翌年春、契約日を決めに訪れた本社。「話はなかったことにして。釜石は商圏として魅力的じゃない」
 役員の言葉に色を失った。破談になった企業進出は幾つかあったが、ここまで一方的に打ち切られたことはなかった。平松さんは「同じ東北の企業なのに悔しかった」と唇をかむ。
 震災を商機と捉え、もうからなければ手を引く。被災者は復興支援という崇高な旗印に疑念を抱いた。CSR(企業の社会的責任)を自覚しない振る舞いは、被災地に深い傷を残した。


震災被害の海岸 砂浜再生へ知恵絞る
 東日本大震災で消失した浪板海岸(岩手県大槌町)と根浜海岸(釜石市)の砂浜の再生可能性を探る検討委員会の初会合が29日、盛岡市であった。検討委は海岸ごとに設置され、県と研究者にそれぞれの地元市町が加わる構成。両検討委は来年2月に結論を出す。
 浪板海岸は、津波と地盤沈下で砂浜約500メートルが消失した。検討委は12月までに海岸線の水深や波浪、海流の状況を調査する。震災前のデータと比較しながら海岸地形が変化したメカニズムや砂浜消失の要因を突き止める。
 再生可能と判断された場合、早ければ2018年度中に工事の詳細設計を行う。
 根浜海岸(約700メートル)は、幅20メートルあった砂浜が10メートル未満まで後退したとみられ、一部は石で覆われた。釜石市がまとめた調査報告書によると、自然回復には360年を要するという。
 検討委は、市の報告書を基に海岸線を追加測量する。着工した場合の環境影響調査も行う。6月の地元関係団体との懇談会で復元する砂浜の範囲などについて意向を確認した後、砂浜の安定が技術的に可能かどうかを判断する。
 市は「19年開催のラグビーワールド杯日本大会までに復活させ、世界の人たちに白砂青松の根浜海岸を見てもらいたい」と語った。


<石巻がれき処理詐欺>元社長に懲役4年
 東日本大震災で発生した石巻市のがれき処理事業を巡り、市の業務委託料を水増ししてだまし取ったとして、仙台地裁は29日、詐欺罪で、同市の建設会社「藤久建設」(破産手続き中)の元社長伊藤秀樹被告(54)=石巻市=に懲役4年(求刑懲役7年)の判決を言い渡した。弁護側は控訴する方針。
 判決は「行政の審査に甘い面があったことは否定できない」としつつ「震災後の混乱につけ込み、虚偽の請求を繰り返した」と指摘。「全国から集まった善意を踏みにじった上、発覚後、偽装工作を図るなど犯行は悪質」と結論付けた。
 弁護側は「単なる請求ミスで、だまし取るつもりはなかった」と無罪を主張していた。
 判決によると、被告は2011年6〜12月、藤久建設が市から委託を受けたがれき処理業務の委託料を水増しして計1億1480万円を請求し、正規の委託料との差額計約5740万円をだまし取った。
 亀山紘市長は「震災の混乱期に乗じて市民を欺いた重大な罪にふさわしい判決となった。破産手続きにおいて一層の真相解明と被害回復が図られることを望む」との談話を出した。


<桃浦カキ問題>新代表決定「体制立て直す」
 宮城県が導入した水産業復興特区制度の適用を受けた桃浦かき生産者合同会社(石巻市)が他地区産のカキを流用した問題で、合同会社は29日、社員総会を開き、後藤建夫代表代行を新たな代表社員に決めた。代表を務めていた大山勝幸氏は問題を受け、辞任した。
 代表社員を含む業務執行役員を全て新任し、従来の4人体制から5人に増員。従来通り、同社の経営を支援する仙台水産(仙台市)からも1人が役員に就いた。仙台水産の担当者は「もう一度体制を立て直し、若い力で頑張っていく」と説明した。
 合同会社は2014、15の両年度、県漁協(石巻市)の共同販売向けに出荷された他地区産のカキを仕入れ、「桃浦かき」の表示で販売。県は今年4月に実施した調査で、違法性は認められないとしたが、ブランド管理の徹底を求めた。


基金残高増で交付税減? 東北から反発の声
 地方自治体の「貯金」に当たる基金の残高が全国的に増加傾向にある状況を背景に、政府内で地方交付税の減額を探る動きが出てきた。財政負担を軽減しようとする国の意図が見え隠れする中、東北各県や仙台市は「地方自治を損なう乱暴な話だ」と反発し、慎重な議論を求めている。
<積み増し図る>
 11日にあった政府の経済財政諮問会議で、民間議員から「潤沢な基金を持つ自治体に地方交付税を配るのは予算の無駄」との意見が上がった。高市早苗総務相は翌12日の会見で、全国の自治体を対象に基金の使途や設置理由を調査する考えを明らかにした。
 全国の自治体が保有する基金の総残高と東北6県、仙台市の状況はグラフの通り。総務省によると、2015年度末の全国累計額は05年度末に比べ10兆円超増えた。使途に自由度がある財政調整基金、使途が決まっている特定目的基金がともに伸びた。
 2000年代、各自治体は当時の小泉純一郎内閣による国と地方の「三位一体改革」で、地方交付税や補助金が減額される憂き目に遭った。基金の取り崩しを余儀なくされた各自治体は支出の切り詰めなど緊縮財政を進め、基金の回復と積み増しを図ってきた。
<「固有の財源」>
 各自治体は「財政運営に余裕がある訳ではない」と主張。基金を標的とする政府の議論を警戒する。
 村井嘉浩宮城県知事は15日の定例記者会見で「交付税はそもそも自治体固有の財源。基金増加を根拠に交付税を減らすのは全くけしからん話だ」と憤慨。青森県財政課も「基金が増えても地方それぞれの財政事情がある」と強調する。
 岩手、宮城、福島3県と仙台市の残高が大幅に増えた背景には、東日本大震災や東京電力福島第1原発事故からの復旧復興に充てる基金の創設がある。震災以外でも緊急雇用創出や介護基盤緊急整備など、国の政策を推進するため国費が原資の基金も少なくない。
 達増拓也岩手県知事は22日の定例記者会見で「基金イコール財政的な余裕、無駄遣いではない」と反論。福島県も「復興事業を進める必要があり、将来的な需要に備えている」と言う。
 一方、秋田、山形両県は10年前に比べ基金は減った。秋田県は「財政基盤は弱く、災害や金利上昇、国の制度変更に備えた基金は必要」と指摘する。吉村美栄子山形県知事も16日の記者会見で「財政は厳しい。17年度末残高は減る見込みだ」と危機感を示した。
 16日に仙台市であった東北市長会でも「あまりに軽薄な議論」(宮下宗一郎むつ市長)と交付税減額に反対する意見が噴出した。定例会見で奥山恵美子仙台市長は「甚だしく乱暴な議論だ」と疑問を呈し、諮問会議の出方を注視する考えを示した。


レイプ被害告発会見に山口敬之が反論、その内容がヒドすぎる! 安倍応援団も詩織さんにセカンドレイプ攻撃
「準強姦疑惑」の“安倍官邸御用ジャーナリスト”・山口敬之氏が、被害女性である詩織さん(28)の記者会見を受け、昨夜、自身のFacebookに「週刊新潮記事に関する会見について」と題する「反論」を投稿した。
 詩織さんは強い決意のもと、顔と本名を明らかにして記者会見にのぞんだのに対し、山口氏はFBに書き込むだけ。森友問題で籠池泰典前理事長が証人喚問を受けた際、昭恵夫人がFBでのみ反論したのと同じで、結局、社会にきちんと説明する気などさらさらないらしい。
 しかもその内容は、またしても詩織さんを貶める“セカンドレイプ”そのものものだった。
 まず山口氏は、〈週刊新潮の私に関する記事の情報提供者であった女性が記者会見を行ったとの事なので、見解を申し述べます〉と、この期に及んで詩織さんをわざと「情報提供者」と呼ぶ。これだけでも、山口氏に誠実さのかけらもないのは明白だが、いったい会見のどこに「反論」したのか見てみると、山口氏は〈法に触れる事は一切していません〉〈不起訴という結論が出ました。よって私は容疑者でも被疑者でもありません〉と前回同様の主張を繰り返しているだけだった。
 そもそも、詩織さんは不起訴が不当だとして訴えているのだから、反論にすらなっていない。そのうえ、山口氏が詩織さんを酩酊状態でホテルに連れ込み、性行為を行ったこと、そして避妊具をつけず膣内射精をしたことは、タクシー運転手の証言やホテルの監視カメラ、事件後の詩織さんと山口氏のメールのやり取りから明らかだ。実際、山口氏も「週刊新潮」(新潮社)の取材でそのことは否定していない。
 準強姦罪は女性の心神喪失・抗拒不能に乗じて姦淫した場合に成立するものであり、こんなたわごとで〈法に触れる事は一切していません〉と言っても、なんの説得力もないだろう。
 だが、山口氏のこのFBでの「反論」がもっと悪質なのは、自己弁護でデタラメを言い募り、厚顔無恥にも“自分ははめられた”と印象付けようとしていることだ。山口氏は「反論」をこう締めくくっている。
〈他方、不起訴処分はすでに昨年7月に全ての関係者に伝えられています。私はこの結論を得て、本格的な記者活動を開始しました。
 当該女性がもし、純粋に不起訴という結論に不満だったなら時をおかず不服申立していたと考えます。なぜ私がメディアに露出するようになってから行動が起こされたのか、なぜ当該女性の主張を一方的に取り上げた週刊誌の報道が先行したのかなど、今後の対応を検討する為に全体状況を理解しようと努力しています。〉
 よくもまあ、こんなデタラメを平気で口にできたものだ。周知の通り、山口氏は『総理』(幻冬舎)という“安倍ヨイショ本”で脚光を浴びたが、その発売日は昨年6月9日。また同日発売の「週刊文春」(文藝春秋)でも「TBSエース記者独立第一弾!」として安倍官邸についての集中連載をスタートさせている。不起訴処分の昨年7月22日よりも1カ月以上前の話であり、つまり、“不起訴を受けて本格的な記者活動を始めた”などという説明からして真っ赤な嘘なのだ。
 また、続く“不服申し立てをするならすぐにやったはず”との言い分にいたっては、悪辣な印象操作と言うほかない。
 検察審査会への不服申し立てに時間がかかったことについては、ホテルの防犯カメラやDNA鑑定、タクシー運転手やベルボーイなどの証言等の証拠申請の準備が必要だったからだと詩織さん自身がきちんと説明している。
 また、詩織さんは「週刊新潮」の記事が出る前々から、警察・検察の判断に疑問をもち、告発の動きを見せていた。実際、当の山口氏じたいが「週刊新潮」に書かれる直前のFBで、〈当該人物側がこの話をスキャンダルとして各種メディアに売り込もうとしていたことは察知していました〉と投稿し、予防線を張っていた。
 性犯罪を被害者自らが告発することのリスクや覚悟を完全にネグり、これを「売り込み」などと表現することじたいが、完全にセカンドレイプだが、いずれにしても、準強姦疑惑報道が山口氏のメディア露出以降になったのは、手続きや媒体側の都合であって、詩織さんの意思とは関係がない。
 山口氏はそれを知っていながら、まるで自分が売れっ子になったから「売名」目的で告発したかのような印象操作、デタラメをふりまいたのだ。
 このように、山口氏の言い分は「反論」になっていないばかりか、さらに詩織さんの尊厳を傷つけるまさにセカンドレイプとしか言いようのないものだ。
 ところが、驚いたことに、安倍応援団やネトウヨはこんな山口氏を擁護し、逆に会見をおこなった詩織さんをバッシングし始めた。家族の希望で苗字を伏せていた詩織さんの苗字を暴き、〈詩織さんはシャツの胸元開け過ぎで説得力ない〉〈同情を逆手に取った売名行為です、女から誘って男がはめられた〉〈証拠を出してもない、女性証言のみで捜査した警察が馬鹿じゃね?〉〈はい、詩織さん、左翼まわしもの確定ですね〉などとわめきはじめたのだ。
 呆れてものも言えない。そもそも、“胸元を開けていたらレイプされても仕方がない”という発想は異常だが、それ以前に、詩織さんは昨日の会見で「胸元開け過ぎ」な服など着用していない。
 また、“詩織さんの証言だけで他の証拠がない”というのも事実ではない。会見で明かされた元捜査員の証言以外にも、ホテルの監視カメラには詩織さんを抱えるように引きずる山口氏の姿が映っており、「週刊新潮」には山口氏が嫌がる詩織さんを無理やりホテルに連れ込んだことを裏付けるタクシー運転手のこんな証言が掲載されている。
「女性は何度か“駅の近くで降ろしてください”と訴えたのですが、男性が“何もしないから。ホテルに行って”と。それで、結局2人をホテルに連れて行ったのですが、到着しても彼女はなかなか降りようとしませんでした。けれど最終的に彼女は体ごと抱えられて、座席から降ろされたのです」(5月18日号)
 さらに、山口氏は事件後、詩織さんのメールに対して、〈あなたを部屋に移してベッドに寝かした〉〈(自分は)別のベッドで寝ました〉あなたは私の寝ていたベッドに入ってきた。(略)あなたのような素敵な女性が半裸でベッドで入ってきて、そういうことになってしまった〉などと言い繕っている。仮に泥酔した女性が半裸でベッドに入ってきたとして、レイプに正当性など微塵もないが、「週刊新潮」が報じたホテル関係者の証言は、山口氏の言い訳メールの矛盾をも暴くものだった。
「客室に2つあったベッドのうち1つしか使われた形跡がなかった。しかも、そのベッドには血痕がついていた」(5月25日号)
 さらに言えば、安倍応援団とネトウヨは、詩織さんが会見で「共謀罪の審議止めろ」と発言したとして〈完全に工作員〉〈共謀罪つぶしのための神輿〉なる虚妄のレッテル貼り、攻撃を仕掛けているが、これも極めて悪質なデマである。
 まず、詩織さんは会見で「共謀罪の審議止めろ」などと一言も言っていない。質問のなかで、今国会で共謀罪の審議が優先されたことで性犯罪の厳罰化法案の成立が後回しされていることについて疑義を呈しただけである。
 無知なネトウヨのために説明しておくが、もともと、この性犯罪の罰則強化と非親告罪化を柱とする刑法改正法案は、自民・公明両与党が今国会での成立を明言してきたものだ。とくに公明党からは刑法改正案を共謀罪よりも先に審議すべきだという意見が出ており、たとえば3月30日には山口那津男代表が安倍首相に対し「(債権規定の見直しなどの)民法改正案と(性犯罪を厳罰化する)刑法改正案を優先して審議すべきだという認識は持っている」と伝えていた。実際、政府は刑法改正案を共謀罪よりも先に国会に提出している。
 ところが、自民党と安倍首相は、今国会での共謀罪成立を最優先とし、4月6日に強引に衆院審議入りさせた。通常、国会では先に提出した法案から優先的に審議するので、これは異例のこと。そして、共謀罪に関連する議論の紛糾もあり、刑法改正法案はどんどん日程がずれ込んでいる状況なのである。
 ようは、ネトウヨたちは安倍首相のオトモダチである山口氏を擁護するためだけに、詩織さんが言ってもないことをでっち上げ、バッシングに明け暮れているのだ。
 何度でも繰り返すが、こうした山口氏の反論未満の言いがかりも、ネトウヨのバッシングも、完全に詩織さんに対するセカンドレイプに他ならない。本来、なすべきことは、性犯罪の卑劣な実態を直視し、そして権力による“もみ消し”の疑惑を徹底追及することだ。詩織さんは昨日の会見でこう語っている。
「私の一番の願いは、今後、同じ思いをする方が出てきてほしくはないということです。このことはあなたにも、ご家族にも友人にも誰にでも、起こりうることです。このまま沈黙し、法律や捜査のシステムを変えないのであれば、私たちはみなこの犯罪を許しているのと同じことではないでしょうか」
 安倍政権を忖度している捜査当局関係者とマスコミ関係者は、この言葉に真摯に向き合うべきだ。(編集部)


元TBS記者の準強姦を訴える女性が検察審査会に申立て…検察の不起訴を覆すには?
2015年4月に元TBS記者のジャーナリスト・山口敬之氏から準強姦被害に遭ったという詩織さん(28)が5月29日、検察の不起訴処分を不服として検察審査会に審査を申し立てた。
裁判所はホームページで、検察審査会について、「20歳以上で選挙権を有する国民の中からくじで選ばれた11人の審査員が、検察官が被疑者を裁判にかけなかったことの良し悪しを審査しています」と説明している。
2016年の検察審査会の受理件数は計2190件で、このうち起訴相当(検察官は事件を起訴すべき)の議決がなされたのは3件(全体の0.1%)だった。
検察審査会の制度はどのようなものなのか。靆臀嗅虔杆郢里吠垢い拭
●検察審査会とは?
「検察審査会制度は、国民から選ばれた11人の検察審査員が検察官の不起訴処分が妥当だったかどうかを審査する制度です。起訴するかどうかは本来、検察官が判断するものですが、そこに国民の良識を反映させるものです。1948年の法施行から、これまで59万人以上の方が検察審査員や補充員に選ばれています」
どういう場合に審査が始まるのか。
「犯罪の被害者や、犯罪を告訴・告発した人から申立てがあったときに審査が始まります。申立てがなくても、新聞記事などをきっかけとして、審査が始まることもあります。
審査した結果、さらに詳しく捜査すべきである(不起訴不当)とする議決や、起訴をすべきである(起訴相当)とする議決があった場合には、検察官は、事件を再検討することとなります。
その起訴相当の議決に対して、検察官が再度不起訴とした場合には、あらためて検察審査会が開かれます。その結果、起訴をすべきであるという議決(起訴議決)があった場合には強制起訴の手続がとられます。これは2009年に施行された改正検察審査会法でできた制度です」
過去にはどのようなケースがあったのか。
「過去の審査件数は17万件にのぼります。有名な事件ですと、水俣病事件、日航ジャンボ機墜落事件、薬害エイズ事件、明石花火大会歩道橋事件、小沢一郎氏の資金管理団体『陸山会』をめぐる事件などがあります。
例えば、陸山会事件では、検察審査会で起訴相当の議決がありましたが、検察が不起訴にしました。このため、再度、検察審査会での起訴議決を経て、小沢一郎氏が2011年に強制起訴されました。ただし、一審、控訴審ともに無罪判決が下され、上告を見送る形で、小沢氏の無罪が確定しました。
検察審査会の審査に基づいて、検察官が再検討した結果、起訴した事件は約1500件あります。中には、懲役10年といった重い刑に処せられたものもあります」
●『精密司法』の一翼を担った検察の不起訴処分を覆すのには限界がある
なぜ、起訴相当の議決は少ないのか。
「まず手続き的な理由があります。
検察審査会法第39条の5によりますと、検察審査会は、審査の後以下の3つの議決を行うことができるとされています。
(1)起訴を相当と認める時は『起訴を相当とする議決』(起訴相当)
(2)公訴を提起しない処分を不当と認める時は『公訴を提起しない処分を不当とする議決』(不起訴不当)
(3)公訴を提起しない処分を相当と認める時は『公訴を提起しない処分を相当とする議決』(不起訴相当)
そして、検察審査会法第27条によりますと、議決は過半数(6人以上)で決するとされているのですが、『起訴相当』とする議決には、同第39条の5により8人以上(3分の2以上)の多数によらなければならないとされているのです。このように手続きが厳格であることが『起訴相当』議決が少ない理由の一つといえます。
つぎに実体的な理由です。
ご案内のとおり、わが国における刑事事件の有罪率は99.9%を超えます。その理由は、起訴する段階において検察官が証拠を精査したうえで公判を維持できないと判断した場合には不起訴処分にしているからです。すなわち、検察官が不起訴処分とした事案については、たとえ起訴したとしても無罪判決が下される可能性が極めて高いわけです。
このようにかつては『精密司法』の一翼を担った検察官の不起訴処分という終局判断に対しては、一般国民の良識を反映させるとしても、なかなか『起訴相当』議決を下すことは難しく、自ずと限界があるといえます」


野党、前川 ネットで話す覚悟あるか
 ★G7も終わり政界は参院の共謀罪審議に戻るが、首相・安倍晋三には野党が攻勢を強める加計学園便宜供与疑惑が残る。どんなことでも家来のように言うことを聞く、人事をちらつかせれば官僚はおとなしくなるという手法を身に付けた官邸にとっては誤算だったかも知れないが、まだまだ骨太の官僚はいたという誤算は国民にとっては朗報だろう。 ★財務省が官邸と対立し、経産省と蜜月を築けば、今まではそれに反発したものだが、今では財務省が真っ先に尻尾を振った。財務省が官邸の軍門に下れば他省庁など怖くないというのが官邸の読みだったろうが、文科省が反撃ののろしを上げたわけだ。だが官邸は文科省全体が前文科事務次官・前川喜平に続くとも思っていない。メディアは文科省内部の前川批判をクローズアップして、前川を孤立させようとしている。それは功を奏すかもしれないが、野党は手をこまねいていてはいけない。 ★これは権力の運用の問題で、民進党代表・蓮舫が「当時、文科省事務方のトップだった前川さんは“総理のご意向メモ”は本物だと言った。どちらかがウソをついている」としているが、「首相をやり込めたい」程度の思いなら手を引くべきだ。ただ、前川の国会への出頭が自民党国対委員長・竹下亘の「政治の本質でない」のならば、民進党はじめ野党の持つネット番組に前川を呼んで、どんどん話を聞いていけばいい。その覚悟が野党や前川にあるならば、だ。 ★首相が窮地に陥ると北朝鮮が揺さぶりをかけるタイミングが続く。政界では「北朝鮮は安倍支持」との冗談も飛び交うが、政界関係者が言う。「官邸は連日の北朝鮮のミサイル実験で日米は新たな展開を想定しているのではないか。無論、軍事作戦含みだ」。官邸も延命に必死だ。

加計学園問題 政府は説明責任を果たせ
 国家戦略特区制度に基づく学校法人加計学園(岡山市)の獣医学部新設計画を巡り、「総理の意向」などと書かれた文部科学省が作成したとみられる文書が明らかになった問題で、同省の前事務次官だった前川喜平氏が文書を本物と認める会見を行った。
 政府はこれまで「省内調査で文書の存在は確認できなかった」とし、制度を担当する内閣府などの関係者も内容を否定している。前川氏は「薄弱な根拠で規制緩和が行われた」と国の対応も批判した。
 前川氏は今年1月、文科省が組織ぐるみで行っていた天下り問題の責任を取り、辞職した人物である。「政権への腹いせだ」と批判する声もあるが、計画に携わった事務方トップの発言は重い。政府は深まる疑念に説明を尽くす必要がある。
 獣医学部は愛媛県今治市で新設を目指している。学部の設置は日本獣医師会などが充足率の高さから反対し、文科省も「質の確保」を理由に認めてこなかった。市や県は2007年以降、構造改革特区での新設を繰り返し申請したが、却下され続けている。
 ところが安倍政権になって一転、15年6月の「日本再興戦略」に学部の新設検討が盛り込まれ、国家戦略特区に決定。政府は今年1月、今治市での新設計画を認定し、加計学園が事業者に選ばれた。
 そうした経緯の中で、特区制度の公平、公正性がゆがめられたのではないか、というのが問題の核心だ。安倍晋三首相の友人が加計学園の理事長を務めていることから、首相の関与や、官僚が首相の意向を推し量る「忖度(そんたく)」をした可能性が指摘されている。
 民進党など野党は前川氏の証人喚問を要求している。与党は拒否し、文書の再調査も行わない方針だが、それでいいのだろうか。やましいことがないのなら、政府はもう一度きちんと事実関係を確認していくべきではないか。
 国家戦略特区は安倍政権の成長戦略の柱で、大胆な規制緩和により経済の活性化を目指す制度である。分厚い「岩盤規制」に穴を開けるため、関係省庁や業界が反対するケースは多い。地域が自ら提案する構造改革特区と違い、国がトップダウンで決める。
 政権の意向という、いわゆる「政治主導」が、官僚と対立する構図は容易に想像できるが、ただそこには、規制緩和の明白な根拠がなければならないのは当然だ。
 総数は不足していないとされる獣医師だが、地域や診療分野で偏りがあるとの声はある。四国では初めての獣医学部でもある。そうした点も含め、決定の妥当性を国会の場で明らかにしてもらいたい。
 菅義偉官房長官は文書について「怪文書だ」と切って捨て、前川氏に対しては「批判にさらされて辞任した人だ」と述べた。だが否定を繰り返すだけでは政権のおごりととられても仕方あるまい。誠実な対応を求めたい。


安倍官邸が醜聞探しに躍起 前川前文科次官“口封じ逮捕”も
「正義の告発」の結末はどうなるのか。安倍首相の「腹心の友」、加計孝太郎氏が理事長を務める「加計学園」が愛媛・今治市に新設中の獣医学部をめぐり、文科省内で作成された「総理のご意向」文書の存在を認めた上、「公平公正であるべき行政のあり方が歪められた」と指摘した前文科次官の前川喜平氏。安倍官邸は表向き「退職者の発言」などとトボケて平静を装っているが、水面下では大激怒。前川氏を“口封じ逮捕”するための醜聞探しに躍起になっているという。
「前川さんがパクられたら、どうするの? 犯罪者の言い分をタレ流したことになるよ」
 こんな恫喝まがいのセリフを記者にチラつかせながら、「前川告発」の報道を牽制しているという安倍官邸。幹部らは、前川氏が複数のメディアをハシゴし、「ねじ曲げ行政」が常態化した霞が関の現状を憂えている様子が許せないらしい。
「前川さんは加計学園の獣医学部新設をめぐる経緯の全てを知っている最重要人物。官邸が恐れているのは、この先も新たな文書が次々と報道機関にリークされ、そのたびに前川さんが『間違いない』とお墨付きを与える展開。そこで出会い系バー報道を“仕掛けた”わけですが、不発に終わった。となると、いよいよ打つ手は“口封じ逮捕”しかない、といわれているのです」(司法記者)
■ガサ入れリークで社会的に抹殺も
 逮捕理由に挙がっているのが、公務員時代に知り得た情報を外部に漏らした「守秘義務違反」(国家公務員法違反)、文書を外部に持ち出した「窃盗」のほか、保護者の同意や正当な理由なく、深夜に青少年を連れ出してはならない――とする都の青少年保護育成条例違反だ。果たして口封じ逮捕はあるのか。
「前川氏は報道されている文書の中身について認めているだけであって、自分が流出したことを認めたり、新たな秘密を明かしたりしたわけではない。従って守秘義務違反を問うのは難しいと思います。可能性としてあり得るのは、都の青少年保護育成条例違反によるガサ入れ(家宅捜索)。たとえ証拠が見つからず、逮捕できなくても、御用メディアが大々的に報じるでしょうから、その“効果”は大きい。あっという間に社会的に抹殺されてしまいます」(元検事の落合洋司弁護士)
 まるで日米の沖縄返還協定の密約をスッパ抜き、その後、機密情報を漏洩したとして国家公務員法違反で逮捕、起訴された毎日新聞の西山太吉記者をめぐる「西山事件」とソックリだ。この時も、西山記者と外務省女性事務官との関係ばかり取り沙汰され、密約という本質は闇に葬り去られてしまった。片棒を担いだのはメディアだ。検察の裏金を告発しようとして突然、逮捕、起訴された元大阪高検公安部長の三井環氏はこう言う。
「今の安倍政権は何でもやる。ヘタをすると自分の時と同じように前川氏も口封じ目的で逮捕されかねません」
 将軍様の国と変わらなくなってきた。


前文科次官に早期対応要請か 首相補佐官「総理の代わり」
 安倍晋三首相の友人が理事長を務める学校法人「加計学園」の獣医学部新設計画に関連し、前川喜平前文部科学事務次官は30日、和泉洋人首相補佐官から昨年9月上旬、国家戦略特区制度による獣医学部新設の手続きを促されたとのコメントを公表した。「総理は自分の口からは言えないから、私が代わりに言う」との趣旨の発言があったとも明らかにした。前川氏は同学園の選定が前提と受け止めたとみられ、野党は首相の意向が背景にあったとみて政権追及の姿勢を強める構えだ。
 前川氏は代理人弁護士を通じて出したコメントで「首相官邸の補佐官執務室で、対応を早くしてほしいと求められた」とした。


女性告発に官邸激震 “忖度捜査”で「レイプ被害潰された」
 29日、元TBS記者でフリージャーナリストの山口敬之氏(51)に「レイプされた」と主張するジャーナリストの詩織さん(28)が、東京・霞が関の司法記者クラブで記者会見した。山口氏を不起訴処分とした東京地検の判断を不服として、検察審査会に審査を申し立てたことを明らかにした。
 山口氏は安倍政権の内幕をつづった「総理」(幻冬舎)などの著者。著書の中で、安倍首相と登山やゴルフに興じる昵懇の仲であることを明かしている。詩織さんは会見で時折涙ぐみながら、「山口氏が権力側で大きな声で発信し続けている姿を見たときは、胸が締め付けられた」と吐き出すように語り、日本の捜査のあり方に対して不信感をあらわにした。
 詩織さんが配布した資料などによると、“事件”のあらましはこうだ。
 15年4月、詩織さんは当時TBSワシントン支局長だった山口氏と都内で食事をした後に突然記憶をなくした。翌朝、目覚めると裸にされた詩織さんの上に山口氏がまたがっており、「自分の意思に反して性行為が行われた」という。その後、詩織さんは警視庁に被害届を提出。高輪署がこれを受理し、同年6月8日、逮捕状を手にした捜査員が成田空港で帰国する山口氏を、準強姦罪容疑で逮捕するため待ち構えていた。ところが、土壇場になって逮捕が見送られたという。その直後、「上からの指示があり逮捕できなかった」と捜査員から詩織さんに連絡があったという。
 山口氏は同年8月26日に書類送検されたが、昨年7月、東京地検は最終的に嫌疑不十分で不起訴とした――。
 詩織さんは会見で、「驚くべきことに、当時の警視庁刑事部長が逮捕の取りやめを指示したと聞いた」「私の知り得ない立場からの力を感じた」と訴えた。あくまで一方的な主張ではあるが、彼女は顔と名前をさらしている。相当な覚悟を持って会見に臨んだのは間違いなさそうだ。
■忖度で逮捕状を握りつぶしたなら重大問題
 それにしても、逮捕状を握り潰した“当時の警視庁刑事部長”とは誰か。この件を最初に報じた「週刊新潮」によると、第2次安倍政権発足時、菅官房長官の秘書官を務め、政権中枢に近いとされる中村格・警察庁組織犯罪対策部長のことらしい。だが、今の日本においてそんな“超法規的措置”みたいなことが可能なのか。元大阪高検公安部長の三井環氏がこう言う。
「準強姦事件の逮捕は警察署の署長の判断で行われます。そこに警視庁の刑事部長が口を挟んで待ったをかけたのなら異例中の異例だし、あってはならないことです。女性が会見で述べたことが事実だとしたら、公平公正であるべき日本の司法が歪められたことになる。もっとも、同様のことは、加計学園の獣医学部をめぐる問題に異を唱え、会見した前川喜平前文科次官に降りかかったスキャンダルを見ていても感じます。警察当局にしか集められないような醜聞情報が、政権に近いとされるメディアにリークされた。官邸が捜査機関を手駒のように恣意的に利用しているとしたら問題だし、捜査機関が官邸の意向を“忖度”して動いているとしたらさらに大問題です。この状況下で共謀罪成立なんて絶対に許されません」
 山口氏は自身のフェイスブックで、〈私は法に触れることは一切していません。一昨年の6月以降当局の調査に誠心誠意対応しました。当該女性が今回会見で主張した論点も含め、1年4カ月にわたる証拠に基づいた精密な調査が行われ、結果として不起訴という結論が出ました。よって私は容疑者でもありません〉と反論している。
 29日、日刊ゲンダイは改めて山口氏の言い分を聞こうと都内の事務所を訪れ、チャイムを2回鳴らしたが反応ナシ。携帯電話にも連絡したが、国際電話時の呼び出し音が聞こえたまま山口氏が電話に出ることはなかった。
 山口氏にジャーナリストとしての良心があるならば、ぜひ、“捜査の内幕”を暴いて欲しいものだ。


「天皇が安倍政権の生前退位への対応に不満」報道はやはり事実だった! 宮内庁が毎日新聞に抗議できない理由
 今月19日、政府が「生前退位」を今上天皇の“一代限り”で認める特例法案を閣議決定してから、わずか2日後、毎日新聞朝刊が21日付1面で衝撃のスクープを報じた。
「有識者会議での『祈るだけでよい』 陛下 公務否定に衝撃 『一代限り』に不満」
 内容は、今上天皇が、生前退位をめぐる有識者会議で「保守派」のヒアリング対象者から出た「天皇は祈っているだけでよい」などの意見に対し、「ヒアリングで批判をされたことがショックだった」との〈強い不満〉を表していたと伝えるもの。しかも、この今上天皇の考えは、〈宮内庁側の関係者を通じて首相官邸に伝えられた〉という。
 さらに記事によれば、生前退位が恒久法ではなく、「一代限りの特別法」として進められたことに関しても、今上天皇は「一代限りでは自分のわがままと思われるのでよくない。制度化でなければならない」「自分の意志が曲げられるとは思っていなかった」などと語り、今後の天皇においても適用される恒久的制度化の実現を求めたという。
 極めて衝撃的な報道だ。第二次安倍政権で天皇家と官邸の対立が激化していることは本サイトでも報じてきたとおりだが、毎日の報道が事実であれば、これは、今上天皇が安倍政権に対し、決定的とも言える強い怒りと不満を直接示したことになる。
 一方、宮内庁は、当然のように22日の会見で報道を否定した。西村泰彦次長は「天皇陛下のご発言の報道があったが、そうした事実はない」「陛下がお考えを話された事実はない」「宮内庁として内閣に報告していない」「極めて遺憾だ」などと述べ、毎日報道の打ち消しに躍起。これを受け、安倍政権を支持するネット右翼たちはいま、口々にこう叫んでいる。
〈やっぱり毎日新聞のガセだったのか〉〈天皇ってこう言う事を軽々に言えない立場だから毎日新聞のデマと見て良さそうだなこれは〉〈毎日新聞の公務否定報道は偏向どころかフェイクニュース〉〈捏造反日新聞毎日!〉
 だが、結論から言うと、この毎日のスクープは、ガセでもデマでもフェイクニュースでもない。状況を考えれば、かなりの確度で事実と言わざるをえないものだ。
「報道否定」の宮内庁が毎日新聞に「厳重抗議」しない理由は?
 そもそも、皇室記事は日本の大手新聞社にとって最大のタブー。一歩間違えれば、国民から総批判を受け、右翼などによる襲撃の可能性まであるため、相当な確度がないと報道しない。水面下での“天皇の談話”を伝えるものならば、なおさら慎重に慎重を期すのが通例である。
 その点、今回の毎日のストレートな書きぶりを見ると、これはどう考えても、ネタ元によっぽどの自信があるとしか思えない。実際、記事をよく読むと、伝聞風の“天皇の談話”こそ情報源を完全に隠しているものの、記事の後半には「宮内庁幹部」の談として〈(保守系の主張は)陛下の生き方を「全否定する内容」〉とのコメントがあり、〈宮内庁幹部は陛下の不満を当然だとした〉などと続いている。天皇の側近がリークした可能性はかなり高いだろう。
 それだけではない。ネトウヨたちは宮内庁の西村次長が会見で報道を否定したことを理由にデマとかフェイクニュースと決めつけているが、あまりにリテラシーがなさすぎる。
 だいたい、宮内庁が皇室関連のスクープやスキャンダル報道を即座に否定するのは、いわば“お約束”である。事実、昨年7月にNHKが「天皇陛下『生前退位』の意向」をすっぱ抜いたときも、当初、宮内庁はすぐに「報道されたような事実は一切ない」と全否定していた。
 だが周知のとおり、スクープから約1カ月後の8月8日には、例の「おことば」ビデオメッセージが公開。そこで今上天皇は「象徴天皇」の務めを次世代に受け継がせたい思いを強くにじませ、わざわざ「摂政」ではこれは実現できないと述べたうえで、生前退位の恒久的な制度設計を国民に訴えた。NHKのスクープは真実だったのだ。
 実は、7月のNHKのスクープ時、各マスコミの宮内庁担当は後追い報道のため、宮内庁へNHKに対する「抗議」の有無の確認に走っていた。というのも、宮内庁が本気で「事実無根」を主張するときには、必ず報道したメディアに対する厳重抗議を行うからだ。
 宮内庁は常に紙媒体やテレビなどの皇室報道に目を光らせている。そして、報道に異論があれば、ホームページに設けた「皇室関連報道について」なるページにすぐさま文書を掲載、徹底的に反論し、メディアを吊るし上げるのだ。
 一例をあげると、宮内庁は今年に入ってからも、「週刊文春」(文藝春秋)1月21日号に掲載された皇室記事「12月23日天皇誕生日の夜に『お呼び出し』 美智子さまが雅子さまを叱った!」に対して「厳重行為」を行なっている。前述のHPには、疑義を呈する箇所をひとつひとつ挙げ、天皇、皇太子、秋篠宮それぞれに聞き取り調査、反論したうえで、「記事の即時撤回」を求める文書を掲載。「週刊文春」発売日の翌日という、極めて迅速な対応だった。
 ところが、昨年のNHK「生前退位の意向」スクープの際には、いつまでたってもこうした「抗議」の音沙汰がなかった。そして、今回の毎日のスクープも同様に、報道から1週間以上が経過した5月30日11時現在になっても、宮内庁が毎日新聞社に正式に抗議をしたという話も出てこなければ、HPにも抗議文を掲載していない。
 実際、24日午前に宮内庁に「毎日新聞へ抗議の有無」を問い合わせたところ、報道室担当者は、「23日付けの読売新聞と産経新聞に宮内庁の見解が出ておりますので、そちらをご確認ください」との回答のみだった。なぜ行政が国民に対して特定の新聞を読めなどと言うのか、ちょっと首をかしげざるをえない(安倍首相の「読売新聞を読め」を彷彿とさせる)が、それは置くとしても、宮内庁は「抗議」の有無について全く言及しなかったわけだ。なお、23日付読売と産経の記事はともに、前述した宮内庁の西村次長の会見をベタに伝える内容で、やはり「抗議」については一言も触れられていない。
 普段、マスコミに猛烈に「抗議」する宮内庁にしては、今回の毎日新聞スクープへの対応はかなり“思わせぶり”と感じずにはいられない。
「生前退位」の意味を封殺しようとした官邸、天皇の怒りは当然
 だが、そもそもの話、毎日が報じた今上天皇の「怒り」は、この間の安倍政権の対応を振り返れば、至極当然としか言いようがない。その本質を捉えるために、いま一度、今上天皇の「生前退位」と「おことば」を見つめ直す必要がある。
 今上天皇が温めていた生前退位について、宮内庁が安倍官邸に正面から伝えたのは、2015年の秋のことだったという。その時、当時の風岡典之宮内庁長官は、杉田和博官房副長官に「12月23日の陛下の誕生日会見で、お気持ちを表明していただこうと思っています」と伝えたと言われる。しかし、官邸は難色を示した。翌年には参院選が控え、首相の悲願である改憲のスケジュールなども考えると、天皇の退位問題を組み込む余裕はなかったためだ。安倍首相を始めとする保守系政治家たちには、「生前退位」によって天皇の地位や権威が揺らぐのではないかとの懸念もあった。
 その後も、風岡長官と杉田官房副長官らは水面下で交渉を続けたが、官邸は一向に首を縦にふらない。天皇の周辺は焦燥感と危機感を募らせていた。そんななか、昨年7月13日夜、NHKが「天皇陛下『生前退位』の意向」を伝える。この時点で、「おきもち」を示す準備があることも断定的に報じられた。不意を突かれた官邸は激怒した。
 だが、今上天皇が〈個人として〉語った8月8日のビデオメッセージは、「象徴天皇の務め」と「機能」を強調することで、大多数の国民に受け入れられた。
〈天皇の高齢化に伴う対処の仕方が、国事行為や、その象徴としての行為を限りなく縮小していくことには、無理があろうと思われます。また、天皇が未成年であったり、重病などによりその機能を果たし得なくなった場合には、天皇の行為を代行する摂政を置くことも考えられます。しかし、この場合も、天皇が十分にその立場に求められる務めを果たせぬまま、生涯の終わりに至るまで天皇であり続けることに変わりはありません。〉
〈(前略)象徴天皇の務めが常に途切れることなく、安定的に続いていくことをひとえに念じ、ここに私の気持ちをお話しいたしました。国民の理解を得られることを、切に願っています。〉(「おことば」ビデオメッセージより)
 昭和史の研究で知られる保阪正康氏は、「おことば」を「平成の玉音放送」「天皇の人権宣言」と評した。明らかに今上天皇は、「象徴天皇」と自分という人間を区分しながら、国民に語りかけていた。
 この退位の恒久的制度化には、本来、皇室典範の改正が必須だ。しかし、官邸は当初から、手続きに時間がかかり、日本会議などの保守系支持層の反発を免れない典範改正に否定的だった。また、天皇を「元首」に改めようとしている極右勢力から見て、今上天皇が望む「象徴天皇」の安定化は邪魔でしかなかった。官邸は「一代限りの特別法」へ向け、さまざまな策略を巡らせる。
 まず9月には、風岡長官を事実上更迭。次長の山本信一郎氏を長官に繰り上げ、後任次長には警察官僚出身で内閣危機管理監の西村泰彦氏を充てるという“報復人事”を行なった。官邸の危機管理監から直に宮内庁入りするのは異例中の異例だが、これは、いま話題の前川喜平・前文部科学省事務次官に対するスキャンダル謀略でも名前のでてきた杉田和博官房副長官の差配だ。メディアコントロールに長けた警察官僚を宮内庁のナンバー2に送り込んだ官邸の意図は明らかだった。
 首相が設置した有識者会議も、まさに露骨な“出来レース”だった。実際、座長代理の御厨貴・東大名誉教授は昨年末の東京新聞のインタビューで「十月の有識者会議発足の前後で、政府から特別法でという方針は出ていた。政府の会議に呼ばれることは、基本的にはその方向で議論を進めるのだと、個人的には思っていた」と、安倍政権の意向を叶えたと証言している。
今上天皇が創り上げた「象徴天皇」を全否定する「保守派」と安倍政権
 また官邸は、安倍首相のブレーンのひとりとして知られる日本会議系の学者・八木秀次氏に「おことば」の内容を事前漏洩していた。“退位反対”の旗振り役とし、世論を中和させるためだと見られる。
 八木氏は有識者会議のヒアリングメンバーにも選出されたが、そこでも「天皇は我が国の国家元首であり、祭り主として『存在』することに最大の意義がある」などと述べ、今上天皇が国民に語った「象徴」としてのあり方を真っ向から否定した。さらに、安倍首相がねじ込んだと言われる他の保守系メンバーも、次々と“天皇に弓を引く”発言を連発した。
「ご自分で定義された天皇の役割、拡大された役割を絶対的条件にして、それを果たせないから退位したいというのは、ちょっとおかしいのではないか」(平川祐弘東大名誉教授)
「宮中にあっても絶えず祈っておりますぞということで、これが私は天皇の本当のお仕事であって、あとはもうお休みになって宮中の中でお祈りくださるだけで十分なのですと説得すべき方がいらっしゃるべきだった」(故・渡部昇一上智大学名誉教授)
「皇室の存在意義が日本と国民のために祈り続けることにあると私は繰り返し述べました。その最重要のお務めも御体調によっては代理を立ててこられたという事実があります。であれば、国事行為や公務の一部を摂政にお任せになるのに支障はないのではないか」(櫻井よしこ氏)
 だが、言うまでもなく今上天皇の「生前退位」の意向は、わがままでも思いつきでも、ましてや公務が億劫だから放り投げたわけでもない。だいたい、「保守派」の「天皇は宮中にこもり、祈りを捧げ、存在してさえいればよい。公務は不要だ」という主張は、単に、明治期につくられた“万世一系の神話的イメージ”を現代の天皇制に押し付け、今上天皇の「象徴」としてあり方を根本的に否定しようとするものだ。
 しかし、繰り返し強調しておくが、今上天皇は“民主主義と平和主義、皇室の両立”という難題を、「象徴天皇」というかたちで、いかに安定的に引き継がせるかに苦心してきた。「生前退位」の恒久的制度化は、今上天皇にとって、これを実現させるための正念場だったのだ。にもかかわらず、安倍官邸は、数々の“刺客”を送りこみ、天皇への個人攻撃まで行なって、その意味を消散しにかかった。今上天皇が、「ヒアリングで批判をされたことがショックだった」と漏らすもの当然だ。
 周知のとおり今上天皇は、第二次安倍政権で踏み込んだ護憲発言を行っており、2013年に官邸が高円宮久子親王妃を五輪招致活動に利用をした際には「苦渋の決断。天皇皇后両陛下も案じられているのではないか」と官邸を批判した風岡長官を誕生日会見でかばいながら「今後とも憲法を遵守する立場に立って、事に当たっていくつもりです」と皇室の政治利用に釘を刺している。
 そう考えると、今上天皇が述べたとされる「自分の意志が曲げられるとは思っていなかった」というのも、自身の意向が率直に実現しそうにないという現況への不満というより、官邸が「象徴天皇」のあり方を捻じ曲げようとしていることに対する、強い懸念とみるべきだろう。天皇制と民主主義はそもそも矛盾した仕組みだが、その調和のための智慧までを無下にすることはできない。
 いずれにしても、天皇退位の特例法案が国会で可決・施行されるのは時間の問題だ。安倍政権は、2018年末に「平成」を終わらせる日程を描いているという。変わるのははたして元号だけなのか。よくよく考える必要があるだろう。(梶田陽介)


ラジオ出演した前川前文科次官が教育勅語復活についても「政治の力で動いていった」「非常に危険」と批判
「これは私が実際に現職のときに確実に手に取って見たことのある文書ですから、存在している」
 加計学園問題で発覚した文科省の内部文書を「本物」と証言し注目を集める前川喜平・前文科事務次官が、昨日、TBSラジオの『荒川強啓デイ・キャッチ!』に生出演。あらためて「怪文書」説を否定した。
 すでに多くのメディアが伝えているように、今回のラジオ生放送で前川氏は、「この国家戦略特区での獣医学部新設に関わる文書って、もっともっとたくさんあるはずなんです」と言い、番組月曜レギュラーのジャーナリスト・青木理氏から「『総理のご意向』というものを前川さんが役所のトップとして感じていたことは間違いないですよね?」という質問にも「そうですね。少なくとも、言葉では聞いてましたからね」「私はこれは実際に内閣府の然るべき地位の方が語ったことであるということ自体は100%真実だと思っています」と回答。
 また、安倍首相は昨日の参院本会議で「規制改革には抵抗勢力が必ず存在する」「あらゆる岩盤規制に挑戦していく決意だ」などと強弁、恥ずかしげもなく「改革を成し遂げた俺」という物語を捏造したが、この「岩盤規制」という安倍政権側の主張についても、前川氏は「私は岩盤規制という言葉は当たらないと思います」「獣医学部に関してはですね、やはり今後の人材需要っていうものを見通した上で考えなければいけないんで、無制限につくっていくっていう話ではない」と批判。
 他方、菅義偉官房長官は「自身が責任者のときに堂々と言うべきではなかったか」などと前川氏をバッシングしているが、これに対して前川氏は「『これはおかしい』と思っていたんですがね、思っていたのに、やっぱりそれを本当に大きな声で言ったかっていえば、まあ文部科学省のなかで小さな声で言ってたと。結局私自身が乗り出して内閣府と対峙することをやったかっていうと、それはやってないわけです」と内省。「私が力不足、努力不足だったということは認めざるを得ないと思ってます」と話した。
 このように、さまざまな質問に対して率直に語った前川氏だったが、じつはこの生出演では、加計学園問題のみならず、もうひとつ重要な指摘を行っていた。それは、安倍政権の独裁的な権力の濫用に危機感を抱いていたことだ。
 たとえば、青木氏は、前川氏に対して教育行政のトップ官僚として安倍政権の姿勢をどう思っていたのかを質問。前川氏は昨年12月に成立した教育機会確保法を挙げ、「多様な学びの場」をつくっていく動きもあることを語るなど留保しつつも、こんなことを口にした。
「いまの政権のもとでもっていうのはちょっと語弊があるかもしれませんけど、いろんな、教育の分野で言えばいろんな方向での議論はあってですね、それこそ、国民を一色に染めてしまおうというような方向の議論もたしかに強いのは強いです。で、これは恐ろしいことだと思っていますけどね」
 さらに、青木氏は教育勅語についても質問。塚本幼稚園で園児たちに教育勅語を暗唱させていることを2005年に東京新聞が文科省に取材し、その際に文部科学省幼児教育課は「教育勅語を教えるのは適当ではない。教育要領でも園児に勅語を暗唱させることは想定していない」とはっきり回答するなど、文科省は教育勅語に否定的な立場を取ってきた。しかし、青木氏は「教育勅語に対するその文科省の立場っていうのも、まさに在職中の話だと思いますけど、変わっていったっていう印象があるんですけども」と問うと、前川氏はこう答えた。
「変わりました。そこはもう政治の力で少しずつ少しずつスタンスが動いていったということは、私は認めざるを得ないと思います。だからここは、もういっぺん教育勅語っていうものをきちんと見直すっていうことは必要だと思いますね。そのズルズルズルッとですね、教育勅語を暗唱して、その精神を身に付けることが良いことだ、みたいなことになってしまうのは非常に危険だと思ってますね」
 安倍政権によって「国民を一色に染めてしまおう」という議論が強くなった、「政治の力」で文科省のスタンスも動いていった──。この元トップ官僚が語る実感は、極めて重い指摘だろう。
 そして、やはりあらためて感じるのは、安倍政権にとって前川氏のような官僚は、多分に目障りな存在であっただろうことだ。
 本サイトで既報の通り、今年1月に突如もちあがった文科省の天下りあっせん問題で事務次官だった前川氏は引責辞任したが、それ以前の昨年秋の段階から前川氏は“出会い系バー通い”を杉田和博官房副長官に厳重注意されていた。どの省庁でも慣例化している天下りあっせんを、このときの文科省の件に限って官邸はスピーディーに対処し、問題発覚の翌日には官邸幹部が前川氏の責任に言及したが、まさにこれが安倍政権にとって“異分子”だった前川氏への報復だった可能性は高いだろう。
 実際、前川氏は昨日の放送のなかでも、「(政治家への)面従腹背にも限度があってですね、もうこれ以上腹背できないっていうリミットはある」と官僚の矜持を述べる一方、「政権中枢に逆らえない雰囲気が強まってきたっていう印象はもってますね」と語った。
 政権に逆らえない空気が強まるなか、「総理のご意向」というキラーワードを突きつける内閣府に異を唱えた文科省の役人たち。少なくとも「国民全体の奉仕者」という精神が生きているように思えるが、それは前川氏にも感じられるものだ。
 たとえば、前川氏は退任した際に文科省の全職員に送ったメールのなかで〈私たちの職場にも少なからずいるであろうLGBTの当事者、セクシュアル・マイノリティの人たちへの理解と支援〉や〈様々なタイプの少数者の尊厳が重んじられ、多様性が尊重される社会〉の創造を呼びかけ、〈気は優しくて力持ち、そんな文部科学省をつくっていってください〉と締めくくっていた。
 また、「AERA」(朝日新聞出版)2017年6月5日号のインタビューのなかでも、前川氏は「(在職中は)高校無償化や大学の給付型奨学金などに積極的に取り組んだ。私は貧困問題が日本の一番の問題だと思っている」と述べている。
 安倍首相の政策とは相異なる、あまりにも真っ当な見識だ。森友学園問題では政権の言いなりになった財務省の呆れた答弁を見続けてきた後では、このような人物が事務次官というポストに就いていたこと自体が信じられないくらいだ。
 さらに、前川氏は退官後には夜間中学の先生や低所得の子どもの学習支援などのボランティア活動に参加。ボランティア団体やNPOのスタッフたちは、いかに前川氏が熱心に取り組んでいたかをテレビ番組やブログなどで証言しているが、この点もラジオでは話題に。青木氏が「なんで事務次官って言わないで、こっそりというか、普通にホームページ通じて(ボランティアに)申し込まれていたことが、いま、ネットで話題になっているみたいですけど」と話すと、前川氏はさらっとこう返答した。
「そうですか。いや、別にただのおじさんですからね。別にそんな、辞める前にどんなポストにいたかなんて関係ないですからね」
 こうした人物が、いや、こうした人物だからこそ、安倍政権の攻撃に晒される現状。加計学園問題は、内閣人事局による人事権と謀略によって官僚を掌握し、行政を骨抜きにして絶対主義を築きつつあることも明らかにしているのだ。(編集部)


終盤国会 疑惑放置は許されない
 通常国会は、6月18日の会期末まで3週間を切った。
 共謀罪の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案は、週明け早々に参院で審議入り。さらに天皇陛下の退位に向けた特例法案、衆院「1票の格差」是正へ小選挙区の区割りを見直す公選法改正案など、重要法案がめじろ押しだ。
 監視社会への懸念から「共謀罪の本質は変わらない」として民進、共産両党などが強く反対する改正案の衆院通過には、共同通信調査で世論も80%近くが「政府説明は不十分」と懐疑的。同法案一つ取っても、今国会での成立を確実にするためには会期延長が避けられないだろう。
 6月23日には、各党派が国政選挙並みに力を入れる東京都議選が告示される。会期末できっちり法案を仕上げ、都議選に力を注ぎたい政府、与党の目算は大きく狂った。数ある重要法案を確実に成立させようとすれば、相応の延長幅を確保する必要がある。
 ところがここに来て、政権はそう簡単に判断できない状況に陥っている。安倍晋三首相が「腹心の友」と呼ぶ人物が理事長を務める岡山市の学校法人「加計学園」の獣医学部新設計画を巡る疑惑だ。
 法案成立を確実にするためには会期延長が必要だが、延長すれば野党に疑惑追及の時間を与えることにもなりかねない。政権のジレンマは想像に難くない。
 加計学園の学部新設は、政権の目玉政策である国家戦略特区を活用。予定地の愛媛県今治市は所有する土地を学園に無償譲渡し、施設整備費96億円を助成するという。
 獣医学部の新設認可は52年ぶり。安倍首相の強い後押しをうかがわせる記録文書が表面化したことで、疑惑は一気に膨らんだ。政府は無視を決め込むが、文科省の前事務次官が会見で文書の存在を「確実」と証言。国会の招致要請があれば応じると明言した。
 その構図は、大阪市の森友学園の国有地売却問題に通じる。安倍首相周辺の関わりが疑われるのも共通だ。
 森友問題で政府、与党が前理事長の証人喚問を主導した経緯に照らせば、前次官招致を拒否する理由はあるまい。菅義偉官房長官を先頭に、前次官の人格攻撃に精を出すのは首相が嫌う「印象操作」そのものではないか。
 世論の反発で、国会で過去3度廃案となった共謀罪復活への世論の懸念は根強い。法案を通そうとするなら、政権が自らの疑惑払拭に努めるのは当然だろう。「数」に頼むのは後ろめたさの証明だ。
 挑発的な動きが続く北朝鮮問題など、内外問わず懸案が山積する中にあって、政治への信頼が揺らぐ現状は施策の土台をぐらつかせる。疑惑の放置は許されない。


共謀罪法案 参院の真価が問われる
 いったい何をすると罪に問われるのか―。刑罰法規の核心にあたる部分がぼやかされている。社会を萎縮させ、人権や自由を脅かす恐れは大きい。共謀罪法案が持つ根本的な問題点を徹底して追及しなければならない。
 参院で法案が審議入りした。きのうの本会議で政府は、東京五輪に向けたテロ対策の必要性と、国際組織犯罪防止条約の締結に不可欠な法整備であることをあらためて強調している。
 それが名目にすぎないことは既に明らかだ。批判に向き合わず、根拠を欠く説明で押し切るのか。国会を軽んじ、国民に対しても不誠実な姿勢と言うほかない。
 法案は、一定の「準備行為」があった段階で、計画に合意した全ての人を処罰できるようにする。けれども、何をもって合意と判断するか、何が準備行為にあたるのか、肝心な点は明らかでない。
 相づちや目配せのほかメールやLINE(ライン)のやりとりでも、合意したとみなされ得る。準備行為は、資金や物品の手配、下見を例示したが、日常の行動とどう見分けるのか。内心に踏み込まなければ判断のしようがない。
 にもかかわらず政府は、所持品などから外形的に区別できると強弁している。法相は「花見ならビールや弁当、下見なら地図や双眼鏡を持っている」と衆院で答弁した。いくらでもこじつけが可能と言っているようなものだ。
 適用対象の「組織的犯罪集団」とは何かも定められてはいない。共謀罪を設ける犯罪は277にも及ぶ。当局の意向次第で、そのどれかに関連づけて嫌疑をかけられ、いつ誰が捜査対象になってもおかしくない。
 一般の人は対象にならないという政府の説明は意味を成さない。それどころか、狙いをつけた人たちを犯罪集団に仕立て上げ、一掃する手段にさえなりかねない。
 刑罰法規は、具体的に何が犯罪にあたるのかをあらかじめ明確に定めておかなければならない。恣意(しい)的な処罰によって人権が侵されるのを防ぐためだ。
 共謀罪法案は、内心の意思を処罰しない刑法の原則を覆すだけでなく、根幹に置くべき明確性も欠いている。刑罰権に縛りをかける刑法本来の役割は損なわれる。
 言論・思想の弾圧につながりかねず、民主主義の基盤を掘り崩す法案である。本質を見据えれば、廃案にするほかない。与党は、政権を追認する強引な審議を参院でも繰り返すのか。この国の議会制民主主義の真価が問われる。


共謀罪参院審議 何をすれば罪になるか
 犯罪の計画を罰する共謀罪の構成要件を取り込み「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案が参院本会議で審議入りした。数の力で衆院通過を強行した与党は会期延長も視野に今国会中の成立を目指す。対する野党は法案を巡る疑問や懸念を積み上げ、徹底追及により廃案に追い込みたいとしており、攻防は激しさを増しそうだ。
 しかし犯罪が実行されて初めて処罰するという刑事法の原則を大きく転換させる法改正であるにもかかわらず、肝心の国民の理解は深まっていない。共同通信世論調査では、8割近くの人が「政府の説明が不十分」と考えている。自民、公明両党支持層でも、だいたい7割がそう回答した。
 何をすれば罪になるか、見えにくいという不安は根強い。政府はこれまで、2020年東京五輪・パラリンピックに向けた「テロ対策」に不可欠と訴え、盛んに「テロの未然防止」に効果があると強調するが、法案成立がもたらすリスクとなると、あいまいな説明に終始してきた。処罰の前倒しが監視強化につながり、プライバシー権や表現の自由を圧迫するとの懸念は膨らむばかりだ。
 「一般人は捜査対象にならない」と言うが、その説明にもほころびが見える。多くの論点が積み残しになっており、政府は審議時間にこだわらず、誠実に説明を尽くすことが強く求められる。
 衆院の審議で野党は一般人が捜査対象になるかどうかを巡り追及を強めた。政府は当初から、適用対象はテロ組織や暴力団など「組織的犯罪集団」に限定され、下見や資金の用意など「実行準備行為」がないと処罰できないから「一般人が対象になることはあり得ない」と繰り返してきた。
 ただ一連の答弁の中では「嫌疑があれば、もはや一般人ではない」「正当な活動をしている団体でも目的が一変した場合には、犯罪集団とみなされる」とも説明。一般人と捜査対象の間の線引きはあいまいなままだ。
 さらに一般人は捜査の前段階で嫌疑があるかを調べる「調査・検討」の対象にもならないとまで言い切った。捜査機関による監視強化が大きな焦点となり、それを否定したかったようだが、捜査実務とあまりにも懸け離れた説明といえよう。
 法務省幹部がオウム真理教を例に取り、組織的犯罪集団か否かをどのように見極めるかについて答弁したことがある。
 宗教団体としての活動実態がある団体で教祖が殺人を正当化する教義を唱えるようになり、信者が教義の実現を目的に結合しているとする。それだけでは不十分で、内部に組織を設け、化学薬品や武器などの研究、開発、製造などを反復継続して行うようになり初めて、犯罪集団に該当することもあり得るという。
 これからも分かるように、まっとうな団体が犯罪集団に一変したと判断するには、かなりの時間と人員をつぎ込んで特定の団体やメンバーを継続的に監視し、情報と証拠を集めることが必要になる。そのとき、市民団体や労働組合が監視対象にならない保証はない。
 ほかにも具体的に何が準備行為に当たるか、犯罪の合意に至るやりとりをどう入手するか、本当にテロの未然防止に効果があるのか−といった疑問が山積みになっている。一つ一つ丁寧に解消していくことなしに、国民の理解は得られない。(共同通信・堤秀司)


安倍「加憲」で全世界が知ることとなる日本の「身勝手な論理」 英訳したらバレてしまう…
伊勢崎 賢治 東京外国語大学教授 紛争屋
もしも「加憲」が実現したら?
安倍加憲。
安倍政権の「9条をそのままに自衛隊を明記」は、最終的にその追加の条文がどういうものになるかわかりません。
でも「自衛隊」そのものの単語が条文に現れることになったら、かなり見た目がマズいことになると思います。英訳のお話です。
9条は日本人が思うほどに世界に知られているわけではありません。国家戦略として9条を公報してきたわけではありませんので当たり前といえば当たり前ですが。
しかし、戦後初めて憲法が変わるとなったら、それなりのニュースバリューをもって世界に報道されると思います。日本政府は当然、改正された憲法条文の公式な英訳をつくらなければならなくなるでしょう。
現状の9条2項で保持を禁ずる「戦力」の日本政府の公式英訳は、GHQ以来ずっとforces です。そして、自衛隊の"隊"も forces です。現在の9条をそのまま残すとしたら、2項で陸、海、空の forces を持たないと言っているのに、追加項で自衛隊 self-defense forces を持つと言うことになります。
現在、国連憲章では、PKOのような国連安保理が承認する集団安全保障は例外として、2つの自衛権 self-defense(個別的自衛権 individual self-defense と集団的自衛権 collective self-defense)以外の名目の武力行使は厳しく違法化されていますから、自衛 self-defense 以外の「戦力」forcesの行使は許されません。
よって、「戦力」(=国連憲章でself-defense のためだけしか存在を許されていない)の forces と、自衛隊の self-defense forces は、見た目はおろか、国際法の世界では全く同じものなのです。
ですから、安倍加憲は、改悪なんて「まとも」なものではなく、とうの昔から自衛隊を「戦力」と見なす国際法と、「隊」に言い換えそうじゃないモンと自分だけに言いきかせてきた"軍事大国"日本のジレンマを、そんなことに注意をはらうほどヒマじゃない国際社会に、日本自身が大々的に宣伝しまくること。ただこれだけ。
日本語の世界だけで言葉を弄ぶ遊びでは、もう済まなくなります。
日本国内でしか通用しない解釈
「自衛隊は『戦力』未満、個別的自衛権に基づく武力行使は『交戦権』未満」と解釈し憲法9条を維持してきた日本。
ちなみに、「戦力」の行使から非人道性を排除するために人類が歴史的に積み上げてきたWar(戦争)の慣習法、つまり「戦闘」で「やっちゃいけないこと(多数の民間人を殺傷したり、捕虜を虐待したり、病院や原発を攻撃したり)」や「使っちゃいけない武器(現在でも対人地雷やクラスター爆弾の禁止などたゆまない努力が続いています)」をルールとして交戦資格者に課す戦時国際法、別名国際人道法は、自衛隊を交戦資格のある「戦力」として見なします。
同時に、自衛隊はこれまでずっと同法の交戦資格のある「戦力」としての識別義務(敵からそう分かるように)を忠実に履行してきました(PKOの自衛隊を見てください。作業着で赴いていません)。
PKOでも、そしてイラク、サマワへの陸自派遣のような非PKOでも、日米地位協定の米軍が公務上の過失に関して日本の司法から訴追免除されるように、「戦力」を行使する駐留"軍"と「一体化」して、現地政府との兵力地位協定により、同様の裁判権上の特権を享受してきました。
さらに、日本人が合憲と考える個別的自衛権は、上記のように、それと集団的自衛権、集団安全保障の3つの言い訳しか許さない国連憲章、つまり現代の「開戦法規」が国家に武力の行使(use of forces)を許す言い訳の1つであり、それが一旦行使されれば自動的に「交戦」、つまり上記の国際人道法、別の言い方をすると「交戦法規」のルールで統制される「戦力」の行使になります。
個別的自衛権は、一旦行使されれば、たとえそれが最初の「ジャブ」であっても、「戦力」の行使として「交戦法規」つまり戦時国際法/国際人道法によって統制されます。
武力の行使の言い訳を統制する「開戦法規」から、武力の行使の開始後の戦闘の流儀を統制する「交戦法規」へ移る際の、その間隙にグレーエリアはありません。
それが、必要最小限で警察比例原則に則った反撃だと言い張っても、です。
つまり、上記の「未満」は、国際法の世界ではありえない空間なのですが、日本は勝手にそれがあると、国際社会の注意を引くこともなく、「『交戦』でない『個別的自衛権』の行使」を発明し、「戦力」でない自衛隊を通常戦力で世界第4位の「戦力」にしたのです。
日本の法体系の重大な欠陥
国際社会の注意を引くこともなく、勝手にやってきた重大な問題がもう一つあります。
上記の「交戦法規」、つまり国際人道法の違反をすると、これがいわゆる「戦争犯罪」となります。
考えてもみてください。
日本の上空を飛ぶ米軍オスプレイが墜落し多数の日本人が死傷したとしましょう。
これは日米地位協定上の公務内の事故と判断されるだろうから、その裁判権は日本にはありません。裁判権はアメリカにあり、米軍法で審理されます。
でも、もしここでアメリカ側が「あ、ゴメン。軍法無かった」と頭を掻いたら…。
法の空白。
これが、日本が現地政府と締結した兵力地位協定(南スーダン等での国連PKO地位協定、現行の日ジブチ地位協定)で、外地の民に強いている状況なのです。
それも、日本のような「平時」での地位協定ではなく、「戦時」「準戦時」の地位協定の支配する世界です。平時でも、軍事的な過失は引き起こされるのですから、戦時においては推して知るべしです。
(PKOで国連は、1999年以降正式に、PKO活動中に発生し、現地国からの訴追を免除されるPKO部隊の過失は、各PKO派遣国の国内法廷で裁くことを義務付けています。:参照→「日本はずっと昔に自衛隊PKO派遣の「資格」を失っていた! 」http://gendai.ismedia.jp/articles/-/51058 )
日本には、国際人道法違反(=戦争犯罪)を審理する法体系はありません。(上掲リンク参照:日本は遅ればせながらジュネーブ諸条約追加議定書に加盟した2004年に、国内法として「国際人道法の重大な違反行為の処罰に関する法律」をつくったが、肝心の殺傷行為に関するものが一切ない)
世論も、「防衛予算は人殺し予算」と言ってみたり、「自衛隊(軍隊)は人殺し集団」と言ってみたり、軍事と刑事の違いが分かっていません。
「戦力」としての識別義務を負った者どうしが、国際人道法に則って「交戦」することは、「人殺し」に違いありませんが、それに直接手を下す個人の責を問う刑事とは全く違う世界です。軍事の主体は国家であり、責を負うべきは、個人に命令を下す国家の指揮命令系統です。
だから、国際人道法では、捕虜の保護を謳うのです。捕虜が"殺人"を犯しても、それは個人の意思ではなく、捕虜が所属する国家の命令行動だからです。
一般刑法では、例えば10人を殺傷したら、ほとんど確実に死刑が宣告されるでしょう。
でも、軍事行動で民間人をそれだけ殺傷しても、それが指揮命令系統を逸脱することなく結果したものであれば、その個人の刑事性が勘案され、無罪になる可能性がある。これが一般刑法と軍刑法の違いです。
そして、そういう「戦争犯罪」の責は、国家が、国際人道法を基調とする国際社会に対して負うのです。
これは、首相は「私が全責任を取る」と嘯(うそぶ)くことではありません。それを審理し、結審する法理があるかどうかの問題です。
日本には、この法理がないのです。自衛隊は「戦力」ではないし、「戦闘」することはないし、だから「戦争犯罪」を犯すという前提そのものがないからです。
自衛隊は「戦力」じゃない、つまり「自衛隊は合憲」というのは、日本国内での議論はどうあれ、外から見れば、自らが犯す国際人道法違反(=戦争犯罪)を審理する法体系を持たない戦力(それも世界有数の)の保持を合法化、つまり「非人道性」を合法化する無法国家としか見えません。
護憲派リベラルの皆様へ
護憲派リベラルの方々に申し上げます。
安倍加憲で日本特有の歴史的問題が露わになりますが、問題の本質自体は安倍政権のせいではありません。
民主党政権が派遣決定した南スーダンから自衛隊は撤退しますが、次の候補地を探しは始まり、依然、自衛隊のPKO派遣は継続します。ジブチにある自衛隊基地は半永久的な軍事基地になりつつあります(駆け込みで法制化したのは自民党政権ですが、実行化したのは民主党政権です)。
これは、海外派遣しなければいいという話ではありません。「戦闘」をする限り、「戦争犯罪」は、日本の領空領海領土内でも起こります。
安倍加憲とは、「9条もスキ、自衛隊もスキ」のポピュリズムを単純に解釈改憲から明文改憲するだけでそのポピュリズムに応える幼稚な「お試し改憲」にすぎませんが、この憲法の"完全破壊"の危機に、護憲派は深く自省を込めて覚悟すべきです。
9条を解釈改憲することにここまで慣れ親しんだ世論とメディアに十分な批判能力はない。そして、護憲派自身も「安倍の悪魔化」にしか反対の発露を見出せない、ということを。
安倍加憲のポピュリズムに対抗するには、まず、護憲派自身が9条ポピュリズムから脱することが必要です。
「自衛隊」を9条に併記するか否かとか、「隊」を「軍」にするか否かでもありません。そんな「言葉遊び」の土俵に、もう乗ってはいけません。
「戦力」の過失を審理し統制する法体系を持たないことは、国際人道法の観点から「非人道的」なのです。繰り返しますが、国際人道法の違反が、いわゆる「戦争犯罪」であるからです。
そういう法体系は、「戦力」を自覚しない限り、生まれません。
ですから、「戦力」であることを自覚しない「戦力」は、「非人道的」なのです。
近い将来に「戦力」を解消するから、という理由は通りません。自覚のない「戦力」を外地に出し、兵力地位協定で過失の訴追免除を享受している今、この瞬間の問題なのです。
というか、自衛隊は、もはや政治的に武装解除できません。自衛隊に限らず軍事そのものの人類の放棄を夢想するのは結構ですが、9条による「非人道性」は、現在の政治リアリティーです。
護憲派の方々、ここは、もう、あきらめてください。
9条2項の改良を、同項そのものをどうするかというより、「非人道性」をどう排除するか、この一点から考えましょう。
それは、もはや政治的に武装解除できない自衛隊という軍事組織が、国家の命で行使する自衛権もしくPKOなどの集団安全保障のための「戦闘」において、国家の義務として当然想定すべき誤射/誤爆に伴う国際人道法違反(=戦争犯罪)を審理する国内法体系を持つか否か、です。
これは、9条2項というより、特別裁判所の設置を禁じる76条の問題です。
もしかしたら、76条改訂がなくても、軍刑法はあるが軍事裁判所のないドイツの例のように、他の関連国内法の改訂だけで済む道が見いだせるかもしれません。
いずれにしろ、「戦力」が犯す国際人道法違反、そして、それを生む国際人道法の「戦闘」は「交戦」ですので、9条2項との矛盾は解消されません。
9条2項を残す「お試し改憲」としては、安倍加憲よりは数段、知性的。ただ、それだけの意味しかありません。
大切なのは、9条ができた時からは劇的に変化している「戦争」に対応すべく、9条の非戦の「精神」に則って、どう条文を改良するか。護憲派の手で9条2項を進化させる勇気を持つか否かです。
「実体としての『戦力』を国際人道法に則った国内の法理で厳格に統制する」。これが基本です。
それを憲法全体の条文に反映させるには、「9条2項を完全削除。軍事裁判所設置のために76条改定」も考えられるかもしれません。
個別的自衛権の行使は上記の「開戦法規」「交戦法規」の立派なwarであることを認識した上で、日本の個別的自衛権に国際法より更に厳格な縛りをかけるべく、76条改定に加え、新しい9条2項として、「日本の領海領空領土内に限定した迎撃力(interception forces)をもつ」+「その行使は国際人道法に則った特別法で厳格に統制される」とすることも考えられます。
保守改憲派の皆様へ
以上、護憲派に対するアピールになってしまいましたが、保守改憲派にも一言。
日本の領海領空領土を脅かす敵が現れたとして、その際、必然的に起こる「戦闘」での誤射、誤爆。例えば、その戦線が、隣国と係争中の領海で、その敵の真横に、敵に属する民間船や民間施設があって、自衛隊の一撃が当たってしまったら?
こういう国際人道法違反を審理できない、つまり、「撃った後」に責任を持てない国家は、法治国家であるなれば、単純に、撃 て な い のです。
どんな高価な武器で武装しても、撃 て な い ハ リ ボ テ なのです。
北朝鮮への敵地攻撃なんて、勇ましいこと、軽々しく言うべきではありません。その際に発生する全ての誤爆の責は、現在の日本の法体系では、個々の自衛隊員が負うしかないのです。
(*参照→「南スーダン自衛隊撤退ではっきりした日本の安保の「超重大な欠陥」 」http://gendai.ismedia.jp/articles/-/51311 )
安倍加憲は、撃てない国家が、撃てない国家のまま、自衛隊を明文化することによって、個々の自衛隊員にもっと撃て、と言うことです。
こんなことが許されていいわけがありません。
今こそ、右/左、保守/リベラル、改憲派/護憲派、双方の「知性」が一致団結して、安倍加憲の「幼稚」に立ち向かう時です。


テルアビブ事件45年 岡本公三「最後のインタビュー」で語った亡命生活と望郷の念
 21世紀は「テロの世紀」と言われる。2001年の9.11米同時多発テロ以降、欧米や中東を中心にイスラム武装勢力のテロが世界各地で頻発し、日本人も巻き込まれてきた。だが、かつて日本人が国内外でテロ活動(武装闘争)を繰り広げた時代もあった。日本赤軍の活動家3人が1972年、イスラエル・テルアビブのロッド国際空港(現在のベン・グリオン国際空港)を襲撃した事件では、無差別銃撃で市民ら約100人が殺傷された。実行犯の一人、岡本公三(69)はレバノンで亡命生活を送る。事件から45年のいま、どんな生活を送り、何を思うのか。直接取材した。(敬称略)【岸達也/統合デジタル取材センター】
自殺型の無差別テロが世界を震かん
 岡本らによる空港襲撃は「テルアビブ空港乱射事件」もしくは単に「テルアビブ事件」と呼ばれている。
 1973年の「警察白書」(警察庁)はこう記す。「昭和47(1972)年5月30日午後10時30分頃(現地時間)、パリ発ローマ経由のエール・フランス機がイスラエルのテルアビブにあるロッド国際空港に到着した際、同機から降りてきた日本人3人が、空港ロビーで自動小銃3丁を乱射するとともに手りゅう弾数発を投てきし、一瞬にして付近に居合わせた一般人24人を死亡させ、76人に重軽傷を負わせた」
 3人は当時25歳だった岡本と奥平剛士(当時27歳)、安田安之(当時25歳)。白書は続ける。「犯人3人のうち、2人(奥平、安田)は、所持していた手りゅう弾で爆死したが、他の1人(岡本)は、滑走路に出て飛行機に手りゅう弾を2発投げたところをイスラエル治安当局によって逮捕された」
 事件に先立つ5月8日、パレスチナ武装勢力が同志の奪還を目的に同空港で起こしたハイジャックが失敗に終わり、メンバーがイスラエル当局に射殺されたり逮捕されたりしていた。襲撃はその報復として計画された。アラブ人では空港の厳重な警戒をくぐり抜けるのが困難だとして、有力な武装勢力だったパレスチナ解放人民戦線(PFLP)に協力する日本赤軍の岡本ら3人が実行役を担った。
 犠牲となった24人にイスラエル人の著名科学者なども含まれていたが、大半は巡礼のプエルトリコ人旅行者だった。空港はイスラエルの軍事拠点で、武装しているとはいえ軍に制圧されるのは確実で、帰還を前提としない「自殺型の無差別テロ」とされた。当時はまだ極めて珍しかった。
 戦後、パレスチナ地域にユダヤ人国家イスラエルが建国され、住みかを追われたアラブ人と同国が果てしなく争っている。このパレスチナ問題とは無縁な日本の青年たちが、地理的に離れた中東の過激派と共闘し、命をかえりみず自殺型の無差別テロを起こした−−。そのニュースは、日本だけでなく世界に衝撃を与えた。太平洋戦争の神風特攻隊になぞらえ報じる海外メディアもあった。事件は多くのテロ組織にも強烈なインパクトを与えたとみられ、今の「自爆テロ」というかたちで定着していったとされる。
 日本赤軍は共産主義を掲げ、PFLPと連携して「武装闘争」を繰り広げた。重信房子(71)=現在、東京・八王子の医療刑務所に収監中=を最高幹部として70年代に結成され、テルアビブ事件で初めて存在が知られた。その後もPFLPなどと連携し、海外でハイジャックや公館占拠事件などを起こした。メンバーは20〜30人。冷戦終結で一気に弱体化し、90年代半ばから東欧や南米でメンバーの逮捕が相次いだ。2000年に日本で潜伏中に逮捕された重信は翌01年、獄中で日本赤軍の解散を宣言した。現在、岡本のほか、6人のメンバーが国際手配されている。99年には米政府が国際テロ組織として認定していたが、解散宣言などを受け01年に認定解除している。戦後の東西冷戦時代の産物で、現代史の一コマに位置づけられ、人びとの記憶は薄らいでいる。
 一方、PFLPは「Popular Front for the Liberation of Palestine」の略。67年、戦後のイスラエル建国に反発するパレスチナ地域で、マルクス・レーニン主義政権の樹立を目指して活動を開始した。現在の最高指導者はイスラエル当局により収監中のアフマド・サアダト議長。レバノンやシリアなどにも拠点を持ち、パレスチナ自治区などからイスラエル領内にロケット弾を打ち込んだり、自爆テロを起こしたりし、今も活発に活動。米国務省は国際テロ組織と認定している。
終身刑で収監後、捕虜交換で釈放されレバノンへ
 岡本は現在、レバノンで暮らしている。テルアビブ事件の実行犯として1人生き残り、イスラエルで終身刑を言い渡され収監されたが、1985年にイスラエル政府とパレスチナ組織の間の捕虜交換で釈放された。このあと、リビアやシリアを経て日本赤軍が根拠地としていたレバノンに腰を落ち着けた。
 そのころ行動を共にしていた元日本赤軍メンバーで映画監督の足立正生(78)によると、釈放時点では「統合失調症など精神的に深くダメージを負った状態で、気分の浮き沈みも激しく意味が分からないことを言うこともあった」と振り返る。今も投薬治療が続くが、加齢の影響なのか症状は落ち着き、緊張しないような親しい仲間などとの間で意思の疎通がとれるようになった。日本国内の知人らとも連絡を取り合っているという。
 そんな話を聞いていた私は、2016年春ごろから岡本の知人を介して何度か取材を申し込んだ。「そのときになってみないと分からないが、取材は可能かもしれない」との回答が届いたのは、今年3月ごろ。「取材時に岡本が意味の分からない話をしたとしても、そこを切り取ってゆがめた報道はしないでほしい」と念押しされ、質問内容を岡本サイドへ事前に送り、現地で答えてもらうことになった。
 しかし、本人のスケジュールが分からないということで、取材の日程がなかなか決まらない。私は4月下旬、ともかく首都ベイルートへ向かった。空路で直行便はなく、乗り継ぎで約20時間かかる。レバノンの空港で現地の携帯電話を入手し、滞在する期間や宿泊先、携帯番号などを岡本の支援者に伝え、連絡を待った。じりじりと時間がすぎ、ベイルートに滞在予定の最終日にようやく取材のアポが入った。
ボディーガードを伴い2時間遅れで現れた
 面会の前夜、事前に伝えたホテルに私が滞在しているか確認するような、よく分からない電話が部屋にかかってきた。当日は、ホテルに岡本の支援者からタクシーが差し向けられた。乗り込むと運転手は行き先をわきまえていた。
 やや景色のいい道を選んでベイルート市内を走行し、面会場所に指定されたマンションの一室に着いた。岡本はなかなか現れず、目安の時間から2時間以上遅れて到着。ボディーガードとみられる屈強な男性がぴたりと寄り添っている。
 ベイルート市内のひどい渋滞につかまっていたという。「初対面の人がいると緊張してうまく話せないこともある」と、取材に立ち会う支援者から聞かされていた。だが、上品な赤いチェックのシャツに紺色のチノパン姿で現れた岡本は見るからに陽気で、握手を求められた。がっちりとした肉厚な手だった。
 岡本はたばこをくゆらせはじめ、私は取材を開始した。45年前に起こした事件を、今どう考えているのかと尋ねた。「けがをさせた人を含め、犠牲者には哀悼の気持ちを持っている」。その一方で「事件はそもそも『テロ』ではなく、PFLPと共同で起こした『武装闘争』でした。武装闘争は最高のプロバガンダになります」と語った。「3人でやり抜いた世界性を持つ闘争でした。日本赤軍は若者の組織でしたが、日本で初めて軍事革命をやりぬく決意を持っていました」
 日本への帰国を考えているのか。「日本では24年間過ごしましたが、その後は中東。一度は帰りたいですが、もう普通には生活できないでしょうから、帰国に特にこだわりはありません」と語った。ただ、日本に暮らす家族などへの思いを尋ねると「元気な人も亡くなった人もいると聞いています。父(すでに死去)には生きている間に会いたかった」と胸中を吐露。「2020年に東京で再び五輪が開かれる。長い時間が過ぎました」と望郷の念をにじませた。それでも日本の今の様子はあまり知らないようだった。
 重信が逮捕され、獄中から解散を宣言した。それを知った時の心境を尋ねると、「仲間がどうなるんだろうと心配でした。みんなの近況を知りたい」と述べた。イスラエルで収監中の記憶については「あまり思い出せないけれど、忘れられない苦しい記憶もあります」と語る。「獄中、仕事で戦車の備品を作らされたこともあった」と振り返る。「今もイスラエルは好きではありません」と言った。
 かつて日本赤軍が目指した世界革命は起きていない。PFLPは今も活動するが、パレスチナ解放も実現していない。その感想を聞いたが、明確な答えは返ってこなかった。テルアビブ事件後に、同種のテロが相次ぐようになったことについても尋ねたが、回答はなかった。少し複雑な質問は答えを避けているようだった。
 写真を撮ろうとカメラを向けるとやや緊張した表情となったが、カメラを触って露出を調整している少しの間に柔和な表情に戻り、数枚写真を撮影した。
 1時間ほど経過し、ボディーガード役の男性がしきりに目配せをする。やがて岡本は立ち上がった。部屋を出る際にも、また握手を求められた。日本人の私を懐かしがっている様子だった。
最後のロングインタビューか
 取材に居合わせたレバノンに暮らす岡本の支援者の一人は「あなたは幸運だ。もうコーゾーがこれだけ長く日本のメディアの取材に応じることはないよ。最後のロングインタビューだよ」と話してくれた。この人物によると、ボディーガード役は「こんな取材を認めていたら、わけの分からない記者が次々にコーゾーに会おうとするんじゃないのか」と不安を漏らしていたという。ボディーガード役はレバノンのPFLP幹部の一人らしく、私のインタビュー中、終始気むずかしそうな表情を浮かべていた。
 支援者によると岡本は現在、首都ベイルートに暮らしている。時折、旅行でレバノンの地方都市を訪れ、夏場には海水浴などを楽しむこともある。不測の事態に巻き込まれるのを防ぐため、警備スタッフが24時間体制で付き添っているという。
 アラブ料理も食べるが、日本食のほうが好きで、朝食はご飯が多く、明太子が大好物。テレビを見て過ごす時間も多く、現地のニュース番組や衛星放送の日本の音楽番組などを見ている。以前は感情に起伏があり、突然声を荒らげることもあったが、最近は落ち着いた日々を送っているという。
安住の地でなくなりつつあるレバノン
 私は2012年から3年間、社会部記者として警視庁公安部を担当した。一部の捜査員は今も世界のどこに潜伏しているのか分からない日本赤軍メンバーを追っていた。ある捜査員は、取材でこう主張した。「岡本にとってレバノンはもはや安住の地ではない。いずれ日本に連れ戻せる」。岡本に近い支援者が私にこう明かしたこともあった。「日本赤軍も解散して15年以上たった。レバノンに暮らす岡本は、いわば『政治的遭難者』。同国を追われれば、もう頼れる国がない」。私はこうした話を聞くうちに、岡本がいま何を思い、どんな暮らしをしているのか知りたいと思うようになった。
 レバノンはイスラエルの北部に隣接する。パレスチナ難民が多数暮らし、イスラエルと何度も交戦してきた。ベイルートは何度も空爆され、イスラエルを嫌悪する国民も多い。こうした事情で、岡本は長年レバノンに事実上かくまわれてきた。日本赤軍は1970〜80年代、主にPFLPと連携していたが、活動は90年代にほとんど確認されなくなった。日本の公安当局などは、91年のソビエト連邦崩壊で、旧ソ連などから受けていた資金提供が途絶え、活動できなくなったとみている。
 レバノンも変わり始めている。同国の警察当局は97年、岡本を含む日本赤軍メンバー5人を検挙し、政治亡命が認められた岡本以外の4人を00年に国外退去処分とし、日本に事実上引き渡した。
 日本赤軍に好意的だったとされる関係国の政情はとみに不安定化している。リビアではカダフィ政権が11年に崩壊。シリアでも激しい内戦が続く。岡本がレバノンを追われれば、受け入れようとする国はあるのか。レバノンは日本政府と国交を持ち、日本からの継続的な経済支援も行われてきた国だ。岡本の存在価値が低下すれば、レバノンから出国を迫られる可能性もないとは言えない。
「岡本はラストサムライ」とPFLP幹部
 岡本はPFLPにとってどんな存在なのか。真意を聞こうとレバノンのPFLPにインタビューを申し込み、最高幹部マルワン・アブデラルが受けてくれた。
 彼のオフィスはベイルート市内のパレスチナ人キャンプの一画にある。キャンプ入り口には、パレスチナの指導者で「不死鳥」と呼ばれたヤセル・アラファト(故人)の肖像が大きく描かれている。
 車の入り込めない入り組んだ細い路地を歩いてオフィスに着くと、アブデラルが紅茶を勧めてくれた。言葉を選ぶ詩人のような、落ち着いた雰囲気をたたえた政治指導者だった。あいさつもそこそこに質問をぶつけた。
 テルアビブ事件については「PFLPと日本赤軍が共同で行った初めての大きな軍事作戦だった。我々の組織は当時、日本赤軍に限らず、いろいろな組織と共にイスラエルと戦った。すでに歴史として刻まれている」と振り返る。その上で「時は流れ、私たちを取り巻く環境も変わったが、リッダ闘争の評価は揺らぐようなものではない」と述べた。PFLPや日本赤軍関係者は、テルアビブ事件を「リッダ闘争」と呼ぶ。
 岡本については、日本でも人気を呼んだ米ハリウッド映画をひき、「我々にとってコーゾーは、まさにラストサムライ。彼は今も我々のヒーローだ」と述べた。米映画「ラストサムライ」は、明治初期に異国から明治新政府軍の顧問として来日した軍人が、武士道を重んじて新政府に従わず対決する士族らに共鳴するようになり、やがて士族側に加わり戦う内容。西側先進国の仲間入りを果たした日本の若者が、アラブ人のパレスチナ問題に共鳴し、PFLPと共闘する−−。岡本への畏敬(いけい)をアブデラルは強調した。
 私が「日本では岡本はテロリストとして認識されている」と述べると、「イスラエルは私たちの土地を不法に占拠し、今も占領地を増やそうとしている。私たちの戦いは、自分たち祖国の土地や民族を守ろうというものだ。テロということばが当てはまるのは、イスラエルの側の占領政策だ」と説明。「コーゾーは我々にとって英雄であり、テロリストではない」ときっぱり言った。
 今後も岡本を保護し続けるのか。アブデラルは「コーゾーは日本人。レバノンで長く暮らしてきたので、自由に日本とレバノンを行ったり来たりできるのが望ましいが、岡本が帰国すれば彼は再び日本で長い間拘束されることになる。コーゾーはイスラエルでもレバノンでも服役していて、また日本の刑務所に入るのはおかしい」と述べ、可能な限り今後も自分たちが保護していく考えを示した。
風化が進むコーゾー・オカモトの知名度
 現在のレバノンで岡本の知名度はどうか。レバノン人に聞いた。
 20代後半で商社に勤務し、日本をよく知る男性は「当然名前も顔も、何をやったかも知っている」と話したが、「この街で暮らしていることまでは知っているが、最近はニュースでもあまり取り上げられない。若い世代での知名度はあまり高くないのではないか」と話した。それでも「彼を日本に引き渡すようなことをすれば大きな政治問題になる。レバノンの政治は非常に複雑で、微妙なバランスの上に成り立っているので、結局このままの状態が維持されると思う」と自身の見立てを語った。
 ベイルート市内で大学生の若者ら数人に声をかけ、岡本がイスラエルの法廷で裁判を受けている写真を見せてみたが、知らない人もいた。「国際テロリスト」としても「アラブの英雄」としても歴史に名を刻む岡本だが、人びとの記憶の風化は避けられない印象を受けた。
岡本は政治的に遭難した?
 「テロリスト」と「アラブの英雄」。岡本をめぐる評価は常にこの二つの言葉に収れんする。だが、事件から45年が経過し、老いた彼への取材を終え、そのどちらでもない生身の彼に強い印象を受けた。
 日本の警察は、テルアビブ事件に関し殺人容疑などで岡本の国際手配を続けている。帰国すれば逮捕され、刑事裁判で有罪と判断されれば、極めて重い量刑が科せられるのは確実だ。それゆえ帰国できないでいる。
 レバノンでの取材では、岡本の政治的活動にも制約がある様子が垣間見えた。支援者の一人は「政治亡命を認めているレバノン当局をできるだけ刺激しないようにしている」と明かした。最近は現地のテレビニュースにほとんど取り上げられない。亡命を継続させるために露出の機会を減らしているとみられる。
 インタビューで、岡本はテルアビブ事件の被害者に「犠牲者には哀悼の気持ちを持っている」と答えたが、事件自体への反省の言葉はなく、PFLPと共同の「武装闘争」として正当だと訴えた。PFLPに保護されている立場で、事件そのものについて謝罪することは事実上困難なのかもしれない。
 イスラエルでの受刑生活で精神を病み、やや回復しても、自由な発言の機会はなかなか与えられない。一連の取材を通して浮かび上がったのは、事件から半世紀近くが経過しても、自由に伸び伸びと振る舞えない岡本の姿だ。2001年、日本赤軍リーダーの重信が獄中で「日本人民は武装闘争を望んでいませんし、そういう条件も、状況もないことを知っている」と解散を宣言した。元赤軍メンバーもその支援者も高齢で、次々に他界する。誰も岡本を日本に戻すことができない。
 ある支援者がかつて口にした言葉が、私の中によみがえった。岡本は今も「テロリスト」だし「アラブの英雄」だろう。だが、それ以上に「政治的遭難者」ではないのか。


成田空港反対派の拠点撤去へ 団結小屋1棟、31日にも
 成田空港の敷地内に三里塚・芝山連合空港反対同盟が1982年に建て、83年の同盟分裂後に熱田派(柳川秀夫代表)が空港反対闘争の拠点としてきた団結小屋「横堀現地闘争本部」が、31日未明に強制撤去される方向で調整が進んでいることが29日、空港関係者への取材で分かった。
 この団結小屋を巡っては、成田国際空港会社(NAA)の請求を認め、熱田派に小屋の撤去と土地の明け渡しを命じた東京高裁判決が確定しており、裁判所の執行官が強制執行する。NAAは撤去後、誘導路を建設する予定。NAAによると、撤去されれば空港用地内や周辺に残る団結小屋は6棟になる。


相次ぐ原発再稼働 住民の不安置き去りに
関西電力が今月、高浜原発4号機(福井県高浜町)を再稼働させた。来月上旬には3号機も動かす。
 国内で稼働している原発は九州電力の川内(せんだい)原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)、四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)に続き4基目となった。

 高浜原発を巡っては、大津地裁が昨年春、「過酷事故対策や緊急時の対応方法に危惧すべき点がある」として、運転差し止めを命じた。この判断の重みを忘れてはならない。
 大阪高裁でこの決定は取り消されたが、裁判所から指摘された問題が解決できたわけではない。住民の不安を置き去りにしたまま、原発回帰の流れが加速していくことを懸念する。
 高浜原発4号機は昨年2月、再稼働準備中に冷却水漏れが起き、電気系統のトラブルで緊急停止した。今年1月には敷地内でクレーンの倒壊事故も起こした。原子力規制委員会が「緊張感を持ち、国民に心配をかけないよう努力しないといけない」と指摘したのも当然だろう。
 原発の安全管理には一つのミスも許されない―。そう肝に銘じる必要がある。
 事故への備えも十分とはいえない。政府は周辺30キロ圏の自治体に広域避難計画の策定を義務付けている。もし高浜原発で事故が起きれば、約18万人の避難が必要となる。
 広域避難訓練が昨年8月に実施されたが、悪天候のため船やヘリコプターが使えず、一部地域の住民が孤立する恐れが浮き彫りになった。避難する住民の移動手段の確保に加え、渋滞で逃げ遅れる懸念もある。地震や津波などとの複合災害も想定しなければならない。

 実効性のある広域避難計画をどう策定するかは、中国電力島根原発(松江市)や、伊方原発の30キロ圏内にある中国地方の自治体にも突き付けられた課題といえるだろう。
 原子力規制委は広域避難計画にはかかわっていない。国も了承するだけで、責任を持とうとしていないように映る。計画作りを自治体に丸投げするのではなく、安全はもちろん、住民の安心を担保できるよう努める責務が国にはある。
 使用済み燃料の処分の問題も見逃せない。既に再稼働している伊方原発と同様に、高浜原発3、4号機では、プルトニウムを加工した混合酸化物(MOX)燃料を使ったプルサーマル発電を新たに行う予定だ。
 この使用済み燃料の処理方法は今のところ見通せず、貯蔵プールで保管するしかない。しかし原発内にあるプールの余裕は少なくなっている。関電は、中間貯蔵施設の建設を表明しているが、まだ場所も決まっていない。にもかかわらず再稼働に踏み切ったのは無責任と言われても仕方あるまい。
 全国の原発に保管されている使用済み燃料は1万5千トンで、貯蔵容量の7割に達している。原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)をどこに保管し、どこで最終処分するのかという課題に早く道筋をつけることが不可欠である。
 核のごみの処分に対する国民の不安は小さくない。原発の賛否にかかわらず、全力で取り組まなければならない。問題を先送りにしたまま原発再稼働を進めることは認められない。


皇族の方々、デートで完全2人になれずNG職種の交際相手も
 秋篠宮家の長女・眞子さま(25才)が国際基督教大学(ICU)の同級生だった小室圭さん(25才)と5年間の交際を実らせ、ご婚約なさることを発表した。プライベートが広範ではない皇族にとって、異性と出会う数少ない場が学校だ。
 皇族といえば学習院に通われるのが通例だったが、眞子さまは大学からICUにご進学。妹の佳子さま(22才)も学習院大学を中退してICUに入学された。キャンパスでは基本的に、他の学生と同じように自由に過ごせる。
「大学では授業の選択はもちろん、部活やサークル活動も自由に行えます。皇室関係者や名家出身の多い学習院より、国際色豊かで個性のあるICUの方が、眞子さまも佳子さまも羽を伸ばしてのびのびできたはずです。共学でもありますからキャンパスで男性と出会う機会も多かったでしょうね」(皇室担当記者)
 眞子さまが大学2年生の頃、所属するスキー部の合宿に参加された際のプライベート写真がネット上に流出した。部員の男性とともに、大学生活をエンジョイされている眞子さまの笑顔が印象的な写真だった。
「恋愛は自由。表向きは、誰と交際しようと問題ないでしょう。眞子さまも佳子さまも携帯電話をお持ちで、今どきの若い子と同じくLINEやメールなどで男友達とやり取りをされているそうです。意中の男性がいらっしゃれば連絡先の交換はもちろん、デートに行くのも自由です」(前出・皇室担当記者)
 眞子さまと小室さんは5年前、都内の飲食店で行われた留学に関する意見交換会で知り合ったという。気持ちが通じ合ったふたりの恋路には障害もなく…といいたいところだが、これはあくまで建前の話。
 現実には「高すぎるハードル」が待ち構えていた。皇室ジャーナリストの神田秀一氏はこう語る。
「天皇皇后や皇太子一家だけでなく、すべての皇族はどこに行くにも必ず護衛がつきます。腕利きの皇宮護衛官はもちろん、都内ならば警視庁の所轄署が警護するし、他の道府県でも所轄の警察官が警護するので、皇族がフリーになることはありません。異性と2人きりになることは、現実的には不可能です」
 たとえ皇族から「大丈夫なので帰ってください」と言われても、護衛は任務を離れるわけにはいかない。
「皇族は国の要人であり、護衛が目を離した隙に連れ去られるようなことがあったら大変なことになります。とくに眞子さまと佳子さまにはストーカーに近い追っかけファンも多く、大学構内に侵入することもありましたので、警護も入念になります」(前出・皇室担当記者)
 護衛は皇族の外出先をすべて把握し、24時間体制で警護にあたっている。先述の三笠宮瑶子さまは過去に雑誌のインタビューで、「ひとりで行動させてもらえない」ことが悩みとして、次のように打ち明けている。
《私だけが行動するわけではなく、護衛官も一緒に行動しますから。たとえばプライベートでどこかに行きたいと思っても、都内から出ることになれば、護衛官は、その県の護衛担当に「瑶子様がいらっしゃいます」という連絡をしなければなりません》
 眞子さまと小室さんは横浜市内でデートを繰り返したと報じられたが、その場合もつきっきりの警護から逃れられない。
「デートには毎回必ず護衛が同行して、“つかず離れず”でおふたりを警護していたはずです。水族館に行こうと映画を見に行こうと、常に近くにいる。食事の際は他の客と接触しなくてすむよう、あらかじめ眞子さまに打診して個室のあるお店を選んでもらい、護衛は隣室や店内で待機する形を取っていたのでしょう」(皇室ジャーナリスト)
 加えて皇族の交際相手には徹底した“身体検査”が行われる。
「相手の氏名、住所、年齢、職業はもちろんのこと、犯罪歴や親戚まで調べます。留学先で出会った相手の場合は国の大使館や国際刑事警察機構(ICPO)を通じて調べるケースもあります。宗教関係の団体とのかかわりなども調査の対象です」(神田氏)
 とりわけ相手の職業として宮内庁が注意するのが、以下の2つだという。
「政治関係者やマスコミ業界の人間は完全NGだといわれています。皇室を政治利用される恐れがあるし、情報が筒抜けになるマスコミはもってのほかです。宮内庁は交際相手として、黒田清子さんと結婚した都職員の黒田慶樹さんのように、公務員や学者を好む傾向があります」(前出・皇室ジャーナリスト)
 眞子さまとの逢瀬のすべてを見守られていた小室さんは、さぞ複雑な気持ちだったことだろう。しかし、眞子さまは生まれながらにして護衛が傍にいる環境で過ごされてきたので、特に気にされていない可能性もある。過去に、三笠宮寛仁親王殿下の娘・彬子さま(35才)は過去に雑誌のインタビューでこんな話をしている。
《側衛は生まれたときから近くにいるもので、それが自然だったのです》
《(留学先から)成田空港に着いて、千葉県警の方々にパッと囲まれると、「あ、帰ってきたな」という感じになって、ここで切り替えができます(笑)》
 一方で護衛の立場になってみると、それは大変だ。例えば2010年春、眞子さまがICUのスキー部の新歓コンパに出席された時にはこんな目撃談がある。
「学生が飲んでいる飲食店の店内で護衛がじっと待機していたら、コンパ終了後に眞子さまがフラリと駅のホームに向かってそのまま電車で帰宅された。護衛は慌てて電車に飛び乗ったそうです」(前出・皇室ジャーナリスト)
 また、愛らしい“騒動”もある。
「黒田清子さんが学生時代、校内のロッカーに隠れたことがあったそうです。大慌てした護衛が学校中を捜索したんだとか」(前出・皇室ジャーナリスト)
 三笠宮寛仁殿下が若かりし頃、建物の入り口から入ってすぐに反対の出口から飛び出し、護衛を“まいた”ことも一部では語り草になっている。


AV強要の実態に、胸を締めつけられ、そして驚かされる
<アダルトビデオ業者の非道さと、一部の女性の無防備さ。『AV出演を強要された彼女たち』が明らかにする日本の性の貧しさ>
『AV出演を強要された彼女たち』(宮本節子著、ちくま新書)の著者は、「ポルノ被害と性暴力を考える会」世話人。女性や子どもに対するポルノ被害や性暴力を訴える社会活動に取り組んでいるのだという。そしてタイトルからわかるとおり、そのようなキャリアをもとに書かれた本書は「AV出演を強要された」女性に接して真実を探り、その実態を明らかにしたノンフィクションである。
 私たちは、現在常勤換算の実働で約四・五人(ボランティアがたくさんいる)ほどが活動しており、(中略)二〇一六年八月末現在の累計で二一八件の相談に対応してきた。どの事例もそれぞれに異なり、誰一人としておろそかにはできない独自の問題を抱えている。(18ページより)
著者は実際に携わってきた5事例をベースとしながら、それぞれの経緯を紹介している。もちろん、AV女優として自己実現を図ったり自己充実を感じる女性がいたり、職業としてAV女優を自ら選んでいる女性たちがいることも認めたうえでのことだ。が、ここで紹介されているのは、あくまでもアダルトビデオに出演したことによって自分の生活や身体、精神が強く脅かされ、侵害されたと感じる女性たちである。
最初に登場する20歳の女子大生、Aさんの話がすでに重たい。モデルになることを夢見て、進学と同時に一人暮らしをしていた彼女の日常は、渋谷でスカウトマンに声をかけられたことから大きく狂いはじめるのだ。
目立って美しい容姿の彼女は、高校生のころからよくスカウトマンに声をかけられていた。そのため、当然ながら最初は拒絶。ところが、あまりにもしつこいので「話だけ聞いて断ればいい」と思って喫茶店について行った結果、話は終電間際まで続くことに。最終的には根負けし、早く逃れたいという思いから契約書に署名捺印してしまったというのである。
「そんなに簡単に?」と思われるかもしれない。が、終電間近まで自由を奪われたのでは、精神的に疲弊してしまっても無理はない。そしてこれは、何時間も拘束した挙句、商品を押し売りする詐欺のやり口ととても似ている。
ちなみにこの時点では、「モデル」の仕事をすることになるんだろうと思っていたのだそうだ。
しかし、深夜に帰宅してから「やはり断らなければいけない」と考える。ちなみに著者はこの決断について、「彼女の大きな間違いは、断る作業を一人でしようとしたことにある」と記している。
 数日後、Aさんはプロダクションの事務所に電話を入れた。
「あのお話はお断りしたいです」
 プロダクションはいとも簡単に言った。
「そうか! せっかくの話なのに断りたいの? 契約破棄に関してはもっといろいろ相談したいね。ついてはうちの事務所に来てくれないか。」
 ちなみに契約破棄のために事務所にわざわざ本人が赴く必要はない。本人の意思を伝える手段は、メールでも手紙でもいくらでもある。
 しかし、彼女は約束の日時にプロダクションに出かけていった。もちろん、契約を破棄するつもりで、だ。そして、もちろん、一人で行った。
 プロダクションでは準備万端整っていた。
 Aさんはそこで強姦されて、その映像を撮られた。この映像そのものがその後どのように扱われたか、Aさんは知らない。私たちにもわからない。確実に言えることは、強烈な脅しとして機能したということだ。
 後日、"出演料"が彼女の口座に振り込まれた。(26〜27ページより)
結果、Aさんは「応じないと学校に知らせるぞ」「親に知らせるぞ」と脅され、アダルトビデオの撮影を強要されるようになる。そしてDVDが発売された結果、大学内で"身バレ"してしまい、精神のバランスを崩していく。
盛夏に行われた最後の撮影は、アダルトビデオのなかでは定番で非常に人気のあるジャンル、輪姦しながら女性を思い切り凌辱するという内容だった。もちろんこれは演技ではなく、本当の性交行為、輪姦が行われるのである。(中略)
 視聴者は、本当の性交行為、この場合は輪姦が行われていると承知し、期待して見ている。ただし、被写体の女性の合意のもとになされている撮影行為であり、犯罪ではなく、合法の映像であるという、視聴者と製作者の暗黙の共通理解を前提としている。真似事ではないホンモノの輪姦だけれども出演女性の合意の上だという論理には矛盾があるように思うが、その矛盾は無視される。(中略)合法だ、本人が同意している(からいいのだ)というエクスキューズが強力に働く。(30〜31ページより)
著者と「ポルノ被害と性暴力を考える会」はAさんを救うべく尽力し、Aさんも著者たちを心のよりどころにする。が、最終的にAさんとは、ある時期を境に一切連絡がとれなくなってしまう。「生き延びていてほしいとひたすら願う」という著者の言葉には胸を締めつけられる思いだが、これがAVをめぐる現実なのかもしれない。
ただし、その一方で、本書を読み進めていくと多少の戸惑いを感じずにはいられない。というのも、Aさん以外の事例には疑問を感じざるを得ない部分があるのもまた事実だからだ。記述で確認する限り、Aさん以外の人たちはどうにも無防備すぎるように思えるのだ。
 Dさんが言うには、マネージャーの説明にはわからない言葉がたくさんあったけれど、業界用語だからね、わかんなくてもいまは大丈夫、と少しだけ説明された。そして、ほとんどのことが消化されないまま、ただアダルトビデオに出演する人は"女優"なんだということだけをなんとなく理解した。(93ページより)
 人通りの多い原宿の表参道で、三十代ぐらいのスカウトマンに声をかけられた。
「君、君、モデルに興味ない? ちょっとだけ参加すればすごく稼げるアルバイトがあるよ。」
 せっかく東京に出てきたことだし、「すごく稼げるアルバイト」というのにも心を動かされて、面白そうだと思って男についていった。
 近くの事務所に連れていかれた。小さい事務所だったがいかにも芸能界風な雰囲気だったという。
 短期間で簡単に稼げるバイトがあると言われた。地方で定職に就いてはいたが、介護職で非常勤なので低賃金だ。一〜二時間程度の撮影で三万円と言われれば心は動く。(111〜112ページより)
世間を知らない中高生ならまだしも、大の大人がこの程度の感覚しか持ち合わせていないことには多少なりとも驚きを隠せない。そして、そこにも問題の一端があるということも、残念ながら否定できないのではないだろうか。
本書に記された事実を確認する限り、一部のアダルトビデオ業者は間違いなく非道である。しかし、この程度の危機感しか持ち合わせていないというのはいかがなものか(ただし、強姦されたAさんと、「なんとなく」そうなることを容認してしまった子たちとの差は大きい)。
事実、著者は、騙されやすい子の共通点として「未熟で社会性がない」「気が弱くなかなか嫌といえない」「生真面目で律儀」「断っては悪い、なんとかしてあげたい、と思ってしまう」「タレントやモデルが憧れで、貧しい」といった点を挙げている。
でも、それらが言い訳にならないということを本人たちが理解できない限り、結局はどうにもならないのではないだろうか。
とはいえ、事情はどうあれ彼女たちのことを救済する必要があることだけは間違いない。だとすれば、私たちはなにをすればいいのか? 基本的には、"部外者"である私たちも、それぞれの立場から考えてみる。そこからはじめるしかないのかもしれない。
 このような映像に一定の需要があることを考えると、なんという性の貧しさかと思う。
 性の快楽の表現という、きわめてプライベートな事柄に対して、貧しいだの豊かだのと他者に価値評価されたくないとの意見もあろう。しかし、性の快楽を享受するには、重大な前提条件が必須である。他者の性の尊厳を脅かし、侵犯しない限りにおいて、という前提条件である。(235ページより)
本人たちの自覚の有無はさておいても、私たちが考えるべきはこの部分ではないだろうか? そして、私自身の読後感からいわせてもらえば、著者が被害のことをより明確に訴えたいのであれば、無防備さの見える女性たちよりもAさんのような事例をもう少し盛り込んでいたほうが、より適切だったのかもしれないとも感じる。もちろんAさんのような思いをする人は、少ないほうがいいに決まっているのだが。
『AV出演を強要された彼女たち』  宮本節子 著  ちくま新書
[筆者]印南敦史 1962年生まれ。東京都出身。作家、書評家。広告代理店勤務時代にライターとして活動開始。現在は他に、「ライフハッカー[日本版]」「WANI BOOKOUT」などで連載を持つほか、「ダヴィンチ」「THE 21」などにも寄稿。新刊『世界一やさしい読書習慣定着メソッド』(大和書房)をはじめ、『遅読家のための読書術――情報洪水でも疲れない「フロー・リーディング」の習慣』(ダイヤモンド社)など著作多数。

起きたら8時でヤバい/今日はWスタなし/Fuさんがヘルプ?

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Fig47

Poursuite des barrages routiers autour des dépôts pétroliers, la grève pourrait s'étendre
Avec cette grève, la CGT entend pousser le patronat (FNTR, TLF, OTRE) à "négocier" l'insertion dans la convention collective du transport routier de "spécificités" propres aux matières dangereuses.
La pause dominicale passée, la grève reprend de plus belle. Des conducteurs de camions transportant des matières dangereuses (carburant, gaz, produits chimiques...) ont poursuivi lundi la grève déclenchée vendredi pour réclamer une amélioration de leurs conditions de travail, avec des barrages filtrants installés dans quelques villes.
70% de grévistes
En Ile-de-France, des grévistes "essaient de convaincre les conducteurs" de se joindre au mouvement et le trafic est "ralenti" devant huit des neuf dépôts pétroliers de la région, d'après Fabrice Michaud (CGT-Transports) qui a estimé la proportion de grévistes "aux alentours de 70%".
Les grévistes sont "motivés", d'autant que "nous n'avons toujours pas d'écho de la partie patronale, même pas le principe d'une rencontre", a-t-il poursuivi, en dénonçant le "mépris" des fédérations professionnelles.
Au port de Gennevilliers (Hauts-de-Seine), une trentaine de camions ont bloqué la circulation avant que les forces de l'ordre n'interviennent, selon la police du département. En debut de matinée, la sortie des poids-lourds d'approvisionnement se faisait progressivement. A la raffinerie de Grandpuits (Seine-et-Marne), des militants de la CGT ont distribué des tracts aux conducteurs à partir de 4 heures du matin depuis l'entrée de la base de chargement. En début de matinée, "dix camions étaient stationnés au bord de la route", sans occasionner de "troubles à l'ordre public", d'après une source policière.
Fabrice Michaud assure que "70 à 80%" des stations-service franciliennes sont "en risque de rupture de stock, contrairement au discours rassurant de l'Ufip (Union française des industries pétrolières)" . Contactée, l'organisation professionnelle n'a pas fait de commentaire.
Pousser le patronat à négocier
Et la grève pourrait s'étendre au reste de la France. Selon Fabrice Michaud, les opérateurs de chargement et déchargement des camions du groupe Total "envisagent" aussi de se mettre en grève, sur les sites de Pont-les-Valence, Gennevilliers, Toulouse et Valenciennes.
Avec cette grève, la CGT entend pousser le patronat (FNTR, TLF, OTRE) à "négocier" l'insertion dans la convention collective du transport routier de "spécificités" propres aux matières dangereuses. Elle demande notamment une durée journalière de travail maximale de 10 heures, un suivi médical semestriel spécifique, un taux horaire minimal de 14 euros de l'heure et un treizième mois. Le syndicat dit attendre depuis le 10 mai une réponse à ses revendications.
Sans réponse lundi, "on reconduira le mouvement demain", a assuré à l'AFP Stanislas Baugé (CGT) depuis le dépôt de La Rochelle, où une trentaine de syndicalistes filtraient les entrées et sorties du site depuis 04H00.
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安倍総理国会へ…加計学園問題“意向”あったのか?▽日本に恋して京都へ…ポルトガル菓子職人が生み出す人気カステラ▽最新!芸能ニュース▽アキナ・激戦区でから揚げ探し
浦川泰幸 サブキャスター 塚本麻里衣・古川昌希 フィールドキャスター 高橋大作 村井美樹(女優) 小西克哉(国際ジャーナリスト) 木原善隆(ABCコメンテーター) 澤田有也佳 気象予報士 清水とおる

双葉盆唄 ハワイへ行く〜福島 震災から6年〜
原発事故で避難したままの福島県双葉町に暮らしていた人々。故郷の伝統芸能を保存しようと乗り出している。ハワイ日系人太鼓チームに盆唄を受け継いでもらおうというのだ。
東日本大震災に続く原発事故で避難を余儀なくされたままの福島県双葉町に暮らしていた人々。「もう生きているうちには、故郷に戻れないかもしれない」現実に直面した人々が、故郷の伝統芸能をなんとか保存しようと乗り出している。なんとハワイの日系人の太鼓チームに、双葉の盆唄を受け継いでもらおうというのだ。ハワイの日系人も故郷を遠く離れて文化を受け継ぎ生き抜いてきた。福島とハワイ。希望をつなぐ物語を感動的に描く。

中居正広のミになる図書館 発売された時感動した懐かし家電ランキング大発表SP
5万人が選んだアンケートクイズ! 「青春時代に発売された時 感動した懐かし家電ランキング」そして 「子供時代・青春時代に登場した時 ビックリしたお菓子&デザートランキング」クイズを出題 「世界が変わった!」「未来が来た!」 70代から10代まで各世代が本気で感動した懐かしの家電 60〜70代の1位はやっぱり1953年に発売されたあの家電? 40代の1位はCMが印象的だったあの家電! 皆さんは分かりますか?ランキングのみならず 「洗濯物を脱水するとボタンがわれる!?」 「ラジカセで録音したら母親の声が入った」など 当時の「あるあるネタ」も盛りだくさん! 「ビックリしたお菓子&デザートランキング」では 「あーーー覚えてる!!」と思わず言ってしまう 懐かしのCMも一挙公開! さらにさらに、アスリート生チャレンジでは 「神スイング」稲村亜美が限界挑戦! 生放送でホームランを打てるか!?
中居正広 劇団ひとり 玉森裕太(Kis-My-Ft2) 清水俊輔・竹内由恵(テレビ朝日アナウンサー) 三上大樹(テレビ朝日アナウンサー) 舞祭組 峰竜太 八代亜紀 吉川美代子 池上季実子 出川哲朗 中井美穂 小島奈津子 田中美奈子 杉崎美香 チャンカワイ 眞鍋かをり 滝沢カレン りゅうちぇる
☆番組HP  http://www.tv-asahi.co.jp/mininaru/

ココイロ 大阪市・船場 〜南米の古代文明をイメージした装飾 レトロな芝川ビル〜
「色」をテーマに関西のいろいろな街を訪ねる映像紀行。
トミーズ雅

好きか嫌いか言う時間SP【最恐ゴミ屋敷救済プロジェクト★完結編!】
緊急!ゴミ屋敷救済プロジェクト
前回登場の最恐ゴミ屋敷住人の家をブラマヨ吉田とりゅうちぇるが大清掃!火災跡、生ゴミ、タバコの吸殻、ねずみの糞で強烈悪臭! 住人は人生を変えることができるのか。スタジオ感動のラスト。 さらに隠れゴミ屋敷住人が大集合! 「なぜ片付けられないか」心の闇を抱える住人たちに密着取材。ゴミ屋敷人気シリーズ完結編!!
坂上忍 吉田敬(ブラックマヨネーズ) りゅうちぇる 虻川美穂子(北陽) 出口保行 川田裕美
◇番組HP http://www.tbs.co.jp/sukikakiraika/


朝起きたらなんと8時!!ヤバいです.朝ごはん食べる時間がありません.急いで出かける準備をしました.どうにか間に合いましたが・・・
今日はWスタなしなので少し楽です.
夕方電話でFuさんが呼び出されて?ヘルプに来ていたみたいです.私は疲れていて早々に帰りました.

被災農地7年ぶり田植え アートで彩り
 東日本大震災で被災した宮城県南三陸町志津川の廻館地区で、7年ぶりに田植えが行われている。廻館営農組合の西城善昭組合長(64)は田んぼアートを企画し、28日は住民らと苗を植え付けた。農業の担い手が少なくなる中、被災した町に彩りを添え、コメへの関心を高めていく考えだ。
 田んぼアートは35アールの水田に赤米、黒米を使って町名物のタコを描く。西城さんは地元の子どもやボランティア約50人と手植えで汗を流し、「やっとここまで来てホッとした」と笑顔を見せた。
 水田の近くにある志津川高に通う3年の菅原藍香さん(17)も参加し、「高校の周りは復興工事ばかりで寂しい。田んぼができて震災前の風景が戻ったよう」と喜んだ。
 西城さんは2011年3月11日、農作業中に地震に見舞われ、逃げた高台で町防災対策庁舎が津波にのまれる惨事を目の当たりにした。建てたばかりの自宅や大切な田畑も失った。
 廻館地区の農地は当初、原形復旧の計画だった。次世代の農家のためにも、収益性の高い圃場整備事業の実施を町に要望。14年に認められ、16年度末までに11.5ヘクタールが引き渡された。
 震災前、廻館地区の農家は約60戸あった。被災による廃業や農地の集約に伴う貸借で、新たに組織した営農組合に名を連ねたのは3戸にとどまった。
 西城さんは「新しいことをやらなければ農業は衰退する」と危機感を募らせ、田んぼアートを企画した。人が集まって楽しめる場所にし、町の活性化につなげたいという。
 担い手不足に加え、コメ消費量の落ち込みや生産調整(減反)の廃止など不安要素はいくらでもある。それでも西城さんは「息子や孫に誇れる農業にするため、やれることをやる。まず若い人にコメを好きになってもらいたい」と語る。
 田んぼアートは7月には葉が色づき、見頃を迎える。営農組合は今年、7ヘクタールにひとめぼれや飼料用米を作付けする。


河北春秋
 気仙沼市立病院が老朽化のため11月に移転開院する。新しい建物を彩ってほしいと、長野県伊那市から、伊那地域固有種で門外不出とされてきたタカトオコヒガンザクラ2本と、シダレザクラ40本が贈られた▼気仙沼市を流れる大川の桜並木は東日本大震災前、花見スポットとして市民に親しまれていた。しかし、震災で桜の木が流失したり、復興工事のために切り倒されたりで、思い出の中だけの風景になってしまった▼両市の橋渡し役となったのは、伊那市からの復興支援で2014年3月から約2年間、同病院に事務職員として勤務した北原浩一さん(56)だ。気仙沼市民が愛した桜の名所を新病院に復活させようと、伊那市の白鳥孝市長に提案した▼高遠城址(じょうし)公園で知られる伊那市は「日本一の桜の里づくり」を進めている街。市はふるさと納税を活用した「気仙沼さくら復活プロジェクト」に取り組み、寄贈を実現させた▼北原さんは白鳥市長らとともに24日、植樹式に出席、「桜が患者を癒やすよう願っている。時々この桜の様子を見に来たい」と話した。小ぶりな花で紅色が濃いのが特徴のタカトオコヒガンザクラは樹齢7年、高さ3メートルで、来春には花が見られるという。桜の季節は過ぎたばかりというのに市民は早くも、春を待ちわびている。

<こいのぼり>初夏だってコイの季節 旧暦で祝う
 気仙沼市唐桑町の空に、ちょっと遅めのこいのぼりが泳いでいる。太陽が顔をのぞかせた28日、マゴイやヒゴイが海からの風を受け、ゆっくりと巨体をくねらせた。
 こいのぼりを掲げるのは通常、5月5日のこどもの日。唐桑半島の家々では、厄よけで玄関に飾るショウブやかしわ餅に使うカシワの葉などが十分に成長していないため、新暦より遅い旧暦の端午の節句に合わせる風習がある。今年の旧暦の節句は30日に当たる。
 半島先端にある御崎神社の伊東一彦宮司は「氏子に配る年中行事表にも旧暦に従い、こいのぼりを揚げる日を書いている。これからも地域の習わしを絶やさないようにしたい」と話す。唐桑地域のこいのぼりは、子どもの健やかな成長を願うほか、大漁祈願などの意味もある。そのため、男児がいなくても軒先に飾る家があるという。


<憲法施行70年>吉野作造研究会 集い開催へ
 70年前の憲法施行当時に思いをはせる集いが6月11日、仙台市太白区八木山市民センターである。民本主義を提唱し、憲法成立に思想的影響を与えた吉野作造を約30年研究する仙台市の「『吉野作造通信』を発行する会」が主催。憲法の門出を振り返りながら、憲法を取り巻く現状を考える。
 発行する会は1986年結成。事務局長の永沢汪恭(ひろやす)さん(75)が吉野作造と故郷大崎市との関わりや県内での足跡、吉野作造記念館建設に至る顕彰運動の歩みを通信につづってきた。
 平和学をリードした国際政治学者の故坂本義和さん、政治学者丸山真男の授業を受けた政治学者の三谷太一郎さんら一級の学者も寄稿。昨年12月刊行の18号の巻頭は、東大名誉教授(政治思想史)の松本三之介さんの論文だ。
 集いで紹介するのが、新憲法制定を記念して仙台の作曲家、故海鋒義美氏が作った童謡「育てる役目は私たち」(高橋恒男作詞)。「国の基の約束を 育てる役目は私たち 立派に伸ばすは私たち」という歌詞をNHK仙台少年少女合唱隊が歌う。
 憲法普及会が制定した国民歌「われらの日本」やサトウハチロー作詞の「憲法音頭」も披露し、当時の祝賀ムードを演出する。
 制定に当たっての吉田茂首相の談話や、憲法普及会が国民に配布した「新しい憲法 明るい生活」の発刊の辞を朗読。「みやぎの近現代史を考える会」会長の一戸富士雄さん(86)が、敗戦と憲法施行を迎えた高校生当時の暮らしについて語る。
 永沢さんは「吉野作造の影響を直接、間接に受けた人々が憲法の形成に関わった。現在の問題を考えるため、当時に戻って原点を確認したい」と話す。
 午後2時。資料代200円。定員30人(要申し込み)。連絡先は永沢さん022(229)0534。


震災でも休まず 市民活動情報誌「ゆるる」20年
 宮城県内の市民活動を紹介する情報誌「杜の伝言板ゆるる」が6月、創刊20周年を迎える。資金不足や東日本大震災などの困難を乗り越え、毎月休まず発行してきた。編集長の大久保朝江さん(68)=仙台市青葉区=は「地域の課題解決に地道に取り組む団体に光を当て、応援してきた」と振り返る。
◎記念号資金 CFで調達
 「ゆるる」は1997年6月、仙台市内の福祉関係者らが創刊し、今年5月発行の創刊20周年記念号で240号を数えた。A4判16ページが基本で毎月9000部を発行。NPO関係者の寄稿を柱にボランティア募集やイベント告知、助成金情報を発信している。
 当初はボランティアの編集スタッフがNPOのチラシを集めるなど、足を使って情報収集に奔走。取材を重ねるうち、NPOが抱える課題が浮かび上がり、会計や税務などの講座を主催するようにもなった。大久保さんは「情報発信から活動が広がっていった」と20年の歩みを語る。
 創刊の1年半後に約30万円の赤字となるなど、慢性的な資金不足に悩まされてきた。昨秋にはインターネットで小口資金を募るクラウドファンディング(CF)を実施。74人から62万5000円が寄せられ、創刊20周年記念号の発行にこぎ着けた。
 震災直後に「宮城のNPOが被災地で活動していない」との批判を聞き、「こういう時に情報誌を出さないでどうする」(大久保さん)と奮起。3年半にわたり、「復興への道」と題した特集を掲載した。
 「ゆるる」は毎月1日発行で、仙台市内の公共施設などで無料配布している。今後も継続発行する。大久保さんは「情報誌はNPO活動に参加するきっかけづくり。手にとって読み、行動につなげてほしい」と期待する。


犠牲者追悼施設デザイン案再検討へ 遺族の異論配慮
 東日本大震災で多くの住民が犠牲になった釜石市鵜住居(うのすまい)地区防災センター跡地に市が建設する「祈りのパーク」について、市民らでつくる整備推進委員会は26日、前回の会合で合意したデザイン案を再検討することを決めた。遺族の委員が異論を唱え、再考を求めたのが理由。6月末の最終会合を前に追加で会合を開き、議論を詰める。
 デザイン案は(1)盛り土した丘の上を祈りの場とし、元の地盤から11メートルの高さに石碑を建てて震災時の津波高を示す(2)丘の中心のくぼんだ部分に犠牲者名を記した芳名板を設け、慰霊の場にする−が柱。4月下旬の前回会合で、遺族の男性委員を含む全員が了承した。
 男性委員は他の遺族と話し合い、違和感が強まったと説明した。防災センターの建物内で大勢が亡くなった経緯から、芳名板の設置場所について「犠牲者は海が見える丘の上を望むのではないか」と指摘。「誰のために、どんな施設を造るのかをもう一度考え直してほしい」と訴えた。
 理解を示す委員もいたが、戸惑いの声もあった。野田武則市長が「禍根を残してはいけない。時間はかかっても立ち止まって考えるべきだ」と引き取った。
 市は今年3月のパーク開設を目指していたが、財源となる復興交付金の調整が長引き、完成目標を2年遅れの2019年2月末に延期した。間に合わせるには委員会の議論が6月末までに終わる必要がある。


被災の蒲生干潟で観察会 住民ら回復実感
 東日本大震災で被災し、仙台市の土地区画整理事業が進む宮城野区蒲生地区の現状を知ってもらおうと、元住民らが28日、同地区の集会所で「第1回蒲生まつり」を開いた。元住民でつくる「蒲生まちづくりを考える会」と、自然保護団体「蒲生を守る会」の主催。
 防潮堤建設が計画されている蒲生干潟の観察会に約30人が参加し、ササゴイやメダイチドリなどの野鳥や植生を観察した。守る会の熊谷佳二さん(62)は「干潟はすごい速さで回復している。自然や歴史と共存したまちづくりこそ本当の復興だ」と話した。
 参加者には釜焼きピザや手打ちそばが振る舞われ、交流を深めた。


<災害公営住宅>気仙沼市全戸完成「一つの節目」
 宮城県気仙沼市は28日、東日本大震災の被災者が入居する災害公営住宅全2087戸の整備を完了した。最後となった市営気仙沼駅前住宅1号棟(130戸)の完成式典が古町3丁目の現地であった。
 1号棟は鉄筋13階の集合住宅で2DK〜4DKの4タイプあり、31日に入居が始まる。昨年10月に完成した2号棟(64戸)と合わせて駅前住宅は計194戸。
 式典には市の関係者や施工業者、住民ら約100人が出席。菅原茂市長は「6年の月日を費やし、ようやく住宅整備が完了した。気仙沼の復興は一つの節目を迎えた。今後、市民が主役の街づくりに尽力したい」とあいさつした。
 関係者や入居者は式典後、完成した住まいを見て回った。6月1日に入居予定の無職高橋清夫さん(68)は「安心した暮らしを待ち望んでいた。入居者同士で助け合いながら、住んでよかったと思える団地にしていきたい」と話した。
 市は市内28地区35カ所に災害公営住宅を整備。2015年1月に市内初の市営南郷住宅が完成した。計2087戸分の総事業費は約800億円。


石炭火発の運転中止求めて抗議 仙台で市民集会
 仙台市宮城野区で6月にも試験運転を始める石炭火力発電所「仙台パワーステーション(PS)」を巡り、市民団体「仙台港の石炭火力発電所建設問題を考える会」が28日、仙台PS周辺で発電事業の中止を訴える抗議行動をした。
 仙台港近くであった集会で、共同代表の長谷川公一東北大大学院教授が「仙台PSに試験運転や本格運転の中止を求める。少なくとも自主的な環境影響評価(アセスメント)を1年間やるべきだ」と強調した。
 約60人の住民らは「この自然を守ろう」「原発も火力発電もいらない」などのメッセージの入った風船を手に仙台PS周辺をパレード。参加した宮城野区の主婦中島善江さん(64)は「大気汚染で子どもたちがぜんそくになったらどうするのか」と話した。
 考える会によると、石炭火力発電所の建設や操業の中止を求める署名が2万2000人分集まり、30日に村井嘉浩知事に提出する。


「共謀罪」きょうから参院へ 抜本的な修正を求める
 多くの疑問を残して衆院を通過した「共謀罪」法案は、きょうから参院での審議が始まる。
 政府はテロ対策を前面に打ち出しているが、捜査権が乱用されれば、警察による監視社会を招く。法案に対する懸念の核心がここにある。
 海外と情報を共有するために、国際組織犯罪防止条約の締結は必要だろう。ただし、こうした治安立法に当たっては、人権に最大限の配慮をすることが必要不可欠である。
 このため、私たちは「共謀罪」の対象犯罪を大幅に絞り込むことと、捜査権乱用の歯止め策を法案に書き込むことの二つを求める。参院は法案を抜本的に修正すべきだ。
 政府がなぜ277の犯罪を対象にしたのか、根拠は不明確なままだ。中には、保安林でキノコを採る森林法違反や、墓を荒らす墳墓発掘死体損壊罪など明らかに関連性の乏しいものが含まれている。
 著作権法違反のように国民生活に身近な犯罪もある。政府は、組織的犯罪集団が資金獲得のために海賊版CDの販売を計画するような例を挙げた。しかし、現実性に乏しく、場当たり的な印象は否めない。
 自民党法務部会ですら、2007年に犯罪数を128に限定した小委員会案を作成している。外務省によると、条約締結に当たってスペインが共謀罪などの対象にした犯罪数は46、スイスは約100にとどまる。
 犯罪の計画、準備段階で処罰することの必要性に着目すれば、大幅な絞り込みが可能なはずだ。
 同時に、捜査の行き過ぎを防ぐため、厳格な歯止め策を法案に盛り込むべきである。
 衆院では「捜査を行うに当たってはその適正の確保に十分配慮しなければならない」との規定を追加する修正がなされたが、これではまったく不十分だ。労働組合や市民団体の活動を、警察が不当に監視できなくする明文規定が必要だろう。
 法案については、プライバシー権に関する国連特別報告者が、恣意(しい)的な運用のおそれを指摘している。政府は耳を傾けるどころか抗議した。
 参院は、衆院での「過ぎたるを抑え、足らざるを補う」ところに存在意義がある。国民的な合意が不足している法案だからこそ、再考の府ならではの役割を果たすべきだ。


〔「共謀罪」参院へ〕良識の府の役割果たせ
 「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案が、きょう参院本会議で審議入りする。
 政府は「共謀罪」の名称を「テロ等準備罪」と改め、適用対象はテロ組織や暴力団など「組織的犯罪集団」と説明している。しかし組織的犯罪集団の定義は依然として曖昧だ。恣意(しい)的な捜査によって正当な活動をしている市民が対象となる恐れが消えない。
 今月9日、中城村議会は法案の廃案を求める意見書を賛成多数で可決した。「県民の正当な反基地、平和運動が真っ先に標的となり、激しい弾圧の対象となるのは火を見るより明らか」と指摘し、基地負担の軽減を求める市民らの抗議活動が標的とされることを懸念する。その後に意見書を可決した北谷町議会も同様の危惧を訴える。
 辺野古のゲート前で続く市民らの新基地建設反対運動が、組織的威力業務妨害罪に当たるとして立件される可能性が指摘されているのだ。
 自民党法務部会の古川俊治部会長は、テレビ朝日の番組で、新基地に反対する市民がトラックを通さないよう座り込む抗議行動について「具体的な計画をもって行えば適用対象となる可能性がある」と明言した。
 国策に異を唱える団体を取り締まろうとする政権の思惑が露骨だ。恐らくそれが政府の本音なのだろう。
 自由な言論活動が監視の対象となれば、市民運動は萎縮し民主主義は後退する。参院の審議を通し組織的威力業務妨害罪の立法事実を問いただす必要がある。
■    ■
 英国のマンチェスターで22日に起きた自爆テロ事件を引き合いに、「だから法案が必要」との声が与党内から聞こえてくる。だがこの法案は本当にテロ対策を目的としたものなのか疑問である。
 法案には277の罪が盛り込まれているが、直接テロ対策とかかわるものは一部だ。
 テロ対策に名を借りて個人の「内心の自由」に土足で踏み込み、捜査機関の権限を拡大してプライバシーを脅かす「超監視社会」を招くようなことがあってはならない。
 先週、法案は採決が強行され衆院を通過した。共同通信の世論調査で8割近くが政府の説明は不十分だと答え、各地の人権問題を調べる国連特別報告者は「深刻な欠陥がある」と批判している。
 治安維持の性格を持つ法律は歯止めがなければ成立後に必ず一人歩きする。テロ対策というのであれば、現行法でできること、できないことをまずはっきりさせるべきだ。
■    ■
 衆院の審議では金田勝年法相の不十分な説明、政府側の一貫性を欠いた答弁が続き、法案を採決するような状況ではなかった。
 数の力による与党の強引な委員会運営も目に余る。
 特定秘密保護法、安保関連法の時もそうだったが、今回の「共謀罪」法案や森友学園、加計(かけ)学園問題の審議を通して浮き彫りになったのは、行政府に対する監視・けん制機能を失った「国会の形骸化」である。
 「良識の府」の真価が問われる。


国連報告書に反論 政府は開き直らず耳傾けよ
 この国の言論の自由が揺らいでいる。民主主義を危ぶむ国際的な警告に対して、政府は耳を貸さないどころか、自らの行為を正当化した。「共謀罪」法案にも見られるように、内心・思想の自由をも脅かす政府の開き直りを断じて認めるわけにはいかない。
 沖縄平和運動センターの山城博治議長が基地建設反対運動に関する容疑で逮捕、長期勾留されていたことについて、国連の特別報告者ら3専門家と1機関が懸念する文書を、2月に日本政府に送っていた。
 政府は回答で「適切に対応した」「主張は完全に間違っている」と否定した。だが、国連の特別報告者は、国連人権理事会の下で「表現の自由」など特定の国の人権問題を調べる専門家であり、真摯(しんし)に耳を傾けて反省すべきだ。
 今回、文書を送ったデービッド・ケイ氏は、国際人権法や国際人道法の専門家だ。昨年4月に来日して調査した際には、辺野古新基地に抵抗する市民への過度な権力行使にも警告を発している。
 国際社会からは、日本の言論・表現の自由の基盤がぐらつき始めていると受け止められている。山城議長の5カ月間に及ぶ長期勾留については、不当な拘禁だとして、国内の刑法学者や国際人権団体から強い批判を浴びた。国連特別報告者も懸念を示したことで、言論・表現を封じようとする政府の不当性が改めて浮き彫りになった。
 山城議長の長期勾留は、衆議院を通過した「共謀罪」法案の先取りとも指摘されている。国の政策に抗議するのは表現活動であり、憲法が保障した正当な権利だ。政権の意に沿わない市民運動を萎縮させる狙いが見え隠れする。
 その「共謀罪」法案に対しても先日、別の国連特別報告者が「プライバシーを不当に制約する恐れがある」と指摘した。政府はむきになって抗議したが、日本は国連人権理事会の理事国でもあり、大人げない反応はいかがなものか。質問に抗議でしか回答できないのは国際関係上、問題があると指摘する識者もいる。
 6月にスイスのジュネーブで開かれる国連人権理事会で、ケイ氏は日本に関する報告を出す。山城議長も「民主主義の圧殺」を訴える予定だ。民意を無視し抗議を弾圧するのなら、もはや独裁国家でしかない。政府は国際人権法に基づいて、民主主義を守り抜く施策を進めるべきだ。


【国連報告者】人権軽視への疑念示す
 「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案を巡り、国連の特別報告者から懸念を示し、質問する書簡が日本政府に送られた。これに対して政府は抗議文を返し、反論を受ける事態となっている。
 書簡を送ったのはジョセフ・ケナタッチ氏。マルタ出身で2015年に国連人権理事会から任命された。プライバシー権の報告者だ。
 特別報告者とは、政府や組織から独立した資格で、専門の立場から特定の国やテーマ別に人権の状況を調査、監視し、その結果を国連人権理事会に報告する。
 法案については人権侵害の危険性をはらむことがこれまで再三、指摘されている。政府は適用対象を「組織的犯罪集団」に限定するというものの、その判断基準や捜査拡大への歯止め策は曖昧なままだ。
 ケナタッチ氏は安倍首相宛ての書簡で、「プライバシーに関する権利と表現の自由への過度な制限につながる可能性がある」「『組織的犯罪集団』の定義は漠然としている」などと指摘した。
 その上で、監視が強化されるのに適切なプライバシー保護策を導入する具体的条文や規定がない▽監視活動を事前に許可する独立した第三者機関の設置が想定されていない―などの点を挙げ、回答を要望した。
 法案を専門的な立場から考慮し、懸念を示した内容といえる。
 ところが政府は書簡の内容が「明らかに不適切」として抗議した。菅官房長官はこの後の記者会見で、法案が国連の国際組織犯罪防止条約締結のためだとし、「プライバシーや表現の自由を制約する恣意(しい)的運用がなされることは全くない」とした。
 だが、ケナタッチ氏が求めているのは根拠のない弁明ではなく、人権やプライバシーを保護するための法案への明確な規定である。そこに警告を鳴らしたと理解すべきだ。人権を軽視するかのような日本政府への疑念と受け取っていい。
 政府からの抗議文に氏は「深刻な欠陥のある法案を拙速に押し通すことは正当化できない」と反論した。
 政府は昨年も国連の特別報告者から指摘を受けた。言論や表現の自由が守られているかを調べた米国のデービッド・ケイ氏は、特定秘密保護法に関して、特定秘密の定義が曖昧▽法の適用を監視する独立専門機関の設置が必要―と警告した。
 ケナタッチ氏からの指摘と重なる点に注目せざるを得ない。人権や知る権利を制限しようとするのに、特定秘密の定義は曖昧で、権力を監視する仕組みにも欠けている。こちらも政府は聞く耳を持たないかのような姿勢だ。
 沖縄の米軍普天間飛行場の移設を巡る抗議活動に絡んだ長期拘束でも、国連特別報告者ら4人が政府に是正を求めていたことが判明した。
 専門家の厳しい目を政府は誠実に受け止めなければならない。問われているのは、批判、懸念、疑問などに対し、丁寧に説明して理解を得ようとする姿勢である。


「国連の総意じゃない」 猛反論で無知をさらした安倍政権
 これぞ“二枚舌”政権の正体見たりだ。国連人権理事会の特別報告者ジョセフ・ケナタッチ氏が共謀罪法案の問題点を指摘する文書を安倍首相宛てに送ったことに対し、安倍首相と菅官房長官のコンビは「国連の総意じゃない」などと猛反論しているが、「無知」にもホドがある。
 G7サミットでイタリア南部、シチリア島を訪れた安倍首相は、27日に国連のグテレス事務総長と立ち話。グテレス氏から「(ケナタッチ氏の)主張は必ずしも国連の総意を示すものではない」との発言を引き出してニンマリ顔。22日の会見で菅官房長官が「特別報告者は個人の資格で調査報告を行う。国連の立場を反映するものではない」という“裏付け”を得て上機嫌だったのだろうが、全く分かっちゃいない。
 そもそもケナタッチ氏の指摘が現時点で国連の総意でないのは当たり前のことだ。日本のプライバシー権の保護状況を調査する義務を負うケナタッチ氏の報告を基に、人権理事会が「問題あり」と判断し、採択されて初めて「総意」となるからだ。調査途上にあるケナタッチ氏の指摘は総理や閣僚が感情ムキ出しで反論するようなことではない。しかも、政府は昨年7月15日、「世界の人権保護促進への日本の参画」と題した文書を公表し、人権理事会の調査に協力姿勢を示している。文書には〈特別報告者との有意義かつ建設的な対話の実現のため、今後もしっかりと協力していく〉と明記されているのだ。特別報告者に協力する――と約束しながら、問題提起されると「個人」扱い。世界もア然ボー然だ。
 しかもだ。日本政府は今春、北朝鮮の日本人拉致などの人権問題解決に尽力し、16年まで特別報告者を務めていたインドネシア国籍のマルズキ・ダルスマン氏に旭日重光章を授与している。政権にとって都合のいい人物は絶賛するが、苦言を呈する人物はこき下ろす。まったくデタラメだ。
「今回の対応は、分かりやすいダブルスタンダードで、安倍政権らしい考え方と言える。ケナタッチ氏は特別報告者として、日本社会を調査する権限を持っています。しかるべき立場の人物が調査のために送った『質問書』を『国連の総意ではない』と切り捨て、抗議するなど全くの見当外れです」(日弁連共謀罪法案対策本部事務局長の山下幸夫弁護士)
 安倍政権から抗議文を送りつけられたケナタッチ氏は、「(抗議文は)中身のあるものではなかった」と憤慨。いやはや、世界中に恥をさらすのはいい加減にしてほしい。


前川に続く官僚と評価する政治家欲しい
 ★民主党政権時代、政治家主導で官僚のいいなりにならぬよう、政務3役でしっかりと政策を進めると言い出して官僚を排除。事務次官会議すらやめたことがあった。政治の理想型はそこにあるのはわかるが、それには政治家1人1人が人格、政策能力を含め官僚と肩を並べる力が必要になる。日本の官僚制度は優秀な人材の宝庫でさまざまなタイプの野武士も多くいて戦後日本をけん引してきた。★政治家の政治力は影響力や権力ではない。最終的な政治決裁をする胆力がある者が使う日本の将来を見据えた決断だ。しかし政治家は地盤、看板、権力だけを継承した2世3世がはびこり、財界も決断しないサラリーマン社長ばかり。官僚も外資系の高給取りか官僚の選択に翻弄(ほんろう)される時代。本当の日本の知識人は減ってしまったのか。★国家戦略特区はアベノミクス第3の矢といわれた。確かに中央官庁は省益拡大には積極的だが規制緩和は業界の秩序が乱れ、役所が既得権益を軸に業界に対して指導力を発揮できず、また一部省益が他省庁や地方自治体に拡散する危険があるので認めたくはないという、いわゆる“岩盤”があったのは事実。それを打ち破る必要があるものと自由化や特区で「試してみる」だけの価値があるかどうかも「なぜこれが特区の事業に選ばれたのか」が問われる。アベノミクスの名のもとに、強引に特区に“情実”で決められ「官邸の最高レベルが言っている」「総理の意向」があったのならば、特区に隠れた権力の私物化になる。★森友学園疑惑では「黒いものをシロ」と言い張る財務官僚が「立派」と霞が関では評価されたという。それは「家来として」褒められたのであって、その後人事で評価されるということなのか。「赤いものを青とは言えない」はパージの対象になる。それでも前川の後に続く官僚に出てきてもらいたいし、それを評価する政治家にもいて欲しい。

暗黒政治に文化人学者が一斉蜂起 「安倍おろし」の大合唱
 安倍首相の通算在職日数が、28日で1981日となり、小泉純一郎を抜いて、戦後3位に躍り出た。来年の総裁選で3選すれば、歴代最長も視野に入ってくる。1強独裁を謳歌する安倍政権だが、「千丈の堤も蟻の穴より崩れる」だ。森友学園、加計学園の問題で、おぞましい権力の私物化を目の当たりにし、世論の怒りが急速に広がりつつある。
 日本経済新聞電子版の「クイックVote」では、第322回「加計学園問題、説明に納得できますか」が投票中だが、内閣支持率がなんと27.3%(28日23時時点)に急落。前回調査から20ポイント以上の落ち込みだ。加計学園をめぐる政府の説明には、80.9%が「納得できない」と答えている。シグマ・キャピタルのチーフエコノミスト、田代秀敏氏が言う。
「ここまで下がるとは驚きました。森友学園問題がテーマとなった3月初めにも36.1%に下落しましたが、その後、北朝鮮がミサイルを発射するたびに、内閣支持率は回復し、4月末には71.1%に達しました。首相の親友に便宜が図られたとされる加計学園問題では、真面目にビジネスをしている人ほど怒っているはずです。
 これまで『儲かればいい』と安倍内閣を支持していた人たちも、呆れて見放しにかかっているのでは? 共謀罪法案の強引な進め方も支持率急落の一因でしょう。安倍首相にとっては大打撃で、外遊から意気揚々と戻ってきた途端、厳しい現実に直面しています」
 森友疑惑、加計疑惑を隠すために北朝鮮の脅威をことさら煽り、それを共謀罪法案や改憲にまで利用しようという詐欺的手法も、もはや国民に見透かされている。
■「歴史に対する犯罪」政権
 これだけ国民無視の好き放題を続けてきて、50%、60%という支持率を維持していたことの方が不思議だ。何をやっても支持率が落ちないから、傲慢そのものの政権運営を続けてきたが、さすがにやり過ぎた。都合の悪い文書は廃棄し、あるいは怪文書扱いするデタラメ。あるものを「ない」と言い張り、事実をねじ曲げて無理を通し、嘘で塗り固めるペテン政治。権力の私物化は目に余るものがあり、堪忍袋の緒が切れた有権者の反乱が、かつてない規模で広がり始めている。
 27日の毎日新聞で、作家の柳田邦男氏はこう書いていた。
〈戦後の歴代政権の中で、安倍政権ほど重要な政治案件をめぐって閣僚級の人物や官僚による欺瞞的な言葉の乱発や重要文書の内容否定、存在否定が常態化した時代はなかったのではなかろうか〉
〈閣僚級の政治家も官僚も、説明責任を果たす言語能力に欠けるばかりか、核心をはぐらかし、低劣な問題発言を続発させる。さらに深刻なのは、政策や行政のプロセスに関する文書をどんどん廃棄していることだ。文書の廃棄は、後世において政権の意思決定過程を検証するのを不可能にする。歴史に対する犯罪だ〉
 批判を許さず、歴史の検証をも拒否する独善。安倍政権下の日本は暗黒政治の様相である。歴史作家の保阪正康氏も、かつて日刊ゲンダイのインタビューでこう指摘した。
〈太平洋戦争が始まるとき、日本は軍事独裁だった〉〈軍事が行政を握り、立法と司法を自分の下に置いて支配した。そして戦争に突き進んだ〉〈安倍政権は行政が立法と司法を押しつぶそうとしている〉
 今の日本は〈戦前の独裁政治と同じになりつつある〉というのである。
「権力者の我儘にひれ伏す国は早晩滅びる」
 肥大化した権力が立法と司法を従え、メディアも支配下に置けば、何が起きるか。権力者の胸三寸で政策が歪められる、捜査も報道も歪められる。
 法政大教授の山口二郎氏は、東京新聞のコラム(28日)で〈権力者の我儘に政治家や役人がひれ伏すような国は早晩ほろびる〉と書いている。
〈権力者に近しい者の犯罪はもみ消され、権力者に逆らう者は根拠のない攻撃を受ける〉
〈最大部数の新聞が政府の謀略に加担し、公共放送は政府の言い分を最優先で伝える。傲慢な権力者は議会を軽蔑し、野党の質問には最初から答えない。もはや日本は、かつて中南米やアフリカに存在したような専制国家に成り下がった〉
 仲間内には便宜を図り、盾突く者は叩きのめす。戦前さながらの謀略が横行する恐怖政治は、もはや法治国家の姿ではない。こんな反動政権に「共謀罪」なんてやらせては、絶対にダメだ。
 ここへきて、日本ペンクラブ、日本出版者協議会など多くの知識人が一斉に共謀罪法案に反対の声を上げている。
「人はいずれ死ぬが、法律は死なない。子や孫の代にこの法律がどう使われるか」(作家・浅田次郎氏)
「日本はいま、巨大な渦の淵にいる。渦の中には戦争のようなどす黒いものがある。その渦に巻き込まれるかどうかの境目にある」(漫画家・ちばてつや氏)
「何もしていないのに逮捕される現場を見てきた。共謀罪がなくてもこんな状況なのに、共謀罪ができたら一体どうなってしまうのか」(作家・雨宮処凛氏)
「この法律は精神の危機につながる」(精神科医の香山リカ氏)
 日弁連も「監視社会化を招き、市民の人権や自由を広く侵害するおそれが強い本法案の制定に強く反対する」との声明を発表している。
■お笑いタレントもSNSで懸念を発信
 作家の柳広司氏は朝日新聞の「声」欄に反対意見を投稿、4月30日の紙面に掲載された。
〈昨今の政治状況を見るかぎり、今の日本の政治家や官僚が戦前より優秀であるとは、残念ながらとても思えません。「共謀罪」は、治安維持法同様、必ずや現場に運用を丸投げされ、早晩国民に牙をむく「悪法」になるのは火を見るより明らかです。同時に、結果に対して誰も責任を取らないであろうことも――〉
 共謀罪が施行されれば、こうした言論も自由にできなくなるかもしれない。だから今、止めなければならない。立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)が言う。
「共謀罪の恐ろしいところは、心の中で思ったことまで取り締まることであり、犯罪者かどうかを決めるのは権力側です。自分は犯罪を犯す気がないから関係ない、安倍政権に近いから心配ないと思っている人も、いつ摘発される側になるか分かりません。治安維持法も、どんどん拡大解釈されて政権に都合の悪いものは片っ端から摘発対象になっていった。すべての言論機関が対象になり得るし、表現活動をしている人にとっては切実な問題です。およそ文化人、学者の類いが共謀罪に反対しているのは当然と言えます。国民の反対運動が広がり、支持率がガクンと下がれば、安倍政権もそう強引なことはできなくなる。暴走を止められるかどうかは、世論の蜂起にかかっています」
 共謀罪への懸念はSNSでも広がっている。
 放送タレントの松尾貴史は〈秘密保護法その他とセットで、国民を黙らせる仕組みは完了という状態になってしまう〉とツイート。お笑いタレントのカンニング竹山も衆院で共謀罪が強行採決されたことに対し、〈何故そんなに急いでやる必要性があるのか! なんかやっぱ怖いっす。〉とツイートしていた。ウーマンラッシュアワーの村本大輔は〈共謀罪、国民が悪いことしないかプライバシーを侵害して監視するなら、国会や政治家のプライバシーこそ侵害させてもらって覗かせてもらいたい〉とつづっていた。
 民主主義の根幹が壊され、人権が制限されることを望む国民がどこにいるだろうか。森友、加計問題で、戦慄の実態が次々と露呈し、国民もこの政権の危険性に気づき始めた。もはや「安倍を潰せ!」の大合唱は、止まりそうにない。


安倍首相がサミットデマ吹聴!“G7が共謀罪後押し”“国連事務総長「共謀罪批判は国連の総意でない」”は全部嘘だった!
 昨日、G7から帰国した安倍首相だが、案の定、共謀罪法案が審議入りしたきょうの参院本会議で、まるでG7各国が共謀罪を支持しているかのようなインチキをふりまいた。
 安倍首相はG7初日である26日の会議で「国際組織犯罪防止(TOC)条約締結のためのわが国の取り組みに対する各国の支持に感謝したい」と言い出し、閉会後の会見でも「わが国が国際組織犯罪防止条約の締結に必要な国内法整備を行い、本条約を締結することはG7をはじめとする国際社会と協調して深刻化するテロの脅威を含む国際的な組織犯罪に対する取り組みを強化する上で、極めて重要」と主張していた。
 しかし、TOC条約と共謀罪はまったく別の話だ。多くの識者が言及しているように、共謀罪を新設せずとも現行法の制度のなかでTOC条約を締結させることはできるし、TOC条約は組織的な経済犯罪を防止するマフィア対策なのに、共謀罪はそのような中身にはなっていない上、テロ対策にさえなっていない。
 安倍首相はその事実を一切ネグって、まるで共謀罪が国際社会から後押しを受けているようなミスリードを行ったのだ。
 さらにきょうの国会でも、安倍首相は「G7サミットではテロ対策の重要性が強調された」「テロ等準備罪を新設させなければ国際組織犯罪防止条約を締結できない」と繰り返した。
 とっくに嘘とばれている主張を平気で強弁し続けるその厚顔ぶりには呆れるほかないが、安倍首相は本日の参院本会議で、もうひとつインチキをふりまいた。共謀罪に懸念を示している国連人権委員会の特別報告者ジョセフ・ケナタッチ氏の公式書簡について、「著しくバランスの欠く不適切なもの」「客観的であるべき専門家のふるまいとは言い難い」と猛批判し、こう述べたのだ。
「この点について、G7サミットで懇談したアントニオ・グテーレス氏国連事務総長も『人権理事会の特別報告者は、国連とは別の個人の資格で活動しており、その主張は必ずしも国連の総意を反映するものではない』旨、述べていました」
 国内メディアも、同じように、グテーレス事務総長が安倍首相と会談した際、きょう安倍首相が主張したのとまったく同じ発言があったと報道。それを受けてネトウヨたちは「国連の総意ではなく個人のスタンドプレーだったことが判明」などと騒いでいる。
国連事務総長の言葉を都合よく歪曲し、勝手に言葉を加えた安倍首相
 しかし、このグテーレス事務総長の発言内容は、安倍政権によってかなり都合よく歪曲されたものだ。実際、28日付けでグテーレス事務総長は安倍首相との会談についてプレスリリースを発表したが、そこにはこのように綴られている。
〈シチリアで行われた会談のなかで、事務総長と安倍首相はいわゆる「慰安婦」問題について話し合った。事務総長は日本と韓国のあいだで解決されるべき問題だということに同意した。事務総長は具体的な合意内容については言明せず、原則としてこの問題の解決策の性質と内容は二国に任されるべきと話した。
 また、特別報告者による報告書に関し、特別報告者は人権委員会に直接報告する、独立した専門家であると語った。〉(編集部訳)
 政府は慰安婦問題にかんする日韓合意について〈グテレス氏は合意に「賛意」と「歓迎」を表明した〉(産経新聞28日付)としていた。だが、当のグテーレス事務総長は「日韓合意の内容には言明していない」と述べているのだ。あきらかに日本政府の言い分と食い違っている。
 人権理事会の特別報告者についてのくだりも同様だ。リリースでは、「特別報告者」について「experts that are independent and report directly to the Human Rights Council(人権委員会に直接報告する、独立した専門家)」となっているが、この「独立した」は日本国憲法76条が規定している「裁判官の独立」の「独立」と同じ意味で、何者にも干渉されない存在であることを説明するもの。それを「国連とは別の個人の資格」と訳するのは明らかにインチキだ。
 しかも、このリリースには、安倍首相が主張したような「国連の総意ではない」などという言葉は一切、出てこない。そもそも、リリース内ではケナタッチ氏の名前も共謀罪やテロ等準備罪、組織犯罪対策という言葉も出てこず、普通に読むと特別報告者の位置づけに関する一般論、あるいは前段の「慰安婦問題」における特別報告者の話の可能性もある。
 ようするに、安倍首相と政府は国連事務総長の発言を歪めたうえ、自分たちの言葉を勝手に足してマスコミに流し、共謀罪の正当化に利用しようとしたのである。
 実際、国内メディアはグテーレス事務総長と安倍首相の会談を断定的に報じたが、ジャパンタイムズの記事には〈the Foreign Ministry said〉と書かれている。つまり、両者でどのような話がなされたのかを各メディアは直接取材したわけではなく、「外務省が話した」ものを伝えただけなのだ。
官邸のリークに乗って安倍のサミット宣伝をする産経と日テレ
 安倍首相と政府の手段を選ばないやり方はあまりにグロテスクだが、問題は、大本営発表のまま伝えるメディアにもあることは言うまでもない。
 たとえば、今回のG7サミットについて御用メディアは「安倍首相が各国首脳をリードしてまとめあげた!」と大々的に報道。産経新聞は、安倍首相をG7サミットの「陰の議長」と呼んで〈サミットの成否を左右する〉などと称揚した。
 だが、これに輪を掛けて醜かったのが、日本テレビが28日に放送した『真相報道バンキシャ!』だ。同番組では「安倍首相が果たした役割」と題して、いかに安倍首相が暴れん坊のトランプ大統領をたしなめて成功に導いたかを、「安倍総理周辺の取材」に基づき、なんと再現ドラマまでつくって放送。コメンテーターの夏野剛氏も「安倍総理がトップであることで非常に有利な展開」「安倍総理がいなければ深刻だった」「日本にとっては100点満点」と誉めそやすなど、ただのプロパガンダに終始したのだ。
 安倍首相はG7サミット閉会後の記者会見で「G7はもっとも大切な価値を共有しています」と言い、それは「自由、民主主義、人権、法の支配」だと明言。「そうした価値がかつてない挑戦を受けています」とし、北朝鮮を非難した。しかし、「自由、民主主義、人権、法の支配」これらすべてを潰そうとしているのは安倍首相本人ではないか。その典型が、前川前次官の証言ツブシの謀略だ。官邸は前川喜平・前文科事務次官の違法性も何もないスキャンダルをリーク。それを受けた読売新聞は全国紙としての矜持を簡単に捨てて、三流実話誌でも書かないような記事をデカデカと掲載した。
 共謀罪が施行されれば、こうした事態は頻発するだろう。政権批判の動きに対して政府が警察を動かし「組織的犯罪集団」の認定をして取り締まる。そして読売や産経などの御用マスコミが権力のリークに乗っかって政権批判者スキャンダルを垂れ流す。そうやって、社会を萎縮させ、国民を沈黙させていく。
 日本をこうした恐怖支配国家にしないためにも、共謀罪はなんとしてでも止める必要がある。(編集部)


安倍政権の「終わりの始まり」〜いま自民党の重鎮たちが考えていること ポスト安倍の最右翼は誰か…
オレと親しい奴が優遇される。それのどこが悪い――開き直ったかのような安倍総理の態度に、国民は言い知れぬ違和感を抱いている。数々の修羅場をくぐった大物たちは、この「機」を逃さない。
稲田「ご指名」にドン引き
大理石でできた国会議事堂の中央塔の真下には、吹き抜けの中央広間がある。周りを見渡すと、等身大の銅像が三体、目に入るはずである。
大隈重信、板垣退助、そして伊藤博文――明治の元勲が威儀を正した姿だ。しかし、四隅の中でひとつだけ、銅像の立っていない「空いた台座」がある。次は自分がここに立つ。時の現役議員たちを、そう奮い立たせるためとも言われる。
5月15日、安倍総理の父・安倍晋太郎元外相の命日に恒例で開かれる「偲ぶ会」が行われた。オフレコのその席で、総理はこう述べた。
「細田派(総理の出身派閥)にも『四天王』を作りたい」「稲田(朋美防衛相)さん、松野(博一文部科学相)さん、そして、下村(博文自民党幹事長代行)さん」
かつて、晋太郎氏の腹心である森喜朗(元総理)、塩川正十郎(元財務相)、加藤六月(元農水相)、三塚博(元外相)の各氏が「安倍派四天王」と称された。これを踏まえての発言だったが、安倍総理が挙げた名前は3つ。
「総理は国会の『元勲の銅像』を意識している」と言うのは、細田派所属のある衆院議員だ。
「『自分も残り1つの席に入れるように頑張れ』というメッセージです。実際、派閥内の(入閣)待機組議員は『あと1人は誰なんだ?』と言い合っていましたからね。
すでに挙がった3人の名前は妥当か? 松野さんと下村さんは、まあ分からんではない。でも正直、稲田さんを挙げたのは引いたね。まだかわいがるつもりなのかって」
この議員のように、当の細田派の中でさえ、安倍総理の「四天王」発言に眉をひそめる者はかなり多い。別の所属議員は呆れつつこう漏らす。
「あれから下村先生はすごく上機嫌ですよ。安倍総理の『ご意向』は何が何でもオレが通すぞ、と張り切りまくっている。会議でも『総裁がこう言ってるんだ!』と、すごい剣幕ですからね」
再び燻り始めた、森友学園・加計学園の両学校法人に対する優遇疑惑。共謀罪法案の審議で、金田勝年法相が見せているグダグダの答弁。今村雅弘復興相の相次ぐ失言による辞任。中川俊直元経産政務官の不倫。
ひと昔前ならば、とっくに民心は離れ、政権が倒れていてもおかしくない不祥事が相次いでいる。
にもかかわらず、安倍総理は「キングメーカー」を得意げに自任し、「指名」を受けた側は大はしゃぎ。どちらも、調子に乗りすぎだろう――少なからぬ国民がそう感じ始めている。
まず麻生が動いた
衆目が一致しているのは、この「四天王」発言で、安倍総理が自身の後継となる「総裁候補」を示そうとしたということだ。が、額面通りに受け取った議員は一人もいない。
「あのメンツに総裁の器がいると思いますか? それに、総裁候補と明言してしまえば、他派閥からも目をつけられて潰されるのは確実。
つまり稲田さんが、安倍さんの直の後継になる目はなくなったということ。下村さんは、(都連会長も務めているので)都議選を機嫌よく仕切ってもらいたいという単なる配慮です」(前出・細田派衆院議員)
カギは、安倍総理が明言しなかったあと一人。「あえて一つ空席を残したのは、本当の総裁候補が別にいるから」と、議員たちは口を揃える。彼らの複数が挙げたのは、意外な人物の名前だ。
「ウチで真の総裁候補といったら、西村康稔(総裁特別補佐)だと思う。'09年には、(当時の派閥領袖だった)町村(信孝元衆院議長)さんに推されて総裁選に出た経験がある。
総理側近といえば萩生田(光一官房副長官、細田派)というイメージだけど、彼は人を脅さないかぎり推薦人を20人も集められないでしょう。
総理はああ見えてシビアで、『側近』と『後継者』をちゃんと分けて考えている。来年の総裁選に勝ち、総裁を3期やり、次も派閥から総裁候補を出す。現実的戦略を立て始めたということです」(前出と別の細田派議員)「2020年、新憲法施行」を政権の最終目標として明言し、安倍総理はラストスパートに入った。これまでは「稲田を後継者にするつもりか」などと面白半分で言われてきたが、稲田氏は防衛相としての仕事も満足に果たせず、いくら総理が推そうと、とうてい国民の信任は得られない。
安倍総理が本格的に「ポスト安倍」を考え、現実路線に舵を切り始めた――重鎮たちはその動きを敏感に感じ取り、戦闘態勢に入っている。
党内外を驚かせたのが、麻生太郎財務相の素早い動きだ。前述した「偲ぶ会」で、まさに安倍総理が上機嫌で話していた15日夜、麻生氏と山東昭子元参院副議長、佐藤勉衆院議運委員長の3人が各派閥の合流で合意した。
菅をかつぐ若手たち
山東派と谷垣グループの一部を取り込んだことにより、いまや麻生派は60人を超え、細田派に次ぐ党内第二の規模を誇るようになった。自民党ベテラン議員が言う。
「山東さんが『参院議長就任の確約が欲しい』とゴネて、ギリギリまで情勢は流動的だった。それに谷垣さんは、事前に麻生さんが送った手紙に『時期尚早』と断りの返事を出していた。それでも麻生さんは合流を強行したんです。
麻生さんは『大きな政策集団を作って、安倍政権をしっかりと支える』と嘯いているが、実際には政権の賞味期限を感じ取っている。これでポスト安倍に名乗りを上げたというわけです。
しかも、今後は岸田派=宏池会にまで手を伸ばして、自分が無理な場合は岸田さんを担ごうと画策している節もある。
岸田派顧問で麻生さんの福岡のライバルである古賀(誠元幹事長)さんは、『麻生さんの“大宏池会構想”は分かるが、まず私のところに相談に来るべきだ』と怒っています。麻生さんが頭を下げに行くなんて絶対にないのに」
少々強引に、そして拙速にでも、兵力を確保しようとする麻生氏。76歳になる氏が、自身の「総理返り咲き」のみならず、地元福岡で修業中という息子への「禅譲」を視野に、基盤固めに動いていることは間違いない。
また麻生氏は、いま総理の関与が疑われている加計学園の獣医学部新設の際、新設反対派である獣医師議連会長として冷たい態度をとっていた。
加計スキャンダルが燃え広がれば、安倍総理に「万一の事態」が起きないとも限らない。そうなれば、お鉢がまわってくるのは自分だ――そんな目算も働いている。
一方、もうひとり自民党内で、不穏な動きを見せ始めた、と言われている人物がいる。今春、各派横断の勉強会「偉駄天の会」を立ち上げた菅義偉官房長官だ。メンバーの若手議員が明かす。
「イメージとしては、『派閥にも入っているけど、菅さんに憧れている』若手の勉強会です。
菅さんはカネとポストにものを言わすわけじゃない。自分が矢玉を受けてもへこたれないのがすごい。メンバーにも厳しくて、(入会していた)『おんぶ政務官』の務台俊介さんの首をすぐ切った。その本気度に痺れる、憧れるんですよね」
安倍政権での「女房役」も4年半が経ち、菅氏には「我慢の限界が来ているだろう」と見る自民党や官邸関係者は少なくない。ある官邸スタッフはこう言う。
「官邸では相変わらず淡々と、粛々とやっている。でも地元に戻ると、ポスト安倍の話ばっかりだそうですよ。『加計の件もある。いつ何があってもおかしくない』と。
『偉駄天の会』には、過去に菅さんの意向で政務官ポストに入れた大岡敏孝(二階派)さんとか古賀篤(岸田派)さんなんかも入っている。
いまさら派閥でもないだろう、ということで、安倍政権の後もきちんと力を維持するために、若手にネットワークを広げて支持基盤を固めておきたいというのが菅さんの狙いです」
菅氏を慕う若手たちのテンションは、打算というより個人的な「崇拝」の色合いが強いようにも見える。すでに勉強会のメンバーは20人近く、入会希望者は引きも切らず、「沈黙を続けていた菅が、ついに動き出したか」と党内はざわついている。
安倍総理の「憲法改正宣言」の後、かねて「ライバル」といわれる石破茂前地方創生相、また安倍総理の後継候補にして「最大のイエスマン」とも揶揄されてきた岸田文雄外相は、総理の発言を口々に批判し始めた。
だがいずれも、党内で自身が埋没するのを防ぐための発言としか見えず、この二人がポスト安倍の最有力と言われても、いま一つピンと来ない。
そんな状況の中、麻生氏、菅氏という老練な重鎮たちが、調子に乗りすぎた安倍総理の「終わりの始まり」を察知し、水面下どころか白昼堂々と策謀をめぐらせ始めた。
「二階副総裁」プラン
残るは自民党の「妖怪」二階俊博幹事長の動向だが、二階派所属の衆院議員はこう話す。
「二階さんが(二階派の)今村(前復興相)さんの更迭や、憲法改正の件で総理に怒っているという話もありますが、実際にはそれほどでもありません。憲法改正に関しては、二階さんは政局を見つつ『柔軟にやる』つもりですから。
むしろ、麻生派の拡大をもっとも警戒しています。うちも額賀派との合流話が報じられていて、実際に先方から接触もあったらしいけれど、まだ具体化していない」
今年78歳を迎えた二階氏は、ここ最近は幹事長職の激務に疲れが見えてきているという。さらに、二階派も額賀派も派閥トップの後継者問題にここしばらく悩まされており、すぐさま戦闘態勢をとるのも難しい。
二階氏がポスト安倍をめぐる「台風の目」となる可能性は、麻生氏や菅氏に比べると薄いようだ。
一方で、こんな話も取り沙汰されている。
「次の秋の党人事では、影響力をある程度残しつつ、第一線から退いてもらうという意味で、安倍総理は『二階副総裁』というプランも考えているらしい。
ちなみに、その他のポストは『菅幹事長』そして『稲田官房長官』という話。もっとも前者は、菅さん自身が、ずっと前から幹事長を希望していることもあって流れている噂だと思いますが」(前出・二階派衆院議員)
この人事が現実になれば、また波乱が起きることは間違いない。
いずれにせよ、高い支持率に慢心し判断ミスを犯した瞬間、安倍総理は簡単に寝首をかかれるだろう。昨日までの味方が、容易に敵に変わるのが、政界の常。自民党内で始まった激動は、その事実を如実に示している。


加計問題、前次官が赤裸々に語れば安倍氏根拠崩れる恐れ
 森友学園問題に揺れた政権に、新たに突きつけられた疑惑が加計学園問題だ。2つの問題は構図がそっくりだ。安倍首相が「腹心の友」と呼ぶ30年来の友人、加計孝太郎氏が経営する加計学園(岡山理科大学)の愛媛県今治市での獣医学部開校が政府の規制緩和で例外的に認められ、今治市は約37億円の市有地を無償提供したうえ、校舎建設費として約64億円の補助を決定した。森友学園同様、総理大臣に近しい学校法人に“お手盛り”で便宜供与がなされたのではないかという疑惑だ。
「加計学園から私に相談があったことや圧力が働いたということは一切ない。もし働きかけて決めたならば責任を取る」
 疑惑を否定する安倍晋三・首相の言葉も森友の時とほとんど同じだった。官邸を震撼させたのは、文科省中枢でやり取りされた文書が朝日新聞(5月17日付)に報じられたことだ。
 文書は獣医学部新設を巡る内閣府と文科省の交渉経緯をまとめた内部メモで、そこには性急な学部新設に難色を示す文科省に対して、内閣府の審議官が、〈これは官邸の最高レベルが言っていること〉〈これは総理のご意向だと聞いている〉と“圧力”をかけた様子が綴られている(審議官は国会答弁で発言を否定)。
「総理のご意向」で加計学園の獣医学部開校が決まったのであれば、役人の「忖度」で国有地が格安で払い下げられたとされる森友疑惑よりはるかに重大だ。官邸はすぐに情報漏洩ルートを特定、朝日の報道直後、官邸幹部の1人は苦々しい表情で告発者をこう“名指し”てみせた。
「ネタ元は文科省の元最高幹部だ。こっちには情報が全部入っている」
 菅義偉・官房長官は「怪文書みたいなものなのではないか。出所も明確になっていない」と否定し、松野博一・文科相も形だけの省内調査で「該当する文書の存在は確認できなかった」と発表したが、それはあくまで表向きだ。
 朝日の報道翌日、安倍首相と会食を重ねる大手メディア幹部の一人として知られる政治評論家・田崎史郎氏(時事通信特別解説委員)はフジテレビ『とくダネ!』で背景をこう説明した。
「官邸のほうは誰がリークしたかは特定している。なんでこんな文書が出るんだと調べていくと限られますから。その人はちょっと問題があって、処分された人です。それで逆恨みしているのではないかというのが、官邸の解説です」
 官邸が「情報漏洩の犯人」とみている人物こそ、前川喜平・前文部科学事務次官に他ならない。文科省の事務方トップを務めた経歴を持ちながら、政権に異を唱える告発に踏み切り注目を集めるが、告発に先立つ5月22日に〈前川前次官 出会い系バー通い〉の見出しで読売新聞朝刊に報じられた人物だ。
 前川氏は麻布高校、東大法学部を経て文部省に入省、教育助成局、初等中等教育局など教育行政一筋に歩き、昨年6月に事務次官に就任。同省の天下り斡旋問題(※注)の責任を取って今年1月に退任した。
【※注/文部科学省が同省人事課OBの仲介で組織的な天下り斡旋を行なっていた問題。内閣府の再就職等監視委員会が、国家公務員法に違反する斡旋であるとする調査結果を今年1月に公表。前川次官(当時)は引責辞任した】
 加計学園の獣医学部新設をめぐる政府内の議論はまさに前川氏の次官時代に行なわれ、いわば加計問題の経緯の全てを知る人物といっていい。前川氏が赤裸々に証言すれば「圧力が働いたということは一切ない」という安倍首相の国会答弁の根拠が崩れかねない。
 官邸がそう危機感を感じていたはずのタイミングで、読売新聞の「出会い系」報道が飛び出したのだ。さらに産経新聞も読売報道をもとに、〈前川喜平前事務次官「出会い系」報道に文科省どんより〉と追い討ちをかけた。


昭恵さん、「山口敬之氏へのいいね!であんな責めなくても…」
 5月15日に、東京・日比谷のプレスセンタービル10階のホールで開かれた『安倍晋太郎氏を偲び安倍晋三総理と語る会』でのこと。安倍晋三首相(62才)は妻・昭恵さん(54才)と母・洋子さん(88才)と共に出席していた。
 その場所で昭恵さんはこんな発言をしていた。
「いいね!しただけで、あんなに責めなくてもね(笑い)」
 昭恵さんの言う「いいね!」の発端は『週刊新潮』(5月10日発売号)の報道。安倍首相に近いとされる政治ジャーナリスト・山口敬之氏(51才)が知人女性を酩酊させてホテルに連れ込み、無理矢理性行為に及んだというものだ。
 山口氏は報道後、自身のフェイスブックで報道を否定したが、その投稿に「いいね!」を押したのが昭恵さんだった。「被害女性よりも山口氏の肩を持つのか!」と、ネット上は瞬く間に炎上した。
「日ごろから“女性のために”と言って講演を開き、女性の味方だと訴えてきた昭恵さんですが、それも真剣なわけじゃなくて、すべて雰囲気で言ってるだけだとバレてしまいましたね」(『偲ぶ会』出席者の1人)
 安倍首相は5月中旬に行われた報道各社の幹部が集まる別の会合でも、こんな軽口を叩いていたという。
「まぁ昭恵もね、悪名は無名に勝るっていうしね(笑い)」
 全国紙記者は、「こんな時に、気が緩んでいるとしか思えない」とため息をつく。
「安倍首相は森友問題について、国会で“私や妻が関係していたとなれば、首相も国会議員も辞める”と軽々しく進退について発言した。それを洋子さんからこっぴどく叱られ、再三“軽率な発言は慎むように”と言われているそうですが…」
◆4月末のロシア訪問でも酔っ払い
 昭恵さんは森友問題で3月中旬から休止していたフェイスブックを4月半ばに再開。一時は公の場で涙を見せるほど憔悴した様子だったが、今は以前と比べイキイキと活動している。5月23日にフェイスブックを更新した際は、首相の地元・山口のマラソン大会に参加する予定のようで《エントリー完了。本当に走れるのだろうか》と投稿していた。
「たび重なる問題発覚に、洋子さんは“もうどうにもできない”と匙を投げた状態。それに対し、昭恵さんも“じゃあ勝手にさせていただきます”と開き直ってしまった。一連の騒動も、昭恵さんの中ではすっかり“終わったこと”になっているようです」(別の全国紙記者)
 批判にも免疫ができ、何を言われても不感症。まさに「蛙の面に小便」状態である。
「2月のトランプ米大統領夫妻との会食で、昭恵さんだけがハイペースでワインを飲んで酔っ払い、冷たい視線を浴びました。そもそも昭恵さんは酒の席で問題を起こすことが多い。
 2015年に酔って布袋寅泰さん(55才)をバーに呼び出し、彼の首に腕を絡ませてキスをしたこともあった。その反省も忘れたようで、4月末に安倍首相とロシアを訪れた際も、懲りずに酔っ払っていた。周囲は辟易としていました」(政治ジャーナリスト)
 夫妻がのうのうとしている間に、自民党内部では首相の座を狙う「ポスト安倍」の動きが活発になっているという。「悪名」は「無名」に勝るどころか、自らの「命取り」になる。そのことに、いまだ気づく様子はない。


改憲案への統幕長発言 「賛意」表明は政治的中立性侵す
 自衛隊員が厳守せねばならない「政治的中立」を逸脱した発言だと断じざるを得ない。
安倍晋三首相が憲法9条への自衛隊明記を提起したことに、防衛省制服組トップの河野克俊統合幕僚長が、記者会見で「非常にありがたいと思う」と歓迎した。改憲への首相の意向を後押しする意図があったとしか受け取れず、文民統制の原則にも反しており、看過できない。
 自衛隊法は隊員の政治的行為を制限。同法施行令は例として「政治の方向に影響を与える意図で特定の政策を主張し、またはこれに反対すること」などを禁じる。今回の発言は、法と施行令に抵触する可能性が高い。憲法99条の「公務員の憲法尊重擁護義務」の点からも問題だ。
 会見で河野氏は「一自衛官」と断ったが、統幕長というトップとして立場の使い分けは通用しない。そもそも、階級に違いがあっても、自衛隊員であることに変わりはない。
 また「憲法は高度な政治問題なので、統幕長の立場で申し上げるのは適当ではない」と述べており、自身の発言の問題性は分かっていたはずだ。他の自衛官が意思表明できる範囲を広げるため、確信的に踏み込んだ発言をしたようにも取れる。
 菅義偉官房長官の「個人の見解という形で述べた。全く問題ない」との認識もおかしい。文民統制などの点から発言を検証する姿勢がない。河野氏の「一自衛官」との断りを「個人の見解」と言い換えたことには、問題を矮小(わいしょう)化する狙いが透ける。
 河野氏は発言直後、任期再延長が発表された。2度の延長は初めてで、官邸との密接な関係をうかがわせる。9条に関する首相と河野氏の発言は、世論醸成へ歩調を合わせているようにすら見える。
 首相の改憲提起自体、問題が多い。2020年までと期限を区切り、自衛隊明記と内容に踏み込んだのは国会軽視そのものだ。批判を受け、改憲の発言は「自民党総裁として」と弁明したが、河野氏と同様、立場の使い分けはできるはずもない。
 党内からも異論が出る。石破茂元幹事長は「勢いで憲法を改正していいはずは全くない」と問題視。岸田文雄外相は「9条を今すぐに改正することは考えない」との立場だ。首相の「1強」体制の下、多くの自民議員には物言えぬ雰囲気があるが、改憲で首相に唯々諾々と従うことは許されまい。
 戦前、軍部が武力を背景に独走し政治介入した反省から、自衛隊には常に「自制」が求められ、特に制服組は政治から距離を置くことが原則だ。しかし近年、自衛隊の運用(作戦指揮)が制服組の統合幕僚監部に一元化されるなど、制服組の権限が強まる傾向にある。
 防衛大学校の故槙智雄初代校長は学生に「誇りを持った服従を」と説いた。河野氏らはその教えを肝に銘じ、「日本国憲法及び法令を順守」と服務宣誓したことを思い返すべきだ。


次期学習指導要領 主体的学びと矛盾しないか
 文部科学省が小中学校の次期学習指導要領を2020年度以降に円滑に実施するための18年度からの移行措置の内容を公表した。
 学校現場にとって大きな変化となるのは、小学校での「外国語活動」の前倒しに充当する時間を、総合的な学習の時間(総合学習)の一部でまかなうというものだろう。
 しかし、次期学習指導要領の柱となり、今後の大学受験でも求められるのは「主体的な学び」である。自発的な学習を目的とした総合学習の時間を削るというのは本末転倒ではないか。
 文科省が公表した移行措置は英語の「聞く・話す」中心の外国語活動を小学3〜6年で実施し、「総合的な学習の時間」の一部を使用可能とする。5、6年では次期指導要領で正式な教科となる英語の内容の一部も扱う。国語の漢字や社会の領土などの一部先行実施も盛り込んだ。
 20年度の次期指導要領の全面実施では、小学校は土曜日や夏休みを使うなどして外国語活動の授業時間を捻出するよう求められている。18年度からの移行期間中はさらに総合学習を利用できるようにする。
 ただ、土曜日の授業は家庭の理解を得られるか分からない。夏休みは教員らの研修なども入り、教育関係者の多くは「結局は総合学習を置き換える方向に行くだろう」と見る。
 総合学習は教科の枠にとらわれず、比較的自由な授業が可能な時間だ。教師や子どもたちが主体的にテーマを設定し、課題に取り組む場になっている。
 次期学習指導要領は「主体的、対話的で深い学び」を掲げ、子どもたちが自ら学習に取り組む姿勢を目標とする。
 現行の大学入試センター試験に代わり、20年度から導入する「大学入試共通テスト(仮称)」も、知識偏重の大学入試から、思考力や主体的に学習に取り組む姿勢を評価する入試への転換を掲げ、国語と数学の一部に記述式問題を出すことを決めた。
 外国語学習を総合学習の時間に置き換えるのは、増加する授業時間を確保する苦肉の策であろう。しかし、次期学習指導要領や新たな大学入試が目指す学習の姿との一貫性がない。主体的な学習の時間を削らざるを得ないような指導要領の実施ではなく、量より質の向上を求めていくべきである。


核禁止条約と日本 被爆国の責任はどこに
 広島、長崎への原爆投下から72年。核兵器禁止を明文化した国際条約が具体的な姿を現した。核兵器禁止条約制定交渉のホワイト議長(コスタリカ)が草案を公表した。
 昨年末の国連総会では交渉開始の決議案が113カ国の賛成で採択されており、来月15日〜7月7日にニューヨークで開かれる第2回交渉会議で条約が採択されることはまず間違いない。
 しかし、この歴史的な場に唯一の被爆国の姿はないだろう。日本は3月に開かれた第1回交渉会議で開幕初日に出席しながら、この場で安全保障上の脅威があるとする「現実論」を展開。交渉不参加を表明した。
 日本はかねて、核保有国と非保有国の「橋渡し役」を担う決意を見せていたが、存在感がかすむばかりだ。
 発表された草案は、前文で核兵器の非人道性を改めて強調。加盟国に核兵器の使用、開発、保有、輸送などの禁止を義務づけた。
 前文ではさらに「核兵器使用の犠牲になった人々(HIBAKUSHA)の被害に留意する」と、広島と長崎の被爆者に言及。ホワイト議長は「核兵器の犠牲者の苦しみを明記するのが目的だ」と説明した。
 条約をここまで前進させた原動力は、核軍縮が遅々として進まないことへの非保有国のいらだちだ。
 現在の核拡散防止条約(NPT)体制で核保有を認められている米国、ロシアなど五大国の削減交渉は停滞。それどころか安全保障上の脅威を理由に核抑止力を高めようという動きさえある。
 条約が採択されても、核保有五大国や「核の傘」の下にある日本、ドイツ、韓国などは反対しており、保有国と非保有国の対立はさらに深刻化する懸念もある。
 しかし、条約は核保有国に対し廃絶を迫る。核の保有そのものが非合法という新たな場面が生まれる。核保有国とその同盟国が条約を無視し続けても、圧力をじわじわと感じざるを得ない。
 このまま対立と分断が続くのか。それとも、100カ国以上が賛成する条約に保有国がのみこまれていくのか。どのような展開になるかは未知数だが、現在の膠着(こうちゃく)状態を打開するきっかけになることを期待したい。
 核兵器の悲惨さを知る唯一の国、日本が交渉に復帰する選択はないのだろうか。米国の「核の傘」の下にある同盟国の立場を優先して同調するだけでいいのか。
 被爆という人類最悪の悲劇は日本で最後にしたい。日本の役割はこの「理想」を語るところにあるべきだ。核兵器が再び使われかねない、危うい状態だからこそ。


安倍御用記者・山口敬之のレイプ被害女性が会見で語った捜査への圧力とマスコミ批判!「この国の言論の自由とはなんでしょうか」
「この2年間、なぜ生かされているのか疑問に思うこともありました。レイプという行為は私を内側から殺しました」
「レイプがどれだけ恐ろしくその後の人生に大きな影響を与えるか、伝えなければならないと思いました」
 本サイトでもお伝えしてきた、“安倍官邸御用達”ジャーナリスト・山口敬之氏の「準強姦疑惑」。本日夕方、そのレイプ被害を「週刊新潮」(新潮社)で告発した女性が、霞が関の司法記者クラブで会見を行なった。
 女性の名前は詩織さん(苗字はご家族の意向で非公開)。彼女は主に海外でジャーナリズム活動を行なっている28歳だ。「『被害女性』と言われるのが嫌だった」という詩織さんは、本名と顔を公表して会見にのぞんだ。本日午後には「捜査で不審に思う点もあった」として、検察審査会に不服申し立ても行なっている。
 詩織さんは、性犯罪の被害者にとって非常に不利に働いている法的・社会的状況を少しでも変えたいとの思いから記者会見を決意したとしたうえで、このように語った。
「警察は当初、被害届を受け取ることすら拒んでいました。理由は、いまの法律では性犯罪を捜査するのは難しいから。また、相手方の山口敬之氏が当時TBSのワシントン支局長で、著名人だからでした」
 事件があったのは2015年4月。もともとアメリカでジャーナリズムを学んでいた詩織さんは、山口氏と2度、簡単な面識があったが、それまで2人きりで会ったことはなかったという。詩織さんが日本へ帰国すると、山口氏もこの時期に一時帰国し、そのとき、仕事のためのビザについて話をしようと誘われて、食事に行った。
 ところが、アルコールに強いはずの彼女が、2軒目の寿司屋で突然目眩を起こし、記憶が途絶えてしまう。そして明け方、身体に痛みを感じて目がさめると、ホテルの一室で裸にされた仰向けの自分の体のうえに山口氏がまたがっていた。彼女は、自分の意思とは無関係にレイプされていたのだ。しかも山口氏は避妊具すらつけていなかった。
 被害を警察に訴えた詩織さんだが、警察は当初、「この先この業界で働けなくなる」などと言って、被害届を出すことを考え直すよう繰り返し説得してきたという。しかしその後、ホテルの防犯カメラに山口氏が詩織さんを抱えて引きずる模様が収められていたこともあり、本格的に事件として捜査が始まる。
 逮捕状も発布された。2015年6月8日、複数の捜査員が、アメリカから成田空港に帰国する山口氏を準強姦罪容疑で逮捕するため、空港で待ち構えていた。ところが、不可解にも山口氏は逮捕を免れた。詩織さんは会見でこう語っている。
「そのとき、私は仕事でドイツにいました。直前に捜査員の方から(山口氏を)『逮捕します。すぐ帰国してください』と言われ、日本へ帰る準備をしていました。いまでも、捜査員の方が私に電話をくださったときのことを鮮明に憶えています。『いま、目の前を通過していきましたが、上からの指示があり、逮捕をすることはできませんでした』『私も捜査を離れます』という内容のものでした」
 逮捕状まで持って捜査員が空港で待機していたにもかかわらず、直前で、上から「逮捕取りやめ」の号令がかかった。当時の捜査員が、詩織さんにそう告げたというのだ。会見の質疑応答で詩織さんはこう語っている。
「『警察のトップの方からストップがかかった』という話が当時の捜査員の方からありました。『これは異例なことだ』と。当時の捜査員の方ですら、何が起こっているのかわからない、と」
 その後、山口氏は準強姦罪で書類送検こそされたものの、16年7月に不起訴処分にされた。検察側はただ「嫌疑不十分」と言うだけで、詩織さん側に詳しい説明はまったくなかったという。また「準強姦罪では第三者の目撃やビデオなど直接的証拠がないと起訴は難しい」と言われたというが、詩織さんの代理人弁護士は「ありえない。否認事件でも起訴されて有罪になったケースはたくさんある」と、明らかに捜査が不適切であると指摘している。
 このあまりに不自然な捜査当局の動きのなかで、疑われているのが安倍官邸による介入だ。
「週刊新潮」の直撃取材で、このとき山口氏の逮捕取りやめを指示したのは、当時の警視庁刑事部長の中村格氏であることがわかっている。中村氏は現在、警察庁の組織犯罪対策部長の職にあるが、第二次安倍政権発足時に菅義偉官房長官の秘書官をつとめて絶大な信頼を得ており、いまも「菅官房長官の片腕」として有名な警察官僚だ。
 さらに「週刊新潮」の第二弾記事では、山口氏が首相官邸、内閣情報調査室幹部に事後対応について直接相談までしていた可能性が浮上。山口氏が「新潮」からの取材メールに対して誤送信したメールには、〈北村さま、週刊新潮より質問状が来ました。〇〇の件です。取り急ぎ転送します。〉(〇〇は詩織さんの苗字)と記載されていたのだ。「週刊新潮」はこの「北村さま」が、“官邸のアインヒマン”の異名をもつ安倍首相の片腕、北村滋内閣情報官のことだと指摘している(山口氏は否定)。会見のなかで、詩織さんは質問に対してこう話していた。
「私の知りえない何か上のパワーがあったと思っています」
「やはり、捜査にあたるべき警察が『起訴できないので示談をしたほうがいい』と話をもちかけて、彼らの紹介する(現在の代理人とは別の)弁護士の先生に連れて行かれたというのは、何かしらの意図があったのではと思います」
 明らかに不自然にもみ消された山口氏のレイプ事件。今後も、官邸の息のかかった捜査介入疑惑を徹底追及していかねばならないのは言うまでもないが、もうひとつ強調しておきたいのはマスメディアの態度だ。いくつかのマスコミは、詩織さんの実名・顔出し会見を受けてこの事実をようやく報じ始めたが、この間、「週刊新潮」の報道に対して、山口氏を盛んに起用してきたテレビ局は完全に無視を決め込んでいた。
「今回、この件について取り上げてくださったメディアはどのくらいありましたでしょうか? 山口氏が権力者側で大きな声を発信し続けている姿を見たときは、胸を締め付けられました。この国の言論の自由とはなんでしょうか? 法律やメディアは何から何を守ろうとしているのか、と私は問いたいです」(詩織さん)
 山口氏は「新潮」の報道後、マスコミから姿を消し、会見を開くこともなければ、ちゃんと世間に説明することも放棄している。テレビ局は山口氏の責任を問うこともなく、「新潮」が報じた官邸と事件の“接点”についても見て見ぬ振りをした。詩織さんの言うように、この国のメディアはいったい、誰を守ろうとしているのか。いま、その真価が問われている。(編集部)


性的被害でTBS元支局長を告発した詩織さん、ホテルの防犯カメラ画像を確認したことを主張
 元TBSワシントン支局長でジャーナリストの山口敬之氏(51)に性的暴行を受けたとして29日に記者会見した詩織さん(28)=姓は非公表=は、暴行を受けたとされる2015年4月4日の都内ホテルの防犯カメラ画像には、山口氏に抱えられてホテルへ入っていく様子が映っていたと主張している。4月15日に警視庁の捜査員と一緒に確認したという。
 詩織さんの代理人弁護士によると15年8月26日に山口氏は書類送検され、10月に詩織さんは担当検事と面会。16年1月には山口氏が担当検事から事情聴取を受けたという。その間、山口氏からは代理人を通じて詩織さんの弁護士に連絡はあったが、本人とは一切接触していないという。
 詩織さんは、山口氏のフェースブック上の「私は法に触れる事は一切していない」という反論について「そう言って来るだろうな、と思いましたが、山口氏とはもう全く関係ない(関わりをもっていない)」と話した。


元TBSワシントン支局長を性犯罪被害で告発した女性が顔を隠さずに会見
 安倍晋三首相を密着リポートした著書などで知られる元TBSワシントン支局長のジャーナリスト・山口敬之氏(51)から性犯罪を受けたとして告発した女性が29日、司法記者クラブで記者会見を行った。
 女性は海外でジャーナリスト活動をしている詩織さん(28)=姓は非公表=。山口氏が、不起訴処分になったことを受け、29日付で東京検察審査会に不服申し立てをしたことを明らかにした。
 詩織さんは、2015年4月4日に山口氏に都内のホテルに連れ込まれ、性犯罪被害に遭ったと主張している。顔を隠さずに会見し「性犯罪の被害者を取り巻いている法的・社会的状況が、被害者にとって、どれほど不利に働くものなのかを痛感しました。今回、こうしてお話しさせていただこうと決意したのは、そうした状況を少しでも変えていきたいと強く思ったからです」と話し、時折声を詰まらせながら経緯を説明した。
 詩織さんの説明によると、山口氏と知り合ったのは13年秋。詩織さんがニューヨークにある大学でジャーナリズムなどを勉強するため留学していたときだった。卒業後の15年4月3日、山口氏の誘いで日本で会うことになり、東京・恵比寿の串焼き店で初めて2人だけで会った。飲食後に2軒目のすし店に入って1時間ほどしてからトイレで記憶がなくなった。翌朝午前5時ごろ、ホテルのベッドで目が覚めると、裸にされており、山口氏が体の上にまたがっていたという。
 同9日に詩織さんは警察に相談し、30日に告訴状が受理された。6月4日に山口氏が日本に帰国するタイミングで、成田空港で逮捕するとの連絡が警察から入り、詩織さんは滞在先のドイツから帰国。だが、捜査員から山口氏を逮捕できなかったとの連絡が入ったという。山口氏は8月26日に書類送検されたが、16年7月22日付で不起訴処分になった、としている。
 詩織さんは不起訴処分となったことに納得できず「私の知り得ない上のパワーがあったと思っています」と話している。また「今国会において共謀罪の審議が優先され、先送りになっている強姦罪の改正案がきちんと取りあげられるべき」と主張した。
 詩織さんは、11日発売の「週刊新潮」で、山口氏から受けたという被害について告発した。山口氏は報道を受けて、自身のフェイスブックで「私は法に触れる事は一切していない」「当局の厳正な調査の結果、違法な行為がなかったという最終的な結論が出ている」「この過程において、私は逮捕も起訴もされていない。(今回に限らず、私は今まで一度も逮捕や起訴をされたことはありません)」などと反論していた。


京都府の遊休地に留学生宿舎 京大と連携協定
 京都府と京都大は、府所有の遊休地を活用した留学生宿舎の整備に乗り出す。府警の寮だった京都市左京区の土地を府が京大に貸し、京大が建物を建設する。これに先立ち府と京大は29日、留学生受け入れ拡大に関する連携協定を締結した。府が、留学生の増加に向けて大学と協定を結ぶのは初めてで、他の大学でもこうした仕組みを使って留学生宿舎を拡充する方針だ。
 京大の留学生宿舎は、京大吉田キャンパスがある左京区百万遍の南西側にある旧府警独身寮「青雲寮」の跡地約900平方メートルに整備する。府が京大に相場の半額で土地を貸し、京大は旧寮の建物を取り壊し、約50室の留学生宿舎を建設、運営する。安い家賃で、日本の習慣やマナーも学べる施設を目指し、2019年秋の開設を見込む。
 協定は、今回整備する宿舎と、府などが整備してきた既存の留学生宿舎の連携を進め、留学生と地元住民や企業との交流を、より広域的な取り組みも含めて進める事業も盛り込んだ。住居の整備と併せて、留学生拡大に取り組む官学の協力体制を強化する。
 府によると、府内の留学生数は8011人(昨年5月時点)に達し、10年前に比べて倍増している。府は国際化や高度な人材の確保を目的に18年度の「留学生1万人」を目標に掲げる。
 京大が15年度中に受け入れた留学生は2667人で、21年度に3300人まで増やす目標を持つ。京大は現在、5カ所ある「国際交流会館」に留学生や外国人研究者が入居可能な住居として独自に417室を確保しているが、「全く足りていない」(山極寿一総長)という。今回整備する宿舎に加え、左京区に新たな国際交流会館を開設するなどして、21年度には800室を確保する方針だ。
 上京区の府庁で行われた調印式で、山田啓二知事は「協定は大学のまちとして発展する大きな基になる」、山極寿一総長は「京都の国際化を推進する一端を担っていきたい」と話した。

休日出勤/星野文昭さんは無実!再審開始を!/牛タンマンZ

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Paris : un festival en partie "interdit aux Blancs" fait polémique
Le président de la Ligue internationale contre le racisme et l'antisémitisme a condamné le Nyansapo Fest prévu en juillet, selon LCI.
≪ Rosa Parks doit se retourner dans sa tombe ≫, se scandalise Alain Jakubowicz, président de la Ligue internationale contre le racisme et l'antisémitisme (Licra) interrogé par LCI. Pourtant, à première vue, le Nyansapo Fest, un festival prévu du 28 au 30 juillet à Paris n'a rien de choquant. Présenté comme un festival ≪ afroféministe militant ≫, l'événement prévoit de décliner diverses réjouissances : des concerts aux tables rondes en passant par des conférences sur le racisme ou encore le sexisme contre les femmes noires. L'étincelle qui a déclenché la polémique n'est guère dans le programme, mais plus dans l'organisation. Le lieu sera en effet divisé en plusieurs ≪ espaces ≫, explique le collectif organisateur Mwasi sur le site de levée de fonds Pot commun.
≪ Terrifiant et désespérant ≫
Le festival se divisera ainsi entre ≪ espace non mixte femmes noires (80 % du festival) ≫, un ≪ espace non mixte personnes noires ≫, un ≪ espace non mixte femmes racisées ≫ et enfin un ≪ espace ouvert à tous ≫. Le concept n'a pas tardé à faire hurler au sein du Front national. Wallerand de Saint-Just, président du groupe FN au sein de la région Île-de-France, a publié un communiqué vendredi pour dénoncer un ≪ festival interdit aux Blancs dans les locaux publics ≫. Et d'ajouter : ≪ Anne Hidalgo doit s'expliquer immédiatement quant à l'organisation dans des locaux municipaux d'un événement mettant en avant une conception ouvertement racialiste et antirépublicaine de la société. ≫
Alain Jakubowicz, président de Licra, a lui aussi dénoncé ce festival ≪ terrifiant et désespérant ≫ auprès de LCI. Pour lui, il s'agit d'un événement où ≪ des gens qui se sentent victimes de racisme ou de discrimination ne trouvent pas d'autre issue que l'entre-soi ≫. La Mairie de Paris, contactée par nos confrères, confirme que les locaux où doit se tenir le festival sont bien sa propriété, mais se dédouane de toute responsabilité. ≪ La Ville de Paris n'a pas d'autorisation à délivrer sur les événements organisés dans un local qu'elle loue et n'a donc pas eu son mot à dire sur l'organisation ou la programmation de cet événement ≫, a déclaré un porte-parole, avant de promouvoir la ≪ possibilité pour tous d'avoir accès aux événements culturels ≫ et de condamner ≪ les critères discriminants d'accès à un festival quels qu'ils soient ≫. Aucune subvention n'a été allouée à ce festival, précise par ailleurs cette source. Les organisateurs du festival Nyansapo Fest ont de leur côté déclaré qu'ils ne ≪ communiqueraient pas sur le festival ≫.
フランス語
フランス語の勉強?
明日へつなげよう 震災証言記録「福島県川俣町〜避難解除 里山の小学校は〜」

6年前、国の避難指示を待たず集団移転を決行した里山の小学校。避難指示が解除され来年、再び開校するが、周囲の森林は除染されていない。住民の複雑な胸の内に迫る。
今年3月、避難指示が解除された川俣町山木屋地区。原発の30キロ圏外にあり、深刻な放射能汚染が発覚した時には、事故から1か月以上が経過していた。町は子どもを守るため、国の避難指示を待たずに小学校の集団移転を決行。6年間の避難生活を経て小学校は来年、避難先から山木屋に戻るが、地区の9割を占める森林が除染されていないため、不安を訴える保護者は多い。里山の小学校はどうなるか、住民の複雑な胸の内に迫る。
秋野由美子

NNNドキュメント 戦争のはじまり 重慶爆撃は何を招いたか
日中戦争から今年で80年。その中でもあまり語られることがない日本軍による「重慶爆撃」。
当時の中国の首都の戦禍とは。
今も存命の中国人被害者は何を語るのか?
そしてその空爆の結果、いったい何を招いたのか...。
取材班は、防衛省に残る当時の日本軍の戦闘記録にあたった。
そして中国の重慶で海外のメディアとしては初めて、空襲の様子を記録した一次史料にたどり着いた。
取材から見えてきた「重慶爆撃」の真相を探る−。
湯浅真由美  日本テレビ

テレメンタリー 「3.11を忘れない71 神戸〜宮城〜熊本 教訓のバトン」
東日本大震災後、仙台の仮設住宅の自治会長が神戸へと向かった。
コミュニティーをどう維持するか、先例から学ぶためだ。ところが、災害公営住宅に入居して間もなく、誰にも看取られずに亡くなる「孤独死」が起きてしまう。住民はボランティアと協力しながら、孤立を防ぐ取り組みを始めている。そして去年、今度は仙台に学びに来る熊本・益城町の住民の姿があった。震災で壊れてしまったコミュニティーを再びつなごうとする人々の奮闘と受け継がれる教訓のバトンを描く。
石田えり 東日本放送

NHKスペシャル「変貌するPKO 現場からの報告」
南スーダンで国連のPKO活動に派遣されている陸上自衛隊が、5月末までに撤収することが決まった。紛争地の平和を維持するPKOはいま大きな分岐点を迎えている。これまで「停戦監視」や国づくり支援が中心だったのに対し、国連は人々の命を守るために、実力行使を辞さない姿勢に転換している。南スーダンで自衛隊は、どんな事態に直面したのか。世界各国はPKOにどう向き合おうとしているのか。現場からみつめていく。
柴田祐規子

ティーンズバリバラ 〜発達障害の悩み〜

10代の子どもたちが主役の「ティーンズバリバラ」。今回は、発達障害のある中高生8人が、“友達関係”と“恋愛”をテーマに本音トークを繰り広げる。「楽しく食事したいのに、食べ方にこだわりがあり、できない」「デートしたいけど計画が立てられない」等、深刻だけどちょっとフシギな悩みが続々噴出。さらに、初恋に悩む中学生の初めての告白企画も!思わぬところでつまずく発達障害の難しさや、特性をカバーするための工夫を共有し、青春を謳歌するためのヒントを探る。
秋元才加さん (タレント) 笹森理絵さん (広汎性発達障害/ADHD/LD) マユさん   (自閉症スペクトラム障害)高2 たかとらさん (広汎性発達障害/ADHD)中2 まっちゃん  (広汎性発達障害/ADHD/LD)高1 サリチルさん (自閉症スペクトラム障害)高3 せんちゃん  (広汎性発達障害/ADHD/LD)高3 あやかさん  (アスペルガー症候群)高2 カーリーさん (広汎性発達障害/LD/ADHD)中2 さとさん   (自閉症スペクトラム障害/LD)高2 万次郎    (芸人、リポーター)
特性が壁になって友達ができない!
今回は「ティーンズバリバラ」。スタジオには、発達障害のある中高生8人が集結した。1つめのテーマは“友達関係の悩み”。自閉症スペクトラム障害があるまゆさんの悩みは、友達ができないこと。相手の気持ちを察することが苦手なため、何気なく思ったことをポロッと言ってしまい、相手を傷つけてしまったり孤立してしまったり。さらに、まゆさんには、友達ができないもう1つの理由がある。それは、友達と一緒に食事に行けないこと。
実はまゆさん、食べ方に強いこだわりがある。リポーターの万次郎が一緒に食事をして確かめてみることに。まゆさんは、全体の量が均等に減っていくように計算しながら慎重に食べ進めていく。そのために食事にすごく時間がかかってしまう。さらに、万次郎が話しかけるたびに、箸が止まる。2つのことを同時にするのが苦手なため、食べながら会話することができないのだ。結局、食べ終わるのにかかった時間は、万次郎17分に対し、まゆさんは1時間28分。友達と一緒に楽しく食事をしたいのに、退屈させてしまうだけだと思い込み、いつも誘いを断ってしまうという。
まゆさんの悩みに、スタジオの中高生たちは大きく共感。他にも、「SNSのグループトークが苦手」「暗黙の了解がわからない」「読み書きが苦手で、学校でからかわれる」など、発達障害ならではの悩みが続出。日常生活で抱える彼らの生きづらさが浮き彫りになった。
13歳たかとら、告白への道
そして、ティーンズのもう1つの悩みといえば、恋愛。「告白したい人がいるけど、方法がわからない」という中学2年生のたかとら君。彼のもとに“お悩み解決人”として万次郎が派遣された。たかとら君は、広汎性発達障害。友達との距離感がわからず、コミュニケーションがうまくいかないという。そんなたかとら君の初恋。なんとか自力で告白のヒントをつかもうとするが、全くうまくいかない。
見かねた万次郎が、たかとら君と同じADHDの先輩たちを集め、意見を乞う。出てきたアドバイスは2つ。「事前にセリフを決めておくべし。」「鏡の前で告白の練習をすべし。」思ったことをその場で口走ったり、自分が予期していないことをしてしまったりという特性をカバーするためのアドバイスだ。アドバイスを受けたたかとら君は、家で練習を繰り返し、いざ、告白!しかし、予想外の反応がかえってきたことに対応できず、告白は失敗に終わった…。
恋愛の悩み
たかとら君のチャレンジに触発されて、スタジオでは中高生たちが恋愛についてぶっちゃけトーク。曖昧なことが苦手なせんちゃんの悩みは「恋愛の目的が分からない」。ある男性から一途に告白されたが、3日連続で無理な時間を指定してきた彼に、イライラ。結局、「何が目的なの?時間の共有がしたいのか、彼女がいるっていう状態がほしいのか、セックスがしたいのか、どれよ!?」と相手に怒ってしまったという。そして、自閉症スペクトラム障害のサリチルは、空気を読むことが苦手。相手の気持ちを察することができずに一方的に話しすぎてしまうため、いつの間にか嫌われてしまうことが多いという。
悩めるティーンズに、発達障害の先輩である笹森さんからひと言。「恋愛というのはイレギュラーの連続。それは、発達のある障害の私たちにとっては一番苦手なこと。だけれども、大人になるにつれて徐々にそれを楽しいって思える気持ちになってくるので、それを楽しみにしておいてほしい」。
玉木幸則のコレだけ言わせて
「ぼくがなんでバリバラに出てるか、というと…」
今回、胸が痛かったのは、なにか問題があったとき、大人たちが勝手に子どもたちの障害のせいにしているところ。これは聞いてて、ごっつい苦しかった。子どもたちに全部バレてることすら分かってない大人が恥ずかしい! 「処世術」なんて言葉が出てたけど、そんな言葉、大人が使う言葉やん。いろんな経験して、いろんな思いをして、間違いなく彼らは傷ついてるねん。そもそも、ぼくがなんでバリバラに出てるか、というと自分がちっちゃい頃にしんどい思いをしたことを今の子どもたちにさせたくないから。でも今日聞いてたら、なんにも大人は変わってない。だからキツかった。ごめんな、しか言われへん。申し訳ない。

東北魂TV #148
TKO、LiLiCo、あばれる君がド根性ヤンキーコントで衝撃の告白連発!東北復興マラソンに鳥居&トミドコロが参加表明!!
“笑いで東北を、日本を元気に!"をテーマに、サンドウィッチマンやマギー審司、鳥居みゆきなど東北出身のお笑い芸人が"東北魂"として一挙集結。 他の番組では観ることのできない、爆笑のユニットコントやロケ企画を繰り広げる…TKO、LiLiCo、あばれる君がド根性ヤンキーコントで衝撃の告白連発!東北復興マラソンに鳥居&トミドコロが参加表明!!
サンドウィッチマン(伊達みきお・富澤たけし)、マギー審司、鳥居みゆき、トミドコロ ゲスト:TKO、LiLiCo、あばれる君

サイエンスZERO「7つの地球を大発見!?“トラピスト1”惑星系」
今年2月、地球から40光年の距離にある恒星「トラピスト1」に、7つの惑星が存在することが発表され、大きな注目を集めている。太陽系の外に存在する惑星“系外惑星”はこれまで4000以上の候補が見つかっているが、今回の発見が特別とされる理由は、地球と似たサイズで初めて詳しい観測が可能だからだ。また7つのうち3つは、水が液体の状態で存在しうる位置にあり、生命の存在の可能性もあるという。最新研究を伝える。
国立天文台副台長…渡部潤一, 南沢奈央,竹内薫, 土田大

Tad‏ @CybershotTad
#日曜討論
高山佳奈子さん「2014年に改定されたテロ資金提供処罰法で、幇助の未遂というところまで幅広く処罰の対象になっている。既に法が整備されているので、はっきり申し上げまして新しい法案はテロに適用される余地はない。市民生活を圧迫し、国際社会からも批判的意見が続出している」

mipoko:NoWarNukesFur‏ @mipoko611
Nスペ「変貌するPKO」。自衛隊員が誰も殺さず殺されず帰って来られたのは単なる偶然と知る。日報問題や防衛相役立たずだったりのゴタゴタの間、政府はこういうこと隠してたんだな。PKO派遣に歴史あるオランダは情報公開して国民的議論。自衛隊参加は拙速に過ぎる。 #nhkスペシャル
杉原こうじ(NAJAT・緑の党)‏ @kojiskojis
南スーダンに派遣された自衛隊員は手帳に遺書を書くところまで追い詰められていた。5月28日のNスペ「変貌するPKO 現場からの報告」、放映中。

仕事がたまっていて,月曜までにしなくてはならないのがまだ残っています.昼過ぎから出勤して赤ペン片手に頑張りました.つかれました.
この間読んでいる渋谷暴動の星野文昭さんの本.結局無実なんだと感じました.本人は自白していません.「共犯」とされた若者(学生?)が自白を強いられてしまい,それが「証拠」になっているみたいで許せません.この事件だけでなく,多くの冤罪事件がそうなのだと思います.
夜牛タンマンZを見ました.本家?牛タンマンは謹慎中でどうしているのかわかりませんが,なんとなく懐かしい気がします.

無実で39年 獄壁をこえた愛と革命―星野文昭・暁子の闘い
星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議
2013-09


何度でも、勝利して、国賠を勝ち取る全面勝利まで、闘いの炎を途絶えさせないために,  ぽるじはど

恥ずかしながら、星野さんの冤罪事件を本書を手にとるまで私は知らず、中身に読み進む前に、冤罪関係に詳しい方に尋ねて詳しく教えていただいたのだった。
 私自身も冤罪関係の集会などに行くが、奥西さんや袴田さん、林さん、故久間さんといった、メディアも取り上げる著明な事件の方々は存じ上げてはいたが、私も縁がある伊根野事件の野口さんなど、まだまだ殺人事件関係でも知られていない人々は沢山いるのだと、思い知った。
 星野さんは現在、徳島刑務所で3類処遇を受けていて、月3回の面会と月5回の手紙が出せる。
 星野さんからの2010年4月27日付通信では、「時間を知らせる放送が故障しているなかで消灯時間もない時間に一筆加えた。それが9時10分までなら注意ですむけど、9時15分だった。」などと、所側の問題を、星野さんに言いがかりのように擦り付けている様子が記されているし、96年には「ゴキブリを踏んだ足を洗った」として20日間の懲罰も受けている。
 35年を経て、入所から半年でなる処遇のままなのは、このような何度もいわれのない懲罰を受けているからだろうか?
 暁子さんが初めて会った84年時は、最も下位の4級処遇で、面会・手紙とも月1回で、先を越されないように6時起きで東京拘置所へ向かったとある。
 暁子さんは、「獄中者とその家族が子そもを生み育てる会」も02年に結成しており、スェーデンやデンマークのように子づくりのための「夫婦面会」や、日本でも年間1000件以上行われている仕切り立会いのない面会を求め、精子の宅下げも徳島刑務所に要望書を提出している。
 徳島刑務所では、年間の総面会回数が、07年の5292件をピークに、10年2536件、11年2062件と、05年の旧監獄法適用時代の2403件を下回る回数になっており、それに抗する為に12年2・5デモでは600人が集結、刑務所を包囲、13年9.11デモは430人が刑務所そばの吉野川河川敷に集結した。
 しかしながら、これは勝利へとつながらず、徳島刑務所包囲デモの「首謀者」として、徳島刑務所が運動体の金山克巳事務長、仙田哲也さん、増上昭典さんの3人に対して面会・手紙・ 差し入れなど一切を禁止する処分を行った。
 これに対し文昭さんは、先日、監査官への苦情申立をしたという。
 星野さんは、1971年11月、沖縄返還協定に反対するデモの最中、渋谷で機動隊員を鉄パイプで殴打、火炎瓶を投げつけ殺した容疑で収監されている。 しかし、証拠は、服装の目撃者と「火炎瓶を投げろ」との声を聞いた、との曖昧なもので、しかも目撃の服装は色が違い、耳撃も星野さんと断定できているわけではなく、現場目撃者らの調書開示など全証拠開示を再審請求弁護団は求めているが、検察は拒んでいる。
 同様の冤罪事件として、後半では韓国の政治犯の問題や東電OL殺人事件についても、本人や支援者の講演が掲載されている。 
 本書は救援運動の集大成であり、38年にもなる獄中からの闘いを先ず終結させ、シャバから再度闘いの狼煙をあげて欲しいと心から思う。
 前半には、星野さんが描いた絵と、暁子さんが書いた詩が掲載されている。
 こちらは各地で展覧会も行われている。
 http://fhoshino.u.cnet-ta.ne.jp/

『愛と革命』で星野文昭さんを取り戻そう  金山克巳

素晴らしい本ができました。1971年の沖縄闘争に関して「殺人罪」に問われ、無実なのに無期懲役とされた星野文昭さんの39年と、獄中結婚した暁子さんとの27年のすべてが込められた本です。星野文昭さんが徳島刑務所で描いた水彩画と暁子さんの手記「生命の輝き」があますところなく、二人の人生と闘いを伝えています。星野さんの闘いの意義、再審を求める運動の内容が分かりやすく展開されています。新宿の紀伊国屋本店3階に、「まるでドラマを見ているようだ!これは面白い」というポップ付きで展示されています。本当にその通りです。『愛と革命』を全国に広め、1日も早く星野文昭さんを取り戻そう。

 
<高田松原>復活へ「感無量。涙が出そう」
 「美しい松原を後世に伝えたい」。東日本大震災で壊滅した陸前高田市の名勝「高田松原」再生を目指すNPO法人「高田松原を守る会」理事長の鈴木善久さん(72)は27日、万感の思いを胸に、記念植樹会に臨んだ。
 守る会は2006年、市民有志らで発足した。松原清掃など活動が軌道に乗り始めたとき、震災が起きた。当時の会長ら9人が犠牲になり、被災した会員も多い。解散の可能性もあった。
 そのころ、「遺伝子」と出会った。岩手県住田町の女性(79)が、クリスマスリース作りなどのために震災前年の秋に高田松原で拾った松ぼっくりから採った種を届けてくれた。いつか松原に−。希望が湧いた。
 市民生活は混乱の極みにあった。松どころではない。それでも、震災から5カ月後の市復興計画検討委員会の初会合で訴えた。「やっぱり、高田には白砂青松の松原の復活が必要だ」
 中学時代は生物クラブに所属し、砂浜や松林、沼で植物の生態観察に熱中した。地元中学校の校長を定年退職後はさらに研究を深めた。潮干狩り、海水浴、花火大会。楽しい思い出はいつも、松原と共にあった。
 松原復活に向け、守る会は週末、松苗畑の草取り、苗木を風から守るためのすのこ作りと準備を進めてきた。作業は200回を超え、延べ4200人以上のボランティアが協力。全国から届く寄付のほか、研究機関にも支えられた。
 江戸時代、地元の先人が私財を投じ苦労を重ねて植林し、その後も市民が守り育ててきたのが高田松原だ。植えて終わりではない。ハマナスやニッコウキスゲといった松原跡地で見付けた植物も移植し、群生地をよみがえらせたい。
 松が高さ約20メートルまで育つのに50年はかかる。多分、子どものころ駆け回った松原と同じ景色を、生きて再び見ることはない。
 「これからいろいろあると思うけど、元気に大きく育てよ」。鈴木さんはそう言って、苗木の根元に優しく土を寄せた。


<災害公営住宅>家賃引き上げ「寝耳に水」
 東日本大震災の被災者が入居する仙台市内の災害公営住宅の家賃引き上げを巡り、入居者が反対の署名活動を展開するなど反発を強めている。入居6年目以降、家賃が段階的に上がることを市側が伝えていなかったためで、家賃が3倍になる入居者もいるという。
 市は2012年、災害公営住宅の入居者募集に際し、「10年間は家賃が(通常より)安くなる」と書面で通知した。以後、家賃の引き上げについて具体的な説明はなく、今年3月、市が全戸配布した文書で初めて家賃が上がることを知らされたという。
 市営住宅管理課の西本憲次課長は「自治体に家賃に関する説明義務はないが、住民に対する配慮が足りなかった。説明会は入居手続きを紹介するもので、意図的に伝えなかったわけではない」と釈明した。
 国の東日本大震災特別家賃低減事業によって、災害公営住宅の入居者は入居から10年間、収入に応じ家賃の減免措置を受けられる。最初の5年間は家賃が据え置かれるが、6年目以降は段階的に引き上げられ、11年目以降、本来の家賃を支払うことになるという。
 制度を知らされていなかった入居者にとって、家賃引き上げは「寝耳に水」。今月下旬、市内の災害公営住宅の自治会長ら27人が呼び掛け人となり、引き上げ中止など4項目を市に要望する署名活動を始めた。
 太白区のあすと長町災害公営住宅自治会「ひまわり会」の菅原勝典代表(58)は「家賃は重要な要素で、入居前に説明するのが筋だ」と批判。あすと長町第2災害公営住宅の薄田栄一自治会長(64)は「年金暮らしの入居者が多く、家賃引き上げは生活を直撃する」と入居者の不安を代弁した。


地引き網体験休業中 漁師引退、後継者選び難航
 宮城県気仙沼市の離島・大島で、団体客の人気を集めた「地引き網体験」が休業に追い込まれている。長年にわたり漁を手伝っていた地元漁師が、高齢を理由に昨年引退。実施主体の大島観光協会(白幡昇一会長)は後継者探しに躍起になっているが、島の漁師の高齢化は著しく、人選は難航する。
 協会によると引退したのは2人。いずれも80代の漁師で、地引き網体験を始めた当時から協力していた。体力面を心配する家族の反対や安全面を考慮し、昨秋の体験を最後に退いた。
 団体客を対象にした体験メニューは20年以上前に始まった。体験学習を目玉にした観光客の誘致を目指す協会の看板メニューとして、1回数万円の委託料を受けた漁師が取り仕切った。
 教育旅行で来島する県内の多くの小中学生が漁を体験。東日本大震災以降は復興支援の一環で訪れる県外の学校も増え、中には海外からの利用者もいた。
 2016年は約300人が利用。昨年、漁に挑戦した仙台市内の中学校の教頭は「力を合わせて魚を取り、その場で魚を食べられる経験は貴重だ。子どもたちも喜んでいたのだが…」と休止を残念がる。
 網は前日に仕掛ける。魚が入りやすくする工夫や破れた網を修理する技術も担当者には求められる。観光協会は「事業の継続を考えると、経験に加えて体力がある若い漁師に手伝ってほしい」と話すが、意中の漁師は見つからない。
 気仙沼市によると、2013年11月現在、大島の漁業就業者は273人。うち60歳以上は218人と約8割を占める。60歳以上の割合は10年前の03年から約30ポイント上がっており、後継者探しは難航を極めそうだ。
 観光協会の白幡会長は「魚を網で取った感動を、もう一度子どもたちに味わってほしい。(人選は)難しい作業だが、大島の観光振興のためにも、何とか再開させたい」と話している。


復興の町で結婚式 住民も新たな門出祝う
 東日本大震災からの復興まちづくりが進む女川町中心部のプロムナードで27日、初めて結婚式が行われ、町民らが新郎新婦の門出を祝福した。
 式を挙げたのは、神奈川県厚木市出身で建設会社に勤務する野村浩さん(38)と、かつて同じ会社に勤めていた川崎市出身の彩子さん(35)=ともに石巻市在住=。野村さんは会場となった町中心部の復興工事に携わった。親族や友人らに女川の魅力を伝えようと、町内の企業などの協力を得て式を実現した。
 2人は親族や友人、町民らが見守る中、海を望むプロムナードで式を挙行。町まちなか交流館で披露宴も開き、参加者らは町内の飲食店が用意した料理を堪能した。
 野村さんは「たくさんの方々に祝福の言葉をかけてもらい感動した」と笑顔で話し、彩子さんは「女川の人は温かい。大好きな町にどんどん笑顔が増えていってほしい」と語った。


<千年希望の丘>津波よけ3万本最後の大植樹
 東日本大震災で被災した岩沼市玉浦地区に市が造成中の「千年希望の丘」で27日、植樹祭が開かれ、津波の威力を減衰させる緑の防潮堤を築くため約3万本の苗木が植えられた。2013年に始まり5回目で、大規模な植樹活動は今回で最後となる。市などでつくる実行委員会が主催した。
 全国から約4000人が集まった。参加者はグループごとに別れ、丘と丘の間に盛り土された津波よけの遊歩道を移動。遊歩道の両脇ののり面計約1ヘクタールに、ヤマザクラやヤブツバキなど21種類を植え付けた。
 岩沼市玉浦小6年戸ケ瀬優月(ゆづき)さん(12)は「雨でぬかるんでいたから大変だったけれど、何とか3本植えられた。津波からみんなを守る木に成長してほしい」と話した。
 植樹祭には今回を含め、延べ約3万3500人が参加し、計約7.8ヘクタールに計約28万本を植えている。
 千年希望の丘は南北約10キロに高さ約10メートルの丘を15基並べ、同約3メートルの遊歩道でつなぐ構想。今回は南側の遊歩道約800メートル区間を対象とした。


<高田松原>白砂青松再生へ 1250本植樹
 東日本大震災で「奇跡の一本松」を残して壊滅した、陸前高田市の名勝「高田松原」の再生記念植樹会が27日、現地で開かれた。約390人が参加し、白砂青松の景色を取り戻すための一歩を踏み出した。
 盛り土した造成地0.25ヘクタールに、生育2年のマツ1250本を植えた。参加者は高さ約30センチの苗木の成長を願いながら作業した。
 再生事業は、岩手県が同市のNPO法人「高田松原を守る会」と協力し、3年間で約8ヘクタール、1.8キロに渡って約4万本のマツの苗木を植える。約600本は高田松原の遺伝子を受け継ぐ苗木で、生育5年のマツ2本も植樹した。
 同市高田小5年の石川優成君(11)は、約7万本が立ち並ぶ松林の景色をあまり覚えていない。植樹会では、他の小学生と一緒に「苗木に負けないよう大きく育ち、緑豊かな高田松原を育てていく」と誓った。


女川町の「復興」商店街で結婚式
東日本大震災の津波で壊滅的な被害をうけ、その後、再建された女川町の新しい商店街で27日、復興に携わってきた2人の結婚式が行われました。
結婚式を挙げたのは、建設会社の社員の野村浩さん(38)と彩子さん(35)の2人です。
2人は神奈川県出身で以前は東京で働いていましたが、震災の復興工事にあたるため宮城県への異動を命じられ商店街の建設などにあたってきました。
27日は親族や友人、商店街の人たちなどおよそ80人が集まり、タキシードとウエディングドレス姿の2人が登場すると大きな歓声があがりました。
そして、出席者が歌を歌ったりお祝いのメッセージを伝えたりしたあと、花道をつくって拍手を送り2人の門出を祝いました。
2人は、復興が進む町の様子を多くの人に見てもらうとともにお世話になった地元の人たちに結婚を報告しようと商店街で式を挙げることにしたということです。
新婦の彩子さんは「皆さんに声をかけていただきながら式ができてうれしいです。親や友人に女川の人たちの温かさを感じてもらうことができました」と話していました。
結婚式の花飾りを手伝った商店街の生花店の女性は「海を見るたびにつらい気持ちや悲しい気持ちになりましたが、震災後、初めて海がキラキラして見えました」と話していました。


<あなたに伝えたい>親孝行な2人見守っていて
 三浦栄子さん=当時(35)=、光(こう)さん=同(33)= 岩手県釜石市東前町の自宅に父寿一さん、母アイさん(67)と暮らしていた。2人とも病気療養中の寿一さんを心配して外出先から自宅に戻り、津波にのまれた。寿一さんは2014年8月、71歳で亡くなった。
◎優しく周囲に好かれていた子どもたち/三浦アイさん(釜石市)栄子さん、光さんへ
 アイさん 小学5年で腎臓の病気になり、入院しながら特別支援学校で学んでいた長女の栄子。本人の希望で一般の中学校へ転校し、高校にも進みました。
 体調が悪くても黙って通院していたのは、自分の言い出したことで迷惑を掛けたくなかったからでしょう。
 病気を乗り越えての就職は、親として本当にうれしかった。「恩返し」と給料日にくれる3万円をため、内緒で成人式に振り袖を買ってあげました。あの時の喜ぶ姿が忘れられません。
 バンド「ゆず」の大ファンでした。今もテレビに映ると、栄子に聴いてほしくて音量を上げます。
 栄子と幼い弟の面倒に追われ、寂しい思いをさせた長男の光。小学6年で野球チームの主将になった時は、思い切って1年間休職し、試合や練習に付きっきりで応援しました。友達や同僚には「光ちゃん」と呼ばれて好かれていました。
 夫が肺がんを患った時は、いつでも病院に行けるようにと光は大好きなお酒を控えるようになり、自宅で過ごす夫のために栄子と協力してテレビを買い替えてくれました。親思いの優しい子たちでした。
 あの日、2人に「先に出て」と言われ、津波が迫る中を夫と逃げたのが最後になりました。ただただ申し訳ないし、悔しいです。
 栄子。光。私を含めて残った人は元気でやっているから、見守ってね。2人のことだから、あっちでも仲良くしていると思います。


<わたしの道しるべ>絵本通して被災地発信
◎イラストレーターなかだえりさん(42)=東京都足立区
 岩手県一関市出身で、本や雑誌などでイラストを発表しています。東日本大震災が起きた後、絵の仕事を通して被災地の何かを伝えたいと思い立ち、2011年10月に陸前高田市の「奇跡の一本松」を題材に絵本を制作しました。
 今年3月11日、「一本松」の絵本の読み聞かせイベントが都内でありました。6年余りがたち、震災を知らない子どもが増えています。絵本の内容の一部は、15年度から小学生の道徳の教科書に採用されました。災害の怖さ、防災の大切さを知るきっかけになってほしいです。
 陸前高田市を5月の大型連休中に訪れ、絵本の制作時に取材した地元の人たちと再会しました。これからも被災地の歩みを見続け、将来は復興の様子が伝わるようなハッピーな絵本を描きたいです。
 これまで、全国の駅弁をイラストで紹介する本、各地の古い街並みや建築物を巡る旅の本も手掛けました。東北に足を運ぶ人が増えるような著作も発表したいと思っています。


福井県の原発 集中立地やはり危うい 
 原子力規制委員会は、関西電力大飯原発3、4号機(福井県)が新規制基準に適合すると認める審査書を正式決定した。
 気になるのは、海沿いに原発が10基以上も並ぶ福井県内で、審査に合格した原発がすでに7基を数えることだ。
 いずれかの原発で自然災害などによる過酷事故が起き、立ち入りが禁止されたり制限されたりする区域が広がった場合、他の原発に混乱は生じないのか。
 国、電力会社、自治体は、「原発銀座」が抱える危うさに正面から向き合わなければならない。
 同県内では、関電の高浜1〜4号機、美浜3号機も審査に合格している。中でも大飯と高浜の両原発は十数キロしか離れていない。
 だが、規制委は各原発の号機ごとに審査し、独立した形での安全態勢確保を基本としている。
 東日本大震災の規模を考えれば、原発が集中するこの地帯で、複数の施設が同時に被災する可能性は否定できまい。
 その時、電力会社が想定通りに事故に対応し、住民が安全に逃げられると言い切れるのか。
 福井県が策定した広域避難計画が「多重事故」を想定していないことも、大きな懸念材料だ。
 福島第1原発事故では炉心溶融が1〜3号機で起き、広範囲で放射線量が高まったため、ピーク時は約16万人が避難した。福島第2原発も津波に襲われたが、かろうじて大惨事を免れた事実がある。
 東日本大震災の教訓を生かすには、原発の審査や避難計画を、単独の「点」ではなく、「面」でとらえる発想が必要だ。
 まして福井県の場合、合格した7基だけでも、避難計画策定が必要な半径30キロ圏内の地域は京都府や滋賀県の一部にも及ぶ。
 原発は、立地地域に雇用などの経済効果をもたらす。だからといって、事故時には周辺地域にも被害が及ぶ恐れがあることを無視していいはずがない。
 大飯原発の審査を巡っては、島崎邦彦前規制委員長代理が耐震設計の目安となる基準地震動について、過小評価の疑いを指摘した。
 関電は秋以降の再稼働を目指しているが、運転差し止めを求める訴訟が名古屋高裁金沢支部で審理中でもあり、30キロ圏内で不安を抱く住民も少なくなかろう。
 しかし、現状では電力会社と国、立地自治体の意向だけで再稼働を進めることができる。やはり、可否を巡る同意権を、周辺自治体にも認めるべきだ。


「核のごみ」迷走 原子力政策の破綻を象徴
 「核のごみです」と言われて「どうぞ、私たちの所へ」と言う住民がいるだろうか。極めて強い放射線を出す原発の高レベル放射性廃棄物のことだ。東京電力福島第1原発事故を経験しただけに、危険な難物を最終処分する適地は見つかっても、地域の理解を得ることは困難だ。
 政府は国策として原発を推進しながら、肝心のバックエンド対策を怠り、最終処分問題は電力業界に丸投げ。その重い付けが回ってきている。「国主導」と強調するものの、責任と覚悟がまるで見えてこない。
 ■無責任な安倍政権■
 核のごみの最終処分は、使用済み燃料を再処理し、プルトニウムとウランを回収した後に残る高レベル廃液をガラスと混ぜ、管理や処分に適した「ガラス固化体」にする。国は1976年から本格研究に着手、2000年に最終処分法を制定した。地下300メートルより深い岩盤に埋め、数万〜10万年にわたり地層処分する遠大な計画だ。
 ここで重要な観点は、核のごみをこれ以上増やさないという歯止めをどう掛けるのか、総量を規制し、しっかりコントロールしていくことである。
 だが、経済最優先の安倍政権はこの論理に逆走している。14年、政府はエネルギー基本計画で原発を「重要なベースロード電源」と位置付けつつ「原発依存度を可能な限り低減する」としたが、その工程を曖昧にしたまま原発回帰を鮮明にした。先の見えない放射性廃棄物対策に対する無責任な姿勢である。
 ■怠った国民の合意■
 責任の希薄さは政策の迷走ぶりからも分かる。政府は02年から自治体の公募方式を採用。候補地探しは電力事業者で組織する原子力発電環境整備機構(NUMO)に任せっきりで、自治体が名乗りを上げても住民らの拒否反応は強く頓挫した。
 15年5月には7年ぶりに基本方針を改定。「科学的有望地」を示した上で、複数自治体に調査を申し入れる仕組みを導入したが、自治体の警戒感から公表を断念し「科学的特性マップ」として公表する。
 地層処分に好ましい特性かを4色に塗り分け、早ければ今夏にも提示するという。経済産業省とNUMOが14日から全国9都市でシンポジウムを開催。自治体向け説明会も実施し、福井では6月7日に開く。処分の安全性に理解を得られるかだ。
 処分地決定までに最低でも20年掛かる難事業である。まだ入り口にも立てないのは地層処分決定の際、国民の合意形成を図る努力を怠ったからであろう。地上での「暫定保管」という考え方もあるが、単に課題先送りの発想だ。地層処分はフィンランドやスウェーデン、仏、米国など世界の流れとはいえ、処分場建設を許可したのはフィンランドのみ。世界有数の地震国日本は険しい道のりである。
 ■言い訳より実行を■
 バックエンド対策では増え続ける使用済み燃料対策も行き詰まっている。国内原発などには1万7千トン以上が保管され、管理容量の75%に達する。再処理した分も合わせガラス固化体が約2万5千本になる計算だ。
 廃炉決定の17基中、福島第1原発などを除く7基で約610トンの搬出先が確定していないことも判明した。日本原電敦賀1号機や日本原子力研究開発機構のもんじゅ、ふげん、関西電力美浜1、2号機も含まれる。
 立地県への置き去りを懸念する福井県は関電に県外搬出を要求。関電は「自治体などに5千回以上訪問している」と弁解するが、いまだ見つからない。頼みの青森県六ケ所村の再処理工場はトラブル続きで、原子力規制委員会の新規制基準にも合格していない。核燃料サイクル政策も破綻状態だ。
 行き場のない核のごみ、福島の大量汚染土、廃炉の道筋も不明なもんじゅ…まさに「文明の残滓(ざんし)」である。


学術会議声明 軍学分離を貫かなければ
 日本の科学者を代表する国の特別機関、日本学術会議が発表した軍事研究に関する新声明は、大学が対応を決める際の指針となるものだ。
 新声明は、大学での軍事的研究は、学術の健全な発展と緊張関係にあることを指摘し、過去の戦争協力への反省から軍事研究をしないと掲げた1950年と67年の声明を「継承する」とした。
 この決意を広く共有し、生かしていくことが大切だ。
 注目されるのは、大学の科学者らが行う軍事応用も可能な基礎研究に助成する防衛省の公募制度について「政府による介入が著しく、問題が多い」などと指摘したことだ。
 予算額が年々増えている制度に対し、科学者らが安易に応募しないよう歯止めをかける狙いが込められている。
 科学技術には、「デュアルユース」と呼ばれる両義性がある。原爆を例にすれば、核分裂で生じる膨大なエネルギーを利用した兵器が、その後に原発として一般向けの発電に応用された。
 今や暮らしに不可欠なインターネットや衛星利用測位システム(GPS)も、もともと米国が軍事技術として開発した。軍事と民生技術の境界線は分かりにくくなっており、科学者らがどう関わっていくかは難しい課題である。
 2015年度に始めた防衛省の公募制度も、デュアルユース研究に資金を出すもので、参加する大学の研究者が出ていた。このため、日本学術会議は声明の見直しを進めていた。
 だが、研究費不足に悩む研究者や大学にとって、制度は魅力的に映るだろう。民生分野の研究資金の充実を図っていくことも大事である。
 さらに新声明では、防衛省の制度を含め、軍事研究とみなされる可能性のある研究を行う場合、適切性を審査する制度を設けるべきだとした。何が適切なのかについて、科学者の間で共通認識を持つ必要がある。
 声明に強制力はないが、大学側に動きが出始めている。
 防衛省の公募制度に関して徳島大は「17年度の公募については、応募があっても認めない」とする方針を決定した。役員会などで公募制度への対応について協議し、4月12日付で研究者に通知したという。
 徳島大が応募を認めない方針を全研究者に示すのは初めてである。日本学術会議が発してきた「軍学分離」の方針に賛同し、これまでも応募は認めていなかったが、今回、改めて大学側の姿勢を示すことにした形であり、これを支持したい。
 全国の国公私立大95校を対象にした共同通信のアンケートでは、軍学分離の声明について、「堅持すべきだ」とする大学が約4割あった。6割は明確な態度を示さなかったが、従来方針を変更してもよいという声はなかった。
 防衛省の研究に対して、大学側がどう臨むのか。議論を続けなければならない。


【高知工科大】平和追求する姿勢継続を
 高知工科大学が軍事研究を行わないとする方針を決めた。磯部雅彦学長が先日の本紙インタビューに詳しく答えている。
 大学や研究者が現在直面している「学術と軍事」について明快な方向を示した。危険が迫って軍事的な手段が必要な場合でも、憲法が掲げる平和主義に立って研究を進める、と学長は述べている。そうした姿勢を今後も維持してほしい。
 平和を追求するとともに真理を探究する。研究者は誰もがそんな倫理観と良心の下、日々業務に励んでいるだろう。一方で、研究費の確保で大学や研究者は悩んでいる。
 文部科学省は大学への運営交付金を削減し、科学研究費にもしわ寄せが及んでいる。ところが、軍事に応用できる基礎研究を公募する防衛省制度の予算は膨らみ続けている。当初の2015年度の3億円が17年度には約110億円となった。米軍も日本の大学などの研究者に多額の研究費を出している。
 倫理、良心と資金面をどう両立させるべきか模索している大学、研究者は少なくないのではないか。
 工科大の方針はそうした中で出された。研究が軍事に向かわないようチェックする学内の組織を6月中に新設することも決めた。技術や研究の在り方を巡って警鐘を鳴らしたと受け止めていいだろう。
 いずれも日本学術会議による3月の声明に沿ったものである。学術会議は議論の末、1950年と67年に「軍事研究はしない」と決めた声明の基本方針を継承する声明を今年3月に発表した。
 その中で大学などに対して、軍事関連の可能性がある研究については、適切性を審査する制度を設けるよう求めている。
 工科大の学内組織が判断に迷うケースが出てくることもあろう。民生用か軍事用かの境目は技術革新によってあいまいになっている。
 軍事関連の場合、「自衛目的は許される」とする考え方がある一方で、自衛、防衛を目的としたものと、攻撃目的との線引きが難しい場合があるという。
 その点について学長は、一様に軍事技術とみなさざるを得ないとしている。ただ、問題があれば、その都度立ち止まり、軍事研究の拒否を決めた原点を確認するとともに、検証を重ねるよう求めたい。
 防衛省が研究費を出す予算が、本来の科学研究費として大学に支出されれば、民生用の基礎研究に役立てられることも学長は指摘した。
 日本では、大学などへの研究費の予算が軍事応用可能な内容に偏り、「軍学共同」の動きが強まる恐れもある。基礎研究費が各国で削られることへの懸念もある。そうした流れに、大学や研究者が連帯して疑義を呈する必要もありはしないか。
 高知県立大、高知大は学長らが防衛省の制度への対応を考えていくと表明している。自主性と自立性を大事にしながら、十分議論して方向を打ち出すよう期待する。


政治家のがん発言 無知と偏見の連鎖断て
 「がん対策は進んでも理解は深まっていない。だから、政治家があんな発言をする」
 「がんになってもより良く生きる『共生の時代』になったことが、知られていない」
 自民党の大西英男衆院議員が、受動喫煙対策をめぐる党会合で、たばこの煙に苦しむがん患者に関して「(がん患者は)働かなくていい」とやじを飛ばしたことに、本県の患者の落胆は深い。
 がん医療は、2006年成立のがん対策基本法を契機に大きく進歩。医療機関の整備などが進み、患者の長期生存や通院での治療が見込めるようになってきた。
 昨年12月に成立した改正法は「患者が安心して暮らせる社会の構築」を掲げ、治療と仕事が両立できる環境整備の推進や、がんへの理解促進を打ち出している。
 がん対策の歩み、患者の置かれた状況に無知をさらけ出した大西議員。謝罪したが、発言は撤回しないという。厚顔無恥ぶりにはあきれる。
 仕事を続けているがん患者は推計32万5千人。職場への気兼ねなどで退職する患者は多い。改正法は事業主に、患者の雇用継続への配慮を求めている。だが、内閣府の世論調査では、治療と仕事を両立できる環境が整っていないとの回答が6割を超えた。
 政治家は率先して、がん対策の現状を知るべきだ。患者の痛みを敏感に受け止め、受動喫煙対策を含めた就労支援などの充実が求められる。
 4月には、山本幸三地方創生担当相が「(観光振興の)一番のがんは文化学芸員。この連中を一掃しないと駄目」と発言した。文化財への無理解はもとより、がん患者への配慮を欠いたとして批判を浴び、撤回し謝罪した。
 がんの例えが、どれだけ患者を苦しめるか。米国の批評家、故スーザン・ソンタグ氏の名著「隠喩としての病い」(1978年)に詳しい。
 近代の全体主義で、ユダヤ人はがんに例えられ、除去せよと言われたことなど、古今東西の言説を引き合いに「ある現象を癌(がん)と名づけるのは、暴力の行使を誘うにも等しい。…この病気は必ず死にいたるとの俗説をさらに根強くしたりもする」と指摘する。
 無知、無理解に基づく発言が患者を傷つけ、安直ながんの例えが偏見を強め、患者と社会を分断する…。大西発言と山本発言は、がんとの共生を妨げる負の連鎖の典型例を示したと言える。
 私たちは「こんな政治家こそがん」との形容は慎まなければならない。近年は多くのがん患者が、自らの闘病生活をブログなどで発信する時代になった。より良く生きようとしている患者の声に耳を傾け、その思いを知ることから負の連鎖を断ち切りたい。


あすへのとびら 秘密法の運用実態 国民主権を害している
 日本がかつての過ちを繰り返すのではないか、国民に何も知らされないまま間違った道へ踏み込むことにならないか―。
 読み進むとそんな思いにとらわれる。特定秘密保護法の運用をチェックするために、国会に設置されている情報監視審査会の年次報告である。
 衆院審査会の2016年分が先日公表された。例えばこんなことが書いてある。
 〈「あらかじめ指定」が拡大しすぎていることを踏まえ、適切な規定を定める〉
   <チェックは働かず>
 審査会が443件の特定秘密の内容説明を求めたところ166件に該当する文書がなかった。秘密指定されているのに中身がない。なぜそんなことになるのか。
 秘密情報が発生することを想定して、政府があらかじめ指定したのが理由の一つだ。実際には発生せず“カラ指定”になった。
 中身の吟味なしの指定だった。恣意(しい)的運用の最たるものだ。審査会に参考人で呼ばれた早稲田大学の春名幹男さんも「どう考えても不合理。すぐには理解できなかった」とあきれていた。
 作成後30年以上過ぎた文書が指定されていたケースもあった。
 特定秘密の指定期間は原則として最長30年とされている。超えるときは理由を示して内閣の承認を得る必要がある。
 その文書はスパイ活動に関するものだった。警察の情報収集能力が読み取れるため秘密指定した、との説明だったという。
 〈30年以上過ぎても指定解除しない前例になってしまわないか〉
 報告書に記載されている委員の発言である。
 人の「知識」の指定もあった。文書を廃棄したあと、その情報を覚えている担当職員の、いわば頭の中を指定した。
 この場合、秘密管理の対象は文書ではなく人間になる。秘密に触れた担当者を、仕事から外れた後まで罰則付きで管理する。
 秘密法は健全な社会と共存できるのか―。疑問は尽きない。
 報告書には政府が勝手な判断で指定していることを批判する委員の発言がしばしば登場する。
 〈一般に認知されており、公知であるにもかかわらず、当該情報を指定し続ける理由は何か〉
 新聞に載った情報が指定されていることについての質問だ。
 審査会が中でも問題視したのが安保政策の司令塔、国家安全保障会議(NSC)に関わる特定秘密だ。審査会は一切の情報の提供を政府から拒まれた。
 〈提供するのは困難と、何も聞いていないうちから結論を出されるのは心外〉〈初めから出さないと言うのは僭越(せんえつ)ではないか〉
 厳しい言葉が並んでいる。
 政府はNSCに関しては情報開示するつもりは全くないようだ。これでは国会が安保政策をチェックするのは不可能だ。
 安倍晋三内閣は集団的自衛権の行使容認に踏み切り、安保関連法で自衛隊の活動範囲を広げた。日本が攻撃されなくても、日本と密接に関わる国が攻撃されたときは自衛隊を動かすことができるようになった。
 出動を命ずるかどうかはNSCでの議論を経て首相が決める。どう議論されたかが、国民の代表である国会にも説明されない。これは民主主義と言えない。
 秘密法の運用チェック機関としては国会の審査会のほか、政府内に独立公文書管理監など二つが置かれている。首相の言う「重層的なチェック」である。
 二つの組織は官僚がメンバーでいわば身内である。実効性への疑問がかねて指摘されていた。
 報告書は特に公文書管理監について、職責を果たしていないという意味のことを述べている。秘密文書を直接確認する権限を適切に行使していない、と。
 チェック機関でどうにか機能しているのは今のところ国会の審査会だけだ。しかし心もとない。
 審査会は外部との連絡を遮断するため、電波が通らない部屋で開催される。メモを取ることは許されない。委員が情報を漏らすと処罰の対象となる。活動は秘密法でがんじがらめにされている。
   <廃止を目指そう>
 事務局を拡充し情報の専門家を加えて、与野党8人の委員のサポートを強化する必要がある。「安全保障に著しい支障を及ぼすおそれ」を理由に政府が情報提供を拒める規定は廃止すべきだ。
 秘密法は米国の制度を参考にした。政府はそのうち秘密保持だけを取り入れて、情報開示の仕組みは採用しなかった。
 秘密法は国民の知る権利や国会の国政調査権を定めた憲法に反している。運用チェックの仕組みを整えつつ、廃止する努力をこれからも続けよう。


証人喚問で真相究明を 前川前次官の証言
もう「怪文書」と切って捨てることはできまい。学校法人加計学園の獣医学部新設計画を巡り「総理の意向」などの文言が含まれる記録文書のことだ。文部科学省の前川喜平前事務次官は25日の記者会見で「確実に存在していた」と明言した。
 文書は国家戦略特区を活用し、大学の獣医学部を最短スケジュールで新設するよう促す。それは「官邸の最高レベル」の要請で、「総理の意向」と生々しく記されている。文科省はこの文書を「確認できない」としていたが、前川氏は「あったものをなかったことにはできない」と語った。文科省の事務方トップを務めた人の発言を重く受け止めたい。
 さらに前川氏は文科省が「赤信号を青信号に」「黒を白に」するよう官邸や内閣府の圧力を受け、「公正、公平であるべき行政がゆがめられた」と説明した。安倍晋三首相の友人が理事長を務める加計学園ありきで計画が進められたのかを問われ、「関係者の暗黙の共通理解としてあった」とまで述べている。
 もしそれが本当なら、まっとうな行政とはいえない。
 今回の計画については、多くの疑問が浮上している。獣医師がどの程度不足しているのか客観的なデータが示されないまま特区の認可に至ったのではないか。加計学園だけが特区に応募できるよう条件が決められたのではないか―。文書の有無はもちろん、獣医学部新設に向け、官邸の指示や官僚の忖度(そんたく)があったのかどうか、はっきりさせることを国民の多くが望んでいるはずだ。
 しかし、文書について菅義偉官房長官は「出所不明で信ぴょう性に欠ける」との見解を変えない。松野博一文科相は文書の再調査さえ「必要ない」とした。前川氏の証言を無視するような対応は理解し難い。
 文科省の調査は当初から不十分だった。文書があるかどうか担当職員のパソコンの共有フォルダーのチェックにとどまり、職員個人のパソコンやデータの削除履歴は調べていない。そんな探し方では疑惑から逃げていると批判されても仕方ない。文科省はあらためて徹底した調査を行うべきだ。
 野党は前川氏の証人喚問と首相が出席する予算委員会の集中審議を求めている。証人喚問を実現させ、国会の開かれた場で真相究明するのが筋だろう。
 なのに自民党はなぜ、証人喚問を拒否するのか。
 折しもきょう、安倍首相の在職日数は第1次内閣と合わせて1981日となり、小泉純一郎首相を抜いて、戦後の首相では歴代3位となった。「安倍1強」時代を裏付ける。しかし長過ぎるが故のほころびはないのか。首相に関する疑惑について党内でものを申せない空気が広がっているなら深刻である。
 石破茂元幹事長は「事務方トップにいた方のああいう発言はそれなりの意味がある」と指摘する。そうした率直な意見をもっと党内で戦わせるべきだ。
 前川氏の「証人」としての資質を問う声も出ている。以前「出会い系バー」に前川氏が通っていたことが今になってなぜか報道され、菅官房長官が記者会見で批判を繰り返している。しかし、個人の私生活と加計学園の問題は切り離して考えるべきだろう。


安倍官邸に不満爆発 前川氏の反旗で官僚の“一揆”が始まる
「黒を白にしろと言われているようなもの」――。加計学園をめぐる疑惑で、安倍政権からの“圧力”を暴露した前川喜平前文科次官。「よくぞ言った」と国民は拍手喝采だが、霞が関からも「前川前次官に続け」の声が出ている。官僚たちは、恐怖政治で官僚組織を従わせようとする安倍官邸の強権的手法に呆れ、軽蔑し、愛想を尽かしている。一斉蜂起は時間の問題だ。
 26日、菅官房長官は前川氏が存在を証言した文科省の“総理のご意向ペーパー”について、改めて信憑性を否定した上で、出会い系バー通いの話題にすり替えた。「教育行政の最高責任者がそうした店に出入りし、(女性に)小遣いを渡すことは到底考えられない」とコキ下ろしたのだ。
 それにしても、犯罪行為でもない醜聞が急に飛び出し、それを国の権力者が一方的に断罪する光景は異常だ。26日の日経新聞1面のコラム「春秋」は、〈まさか、平清盛が都に放ったという「かむろ」のごとき密偵が、東京の盛り場をうろついているわけでもあるまい〉と皮肉交じりに指摘した。
「かむろ」とは、平清盛が平家の悪口を言う連中を捕らえるために雇った少年スパイ集団のこと。日経のコラムは冗談とは思えない。前川氏は出会い系バー通いについて、「昨秋、首相官邸の幹部に注意された」と明かしているが、その人物とは警察出身の杉田和博官房副長官。どうやって“ネタ”を拾ってきたのか。
「昨年から警視庁は東京五輪対策として『盛り場総合対策本部』を設置し、目を光らせています。前川氏はたまたま網に引っ掛かったのかもしれませんが、当局にマークされていた可能性も捨てきれません」(捜査関係者)
 前川氏が文科次官に就任したのは昨年6月。当初、ある官邸幹部は「あいつどんなヤツ?」と番記者などに探りを入れていたというが、しばらくすると「あそこ(文科省)は人の言うことを聞かない」などと文句を言うようになったらしい。それが文科省が加計学園の獣医学部開設を認可しないことだったかは分からないが、今年1月になると突然、政府主導の調査で文科省の天下り問題が発覚。前川前次官は瞬く間に引責辞任に追い込まれた。一連の流れを知った他省庁の官僚たちは震え上がったという。
■内閣人事局を潰し、人事権を取り戻せ
 イラク戦争反対を訴え、外務省を「解雇」された元レバノン大使の天木直人氏がこう言う。
「すべての元凶は、3年前、審議官以上の役職に官邸が直接決定権を持つ内閣人事局を安倍政権が発足させたことです。人事権を掌握された官僚組織は官邸の意向に従うイエスマン集団に成り下がってしまった。しかし、出世のために黒を白と言うしかない現状に強く不満を持つ官僚は多い。そんな状況で、前川前次官は『行政が歪められるわけにはいかない』と反旗を翻したわけです。どんな省庁であれ、次官経験者の言葉は官僚にとって重みがあります。前川氏の醜聞が流れていることについて、官僚たちは官邸に不信感を募らせていると思う。いずれ、官僚たちの不安と不満が爆発し、霞が関で“一揆”が起きるでしょう」
 安倍首相も平清盛と同じような末路をたどることになるかもしれない。


収録済の“安倍と籠池コント”がボツに! 茂木健一郎の「森友をネタにできない日本のお笑いはオワコン」発言は正しかった
 今年の2月終わりから3月始め、脳科学者の茂木健一郎氏がツイッターで、こんな発言をして、大炎上した件は記憶に新しい。
「社会風刺を芸に昇華させることが出来ない日本のお笑い芸人は、国際的な基準と照らし合わせるとあまりにレベルが低く、オワコンである」
 茂木氏の発言は当のお笑い芸人たちから猛反発を受け、ネットも「自分の正義を振りかざす痛い奴」と茂木氏を総攻撃。結局、茂木氏は『ワイドナショー』(フジテレビ)に懺悔出演して、なぜか松本人志に謝罪するという結果になった。
 しかし、茂木氏の提言が間違ってはいないのは、それこそ松本人志を筆頭に、お笑いとして“オワコン”になった芸人たちが、情報番組のコメンテーターに転身し、権力にしっぽをふる発言を繰り返しているのをみれば、明らかだろう。
 ただし、そこには、日本のテレビの体質が深くからんでいる。つい最近、なんと、森友学園をネタにしたコントが、放送直前でお蔵入りになったという話が明るみになったのだ。
ザ・ニュースペーパーのリーダーが告白した“安倍と籠池コント”お蔵入り
 政治風刺を入れ込んだコントを得意とするコントグループ、ザ・ニュースペーパーのリーダーである渡部又兵衛氏が、2017年5月14日付しんぶん赤旗日曜版に掲載されたインタビューでこんな裏事情を暴露した。
「僕は最近コントで「カゴイケ前理事長」を演じています。そう、森友学園問題の。こんなコントもしました。
 アベシンゾウ首相(舞台袖から登場し)「どうも、カゴイケさん。お久しぶりです」
 カゴイケ「あ、首相。ごぶさたです。…『お久しぶり』って、やっぱり僕ら、知り合いですよね?」
 それから二人は「お互い、奥さんには苦労しますね」と嘆きあうといった内容です。
 見たテレビ局の人が「面白い!」といってコントを放送することになりました。収録までしたのに放送当日、「すみません。放送は見送りです」と電話がきました」
 これ以上の詳細な裏事情は詳らかにされていないので、あくまで憶測になるが、おそらく、現場スタッフのなかで「是非放送したい」とされた内容が、放送前の上層部チェックで「自主規制」および「忖度」の対象となったのだろう。加えて渡部氏はこのようにも語っている。
「昨年、高市早苗総務相の「停波発言」がありました。第2次安倍政権以降、テレビ局に自主規制の雰囲気が強まっていると感じます。このうえ「共謀罪」ができたら「政治を笑う」番組など絶滅じゃないでしょうか。
(中略)
 戦争になる前が典型ですが、国が一つの方向に走り始めた時、お笑いや芸人は真っ先に排除されます。今そんな危うさを感じます。
 いつまでも自由にものがいえて、笑いあえる世の中に住みたいじゃないですか、ね?」(前同)
茂木健一郎は「オワコン」発言の前に「森友をお笑いにできない」問題を指摘
 この話で思い出すのが、まさに本稿冒頭で挙げた茂木氏のツイートだ。実は、炎上した「オワコン」発言の前にこんな前段があった。
〈トランプやバノンは無茶苦茶だが、SNLを始めとするレイトショーでコメディアンたちが徹底抗戦し、視聴者数もうなぎのぼりの様子に胸が熱くなる。一方、日本のお笑い芸人たちは、上下関係や空気を読んだ笑いに終止し、権力者に批評の目を向けた笑いは皆無。後者が支配する地上波テレビはオワコン。〉
〈日本の「お笑い芸人」のメジャーだとか、大物とか言われている人たちは、国際水準のコメディアンとはかけ離れているし、本当に「終わっている」。〉
〈最近の大阪の国有地をめぐるあれこれ、その学校法人のトンデモ教育方針、アメリカやイギリスだったらコメディアンの餌食になって、人々が自由かつ柔軟にものを考える上で大切なメタ認知を提供していることでしょう。日本のテレビにそのような文化がないのは国家的損失です。残念っ。〉
 そう、茂木氏はまさに、森友をネタにしない日本のお笑いを批判し、その背景にテレビの体質があることを見抜いていたのである。日本においては、お笑い芸人が権力を揶揄した内容のネタを板の上に乗せたいと考えたとして、劇場などライブの場では問題なかったとしても、テレビの舞台ではそういったネタを演じることは決して許されないという構造が間違いなく存在する。
 ザ・ニュースペーパーは強い社会風刺を入れ込んだ時事ネタをアイデンティティとしているグループであり、彼らはこんなことでは活動方針を変えたりはしないだろうが、そこまで強いスタンスでやっているわけではないお笑い芸人であれば、一度こういったことを経験したら、そのあとは必ず「自主規制」するようになる。言うまでもなく、一部の超大御所を除けば、芸人よりも制作サイドのほうが力が強く、「干される」恐怖が頭をもたげるからだ。
 そして、もうひとつ驚きなのが、こういった事例は普通のバラエティー番組だけでなく討論番組でも同様で、しかも、発言の主がたとえ北野武であったとしても起こり得るということだ。
 今月14日、まだ騒動の熱も冷めきらないなか過中の茂木氏が『しくじり先生 俺みたいになるな!!』(テレビ朝日)に出演し炎上騒動の顛末について語ったのだが、そのなかで東国原英夫がこんな裏事情を暴露していたのだ。なんと、『ビートたけしのTVタックル』(テレビ朝日)のような政治討論バラエティ番組ですら権力を揶揄するような発言は大量にカットされていると言うのである。
「日本のお笑いも政治とかそういったものを揶揄したりするのはみんなチャレンジしてますよ。(ビート)たけしさんの収録来られたことありますか? 『TVタックル』、一回来てください。ほとんど使われてないですけども、全部カットですけども、相当チャレンジされてますよ」
芸人が表現する自由を奪うのは、コメディの本質に背く行為だ
 たとえ芸人が政治風刺のネタをやったとしても、メディア側がこのような保身的な姿勢をとれば、その勇気ある発言やネタも“存在しない”も同然となってしまう。この状況は、茂木氏が言うように〈本当に「終わっている」〉と断じていいだろう。
 そして、これは「コメディ」というものの本質に関わる問題でもある。映画ライターの高橋ヨシキ氏は、モンティ・パイソンが「アーサー王伝説」をパロディ化し王室や教会を徹底的にバカにし尽くした映画『モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル』を解説したラジオ番組のなかで、コメディの本質的な役割についてこう説明している。
「まあ、もともとコメディっていうのはそういうことをするジャンルなはずですね。つまり、権力をもっている方が強いに決まってるんだから、もってない側は何が出来るかっていったら、何も出来ないんだったらただ押さえつけられるだけになってしまうんですけれども、その代わりこっちはギャグにして笑い飛ばすことぐらいは残されているっていう。それが許されなくなるんだったら、ホントそれは恐怖社会ですよね」(『すっぴん!』16年7月8日/NHKラジオ)
 茂木氏の意味ある提言はまともに議論されることもないまま、猛反発を受けて終わってしまったが、それはテレビに関わる人たちやお笑い芸人が、まさにイタイところをつかれたからだろう。社会風刺どころか、お笑い番組がほとんどなくなり、芸人が権力にしっぽをふる情報番組のコメンテーターとしてしか生き延びることのできないこの状況は、どこをどうみても〈オワコン〉としか言いようのないものなのだから。(編集部)


菅官房長官のウソ強弁、謀略人格攻撃が下劣すぎる! 前川証言にも「そんな事実ない」と“スガ話法”炸裂
 25日、渦中の元文科省事務次官・前川喜平氏が会見を開き、獣医学部新設をめぐる一連の内部文書について「文科省のなかで作成され幹部のあいだで共有された文書で間違いない」と断言。「赤信号を青信号だと考えろと言われて赤を青にさせられて、実際にある文書をないものにする。いわば黒を白にしろと言われているようなもの」と語った。
 文科省では官僚のなかの最高責任者にあった人物による、じつに堂々とした会見。それに対し、平気で真っ赤な嘘と卑劣な人格攻撃を撒き散らしたのが、菅義偉官房長官だ。
 菅官房長官は26日の会見で「(文科省からは)該当する文書の存在は確認できなかったと聞いている」「(文書は)出所不明で信憑性も欠けている」「文書に書かれたような事実はない」と、これまでと同じ発言を繰り返し、前川氏が「行政がゆがめられた」と語ったことについても、「法律に基づいて行っていることで、ゆがめられたということはまったくない」と反論した。
 しかも、菅官房長官は前川氏への「人格攻撃」を開始。前川氏は会見で、出会い系バー通いについて「事実」と認め、「こういうバーでお金をもらう女性がいると知り、実態を見たかった」と言い女性の貧困問題の視察調査だったと告白。「食事をして一定の小遣いを渡し、話を聞いた。いろんなことがわかり、文科行政のなかの課題を見いだせた。役に立った」と話したが、これを菅官房長官は「さすがに強い違和感を覚えた。多くの方もそうだったのでは」と言い、こうつづけた。
「常識的に言って教育行政の最高の責任者がそうした店に出入りして小遣いを渡すようなことは、到底考えられない」
 まったくよく言うよ、である。前川氏には違法行為が確認されてなどいないが、他方、高木毅元復興相にパンツを盗むために女性宅に侵入し現行犯逮捕されていた過去が問題になった際、菅官房長官は「しっかり説明責任を果たした」などと言って不問に付している。さらに、2013年に西村康稔内閣府副大臣(当時)がベトナムで女性3人を買春していた疑惑が報じられたときも、「本人は事実関係を否定している」と言い張って辞任の必要なしと見解を示した。パンツ泥棒や他国で違法の買春に耽る大臣のほうこそ「常識的に到底考えられない」だろう。
というか、このタイミングでわざわざ出会い系バー通いを持ち出したことじたい、読売にリークして口封じ謀略を仕掛けたのが自分たちだと認めたようなものではないか。
会見で菅官房長官が口にした前川氏へのメチャクチャな反論と真っ赤な嘘
 菅官房長官は一昨日の会見でも、「文科省を辞めた経緯について、記事には『自分に責任があるので自ら考えて辞任を申し出た』とあったが、私の認識とはまったく異なる」などと言い、「前川氏は当初は責任者として自ら辞める意向をまったく示さず、地位にレンメン(編集部注・おそらく「恋々」の間違い)としがみついていた。その後、天下り問題に対する世論の極めて厳しい批判に晒されて、最終的に辞任した人物」とこき下ろしたのだった。
 この「地位に恋々としがみついていた」とする発言に対しては、前川氏本人のみならず、文科省の職員や教育関係者などの前川氏を知る多くの人びとが否定しているが、いかに人格攻撃によって官邸が話をすり替えようとしているかがよくわかるというものだ。
 しかも、菅官房長官は人格攻撃にくわえ、「民進党の責任」まで口にしはじめた。たとえば、一昨日の会見では、獣医学部の新設について「民主党政権下でも7回要望があり、それまで対応不可とされてきた措置を平成21年度の要望以降は実現に向けて検討としている。それを安倍政権が前進させて実現させた」と発言。昨日も同じ話を繰り返した。
 そう言われても「だから何なの?」と返すほかない。いま、問題になっているのは、第二次安倍政権がスタートさせた国家戦略特区によって獣医学部新設が規制緩和されたことであり、さらには発覚した内部文書によって行政が「総理のご意向」のもと「加計学園ありき」で邁進していたことが明らかになったことについてなのだ。
 だが、菅官房長官はその文書自体を決して認めない。17日の朝刊で朝日新聞が内部文書の存在を取り上げると、「作成日時だとか作成部局だとか、そんなものが明確になってない」と言い、記者に集中審議を求める声が野党から上がっていることについて質問されると「何を根拠に。まったく怪文書みたいな文書。出所も明確になっていない」と回答。そして、いつもの「決め台詞」をこう吐いた。
「この国家戦略特区の会議、その議論を得て策定しているわけです。それについてはみなさんご存じの通りオープンにされるわけで、お友だち人脈だとか、そういう批判はまったくあたらない」
 何をか言わんや。オープンになっている情報からでさえも、加計学園と同様に獣医学部新設に名乗りを上げていた京都産業大学のほうは万全の準備と実績を重ねながらも、なぜか加計学園に有利な条件が再三加えられたせいで最終的に特区の事業者公募に手を挙げられなかったことが判明している。「総理のご意向」という文書は極めて重要な証拠だが、それ以前に誰しもが「安倍首相のお友だち人脈だからでは?」と勘繰らざるを得ない不自然な経緯だったのだ。それを菅官房長官は「批判はまったくあたらない」という常套句でシャットアウトしてしまうのだ。
想田和弘監督が指摘した「‎菅官房長官語」が加計、森友問題でも
 安保法制が審議されていたとき、映画監督の想田和弘氏がこれを「‎菅官房長官語」と名付け、〈木で鼻を括ったような定型句を繰り出す。するとコミュニケーションがそこで遮断される。議論にならない。なりようがない〉と分析していたが、菅官房長官はこうしたまったく話が成り立たない回答で、前川氏が証言した事実に蓋をしようとしたのだ。
 これは森友学園問題でも同様だった。安倍昭恵夫人と籠池泰典理事長の関係が取り沙汰されても、安倍首相と足並みを揃えて「首相夫人は私人」と言い張り、昭恵夫人の塚本幼稚園での講演活動には「私的行為」、稲田朋美防衛相が森友学園の原告側代理人弁護士として出廷していたにもかかわらず「裁判を行ったこともない」と虚偽の答弁をしていたことが発覚しても、「稲田氏の個人的な活動に関すること」「まったく問題ない」などと取り合わなかった。
 だが、籠池理事長の証人喚問で総理夫人付・谷査恵子氏が財務省へ掛け合った後の報告FAXの存在を明かし、一気に劣勢に立たされた菅官房長官は「事実関係は籠池氏の国会証言とは異なる」として、異例にもFAXのコピーを記者に配布。「ゼロ回答」「夫人は中身には関わっていない」と言い募り、その後も「職員個人がやったこと」とミエミエの嘘で責任転嫁したのである。
 一方、与党が籠池理事長を偽証罪での告発に向けて動き出すと、「政府として必要な協力は行っていきたい」「証拠のない言い合いを続けるよりは、客観的な証拠を示し、事実を解明することが大事だ」と積極的な姿勢を見せたのだ。
 財務省が交渉や面会記録を破棄したとすることには「問題ない」などと言い、財務省と籠池夫妻のやりとりがおさめられた音声データが出てくると「承知していない」と逃げ、「不動産鑑定書などに基づいて理財局長が国会でていねいに答弁されている」と現実とはかけ離れた回答を繰り返す──。そうして加計学園問題でも、内部文書を「出所不明で信憑性も定かでない」「文書の存在は確認できなかった」と断言しつづけ、「そういう事実はない」「指摘はあたらない」を連発。つまり、森友でも加計でも、菅官房長官は“スガ話法”によって同じことを反復しているにすぎない。
 いや、森友・加計学園疑惑だけにとどまらない。先日、河野克俊統合幕僚長が、憲法に自衛隊を明記しようと提唱した安倍首相の発言について「一自衛官として申し上げるなら」と前置きして「非常にありがたい」と述べた件でも、菅官房長官は「あくまで個人の見解として述べたもので、まったく問題ない」と回答。河野幕僚長は「一自衛官」として語っており「個人」などでは全然ないのだが、いくら追加で質問を受けても「申し上げた通り」で済ませてしまったのだ。
 さらに唖然とさせられたのは、国連特別報告者であるジョセフ・ケナタッチ氏から送付された共謀罪に懸念を示す書簡に対し、「この特別報告者という立場ですけども、これは独立した個人の資格で人権状況の調査・報告を行う立場であって国連の立場を反映するものではない」と、今度は「個人」という言葉で故意に信頼性を貶め、「政府が直接説明する機会を得られることもなく、公開書簡のかたちで一方的に発出した。さらに内容は明らかに不適切なものであり、強く抗議を行っている」「プライバシーの権利や表現の自由を不当に制約する恣意的運用がなされるということは、まったくあたらない」と、何の根拠も示すことなく猛批判だけ行った。
共謀罪批判の国連報告者に対しては「何か背景がある」の陰謀論攻撃
 しかも、ケナタッチ氏がこうした菅官房長官の声明に対し、「私が日本政府から受け取った『強い抗議』は、ただ怒りの言葉が並べられているだけで、まったく中身のあるものではありませんでした。その抗議は、私の書簡の実質的内容について、1つの点においても反論するものではありませんでした」と反論文を発表すると、ついに菅官房長官はこんなことまで言い出したのだ。
「日本政府は国連の正規のルートを含めて反論文を受け取っていない。何か背景があるのではないかと思わざるを得ない」
 国連の特別報告者という人物に対し、「国連は反日左翼」などと恥ずかしげもなく書き綴るネトウヨと何も変わらない陰謀論を、よりにもよって記者会見で語る──。もはや「フェイクニュース」や「ポスト・トゥルース」以下の、分別の底が抜けた状態だ。
 しかし、輪をかけて問題なのは、NHKをはじめとする“忖度メディア”が、この菅官房長官の言い分にもなっていない発言を紹介することで、あたかもそれが真実であるかのようなお墨付きを与え、問題点がどこにあるのかを国民の目からごまかしていることだろう。はっきり言ってメディアも同罪だ。
 たとえば、今回発覚した内部文書について、菅官房長官は「文書の存在は確認できなかった」と言い張り、昨日の会見でも、再調査について尋ねられても「1回調査したが文書の存在は確認できなかったと大臣も言っているから、それ以上でもそれ以下のことでもない」と発言。もうこの回答以外、口にするつもりがないのだろうが、この国民を舐めきった菅官房長官の対応に、ジャパンタイムズの記者は強い口調でこのように迫った。
「政府の説明責任を果たすときに『これこれこういうことしましたからなかったです』と、ちゃんとロジックを立てて言わないと、『大臣が言われているからそうなんです』と言われてもそれは説明になっていない。個人のパソコン等を調べもしないでなぜ断定ができるのか」
 この追及に、菅官房長官は「文部省として大臣のもとで調査をしたと。その結果、確認できなかったから、ないということ。それに尽きるんじゃないですか?」とややキレ気味に話し、会見を終わらせた。だが、たとえ暖簾に腕押しだったとしても、こうして記者が食い下がらないからこそ、菅官房長官を増長させてしまうのだ。
 この調子だと、前川氏の勇気ある告発も、菅官房長官の不条理な妄言に潰されてしまうだろう。いまこそ記者は“スガ話法”に対峙し、「何の回答にもなっていない!」とごく当たり前の指摘を行うべきだ。(編集部)


山城議長長期拘束は「人権法上問題」 国連報告者ら是正を求める
 【ジュネーブ=共同】米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設などへの抗議活動に伴い逮捕された沖縄平和運動センターの山城博治(やましろひろじ)議長(64)=傷害罪などで公判中=に関し、国連の特別報告者ら四人が二月末、長期拘束などには国際人権法上問題があるとして日本政府に速やかな是正を求めていたことが分かった。国連人権高等弁務官事務所が二十六日、四人の緊急共同アピールを公表した。
 山城議長は、米軍北部訓練場のヘリコプター離着陸帯建設の抗議活動に伴って有刺鉄線を切断した器物損壊容疑で昨年十月に逮捕され、約五カ月拘束された後、三月十八日に保釈された。人権団体は「アピールが圧力になった可能性がある」と指摘している。
 緊急アピールは二月二十八日付で、国際人権法や国際人道法の専門家であるデービッド・ケイ氏(米国)ら四人の連名。山城議長の活動は人権を守る行為と考えられるとして逮捕や長期勾留、容疑に懸念を示し、日本の表現や平和的な集会の自由への「萎縮」効果も懸念されると指摘した。
 また、長期の拘束などに関連して「適切な法的手続きの欠如」を指摘する声があるとし、独立した公正な裁判の前に自由を制限されない権利を保障するべきだと日本政府に訴えている。
 一方、日本政府は四月十日にジュネーブの国際機関代表部を通してアピールへの回答を送付。法的手続きは適正で国際人権法上も問題はないと反論していた。
 山城議長の支援者らは二十七日、「政府は謙虚に受け止めるべきだ」と主張。弁護人の池宮城紀夫(いけみやぎとしお)氏(77)は「辺野古での抗議は、最低限の抵抗権を行使したもの。弾圧のために微罪で逮捕するのは当然、人権侵害だ」と訴えた。
 日本政府の回答について沖縄平和運動センターの大城悟(おおしろさとる)事務局長(53)は「政府はとにかく、主張を正当化しようとする」と批判した。


死者悼み「おにぎり」投げ 淡路島のフシギな風習
 葬送儀礼の節目といえば、納骨のタイミングでもある忌明けの「四十九日」を挙げる人が多いだろう。だが、兵庫県の淡路島では「三十五日」も大切な区切りだ。親族がそろって山に登り、おにぎりを投げる風習が残っている。
 通称「だんご転がし」。その昔、米が貴重だった時代にだんごを投げていたのが由来とされる。儀礼といっても、人里離れた山中の寺院で斜面に向かっておにぎりを放る。それだけだ。
 おにぎりの形は三角ではなく丸、ノリを巻いたり具を入れたりしない、斜面に背を向けて投げる−。緩やかな決まりはあるが、仏事につきものの堅苦しさはなく、和やかな雰囲気が漂う。
 起源は定かでない。一説には、死者の霊の行く手を邪魔する悪霊の気を引くため、山で食べ物を投げる民間信仰が発展。仏教で閻魔(えんま)大王の審判を受けるとされる三十五日目の法要に取り込まれ、餓鬼への施しで功徳を積む行為になった、という。
 都市部に比べて地域の結び付きが強い淡路島でも、少子高齢化や生活環境の変化で、さまざまな伝承や言い伝えが廃れつつある。それでも、島内の各地で取材するたびに、「だんご転がしだけは」という声が返ってきた。
 山に入らず、近所の寺院で済ませる家族もいるが、代表的なスポットの先山・千光寺(洲本市)には、今も多い日で10組近くがおにぎりを放りに訪れる。儀礼を終えた人に、話を聞いてみた。
 「何の効果があるんか、よう分からんけど、昔からのことやから」「やらんかったらやらんかったで、義理を欠く気がするしな」
 子孫に伝えよう、引き継ごうと意識しているわけではない。どんな意味が込められているのかも分からない。それでも、肉親が亡くなると、当たり前のように山に登り、おにぎりを投げて下りてくる。
 「根付く」という表現は、このような風習にこそふさわしい。(小川 晶)


天安門事件から28年を前に 香港でデモ
中国で民主化を求める学生たちの運動が武力で鎮圧された天安門事件から来月4日で28年となるのを前に、香港で市民がデモ行進を行い、習近平指導部の下で人権派弁護士などへの締めつけが強まっているとして抗議の声を上げました。
デモ行進は、1989年の天安門事件当時、中国の民主化運動を香港から支援した元学生などでつくる市民団体が毎年行っているもので、ことしは団体の発表でおよそ1000人が参加しました。
参加者たちは、中国政府が一部の学生による「暴乱」とした天安門事件の評価の見直しを求めたほか、習近平指導部の下で人権派弁護士や民主活動家などへの締めつけが強まっているとして抗議しました。
人権派弁護士を支援する香港のNPOによりますと、おととしには人権派弁護士など200人以上が警察当局に一斉に調べられたり拘束されたりしたということで、中心的な存在だった弁護士が国家の転覆を図った罪で懲役7年を言い渡されるなど、5人が実刑判決を言い渡されたほか、今も6人が拘束されたままだということです。
このNPOは、刑罰のより重い、国家の転覆をはかった罪やあおった罪が適用されるケースが目立つようになり、拘束中の過酷な取り調べも問題だとしています。
デモに参加した20代の男性は「中国当局は、人権を守るためにあるはずの法律を、人々をコントロールするために利用していて不当だ」と話していました。

えん罪の集会SUN−DYUさんと桜井さん/徳之島特産黒糖焼酎

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Japon: la liste des victimes de la bombe atomique s’allonge toujours
Par Laurent Filippi
Le 9 aout 1945, trois jours après le bombardement atomique d’Hiroshima par les américains, la ville de Nagasaki connait le même sort. Bilan : entre 110 et 250.000 morts selon les estimations. En 2003, a été inauguré dans cette ville, le Mémorial national de la paix pour les victimes de la bombe. Depuis un an, 3.487 noms ont été ajoutés sur les listes des victimes répertoriées dans 175 volumes.
Des employés gouvernementaux aèrent et dépoussièrent les archives.
Comme au Mémorial d’Hiroshima, les personnes peuvent venir se recueillir et prier pour la paix au Mémorial de Nagasaki, conçu par l'architecte japonais Akira Kuryū. Dans ce lieu de mémoire, sont conservés photos, lettres, témoignages et la liste des victimes pendant et après les bombardements. Il propose également des informations sur la coopération internationale au sujet du traitement médical à apporter aux personnes victimes de maladies (cancers, leucémies…) dû au rayonnement radioactifs. Les noms des personnes enregistrées sur les fichiers sont: ceux qui ont vécu le bombardement, ceux qui sont entrés dans les villes d'Hiroshima ou de Nagasaki dans les deux semaines suivants les bombardements, ceux qui ont pris part aux soins infirmiers ou de secours et ceux qui étaient dans les ventres des mères.
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週刊 ニュース深読み「現代のシルクロード!?中国“一帯一路”どうなる世界」
かつて、東西文明をつないだ「シルクロード」。中国はいま、現代に蘇らせ経済的な結びつきを強めようと「一帯一路」計画を推し進めている。その狙いは?世界はどう変わる?
アジアとヨーロッパの文明をつないだ「シルクロード」。それを現代に復活させようという壮大な計画が、中国の「一帯一路(いったいいちろ)」だ。鉄道や道路、港などのインフラを中国が主導して整備し、世界の人口の6割をカバーする広大な経済圏を築き上げようというねらいだ。この計画に、日本は慎重姿勢。「一帯一路」計画はほんとうに実現するのか? 世界にどんな影響があるのか? 深読みします。
千秋,金子貴俊,さかなクン, 神田外語大学教授…興梠一郎,現代中国研究家・コンサルタント…津上俊哉,NHK解説委員…神子田章博, 首藤奈知子,小松宏司ほか

助けて!きわめびと「運動しなきゃ…でも続かない」
年間5万人が運動不足が原因で死亡しているともいわれる時代。でもジムやランニングをするのは億くうだし、、、そんなあなたに送るお金も根性も必要ない!日常生活のなかで簡単にできる“ながら運動”の極意を伝授する。ゴミ出しをしながら二の腕が引き締まる!?デスクワークをしながら太ももを引き締める運動って何?番組後半では、運動では鍛えられない“骨”に効く食材や簡単レシピも紹介する。
藤井隆,濱田マリ,小野塚康之, フィットネス指導者…長野茂, 菱田盛之,木元美香

えぇトコ「すべていただく 深き山 深き恵み 〜奈良・川上村〜」
奈良・奥吉野の川上村で出会う山からの贈り物。吉野杉の器、旬のよもぎ餅、柿の葉寿司など、感謝とともに深き山の中で守られてきた恵みを、新緑に癒やされながら楽しむ。
村の95%が山林という奥吉野の川上村は、豊かな山の恵みを余さず使い尽くすことで山と共に生きてきた。吉野杉をひたすら薄く削り、最高の口当たりを生む職人の器。熊野街道で築130年の旅館を守る女将が作る柚子菓子。旬のよもぎを使った代々受け継がれてきた火打餅。柿の若葉を使った今だけの絶品の柿の葉寿司。山が与えてくれるものを無駄にせず、感謝とともに受け取る暮らしぶりに出会う新緑の旅。
浅野温子,金子貴俊, 島よしのり,橋本のりこ

望月衣塑子‏ @ISOKO_MOCHIZUKI
#加計 疑惑で「文書は真性」 告発の #前川 前事務次官 「子供の貧困と女性の貧困が繋がっていることが分かった。色んなことが実地で学べた。多くの貧困の女性が親の離婚や中学高校での中退を経験している共通点を見いだした。教育行政をやる中で課題を見いだせた。店出入りは意義があった」
竹下郁子/Ikuko Takeshita‏ @i_tkst
「出会い系バーはテレビのドキュメンタリー番組で知った。経済的に困窮した女性が朝まで居場所代わりに使ったり、そこで見つけた男性客に体を売ってお金を稼いだりしている実態は衝撃的だった。実際に生の声を聞きたくて足を運び始めた」
多いときは週に1度のペースで店に通い、女性たちの身の上話に耳を傾けた。女性たちの多くが、両親の離婚や学校の中退を経験していることを知った。
「この状態を何とかしなければという思いは、仕事の姿勢にも影響した。高校無償化や大学の給付型奨学金などに積極的に取り組んだ。私は貧困問題が日本の一番の問題だと思っている」
辞任後は二つの夜間中学校の先生、子どもの貧困・中退対策として土曜日に学習支援を行う団体の先生として、三つのボランティア活動をしている。
現在、前川さんがボランティアとして関わる地方の民間教育団体の職員の話「新幹線に乗って、毎週来てくれます。夜間中学で高齢者の方が新聞を読む手伝いをしたり、連休にもかかわらず憲法記念日には、資料を準備して憲法のお話をしてくれたりしました」(その憲法のお話、気になる...)

野間易通‏ @kdxn
前川さんが出会いバーに行った理由を「女性の貧困状況を実感するため」と説明している件、いいわけに聞こえるけど本当の可能性が高いと思う。というのも、援交目的だった場合、それを見張ってた公安が買春の証拠を掴んでないことはありえないから。1人で店に入って1人で出るを繰り返したのだろう。
ももいろさくら‏ @momo444sakura
まず四国の地理と交通環境を理解してない人が多いんですよね。今治に実家から通学出来る人は四国のごく一部です。アパート借りて一人暮らししなきゃいけないのなら四国以外の大学行くのと変わらないし、学費の安い山口大学とかに行った方が良いのです。
要友紀子‏ @kanameyukiko
出会い系で無料で話を聞かせてくれる子なんていない。出会い系バーだろうがインタビュー取材だろうが人の時間をもらって話を聞くのに、謝礼払うのは常識的で礼儀ある行為です。「無料でお前の話を聞かせろ」のほうが非常識、よって前川さんは常識的。和田さんは現場を知ることなく勝手な印象操作が悪質

えん罪の集会があるので京橋方面に行きます.とはいえ午前中は仕事しなくてはなりません.初めて知るえん罪事件もあり,またえん罪犠牲者が亡くなっていたりとか悲しい気持ちにもなります.SUN-DYUさんのミニライブがなかなか良かったし,布川事件の桜井さんのトークもよかったです.
日野町事件の支援の方が徳之島特産黒糖焼酎を販売していたので応援する意味で買いました.焼酎はあまり好きではないのですが,少しでも応援したいのでした.

石巻港にバイオマス発電所計画
 再生可能エネルギー開発のレノバ(東京)が、東日本大震災で被災した石巻市雲雀野地区の石巻工業港に、木質バイオマス発電所の建設を計画していることが26日、分かった。出力規模は7万5000キロワットで、2022年ごろの運転開始を見込んでいる。
 レノバは19日、仙台市宮城野区の蒲生北部地区に同規模の木質バイオマス発電所を建設する方針を明らかにしており、計画は宮城県内で2カ所目となる。
 関係者によると、建設地はまだ確保していないが、宮城県が分譲する工業用地への建設を想定。燃料は木質ペレット、冷却水は海水を使う。隣接地には日本製紙と三菱商事が石炭バイオマス混焼発電所(14万9000キロワット)を建設中で、18年3月の運転開始を目指す。
 宮城県沿岸部で計画が相次ぐ小規模火力発電所を巡っては、県が7月、バイオマスを含む出力3万キロワット以上の火力発電所を建設する際に環境影響評価(アセスメント)を義務付ける改正県条例を施行する。レノバの計画も県の環境アセスの対象となる見込み。
 レノバは「まだ何も決まっていない。地元の関係者に丁寧に説明しながら計画を固めたい」としている。
 火力発電所建設を巡っては住民に大気汚染への懸念があるほか、宮城海区漁業調整委員会は排水が漁場や養殖業に影響を及ぼす恐れがあるとして、事業者に海洋の影響調査を求める方針を決めている。


河北春秋
 五月晴れに誘われ、先日訪ねた福島県飯舘村。峠を越えて入った山里の新緑は美しいが、集落の風景は寂しい。3月末に東京電力福島第1原発事故の避難指示が解除されたのに、住む人の姿はなく、除染を終えた農地は土色のまま▼「本格的な営農再開には、地区の仲間との共同作業を復活させなくてはならないが、戻る住民はまだ3戸ほど」。同村佐須地区の農業菅野宗夫さん(66)は言う。当初から帰還を志し、原発事故の翌年から自宅で稲作試験を重ねてきた▼放射線や土壌の専門家らのNPOが水田の除染を応援。取れたコメは検査で3年続けて、出荷できるレベルの安全性が確かめられた。今年は通常の栽培が可能になり、大勢のボランティアが希望の苗を手植えした▼「飯舘で当たり前のコメを作れる。それを実証した成果を村民と分かち合い、帰還を助けたい」と菅野さん。大半の農家が根強い風評を恐れて「作っても売れない」と諦めているのが現実だが、「挑戦しなくては何も始まらない」▼水田の一角には酒米も作付けされる。支援者の東京大教授溝口勝さん(57)が昨年、同大農学部の有志と試験栽培の酒米をテスト醸造したところ、「十分いける味だった」と言う。「飯舘ブランドの日本酒も世に出したい」と菅野さんらは夢を温める。

日本海中部地震34年 遺族ら男鹿で慰霊式
 1983年の日本海中部地震から34年となった26日、遠足中だった旧合川南小(北秋田市)の児童13人が津波で犠牲になった男鹿市戸賀加茂青砂で、慰霊式が営まれた。遺族ら約50人が参列し、子どもたちに思いをはせた。
 高台に設けられた慰霊碑の前には、子どもが口にできなかった手作りの弁当や缶ジュースなどが供えられた。読経の中、遺族らは静かに手を合わせ、冥福を祈った。男鹿市北陽小の4年生10人も献花し、祈りをささげた。
 北秋田市の農業土濃塚(とのづか)謙一郎さん(72)は、5年生だった次女信子さん=当時(11)=を亡くした。「娘に会えた気がして、少し心が和らいだ。犠牲者が残した教訓を子どもたちが継承してほしい」と話し、静かに揺れる波間を見詰めた。
 法要後、遺族らは海に花束を浮かべ、「また来るよ」「元気でいてね」と再訪を誓った。
 同日、男鹿市内では消防や町内会などが連携し、人命救助や消火の訓練などに取り組み、防災力向上に努めた。
 日本海中部地震では青森、秋田両県と北海道で104人が亡くなった。


被災の浜からシカ肉提供 解体施設の上棟式
 東日本大震災で被災した石巻市の牡鹿半島を中心に7月22日から開催されるアートと音楽、食の総合祭「リボーンアート・フェスティバル(RAF)2017」の実行委員会は26日、半島の小積浜地区に整備するシカの解体処理加工施設の上棟式を開いた。
 シカの食害や猟師の高齢化など地域の課題解決に向け、実行委が出資し建設する。木造平屋の約100平方メートルで、完成は7月上旬の予定。加工したシカ肉は、半島の荻浜地区に整備する「牡鹿ビレッジ」などで提供する。
 式典には、関係者や地域住民約40人が出席。実行委の松村豪太事務局長は「RAFはただのお祭りではなく、地域の課題を解決するためのもの。新しい地域の資源として全国に発信したい」と述べた。
 小積浜集会所でシカ料理の試食会もあり、シカ肉の入ったカレーなどが振る舞われた。石巻市小積浜の自営業菅野香世子さん(44)は「シカ肉はローストビーフのように食べやすく、おいしかった」と話した。


震災後初の漁 自慢のアサリ復活
 東日本大震災で流失した宮城県石巻市の万石浦産アサリの資源回復に取り組んできた県漁協石巻湾支所は26日、震災後初のアサリ漁を行った。復旧した干潟は震災前の10分の1の約4ヘクタールにとどまるが、関係者らは自慢のアサリの復活を喜んだ。
 組合員ら約100人が参加。熊手で砂をかいて5センチ前後のアサリを次々とかごの中に入れ、計約3トンを採取した。今季の漁は6月下旬まで行う予定。
 支所管内では震災前、約40ヘクタールの干潟で30トンほどの生産があったが、震災による地盤沈下などの被害を受けた。県は2013年度から干潟の造成事業を進め、16年度に完了。支所は14年から、整備が終わった干潟に種苗を放流するなどしてきた。
 支所の青木英文副委員長(67)は「多くの支援をいただき感謝の気持ちでいっぱい。味に定評のある万石浦のアサリをぜひ食べてほしい」と話した。


加計学園問題 国民に真実を知らせよ
 学校法人加計学園の獣医学部新設には、安倍晋三首相の意向が働いたのか。文部科学省の前川喜平前次官はそう記載された文書の存在を認めた。政府と国会は、国民に真実を知らせねばならない。
 加計学園の理事長は、安倍首相の友人が務めている。その系列大学の獣医学部を国家戦略特区に新設する計画に絡み、「官邸の最高レベルが言っている」「総理のご意向」などと記された文書の存在が明るみに出た。
 先日、前川氏は記者会見し、内閣府から文科省に伝えられたことを示すその記録文書について「確実に存在していた」と証言した。
 昨年九月から十月にかけて、獣医学部新設を担当する文科省専門教育課から受け取り、幹部間で共有したと説明した。「あったものをなかったことにはできない」と述べ、文書の信ぴょう性をかたくなに否定する政権を批判した。
 「公平、公正であるべき行政の在り方がゆがめられたと認識している」とさえ語っている。
 国家戦略特区制度を隠れみのにして、加計学園への利益誘導を強いられた。言外にそうした重大な疑義を差しはさんだ形である。
 当時の事務方トップの身を賭しての実名証言は極めて重く、文書の存在は裏づけられた。前川氏は、国会での証人喚問の機会があれば応じるという。国民の疑問に対して、政府と国会は事実をつまびらかにする責務がある。
 二年前に閣議決定された日本再興戦略では、生命科学などの新分野の獣医師が求められ、既存の獣医学部では間に合わない場合に限り、獣医師の需要の動きを考えて新設を検討するとなっていた。
 にもかかわらず、どんな獣医師がどの程度必要なのか見通しすら示されないまま、加計学園を前提とした「暗黙の共通理解」のもとで物事が運んだという。前川氏はそうした経緯を証言している。
 天下りあっせん問題の責任を取り、辞職した前川氏について、菅義偉官房長官は「地位に恋々としがみついていた」と攻撃し、記録文書を「怪文書」扱いしている。卑劣なレッテル貼りによる問題のすり替えというほかない。
 松野博一文科相は、職員七人への聞き取りとパソコンの共有フォルダーの調査だけで文書の存在を否定した。再調査を拒み、明らかに幕引きを図ろうとしている。
 森友学園問題に続き、真相を隠ぺいしようとするような政権の姿勢は、国民感覚から懸け離れ、政治不信を深めるばかりである。


「加計学園」文書/国会は証人喚問すべきだ
 重い発言である。文部科学省の前事務次官が会見で、政府の見解を真っ向から否定した。
 「あったことをなかったことにはできない」
 学校法人「加計(かけ)学園」の獣医学部新設計画を巡る問題で先週、明らかになった文書が文科省内で作成されたことを認めた。文書には獣医学部の早期開学に関して、内閣府が文科省に「総理のご意向」「官邸の最高レベルが言っている」などと伝えたことが記されていた。
 加計学園の理事長は安倍晋三首相が「腹心の友」と呼ぶ人物である。文科省は「調査の結果、存在が確認できなかった」とし、政府も「出所不明で信ぴょう性に欠ける」と怪文書扱いだった。
 これに対し、当時の事務方トップの前事務次官は「文書は専門教育課が内閣府の言ったことをまとめたもので、幹部の間で共有された。中身も100パーセント信じている」と述べた。
 もう怪文書では済まされない。今回の証言で事態が大きく変わったのは明らかだ。加計学園に対し政府内で何らかの配慮があった可能性が強まった。うやむやにすることは許されない。
 さらに踏み込んだ発言もあった。獣医学部新設を可能にした規制緩和が「極めて薄弱な根拠の中で行われた」とし、政治によって「公平、公正であるべき行政の在り方がゆがめられた」というのだ。
 自らの責任を認めた上で、「文科省は政権中枢からの意向、要請に逆らえない状況にある」とも語っている。
 ここまで批判されながら、政府から聞こえるのは前事務次官の「人格攻撃」のようなものが多く、まともな反論がほとんどないのはどうしたことか。
 在任中に触れた情報の公表は国家公務員の守秘義務違反の恐れがある。前事務次官もそのことを否定していない。覚悟の会見ということなのだろう。
 文書の中身については、発言内容が記された元自民党衆院議員の日本獣医師会顧問も「真実」としている。
 国会は前事務次官を証人喚問し、何が事実なのかを解明すべきだ。自民党は拒否しているがそれでは通らない。国会には国民の疑問に答える責務がある。


加計文書存在証言 真相究明を強く求める
 「行政の在り方がゆがめられた」。学校法人加計学園の獣医学部新設を巡る問題で、文部科学省の前川喜平前事務次官は政治が行政をゆがめたと批判した。その批判と疑念に安倍晋三首相をはじめとする関係者は誠実に応えるべきだ。
 森友学園問題によって、権力者に迎合して官僚が先回りして事を進める「忖度(そんたく)」という言葉が一般的になった。今回の前川氏の証言は「総理の意向」を受けて忖度が始まることに加え、時には「意向」を盾にごり押しが行われてきたことを強く疑わせる内容だった。
 「官邸の最高レベルが言っている」などと記載されていた文書について前川氏は「文科省の専門教育課で作成され、昨年9月から10月にかけて受け取った文書に間違いない。幹部の間で共有されていた」「私が現に見て、受け取った。確実に存在していた」と、具体的に述べている。
 文書がやりとりされた時期の事務方トップによる生々しい証言にもかかわらず、松野博一文科相は文書の再調査を拒否した。政府は都合の悪い物はないことにすることを繰り返している。しかし、今度という今度は、国民は「不存在」という説明に納得しないだろう。
 規制緩和をして獣医学部の新設を認めるには条件を満たす十分な根拠が必要だった。前川氏は、農水省や厚労省からそのような根拠が示されないまま「赤い信号を青い信号と考えろと言われた」と述べた。「押し切られた」という認識を示し、自らの責任にも言及した。
 小選挙区制、政党助成金制度の下で党執行部の力が強くなり、自民党内ではかつてのような議論ができなくなったと指摘されている。さらに安倍政権は2014年に内閣人事局を新設し、官僚ににらみを利かせるようになった。慣例を無視した人事を官僚は恐れるようになっているという。
 今回の証言には、このような権力の集中が行政から公平性、透明性を失わせているとの憤りが込められている。安倍1強政権の下、国政の病理は深刻な状態にあるのではないか。
 民進、共産、自由、社民の野党4党が前川氏の証人喚問を要求したが、自民党は即座に拒否した。政府与党はどこまで国民に背を向け、責任放棄を続けるのか。文書の再調査と証人喚問を速やかに行い、真相を究明すべきだ。


錯乱官邸が次々墓穴 完全にヤキが回った菅官房長官の悪相
国民は嘘を見抜いている
 ついにヤキが回ってきた。安倍首相の“腹心の友”が理事長を務める加計学園をめぐる疑惑に安倍官邸が追い込まれている。怪文書扱いしている文科省の“総理のご意向文書”について、前文科事務次官の前川喜平氏は会見などで「真正なもの」と断言。その根拠についても明快に説明した。文科省文書は本物なのか捏造なのか。答えはひとつしかない。どちらがウソをついているかは明白だ。
「官邸側がこの期に及んでも怪文書だと言い張るのであれば、前川氏は証人喚問に応じる意向ですし、国会に呼んで白黒ハッキリさせるほかないでしょう。森友学園の籠池泰典前理事長を〈総理を侮辱した〉という理由で証人喚問でつるし上げたのと同じロジックで、前川氏も追及しないと筋が通らないですよ」(高千穂大教授の五野井郁夫氏=国際政治学)
■加計も民主党政権に転嫁
 菅官房長官は26日の会見でも「文書は出所不明なもので、信憑性も欠けている」とシレッと繰り返したが、一方で聞かれてもいないのにこんな話を持ち出した。
「そもそも獣医学部新設は提案の当初から加計学園が候補として記載されていたが、実現に至らなかった。民主党政権の間も7回にわたって要望があり、それまでは〈対応不可〉とされてきた措置を〈実現に向けて速やかに検討〉に格上げしたのは民主党政権だ」
 まさに困ったときのナントカ。民主党政権時代への責任転嫁は、安倍や菅が苦し紛れに使う常套手段だ。そして、鼻先でフフンと笑いながら前川氏の出会い系バー通いをあげつらい、返す刀でこう批判したのである。
「女性に小遣いを渡したということでありますけど、さすがに強い違和感を覚えた。教育行政の最高の責任者として到底考えられない」
 政治評論家の森田実氏は呆れ返った様子でこう言った。
「官邸ナンバー2が公然と人格攻撃し、トンデモない人間であるかのようなレッテル貼りをして社会から葬り去ろうとしている。果たして気は確かなのか。とても許されることではありませんよ。このところ〈安倍首相はオカシイ〉との声をよく聞きますが、安倍政権がやってることはメチャクチャ。常軌を逸しているし、ものすごく異常です。普通の人であれば、なおさら前川氏の主張に耳を傾けるでしょうね」
社会的な抹殺をもくろむ筋書きが完全に裏目
 虚偽、隠蔽、恫喝。1強体制に驕り高ぶり、やりたい放題だった安倍政権の逆回転が始まった。権力を振りかざすほど、次々に墓穴を掘っている。森友学園をめぐる疑惑では、トカゲのシッポ切りにあった籠池氏が「安倍夫妻から100万円の寄付があった」と暴露。激怒した安倍は拒否していた参考人招致をスッ飛ばして、偽証罪に問われる可能性がある証人喚問を決めた。衆参4時間半に及ぶ尋問で叩き潰すつもりが、腹をくくった籠池氏が新事実をブチまけて猛反撃。昭恵夫人の関与や、財務省をはじめとする役所の忖度を裏付ける証拠がゾロゾロ出てきている。
 前川氏のケースも流れは同じだ。官邸サイドは文科省文書が流出したウラに前川氏の存在があると見て、天下り問題による引責辞任が引き金であるように筋書きし、「あいつは(官邸に)恨みを持っている」などとオフレコで吹聴。
 シンクロするように、読売新聞が前川氏の出会い系バー通いを報じた。恥をかかせて社会的に抹殺しようという意図がプンプンする。しかし、それがかえって前川氏の闘争心に火をつける結果となった。朝日新聞や週刊文春のインタビューで世間の関心を集め、あらゆるメディアが会見を詳報。さすがの身内も頬かむりできなくなってきた。公明党の漆原良夫中央幹事会会長が「要職にあった方の言葉は重い」と指摘したのを皮切りに、自民党の石破茂元幹事長も「事務方のトップにいた方が、ああいう発言をするということはそれなりの意義、意味がある」と言及。アリの一穴である。
■独メルケル首相もア然
 そもそも、森友学園にしろ加計学園にしろ、ここまで疑獄が膨れ上がったのは安倍が大見えを切ったのが原因だ。森友をめぐっては「私や妻が関わっていたら、総理大臣も国会議員も辞める」と言い、加計でも「私が働きかけて決めているなら責任を取る」と突っ張った。断定口調でウソをつくのは安倍の真骨頂だ。昨年5月の伊勢志摩サミットではG7首脳の共通認識を無視して「世界経済はリーマン・ショック前に似ている」とブチ上げ、消費増税先送りに利用。メルケル独首相をア然とさせた。森友疑惑の目くらましに核・ミサイル開発を進める北朝鮮危機をことさらにあおり立て、国会で根拠もなく「北朝鮮はサリンを弾頭につけて着弾させる能力をすでに保有している可能性がある」と言ってのけた。
 病的なほどに虚言を操る口先ペテンぶりが、ここにきて完全に裏目に出ているのだから、ざまあみろである。
 自分でハードルを上げ、ごまかすためにウソをウソで塗り固めているのを国民はもう見抜いている。前川氏からは「赤信号を青信号だと考えろと言われた」「黒を白にしろと言われる」とまで言われてしまってはオシマイだ。
「政権と刺し違える覚悟で表に出てきた前川氏の発言は非常に重い意味がある。国民を見ていない政権に、いつまで独裁的な政治を続けさせるのか。政権側が改めないのであれば、われわれ国民が政権を改めるタイミングでしょう」(五野井郁夫氏=前出)
 前川氏の証人喚問から逃げたところで、ますます袋小路だ。出口はない。驕れるものは久しからず。1強の落城が始まった。


前川前次官会見で田崎スシローがアクロバティック安倍官邸擁護!「菅さんが言ってるから文書は嘘」「読売記事はスクープ」
「(加計学園問題の)“総理の意向”文書は確実に本物」
 当時、文科省の官僚トップの地位にあった前川喜平前文科事務次官の会見で飛び出した決定的な証言。ワイドショーもさすがに黙殺はできなくなり、26日は各局とも会見の中身を大々的に報じた。そんななか、もはや笑うしかないくらいの露骨な安倍政権擁護を繰り広げていたのが、“田崎スシロー”こと田崎史郎時事通信特別解説委員である。
 森友問題のときは手分けして官邸擁護を展開していた山口敬之がいなくなってしまったので、ひとりで大忙しだ。朝は『とくダネ!』(フジテレビ)、昼は『ひるおび!』(TBS)とハシゴして、前川前次官の人格攻撃とお得意のアクロバティック官邸擁護を開陳したのである。
 まず『とくダネ!』。MCの小倉智昭もさすがに「前川さんは知的な感じでお話にも説得力というものがある」「前川さんの告白の時期に合わせて新聞社がこの件をドンと書いてきたっていう、やっぱり、なんかあれ?って、思う部分はあるんですよね」と感想をもらしたのだが、しかし、田崎はことごとく話をスリカエ、前川攻撃、官邸擁護に終始した。
 会見映像を受けMCの小倉が「これを官邸はつっぱねることができるのか」と言うと、田崎は「新しい事実は何もない」と言い張り、こんな官邸の代弁を始めた。
「菅長官が信憑性がないって言われているのは、文書のなかで、菅官房長官や萩生田官房副長官の言葉が引用されているんですね。それが自分の言った覚えのない言葉であると。文部科学省が勝手になにかつくった文書なのではないか、という主張なんです」
 どうしてなんの客観的証拠も示さないまま、菅義偉官房長官や萩生田光一官房副長官が「言ってない」というのは本当で、前川氏の証言がウソという前提になるのか。あげく、文科省が勝手につくった文書とは……。これにはさすがの小倉も「これだけ重要な問題で、文科省ってそんな勝手に文書つくるものなのかなあ?」と素朴な疑問を呈した。すると田崎は今度はこんな陰謀論を語り始めたのだった。
『ひるおび!』でも「官邸が言っているのは本当」と言い張るスシロー
「前川さんは、おそらく自分の主張をそのまま載っけてくれるメディアを選んだんじゃないかと思いますね。集中的に、新聞、テレビ、雑誌と選んでやってらっしゃるんで、だからある意味で見事なメディア戦術だと思うんです」
 自分の主張をそのまま載っけてくれるメディアを選ぶって、それ、あんたのご主人様である安倍首相とあんたら安倍応援団の関係そのものだろうと思わずツッコんでしまったが、そもそも、前川氏がメディアを選んだというのはまったくの言いがかり、真っ赤な嘘だ。
 前川氏は、会見どころか朝日新聞のインタビューよりも前に、安倍さまのNHKや、当のフジテレビのインタビューだって受けている。しかし、官邸の恫喝に負けてお蔵入りにしてしまったのは局のほうだ。ようするに前川氏が特定のメディアを選んだのではなく、前川証言を公にする勇気のあるメディアとなかったメディアがあっただけというのが実情である。だいたい前日すでにフルオープンの記者会見を開いて正々堂々と語ったあとに、特定のメディアを選んでいるなどよく言えたものだ。
 相手方が世論をつかんでいると見ると、自分たちのことを棚に上げて、デマと陰謀論をわめきたてるその手口は安倍政権そのまま。まったく悪質としかいいようがない。
 しかし、もっとヒドかったのが、『ひるおび!』だった。この番組でも、総理のご意向文書は、「行政文書ではない、ただの文科省内のメモ書き。官邸が「ない」っていうのは本当」「仮にメモがあったとしても、文科省が書いただけ」「菅さんたちは言った覚えがないから怪文書」などと強弁する田崎スシロー。しかし、これにはほかのコメンテーターが一斉に反論をした。元読売新聞大阪社会部記者の大谷昭宏は「前川さんはレク資料っておっしゃっていた。そこで部下が一番偉い人に嘘のレクチャーしたらえらいことになる。だから真実性がある」、毎日新聞の福本容子論説委員も「官僚の人たちってメモ魔なんですよ、なんでもメモする。私たちが取材するときも官僚の人は質問も答えも全部メモしているくらい。それをあげてるわけですから、後からどうこうって話ではなく、そのまま起きたことを書いてる」と説得力のある主張を展開した。
 するとMCの恵俊彰が「ICレコーダーは回さないんですか」と助け舟を出し、田崎も「隠し撮りしているときはありますね」と、まるでICレコーダーもないと証拠にはならないようなことを言い出したのである。籠池氏が財務省とのやりとりを録音していたときは盗人扱いしていたくせに、何を言っているのか。これには福本がすかさず「いちいち全部ICレコーダーで録音してたら膨大になる。それまた起こさなきゃいけないし、すぐ聞いたものを上司にもっていくっていう意味ではメモがいちばん」と現実的な反論をした。
 また特区指定にいたる行政プロセスが歪められたという前川氏の主張についても、「前川さんはやりたくなかったんでしょ。規制緩和は官僚の人たちの抵抗によって進まなかった」などと前川氏が抵抗勢力だと攻撃し始め、「官僚主導から政治主導か。小泉政権以降、官邸が強い権限をもつようになっている。政治主導でやっていこうとすればこういうことになるんです」などと、官邸主導の規制緩和のためには仕方ないと正当化。
 ここでも大谷が「官邸が権力を握った結果、官邸が私物化してたんじゃないかっていうのが問題。加計さんの問題も籠池さんの問題も。官僚から権限を取り上げて、本当に公正にやっていたのか、それが問題」、福本が「規制緩和をするのはいい。もっと正々堂々と。なんでこの学校が選ばれたのか、ほかにもライバルいたわけですから」と反論すると、また恵が「言ってること全然ちがうんで、後からまた見ていきます」などと助け舟を出して議論を終わらせた。
読売擁護までしていた田崎「一生懸命取材していた」
 さらに田崎の前川攻撃はつづく。今度は菅の生き写しのように、なぜ現役のときに言わなかったのかと責め立て始めたのだ。
「事務次官が会いたいって言えば官邸の方は自動的にオーケーですよ。前川さんがそのとき問題だと思われるならば、総理なり官房長官に会って、これはどうなんですか?なぜこういうことをやるんですか?って問い詰めていなかったんですかね。なんでそれを辞めた後言われるんですかね」
「行政を推進する立場にいるわけですから、トップとして。そりゃ(在任中に)言わなきゃいけませんよ。なんで今になって言うんだろうと。その間に天下り問題で自分がクビになった。腹いせでやってるんじゃないかって見られちゃいますよ」
 こいつはいったい何を中学生みたいな話のスリカエをしているのか。安倍政権の恐怖支配が敷かれているなかで、官僚がそんなことできるはずがないだろう。しかも、この点については、前川氏自身が非を認め「当事者として真っ当な行政に戻すことができなかった。事務次官として十分な仕事ができずお詫びしたい」と反省の弁を語っているのに……と唖然としていたら、これにもすぐさま、大谷と福本が反論した。
「今になってなんであの時言わないんだ!というのは問題のスリカエ。そのとき言えなかったのはいろいろな事情があったんでしょう、でもその話はその話。事実が何なのかが問題」と、田崎の卑劣な論点ずらしをただしたのだ。
 しかしこれにも恵が助け舟を出して、田崎に反論の機会を与え、この話題も結局、田崎が「強い思いをもたれているならば、その場で、総理なり官房長官に会って聞けばいいことですから」と繰り返してシメられてしまったのだった。田崎のトンデモ解説もひどいが、常にそれを主軸に番組を進めるMCの恵も相当にタチが悪い。
 さらに、驚いたのは読売の官邸謀略に乗っかった“出会い系バー”記事への評価だった。田崎はなんと「読売新聞が独自に取材したスクープ記事」と称賛したのだ。
 これに対し、読売新聞出身である大谷が「私も読売の事件記者やってたからわかりますが、(東京本社、大阪本社、西部本社の)3社がすべて同じ位置、同じ大きさ、同じ見出しで記事をやるというのは、ひとつの合意形成がないとできない。今回の記事は、同じ場所に、同じ大きさで、同じ見出しがついているんですね。これは、新聞でいうところの“ワケあり”なんですね。どうして“ワケあり”が生まれるか、誰かの思惑があるから。そういう記事がどこから出てるのか。読売は否定するでしょうけど、我々からみれば、この扱いは明らかに“ワケあり”ですよ」と新聞の現場を知っているからこそのリアリティのある解説をした。
 福本も「記事が出たタイミングは本当に不思議。前川さんが証言するのか注目されていた時期ですよね。記事は「教育行政のトップとして不適切な行動に対して批判があがりそうだ」って、勝手に批判があがるとこまでコミコミで丁寧に書いてる」と指摘、大谷は「これ事件記事じゃないんですよね。しかも前川さんは(杉田官房副長官から)1月に注意されたって言ってる。それがなんでいま「出会い系」という見出しで5月に載るんですか」とこのタイミングでの報道にも疑問を呈した。
 ところが田崎は「読売新聞は読売新聞で一生懸命取材して書かれたわけで。自分で事実が確認できなければ出すはずがない、と同業者としては思いますね」と、強弁を始めたのだ。
「同業者として」って、ただの官邸の宣伝係が何を新聞記者気取りになっているのか、むしろ、同業者といえば毎日新聞記者の福本のほうだし、大谷なんて元読売新聞の先輩記者の目線で内情もふまえて、この記事は「ワケあり」だと言っているのに……と思ったが、よく考えたら、読売と田崎は“安倍御用”の同業者。もしかしたらそういう意味なのか。
メディアに広がる「安倍政権のいうことはすべて正しい」という世界
 とにかく万事この調子で、傍目から見てどんなムチャクチャに見えても、とみかく田崎は徹底的に「文書に信憑性はない」「前川はおかしい」と言い張り続けたのだった。
 きわめつきは、今後の展開についての解説だった。田崎に負けず劣らずの安倍応援団である八代英輝弁護士ですら「少なくとも証人喚問をしたほうが国民としては(いい)。これに政権側が抵抗を示すのが、余計変に見える」「やはり前川さんを証人喚問していただいて、実態というのを知りたい」とコメントしていた。
 ところが、田崎は「(そういう流れには)ならないでしょ。政権側の考え方は黙殺」と、言い切ったのだった。ここまでくると、安倍応援団どころか、菅官房長官の生霊でも乗り移ったんじゃないかと思えてくるが、しかし、これは田崎一人の問題ではない。
 26日の『とくダネ』では、「文書に信憑性はない」と強弁する田崎の言葉に、小倉はこう漏らしていた。
「これどちらの言い分が正しいのかっていうのは、私たちには100%はわからない。想像の世界なんですね。そうすると、安倍政権を支持するか支持しないかによって受け止め方って変わりますよ」
 たしかに、当時の事務次官の実名証言という超ド級の証拠を前に、「文書はない」と言える根拠など「だって安倍政権がすべて正しいから」以外何もない。しかし、そのムチャクチャが通用する国になりはてているのだ。安倍政権の言うことはすべて正しい。たてつく者は報復されて当然————。
 前川氏は「赤信号を青と言えと迫られた。「これは赤です、青ではありません」と言い続けるべきだった」と語ったが、これは官僚だけの話じゃない。安倍政権に屈して青だと言ってしまうのか、これは赤だと戦うのか、メディアの姿勢もいま、問われている。(編集部)


国会で真相明らかにせよ/加計学園問題で新証言
 岡山市の学校法人「加計学園」の獣医学部新設計画を巡り、文部科学省に伝えられた「総理のご意向」などの文言が含まれた記録文書について、今年1月に天下り問題の責任を取り辞職するまで文科事務次官だった前川喜平氏が記者会見し「本物」と明らかにした。昨年秋に担当の専門教育課から説明を受けた際に示されたという。
 特定の地域に限って国の規制を緩め経済活性化につなげようという国家戦略特区制度を活用し、獣医学部新設に至る過程で、計画に携わった事務方トップの証言は重い。
 安倍晋三首相やその周辺の意向により行政がゆがめられたのではないかとの疑念は深まる一方だ。首相が「岩盤規制の突破口を開く」と強調して手掛けた特区制度の公平性が大きく揺らいでいる。
 これに対し、詳しい調査や説明に否定的な対応を繰り返す政府の姿勢には疑問を感じる。前川氏は証人喚問に応じる意向を示している。国会で真相を明らかにすべきだ。
 文書を巡っては、安倍首相の友人が理事長を務める加計学園が優遇されたのではと野党が一斉に追及。民進党が問題の文書を入手し、文科省に内容の確認を迫った。
 これに対し菅義偉官房長官は「怪文書」と決めつけ、松野博一文科相もわずか1日の調査で「文書の存在は確認できなかった」と発表。その後も文科省で作成されたとみられる文書などが次々と出てきたが、出どころが定かでないといった理由で確認に応じようとしていない。
 文科省は長年にわたり獣医師が増え過ぎないよう獣医学部の新設を認めてこなかったが、安倍首相は昨年11月に制度を見直すと表明。今年1月には、愛媛県今治市に新設する獣医学部を運営する事業者に加計学園が選ばれた。
 問題の文書は獣医学部新設に慎重な文科省に内閣府が「官邸の最高レベルが言っていること」や「総理のご意向」を示し「早期開学」を迫ったことがうかがえる内容だ。
 前川氏の証言に、菅官房長官は「天下り問題を隠蔽(いんぺい)した文科省の事務方の責任者で、批判にさらされて辞任した人だ」と述べた。森友学園問題でも、政府は真相解明を脇に置き疑惑の否定を重ね、籠池泰典前理事長による一連の証言の信ぴょう性を問題にするばかりだった。こうした対応の繰り返しは国民の政治不信を招くだけではないか。


加計文書問題 証人喚問で真相究明を
 「公平、公正であるべき行政の在り方がゆがめられた」
 安倍晋三首相の友人が理事長を務める学校法人「加計(かけ)学園」(岡山市)の獣医学部新設計画を巡り、内閣府が文部科学省に「官邸の最高レベルが言っていること」などと対応を求めたとする文書について、同省の前川喜平・前事務次官が記者会見し「文書は確実に存在していた」とした上で、新設計画に対する政府の対応を批判した。
 文書については同省が「存在は確認できなかった」との調査結果を発表している。だが、獣医学部新設を担当する専門教育課の共有の文書フォルダーなどを調べただけで、個人のパソコンなどは調べていない。
 前川氏は「あるものをないと言わざるを得ない、できないことをできると言わざる得ない」と同省の状況を察しつつ、「あったものをなかったことにはできない」と会見に至った心境を説明した。文書は複数あり、昨年9〜10月に専門教育課が作成したもので、前川氏を含む幹部の間で共有されていた「本物」という。
 文書には内閣府からの回答などとして、「平成30年4月開学を大前提に、逆算して最短のスケジュールを作成し、共有いただきたい。これは官邸の最高レベルが言っていること」「(設置時期について)『最短距離で規制改革』を前提としたプロセスを踏んでいる状況であり、これは総理のご意向だと聞いている」といった記載がある。官邸からの指示や、官僚の忖度(そんたく)があったことをうかがわせるような内容だ。
 前川氏は今年1月、同省の組織的天下り問題の責任を取って事務次官を辞任した。政府内には「天下りできなかった腹いせ」と批判する声もあるが、当時の事務方トップの発言は重い。菅義偉官房長官は「自身が責任者だった時に堂々と言うべきだった」などと非難したが、ならば発言の真偽を早急にはっきりさせるべきだ。
 前川氏は証人喚問に応じると明言している。前川氏の発言により、「総理から一切指示はない」などとする政府の説明への疑問は深まっている。国会の場で真相を明らかにする必要がある。
 新設計画は、地域を限定して規制を緩和する国家戦略特区制度の一環で、愛媛県今治市が提案し、加計学園が事業者に選ばれた。前川氏が「行政がゆがめられた」と指摘するのは、獣医の将来需要への見通しが示されず、規制緩和の根拠が薄弱なまま獣医養成のための学部新設が認められたからだ。
 前川氏は「(加計学園ありきは)関係者の暗黙の共通理解としてあった」とも話している。事実なら、権力者に近しい者を優遇したことになり、行政の公平性、公正性に対する裏切りだ。行政が「ゆがめられた」のかどうか、政府は国民に説明しなければならない。


公文書の在り方 「国民のため」忘れるな
 公文書の在り方が問われている。学校法人「加計学園」(岡山市)や「森友学園」(大阪市)と政治をめぐり、解明の鍵となるべき文書の問題が取りざたされている。
 手続きが透明性や中立性を欠くとの指摘のある加計学園の獣医学部新設計画。これに関し、文部科学省が内閣府とのやりとりを記録したとされる文書には「総理のご意向」など生々しい表現がある。
 菅義偉官房長官は「出どころも明確でない怪文書」と発言。文部科学省も「存在を確認できなかった」と早々に結論付けたが、同省の前川喜平前事務次官が「確実に存在していた」と証言した。
 ただ、公文書としての書式は整っていないとされる。
 では、公文書はどうなっているのか。約50年ぶりに獣医学部の新設が認められた事案だ。政策決定には相応の判断があったはずで、公文書で残しておくべきことではないだろうか。
 一方の森友学園の国有地払い下げ問題。財務省は公文書管理法に基づく「財務省行政文書管理規則」によって交渉記録を廃棄したとし、経緯の説明を避けた。交渉や面会記録など歴史公文書に該当しない文書の保存期間は細則で1年未満となっている。
 防衛省が一時「廃棄済み」としていた南スーダン国連平和維持活動(PKO)部隊の日報も、保存期間が「1年未満」とされた。
 行政対応で問題が発覚するのは、何年か経過してからというケースが少なくない。記憶に頼ろうとすると「言った」「言わない」になる。経緯を確かめるために文書ほど確かなものはない。
 国民のために作られる公文書が安易に廃棄されてはならない。将来政策判断を評価するために必要なものはきちんと保管しなければなるまい。
 公文書管理に詳しい識者は「行政文書の保存期間が1年未満というのはあくまで例外」と指摘。抜け道が作られないよう制度改善を促す。
 管理、保存体制を強化する公文書管理法は2009年に成立。年金記録紛失などでみられたずさんな管理に歯止めをかけるのが狙いだった。
 同法は公文書を「国民共有の知的資源」として、役所の説明責任と国民の主体的な利用を明確化。政策決定過程を検証できる形で文書を作成するよう規定している。
 その重要性は同法施行の11年、東日本大震災でも浮き彫りにされた。震災や原発事故を受けて設置した対策組織の多くで議事録未作成が発覚。対応の検証に禍根を残した。
 政府は公文書管理に関するガイドラインを見直す方向で検討を進める。重要性を強く自覚するなら、抜本的な改善を図らなければならない。


加計文書証言 前次官の喚問は不可避だ
 安倍晋三首相の友人が理事長を務める学校法人加計(かけ)学園(岡山市)の国家戦略特区への獣医学部新設計画で「総理のご意向」などと書かれた文書の真偽が問題となる中、新たな証言が出てきた。
 文書は「確実に存在していた」と、前川喜平・前文部科学事務次官が語ったのである。
 前川氏は事務方の最高責任者として文科行政を束ね、計画に関わっていた当事者である。その人物が文書の存在を認めた。見過ごしにするわけにはいかない。
 政府は文書について出所不明とし、一貫して信ぴょう性を疑問視している。本格的な調査にも及び腰だ。ならば国会主導で徹底的に調査を尽くすべきである。
 前川氏の証言が重いのは、文書の出所などを具体的に説明し、覚悟もうかがわせるからだ。
 文書は文科省専門教育課から昨年9〜10月に受け取り、幹部間で共有されていたという。文書に登場する発言者として特区を担当する内閣府の幹部を名指しした。
 前川氏は薄弱な根拠の中で規制緩和が行われたと説明し、「公平公正であるべき行政の在り方がゆがめられた」と述べた。計画の対象を加計学園と認識していたと明言した。
 さらに、要請があれば証人喚問に応じる意向も示している。
 文書の内容が事実なら、官邸や首相が働き掛け、指示された官僚側の「忖度(そんたく)」によって行政がゆがめられた可能性も出てくる。最も注視したいのはそこであり、焦点は内容の真偽である。
 前川氏の証言は、政府の説明と大きく食い違っている。政府側からはなぜ現役時代に言わなかったのかとの批判も出ているが、計画を巡る疑問が一層膨らんだのは間違いあるまい。
 しかし前川証言に先立って省内調査を実施し、文書の存在は確認できないと結論付けた松野博一文科相は「再調査は必要ない」との姿勢を崩していない。政府はかたくななほど消極的だ。
 一方で人格攻撃のような発言もあった。菅義偉官房長官は記者会見で、文科省の天下り問題の責任を取って前川氏が1月に次官を辞任した経緯に言及し「地位に恋々としがみついた」と述べた。
 なぜ文書の真偽とは別の話を持ち出すのか。問題をすり替えて目をそらす意図でもあるのか。証言の信用性をおとしめようとするかにも聞こえる。甚だ理解に苦しむ態度である。
 文書を巡る前川氏と政府の言い分が平行線をたどり、政府が再調査の必要性を認めない以上、国会が前面に出て真相の究明に当たらなければならない。
 安倍首相はこれまで、働き掛けや圧力を否定している。開かれた国会の場で、何が事実か、問題の所在はどこにあるのかを解明することをためらう理由は、自民党にもないはずである。
 事は、行政の信頼の根幹といえる公平性や公正性に大きく関わる問題だ。疑義を抱いている国民も少なくないだろう。監視機能を働かせることが、国民の負託を受けた国会の最大の責務である。


前次官会見 政府は国民疑念に答えよ
 学校法人「加計学園」の獣医学部新設計画を巡り、「総理のご意向」などの記述があるとされる文書について、当時の文部科学省の事務次官だった前川喜平氏が記者会見で「本物」と断じた。これに対して政府は「再調査の必要はない」「怪文書」「信ぴょう性に欠ける」などと門前払いに終始。これでは国民の疑念は深まるばかりだ。
 加計学園が政府の国家戦略特区制度を活用し、愛媛県今治市に岡山理科大の獣医学部を新設しようとした際、学園理事長が安倍晋三首相の友人であるがゆえに優遇されたのではないかとの疑惑が持たれている。
 「質の確保」を理由に獣医学部は半世紀以上も新設がなく、加計学園は2007年以降、15回も申請を繰り返したが、ことごとく却下された。その潮目を変えたのが安倍政権の特区制度だった。
 前川氏は、「加計学園ありき」だったのかとの問いに「関係者の間で暗黙の共通理解としてあった」と述べた。今年1月に文科省の天下り問題で引責辞任したとはいえ、それまで事務方のトップとして加計学園が特区の事業者に選定される一連の過程にいた人の発言である。
 「高等教育課から受け取った文書に間違いない」との証言もあり、すぐにでも調査できるはずだ。それでも「再調査する必要はない」と言い張る松野博一文科相こそ隠蔽(いんぺい)のそしりを免れない。
 野党が求める前川氏の証人喚問に関しても与党は否定している。「次にどんな爆弾を落とすのか」(政府筋)との不安から、「森友学園問題」と同じように“逃げるが勝ち”を決め込んでいるとしたら国民をばかにするなと言いたい。
 菅義偉官房長官は25日の会見で天下り問題を持ち出し「(前川氏が)責任者として地位に恋々としがみついた」などと人格攻撃ともいえる批判をした。証人喚問では古傷にさわられ、さらには「出会い系バー」通いなどにも質問が及ぶだろう。前川氏はそうしたことも承知の上で喚問に応じる覚悟のはずだ。
 「行政がゆがめられた」との発言に政府内からは「官僚トップとして他省と話し合うべきだった」と批判が出たが、各省庁幹部級の人事権を握る官邸、内閣官房、内閣府の絶大な影響力に歯向かうのはたやすいことではない。「最終的には内閣府に押しきられてしまった」(前川氏)というのが現実だろう。
 発言内容から見えてくるのは「官僚の忖度」であり、安倍首相の便宜供与まで行き着くのは難しいとの見方もある。現に首相は「働きかけるつもりがあるなら、私が直接、松野文科相のところに行く」と自信をのぞかせてもいた。
 ただ、「赤信号を青信号だと考えろ」(前川氏)といった実態が浮かび上がることで、政権へのダメージは少なくない。政府は安倍離れを警戒するあまり再調査や証人喚問から逃げるつもりなら、それこそ「黒を白にする」(同)愚行だ。


加計問題で前次官証言 政府は再調査し説明責任果たせ
 「官邸の最高レベルが言っている」「総理のご意向」などと記された文書は「真正なもの」で、「公正公平であるべき行政の在り方がゆがめられた」―。岡山市の学校法人加計学園の、今治市への岡山理科大獣医学部新設を巡り、看過できない証言が飛び出した。「怪文書」と切り捨て、黙殺することはもう許されない。安倍政権は、不透明な経緯や疑惑の解明に自ら率先して取り組まねばならない。
 特区担当の内閣府とのやりとりを文部科学省が記録したとされる文書について、文科省の前川喜平前事務次官が本物と認めた。獣医学部新設の規制改革は加計学園ありきの「暗黙の共通理解だった」とも明かした。
 計画に携わった当時の事務方トップの証言は、極めて重い。松野博一文科相は先週、たった半日の省内調査で「文書は存在しない」と結論し、前川氏の証言後も「ヒアリングも再調査も必要ない」の一点張り。だがそれでは国民の納得は得られず、首相の意向や官僚の忖度(そんたく)で政策がゆがめられたのではないか、との疑念を拭えるはずもない。
 前川氏は、特区の計画自体も「条件に全て合致していない」「極めて薄弱な根拠の中で規制緩和が行われた」と振り返り、圧力の可能性を示唆した。当事者が声を上げた以上、政権側の立証・説明責任は免れ得ない。やましいことがなければ堂々と調査、説明を尽くすべきだ。
 問われているのは行政の公正性、透明性、根拠である。
 地域が国に提案する「構造改革特区」に対し、安倍政権が2013年に打ち出した「国家戦略特区」は国主導のトップダウン型。その性質上、条件やルール作りを含め「総理、政権の意向」は当然に反映され、だからこそ公平性や中立性がより厳しく求められる。事後であろうとも政策の意思決定過程を国民にオープンにする責務があろう。
 安倍晋三首相が「腹心の友」に、直接便宜を図ってはいないとしても、内閣府が意向を忖度し、あるいはかさに着て、条件を都合よく緩めた可能性は否定できない。その内閣府は、一方の当事者の中村時広知事が「助言を受けた」との認識を示したのに「誤解だ」と否定するなど不自然な態度で口をつぐむ。なぜ15回も却下された申請が突然通り、なぜ「新設は空白地に限る」など加計学園に有利な条件が、後から追加されたのか。明確に答えねばならない。
 また政府の、政権に歯向かうと見た人への人格攻撃は目に余る。菅義偉官房長官は無関係な文科省天下り問題を持ち出し、引責辞任した前川氏を「地位に恋々としがみついていた方」などと中傷した。読売新聞が「出会い系バー」に行った過去を唐突に報じた件も含め、権力の振る舞いを強く憂慮する。
 「あったものを、なかったことにはできない」。前川氏の言葉を、政府は重く受け止めるべきだ。国会で真実を語らない限り、問題は決して終わらない。


前川前次官の証言 証人喚問で真相解明を
 国会で証人喚問を行い、真相を解明しなければ、国民は納得しないだろう。
 安倍晋三首相の友人が理事長を務める学校法人加計(かけ)学園(岡山市)の獣医学部新設計画を巡って、文部科学省の前川喜平前事務次官が記者会見し、「総理の意向」などの記述のある記録文書が「確実に存在していた」と明言した。
 前川氏は、新設計画への国の対応に関して「人材需要への明確な見通しが示されず、薄弱な根拠の中で規制緩和が行われた。公正、公平であるべき行政の在り方がゆがめられた」とも述べた。
 菅義偉官房長官は、文書について、前川氏の説明を踏まえても「出所不明で信ぴょう性に欠ける」と強調した。
 だが、新設計画に携わった当時の事務方トップの証言である。重く受け止めるのが当然ではないのか。
 民進党など4野党は徹底追及する構えで、前川氏の証人喚問を求めたが、自民党は拒否した。事実関係の究明に後ろ向きな対応は理解できない。前川氏は、喚問があれば応じる意向を示している。
 加計学園が進めているのは、政府の国家戦略特区制度を活用して、愛媛県今治市に岡山理科大学の獣医学部を新設する計画だ。
 問題の文書は、昨年、文科省が、特区を担当する内閣府とのやりとりを記録したものとされる。内閣府側の発言として「官邸の最高レベルが言っている」「総理の意向」などと記されていた。
 会見で前川氏は「昨年9〜10月、担当の専門教育課から事務次官室で報告、相談を受けた際に受け取った文書に間違いない。専門教育課で作成され、幹部の間で共有された文書だ」と説明した。
 さらに、「官邸の最高レベル」は、総理か官房長官のどちらかだと思ったと述べた。
 加計学園ありきだったのかとの問いには、「関係者の間で暗黙の共通理解としてあった」と話した。
 重大な発言であり、真偽の検証が欠かせない。
 前川氏は文書について「改めて調査すれば、存在が明らかになる」と指摘した。
 それでも、松野博一文科相は「文書の存在を再調査する必要はない」と言う。省内調査では「文書の存在は確認できなかった」としたが、パソコンの削除履歴を調べていない。不十分である。
 獣医学部の新設は52年ぶりとなる。これほど長い間、新設を認めなかった岩盤規制を加計学園が突破できた背景に、官邸の指示や官僚の忖度(そんたく)がなかったのかが、問われている。
 政府は、いずれも否定しているが、説得力に乏しい。
 野党は衆参予算委員会で、安倍首相が出席する集中審議を求めている。自民党は受け入れるべきだ。
 首相自らが国民に詳しく説明する必要がある。
 何が真実なのか分からないまま、うやむやに終わらせてはならない。


【深まる加計疑惑】学部新設必要だったのか
 学校法人加計(かけ)学園(岡山市)の獣医学部新設計画を巡る問題で、文部科学省の前事務次官が、「総理の意向」などと書かれた文書を「存在していた」と証言した。
 「省内調査で確認できなかった」と一貫して否定する政府の主張を覆す内容だ。事務方トップで実際に許認可を所管した本人の実名告発であり、政府は再調査と、国民への説明責任を一層重く負った。
 安倍首相の「腹心の友」が学園の理事長を務める。新学部が計画される愛媛県今治市の国家戦略特区を担当する内閣府が、文科省に「総理の意向だ」などと早期開学を求めたと取れる文書が発覚。その真偽が問われてきた。
 証言した前次官は「文科省の専門教育課で作成され、幹部の間で共有された」と認めた。その上で、計画そのものを「薄弱な根拠の中で規制緩和が行われ、行政の在り方がゆがめられた」と述べた。
 解明すべき疑惑の入り口は、ここにある。政府が特区制度による獣医学部新設を必要とした根拠は。それは妥当だったのか。
 国は50年以上、獣医学部の新設を許可してこなかった。獣医師の「質の確保」を理由とし、日本獣医師会も求めなかったという。
 今治市と加計学園は2007年以降、15回にわたって申請し、いずれも認められなかった。それが、第2次安倍政権が「岩盤規制の突破口」として始めた特区制度で、2016年に新設方針に転換。2017年1月にわずか8日間の募集で、応募は加計学園のみだったという経緯がある。
 「将来の人材需要への見通しは示されず、特区での規制改革が行われた」。前次官は「関係者の間で暗黙の共通理解としてあった」と述べ、学部新設に疑義を抱いていた文部科学省に対し、内閣府が加計学園ありきのように許可を迫ってきたとの認識をそう説明した。
 政府が「岩盤規制」だったとする長年の強固な制限を取っ払い、獣医学部新設を決めた経緯の急展開ぶりに、前次官の証言と記録文書の内容は重なって見える。菅官房長官が言う「出所不明の怪文書」との扱いにはもはやできない。
 新たな獣医学部は必要だったのか―。そこが疑惑の原点であり、文書に優先して解明を急ぐべきポイントだろう。
 前次官は文部科学省の天下り問題で引責辞任した。「出会い系バー」に通っていたとも報道され、認めた。菅官房長官が「地位にしがみついていた」と人格攻撃のようになじるなど、政府側には逆恨みの虚言かのように否定する声もある。だが、いずれも問題の本筋の枠外であり、獣医学部新設の事実関係を調べないとする理由にはならない。
 獣医学部の緊急性は。官僚の「忖度(そんたく)」はなかったか。国民に膨らむ疑問に政府は答えなければならない。前次官は偽証すれば罪に問われる可能性もある証人喚問に応じる構えだ。国会は事実解明の責任を負う。


[加計学園文書] 深まった疑念解明せよ
 安倍晋三首相の友人が理事長を務める学校法人加計学園(岡山市)の獣医学部新設計画を巡り、文部科学省の前川喜平前事務次官が会見し、「総理の意向」「官邸の最高レベルが言っている」との文言が含まれる記録文書を「本物」と明らかにした。
 政府内で「怪文書だ」「文書の存在は確認できなかった」などと文書の正当性を否定する意見が相次ぐ中、事務方トップの立場で新設計画に携わった前川氏の証言は重い。
 証言により、首相やその周辺の意向が働いて行政がゆがめられたのではないかという疑念は一層深まった。
 政府はこれ以上、調査と説明を拒んではならない。
 加計学園は政府の国家戦略特区制度を使い、愛媛県今治市に岡山理科大の獣医学部新設を計画した。今回問題となった文書は、新設要件が決まる前に、特区を担当する内閣府とのやりとりを文科省が記録したとされるものだ。
 前川氏は文書の存在を認めただけでなく、特区を活用した計画自体を「極めて薄弱な根拠で規制緩和が行われた」と批判した。結論ありきだったとも指摘した。
 安倍首相が「岩盤規制の突破口を開く」とした特区制度の公平性は大きく揺らいでいる。
 前川氏が文科省の対応について「黒を白にするような意に反するようなことをさせられている」と述べたことも見逃せない。
 安倍首相の関与や圧力はあったのか。解明に向け、野党は前川氏の国会への証人喚問を要求する方針だ。当然のことだ。
 だが、菅義偉官房長官は文書について「出元が不明で信ぴょう性が定かでない」と主張し、松野博一文科相も「再調査の考えはない」として要求を拒否する構えだ。
 官邸の指示や官僚の忖度(そんたく)の有無に疑問がある点で、加計学園と森友学園の問題は通底している。
 森友学園問題で、政府は真相解明を脇に置いて疑惑を否定し、籠池泰典前理事長による一連の証言の信ぴょう性を問題にした。財務省は学園側との交渉記録を破棄したとして詳しい説明を避け、調査を拒んだ。
 今回は複数の文書が出てきているにも関わらず、真相解明には後ろ向きだ。
 国民の疑念に向き合おうとしない政府の姿勢には、安倍1強のおごりを感じざるを得ない。
 国の政策やその形成過程に関する情報は、特定の人や省庁のものではない。政府は徹底的な調査と説明で、国民の「知る権利」に応えるべきだ。


「前川を否定」=官邸人事の失敗
 ★文科省の事務方トップを務めた前文科事務次官・前川喜平。一連のメディアでの発言や記者会見で、官邸の圧力が中央官庁を覆うさまの一端を暴露した。日本の政治には建前と本音があるといわれる。また官邸の意向という、見えない命令系統が中央官庁を縛ることもあるだろう。前川は「まっとうな行政の方針に戻すことができなかった私の責任は大きい。おわびしたい」「職員は気の毒だ。十分な根拠なく規制緩和され、本来、赤信号を青信号にさせられた」。★前川が“本物”と認めた文書を官房長官・菅義偉は「怪文書」との位置付けを変えておらず、「地位に恋々としがみつき、最終的にお辞めになった方」と断じた。また前川の一連の発言に対しては、「自身が責任者の時に、そういう事実があったら堂々と言うべきではなかったか」と批判した。★しかし、各府省の審議官級以上の幹部約600人の人事異動を管理する「内閣人事局」が官邸の中にできたことで、首相や官房長官主導で幹部人事が決定することは、官僚が幹部になればなるほど官邸の“顔色”を見たり、忖度(そんたく)する力が要求されることと同じ。また官邸の意向に逆らうことは人事の敗北を意味する。その人事権を駆使して権力を掌握する官房長官が、「自身が責任者の時に、そういう事実があったら堂々と言うべきではなかったか」ということには違和感がある。また前川を任命したのは官邸ということを考えれば、前川を否定することは官邸人事の失敗に他ならない。★官僚は国のために尽くすのであって、官邸の家来ではない。今回の前川の“反乱”は、中央官庁職員にいくばくかの動揺を与えただろう。無論、ここぞとばかり官邸にご注進して、すり寄る官僚もいるだろう。だが分かったことは、内閣人事局制度が、官邸に権力を集中させた問題の中心にあるということだ。

首相補佐官が前川前次官に「加計の手続き急げ」と直接圧力の新事実! 天下り処罰も加計認可反対派の一掃が目的
 加計学園問題で、また新たな情報が出てきた。昨年秋ごろ、当時文科省事務次官だった前川喜平氏が官邸の首相補佐官に呼ばれ、加計学園の獣医学部開学に向けて“手続きを急げ”と圧力をかけられていたというのだ。
 その首相補佐官とは、和泉洋人氏。文科省は2003年に「獣医学部の新設は認めない」という公示を出しており、和泉首相補佐官は前川事務次官を呼び出すと、〈告示改正の手続きに向けて「(大学を所管する)高等教育局に早くしてもらいたい」と要求〉したのだという。このとき、前川次官は〈「(文科)大臣が判断されること」と明言を避けた〉が、この一件は複数の文科省幹部に伝えられたと今日の毎日新聞朝刊が伝えている。
 昨年の秋といえば、特区を担当する内閣府が「総理のご意向」「官邸の最高レベルが言っていること」などと文科省に加計学園の早期開学を迫っていたことが内部文書によってあきらかになっているが、今回の報道は、同時期に官邸が直接、文科省に圧力をかけていたことを示す。
 しかも、前川氏を呼びつけた和泉首相補佐官は、「菅房長官の懐刀」とも呼ばれる人物である。
 和泉氏は旧建設省出身で、現在は政府が名護市辺野古で進めている埋め立て工事で省庁を統括している人物であり、新国立競技場の“やり直しコンペ”を仕切ったのも和泉首相補佐官だといわれる。もともとは民主党・野田政権時代に内閣官房参与として官邸入り、そのまま安倍首相が留任させるという異例の人事が行われたが、その背景には和泉氏と付き合いが長かった菅義偉官房長官の後押しがあったとされるなど、菅官房長官の「片腕」という立場だ。ようするに、菅官房長官という「官邸の最高レベル」の片腕が直接、事務次官を呼びつけて早期認可を指示していたのである。
「総理のご意向」発言の内閣府審議官もぎりぎりまで反対していた
 さらに、昨夜放送の『報道ステーション』(テレビ朝日)でも、重要な証言が報じられた。
 文科省に対して「総理のご意向」「官邸の最高レベルが言っていること」と発言した人物は内閣府の藤原豊審議官と見られているが、今治市が国家戦略特区に選ばれた2カ月後の2016年2月に行われた今治市との面談では、藤原審議官はこんなことを語っていたと今治市関係者が証言したのだ。
「人口減少のなか、ほんとうに学生が集まるのか」
「財政的に非常に今治市の状況が悪い」「夕張市みたいになったら困るんじゃないですか」
「文科省がどういう判断をするか、それにかかっている」「内閣府としては主導ではやれない、やりにくい」
 これは証言だけではない。当時、今治市議会に出された報告書にも、藤原氏から「今治市の獣医学部新設は困難」と伝えられたことはしっかり記載されているのだ。つまり、昨年2月の段階では、内閣府も加計学園の獣医学部新設に反対の立場だったのである。
 しかし、この今治市関係者は「去年7月の参院選が終わってから急激に事態が動き出した」とし、こう話すのだ。
「市長がいろんなところでそういう話をしよるよと。『安倍総理の強いリーダーシップをもってやるから、これは安心してほしい』というようなことを」
 加計学園の獣医学部新設に難色を示していたはずの藤原審議官もまた、同年の9〜10月には「総理のご意向」と言って文科省に迫るなど“変節”しているように、内閣府にも何らかの圧力がこの間に加えられたのだろう。そして、こうした証拠・証言からもわかるように、圧力の源泉が「総理・官邸」であることは明白だ。
 同時に、この内閣府の転向を考えると、前川前次官をはじめ獣医学部新設に抵抗してきた文科省の役人は、官邸にとって相当目障りな存在だったに違いない。ここで俄然、気にかかるのは、そもそも前川氏が事実上のクビに追いやられた「文科省の天下りあっせん」問題の“出所”だ。
内閣府主導の文科省天下り処罰は加計認可反対派の一掃だった
 じつは、今週発売の「週刊新潮」(新潮社)の記事では、政治部記者がこんな証言を行っている。
「高等教育局が大学などを所管するわけですが、早稲田大学の教授になった局長は、加計学園の獣医学部新設には強硬に異を唱えていました。そのため、安倍官邸が、その首を挿げ替えたとも言われているのです」
 この文科省退職後に早稲田大学教授に天下った人物は、吉田大輔・前高等教育局長。その後の調査で文科省の組織的な関与によって再就職先のあっせんが横行していたことがわかり、事務次官だった前川氏は引責辞任した。
 たしかにこの天下りあっせんは違法であり大きな問題だが、はっきり言って組織的な天下りのあっせんなどはどの省庁でも“慣例”となっているもの。しかもこの天下り問題の端緒となったのは、新聞や週刊誌のスクープではなく、内閣府の再就職等監視委員会の調査だった。それを1月18日のNHKが報じ、同日午前の会見では菅官房長官が「実際に報道の通りの事案が行われていたとすれば極めて遺憾」と踏み込んで発言。翌日には官邸幹部が前川氏の責任を問い「けりをつけなければならない」と述べ(朝日新聞1月19日付)、20日付けで前川氏は退任した。
 当時から、官邸のこの“スピーディーすぎる対応”に「何か官邸の裏があるのでは」と見る向きもあったが、今回の問題によってあらためて、その疑惑は強まったのではないか。だいたい“出会い系バー通い”にしても、官邸は昨年の秋の段階で杉田和博官房副長官から在職中だった前川氏に「厳重注意」を行っていたことがわかっている。
 これ自体があきらかに意に沿わない前川氏に対する監視を匂わせた恫喝に近い行為だが、同じように出会い系バー通いを前川氏の実名証言の口封じのため読売新聞にリークして報道させるという官邸の謀略を見れば、天下りあっせんの問題も前川氏への報復のために官邸主導で行われた可能性は十分考えられる。いや、「週刊新潮」の記事にあるように、加計学園の獣医学部新設に異を唱えた結果、吉田高等教育局長が報復人事にあった可能性だって高いのだ。
 官邸のゴリ押しに抵抗すると、あらゆる手を使った報復が待っている──。こうなると、内閣府の藤原審議官の変節も納得できよう。一体、総理と官邸はどのように「行政をゆがめた」のか。さらなる追跡が必要だ。(編集部)


岡山・加計学園 獣医学部新設手続き「早く」 首相補佐官、前次官に要求 昨秋
 安倍晋三首相の友人が理事長を務める学校法人加計(かけ)学園(岡山市)が国家戦略特区で獣医学部を新設する計画について、文部科学省の前川喜平前事務次官が在職中の昨年秋、首相補佐官に呼ばれて開学の手続きを急ぐよう働きかけられたと省内に伝えていたことが関係者の話で分かった。開学を巡っては内閣府が文科省に「総理のご意向」と伝えたことを記録したとされる文書の存在が明らかになっているが、同時期に、首相周辺からも同省に迅速な対応を求めていた可能性が浮上した。
 関係者によると、前川氏は昨年秋ごろ、官邸の和泉洋人首相補佐官に呼ばれて、特区での獣医学部の新設について協議。文科省は2003年3月に「獣医学部の新設は認めない」との告示を出していたことから新設に慎重な姿勢を示していたことを踏まえ、和泉氏は告示改正の手続きに向けて「(大学を所管する)高等教育局に早くしてもらいたい」と要求したという。前川氏は「(文科)大臣が判断されること」と明言を避けたとされる。こうした経緯は前川氏から文科省の複数の幹部に伝えられた。
 一方、松野博一文科相は文書の存在が発覚した17日の衆院文部科学委員会で「官邸、首相から直接の指示があったのかということであれば、指示は全くない」と官邸側の働きかけを否定し食い違いを見せている。
 文科省の告示は今年1月に「国家戦略特区で18年4月に開校できる1校に限り認可する」との例外規定を加えて改正された。
 前川氏は25日の記者会見で、「文書は真正なもの」と証言。文科省に「総理のご意向」と伝えたとされる内閣府の藤原豊審議官は18日の衆院農林水産委員会で「内閣府として『総理のご意向』などと申し上げたことはない」と否定している。
 和泉氏は13年1月、首相補佐官に就任。「地方創生」担当を務める。和泉氏は前川氏への要求について「面会については記録が残っておらず、確認できません」と文書で回答した。【杉本修作】
 ■ことば
獣医学部新設の規制緩和
 政府の国家戦略特区諮問会議は2016年11月、「広域的に獣医師系養成大学等の存在しない地域に限り獣医学部の新設を可能とする」との規制緩和を決めた。当時、京都産業大(京都市)も学部新設を希望していたが、大阪府内に獣医師養成課程を設ける大学があり、京産大側は「『広域的に存在しない地域』と限定されると関西圏では難しい」として断念。一方、加計学園は愛媛県今治市で新設を計画。四国には獣医学部がなく、同学園は17年1月、獣医学部を設置する事業者として認定された。


寺脇 研
某全国紙から、27日朝刊のために前川さんの記者会見についてコメントを求められ、以下のように述べた(文章は記者がまとめてくれたもの)。
その数時間後、その記者から暗い声で電話が…
「このコメントは載せるな、と上からの命令があり掲載見送りになりました」
なのでここに出します。
いやはや、この国の既成メディアの状態はひどい。
今回の一件でそのことも明らかになりつつあります。
前川前文科次官の会見は堂々たるもので、信念の人だと改めて感じた。覚悟を決めて証言したのだろう。
 今回の問題は、獣医学部の新設を特区として認めるための手続きが適正に行われたかどうかにある。指摘された文書が本物とすれば、本来あるべき関係省庁の合意形成がないのに内閣府の官僚が首相の意向であるかのように恫喝し、文科省に設置審査入りを急がせていたことになる。
 官僚が首相の意向を勝手に忖度し、手柄を立てて評価してもらおうと強引に進めていたのなら大問題だ。忖度は森友学園の問題とも通じる。官邸が幹部人事をコントロールしていることが、忖度の行政を生んでいるのではないか。
 内閣府という役所は歴史が浅く、他の省庁のように役人としてどうあるべきかという「吏道」が確立していない。官邸の下部機構なので官邸が強大になれば内閣府の官僚は各省庁に対して強権を振るえる。本来、それぞれの所掌について責任を持ち政策提案するのが各省庁の本務のはずなのに内閣府の下請け状態となっている。これは正常な内閣制度とは言えない。


「あったものをなかったものにできない。」からもらった勇気

義家弘介文科副大臣が「便宜」を「ビンセン」と読み大恥! 安倍も菅も…日本語知らないインチキ保守の安倍政権
 文科省の前事務次官・前川喜平氏の証言に、菅義偉官房長官が公の場で正気とは思えない個人攻撃を連発するなど、全面対決となってきた加計学園問題。そんななか、文科省幹部からまったく別の意味で、情けなくなるような答弁が飛び出した。
 25日の参院農林水産委員会で、自由党の森裕子議員から情報公開のあり方について追及された、義家弘介文科副大臣だ。義家副大臣は事務方が用意した書類を読みながら、情報公開法第2条第2項について説明し始めたのだが、その条文にある「行政文書」の定義について、こうまくしたてたのである。
「まず前提として職員が単独で作成し、または取得した文書であって、もっぱら自己の職務の遂行のビン、ビンセンのためにのみ利用し、組織としての利用を予定していないもの、あるいは職員が自己の職務のビンセンのために使用する正式文書と重複する当該文書の写し、職員の個人的な検討段階にとどまるもの、などは『組織的に用いるもの』に該当しないという解釈、これも正式にでているものでありまして(略)」
 ようするに義家副大臣は、“省内職員の個人的やりとりに関する文書は「行政文書」にあたらないので公開する必要はない”という屁理屈をこねているのだが、いや、その前に「ビンセン」って、なに? 手紙の便箋? 官僚が書類を便箋に使うのか? ……というか「自己の職務の遂行の便箋」って日本語として意味不明だろう。
 実は義家副大臣が、「ビンセン」としきりに言っていたのは、「便宜」(べんぎ/びんぎ)のことだった。「ビンセン」と2回も繰り返したところをみると、どうやら義家副大臣、46歳までずっと「便宜」を「ビンセン」と読むのだと勘違いしてきたらしい。そういえば、義家副大臣は以前も国会で「世界各地にデジを持つ様々な民族が含まれている」と「出自」(しゅつじ)を「デジ」と読んだこともあった。
 この人、元教師で、「ヤンキー先生」とかなんとかもてはやされてきたはずなのに、生徒たちは大丈夫だったんだろうか……。さっそくネット上で「教師びんせん物語」(笑)などとからかわれている義家副大臣だが、しかし、笑えないのは、こんな漢字の読み方も知らない人間が、常用漢字を選定し、学校での漢字教育の方針を決めている省庁のナンバー2で、常々「日本の伝統を教育しろ」などとがなりたてているという事実だろう。
辞書に存在しない語釈を閣議決定した安倍政権
 ちなみに、義家副大臣は2010年に『ヤンキー最終戦争 本当の敵は日教組だった』(産経新聞出版)なる本を出版している。内容は“日教組は日本のガン!”のエンドレスリピートで、同書によれば、いじめ問題、不登校、学力低下、モンスターペアレンツの増加、性教育の内容、若者の年金未納などなど、すべて諸悪の根源は日教組と戦後教育にあるらしい。まさに頭スカスカの極右議員らしいいちゃもんだが、少なくとも学力低下(?)は日教組となんの関係もないことを自分で証明してしまったというわけだ。
 子どもたちに「愛国教育」を押し付ける前に、自分がもうちょっと日本語を勉強しろ、と言いたくなるではないか。
 しかし、考えてみれば、安倍政権の閣僚たちはみんな義家副大臣と似たり寄ったりだ。他人にはやたら「日本の伝統」を強制するわりに、自分は国の基盤とも言える「日本語」を恥ずかしくなるくらい知らない。
 その典型が安倍首相だ。今年1月の国会で、「訂正デンデンというご指摘は、まったくあたりません」と、云々(うんぬん)をデンデンと言ったことは記憶に新しい。さらに共謀罪の審議では、法案に関連する「そもそも」という言葉について「辞書で念のために調べたら『基本的に』という意味もある」などとのたまったが、実際には「基本的に」という意味を載せた国語辞典は存在しなかった。
 また、加計学園問題をめぐっては、同学園理事長の加計孝太郎氏と海外留学時代から親友だが、安倍首相は2014年、加計学園が運営する千葉科学大学でこんな挨拶をしている。
「30年来の友人である私と加計さんは、まさにバクシンの友であると思っています」
 この発言については、メディアが「腹心の友」と翻訳(忖度?)し、活字でもそのように流通しているのだが、実際の発言を動画で確認すると、やっぱり「腹心」ではなく「バクシン」というふうにしか聞こえない。バクシンが「幕臣」や「驀進」を指すとは思えないが、どちらにせよ「バクシンの友」という表現はない。もしかすると、“逆らうことのない友”という意味の「莫逆(ばくぎゃく)の友」と「腹心の友」をゴッチャにしたのかもしれないが、いずれにしてもその国語能力は疑問だ。
 また、官邸のスポークスマン・菅官房長官にも、ここにきて“日本語知らない”疑惑が浮上している。菅官房長官は一昨日の会見で、前川前次官をひたすら個人攻撃していたが、そのなかで「レンメンと地位にしがみついておりましたけれども」と発言。ほとんどのメディアはこれを「恋々(れんれん)と地位にしがみついて」と、親切に訂正してあげていたが、菅官房長官はまったく意味の違う「恋々」と「連綿」を混同していたのである。
 言っておくが、こうした安倍政権による言葉の言い間違えや読み間違え、あるいは珍言の類を「たかがそんなこと」と軽視してはならないだろう。実際、安倍首相はどこの辞書にも載っていない“「そもそも」=「基本的に」”という捏造した語釈を、驚くことに閣議決定までした。つまり、権力によって日本語を簡単に歪めてしまったのだ。
 そもそも、安保法制の議論の中で「我々が提出する法律についての説明はまったく正しいと思いますよ。私は総理大臣なんですから」などと宣言した安倍首相のこと。このままでは、憲法や民主主義だけでなく、日本語の読み方や意味までが、安倍政権によって歪められ、破壊されてしまうかもしれない。(編集部)


共謀罪法案 国連専門家の重い指摘
 プライバシーや表現の自由を不当に制約する恐れがある―。
 「共謀罪」法案について、人権状況を調査する国連特別報告者のジョセフ・ケナタッチ氏がこんな懸念を示す書簡を日本政府に送った。
 捜査機関が共謀を察知するには幅広い監視が必要になる。人権が侵害される心配が幾度となく指摘されてきた。同じ問題意識を国連の専門家も表明した事実は重い。政府は真摯(しんし)に向き合うべきだ。
 特別報告者は、国連の人権理事会が任命、独立した資格で各国の人権状況を調査し、理事会に報告する。ケナタッチ氏はプライバシーの権利に関する報告者だ。
 氏は法案を検討した結果、「計画」や「準備行為」の定義が曖昧で、恣意(しい)的に適用される可能性があると分析。国内論議ではあまり触れられなかった問題も次のように指摘している。
 ▽監視が強化されるのに、プライバシー保護策を新たに導入する条文や規定がない▽監視に対する令状主義を強化する予定がない▽監視活動を許可する第三者機関の設置が想定されておらず、捜査機関の裁量に委ねられる―。
 書簡は、これらの問題について日本政府の見解を問う質問状の形式を取っている。にもかかわらず政府はこれに答えるどころか、「一方的に書簡を発出した」と抗議文を送り付けている。
 ケナタッチ氏が「法案の欠陥について、一つも向き合っていない」と反論したのは当然だ。国連の調査に誠実に対応しないとの印象を与えたことは否めない。
 抗議文で政府が「法案は国民の意見を十分に踏まえて策定された」と主張しているのも疑問がある。政府はいつ、法案に対する国民の意見を聞いたのか。世論調査でも賛否は拮抗(きっこう)しており、誤った説明ではないか。
 政府が国連特別報告者の指摘を受け付けないのは、今回に限ったことではない。
 言論・表現の自由の保護に関する報告者のデービッド・ケイ氏が昨春、来日し関係者から聞き取り調査をした。特定秘密保護法に関し「秘密の定義が曖昧」と指摘。記者を処罰しないことの明文化を含めて法改正を提案した。法の適用を監視する専門家からなる独立機関の設置も求めた。
 政府は馬耳東風で、対応する動きは何もない。
 共謀罪法案は参院での審議に移る。ケナタッチ氏の指摘を踏まえて議論し、政府の独善的な姿勢も問わなければならない。


「共謀罪」書簡◆説得力のある反論できるか◆
 共謀罪の構成要件を取り込み「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案を巡り、衆院通過を前に国連特別報告者が政府に書簡を送り「深刻な欠陥のある法案をこれだけ拙速に押し通すことは絶対に正当化できない」と強く批判した。政府は「内容は明らかに不適切」と抗議。「国連の立場を反映するものではない」とする。
 一般人が適用対象になる恐れがあり「監視社会」を招くと訴える野党の反対を数の力で抑え込み、今国会中の成立を目指すが、思わぬところからの批判に政府はいらだちを隠せない。
「表現の自由」制約も
 特別報告者は国連人権理事会に任命され、個人の資格で表現の自由やテロリズム、貧困、女性差別など、さまざまなテーマに関わる各地の人権状況の調査を行う。菅義偉官房長官は「個人の調査」であることを強調するが、書簡で報告者が懸念する「プライバシーや表現の自由の制約」は、政府がこれまで多くを語っていない点だ。
 政府は速やかに反論を取りまとめて送り、公表すべきだ。共同通信世論調査では77・2%もの人が「政府の説明が十分だと思わない」と回答している。それも踏まえ、反論は詳細かつ丁寧なものでなければならない。
 書簡を送ったのはケナタッチ国連特別報告者。政府が外務省を通じて抗議すると、今度は「法案の欠陥に一つも向き合っていない」「法案やその他の法律のどこに、プライバシー権の保護と救済が含まれているか示してほしい」とする22日付の書簡が送られてきた。
 犯罪が実行され被害が生じる前の計画段階で罰するには、プライバシーに踏み込み「内心」を探ることが必要になる。適用対象の「組織的犯罪集団」の誰かが自首したり、周辺関係者が通報したりすることもあるかもしれないが、多くの場合は監視により捜査の端緒をつかむことになろう。
傍受対象の拡大懸念
 LINE(ライン)やメールもチェックされ、人権侵害につながると追及されると、金田勝年法相は「通信傍受法の対象犯罪ではなく、対象に追加する法改正も予定していない」とし「リアルタイムで監視できない」と答弁。さらに一般人が捜査対象になるとの指摘には「犯罪集団と関わらない一般人は捜査対象とならない」と説明した。
 傍受対象の拡大について、法相は「検討すべき課題」としていた当初の答弁を修正したが、警察内には期待する声が根強い。また一般人を巡って政府は、正当な活動をしている団体でも目的が一変して犯罪集団とみなされた場合、メンバーはもはや一般人ではないと説明。市民団体や労働組合も対象になるとの懸念は拭いきれないままだ。
 政府の反論が国会でこれまで繰り返してきた説明の焼き直しにすぎないなら、ケナタッチ国連特別報告者は納得せず再び書簡を送ってくるだろう。


「共謀罪必要か」滋賀で若者ら訴え 社民・福島氏らも参加
 滋賀県内の若者らで作るグループ「しーこぷ。」が27日、「共謀罪」の趣旨を盛り込んだテロ等準備罪を含む組織犯罪処罰法改正案に反対する街頭活動を草津市野路1丁目のJR南草津駅ロータリーで行った。女子高校生らが「こんな法案が日本に必要なのか」と、行き交う人々に訴えた。
 同グループは2015年に結成し、安保法反対デモなどを行ってきた。現在、メンバーは高校生〜30代の約30人。この日はメンバーの高校3年の女子生徒2人が、街宣車の上でマイクを手に、「政治家、メディアがなんと言おうと、自分で考え、声を上げることが大切」「ものが言えない社会は絶対に嫌。嫌なことは嫌と言っていいと皆さんに知ってほしい」と、政治への不満や決意を若者らしい言葉で語った。
 社民党の福島瑞穂副党首ら野党の議員らも参加した。福島氏は「戦争のできる国を目指す安倍政権を辞めさせよう」と呼び掛けた。


自民党の「9条加憲」論議 空文化を狙っていないか
 自民党が憲法改正推進本部の体制を見直し、自衛隊の存在を明記する「9条加憲」へ動き始めた。年内に自民党案をまとめるという。
 私たちは、戦争放棄を定めた9条1項と戦力不保持を定めた同2項を維持したまま、自衛隊の保持を明文化するという安倍晋三首相の提起をすべて否定はしていない。
 しかし、自民党内で取りざたされる条文案を聞くと、加憲の意図に疑念を覚えざるを得ない。
 首相に近い党幹部は「9条の2」を新設する案に言及している。それが「前条の規定にかかわらず、自衛隊を設置する」「前条の規定は自衛隊の設置を妨げない」などの表現であれば、自衛隊は9条1、2項の制約を受けないとの解釈につながる。
 そうした意図を裏付けるような考え方が昨年の参院選後、右派団体「日本会議」の中から出ている。
 日本会議の有力メンバーで、首相のブレーンとされる伊藤哲夫・日本政策研究センター代表は同センターの機関誌(昨年9月号)で、9条に第3項を加えて「前項の規定は確立された国際法に基づく自衛のための実力の保持を否定するものではない」とする加憲案を提起した。
 国際法に基づく自衛権には集団的自衛権も含まれる。この案の狙いは9条の制約外しにあるのではないか。機関誌(昨年11月号)には「自衛隊を明記した第3項を加えて2項を空文化させるべきである」との主張まで掲載されている。これでは9条の堅持どころか全否定になる。
 自衛隊を合憲とする政府の憲法解釈は、自国を防衛するための武力行使を合憲とした1954年の政府統一見解で確立している。
 他国への攻撃を自国への攻撃とみなして防衛するのが集団的自衛権だ。その行使については、自衛のための必要最小限度を超えるとして、政府は長く違憲と解釈してきた。
 安倍政権は2014年にこの憲法解釈を変更し、集団的自衛権の限定的な行使を可能とする閣議決定を行った。9条加憲の狙いが集団的自衛権の制約を解くことにあるのだとすれば、9条の空文化であり、再び国論を二分するだけだ。
 自民党は条文案の検討に入る前に9条加憲の目的を明確化すべきだ。議論の順番を間違えている。


教育の無償化 改憲と切り離すべきだ
 安倍晋三首相が改憲の具体的項目として、9条への自衛隊明記とともに、高等教育までの無償化を挙げた。
 憲法は義務教育を無償と定めている。これを大学など高等教育まで拡大するよう、憲法に書き込むとの提案だ。
 貧富の差に関係なく、誰でも大学で学べる社会の実現に異論はない。だが、無償化は改憲しなくても可能だ。事実、民主党政権時代には高校が無償化されている。
 首相は誰もが賛同する教育無償化とセットにすることで、反対が根強い9条改正に踏み込もうとしているかのようにも映る。
 無償化が必要と考えるなら、改憲論議と切り離して、すぐにでも取り組むべきである。
 憲法は26条で義務教育の無償化をうたっている。
 その対象拡大を禁じているわけではない。だからこそ、民主党政権下で高校無償化法が成立し、公立高校の授業料は免除、私立高校にも就学支援金が支給され、事実上無償化が実現した。
 これを、選挙目当ての「ばらまき」と批判したのは野党だった自民党だ。事実、政権交代後は所得制限を設け、制度を後退させた。
 にもかかわらず、突然の「変節」である。
 教育無償化については、日本維新の会も憲法による規定を求めている。9条改正という目的達成に向け、維新の協力を得るために無償化を「だし」にするような手法であるなら、到底認めがたい。
 経済協力開発機構(OECD)の調査では、日本の国内総生産に占める教育機関への公的支出割合は、比較可能な33カ国中32位だ。
 教育費の多くを家庭が負担している。こうした実態が少子化の一因にもなっている。教育の無償化は喫緊の課題なのだ。
 幼児教育から高等教育まで無償にすると、年間4兆円以上が必要とされる。財源を巡っては教育国債発行や、社会保険料引き上げによるこども保険創設などが出ているが、いずれも決め手に欠ける。
 さらに、世帯収入に関係なく全員を対象とするのか、無償化の範囲は幼児教育だけか、高等教育まで含むのか―など、実現に向けては難問が山積みだ。
 解決には、国会が党派の壁を取り払って、活発な議論を展開することが欠かせない。
 無償化を本当に実現したいのであれば、対立点の少なくない憲法を絡めて提唱したところで、逆効果ではないか。


精神福祉法改正案 「現場の声」聴いて再考を
 当事者ら「現場の声」に背を向けた法案なら政府は考え直した方がいい。先議の参院で自民、公明の与党などの賛成多数で可決した精神保健福祉法改正案のことだ。
 措置入院患者の支援強化を図る狙いだという。「社会復帰の促進及(およ)びその自立と社会経済活動への参加促進のために必要な医療その他の援助を適切かつ円滑に受けることができるよう退院後支援の仕組みを整備する」とうたった。
 退院後の支援が不十分との反省から、その仕組みを整えるという目的に異論はない。問題は内容にある。患者の退院後支援計画を作るため、都道府県や政令市が設ける精神障害者支援地域協議会に警察の参加を想定していることだ。
 所管の厚生労働省は「犯罪行為に発展するケースへの対応を協議するため」と説明する。この改正案は、相模原市で昨年7月に起きた障害者施設殺傷事件がきっかけとなってまとめられた。
 起訴された元施設職員は事件前、障害者殺害を示唆する言動で措置入院となったが、退院後の住所を相模原市や病院が把握していなかったことが問題になった。
 確かに衝撃的な事件だった。しかし障害の程度や因果関係は証明されていない。にもかかわらず支援の枠組みに捜査当局が加わることには監視強化の懸念が大きい。
 日本障害者協議会は「精神障害者への差別・偏見を助長し、権利侵害の危険性がある」と疑問を投げ掛ける。日本精神神経学会も「精神科医療の役割は病状改善など精神的健康の保持増進。犯罪防止を目的として法改正をすべきではない」と指摘する。
 こんな声を気にしたのだろう。厚労省は改正案の趣旨に盛り込んでいた「事件の再発防止」の表現を審議途中で削除した。異例の対応で塩崎恭久厚労相が陳謝した。
 法律の必要性を示す趣旨を変えたなら、内容も再検討するのが筋だろう。政府、与党は早期成立を目指すというが、拙速な法改正は危うい。退院後の支援で本当に必要なことは何か。「現場の声」にもっと耳を傾けて再考すべきだ。


国連 山城議長拘束で是正求める 2月に緊急アピール
 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設への抗議活動中に逮捕された沖縄平和運動センターの山城博治議長=傷害罪などで公判中=に関し、国連の特別報告者4人が2月末、長期拘束などには国際人権法上問題があるとして日本政府に速やかな是正を求めていたことが分かった。国連人権高等弁務官事務所が26日、4人の緊急共同アピールを公表した。
 山城議長は3月18日に保釈されたが、人権団体は「アピールが圧力になった可能性がある」と指摘している。
 一方、日本政府は4月10日にジュネーブの国際機関代表部を通して「問題ない」とするアピールへの回答を送付。


米軍が密かに開発した「オナラ爆弾」「フェロモン爆弾」「催淫爆弾」 約8億円投じたものの実用ならず
8億3000万円の研究費
役には立たないけれど「人々を笑わせ、考えさせた研究」を毎年表彰しているイグ・ノーベル賞。
「ウシのウンコからバニラの香りを抽出」('07年・化学賞)や「床に置かれたバナナの皮を踏んだときの摩擦の大きさの研究」('14年・物理学賞)など、日本からも数多くの受賞者が出ている。
歴代の授賞のなかでも、「そんなアホな」と一際注目を集めたのが、'07年、アメリカのライト・パターソン空軍研究所に贈られた平和賞だ。
研究のテーマは、「敵軍を殺傷することなく、規律や士気を下げさせる兵器の開発」。
なかでもユニークなアイディアだったのが「オナラ爆弾」だ。
これは、爆発するとオナラや強烈な口臭に似た悪臭を放つことで、敵を精神的に追い詰めることを期待した兵器。さらに、ニオイによる物理的な効果と同時に、敵の兵士が「屁をこいたのは誰だ?」と互いに疑心暗鬼に陥り、精神状態が攪乱されることも狙っていた。
研究所が残した文書によれば、オナラ爆弾の研究の歴史は古く、第二次世界大戦末期の'45年には既にアイディアの原型が出され、以来継続的にアメリカ軍のなかで研究が行われてきた。
しかし、試行錯誤の末にたどり着いた結論は「オナラの臭いは普段から嗅ぎ慣れているもので、それほどの混乱は起こらないのではないか」という極めて平凡なもの。
この文書にはオナラ爆弾の他にも、「戦闘地帯に大量の蜂の巣を隠し、敵軍が通過する瞬間にミツバチのフェロモンを噴射し、ハチに刺されるように仕向ける爆弾」や、「催淫剤をバラまき、敵兵に淫らな気持ちを催させて戦闘不能にする爆弾」など、荒唐無稽な兵器の開発をアメリカ軍が大真面目に検討していたことが記されている。
ちなみに、「非殺傷兵器プロジェクト」に投じられた費用は合計で約750万ドル(約8億3000万円)。これだけの巨費を投じたにもかかわらず、実用化に至ったアイディアはゼロ。
まさに、「屁にもならない」研究だった。

パワーアップ計画基本OK/トランプ??

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Découverte : le centre Zen de Limoges
Le bouddhisme fait de plus en plus d'adeptes à travers le monde. En Limousin, ils seraient neuf cents à le pratiquer. A Limoges, un centre Zen a vu le jour il y a une quinzaine d'années.
Par Marie-France Tharaud
De plus en plus de personnes, partout dans le monde, pratiquent le bouddhisme.
Ce n'est pas à proprement parler une religion, plutôt un mode de méditation qui, dans nos sociétés souvent perturbées, permet à chacun de retrouver la véritable dimension de l’être humain et l'équilibre fondamental de son existence.
Il existe plusieurs pratiques du bouddhisme : tibetain, khmer ou japonais comme c'est le cas au centre Zen de Limoges.
Le centre a été créée en 2003 et une trentaine d'adeptes y pratiquent le Zazen, la méditation sans objet, dans le silence et l'immobilité les plus absolus.
Trois questions sur la bactérie découverte dans la Station spatiale international
Cette bactérie, découverte dans un filtre de l'ISS, a résisté pendant trois ans à des températures extrêmes et aux radiations ultraviolettes.
Elle n'est pas extraterrestre, mais elle n'est pas tout à fait terrestre non plus. Une bactérie découverte dans un filtre de la Station spatiale internationale (ISS) attire la curiosité des chercheurs, a rapporté le magazine Wire (en anglais), dimanche 21 mai. Baptisée Solibacillus kalamii, en hommage au 11e président indien Abdul Kalam, mort en juillet 2007 et connu pour son implication dans la recherche spatiale, elle a commencé à livrer ses secrets.
Voici ce que l'on sait de cette bactérie décrite dans un article publié dans la revue International Journal of Systematic and Evolutionary Microbiology (en anglais).
Comment la bactérie a-t-elle été découverte ?
Les chercheurs du Jet Propulsion Laboratory sont à l'origine de cette découverte. Ils sont chargés par la Nasa de surveiller la prolifération des bactéries et des micro-organismes dans l'ISS, un espace confiné à quelque 400 kilomètres de la Terre et dans lequel 227 astronautes ont vécu depuis son lancement. Car les bactéries et les moisissures prolifèrent facilement dans l'environnement clos de la station et doivent être surveillées de près pour ne pas mettre en danger les astronautes (les moisissures pourraient notamment ronger les parois).
A partir de 2013, les chercheurs se sont penchés sur un filtre qui avait été installé dans la station spatiale entre janvier 2008 et mai 2011, raconte le magazine américain. C'est dans ce filtre, qui fait partie du système de nettoyage de l'ISS, que les scientifiques ont relevé une bactérie inconnue.
Comment est-elle arrivée là ?
Pour le laboratoire de la Nasa qui l'a analysée, il y a toutes les chances que la bactérie ait été acheminée depuis la terre dans l'ISS via l'une des cargaisons, et qu'elle ait muté dans l'espace.
Ainsi, elle ne ressemble à rien de ce que l'on trouve sur Terre, mais ne semble pas non plus être d'origine extraterrestre. De là à estimer qu'elle est une bactérie mutante ? "Il n'y a aucun élément qui permette de le penser, pour l'instant", relativise Michel Viso, responsable du programme exobiologie au Centre national d'études spatiales, interrogé par franceinfo. "C'est simplement une nouvelle variété de bactérie qui a été identifiée. Il faut savoir qu'elle partage à peu près 99% de son génome avec sa plus proche cousine tout à fait courante : Solibacillus silvestris, que l'on trouve sur les feuilles des pommes de terre. Où a-t-elle muté, d'où vient-elle ? Je ne pense pas que scientifiquement, on puisse actuellement répondre à ces questions."
Quelle est la particularité de cette bactérie ?
Pour les scientifiques (qui n’ont pas encore terminé d’identifier complètement la bactérie, rappelle Numerama), il semblerait que Solibacillus kalamii se soit révélée particulièrement résistante : le micro-organisme a prospéré et a résisté pendant 40 mois, soit plus de trois ans, dans ce filtre. Le fait d'être exposé à des températures allant de -20 °C à -40 °C et d'être face aux radiations ultraviolettes ne l'a pas altéré. Certes, il ne s'agit pas de la première bactérie à résister aux radiations cosmiques (des algues vertes, présentes à l'extérieur de l'ISS, ont réussi à survivre pendant 530 jours), mais elles n'avaient pas muté comme c'est le cas de celle-ci.
Pour ceux qui l'étudient, cette bactérie pourrait servir à protéger les astronautes des radiations dans la perspective d'un long périple jusqu'à Mars.
フランス語
フランス語の勉強?

パワーアップ計画基本OKということで,準備頑張ろうと思います.でもその前にしなくてはいけないことがたくさんあるんです・・・
トランプの件で相談しました.

“首相のイエスマン”山本地方創生相に使途不明の政治資金
 加計学園問題をめぐる国会答弁でも、「安倍総理からの指示はない。私が決断した」とかばっていた。国家戦略特区を担当する山本幸三地方創生相(68)が16年8月に就任以降、加計学園の獣医学部は異例の早さで認可申請にこぎ着けた。
「首相のイエスマン」と称される山本氏の忖度ぶりは極めて怪しいが、政治資金の使途も随分と怪しい。
■裏金づくりの疑念も
 日刊ゲンダイは政治団体「山本幸三後援会」の1件1万円以下の支出に関わる「少額領収書の写し」(12〜14年分)を入手。精査すると、巨額の“使途不明金”が見つかった。
「後援会」の、交際費などに関わる「組織活動費」の項目には、「領収書等を徴し難かった支出の明細書」として大量の支出が記載されている。「支出の目的」欄には全て「会費」と記され、3年間で計301件、総額145万3900円にも上る。
 1回当たりの支払額は最少200円、最大1万円。主に5000円以上の支出が目立つ。日付の記入はあるが、支出先は一切、記載がない。領収書を貼付しなかった理由は、全て「発行されなかった為」とある。まさに支出先不明の“ブラックボックス”だ。
 日刊ゲンダイは、何人もの大臣の少額領収書の怪しい支出を追及してきたが、これほど大量で巨額な“使途不明金”が見つかったのは、他に例はない。
 さらに精査していくと、“使途不明金”の正体をうかがわせる怪しい領収書が紛れ込んでいた。「後援会」は13年、地元・福岡県内のスナックに2度支出。金額はそれぞれ5000円と7980円で、ただし書きはともに「会費」だ。名目はやはり「組織活動費」である。
 本来、ポケットマネーで支払うべき飲み代を政治資金で賄ったようにしか見えない。そんな怪しい支出がおびただしい数に上るため、「領収書等を徴し難かった」とゴマカしたのではないか。
 山本事務所に問い合わせると、「政治資金は法令に従い適正に処理し報告をしているところです」と判で押したような回答。
 政治資金に詳しい上脇博之神戸学院大教授はこう言う。
「山本事務所の回答では、『明細書』にある支出が真実であることはおろか、正当であることの証明にもなりません。私的な支払いを潜り込ませた可能性も考えられますし、裏金づくりのため、虚偽の支出を計上したと疑われても仕方がありません」
 後ろめたくないのなら、詳細に説明すべきだ。


財務省も動くか “反アベノミクス勉強会”に自民議員60人
 ついに、正面切って安倍政権を告発した前川喜平前文科事務次官。文科行政を歪めただけでなく、存在する文書を「ない」と言い張る安倍官邸にガマンができなくなったようだ。
 どの省庁も、人事権をかさに着た安倍政権の強権支配に不満をためているだけに、この先、義憤に駆られた第2、第3の前川喜平氏が現れる可能性はゼロじゃない。いま、安倍官邸が密かに恐れているのが、財務省の造反だという。
 自民党の野田毅氏と村上誠一郎氏が16日に立ち上げた「アベノミクス批判」の勉強会は、財務官僚が裏から手をまわしてつくらせたものだとみられている。
「野田毅さんを代表発起人として発足した勉強会は、まるで“反主流派”“反アベノミクス”の巣窟です。表向き、財政や金融政策、社会保障の立て直しを勉強することになっていますが、真の目的は、公約通り安倍首相に消費税増税を実施させることでしょう。驚いたのは、自民党議員が約60人も参加したことです。野田さんも村上さんも、一匹狼のような存在で、自分で人を集めるようなタイプではないし、あの2人が声をかけても簡単には人が集まらない。60人も集まったのは、財務省が裏で動いたからでしょう。実際、野田さんも村上さんも、財務省に近いですからね」(政界関係者)
 財務省に近い野田氏と村上氏が「反アベノミクス」の勉強会を立ち上げたことで、永田町には「財務省も安倍降ろしに動きだしたのか」と疑心暗鬼が広がっている。政治評論家の本澤二郎氏が言う。
「財務省が安倍首相に不満を強めているのは間違いありません。2回も念願の消費税増税を先送りされていますからね。そのうえ、森友疑惑ではドロをかぶらされている。もし少しでも安倍政権に陰りが見えたら、一気に倒閣に走ると思う。霞が関の強みは森友疑惑や加計問題で安倍政権の弱みを握っていることです。官僚組織が本気で“反安倍”で動いたら、政権はあっという間に倒れる可能性が高いですよ」
 驕れる者久しからず。「安倍1強支配」にほころびが見えはじめている。


ウーマンラッシュアワー村本、カンニング竹山、町山智浩、SKY-HI、ちばてつや…共謀罪に対して反対の声をあげる芸能人・文化人が続出!
 周知の通り、共謀罪法案が今月23日に衆院を通過した。捜査対象の範囲が明確ではなかったり、恣意的な解釈により権限の濫用が起こる危険性が極めて高い、とんでもない悪法であるのは明白なのだが、政権与党はまともな議論に応じようともせず、いつものように強行採決に踏みきった。
 思想信条の自由や表現の自由を著しく侵害する恐れのある共謀罪には、かねてより多くの芸能人や文化人が反対を表明してきた。
 本サイトでもこれまで、漫画家の山本直樹をはじめ、浅田次郎、森達也、香山リカ、平野啓一郎、柳広司、映画監督の周防正行といった作家たちが共謀罪に反対する発言を取り上げている。(http://lite-ra.com/2017/05/post-3164.htmll)(http://lite-ra.com/2017/04/post-3078.html
 また、共謀罪に反対の声をあげているのは作家だけではない。佐野元春を筆頭に、ASIAN KUNG-FU GENERATIONの後藤正文、ケラリーノ・サンドロヴィッチ、ロマン優光、ECDなど、ミュージシャンにも声をあげる者は多く、こちらも以前当サイトで紹介している。(http://lite-ra.com/2017/05/post-3168.html
 しかし、そんななか、共謀罪は衆院で強行採決。そして、この状況に声をあげる文化人や芸能人の数はさらに増えていく。
 カンニング竹山(竹山隆範)は強行採決のニュースに対し、〈何故そんなに急いでやる必要性があるのか! なんかやっぱ怖いっす。〉とツイート。国民はもとより、肝心の金田勝年法務大臣ですら法律の中身を理解できていない(もしくは、する気もない)ような状況で強行に採決を押し進める拙速な国会運営に危機感を表明していた。
 また、ウーマンラッシュアワーの村本大輔はツイッターにこんなコメントを投稿している。
〈マリーアントワネットの頃に共謀罪があったらフランス革命は起こってなくて、いまも独裁の国で貴族は金持ちのまま、庶民は貧しいままだったと思う。国民から声を奪う法律、共謀罪大反対。〉
ウーマンラッシュアワー村本「監視すべきは国民ではなく国会議員」
 まさしく、村本が指摘している通り、いったん共謀罪が施行されてしまったら、我々国民は政府が行うことに対して団結して異議申し立てをすることができなくなってしまう。共謀罪は「平成の治安維持法」であり、この法律によって、いよいよ安倍晋三“独裁”政権は完成を見ることになる。
 では、その一方で、当の安倍首相はといえば、森友学園に加計学園と、自身の「お友だち」に便宜を図り、国民の財産を意のままに私物化している。本当に監視されるべきは、我々国民ではなく、安倍首相ご本人なのではないだろうか? このような一連のスキャンダルを念頭に置いているのだろう。村本はこのような皮肉もツイートしている。
〈共謀罪、国民が悪いことしないかプライバシーを侵害して監視するなら、国会や政治家のプライバシーこそ侵害させてもらって覗かせてもらいたい。〉
〈国会議員のメール等を国民が監視する法案。共謀罪改め、むちゃくちゃな法案等準備罪を作って欲しい。〉
 既報の通り、共謀罪に対しては、国連の特別報告者であるジョセフ・ケナタッチ氏が、共謀罪法案について「プライバシーや表現の自由を不当に制約する恐れがある」と指摘する書簡を、直接、安倍首相宛てに送付した。
 しかし、菅義偉官房長官は、書簡について「不適切なものであり、強く抗議を行っている」と回答。もともと共謀罪は国際組織犯罪防止条約ために必要だという名目だったはずで、国連のためにつくっていた法律だったのでは?と国民の誰もが突っ込まざるを得ない展開になっているが、映画評論家の町山智浩もまさしくツイッターでその点を指摘した。
〈共謀罪は「国際組織犯罪防止条約のため」と言ってたのに国連から「人権侵害」と叱られたらちゃんと回答せずに逆ギレって、マジどうかしてる。〉
 町山智浩が共謀罪に反対の声をあげる理由、それはやはり共謀罪が思想信条や表現の自由を破壊する法律であるからである。そして、この法律ができた後は、権力に抗うような創作物をつくることは不可能になる。映画でも音楽でも小説でもマンガでも演劇でも。内心の自由を奪われたその世界は、もはやディストピア以外の何ものでもない。彼はこのようにツイートしている。
〈私が共謀罪に反対するのは共謀罪を適用される行為を過去に何回かしてきたし、フラッシュモブや突然路上ライブや無許可ゲリラ撮影や独裁政権打倒の市民蜂起がやりにくくなるし、破壊や騒乱の夢を友と語り合うのが好きだから。でもそんなはぐれものでいる自由はある。〉
SKY-HI、ちばてつやが危惧する「共謀罪」が戦争の気配を準備する可能性
 権力に楯突く者の言論が奪い去られた国はどのような末路を歩むのか。それは、日本史の教科書をめくり、治安維持法が施行された後の日本で何が起きたのかを読めば一発でわかる。AAAのメンバーで、SKY-HI名義でラッパーとしてのソロ活動も行う日高光啓は、共謀罪の後に確実にやってくる「戦争の気配」を指摘する。彼はツイッターでこのように綴っていた。
〈トランプ政権以降の国家間、人種間の軋轢や日本でも共謀罪の衆院通過とかなってくると戦争の気配は感じずにいられない〉
 30歳になったばかりのSKY-HIとまったく同じ危惧を、現在79歳のちばてつやも指摘する。ちばは自身の戦争体験を語りつつ、作家から表現の自由が奪われることにより引き起こされる悲劇について語り続けてきた漫画家だが、彼は「AERA」(朝日新聞出版)2017年5月29日号のインタビューで、共謀罪施行後の日本と太平洋戦争中の日本を照らし合わせながら、このように危惧を語っている。
「日本は今、ゆっくりとした大きな渦の縁にいる。戦争とか、どす黒いものがたくさん入っていて、その渦に巻き込まれるかどうかの境目だと思う」
「共謀罪もそうだけど、政治家は自分たちはいいことをしていると考えているんですよ。テロが起きないように、よい日本をつくるためだって。ただ、戦前にも同じような時代があったことを知らない。当時を知っている人は、もっと伝えないと」
 共謀罪は今後、参議院で審議されていくが、過去3回廃案にしているように、今回も必ず廃案にさせなくてはならない。そのためにも、もっと多くの人に声をあげてほしいと願うばかりである。(編集部)


共謀罪議論/速やかに反論の公表を
 共謀罪の構成要件を取り込み「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案を巡り、衆院通過を前に国連特別報告者が政府に書簡を送り「深刻な欠陥のある法案をこれだけ拙速に押し通すことは絶対に正当化できない」と強く批判した。
 菅義偉官房長官は書簡はあくまで「個人の調査」であるとし、「内容は明らかに不適切」と抗議、「国連の立場を反映するものではない」とするが、思わぬところから批判が飛び込んできたことに政府はいらだちを隠せない状況も生まれている。
 一般人が適用対象になる恐れがあるとし、「監視社会」を招くと訴える野党の反対を押し切り、与党は今国会中の成立を目指すが、政府は書簡に対して速やかに反論を取りまとめるとともに、公表すべきだろう。
 特別報告者は国連人権理事会に任命され、あくまで個人の資格で表現の自由やテロリズム、貧困、女性差別など、さまざまなテーマに関わる各地の人権状況の調査を行っている。書簡で懸念されたのは「プライバシーや表現の自由の制約」は、政府がこれまで多くを語っていない点でもある。
 共同通信世論調査では77・2%もの人が「政府の説明が十分だと思わない」と回答している。それも踏まえ、国民の納得が得られるよう詳細かつ丁寧な反論を望みたい。
 書簡を送ったのは、ケナタッチ国連特別報告者。国連によると、特別報告者は「人権擁護の最前線」に立つ専門家で「特定の国における人権状況や世界的な人権侵害について調査、監視し、公表する」立場だという。
 最初の書簡は18日付で安倍晋三首相宛てだった。法案にある「計画」や「準備行為」のあいまいさなどの「欠陥」を指摘した。
 政府が外務省を通じ抗議すると、今度は「法案の欠陥に一つも向き合っていない」、「法案やその他の法律のどこに、プライバシー権の保護と救済が含まれているか示してほしい」とする22日付の書簡が送られてきた。
 犯罪が実行され被害が生じる前の計画段階で罰するにはプライバシーに踏み込み「内心」を探ることが必要。適用対象の「組織的犯罪集団」の周辺関係者が通報することもあるかもしれないが、多くの場合は監視により捜査の端緒をつかむことになろう。
 野党側から、LINE(ライン)やメールもチェックされ、人権侵害につながると追及されると、金田勝年法相は「通信傍受法の対象犯罪ではなく、対象に追加する法改正も予定していない」とし「リアルタイムで監視できない」と答弁。一般人が捜査対象になるとの指摘には「犯罪集団と関わらない一般人は捜査対象とならない」と説明した。
 傍受対象の拡大について、法相は「検討すべき課題」としていた当初の答弁を修正したが、警察内には期待する声が根強い。一般人を巡って政府は、正当な活動をしている団体でも目的が一変して犯罪集団とみなされた場合、メンバーはもはや一般人ではないと説明している。
 国内外からの疑問に答えるために、これまで繰り返してきた説明の焼き直しにとどまらず、しっかりとした反論を組み立てるべきだ。


「共謀罪」書簡 速やかに反論公表を
 共謀罪の構成要件を取り込み「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案を巡り、衆院通過を前に国連特別報告者が政府に書簡を送り「深刻な欠陥のある法案をこれだけ拙速に押し通すことは絶対に正当化できない」と強く批判した。政府はすぐに「内容は明らかに不適切」と抗議。「国連の立場を反映するものではない」とする。
 一般人が適用対象になる恐れがあり「監視社会」を招くと訴える野党の反対を数の力で抑え込み、今国会中の成立を目指すが、思わぬところから批判が飛び込んできたことに政府はいらだちを隠せなかった。森友学園問題に続く加計学園問題の表面化などによって審議日程が窮屈になる中で反対論が勢いづくのを警戒してのことだろう。
 特別報告者は国連人権理事会に任命され、個人の資格で表現の自由やテロリズム、貧困、女性差別など、さまざまなテーマに関わる各地の人権状況の調査を行う。菅義偉官房長官は「個人の調査」であることを強調するが、書簡で報告者が懸念する「プライバシーや表現の自由の制約」は、政府がこれまで多くを語っていない点でもある。
 政府は速やかに反論を取りまとめて送り、公表すべきだ。共同通信世論調査では77・2%もの人が「政府の説明が十分だと思わない」と回答している。それも踏まえ、反論は詳細かつ丁寧なものでなければならない。
 書簡を送ったのは、ケナタッチ国連特別報告者。国連によると、特別報告者は「人権擁護の最前線」に立つ専門家で「特定の国における人権状況や世界的な人権侵害について調査し、監視し、公表する」という。最初の書簡は18日付で安倍晋三首相宛てだった。法案にある「計画」や「準備行為」のあいまいさなどの「欠陥」を指摘した。
 政府が外務省を通じ抗議すると、今度は「法案の欠陥に一つも向き合っていない」「法案やその他の法律のどこに、プライバシー権の保護と救済が含まれているか示してほしい」とする22日付の書簡が送られてきた。
 犯罪が実行され被害が生じる前の計画段階で罰するには、プライバシーに踏み込み「内心」を探ることが必要になる。適用対象の「組織的犯罪集団」の誰かが自首したり、周辺関係者が通報したりすることもあるかもしれないが、多くの場合は監視により捜査の端緒をつかむことになろう。
 LINE(ライン)やメールもチェックされ、人権侵害につながると追及されると、金田勝年法相は「通信傍受法の対象犯罪ではなく、対象に追加する法改正も予定していない」とし「リアルタイムで監視できない」と答弁。さらに一般人が捜査対象になるとの指摘には「犯罪集団と関わらない一般人は捜査対象とならない」と説明した。
 傍受対象の拡大について、法相は「検討すべき課題」としていた当初の答弁を修正したが、警察内には期待する声が根強い。また一般人を巡って政府は、正当な活動をしている団体でも目的が一変して犯罪集団とみなされた場合、メンバーはもはや一般人ではないと説明。市民団体や労働組合も対象になるとの懸念は拭い切れないままだ。
 政府の反論が国会でこれまで繰り返してきた説明の焼き直しにすぎないなら、ケナタッチ特別報告者は納得せず再び書簡を送ってくるだろう。(共同通信・堤秀司)


自転車推進法 新たな交通体系の一歩に
 手軽に使えて環境にも優しい自転車を、交通体系の柱の一つに位置付ける一歩としたい。
 自転車活用推進法が今月1日、施行された。交通混雑の緩和をはじめ国民の健康増進にも役立つとして、超党派の議員立法により昨年末に成立した。
 自転車道整備や安全教育、災害時の活用など14の重要施策を挙げて国に推進計画策定を義務付け、自治体にも対策を求めた。5月を「自転車月間」と定めている。
 国内の自転車保有台数は約7200万台に上る。幼児から高齢者まで利用できることから種類も豊富になった。電動アシスト付きやスポーツタイプなど用途に応じて選択の幅が広がっている。
 通勤・通学用の受け皿となる駐輪場整備も全国的に進み、交通混雑の緩和や二酸化炭素の排出量削減につながっている。
 ただ、事故の懸念は絶えない。国土交通省によると、交通事故全体が2015年は約53万6千件と10年前に比べて約4割減なのに、自転車と歩行者の事故は年間約2500件で横ばい状態という。
 自転車の交通ルールが広く知られていないのが大きな要因だ。
 自転車は道交法上「軽車両」に分類され、車道を走らなければならない。例外的に幅員の広い歩道では通行を認める標識があるが、その場合も車道側の通行義務など細かな規則がある。
 自転車の運転には免許も講習も不要だ。それが手軽さの理由でもあるが、ルールやマナーの周知徹底は必要である。
 13年に施行した福岡市の自転車安全利用条例は道交法の順守を求めるとともに、市立の中学と高校に安全教育の推進と通学用の独自の運転免許導入を呼び掛け、販売店には啓発の努力義務を課した。
 自転車は高齢者ら「買い物弱者」対策など有効活用の可能性を秘めている。九州では長距離のサイクリング道のほか、地域の名所・旧跡を巡るコースの設定など観光振興にも役立っている。推進法の施行を契機に官民で知恵を絞り、地域活性化にもつなげたい。


カール売り上げ低迷49年で幕 9月から西日本限定
 日本のスナック菓子を代表する商品の1つ「カール」が9月以降、中部以東で買えなくなる? 明治は25日、カールの販売を、北海道から中部までの地域で、8月生産分を最後に終了すると発表した。関西以西では「チーズあじ」「うすあじ」の2品に絞って販売を続ける。
 現在、カールには「チーズあじ」「うすあじ」「カレーあじ」と「大人の贅沢カール」2種類、「小つぶカール」2種類の計7商品があるが、中部以東では9月以降、すべての販売を取りやめる。明治によると、イメージキャラのカールおじさんは続投するという。
 カールの売り上げはピーク時の90年代には190億円に達したが、近年は低迷し、昨年度は60億円。カールの部門は十数年間、赤字が続いていた。1968年(昭43)の販売開始当初から放送され、「いいもんだ〜な〜 ふるさとは〜」の歌でおなじみのテレビCMも14年4月に打ち切り。3年前にはカール全商品の販売終了も検討されたが、国民に長年愛された商品だけに、明治ではブランド存続の道を探ってきた。
 軽くてかさばるスナック菓子は輸送の物流効率が採算性の鍵を握る。カールは埼玉県、静岡県、大阪府、山形県、愛媛県の5工場で生産されているが、今後は愛媛の工場で2品目だけを生産し、滋賀、京都、奈良、和歌山の1府3県以西で販売することで、ブランドを残す結論に至った。明治関係者は「これしかなかった」と話す。
 今後、明治が販売した卸売業者が、東日本に出荷する可能性はあるが、物流コストとの兼ね合いで対応は見通せない。


特集ワイド 今光る自民党先達の言葉
 かつての自民党は、議員同士が政策論争を繰り広げ、切磋琢磨(せっさたくま)していた。しかし、「安倍1強」の今、安倍晋三首相に耳の痛い話は党内から聞こえてこない。ならば先達が残した言葉の中から探してみたい。今こそリーダーにかみしめてほしい箴言(しんげん)は何か。【小林祥晃】
1 政治とは何か。生活である(田中角栄)
 「首相は、自分を支持しない人も含めた国の代表。それなのに、安倍首相は党内の反対者を排除して、お友達を要職に重用し、異論反論を封じる。国会でも野党の質問には正面から答えようとしない。これでは国民の代表者ではなく、党派の代表のようにしか見えません」
 こうため息交じりに話すのは「路地裏の民主主義」などの著書がある文筆家の平川克美さんだ。安倍政権と対照的なのは、田中角栄元首相が見せた国民との向き合い方だと言う。
 「政治家の役割は、突き詰めれば国民を飢えさせないことと、生命、財産が犠牲となる戦争を防ぐこと。国民全体の生活を底上げすると訴えた田中氏には、支持者かどうかに関わりなく、自分は国民の代表という意識を強く感じるのです」
 長年、秘書を務めた早坂茂三氏の著書「オヤジの知恵」にこんな角栄語録があった。
 <政治とは何か。生活である>
 意味するところは、国民が働く場所を用意し、衣食住を向上させ、戦争を起こさず穏やかに暮らせるようにするのが政治の目的だということだ。
 1970年、日米安保条約の延長に反対する若者らが自民党本部前でデモを繰り広げた時に、党幹事長だった田中氏はこんな言葉を述べた。
 <日本の将来を背負う若者たちだ。経験が浅くて、視野はせまいが、真面目に祖国の先行きを考え、心配している。若者は、あれでいい>
 学生運動や労働運動は、政権を揺るがしかねない力を持っていた時代だ。それでも批判を正面から受け止めようとする懐の深さが感じられる。
 一方の安倍首相はどうか。今月22日、政権に批判的な朝日新聞の報道について「言論テロ」「狂ってる」などとする劇作家の投稿に、自身のフェイスブックから「いいね」と評価するボタンが押されていたことが明らかになった。
 平川さんは言う。「田中氏は、記者に対して『君たちは年がら年中わしらを批判する。どんどん批判しろ。それが君たちの仕事だ』と発言したそうです。安倍首相は、国会で批判されただけで『私をおとしめようとする』などと激しく反発し、質問をはぐらかす。『勝つか負けるか』しか考えていないからそうなるのでしょう」
2 暫定的解決を無限に(大平正芳)
 議論をする姿勢で見習ってほしい先達について、平川さんは大平正芳元首相を挙げた。「大平元首相は鈍牛などと呼ばれましたが、粘り強く議論し、少しでも良い方向に持っていこうとする姿勢がありました」。こんな言葉が残っている。
 <最終的解決なるものはないのであって、暫定的解決を無限に続けていくのが歴史だと思う>
 73年に「石油危機と日本外交」と題した東京都内での講演で発した言葉だ。「政治では全ての課題を二者択一にはできない。両論があった時、どう着地させるのか。状況に応じて少し右にかじを切ったり、左にかじを切ったりする。政治とはそのような『程度』の問題ではないか。今は『賛成か反対か』だけで議論がありません」(平川さん)
3 あの悲惨な戦争の見返りに現憲法が得られたのだ(後藤田正晴)
 なぜ、議論にならないのか。近現代史に詳しいノンフィクション作家の保阪正康さんは「立論のプロセスと信念がないからです」と指摘する。そして中曽根康弘内閣で官房長官を務めた後藤田正晴氏と対話した記憶を振り返る。「印象深いのは『自分たちの世代、自分たちと触れあった世代が生きているうちは憲法を守る義務がある。あの悲惨な戦争の見返りに現憲法が得られたのだから』と言っていたことです」
 後藤田氏は第二次大戦末期、台湾で陸軍主計大尉として、大勢の日本軍兵士を南方に送り込んだ。「あんなこと繰り返しちゃいかん」とよく保阪さんに話していたという。自衛隊の海外派遣について、国連平和維持活動であっても「アリの一穴になる」と慎重な立場を通し、護憲を訴えた。「戦争を繰り返してはいけないという信念があり、その上で政策を考えていた」と保阪さんは言う。
 戦後生まれの安倍首相は、ことあるごとに憲法改正への意欲を語ってきた。しかし、改正の対象は「96条」「緊急事態条項」「教育の無償化」など一貫性がない。保阪さんは嘆く。「安倍さんはただ憲法を『変えたい』というだけで、変えることで日本人をどう幸せにできるのかというプロセスがないから、議論が深まらない」
 安倍首相は今月3日、改憲を訴える会合に寄せたビデオメッセージで「9条の改正」を打ち出した。1項の「戦争放棄」と2項の「陸海空軍その他の戦力は保持しない」との規定は残し、「新たに自衛隊の存在を明記する」という。
4 (9条に)おかしなことが書いてあってもいい(宮沢喜一)
 安倍首相は「自衛隊は違憲」という議論が生まれる余地をなくしたいようだが、この点については戦後の政治家が思索を重ねている。首相や蔵相を務めた宮沢喜一氏は引退後、聞き書きによる回顧録で、こう語っている。
 <自衛隊は事実上軍隊でしょうから、それを持てないということが九条に書いてあるのはおかしいといえばおかしいのですが、私は(中略)そういうおかしなことが書いてあってもいいという気がするのです>
 自衛隊は9条の下、変転を経て今の任務になった。「自衛隊をなくせ」という声が高まっているわけではない。逆に、多くの国民が、海外での武力行使を望んでいるわけでもない。だから条文そのものを変える必要はないのでは−−という問い掛けだ。
 前出の平川さんは「いい言葉です。憲法は非常に高い『理想』であって、一方の自衛隊の存在は『現実』です。理想と現実には隔たりがあって当然。だからこそ、理想を実現するために調整したり、妥協したりする。それが政治家の役割ではないでしょうか」。
 敗戦を大蔵官僚として迎えた宮沢氏も憲法への強い思いを持っていた。「学校で習っていないから」と憲法全文の紙片を手帳にはさんで持ち歩き、事あるごとに見返していたというエピソードはよく知られている。
5 信なくば立たず(三木武夫)
6 一本のろうそくたれ(河本敏夫)
 党内に安倍政治への異論はないのか。「自民党ひとり良識派」との著書がある村上誠一郎・元行政改革担当相に聞いた。集団的自衛権の行使を容認する憲法解釈の変更について「そんな前例を許せば、基本的人権や国民主権でさえ、時の政権の解釈によって変えられてしまう」と反対の声を上げていた。
 「共謀罪」の構成要件を改め「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法の改正案を巡る議論の進め方についても怒り、異論を訴えていた。「この間、初めて日光東照宮に行きました。見ざる、聞かざる、言わざるの『三猿』を見て、今の自民党と一緒だと思いましたよ」と笑った後、こう語り出した。「安倍首相に伝えたい先達の言葉? そりゃ『信なくば立たず』だ」
 金権政治批判が高まって退陣した田中氏の次に政権を担った三木武夫氏の座右の銘だ。三木氏が首相就任前から演説などでよく使った言葉で妻睦子さんの著書の題名にもなっている。村上議員は、三木派の後を継いだ河本敏夫元通産相の秘書を経て政界入り。少数派閥ながら政策を磨いて存在感を示した「河本派」で政治家人生をスタートさせた。
 「共謀罪の議論の本質は、東京五輪が開けるかどうかではない。個人の思想にまで踏み込んでいくこと、つまり刑法の基本原則を変えていいのかどうかということです。多くの国民がこの論点を理解するまで、時間をかけて説明や答弁をしなければいけないのに、国民の『信』もないまま急いで法案を成立させようとする。安倍政権はそういうやり方があまりにも多すぎる」
 話は学校法人「加計学園」の獣医学部新設問題にも及んだ。「政治の師であった河本先生によく言われていたのは『政治家は一本のろうそくたれ』でした。政治家は自分の身を焦がしてでも、周りを明るく照らせという意味です。安倍首相のように、自分の仲間やお友達のために便宜を図っているのではないかと疑われるのは、最も避けなければならないこと。いつか政権の足元を揺るがすことにならないか、非常に心配です」
7 常に反省が必要である(前尾繁三郎)
 最後に保阪さんが挙げた一人の政治家を紹介したい。
 前尾繁三郎元衆院議長だ。1905年、京都府で生まれ、苦学して大蔵官僚となり、自民党幹事長や通産相などを務めた。「博識の読書家で、今の国会議員に前尾氏に匹敵する人はいない」。保阪さんはそう断言する。「『政の心』という著書があります。保守とは何か、その語源にまでさかのぼって自問自答しています。非常に内省的で克己心が感じられる。何でも安易に変えればいいという時代だからこそ、保守派を自任する議員は全員、読むべきです」
 実際に手に取ってみた。こんな一節があった。
 <政治は人間が人間を支配することである。(略)常に原点が肝心であり、常に反省が必要である>
 もはや解説は不要だろう。安倍政権は、先達の言葉をどう受け止めているのだろうか。


時代の正体〈474〉木村草太さんが語る安倍政治(下) 「自衛隊」侮辱に浅慮
【時代の正体取材班=田崎 基】5月3日の憲法記念日。日本国憲法が施行されて70年という節目の日に、安倍晋三首相は保守系組織の集会にビデオメッセージを寄せ、また読売新聞のインタビューに応じる形で自身の「改憲提案」を披歴した。憲法学者で首都大学東京の木村草太教授はそこに通底する「乱暴な為政者の姿」を見る。

 自衛隊について憲法に明記しようという議論は特に目新しいものではない。ただ、2014年7月以降、集団的自衛権の行使容認が閣議決定され、それに伴い15年8月に安全保障関連法が成立したという要素が加わったことで、憲法9条と自衛隊を巡る議論はかなり複雑化した。
 個別的自衛権の範囲を維持したまま憲法に自衛隊を書き込むというのであれば分かりやすかった。だが、いまになって自衛隊を書き込むとなると、集団的自衛権についてどう扱うのかが難問となる。
対話能力の欠如
 明記の仕方としては二つの方法があり得るが、いずれも与党にとっては都合が悪い。
 一つ目は、自衛隊の任務について個別的自衛権に限定した形で明文化する方法だ。だがこれでは現行の安保法制が明確に違憲となるため、与党としては採用し難い。
 では、集団的自衛権をも含む、と明記する場合はどうだろうか。この改憲提案はまず、否決された場合が大問題となる。安保法制に対し国民が「NO」を突き付けた形となってしまうからだ。

 もちろんこの案で可決できれば安保法制は明確に合憲であるという根拠が与えられることになる。だがそう簡単にはいかないだろう。いまでも安保法制への反対は根強い。国民投票は当然、「安保法制の合憲性を問う」形でなされることとなる。再び反対運動は盛り上がる可能性が高い。
 重要な点は、安保法制を成立させたときとは異なり、話が国会の中だけでは完結しないということだ。したがって国民投票で決着することは、与党としては大博打(ばくち)を打つこととなってしまう。

 いずれにしても与党にとってはよろしくない出来事になってしまう。
 なぜ安倍首相は唐突に、練られてもいない考えを披歴したのか。よく分からないが、詰まるところ自身の意見を国民にきちんと伝える能力が低いのだろう。
国民に選択肢を 
では安倍首相はどのように憲法9条改正を訴えればよかったのだろうか。私が相談されていればこう答えた。
 いま9条改正について世論には大きく分けて三つの見解がある。
 一つは「護憲」。二つ目が「自衛隊を明記し、個別的自衛権に限定する」。三つ目が「自衛隊を明記し、集団的自衛権も認める」。
 改憲提案の際には、国民がこの見解を適切に受け止められるようにする必要がある。
 例えばこうだ。
 〈自衛隊+個別的自衛権明記〉 〈自衛隊に集団的自衛権を認め、その行使の範囲や手続きを明記〉
 この二つを別々の改憲案として国民投票で提案する。
 国民はこの二つの項目にそれぞれ○か×を付ける。つまり、集団的自衛権は認めたくないが、個別的自衛権の範囲は認める改憲に賛成の人は「○×」。集団的自衛権も認める人は「○○」と書けばいい。もちろん改憲反対、護憲の人は「××」となる。
 安保法制については疑義があるため、いったん停止する法律を別途作り、国民投票の結果を受け、認められれば再び始動させる、という説明をすれば、国民の側も「なるほど」と納得するのではないか。
 仮に、3日に安倍首相がこうした丁寧な提案をしていたらどうだろうか。どのような立場の人も意見表明しようと思えるのではないか。あるいは多くの国民が自分の考えを自問したかもしれない。
 首相の本来の狙いはここにあったはずだ。護憲派もメディアも野党も、この改憲論議になら乗ってきた可能性があった。しかし安倍首相はいきなり「自衛隊を明記します」と言い出したがために反発や警戒、そして不信を生んでしまった。
 また指摘しておきたいのは、安倍首相は一連の発言で自衛隊に対して「違憲」の疑いをかけたという事実だ。本来であれば、首相の地位にあり、かつ自衛隊の最高指揮官が、自衛隊に違憲の疑いを持っているという事実は、首相として不適格であると判断されてもおかしくない。
 また国会の場で、そうした疑いを持っているのか、という質問をされれば、答えるべきだろう。首相としての資質を判断するために国会が知っておかなければならない内容だからだ。
想像以上に危険
 「自衛隊」の任務を示さずに組織名だけ文言として書き込むというのは、どういうことなのだろうか。
 例えて言うなら、遠足のしおりに、「前回酒を持ってきて大騒ぎした人がいるので、今回は飲み物を持ってくることを禁じます」と書いてあるとする。一方で同時に「熱中症を防ぐために適切に水分を補給しましょう」とも書いてあるとする。すると禁止された「飲み物」には、水分補給のために必要最小限度の水は含まれない、これは最低限度の水は持ってきていい、と解釈することになる。
 「飲み物禁止」が戦力保持を禁じた9条1項と2項、「適切な水分補給」が国民の生命・自由を国政の上で最大限尊重すべしとする13条、そして必要最小限度の水分が、9条2項で禁止された「戦力」には自衛のための必要最小限度の実力は含まれないとする自衛隊という解釈だ。
 こうした中で「自衛隊を設置してよい」という文言を書き込むというのは、いきなり「水筒は持ってきていい」と書くようなもの。中身には言及しない。すると、これまで通り「水だけ」という解釈もできるし、あるいは「ジュースを入れてもいい」「いや、ちょっとなら酒もいい」「ひょっとしたらウオッカでもいい」という余地を生む。
 これは乱暴な提案であって、想像以上に危険な改憲と言えよう。
 現時点では、安保法制や集団的自衛権と絡めた形で自衛隊の違憲性が議論されていない。この論点はかなり複雑であって、安倍首相改憲提案を20年までに施行するとなると、相当乱暴なやり方となる。
 「自衛隊」を明記するという改憲提案が国民投票で否決される可能性についてきちんと考えておく必要がある。安倍首相による改憲提案直後の世論調査でも賛否は割れていて、否決の可能性は決して低くない。
 さらにこれまでの傾向からして、...


大学新テスト 欠かせない公平性の確保
 文部科学省は、現在の大学入試センター試験に代わって2020年度から始まる「大学入学共通テスト(仮称)」の案を公表した。英語に民間の検定試験を活用するほか、国語と数学に記述式問題を導入することなどが柱である。
 マークシート方式のみの知識偏重型から、思考力や判断力、表現力などを測る入試へ転換するのが狙い。センター試験になった1989年度以来の大きな改革だ。6月中に実施方針を作成し、19年度までにプレテストを3回行って実施大綱をまとめる。
 目指す方向性はうなずける。しかし、示された案には解決しなければならない課題が多く、混乱を招く危うさをはらんでいる。
 大きく様変わりするのが英語である。これまでの「読む・聞く」力に「話す・書く」力を加えた4技能を評価するため、民間検定試験への全面移行を打ち出した。高校3年の4〜12月に2回まで受験できる。実施については20年度から全面移行するA案と、23年度まで共通テストと検定試験の双方またはどちらかを受け、24年度から全面移行するB案を示した。文科省は意見公募などを経て一つに絞るとしている。
 英語を使いこなせる教育を目指すのは当然だ。ただ、利用する民間の検定試験の候補は英検やTOEICなど約10種類とされ、試験の目的や難易度などが異なる。語学力の国際標準規格に基づいて成績を段階別に置き換えるというが、果たして適正に比較できるのだろうか。
 受験料も3千円台から約2万5千円まで大きな開きがある。さらに試験会場数は最少で12カ所、最多は約1万7千カ所。年間の実施回数も2回から40〜45回と差がある。家庭の経済事情や、都市部と地方とで受験機会に大きな格差が生じかねない。
 文科省が先日開いた実施方針をめぐる検討会議でも、出席した大学や高校の教育関係者から、こうした懸念の声が相次いだ。低所得家庭の負担軽減策や、地方でも受験しやすい環境整備など十分な配慮が求められよう。
 国語と数学に導入される記述式も、問題点を抱えている。それぞれ3問程度出題され、国語では最大120字程度で記述し、数学では数式や解き方などを問う。
 モデル例として示された国語の問題は、教育関係者の間に「実用性が高く、練られている」との評価がある一方で、120字程度で思考力や表現力をどこまで測れるのかといった疑問の声も多い。採点は民間業者に委託する予定だが、採点者によって違いが出ないか。明確な採点基準の公表が必要だ。
 大幅な入試改革には、受験生の不安がつきまとおう。国は教育現場の関係者らの声に十分耳を傾け、受験生の視点に立って課題を一つずつクリアし、丁寧な情報提供に努めるよう求めたい。


神戸連続児童殺傷20年 犯罪被害者の支援さらに充実を
 神戸の連続児童殺傷事件で、小学6年の土師淳君が亡くなって20年がたった。「一日一日は長く険しいものだったが、あっという間だった」。苦しみに揺れつつも、犯罪被害者の権利の確立と支援の充実に奔走し続ける父、守さんの言葉に、区切ることのできない重い年月を思わざるを得ない。
 事件は少年法が厳罰化される契機となり、さらに今、法制審議会で少年法の適用年齢を20歳未満から18歳未満へ引き下げる議論が進んでいる。被害者支援の在り方を巡っては改善すべき課題がまだ残っている。遺族の痛みに心を寄せるとともに、改めて社会全体で問題を共有し、理不尽な被害を再び生まないための仕組みを整えたい。
 1997年、神戸市須磨区で小学生5人が相次いで襲われ、4年生の山下彩花さんと淳君が亡くなった。残忍な犯行に加え14歳の少年が逮捕されたことで社会に衝撃が広がった。
 当時は、被害者や遺族の支援や権利はないも同然で、少年審判を傍聴することすら許されていなかった。記録の閲覧もできず、真実を知るすべは報道以外なかった。何があったのか知りたいという当たり前で切実な思いが踏みにじられ、蚊帳の外に置かれた心境を推し量ると、胸が痛む。
 守さんは2000年、発足して間もない全国犯罪被害者の会(あすの会)の活動に加わり、署名などで現状を訴えた。04年に成立した犯罪被害者等基本法は、被害者自らの苦しみと尽力の末にできたことを、重く受け止めなくてはならない。
 被害者の権利の保護は国や自治体、国民の責務とされ、刑事裁判への参加制度も実現した。支援条例を制定する自治体も徐々に増えてはいる。だが、経済的な補償の問題は解決しておらず、未成年のきょうだいに対する公的支援もない。当時中学生だった淳君の兄は、ショックで授業を受けられなくなったという。多感な年代への影響は計り知れず、大人とは別に専門的な支えの体制を築く必要がある。
 一方、事件を機に、少年法は刑事罰の対象を16歳から14歳に引き下げるなど一貫して厳罰化の方向で進んだ。ただ、現在審議されている少年法の改正が行われれば、18、19歳は保護観察や少年院送致など更生のための施策対象から外れ、成人と同様の刑事罰を受けるようになる。
 未成年者はまだ未熟で、親の厳しすぎるしつけや貧困など、育った環境の影響を受け、愛される実感や希望を持たないまま犯行に走る例も多い。「育て直し」の機会を奪うことは、再犯の増加にもつながりかねない。きめ細かな更生教育の在り方を含め、あくまでも慎重で冷静な議論を求めたい。
 誰も皆、犯罪被害者になり得る。「事件で人生が一変する人を少しでも減らしたい」。守さんの思いを胸に刻み、直接の被害も、支援不足による副次的な被害も防がなければならない。


“同和奨学金”全額返還命じる
経済的に困窮する被差別部落の子どもたちのため、大阪市が実質的に返還を免除していた奨学金を一転して返すよう求めたことが妥当かどうかが争われた裁判で、大阪地方裁判所は、「当時の条例に返還免除の規定はなかった」として、市が請求した奨学金全額の返還を命じました。
大阪市は、長年、同和対策事業の一環として、高校や大学の進学者向けの奨学金制度を設け、実質的に返還を免除し、差別の解消を目的とする国の特別法が平成13年度末で期限切れになった後も、独自の施策として制度を続けてきましたが、「返還の免除には根拠法令がない」などとして、平成22年になってから奨学金を返すよう求めました。
対象は186人で、300万円近くを請求された人もいて、このうち17人は、「返す必要がないと思っていたのにあとになって返せというのは納得できない」として応じず、市が、裁判を起こしていました
26日の判決で、大阪地方裁判所の柴田義明裁判長は、「当時の条例には、奨学金の返還を免除するという規定はない。当時の市の職員がそのような説明をした可能性はあるが、職員は市を代表するものではない」として、市が請求した全額、1人あたり最大で300万円近くを市に返すよう命じました。
市から訴えられていた37歳の男性は、判決のあと記者会見し、「判決を聞いて言葉を失った。この奨学金のおかげで自分の将来が広がったことは間違いないが、後で決めた条件で返還を求めるのはおかしい。あまりにも理不尽だ」と述べました。
また、訴えられていた女性は、「当時は返さなくていいと言ったのに、今になって何百万円も求められても払えない。家庭でも職場でも被差別部落の出身と明かしていないのに、巨額の返済を求められたら、差別が残る中で何を言われるか分からないという恐怖感もある」と述べました。
代理人の弁護士によりますと、17人は、全員が控訴する考えだということです。
一方、大阪市の吉村市長は、記者団に対し、「返還を免除するのはどうなのかという監査の指摘を受けて作った条例に基づき返還請求している。市の主張が認められた妥当な判断だ」と述べました。

朝少し焦って/W2のサイテ/病院で薬

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Japan Expo Paris fête 100 ans d'animation japonaise
L'événement annuel Japan Expo Paris grandit encore et fêtera cette année 100 ans d'animation japonaise, avec des figures nippones du secteur et des projections de films d'animation en partie inédits en France, ont annoncé mercredi à Tokyo les organisateurs.
Devant une salle de journalistes japonais un rien médusés par l'intérêt de la jeunesse française pour les créations de l'archipel, Thomas Sirdey, cofondateur de ce festival consacré à la culture et au style de vie japonais au sens large, a déroulé un programme qui, par son ampleur et sa diversité, ne trouve pas même d'équivalent au Japon.
"Depuis toujours, notre objectif est de faire découvrir la culture japonaise en s'amusant. Cette année, l'animation japonaise fête ses 100 ans et ce n'est pas un événement anodin, à travers Japan Expo nous rendrons hommage à ceux qui ont fait, font et feront l'animé", explique ce représentant de la "Génération Goldorak", celle qui a grandi avec ce dessin animé japonais avant d'en dévorer pléthore d'autres.
"C'est parce que nous avons découvert un pan du Japon à travers les animés que nous avons voulu en savoir plus sur le Japon. Ceux qui viennent à Japan Expo suivent la même démarche", ajoute-t-il, enchantant par ses propos le représentant de la section média du Ministère japonais de l'Industrie, Hitoshi Yamada.
C'est que Japan Expo est l'événement modèle aux yeux du gouvernement nippon avide de promouvoir davantage à travers le monde la culture japonaise, ses divertissements à sa gastronomie, en passant par ses traditions, ses arts et sports vedettes.
"Cela a un impact positif sur les exportations de contenus japonais comme sur le tourisme au Japon, et par conséquent sur l'économie japonaise. Le ministère agit dans cet objectif et nous soutenons par exemple l'adaptation à l'étranger de contenus japonais", détaille M. Yamada.
83% des visiteurs de Japan Expo assurent que le festival leur a donné envie d'aller au Japon, selon un sondage des organisateurs.
Reste à sensibiliser les studios de production et maisons d'édition japonais à l'importance de l'événement, qui, à 10.000 kilomètres de Tokyo, n'est pas forcément perçu comme tel par leurs dirigeants.
Participeront notamment cette année à la 18e Japan Expo le vétéran de l'animation, avec 50 ans de métier, Masao Maruyama, qui a travaillé au fil des années sur des titres aussi prestigieux qu'Ashita no Joe, Astro le petit robot ou Death Note.
A noter aussi une projection en avant-première mondiale de Pokemon, je te choisis (Pokemon I choose you), un film qui ne sortira au Japon que le 15 juillet.
Quelque 240.000 visiteurs sont attendus au cours des quatre jours de Japan Expo, du 6 au 9 juillet au Parc des Expositions de Paris-Nord Villepinte.
フランス語
フランス語の勉強?
メッセンジャーの○○は大丈夫なのか?【2億稼ぐキャバ嬢★てつじ1万円グルメ旅】
▼799万円に「安っ」!?2億円稼ぐキャバ嬢の休日の金遣いは大丈夫なのか?▼関西グルメ王シャンプーハット・てつじが1万円ぽっきりで過ごす夜…徹底調査!!
メッセンジャー黒田 メッセンジャーあいはら スピードワゴン(井戸田潤・小沢一敬) 野呂佳代 シャンプーハット(こいで・てつじ) 玉巻映美(MBSアナウンサー)
2億円稼ぐキャバ嬢の休日の金遣いは大丈夫なのか?
総額2000万円のアクセサリーを身に着け、130万円のシャンデリアがいくつもあるゴージャスな部屋に住むキャバ嬢・愛沢えみりさんが無駄遣いをしていないか勝手に心配し休日に密着! 全部屋個室ステーキ店で極上黒毛和牛の牛鍋や、家にシェフを呼んでフレンチ…。さらにエルメス・バーキン専門店にある約800万円のバッグに「安っ!」と言い放つが、購入するのか!?
シャンプーてつじが1万円でどれだけ京都の夜を楽しめるか大調査!
以前、関西グルメ王シャンプーハット・てつじの1週間のディナー代を調査したが、今回は1万円でどれだけ京都の夜を楽しめるかを調査する。最高のシメが味わえる焼き鳥屋さん、熟成肉有名店の肉を楽しめる隠れ家イタリアン、町家を改装したバー、ミシュラン星持ちシェフが集まる中華料理店など様々な店が… そしてまさかの出会いにてつじが感激!?
番組HP http://www.mbs.jp/daijyoubu/
Twitter @MBSdai4 https://twitter.com/MBSdai4
◎この番組は…心配性なスタッフが調べてきた、“世の中で起こっているさまざまな心配ごと”をメッセンジャーが時には共感し、時にはブッタ斬る!

ITOKEN‏ @itokenichiro
義家という今の文科副大臣は、「出自」を「しゅつじ」と読めずに「でじ」と発音していたわけですけど、ということは、この人は例えば「シュツジの異なる人々を差別してはならない」みたいな文を音声として聞いた時に、内容を正しく把握できないってことですよね。
底知れないっす、我が国の政府。

未来のための公共‏ @public4f
立教大学教授 香山リカさん
「安倍政権は権力行使の隠し立てもしなくなってきた」
「権力に逆らえば粛清を行った旧ソ連のようになってきた。前川前事務次官に対する政権の対応はその例」
「国民が自粛するような社会にしてはいけない」

キジトランツ‏ @kijitoranz
こんなことあっていいのかね>RT
被差別部落向けの奨学金、受けると決めるのは部落出身をカミングアウトすると決めることでは。そういう決断さえさせておいて、やっぱり金は返せと。二重に酷い話だと思うよ。

ドキュメント72時間「禅寺修行、始めてみました。」
1泊数千円で手軽に修行体験できると人気の、京都の禅寺。食事作法から座禅・作務(清掃)まで、ちょっと過酷な修行で自らを見つめようとする人々の心境とは?
手軽に修行をしたい人々が年に1000人以上やってくる、京都の禅寺。人気の秘密は参加の気軽さ。1泊数千円から好きな泊数で申し込め、インターネット検索で上位に表示されるとあって、プチリセットしたい現代人が後を絶たない。修行生活は朝5時から夜10時まで、食事作法に始まり座禅、作務(清掃)などカルチャーショックの連続。ちょっと過酷な修行で自らを見つめなおそうとする人々の心境とは?
勝地涼


朝少し寝坊してしまい,焦ってしまいました.11時までに出勤したらいいので余裕かと思いきやヤバいかも???結構焦りましたが,結局かなり時間に余裕があってセーフでした.
でも今日お昼はのんびりできません.W2のサイテがあるからです.女子が定刻に来て男子が少し遅れてきました.男子のほうが時間かかって次の用事に少し遅れてしまうと言っていました.
夕方病院に薬取りに行きました.

震災の記憶伝承する場に 志津川高に資料室
 東日本大震災の教訓を残そうと、志津川高(生徒237人)は校内に震災資料室を開設した。南三陸町の被害状況や避難所となった同校の様子を写真や映像で紹介。教職員や生徒が震災の記憶を語り継ぐ場を目指す。
 資料室は1階の教室を使って整備。津波でがれきが押し迫る登校坂や、最大500人が滞在した同校避難所の運営を手伝う生徒の様子など約80枚の写真を展示した。被災した町民バス復活のために、生徒が手作りして販売したモアイの缶バッジや他校からの応援メッセージも飾った。
 24日にあった開室式には生徒代表や関係者約20人が出席。山内松吾校長は「人々の声なき声が聞こえてくるような空間になるように、生徒や地域の人々と資料室を育てていきたい」と話した。
 生徒会長の3年菅原遙人さん(17)は「震災を体験した者として記憶を風化させてはならないと強く感じる。他地域からも来てもらい、防災対策を見直すきっかけにしてほしい」と語った。
 研修などで使う映像設備は、サッポロホールディングスが復興支援の一環として寄贈した。資料室の利用は事前予約が必要。連絡先は志津川高0226(46)3643。


<衆院復興特別委>東松島市長ら招き支援議論
 衆院東日本大震災復興特別委員会は25日、阿部秀保前東松島市長ら参考人5人を招き、震災復興の教訓や東京電力福島第1原発事故の避難者の現状、国の支援の在り方を議論した。
 同市は「復興のトップランナー」と言われた。阿部氏は「現実に人口は3000人減った。今後は交流人口の拡大、子どもを安心して育てられるような女性や母親に支持されるまちづくりがポイントになる」と指摘。「震災対応を検証、改善し、南海トラフ巨大地震などの防災・減災に生かしてほしい」と要望した。
 震災後、電話相談「よりそいホットライン」を運営する社会的包摂サポートセンターの熊坂義裕代表理事は「被災者は支援の終わりを恐れ、高い自殺リスクにさらされている。国として被災者の実像を『見える化』し、『見捨てない』というサインと政策を強力に出すべきだ」と強調した。
 原発事故に伴う自主避難者の支援団体「避難の協同センター」の松本徳子代表世話人は福島県が住宅の無償提供を3月末で打ち切ったことへの撤回を求め、「原発事故子ども・被災者支援法の理念を守り、その実現に力を尽くしてほしい」と訴えた。


白砂青松の浜再生へ 被災の高田松原で記念植樹
 東日本大震災の津波で壊滅した名勝「高田松原」の再生を目指し、岩手県と陸前高田市は27日、現地で記念植樹会を開く。3年の歳月をかけて4万本を植栽する活動の第一歩。白砂青松の海岸線を取り戻すプロジェクトが本格始動する。
 植栽は県が3万本、NPO法人「高田松原を守る会」が1万本を担当する。再生関連事業費は松原部分が約13億円、砂浜部分が約40億円。
 現地には県が全長約2キロの防潮堤を2本建設した。最大幅約100メートルの間隔で並行する防潮堤の間を海抜4メートル前後まで盛り土し、クロマツ約2万4000本、アカマツ約1万6000本を植える。
 県は締め固めた土をほぐしたり、防風柵を設置したりするなど植樹の準備を進めてきた。県大船渡農林振興センターの担当者は「人工的に造った土地でマツが成長するのか、今後も試行錯誤が続く」と話す。
 防潮堤の海側には、2018年度までに全長1キロ、最大幅60メートルの海水浴ができる砂浜を再生する。震災前の砂浜と粒子の色や大きさが近い宮城県大和町の山砂を入れる。
 震災前の高田松原は「日本の渚(なぎさ)・百選」に選ばれ、年間約17万人の海水浴客が訪れていた。生い茂っていた約7万本の松は津波の直撃で壊滅。唯一残った松の木は「奇跡の一本松」として復興のシンボルになった。
 高田松原は350年前、風塩害から田畑を守るため、地元の人々が私財を投じて植栽したのが始まり。280年前にも植栽されており、植えた人の子孫で植樹会に参加する松坂泰盛さん(72)=陸前高田市=は「復興のシンボルとして陸前高田の新しいまちと共に育っていってほしい」と話す。


<宮城沖地震>災害廃棄物 最大684万t
 将来予想される宮城県沖地震の発生に伴う県内の災害廃棄物が最大684万トンに上ることが、県がまとめた災害廃棄物処理計画案で分かった。東日本大震災では1951万トンの廃棄物が発生しており、計画案では処理経験を踏まえた対策の基本方針を示した。
 計画案によると、宮城県沖地震は、マグニチュード(M)8を想定する「連動型」で約5万8500棟の建物が全半壊すると予測。県内で発生する廃棄物約684万トンのうち、仙台市は約150万トン、石巻市は約158万トンと試算した。
 M7.6の「単独型」は全半壊約4万4200棟、廃棄物は約517万トンと推計。長町−利府断層帯による直下型地震(M7.1)では約5万5800棟が全半壊し、約653万トンの発生量を見込む。
 災害廃棄物の処理は、原則として市町村だが、被害が大きく困難な場合、県が受託する。処理対策として、市町村は仮置き場となる公有地を事前に選定し、県内にある既存の焼却施設、最終処分場を最大限活用することを柱に据えた。震災廃棄物の処理量圧縮に効果的だった分別や選別、再資源化を徹底する。
 最長3年での処理完了を目指す。期間内処理が難しい場合は仮設施設での処理、県外への広域処理を検討することも盛り込んだ。
 計画は、国の災害廃棄物対策指針に基づく。都道府県と市町村に処理計画の策定を求めており、県は有識者会議などで検討してきた。県内では登米、栗原両市など12市町が策定済み。県は県民からの意見募集を経て、7月にも決定する。


河北春秋
 商店街で不幸にも大火があり、ある一角がぽっかり空き地になった。同じニッポン市の駅前商店街が手を差し伸べた。「祭りで歌手を招く。元気づけるためにあっちでも歌ってもらおう」▼架空の話は続く。駅前商店街が「歌手のギャラやステージ設置費はこっちで持つ。ただ移動費や会場周辺の警備費用はあっちの商店街に賄ってもらおう」。聞いた被災商店街は「おいおい聞いてないよ。あの火事の後始末で大変なのに…」▼2020年東京五輪・パラリンピックの費用負担問題の行方である。東京都外で競技を行う宮城、福島など7道県が警備や輸送、医療などの費用計400億円程度を出す方向で、国、都、大会組織委員会が大筋合意したという。「後出しジャンケンで結構な金額を求められても…」。都外自治体はそんな心境だろう▼宮城県は「地元自治体の責務の範囲内で、どうしても負担はあるだろう」とやや軟化しつつある。サッカー競技が開催されるだけに、ある程度の経済効果は期待できる。びた一文出さぬという姿勢はどうだろうか▼さてニッポン市の話。大火のあった商店街は「災禍で世話になった人たちへの感謝ライブにしよう」と話し合っているとか。宮城や福島にとっても、五輪はぜひとも寄り添うものであってほしい。

デスク日誌 あすへ
 朝刊ワイド東北面のコーナー「あすへ 東日本大震災」に、再生を後押しする思いや取り組みに光を当てた記事を毎日掲載している。2012年4月に設けた常設ページ「あすへ 3.11掲示板」を引き継ぎ、15年3月に今の掲載スタイルにして2年余りになる。
 このコーナーで取り上げる対象は全国に広がる。今月20日は「絵本で感じる6年の歩み」という見出しの記事を載せた。絵本で被災者の心の痛みを癒やそうと活動を続ける兵庫県の一般社団法人「道しるべ」が、6月に仙台で震災からの6年展を開くという内容だ。
 道しるべ代表の絵本セラピスト更家(さらいえ)なおこさんとは震災取材班時代の14年秋に出会った。関西から思いを寄せ行動する姿を何度か記事にした。今回の6年展は道しるべのメンバーと心を通わせた東北の仲間らと共に開く。現在の震災班がその記事を仕上げた。
 20日の「あすへ」は「『震災と文学』本年度も開講 仙台」という記事も紹介した。震災の風化も指摘されるが、再生を願う腰を据えた模索は今も各地に根を張る。そうした一つ一つの積み重ねが明日への扉を開く力になる気がする。(報道部長代理 松田博英)


<311次世代塾>被災沿岸部を視察
◎第2回詳報
 東日本大震災の伝承と防災啓発の担い手育成を目的に河北新報社などが企画した「311『伝える/備える』次世代塾」の第2回講座が20日にあった。受講生の大学生ら約100人が、震災当時に遺体が仮埋葬(土葬)された石巻市の墓地や被災した仙台市沿岸部を視察。葬祭業「清月記」(仙台市)の西村恒吉業務部長(44)と宮城野区蒲生の専能寺の足利一之(もとゆき)住職(50)の証言を現場で聞き、震災直後の悲しみや混乱に思いを寄せた。仙台市が震災遺構として公開を始めた若林区の旧荒浜小も見学した。
◎清月記業務部長 西村恒吉さん(44)尊厳ある弔いとは自問
 一瞬にして多くの命が失われた被災地では火葬が追い付かず、宮城県では腐敗が進む遺体を放置できないと仮埋葬に踏み切った。6市町で2108体に及び、弊社は石巻市を担当した。
 仮埋葬は当初2年の予定だったが、火葬できる環境が想定より早く整い、掘り起こしも担うことになった。棺(ひつぎ)は土の重さと地下水で崩れ、遺体の状況は悪化。われわれでさえ震える光景と臭気だった。
 そんな中、ある幼児の父親に「最期に娘の顔を見られますか」と聞かれた。見せたら卒倒するかもしれないし、心の整理につながるかもしれない。結果的には見せられないと判断したが、本当に良かったのか今も自問している。
 大災害では多数の遺体が発生するが、それは「処理」の対象ではない。尊厳をどう保ち、遺族の納得する弔いにどうつなげるか。職業意識を強く持ち、やり切ることが求められた。
◎専能寺住職 足利一之さん(50)檀家75人犠牲祈る日々
 震災直後、寺の様子を見たら一面がれきの山で「終わった」と思った。先が見えず、またここで生活できるなんて思えなかった。
 その後、檀家(だんか)が亡くなったとの連絡が次々に入り、遺体安置所や火葬場に向かい、棺(ひつぎ)に手を合わせる日々が続いた。犠牲になった檀家は75人で、そのほとんどが家族も同然の顔見知り。突然命が奪われる災害犠牲の悲しみに直面した。
 犠牲者を送るため寺を不在にしている間、支援者や友人が全国から駆け付け、被災した寺の片付けを進めてくれた。地域の人が集まる場が復活し、人と人とのつながりを実感した。
 震災の前年2月にチリ大地震津波があったが「津波が来るのはリアス海岸。この辺りの平野部には来ない」との思い込みがあった。
 震災七回忌が過ぎた今も行方不明のままの人もおり、あの日から一歩も進めていない現実もある。震災はまだ終わっていない。
◎受講生の声
<現場で被害実感>
 津波被災地を訪れたのは初めて。震災はテレビの中の出来事でした。仙台市若林区の旧荒浜小で震災前の地区を復元した模型と校舎の周りの更地を見比べ、被害の大きさを実感。現場に赴く大切さを知りました。(仙台市青葉区・東北福祉大2年 浅利優太さん 20歳 )
<陰の献身知った>
 気仙沼市で暮らしていた祖母を震災で失いました。安置所で見た顔はきれいでした。その陰に葬祭業の方々の献身があったことを視察で知りました。家族にも被災経験のない世代にも、震災を伝え続けます。(石巻市・石巻専修大4年 志賀春香さん 22歳)
<事実と向き合う>
 今春、愛知県豊田市から応援職員として来ました。震災で起きたことにまずは向き合おうと思い、入塾しました。犠牲の現場の講話は胸が締め付けられるようでした。震災を自分の言葉で伝えられるように学びます。(東松島市・市職員 江口友介さん 28歳)
<メモ> 311「伝える/備える」次世代塾は大学生ら対象の年間15回の無料講座。次回は6月17日、「捜索と救命」をテーマに開く。連絡先は河北新報社防災・教育室=メールjisedai@po.kahoku.co.jp
 運営する「311次世代塾推進協議会」の構成団体は次の通り。河北新報社、東北福祉大、仙台市、東北大、宮城教育大、東北学院大、東北工業大、宮城学院女子大、尚絅学院大、学都仙台コンソーシアム、日本損害保険協会、みちのく創生支援機構


災害公営で孤独死3月まで43人
東日本大震災で被災した1人暮らしの人が亡くなった状態でみつかるいわゆる「孤独死」について宮城県内の災害公営住宅で見つかったケースはことし3月末までに43人に上ることがわかりました。
震災の被災者のいわゆる「孤独死」について宮城県はこれまで災害公営住宅での実態把握を行っていませんでしたが警察からの情報提供を受けてまとめました。
その結果、災害公営住宅での孤独死が初めて確認された平成26年からことし3月末までに災害公営住宅で孤独死した人は43人に上ることがわかりました。
年ごとの内訳をみますと平成26年が3人、平成27年が11人、平成28年が15人、ことしに入ってから3月末までは14人となっています。
これについて宮城県社会福祉課は「仮設住宅からの移転に伴いそれまでに築かれたコミュニティが崩れたことなどが理由として考えられる」とした上で、「引き続き自治体の見守り活動を支援していきたい」としています。
一方、プレハブ仮設住宅での孤独死はこれまでも把握を続けていてことし3月末までに100人に上っています。


県民防災の日 共助の力で避難迅速に
 104人が犠牲となった日本海中部地震から、きょう26日で34年になる。県内では83人が死亡し、男鹿市の加茂青砂海岸を遠足で訪れた合川南小の児童13人をはじめ79人が津波による死者だった。県は痛ましい被害を後世に伝えようと、5月26日を「県民防災の日」と定め、毎年防災訓練を行っている。
 今年は内陸部の活断層で地震が起きることを想定。昨年4月の熊本地震の際、被災自治体で物資や応援職員の受け入れが滞ったことから、被害の大きい自治体への職員派遣の手続きを対応訓練の中に入れるという。また、岩手県岩泉町で高齢者施設の9人が犠牲になった台風被害で、町職員が被害情報への対応に追われ避難指示を出せなかったことを受け、県の各地域振興局から職員を市町村に派遣、被害状況を連絡する訓練も行う。
 各市町村も独自の訓練を実施する。能代市は日本海沖を震源とする地震を想定し、津波避難訓練などを行う。同市は今年3月、高さ11・6メートルの最大波が地震発生後28分で到達するとの県の想定を基に、津波避難計画を策定。最初の津波到達時点(浸水1センチ)を「被災」としてシミュレーションしたところ、沿岸部の避難対象者約1万人のうち12%が被災する結果となった。
 このため、避難経路や避難ビルの指定、経路看板の設置、避難訓練の実施などにより、避難を始めるまでの時間を早め、避難速度をアップさせて被災を防ぎたい考え。今回の避難訓練では住民が避難場所に指定された高台の施設に向かい、経路を確認するとともに経路上の問題点などを洗い出すという。
 こうした津波避難において最大の課題となるのが、一人で避難するのが難しい人(避難行動要支援者)をいかに助けるかだ。津波の到達時間は本県沿岸部で15〜30分台と想定され、一刻を争う中での対応に各自治体は頭を痛めている。
 3年前の災害対策基本法改正に伴い、自治体に要支援者名簿の作成が義務付けられた。名簿を基に要支援者一人一人を誰が助けるのかという個別計画の策定が重要になるが、各自治体は作業に着手したばかり。沿岸自治体からは「集落は高齢者ばかりで、支援する側の人手が足りない」などの声が漏れてくる。
 能代市は自治会などに自主防災組織の結成を働き掛ける過程で、要支援者の避難についても住民と話し合いを進めるという。担当者は「防災が、地域をまとめるきっかけになるのではないか」と話す。
 要支援者の避難をはじめ地域の防災力を高めるには、住民同士のコミュニケーションをより円滑にし、共助の大切さを再確認することが重要だ。それは、人口減と高齢化が進む中での地域づくりとも言える。人手が足りないのは確かだが、それを前提にどのような取り組みが可能なのか、住民と行政が知恵を出し合いながら進めたい。


<東北学院大>五橋キャンパス23年度開設
 東北最大の私立大、東北学院大を運営する学校法人東北学院(仙台市青葉区)は25日、仙台市から取得した旧市立病院跡地(若林区)に整備する「五橋キャンパス」の開設時期を2023年度とすることを明らかにした。泉区と多賀城市の既存キャンパスのうち、多賀城は売却も検討する。
 仙台市内で同日あった理事会で新旧4キャンパスの再編スケジュールを了承した。旧市立病院の解体は18年末から始め、五橋キャンパスは20年度に着工、21年度末の完成を目指す。泉、多賀城両キャンパスから1年かけて移転を進め、23年4月に授業を開始する。
 五橋キャンパスにはホール棟、講義棟、高層棟(地上19階)、研究棟、カフェ棟の計5棟を建設する。一部の建物と市地下鉄南北線五橋駅の地下構内を直結する方向で市と調整する。
 愛宕上杉通を挟んだ既存の土樋キャンパス(青葉区)も同駅の地下通路などと結びたい考え。土樋キャンパス側の駅出入り口に隣接する市福祉プラザの敷地内の通行を巡り、市と協議を始めた。
 教養学部などの学生ら約6000人が在籍する泉、工学部の約2200人が在籍する多賀城の両キャンパスの再開発は23年以降に実施。泉は野球場などの運動施設が集まっており、五橋移転後も活用する。多賀城は市中心部に位置する好立地を考慮し、市と調整しながら売却を含め検討する。
 東北学院は16年3月に発表した中長期計画で、「学都仙台」を担う都市型総合大学の実現を目指すキャンパス整備構想を掲げた。


<いちおし土産>乾燥ホヤ 甘酸っぱく
◎新婚ほやほや 水月堂物産(石巻市)
 「結婚式の最後に新婦が出席者に配るイメージで作ったのに、まだ実績はないんです」。阿部壮達常務(35)が笑いながら話す。
 県産ホヤを乾燥させた主力商品「ほや酔明(すいめい)」に砂糖と食酢を加え、新婚間もない夫婦のような甘酸っぱい味に仕上げた。4月中旬に発売。青いリボンをあしらったパッケージで贈答品の雰囲気を出した。
 東日本大震災の前から構想はあったが、津波で市内2カ所の主力工場が流失、全壊し、商品開発どころではなくなった。2011年11月に自社倉庫を改修して製造を再開。6年たってようやく、遊び心のある商品を販売できるまで気持ちも生産体制も回復した。
 県産ホヤは東京電力福島第1原発事故で最大出荷先だった韓国の禁輸が続く。「国内消費を広げる必要がある」と阿部常務。新商品で土産業界からウエディング業界にも活路を求める。
<メモ>1個350円(税込み)。12グラム入り。いずれも石巻市内の観光物産店「ロマン海遊21」、商業施設「石巻ASATTE」、道の駅「上品の郷」と、村田町の東北自動車道上り線菅生パーキングエリアで販売。連絡先は水月堂物産0225(97)5225。


<福田技研>振動で発電する合金 大型化成功
 福田結晶技術研究所(仙台市)は、振動を加えると電気を発生し、新たな電源として期待される「鉄−ガリウム合金」の単結晶を、従来の約2倍に大型化することに成功した。課題になっていた製造コストが大幅に抑制され、通信機器の電源などの製品化に向けて大きな前進となる。
 鉄−ガリウム合金は「磁歪(じわい)合金」と呼ばれ、振動によって磁界が変化し、電気を発生する。電源からの配線が不要で、磁歪合金として一般的だった鉄−コバルト合金の2倍近い発電量がある。
 電池のように容量制限がなく、不具合がない限り、交換は不要。製品化された場合、応用できる用途が非常に広いのが特長だ。
 同社は東北大多元物質科学研究所と実験を重ね、2014年に発電力の強い単結晶の作製に成功した。ボタン型電池などに代わる数ミリ大の電源としての活用を想定し、電子部品メーカーなどにサンプルを提供。メーカー側は高いコストに難色を示し、新電源としての量産化には課題があった。
 今回、単結晶の作製方法を改良した結果、直径5センチ、長さ12.5センチだった形状を直径10センチ、高さ5センチや、直径5センチ、長さ23センチへの拡大に成功した。材料費や人件費が削減でき、量産化する場合のコストを4分の1以下に抑えられるという。
 同社は今後、東北大と製造と販売を担うベンチャー企業の設立を検討する。担当者は「IoT(モノのインターネット)の進展で需要が高まる通信機器や、橋や道路などの監視センサーの電源として普及させたい」と話した。


加計学園文書で会見/疑念がますます深まった
 安倍晋三首相と親密な友人が理事長を務める学校法人「加計(かけ)学園」(岡山市)の獣医学部新設を巡る記録文書問題は、疑念が一段と深まったと言わざるをえない。
 学部新設計画に携わった文部科学省の前川喜平前事務次官がきのう記者会見し、文書について「確実に存在していた。あるものをないとは言えない」と語った。
 前川氏は、文科省の再就職あっせん問題で今年1月に引責辞任したとはいえ、「公正、公平であるべき行政のあり方がゆがめられた」とまで言い切った元官僚トップの証言は極めて重い。
 政府は当初から「怪文書の類いだ」などと、文書の存在や内容を否定した。文科省も内部調査で確認できなかったとしてきたが、実際は限られた時間内で通り一遍のような調査で終わっている。
 こうした具体的な証言が出てきた以上、職員個人のパソコンファイルまで対象を広げるなど、組織を挙げて厳正な調査に乗り出すべきだ。
 文書には「総理のご意向だと聞いている」「官邸の最高レベルが言っている」など首相周辺の「圧力」とも取れる記載があり、学部新設の手続きを急ぐよう促す内容になっている。内閣府が文科省に求めたとされる。
 前川氏は「文書は担当の専門教育課で作成され、幹部の間で共有されていた」と説明。首相周辺の意向をうかがわせる記載について「総理か官房長官のどちらかと思った。文科省として苦慮し、文科相からも懸念が示された」と明かした。
 本人が国会の証人喚問について要請があれば応じるとしているのだから、忖度(そんたく)させるような働き掛けがあったかどうか、直接ただすべきだ。当然、一方の当事者である内閣府の関係者も、国会の場に呼ぶ必要がある。
 加計学園の獣医学部新設を巡っては、安倍政権の進める国家戦略特区制度によって規制緩和の対象となり、国内で約50年ぶりとなる開設に向け実現への道が開けた。異例とも言える進展にいったい何が働いたのか。
 前川氏は「特区の議論の対象は加計学園と認識していた。関係者の暗黙の共通理解だった」と認めた。学園は来年4月開設を目指し、着々と準備を進めている。
 学部の設置認可を担当する文科省が、結局「加計ありき」の計画をのむしかなくなったとすれば、「総理の意向」が効いたと考えるのが自然ではないか。
 安倍首相は、学部新設について「理事長からの相談も、圧力をかけたこともない」と関与を否定しているが、文書問題の発覚後は口を閉ざしている。
 このまま「知らぬ存ぜぬ」の姿勢を貫き続ければ、政治不信に拍車が掛かるのは明らかだ。安倍首相自らの言葉で説明しなければならない。


「加計学園」問題で新証言 もう怪文書とは言えない
 もはや文書が確認できないという言い訳は通用しなくなった。
 文部科学省の前川喜平前事務次官が記者会見し、学校法人「加計学園」(岡山市)が国家戦略特区に獣医学部を新設する計画で、「総理のご意向」などと記された文書が「確実に存在していた」と認めた。
 前川氏は今年1月、天下りあっせん問題の責任を取り辞任している。
 文書を巡っては、存在が示された17日に菅義偉官房長官が「誰が書いたものか分からない」などと述べ「怪文書」扱いした。さらに「首相から指示は一切ない」と関与も否定している。
 文科省での調査を実施した松野博一文科相は「存在が確認できなかった」と発表している。
 だが、前川氏の会見で、その主張は崩されたことになる。
 前川氏は会見で、文書に関し、昨年秋に獣医学部新設を担当する専門教育課から説明を受けた際に受け取ったと説明した。「あったものをなかったとはできない」と政権の対応を批判した。改めて調査すれば明らかになるとも話している。
 文科省の当時の事務方トップの証言で、問題の局面は変わった。
 前川氏によると、既存の獣医学部でない構想であることや獣医師の需給動向を踏まえることなどの4条件がもともと閣議決定されていた。
 ところが「特区で議論するのは(愛媛県)今治市の加計学園という共通認識で仕事をしていた」と述べ、まっとうな行政に戻すことができずに押し切られ、行政がゆがめられたと指摘した。
 文書の存在がはっきりした以上、実際に「総理の意向」があったのか、内閣府側の「そんたく」だったのかが焦点になる。
 前川氏は会見で、国会での証人喚問があれば応じる意向を示している。野党は、前川氏の国会での参考人招致や証人喚問を求めている。
 だが、再調査について、菅官房長官は「文科省が適切に対応されるだろう」と述べるにとどめ、松野文科相は再調査に否定的な考えを繰り返している。与党は参考人招致などに反対している。
 国会の場で、前川氏に証言してもらい、真相をはっきりさせなければ、疑問は解決しないだろう。


加計学園の認可  疑惑は深まるばかりだ
 安倍晋三首相の長年の友人が理事長を務める学校法人加計学園(岡山市)の獣医学部新設計画に行政的な優遇があるのではないかという疑惑が高まっている。
 文部科学省と特区を担当する内閣府のやりとりを記録したとされる文書には「官邸の最高レベルが言っていること」「総理の意向」の記載があったとして、民進党など野党が真偽を追及している。文科省は文書を確認できなかったと発表し、首相も「圧力をかけたことは一切ない」と説明している。
 しかし、文科省の前川喜平前事務次官が記者会見し、新設計画を巡る記録文書を「確実に存在していた」と証言した。前川氏は「文科省の専門教育課で作成され、在職中に幹部の間で共有された文書だ」と明言した。
 さらに、「疑問を感じながら仕事をしていた。まっとうな行政に戻すことができなかった。押し切られてしまった責任は大きい」とも述べた。
 文科省の事務方前トップの証言は重い。
 民進、共産両党は前川氏の参考人招致や証人喚問、安倍首相が出席する集中審議の実施を求めた。首相が認可に影響を与え、政策がゆがめられたのではないかとの疑念は拭いきれない。
 加計学園は国家戦略特区を活用し、愛媛県今治市に岡山理科大の獣医学部新設を計画している。大学の理事長と安倍首相は米国留学時代からの「腹心の友」で、年に数回は食事やゴルフをしている。
 獣医学部新設について、日本獣医師会は充足率の高さから反対していたが、安倍政権は新設に前向きになった。今年1月に新設計画を認定し、加計学園を事業者に選んだ。今治市は用地を学園側に無償譲渡し、県とともに96億円の施設整備費を助成する厚遇ぶりを示している。
 菅官房長官は、前川氏について「天下り問題を隠蔽(いんぺい)した文科省の事務方の責任者で、批判にさらされて辞任した人だ」と、証言の信頼性を疑う発言をした。首相の関与を指摘する文書は「出どころも明確でない怪文書」という姿勢だ。
 本来、自分と関係の深い民間業者の行政上の扱いは慎重であるべきだ。「李下(りか)に冠を正さず」ともいう。特に首相には一点の曇りもない行動が求められる。
 最新の世論調査では、記録文書の存在が確認できないという政府の説明に「納得できない」という国民が77%を占めた。やはり国会での真相究明が欠かせない。


加計学園問題 もう「怪文書」ではない
 疑念はさらに深まった。国会は関係者をいますぐ招致すべきだ。
 安倍晋三首相の友人が理事長の学校法人、加計(かけ)学園の獣医学部新設をめぐる記録文書について、文部科学省の前川喜平前事務次官がきのう「幹部の間で共有」され「確実に存在していた」と述べた。
 内閣府が文科省に対し「官邸の最高レベルが言っている」「総理の意向だ」と協力を求めたとして政治的圧力を疑わせる文書だ。
 官邸は「怪文書」と断じ、文科省はごく短期間の調査で「存在が確認できない」と片付けていた。
 しかし前任の事務方トップがその存在を明言した。内容は事実なのか、事実ならだれが「圧力」をかけたのか。検証が不可欠だ。
 ところが政府は再調査はしないという。ならば前川氏と、圧力をかけたとされる内閣府審議官を呼び、国会で究明するしかない。
 松野博一文部科学相は参院文教科学委員会でこの問題に関し「辞職された方のことをコメントする立場にない」と答弁を避けた。
 内容の真偽が確定できないにせよ、文科省のどこかで作られたと考えるのが自然だろう。その詳細を解明する責任は大臣にある。答弁回避は、職務放棄に等しい。
 「怪文書」と決めつけてきた菅義偉官房長官の姿勢も問われる。
 文書によれば「官邸の最高レベル」「総理の意向」の言葉は、内閣府審議官が口にしたとされる。
 内閣府を取り仕切る立場の官房長官が看過していいはずがない。
 だが菅氏は調査に消極姿勢を示す一方、前川氏について「天下り問題で批判にさらされ最終的に辞任した」と述べた。証言の信頼性を低下させようというのだろう。
 議論をすり替えて疑惑を糊塗(こと)しようというのなら姑息(こそく)に過ぎる。
 この問題ではほかにも、文科省と内閣府の協議を記録したとされる文書やメールが次々と明るみに出ている。いずれも、来春の開学を前提として調整が進められていたことをうかがわせる内容だ。
 半世紀以上も認められてこなかった獣医学部の新設が、なぜ急に進展したのか。同じように開設を目指した京都産業大の計画は認められず、なぜ加計学園が運営する岡山理科大が選ばれたのか。
 不透明な経緯の背景に、首相と学園の加計孝太郎理事長との親密な関係が、やはりちらつく。
 「安倍1強」をにらんだ政府内の忖度(そんたく)と斟酌(しんしゃく)が、行政の恣意(しい)的な運用を招いてはいないか。森友学園問題とも共通するその疑問に、国会は今度こそ答えてほしい。


前文科次官証言 真相究明へ徹底調査せよ
 「知らぬ存ぜぬ」はもはや通用しない。政府は徹底的に事実関係を調べ直して、真相を国民に説明すべきである。
 学校法人「加計(かけ)学園」(岡山市)が国家戦略特区を活用して愛媛県今治市に新設を計画している獣医学部を巡る記録文書の問題だ。
 「総理のご意向」「官邸の最高レベルが言っている」などと記された文書について文部科学省の前川喜平前事務次官が記者会見し「確実に存在していた」と証言した。
 前川氏は「文科省の専門教育課で作成された文書」と明かした上で、「官邸の最高レベルは首相か官房長官と思った。公正、公平であるべき行政のあり方がゆがめられた」とも語った。驚くべき証言である。
 私立大の学部新設に「首相の意向」が働くのか。首相側から働き掛けがなかったとしても、首相の友人が理事長だと官僚は「忖度(そんたく)」してしまうのか。組織的天下り問題で辞職したとはいえ、事務方トップだった前次官の証言は重い。
 安倍晋三首相が「腹心の友」と呼ぶ加計孝太郎氏が理事長を務める加計学園の獣医学部新設構想は不可解な経緯をたどってきた。
 構想は従来の構造改革特区で15回続けて認められなかった。ところが昨年11月、突然風向きが変わる。獣医学部新設が安倍政権の国家戦略特区のメニューに追加され、「獣医学部が存在しない地域に1校」の条件で公募された。文書は文科省が特区を担当する内閣府とのやりとりを記録したもので、文科省が容認に転じる前の9〜10月に作成されたとみられる。
 前川氏の証言は、きのうの国会でも取り上げられた。松野博一文科相は「辞職した人の発言をコメントする立場にない」と逃げの一手だった。文科省は民進党が国会で文書の真偽をただした際も、わずか半日の調査で「文書の存在は確認できなかった」と発表し、幕引きを図ろうとしていた。
 国民の疑念は深まるばかりだ。野党が求める前川氏ら関係者の証人喚問や参考人招致はもちろん、首相にも明確な説明を求めたい。


[加計学園文書存在]国会の場で真相究明を
 安倍晋三首相の「腹心の友」が理事長を務める学校法人「加計(かけ)学園」の獣医学部新設計画を巡って、「総理の意向」があったのではないかという疑念が一層、深まった。
 同計画に携わった文部科学省の前川喜平前事務次官が25日に会見し、「総理の意向」を伝えたとされる文科省の記録文書の存在について、「専門教育課で作成され、担当課から(自分が)受け取った文書だ」と明言。幹部の間で共有されていたという。
 その文書を「怪文書」と決めつけて、存在や内容を否定し、問題の幕引きに躍起になる政府の対応へ、疑問をかき立てる会見内容だった。
 大学設置認可の権限を持つ組織の元事務方トップの証言は重い。学部新設が認められるようになった経緯に不自然な点があることは再三指摘されてきた。政府は説明責任を果たすのは当然、国会も積極的に事実を究明し、国民の疑念を晴らすべきである。
 同学園は、政府の国家戦略特区を活用し、来年4月にも愛媛県今治市に獣医学部を開設することを目指している。実現すれば実に52年ぶりの新設である。
 文科省が長年新設を認めてこなかった理由は、獣医師の数が不足する見通しがないことがある。その中で、新設を認めないのは説得力のある判断である。
 不足どころか、供給過剰も予測される中で、養成機関や獣医師を増やした結果、専門職として働く場が少ないとなれば、高等教育にかけた時間とコストが無意味となり得るからだ。
■    ■
 さらに、第2次安倍政権発足後の2015年の閣議決定で、新たな獣医師ニーズに対応する場合にのみ、新学部設置を認めると限定した。
 会見で前川氏は、今回の計画で、どんな役割を果たす獣医師が、どれだけ必要なのか責任ある見通しがつかないため、文科省として新設を認められなかった、と説明したことも十分納得できる。
 しかし、国家戦略特区の事業として認められ、同学園が事業者に認定された。その過程で文科省は、特区を所管する内閣府から「総理の意向」「官邸の最高レベルが言っていること」などと伝えられていたとされる。仮に、首相の直接的な指示はなかったにしろ、「1強」といわれる首相の意向を官僚が忖度(そんたく)し、圧力をかけた可能性がある。
 「あったものをなかったことにはできない」と、内容や経緯を記した文書の存在を、当事者が明らかにした意味は大きい。
■    ■
 意に反して事が進められた前川氏は、「公正、公平であるべき行政の在り方がゆがめられた」と述べ、押し切られた自らの責任についても認めた。 
 「赤を青と言え」「黒を白にしろ」という官邸と、責任ある判断が難しくなっている省庁との極めて不健全な関係があることも示唆した。
 文科省は、文書の存在を「確認できなかった」とするが、再調査をすべきだ。政権与党は前川氏らの国会招致に同意して真相を解明し、国民に明らかにする責任がある。


「総理のご意向」文書を告発 前川前次官は怖いもの知らず
「文書は間違いなく本物。大臣や次官への説明用として担当の高等教育局専門課が作成した」――。メガトン級の内部告発だ。加計学園の獣医学部新設を巡る「総理のご意向」文書について、文科省前事務次官の前川喜平氏が25日発売の週刊文春で「本物」と認定。安倍首相の「威光」をカサに着た内閣府サイドの圧力の実態をブチまけた。前川氏は同日の朝日新聞にも登場、TBSの取材にも応じていている。
 当時の文科省トップが「正式な文書」と認めた記録を、勝手に「怪文書」と決めつけた菅官房長官は国民に詫び、首を差し出すのがスジ。ところが、前川氏の“風俗通い”をネタに今なお開き直った強弁を繰り返す。とんだ恥知らずだ。
■官邸はいまだに「怪文書」扱い
〈官邸の最高レベルが言っている〉
〈「できない」という選択肢はない〉
 居丈高な態度で筋の通らない要求を強引に迫る内閣府・地方創生推進事務局の藤原豊審議官らの発言記録を一つ一つ、前川氏は文春の取材に「事実」と認め、知る限りの経緯を証言している。
 8年間で15回も申請を蹴られた獣医学部新設のスピード内定の出来レース。安倍の「腹心の友」の希望通り、行政が歪められた実態を前川氏は「『赤信号を青信号にしろ』と迫られた」と表現。問題の〈総理のご意向〉という言葉については、こう語る。
「ここまで強い言葉はこれまで見たことがなかった。プレッシャーを感じなかったと言えばそれは嘘になります」
 そして「『これは赤です。青に見えません』と言い続けるべきだった。本当に忸怩たる思いです」と反省の言葉を口にしているのだ。
 文科省の当時の最高責任者がここまで腹をくくって証言した以上、首相の“腹心の友”への便宜供与を裏付ける文書の内容は、ますます信憑性を帯びてくる。
 ところが、安倍官邸は懲りない。松野博一文科相がお手盛り内部調査で、「文書の存在は確認できなかった」と発表したのをタテに、菅官房長官は「出所不明」の怪文書扱いを続けている。
「官邸サイドが裏で繰り返すのは、前川氏が政権に怨恨を抱いているとのレッテル貼り。天下りの組織的あっせん問題の責任を取り、わずか半年の任期で依願退職に追い込まれたことに、前川氏は恨み骨髄。ありもしない文書をデッチ上げ、メディアに持ちかけた『自作自演』のシナリオを吹聴しています」(官邸事情通)
 そこに追い打ちをかけたのが、例の“出会い系バー”常連報道で、官邸サイドは「あんなハレンチ漢の証言を信用したら痛い目に遭うぞ」と、メディアに妙な“恫喝”を加えているという。
「安倍首相が『私が働きかけて決めているなら責任を取る』と大見えを切った手前、菅官房長官らは“怪文書”と言い張るしかないのでしょう。とはいえ、文書の信憑性と次官の風俗通いは無関係。政権が強弁すれば、シロもクロになるような振る舞いは、『恥を知れ』の一言です」(政治評論家・本澤二郎氏)
■待ち受けるさらなる暴露
 前川氏は、年商812億円を誇る世界的な産業用冷蔵冷凍機器メーカー「前川製作所」の御曹司で、妹は中曽根弘文元外相に嫁いだ“華麗なる一族”の出だ。
 当然、官邸の横やりで天下り先を失っても困らないため、政権の裏側で何が起きているのか、その腐敗の真相を遠慮なく暴露できる。
 すでに「告白の内容はまだおとなしい。昨年12月に新設が合意に至る直前の“ご意向”圧力は特に凄まじかったようです。まだ表に出ていない文書もあるはず。前川氏は面倒見がよく、人望がありますから、歴代次官OBや“奇兵隊”と称する後輩の現職官僚も味方しています」(文科省関係筋)との声もある。
 民進党も前川氏の疑惑追及チームへの出席や、国会招致も視野に入れている。さらなる決定打が飛び出せば、安倍首相は政権発足以来最大の窮地に立たされる。


前川前次官問題で“官邸の謀略丸乗り”の事実が満天下に! 読売新聞の“政権広報紙”ぶりを徹底検証
 安倍首相主導の不当な働きかけが疑われる加計学園問題。例の「総理のご意向」「官邸の最高レベルが言っていること」などと記載された文科省の内部文書を巡り、昨日夕方、前事務次官の前川喜平氏が記者会見を開いた。
「これらの文書については、私が実際に在職中に共有していた文書でございますから、確実に存在していた。見つけるつもりがあれば、すぐ見つかると思う。複雑な調査方法を用いる必要はない」
「極めて薄弱な根拠のもとで規制緩和が行われた。また、そのことによって公正公平であるべき行政のあり方が歪められたと私は認識しています」
「証人喚問があれば参ります」
 各マスコミは一斉に“前川証言”を報じ始めた。昨夜はほとんどのテレビ局がこの記者会見を大きく取り上げたし、今日の新聞朝刊も多くの社が1面トップ、もしくはそれに準ずる扱いで、〈文科前次官「総理のご意向文書は確実に存在」「証人喚問応じる」〉と打った。
 こうなってみると、改めてそのみっともなさが浮き彫りになったのが、“伝説級の謀略記事”をやらかした読売新聞だろう。周知のように、読売新聞はこの前川氏の実名証言を止めようとした官邸のリークに丸乗りし、22日朝刊で〈前川前次官出会い系バー通い〉と打っていた。大手全国紙が刑事事件にもなっていない、現役でもない官僚のただの風俗通いを社会面でデカデカと記事にするなんていうのは前代未聞。報道関係者の間でも「いくら政権べったりといっても、こんな記事を出して読売は恥ずかしくないのか」と大きな話題になっていた。
 しかも、この読売の官邸丸乗りは当初、本サイトだけが追及していたが、そのあと「週刊新潮」(新潮社)もこの事実を暴露した。こんな感じだ。
〈安倍官邸は警察当局などに前川前次官の醜聞情報を集めさせ、友好的なメディアを使って取材させ、彼に報復するとともに口封じに動いたという。事実、前川前次官を貶めようと、取材を進めるメディアがあった。
「あなたが来る2日前から、読売新聞の2人組がここに来ていた。(略)」〉
 さらに昨日のテレビでも、『羽鳥慎一モーニングショー』『ワイド!スクランブル』(テレビ朝日)、『直撃LIVE グッディ!』(フジテレビ)などが「週刊新潮」の記事を引用しつつ、読売の記事が「官邸の証言潰しのイメージ操作」であることを指摘した。地上波のテレビ番組で、全国紙の記事が官邸の謀略だと指摘されるのは、おそらくはじめてではないだろうか。
赤っ恥、読売は前川会見をどう報じたのか? ちりばめられた官邸擁護
 官邸に“いい子いい子”をしてもらおうとしっぽをふりすぎて、満天下に恥をさらしてしまった読売新聞。いったいどのツラ下げてこの会見を報じるのか。今朝の同紙朝刊を読んでみたら、まったく反省なし。記事にはしていたものの、あいかわらず、官邸側に立っているのがミエミエだったのだ。
 まず、一面の見出しからして〈総理の意向文書「存在」文科前次官加計学園巡り〉のあとに〈政府は否定〉と付け加える気の使いよう。3面では〈政府「法的な問題なし」〉としたうえ、〈文科省「忖度の余地なし」〉の見出しをつけ、官邸の圧力を否定にかかったのである。
 もっとも、その根拠というのは、学部新設の認可審査は〈議事録も非公表で、不正が入り込む余地は少ない〉などと、なんの反論にもなってないもの。この間、前川前次官が証言した加計文書だけでなく、森友学園問題などでも、圧力を物語る証拠がどんどん出てきていることを無視しているのである。
 さらに、社会面では、自分たちが報じたことを一行も触れず、会見の中身を使うかたちで、例の「出会い系バー」通いに言及した。
 悪あがきとしか言いようがないが、こうした態度は読売だけではない。読売系のテレビ番組も“前川証言”には消極的で、露骨なまでに安倍政権の顔色をうかがう姿勢を示していた。
 それは昨日から始まっていた。他局は「週刊文春」の前川氏独占インタビューを受け、一斉にこの問題を報道。インタビュー済みだったTBSもこの時点で前川氏のインタビュー映像を放送していた。
 ところが、日本テレビは、午前の情報番組『ZIP!』『スッキリ!!』では加計学園の話題を一切無視、かろうじて『NNNストレイトニュース』が国会での民進党と松野一博文科相のやりとりをベタで触れたのみ。
 午後になっても、やはりストレイトニュースのコーナーで『情報ライブ ミヤネ屋』(読売テレビ)が国会質疑を受けてアリバイ的にやっただけで、夕方の『news every.』でようやく他局も中継した前川氏の会見の模様を報じるという体たらく。夜の『NEWS ZERO』も、テレビ朝日の『報道ステーション』やTBSの『NEWS23』よりも明らかに見劣りする内容で、政治部の富田徹記者が前川氏が会見を開いた理由について「安倍政権への怒りこそが大きな理由と見られます」と解説するなど“私怨”を強調すらした。
 もはや、読売はグループをあげて“安倍政権の広報機関”と化していると断言してもいいだろう。いったいいつのまに、こんなことになってしまったのか。
会食を繰り返す渡邉恒雄主筆と安倍首相、蜜月はピークに達す
「自民党総裁としての(改憲の)考え方は、相当詳しく読売新聞に書いてありますから、是非それを熟読してもらってもいい」
 2020年の新憲法施行を宣言した安倍首相が、今国会でこんなトンデモ発言をしたのは記憶に新しい。周知の通り、憲法記念日の5月3日、読売新聞はトップで安倍首相の単独インタビューを公開。まさに安倍首相の“代弁者”として振る舞った。
 しかも、インタビューを収録した4月26日の2日前には、読売グループのドン・渡邉恒雄主筆が、安倍首相と都内の高級日本料理店で会食しており、そこで二人は改憲について詳細に相談したとみられている。つい最近も、今月15日に催された中曽根康弘元首相の白寿を祝う会合で顔を合わせ、肩を寄せあうように仲良く談話している姿を「フライデー」(講談社)が撮影。このように、第二次安倍政権発足以降、安倍首相と渡邉氏の相思相愛ぶりはすさまじい。実際、安倍首相と渡邉氏の会食回数は傑出している。数年前から渡邉氏が読売本社にマスコミ幹部を招いて“安倍首相を囲む会”を開催しだしたことは有名だが、さらに昨年11月16日には、渡邉氏が見守るなか、安倍首相が読売本社で講演まで行っているのだ。
 こうした安倍首相の“ナベツネ詣で”は、重要な節目の前後にあり、重要法案などについてわざわざお伺いを立てていると言われる。事実、2013年には特定秘密保護法案を強行採決した12月6日前後にあたる同月2日と19日、14年には7月1日の集団的自衛権行使容認の閣議決定に向けて動いていた6月13日、15年は安保法案を国会に提出した4日後の5月18日、昨年ではロシア訪問の前日である9月1日などがこれにあたる。
 そして今年の“2020年新憲法施行宣言”の読売単独インタビューと、国会での安倍首相の「読売新聞を読め」発言に続く、前川証言ツブシのための「出会い系バー通い」報道の謀略……。もはや、そのベッタリぶりは報道機関の体さえなしていないが、これは単に安倍首相と渡邉氏の蜜月ぶりだけが問題ではない。現在、読売新聞では四半世紀にわたりトップに君臨する渡邉氏を“忖度”するあまり、政治部は当然として社会部や世論調査までもが、安倍政権の後方支援一色となっているのだ。
池上彰も「これがはたしてきちんとした報道なのか」と苦言
 たとえば昨年では、「今世紀最大級の金融スキャンダル」といわれたパナマ文書問題で、読売新聞は文書に登場する日本の企業名や著名人の名前を伏せて報じた。また、沖縄で起きた米軍属による女性殺害事件も他紙が詳細を報じているにもかかわらず、米軍関係者の関与については容疑者が逮捕されるまでは一行も触れていなかった。いずれも、政権にとってマイナスにならないようにとの配慮ではないかとみられている。
 まだまだある。安保報道における読売の明白な「偏向」ぶりは、あの池上彰氏をして、「安保法制賛成の新聞は反対意見をほとんど取り上げない。そこが反対派の新聞と大きく違う点です。読売は反対の議論を載せません。そうなると、これがはたしてきちんとした報道なのかってことになる」(「週刊東洋経済」15年9月5日号/東洋経済新報社)と言わしめたほどだ。
 事実、15年5〜9月の間の朝日、毎日、読売、産経においてデモ関連の記事に出てくるコメント数を比較すると、朝日214、毎日178に対して、なんと読売はたったの10。産経の11より少なかったという(一般社団法人日本報道検証機構調べ)。ちなみに、安保関連の細かいところでは、安倍首相が蓮舫議員に対し「まあいいじゃん、そんなこと」というヤジを飛ばしたことがあったが、読売新聞はこのヤジ問題を全国紙で唯一報じなかった。
 さらには世論調査までもが、“安倍首相に捧げる”世論操作の様相を呈している。たとえば15年7月24〜26日実施の読売全国調査では、〈安全保障関連法案は、日本の平和と安全を確保し、国際社会への貢献を強化するために、自衛隊の活動を拡大するものです。こうした法律の整備に、賛成ですか、反対ですか〉などと、安倍政権の主張をそのまま質問文に盛り込んだ誘導質問を展開。集団的自衛権閣議決定の14年には、〈集団的自衛権71%容認 本社世論調〉なる記事を出したが、これも調査で人々が心理的に選びがちな「中間的選択肢」をあえて置き、回答を誘導したとしか思えないものだった。
森友学園問題でも官邸擁護、“忖度新聞”は民主主義の敵だ
 森友学園報道を露骨に避けていたことも忘れてはならない。実際、朝日新聞(東京版)が森友学園をめぐる国有地問題を初めて紙面で取り上げたのは今年の2月9日だったが、一方の読売(東京版)は同月18日で、実に1週間以上もの開きがある。しかも、この読売の記事のタイトルは「国有地売却に首相関与否定」というもので、これまた安倍政権側に立ち、文字数わずか200字弱のベタ記事だった。
 また、初めて社説で森友問題を扱ったのは、朝日が2月22日、毎日が同月23日に対して、読売は同月28日とかなり遅い。傑作なのが3月の籠池泰典理事長(当時)証人喚問翌日の社説のタイトル。全国各紙を比較してみるとこんな感じだ。
朝日「籠池氏の喚問 昭恵氏の招致が必要だ」
毎日「籠池氏喚問 関係者の説明が必要だ」
日経「真相解明にはさらなる国会招致がいる」
産経「籠池氏喚問 国有地売却の疑問とけぬ」
読売「籠池氏証人喚問 信憑性を慎重に見極めたい」
 何をか言わんや、である。現在の読売が、いかにかつての“中道右派のエスタブリッシュメント”的な紙面づくりを放棄しているか、よくわかるというものだ。なぜ、こんなことになってしまったのか。数々のスクープを手がけた元読売新聞記者・加藤隆則氏は、スタジジブリが無料で配布している小冊子「熱風」2016年4月号でのジャーナリスト・青木理氏との対談で、最近の読売をこのように分析している。
「だんだん官僚的になって、事なかれ主義になっている。今の政権にくっついていればいいんだと。それ以外のことは冒険する必要はなく、余計なことはやめてくれと。これは事実だからいいますけど、読売のある中堅幹部は、部下に向かって『特ダネは書かなくていい』と平気で言ったんです。これはもう新聞社じゃない。みんなが知らない事実を見つけようという気持ちがなくなった新聞社はもう新聞社じゃないと僕は思います」
「この新聞社にいても書きたいことは書けなくなってしまった。そういう新聞社になってしまったということです。社内の人間は多くが息苦しさを感じている。(略)でも辞められない。生活もありますから。だからみんな泣く泣く、やむなく指示に従っている」
 森友学園、加計学園問題でバズワードとなっている“忖度”が、読売新聞社内でも疫病のように流行っている。暗澹たる気持ちになるのは、安倍首相と独裁的トップのほうばかりを向き、政権擁護を垂れ流して、さらには謀略にまで加担してしまうこの新聞が、いまだ発行部数第1位であるという事実。民主主義にとって、極めて有害としか言いようがない。(編集部)


加計学園問題 前川前次官が会見で暴露した「疑惑の核心」
「黒を白にしろと言われる」――。加計学園をめぐる問題で、すべてを知る立場にあった文科省の前川喜平前次官が、政権中枢からの“圧力”を暴露した。およそ1時間にわたる記者会見で語られたのは、「総理のご意向」によって「公平公正であるべき行政が歪められた」ことへの怒りと反省だった。
 安倍首相の「腹心の友」が理事長を務める加計学園の獣医学部新設が「総理の意向」で進められたことを示す文科省の内部文書を官邸は怪文書扱い。
 この文書について「本物だ」と断言する前川氏がメディアの取材に応じると、安倍官邸はスキャンダル情報を読売新聞にリークして、潰しにかかったとも報じられている。
 さらには、菅官房長官は会見で「地位に恋々としがみつき、最終的にお辞めになった方」と前川氏をおとしめる人格攻撃まで。官邸がここまでエゲツないことをしなければ、前川氏も大々的に記者会見まで開いて洗いざらいブチまけることはなかったのではないか。
「後輩たちや、お世話になった大臣、副大臣にこの件でご迷惑をおかけすることになる。その点では大変に申し訳ないと思うが、あったことをなかったことにすることはできない」
 冷静な口調ではあったが、腹をくくった覚悟が伝わってきた。会見で前川氏が強調したのは、「行政が歪められた」という点だ。それは公僕の矜持として、どうしても看過できなかった。すべてを明らかにすれば、国民の理解を得られると確信して、会見を開いたのだろう。
 前川氏によれば、国家戦略特区の制度を使って、加計学園の悲願だった獣医学部の新設が認められたプロセスには重大な疑義があるという。本来のルールをねじ曲げて、加計学園に特別な便宜が図られたとしか見えないのだ。
 国家戦略特区で獣医学部の新設を認めるにあたり、2015年6月30日に閣議決定された「日本再興戦略改訂2015」では4つの条件が示されていた。
ヾ存の獣医師養成ではない構想が具体化すること
▲薀ぅ侫汽ぅ┘鵐垢覆表丹綮佞新たに対応すべき分野における具体的な需要が明らかになること
それらの需要について、既存の大学学部では対応が困難であること
ざ畴の獣医師の需給の動向を考慮しつつ全国的な見地から検討すること
 要するに、既存の獣医学部では対応できないニーズに応える獣医師を養成する場合にかぎり、新設を認めるということだ。ところが、加計学園の獣医学部は「需要の根拠が薄弱で、既存の大学でできないのか検証されていない。条件すべてに合致していない」(前川氏)という。
 政府が決めた4つの条件をまったく満たしていないのに、昨年8月に国家戦略特区を担当する大臣が石破茂氏から山本幸三氏に交代した途端、一気に獣医学部の新設が動き始めた。問題の「総理のご意向」文書が作成されたのも、昨年9月から10月だ。
「石破氏は4条件を厳しくチェックしようとしてたし、獣医師会に近い麻生大臣も獣医学部の新設に反対していた。それを覆し、自分たちが閣議決定したルールさえ無視して進めることができるのは、安倍首相の強い意向だとしか思えません。4条件から逸脱していること自体が、友人のために特別な便宜を図った証拠と言える。加計学園は特区事業者に認定される前の昨年10月に、新設予定地のボーリング調査も行っています。すべて『加計学園ありき』で動いていたのです」(ジャーナリストの横田一氏)
 ここまで状況証拠がそろい、国民の間にも「行政が歪められた」ことへの疑念が広がっている。前川氏自身も「応じる」と言っている以上、証人喚問ですべてを明らかにするしかない。


加計学園問題 前次官を招致すべきだ
 安倍晋三首相の友人が理事長を務める学校法人に便宜が図られたのではないか―。岡山市の加計学園の獣医学部新設計画を巡る疑惑がさらに深まった。
 文部科学省の前川喜平前事務次官が記者会見し、内閣府とのやりとりを記したとされる文書について「確実に存在していた」と証言した。「総理のご意向」などと記載されている。国会で事実関係を明らかにしなくてはならない。
 愛媛県今治市に岡山理科大の獣医学部を新設する計画だ。地域限定で規制を緩和する政府の国家戦略特区制度を活用している。
 獣医学部の新設は1966年以来、52年ぶりになる。これまで日本獣医師会などが充足率の高さから反対し、認められずにきた。2016年11月に安倍首相が国家戦略特区諮問会議で新設に向けて制度を見直すと表明し、今回の計画が認定された経緯がある。
 問題の文書には、学園の獣医学部設置を巡り「官邸の最高レベルが言っていること」「総理のご意向だと聞いている」などと記載されている。民進党が入手し、国会で追及してきた。
 重大な問題にもかかわらず、政府、与党には徹底解明しようという姿勢がうかがえない。
 松野博一文科相は先週、文書について「省内調査で存在は確認できなかった」と発表した。担当職員への聞き取りや、担当部局が資料を共有する電子フォルダなどの調査の結果だという。見つからなかった―では済まされない。
 民進は参院文教科学委理事会で前川氏の参考人招致を求めたものの、与党側は反対している。前川氏は「公正、公平であるべき行政の在り方がゆがめられたと思っている」とも述べた。事務方トップだった人物の指摘は重い。与党は野党の要求に応じるべきだ。
 新たな文書も次々に明るみに出ている。一つは、昨年11月の諮問会議で獣医学部の新設要件が決まる前に、文科省が加計学園を念頭に協議を進めていたとするメールの文面だ。「先日に加計学園から構想の現状を聴取した」といった表現がある。
 共産党は加計学園の選定が前提だったことをうかがわせる工程表とみられる文書を入手したとして政府見解をただしている。
 きのう参院の委員会で松野氏は文書について「改めて調査するつもりはない」とした。「辞職された方の発言についてコメントする立場にない」とも述べている。前次官の証言を無視して問題の幕引きを急ぐことは許されない。


加計学園 「個人PC調べれば…」文科省調査に強まる疑念
前事務次官「文書は本物」受け野党から「不十分な調査だ」
 安倍晋三首相の友人が理事長を務める学校法人加計(かけ)学園(岡山市)が獣医学部を新設する計画で、内閣府が文部科学省に「総理のご意向」などと早期開学を促したことを記録したとされる文書を巡り、「存在を確認できなかった」とする文科省の調査を疑問視する声が強まっている。前川喜平前事務次官が「文書は本物」と断言したことを受け、26日の衆院文部科学委員会で野党は「不十分な調査だ」と批判した。
 「海に行ってコイが釣れない、『だからコイはいない』という論理だ」。文科省は問題の文書を行政文書とは認めていない。にもかかわらず、調査の対象を実質的に行政文書に限定していることを、社民党の吉川元氏は委員会で皮肉った。
 文科省は高等教育局の幹部ら7人に一連の文書を示して作成・共有したかを聞き取ったほかは、担当部署の職員がパソコン(PC)で利用できる共有フォルダー内に絞って調査を実施。文科省の義本博司総括審議官は吉川氏に「共有フォルダーに入ったものは行政文書と認識している」と答弁し、行政文書しか調べていないことを認めている。
 吉川氏は文科省の天下りあっせん問題の調査を引き合いに出し、「職員間の引き継ぎメモは行政文書以外から出てきた。個人(PC)のフォルダーを調べるべきだ」と主張した。
 一方で、専門家からは一連の文書は個人的メモではなく行政文書に該当するとの指摘が出ている。公文書管理法は職員が職務上作成し、組織的に用いるものと定義。前川氏は25日、担当課から報告を受けた際に見た文書と同じで幹部間で「共有していた」と述べており、NPO法人情報公開クリアリングハウスの三木由希子理事長は「前川氏の言う通りなら行政文書。日付や作成者の氏名が書かれていなくても関係がない」と指摘する。
 ただ、「ファイルに残し、保存期間を決めるなどの行政文書としての管理をしていなかったとみられ、情報公開請求しても出ないだろう」と推測する。【伊澤拓也、青島顕】


アクセス 国会答弁、そんたくの嵐 現役官僚、官邸に人事握られ
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 安倍晋三首相の友人が理事長を務める「加計学園」の獣医学部新設や「森友学園」の問題で、関係省庁の幹部は「首相官邸へのそんたく」を疑う野党の国会質問に対し、資料の存在を真っ向から否定してきた。憲法が「全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない」と定めた公務員が過度に政権寄りになっていないか。官僚らの本音を聞いた。【まとめ・佐藤丈一】
 「職員へのヒアリングを通じて、文書の存在が確認できなかったと結論を出した」
 25日の参院文教科学委員会。文科省の義本博司総括審議官は、加計学園に対する早期の獣医学部の認可が「総理のご意向」と記した文書の真偽の確認を避けつつ、再調査は否定した。前川喜平前事務次官は25日、記者会見で内閣府の強い圧力があったと明かしたが、政権は「文書に書かれたような事実はない」(菅義偉官房長官)との一線を崩さない。
 森友問題でも、財務省の佐川宣寿理財局長が2月以降、「資料は破棄した」「パソコン上のデータもない」との答弁を続け、なぜ破格の安値で国有地を売却したのか、詳細な説明を拒んでいる。
 野党は首相の妻昭恵氏と森友側の関係を究明するため佐川氏を追及しているが、省内で擁護論は根強い。50代の幹部は「野党をけむに巻く答弁で、高く評価している」。他省庁にも「政権を支えるのは行政の責任だ」(内閣府・40代)と当然視する声がある。
 だが、財務省は永田町と霞が関の情報を握り、発言を文書に蓄積することで「最強官庁」として君臨してきた。「さすがに『書類がない』という答弁は疑問だ」(厚生労働省・50代)との声が一般的だ。政府内では「佐川氏には次のポストが用意されているはずだ」との観測もある。
 財務省は2回にわたり消費増税を延期した官邸と微妙な温度差がある。次の増税時期は2019年10月。首相が18年の自民党総裁選で3選すれば21年まで政権維持が可能だ。「安倍政権に貸しを作る思惑ではないか」(内閣府幹部)との見方が広がっている。
 「官邸の影響力がどんどん拡大している。顔色をうかがうのは当然だ」。局長級幹部の一人はこう語る。
 最大の原因が14年に発足した内閣人事局だ。各省庁の部長・審議官級以上の約600人の人事が、従来の各省主導から官邸の一元管理に移った。厚労省の50代の幹部は「大臣に従って仕事を進めるが、本当に気になるのは人事権を握る官邸だ。具体的な指示があれば腹をくくらざるを得ない」と語る。官邸の意向から外れることなく、強気で野党の批判をかわす姿は、こうした思考に重なってみえる。
 「官邸1強」をキャリアを志す学生はどう見るのか。「官僚はしょせん政権に逆らえない」(東大法学部4年)「政治家の圧力は昔からある。バランスが大事だ」(京大法学部4年)と達観した見方がある。一方、かみ合わない答弁を繰り返す高級官僚の姿に「国民をみて仕事をする本来の姿ではない」(東大経済学部4年)と疑問を抱く学生も少なくない。
 官房副長官として5人の首相に仕えた古川貞二郎氏(82)は「政と官は上下関係ではなく、あくまで役割分担だ。政治に対して多様な選択肢を示し、より良い決断に貢献する姿勢が必要だ」と強調。「『国家、国民に仕えている』という筋を通してほしい」と注文を付けた。


言葉の重み心せよ - 編集委員 増山 和樹
 自民党代議士の無神経な発言が止まらない。15日には東京16区選出の大西英男衆院議員が、党厚生労働部会でがん患者の勤労権を否定するようなやじを飛ばし、22日に謝罪した。基本的に人は働かなければ食べていけない。「働かなくていい」とはどういう了見か。大西氏は「喫煙可能な店でのこと」と釈明したが、発言は病と闘いながら働く多くの尊厳を傷つけた。
 この日の党厚生労働部会では、受動喫煙防止を強化する健康増進法の改正案が議論されていた。そもそもやじを飛ばすような場ではなかったはずだ。議題に向き合う大西氏の姿勢は推して知るべしである。
 山本幸三地方創生担当相が観光振興を語る中で飛び出した「一番のがんは文化学芸員」などの発言も記憶に新しい。山本氏は発言を撤回して謝罪したが、学芸員の多くは今も反発を感じているだろう。
 山本氏の発言には二重の意味で問題があった。一つは誤った認識に基づき学芸員を批判したこと、もう一つは「がん」である。悪質なもの、障害となるものをがんとする例えは日常社会で用いられる。しかし、その病と闘う人にとって、決して優しい言葉ではない。もし当人を前にしたなら、別の表現に言い換えるだろう。国務大臣が講演で用いる言葉としては、極めて不適切で配慮に欠ける。
 同じ4月には、復興相だった今村雅弘氏の「あっちの方でよかった」発言もあった。東日本大震災が東北でよかった。首都圏なら甚大な被害があったとする趣旨で、当然ながら被災地の怒りを買った。今村氏は翌日辞任したが、任命した安倍晋三首相による事実上の更迭といえる。
 政治家にとって、言葉は極めて重いものだ。SNS含め、有権者はその言葉で人物と政策を判断し、意志を示す。相次ぐ問題発言は、自民党による1強政治の中で、言葉が軽くなっている証しだろう。それが慢心や緩みからくるものなら、党全体を締め直す必要がある。
 奈良市長選の告示まで1カ月余り。自民党は今なお独自候補を立てられないでいる。市議団と党県連のねじれも取り沙汰され、党支持者の不満は高まるばかりだ。傲慢(ごうまん)とも取れる中央の政権運営を見る限り、市長選も順風とは言えまい。現職など立候補を表明した2人は既に走り出している。独自候補擁立にこぎ着けたなら、生半可な言葉では有権者の心に響かないと覚悟すべきだ。 


米高裁も入国規制認めず 大統領令は「差別」
 【ニューヨーク共同】イスラム圏6カ国からの入国を規制するトランプ米政権の新たな大統領令について、南部バージニア州のリッチモンド連邦高裁は25日、一時差し止めた連邦地裁の仮処分命令を支持する決定を出した。大統領令は、米国憲法が禁じる特定の宗教への「差別」と認定した。新大統領令への高裁判断は初めて。
 トランプ政権は抜本的なテロ対策のため入国規制が必要だと訴えてきた。看板政策が「差別」と認定され、2月に高裁で差し止められた旧大統領令に続いて退けられたことでトランプ大統領には大きな痛手となった。


グアム移転見直し 在沖海兵隊の全面撤退を
 ネラー米海兵隊司令官が在沖海兵隊のグアム移転計画の見直しを検討していると明言した。北朝鮮の核・ミサイル開発の進展で、ミサイルの射程にグアムが入りかねないことが背景にある。
 日米両政府は在沖海兵隊約1万9千人のうち約4千人をグアム、約5千人をハワイなどに移転させることで合意している。
 ネラー氏は、グアム移転計画に現時点で変更はないとしてはいる。だが、北朝鮮のミサイル開発が急速に進む状況からして、在沖米軍の再編計画に影響を与える可能性がある。
 移転計画の後退は断じて容認できない。沖縄以外への移転方針を堅持し、米本土などに移転することを強く求める。
 北朝鮮がミサイル開発に力を入れる中、沖縄に米軍基地を集中させ続けることは大きなリスクを伴う。在沖海兵隊のグアムなどへの移転計画も、沖縄の負担軽減を図ることだけが目的ではない。リスク分散の狙いもある。
 北朝鮮がことし3月に弾道ミサイル4発を同時発射したのは、在日米軍基地攻撃の訓練だったと朝鮮中央通信は報じている。県民や米軍関係者の安全を考慮すれば、沖縄からの米軍撤退を真剣に検討する時期に来ている。手始めに海兵隊は全面撤退すべきだ。
 北朝鮮のミサイルは2016年2月、沖縄本島と先島上空を通過している。完全にミサイルの射程に入っている沖縄はグアムよりはるかに危険度が高いのである。
 北朝鮮の脅威を理由に、在沖海兵隊の移転計画を延期したり、撤回したりすることは沖縄のリスクを高めることにしかならない。米政府は、沖縄が射程にある事実を深く認識し対応すべきだ。閉鎖に反対する米本土の基地に移転するなど、選択肢はいくらでもある。
 計画見直しのもう一つの理由にも注目したい。グアムやテニアン島などへの移転に伴い、国家環境政策法(NEPA)に違反するとして反対運動が起き、訓練場を十分確保できる見通しが立っていないのだ。
 NEPAは、米政府が「著しい影響を人間環境に与える活動」を実行する前に、環境影響評価書作成と公表、代替案の検討、住民の手続き参加を義務付けている。日本の法律が及ばない在沖米軍基地にNEPAを厳格に適用するのは当然だ。県民生活に悪影響を及ぼす米軍の訓練は廃止すべきである。


護岸着工1カ月 「後戻り」今しかできない
 宝の海が侵されていく。本紙が25日付朝刊に掲載した名護市辺野古での新基地建設に伴う「護岸」工事の様子は、沖縄が誇る青い海と、そこに延びる灰色の砕石との対比で異様さを浮き彫りにした。
 1カ月前、政府が工事に着手した際、翁長雄志知事は危機感と同時に「始まったばかりで、二度と後戻りができない事態にまで至ったものではない」と話していた。
 新基地建設に反対する県民が7割を超える中、工事を続行する正当性は薄い。それでも現場では砕石や土砂が海に投入されていく。原状回復が困難になる前に「後戻り」できるのは今しかない。民意を受け止め、政府は直ちに工事を止めるべきだ。
 同時に翁長知事には埋め立て承認の撤回を含め、工事を止める手だてを講じてもらいたい。希少なサンゴをはじめ、豊かな生物相を守るには一刻の猶予もない。
 辺野古新基地建設を争点とした各種選挙では、いずれも反対派が勝利した。これだけにとどまらない。本紙が実施した復帰45年県民世論調査で、辺野古に新基地を建設すべきだと回答したのは18%しかなかった。74・1%は普天間飛行場の撤去、または県外・国外移設を求めている。「辺野古が唯一」と考える政府と違い、県民の多数は新基地を望んでなどいない。
 さらに政府は自らの政策の矛盾にも気付いていないのではないか。
 内閣府が16日に発表した沖縄観光ステップアップと題する新戦略はクルーズ船の寄港増加に伴う交通環境などの整備、やんばる国立公園の指定を契機とした価値の増大を掲げた。
 大型クルーズ船寄港に伴い整備を予定する本部港や、観光客に人気のある美ら海水族館まで、辺野古からは25キロ前後にある。やんばるの森までも数十キロだ。訓練場所である伊江島補助飛行場や北部訓練場への通過地点でもある。
 観光地の真上でオスプレイなど危険な航空機を飛ばそうというのか。観光振興の主な舞台であるやんばるに新基地を造るのは、消火器を構えながら火に油を注ぐ愚に見える。
 翁長知事が埋め立て承認を撤回できる環境にあるのは世論が示している通りだ。普天間飛行場は危険であり、直ちに閉鎖すべきだ。抑止力でもない海兵隊が新基地を必要とする根拠も薄い。豊かな海に取り返しのつかない被害を与えるまで待つことはできない。


[自民の改憲論議] 国民分断を招かないか
 安倍晋三首相による2020年の憲法改正施行提案を踏まえ、自民党は党内論議を加速させる方針を確認した。
 憲法9条への自衛隊明記などを唱える首相は、年内に党改憲案を公表したい考えだ。党幹部は早ければ、来年の通常国会での改憲発議を目指すとしている。
 党憲法改正推進本部は、幹事長や政調会長ら執行部役員が加わるなど態勢を強化した。
 改憲論議に首相の意向を強く反映させる狙いだろう。改憲案の取りまとめに前のめりの姿勢がうかがえる。
 だが、改憲の発議権は国会にある。首相の改憲発言は、行政府の長が公然と立法府の権限に介入するのも同然である。
 深刻なのは、衆参の憲法審査会で合意形成を重視する与野党の路線が断ち切られたことだ。
 このまま改憲が発議されれば、数の力で野党の反対を押し切り、強行採決を繰り返さざるを得なくなるだろう。
 改憲の最終的な決定手続きは国民投票にゆだねられるが、各種の世論調査でも9条改正への賛否は分かれている。
 拙速な発議の末に国民投票という重い選択を迫るなら、国民を分断する結果を招きかねない。
 衆院の憲法審査会は野党の反発で一時中断したものの、自民党が「与野党で丁寧な議論を積み重ねる」と釈明し、ひとまず再開にこぎつけた。
 とはいえ自民党は、首相発言はあくまで党総裁としての考えとし、何ら問題はないとの立場を崩していない。
 今後、審査会はどのように議論を積み重ねていくか、存在意義が問われよう。
 安倍首相は憲法記念日のメッセージ以来、積極的な発言を続けている。目立つのは「首相」と「党総裁」の使い分けだ。
 こうした対応で国会での説明を拒む姿勢は目に余る。首相に課せられた憲法尊重、擁護義務にも反する恐れがある。改憲自体が目的化し、憲法を軽んじているなら、到底容認できない。
 首相の9条改憲案は戦争放棄の9条1項と戦力不保持の2項を残したまま、自衛隊の存在を書き込む「加憲案」だ。12年にまとめた党改憲草案の内容とも異なる。
 なぜ20年施行と期限を区切るのか、党草案との整合性はどうなるのか。そもそも改憲の機が熟しているといえるのか、疑問は尽きない。
 憲法は主権者である国民のものだ。一人一人が改憲論議の行方にしっかり目を凝らす必要がある。


統合幕僚長発言/憲法軽視は容認できない
 自衛隊の制服組トップである河野克俊統合幕僚長が、憲法改正に関する踏み込んだ発言をした。9条に自衛隊の存在を明記する安倍晋三首相の提起について問われ、「非常にありがたいと思う」と述べた。
 日本外国特派員協会で行われた記者会見での発言で、質問に対して答えた。「一自衛官として申し上げるなら」とことわった上での見解の表明だが、これは言い訳にはならない。
 自衛隊法は隊員の政治的な行為を制限しており、その規定に抵触する疑いがある。何より、公務員には憲法を尊重し擁護する義務がある。
 河野氏は最高幹部の制服姿で会見に出席した。たとえ「一自衛官」としての発言であっても公務員に変わりはなく、公の場で改憲を期待するような言動は許されない。
 それでなくても、統合幕僚長は陸海空の自衛隊の運用を統括するポストで、大きな権限と影響力を持つ。文民統制の面からも政治的な行為には自制が求められるはずである。
 今回、河野氏は「自衛隊の根拠規定が憲法に明記されることになればありがたいと思う」と述べた。その直前に「憲法は高度な政治問題なので、統幕長の立場で申し上げるのは適当ではない」とも話している。
 事の重大さを知りながらあえて発言したのであれば、進退を問われかねない問題だ。
 菅義偉官房長官は「個人の見解という形で述べた。全く問題ない」と弁護するが、的外れというしかない。発言を慎むよう厳しく注意すべきだろう。
 そもそも、憲法9条に自衛隊を明記する新たな条項を加えるという首相の提起自体、憲法擁護義務に反すると指摘されている。自民党総裁としての発言だと釈明するが、立場の使い分けは詭弁(きべん)としか聞こえない。
 安倍政権は2年前にも、衆参いずれかの議員の4分の1が要求すれば臨時国会を召集すべきと定める憲法53条に従わず、召集を見送ったことがある。憲法軽視の空気が政府内に広がっているとすれば、同じような言動が繰り返される恐れがある。
 「憲法は権力を縛るもの」という立憲主義の原理を首相以下、改めて肝に銘じるべきだ。


政府要人 「個人の見解」なら、何を言っても許されるのか
 安倍晋三首相が9条への自衛隊明記を唐突に提案し、自衛隊制服組トップの河野克俊統合幕僚長が「ありがたい」と述べた。憲法軽視ともとれる発言だが、菅義偉官房長官は「個人の見解」だとして問題視しない。この表現、最近やたら目につく。政府要人が公の場で「個人の見解」と断れば、何を言っても許されるのか?
 発言は23日、東京の日本外国特派員協会での記者会見で飛び出した。自衛隊法61条は隊員の政治活動を制限し、入隊時の服務宣誓で憲法順守を誓う。憲法学者の木村草太・首都大東京教授は「憲法99条の公務員の憲法尊重擁護義務にも抵触しかねない」と指摘する。
 しかし、菅官房長官は24日の会見で「個人の見解」だと強調。翌25日には稲田朋美防衛相と河野氏本人も「個人の見解で政治的意図はない」と釈明した。
 実は河野氏、23日の会見では「一自衛官として申し上げれば」と述べていた。「自衛官(公務員)」の見解ならなおさら問題だ。それが「個人」にすり替わっている。「飲み屋での会話ではなく、統幕長として臨んだ記者会見です。個人的な発言にはなりえません」(木村さん)
 稲田防衛相も3月、森友学園問題で注目される教育勅語を巡り「(教育勅語の)核の部分は取り戻すべきだ」と国会で答弁。菅官房長官は「所管外で個人的な発言」と釈明した。木村さんは「そう言うなら国会でプライベートな会話をすべきではない」とあきれる。
    ◇
 「個人の見解」なら何でも許されるのか。
 タレントの松尾貴史さんは「都合の悪い時に『個人の見解だから問題ない』と片付けるのは、『個』の存在を軽んじていることの裏返し」と指摘する。
 国会で審議中の「共謀罪」に、国連のプライバシー権に関する特別報告者が懸念を示した一件でも、政府は「個人の資格による調査。国連の立場を反映するものではない」と反論した。松尾さんは「これも『個人の見解』ということで、問題を矮小(わいしょう)化するいつもの手口だ」と説明する。
 米国在住の映画監督、想田和弘さんは、こうした物言いを「まるで『ブルシット』(牛のフン)。でたらめ、うそ、まやかし、という意味の俗語です。牛のフンをばらまいて問題の本質を隠し、世間をかく乱している」と批判する。
 「森友問題で安倍首相は妻昭恵さんを『私人』だと主張し、議論を『便宜供与の有無』から『私人か公人か』にそらした。あれと根は同じ。『個人の見解』を政治家が多用するのは、批判逃れに効果的と気付いたから」
 トランプ米大統領の登場で「ポスト・トゥルース(真実)」「フェイク(偽)ニュース」という言葉が脚光を浴びている。「米政界でもブルシットは多いが『個人の見解』は聞かない」と想田さん。憲法改正など重大な問題について「個人の見解」を連発し、世論を醸成していく。この点で「安倍政権はトランプ大統領の先を走っているのでは」とも。【小国綾子】


首相の詭弁も限界
 ★政治部も社会部も政権に沈黙し、メディアのチェック機能が働かなくなっていたのではないかと思っていた。首相・安倍晋三は憲法改正について「読売新聞を熟読して欲しい」と言ったが、その読売は前文科事務次官・前川喜平が出会い系バーに出入りしていたと報じた。永田町では日本一のクオリティーペーパーを「党の機関紙か官報ではないか」とやゆされる始末。読売は官邸に利用され、記者もそれで良しと軍門に下ったのかも知れないが、朝日新聞は加計学園問題では追及の手を強める。 ★官房長官・菅義偉が「怪文書」と一蹴した内閣府から文科省に「総理のご意向」などと伝えられたと記された文書を前川は自らが担当課から説明を受けた際に示されたと証言。同時に官庁から当時の内部関係文書がいろいろと出始め、官僚たちも官邸の意向を忖度(そんたく)することを乗り越え、前川に続いた。これが本来の三権分立と報道の独立性なのだが、情報と権力を握る官邸に逆らいにくい状況が続いていたのかも知れない。 ★共謀罪に懸念を示す国連特別報告者・ケナタッチを「個人」のものとはねつけたが、公務員の随行を5人も付ける首相夫人は「私人」と閣議決定した。その共謀罪は国連などの条約の批准が必要だから法制化が必要と説き、成立しないと「東京五輪が開催できないかも」(首相)と脅かしたが、その詭弁(きべん)も限界に達している。政界では森友学園前理事長・籠池泰典の逮捕説が流れている。誰もが口封じと感じるが、こんな社会がまかり通らぬよう権力と戦うのがメディアの役割だったはず。政界、官界、メディアの正常化を強く求める。

斜面
米メディアから繰り返し人格を攻撃されたという。2013年6月、英紙「ガーディアン」にスクープを書いたジャーナリスト、グレン・グリーンウォルドさんだ。インターネットを利用した米情報機関の市民監視の実態を告発していた◆ニューヨークタイムズは犯罪に問われる可能性があると報道し「活動家」のレッテルを貼った。過去の借金や税金の滞納を調べたうえ、10年前に住んでいたアパートで規約を超える体重の犬を飼っていてトラブルになったことまで報じた大衆紙もあった◆極秘ファイルを提供したCIA元職員のスノーデン氏も人間性をおとしめられた。グリーンウォルドさんは自著「暴露―スノーデンが私に託したファイル」に書いた。条件反射のように告発者を悪者扱いするのは権力者の利益を守るため政府寄りメディアが使う常とう手段だ、と◆安倍晋三首相の友人が理事長を務める加計(かけ)学園の獣医学部新設をめぐる問題で文科省の前川喜平前事務次官が証言した。「総理のご意向」と記された記録文書の存在を認め「疑問を感じながら仕事をしていた。まっとうな行政に戻せなかった」と述べた◆政府は「怪文書」と決め付け「忖度(そんたく)政治では」との批判を一蹴してきた。重い告発だ。新聞や週刊誌が前川証言をスクープする一方、在職中に出会い系バーに通っていた―と報じた新聞もある。国民にとって大切な真実とは何か。ジャーナリズムは今、踏み絵を前にしているのではないか。

健康診断・検便は次回/激おこぷんぷん丸?/灘出身の未成年

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舞姫

Grève de la faim des détenus palestiniens : solidarité !
Après avoir signé un contrat de 110 milliards de dollars avec le roi Salman d’Arabie saoudite, Donald Trump est arrivé en Israël...
Au-delà des problèmes de fermetures de nombreuses rues dans le but de créer des ≪ zones stériles ≫, ce qui poussent de nombreux habitants de Jérusalem à quitter la ville pour quarante-huit heures, il n’y a pas grand-chose à attendre de la visite du président étatsunien à Jérusalem et à Ramallah, ce dernier étant davantage préoccupé par l’enquête que dirige l’ancien chef du FBI, Rober Moller, sur les liens du président et de son environnement avec les dirigeants russes... Une odeur d’impeachment s’impose petit à petit autour de Trump, dont les frasques, les faux pas et les déclarations irresponsables le rendent de plus en plus insupportable à la classe politique étatsunienne.
Beaucoup plus importante que cette visite de Trump au Moyen-Orient est la grève de la faim des prisonniers politiques palestiniens qui, au moment où j’écris ces lignes, en est à son 35e jour. 850 détenus politiques refusent depuis plus d’un mois de se nourrir, et certains sont dans un état critique.
Cette grève risque de se terminer en catastrophe, cela pour deux raisons. La première est liée à la nature même du gouvernement israélien qui refuse de céder sur quoi que ce soit, et quelles qu’en soient les conséquences. Le ministre de la police vient de le répéter : il n’y a rien à négocier !
Pourtant, les revendications des prisonniers politiques palestiniens sont minimalistes : leur rendre des droits gagnés et repris par l’extrême droite au pouvoir, en termes de visite des familles, le droit de téléphoner (sous contrôle) à leurs familles, le droit de suivre des cours par correspondance, l’air conditionné dans des cellules qui sont de véritables fournaises, etc. Des droits chèrement obtenus au cours des années 1970 et 1980.
Soutien populaire
Même les services de renseignement israéliens reconnaissent que les revendications sont modestes et réalistes, et qu’il serait souhaitable que s’ouvrent des négociations avant qu’il n’y ait des morts et que l’ensemble des territoires occupés n’explosent. Mais c’est mal connaître les dirigeants israéliens actuels, en particulier le ministre de la police Gilad Erdan : on ne lache rien...
Au contraire, tout est fait pour tenter de décrédibiliser le mouvement au sein même de la population palestinienne : un prétendu film qui montre Marwan Barghouti, le dirigeant de la grève, en train de manger un petit biscuit... miraculeusement arrivé dans sa cellule ; des rumeurs sur le fait que la grève n’est qu’un moyen pour Marwan pour se rendre populaire contre Mahmoud Abbas ; des interviews bidons de Palestiniens expliquant que leurs proches en prison seraient victimes de pression de la part du même Marwan. Mais ces manœuvres minables ont fait long feu : la grève a le soutien de l’ensemble de la population qui partout, en Cisjordanie et à Gaza, se mobilise en solidarité avec les détenus.
C’est ici que se joue ce qui pourrait être la seconde raison d’une explosion généralisée : l’absence évidente de soutien de la part de l’Autorité palestinienne, voire la répression des rassemblements des familles des détenus politiques, dans les villes palestiniennes et à proximité des checkpoints où se trouve l’armée d’occupation israélienne.
Au moment où ces lignes sont écrites, Trump n’est pas encore allé à Ramallah. Espérons qu’il y sera reçu comme il se doit, par des milliers de Palestinien exigeant que s’ouvrent immédiatement des négociations, avant – comme le met en garde l’éditorial du quotidien Haaretz il y a quelques jours – qu’il y ait des morts et que la confrontation se généralise et se termine en bain de sang.
De Jérusalem, Michel Warschawski
フランス語
フランス語の勉強?
北原みのり‏ @minorikitahara
堺市のファミマ、立派。
青少年健全育成ではなく、女性と子供への暴力として、ゾーニング必要な雑誌にカバーつけてる。
聞けば条例ではなく、市が協力を求めたところファミマだけが手を挙げたとか。カバーは市が製作して無料配布。


健康診断です.朝ごはん食べないのでイライラしてしまいます.列に並んでいるとそういえば!!検便の案内がなかったことに気がつきました.とりあえず緑の袋をもらいました.来週持参です.
朝届いたメールだと,どうもMiさんが怒っているような感じです.激おこぷんぷん丸?どう返事しようか迷います.
天王寺図書館に行った後,小さな学習会です.灘出身の大学生とお話ししました.ほかのオジサンたちとはビール飲みました.部屋に帰るとクタクタ.

<災害公営住宅>孤独死宮城で43人 増加傾向
 東日本大震災に伴い宮城県内の被災者が入居している災害公営住宅で、誰にもみとられずに亡くなる「孤独死」が3月末時点で43人に上ったことが24日、県のまとめで分かった。入居が本格化した2016年から増加傾向にあるという。
 14年9月以降に災害公営住宅に1人で暮らし、死亡状態で発見された入居者数を県警の協力を得て集計した。14年は3人、15年は11人、16年は15人だったが17年は1〜3月だけで14人に上った。男性が28人で約7割を占め、女性の15人を上回る。
 一方、入居者の退去が進むプレハブ仮設住宅での孤独死は13年の23人をピークに14年15人、15年22人、16年11人、17年(1〜3月)5人と減少。今年3月末時点で計100人となった。
 震災後、県はプレハブ仮設住宅での孤独死については調査してきたが、災害公営住宅は把握していなかった。プレハブ仮設から災害公営住宅に転居後、孤立する被災者の現状に関して県議会から指摘を受け、今回初めて集計した。
 災害公営住宅は県内では21市町に1万6149戸の整備が計画されている。3月末時点でこのうち1万3784戸(85.4%)が完成。入居したのは1万2111戸に上る。
 県が16年度に公表した健康調査によると、災害公営住宅の独居高齢世帯の割合は24.6%。プレハブ仮設住宅の21.7%、民間賃貸住宅を行政が借り上げるみなし仮設住宅の14.4%を上回った。県は地域活動や高齢者の見守りに対する補助事業などを通じ、入居者の孤立防止を図っている。
 県地域復興支援課は「孤立しやすい災害公営住宅で住民同士の交流や社会参加を促す支援が必要。被災市町と連携し、きめ細かな対策を講じたい」と話す。


被災の中学生「語り部」務める
 東日本大震災で祖母と母を亡くした宮城県七ケ浜町向洋中3年の小野寺優羽(ゆう)さん(14)が24日、「語り部」として自分の経験や心情を初めて生徒の前で話した。陸前高田市で被災し、双子の姉美羽(みう)さん(14)と七ケ浜町の里親の元に移り住んだ。「家族が亡くなったことを最初は知られたくなかった。今は支えてくれる人がいっぱいいる。だから伝えたい」という思いを胸に原稿を読んだ。
 避難の途中、後ろを振り返ると、家がどんどん流されているのが見えました。私の家も海のすぐそばだったので全部流されてしまいました。
 優羽さんは震災当時は小学2年で、陸前高田市で祖母と母、伯父、姉と5人で暮らしていた。地震発生後、母に「おじちゃんを迎えに行くから待ってて」と言われ、母の友人の家に預けられた。津波が迫り、さらに近くの避難所に逃げた。翌朝、迎えに来たのは伯父だけだった。
 避難所で生活して、1カ月がたった頃、母の遺体が見つかりました。祖母の遺体はまだ見つかっていません。早く見つかってほしいと思います。
 葬儀場に母の遺体が運ばれた。「顔を見る?」と聞かれたが、見なかった。
 “母が死んだ”なんて信じたくなかったからです。でも最近、母の顔を思い出そうとすると、もやがかかったように思い出せなくなってきてしまいました。あのとき母の顔を見ればよかったと後悔しています。
 陸前高田市出身の里親に姉と一緒に引き取られ、向洋中(生徒281人)に入学した。向洋中は復興支援チーム「Fプロジェクト」をつくり、海浜清掃、災害公営住宅の住民との交流会などに取り組んでいる。
 活動に加わり、他の語り部の体験談を聞いているうちに「誰にも教えたくない」という気持ちが「話してみたい」に変わった。
 教諭や同級生の助言を受け、これまで周囲に話してこなかった心情を何度も書き直して、24日の校内行事に臨んだ。「心の空白を埋めるような感じでした」と担当の瀬成田実教諭(59)は振り返る。
 もし、母や祖母に会えたら「短い間だったけど、育ててくれて本当にありがとう」と伝えたいです。(中略)伝えたいことがあれば、そのときにその人に伝えてください。
 初めての語り部を終え、同級生に抱き締められた。涙があふれた。教室の最後列で見守った姉の美羽さんは「私も話そうかな」。ノートには自分の体験が既に書いてある。


<龍泉洞>日本酒貯蔵 台風被害復興願い込め
 昨年8月の台風10号豪雨で被災し、3月に営業を再開した岩手県岩泉町の鍾乳洞「龍泉洞」で24日、岩泉町の泉金酒造が醸造した日本酒の搬入作業があった。洞内に設置した棚に並べて熟成し、9月中旬に「純米吟醸秋あがり」の銘柄で販売する。
 運び込んだのは純米吟醸酒「龍泉八重桜」の1.8リットル瓶700本と720ミリリットル瓶1550本。この冬に龍泉洞の地底湖からくみ上げた水で仕込んだ。
 龍泉洞の気温は年間を通じて10度前後と一定しており、光も届かないため酒類の熟成に最適の環境とされる。ひと夏、寝かせることでうま味が増し、口当たりがまろやかになるという。
 龍泉洞に着目した日本酒の貯蔵、熟成は今年で3年目の取り組みとなる。台風豪雨では洞内に大量の雨水が流入したものの、貯蔵棚は比較的高所に設置しているため、被害はなかった。
 八重樫義一郎社長は「復興を後押しするためにも、岩泉の山海の食材と一緒に楽しめるお酒に仕上がってほしい」と話した。


河北春秋
精神科医の蟻塚亮二さん(70)は、相馬市にある「メンタルクリニックなごみ」院長。東日本大震災、東京電力福島第1原発事故で心に傷を負った被災者を4年前から診療する。「トラウマ(心的外傷)は雪だるまのように膨らむのです」と語る▼トラウマとは衝撃的な出来事から受けた心の傷で、記憶のぶり返し、不眠、うつなどの心身症状を訴える人が多い。小さい時に家族の失跡を経験し、震災での避難を引き金に自傷に陥った人もいるそうだ▼「言葉で自らを表現しにくい子どもは心の傷を気付かれないまま、新たな傷を重ねやすい」。自分の存在や望みを失わせるような打撃が加われば、膨らんだ心の傷は破れてしまうと蟻塚さん▼仙台市折立中2年生が先月、いじめの被害を訴え自殺した問題。報道から浮かぶのは生徒の苦しみの歳月だ。「臭い」「きたない」などと校内で悪口を言われ、教師から頭をたたかれたり、口に粘着テープを貼られたりしたという。小学生の時にも教師から工作を壊され、暴言を吐かれたと遺族が明かした▼いじめの実態を調べる第三者委員会を同市教委が設ける意向だ。この3年で3人目となる市立中学生の悲劇。もはや曖昧な調査で信頼回復は難しい。生徒の心の傷の一つ一つに厳しく向き合わなくては。

原発再稼働に頼る関電 持続可能な経営なのか
 原子力規制委員会は福井県の関西電力大飯原発3、4号機の安全審査で、新規制基準に合格したことを示す審査書を正式決定した。
 関電の原発では、同県の高浜4号機が今月再稼働した。高浜3号機も来月再稼働する予定だ。
 地元同意が得られれば、年内にも原発4基が稼働する体制が整う。
 関電は最終的に、老朽原発3基を含め福井県内に所有する9基を再稼働させる方針だ。大手電力会社の中でも原発回帰の姿勢が際立つ。
 だが、事故に備えた自治体の住民避難計画は不十分なままだ。
 大飯原発と高浜原発は十数キロしか離れていない。自然災害などで過酷事故が同時発生すれば、対応は一層困難になる。原発集中立地の問題は規制委も今まで真剣に検討してこなかった。そうした状況にもかかわらず、関電が原発再稼働を相次いで進めることは、認めがたい。
 関電は、火力発電の燃料費削減により収支が改善し、電気料金を値下げできるという。短期的に見れば、確かにその通りだろう。しかし、原発に頼るばかりで持続可能な経営と言えるのか、大いに疑問がある。
 東日本大震災前、関電は発電量に占める原発比率が5割を占め、電力会社で最も高かった。震災後はその分、火力発電の燃料費がかさんだ。電気料金を2度値上げし、顧客離れを招いた。岩根茂樹社長は「最大の経営戦略は再稼働」と語る。
 だが、風力や太陽光発電のコストは低下し続けており、世界のエネルギー投資は再生可能エネルギーに集中するようになった。一方で先進国の原子力産業は斜陽化している。
 安倍政権も長期的には、原発依存度を引き下げる方針だ。そもそも、老朽原発の安全対策費が想定を上回るかもしれない。大事故を起こせば、会社の存続すら危うくなる。
 原発に左右されない経営体制の構築こそが、関電にとっても長期的な利益にならないか。大阪市と京都市は「経営体質の強化と安定化につながる」として、脱原発依存を関電の株主総会で提案してきた。
 大飯原発では今後、地元同意手続きが焦点となる。事故の影響を考えれば、同意の範囲を立地自治体に限らず、避難計画の策定が義務づけられた原発30キロ圏に拡大すべきだ。


電力の地産地消 夕張の取り組みに注目
 夕張市と北海道ガスは、エネルギーの地産地消と省エネ推進に向けた連携協定を締結した。
 炭層メタンガスなどを用いた発電を目指すとともに、地域限定で電力を販売する「地域新電力」の設立を検討する。
 地域に眠る資源を生かし、そこから生まれるエネルギーを域内で有効活用すれば、雇用の創出にもつながってくる。
 道内は、風力、太陽光、バイオマスなどエネルギー資源が豊富な地域が多い。そこに焦点を当てた夕張市の取り組みに注目したい。
 市と北ガスは、地下に存在する炭層メタンガスのほか、石炭採掘時の不要な土砂を積み上げた「ズリ山」に含まれる石炭、森林由来の木質バイオマスなどの活用を想定している。
 そこから生まれる電力を、都市機能を集約する清水沢地区の公共施設や住宅、企業に送る考えだ。
 大規模電源を持つ大手電力が、広大な送電網を通して各地に配電する仕組みから、地域分散型への転換を図ることになる。
 域外から送られる電気を買うのと比べ、お金が外に流出しない。地元の関連ビジネスに回れば、産業振興にも結びつく。財政再生団体である夕張市の、新しいまちづくりへの貢献も期待される。
 長い距離を送電するロスを避けられるため、エネルギーの効率的な利用にもつながる。
 ただ、課題も少なくない。
 炭層メタンガスは市内のエネルギーを賄える十分な量があるとされるが、現在は試掘段階である。
 財源が限られている市は、企業版ふるさと納税の寄付金を充てている。未利用資源を生かす先駆的試みととらえ、国や道が本格支援を考えてもよいのではないか。
 電力供給で採算が合うかどうか、コスト面の精査も急がれる。
 道内には夕張市以外にも、エネルギーの地産地消を目指す自治体がある。
 札幌市は、都心部の再開発地域で、天然ガスによる熱電供給の普及と、再生可能エネルギーでつくられた電気を近郊から調達することを計画。それを担う地域新電力の設立を検討している。
 上川管内下川町も、木質バイオマスを生かした、電気と熱の供給の事業化を目指している。
 こうした取り組みが他の自治体にも広がれば、北海道のエネルギー事情は大きく変わってくる。
 地域活性化の観点で、各自治体が検討に乗り出してもいいテーマではないか。


核のごみ処分地  総量の抑制策こそ先決
 原子力発電所から出る高レベル放射性廃棄物(原発のごみ)をどこに保管して、その後、どこでどう最終処分するのか。
 その答えが出ないまま、福井県高浜町の関西電力高浜原発4号機が約1年3カ月ぶりに再稼働された。核分裂反応が安定的に続く「臨界」に達し、6月中旬の営業運転を目指している。これで国内の4基の原発が運転されたことになる。
 核のごみ処分については、原発の導入初期から続く課題である。放射性物質への国民の不安は根強く、進んで処分地を誘致する地域はないとみられる。
 中間施設でも最長50年、その後も半永久的に地下数百メートルに埋蔵保管する究極の迷惑施設の用地探しについて、政府の姿勢は場当たり的にすぎないか。
 今後、使用済み核燃料は増えるが、搬出先の日本原燃再処理工場(青森県)は稼働しておらず、全国の原発から運び込まれた受け入れプールもほぼ満杯だ。
 関電は使用済み燃料を一定期間保管する中間貯蔵施設の建設を表明しているが、まだ場所も決まっていない。現在、全国の原発に保管されるごみは、貯蔵容量の7割に達している。そもそも、ごみの行き場がないのに、再稼働を急ぐには無理がある。
 国は保管可能な上限量を定め、これ以上の核のごみは出さないと決めてから処分地選定に当たるべきである。処分地探しは保管総量の確定を待ってからだ。
 政府はこのほど、最終処分できる可能性のある地域を日本地図上に示した「科学的特性マップ」の基準を設けた。地図は4色に塗り分け、早ければ今夏に提示する。
 基準では、火山や活断層周辺は地下の安定性の観点から「好ましくない特性があると推定される地域」とし、油田や炭田も採掘される可能性があるため、別色で表示する。これらに該当しない地域は「好ましい特性が確認できる可能性が相対的に高い地域」とし、海岸から30キロ以内を「輸送面でも好ましい」と表示するそうだ。
 政府は2年前に候補地選びを自治体からの立候補方式を改め、国民の関心が高まった段階で複数の自治体に調査の受け入れを求める新方式にしている。
 核のごみの蓄積を深刻に受け止める国民は多い。一方で、地下に長期保管するしか手がないとの認識も広がっている。
 ただ、問題の先送りを繰り返すだけでは解決しない。政府の本気度こそ今、問われている。


高浜原発再稼働 「運転禁止」の事実は重い
 関西電力高浜原発4号機(福井県)が再稼働した。関電は、1年3カ月にわたって続いた「稼働原発ゼロ」の状態を脱した。
 電力業界からは「規制基準に沿って対応すれば、運転再開できることが示された」と歓迎の声が上がったが、もっと緊張感を持つべきだろう。
 高浜原発が裁判所から運転について懸念を指摘され、稼働が差し止められた重い事実を忘れてはならない。
 高浜原発4号機は東京電力福島第1原発事故を契機に見直された新規制基準の審査に合格し、昨年2月に再稼働した。ところが、直後に電気系統のトラブルによって緊急停止した。
 さらに昨年3月には、大津地裁が高浜原発3号機と4号機の運転を禁止する仮処分決定を下した。関電は異議を申し立てたものの地裁は退け、ことし3月に大阪高裁が仮処分を取り消した。
 だが、大津地裁の決定は原発の安全性を確保するための教訓としてくむべき指摘が多い。
 「過酷事故対策や緊急時の対応方法に危惧すべき点がある」として、福島第1原発事故の原因究明が進んでいない状況を重視し、原子力規制委員会の新規制基準に疑問を投げ掛けた。
 地震対策については「関電の主張では安全性確保の説明が尽くされていない」とし、避難計画に関しては広域的に影響が出た福島の事故を踏まえ、国の主導で早急な策定が必要だとした。
 原発再稼働に対する不安を訴えて提訴した住民側の思いを尊重した決定といえる。
 決定が取り消されたからといって、懸念が拭い去られたわけではない。関電も、原発を持つ他の電力会社も、そのことをきちんと認識する必要がある。
 原発の再稼働を巡っては、ビジネスの論理が前面に出る傾向が目立っている。
 4号機の再稼働を受け、関電は電気料金を下げる姿勢を強調している。昨年4月に電力小売りが全面自由化されてから競合他社に顧客が流れており、その巻き返しを図るためだ。
 内定している東京電力の新首脳は、柏崎刈羽原発の再稼働を収益確保の安定化に向けた重要な柱と位置付けている。
 忘れてほしくないのは、福島第1原発事故が明らかにした現実である。原発で過酷事故が起きれば電力会社の経営にも深刻な影響が及ぶということだ。
 立地地域や周辺自治体の安全面ばかりでなく、電力会社が安定した経営を続けていくために本当に原発が必要なのかどうかを突き付けたといえる。
 高浜4号機の再稼働で、国内の稼働原発は九州電力川内1、2号機(鹿児島県)、四国電力伊方3号機(愛媛県)と合わせ4基となった。関電は高浜3号機も6月上旬の再稼働を目指す方針だ。
 関電大飯原発3、4号機も原子力規制委員会の審査に合格した。
 原発回帰への流れが加速しているからこそ、大津地裁の判断の重みを改めて胸に刻みたい。


質問中に「あいつのマイクを取り上げて」 大飯原発再稼動認めた原子力規制委員会委員長が会見でジャーナリストの追及封じの暴挙
 24日、原子力規制委員会が大飯原発3、4号機について、安全審査に合格したことを示す「審査書」を正式に決定した。大飯原発をめぐっては、現在でも運転差し止めの控訴審がおこなわれているが、しかし、規制委員会は大飯原発の再稼働にお墨付きを与えたわけだ。。
 一方で北朝鮮の危機を扇動しながら、原発を止めるどころか、この規制委員会を使って再稼動を推進する安倍政権は支離滅裂としか言いようがないが、そんな中、この原発政策の矛盾をつかれた原子力規制委員会の田中俊一委員長が信じられない暴挙に出た。
 17日の会見で、筆者の再質問中に「マイクを取り上げて」と指示、一方的に質問を打ち切ったのだ。若狭勝衆院議員(自民党)が原発テロ対策の不十分さを指摘していたことについて聞いている途中のことで、辞任した今村雅弘・前復興大臣と同じような対応である。
横田 今回の北朝鮮の緊迫化を受けて何か動かれたのですか。安倍総理と(原発停止などの)お話はなさったのですか。政府関係者と。
田中委員長 していません。
横田 やっていないのですか。日本国民の命と安全を守る責務を放棄しているのではないですか。
田中委員長 あなたはそう思うかもしれないけれども、(責務を放棄)していません。
横田 客観的にそうではないですか。(自民党の衆院議員の)若狭勝さんはミサイル攻撃の、それに対して(原子力規制委員会は)全然答えていないではないですか。
 しかし質問をしている真っ最中に、「(横田の)マイクを取り上げて」と田中委員長が横を向いて隣にいた職員に小声で指示。すぐにマイクを手渡す係の職員が駆け寄って来て、マイクを渡すように求めてきたのだ。こうして筆者の質問と、「航空機攻撃のリスクを認識しながら再稼働を認めているのはおかしい」という若狭勝氏の主張の説明は途中で打ち切られたのだ。
 原発再稼働の可否を決める権限を有するキーマンであり、原子力規制委員会の委員長という要職にある田中委員長が、一方的に筆者のマイクを取り上げ、その質問を封じたのだ。これは今村前復興相と同様、国民の知る権利を代行する記者に対しての言論封殺ともいえるあるまじき対応である。
しかし、そんな異常事態に松浦総務課長が助け舟を出して「いや、もう答えています」と取り繕った。国民を原発事故(放射能汚染)からどう守るのかの対応は不十分だが、田中委員長を第二の今村大臣にしないための組織防衛は完璧だったというわけか。
小池都知事の側近・若狭勝東京地検特捜部副本部長も原発再稼動に疑問
 そもそも元東京地検特捜部副本部長の若狭氏の名前を出したのは、「本当にそれでいいのですか。原子力規制委員会!」と銘打った2015年12月9日のブログで、次のような疑問を投げかけていたからだ。
「私は、かねがね、原子力規制委員会において、新たな規制基準として、『(米国の9.11のような)意図的な航空機衝突への対応』を加えながらも、その対策を講じるまでに5年間の猶予を事業者に与えた上で、原発の再稼働を認可していることが不思議でなりません。原子力規制委員会において、『意図的な航空機衝突』、すなわち、原発を狙ったテロ攻撃という事態を想定しているのですから、その危険性を十分に認識しているはずです。それにもかかわらず、なぜ、その対策を講じるまでに5年の猶予を与えるのか、その危機意識の欠如には、悲しささえ覚えます」
「5年後に東京五輪を迎えようとしている今、テロ対策に5年の猶予という笑い話のようなことには呆れるばかりです。原子力規制委員会、本当にそれでいいのですか」
この疑問に対する答えを聞こうとしたのだが、田中委員長は質問打切りで回答を拒否した形。「国民の命と安全を守る責務を放棄している」と疑いは確信になった。
 筆者の前の関連質問でも田中委員長の姿勢には唖然とした。福島原発事故がなかったかのように「安全神話」にすがって希望的観測に終始、政府に対して働きかけもせず、原発テロに関する基礎的知識不足さえも露呈していたのだ。筆者だけでなく『FACTA』(ファクタ出版)の記者もこんな質問をしていたる。
————日本海側(の原発)については何がしか警戒を固めるというようなお考えはないでしょうか。
田中委員長 多分、日本海側だからどうということはないと思うのですね。(ミサイルが)上から降ってくるものですからね。(中略)日本海側だからとか、地域を見てどうこうするというような、そこまで切迫しているとも思えないし、そういうことを求められたら、何か適切なのができるかというと、そう簡単にはできることではないと思いますので、「こういう緊張した事態は早く無くなるようにしていただきたい」というのが本音ですね。
 原発テロに関する基礎的な知識不足を物語る答弁だった。23年前の94年の北朝鮮緊迫化の際、日本海側の原発へのテロ攻撃が政府内で懸念されたことがあった。元自衛隊陸上幕僚長の冨澤暉氏は、警察庁幹部との面談をこう振り返る。
「94年6月、北朝鮮とアメリカが戦争寸前の状態になった際、当時の石原信雄・官房副長官が各省の役人に有事対応を考えるように指示しました。これを受けて警察庁の警備局長が私に意見交換を求めてきたので赤坂で面談。『大変な問題がある。北陸の原発がテロゲリラに襲われたとき、我々にはどうしようもありません』と切り出し、『機関銃やロケット弾を持ってくるテロゲリラに対応しようとしても、全国のスナイパーは50〜100人ぐらい。しかも十数人の集団が襲ってくることは想定していない。そのとき自衛隊は出てくれますよね』と聞いてきたのです」。
 しかし富澤氏は首を縦に振らなかった。「その時は(他国との戦争状態に対応する)防衛出動が出ているのですか」と聞いたところ、警備局長は「防衛出動ではなく、治安行動でしょう」と回答したので、「治安行動はできません。何十年間、治安行動の訓練はしていない」と要請を断ったというのだ。富澤氏はこう続けた。
「人を殺さずに相手を逮捕するのが『治安行動』の基本。自衛隊はそんな訓練は’70年からしていません。テロゲリラにとって日本の原発は非常に狙いやすい脆弱な状態にあると言ってよいでしょう」
 日本海側の原発テロが想定されたことについて富澤氏は報道番組でも語っており、自衛隊陸上幕僚長時代の警察庁幹部との面談については、自衛隊の変貌について記されたノンフィクション『出動せず』(瀧野隆浩著 ポプラ社 )の中でも紹介されているものだ。
筆者の質問にまともに答えなかった田中委員長
「こんなことも知らないのか」と呆れつつ筆者は田中委員長に先の質問の冒頭でもこう質している。
横田 北朝鮮が攻撃する場合は確かにミサイル攻撃は一つのパターンだと思うのですが、もう一つの懸念材料としては、「日本海側にテロゲリラが上陸して原発テロを起こす」と(いう事態が想定される)。先ほど防衛出動や武力衝突の話をおっしゃいましたが、それの前に北朝鮮側が暴発して破れかぶれでテロをすると。だから、防衛出動前の話なのですが、これについては1994年6月の北朝鮮有事のときに、自衛隊の元陸幕長の冨澤さんが警察庁の幹部から相談を受けて、「日本海側の原発が狙われていて、警察だけでは対応できない、自衛隊に出動してもらえますか」という問いに対して、「いや、防衛出動が出ない前の治安出動は訓練していないのでできません」という答えをしているが、その辺の問題意識はお持ちではないのでしょうか。当時から今の状況が確実に改善されて、自衛隊がすぐ出動できる状態にあるのかどうか、御見解をお伺いしたい。
田中委員長 セキュリティの問題だね、一種の。
横田 だから、原発テロのリスクがある中で、原発稼働を止めるどころか、(高浜原発)再稼働を認める姿勢はいかがものか。
佐藤原子力災害対策・核物質防護課長 そのような武力攻撃とか、そういった話になりますと。
横田(北朝鮮の)武力攻撃の前のテロゲリラで、治安出動の場合。
佐藤原子力災害対策・核物質防護課長 テロについても、武力脅威事態というのですか、そういった対応を国民保護法なりで定義されているところでして、私どもは、いつも委員長が国会答弁で申し上げていますとおり、原子力安全規制の中でそうした施設の安全確保というのはあると思います。ただ、御質問にあるようなテロとか、それ以前の、我々規制庁として予防的に判断ができないような情報に対して、何か組織として対応するかというと、そこは私どもの所掌、対応ではなくて、また別途防衛省なり、そうしたところが対応するような役割分担ではないかと認識しているところです。
横田 ですから、先ほど(『FACTA』の)ミヤジマさんがおっしゃったように、今、テロのリスクが高まっている、緊迫化している状況の中で、原子力規制委員会としては動かないのですかということなのです。勧告して、政府と一緒に、この事態を受けて原発を止めるのか、止めないのか、原発テロ対策をどう強化するかを話し合うべきだと思うのですが、そういうことをやっていないのですか。
田中委員長 しません。セキュリティの強化はしていますけれども、細かいことは申し上げませんけれども。
 この回答に納得がいかなかったので、若狭氏の主張をぶつけて第二の安全神話に取りつかれた田中委員長に再考を促そうとしたのだが、冒頭で紹介した通りの対応で批判を封じた。
 一方で北朝鮮の危機を煽りながら、平然と大飯原発を再稼働を推し進める安倍政権と、そしてそれにお墨付きを与える原子力規制委員会。そのちぐはぐな対応には呆れるばかりだが、都合の悪い質問にはマイクを取り上げるという暴挙を行う田中委員長も、結局は「国民の命と安全を守る」ことなど考えてもいないということなのだろう。(横田一)


新大学入試案 50万人というハードル
 積み残した課題は多く、見切り発車は許されない。文部科学省が示した大学入試センター試験に代わる「大学入学共通テスト」の原案のことだ。大規模な一斉試験に負荷を掛け過ぎてはいないか。
 知識偏重の一点刻みでの選抜を廃止し、考える力や表現する力の到達度をランク別に評価する方式に転換する。そういう改革の方向性にはうなずけるものがあった。
 とはいえ、具体的な制度設計に入った途端、かねての懸念が明瞭になった。文科省は二〇二〇年度からの実施に向けて六月に方針を決めるというが、国民の声をよく聞いてほしい。
 国語と数学ではマークシート式に加え、記述式の問題を導入して採点を民間業者に委ねる。英語では実用英語技能検定やTOEFLのような民間検定試験を使う。これらが大きな変更点となる。
 国語では最長百二十字ぐらいで考えをまとめる問いを、数学では数式や解き方を求める問いをそれぞれ三問程度出すという。
 しかし、記述式の採用はハードルが高いといえる。
 例えば、国語では、行政の資料や駐車場の契約書から情報を読み取るモデル問題例が示された。けれども、正答の条件として、引用すべき文章のくだりやキーワードはあらかじめ決まっていた。
 数学のモデル問題例では、最終的に正答のみの記述を求めていて、結論に至るまでの過程は評価の対象にはしていなかった。
 五十万人規模の答案を短期間でぶれずに採点する必要がある。その公平性、客観性を担保するには明確な採点基準が欠かせない。
 だが、逆にいえば、採点基準を明示できない自由記述のような問題を課すのは無理ということだ。これでは、真の思考力や表現力を試すのは難しいのではないか。
 英語に民間検定試験を充てるのは、実用能力を測る手段として好ましい。コミュニケーションの道具として「読む」「聞く」だけではなく、「書く」「話す」の技能を学ぶのは当然だろう。
 将来、海外に留学したり、仕事で滞在したりする動機づけにもなりうる。文法や解釈に偏りがちで、英語を操る力が身につかない学校の授業こそ改善したい。
 入試とは大学が入学者を選抜する方便だ。大学には学生を鍛え上げ、社会に送り出す役割がある。
 本来は個々の大学で、望ましい学生の卵を見抜くための入試を工夫するのが筋だ。問われているのは大学の主体性である。


内部文書が次々流出…「加計学園」問題は堤防決壊寸前
 ある副大臣経験者によると、各省庁には「詠み人知らず」という分類の文書があるのだという。およそ役人は、どんな会議や打ち合わせでも必ずメモを取るものだが、それをすべて清書して公的な文書としてファイルするかといえば、そんなことはない。政治家が無理難題を言ってきて、役人が裏技を駆使して違法すれすれで何とか処理した場合など、情報公開を求められて文書が表沙汰になったら大変だから、公的な文書としては残さない。
 とはいえ、何の記録も残っていないと、イザそれが何かの拍子に露見した時に、政治家がシラを切って役人に責任を押しつけようとするかもしれず、自分自身の安全保障のためにもメモを残して、ハードディスクの底かデスクの奥に取っておくことが少なくない。それが「詠み人知らず」文書で、大抵の場合は誰が記録したのか分からないようにしてある。
 いま加計学園事件を巡ってポロリポロリと出てきている文書は、どうもこの手のもので、菅義偉官房長官は表向き涼しい顔をしてこれを「怪文書」扱いにしてやり過ごそうとしているが、内心は戦々恐々で、誰が漏らしたのか徹底的な犯人捜しを命じて、これ以上のダダ漏れを防ごうと必死になっている。「ところが」と、ベテラン政治記者が言う。
「森友学園問題はエリート官庁の財務省だからまだ統制が利く。籠池前理事長側がどんな隠し玉を持っているのかだけが気掛かりだ。ところが加計学園問題は文科省と内閣府で、一流とはいえない官僚たちを相手に、官邸も四苦八苦している状態。そこへ、北村直人元自民党衆議院議員が朝日新聞の取材に応じて、自分の名前も出てくる文書に記されていることは『事実だ』と証言したので、官邸はほとんどパニックに陥っている」
 北村は自身が獣医師で、今も日本獣医師会顧問。医師会はもちろん、いかなる獣医学部の新設にも反対で、北村もそのために昨年秋には石破茂前地方創生大臣や山本幸三特区大臣と会って加計学園問題で話をしている。そのことが書かれた文書を当人が本物だと言っているのだから、怪文書として葬るのは難しくなってきた。22日にも共産党の小池晃書記局長が国会で、また文科省が作成したとみられる新たな資料を公表。それは政府関係者から入手したもので、これをもし怪文書と呼ぶなら、その政府関係者を国会招致せよと求めた。加計学園問題は、もはや堤防決壊寸前にまで達したようである。


官邸の前川証言潰し恫喝に屈したメディア、踏ん張ったメディアが鮮明に! 日テレ、とくダネは無視、田崎はトンデモ解説
 元文科省事務次官である前川喜平氏のインタビューを、本日発売の「週刊文春」(文藝春秋)が掲載したことを受けて、今朝の朝日新聞朝刊も前川氏のインタビューを一面トップほか大々的に掲載。毎日新聞も社会面で大きく取り上げ、そのなかで「文書は本物」とする前川証言を紹介した。また、昨晩の『NEWS23』(TBS)は、前川氏のインタビューを今晩放送することを予告した。
 本サイトは昨日、前川氏の自宅前にマスコミが殺到している一方で、官邸が上層部から官邸記者にいたるまで恫喝をかけまくっていることを伝えたが、その圧力をこれらのメディアは撥ね返したといえよう。
 だが、今回の前川証言に対する安倍首相はじめ官邸の焦りと怒りは凄まじいものだ。安倍首相は昨晩、赤坂の日本料理店「古母里」でテレビ朝日の早河洋会長と篠塚浩報道局長と会食。報道局長まで呼びつけていることからも、報道に対する牽制があったことはあきらかだ。
 剥き出しの圧力をかけられたテレ朝だが、しかし、今朝の『羽鳥慎一モーニングショー』では、「週刊文春」に掲載された前川証言と、「週刊新潮」の報道を取り上げた。
 番組ではまず、前川氏の「出会い系バー通い」を紹介した上で、「週刊新潮」による「官邸は前川前次官の醜聞情報を集めさせ、友好的なメディアを使って取材させた」「“報復”するとともに口封じに動いた」という内容に踏み込んだ。司会の羽鳥が「これはどうなんですか?」と尋ねると、ゲスト出演したテレ朝の細川隆三・政治部デスクは歯切れ悪くこのように述べた。
「官邸にはいろんな人がいて、この問題にふれるととにかくカリカリしちゃって、興奮する方もいらっしゃるし、逆にこの問題は触ってはいかんと、触らないようにシカトしようとする人もいますし、とにかくこれは内閣の問題じゃなくて個人の問題、とんでもない人がやっているんですよとさらけ出すのがいいんじゃないかっていう人もいるんです」
「官邸による報復なのか?」という羽鳥の問いに対する答えにまったくなっていないが、いかに官邸が記者にプレッシャーをかけているのかが垣間見えるコメントではあるだろう。
 だが、ここでレギュラーコメンテーターの玉川徹が、読売新聞の報道に言及。「現役の官僚でもない前の事務次官の、違法でもない話を一面にもってくるバリューが、加計学園にかかわらないんだとしたらどこにあるのか」「ものすごく疑問」と言い、こう畳みかけた。
「安倍総理は自分が語る代わりに『読売新聞を熟読してくれ』っていう関係ですしね。やっぱり権力に対して批判的な目を向けるっていうのがジャーナリズムだと私はずっと思っていままで仕事してきたんですけど、こういう一連の読売新聞のあり方って、政治部的な感覚から見て、細川さん、これどうなんですかね?」
 ごくごく真っ当な指摘だが、これに細川政治部デスクは「いや、だから、(読売の今回の報道は)めずらしいですよね」と返すのが精一杯。だが、テレ朝は『モーニングショー』だけではなく、『ワイド!スクランブル』でも番組トップと第2部で報道し、前川氏の下半身スキャンダルについて“官邸のイメージ操作では”と言及。前川証言と下半身スキャンダルという“両論併記”の報道ながら、しかも総理直々に“圧力”がくわえられたなかで、官邸の読売を使った報復と、読売の姿勢に論及した点は、勇気あるものだったと言えるだろう。
 また、朝の『とくダネ!』と昼の『バイキング』では前川証言を無視したフジテレビも、『直撃LIVE グッディ!』ではしっかり取り上げた。
 しかも、菅義偉官房長官が会見で「(前川氏は)地位に恋々としがみついていた」などと人格攻撃したことに対し、ゲストの「尾木ママ」こと尾木直樹は「ぼくら教育関係者はみなさん信頼しているし、絶大な人気者。気さくで威張らないし、官僚的ではない。慕っている人も多いですね」と反論。元文科省官僚である寺脇研も「(菅官房長官の言葉とは)全然別の話を省内で聞いている。『みんな残って下さい』と下の者は思っていたけど、(前川氏は)『自分は最高責任者として全責任は自分にあるんだから辞めなくちゃいけない』と言っていた」「(前川氏が)辞めた日、省内には涙を流した者も相当数いたみたいですね」と、菅義偉官房の発言は官邸お得意の印象操作である見方を示した。
 さらに、『グッディ!』でも、一連の文書の出所が前川氏だと官邸が睨み、出会い系バー通い報道をリークしたとする「週刊新潮」の記事にふれ、問題の出会い系バーを取材。だが、コメンテーターの編集者・軍地彩弓は「(前川氏は)脇が甘いと言われてもしょうがないけど、人格否定と今回のことを一緒にするのはやめてほしい。わたしたちが見てても、この話がくることによって撹乱されているように思っちゃうので、分けて話をしたい」と指摘。尾木も「(出会い系バー通いは)まずかった」としながらも、「このことで文書の問題をチャラにしてほしくない。分けて考えないと」と語った。MCの安藤優子も「前川さんの人間性と証言の信憑性を混同させようという動きがあるが、別の話」と番組冒頭から、何度も繰り返していた。
 このように、官邸から恫喝を受けながら踏ん張ったメディアがある一方、露骨に避けた番組もある。たとえば、すでに前川氏にインタビューを行い、本日夜の『NEWS23』でその模様を流す予定のTBSは、朝の『あさチャン!』や昼前の『JNNニュース』で「怪文書じゃない」という前川氏の証言映像を大きく取り上げたが、『ビビット』ではほんのわずかでスタジオ受けもなく終了。『ひるおび!』でも11時台の新聞チェックのコーナーで扱っただけだった。
 また、NHKと日本テレビも露骨だ。朝のニュース・情報番組では前述したTBSの『あさチャン』のほか、『グッド!モーニング』(テレ朝)『めざましテレビ』(フジテレビ)も朝日新聞を紹介するかたちで前川氏の証言を取り上げたが、NHK『おはよう日本』と日テレの『ZIP!』は一切ふれず。NHKは12時からのニュースで、国会で松野博一文科相が「すでに辞職した方の発言なので、コメントする立場にない」と答弁したことをさらっと伝えたのみで、日テレも『スッキリ!!』では無視、昼前の『NNNストレイトニュース』と『情報ライブ ミヤネ屋』のニュース枠で少しふれただけだ。
 いや、露骨といえば、ご存じ“安倍政権応援団”である田崎史郎の解説だろう。昨晩の『ユアタイム』(フジ)に出演した田崎は、前川氏について「“ミスター文科省”と表現するけど官邸の見方はまったく違っていて、“最悪の次官だった”っていう認識なんですよ」と前川氏をバッシング。挙げ句、「文書を持ち出したとしたら、これ自体が国家公務員違法になるんじゃないかと言う方もいて。当面無視していくスタンスですね」と、またも官邸の方針を垂れ流した。この詭弁には、番組キャスターの市川紗椰も呆れ果てたように「え、無視って後ろ向きの態度を取られると、やっぱり何かあるんじゃないかなと思いますし、政府から調査するべきだと思うんですけどね」とコメント。田崎はやや狼狽えつつも、「文科省の役人が勝手につくったメモ」と断言したのだった。
 官邸の恫喝に負けなかったメディアと、官邸の言いなりになったメディアが鮮明になった、今回の前川証言。しかし、きょうの報道だけで、加計学園問題は終わりではない。本日夕方16時より前川氏が記者会見を行い、証人喚問の要請があれば応じる意志を表明した。安倍政権の「行政文書じゃない」などというごまかしで済まされる話ではない。政権の下部組織と化したNHKと読売系以外のマスコミには、官邸の圧力に負けることなくさらなる追及を期待したい。(編集部)


だから共謀罪はダメなのだ 警察と司法はかくもデタラメ
「果たして先進国の姿なのか」。さすがに驚いたに違いない。国連人権理事会の特別報告者ジョセフ・ケナタッチ氏が、安倍首相あてに送った書簡で共謀罪法案の問題点をこう指摘していた。
〈警察や公安や情報機関の活動が、民主的な社会に準じたものか。必要でも妥当でもない程度までプライバシー権を侵害しているかどうかについて懸念がある。この懸念には、GPSや電子機器などの監視手法を警察が裁判所に要請した際の裁判所の力量も含まれる〉
〈警察に容疑者情報を得るための令状を求める広範な機会を法案が与えれば、プライバシー権への影響が懸念される〉
〈日本の裁判所は令状要請に容易に応じる傾向があるとされる。2015年に警察が申請した通信傍受の請求はすべて裁判所によって認められた(却下は3%以下)との情報がある〉
 ケナタッチ氏は国連人権理事会に任命されたプライバシーの権利に関する専門家だ。そのケナタッチ氏が共謀罪法案について何よりも強い懸念を示したのが、警察や裁判所による“乱用”だった。
「正鵠を射た指摘です。共謀罪が成立すれば当局が任意捜査の段階から対象者の尾行、監視を日常的に行う可能性が高い。しかも是非の判断は当局であって、乱用をチェックする仕組みは何もありません。このため、恣意的に運用され、プライバシーが侵害される恐れがあるのではないか、と懸念したのです」(日弁連共謀罪法案対策本部事務局長の山下幸夫弁護士)
■デタラメ司法に新たな武器を与えるな
 ケナタッチ氏が捜査機関の乱用を危惧したのもムリはない。すでに今の日本では、全国あちこちで人権を無視した警察の暴挙が繰り広げられているからだ。例えば、米軍普天間基地の辺野古移設に反対する住民のリーダー、山城博治氏を器物損壊容疑などで逮捕した沖縄県警は、微罪にもかかわらず、山城氏を接見禁止のまま5カ月間も勾留した。自白を強要し、否認を続けると長期勾留する――という悪しき「人質司法」の典型だ。
 違法捜査も日常茶飯事だ。大分県警は昨夏の参院選で、野党候補を支援する団体が入居する建物の敷地内に無断侵入し、出入りする人や車をビデオカメラで隠し撮りしていたし、最高裁で違法判決が出た令状ナシのGPS捜査をめぐる訴訟は全国各地で相次いでいる。
 捜査対象は恣意的で、摘発する、しないは警察・検察の胸三寸。自由党の小沢一郎代表の政治団体をめぐる不動産取得の期ズレ問題では、地検特捜部が調書を捏造してでも立件しようと血道を上げていたことがバレたが、片や昼間の大臣室でカネを受け取っていた甘利明前経再相の口利き事件や、ドリルでパソコンのハードディスクを破壊して証拠隠滅を図った小渕優子元経産相の政治資金規正法違反事件は、警察・検察も揃ってダンマリを決め込んだ。検察が掲げる「秋霜烈日」なんて嘘っぱちで、今の捜査機関は政権・与党の走狗に成り下がり、もっぱら“政敵潰し”のための国策捜査に躍起になっているのが実相だ。
 それでいて、身内の犯罪には大アマ。痴漢、ワイセツ、窃盗、公金着服……。警官の不祥事は毎日のように報じられているが、いつの間にやら不起訴処分や依願退職扱いになっているケースが少なくない。先日も、広島県警広島中央署で証拠品の現金8500万円の盗難事件が発覚したが、どう見たって内部犯行は明らかなのに、いまだにダラダラと捜査が続いている。恐らく、ほとぼりが冷めれば世間の関心も薄れるとタカをくくっているのだろう。国民をなめきっている証左だ。こんな緩み切った捜査機関に「共謀罪」なんて新たな武器を与えたら、大変な事態になるのは目に見えているではないか。
警察・検察はやりたい放題、裁判所は追認の暗黒司法が進む
「支配層にとって際限なく権限を拡大し、弾圧する武器になる」
 1942年に特高に治安維持法違反で逮捕され、連行された警察署で竹刀でめった打ちされて半殺しの目に遭った千葉・船橋市在住の杉浦正男氏は、共謀罪の怖さについて日刊ゲンダイのインタビューでこう語っていたが、治安維持法と共謀罪法案は恐ろしいほど似ている。
〈抽象的文字を使わず具体的文字を使用しているので、解釈を誤ることはない〉〈決して思想にまで立ち入って圧迫するとか研究に干渉するということではない〉〈無辜の民にまで及ぼすという如きことのないよう十分研究考慮をいたしました〉
 1925年の治安維持法制定の際、当時の若槻礼次郎内務大臣や小川平吉司法大臣はこう説明していたが、この内容は共謀罪法案に対する安倍の国会答弁とソックリだ。
〈解釈を恣意的にするより、しっかり明文的に法制度を確立する〉〈国民の思想や内心まで取り締まる懸念はまったく根拠がない〉〈一般の方々がその対象となることはあり得ないことがより明確になるように検討している〉(1月の参院本会議など)
■金田法相の「一般人は対象外」というウソ
 治安維持法は当初、一般人は対象にならない――と説明していたが、その後、適用対象がどんどん拡大。その結果、最終的には逮捕者数十万人、虐殺や拷問による獄中死は1600人以上に上ったとされる。金田勝年法相は、一般人について「何らかの団体に属しない方や、通常の団体に属して通常の社会生活を送っている方」とし、「捜査対象になることはあり得ない」と答弁しているが、法案に一般人の定義は書かれていない。
 共謀罪を適用するためには、罪を犯す前の相談や打ち合わせの監視が必要になる。結局、当局が捜査対象と判断するには、すべての国民=一般人を捜査対象に含めざるを得ないわけで、金田答弁はマヤカシに過ぎない。そして捜査対象とするのか否かを判断するのは当局であり、やはり、ここが問題なのだ。警察、検察、裁判所の癒着構造を指摘している元大阪高裁判事の生田暉雄弁護士はこう言う。
「共謀罪法案には『一般人は対象としない』と全く書かれておらず、成立すればどう運用されるのか分かりません。今以上に警察・検察はやりたい放題になり、それを裁判所は単に追認するだけ――という暗黒司法の時代が訪れることになる。恐ろしいことです」
 1942〜45年にかけて、出版・言論関係者約60人が「共産主義を宣伝した」として治安維持法違反で逮捕された「横浜事件」。特高が「怪しい集団がよからぬ企みをした」という筋書きをデッチ上げた事件だが、今の警察・検察なら同じことをやりかねない。
「おおっ」。共謀罪法案をめぐる23日の衆院本会議。ゼネコン汚職事件で逮捕、起訴された中村喜四郎議員が反対票を投じた際にどよめきが起こったが、実刑を食らって収監された“前科者”だけが共謀罪の本質を見抜いているなんてブラックジョークだ。治安維持法では、今の最高裁の前身とされる大審院が「治安維持法は違憲」との声を無視し、〈たとえ悪法でも臣民は従う義務がある〉と判示して拡大適用の片棒を担いだが、同じ轍を踏ませてはならない。


連続児童殺傷/事件20年で変わったこと
 神戸市須磨区で起きた連続児童殺傷事件から20年になる。「子どもへの愛情は何年たっても変わらない。節目はない」。当時11歳だった次男の淳君を失った土師(はせ)守さんは、本紙の取材にこう語っている。
 事件では小学生の児童が次々と襲われた。残忍で凶悪な犯行の加害者が14歳の少年だったことに、社会は大きな衝撃を受けた。その影響は今も残る。
 事件はさまざまな変革を促した。土師さんが加わる「全国犯罪被害者の会(あすの会)」が訴える犯罪被害者と家族、遺族への支援はその一つだ。
 2004年、犯罪被害者等基本法が成立した。各自治体でも条例の制定や相談窓口設置の動きが広がっている。
 支援を通して、被害者たちを孤立させないことが何より大事である。だが現実はどうだろう。身近な自治体に窓口があることもあまり知られていない。
 本紙記事は、一時保育費負担や家事援助に利用の期限が設けられ、使いづらい面があると伝える。医療費を含む経済的な補償も課題だ。
 基本法は犯罪被害者の保護について「国や地方自治体、国民の責務」とうたう。国などの取り組みが不十分なら、それを改めさせる務めを私たち一人一人が担う。支援の現場の声に耳を傾けることが必要だ。
 事件は、刑事罰の対象年齢の引き下げなど少年事件厳罰化の契機ともなった。今、選挙権の年齢が18歳以上になったのをきっかけに、合わせて少年法の適用年齢を18歳未満とするべきかどうかの議論が続く。
 凶悪な少年事件の発生はゼロではないものの、件数そのものは減っている。罰を与えることより、教育と更生に重きを置く少年法の理念に立ち戻り、冷静な議論を深めたい。
 連続殺傷事件では一昨年、加害男性が手記を出版し、遺族や被害者らを傷つけた。遺族が手紙を通し、加害男性が事件に向き合いつつあると感じ始めた直後のことだった。内容以前に、遺族は加害者が出版したことに憤っている。あってはならないことだろう。
 犯罪被害者の保護は国や自治体だけでなく、国民も担う。基本法の理念を確認したい。


憲法改正論議◆「国民分断」を強行するのか◆
 安倍晋三首相が自ら提起した2020年中の改正憲法の施行に向け、自民党幹部に改憲案のとりまとめを指示し、党内の議論が近く始まる。
 首相は年内に自民党の改憲案を公表する考えを示しており、党幹部は早ければ来年の通常国会での改憲発議を目指すとしている。北朝鮮の核・ミサイル開発など日本周辺の安全保障環境の緊張で、平和主義の柱である憲法9条の改正にも国民の理解が得られると計算しているのかもしれない。
国会と党内使い分け
 しかし戦争放棄の9条1項と戦力不保持の2項は残し「自衛隊を憲法に明文で書き込む」という「加憲」案はこれまでの自民党の意見集約とは異なる案だ。「安倍1強体制」とされる中で、首相の指示通りに案をまとめるのか。自民党議員の主体性が問われる局面であり、議論を注視したい。
 野党は反発を強め、国会の憲法審査会の基本だった与野党の話し合い路線は断ち切られた。安倍政権が改憲発議をしようとすれば、国会で強行採決を繰り返さざるを得なくなるだろう。
 国の最高法規である憲法の改正を巡る手続きを、強行採決で進めていいのか。世論調査でも9条改正への賛否は分かれている。最終的な決定手続きである国民投票は、国民を分断する結果を招きかねない。首相は健全な憲法論議の土台を壊してはならない。
 一時中断した衆院の憲法審査会は、自民党の森英介会長が「与野党で丁寧な議論を積み重ねる」と表明し、再開した。一方で自民党は、党憲法改正推進本部に幹事長らを加えて議論を加速するという。首相主導で党内論議を急ぐ構えだろう。国会と党内とで対応を都合よく使い分けていると言える。
不明な自衛隊の制約
 首相は「議論を活性化させる」と強調するが「首相」と「自民党総裁」の立場を使い分け、国会での説明を拒む姿勢は、首相としての責任放棄と言わざるを得ない。
 さらに問題なのは、自衛隊をどう明記するのか具体的な説明を避けているにもかかわらず、国会答弁で「自衛隊への憲法上の制約は残る」と断定したことだ。なぜ活動にこれまで同様の制約がかかると言い切れるのか。
 例えば自民党の下村博文幹事長代行は「9条の2」として「前条の規定は自衛隊を設けることを妨げない」との規定を新設する案を示した。しかしその場合、自衛隊は「戦力」に当たらない「自衛のための必要最小限度の実力」との解釈に基づき、活動を制約する根拠となってきた2項は空文化するのではないか。
 9条の議論は憲法制定の歴史的経緯と今後の安全保障政策、自衛隊の在り方などを総合的に勘案すべきものであり、改憲しなければ対応できないとの認識が国民に広く共有されることが前提である。期限を区切って進める議論は「押しつけ改憲」になりかねない。


首相の押し付けでは困る/憲法9条改正論議
 安倍晋三首相は自ら提起した2020年中の憲法改正の施行に向け、自民党幹部に改憲案の取りまとめを指示した。
 首相は年内に自民党の改憲案を公表する考えを示し、党幹部は早ければ、来年の通常国会での改憲発議を目指すとしている。
 戦争放棄の9条1項と戦力不保持の2項は残し「自衛隊を憲法に明文で書き込む」という「加憲」案は従来の自民党の意見集約とは異なる。「安倍1強体制」とされる中、自民党議員の主体性が問われる局面だ。
 改憲の期限を区切った首相の発言で野党は反発を強め、国会の憲法審査会の基本だった与野党の話し合い路線は断ち切られた。安倍政権が改憲発議をしようとすれば野党の反対を押し切り、国会で強行採決を繰り返さざるを得なくなるだろう。
 世論調査では9条改正への国民の賛否は分かれている。最終的な決定手続きである国民投票に進めば、国民を分断する結果を招きかねない。
 9条の議論は憲法制定の歴史的経緯と今後の安全保障政策、自衛隊の在り方などを総合的に勘案すべきものであり、改憲の必要性が国民に広く共有されることが前提である。期限を区切って首相が進める議論は「押し付け改憲」になりかねない。
 5月3日の憲法記念日以降、首相は積極的な発言を続け「議論を活性化させる」と強調する。だが「首相」と「自民党総裁」の立場を使い分け、国会での説明を拒む姿勢は、首相としての責任放棄と言わざるを得ない。
 さらに問題は、自衛隊をどう明記するのか具体的な説明を避けているにもかかわらず、国会答弁で「自衛隊への憲法上の制約は残る」と断定したことだ。なぜそう言い切れるのか。
 例えば自民党の下村博文幹事長代行は「9条の2」として「前条の規定は自衛隊を設けることを妨げない」との規定を新設する案を示した。
 だがその場合、自衛隊は「戦力」に当たらない「自衛のための必要最小限度の実力」との解釈に基づき、活動を制約する根拠となってきた2項は空文化するのではないか。
 自衛隊が専守防衛の枠を超え、海外での活動を拡大する道が開かれる懸念がある。自衛隊明記で違憲か合憲かの憲法論争に終止符を打つという単純な話ではないのだ。


統幕長発言 「政治的中立」を踏み越えた
 安倍晋三首相が憲法9条に自衛隊の存在を明記する改憲案を発表したことに続き、防衛省制服組トップの統合幕僚長が安倍首相の改憲案を歓迎する発言をした。政治的行為を法で禁じられ、憲法尊重義務のある統幕長の踏み込んだ発言だ。政治的中立性の観点から問題だ。
 憲法に明文化されて、自衛隊にお墨付きを与えることになれば、自衛隊の権限行使のコントロールが自衛隊自身に委ねられる可能性がある。軍事力のコントロールが政治や文官(背広組)の枠を超えてしまう懸念があり、許されない。
 河野克俊統合幕僚長は会見で、安倍首相の改憲案について問われ「一自衛官として申し上げるなら、自衛隊の根拠規定が憲法に明記されることになれば非常にありがたいと思う」と発言した。
 「憲法は高度な政治問題なので、統幕長の立場で申し上げるのは適当ではない」と断った上での発言ではあった。
 しかし、自衛隊法は隊員の政治的行為を制限する。さらに憲法尊重義務のある公務員で「日本国憲法及び法令を順守し」と服務宣誓した自衛官のトップであるという、二重のかせがあるにもかかわらず、あえて踏み込んだ。統幕長として問題のある発言だ。1978年に自衛隊が超法規的行動を取り得ると発言した栗栖弘臣統幕長は「政治的中立」を逸脱したとして更迭された。
 現憲法の平和主義の基となっている日本国憲法9条は1項で戦争放棄を、2項で戦力不保持と交戦権の否認を定めている。
 安倍首相は憲法記念日の5月3日にビデオメッセージで改憲の意向を発表した。憲法9条について「1項、2項を残しつつ、自衛隊を明文で書き込む」と表明した。
 しかし自衛隊を明記すれば、2項が死文化するとの批判がある。逆に自民党内には、戦力不保持などを削除して国防軍を保持するとした党の改憲草案に反するという反発もある。
 自衛隊は憲法9条が根拠となって行動にさまざまな制約が課されてきた。しかし安倍政権は安保法によって自衛隊の活動の場を「地球の裏側」まで広げ、集団的自衛権の行使を認めさせた。
 法を逸脱した統幕長の発言は平和主義を柱に据える憲法を掲げるこの国にとって危うい兆候だ。見過ごしてはいけない。


勝手で不愉快…五輪運営費の自治体負担、上田知事「要請全くない」
 2020年東京五輪・パラリンピックの運営費用を巡り、丸川珠代五輪相が競技場を設置する東京都以外の自治体にも一定の負担を求めることを明らかにしたことについて、上田清司埼玉県知事は24日、取材に「(都からの要請は)全くない」と述べた。
 上田知事は、東京都が都外の開催自治体の運営費の負担を総額で約400億円と試算したことについて「事務方にもトップレベルにも話はない。勝手に数字が出ているのは(仮設費用の負担問題に続き)またかと不愉快な思い。(試算したメンバーに)さいたまスーパーアリーナや埼玉スタジアムの関係者がいないのに精緻な計算ができるわけがない」と不快感を示した。
 その上で「大会を運営するのは組織委員会で、実働部隊である東京都が運営費を負担するのは当然のこと。最初からわれわれが(運営費を)負担することはない。結果として、そういうことがあり得ることは否定しないが、それを決めるのは運営する側ではなく、会場を貸すわれわれの方だ」と述べた。
 県スポーツ局の山野均局長も「400億円の内訳も聞いていないのに合意はあり得ない」と困惑した様子だった。


【加計問題の調査】この消極姿勢は何なのか
 国の意思決定が適正なのか重大な疑義が生じているというのに、こんな調査と公表で済まされてよいはずがない。
 安倍首相の友人が理事長を務める学校法人「加計(かけ)学園」の獣医学部新設を巡る文部科学省の対応だ。学園は愛媛県今治市に来春の開設を計画している。
 設置の許認可権を持つ文科省が、内閣府から早期開設が「総理の意向だ」などと言われていた文書が明らかになった。事実であれば、森友学園の国有地売却問題にも酷似する由々しき事態だ。
 文書発覚から2日後、松野文科相は省内調査の結果を発表し、文書の存在を「確認できなかった」とした。調査を「尽くした」というが、疑惑の解消には程遠い内容だ。
 聞き取り対象の職員は担当局長や課長ら7人。文書を見たことがあるかや作成、共有の有無を聞き、全員が「ない」と答えたという。共有ファイルや電子フォルダにも見つからなかったとする。
 聞き取りをした時間はわずかで、職員が個人パソコンに保存する文書は調べもしていないという。この消極姿勢は何なのか。
 文科省は獣医師の供給過剰を防ぐため、獣医学部新設を50年以上認めてこなかった。加計学園もかつて、何度も構想を立てたが実現しなかったといわれている。
 それが第2次安倍政権の発足後、獣医学部新設の検討が「日本再興戦略」に盛り込まれ、ことし1月には国家戦略特区として今治市での新設計画が認定されている。事業者には加計学園が選ばれた。
 こうした経緯からも疑惑は徹底解明する必要があるが、安倍首相は圧力を否定する。菅官房長官も記者会見で「誰が書いたか分からない。こんな意味不明のものについて、いちいち政府が答えることはない」との姿勢だ。
 文書は複数あり、別の文書に登場する日本獣医師会の顧問は、自身が登場する文書は「99パーセントその通り」と認めている。「意味不明」と片付けることはできない。
 省庁では政策立案などの過程で、職員が個人的にメモをつくることがよくある。政府の行政文書管理のガイドラインでは、メモなども「国政上の重要な事項にかかる意思決定が記録されている場合などについては、行政文書として適切に保存すべきである」としている。
 安倍政権は森友学園問題で、首相夫人付きの政府職員が学園とやりとりしたファクス文書を行政文書に該当しないとした。昨年発覚した輸入米を巡る不透明取引では、調査した農水省が個々の業者への聞き取り内容を「職員の備忘録としてのメモ」だとして公開しなかった。
 文書の位置付けを政府が都合よく解釈するようでは公文書管理や情報公開の制度も形骸化しかねない。
 文科省には範囲を広げ、徹底した再調査と迅速な公表を行うよう強く求める。


「カール」中部以東で販売終了へ
 明治は25日、登場から半世紀近くがたつスナック菓子「カール」の販売を、中部地方以東で8月生産分を最後に終了すると発表した。9月に店頭から消える見通し。ほのぼのとした「カールおじさん」のキャラクターで親しまれたが、近年はポテトチップスなどの人気に押され低迷していた。関西以西では「チーズあじ」「うすあじ」の2品に絞って販売を続ける。
 カールの生産拠点は全国5カ所。うち大阪工場(大阪府高槻市)など4カ所では8月に順次製造を打ち切り、9月以降はグループ会社、四国明治の松山工場(松山市)だけにする。


デューク・エイセス解散へ 活動62年
 「女ひとり」「いい湯だな」などのヒット曲で知られ、日本を代表する男性コーラスグループの一つ「デューク・エイセス」が12月末で解散すると所属事務所が25日、明らかにした。1955年の結成から約62年間の活動に幕を下ろす。
 事務所によると、リーダーでバリトン担当の谷道夫さん(82)らメンバー4人が「歌えなくなる前に、きれいな形で解散しよう」と話し合って決めたという。
 デューク・エイセスは黒人霊歌で注目され、NHKの番組「夢であいましょう」に出演。「京都、大原、三千院…」と歌う「女ひとり」や「いい湯だな」などがヒットした。NHK紅白歌合戦に10回出場している。


故・井上ハツミさん 被差別部落に生きた詩人 60歳過ぎて文字習得 「ここに生まれ育てられ 感しゃ」 府中市 /広島
 書けるのは生きさせてもろとるあかし−−。被差別部落での暮らしを詩と作文に刻み続けた府中市の井上ハツミさんが今年1月、89歳で亡くなった。60歳を過ぎて文字を獲得。両親をはじめ部落や在日朝鮮の人々を温かいまなざしで描き、詩人の金時鐘(キムシジョン)さんはその文才を「天分」と高く評価した。2008年に刊行された作品集「私の生まれた日」(解放出版社)は今も多くの共感を呼んでいる。【渕脇直樹】
 井上さんは1927年、福山市に生まれた。馬車引きだった父親は井上さんが1歳のころ、馬車の下敷きになり死亡。母親は再婚で家を離れ、井上さんは府中市に住む父方の伯母フジノさんの養女となった。
 2番目の父となった良市さんはひつぎ担ぎの仕事をしていたが食べていけず、幼い井上さんは、病弱なフジノさんのげた直しの注文取りに歩いたり、子守をしたりして家計を助けた。歌やそろばんが得意で授業は楽しかったのに教師にカンニングを疑われた。「学校なんて大きらいじゃ」(「先生の一言」)。井上さんは識字学級に通い始めるまで、漢字の読み書きができなかった。
 小森龍邦・部落解放同盟県連顧問=府中市=によると、井上さんの部落では戦前、多くの家庭で女性が生活を支えた。小森さんは「どこも部落の者を嫌って雇わない、筆舌に尽くしがたい時代だった。私の父も字が読めなかった」と話す。
 貧困と差別ゆえ部落では助け合った。その相互扶助の精神は、幼い娘2人を連れた女旅芸人を描いた詩「門付」からもうかがえる。路銀を得るため流れ着いた母娘のため、部落の人々が「おばば」の家に集まった。
 <三味線と歌に合せて/娘がおどる/合の手入れておどるしぐさに/ぢいやんもばあやんも/手をたたきながら/泣いている/おばばがザルを出して/心ざしをしてやってくれ/と言う>
 戦後、井上さんはくず鉄拾いや金属加工の下請けなどの仕事をしながら3人の子供を育てた。つらいのは、給料の受け取りに「壱」や「弐」と書けないこと。ある時、識字運動の助言者から「読み書きしようとすることで前へ進むことができる」と励まされ、地元の識字学級に通い始めた。
 「ただきれいだと思って見ていたものが、心からきれいだと思って書けるようになった」
 学びから生まれた作文「下駄(げた)直し」と詩「頭がいたくなる」が1991年の部落解放文学賞で最優秀賞の入選に。井上さんは、その後も生い立ちをつづった作品を次々と発表し、2013年までにさらに6編が入選した。選考委員のノンフィクション作家、野村進さんは「観察力はすごい」、金時鐘さんは「表現力を持っている。(作品集出版には)全面的に協力する」、と賛辞を惜しまなかった。
 部落の生活相談員も務めた井上さんは、14年4月、脳内出血で倒れ、今年1月5日に世を去った。3月11日に府中市で開かれたしのぶ会では、識字の助言者、玉山洋さん(69)ら約70人のゆかりの人々が詩人の死を悼んだ。長女暁永(たかえ)さん(58)によると、未発表を含む約50編の作品が残された。
     ◇
 病に倒れる前年、井上さんは月刊誌「部落解放」に、こう書き記している。
 「もし私が部落に生まれていなかったら、今の私はない。ここに生まれ育てられた事、感しゃ」
識字学級、ニーズ多様化
 識字学級は1960年代、福岡県の産炭地で始まったとされる。厳しい労働や差別、貧困により教育の機会を奪われた人々が読み書きを学ぶ場として全国に広がった。
 部落解放・人権研究所(大阪市)の棚田洋平研究員によると、2010年度の実態調査では、識字学級は22都府県に開設され、学習者は2745人(うち女性が77%)。減少傾向にあるものの、定住外国人や日雇い労働者、不登校の若者などニーズは多様化しているという。
 棚田さんは「格差・貧困問題がある中、識字学級の存在意義は今も薄れていないが、行政など公的支援がなくなり、ニーズに応えきれていない地域もある」と課題を指摘している。〔備後版〕

アベは暗愚/久しぶりのメール/大道寺将司さん病死

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Cannes 2017 : ≪Vers la lumière≫, un parfum de palme pour le Japon ?
Enfin un moment de grâce en compétition. Il nous vient du Japon et de la cinéaste Naomi Kawase, dont c'est le 9e film. L'histoire est celle de la jeune Misako Ozaki, dont la maman commence à connaitre des pertes de mémoire et qui travaille comme audiodescriptrice pour le cinéma. Son métier est de raconter le plus précisément possible, à l'attention des malvoyants, les scènes qui se déroulent à l'écran. Elle fait la connaissance d'un photographe qui est en train de perdre la vue...
Sujet original, image somptueuse, acteurs dignes d'un prix d'interprétation... tout est réuni dans ce film, y compris la bande originale que signe Ibrahim Maalouf, pour ajouter à ces envoutements et ces lumières de soleil couchant un parfum de palme.
≪Vers la lumière≫, drame franco-japonais de Naomi Kawase, 1 h 41. Sortie en septembre.
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あさイチ「シリーズ発達障害 自分の“苦手”とどう付き合う?」
今月から1年間、「あさイチ」では「発達障害」について定期的に特集する予定です。発達障害は、身体障害と違って「見えにくい」障害のため、周囲から何かと誤解されがちです。本人の声をしっかり伝えることで、少しでも誤解を減らしたい。それがシリーズの目的です。
第一弾となる今回のテーマは、「発達障害の人の“苦手”とのつきあい方」。
発達障害の人は、「人の気持ちを理解するのが苦手」「集中するのが苦手」「感情のコントロールが苦手」など、生まれつき何かが苦手。しかも、その苦手の度合いは日常生活に支障が出てしまうほど。懸命に苦手と向き合っても、周囲からは「みんなと同じようにできない」「怠けている」「わがまま」などと誤解されることもしばしばです。
番組では、「初めての場所へ迷わずに行く」のが苦手な栗原類さん、「片づけ」が大の苦手でコンプレックスを抱えてきた女性、発達障害の息子の偏食に悩んできた母親、それぞれが「苦手」と向き合う姿を伝えます。

じじい通信‏ @KakioKueba
高山佳奈子教授「国連から疑義なされる、これは大変な文書。日本が条約批准の文書を出しても国連が受理するかどうか疑問。書簡を無視すると、もっと上のレベルからのクレーム必至」
堤氏「書簡は明らかに日本政府の回答を求めてる。北の拉致問題も扱っている人権理事会でも問題になる。恥ずべきこと」

みのり。‏ @Minori_LSM_1917
大道寺将司さんが本日,ご逝去された。大道寺さんは日本人が積み重ねてきた罪過にたいして真剣な態度で向き合い,自己の先祖とその子孫たる自己の贖罪を一心に試みてきた方である。大道寺さんに手紙を送ろうと思っていたが,それも果たせなくなってしまった。大道寺さん,安らかにお眠りください。
永山則夫bot‏ @nagayama_sasagu
大道寺将司さんは、獄中の運動時間中に、永山則夫と会話したこともあったそうです。永山とは仲が悪かった時代も、仲が良かった時代も両方あったもよう。
生きてシャバに出てほしかった…残念です。(管理人より)
支援者の皆様、旧友の皆様、浴田由紀子さん、ご遺体が焼かれる前に、大道寺将司さんのご遺体と面会できればいいですが…(管理人より)

kei toyoshima‏ @cat10war
大道寺将司さんの永眠を悼みます。東アジア反日武装戦線の闘いは、その先鋭さとそれ故の過ちにおいてかけがえのないものでした。それに向き合う事抜きに思想を語ることは恥ずべきことにさえ思えます。
菅沼瞭子‏ @akimuleta
若きらの
踏み出すさきの
枯野かな
と詠んだ大道寺将司は病死ではあるが東京拘置所で獄死した。今朝11時39分に。
財閥企業の繁栄は続き、抵抗者は小さな死を死ぬしかない。

横山好雄‏ @yoko44o
死刑廃止を訴え最後まで権力には殺されなかった。あっぱれな人生としかいいようがない。「狼煙を見よ」も読まずしてテロ礼賛などというバカは相手にせず。
ウタコ‏ @cametacafe
なんとなくパラパラとめくっている。四十年近くも死刑囚として生きるってどういうことだっただろう。
『棺一基四顧茫々と霞みけり』大道寺将司

ちくわ‏ @akame712

大道寺将司さん、お疲れさまでした。献杯!
中村U子‏ @when_we_cry
私を死刑廃止論者にしたのは、あなたの存在でした。いつ執行されるか分からぬ苦しさから解放して差し上げられなかったことを悔しく思いつつ、ご冥福をお祈りします。 > 連続企業爆破事件 大道寺将司死刑囚が拘置所で病死 | NHKニュース
奪還、ついにならず。柄にもなく「老い」を感じてしまったよ。もう幾十年もロクに支援をできずにいたこと、大道寺さんにも30年前の私にも申し訳が立たないぜ。家呑みを封印してなければ、へべれけになっているところ。

一九七四年八月三〇日三菱爆破=ダイヤモンド作戦を決行したのは、東アジア反日武装戦線“狼”である。
三菱は、旧植民地主義時代から現在に至るまで、一貫して日帝中枢として機能し、商売の仮面の陰で死肉をくらう日帝の大黒柱である。
今回のダイヤモンド作戦は、三菱をボスとする日帝の侵略企業・植民者に対する攻撃である。“狼”の爆弾に依り、爆死し、あるいは負傷した人間は、『同じ労働者』でも『無関係の一般市民』でもない。彼らは、日帝中枢に寄生し、植民地主義に参画し、植民地人民の血で肥え太る植民者である。
“狼”は、日帝中枢地区を間断なき戦場と化す。戦死を恐れぬ日帝の寄生虫以外は速やかに同地区より撤退せよ。
“狼”は、日帝本国内、及び世界の反日帝闘争に起ち上がっている人民に依拠し、日帝の政治・経済の中枢部を徐々に侵食し、破壊する。また『新大東亜共栄圏』に向かって再び策動する帝国主義者=植民地主義者を処刑する。
最後に三菱をボスとする日帝の侵略企業・植民者に警告する。
海外での活動を全て停止せよ。海外資産を整理し、『発展途上国』に於ける資産は全て放棄せよ。
この警告に従うことが、これ以上に戦死者を増やさぬ唯一の道である。
— 9月23日東アジア反日武装戦線“狼”情報部


三国志で蜀の劉備玄徳の息子の劉禅が暗愚とかいうのをテレビでやっていましたが,暗愚はアベ・アベは暗愚としか言いようがないなぁ・・・と思いました.誰だか忘れたけど家庭教師やっていた人が「私が教えたからあの程度で済んでいる」というようなこと言ってた気がするけど,本当にどうしようもない.
午前に埼玉の人から久しぶりのメールが来ました.
大道寺将司さん病死というニュースにショックです.東アジア反日武装戦線についてはそんなに詳しくはないけれども,日本の在り方を真剣に考えそれを糺すべく行動に立ち上がった人たちです.残念ながら間違った行動もあり,すべてに「いいね♪」できるものではありませんが,忘れてはならない大切な歴史の一つだと感じています.

響け被災地連帯の歌声 宮城・兵庫合同合唱団
 ともに大震災を経験した宮城、兵庫両県の合唱関係者が28日、多賀城市文化センターで合同コンサート「PRAY FROM MIYAGI−宮城からの祈り−」を開く。復興支援への感謝と風化防止の連帯の思いを込めて、この日のために制作した2曲を含む計4曲を演奏。計190人の大合唱団が祈りのハーモニーを響かせる。
 合同コンサートは午後1時5分〜2時で、同日午前10時15分に開演する宮城県合唱祭(県合唱連盟主催)のプログラムに組み込まれている。公募した合唱団は宮城側130人、兵庫側60人。
 宮城側は4月下旬に練習を始め、今月21日は仙台市青葉区の旭ケ丘市民センターに約130人が集まった。本番前日の27日には宮城入りした兵庫側メンバーとの合同練習に臨む。
 演奏曲の「つぼみをみあげて」は宮城県合唱連盟が宮城学院女子大のなかにしあかね教授に作曲を委嘱し、今回が初演となる。兵庫県合唱連盟が作曲家千原英喜さんに作曲を委嘱した「キャッチボール」は東北初演。2曲とも福島市の詩人和合亮一さんが作詩し、和合さんは当日、会場で合唱に先立って詩を朗読する。
 兵庫県連盟は東日本大震災翌年の2012年から毎年、「PRAY FROM KOBE」と題する復興支援コンサートを神戸市内の各所で開いている。東北の被災県の合唱関係者も招待し、音楽交流を深めてきた。
 宮城県連盟の八巻輝子事務局長(59)は「阪神大震災を経験した兵庫の人たちからのパワーあふれる支援に、感謝は尽きない。音楽の持つ力を集めて熊本地震や台風10号豪雨の被災地にもエールを送りたい」と話す。
 入場無料。連絡先は八巻さん090(2957)2975。


避難者の住宅「支援継続を」 窮状を指摘 全国80議会が意見書
 東京電力福島第一原発事故の避難区域外からの自主避難者への住宅支援が打ち切られた問題を巡り、少なくとも十六都道府県の八十地方議会が国などへ支援継続を求める意見書を可決したことが、復興庁の集計で分かった。多くの議会は避難者の窮状を指摘。支援に消極的な国に対して、地方で不満が広がっている状況を示していると言えそうだ。
 自主避難者は放射線による健康への不安から、仕事がある夫を福島に残し、母子で県外に避難する世帯が多い。福島県は三月末に住宅無償提供を打ち切り済みで、対象は約二万六千人(昨年十月末時点)。徳島と高知を除く四十五都道府県に広がっている。
 意見書は安倍晋三首相や関係閣僚に提出されているが、法的拘束力や回答義務はない。復興庁の今年三月までの集計では、可決した議会数は山形県と神奈川県が十四、東京都が九で自主避難者が多い三都県で八十議会の約半数となった。同様の内容を複数回可決している議会もあり、意見書総数は百二に上る。
 東京都武蔵野市議会は意見書で「自主避難者には母子世帯が多く、経済的に厳しい状況が続いている。打ち切りで生活がさらに困窮する」と強調。神奈川県議会は「住宅は最も基本的な生活基盤で、避難者にとって唯一の命綱だ」とし、大分県中津市議会は「特に小さな子どもの親たちは避難の継続を希望している」と訴えている。
 自主避難者を巡っては、今村雅弘前復興相が「(帰還は)本人の責任」と発言して批判を浴びたばかり。福島県は支援打ち切りの理由を「インフラ整備や除染が進み、県内の生活環境が整ってきた」としている。


河北抄
 東日本大震災の風化が叫ばれ、次世代への伝承が課題となる中、東北学院大の金菱(かねびし)清教授(41)は担当する環境社会学の講義にユニークな手法を取り入れた。
 震災遺族を招き、体験を語ってもらうまでは従来通り。聞く前、学生に名刺大の紙を12枚配り、そこに自分の大切な「有形物」「無形物」「活動」「人」を三つずつ書かせておく仕掛けをした。
 沿岸部で暮らす両親の安否が分からない不安、泥まみれの亡きがらと対面した動揺…。胸がつぶれるような語りの節目、金菱教授は学生に瞑想(めいそう)させ、穏やかな声で指示した。「別れの時が来ました。紙を〇枚を選んでちぎってください」
 書いてあるのは親兄弟の名だったり、思い出の品だったり。最初は何とか破けても、5回繰り返して最後の1枚まで強いられた時、学生は思い知る。この地で、つい6年前にあったことの壮絶さを。
 死生学で一般的な「疑似喪失体験」の手法をあえて用いたのは「震災を『わがこと』と受け止めてほしい」との願いから。目を赤くした90人の心に、震災はより深く刻まれたに違いない。


神戸連続殺傷 土師淳さん父「被害者支援、課題多く」
事件20年 参議院議員会館の院内集会に参加、コメント
 神戸市須磨区で1997年に起きた小学生連続殺傷事件で、土師(はせ)淳さん(当時11歳)が殺害されて24日で20年となる。父の守さん(61)は23日、東京・永田町の参議院議員会館であった院内集会に参加し、国会議員らを前に「犯罪被害者に関する多くの問題が解決されないまま残っている。改善のために協力をお願いしたい」と訴えた。また、毎日新聞に弁護士を通じてコメントを寄せた。
 コメントで土師さんは「淳が私たち家族の前から姿を消し、この5月24日で20年という年月が経過した。20年と聞けば長い年月のように思うが、過ぎてしまえば、つかの間のようにも感じる」と複雑な心境を明かした。
 事件以降、土師さんは他事件の被害者とも連携し、支援の拡充や少年審判の情報開示を訴えてきた。少年法の改正などが進み、支援条例を制定する自治体も増えている。「当時は私たち犯罪被害者・遺族には何の支援もなかった。20年間に環境は非常に改善した」と振り返った。
 一方、法改正に関する近年の議論については「『被害者支援はもうこの程度でよいのでは』という雰囲気が出ているのではないか」と指摘。被害者への経済的支援や加害者の出版規制など「改善すべき問題はまだまだ残っている」とし、支援の充実を呼び掛けた。【茶谷亮】


神戸連続殺傷 土師淳さん父が寄せたコメント全文
 神戸市須磨区で1997年に起きた小学生連続殺傷事件で、土師(はせ)淳さん(当時11歳)が殺害されて24日で20年となる。父の守さん(61)は23日、東京・永田町の参議院議員会館であった院内集会に参加し、毎日新聞に弁護士を通じてコメントを寄せた。コメント全文は以下の通り。
 淳が私たち家族の前から姿を消してから、この5月24日で20年という年月が経過したことになります。20年と聞けば長い年月のように思いますが、過ぎてしまえば、つかの間のようにも感じています。
 この20年の間に、犯罪被害者を取り巻く環境は大きく変わってきたと思います。20年前の事件当時は、私たち犯罪被害者・遺族には何の権利も支援もありませんでした。
 2000年1月に全国犯罪被害者の会(あすの会)が岡村勲弁護士を中心に設立され、5月からは私も活動に参加致しましたが、あすの会の署名活動等の活動と理解ある国会議員の先生方や一般の方々の支援のもとに、04年に犯罪被害者等基本法が成立しました。翌年には基本計画が策定され、それ以降多くの法律の改正や新たな施策が施行されてきました。
 また自治体においては犯罪被害者支援条例を独自に制定するところが徐々に増えてきている状況になってきました。
 このように、基本法成立以降被害者問題を改善しようという機運は続いていたと思いますが、最近の状況はやや異なっているように感じています。
 最近の警察庁での検討会の状況等を漏れ伺っていますと、犯罪被害者問題はもうこの程度で良いのではないかという雰囲気が出ているのではないかと勘ぐってしまうようなところがあります。
 確かに20年前と比較しますと、被害者を取り巻く状況は非常に改善したと思いますが、犯罪被害者等給付金支給法の見直しや医療費等を含めた経済補償の問題、加害者の自らの犯罪に関する出版の規制や被害者の兄弟たちの問題、これらに加え少年法の問題、そして損害賠償裁判が確定した後も賠償金が支払われずに10年経過したときの再提訴の問題等、犯罪被害者に関わる改善すべき問題はまだまだ残っています。
 今後も、被害者を取り巻く環境がさらに改善するように、行政及び一般の方々にはご協力、ご支援をお願いしたいと思います。
2017年5月24日 土師守


<共謀罪>有権者から乱用や監視に不安の声
 テロ対策を掲げながら、監視社会に向かう危険性もはらむ組織犯罪処罰法改正案が23日、衆院を通過した。犯罪を計画段階で処罰できる「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ法案に、東北地方の有権者は捜査機関による乱用や監視の強化に不安の声を上げた。犯罪抑止への期待感もあるが、政府の説明不足を指摘する声は依然、根強い。
 「言うべきことが言えない社会になる。生活に与える影響が分からず、怖い」。秋田市の無職佐々木哲さん(67)は眉をひそめた。福島市の飲食店経営伊藤信芳さん(65)は「政府に反対の声を上げると、取り締まられるのではないか」と疑問を口にした。
 学生運動に参加した経験がある仙台市青葉区の建築士茂木一雄さん(70)は「捜査機関の勝手な判断で逮捕される可能性がある。若い世代はもっと反対の声を上げてほしい」と語った。
 法案が衆院を通過した23日、英中部マンチェスターのコンサート会場で22人が死亡する自爆テロが起きた。2020年の東京五輪を控え、テロ抑止効果に期待する声もあった。
 若林区の会社員市川慎一さん(58)は「五輪に向けてより警戒が厳しくなり、犯罪防止につながる」、青葉区の会社員伊藤典夫さん(54)は「誰が何をするか分からない社会に危機感がある。先を見越して対策すべきだ」と法案通過を歓迎した。
 政府の説明不足を問う声は依然として根強かった。盛岡市の主婦佐久間恵子さん(75)は「何が罰せられるのか明確ではない。国民への説明を十分にしてほしい」と要望した。
 山形県山辺町の飲食店従業員庄司良子さん(70)は「法案を通過させればよいという姿勢だけが感じられた」、青森市の無職小嶋功さん(70)は「テレビを見ても法案の中身が分からず、しっかりとした説明がほしい」と話した。


<共謀罪>東北の衆院議員 賛否めぐり応酬
 「共謀罪」の構成要件を改めた「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案が23日、衆院を通過した。東北の野党の衆院議員は「監視社会を招く危険性がある」と激しく反発。与党議員は「組織犯罪への対処に必要」と強調した。
 衆院法務委員会で法案を追及してきた民進党の階猛氏(岩手1区)は「政府側はテロ等準備罪の捜査に将来、(電話の盗聴などが可能な)通信傍受法を用いる可能性を否定しなかった。1億総監視社会につながる恐れがある」と危惧した。
 金田勝年法相(衆院秋田2区)の不安定答弁を指摘し「本質的な部分を自分の言葉で答えられなかった。そんな法律を国民に強いるのは間違い」と批判した。
 法務委の審議は、与党側が採決の目安とした30時間を過ぎた時点で強行採決された。民進党の郡和子氏(比例東北)は「議論が深まらないままの強行採決は国会の存在の否定だ」と拙速な対応を批判した。
 共産党の高橋千鶴子氏(比例東北)は「一般人が捜査対象にならないと確信できる政府側の答弁はなかった。国民の不安は拭えない」と指摘。自由党の小沢一郎代表(岩手4区)は「基本的人権の侵害や権力の横暴を許す恐れがある法案だ。本会議でも採決を強行した与党の姿勢は容認できない」と述べた。
 与党側は法案の必要性を訴えた。自民党の土井亨氏(宮城1区)は採決までの経過を「議論がかみ合わず国民に分かりにくい面もあった」と振り返りつつ、法案が国際組織犯罪防止条約の批准に必要な点を強調。「国際社会が組織犯罪に対応するため、日本も責任を果たさないといけない」と意義を語った。
 法務委員として関わった自民党の藤原崇氏(比例東北)は「与党側の質疑で論点は一通り出た。条約に関する法案でもあり、どこかで結論を出す必要があった」と採決に理解を求めた。


<共謀罪>衆院通過 東北の与野党も賛否両論
 「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案が衆院を通過し、法案に賛成した東北の与党は「テロ対策は一刻の猶予も許されない」と必要性を強調した。採決に反対した野党4党は内心の自由が侵害されるとして、強行採決に反発を強めた。
 自民党宮城県連の石川光次郎幹事長は英国のコンサート会場で22日、テロとみられる爆発が起きたことに触れ、「テロ対策は喫緊の課題と改めて感じた。国会審議は尽くされ、採決は当然だ」と受け止めた。同党青森県連の三橋一三県議は「国際協調のためにも必要な法案だ」と話した。
 共同通信社が20、21の両日に実施した世論調査によると、政府の説明が不十分との回答が8割近くに達した。公明党宮城県本部の庄子賢一代表は「法案への理解が十分に広がっていないのも事実」と認め、政府に一層の努力を求めた。
 野党からは批判の声が相次いだ。民進党福島県連の亀岡義尚幹事長は「国民の自由を脅かし、総監視社会につながる恐れがある」と指摘。自由党岩手県連の佐々木順一幹事長は「これほどの重要法案を強行採決すべきではない」と訴えた。
 金田勝年法相(衆院秋田2区)の不安定な国会答弁も問題視された。社民党秋田県連の石田寛代表は「大臣と副大臣の答弁が異なるなど、疑問符が付くものばかり。誰も納得していない」と不信感を募らせた。
 共産党山形県委員会の本間和也委員長は「参院の審議でさらに問題点を追及し、廃案に追い込む。市民団体と連携した運動を続ける」と前を見据えた。
 参院で自民と統一会派を組む日本のこころの中野正志幹事長(参院比例)は「法案は一般市民には関係がなく、左派勢力が間違った不安をあおっている。参院では粛々と審議したい」と野党の懸念を一蹴した。


「共謀罪」衆院通過 戦前の悪法を思わせる
 「共謀罪」法案が衆院を通過した。安倍晋三政権で繰り返される数の力による横暴だ。戦前の治安維持法のような悪法にならないか心配だ。
 警察「自然に手を入れる行為自体に反対する人物であることをご存じか」
 電力会社子会社「以前、ゴルフ場建設時にも反対派として活動された」
 警察「自然破壊につながることに敏感に反対する人物もいるが、ご存じか。東大を中退しており、頭もいい。しゃべりも上手であるから、やっかいになる」
◆監視は通常業務です
 岐阜県大垣市での風力発電事業計画をめぐって、岐阜県警が反対派住民を監視し、収集した情報を電力会社子会社に提供していた。二〇一四年に発覚した。
 「やっかい」と警察に名指しされた人は、地元で護憲や反原発を訴えてもいる。ただ、ゴルフ場の反対運動は三十年も前のことだった。つまりは市民運動というだけで警察は、なぜだか監視対象にしていたわけだ。この問題は、国会でも取り上げられたが、警察庁警備局長はこう述べた。
 「公共の安全と秩序の維持という責務を果たす上で、通常行っている警察業務の一環」−。いつもやっている業務というのだ。
 公安調査庁の一九九六年度の内部文書が明らかになったこともある。どんな団体を調査し、実態把握していたか。原発政策に批判的な団体。大気汚染やリゾート開発、ごみ問題などの課題に取り組む環境団体。女性の地位向上や消費税引き上げ反対運動などの団体も含まれていた。
 日本消費者連盟。いじめ・不登校問題の団体。市民オンブズマン、死刑廃止や人権擁護の団体。言論・出版の自由を求めるマスコミ系団体だ。具体的には日本ペンクラブや日本ジャーナリスト会議が対象として列挙してあった。
◆監視国家がやって来る
 警察や公安調査庁は常態的にこんな調査を行っているのだから、表に出たのは氷山の一角にすぎないのだろう。「共謀罪」の審議の中で繰り返し、政府は「一般人は対象にならない」と述べていた。それなのに、現実にはさまざまな市民団体に対しては、既に警察などの調査対象になり、実態把握されている。
 監視同然ではないか。なぜ環境団体や人権団体などのメンバーが監視対象にならねばならないのか。「共謀罪」は組織的犯罪集団が対象になるというが、むしろ今までの捜査当局の監視活動にお墨付きを与える結果となろう。
 国連の特別報告者から共謀罪法案に「プライバシーや表現の自由の制限につながる。恣意(しい)的運用の恐れがある」と首相に書簡が送られた。共謀罪は犯罪の実行前に捕まえるから、当然、冤罪(えんざい)が起きる。政府はこれらの問題を軽く考えてはいないか。恐るべき人権侵害を引き起こしかねない。
 一九二五年にできた治安維持法は国体の変革、私有財産制を否認する目的の結社を防ぐための法律だった。つまり共産党弾圧のためにつくられた。当初はだれも自分には関係のない法律だと思っていたらしい。
 ところが法改正され、共産党の活動を支えるあらゆる行為を罰することができるようになった。そして、反戦思想、反政府思想、宗教団体まで幅広く拘束していった。しかも、起訴されるのは少数派。拷問などが横行し、思想弾圧そのものが自己目的化していったのだ。
 共謀罪も今は自分には関係がないと思う人がほとんどだろう。だが、今後、法改正など事態が変わることはありうる。一般人、一般の団体なども対象にならないと誰が保証できようか。国会審議でも団体の性質が一変すれば一般人も対象になるとしている。何せ既に警察は一般団体を日常的に調査対象にしているのだ。
 少なくとも「内心の自由」に官憲が手を突っ込んだ点は共謀罪も治安維持法も同じであろう。
 捜査手法も大きく変わる。共謀となる話し合いの場をまずつかむ。現金を下ろすなど準備行為の場もつかむ。そんな場面をつかむには、捜査当局は徹底的に監視を強めるに違いない。政府は「テロ対策」と言い続けたが、それは口実であって、内実は国内の監視の根拠を与えたに等しい。
◆「デモはテロ」なのか
 何よりも心配するのが反政府活動などが捜査当局の標的になることだ。「絶叫デモはテロ行為と変わらない」とブログで書いた自民党の大物議員がいた。そのような考え方に基づけば、反政府の立場で発言する団体はテロ組織同然だということになる。共謀罪の対象にもなろう。そんな運用がなされれば、思想の自由・表現の自由は息の根を止められる。


「共謀罪」参院へ/国民の理解を得ていない
 テロ対策として「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法の改正案が衆議院を通過した。世論調査の数字が法案への国民の思いを示している。「政府の説明は十分と思わない」との回答が77・2%に上った。
 今もって「よく分からない」というのが率直な受け止めだろう。国民の理解が得られないまま政府、与党の政治日程で法案を成立させてはならない。
 欧州で一般市民を標的にした事件が相次ぐ。テロと戦うのは政府と警察当局だけではない。国民の理解と協力がなければ実効性を欠くだろう。
 テロ対策と社会の在り方について、判断するのは私たち一人一人のはずだ。ところが、衆院法務委員会での政府の説明はあまりに中身が乏しく、深く考える材料にはならなかった。
 「一般人は捜査対象となるのか」という争点一つとっても、説明が二転三転した。「告発があっても一般人なら捜査しない」という理解しづらい法相の答弁もあった。
 テロ行為を認定するのは捜査当局だ。日常の買い物や預金の引き落としも、当局がテロの準備行為と判断すれば取り調べの対象となり得る。計画段階とみなされれば日々の行動や人との接触が監視される。
 もとより「共謀罪」は憲法が保障する「内心の自由」を脅かす恐れがある。今の政府がいくら否定しても、後の法解釈や運用などで適用拡大は可能だ。
 戦前の治安維持法がそうだった。成立時の政府は、普通の市民は対象にならず、裁判所が乱用を防ぐと国民に訴えた。教訓とすべき歴史の事実である。
 捜査への歯止めをどう担保するのか。曖昧な議論のままでは、乱用の懸念が募るばかりだ。
 世界からも厳しい視線が注がれる。人権の状況を調査・監視する国連の特別報告者は「プライバシーや表現の自由を不当に制約する恐れがある」とする書簡を、日本政府に送った。
 安倍晋三首相は法案を通さねば東京五輪・パラリンピックを開催できないと主張する。しかし問われているのは五輪だけでなく、私たちの社会の未来だ。
 参議院では国民の疑念に答える審議が求められる。政府は明確な説明に努めるべきである。


「共謀罪」法案 監視型捜査 懸念拭えぬ
 きのう衆院を通過した組織犯罪処罰法改正案で最も問題なのは、市民生活を脅かす監視や捜査が、既成事実化していく懸念が拭えないことである。
 この法案で共謀罪を「テロ等準備罪」と言い換えた政府は、「新たな捜査手法を導入することは予定していない」と説明する。
 しかし監視型の捜査はこれまでも長年、ひそかに行われてきた。
 捜査対象者らの車両などに、衛星利用測位システム(GPS)端末を取り付けた捜査が代表例だ。
 最高裁は令状や法律がないことを問題視して違法と判断した。
 留意すべきは、判決が「個人の意思を制圧して、憲法の保障する重要な法的利益を侵害する」と、踏み込んだ見解を示したことだ。
 手法自体の危うさを認めたに等しい。犯罪摘発の網を広げる共謀罪の捜査が、同じ轍(てつ)を踏まぬと言い切れるのか。
 一般市民や正当な活動をする団体は「捜査の対象外」とする政府の言い分も、怪しい。
 岐阜県警が4年ほど前、風力発電所の建設に反対する市民の個人情報を、こともあろうに事業者の電力会社側に漏らしていたことが明らかになっている。
 本来の役割を踏み外した、市民監視以外の何物でもない。
 昨年夏の参院選を巡っても、大分県警が野党の支援団体が入る建物の敷地に隠しカメラを違法に設置していた。
 共謀罪の導入で、「公共の安全や秩序の維持」を理由にした監視捜査がより強まる―。果たして考えすぎだろうか。
 昨年施行された改正通信傍受法では、対象犯罪が大幅に増えている。そもそも通信傍受自体、プライバシーや「内心の自由」を脅かす捜査手法だ。これが共謀罪の捜査に広がる危惧は消えない。
 これだけ疑問や懸念が山のようにありながら、今回の法案を巡る衆院審議では、金田勝年法相が不安定な答弁を重ね、国民の不信感を増幅させた。
 共同通信社の世論調査で、「政府の説明が十分だと思わない」が77%に上ったのも当然である。
 熟議からほど遠かった審議を、参院で繰り返すようなことがあってはならない。
 少なくとも共謀罪を新設する277の犯罪について、政府が選んだ理由や罪になる事例を個別具体的に説明するのは大前提である。
 そうすれば「テロ対策」という言葉にほころびが生じ、いかに法案の必要性がないかが分かろう。


「戦前」に戻してどうする
 罪名を「テロ等準備罪」とし、共謀を「計画」と言い換え、構成要件に「準備行為」を加えた。
 だがその本質は、「平成の治安維持法」と呼ばれ、過去3度廃案になった法案の内容と何も変わらない。
 組織犯罪処罰法改正案が衆院を通過した。いわゆる「共謀罪」法案である。
 捜査は個人の内心に向けられ、犯罪の計画段階での処罰が可能となる。実行行為を処罰する刑法の大原則を転換することになる。
 捜査当局による市民生活への監視を強め、思想や表現の自由などを保障する基本的人権を侵しかねない。危険な法案は参院で徹底審議し、廃案にすべきだ。
 安倍晋三首相は特定秘密保護法、集団的自衛権の行使を認めた安全保障法制に続き、憲法の基本原則を曲げる重大法案をまたも数の力で押し通そうとしている。
 一連の流れはこう映る。
 まず、特定秘密保護法で国民の「目と耳」をふさいだ。
 国家の秘密保持のために国民の知る権利を奪い、民主主義の重要な基盤を掘り崩した。国民主権に逆行するものだ。
 続いて、あいまいな定義の安保法制によって実力組織である自衛隊の活動を格段に広げ、海外での武力行使に道を開いた。平和主義の空洞化を進めたといえる。
 そして今度は、国民の「口」を封じかねない共謀罪である。捜査当局の権限をなし崩しに拡大する狙いが透けている。
 立憲主義をねじ伏せる首相の手法は、国の在り方を戦前の国家主義に回帰させることを目指しているかのように見える。
 共謀罪法案の衆院審議で金田勝年法相は「一般市民は捜査の対象外」と繰り返した。
 だが、戦前の治安維持法も当初は「善良な国民に何ら刺激を与えるものではない」とされていた。法律はできてしまえば拡大解釈され、独り歩きする可能性がある。それが歴史の教訓だ。
 国の政策に反対する市民運動や労働運動の関係者を「摘発されるかもしれない」と萎縮させれば、改憲反対の運動に影響を与える効果が見込めるかもしれない。
 それによって、究極の目標である憲法9条改定のお膳立てを整えるつもりなのだろうか。
 施行70年を迎えた憲法の根本理念と共謀罪は、明らかに相いれない。
 共謀罪法案はまだ成立していない。参院は「良識の府」としての自負があるはずだ。この国の行く末も見据えて法案の危険性をあぶり出してほしい。
 テロ対策の必要性は誰しも否定しない。だが、そのためになすべきは共謀罪の制定ではない。空港の保安対策の強化など、まず優先してやるべきことは少なくない。
 国内には既遂、未遂でなくても重大犯罪を罰する予備罪、準備罪、陰謀罪などが既にある。国際組織犯罪防止条約締結の要件は満たしているとみることもできる。
 ただちに加盟し国際的な捜査の連携に乗り出せばいい。
 そうした点も、参院の審議で深めるべきだ。


共謀罪」プライバシー置き去り 国連特別報告者「深刻な欠陥ある法案」
 プライバシー権に関する国連特別報告者ジョセフ・ケナタッチ氏が公開書簡で、「共謀罪」の趣旨を含む組織犯罪処罰法改正案に懸念を示したことを巡り、日本政府が火消しに懸命になっている。法案の問題点の核心を突かれ、国会審議に影響が出かねないからだ。ただ、懸念を払拭(ふっしょく)するために丁寧に説明するというよりも、「国連の立場を反映するものではない」(菅義偉(すがよしひで)官房長官)といった切り捨て型の反論が目立つ。 (生島章弘、宮尾幹成)
 ケナタッチ氏は二十三日、書簡に対する日本政府の抗議を受け「拙速に深刻な欠陥のある法案を押し通すことを正当化することは絶対にできない」とする反論文を公表した。二十二日には政府の抗議について「中身のない、ただの怒り」「多々挙げた懸念に一つも言及がなかった」と本紙の取材に回答した。
 これに対し、政府も譲る気配はない。野上浩太郎官房副長官は二十三日の記者会見で、ケナタッチ氏の反論について「速やかに説明する用意があると伝達しているにもかかわらず、一方的に報道機関を通じて『懸念に答えていない』と発表したことは極めて不適切だ」と不快感を示した。
 野上氏は、書簡に明記された法案の問題点に関しては「プライバシーの権利や表現の自由を不当に制約するなどの指摘は全く当たらない」と重ねて強調。質問には「追って正式に書簡で回答する」と語った。
 ケナタッチ氏は安倍晋三首相に宛てた十八日付の公開書簡で、法案に盛り込まれた「計画」や「準備行為」の定義が抽象的なため、恣意(しい)的に適用される恐れがあることや、テロと無関係の罪が対象に含まれていると指摘。プライバシー権侵害を防ぐための措置を回答するよう求めていた。
 日本政府はすぐさま国連人権高等弁務官事務所を通じ、ケナタッチ氏に抗議。菅氏は二十二日の記者会見で「書簡の内容は明らかに不適切」と批判していた。
 特別報告者は国連人権理事会から任命され、国別、テーマ別に人権侵害の状況を調査し、人権理事会や国連総会への報告書を作成する。報告に法的拘束力はない。国では北朝鮮やシリア、イランなど、テーマでは表現の自由や女性差別、貧困などが調査の対象だ。


「共謀罪」参院へ  審議尽くす責任がある
 「政府の説明は不十分」との国民の声を無視した、強引な国会運営と言わざるを得ない。
 「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法の改正をめぐり、与党側が先週の衆院法務委員会に続いて本会議での採決に踏み切り、法案を通過させた。
 国会は熟議の場であるはずだ。ところが閣僚答弁の迷走もあって、野党と政府側のやりとりはほとんどかみ合わないままだ。数々の疑問点や異論を置き去りにするのなら、一昨年の安全保障関連法の時と同様、与党の「数の力」の乱用である。
 参院では、あらためて議論を仕切り直すべきだ。
 共同通信の世論調査では77%が、説明が十分でないと答えている。法案そのものへの賛否は40%前後で拮抗(きっこう)しているが、「今国会で成立させるべき」との意見は31%にとどまり、逆に「成立させる必要はない」が56%に上る。
 過去3回の廃案時と異なり、政府は共謀罪の適用対象を絞ったことで「一般人は対象にならない」と繰り返す。だが捜査機関による拡大解釈の余地は大きく、人権を過度に制約しかねないと国連の専門家までが懸念を示している。
 こうした指摘に政府・与党は真摯(しんし)に向き合うべきだ。2020年東京五輪・パラリンピックを控えたテロ対策との一点張りで押し切ろうとするのでは、政治不信に拍車がかかるのはもちろん、本来必要なテロ対策の議論までゆがめかねない。
 内心の自由をはじめとする個人の権利とテロ対策をどう両立させるのか。捜査の行き過ぎをどうチェックするか。そもそもテロをどう定義するのか。一つ一つ熟考と国民への丁寧な説明が欠かせない。自民、公明両党と日本維新の会の修正協議で、取り調べの可視化やGPS捜査の制度化の検討が法案に盛り込まれたが、それも十分な討論の結果とは思えず、今後の憲法改正などをにらんだ3党の妥協という印象が拭えない。
 与党は会期延長も視野に、今国会で法案を成立させる方針を堅持する。だが何より優先すべきは、数の力におごらず審議を尽くすことだ。民進党など野党にも一層の論戦力が求められよう。
 諸外国には、共謀罪を含めて強い捜査権を導入している例が少なくないが、英国のコンサート会場で22日に起きた爆発事件をみてもテロ防止は一筋縄ではいかない。だからこそ対策の実効性と、人権とのバランスの議論が必要だ。


「共謀罪」衆院通過 「良識の府」で徹底審議を
 国民の懸念や疑問は解消されていない。にもかかわらず、法務委員会に続いて本会議もまた、野党の反対を押し切っての採決強行だった。衆院は「言論の府」の看板を自ら下ろしてしまったのか。
 「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案が衆院本会議で自民、公明の与党と日本維新の会の賛成多数で可決された。
 不安定な答弁を続ける金田勝年法相をはじめ質問に正面から向き合わない政府、30時間を費やしたから審議は尽くしたと言い張る与党、同調した維新にはそれぞれ重大な責任がある。
 過去3回も廃案になった共謀罪とは本質的に何が違うのか。適用対象を「組織的犯罪集団」と規定し、犯罪の「準備行為」を構成要件にすると政府は言う。だが、いずれも定義は曖昧で、政府答弁すら二転三転した。一般市民が対象になる疑念は拭えないままだ。
 「内心」を取り締まるために、捜査当局による監視が強まる恐れもある。安倍晋三首相は東京五輪に向けたテロ対策と強調するが、テロとは無関係と思われる犯罪まで対象に含まれる。極めて不十分な衆院審議で少なくともはっきりしたのは市民社会を萎縮させかねない法案−ということだ。
 政府は国連総会で採択された国際組織犯罪防止条約の締結にも成立が必要と主張する。野党も条約には賛成だが、現行法で締結可能だという。どちらが正しいのか。
 条約の目的はテロ対策ではなく、マフィアによる国境を越えた薬物や銃器の不正取引に絡むマネーロンダリング(資金洗浄)などの防止だとの指摘もある。そうだとすれば「テロ対策」という政府の主張との整合性も問われよう。
 共同通信社の最新世論調査によると、「政府の説明が十分と思わない」は8割近くに及ぶ。法案の賛否は拮抗(きっこう)しているが、国民は政府の説明責任を問うているのだ。
 法案審議の舞台は参院へ移る。まさに「良識の府」「再考の府」の出番である。今度こそ国民が納得するまで審議を尽くすべきだ。


共謀罪衆院可決 その先にあるのは独裁 立憲主義の破壊許さず
 衆院は、犯罪を計画段階で処罰する「共謀罪」法案を本会議で強行採決し、自民、公明両党と日本維新の会の賛成多数で可決した。
 法案は内心の自由を侵害し、憲法が保障する思想の自由に抵触する。捜査機関が団体や市民生活を常に監視し、取り締まりの対象とするため表現の自由、集会・結社の自由に重大な影響を与える。
 治安維持法下の戦前戦中のような監視社会を招いてはならない。十分な論議もなく憲法に反する法案を強行採決したことに強く抗議する。立憲主義・民主主義の破壊は許されない。廃案しかない。
監視社会招く
 政府は法律の適用対象を「組織的犯罪集団」とし、具体的な「合意」と、現場の下見や資金調達などの「準備行為」を処罰する。
 安倍晋三首相は当初、一般市民は対象外として、過去に3度廃案になった共謀罪法案とは別物と強調した。しかし後に「犯罪集団に一変した段階で一般人であるわけがない」と答弁を変えている。
 対象は際限なく広がり、労働組合など正当な目的の団体であっても、捜査機関が「組織的犯罪集団」として認定すれば処罰対象になる可能性がある。
 治安維持法の下で、言論や思想が弾圧された反省を踏まえ、戦後日本の刑法は、犯罪が実行されて結果が出た段階の「既遂」を罰する原則がある。しかし共謀罪は、実行行為がなくても2人以上が話し合って合意することが罪になる。基準が曖昧である。
 「内心」という人の心の中を推し量って共謀の意図があるかどうかを捜査機関の判断に任せてしまえば、恣意(しい)的な運用に歯止めがかからなくなる。
 国連も法案を懸念している。プライバシーや表現の自由を不当に制約する恐れがあるとして、国連特別報告者が安倍首相宛てに書簡を送った。これに対し日本政府が「不適切」と抗議すると「深刻な欠陥がある法案をこれだけ拙速に押し通すことは絶対に正当化できない」と批判している。安倍政権はこの批判を真摯(しんし)に受け止めるべきだ。
 共謀罪がない今ですら、辺野古新基地と高江ヘリパッド建設に反対する沖縄平和運動センターの山城博治議長らを、微罪で逮捕し長期勾留した。共謀罪法案が成立したら、より広範かつ日常的に室内盗聴や潜入捜査などによって市民が監視され、捜査当局の都合で逮捕・勾留が可能になる。
 治安維持法も文言が曖昧で漠然としていたので拡大解釈された。暴力や不法行為の実態がなくても処罰の対象になり、監視社会を招いたことを忘れてはならない。
印象操作にすぎない
 政府は共謀罪法案の必要性をテロ対策強化と説明し、罪名を「テロ等準備罪」に変更した。「テロ対策」を掲げて世論の賛同を得ようとしたが、同法なくしては批准できないとする国際組織犯罪防止条約は、テロ対策を目的としていない。麻薬など国境を越えた犯罪を取り締まる条約だ。テロ対策に必要だというのは印象操作にすぎない。
 日弁連が主張するように、関連する多少の法整備をするだけで条約批准は可能である。日本では現在、既遂、未遂ではなくても罪に問えるものとして陰謀罪8、共謀罪15、予備罪40、準備罪9が既に存在している。
 過去を振り返ると、治安維持法が成立した最大の要因は、憲政会と政友会が連立政権を組み、衆院の多数を確保していたからである。「一般人には関係ない」と説明し数の力を使って成立させた。
 共謀罪法案は、内容に問題があるからこそ過去に3度廃案になった。4度目の今回、実質審議はわずか30時間である。しかも委員会審議で法案の提案者である法務大臣が内容を理解していなかった。数の力によって表現の自由だけでなく思想の自由まで制限する悪法を成立させてはならない。その先にあるのは独裁国家だ。


[「共謀罪」衆院通過]懸念解消にはほど遠い
 「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案は、23日の衆院本会議で、自民、公明両党と日本維新の会などの賛成多数で可決され、衆院を通過した。
 国会審議の形骸化は目を覆うばかりである。
 与党などは19日、審議時間が30時間に達したことを理由に、衆院法務委員会での審議を打ち切り、採決に持ち込んだ。
 共同通信社が採決後の20、21両日に実施した全国電話世論調査では、政府の説明が十分だと思わないとの回答が77・2%に達した。
 「審議が尽くされていない」という声が圧倒的多数を占めているのである。多数決原理は少数意見の尊重とセットで運営されなければ多数専制に陥りかねない。
 国連のプライバシー権に関する特別報告者ケナタッチ氏は「プライバシーや表現の自由を不当に制約する恐れがある」と、法案への懸念を示す書簡を日本政府に送った。
 法律が成立すれば、犯罪を計画段階で処罰するようになるため、解釈によって捜査機関の権限が拡大され、捜査手法が広がり、個人・団体の行動が日常的に監視される懸念が生じる。
 だが、十分な審議を求める国民の声にも国連特別報告者の疑問にも、政府はまともに答えていない。
 金田勝年法相の国会答弁はあまりにも不十分で、内容を理解しているのか疑わせるような惨たんたるものだった。 法相が説明できないような法案はいったん廃案にして出直すべきだ。
■    ■
 政府は、過去に廃案になった「共謀罪」の構成要件をあらため、名称も「テロ等準備罪」に変え、テロを前面に押し出した。2020年東京五輪に向けたテロ対策としての必要性を強調する。
 参院での審議であらためて議論になりそうなのは、法案のほんとうの目的がどこにあるのか、という点だ。
 22日午後10時半(日本時間23日午前6時半)ごろ、英国中部マンチェスターのコンサート会場で起きた自爆テロ事件は、あらためてテロ対策の難しさを突き付けた。
 イタリアで開かれる先進7カ国首脳会談(サミット)でこの事件が取り上げられるのは確実である。
 テロ対策といえば国民の理解も得やすく、野党も反対しにくい。今後の参院での審議で政府は国民の「安全・安心」を前面に押し出すことになりそうだ。
■    ■
 国際組織犯罪防止条約(パレルモ条約)の締結が急務で、そのためにも「テロ等準備罪」が必要、だと政府は強調する。
 だが、この条約はテロ対策を目的としたものではない。現行法規の枠内でも条約を締結することは可能、との見方も少なくない。
 危機や不安に乗じて法律を成立させ、捜査権限を肥大化させたとき、まず脅かされるのは市民の諸権利である。
 こういう時期だからこそ、地に足のついた冷静な議論が必要だ。その前提は、政府が説明責任をきちんと果たすことである。


中曽根は「注意する人」据えた
 ★この日、「共謀罪」の趣旨を含む組織犯罪処罰法の改正案が衆院本会議で投票総数459、白票338、青票121、自民、公明、日本維新などの賛成多数で可決され、衆院を通過した。共謀罪について与党などは、テロ対策の不備があるかのごとく説明し、国民に必要不可欠な法律という印象を与えたものの、法相自身が法案を明瞭に説明できず、事実上不誠実な審議と採決となった。 ★また、採決直前の今月18日、国連のプライバシー権に関する特別報告者・ジョセフ・ケナタッチが、共謀罪法案はプライバシー権と表現の自由を制約する恐れがあるとして、深刻な懸念を表明する書簡を首相・安倍晋三宛てに送った。これを受けて22日、官房長官・菅義偉は「不適切なものであり、強く抗議を行っている。特別報告者という立場は、独立した個人の資格で人権状況の調査報告を行う立場であり、国連の立場を反映するものではない。プライバシーの権利や表現の自由などを不当に制約する恣意(しい)的運用がなされるということは全く当たらない」と一蹴した。 ★このところこんな突っぱね方を、政権は当然のように行う。憲法改正論者、長期政権、「戦後政治の総決算」を掲げた元首相・中曽根康弘と「戦後レジームからの脱却」をうたった安倍は最近よく比較されるが、中曽根は自身の内閣で自分と考えの違う後藤田正晴を官房長官に据えた。当初、後藤田は中曽根より内務省で年次が上だったため、「今まで『君付け』していた者の下には就けない」と難色を示したが、引き受けると中曽根の政策を否定したり、たしなめることもあった。中曽根周辺が言う。「だから後藤田が必要だった。首相には注意する人が必要。そしてこの人に言われれば納得するという人が必要」。安倍お友達内閣には、いや今の自民党には耳を傾けさせたり、立ち止まらせる人材は皆無だ。

「共謀罪」衆院通過 参院で徹底審議が必要
 「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案が衆院本会議で自民、公明両党と日本維新の会などの賛成多数で可決された。与党は衆院法務委員会に続き、民進党など野党の反対を押し切り採決を強行した。
 審議の場は参院に移るが、改正案に対する国民の不安は根強く、与党が早期成立を狙って強硬姿勢を貫くことは許されない。参院では徹底して審議する必要がある。
 本会議では採決に先立つ討論で自民党議員が「これまでの審議で政府は丁寧に答弁しており、改正案は国民から支持されたと確信している」と強調。金田勝年法相も可決されたことを受けて「重要な法案だと理解していただいた結果だ」と述べた。だが、それらの発言は国民の思いと乖離(かいり)していないか。
 共同通信社が衆院法務委で採決した翌日から2日間行った世論調査では、改正案について「政府の説明が不十分」と答えた人が77・2%に達した。「十分だと思う」は15・3%で、国民の理解が進んでいない実態が浮き彫りになったと言えよう。
 さらに改正案への賛否自体は依然拮抗(きっこう)しているものの、今国会中に「成立させる必要はない」が56・1%に上り、「成立させるべきだ」の31・0%を大きく上回った。国会は十分時間をかけて慎重に審議してほしいというのが多くの国民の声であり、政府与党は重く受け止めなければならない。
 国民の理解が深まらないのは、衆院での審議が不十分なためさまざまな疑問や不安が解消されていないからだ。
 テロ等準備罪について政府は適用対象を「組織的犯罪集団」に限定し、処罰するには「準備行為」の認定が必要になるなど要件を厳格化したため「一般人が対象になることはあり得ない」と繰り返し説明してきた。
 これに対し民進党などは、組織的犯罪集団かどうかは捜査機関の判断になるとして「拡大解釈され、市民団体などが処罰される恐れがある」と指摘。犯罪の計画段階で取り締まることが可能になれば「内心の自由が脅かされ、監視社会を招く」などと強く反対している。
 国会での論戦に加え、人権問題担当の国連特別報告者が、改正案に懸念を示す書簡を安倍晋三首相宛てに送っていたことも判明した。書簡は「条文にある『計画』や『準備行為』の定義が曖昧で、恣意(しい)的に適用される可能性がある」とし、プライバシーや表現の自由を不当に制約しかねないと批判している。
 こうした状況を見れば議論が必要な論点はまだ多々あり、それらを棚上げして成立を急ぐのは慎重審議を求める国民の意に反する。参院では6月18日までの国会会期にこだわらず、審議を尽くさなければならない。それでも国民の理解が得られなければ、政府与党は改正案を取り下げるべきである。


「共謀罪」衆院通過 理解は得られていない
 国会で過去3度廃案になった共謀罪の趣旨を盛り込んだ「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案が衆院を通過した。政府、与党は参院での審議を急ぎ、今国会での早期成立を目指す。
 法案は先週末の衆院法務委で、与野党の怒号が飛び交う中で可決された。与党は「議論は尽くされた」とし、野党は真逆の見解に立つ。
 直後の共同通信世論調査では、法案に「賛成」が39・9%、「反対」41・4%で拮抗(きっこう)するが、これまでの政府説明には「不十分」とする回答が77・2%と圧倒的。勢い、今国会中に「成立させる必要はない」が56・1%を占める。
 一方で、内閣支持率は4月調査からやや下がったものの55・4%と安定。自民党支持は2・9ポイント増の42・8%、民進党は0・6ポイント減の6・1%だ。安倍晋三首相に、支持率を盾に野党の追及を受け流す場面が目立つゆえんだ。
 しかし政府、与党が見なければならないのは、政府説明を「不十分」とする世論の受け止めだろう。それは自民、公明支持層でも70%前後。国民理解が得られないまま、支持率を背景に「1強」の勢いで物事を決めるのでは、国会の議論は意味を失う。
 政権が説明を尽くさなければならないのは、なぜ今、新たに立法が必要なのかという根本的な問題だ。「国際組織犯罪防止条約を締結するための前提」との説明は、共謀罪として法案を提出した当時から変わらない。変わったのは立法の必要性だ。
 一度ならず廃案となった共謀罪の呼称では、さすがに世論が許さないと判断したのだろう。本来の立法事実ではない「テロ対策」を前面に打ち出し、2020年東京五輪を持ち出して必要性を強調。これまで「国際条約の規定で減らせない」としてきた対象犯罪も半分以下に削った。
 テロ対策としながら、当初の政府案には「テロ」の表記がなく、与党の指摘を受けて「テロリズム集団その他の犯罪集団」と、適用対象でテロに言及した経緯もある。
 そもそも国際条約は、マフィアなどの経済犯罪への対処が目的。その締結に必要とされる法整備は、基本的にテロ対策が主眼とは言えない。
 テロ対策も国際条約の締結も、既存の法体系で対応可能との有力な指摘もある。衆院の審議で、立法の必要性に関わる種々の論点が解消されたとは到底認め難い。特に金田勝年法相の頼りない答弁は、法案への世論の不安や不信をかき立てた。
 議論は参院に移る。立法の目的が判然としない限り、監視社会強化の懸念は払拭できまい。政府には過去の議論との整合性も念頭に、説明を尽くしてもらいたい。


共謀罪法案 社会を窒息させる懸念
 国民の基本的人権は「立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする」―。憲法は13条に明記している。人権保障の根幹として置かれた条文である。内心の処罰につながる共謀罪法案を強引に成立させようとする政府・与党に、この規定の重みをかえりみる姿勢はうかがえない。
 与党の自民・公明と、日本維新の会の賛成で法案は衆院を通過した。数の力で押し切る国会審議の進め方は民主主義の基盤を崩すものだ。国会は政権の追認機関ではない。議論を尽くそうとすらせずに成立へ突き進めば、立法府本来の役割と責任は果たせない。
   論拠を欠くお題目
 共謀罪法案は、広範な犯罪について、計画に合意しただけで処罰できるようにする。実行行為を罰することを原則とする刑法の法体系を覆し、国家の刑罰権を格段に強化、拡大する。意思を根拠にした無用な処罰によって、人権や尊厳が脅かされかねない。
 共謀を察知し、立証するには監視や情報収集が欠かせない。プライバシーが侵され、言論・表現の自由や内心の自由が損なわれる危険は大きい。
 「東京五輪に向けたテロ対策のため」「一般の人が対象になることはあり得ない」…。安倍晋三首相をはじめ政府は、お題目のように繰り返してきた。
 その説明は論拠を欠き、既に破綻している。共謀罪は、設ける必要も理由もない。そのことをあらためて確認しておきたい。
 法案は、テロ対策の実体を備えていない。国会提出前に与党に示した段階で「テロ」の文字は条文になかった。付け焼き刃で、適用対象を定める条文に「テロリズム集団その他の」と加えたものの、肝心のテロとは何かを定義していない。「テロ等準備罪」は単に“呼び名”である。
   市民運動を圧迫する
 国際組織犯罪防止条約を締結するため、という説明にも偽りがある。そもそも条約はテロ対策が目的ではない。マフィアなどの経済犯罪に対処するためのものだ。
 確かに条約は、重大な犯罪の共謀または犯罪集団への参加を国内法で処罰するよう締約国に求めている。ただし、あくまで「国内法の基本原則に従って」である。憲法や刑法の根幹を揺るがす立法の根拠にはならない。
 日弁連は、条約締結に新たな立法は必要ないと指摘する。殺人や放火の予備罪、凶器準備集合罪をはじめ、重大な組織犯罪を実行前に処罰する規定は既にある。
 テロ防止のための国連の主要13条約を日本は全て締結し、国内法を整備してきた。仮に不備な点が残っているとしても、個別の立法で足りる。300近い犯罪に共謀罪をいちどきに設ける乱暴な立法は正当化できない。
 共謀罪法案は2000年代に3度、廃案になった。今回は、適用対象を「組織的犯罪集団」とし、一定の「準備行為」を処罰の条件とした点で従来と異なる。ただ、対象が限定されたわけでも、要件が厳格化されたわけでもない。
 市民団体や労働組合も、「目的が一変した」場合は組織的犯罪集団とみなされる。一般の人は対象にならないと政府が強調しても、何の保障にもならない。
 資金や物品の手配、下見などの準備行為は、日常の行動と見分けにくく、どうとでも判断できる。通りかかっただけでも下見とみなすことは可能だ。
 また、準備と判断するために、当局はあらかじめ目を付けた組織や市民を監視し、動向をつかもうとするだろう。警察が強大な権限を手にし、市民の運動や意見表明を圧迫する恐れは増す。
 現に今でも、市民運動を敵視するような警察の活動が各地で明らかになっている。沖縄では、米軍基地反対運動のリーダーが威力業務妨害の疑いなどで逮捕、起訴され、5カ月も勾留された。
   暴走防ぐ仕組みなく
 共謀罪の対象犯罪には、組織的な威力業務妨害も含まれる。基地や原発に抗議する座り込みを計画した人たちが一斉に摘発されることが現実に起こり得る。
 目を付けられるようなことはやめようと、人々が声を上げるのをためらうようになれば、民主主義の土台は崩れる。密告が促されることも、人を疑心暗鬼にさせ、社会を窒息させるだろう。
 乱用や暴走を防ぐ仕組みはないに等しい。裁判所の令状審査は、歯止めの役割を果たしているとは言いがたいのが実情だ。
 法案は、言論や思想が厳しく弾圧された戦時下の治安立法に通じる危険性をはらむ。政府の情報を広範に秘匿する特定秘密保護法、集団的自衛権の行使を可能にした安全保障法制に続き、共謀罪が成立すれば、“有事体制”の色合いはさらに強まる。
 衆院の審議は、法相がしどろもどろの答弁に終始し、政府の強弁も目に付いた。なお追及すべき論点は多い。参院で徹底して審議し、廃案にすべき法案であることを明確にしなければならない。


「共謀罪」可決 民意軽視の国会を憂える
 数に任せた横暴ではないか。多くの国民が納得していないにもかかわらず、民意に向き合おうとする姿勢が全く見えない。
 犯罪を計画段階で処罰する「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案が、衆院本会議で可決された。衆院法務委員会に続く強引な採決である。
 「共謀罪」については、一般の人が対象になりかねない可能性や監視社会につながる懸念が根強く指摘されている。「憲法が保障する内心の自由を脅かす」との見方も消えない。
 こうした不安もあって世論の反発が高まり、「共謀罪」は過去3度廃案になってきた。それだけに国会では丁寧で慎重な審議が求められるはずだ。
 しかし、衆院では議論が深まったとはいえない。政府側は「一般の人は処罰対象にならない」との姿勢に終始し、野党の追及をかわし続けたからだ。
 「共謀罪」を巡る国会運営もそれを後押しした。これまでを振り返ると、数の力を背景にした与党側の強硬なやり方が目立つ。
 衆院での審議入りは、野党の反対を与党側が押し切った。
 法務委員会では採決を行う審議時間の目安を30時間と区切り、届いた時点で与党側が採決を強行した。反対する野党側は金田勝年法相の不信任案を出して抵抗するのが精いっぱいだった。
 採決の本会議開会は野党が抵抗する中で自民党の議院運営委員長が職権で決定し、自民と公明の両与党、野党勢力の日本維新の会などの賛成多数で可決した。
 「共謀罪」法案については世論調査でも賛否が拮抗(きっこう)し、新潟日報社のアンケートでは法案の内容について「知らない」との答えがほぼ半数だった。
 民意の納得が得られたとはいえない状況を踏まえれば、時間をかけて審議を尽くすのは当然だ。それが国会運営の王道だろう。
 衆院審議を巡っては、国会が政府の方針に一貫して追従してきた印象が強い。逆に、立法府が民意を尊重する姿勢は一向に見えてこなかった。
 「共謀罪」に危機感を抱く人が少なくないのは、過去の反省があるからだ。
 「共謀罪」は「現代版の治安維持法」ともいわれる。戦前の治安維持法は立法時に政府が「善良な国民」は対象にならないと説明していたのに、運用の拡大で思想や言論の弾圧に利用された。
 いくら「一般人は対象にならない」と説明されても、「適用対象が広がり、社会の萎縮につながるかもしれない」と不安を抱く人がいるのは当たり前だ。
 こうした声こそ、国会は正面から受け止める責任がある。強引な運営は素朴な疑問を封じ込め、民意を置き去りにするものだ。
 与党側の横暴な国会運営を許した野党側の責任も重い。戦略の練り直しが求められよう。
 今回の法改正が真に未来にとって必要かどうか。最大の問題はそこである。成立ありきでなく、徹底した審議を望む。


「共謀罪」衆院強行採決 審議拒む与党の暴挙に抗議
 過去3度も廃案になった「共謀罪」法案が衆院を通過した。「テロ等準備罪」と名称こそ変えているが、憲法が保障する内心の自由が脅かされる法案の危険な本質はまったく変わっていない。2013年の特定秘密保護法、15年の安全保障関連法に続き、また一歩「戦争ができる国」へと近づく法案の採決「強行」に強く抗議する。
 衆院での審議時間はわずか30時間余り。しかも中身は極めて乏しく、基本的な捜査対象でさえはっきりしていない。政府与党は国民への説明責任を果たしていないばかりか、野党の批判に耳を傾けようともしない。何が何でも成立させるという強硬姿勢は「数のおごり」「数の暴挙」と断じざるを得ない。
 先行きを心配しているのは、国民だけではない。ケナタッチ国連特別報告者は、法案を「プライバシーや表現の自由を不当に制約する恐れがある」と懸念する書簡を日本政府に送った。対象となる犯罪が幅広く、テロや組織犯罪と無関係なものも含まれる可能性があることを理由に挙げている。「いかなる行為が処罰の対象となるか明記されていない」点も問題視した。国連からもこうした指摘を受けたことを、政府は謙虚に反省しなければならない。
 法案は国際組織犯罪防止条約の批准に不可欠で、法整備ができなければ東京五輪が開けないという政府の主張は、納得のいく説明がなく、説得力がなかった。対象となる犯罪も、05年の政府答弁書では「選別は条約上できない」としていたにもかかわらず、676から277に減らした。線引きは曖昧で整合性もまったく取れていない。
 共同通信社が実施した全国電話世論調査でも、77.2%の人が「政府の説明が十分だと思わない」と答えた。審議不足は明らかだ。国民が納得しないままのごり押しは許されない。
 昨日の本会議採決では、野党の日本維新の会も賛成した。自分たちが主張した法案の修正案を与党が受け入れたためだ。しかし実質的には、野党の一部を加えることで「採決強行」の印象を薄めたい与党に利用されただけに映る。安倍政権の暴走に手を貸した形の維新には失望を禁じ得ない。
 19日の法務委員会で維新の丸山穂高氏は「ピント外れの質疑はこれ以上、必要ない」と審議の打ち切りを提案した。「ピント外れ」に終わった最大の原因は、政府の見当外れな答弁に他ならない。野党議員から「言論の府」である国会の存在意義を否定するような発言が出たことに、強い危機感を覚える。
 審議は参院に移る。法案成立を確実にするために、政府与党は国会会期の延長を検討している。政府は今の答弁姿勢を変えないまま、参院でも「時間が来た」と採決を強行する可能性が高い。野党はあらゆる手段を講じて法案の成立を阻止するべきだ。これ以上の権力の肥大化を食い止めなければならない。


「共謀罪」衆院通過  数の力で押し切るのか
 問題の多い法案をこのまま成立させてはならない。
 「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案が、衆院本会議で自民、公明の与党と日本維新の会などの賛成多数で可決された。
 審議の場は参院に移るが、法案への疑問や国民の不安は置き去りにされたままだ。
 政府には、それら一つ一つに対して説明を尽くす責任がある。懸念が払拭(ふっしょく)されないなら、参院は法案を廃案にすべきである。
 最大の問題は、どんな組織や行為が処罰の対象となるのか曖昧で、当局の判断次第で一般の人も捜査対象になる恐れがあることだ。
 法案は、適用対象をテロ組織や暴力団などの組織的犯罪集団と規定するが、犯罪の「常習性」や「反復継続性」の要件はなく、対象が限定されているとは言えない。
 政府は「正当な活動を行っていた団体でも、目的が一変した場合は対象になる」と説明した。いつ、何をもって「一変」したと判断するのかがはっきりせず、恣意(しい)的に運用される余地がある。
 さらに法案は、犯罪を実行しなくても構成員が2人以上で「計画」し、うち少なくとも1人が現場の下見などの「準備行為」をすれば、計画に合意した全員を処罰するとしている。
 準備行為と日常行為をどう区別するのか。金田勝年法相は「花見であればビールや弁当を持っているのに対し、下見であれば地図やメモ帳などを持っている」と答弁したが、それで線引きできるわけがない。
 外見で分からなければ、内心に踏み込むことになる。憲法が保障する「内心の自由」が侵されかねず、社会が萎縮するとの声が上がるのは当然だろう。
 法案に対しては国連特別報告者が先週、「プライバシーや表現の自由を不当に制約する恐れがある」との書簡を政府に送った。菅義偉官房長官は「恣意的な運用がなされることは全くない」と反論したが、将来の政権が身勝手に運用しないという保証はない。
 1925年に公布され、その後、思想・言論弾圧に利用された治安維持法も立法時、政府は「善良な国民」は対象にならないと説明していた。拡大解釈を許したのは、やはり適用対象の定義が明確でなかったためだ。
 政府、与党は衆院の法務委員会で十分に審議したと胸を張るが、共同通信社の世論調査では、政府の説明が十分だと思わないとする回答が77%に達した。自民、公明両党の支持層ですら、約7割が不十分だと答えている。
 そもそも、テロ対策のためだという政府の主張には無理がある。どんなに安心だと強調しても、監視社会につながる可能性は否定しきれない。
 参院は衆院のカーボンコピーではないはずだ。議論を深め、改めて問題点を明らかにしてもらいたい。


【「共謀罪」参院へ】捜査権乱用の歯止めない
 人権侵害の危険性をはらむ「共謀罪」法案の組織犯罪処罰法改正案が衆院本会議で、与党や日本維新の会などの賛成多数で可決された。審議は参院に移る。
 与党は委員会に続き、野党側の反対を振り切って可決に踏み切った。審議を重ねるほどに疑義が膨らむ中で、数の力に任せた再三の強行は言論の府を踏みにじる。
 テロや暴力団対策を名目にした法案は、犯罪の計画に合意したと捜査機関が判断すれば、全員を処罰できる。思想や内心の自由を保障し、実行行為を対象としてきた戦後刑法の基本を覆す。
 政府は対象を「組織的犯罪集団」に限定し「一般の人は対象にならない」と強調する。下見などの「準備行為」がなければ適用しないともする。だが、その判断基準も、捜査拡大への歯止め策も曖昧だ。
 現行法で対応し切れない準備行為として、法務省は「重大犯罪を計画し、そのために使う物品の一部を入手」などを挙げる。その考え方を、過去に県内で実際にあった住民の抗議行動に照らすと―。
 ある住宅地で、近くの公道と住宅地内をつなぐ道路の新設を行政機関が決めた。住民は「交通量が増え、平穏な環境が壊れる」と反対した。行政側は聞き入れず、工事を強行しようとした。このため、住民有志が集まり、各家のマイカーを道路脇に並べ、反対の思いをアピールしようと申し合わせた。
 ここからは仮定の話。
 その前夜、反対住民の1人が近くのガソリンスタンドへ。車への給油を終えて運転席に乗り込もうとした時、突然現れた捜査員に「あなたは威力による工事妨害の計画に合意した」と同行を求められた。その給油は翌朝からの家族とのドライブのためだったのに…。
 安全な暮らしを求め、正当な権利を訴えた住民らが組織的犯罪集団とされ、ドライブのための給油が準備行為とみなされる。共謀罪が引き起こす恣意(しい)的捜査、監視の際限ない拡大を想起させないか。
 適用罪は277と幅広く、森林法や種の保存法などまで含む。政府はテロの資金源につながると説明するが、摘発のためのこじつけや不当な任意捜査、別件逮捕を誘発しかねない。当初案の676から半分以下へ減らしたこと自体が、選定根拠の薄弱さを認めたも同じだ。
 衆院委員会での法案可決後に共同通信社が実施した全国世論調査で、法案への賛否は分かれるものの、4分の3強の国民が政府の説明を不十分とした。共謀罪への不安や、与党の強行姿勢、拙速な審議への批判の強さも裏付けた。
 テロ対策そのものを否定しているのではない。現行法で対応可能ではないのか。捜査や監視の拡大の抑止はどう担保されるのか。疑問、不安は増すばかりだ。参院で徹底解明を求める。世論調査で国民の56%は今国会での共謀罪成立は「必要ない」と答えている。


[共謀罪衆院通過] 論点棚上げは許されぬ
 「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案がきのうの衆院本会議で自民、公明両党と日本維新の会などの賛成多数で可決された。
 先週の衆院法務委員会に続き、民進党などの反対を押し切った採決の強行だ。政府、与党はテロ対策に不可欠と訴えており、今国会での成立を目指している。
 法案は憲法が保障する国民の思想、信条の自由に多大な影響を及ぼしかねない。一般人が捜査対象になるか否かなど線引きはあいまいで、数多くの論点は棚上げされたままだ。
 法案の衆院通過で審議の舞台は参院に移るが、「成立ありき」で強引に突き進むことは容認できない。
 法案は犯罪が行われなくても、計画段階で処罰する。捜査機関による恣意的な運用で監視対象が飛躍的に広がり、反原発など市民運動にも及ぶ恐れが指摘される。
 法案への反対集会が、鹿児島など全国各地で開かれている。国民の疑念や不安は世論調査の結果からみても明白だ。
 共同通信社による直近の全国電話世論調査では、政府の説明が十分だと思わないとの回答が77.2%に達した。国会審議で法案の理解が進むどころか、民意は置き去りにされた格好だ。
 地方議会も相次いで法案の撤回や慎重な対応を求める意見書を可決し、住民の声を代弁している。
 南種子町議会は「法案はえん罪を生み出す元凶になりうる」などとして、政府に慎重審議を求める意見書を全会一致で可決した。
 法案が成立すれば、国家による一方的な監視社会が始まるとの懸念は根強い。
 国民主権を支える「知る権利」は空洞化しつつある。2014年施行の特定秘密保護法は防衛、外交など安全保障に関し重要と認定された情報を厳重に保全する。
 一方で情報公開制度は深刻な問題を抱えている。個人情報や国の安全、外交上の不利益になる情報は非公開という例外規定を悪用するケースが増えているからだ。
 森友学園問題では提出された文書がほとんど黒塗りで「のり弁」と批判された。獣医学部新設計画を巡る加計学園問題でも情報公開に後ろ向きの姿勢がありありだ。
 自分たちに都合の悪い情報は公開しない。こうした政権や行政が国民への監視を強める権限を握ったらどうなるか。他の権利も軽んじられることは想像がつく。
 今回の法改正では国民一人一人がわが身に起こり得る問題として考えることが大切だ。


憲法改正論議/国民の認識共有が前提だ
 安倍晋三首相が自ら提起した2020年中の憲法改正の施行に向け、自民党幹部に改憲案の取りまとめを指示し、党内の議論が近く始まる。
 首相は年内に自民党の改憲案を公表する考えを示しており、党幹部は早ければ来年の通常国会での改憲発議を目指すとしている。
 北朝鮮の核・ミサイル開発など日本周辺の安全保障環境の緊張で、日本が掲げ続けた平和主義の柱である憲法9条の改正にも、国民の関心が集まっている。
 首相が示した戦争放棄の9条1項と戦力不保持の2項は残し「自衛隊を憲法に明文で書き込む」という「加憲」案は、これまでの自民党の意見集約とは異なる案だ。「安倍1強体制」とされる中で、首相の指示通りに案をまとめるのか。自民党議員の主体性が問われる局面であり、議論を注視したい。
 改憲の期限を区切った首相の発言で野党は反発を強め、国会の憲法審査会の基本だった与野党の話し合い路線は断ち切られた。安倍政権が改憲発議をしようとすれば野党の反対を押し切り、国会で強行採決を繰り返さざるを得なくなるだろう。
 国の最高法規である憲法の改正を巡る手続きを、強行採決で進めていいのか。世論調査でも9条改正への賛否は分かれている。最終的な決定手続きは国民投票となるが、首相は健全な憲法論議の土台を堅持し続けるべきだ。
 首相発言を受けて一時中断した衆院の憲法審査会は、自民党の森英介会長が「与野党で丁寧な議論を積み重ねる」と表明。幹事会でも自民党が首相の発言には縛られないと釈明して、再開した。
 一方で自民党は、党憲法改正推進本部に幹事長らを加えて議論を加速するという。長年憲法論議に関わってきた推進本部メンバーでは議論に時間がかかるとみて、首相主導で党内論議を急ぐ構えだろう。国会と党内とで対応が異なると言える。
 5月3日の憲法記念日以降、首相は積極的な発言を続け「議論を活性化させる」と強調する。だが「首相」と「自民党総裁」の二つの立場があるため、国会での説明は曖昧になっている。
 さらに、自衛隊をどう明記するのか具体的な説明を避けながらも、国会答弁で「自衛隊への憲法上の制約は残る」と断定したが、なぜ活動にこれまで同様の制約がかかると言い切れるか、具体的な説明が必要だ。
 自民党の下村博文幹事長代行は「9条の2」として「前条の規定は自衛隊を設けることを妨げない」との規定を新設する案を示した。
 その場合、自衛隊は「戦力」に当たらない「自衛のための必要最小限度の実力」との解釈に基づき、活動を制約する根拠となってきた2項は空文化する。そのため、自衛隊が専守防衛の枠を超え、海外での活動を拡大する道が開かれると懸念する声もある。
 自衛隊明記で違憲か合憲かの憲法論争に終止符を打つという単純な話ではない。
 9条の議論は憲法制定の歴史的経緯と今後の安全保障政策、自衛隊の在り方などを総合的に勘案すべきものであり、改憲しなければ対応できないとの認識が国民に広く共有されることが前提となるべきだ。


連続企業爆破事件 大道寺将司死刑囚が拘置所で病死
昭和49年から翌年にかけて三菱重工の本社などが相次いで爆破された事件で殺人などの罪に問われた大道寺将司死刑囚が、24日午前、病気のため東京拘置所で死亡したことが関係者への取材でわかりました。
昭和49年から翌年にかけて三菱重工や間組の本社などが相次いで爆破された事件では、もっとも被害が大きかった三菱重工ビルの事件で8人が死亡し165人が重軽傷を負いました。
一連の事件で東アジア反日武装戦線の大道寺将司死刑囚(68)は殺人などの罪に問われ、昭和62年に最高裁判所で死刑が確定しました。大道寺死刑囚は「爆弾に人が死ぬほどの威力があるとは思わなかった」として再審=裁判のやり直しを求めましたが、最高裁判所は平成20年、裁判のやり直しを認めない判断を示していました。
関係者によりますと大道寺死刑囚は病気で治療を受けていましたが、24日午前、多発性骨髄腫のため、収容されていた東京拘置所で死亡したということです。


がん患者と働く環境 受動喫煙の防止が重要だ
 「(がん患者は)働かなければいいんだよ」。受動喫煙対策を議論する自民党厚生労働部会での大西英男衆院議員の発言だ。子宮頸(けい)がんの経験者である三原じゅん子参院議員が職場での受動喫煙に苦しむ患者の立場を訴えたことへのヤジである。
 批判された大西議員は「(がん患者らの)気持ちを傷つけた」と謝罪した。がんと診断される人は年間100万人を超えると予測され、働き盛りの人も多い。がん患者の就労支援の切実さを改めて考えたい。
 がんやぜんそくなどの病気を抱えながら働いている社員、妊娠中の女性などは職場での立場が弱い人が多い。「会社に迷惑をかける」と退職を余儀なくされ、差別を恐れて病気を隠している人もいる。
 「『喫煙可能の店で無理して働かなくていいのではないか』との趣旨だ」と大西議員は釈明する。しかし、政府による社会保障費の抑制政策の中で、無理をしても働かなければ生活できない人がいることにも思いをはせるべきだ。
 打ち合わせや接待、送別会などで喫煙可の飲食店に行くことを拒めない人もいる。非正規雇用労働者の中には、条件の良い勤務先を選べず、嫌でも喫煙店で働き続けざるを得ない人も少なくないだろう。
 安倍政権は「1億総活躍社会」の看板を掲げ、仕事と生活を両立できる「ワーク・ライフ・バランス」の実現などを目指した「働き方改革」に取り組んでいる。がん対策推進基本計画でも重要な項目の中に、治療をしながら働き続けられる支援が挙げられている。
 そのためには社員の健康に配慮した職場の環境整備を進めなければならない。肺がんや心疾患をはじめ受動喫煙による健康被害については、国内外で多数の医学論文が警鐘を鳴らしている。すぐに被害が発生するわけではないので、現在健康な人には実感がわかないだけだ。
 乳幼児突然死症候群と受動喫煙との因果関係を裏付ける調査もある。リスクを避けようがない胎児や子どもにまで被害が及ぶことを重く考えないといけない。
 社会的に弱い立場の人々や子どもが健康被害にさらされていることに想像力を働かせ、思いやりのある議論を政治に期待したい。


“失言王”大西議員の都連副会長辞任に小倉智昭キャスターが「謝ればいいというものではない」
 24日放送のフジテレビ系「とくダネ!」(月〜金曜・前8時)で自民党の大西英男衆院議員(70)=東京16区=が厚生労働部会でのがん患者に対するやじで23日に東京都連の副会長を辞任したニュースを報じた。
 大西議員は、15日に受動喫煙の防止策を議論した党部会で、たばこの煙に苦しむがん患者に「働かなくていい」との趣旨のヤジがを飛ばした。22日に「がん患者や元患者の気持ちを傷つけたことを深くおわび申し上げます」と謝罪した。「喫煙可能な店で働かなくてもいいのではないかという趣旨だった」と釈明し、発言については「撤回するつもりはない」としていたが、23日になって大西議員は、都連副会長の辞表を提出した。
 番組では過去の大西議員の失言と謝罪を紹介。今回が4回目の失言と謝罪に「失言王」とのテロップを出して報じた。小倉智昭キャスター(69)は「いつも謝っているわけで、謝ればいいというものではないよね」と苦言を呈していた。今回の都連副会長の辞任も7月の都議選をにらんだ対策とみられていることに「選挙に関係のあるところだけ辞めればいいのかって話になりそうですけどね」と皮肉っていた。


「総理のご意向文書は本物」文春の前次官証言報道で新聞・テレビが一斉取材へ! 一方、官邸は「口封じ逮捕」で恫喝
 本サイトが報じた通り、明日発売の「週刊文春」(文藝春秋)が元文科省事務次官・前川喜平氏のインタビューを掲載していた。タイトルは、ずばり〈「『総理のご意向』文書は本物です」文科省前事務次官独占告白〉。
 本サイトでは、読売新聞が22日の朝刊で前川氏の「出会い系バー通い」報道が「官邸による加計学園問題の実名告発ツブシの謀略」であることを伝え、さらに官邸が「週刊文春」と「週刊新潮」の両誌にも出会い系バー通い疑惑をリークしたものの、「どちらかの週刊誌が前川氏の言い分を全面的に掲載し、官邸の謀略の動きを暴く」と報じたが、その通りとなったのだ。
「週刊文春」の記事は、文書では見えてこなかった省庁間の子細なやりとりや経緯が前川氏によってあきらかにされており、国家戦略特区による獣医学部新設がいかに加計学園ありきで進められたのかを裏付ける証言になっているという。
「『週刊文春』は、前川氏の告白を6ページにわたって紹介。そのなかで前川氏は、タイトル通り、一連の文科省作成の文書が『本物』であると断言しているのはもちろん、前川氏自身もいくつかの文書を保管していることや、それらを作成した担当セクション名やどういうシチュエーションで前川氏に渡されたのか、さらには『総理のご意向』と内閣府から突きつけられ、プレッシャーを感じたことなどを語っているそうです」(週刊誌関係者)
 また、前川氏は読売新聞の「出会い系バー通い」疑惑にも言及し、その事実を認めた上で“違法な行為はしていない”と話している、という。
 一方、「週刊新潮」のほうは、問題の「出会い系バー」で取材を行い、前川氏の買春疑惑を報道。しかし、決定的な証拠などは書かれておらず、逆に読売の情報元は官邸であり、下半身スキャンダルによって前川氏に報復するとともに、前川氏の実名告白を報じないようマスコミを牽制する目的であったことを報じているという。
「リテラが記事に書いていたように、『週刊新潮』も読売の露骨な記事を見て、官邸の情報にそのまま乗っかることを避けたようですね。あと、前川氏の出会い系バー通いは事実だったようですが、“未成年を買春した”などの違法な話は出てこなかったらしい。これでは記事になりませんからね」(同前)
 そして、この「週刊文春」の前川氏の告白や、「週刊新潮」の路線転換を受けて、前川氏の実名証言をつぶしていた新聞やテレビの空気も変わりつつある。実はいま、前川氏のもとには新聞、テレビの取材が殺到しているのだという。
 前川氏の代理人や知人を通じたアプローチはもちろん、世田谷区の住宅街にある前川氏の自宅に行ってみると、多くの新聞、テレビの記者が入れ替わりやってきて、外出中の前川氏が戻ってこないかチェックしていた。ちなみに、新聞は読売をのぞく全社、テレビもテレビ朝日にTBS、フジテレビが取材に動いているという。
「もちろん、いま、マスコミの目的は読売がやった前川氏の“出会い系バー通い”でなく、文春と同様、『“総理のご意向”文書は本物』と証言してもらおうというものです。NHKやフジテレビなんて、前川氏のインタビューまで収録しながら、官邸の圧力で潰されてますからね。現場には相当不満がたまっている。『赤信号、みんなで渡れば怖くない』とばかりに、各社が一斉に前川証言を報道する可能性もある」(全国紙政治部記者)
 しかし、このメディアの動きを官邸が黙って見ているわけがない。「いままで見たことがないくらいの、それは凄まじい発狂ぶり」(官邸担当記者)で、マスコミ各社の上層部から官邸記者にいたるまで恫喝しまくっているという。
 しかも、その際、官邸幹部らはこんなセリフをちらつかせているのだという。
「前川がパクられたら、どうするつもりなんだ。犯罪者の証言を垂れ流したことになるぞ」
 どうやら官邸は前川氏を口封じにために逮捕するつもりらしいのだ。15年前、検察の裏金を実名告発しようとした三井環大阪高検公安部長(当時)が逮捕されたのと全く同じことが再現されようとしている。
「読売の記事や『週刊新潮』の取材からも出会い系バーの問題では逮捕なんてできそうにないけれど、なりふり構わない安倍官邸のこと、でっち上げでもなんでも仕掛けてくるでしょう。それで、各社とも上層部がまだ首をひねっているらしい。前川氏も警戒して弁護士をつけ、一旦、姿を隠してしまった」(文部科学省関係者)
 前川氏は不当逮捕されないためにも、むしろ積極的にマスコミの取材に応じるべきだが、問題は新聞・テレビだ。このまま官邸の恫喝に屈するのか、それとも撥ね返すのか。──その結果は明日の新聞や夜のテレビ報道で判明することになるだろうが、このまま官邸の圧力に負けて言いなりになっていいわけがない。
 そもそも今回の内部文書の出所は複数あると見られており、今後もどんどん「証拠」が出てくることは必至だ。事実、きょうは民進党が、国家戦略特区諮問会議が獣医学部新設を認めた昨年11月9日の前日に文科省でやりとりされていたメールのコピーを公開。そこには「大臣及び局長より、加計学園からに対して、文科省としては現時点の構想では不十分だと考えている旨早急に厳しく伝えるべき、という指示があった」と記されており、獣医学部の設置条件に合うように文科省が加計学園に“特別な入れ知恵”を行っていたことが判明した。
 また、同じく本日、安倍首相に加計学園から金が渡っていたことも発覚。日刊ゲンダイによると、安倍氏は過去に加計学園グループである学校法人広島加計学園の監事を務めており、1999年度分の「所得等報告書」によると、その報酬として14万円ほどを受け取っていたと報じている。
 掘れば掘るほど疑惑が山積みとなり、問題が浮き彫りになっていく加計学園問題。そのなかでも、文科省事務次官という官僚のトップとして加計学園の獣医学部新設にかかわってきた前川氏の証言は極めて重要であり、こうした内部告発者に報復がくわえられるようなことは絶対にあってはならないだろう。下劣な官邸に対し、マスコミには徹底抗戦を期待したい。(編集部)


加計学園新学部「できない選択肢ない」 内閣府が迫る 文書を民進入手
 学校法人「加計(かけ)学園」(岡山市)が系列大学の獣医学部を国家戦略特区に新設する計画を巡り、民進党は二十四日、内閣府側が文部科学省側に「『できない』という選択肢はない」「早くやらないと責任を取ることになる」などと早期開設を迫るやりとりを記録した文書を示し、文科省が作成したものかどうか同省に確認を求めた。
 打ち合わせた「平成二十八年九月二十六日」の日時や、参加した両府省の幹部らの名前も記されている。文書を入手した民進党の調査チームは午前の会合で「国会でも追及する」と述べ、同省の担当者は「対応を検討する」と答えた。
 文書はA4判で、タイトルは「内閣府審議官との打合せ概要(獣医学部新設)」。「平成28年9月26日(月)18:30〜18:55」の日時と、「対応者」として内閣府の審議官と参事官、文科省の課長と課長補佐の名前が記されている。
 内閣府の参加者が言った内容として「『できない』という選択肢はなく、事務的にやることを早くやらないと責任を取ることになる」と記載。「平成30年4月開学を大前提に、逆算して最短のスケジュールを作成し、共有いただきたい。これは官邸の最高レベルが言っていること」とも記載されている。
 この文書の日付から約一カ月後の昨年十一月九日、国家戦略特区の諮問会議で、獣医学部の新設を認める制度改正が決まった。
 獣医学部の早期開設を巡っては、「総理のご意向だ」などと記した日付や参加者名のない別の八枚の文書について、民進党が「文科省が作成したものではないか」と追及。同省は今月十九日、内部調査で「存在を確認できなかった」としていた。

石川一雄さん不当逮捕から54年/めぞん一刻14巻

ブログネタ
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La France, le Japon, la Russie et l’Azerbaïdjan candidats à l’Expo universelle 2025
Quatre pays sont candidats à l’organisation de l’Exposition universelle 2025, la France avec Paris, le Japon avec Osaka, la Russie avec Iékaterinbourg et l’Azerbaïdjan avec Bakou, a annoncé lundi le Bureau international des Expositions (BIE).
Le vote des 170 Etats membres du BIE pour désigner la ville retenue aura lieu lors de la 164e assemblée générale de cette organisation en novembre 2018.
Bakou et Iékaterinbourg ont choisi le jour de clôture du dépôt des candidatures ce lundi pour se déclarer.
≪La candidature de la République d’Azerbaïdjan pour l’Exposition universelle à Bakou est centrée sur le thème “Human Capital” pour la période du 10 mai au 10 novembre 2025≫, a expliqué le BIE, dans un communiqué.
La candidature de la Russie avec Iékaterinbourg, dans l’Oural, a comme thème ≪Changer le monde: des innovations inclusives, pour nos enfants et les générations futures≫, pour une exposition qui aura lieu du 2 mai au 2 novembre 2025, selon le BIE.
En avril, le Japon a proposé comme thème ≪Concevoir la société du futur, imaginer notre vie de demain≫ pour une exposition à Osaka.
La France avait déposé sa candidature en novembre pour accueillir en Ile-de-France une exposition sur ≪La connaissance à partager, la planète à protéger≫.
Si le Japon a déjà organisé cinq expositions et la France six, la Russie et l’Azerbaïdjan restent pour l’instant novice en la matière.
La dernière Exposition Universelle a eu lieu en 2015, à Milan (Italie) et a attiré plus de 21 millions de visiteurs, autour du thème: ≪Nourrir la Planète, Energie pour la Vie≫.
La prochaine aura lieu à Dubaï (Émirats Arabes Unis), du 20 octobre 2020 au 10 avril 2021, sur le thème ≪Connecter les Esprits, Construire le Futur≫.
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フランス語の勉強?
影書房‏ @kageshobo
今朝の東京新聞。一面トップにジョセフ・ケナタッチさんの反論。
〈日本政府の対応を「中身のないただの怒り」と批判〉
〈内容は本質的な反論になっておらず「プライバシーや他の欠陥など、私が多々挙げた懸念に一つも言及がなかった」と指摘した〉
当然こうなるわな。世界に恥をさらした安倍内閣。

勝川 俊雄‏ @katukawa
「地方大学に学生を増やそう」という議論では、「学生が来ると地元にはこんな良いことがありますよ」という点ばかりが強調されて、「地方に行くことで学生にどんなメリットがあるか」という点が希薄です。学生は地方のためではなく、自分のために大学に進学するのですが…
内田樹‏@levinassien
国連人権理事会の特別報告者からの共謀罪への疑義の提示に対して官房長官は「書簡の内容は明らかに不適切」「強く抗議を行った」としましたが、それを承けて特別報告者は官房長官の談話は「無根拠な罵詈雑言」と猛然と反撃、共謀罪の国会承認にはっきりとストップをかけました。
海渡雄一‏ @kidkaido
カナタチ特別報告者が日本政府見解に反論!
私が日本政府から受け取った「強い抗議」は、怒りの言葉が並べられているだけで、全く中身はない。実質的な反論を何一つ送付して来ることが出来ていない。日本は、世界基準の民主主義国家としての道に歩を進めるべき時です。私は全力を尽くして支援する。

江南市議会議員(社民党) 山としひろ‏ @toshihiroyama
狭山事件の再審を求める市民集会に参加。部落差別によって冤罪が生み出されて54年。一刻も早く、石川一雄さんの無実を勝ち取るために、多くの方に狭山事件を知っていただきたいです。 https://t.co/kRhSeKhKIj
全国一般労働組合東京南部‏ @NUGWNambu

「狭山事件の再審を求める市民集会」に来ています。
石川一雄さんは、有罪の証拠とされた万年筆のインクが脅迫状と違うと警察のねつ造を示した「下山の鑑定元に高裁へ再審の雷鳴轟く」と、再審を求める思いを歌に託されました。
いまこそ事実調べを!

あしや人権ネット‏ @masara1973
今日5月23日は、部落差別にもとづくえん罪事件「狭山事件」で、石川さんが不当逮捕されて54年目となる。この数年、ようやく証拠開示が進み石川さんの無実を示す証拠が次々と提出されている。
長期にわたる裁判闘争は風化や高齢化が否めない。粘り強く訴え、早期再審開始を実現したい。


石川一雄さん不当逮捕から54年になります.仮釈放で獄中ではないといえ,いまだに「犯人」という濡れ衣を着せられている石川一雄さん.一日も早く再審開始してほしいと思います.そのためには,すべての証拠開示と裁判所による事実調べが必要です.東京高裁と東京高検は誠実に対応してほしいと思います.
図書館でめぞん一刻14巻を借りてきました.五代君と響子さんの間での誤解が他人事なので面白く読めました.

市教委と保護者真っ向対立 学校統合再延期へ
 宮城県気仙沼市教委が進める市内の小学校再編を巡り、2018年4月に近隣校への統合がそれぞれ計画されている水梨小(児童20人)と月立(つきだて)小(30人)の統合時期が、地元の同意が得られず再延期される見通しとなった。本年度最初となる地域懇談会は、市教委と保護者らの意見が真っ向から対立。歩み寄りの兆しはなく、議論は棚上げされた。
 「娘はこの学校が大好きだ。絶対に残してほしい」。17日に水梨小であった懇談会。保護者の男性の涙ながらの訴えを、斎藤益男教育長ら市教委幹部が神妙な表情で聞き入った。
 市教委の「市義務教育環境整備計画」は、水梨小を松岩小(323人)に統合する。斎藤教育長は複式学級解消の必要性を説き「子どもたちは多くの人にもまれることで人間性の幅が広がる」と強調。市教委は松岩小までのスクールバスの運行路を示した。
 統合を巡る同小の地域懇談会は14年に始まり、今回が6回目。保護者からは「小規模校ならではの丁寧な教育ができる」「地域との結び付きが強い水梨ならではの教育方法がある」などの反対意見が相次いだ。
 PTAの菊地広人会長は「存続を求める地元の熱意は日増しに高まっているが、市教委の姿勢は変わらない」と不満を口にした。
 15日には、新城小(236人)との統合が検討される月立小でも懇談会があったが、市教委と保護者らの溝は埋まらなかった。
 東日本大震災の住宅再建や少子化を踏まえ、市教委は13年6月に再編計画を策定。21年度まで3段階に分けて統合を進め、小学校を20から10に減らす。
 山あいの小規模校である水梨、月立両校の統合は第2段階(2015〜17年度)に進める計画だったが、地元の強い存続要望を受け、統合時期を1年間延長した経緯がある。
 次回の懇談会の開催は未定で、市教委は、6月定例会への市立学校設置条例改正案の提出を見送る方針。両校の校長、保護者らでつくる統合準備会設置といった統合準備は、改正条例成立後に約1年かけて行うため、来春の統合は極めて困難な情勢だ。
 斎藤教育長は「市教委の考えを一方的に説明するだけでは前に進まない。地元の意見を丁寧に聞きながら、時間をかけて歩み寄りたい」と話している。


マグロ解体ショー 被災地区の住民元気に
 亘理町荒浜地区交流センターで21日、マグロの解体ショーがあった。東日本大震災で大きな被害があった同地区の住民を元気づけようと、東京の海鮮料理店「おさかな本舗 たいこ茶屋」店主で仙台市出身の嵯峨完(みつる)さん(68)や、亘理町で支援活動を続けるNPO法人「セリアの会」(東京)などが企画した。
 嵯峨さんは大きな掛け声を上げながら、クロマグロ1本をさばいた。豪快に解体する姿に、子どもたちから歓声が上がった。マグロは刺し身にして提供され、住民200人が地元の荒浜地区まちづくり協議会が用意したすし飯やノリなどと一緒に味わった。
 嵯峨さんらによる解体ショーが荒浜地区で行われるのは3回目。セリアの会荒浜支部の渡辺恵子さん(65)と渡辺れい子さん(64)は「地域住民が集う場にもなるので、みんな楽しみにしていた」と笑顔で話した。


津波被災から再生した畑 親子が苗植え体験
 東日本大震災の津波で被災し、ボランティアらが再生させた仙台市若林区三本塚の畑で21日、「おいもプロジェクト」と名付けた農業体験があった。学生を中心とするボランティア団体「ReRoots(リルーツ)」の主催で、市内の親子連れなど25人がサツマイモとサトイモの苗植えに精を出した。
 参加者は農家の助言を受けながらうねに雑草よけのシートをかぶせた後、スコップで穴を開けて丁寧に計400本の苗を植えた。8月に芋を大きくするのに必要な「つる返し」と呼ばれる作業をし、10月に収穫する。若林区六郷の長谷川陽菜ちゃん(6)は「焼き芋が大好き。秋になって食べるのが楽しみ」と話した。
 プロジェクトは、再生畑での農作業を通じて被災地の現状と農業の魅力を伝えることが狙い。リルーツのメンバーの宮城大3年相米信吾さん(21)は「のどかな風景や農村に伝わる文化を発信して、地域を訪れるファンを増やしていきたい」と語った。


<復興相>被災3県国会議員「住民の声聞いて」
 吉野正芳復興相(衆院福島5区)は26日で就任1カ月となる。前任の今村雅弘氏が東日本大震災の被害を「東北で良かった」と発言し辞任に追い込まれたことから、被災地を頻繁に訪れるなど信頼回復へ「安全運転」(復興庁幹部)に徹する。被災3県選出の国会議員は手堅い立ち上がりを見守りつつ、復興加速へ存在感の発揮を求めた。
 民主党政権時代に復興相を務めた自民党の平野達男氏(参院岩手選挙区)は「福島を中心に現場に寄り添い、国会では『対策を急げ』と先頭で訴えた。被災地出身であろうがなかろうが最終的には人だ」と吉野氏の力量に太鼓判を押す。
 課題に挙げるのは、東京電力福島第1原発事故で甚大な被害に遭った自治体のまちづくりの具体化。「(避難者の)意向調査で帰らないと答えた人が一定割合でいる。一人一人面接するぐらいの姿勢で精査し、現実的な計画を作る必要がある」と指摘する。
 自民党の亀岡偉民氏(衆院福島1区)は「偉ぶらないところは全く変わらない。もっと胸を張って行動し、被災者が復興を実感できる結果を出してほしい」とエールを送る。
 野党側には吉野氏の言動を疑問視する声もある。参院震災復興特別委員長で民進党の桜井充氏(宮城選挙区)は、吉野氏の「政府の一員」というスタンスを懸念。「トップとして政府をただし、被災者の声を反映させるべきだ。国会ではペーパーの棒読みや事務方の助言を受ける場面が目立つ。心配が杞憂(きゆう)に終わるよう頑張ってほしい」と手腕を点検していく構え。
 福島県議会が廃炉を求める意見書を4度可決した東電福島第2原発を巡り、吉野氏は「廃炉するかしないかは事業者が決める問題」と距離を置く。
 民進党の安住淳代表代行(衆院宮城5区)は「原子力問題で自民党と福島県民の意見は違う。大臣自身がどんな判断をするのか注目したい」と強調した。
 第2次安倍内閣発足直後に復興相を務めた根本匠氏(衆院福島2区)は「復興庁は単なる調整官庁ではない。司令塔となって組織をグリップし、各省庁を動かしてほしい」と助言した。


<熊本地震>南三陸発 くまモングッズで支援
 熊本地震の被災地を支援しようと、宮城県南三陸町の町民有志の団体「南三陸復興ダコの会」が人気キャラクター「くまモン」を使ったグッズを売り出し、人気商品になっている。売り上げの一部は義援金として送られている。
 グッズの名前は「くまころりん」。黒く染めた町特産の繭玉に、赤ほっぺがかわいいくまモンの顔を再現した。笑顔と驚いた顔の2種類あり、中にある重りの効果で、転んでもすぐ起き上がる。熊本地震の被災者が早く立ち上がれるようにとの願いを込めた。
 町内産のスギを使い、九州地方の形に切り抜いた台座が付く。2016年8月にインターネットと同会の「入谷YES工房」で販売を始め、今年4月まで300個以上を売り上げた。
 広報担当の大森丈広さん(34)は「東日本大震災後にくまモンが南三陸町を慰問してくれて、熊本県や九州の人からも多くの支援を受けた。少しでも恩返しになれば」と一日も早い復興を願っている。
 「くまころりん」は800円で、1個に付き300円が義援金となる。連絡先は南三陸復興ダコの会0226(46)5153。


<ほっとタイム>陸前高田・92歳で自宅再建
◎古里の復興見届ける
 東日本大震災で被災した92歳が、自宅の自力再建を果たした。戦禍と災禍をくぐり抜けて「第三の人生」をかみしめている。
 岩手県陸前高田市の新沼薫さん自慢の新居は約90平方メートルの平屋。1人暮らしだが、震災前に亡くなった妻テル子さんの墓を窓から眺められるのが気に入った。
 あの日、新沼さんは高台でゲートボールをしていた。市街地に戻らず、高台にとどまって津波から逃れた。
 何度も命拾いしてきた新沼さん。戦時中も、仙台や青森で空襲に遭遇しながら生き延びてきた。
 92歳の決断を関東にいる息子たちは随分心配したようだが、新沼さんに迷いはなかった。「少しでも地元に役立ちたい」と災害公営住宅で今も、自分より若い高齢者の見守り活動に加わっている。
 「家を建てたんだから長生きしないとね。復興した古里を見届けるまでは死んでいられない」。新築記念に、奮発して大きなテーブルを買った。多くの友人と語らうために。(大船渡支局・坂井直人)


ひな包む羽優しく 蕪島のウミネコふ化始まる
 国の天然記念物で、ウミネコの繁殖地として知られる青森県八戸市の蕪島が「子育て」の季節を迎えた。卵からかえったばかりのひなは、茶色っぽい産毛に包まれたテニスボールほどの大きさ。親鳥に餌をもらい、すくすくと成長している。
 島には今年、例年並みの約3万5000羽が飛来。最初のふ化が確認されたのは16日で、ピークは来月中旬になるという。2015年の火災で社殿が焼失し、再建途上の蕪嶋神社境内にも巣を構える。
 「ネコやキツネ、カラスなどの天敵に襲われることなく、無事に巣立ってほしい」と保護監視員の竹田英雄さん(71)は願う。
 ひなは7月下旬から北海道へと移り、数年後に再び故郷に戻ってくる。


<全町避難>笑いを教育に 小中授業に落語や漫才
 東京電力福島第1原発事故で全町避難する福島県大熊町教委は本年度、小中学校の授業に笑いを取り入れるプロジェクトを始めた。避難生活が長期化する子どもたちの心を癒やし、コミュニケーション力を育てるのが狙いだ。
 会津若松市の大熊中仮校舎で22日、落語教室が開かれた。上方落語家桂雀太さん(40)が全生徒16人を前に授業をした。
 阪神大震災直後に大学を受験した時の様子をネタにした話や古典落語「まんじゅうこわい」を披露。教室は大きな笑いに包まれた。
 3年箭内朱里さん(14)は「想像以上に楽しい。体を使った表現がすごかった」と驚いた様子。3年植村篤史さん(14)は「日本に昔からある文化に触れられ面白かった」と語った。
 桂さんは「子どもたちはいろんな苦労があるだろうが、客観的に見て笑い飛ばせるように心の余裕を持つと、もっと軽やかに人生を進めると思う」と述べた。
 桂さんを交えたパネル討論もあった。「教育と笑いの会」名誉会長で植草学園大(千葉市)の野口芳宏名誉教授、町教委、PTAの関係者が「教育における笑いの効用」をテーマに意見を交わした。
 大熊中は6〜7月、福島県に住みながら活動するお笑いコンビ「ぺんぎんナッツ」を講師に招き、生徒が漫才を学ぶ講座を計4回実施する。


復興の絆 大きくな〜れ 園児植樹
 東日本大震災で被災した岩手県山田町の復興を願って22日、同町豊間根地区でコナラやミズナラの植樹があった。地元保育所の園児45人が「大きくなーれ」と声を合わせながら、苗木約210本を植えた。
 被災地の緑化に取り組むNPO法人子どもの森づくり推進ネットワークが、2012年から続ける活動の一環。山田町で拾ったドングリを、全国の子どもたちが苗木にまで育てた。
 山田第1保育所の佐藤然(ぜん)ちゃん(5)は「どんどん育ってドングリを付けて、動物たちに食べてほしい」と話した。将来的には山田町特産のシイタケ栽培で、菌を植え付けるほだ木としての利用も見込む。
 推進ネットの清水英二代表理事は「全国と山田町の子どもがドングリの絆で結ばれ、復興への思いや震災の記憶を共有してもらえたらうれしい」と話した。


多賀城RV事故から12年 県内各地で追悼行事
 多賀城市内の国道45号で仙台育英高生3人が飲酒運転のRVにはねられ死亡した事故から12年となった22日、県内各地で追悼行事などが行われた。
 同校多賀城校内の一角にある慰霊碑にはこの日、3人の遺影が掲げられ、1年生ら約1050人がクラスごとに献花して合掌した。悲惨な事故が二度と起こらぬように誓い、先輩の冥福を祈った。
◎飲酒運転根絶誓い新た
 クラス代表で献花した特別進学コースの佐藤伊織さん(15)は「事故のことが身近に感じました。日常の大切さを胸に、一日一日を無駄にせず頑張ることを誓いました」と話した。
 同市八幡の事故現場近くで市主催の飲酒運転根絶大会もあり、市民や仙台育英高生ら約180人が、ドライバーに飲酒運転ゼロを呼び掛けた。塩釜署も事故発生時の午前4時〜5時半に飲酒検問を実施し、酒気帯び運転1件を検挙した。
 白石市のホワイトキューブでは県飲酒運転根絶県民大会があり、県内の交通安全関係者ら約600人が出席した。
 県警の高須一弘本部長は「飲酒運転は凶悪な犯罪。悲惨な事故が絶無となる日まで粘り強く取り組む。一人一人に根絶の決意が刻まれるよう活動の継続をお願いしたい」と呼び掛けた。
 仙台育英高生徒会長の3年大竹祐太朗さん(17)は「飲酒運転は欲に負けて生まれる。一人一人が意識を持てば必ずこの世からなくなる。宮城から全国へ飲酒運転根絶を訴え続ける」とメッセージを読み上げた。


「共謀罪」法案採決◆一方的な監視社会を許すな◆
 自民、公明両党が、衆院法務委員会で、野党の反対を押し切って「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案の採決を強行、可決させた。今国会での成立を目指し、23日の衆院本会議でも採決を強行し、衆院通過を図る。
 審議の場は参院に移ることになるが、犯罪の実行後ではなく計画段階で処罰する改正案を巡っては、捜査当局が、動向を監視する対象が飛躍的に広がり、国民の思想、信条の自由が侵されかねないなどの懸念が解消されていない。
空洞化する知る権利
 情報公開制度が形骸化し、防衛、外交などの分野で、国民の知る権利を制限する特定秘密保護法も運用される中、このまま改正がなされれば国家による一方的な監視社会が始まることになる。拙速な成立は許されない。
 捜査当局による監視のための手段は既に存在し、強化もされている。電話やメールを傍受する権限を捜査当局に与える通信傍受法だ。昨年、改正され、薬物や銃器、集団密航、組織的殺人の4類型だった対象犯罪に組織性が疑われる詐欺や窃盗など9類型が追加された。
 さらに傍受への通信事業者ら第三者の立ち合いも必要がなくなり、捜査当局にとって格段に使い勝手が良くなっている。
 一方、国民の知る権利は空洞化しつつある。2014年12月施行の特定秘密保護法によって防衛、外交、スパイ防止、テロ防止の4分野で、国の安全保障に関して重要とされた情報は厳重に保全されることになった。秘密指定の期間は原則最大30年で、内閣の承認によりさらなる延長も可能だ。
不都合情報は非公開
 情報公開制度も深刻な問題を抱えている。01年4月、国の機関が保有する行政文書を原則として公開し、請求権を、外国人を含むすべての人に与える「情報公開法」が施行されたが、個人情報や、国の安全、外交上の不利益になる情報などは非公開を認めるという例外規定を悪用するケースが増えているからだ。
 「森友学園」の疑惑を追及した国会審議では、「のり弁」と称され、内容がほとんど黒塗りにされた文書が注目を浴びた。このような例は枚挙にいとまがない。さらに審議では財務省による交渉や面会記録などの公文書を短期間に廃棄していたことが問題化している。自治体の情報公開も同様だ。
 自分たちに都合の悪い情報は、国民の知る権利に反しても公開しないという姿勢が明確だ。このような認識を持つ政権や行政が、国民に対する監視を著しく強める権限を持ったらどうなるのか。他の権利も軽んじられることになるのは必至だ。
 「自分は悪いことはしないから関係ない」という受け止め方は間違っている。国民一人一人がわが身に起こりうる問題であることを認識してほしい。


国連報告者が安倍首相に「共謀罪は人権に有害」の警告文書!「国際組織犯罪防止条約のため」の嘘も明らかに
 きょう23日午後にも衆院本会議で強行採決される見通しの「共謀罪」法案。その後、参院での審議にはいるが、政府・与党は数の力で押し切り、この戦後最悪の言論弾圧法案を、会期中の成立に持ち込む目算だ。
 そんななか、ついに国際社会からも、日本の共謀罪法案とこれを強行する安倍政権に対する強い懸念が出され始めた。
 5月18日付で、国連の特別報告者であるジョセフ・ケナタッチ氏(マルタ大学教授)が、共謀罪法案について「プライバシーや表現の自由を不当に制約する恐れがある」と指摘する書簡を、直接、安倍首相宛てに送付したのである。ケナタッチ氏は、マルタ出身のIT法の専門家。一昨年より国連人権理事会によりプライバシー権に関する特別報告者に任命されている。
 国連の特別報告者が、直々に日本の首相へ書簡を送った意味は非常に重い。というのも、安倍首相は「国内法を整備し、国際組織犯罪防止条約を締結できなければ、東京五輪を開催できない」などと言って、共謀罪の理由を国連条約締結のために必須であると説明してきたが、これが真っ赤なウソであることが、他ならぬ国連特別報告者に暴露されたからだ。
 書簡は国連のホームページで公開されている。タイトルは“Mandate of the Special Rapporteur on the right to privacy”(プライバシー権に関する特別報告者の命令)。ケナタッチ氏は〈人権理事会の決議28/16に従い、プライバシー権の特別報告者の権限において〉この書簡を安倍首相に送るとして、英語でこのように書いている。
〈いわゆる「共謀罪」法案は、その広範な適用範囲がゆえに、もし採決されて法律となれば、プライバシーに関わる諸権利と表現の自由の不当な制限につながる可能性がある〉
〈同法案は、国内法を「越境的組織犯罪に関する国連条約」に適合させ、テロとの戦いに努める国際社会を支える目的で提出されたという。だが、この追加立法の適切性と必要性について数々の疑問がある。
 政府は、この新法案によって捜査対象となるのが「テロ集団を含む組織的犯罪集団」との現実的関与が予期される犯罪に限定されると主張している。だが、何が「組織的犯罪集団」に当たるかの定義は漠然で、明白にテロ組織に限定されているわけではない〉
国連特別報告者が「恣意的に適用される危険性」に深刻な懸念
 すでに国内の専門家からは、共謀罪がテロ対策等の国際条約の批准条件ではないという事実が指摘されていたが、国連の特別報告者もその安倍政権の欺瞞を冷静に指摘しているのだ。
 書簡では、ほかにもこの共謀罪に対する懸念・疑問点が極めて論理的に示されている。たとえば、共謀の対象となる277種の犯罪のうち、森林法や文化保護法、著作権法など〈組織犯罪やテロとまったく無関係であるようにしか見えない〉法律についても共謀罪が適用されてしまうこと。捜査のなかで犯罪立証ため、起訴前の監視の激化が予想されること。そして、〈「組織的犯罪集団」の定義における漠然性が、たとえば国益に反するとみなされたNGOへの監視を合法化する機会を生み出すと主張されている〉とも踏み込んでいる。
 つまり、共謀罪が政府の恣意的運用による一般市民への不当な監視活動を正当化すると、国連の特別報告者も認めているのだ。ケナタッチ氏は、共謀罪が導く看過できない人権侵害を強く憂慮している。
 〈提案された法案は、広範に適用されうることから、他の法律と組み合わせることで、プラバシー権やその他基本的な人々の自由権の行使に影響を及ぼすという深刻な懸念が示されている。とくに、私が懸念しているのは、この立法において何を「計画」や「準備行為」とするのかという定義が漠然であり、そして(法案の)別表にテロ及び組織犯罪とは明白に無関係な広範すぎる犯罪が含まれていることから、恣意的に適用される危険性である〉
〈法的明確性の原則は、法律のなかにおいて、刑事責任が明確で緻密な規定によって限定されねばならないと求めており、不当な禁止行為の範囲拡大なしに、どのような行為がその法律の範疇であるかを合理的にわかるよう保証する。現在の「共謀罪法案」は、漠然で主観的な概念が極めて広範に解釈される可能性があり、法的不確定性を招くことから、この原則に一致しているようには見えない〉
〈プライバシー権は、この法律が広範に適用されうることによってとりわけ影響を被るように見える。さらに懸念されるのは、法案成立のために立法過程や手順が拙速になっているとの指摘から、人権に有害な影響を与える可能性だ。この極めて重要な問題について、より広い公共的議論が不当に制限されている〉
官邸は国連を批判、まるでリットン調査団を拒否した戦前日本
 こうした指摘は極めて重要だろう。国民のプライバシー権や思想の自由などがこの法案で否定され、憲法が保障するはずの「通信の秘密」も骨抜きになるのはもちろん、周知のとおり、共謀罪の審議過程では、担当大臣の金田勝年法相が答弁不能の醜態をなんどもさらけだし、政府も説明を二点三転した。それは、逆説的に法案の目的から対象までが時の権力の解釈次第でなんでもありになるという、おおよそ近代法とは思えない欠陥法案であること意味しているが、一方で、こうして政府が説明責任を放棄したことにより、国民にこの法案の意味するところが伝わらず、国連特別報告者が指摘する「より広い公共的議論」は皆無だった。
 逆に言えば、安倍政権がここまで成立を急くのは、「国民が共謀罪の危険性をよくわかっていないうちに通してしまおう」という魂胆があるからに他ならない。あまりに国民軽視としか言いようがないが、しかもこの悪法によって制限される国民の諸権利は、成立後には二度と戻ってこないという悪夢のような状況にある。何度でもいうが、国連の懸念は、この安倍政権のやり方が国際社会から見てもいかに異常であるかを証明するものなのだ。
 ところが安倍政権は、この国連特別連報告者から送られた書簡さえも、まったく聞く耳を持たず、撥ね付けるつもりらしい。菅義偉官房長官は昨日の会見で、書簡について「不適切なものであり、強く抗議を行っている」「政府や外務省が直接説明する機会はない。公開書簡で一方的に発出した」などとうそぶき、国連との“徹底抗戦”の構えまでみせた。
 するとケナタッチ氏は、今日の東京新聞朝刊で菅官房長官に猛反論。同紙の取材に対し、日本政府の対応を「中身のないただの怒り」と鋭く批判した。ケナタッチ氏によれば、菅官房長官の言う「強い抗議」は19日午後にあったが、それはたったの約1ページ余りの文書にすぎず、「プライバシーや他の欠陥など、私が多々挙げた懸念に一つも言及がなかった」という。つまり、安倍政権は完全に説明を放棄し、国連にまで矛を向けているのだ。
 ネットでは安倍政権のこうした姿勢に「まるでリットン調査団の報告書を拒否して、国際連盟を脱退した戦前の日本」などというツッコミもされているが、このままでは、この「平成の治安維持法」が強行されてしまうだけでなく、日本が国際社会から孤立してしまうのは火を見るより明らかだろう。
 安倍首相は21日の北朝鮮によるミサイル発射実験に対して「世界に対する挑戦」と凄んだ。しかし、国際社会の懸念を無視し、暴走を続けているのは安倍政権も同じだ。共謀罪を廃案にするため、最後まで徹底して反対の声を上げ続けるのはもちろん、一刻も早く、この暴走政権を国民の手で終わらせなければならない。(編集部)


「共謀罪」書簡の国連特別報告者 日本政府の抗議に反論
 【ロンドン=小嶋麻友美】安倍晋三首相宛ての公開書簡で、「共謀罪」の趣旨を含む組織犯罪処罰法改正案に懸念を表明した国連のプライバシー権に関する特別報告者ジョセフ・ケナタッチ氏は二十二日、菅義偉(すがよしひで)官房長官が同日の記者会見で抗議したと明らかにした日本政府の対応を「中身のないただの怒り」と批判し、プライバシーが侵害される恐れに配慮した措置を整える必要性をあらためて強調した。電子メールで本紙の取材に答えた。
 ケナタッチ氏によると、「強い抗議」は十九日午後、国連人権高等弁務官事務所を訪れた在ジュネーブ日本政府代表部の職員が申し入れ、その後、約一ページ余りの文書を受け取った。しかし、内容は本質的な反論になっておらず「プライバシーや他の欠陥など、私が多々挙げた懸念に一つも言及がなかった」と指摘した。
 抗議文で日本側が、国際組織犯罪防止条約の締結に法案が必要だと述べた点について、ケナタッチ氏は「プライバシーを守る適当な措置を取らないまま、法案を通過させる説明にはならない」と強く批判。法学者であるケナタッチ氏自身、日本のプライバシー権の性質や歴史について三十年にわたって研究を続けてきたとし、「日本政府はいったん立ち止まって熟考し、必要な保護措置を導入することで、世界に名だたる民主主義国家として行動する時だ」と訴えた。
 ケナタッチ氏は日本政府に引き続き、法案の公式な英訳文とともに説明を求めている。菅官房長官は二十二日、ケナタッチ氏の書簡に「不適切だ」と反論していた。
◆与党きょう衆院採決方針
 犯罪の合意を処罰する「共謀罪」の趣旨を含む組織犯罪処罰法改正案を巡り、衆院議院運営委員会は二十二日の理事会で、衆院本会議を二十三日に開くことを佐藤勉委員長(自民党)の職権で決めた。与党は「共謀罪」法案を採決し、衆院を通過させる方針。二十四日の参院での審議入りを目指している。
 与党が理事会で「共謀罪」法案の採決を提案したのに対し、民進、共産両党は、与党が衆院法務委員会で法案の採決を強行したことに反発して拒否。双方が折り合わず、佐藤氏が本会議開催を決めた。「共謀罪」法案を採決するかどうかは与野党の協議に委ねた。
 法案を巡っては、安倍晋三首相(自民党総裁)が二十二日の党役員会で「今国会での確実な成立を目指す」と強調。高村正彦副総裁も「二十三日に間違いなく衆院通過させる」と話した。民進党の野田佳彦幹事長は記者会見で「審議は不十分だし、この間のやり方は極めて遺憾だ」と与党の国会運営を批判した。
 与党は法案の成立を確実にするため、来月十八日までの今国会の会期延長も検討している。  
<国連特別報告者> 国連人権理事会から任命され、特定の国やテーマ別に人権侵害の状況を調査したり、監視したりする。子どもの人身売買や、表現の自由に関する人権状況などの報告者がいる。政府や組織などから独立した専門家で、調査結果は理事会に報告する。


「テロ等準備罪」新設法案 国会周辺で反対集会
「共謀罪」の構成要件を改めて「テロ等準備罪」を新設する法案について国会周辺では反対する人たちが集会を開き、廃案を訴えています。
衆議院議員会館の前では、23日正午から法案に反対する市民団体などが集会を開き、主催者の発表で1200人が参加しました。参加者らは「共謀罪NO!!」と書かれたプラカードなどを持ちながら「今すぐ廃案」とか「強行採決絶対反対」といった声を上げていました。
集会の中で衆議院の法務委員会で参考人として陳述した弁護士の加藤健次さんが「共謀罪が通れば警察による監視対象の線引きなど恣意(しい)的な運用がされると意見を述べたが、その点は全く審議されていない。十分な審議をせずに採決することに心から怒りを覚える」と述べました。
集会に参加した49歳の女性は「共謀罪が成立すれば、市民が萎縮してしまい政策に対して言いたいことが言えなくなってしまうのではないかという懸念があります。廃案に向けて強く訴えていきたい」と話していました。
また、39歳の男性は「実行行為がない中で、捜査機関が逮捕できるのは本当に恐ろしいことだと思います。法案を不安に思い、こうして集まっている人たちがいることを政権は理解すべだ」と話していました。


「共謀罪」強行採決もまだ希望はある! 参院審議入り見送りで会期延長、加計学園問題を追及し共謀罪も廃案へ
 本日、共謀罪法案が衆院本会議で「強行採決」された。先週の衆院法務委員会での採決も暴挙だったが、与党ならびに維新の会はきょうも、数々の共謀罪への問題点をただ聞き流して法案を押し通した。
 たとえば、自民党・平口洋議員や、公明党・吉田宣弘議員の賛成討論では、イギリスで起こったテロ事件を取り上げ“テロ対策には共謀罪が必要”“共謀罪法案は国際組織犯罪防止条約の締結に不可欠”などと述べた。国連の特別報告者ジョセフ・ケナタッチ氏からの書簡でも書かれていたように、共謀罪がテロ対策になっていないことはもはやあきらか。にもかかわらず、自民党はさっそくテロ事件を“利用”したのだ。
 そもそも、野党は、ケナタッチ氏からの書簡などの問題を挙げ、法案を委員会に差し戻すことを要求していたという。当然の要求だろう。ケナタッチ氏は「国連人権理事会の特別報告者」として、〈いわゆる「共謀罪」法案は、その広範な適用範囲がゆえに、もし採決されて法律となれば、プライバシーに関わる諸権利と表現の自由の不当な制限につながる可能性がある〉と指摘。さらには、前述の通り、安倍首相はじめ与党は「国連で採択された国際組織犯罪防止条約(TOC条約)の締結のためには共謀罪が必要」と主張してきたが、ケナタッチ氏は書簡のなかでこの点を以下のように“反論”している。
〈同法案は、国内法を「越境的組織犯罪に関する国連条約」に適合させ、テロとの戦いに努める国際社会を支える目的で提出されたという。だが、この追加立法の適切性と必要性について数々の疑問がある。
 政府は、この新法案によって捜査対象となるのが「テロ集団を含む組織的犯罪集団」との現実的関与が予期される犯罪に限定されると主張している。だが、何が「組織的犯罪集団」に当たるかの定義は漠然で、明白にテロ組織に限定されているわけではない〉
 しかも、ケナタッチ氏は〈テロ及び組織犯罪とは明白に無関係な広範すぎる犯罪が含まれていることから、恣意的に適用される危険性〉にまで言及。〈法案成立のために立法過程や手順が拙速になっているとの指摘から、人権に有害な影響を与える可能性〉を懸念し、〈この極めて重要な問題について、より広い公共的議論が不当に制限されている〉と“警告”しているのである。
 つまり、安倍首相が「国連条約締結のため」と言っている共謀罪を、国連の報告者は「テロ対策とは言えない」「恣意的に運用される危険がある」「議論がないがしろにされている」とダメ出しを行っているのだ。
本末転倒!「強行採決によってTOC条約締結が難しくなった」という指摘も
 くわえて重要なのは、京都大学の高山佳奈子教授による解説だ。高山教授は「これは大変な書簡」とし、「このまま与党が強行採決すると、今回の国際組織犯罪防止条約への日本の参加がスムーズにいかなくなる心配が出てきた」(BS-TBS『週刊報道LIFE』5月21日放送)と指摘しているのである。これでは本末転倒ではないか。
 だが、菅義偉官房長官はこの書簡を「一方的」「書簡の内容は明らかに不適切」などと批判。ケナタッチ氏からは質問点が4つ出されているが、それに答えるどころか、外務省に「強く抗議」までさせている。そして、〈立法過程や手順が拙速〉という国連から受けていた指摘を無視して、きょう、安倍政権は予定通り強行採決を行ったのである。
 このような姿勢は、国連をはじめ海外に「日本は人権侵害国家」と自ら喧伝しているようなものだが、安倍政権は国連の警告など耳には入っていない。
 安倍政権は国連からの指摘が表沙汰になってからも“きょうの衆院通過、明日の参院入り”を強調してきた。加計学園問題の国会追及をできる限り抑え込みたいという意図があったためだ。明日に共謀罪法案が参院入りしなければ今国会の会期延長の必要が出てくるが、会期が延びれば、それだけ加計学園・森友学園問題の追及時間は増す。どうしてもそれを避けたかったのだ。
 しかし、野党の踏ん張りで共謀罪法案の明日の参院の審議入りは見送られ、26日からの安倍首相の外遊帰国後に行われることになった。これによって会期延長にもち込める可能性が高くなった。つまり、共謀罪の危険性を広め、加計学園問題をさらに追及することができるのだ。
 自らの政治の私物化への追及を恐れて、国連からの厳しい指摘も黙殺し重要法案を強行採決する。こんな自分本位な政治が許されるわけがない。だが、ギリギリではあるが、まだ時間はある。参院で、必ず共謀罪を廃案にもち込まなくてはならない。(編集部)


共謀罪 法案が衆院通過 民進は参院審議入り拒否
与党は29日の審議入りを目指す
 組織犯罪を計画段階で処罰可能とする「共謀罪」の成立要件を改めたテロ等準備罪を新設する組織犯罪処罰法改正案は23日、衆院本会議で自民、公明両党と日本維新の会などの賛成多数で可決された。民進、共産両党は反対し、自由、社民両党は法務委員会での審議やり直しを訴え、本会議を欠席した。
 改正案の衆院通過を受け、自民党の松山政司・参院国対委員長は23日、民進党の榛葉賀津也・参院国対委員長に24日の本会議での審議入りを提案したが、榛葉氏は拒否。24日の審議入りは見送られた。与党は29日の審議入りを目指し、6月18日までの今国会会期内に成立させたい考えだが、確実な成立を期すために会期延長も検討している。
 本会議の討論では、民進党の逢坂誠二氏は「(衆院法務委員会での)質疑30時間で強行採決。このような荒れた状況の中で改正案は充実した審議が行われたとは言えない」などと主張した。自民党の平口洋氏は「テロを含む組織犯罪を未然に防止し、これと戦うための国際協力を促進するための国際組織犯罪防止条約の締結は急務だ」と述べた。
 テロ等準備罪は、適用対象を「テロリズム集団その他の組織的犯罪集団」と規定。集団の活動として、2人以上で犯罪を計画し、うち1人以上が計画に基づく「実行準備行為」をした場合に、計画した全員を処罰可能としている。対象犯罪は当初の676から277に削減している。
 捜査機関の乱用への懸念や「一般人も捜査対象になる」といった声があることから、改正案には自民、公明両党と維新の提案で修正が加えられた。修正は、本則に「取り調べその他の捜査」は「適正の確保に十分に配慮しなければならない」と明記。付則には、取り調べの録音・録画(可視化)や全地球測位システム(GPS)捜査の制度化を検討することなどを盛り込んだ。【鈴木一生、光田宗義】


実名告発ツブされてもが新証拠が次々…安倍政権は加計学園に利権を独占させるためこんな露骨な手口を
 加計学園問題で次なる「大きな証拠」が出てきた。昨日行われた参院決算委員会において共産党の小池晃議員が、これまでマスコミが報道してきた文科省作成の文書とは違う「別の文書」を入手したと公表したのだ。
 その文書は、「今後のスケジュール(イメージ)」と題されたもの。そして、そこには加計学園ありきの計画が示されていたのだ。
 無論、この文書は加計学園の獣医学部新設が決定する以前に作成されたもの。だが、文書では「今後のスケジュール」として、加計学園が獣医学部を新設する今治市の「第2回今治市分科会」が組み込まれているなど、開学予定の来年4月までの段取りが、すでに昨年10月から立てられていたことが示されているのだ。
 しかも共産党は、2016年11月9日の国家戦略特別区域諮問会議での獣医学部の新設条件について書かれた「政府原案」も入手。この特区域諮問会議では「現在、広域的に獣医師系養成大学の存在しない地域に限り獣医学部の新設を可能とする」と決定したが、この原案では「現在、獣医師系養成大学等のない地域において獣医学部の新設を認める」としか書かれていなかったのだ。
「広域的に」と「限り」という、新設条件にかんする重要な言葉が追加された理由。──これはあきらかに、加計学園と同様に獣医学部新設を提案していた京都産業大学を“外す”ために、このふたつの文言が追加されたとしか考えられない。
 ここで、いかに特区による獣医学部新設が「加計学園ありき」で進められてきたのか、あらためて振り返ろう。
 本サイトでも指摘してきたように、獣医学部にかんしては、2015年6月に愛媛県と今治市、学校法人加計学園が、国家戦略特区での新設を提案。しかし、その翌年3月に、1989年から獣医学部開設を目指してきた京都産業大学と京都府が同府綾部市での新設に名乗りをあげた。
 そこで政府の特区ワーキンググループは2016年10月17日に京産大にヒアリングを実施。その際、京産大側は「既存の獣医学教育機関でほとんど実施されていないライフサイエンス分野における産官学共同事業の取り組み」や「京都大学iPS細胞研究所との連携」といった具体的な方針を打ち出し、A4用紙20枚もの資料まで提出している。
 対して、岡山理科大(加計学園)の提出資料は、たったの2枚。挙げ句、「MERS」(中東呼吸器症候群)を「MARS」(火星)と記載するという間違いまで見つかっている。本気で獣医学部の新設を目指しているのなら念には念を入れて何度も確認するだろうに、あまりに杜撰な内容だ。
 しかも、京産大は岡山理科大とは違い、2006年に鳥インフルエンザ研究の第一人者である大槻公一教授をセンター長に迎えた「鳥インフルエンザ研究センター」を、さらに2010年には動物生命医科学科を設置するなど、すでに獣医師学部設置に向けて入念な“準備”と“実績”を重ねてきたのだ。
 国家戦略特区諮問会議では、2015年6月19日の時点ですでに獣医学部新設という規制緩和を行う理由を、“エボラその他いろいろな獣に由来した病気の研究者をつくるため”としている。同様に、安倍首相も3月13日の参院予算委員会で「鳥インフルエンザなどの人獣共通感染症が拡大する中、需要が高まっていることから獣医学部設置を特区のメニューとして追加した」と答弁している。
 もし、ほんとうに国家戦略特区に獣医学部新設をくわえた理由がそうしたものであるならば、どう考えても京産大に軍配があがるのが道理というものだろう。いや、京産大の場合は実績だけでなく、京都府に獣医師が不足しているという現実がある。現に2020年度の「獣医師の確保目標」では、京都府が32人に対し、愛媛県は0人となっているのである。
 だが、こうして明白に京産大が有利な状況にあるなかで、件の11月9日の特区諮問会議は、唐突に「広域的に獣医師系養成大学の存在しない地域に限り新設を可能とする」と決定。京都府の場合、すでに近隣の大阪府立大学が獣医師などを養成する「獣医学類」を設けており、京産大は一気に劣勢に追い込まれたのだ。
 さらに、同年12月22日には、山本幸三地方創生相と松野博一文科相、山本有二農水相の3大臣が「獣医学部新設は1校限り」というダメ押しの合意を行い、今年1月4日から内閣府は〈2018年度に開学することが確実に見込める事業者〉(毎日新聞愛媛版1月6日付記事より)の公募をスタート。このような条件で手を挙げられるのは加計学園のほかにいるはずがなく、同月20日に加計学園が事業者に決定したのだった。
 京産大側は『NEWS23』(TBS)の取材に対し、「平成30年度の開設は非常に厳しく、どこも手を挙げないのではないかと思った。加計学園はよく手を挙げたと思う」と回答しているが、むしろ、京産大外しのためにあれやこれやと条件が加えられていったと言うべきだ。
 その上、発覚した文書を見れば、内閣府は文科省に対し「総理のご意向」「官邸の最高レベルが言っていること」などとして「平成30年(2018年)4月開学を大前提」にしろと迫っている。しかも、昨年9月26日の時点ですでに「今治市分科会において有識者からのヒアリングを実施することも可能」「獣医学部新設を1校に限定するかは政治的判断である」とまで言及されているのだ。
 そして、昨日公表された新たな文書によって、こうした「加計学園ありきの出来レース」は決定的となった。しかし、山本地方創生相が「出元がはっきりしない、信憑性も定かでない文書に基づいてわたくしどもが何らかのお答えをする立場にない」と突っぱねたように、官邸の態度はいまだ「文書は怪文書」扱い。
 さらには、昨日、本サイトが報じたように、「あの文書は本物だ」と実名証言する予定で動きはじめていた文科省の前事務次官である前川喜平氏を封じ込めるべく、官邸は読売新聞に前川氏のスキャンダルをリーク。読売は「前川氏が出会い系バーに出入りしていた」という、物証もない、刑事事件にもなっていない、職務とも関係していない官僚の下半身スキャンダルという、およそ大手全国紙とは思えない三流実話誌並みの記事を掲載したのだ。
 これによって前川氏の実名証言を報道する予定は立ち消えたと言われ、実際、前川氏が出演する予定だったと言われている『報道ステーション』(テレビ朝日)は、昨晩、小池議員があきらかにした新たな内部文書問題を報じることはなく、『NEWS23』もほんのわずかしか伝えなかった。これからは週刊誌によって前川氏バッシングが展開されることになるだろう。
 不都合な事実や人物は徹底して謀略を仕掛けて潰す、安倍政権の陰湿でグロテスクとしかいいようのないやり口──。しかし、それでもあきらめずに、地道に資料をあたり、疑惑をひとつずつ暴いていけば、その蟻の一穴から巨大ば壁が崩れる可能性は十分ありうる。心あるジャーナリストやメディアは、これからもこの加計学園問題と森友問題を追及し続けてほしい。(編集部)


加計学園/疑念は深くなるばかりだ
 かねて疑問視する声が上がっていただけに、政府の対応は不自然と映る。岡山の学校法人「加計(かけ)学園」が、愛媛県今治市の国家戦略特区に獣医学部を新設する計画のことだ。
 全国で獣医学部ができるのは52年ぶりである。数を増やせば質を保てないと文部科学省が認めなかったが、国家戦略特区を適用する官邸主導で実現した。
 安倍晋三首相と学園理事長は古くからの友人で、年に数回はゴルフや会食を重ねる間柄だ。野党は「2人の関係が影響したのでは」と追及してきた。
 首相は否定している。しかし、構図は大阪の森友学園の国有地売却問題と酷似する。政府は事実関係を明らかにして国民の疑問に答えるべきだ。
 先週の国会では、文科省が特区を担当する内閣府とのやりとりを記録したとされる文書が取り上げられた。「官邸の最高レベルが言っていること」「総理の意向だ」など見過ごせない記述があり、文科省が調査すると約束していた。
 2日後、文科省は「文書の存在は確認できなかった」と発表した。聞けば半日間、幹部ら7人からの聞き取りと担当部局で共有する電子ファイルなどを確認しただけである。
 問題の文書は公文書の定型と違って箇条書きに近く、作成者は不明だ。職員個人のパソコンも調べるべきだが、文科省は対象から除外した。調査は形だけと言われても仕方がない。
 文書は昨年の9月から10月にかけて作成されたとみられる。内閣府の要請に難色を示していた文科省が獣医学部の新設容認へと変わった時期と重なる。
 経緯を振り返ると、加計学園に有利に働いたと疑われるような出来事がいくつかある。例えば、京都でも特区を申請し、地元大学が学部を新設する計画があったが、内閣府が急きょ「近くに獣医学部がない地域に限る」との条件を加えたことで、断念に追い込まれた。結果として加計学園だけが申請した。
 官邸から指示があったのか、官僚が首相の意向を忖度(そんたく)して動いたのか。万一、政策が首相との個人的な関係で左右されたとすれば、国政への信頼が根底から揺らぐ。曖昧な幕引きは疑念を深めるだけである。


文科省の「総理の意向」調査 これで幕引きとはいかぬ
「初めに結論ありき」の調査で幕引きを図ろうとしても、結局疑念がくすぶるのではないか。
 学校法人「加計(かけ)学園」(岡山市)が国家戦略特区に獣医学部を新設する計画を巡り、松野博一文部科学相は「総理のご意向」などと書かれた文書の存在は確認できなかったと発表した。
 新学部設置に関係する高等教育局長や専門教育課長ら7人に聞き取りし、同課のパソコンにある共有フォルダーのデータを調べた。7人は「作成したことはない」「見た記憶はない」などと回答し、共有フォルダーにも残されていなかったという。
 聞き取り時間は10〜30分で、調査はわずか半日で終了した。
 松野文科相は文書の真偽について「文科省に捜査する能力はない」と明言を避けつつ、追加の調査は必要ないとの立場だ。
 毎日新聞の同省関係者への取材では「専門教育課がまとめたもの」とする証言も出ている。文書に名前が出てくる元衆院議員も「99%この通り」と話している。
 特区担当の内閣府と文科省のやりとりを示す今回の文書が作成されたのは、昨年9〜10月にかけてとされる。翌11月には政府が獣医学部の新設を決めている。
 そもそも安倍政権が作った内閣人事局のもとでは、官僚による「そんたく」が生まれやすいと指摘されてきた。同局が各府省幹部の人事権を握っているからだ。これでは、個々の官僚が政権に不都合な情報を提供するとは考えにくい。
 国家戦略特区は、2013年に安倍政権が創設した。首相が議長を務める諮問会議が認定する。特定地域に限り、省庁の規制を緩和して経済活性化を目指すものだ。
 原則として、首相、政府が選んだ有識者、特区を望む自治体などで会議を構成するため、認定に向けて話が進みやすくなる。他方で、意思決定に恣意(しい)的な要素が入らないとも限らない。
 今回のケースは、同学園の理事長が安倍晋三首相と友人関係にある。
 安倍政権の看板政策として特区構想を進めるのであれば、むしろ説得力のある調査を通して政策決定の透明性を証明することが、政権にとってもメリットになるのではないか。


加計学園に有利に加筆 獣医学部設置決定案に
 安倍晋三首相の友人が理事長を務める学校法人「加計(かけ)学園」(岡山市)が、系列大学の獣医学部を愛媛県今治市の国家戦略特区に新設する計画を巡り「総理の意向だ」などとする文書の存在が指摘される問題で、共産党の小池晃氏が二十二日の参院決算委員会で、新たに政府関係者から独自に入手したとする内部文書を公表。「加計学園ありきで特区の決定が行われたことは明らか」と追及した。
 小池氏が示した文書は、政府の国家戦略特区諮問会議(議長・安倍首相)が昨年十一月九日に「獣医学部設置の制度改正」を決めた決定文の原案に文部科学省が修正を求めたもの。
 文書で文科省は、獣医学部新設で「既存の大学・学部では対応が困難な獣医師養成の構想が具体化」など内容に条件を課す修正を求めた。修正理由には「(加計学園が計画する)今治市の構想が適切であることを示す」とも指摘した。だが、実際の決定文では要求は却下され、逆に原案の「獣医師系養成大学等の存在しない地域」との地域的条件に「広域的に」「限り」の二つの文言が挿入された。
 小池氏はこれにより、当時、獣医学部新設を希望しながら同じ関西圏に獣医学部がある京都産業大学の可能性を完全に排除し、獣医学部がない四国に計画する加計学園に事実上決定した、と指摘した。
 国家戦略特区を所管する山本幸三・地方創生担当相は文書の確認を避け「地域を限定することが適当だと私が判断した。加計学園ありきではない」と答えた。
 小池氏は文科省が作成したとする「今後のスケジュール(イメージ)」との資料も提示。昨年十月から来年四月の開学予定に至る政府内の大まかな段取りが記載され、赤字で「教員確保や施設設備等の準備が間に合わない可能性」と文科省が懸念する意見が添えられている。
 「官邸の最高レベルが言っている」などと内閣府が文科省に対応を求める日時や出席者が特定された文書を入手したとも説明した。


やっぱり加計学園ありき 共産党が入手した内部文書の中身
「籠池砲」ならぬ「共産砲」が炸裂だ。安倍首相の「腹心の友」、加計孝太郎氏が理事長を務める「加計学園」が、愛媛・今治市に新設する獣医学部をめぐり、文科省内の「総理のご意向」文書がスッパ抜かれた問題。
 官邸は同省内の“お手盛り調査”を理由に「文書は確認できなかった」と逃げ切る構えだが、そうは問屋が卸さない。22日の参院決算委で、共産党の小池晃書記局長は「政府関係者から直接、入手した」とする新たな内部資料を暴露し、あらためて徹底調査を要求した。
「裏付けは取っている」「怪文書ではない」──。質疑後に国会内で小池議員が自信タップリの様子で報道陣に示したのは、昨年9〜10月に文科省内で作成されたとみられる資料だ。昨年11月9日の国家戦略特区諮問会議で、議長の安倍が「獣医学部の設置を可能とするための関係制度の改正を直ちに行う」と決めた前にもかかわらず、〈今後のスケジュール(イメージ)〉には〈今治市分科会〉の予定が記載されてある。
 さらに、赤字で〈(加計学園以外に)競合があった場合、事業者選定にさらに時間がかかる見込み〉〈(2017年3月の設置認可申請では)教員確保や施設設備等の準備が間に合わない可能性〉などの懸案事項が書き込まれてあった。「加計ありき」で議論が進んでいた様子がうかがえる。
 決定的なのは、諮問会議の獣医学部設置原案に対し、文科省が内閣府に提示したとみられる修正内容だ。文科省側は〈既存の大学・学部では対応が困難な獣医師養成の構想が具体化し〉〈近年の獣医師の需要の動向も考慮しつつ、全国的見地から〉などと原案に挿入すべき文言を赤字で示し、〈修正理由〉として〈日本再興戦略改訂2015の趣旨〉を挙げつつ、〈今治市の構想が適切であること〉を示すよう求めていた。
「『日本再興戦略改訂2015』とは、国家戦略特区が新たに講じるべき施策で、その中には獣医学部新設を決める際に満たすべき条件も盛り込まれていた。既存の大学・学部では対応困難な場合や、近年の獣医師需要動向を考慮する――など4つあり、15年当時の石破茂・国家戦略特区担当大臣の名前から『石破4条件』と呼ばれています。文科省側は過去の政策との整合性を図るために修正案を提示したのでしょう」(文科省担当記者)
 要するに文科省側は加計の獣医学部は「石破4条件」を満たしておらず、それでも「加計ありき」で進めるなら、内閣府が「適切」であることを示せ、と注文を付けたのだ。
 ところが、内閣府側は「総理のご意向」を盾に、この修正案を無視しただけではない。設置地域についても、原文の〈獣医師系養成大学等のない地域〉という一文の最初と最後に「広域的に」「に限り」の文言を新たに潜り込ませた。当時は京都産業大も獣医学部設置を検討していたのだが、この2語が追加されたため、同じ関西地方の大阪府立大に“獣医学部”がある京産大は、設置を断念せざるを得なくなった。
「どう見ても加計学園ありきで進んでいたとしか思えない。国政の私物化であり、安倍首相の国会答弁は虚偽ではないか。(入手文書に名前のある)内閣府の藤原(地方創生推進事務局)審議官など関係者を国会招致し、集中審議を求めたい」(小池晃議員)
 日刊ゲンダイが内閣府に藤原審議官らの受け止めや対応を尋ねると、担当者はこう答えた。
「今のところ取材が数十件寄せられていまして……。(取材には)お答えしたいと思いますが、いつまでにということは申し上げられません」
 小池議員は会見で、直接入手した内部資料がまだあることを示唆していた。今後、第3、第4の「共産砲」が安倍政権を貫くのは間違いない。


朝日は言論テロ FB投稿に首相が「いいね!」のおぞましさ
 テロ対策を口実に共謀罪法案の成立をもくろむ政権のトップが、朝日新聞は“言論テロ組織”と認定したも同然だ。安倍首相が「朝日新聞の報道は言論テロ」との趣旨のフェイスブック(FB)投稿に、わざわざ「いいね!」と同意していた。
〈言論テロといっていいんじゃないか。およそ「報道」ではないし、狂ってる〉
 川崎市在住の40代男性が、自身のFBにそう書き込んだのは19日午前3時すぎ。きっかけは、マンガ家の須賀原洋行氏のツイートだ。〈朝日新聞の姿勢は気味が悪いの一言に尽きる〉などと、加計学園問題を巡る「総理のご意向」文書の記事への批判投稿をリンクし、自分のコメントを重ねたものだ。
 市井の人々が朝日の報道姿勢をどう思おうと勝手だが、一国の総理が数ある投稿から、自分を窮地に追い込む言論機関への批判投稿を見つけだし、「いいね!」と賛同するのは異常だ。しかも、この日は衆院法務委で共謀罪法案の採決を強行した当日。安倍首相本人がスマホ片手に「いいね!」を押して拡散したのなら、その光景を想像するだに不気味である。
「安倍首相は自分の立場や影響力を理解できないのでしょうか。時の政権にとって都合の悪い報道を『言論テロ』呼ばわりする投稿に対し、国のトップが支持する神経を疑います。今まさに共謀罪の恣意的運用が懸念されているのに、その懸念を国のトップが率先して増幅する。共謀罪の成立で危機に立つ『報道の自由』や『内心の自由』の重要性を考慮していないことを自ら告白したのと同じ。軽い冗談くらいに思っているのなら、空前絶後の驕慢です」(政治学者・五十嵐仁氏)
 今年3月の国会で、加計疑惑に「私が働きかけて決めているなら、責任を取る」と大見えを切った手前、安倍首相は朝日の追及に相当カリカリしているようで、周囲に「森友といい、加計といい、(朝日は)攻め方がワンパターンなんだよ」と当たり散らしているという。
 とはいえ、首相の「内心」を忖度して、いちいち気に障った報道機関をテロ組織に認定していたら、公安のお巡りさんも大変だ。むしろ、昭恵夫人も「男たちの悪巧み……?」とFBで認定した安倍首相と「腹心の友」との国政私物化の「共謀」の方を、しょっぴいたらどうか。


中曽根氏の覚悟と大違い 安倍改憲の耐えられない軽さ
 大勲位中曽根康弘・元首相の「白寿を祝う会」(5月15日)で挨拶に立った安倍晋三・首相はこう述べた。
「党是ともいうべき憲法改正について中曽根氏に大先輩として考え方を示していただいた。今後、国民的な議論が深まっていくことを大いに期待したい」
 中曽根氏といえば、海軍主計少佐で終戦を迎え、日本国憲法公布の翌年(1947年)の衆院議員初当選以来、70余年の間一貫して憲法改正を説いてきた保守政治家として知られる。安倍首相はその大先輩の足跡を継ぐと宣言したのである。
 だが、安倍首相の言葉に違和感を覚えていたのは傍らで黙って耳を傾けていた大勲位その人ではなかったか。2人の改憲論には思想的にも手法にも似て非なる大きな隔たりがあるからだ。
「われわれは、いわゆるマッカーサー憲法を改正しようとするのでもない。明治憲法を改正するのでもない。これはいずれも過去の所産であります」
 日本が米軍の占領から独立して3年後の1954年、中曽根氏は当時の吉田茂・首相に国会でそう新憲法制定の必要性を質問し、翌1955年に最初の『自主憲法のための改正要綱試案』を発表した。37歳の時である。その後、1961年には首相公選制や自衛軍創設を盛り込んだ前文と11章からなる『高度民主主義民定憲法草案』をまとめ、政界引退後の2005年には『憲法改正試案』とこれまでの生涯に3つの憲法改正私案を書き上げた。憲法への思索を深め、国家観、憲法観を世に問うてきた人物だ。
 それに対して、安倍首相は現憲法の前文を「いじましい。みっともない憲法ですよ、はっきり言って。それは、日本人が作ったんじゃないです。そこから変えていくっていうことが、私は大切だと思う」(2012年12月14日)と批判し、「GHQに押し付けられた憲法だから改正しなければならない」という押し付け憲法論に立つが、未だ自身の改正私案を国民に問うたことはない。
 安倍氏の改憲思想は祖父の岸信介氏の遺志を継いだものだ。「自主憲法制定」を掲げた岸氏は首相時代に内閣に憲法調査会を設置して議論を進めさせたものの、中曽根氏のように私案を発表することはついになかった。
 その岸氏が晩年、長く務めていた自主憲法期成議員同盟の会長職を中曽根氏に譲ると言ってきたとき、中曽根氏は固辞した。
〈従来のスタイルでの憲法改正には、納得できなかったのです〉
 自叙伝『自省録』(新潮社刊)の中で中曽根氏は理由をそう書いている。
◆土井たか子との大激論
 岸氏の思想を受け継ぐ安倍首相と中曽根氏の改憲論の最大の違いは、憲法を安全保障など「国家運営のツール」と捉えるか、より広い視野で国家の将来のあり方を考えるかという立脚点の違いにあるのではないか。
 中曽根氏の秘書だった島村宜伸・元農水相は「中曽根さんは総理になっても自分が納得するまで深夜寝ないで勉強し、思索に耽っていた。だから憲法学者と議論するときも様々な学説をあげ、学者より詳しいと感じるほどだった」と語る。
 そうした思索の一端を中曽根氏が本誌・週刊ポスト(2000年1月1日・17日合併号)で明らかにしたことがある。
〈憲法とは何かを考えていただきたい。一般的には、国家あるいは社会のフレーム、型枠をつくるものと考えておられるけれども、もっと大事な憲法の生命の中核は、歴史と伝統をともに携えて同じ言葉を話し、同じ文化を持ち、そして運命をともにしていこうとする民衆の、民族のつくる共同体です。(中略)だから、歴史と伝統を無視した憲法はあり得ないというのが私の考えです〉
〈ナショナリズムのうえにリージョナリズムがあり、EUなんか国家主権が相当制約されてきている。さらにグローバリズムと、来世紀(21世紀)は主権の相克が起きてくる。それをどの程度見越して調和した憲法にしていくかが重要です〉
“押し付け憲法論”一辺倒の安倍首相とは思想の厚みが違う。
 政治手法も対照的だ。中曽根氏は首相時代、「護憲派の闘士」として名を馳せていた土井たか子・社会党委員長と国会で正面から9条改正論争を戦わせた。
 ベテラン政治記者の松田喬和・毎日新聞特別顧問は「中曽根さんは憲法改正には国民の声の高まりが欠かせないという信念を持っていたから、決して議論から逃げなかった。土井さんとの論戦は実に見応えがあった」と振り返る。後に土井氏も、「この総理大臣には哲学があるなという思いでそれまでの認識を変えた」と語っている。その原点は国民の声なき声に耳を凝らしたことだ。
〈私がいかに憲法は不合理であるから改正すべきだといっても、聞く耳などもちませんでした。GHQから与えられたものとはいえ、この自由と平和を手放すまいという頑なな欲求に、占領終結直後、治める側にいた私は気付かなかった。そういう国民の切実さに理解がおよばなかったのです。もう戦争はこりごりだという国民の思いに理解を持った人間でなければ、民衆の協力を得て、改憲など出来るわけがありません〉(『自省録』)
 憲法改正発言の真意について国会で野党議員に質問されても、「読売新聞を熟読してほしい」と論議を拒否した安倍首相との姿勢の差が際立っている。


小倉氏、失言撤回しない大西議員に呆れ果て…「言い訳でゴリ押ししたいだけ」
 キャスターの小倉智昭氏が23日、フジテレビ系「とくダネ!」で、「がん患者は働くな」とヤジを飛ばし、その後「そういった主旨ではなかった」「発言は撤回しない」と話した大西英男議員に対し、「言い訳でゴリ押ししたいんでしょう」と呆れたようにコメントした。
 番組では冒頭から、大西議員の“暴言”について特集。大西議員は自身もがん経験者である三原じゅん子議員に対し、がん患者は「働くな!」などのヤジを飛ばしたことが問題視され、22日にはその釈明を行った。その中で発言については失言と認めたものの、撤回については「しない」と明言。その理由について「そういったがん患者の方々にはもっと健康な、受動喫煙のないところで働いて頂いた方がその方のためになる」と説明した。
 これを聞いた小倉氏は「もし本当にこういった趣旨で言ったんなら謝罪する必要はないんでしょ?」と疑問を提示。撤回しないとしたことについても「もう、撤回するのが嫌だから、言い訳でゴリ押ししたいということなんでしょう。そうとしか取れないですもん」と呆れ果てていた。
 小倉氏も昨年、初期の膀胱がんであることを公表し、現在も治療を続けている。


マクロン仏政権 ドイツ化なら茨の道に
 始動したマクロン仏大統領がまずなすべきは分断状態に陥った国家の修復である。経済の立て直しこそ急務だが、ドイツと同じ道を進もうとすればかえって亀裂を深めかねないことに留意すべきだ。
 フランスがフランスでなくなりはしないか、という根源的な問題なのである。
 古くはグローバル化の象徴、マクドナルドの店舗を力ずくで破壊した農民指導者が英雄視された。週三十五時間労働をかたくなに守り、「もっと働き、もっと稼ごう」と呼び掛けたサルコジ政権にノンを突き付けた。それがフランスらしさである。
 マクロン氏は親EU(欧州連合)を掲げグローバル化の中での強い経済を目指し、労働制度改革に意欲を燃やす。フランスらしさを捨ててまで経済を優先させるのか、はたして国民の反発を抑えて実現できるかが究極の課題である。
 そこでもし、マクロン氏がEUで独り勝ち状態のドイツをお手本とするなら茨(いばら)の道となるだろう。
 低成長と高失業に苦しむフランスの姿は、二〇〇〇年代前半まで「欧州の病人」とさえいわれたドイツと重なる。旧東独との統合による負担増が重くのしかかっていたドイツだが、ユーロ安の追い風で輸出が拡大、またシュレーダー政権の労働制度改革が奏功してV字回復する。「ドイツの奇跡」とたたえられたのである。
 しかし、独仏には決定的な違いがある。ドイツは伝統的に労使の協調路線が強みで、賃金の抑制や非正規雇用の拡大といった労働コストを抑える改革が比較的順調に実現した。
 対してフランスは労働組合の力があまりに強い。解雇規制が厳しいために、企業が若者の雇用に二の足を踏み、それが四人に一人という若年失業率の高止まりにつながっている。
 そもそもアングロサクソン系の投資銀行出身で新自由主義的な経済政策を掲げるマクロン氏への国民のアレルギーは根強い。
 大統領選で極右のルペン氏が伸長したのはグローバル化に「取り残された人々」の怒りや不満や不安だったはずだ。経済再生が勝ち組のエリート層に沿う政策なら分断はより深まる。
 メルケル独首相との初会談をそつなくこなし、首相の任命と組閣では左右両派の重鎮をうまく取り込んだ。「右でも左でもない」との看板に偽りはなく、ここまでは順調に来たが、本当の戦いはこれからなのである。


赤ちゃんポスト 子どもの命守るために
 育てられない子を匿名で預かる民間の慈恵病院(熊本市)の赤ちゃんポスト「こうのとりのゆりかご」が始まって十年。望まない妊娠などで追い詰められた女性と子どもの命を救う場をどう増やすか。
 「こうのとりのゆりかご」はドイツの病院で行われている事業にならい、育てられない赤ちゃんを匿名で預かる国内唯一の施設として二〇〇七年五月に開設された。
 市の発表によると、この十年間で百三十人が預けられ、大半は生後一カ月未満の新生児だ。預ける理由で多いのは、貧困や未婚、世間体の問題など。妊娠を知った後に父親である男性と連絡が取れなくなったなど、パートナーに問題がある場合も少なくない。
 母親の年齢は二十代が35%と最も多く、三十代が23%、十代も約12%と少なくない。苦境に立たされて妊婦検診も受けず、病院に行けないまま自宅出産したケースも多い。暴力が絡んだ妊娠もある。浮かんでくるのはだれにも助けを求められず孤立した姿である。
 一方で、命を守られずに亡くなっていく子どもがいる。厚生労働省がまとめている調査によると、生後二十四時間以内に虐待でなくなった乳児は二〇一四年度までの十二年間で計百十三人に上る。
 匿名で預かる事業には「安易な子育て放棄を助長する」などの批判もあるが、追い詰められた母親にとって、ゆりかごが、子どもの命を守るための緊急避難先になってきたのは動かせない事実だ。
 ゆりかごには、熊本だけでなく、九州各地や北海道や関東、関西からも新幹線などに乗って預けに来る人がいた。だが、生後まもない子どもを連れて長距離を移動するのは母子ともに危険が伴う。
 慈恵病院には年間六千五百件以上妊娠に関する電話相談が寄せられる。関西地区からの相談も多く、熊本の病院だけに任せきりにしていてはいけないと、神戸市内の助産院では妊娠出産で悩む人からの相談を二十四時間受け付ける窓口設置が進められている。
 国もようやく産科のある病院や、貧困やドメスティックバイオレンス(DV)被害者を支える団体などに専門家を置いて女性たちの支援を始めた。慈恵病院では児童相談所と協力して実親を調査したり、特別養子縁組制度につないだりもしている。
 子どもにとって最善の利益は何か。困難にある女性たちが将来を見通せるようになるために、支援はどうあるべきなのか、知恵を絞っていきたい。


がん患者巡るやじ 国会議員の資格はない
 がん患者の尊厳を否定する発言をする国会議員に、バッジを着ける資格はない。
 受動喫煙の防止策を非公開で議論した自民党厚生労働部会で、自民党の大西英男衆院議員が、たばこの煙に苦しむがん患者に関し「(がん患者は)働かなくていい」という趣旨のやじを飛ばしたと指摘され、本人が謝罪した。
 自民党部会では、飲食店について原則禁煙とする厚生労働省案と、表示をすれば喫煙を認める自民党案が示され、議論が紛糾した。
 子宮頸(けい)がんの経験者で厚労省案を支持する三原じゅん子参院議員が「働きながら治療するがん患者は店を選べない。命がけで喫煙の仕事場で働く苦しさを考えてほしい」と訴えた際、大西氏がやじを発したという。
 やじを受けた三原氏は「本当に残念。がん患者の働く場を奪うようなことを言ってはいけない」と述べた。
 厚労省は、仕事を続けているがん患者を32万5千人と推計している。職場への気兼ねなどから退職してしまう人も少なくない現状を踏まえ、改正がん対策基本法で、事業主に患者の雇用継続に配慮するように求めた。がんになっても治療を受けながら働けるよう、厚労省は昨年、企業向けガイドライン(指針)を初めて策定した。
 企業側には、通院予定や体調に合わせ勤務時間を調整したり、半日休暇や時差出勤を認めたりと柔軟な対応が求められる。中でも、屋内禁煙など職場の労働環境を整えなければならない。
 世界保健機関(WHO)のたばこ規制枠組み条約は、屋内の職場と公共空間を全面禁煙にすべきであると明示している。飲食店でのたばこ対策は、そこで働く従業員らの労働環境として考えなければいけないのである。
 大西氏の発言は国内法にも国際条約の趣旨にも反している。大西氏はこれまでに何度も問題発言をしている。
 2015年6月に党の勉強会で「マスコミを懲らしめるには広告料収入がなくなることが一番だ」などと報道機関に圧力をかける発言をし、党から厳重注意処分を受けた。昨年3月にも「みこさんのくせになんだ」と女性蔑視とも受け取られかねない発言で批判を浴び、謝罪した。
 そして今回の発言である。釈明で済まされるわけがない。


精神福祉法の改正 障害者の声に耳傾けよ
 相模原市の障害者施設殺傷事件を受けた精神保健福祉法の改正案が先週、参院本会議で自民、公明両党などの賛成多数で可決した。与党は衆院での議論を経て、今国会での成立を目指している。
 迷走を重ねた参院での審議は、この国で障害者がどれだけ軽んじられているかを如実に示したと言える。
 厚生労働省は当初、法改正の趣旨を「二度と同様の事件が発生しないよう法整備する」と説明。だが、精神障害者団体などから「精神科医療を治安維持の道具に使うべきではない」との批判が続出し、再発防止に関する文言を説明文書から削除するという異例の措置を取った。
 削ったはいいが、今度は何のための改正か分からない。法案の中身は措置入院患者の支援強化だが、実質は「監視」強化ではないか。「精神障害者は危険」との偏見が強まるのではないか。障害者の懸念を置き去りにして、与党は参院を通過させた。
 精神保健福祉法は、精神障害者の社会復帰促進や国民の精神保健の向上を図ることが目的。今回の法改正が、措置入院を含むあらゆる精神障害者が退院後も孤立せず暮らせる地域づくりに寄与するためならば、話は分かる。だが、そうは見えない。
 19人殺害の罪などで起訴された被告には措置入院歴があり、退院後に所在不明になり凶行に及んだことから、再発防止策として制度見直し論議が急ピッチで進んだ。法案は行政が医療機関と共に、措置入院患者ごとに「退院後支援計画」を策定することなどを盛り込んでいる。
 趣旨からその文言が削られたとはいえ、これほど重大な事件を、措置の見直しに矮小(わいしょう)化しようとする意図が透けて見える。なぜ事件は起きたのか。何のための法で、なぜ改正するのか。まずは障害者の声に耳を傾ける必要がある。
 事件が起きた背景にあるのは、貧しい障害者観だ。被告の「障害者はいなくなってしまえ」「障害者は不幸をつくることしかできない」との発言、さらには、被告の言動を称賛する書き込みがネット上で相次いだことが、どれほど障害者を悲しませたことか。
 貧しい障害者観の背景には貧しい障害者施策がある。長い隔離収容の歴史は、障害者と社会の間に深い分断を生んでしまった。
 分断を埋めるためには、障害者との地域共生を地道に進める必要がある。障害がある人とない人との接触が日常的になっていけば、「障害者は不幸をつくることしかできない」発言の虚妄を、実感することができるだろう。
 与党と厚労省は率先して、障害者の声に耳を傾けたらどうか。


憲法の岐路 首相の姿勢 なぜ国会で説明しない
 安倍晋三首相がラジオ番組の収録で、自民党の改憲案を年内にまとめる考えを明らかにした。
 憲法記念日に合わせ民間の改憲促進会合に自民党総裁として寄せたビデオメッセージを思い出す。内容は、▽東京五輪が開催される2020年の新憲法施行を目指す▽戦争放棄と戦力不保持を定めた9条の規定を残したまま、新たに自衛隊の存在を明記する―が柱だった。
 今度はラジオを通じて党内に改憲プロセスの加速を促し、国民にもアピールした形である。
 政治家が国会の外で国政についての考えを述べることは珍しくない。街頭演説で訴えている姿をよく見かける。
 ただ、首相による一連の発言には首をかしげる。国会が開会中で、しかも改憲項目を絞り込むための衆参の憲法審査会が審議を進めている最中だからだ。
 そんな中で首相が改憲案取りまとめの時期や20年施行、自衛隊明記を一方的に示すことは、改憲は国会が発議するとの憲法規定に照らしても疑問が残る。
 憲法記念日のメッセージに民進など野党は反発。先日開いた審査会では野党委員が発言の撤回を求めている。
 首相は国会では「この場には総理として立っている」との奇妙な理屈で説明を拒み、読売新聞のインタビュー記事を「熟読していただきたい」と述べた。国会軽視と野党が怒るのも無理はない。
 自民党でいま党憲法改正推進本部の体制見直しが進んでいる。改憲案をまとめる新しい組織を立ち上げる方向だ。
 党内論議は今後ますます首相主導になりそうだ。首相の復古的な情念を反映した改憲案にならないか、心配だ。
 ビデオメッセージについて首相は、総裁としての発言であり問題はないとの考えを示している。
 その言葉には同意できない。首相が改憲を主導する中では審査会の自民党委員の発言が縛られ、議論は硬直化する。
 首相がこの調子で旗を振り続けると、曲がりなりにも与野党合意の下にスタートした審査会の基盤は崩壊するだろう。行き着く先は、自民、公明、日本維新の会の「改憲勢力」による数の力での発議にならないか。
 憲法を巡る論議の展開に、国民はこれまで以上に注意深い目を注がなければならない。


国の第3期がん対策 患者の希望を支える取り組みを
 本年度から6年間の、国のがん対策の方向性を示す「第3期がん対策推進基本計画」が、来月にもまとまる。
 今年はがん対策基本法施行から10年の節目。この間、罹患(りかん)の若年化や医療費の高騰、長期化する治療と生活の両立への支援不足など新たな課題も生じた。次の計画では1、2期の計10年の進捗(しんちょく)状況も踏まえ、いまだ達成できていない全体目標「がんになっても安心して暮らせる社会の構築」に資する取り組みに注力してもらいたい。
 第3期計画案の対策の3本柱は「予防」「医療の充実」「がんとの共生」。中でも患者の就労支援やゲノム医療の推進、難治・希少がん対策の強化など、患者からの要望も強かった施策が掲げられた意義は大きい。
 他方、慎重な取り組みを求めたいのは、75歳以上の高齢患者への抗がん剤治療の指針作り。厚生労働省は、抗がん剤の延命効果や副作用などの実態を大規模調査し、投与しない方が延命や生活の質向上につながる場合は中止を提案するなど、適切な治療法の指針を作り、第3期計画にも盛り込むという。
 調査を通じ、科学的根拠のある判断基準を確立する重要性は論をまたない。しかし一口に75歳以上といっても個人差、体力差は大きい。年齢だけでの線引きは困難で、してはなるまい。加えて、高額な新薬の登場や高齢患者の急増を受け、医療保険財政への圧迫を減らしたい思惑も背景にあることは想像に難くない。医療費の抑制は重要課題ではあるが、「削減ありき」で議論が進むことを危惧する。
 NPO法人愛媛がんサポートおれんじの会の松本陽子理事長は「効果や副作用への患者家族の心配は大きく、十分に情報提供した上で、希望する治療を納得して選べることが大事」とする。指針や「費用対効果」を盾に選択肢を狭め、希望が切り捨てられることのないよう、患者に寄り添った配慮を求めたい。
 今や働くがん患者は約32万5千人。患者の就労支援は第2期計画から盛り込まれ、今春策定の政府の働き方改革実行計画でもうたわれている。にもかかわらず先日、自民党から看過できない発言が飛び出した。「(がん患者は)働かなくていいんだよ」―受動喫煙防止策を議論した党部会で大西英男衆院議員がやじを飛ばしたという。
 生きる励みのため、治療費や生活のために働きたいがん患者の「就労のみならず尊厳を否定しかねない」(全国がん患者団体連合会の抗議文)、信じ難い発言である。2人に1人が生涯で一度はがんにかかる時代、決して人ごとではない中「共生」の理念さえ理解しない与党議員に、強い憤りを禁じ得ない。
 こうした無理解、偏見を社会からなくしていくためにがん対策があり、国の計画がある。そのことを改めて肝に銘じ、がんに限らず病を得ても、誰もが支えられ、希望を持って暮らせる社会を一歩ずつ目指したい。


オスプレイ配備計画 「不信感」を受け止めよ
 自衛隊が導入する新型輸送機オスプレイを佐賀空港に配備する計画をめぐり、防衛省の若宮健嗣副大臣が、山口祥義佐賀県知事らと会談した。防衛省は自らの計画を実現させるために「不退転の決意」で進める構えだが、そこに県民と真摯(しんし)に向き合おうとする姿勢はあるだろうか。
 沖縄で起きた米軍オスプレイの大破事故について、若宮副大臣は搭乗員の練度不足や、風や乱気流に対する対応が十分ではなかった、などを挙げて「機体の安全性に問題はない」と結論づけた。
 本当だろうか。
 米軍がオスプレイを導入したのは2000年代の初めからであり、すでに十分な実績がある。だからこそ、自衛隊も機種選定に当たってオスプレイに決めたのではなかったか。今さら飛行日程の組み方が適切ではなく搭乗員の練度が足りなかった、などと説明されても納得しがたい。
 しかも、あの事故を防衛省は「墜落」ではなく「不時着」なのだと説明したが、機体はばらばらになり、回収された部品は4月末の時点で1万7千個にものぼる。それでもなお、不時着と言い張るのは無理がないか。事故を矮小化し、現実を直視する姿勢に欠けているのではないか。
 オスプレイの事故率についても、防衛省は10万飛行時間当たり「2・62件」と数字を上げて、海兵隊全体の事故率(2・63件)を下回っていると説明した。これだけ聞かされれば、あたかも安全性が確保されているかのように見えるが、直近の5年間に限れば、その事故率は3・44件に跳ね上がる。
 14年以降、ペルシャ湾、米ハワイ、カリフォルニアで深刻な事故が相次いでいるからだ。運用を重ねれば下がるはずの事故率がなぜ逆に上昇しているのか。機体の構造そのものに問題はないのか。その答えもないまま、事故率の数字だけ取り繕うようでは困る。
 これまでに防衛省は地権者向け説明会を県内4カ所で開いたが、いずれも「反対」の声が大半だった。これに対して防衛省側は「不退転の決意で進めている」と述べたが、強い違和感がある。
 佐賀空港をめぐっては、建設当時から自衛隊による基地化への懸念が強かった。その懸念を払しょくするため、空港を設置する佐賀県と、予定地の地権者である地元漁協が結んだ「公害防止協定」の覚書付属資料に、自衛隊と共用しない考えがはっきりと記されることになった経緯がある。
 受け入れるかどうかは、あくまでも地元に委ねられているはずだ。「不退転の決意」という言葉には、地元の意思を尊重するという姿勢がみじんも感じられない。
 同じ国策では、国営諫早湾干拓事業(長崎県)に関する国の対応も不誠実きわまりない。開門調査を命じる確定判決の実行を引き延ばした末、司法に解決を委ねたのかと思えば、一転して「開門しない」という。そこに漁業者に寄り添おうという姿勢はまったくない。防衛副大臣との会談で、知事や漁協代表が不信感を伝えたのも当然である。
 防衛省は強引に押し進めるのではなく、まずは真摯(しんし)に地元の不信に向き合い、信頼関係の構築から始めるべきではないか。(古賀史生)


神戸連続殺傷 加害男性の両親「生きている限り、償いを」
 神戸市で1997年に5人が殺傷された小学生連続殺傷事件で、土師(はせ)淳さん(当時11歳)殺害から20年となる24日を前に、加害男性(34)=当時14歳=の両親が弁護士を通じて毎日新聞などの書面取材に応じた。男性の詳しい生活状況は分からないといい、遺族に「生きている限り、被害者の冥福を祈りながら償いたい」と謝罪した。【茶谷亮】
 主なやり取りは次の通り。
−−事件から20年が経過する。振り返って思うことは。
 被害者・遺族の方々には大変申し訳なく思っています。年月が流れるにつれ、怒り・悲しみ・憎悪が増していると思っています。
−−現在、加害男性はどんな様子か。
 本人からはたまに連絡が入り、体調、眠れているか、食事を取れているかについては聞いています。用事がある時にはこちらから連絡することもありますが、どんな生活をしているか話してくれないので分かりません。本当のことを言っているのかも分かりません。心配をかけないようにしているのではないかとも思います。
 これから先、長く時間がかかると思いますが、少しずついろいろな話をしていきたい。本人自身が私たちに会いたいと思う気持ちになるまで、待ち続けたいと思います。
−−被害者・遺族に伝えたいことは。
 ただただ申し訳ないと思います。私たちは生きている限り、ご冥福を祈りながら償いをさせていただきたいと思っています。
−−男性は2015年、遺族に無断で手記を出版した。
 (遺族への連絡など)順序を間違えていると考えています。大変、心を傷つけてしまい申し訳ございません。まだ(男性から)何も聞けていないという思いがあり、何とか会って(手記を)出したことや事件の真相について聞きたい。それがかなえば、ご遺族にもお伝えしたいと考えています。ただ、少年院を退院してからの様子(男性は04年に医療少年院を仮退院)など一部が分かったとは思います。


日韓慰安婦合意に国連委員会が改善勧告 政府が抗議文書
政府は、国連の委員会が慰安婦問題をめぐる日韓合意に懸念を示し、韓国政府に改善を求める勧告を出したことについて、合意は国際社会から評価されていて、勧告の内容は日本政府として受け入れられないなどと抗議する文書を国連に提出しました。
韓国の人権状況を審査していた国連の「拷問禁止委員会」は先に、慰安婦問題をめぐる日韓合意を評価しながらも、補償や被害の回復が十分ではない懸念があるとして、韓国政府に対し国際条約にのっとった改善を合意に反映させるべきだと勧告しました。
これについて、野上官房副長官は記者会見で、ジュネーブの日本政府代表部から国連の人権高等弁務官事務所に対して、勧告を出したことに抗議するとともに、今月19日付けで日本の立場を説明する文書を提出したことを明らかにしました。
提出した文書では、「日韓両国間で合意し、国際社会からも評価される合意を、引き続き着実に実施することが重要だ」としたうえで、勧告の内容は日本政府として受け入れられないことや、日本政府に説明の機会を与えないまま勧告を出したことは公正さを欠き、不適切だとしています。


メッセージ
今から54年前の今日は不当な別件逮捕された日であり、それに合わせて県下各地から糾弾集会にご参集頂いた全ての皆さんに心から感謝の意を表せたらと、私石川一雄は重いペンを走らせていますが、仮出獄からもう23年が経過する現在に至っても冤罪を晴らせないまま支援者各位に多大なご心配、ご迷惑をおかけしていることを大変申し訳なく心苦しく思っております。
 元より、取調べ過程に於いてどの様な事情があったにせよ、「自白」したのは紛れもない事実であってみれば、苦境に立つのも自業自得なので、憤懣遣る方無い気持ちはさておき、冤罪を示す証拠の数多から沢山の人たちによる「・・・再審を行って下さい・・・」の当然の声にも応えないこれまでの裁判官の姿勢に対し、絶望感さえ覚えます。弁護団から提出された全ての新証拠によって、警察、検察当局が仕組んだ証拠の捏造、事件のストーリーのデッチアゲ、証言の捏造などの事実を暴露し、客観的事実を明らかにしているにも拘わらず、なかなか再審裁判を行おうとしない司法に対し、先が読めないだけに苛立ちを抑えることはできません。
 言及するまでもなく、確定判決に合理的疑いが生じていれば、直ちに事実調べを行うべきであり、それが無辜の救済、再審の理念だと思います。厳しい闘いの日々の中で、弁護団の粘り強い証拠開示の取り組みと全国の支援者から「証拠を隠すな」「証拠を開示せよ」の強い声に押され、検察官も渋々ながらもカバン、腕時計の捜査報告書、逮捕当日の上申書、初動捜査時の報告書、取調べ録音テープなどの開示に因って、増々私の無実が明らかにされてきたのです。
 取り分け下山鑑定、川窪鑑定は確定判決の認定を根底から揺るがし、しかもそれが科学的な鑑定だけに司法当局に大きな打撃を与え、逃げられないところまで追いつめていることは確かですが、油断は禁物です。何故なら以前の裁判で弁護団が脅迫状との筆跡の異なる点を指摘したところ、「・・・確かに筆跡は違うが、それは書く時の環境や、心理的状況によって違いが生じる・・・・」と筆跡が違うことを認めながら再審を拒否した例があるので、慎重に事に当たらねばならないことはいうまでもありません。とはいうものの、下山、川窪鑑定に対し、検察側は、2月8に開かれた31回目の三者協議で「反証、反論の方向で検討する。年度末までに目処を示す」といいながら昨年8月の下山鑑定提出から9カ月が過ぎた今も反論、反証は出されていません。意味のある反論は出せないのではないかと思われます。
 2006年5月23日、東京高裁に第3次再審請求を申し立ててすでに11年、裁判所には一日も早く証人尋問、再審開始決定の結論を出させるよう、厳しい姿勢で迫っていく所存です。
 大詰めを迎えています第3次再審闘争、今年が勝負の年と私自身も心に秘め、支援して頂く皆さんにも最後の持てる力を最大限に賜りたく心からお願い申し上げて、私のご挨拶といたします。
忍耐に極限あるも今将に最終段階躊躇許さず
2017年5月23日    石川 一雄 不当逮捕54カ年糾弾集会参加ご一同様

Wスタート終了/早く帰ったけれど/ワインはガマン

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Japon: Peach Aviation accepte le paiement en bitcoin
La compagnie aérienne japonaise à petits prix Peach Aviation (du groupe ANA Holdings) a annoncé lundi qu'elle allait accepter d'ici à la fin de l'année le paiement des réservations à bord de ses avions en monnaie virtuelle bitcoin. Il s'agit d'une première dans ce secteur au Japon. Peach Aviation, dont les billets sont moins chers que ceux des autres compagnies (notamment Japan Airlines et ANA), touche une clientèle plutot jeune dans l'archipel et a aussi des passagers d'autres nationalités asiatiques qui voient progresser dans leurs pays respectifs l'usage des bitcoin.
Au Japon également, depuis l'entrée en vigueur en avril d'une loi qui encadre le paiement de cette façon, augmente le nombre de commerçants et prestataires de services qui acceptent les bitcoin, effaçant la mauvaise image laissée par la faillite en 2014 de la plateforme d'échange dédiée MtGox qui oeuvrait depuis le Japon. Peach s'est alliée pour cela à la société Bitcoin Japan, filiale de l'entreprise cotée Remixpoint. Peach espère que des commerçants et organismes des diverses régions du Japon s'associeront à son initiative pour faciliter les transactions de touristes détenteurs de bitcoin au Japon. Peach Aviation, qui a commencé à offrir des vols il y a 5 ans, exploite actuellement une flotte de 18 appareils sur 12 lignes intérieures et 13 internationales (en Asie), avec quelque 90 vols quotidiens.
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【名医のTHE太鼓判4】麻倉未稀に乳がん判明…人間ドックビフォーアフターSP
芸能人が最先端の人間ドックで検診!最強医師団が余命宣告&3週間の生活改善後に再ドック!余命は何年延びるのか!?そして…歌手・麻倉未稀に乳がん判明…心境を告白
不調を訴える芸能人が、最新検査を駆使する超人間ドックを受診! ▼すると…芸能人に数々の病気が判明 ▼歌手・麻倉未稀に乳がん…現在の心境を告白。今後の治療は? ▼その他出演の芸能人9名には検診の結果をもとに、医師団が『余命』をズバリ宣告! 非情の余命宣告「6年」も…。 ▼さらに!3週間の生活改善を行い、再ドック! 人間ドックビフォーアフター…果たして、余命は何年延びるのか?
山瀬まみ 渡部 建(アンジャッシュ) 伊藤かずえ 内山信二 梅宮アンナ 黒田福美 児嶋一哉(アンジャッシュ) 田中健 布施博 藤本敏史(FUJIWARA) 原西孝幸(FUJIWARA) 宇内梨沙 (TBSアナウンサー) 消化器内科・大竹真一郎 内科・川村優希 精神科・古賀良彦 脳神経外科・菅原道仁 循環器科・高橋通 産婦人科・丸田佳奈 内科・森田豊

1番だけが知っている【魂震えた感動実話▼MC:坂上忍・森泉】
業界No1が魂震えた感動実話!袴田事件裁判官の叫び・死刑は間違いでした…全米感動!日本人少女奇跡の8秒…芦田愛菜が9歳で魂が震えた本…No1夜桜▽語り・高畑淳子
▽北村晴男弁護士だけが知っている魂震えるほど感動した正義の裁判官▽芦田愛菜が1番魂震えた本とは…▽桜を愛する梅沢富美男が感動した桜とは!?▽葉加瀬太郎が知っている天才バイオリニストが伝説になった瞬間とは!?日本人少女奇跡の8秒▽スクープカメラマン宮嶋茂樹が知っている伝説のスクープカメラマンは今!?▽人気マジシャン新子景視が1番魂震えた天才マジシャンとは!?▽語り・高畑淳子
坂上忍/森泉 <1番ゲスト>芦田愛菜/葉加瀬太郎/梅沢富美男//新子景視/北村晴男/中野信子/宮嶋茂樹 <パネラー>黒沢かずこ(森三中)/高橋茂雄(サバンナ)/中井美穂/堀田茜/峰竜太 〜50音順〜 <進行>伊東楓(TBSアナウンサー) <語り>高畑淳子
コーナー(1)日本で1番有名な弁護士・北村晴男だけが知っている、魂震えるほど感動した正義の裁判官とは!?感動実話に涙…
コーナー(2)芸能界のNo.1読書家・芦田愛菜が1番魂震えた本にスタジオ騒然!/芸能界で1番桜を愛する梅沢富美男が知っている絶景の桜とは!?
コーナー(3)1番政治家に嫌われたスクープカメラマン宮嶋茂樹だけが知っている、伝説のスクープカメラマン…こつ然と消えたそのカメラマンは今!?
コーナー(4)1番有名なバイオリニスト・葉加瀬太郎が知っている14歳の天才バイオリニストが伝説になった瞬間とは…ある奇跡に誰もが魂震える瞬間だった…
コーナー(5)1番人気の天才マジシャン・新子景視だけが知っている、魂震えるほど驚いた天才マジシャンとは!?新子景視が驚きのマジックをスタジオで披露!


Wスタートが終了しました.いろいろあったけれど次回に向けて反省点などを洗い出さないと・・・
というわけで早く帰ったけれど,いろいろすることがあります.パワーアップの準備などで結構忙しいです.
ワインはガマンしました.

被災地にヒツジ牧場完成 心の復興を後押し
 東日本大震災で被災した宮城県岩沼市玉浦地区の景観改善などを目的に、市が同地区で整備を進めてきたヒツジ牧場が21日、完成した。
 ヒツジ牧場は海から約200メートル内陸側にあり、面積は約3ヘクタール。牧場を中心に広場や農園などが広がる。市の委託を受けた市スマイルサポートセンター(公益財団法人青年海外協力協会)が昨年5月から市民らの協力を得て整備してきた。
 21日は関係者ら約30人が集まり、ヒツジ1匹の毛刈りを披露した後、最後に残った広場の多目的ステージに天板を敷設。全12匹がのんびりと草を食べるそばで焼きそばを食べるなどし、完成を祝った。
 センターの原田勝成総括主任は「被災者の中には震災後、心情的に海沿いに来ることができない人もいると聞いた。牧場完成をきっかけに足を運んでもらい、心の復興の支えになりたい」と話した。


災害時の広域火葬計画 宮城県が策定
 宮城県は大規模災害時に被災地周辺の市町村や県外の火葬場を活用する「県広域火葬計画」を策定した。東日本大震災では、市町村や広域事務組合が運営する火葬場の能力を超える死者が発生し、一部は土葬を余儀なくされた。県と市町村、火葬業者による情報共有体制を強化し、災害時の円滑な広域火葬に備える。
 震災当時、県内の火葬場は施設の大規模損壊や燃料不足、停電の影響で稼働能力が大幅に低下した。連日の遺体収容に対応しきれず、2559体の遺体が山形や東京など県外9都道県で火葬された。
 石巻や東松島など沿岸6市町は、2108体を寺院やグラウンドに一時的に土葬。2011年11月19日までに順次掘り起こし、火葬による「改葬」を行った。
 教訓を踏まえ、計画で被災地の火葬場の処理能力を超える死者が出た場合の対応をまとめた。県が調整役を担い、県内の他市町村や県外7道県に広域火葬を要請する手順を明記した。
 県内には27施設の火葬場があり、火葬能力は1日最大で248体。災害時の病死や自然死も広域火葬の対象に含め、緊急事態時には一時的な土葬も容認することを盛り込んだ。
 計画は阪神大震災後の1997年、国が全国の都道府県に策定を促したが、ほとんど整備が進まなかった。11年の東日本大震災を受け、国が15年度に再度、策定を指示した。
 県は市町村と火葬業者に計画の順守を通知した。県食と暮らしの安全推進課は「土葬ではなく、一日も早く荼毘(だび)に服したいと願うのが遺族感情。日頃から関係者が連絡を密にし、訓練などを通じて非常時に備えることが重要だ」と話す。


<汚染廃>焼却方針に住民反応さまざま
 東京電力福島第1原発事故で生じた国の基準(1キログラム当たり8000ベクレル)以下の汚染廃棄物に対する大崎市の処理方針を巡り、地域によってさまざまな反応が出ている。宮城県北の周辺自治体が焼却に消極的な中で市は「焼却(混焼)処理がベースで、すき込みなどは補完的措置」(伊藤康志市長)との構えを取るからだ。廃棄物の保管地や焼却施設、最終処分場の周辺で声を拾った。(大崎総局・大場隆由、加美支局・佐藤理史)
◆保管地
 汚染廃棄物の保管量が多い鳴子地区。400ベクレル以下の汚染牧草を、土壌すき込みで減容化する実験を行うため4月に行われた住民説明会では、早期処理を求める声が相次いだ。
 実験は汚染牧草約5.5トンを対象に近く始まる。焼却処理に反対する市民団体は「汚染の拡散につながる」とすき込みにも反対する一方で、説明会に出た住民からは「処理方法にはこだわっていない。とにかく早期に片付けてほしいだけ」という声が上がる。
 市内にある国の基準以下の汚染廃棄物は古川、鳴子両地区を中心に6079トンあり、県内では加美町(7543トン)に次いで2番目に多い。
 伊藤市長は「市内の保管量は多い。スピードを持って処理するには焼却がベースになる」という姿勢を貫く。焼却先は、古川・桜ノ目地区などにある大崎地域広域行政事務組合(管理者・伊藤市長)のごみ焼却場になる。
◆焼却施設
 焼却場がある古川・桜ノ目地区では「不安で燃やしてほしくない」(子育て中の女性)という声の一方で、「どこかが処理しなければ無くならない。厳重な環境監視下で、協力することも必要ではないか」(60代の男性)との意見もある。
 桜ノ目地区の住民らでつくる協議会は今月、焼却場周辺での公園設置や道路整備などの振興策をまとめ、市と組合に提出。市は一部を予算化した。
 振興策の要請は現在地での新焼却場建設を念頭にしたもので、協議会は「振興策と汚染廃棄物の焼却処理の受け入れは切り離して考えている」とするが、こうした動きを「焼却処理受け入れのための条件」と勘ぐる人もいる。
 地元行政区の関係者は「振興策はこれまで何もされてこなかったから求めたもので、汚染廃棄物の問題とは別。汚染廃棄物焼却に不安がる住民もいて、すんなり受け入れられるとは思えない。住民の声をよく聞いてほしい」と市や組合の対応を注視する。
◆最終処分場
 焼却処理後の焼却灰が入る同組合の最終処分場がある三本木地区。焼却灰も基準以下になるよう汚染廃棄物を一般ごみに混ぜる量を調整するが、焼却灰受け入れに抵抗感を示す住民も少なくない。
 最終処分場近くに住む60代男性は「放射性物質濃度が高い焼却灰を長期間抱えることになる。浸出水が汚染されないか心配で焼却処理はやめてほしい」と憂う。


全国からファン マンホール紹介カード 東松島
 宮城県東松島市は本年度、下水道のマンホールのふたを紹介する「マンホールカード」の無料配布を始めた。下水道への理解を深めてもらうための広報の一環。市のキャラクター「イートくん」と「イ〜ナちゃん」が表面に描かれた親しみやすいデザイン。全国からカードのファンらが市内を訪れ、好評を得ている。
 カードは縦8.8センチ、横6.3センチ。表にはふたの写真や設置場所の緯度と経度が、裏にはデザインの由来などが記されている。
 市は2000枚を制作した。原則として窓口に足を運んだ希望者1人につき1枚を渡す。窓口は市鳴瀬庁舎にある下水道課、JR野蒜駅近くの奥松島観光物産交流センターの2カ所。
 16日現在、窓口で270人がカードを受け取った。東松島市の住民に限らず、仙台市や石巻市など県内各地のほか、山形県、埼玉県など18都道県からも訪れている。
 カードのふたの実物は野蒜駅近くにある。市の担当者は「下水道には『汚い』とあまりいいイメージがないかもしれないが、カードを通じて下水道への関心を深めてほしい。観光振興や地域活性化にもつながればいい」と期待する。
 マンホールカードは国土交通省や自治体、民間企業でつくる下水道事業の広報団体が企画。昨年4月に発行が始まり、地域色豊かな全国約150自治体の170種類が作られた。県内では昨年12月に涌谷町が配布し、東松島市が2番目。連絡先は市下水道課0225(82)1111。


<山形大>ケミラボ16年目 理科離れに一役
 山形大工学部の教員有志が小学生を対象に、米沢市で定期開催している実験教室「モバイルキッズ・ケミラボ」が16年目を迎え、かつて受講した子どもや保護者が指導役になるなど広がりを見せている。子どもたちの理科離れを食い止めようと始めた試みが地元に定着しつつある。
 20日に開かれた本年度最初のケミラボには、小学4〜6年生計42人が父母らと参加。講師の波多野豊平准教授(有機化学)と矢野成和助教(生物化学)の指導を受け、鉛筆で発電する実験などに取り組んだ。
 開設当初から関わっているケミラボ代表の木島龍朗准教授(有機化学)は「身近な素材で『すごい』『なぜ?』『面白い』と興味を持ってもらいたい。原理原則は教えない。あくまで科学の入り口を紹介するのが目的」と話す。
 教員有志が米沢市教委と連携してスタートしたケミラボは年12回開かれ、15年間で延べ1500人超の小学生が参加した。
 20日のケミラボにスタッフとして参加した工学部4年の星野文香さん(22)も小学生の時に受講した一人。「ケミラボは私の原点。将来は研究職を目指している」と言う。
 ケミラボはほかに、かつての受講生と保護者らを対象に講師を養成するリーダーコースも開設。これまでに約150人が受講した。
 受講生は生涯学習フェスティバルなどで行われるケミラボの出前実験で、子どもたちに科学の面白さを伝える役目を担う。市内の高校で、ケミラボのサポーター養成講座が理数科授業に組み込まれたこともある。
 山形大工学部は有機ELなどの最先端研究で知られる。木島准教授は「ケミラボ経験者が後に研究者となり、工学部を支える存在になるといい」と期待する。


“みなし仮設”心の問題に課題
いわゆる「みなし仮設」で暮らす人のうち抑うつ症状などで強い心理的苦痛を感じている人の割合は5.9%に上り一般的な人の平均を上回っていることが県の調査でわかりました。
「みなし仮設」は被災者に代わって自治体が民間住宅の家賃を負担する仮設住宅でプレハブの仮設住宅と異なり自治会や集会所がなく支援が届きにくいと指摘されています。
このため宮城県は毎年、みなし仮設の入居者を対象に健康調査を行っていてことしはおよそ2500世帯が回答しました。
それによりますと不安や抑うつ症状などで「支援が必要な程度の強い心理的苦痛を感じている」と判定された人は5.9%に上り一般的な人の全国平均を1.5ポイント上回りました。
年齢や男女別では、80歳以上の女性が8.2%と最も高く30代の男性も7%と働く世代でも心の問題が課題となっています。
また「震災を思い出して動揺する」と答えた人の割合も去年とほぼ同じ15.5%に上り震災から6年が過ぎても被災者の心に深刻な影響を与えている実態が浮き彫りになっています。
県健康推進課の岡本咲子課長は「みなし仮設の入居者は減少しているが支援を必要としている被災者は少なくない。健康相談や見守りなど必要な支援を続けたい」と話していました。


高校生18人死傷事故から12年
多賀城市で飲酒運転の車が高校生の列に突っ込み18人が死傷した事故から22日で12年となるのにあわせて、警察が、発生時刻の午前4時すぎから、現場周辺で飲酒運転の取り締まりを行いました。
12年前の5月22日、多賀城市の国道でウォークラリーをしていた仙台育英高校の生徒の列に飲酒運転の乗用車が突っ込み、3人が死亡、15人が重軽傷を負いました。
警察は、毎年、事故が発生した午前4時14分にあわせて飲酒運転の取り締まりを行っていて、22日朝も、現場の国道45号線に検問を設け、走ってきた車を一台一台止めて、運転手の息を調べるなどしていました。
警察によりますと1時間半の取り締まりで、1件の飲酒運転が摘発されたということです。
また、22日は、現場に、仙台育英高校の準備した献花台が設けられ、教職員や生徒などが線香を手向けたり、手を合わせたりする姿が見られました。
部活動の途中に立ち寄った仙台育英高校3年の男子生徒は、「自分たちと同じ年代の人が、身近な場所で事故にあったということで、誰でも事故にあう危険性があると感じている。事故を風化させないようにしていきたい」と話していました。
県は、22日を「飲酒運転根絶の日」と定めていて、午後には白石市で県民大会が開かれ、飲酒運転で家族を亡くした遺族による講演などが行われます。


自民憲法本部の体制刷新 首相の政略ばかり目立つ
 安倍晋三首相(自民党総裁)の指示を受けて、自民党が党憲法改正推進本部の体制刷新に動き出した。
 幹事長や政調会長ら党四役も推進本部の役員に加わり、年内の改憲案作りを目指して作業を急ぐという。
 そこから浮かぶのは、人事権を行使してでも党内の憲法観を一色に染め上げようとする首相の意図だ。
 党憲法改正推進本部は、衆参両院の憲法審査会で幹事などを務める議員が主要メンバーになってきた。船田元氏や中谷元氏らである。
 「憲法族」と呼ばれる彼らは、前身である憲法調査会以来の伝統で与野党の協調を旨としてきた。
 ところが、安倍首相が党内論議を飛び越して「憲法9条への自衛隊明文化」や「2020年までの施行」を提起したため、推進本部の幹部らからは「熟議を積み重ねるべきだ」といった不満がくすぶっていた。
 したがって、今回の体制刷新は、「挙党態勢作り」を名目にした憲法族の封じ込めと見るべきだろう。
 この手法は、集団的自衛権行使をめぐる憲法解釈の全面変更に際し、首相が内閣法制局長官の首をすげ替えた一件を思い起こさせる。
 しかも、憲法族の封じ込めは、自民党が与野党協調路線から一方的に離脱することを意味する。
 首相が連携相手として意識しているのは、「加憲」を模索してきた公明党と、教育無償化を改憲の柱とする日本維新の会だけだ。議論は自公維3党で十分ということだろう。
 首相としては、せっかく衆参両院で改憲に前向きな勢力が3分の2以上を占めているのに、野党にひきずられて改憲項目の絞り込みが進まないと「宝の持ち腐れ」になると考えているのかもしれない。
 党内のまとまりに欠ける民進党にはもちろん問題がある。しかし、2大政党制が前提の小選挙区制を採用していながら、野党第1党を最初から度外視するかのような姿勢は、憲法の平穏な運用を妨げる。
 すでに首相に近い議員からは、9条改正を来年の自民党総裁選や次期衆院選に絡める声が出ている。憲法を首相の政略に利用する発想だ。
 自分の思いを遂げることにのみ熱心なようだと、憲法は決して定着しない。長期政権のリーダーにふさわしい賢慮を、首相に求める。


原発再稼動阻止の防波堤役 新潟県知事・米山隆一氏を直撃
「新潟県は国とは別に安全を検証させていただきます」
 昨年10月の新潟県知事選から7カ月。「柏崎刈羽原発」の再稼働に慎重だった泉田裕彦前知事の路線を引き継いだ米山隆一氏は、どこかの知事とは違って、その姿勢に揺らぎがない。東京電力トップとの初面談で「(原発再稼働の議論開始の前提条件である)福島原発事故の検証に数年間はかかる」と明言。県独自での検証を強化するため、4000万円の新年度予算も議会の承認を得た。再稼働を阻む“防波堤役”としての存在感がますます高まっている。
■国が責任を持つから事故が起こらないわけではない
――知事に就任して7カ月。この間、世耕弘成経産大臣や東京電力のトップと会って「福島原発事故の検証には3年から4年かかる」と明言。柏崎刈羽原発の再稼働は、今後数年は困難となりました。嫌がらせや圧力はありませんか。
 ないです。県民の民意に沿った正論を言っているので、陳情に行って面会を拒否されたこともない。県の予算が決まると同時に国直轄の予算が決まるのですが、人口相当の予算規模で減ることはありませんでした。
――全国的には原発再稼働は加速しています。九州電力の玄海原発の再稼働に対して周辺自治体の首長が「避難計画が不十分ではないか」と反対の声を上げたにもかかわらず、佐賀県の山口祥義知事は4月24日、「国が責任を持つ」という言葉を根拠にして再稼働に同意しました。どう思われたでしょうか。
(国が)責任を持つということと(原発事故が)起こらないということは全く別です。国が責任を持つからといって、原発事故が起こらないわけでも、(原発事故時に住民がきちんと)避難できるわけでもない。安全であるかどうかは、新潟県は(国とは)別個で検証させていただきますし、避難計画に関しても「安全だ」というところまで作り込ませていただきますということに尽きます。避難計画は具体的でないとダメです。訓練をすることで実行できる体制になっていくかどうかも検証していきます。計画を立て試行し問題点を明らかにし、それを計画にフィードバックしていくためには時間がかかります。
――原発事故時の避難計画に関しては、選挙中から「バスの運転手の確保ができないのではないか」と訴えていました。この問題は労働関連の法整備が必要だと思いますが、放射能被曝のリスクがある業務に就く人への業務命令をどうするのか、健康被害が出た場合の対応など、国や政党や全国知事会で問題提起されるのでしょうか。
 まさに法整備について問題提起をすることになると思います。ただ単にその問題だけを言っても説得力が足りないと思いますので、(原発事故時の住民避難用バスの運転手確保が困難という)アンケートももちろん避難計画にも反映します。そうすると「この状況では最大何万人しか運べません」「何万人の方々がこのくらいの被曝をする恐れがあります」ということが明らかになる。その上で、「法的な対応をお願いします」と国にも政党にも働きかけ、全国知事会でも働きかけたいと思っています。
 柏崎刈羽原発の立地場所は地震の揺れが大きくなる軟弱地盤。しかも米山知事は福島原発事故の原因として「地震説」を排除しておらず(東電や経産省は「津波説」を主張)、新潟県が東電のさらなるデータ提示で検証を進めた結果、「地震説が有力」との結論になることも十分考えられる。その場合、津波説が前提の今の対策では不十分で、新たな配管補強などで莫大な費用が必要になり、再稼働は極めて困難となる可能性が高まる。
――福島原発事故原因の検証を進める中で、いまだに地震説か津波説かで見解が割れています。今の時点で、感触はどうなのでしょうか。
(どちらの説が有力かの)その感触はなくもないのですが、「専門知識を有する人が答えを出す」というのが正しいと思います。専門家の事実認定を尊重した上で、そこから先の価値判断を政治家がやるべきだと思っています。3、4年の福島原発事故の検証の中で結論が出ると思います。
――東電は「検証に協力する」と明言していますが、以前に比べてデータを積極的に出してきた実感はお持ちでしょうか。
 今のところはありません。いま話題になっている「地層の問題」(柏崎刈羽原発の敷地内外の断層が活断層と見なされる可能性のある問題)などはきちんと情報を出していただく必要があります。
 泉田県政継承を訴えて当選した米山知事は、原発テロ対策の不十分さについての危機感も共有。霞が関官僚が書いたベストセラー小説「原発ホワイトアウト」(2013年9月出版)は、泉田裕彦前知事がモデルの伊豆田清彦知事が原子力ムラの画策で逮捕された直後、原発テロが起きてメルトダウンに至る結末。泉田氏は「リアリティーがある。日本の原発テロ対策が不十分」と警告していた。
■テロ対策は市民生活とのバランスが大事
――泉田前知事は「原発テロ対策が不十分だ。テロゲリラがマシンガンで襲ってきたときに警察で対応できるのか。自衛隊との連携が不十分ではないか」と言っていたのですが、泉田前知事の考えと現状については?
 事実としてはおっしゃるとおりだと思います。私も柏崎刈羽原発に行ってきましたが、相当程度の方々(テロリスト)が突っ込んできたら、どうにもならないと思います。原発は、襲われていろいろなことがテロリストの思いどおりになった場合に、極めて大きなリスクを出す機関ですから、非常にその対策というのは必要なのだと思います。(テロ対策のために)鉄壁の守りみたいなものをしていくと、警察国家になってしまうと言いますか、市民生活とのバランスが大事なので、いろいろなバランスの中で決めていくことなのかと思います。
――原発テロ対策強化を十分にしないまま、安倍晋三首相は「テロ防止には共謀罪が必要で、五輪開催には不可欠だ」と言っているのですが、泉田前知事を含めて「共謀罪がテロ対策に必要」といった話を聞いたことがありますか。
 特段、泉田さんから聞いたことはありません。「テロ抑止に対して有効かどうか」というよりも、むしろ自由主義社会における言論の自由、思想の自由、行動の自由は尊重されるべきではないかという文脈で、語られるべきだと思います。
――元検事の若狭勝衆院議員(自民党)は、いわゆる共謀罪について「今の政府案だと断固反対だ。今の共謀罪は効果が乏しい。やるのなら、テロに特化した、テロ未然防止法を作るべきだ」と言っているのですが。
 個人的意見としては、まず共謀罪という形で(対象の範囲を)漠然としておいて、その対象を決めていくということは、自由社会における市民の自由を過度に制限する可能性は高いと思いますので、そこはよくよく考えるべきだと思います。
――「原発が動いていなくても、使用済み核燃料プールがテロの対象になるリスクを抱えている。(空冷式の)乾式貯蔵に変えることもテロのリスクを減らすことになる」と専門家から聞きましたが、これも政府は未着手です。
 乾式貯蔵の方がいろいろな意味でテロに限らず、災害対策に関しても望ましいのは間違いない。明らかにリスクは低い。(国にも)「乾式貯蔵の方が望ましい」という話はしたいと思います。
――鹿児島県では川内原発が稼働していますが、バスの運転手が本当に確保できているのか疑問です。三反園訓・鹿児島県知事との意見交換や他の原発立地自治体の首長との連携については、どうお考えでしょうか?
 自然にできていくと思います。全国知事会などで自然に意見交換がなされると思いますので。
――米山知事が「『避難計画が不十分だから原発再稼働はできない』と突っぱねることができる」とノウハウや知識や経験を伝えれば、三反園知事もまた、脱原発を望む県民の期待に応えるようになるのではないか。
 もちろん三反園知事が「一緒にやりましょう」と言えば、一緒にやりますし、そこは三反園知事のご判断で決めればいいのかなと思っています。(聞き手=ジャーナリスト・横田一)
▽よねやま・りゅういち 1967年、新潟県湯之谷村(現・魚沼市)生まれ。新潟大教育学部付属長岡中を卒業後、灘高校を経て東大理科3類(医学部)に入学。東大大学院を経て司法試験にも合格。医師と弁護士の活動を続ける一方、国政選挙で4度落選。新潟5区の民進党候補者だった去年10月に離党、新潟県知事選に立候補して初当選。趣味は散歩。特技はバク宙。実家は肉屋。


核のごみ最終処分地 「原発ありき」では理解されない
 政府は、原発の高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分で、地下深くに処分できる可能性がある地域を地図上に示す「科学的特性マップ」の基準をまとめ、先週から全国各地で市民や自治体向けの説明会を始めた。今夏にもマップを提示するとされる。
 もともとの名称は「科学的有望マップ」。2016年内の提示を目指していた。しかし「有望」や「適性」の文言を巡り、受け入れ強制を警戒する自治体から「処分場の候補地に決まった印象がある」との反発を招いたため、「好ましい特性が確認できる可能性が相対的に高い」や「特性」に言い換えてぼかした。しかし言葉だけをいじったところで核のごみの危険性への不安は全く解消されない。まずは政府が原発推進の国策を転換し、これ以上核のごみを増やさない姿勢を示すことが交渉の前提であるべきだ。
 既に使用済み核燃料は全国の原発の敷地内などに約1万7千トンが積み上がっている。数万年も人体に有害な強い放射線を出し続ける核のごみを、地下300メートルより深い岩盤に埋める地層処分への国民の懸念は強い。しかも東京電力福島第1原発事故で、政府の信頼は根底から失われており、事故の収束のめども立っていない。「脱原発」を打ち出さないまま、増え続ける廃棄物の受け入れを一方的に迫っても、理解が得られるはずはあるまい。
 そもそも原発の利用を始めた半世紀前から、最終処分地の確保の必要性は分かっていたはずだ。先送りしてきた責任を明確化することなく、国策の矛盾、失敗をどこかの一地域に押し付けることは到底許されない。
 政府が示す「適性」の基準も疑わしい。活断層の近くは「好ましくない」と分類するというが、全国には2千の活断層があり、昨年の熊本地震では未知の活断層の存在も明らかになっている。万が一、放射性物質が漏れると、豊富な地下水とともに地表に流れ出て拡散する可能性は否めない。日本中のいたるところに潜在的なリスクが存在するといえよう。
 候補地選定を巡っては、電力会社でつくる原子力発電環境整備機構(NUMO)が02年、受け入れ可能な自治体の公募を開始した。だが手を挙げたのは高知県東洋町だけで、それも後に住民の反対で撤回した経緯がある。15年に政府が前面に立って候補地を選ぶ方式に切り替えたが、行き詰まった問題の解決は困難な状況に変わりはない。
 だが、政府は今もこうした分かりきった数々の問題を放置したまま、原発回帰を急ぎ、新規制基準の下、再稼働を進めている。原発を動かせば、必ずごみは出続ける。再稼働に反対する多くの国民の声に耳を傾けず、「原発ありき」の姿勢では受け入れられるわけはない。脱原発へかじを切ることこそが、候補地選定に欠かせないプロセスだと肝に銘じる必要がある。


大学の軍事研究 一線を画す姿勢 支援を
 防衛省が大学などに研究費を助成する「安全保障技術研究推進制度」について、北見工大は学内の応募を認めないことを決めた。
 室蘭工大も同様の方針で、帯広畜産大も、少なくとも本年度は認めないことにした。
 この制度に対しては日本学術会議が、学問の自由への介入が著しく、科学技術が軍事に転用されかねないと、問題点を厳しく指摘している。
 各大学の姿勢はこうした流れを受け、軍事研究と明確に一線を画す決意を示したと言えよう。
 ただ、国から国立大への運営交付金は年々削減され、研究費調達は死活問題だ。大学と地元企業などとの共同研究や市民からの積極的な寄付で、こうした大学を支援する機運を高めていきたい。
 大学が軍事研究と距離を置いてきた背景には、科学者が戦争に加担した過去の反省がある。
 民生が目的の技術も結果的に軍事に利用される恐れがあるため、学術会議は1950年と67年に軍事研究を行わない声明を発表し、歯止めとしてきた。
 だが、深刻な研究費不足を背景に軍学接近は急速に進んでいる。
 防衛省の研究費助成は本年度、6億円から110億円に増額された。米軍からもこの10年で約9億円が大学などに提供されている。
 学術会議は今年3月、軍事研究に否定的な新声明を改めて発表した。学術研究の政治的独立を確保し、科学者が安易に同制度に頼らないようにする狙いだ。
 声明の趣旨を支持し、軍事関連資金の排除を決めた3大学の姿勢は、高く評価されていい。
 一方で、研究費の確保も図らねばならない。まずは国が運営交付金を充実させる必要がある。
 加えて、地元企業などとの連携を進め、民生分野での共同研究を通して大学に流れる資金を増やすことはできないか。
 軍事研究と一線を画す大学への積極的な支援を期待したい。地元の産業振興にもつながろう。道外では、ふるさと納税の使途に大学支援を掲げる自治体もある。
 大学自らの努力も欠かせない。
 北大は防衛省の制度について明確な姿勢を示しておらず、実際に採択された研究も1件あるが、学内からはインターネットで自らの研究を紹介し、寄付を募り始めた研究者も出てきた。
 一般的な寄付の呼び掛けやクラウドファンディングの活用など、工夫の余地はあるはずだ。大学は自主財源の確保に努めてほしい。


新大学入試 公平性確保は大丈夫か
 2020年度にセンター試験を共通テスト(仮称)へと改める大学入試改革。文部科学省は検討状況を公表した。
 国語や数学で導入する記述式の問題例が示され関心を集めている。設問については、「考える力を問う内容」と現場から評価が聞かれる。
 一方、懸念されているのが、「話す」技能を含めて評価するため、民間検定試験に移行する英語だ。首都圏と地方の間で受験機会の格差が生じる不安があるようだ。
 公平性確保をいかに図っていくか。文科省は意見公募を経て6月中に共通テストの実施方針を作成する。特に地方の声に耳を傾け、内容を詰めてもらいたい。
 盛岡市内の公立進学校の校長は「要するに、暗記型を改め考える力を問うということで、それは悪いことではない」と評価。進路指導担当の教師は「大学の2次試験は変わってきており、その延長線上にある」と分析する。
 気がかりなのはやはり英語だ。民間試験活用について「普段の高校現場の英語とズレが生じるなら、この対策を重視することの影響も出てくる」という。
 民間試験は4〜12月に2回まで受験可能。対象となり得る主な候補には10種類挙げられ、ビジネス用、留学用などがある。どれを選択するかも思案することになろう。
 本番に向けた、例えば2年生までの「試し受験」を経験する動きも出そうだ。ただ、受験できる試験の種類や会場は、大都市など人口集積地に多い。1回の検定料も3千円台から高いものは約2万5千円必要だ。本番や準備での格差が懸念される。
 民間試験については「20年度全面移行案」と「23年度まで共通テストと併存した後の24年度全面移行案」の両案が示されているが、いずれにしても慎重に検討してほしい。
 入試改革はアドミッション・オフィス(AO)や推薦での学力評価強化も掲げ、民間試験の活用などを促す。
 県内のベテラン教師は「他の教科の準備なども踏まえると、英語の民間試験は早めに1回目の受験をしておく必要がある。その場合、3年生が参加する部活動や行事が大幅に制限されかねない」と学校生活への影響も懸念する。
 国語などの記述式は、採点の公平性をどう図るかがポイントになろう。民間業者が担うが、何十万人という規模の受験に対応する人手確保も必要になる。受験生の自己採点にも影響を与えそうだ。
 新テストは現在の中学3年生の大学受験時から始まる。初めてのケースに戸惑いも出るだろう。また、現高校生も場合によっては直面することになる。文科省には十分な準備と情報提供が望まれる。


大学新テスト 公平性の担保が不可欠だ
 今の大学入試センター試験に代わる新テスト「大学入試共通テスト(仮称)」の実施方針案を、文部科学省が公表した。
 柱は英語の民間検定試験活用と国語、数学の記述式問題導入だ。
 民間検定試験の活用で経済力や地域によって格差が生じるとの懸念が既に出ている。大学志願者の大半が受ける公的な試験である。公平性が損なわれないよう最大限の配慮が求められる。
 文科省は2019年度までにプレテストを3回行い、20年度に新テストを実施する工程表を掲げる。
 新テストは、現在のマークシート式が知識偏重だとしてその脱却を掲げ、グローバル社会で重要とされる思考力、判断力、表現力を見る問題を増やす。
 特に英語は「書く・話す」を評価しようと、英語で面接をする民間検定試験の活用に踏み切る。
 文科省は、英検やTOEICなどから水準を満たしたものを「認定試験」に選ぶ方針だ。
 高校3年の4〜12月に2回まで受験可能とし、結果と共に語学力の国際標準規格に基づいた段階別成績を大学に提供する。
 受験生の公平性の観点から問題になりそうなのは、検定試験によって、受験料や試験会場の数に大きな開きがあることだ。
 このため、教育関係者の間には経済状況や居住地の違いで受験機会が損なわれるのではないかとの懸念がある。
 離島などに住む受験生が多様な検定試験を受けられる保証はあるのか。国は受験料を補助できるか。可能だとすれば、どの程度までか。そこが最大の課題といえる。
 松野博一文科相は、検定試験実施団体に受験料値下げや全都道府県での実施を要望する考えを示した。当然のことだ。
 受験準備の面でも、格差が指摘されている。
 大都市圏の私立高校や予備校では、既に民間検定試験の英語面接に向けた取り組みを進める。早期に数多く検定試験を受けさせ、場慣れで有利になるように狙う。
 今でもゼロでない経済力や地域格差をさらに広げることのないようにしなければなるまい。
 共通一次試験からセンター試験に移行した時以来、約30年ぶりの大改革である。
 50万人もの受験生が参加するテストには公平性とともに高い信頼性が必要なのは言うまでもない。
 日程ありきではなく、一つずつ課題を解決し、慎重に進めるべきだ。同時に工程表については可能な限り早めに示し、丁寧に情報を提供するよう求めたい。
 制度移行による混乱で不利益を被る受験生を生まないよう、幅広い目配りが不可欠だ。
 今回は見送られたが、「一発勝負」をなくすための「複数回実施」も浮上した。本県の状況を見ても、1月実施は毎年のようにインフルエンザの流行や大雪に悩まされる受験生が少なくない。時期の変更は一考に値しよう。
 よりよい入試制度づくりに向け、新テスト移行後も不断に検討を続けるべきだ。


[加計学園問題]挙証責任は政府にある
 学校法人加計(かけ)学園が国家戦略特区制度を活用し計画している獣医学部を巡り、「森友学園問題」とも重なる疑惑が浮上している。
 指摘されているのは、獣医学部新設や事業者選定で何らかの力が働いたのではと思わせる不可解な動きだ。安倍晋三首相の長年の友人が学園理事長を務め、首相夫人が学園運営の保育施設の名誉園長に就任している点も森友と類似しており、疑念が広がる。
 加計学園は岡山市を拠点とする一大教育グループで、運営する岡山理科大学の獣医学部開設を愛媛県今治市で進めている。
 獣医学部の新設は実に52年ぶり。当初、文部科学省は新設に消極的で、政府内にも「獣医師数は不足していない」との慎重論があった。
 しかし昨年11月、政府は地域限定で規制を緩和する特区での新設を認めることを表明。今年1月の事業者公募で応募したのは加計学園だけ。今治市は学部新設に際し土地の無償譲渡を決めている。
 規制緩和のメニューは首相や有識者らで構成する国家戦略特区諮問会議で話し合われる。「加計ありき」でとんとん拍子で話が進んだとしたなら問題である。
 獣医学部新設に関し、文科省と特区を担当する内閣府のやりとりとを記録した文書の存在も指摘されている。内閣府から文科省に「総理の意向だ」など圧力をかける発言があったとされる文書だ。
 「国家の私物化」が疑われているのである。疑惑を晴らさなければ国民の政治不信は強まる。
■    ■
 文科省と内閣府の文書について、松野博一文科相は「文書の存在は確認できなかった」とする調査結果を発表した。
 だが聞き取りは高等教育局長など数人で、調査対象は担当部局で共有するフォルダなどに限られる。一部文書に登場する関係者が「ほぼ事実」と証言する中、早く幕引きを図りたいとの意図が透ける。
 文書に関しては、菅義偉官房長官も「こんな意味不明のものに、いちいち政府が答えることはない」とにべもなかった。有無を言わせない対応である。
 森友学園への国有地払い下げを巡る審議で、財務省担当者が学園側に「特例」と発言した音声記録の存在が明らかになった時も、財務省幹部が真偽確認の必要はないとの見解を示す場面があった。 
 国民への説明責任を棚上げし、事実関係の解明に背を向ける振る舞いが目に余る。
■    ■
 森友問題で事実関係をただす議員に対し、安倍氏が疑惑の挙証責任は野党にあるというような答弁をしたが、逆ではないか。
 今、問われているのは国民や国会に対する説明責任である。
 首相が言う通り自身や夫人の関与は一切なく、官僚の忖度(そんたく)も働いていないというのなら、自ら省庁に指示を出すべきだ。
 「俺のことは気にするな、すべての情報を開示し、徹底的に調査しろ」
 挙証責任を負っているのは政府の方である。


【精神福祉法改正】監視強化の不安拭えず
 精神疾患で措置入院となった患者の支援強化を柱とする精神保健福祉法改正案が参院で可決された。与党は衆院審議を経て今国会での成立を目指す。
 昨年7月に相模原市の知的障害者施設で起きた入所者殺傷事件を受けた改正で、犯罪防止の側面が色濃い。障害者らの当事者団体や野党は「治安維持を優先した警察監視を強める」と反対を訴える。
 施設を襲った元職員は事件前に同市が措置入院させていた。「大麻精神病」「妄想性障害」と診断された。その後、症状が和らいだとして退院した後、凶行に走った。
 退院後の行政や病院の情報共有や連携の不備、継続的な医療支援の不十分さなどが指摘された。厚生労働省の有識者検討チームも昨年の再発防止策の報告書で、退院後の対策強化を提言した。
 改正法案も退院後の患者支援に重点を置く。現行法は、退院後の患者の生活支援や行政の対応義務を明確に規定していない。
 具体案は、都道府県や政令市は措置入院中から「退院後支援計画」を策定し、退院後は自治体に計画に基づく相談指導を義務付ける。患者の転居先自治体への計画内容の通知も定める。
 凄惨(せいさん)な事件の検証を踏まえた見直しで、地域支援の充実を目指す方向性は評価されよう。障害者の人権擁護や、社会参加の促進という障害者支援の本旨に沿った制度設計でなければならない。
 改正法案も目的を「病状の改善など健康の保持と増進」と明記。人権尊重や退院後の地域生活への移行促進をうたう。
 だが、厚労省は法案の説明資料で「改正の趣旨」を「同様の事件が発生しないよう」と記載し、当事者団体や野党が猛反発。委員会審議の途中で削除、厚労相が陳謝した。
 支援計画を策定するために都道府県などに設置する地域協議会のメンバーに、障害者団体や家族会などに加え警察が入ることにも懸念が向けられる。精神障害者らに対する「監視強化」への危惧だ。患者らが監視におびえ、治療を受けなくなる恐れも考えられる。
 新たな患者支援の仕組みを整備すること自体にも、日本精神神経学会はその充実を歓迎しながらも「患者管理、リスク管理」が目的化しかねない危険性へ留意を訴える。自治体や地域関係者への負担が増すことも想定され、国にはその手だても求められよう。
 委員会審議で厚労省は「犯罪防止目的ではない」と釈明したが、法案への不安、不信は拭えていない。野党が「法案出し直し」を求める中で与党は採決に踏み切った。
 精神疾患の患者当人が当惑し、障害者に日々寄り添い、地域生活をサポートしている家族や支援者を疑心暗鬼にさせている。そんな法律に実効性を期待できるだろうか。政府、与党には、衆院審議で修正も視野に入れた丁寧な議論を求める。


安倍首相が朝日の加計学園報道をFacebookで「テロ」認定! やっぱりこいつは共謀罪で言論を取締るつもりだ
 共謀罪がついに先週、衆院法務委員会で強行採決された。安倍政権による政治の横暴は許しがたいものだが、しかし、まさにこのタイミングで、安倍首相がいよいよ本格的に牙を剥いた。
 なんと、「朝日新聞は言論テロ」という投稿に、安倍首相が「いいね!」と同意したのだ。
 安倍首相が「いいね!」したのは、5月19日に劇作家・今井一隆氏がFacebookで投稿した文章。今井氏は、マンガ家の須賀原洋行氏が加計学園の獣医学部新設に絡んだ「総理のご意向」文書問題で日本獣医師会顧問の北村直人氏が「文書に書かれていることは事実だ」と認めた朝日新聞の記事を〈朝日新聞の姿勢は気味が悪いの一言に尽きる〉と批判したTwitterへの投稿を取り上げ、このように意見を重ねた。
〈言論テロといっていいんじゃないか。およそ「報道」ではないし、狂ってる。〉
 許認可に絡む権力の不正をチェックするジャーナリズムの最も重要な報道を「テロ」扱いするのは、まさに反民主主義、北朝鮮並みの発想だが、これに安倍首相が「いいね!」と賛同したのである。
 既報の通り、先日は安倍政権の御用ジャーナリストである山口敬之氏が「週刊新潮」(新潮社)に報じられた「準強姦+官邸が捜査打ち切りを警察に指示」疑惑に対して被害女性をさらに貶めるような“セカンドレイプ”とも言うべき反論文を投稿し、それを、あろうことか安倍昭恵夫人が「いいね!」を押して拡散。森友学園問題では「忖度」どころか「主体的な関与」があきらかになっているにもかかわらず国民の前に出て説明することもせず逃げの一手に終始する一方、夫の応援団にもちあがった性暴力疑惑を擁護するという卑劣な体質を晒したが、今回の安倍首相の「いいね!」問題と合わせて考えると、「公人中の公人」がSNSで低俗な発信を行うという異常行動を夫婦そろって取っていることがよくわかるというものだ。
 しかし、安倍首相の今回の行動の問題点は、下品だとか低俗だとか、そんなレベルのものではない。重要なのは、朝日新聞による加計学園問題の追及を、安倍首相は〈言論テロ〉だと認めたことにある。
 自身を窮地に立たせる報道は「テロ」認定。──つまり、「テロ」か否かの判断は、こうして「自分の一存」で決められるということだ。
安倍首相のみならず、自民党も「共謀罪反対派はテロリスト」と認定済み
 あらためて確認するまでもなく、言論には言論で対抗するのが民主主義だ。それを安倍政権は、批判を封じるためにテレビ局へ圧力文書を送りつけたり、百田尚樹と一緒になって「マスコミを懲らしめる」「沖縄の新聞はつぶさなあかん」と言論統制を明言し、安倍首相は「言論の自由」などと容認してきた。無論、政治家が気に入らない報道に圧力をくわえることは「言論の自由」とは言わない。たんなる「言論弾圧」だ。
 だいたい、加計学園問題は、政策や資質への批判ではなく、「総理のご意向」という最高権力を振りかざして自身の「腹心の友」に特別な便宜を図ったのではないかという、権力の濫用が指摘されている重大な疑惑だ。さらに、具体的な関与が記された文書が出てきたのだから、しっかりと説明することは当然の責任である。
 だが、そうした責任を果たさないままに、安倍首相は報道を〈言論テロ〉と位置づけたのだ。しかも、共謀罪の恣意的運用が懸念される最中に、である。
 じつは、安倍政権は共謀罪のこうした恣意的運用をもはや隠していない。自民党は4月29・30日に幕張メッセで開かれた「ニコニコ超会議」の自民党ブースにおいて、〈テロ等準備罪について「デマ」を流す人は、この法律ができたら困るから〉などと書いたチラシをばらまいている。ようするに、共謀罪批判を「デマ」と決めつけた上で、その批判をしただけで「この法律ができたら困る人=テロリスト」と認定しているのである。
 そして、今回の安倍首相による「朝日新聞は言論テロ」認定。これでもう共謀罪の本質は白日の下に晒されただろう。安倍首相にとって「テロ」とは、すなわち「自分にとって都合の悪いもの」でしかないのだ。
 共謀罪が施行されれば、朝日新聞はもちろん、本サイトももれなく「組織的犯罪集団」として摘発を受けるだろう。さらに、双眼鏡や地図など持っておらずとも、政権を批判する一般市民もテロリストとして逮捕され、この国からは言論の自由、表現の自由は一切、姿を消す。言論弾圧とそれに追随した萎縮の果てに待っているのは、お手盛りの報道だけが流れ、市民が監視しあう社会だ。つまり、完全な独裁体制の出来上がりである。
 今回の安倍首相の「言論テロ」認定問題は、いかにこの国が瀬戸際に立たされているかを示している。この露骨な「宣戦布告」に、とくに報道機関は黙っていてはいけないはずだ。(編集部)


安倍政権に大激震 天皇「退位議論」「特例法」に強い不満
 天皇が安倍政権に「ノー」を突きつけた――。
 21日の毎日新聞1面を読んで驚いた人も多いだろう。「退位」をめぐる政府の有識者会議について、天皇が強い不満を表し、その考えは首相官邸にも伝えられていると報じたのだ。
 天皇が不満を強めている理由は、政府が退位を皇室典範改正で恒久制度化せず、特例法ですませようとしていることだという。天皇は〈一代限りでは自分のわがままと思われるのでよくない。制度化でなければならない〉とし、〈自分の意志が曲げられるとは思っていなかった〉と話したという。
 ふだん自分の気持ちを表さない天皇がここまで不満を漏らすのはよほどのことだ。しかも、官邸にも伝えられたというから、深く考えた上での発言だろう。
 さらに、有識者から〈天皇は祈っているだけでよい〉との発言が出たことに天皇はショックを受けているという。毎日新聞によると、こうした発言を宮内庁幹部は〈(被災地などを訪れる)陛下の生き方を全否定する内容〉とし、天皇と個人的にも親しい関係者は〈陛下に対して失礼だ〉と話しているという。
 天皇が強い不満を漏らしたことに、さすがに安倍官邸にも激震が走っている。政府は先週19日に天皇退位の特例法案を閣議決定したばかり。その直後に天皇の不満が新聞の1面トップに掲載されたのだ。
 政界関係者が言う。
「このまま法案を通していいものか、与野党から賛否両論が噴き出すのは必至です。世論調査でも天皇の意志を尊重すべきという意見が多い。政府提出の原案通り、成立するか分からなくなってきました」
 そもそも天皇は右傾化を強める安倍政権を危惧しているという指摘もある。安保法が審議されていた15年8月の全国戦没者追悼式では、「さきの大戦に対する深い反省」との文言を初めて使い、日本の平和と繁栄を「平和の存続を切望する国民の意識に支えられ」と表現している。
 政治評論家の森田実氏が言う。
「平和主義者の天皇は安倍首相の動向を不安視していると思われます。憲法9条を国是として守ろうという気持ちも強いように感じます」
 安倍政権は特例法をこのまま強行成立させるのか。


小沢一郎も呆れていた 共謀罪採決で“泣き言”の無能野党
「共謀罪」法案が23日にも衆院を通過する。国民の内心を縛り上げる天下の悪法が着々と成立に近づいているのもすべては、無能野党が招いた必然である。
 唖然としたのが、19日の強行採決でのひとコマだ。民進と共産の議員は「質疑打ち切り動議」に抗議し、動議を出した自民党議員と法務委員長の席に詰め寄っていたが、「何を今さら」である。
 何しろ相手は目的のためには手段を選ばない強権政権だ。安保法制の審議でも、国会前の反対デモに10万人以上の国民が集まろうが、粛々と採決を強行した“前科”もある。「丁寧で慎重な審議」なんて求めるだけムダ。「審議30時間」という手前勝手なタイムリミットを過ぎれば、強行採決を仕掛けてくるのは誰にだって予想できた。
 なのに野党ときたら、オソマツの極みだ。ポンコツ法相の法解釈を試すため、ひたすら重箱の隅の討論を挑み、質疑は噛み合わず、同じ質問の繰り返し。おかげで与党に審議時間を稼がせる結果を招いてしまった。バカ丸出しである。
 大体、安倍首相が国会答弁で使った「そもそも」の意味を問う「国語辞典討論」を仕掛けるなんて、野党は正気なのか。そもそも本気で共謀罪を廃案に持ち込む気構えがあるのか。その覚悟は微塵も感じられない。今さら「数の横暴」に憤慨したところで、チャンチャラおかしい。
 野党のふがいなさに腹を据えかねたのか。共謀罪法案の採決後、自由党の小沢一郎代表は各党にこう発奮を促した。
「野党が『強行だ』と言ったって淡々と進んでいる。2009年の政権交代に向けて、どれだけ国会で徹底抗戦したか思い起こしてほしい」
 果たして発言の真意は何か。ちょうど1カ月前。森友学園疑惑をめぐる野党の追及がトーンダウンしていた頃も、小沢は日刊ゲンダイの取材にこう答えていた。
「国会は波風ひとつなく進んでいる。驚くべきことだ。09年の政権交代の頃は違った。『ガソリン税のムダ遣い』や『消えた年金』などを徹底追及した。徹底的にやるから、メディアも報道せざるを得なくなる。野党は多少荒っぽいことをやらなければ話題にならない。ワケ知り顔で良識ぶっていてもダメだ」
 野党が必死の抵抗を見せれば、国民は乱暴な手口は支持しなくても、「あれだけやるからには、よほどヒドイのか」と気付いてくれる。
 小沢は「野党に政権を取ろうという強い意志があるのなら、そこまでやらなければ」と言うのである。
■もっと暴れて政権批判の機運を盛り上げろ
 小沢代表時代の民主党は、ガソリン税の暫定税率を一時失効させ、ガソリン値下げを実現。消えた年金問題では、第1次安倍政権を退陣に追い込んだ。徹底抗戦の結果、国民の支持は広がり、政権奪取に成功した。
 共謀罪への世論の反対が思うように広がらず、野党が攻勢の糸口をつかめていないのも自業自得だ。国民を振り向かせる努力を怠れば当然の結果である。ふがいない野党議員たちは小沢を拝み倒して、権力闘争のイロハを学んだらどうだ。
 政権に徹底抗戦し、国民を振り向かせるための戦術は、衆院事務局に33年間勤め、国会運営を熟知する元参院議員の平野貞夫氏が詳しい。本人に聞いてみた。
「民進党をはじめ、今の野党議員は頭デッカチの優等生ばかり。国会審議を法廷のような“かしこまった席”と勘違いしていますが、国会は知力と胆力を争う場です。議事法規も戦時国際法に近い。いわば“何でもアリ”の世界。例えば国会法は侮辱発言を禁じています。安倍首相の『読売新聞を熟読して』答弁だって、質問した議員が『侮辱された』と思えば、即座に議長に懲罰を申し立てればいい。森友学園疑惑でも『政府が関連資料を出してこない』と泣き言を言う前に『出すまで審議に応じない』と国会を止めたらいい。今の野党には審議拒否へのアレルギーがあるようですが、そこまでしなければ国民は振り向いてくれません。国会で野党が大暴れしてこそ、政権批判の機運が初めて盛り上がるのです」
 本気で暴走政権を止める気があるのなら、野党は思いつく限りの手段を講じて徹底抗戦を挑むべきだ。抵抗を尽くさず、みすみす強行採決を許しているようでは、「数の横暴」への抗議も憤慨した“ふり”の猿芝居にしか見えない。
追及の好材料は欺瞞に満ちた「働き方改革」
 野党が安倍政権の打倒に向け、国民運動のうねりを起こすにはどうすればいいのか。安倍政権下での共謀罪成立の本質を問い、経済政策の欺瞞を暴いていくしかない。
 経済政策追及で、まず俎上に載せるべきは安倍肝いりの「働き方改革」だ。政権がまとめた「実行計画」は、長時間労働の制限や同一労働同一賃金など非正規雇用の改善を目玉に掲げているが、タテマエに過ぎない。
 28ページの計画文書には「生産性」という言葉が、ほぼ1ページ当たり5回の頻度で登場。非正規雇用の是正も労働生産性の向上のためだ。計画文書には、〈正規と非正規の理由なき格差を埋めていけば、自分の能力を評価されていると納得感が生じる。納得感は労働者が働くモチベーションを誘引するインセンティブとして重要であり、それによって労働生産性が向上していく〉とある。
 従業員の生産性をせっせと上げ、効率よくアクセク働かせたい経団連への猛アピール。それこそが政権が打ち出した「改革」の正体だ。
 同志社大教授の浜矩子氏(国際経済学)も、20日付の毎日新聞コラムで〈決して働く者たちのための働き方改革ではない。働く者たちが、より人間らしい日々を送れるための働き方改革ではない〉と喝破していた。まるで労働者の味方のような美辞麗句をまぶした「働かせるための改革」は、欺瞞以外の何ものでもない。
■民主主義破壊を「共謀」するテロリスト政権
 浜矩子氏に改めて聞くと、「チームアホノミクスが描く『1億総活躍』の行き着く先は、労働者が人間らしさを奪われ、ロボットのように働かされるデストピアです」とこう続けた。
「政府の『働き方改革実現会議』と両輪の『未来投資会議』は“高付加価値社会”の追及に前のめりで、“ソサエティー5・0”なる珍妙な言葉も飛び交っています。別名『超スマート社会』らしい。なおさら意味不明です。そしてキラキラネームと共に『健康長寿社会の形成』も振りかざす。両会議の議論を総合すると、『丈夫で長持ちな人間』が『超スマートな未来型社会』で、とことん『改革された働かせ方』によって、『超生産性を強いるスーパー効率』でコキ使われるイメージです。安倍政権が目指すグロテスクな社会像を、野党はもっと具体的に国民に提示すべきです」
 安倍政権下での共謀罪について、前出の平野貞夫氏はこう言った。
「共謀罪は戦争国家づくりの総仕上げ。戦時体制の構築には、特定秘密保護法や安保法制など“ハードウエア”だけでは足りない。国家の意志に抵抗し、賛同しない国民を恫喝して拘束する“ソフトウエア”が必要なのです。戦争国家の完成が目前に迫り、今、本当に『共謀』しているのは誰か。最近の首相の言動は、国民と憲法と民主主義に対するテロ行為です。野党が政権批判をためらう理由はない。戦前には、浜田国松代議士のように懲罰覚悟の『腹切り問答』で、軍の横暴を批判する腹の据わった政治家がいました。今の野党からも議員を除名される覚悟で、安倍政権批判を猛展開する“21世紀の浜田国松”が現れて欲しい」
 数々の疑惑に居直るオレ様首相にコリゴリの国民もここが正念場だ。
 頼りない野党の優等生たちにハッパをかけ、奮起を後押しするしかない。


首相の改憲発言に憲法学者らが反対の見解発表
安倍総理大臣が、憲法9条を改正して自衛隊の存在を明記することを目指す考えを示したことについて憲法学者などで作る団体が会見を開き、「自衛隊は国民に広く受け入れられていて改正は不必要だ」として反対する見解を発表しました。
安倍総理大臣は、今月、憲法を改正して2020年の施行を目指す意向を明らかにし、具体的な改正項目として、憲法9条に自衛隊の存在を明記することや、高等教育の無償化などを例示しました。
これについて、憲法学者などで作る「立憲デモクラシーの会」が都内で会見を開き、反対する見解を発表しました。
見解では、憲法9条について、「自衛隊はすでに国民に広く受け入れられた存在で、憲法に明記する改正は不必要だ。明記すれば軍拡競争を推し進め国際情勢を悪化させるおそれがある」としています。
また、高等教育の無償化については、「憲法に書いただけでは無償化は実現せず、財政措置が必要で、それが整えば憲法を改正する必要はない」としています。
憲法学者で早稲田大学の長谷部恭男教授は、「9条の改正については自衛隊を憲法違反の存在だと言われないようにするという理由が示されているが、是が非でも9条を変えたいというみずからの願望を遂げるため、自衛官の尊厳を改正の手段として扱っている」と主張しました。


共謀罪、そして冤罪54年〜今、狭山事件から考える〜
ゴールデンウィークが終わって初めての更新だ。
連休の終わりにはフランス大統領選挙があり、ルペン氏を押しのけてマクロン氏が勝利。これにはほっと胸を撫で下ろしたが、かといってマクロン氏がどのような政治を進めるのかはまだまだ未知数だ。
また、9日の韓国大統領選ではムン・ジェイン氏が勝利。隣の国で「民衆の力」が大統領を退陣に追い込み、新しい大統領を誕生させたというのに、森友問題もどこ吹く風で、この国の内閣支持率は依然5割ほどと高止まりしている。
そんな状況を受けてなのだろう、憲法記念日に安倍首相は突然、「2020年に憲法改正の施行を目指す」と初めて具体的に期限を区切り、また、9条に自衛隊の存在を明記すると発言。連休明けの国会で長妻議員に真意について問われると、まさかの「読売新聞を読め」発言をしたのだった。
これほど有権者をバカにした答弁があるだろうか。国会運営にかかっているお金は1日あたり3億円とも言われる。そんな中、首相である人間が特定の新聞に掲載された自分の記事を「熟読しろ」というのだ。それは直訳すると、「お前ごときのためになんで俺様が時間と体力を使っていちいち説明しなくちゃなんないの?」ということだ。長妻議員に対して失礼なのではない。この国に住む全員に対して失礼なのだ。
ちなみに安倍首相は憲法改正について、これまでも「国民の議論や理解を深めていきたい」という発言をしている。が、「国民の議論」も「理解」もどうでもいいという本音が、はからずもダダ漏れする結果となったのだった。
そんな憲法改正と同様、「オリンピック」がダシにされて安倍政権がゴリ押ししているのが、共謀罪ことテロ等準備罪。
ご存知の通り、犯罪が成立していなくても相談だけで罪となってしまう法律である。「テロ対策」と言いながらも、対象となる犯罪はあまりにも膨大。一般人は対象外とされているが、「私は100%、誰から見てもまごうことなき一般人です」と胸を張れる人はどれくらいいるだろうか。例えばしょっちゅうデモに行っているなどは「一般人」と定義されるのか。とにかく、「え、こんなこと話したら共謀罪?」という空気が広がるだけで、あらゆる場面での萎縮を呼ぶのが共謀罪なのだ。この法律が成立したら、冤罪が増えることだけは間違いないと言われている。
そんな共謀罪が審議されている中、ある冤罪事件の集会が予定されている。
それは「不当逮捕から54年 狭山事件の再審を求める市民集会」という集会。5月23日午後1時から日比谷野外音楽堂で開催され、私もスピーチする予定だ。
「冤罪54年」という言葉通り、この日は狭山事件で石川一雄さんが逮捕されてから54年という日。
といってもこの事件が起きた時、私はまだ生まれてもいない。事件については知っていたものの、集会の前に読んでおこうと思い『狭山事件の真実』(鎌田慧/岩波現代文庫)を読み、改めて愕然とした。
1963年、埼玉で起きた女子高生殺害事件。逮捕されたのは、被差別部落に住む24歳の青年。メディアはこぞって部落を、さも「不気味な場所」であるかのように書き立て、石川氏本人が「異常な人格の持ち主」であるかのような事実ではないイメージをばらまく。石川氏は当然、警察に無実を訴えるものの、聞いてなどもらえない。小学校も途中で行けなくなるという貧困の中で育ってきた石川氏は、知識もなく、自分の身の守り方もわからない。そうして連日続く取り調べの中で、警察から「やったと言えば10年で出してやる」と言われ、罪を認めてしまうのだ。
「男と男の約束」とまで言われた石川氏はこの言葉を信じ切っていたからこそ、死刑判決を受けても平然としていたという。判決前日、弁護士に「あなたはやったといっているけど、証拠をみると、自白が正しいとは思えない。それでも、判決では死刑にされるかもしれない」と言われても、石川氏は「いいんです、いいんです」と笑顔を見せているのだ。
この冤罪の影には、もうひとつ、警察の汚いやり口があった。「お前が自白しなければ、六造(兄)を引っ張るぞ」と警察に脅されていたのだ。
もしかして、犯人は兄なのでは......。情報も何もない孤立した状況の中、石川氏の中で膨らんでいく疑念。彼の家庭は、兄の仕事が軌道に乗り始めたことによって、ようやく長年の極貧から脱出しようとしていた。一家の大黒柱である兄がもし、逮捕されてしまったら。そんな思いから認めた「罪」。
死刑判決のあと、石川氏は面会に来た兄に「あんちゃんが犯人だと思ったから、おれ、認めてしまったんだ」と語っている。が、兄には立派なアリバイがあったのだ。兄にアリバイがあることを知っていれば、彼は自白などしないで済んだ。もちろん、警察だってアリバイがあることを知っていた。にもかかわらず、脅し、自白に追い込んだのである。
このような「自白」が成立した背景には、弁護士との信頼関係を破壊し、警察の力を見せつけるような様々な「罠」があった。例えば最初に別件逮捕されて24日後、勾留期限を迎え、石川氏は一度釈放されている。が、ロッカーの荷物をまとめ、手錠を外され、玄関まであと20メートルたらずの場所で再逮捕されてしまうのだ。弁護士との接見は禁じられ、彼は外部から徹底的に遮断された中で警察に翻弄され続け、無力感をこれ以上ないほど植え付けられる。「自白」とは、このような状況が作られてこそ成立するのだということが怖いほどによくわかる。
そうして最初の逮捕から実に31年7ヶ月、石川氏は獄中生活を余儀なくされる。
24歳の若者が、出てきた時には50代なかば。奪われたものは、あまりにも大きい。
そんな狭山事件、様々な冤罪の「証拠」が支援者たちによって上げられているが、『狭山事件の真実』で強調されているのは、当時の石川氏が、ほとんど漢字を書けなかったという事実だ。これがなぜ、事件と関係があるのかというと、狭山事件では脅迫状が届けられているからである。脅迫状には漢字が多く使われ、わざと当て字を使うなどの高度な細工らしきものもされている。
一方、小学校から奉公に出ていた石川氏はほとんど漢字を書けず、それまで働いた様々な職場でも、「字を書けない」ことがバレないよう、誤摩化しながら周りの人に「代筆」を頼んでいた。職安に行っても書類を読めず、自分の名前しか書けないことから(しかも「石川一雄」と書けず「石川一夫」と書いていた)、その場を去ったこともある。
本書には、こんな記述がある。
「非識字者に共通する体験だが、彼もまた市役所や郵便局にいくとき、右手に包帯を巻いていった。包帯した手をみるだけで、係のひとが、『代わりに書いてあげましょう』と同情してくれるのだ。識字率ほぼ百%を誇っているこの国で、字を書けない人間がいる、などと想像するほうが非常識、というものである。
 一雄の場合は、駅の便所や公園などにいって包帯を巻いた。家から目立ちやすい白の包帯姿で出ていって、近所のひとに『どうしたの』と声をかけられたり、つぎの日、包帯をはずして仕事をしているのを、見咎められたりしては困るからだった。字を読めないひとたちの、あたかも犯罪者のような細心さは、識字者にとっては想像を絶する」
そんな石川氏が31年にもわたって囚われの身となった背景には、警察の「メンツ」もあるようだ。狭山事件が起きる一ヶ月前、東京で起きた「吉展ちゃん誘拐事件」で、警察は身代金を奪われて犯人を取り逃がすという大失態を犯すのだ(そして吉展ちゃんは殺害される)。「警察の失態」は世論の厳しい非難を受け、そうして起きた狭山事件で石川氏が逮捕されてしまうのだ。
そんな石川さん逮捕から54年の日、野音には「冤罪オールスターズ」とでも呼びたくなる面々が集結する。
石川さん本人はもちろん、袴田事件の袴田さんのお姉さんである袴田秀子さん、足利事件の菅家利和さん、布川事件の桜井昌司さんだ。
石川さんが94年の「仮出獄」となってから、もう23年。が、足利事件や布川事件のように、再審で無罪となったわけではない。狭山事件では、鑑定人尋問などの事実調べが42年間も行なわれていないという。だからこそ、こうして再審を求めて集会が開催されるのだ。
冤罪54年。数々の冤罪事件についての反省もなく、今、ゴリ押しされている共謀罪=テロ等準備罪。石川氏をはじめ、冤罪当事者の口からはどんなことが語られるのだろうか。
ぜひ、集会に参加してほしい。そして一緒に、考えてほしい。


神戸小学生連続殺傷20年 「なぜ」今も解けず
 神戸市須磨区で1997年に起きた小学生連続殺傷事件で、土師(はせ)淳さん(当時11歳)が殺害されて24日で20年となる。遺族の思い、少年更生の現場、被害者を巡る現状を取材し、終わることのない道のりをたどる。
  ◇   ◇
 「おじいちゃんのとこ、行ってくるわ」。土師守さん(61)は、その声をついこの前のことのように覚えている。「もう20年もたったんやな……。悲しみは全く変わらない」。淡々とつなぐ言葉に、我が子を守れなかった後悔がにじんだ。
 97年5月24日、次男淳さんは1人で家を出た。いつもの土曜日の昼下がり。土師さんはそれが永遠の別れになるとも知らず、顔さえ見なかった。
 3日後、淳さんは変わり果てた遺体となって見つかった。警察署で対面した。愛らしかった顔は、作り物のようだった。「誰にこんなことされたんや」。涙が止まらなかった。
 1カ月後に逮捕されたのは14歳の少年。報道は過熱し、取材が絶え間なく続いた。「負けたらあかん」。自分にも家族にも言い聞かせた。登校できなくなっていた中学生の長男が、父のプレッシャーに耐えかねて家を飛び出したこともある。高速道路を運転中、側壁が目の前に見えた。「このまま突っ込んだら、楽になれるんかな」。そんな考えも頭をよぎった。
 苦悩の中で、2000年から取り組んだのが全国犯罪被害者の会(あすの会)での活動だ。勤務医の仕事の傍ら、全国を巡って少年事件の情報開示や被害者支援を訴え、少年審判への被害者参加などが進んだ。「もう誰も、こんな理不尽な思いをしてほしくない」という願いが心を支えた。
 加害男性(34)が関東医療少年院を仮退院した04年3月。「心に重い十字架を背負って生きてほしい」。土師さんは報道機関を通じてメッセージを送った。男性から毎年命日に手紙が届くようになった。「内面の成長も感じる」。読むのはつらかったが、前向きに受け止めようと努めてきた。
 しかし、男性は15年、事件の経緯や社会復帰後の生活をつづった手記を無断で出版。土師さんは「被害者や遺族を苦しめている。精神に対する『傷害』だ」と憤りを隠さない。「なぜ我が子が狙われたのか」「なぜ彼は事件を起こしたのか」。解けないままの問い。今は手紙の受け取りを拒んでいる。「ずっと闇の中なのかな。掛けたい言葉はもうない」
 毎朝、線香を上げて家を出るのが20年来の習いだ。気が付けば白髪は増え、「事件を知らない人も多くなった」と語る。長男は結婚し、2年前に男の子が生まれた。自身の初孫。「新しい命を迎える日が来るなんて考えられなかった」
 明石海峡を望む小高い丘にある寺院。淳さんは今、大好きだった船や電車が眼下に見えるこの場所に眠る。寂しくないよう、ここを選んだ。
 「この子に恥ずかしい生き方はしたくない」と繰り返し語ってきた土師さん。父の歩みを淳さんはどう見つめるのだろう。「まだ分からへん。人生が終わる時には、分かるんかな」。11歳のままの笑顔に背中を押されている。
 【ことば】神戸小学生連続殺傷事件
 1997年2〜5月に神戸市須磨区で小学生5人が相次いで殺傷された事件。山下彩花さん(当時10歳)と土師淳さん(同11歳)が殺害された。兵庫県警は「酒鬼薔薇聖斗(さかきばらせいと)」を名乗る声明文を出した中学3年の少年(同14歳)を殺人などの容疑で逮捕。関東医療少年院に収容された少年は04年に仮退院、05年に本退院し、社会復帰した。事件は刑事罰対象年齢の引き下げなど少年法改正、犯罪被害者等基本法の制定などの契機にもなった。


「つける薬ない」党内でも批判 大西氏発言
 受動喫煙対策について話し合った自民党の会合で、がん患者への配慮を求めた意見に対して、大西英男衆議院議員が「がん患者は働かなくていい」と発言した。がん患者の団体が「患者の生活や希望を否定しかねない」と反発するなど波紋が広がっている。■先週15日、受動喫煙対策について、話し合われた自民党の会合である“ヤジ”が飛ばされたという。それは、三原じゅん子参議院議員が、がん患者の職場環境などについて、訴えていた時だった。■三原議員「(がん患者が)治療している中で、その仕事場が喫煙されている所で働くことの苦しさというのはどういうものか…」その時―■「働かなくていいんだよ!」と、がん患者に対して“働かなくていい”というヤジが飛ばされた。■自身も子宮頸(けい)がんを経験している三原議員は「働かなければいいという、そんな話がありますか。がん患者はそういう権利がないんですか」と怒りをあらわにした。■では誰がヤジを飛ばしたのか。出席者によると、発言したのは大西英男衆議院議員(70)だという。■大西議員といえば3年前、衆議院の総務委員会で発言していた女性議員に対し、「子供を産まないとダメ」とヤジを飛ばし、その後、謝罪。■2015年には、自民党の勉強会で「マスコミをこらしめるには広告料収入がなくなるのが一番」と発言し、その後、報道機関に圧力をかけるつもりはなかったと釈明している。■こうした発言に対し、野党側は厳しく批判。自民党内からも「どれだけ党に迷惑をかけていると思っているんだ。つける薬がない」と批判の声があがった。■さらに、2016年3月には、自民党の会合で、「生き生きした人が(自民党候補で)立候補するんだから頼むよと言ったら、『自民党はあんまり好きじゃない』と巫女さんのくせになんだと思った」と発言し、その後、謝罪した。■しかし、今回の発言については、大西議員は「私がご指摘のような趣旨で、『(がん患者は)働かなければいい』と発言をしたことは絶対にありません」と発言を否定。そして、22日、発言の趣旨についてこう説明した。■「願わくば、そういう方(がん患者)にはもっと健康な受動喫煙のないところで働いていただいた方がその方のためになります」「(Q:発言を撤回する考えは)ありません」「(Q:今回の発言が失言であったとの自覚は)あります。それはあります」「そうした方々に私の発言が、お気持ちを深く傷つけたのではないかと、深くおわびを申し上げる次第です」■発言について、がん患者でつくる団体は22日、「働くことを希望する患者の生活や希望を否定するものとなりかねない」と批判した。■民進党の野田幹事長は、「議員の資格なしと言うより人間失格だ」と厳しく批判している。

休日出勤のつもりが・・・ダラダラ過ごして

ブログネタ
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辻元170513共謀罪反対

Vague de chaleur précoce au Japon
Le Japon est frappé par une vague de chaleur précoce, avec des températures qui dépassent les 30 degrés à Tokyo ou Nagoya. Plusieurs personnes ont du être hospitalisées.
Les autorités multiplient les messages de prévention, une application pour smartphone a même été lancée afin de fournir des recommandations précises, en fonction de la géolocalisation, des conditions atmosphériques et de l‘âge des utilisateurs. Par ailleurs, les ventes de climatiseurs ou autres produits rafraichissant sont en nette augmentation.
C’est habituellement en juillet et aout que les Japonais souffrent de la canicule. Les personnes âgées sont les plus vulnérables.
フランス語
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明日へ つなげよう「よみがえる わが町の記憶〜岩手・陸前高田〜」
津波で博物館などの文化施設が水没した岩手県陸前高田。学芸員でひとり生き残った熊谷賢さんは、若い後輩と文化財の修復を続けている。地元出身の村上弘明さんが訪ねる。
岩手県陸前高田市出身の俳優、村上弘明さんがふるさとの記憶をたどります。陸前高田市は、津波で博物館など市内の文化施設が全て水没、6名いた学芸員も5人が命を落としました。ただ一人生き残ったのが熊谷賢さん(50)。「泥まみれの収蔵品を何とかしたい」と奔走、震災後に加わった若い学芸員たちと修復作業を続けています。津波で失われた貴重な文化財は町の人たちの故郷の記憶。復元された文化財を目にした町の人たちは…。
村上弘明

明日へ1min.「おいで、東北」27 君に見せたい東北がある〜春 岩手県・遠野編
「君に見せたい東北がある」番組特設サイトに旅プラン掲載中!見る、食べる、体感する楽しみがいっぱいの岩手県・遠野へ、「おいで、東北」。
東北各地を舞台に、地元を愛する男性が方言をまじえながら、おすすめのスポットをご案内!今回は岩手県・遠野編。民話の里・遠野を深く愛する新田さんがご案内。里のあちこちでカッパめぐり。馬のふるさとでふれあい体験。そして遠野スタイルのジンギスカンも。見る、食べる、体感する楽しみがいっぱいの遠野へ「おいで、東北」。番組特設サイトに旅プラン掲載中!

NNNドキュメント トランプWAR2〜メディアの反省 "つぶやき"とウソが動かす世界
ツイッターで発信をつづけるトランプ大統領。
大手メディアをフェイクニュースと呼び、対決する。
一方で、大手メディアも、去年の大統領選挙でトランプ勝利を予測できず、変化を求められた。
背景にあったのは?"政権の黒幕"そして"台頭するメディア"を通してトランプ型政治を探るとともに、知らない間に生まれる「情報の分断」「忘れられた人たち」そして大手ニューヨークタイムズやワシントンポストを通して、トランプ時代を考える。
高川裕也  日本テレビ

テレメンタリー 「不登校の少年画家〜異才たちが 目覚める時〜」

突き抜けた才能を持ちながら学校に居場所を見つけられない子供たち。
3年前 彼らの才能を世に送り出す試みが始まった。その名も【異才発掘プロジェクト】。
時には風変りな海外研修も。お題は
【サイバスロンとアウシュビッツを結び付け今の世の中を考えよ】というもの。
『サイバスロン』とは障害者を助ける技術を競う大会。
『アウシュビッツ』は障害者の迫害から始まったもの。
主人公は絵の才能に秀でた不登校の少年、瑛士くん。これまで決して人を描かなかった。だが、この研修を終え大きな変化が。初めて人を描き始めた。
木村多江 テレビ朝日

モヤモヤさまぁ〜ず2「名店迷店続々…北千住」
三村が過去最大級の絶叫!!▼荒川の河川敷で凧揚げ大会▼がんも屋さんの美人三姉妹▼松尾芭蕉に捧ぐドイヒー俳句▼悲しいダジャレ連発▼福田アナが一本足の下駄でバレエ
さまぁ〜ずと福田アナが色々な街や国をただブラブラする世界一ドイヒーな番組。
 さまぁ〜ず(大竹一樹、三村マサカズ)  福田典子(テレビ東京アナウンサー)
ホームページhttp://www.tv-tokyo.co.jp/samaazu2/

モノ知りSUNデー
コーヒー豆◇主役はメイドイン関西の≪モノ≫。その≪モノ≫は、どこで?だれが?どのように?つくられているのか!?関西の≪モノ≫づくりをテーマに取材します。
中野雅至(神戸学院大学教授) 榎木麻衣
伝統の技や革新的な技術などものづくりの神髄に迫る番組。今回は炭焼焙煎を最初に考案・採用したコーヒー豆焙煎会社を取材。近代化が進む工場の中でも焙煎工程だけは長年の技を引き継いだ焙煎師が行う。全神経を注いで豆の色やはじける音、香りなどで焙煎具合をチェックする職人技を紹介する。

ウドちゃんの旅してゴメン
水郷の町に溢れる郷土愛 岐阜・海津市
ウド鈴木 (キャイ〜ン)
ギスパ

COOL JAPAN選「外国人が選んだ京都の魅力」
年々増える外国人観光客に今も不動の人気を誇る京都。そこで外国人観光客に聞いた「京都の魅力」ベスト10をランキング。日本人が知らない意外な京都の魅力を発掘する。
年々増加する外国人観光客に不動の人気を誇るのが「京都」。そこで、京都を訪れた外国人観光客107人に「京都の魅力」を聞き、ベスト10をランキング。日本人とは違う意外な場所に食いついたり、京都でなぜ?と思う食べ物が人気だったり。その意外な場所、意外な視点を紹介する。変わりつつあるKYOTOの魅力を外国人の視線で発掘する。
松本大学名誉教授…佐藤博康, 鴻上尚史,リサ・ステッグマイヤー, 日高のり子,中井和哉

ふるカフェ系 ハルさんの休日「東京・木場 材木屋さんたちの人情カフェ」
古民家カフェを訪ね歩くブロガー・真田ハル。ふるさとの良さを見直そうと心砕く人々と地元食材を生かした絶品メニュー。「ふるさとの、心ふるえる、古いカフェ」にご案内!
貯木場として名を知られた東京下町・江東区木場。運河のほとりにたたずむ、木の香りに包まれた元材木倉庫が今回のカフェ。パン作りが好きな地元の主婦が廃屋寸前の建物にほれ込み、カフェとしてオープン。最盛期の木場の様子を知る材木店の旦那衆は、2階が従業員の住まいになっていていたことを教えてくれる。バカ貝のクラムチャウダーに焼きたてパン。木工おもちゃ体験をさせようとしている人も登場、材木をめぐる人情物語。
渡部豪太

バリバラ「体感!“見ないで楽しむ”観光対決」
全盲の女性に旅を楽しんでもらおうと、“旅のプロ”たちがオリジナルのプランで対決!カリスマ添乗員の「サプライズ旅」とNPOによる「バリアフリー旅」。勝負の結果は?
行楽シーズン到来!今回は、「一度でいいから一人旅を楽しんでみたい」という全盲の女性のために二人のプロがオリジナルの観光プランで対決!ユニークな企画で人気を集める旅行プランナー・平田進也さんプロデュースの「サプライズ旅」と、島根県で障害者の旅行支援をしているNPOが考えた「体感!バリアフリー旅」。目の見えない女性の心をときめかせるのは、果たしてどちらの旅行体験!?
はるな愛, 山本シュウ,大西瞳, 玉木幸則, 大橋グレース,岡本真希, 神戸浩

NHKスペシャル「発達障害〜解明される未知の世界〜」
小中学生の15人に1人と言われる「発達障害」。最新の脳科学や当事者の証言で、これまで誤解されがちだった行動の裏にある理由に迫り、当事者の思いを生放送で発信する。
小中学生の15人に1人と言われる「発達障害」。最新の脳科学研究や当事者への聞き取りにより、発達障害の人は、生まれつき、独特の「世界の見え方・聞こえ方」をしているケースが多いことがわかってきた。番組では、当事者の感覚・認知の世界を映像化。これまで誤解されがちだった行動の裏にある「本当の理由」に迫り、これまで言えなかった、わかってもらえなかった当事者の思いを生放送で発信していく。
井ノ原快彦,有働由美子, 栗原類,綾屋紗月,片岡聡,信州大学医学部付属病院医師…本田秀夫, 瀬田宙大


仕事がたまっているので休日出勤のつもりでいました.でも起きるとやる気なしで結局ダラダラ過ごしてしまいました.月曜からまた大変になりそうです・・・

<次世代塾>震災の悲しみ追体験
 東日本大震災の伝承と防災啓発の担い手育成を目指し、河北新報社などが企画した「311『伝える/備える』次世代塾」の第2回講座が20日、石巻、仙台両市であった。大学生ら受講生約100人が参加。震災直後に犠牲者の弔いの場所となった現場を視察、悲しみと混乱の極みにあった当時の実情に向き合った。
 最大被災地・石巻市の中心部では、犠牲者の多さなどから火葬が追い付かずに遺体を仮埋葬(土葬)した北鰐山(きたわにやま)墓地を訪問。埋葬に携わった葬祭業「清月記」(仙台市)の西村恒吉業務部長(44)が「遺体の尊厳を守るため職業意識を持って対応した」と振り返った。
 当時の経験を踏まえ、西村さんは「災害への備えと、直面した際の覚悟を併せ持つようにしたい」と教訓を述べた。
 仙台市宮城野区蒲生の専能寺では、津波被災しながらも、亡くなった檀家(だんか)を葬送するため各地の遺体安置所や火葬場を奔走した足利一之(もとゆき)住職(50)が講話。「七回忌は過ぎたが今も行方不明の人がおり、震災はまだ終わっていない」と関心を持ち続けるよう訴えた。
 受講生らは、仙台市が震災遺構として公開を始めた旧荒浜小(若林区)も見学し、津波の威力と早期避難の大切さを学んだ。荒浜地区の慰霊碑では犠牲者をしのび、黙とうをささげた。
 東松島市の東北福祉大4年藤沢安莉沙さん(22)は「初めて訪ねる現場で津波被災の実情を知った。今回学んだ内容をさらに深めたい」と話した。
 次世代塾は河北新報社、東北福祉大、仙台市の三者を核とした「311次世代塾推進協議会」が運営し、4月に開講した。年15回の講座のうち3回程度、被災地を視察する。次回は6月17日、「捜索と救命」をテーマに宮城野区の東北福祉大仙台駅東口キャンパスで開く。


<ツール・ド・東北>奥松島新コース体感
 東日本大震災で被災した宮城県沿岸部で9月16、17日に開かれる自転車イベント「ツール・ド・東北2017」(河北新報社、ヤフー主催)に向け、ヤフー自転車競技部のメンバーら6人が20日、東松島市に新設される「奥松島グループライド&ハイキング」(70キロ)のコースを試走した。
 一行は発着点となる石巻市の石巻専修大を出発。東松島市の宮戸島に入り、大高森の登山口からハイキングも体験した。頂上では松島湾の眺めに感嘆の声を上げた。その後、JR旧野蒜駅周辺に自転車を走らせ、震災伝承館を見学。高台にできた防災集団移転団地などを巡った。
 競技部の白石陽介部長(33)は「潮風の中をサイクリングできるのはツール・ド・東北の醍醐味(だいごみ)。アップダウンが少なく、初心者でも走りやすいコースだと思う」と話した。
 大会は今年で5回目。初日に1チーム10人前後で走るグループライドを2コースで実施し、2日目は石巻、気仙沼、女川、南三陸の2市2町で5コースに分かれて開催する。今月22日から公式サイトで参加申し込みを受け付ける。


<わたしの道しるべ>プレート設置 風化防ぐ
◎多賀城高3年 高橋里奈さん(17)=仙台市宮城野区
 生徒会の副会長として、震災を後世に語り継ぐ活動に取り組んでいます。多賀城市内を中心に津波到達地の波の高さを調べて、電柱や建物にプレートを設置します。時がたつにつれて痕跡が分かりにくくなり、昨年から地元の町内会長らから聞き取りをして、やっと場所を特定できるようになりました。
 プレートの設置許可を得る手続きの大変さを先輩から聞いています。でも被災地として、災害科学科のある高校として、「震災を語り継ぐ」活動は続けなくてはいけません。ぜひ後輩にも受け継いでほしいです。
 時の経過とともに記憶が薄れ、被災者も確実に減っていきます。100年、200年後に東北を訪れた人にも、1000年に1度の震災のことを発信できる施設が必要です。阪神大震災で被害を受けた神戸市のまちづくりが参考になると思います。
 震災を知らない子どもたちには、分かりやすく伝えることが大切です。その役割を担えるように、学校の先生を目指しています。


<あなたに伝えたい>泣いて笑った一番いい時代
 大友照子さん=当時(34)=、諒祐ちゃん=同(6)=、壮祐ちゃん=同(2)= 身重だった照子さんは、長男諒祐ちゃん、次男壮祐ちゃん、夫の会社員聡士さん(40)、聡士さんの母の房子さん(71)といわき市薄磯地区で暮らしていた。市内の職場にいた聡士さん以外の4人は、自宅から車で逃げようとして津波にのまれた。房子さんは九死に一生を得た。
◎強く頼りになった妻と子どもたち/大友聡士さん(いわき市)から照子さん、諒祐ちゃん、壮祐ちゃんへ
 聡士さん 妻は強くて頼りになる女性でした。私は剣道をやっていたので礼儀や言葉遣いに自負がありましたが、よく叱られました。私は早くに父を亡くしていたこともあり、それが新鮮でした。
 諒祐は生まれつき重度の障害があり、24時間介護が必要でした。諒祐に対する妻の思いの強さは尋常じゃなかった。常に死を意識しなければならず、それだけに普通の夫婦より濃密な時間を過ごせたと思います。
 妻は行動力があるので、あの日はきっと避難していると思っていました。おなかに3人目の子がいて臨月。壮祐はやんちゃ盛り。いくつかの要因が重なってしまったのでしょう。
 諒祐はずっと赤ちゃんのようでかわいかった。壮祐には親としての普通の喜びを教えてもらいました。おなかの子は「恭祐」と名付けました。結婚してからは泣いたり笑ったり。一番いい時代だったと、妻には伝えたいと思います。
 手続きに追われ、2011年5月下旬に葬式をしました。式が終わり、家族のためにしてやれることがもうないんだと思った瞬間がつらかった。もういないんだと実感しました。
 なぜ、どうしてとずっと考えていました。行動の基準だった家族がいなくなり、どうしたらいいか分からない。妻の両親ときょうだい、勤め先の社長たちに生かしてもらいました。
 本で出合ったのが「亡くなった人がいるがごとく生きる」との言葉。「かみさんならこう思うだろうな」「子どもは喜ぶかな」と考えて行動することで少しずつ楽になっていきました。


のんさん、花巻で田植え「ふっくら育って」
 JA全農いわての「純情産地いわて宣伝本部長」を務める女優のん(能年玲奈から改名)さんが20日、花巻市の田んぼで、同県が生産に力を入れるブランド米「銀河のしずく」の田植えをし「ふっくらやわらかいお米に育ってほしいです」と笑顔でPRした。
 雲一つない快晴の下、のんさんは黄色のつなぎ姿で田植え機を運転し、泥に足を取られそうになりながら手植えも体験。「どこに足を入れるか分からず難しかった」と話した。9月下旬ごろに収穫予定で、パックご飯として販売される。
 銀河のしずくは、同県が独自に開発した品種で2016年から一般に市販されている。日本穀物検定協会の食味ランキングでは、15、16年産が2年連続で最高評価「特A」を獲得した。


南三陸に球児の聖地誕生
 球児の夢が詰まった舞台が東日本大震災の被災地に誕生した。宮城県南三陸町の平成の森しおかぜ球場の改修が3月に終了し、阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)やプロ野球東北楽天の本拠地Koboパーク宮城(コボパ宮城、仙台市)と同じ種類の土や芝を使った東北屈指のグラウンドになった。「東北の野球の聖地に」という元高校球児の町長の思いを、復興に携わってきた応援職員が形にした。
 東北楽天による21日の野球教室で使用が始まる。6月18日はイースタン・リーグ公式戦東北楽天−日本ハム戦もある。出番を待つグラウンドの黒土はしっとりと適度な水分を保つ。見渡した町建設課の猪股猪一郎さん(71)は「理想通りの土ができた」とほほ笑む。
 1991年に完成した球場は、水はけ低下など老朽化が進んでいた。町は大規模改修を決め、仙台商高で甲子園出場経験のある佐藤仁町長が「被災にめげず頑張った子どもたちへのご褒美に『甲子園の土』を入れたい」と提案。猪股さんが設計担当を名乗り出た。
 猪股さんは宮城県加美町出身。大手ゼネコンなどを経て2013年から岩手県の任期付き職員となり、被災した同県山田町の公共施設復旧や地元球場改修などに携わった。昨年4月に南三陸町に移った。
 経験豊富な猪股さんでも、東北で「甲子園」を再現するのに苦心した。甲子園と同じ鹿児島県産の火山灰を混ぜた黒土を全量使うのは輸送コストがかかるため、コボパ宮城で使用する岩手山の火山灰の混合土をブレンドした。
 「風で飛散しない重さは必要だが、硬く締まり過ぎるとプレーに支障が出る。走っても足が沈まない適度の硬さが必要」(猪股さん)。6種類の配合を試して保水性と透水性のバランスを見極め、双方を半分ずつ混ぜる土に行き着いた。外野にはコボパ宮城と同じ天然の西洋芝を敷いた。
 事業費は約2億2900万円。大役を終えた猪股さんは「良い球場にはプレーを楽しむ選手と観客が多く集まる。にぎわいが生まれて町が元気になればいい」と話した。


<暑い!>一気に真夏? 東北各地で30度超
 東北地方は20日、高気圧に覆われ、各地で今年初めての真夏日となった。仙台管区気象台によると、161ある観測地点のうち、11地点で最高気温が30度を超えた。
 最高気温は釜石31.8度、岩手県大槌町新町31.5度、伊達市梁川31.3度、福島31.0度、青森30.1度、栗原市築館30.0度、仙台26.9度など。各地で今年最高を更新し、大槌町新町は2011年9月の観測開始以来、5月の気温としては最高となった。
 仙台市宮城野区五輪の榴岡公園には、涼を求める家族連れなどが訪れた。子どもたちは噴水がある広場で、はだしになって水遊びを楽しんでいた。
 管区気象台によると、21日も晴れて気温が上昇する見込み。向こう1週間、期間の初めは晴れるが、その後は気圧の谷や湿った空気の影響で曇りや雨となるという。


週のはじめに考える 人間の価値は稼ぐ力か
 人間の価値は稼ぐ力で決まるのか。重い問いを巡る裁判が東京地裁で始まりました。障害の有無にかかわらず、法の下では命の尊厳は平等のはずです。
 二年前、東京都内の松沢正美さん、敬子さん夫妻は、十五歳の息子和真さんを福祉施設での事故で失いました。重い知的障害のある自閉症の少年。施設から外出して帰らぬ人となって見つかった。
 その損害賠償を求めた訴訟が動きだし、最初の口頭弁論でこう意見を述べました。
◆逸失利益ゼロの衝撃
 「過去の判例や和解は、被害者の収入や障害の程度によって加害者に課せられる賠償額に差をつけてきましたが、到底納得できません。不法行為に対する賠償は、当然、公平になされるべきです」
 施設側は事前の交渉で、事故を招いた責任を認めました。けれども、提示した賠償額は、慰謝料のみの二千万円。同年代の健常者の四分の一程度にすぎなかった。
 障害を理由に、将来働いて稼ぐのは無理だったとみなして逸失利益をゼロと見積もったのです。慰謝料まで最低水準に抑えていた。
 逸失利益とは、事故が起きなければ得られたと見込まれる収入に相当し、賠償の対象となる。
 同い年の健常者と同等の扱いをと、両親が強く願うのは当然でしょう。男性労働者の平均賃金を基に計算した逸失利益五千万円余をふくめ、賠償金約八千八百万円の支払いを求めて提訴したのです。
 同種の訴訟は、実は全国各地で後を絶たない。なぜでしょうか。
 最大の問題は、逸失利益という損害賠償の考え方に根ざした裁判実務そのものにあるのです。高度経済成長を背景に、交通事故や労働災害が増大した一九六〇年代に定着したと聞きます。
◆司法界の差別的慣行
 死亡事故では、生前の収入を逸失利益の算定基礎とし、子どもら無収入の人には平均賃金を通常は用います。ところが、重い障害などがあると、就労は困難だったとみなして逸失利益を認めない。
 人間は平等の価値を持って生まれてくるのに、不法行為によって命を絶たれた途端、稼働能力という物差しをあてがわれ、機械的に価値を測られるのです。重い障害のある人はたちまち劣位に置かれてしまう。
 逸失利益を否定するのは、生きていても無意味な存在という烙印(らくいん)を押すに等しい。昨年七月、相模原市で多くの障害者を殺傷した男が抱いていた「障害者は不幸を作ることしかできない」という優生思想さえ想起させます。
 この差別的な理論と実践を長年積み重ねてきたのは、本来、良心に従い、公正を貫かねばならないはずの司法界そのものなのです。
 正美さんは「障害者の命を差別してきた司法の慣行を覆さねばなりません。差別の解消に貢献できる判決を勝ち取りたい」と語る。
 すでに半世紀前、逸失利益をはじく裁判実務について「人間を利益を生み出す道具のように評価しとり扱う態度」として、厳しく批判した民法学者がいた。元近畿大教授の西原道雄さんです。
 六五年に発表した「生命侵害・傷害における損害賠償額」と題する論文は、こう指摘する。
 「奴隷制社会ならばともかく、近代市民社会においては人間およびその生命は商品ではなく交換価値をもたないから、一面では、生命には経済的価値はなく、これを金銭的に評価することはできない、との考えがある。しかし他面、人間の生命の価値は地球より重い、すなわち無限である、との観念も存在する。生命の侵害に対しては、いくら金を支払っても理論上、観念上、これで充分(じゅうぶん)とはいえないのである」
 それでも、民法は金銭での償いを定める。法の下の平等理念をどう具現化するか。生命の侵害をひとつの非財産的損害と捉え、賠償額の定額化を唱えたのです。
 同じ電車の乗客が事故で死亡した場合、一方は百万円、他方は二千万円の賠償に値するとみるのは不合理ではないか。百万円の生命二つより二千万円の生命一つを救う方が重要なのでしょうか。
 西原理論の核心はこうです。
 被害者個々人の境遇は、収入はもとより千差万別なので考慮する必要はないのではないか。むしろ、賠償の基本額を決め、加害者の落ち度の軽重によって増減する仕組みこそが理にかなう、と。
◆かけがえのなさこそ
 障害の有無で分け隔てしない社会を目指し、日本は障害者の権利条約を結び、差別解消法を作った。西原さんの考え方は今、一層重みを増していると思うのです。
 稼ぐ力ばかりが称賛される時代です。存在のかけがえのなさを見つめ直すべきではないか。そういう問いかけが、社会に向けられているのではないでしょうか。


「禁煙五輪」へ  開催国の責務を果たせ
 「たばこのない五輪」に赤信号がともり始めた。
 2020年東京五輪・パラリンピックに向け、他人のたばこの煙を吸わされる受動喫煙の対策を強化する健康増進法改正案づくりで、厚生労働省と自民党の調整が難航している。飲食店を原則禁煙とする厚労省案に対し、党たばこ議員連盟が「厳しすぎる」と強硬に反対し、今国会への法案提出が宙に浮いたままだ。
 公共の場での受動喫煙防止は五輪開催国の責務である。08年の北京大会以降、一貫して飲食店の屋内喫煙が規制されてきたが、「無煙五輪」は日本で途絶えかねない。政府や自民党が五輪開催を重視するのであれば、禁煙を巡る世界の潮流を直視した責任ある対応を求めたい。
 国際オリンピック委員会(IOC)は1988年に五輪の禁煙方針を採択し、競技会場内外の受動喫煙防止を推進。五輪開催には「世界標準」の対策が欠かせないため、厚労省は昨年10月、施設の目的に応じて喫煙禁止の範囲を区分けする規制強化案を公表した。
 当初の案は全ての飲食店を原則禁煙としたものの、飲食業界の反発を踏まえ、3月に小規模のバーやスナックは例外的に喫煙を認める修正案を提示。世界保健機関(WHO)のたばこ規制枠組み条約が求める屋内施設の全面禁煙に比べ、かなり緩やかな規制となってしまった。
 ところが、なおも党側は納得しない。小規模店が店頭に「喫煙」や「分煙」を明示すれば喫煙を認めよ、と迫る。厚労省は17日、数年間の期限付きで飲食店に喫煙を認める例外を拡大する譲歩案を示したが、党側はさらなる緩和を求めている。
 たばこの煙には有害な化学物質が含まれ、肺がんや心筋梗塞などの要因となる。とりわけ受動喫煙が原因とみられる死者は年間約1万5千人に上り、余計にかかった医療費は2014年度で3200億円を上回った、と厚労省は推計する。
 居酒屋やおでん屋は未成年を含む家族連れも利用する。バーやスナックにもたばこを吸わない従業員や客がいる。激変緩和の時限措置とはいえ、後退に後退を重ねては国民の健康を守る効果は期待できない。
 客足が遠のくとの懸念もあろうが、厚労省の「たばこ白書」は海外で飲食店の禁煙化で減収などの影響が認められなかったと結論付けている。営業権や喫煙権を軽視するわけではない。だが命と健康に関わる問題であり、いや応なく他人のたばこの煙にさらされない権利は、より尊重されるべきではないか。
 五輪開催地の東京都は、独自に公共施設や飲食店の屋内を原則禁煙とする条例制定を検討する。しかし競技会場は都内だけではなく、全国一律の対策が望ましい。
 今国会で改正法案を成立させるには、一刻の猶予もない。
 安倍晋三首相は、1月の施政方針演説で「受動喫煙対策の徹底」を表明した。安倍政権は東京五輪を口実に強引に「共謀罪法案」の成立を急ぐが、五輪開催の必須条件である受動喫煙対策を軽んじてはならない。今こそ「安倍1強」とされる指導力を発揮してもらいたい。


教育勅語に学ぶなら 心を縛りつけた本質こそ
 親孝行や友達を大切にするなど核の部分は取り戻すべきだ―。教育勅語をめぐる稲田朋美防衛相の答弁だ。
 軍国主義に結び付いたとして敗戦後の1948年、国会が排除や失効の決議をした。にもかかわらず学ぶべき教えが多いとの肯定論が波のように押し寄せる。
 1890年、明治天皇が発布した教育勅語は難解な表現が多く、多くの訳文がある。
 戦前の旧文部省全文通釈(1940年)にはこうある。〈万一危急の大事が起こったならば、大義に基づいて勇気をふるい一身を捧(ささ)げて皇室国家の為(ため)につくせ〉
 戦後、広まったのは明治神宮などがウェブサイトにも引用している国民道徳協会の訳文だ。
 〈非常事態の発生の場合は、真心を捧げて、国の平和と安全に奉仕しなければなりません〉
 松本市の旧開智学校で売られていた複製の訳もほぼ同じ内容だ。
   <内村鑑三の「不敬」>
 皇室国家のために身を捧げよ、との核心部分が塗り変わっている。臣民は天皇に服従するとの意味も薄まり、親孝行など分かりやすい徳目が強調されている。
 教育勅語の本質とは何か。
 発布翌年の1891年、当時の第一高等中学校で、教育勅語を読み上げる奉読式が行われた。
 嘱託教員だった内村鑑三(1861〜1930年)がこの式で勅語への頭の下げ方が不十分だったとして非難される。
 教頭が求めた神道式の低頭をキリスト教信者として拒んだのだ。これが「不敬」だと決め付けられ辞職に追い込まれた。
 勅語にたがうものは国民とはいえない。万一教職員や生徒にたがえる行為があれば許さない―。これが校長の方針だった。
 勅語の謄本は、「御真影」(天皇、皇后の写真)とともに多くの学校に設けられた奉安殿に保管された。
 長野県教育史によれば、御真影の奉拝や教育勅語の奉読の儀式は、神格化された天皇への「忠君」の意識を子どもたちに形成する手段だった。国家神道の祭日にも行われるようになった。
 「田舎の戦争生活」と題する資料集がある。南佐久郡小海町出身の元林野庁職員小池茂樹さんが母校の北牧尋常高等小などの学校日誌を6年がかりでまとめ、自費出版した。敗戦まで20年間の学校生活を浮き彫りにする記録だ。
 教育勅語に加えて1939年には昭和天皇の勅語が発布される。幼稚園児から大学生まで「青少年学徒」に、昭和天皇が直接呼びかけて命ずる形をとった。
 この中に「武ヲ練リ」の文言がある。37年から始まった日中戦争が泥沼化する中、学校の戦時体制化を一層強化させる意図で作成され、教育勅語を補完した(新教育学大事典)。
 日誌によれば太平洋戦争開戦の1カ月前の41年11月、佐久地方のある青年学校では昭和天皇の勅語奉読のあと軍事教練が3時間行われ、軍人の査閲を受けた。
 やがて敗戦。川上第一小を視察した県視学(教育行政官)は「国体護持」と「民主主義」が両立するかの発言をした。
 小池さんは〈たった一人の先生でもいいから間違えたことを教えてごめんなさいと謝罪する図式ができなかったわけだ〉と書いた。
   <責任が曖昧なまま>
 戦後、首相直属の教育刷新委員会は部会で教育勅語の扱いを議論した。根強い擁護論に加え、天皇に新たな勅語を発してもらうべきだとの意見も出た。文部省も学校に「奉読を要しない」との通達を出すにとどめる考えだった。
 部会は「廃止」を打ち出せず、新たな勅語を制定しないことを決議した。廃止すれば天皇の権威を傷つけるとの懸念が委員の間にあったとされる。
 一方で、委員会の論議は「個人の尊厳」を重んじる教育基本法へとつながっていく。
 新憲法を反映した教育基本法は47年3月に施行。それから国会の排除、失効決議まで1年3カ月も新憲法の国民主権などに反する教育勅語が併存した。日本人自ら勅語を厳しく総括できず教育の責任を曖昧にした。国会決議はGHQ(連合国軍総司令部)の口頭指示を受けたものだった。
 50年代に入ると国家のために尽くすなどの道徳規範を求める基本法見直し論議が起きる。その後何度も湧き上がり、第一次安倍晋三政権は2006年、愛国心などを盛り込む改定をした。
 森友学園問題に絡み安倍政権は教育勅語について憲法や教育基本法に反しない形での教材使用は否定しないとの答弁書を決めた。
 憲法に反しない形で使うなら、国家が子どもの心を縛りつけ、軍事に服従させた本質こそ教えなければならない。


共謀罪法案採決/慎重な判断が求められる
 自民、公明両党が、衆院法務委員会で、野党の反対を押し切り「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案の採決を強行し、可決させた。今国会での成立を目指し23日の衆院本会議で採決して衆院通過を図る。
 審議の場は参院に移ることになるが、犯罪の実行後ではなく、計画段階で処罰する改正案を巡っては、捜査当局が動向を監視する対象が飛躍的に広がり、国民の思想、信条の自由が侵されかねないなどの懸念が指摘されている。
 防衛、外交などの分野で、国民の知る権利を制限する特定秘密保護法も運用される中、このまま改正がなされれば国家による一方的な監視社会が始まることにならないかという不安の声も根強い。
 捜査当局による監視のための手段は既に存在し、強化もされている。電話やメールを傍受する権限を捜査当局に与える通信傍受法だ。昨年、改正され、薬物や銃器、集団密航、組織的殺人の4類型だった対象犯罪に組織性が疑われる詐欺や窃盗など9類型が追加された。
 さらに傍受への通信事業者ら第三者の立ち会いも必要がなくなり、捜査当局にとって格段に使い勝手が良くなっている。
 一方、国民の知る権利はどうか。2014年12月施行の特定秘密保護法によって防衛、外交、スパイ防止、テロ防止の4分野で、国の安全保障に関して重要と認定された情報は厳重に保全されることになった。特定秘密とされた情報を外部に漏えいした公務員らは最高で懲役10年を科せられる。秘密指定の期間は原則最大30年で、内閣の承認によりさらなる延長も可能だ。
 また、情報公開制度も問題を抱えている。01年4月、国の機関が保有する行政文書を原則として公開し、請求権を、外国人を含む全ての人に与える「情報公開法」が施行されたが、個人情報や、国の安全、外交上の不利益になる情報などは非公開を認めるという例外規定を適用するケースが増えているからだ。
 国有地を小学校建設用地として格安で購入した学校法人「森友学園」の疑惑を追及した国会審議では、「のり弁」と称され、内容がほとんど黒塗りにされた文書が注目を浴びた。さらに、この審議では財務省による交渉や面会記録などの公文書を短期間に廃棄していたことが問題化している。
 南スーダン国連平和維持活動(PKO)に派遣されていた陸上自衛隊が作成した日報を巡っては、情報公開請求に対して防衛省が「廃棄済み」を理由に不開示としながらその後、同省統合幕僚監部に電子データが保管されていることが判明するなど公開されるまでに曲折を経ることになった。
 自分たちに都合の悪い情報は、国民の知る権利に反しても公開しないという姿勢がうかがえないだろうか。政権や行政が、こうした姿勢で国民に対する監視を著しく強める権限を握れば、他の権利も軽んじられることにならないかという不安さえわく。
 「自分は悪いことはしないから関係ない」という受け止め方で本当にいいのか。国民一人一人がわが身に起こりうる問題であるかどうかを慎重に判断する必要がある。


加計文書に第2弾も 安倍官邸が怯える文科省大物幹部の影
 安倍首相の“腹心の友”が理事長を務める学校法人「加計学園」をめぐる疑惑の火消しに官邸が躍起になっている。一体誰が文書を流し、リークしたのか、血眼になって“犯人”を捜している。第2弾、第3弾の「加計文書」が流出することだけは絶対に阻止するつもりらしい。
 松野文科相は19日、「官邸の最高レベルが言っている」「総理の意向」などの文言が並んだ問題文書について「省内調査で存在は確認できなかった」と発表。高等教育局長ら7人の聞き取りでも一連の文言を内閣府から言われた記憶はないなどと答えたという。当初、「怪文書」と吐き捨てた菅官房長官は「誰が書いたか分からない。意味不明のもの。政府が答えることはない」と強弁を繰り返している。
 官邸は問題の「総理のご意向」文書を最後まで“怪文書”扱いするつもりだ。誰が見ても文科省内の“内部文書”なのは明らかだが、存在を認めたら安倍首相の関与も認めたことになる。だから、黙殺し続けるしかない。 しかし、その一方で文書を流出させた犯人の特定に必死になっている。
 官邸に恩でも売りたいのか、和田政宗参院議員(無所属)まで参戦。ツイッターでたびたび加計報道を取り上げ、〈おとといの早い段階で、我々は誰がメディアに持ち込んだかを特定できていた。このところ当該人物は、要注意人物としてマークされていた〉などと書き込んでいる。和田氏は安倍首相が共鳴し、支援を受ける日本会議のメンバーだ。
■経産省一派への意趣返しも
 さらに、ある官邸幹部は番記者にオフレコで「Xが流しやがった」と実名を挙げて非難。いま、文書をリークした犯人として名前が挙がっているのが、大物の文科官僚だ。この大物官僚は加計疑獄の詳細を知っているとみられている。
「官邸がビビっているのはXがどういう思惑で行動に出て、どれほどの具体的資料を抱え込んでいるか読み切れていないためです。安倍首相に〈非常にしつこい〉と冷たく切り捨てられ、反撃に出た森友学園の籠池泰典前理事長の例もある。次から次へと資料を出されるような事態になったら最悪。そうなる前に報道を抑え込み、幕引きを図ろうと焦っているようです」(文科省担当記者)
 確かに、「加計文書」の犯人は打ち上げ花火一発で勝負に打って出たわけではないだろう。第2、第3の資料が飛び出してくる可能性は十二分にある。
 そしてもうひとつ、別の動きもあるという。今井尚哉総理秘書官以下、官邸で絶大な影響力を持つ経産省グループへの意趣返しだという。
「文書に〈官邸の最高レベルが言っている〉という脅し文句がありますが、あれは経産官僚独特の言い回しです。あの発言主のFはことあるごとに安倍首相や菅官房長官の意向をチラつかせ、他省庁の役人に無理難題をのませてきた。忖度の無理強いにウンザリしている役人は少なくない。霞が関中の鼻つまみ者ですよ」(霞が関関係者)
 政権中枢に大打撃を与えた「加計文書」に留飲を下げた官僚はゴロゴロいる。安倍官邸がどんなに抑え込もうが、パンドラの箱は開いた。内部告発は収まりそうにない。


室井佑月が共産党・小池晃に説教!?「共産党はネットの使い方が下手すぎ」「ネトサポに対抗する組織つくれ」
 日本共産党書記局長・小池晃参院議員を迎えてお送りしている室井佑月の連載対談「アベを倒したい!」。前編では、森友問題はもちろん、安倍政権による北朝鮮危機の政治利用や共謀罪強行、2020年新憲法施行宣言の批判で意気投合、「安倍首相は後ろめたいときキレる」「自分に媚びない女性に厳しい」など、安倍首相を徹底ウォッチしてきた二人ならではの分析まで飛び出した。
 ところが、後編では一転して、室井佑月が共産党と小池議員に「野党連合は大丈夫なのか」と追及。「共産党は真面目すぎ」「ネットやマスコミの使い方が下手すぎ」と説教を始めたのだった。はたして、共産党書記局長でもある小池議員はどう答えるのか? そして、野党連合の行方は?(編集部)
小池晃が「NHKの国会ダイジェストを見ると、僕が言い負かされてるみたい」と
室井 でも、これだけいろいろあっても、安倍政権の支持率って下がりませんよね。そうそう、小池さんにあったら、これをぜひ陳情したいと思っていたんですけど、世論調査って、信用できるんですか。マスコミの世論調査の実態について調べてほしい。だって怪しいんだもの。私のまわりには仕事じゃなきゃ、安倍さんマンセー! なんて人、いませんよ。地域や年齢層、時間帯、やりとりがどんなものなのか。本当に公正で正確な調査なのか。意図的な誘導があるんじゃないかと。
小池 内閣支持率はそんなことはないと思いますが、室井さんのおっしゃる通り、恣意的な世論調査もありますよね。「テロに対して備えるための、テロ等準備罪がありますが、どう思いますか?」と聞かれたら、「反対」とはなかなかなりません。たしかに、安倍政権の支持率が落ちないのは、野党の結束力の弱さ、与党・自民党に代わる力を示せていないことが原因のひとつにあると思います、でも、一方では、そうしたメディアの問題も大きいと思います。
室井 そうなんです! 国会中継のダイジェストなんてひどいですもんね。安倍さんが反論にならない論理をかざして逆ギレしている答弁を、上手に編集して、「なんか強そうな勇ましい人だ」「負け知らずでタフ」というイメージに仕上げてしまう。これこそ悪質な情報操作だと思うんです。
小池 そういえば、自分の国会質問を後からテレビで見ると、「これ、俺が負けているみたいだな」と思うことがありますね(笑)。
室井 実際は全然違うのに。
小池 さっき言った「妻を犯罪者扱いするのは不愉快だ」発言のときもそうでした。私は「昭恵夫人と籠池理事長がいつから知り合いか」と質問しただけなのに、安倍首相の「不愉快だ!」という逆上場面だけを流して、私の質問も反論もカットしてしまう。だから、犯罪者扱いした小池に対して、安倍首相が妻をかばったかのような印象をもたれてしまうんです。後でNHKの担当記者に「なぜあそこだけ切り取って流すのか」と聞いたら、「そうした方が、安倍さんの異常さがわかるんじゃないですか」と言っていました。でもそれはまったく逆だと思います。
室井 あの不愉快発言も、ネットでは「安倍ちゃん最強!」なんて絶賛されてましたもんね。
小池 テレビのニュース番組などでもほとんど政権批判がなくなりましたね。テレビの討論番組も少なくなった。以前は、『サンデープロジェクト』(テレビ朝日)などで政党討論をやっていましたが、最近は有識者討論ばかり。やるとしてもBSでしょう。
室井 安倍さんが首相になってから、安倍政権に批判的なコメンテーターはどんどん変えられているんですよ。
小池 テレビで批判的なことを言った司会者やコメンテーターに、政府から「ご説明を」なんて来るらしいですね。
室井 昔は、自民党議員の愛人やってる友達から、「あんた、それくらいにしとき!」とか注意されて、「先生が会いたがっているよ」と言われ、その議員さんと一緒にご飯を食べに行ったことがあるんです。そしたら「元気だな、跳ねっ返りが」とか笑われておしまいだった。ま、私は若くて可愛いバカ枠だったので、そんなものでしたね。それが今はネトウヨやネトサポ(自民党ネットサポーターズクラブ)と思しき連中から、いっぱい誹謗中傷がきます。ババアになったからという理由だけじゃないでしょ。テレビ局やスポンサーに、集団で「なんであんな女を使うんだ」と電話があったり、ツイッターなどネット系でも、私の発言を抜き取って、歪めて「こんなにバカなことを言ってる」と非難されたり。
小池 政権批判をしなくなったのは、ネトウヨの抗議をテレビ局が嫌がる、というのもあるんでしょう。
室井 ちょっとでも「安倍さんがこんな発言をしていてひどい」と政権批判をしようものなら、集団で「売国奴だ!」とか、「朝鮮に帰れ!」という書き込みがネットでもあるんです。芸能人はみんなそれを怖れて、発言をやめてしまう。あっ、そういえば、もうひとつ陳情したいことがあった。ぜひ、ネトサポの実態を共産党に調べてもらいたいんです。都市伝説的な噂では、「電通の子会社が、バイトを組織してやっている」なんて言われているじゃないですか。一体正体は何なのか、ちゃんと世に知らしめないと。大切なことですよ、思想じゃなくて、お金もらってそういう活動をしている人がいるかどうか分かるって。
小池 それは重大情報だ。ぜひ調べましょう。
室井「共産党にもネトサポみたいな組織をつくってほしい」と提案
室井 あと、共産党にもネトサポみたいな組織をつくってほしい。そういうことできるのって、組織力がある共産党しかいないと思うんです。本当は、世の中がおかしいと思っている人もいっぱいいると思うし、TV局の中にも、「本当にこのままでいいのか」と思っている人もいっぱいいると思うんです。だから、多くの人たちが声をあげやすいようにしないとダメですよね。そのために、私もこの連載などで何度も言っていますが、ネトウヨやネトサポのやり方を真似ていくべきだと思うんです。彼らって、ひとつの番組や人を集中的に攻撃するじゃないですか。だから、まっとうな政権批判や良い発言をした番組やコメンテーターに対し、すぐに「立派だ!」と声をあげる組織、集団を作ってください。
小池 赤旗のテレビ欄には、いい番組がやっていたら褒める投書をするようにと、テレビ局の電話番号が書いてあるんですが。
室井 知ってますけど、それだけじゃ甘いなぁ。言いづらいですけど、共産党って出しちゃダメでしょ。一般の人でひく人いるから。今は安倍政権を倒すため、縁の下の力持ちになって、組織力を生かして、24時間体制でテレビやネット、そして雑誌を見て、政権批判している人たちを賞賛したり仲間に取り込んだりしていかないと。野党全体に言えることですが、ネットやマスコミの使い方がヘタすぎると思う。一方の自民党はネットのことをすごく研究しているし、芸能人や文化人、評論家も上手く使っていて、一緒にご飯なんか食べてるんですよ。それで「もっと重要な問題があるだろう、森友なんかやっている場合か!」なんて擁護発言させるわけです。
小池 でも、そんななかで、テレビで鋭く安倍首相の“本質”を突く室井さんのような存在は貴重だと思いますよ。
室井 私は普通のおばさんですから、ガス抜きに使われているだけ。そうそう、この前、右翼雑誌の「正論」(産経新聞社)から共謀罪の対談に出てほしいとの依頼があったんですけど、相手が文芸評論家の小川榮太郎だって言うんです。あの安倍応援団で、言論弾圧をする「放送遵守を求める視聴者の会」の人間ですよ! しかも私も小川さんも共謀罪の専門家じゃない。本当に共謀罪について真剣に考えているなら、反対している専門家を出せばいい。きっと、小川さんの主戦場の「正論」で共謀罪反対の私を叩き潰すつもりだったんでしょ。卑劣なやり口ですよね。
小池 でも、室井さんの発言に拍手喝采している人はたくさんいると思います。だからテレビ局も出演させるんです。
室井 いや、まだまだです。その輪を広げていくためには、ネトサヨみたいなものを組織してもらうしかないんです。サザンの桑田さんや、長渕剛さん、渡辺謙さんなど、スター的な人たちが発信できて、みんなで拡散していけるのが理想です。「今、ウケてる! 支持されている!」という波に乗ると、芸能人ってサービス精神が強いから、もっと強く発信してくれると思います。
小池 たしかに、共産党も組織を上げて、前向きな発言をした人をプッシュする必要はありますよね。
室井 それと、共産党も芸能人に声かけて選挙に出したほうがいいですよ。
小池 共産党から出てくれますかねえ?
室井 そんな弱気こと言って、実際に声かけたことないでしょ! 動いてみないとわからないですよ。それと、自分たちでも番組をつくったほうがいい。
小池 ネットでは一応、『とことん共産党』という番組を持っているんですよ。
室井 あー、ダメですね。まず、番組名がダメだもん(笑)。だから党の色を出さないで、『ニュース女子』(TOKYO MX)のような感じで、こちらからサイドからのみ情報を出すんです。だいたい共産党って、真面目すぎるんですよ。小池さん、キャバクラとか行かないでしょう?
小池 行かないですよ(笑)。
室井 もうちょっと、そういうところに行って、若い女の子の気持ちとかちゃんとリサーチしたほうがいいですよ。そうだ、党名を出さずにテレビ局をつくればいいんじゃないですか。メディア対策に力を入れてもらいたい。『チャンネル桜』の逆張りのネットテレビとか。『ニュース女子』もDHCの一社提供だし、共産党の支持者に番組を買ってもらうのはどうですか?
小池 そんなにお金を持っている支持者がいるかなあ(笑)。実は、室井さんの言うようなことを考えたこともあります。でもスポンサーをどうしようかで話が止まってしまうんです。
「野党連合は大丈夫なのか」と追及する室井に小池が反論
室井 政権とくっついている人たちは、仕事が増えて儲けに繋がるけど、こっちは資金力もないですからね。でも、私、地方のラジオで20分ラジオをやらせてもらっていて、そこで安倍さんの批判をたくさんしています。そんな番組だから今まで絶対に提供がつかない枠だったのに、地元の企業がついてくれたんですよ。だから、共産党もあきらめないで、党の色を出さない、視聴者が食いつくようなフックを効かせた、政権批判のメディアをつくってくださいよ。
小池 そういうメディア発信を強めなきゃいけない、というのはありますが、同時に草の根的な政治運動を広げていかないと。安保法制のとき、国会前のデモで室井さんとお会いしましたが、ああいう闘いを起こさないといけません。あのときは野党共闘できていたじゃないですか。参議院選挙であれだけ協力できた。
室井 でも、野党がいまのような状況じゃ、そういう政治運動の広がりは難しいんじゃないですか。
小池 いや、やられっぱなしというわけでもないですよ。頑張っているところもある。たとえば沖縄。沖縄は野党が選挙に勝ち続けているじゃないですか。総選挙も知事選も、この前の参議院選挙も。「辺野古の基地を許すな」など、争点がはっきりしているからだと思います。その間、政府は機動隊を本土から連れてきて、辺野古でも高江でも、とにかく工事を進めて既成事実をどんどん作ってしまっている。「既成事実にしたら諦めるだろう」ということしかやっていないんです。福島も、参議院選挙で現職大臣を落として勝ったじゃないですか。「原発はダメ。第二原発も廃炉にしなきゃいけない」ということが県民の圧倒的な世論になっていて、争点がはっきりと見えているんです。
室井 たしかに沖縄は頑張っていると思いますが、うーん……。わたしは今、週の半分を地方で暮らしているんですが、地方になればなるほど自民党がやっぱり強いんですよね。なぜかと言うと、何か大きい建物を建てるとき、土建屋はここ! 弁当屋はここ! ポスターはここ! と、付け入る隙がなく決まっていて。政治に関して、政策を読んでいる人がほとんどいない印象です。前回の選挙を支えた野党連合もかなりやばいんじゃないですか。
小池 そんなことはないですよ。一歩ずつ前進しています。ただ、もうちょっと頑張らないといけないというのも事実です。共謀罪についても一緒にデモをしたり集会に出たり、断固廃案にするべく一緒に行動する必要がある。
室井 国会中継を見ていて思うんですけど、野党の連携があれば、少ない時間を有効活用して、重複した質問をせずに済むんですよね。「それ前の人がさっき聞いたのに、同じこと聞いてる!」というのがよくあるんです。共産党はそういうことがないですよね。
小池 うちはチームでやっていますから。民進党の人は、みんな個人でやっているから。でもそこはそれぞれの良さがありますからね。しかし民進党も変わってきている。安保法制のとき、当時の民主党議員が、「国民の世論と運動の力で、ストップさせたい」と言っていて驚きました。民進党は世論で動く政党だから、SEALDSのような若者が出てきて集会に人が集まり注目を浴びたり、安保法制反対の世論が高まると、いい意味で変わるんだなと思いましたね。
「いつまでに安倍を倒すか、期限を切れ」と迫る室井に、小池は…
室井 でも、民進党に主導権を握らせない方がいいですよ。昨年の東京都知事選を見ていてそう思いました。新潟知事選のときも、後から蓮舫代表がシャシャリ出てきて、中途半端な対応をして。そういえば民進党だった長島昭久さんが離党しましたが、共産党との共闘に不満だったんですよね?
小池 あれは口実ですよ。「今頃その理由で?」という感じじゃないですか。東京都議選が目前に迫ってきているので、このまま民進党にいたらダメだと、抜ける口実を探していたんじゃないかな。実際は、共産党と選挙協力した方がいいと思っている民進党の議員は結構いるんですよ。
室井 でも、民進党には本気で共産党嫌いな人もいますよね(笑)。以前、選挙カーで演説をしているとき、「共産党と一緒に上がりたくない」という民進党議員がいました。
小池 そういうこともあります。でも、そんなのいちいち気にしていたらやってられません。
室井 私、民進党のそういう姿勢を見るに見かねて、『週刊朝日』の連載で、「イデオロギー以前に人としてどうよ」と書いたことがあります。協力してもらってるんだから「ありがとう」という態度にならなきゃおかしいでしょ、と。
小池 あれ、志位(和夫委員長)さんが読んで、喜んでいましたよ。
室井 民進党は、誰が一番話せるんですか?
小池 今の執行部は話ができます。室井さんは疑いの目で見ていますが(笑)。
室井 でも野田さんって、リベラルの人にもすごく嫌われているでしょう。私も、あの人、嫌い。
小池 政権時代の印象があるから、ネガティブなイメージなんでしょう。でも、付き合ってみると、世間の評判ほど話がわからない人じゃない。ただ、存在感が重厚すぎて、電話してすぐに会えるといった身軽さはない。しかし会って話せば勘所はおさえてくれる人です。私は結構、信頼しているんです。
室井 小池さんの言葉を信じて(笑)、野党連合にはぜひ期待しています。それ以外でも “アベを倒す”方法はありますか? 小池さん、そして共産党はどう闘うのか教えて下さい。
小池 森友学園問題の追及は徹底的にやりたいです。森友学園問題を追及することで、安倍政治の危険な本質が見えてくると思っています。実際、国民の財産や許認可の私物化、身内への優遇、さらには安倍首相が日本中の学校を森友学園のようにしたい、と考えていることも明らかになった。「安倍首相、頑張れ!安保法制国会通過、良かったです」と全国民に言わせるような社会にしたいわけでしょう。そこをきちんと暴いていけば、安倍政権を倒す突破口になると思っています。
室井 ずばり、期限はいつまでですか?
小池 き、期限ですか?
室井 いつまでに倒すのか。期限を切って、覚悟してほしいです。小池さんはつねに、一歩先に行くひとだから、ハードルを高くしたいんです。ズバリ、期限はいつまでですか?
小池 来年9月に自民党総裁選があり、安倍総理の再選が焦点となるでしょう。続投させないためにも、それまでに倒さなきゃダメですね。そのためには、国会の前が毎日人で溢れるような闘いをする必要があると思っています。国会では、野党が情報交換して、あらゆる側面から攻めて立てます。当面は共謀罪です。そしてテレビによくでる芸能人の方なども発言しやすい局面を作ります。一部の人の主張ではなく、これが世論なんだと、知らしめていく。
室井 それを実現するためにも、ネットやメディアをうまく使うようになってほしい。小池さんはわかっていると思いますけど、自民党や、その周辺の親衛隊ってすごく卑怯なんですから。だから、もう一度陳情します。ネトウヨやネトサポに対抗できる組織、集団を作ってください。これも共産党にしか出来ないと思うんです。機動力があるんですから。小池さん、本当にお願いしますね。
小池 わかりました(笑)。こちらも、もっとずる賢くやれということですよね。
室井 それで、安倍政権を倒してくださいね。絶対、絶対ですよ、期待しています!(構成 編集部)
小池晃 日本共産党書記局長、参議院議員。1960年生まれ。東北大学医学部医学科卒業後、医師勤務を経て、1988年の参院選で初当選。現在は3期目で、日本共産党で常任幹部会委員、政策委員長、副委員長などを歴任し、現職。
室井佑月 作家、1970年生まれ。レースクイーン、銀座クラブホステスなどを経て1997年作家デビューし、その後テレビコメンテーターとしても活躍。現在『ひるおび!』『中居正広の金曜日のスマたちへ』(TBS)、『あさイチ』(NHK)などに出演中。


加計学園学部新設 「総理の意向」と符合、文科省軟化
 獣医師数抑制という国の「岩盤規制」に風穴を開けたとする安倍政権肝いりの国家戦略特区。これで52年ぶりとなる獣医学部新設を目指す学校法人加計(かけ)学園の加計孝太郎理事長は、安倍晋三首相の親友だった。お友だちに「例外の恩恵」をもたらすための特区認定だったのか−−と、国会が騒然としている。特区とは何か。認定の経緯はどうだったのか。【佐藤丈一、福永方人】
 特区は、経済活性化を目的に、特定の地域に限り国の規制を外す政策だ。獣医学部について、大学設置認可の権限を持つ文部科学省は、数を増やしすぎれば質を保てないとして新設を長年認めてこなかった。しかし安倍政権は、地域振興で獣医学部誘致に長年取り組んできた愛媛県今治市で、例外的に新設を認めた。
獣医学部新設特区が認定された経緯は?
 特区制度の出発点は小泉純一郎首相時代の2003年にできた「構造改革特区」だ。自治体が提案し、国が可否を判断する仕組みだが、規制に守られる業界団体や所管する省庁の抵抗で「岩盤」と呼ばれる規制をなかなか打ち破れなかった。
 安倍政権が13年に創設した「国家戦略特区」は、計画段階から特区担当相や民間事業者が入り、首相を議長とする「国家戦略特区諮問会議」が認定する。
 安倍首相は「日本の経済社会の風景を変える」と豪語。14年1月にスイスで開かれた国際会議で「岩盤規制を打ち破るドリルの刃となる。(特区では)いかなる既得権益といえども、私のドリルから無傷ではいられない」と熱弁をふるった。
 問題の特区はどのように決まったのか。
 国家戦略特区を決める組織は(1)民間事業者や自治体、省庁などの意見を聞き、方向性を固めるワーキンググループ(WG)(2)具体的な計画を定める区域会議(3)首相が出る諮問会議−−からなる。
 特徴は、規制を担う省庁が原則として議論から締め出されていることだ。三つの会議体は首相、特区担当相や政府に選ばれた有識者、特区を望む自治体や事業者らで構成。省庁は呼ばれたら意見を述べる存在にすぎず、自然と組織は認定に前のめりとなる。
 獣医学部の議論は15年に本格化した。文科省は当初は強く抵抗。WGの議事録によると、同年6月8日の意見聴取で担当者は「全国的見地から特区を活用した対応は極めて困難」と訴えた。政府は同30日、獣医学部新設特区を検討する方針を閣議決定。だが、文科省は翌16年9月16日の同じ場でも、獣医師の需給を理由に慎重姿勢を崩さなかった。
 ところが、同年9月21日の区域会議で、議事録によると文科省側は「(獣医学部新設の)要件が満たされることを確認することが重要だ」と述べ、容認へと軟化した印象だ。区域会議では同省が意見を表明する機会がそもそも少ない。内閣府は10月28日に特区の原案を作成。文科省は11月2日に了承する方針を内閣府に伝えた。
 「総理の意向」を内閣府が文科省に伝えた内部文書とされるものは、16年9〜10月に作成されたとみられ、文科省が軟化した時期と符合する。この文書について同省は今月19日、いわゆる「共謀罪」の衆院法務委員会採決強行で国会が騒然とする中、半日間の調査で「存在を確認できなかった」と幕引きを図った。
不自然な規制緩和 制度に懐疑の目
 今治市の特区認定で加計学園にもたらされる「例外の恩恵」は大きい。大学用地は今治市が16.7ヘクタール(37億円相当)を無償で譲渡し、総事業費192億円のうち最大96億円を県と市が負担する。
 特区は本来、現実にそぐわない国の規制を変えるきっかけになることが期待される。だが、学園の理事長が安倍首相と親密なことから不自然さが指摘され、「国家戦略特区」という制度そのものに懐疑の目が向けられ始めている。
 ジャーナリストの布施祐仁さんは「公益よりも首相の友人や妻昭恵氏に近い人たちの個人の利益を優先しているように見える。森友学園問題と同じで、安倍政権の性質が表れている」と批判。「表に出た一連の文書を見る限り、『そんたく』を超え、権力を使った恫喝(どうかつ)に近い。真相を究明し、国民の疑惑を晴らすのが政府の最低限の責務だ」と話す。
 経済政策に詳しい立教大経済学部の郭洋春(カク・ヤンチュン)教授(開発経済学)も「風景を変える、と首相が言うわりに、認定事業はちまちましたものばかり。特定の産業や企業への利益誘導にしか見えない」と批判。「地域の意見を吸い上げ支援していた従来の特区に比べ、トップダウンで恣意(しい)的な考えが入り込む余地があり、透明性や公平性に疑いがある。政府が今回の問題について誰もが納得できる説明をしなければ、特区制度の信頼性が根本から揺らぐだろう」と話す。


原発を止めると左遷…エリート裁判官たちが抱える「大苦悩」 裁判官の世界はこうなっている
岩瀬 達哉
ある裁判官が「人命と電気代を天秤にかけることなどできない」と判決文に書いた時、多くの日本人が深く共感した。だが裁判官の世界では、そうした「普通の感覚」を持つ人ほど、冷遇されてしまう。
止めては動かすの繰り返し
「裁判官人生を振り返ってみると、僕なりに日和ってるんですよ」
元裁判官で、弁護士として福井原発訴訟弁護団長を務める井戸謙一(63歳)は、滋賀県彦根市の事務所でこう語った。
かつて井戸は、金沢地裁の裁判長として、2006年3月、北陸電力の志賀原発2号機(石川県)の運転差し止めを命じている。東日本大震災によって、東京電力福島第一原子力発電所が過酷事故に見舞われる5年前のことだ。
「裁判官になった以上、地裁の裁判長(部総括)にはなりたかった。いずれ重大な、社会的に意味のある事件を審理したいという思いはありましたから、自己規制もした。もちろん、裁判で判決を書くにあたって、自己規制したことはない。
しかし、司法のあるべき姿を議論する裁判官の自主的な運動に関わっていながら、目立つポジションを避けてきたんですね」
任官から23年目、48歳の時、井戸は、志賀原発の訴訟を担当する。
「あの時点では、原発訴訟は住民側の全敗ですからね。まあ、同じような判決を書くんだろうなぐらいのイメージだった。
でも、いろいろ審理していくと、電力会社の姿勢に危惧される面があった。さすがにこれだけ危険なものを扱うのに、この姿勢ではダメだろう。やる以上は、もっと耐震性を高めてから稼働させるべきというのが、あの判決の趣旨なんです」
政府が国策として進める原発事業の是非を、選挙の洗礼を受けていない裁判官が、わずか3名で判断するのは勇気のいることだ。
まして、電力の安定供給にかかわる重要政策であり、日本経済に打撃を与えかねない。ほどほどのところで妥協すべきという空気が、裁判所内には蔓延していた。
「社会的影響や予想される批判を視野に入れると、重圧と葛藤に苛まれ、身動きがとれなくなってしまう。だから、法廷の中だけに意識を集中するようにしていました」
そして井戸は、さりげなく言い添えた。
「原発訴訟の弁護団長をしていて、つくづく感じるのは、原発の再稼働を容認する裁判官の多くが、法廷外のことを考え過ぎているのではないかということです」
福島原発の事故後、全国の裁判所に提訴された再稼働差し止めの訴訟は、35件。これまでのところ、住民側が勝訴したのが3件、電力会社側に軍配が上がったのが5件である。
判決の分かれ目は、福島の事故後、あらたな政府機関として設立された原子力規制委員会の「新規制基準」への裁判官の評価の違いだ。この規制基準を、信頼できると見るか、この程度では安全性を確保できないと考えるか。この違いが、判決を分けてきた。
「新規制基準」への裁判官の評価の違いが、もっとも端的に表れたのが、高浜原発(福井県)の運転差し止め訴訟だ。
2015年4月、運転差し止めの仮処分を認めた福井地裁の樋口英明裁判長(64歳)は、「新規制基準は緩やかすぎ、これに適合しても本件原発の安全性は確保されない」と言い渡した。
樋口は、2014年5月にも大飯原発(福井県)の運転差し止めを命じている。その判決文で「極めて多数の人の生存そのものに関わる権利と電気代の高い低いの問題とを並べた議論の当否を判断すること自体、法的には許されない」と述べるなど、裁判所の役割の重大さと責任の重さを、世に示した。
その樋口裁判長の、後任として福井地裁にやってきた林潤裁判長(47歳)は、関西電力の異議申し立てを認め、「樋口判決」を取り消した。同判決文で、林裁判長は「原子力規制委員会の判断に不合理な点はない」と述べている。
要するに、「新規制基準」は信頼でき、その基準に沿って、安全性を審査した原子力規制委員会の判断に問題はないとするものだ。
原発を止めると左遷される
そして高浜原発は、2016年1月から再稼働するが、この判決の影響をもっとも受けたのは、住民でも電力会社でもなく、原発訴訟を担当している裁判官たちだった。
「原発を止めた樋口裁判長が、名古屋家裁に飛ばされたのを見て、支払うべき代償の大きさを意識しない人はいなかったはずです」(ある若手裁判官)
家裁は、離婚や相続などの家庭や親族間の問題を扱うため、地裁のように社会的に注目を集める事件や、憲法判断をともなう重要事件を担当することはない。
ベテラン裁判官が「家裁送り」になるということは、第一線から外されるに等しい。これは、口にこそ出さないが、裁判官の誰もが抱いている思いである。
一方、原発を止めなかった林裁判長には、望ましい処遇が巡ってくると予想する裁判官は少なくない。
「でなければ、原発訴訟で裁判官を統制できなくなりますから」
こう語るのは、林裁判長をよく知る元裁判官だ。
「もともと林さんは、任官以来、エリートとして走り続けてきた人で、将来、最高裁入りするだろうと言われていた。
ところが、ここ10年ほどは遅れが出はじめていて、宮崎地裁や福岡地裁を『遍歴』してるんです。本籍ともいうべき東京に戻してもらえない。少なからず焦りはあったはずです。
それだけに、福井地裁への異動を告げられた時、そこで果たすべき役割を忖度し、それを果たす意欲を胸に赴任していったはずです」
林裁判長は、司法試験と司法研修所の卒業試験が、ともに上位でないと赴任できないとされる東京地裁が初任地で、その後、最高裁事務総局の「局付」課員に引き上げられている。
最高裁事務総局は、全国の裁判所を運営する規則を定め、裁判官の人事を差配するなど、組織の中枢部門である。
そこに、「局付」として配属されることがエリートの証であることを、第11代最高裁長官で、「ミスター司法行政」の異名をとった矢口洪一は、政策研究大学院大学作成の「オーラル・ヒストリー」の中で語っている。
矢口は、強烈な個性の持ち主で、乱暴で独善的なところがあったが、上司や政治家の受けは良く、早くから最高裁事務総局で取り立てられてきた。
民事局長、人事局長、事務総長などを歴任し、ほとんど裁判部門に出たことがない。矢口の裁判官人生の7割近くはここ事務総局での勤務で占められている。
「ほんの極々一部の人は教官(註・司法研修所教官)になったり、調査官になったり、事務総局に入ったりします。局付になりますと、ちょうど行政庁の属官になったのと同じような意味において、いろいろなことをやります。
『大蔵省との折衝は、こうなんだな』『予算要求というのは、こういうものなんだな』『定数の要求とは、こういうものなんだな』ということが分かるし、国会に対する資料作りとか、いろいろなことをやるわけです」
まさに、全国の裁判所を管理、運営するための特別の教育を受けるのが「局付」なのだ。
エリートの中のエリート
しかし、なぜ林裁判長は、突如、エリートとしての歩みに遅れが出だしたのか。
林裁判長と面識のある若手裁判官によれば、「林さんの趣味の、ヒップホップ・ダンスが原因」という。
「林さんは、『ダンシング裁判官』とあだなされるほど、ダンス好きで、夕方、裁判所の弁論準備室等を使い、書記官や司法修習生を引き連れては、よくダンスに興じていた。
あくまで自主的な集まりで、強制はなかったようですが、職員でない司法修習生を引き連れてのダンスに、眉をひそめる裁判官は少なくなかった」
裁判所に限らず、どの組織にも妬みや嫉みが渦巻いている。仕事以外のことで、評判を落とし、それが人事評価に跳ね返っていたというのは、じゅうぶん考えられることだ。
原発訴訟の特徴は、原発の立地県の住民だけでなく、事故が起こった際、その影響を受ける他県の住民もまた、行政区域を越えて、運転差し止め訴訟を起こせるところにある。
高浜原発にしても、事故が起これば琵琶湖が汚染され、滋賀県民が被害を受ける。そのため、高浜町から65km離れた大津地裁にも、林裁判長が稼働を認めた高浜原発の運転差し止め訴訟が持ち込まれた。
これを審理した、大津地裁の山本善彦裁判長(62歳)は、住民側の訴えを認め、高浜原発の運転差し止めの仮処分を決定している。これによって、いったんは稼働した原発は、再び運転停止を余儀なくされることになったのである。
山本裁判長をよく知る裁判官は、「彼は、おとなしく、目立たない人ですが、記録をよく読み、よく考え、事実を見る目は確かな人」と言う。
しかし、その審理を尽くしたはずの「山本判決」は、二審に相当する抗告審で、あっさり破棄された。
この決定を下したのは、大阪高裁の山下郁夫裁判長(62歳)だ。この人もまた、「局付」経験者で、最高裁調査官を務めたトップエリートである。
このように、原発を止めた裁判官は、地道に裁判部門一筋に歩んできた人で占められている。一方、原発を動かした裁判官は、一様に最高裁事務総局での勤務経験があるエリートがほとんどだ。
この両者の違いは、日本の裁判所の二面性を図らずも映し出しているといえよう。
「憲法と法律にのみ拘束」されるはずの裁判所が、実は、政治的配慮を怠らないところだからだ。
また、そういう行動原理にあるからこそ、最高裁は、原発訴訟で裁判官に忖度してもらいたいメッセージを発信するのだろう。
最高裁は、2013年2月12日、司法研修所で「特別研究会(複雑困難訴訟)の共同研究」を行った。福島原発の事故を受け、今後、頻発するであろう原発訴訟に対し、何らかの手を打たなければならなかったからだ。
この日の議論は、2013年5月付の小冊子としてまとめられているが、そこには直接、指示めいた記述はない。ただ、最高裁が望んでいるであろう訴訟方針をふたりの裁判官が、意見として述べている発言が挿入されていた。
「官僚」裁判官
実際、この小冊子を手にした裁判官は、ふたりの裁判官の意見は、最高裁の訴訟方針を代弁したもの、と受け取った。
匿名処理されたひとりの裁判官が、「基本的には伊方原発最判(註・最高裁判例)の判断枠組みに従って今後も判断していくことになると思う」と言うと、もうひとりが、「伊方原発最判の枠組みで判断することに賛成である」と、その必要性を強調している。
1992年に出された伊方原発(愛媛県)の最高裁判例は、福島原発の事故以前に提訴された原発訴訟において、多用されてきた判断枠組みである。
冒頭の井戸が、この枠組みを使わずに志賀原発の運転差し止めを命じるまで、原発訴訟を全敗させる効力があった。
その最高裁判例には、「(原発の安全審査は)高度で最新の科学的、技術的、総合的な判断が必要で、行政側の合理的な判断に委ねられている」と書かれている。
つまり、高度な専門性が求められる原発の安全性を、技術者でない裁判官が判断するのは難しい。したがって、専門家や行政側の意向を尊重し、裁判官は自制的であるべきと示唆する内容だ。
そして、この「共同研究」で打ち出された判断枠組みを早速、踏襲したのが、鹿児島地裁の前田郁勝裁判長(59歳)と、福岡高裁宮崎支部の西川知一郎裁判長(57歳)だ。
前田裁判長は、九州電力の川内原発(鹿児島県)の再稼働を認め、西川裁判長は、その決定を高裁で維持した。この西川裁判長もまた、最高裁事務総局で「局付」を経験したのち、最高裁調査官を務めたエリートである。
最高裁事務総局で勤務経験のある裁判官が、政府にとって好都合な結果を生み出し続けていることの因果関係について、前出の矢口洪一は、こう断言している。
「三権分立は、立法・司法・行政ではなくて、立法・裁判・行政なんです。司法は行政の一部ということです」
要するに、裁判部門は独立していても、裁判所を運営する司法行政部門は、「行政の一部」として、政府と一体であらねばならないと言っているのだ。
原発を稼働させてきた裁判官たちは、まさに、この矢口の言葉を体現するかのように、公僕として国策を遂行する「官僚」の務めを果たしていたといえよう。
岩瀬達哉(いわせ・たつや)
55年、和歌山県生まれ。'04年『年金大崩壊』『年金の悲劇』で講談社ノンフィクション賞を受賞。その他著書多数


共謀罪 反対集会に4000人 大阪をデモ行進
 組織犯罪を計画段階で処罰可能とする「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案に反対する集会が21日、大阪市西区の靱(うつぼ)公園で開かれた。弁護士や市民団体関係者が法案の危険性を訴え、参加者約4000人が「共謀罪反対!」と声を上げながら市内中心部をデモ行進した。
 主催した大阪弁護士会の小原正敏会長は「犯罪の準備行為を罰する名目で人々の心の内に捜査が及べば内心の自由が制約される」と指摘し、衆院法務委員会が19日、約30時間で審議を打ち切り採決を強行したことに抗議した。同弁護士会長経験者17人は、慎重な国会審議を求める声明を発表した。
 子育て中の母親らが集う「子どもの未来を考えるママの会@大阪」の中野里佳さん(46)は「法案が可決されれば、デモへの参加や政府に抗議するだけで周囲に不安を抱かせる」と批判。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設への抗議活動を巡って逮捕され、5カ月間勾留された沖縄平和運動センターの山城博治議長(64)は「人々を弾圧する共謀罪を止めよう」と呼びかけた。
 参加した大阪府吹田市の元支援学校教諭、河内啓子さん(64)は「治安維持法があった戦前のように自由に発言できない社会にしてはいけない」と話した。【原田啓之】


村上春樹自身が「歴史修正主義と闘う」と宣言していたのに…マスコミはなぜ『騎士団長殺し』の核心にふれないのか
『騎士団長殺し』(新潮社)は歴史修正主義と対決する小説だったーー。本稿の前編では、村上春樹の7年ぶりの長編小説がナチス高官暗殺未遂事件と南京大虐殺という2つの戦争体験を核にした物語であること、作品全体に先の侵略戦争における加害責任を問う視点が貫かれていることを指摘し、こう断じた。
 これは筆者の恣意的解釈でも誤読でもない。ほかでもない春樹自身が、歴史修正主義と闘う覚悟をスピーチやインタビューで語っている。
 後編では、そうした春樹の発言を紹介しながら、その背景を掘り下げ、なぜマスコミや文芸批評がそのことにふれようとしないのかについても分析してみたい。
『騎士団長殺し』が発表される少し前の昨年10月30日、デンマークで開かれたハンス・クリスチャン・アンデルセン文学賞の授賞式で、スピーチに立った村上春樹はアンデルセンの『影』という小説のことを話し始めた。
〈アンデルセンが生きた19世紀、そしていま私たちが生きる21世紀でも、必要なときに、自分の影と向き合い、立ち向かい、ときには協力だってしなければいけません。それには“正しい”知恵と勇気が必要です。もちろん、簡単なことではありません。ときには危険が生じることもあるでしょう。でも、それを避けていたら、人は正しく成長し成熟することはできません。最悪の場合、『影』の物語の学者のように、自らの影に滅ぼされて終わってしまうかもしれない。〉(編集部訳)
 この『影』という作品は、美しい女の住んでいる向かいの家を覗き見るため、自分の影を切り離して覗きに行かせた主人公が、数年後、そのまま主人公のもとに帰ってこないで、いつしか人間としての実体を手に入れた、かつての自分の影の奴隷にされ殺されるという物語だ。
 村上はこの物語を取り上げることで、自らの「影」、すなわちネガティブな側面と対峙し受け入れることの重要性を説き、さらにそれは個人の問題のみならず、社会や国家に関する問題でもあると語った。
アンデルセン賞で語ったスピーチと『騎士団長殺し』のリンク
〈影と向き合わなければならないのは、ひとりひとりの個人だけではありません。社会や国家もまた、影と向き合わなければなりません。すべての人に影があるのと同じように、すべての社会や国家にもまた、影があります。明るく輝く面があれば、そのぶん暗い面も絶対に存在します。ポジティブな部分があれば、その裏側には必ずネガティブな部分があるでしょう。
 ときに、私たちはその影やネガティブな部分から目を背けがちです。あるいはこうした面を無理やり排除しようとします。なぜなら人は、自らのダークサイドやネガティブな性質を、できるだけ見ないようにしたいものだからです。しかし彫像が確固たる立体のものとして見えるためには、影がなくてはなりません。影がなければ、ただの薄っぺらい幻想にしかなりません。影を生み出さない光は、本物の光ではありません。
 どんなに高い壁を築いて侵入者が入ってこないようにしても、どんなに厳しく異端を排除しようとしても、どんなに自分の都合にいいように歴史を書き換えようとしても、そういうことをしていたら結局は私たち自身を傷つけ、滅ぼすことになります。影とともに生きることを辛抱強く学ばなければいけません。自分の内に棲む闇を注意深く観察しなくてはなりません。ときには暗いトンネルのなかで、自らのダークサイドと向き合わなければなりません。もしそうしなければ、やがて、あなたの影はもっと大きく強くなり、ある夜、あなたの家のドアをノックするでしょう。「帰ってきたよ」とささやきながら。
 傑出した物語は多くのことを教えてくれます。時代や文化を超えて学ぶべきことを。〉(同)
 具体的に名指しはしていないものの、この春樹のスピーチは、排外主義を標榜するドナルド・トランプ大統領(当時は候補)の登場、歴史修正主義を貫く安倍晋三首相、そして彼らを支持する人々をあきらかに意識したものだった。
 同時に、その言葉はそのあとに発表することになる『騎士団長殺し』の内容とあきらかにリンクしていた。
 たとえば〈彫像が確固たる立体のものとして見えるためには、影がなくてはなりません。影がなければ、ただの薄っぺらい幻想にしかなりません〉というのは、『騎士団長殺し』の主人公である肖像画家の〈私〉が物語のなかで獲得した、それまでの肖像画の描き方とはちがう新しい絵の描き方に通じるものだし、〈暗いトンネルのなかで、自らのダークサイドと向き合〉う場面も、物語後半に登場する。つまり、春樹はこのときすでにほぼ書き上げていたであろう次回作で歴史修正主義と対決する姿勢を示唆していたのだ。
朝日と毎日のインタビューで語っていた春樹自身の「闘争宣言」
 しかも、この姿勢は、『騎士団長殺し』出版後にさらに鮮明になる。『騎士団長殺し』発売から1ヵ月ほど経った4月2日、春樹は朝日新聞、毎日新聞などのインタビューに同時に登場し、こう語った。
「歴史というのは国にとっての集合的記憶だから、それを過去のものとして忘れたり、すり替えたりすることは非常に間違ったことだと思う。(歴史修正主義的な動きとは)闘っていかなくてはいけない。小説家にできることは限られているけれど、物語という形で闘っていくことは可能だ」(毎日新聞)
「歴史は集合的な記憶だから、過去のものとして忘れたり、作り替えたりすることは間違ったこと。責任を持って、すべての人が背負っていかなければならないと思う」(朝日新聞)
 歴史修正主義の動きと、物語という形で闘っていく――。春樹自身が、ハッキリとそう宣言したのだ。その“闘うための物語”がこの『騎士団長殺し』であることは、言うまでもない。
 しかし、このインタビューが出た後も、マスコミはこの春樹の真意を無視し続けている。すでにいくつかの評論が出ているが、この作品で問われた歴史修正主義や戦争責任に関する問題を明確に語る評論家はほとんどいない。この物語が歴史修正主義に抵抗する小説だと、誰も言わない。戦争責任を引き継いでいかなければならないという示唆に触れる者もいない。上述の毎日や朝日のインタビュー記事ですら、これだけ重要な発言をしているにもかかわらず、タイトルは「震災、再生への転換 一人称に戻る」「物語の与える力、信じる」と、歴史修正主義批判とは関係のないものだった。
マスコミが春樹の真意にふれたがらない理由
 いったいなぜ彼らは、『騎士団長殺し』の核心部分である歴史修正主義批判をさけようとするのか。
 ひとつの理由は、ネトウヨたちによる炎上を怖れてのことだろう。事実、発売直後、南京虐殺についての記述をめぐって、百田尚樹、桜井誠、産経新聞などが春樹を「中国に媚びてる」「中国での商売のため」「ノーベル賞狙い」などと猛批判した。このテーマにふれたら、自分たちもその炎上に巻き込まれかねない。情けないことだが、その怯えが批評を核心から遠ざけている部分はあるだろう。
 また、もうひとつ、これには「春樹作品に政治を持ち込むな」という春樹ファン特有の思考がもたらした影響も否定できない。社会問題にコミットしないデタッチメントの姿勢を鮮明にしていた初期のイメージにとらわれ、政治問題にかかわることはダサい、春樹がそんなダサくて野暮なことをするわけがない、政治的な文脈で春樹作品を読むべきではない、とひたすら目を背けつづけてきた。
 そして、今回、ネトウヨたちからよせられた『騎士団長殺し』への攻撃に対しても、まともに反論することはせず、「単なる一部の記述にすぎない」「作品の本筋とは関係ない」などと、問題を矮小化しようとしてきた。
 しかし、こうした態度はあまりに、春樹の変化に鈍感すぎるというものだ。たしかにデビュー当時の春樹は、社会問題にコミットしないデタッチメントの姿勢を鮮明にしていた。しかし、90年代半ばに発表した『ねじまき鳥クロニクル』ではノモンハン事件、満州での中国人撲殺を描き、1997年には、オウム真理教をテーマにしたノンフィクション『アンダーグラウンド』を発表。近年は国内でも散発的に政治的発言をするようになっている。
 その変化は「デタッチメントからコミットメントへの転向」として語られたこともあったが、これは「転向」などではない。春樹は、デビュー当時から、デタッチメントであると同時に徹底的に「個人」であることを貫いてきた作家だ。近年、春樹が政治的発言をするようになったのは、明らかに「個人の危機」を感じ取っているからではないのか。
 デタッチメントな態度が許されるのはあくまで個人の権利や自由が保障された社会であればこそだ。いったん戦争が始まれば、あるいは全体主義や国家主義のもとでは、全体に同調しないものは異物として排除され、個人の意志は簡単にないがしろにされ、デタッチメントでいることなど許されない。「個人の自由」が危機にさらされるならば、春樹がそれにビビッドに反応し抵抗することはむしろ当然のことだ。
川上未映子に「右寄りの作家のほうが物言ってる」「そのことに危機感」と
 そして、『騎士団長殺し』。春樹はこれまで以上に明確な目的を持って、この作品を書いているのではないか。『騎士団長殺し』にはこんな一節がある。
〈雨田具彦は、彼が知っているとても大事な、しかし公に明らかにはできないものごとを、個人的に暗号化することを目的として、あの絵を描いたのではないかという気がするのです。人物と舞台設定を別の時代に置き換え、彼が新しく身につけた日本画という手法を用いることによって、彼は隠喩としての告白を行っているように感じられます。彼はそのためだけに洋画を捨てて、日本画に転向したのではないかという気さえするほどです〉
〈なぜならあの絵は何かを求めているからです。あの絵は間違いなく、何かを具体的な目的として描かれた絵なんです〉
〈『騎士団長殺し』はそこに秘められた「暗号」の解読を求めていた〉
 これは作中の絵画『騎士団長殺し』とその描き手である雨田具彦についての記述だが、そのまま小説『騎士団長殺し』という小説と村上春樹に置き換えられる。
 実は、春樹がこの作品を書き始めたのは、2015年の7月末だったと、川上未映子によるインタビュー(『みみずくは黄昏に飛び立つ』(新潮社))で明かしている。2015年の夏に何があったか思い出してほしい。安倍政権による安保法制の強行採決、そして安倍首相の70年談話だ。
 さらに、作品を書き始める直前の2015年7月9日に行われた同じく川上との対談で、春樹はこんなことを語っていた。
「どっちかというと最近は、右寄りの作家のほうが、物言ってるみたいだし」
「そのことに対する危機感みたいなものはもちろんある。でもかつてよく言われたような、「街に出て行動しろ、通りに出て叫べ」というようなものではなく、じゃあどういった方法をとればいいのかを、模索しているところです。メッセージがいちばんうまく届くような言葉の選び方、場所の作り方を見つけていきたいというのが、今の率直な僕の気持ちです」
(「MONKEY」vol.7 FALL/WINTERより)
「右寄りの作家のほうが物言ってる」ような状況に対する「危機感」があり、「メッセージがいちばんうまく届くような言葉の選び方」を「見つけていきたい」。その夏、安倍政権は独裁的手法で安保法を強行成立させ日本を戦争のできる国に変え、同時に70年談話で過去の戦争責任をなかったことにした。そして、書き始められたのが、『騎士団長殺し』なのだ。
『騎士団長殺し』が私たちに突きつけたもの
 そう考えると、ネトウヨの炎上を恐れ、こうあってほしいという春樹像に縛られ、村上春樹が『騎士団長殺し』に込めたメッセージをまともに伝えられないメディアの姿は、皮肉にも、春樹が突きつけた問いの有効性を証明したといえるだろう。
 本稿前編でも指摘したように、春樹は『騎士団長殺し』で戦争の被害でなく、加害者としての問題にこだわっていた。
 ナチスへの抵抗運動に参加したものの失敗し日本とナチスドイツの同盟関係の政治的配慮によりにただひとり生き残った雨田具彦のことも、南京虐殺で捕虜を殺害させられた雨田継彦のことも、もちろんその苦況に心は寄せるが、しかし彼らをただ戦争に巻き込まれた被害者として免罪することをせず、その加害の責任を問う視点を持ち続けていた。
 軍隊などの暴力的なシステムにいったん組み込まれたらノーと言うことは難しい。実際に戦場に置かれてみれば、戦時中の監視社会に置かれてみれば、命の危機にさらされたなら、それに抵抗できなかった者を誰が責めることができるのか。しかしそれでも、そういう国家や社会、システムにノーと言えなかったことの罪はないのか。村上春樹は、それを問うていた。
『騎士団長殺し』の物語終盤には、騎士団長が絵から飛び出し、死が目前に迫った雨田具彦を前にしている〈私〉にこう語りかけるシーンがある。
「見なくてはならないものを見ているのだ」
「あるいはそれを目にすることによって、彼は身を切るほどの苦痛を感じているかもしれない。しかし彼はそれを見なくてはならないのだ。人生の終わりにあたって」
 そう。私たちは見なくてはならないのだ。国家や社会、システムにノーと言えなかったことの罪はないのか。この村上春樹の問いは、戦時中のことだけでなく、もちろんいま現在安倍政権の独裁政治を許している私たちに突きつけられているものだ。
本サイトはどんなに政治的だ、無粋だと言われようが、『騎士団長殺し』は安倍政権の歴史修正主義と対決する小説だと断言し、村上春樹の姿勢を支持したい。(酒井まど)


近畿夜間中学校の新入生歓迎会
これまでさまざまな理由で義務教育を受けられず、この春、夜間中学校に入学した人たちを励ます歓迎会が大阪で行われました。
この歓迎会は関西にある夜間中学校の協議会などが大阪・住吉区で開きました。
関西の18の夜間中学校には、この春、戦前から戦後にかけての混乱や家庭の事情などで義務教育を受けられなかった10代から80代のおよそ230人が入学しました。
歓迎会では、大阪の天王寺中学校の花山吉徳校長が、「入学おめでとうございます。学びたい気持ちが強い人たちが集まっているので、一緒に頑張って勉強していきましょう」と挨拶しました。
このあと、学校ごとに新入生が自己紹介をしたり、参加者全員で「夜間中学生の歌」を合唱したりしました。
夜間中学校の協議会によりますと、18校には現在、1100人あまりが在籍していて、およそ8割は中国や韓国など外国籍の生徒だということです。
新入生で中国出身の57歳の女性は、「先生が優しく教えてくれるので勉強が楽しいです」と話していました。
また75歳の新入生の女性は、「字を書くのを覚えて年賀状を書きたいです」と話していました。


<憲法9条問題>徴兵制、女性自衛官の実戦、高齢者の任務、安倍総理の止まらぬ暴走
「そんなエキサイトしないで。答弁の最中なんですから。議論するのであれば、みなさんの案を憲法審査会に出していただいて、とずっと申し上げているわけであります」
 安倍首相は9日、参院予算委員会で民進党・蓮舫代表の質問に答えている最中に同党議員らから激しくヤジられ、同党に憲法改正の対案を出すように迫った。なぜ、国民の合意なき改憲を前提に、野党が対案をひねり出さなければならないのか理解に苦しむ。
 発端は憲法記念日の3日、都内で開かれた改憲派集会に安倍首相が寄せたビデオメッセージだった。唐突に東京五輪が開催される2020年の改憲を目指すと宣言したのだ。
《私たちの世代のうちに自衛隊の存在を憲法上にしっかりと位置づけ、「自衛隊が違憲かもしれない」などの議論が生まれる余地をなくすべきであると考えます。(中略)9条1項、2項を残しつつ、自衛隊を明文で書き込むという考え方、これは国民的な議論に値するのだろうと思います》
 と述べて憲法9条改正の私案を示したのである。
 9条2項の戦力不保持をそのままにしながら、どのように自衛隊を明文化するつもりなのかはわからない。
 自民党は'12年に党憲法改正草案を発表している。私案は自民党案とは別もの。同党総裁である安倍首相が個人の考えを勝手に述べたことで党内は混乱している。
 それにしても、新たに自衛隊の根拠規定を憲法に盛り込む必要性はどこにあるのか。
 ジャーナリストの大谷昭宏氏は「必要性なんてありません」とバッサリ切り捨てる。
「ここ数年、自衛隊が違憲か合憲かと騒いだニュースがありましたか。安倍首相はとっくにケリがついている大昔の議論を持ち出しただけ。自民党改憲草案の『国防軍』創設は世論の支持を得られないとみて、『自衛隊』という都合のいい“合鍵”で改憲の扉を開くつもりなんです。1度開けちゃえば、あとは好き放題できますから。泥棒と同じ発想です」(大谷氏)
 '20年に照準を合わせたのも気にかかる。
「来年9月の党総裁選で3選を果たせば任期は'21年までになります。任期中に改憲の実績を残したいのに憲法審査会の議論が進まず、焦っているんでしょう」(大谷氏)
 さて、万が一、憲法に書き加えられた場合、自衛隊はどう変わるのだろうか。
 名古屋学院大学の飯島滋明教授(憲法学・平和学)は、
「条文内容にもよりますが、おそらく現状を認めるだけではすまなくなるでしょう」
 と指摘する。
「いずれ、宣戦布告や戦争終結の権限、『軍法会議』といわれる軍事裁判所に関わる事項も憲法に明記する必要が生じます。軍隊を動かす以上、どの国も憲法で定めていることだからです。そこでは軍の理論で裁かれます」(飯島教授)
 例えば日本国内で戦闘行為があったとして、自衛隊員が誤って民間人を死なせてしまったと仮定する。現行法上では過失致死罪という犯罪にあたるが、「軍法会議では活動上やむをえなかったとだいたい無罪にされる」(飯島教授)という。
軍備増強のおそれもある
「集団的自衛権を行使できるようにした安全保障関連法に基づき米艦防護を実施しましたが、あのヘリコプター搭載型護衛艦『いずも』は海外では空母扱いされる能力があります。海上自衛隊は同タイプを計4隻持っており、現状でも、憲法上保持できる自衛のための必要最小限度の実力といえるかどうか。“日本を守るため”として、さらに軍事力を増す可能性があります」
 と飯島教授。
 自衛隊員だけの問題ではない。飯島教授が自衛隊関係者から聞き取ったところによると、少子高齢化の影響か、部隊によっては隊員の充足率が低いとする情報がある。
「憲法上の組織である自衛隊の維持、円滑な行動の確保は憲法的にも国の責任─などと主張して徴兵制を採用したり、医師や看護師、技術者などが自衛隊の戦争に協力させられる制度を作るかもしれません」(飯島教授)
 また、現状では女性自衛官が追い込まれているという。
「稲田防衛相は4月18日の記者会見で、陸上自衛隊の普通科中隊や戦車中隊の“実戦部隊”への女性自衛官の配置を明言しました。実戦で砲撃や爆撃を受ければ、服は吹き飛ばされる、つまり裸になってしまう可能性があります。女性自衛官が戦闘で捕虜になれば、どのような目に遭うかは想像がつくと思います」
 と飯島教授は話す。
 普通科中隊や戦車中隊の実戦に関係のない補給部隊などには女性は昔から配置されていた。前線に配置されなかったのは、重い機関銃などを運ぶのが困難という体力差のほか、戦場で性的被害を受けることが心配されたからだ。
「ところが'15年11月には、戦闘機や偵察機に女性自衛官が配置されることになりました。安倍自公政権の『女性活躍』の実態は“女性も戦場に送ること”といえます。武器は軽くなり、ハイテク化が進んで女性でも扱えます。車の運転さえできれば、80歳の女性にできる任務もあるというんです」(飯島教授)
 車列の先頭を走る輸送部隊は襲われやすい。攻撃を受けたら後続車両は撤退する。つまり、“捨て駒”というわけ。安倍首相の暴走ぶりからすると、こうした悪夢が現実のものになってもおかしくない。
 メディアの権力チェックも緩んでいる。憲法記念日の3日の新聞各紙のトップ記事は異様だった。読売は「憲法改正20年施行目標」とする安倍首相インタビュー。産経は「憲法70歳。何がめでたい」と見出しを打った。一方、朝日は、憲法GHQ草案に昭和天皇が「いいじゃないか」と発言したと示すメモが残っていたことをスクープし、押しつけ憲法論に一石を投じた。
 前出の大谷氏は言う。
「安倍首相はナショナリスト(愛国者)というよりナルシスト。稚拙な愛国心で“美しい国”と言って、自分でうっとりしている気味の悪い男です。憲法学者の意見を気にしたり、気にしなかったりとコロコロ変える。メディアはそうした事実を忘れず、報じていく必要があります」
 私たちの憲法は私たちで守る。ダマされてはいけない。


電通過労自殺 「日本を変えて」遺族が東大で呼びかけ
 広告最大手・電通の新入社員で過労自殺した高橋まつりさん(当時24歳)の母校の東京大(東京都文京区)で21日、「『新しい働き方』を考えるシンポジウム」が開かれ、母幸美さん(54)が参加した。幸美さんは「どうか皆さんの力で日本を変えてください。誰もが健康に働いて幸せになれる社会を実現してほしい」と呼びかけた。
 シンポは学園祭「五月祭」の行事の一つ。幸美さんは「仕事が原因で亡くなった東大卒業生は、高橋まつりが初めてではない」と強調し、「大手企業、官庁、研究職。専門性の高い職業ほど長時間労働の可能性が高いが、正常な判断ができるうちに休んでください」と訴えた。
 主催した学生団体「東京大学新聞社」の石原祥太郎さん(23)は「電通事件を受けて、今年は『働き方改革』の切り口でやらねばと思った」と説明。「まつりさんの死について、就職活動を控えた東大生の一人は『あくまで例外的な出来事』と言ったが、本当に人ごとだろうか。まつりさんはどんな東大生だったか、どんな思いで電通に就職したのか。多くの学生に知ってほしい」と語った。
 会場で幸美さんの話を聞いた東大大学院に留学中の中国人の女性(24)は「中国でも多くの人がたくさん残業しているが、自分に同じことが起きたら母はどんなに悲しむだろうか」と話していた。【早川健人】


博多駅に変なエスカレーター 途中から階段「不便」、30年改善されず [福岡県]
 エスカレーターが途中から階段に−。そんな不便な場所が、JR博多駅筑紫口の地上1階と福岡市営地下鉄の地下コンコースとを結ぶ経路にある。旅行者が行き交う同市の玄関口だけに、都市のマイナスイメージにつながりかねない。30年以上改善されない事態を受け、地下鉄を営業する市交通局は、エスカレーターの全通に向けた基本設計費2174万円を本年度当初予算に盛り込んだが、階段をめぐる複雑な事情も絡み、完成時期は見通せない。
 福岡市内の大学に入学したばかりの孫を4月に訪ねた山口県岩国市の成瀬律子さん(77)は、重いスーツケースを抱え息を切らせながら階段を上ってきた。「不親切で中途半端な設計。高齢者にはつらいです」
 コンコースから地上まで階段は計49段。下から31段分は中央に上りエスカレーターが設置されているが、踊り場で途切れ、残り18段分は階段だけになる。踊り場からぼうぜんと1階を見上げるサラリーマンや、幼い子どもを背負い階段を駆け上がる母親の姿も。
 使い慣れた人にとっては当たり前となっているようで、出張でよく通るという佐賀県吉野ケ里町の自動車部品メーカー男性社員(37)は「言われてみれば確かに変ですね」と笑う。
 なぜこんな不思議な構造なのか−。市交通局によると、階段の地下鉄側は交通局、踊り場を含む残りの上部はJR西日本の管轄。もともと商業施設「博多デイトス」の階段があり、1985年の市営地下鉄開業に伴って延伸された地下鉄側のみに、エスカレーターが設置されたという。
 バリアフリーを求める時代の流れとともに苦情が相次ぐようになり、2012年から交通局が同社にエスカレーター設置を呼び掛け協議を開始。だが「費用の分担などで折り合わなかった」(同局施設課)。
 通行量調査なども含む今回の基本設計は、民間企業の敷地についての費用を、市交通局が負担する形となる。これに対し、JR西日本福岡支社は「交通局が予算を計上すると聞いているが、その内容までは分からない」と静観する。
 同支社はエスカレーター設置に消極的だった理由について「既存の階段に新設するのは技術的に難しかった」と説明。利用者には、商業施設の別の場所にあるエレベーターを案内していると強調するが、地下鉄とJRを乗り継ぐには、大きく回り道しなければならない。同支社は「不便なのは承知しており、市交通局と協力していきたい」と、エスカレーター設置に前向きな姿勢を示した。
 市交通局は「来年度以降にも実施設計に取りかかりたい」としているが、具体的な完成予定は「今後の協議次第」。官民挙げた駅の利便性向上への取り組みは始まったばかりだ。

さとにきたらええやん/心とフトコロが寒いときこそ胸をはれ・SHINGO★西成

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一雄早智子170325

“Tokyo, cataclysmes et reconstruction” ou le XXe siècle dans la vie d’une ville phénix
Constitué d’archives colorisées, le documentaire retrace un siècle d’histoire nippone à travers celle d’une ville. Une fresque impressionnante et émouvante à découvrir dans une version remontée pour le public occidental samedi 20 mai à 20h50 sur Arte.
Elles ont la beauté des estampes japonaises, le charme sépia du passé ressuscité. Les images dormaient dans les archives de la NHK, gardienne de la mémoire télévisée nipponne. Exhumées et colorisées, elles sont devenues des joyaux aux teintes éclatantes, dans un film émouvant qui dessine un siècle d’histoire de Tokyo, une ville à la résilience inouïe, deux fois détruite au XXe siècle. Baptisée Tokyo phoenix pour la télé japonaise, cette fresque a été adaptée pour le public occidental par le réalisateur Olivier Julien, qui en ¬livre son propre montage.
≪ Au Japon, la première moitié du XXe siècle est considérée comme un passé sombre, dont il n’existait que des images en noir et blanc, que les Japonais ne regardaient pas. En décidant de restituer cette mémoire en couleur, la NHK a voulu redonner vie à cette période et raviver l’intérêt du public. Dans la culture japonaise, la couleur a une forte dimension symbolique : celle des vêtements, celle du ciel sont porteuses de sens.
La colorisation de ces images, dont les plus anciennes ont été tournées par les opérateurs Lumière en 1897, a été confiée à la société de production française CC&C, qui a notamment réalisé Apocalypse. Elle a nécessité un énorme travail de documentation historique, en s’appuyant sur des photos couleur déjà existantes, des descriptions dans des livres, ou en réalisant des recherches sur la mode de l’époque pour retrouver les teintes des kimonos. ¬Cela a été quatre fois plus long que pour coloriser les images d’ Apocalypse.
Lors du premier visionnage, j’ai découvert ces images avec des yeux d’enfant, ébahi. Celles des incendies qui ont suivi le tremblement de terre de 1923 sont incroyables ; celles de Tokyo dévastée après le bombardement américain de 1945 provoquent un choc. Sans parler de ce défilé, en 1940, avec ces foules de militaires à l’infini : on dirait du Eisenstein. Ou ces images de jeunes filles qui font de la gymnastique en brandissant le drapeau japonais et le drapeau nazi. Certains éléments du contexte historique ont été délicats à aborder, parce qu’ils restent tabous au Japon : difficile, par exemple, de donner le nombre de victimes du massacre de Nankin...
Cette histoire de Tokyo est à la fois singulière et universelle, parce qu’elle raconte aussi l’entrée dans la modernité industrielle. Les images des populations après guerre, la croissance des banlieues, ce sont des moments qui ressemblent à ce qui a pu être vécu en France. Mais dans d’autres proportions et à une vitesse bien plus grande. ≫
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週刊 ニュース深読み「2人に1人が“おひとりさま”!?どうする 老後の住まい」
長寿大国・ニッポンの大問題。今後ますます増えていく、“おひとりさま”の老後の住まいを徹底議論。どうすれば安心で幸せな暮らしが送れるのか?
生涯未婚や離婚・死別を含めると、2035年には2人に1人が独居になると予測されているニッポン。これから大きな課題になるのが、単身高齢者の「住まい」の問題です。国が整備をすすめる「サービス付き高齢者向け住宅」では、入居者の9割以上を要介護者が占めるなど、当初のねらいとのミスマッチも生まれています。家族の支えをあてにできない時代、幸せな老後の住まいをどう選べば良いのか?
榊原郁恵,増田英彦, 一般財団法人高齢者住宅財団理事長…高橋紘士,ノンフィクション・ライター…中澤まゆみ,日本社会事業大学専門職大学院教授…井上由起子,NHK解説委員…藤野優子ほか

助けて!きわめびと「夫婦で旅行を楽しむ大作戦」
夫とは旅行に行きたくないという女性は意外と多い。でもカリスマ添乗員・平田進也さんは、冷めた夫婦こそ夫婦旅行に行くといいという。カギを握るのは旅館の仲居さん!?
夫とは旅行に行きたくないという女性は意外と多いんです。非日常を楽しみたい旅で、夫の面倒をみたりするのはイヤですもんね。でも、ナニワのカリスマ添乗員・平田進也さんによると、旅館の仲居さんを味方にすれば、冷めた夫婦でも楽しく旅行ができるんだとか。仲居さんがどう夫婦仲を取り持ってくれるかは、名物のお芝居でご覧頂きます。そして旅先選びのポイントは、冷めた夫婦ならば近場の旅先を選ぶこと。詳しくは番組で。
藤井隆,濱田マリ,小野塚康之, カリスマ添乗員…平田進也, 紅壱子,鍋島浩,三枝雄子,嶋田典子, 菱田盛之,木元美香

サイエンスZERO シリーズ・ゲノム編集2▽がんを根治!?医療で始まる大革命

生命の設計図DNAの遺伝情報を自在に切り貼りできる驚異の新技術「ゲノム編集」。がんやエイズ、さまざまな難病の遺伝子を書き換え、病気を根治する究極の新治療法に迫る
治療困難な病気でも、原因となっている異常な遺伝子を突き止めてそれをチョキンと切り、正常な遺伝子に入れ替えることで根治を目指す“究極の治療法”が実現しようとしている。それを可能にするのが、「ゲノム編集」という驚異の新技術。すでにエイズ患者が健康に近い状態にまで回復するという臨床試験の成果が!一方、ゲノム編集で書き換えた遺伝子が生態系全体を変えてしまう危険性も。医療に革命をもたらす最新研究を大特集!
【ゲスト】広島大学大学院理学研究科 教授…山本卓,【キャスター】南沢奈央,竹内薫,【声】河本邦弘,【語り】浅井僚馬


午前中にHyさんと2回目のテに関して打ち合わせをして,昼から西成へ.天下茶屋で「さとにきたらええやん」の上映会があります.三角公園でスーパーで買った惣菜を食べて,天下茶屋の西成区役所へ.少し迷いましたが無事につきました.30分前というのにすごく多くいます.
映画は思ったより良かったと思います.
映画の中で出てきた「心とフトコロが寒いときこそ胸をはれ」というSHINGO★西成の歌がいいなぁ♪と思っていたら上映後サプライズで彼が出てきてその歌を歌ってくれました.

災害危険区域になった古里 記憶語り継ごう
 東日本大震災で被災し、災害危険区域となった仙台市宮城野区蒲生北部など旧中野小学区の住民らが、古里の思い出を語り継ごうと、自主グループ「中野ふるさとYAMA学校」を設立した。住民の多くが地区外に移転した地域の資料の保存収集、語り部活動やイベントなどを企画。「離散した住民の交流を図り、歴史や震災の教訓を広く発信したい」としている。
 宮城野区の高砂市民センターなどが2015年に始めた講座「中野ふるさと学校」の受講生らが中心となって4月に発足し、メンバーは14人。グループ名は地域のシンボルだった「日本最低峰」とされる日和山(標高3メートル)にちなんだ。気軽に活動しようと「アルファベットで遊び心を加えた」という。
 同市民センターで月1回、定例会を開き、古里の継承に向けた活動を展開する。センター内の「中野ふるさと資料室」の整備に取り組むほか、市科学館(仙台市青葉区)で6月11日まで開催中の小企画展「蒲生干潟展」にも協力。講座で制作した震災前の日和山のジオラマを展示し、メンバーらが来場者に説明(不定期)している。
 7月1日には市民センターと連携して日和山登山を企画。地元の高砂神社で安全祈願を行うなど、地域の歴史に親しむ催しにして広く参加を呼び掛ける。8月には、兵庫県から訪れる高校生らに震災体験などを語る予定もあるという。
 YAMA学校代表の佐藤政信さん(70)は「被災して住民は分散してしまったが、古里を語り合い、元気に過ごすきっかけにしたい。地域の昔の様子や震災の話を聞きたい人への窓口も担っていきたい」と話す。連絡先は佐藤さん080(3324)2678。


<ツール・ド・東北>発表会「被災地の今感じて」
 東日本大震災で被災した宮城県の沿岸を自転車で巡る「ツール・ド・東北2017」(河北新報社、ヤフー主催)をPRする発表会が19日、東京都内であり、大会の「広報大使」でモデルの道端カレンさんらが魅力をアピールした。
 道端さんのほか、「東北応援大使」の元Jリーガー中西哲生さん、新コース「奥松島グループライド&ハイキング」の会場となる東松島市を応援しているお笑いトリオ「パンサー」が出席した。
 2013年の第1回大会から参加している道端さんは「一緒に走った人たちと被災地で感じたことを共有できた」と思い出を語った。パンサーのメンバーで東松島市出身の尾形貴弘さんは、新コースのハイキング会場となる同市の大高森を「松島を見渡せる最高の場所」と紹介した。
 一力雅彦河北新報社社長と宮坂学ヤフー社長も登壇。「ペダルをこいで、被災地の『今』を体で感じてほしい」などと呼び掛けた。
 第5回大会の節目を記念し、英国のファッションデザイナーのポール・スミス氏がデザインした公式ジャージーもお披露目された。
 大会は9月16、17日に開かれる。7コースがあり、募集人数は計4000人。今月22日から公式サイトで参加申し込みを受け付ける。


<災害公営住宅>被災3県 完成82%
 復興庁は19日、東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島3県の災害公営住宅と宅地の整備事業について今年3月末時点の実績を公表した。災害公営住宅は3県計で2万4536戸、宅地は1万3020区画が完成。進捗(しんちょく)率は災害公営住宅82%、宅地69%で、前年同期を26ポイント、25ポイント上回った。
 県別では災害公営住宅が岩手4594戸(進捗率77%)、宮城1万3784戸(85%)。福島は津波・地震の被災者向けが2758戸(98%)、東京電力福島第1原発事故の避難者向けが3400戸(70%)。
 これとは別に、原発事故避難からの帰還者向けに69戸が整備された。
 一方、防災集団移転や土地区画整理などで造成された宅地は岩手4169区画(53%)、宮城7550区画(82%)、福島1301区画(70%)だった。
 記者会見した吉野正芳復興相は「被災地全体として、おおむね計画通り進捗している」と述べた。
 復興庁は来年3月末の進捗率を災害公営住宅96%、宅地89%と想定。計画の完了時期は災害公営住宅が2019年度、宅地は19年度以降の見通し。


<震災6年>絵本で感じる6年展
 絵本を通して東日本大震災で被災した人々の心の痛みを癒やす取り組みを続ける一般社団法人「道しるべ」(兵庫県芦屋市)は6月3、4日、展覧会「絵本で感じる6年展」を仙台市若林区の震災記録展示施設せんだい3.11メモリアル交流館で開く。震災発生から6年がたったが、その間の被災者の心の変遷などを映し出した作品など計約100点を展示する。
 展示するのは、同法人の絵本セラピスト更家なおこさん、絵本画家にきまゆさんが被災地で実施した「絵本でつなぐプロジェクト」で制作した絵本「道しるべ」の原画。ほかに、同メンバーの日本画家荒瀬史代さんの作品、プロジェクト主催の絵本教室の参加者が手掛けた絵本や原画なども並べる。
 絵本「道しるべ」は、主人公の小熊が、心の中のもう一人の自分と向き合い、心の奥に押し込めていた感情を吐露しながら、暗闇の中で光を見いだす物語。
 小熊には、更家さんらが震災直後から被災地で行った絵本の読み聞かせを通じて心穏やかになっていく被災者の姿を重ねた。絵本は2014年に出版した。
 更家さんは「絵本を通じた活動で被災者の皆さんが安心して自分の気持ちと向き合い、表現できる場をつくることができたらうれしい」と話している。入場無料。連絡先は道しるべ東北支部080(3144)0926。


<リボーンアートフェス>ボランティアを募集
 東日本大震災で被災した石巻市の牡鹿半島を中心に7月22日から51日間にわたって開かれるアートと音楽、食の総合祭「リボーンアート・フェスティバル2017」の実行委員会が、運営を支えるボランティアサポーター「こじか隊」のメンバーを募集している。
 活動内容はアーティストの作品制作の手伝いや会場の清掃、祭りのPRなど。総合祭の開催期間中はインフォメーションコーナーやアート作品の展示会場の受付も担当する。
 小学生以上で、小中学生は保護者の同伴が必要。居住地域は問わず、リボーンアート・フェスティバルのホームページから応募できる。期限は設けていない。
 登録したサポーターには活動内容がメールで随時知らされ、各自が希望する活動を選べる。既に約720人が登録。仙台市が最も多く、東京などからも申し込みがあるという。
 開幕まではPR活動や清掃活動の手伝いが中心。石巻市内の商業施設で17日から行われたPRイベントには、今月こじか隊に入隊した栗原市の主婦佐竹久美子さん(53)が参加。「誰かのために何かしたいと申し込んだ。新しいことに挑戦し、自分が成長する機会にもなればいい」と話す。
 運営事務局スタッフの鈴木茜さん(32)は「一緒に楽しめる人に参加してほしい。まずは登録して、やってみたいボランティアがあれば協力してほしい」と呼び掛ける。
 リボーンアート・フェスティバルは実行委と一般社団法人「APバンク」(東京)の主催。宮城県や河北新報社などが共催する。


青葉まつりきょう開幕 伊達の粋、杜に集う
 鮮やかな新緑に包まれる杜の都・仙台市の中心部で20、21の両日、第33回仙台・青葉まつり(まつり協賛会主催)が開かれる。祭りの起源は藩制時代にさかのぼり、豪華できらびやかな山鉾(やまぼこ)巡行、躍動感あふれるすずめ踊りで伊達文化の粋を現代に伝える。今年は仙台藩祖伊達政宗(1567〜1636年)が生まれて450年。「伊達政宗公生誕450年祭」として、時代絵巻巡行やすずめ踊りは過去最大規模で展開する。
 祭りは1655(明暦元)年に始まった東照宮(仙台市青葉区)の「仙台祭」が起源。多い時では70基もの山鉾が城下を練り歩く盛大な祭りだった。
 明治期に入ると、政宗を祭る青葉神社(青葉区)の祭礼が、命日の5月24日に執り行われるようになった。没後300年などの節目は大々的に開かれ、「青葉まつり」と呼ばれた。
 戦争で中断、戦後に復活した祭りは、昭和40年代後半に再び、交通事情で途絶えた。政宗没後350年を迎えた1985年、「仙台・青葉まつり」としてよみがえり、その後も規模を拡大。初夏の仙台の街を彩る風物詩となった。
 2011年は東日本大震災の影響で中止を余儀なくされた。2年ぶりの開催となった12年は、すずめ踊りに代表される市民参加型の祭りとして復興への意気込みをアピール。その後も年々盛り上がり、今年は過去最多の100万人の人出を見込む。
 初日の20日は宵まつり。定禅寺通を舞台に見立てたすずめ踊りの大流しは、約4500人が扇子を手に乱舞する。ちょうちんをともした「仙台宵山鉾」が震災復興を祈願して繰り出す。
 21日の本まつりは、11基の山鉾巡行、伊達戦国家臣団などの武者行列、青葉神社神輿(みこし)渡御、約2000人のすずめ踊り大流しが華麗な時代絵巻を繰り広げる。政宗生誕450年を祝い、仙台の歴史姉妹都市・愛媛県宇和島市から宇和島伊達家13代当主宗信氏が駆け付け、行列に参加する。
 火縄銃や弓術の演武、城下町の祭りを再現した伊達縁も見どころだ。軽快な祭りばやしに乗り、伊達の精神と文化を体感する2日間となる。
◎躍動感が一番の魅力/「愛子すずめ会」「伊達の舞」で踊りを披露する
山口友紀さん 会社員・仙台市泉区
 仙台・青葉まつりは小さな頃から母と見物に行っていました。高校1年生の時に「愛子すずめ会」に入り、今は踊り手のリーダー役を務めています。私に続いて両親と姉も入会し、家族みんなですずめ踊りを続けています。
 祭り本番では愛子すずめ会と伊達の舞を合わせて12回の演舞に参加します。老若男女が法被を着て扇子を持ち、おはやしと一緒に躍動感のある踊りを繰り広げるのが一番の魅力です。
 今の季節は定禅寺通の新緑がきれいで踊っていて気持ち良く、夜になってどんどん明かりがともってくるちょうちんも雰囲気があって最高です。
 仕事か、すずめ踊りか、みたいな生活を送っていますが、仙台に生まれ育って良かったと思っています。国内外にすずめ踊りの魅力を伝えていきたいです。
◎政宗公と郷土感じて/第33回仙台・青葉まつり協賛会会長 鎌田宏さん
 33回を迎える仙台・青葉まつりは、新緑の「杜の都」の風物詩として国内外にその名が知られるようになりました。
 私たちが暮らす仙台の街は、仙台藩祖伊達政宗公の思いと遺産を引き継いでいます。今年は政宗公生誕450年。政宗公の長男秀宗公が興した宇和島伊達家13代当主宗信氏をはじめ、ゆかりの地からゲストをお迎えします。
 華やかなすずめ踊りは史上最多の約4500人が演舞します。時代絵巻巡行は山鉾や武者行列、青葉神社の神輿渡御などが参列し、例年以上に盛り上がることと思います。「祝いの儀」では、時代絵巻参加者と観客が一体となり、「伊達の一本締め」で政宗公の生誕を高らかに祝います。
 政宗公と郷土仙台を、この2日間の祭りに感じていただければ幸いです。


拙速な成立は許されず/「共謀罪」法案採決
 犯罪を計画段階で処罰する「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案が衆院法務委員会で可決された。与党側が動議を提出、採決を強行した。
 今国会での成立を目指し、23日の衆院通過、24日の参院審議入りを図る。
 改正案を巡っては、捜査当局が動向を監視する対象が飛躍的に広がり、国民の思想、信条の自由が侵されかねないなどの懸念がなお解消されていない。
 国民の知る権利を制限する特定秘密保護法も運用される中、このまま改正がなされれば、国家による一方的な監視社会を招く恐れがある。拙速な成立は許されない。
 捜査当局による監視のための手段はすでに存在し、強化もされている。電話やメールを傍受する権限を捜査当局に与える通信傍受法だ。昨年、改正され、薬物や銃器、集団密航、組織的殺人の4類型だった対象犯罪に、組織性が疑われる詐欺や窃盗など9類型が追加された。
 さらに傍受への通信事業者ら第三者の立ち会いも必要がなくなり、捜査当局にとって格段に使い勝手が良くなっている。
 一方で、国民の知る権利は空洞化しつつある。
 2014年12月施行の特定秘密保護法によって防衛、外交、スパイ防止、テロ防止の4分野で、国の安全保障に関して重要と認定された情報は厳重に保全されることになった。
 特定秘密とされた情報を外部に漏えいした公務員らは最高で懲役10年を科せられる。秘密指定の期間は原則最大30年で、内閣の承認があればさらに延長も可能だ。
 情報公開制度も問題を抱えている。01年4月、国の機関が保有する行政文書を原則として公開する「情報公開法」が施行された。だが、個人情報や、国家の安全、外交上の不利益になる情報などは非公開を認めるという例外規定になるケースが目立つからだ。
 自分たちに都合の悪い情報は国民の知る権利に反しても公開しない−仮に、そのような認識を持つ政権や行政が、国民に対する監視を著しく強める権限を握ったらどうなるか。他の権利も軽んじられることになるのは必至だ。
 自分とは無縁、関係ないと受け止めず、国民一人一人がわが身に起こりうる問題であることを認識したい。


「共謀罪」採決強行 国民の懸念置き去りだ
 「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案を審議してきた衆院法務委員会で、与党側が改正案の採決を強行し、賛成多数で可決した。改正案は23日の衆院本会議で可決され、参院に送られる見込みだ。
 野党の民進、共産両党は「生煮え状態の改正案を採決するのは絶対認められない」と抗議し、怒号とやじが飛び交う騒然とした中での採決だった。国民の不安が払拭(ふっしょく)されていない段階で、与党が数の力で押し切ったことに強い憤りを覚える。
 安倍政権下ではこれまでも、国民に反対の声が多い重要法案を与党の数の力で押し通してきた。安全保障関連法案やカジノを中心とする統合型リゾート施設(IR)整備推進法案などで採決を強行、可決している。
 今回の改正案は犯罪の計画段階で処罰することを可能としており、内心の自由が脅かされかねないとの懸念は根強い。世論調査でも改正案に対する賛否は拮抗(きっこう)し、国論が二分されていることを安倍政権は真摯(しんし)に受け止めるべきだ。反対意見にも耳を傾け、可能な限り審議を尽くそうという姿勢がなければ民主主義の基盤が崩れかねない。
 共謀罪法案は過去に3度提案されたが、適用対象を単なる「団体」と規定するなど線引きが曖昧なため乱用の恐れが指摘され、いずれも廃案になった経緯がある。今国会でも一般人がテロ等準備罪の適用対象になるかどうかが最大の論点となり、昨日の法務委ではこれまでの審議と同様にこの点について政府と野党が激しく応酬した。
 金田勝年法相は、適用対象を「組織的犯罪集団」に限定した上、処罰するには犯罪の合意に加えて下見といった「準備行為」が必要になるなど要件を厳格化したとし、「一般市民が対象になることはあり得ない」と強調。これに対し、民進党などは「一般人は捜査対象にならないことが条文に明記されていない」と指摘、捜査機関の恣意(しい)的な運用によって一般人が対象になる恐れがあると追及した。
 議論が平行線をたどる中、与党側は法務委の審議時間が通算30時間を超え、採決の環境が整ったとして採決を強行した。野党の反対を数の力で封じ込め、首相が出席しての締めくくり質疑も行われないまま重要法案を採決するのは異例であり、あまりにも強引ではないか。
 これまでの審議で不安が解消されたとは到底言えない。「組織的犯罪集団」の適用基準が不明確な上、1人が「準備行為」をしただけで計画に合意した他の全員が処罰される点について「過去の共謀罪と本質的に変わらない」という指摘もあり、疑問点は多く残ったままだ。
 改正案は憲法で保障された国民の権利と自由に関わる。テロ対策の名の下にそれが侵害されるようなことがあってはならず、慎重かつ十分に時間をかけた審議が不可欠である。


共謀罪採決 国会が存在意義を失う
 テロ対策という名目の下、市民の生活が恒常的に監視される社会を招き寄せてしまわないか。共謀罪の危うさは一層あらわである。
 にもかかわらず、衆院法務委員会で与党は法案の採決を強行した。是が非でも今国会で成立させようと、数の力に頼んだ乱暴なやり方だ。立法府本来の姿から懸け離れている。
 特定秘密保護法も、安全保障関連法も、与党が一方的に審議を打ち切って成立させた。民主主義や平和主義の根幹に関わる重大な法案を押し通すことにためらいがない。政府与党の姿勢を厳しく問わなければならない。
 幅広い犯罪について、共謀しただけで処罰を可能にする。合意した全ての人に網がかかる。共謀を察知するには監視が不可欠だ。
 実行行為を罰する刑法の原則を逸脱し、刑罰の枠組みを一気に広げる。公権力がプライバシーに踏み入り、内心の自由や言論・表現の自由を侵す恐れは大きい。
 何より心配なのは警察権限の歯止めない拡大だ。適用対象の「組織的犯罪集団」も、処罰の条件である「準備行為」も、当局がどうとでも判断できる余地がある。
 ただでさえ、警察による権限の乱用は相次いでいる。市民の運動を敵視する姿勢も目につく。
 岐阜では、風力発電施設に反対する住民の個人情報を集め、事業者と対策を協議していた。反原発グループの仲間と費用を分担して車を借りた人が「白タク行為」とされ、逮捕された事例もある。
 共謀罪は、市民の活動を押さえつける強力な武器となるだろう。政府の方針に異議を唱える運動が標的にされる恐れがある。
 幅広い対象犯罪のどれかに関連づけ、嫌疑さえかければ捜査できる。政府が言う「一般の人に累は及ばない」ことなどあり得ない。逮捕や起訴には至らなくても、萎縮させる効果は大きい。
 旧憲法下の治安立法によって思想・言論が弾圧された反省を踏まえ、現憲法は刑罰権の乱用を防ぐ詳細な規定を置いた。それが土台から崩れかねない。
 国会議員は全国民を代表している。そして、憲法を尊重し擁護する義務を負う。成立ありきで、違憲の疑いが拭えない法案を通すことがあってはならない。
 その責務を与党議員も再認識すべきだ。政権の意向のままに動くのでは国会の存在意義に関わる。衆院本会議、参院の審議が残っている。異論を押さえ込んで成立へ進まないよう、厳しい目を向けていかなくてはならない。


「共謀罪」法案 採決強行で疑念が膨らむ
 組織犯罪処罰法改正案が衆院法務委員会を通過した。犯罪を計画段階で処罰する「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ「テロ等準備罪」の新設が、改正の柱である。
 野党が強く反対する中、与党側は採決の強行に踏み切った。「共謀罪」については国民の間になお異論や不安が残る。一方的な審議の打ち切りは、逆に疑念を膨らませるだけだろう。
 「共謀罪」は過去に3度廃案になっている。捜査機関による乱用の恐れが拭えず、一般の人が対象になりかねないと、世論が激しく反発したからだ。
 今回がこれまでと異なるのは、2020年の東京五輪・パラリンピックへの備えという理由を政府が前面に出してきたことだ。
 テロ対策に万全を期す上で国際組織犯罪防止条約の締結を急がなければならず、そのために「共謀罪」を設けなければならないという論法である。
 だが、野党などはこの点について国際条約の締結に不可欠とはいえないと主張していた。
 一般人が適用対象になる心配はないか、監視社会につながらないか、国際条約締結のために本当に必要なのか−こうした重要な論点があったにもかかわらず、審議は尽くされなかった。
 政府側は法改正の必要性を訴え続け、一般人は対象にならないと繰り返し、野党との議論は平行線をたどったからだ。
 現状では、政府の主張について国民が広く納得をしているとは言い難い。
 共同通信が審議入り後の4月下旬に行った世論調査では、法案についての賛否は拮抗(きっこう)した。
 法改正によって市民運動や政治活動が萎縮する恐れがあると思うかどうかについては、「ある」が51・0%で、「ない」の35・8%を上回った。
 さらに心配なのは、法案への理解がいまだに進んでいないように見受けられることだ。
 新潟日報社が採決を前に県民100人を対象に行ったアンケートでも賛否は拮抗したが、法案の内容については「あまり」と「まったく」を合わせた「知らない」がほぼ半数に上った。
 国会には審議を通して法案の疑問を解消していく役目があるはずだ。その責任が果たされたとは到底いえまい。
 委員会採決に踏み切る審議時間の目安を30時間と設定し、それに届けば採決を強行する。採決を見越し、事前に野党勢力の日本維新の会と法案の一部修正で合意をまとめ、地ならしをしておく。
 与党側で目立ったのは、「日程ありき」「採決ありき」の前のめりな姿勢である。言論の府である国会の存在意義を自ら損ねていると見られても仕方あるまい。
 法務委員会での可決を受け、早くも衆院通過、参院審議入りの日程が取りざたされている。しかし国民の賛否が分かれている重要法案の審議を「成立ありき」で進めていいはずがない。
 政府・与党には、民主主義の基本に立ち返り、丁寧に審議を尽くすよう改めて強く求める。


「共謀罪」強行採決 危険な法案ごり押しする暴挙だ
 「言論の府」はもはや崩壊したのか。自らの思惑に沿って数の力で暴走を続ける国家権力の姿に、この国の危うさを見る。
 「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案が、怒号の中、安倍晋三首相による締めくくり審議もないまま、衆院法務委員会で強行採決された。捜査権を大幅拡大し、憲法が保障する内心の自由や基本的人権を脅かす法案には、疑義が尽きない。だが、与党は審議時間が30時間を超えたことを理由に一方的に議論を打ち切った。「安倍1強体制」をバックに、国民に向き合い説明を尽くす責務を放棄した強権的で傲慢(ごうまん)な国会運営に、憤りをもって抗議する。
 安倍政権下、暴挙は繰り返されてきた。まず2013年の特定秘密保護法。国民の「知る権利」を侵害して国家の情報を隠す法を、十分審議もせず、なりふりかまわず成立させた。一昨年には集団的自衛権の行使を可能にする安全保障関連法。強引な憲法解釈を閣議決定し、違憲の指摘も議論のプロセスも無視し、国民の圧倒的多数が反対しているにもかかわらず、数の力によって押し切った。
 「戦争ができる国」への布石が次々打たれているとの疑念が強まる中での共謀罪法案は、政府に都合の悪い言論や活動の萎縮、封殺に懸念が募る。期限を切ってまで9条改憲を押し通そうとする首相の下、戦前回帰への一体の流れが勢いを増していることを、決して見過ごすことはできない。
 共謀罪が成立すれば「監視社会」が現実のものとなる。犯罪を計画したと疑われれば捜査できるようになる。計画を立証するためにメールの傍受や電話の盗聴などの捜査手法を取ることは、想像に難くない。捜査について監督、検証するシステムはなく、人権侵害がとめどなく拡大する恐れがある。
 政府は誰もが望むテロ対策を強調し、国家の安全のためなら人権の制限もやむなしとの風潮をあおっているように見える。しかし「法案の効果は高い」と繰り返すだけで具体的な説明はなく、納得できない。法案には当初「テロ」の文字さえなかった。適用対象に「テロリズム集団その他」の文言が付け加えられる形で修正されたが、「その他」の一言で対象は無制限に。取り締まり権限を広く確保しようとする思惑が見て取れる。
 本当にテロを防ぐ気なら、過去の対策の検証を基に論議すべきだ。しかし、地下鉄サリン事件の検証はなく、法案はテロの定義にさえ触れていない。さらに単独テロ犯は対象から外されている。テロ対策が共謀罪法案を通すための後付けの口実であることは、疑いようがない。
 国民は人権を脅かされ、監視社会を強めた息苦しさの中で、テロを防ぐ安心も得られない。このような欠陥だらけの法案を断じて許すことはできない。このまま衆院を通過させることには、強く異議を唱える。


共謀罪採決強行 国民の疑問は置き去りか
 不安を抱く国民を無視した採決に、怒りを覚える。
 「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案が衆院法務委員会で、自民、公明の与党などによる賛成多数で可決された。
 与党は、審議時間が目安とする30時間を超えたことを採決の理由に挙げたが、政府は法案に対する疑問に十分答えてこなかった。時間が積み上がれば議論を打ち切るというのでは、国会の役割を放棄したと言わざるを得ない。
 与党は来週の本会議で衆院通過を図る意向だが、強引なやり方は断じて許されない。
 法案は、適用対象を組織的犯罪集団と規定した。その上で、2人以上の構成員が犯罪を計画し、少なくとも1人が下見などの「準備行為」をすれば、計画に合意した全員を処罰するというものだ。
 集団の定義や何が準備行為に当たるのかが曖昧で、一般の市民も捜査対象になりかねないとの懸念が強い。
 そうした危険性とともに、浮き彫りになってきたのは、法案の必要性への疑問だ。
 政府が前面に掲げるのはテロ対策である。法案が成立しなければ、国際組織犯罪防止条約を締結できないという。
 しかし、この条約の狙いはテロ防止ではない。マフィアを念頭に、「金銭的利益その他の物質的利益」を目的とする組織的犯罪集団が、資金洗浄などを行うのを防ぐのが主眼である。
 2000年の国連総会で条約が採択された際、付属書の「対象犯罪リスト」にテロを加えることに、日本を含む各国が反対した経緯もある。
 そもそも日本は、航空機不法奪取防止条約など、テロ対策の主要13条約を既に締結している。内乱や爆発物取締罰則などには共謀罪や同趣旨の陰謀罪が定められており、国内法も整備済みだ。
 国際組織犯罪防止条約を締結しなければテロを防げないという主張は当たらない。
 政府は「化学薬品による大量殺人」や「飛行機を乗っ取って高層ビルに突撃させる」といったケースを想定し、法案成立が必要と訴えている。
 だが、それらに対しては、サリン等人身被害防止法やハイジャック防止法の予備罪が設けられている。
 もとより、テロ対策に「これで大丈夫」ということはない。足りない点があれば、人権に十分に配慮しながら、必要な範囲で個別に立法を検討すべきである。
 国際組織犯罪防止条約も、現状の法整備で締結できるというのが多くの専門家の見方だが、不十分というなら補う手当てをすればいい。
 法案の対象犯罪は277に上り、保安林区域内の森林窃盗などテロ組織との関連が不明のものが多数含まれている。テロ対策を名目に、監視の網を広げる意図があるとすれば到底看過できない。
 審議を通じて不安がますます強まった。数を頼みに衆院を通過させるべきではない。


【共謀罪可決強行】疑義はむしろ深まった
 「組織的犯罪集団」とは。何が「準備行為」なのか。どう判断するのか―。中身は曖昧なままだ。
 「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案が、衆院法務委員会で採決が強行され、与党などの賛成多数で可決された。
 審議が尽くされたとは到底言えない。「委員会採決の目安の審議時間30時間を確保した」とする与党側の理屈に正当性は見いだせない。法案に対する国民の懸念はむしろ深まったとみるべきだ。
 共謀罪は、犯罪の実行行為がなくても、2人以上で謀議し、犯罪を計画したと司法機関がみなせば、処罰を可能とする。思想、内心の自由を侵す恣意(しい)的な捜査や、市民への監視を強めかねず、過去3度も廃案になった経緯がある。
 「テロ等準備罪」と罪名を変えた改正案も、その本質に違いはない。捜査権の乱用を許す曖昧さが残る。権力の行使は限定的、抑制的でなければならない。
 法案は適用対象をこれまでの「団体」から組織的犯罪集団に限定したとし、政府は「一般の人は対象にならない」と説明する。だが、審議では「目的が一変すれば対象になる」との解釈を示した。これは、捜査機関が「一変」を把握するために、一般市民への常時的な監視を押し広げていくことを想定させる。
 謀議成立の構成要件に準備行為を加え、資金の手配などを例示する。現行法の予備罪、準備罪も例外中の例外とされる。共謀罪はその前の準備段階まで踏み込む。凶器を構えた時点ではなく、購入資金を入手した段階で適用を可能にするが、その資金の調達目的を把握するには事前の日常監視を必要とする。
 2020年東京五輪・パラリンピックに向けたテロ対策を掲げる安倍首相の主張に対しても、参考人質疑で専門家からは「テロ対策は現行法で対応できる」といった疑義も呈された。
 法務省刑事局長は「犯罪の嫌疑がないのに、尾行や張り込みは許されない」と答弁した。では、謀議の端緒をどうつかむのか。大分県警が昨年、選挙違反捜査で政党関係団体などを隠しカメラで盗撮していた違法事件が発覚したばかり。謀議の有無の内偵を名目に、そうした市民監視の手段が拡大され、合法化されかねない恐れも浮かぶ。
 答弁の不安定さが際立った金田法相の適格性も問われる。説明が定まらず、答弁を補佐するため法務省幹部の出席を、与党側が異例の採決で決めるなど議事運営の強引さも目立った。刑法体系を覆す重要法案でありながら、政府は説明責任を果たしているとはいえない。国民の理解が深まるはずもない。
 今国会で法案成立を急がなければならない理由も明確ではない。森友学園問題に続き、安倍首相の友人が関係する学校法人に絡む文部科学省の許認可問題も浮上した。不信が膨らむ法案の前に、国会が優先して解明すべき重大疑惑ではないか。


共謀罪法案採決 拙速な成立を許すな
 自民、公明両党が、衆院法務委員会で、野党の反対を押し切って「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案の採決を強行、可決させた。今国会での成立を目指し、23日の衆院本会議でも採決を強行し、衆院通過を図る。
 審議の場は参院に移ることになるが、犯罪の実行後ではなく、計画段階で処罰する改正案を巡っては、捜査当局が、動向を監視する対象が飛躍的に広がり、国民の思想、信条の自由が侵されかねないなどの懸念が解消されていない。
 情報公開制度が形骸化し、防衛、外交などの分野で、国民の知る権利を制限する特定秘密保護法も運用される中、このまま改正がなされれば国家による一方的な監視社会が始まることになる。拙速な成立は許されない。
 捜査当局による監視のための手段はすでに存在し、強化もされている。電話やメールを傍受する権限を捜査当局に与える通信傍受法だ。昨年、改正され、薬物や銃器、集団密航、組織的殺人の4類型だった対象犯罪に組織性が疑われる詐欺や窃盗など9類型が追加された。
 さらに傍受への通信事業者ら第三者の立ち会いも必要がなくなり、捜査当局にとって格段に使い勝手が良くなっている。
 一方、国民の知る権利は空洞化しつつある。
 2014年12月施行の特定秘密保護法によって防衛、外交、スパイ防止、テロ防止の4分野で、国の安全保障に関して重要と認定された情報は厳重に保全されることになった。
 特定秘密とされた情報を外部に漏えいした公務員らは最高で懲役10年を科せられる。秘密指定の期間は原則最大30年で、内閣の承認によりさらなる延長も可能だ。
 また、情報公開制度も深刻な問題を抱えている。01年4月、国の機関が保有する行政文書を原則として公開し、請求権を、外国人を含む全ての人に与える「情報公開法」が施行されたが、個人情報や、国の安全、外交上の不利益になる情報などは非公開を認めるという例外規定を悪用するケースが増えているからだ。
 国有地を小学校建設用地として格安で購入した学校法人「森友学園」の疑惑を追及した国会審議では、「のり弁」と称され、内容がほとんど黒塗りにされた文書が注目を浴びた。このような例は枚挙にいとまがない。
 さらに、この審議では財務省による交渉や面会記録などの公文書を短期間に廃棄していたことが問題化している。自治体の情報公開も同様だ。
 南スーダン国連平和維持活動(PKO)に派遣されていた陸上自衛隊が作成した日報を巡っては、情報公開請求に対して防衛省が「廃棄済み」を理由に不開示としながらその後、同省統合幕僚監部に電子データが保管されていることが判明するなど公開されるまでに曲折を経ることになった。
 自分たちに都合の悪い情報は、国民の知る権利に反しても公開しないという姿勢が明確だ。このような認識を持つ政権や行政が、国民に対する監視を著しく強める権限を握ったらどうなるのか。他の権利も軽んじられることになるのは必至だ。
 「自分は悪いことはしないから関係ない」という受け止めは間違っている。国民一人一人がわが身に起こりうる問題であることを認識してほしい。(柿崎明二)


[「共謀罪」採決] 国民を置き去りにした見切り発車だ
 テロ防止に効果があるのか。一般人が捜査の対象になることはないのか。数々の疑問が解消されない中での見切り発車である。
 与党はきのうの衆院法務委員会で、「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案の採決を強行した。
 民進、共産、自由、社民の野党4党が反対する中、自民、公明の与党に加えて日本維新の会の賛成多数で可決した。与党は来週の衆院通過を目指す。
 法案は日本の刑法体系を大きく変える。弁護士や研究者らの間で意見の隔たりが大きく、各種世論調査でも賛否は拮抗(きっこう)している。
 というのも、捜査が国民の内心に踏み込み、思想、信条の自由を侵して監視社会につながる恐れがある、との疑念が払拭(ふっしょく)できないからだ。
 法案を担当する金田勝年法相が内容を十分理解せず、たびたび答弁に窮する姿も異様である。
 説得力のある説明を欠いたまま、強引に法案を押し通すやり方はまさに数のおごりだ。国民の理解は決して進んでいるとは言えず、将来に禍根を残しかねない。
 今からでも遅くはない。法案を差し戻し、審議を尽くすべきだ。
■テロ防止に役立つ?
 法案が成立すれば、犯罪を計画段階で処罰できるようになる。適用範囲はテロ集団や暴力団などの「組織的犯罪集団」とされる。
 構成員が2人以上で犯罪を計画し、うち少なくとも1人が実行の「準備行為」をしたとき、計画に合意した全員が処罰される。
 政府が改正案を重要法案と位置づけ、成立を急ぐのはなぜか。
 国際組織犯罪防止条約を締結するために必要だ、というのがその言い分だ。
 同法は国境を越える薬物や銃器の不正取引などに対処するため、締結国に4年以上の懲役・禁錮を定めた「重大犯罪」の合意(共謀)やマネーロンダリング(資金洗浄)を犯罪化するよう義務づけるものである。
 187の国・地域が締結済みで、まだなのは日本やイラクなど11カ国という。このため、政府は2020年の東京五輪・パラリンピックを控えたテロ対策に法整備が必要だと訴えている。
 テロ対策といわれれば、反対しにくいのが人情だろう。ここに落とし穴があるのでないか。
 民進、共産両党は、条約はマフィアなどが経済的利益を得るための犯罪を防ぐためで、政府は国民に誤った印象を与えていると批判する。
 そもそも必要な犯罪ごとに実行着手前の行為(凶器の準備など)を罰する「予備罪」の規定を設ければ、条約は締結できるという反論は少なくない。
 政府は当初、日本の法律に当てはめて対象となる犯罪を676としていた。だが、公明党から「対象が広すぎる」との指摘を受けたため、法案では277に削減した経緯がある。
 政府は05年、条約の規定を理由に「対象の内容に応じて選別できない」とした答弁書を閣議決定している。削減は公明党の賛成を得るためだろうが、いかにも場当たり的だ。
 対象犯罪には、森林法違反(保安林区域内の森林窃盗)や刑法の墳墓発掘死体損壊なども含まれる。だが、組織的犯罪集団とどう結びつくのか、よく分からない。
 「テロ等準備罪」が新設されれば、警察の捜査権限が大幅に拡大するのは間違いない。
■乱用の恐れは消えず
 政府は一般人は対象にならないと強調するが、線引きはあいまいだ。関与の有無は捜査してみなければ分からないはずだ。
 盛山正仁法務副大臣は国会で「何らかの嫌疑がある段階で一般の人ではないと考える」と答弁している。
 犯罪が計画段階で表面化することは少なく、合意(共謀)を立証する材料を集めるのは難しいだろう。そのため、電話やメールが傍受される恐れは消えない。
 計画段階で取り締まるには、団体や個人の動きを常時監視せざるを得まい。監視対象は次第に広がり、労働団体や反原発、反基地といった市民運動にも及ぶ危険が十分考えられる。
 沖縄県の米軍北部訓練場のヘリコプター離着陸帯建設への抗議活動を見守ってきた沖縄弁護士会の弁護士は、「ターゲットは米軍基地や原発の反対運動だ。現状の法律では現場に行かない支援者を逮捕できない」と指摘する。
 実際、市民運動が警察の監視対象になった実例がある。岐阜県大垣市で、風力発電施設の建設計画に反対する住民の個人情報を地元警察が集めて事業者の中部電力子会社に提供していた。
 住民側は昨年12月、プライバシー侵害で精神的苦痛を受けたとして損害賠償を求め提訴している。
 最近では大分県別府市で昨年6月、参院選公示の直前に警察が野党の支援団体が入る建物の敷地に隠しカメラを設置していたことも明らかになった。
 こうした監視はほかにもあるとみた方がいい。法案が成立すれば、より積極的に監視活動が行われよう。国民は人ごとと考えず、「共謀罪」の行方を注視する必要がある。


維新の与党化鮮明 「共謀罪」に賛成
 日本維新の会は十九日の衆院法務委員会で、「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案に賛成し、安倍政権に協力する「与党化」を鮮明にした。他の野党は「与党の補完勢力だ」と批判した。
 「もういいでしょう。三十時間以上だ」。十九日の衆院法務委員会で最後に質問に立った維新の丸山穂高氏は、「共謀罪」法案の審議時間が計三十時間を超えたことを理由に採決を促した。この後、質疑終局動議に続き、同法案と修正案が可決された。
 修正案は維新が与党と共同提出。容疑者を取り調べる際に録音・録画(可視化)を検討すると付則に明記した。維新から提出者に名を連ねた松浪健太氏は「可視化の義務化に近い」と記者団に意義を強調した。
 維新は、安倍政権に「是々非々」の姿勢で臨むとしながら、昨年の臨時国会では重要な局面で協力する場面が目立った。今国会では二〇一七年度当初予算に反対したものの、民進党などが提出した金田勝年法相の不信任決議案は、与党とともに否決に回った。
 自民、公明両党は衆参両院で過半数を占め、法案の成立に維新の協力は不可欠ではない。ただ、野党や世論の反対が強い法案の採決を強行する場合、維新の同調を得れば「野党の一部も賛成している」と主張できるメリットがある。
 これに対し、民進党の山井和則国対委員長は、政府・与党と維新は「一体化している」と記者団に指摘。共産党の穀田恵二国対委員長は「役に立たない話を持ち込んで採決を導き出すのは、維新のお家芸だ」と語った。 (我那覇圭)


「共謀罪」採決強行/国民の不安を軽んじている
 何をそんなに急ぐ必要があるのか。数の力によるごり押しと言わざるを得ない。
 「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法の改正案がきのうの衆院法務委員会で、自民、公明、日本維新の会の賛成多数で可決された。
 審議が尽くされたとは到底認め難い。国の刑法体系を一変させ、国民の権利を脅かしかねない重要法案であるにもかかわらず、審議30時間で打ち切っての採決強行である。
 特定秘密保護法をはじめ、安保法、環太平洋連携協定(TPP)の承認、カジノ法など、賛否が割れる法案採決での与党の強権的な議事運営は目に余る。「安倍1強」のおごりの表れではないか。
 きのうの法務委でも、前日に不信任案が否決された金田勝年法相は、法案の趣旨などをおうむ返しのように読み上げる答弁が目立った。
 立法の目的、運用のあり方、国民生活への影響。どれを取っても議論は一向に深まっていない。法案の曖昧さはむしろ増している。
 最大の疑問は「一般人は捜査の対象になることはない」と金田法相ら政府側が言い張っていることだ。組織的犯罪集団と関わりがない人を「一般人」と呼び、「何らかの嫌疑が生じた段階ならその人はもはや一般人ではない」という理屈を押し通した。
 組織的犯罪集団であるかどうかや、計画に基づき犯罪の準備に入ったかを見極めるにはメンバーに対する日常的な監視が不可欠。それを容認するのがこの法案の本質だ。
 そこに捜査機関の恣意(しい)が働けば、誤認捜査や冤罪(えんざい)を生む可能性が高くなる。共同通信の直近の世論調査では、法改正によって市民運動や政治活動が「萎縮する恐れがある」との回答が51%を占めた。
 個人のプライバシーや「内心の自由」など国民が抱く人権侵害への懸念に、政府は誠実に向き合うべきだ。
 また、国民の共感を得やすい東京五輪・パラリンピックのテロ対策と法案を結びつけてきたことも問題だ。
 国際組織犯罪防止条約に加入する目的のために、新たな立法が必要になるという論法には無理がある。「現行の条約と国内法でテロには対応できる」という野党の反論と全くかみ合っていない。
 過去3度廃案になった「共謀罪」法案である。どう表紙を替えても政権側の思惑は、テロ対策とは別の所にあると思われても仕方あるまい。
 特定秘密保護法では国民を重要な情報から遠ざけ、安保法では民意に背いて集団的自衛権の行使を認めた。今度は国による監視社会の強化が進む懸念がある。
 安倍政権は一体、私たちをどこに連れて行こうとしているのか。国民が軽んじられているのではないか。参院では、人々が抱く不安に応える徹底審議が求められる。衆院と同じ轍(てつ)を踏んではならない。


「共謀罪」法案委員会で可決 懸念残しての強行劇だ
 国会の焦点となっている「共謀罪」法案が、自民、公明両党と日本維新の会の賛成多数により衆院法務委員会で可決された。
 多くの懸念を残したまま、与党は質疑終局の動議を出して審議を打ち切った。極めて乱暴な採決だ。
 国際組織犯罪防止条約を締結するために必要な法整備だと政府は説明する。条約に加われば、捜査共助や犯罪人の引き渡しなどメリットがある。確かに締結は必要だろう。
 ただし、共謀罪法案がなくても条約の締結ができると民進党や共産党など野党は主張する。政府・与党との溝は埋まっていない。審議を尽くすのが言論の府の姿のはずだ。
 「共謀罪」法案は、277もの犯罪について、計画・準備段階での処罰を可能とするものだ。対象は組織的犯罪集団に限定される。とはいえ、一般人が警察の捜査対象となり、監視社会に道を開くことへの懸念は依然残っている。
 実行後の犯罪を罰する日本の刑事法制の基本を大きく変える法改正でもある。捜査権の乱用による副作用は見過ごせない。
 仮に「共謀罪」法案が必要だとしても、不安を最小化するかたちでの法整備が求められるはずだ。
 そのため、対象犯罪を大幅に絞り込むことと捜査権乱用の歯止め策を法案に具体的に書き込むことの二つが必要だと私たちは主張してきた。
 中でも対象犯罪のさらなる限定は不可欠だ。政府は、組織的犯罪集団が実行を計画することが現実的に想定される罪を選択したと説明する。だが、組織犯罪との関連性が明らかに薄い犯罪が含まれている。政府が前面に押し出したテロ対策とも無縁と思える犯罪も少なくない。
 可決された与党と日本維新の会の修正案は、対象犯罪の絞り込みには手を付けず、微修正にとどまった。まったく不十分な内容だ。
 金田勝年法相は、ペーパーを棒読みしたり、担当局長の発言を繰り返したりするなど不安定な答弁ぶりが目立った。不信任決議案は否決されたが、適格性には疑問符がつく。
 まだまだ議論は足りない。衆院を通過したとしても、参院ではいったん立ち止まり、法案の問題点を洗い直すべきだ。このまま成立させることには反対する。


「共謀罪」採決 懸念は残されたままだ
 組織犯罪処罰法改正案の採決が衆院法務委員会で強行された。犯罪を計画段階から処罰する「共謀罪」の趣旨を含む危うい法案だ。議論が尽くされたとは言い難く、懸念は残されたままだ。
 今国会中の成立を期す与党の強引さが目立つ審議だった。四月十四日に始まった委員会審議では一般の人は本当に対象にならないのか、法案が処罰対象の主体とする「組織的犯罪集団」の定義や「準備行為」の内容などをめぐり、曖昧さを指摘する意見が相次いだ。
 犯罪の共謀、計画段階と準備行為の段階で処罰できるようになるこの法案は、罪を犯した「既遂」後に処罰するという日本の刑事法の原則を根底から覆す。
 官憲が内心に踏み込んで処罰して、人権を著しく侵害した戦前、戦中の治安維持法のようなことにならないか、との懸念が国民の側から出てきて当然だ。
 しかし、政府側から説得力のある答えが聞かれたとは言い難い。所管する金田勝年法相の不誠実な答弁ばかりが、多くの人の印象に残ったのではないか。
 このような一般国民にも影響が出かねない重要な法案を、与党側が委員会での審議時間のめどとした三十時間を経過したからと言って、野党側の反対を振り切り、採決を強行していいわけがない。
 政府はかつて、国際組織犯罪防止条約を締結するためには「共謀罪」法案が必要だとし、対象犯罪の削減はできないとしてきたが、この法案では対象を二百七十七に絞り込んだ。過去の答弁との整合性は全く取れていない。
 また、安倍晋三首相は二〇二〇年の東京五輪開催に向けたテロ対策のために、この法案が必要だと強弁するが、そもそもこの条約はテロ対策が目的ではない。
 日本は、現行法でも十分、条約を締結できるレベルにあり、テロ対策も整えられているのに、なぜ「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ法案の成立を強引に進める必要があるのか、理解に苦しむ。
 権力に批判的な市民運動を抑え込もうとの意図があるとしたら、見過ごすわけにはいかない。
 与党は二十三日の衆院通過、二十四日の参院審議入りを目指し、今国会成立を確実にするため、六月十八日までの国会会期の延長も検討されている、という。
 政府・与党に今、必要なことはこの法案を強引に成立させることではなく、内心に踏み込むような法整備を断念することである。


「共謀罪」採決/政府の強引さが目に余る
 「努力を重ね、誠実に対応してきた」。金田勝年法相の言葉がむなしく聞こえる。
 昨日、衆院の法務委員会で組織犯罪処罰法の改正案が修正可決された。犯罪を計画した段階で処罰する「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ「テロ等準備罪」を、新たに設ける法案である。
 採決はまたも怒号が飛び交う中で強行された。議論が深まらないまま時間を費やし、審議は尽くされたとばかりに与党が数の力で押し切る。強引と言うしかない。特定秘密保護法、安保法制、「カジノ」法…。何度、同じ場面を目にしたことか。
 「共謀罪」は犯罪行為を実行していなくても相談しただけで捜査や監視の対象となる。一般市民も含まれる可能性があることから反対の声が根強く、過去に3度、廃案になった。
 今回は適用の対象を絞ったとはいえ、対象犯罪は277もある。自由やプライバシーが制限されるという国民の懸念は変わらない。
 一般市民の活動は含まれないというのなら、不安を払拭(ふっしょく)するよう丁寧な説明に努めることが誠実な対応だろう。
 法相は「一般人が対象となることはない」と繰り返し、政府を信用しろといわんばかりである。しかし裁判所の令状が要らない任意捜査なら、警察の判断で調べることができる。
 耳を疑ったのは、花見と犯罪の下見をどう見分けるのかとの質問に対する説明だ。「酒を持っていたら花見、双眼鏡なら準備行為」。込み入った質問には刑事局長が答えたが、盛山正仁副大臣が「嫌疑があれば一般人ではない」と答えるなど、法相との食い違いもあった。
 あいまいで、捜査機関の判断でいかようにも解釈できる。危うい法案との印象が強まる。
 反対する国民も野党もテロ対策の重要性は認める。だが、なぜ「共謀罪」を盛り込まなければならないのか、納得のいく答弁は聞かれなかった。
 たとえ起訴されなくても捜査当局に監視されたり、事情を聞かれたりするだけで一般の市民は萎縮してしまい、社会全体が息苦しくなる。立ち止まって審議し直す必要がある。政府、与党は国民の不安と正面から向き合わねばならない。


「共謀罪」可決  監視社会招く懸念拭えない
 「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案が衆院法務委員会で可決された。与党は民進党などの反対を押し切って採決した。
 戦前、治安維持法などによる思想弾圧が行われた反省から、人が心の中で何を考えても自由という「内心の自由」は、戦後民主主義の基本となってきた。改正案はそれを危うくしかねない。
 現行の刑法体系は犯罪行為の実行後の処罰を原則とするが、改正案は計画段階で処罰する。適用の基準が明確でなければ、捜査機関による乱用の危険がある。ところが、これまでの審議では基準の曖昧さがあらわになるばかりで、恣意(しい)的な運用や監視の強化などの恐れはむしろ強まっている。
 法案の必要性という根本的な問題さえ十分に議論されたとはいえない。共謀罪を新設する法案は過去3度国会に提出されたが「市民団体が処罰される恐れがある」などの批判で廃案になった。今回の法案も一から見直すべきだ。
 委員会審議は最初から日程ありきだった。与党は安倍晋三首相が出席するサミットなどの日程を見据え、審議時間を30時間程度としていた。これほどの重要法案にもかかわらず、審議内容より時間を優先させるのは強引にすぎる。
 与党と日本維新の会は、適正な捜査や捜査可視化の検討を明記する法案の一部修正で合意した。強行採決ではないとの印象を与えたい与党の思惑も透けるが、修正されても、審議が尽くされていないという懸念は拭えない。
 本当に新設が必要か
 「共謀罪」の新設について、政府は国際組織犯罪防止条約を締結するために必要だ、と説明してきた。条約は、国境を越える薬物や銃器の不正取引など、主にマフィアらによる経済的犯罪に対処するため設けられた。187の国・地域が締結し、未締結なのは日本など11カ国のみだ。ただ、政府は2020年の東京五輪・パラリンピックを控えたテロ対策を前面に打ち出して、国民が受け入れやすいイメージを先行させてきた。
 だが、本当に必要なのか異論がある。日弁連や法学者は、日本の法律にはすでに組織犯罪集団による犯罪を取り締まる「予備罪」があることから、共謀罪がなくても締結は可能、と指摘している。
 政府は、共謀罪を新設しなければ条約の義務を履行できないとする一方、対象犯罪は676から277に絞り込んだ。条約の規定を理由に「犯罪内容に応じて選別できない」としていた過去の答弁と異なるが、やはり条約規定に基づいて絞り込んだという。
 条約は、締結国に大きな裁量を与えているとの指摘がある。政府が共謀罪を新設するため、条約を都合よく解釈していないか、さらなる検証が不可欠だ。
 拡大解釈を許す恐れ
 対象犯罪の絞り方も不可解だ。森林法違反や刑法の墳墓発掘死体損壊など、テロとの関連が薄いものが含まれる一方、公選法や政治資金規正法などは除外された。
 中でも不安が大きいのは、適用対象の曖昧さだ。
 「共謀罪」の対象は、暴力団やテロ組織など「組織的犯罪集団」と規定され、2人以上で犯罪を計画し、少なくとも1人が資金の手配や関係場所の下見などの「準備行為」をした時、計画に合意した全員が処罰される。
 一般市民が対象になることはない、というのが政府の説明だ。
 しかし、組織的犯罪集団の認定には、犯罪の常習性や反復継続性が要件となっていないため、恣意的に解釈される余地がある。法務副大臣が「一般人も捜査対象になる。嫌疑が向けられた段階で一般人ではない」と答弁し、大臣と見解が食い違う場面もあった。
 準備行為も明確ではない。散歩や銀行で現金を下ろすなどの日常生活の場面と区別できるのだろうか。政府は「携帯品などの外形的な事情から区別されうる」と答弁するが、そう簡単ではあるまい。結局、内心に踏み込んで判断せざるをえないのではないか。
 条文に歯止めがない限り、将来的に拡大解釈される可能性があると考えるべきだ。
 捜査には裁判所のチェックがあるというが、現行制度が冤罪(えんざい)や不当逮捕を防ぎえていない事実から目をそらしてはならない。
 捜査の肥大化に懸念
 与党は採決にあたり「十分に論点を踏まえている」との認識を示したが、あまりにも無責任な態度といわざるをえない。
 治安維持法が立法時には「善良な国民」は対象にならないと説明されていたことを忘れてはなるまい。安倍首相は「戦前の旧憲法下における法制で、そういうイメージをするのは間違っている」と述べたが、果たしてそうだろうか。
 犯罪実行前に自首した場合は刑を減免する規定は「密告を奨励する」との批判がある。共謀の立証は困難と見られるため、捜査手法の拡大も懸念される。捜査の肥大化は市民を萎縮させる。
 数多い疑問が解消されないまま「共謀罪」が導入されれば、思想の自由やプライバシーを脅かす監視社会を招く恐れが大きい。将来に禍根を残してはならない。


「共謀罪」可決 こんな法案を強行とは
 衆院法務委員会はきのう、「共謀罪」の構成要件を変更してテロ等準備罪を新設する組織犯罪処罰法改正案を自民、公明両党と日本維新の会の賛成多数で可決した。
 与党が、野党の反対を押し切り採決を強行した。23日に衆院を通過させる方針だ。
 共謀罪は既遂犯罪の処罰を原則とする現行刑法体系の大転換であり、自由な言論や市民生活を脅かす危険性が拭えない。
 にもかかわらず、特定秘密保護法、安全保障法制に続きまたも数の力で押し切ろうとする安倍政権の手法は、1強のおごりがますます顕著だと言わざるを得ない。
 怒号に包まれる委員会室で採決が行われる異様な光景が、今回も繰り返された。政権の「問答無用」の姿勢を象徴していよう。
 与党は、審議時間がめどとしていた30時間を超え、議論は尽くされたとしている。
 だが、30時間は取り調べの可視化などを導入した2015年の刑事訴訟法改正案に比べて大幅に短い。審議を通じ疑問は深まり、採決の環境にはほど遠かった。
 「組織的犯罪集団」や「準備行為」の定義は、政府がいくら説明を重ねても結局は捜査当局の運用次第という印象を免れない。
 そのような状況で「一般市民は捜査の対象外」と言われても、額面通りに受け止めることができないのは当然だろう。
 金田勝年法相からは「一般人は刑事告発されても捜査対象にならない」と、捜査実務からして明らかにおかしな見解も飛び出した。
 国民の不安に正面から答えず、ひたすら「テロ対策」を錦の御旗にして理解を求める。だが、テロ対策に共謀罪が本当に必要なのかどうかという疑問にも、国民の納得のいく答弁はなかった。
 放火や強盗などの共謀罪が、実行段階に近くより危険性の高い予備罪より量刑が重いなど、法案の矛盾点も次々に明らかになった。
 そうした中、16日の参考人質疑で注目を集めた発言があった。
 「犯罪をしようとしている人の内心を立証しないといけないので、さまざまな捜査手法が導入されると予想される。捜査手法に法的規制がなされていないのに法整備は行うべきではない」
 こう述べたのは日本維新の会が推薦した成城大の指宿信(いぶすきまこと)教授である。共謀罪の導入により、捜査当局の監視の目が強まることに警鐘を鳴らした発言と受け止めたい。
 それでも賛成に回った維新の対応も理解に苦しむ。


「共謀罪」採決強行 「1強」のおごり目に余る
 議論は一向に深まっていないのに、今国会で成立させるタイムリミットがきたということなのか。徹底審議を求める野党の反対を押し切って採決が強行された。
 犯罪を計画段階で処罰する「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案がきのうの衆院法務委員会で採決に持ち込まれ、自民、公明の与党と日本維新の会の賛成多数で可決された。
 市民社会を脅かしかねない法案だ。適用される「組織的犯罪集団」の定義が曖昧で一般市民が捜査対象になる恐れがある。捜査当局の監視が強まる懸念も拭えない。テロとは無関係と思われる犯罪も対象に含まれ、本当に東京五輪に向けたテロ対策か疑わしい。過去3度も廃案になった共謀罪とはどこがどう違うのか−さまざまな懸念や疑問は残ったままだ。
 法務委の審議は法案を所管する金田勝年法相の拙い答弁もあって数々の疑問に対する明解な答えを国民に示せなかった。国会の役割を果たしたとは到底言えない。
 私たちは社説で審議は費やした時間ではなく内容こそ重要だと指摘してきた。与党はきのうの審議で目標の30時間に達したから採決したという。法案の重大性に照らしてあまりにも拙速ではないか。
 共同通信社の先月の世論調査では改正案に賛成は41・6%、反対は39・4%と拮抗(きっこう)した。市民運動や政治活動が萎縮する恐れがあるとした人は51・0%だった。
 賛否が割れる法案だからこそ、政府の丁寧な説明と与野党の徹底的な論戦が求められていたはずだ。付則に取り調べの可視化などを盛り込む修正を加えたが、付け焼き刃の対応である。法案の危うい本質は何ら変わっていない。
 第2次安倍晋三政権になって、国民の知る権利を侵しかねない特定秘密保護法、憲法違反の疑いが指摘される安全保障関連法に続いて、今度は市民生活を萎縮させかねない法案の採決が衆院の委員会で強行された。「数の力」で反対論や慎重論をなぎ倒していく。「1強政治」のおごりが目に余る。


[「共謀罪」可決]審議軽視の強行認めぬ
 犯罪を計画段階で処罰する「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案が衆院法務委員会で与党と日本維新の会の賛成多数で可決された。野党が激しく抗議する中、与党側が採決を強行した。
 審議は尽くされておらず、数の横暴に強く抗議する。
 与党側は23日の衆院本会議でも採決を強行する構えだ。
 担当の金田勝年法相がまともに答弁できない法案である。「既遂」を原則とする日本の刑事法体系の大転換となる。憲法で保障された思想、信条の自由を侵害する恐れが強い。自首すれば刑を減免する規定もあり、密告を促す息苦しい監視社会を生み出しかねない。
 法務委で、最後の質疑に立った維新の議員が「これ以上もういいでしょう」と委員長に採決を求めると、与党議員からは賛同の拍手、野党議員からは罵声が飛び交い、議場は騒然となった。
 民進党の議員らが採決を阻止しようと委員長席を取り囲んで猛抗議。委員長の声がかき消されて聞こえない中で、採決が行われた。
 国会周辺では市民ら約1500人(主催者発表)が反対集会を開き、「共謀罪は今すぐ廃案」などとシュプレヒコールを上げた。採決が強行されると、「徹底弾劾」と叫び、抗議の声を繰り返した。
 市民らが反対するのは捜査機関の恣意(しい)的な運用や一般の市民が捜査対象になるのではないかとの懸念が払(ふっ)拭(しょく)されないからだ。
 政府、与党側は審議時間の目安とする30時間に達したから採決したとの言い分だが、時間の問題ではない。
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 「共謀罪」法案には多くの疑問や懸念がある。
 安倍晋三首相は、テロ防止のためと強調し、国際組織犯罪防止条約を締結できなければ2020年の東京五輪・パラリンピックが開けないと言う。しかし条約の目的はテロ対策ではないし、「共謀罪」は条約締結の条件でもない。
 テロなど重大犯罪には準備段階で処罰できる予備罪がすでにある。テロ対策に便乗しているというほかない。
 政府は一般市民が捜査対象になることを否定するが、米軍基地や原発に抗議する市民らに適用されかねない。
 277に上る犯罪について計画した疑いがあると捜査機関が判断すれば捜査することができる。しかも判断するのは捜査機関である。事実上、歯止めをかけることができず、乱用されることは目に見えている。不安は解消されるどころか膨らむばかりである。審議は生煮えのままで、拙速な採決であることは明らかだ。
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 安倍政権下で国会審議をないがしろにする採決の強行が続く。13年の特定秘密保護法、15年の安全保障関連法、そして「共謀罪」法案である。
 国会審議をないがしろにする姿勢は安倍首相の答弁にも表れている。質問に正面から答えることをせず、論点をすりかえてはぐらかす。
 民主主義の原点は議論と説明を尽くし、少数意見を尊重することにある。熟議から程遠い採決強行は三権分立を機能不全に陥らせ、民主主義を危うくする。


共謀罪法案可決強行 成立させてはならない 解散して国民に信を問え
 犯罪を計画段階で処罰する「共謀罪」法案が衆院法務委員会で強行採決され、与党や日本維新の会の賛成多数で可決された。
 捜査機関が団体や市民生活のあらゆる分野を常時監視し、取り締まりの対象とする監視社会を招く恐れがある。
 安保関連法によって憲法9条をねじ曲げ、特定秘密保護法によって国民から情報を隠し、共謀罪法案によって国民を監視する。安倍政権は、日本をこれまでとは違う社会に変質させようとしている。議会制民主主義が機能しない中で、憲法違反の悪法を成立させてはならない。この際、解散して国民に信を問うべきである。
 監視社会はごめん
 沖縄県民は戦中と米国施政下で監視社会を経験している。そんな社会の再来はごめんだ。
 元県議で沖縄社会大衆党の委員長を務めた瑞慶覧長方さんの父長真さん(当時48歳)は1944年5月、糸満の海で、溺死体で見つかった。投身自殺だった。
 44年の初めごろから「長真はそういう(社会主義の)本を持っているらしい」とのうわさが流れてきた。ある日、2人の特別高等警察官(特高)が突然自宅に現れた。本棚をひっくり返し、裏の小屋にあった種まき用の大豆が入った大きなかめに手を突っ込んで、社会主義に関する本を徹底的に探し回った。抜き打ちで数回家宅捜索が行われたが「本」は見つからなかった。
 特高による尋問で長真さんは日ごとに憔悴(しょうすい)していった。当時11歳の長方さんはなすすべがなかった。ある晩、父はふらりと家を出たまま帰らぬ人となった。治安維持法によって家族の日常が奪われてしまった。
 米国統治下の56年、琉球大学の学生らが「ヤンキー・ゴー・ホーム」とシュプレヒコールを上げながらデモ行進したとして、米国の圧力によって退学処分になった。大学は当時、米軍によって監視されていた。表現、思想信条の自由はなかった。
 安倍晋三首相は1月の国会答弁で、処罰対象は「そもそも犯罪を犯すことを目的とする集団」としていたが、2月には「そもそもの目的が正常でも、一変した段階で一般人であるわけがない」と説明を変えた。線引きが曖昧だ。
 対象は際限なく広がり、労働組合など正当な目的の団体であっても、捜査機関が「組織的犯罪集団」として認定すれば処罰対象になる可能性がある。かつて石破茂氏が秘密保護法案への反対運動をテロになぞらえたことがある。辺野古新基地建設に反対する市民運動も対象になる恐れがある。
 現代の治安維持法だ
 治安維持法の下で言論や思想が弾圧された反省を踏まえ、戦後日本の刑法は犯罪が実行された「既遂」を罰する原則がある。
 しかし共謀罪法案は、実行行為がなくても犯罪を行う合意が成立するだけで処罰する。捜査機関が恣意(しい)的に運用する恐れがあり、日本の刑法体系に反する。犯罪実行前に自首した場合は刑を減免する規定があり、密告を奨励する社会になりかねない。
 対象犯罪を676から277に絞ったとしても、拡大解釈される可能性は否定できない。治安維持法も拡大解釈され、全く歯止めが利かなくなった。
 安倍政権は安保法によって、自衛隊による海外任務を拡大させ、憲法違反の集団的自衛権行使を認めた。秘密保護法によって国に不都合な情報を隠し国民の知る権利を侵している。今度は共謀罪法案によって国民を監視する。おとり捜査や潜入捜査、室内盗聴、GPS捜査など捜査手法の拡大を合法化する可能性もある。
 これだけの重要法案でありながら30時間の審議だけで議論が深まるはずがない。強行採決した法務委の責任は重い。主権者の国民を代表する国権の「最高機関」という自覚が足りない。委員会審議のやり直しを強く求める。


「監視社会許さない」 「共謀罪」採決強行、県民から反発の声
 「共謀罪」の趣旨を含む「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案が19日、衆院法務委員会で可決された。共謀罪が成立すれば、犯罪集団にとどまらず、一般人も監視対象になり得るとの批判がある中、熊本県内の市民団体などから反発する声が上がった。
 熊本県上益城郡山都町では同日夕、国道218号沿いで、住民有志が「内心の自由を奪う」「話し合ったら罪!?」と書いた横断幕などを掲げた。改正案に反対の声を上げたのは、護憲団体「くらしに憲法を活かす町民会議」など5団体の約20人。「ものが言えない国民監視社会になる」と訴えた。同会議の田上博之代表幹事(62)は「国民が警戒を強めている。反対の声を上げ続けたい」と力を込めた。
 「平和憲法を守る県民会議」の福島将美議長(83)=熊本市=の脳裏には、戦前戦中を過ごした台湾で憲兵が威張っていた記憶がよみがえる。「共謀罪を理由に捜査範囲がどんどん広がるのではないか」
 福島議長は治安維持法による人権侵害が続いた終戦までの日本を踏まえ、「歴史の教訓に学ぶべきだ」と訴えた。また、県立大の中島熙八郎名誉教授(70)=熊本市=は「治安維持法に似た法律が、国民に理解されないまま可決されるのは戦前のよう」と語る。
 「権力者が自分の意に沿わない人を取り締まる恐れがある」と指摘するのは、あまくさ9条の会事務局長の生駒研二さん(65)=天草市。沖縄で普天間飛行場移設に反対する運動のリーダーが長期勾留された事件を挙げ、「反原発や人権問題の市民活動家が萎縮するのでは」と心配する。
 県労連の楳本光男議長(58)=熊本市=は「政府は法案を説明できていない。国民に理解が広がらないまま可決するのは疑問」と批判。県労連などでつくる市民団体は21日、改正案の問題点を市民に理解してもらい、廃案を目指そうと、熊本市中心部をデモ行進する予定だ。(臼杵大介、飯村直亮、山口尚久)


「共謀罪」 県内各地 抗議が活発化
 「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案が衆院法務委員会で採決の結果、可決された19日、廃案を訴える市民らが県内各地で抗議活動を活発化させた。監視社会を招くと懸念し、「国民理解が進んでいない」と批判。今後の国会審議を見据えて「廃案にするまで粘り強く訴える」と声を上げた。
 「非常に重要な法案にもかかわらず、国民にしっかりと理解されないまま安易に採決された」。小諸市民でつくる「憲法9条を守るこもろの会」は市内の国道沿いで活動し、依田発夫会長(84)は採決を批判した。松本地方の市民団体が松本市のJR松本駅前で急きょ行った活動では、参加者から「たった30時間で議論を尽くしたと言えるのか」「多くの国民が改正案の中身をまだ知らない」との声が相次いだ。
 長野市では、複数の市民グループや長野地区護憲連合がそれぞれ市街地で活動を展開。上田市、飯田市、須坂市などでも反対する市民が街頭に立ち、「取り調べ前の監視が強まる」「自由な社会を守らないといけない」「内心の自由に踏み込む共謀罪は絶対に成立させてはいけない」と語気を強めた。
 与党は来週に衆院を通過させ、参院審議入りを図る方針だが、諏訪郡下諏訪町の街頭に立った「許すな共謀罪下諏訪行動」の代表、小松秀夫さん(78)は「廃案にするまで粘り強く訴える」と話した。佐久市の国道沿いで活動した「ピースアクション佐久」の岩下和事務局長(70)は「今後も諦めず抗議していきたい」。
 茅野市内で廃案を呼び掛けた市9条の会事務局の片木(かたぎ)日出雄さん(75)は「諦めずに訴えていきたい」と述べ、大町市内で有志ら約70人と反対の声を上げた「おおまち九条の会」の川合由岐子事務局長(66)も「衆院本会議や参院がある。戦い続けよう」と訴えていた。
 一方、松本市内での抗議活動を近くで見守った男性(60)は与党を支持している。「改正案の詳しい中身は分からない」と法案への態度は決めかねており、「どうやってテロを防ぐのか、改正案に賛否それぞれの立場でもっと議論を深めてほしい」と話していた。


「恣意的運用」国際視点から警告 国連報告者、首相に書簡 「共謀罪」採決強行
 プライバシーの権利に関する国連特別報告者ケナタッチ氏が、「共謀罪」法案に対し、プライバシーや表現の自由を制約する恐れがあると強い懸念を示す書簡を安倍晋三首相あてに送付した。法案の「計画」や「準備行為」の文言が抽象的で恣意(しい)的に適用されかねないなどと警告しており、国際的な視点から問題点を明示された形だ。
 書簡は十八日付で、法案で対象となる犯罪が幅広くテロリズムや組織犯罪と無関係のものを含んでいると指摘。どんな行為が処罰対象となるか不明確で、刑罰法規の明確性の原則に照らして問題があるとした。
 さらに書簡は、プライバシー保護の適切な仕組みが欠けているとして、懸念事項を列挙。「国家安全保障のために行われる監視活動を事前に許可するための独立機関の設置が想定されていない」と問題視した。
 政府は、犯罪の計画だけで強制捜査はできないが、令状がいらない任意捜査は必要性などがあれば認められる、としている。これに対し、書簡は「法案では令状主義の強化が予定されていない」と批判する。
 その半面、「警察がGPS(衛星利用測位システム)や電子機器を使った捜査で裁判所に令状請求する際、司法の監督の質が憂慮される」とも記述。政府側が歯止めとして強調する裁判所のチェック機能にも疑問を呈した。
 ケナタッチ氏は、情報技術(IT)に関する法律の専門家で、マルタ共和国出身。国連の人権理事会が二〇一五年七月、プライバシー権に関する特別報告者に任命した。 (辻渕智之)


森友ソックリになってきた 加計学園獣医学部は白紙になる
 どうやらコトの顛末も「森友疑獄」と同じになりそうだ。安倍首相の知人が理事長を務める学校法人「加計学園」(岡山市)が愛媛・今治市に校舎を新設中の獣医学部をめぐり、文科省担当者が内閣府側とのやりとりを記した際にメモしたとみられる文書に「総理の意向」と記されていた問題。菅官房長官は「出元も分からず、信憑性も定かでない」とトボケているが、文書の“狙い”はハッキリしている。省庁人事を握って、やりたい放題の安倍官邸に対する義憤と、このまま獣医学部開設を認めてはダメだ、という強い危機感だ。
「どういう文書なのかも含めて確認中です」
 民進党の「加計学園疑惑調査チーム」が18日、衆議院議員会館で開いた会合。文書の存否や真偽を問われた文科省の松尾泰樹官房審議官は歯切れの悪い答弁を繰り返すばかりだった。そりゃあそうだ。事