フランス語の勉強?

octobre 2017

会議が1時間半/熱いメールで興奮/包丁サイト

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ピーチ関空171021

Au Japon, la pénurie grandissante de main-d’œuvre ne fait guère monter les salaires
Le premier ministre, Shinzo Abe, souhaite que les entreprises nippones paient mieux leurs salariés, afin de relancer la consommation des Japonais.
Par Philippe Mesmer (Tokyo, correspondance)
Au Japon, le nombre de demandeurs d’emploi reste bas… les salaires aussi. Malgré un taux de chômage resté à 2,8 % en octobre, chiffre annoncé le 31 octobre par le ministère du travail, et un ratio d’offres d’emploi par chômeur à 1,52 – son plus haut depuis 1974 –, les rémunérations ne progressent guère.
Quinze années de déflation
Selon les derniers chiffres disponibles, les gains des travailleurs nippons ont crû en août de 0,9 %, à 274 490 yens (2 080 euros) en moyenne par rapport au même mois de 2016. En données corrigées de l’inflation (qui a été de 0,7 %), la progression d’août n’atteint plus que 0,1 %.
Plus généralement, d’après l’édition 2017 du Livre blanc sur le travail, rendu public le 24 octobre, les revenus plafonnent. La part des travailleurs dans la trentaine gagnant moins de 3 millions de yens (22 741 euros) par an a augmenté de 6 points, à 17,5 %, entre 1994 et 2014. Cette proportion croît également, mais dans une moindre mesure, pour les travailleurs âgés de 30 à 60 ans. Un problème attribué à l’importance grandissante des travailleurs précaires, contractuels, à temps partiel ou à durée déterminée, payés jusqu’à 40 % de moins qu’un salarié à temps plein pour une activité similaire.
Le gouvernement a réussi à obtenir depuis 2014 des hausses de rémunération proches de 2 % dans les grandes entreprises dont les profits ont augmenté. Mais les PME hésitent à suivre, et ce n’est que fin 2016 que le salaire horaire des travailleurs à temps partiel a commencé à croître malgré les difficultés à recruter. Il dépasse désormais les 1 000 yens (7,58 euros) dans les grandes villes. Certaines entreprises ont également commencé à titulariser des personnels en situation précaire.
L’évolution des rémunérations reste un problème pour l’administration du premier ministre Shinzo Abe, dont la politique dite des abenomics a pour principal objectif de sortir le Japon de quinze années de déflation grâce à une relance de la consommation, alimentée par une hausse des salaires.
Pendant la campagne des législatives du 22 octobre qu’il a largement remportées, M. Abe a proposé de dépenser 2 000 milliards de yens (15,2 milliards d’euros) dans le ≪ développement des ressources humaines ≫. Il a notamment proposé d’utiliser une partie des revenus générés par la hausse de la TVA, de 8 à 10 % en 2019, pour améliorer l’accès aux crèches et développer la gratuité de la maternelle.
L’autre volet du projet de M. Abe concerne les salaires. Le 26 octobre, il a appelé les entreprises à profiter du ≪ shunto ≫, les traditionnelles négociations salariales du printemps pour augmenter les salaires de 3 %. Il s’est dit prêt à prendre ≪ toutes les mesures possibles ≫ comme le recours aux leviers fiscaux ou à la réglementation pour amener les entreprises à investir dans les salaires et leur capital. Le gouvernement pourrait ainsi décider de prolonger des déductions fiscales pour celles qui mettront en œuvre une hausse des salaires de 3 %. Ces avantages devaient prendre fin à la clôture de l’exercice en cours, en mars 2018.
Le taux de 3 % apparaît dans les recommandations formulées après les législatives par le conseil de politique économique et fiscale, une structure dépendant du bureau du premier ministre, selon laquelle 3 % de hausse sont nécessaires pour atteindre l’objectif de 2 % d’inflation fixé en 2013 par la Banque du Japon.
Déclin démographique
Sadayuki Sakakibara, le patron du Keidanren, la principale confédération patronale japonaise, ne s’est pas opposé au principe de la hausse salariale. ≪ La communauté des affaires a pris conscience que la société exigeait des rémunérations plus élevées ≫, aurait-il déclaré lors d’une rencontre avec le gouvernement. Concrètement, ce dernier aimerait que les entreprises injectent dans l’économie leurs réserves massives de liquidités, estimées par le ministère des finances à 406 000 milliards de yens (3 077 milliards d’euros) à la fin de l’exercice 2016 clos fin mars, et en hausse de 40 % en cinq ans.
Le débat sur l’utilisation de ces fonds a été ravivé pendant la campagne électorale. Le Parti de l’espoir (opposition) de la gouverneure de Tokyo, Yuriko Koike, avait proposé de taxer ces réserves pour forcer les entreprises à les investir. Du côté des sociétés, l’argument pour les conserver est que les banques sont promptes à cesser tout soutien dès que la situation devient difficile. Ce fut le cas après la crise de 2008 et le tsunami de 2011.
Dans le même temps, les groupes nippons tendent à privilégier les investissements à l’étranger par rapport à ceux au Japon, où le déclin démographique ne leur offre guère de perspectives.
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10時からの会議が1時間半で疲れました.
お昼に熱いメールが何通も届きました.仕事中なのに余計な興奮してしまいます.
包丁のサイトを見つけました.ちょっと難しいです.

釜石津波訴訟、控訴審始まる=遺族側「予見できた」−仙台高裁
 東日本大震災の発生時、岩手県釜石市の「鵜住居地区防災センター」に避難し津波の犠牲となった女性=当時(31)=の遺族が、市に約9300万円の賠償を求めた訴訟の控訴審第1回口頭弁論が31日、仙台高裁(小林久起裁判長)であった。
 女性は市立幼稚園の臨時職員だった。控訴審で遺族側は「市は防災行政無線で避難指示を出しており、市と園長は幼稚園や防災センターへの津波到来を予見できた」と主張。適切な避難指示を出さなかった市や園長に安全配慮義務違反があったと訴えた。市側は控訴棄却を求めた。
 4月の一審判決は、津波避難場所ではない防災センターに避難し死亡したのは、市が正しい避難場所の周知を怠ったのが原因という遺族側の主張に対して、同センターが津波避難場所でないことまで周知する義務は市になかったと判断し、遺族側の訴えを退けた。遺族側が控訴した。


<村井知事>「理念が薄らぐ」復興五輪を懸念
 村井嘉浩宮城県知事は30日の定例記者会見で、開催まで1000日を切った2020年東京五輪・パラリンピックについて、「『復興五輪』の理念が薄れているように感じる。被災地の気持ちを受け止めてほしい」と懸念を示した。
 県と石巻市は、聖火リレーの出発地に東日本大震災で被災した同市を選ぶよう誘致活動を展開している。村井氏は「県に情報が入らず、非常に心配している。蚊帳の外に置かれている気がする」と憂慮し、大会組織委員会に改めて対応を働き掛ける考えを強調した。
 衆院選後の野党再編についても言及した。村井氏は「このままでは次の選挙を戦えず、どこかに収まっていくだろう」と指摘し、さらなる離合集散は避けられないと予測した。


<五輪霧中 大会理念を問う>(4)遺産の種/地域づくりの好機に
 2020年東京五輪は28日、同年7月24日の開幕まであと1000日となった。大会誘致時に掲げられた「復興五輪」は具体像が見えず、東日本大震災からの復興途上にある東北の被災地は大会への関心が盛り上がらない。政府、組織委員会、東京都は成功の道筋をどう描き、被災地は祭典に何を求めるのか。風化する復興五輪の意味を問う。(震災取材班)
◎住民の自主性不可欠
 オーストラリア出身の女性講師の一言に受講生は意表を突かれた。
 「日本を訪れる外国人観光客が求めるのは、流ちょうな外国語での案内よりも地元の人から聞く『地域自慢』なんですよ」
 東京五輪の前年の2019年にあるラグビーワールドカップ(W杯)で、東北唯一の会場となる釜石市内で釜石商工会議所青年部が20日に開いたセミナー。市の「インバウンドおもてなしサポート事業」で助言役を務める国際交流員を講師に招いた。
<魅力を書き出す>
 受講したのは観光関連企業などに勤める20〜40代の若手10人。講師の「地域自慢ができるよう、まず釜石がどんな街なのかを考えよう」との呼び掛けに、「海の幸がうまい」「交通の便が悪い」などと釜石の魅力や弱点を付箋に書き出していった。
 おもてなし事業を推進する市オープンシティ推進室の石井重成室長は「W杯に続き東京五輪も視野に入れている。閉幕後も外国人観光客を釜石に呼び込める土壌をつくりたい」と語る。
 外国人をはじめ多様な人々が楽しめる街にしたいと思う事業者が増えれば「それが街の資産になる」と石井室長は期待する。
 世界的なイベントを一過性にせず、地域づくりの好機として生かす。釜石のような動きは、東日本大震災の被災地ではまだ少ない。
 東京五輪でサッカー競技会場の宮城県。三菱総研が設立した産官学連携のレガシー共創協議会(東京)は9月下旬、五輪の遺産(レガシー)構築に向けたフォーラムを仙台市で開いた。
 大手企業が五輪などに絡めた地域づくりのプランを自治体に提案し、採用を促すマッチングが目的。参加企業は観光やコミュニティー創出といった地域課題の解決を目標とした14プランのブースを構え、説明に当たった。
<誇りが生まれる>
 大日本印刷(東京)は香川県を舞台にした漫画の人気キャラクターを使い、地元企業と共同実施した観光振興策を紹介。ヤマハミュージックジャパン(同)は住民を主体とするバンドを養成し、地域コミュニティーづくりにつなげた千葉県船橋市の事例を発表した。
 「住民が自ら楽しみながら取り組めば地域への誇りが生まれる。地域の盛り上がりが周知されれば、被災地を敬遠しがちだった外部の人も訪れやすくなる」
 ヤマハミュージックジャパン音楽の街づくり推進課の佐藤雅樹課長は住民主体の取り組みの効用をこう説明した。
 フォーラムを共催した東北経済連合会(仙台市)の小野晋常務理事は「五輪などの大会を息の長い地域づくりのきっかけと捉えることが重要。地域課題の克服は、将来的な地域経済の発展にもつながる」と指摘する。
 復興五輪の成功には、被災地が自発的に取り組む意欲が不可欠となる。


モナリザも仏大統領もくっきり 絵入りリンゴ箱詰め、ベルサイユ宮殿や大使館へ
 西洋の名画や浮世絵をリンゴの表面に浮かび上がらせた絵入りリンゴの箱詰め作業が30日、青森県弘前市の農業資材会社「佐藤袋店」で行われた。フランス大統領やベルサイユ宮殿、在日仏大使館など日仏の計5カ所に計約100個を贈る。
 同社の絵入りリンゴ贈呈は2002年から。今年は新作12種類を含む20種類を用意した。フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」や今年5月に就任したマクロン大統領が初登場した。
 絵入りにするため、リンゴ品種「陸奥(むつ)」の実になる部分に袋をかぶせて育て、実が大きくなったところで表面に絵柄シールを貼る。受ける日差しの明暗の差で表面に色を付ける。
 佐藤義博社長(69)は「今年は激しい寒暖の差で、図柄がはっきりと浮かび上がり最高の出来に仕上がった。日仏交流が深まることを願っている」と話した。


核廃絶と日本 信頼取り戻す努力を
 日本政府の主導で国連に提出された核兵器廃絶決議が、昨年より賛成が二十三カ国も減る百四十四カ国によって採択された。内容への不満が原因だ。唯一の戦争被爆国としての信頼を取り戻せるか。
 決議は、米国やロシアなど核保有国に核軍縮の努力を求める内容で、日本が一九九四年以来、毎年提案し、採択されてきた。日本の決意を、世界に示すものだ。
 昨年までは、「核兵器のあらゆる使用」が「壊滅的な人道上の結末」をもたらすと明記していた。今年の決議は、「あらゆる」という文言が削除されるなど、非人道性に関する表現が大きく後退していた。
 さらに問題視されたのは、七月に国連で採択された核兵器禁止条約(日本は未参加)に、まったく言及していない点だ。
 「まるで核保有国が出した決議のような印象」(長崎市の田上富久市長)といった批判のほか、「核兵器使用もありうるというニュアンスを含んだ、危険な内容」(広島で被爆し、今年国連で自らの体験を語った日本原水爆被害者団体協議会の藤森俊希事務局次長)という怒りの声も相次いだ。
 日本の決議案が提出された国連総会第一委員会(軍縮)では、「核軍縮を後回しにする書きぶりだ」という批判もあったという。
 この決議が最初に国連に提出された時の外相は河野洋平氏だった。息子である河野太郎外相は、採決後に談話を出している。
 この中で外相は、「核兵器国と非核兵器国の立場の違いが顕在化している」と指摘した。決議は「すべての国が核軍縮に改めて関与できる共通の基盤を提供するものであり、幅広い支持を受けたことを心強く思う」と自賛した。
 確かに、核保有国である米英に加え、核兵器禁止条約に参加しなかったドイツ、イタリアなども共同提案国となり、賛成している。
 しかし、ブラジルやオーストリアなど核兵器禁止条約に熱心に取り組んでいる国は棄権に回り、決議の賛成国が、昨年より大幅に減った事実は重い。
 北朝鮮の核問題が深刻化する中で、唯一の戦争被爆国としての信頼や中立性、核廃絶に対する姿勢を疑われたといえよう。
 日本政府は十一月下旬に広島で、核軍縮をめぐって国内外の専門家が討論する「賢人会議」を主催し、具体的な提言をまとめる計画だ。日本が本当に核廃絶に向けた「橋渡し役」になるのか。証明なくして胸は張れない。


核廃絶決議後退 これで「橋渡し」なのか
 これで、「核兵器保有国と非保有国の橋渡し役になる」と、胸を張って言えるだろうか。
 日本が提出した核兵器廃絶決議案が、国連総会の軍縮を担当する委員会で採択された。今回で24年連続である。
 しかし、賛成国は昨年より23カ国減って144カ国にとどまった。昨年は賛成しながら、棄権に回った国も少なくない。
 決議案が、7月に採択された核兵器禁止条約に一切言及せず、核兵器の非人道性を巡る表現も後退していたためだ。
 核廃絶を主導していくことは、唯一の戦争被爆国である日本の責務である。
 それなのに、決議は廃絶の動きに水を差すと受け止められた。日本への失望感を表明する国まである。きわめて残念だ。
 信頼を回復するには、広島、長崎の被爆者や、核兵器を「絶対悪」とみる世界の人々の声に、これまで以上に真摯(しんし)に耳を傾けるしかあるまい。
 決議は、日本が1994年以来、毎年国連総会に提出し、多くの賛同を得て採択されてきた。長年の積み重ねが、軍縮分野で日本の存在感を高めてきたと言える。
 だが、今年は「核兵器禁止条約に言及しないのはあり得ない」(ナイジェリア代表)など反発が相次いだ。
 条約は核兵器の使用のみならず、保有や実験、使用をちらつかせる威嚇まで一切を非合法化する。来年にも発効する見通しだ。
 日本は、条約は核保有国と非保有国の溝を広げ、核廃絶につながらない、と反対の立場をとってきた。決議案で条約に触れると、核保有国から支持を得られなくなるとの判断もあっただろう。
 代わりに大幅に増えたのは、核・ミサイル開発を進める北朝鮮を非難する記述である。北朝鮮への圧力を重視する安倍晋三政権の姿勢を表したといえる。
 これでは多くの非核保有国の意向が反映されていない、と見られても仕方あるまい。
 田上富久・長崎市長が「核保有国が出した決議かのような印象を持つ」と述べたのはもっともだ。
 被爆者の声が世界を動かし、条約の採択に結びついた。それを後押しした「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN(アイキャン))」がノーベル平和賞に決まり、12月の授賞式では被爆者代表が演説する。
 核廃絶に向けて日本の果たすべき役割は大きい。条約に参加した上で保有国に廃絶を迫るべきだ。


核廃絶決議 信頼失う日本政府の姿勢
 日本政府がまた、核兵器廃絶を願う被爆者たちを落胆させた。
 国連総会第1委員会は先週末、日本政府が中心になって毎年提案している核兵器廃絶決議案を賛成多数で採択した。しかし今年は、日本の作成した決議案の内容に批判が相次ぎ、採択で賛成国が昨年より大幅に減ってしまった。
 日本は唯一の戦争被爆国だ。その日本が、核軍縮を巡る外交の場で主導性を発揮するどころか、逆に存在感を失いつつある現状を象徴的に示す出来事である。
 決議は国際社会の意思表示との位置付けで、法的拘束力はない。多くの国の賛同を得やすく、これまで賛成国数は漸増してきた。
 今回、なぜ日本政府が作成した決議案が賛成国を減らしたのか。
 まず第一は、7月に国連で採択された核兵器禁止条約に直接言及しなかったためだ。この条約は、核を持たない国々が核保有国に核軍縮を強く促す手段として、核廃絶運動の主流になっている。
 日本政府は条約を敵視する米国と足並みをそろえ、条約採択に参加しなかった。この「米国追従」の姿勢を今回の決議案にも持ち込んだことに対し、一部の非保有国が強く反発し、採択を棄権した。
 また、決議にこれまで「核兵器のあらゆる使用」が壊滅的な人道上の結末をもたらす、と明記していたのが、今年は「あらゆる」を削った点も批判を呼んだ。「一部の使用は許される、という意味か」と問題視された。
 田上富久長崎市長は「核保有国が出した決議かのような印象」とコメントした。被爆者たちも政府への不信感を強めている。
 日本政府は「核保有国と非保有国との橋渡し役を果たす」と自任するが、どっちつかずの対応が不信を招き、国際的な信頼を失っているのが実態ではないか。
 核を巡る安全保障情勢が厳しさを増しているのは事実である。だからこそ、被爆者の思いを受け止め、核廃絶に向けて世界をリードする責務の重さを自覚してほしい。被爆国の日本政府がやらずして、どこの国がそれをやるのか。


[国連核廃絶決議] 日本の決意が疑われる
 唯一の被爆国として日本が示してきた核兵器廃絶の決意に対して、国際社会に疑念が広がらないか懸念される。
 国連総会第1委員会で、日本が主導して1994年から毎年提案している核兵器廃絶決議案が24年連続で今年も採択された。
 賛成国が漸増し、核廃絶に向けた国際社会の歩みを刻んできた決議である。ところが、今年は賛成が144と昨年から23カ国も減り、棄権は27で10カ国増えた。
 最大の理由は、決議案が「核兵器禁止条約」に直接触れていなかったからだ。毎年の決議内容に大きな変化はないが、昨年のオバマ米大統領(当時)の広島訪問のように重要な出来事はその都度盛り込まれてきた。
 条約は国連で7月に採択され、貢献した非政府組織(NGO)にはノーベル平和賞が贈られた。核軍縮の機運を高める歴史的な前進だったのは明らかだ。条約制定の意義に言及しない決議に失望が広がったのは当然だろう。
 決議案には、条約に触れなかった以外にも核軍縮の取り組みの後退と受け取れる表現があった。
 核拡散防止条約(NPT)で核軍縮の取り組みを明示した条項への言及が削除された。米国とロシアに核軍縮を促す部分でも、昨年までは「交渉の早期開始」を求めたのに「交渉の早期開始ができる措置を取る」と表現が弱まった。
 棄権に回ったのは、条約制定を推進した非核保有国のブラジルやニュージーランド、コスタリカなどだ。条約に加わらない日本への批判や不信の表れとみることもできよう。
 日本は「核兵器なき世界」という外交目標を取り下げたわけではない。
 米国の「核の傘」に守られている立場から、核禁止条約への参加を見合わせた。北朝鮮が核開発を加速させ、核の傘の存在感が増している安全保障上の環境もあり、米国の意向に配慮した結果だ。条約を通じた核軍縮は「現実的でない。保有国と非保有国の分断が進む」と主張している。
 決議案の後退も同じ理由だろう。河野太郎外相は核保有国と非保有国の「橋渡し」として核廃絶の役割を果たす考えを示している。
 とはいえ、非保有国から見れば、最近の日本の振る舞いは保有国寄りに映っているに違いない。「米国にすり寄りすぎだ」(中南米の外交官)との指摘もある。
 これでは橋渡し役を果たすどころか平和外交の基軸さえ揺らぎかねない。被爆国に求められるのは、核廃絶に向けた確固たる姿勢と具体的な行動にほかならない。


【原発補助金拡大】再稼働の容認狙いを疑う
 原発が立地する自治体を対象としていた国の補助金を巡って、経済産業省が応募資格を原発の半径30キロ圏内の自治体にも広げていたことが分かった。
 原発の再稼働には立地する自治体の同意が必要だが、周辺自治体も含めるよう求める声が根強い。事故が起きれば影響を受ける。不安を抱いて当然だ。原発から半径30キロ圏内の自治体は、詳細な避難計画作りを義務付けられるなど、万一の場合に備えた対応も求められている。
 一方で、原発が立地する自治体の周辺には再稼働に慎重な自治体も多い。応募資格の拡大は、補助金交付をきっかけに再稼働への容認を得ようと考えているのではないか。疑念が拭えない。
 2016年度から始まった「エネルギー構造高度化・転換理解促進事業」。廃炉などで影響を受ける可能性がある自治体をエネルギーの分野で支援しようとする内容だ。
 当初は原発が立地する都道府県、市町村に対象を限っていた。だが17年度から公募要領に「原子力発電施設を取り巻く環境変化の影響を受ける自治体」を加えた。当てはまる例として、原発からおおむね半径30キロの区域を含む市町村、その市町村がある都道府県を挙げている。
 風力や太陽光、小水力での発電といった再生可能エネルギーに関する技術開発、調査、普及といった取り組みを支援するという。それなら広く知らせてしかるべきである。
 公募といいながら報道発表はせず関係自治体を集めた説明会で済ませている。要領はホームページで公開しているものの、わずかに書き加えたにすぎず、この分野に精通していなければ容易に気付くまい。
 経産省は応募資格の拡大については「(廃炉など)原発の影響が周辺に及ぶことが分かり(事業の)仕組みを見直した」としている。だが、なぜ半径30キロ圏内としたのかは明らかにしていない。
 原発は国民の間で関心が高いテーマである。直近の全国世論調査では再稼働への反対が約6割に上り、賛成とした約3割の倍近いのだ。
 「事業に関しては日々運用を改善しており、逐一、報道発表することはない」ともいうが、それは勝手な理屈だ。
 国民生活に関わる事柄はきちんと公開するのが国の役目である。事業内容を改善したというのなら、なぜ水面下で関係自治体だけと情報を共有するのだろう。手順を踏んで丁寧に説明しようとしないから、意図を疑われるといっていい。
 波紋が起きている地域もある。九州電力玄海原発(佐賀県)の30キロ圏内にある同県伊万里市は再稼働に反対だが、再生エネルギー導入関係の約2200万円を求めた。地元では補助金が、反対の「口封じ」に結び付くと懸念する声が出ている。
 国が地域に不信を広げる糸口をもたらしたも同然だ。公金が原因で対立の構図が生まれることがあってはいけない。


ICANノーベル平和賞授賞式 茅野の藤森さん出席
 ノーベル平和賞が決定した非政府組織(NGO)「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN(アイキャン))の授賞式への出席者について、日本原水爆被害者団体協議会(被団協)は30日、田中熙巳代表委員(85)=埼玉県新座市、長崎で被爆=と、藤森俊希事務局次長(73)=茅野市、広島で被爆=の2人に決めたと発表した。
 藤森俊希さんは30日、茅野市内の自宅で信濃毎日新聞の取材に応じ、「平和賞を核兵器廃絶の運動を高めるステップにしたい」と改めて決意を語った。
 1歳の時に広島で被爆した藤森さんは、被団協内で「広島の被爆者の代表」として出席が決まったという。
 藤森さんとの主なやりとりは次の通り。
 ―授賞式出席が決まった。
 「ICANの主なメンバーとは、私がさまざまな国際会議に出席するようになった2010年以降に知り合った。核兵器は同じ大量破壊兵器と位置付けられる生物兵器や化学兵器と異なり、いまだに世界で幅を利かせているが、そうであってはいけないとの熱意を持った人々だ。協調して核兵器廃絶運動に取り組んできたICANの授賞式に出席できるのは非常に意義深い」
 ―オバマ前米大統領も09年のプラハ演説で「核なき世界」を提唱し、ノーベル平和賞を受賞した。
 「オバマ氏は、包括的核実験禁止条約(CTBT)の批准などプラハで演説した内容をほとんど実現できなかった。ICANが制定に中心的な役割を果たした核兵器禁止条約は、既に約50カ国・地域が署名し、批准した国もある。批准が進んで発効すれば(条約の)実効性が生じるだけに、期待度は高い」
 ―今回の受賞が日本などの核兵器禁止条約不参加国に与える影響をどうみるか。
 「不参加国の政府が消極的である以上、簡単に方針が変わるとは思わない。だが、核兵器は使ってしまえば取り返しのつかない被害をもたらす。米国と北朝鮮のように、核兵器を持って威嚇し合う危険な状況も生まれている。授賞式を励みにしてキャンペーンを続けるしかない」


国会質問見直し  チェック機能の縮小だ
 国会で与野党が行う質問の時間配分を、自民党が見直す方向で検討に入った。
 安倍晋三首相(党総裁)の指示で、衆院予算委員会などで現在は「2対8」となっている与党と野党の時間配分について、与党分を拡大し、野党分を削減するそうだ。
 野党の質問時間を減らせば、政権をチェックしたり、追及したりする国会本来の機能が縮小する。野党から、「暴挙だ」との声が上がるのは当然だろう。
 今回の話は、衆院選後の首相指名選挙を行う11月1日召集の特別国会を、どうするのかという協議の課程で出てきた。
 与党側が当初、提案していた8日間の会期を延長し、野党側が求める首相の所信表明演説や、代表質問、予算委の開催を受け入れるのと併せて、見直しを図るとしている。
 自民党内には、加計学園を巡る議論などから逃げているとは思われたくない、との意見もあるそうだ。それなのに、野党の質問時間を減らすようルールを変更していては、逃げたも同然と、みられそうだ。
 自民党の若手議員から、質問の機会が限られ、有権者から仕事をしていないと批判されるので、与党の持ち時間を増やしてほしいとの要求があるという。この動きに対して、菅義偉官房長官は「議席数に応じた配分を求める主張は、国民から見ればもっともだ」と理解を示した。
 しかし、事実上、政府と一体化している与党の質問が、国民にとって、どれだけ有意義なのか、考えてみる必要はある。
 与党には、政府が法案を作成する過程で、議論する機会がある。一度、了承した法案等の不備を指摘したり、否定的な意見を述べたりすることが、与党議員にできるとは思えない。
 国会審議では、野党側からの多様な意見を検討することで、より幅広い国民に配慮した政策を打ち出せる。野党に十分な質問時間を確保する慣例の趣旨は、多くの国民に支持されているといえよう。
 立憲民主党の福山哲郎幹事長によると、「2対8」の配分は、旧民主党政権時代に、自民党の要求で定まったものだという。党としての整合性も問われる。
 野党の質問時間を減らすのは、委員会採決を省略し、臨時国会の冒頭、所信表明や質疑なしに解散する手法にも通ずる。巨大与党に、「おごり」や「緩み」が再び顔を出していないだろうか。


国会の質問時間 野党への配慮は当然だ
 安倍政権が、国会での野党の質問時間を削減し、与党分を拡大することを検討している、という。野党質問は政権監視には必要不可欠だ。厳しい追及を避ける狙いがあるとしたら、見過ごせない。
 本会議や各委員会での各会派への質問時間の割り振りは、国会法に規定はなく、与野党が協議して決める。議席数に応じた配分が原則だが、政権を監視する野党の役割を考慮して野党側により多く配分するのが慣例になっている。
 例えば、今年の通常国会では、衆院予算委員会の基本的質疑などで、与党二、野党八の割合で質問時間が配分された。
 この割合を与党に多くしようというのが第四次に突入する安倍政権だ。自民党の安倍晋三総裁(首相)は萩生田光一幹事長代行に、この慣例を見直すよう指示した。
 背景には、議席数に比べて与党への時間配分が少なく、発言機会が制限されているとの不満が、特に若手の与党議員にあるようだ。
 国会議員は全国民の代表だ。発言機会は与野党を問わず、できる限り等しく確保すべきではある。
 同時に、政権を監視する野党の役割を十分に考慮することも必要だ。質問時間を議席数の割合よりも多く野党側に配分してきたのにはそれなりに妥当性がある。少数意見の尊重は民主主義の要諦だ。
 菅義偉官房長官は「議席数に応じた質問時間の配分を行うべきだという主張は国民からすればもっともな意見だ」と語ったが、「数は力」という民主主義の一側面しか見えていないのではないか。
 ただでさえ、自らの党首を首相に頂く与党議員の質問は問題点の指摘よりも、政権を持ち上げることに偏りがちだ。与党は法案の国会提出前、政府から説明を受けて事前に了承しており、質疑が「出来レース」に陥る可能性もある。
 質問時間を持て余して、般若心経の一部を唱え、夏目漱石の文学論をぶった与党議員もいた。与党の質問時間を増やせば国会審議形骸化の恐れなしとは言えない。
 それとも、それが狙いなのだろうか。野党議員の質問時間を減らすことに学校法人「森友」「加計」両学園の問題などをめぐる野党からの厳しい追及を避ける意図があるのなら論外だ。
 首相が、衆院選後の記者会見で「今まで以上に謙虚な姿勢で、真摯(しんし)な政権運営に全力を尽くさねばならない」と語ったのは、口先だけだったのか。数の力を背景に、野党議員の質問機会を減らすもくろみは、とても認められない。


安倍政権が議席をカサに本物の独裁国家化を開始! 与党の質疑時間を7割にして国会を機能停止に
「謙虚」が聞いて呆れる。国会での質疑時間を現在の「与党2割・野党8割」の配分から、議席数に応じて野党を削って与党の時間を増やすよう、安倍首相が見直しを指示している件だ。
 もし衆院で議席数に応じて質疑時間を見直せば「与党7割・野党3割」という異常な配分となり、まさしく“独裁”国会となる。当然ながら立憲民主党や共産党などの野党は猛反発しているが、信じられないのは政府と与党の姿勢だ。
 まず、菅義偉官房長官は「国会議員は国民の負託を得て当選してきている。各会派の議席数に応じた質問時間の配分は、国民の側からすればもっともな意見だ」と会見で発言した。
 しかし、たとえば立憲民主党の長妻昭代表代行は〈自民党が野党時代、強力に要請をして今の配分比となった〉と述べており、産経新聞も〈旧民主党政権では一時、「与党1、野党9」となった〉と伝えている。それが、自民党は政権を奪取すると、与党の質疑時間増を要求。2013年10月の衆院予算委員会では「与党6割・野党4割」にするよう要請している。このとき現在の「与党2割・野党8割」(先の閉会中審査のみ与党3割・野党7割)で折り合ったが、このように安倍自民党は自分たちの都合でしか動いていないのだ。
 さらに、なんと自民党は、この質疑時間問題を明日からはじまる特別国会での〈質疑に応じるための「取引条件」にする構え〉を見せているという(毎日新聞より)。つまり、特別国会で森友・加計問題について言及したいのなら質疑時間の見直しに応じろ、と要求しているのである。
 選挙前には森友・加計問題について「選挙で説明する」と言い、選挙がはじまると「国会で説明する」と言い出した安倍首相。にもかかわらず、野党から追及を受けることから逃げるため、まったく筋の通らない取引をふっかけようとしているのだ。自己都合で不当な二者択一を迫るとは、まさしく悪徳商法さながらの詐欺的手法ではないか。
野党の質問時間削減は議院内閣制を無視した民主主義の破壊行為
 いや、今回の話は「自民党の身勝手」とか「疑惑隠し」とかそんなレベルではすまない。安倍政権がやろうとしている質問時間の配分は、明らかに民主主義の破壊、本物の独裁国家への第一歩となるものだ。
 というのも、国会で野党に多くの質問時間を割くことは、日本が採用している議院内閣制の欠陥をカバーし民主主義の根幹である権力分立を保障するための措置だからだ。議院内閣制では、国会の多数党が内閣を形成するため、与党と内閣が一体になってしまう。当然、国会の内閣に対する批判やチェックは機能しづらく、そのままでは権力分立も有名無実化してしまう傾向にある。そのため、イギリスなどでは、議会の運営や政党助成金など、制度上さまざまな面において野党に与党より大きな機能や権力を与えてきた。
 一方、日本ではそういった野党優遇措置はほとんどなく、唯一、権力分立を保障するために存在していた慣例が質問時間の野党への優遇配分だった。それが今度は議席数に応じて、野党の質問時間を削ろうというのである。これは国会の機能停止も同然の暴挙だろう。
 考えてみればいい。国会で審議される法案や予算案はとっくに政府と与党間で、調整されているのだ。そんなものに対して、与党が厳しい批判や質問をするはずがない。与党が与党に質問しても、法案推進のための事前に申し合わせた質問とその回答という茶番劇が繰り広げられるだけ。つまり、野党の質問時間が削られれば、法案はなんの批判やチェックも受けずに通り放題になる。
 自民党の安倍チルドレンである“魔の3回生”が、与党の若手議員にも平等にチャンスをなどと言っているが、前述したように、政府が国会に提出する法案は大前提として国会入りする前に政調部会などで事前審査を済ませている。与党の議員は、党内議論に参加し自分の意見を法案に反映させることができる。しかし、野党は国会に提出されてはじめて法案を見るのだから、与党の質問と野党の質問を同等に扱うことは、まったく平等などではなく著しく不公平なものだ。
 ようするに、連中の言っている「民意を反映」「公平」などというのは、まったくのインチキにすぎない。実際は、議席数をカサにして、民主主義を破壊し、国会を政権と与党のやりたい放題にしようとしているだけなのだ。
 しかし、驚くのは、この安倍自民党の暴挙に対して、メディアやネットの間でも「野党の質問は与党の批判ばかりで時間の無駄」という意見や、菅官房長官と同様に「国民が選挙で議席を決めたのだから質問時間の割合もそれに合わせるべき」という声があがっていることだろう。
質問時間をもてあまして般若心経を唱え続けた自民党議員
 言っておくが「時間を無駄」にしているのは安倍首相をはじめとする安倍政権の閣僚たちだ。特定秘密保護法や安保法制、自衛隊南スーダン派遣、そして森友・加計問題にいたるまで、重要議題において野党からの質問にまともに答えず、ただただ時間を浪費するだけ。それは共謀罪法案審議中の金田勝年法相(当時)や、森友・加計問題での安倍首相の答弁を見れば一目瞭然だ。そもそも、野党からの質問の回答になっていないのである。
 そして、何より「時間の無駄」なのは、与党の質問だ。それを象徴するのが、与党が昨年12月にたった5時間30分ほどの審議で強行採決させたカジノ法案での、自民党議員の質問だ。
 カジノ法案が審議入りした日、衆院内閣委員会において質問に立った自民党の谷川弥一議員は、約40分の持ち時間のうち28分が経過したあたりから「一応、質問は終わったんですが、余りにも時間が余っているので」「全部時間を使おうとは思っていませんが」と述べたあと、「般若心経というのがあるんです」と切り出し、おもむろに般若心経を唱えたのだ。
 さらに、谷川議員はなぜか夏目漱石の話をはじめ、「私はきちがいみたいに夏目漱石が好きなんですよ。全巻12回ぐらい読みました」などと差別語をまじえながら自分語り。最後には「時間が余りましたが、終わります」と締めた。
 ようするに、質問時間を与党7割、野党3割などにすれば、こういった茶番が延々繰り広げられることになる。これこそが時間と税金の無駄ではないか。
 しかも、恐ろしいのは、この国会での質問削減は国会の機能停止にとどまらないことだ。安倍政権はこれまで、メディアに徹底した圧力をかけることで政権批判を封じ込めてきた。そして、もしも野党の質疑時間を削り、国会を与党の独壇場にしてしまえば、今度は根本から議論がシャットアウトされてしまう。法案はさらに通し放題となっていく上、かろうじて「国会審議の内容」として報じられてきた法案の問題点や不正に対する疑惑の追及も、メディアは取り上げづらくなっていくだろう。
  イギリスの思想家・ウォルター・バジョットは著書『イギリス憲政論』のなかでこのような趣旨のことを書いていた。
 イギリスは政治の批判を政治そのものにするとともに、政治体制の一部にした最初の国家である。このような批判の役割を担う野党の存在は、議院内閣制の所産である。その存在によって、国会は偉大な討論の場となり、民衆教育および政治論争の一大機関となる。
 多くの議院内閣制の国で野党を優遇しているのは、野党を利するという意味ではなく、野党がはたらけることこそが、国民の利益にかなうからだ。対案を出す必要もなく、野党が、与党に反対し、批判し、攻撃すること。それこそが、議会であり、民主主義の成立と考えられているからだ。
 安倍政権や安倍応援団の垂れ流す“これこそが民主主義だ”という嘘に騙されてはならない。質疑時間問題は、安倍独裁の本格的なはじまりの第一歩である。これがいかに危険なものであるか、メディアはもっと大々的に検証・報道すべきだ。(編集部)


森友過大値引き 首相は国会で説明尽くせ
 学校法人「森友学園」への国有地売却問題を会計検査院が調査したところ、国のずさんな算定で値引きが最大約6億円過大となり、国が損を被った可能性が浮かび上がった。税金の無駄遣いをチェックする機関からも国有地のごみ撤去費の積算に疑義が突き付けられた。安倍晋三首相は国民が納得できる説明をする重い責任がある。
 森友学園が建設を進めた小学校は安倍昭恵首相夫人が一時、名誉校長に就いていた。夫人付の政府職員が国有地に関して財務省担当者に問い合わせていた。首相との関係性を含めて疑惑が噴出した。
 国会で野党が追及したが、安倍首相は「印象操作だ」と発言し、その後も夫人の国会招致など疑惑解明への協力をかたくなに拒んだ。さらに臨時国会の質疑に応じないまま衆院を解散した。
 加計学園問題を含めて多くの国民が疑問を持つ。解散直前に共同通信が実施した世論調査では、森友、加計学園問題を巡る政府の説明に納得できるかどうかについて「できない」が78・8%で圧倒的に多かった。「できる」はわずか13・8%だった。衆院選は大勝したが、これで疑惑が晴れたわけではない。
 安倍首相は記者会見で「会計検査院が検査に着手しており、指摘があれば真摯(しんし)に説明責任を果たしていく」と明言していた。
 検査院の調査によると、森友学園の国有地購入に際し、ごみ撤去費の見積もりを担当した国土交通省大阪航空局は、学園の「地下9・9メートルまでごみがある」との申告を受け、詳細に調べ直さないまま撤去費を約8億2千万円と算出した。財務省近畿財務局はこの額を評価額の約9億5千万円から値引きした。
 しかし、検査院が資料を検証したところ、ごみの混入率は30%程度で、撤去費は約2億円にとどまり、多くても4億円余りだったという。
 さらに撤去費に関する文書や国と学園のやり取りの記録は破棄されていた。
 こうしたずさんな算定が、なぜ二つの省庁間で認められたのか。なぜ学園との交渉過程で財務局が買い取り可能な金額を尋ねていたのか。なぜわずか2年前の記録が破棄されたのか。
 多くの疑問に答え、背景事情も含めた説明がなされない限り、国民の納得は得られない。
 しかし、安倍首相は野党が求める臨時国会の召集には応じない方針で、11月1日開会の特別国会の延長のみで乗り切る考えだ。
 さらに国会での野党の質問時間の削減を検討している。与党と野党で時間を「2対8」に配分する慣例をやめ、国会勢力順にすべきとしている。
 真に「説明責任」を果たすなら、臨時国会の召集に応じるべきであり、国会の質疑にも誠意を持って応じるべきだ。事をうやむやにしては国民の理解は得られない。


森友学園問題 「丁寧な」審議と説明を
 大阪市の学校法人「森友学園」に、国有地が約8億円も値引きされて払い下げられた問題で、会計検査院が売却額の妥当性を揺るがす試算をしていることが分かった。政府が値引きの根拠とした地中のごみ撤去費用が、最大約6億円も過大に計算された疑いが浮上している。
 この問題では、安倍晋三首相夫人の昭恵氏が一時、学園が計画していた小学校の名誉校長に就任していたことなどから、売却に便宜が図られたのではないかとする疑問が国会で取り上げられた。
 だが、財務省など政府は適正な売却だったと繰り返すだけで、肝心の交渉記録などは破棄したとしてきた。こうした姿勢に国民の不信感は根強い。会計検査院の調査で新たな疑念が生じた以上、当然、真相解明に取り組むべきではないか。森友、加計(かけ)学園の問題で首相は「丁寧に説明する」としている。その言葉通り、国会の場で「丁寧な」審議と説明を尽くし、国民の納得を得ることが不可欠だ。
 大阪府にある問題の国有地は、森友学園の小学校建設用地として、評価額より大幅に安い約1億3千万円で払い下げられた。財務省側は地中に埋まっていたごみ撤去費など約8億2千万円を差し引いたと釈明した。
 しかし、会計検査院の計算では、実際の撤去費は2億〜4億円程度という。検査院は、国側が敷地を調査したうちの一部データを基に、ごみの混入率を過大に計算したとみている。国と学園とのやりとり記録や、撤去費関係の文書が破棄された点も問題視しているようだ。
 これまでにも、財務省近畿財務局の担当者が学園側に買い取り価格を打診していた疑惑が発覚、財務省の佐川宣寿前理財局長の答弁との食い違いが指摘されていた。これらの経緯や検査院の算定と現実の値引き額との矛盾をどう釈明するのか。詳細に説明する義務がある。
 昭恵夫人付の政府職員が財務省と学園側との間の連絡役をしたことや、昭恵氏から100万円の寄付金を受けたとする籠池泰典・学園前理事長の国会証言など、未解明の問題も多く残る。昭恵氏にはぜひ、公の場で自ら発言してほしい。
 国有地売却を巡り、大阪地検特捜部は近畿財務局担当者への背任容疑の告発を受理しており、捜査の行方も注目したい。11月1日召集の特別国会で、自民党内に野党の質問時間を減らす案が出ている。ただ、国民の疑問に応えるためには、衆院選大勝におごらず、批判的な声にも謙虚に向き合う運営が必要だ。


日本企業のつまずき/現場との乖離が問題だ
 また不祥事が発覚した。SUBARU(スバル)が日産自動車と同じ検査不正を続けていた。データ改ざんが明らかになった神戸製鋼所でも新たに日本工業規格(JIS)違反が分かった。日本企業のつまずきは、残念だがこれでとどまる保証はない。同じような不正などがないか現在、点検を進めている企業も多いはずだ。
 高品質を世界に誇った「メード・イン・ジャパン」の信じられない内実を、これでもかと、目の前に突き付けられるのはつらい。しかし長年顧みられることなく現場に染みついてしまった悪弊はこの際、全て明るみに出して、取り除かなくてはならない。
 これまで明らかになった問題で各社に共通するのは、経営と現場の乖離(かいり)だ。経営には、競争力のある製品をいち早く市場に投入したり、顧客の要望に応えたりする責任がある。それを果たすためには、それ相応の技能、マンパワー、設備が現場に整っていなければならない。
 現場の実情を把握するための経営努力は十分だったのか。各社はここに齟齬(そご)をきたしたまま、漫然と操業を続けてきたのではないか。顧客が満足し業績も安定していれば、経営方針や現場の状況を厳しく点検する必要性は薄れてくる。
 しかし双方がコミュニケーションを欠いたまま、この状態が続けば、いずれどこかで無理が生じ、ひずみが出てくるのは避けられない。ひずみの形はさまざまだ。今回は、検査プロセスでの手抜きであったり、品質データの改ざんであったりした。
 広告大手電通であった新入社員の過労自殺も、ひずみが極めて不幸な形で噴出した事例だろう。東芝を破綻寸前まで追い込んだ不正会計・巨額損失問題、製造業としては戦後最大の破綻となったタカタの欠陥エアバッグのリコール(無料の回収・修理)も経営と現場が全く違う方向を向いていたことが傷口を広げた。
 直近の決算で数字を整えることに血道を上げている間に、企業の存在意義や本来の目的を見失ってしまった。今回、不正が明らかになった企業の経営陣は、失ったものの大きさにがくぜんとしているはずだ。経営陣ばかりではない。株主も、企業を短期的な利益追求に追いやると、それ以外の価値に目を向ける余裕を失い、結局は企業価値が毀損(きそん)してしまうことに改めて留意してほしい。
 まだ原因究明は緒に就いたばかりだが、人手不足や、検査に必要な時間や手間などの実情を把握できていない経営が、現場に過大な要求を下ろしてきた構図が浮かび上がってきた。
 経営は人員増も含め、現場の負担を軽減するための投資を惜しむべきではない。省力化のために最新技術の導入なども検討する価値がある。コスト削減は経営の課題だがそれは安全最優先のために、製造過程を法令に合致するように最適化した後の話だ。
 その上で、政府には最終検査に見直しの余地があるか見極めてほしい。現在の制度は終戦直後に制定された道路運送車両法で定められた。状況は大きく変わっている。安全確保を確実にする合理的な方法が他にないのか。専門家も交え再検討すべき時期にきているだろう。


揺らぐ「ものづくり日本」 現場力どう再生するかだ
 日産自動車に続き、SUBARU(スバル)でも完成車の無資格検査が発覚した。神戸製鋼所による性能データ改ざんなど相次ぐ不祥事に「ものづくり日本」の看板が揺らいでいると言わざるを得ない。他の企業も他山の石とし、社内の慣行、法令順守体制などをいま一度確認すべきだろう。
 スバルの場合、正規の検査員約250人に対して無資格の従業員は数人。いずれも資格を取るために実務を積ませる狙いだったという。だが、正規の従業員の印鑑を借りて押印していた手口は、日産と同様だ。さらにはこうした慣行が30年以上も続いてきたとしている。吉永泰之社長が「社内で『これがまずい』という認識がなかった」と述べたように、日産の不正発覚がなければ見過ごされていたかと思うと、ぞっとする。
 各工程でのチェック体制があり、完成車の段階で不具合が見つかるケースは極めて少ないとされるが、万一1台でも不良があった場合、事故につながる可能性は否定できず、最悪人命にも関わりかねない。消費者が製品に命を預けているとの強い意識があれば、無資格の従業員に検査を担当させなかったはずだ。
 日産では問題の公表後も、なお無資格検査が続いていたのは言語道断だ。経営側が現場を統率できない証しでもあろう。今も出荷停止状態にあり、従業員はむろん、部品を提供する企業などにも影響が出はじめているという。10月初めに電気自動車(EV)の新型車を投入。大々的に掲げたEVシフトの出はなを自ら折った格好だ。
 神戸製鋼の不正は確信犯というほかない。社内調査への妨害が発覚するなど、会社全体にモラル欠如と隠蔽(いんぺい)体質がまん延。業界が策定した品質管理強化のガイドラインを適用せず、最低限の基準とされる日本工業規格(JIS)を満たさない製品を出荷していた。顧客と約束した測定を実施しなかったり、データを捏造(ねつぞう)していたりしたともされ、悪質極まりない。
 かつては、過剰なまでの検査で「高品質」製品しか出回らないようにしてきた。それが日本企業の強さの原点でもあった。不良品を極力減らすために「カイゼン」といった現場の努力が続けられてきた。
 不祥事の背景には効率化や人手不足など現場へのしわ寄せが指摘されるが、要は現場の担い手たちの気概がそがれ、経営側がそれに気付かなかったか、気付こうとしなかったのが最大の要因だろう。経営と現場の乖離(かいり)が漫然と続く中、無理が生じ検査の手抜きやデータ改ざんというひずみとなって現れたのだ。
 英BBC放送は「日本株式会社で何が起きているのか」と題して、安易なコストカットで日本のものづくりの信頼性が揺らいでいると報じた。製造業の劣化が続くようであれば、日本経済は沈むばかりだ。優れた現場力をどう再生するか。経営側は人員増も含め、最新デジタル技術の導入など、現場の負担軽減に向けた投資を考えるべきだ。


日本企業のつまずき 現場への投資惜しむな
 また不祥事が発覚した。SUBARU(スバル)が日産自動車と同じ検査不正を続けていた。データ改ざんが明らかになった神戸製鋼所でも新たに日本工業規格(JIS)違反が分かった。日本企業のつまずきは底なし沼の様相だ。
 残念だがこれでとどまる保証はない。同じような不正などがないか現在、点検を進めている企業も多いはずだ。
 高品質を世界に誇った「メード・イン・ジャパン」の信じられない内実を、これでもかと、目の前に突き付けられるのはつらい。しかし長年顧みられることなく現場に染みついてしまった悪弊はこの際、全て明るみに出して、取り除かなくてはならない。
 これまで明らかになった問題で各社に共通するのは、経営と現場の乖離(かいり)だ。経営には、競争力のある製品をいち早く市場に投入したり、顧客の要望に応えたりする責任がある。それを果たすためには、それ相応の技能、マンパワー、設備が現場に整っていなければならない。
 現場の実情を把握するための経営の努力は十分だったのか。各社はここに齟齬(そご)をきたしたまま、漫然と操業を続けてきたのではないか。顧客が満足し業績も安定していれば、経営方針や現場の状況を厳しく点検する必要性は薄れてくる。
 しかし双方がコミュニケーションを欠いたまま、この状態が続けば、いずれどこかで無理が生じ、ひずみが出てくるのは避けられない。ひずみの形はさまざまだ。今回は、検査プロセスでの手抜きであったり、品質データの改ざんであったりした。
 広告大手電通であった新入社員の過労自殺も、ひずみが極めて不幸な形で噴出した事例だろう。東芝を破綻寸前まで追い込んだ不正会計・巨額損失問題、製造業としては戦後最大の破綻となったタカタの欠陥エアバッグのリコール(無料の回収・修理)も、経営と現場が全く違う方向を向いていたことが傷口を広げた。
 直近の決算で数字を整えることに血道を上げている間に、企業の存在意義や本来の目的を見失ってしまった。今回、不正が明らかになった企業の経営陣は、失ったものの大きさにがくぜんとしているはずだ。経営陣ばかりではない。株主も、企業を短期的な利益追求に追いやると、それ以外の価値に目を向ける余裕を失い、結局は企業価値が毀損(きそん)してしまうことに改めて留意してほしい。
 まだ原因究明は緒に就いたばかりだが、人手不足や、検査に必要な時間や手間などの実情を把握できていない経営が、現場に過大な要求を下ろしてきた構図が浮かび上がってきた。
 経営は人員増も含め、現場の負担を軽減するための投資を惜しむべきではない。省力化のために最新デジタル技術の導入なども検討する価値がある。コスト削減は経営の課題だがそれは安全最優先のために、製造過程を法令に合致するように最適化した後の話だ。
 その上で、政府には最終検査に見直しの余地があるか見極めてほしい。現在の制度は終戦直後に制定された道路運送車両法で定められた。状況は大きく変わっている。安全確保を確実にしながら現在の工程技術向上を反映した合理的な在り方があり得るのか。専門家も交え検討すべき時期にきているのではないか。(共同通信・高山一郎)


スバルも無資格検査 日本の製造業が上昇相場を台無しに
 頼むから水を差すのはやめてくれ――。株式市場から不満の声が上がっている。
「SUBARU(スバル)ですよ。10月相場は好調が続き、日経平均は先週末(27日)に21年3カ月ぶりとなる2万2000円の大台に乗せた。年末に向かって上昇機運が高まっているのに、スバルの無資格検査で失速を心配する声が出始めています」(市場関係者)
 日経平均は27日、前日比268円高(プラス1.24%)で終えたが、スバルは前日比106円安(マイナス2.60%)だった。
「神戸製鋼所のデータ改ざん、日産自動車の無資格検査に続くスバルの失態です。日本の製造業はたるんでいるのではないか。海外投資家は辛辣になっています」(株式アナリストの黒岩泰氏)
 スバルは30年以上にわたって、無資格者による完成検査を行っていた。不幸にも、不正発覚が東京モーターショー(東京ビッグサイト)の開幕時期と重なったため、海外からの注目度は自然と高まった。
 無資格検査が発覚する前の25日、東京モーターショーのプレスデー(内覧会)で、スバルの吉永泰之社長は新コンセプトカーを発表し、「スバルには安全を追求するDNAが根付いている」と胸を張った。
 ところが2日後の27日には謝罪会見だ。「日本の『ものづくり』への不安要素となっていることには、じくじたる気持ちがある」と頭を下げた。
■日本のモノづくりの信頼が根底から揺らいでいる
「日産、スバルと無資格検査の発覚が続きました。トヨタ自動車やホンダなど、残る乗用車メーカー6社は検査体制に問題はなかったと国交省に報告しています。ただ、一時期は多くのメーカーが無資格検査をしていた可能性があると疑っている業界関係者もいます。日本のモノづくりの信頼が根底から揺らいでいるのは事実でしょう」(経済ジャーナリストの井上学氏)
 日産の株価は直近高値に比べ、一時は9.7%下落。神戸製鋼所は同じく43.1%の値下がりを記録した。
「市場は北朝鮮リスクに加え、ニッポン製造業の信頼低下リスクを抱え込んだ。相場が逆回転を始めたら、製造業全体が悪影響を受ける危険性は高まっています」(証券アナリスト)
 海外投資家は10月3週(16〜20日)まで4週連続で買い越し、その額は1.7兆円を超えた。日本売りに転じた途端、いまの株バブルははじける。


アスベスト訴訟 新たな救済制度が必要だ
 建設現場でアスベスト(石綿)を吸い込み、健康被害を受けた元労働者らが国と建材メーカーに損害賠償を求めた控訴審判決で、東京高裁は国とメーカーの一部に賠償を命じた。
 同様の「建設アスベスト訴訟」は全国で14件起こされ、地裁段階で7件の判決が出ている。うち6件では国に賠償を命じた。今回は初の高裁判決であり、「防じんマスクの使用の義務付けを怠った」などとして国の責任を認める司法の流れはほぼ定着したと言えよう。
 最初の提訴から9年余がたち、この間に多くの原告患者が亡くなっている。国は司法判断を受け、早急に和解に向けて動き出すべきだ。
 一方、メーカーの責任についてはこれまで原告側に厳しい地裁判決が多かった。建設労働者は各地の現場を渡り歩くため、どのメーカーの建材が原因となったかを証明しにくいためだ。
 高裁は、メーカーも石綿の危険をユーザーに警告する義務があったと判断。建材の市場シェアなどを基に実際に現場で使われた確率を推定し、被告43社のうちの4社にだけ賠償責任を認めた。企業の責任にも一歩踏み込んだ点を、賠償責任を免れた社も含め、メーカー側は重く受け止めてもらいたい。
 安価で耐火・断熱性にもすぐれた石綿は建材などに広く使われてきたが、吸い込むと肺がんや中皮腫を引き起こすことが分かり、段階的に規制が進められた。発症までの潜伏期間が数十年と極めて長く、「静かな時限爆弾」とも呼ばれる。
 年間千人前後が石綿被害の労災認定を受けており、中でも建設業で働いていた人が多い。潜伏期間を考えると、将来にわたって認定件数の高止まりも予想される。
 石綿被害を巡っては、石綿製造工場などで働いて発症した従業員らの訴訟で、最高裁が粉じん対策を怠った国の責任を認めている。国はこれを受け、同種のケースで訴訟を起こせば和解に応じる方針を示している。
 こうしたことも踏まえ、建設労働者に対しても、新たな救済制度の整備を急ぐ必要がある。
 「一人親方」問題も放置できない。高裁判決も、一人親方と呼ばれる個人事業主については労働安全衛生法上の「労働者」とは言えず、国は責任を負わないとした。
 だが、一般の建設労働者と変わらない働き方をしていながら、救済の対象外とするのは何とも理不尽だ。
 原告らは国とメーカーなどが共同出資する補償基金制度の創設を求めている。検討していいのではないか。
 高度成長期につくられた老朽建物の解体が今後進み、石綿の飛散による被害も懸念されている。どうやって被害拡大を防ぐかも大きな課題だ。健康被害の重大さを考え、国は救済に取り組んでほしい。


「安保法制・共謀罪を廃止せよ」創価学会員が、総選挙投票日に本部前で“静かな抗議”をしていた
 総選挙の投票日に当たる10月22日、安保法制や共謀罪の廃止を求める創価学会員有志によるサイレントアピールが、雨が激しく降りしきる信濃町の学会本部前にて行われていた。マスコミ報道はなされなかったこの“静かな抗議”には、約30人が参加。「日本を戦争に導く安保法制と共謀罪法の廃止のために闘え!」という横断幕を掲げた。
 公明党は今回の総選挙で低投票率にもかかわらず、現有35議席から6議席減らし、29議席となった。その理由を公明党・創価学会ウォッチャーはこう語る。
「安倍首相にどこまでもついていく姿勢に疑問を持つ支持者が増えてきた結果でしょう。安保法制や共謀罪は、従来の公明党だったら反対していたはずです。それなのに、安倍首相に押し切られてしまった。支持者もそれでは嫌気をさすでしょう」
「いまの公明党・創価学会は信念を失っている」学会員が批判
 さて、そういう状況の中で行われたサイレントアピール。元学会職員の野口祐介さんが、今回の行動の意義を説明してくれた。
「近年、安保法制や共謀罪法が強行採決された。公明党がそこで自民党に加担して、賛成に回っている。池田大作名誉会長の”絶対平和”の思想から言えば、現状の公明党や創価学会本部のそれらを容認する方針は間違っている。学会本部前にて、牧口・戸田・池田の創価三代会長の姿勢に立ち返るべきだとアピールしたい」
 そして、現状の公明党については「大衆のために・大衆とともに……という、もともとの信念を失っている。権力側についてしまって与党ぼけしたのか、その視点を忘れてしまった」と切り捨てた。
 同じく、元学会職員の滝川清志さんは「公明党こそ共謀罪に反対しなければ」と主張する。
「明らかに変質し、信念を失っている。牧口初代会長は治安維持法によって獄死させられた。『共謀罪法は治安維持法とは違う』とは言えないと思う。思想に殉じていった初代会長の精神を思うと、いまの共謀罪は廃止しないといけない」
創価学会としての“平和”は、武力行使ではなく対話を貫いての“平和”
「創価学会としての“平和”は、どこまでも対話を貫いての“平和”。集団的自衛権を認め、戦争を容認し、武力行使を容認する”平和”はそれとは真逆のものです」と公明党・創価学会の変質を批判する小平秀一さんも元学会職員。
「2年前に自公政権が安保法制を成立させ、戦争できる国へと一歩を踏み始めさせてしまった。先般も『犯罪を実行する前段階』でも処分ができるという共謀罪が成立してしまった。創価学会は、そもそも国家主義や軍国主義とは徹底して闘う団体です。ところが、学会も公明党も変節し、安倍政権の暴走を容認している。それに対して、『違うぞ!』と厳然と突きつけるために立ち上がったんです」
 サイレントアピールの後、参加者は四谷三丁目近くの会議室で座談会を行った。九州やアメリカからかけつけた学会員もいて、この抗議運動の幅広さを示した格好となった。 取材・文/岡本杏里(ジャーナリスト)


「国民全員が組織委員会」発言で炎上した椎名林檎が再び東京五輪特別番組でコメント! その内容は…
 去る10月28日で、2020年東京オリンピックまでついに1000日を切った。
 ロゴの盗作疑惑や国立競技場問題に端を発し、いまでも続々と問題が勃発し続けている2020年東京オリンピックだが、ともあれ、そんな東京オリンピック1000日前を記念した特別番組『内村五輪宣言〜TOKYO 2020開幕1000日前スペシャル〜』(NHK)が放送された。
 内村光良が司会を務め、北島康介や吉田沙保里や澤穂希といったアスリートにオリンピックの思い出を聞いたり、内村自らナショナルトレーニングセンターに赴いて日本代表クラスの選手の練習風景を見学したり、また、ゆずやPerfumeといったオリンピックに縁のあるアーティストのライブも放送された。
 そんな番組企画のトリを務めたのが椎名林檎だ。
 椎名は、リオオリンピック閉会式でのフラッグハンドオーバーセレモニーの演出を手がけた演出振付家のMIKIKO、東京事変のギタリストだった浮雲と共に「HUMAN ERROR」なる一夜限りのユニットを組み、「東京は夜の七時〜NHK東京五輪1000日前スペシャル〜」をパフォーマンス。その次に、トータス松本とのデュエットで「目抜き通り」を歌唱した。
 そして、そのトークコーナーで内村から「2020年の東京大会に向けていまどんな思いですか?」と質問された椎名はこのように答えている。
「日本語がもっと海外でも話されてほしいなっていう、話されなくてもいいけど、もうちょっと知られてほしいですよね日本語……とか。そういう欲もありますけどね。若干。やや。浸透してほしい」
 なぜいきなり日本語云々という話が出てきたのかよく分からないが、その歯切れの悪いコメントには、ひょっとしてあの件が関係していたのだろうか?
 椎名林檎はつい最近、2020年東京オリンピックについての発言が大炎上している。それは、7月24日付朝日新聞のインタビューが発端だった。彼女は、これだけ問題山積の東京オリンピックについて、「国民全員が組織委員会。そう考えるのが、和を重んじる日本らしい」という言葉を使い、まるで「東京オリンピックのためなら個人としての自由が失われるのも我慢しろ」とでも言わんばかりの発言をしたのだ。
内田樹は五輪をめぐり「局所的には日本は法治国家じゃない」と皮肉
「正直「お招きしていいんだろうか」と言う方もいらっしゃるし、私もそう思っていました。でも五輪が来ることが決まっちゃったんだったら、もう国内で争っている場合ではありませんし、むしろ足掛かりにして行かねばもったいない。
 だから、いっそ国民全員が組織委員会。そう考えるのが、和を重んじる日本らしいし、今回はなおさら、と私は思っています。取り急ぎは、国内全メディア、全企業が、今の日本のために仲良く取り組んでくださることを切に祈っています」
 繰り返すが、今回の東京オリンピックに関しては、招致の段階から現在にいたるまで問題が次から次へと起こっている。
 招致裏金問題、ロゴ盗作問題、新国立競技場見直し、招致時は7000億円だったのにいつのまにか3兆円にも膨れあがった費用、選手村をつくるための木材が無償でかき集められている問題、通訳も同様に無償ボランティアがかき集められている問題、新国立競技場で管理業務に従事していた男性が過重労働の末に自殺、2019年度から始まる残業時間の上限規制で運輸と建設に関する職種は猶予期間が設けられる、「オリンピックのため」というスローガンで共謀罪が強行採決される……。
 列挙しているだけで気が滅入ってくるが、このような状況にあるのにも関わらず「国民全員が組織委員会」と言った椎名林檎の言葉は、図らずも彼女たちのような組織委員会およびその周辺の人々の本音をさらけ出してしまったともいえる。つまり、戦時中の日本のスローガン「一億総火の玉」と同じ発想だ。「オリンピックのために」というお題目のもと、国民には徹底した自己犠牲と滅私奉公を強い、その対価は「思い出」や「レガシー」のみということだ。
 思想家の内田樹は10月18日にこのようにツイート。「オリンピック」という錦の御旗があれば「なんでもあり」になっている現状を皮肉っている。
〈日本では「五輪招致のため」という大義名分があれば「何をしても許される」というのが司法を含めての国内ルールですから。局所的には日本は法治国家じゃないんです〉
 とはいえ、こういった意見を発信すれば、政権を盲信的に応援する人々を中心に「決まったんだから文句を言うな」「非国民」といった罵声を浴びせかけられる状況は続いている。
 ただそんななか、あまりにも異様な東京オリンピックをめぐる状況に、勇気ある異議の声もだんだんと出てくるようになっている。しかも、それは、オリンピックのメダリストからも起こり始めた。その発言の主が、元マラソン選手でバルセロナ、アトランタ五輪のメダリストである有森裕子だ。
 有森は、6月17日放送『久米宏 ラジオなんですけど』(TBSラジオ)にゲスト出演した際、オリンピックをめぐる政権や組織委員会の強権的な姿勢に対し、「“オリンピックだからいいだろう”“だからいいだろう”“だからこう決めるんだよ”とあまりに横柄で。なぜこうまで偉そうになっちゃうんだろう。社会とずれる感覚を打ち立てて物事を進めている。横柄だし、雑だし傲慢」と痛烈に批判した。
有森裕子は、開催の意義を失った東京五輪に対し「返上」まで提案
 また、有森は続けて、東京でオリンピックを開催する「意義」そのものがねじ曲げられていると語り、「五輪返上」の案まで俎上に上げるのだった。
「そもそもなぜ東京五輪を招致したのか。一番大切なのが、復興だったはずです。スポーツによって、日本を元気に変えよう。日本に大きな災害があって、オリンピックを呼ぶことで復興させられるんだと、最たる手本になる国になる。そのつもりで私もブエノスアイレスでロビー活動をしました。でも蓋を開けたら全然いま違う。復興どころか、どこを見ているんだろう。結局何をやろうとしているんだろうというのが正直あります。どこか不安で、反抗したくなるような、やらなきゃいい、返上すればいいという感情を促してしまう。すごく残念です」(前出『久米宏 ラジオなんですけど』)
 椎名林檎が今回、「国民全員が組織委員会」という全体主敵発言をせず、歯切れの悪い口調だったのは、やはり先の炎上や当のアスリートからも批判の声が出始めていることを考慮したのだろうか?
 もっとも、弱気になっているのは口調だけ。五輪について多様な文化を向かい入れるという視点でなく、「日本語が世界に知られてほしい」というエスノセントリズム丸出しのコメントをしているところをみると、その思想はほとんど変わっていないのかもしれないが……。(編集部)


週刊文春「韓国軍に慰安婦」記事は山口敬之の捏造か【検証1】
週刊文春「韓国軍に慰安婦」記事は山口記者の捏造か(1)
 山口敬之・元TBSワシントン支局長にレイプされたと訴えてきた伊藤詩織さん。彼女は10月18日、その全てを綴ったノンフィクション『Black Box』を文藝春秋から刊行した。そんな折も折、山口元支局長が週刊文春に寄稿した「韓国軍に慰安婦」というスクープに捏造疑惑が持ち上がったのである。
 ***
 この記事は、TBSワシントン支局長時代の山口敬之氏(51)が週刊文春に〈歴史的スクープ 韓国軍にベトナム人慰安婦がいた! 米機密公文書が暴く朴槿恵の“急所”〉(2015年4月2日号)というタイトルで寄せた記事の捏造を告発するものだ。
 表にあるように、韓国からの慰安婦問題に関する圧力は常軌を逸したもので、爆弾を抱えた膝をネチネチ攻められるレスラーのように安倍外交は立ち往生を余儀なくされていた。
 当然のことながら、韓国の欺瞞をひるむことなく突くジャーナリストの登場は、時代の要請であった。だからこそ、山口氏はこの記事を手に保守派の論客として頭角を現し、翌年に上梓した『総理』で安倍晋三首相に最も近い記者の“栄光”を勝ち得ることができたのだ。しかし、その道の先達である本田靖春は、
「平凡な言い方にしかならないが、ジャーナリストの使命は、自らを権力と対置させるところから始まる」
 と書いている。だとすると総理べったり記者への道は、ジャーナリストの使命の始まりか、終わりかを云々するまでもないということになる。
「山口記事」の概略
 本記事の要旨は、安倍外交の援護射撃たるべく放たれた「山口記事」において、公文書を歪曲し、取材相手のコメントを捏造した疑惑が持ち上がっているということだ。そして、山口氏からのレイプ被害を訴えてきた伊藤詩織さん(28)が、警視庁刑事部長による逮捕状の差し止めなど、社会が包摂するブラックボックスに斬りこんだと謳う『Black Box』(文藝春秋)を本名で上梓したことと無縁ではない。その関連については、後章に譲る。
 まず、山口記事の紹介から始めよう。全体7ページのうち彼の寄稿分は5ページ半。残りは編集部のベトナム現地取材によるもの。
 記事は、山口氏自身が見つけた公文書が、韓国軍にベトナム人慰安婦がいたと断定しており、裏付けの補強取材の対象となった人々もインタビューでそれを証言している――そんな内容である。
 もう少し詳しく見てみると、概略は以下の通りである。
(1)韓国では植民地時代に日本に協力した者を糾弾する法律が成立している。日本軍(編集部註:正しくは満州国軍)の将校だった朴正熙元大統領を父に持つがゆえに、朴槿恵大統領はその親日イメージに苦しめられてきた。
(2)「ある外交関係者」が山口氏にこう告げる。「日本批判を続ける事が朴大統領のレゾンデートルとなって、慰安婦問題が彼女自らの反日姿勢を証明するツールとなった」
「ベトナム戦争当時、韓国軍が南ベトナム各地で慰安所を経営していたという未確認の情報がある。これをアメリカ政府の資料等によって裏付ける事ができれば、慰安婦問題において韓国に『加害者』の側面が加わる事になる」
(3)全米各地に眠る公文書から、「韓国兵専用の慰安所がある」と米軍当局が断定する文書を発見する。
(4)証言者のインタビューによって裏付けを得て、韓国の方こそ歴史を直視すべきだと山口記者は訴える。
 山口氏は(3)で発見した瞬間をこう記述している。
〈7月25日深夜。誰もいない支局の小部屋で、いつものように犯罪記録の公文書を一枚一枚剥ぐように読み込んでいると、一通の書簡に行き当たった〉
 彼の眼前に現れたのは、〈サイゴン(現ホーチミン市)の米軍司令部から韓国軍ベトナム指揮官に送られた〉文書で、米軍需物資の横流しに韓国兵が関与していることを指摘していた。米軍などが捜査を行なって、その結果を、次のように記していた。
〈「この施設は、韓国軍による、韓国兵専用の慰安所(Welfare Center)である」
驚いて何度も読み返したが、米軍司令部がこの施設を「韓国軍の韓国兵のための慰安所」であると捜査に基づいてそう断定している〉
 一見、理路整然とし、綻びがないように映る原稿にはその実、嘘や勘違い、そして捏造が絡み合っている。ではここからは具体的な証言を基に、それを解きほぐしていくことにしたい。
発見はリサーチャー
 山口氏は自身が〈各地の米軍基地付属の図書館や資料館を訪れたり、リサーチャーを派遣した〉としているが、当のリサーチャーを務めたグリーン誠子氏は、
「調査は私ひとりが担当しました。その歩みの中にすっぽりとご自分の姿を置き換えており、記事はひどいと思いました。文春が出た後に山口さんにお会いしましたけれど、“自分だけがやったように書きすぎた”と仰っていました」
 と振り返る。だから、支局長が全米各地を回ったという記述についても、彼女の言葉を借りれば、
「ふふふ。いつやったんでしょうね。山口さんが該当の公文書館を訪れたのは秋深まる頃(註:14年10月22日)で、彼はこの時に初めて『リサーチャーID』を作っております」
 となるわけだ。
 ちょっと調べて頂きたいことがある――。こんな風に山口氏から彼女に連絡があったのは、14年の春さきのことである。話を聞くと、
「慰安婦問題じゃなくてベトナム戦争時に韓国軍がやった虐殺問題についてでした。本当に気が重かったですが、公文書館に行って国務省の資料に沿って調べてみたら突然、韓国兵がけしからぬ場所でいかがわしい行為に耽る、そういった情報関係のものが出て来た」
 これを基に文春記事のベースとなる公文書に行きついたのはその年の夏。山口氏は日付まで挙げ、目を皿のようにして公文書を発見したことになっているが、発見したのはグリーン氏だ。
 つまり、ある外交関係者の示唆などではなく、リサーチャーが公文書を見つけたことで、山口氏は待望の慰安婦問題に図らずも辿りつけたという恰好なのだ。
「山口さんはこれを読み、韓国軍が経営している慰安所という理解でいいのかと私に聞きました。これに対して“そう思います”とお答えしたのをはっきり覚えています。同盟国の軍隊、しかも米軍の先を行き、一番危険な任務を帯びていたほどの国の司令部に、このような“手紙”を出すのは特殊なこと。米軍側がそうせざるを得なかったのは、余程のことがわかったからではないでしょうか」(同)
 他方、彼女はこうも忠告していた。
「公文書を送った米国側の高官たちが生存しているなら取材のアポイントを取るべき。それが無理なら現存する米政府内の担当省庁の高官たちに取材し、資料を示してその内容の深さを推し量ってもらいたい、とね」
 支局長が取った行動は後述するとして、公文書は何を伝え、何を語っていないのか、その顔かたちに迫っていかねばなるまい。


山口敬之の「韓国軍に慰安婦」捏造疑惑 根拠となった米公文書を“意図的に読み換え”?【検証2】
週刊文春「韓国軍に慰安婦」記事は山口記者の捏造か(2)
 TBSワシントン支局長時代の山口敬之氏(51)が週刊文春に寄稿した「韓国軍に慰安婦」記事(2015年4月2日号)に浮上する捏造疑惑。リサーチャーを務めたグリーン誠子氏が、記事のベースとなる米国公文書を発見したのは14年夏のことだった。
「山口さんはこれを読み、韓国軍が経営している慰安所という理解でいいのかと私に聞きました。これに対して“そう思います”とお答えしたのをはっきり覚えています。同盟国の軍隊、しかも米軍の先を行き、一番危険な任務を帯びていたほどの国の司令部に、このような“手紙”を出すのは特殊なこと。米軍側がそうせざるを得なかったのは、余程のことがわかったからではないでしょうか」(グリーン氏)
 他方、彼女はこうも忠告していた。
「公文書を送った米国側の高官たちが生存しているなら取材のアポイントを取るべき。それが無理なら現存する米政府内の担当省庁の高官たちに取材し、資料を示してその内容の深さを推し量ってもらいたい、とね」
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 グリーン氏が発掘したその文書は、ワシントン市街からシャトルバスで40分ほど走った米国国立公文書館2号館、通称「アーカイブII」に存在する。
 時期は1969年、宛先は韓国軍ベトナム指揮官・蔡命新中将。全文とその邦訳は配信中記事「山口敬之の“韓国軍に慰安婦”捏造疑惑 米公文書を全文公開」にて紹介するが、中身は次のような米当局の捜査報告書だ。
・無許可で離隊した米兵が通貨不正取引に関わった。調査すると、会合場所がサイゴンのトルコ風呂(註:公文書中では「ターキッシュバス」と表記)という施設だとわかった。
・手入れの結果、駐屯地売店で取扱う大量の免税品を押収。韓国軍のトラックが駐屯地売店から横流しされた米国製ビールを荷下ろしするのも目撃された。
・トルコ風呂の所有者は、ベトナム駐屯韓国軍特別サービス補佐官の大佐の署名が入った文書を提出した。そこでは、トルコ風呂は韓国軍のみに便益を提供する韓国軍福利センターだと述べられている。また、押収された物品の返還を求め、韓国防諜部隊長の大佐が署名をした文書も提出された。
・米国側捜査官らは米軍関係者の施設への関与を明らかにしようと、ベトナム関税警察と協力して調査した。
〈調査の進展とともに明らかになった事実は、以下の通りである〉として、こう続く。
・トルコ風呂は韓国軍のみの便益のために営業していたわけではない。むしろ一般に開かれたものであると思われ、ベトナム国籍を有する者は除くものの、一般大衆にもサービスを提供しているようである。
・ベトナム人ホステスが“サイゴンティー”を買うように薦め、夜は売春が行なわれている。料金は38ドル。
 そして文書は、違法行為に加担した韓国軍大佐ら6名、米兵ら3名を名指しして終わっている。
慰安所という言葉はない
 公文書に精通し、近著に『こうして歴史問題は捏造される』(新潮新書)がある、有馬哲夫・早大社会科学部/大学院社会科学研究科教授は一連の資料を実際に現地で確認して、
「大多数はブラックマーケットに関する文書でした。当時、ベトナムにいたアメリカ軍を悩ませていたのは、兵士の薬物中毒と経済犯罪だったことが、他の文書からもわかりました」
 としたうえで、当該文書をこう解説する。
「このトルコ風呂経営者の言い分は“ウチのところは韓国軍専用なので基地の中と同じようにドルを使って兵士への支給品を売り買いしてもいいのだ”というものです。それに対して、米捜査官は“調べたが、韓国軍専用ではなく、一般向けの売春施設だ。だから韓国軍大佐が書類を作ってもサインしても、韓国軍専用だったという事実はない”と指摘しています」 
 山口記事は、〈押収資料の中から、韓国兵の福利厚生を担当する特務部次長(註:「福利厚生を担当する特務部次長」についてのウェブ取材班訳は「特別サービス補佐官」)の任にあった韓国軍大佐の署名入りの書類が見つかり、その書類に韓国軍による韓国兵専用の慰安所であると示されている事〉が韓国の慰安所と指摘された根拠の1つだとする。
「公文書全文を読んでも慰安所(Military Brothels)や慰安婦(Comfort Women/Military Prostitutes)という言葉が出てきません。トルコ風呂(Turkish Bath)や韓国軍福利センター(a Republic of Korea Army Welfare Center)を慰安所と、単なる売春婦(prostitutes)を慰安婦と言い換えてしまっています」(同)
 そうすると分かるのは、
「この公文書は、.▲瓮螢軍の物資が勝手に売り捌かれていたり、その取引にドルが不正に使われていたりしたという経済犯罪の捜査に関連したものであり、∩楮困亡慙△靴董▲戰肇淵狎粘愿局が不正取引の温床になっている『トルコ風呂』を捜索したことがわかる米軍当局の文書(韓国軍幹部に宛てた手紙)だということです。確かに、文書にはその施設で売春が行なわれていた記述はあります。しかし問題となるのは、それが慰安所なのか一般の売春宿(と変わらないもの)なのかという点です」(同)
 繰り返すが、公文書には慰安所という言葉はない。
「慰安所という言葉を使うのであれば、その施設に軍医や憲兵がいるなど、きちんと軍が運営管理していた実態を把握する必要があります。しかし、公文書からはそうした事実は読み取れません。逆に一般に開かれた施設であることを文書は証明しているので、軍事売春所、つまり山口氏の読み換えた慰安所ということも完全に否定されます。一般大衆に開かれていては性病予防が徹底できず軍用にふさわしくない。文書にそうあり、その要旨からもあり得ないのに、山口氏は故意に無視しており、捏造と言われても仕方がないでしょう。旧日本軍の場合、慰安所の管理体制を示す資料がありますが、この公文書にはそうしたものは何もないのです」(同)
 山口氏は韓国軍の関与について、文書の前半の〈韓国軍のみに便益を提供する〉という部分を論拠に挙げている。しかし、
「その後の文章で“そのトルコ風呂は韓国駐屯軍のみの便益のために営業していたわけではない”“大衆にもサービスを提供する一般に開かれた施設である”と記されている通り、公文書は施設が韓国兵専用であったことを否定しているのです」(同)
 煎じ詰めると、トルコ風呂が売春宿としても利用されていたことは確かだが、公文書からはそれが韓国兵専用であったとは読み取れないし、仮に韓国兵専用の売春宿であったとしても軍が施設を運営管理した事実が記されていない。従って、
「この公文書から“韓国軍の慰安所がベトナムにあった”という事実を導くことはできません」(同)
 と結論付けるのだった。


「韓国軍に慰安婦」記事、証言者は山口敬之に憤り 「言っていないことを私の発言に…」【検証3】
週刊文春「韓国軍に慰安婦」記事は山口記者の捏造か(3)
 TBSワシントン支局長時代の山口敬之氏(51)が週刊文春に寄せた「韓国軍に慰安婦」記事(2015年4月2日号)のベースとなったのは、韓国軍のベトナム指揮官に宛てられた米当局の捜査報告書である。これを“発見”した山口氏は〈韓国軍大佐の署名入りの書類が見つかり、その書類に韓国軍による韓国兵専用の慰安所であると示されている事〉が“韓国の慰安所”の根拠の1つだとしている。
 だが、公文書に精通する有馬哲夫・早大社会科学部/大学院社会科学研究科教授が文書を読み解くと、“トルコ風呂”や“韓国軍福利センター”を“慰安所”と、“売春婦”を“慰安婦”と言い換えていると指摘。「この公文書から“韓国軍の慰安所がベトナムにあった”という事実を導くことはできません」と結論付けるのだ。
 ***
 公文書には問題の施設が韓国軍専用ではないと明記されているが、山口氏はそう認識することがなかった。もともと彼はTBSでこの件の報道を目指していた。しかし、後述するようにそれが叶わず、文春への寄稿となったのだ。山口氏を中心とするTBS取材班は公文書の“裏取り”をすべく、69年以降にベトナムで従軍した人々に対象を絞って取材依頼のメールを送っていた。結果、アンドリュー・フィンレイソン氏に辿りつき、14年11月25日に収録を行なっている。
 彼は44年生まれの73歳。66年に米海軍士官学校を卒(お)えた後、26年に亘り海兵隊の主に歩兵部隊で活動した。最終ランクは大佐である。本誌(「週刊新潮」)はTBSによるインタビューなどの取材データを確認した。そこではまず、韓国軍による大規模な売春や闇取引の存在について問われているが、フィンレイソン氏は〈私は直接存じておりませんので、お答えすることはできません〉とキッパリ話している。
 この応答だけで、インタビューにふさわしくない相手だというのがよくわかる。いち早く取材を打ち切って他を当るべきだと元大佐は言外に、とはいえありありと訴えているのだ。
フィンレイソン氏に取材すると…
 ともあれ、本誌もフィンレイソン氏に接触した。TBSの取材データや山口記事の内容を彼にぶつけ、検証を進める。作成した比較表も参照のこと。
 山口記事には、〈サイゴンをはじめ南ベトナム各地を転戦。(中略)韓国軍の実情に詳しかった〉と経歴が披露されているが、
「そんなことは一度も言っていません。私はサイゴンでは戦闘に参加しておらず、現地をよく知っているわけではない。韓国軍海兵隊と過ごしたのも僅か2時間だったと思います」
 TBSの取材において「韓国軍の慰安所」について尋ねられた際に、〈これはサイゴンですね、はい、存じています。この場所について聞いたことがあります〉と答えている。しかし、山口記事だと〈「(中略)確かにサイゴンにありました。よく知っています」〉となってしまっている。今回その点を質すと、
「そんな風には言っていない。彼が私に見せたのは、『韓国軍の福利センター』に関する文書でした。それをなぜ私が覚えているのか。かつて南ベトナム軍事援助司令部から私は、『米国人は立ち入り禁止』の場所についての回覧状を受領したことがあり、そこに同じ名前の施設があったからです。とはいえ、その場所をよく知っていたわけではありません。そこは売春施設だったと思いますが、私は取材時に慰安所(Comfort Station)という言葉を使っていない。そういう用語が出ていたならば、発言に気を付けていたでしょう」
 加えて山口記事ではフィンレイソン氏のコメントとして、
〈「米軍司令官が指摘している韓国の慰安所とは、韓国軍の兵士に奉仕するための大きな性的施設です。韓国兵士にセックスを提供するための施設です。それ以外の何ものでもありません」〉
 と、慰安婦が存在したことを“断言”させているが、
「TBSの取材時に“もともと韓国兵専用として提供されていた”と話しましたが、これが困った点なのです。そう聞いたことはあっても自分では知らないわけですから。誰がオーナーだったかもわかりません」 
 要するに、大部分は伝聞に基づいた推測なのだ。だから、ディテールに踏み込むことなどできないのに、山口記事には、〈これらの施設は、内部が多くのブロックに分かれていて〉とか〈「(中略)当時南ベトナムでは性病が深刻な問題になっていて、特に梅毒が蔓延していました」〉などと、元大佐の証言が出てくるのだ。
「ブロックに分かれている? 馬鹿げている。そんなことは言っていない。梅毒とは決して口にしていません。そもそも流行していたのは淋病なのです」
 フィンレイソン氏はそんな風に証言する。更に山口氏は、フィンレイソン氏が一般論でしている話を無理に韓国軍の行状と結びつけ、すり替えている。
「彼のやり方にはとても失望している」
 もっとも、当該施設の利用実態について、元大佐はTBSの取材に対して大要、こう話している。
〈「韓国軍のために立ち上げられたが、サイゴンに彼らはあまりいなかった。保養休暇のために来ることはあってもさほど多くはなく、その売春宿は南ベトナム軍や米軍も使うようになった」〉
 その結果、山口記事ではこんな風になってしまったのだ。
〈「休息期間」でサイゴンに滞在する韓国兵の数は時期や季節によってばらつきがありました。このため、そもそもは韓国兵専用として設立された施設ですが、その数が少ない時期に、友軍の兵士も受け入れるようになっていったのです〉と都合よく利用されてしまっている。この点についても確認すると、
「それについては何も知りません。ただ、発言にはより注意すべきでした」
 と、自身の軽率さを認めたうえで、こう主張する。
「海兵隊の士官の仕事として、メディア対応も頻繁にやってきました。意図的に文脈から切り離したり、言っていないことを私の発言にしようとする人物には一度も遭遇したことがありません。私は取材の最中に何度も言いました。自分は、このことについて、自分の目や耳で確かめた情報を持っているわけではないということを。だから彼のやり方にはとても失望している。プロのジャーナリストがするとは想定外です」
 山口氏によって都合よく慰安所の証言者に仕立てあげられたフィンレイソン氏は憤るのだった。
 実は元大佐に先立って、山口氏は公文書の解釈を“補強”するため、ベトナム系米国人グエン・ゴック・ビック博士(アジア文学研究)のコメントを取っている。本来なら博士に取材を試みるところだが、博士は昨年3月、鬼籍に入っていた。従ってここでは、14年10月2日に行なわれたTBS取材の収録データと山口記事の比較で見て行く。山口記事は、
〈「犯罪や酷い行為が行われたのならば、それは日本人だろうが韓国人だろうがベトナム人だろうがアメリカ人だろうが、悪いものは悪いのです」〉でコメントを切っているが、実際の取材時には続きが大要こうある。
〈「このようなもの(当該公文書)をあなたは持っていらっしゃるわけですが、何人かの悪い奴による企みからではなく、それが実際に政府の政策であったと言えるようになるには、極めて多くの文書を調査しなければならないのは確実です。そしてそれが政策である場合、明らかにそれは許容されるべきではありません」〉
 これを素直に受け止めるなら、博士の言葉はむしろ山口氏自身に向けられていたのではなかろうか。更に悪いことに記事には、〈「韓国軍がベトナム人に対して酷い事をしたのであれば、ベトナム人はうやむやにすることは絶対にできません」〉などとあるが、博士はTBSの取材にそんなことは口にしていない。
報道するに足る裏付けなし
 いずれにせよ重要なのは、これも元大佐の映像もお蔵入りになったままという事実である。TBS関係者は、
「“裏が取れた”ということで映像を東京に出稿したら物言いがついたんです。“これ、ちょっと問題があるんじゃないか”と」
 そう背景を打ち明けるし、山口氏のリサーチャーを務めたグリーン誠子氏もこう述懐する。
「山口支局長と東京側の意見が合わなくて、怒鳴り合って電話を切るとか、喧嘩レベルの言い合いがあったと彼自身から聞きました。ちょうど14年秋あたりです」
 実際、TBSに聞くと、
「報道するに足る十分な裏付けがないと判断し、放送はしていません」
 報じなかった理由を説明するのは極めて稀なことで、再びグリーン氏によると、
「山口さんは“TBSで放送できないなら、また別の方法を考えてやりますから、あなたがしてくださったリサーチは無駄にしませんよ”と言っていましたね」
 その言葉の意味を彼女が知るのは、明くる年3月26日の文春記事掲載まで待たねばならなかった。
「記事を読んで頭に過(よぎ)ったのは、リサーチ結果を待っていたのは政府の人間だったかもしれない、ということでした」(同)
 彼女の鼻をついた政治的な臭いは、例えばあるメールボックスから放たれたものではなかったか。


安倍総理を援護したくて虚報発信! 「韓国軍に慰安婦」記事 山口敬之と公使のメール公開【検証4】
週刊文春「韓国軍に慰安婦」記事は山口記者の捏造か(4)
 ここまで見てきた通り、TBSワシントン支局長時代の山口敬之氏(51)が週刊文春に寄稿した〈歴史的スクープ 韓国軍にベトナム人慰安婦がいた! 米機密公文書が暴く朴槿恵の“急所”〉(2015年4月2日号)には、根拠とした米公文書の“言い換え”や、関係者が話していない内容をコメントとして使用した痕跡が見られる。
山口氏が当時の山田重夫駐米公使と交わしたメールのやりとり
 当初は映像の形で報じられるはずであったが、「報道するに足る十分な裏付けがないと判断し、放送はしていません」(TBS)となり、文春に掲載された記事。公文書のリサーチャーを務めたグリーン誠子氏は「記事を読んで頭に過(よぎ)ったのは、リサーチ結果を待っていたのは政府の人間だったかもしれない、ということでした」と語る。「詩織さん」準強姦逮捕状の男の、もう一つの“罪”――。
 ***
 掲載の写真は山口氏が当時の山田重夫駐米公使と交わしたメールのやりとりで、時々【Cc欄】に佐々江賢一郎駐米大使も登場する。記事のゲラや公文書のコピーを山田公使宛に届け始めた3月24日午後(現地時間)からの流れは概略はこうだ。
公使:東京で官房長官記者会見で質問が出るなど、報道が出た段階で国務省に根回しするようにします。
山口:産経記者が明日の朝刊で展開してから、午前の官房長官会見で質問する事になりました。菅さんは、「20世紀に行われた人権侵害は、いつの時代のどの地域で起きたものでも、しっかり検証していくべきである」という昨年の安倍総理の国連演説に沿ったラインで答弁します。明日木曜日の国務省会見で聞いても大丈夫ですか?(25日朝)
答え、楽しみですね
 官邸とすり合わせが済んだことをメールは物語っている。代わって公使はその日午後に関連資料を携えて国務省を訪れ、説明を済ませた。文春発売当日26日午後、山口氏は国務省の広報官会見用に4つの質問を並べ、公使の指導を仰ぐ。最後の【Q4】には、〈朴大統領は昨年の国連総会で「戦時の女性に対する性暴力は、時代や地域を問わず、明らかに人権と人道主義に反する行為だ」と演説したが、韓国政府の自主的な調査を期待するか?〉とある。
公使:これで良いと思います。Q4への答え、楽しみですね。
山口:頑張ります。大変お手数とご迷惑をおかけしている山田公使に喜んでいただける答弁が引き出せたら嬉しいのですが…
 その直後に国務省で行なわれた会見。サウジアラビアによるイエメン侵攻について各国記者が尋ねる中、支局長ではないTBSの人間が割って入った。
TBS:(文春)記事が言及しているベトナム戦争における韓国軍の慰安所に関する公文書は読んだか?
広報官:公文書があったことは承知しているが、まだきちんと読んでいないし、検証もしていない。
 TBS記者は山田公使期待の【Q4】を重ねたものの、広報官は「私の立場から何も言うことはない。他のテーマの質問は?」と倦(う)むように話題を打ち切る。
 直後の2人のやりとりは、
公使:先方の応答、ちょっと迫力が弱いですが、記事を確認するとともに、少なくとも本件と慰安婦問題が同じ種類の問題であると位置づけていることは、意味がありますね。
山口:会見が三番旗(略)だったので力弱いですが、少しは喋ってくれました。
 それは安倍外交を援護したかったが故の共同作業が成就せず意気消沈していた、ひとつの証明である。
文春、山口氏の回答は…
 ちょうどその頃、山口氏に対して、TBS本社からの“召還命令”が届いていたとされる。それは、本社が認めなかったものを他媒体で紹介したことについて東京側は事情聴取を行いたかったからである。彼が東京港区の「シェラトン都ホテル東京」に滞在したのは4月1日から4日午前まで。帰国中の3日夜から4日未明にかけて詩織さんはレイプされた。就職の相談のはずが飲食店に2人きりで誘われ、2軒目で詩織さんは意識を喪失。下腹部の痛みで目覚めた時には、ワシントン支局長に組み敷かれていたのだった。3月26日発売の文春記事がなければ召還も、望まぬ行為に巻き込まれることもなかった。公文書捏造という“罪”が背徳行為を誘発したということになる。
 文春に聞くと、「真実性、少なくとも真実相当性があると判断し、記事掲載に至りました」とし、逆に、「戦時下のベトナムにおいて、ベトナム国民は使用を認められていない施設が〈一般大衆にサービスを提供する一般に開かれた施設〉との(新潮の)指摘には、無理があり」と主張する。しかし、公文書そのものが〈一般大衆にサービスを提供する一般に開かれた施設〉と言っているのだ。
 他方、山口氏は、
「(公文書にあるのは)『当初は韓国軍専用の慰安所だったが、(調べてみたら)他の人も使えるようになっていることが分かった』という事です。要するにアメリカ軍司令官は、週刊文春のタイトル通り『韓国軍の慰安所があった』と断定しているのです。韓国兵のための慰安所を、他の友軍の兵士や関係者に使わせていたからと言って、そこが韓国軍の慰安所ではなかったということにはなりません」
 公文書の該当部分は、捜査対象となったトルコ風呂所有者の“主張”に過ぎない。“事実”は、捜査の結果、そのトルコ風呂が韓国駐屯軍の便益のためだけに営業していたわけではなく、ベトナム国籍を有する者は除くが、一般大衆にもサービスを提供する開かれた施設であると思われるということだ。
 加えて「そこが韓国軍の慰安所ではなかったということにはなりません」と山口氏は言うが、問題は韓国軍の慰安所だったと証明する箇所がこの公文書に全く見当たらないことにある。また、彼の回答には「他の人も使えるようになっていることが分かった」とあるが、公文書にそうあると元の原稿では1文字も触れていない。元大佐らのコメント捏造問題については、確認に時間がかかるとし、期限内に回答しなかった。
韓国軍の問題を“利用”
 有馬哲夫・早大社会科学部/大学院社会科学研究科教授が断じる。
「最初に“韓国の軍隊も、実はベトナムで日本と同じように慰安所を運営していた”と見立てていたのだと思いますが、そういう先入観は抜きにして資料を読まなくてはなりません。そもそも韓国軍はサイゴンを軍事占領していたわけではないので、現地に軍事売春所は作れません。旧日本軍の慰安所は、レイプと性病を防ぐために戦地と軍事占領地に作られた軍専用のもので、軍の管理があったという点で内地の一般向けの売春所とは違うのです」
 次にベトナム戦争における韓国軍の問題に触れて、
「韓国兵がベトナムの村に行って、多くの女性を監禁、レイプした問題こそ戦争犯罪、人道に反する罪として問われるべきだと私は思っています。今でも、多くのベトナムの女性が私生児を抱えて苦しんでいる。しかし山口氏は、韓国政府が過去の日本軍の慰安婦問題について繰り返し言及することに対して反論するためだけに、今回問題になっている話を報じたかったのではないでしょうか」


山口敬之氏がネトウヨ番組でも詩織さんを攻撃!「知らない方は、検索しないで」とネタにして爆笑をとる場面も
 フリージャーナリストの伊藤詩織さんからレイプ被害をめぐる民事訴訟を起こされている“安倍官邸御用ジャーナリスト”・山口敬之氏。今年5月の「週刊新潮」(新潮社)の記事以降、雲隠れを続けていた山口氏は、今月26日発売の月刊誌「Hanada」(飛鳥新社)と「WiLL」(ワック)で記者活動を再開した。
 これを皮切りに、右派メディアは山口氏の“復帰”を次々とお膳立てをしている。たとえば、「私を訴えた伊藤詩織さんへ」なる山口氏の“独占手記”を公開した「Hanada」の花田紀凱編集長は、さっそく、10月28日収録の自身のネット番組『ちょっと右よりですが・・・』に山口氏を出演させている。
 そこで山口氏は、またもや自らの持論と詩織さんへの批判を繰り返したのだが、花田編集長は「非常に説得力がある」などと徹底擁護。あげく、詩織さんに対して「だいたい酔っ払った女性イヤですよね。よく山口さんも世話したなあと思います」、「彼女がそういうふうに主張するのは、思い込みというか」などという個人攻撃まで展開したのだ。
 しかし、本サイトの前回記事で詳しく指摘した部分以外にも、山口氏の主張の矛盾点や欺瞞はたくさんある。たとえば“詩織さんはデートレイプドラッグを盛られたのではなく、単に限界を超えて酒を飲み、アルコール性健忘症になっただけ”という主張だ。花田編集長の番組でも、山口氏はこのように言い張っていた。
「薬を入れてもいないし、意識がない人連れ込んだりもしてないし、彼女の意に反することは僕、何もあの夜してませんから」
「朝、記憶がないという一点で、私が犯罪行為をしたと言い切れないはずなんですよ。あらゆる人にアルコール性健忘は起こりえますから。自分が性犯罪被害者でない可能性あることを、彼女は捜査段階で知ってるんですよ。それなのに、僕が犯罪者だと断定している。これは、僕は誠意のある態度とは思いませんね」
 いったいどの口で「誠意」などと口にできるのだろうか。そもそも、詩織さんが食事の夜、「泥酔して嘔吐」するほど酩酊していたことは、山口氏も認めている。また、ふたりを乗せたタクシー運転手が、詩織さんが「駅で降ろしてください」と何度も言っていたと証言した内容についても、山口氏は否定していない。つまり、少なくとも詩織さんが意識を朦朧とさせながらも帰宅したがっていたのは疑いないのだ。ところが、山口氏はこんなことを言って、自らの行動を正当化しようとする。
「『駅で降ろしてください』とご本人は言ったんだと思いますけれども、言ったからといって、泥酔して嘔吐している人を駅に捨てて帰ったら、逆にこれ“鬼”っていうか。危ないし。そういうご判断する方いないと思います。やむなく、やむなく、じゃあちょっとホテルで休んでもらうしかないんですよね。しょうがないからホテルに行き先を変えて、休んでいただこうということで。今考えてもそれは、それ以外選択肢なかった」
アルコール健忘症になるほど泥酔した女性が、性的交渉に合意することは可能なのか
 アルコール健忘症になるほど泥酔した女性を「危ない」というなら、病院に連れて行くか別の部屋をとるのがふつうの対応だし、仮に介抱のためにホテルに連れて行ったとして、その後、それほど「危ない」状態の女性に対し、性交渉を行った事実は誰がどう見ても非合理的である。山口氏は詩織さんに意識があったと主張したいようだが、常識的に考えて、山口氏がいうように詩織さんが“一人で帰宅できない状態”であったならば、詩織さんには通常の意思決定が不可能であったと推測できる。すなわち抗拒不能であったと考えるのが自然だ。
 そもそも準強姦罪は、「心神喪失もしくは抗拒不能に乗じ、または心神を喪失させ、もしくは抗拒不能にさせて、姦淫した」場合に適用される。「抗拒不能」の定義については、「心神喪失以外の意味において社会一般の常識に照らし、当該具体的事情の下で身体的または心理的に反抗の不能または著しく困難と認められる状態をいい、暴行及び脅迫による場合を除きその発生原因を問わない」(東京高判昭和56年1月27日)という判例がある。アルコール等による意識の混濁あるいは身体的不自由も、当然、抗拒不能に当たると見なされうる。
 しかも、山口氏は避妊具をつけずに行為に及んでいる。これも常識的に考えて、仮に、当時の詩織さんに性的関係の合意が可能な程度の意識があったとしても、これからテレビ業界への就職を希望している女性が、その活動に困難をきたす恐れのある妊娠の可能性を考慮しないとは考えられない。実際、詩織さんは意識が回復すると同時に避妊具がなかったことについて確認しているし、後日の山口氏とのメールでも妊娠の可能性について強く危惧している。そして、もとより詩織さんは二軒目の寿司屋からホテルで山口氏にまたがられているのに気づくまで記憶を失っていたとして、当然、性交渉に合意したとは主張しておらず、また、山口氏も「Hanada」での手記などにおいて、事実として避妊具をつけずに挿入したことを否定していない。したがって、詩織さんの抗拒不能に乗じた山口氏が合意なしに性交渉をした可能性は高いと言え、であれば“鬼”どころか“鬼畜の所業”と断じざるをえない。
 それだけではない。そもそも、山口氏による性行為がレイプ、あるいは準強姦に該当するか以前に、自分の所属する組織への就職相談に来た女性と性的関係に及んだだけでも社会通念上、大問題だ。しかも、この「就職相談」については、山口氏が虚偽の弁を弄して、詩織さんを欺いた疑惑すら浮上しているのである。
ワシントン支局長解任を内示されていたのに、ワシントン支局での採用をエサに誘い出していた
 まず、山口氏は、前述のネット番組のなかで「私が仕事を与えてあげるという強い立場で(食事に)誘った」ことを否定している。一方、詩織さんは、山口氏が当時、TBSのワシントン支局長であるとの認識のもと、同支局で働くことを希望し、それに関するビザについて相談するため食事をしたとしている。どちらの言い分が正しいのか。山口氏の釈明はこうだ。
「だから自分でビザをとるか、無給のインターンのどちらかしかありませんということを伝えてるんですね。だから、私から仕事をあげるからっていう強い立場というよりは、なかなか難しいところもあると。で、無給でよければできますけど、それでもいいですか、それとも自分でビザ頑張ってとりますか?というお話だったんですね」(前述ネット番組より)
 しかし、これは事実を捻じ曲げた説明としか思えない。というのも、この間の二人のやり取りにはメールという客観的証拠が残っているからだ。2015年3月25日、TBSワシントン支局で働きたい旨をメールで連絡した詩織さんに対し、山口氏はこのような一連のメールを送っている。以下、詩織さんの著書『Black Box』(文藝春秋)より文面を抜粋する。
〈インターンなら即採用だよ。プロデューサー(有給)でも、詩織ちゃんが本気なら真剣に検討します。ぜひ連絡ください!〉(2015年3月25日)
〈あと、ビザは持ってる?
 新規プロデューサーという事になると、採用やら待遇やら、TBSインターナショナル本社の決済(注:ママ)をとらないとなりません。これにはかなりの時間がかかります。
 あるいは、まずはこっちに来てフリーランスとして契約して、しばらく仕事をしてもらいながら正式な採用に向かうという手もあります。このやり方なら私が決済できます。〉(同)
〈最大の関門はビザだね。TBSで支援する事も可能ですので、検討してみます。
 ところで、ヤボ用で一時帰国する事になったんだけど、来週は東京にいますか?〉(15年3月28日)
 そして、詩織さんは4月3日、帰国した山口氏と食事をする。この文面を見る限り、山口氏が、詩織さんのTBSワシントン支局でのプロデューサー職起用に向けて、就労ビザが必要であること、そして、それと関連して自分の「決済」が有効であると示しているのは自明だろう。
 ところが、問題の4月3日には、山口氏は「週刊文春」(文藝春秋)に例の“韓国軍慰安所”記事を寄稿した件で、すでにTBSワシントン支局長解任を内示されていたというのだ。しかも、詩織さんはこのことを知らなかった。これは今月24日の外国特派員協会で詩織さんが記者会見に臨んだ際、ジャーナリストの上杉隆氏が質問のなかで明かしたことだが、実際、本サイトが取材したところ、当時のTBS幹部もこのように語るのである。
「たしかに、山口氏が女性と食事をした15年4月3日には、すでにワシントン支局長の解任を内示されていた。だから、山口氏がメールで言った支局のプロデューサーなんて実現性ゼロの話で、ビザが云々とかで就職の相談を受けていたというのはおかしい。しかもあの頃、ワシントンで支局スタッフを増員するなんて話は聞いたこともなかったし、当時、山口氏は文春の記事で報道局幹部と激しく対立していて、そんなことができる状況でもなかったはずです。そもそも、スタッフの増員は支局長個人の裁量でどうこうできることではありませんよ」
山口氏は「知らない方いたら、ネットで検索しないで」とネタにする始末
 以上の点からみても、明らかに合理的でない説明をしているのは山口氏のほうだろう。しかも、この件については、再三触れてきたように、当時の警視庁刑事部長の決裁で、山口氏を捜査員が待ち構えるなか逮捕直前でストップがかかったことや、山口氏が“官邸のアイヒマン”と言われる北村滋・内閣情報調査官を彷彿とさせる「北村さま」に対応を相談していたことも「週刊新潮」の報道で明らかになっている。
 ところが、前述の「Hanada」のように、右派メディアは山口氏の“復帰”を盛大にバックアップしている。実際、花田編集長のネット番組への出演と同日、ネトウヨ向けネット番組『報道特注』の「第一回ファンクラブ公開収録」に参加。もともと山口氏は同番組の準レギュラー的扱いだったが、この日も自民党の和田政宗参院議員や日本維新の会の“暴言王”・足立康史衆院議員、経済評論家の上念司氏など、あまりのネトウヨ度に胸焼けしそうなレギュラー陣とともに、シャンパンとみられるグラスを傾けていた。
 そして、山口氏が「僕、人前に出るのすごい久しぶりなんで」とあいさつすると、会場からは爆笑と拍手がわいた。続いて、司会の生田よしかつ氏(築地市場のマグロ仲卸三代目)がこう呼びかけると、詰め掛けた「ファン」は一層大きな拍手を送ったのだった。
「はからずもですけど、今回の公開収録はですね、もちろん足立さんの当選記念と、めでたく日の目をみられるようになった山口さんの“おめでとう会”でもございますので、もう(一度拍手を)お願いします」
 確認しておくが、山口氏は現在も詩織さんと民事で係争中だ。そんな人物を「めでたく日の目を見られるになった」とか「おめでとう会」などと言って持ち上げる番組の神経を疑うが、山口氏もこれに乗っかって「もし、知らない方がいたら、ネットなど検索しないでおいていただけると(助かる)」などと話し、会場のグロテスクな笑いを誘っていた。
 ようするに、安倍首相のお友達や応援団、御用文化人ならば、もはや“何をやっても許される”という言論空間が、ネットや雑誌を中心にできあがりつつあるということらしい。しかも、本サイトで追及してきたAbemaTVの見城徹・幻冬舎社長の番組とテレビ朝日の問題のように、こうした安倍応援団の無秩序かつ不埒な流れは、今後、地上波の放送局にも確実に波及していくだろう。
 かつては右派メディアにも、彼らなりの倫理観や矜持があったはずだが、今や完全に底が抜けた状態と言わざるをえない。本サイトでは今後も、山口氏の疑惑とメディアの姿勢を注視していく。(編集部)

一応休みなのに出勤→雑用/ハガキ2通/フェリー予約

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Le combat de Shiori Ito, agressée sexuellement dans un Japon indifferent
La journaliste a écrit un livre qui évoque son combat après un viol. Bien qu’elle ait porté plainte, son agresseur présumé n’a pas été inquiété par la justice.
Par Philippe Mesmer (Tokyo, correspondance)
Le Japon vivra-t-il son instant #MeToo, ce hashtag imaginé par l’actrice américaine Alyssa Milano pour inciter les femmes victimes de harcèlement et/ou d’agression sexuels à ≪ donner aux gens une idée de l’ampleur du problème ≫ ? Certaines Japonaises l’ont repris sur Twitter, mais le mouvement reste limité, tout comme la couverture par les médias nippons de l’affaire Harvey Weinstein – qui a incité Mme Milano à lancer l’idée du hashtag et d’autres, comme l’actrice italienne Asia Argento à se lancer dans la difficile dénonciation des agressions sexuelles.
Pourtant, le Japon est loin d’être épargné par ces drames. Et trop rares sont les victimes à oser élever la voix. La journaliste indépendante Shiori Ito a choisi de le faire, notamment pour appeler au changement d’un ≪ système légal et social qui fonctionne contre les victimes d’agressions sexuelles ≫. Elle-même victime, elle a choisi d’écrire un livre, Black Box (Bungeishunju, non traduit), évoquant son combat après une agression sexuelle.
≪ Cela va nuire à votre carrière ≫
Le 24 octobre, elle a donné une conférence de presse au club des correspondants de la presse étrangère (FCCJ) à Tokyo. L’occasion de revenir sur cette soirée tragique du 3 avril 2015 au cours de laquelle Noriyuki Yamaguchi, ancien journaliste de TBS, ex-chef de bureau à Washington pour cette chaîne et proche du premier ministre Shinzo Abe, dont il est le biographe, aurait abusé d’elle alors qu’elle était inconsciente à l’hôtel Sheraton Miyako de Tokyo, après un dîner arrosé.
Décidée à porter plainte, Mme Ito se heurte aux réticences de la police, qui cherche à la dissuader d’aller au bout de sa démarche. ≪ Ce genre d’incidents arrive souvent et il est difficile d’enquêter sur ces affaires ≫, lui auraient déclaré les policiers. Ou encore : ≪ Cela va nuire à votre carrière. ≫
Elle persévère et une enquête est finalement ouverte. Les éléments réunis, enregistrements vidéos, témoignages et prélèvements ADN, permettent d’obtenir un mandat d’arrêt, mais, le jour où les policiers s’apprêtent à arrêter M. Yamaguchi, un ordre tombe, bloquant l’intervention.
L’ordre aurait été donné, avance le magazine Shukan Shinsho, par Itaru Nakamura, à l’époque chef du bureau d’enquête criminelle de la police de Tokyo et aujourd’hui responsable du crime organisé à l’agence nationale de la police (NPA). Une personnalité puissante qui fut secrétaire du porte-parole du gouvernement Yoshihide Suga, connu pour sa proximité avec M. Abe. M. Nakamura a reconnu dans le Shinsho avoir demandé de ne pas procéder à l’arrestation mais a nié toute intervention du pouvoir politique.
Seules 4 % des victimes déposeraient plainte
Shiori Ito a fait appel, en vain. Il a été rejeté en septembre. M. Yamaguchi a toujours affirmé qu’il n’avait ≪ jamais enfreint la loi ≫ et qu’il ne connaissait pas Itaru Nakamura. Il envisage désormais une action en justice, son honneur ≪ ayant été gravement affecté par le traitement de cette affaire par certains médias ≫.
≪ Devenir la victime d’un viol m’a fait comprendre à quel point il est difficile de faire entendre la voix des victimes dans la société ≫, a déclaré Mme Shiori, qui reconnaît par ailleurs que si elle n’avait pas été journaliste, elle aurait peut-être renoncé.
Son choix de s’exprimer publiquement a permis de raviver la question du traitement des agressions sexuelles au Japon. Le fait de signaler de tels faits dans l’Archipel est tellement stigmatisant que, déplore la procureure Kazuko Tanaka, auteure d’un Manuel d’investigation sur les agressions sexuelles et les violences infligées aux enfants, seules 4 % des victimes déposent plainte. Le ministère de la justice a calculé en 2012, derniers chiffres disponibles, que seules 18,5 % des agressions sexuelles survenues en cinq ans avaient été signalées à la police. En cas d’arrestation, dans 53 % des cas, le parquet annule les charges.
En mars, une victime de viol, commis en 2011 par des collègues qui l’avaient droguée, a obtenu gain de cause devant la justice. Mais il a fallu qu’elle porte plainte devant un tribunal civil car sa première action pour une enquête criminelle avait été classée par le parquet.
Petite victoire
Mme Ito a obtenu une petite victoire. Ayant pour la première fois parlé publiquement de son agression fin mai, elle a suscité la création d’une page Twitter ≪ Ouenshiori ≫ (Soutien à Shiori) qui a quelque peu compensé les attaques dont elle a été la cible, et indirectement accéléré l’adoption le 18 juin – dans les dernières heures de la session parlementaire – de la première modification depuis 1907 des modalités concernant les viols dans la législation criminelle.
Le nouveau texte, soutenu par différentes associations et personnalités, dont Jun Yamamoto, agressée sexuellement par son père quand elle avait 13 ans, n’oblige plus la victime à porter plainte elle-même pour obtenir une enquête. Un tiers peut le faire. Et la sanction encourue est désormais de cinq ans de prison, contre trois auparavant.
Malheureusement, regrette Mme Ito, une victime doit toujours présenter des preuves d’intimidation, de pressions, de menaces ou de coups ayant rendu difficile toute forme de résistance. ≪ Le problème est, rappelle-t-elle, que selon des recherches réalisées en Suède, près de 70 % des victimes de viol tombent dans un état de thanatose ≫, un comportement défensif qui consiste en un raidissement total du corps en présence d’un danger.
La nouvelle législation ne prévoit en outre aucun programme de soins pour les coupables. ≪ Si nous pouvions avoir une connaissance plus large du problème, nous pourrions changer le texte sans attendre à nouveau 110 ans ≫, espère Mme Ito.
フランス語
フランス語の勉強?
NYの会議通訳者が教える英語‏ @NYCenglessons
アメリカの貧しい地域は人種を問わず平均学力がとても低く、読み書きの基本的な能力が充分でない人が大勢います。児童労働も見て見ぬふりをされていることが多いので、学校なんてろくに行かないで働いている子も多いのです。同じ国とは思えない格差は、NYやLAの人には信じられないと思います。
ネオナチとかKKKみたいな人種差別団体も、昔から貧しくて学力が低い地域の白人によって続けられているわけです。彼らは白人といっても昔から社会の最下層の人たちで、中流以上の豊かな白人社会のお仲間ではない人たちです。なので高学歴の都市部のリベラルには特に敵対心が強いのですね。
アメリカでも南部や中西部の製造業が栄えた頃は、田舎の白人の生活が一時的に豊かになり、その頃は労働組合を中心に民主党の影響が強くなりました。でも製造労働の海外流出と共にアメリカの農村部は失業が深刻になり、犯罪、薬物中毒、ネトウヨの台頭など、さまざまな問題が深刻化しています。
右翼メディアを牛耳っている層はまあそれなりに高学歴ですが、彼らは知識層の中ではちょっと落ちこぼれて屈折しちゃったような人も多いのです。ヒトラーと同じように、本当は芸術家として大成したかったけどうだつが上がらなかったとか。


月曜日ですが,後片付けのため一応お休みの日です.でも出勤しました.仕事がゼロではないですが,どうでもいい雑用がたまっています.
新しくできたBECOという牛肉をいただきました.おいしくて満足.
そのあと風景印で東京の絵ハガキ2通送りました.
夜にはついにフェリーの予約をしました.

震災で不明の夫へ…カレンダーの裏に書きためた手紙が本に
 東日本大震災で行方不明の夫に向けて、岩手県陸前高田市の熊谷幸子さん(76)がカレンダーの裏に書きためてきた手紙が一冊の本になった。いまだ帰らぬ最愛の人へのあふれる思いに触れた北海道の男性が、自費で製作を買って出た。
 熊谷さんが、夫磨(みがく)さん=当時(71)=に宛てて書き連ねたカレンダーは250枚を超える。
 「今だに只今ママちゃんと云って戻ってくるんじゃないかと思い…今夜は大好きなカツ丼とアジのたたきで待ってます」
 磨さんと会話するように、日々の出来事や心の内をつづってきた。
 本の製作は、北海道月形町のアマチュアバンドマン釣崎等さん(68)が手掛けた。ボランティア活動で陸前高田市を訪問した昨年秋、熊谷さんと出会って本にまとめることを提案。手紙の文章をパソコンに打ち込んで実物を撮影し、家庭用プリンターで印刷、製本した。
 熊谷さんは磨さんの誕生日の今年6月14日、死亡届を出した。8月に葬儀を執り行った後、遺骨の代わりに本を墓に納めた。「あなたのお墓参りがこれからできるよね」。一緒に入れた手紙には、そう記した。
 完成した本を9月末、熊谷さんに手渡した釣崎さんは「最愛の人が見つからず、ものすごいストレスを抱えていたと思う。残りの人生、やりたいことに打ち込んでほしい」と語った。
 熊谷さんは「本を見ると震災前の出来事なども思い出され、時に涙が出る。磨さんにも見てほしい」と話す。
 本は非売品で70冊を製作した。


<この人このまち>身近な情報提供続ける
 東日本大震災直後に誕生した気仙沼市の臨時災害FM局「けせんぬまさいがいエフエム」が7月、コミュニティーFM「ラヂオ気仙沼」として再出発した。運営会社ラヂオ気仙沼社長の昆野龍紀さん(59)は、地域に根差した情報の提供に力を注ぐ。(気仙沼総局・大橋大介)
◎ラヂオ気仙沼社長 昆野龍紀さん(59)
 −開局から3カ月余り。地域への浸透度は。
 「どれだけ聞かれているかの指標として公式ツイッターのフォロワー数が参考になります。3カ月で2264に達し、先行して開局した県内のあるコミュニティーFMよりも多い数字。聞いてもらっている証拠で、手応えを感じています」
 −臨時災害FMは大半が終了しました。なぜ継続しようと思ったのですか。
 「運営費は年間約2400万円。登米市など他地域のFMを参考に、気仙沼の企業数や人口を考えれば広告収入などが十分に見込めると踏みました。市内全域で聞くためのアンテナを市が整備してくれたことも大きい。市からは行政情報を流す番組放送料として1000万円以上受け取っています」
 −番組内容に変化は。
 「自前の生番組が増えました。市に運営を委託された災害FMでは職員の勤務時間も決められていました。パートも含めて以前より多くの職員を雇い、シフト制を組めるため、朝、夕の時間帯に生番組を流せるようになりました。関わる人数が多く内容も多彩です」
 −安定経営のためには広告収入が鍵を握ります。
 「気仙沼の人はラジオに広告を出した経験がないので、ラジオCMを試してもらうために、7〜9月は1本2000円(20秒)のCMを1社につき20本分、無料にしました。CMは全部スタッフの手作り。スナックや魚屋さんなど約200件の申し込みがありました。年間広告の確保も課題で、県外の企業にも呼び掛けようと考えています」
 −災害時の対応はどうしていますか。
 「北朝鮮の弾道ミサイル発射を受けて全国瞬時警報システム(Jアラート)が作動した際は、休校情報などを流しました。ただ、9月18日未明の台風18号のような真夜中の災害には今の人員では対応できません。今後、詳細な交通情報なども求められるでしょう」
 −今後の目標は。
 「地域にとっては大きなメディアと細かい情報を伝える小さなメディアが混在した方がいいと思います。例えば、『子犬が生まれたからもらって』といった情報まで流せるのがコミュニティーFMの面白さ。住民が楽しめる番組を作り、ファンを増やしたいですね」


<五輪霧中 大会理念を問う>(3)支援のずれ/お仕着せ施策に批判
 2020年東京五輪は28日、同年7月24日の開幕まであと1000日となった。大会誘致時に掲げられた「復興五輪」は具体像が見えず、東日本大震災からの復興途上にある東北の被災地は大会への関心が盛り上がらない。政府、組織委員会、東京都は成功の道筋をどう描き、被災地は祭典に何を求めるのか。風化する復興五輪の意味を問う。(震災取材班)=5回続き
◎「復興ホスト」二の足
 「協力したい気持ちはあるが、道路やインフラの復旧はまだまだ。とてもおもてなしできる状況にない」
 東日本大震災で被災した宮城県南三陸町の佐藤仁町長の思いは複雑だ。
 「復興五輪」を掲げる2020年東京五輪に、岩手、宮城、福島3県の被災自治体に参加してもらおうと政府は9月、「復興『ありがとう』ホストタウン」を新設した。
 先行して募集を始め、選手の事前キャンプを受け入れるなどする「ホストタウン」には既に全国の252自治体が登録している。参加要件を緩和した復興ホストタウンは支援を受けた国や地域との交流を促すが、当の被災地の反応は芳しくない。
 復興の進み具合に照らすと「応募は二の足を踏まざるを得ない」と、佐藤町長は言う。
<人手も割けない>
 壊滅的な被害を受けた町中心部は工事車両が行き交い、土ぼこりが舞う。「復興した姿の発信」をうたう五輪までの復興事業完了は見通せない。町職員約200人、全国からの応援職員約80人で復興を急ぎ、人手を割ける余裕もない。
 町は、台湾、イスラエルといった多数の国・地域から病院再建などで支援を受けた。「まずは、足元の復興をしっかりと遂げることが最大の恩返し」。佐藤町長は現実を見据える。
 被災自治体の多くが程度の差はあれ、同様の事情を抱える。復興ホストタウンに応募する意向を示すのは現在、台湾との交流を計画する岩手県野田村など数自治体にとどまる。
 事務局の内閣官房は「小規模でも、被災地の実情に応じた交流の形を支援したい。悩んでいる自治体は相談してほしい」と話し、開催直前まで応募を受け付けるという。一方、別の沿岸自治体の担当者は「復興五輪の面目を保つために被災地が利用されていると感じる」と、お仕着せの施策を冷ややかに見る。
<「草の根」が大事>
 被災地との距離が縮まらないまま、五輪は開催へカウントダウンを刻む。危機感を抱くスポーツ関係者は少なくない。
 「このままでは、被災地の商店街に五輪ののぼりを掲げる程度で終わりかねない」。サッカーJ1仙台のスタジアムDJ大坂ともおさん(47)は危惧する。
 沿岸部の子どもがスポーツに親しむ機会づくりに取り組む大坂さんには、被災地の現状や大会効果をしっかり把握せずに、復興五輪が一人歩きしているように映る。「被災地のニーズを引き出し、五輪や復興とつなげるコーディネート役が必要だ」と指摘する。
 選手にとって「被災した人々からの応援は特別な重みがある」と大坂さん。支援してくれた国について地域の人が学び、選手を応援する草の根的な取り組みがあってもいい、と言う。
 「『参加することに意義がある』が五輪の精神。被災地が参加し、エネルギーを共有できる大会になるのかどうか。今が正念場だ」


知事“復興五輪の理念薄れ懸念”
村井知事は記者会見で、開催まで1000日を切った東京オリンピック・パラリンピックについて、「聖火リレーなどの情報が何ら入ってこず、被災地が蚊帳の外に置かれている気がしている」と述べ、『復興五輪』の理念が薄れているという懸念を示しました。
この中で村井知事は、開催まで1000日を切った東京オリンピック・パラリンピックについて、「『復興五輪』の理念が薄れていると感じている。聖火リレーについても何ら情報が入ってこず、こうしたこと1つとっても被災地が蚊帳の外に置かれている気がしている」と述べ、懸念を示しました。
その上で村井知事は、「被災地の気持ちをしっかりと受け止めてもらいたい。東京都や組織委員会、政府に今まで以上に働きかけをしていきたい」と述べ、東京都や組織委員会に対し、聖火リレーの出発地の誘致など、働きかけを強めていく考えを示しました。


宮城・多賀城でまちびらき植樹祭 命育む緩衝緑地に育て
 東日本大震災で宮城県多賀城市内最大の津波被害を受け、現地再建を進めてきた同市宮内地区の土地区画整理事業がほぼ終了し、地区内の復興公園で29日、「まちびらき植樹祭」が開かれた。
 菊地健次郎市長や住民約150人が参加し、公園に建てられた記念碑を除幕。宮内地区を囲むように築かれた津波漂流物を防ぐ緩衝緑地に、ニオイヒバやサワラを植樹した。菊地市長は「地権者らの理解で区画整理が順調に進んだ。10年、20年後に命育む緑地となってほしい」とあいさつ。住民を代表して会社員鎌田好雄さん(60)が「新天地も考えたが、自宅を再建した。再生の時を経てこれからは地域発展を願っている」と述べた。
 宮内地区は震災で最大4.6メートルの津波浸水深を記録。仙台港から流出したコンテナなど大量の漂流物で甚大な被害を受けた。
 市は2014年度から5年計画で面積7.1ヘクタールを対象に土地区画整理事業に着手。平均約1メートルの盛り土や道路の整備を進め、6月に宅地造成を終えた。今後、緩衝緑地に400本を植樹する。
 市内で最後に完成した宮内災害公営住宅は昨年12月に入居を開始した。


<塩釜新魚市場>完成祝い「開放まつり」真新しい施設見学
 塩釜市魚市場の完成を記念した「開放まつり」が29日開かれた。雨の中、一般客が大勢訪れ、水産加工物を味わったり、真新しい施設を見学したりした。
 開幕式典で、佐藤昭市長は「5年半かかってようやく完成した。おいしい魚を全国に届けたい」とあいさつ。塩釜商工会議所や地元水産業の関係者と餅をまいて完成を祝った。
 まつりに合わせ、塩釜市と防災協定を結ぶ愛知県碧南市の三河陶器協同組合が特産のこんろを50個贈呈。会場で早速、使用された。開幕式典に出席した協同組合の遠山健一理事長は「海産物はこんろで焼くと一層おいしくなります」とPRした。
 高品質のメバチマグロ「ひがしもの」を使った鉄火丼の販売コーナーや、魚市場の中央棟に開業した食堂には長い列ができた。
 市魚市場は25日に完成したばかり。関係者は「年一回は市民に開放する催しをしたい」と話す。


黒潮太鼓やすずめ踊りで元気に 仙台・東六郷再建施設で催し
 東日本大震災の津波で被災し、今年4月に再建された仙台市若林区東六郷地区のコミュニティ・センターで29日、「六郷東部ふるさと交流祭」があった。地域の魅力を再確認しようと、住民でつくる実行委員会が主催した。
 3月に閉校した東六郷小で約30年受け継がれた和太鼓「黒潮太鼓」の演奏や、すずめ踊りがステージで披露された。東六郷小から六郷小に転入した6年大内翔君(11)は黒潮太鼓を熱演。「1年生から練習してきた。少し緊張したけど頑張ってできた」と話した。
 会場では、女性らが地元産食材を調理した豚汁やおむすびを無料で振る舞った。特産「井土ねぎ」の特売もあり、50袋が完売した。
 東六郷地区は震災後に人口が半減、住民の交流の機会も減っていた。6月から交流祭の準備を進めてきた実行委の小野吉信委員長は「久しぶりの再会を喜ぶ人をたくさん見掛けた。やってよかった」と笑顔で語った。来年は施設に隣接する東六郷小跡地も活用して開催する方針という。


<アングル青森>死者と語り安らぎ 霊場・恐山
 日本三大霊場の一つとして知られる青森県むつ市の恐山が今月いっぱいで閉山し、冬ごもりに入る。
 硫黄の臭いと火山ガスでできた奇岩は地獄を、酸性が強く生物が少ない透き通った湖は極楽を連想させる。この世とあの世をつなぐ場所として、古くから下北の地域信仰の的となってきた。霊場は平安時代初期に最澄の弟子慈覚大師円仁が、夢で見たお告げに従って開いた。
 死者の鎮魂、供養、語り、自身の癒やしを求め、全国からひっきりなしに参拝者が訪れる。雪解けを経た来年5月1日に開山する。(むつ支局・勅使河原奨治)


再処理工場の審査休止/「脱・核燃サイクル」の契機に
 青森県六ケ所村にある使用済み核燃料再処理工場について、原子力規制委員会が異例の「審査休止」を決めた。
 設備の点検漏れを背景にした保安規定違反が相次ぐなど、事業者である日本原燃の安全管理が、あまりにもずさんだったからだ。
 再処理工場は原子炉で燃やしたウランを取り出し、化学的に処理してプルトニウムなどを取り出す施設。極めて高いレベルの安全対策が必要なのに、原燃は規制委から「安全上の問題以前に、事業を遂行する基本的要件に欠けている」と指摘される始末。
 「失格寸前」にまで追い込まれたのは、ひとえに自らの行いのせいであり、深く反省して出直すしかない。
 ただ、再処理工場を巡る問題は、安全性だけにとどまらない。巨額の費用を要する核燃料サイクルの中核施設だけに、エネルギー政策との関わりも本格的に議論すべきだ。
 未曽有の被害をもたらした東京電力福島第1原発事故によって、原子力の規制が改められた。このため、原発だけでなく再処理工場も新たな規制基準を満たさなければ、運転できなくなった。
 原燃は2014年に申請し、審査が続けられたが、非常用電源建屋などで何度も雨水が流入していたことが発覚。今年4月に合格したウラン濃縮工場の審査でも、放射性廃棄物の不適切管理や、不正な評価書作成が明らかになっている。
 1993年に着工した再処理工場は当初、4年後の97年に完成する予定だった。しかし、トラブルが続いて20回以上も延期している。
 試運転には入ったものの、いまだに完成していない。完成時期が延びる間に、建設費は当初の7600億円から2兆9500億円へ、4倍近くに膨らんだ。
 着工から20年以上もたち、3兆円近い費用をつぎ込みながら、なお未完成というのは異常な状況だろう。途中で断念していても不思議はない。
 いずれ訪れる廃止にも膨大な経費が必要になる。青森市の認可法人「使用済燃料再処理機構」は1兆6000億円と見積もっているが、国の原子力委員会は5年前、3兆6000億円という試算結果を明らかにしている。
 再処理工場は未完成でも、電力各社にとっては使用済み核燃料を運び出せるメリットがあった。各原発の構内で保管したままでは、いずれ満杯になり運転できなくなるが、六ケ所村へ搬出することが可能になったわけだ。
 ただ、本来の目的であるプルトニウムの本格利用は、高速増殖炉開発路線の頓挫によって宙に浮いてしまった。再処理工場を中心に据えた核燃料サイクル政策は今や、破綻が濃厚になったとも言える。
 審査休止を一つのきっかけにして、「脱サイクル路線」の検討を加速させる時期に差し掛かっている。


核兵器廃絶決議  信頼薄れる「橋渡し」役
 極めて残念な結果である。
 軍縮を話し合う国連総会第1委員会で採択された日本主導の核兵器廃絶決議は、昨年に比べて賛成国が23カ国少ない144カ国にとどまった。日本が1994年から毎年提案し、支持を広げてきた決議だが、今年は一部の国が棄権に転じた。
 決議は7月に採択された核兵器禁止条約に一切触れず、核保有国に核軍縮を促す表現も弱まった。「核保有国寄り」と見なされるのは当然だ。むしろ今後の外交関係に配慮してか、棄権に回る国が限られたことで、日本はかろうじて面目を保ったというところだろう。
 決議に法的拘束力はない。それでも今回、文面に核禁条約への言及を盛り込むことに、条約に参加していない米英仏中ロの保有国5カ国は強硬に反対したとされる。日本政府は、代わりに「(核廃絶への)さまざまなアプローチに留意」との表現を加えることで条約推進国の理解を得ようとしたが、オーストリアやブラジルなどと折り合えなかった。
 核実験とミサイル発射を繰り返す北朝鮮の政策転換が見通せない以上、米国の「核の傘」に頼りつつ、核廃絶を訴える日本の立場はこれからも難しくなろう。だからといって唯一の戦争被爆国としての役割を放棄するわけにはいかない。ジレンマを乗り越える外交力が、今こそ問われる場面である。
 核兵器は「必要悪」との認識が、長らく国際社会にはあった。冷戦終結後、核の非人道性について理解が広がり、ようやく核兵器を法的に禁じる核禁条約の採択に至った。核を背景として強い発言力をもつ5大国への非保有国の不満に加え、何より、自らの傷を示して長年活動してきた広島、長崎の被爆者の切実な声が国際世論を動かしたからだ。
 その被爆者から「(決議は)裏切りだ」と批判され、非保有国に「保有国の代弁者」と受け止められているのは、決して日本のあるべき姿でない。双方の「橋渡し」役を自任する国がこのまま信頼を失っていいはずはない。
 今年のノーベル平和賞は核禁条約を推進した団体に決まり、12月の授賞式には広島、長崎の被爆者も出席する。各国の視線は日本政府の姿勢にも改めて注がれよう。
 抑止力に頼る限り、核兵器はなくならない。破滅的な危機をもたらす核は「決して使えない」と保有国や北朝鮮に認識させ、放棄させる。その道筋を、日本は条約推進国とともに探るべきだ。


核廃絶国連委決議 被爆国の責任を果たせ
 唯一の戦争被爆国として訴えてきた核兵器廃絶は、言葉だけだったのではないか。そんな厳しい目が今、国際社会から向けられている。日本政府はもっと危機感を持って、対応を改めるべきである。
 核兵器廃絶決議案が今年も、軍縮問題について話し合う国連総会第1委員会で採択された。日本の主導で1994年から毎年提出され、本会議で採択されてきた。ただ、少しずつ増えてきた賛成国は今年、144と昨年より23少なくなった。決議案の中身に疑問点が多いからだ。
 何より、今年7月に採択された核兵器禁止条約に直接触れていないことである。ここ数年、国際的な議論を経て進んできた結果生まれた条約だからこそ、日本も積極的に参加した方がよかった。しかし、ずっと否定的だ。核軍縮に後ろ向きな米国のトランプ大統領に遠慮しているのか。それでは、被爆国としての役目は果たせまい。
 ブラジルやニュージーランド、コスタリカなど禁止条約の旗振り役だった国は、日本主導の決議案に対して昨年の賛成から棄権に回った。対照的に、核保有国の英国やフランスは棄権から今年は賛成に転じた。
 日本政府の言い分はこうだ。禁止条約を巡って溝が深まっている核兵器保有国と条約推進国との橋渡し役になるための決議案である、と。しかし投票結果を見ると、核廃絶を目指す国より保有国にとって望ましい内容だったことは明らかだ。これでは、日本が本気で核廃絶を目指しているのか疑われるのも当然だ。政府は、結果をもっと深刻に受け止めなければならない。
 核兵器の非人道性に関する表現など、昨年の決議案より後退した印象が拭えない。「まるで核保有国が出したかのような内容との印象を持つ」。長崎市の田上富久市長の出したコメントが的を射ているのではないか。
 怒りや落胆の声も広がっている。「被爆者への裏切りだ。失望を超え、腹立たしい」。広島で被爆し、移住先のカナダを中心に原爆の惨禍を英語で訴えているサーロー節子さんも、その一人だ。被爆者らが政府を非難するのも当たり前だろう。
 禁止条約を主導した国際非政府組織(NGO)核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN=アイキャン)は12月、ノーベル平和賞を受賞する。それだけ条約が国際的に評価されている証しだろう。このまま保有国の肩を持ち続けるのか条約を進めるのか、日本が進むべき道は明らかである。
 サーローさんも平和賞の授賞式に出席し、被爆者として初めてスピーチする予定だ。人類と核兵器とは共存できない―。多くの犠牲を伴い、原爆の焼け野原から得られた教訓をしっかりアピールしてほしい。
 もちろん、核兵器を巡る今の最大の問題である北朝鮮にどう対応するかも重要だ。自制するよう求める国際社会の声を無視して核実験やミサイル発射を強行し続けている。それでも、あくまでも対話を通して暴発を防ぎ、核兵器を放棄させる方策を国際社会は探る必要がある。
 日本政府は、人類史上で初めて原爆の閃光(せんこう)を浴びて無念の死を遂げたり、70年以上も苦しみ続けたりしている人々の代弁者にならなければならない。今回のことを反省し、しっかり考え直して対応すべきである。


「当たり前にマグロが食べられる日本は異常」資源保護の意識の低さに外国人は困惑
 近年、乱獲や生態系の変化による個体数の減少が問題となっている魚。広大な海だけでなく、より身近なスーパーの魚売り場でも魚は姿を消していた! 見慣れたはずの陳列棚が変化、消滅の危機に瀕している理由をさまざまな角度から探った。
資源保護の意識の低さに外国人は困惑
 近年、国際的に問題となっている過剰漁獲や水産資源の枯渇。水産庁に問い合わせたところ、クロマグロやサンマの数が減っているのは事実だが、「絶滅が近いという状況ではない」という。さすがに漁獲量削減には取り組んでいるそうだが、そんな日本の姿勢は飲食業に携わる外国人の目にかなり生ぬるく映っているようだ。
「日本が水産大国なのは世界中が知っていること。そんな国が率先して資源保護に取り組めば、ほかの国も従うのに、自分たちの取り分を守るほうにばっかり力を入れてるよね。結局、絶滅したら食べられなくなるんだから、本当はリーダーシップを取るべきだと思うよ」(アメリカ人)
 また、養殖が多いとはいえ、当たり前のように飲食店に多くのマグロやウナギが並んでいる光景も異様なようだ。
「ヨーロッパでは、マグロやウナギをレストランでも提供しない理由をメニューにしっかり書いている。数が減っているってしっかり啓発すれば、よほどワガママな客じゃないかぎり、食べられなくても納得すると思うんだけど……」(ノルウェー人)
― スーパーから魚売り場が消える! ―


立憲・枝野代表が野党質問短縮に反対「妥協の余地ない」
 立憲民主党の枝野幸男代表は30日午前、自民党が国会での与党の質問時間を延ばし、野党の質問時間短縮を検討していることについて「一切、妥協する余地はない」と述べ、反対する姿勢を強調した。党本部での会合で語った。
 枝野代表は、政府提出の法案や予算案が与党の事前審査を経ていることを指摘。自民党若手による与党の質問時間拡大の要望について「議院内閣制の基本が分かっていない」と批判した。
 これに対し、菅義偉官房長官は記者会見で「議席数に応じた質問時間の配分は、国民から見れば、もっともな意見だ」と重ねて強調。「現に参院では、それに近い時間割で(質疑を)行っているのではないか」と語った。これのどこが「謙虚」なのか。


日本には小選挙区制度は合わない
 ★野党共闘が崩れ、バラバラになって野党が乱立したことで自民党は漁夫の利を得たというのが、この総選挙の見立てだが、慶応大学法学部教授・小林良彰のビデオニュースドットコムでの指摘が興味深い。「自民党の絶対得票率が長期低迷傾向だ。民主党政権ができた09年の総選挙で、自民党は2730万票を得ているが、その後の選挙では自民党は議席数こそ毎回過半数を大きく超えるものの、得票数は大敗した09年選挙を超えたことがない」という。 ★つまり野党の地盤沈下により、より少ない得票でも自民党が勝っているだけ、というわけだ。小林は「メディアは選挙後、得票率を無視して、議席率ばかりを取り上げるが、それでは民意ははかれない」ともいう。確かに自民党の得票率は毎回5割を割り、得票数では野党が自民を上回っている。自民党の今回の得票率の48%に、全体の投票率の53・60%を掛け合わせた「絶対得票率」は約25%にとどまる。これが日本の全有権者のうち、実際に自民党に投票した人の割合だ。 ★数字から見ても、選挙による民意を反映させるという意味では「日本には小選挙区制度は合わない」との小林の指摘は、現行の選挙制度に一石を投じるといえる。ただ、この制度はその欠陥を承知で、2大政党政治を生みやすくするためにあえて作られた側面も否めず、09年の選挙ではその恩恵により民主党政権が生まれている。民意を反映しない代議士の存在といえば、有権者もがっかりだが、ここで問われるのは数字のからくりよりも、2大政党政治を国民が欲していないのか、政治家が大きくまとまろうとしないのか、選挙制度に合わせた戦い方を覚えないのかのいずれかになる。勝っているうちは、自民党が選挙制度をいじる気はないだろう。

経産省に振り回される東芝再建 “国策”の罠と最悪シナリオ
 経営危機は去ったのか――。東芝は半導体子会社「東芝メモリ」を日米韓連合へ売却することを決めた。来年3月末までに売却が完了すれば東芝の債務超過は解消される。だが、半導体ビジネスで提携する米ウエスタンデジタル(WD)は東芝メモリの買収を諦めていない。東芝再建を主導してきたとされる経済産業省は、この先どんな判断を下すのか。東芝問題を取材し続けるジャーナリストの大西康之氏は“最悪シナリオ”もあり得ると指摘する。
■米WDは訴訟を取り下げない
  ――米WDは東芝メモリの売却に関し、国際仲裁裁判所に暫定差し止めを求めるなど法的措置に訴えています。米投資ファンドのべインキャピタルを中心とする日米韓連合への売却はスンナリと進むでしょうか。
 WDはパートナーであるわれわれの同意なくして勝手にメモリー事業を売ってはならないと主張し、それはいまも変わっていません。WDも必死なのです。WDは昨年、東芝の合弁相手であるサンディスク(現WD)を買収し、米びつは空になっています。東芝メモリはいわば婚約相手です。高い金を積んで婚約したのに、よその男と結婚しようとしている。そんな事態になったら、WDのサンディスク買収そのものが失敗だったということになりかねません。それだけは避けなければならない。だから気合十分なのです。
  ――中国をはじめ各国の独占禁止法の審査が来年3月末までに終わるかどうかも不安材料です。
 終わらなければ東芝は売却資金を得られず、債務超過は解消できません。そもそも各国の独禁法の審査を考慮すると、売却先決定の期限は8月末とされていました。でも実際には売却先が二転三転し、1カ月近く先延ばしされた。ただでさえ時間がないのに、WDの絡まない日米韓連合に決まったことで、中国の独禁法の審査に暗雲が漂っています。
  ――中国の場合、通常でも9カ月ぐらいはかかるといわれています。もはや時間切れ?
 WDは中国の半導体メーカー「紫光集団」と密接です。過去には、紫光集団がWDへの出資を試みたことがありますが、この時は米政府がストップをかけ実現しませんでした。とはいえ、両社は業務提携するなど良好な関係を続けています。WDと中国当局は裏でしっかりとつながっているとみるべきです。中国当局がどう出るかは容易に想像がつきます。そもそも中国にとって東芝の資金繰り問題など関係ありません。慌てて審査をする必要などないのです。
  ――日米韓連合に韓国の半導体メーカー「SKハイニックス」が名を連ねているのも影響していますか。
 その通りです。SKハイニックスと東芝メモリは同じような事業を手掛けています。この2つがくっつくと、サムスンに次ぐ巨大な会社が誕生します。メモリー事業は“2強体制”となり、寡占化が進む。メモリーの最大の需要家は、世界のスマホ工場である中国です。メモリー2強の価格支配力が強まって、最も被害を受けるのは中国メーカーということになります。当然、独禁法の審査は厳しくなり、時間もかかるでしょう。つまり、18年3月末までに売却資金が東芝に振り込まれる見込みは限りなく低く、2期連続の債務超過は回避できない。上場廃止ということになります。
国策・原発にのめり込んだ悲劇
  ――WDへの売却をもくろんでいた経産省はどう考えているのでしょう。
 経産省は、WD以外に売却すると、WDによる訴訟リスクが付いて回り、18年3月末までに売却が完了しないと判断していました。だから手っ取り早くWDで話をまとめようとしたのです。役人が頭の中で組み立てた机上の理論です。今年7月に商務情報政策局長に就いた寺沢達也氏が積極的に動いていました。寺沢氏はWDのミリガンCEOと面会を重ね、東芝メモリの売却で合意した。おそらく官邸筋も指示を出したのでしょう。
  ――8月末にWDへの売却が決まったような報道が相次ぎました。
 経産省のリークだと思っています。東芝社内にはWDへの売却に反対する勢力も存在します。経産省はメディア報道を利用して、WDへの売却を既成事実化しようとしたのです。ところが思った以上に東芝社内の反発が強烈だった。WDに売却するなら、東芝メモリの成毛康雄社長(東芝副社長)以下、50人ほどが辞めると息巻いたといいます。成毛社長らはWDを信用していません。その理由のひとつは先ほども触れたように中国の紫光集団が背後にチラつくからです。半導体の現場が一緒に仕事をしてきたのは旧サンディスクであって、サンディスクを丸ごとのみ込んだWDではないのです。
  ――東芝の綱川智社長の判断は?
 綱川社長はメディカル出身で、半導体のことなど分からないのが現実です。二転三転する売却話をさばけるはずがありません。そもそも東芝が5000億円もの債務超過に陥ったのは原発ビジネスの失敗が原因です。その穴を埋めるために営業利益の9割を占める半導体を売却するのはおかしな話です。
  ―――大西さんは著書「東芝 原子力敗戦」(文芸春秋)で、東芝が国に操られるように原発ビジネスにのめり込んでいった過程を克明に描いています。
 経産省は輸出促進のため、原子力に目をつけたのです。自動車や電機はもはや売れない。何かないか……と探した結果、日本のインフラを途上国に持っていくことを思いついたのです。国内は原発を新設できるような環境にはなかったし、このままでは技術の継承もできない。国内の原発産業を維持するためにも海外に打って出る判断をしたのです。
  ――東芝が米原子力会社ウェスチングハウスを約6400億円で買収したのは06年でした。
 01年の9・11テロのとき、航空機が原発に突っ込んだらどうなるかを誰もが想像したはずです。米国は、ジャンボ機が突入しても大丈夫なぐらい堅牢な原発にしろと指示したでしょう。そうなるとコストを回収できるはずはなく、原発のメインプレーヤーだった米GE(ゼネラル・エレクトリック)などはフェードアウトしていった。ただ、原発のもうひとつの目的であるプルトニウム工場は必要です。どこかにないと困るので、米国は日本にやらせようとした。経産省はまんまとババを引かされたのです。
■法的整理が再生への早道
  ――東芝は、ビジネスの本質を分かっていない役人に振り回された?
 東芝は“国策”だからと安心して、原子力ビジネスに突っ込んでいったのです。アベノミクスの3本の矢にしても、3本目の柱である成長戦略は、具体的にはインフラ輸出です。もっといえば原子力ということです。東芝にすれば、国策である原子力を担っているし、福島原発の廃炉もやり遂げなければならない。つぶれるわけがないとタカをくくっています。
  ――経産省はいま何を考えていますか。
 経産省は逃げていますよ。今回の売却話は、東芝が勝手に進めたことだとね。何しろWDの出方次第では、東芝メモリの売却はうまく進みません。18年3月末までに東芝に資金が入らなかったらどうなるか。銀行は債務区分を破綻懸念先にせざるを得ない。そうなると、東芝に新たな資金は入らなくなる。経営破綻の危機です。経産省は困るでしょうね。
  ――倒産はさせない?
 政府はどんな大義名分で東芝に税金を入れるか、いま必死に考えていると思いますね。「財務省の財布」といわれる産業革新機構は2兆円の投資資金を持っています。これまでジャパンディスプレイなど数件に投資していますが、まだ1・5兆円ぐらいは残っているでしょう。
  ――東芝にできることは何でしょうか。
 もし私が東芝の社長だったら迷うことなく裁判所に向かいます。法的整理を選択するということです。それが再生への早道だと思っています。 (聞き手=本紙・矢田正人)
▽おおにし・やすゆき 1965年生まれ。88年、早大法学部卒業後、日本経済新聞社に入社。欧州総局、日本経済新聞編集委員、日経ビジネス編集委員などを経て、2016年に独立。著書に「東芝解体 電機メーカーが消える日」(講談社現代新書)、「東芝 原子力敗戦」(文芸春秋)など。


フランス各地で反セクハラデモ 「#MeToo」掲げ被害告発
フランス各地で29日、セクシュアルハラスメント(性的嫌がらせ)や性的暴行に泣き寝入りするのはやめて声を上げようと呼び掛けるデモが開かれ、ソーシャルメディアで共有が広がっているハッシュタグ「#MeToo(私も)」を合言葉に数千人がデモ行進した。
 米映画界の大物プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタイン(Harvey Weinstein)氏が女優らにセクハラや性的暴行を繰り返していた疑惑が明るみに出たことをきっかけに、ソーシャルメディア上ではこの2週間にわたり女性たちが相次いで「#MeToo」を付けた投稿で性的被害を受けた相手を告発している。
 首都パリのレピュブリック広場(Place de la Republique)では、女性を中心に集まった人々が「#MeToo」と書かれたプラカードを掲げた。パリ市警によると参加者は2500人に上った。南部マルセイユ(Marseille)やボルドー(Bordeaux)、北部リール(Lille)などでもデモが行われ、それぞれ100〜200人が参加した。
 デモを呼び掛けたフリージャーナリストのキャロル・ギャラン(Carol Galand)氏は、女性への性的暴行やセクハラの根絶を目指す運動が「ソーシャルメディア上の話題」で終わらないようにしたいと述べている。
 パリのデモに参加した飲食店の接客係の女性(18)は、勤務中に同僚男性から痴漢行為をされたとAFPに明かした。上司に相談したが「彼流のコミュニケーション」で片づけられたという。
 ボルドーでデモに参加した女性は、15歳の時にパーティーで薬物を盛られレイプされたが今まで誰にも話せなかったと打ち明け、「被害者が黙っているのは家族の間で騒ぎを起こしたくないから」だと語った。


セクハラ被害を告発する「#metoo」ノルウェーでも広まる 「悪いのは女性ではない」
鐙麻樹 | 北欧ノルウェー在住 ジャーナリスト&写真家
29日、ノルウェー首都オスロにある国会前広場で「#metoo」キャンペーンのデモが開催された。
「#私も」というハッシュタグで、SNSでセクハラ被害や性被害を告発する動きはノルウェーでも広がっている。
筆者のノルウェー人の女性の友人たちも、特にFacebookで告白をしており、最近は連日「#metoo」関連の投稿を目にするようになった。詳しいことは書かずに、ただ「#metoo」とだけ投稿する人もいる。
国会前での集会には約20人の女性が自分たちの被害を告白。Facebookのイベントページでは1300人以上が参加に興味があるようだったが、現場に現れたのは200〜300人ほどだった。
国会前でのデモはこれまで何度も取材しているが、話題の大きさの割には今回は足を運んだ人は少なめだ。性暴力を非難する過去のデモでは、これ以上の人が集まっていた。日曜日の夕方で寒かったせいだろうか。SNSならではの議論になっているのかもしれない。
ノルウェー国営放送局NRKはデモを生中継し、大手新聞社やテレビ局も報道に駆け付けた。
「女性はそれくらいは我慢しなよ」という雰囲気はもう終わりにしよう。こういうことが起きていることは、みんな知っていた。「面倒だから、黙っていて」という空気。次の世代が同じことを経験しないように、こんなことはもうやめよう。
女性らは壇上で声をあげた。
今回の集会では、セクハラや性犯罪がどれだけ大きな社会問題かを認識するために開催された。
「若い人たちは、何がレイプか分かっていない。だから私たちは声に出す必要がある。#metooキャンペーンは、自分たちの体験を話しやすくしてくれた」。#metooは、SNSで育った世代だからこそできる、新しい「解放されたカルチャー」だと、スピーチをする女性たちは話した。
「女は大げさだという空気はもうたくさん。自分を責めるのはもうたくさん。私に触らないで、と私は叫び続ける」と話したのはコメディアンのソフィエ・フロイソーさん。
「ひとりじゃないのだと実感できれば、私たちは強くなれる。問題解決のために、政治家は対策をするべきだ」と性被害にあった人々を支える団体の広報ティーナ・スコートネスさんは声をあげる。
大きな拍手と応援の声を受けていたのは、声を震わせながら自身の体験を話したトゥルーデ・スメッストゥーエンさん。小学生の時に校内で警備員に何度もレイプされた。当時は相談しても学長などに信じてもらえなかったことがトラウマになったと語る。
現場には声を震わせながら自身の体験を話す人、聞いて泣く人の姿が目立った Photo: Asaki Abumi
ノルウェー映画監督団体のリーダーであるマリアンネ・クレーヴェンさんは、映画・テレビ業界ではこの問題は根深いと話す。
「フリーランサーや個人事業主ばかりで、夜間勤務が多く、他者との競争を迫られるこの業界では、特殊な人脈づくりをしなければいけない。力関係が顕著になるこの業界では、これからの若い人の被害を防ぐためにも、男女の労働賃金を平等にし、女性の割合をもっと増やすべき。文化大臣は行動すべきだ」と訴えた。
女性団体のパウリーネ・ヨステーンさんは、「これは、いつでも、どこでも、誰にでも起きること」だと話す。
ほかにも、「性被害は女性のせいではない。社会問題だとみんなで認識する必要がある。悪いのは女性ではない」、「どう対応するべきか、学校の教材に記されるべきだ」などの声が壇上にあがった女性たちからは聞かれた。
左派政党の青年部や、来年の予算案で補助金をカットされそうな女性支援団体は、ノルウェー政府や首相を批判。一方、首相が所属する保守党からは青年部の副リーダーも出席し、#metooキャンペーンを支持する声をあげた。


月9『民衆の敵』で篠原涼子が政治参加を呼びかけた演説が素晴らしい! でも、フジ上層部の圧力で放送延期に
 総選挙の投開票翌日10月23日にスタートした、フジテレビの月9ドラマ『民衆の敵〜世の中、おかしくないですか!?〜』。篠原涼子演じる40歳の子持ち主婦・佐藤智子がお金欲しさに市議会議員に立候補するという、政治を題材にしたドラマなのだが、前評判は「いかにもフジ的な荒唐無稽ストーリー、安易すぎる」「政治ネタなんて誰もドラマで見たがらない、大コケ必至」と散々だった。
 でも、23日に放送された第1話を見てみると、これが予想外におもしろかったのである。たしかに、ストーリーは荒唐無稽ではあるのだが、ディテールがリアリティを感じさせるし、何より現在の日本社会が抱える問題点や、政治と市民の意識の乖離など、本質を突くような描写がいくつも盛り込まれていたのだ。
 とくに素晴らしかったのが、篠原涼子の演説だ。同時に仕事をクビになった夫と2人きりで、手探りで選挙活動を始めた篠原。当然選挙カーもなくトラメガひとつで「安心して子育てできる街の……」などとテンプレの話をしていたのだが、そこに大きな選挙カーで、高橋一生演じるライバル候補・藤堂誠が元総理とともにやってくる。祖父は大臣、父も兄も国会議員で、大学院で政治を学び、コロンビア大学にも留学という華々しい経歴の高橋一生を、元総理は「生まれながらの政治家」「政治家に生まれるべくして生まれたのが、この藤堂誠くん」と応援演説する。
 それを聴いていた篠原は、テンプレのメモを捨て、地べたからトラメガでこんな演説をぶつのだ。
「わたしは、高校中退です。父親はギャンブル狂いで、母親は男にだらしないホステス。生まれるべくして生まれた、高校中退です。だから、17のときから、必死でがんばって働いてきました。もちろんグレそうになったときもありましたけど、それでも、しあわせになりたい、って。
 で、結婚して、子どもも生まれて、やっとしあわせになれました。時給950円のしあわせなんだって。うちの息子、卵焼きをステーキだと思って食べてるんです。
 上を見ちゃダメ、下を見てればしあわせなんだって、ずっとそう思って生きてきました。でも、もうヤだ! 
 だって、それって、本当にしあわせなんですか? ずっと、ずうっと、ふざけんな!って思ってたんです。
 だって、おかしくないですか? 生まれた時点で自分の人生決まっちゃうなんて、おかしくないですか? 時給950円の生活も知らない奴らが、市民のしあわせ、語るな! 自己責任? ワケわかんない! 卵焼きはどうがんばったってステーキじゃないんだよ。
 本物のステーキが食べたい!!! 誰にだって、ステーキ食べられる権利、ありますよね? あるでしょう、あるんです!
 だから、しあわせなフリは止めて、本当の、本当に、しあわせになりましょうよ!」
「誰にだってステーキ食べられる権利、ありますよね」
 本物のステーキが食べたい! ステーキを食べる権利は誰にだってある! これって、要するに憲法25条の「すべて国民は健康的で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」のことだ。
 生きる最低限の衣食住ではなくて、ほんの少しの贅沢。この演説に対し「働かないヤツには、ステーキ食べる権利、ねーよ」と批判する声もネットではあったし、たぶん生活保護受給者がステーキ食べたいと言ったら「贅沢だ」などとバッシングされるのかもしれない。
 家族が仲良しで、卵焼きをステーキと想像して食べることの豊かさももちろん、ある。だけど、ステーキくらい食べる権利は、誰にだってある。自分も、やっぱり本当は、本物のステーキが食べたい。現実を受け入れて、仕方ないとあきらめて、これでしあわせなんだと思い込むのは止めよう。「しあわせなフリはやめて、本当のしあわせになろう」と篠原涼子は呼びかけるのだ。
 この演説を通りがかりにたまたま聴いた、石田ゆり子演じる保育園のママ友・平田和美は、この篠原の演説に心動かされ、選挙活動を応援させてほしいと協力を申し出る。
 石田ゆり子は、新聞記者で政治部経験もあったのだが、産休から復帰後は、閑職にとばされてしまっていた。
「ヒドいけど、仕方ないの。いまの社会がそうなんだから、って納得しちゃってたの。でも、納得しちゃいけないんだよね。智子さんの演説きいて、そう思ったよ。『しあわせなフリは止めて、本当の本当にしあわせになりましょう』って」
「わたし家のなかとかめちゃくちゃなの、いまの仕事もやりがいのあるものじゃないし。でも、こんな世の中だからってあきらめて、しあわせなフリをしてたの。ねえ、智子さん、自分ががんばってもどうしようもないことって多いじゃない? それをなんとかするのが政治家だって思うの。だから、みんな期待してるのよ、あなたに」
 そうして、ママ友たちを中心に篠原を応援する輪はどんどん広がり、最初は「中卒で政治家なんかできるの」とバカにしていたママ友も協力するようになる。そして、最下位繰り上げながら当選し、見事市議会議員になる、というところで第1話は終わる。
上層部のツルの一声で、第一回の放送が総選挙後に
 政治の知識も経験もない主婦が市議会議員に立候補し当選するなんて現実にはあり得ない、ご都合主義と展開を批判する声もあるし、そういう雑な部分もある。それでも、あの演説をしてそれがSNSで拡散すれば、当選だって十分あり得る話だと思わせられるくらい、篠原の演説は胸を打つものだった。視聴者にとってもこの演説を聞くだけでも、初回を観る価値はあったといえるだろう。
 しかし、そう考えると、返す返すも残念なのは、このドラマの放送開始がずらされしまったことだ。すでに報道されているように、この『民衆の敵』は当初、10月16 日にスタートすることになっていた。ところが、突然の解散によって、10月10日公示、22日投開票で、総選挙が行われることになったため、1週遅れの23日スタートに変更になったのだ。
 たしかに、16日初回放送だと、選挙戦のまっただなかになる。しかし『民衆の敵』は政治ドラマとはいっても、ノンフィクションでもなければ、実在の政治家や政党をモデルにしたようなストーリーですらない。これは明らかに過剰な自主規制だろう。
「制作現場はもちろん、編成も当初はそのまま16日に放送するつもりだったようですが、上層部のツルの一声で選挙期間中を避けることが決まったようです。制作現場は、回数にも影響するので抵抗したらしいんですが、“公選法違反と言われたらどうするんだ!”という恫喝で押し切られてしまったらしい」(フジテレビ関係者)  
 まったくなにを言っているのだろう。前述したように、このドラマは(少なくとも初回については)、特定の政治勢力や政策にくみするものでなく、普段、政治に関心のない人たちに政治への参加意識を喚起するものだった。もし、この政治ドラマが予定通り、16日にきちんと放送されれば、投票率があがった可能性もある。
 国民の政治参加啓発のための大きなチャンスを過剰な忖度でみすみす葬り去ってしまうのだから、フジの上層部こそ、民主主義の敵ではないか。
 しかし、そう考えると、初回、素晴らしい内容だったこの『民衆の敵』だが、その今後には、大きな暗雲が漂っているともいえる。
 最近、「フジ月9「民衆の敵」での“安倍総理をバカにする”演出に批判殺到!」などという、いちゃもんとしか思えないネット記事が出ていたが、このドラマがまっとうなメッセージを届けようとしても、ものように安倍応援団やネトウヨたちが「偏向だ」と騒ぎ、上層部が忖度して内容が歪められる可能性が考えられるからだ。
 いやそれどころか、視聴率も初回9パーセンとふるっていないし、もしかしたら、月9としてありえない途中打ち切りという可能性もなくはないかもしれない。(本田コッペ)


森友への過剰値引き 衆院選前に近畿財務局が情報開示妨害
 安倍政権はやっぱり、選挙前に“疑惑隠し”を画策していた。選挙が終わった途端、森友学園への国有地払い下げの値引き額が最大6億円も過大だったとする会計検査院の試算結果が明らかになった。
 今年3月から始まった調査の内容が、衆院選後のタイミングで出てくるとは、いかにも不自然。隠蔽のにおいが漂うが、実はある専門家も選挙前に、土地の売却主の「近畿財務局」に対し証拠文書の開示請求を求めたところ、“妨害工作”の憂き目に遭っていた。
 政治資金に詳しい神戸学院大の上脇博之教授が9月15日、近畿財務局に〈財務局と森友学園との面談、交渉記録〉など計15項目の開示を求めた。
 ところが、10月6日。衆院解散から約1週間後に財務局は、上脇教授に〈開示請求文書を特定するに足りる事項の記載が不十分〉として「補正」を要求。要は「どの資料が欲しいか分からないから、請求文書を書き直せ」と居丈高に迫ったわけだ。
■嫌がらせの「逆質問」が19項目
 異例の補正要求の内容も、ほぼ「難癖」に近い。例えば、上脇教授の〈森友学園側の担当者からの地中埋設物が存在したとして提出された文書〉との請求に、財務局は〈文書の提出先の行政機関を明記してください〉〈担当者(が誰)であるか不明確〉〈『森友学園側』の『側』がどのような内容を意味するのか不明確〉と、嫌がらせのような“逆質問”を全19項目にわたり展開している。上脇教授はこう言う。
「そもそも、国民側は政府がどんな情報を持っているのか、詳細には把握しようがありません。こちら側の請求が不十分で、資料を特定できないのであれば、どういった資料があるのかを事前に示すべきです。以前、別の政府機関に開示請求した際は、『○○局に××関連の文書や△△関連の文書が存在しますが、どれにしましょう』と助言してきたくらいです。嫌がらせのような要求を受けたのは、今回が初めて。“忖度”なのか“圧力”なのか分かりませんが、選挙前に疑惑が噴出することを防ごうとしたのではないでしょうか」
 安倍首相が約束した「丁寧な説明」は、いまだ果たされていない。それどころか、年明けの通常国会まで事実上の審議を半年以上もストップさせる構えだ。これ以上の“疑惑隠し”はとても許されない。


ゼミ入れず 学生が救済申し立て
京都市にある龍谷大学の経営学部の学生たちが、教員の不足などからゼミに入ることができず、学習する権利を侵害されているとして、30日、弁護士会に人権救済の申し立てを行いました。
申し立てを行ったのは、龍谷大学経営学部の学生や教員の有志でつくるグループです。
申立書などによりますと、経営学部では2年生の後期に学生たちが入るゼミが25必要ですが、実際には、教員の不足などから17しかない状況です。
今年度は2年生でおよそ80人、率にして15%ほどがゼミに入れない、いわゆる「未ゼミ生」になっているということです。
こうした状況は、数年前から続いていて、学生たちはことし6月に327人分の署名を添えて大学側に改善を求めましたが、正式な回答は届いていないということです。
このため、大学が適切な措置をとらず学習する権利を侵害されているとして、30日、京都弁護士会に人権救済の申し立てを行いました。
申し立てを行った経営学部2年生の葛城輝さん(19)は「私はゼミに入れたが友達には入れずに無気力になっている人もいる。ゼミに入らないと卒業論文も出せず就職に影響するともきいている。同じ学費を払っているのに差があるのはおかしいし、大学は一刻も早く改善してほしい」と話しています。
一方、龍谷大学はNHKの取材に対して「申立書を見ていないので回答できない」と話しています。


近畿地方で木枯らし1号
台風22号から変わった低気圧の影響で、近畿地方は北寄りの風が強まり、気象台は「近畿地方で木枯らし1号が吹いた」と発表しました。
30日は広い範囲で風が強く、波の高い状態が続くため、気象台が注意を呼びかけています。
大阪管区気象台によりますと、29日、近畿地方に接近した台風22号は東北の沖合で低気圧に変わり、大陸からは高気圧が張り出していて、30日の日本付近は西高東低の冬型の気圧配置となっています。
この影響で、近畿地方は北寄りの風が強まり、午前11時までの各地の最大瞬間風速は、▽神戸市で20.7メートル、▽和歌山市で17.6メートル、▽京都市で17.1メートル、▽大津市で16.4メートル、▽奈良市で13メートル、▽大阪市で12.6メートル、などとなっています。
このため、気象台は30日午前11時、「近畿地方で木枯らし1号が吹いた」と発表しました。
近畿地方の「木枯らし1号」は去年と比べて、1日遅いということです。
30日は近畿地方の広い範囲で風が強く、沿岸部では波の高い状態が続くため、気象台は強風や高波に注意するよう呼びかけています。

疲れがたまっていて部屋でだらだらテレビ

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Une survivante d'Hiroshima acceptera le Nobel de la Paix pour l'ICAN
Setsuko Thurlow n'avait que 13 ans lorsque la première bombe nucléaire de l'histoire a été larguée sur sa ville d'Hiroshima le 6 août 1945, à un kilomètre et demi de l'endroit où elle se trouvait. Plus de 62 ans après cet horrible jour, elle se rendra en décembre à Oslo pour accepter le prix Nobel de la Paix, au nom de la lauréate de cette année, la Campagne internationale pour l'abolition des armes nucléaires (ICAN), une organisation dont elle est l'ambassadrice.
"Je me souviens d'un éclat de lumière bleuté. Mon corps a été soufflé dans les airs, je me souviens de cette sensation de flotter", raconte-t-elle à l'AFP. Elle s'est soudainement retrouvée coincée sous des décombres, avec des dizaines d'autres personnes, jusqu'à ce qu'un inconnu l'aide à s'en sortir. "La ville que j'ai vue était indescriptible", se remémore-elle. "Je n'étais qu'une lycéenne de 13 ans, et je venais de voir ma ville détruite. C'était devenu une ville morte."
Un étrange silence pesait sur la ville, la poussière ayant fait disparaître le soleil matinal d'une belle journée d'été. "Personne ne criait, personne ne courait. Les survivants n'en avaient pas la force physique ou mentale. Tout au plus étaient-ils capables de quémander de l'eau d'une voix à peine audible." L'explosion nucléaire d'Hiroshima a tué environ 140.000 personnes et celle de Nagasaki, trois jours plus tard, 80.000 autres.
- 'Souvenirs douloureux' -
Setsuko Thurlow a désormais 85 ans et vit au Canada. Elle raconte son histoire à qui veut l'entendre, tant aux écoliers qu'aux plus hauts diplomates, dans l'espoir de les sensibiliser aux horreurs de la guerre nucléaire et de freiner la prolifération des armes de destruction massive. Cette Canadienne d'origine japonaise s'est faite ambassadrice de la campagne internationale depuis son lancement en 2007, jouant un rôle majeur dans les négociations qui ont mené l'ONU en juillet à adopter un traité posant pour la première fois l'interdiction de l'arme atomique.
"Je rappelle continuellement ces souvenirs douloureux, pour que les gens qui n'ont jamais vécu une telle dévastation puissent comprendre (...), pour qu'ensemble, nous puissions empêcher que cela se reproduise un jour", explique-t-elle. L'état du monde actuel ne rassure pas cette femme qui n'a cessé de dénoncer la prolifération des armes nucléaires depuis la Seconde guerre mondiale. "Le monde est un endroit bien plus dangereux aujourd'hui", estime-t-elle.
Fustigeant les joutes verbales entre le président américain Donald Trump et le leader de la Corée du Nord Kim Jong-Un, elle critique par ailleurs le Premier ministre canadien Justin Trudeau pour ne pas avoir signé le traité adopté à l'ONU. Pour elle, la situation dans la péninsule coréenne "est très effrayante, particulièrement pour quelqu'un comme (elle), qui a vécu le premier bombardement atomique". "Je suis très inquiète. (...) Je suis très préoccupée", insiste-t-elle.
L'octogénaire presse les citoyens partout dans le monde à s'impliquer pour contrer la prolifération des armes nucléaires. "Nous devons tous faire notre part, il ne faut surtout pas laisser cela aux seuls survivants de Hiroshima et de Nagasaki, eux dont les souvenirs s'estompent". "Aucun autre être humain ne devrait jamais avoir à vivre la violence des armes nucléaires. Plus jamais."
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テレメンタリー 「果てなき家路 〜戦後72年・進まぬ遺骨収集〜」
福岡県の三原光さん(78)は父が戦死した太平洋戦争の激戦地ミャンマーで父の遺骨を探している。太平洋戦争の終結から72年以上たった今も国内外には約113万人もの戦没者の遺骨が埋もれたままだ。去年、遺骨収集を初めて「国の責務」と定めた法律が成立、遺族のもとに遺骨が還ってくると期待が高まった。しかしその実情は法の目指すところからかけ離れていた。なぜ遺骨は家族のもとへ還されないのか。遺骨収集の現状と課題を探る。 沢田幸二(KBCアナウンサー) 九州朝日放送
サイエンスZERO「自動車までできる すごいぞ!タフポリマー」
タフポリマーと呼ばれる新素材が誕生。プラスチックなどに代表される高分子で出来た物質だが、強い衝撃でも壊れず、切ってもすぐにくっつくなど、常識破りの性質をもつ。強さとしなやかさ、そして軽さを兼ね備えることから、さまざまな工業製品への応用が模索される中、ほとんど全ての部品をタフポリマーに置き換えた電気自動車の開発が進んでいる。タフポリマーはいかにして生まれたのか?驚異の性質とは?その正体に迫る。【ゲスト】東京大学 教授…伊藤耕三,【キャスター】南沢奈央,竹内薫,【語り】土田大
ハートネットTV「増え続ける女子受刑者▽女子刑務所の日常に密着」
この20年で2.5倍に増えた女子受刑者。罪を繰り返す女性も多い。彼女たちの背景や思い、更生を信じ受刑者と向き合う女性刑務官の姿など、女子刑務所の日常を見つめる。
ハートネットTV「密かに産まれる命〜女子刑務所 出産・育児は…〜」
産まれて数時間で母親と引き離され、ひょっとしたらずっと、会えない。全国の女子刑務所で、受刑中の母から産まれた子どもたちの知られざる運命だ。毎年約20人。法的には最大1年6か月まで所内での子育てが認められているが、実践例は近年ほぼ皆無。過剰収容などで手が回らないためだ。母親の心身ケアや子どもの最善の利益を考え法務省は勉強会を設置、新たな取り組みを始めた。今、何が求められているのか専門家とともに考える
明日へ つなげよう ふるさとグングン!▽商店街ににぎわいを〜埼玉加須市騎西地区
シャッターと空き地が目立ち、厳しい状況にある商店街が、一念発起、地域づくりの達人と共に、にぎわいを取り戻そうと動き出す。達人は、埼玉県・秩父みやのかわ商店街の島田憲一さん。全国で商店街が衰退する中、「空き店舗ゼロ」を実現してきた。この先進地の秩父を、困っている商店街の店主たちが視察。再生のための秘策を練って、商店街の空き地を使い、温かい手作りのイベントを開催する。果たして、お客さんは集まるか? 永島敏行,ぺこ,りゅうちぇる,秩父みやのかわ商店街 元理事長…島田憲一, 山本哲也
テレメンタリー 「牛に恋する女子高生 〜汗と泥と糞にまみれて〜」
鹿児島県立市来農芸高校で「畜産部」に青春をかける高校生たち。エサやりや牛舎の掃除、トレーニングなど、牛の世話に汗をかき、泥や糞にまみれ、より良い牛を育てることに全力を燃やす。今年は5年に1度の「和牛オリンピック」=全国和牛能力共進会が開催され、特別に“高校の部”が設けられた。牛への愛情に目覚めた益山寧々さんも全国の頂点を目指す1人。部活動を通して牛を育てていくことの現実や命との向き合い方を知る。 上白石萌音 鹿児島放送
第26回FNSドキュメンタリー大賞 ノミネート作品 私は私を全うする〜佐々木ばあちゃんの熊本地震〜
2016年4月14日、熊本地震で震度7を観測した熊本県の益城町。発生の2時間後、激震地に入ったカメラは、倒壊した家屋から脱出した佐々木君代さん(84)の声を拾います。「私が死ぬばよかった」。その後、町の避難所に身を寄せたものの、地震から約1カ月で佐々木さんは全壊した自宅にテントを建てて暮らし始め、「必ず、この地で家を再建する」と誓います。一人暮らしの女性が我が家を再建するまでの姿をつづります。
2016年4月14日午後9時26分、熊本地震の前震により震度7を観測した熊本県の益城町。発生の2時間後、激震地に入ったカメラは町の中心部・木山地区に入ります。折り重なる倒壊家屋。町内各所で下敷きとなった住民の救出作業が続けられる中、カメラマンは倒壊した家屋から脱出した高齢女性の声を拾いました。「どういう状況ですか?」、「わかりません」そう答えた声の主は、近所の人に貸してもらったレインコートに身を包んだ佐々木君代さん(当時83)。
21年前に夫を亡くし一人暮らしの佐々木さんは、自宅の一部を借家にしていました。当時、その借家の中に30代の女性が生き埋めとなり、佐々木さんは救出作業をぼう然と見守っていました。佐々木さんは周囲の人に「私が死ぬばよかった」と漏らしました。前震から28時間後、自宅はさらに崩れ、佐々木さんは町の避難所に身を寄せました。
しかし、地震から約1カ月後、佐々木さんは体育館の避難所を出てしまいます。「避難所で感じる孤独に耐えきれなかった」と言います。「これからは自分の力量で生きて見せる」と、全壊した自宅前の駐車場に廃材などを使ったテントを建てて暮らし始めたのです。猛暑が近付く中、佐々木さんは自分に言い聞かせるように誓いました。「必ず、この地で家を再建する。私は、私を全うする」と。その後、ボランティア団体が用意したトレーラーハウスでの生活を経て、地震から4カ月後にようやく仮設団地へと入居したものの、集会所での交流会などには参加せず、仮設にこもる日々が続きました。それでも「必ず、家を再建して戻る」という希望だけは失いませんでした。
熊本地震発生から1年。避難所、テント、トレーラーハウス、仮設住宅から我が家を再建する決断、一人で生きていくことへの不安。その一言一言にたくましさや生きることへの執念。生きることをあきらめない。生きた証をこの地に残したい。ちょっと頑固で、寂しがり屋の84歳。佐々木ばあちゃんの歩みを記録しました。
コメント ディレクター・熊本竜太(テレビ熊本報道部)
「“廃材とかで作ったテントで暮らしているおばあちゃんがいる”。地震後、連日のように益城町を取材で歩いていた私が、他の記者からそんな話を耳にしたのは、地震から1カ月後のことでした。テントの中にいたのは、地震直後、救出現場でぼう然と立ち尽くしていた佐々木さんでした。にらみつけるような視線。人をよせつけないオーラ。自宅のすぐそばに避難所があるのになぜ?益城町に取材に行く度にテントをのぞきに行き、旦那さんとの思い出話など少しずつ話をしてくれるようになりました。口癖は“熊本君、子供はたくさん作っときなさい”。
熊本地震から1年が経ち、被災地にはようやく槌音が響きはじめています。そんな中、更地の中にぽつんと立った小さな平屋が、佐々木さんの家です。復興の歩幅はそれぞれ違い、もちろん、再建をあきらめた被災者もたくさんいます。復興の先頭を走る人、最後尾の人を取材する中で出会った、ちょっと頑固でたくましいおばあちゃんの物語です」

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「所さん、お届けモノで〜す!」と、最新宅配BOX型ロボット「ハコロボ・タナカ」から様々な箱が届きます!「所さんにぜひ見てほしい!」と、アツい思いを持つ送り主から届けられた箱の中には“誰かのため”“何かのため”になる世の中をよくする「モノ」が…。 箱を開けた先に待っている驚きと感動の物語をお楽しみください!

これでわかった!世界のいま ▽独立や右傾化はなぜ? 欧州の異変を徹底分析
欧州では移民反対を掲げる「右派」政党の躍進が続いている。さらにスペインのカタルーニャ州は一方的に独立を宣言。2度の大戦を経て統合した欧州はどこに向かうのか。 小林綾子, 坂下千里子,芳川隆一
バリバラ「ココがズレてる健常者2(完全版)」(後編)
障害者のモノマネ、できますか?お笑い芸人はカミングアウトすべき?究極の質問をぶつけ合う本音のトークバトルの後半戦、MZK(最もズレてる健常者)に選ばれたのは?
今年8月に放送し話題をよんだ特別番組「ココがズレてる健常者2(ココズレ2)」完全版の後編。「マネする?マネしない?親子で比べる社会実験」では驚きの結果が!司会の鈴木おさむさんも、自らの体験をもとに発達障害についてのシチュエーションクイズを出題。そして最後に障害者100人が、タレント7人の中から「MZK=最もズレてる健常者」を選出!果たして投票の結果は…? カンニング竹山,土田晃之,FUJIWARA,千秋,菊地亜美,岩井勇気,栗原類, 鈴木おさむ,有働由美子, 玉木幸則, 神戸浩,中矢由紀

原発再稼働で日本は終わる‏ @kinmiraixx
覚えておこうね。
チェルノブイリ原発事故では、
危険区域の家畜やペットも、
「国の財産」として殺されることなく避難させられた。
住民も避難させられた。
福島原発事故では、
危険区域にいたペット2万4千頭と、家畜64万頭は
「国のお荷物」として見捨てられた。
人間も・・

三宅雪子‏@miyake_yukiko35
枝野さんスピーチ。「みんなで豊かになろう」「みんなで幸せになろう」 それまで「痛みをわかちあう」という言葉が当たり前のように政治家の口から出ていました。これは大間違い。政治家の役目は「国民の痛みをなくすこと」です。「痛みをを分かち合う」はそもそも考えとして間違っています。
黒川敦彦@モリカケ共同追及プロジェクト‏ @democracymonst
11月10日、文部大臣の答申を持って加計学園が認可されると見られています。安倍総理は追及を恐れて国会も開かないようです。でも認可されたらいつまでも追及され続けます。12月20日には今治市での住民訴訟も始まります。例え認可されても第二幕になるだけで安倍総理vs市民の戦いは続きます。
兵頭正俊‏ @hyodo_masatoshi
加計の獣医学部新設を認可したところで、生徒が集まるのですかね。高校の担任や進路指導部はまず勧めませんよね。他府県からくる生徒はよほどの低学力か物好きでしょう。この学部には、今後も延々と税金が注ぎ込まれると思います。本当に疫病神。
想田和弘‏ @KazuhiroSoda
与党はすでに両院で圧倒的多数を占めているので、どんなにひどい法案だろうが、国会で野党から批判され問題点がどれだけあぶりだされようが、通すことはできるしこれまで実際に通してきたんですよ。その上今度は野党の質問時間さえ奪おうとしている。国会は確実に単なる内閣の追認機関になり死にます。
太田昌国‏ @OTAMASAKUNI
JFK暗殺に関わる公文書の公開で、CIAのフィデル・カストロ暗殺計画の内容が次々と明らかに。以前からも漏れこぼれていた「事実」ではあるが。病原菌を仕込んだダイビングスーツ、爆薬を込めた貝殻…など。いずこの国家権力も、やるとなったらここまでやるかという「普遍の」教訓を学ぶしかない。
Tad‏ @CybershotTad
神保哲生さん「小選挙区制が導入されるまで投票率は70%以上あった。この制度になってから突然下がっている。色々な分析があるが一つは、多くの選挙区で勝ちがハッキリしているから行ってもしょうがないと。民主党誕生時の選挙は行けば変わるかもしれないという期待があり、投票率が高かった」

日曜日ですが,疲れがたまっていてどこにも出かける気になりません.台風が来て雨だということもありますし.テレビを見てのんびり過ごしました.

震災教訓1000年先まで 中学生ら制作「津波の教え石」完成
 東日本大震災で被災した宮城県石巻市荻浜地区に、震災の犠牲者を悼み、教訓を後世に伝えようと荻浜中の生徒らが制作した石碑「津波の教え石」が完成し、28日、現地で除幕式が開かれた。出席した住民ら約70人は、津波被害を繰り返さない決意を新たにした。
 教え石は幅1.8メートル、高さ1.5メートルの御影石で「忘れぬ命 明日へ繋(つな)ぐ」と大書された。生徒らがデザインや文言を考案し、住民らの投票で4案から一つを決定。正方形の石碑に記したほかの3案とともに、荻浜支所・公民館の複合施設が整備される高台の一角に設置した。
 生徒会長の3年柳橋慶侍さん(15)は「子どもや孫に震災の記憶を伝えるのが僕たちの義務。1000年先の子孫まで教訓を引き継ぎたい」と力を込める。
 荻浜地区は震災で331世帯のうち232世帯が全壊・流出し、27人が犠牲になった。建立を提案した同地区行政委員連合会の亀山秀雄会長は「古くから津波による悲劇が繰り返されてきたが、時がたつと忘れられてしまう。二度と犠牲者を出さぬよう語り継いでいきたい」と話した。


<気仙沼大島大橋>命の橋、夢のようだ 見学会に予想を上回る島民
 気仙沼市の離島・大島と本土を結ぶ気仙沼大島大橋(長さ356メートル)で28日、住民向けの見学会があった。半世紀にわたって橋の完成を願い続けた島民の関心は高く、予想を100人近く上回る320人が見学会に参加した。
 東日本大震災で、大島は船舶や船着き場が流されて孤立状態となった。島に暮らし続ける村上敏さん(79)は「命の橋がつながった。夢のようだ」と感慨深げに語った。


<気仙沼大島大橋>つながる喜び かみしめ一歩 島民向けに見学会
 3月に架設された気仙沼市の離島・大島と本土を結ぶ気仙沼大島大橋(長さ356メートル)で28日、島民らを対象に初めての見学会があった。長年の悲願だった「希望の架け橋」の完成を待ちわびた島民は、歩いて本土に渡る喜びをかみしめた。
 見学会は事業主体の宮城県が主催し、島民約320人を含む約400人が参加。舗装前の路面を歩きながらアーチ部分の写真を撮ったり、橋の上から唐桑半島を眺めたりしていた。
 架橋事業は東日本大震災からの復興事業に位置付けられる。県は橋桁の中に水道管や電気回線などを通す工事を進め、2019年3月までの完成を目指す。島民でつくる大島架橋促進協議会の小松武会長(42)は「島と本土がつながる実感が湧いてきた。非常に感慨深い」と話していた。


閖上の未来思い描く 住民ら復興工事現場見学
 東日本大震災で被災した宮城県名取市閖上地区で28日、市が進める土地区画整理事業の住民向け見学会があり、2019年3月オープン予定の店舗併設型交流スペース「にぎわい拠点エリア」と、18年4月に小中一貫校として開校する閖上小中の工事現場が公開された。
 市職員は、にぎわい拠点エリアは名取川沿いに飲食店などが集積すること、閖上小中の校舎が防災拠点となるよう造られていることなどを説明。参加した市民約40人は、新たに生まれ変わる閖上地区を思い描きながら見て回った。
 閖上地区まちづくり協議会の針生勉代表世話役は「ハードの復興は目に見えて進んだが、『仏作って魂入れず』とならないよう、行政も住民も知恵を絞っていく必要がある」と話した。
 土地区画整理事業は19年12月の完了を見込む。対象地約57ヘクタールのうち海側の約32ヘクタールは海抜約5メートルにかさ上げされる計画で、土砂の搬入は9割が終わった。
 見学会は一人でも多くの市民らに閖上地区に住んでもらおうと、市が15年から年1回開いている。


<あなたに伝えたい>12月も1人増え孫は6人に
◎佐々木一徳さん(宮城県南三陸町)トシエさんへ
 一徳さん 家族を思いやる優しい妻でした。誕生日に「好きなものを買って」とお金を渡しても、「家族で外食する時に使う」と言って取っておくような人。立ち仕事で足腰が痛くても、孫を膝に乗せてご飯を食べるのが好きでした。
 結婚して長女が生まれた後、私は約20年間、関東に出稼ぎに出ていたので、家のことは任せきり。本当に苦労を掛けたな。落ち着いたら2人で沖縄旅行に出掛けたかったよ。
 子どもの意思を尊重して4人を立派に育て、友達のような親子関係でした。子どもたちは実家を出た今も町内に住み、私を支えてくれています。全部、あなたのおかげです。
 震災の当日、あなたは南三陸町志津川にあるスーパー「サンポート」の総菜屋で勤務中でした。翌日は一番下の中学3年だった次男の卒業式。「やっと2人そろって出席できる」と楽しみにしていました。
 行方不明になって以降、おなかをすかせていると思い、リュックに乾パンとジュースを詰めて毎日、避難所から捜しに出ました。無事を祈っていましたが、震災の翌月、自宅から近い新井田川で見つかりました。
 あなたを亡くし、「生きている意味がない」と落ち込みました。体重は25キロ減りました。でも孫たちの笑顔に救われて、ここまでやってこられました。
 震災から6年半で孫が2人から5人に増え、12月にはもう1人加わります。天国でさぞ喜んでいるでしょう。これからも家族を見守ってください。
◎孫を膝に乗せての食事が好きだった妻
 佐々木トシエさん=当時(54)= 宮城県南三陸町志津川に夫一徳さん(59)と所帯を構え、男女4人の子に恵まれた。東日本大震災時は一徳さん、長女夫婦と孫、次男と6人暮らしだった。志津川地区中心部の勤務先から車で自宅へ向かう途中、津波に襲われたとみられる。


被災の多賀城宮内地区でまち開き
東日本大震災の津波で大きな被害を受けた多賀城市の宮内地区で、宅地の造成工事が終わり、29日、まち開きを祝う式典が行われました。
多賀城市の宮内地区は、東日本大震災で4メートルを超える津波に襲われ、ほとんどの住宅が壊れたほか、犠牲者も相次ぎ、大きな被害を受けました。
市は、地区のおよそ7ヘクタールで最大2メートルのかさ上げを行うなどして宅地の造成工事を進めてきましたが、これまでに終わり、29日、まち開きを祝う式典が行われました。
式典には、住民などおよそ140人が出席し、多賀城市の菊地健次郎市長が「この地区は市内で最も壊滅的な被害を受けたが、全国からの支援をうけ、やっと復興が目に見えてきた」とあいさつしました。
このあと、出席者で記念の植樹や写真撮影をして、地区の再出発を祝いました。
市によりますと、去年12月に地区に災害公営住宅が完成して50世帯が入居したほか、今後、完成した宅地で住宅の建設が進められ、125世帯が生活するようになるということです。
地区の住民の鎌田好雄さんは「震災から6年半以上たって、ようやく自分も復興に一区切りついたかなと思います。地区の住民と一緒になって、明るい街にしていきたい」と話していました。


<五輪霧中 大会理念を問う>(2)公平性の壁/復興途上 考慮されず
 2020年東京五輪は28日、同年7月24日の開幕まであと1000日となった。大会誘致時に掲げられた「復興五輪」は具体像が見えず、東日本大震災からの復興途上にある東北の被災地は大会への関心が盛り上がらない。政府、組織委員会、東京都は成功の道筋をどう描き、被災地は祭典に何を求めるのか。風化する復興五輪の意味を問う。(震災取材班)
◎自力でキャンプ誘致
 「宮城県、石巻市を代表して来た。要望をはねつけるのは非常に残念」
 8月22日、東京。村井嘉浩宮城県知事は、亀山紘石巻市長とともに落胆した。
 2020年東京五輪の聖火リレー出発地を東日本大震災の被災地石巻市に。2人は鈴木俊一五輪相と小池百合子東京都知事に相次いで要望した。だが、実際にリレーを企画する東京五輪・パラリンピック組織委員会は「公平性の観点からどの自治体とも会わない」。
 村井氏は「復興五輪」を運営する「仲間」と考えていた組織委の冷たい対応に戸惑った。被災地の思いが組織委に直接届かない。両者の隔たりは、事前キャンプ誘致からもうかがえる。
 「復興五輪」を掲げ、野球・ソフトボールは福島県、サッカーは宮城県で一部試合を行うことが決まったが、被災自治体のキャンプ誘致は既に頭打ち状態。被災地が広く競技に関わるには国際基準や法の壁、負担が大きいからだ。
<リスト入り難関>
 青森、岩手、宮城、福島の被災4県で誘致を表明したのは計32自治体。沿岸部を見渡すと、むつ、三沢、八戸、仙台、石巻、岩沼、いわきと楢葉(主体は日本サッカー協会と福島県)、相馬の計9市町にとどまり、岩手はない。
 キャンプ地は各国選手団が、組織委が作成した自治体リストから選ぶ。自治体がリスト入りを申請するには国際基準を満たす競技場を用意し、国際的な競技団体の審査を受ける必要がある。リスト公表後は、各自治体が自ら各選手団と交渉しなければならない。
 恒常的な人手不足が続く被災自治体の負担は大きく、沿岸で組織委のリストに掲載されたのは三沢市といわき市だけだ。
 相馬市はサッカーのキャンプ誘致を計画したが、施設が国際基準を満たさずリストにはない。施設改修は予算面で難しく、「市のホームページなどで海外に自力でPRするしかない」(市生涯学習課)。規格外でも来てくれる国・地域に、わずかな希望を託す。
<内陸自治体でも>
 被害が比較的小さい内陸の自治体も事情は同じだ。宮城県と県クレー射撃協会、同県村田町は町内の県クレー射撃場を五輪会場に誘致しようとしたが、2015年1月に断念。キャンプ誘致構想も立ち消えた。
 障壁は銃刀法。国外からの銃器持ち込みを禁じ、例外は国際大会で使う場合のみ。キャンプは対象外で、誘致するには五輪前に国際大会を開かなくてはならない。大会への銃器持ち込みも税関手続きは自治体が担う。「ハードルが高すぎる」と同協会幹部は嘆く。
 キャンプ誘致表明は全国で201自治体に上る。復興途上の自治体が、他の自治体と同じスタートラインに立てるよう支援は得られないか。組織委広報局は「それぞれの自治体が戦略を持って取り組むもの」と公平性を盾に距離を置く。


<高知むすび塾>「命自ら守る意識を」被災遺族ら講演、南海トラフへの備え呼び掛け
 防災・減災キャンペーン「いのちと地域を守る」に取り組む河北新報社は28日、高知新聞社との共催で「東日本大震災を忘れない〜被災体験を聞く会」を高知県安芸市で開いた。参加者約120人を前に岩手、宮城両県などの被災遺族ら4人が講演。悲しい犠牲を繰り返さないよう訴え、「南海トラフ巨大地震に備え、自分の命は自分で守る意識を高めてほしい」と呼び掛けた。
 石巻市の東北福祉大1年志野ほのかさん(18)は東松島市野蒜小6年だった震災時、祖父=当時(65)=が自分の帰りを待ったまま津波の犠牲になったと紹介。「津波からどう避難するかを家で話し合っていなかった。後悔は今も消えない」と無念の思いを話した。
 自宅のあった名取市閖上で両親を失った地域情報紙「閖上復興だより」編集長の格井直光さん(59)は、「地元には津波への用心を促す石碑があったが伝わらず、避難が遅れた。先人の教えを大切に伝承する必要がある」と強調した。
 宮古市田老の元田久美子さん(60)は、「万里の長城」と呼ばれた巨大防潮堤などを案内する被災地ガイド「学ぶ防災」の活動を報告。「防潮堤は避難の時間稼ぎには役に立つが、過信は禁物。『津波てんでんこ』の意識でとにかく逃げてほしい」と訴えた。
 安芸市出身で熊本県西原村の山岡縁(ゆかり)さん(42)も登壇した。熊本地震で自宅が半壊した経験に触れ、「激しい揺れで死ぬかと思った。揺れに対する備えも重要だ」と語った。
 講演した4人は、河北新報社と高知新聞社が安芸市で29日に開く防災ワークショップ「むすび塾」にも参加する。


衆院選後の国会 首相の謙虚さが試される
 11月1日に召集される特別国会の日程がいまだに決まらない。
 政府・与党は一定の審議には応じる方針だという。ただし、その一方で衆院選で大勝した自民党から、これまで野党に手厚くしてきた国会での質問時間の配分を見直して、野党の時間を減らす意見が出ている。
 安倍晋三首相は選挙後、「謙虚に」「真摯(しんし)に」との言葉を繰り返している。だが野党質問の削減は、およそそれとはかけ離れた姿勢だろう。こうした見直しには反対だ。
 特別国会について、自民党はこれまでトランプ米大統領の来日など外交日程が立て込んでいることなどを理由に、会期を8日までとする日程を野党側に示してきた。
 その場合、首相の所信表明演説も行わず、年内は臨時国会も開かない方針だったというから驚く。結局、野党からの批判を受け、審議には応じる判断に傾いたようだ。
 そもそも首相が先の臨時国会冒頭で衆院解散に踏み切ったのは、森友学園や加計学園問題の追及を避けるための疑惑隠しではないかと言われてきた。
 選挙中も両問題に対する首相の説明は論理のすり替えが目立ち、衆院選後は既にこの問題は決着したと言わんばかりの姿勢を示している。
 もちろん決着したとは到底言えない。また首相が「国難」と語る北朝鮮問題についても、現在の情勢を含めて、ほとんど政府は説明していない。これも自民党が大勝したから、省略していいという話ではない。
 それを考えれば、所信表明演説や各党代表質問だけでなく、予算委員会などを開き、山積している課題に対して与野党が腰を据えて議論をするのは当然だ。
 小泉純一郎政権時代の2005年には「郵政選挙」で自民党が圧勝した後、特別国会が42日開かれた例もある。今回も外交日程をこなす一方で、特別国会の日程を大幅に確保したり、改めて年内に臨時国会を開いたりするのは十分可能ではないか。
 国会の大きな役目は政府をチェックすることだ。従来、与党の質問は自画自賛型に陥りがちで、その役割を果たしているようには思えない。
 そうした与党の質問時間を増やすというのも、国会を軽んじる安倍首相や自民党の姿勢の表れだろう。


自民の国会対応 「説明」避けてはならぬ
 衆院選の勝利を受けた政府・自民党の国会対応が揺れている。
 特別国会を最小限の日程にとどめ、臨時国会も見送る方向に傾いたが、与党内からも批判を浴び、特別国会の延長などで審議に応じる姿勢を見せ始めた。
 当然である。安倍晋三首相自身が選挙後、学校法人森友学園や加計(かけ)学園を巡る一連の問題について「国会で質問されれば丁寧に答える」と述べているのだ。
 森友学園問題では新たな論点も浮上している。追及を避けるのではなく、国会で国民に説明を尽くすのが筋だ。
 政府・自民党は当初、トランプ米大統領の来日や首相のアジア太平洋経済協力会議(APEC)出席で日程が窮屈だとして、特別国会では審議をしない構えだった。
 だが、憲法に基づく臨時国会召集の要求を3カ月もたなざらしにしたあげく、解散で政治日程を窮屈にしたのは首相自身である。
 森友学園の問題では、会計検査院の調査で、国有地払い下げの際の値引き額が、最大6億円も過大だった可能性が浮上している。
 ところが政府側は調査結果がまだ公表されていないとして、国会での説明を先送りする意向をのぞかせる。これでは「丁寧な説明」を尽くす姿勢とは言えまい。
 首相は選挙期間中、森友学園前理事長の籠池泰典被告について、「詐欺を働く人物」だと断じ、妻の昭恵氏が名誉校長を引き受けたのも「こういう人だからだまされてしまった」のだと述べた。
 自らは被害者だと主張したいのであれば、進んで国会で疑念を晴らしてはどうか。
 例え直接の指示がなくとも、昭恵氏と学園との関係が政府内に忖度(そんたく)を招き、不当な値引きにつながったとすれば、政府機関に責任を押しつけて済む話ではない。
 気になるのは、追及する野党側の足元がおぼつかないことだ。
 民進党は衆院で、立憲民主党、希望の党、無所属に3分され、会派構成も定まらない。27日の民進党の両院議員総会では、前原誠司代表が辞意を表明して収拾を図ったが、国会対応に不安が残る。
 希望の党でも、小池百合子代表の進退を問う声が出て、役員の人選も迷走を続けている。
 だが野党内の駆け引きや内紛に気を取られている場合ではない。国会で巨大与党と対峙(たいじ)するための連携を急がねばならない。
 政権が「数の力」に寄りかかり、国会がそれをただす機能を失えば、それこそ「国難」である。


[核廃絶決議案]廃絶から遠のくばかり
 唯一の戦争被爆国として核廃絶を主張しながら、その一方で、「核の傘」にしがみつき、トランプ米政権にすり寄る−。
 核廃絶を巡る日本の「二重基準」(ダブル・スタンダード)が、国内外で厳しい批判にさらされている。
 日本が主導し、1994年から毎年提出してきた核兵器廃絶決議案が、国連総会の第1委員会で採択された。
 賛成144、反対4、棄権27。河野太郎外相は「幅広い国々の支持で採択された」との談話を発表したが、昨年の決議と比べ、賛成が23カ国減り、棄権も10カ国増えた。
 核兵器禁止条約を成立させた非核保有国や国際NGOなどからは、決議案への不信と不満が噴出した。
 国内においても、政府と被爆者の立場の隔たりが鮮明になってきた。
 決議案に対し、広島、長崎の被爆者からは「核廃絶は口先だけなのか」と失望と落胆の声が漏れる。
 核廃絶に象徴される平和外交の遺産を掘り崩しかねない事態が生じているのである。 最大の理由は、核兵器の非人道性を巡る表現が後退し、決議案が「まるで核保有国が出した決議のような印象」(田上富久長崎市長)を与えていることだ。
 昨年までは「核兵器のあらゆる使用」が「壊滅的な人道上の結末」をもたらす、と明記されていたが、今年の決議案から「あらゆる」が削除された。
 核使用も場合によっては許容される、と受け取られかねないような修正だ。
■    ■
 核兵器禁止条約は今年7月ニューヨークの国連本部で122カ国・地域の賛成で採択された。
 同条約には、核兵器の非人道性を身をもって訴え続けてきた被爆者の声と核廃絶を求める切実な願いが、込められている。
 条約の採択に力を尽くした核兵器廃絶国際キャンペーン「ICAN」は、ノーベル平和賞を受賞した。
 だが、日本政府は「核保有国と非核保有国の分断を深める」として核兵器禁止条約に反対し、今回の核廃絶決議案でも禁止条約のことには触れなかった。
 包括的核実験禁止条約(CTBT)の発効には米国など8カ国の批准が不可欠である。昨年の決議は8カ国の早期批准を強く求めていた。今回はCTBTの発効促進に関する表現もトーンダウンした。核戦力の強化に熱心なトランプ政権への配慮が働いた、とみられている。
■    ■
 米国のオバマ前大統領は政権末期、核の先制不使用を検討したといわれる。その動きにいち早く反応し、懸念を伝えたのは安倍政権である。
 今年8月、ワシントンで開かれた日米安全保障協議委員会でも、米国による「核の傘」の供与を再確認している。
 日本政府の政策の軸足は、北朝鮮情勢の影響で、「核軍縮」から「核の傘の強化」に明らかに変わりつつある。
 戦争被爆国として朝鮮危機にどう対処すべきか。「目には目を」「核には核を」の発想は、あまりにも危険だ。


国連委採択 核廃絶決議、賛成国は減少 抑止力前提 日本に反発
 【ニューヨーク=赤川肇】国連総会第一委員会(軍縮)で二十七日採択された日本主導の核兵器廃絶決議は、米国や昨年棄権の英仏の核保有国を含む百四十四カ国の賛成を得たが、七月に採択された核兵器禁止条約に触れず、核兵器の非人道性についての表現が後退しており、条約推進国を中心に昨年より十カ国多い二十七カ国が棄権に回った。昨年より賛成が二十三カ国減り、百五十カ国を下回ったのは二〇〇三年以来十四年ぶり。
 昨年と同じ中国、ロシア、北朝鮮、シリアの四カ国が反対。条約推進国のブラジル、ニュージーランドなど二十七カ国が棄権した。
 決議は核拡散防止条約(NPT)の重要性や強化を従来通り主張。北朝鮮の核・ミサイル開発を踏まえ、昨年より安全保障や核抑止力を重視する姿勢を明確にした。
 「核兵器の全面廃絶に向けた共同行動への決意」をうたった本文第一項では、昨年の「核兵器なき平和で安全な世界を目指して」との文言を削除。「国際的な緊張関係を緩和し、NPTで想定された国家間の信頼を強化し」と挿入した。
 百二十二カ国の賛成で採択された核兵器禁止条約を巡っては、日本や核保有国は不参加の立場。今回の決議でも核保有国の支持を優先して一切言及せず、新たに「核兵器のない世界の実現に向けたさまざまなアプローチに留意する」との一節を設けた。
 核兵器を非合法化する核兵器禁止条約が制定された中、核抑止力を前提にした決議に批判も相次いだ。昨年は共同提案国だったオーストリアのトーマス・ハイノツィ軍縮大使は「国際的な緊張関係を緩和」「国家間の信頼を強化」との文言が加わった決議を「核軍縮を後回しにする書きぶりだ」と日本の変節を疑問視した。
 日本の決議は今回で二十四年連続の採択。年内にも国連総会本会議で採決され正式な決議となる。
◆「唯一の被爆国」存在埋没
 日本主導で国連総会第一委員会(軍縮)で採択された核兵器廃絶決議案は、賛同国を昨年から二十三カ国減らした。核兵器を非合法化する核兵器禁止条約の採択や、同条約を推進した「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」のノーベル平和賞受賞で核廃絶の機運が高まる中、唯一の戦争被爆国の存在が埋没する皮肉な結果となった。 (大杉はるか)
 賛同国が減った背景には、核軍縮に対する日本の姿勢がある。外務省幹部は「『核兵器禁止条約は、核保有国と非保有国の溝を深めるから正しくない』という日本の主張に、イエスと言わない国が相当いる」と認める。
 同条約は、七月に百二十二カ国の賛成で採択された。核拡散防止条約(NPT)が、核兵器国に核軍縮交渉の努力を求めているにすぎず、削減が進まないとの不満が採択を後押しした。核保有国は「国際的な安全保障の現実を無視している。核抑止政策と相いれない」(米英仏の共同声明)などと不参加。米国の核抑止力に依存する日本も「核兵器国を巻き込まなければ意味がない」と参加を見送った。今回の決議案でも条約に直接触れていない。
 外務省幹部は「北朝鮮の核放棄が見込めない中(米国と)逆のことをやるのは、核なき世界の実現に資さない」と話す。北朝鮮の脅威を前に、安保と核軍縮を切り離せないとの説明だ。
 二十八日に出された河野太郎外相の談話では「全ての国が核軍縮の取り組みにコミット(関与)できる共通の基盤の提供を追求した」と決議案の意義を強調した。だが、賛同国が減ったことを考えると、日本の立場や主張が十分に理解されたとはいえない。核軍縮に向けて政府が目指す「核保有国と非保有国の橋渡し」の実現は、より困難になった。


茂木担当相 無償化「大学を限定」 対象基準を検討
 茂木敏充人づくり革命担当相は27日、大学など高等教育の無償化の対象となる学生の進学先を限定する方針を明らかにした。仕組みや基準は今後検討されるが、大学の差別化につながるとして、大学側などから反発も予想される。
大学側は反発も
 この日開かれた「人生100年時代構想会議」第2回会合の後の記者会見で茂木氏は、高等教育無償化の具体策である授業料免除や給付型奨学金の拡充の対象となる学生の進学先について「産業界から人材を受け入れるなど実社会で評価されている大学に限定すべきだ」と述べた。政府の担当者によると、講義の内容やガバナンス(統治)などが一定の基準に達していることなども考慮される可能性があるという。
 会合では、高等教育無償化の対象を低所得層に限定し、勉学に集中させるため生活費を支援することも確認したが、具体的な金額や基準などは今後、議論するという。
 一方、在学中は政府が授業料を全額負担し、卒業後に収入に応じて返済してもらうオーストラリアの高等教育拠出金制度「HECS(ヘックス)」をモデルとした「出世払い」方式の導入については、返済型奨学金の制度を見直す際に検討する。公明党が衆院選の公約に掲げ、安倍晋三首相が検討を表明した「私立高校の無償化」は議論されなかった。【伊澤拓也】


5試合出場停止のグリエルが声明「傷つけられた全ての人に謝罪する」
 27日(日本時間28日)に行われたワールドシリーズ第3戦でドジャースのダルビッシュ有投手(31)を差別する言動があったアストロズのユリエスキ・グリエル内野手(33)に対し、大リーグ機構のロブ・マンフレッド・コミッショナーは28日(同29日)に会見し、来季開幕から5試合出場停止などの処分を科すと発表した。
 グリエルは28日の第4戦にも「5番・一塁」で先発出場。球団を通じて「私の行為で傷つけられた全ての人に心から謝罪する。深く後悔している」との声明を出した。
 グリエルは2回、ドジャースのダルビッシュ有投手(31)から先制ソロを放ってベンチに戻った後、同僚に祝福されると両手の指で目を細くするアジア人を差別するしぐさを見せた。テレビ中継の映像で流れた。さらに、スペイン語で蔑称を口にしたとされる。


山尾さん、したたか戦略で劣勢覆す 高齢層逃さず政権批判票確保
 衆院選で全国的注目を集めた瀬戸市や日進市などの愛知7区。週刊誌に既婚男性との交際疑惑を報道されて民進を離党し、無所属となった山尾志桜里さん(43)が劣勢の予想を覆し、自民前職の鈴木淳司さん(59)との一騎打ちを八百三十四票差で制した。背景には自分の親世代の高齢層をつなぎとめる地道な活動と政権批判票を取り込むしたたかな戦略があった。
 「総理に立ち向かう議員として、引き続き役割を任せていただきたい」。山尾さんが街頭演説で好んで使った言葉だ。チラシや看板には「立ち向かう。」の文字が躍る。
 無所属で比例復活のない背水の陣。陣営は山尾さんに批判的な人にも「これで政治生命を絶つのはもったいない」と思ってもらう作戦を取った。小規模な集会を重ね、有権者とじっくり話せる時間も取り、疑惑には「やましいことはない」と言い続けた。
 周りを女性スタッフで固めて笑顔をふりまく姿に、相手の鈴木陣営を手伝う七十代の男性ですら「不倫なんかしてないと思う。たくさん回ってるし」と話すほど。
 投開票日に実施した本紙の出口調査によると、得票率で山尾さんは鈴木さんより六十代で17・8ポイント、七十代で22・8ポイント多く得た。後援会関係者は「この世代は自分の娘のようにみてくれているのでは」と話す。
 「オール野党対自民」の構図に持ち込めたのも勝因。山尾さんが無所属出馬を決めたことで、共産が候補擁立を見送った。別選挙区が地盤の民進前職が希望の党候補として出馬する話も浮上したが、調整の末に公認リストから消えた。
 非自民の労組票が多い選挙区で政権批判票の受け皿をつくった。待機児童問題や「共謀罪」の審議で政権に切り込んだ実績を強調。改憲問題も「総理の九条が成立すれば、この国の平和に対する姿勢が変わる」と共産票の取り込みを狙った。
 「重要なのはストーリー」。選挙戦の終盤、陣営スタッフが言った。出口調査で「加計(かけ)問題など首相の政治姿勢を重視する」と答えた人の八割は山尾さんに投票。「バッシングに負けず無所属で立ち、総理と戦う議員」というストーリーに野党支持層が反応し、支持政党のない層も六割以上を取り込んだ。
 誤算は、山尾さんがセールスポイントとする「教育、子育ての充実策」を重視する世代の半数を逃したこと。当選確実となった二十三日未明、山尾さんは「これほどお父さんお母さんの手を握った選挙は初めて」と語ったが、出口調査の得票率では鈴木さんに二十代で22・8ポイント、三十代で16・6ポイントの差をつけられた。
 どちらかに決められなかったとみられる白票も前回の二倍近い六千九百票。前回は山尾さんが約五千票差で勝っており、選対幹部は「山尾に失望した分が白票だったと思う。これから国会で自分の主張を出していけば離れた人も戻ってくるはず」と話す。(森若奈)


人生模様見える時間外窓口
 長崎市役所本館。裏口にある守衛室には、夜間や休日に市民の届け出を受け付ける「時間外窓口」がある。ここでは毎年約千件の婚姻届を受け付けており、開庁時間を含む総件数の半数近くを占めるという。どんな人が時間外窓口を利用するのだろう−。数日密着してみると、カップルのこだわりのほか、喜びだけではない人生模様も見えてきた。
 13日午前0時すぎ。本館裏口から緊張した面持ちの男女2人が入り、一枚の紙を窓口に差し出した。守衛室の男性職員から「おめでとうございます」と声を掛けられると、2人は笑顔を見せた。長崎市の前田廉さん(27)と綾子さん(27)は交際を始めた1年前の同じ時刻を選んで来庁。挙式はまだ先だが、「きょうはやっぱり特別な日ですね」と新婚の2人。職員にスマートフォンを渡し、婚姻届を手に写真を撮ってもらった。
 長崎市によると、2016年度に婚姻届を窓口で受理した総件数は約2200件で、うち時間外は約千件。中でもクリスマスの12月25日が24件、「いい夫婦の日」の11月22日が15件、七夕の7月7日が13件と多い。最近は大安と並ぶ吉日とされる「一粒万倍(いちりゅうまんばい)日」に訪れる若いカップルも目立ち、市の担当者は「提出日へのこだわりを感じる。男女とも仕事があるので結果的に時間外が増えるのではないか」とみている。
 婚姻届は全国の市町村で提出でき、沖縄などの有名観光地では旅先の思い出に出すケースがある。長崎市の時間外窓口の担当者も「大型連休中には旅行中のカップルも見ますよ」と話し、観光地のブランドも影響しているようだ。
 各自治体は法務省の規定に基づき時間外窓口を設置しているが、なぜ24時間で受け付ける必要があるのか。同省の担当者は「皆さんの希望に応じるためだと思いますが、その理由を聞かれても...」。
 そんな疑問に、窓口で出会った葬儀社の男性従業員が答えてくれた。「死亡届があるからじゃないかな。すぐに受理してもらわないと火葬ができないので私たちも困る」。長崎市が16年度に時間外で受理した死亡届は約2150件あり、婚姻届の2倍超。こちらがメインとも言える。
 時間外窓口では離婚届や出生届なども受け付けている。今年7月まで守衛室で8年間働いた元市職員の原孝幸さん(69)は窓口業務をこう振り返る。「たくさんの職員がいる通常の窓口とは異なり、時間外は主に一人で対応する。一人一人の人生に喜びや悲しみの節目があることを身に染みて感じる仕事でしたね」


民進党、希望の党の議員・党員は今こそ徹底的な議論を!
 総選挙が終わり、全体としては自民が引き続き2/3以上を得て圧勝、個別には立憲民主の小さな独り勝ちという結果になりました。
 「過半数を取る。」「名を捨て実を取る。」と言う勇ましいスローガンを掲げて、野党第一党の民進党が所属する党の議員・支部長を一切公認せず、党籍を離脱させて希望の党の公認で選挙をするという奇手で挑んだ希望の党、民進党は、過半数どころか公示前57議席を割り込む50議席の敗北に終わり、それぞれの党で執行部批判が吹き荒れています。
 これに対して、「両院議員総会で了承したのに前原氏を批判するのはおかしい。」「自分で政策協定書に署名した以上、政策に異を唱える資格はない。」という批判が寄せられていますが、私は、それらの批判は、少なくとも前原氏の決定に対しては、全く実態に即していないもので、民進党、希望の党の議員・党員は、今こそ、適正な批判を含む議論を徹底的に行うべきだと思います。
 「両院議員総会で了承した。」「政策協定書に署名した。」と言いますが、前原氏が、民進候補者が離党して希望の党の公認で闘うという奇手を発表したのは、総選挙の僅か12日前です。この時点で候補者の公認権は前原氏にあり、時間的に前原氏の解任、新代表の選任は不可能です。異を唱えたところで、異を唱えたものは公認されないだけ、党からの資金も無く、討ち死にどころか死に場所すらない状況に陥りかねません。この様な状況で、代表の打ち出した奇手に反対することは実質上不可能であり、前原氏はほぼ間違いなくそういった状況になることを意図的に狙ってこのタイミングに発表したものと思われます。
 いわば前原氏は、意図的に党所属議員・党員の議論・批判を封殺して自らの奇手を押し通したのですから、その封殺の効果が失した今、議論・批判が噴出するのは当然で、「両院総会で了承したはずだ。」などという「批判の批判」は全く当を得たものではないと私は思います(尚前原氏の名誉のために申し添えると、前原氏本人は、そのような「批判の批判」は行っていません。もとより民進党、希望の党に批判的であった方々が、民進党非難の理由に「批判の批判」を追加したように見受けられます。)。
 一方で「排除という言葉がきつかった。」「党運営が独裁的だった。」等々の理由で小池代表を責めるのは、流石に違うと私は思います。メディアで大きく取り上げられていなかっただけで、小池代表は当初より安保・憲法問題で意見を異にする人は入党させない旨を発言していましたし、地域政党都民ファーストの独裁的な党運営は総選挙のはるか前から報道されていました。前原氏と異なり、小池代表は、その選別傾向や独裁的党運営を意図的に隠してはいません。それを知っていて入った人は勿論、知らずに入った人も、今後改めるべきだという建設的な議論は問題ないとして、それを越えて小池代表の責任だと問責する資格はなく、自らの不明を恥じるべきだと、私は思います。
 勿論、適正な批判を含む議論は、それ自体が目的ではなく、今回の失敗から最大限の教訓を得て、次に生かすものであるべきです。議論や批判それ自体を「潔くない」「我慢すべきだ」という「批判の批判」は前出の通り経緯からして実態に即していませんが、それ以上に、失敗がなぜ起こり、その失敗をどう防げばよく、その失敗から何を学び、今後どうやって捲土重来を期すかの議論から目を背けてしまうことになります。繰り返しになりますが、民進党、希望の党の議員・党員は、今後のためにこそ、適正な批判を含む議論を徹底的に行うべきだと私は思います。
 その観点から、私は、今回の選挙から、民進党、希望の党が学ぶべき点として、新潟県の選挙結果も踏まえ、以下の4点を挙げたいと思います。
1.今回の失敗の最大の原因は、上述した通り、党代表が単独で、公認権を盾に、実質的な党の解体、合併と同等の決定をできたことにあります。実のところ同様の事態は、今回の民進党、希望の党に限らず、維新の党やみんなの党等の小党の合従連衡でも見られてきたことで、民主的政党の在り方として望ましくないと私は思います。
 これを解決する方法は比較的シンプルで、党規約に「党の、解党、合併、その他これと実質的に同等の決定をなすには、党員総会による投票によって承認されなければならない。」等の条項を入れることだろうと思います。この条項があれば、党員大会の開催と投票という物理的制限が入りますので、選挙直前に党代表が単独で突如解党、合併等の決定を行うことは、事実上不可能になるからです。そもそも民主的政党は党員全員のものであるべきであり、党の存亡を決するような重大の決定には党員総会の投票による承認が必要であるとするのは、むしろ当然であると、私は思います。
2.全国的には自民党圧勝ですが、北海道、新潟、佐賀、沖縄等野党共闘が成立していた県では、勝負は拮抗していましたし、それ以外でも野党共闘が成立した選挙区はほぼいずれも善戦していました。前原氏の「民進党の党勢が衰えたのは、野党共闘によって、安保・憲法で明確な姿勢を示せなかったからだ。」という主張は、全く現実に即したものではなく、完全な誤りと言っていいものだったという事は、事実として認めるべきだと思います。
3.その裏返しではありますが、希望の党の敗北のみならず、維新の退潮、日本の心の消滅を見ても、安保・憲法政策を目玉とした「保守2大政党」が幻想であることもまた、証明されたように思います。普通に考えて、保守政党、しかも安保・憲法を目玉に掲げた保守政党に投票したい人は、どうしたって、普段からなじみがあり、権威も権力もある与党自民党の現職(ほぼ全選挙区にいます)に投票します。
 安保・憲法政策で自民党と変わらないなら、せめて経済政策、福祉政策、社会政策で相当な違いを打ち出さなければ差別化を図れないのは当然ですが、「保守」の枠にとらわれるとそれも不自由になります。その為、差別化の方策として「しがらみの打破」や「身を切る改革」が打ち出されていると思われるのですが、それはあくまで手段の問題であって、一般有権者響く自らに直接影響する政策目的ではありません。更に苦し紛れの差別化なのか、野党でありながら他の野党の批判に開けくれた政党も見受けられましたが、それらの批判が与党自民党を利することはあっても自らの政党の支持の向上にはほとんど全く何の効果も無かったこともまた、見事に証明されたものと思います。
4.新潟では野党共闘で野党が勝ちこしたと報道されており、それ自体は勿論その通りなのですが、それこそ地元で、中立の立場でそれぞれの陣営を見ていたものからすると、野党共闘の成立を含め色々な外部要因はあるにせよ、とはいえ、各候補の票数は、日頃の活動、地方議員をはじめとする地元の支持者と支持者との関係、そしてその基となる各候補のキャリアやキャラクターをほぼ正確に反映していたように思います。
 徹底的な議論で規約や方針を見直す事も必要ですが、やはり最も重要なのは、きちんとした候補者を選び、その候補者が挑戦者としてしっかり活動できる状況を整え、かつその候補者を支える地方議員・支持者を拡大することではないかと思います。
 以上、繰り返し私は、民進党、希望の党の議員・党員は、何と言われようと、「批判の批判」を恐れず、適正な批判を含む議論を徹底的に行うべきだと思います。「批判はするな!」という呪縛に囚われ、お互い空気を読んで、本心ではおかしいと思っている方向に進むのは、日本的組織の悪い癖です。公示12日前にはできなかった批判と議論を、今しなくていったいいつするのでしょう。「批判の批判」を恐れぬ徹底的な議論の先にこそ、真に進むべき道が見えてくると、私は思います。
 なお余談になりますが、私がかつて所属した維新では、内容としては正しいと思われる議論を提起した若手議員が、「口の利き方」を理由に党の創設者からこれでもかというほどの猛烈なバッシングにあっており、事実上議論は完全に封殺されている状態です。その先に未来があるのか、他山の石とすべきと思います。


北九州一家監禁殺害事件“犯人夫婦の息子”の告白は他人事じゃない! 9歳で直面したセーフティネットなき日本社会の残酷
 フジテレビのドキュメンタリー『ザ・ノンフィクション』(10日15日、22日前後編として2週連続放送)である事件関係者の告白インタビューが大きな反響を呼んでいる。
 その告白をしたのは、2002年に発覚した北九州一家監禁殺害事件で逮捕された松永太(2011年に死刑が確定)と、その内縁の妻である緒方純子(無期懲役)の間に生まれた“息子”だ。
 この事件は、日本犯罪史上でも類を見ない凄惨なものだった。主犯である松永は内縁の妻である緒方の親族らを相手の弱みにつけ込むなどして監禁、凄まじい暴力や相互の不信を巧みに操るなどしてマインドコントロール、支配下におき、自ら手を下すことなく、6年の間に子供を含む7人を家族間などで殺害させるという戦慄すべきものだった。
 そして“息子”の告白もまた壮絶なものだった。事件当時、9歳だった“息子”だが、しかし学校にも通うことなく、被害者同様に監禁された状態だったという。そして両親から日常的に育児放棄され虐待も受けていた。父親が被害者を支配する際に使った“電気通電”をされ、その際母親は息子を抑えつける。また母親からは倒されて背中に包丁を突き立てられ「殺されかけた」こともあったという。
 驚くのは、苛烈な虐待だけではない。“息子”は、自分にとっての祖父母であり、叔母、いとこなど被害者の殺害や遺体遺棄をも目撃していたのだ。
「風呂場のなかだったと思います。それが誰だったかわかりませんが」
「人をばらして、煮込んで、ミキサーにかけて、トイレに捨てたり、海に捨てたり。全部つながりました。みんなでやってましたもん。わかっていたのは母親は絶対(そこに)いました」
「鍋とかおたまですくったり。ものすごく臭いんです」
 幼くして異様な環境、体験を強いられた “息子”による衝撃的な数々の告白。だが、その告白から浮かび上がってきたのは、事件の異様さだけではない。それが両親の逮捕で“息子”が置かれた環境、そして日本社会の絶望的なまでの社会保障やセーフティネットのなさだ。番組では、両親の逮捕で、監禁や虐待から解放されたが、しかしそれは“地獄の始まりだった”と説明されている。
両親が逮捕されてからが“地獄の始まり”だった!
“息子”は両親の逮捕後、児童養護施設に送られる。はじめて通った小学校では事件のことを口にした同級生に暴力を振るうなど荒れる一面もあったというが、そこには“焦り”があったという。いずれは児童養護施設を出て自立しなくてはならない。実際、里親が見つかり、定時制高校に通いながらも、“息子”はアルバイトに精を出した。学費や携帯代を自分で捻出できると思ったからだ。
「自分で稼いだお金でするんやったら何も文句ないやろうと思って」
 ガソリンスタンドで週6回働いた。月に10 万円少しの収入になったが、しかし“息子”はこう吐露している。
「こんなに働いてもらえるお金がこれなんやんと思った」
 しかもバイト生活で学業もおろそかになり、里親の家も飛び出し、高校も中退に追い込まれた。そこから息子は、住み込みでパチンコや飲食店、農家の手伝いなどの仕事を転々とする。住み込みで飲食店、パチンコ屋、農家の手伝いと、転々する生活。しかも当てがわれた住まいも悲惨なものだった。ゴミ屋敷のようなアパート。電気も水もガスも通っていない。そのため食事もできない。息子は当時の心境をこう語っている。
「こんなしんどい思いをせないけんのかな、と。ホームレスと変わらんな。そうしたら涙が出てきて。こんな苦しい思いをして、なんで他のやつは当たり前に家があって、ご飯食って、あまり前に遊んで。なんで俺だけこんな思いして生きて行かないけんのかなって」
「結局そうやねって、親がおらんけよねってなるんですよ。僕の中で」
“親がいない”“保護者がいない”“住み家もない”学歴もない“。そんな未成年の子どもが、どう生きたらいいのか。例えば家を借りるのも、携帯を買うにも、仕事を得るにも「親や身内」の、またはなんらかの「保証人」が必要だ。
 児童福祉法では、親の育児放棄、虐待、経済的理由などさまざまな事情で家庭で暮らせない子どもたちに対して、国や地方公共団体が児童養護施設などで社会的に保護する義務を負っている。しかし児童養護施設は高校卒業時の18歳で退所しなければならない。高校を出たばかりの子どもが、なんの後ろ盾もなく、頼る大人も存在せず、また貧困の中、どう“まとも”に生活しろというのか。社会から漏れ落ちてしまうのは必然でもある。しかも児童養護施設そのものも、さまざまな問題も指摘される。少ない予算、人材不足、擁護職員の低い待遇——。
 そもそも、現在の日本は子どもの貧困が6人に1人という“貧困大国”でもある。しかし子どもの貧困、そして“息子”のように児童養護施設、そして乳児院や母子家庭などへの予算はたったの41億円。これは国際的に見ても非常に低い。実際2010年には「国連子どもの権利委員会」から日本政府に「養護のない児童を対象とする家族基盤型の代替的児童養護についての政策の不足」などの勧告を公式に受けたほどだ。にもかかわらず、現政権である安倍政権は、子どもの貧困を直視せず「家族の責任」や「自己責任」などという言葉すら持ち出している。また片山さつきのように貧困や生活保護をバッシングすることで、弱者をさらに貶め追い込もうとする動きすらある。
息子が告白した「俺がどうこうって、問題じゃない」現実
 さらに息子は特殊な事情を抱えている。両親が殺人犯として逮捕されただけでなく、自身も壮絶な虐待を受け、また殺人遺棄現場を目撃しているのだ。実際“息子”は今でも“逃げ場のない明るい部屋”が苦手だと、心的外傷とも思える苦悩を告白している。つまり“息子”もまた被害者でもあり、肉体的、精神的にも公的なケアこそが必要だが、番組を見る限りそうしたケアが施された様子さえない。
 唯一、安定した仕事と人間関係を得られた場所、そこは“ヤクザの事務所”だった。社会からはじき出された者同士という安心感があったという。しかし、刑事が訪れ、未成年保護法により保護された結果、“息子”の居場所は奪われた。
 両親が殺人犯だからといって、当時9歳だった息子になんの罪があるというのか。しかし世間は“両親が殺人犯”という色眼鏡で見続けてきた。これは現在の日本の過剰な加害者バッシング、加害者家族バッシングの影響も大きいだろう。先日も、東名高速死亡事故をめぐって、容疑者の親であると勘違いされデマが広がった男性が、嫌がらせ電話が殺到するなどの被害を受けたことが大きな話題になった。仮にデマでなく本当に容疑者の親だったとして、そのような嫌がらせを受けるいわれはまったくない。このデマ被害を報じたニュースでは、デマであることばかりが批判されるばかりで、過剰な加害者バッシング、加害者家族バッシングについて指摘するものはほとんどなかった。
 今回“息子”がインタビューに応じることになったきっかけも、この加害者家族バッシングだ。今年6月、フジテレビが放送した『追跡!平成オンナの大事件』で北九州連続監禁殺人事件が取り上げられ、そのためネットでは“息子”を非難する声であふれた。そのため“息子”はフジテレビに抗議、その過程で担当者が謝罪したことから今回のインタビューが実現している。
“息子”の告白によって、浮き彫りにされた日本の絶望的セーフティネットの欠如と、加害者家族への偏見。実際“息子”は、番組の中で自分の置かれてきた環境をこう語ってもいた。
「これって俺がどうこうって、問題じゃないよね」
 セーフティネットの外側にいるということが、どういうことか。“息子”は24歳でそれをすでに認識し、言葉にしている。こうした状況に置かれた当事者が、それを証言できることは非常に少ない。しかも、その告白は“息子”自身のことだけではなかった。仕事を転々とし、その日暮らしをしてきた“息子”だが、幸いなことに5年前に正社員としての職を得て、24歳となった現在、“自分と似たような境遇”の女性と結婚した。その理由は結婚することで、“彼女の居場所を作る”こと、そして保険や年金などに入っていないという女性を自分の籍に入れることで “社会的保証が用意できる”というものだった。
「結局生活できないじゃないですか、そいつ(彼女)1人で」
「結婚しようと思ってはなかったんですが、嫁の社会保険やったり、年金とかもそうですけど、社会保障っていうですかね、まったく何もない状態だったので。親が何もしていなかったんで、病院にも行けないし。結婚したいからするっていう感覚じゃなくて、とりあえず結婚して自分の扶養に入れようって。嫁に対して社会的な保障がつくよね、っていうので籍を入れたんです」
 本サイトでも以前紹介したが、貧困層のなかには、学校にも通えなかったり、知的障害などのため、十分な知識がなく、そもそも社会保障の存在すら知らなかったり、自分がセーフティネットの外側にいるなど自覚できないケースが少なくない。なかには行政に対して恐怖感や忌避感をもっている人もいる。ましてや、そうした人たちが自分の置かれた状況、セーフティネットの外側にいるということがどういうことかがその実態が語られることはほとんどない。そういう意味で、“息子”という当事者が、ここまで明晰に自分の置かれた状況を語ることは、非常に貴重な証言だ。しかも “息子”は、自身の境遇を単に個人の苦しみとして個人的な体験とだけ捉えているのでなく、社会の問題としてとらえる視点もある。“似た境遇の女性”という他者に対しても踏み込んだ視点、社会的な問題意識を持ったうえで、社会保障やセーフティネットがないことが、どんな事態を招くのかを身を持って語っているのだ。
 今回の勇気ある告白に込められた日本社会への数多くの問題に、私たちは応えてゆく必要がある。(伊勢崎馨)


安倍首相、諸問題「丁寧に答える」はずが野党質問時間削減検討を指示
 安倍晋三首相(63)は、国会での野党の質問時間を削減し、与党分を拡大するよう野党側に提案する検討を進めることを自民党幹部に指示した。「我々の発言内容を国民は注目している。しっかり機会を確保していこう」として、与野党で調整するよう要請した。
 11月1日には特別国会が召集される。当初は短期で閉会するとの案もあったが、野党側は所信表明演説や代表質問、予算委員会の実施を要求。これに応えて会期を延長するのに併せ質問時間の割り当ての見直しを提示する案が出ている。
 安倍首相は、10日からアジア太平洋経済協力会議(APEC)出席のためにベトナムに出発する。過密スケジュールにもかかわらず会期延長の意向を示したのは森友、加計学園問題に「丁寧に答える」との自らの発言に準ずる形。だが、野党の質問時間を削減することは、これに相反することになる。早速、野党側からは批判が相次いだ。
 立憲民主党の福山哲郎幹事長(55)は、旧民主党政権時代に、当時野党だった自民党の要求で、与野党の質問時間の配分が「2対8」となったと説明。「安倍首相が国民への説明責任を果たすことになっていない」と強調した。共産党の穀田恵二国対委員長(70)は「ひきょうな手段。言論の府をおとしめるつもりなのか」と非難し、希望の党幹部も「事実上の質問封じだ」。与党寄りの立場を示すケースが多い日本維新の会幹部も「とんでもない暴挙だ」と憤った。


和田アキ子がジャニーズタブー破り! 関ジャニ∞村上とホリプロの後輩・小島瑠璃子の熱愛報道をテレビで事実認定
 関ジャニ∞の村上信五とこじるりこと小島瑠璃子の熱愛が発覚した。これをスクープしたのは27日発売の「フライデー」(講談社11月10日号)。記事には超厳戒お泊まり愛”として小島が村上の自宅マンションを頻繁に訪れている様子が写真に収められるなど、2人の親密交際を報じたのだ。
 ジャニーズと女性タレントの熱愛発覚。当然、いつものように、ワイドショーもスルーしたのだが、しかしあるテレビ番組だけが、このタブーを打ち破ってしまった。その番組とは、『アッコにおまかせ!』(TBS)。
 29日放送の同番組では、先日の衆院選特番『池上彰の総選挙』(テレビ東京)で、小島が各党の開票センターから中継レポートを担当し、そのコメントが絶賛されていることを紹介したのだが、続いて「しかし」として「フライデー」が報じた小島と村上の熱愛を取り上げたのだ。
 ご存知の通り、ジャニーズタレントの熱愛については、テレビのワイドショーもスポーツ紙も、結婚が正式に発表されるなどのごく例外をのぞいて、それに決して触れることはない。もちろんテレビ業界に絶大な影響力を持つジャニーズ事務所への忖度や圧力からだ。しかも『アッコにおまかせ!』の司会である和田アキ子は小島の所属するホリプロの重鎮でもある。それがいったいなぜ……。
 しかも、『アッコにおまかせ!』はたんに話題を取り上げただけでなかった。番組では「スポニチ」の記事を紹介するかたちで〈双方の所属事務所は「交際の事実はありません。友人の一人です」とコメントした〉との交際否定コメントを紹介したのだが、しかし和田は、2人の関係についてこんなコメントをしたのだ。
「二十歳すぎてるしね。別に、いいと思う。同じ事務所だから弁護するわけじゃなくてね」
 そこに小島とは親しい飲み友だちだというミッツ・マングローブが、「週に2、3回はウチにいるはずなんだけどね」「だけどこういう話は一切しないんですよ。基本、女っておかまにするのは愚痴だけ。寂しい」と笑いをとってごまかそうとするが、しかしその後も小島と村上の熱愛の話題が続き、驚きの展開がなされる。和田アキ子がこんなことを明かしたのだ。
「私は本人から電話がありました。よく飲んだりするから」
 和田のもとに小島から“報告”があったというが、しかし和田はそれが“交際報告”なのか、それとも“記事が出て騒がせて迷惑をかけた”という報告なのかはここでは明言していない。しかしアッコはかぶせるように驚愕すべきこうコメントしたのだ。
「私はぜんぜん、幸せだったらいいってことだから」
 この和田のコメントは、つまり事実上熱愛を認めてそれを応援すると受け取る以外にはないだろう。この背景についてある芸能事務所関係者はこう証言する。
「ホリプロは『アッコにおまかせ!』の制作にも関わっていますから、これは確信犯でしょう。小島との電話で、本当は村上との関係を公にしたいと思っていることを知った和田が、『ちゃんと取り上げるべきだ』と主張、ホリプロも、それを容認したということのようです。好感度が高いタレント同士でマイナスにはならないという判断もあったんでしょう」
和田に相談してオープンにしようとした小島瑠璃子の姿勢に拍手!
 考えてみると、これは画期的なことではないだろうか。これまでジャニーズタレントと熱愛が発覚した女性タレントは数多くいたが、彼女たちはこぞって沈黙。ファンからバッシングを受け、ジャニーズからの妨害、圧力などで破局を余儀なくされてきた。
 たとえば、長い間、交際が公然と囁かれた稲垣吾郎(元SMAP)と菅野美穂、森田剛(V6)と上戸彩、坂本昌行(V6)と中澤裕子といった数々のカップルが、結婚の壁を超えられず破局していった。また元女優と同棲が報じられた大野智はファンの前で『もう一切会わない』と宣言させられ、岡田准一(V6)と宮崎あおいの“略奪愛”も報じられることはない。
 さらに、嵐の松潤と“二股吉キチク交際“を強いられていた葵つかさにいたっては、ファンや御用メディアから強烈な”売名バッシング“を受け、SNSやイベント中止、さらには引退宣言するまで追い詰められた。一方、事務所の反対を押し切り交際を続けたKAT-TUNの田口淳之介やデキ婚した赤西仁は事務所退所を余儀なくされている。
 まさに、個人の恋愛の自由を力で押しつぶすジャニーズ事務所のやり方に、誰も逆らえず、沈黙を強いられ、そのまま泣き寝入りしてきたのだ。もちろん最大の犠牲者は、事務所に逆らえず煮え切らないジャニーズタレントたちでなく、その結果、性の道具のように捨てられてきた女性たちだ。
 そんな中、今回、小島はジャニーズと対抗できる実力者の和田を通じて、その関係をきちんと公にした。おそらく、一部のジャニーズファンからは筋違いの批判の声が上がるだろうが、しかし、そもそもは、相手がジャニーズ所属だからといって、交際を否定したり、沈黙を強いられることのほうがおかしいのだ。それを打ち破ってなんとか関係をオープンなものにしようとした小島の姿勢は「よくやった」とほめるべきだろう。
 今後、ジャニタレとの熱愛が発覚した女性タレントたちは、今回の小島の行動を見習ったほうがいい。自ら告白できないなら、ワイドショーのMCやスポーツ紙にさりげなくリークして、どんどん交際をオープンにする。それが、ジャニーズタレントから性の道具として使い捨てされない最大の対抗手段なのだから。(林グンマ)


離婚で姓を変えバイトに潜入…ユニクロと闘うジャーナリストが語った巨大企業のブラック体質と柳井社長の洗脳
 昨年末、「週刊文春」(文藝春秋)誌上で発表されたあるブラック企業のルポが大きな反響を呼んだのをおぼえているだろうか。ジャーナリストの横田増生氏による“ユニクロ潜入ルポ”だ。横田氏は国内アパレル最大手・ファーストリテイリングが手がけるユニクロに約1年間アルバイトとして“潜入”、その体験を元に、ユニクロの過酷な労働状況、ブラックな企業体質に切り込んだのだったが、反響を呼んだのはその内容だけではなかった。
 まずは1年という長期に及ぶ潜入だったこと、そして横田氏が〈まず法律に則って〉本名を変えてまで潜入したこと、また「週刊文春」12月8日号に第一弾のルポを発表した際、まだ潜入取材は続行されており、発売直後には解雇。その経緯を翌週号で再びルポするなど、型破りかつ渾身のルポルタージュだったからだ。
 そんな横田氏のユニクロ潜入ルポだが、「週刊文春」で10回にわたるルポを発表したものに、今回、大幅加筆修正してまとめた『ユニクロ潜入一年』(文藝春秋)が上梓された。
 なぜ、横田氏はユニクロを取材対象としたのか、なぜ本名を変えてまで潜入という取材方法をとったのか、そしてユニクロとはいったいどういう企業なのか。横田氏に直撃インタビューした。(取材・構成 編集部)
●ユニクロに2億2千万円の巨額名誉毀損訴訟を起こされて…
——今回の『ユニクロ潜入一年』以前の2011年に、ユニクロのブラックぶりや柳井正社長の実像に迫った『ユニクロ帝国の光と影』(文藝春秋)を出版しています。そもそもユニクロに焦点を当て取材しようと思ったきっかけはなんだったんでしょう。
横田 『ユニクロ帝国』の取材をはじめた2009年当時、ユニクロは破竹の勢いで事業を拡大していました。今はずいぶんその勢いも衰えてきましたが、なぜ町の一介の洋服屋から、日本屈指のアパレル企業になったのか。なぜここまで成長し続け、業績がよいいのか、儲かるのか。そうした純粋な疑問でした。ユニクロを定点観測することで、日本の国際企業としての進化を知りたかった。私はかつて物流業界紙の編集長をやっていたこともあり、05年にはアマゾンへの潜入ルポ『アマゾン・ドット・コムの光と影』(情報センター出版局)を出した。その流れでユニクロという企業はどうなっているのか、というのを物流という視点で捉えたい。そんな時に文春から声がかかったんです。
————その前著が史上最大額と言われる2億2千万円の巨額名誉毀損訴訟を起こされた。
横田 訴えられるような厳しいことを書いた覚えは今でもないんですけどね(笑)。ユニクロが主張した裁判の争点は数が多すぎて、裁判所の指摘で結局2点に絞られました。そのひとつが国内の店長が繁忙期に300時間働いているという過重労働の問題。また中国の労働者、10代の女子工員が夜中まで働いているというものなどです。しかしユニクロ側は「そんな事実はない、240時間以内だ」と。そして裁判では全店長の労働時間が“240時間以内に収まっている”という資料を出してきました。しかし店長の長時間労働やサービス残業は、実際には社内でも公然の秘密だったと思います。柳井(正・ファーストリテイリング代表取締役会長兼社長)さんにしても自覚はしていたのでしょう。私が指摘する前からね。そこに私が正面から指摘したものだから、カチンときたのではないか。というのも、柳井さん、そしてユニクロについて悪い面を書くメディアやジャーナリストはほぼいなかった。というか、批判されそうな人間の取材に、応じてこなかったんです。ユニクロは広告も大量に出していますし、一種のマスコミタブーなんでしょうね。巨額裁判にもかかわらず、新聞でもベタ記事だったし、テレビで報じられた記憶はありません。
妻と離婚して姓を変え、ユニクロにバイトとして潜入
————裁判は最高裁まで持ち越され、2014年にユニクロ敗訴、文春側が全面勝訴で終わっています。にもかかわらず、さらに第二弾を書いた動機は何だったのでしょう。
横田 はっきり言って、怒り、激怒です。前著が出た2011年以降、ユニクロの決算会見は出入り禁止の状態でした。「裁判で係争中」という納得しがたい理由でしたが、裁判に悪影響が出ることも考え自粛していた。ですから裁判が終わった2015年4月の中間決算会見に、これからは出席できると思ったら、拒否されて。理由を聞いても「柳井からお断りするように」とも言われました。きっと他の人間をそうして黙らせてきたのでしょう。でも私は地団駄を踏むほど悔しかったんです。メディアは自分の思い通りにいく、そんなユニクロの姿勢が嫌だった。
————しかも、その柳井氏からバイトへの“招待状”があった。
横田 そうなんですよ。15年の決算締め出しの少し前、柳井社長がビジネス誌の「プレジデント」でこんな発言をしているのを見つけちゃったんです。「悪口を言っているのは僕と会ったことがない人がほとんど」「社員やアルバイトとしてうちの会社で働いてもらって、どういう企業なのかをぜひ体験してもらいたいですね」。これはまさしく自分への“招待状”、“お誘い”だと思いましたね。
————しかし、驚いたのは名前を変えて潜入したという手法です。「文春」では具体的に明かされていませんでしたが、どんな方法だったのでしょう。
横田 「文春」記事で詳細を明かさないのは、まだ潜入を続行するつもりだったからです。結局は解雇されましたが。ですから「文春」の阿川佐和子さんの対談でも少し話しましたが、妻と離婚し、再婚して妻の姓にしたんです。いくらアルバイトでも“横田”の名前では面接で調べられたら潜入できませんし、偽名では犯罪になる可能性もある。手続きは結構煩雑で、1カ月ほどかかりました、免許証やら銀行やらの名義変更などです。
————ご家族、特に妻は反対しなかったんですか?
横田 妻も面白がってくれましたよ。妻の家族も全然問題ないと。あ、私の父親は知らないかも。言ってないかもしれない(笑)。でも私自身、戸籍上のことだけですから、全然抵抗はありませんでしたし、特に問題はなかった。
————横田さんはこれまでにもアマゾン、ヤマト運輸、佐川急便に潜入取材をしていますが、今回のユニクロ潜入での違いや特徴などは?
横田 一番大きかったのは、期間が長かったことです。これまでは長くても数カ月でしたから。それと3店舗という複数の現場を見たことですね。さらに大きかったのが毎週の「部長会議ニュース」の存在です。全スタッフが必ず読み、判子を押すことが義務づけられている文書ですが、その冒頭は必ず、柳井さんの叱咤激励で始まる。つまり、私にとっては柳井さんのインタビューが毎週読めるということです。内容は柳井さんの言いたい放題で、突っ込みどころも満載でしたが。
ユニクロの人材“使い捨て”は「柳井さんがケチだから」
————『ユニクロ潜一年』では潜入アルバイト生活を通し、ユニクロの独特な体質や問題点が数多く指摘されています。
横田 ユニクロの問題は柳井さんによる完全なるトップダウンと、現場の低賃金の過重労働、そして秘密主義とマインドコントロールですかね。実際、働いていてしんどい会社でした。肉体的にも精神的にも。普通はいくらアルバイトでも少しは気を抜く時間があるものですが、ユニクロにはない。常にインカムをつけているので、少しでも手が空けば「●●して!」という指示がいつでも飛んでくる。ずっと緊張して根を詰めて働くんです。「感謝祭」といってユニクロ最大のイベントセールでは、レジが長蛇の列になり8時間もぶっ続けでレジを打つ。ですから、学生などはすぐに辞めることも多い。この前、働いていた新宿のビックロに行ったら、顔がガラッと変わっていました。正直言ってきついし安い給与のバランスがあまりに悪い。
 一方で、“ユニクロ教”にはまる人もいます。「休憩するのは怠け者」、「時給泥棒だ」という文化を植え付けると同時に、「ユニクロで働ける人はできる人だ」という優越感を巧妙にインプットもされる。そのための素敵なネーミング、マジックワードが用意されている。たとえば店長は“主役”ですし、他にも“知的労働者”とか“一人一人が主役だ”、“みんなに達成感を味わおう!”など標語を連発する。
 柳井さんの好きな言葉に“少数精鋭”というのがあります。現場でも「自分たちは少数精鋭だ」と葉っぱをかけられ、「できる俺」みたいに洗脳され、マインドコントロールされる。「給料は安いいけど、やりがいがあるんだ!」と。「その作業何分でできるんですか?」なんて上から目線で私に指示する“ユニクロ教”学生もいました。システム的にも軍隊みたいで、上から言われたことをやりさえすれば評価される。これは人件費を切り詰め、長時間労働させられる“やりがい詐欺”だと思っています。急成長したのも儲かるのも、柳井さんが“人は使い捨て”という考えで、かつ “ケチ”だからというのが結論ですね。
————しかし柳井社長は日本屈指の大金持ちですよね。今年「フォーブス」が発表した「日本長者番付2017」で柳井社長はソフトバンクの孫正義社長に次いで、第2位。保有資産は約1兆8200億円です。
横田 これまで指摘した人件費を切り詰め、人材は使い捨てというのは、柳井さん一人が儲けるためなんじゃないのかと正直思います。持ち株比率は20%を超える筆頭株主でもあるし、配当も巨額です。たとえばイトーヨーカ堂創業者の伊藤雅俊さんは、社員のために福利厚生施設、保養施設を自分のポケットマネーを出して作ったりした。儲けているから、社員にも還元する発想があるんです。でも柳井さんは見事にない。その背景を考えましたが、はっきり言ってわからないんです。ハングリー精神とは違う。幼少期から貧困とは無関係で、家庭教師もいて。60年代、早稲田大学に入学して仕送りもあって、70年代には父親の金で世界一周旅行もしている。困った経験は一度もない。でもケチ。唯一、感謝祭の時にお菓子の差し入れがあるんですが、安い駄菓子とかどら焼きでした(笑)。さらにアルバイトにも様々な守秘義務を課すんです。情報まで自分のもの。柳井さんの独裁体制を維持するためなのでしょう。それでいて、業績が悪いとバイトの勤務時間まで平気で削るんです。
ユニクロはブラックというより“奴隷”。そして“やりがい詐欺”だ!
————前回は訴訟になりましたが、今回の潜入ルポではその後ユニクロ、柳井社長から、なんらかのリアクションはあったのでしょうか。
横田 今回はノーリアクションですね。今回本にまとめるにあたり、柳井さんにインタビューを申し込んだのですが、「お断り申し上げます」と断られました。前回のこともあり、知らんふりしておけというつもりなのでしょう。文春連載の時、9度取材を申し込みましたが、「話すことは何もありません」という対応でした。柳井さんには聞きたいことが沢山ある、なんで訴えたのか、決算会見に出さないのか、アルバイトを辞めなくちゃいけなかったのか。でも逃げたままです。
————今、ユニクロ、そして柳井社長に訴えたいことは何でしょう。
横田 今回の取材で、末端の人間が苦しんでいることがはっきりした。せめて繁忙期や土日、感謝祭の時だけでも時給をあげてほしいですね。年中、同じ時給というのは、他企業を見てもあり得ない。ブラックというより“奴隷”です。ユニクロで働き、柳井社長と末端の激しい格差、しかしそれが見えづらい実態もありました。接客業で、一見、小綺麗にしているし、“やりがい”を植え付けることで、その格差を感じさせないシステムなんでしょう。潜入取材は現場の“本音”を知ることができるし、“本当の姿”も見ることができます。一方で、ギャンブル性も高い。何が出てくるか、出てこないか潜入するまでわからない。1年間働いて何もなかったら書けませんからね。収入面でも大変です。今回は結果オーライでしたが、潜入取材は本当にギャンブル。しかし、50 歳になって敢えてリスクをとって潜入したのは、それ以上にユニクロにムカついたというのが本音です。繰り返しますが、取材を断れば書かないだろう、メディアは自分の思い通りにいく。そんなユニクロの姿勢が嫌だった。その上秘密主義で、取材を受けてもくれないし、会見もパージされた。潜入するしか方法はなかったのです。そして今後ももちろん、定点観測としてのユニクロウォッチは続けます。いろいろ秘策も考えていますので、楽しみにしていてください。(了)
横田増生 1965年福岡県に生まれ。アイオワ大学大学院ジャーナリズムスクールで修士号。帰国後、物流業界紙「輸送経済」の記者。編集長を務め、フリーに。著書に『潜入ルポ アマゾン・ドット・コム』(朝日文庫)、『ユニクロ帝国の光と影』(文春文庫)、『評伝 ナンシー関―心に一人のナンシーを』(朝日新聞出版)、『中学受験』(岩波新書)、『仁義なき宅配 ヤマトVS佐川VS日本郵便VSアマゾン』(小学館)など多数。


口実は台風被害 加計獣医学部“認可先送り”のあくどい魂胆
 不可解な延期だ。10月末に、文科省の大学設置審によって認可の可否が答申される予定だった加計学園の獣医学部新設問題。27日、林芳正文科相は突然、答申が11月前半に延期されるとの見通しを示した。とうに「認可」は決まっているのに、口実をデッチ上げ、わざとモタモタしているだけ。その狙いも、まあ薄汚い。
 閣議後の会見で、林大臣は「より慎重な審議を行うために必要な審査日程を確保した」とした上で、“深刻”な表情でこう言った。
「先日の台風の影響によりまして、予定しておりました会議が開催できなかった。委員の皆さまの日程等の都合もあって、11月の前半に答申される見込みと聞いております」
 はあ? 設置審の答申が“台風被害”に遭うだと……。いかにも取ってつけたような理由だ。文科省に“被害状況”を聞くと、「審議中の情報なので、大臣が述べた以上の詳細はお答えできません。何号の台風被害かも教えられません」(高等教育局大学設置室)とにべもない。
■臨時国会も開かず越年すれば国民も忘れる
 答申は11月10日になる見通し。設置審は8月下旬に「認可保留」の答申を出し、継続審議に。まもなく結論という段になって、わずか10日余り答申を延期する狙いは何か。元文科官僚で京都造形芸術大学の寺脇研教授が指摘する。
「審議する時間は十分ありましたよ。『台風』など後付けの理由でしょう。不認可や、開学を1年延期するなら、政権への忖度が不要なので、予定通り答申していたはず。つまり来年4月開校で認可が下りるのは既定路線ということ。先送りは10月22日の衆院補選の予定が総選挙に変わり、自民党が圧勝したことの影響です。選挙直後に認可を出せば、タイミングがロコツ過ぎるし、また『おごりだ』『忖度だ』と批判される。11月1日からの特別国会前では、野党に問題視される。そこで閉会する8日を待って、10日の答申としたのではないか。来年春の開学にギリギリ間に合うタイミングでもある」
 野党は「モリカケ問題」などの審議のため、臨時国会の召集を要求し続けているが、安倍首相は、年内はせいぜい閉会中審査でお茶をにごすつもりだ。来年の通常国会まで、加計問題を塩漬けすれば、国民も年が明ければ、おとそ気分に浸り、加計問題は“去年の話”。きっと忘れているに違いないと、高をくくっているのだ。
 ほくそ笑む安倍首相の顔が思い浮ぶが、モリカケ問題の真相解明は全く進んでいない。国民は“越年トリック”に引っかかってはダメだ。


旧湖東町の患者殺害 「殺人の汚名、今も」 2次再審請求で集会 /滋賀
 東近江市(旧湖東町)の湖東記念病院で2003年、入院男性(当時72歳)の人工呼吸器を外し殺害したとして殺人罪で懲役12年の有罪が確定した元看護助手、西山美香さん(37)=彦根市=が思いを語る集会が28日、同市小泉町のひこね燦(さん)ぱれすで開かれた。第2次再審請求中で、今年8月に和歌山刑務所を満期出所した西山さんは、約120人の支援者らに「出所したがまだ殺人の汚名は取れていない。ぜひ皆さんの力をお貸し下さい」と呼び掛けた。
 集会では、西山さんんの中学時代の社会科教諭、伊藤正一さん(69)が「人生の中で最も輝き、充実する時期に自由を奪われたことに怒りを感じる。再審を勝ち取りたい」とあいさつした。事件の経過を説明した井戸謙一・主任弁護士は、自白に信用性がないことや、男性が他殺ではなく致死性の不整脈やたん詰まりが原因で死亡した可能性があることなどを指摘。「犯罪のないところに犯罪がでっち上げられた。美香さんは無実」と強調した。
 西山さんは、取り調べを担当した刑事に好意を寄せ、気を引くために虚偽の供述を繰り返したと告白し、「普通ならうそで人を殺したなど絶対に言わない。後先のことを考えず調子に乗ってしまった。もううそは絶対に言わない」と話した。服役中に2人の祖母が病気で亡くなったことを「心労が重なったから」と悔やみ、「まだかけがえのない両親がいる。これからは親孝行をし、普通の生活をして両親を安心させたい」と涙ながらに訴えた。
 弁護団によると、第2次再審請求の即時抗告審の大阪高裁決定は年内にも出る見通し。【森野俊】

Rengaineにショック/スキャナで整理/フェリーが高い!

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東北だべさ

Des japanophiles créent un saké 100% made in France
Des passionnés du Japon se lancent dans la production de saké 100% français. Ils espèrent conquérir le marché mondial, un peu comme l'ont fait les Japonais en développant leur production de whisky.
Ils font le pari de brasser un saké traditionnel "100% produit en France", y compris son ingrédient de base, le riz. Amoureux de la culture nippone, des pionniers espèrent imposer leur production hexagonale jusqu'en Extrême-Orient.
"Il y a un marché à prendre en France. Des brasseries françaises vont se multiplier", prédit Siméon Molard, qui participe financièrement à un projet dans la Loire. Depuis quatre ans, il importe du saké de l'archipel pour le redistribuer en Europe. Il commence maintenant à vendre sa première cuvée "produite dans le Pilat", le parc naturel régional situé aux portes de Saint-Etienne.
Des importations décuplées en 10 ans
"Cela va permettre de démocratiser le saké, en réduisant le prix final, encore cher (de 30 euros à 80 euros les 72 centilitres), à cause du transport et des intermédiaires", estime-t-il.
Si les exportations depuis le Japon ont doublé en dix ans, brasser en France reste encore "quelque chose d'assez unique", renchérit son associé Julien Casorla, avec qui il forme des professionnels aux saveurs délicates de cet alcool, souvent confondu avec les digestifs frustes proposés dans les restaurants chinois.
Servie à table froide ou tiède (entre 5 et 60 degrés), cette boisson fermentée titrant entre 14 et 17° d'alcool, voit sa qualité varier en fonction de l'eau, du riz, du polissage du grain, de la levure et du savoir-faire.
"J'ai importé un processus de fabrication, qui compte une quinzaine d'étapes. La température, c'est de l'ordre du degré près. Je veux le faire dans les règles de l'art", explique Grégoire Boeuf, au milieu de cuves fumantes "made in Japan" dans le village de Pélussin.
Associé à Siméon Molard et Julien Casorla, il vient de signer les premières ventes de sa cuvée "Larmes du Levant", à 28 euros la bouteille, en Auvergne-Rhône-Alpes, en Belgique et même au Japon. "Il y a encore du travail mais on est confiant. C'est très prometteur", commente-t-il, fort du "prix du public" qu'il a reçu en début de mois lors du salon du saké parisien.
Des restaurateurs déjà preneurs
Son histoire commence en 2013 lors d'un voyage familial à Tokyo, où il goûte pour la première fois cet alcool. Germe alors l'idée d'en fabriquer en France et à la faveur d'une rencontre, il retourne se former six mois au Japon. "Je lui ai enseigné les prérequis essentiels pour devenir kuramoto (propriétaire d'une brasserie)", explique Masasuke Umetsu, qui emploie sept personnes dans sa "sakagura" à Tottori (ouest du Japon).
Là-bas, le jeune Français trouve des fournisseurs et, plus important, des brasseurs japonais, qui l'accompagnent aujourd'hui. "La saison prochaine, je compte fabriquer un saké encore supérieur ici", confie Kenichiroh Wakayama, assistant maître brasseur depuis 20 ans et désormais "toji" (maître), venu apporter son savoir à Pélussin. D'autant que l'eau du Pilat est pauvre en minéraux, comme l'eau japonaise.
Des restaurateurs sont déjà preneurs. "Nous sommes intéressés, parce nous utilisons surtout des produits dits 'du terroir'", explique Akiko Kandoko, restauratrice japonaise à Saint-Etienne. Les circuits courts, c'est aussi la stratégie d'Hervé Durand qui commercialise depuis quelques mois un saké de cuisine "Kura de Bourgogne" auprès des expatriés japonais en région lyonnaise.
Le saké français sur les pas du whisky japonais?
En Camargue, les frères Stéphane et Christophe Fernandez vont encore plus loin: ils comptent brasser leur saké à partir d'un riz japonais cultivé sous les latitudes méditerranéennes. "On a dû négocier pendant un an pour acheter et importer deux variétés de riz pour saké", raconte Christophe Fernandez, qui va commencer lundi à récolter son "sakamai".
"C'est quand même un riz beaucoup plus grand que le riz français. Il faut absolument que les conditions météorologiques soient exceptionnelles pour que le riz germe bien", explique leur associé riziculteur Bernard Poujol.
Produire un saké de A à Z en France, quitte à perdre le côté exotique ? Ça va faire comme le whisky, veut croire Siméon Molard. C'est écossais à la base, mais maintenant on s'arrache les whiskys japonais !"
"Rengaine" : Dorcy et les quarante brothers
Quinzaine des réalisateurs. Esprit slam et budget vide : le premier long-métrage de fiction de Rachid Djaïdani est un film d'urgence. On aime.
Par Isabelle Regnier
"Tu bosses toi ?" - "Ouais, je bosse." - "Tu bosses dans quoi ?" - "Je bosse dans la recherche." - "Dans la recherche ? Dans quelle recherche ?" - "Ben je recherche un emploi." Voilà pour le ton. Rapide comme une partie de ping-pong, drôle, totalement inattendu. Rachid Djaïdani a mis neuf ans à faire ce film, et c'est peu dire que ça ne se voit pas.
Rengaine a la fraîcheur et la liberté des films faits dans l'urgence. Quelque part entre Shadows (1959), de Cassavetes, et Andalucia (2008), d'Alain Gomis, entre A bout de souffle (1959), de Godard, et Les Beaux Gosses (2009), de Riad Sattouf, il inscrit dans la ville des corps neufs au cinéma, propose une forme nouvelle, rugueuse et sexy. Les deux pieds dans le Paris d'aujourd'hui, comme à son époque, la tête dans les étoiles, l'esprit à la blague.
Un conte parisien
Né en 1974 d'une mère soudanaise et d'un père algérien, Rachid Djaïdani a un parcours bien cabossé d'autodidacte enragé : après avoir été champion de boxe anglaise d'Ile-de-France, et assistant-régisseur sur le tournage de La Haine, de Mathieu Kassovitz, en 1995, il devient acteur au cinéma, à la télévision, puis dans la troupe de Peter Brook, écrit trois romans, réalise deux documentaires.
Rengaine est sa première fiction, une aventure cinématographique collective qui fait penser à celle de Donoma, de Djinn Carrénard, réalisée sans un sou, hors système. Devant un public visiblement conquis, il a eu cette phrase à la fin de la projection qui résume bien sa démarche : "Le cinéma, c'est maintenant, aujourd'hui, dans le présent."
Croisement entre Roméo et Juliette et Ali Baba et les 40 voleurs, tourné dans les rues de Paris, Rengaine est un conte... C'est l'histoire d'un garçon originaire d'Afrique noire, Dorcy, acteur en devenir qui répète Cinna, de Corneille, et de Sabrina, une fille musulmane d'origine maghrébine. Ils sont amoureux, veulent se marier, mais Sabrina a quarante frères qui ne sont pas du tout d'accord avec cette idée.
Souvent asséchante au cinéma, la structure du conte est pourtant ce qui apporte au récit son ampleur, sa liberté. Parce qu'elle se conjugue avec une manière très réaliste de filmer, inscrite dans la topographie de la ville, de Stalingrad au pont des Arts, des Abbesses à l'île Saint-Louis, nourrie d'une expérience éprouvée par le cinéaste de la vie des "minorités urbaines", pour reprendre une expression gaguesque du film.
Les scènes naturalistes alternent ainsi avec d'autres, ultra-codifiées (de la pastorale au film de torture gore). Les rythmes se brisent, les voix passent du in au off dans une poétique qui n'est pas sans rapport avec le slam.
On suit Dorcy courant le casting - sa quête de rôles s'y confond avec celle de sa propre voie. La trouver n'est pas simple, de fait, quand on a comme modèle Denzel Washington et c'est à peu près tout, qu'on a beau chercher, on ne voit pas un seul acteur français qui nous ressemble. On suit Sabrina, solide, pleine de confiance en elle, tentant de composer avec ses frères mais sans jamais renoncer à son amour.
"Un acte politique"
On suit Slimane, le grand frère, dans ses déplacements à la rencontre de ses cadets, pour les convaincre de l'aider à empêcher ce mariage. Quarante frères maghrébins, c'est autant de possibilités : un chauffeur de taxi, un garagiste, un flic, un dandy un peu intello... Autant pour les clichés.
En inscrivant cette histoire d'amour dans le terreau du racisme entre communautés noires africaines et communautés arabes musulmanes, Rachid Djaïdani déjoue les représentations courantes : "Je ne voulais surtout pas faire de victimisation. Je voulais plutôt inverser la tendance. Parce que l'être humain est complexe. Prendre une caméra, c'est un acte politique."
Le conte se termine sur une note humaniste, au son de la petite rengaine jazz qui courrait tout du long, sur un beau plan de nuit où des colleurs d'affiches placardent les lettres R-E-N-G-A-I-N-E sur des panneaux électoraux. Et nous, on vote pour.
Film français de Rachid Djaïdani avec Slimane Dazi, Stéphane Soo Mongo, Sabrina Hamida (1 h 15).
フランス語
フランス語の勉強?
生!池上彰×山里亮太【衆院選自民圧勝の背景と安倍一強▼中国も習一強?生解説】
ジャーナリスト池上彰が日本の今後を生解説▼衆院選自民圧勝…安倍一強で気になる“日本の今後”を生解説▼中国も習一強に?▼南キャン山里亮太×宮澤エマと深夜に語る
バラエティ番組がひしめく金曜の深夜帯に、ジャーナリスト池上彰が生放送で政治・社会・経済から国際情勢まで、世の中が見えてくるニュース解説を展開する大好評教養トークバラエティの≪第18弾≫! 相方の山里亮太、ゲストの宮澤エマとともに、衆院選の結果について分析。今後、日本がどうなっていくのかを考える。そして、もうひとつのテーマは中国。池上がわかりやすく解説する。
自公が大勝した衆院選…今後の日本は?
内閣の支持率が不支持率を下回る安倍政権なのに、なぜ大勝ちできたのか? 自公が大勝した衆院選の結果について分析する。また、与党大勝で、消費増税の使い道、財政再建はどうなる? 憲法改正は具体的スケジュールに入るのか。今後、日本がどうなっていくのかを考える。
中国の権力構造について考える
もうひとつのテーマは中国。安倍一強と同じように習一強体制を確立した中国の習近平総書記。どうやって態勢固めを進めてきたのか? 5年に一度の中国共産党大会の仕組みなどを解説しながら、中国の権力構造についても考える。 池上彰 山里亮太 宮澤エマ 番組HP http://www.mbs.jp/pgm2017/namaikegami.shtml twitter ハッシュタグ「#namambs」をつけてツイート! https://twitter.com/intent/tweet?hashtags=namambs

こころの時代〜宗教・人生〜「インドの大地に再び仏教を」
インドの仏教徒の指導者として慕われる佐々井秀嶺さん。この50年間、民衆と苦楽をともにしてきた。彼を突き動かしてきたものは何なのか。その思いに迫る。
岡山の山村で育った佐々井秀嶺さん。悩み多き青年時代、自殺未遂を繰り返した末に、山で一命を取り留め、仏門へ入った。やがて単身インドに渡るが、そこで出会ったのは、差別と貧困の中で苦しむ仏教徒たちの姿だった。彼らの境遇と自らの生い立ちが重なり合い、彼らを救えるのは自分しかいないと確信する。佐々井さんが考える、仏教の根底にあるという差別への「大いなる怒り」、そして「闘う仏教」の精神について伺う。 僧侶…佐々井秀嶺

サイエンスZERO「奇想天外!笑って考える科学 イグ・ノーベル賞2017」
誰も真似しない奇想天外な研究に送られるイグ・ノーベル賞。今年、11年連続で日本人が受賞した。生物学賞の吉澤和徳さんが迫ったのは、大きさ、わずか数ミリのチャタテムシ。「性」の常識を覆し、その奥深さを最認識させたと賞賛された。そのほか、「コーヒーをこぼさないカップの持ち方」「猫は液体?」など、ひとクセもふたクセもある研究内容を徹底解説。アメリカの授賞式のにぎわいを交えながら笑えて深い科学の魅力に迫る。【ゲスト】北海道大学 特任助教…古澤輝由,【キャスター】南沢奈央,竹内薫,【語り】浅井僚馬
NNNドキュメント 泥なんかに負けんばい!〜九州豪雨 被災地の6人家族〜
福岡・朝倉市の避難所で出会った6人家族。7月の九州北部豪雨で、3年前に建てたばかりの自宅を失いました。家族の大切な思い出のほとんどが、泥水に流されてしまった一方で、残ったのは多額のローン...。生活再建の見通しも立たず、慣れない避難所生活で体調を崩す娘たち。それを見た父親は誓います『もう一度一からやり直す!』。日常を突然奪われ、傷つきながらも前を向く一家の物語です。 「泥なんかに負けんばい!」 小山茉美 福岡放送
長妻昭‏ @nagatsumaakira
自民党が予算委での与野党質問時間の配分比を前例に反し野党分を削減するよう主張。絶対、容認できない。自民党が野党時代、強力に要請をして今の配分比となった。野党の質疑時間を減らす姑息な試みは止めて総理の言う丁寧な説明に努めてもらいたい。

土曜日でだらだらしてしまいました.でも夕方フランス映画を見に行きます.雨ですが,とりあえず向かいました.タイトルはRengaine.アラブと黒人の間での結婚がうまくいかない・・・という話でショックです.もちろんフランスだから差別がない,なんて単純な思いではないのですが,差別の現実を突きつけられてとてもしんどかったです.
夕方いろいろなものをスキャナで取り込み整理,つまり処分しました.かなり紙が減ったけれどもまだあります.
年末のフェリーが高い!のでどうしようか迷っています.

旧向洋高校の解体・撤去工事始まる 気仙沼
 震災遺構となる旧気仙沼向洋高校校舎(波路上瀬向)で、市の保存整備事業がスタートした。手始めに敷地内に残り、保存しない被災施設の解体・撤去工事に着手。年内に終わらせ、年明けからは校舎の保存工事などを本格化させる。2019年3月の開館に向けて、事業がようやく動き出した。

<閖上津波訴訟>「無線鳴れば早く避難」遺族ら主張
 東日本大震災の津波で乳児を含む家族4人が名取市閖上地区で死亡・行方不明になったのは市の防災無線の故障が原因だとして、仙台市の夫婦ら遺族4人が名取市に約6700万円の損害賠償を求めた訴訟で、原告の遺族ら5人の尋問が27日、仙台地裁であり、遺族は「無線が鳴っていれば早く避難できた」と改めて主張した。2018年1月の次回口頭弁論で結審する予定。
 妻は津波に巻き込まれた母親の乗用車から、避難直前に用意したとみられるミルク入りの哺乳瓶が見つかったことを明かし、「無線が鳴らなかったから(避難を)急がなければいけないことに気付けなかった」と述べた。夫は「(避難の呼び掛けを)何もしなかった行政の責任をうやむやにしてはならない」と訴えた。
 指定避難場所だった閖上公民館の当時の館長だった男性(69)は「津波はあるだろうと考えたが、(防災無線が)鳴っていなかったので何もないのかと思った。閖上には大きな津波が来ないという先入観もあった」と証言した。
 公民館に周辺住民約100人が避難したが、男性は「緊迫感はなく、皆ゆっくり移動してきた」と説明。津波時に公民館を避難場所として使わないよう、市が内部で申し合わせていたことについては「全く知らなかった」と話した。
 訴えによると、閖上地区の妻の実家にいた長男の乳児と両親、祖母が被災。2人は閖上小付近で遺体で見つかり、残る2人は現在も行方が分かっていない。


<震災遺物返却>返ってきたのは宝物 一つ一つに輝く物語
 「宝物が返ってきた」
 陸前高田市の仮設住宅で暮らす佐々木英子さん(69)は9月、訪れた美容室に置いてあった物品リストから思い出の杯一式を見つけた。陸前高田市の返却事業で家族の元へ返った写真や物品。その一つ一つに、かけがえのない物語があった。
 佐々木さんが震災前に住んでいた気仙町今泉地区には古くからの風習が残る。地域の婚礼では、沿道の家々が振る舞い酒で新郎新婦を祝福した。
 津波で歴史的街並みは壊滅し、住民は散り散りになってしまった。再び手元に戻った杯一式は、佐々木さんにとって楽しかった日々そのものだった。
 最近になって、震災前に亡くなった兄が写った白黒の集合写真も発見した。複写してもらった佐々木さんは「兄さんが写った唯一の写真。そばにいるようでうれしい」と語る。
 菅野祥一郎さん(66)は、陸前高田市気仙小の教員時代の思い出を捜し出した。担任をした児童たちが卒業制作で取り組んだタイル画だ。縦横約1メートルのタイルに、地元伝統のけんか七夕で笛や太鼓を演奏する子どもたちが描かれていた。
 菅野さんが気仙小の校長だった時に震災が起き、校舎は全壊。玄関に飾っていたタイル画は行方不明になった。退職後も必死で捜したが見つからず、半ば諦めていた。
 「遅くまで学校に残り、絵の具まみれになりながら一緒に作った」と菅野さん。今でもタイル画に描かれた一人一人が誰か分かる。津波の犠牲になった教え子も。思い出が鮮やかな色を取り戻した。


<震災遺物返却>陸前高田市の事業11月末終了 写真約7万枚ほか物品2500点以上
 東日本大震災でがれきの中から見つかった品々を持ち主や家族に返す岩手県陸前高田市の事業が11月末で終了する。拠点施設を構え、市民の集まる場所でのリスト閲覧や市内外での返却会を実施してきた。事業を受託した団体は「一つでも多くの品を返したい」としており、活動の継続に協力を呼び掛けている。
 市が保管しているのは写真約7万枚のほか、位牌(いはい)、トロフィー、卒業証書、通知表といった物品2500点以上。拠点施設で11月22日まで返却に応じている。
 「子どもの結婚式で使いたい」と何日も捜しに訪れた人や、見つけ出した診察券が唯一の形見になった人もいたという。
 理容室や診療所に写真と物品のリストを置き、古里を離れた避難者や出身者向けに岩手県内陸部や東京などで返却会も開いてきた。
 本年度の来場者は前年度より増え、9月までに写真だけで約2000枚を返却できた。
 事業を受託する三陸アーカイブ減災センター(釜石市)の秋山真理代表理事は「思い出の品を捜したいと思えるようになるタイミングは人それぞれ」と語る。
 取り組みを知らない人や思い出すのがつらいという人も多く、秋山代表理事は「事業はまだ必要とされている」と訴える。
 返却事業は国の緊急雇用創出事業の補助金で運営してきたが、2016年度に補助が終了。陸前高田市は復興庁の心の復興事業に財源を求めたが認められず、本年度は自主財源から約700万円を出した。
 今後は減災センターと市が覚書を締結した上で取り組みを続けたい考え。寄付金の募集を11月1日に始める。連絡先は三陸アーカイブ減災センター0192(47)4848。


市街地と島結ぶ橋 完成前に歩く
気仙沼市の市街地と離島の大島を結ぶため工事が進められている「気仙沼大島大橋」で28日、地元の島民たちが橋を歩きながら工事の進み具合を確かめる見学会が行われました。
気仙沼市の市街地と離島の大島を結ぶ「気仙沼大島大橋」は、震災からの復興事業の一環として3年前から建設工事が始まり、ことし3月には、橋の本体部分が設置されました。
28日は、大島の島民たちに建設作業の進み具合を確かめてもらおうと、見学会が開かれ、およそ100人が参加しました。
島民たちは、大島側から橋を渡り始め、時折立ち止まって、橋の上からの景色を写真に収めるなどしながら、350メートルほどの距離を、30分ほどかけてゆっくりと渡りきりました。
島民の70代の女性は「橋の上を歩ける日を待ちわびていたので、とてもうれしいです。ここからの景色はとてもすばらしいので、橋を通って観光客にたくさん来てほしいです」と話していました。
橋では、これから舗装工事などが行われるため、しばらく橋の上を歩くことはできなくなるということで、県は、来年度末までの橋の完成を目指しています。


<五輪霧中 大会理念を問う>(1)復興の看板/被災地 踏み台なのか
 2020年東京五輪は28日、同年7月24日の開幕まであと1000日となった。大会誘致時に掲げられた「復興五輪」は具体像が見えず、東日本大震災からの復興途上にある東北の被災地は大会への関心が盛り上がらない。政府、組織委員会、東京都は成功の道筋をどう描き、被災地は祭典に何を求めるのか。風化する復興五輪の意味を問う。(震災取材班)=5回続き
 輝く水面を秋風が吹き抜ける。登米市の宮城県長沼ボート場。小池百合子都知事が視察に訪れたのは1年前だった。「歓迎」。県道からボート場に下る道沿いには、その時に掲げられた看板が今も残る。
 「『復興五輪』の名にふさわしい」。20年東京五輪のボート、カヌー・スプリント会場候補地に突如、長沼が浮上した。ホテル建設や道路の整備、観光産業への経済効果に期待が膨らみ、地元は沸いた。
 2カ月ほど続いた騒動の末、会場は当初案の「海の森水上競技場」(東京)に落ち着いた。長沼は経費圧縮の踏み台に使われただけではないか。地元には不信感が漂った。
 登米市の寺沢豊志さん(68)は、地元の機運を高めるために「市民の会」を結成した。子どもの国際性を育む場にしようと、地元の小中学校に応援担当国を割り当てる青写真も描いた。
 「子どもたちが外国人に接して英語の必要性を肌で感じるチャンスだった」。期待した復興五輪のレガシー(遺産)があっけなく消え去ったことを悔しがる。
支持獲得に利用
 震災は、五輪の招致活動に深く関わっていた。
 都が16年五輪の招致に失敗した原因の一つは、国内支持率の低さだった。「一極集中」「独り勝ち」と地方から批判を浴びた。「復興五輪」は、東京だけでなく日本全体のイベントに変える絶好の掛け声になると考えられた。
 当時の都知事猪瀬直樹氏は「震災で打ちのめされた日本国民を立ち直らせる希望をつくる必要があった」と明かす。復興五輪は被災地に限ったメッセージではなかった。招致委員会の狙いは当たり、50%に低迷していた国内支持率は70%の合格ラインに到達した。
 東京開催の意義付けとも密接に絡んだ。開催地を決める国際オリンピック委員会(IOC)総会の最終プレゼンテーションがそれを象徴する。
 強調されたのは「スポーツの力」。原点は被災地を訪れたアスリートの実体験だった。スポーツが笑顔を育み、希望をもたらし、人々を結び付ける−。登壇者たちは口々に訴えた。
価値継承に期待
 IOCは東京五輪に何を期待するのか。内閣府の大会推進本部の芦立訓(さとし)総括調整統括官は「スポーツの力のすごさ、無限の価値を端的に語り継いでいるかどうかに関心があるのではないか」と語り、被災地の関わり方が大会の成否を左右すると推測する。
 政府、組織委、都にとって、被災地は単なる踏み台か。それとも五輪を成功に導くパートナーか。
 「長沼騒動」で抱いた被災者の思いを寺沢さんが代弁する。「スポーツの力のすごさを身をもって伝えられるのは被災地の人間だ」。20年夏、被災地にも当然、世界の目は注がれる。


<民進両院総会>「共闘なら勝てた。東北は犠牲に」前原氏へ批判
 民進党の両院議員総会があった27日、東北選出の国会議員からは希望の党との合流を強行し、衆院選で惨敗した前原誠司代表の判断に批判が渦巻いた。党の存続は決まり、前原氏の代表辞任、執行部刷新など早急な立て直しプロセスを求める声が上がった。
 「東北や北海道、上信越は民進党のままでやった方が勝てたと思う。しかし全体を考えて決断した」
 前原氏の発言に、党副代表の桜井充参院議員(宮城選挙区)は耳を疑った。
 昨夏の参院選の東北6選挙区は野党系候補が5勝1敗で圧勝。今年7月の仙台市長選は元民進党衆院議員が初当選した。野党共闘が強固だった東北でも大半の候補が、希望への全党的な合流という党の決定に従わざるを得なかった。
 「代表一任を認めた人間として、失敗したと思っている」と悔やむ桜井氏。「野党共闘なら東北で勝てる人たちも皆落選した。結局、東北は犠牲になった」と唇をかんだ。
 総会では参院議員と地方組織、今回当選した党籍を持つ衆院議員で民進党を維持することが決まった。田名部匡代参院議員(青森選挙区)は「衆参合わせるといまだに野党第1党。果たす責任がある」と党存続の意義を強調した。
 衆院選に無所属で立ち、自民党候補との激戦を制した金子恵美衆院議員(福島1区)は「(前原氏の辞任を含め)できるだけ早く、新体制で今後の議論を進めてほしい」と訴えた。


スバルでも不正/全ての製造業で総点検を
 日本の製造業を代表する名門企業の不祥事がやまない。「メード・イン・ジャパン」の信頼を揺るがす事態は収束するどころか、むしろ広がりを見せ、深刻の度を深めているとすらいえる。
 日産自動車に続きSUBARU(スバル)でも、国の規定に反して、資格を持たない従業員に新車の出荷前完成検査をさせていたことが分かった。無資格検査は30年以上前から行われていたという。
 製造データ改ざんが相次ぎ発覚した神戸製鋼所グループでは、日本工業規格(JIS)の値を満たさない製品のデータを改ざんして出荷していたとして、銅管製品でJIS認証が取り消される事態に発展した。
 信じ難いのは、「もの」の最低限の安全と品質を保証している法令を軽視する姿勢である。新車の安全性を担保する制度を、そして日本のものづくりの礎といえる規格をないがしろにしている。
 なぜ、そうなったのか。日産、神鋼同様、スバルもその原因を徹底究明し、再発防止につなげねばならない。
 同時に、そうした風土がこの3社だけでとどまるのかどうか、そんな疑問が湧く。全ての製造業の現場で総点検が必要ではないか。これ以上、「日本ブランド」の信用低下を招いてはならない。
 スバルで無資格検査があったのは、群馬県内の2工場。日産の不祥事を受け、国土交通省からの指示で社内調査を進める過程で見つかった。
 完成車検査はメーカーが国に代わってブレーキの利き具合を含め性能をチェック。新車にとって最初の車検に当たる。ところが、正規検査員が無資格者にはんこを貸し、検査の記録書類に押印させる偽装が常態化していたという。
 同様の行為は日産でもあった。「車検偽装」に等しく、消費者軽視との批判は免れない。日産に次ぐ不正発覚は、国産車の品質に対する信頼を一層損ねたといえよう。
 この検査制度の見直しは避けられまい。
 メーカーが新型車を出荷する際、国から「型式指定」を受けていれば自社工場で検査できる。国による検査の手間を省き大量生産を可能にするためだ。だが、この「性善説」に基づく制度が無資格検査で骨抜きにされた。これでは新車の安全を担保できない。
 検査が確実に実施されたかどうか、国が確実に確認できる仕組みが必要ではないか。早急に検討すべきだ。
 一方、神鋼のデータ改ざん問題は底なしの様相を呈してきた。新たに不正の疑いが5件確認されただけでなく、JISの認証機関が計20工場で立ち入り審査をしており、銅管以外の製品にも認証取り消しが広がる恐れがある。
 認証取り消しが相次げば会社の存続にも暗雲が立ち込めかねない。政府、関係自治体、取引金融機関は事態の推移から目を離してはならない。


神戸製鋼の不正 日本製の信頼傷つける悪質行為
 神戸製鋼所のアルミ製品などの性能データ改ざん問題が拡大している。素材メーカーの不正は一企業の信頼失墜にとどまらず、その材料を使った企業の製品の信用も傷つける。高品質を誇る日本のものづくり全体の根幹を揺るがしかねない深刻な事態であり、到底看過できない。
 品質が安全性に関わるだけに不安が募る。製品は車や列車、航空機など広範な分野に使われており、納入先は約500社に上る。納入先の一部は安全性を確認したとするが、全体像は不明。強度不足の製品を使った乗り物が事故を起こす可能性も否めない。全製品の安全性の確認を急ぐとともに、不正の全容を解明し、実効性ある再発防止策を講じねばなるまい。
 神鋼は、納入先が求める強度や寸法などの仕様を満たしていないのに、適合していると偽ってデータを書き換え、出荷していた。アルミや銅製品、主力の鉄鋼でも不正が発覚し、日本工業規格(JIS)の基準を下回る製品も見つかった。法令に反する極めて悪質な行為だ。
 問題は、不正が10年以上も前から組織ぐるみで行われていたことだ。理由を「現場に納期を守り、生産目標を達成するプレッシャーがあった」とするが、説得力に欠ける。これまでも工場のばい煙のデータ改ざんやステンレス鋼線の強度偽装などの不祥事を起こしている。その都度、経営陣は反省を口にしてきたが、過去の教訓を生かさない認識の甘さは容認できない。
 経営陣が不正を重く受け止めていたかは疑わしい。8月末に問題を把握していたにもかかわらず、一部顧客への説明を重視し、発表までに1カ月以上かかった。その会見では納入先の最終製品には問題がない、と勝手に断定。納入先企業名の公表もかたくなに拒んだままだ。安全情報の開示より取引先の利益を優先したとの批判は免れまい。品質や消費者を軽視する姿勢は到底許されない。
 後手に回る対応が、不信感を増幅させている。社長は当初、鉄鋼の不正を否定したが、翌日には一転して認めた。問題発覚後には工場管理職らによる社内調査への妨害行為も起きた。会社全体にモラル欠如や隠蔽(いんぺい)の体質がはびこり、企業統治は機能不全に陥っている。うみを全て出し切り、体制を一新して出直すしかあるまい。
 神鋼は弁護士で構成する外部調査委員会を設けた。焦点は経営陣が不正に関わっていたかどうかだ。国内外の複数の工場に及ぶ不正が現場の判断だけで行えたかには疑問が残る。なぜ不正が見逃されてきたか、徹底検証するべきだ。
 日産自動車やSUBARUの完成車無資格検査、三菱自動車の燃費不正など、メーカーの不祥事が後を絶たない。効率や利益を優先し、品質や安全を軽んじているように映る。ルールを守るという原点に立ち返り、消費者の信頼を取り戻す努力を重ねなければならない。


検査院の森友調査 国会で「丁寧な説明」を
 安倍政権は森友、加計学園問題の追及におびえているのか。それとも衆院選で大勝した以上、野党の声には耳を貸す必要がないと考えているのか。臨時国会の開催要求に対し、政府、与党は応じない方針だ。
 安倍晋三首相は衆院選の結果を受けて自民党総裁として会見。森友、加計学園問題については「これからも国会で質問をいただければ丁寧に答えていきたい」と語った。
 ところが、政府、与党は首班指名選挙を行う特別国会を開くものの、実質審議はしない方針だ。これでは首相が丁寧に説明しようがないではないか。発言はポーズだったとみられても仕方がない。
 その折も折、森友学園の国有地取引を調べていた会計検査院が「値引き額が最大6億円過大」と試算していることが明らかになった。
 当初の値引き幅はごみの撤去費分8億円余。しかし、会計検査院が残された資料で再計算したところ、撤去費用は2億〜4億円程度にとどまっていた。国民の税金が無駄遣いされたことになる。
 この舞台は森友学園の小学校用地。その名誉校長に首相の昭恵夫人が一時就任していたことから、国有地売却に関わって財務省などの「忖度(そんたく)」があったのではないかという疑惑を招いた。
 しかし、政府側はあいまいな説明を繰り返し、十分な解明がされたとはとても言えない。首相の友人が理事長を務める加計学園の獣医学部新設問題と併せて、国民の多くは説明に納得していない。
 選挙前、内閣支持率が低落した大きな要因の一つがこの問題だったはずだ。選挙が終われば、反省もなく民意に背を向けるのか。3分の2を獲得した巨大与党の振る舞いとは思えない。
 安倍政権は今年6月、野党が憲法53条に基づき要求した臨時国会召集を拒否。9月28日にようやく国会を召集したものの、冒頭で解散し衆院選に突入した。
 森友、加計学園問題以外にも国会で審議すべき重大なテーマは山積している。
 首相が選挙で「国難」と訴えた北朝鮮への対応、消費増税分の使途変更は選挙の訴えだけでは足りない。いずれも国民にきちんと説明しなければならない問題だ。
 11月初めにはトランプ米大統領が来日し、北朝鮮問題を中心議題に日米首脳会談が行われる。臨時国会か、最低でも特別国会を延長して堂々と論戦を交わすべきだろう。
 首相や閣僚が衆院選後に連発する「謙虚」という言葉に忠実であろうとするならば、国民の声を聞き、疑問に答えることだ。「おごり」の体質が改善できるかどうか、国民は冷静に見ている。


検査院の森友調査◆小手先では国民理解しない◆
 大阪市の学校法人「森友学園」に小学校用地として国有地が8億円余りもの値引きの上、売却された問題を巡り、会計検査院が「値引きは最大約6億円過大」と試算していることが分かった。売った側の財務省などは地中のごみの撤去費を見積もり、その分を値引きしたと説明してきたが、試算によると、撤去費は2億〜4億円で済むという。森友学園が開校を目指していた小学校の名誉校長に安倍晋三首相の昭恵夫人が一時就任していたことから、国有地売却に関わった財務省や近畿財務局の担当者による忖度(そんたく)によって学園が優遇されたとの疑惑が噴出。多くの証言や資料が積み上げられたが、政府はあいまいな説明を繰り返し、解明に背を向けてきた。
忖度と値引きが核心
 検査院は税金の無駄遣いをチェックして関係府省庁に指導を行う機関であり、その調査内容は重い。学園と財務省との交渉記録など国有地売却の関連文書が廃棄された問題についても調査を進めている。先の衆院選で与党は大勝したが、森友、加計問題を巡る国民の不信と不満は根が深い。解明を拒み続けることは許されない。
 近く特別国会が召集される。首相指名選挙を中心に短期間となるのが通例だが、政府と与党は、野党が求めている実質的な国会審議に応じ、徹底解明を図るべきだ。安倍首相にはその先頭に立ってもらいたい。
 国有地売却に絡む疑惑の核心は忖度と値引きにある。忖度で大きな役割を演じたのが昭恵夫人だ。名誉校長に就任したほか、夫人付政府職員が、詐欺で大阪地検に逮捕・起訴された森友学園前理事長の籠池泰典被告からの国有地の定期借地契約に関する要望などを財務省に連絡。回答を籠池被告に渡した。国会の証人喚問で籠池被告は経緯について「神風が吹いた」と述べた。だが夫人は口を閉ざしたままだ。夫人自ら公の場で明らかにすることが求められよう。
昭恵夫人の説明が鍵
 籠池被告との面会で財務省幹部が定期借地契約について「特例」と話したり、近畿財務局の担当者が買い取り可能な金額を尋ねたりと、忖度をうかがわせる音声記録もあり、夫人の説明は不透明な経緯を読み解く鍵になるだろう。
 値引きを巡っては、政府はこれまで明確な根拠を示すことができないでいる。ごみが出たと学園側の申告があり、近畿財務局や国土交通省大阪航空局が現地で確認したとしたが、どの場所でどんなごみが見つかったか聞かれても「工事業者から深さ9・9メートルの工事中に発見したと聞いた」などと、あいまいな説明に終始した。
 検査院の調査内容により、疑惑は一層深まったといえる。首相の友人が理事長を務める加計学園の獣医学部新設計画を巡る疑惑の解明も遅々として進んでいない。通り一遍の説明や公文書管理の見直しといった小手先の対応だけで国民の理解を得ることはできない。


「森友」値引き試算 深まった疑惑の解明を
 値引き額は最大で6億円も過大―。学校法人森友学園に、大阪府豊中市の国有地が8億円も値引きして売却された問題で、会計検査院がそう試算していることが、共同通信の取材で明らかになった。
 財務省などはこれまで、地中のごみの撤去費用を見積もって値引きしたと説明してきた。だが複数の関係書類が廃棄され、詳細な検証はできていない。検査院の試算では、撤去費用は2億〜4億円程度で済むという。
 そうだとすれば、財務省近畿財務局から依頼を受けた国土交通省大阪航空局の算定がずさんだったということになる。売却に関わった両省の判断があらためて厳しく問われよう。
 会計検査院は国の財産である税金の無駄遣いをチェックし、指導する機関である。調査内容は重く、疑惑は深まったといえる。政府には国民への詳しい説明が求められる。
 しかし政府は、野党が求める臨時国会召集に応じない方針という。ならば来月1日から開かれる特別国会での実質審議に応じるべきだ。安倍晋三首相は衆院選で与党が大勝した後、謙虚で真摯(しんし)な政権運営に尽くすと強調したのではなかったか。
 森友学園を巡る疑惑の核心は、大幅な値引きの背後に、官僚たちの首相官邸への「忖度(そんたく)」が疑われることである。学園が開校予定だった小学校の名誉校長には当初、首相の妻昭恵さんが就任していたからだ。昭恵さん付きの政府職員が国有地売却に関して財務省に問い合わせをしたことも分かっている。
 そうしたやりとりの後に大幅な値引きがなされており、前理事長も国会の証人喚問で「神風が吹いた」と証言している。何らかの忖度が働き、不当な値引きがなされたのではないかと疑われても仕方あるまい。前理事長の籠池泰典被告はその後、補助金の不正受給の疑いで起訴されている。
 もう一方の当事者の昭恵さんは、口を閉ざしたままだ。衆院選期間中は全国で遊説する首相の代わりに、昭恵さんは地元山口4区の個人演説会に出席していた。だが疑惑に答えることはなかった。それどころか、首相の地元事務所が安全確保などを理由に取材を拒否したという。無責任だ。
 テレビ番組では首相が、籠池被告を「詐欺を働く人物」として、「昭恵はだまされた」と主張した。公判も始まっていないのに、推定無罪の原則を無視したかのような発言は慎むべきだろう。
 昭恵さん本人はもちろん、森友学園への国有地売却に関係した政府関係者たちは、国会など公の場に出て説明してほしい。
 首相の親友が理事長を務める加計学園を巡る疑惑も晴れていない。政府の国家戦略特区制度を活用した手続きが「加計ありき」で進められたのではないかと疑いが持たれている。
 衆院解散が確実視された9月下旬、共同通信が実施した世論調査では森友、加計学園問題を巡る政府の説明に「納得できない」とした人が78・8%を占めた。選挙結果はどうあれ、国民が納得したわけではないことを忘れてはなるまい。
 疑惑に正面から向き合い、具体的に説明すべきではないか。踏み込んだ内容が示されなければ国民は到底納得できない。


臨時国会 謙虚な政治言うのなら
 政府は野党が求める臨時国会の召集に応じない方針だ。
 衆院選後の記者会見で安倍晋三首相は「今まで以上に謙虚な姿勢で真摯(しんし)な政権運営」に努めるとしていた。ならば国会審議に臨むべきである。
 菅義偉官房長官は、特別国会を11月1日に召集すると衆院各派協議会などで伝えた。自民党は会期を8日までにしたいと提案している。トランプ米大統領の来日などが重なるため、実質3日間しかない。首相指名や議長らを決めるだけで終わってしまう。
 臨時国会に応じないのは、年末までに開く時間的な余裕がないとの判断からだ。アジア太平洋経済協力会議(APEC)や東南アジア諸国連合(ASEAN)の首脳会議など、外交日程が立て込んでいるという理屈である。
 野党は加計学園問題などの追及のため6月に召集を求めた。4分の1以上の議員の要求があったとき「内閣は召集を決定しなければならない」と憲法は定める。首相は放置した末、冒頭解散した。
 自ら日程を窮屈にしておきながら身勝手な言い分だ。7カ月間も実質的な国会論議が行われないことになる。安全保障関連法を成立させた2015年も政府は同様の理由で要求に応じなかった。
 国有地が約8億円の大幅値引きで売却された森友学園問題、国家戦略特区制度を活用した獣医学部新設計画が認定された加計学園問題、ともに疑問が消えない。共同通信社の9月下旬の世論調査では政府の説明に納得できないとの回答が8割近くに上った。
 森友問題を調べている会計検査院は年内にも結果を公表する。これまでの調査で、値引き額は最大約6億円過大だったと試算しているという。加計問題では、計画を知ったのが今年1月20日だったとする首相の答弁の不自然さが指摘されている。
 選挙後、首相は「これからも国会で質問されれば丁寧に説明していく」と述べていた。実質的な審議が行われないのでは、野党が質問をしようにもできない。来年の通常国会まで疑惑を隠し、追及を逃れようというのか。
 与党は首相が出席する衆参の予算委員会の閉会中審査を検討している。形だけの質疑でお茶を濁すことは認められない。
 野党側は特別国会で首相の所信表明演説、各党の代表質問など審議を尽くすよう求めている。会期を延ばすか、臨時国会を召集するか。「謙虚に」と言うのなら、取るべき道はどちらかしかない。


安倍首相の「丁寧な説明」いつ?=本格国会なおハードル
 学校法人「森友・加計学園」問題で野党が求める本格的な国会審議に、政府が慎重な姿勢を崩していない。安倍晋三首相は野党の審議要求に応じる考えを自民党幹部に伝えたが、与野党の質疑時間の配分をめぐって高いハードルを掲げる構えも見せる。首相が約束した「丁寧な説明」はいまだ果たされていない。
 民進党など4党は通常国会閉幕直後の6月22日、森友・加計問題の真相究明のため、臨時国会召集を要求したが、政府・与党は7月の東京都議選への影響を懸念し拒否。その後、首相が先月28日の臨時国会召集初日に衆院を解散したため、十分な会期を設けた国会は開かれていない。
 首相は選挙中のテレビ討論で、臨時国会を要求された中での冒頭解散が過去2例あると説明、「求められれば丁寧に説明する」と述べていた。
 だが、首相が指摘した1986年と96年の冒頭解散では、いずれも特別国会後に臨時国会を開き、所信表明演説と各党代表質問に応じている。今回のように要求から4カ月余りたっても、与野党論戦の実施を前提とした国会が召集されないのは異例だ。
 政府・与党の及び腰な姿勢には、森友・加計問題の新たな動きが影響しているとみられる。森友問題では国有地が約8億円値引きされた経緯を調べる会計検査院の検査結果が近く公表される。値引き額が過大と判断されれば、「適正」一点張りだった政府の説明は苦しくなる。
 加計学園の獣医学部新設の申請をめぐっても、政府の審議会が来月前半に認可の是非を判断する見通しだ。学園理事長らの証人喚問を求める野党は攻勢を強める構えで、政府内には「この時期に国会を開いていることが得策なのか」との声もある。
 とはいえ、野党の要求を無視することもできない。首相は27日、自民党の萩生田光一幹事長代行と首相官邸で会談。萩生田氏は「首相は(審議を)やらないと誰が言ったのかという感じだ」と記者団に強調した。
 政府・与党内には、11月1日召集の特別国会について、野党側に提案している8日間の会期を12月上旬まで延ばす案や、開会後に8日までの会期を延長する案などが浮上している。首相は野党偏重との指摘がある国会質疑の時間配分を見直し、与党により多く配分するよう萩生田氏に指示した。審議に応じる条件として野党に求めていく構えだ。 
◇主な政治日程
 6月22日 衆参両院で臨時国会召集要求
 9月28日 国会召集、冒頭解散
10月22日 衆院選
11月 1日 特別国会召集(8日まで?)
    5日 トランプ米大統領来日(7日まで)
   10日 APEC首脳会議(11日まで)、ASEAN関連首脳会議(14日まで)
 同月前半  政府審議会が加計学園の獣医学部新設認可の是非判断
 同月中?  森友学園への国有地売却問題で会計検査院が検査結果公表
12月中旬  来年度予算編成が本格化
   年内  日中韓首脳会談?


公明9小選挙区「多すぎる無効票」は学会員の無言の抵抗か
 10・22総選挙で公示前の34議席から5議席減らし、比例代表では、2000年以降の衆参両院選を通じてはじめて700万票を割った公明党。公明候補が出馬した小選挙区の無効投票率が、全国平均と比べ突出して高いことが分かった。
 総務省が発表した全国の無効投票率は2.68%。公明が候補を立てた9選挙区の平均は7.00%だった。都道府県の選挙管理委員会がまとめた無効投票率をもとに日刊ゲンダイが集計した。
 最も高いのは、大阪3区の10.22%。自公連立の象徴で、太田昭宏元代表が当選した東京12区も、9.71%が無効票だ。
「学会員はちゃんと投票に行ったかフォローされるので、必ず投票所に足を運びます。公明党への批判の意味で、無効票を投じる学会員も少なくありません」(現役の創価学会員)
 公明候補の選挙区で無効票が多いのは、学会員の公明への無言の抵抗であることは間違いない。
 平和、庶民の党はどこ吹く風。政権に居ることを何よりも最優先し、安保法制、共謀罪に賛成し、森友問題では、当事者であるのに石井国交相は他人事だ。
「公明党は学会員の声を真摯に受け止め、9条改憲などのテーマで、連立離脱も辞さない姿勢で対応ができるか、正念場です。逆に学会員への統制を強めれば、ますます無効票は増えるでしょう」(政界関係者)
 敗北を自民のせいにしている場合ではない。


近視眼的な立憲、枝野の足引っ張るグループ
 ★国民の期待を大いに受けた野党第1党・立憲民主党。26日の執行役員会で人事を発表した。国対委員長兼政調会長・辻元清美の兼務を解き国対委員長に専念。政調会長は代表代行・長妻昭が兼務することになった。また副代表・近藤昭一が選対委員長、副代表・佐々木隆博が総務委員長、返り咲いた山内康一が国対委員長代理、阿久津幸彦が幹事長代理に起用された。 ★また週刊誌でセクハラ問題が報じられた青山雅幸に無期限の党員資格停止処分が科せられ、立憲の会派からも外れる。同党の純血主義ともいえよう。 ★立憲民主党の中核をなすのは民進党代表選挙で枝野幸男を推した面々。いわゆる枝野派が押し上げ結党、党躍進の原動力となった。彼らが既に党の役職を占めているが、価値観が近く考えを同じにする同志の結集であると同時に、枝野が考える「多様性を認め合い、困ったときに寄り添い、お互いさまに支え合う」(民進党代表選挙の時の枝野のスローガン)には、その結束の強さからいささか狭量で近視眼的になりがちだ。 ★政界関係者が言う。「それだけではない。枝野親衛隊を外側から取り巻くサンクチュアリの存在が大きく、彼らが多様性をそいでいるといっていい。サンクチュアリは民進党内のグループで、旧社会党グループとか赤松グループと呼ばれる。元首相・菅直人、元衆院副議長・赤松広隆ら政治家として上り詰めたのにプレーヤーとして君臨したがる、希望の党から見れば民進党内のお荷物的存在」が指導力を発揮し党内に院政を敷いているため、ますます多様性が否定されている。国民の期待とは裏腹に純血主義とサンクチュアリがエダノンの足を引っ張ることになる。

衆院選総括「選挙制度見直し議論始めるべき」上智大・中野教授に聞く(下)
 自公与党の圧勝、民進党から分かれた希望の党と立憲民主党で明暗が分かれることになった今回の衆院選をどうみるか。上智大国際教養学部の中野晃一教授(政治学)に話を聞きました。中野教授は、さまざまな課題がみえた選挙とし、選挙制度の見直しについて「議論だけでも始めるべき」と指摘します。
衆院選総括「二大政党制を求めることは不毛」上智大・中野教授に聞く(上)
投票率アップも戦後2番目の低さ
 中野教授は、今回の衆院選を「いろんな意味で残念」と評します。その理由として、安倍政権が誕生した2012年の衆院選以来、同じような結果が繰り返されている、といいます。
 一つは投票率の低迷。小選挙区の投票率は、2012年59.32%、前回14年は戦後最低となった52.66%、そして今回はそれをわずかに上回る戦後2番目に低い53.68%だったこと。「自民党支持者でもなぜ解散し、なぜ選挙をするのか、そして何が争点なのか理解されなかった」。そして、希望の党に民進が合流するという「有権者に分かりにくい、納得のいかない政界再編のドタバタ劇が選挙直前に起きたことで野党は受け皿がつくれなかった」ことが背景にあるとみます。
「有権者に意味のある明確な選択肢が与えられていないことによって、投票率が伸び悩んだのでしょう」
再生産される「自民圧勝」の構図
 もう一つは、投票しなかった人も含む全有権者に対する絶対得票率の数値です。「死に票」が少ないとされる比例区の自民党の絶対得票率は、今回有権者の6人に1人にあたる約17%で前回とほぼ変わらず。それに対し、いずれの選挙も議席数の6割を占める圧勝になったことからも、選挙結果が「必ずしも民意を正確に表しているとはいえない」といいます。
 候補者が乱立すると、死に票が多くなる小選挙区制ならでは起こる現象ともいえ、「これは日本の民主主義にとって不幸なこと」。「今回も野党分断乱立と小選挙区制によって“死に票”がたくさん出て、自民圧勝という構図がまた再生産されてしまった」
 またメディアの報道も「新党が2つもできたことで、対決構図がぼやけたこともあり、希望の党と立憲民主党どちらが有利なのかということばかりになったため、政策や争点とは若干ずれたところに関心がいったこともあるのだろう」。有権者が何を問うて投票するべきかという点をきちんと伝えられたか、疑問を投げかけました。
選挙制度見直し「せめて議論を」
 中野教授は、今回の選挙での民進党の分裂騒動が、政治家の政策的な立ち位置をはっきりさせた役割もあったとみます。一方で課題がたくさん明らかになった選挙ともいいます。
「立憲民主党はリベラル色をはっきりさせたことで、躍進したが、戦後の最大野党としては一番少ない議席数であることには間違いない」。現行の選挙制度が、96年の導入から20年以上経過し、「自民党支持者を含め、多くの人が、政治が劣化したといっている。小選挙区制のひずみが明らかになってきたので、広く国民の中でこの制度でいいのか議論するべき」と提起します。
「個人的には、比例の結果で全体の議席を配分する中で、小選挙区で選ばれた議員が優先的に当選するドイツやニュージーランドの『小選挙区比例代表併用制』の仕組みがいいと思うが、中選挙区に戻す方がいい、現行のままでいいのかなど、せめて議論を始めないといけない。過度に小選挙区に依存し、比例的配分が無視されているままでは、混乱は続いていくと思う」
 実際に有権者の政策への支持と選ばれている政治家の政治的立ち位置がねじれを起こしていると懸念します。「当選した衆院議員の8割が憲法改正賛成という報道があるが、世論調査ではどうみても8割の賛成はない。ほかにいないからという理由で安倍内閣を消極的に支持していても、安保法制や共謀罪など政策では反対している人の方が多いということが、たびたび起こるのは健全な状態ではない」
 中野教授は「多様な社会の実態、多様な意見がある今の社会に、2つの選択肢のどちらか選ぶという簡単な時代ではない。意見の違いや多様性を国会の場に出さないようであると有権者にとって分かりにくい政治となってしまう」、「政治家の方が有権者離れを起こしてしまっている」と有権者本位で政策議論がなされない現在の状況を問題視します。
「少子高齢化、財政難、医療や年金をどうしていくのか。安全保障の問題もかなり突っ込んだ議論を冷静にしなくてはならないのにそうならない。間接民主主義の原点に戻れば、代議士は私たちの代わりに議論する人であり、私たちの声をできるだけ正確に反映する人に託すべき。今回の選挙結果が議論のきっかけにならないと、また時間を無駄にしてしまう」と警鐘を鳴らします。


核廃絶決議案 賛成23カ国減 禁止条約対応で日本に反発
 【ニューヨーク國枝すみれ】国連総会第1委員会(軍縮)は27日、日本政府が提案した核廃絶決議案を144カ国の賛成を得て採択した。昨年の賛成票167から支持を23カ国減らした。今年7月に採択された核兵器禁止条約をめぐって、条約を支持する非核保有国と、反対する核兵器保有国や核の傘に頼る同盟国との対立が強まったのが原因。棄権は27カ国で、うち禁止条約採択を主導したオーストリアなど14カ国が、昨年の賛成から棄権に転じた。
 禁止条約を主導した国々との対立を受け、採決に加わった国の数自体も13カ国減った。賛成国には米国のほか、昨年棄権した英仏も加わった。反対国は昨年と同じ、中国▽ロシア▽北朝鮮▽シリアの4カ国。韓国やイラン、インドなどは昨年に続いて棄権した。
 高見沢将林・軍縮大使は賛成144票の結果について「幅広い賛成を得られた」と評価。棄権票が増えたことに関しては「謙虚に受け止め、核軍縮に向け具体的措置をつめていくことが課題」と語った。
 日本の決議案は「核兵器の全面的廃絶に向けた新たな決意の下での共同行動決議案」。各国が連帯して核なき世界を目指すことを訴える内容で、1994年から毎年提案してきた。
 日本政府は、核兵器禁止条約への言及を求める非核保有国の強い要望を受け、「核兵器なき世界の実現に向けたさまざまなアプローチに留意する」との表現を新たに盛り込む一方、核兵器禁止条約については明記しなかった。また、北朝鮮による核実験や大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射に言及することで「安全保障上の懸念に向き合わずに核軍縮だけを進めるのは非現実的」と主張する核保有国や同盟国に配慮した。
 さらに今年の決議は「核兵器のあらゆる使用」が壊滅的な人道上の結末をもたらすと明記していた昨年の文言から「あらゆる」が削除された。核実験全面禁止条約(CTBT)発効の障害となっている米国など8カ国の未批准国に批准を要請する文言も表現が弱められ、核保有国に核軍縮の責務を課す核拡散防止条約(NPT)第6条への言及も削除された。
 ニュージーランドなど賛成から棄権に回った国々は「昨年より内容が後退した」と日本の決議案を批判した。
 一方、核兵器禁止条約の採択を主導したオーストリアが提出し、全ての国にできるだけ早期に禁止条約を批准するよう呼びかける決議案も27日、非核保有国118カ国の賛成で採択された。核保有国や米国の核の傘に頼る日本など39カ国が反対、11カ国が棄権した。
 決議案は今年7月の核兵器禁止条約の採択を歓迎し、条約は核軍縮への不可欠な貢献と再確認している。
河野外相が意義強調
 河野太郎外相は28日、日本政府が提出した核兵器廃絶決議案が国連総会第1委員会で採択されたことを受けて「核兵器国や核兵器禁止条約に賛成した国を含む、幅広い国々の支持によって採択されたことを心強く思う」との談話を発表した。
 決議案への賛成が昨年より減少したことを踏まえ「核兵器国と非核兵器国のみならず、非核兵器国の間でも安全保障環境に応じて立場の違いが顕在化している」と指摘。そのうえで「すべての国が核軍縮の取り組みに改めて関与できる共通の基盤の提供を追求した」と意義を強調した。
 決議案で日本が交渉に参加しなかった核兵器禁止条約に触れなかったことへの言及はなかった。【加藤明子】
 ■日本が提案した核兵器廃絶決議案への投票行動
・賛成144カ国(英仏は昨年の棄権から転換)
・反対4カ国(中露、シリア、北朝鮮=昨年と同じ)
・棄権27カ国(オーストリア、ブラジル、ニュージーランド、インドネシアなど14カ国は昨年の賛成から転換▽インド、イラン、イスラエル、パキスタン、韓国など13カ国は昨年と同じ)


性同一性障害の僧 多様な性の「終活」相談 駆け込み寺に
 性同一性障害の僧侶、柴谷宗叔(しばたに・そうしゅく)さん(63)が、性的少数者(LGBTなど)のための寺「性善(しょうぜん)寺」を来年度中に大阪府寝屋川市に建立しようと準備を進めている。仏教の勉強のため、51歳で会社を辞めるまでカミングアウトできず、苦しんだ経験を持つ柴谷さん。子供を持たず、老後に不安を抱えることも少なくない性的少数者の「終活」相談など「LGBTの駆け込み寺」を目指す。
 柴谷さんは男性として生まれたが、心の性は女性のため、男らしい振る舞いが苦手だった。新聞記者としても活躍したが、仕事を失うことを恐れ、心の性に正直に生きることができずに過ごした。
 転機は1995年の阪神大震災。神戸市の自宅は全壊したが、偶然にも家におらず命拾いした。自宅のがれきの中から、以前に訪れた四国遍路の納経帳を見つけた。「身代わりになってくれた」。強い衝撃を受け、お礼参りに四国へ向かった。
 遍路の途中、装束が男女とも同じことに気付いた。「男性を演じる必要、ないんじゃないか」。心がふっと軽くなった。
 遍路を通じ出会った人に誘われ、仕事をしながら、和歌山県の高野山大学大学院で仏教の勉強を始めた。次第に向学心が高まる。2005年、51歳で思い切って新聞社を辞め、勉強に専念することにした。組織を離れ、自分の心を偽らずにいられることが心地よい。女性になるための治療も本格的に始めた。
 「女子トイレを使ってもいいですか?」。間もなく大学院の職員にカミングアウトした。人生初の経験。その後、僧侶となり、10年に性別適合手術を受け戸籍上の性別を女性に変更した。高野山真言宗も理解を示し、僧籍簿の性別変更も認められた。
 現在、大学の委託研究員として、巡礼や遍路の研究を続ける。一方で、僧侶になった当初から、自身と同様の悩みを抱える人々のための寺を作ることを思い描いてきた。
 寺名「性善寺」には「多様な性は悪いことではない」という信念を込めた。寝屋川市の実家の離れを改築する計画で、同性カップルの永代供養や仏前結婚式などを行う。自分の望む性の戒名も与えたいと考えている。「私だからこそできる寺。あらゆるマイノリティーの相談にも乗りたい」。柴谷さんはそう話す。
 不足する建立資金の寄進を募っている。連絡先は性善寺設立準備事務局(sibatani@mva.biglobe.ne.jp)。【篠崎真理子】


K・ギルバートの中韓ヘイト本に版元の講談社内でも批判の声! 組合報に「まさかこんな差別煽動本が」「目の前が真っ暗になる絶望」
 先日、本サイトでは、ケント・ギルバート氏のベストセラー『儒教に支配された中国人と韓国人の悲劇』(講談社)の実態が中国人や韓国人への憎悪を煽る悪質なヘイト本であることを指摘し、版元である講談社が老舗の出版業界最大手であるにもかかわらず“ヘイト本ビジネス”に手を染めたことを批判、「もはやこの国の出版文化は末期的と言うしかない」と断じた(http://lite-ra.com/2017/06/post-3254.html)。
 ところが、この国籍や民族でひとくくりにして〈「禽獣以下」の社会道徳や公共心しか持たない〉〈彼らは息をするように嘘をつきます〉〈自尊心を保つためには、平気で嘘をつくのが韓国人〉〈その病的なレベルについていえば、韓国人が世界一〉などとひたすら悪罵を連ねるヘイト本は、本サイトの論評後も売れに売れ続け、現在、出版不況の中で50万部に届こうかという大ヒット中。あまつさえ、講談社社内で表彰すら受けたという。「売れたものが正しい」と言わんばかりの講談社の姿勢には、まったく目眩がしてくるではないか。
 しかし、ここにきて、ケント氏のヘイト本をまっとうに批判する声が、出版物を読者に届ける立場の人々からも出始めている。たとえば、大手書店チェーン・ジュンク堂書店の難波店店長である福嶋聡氏は、インターネット言論サイト「WEBRONZA」に、「K・ギルバート氏の本で心地よくなってはならない」と題する論評を寄稿。同書の問題点を鋭く指摘し、大きな話題になった。
 いや、それだけではない。『儒教に支配された中国人と韓国人の悲劇』の内容と、その大ヒットを手がけた講談社の姿勢に対し、他ならぬ講談社社内からも強い疑問が呈されたのである。
 講談社の労働組合が不定期で出している「組合ニュース」と呼ばれる会報があるのだが、その最新号で、複数の社員が『儒教に支配された中国人と韓国人の悲劇』をめぐる自社の姿勢を問題視しているのだ。たとえば40代男性社員は〈講談社がケント・ギルバート氏の口を借りてヘイト本を出してしまったことと、批判をものともせずにそれを顕彰していることに恐怖を感じています〉と吐露している。
 さらに、社内でマンガ編集を担当しているとみられる30代女性が「組合ニュース」に寄稿した文章は、まさにこの講談社のヘイト本問題の本質と重大性をつくものだった。
〈私は、この本の存在を、書店、そしてネット上のレビューで見たときに、本当に目の前が真っ暗になるほどの絶望を感じました。このタイトルをタイピングするだけでも手が震えるほどの嫌悪を感じます。まさか講談社から、このような差別扇動本が堂々と出版されるとは想像もしていませんでした。〉
講談社の女性社員が組合報に書いたヘイト本を出版した自社への強い批判
 この女性は、定期的に差別についての講習を行っている講談社は、〈日本最大規模の出版社としての良識とプライドを持った会社〉だと入社以来信じてきたという。だが、いまやその講談社で、中国人や韓国人を「禽獣以下」だの「息をするように嘘をつく」だの「病的」だのという完全なヘイト本が生み出され、本社ビルのショーケースのなかに堂々と飾られ、書店でもポップ付きで平積みにされている。女性社員はこう続ける。
〈初版の帯には、「彼らは日本人とは別物です」と書いてありました。講談社には、中国人も韓国人も正社員として在籍していますが、日本人社員とは「別物」なのでしょうか?(略)差別を意図していないとおっしゃるかもしれません。では、何を意図して、特定の民族を指して「別物」「悲劇」と書くのでしょうか?「我々日本人」とは「別に生き物」と見なした相手を「人間」と感じられますか? 薄笑いで「悲劇」だと切った相手を、見下さずに対等な人間だと感じていますか? 私は「これを読んだ読者の心に何が残るのか?」と、考えながら漫画を作っていましたが、この本の読者の心に「何」が残るのか、本当に真剣に考えてください〉
 そのうえで、『儒教に支配された中国人と韓国人の悲劇』というヘイト本を国内出版最大手の講談社が手がけたという事実を、この社員女性は問い直す。本に携わった管理職も含む多くの人間は、自分の部下や同僚に中国人や韓国人がいて、隣で仕事をしていることを考えたのか。その同僚たちが自分が差別されていると感じることを想像したのか。そして、その人たちがもし、何も言わなかったとしても、講談社がヘイト本を出版したという社会的意味を、ちゃんと見つめ直さねばならない、と。
〈しかし私は、社員であるとともに子どもを社会に送り出す一人の母親としても、晋遊舎や青林堂ではなく、「講談社」からこの本が出版され、宣伝されているという事実を重く受け止めています。日本最大規模であり、世界有数の規模であり、海外にもコンテンツを売っている「一流出版社」が、差別本を出すことで社会に与える影響を真剣に考えてください。会社は「抗議が来ないならば差別ではない」とお考えなのでしょうか? 「中国人と韓国人に対しては差別するのがトレンドだから」とお考えでしょうか?〉
 数年前から書店に溢れ出した嫌韓反中のヘイト本は、悪罵や憎悪の扇動を正当化するために、あれやこれやと「理由」や「根拠」をつけている。だが、それらはネット上に転がっている悪質なデマであることも多いし、ケント氏の本がそうであるようにそれらしい名目を使っておきながら、その実、洞察など皆無であることが常だ。ヘイト本の著者たちは、そうして逃げ道をつくりつつ、批判されると「言論弾圧だ」と騒ぎ出す。
講談社はルワンダの「千の丘ラジオ」のようにならないでほしい
 しかし、この講談社の女性社員がいうように、その本の「読者の心」に何が残るのかといえば、結局のところ、中国人や韓国人への差別感情に他ならない。ネット右翼的な言辞を活字に刷りなおして、差別を商売にしているのだ。それは多様性を重んじ、文化を広めるという出版の理念に反しているばかりか、差別主義に基づく犯罪、ヘイトクライムを助長する行為でしかない。講談社の社員女性はこう記している。
〈見えないかもしれませんが、日本国内の少数民族は、はっきりと生命の危機にあります。ヘイトクライムとして報道されないだけで、ヘイトクライムはすでに蔓延しています。都知事ですらも過去の虐殺を否定し、韓国由来の銀行が放火され、毎週のように差別デモが行われている今の日本社会で、講談社がルワンダの「千の丘ラジオ」になるようなことは、絶対にやめてください。我々はそのような事態を起こさないために、文化を作っているはずです。私はそう信じていますし、講談社はそうあるべきだと期待しています。〉
 1994年のルワンダ大虐殺では、多数派のフツ族系の民放ラジオ局「千の丘」が、少数派のツチ族への民族憎悪を扇動するキャンペーンを行なった。「隣のツチ族に気をつけろ」「奴らはゴキブリだ」「カマやナタを用意しろ」。こうした民族差別の言辞をメディアを通じて広めることによって、それまでフツ族たちのすぐ隣で生活してきたツチ族たちが大勢殺された。ジェノサイド全体の犠牲者数は50万人とも100万人とも言われている。
 ルワンダ虐殺から20年以上が経った日本では、排外主義団体が「良い朝鮮人も悪い朝鮮人もどちらも殺せ」「ゴキブリたちを潰せ」などと路上でがなりたて、ネットでも日々ヘイトスピーチが溢れかえっている。そして「売れるから」という理由で乱造されるヘイト本の数々。ケント氏の本もまた、「日本人とは別物」「禽獣以下」などという差別のアジテーションとともに売り出され、書店に並び、すでに45万部以上が刷られてしまった。それは、差別を煽るナショナリズムを駆動させている安倍政権や、朝鮮人虐殺の犠牲者への追悼を取りやめた小池百合子都知事など政治とも確かに連動しながら、出版文化を“ヘイトスピーチの拡声器”へと変質させてしまうものだ。
 その意味でも、今回紹介したように、書店員や講談社内部からもケント氏のヘイト本に対する強い批判、拒絶感を表す意見がでていることは、少ないながらも“希望”と言えよう。
一方、担当編集者はインタビューで自らのマーケティング的センスを自慢
 しかし、講談社がこうした声を真摯に受け止め、出版文化の担い手としての自覚を持ち、ヘイト本から手を引くかというと、残念ながら、今のままではそうはいかないだろう。それどころか、ケント氏の件で味をしめた講談社が、今後、ますますヘイト本ビジネスに邁進し、他の大手もこのヒットをみて続々と参入してくる可能性が高いと言わざるをえない。
 実は、最近、『儒教に支配された中国人と韓国人の悲劇』の担当編集者である間渕隆氏が、出版業界紙「新文化」のインタビューに答えているのだが、氏に言わせれば「ビジネスとしての出版はオセロみたいなもの」であり、「どんな本を出せば、どれぐらいの石をひっくり返せるかだいぶわかってきた」という。
 また、これまで『住んでみたドイツ8勝2敗で日本の勝ち』(著・川口マーン惠美)などの“日本スゴイ本”も手がけてきた間渕氏によれば、〈普通の日本人の書き手がどれだけ「日本は外国に比べて優れている」と書いても「弱い」〉が、「欧米人と結婚した日本人であれば『日本はダメ』でも売れる」のだという。同じく、ケント氏のヘイト本が売れた理由についても、サラっとこう言ってのけている。
「ここまで伸びたのは、ケント・ギルバートさんというアメリカ人が『日本人と中国・韓国人は別物ですよ』と言ってくれたからだと思います。欧米人の書いた反中国・反韓国本だからこそ、特定の人たちだけでなく、多くの日本人に受け入れられたんでしょうね」
 ようするに、本作りは徹頭徹尾マーケティングで、ケント氏の本も例外ではなく、“読者ニーズがあり、売れるとわかる”ならば、ヘイト本だろうがなんだろうが大いにアリらしいのだ。こういう編集者がしたり顔で〈ヒット作のノウハウ〉を語り、業界紙がそれを「“時代の空気読む感性”磨き続ける」なるタイトルを添えて嬉々として取り上げる。頭が痛くなってくるが、これが出版界の現状なのだろう。
 もちろん、出版を法的に規制することは反対だ。しかし、差別やジェノサイドを扇動するような出版文化などあってはならないし、だからこそ、作り手や送り手は、その出版物の正体がいかなるものか、慎重に見極める必要があるはずだ。もっとも、講談社のような大手の編集者が、出版は「文化」ではなく「ビジネス」であると開き直っているようでは、もはや牛に対して琴を弾ず、なのか。出版に関わるすべての人たちに、このままでいいのか問いたい。(宮島みつや)


再審求め元看護助手が会見
14年前滋賀県東近江市の病院で患者を殺害した罪で服役し、出所後、再審=裁判のやり直しを求めている元看護助手の女性が、28日、記者会見し、「殺人の汚名がとれるまで闘いたい」と述べました。
滋賀県東近江市の湖東記念病院の看護助手だった西山美香さん(37)は、平成15年、当時72歳の男性患者の人工呼吸器を外して死亡させたとして殺人の罪に問われ、無罪を主張しましたが懲役12年の刑が確定し、服役しました。
ことし8月刑務所を出所した西山さんは再審=裁判のやり直しを求めていて、28日彦根市内で、弁護士や家族とともに記者会見しました。
西山さんは「任意の取り調べで刑事に激しく責められ、うその自白をしてしまった上、親身になってくれた刑事に好意を抱き後先のことを考えずうそばかり話してしまった」と当時を振り返りました。
そして、「再審開始が決まり殺人の汚名が取れるまでくじけず闘いたい」と話しました。
再審を認めるかどうかは大阪高等裁判所で審理されていて▽有罪の根拠とされた自白の信用性や、▽患者の死因が人工呼吸器を外されたことによる殺人か病死かなどが争点になっています。
井戸謙一弁護団長は、「裁判所は自白の信用性を高くとらえ、細かい問題を取り上げず判決を確定させた。無罪が証明されるまで手段を尽くして頑張りたい」と話しました。


湖東病院事件、再審への思い語る 滋賀で集会
 滋賀県東近江市の湖東記念病院で2003年に男性患者の人工呼吸器を外して死亡させたとして殺人罪で8月まで服役し、無実を訴えて再審開始を求めている西山美香さん(37)が28日、彦根市で支援集会に参加した。西山さんは「出所はしたが殺人の罪は晴れていない。最後まであきらめず、くじけない強い気持ちで頑張りたい」と再審に向けた思いを語った。
 事件は当初、業務上過失致死容疑で捜査されていたが、発生から1年以上過ぎて西山さんが殺害を自白。公判で否認したが、自白の信用性が認められ、懲役12年が確定した。現在は大阪高裁で第2次再審請求の抗告審が審理され、年内にも決定が出るとみられる。
 西山さんの弁護団は、自白は核心部分が大きく変転していて不合理で、捜査側の誘導が強く疑われるとして信用性を争い、患者は病死していて事件性はないと主張している。
 西山さんは集会で、自らがコミュニケーションがうまく取れない性格だと説明し「取り調べた刑事が自分の話を聞いてくれて好意を持ち、信用してしまった。刑事に話を聞いてもらおうと、後先を考えずうその自白をしてしまった」と取り調べの経緯を振り返った。
 両親とともに参加した西山さんは「20代の大事な時期を刑務所で過ごすのはつらかった。両親は普通の女性のように恋愛して結婚してほしかったと思う。安心してもらえるよう、早く無罪判決を勝ち取りたい」と話した。

絵ハガキ忘れて/なみなみワイン/書店で衝撃

ブログネタ
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Fig64

L’ikigai, un outil pour savoir ce qui vous va le mieux au travail
Du mal-être dans votre emploi ? Anne Cazaubon vous présente le concept japonais de l’ikigai, destiné à renseigner sur le travail qui est vraiment fait pour vous.
Namaste ! Bon, je vois qu’il va falloir que je brise la glace. Parce que vous croyez faire illusion, mais on va tout de suite se parler les yeux dans le micro, la bouche dans les oreilles… Je sens que ça va pas ! Ne bluffez pas, je vois bien à vos traits tirés, que votre lumière intérieure baisse en intensité. C’est quoi, c’est le travail, c’est ça ? Beaucoup de gens sont dans ce cas-là.
Parce que vous savez que tous les matins, quand 100 personnes se lèvent pour aller travailler, il y en a 60 qui se disent 'oh tu comprends, il faut bien gagner sa vie'. Il y en a 31 qui y vont carrément à reculons, terrassés par l’angoisse ou une colère contre le patron. Enfin, il y en a 9 qui y vont en sautillant, avec un feu d’artifice dans le cœur.
Il est temps de découvrir votre ikigai. Oui, parce que tout le monde en a un sans le savoir. Et comme la mission de cette chronique est de vous aider à mettre toujours plus de conscience dans ce que vous faites et notamment dans le sens que vous donnez à votre travail, je vous propose de filer au Japon. Pourquoi ? Tout simplement parce que le Japon compte près de 60 000 centenaires (un record) et que visiblement, ils ont tous une santé de fer.
Mais alors, qu'est-ce que l'ikigai ?
"Iki", en japonais, c’est "la vie", et "gai signifie littéralement "la réalisation de ce que l’on attend, de ce que l’on espère". Mais attention, l’ikigai, ça n’est pas juste notre "raison d’être". Il s’agit de combiner et de bien conjuguer le tout… Tout est une question d’équilibre entre "ce que vous aimez faire", "ce dans quoi vous êtes bon", "ce pour quoi vous pourriez être payés", et "ce dont le monde a besoin". L’approche de l’ikigai, c’est vraiment de vouloir se positionner au carrefour de nos d’intérêts.
L’idée, c’est de composer ce savoureux cocktail entre 4 cercles : celui de la passion, de la carrière, de la vocation et de la mission et donc de bien séparer chaque aspect de notre vie, en se posant des questions quasi existentielles telles que : "Ma passion est-elle ma profession ?", "Ma vocation est-elle au service des autres ?", "Est-ce que, ce que je fais est utile au monde" ? L’ikigai est donc une invitation à descendre au plus profond de soi et à regarder en face, ce qui est réellement important pour nous.
Par Anne CAZAUBON
Japon: une adolescente forcée par son lycée à se teindre les cheveux
La lycéenne a préféré porter plainte, après avoir été obligée de se teindre les cheveux en noirs par son lycée.
Une lycéenne japonaise est en procès contre les autorités de sa région parce que ses professeurs la forçaient à teindre en noir ses cheveux, qui sont naturellement bruns, au nom du règlement intérieur de l'établissement. Elle a tenu porter plainte contre cette pratique.
Une première audience a eu lieu vendredi dans le cadre de cette affaire, a déclaré un responsable de la préfecture d'Osaka (ouest), précisant que la plaignante, une adolescente de 18 ans, réclamait 2,2 millions de yens (environ 16.600 euros) de dommages-intérêts.
Les cheveux de couleurs bannis
L'adolescente de 18 ans a teint en noir ses cheveux à plusieurs reprises pour respecter le règlement de son établissement, bannissant tous les cheveux de couleur. Mais cela n'a pas suffi et elle a fini par être renvoyée, selon le quotidien Asahi Shimbun.
Elle n'a plus fréquenté son lycée depuis septembre 2016 et affirme que son cuir chevelu a été par ailleurs abîmé par les teintes à répétition, selon des médias locaux.
Des normes strictes
Son lycée lui aurait soutenu que même un étudiant étranger aux cheveux blonds serait obligé de se teindre les cheveux en noir pour participer aux cours, selon ces médias.
Beaucoup d'établissements scolaires au Japon, dans le public comme dans le privé, imposent des normes très strictes en termes d'apparence vestimentaire, de maquillage et de couleur de cheveux.
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オイコノミア「生まれ変わる“西成” 地域再生の経済学」
大阪西成のあいりん地区が激変。かつての日雇労働者の町が「地域再生」モデルとして全国から注目され、視察が相次ぐ。いったい何が起きているのか、又吉こん身のレポート!
日本3大ドヤ街の一つ、大阪西成のあいりん地区。大阪出身の又吉は敬遠し一度も訪れたことがなった。ところが今、かつての日雇労働者は高齢化して街は穏やかになり、外国人旅行客で大にぎわい。今回又吉を案内するのは、西成を知り尽くす経済学者、学習院大学・鈴木亘教授。ホームレス研究20年、西成の改革に奔走した鈴木さんは、経済学の考え方を生かした「地域再生」のモデルという。全国の自治体が注目する“西成”とは… 又吉直樹, 学習院大学教授…鈴木亘, 朴ろ美

10min.ボックス 地理「なぜEUとしてまとまるの?〜ヨーロッパ州〜」
「10min.ボックス地理」は、インパクトある映像で日本や世界の様子を伝える中学生向けの社会科番組。1つの疑問をさまざまな「見方」から探っていく過程を紹介する。
今回の疑問は「なぜEUとしてまとまる必要があるの?」。言葉や歴史、文化、宗教が違う国々が隣り合うヨーロッパ。ヨーロッパ連合(EU)はそうした国々の集まりだ。EUに加盟していると、EU各国間を自由に行き来でき、どの国でも働けるなどの利点がある。しかし一方でイギリスなどEUから離脱しようとする国もある。EUの存在意義を「面積・経済」や「待遇と格差」などの「見方」をもとに探っていく 柿原徹也

ガリレオX 泡が進める生活革命 発泡技術の過去・現在・未来
寝心地の良いマットレス、長距離を走れるシューズのソール、つけ心地の良いブラ、冷暖房効率の高い住宅用断熱材・・・これらは「発泡体」という、言わばたくさんの「泡」が含まれた合成樹脂からできている。その微細な泡の構造を操作することで、発泡体には様々な機能を与えることができるのだ。その機能はクッション性や断熱性、フィルター性能など多岐にわたり、私たちの暮らしの快適さに貢献している。
歴史をみると、戦後わずか10年で、発泡体の代表格であるウレタンフォームの生産が日本国内でも始まり、技術者は求められる機能をひとつひとつ実現してきた。
発泡の技術は今なお進化しており、エレクトロニクスやメディカルの分野で活用されている。現代生活を支えるウレタンフォームが作られる現場を訪ね、発泡技術の過去、現在、未来に迫る。
発泡とは何か?
泡とは何か?京都大学の大嶋教授によると、泡とは「孔(あな)」だと言う。液体や固体の中に気体の孔を作るのが発泡技術であり、それによりひとつひとつの泡の形や大きさ、そして構造を操作することで、モノ全体の性質を決めることができるのだ。
ウレタンフォームとは何か?
ポリウレタンフォーム、通称ウレタンフォームはウレタン樹脂というプラスチックを骨格にした発泡体だ。化学反応によって泡を発生させる化学発泡により作られる。国内トップメーカーの工場を訪ね、ウレタンフォームのダイナミックな製造現場を見せてもらった。
ウレタンフォーム日本導入の歴史
軽量で長持ちする特長をもつウレタンフォームだが、戦後、外貨制限がまだ厳しかった時代に、原料を輸入するにはいくつもの困難があった。当時を知るイノアックコーポレーションの井上聰一代表に話を聞いた。また、石炭の化学から石油の化学へと変化した高度成長期に研究の道に入った長崎大学の古川睦久名誉教授にもその時代を振り返ってもらった。
最新の発泡技術
発泡の先端研究を進めるイノアック研究所を訪ねた。佐藤正史所長によると、環境負荷が低く、省エネルギーという付加価値を持つ発泡体がいま求められているという。人々により快適な生活をもたらす、これからの発泡体に迫った。 古川 睦久さん(長崎大学) 大嶋 正裕さん(京都大学) 井上 聰一さん(イノアックコーポレーション) 佐藤 正史さん(イノアックコーポレーション) 西村 嘉修さん(イノアックコーポレーション)

あおざかな‏ @aosakana
参院民進党ぬるいことしてたらいけない。自分で自分の身を処すこともできない前原なんかとっとと、それこそ1時間でもはやく罷免しないとダメだと思いますよ。なんかスピード感が無さ過ぎ。時間の経過ごとに支持が落ちる音が聞こえる。
小西ひろゆき (参議院議員)‏ @konishihiroyuki
両院議員総会では、私を含め圧倒的多数が本日付又は30日付での辞意を確認議決することを求めた。前原代表は「30日全国幹事長会議の議論の状況を踏まえて(辞職時期を)判断する」理由として「辞めるという前提の代表で同会議に臨みたくない」旨を述べたが、理由にならない。即時辞職あるのみだ。
前原代表の真意は、年内一杯まで代表に留まり民進党を解体して「与党と同じ安保政策を行う希望の党と自民党による保守二大政党制」(10/6前原氏ツイッター)を実現することだろう。その意味で、辞任の期限を切らすことができなかった本日の両議員総会は前原代表らの思惑どおりだった危険性がある。
両議員総会で前原代表に対し「民進の理念・政策を曲げずに小池氏と対等の立場で公約協議すると9/28に約束したが、小池氏は民進が違憲とする集団的自衛権の解釈変更を合憲・違憲のどちらと考えているのか」と質問。前原代表からは「政策協定書の文言のとおり」との答弁のみ。協議していない証拠だ。

有田芳生‏ @aritayoshifu
両院議員総会を終えてお誘いにのらずに独り「ささもと」。前原代表のただちの辞任を求める発言したものの後味悪し。30日の全国幹事長会議を終えて辞任時期を表明したいとする代表。今朝流れてきたのは12月まで辞任せず、解党・分党するとの情報。ならばおかしい。とはいえ不明、30日の決着へ。

風景印を押してもらおうと大きな郵便局に向かいました.が肝心の絵ハガキを忘れてしまったみたいです.また今度の機会にするしかありません.
お昼はなみなみワインを頂きました.ちょっと酔ってしまった感じがします.
時間つぶしもかねて?梅田の書店をまわりました.地下にあるかと思いやそうではなくちょっと迷ってしまいました.明るい雰囲気でいろいろあります.一人で来るのはもったいないくらいの衝撃でした.

入居率10%切る 気仙沼市の応急仮設住宅
 気仙沼市の応急仮設住宅の入居率が今月1日時点で8・9%となり、10%を切った。市内では2019年度末までに残る全団地が解体・撤去される予定だが、土地区画整理事業の遅れなどにより、ぎりぎりまで仮設暮らしを余儀なくされる被災者がおり、さらなる入居延長と早期の基盤整備が待たれている。

「喪失感」疑似体験する授業
東日本大震災で家族を失った人の話しに耳を傾けることで大切な人を失う「喪失感」を疑似的に体験する授業が仙台市の大学で行われました。
この授業は震災の記憶の風化を防ごうと東北学院大学の金菱清教授が企画したもので市民らおよそ30人が参加しました。
参加者たちははじめに自分にとっての大切な人とその理由をカードに書き出しました。
このあと震災で両親を亡くした高橋匡美さんが優しかった父親と大好きだった母親との震災前の日常や変わり果てた姿で対面したときの悲しみについて語りました。
参加者たちは高橋さんの話しに耳を傾けながら自分が書いたカードを破って大切な人との別れがどのようなものか想像し「喪失感」を疑似的に体験しました。
会場では高橋さんの亡くなった両親や自分の大切な人に思いをはせ涙ぐむ人の姿もみられました。
塩釜市の60代の女性は「当時、県外に住んでいて震災をひと事のように感じていた部分があったが具体的な人を想像しながら深くその死を考え胸にこみ上げるものがあった」と話していました。
金菱教授は「震災を体験したことのない人が今後、増えていく中で他人事の災害が自分のことになるよう伝承に取り組んでいきたい」と話していました。


避難機能付保育室を新設 被災で移転の保育園
 東日本大震災で被災し、内陸部に移転した気仙沼市の新生保育園(園児45人)が、避難所の機能を備えた保育室を新設することになり、25日、同市東新城の現地で地鎮祭があった。
 新たな保育室は鉄骨2階延べ床面積135平方メートル。1階はピロティとし、2階に保育室と倉庫を配置する。倉庫には3日分の非常食や水を保管し、ストーブや毛布も準備する。
 保育園周辺は大雨のたびに冠水しやすい地域。子どもたちの安全を確保するため避難機能がある2階建ての保育室を増築した。
 現在の鉄骨平屋の園舎に隣接し、来春の完成を見込む。保育室が増えることから、受け入れる子どもは5人増やす予定。
 地鎮祭には保育園を運営する社会福祉法人「新生会」の役員や関係者ら30人が出席し、工事の安全を祈った。
 新生保育園は津波で園舎が全壊。2014年4月に現在の場所に移転し、再開した。斎藤典子園長は「震災を経験し、防災意識が高まった。安全、安心な環境で子どもの保育に当たることができる」と話した。


気仙沼の学校で働く魅力を伝えたい 若手教員がPR動画発信
 東日本大震災で被災し、復興への歩みを進める気仙沼市の学校で働く魅力を伝えようと、市内の教員がPR動画を作成した。教員志願者に関心を高めてもらうため、宮城県教委が作成を依頼。南三陸町の教員が手掛けた動画と合わせ、今月から県教委のホームページで公開している。
 23〜32歳の小中学校教員6人が、9月中旬から作成作業を開始。授業の空き時間に手分けして動画や写真を撮影した。編集は条南中の外国語指導助手(ALT)でカナダ人のセントゥレン・インダラシトゥさん(27)が担当した。
 動画は1分30秒。授業や学校行事の様子に加え、小型無人機「ドローン」で撮影した広大な海や、ホタテの殻むきなど港町らしい漁業体験学習に取り組む子どもたちの姿がテンポよく映し出される。
 気仙沼市出身で、階上中教諭の上長根伸哉さん(32)は「豊かな自然があり、子どもたちも素直。動画をきっかけに、気仙沼で教員生活のスタートを望む若い仲間が増えればうれしい」と期待を込めた。


<フカヒレ>水揚げ日本一のサメに親しんで 気仙沼で「ふかふか村まつり」開催
 気仙沼市が水揚げ日本一を誇るサメに親しんでもらおうと、フカヒレ加工出荷の中華高橋水産(東京)は29日、同市本吉町大谷の加工場で「ふかふか村まつり2017」を開く。有名シェフの料理を味わえるほか、フカヒレ加工品の格安販売もある。
 昨年に引き続き2度目の開催。同社が「ふかふか村」と名付ける加工場を一般開放する。朝の情報番組などに出演している中華料理の菰田(こもだ)欣也シェフがランチプレート(税込み1800円)を限定150食準備する。当日席は50食で、100食は事前予約となる。
 崩れたフカヒレ姿煮を市価の3分の1で販売。屋台コーナーもあり、フカヒレ入りあんかけ焼きそばやサメ肉の唐揚げが味わえる。フカヒレをお湯に溶かした「ふかひれコラーゲン足湯」も準備される。
 ヨシキリザメの解体ショーを実施し、サメの骨を使ったキーホルダーづくりを体験するコーナーもある。
 同社は「高根の花と思われがちなフカヒレを存分に堪能してほしい。サメの街気仙沼をアピールする機会にもなる」と呼び掛けている。午前10時〜午後3時。入場無料。連絡先はまつり事務局0226(44)3032。


3代目「おえびすさん」復興のシンボルに 戦争に大津波…気仙沼で復活へ
 「おえびすさん」として長年地元で親しまれ、東日本大震災の津波で流失した宮城県気仙沼市魚町の神明崎にあったえびす像を再建しようと、地元の有志が準備を進めている。大漁祈願で建てられた初代は太平洋戦争中に軍に供出され、1980年代後半に復元された2代目が被災。気仙沼市の魚のシンボル、カツオを釣り上げる3代目の銅像が、現地の復旧工事が終わる2019年度内にも復活する。
 初代は1932年に漁業関係者によって建てられたが、太平洋戦争の激化に伴い軍が43年に回収。神明崎にある五十鈴神社の氏子や漁船員の協力で、88年に2代目が建立された。
 だが、震災の津波で再び姿を消した。関係者がダイバーの協力を得て何度か海中を捜したが、見つからなかった。
 地元で復元を求める声が高まる中、今年8月に気仙沼商工会議所や漁業関係者らが中心となり「3代目えびす像建立委員会」を立ち上げた。気仙沼市で復興支援を続けるビール大手のサッポロホールディングスが「ヱビスビール」を販売する縁で協力を申し出たことが後押しした。
 計画によると、3代目は初代、2代目より15センチ高い1メートル65センチ。えびす様が釣る魚は2代目までのタイから、気仙沼市が水揚げ日本一を誇るカツオに変わる。
 仙台市青葉区の勾当台公園にある谷風像や太白区の八木山動物公園のベーブ・ルース像などを作った仙台市出身の彫刻家翁観二氏が手掛ける。翁氏は9月下旬に現地を視察し、立ち位置などを確かめた。
 建立委の会長を務める気仙沼商議所の臼井賢志名誉会頭(75)は「かつて漁師が手を合わせて大漁と安全を祈願したおえびすさんの復活は、気仙沼市民みんなが待ち望んでいる」と強調。「復興の象徴でもあり、内湾地区の観光スポットとして話題になるだろう」と話す。


デスク日誌 新しいカタチ
 塩釜市に新しい観光施設が誕生した。25日に完成式典が開かれた市魚市場のことだ。高度衛生型の荷さばき所を備えると同時に、一般来場者も利用できる「新しいカタチ」(市関係者)を市は目指した。
 南、東、中央の3棟で構成し、2階部分がデッキでつながる。一般客はそこを歩いて建物を巡り、階下の荷さばき所で行われる競りを見学できる。
 南棟2階の展望デッキに出ると、「千賀の浦」と呼ばれ、歌枕になった港の全体を見渡せる。日本三景・松島の島々も。新たな絶景ポイントだ。
 中央棟には海産物が味わえる食堂や販売所、魚食普及の調理スタジオなどを配置した。近くには塩釜水産物仲卸市場があるから、食べ歩きをしても楽しい。
 と、いろいろ書き連ねたが、どれだけの客を集められるかどうかは無論、未知数。「完成がゴールではない。名実ともに復興のシンボルにするためには、ここがスタート」と、市の担当者は表情を引き締める。
 29日は魚市場開放まつりがある。対岸の埠頭(ふとう)から無料シャトル船が出る。「新魚市場をぜひご覧ください」と市はPRしている。(塩釜支局長 山野公寛)


災害公営住宅でコンサート
東日本大震災で被災した人たちを元気づけようと、多賀城市の災害公営住宅で、NHKの元「歌のおねえさん」などを招いたコンサートが開かれ、集まった人たちは優しい歌声を楽しみました。
このコンサートは、震災で被災した人たちを元気づけようと、多賀城市などが企画したもので、会場となった多賀城市桜木の災害公営住宅の集会所には、住民を中心におよそ80人が集まりました。
コンサートでは地元の幼稚園児によるかわいらしい合唱のあと、NHKの教育テレビの「ワンツー・どん」で歌のおねえさんを務めていた歌手の渡辺かおりさんが「里の秋」や「赤とんぼ」などの童謡を披露しました。
集まった人たちは、時折、手拍子をとりながら、渡辺さんの優しい歌声に聴き入っていました。
災害公営住宅に住む70代の女性は、「被災してから6年あまりになりますが、こういう場を設けてもらって元気をもらいました」と話していました。
渡辺さんは、「私たちが歌って演奏して、それがきっかけとなって地域の交流につながればうれしいです」と話していました。


「ボランティアの母」たたえる 岩手・大槌の八幡さんが日本女子大家政学部賞
 日本女子大は26日、家政学部賞の授賞式を東京・目白キャンパスで行い、東日本大震災からの復興に尽力した岩手県大槌町の商店経営八幡幸子さん(66)ら3個人・団体に贈った。
 八幡さんは津波で自宅兼店舗が被災したが、店の商品や調理器具を提供するなど被災住民の救援活動に取り組んだ。別の建物をボランティアの宿泊施設に改装し「ボランティアの母」として無償で1日3食を振る舞い、同大の学生をはじめ国内外から2000人以上を受け入れた。
 「被災して失ったものは多いが、得たものもある。名誉ある賞を頂いてうれしい」と八幡さん。現在のボランティアは月に10人ほどといい、「少なくなるのは復興としてはベストだけど、全く来なくなるのも寂しい。大槌が復興する姿を見に来てほしい」と話した。
 同賞は、家庭生活や生活環境に関わる課題の解決に向け科学的に取り組む個人・団体の活動を奨励しようと、2008年に創設された。
 今年は10周年記念賞として、社会福祉法人ちいろば会原町聖愛こども園(南相馬市)、放射能からきれいな小国を取り戻す会安全安心親睦委員会(伊達市)が選ばれた。


<台風21号>宮城の被害額17億6000万円超に カキ養殖いかだ破損も
 宮城県は26日、台風21号に伴う被害額が計17億6954万円に上ったと発表した。河川や道路施設に加え、養殖カキが海中に落下するなどした水産業被害が新たに判明し、24日時点より16億822万円増えた。
 河川被害は7億4430万円増え、計8億2073万円。仙台市泉区の七北田川堤防ののり面崩落が確認された。女川町の県道のり面が崩れるなど、道路被害も3億6928万円増え、計4億3836万円に達した。
 石巻市内のカキ養殖いかだが破損し、計約1324トンのカキが海中に落下するなど水産業の被害は計2億7105万円となった。


ブドウ 「八戸ワイン」用収穫 仕込み開始 正月お披露目
 青森県八戸市南郷地区で栽培している「八戸ワイン」用のブドウの収穫が、26日に終了した。今季の収穫量は13戸の農家でピノノワールなど計約3トン。収穫されたブドウは、市内の「澤内醸造」と「八戸ワイナリー」の2社に提供される。
 この日、高長根律子さん(56)の園地では市内のソムリエらも参加して、マスカットベリーAを摘み取った。高長根さんは「いいワインができることを楽しみに待っている」と期待していた。市農業経営振興センターの石丸隆典所長は「3年目で初収穫したが、順調に育っている」と話した。
 一方、澤内醸造は11月中旬から醸造を開始予定。南郷産ブドウでスパークリングワインを造り、来年1月のお披露目を目指している。岩手県のワイナリーに委託醸造させている八戸ワイナリーは、既に仕込みを始めているという。【塚本弘毅】


鎮魂の木像被災地に 彫刻家の遺志継ぎ作品展 仙台の知人ら企画
 米ハワイを拠点に活動した彫刻家ランディ・タカキ(1952〜2016年)の追悼彫刻展「守護者・ガーディアン」が28日、仙台市青葉区の中本誠司現代美術館で始まる。11月4日まで。東日本大震災の犠牲者のために作品を作り仙台で展示したいというタカキの遺志を継ぎ、仙台の知人らが企画した。
 タカキはハワイ島生まれの日系3世。同島のイーストハワイ芸術センターでインストーラー(美術展示担当職員)として働きながら、ガーディアン(守護者)と呼ぶ木像を作り続けた。ガーディアンは、自分の息子が生まれてすぐ亡くなったのを機にタカキが生み出したモチーフで、鎮魂の祈りを表現しているという。
 2013年春に来日した際、知人の紹介で青葉区の舞踏家・現代アートディレクターの小山朱鷺子(ときこ)さん宅に滞在。流木を拾って作品を作ろうと被災地の海岸を探したものの見つからず、持参した木材でガーディアンを制作し「震災の犠牲者のために展覧会を開きたい」と語っていたという。
 彫刻展は小山さんを中心に企画。タカキが小山さんに託したガーディアンなど10点前後を、画家中本誠司(1939〜2000年)の作品とともに展示する。鎮魂パフォーマンスとして、28日に小山さんとパフォーマンスアーティスト大串孝二さんらの舞踏ステージ、11月4日に美術館理事長大内光子さんのチェンバロ演奏が行われる。
 小山さんは舞踏家大野一雄(1906〜2010年)の弟子。タカキが来日した年の夏にハワイ島で舞踏公演を行い、さらにタカキと交流を深めたという。「彼は心の奥に日本の魂を持ち続けた。果たせなかった思いを彫刻展で伝え、ここからハワイに虹を架けたい。パフォーマンスでは身をささげて踊る」と語る。
 彫刻展は入場無料。鎮魂パフォーマンスはともに午後6時半から。28日のみ入場料1000円。予約制で定員50人。連絡先は中本誠司現代美術館022(272)7100。


森友問題で検査院試算/ずさんな国有地売却裏付け
 国の予算執行の「番人」が疑義を突き付けることになった。学校法人「森友学園」への国有地売却問題の疑念は、一段と深まったと言えるのではないか。
 ごみ撤去費として約8億円が値引きされた経緯を調べていた会計検査院が撤去費は2億〜4億円で済み、値引き額は最大6億円過大だったと試算していたことが分かった。
 国有地の値引き問題は一連の「森友疑惑」の核心部分だ。国のずさんな算定によって、学園側が法外な利益を受けた可能性が高くなった。
 「(売買)価格は適切だった」と言い続けてきた財務省近畿財務局による国有財産処分の不手際が、浮き彫りになった格好だ。背任容疑で捜査する大阪地検特捜部は、国民の疑問に応えるよう徹底的にメスを入れる必要がある。
 ごみ撤去費の見積もりは、「地下9.9メートルまでごみがある」とした学園側の申告に沿い、国交省大阪航空局が詳細に調べ直さないまま以前のデータを基に行った結果だった。それによって鑑定価格9億5600万円の土地が大幅値引きされ、1億3400万円で昨年6月に売却された。
 しかし、検査院がごみの混入率を実態に合わせて計算し直したところ、撤去費は約2億円にとどまったという。別の計算方法でも試した場合でも4億円余りだった。
 焦点は、学園の小学校名誉校長に安倍晋三首相夫人の昭恵氏が一時就任していたこととの関係だ。官僚の側が忖度(そんたく)し売買交渉に手心を加えていたとしたら、行政をねじ曲げる不公正な行為に他ならない。国会への参考人招致も検討すべきではないか。
 売買を巡って価格調整をうかがわせる音声データの存在も明らかになっている。学園側が「ゼロに近い形にしてほしい」と申し入れ、財務局側が「努力するが、1億3千万は下回らない」などとした。
 売値が相手の要請に沿って決められたというのならば、通常では信じ難い話だ。
 こうしたことを裏付ける資料は極めて少なく、検査院は関連文書の管理に問題があったとみている。ごみの撤去単価に関する文書や、国と学園との交渉記録が破棄され、正確な見積もりができなかったという。
 大半は省庁内で「1年未満で廃棄できる文書」に分類されていたためだ。財産処分に直接つながる行政文書である。意図的な証拠隠しを疑われても仕方あるまい。
 安倍首相は「真摯(しんし)に説明する」と繰り返してきた。衆院選では自民党が大勝したが、安倍内閣の全てを信任したわけではない。加計(かけ)学園問題も含め、説明が尽くされたとは判断していないからだ。
 選挙が終わって、首相がこうした問題はもう過去の話と高をくくったとしたら、国民から手痛いしっぺ返しを受けることを覚悟しなければならない。


「森友」の値引き  国会での解明不可欠だ
 政府の責任はいよいよ明白だ。
 学校法人「森友学園」に国有地が売却された問題で、会計検査院は最大6億円の過大な値引きがあったと試算していることが判明した。
 国は地中のごみの撤去費用として8億円を値引きしたが、会計検査院によると、本当に必要だったのは2億〜4億円程度だったという。
 財務省は売却を巡る記録文書を破棄したと繰り返し、安倍晋三政権も問題ないとしてきたが、会計検査院は文書管理にも不備があったとみている。
 国民の共有財産である国有地の売却には、厳正で透明な手続きが決められている。
 ところが森友学園に対して国は4億〜6億円も引いたうえに、その経緯の記録管理もずさんだった。国の収入支出をチェックする独立機関がこう分析した意味は、極めて重い。
 政府と財務省の説明責任が改めて厳しく問われる事態だ。
 この問題では、森友学園が国有地で計画した小学校の名誉校長に安倍晋三首相の夫人昭恵氏が一時就任していたことから、官僚が首相サイドに「忖度(そんたく)」したという指摘がなされてきた。
 森友学園の元理事長夫妻は別の幼稚園に対する大阪府・市の補助金詐欺などの罪で大阪地検特捜部に起訴されている。
 首相は衆院選期間中、元理事長夫妻を「詐欺をする人物」と呼び、昭恵氏はだまされたとの旨の発言をしていた。
 しかし昭恵氏は前理事長の政治理念への共感を自ら示していた。一方、前理事長は財務省幹部に会い、首相と昭恵氏の名前を出して「早急な対応」を迫ったとされている。
 首相は森友学園や加計学園に対する「特別扱い」を否定し続けている。衆院選後も「求められれば丁寧に説明していく」と述べている。ならば、国会で質疑に応じるべきだ。国有地売却で誰がいつ、どんな交渉をしたのか。明確にしてほしい。
 売却当時、財務省理財局長だった佐川宣寿国税庁長官や昭恵氏の国会招致も必要だ。
 元理事長が「ぐーんと下げて」と要求し、財務局側が「ゼロに近い金額まで努力している」などと交渉する録音の存在も明らかになっている。事実関係の解明を急ぐべきだ。
 大阪地検特捜部は近畿財務局の関係者らに対する告発を受け、背任容疑で捜査している。司法も役割を果たしてもらいたい。


森友学園値引き/調査を捜査につなげねば
 学校法人「森友学園」を巡る疑惑の核心は、国有地の売却価格が8億円余り値引きされたことにある。国会では財務省の前理財局長らが「8億円は地中のごみの撤去費用。売却価格は適正」と答弁した。
 本当だろうか。疑問を裏付ける数字が浮かび上がった。
 会計検査院の試算では、ごみの撤去費用は2億円から4億円程度で済んだというのだ。過剰な値引きは最大6億円に上る可能性がある。
 「やっぱり」。それが多くの国民の受け止めだろう。
 ごみの撤去費用を試算した国土交通省の大阪航空局は、学園側の申告と過去のデータを基に、土壌の47%にごみが混入していると結論づけた。一方、会計検査院が計算し直したところ、混入率は約30%という数字がはじき出されたという。
 会計検査院は年内に、財務省と国交省への指摘内容を公表する。森友学園への国有地売却は「適正」どころか、国に大きな損害を与えた可能性が高まった。疑惑の解明に後ろ向きな両省の責任が厳しく問われる。
 森友学園の問題では9月、大阪府などから補助金を詐取したとして、大阪地検特捜部が前理事長夫妻を詐欺罪などで起訴した。捜査の過程で、学園と財務省近畿財務局の音声データが明らかになった。
 「どーんと下げてよ」「おっしゃる額に近い金額に下げる努力をしている」。価格を示しながらの生々しいやりとりは、値引き交渉としか思えない。
 関係する公文書を早々に破棄したことも疑わしい。特捜部は財務局関係者らを背任容疑などで捜査中だ。「検査院の調査は刑事事件の捜査とは違う」との声もあるが、調査結果を捜査につなげてもらいたい。
 衆院選の世論調査では「森友、加計(かけ)問題」について、8割が説明不足と答えている。森友学園が建設を進めた小学校には一時、安倍晋三首相夫人の昭恵氏が名誉校長に就いていた。官僚の「忖度(そんたく)」はあったのか。
 会計検査院の調査は国会の要請を受けたものだ。首相と政府は国会の場で説明責任を果たすべきだ。来月1日召集の特別国会での徹底審議を強く求める。国民は注視している。


[「森友」検査院が疑義]臨時国会開き解明せよ
 学校法人「森友学園」に大阪府の国有地が、約8億円も値引きされ売却された問題を巡り、売却額の妥当性を調べている会計検査院が、値引き額は最大6億円過大だったと試算していることが明らかになった。
 安倍晋三首相の昭恵夫人と近い人が優遇されたのではないか。官僚による「忖度(そんたく)」によって、行政の公平・公正性がゆがめられたのではないか。そんな疑惑が噴き出したが、政府があいまいな説明に終始し、解明を怠ってきた問題である。
 税金の無駄遣いをチェックする検査院が、値引きの「根拠」とされた土地内のごみ撤去費の積算を、おかしいと関係省庁に突き付ける見通しだ。検査院は年内にも指摘内容を公表するが、調査が示す意味は非常に重い。
 ごみ撤去費の単価や、国と学園側とのやりとりの文書について、政府側は「廃棄した」と押し通し、検証を阻んできた。検査院は関連文書の管理にも問題があったとして調査を進めている。売却に関わった財務省、国土交通省の責任は、改めて厳しく問われてしかるべきだ。
 「森友・加計(かけ)」問題を巡る国民の不信、疑念は依然、深い。9月の共同通信の世論調査では、79%が政府の説明に納得していない。衆院選終盤のトレンド調査でも内閣不支持率は44・1%で、拮抗(きっこう)したが支持率を上回った。同問題で落ちた支持率は回復しておらず、選挙で自民党が大勝したからといって、疑惑がリセットされたと受け止めるのは見当違いである。 
■    ■
 「森友・加計」問題では国会軽視も甚だしく、「丁寧な説明」を約束しながら、実行されてこなかった。
 首相は通常国会後の6月、「真摯(しんし)に説明責任を果たす」と話した。しかし、同月に野党が問題の解明を目指して、臨時国会の召集を求めたが、3カ月もたなざらしにしたあげく、9月末にようやく開いた臨時国会では、一切の審議を拒んで、冒頭で衆院を解散した。国会議員の一定数の要求があれば、内閣は国会を召集しなければならないと定める憲法をも軽視した。
 選挙中も街頭演説ではほとんど触れず、丁寧な説明はなされなかった。
 選挙後には「これからも国会で質問いただければ丁寧にお答えさせていただきたい」「国会審議をすべてご覧になった方には、かなりご理解をいただけたものと思っている」とも開き直り、世間とは異なる認識を示している。
■    ■
 検査院の調査内容で、疑惑は一層深まった。だが、11月1日からの特別国会では、首相指名などだけで閉じる段取りが政府・与党内で取り沙汰されている。野党側が実質審議を求めるのは当然だ。政府・与党は要求に応じて徹底解明を図るべきである。
 首相の外交日程や予算編成、税制改正などがあり、年明けの通常国会まで審議の場が設けられない可能性もある。
 首相の政治姿勢をただすためにも、特別・臨時国会での質疑は必要だ。首相も自ら、臨時国会召集を決めて、説明を尽くさなければならない。


「値引き過大」徹底解明を/検査院の森友問題調査
 大阪市の学校法人「森友学園」に小学校用地として国有地が8億円余りもの値引きの上、売却された問題を巡り、会計検査院が「値引きは最大約6億円過大」と試算していることが分かった。売った側の財務省などは地中のごみの撤去費を見積もり、その分を値引きしたと説明してきたが、試算によると、撤去費は2億〜4億円で済むという。
 森友学園が開校を目指していた小学校の名誉校長に安倍晋三首相の昭恵夫人が一時就任していたことから、国有地売却に関わった財務省や近畿財務局の担当者による忖度(そんたく)によって学園が優遇されたとの疑惑が噴出。多くの証言や資料が積み上げられたが、政府はあいまいな説明を繰り返してきた。
 だが検査院は税金の無駄遣いをチェックして関係府省庁に指導を行う機関であり、その調査内容は重い。学園と財務省との交渉記録など国有地売却の関連文書が廃棄された問題についても調査を進めている。衆院選で与党は大勝したが、森友、加計問題を巡る国民の不信と不満は根が深い。
 近く特別国会が召集される。首相指名選挙を中心に短期間となるのが通例だが、政府と与党は野党が求めている実質審議に応じ、徹底解明を図るべきだ。繰り返し「丁寧な説明」を強調してきた安倍首相には、その先頭に立ってもらいたい。
 森友学園前理事長との面会で財務省幹部が定期借地契約について「特例」と話したり、近畿財務局の担当者が買い取り可能な金額を尋ねたりと、財務省側の忖度をうかがわせる音声記録もある。
 値引きを巡っては、政府はこれまで明確な根拠を示すことができないでいる。ごみが出たと学園側の申告があり、近畿財務局や国土交通省大阪航空局が現地で確認したとしたが、どの場所でどんなごみが見つかったか聞かれても「工事業者から深さ9.9メートルの工事中に発見したと聞いた」などと不明確な説明に終始した。そもそも、ごみ撤去費の算定を、そうした経験がなかった大阪航空局に任せたことにも疑問が指摘されていた。
 検査院の調査内容により、疑惑は一層深まったといえる。首相の友人が理事長を務める加計学園の獣医学部新設計画を巡る問題の解明も進んでいない。通り一遍の説明や公文書管理の見直しといった小手先の対応だけで国民の理解を得ることはできない。


検査院森友調査/不信解消へ実質審議を
 大阪市の学校法人「森友学園」に小学校用地として国有地が8億円余り値引きして売却された問題を巡り、会計検査院が「値引きは最大約6億円過大」と試算していることが分かった。売った側の財務省などは地中のごみの撤去費を見積もり、その分を値引きしたと説明してきたが、試算によると、撤去費は2億〜4億円で済むという。
 森友学園が開校を目指していた小学校の名誉校長に安倍晋三首相の昭恵夫人が一時就任していたことから、国有地売却に関わった財務省や近畿財務局の担当者による忖度(そんたく)によって学園が優遇されたとの疑惑が浮上。多くの証言や資料が積み上げられたが、政府はあいまいな説明を繰り返してきた。
 だが検査院は税金の無駄遣いをチェックして関係府省庁に指導を行う機関で、その調査内容は重い。学園と財務省との交渉記録など国有地売却の関連文書が廃棄された問題も調査を進めている。先の衆院選で与党は大勝したが、森友、加計問題を巡る国民の不信と不満は解消されたとは言えない。
 近く特別国会が召集される。首相指名選挙を中心に短期間となるのが通例だが、政府と与党は野党が求めている実質審議に応じ、徹底解明を図るべきだ。繰り返し「丁寧な説明」を強調してきた安倍首相には、その先頭に立ってもらいたい。
 国有地売却に絡む疑惑の核心は、忖度と値引きにある。忖度の方で大きな役割を演じたのが、昭恵夫人だ。名誉校長に就任したほか、夫人付の政府職員が、詐欺で大阪地検に逮捕・起訴された森友学園前理事長の籠池泰典被告からの国有地の定期借地契約に関する要望などを財務省に連絡。回答をファクスで受け取り、籠池被告に渡した。
 国会の証人喚問で籠池被告はこの間の経緯について「神風が吹いた」と述べた。だが夫人は口を閉ざしたままだ。選挙戦のさなかに安倍首相は「詐欺を働いた人」と籠池被告に言及。「こういう人だからだまされてしまったんだろう」と発言したが、問題は籠池被告との間で具体的にどのようなやりとりがあり、何をしたかだ。
 籠池被告との面会で財務省幹部が定期借地契約について「特例」と話したり、近畿財務局の担当者が買い取り可能な金額を尋ねたりと財務省側の忖度をうかがわせる音声記録もある。疑念を解消するには、夫人のきちんとした説明も必要だろう。
 値引きを巡っては、政府はこれまで明確な根拠を示すことができないでいる。ごみが出たと学園側の申告があり、近畿財務局や国土交通省大阪航空局が現地で確認したとしたが、どの場所でどんなごみが見つかったか聞かれても「工事業者から深さ9.9メートルの工事中に発見したと聞いた」などと、あいまいな説明に終始した。ごみ撤去費の算定を、そうした経験がなかった大阪航空局に任せたことにも疑問が指摘されていた。
 検査院の調査内容により、疑惑は深まったといえる。首相の友人が理事長を務める加計学園の獣医学部新設計画を巡る疑惑の解明も残っている。通り一遍の説明や公文書管理の見直しなど小手先の対応では国民の理解を得ることは難しいだろう。


日本の核廃絶決議、支持大幅減か 国連、禁止条約に触れず
 【ニューヨーク共同】国連総会の第1委員会(軍縮)に日本が毎年提案している核兵器廃絶決議案の共同提案国が、昨年の109カ国から70カ国程度に減る見通しとなった。日本外交筋が26日、明らかにした。27日に第1委員会で採決される予定だが、賛成は昨年の167カ国から大幅に減る恐れがある。
 今年の決議案は7月に採択された核兵器禁止条約に言及せず、核兵器使用の非人道性を巡る表現も大幅に後退したことが原因。
 第1委員会は26日、各国が提出した決議案の採決に向けた手続きを開始。この中で核禁止条約を推進したオーストリアやブラジルなどから日本の決議案への厳しい意見が出た。


ノーベル平和賞 ICAN川崎さんが広島訪問
 ノーベル平和賞の受賞が決定した核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)の国際運営委員で「ピースボート」共同代表の川崎哲さん(48)が26日、受賞決定後初めて広島市内を訪問し、被爆者らと喜びを分かち合った。
 川崎さんは記者会見で「受賞は全ての国々に核兵器禁止条約への批准、署名を求めるというメッセージだと思う」と述べた。
 川崎さんやICANのホームページによると、12月10日にオスロである平和賞の授賞式には国内在住の被爆者2人とカナダ在住の被爆者、サーロー節子さん(85)が出席。サーローさんはICANのベアトリス・フィン事務局長と共に受賞演説をし、メダルと賞状を受け取る予定。
 サーローさんは13歳の時に広島で被爆。戦後、米国に留学し、カナダを拠点に被爆証言を続けている。
 川崎さんは被爆者や市民団体メンバーとも面会し、受賞を報告。「核廃絶への機運が高まっている今こそ運動を広げていこう」と呼びかけた。船旅をしながら世界各地で被爆体験を証言するピースボートのプロジェクトに複数回参加した被爆者の田中稔子さん(79)=広島市東区=は「受賞を知った時は涙が出た。市民が連帯して、核兵器のない世界に向けて自分のできることをしていきたい」と話した。
 川崎さんと連携する市民団体「核兵器廃絶をめざすヒロシマの会」共同代表の森滝春子さん(78)は「核兵器廃絶の道は厳しいが、ICANのように若い人たちが取り組んでくれるのは心強い。今後もお互いの活動を支え合っていきたい」と話していた。【竹下理子】


大型機廃炉 原発縮小踏まえ政策を
 関西電力が大飯原発1、2号機(福井県)を廃炉にする方針を固めた。これは、国内の原発が岐路に立っていることを示すのではないか。
 電力事業者は、発電量が少なく投資に見合う回収が見込めない小型炉の再稼働は諦めても、発電効率の良い大型炉については可能な限り再稼働の道を模索している。
 大飯の2基はいずれも100万キロワット超の大型原発。それでも廃炉に踏み切る判断に傾いたのは、採算の見通しが立たないからだろう。今後、規模の大小を問わず、廃炉が検討されるケースが相次ぐかもしれない。
 採算を難しくしているのは、東京電力福島第1原発事故後、原発の安全基準が厳しくなったためだ。再稼働の設備投資に要する費用は巨額になった。中でも老朽原発の負担は重い。
 新規制基準が規定する原発の運転期間は原則40年だが、原子力規制委員会の審査を通れば1回に限り最長20年間延長できる。大飯原発の2基はともに2019年に稼働40年を迎える。
 増える安全対策費を勘案すると原発は「安い電源」ではなくなっている。国内各機も順次40年に達していく。
 政府は原発を「重要なベースロード電源」とし、30年の全発電量に占める原発比率を2割以上確保する方針を定めている。
 大型を含めて老朽原発の廃炉が相次ぐなら、その確保はままならない。同一敷地内で古い原子炉を廃棄し最新鋭の原子炉に置き換えるリプレース(建て替え)や、新増設が必要になる。
 しかし、福島事故を経て、いずれも容易ではなさそうだ。それでも実施するなら国民の理解が欠かせない。しかし、原発が争点になるとみられた衆院選でもほとんど議論が深まらなかった。
 このまま行けば、政策的に脱原発を図らなくても、電力事業者の経営判断により、将来の依存度の縮小は避けられないのではないか。
 もちろん、5基のみ稼働の現在も原発が発電量に占める比率は小さく、原発がなくても電気を賄える状態にある。ただ、天然ガス、石炭、石油の化学燃料依存度が大きいことについて、原発推進派は地球温暖化対策を強調する。
 こうした中で脱原発、脱化学燃料を併せて進める鍵は再生可能エネルギーだが、この分野も事業経営の難しさや環境への負荷などさまざまな課題が表面化している。
 政府としてはこの課題解決に力を注ぎ、新たなエネルギー産業を育てなくてはなるまい。世界の導入の動きに比べて遅れが指摘されるだけに、政策転換を早急に行う必要があるのではないか。


原発事故でうつ病 2審賠償減額
東京電力福島第一原子力発電所の事故で、福島から京都などに自主避難していた男性がうつ病になり仕事もできなくなったとして、家族とともに東京電力に賠償を求めた裁判の2審で、大阪高等裁判所は、病気と事故の因果関係は認めましたが、「病気が悪化した原因には差別など事故に帰因し得ないストレスもあった」として、1審よりも賠償額を減らしました。
福島県に住んでいた40代の男性の一家5人は、原発事故のあと、京都市などに自主避難し、その後、うつ病になって仕事もできなくなったとして、東京電力におよそ1億8000万円の賠償を求めました。
1審の京都地方裁判所は「強いストレスを受けたことが体調の悪化につながった」として、東京電力におよそ3000万円の支払いを命じ、原告、被告の双方が控訴していました。
27日の2審の判決で、大阪高等裁判所の佐村浩之裁判長は、「自主避難によって強いストレスにさらされ、2年余りの間、うつ病で働くことができなかった」として、病気と事故の因果関係を認めました。
一方で、「病気が悪化した原因には差別や避難の長期化など、事故に帰因し得ないストレスもあった」として、賠償額を1審よりも減らし、東京電力におよそ1600万円の支払いを命じました。
判決の後、原告の代理人の井戸謙一弁護士は、「避難生活で受けたストレスには東京電力に責任がないものもあるというのは極めて不当な判決だ。家族も電話で『絶望した』と言っていた。男性らは経済的に大変困っているので上告できるかは分からない」と話していました。
27日の判決について東京電力は、「原発事故によって福島県民をはじめ多くの人にご迷惑とご心配をおかけし心からおわびします。今後、判決内容を確認したうえで対応を検討します」としています。


働き方改革 「数の力」が心配になる
 与野党が対立する働き方改革に関する議論は、本来は選挙の争点だったはずだが、低調な論戦に終わった。選挙で語らぬ政策を「安倍一強」政権は今後の国会審議でごり押ししないだろうか。
 そんな争点などなかったかのような盛り上がらない論戦だった。
 時間外労働に上限を設け規制を強化する。一方で、金融ディーラーや研究職など高年収の専門職を時間規制から外すことから「残業代ゼロ法案」と批判される「高度プロフェッショナル制度(高プロ)」導入という緩和もする。
 両者を抱き合わせる点にも批判がある働き方改革関連法案は、今秋の臨時国会最大の与野党対立法案になる、そう見られている中での衆院解散だった。選挙戦でも争点化が期待された。
 立憲民主党や共産党、社民党は高プロ導入に反対を主張した。
 ところが、自民・公明両党は衆院選公約では、長時間労働の是正こそ掲げているが、「高プロ」の導入については触れずじまいだった。批判を懸念し「争点隠し」をしたように見える。
 雇用政策は社会保障と密接にからむ。現役世代が賃金から支払う保険料は社会保障制度を支える重要な財源だ。賃金が上がれば保険料収入も増える。安定した雇用や子育てなどとの両立が実現し、生活できる賃金が得られるような改革を考えることは、社会保障の将来にとっても重要な議論である。
 だが、論戦は幼児教育・保育の無償化に限られてしまった。
 安倍政権は安全保障関連法や「共謀罪」法など選挙で語らなかった政策を「数の力」で押し通した。労働法制では二〇一五年、改正労働者派遣法を強引に成立させた。派遣という働き方を固定化させると批判があった。
 昨年には、支給額を抑えるルール強化に野党が反対した年金制度改革関連法の国会審議で安倍晋三首相は「私が述べたことを理解いただかないと何時間やっても一緒だ」と突き放し採決を強行した。
 首相は選挙の大勝を踏まえ「今まで以上に謙虚で真摯(しんし)な政権運営に努めていく」と語った。
 立憲民主党の枝野幸男代表は選挙期間中「首相が勝てば『残業代ゼロ法案』が必ず国会に出てくる」と警戒感を示した。力任せの国会運営は許されない。野党の批判にも謙虚に耳を傾けるべきだ。
 希望の党が労働法制や「高プロ」について態度が不明確なことも気になる。働き方の将来像を早く示してほしい。


【読書週間】本がある環境の大切さ
 きょうから来月9日まで、恒例の読書週間である。
 本のある生活がいかに心を豊かにするかは、いまさら言うまでもないだろう。この秋も思い出に残る一冊と巡り合いたい。
 ことしは読書週間入りを前に、「本離れ」や出版不況に悩む大手出版社が異例の意見表明をして、波紋が広がった。東京で開かれた全国図書館大会での出来事だ。
 「できれば図書館で文庫の貸し出しをやめていただきたい」。パネリストの1人として登壇した文芸春秋の社長が訴えた。
 図書館側は簡単にのめる話ではないだろう。手軽に読める文庫は需要も高い。図書館利用者からも反発の声が聞こえてきそうだ。
 文芸書の出版が中心の同社は文庫が収益の30%以上を占めるという。売れ筋の本も積極的に貸し出す図書館に不満を抱くのは分からないではない。価格を抑えている文庫ぐらいは買ってほしい、との読者への呼び掛けにも聞こえる。
 売り上げの低迷と図書館の貸し出しとの関係を示すデータはないという。それでも「良書を発行し続けて作家を守り、版元の疲弊に歯止めをかけるために必要なのが文庫の生み出す利益」と理解を求めた。
 質の高い読書環境を守るための一つの問題提起であることは間違いない。市場の低迷が続けば、出版社だけでなく作家も厳しい状況に追い込まれる。出版できなくなれば元も子もない。
 日本世論調査会が6月に実施した読書に関する世論調査では、漫画と雑誌を除いた本を1カ月の間に全く読まない人が33%にも上る。
 読まない理由としては「スマートフォンやゲームなどに費やす時間が増えた」との回答が7割を超えた。スマホが本離れに及ぼしている影響はやはり大きい。
 興味深いのは、そんな状況でも読書が必要だと考える人は9割を超えていることだ。いまは読んでいなくても、多くの人が読書の大切さを意識している。
 時間ができたとき、ふと読書に興味を持ったとき、仕事や勉強で読む必要ができたとき、本を手に取ることができる環境が身近にあることはとても重要だ。本県のように過疎が進む地域は書店が少なく、図書館の役割が大きい。
 世論調査でも、図書館に希望する蔵書は「現在のベストセラー本」が最も多く、「実用書など生活に役立つ本」「専門書や高価な本」と続く。図書館には文庫を含め多種多様な蔵書が求められる。
 出版社側も図書館の使命や役割の大きさは理解していよう。日本図書館協会は「双方で議論をし、読書環境をより良くする方向を考えたい」としている。
 本のある環境をいつまでも守るために私たちにもできることがある。特別なことではない。一冊でも多くの本に親しみ、本離れを解消していくことだ。


琉大軍事的研究禁止 大学としての矜持示した
 琉球大学が防衛省の安全保障技術研究推進制度などに対する「対応の基本方針」を発表した。軍事利用を直接目的とする研究や、軍事を所管する国内外の公的機関から資金提供を受けた研究を行わないことを打ち出した。
 日本学術会議が今年3月に発表した声明は防衛省の制度を「政府による介入が著しく、問題が多い」などと指摘し、過去の戦争協力への反省から軍事研究をしないことを掲げた1950年と67年の声明を「継承する」とした。
 だが、禁止にまでは踏み込んでいない。琉大の基本方針は明確に禁止を打ち出しており、先駆的である。大学としての矜持(きょうじ)を示したことを、県民として誇りたい。
 防衛省の制度は軍事応用も可能な基礎研究に助成する。2015年度に創設された。防衛省側で大学や独立行政法人、民間企業の研究者からの提案を審査し、委託研究費を配分する。
 研究成果は国の防衛や災害派遣、国際平和協力活動などで用いる装備品の開発につなげるほか、民生分野でも活用されるとしている。
 装備品には兵器が含まれる。兵器開発に直結しない基礎研究であっても、研究成果は将来的に兵器開発に使われる可能性がある。民生分野で活用されるにしても、防衛省の制度である以上、主目的は兵器の開発である。
 兵器開発につながる恐れのある研究に携わることは、研究者として厳に慎むべきである。
 だが、17年度は助成制度に104件の応募があり、14件が採択された。このうち大学からの応募は22件で、研究代表者に大学は選ばれなかったものの、採択された研究課題に4校が協力する。憂慮すべき事態である。
 琉大の大城肇学長は15年8月、防衛省の助成制度に対し、学内での実施を差し控えるべきだとする考え方を発表し、応募を事実上禁止してきた。基本方針を決定することで、大学として戦争には協力しない姿勢を明確にした。
 沖縄戦を体験した地にある大学にとどまらず、日本の大学としての範を示したことを高く評価したい。
 共同通信が今年2月に実施したアンケートで、約4割の大学が日本学術会議の軍学分離声明を「堅持するべきだ」とする一方で、防衛省の助成制度に対する大学としての対処方針や内規があるとした大学は約2割にとどまった。
 多くの大学が琉大に続いてほしい。
 助成制度が新設された15年度の予算は3億円、16年度は6億円だったが、17年度は110億円と大幅に拡大した。その一方で、政府は大学への補助金を削減し続け、研究費のかさむ理系学部の多くが資金不足に悩んでいる。
 研究者の良心を発揮することで、現状を改めたい。琉大の取り組みがその後押しになることを期待したい。


無所属の会が新党結成か 年末に起こる「野党再編」第1弾
 民進党分裂後の野党再編はどうなるのか?――衆院選が終わればすぐ消滅と揶揄された希望の党は当面、様子見。立憲民主党も「永田町の数合わせゲームとは距離を置く」と慎重姿勢だ。動きだすのは年末になりそうだ。
 希望の党は27日午後、両院議員総会を開き、小池百合子代表と並ぶ「共同代表」など執行部人事を決める。参院議員と地方組織、わずかの“無所属”衆院議員だけになった民進党も同日、両院議員総会を開く。前原誠司代表が辞任を表明、希望への合流方針を撤回し、党の存続が正式に決まる見通し。
 立憲民主党は26日の役員会で、政調会長や選対委員長などの人事を決定、党本部の場所も決まった。無所属の13人は新会派「無所属の会」を結成、会派代表を岡田克也元外相としてこの日、衆院事務局に届け出た。
■立憲民主と統一会派で連携も
 民進党系議員は4つのグループに分かれて再スタートすることになったが、この中で、今後の展開を急ぐのは無所属の会だ。政党交付金をもらうためには、原則、来年1月1日時点で政党になっていなければならないからだ(届け出は1月16日まで)。
 岡田代表は、「立憲民主党と希望の党と協力していくことが重要だ。無所属の会として両党の結節点になる役割をしっかり果たしていきたい」と話していた。“接着剤”になるためにも、再編の第1弾が年末に起こる可能性が高い。
「岡田さんたち無所属議員は、政党交付金のことを考えれば、年内に新党をつくるのか、それとも党籍のある民進党に戻るのか、という選択になるでしょう。その際は、次のステップを考えて動くと思いますよ。いろいろな人が来やすい形にして、結集を図る。そうすれば希望から移る人も出てくるでしょう。そして、その先は、立憲民主と統一会派をつくる、一緒になる、など連携していくのではないか」(政治ジャーナリスト・鈴木哲夫氏)
 希望から離党者が出る確率は高い。代表留任で小池知事の影響力が残るため、安倍首相が進める改憲への対応で希望が“補完勢力”になるのは必至。党内で路線対立が起こるのは間違いない。比例復活の希望の議員は立憲民主には移籍できないが、新党ならば移れるのだ。
 VS安倍政権で明確な対立軸を持った野党ならば、大きければ大きいほどいい。


衆院選総括「二大政党制を求めることは不毛」上智大・中野教授に聞く(上)
 自公与党の圧勝、民進党から分かれた希望の党と立憲民主党で明暗が分かれることになった今回の衆院選の結果をどうみるか。また、今後の野党再編の行方はどうなるのか。上智大国際教養学部の中野晃一教授(政治学)に話を聞きました。中野教授は、さまざまな課題がみえた選挙とし、「二大政党制を求める不毛さが見えた」、「希望の党は長く持つことはないのでは」と述べています。
民進党の再結集には「ジレンマ」
 民進党から分かれ、前原誠司民進党代表が合流を決めた希望の党は振るわず、一方で、9月に民進党代表選を争ったばかりの枝野幸男氏が代表となって立ち上げた立憲民主党は野党第一党に躍進し、明暗が分かれました。
 中野教授は「希望の党の立ち位置がどこにあるのか。ワイドショーなどで華々しく取り上げられていたときと、その後失速していってから、だいぶん違っていって、有権者には分かりにくかったのでは」とみます。対して、立憲民主党は「下からの政治、みんなのための政治を掲げたということでメッセージとしては分かりやすかった」と分析します。
 選挙は終わりましたが、野党第1党となった立憲民主党、そして希望の党、今回の選挙で無所属で出馬し、当選した議員、そして民進の参院議員と民進は現在4つに分かれた状態になっています。今後、どうなるのか。
 中野教授は、民進再結成には「ジレンマがある」といいます。民進最大の支持母体連合が分裂状態で選挙戦を戦ったことを好ましく思っていないことや、直近に始まる国会や選挙は力を合わせないと勝てないことなどから「全体としては民進党に再結集していきたいというのが内輪の永田町の論理としては働くだろう」。しかし、一方で有権者に対しては「(衆院選を)それぞれの看板で戦ったのだから合流は許される話ではない」と安易な再結集は難しいとみます。
 民進の看板を残された参院議員はどう動くのでしょうか。「当面は民進というラベルのもとに統一的に行動していこうとなるのでは」。民進党はこれから、党を清算するとなった場合、政党交付金など対処の難しい問題を抱えています。「前原さんが代表を続け、お金や組織を持ち逃げするのは許せないという声もあるので、そのプロセスを監督するためにとどまっているところもあるだろう」と話します。
 ただ、2年後に参院選を控えることを考えると、「いつまでもその体制でいくわけにもいかない」とも。「希望の党は、惨憺たる結果に終わったので、そこに合流したい参院議員はそんなに多くはないだろう。多くは、立憲民主と連携しつつ、参院としてはしばらく民進で存続するのだろうが、政策的立ち位置が合意できなければ、いずれは股裂き状態になっていくこともある」とまだまだ波乱含みであるとみています。
希望の党は政党の体をなしていない
 政界再編の“台風の目”となることができなかった希望の党の今後は、どう予想しているのでしょうか。
 もともと「希望の党は政党の体をなしていない。小池人気にあやかって集まったところがあるので、小池さんが不出馬を決めた段階で求心力が失われていった。開票のときも直前までだれが顔になるのかも決まらず、振るわなかったということで一層失速していった」と指摘。
 今後も「安倍内閣と立憲民主党という最大野党との関係の中でどういう立ち位置に立つのか、コンセンサスがないと思う。立憲民主に寄っていきたい人もいれば、自民党に近くていいのではという人もいて、かなり難しい」、「この先、党が持つことはあまり考えられない」と厳しい目を向けます。
 また辞任間近とも報じられている前原代表の“行き先”は「立憲民主には入れないし、入りたくないだろう。ただ、自民に近いところとなると、彼もずっと非自民で、自民と対峙する理由で希望の党との合流を言ってきたので、どうしても宙に浮いてしまう」とも。
 「有権者から見ても何が言いたい人かよくわからない。この先を考えると、かなり難しいと思う」と極めて厳しい立場に置かれたとみています。
穏健な多党制で2つ程度のブロックに
 今回の選挙と希望の党との合流による一連の騒動によって、「二大政党制を追い求めていくことの不毛さが見えた」と言います。前原代表は希望の党への合流の理由を「二大政党の一翼を担うような大きな政党をつくらなければならない」としましたが、「純粋にリベラルだけでいく、純粋に保守だけでいくとなれば大きな政党は作れない」「無茶な企て」と断じました。
 中野教授は「二大政党制に選択肢を狭めることが出来るほど、今は単純な社会に生きていない」といいます。「大きな政党をつくるとなれば政策が焦点ボケする。ペプシコーラとコカコーラのどちらがいいですかと言われても、どちらもちょっと、という人はたくさんいるはず。第2政党をつくるためだけに永田町だけで離合集散を繰り返すというのはもうやめた方がいい」
 では、自民党に対抗する大勢力を目指すことをやめて、野党は何が可能か。立憲民主党の枝野代表が「永田町だけで数合わせしない」と発言していることに賛同し、「穏健な多党制のもと、できれば(政策ごとの賛否で)2つぐらいの大きなブロックに分かれていくことが現実的では」と考えます。
 そのため、民進党籍を残し、無所属で当選した議員で新会派を結成する動きには「岡田克也さんたちが無理に(立憲民主に)合流することはしない方がいい。政策的に違いが残るのであれば、連携するところは連携して、違うところは違うとした方がいいだろう。自公政権に対するブレーキをかけるという立ち位置であれば、全体としてはかなり一緒にできる。当面は何が可能なのか探る方がいい」と拙速な合流には否定的です。


カナダ 「南京大虐殺記念日」動議可決 オンタリオ州議会
 カナダからの報道によると、東部オンタリオ州議会は26日、毎年12月13日を「南京大虐殺記念日」とする動議を可決した。
 中国系のスー・ウォン議員が提出したこの動議に法的拘束力はない。ただ、同議員が既に提出している同様の内容の法案が12月に審議される予定で、可決されれば州の正式な記念日として認められる見通し。
 中国系メディアによると、ウォン氏は声明で「動議可決は第二次大戦のアジアにおける恐怖を認めるものだ」と意義を強調した。
 州議会のホームページによると、法案はウォン氏が昨年12月に提出し、審議が進められてきた。


希望へホイホイも「困ると人のせい」
 ★25日、希望の党は結党以来初めてとなる両院議員懇談会を開催。ここで初めて同党代表・小池百合子に会ったり話したりした者もいたことだろう。「これだけ多くの皆様方が立候補していただいたのにもかかわらず、選挙を勝ち抜くことが十分ではなかったということでございます。これもひとえに党の代表として、良い結果をもたらすことができなかったという意味では、私は責任を負わなければならない」としたものの、やりとり自体が茶番といえる。 ★そもそも共産党を白アリと言ってはばからなかった民進党代表・前原誠司が、「安保法制廃止・改憲反対の共産党とは一緒にできない」という理屈のもと、連合右派と組んで排除の論理を巡らしたところから始まり、同様の思考を持つ小池が改憲論や安保法制への賛同という踏み絵を求めた。民進党の政策やそれを知る有権者は、その簡単に転向する議員がサインすることに政治家としての矜持(きょうじ)も何もなく、自称保守政治家であることを早々に見抜く。しかし彼らは、その要求に応え、賛同し、サインした。排除の論理は逆に見れば「選ばれし者」との自負すらあったかもしれない。 ★それを今になって「排除はきつい」、「話が違う」などの恨み節をいうのは筋違いも甚だしい。当選のために民進党から希望の党に移り、ホイホイと政治家としての考えを変えた自らを責めるべきではないのか。つまり民進党議員の「文句は一人前、困ったことになると人のせい」。その体質が希望の党に引き継がれたと考えれば、いつもの風景が戻っただけだ。 ★小池も反省してみせたものの、自己責任だと腹の中では考えているはずだ。今ではこの程度の議員がそろい、頭を抱えているのかも知れない。まさに茶番としか言いようがない。有権者は彼らをそうは簡単に信用しない。いつか平気で裏切るかも知れない議員に託すことはできないからだ。保守政治が聞いてあきれる。

会議が2時間半/ハドーが難しい/柿/埼玉から怒りのメール

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Japon : un cambrioleur ninja de 74 ans arrêté
Le septuagénaire est poursuivi pour plus de 254 cambriolages effectués dans la région de Osaka depuis huit ans.
Tout de noir vêtu, dissimulant son visage et se jouant des murs comme un ninja, il cambriolait des maisons depuis huit ans au Japon. La police est enfin parvenue à arrêter cet homme qui s’est avéré avoir 74 ans.
Depuis des années, la police d’Osaka tentait vainement de mettre la main sur ce voleur digne d’un épisode de “Signé Cat’s Eyes”. Longtemps leur unique piste aura été des images de vidéosurveillance montrant un voleur agile portant un cache-cou noir jusqu’au nez et une capuche jusqu’aux sourcils.
“Il était habillé tout en noir, exactement comme un ninja”, a déclaré un responsable du commissariat de Kawachi, un quartier de la métropole d’Osaka.
Une erreur fatale
Mais ce voleur habile a commis une erreur fatale en mai. Son cache-cou a glissé devant une caméra, permettant à la police de l’identifier et de tenter de le prendre en flagrant délit.
Pourtant les enquêteurs se sont longtemps avérés incapables de le suivre dans ses escapades nocturnes: “Quand il sortait la nuit, il était tout en noir… Il ne prenait jamais les rues ordinaires, il se faufilait dans des espaces étroits entre les maisons et courait en haut des murs”, a justifié le policier. “C’était un pro”, selon lui.
Dix minutes par cambriolage
Les policiers l’ont finalement arrêté en pleine nuit alors qu’il revenait dans sa cachette, une chambre abandonnée dans un immeuble, après avoir cambriolé un magasin d’électronique. Le voleur a déclaré en toute candeur durant son interrogatoire qu’il “détestait travailler et qu’il pensait que voler était plus rapide” pour gagner de l’argent, selon l’officier de police de Kawachi.
Il s’est aussi vanté devant eux de n’avoir besoin que de dix minutes pour s’introduire dans une maison, volant pour l’essentiel de l’argent liquide pendant le sommeil de ses habitants. “Si j’avais été plus jeune, je n’aurais pas été attrapé. Je vais décrocher maintenant, à 74 ans, je suis assez vieux”, a-t-il encore déclaré à la police, selon l’officier.
Il est poursuivi pour une impressionnante série de plus de 254 cambriolages en 8 ans, d’une valeur totale de 30 millions de yens (quelque 220.000 euros).
フランス語
フランス語の勉強?
マツコ&有吉 かりそめ天国
番組に届いた視聴者からの「耳に入れたい話」を肴にマツコ&有吉が独自の視点で話していくトークバラエティ!
◆投稿メール ▽「あれ、本気じゃなくてパフォーマンスで怒ったんだよ!」という上司からの衝撃的な懺悔に「フォローするならサクラでも雇っとけ!」とマツコ有吉が吠える!▽「大器晩成って何歳まで信じていい?」という問いに二人も悩む…大器晩成の条件と期限って何? ◆欲望VTR 「芸人さんの舞台からはける顔が見てみたい」…舞台袖からネタ終わりの芸人の素顔を激写!!など マツコ・デラックス、有吉弘行 久保田直子(テレビ朝日アナウンサー)投稿は番組HPから! ☆番組HP  http://www.tv-asahi.co.jp/matsuari/

〜オトナ度ちょい増しTV〜おとな会【オトナなら≪居酒屋≫で幸せな時間を】
≪居酒屋≫がテーマ★「作った酒を最高の状態で出してくれる…」酒蔵に信頼される居酒屋★京阪神(秘)隠れ家…連日満席の繁盛店に隠されたメソッド★錫の酒器作る職人に密着!
皆さんは外で飲まれる時は、ビール?ワイン?それとも日本酒かしら。今夜は京阪神にある個性的な居酒屋を大特集いたしますわよ。日本酒に人生をかけた男性が追求する理想の居酒屋の成功の秘密や、神戸の有名店のオーナー4人によるコラボで生まれたお店など…愉しみになさって下さいね。 また、錫の酒器を作る職人にも密着いたしますわよ!お酒が好きな人はもちろん、そうでない人も居酒屋に行きたくなる一時間、お届けしますわ。 上泉雄一(MBSアナウンサー) 小宮一慶(経営コンサルタント) いとうあさこ 杉浦太陽 番組HP http://www.mbs.jp/otonakai/ Twitter @MBSotonakai https://twitter.com/MBSotonakai

勉強できる子 卑屈化社会
前川 ヤスタカ
宝島社
2016-12-10


地方の勉強のできる子に読んでもらいたい コステロ
私も地方出身で、小中高もいわゆる進学校ではない普通の学校に通っていましので、勉強のできる子の肩身の狭さについて共感できることが多く書かれておりました。一般の学校では、スポーツのできる子がチヤホヤされ、勉強のできる子は肩身が狭いことについては、他のレビュワーさんの記載の通りですが、私の心に最も触れたのはP49−50の記載です。精神的に大人びた子供であった私は、自営業者の親から「理屈っぽいから社会で通用しない」と言われ、社会的な問題について語ると「子供らしくない。●●君はご飯をモリモリ食べ、外で遊んでいるのに」とわんぱく少年が理想で、そちらの方が将来有望と言われました。また、学校ではルール、マナーを守らない子供がのさばり、常に他人の気持ちを考え、常識的なふるまいをしていた私は「変わっている、カッコつけている」などと揶揄され、ストレスを感じておりました。スポーツはできる子基準で考えられ、勉強や常識はできない子に合わせなければならない理不尽に対するモヤモヤがやっと解消しました。
現在、私は一部上場企業で管理職となり、社外の研究団体の委員も務めており、親もやっと私のことを認めていますが、それまで親に理不尽なことを言われ続けたことが、いまだに腹立たしく思います。

人の元気を失わせることの罪 投稿者Amazon Customer
「勉強ばっかりじゃだめよー」。言ってる方はなにも考えてない。言われた方はすごく考える。応援されてないことだけはわかる。元気が削られる。そういう苦しさを思い出しながら読んだ。同じ無責任なことばなら、無責任に相手をはげますことばを使えばいいのにな。
本の中にも記述があるとおり、学校現場を変えようとしている人もたくさんいます。できる子といまできてない子がいっしょに取り組んで、どちらも成果を得ることができる課題とは何かを考えて実践する動きもあります。個人的には、飛び級よりこの方式のほうが子どもを解放すると思う。
話題のアクティブ・ラーニングというのは、単に課題を子どもたちが話しあいで解決するという意味ではなくて、子どもたちをアクティブにする学習法という意味で理解すべきことです。課題に取り組んだ子どもたちが元気になるということ。
人の元気を失わせるのは害悪なので、みんなでやめましょう。

山本太郎 反緊縮・金持ちから取れ‏ @yamamototaro0
安倍政権はブレてない、一貫している。
通常国会を延長しなかったのも、憲法53条違反の臨時国会を召集しなかったのも、解散総選挙も、
年内臨時国会なしも、全て疑惑の追及をさせない為。
自己都合を貫くその姿はブレず一貫している。
http://www.asahi.com/amp/articles/ASKBT658FKBTUTFK011.html


1時間くらいと予想していた会議は2時間半.Doさんは梅田のバイキングに行く予定がダメになったと嘆いていました.わたしは遅いランチでパン食べ放題.でも少ししか食べることできませんでした.
念のためネットでチェックしたハドーですが,難しいです.いろいろ調べてこんな感じなのかな??というところ.
やわらかい柿を7つくらいいただきました.飽きてくる.でも甘くておいしい.でも柿ジュースとかって聞いたことないような・・・
埼玉から怒りのメールが来ました.小池・前原をぶんなぐると.その気持ちを受け止めつつ,一番ダメなのはアベだからアベを相手にして!と返信しました.

<衆院選宮城>最大被災地・5区から与党議員消える 復興遅れ懸念の声
 22日に投開票が行われた衆院選で、東日本大震災の最大被災地・石巻市を中心とする宮城5区の自民党前議員が議席を失った。2020年度末の復興期間終了まで残り約3年5カ月。政権与党の議員がいなくなった5区の首長や経済関係者からは、復興計画の実現を不安視する声が漏れる。
 「与党の議員として力になりたかった。断腸の思いだ」。5区で落選し、比例復活も逃した自民前議員の勝沼栄明氏(42)が23日未明、事務所で頭を下げた。
 選挙期間中、「復興のアクセルを踏めるのは与党だけだ」と声をからした。しかし、無所属前議員の安住淳氏(55)に約3万9000票差で敗れた。
 震災以降、5区には常に与党議員がいた。震災発生時は、当時の与党の旧民主党で国対委員長を務めた安住氏が存在感を発揮した。
 12年衆院選で自民は民主から政権を奪還し、安住氏と争った自民新人が比例東北で復活当選。14年は勝沼氏が安住氏に挑み、比例東北の最後の一枠に滑り込んで与党議席を守った。
 「パイプ役になる窓口がなくなるのは要望活動に影響が出る」と気をもむのは石巻市の亀山紘市長。勝沼氏が所属する派閥の領袖(りょうしゅう)の二階俊博党幹事長に、復興補助事業の延期などを7月に要望したばかりだった。
 石巻商工会議所の浅野亨会頭も「困った」と頭を抱える。石巻−酒田間を高規格化道路でつなぐ「みちのくウエストライン」構想の促進など、地域課題の解決には「時の政権につながる議員の方が実現可能性は高い」と言う。
 復興の完遂に向け、地元選出議員は与野党の別なく活躍が求められる。石巻魚市場の須能邦雄社長は「安住氏には今までと同様、地域の代表として被災地の声を国政に届ける役割を担ってほしい」と期待する。


瀬戸内寂聴の嘆き。「日本から『青春』が消え去ってしまった…」 恋も革命もしたくない若者たち
瀬戸内寂聴×池上彰
いまは青春がない? 便利になると結婚しなくなる? 恋愛は面倒くさい?
波瀾万丈の人生を送ってきた95歳の作家・瀬戸内寂聴さんに、ジャーナリスト・池上彰さんが「老後の心構え」について聞いた話題の新刊『95歳まで生きるのは幸せですか?』より特別公開!
混乱を恐れる気持ちが、恋も革命も遠ざける
寂聴 学生が大勢集まってるところで話す機会があったんですよ。そのときわかったのが、もう「青春」って言葉がないのね、今は。
池上 青春ねえ。
寂聴 青春がないの。だけど、あえて「青春は恋と革命だー」って叫んだんですよ。
池上 「青春は恋と革命だー」。
寂聴 そうしたら、みんな「うわー」って盛り上がっていましたよ。だからまったく恋とも革命とも無縁というわけでもないんだけど、自分でやるのは面倒くさいのかしら。
池上 今の若い人たちは、恋も革命もしたくないでしょ。
寂聴 恋と革命をしないから、日本はこんなにだらだらとした、妙な国になっちゃうんですよ。最近は大学生たちのデモが盛り上がってましたよね。その子たちはまだ私の言うことがわかるらしいんです。
池上 2015年の安保関連法の反対運動ですね。
寂聴 あの子たちにも会いましたけど、なかなかいいですよ。「恋と革命だ」って言ったら、「やってます」って(笑)。
池上 どっちもやってると? 「恋と革命だ」って言う人がいっぱいいれば、少子化問
題は少しは解決に向かいますかね。
寂聴 解決すると思います。
池上 混乱も起きるような気がするんですけど。
寂聴 混乱が起きなきゃ、革命にならないですけどね。みんな混乱を恐れてるのかし
ら。恋も混乱しますからね。混乱が面倒くさいから、みんなしないんですかね。でもそれで平穏に暮らしていて、おもしろいですか?
私は、もうじき死にますけど、「ああ、九十何年も長生きして、いろんなことして楽
しかった」って思って死ねますよ。
池上 子どもたち、若い人に情熱がないと感じるのはなぜでしょうね。なんとなく生きる力が弱くなってるような気がしません?
寂聴 そうですね。食べてるものは、私たちの子どものころよりずっと栄養のいいものなのに、どうしてでしょうね。便利になりすぎたのかしらね。
池上 そう言うと、昔の人は不便だから恋に走ったみたいじゃないですか。
寂聴 だってそうでしょ。ひとりが不便だから結婚したかったんですよ。
池上 便利になるから結婚したんですか?
寂聴 今は便利すぎて何も要らないんだもんね。ご飯だって、料理が下手な女房が作るより、そこらで買ってきたほうが美味しいでしょ。洗濯ものは洗濯機に入れればいいし、掃除は掃除機がやる。もう女房なんて要らないですもんね。
池上 だから結婚しなくていいって、そういう発想は寂しいですよね。
寂聴 でも、そんな理由もかなりあるんじゃないですか。ひとりが不便だったら、やっぱりまず結婚するでしょ、みんな。
池上 なるほど。
池上彰、青春時代のデート事情は……
池上 今、日本では子どもの数が減ってますでしょ。人口もどんどん減っていきます。
日本の人口はずっと増え続けてきたのが、2015年、ついに減少しました。このまま減り続けると、2050年には1億人を切るといわれています。
寂聴 ええ。いろいろな理由があるんでしょうけど、やっぱり若い男ですよ。女の子は
それほど変わっていないと思うんです。けれど、恋愛にも結婚にも興味がない男が増え
ているんですね。これはいったい、どうしてですか?
池上 そうですねえ。
寂聴 これは私じゃなくて、異性のあなたが説明してくださいよ。
池上 (笑)。いやいや、私にもよくわからないんですけど。
寂聴 あなたがもしお若いとしたら、「恋愛離れ」なんていわれてる今の状態をどう思われます?
池上 私の若いころはまさに激動の時代でしたし、みんなが貧しかった。押しなべて貧しい中でも、なんとしてもクルマは欲しかったですね。免許を取って、中古でも何で
も、とにかくクルマさえ手に入ればデートができる、という魂胆ですね。でも今の若い人たちはそもそもクルマに興味がない。
寂聴 クルマが要らないんですって!
池上 「クルマがなかったらどうやってデートするんだよ?」って聞いたら、「別にデートしません」。
寂聴 そう。デートしたくないからクルマも要らない。
池上 もうそうなると想像を超えているというか……。
寂聴 じゃ、今の若い男の方たちは、何がおもしろいんでしょう? 何が楽しいんでしょう?
池上 SNSでつながっていたり、ネットでありとあらゆる情報が入ってきますよね。
昔だったら絶対見られなかったものがネットで見られて、バーチャルでとりあえず満足しちゃう。だから、生身の人間と接するのが面倒くさいというのもあるんでしょうね。
寂聴 仮想の世界はますます複雑でおもしろくなっていくんでしょ? そしたらもう人間が人間じゃなくなりますね、やがて。
池上 ですよね。
寂聴 お若いときは、やっぱりちゃんとデートはしていたんでしょ?
池上 いやいや、全然ないですね。ないんですけど、頭の中では、そんなことばっかり
考えてましたよね。
寂聴 だってそんな年ごろでしょう。それが今の若い人たち、嫌だっていうんですよね? 面倒くさいと。
池上 そう、面倒くさいっていうんですよ。
寂聴 そこがわからないですね。
池上 そりゃ、面倒くさいですよね、ああいうことはね。その面倒くささを乗り越えて当たり前だと。
寂聴 面倒くさいのが楽しいんじゃないんですか、恋愛はね。
池上 なるほど。確かに。
人気作家、瀬戸内晴美はなぜ仏門に入ったのか?
池上 今さら改めてという感もありますが、小説家「瀬戸内晴美」は、なぜ仏門に入
り、「瀬戸内寂聴」になったのでしょう? 実はあまり知られていないのではないでしょうか。
寂聴 若い人たちは知らないでしょう。
池上 知らないでしょ。初めて目にしたときには、このお姿だったでしょう。
寂聴 初めから「寂聴さん」です。
池上 ずっとお坊さんだと思ってる人も多いでしょう。そういう人たちのために、改めてなぜ仏門に入られたのかを教えてください。
寂聴 それはもう本当に、何度も何度も聞かれてね。
池上 すみません(笑)。ワンパターンな質問で。
寂聴 聞く側も嫌でしょう(笑)。本当はね、本当はわからないの。
池上 ……わからない?
寂聴 自分でもわからないの。でも、あんまりよく聞かれるから、そのたびにいろいろ答えてはいますよ(笑)。
池上 なるほど。そのたびに答えが違うんですね。
寂聴 そう。答えてますけど、本当は自分でもわからないの。だって、当時の私は、まさに売れに売れてたときなんですよ。嫌な言葉だけども、流行作家だったんですね。
池上 そうでした。
寂聴 男もいたんですよ。そんなときに、なぜ出家しなきゃならなかったのか。自分でも本当はわからないの。誰かに首根っこを引っ張られて、「こっちに来い」って引っ張られた。何かに引っ張られたとしか言えないんですよ。
だけど確かなのは、どうしても、このままの自分じゃ駄目だという気はしてたんで
す。何か変えなきゃいけない。自分を根本から変えなきゃいけない。そんな気持ちはあったんです。
それで、自分を変える方法をいろいろ考えたら、ああ、仏教があるなと思ったんです。昔のお坊さんを振り返ってみると、普通の人がお坊さんになって、それからものを書いたりした人もいるじゃない?
池上 確かに。
寂聴 あ、これだ、と思ったんですよ。だから、小説をやめようとは思ってなかったんです。むしろ、もっといい小説を書きたいと思ってた。
池上 仏門に入っても、それまでどおりに執筆活動はできるということですね。
寂聴 はい。なぜ仏教だったかというと、やはり縁ですよね。カソリックでも何でもいい。宗教に入るなんて縁がすべてです。私にはお釈迦様とのご縁、仏縁があったから仏門に入ったんでしょう。その前は、カソリックの神父さんにもお話を伺ってたんですよ。そのときは本当にカソリックに入信しようと思ってたんです。
池上 そうなんですか?
寂聴 遠藤さんに紹介していただいてね。
池上 遠藤周作さん?
寂聴 はい。
池上 作家仲間からの紹介ですね。あの方は本当に敬虔なキリスト教徒でしたね。
寂聴 そうですよ。わざと変なことばかり言ってましたけどね(笑)。
池上 発言はかなり、とぼけてらっしゃいましたけど、小説を読むと……。
寂聴 それはそれは真面目ですよ。
池上 深いものがあります。
寂聴 小説家というのは、性的にだらしない人が多いけれど、遠藤さんは奥様一人を守り通しました。でもそう言われるのが嫌で、さもなにか悪いことしたように言うんです。
池上 露悪(ろあく)趣味でしたね。
寂聴 全部噓なの(笑)。
仏様が煩悩から守ってくれるから、もう大丈夫
池上 瀬戸内さんは仏門に入られたとき、男との関係は断たれたんですよね?
寂聴 はい。当時、男もいて、それもだんだん煩わしくなってきた。恋愛といいますか、男と女の関係なんてものは、やっぱり飽きが来るんですよ。
池上 飽きが来たんですか?
寂聴 それはもう(笑)。
池上 たいへん活発でいらっしゃいましたからね。今だったら、それこそスキャンダルで大騒ぎになるでしょ。
寂聴 当時は何も言われなかったですね。そんな人が出家したものだから、もうみんなびっくりして、いったい何事だ、って。当時の男は、その後バーなんかに行ったら、みんなに大事にされたそうですよ(笑)。
池上 彼女に逃げられたから?
寂聴 いや、そうじゃなくて、この人のために瀬戸内晴美が出家したんだという話ですね。それだけの力のある男なんだ、って。
池上 本当にその人のために出家したんですか?
寂聴 まさか! それだけじゃないですよ。
池上 (笑)。実は飽きただけ?
寂聴 いろいろな理由があったんでしょうね。最近は「更年期のヒステリーだった」と言ってるんですよ。
池上 今にして思えばということですか。
寂聴 更年期というのは非常に強い力がありまして。ただ当時は更年期なんて、それほど考えなかったですね。今ほど更年期なんて言われなかったですから。
池上 瀬戸内晴美が瀬戸内寂聴になったパワー、あるいはきっかけのひとつは更年期だったと?
寂聴 そうも考えられます。私は更年期をうまく逃げたと思いますね。小説家なんて、
更年期の現象が普通の人より強いんじゃないかな。
池上 なるほど。一般論にしていいかどうかわからないですけど。でも小説を書き続け
るのって大変なパワーが必要でしょ。
寂聴 それは私が出家してからもらえたと思います。
池上 出家後ですか?
寂聴 しんどいですよ、書くのって。
池上 でしょうねえ。でも出家されて、男の煩悩からは脱しましたか?
寂聴 脱せられるの。それを教えてあげたかった。あんなに色恋が好きだったんだか
ら、まだ続いてると世間の人は思ってる。隠していると思ってるんですよ。断ち切れる
はずがないと疑ってるのね。でも、断ち切れるはずが、あるの。仏様はいらっしゃったということなんです。
私は出家して、それはもう見事に色恋の煩悩を断ち切ることができた。ただ私にその
気はなくても、「尼さんってどんなものだろう?」と好奇心を膨らませている男は世の中にたくさんいます。そんな男たちが言い寄ってくるんですよ。
池上 じゃ、またモテモテだったわけですね?
寂聴 モテモテだったんですよ。でも、もう仏様が必ずちゃんと守ってくださるの。だ
から、そのたびに「ああ、仏様って本当にいらっしゃるんだなあ」って何度となく思いましたね。でもみんな陰で言ってるんですね。男がいるにちがいないって。勝手に言わせとけばいいんですね。仏様がいらして、守ってくださる自信があるから、もう平気なの。
池上 そうでしたか。いや、今初めて聞きました。仏門に入ってもモテモテだったとは(笑)。
寂聴 そうです。けれど仏様が守ってくださるの。
池上 なるほど。でも、せっかくモテモテなのに、もったいないじゃないですか。
寂聴 もったいないなんて思わないですよ。出家したとき、今東光先生は「頭剃らなくていいんだよ」と、おっしゃったんです。でも私は「髪を剃ります」って言いました。
「私はいい加減な人間だから、形からちゃんと入らないと続きません」って。そして頭を丸めたんですよ。そしたら今度は「下半身はどうする?」と、おっしゃった。「断ちます」って言ったら、「無理に断たなくていいんだよ」って(笑)。
池上 それは今東光さんらしいお言葉ですね。
寂聴 「いえ、私は駄目な人間だから、断つものを断たないと続きません。だから断ちます」って言ったら、「ああ、そうかい」って。
池上 それで断たれた?
寂聴 はい。そうして出家したのが51歳でしょ。今、95ですね。そのあいだ、一度もそんなことはありませんでした。仏様がいらっしゃいますから、もしそんなことしてたら、あの世行ったときに言われちゃうじゃないですか。「おまえね、偉そうな顔して、偉そうなこと書いて、なんだ、あんなことして」って。
池上 大丈夫です。そういう話を聞き出す対談じゃないので(笑)。


池上無双に完敗し…テレ東を臆面もなくパクる他局の神経
 テレビ各局が視聴率を競う選挙特番は、ジャーナリスト池上彰氏(67)をメインキャスターに起用したテレビ東京系「池上彰の総選挙ライブ」が平均視聴率9.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)で民放トップ。13年の参院選、14年の衆院選、16年の参院選に続き、池上氏&テレ東は国政選挙での特番4連覇となった。
 各局とも人気ジャーナリストやキャスターを起用し、いずれも打倒池上を掲げたが、フタを開けてみれば新味に乏しく、「テレ東のパクリか」との声が上がる企画ばかり。一方のテレ東はといえば、今回は池上氏の発案による新企画「政界“悪魔の辞典”」を打ち出し、事情を知悉している同氏ならではの独自の切り口での豆知識が好評でさらにリードを広げたもようだ。
 しかしながら、情けないのはテレ東以外の民放だろう。フジテレビは露骨に池上氏を引き抜こうとして一蹴されたそうだし、打倒池上ならば、独自企画を出して勝負すればいいのに、議員の人柄や面白いエピソードを伝えるミニ紹介コーナーなどテレ東の猿マネばかりとは……。
 テレビ各局が視聴率を競う選挙特番は、ジャーナリスト池上彰氏(67)をメインキャスターに起用したテレビ東京系「池上彰の総選挙ライブ」が平均視聴率9.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)で民放トップ。13年の参院選、14年の衆院選、16年の参院選に続き、池上氏&テレ東は国政選挙での特番4連覇となった。
 各局とも人気ジャーナリストやキャスターを起用し、いずれも打倒池上を掲げたが、フタを開けてみれば新味に乏しく、「テレ東のパクリか」との声が上がる企画ばかり。一方のテレ東はといえば、今回は池上氏の発案による新企画「政界“悪魔の辞典”」を打ち出し、事情を知悉している同氏ならではの独自の切り口での豆知識が好評でさらにリードを広げたもようだ。
 しかしながら、情けないのはテレ東以外の民放だろう。フジテレビは露骨に池上氏を引き抜こうとして一蹴されたそうだし、打倒池上ならば、独自企画を出して勝負すればいいのに、議員の人柄や面白いエピソードを伝えるミニ紹介コーナーなどテレ東の猿マネばかりとは……。


立憲民主に流れた学会票…公明「比例票700万割れ」の衝撃
 公示前の35議席から6議席減という敗北に終わった公明党。それ以上に党内に衝撃が走っているのが、比例の獲得票数だ。
 今回、公明が比例の全ブロックで獲得した合計は697万票。衆院選の比例ではじめて700万票を割った。自公に大逆風が吹き、8つの選挙区で全敗した09年衆院選でさえ、比例では805万票を獲得していたのに、である。
「投票日は悪天候でしたが、期日前投票を含め確実に投票されるのが公明票。天候は関係ない。自民候補の多くも選挙区で『比例は公明』を徹底していました。それでも700万割れです。“自民の非協力”ではなく、公明の支持母体である創価学会の集票力が目に見えて衰弱しているのです」(政界関係者)
 現役の創価学会員がこう言う。
「今回の選挙では、立憲民主に投票した学会員もいました。理由は、公明党の変節です。安保法賛成だけでなく、共謀罪、モリ・カケ問題など、今の公明党には平和や公正を求めたかつての姿はない。少なくない学会員が、不満をくすぶらせていました。そんな中、選挙で立憲民主が訴えた『平和』や『草の根』はまさに学会員が政治に求めるものだった。それに犬猿の仲である共産ではなく、立憲民主なら抵抗なく投票できる。今回は急な解散だったので、今まで通り公明に入れた学会員がほとんどでしょうが、今後の公明の対応次第では、次期選挙で立憲に流れる票がさらに増えるはずです」
 公明の斉藤鉄夫選対委員長は敗因を「準備期間が短かった」と分析しているが、逆だ。時間がなかったから、この程度の逃げ票で済んだのである。
 公明の敗北に頭を痛めているのが安倍首相だ。安倍首相は19年の参院選までに改憲の国会発議を行い、参院選と国民投票のダブルをもくろんでいる。参院選の後では、3分の2を失う恐れがあるからだ。しかし、公明が「改憲」に抵抗する可能性が高いという。
 政治評論家の山口朝雄氏がこう言う。
「もし、公明が安倍首相の“9条改憲”に協力したら、学会員から完全に見放され、次の参院選で壊滅的な敗北を喫す可能性があります。参院選を考えたら、簡単に“9条改憲”には乗れないでしょう」
 公明は安倍首相と心中するのかどうか。


衆院選2017 森友・加計学園問題、終わっていない 新聞27社が社説でくぎ刺す
 衆院選の結果を報じた23日朝刊では、全国の新聞の少なくとも27社が社説で森友・加計学園の問題に触れた。安倍晋三首相に引き続き納得のいく説明をするよう求め、自民党の勝利で幕引きとし「過去の問題」と片付けないよう主張している。この問題を巡って首相は「質問があれば答える」としているが、選挙期間中の街頭演説などでは積極的に説明する態度を示さなかった。
「みそぎ」ではない/丁寧な説明を
 全国紙では毎日新聞、朝日新聞、日本経済新聞が取り上げ、自民党の勝利によっても「不信感が払拭(ふっしょく)されていない」などと主張した。比較的広い地域で発行するブロック紙はいずれもこの問題に触れた。中国新聞は首相の妻の昭恵さんや加計学園理事長を挙げて「国会に招いて話を聴くことも必要ではないか」と踏み込んだ。
 地方紙には一連の問題について選挙戦での説明不足に厳しい目を向けるところがあった。愛媛新聞は「街頭演説では全く触れず、党首討論などでも質問にまともに答えなかった。説明責任をまるで果たしていない」。福井新聞は「圧勝でみそぎを受けたという姿勢ならば『1強』のおごり体質そのままと言わざるを得ない」。熊本日日新聞も「選挙で信任されたとばかりに、疑惑に終止符を打つようなことがあってはならない」とくぎを刺した。
 首相は23日の記者会見で「これからも国会で質問いただければ丁寧にお答えさせていただきたい」としたものの「国会審議をすべてご覧になった方には、かなりご理解をいただけたものと思っている」と従来の説明を繰り返した。さらに、野党側から加計学園問題への説明を求められたTBSテレビの党首討論番組(9日)などを念頭に「一部のテレビ局においては、他の政策議論よりも大変多くの時間を割いて説明させていただいた」と述べ、既に一定の説明をしたとの立場を強調した。【青島顕】
取材拒否に批判の声 首相夫人の地元回り
総決起大会の会場のロビーに張り出された掲示。ロビーでの撮影も警備の警察官にとがめられた=山口県下関市竹崎町の市民会館で19日
 安倍晋三首相の山口県下関市の事務所が衆院選期間中、妻昭恵さん(55)の出席する演説会や会合の取材を拒否した。昭恵さんは森友学園問題の渦中にいたこともあり、有権者にどのような説明をするか注目されていた。地元での「森友・加計学園問題隠し」に批判が出ている。
 昭恵さんは、地元山口4区に入らない首相に代わり、選挙期間中に地元を回ることになっていた。
 公示日の10日、地元報道機関でつくる「下関市政記者クラブ」の記者の囲み取材に応じたが、直前に地元秘書が記者クラブ幹事社に「森友・加計問題に触れたら取材を打ち切る」と通告したため、問題に関する質問ができなかった。
 この日、下関市で開かれた出陣式には問題の追及を掲げて同区に無所属で立候補した黒川敦彦氏と山本太郎参院議員が姿を見せ、終了後に昭恵さんに握手を求めた。
 翌11日、地元の山口新聞に黒川候補と握手する昭恵さんの写真が掲載されると、事務所の対応が一変。事務所は記者クラブに対し、選挙期間中に地元で開催する全ての個人演説会や総決起大会の取材を「主催者権限」で拒否すると口頭で一方的に通告した。演説会や総決起大会には昭恵さんが出席することになっていた。街頭演説などの予定も一切公開されなくなり、13日に予定されていた昭恵さんの各社合同インタビューも一方的にキャンセルされた。
 記者クラブは抗議するとともに取材規制の撤回を文書で申し入れたが、事務所は取材拒否を撤回しないことを文書で回答した。ツイッターに昭恵さんを「取り囲みましょう」などと呼び掛けがあり「危害を加えかねない動きがある」として、来場者らの安全確保や演説会などの円滑な運営のためだとした。昭恵さんが候補者本人でないことも挙げた。記者クラブは再度、文書で抗議したが事務所は改めて口頭で拒否を伝えた。
 終盤の19日、下関市で開かれた総決起大会。ロビーに報道関係者の会場への立ち入りを禁じる紙が張られ、警察官が警備にあたる「厳戒態勢」が敷かれた。記者はロビーに漏れてくる演説の音を聞くしかなかった。
 22日夜、安倍首相の当選を受けて昭恵さんは事務所で報道各社の取材に応じたが、森友・加計問題には触れなかった。
 森友学園が大阪府豊中市の国有地の格安の払い下げを受けた問題では、昭恵さんが森友学園の計画していた小学校の名誉校長を一時務めていたことが明らかになっている。【上村里花】
23日朝刊の全国紙・ブロック紙社説の森友・加計学園問題への言及(要旨)
毎日新聞   首相は選挙での勝利を口実として、過去の問題だと片付けるべきではない。
読売新聞   (言及せず)
朝日新聞   首相の「丁寧な説明」は果たされていない。行政の公正・公平が問われる問題だ。勝ったらリセット、とはいかない。
日本経済新聞 政権への不信感はなお払拭されていないと見るべきだろう。「みそぎは済んだ」などと浮かれないことである。
産経新聞   (言及せず)
北海道新聞  国民が納得していないのは明白だ。首相は「丁寧な説明」を実行に移す責務がある。
河北新報   選挙で「みそぎ」が済んだわけではない。今後も丁寧な説明が求められる。
中日新聞   選挙を経たからといって免責されるわけでもない。東京新聞 首相自身、問題の解明に進んで協力し、丁寧な説明に努めるべきである。
中国新聞   政府側には、納得できる説明が求められる。昭恵夫人や加計学園の加計孝太郎理事長を国会に招いて話を聴くことも必要ではないか。
西日本新聞  首相は自らの疑惑を払拭し切れなかった。


会計検査院も疑義! やっぱり森友学園への国有地値引き6億円過大だった! 安倍首相、昭恵夫人は説明責任を果たせ
 総選挙が終わった途端、森友学園問題が大きな局面を迎えた。国有地の売却額の妥当性について調査を進めていた会計検査院が、ごみの撤去費は2〜4億円程度で済み、値引き額は最大約6億円過大だったと試算していることが、今朝、報じられたのだ。
 森友学園の国有地“格安”払い下げ問題をあらためておさらいすると、最大の問題となっているのは、2016年3月に小学校建設予定地で新たに見つかったゴミの撤去費用についてだ。大阪航空局は杭を打つ部分では地下9.9メートルまでゴミがあり、全体で47%の土壌にゴミがあるとして撤去にかかる費用を8億1900万円と算出。そして5月31日には近畿財務局から依頼を受けた不動産鑑定士が土地の評価額を9億5600万円と査定し、そこからゴミ撤去費用を差し引いた1億3400万円で売却されることとなった。
 しかし、今朝の東京新聞によれば、会計検査院の調査では、ゴミの混入率は30%程度でしかなく、撤去費は約2億円と計算。〈別の計算方法を用いても四億円余りだった〉らしい。
 これは妥当な結果だろう。なぜなら、この調査を裏付ける証拠はすでに出てきているからだ。そのひとつが、FNNが独占入手した、「去年3月下旬」におこなわれた国側と森友側の打ち合わせ時に録音された音声データである。
 この音声のなかで「国側の職員」と見られる人物は、こう話している。
「3メートルまで掘っていますと。そのあとで、土壌改良というのをやって、その下からごみが出てきたというふうに理解してるんですね。その下にあるごみっていうのは、国が知らなかった事実なんで、そこはきっちりやる必要があるでしょうという、そういうストーリーはイメージしてるんです」
 つまり、国側が3メートルより下からごみが出てきてそれを国が対処するという「ストーリー」を描き、森友サイドと共有していたのである。これは国側が土地の値引きを前提に話を進めていたことの、揺るがぬ証拠だ。しかもこの席上で、近畿財務局の池田靖・国有財産統括官(当時)は「資料を調整するなかで、どういう整理をするのがいいのかということで、ご協議、協議させていただけるなら、そういう方向でお話し合いをさせていただければありがたいです」と口にしている。地中3メートルより下からごみが出てくるという前提で「お話し合いをさせていただければありがたい」──。土地の不当な値引きを国が主導し、口裏を合わせていたというわけだ。
「会計検査院の調査を待つ」と逃げ口上にしてきた安倍首相、昭恵夫人の国会招致を
 さらに、2016年5月下旬のものとされる音声データでは、籠池泰典理事長が「1億3000万円がうんぬんというよりも、ぐーんと下げていかなあかんよ」と詰め寄るなか、池田国有財産統括官は「理事長がおっしゃる0円に近い金額まで、私はできるだけ努力する作業を、いま、やっています。だけど1億3000万円を下回る金額にはなりません」と述べている。
 ようするに、国側が不正な土地取引をおこなっていたのは明白な事実であり、麻生太郎財務相が何度も繰り返してきた「適正な手続き、価格で処理された」という答弁は、やはりデタラメの真っ赤な嘘だった。会計検査院の調査は、それを決定づけるものだ。
 そして、ここで忘れてはならないのは、安倍首相のこれまでの発言だ。
 安倍首相はこれまで森友学園問題について追及を受けると、そのたびに「会計検査院がしっかりと調査し、結論を出すのを待ちたい」と述べ、検査院の結果を盾にしてきた。本来、「適正な手続き」だったと胸を張るのであれば積極的な調査をおこなえばいいものをそれもせず、さらにはこの問題の“最大のキーマン”である昭恵夫人の国会参考人招致の要求も無視し、会計検査院任せにしてきたのだ。
 しかも、安倍首相は今回の選挙戦において、森友学園問題について追及されると、「籠池理事長はですね、まさに詐欺で逮捕され、起訴されました」「逮捕され、詐欺でですね、そして、起訴された人物」と何度も連呼。11日に出演した『報道ステーション』(テレビ朝日)の党首討論では「籠池氏は詐欺をはたらく人物」「妻は騙された」とまで口にした。
 籠池前理事長が逮捕、起訴されたのは補助金の不正受給疑惑であり、国有地の不当な金額での払い下げ問題とはまったく無関係だ。そもそも、籠池前理事長の逮捕については、国の補助金不正受給に詐欺罪を適用することに対し法律関係者からも疑問の声があがっており、その上、籠池氏は公判もまだ始まってすらおらず、判決も下されていない状態。にもかかわらず安倍首相は一国の総理大臣という立場にありながら「詐欺をはたらく人物」と決め付け、「司法の独立」という司法の基本中の基本である大原則を無視したのだ。
 この安倍首相のテレビにおける発言は到底許されるものではないが、これまで安倍首相が逃げ口上にしてきた会計検査院が疑義を呈している以上、不当な取引の背後に何があったのかをはっきりさせなければならない。会計検査院の調査結果は年内中に公表されるというが、今度こそ、昭恵夫人の国会招致を含めた徹底的な検証が求められる。(編集部)


公文書管理法 改正強化へ速やかに
 衆院選後の最優先課題の一つは公文書管理法の見直しだ。臨時国会を早期に開いて、行政文書が勝手に廃棄されることがないよう改正強化すべきだ。
 今度の選挙の出発点には公文書管理の問題があった。
 安倍晋三首相や昭恵夫人が関係する学校法人に対し、国の行政機関が便宜を図ったのではないかとの疑惑が浮上。内部告発で明るみに出た文書を菅義偉官房長官は「怪文書」扱いした。国有地売却の関係書類を国会に提出するよう求められると、財務省は「廃棄した」との説明で押し通した。
 国民への説明を拒むこうした姿勢に批判が高まり、支持率が急落。局面を打開するため首相が衆院を解散した面がある。
 選挙では与野党が公文書に関わる公約を掲げた。自民は「行政文書の適正な管理」、公明は「適切な情報公開体制の整備」などを盛り込んだ。
 野党側では立憲民主が「情報公開法改正による行政の透明化」、希望は「『隠蔽(いんぺい)ゼロ』の断行」、共産は「公文書管理と情報公開の在り方を根本から改める」などを掲げて選挙を戦った。
 国政選挙で公文書管理が争点になるのは珍しいことである。
 安倍首相は通常国会を閉じるとき、森友・加計問題について閉会後も「丁寧な説明」をすると約束していた。衆院を解散したときは「国民に説明しながら選挙を行う」とも述べていた。実際には選挙戦で首相がこの問題に触れることはほとんどなかった。
 今後、公文書法の改正強化を先送りするようでは、「森友・加計問題を隠すための選挙」との見方がさらに強まるだろう。
 問題が表面化してからの政府の対応は、情報開示に後ろ向きになったようにさえ見える。
 9月に示したガイドラインでは複数官庁や外部との協議を記録に残す場合「可能な限り相手方の発言部分についても相手方による確認などにより正確性確保を期す」と定めている。これでは官庁にとって都合の悪いやりとりはなかったことにされかねない。
 公文書法見直しでは最低限、次の二つを盛り込むべきだ。▽1年未満で廃棄できる規定は廃止する▽文書管理に目を光らせる第三者機関を設置する。
 自民が「行政文書の適正管理」を言うのなら、首相指名の特別国会に続いて臨時国会を召集し公文書法を改正すべきだ。森友・加計問題の解明のために、昭恵夫人らの証人喚問も欠かせない。


国交省積算ごみ撤去費 森友値引き6億円過大 検査院が疑義
 学校法人「森友学園」に大阪府豊中市の国有地が、ごみの撤去費分として約八億円値引きされて売却された問題で、売却額の妥当性を調べていた会計検査院が撤去費は二億〜四億円程度で済み、値引き額は最大約六億円過大だったと試算していることが二十五日、関係者への取材で分かった。
 官僚の「忖度(そんたく)」が取り沙汰された問題は、税金の無駄遣いをチェックする機関からもごみ撤去費の積算に疑義が突き付けられる見通しとなった。検査院は関連文書の管理にも問題があったとみており、売却に関わった財務省と国土交通省の責任が改めて問われるとともに、政府に説明を求める声が強まるのは必至だ。
 検査院は詰めの調査を進め、両省への指摘内容を年内にも公表する見通し。
 森友学園は二〇一五年五月、財務省近畿財務局と国有地の定期借地契約を締結。その後、国有地の購入を申し出たことから、財務局は地中に埋まっていたごみの撤去費の見積もりを、以前に現場周辺の地下の埋設物を調査していた国交省大阪航空局に依頼した。
 学園は「地下九・九メートルまでごみがある」と申告。航空局は詳細に調べ直さないまま、以前の調査を基に、土壌全体の47%にごみが混入しているとみなし、撤去費を約八億二千万円と算出。財務局は一六年六月、この額を評価額の約九億五千万円から値引きし、約一億三千万円で売却した。
 検査院が残された資料を検証したところ、47%というデータは、航空局が以前に現場の敷地を掘削した数十ポイントのうち、ごみが出てきた六〜七割のポイントの土壌に限っての混入率だった。残る三割以上では、ごみが見つかっていないのに混入率に反映させていなかったという。検査院が計算し直したところ、混入率は30%程度で撤去費は約二億円にとどまった。別の計算方法を用いても四億円余りだったという。
 ただ、撤去費単価に関する文書や、国と学園とのやりとりの記録は破棄されており、正確な見積もりはできなかった。検査院は文書管理の改善も求めるとみられる。
<森友学園問題> 学校法人「森友学園」が、大阪府豊中市の国有地を約8億円値引きされた価格で取得していたことが今年2月に発覚。この土地で建設を計画していた小学校の名誉校長には安倍晋三首相の妻昭恵氏が一時就任し、国会で追及された。大阪地検特捜部は国や大阪府、市の補助金を詐取したなどとして、詐欺罪などで籠池泰典前理事長と妻を起訴。近畿財務局長らの背任容疑などについても刑事告発を受け捜査している。


日産と神鋼の不正 法令順守の原点に戻れ
 品質の高さで名をはせていた「日本のものづくり」に黄信号がともっている。
 日産自動車による新車の無資格検査と、神戸製鋼所による性能データ改ざんが明らかになった。いずれも日本の製造業をけん引してきた大企業だ。消費者の信頼を裏切る行為で、断じて許せない。
 今回の不祥事は組織ぐるみも疑われている。企業のコンプライアンス(法令順守)意識が希薄になっていないか。経営陣をはじめ全社的な意識改革を進め、早急に再発防止策に取り組むべきだ。
 日産は国の規定に反して、資格のない補助検査員に新車の最終検査をさせていた。違反を認識しながら、組織ぐるみで無資格検査に手を染めた疑いも残る。
 安全を確認する最終関門をおろそかにしたのは、自動車メーカーとして人命軽視と指弾されるべき事案だ。
 不祥事はこれだけにとどまらなかった。西川広人社長が9月29日に事実を公表した後も、国内4工場で無資格検査を続けていたことが発覚した。上層部の意向が現場に伝わらない組織だとすると病巣は根深い。
 日産は国内で販売する全車両の出荷を停止し、新たに約4千台のリコールを届け出る事態に至った。
 経営陣が現場を管理できていなかったのは問題だ。西川社長は「課長と係長のコミュニケーション不足が大きかった」と説明した。自らの責任は棚上げし現場に押し付けるかのような発言は、危機管理意識に欠ける。経営陣の責任は極めて重大である。
 神戸製鋼所は製品の性能データを改ざんしていた。当初はアルミニウムと銅製品だったが、その後、鉄粉、銅線、特殊鋼にまで拡大した。
 さらに、管理職を含む従業員が不正を隠蔽(いんぺい)する行為や、不正を報告しない妨害行為も明るみに出た。会社全体にモラル欠如と隠蔽風土が蔓延(まんえん)していたとの指摘もある。
 両社とも自社の不祥事を経営陣が把握していなかったと弁明している。企業統治が利いていないのではないか。
 日本を代表する両企業の不祥事は、世界に「メード・イン・ジャパン」への不信感となって広がっている。米有力紙はタカタの欠陥エアバッグ問題とも絡め「日本の自動車産業が『困難な時期』を迎えている」と報じた。
 ボーイング社など海外メーカーや米司法省は調査に乗り出した。欧州航空安全庁(EASA)は神鋼への調達を控えるよう勧告している。
 日本のものづくりに対する信頼を根底から揺るがす事態だ。製造現場にモラルの低下がはびこっているとは考えたくない。
 企業が法令を順守するのは当然のことだ。両社とも消費者のために誠実に真摯(しんし)にモノをつくるという原点に立ち返ってほしい。まず原因を徹底究明し、消費者の信頼を取り戻す努力を重ねるべきだ。


レイプ被害で手記刊行の伊藤詩織氏 相手の元同僚の共感は援護射撃になるのか
 元TBSワシントン支局長の山口敬之氏によるレイプ被害を訴えたジャーナリストの伊藤詩織氏が24日、東京・日本外国特派員協会で会見に臨み、18日発売の手記「Black Box」(文芸春秋)に込めた思いを伝えた。
 伊藤氏は2015年、支局への就職相談のための会食中に意識が飛び、都内のホテルでレイプされたという。準強姦(ごうかん)容疑で警視庁に被害届を提出し、山口氏に警察の手は届きそうだったが、逮捕直前になって警視庁本部刑事部長の“鶴の一声”でストップされたと主張。その後、東京地検は嫌疑不十分で不起訴処分とした。伊藤氏は今年5月に検察審査会に審査を求めた後、記者会見をして被害を公にしたが、9月に「不起訴相当」の議決を受けた。現在は真相究明のため民事訴訟で争っている段階だ。
 伊藤氏は司法システムの限界や、社会の対応について感じたことを語った。公正な判断が求められる検察審査会の男女比は7対4で男性優位だったことが「残念」だとする。
 外国メディアの記者からは、日本の女性たちは伊藤氏への共感が薄いと指摘された。「私自身、脅迫やバッシングを女性からも受けることがあった」と明かす伊藤氏は、女性が日本社会で「忍耐」を強いられていると表現した。
 会見の雰囲気が変わったのは「質問するかどうか迷っていたんですけど、私はTBSの元ワシントン支局長です」と名乗る男性が質問に立った場面だ。
 同局のニュース番組「報道特集」のキャスターを務める金平茂紀氏は「同じ組織に属していた同僚・部下が詩織さんに対して取った行動には私は理解できないくらい非常に怒りを覚えている。就職話に絡んでああいうことをやるのは理解できない。(中略)犯罪行動がもしあったとすれば、一人の人間のモラルとして恥ずべきことだと個人的には思っている」と述べた。
 TBSの“身内”の登場は援護射撃になるのか。伊藤氏は山口氏や刑事部長に質問する機会を再三求めているが、果たされていない。今後は国会でも議論が進むことを望んでいた。

目が覚めたら9時半/卵かけごはん/京大生のふり??

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La recette du bonheur signée Albert Einstein
Deux lettres qu'Albert Einstein avait remises à un coursier au Japon, dont une sur le secret d'une vie heureuse, refont surface 95 ans plus tard.
Deux notes que le grand scientifique avait données en guise de pourboire et où il formulait ses réflexions sur la vie et le bonheur vont être vendues aux enchères à Jérusalem.
Albert Einstein, qui venait d'être récompensé du prix Nobel de physique, entreprit un voyage au Japon pour donner une série de conférences. La nouvelle se répandit rapidement et la notoriété du physicien, célèbre notamment pour sa théorie de la relativité, était au beau fixe à son arrivée dans le pays.
Quand un coursier arriva dans sa chambre à l'hôtel Imperial de Tokyo, Einstein se rendit compte qu'il n'avait pas de monnaie pour un pourboire. Il lui remit alors deux notes, disant qu'elles auraient beaucoup plus de valeur avec le temps.
L'une, écrite sur le papier officiel de l'hôtel, indiquait: ≪Une vie calme et modeste apporte plus de bonheur que la recherche du succès qui implique une agitation constante≫. L'autre, rédigée sur un simple morceau de papier blanc, reprenait une citation de Lénine: ≪Là où il y a une volonté, il y a un chemin≫.
Les deux notes signées et datées par Einstein seront présentées à la maison de vente aux enchères Winners.
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1964東京オリンピック 第2回「オリンピック招致にかけた男たち」
戦後まもなく貧しかった日本にオリンピックを開きたい。途方もない夢を抱いた3人の男たちがいた。世界の国々の冷たい視線をはね返し、招致を実現させるまでの苦闘の物語。
招致活動の司令塔・田畑政治は、水泳日本代表の総監督だった。敗戦でうちひしがれた人々にスポーツで勇気と力を与えたいと立ち上がった。田畑を支えたのがアメリカ生まれの日系人フレッド・イサム・和田。夫人とともに各国のIOC委員説得に回り、祖国日本への支持を訴えた。そしてIOC総会の最終スピーチを務めたのは元外交官の平沢和重。委員たちの心を動かした言葉とは?夢の実現にかけた熱き男たちの物語をひもとく。
高橋克実, 森田美由紀, 相島一之,米倉斉加年,鈴木健介,久保酎吉,古泉葵

クレイジージャーニー【マレーシア昆虫食の旅▼希少なセミ&巨大幼虫】
松本人志×設楽統×小池栄子VSクレイジージャーニー。昆虫食にどハマリの愛が、新たな旅へ!昆虫の楽園マレーシアでお目当ての一匹を捕獲&調理!貴重な昆虫が続々登場!
昆虫食にどハマリの愛が、新たな旅へ!昆虫の楽園マレーシアでお目当ての一匹を捕獲&実食!本場ならではのテクニカルな捕獲方法で、貴重で珍しい昆虫が続々登場!愛オリジナルの調理でどんな一品が完成したのか?
松本人志(ダウンタウン) 設楽統(バナナマン) 小池栄子 番組HP http://www.tbs.co.jp/crazyjourney/ twitter https://twitter.com/Crazy_Journey @Crazy_Journey


昨晩疲れていて赤ワインを飲んで眠りについたせいでしょうか,目が覚めたら9時半.えっ??ということで朝ごはん食べる時間がありません.急いで出かけました.お昼の仕事は結局何もなくランチは卵かけごはん.朝食べていないのでお代わりしました.おなかすいていたのと想定外に?おいしいんです.
夕方Cのキソキソはどうにか頑張りました.
京都大学の名前入りのノートやレポート用紙があるので,京大生のふりができるね??なんて話をしました.

健康づくりの体操やお茶飲み楽しく 被災者らの交流の場に サロン開設で孤立防ぐ
 東日本大震災に伴う災害公営住宅や民間分譲宅地などが混在する仙台市若林区の荒井南地区で、住民の定期的な交流を図る「なないろサロン」が始まった。新住民が集まる地域で高齢者の孤立を防ごうと町内会などが企画。「被災の有無にかかわらず、気軽に立ち寄れる場にしたい」と意気込む。
 サロンは、荒井南町内会が市と連携して8月から開催。災害公営住宅敷地内の集会所で月1回、原則第4水曜に行う。9月27日に行われた2回目のサロンには12人が出席し、健康づくりのための体操や、お茶飲みを楽しんだ。
 若林区荒浜にあった自宅が津波で被災し、災害公営住宅で生活する大学公子さん(74)は「さまざまな地域から幅広い世代が集まっている。サロンを通じて知り合いができてうれしい」と感謝する。
 荒井南地区は市地下鉄東西線の沿線開発の一環で2008年に土地区画整理事業が始動し、15年に造成が完了。防災集団移転団地なども整備され、約430世帯1400人が居住する。震災と関係なく、民間分譲地の2世帯住宅などに移り住んだ高齢者も少なくないとみられる。
 町内会でサロンの世話役を務める田口八千代さん(57)は「日中一人きりの高齢者が出掛けるきっかけになればうれしい」と願う。


<台風21号>カキ養殖を直撃 生産者「7割落下。良質なカキから落ちていく…」
 超大型の台風21号の影響で、宮城県女川町や石巻市で養殖カキの一部に被害が出たことが24日、生産者らへの取材で分かった。被害の全容把握はこれからだが、「7割が落下した」という生産者もおり、生食用の出荷シーズンを迎えた浜に落胆の声が漏れる。
 女川町の尾浦漁港では、生産者らが台風通過後の23日午後から船で被害状況を確認。生産者の男性(50)は「7割ほどが落下したようだ。海が荒れると、海面近くの良質なカキから落ちていく。覚悟はしていたが予想以上の被害」と肩を落とした。
 石巻市の牡鹿半島にある狐崎地区でも一部のカキが落下した。県漁協石巻市東部支所狐崎支部の佐藤信也支部長は「被害を受けたのは2割ほどとみられる。大型台風のため心配していたが、思ったほどの影響は出なかった」と言う。
 石巻湾支所では、カキ養殖用のいかだ約260台のうち20台が破損。約2割のカキが落下したという。
 宮城県漁協によると、24日現在、県内沿岸で計10隻以上の小型船の転覆や破損が報告されている。担当者は「被害の全容はこれから把握する。シーズンを迎えたカキやノリ養殖で大きな被害が出ている恐れがある」と心配そうに話した。


仏ル・モンド紙が「安倍首相の改憲の本質は、大日本帝国の復活」と喝破!「天皇が安倍の歴史修正主義に抗っている」との記述も
 衆院選で大勝した安倍首相は、「謙虚」をくり返し強気な言葉こそ控えているものの、このあと改憲に向けた動きを本格化させるのは明らかだ。安倍改憲の背後にあるもの、その危険性について海外メディアも大きく報じている。
 フランスのル・モンド紙は、今月20日の電子版に「安倍晋三、受け継がれし歴史修正主義」(Shinzo Abe, le revisionnisme en heritage)と題した特集記事を掲載。約3000語に及ぶ長文で、内容は安倍晋三の家系や生い立ちを紹介しながら、安倍の歴史修正主義の危うさを鋭く指摘するというものだ。海外から安倍首相がどう見えているのか、その視点を知るうえで極めて興味深い記事なので、部分的に訳しながら紹介してみたい。
 まずル・モンドは、北朝鮮との緊張関係や中国との対立によって、安倍の「国難」との主張が強化されていると指摘。興味深いことにル・モンドは、第二次安倍政権発足以来、防衛予算が増加し続けていることを指摘する一方、「安倍氏は、各国の多くの指導者と比べればとりわけナショナリストとは言えないし、再軍備に熱狂しているわけでもない」と評すが、「その代わり」と続け、こう強調している。
〈そのかわり、安倍氏は歴史修正主義者(revisionniste)である。たとえば、彼の礼賛する憲法改正は、日本の帝国主義の復興を目指し、1930年代初頭から第二次世界大戦終戦までの日本軍が犯した残虐行為の数々を過小評価ないしは否定しようとする広大な企てのなかの一つだ〉
 さらにル・モンドは、日本でも大正時代には民主化運動や反戦運動が盛んだったことに触れたうえで、戦後日本が大正デモクラシーと似た傾向に回帰したことを「日本の歴史の断絶」として否定的に捉える右派の文脈のなかに安倍を位置づけている。
〈1945年の敗戦は、日本の歴史の深い断絶となっている。しかしその断絶は、1910〜1920年に日本が経験していた民主主義への回帰と軍国主義の拒絶を導いた。安倍晋三を生み落とした日本の右派は、国際社会におけるコンプレックス(劣等感)から解き放たれ、経済的にも軍事的にも強い、ある種のJapon eternel(引用者注:悠久不滅たる神国日本というような意味)を取り戻すため、戦後という“ページをめくって”この断絶を抹消したいのだ。「Japan is back!」。安倍氏は第二次政権初期の2013年(引用者注:2月、米ワシントンのシンクタンクSCICでの演説)に、そう宣言している。歴史的観点からみれば、安倍氏が権力にいたる道において目立った事実として残るであろうことは、激しい外交活動と経済政策よりも、その否定的な色彩を帯びた歴史修正主義だ〉
大日本帝国の復権を狙う安倍首相と、それに抗う天皇というパラドックス
 その後、記事は岸信介が戦争を引き起こした政権の重要メンバーであったこと、戦後戦犯として逮捕されたことなど一族のヒストリーを紐解きながら、安倍晋三の右派政治家としての経歴を紹介。ネットを駆使したメディア戦略や報道に対する圧力の問題にも触れながら、森友・加計学園問題で支持率を急落させたが北朝鮮のミサイル問題で復調、これを奇貨として解散総選挙に打って出ると報じ、「勝てば修正主義のアジェンダ(行動計画)を続けることができる。それは、敗戦以来の右派のアジェンダではあるが、同時に安倍氏の家系的遺産の賜物でもある」と分析している。
 さらに、ル・モンドは安倍晋三という政治家が伸長したもうひとつの背景として、バブル崩壊による経済ナショナリズムへの致命的打撃と、その後の長引く不況を指摘。平和主義に対する疑念も膨むなかで、右派が、日本の“作られた神話”に遡る歴史に根差したナショナルアイデンティティの感覚をかきたてようと企てていると記している。
〈第二次世界大戦をめぐる歴史認識は常に左右の思想対立の中心にあったが、日本の精神の特異性に基づく神話的アイデンティティは副次的なテーマであった。それ以降、ネオ・ナショナリズムのアイデンティティは、論争の的となっている歴史の書き換えと組み合わされて、国家の最高レベルが示す統合の物語を志向している。それには二つの面がある。安倍氏の言う「美しい国」、起源への回帰と、軍国主義時代に犯した残虐行為を最小化どころか否定しながらなされる帝国日本の復権とである。逆説的だが、明仁天皇は、天皇という立場に課された制約上可能な範囲で、こうした歴史修正の動きに抗っている〉
 本サイトでも度々触れてきたように、安倍政権は単なる外交問題の一つとして歴史認識問題を位置付けているのではない。安倍が日本会議らと歩調を合わせ進める歴史修正主義は、復古調の国家主義と確かに対になっている。日本国内のマスコミが歴史修正主義と国家主義の綿密な関係をほとんど報じないなか、海外メディアがこうした指摘をしているのは極めて重要だろう。
 事実、2016年の伊勢志摩サミットの際、自らの強い意向により各国首脳を伊勢神宮に招いたが、周知のとおり、皇祖神とされる天照大神が祀られている伊勢神宮は、戦前・戦中の日本を支配した国家神道の象徴である。ル・モンドの記事では、わざわざ安倍首相が伊勢神宮に各国首脳を招いたことこそ、日本の右派が取り戻そうとしている「Japon eternel」であると強調したうえで、安倍が当選後すぐに身を置いた自民党の「歴史・検討委員会」とその系譜を継ぐ活動を支援していることに言及。〈日本の戦争は自衛であって侵略ではない〉という認識に積極的に加担してきたことを記している。
愛国を謳いながら対米従属という右派の矛盾を体現する安倍政治
 記事の最後の章では、安倍政権の国際政治が、ナショナリストでかつ対米従属派であるという「右派の両義性」の象徴であると断じ、安倍の歴史修正主義も相まって、東アジア情勢にも悪影響を与えているとする。そのうえで、再度、安倍の悲願である9条改憲についてこう述べている。
〈日本が独自の権限を主張し、軍隊の法的地位を付与し、国際安全保障協力を促進する法的枠組みを有することを妨げるものは何もない。しかし、帝国日本軍の残虐行為(1937年の南京虐殺や「慰安婦」など)に関する立場を争う人物が憲法改正のタクトを振るっていることは、日本の世論に明らかに不安感を与えているのである。〉
 どうだろうか。ル・モンドといえば、これまでも戦後70年の安倍談話について、「安倍総理大臣個人として、過去の侵略や植民地支配に対する謝罪を一切行っていない」とはっきり指摘。サミットのときに安倍首相が“世界経済の現状はリーマンショック前の状況とそっくりだ”という趣旨の捏造発言を行なった際も、「安倍晋三の無根拠なお騒がせ発言がG7を仰天させた」と銘打ち、しっかり批判していた。
 ル・モンドだけではない。同じく仏高級週刊誌「ロブス」や英経済紙「エコノミスト」は、日本のマスコミが安倍政権と日本会議の関係に注目する前から〈経済的改革者のイメージとは程遠く、日本の総理大臣は大日本帝国への回帰を目指す極右、歴史捏造主義団体と一心同体である〉(ロブス)、〈(日本会議は)憲法改正に必要な国民投票の実施を目指し、100万人の署名を集めている。憲法9条を撤廃し、伝統的な家族観を大事にするような憲法を求めている。2012年に作成された自民党改憲草案は、こうした日本会議の主張をいくつも採用している〉(エコノミスト)などと報じていた。他にも、安倍首相がオバマの広島訪問を政治利用したときも、米紙「ニューヨーク・タイムズ」や英紙「ガーディアン」などは安倍政権に批判的に報じていた。
 一方の日本のマスコミはどうだろう。東京新聞など一部を除いては、安倍首相を名指しして歴史修正主義者と批判することもほとんどない。今回の選挙でも、「極右集会」「おとなの塚本幼稚園」と評された安倍首相の街宣の実態をまともに報じるメディアもほとんどなかった。海外メディアから安倍政権が「極右」「ナショナリスト」「歴史修正主義」などとたびたび批判されていることについても、ベタ記事で触れるだけだったり、わざわざ政権を擁護する文化人や学者のコメントを入れるなど、あからさまに“忖度”している。しかもこのままでは、衆院選に大勝した安倍首相が、憲法改正に動き出すなかで、今後、さらに国内マスコミが萎縮していくのは必至だろう。
 しかし海外メディアによる安倍政権批判の多くは、ネトウヨや右派が喧伝するような陰謀論的日本叩きなどではなく、今回のル・モンド紙がそうであるように、いずれもきわめて冷静かつ客観的な指摘だ。国内メディアにもなんとか気骨ある報道をのぞみたいのだが……。(編集部)


<衆院選東北>1強批判、立民押し上げ「ここまで伸びるとは」動き出す野党再々編
 第48回衆院選は自民、公明の与党が改憲発議に必要な3分の2を超える圧勝を収め、幕を下ろした。東北23選挙区は、政権批判をかわした自民が18議席を獲得。共闘のもやいがほどけた野党系は5議席に沈んだ。各地で繰り広げられた短期決戦の軌跡をたどる。(衆院選取材班)
◎激流劇流(中)民意の受け皿
 結党1カ月に満たない新党の新人が、投票終了直後に当確の花を手にした。
 22日午後8時10分。衆院選宮城1区に立憲民主党から出馬した岡本章子(53)の事務所は歓喜に包まれた。比例代表東北ブロックで党の議席獲得が決まり、単独1位で名簿登載された岡本は議員バッジを早々に確定させた。
 「ここまで伸びるとは誰も思っていなかった」。社民党宮城県連代表の岸田清実は驚きを隠さない。共産党と共に岡本を支援し、自民党と相対した。選挙区では及ばなかったが、追い上げは自民陣営を震え上がらせた。
 民進党代表代行だった枝野幸男が今月2日に旗揚げしたばかりの立民。「排除の論理」で勢いを失った希望の党を尻目に上昇気流をつかんだ。比例東北で3議席に届き、衆院の野党第1党に躍り出た。
<希望入り拒む>
 立民を押し上げたのは特定の支持政党がない「無党派層」だった。投開票日の出口調査で無党派層の3割が比例東北の投票先に立民を挙げ、自民、希望を上回った。政権批判票の一定数が、リベラルを掲げた小政党に流れ込んだ。
 非自民勢力が事実上一本化され、自民との一騎打ちになった福島1区。「政治信条を変えないという決断を理解していただいたことが勝利につながった」。接戦を制した民進系無所属前議員金子恵美(52)は目を赤く腫らした。
 安全保障政策や憲法改正を巡る考え方の違いから希望入りを拒み、無所属の戦いを選んだ。組織力を前面に押し出す自民と対照をなし、金子の選択は結果的に当選を呼び込んだ。
 「無所属で立った姿勢への共感、政党の枠組みを超えた支援、安倍1強への批判の受け皿になったことが勝因。終盤ほど手応えがあった」。選対幹部の口は滑らかだった。
<風向き見定め>
 東北の小選挙区に挑んだ野党系無所属は5人のうち4人が議席を勝ち取り、存在感を示した。23日、立民は民進系無所属の当選者らとの統一会派結成を視野に国会での対応を確認。選挙期間中から民進の再結集がささやかれるなど、駆け引きが既に始まっている。
 福島3区で9選を果たした前議員玄葉光一郎(53)は当面、無所属を続ける考えだ。自らが担った候補者調整の相手だった希望には「党運営を見極める」と距離を置き、「政治構造や野党再編の在り方、果たすべき役割を考えて行動する」と風向きを見定める。
 自公圧勝の現実を前に、宮城5区で8選を決めた無所属前議員安住淳(55)は野党再々編への思いを口にした。
 「穏健保守とリベラルを中心にした塊ができたらいい。希望と立民のやじろべえの真ん中に岡田(克也)さんや自分がいる。もう一度つなぎ合わせないと、自公に対抗できない」
 永田町の急流は、早くも次なるステージに向かう。(敬称略)


政治の行方◆「独裁」阻む緊張関係必要だ◆
 自民党が280議席以上と圧勝を収めた第48回衆院選の結果を見れば、「安倍1強」が「安倍独裁」に移行しつつあるかのように見える。他方、安倍政権との対立軸を鮮明にした立憲民主党が結党後20日間で公示前議席を3倍増させ、野党第1党になる躍進を果たした。これにより理念、政策的に自民党を軸とする勢力との対立構図が生まれたと見ることもできる。
立憲民主の役割重大
 民主主義が機能するには与野党間の緊張関係が必須だ。それがなければ民主政治は空洞化し、衆院選で勝った勢力が何でもできる「選挙独裁」を生むシステムに堕してしまう。ここ数年の安倍政権の行いを振り返れば明白だ。衆院選の結果を受け、安倍晋三首相は「わが党が3回連続で過半数の議席をいただいたのはほぼ半世紀ぶり、同じ総裁の下で3回続けて勝利を得たのは結党以来60年余りの歴史の中で初めて」と自賛した。
 今後、党公約に沿って、金融緩和を柱とするアベノミクス政策を維持、加速、北朝鮮に関しては圧力一辺倒の対応を強める構えだ。
 自民党が政権に復帰した2012年衆院選以降、野党は分立することで結果的に安倍1強を助長する役目を担ってきた。特に分裂前まで第1党だった民進党と、前身である民主党は、代表を何度も代え、ついには党名まで変える混迷ぶりを国民に見せ続けた。
 立憲民主党を立ち上げた枝野幸男代表は民主、民進両党の幹事長を務めており、その責任の一端があると言わざるを得ない。立憲民主党は過去の反省に立って、いっときも躍進に安住することなく自らを軸に安倍政権に対抗しうる勢力を築き上げなければならない。
改憲賛否が対立軸に
 今回、浮き彫りになった対立構図は、与党の自民、公明両党と野党第1党となった立憲民主党が中心となる。憲法改正発議に必要な「3分の2」である310議席を確保した自民党の安倍総裁と公明党の山口那津男代表は、憲法改正の論議を推し進めるとの方針を盛り込んだ連立合意に署名した。
 改憲への賛否という軸を各党に当てはめると、自公両党側には希望の党、日本維新の会が加わることになる。立憲民主党側には共産党や社民党が立つことになる。議席数だけで見れば自公を中心とした「改憲」勢力が約370議席、対する「立憲」勢力は圧倒的な劣勢だ。しかし、公明党は改憲には野党第1党の賛同が必要だとしており、立憲民主党が当初の予想を覆してそのポジションに就いた意味は極めて大きい。
 また、いまだ解明されていない森友、加計学園問題などを抱える「安倍政治」に対する姿勢で見れば、希望の党の内部は複雑だ。安倍政権との連携も辞さない議員と同調できない議員が混在しているからだ。希望の党が今後、11月1日召集が想定される特別国会での首相指名を前に、どのような方針を打ち出すのかも焦点となる。


日産と神鋼の不正/「なぜ」を徹底解明すべきだ
 安全と品質を第一に、国内外で得てきた日本の「ものづくり」の信頼を失墜させる不正行為と言わざるを得ない。
 日産自動車による新車の無資格検査問題と、神戸製鋼所における製品の性能データ改ざん問題である。
 いずれも不正は組織ぐるみで常態化していたという。深刻に受け止めねばならないのは事実を公表しながら、事態は改善するどころか、むしろ悪化。不正が続けられたり、隠蔽(いんぺい)されたりしたことだ。信じ難いことであり、病根は相当に深いと言うほかはない。
 ルール違反が始まり、当たり前のように横行するようになったのは、なぜか。経営陣は不正を把握しながら、なぜ状況を改善できないのか。
 経営陣の管理責任が問われるのは当然だとしても、その原因について、背景を含めて徹底的に解明しなければならない。その努力を尽くさず再発防止策をまとめても、実効性には疑問符が付こう。両社は第三者の手も借り、まず問題点を全て洗い出すべきだ。
 日産であったのは、国の規定に反し、資格のない従業員に新車の最終検査をさせていたことだ。新車の安全性を担保する制度の根幹を揺るがす許し難い行為である。
 もっと驚かされたのは、発覚後も検査体制が改善されることなく、無資格検査が続けられていたことだ。上層部の意向が現場まで伝わらなかったという。ここでも浮かんでくるのは、「なぜ」だ。
 神鋼で起きたのは、顧客と約束した強度などの仕様を満たさない製品について、検査証明書のデータを書き換え、合格品のように装って出荷していた問題だ。約10年前から続いているという。
 不正は当初のアルミニウム・銅製品から、鉄粉や特殊鋼などに拡大。さらに自主点検する過程で、工場の管理職らが不正を隠す行為があったという。モラルの欠如は甚だしく、隠蔽体質もはびこる。
 どうしてそうなったのか。日産では、コストカットに伴い現場で必要な要員が適正に配置されなくなったという、過度の経費削減がいわれる。神鋼については、受注を獲得し納期を達成するための強いプレッシャーが、現場にかかっていたと指摘される。
 外国勢との厳しい競争にさらされている環境も含め、その背景について、しっかりとメスを入れる必要がある。
 日産は全車出荷停止に追い込まれ、影響は販売店だけでなく部品メーカーにも及ぶ。
 神鋼の製品は車や鉄道車両、航空機などに使われ、その品質が安全性に関わるだけに海外を含め影響は計り知れない。取引先から損害賠償請求が相次げば、業績の悪化は避けられまい。取引先や消費者の信用を裏切る行為の代償は言うまでもなく大きいのだ。
 製造各社は、この不祥事を「他山の石」としたい。事業と現場のありようについて改めて点検してもらいたい。


安全最優先の姿勢示せ/日産無資格検査
 日産自動車の検査不正は、国土交通省の検査で問題が発覚し西川広人社長が謝罪、適正化を進める方針を表明した後も、無資格者による検査が続いていた。経営が現場の状況を把握できず、指示も徹底されなかった。これが世界市場で圧倒的な存在感を誇るグローバル企業のやることなのかと驚く。
 日産は電気自動車(EV)の市場投入を加速する戦略を進めているが、その前に法令に適合する強固な検査体制の構築を急ぐべきだ。安全最優先の姿勢を示し、信頼回復に努めなければならない。
 かつて倒産の危機にあった日産を救ったのは、フランスのルノーから乗り込んできたカルロス・ゴーン会長だ。立て直しに臨み、その決意を内外に表明した「コミットメント」(必達目標)という言葉からは不退転の気概が伝わってきた。ゴーン氏はその言葉通り、日産を再生し、世界市場でも仰ぎ見られるような企業に育て上げた。
 売れる車の開発、市場投入を他社に先んじることを最優先し、そこに集中的に経営資源をつぎ込んできた。検査をおざなりにし、その重大性に経営陣、現場とも鈍感であり続けたのは、その副作用ではなかったのか。
 最も重要な安全対策で消費者を欺いた行為は、メーカーの存在理由さえ危うくする。西川社長の検査を是正したとの説明は偽りだった。ここは最高実力者であるゴーン氏がコミットメントを内外に宣言し、安全対策の最優先を誓うべきではないか。
 出荷直前の検査は、車が道路に出る前に行う安全確保の最終関門だ。完成車を迅速、大量に市場に供給するため、本来は国が1台ずつ検査する手続きを省略し、資格を持つ検査員が担当している。メーカーが国のチェックを代行している制度だ。
 資格のない者による検査を信頼できるはずはない。日産はこの点を甘くみてきたのではないか。検査自体が適正に行われれば誰が検査しようと基準は満たされ、性能には問題ないとの認識が、経営陣、現場に染みついていたとしたら、ものづくりの担い手として失格と言わざるを得ない。
 検査体制の再構築には資格を有する検査員の増員や、本社と工場間の指示経路の検証とそれを踏まえた修正が必要だろう。必要に応じて、人事や研修制度なども含む抜本的な改革を進めるべきだ。


神鋼改ざん拡大 日本の製造業の危機だ
 神戸製鋼所のデータ改ざん問題が深刻化している。自動車や航空機に使われるアルミ製品などについて、強度を満たしていないにもかかわらずデータを書き換えて取引先に納入するなどの不正が発覚したほか、従業員による隠蔽(いんぺい)が行われていたことも明るみに出た。
 神戸製鋼は当初、データ改ざんが行われたのは自動車のボンネットやドアなどに使われるアルミ製品や銅製品としていたが、その後、自動車や航空機のエンジンやスマートフォンに幅広く使用される特殊鋼や液晶画面材料などでもデータが書き換えられていたことが判明。改ざんされた製品は少なくとも10種類を超え、納入先は延べ約500社と拡大している。
 神戸製鋼がこの問題を発表したのは今月上旬だが、事実を把握したのは8月末だったという。9月中に経済産業省や取引先に報告したものの公表はせず、経産省の指示を受けてから、ようやく発表に至った。その危機意識の薄さには驚く。
 製品の強度が取引先との間で決めた仕様に達していなくても勝手に書き換えつじつまを合わせる。こうした改ざんが10年も前から行われていたという。取引先の自動車メーカーなどの調査では、現段階で安全面に問題があるとの報告はないが、あってはならない不正行為だ。
 安全性への信頼が不可欠の自動車や航空機に広く使われているとなれば、自社の信頼を失うだけでなく、取引先の信用にも関わる。対象製品が多岐にわたるだけに、今後も入念なチェックが求められる。
 国が定める日本工業規格(JIS)の法令違反に当たると認められる例も一部で確認された。JISの認証機関が審査しており、悪質なら認証が取り消される事態となっている。
 それにしても、なぜこうした不正が横行しているのか。アルミ製品は軽くて強度が高い点が乗り物に適しており、需要が増大。その中で、生産現場に製品納入目標達成へのプレッシャーがかかったという。神戸製鋼は上層部からの強要は否定しているが、目標に過大な面はなかったのか検証が必要だ。
 昨年6月にはグループ会社によるステンレス製品のデータ改ざんが発覚しており、うみを出し切れない体質を改めなければならない。
 神戸製鋼は明治・大正期の産業界をけん引した老舗で、日本を代表する鉄鋼大手だ。日産自動車で無資格の従業員が新車の最終検査を行っていたことが発覚したばかりで、米国や英国のメディアでは、日本製品の品質に関わる不祥事として取り上げられている。
 「ものづくり大国」として名を高めた日本製造業の危機ではないか。神戸製鋼は国外からの不信の目が自社にとどまらないことを自覚し、徹底調査により全容解明を急がなければならない。


最高裁国民審査 「顔」の見える制度こそ
 有権者の間には今回も戸惑いがあったのではないか。
 「憲法の番人」と言われる最高裁の裁判官について、職責にふさわしいかどうかをチェックする国民審査のことだ。22日投開票の衆院選と同時に行われた。
 対象の7人全員が信任されたものの、判断のしようがなく機械的に投票した人も少なくなかろう。
 その原因は、審査を受ける裁判官の人となりや仕事ぶりが見えにくく、国民の関心を集める制度になっていないことが大きい。
 国民審査の形骸化が指摘されて久しいが、有権者の声を司法に届ける貴重な機会だ。その趣旨を生かすため、実効性のある制度に作りかえていかねばならない。
 国民審査は任命後初めて衆院選を迎える裁判官が対象となる。
 戸別配布される「公報」に個々の略歴や関与した主な裁判、心構えなどが掲載されてはいるが、専門的な記述が多く、文字も小さくてとっつきにくい。
 最高裁は、法律が合憲か違憲かを審査する権限を持つ。夫婦別姓など、私たちの生活に身近なテーマについても、最終的な司法判断を示す役割を担っている。
 だからこそ、政府や最高裁は裁判官の「顔」が見えるよう丁寧な情報提供を尽くすべきだ。
 新聞各紙は、事前に裁判官へのアンケートを掲載した。ただ、例えば、原発訴訟にどう臨むのかとの質問に対して「回答を控える」といった言葉が並んだ。
 地裁や高裁の審理に与える影響も考慮した回答なのだろうが、こうした内容では物足りない。
 メディアとしても、型通りの手法を繰り返すのではなく、判断材料の提供を一層工夫したい。
 国民審査を巡っては、投票の仕方にも見直すべき点がある。
 現行は辞めさせたい裁判官に×印を付ける。一方で、信任のつもりで○印を書くと無効になり、分かりにくいとの指摘は根強い。
 単純な〇×式に改めても大きな問題はなかろう。
 忘れてならないのは、政府の司法制度改革審議会が2001年にまとめた最終意見である。
 「国民の実質的な判断が可能となるよう、審査対象者の情報開示の充実に努めるなど制度の実効化を図る措置を検討すべきだ」と提言している。
 なのに、依然、さしたる改善が見られないのは、政府や最高裁の怠慢と言われても仕方ない。早急に制度を見直さなければ、司法と国民の距離も縮まるまい。


核廃絶決議案後退 被爆国の責任が問われる
 日本政府が国連総会第1委員会(軍縮)に提出した「核兵器廃絶決議案」の表現が、例年の記述より大幅に後退していることが分かった。
 決議案は、米国やロシアなど核保有国に核軍縮の努力を求める内容で、日本が1994年以来、毎年提案し、採択されてきた。唯一の戦争被爆国である日本の決意を世界に示すものだ。
 日本は、今年7月に国連で採択された核兵器禁止条約に参加せず、多くの国の失望を買ったばかりである。それに続く問題であり、これまで日本が行ってきた核廃絶の訴えが骨抜きになりかねない。
 政府は、核保有国と非保有国との「橋渡し役」になりたいとしているが、このままでは非保有国からの信頼が失われるのではないか。
 後退したのは、核兵器使用の非人道性を巡る表現だ。
 昨年までは「核兵器のあらゆる使用」が「壊滅的な人道上の結末」をもたらすと明記していたが、今年の決議案は「あらゆる」が削除された。
 これでは、一部の核使用は非人道的な結果を招かないと受け取られる可能性がある。軍縮の専門家から「場合によっては(核使用が)許容されることを意味する」との批判が出たのは当然だろう。
 日本が核軍縮外交の柱とする包括的核実験禁止条約(CTBT)の発効促進に関しても、主張が弱まった。
 昨年と一昨年の決議では、発効要件国で批准していない米国や中国、イランなど8カ国に早期批准を強く求めていたが、今年は北朝鮮だけへの要求にとどめた。
 CTBTは核兵器開発を防ぐため、爆発を伴うあらゆる核実験を禁止する条約である。今回の主張は、早期発効を最優先する日本の従来の方針から逸脱している。
 いずれの後退も、米国の意向を反映させた結果とみられる。トランプ政権は核軍縮に後ろ向きなばかりか、核戦力の近代化を進めている。
 米国の「核の傘」の提供を受けているとはいえ、トランプ政権の方針に同調するような対応は、広島、長崎の被爆者らの思いを踏みにじる行為と言わざるを得ない。
 さらに見過ごせないのは、決議案が核兵器禁止条約に一切言及していないことだ。
 禁止条約は被爆者らの長年の尽力が実り、ようやく採択された。制定に貢献した国際非政府組織(NGO)、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)のノーベル平和賞受賞は、核廃絶が世界の潮流であることを示している。
 ICAN国際運営委員を務めるピースボート共同代表の川崎哲(あきら)さんは、「まるで核保有国が出す決議案のようだ」と政府の姿勢を批判した。
 昨年の決議案には国連加盟の9割近い167カ国が賛成したが、今年は非保有国が反発を強め、大きく下回る恐れがあるという。
 被爆国としての責任が問われていることを、政府は強く認識しなければならない。


署名2万筆以上に モリカケ疑惑の佐川長官に2回目罷免要求
 国民の怒りは続いている――。24日、東大の醍醐聰名誉教授を中心とする「森友・加計問題の幕引きを許さない市民の会」が、佐川宣寿国税庁長官の罷免を求めて2回目の「申し入れ」を行った。
 市民の会は8月21日に1回目の申し入れをした際、財務省と国税庁に佐川長官の罷免を求める署名(1万706筆)を出している。今回提出したのは、8月21日から10月24日にかけて新たに集まった9374筆。安倍首相を守り抜いて「栄転」した佐川長官に対する国民の“ノー”は合計で2万筆以上に達した。
 この署名は、名前や住所を記したものだ。税務署ににらまれる可能性もゼロじゃない。それが2万筆も集まっているのは、いかに「佐川長官降ろし」の動きが根強いかの裏返しだ。醍醐名誉教授がこう言う。
「2回目に集まった署名の中には、<自営業で毎年確定申告をしています。あのような者や一味に一円も納めたくない>や<(資料を)破棄しました、で通るなら税務署は成り立たない>といった率直な怒りの声が寄せられています」
「加計疑惑」を追及する動きも止まらない。「今治加計獣医学部問題を考える会」共同代表の黒川敦彦氏や「森友学園問題を考える会」の木村真市議(豊中市)が、26日、大阪市内で「モリカケ問題」の緊急集会を開く予定だ。元文科官僚で京都造形芸術大学の寺脇研教授らが発言者として参加する。黒川氏がこう言う。
「今後は、大阪や名古屋、東京などで“モリカケを忘れない”全国ツアーを行い、安倍総理の地元である下関でも疑惑を追及していく予定です」
 木村市議は森友問題について「『財務官僚の背任容疑』と『安倍昭恵夫人の国会招致』の2本柱で引き続き追及していく」という。
 安倍首相は、選挙の時、「モリカケ疑惑」について、まったく説明しなかった。総選挙の勝利でモリカケ問題をリセットできると思ったら大間違いだ。


<誤算の行方>(上)振付師なく「敵役」に 小池氏 過信が生んだ排除発言
 東京都知事との「二足のわらじ」で小池百合子氏が立ち上げた希望の党は、二十二日の衆院選で惨敗した。昨夏の知事選から旋風を巻き起こしてきた小池氏の誤算はどこにあったのか。誤算の先に待ち構える都政への影響は。転換点を迎えた「小池劇場」の揺らぎを関係者の証言から追った。
 当意即妙の受け答えで、厳しい質問をかわしてきた小池氏が、珍しく「敵前逃亡」する場面があった。九月三十日、東京、大阪、愛知の三都府県知事が衆院選に向け、大阪市で連携を宣言した記者会見。質疑が始まると、小池氏は司会者にそっとメモを差し出した。
 紙切れには、一人のフリー記者を「あてないで」と走り書きされていたという。前日の会見で小池氏から、民進党合流組の一部を「排除いたします」との発言を引き出したその記者は、最前列で手を挙げていた。
 関係者によると、小池氏は食事がのどを通らないほど、この発言を悔いていた。希望の候補者たちは「排除発言が流れを変えた」と口をそろえた。だが、七月の都議選で民進から小池氏の地域政党「都民ファーストの会」に移った都議は「小池さんは都議選でも同じ事をしていた」と明かす。
 都民ファの選挙支援は民進離党が条件で、リベラル色の強い一部労組との関係も断ち切らせた。準備期間に余裕があった都議選では、この選別を小池氏の側近や民進系会派の幹部が水面下で進め、小池氏が演じる劇場の舞台を整えた。
 今回は急な衆院選で裏方の態勢を整える時間がなく、「振付師がいなかった」と周辺は言う。しがらみを嫌う小池氏は政界に仲間が少ない。すべてを一人で担った結果、表舞台で排他性が見える形になった。
 希望の結党会見では、小池氏をモデルにした女性が、男たちを従えてさっそうと歩くイメージ映像が流れた。ブレーンは「排除」という言葉を発した小池氏に「高揚感があったのでは」と振り返り、知事選からの成功体験が過信につながったとみる。
 都議選後、都民ファ役員の決定過程が不透明だったことや、新人都議への取材規制で火種が生まれた。衆院選の公示直前、初期メンバー二人が「都民ファこそブラックボックス」と批判して離党した。
 「排除」発言も相まって、小池氏のイメージはいつしか、改革の主役ではなく敵(かたき)役に変わっていった。知事選で小池氏の得票は二百九十一万票、都議選で都民ファの得票(追加公認を除く)は計百八十八万票。今回、希望が東京の比例で得たのは百三万票で、小選挙区の勝利は一人だけだった。
 衆院選の投開票日、出張先のパリで敗北宣言する小池氏を「逃亡中の女王のようだ」と皮肉まじりに報じる仏紙もあった。「言葉の使い方は本当に注意しなければ」と反省を口にした。
 小池劇場はどう続くのか。都幹部は、風頼りの姿勢を懸念して言う。「二回も大きな風が吹いた政治家はいない」 (木原育子、内田淳二、榊原智康、唐沢裕亮が担当します)


[改憲勢力3分の2超]数の横暴は許されない
 衆院選は改憲勢力が3分の2を大きく超える結果となった。与党の自民党、公明党に加え、改憲論議に前向きな姿勢を示す希望の党、日本維新の会を含めると議席は7割を超える。
 9条改憲は戦後、日本が貫いてきた平和主義の根幹に関わる。参院でも改憲勢力が3分の2を超えていることを考えると、もはや改憲論議は避けて通れないだろう。
 安倍晋三首相は23日の記者会見で「スケジュールありきではない」とする一方、「政治だから全ての皆さんに理解をいただけるわけではない」とも語った。
 これまで賛否が割れる法案を数の力で押し通したことを考えると、強引なやり方を警戒せざるを得ない。
 安倍首相は今年の憲法記念日に「2020年を新しい憲法が施行される年にしたい」と日程に初めて言及。「9条1項、2項を残しつつ、自衛隊を明文で書き込む」と具体的内容に踏み込んだ。年内にも党の9条改憲原案を示すことが取りざたされている。
 自衛隊の根拠規定を追加するだけと安倍首相は強調するが、戦争放棄や戦力不保持を定めた1項、2項との整合性はどうなるのか。9条が大きく変質するのは間違いない。
 衆院選公約で自民は自衛隊の明記など4項目を掲げ、憲法改正を目指すとした。
 共同通信社が投票直前に実施した全国世論調査では、安倍首相の下での憲法改正に賛成は34・9%で、反対が51・3%と大きく上回った。
 衆院選の結果がそのまま改憲容認と一致しているとみることはとてもできない。
■    ■
 改憲に前向きな希望、維新も、何を改憲項目とするかなどで温度差がある。
 公明は連立合意書に「国民的議論を深め、合意形成に努める」と明記するなど9条改憲に慎重な姿勢だ。
 野党第1党に躍進した立憲民主党は「違憲の安全保障関連法を前提にした自衛隊明記は違憲の追認だ」として反対の姿勢を鮮明にしている。
 共産党、社民党も反対だ。
 立憲民主の枝野幸男代表は23日のテレビ番組で、憲法審査会が「かつては野党の意見も聞き合意形成を進めていく姿勢があった」としながら、最近は「与党が数の力で押し、建設的な議論ができていない」と危機感を表明した。
 国の形を変えかねない最重要な問題である。
 改憲は最終的には国民投票で国民が決めることになるが、そこに至るまでの過程は「改憲ありき」でなく与野党による幅広い熟議が必要だ。
■    ■
 憲法9条と日米安保条約をセットにした安全保障政策が定着しているのは確かだが、これは安保のコストを沖縄に負わせ、その利益を本土側が享受するシステムである。
 米軍基地絡みの事件・事故が頻発する現状は、憲法の精神が沖縄で体現されているとはとてもいえない。むしろ「憲法・国内法」の法体系は「安保・地位協定」によってじゅうりんされている。
 米軍基地の過重負担に手を打つことなく、9条改憲に突き進むことはとうてい認められない。


「武器をとれ」言いかねない自民
 ★アントニオ猪木率いる89年から06年まであった政党・スポーツ平和党をご記憶だろうか。スポーツの精神を政治に取り込み、全国民が健康体を維持することで平和を実現しようとしていた政党である。この選挙で候補者の口から消えた言葉がある。「平和」だ。戦後の政治家は与野党問わず、あの惨禍を再び起こさないため、平和を維持することが大きな役割だと自覚していた。 ★しかし平和が続き、平和ボケといわれるほど繁栄と平安が続いたことで、平和は国民にも政治家にも当然のものになってしまった。今回の選挙で北朝鮮が攻めてきたらどうするか、その時には自民党が頼りになると自民党に投票した若者が7割にも上るという話を聞いた。自分を守ってくれるのは自民党だろうと期待したのだろう。ただ、残念ながら今の自民党なら若者に「ならば武器をとれ」と言いかねないのではないか。 ★平和は与えられるものではない。平和は維持するものだ。その平和を守る先頭に立つ者こそが政治家ではないのだろうか。リアルな安全保障などという中途半端な政策を受け入れるか否かを問うた政党もあったが、平和を勝ち取るために血を流している国家や若者がいる。平和=安全保障といわれがちだが、そこには自由や平等も含まれるだろう。そこに右も左も保守も革新もあるだろうか。国民の生命と財産を守るということが平和を希求することだ。 ★ところが平和はいつの間にか安全保障といい方を変え、変質する。外交がいつの間にか安全保障にすり替わることもある。平和の定義の拡大解釈こそが平和を脅かす。平和を守ることの意義を唱える政党の出現を望んでやまない。

民進党が死守する140億円…前原代表に「除名だ」の声噴出
「あれは反党行為だ」「前原代表を除名すべきだ」――。24日、民進党の参院議員総会が、マスコミをシャットアウトして行われた。総会では、前原代表に対する怨嗟の声が噴出したという。もはや“代表辞任”程度では済まなくなってきた。
 前原代表は、「参院議員や地方組織の扱いについて一定の方向性を決めた段階で辞任する」と表明している。しかし、参院サイドは「前原代表に今後の方向性を決める資格はない」と、即刻辞任させるつもりだ。民進党は近く、両院議員総会を開く。その場で辞任しなければ、臨時党大会と代表選の開催を決議し、新たな代表を選出することで前原代表をクビにする予定でいる。
 民進党が“前原追放”にシャカリキになっているのは、感情的に許せない、というだけでなく、これ以上、党の金庫に眠っている140億円のカネを勝手にさせない、という意識が強いからだ。
「140億円の資金は、民進党にとって命綱です。しかし、もし代表の前原さんが総務相に“解党届”を提出したら、理論上、民進党は解党となり、党のカネも国庫に返上することになります。常識的には、さすがに解党届を提出したりはしないでしょうが、前原さんは勝手に“希望の党”との合流を決め、人、カネ、組織を売り渡そうとした男です。突然、なにをするか分からない。一日も早く代表をやめさせたいのが、民進党の共通認識です」(民進党関係者)
 前原代表には、90人いる党職員からも批判が殺到している。半数以上がリストラになりそうだからだ。
「86人いた衆院議員がいなくなり、民進党は参院議員47人の政党になってしまった。とても90人も職員を抱えられない。すでに職員には、立憲民主党でも希望の党でも、好きな政党に転職して構わないという通達が出ています。すぐにクビは切らないし、給料も支払うが、長くは雇えないということです。実際、金庫に140億円はあっても、来年から政党交付金も激減するので、余力がないのは本当でしょう」(民進党事情通)
 小池都知事に騙された前原代表は、どうやって責任をとるのか。


特集ワイド 山尾氏勝たせた女性の「現実」
 意外な結果と言うべきなのか。既婚男性との交際疑惑が週刊誌に報じられたことで民進党を離党し、無所属で衆院選を戦った山尾志桜里さん(43)=愛知7区=が、834票差で自民前職との大激戦を制した。「逆風」の中、彼女を押し上げたものは何か。【田村彰子、斎川瞳】 
「声届けて!」私生活より切実さ
 「今からそちらにうかがいますから、よかったら待っててくださいね」
 衆院選中盤の15日午後、愛知県大府市内には時折冷たい雨が降った。選挙カーの上でマイクを握った山尾さんは、集まった数人の女性にこう呼び掛けた。
 演説が終わると、山尾さんは聴衆の元に駆け寄り、子どもを抱き上げた。母親には「共働きなの? 実家が近くにないと特に大変だよね」と切り出し、子育ての悩みを話題にした。
 山尾さんは2016年2月、国会で「保育園落ちた日本死ね!!!」と題した匿名ブログを取り上げ、待機児童問題の解消を安倍晋三首相に迫り、注目された。今年9月の民進党代表選後、当選2回の山尾さんを幹事長に抜てきする人事案が固まった。だが交際疑惑が報じられたことで山尾さんは党を離れた。
 無所属で臨んだ今回の選挙。連合などの組織票は見込めず、山尾さんは「どぶ板選挙」を貫いた。陣営幹部によると、街頭演説と聴衆との握手に多くの時間を割いた。「臆せず逃げ出さず、市民の元に飛び込んでいくことが鍵になると感じたのです」と山尾さん。地元でいくら汗をかいたとしても「交際疑惑」は女性に嫌悪感を抱かせかねない。実際、街頭演説では「帰れ」といったヤジはあった。また、街頭演説を聴いていた女性(38)は「彼女と握手もしましたよ。でも、投票するかどうかは分からない。不倫疑惑が問題になるのかは分かりませんが、不審な気持ちは拭えません」と冷ややかだった。ただ、選挙戦では、山尾さんを応援している女性が目立った。
 その背景には山尾陣営が女性の支持を固める戦略を取ったことがある。選挙前は、喫茶店や個人宅などに女性を集め、騒動をわびるとともに声に耳を傾けた。そして「子育てや女性問題を取り上げる議員は少ない。だから私を使ってほしい」と訴え続けたのだ。
 その姿勢に女性は一定の理解を示したのか。子連れで集会に参加した女性(44)は「安倍首相に待機児童の解消を訴える姿をテレビで見ましたが『その通り!』と思いました。男性議員は私たちの深刻さが分かっていない。子育てに悩む女性を手助けしてくれるのは山尾さん以外には浮かばなかった」と話す。
 女性団体が反発するかと思いきや、そうでもなかった。これまでの衆院選では表立って山尾さんを応援しなかった「女性首長を実現する会 愛知」は支援を表明した。その声明文には「(山尾さんは)私たちの望む男女平等政策の実現に向け尽力している貴重な代議士のひとりです」と記し、彼女の政治生命が奪われれば政治状況が後退、悪化しかねないと表明した。事務局長の栗原茜さんは「私たちは、個人的なスキャンダルと政治家の資質は別だと考えています。さらに週刊誌が出た後『女性たちががっかりしている』という趣旨の報道がありましたが、『それは違う』と示したかった」と説明する。交際疑惑は支援に無関係と判断したわけだ。
 ブログに「保育園落ちた」と書いた女性は今、山尾さんに対してどんな感情を抱いているのだろう。交際疑惑は「疑われる行動をしたのはうかつだった」と批判するが、「国が待機児童解消へ動き出すきっかけを作ってくれたと思っていますので、とても感謝しています」と実績は相変わらず認めている。
 安倍政権は「女性が輝く社会」を掲げているが、成果は見えていない。その現実を変えたいと行動する女性議員−−。山尾さんはその象徴なのだろうか。ブログの女性も「20年以上前から言われている待機児童問題は、国が本腰を入れていたら何年も前に解決できたのではないでしょうか。山尾さんには、これからも待機児童や女性にとって不利益な問題をバリバリ解決していってほしい」と期待する。
脱「男性社会」への意思表示?
 山尾さんの当選を「男は邪魔!」「日本男子♂余(あま)れるところ」などの著書があるノンフィクション作家の高橋秀実(ひでみね)さんはこう見ている。「有権者は、プライベートではなく冷静に仕事ぶりを評価したのではないでしょうか。法律に通じている彼女を立法者として選ぶのは当然だと思いますね。それが国会議員の本業なんですから」。有能な候補だからこそ、有権者の支持を集めたと分析する。
 高橋さんは「優秀な女性はいっぱいいます」とも言うのだが、国会議員の男女比はアンバランスだ。スイスに本部がある列国議会同盟の調べでは、衆議院の女性議員の割合は解散前9・3%で193カ国中165位、選挙後は10・1%になった。
 この数字が示すように国会は「男社会」にほかならない。高橋さんは「軍隊や体育会系の流れなのか男性が多い組織は、先例主義だし、やたら序列をつけたがる。その結果が日程調整で物事が決まる今の国会じゃないですか。そのほうが男性は楽なんですよ」と話す。そんな慣習を女性ならば変えていけるのではないかと指摘する。「有能な女性議員が増えていけば、なあなあでは済まないでしょう。『うるさい女』と陰口を言っている場合じゃなくなり、きちんと議論しなければいけません。いっそのこと、国会で『自由討議』を増やして論戦を繰り広げてほしい。安倍首相は『女性が輝く社会』などと言っていますが、見本としてまず国会で実現すべきです。女性議員が増え、活躍すれば無能な人はいなくなるはず。その方が有能な男性議員だって輝けるんじゃないでしょうか」
 上智大法学部教授の三浦まりさんも女性の視点を政治に生かすべきだと主張する一方で「壁」の存在を感じている。「女性議員が政策を作りたいと希望しても実行するには、ポストを握っていたり選挙支援をしてくれたりする、権力がある男性議員の支持を取り付けないといけません。圧倒的に男性が多い中では発想や行動が必要以上に男性的になってしまい、女性の感覚と乖離(かいり)する恐れがあります」と説明する。そうした中でも山尾さんは女性の声を積極的に取り上げようとしていたと評価する。「女性候補者が多く、選択肢がある状況ならば、プライベートが気に入らないとの理由で投票しなくてもいいかもしれない。でも、女性議員が少ない現状では、有権者はマイノリティーの意見をすくい上げられる女性が必要だと判断し、山尾さんに1票を投じたのでしょう」
 女性議員が少ない現実があるからこそ、スキャンダルがあったとしても山尾さんを「女性の代弁者」として支持した層は大崩れしなかったのだろう。
 山尾さんは投開票が行われた22日夜、事務所で「赤ちゃんを抱っこしたお母さん、子どもの手を引いたお父さん、これほど女性や子どもたちの手を握った選挙は初めて。その真剣なまなざしに応えたい」と支持者の前で誓った。深夜も続けられた開票状況をテレビで見守っていた三浦さんは「組織に頼れなくなった分、より女性の切実な声を実感したのではないかと思います。山尾さんには女性の訴えを取り上げることを自分の使命としてほしい。また、各政党には、女性の声をすくい上げれば、組織力に頼らなくてもこれだけの票になるんだと気づいてほしい」と話した。
 山尾さんは女性たちの期待にどう応えていくのだろうか。


池上彰が悩んでいる。「わかりやすく伝えるだけでよかったのか…」 瀬戸内寂聴さんに打ち明けたこと
瀬戸内寂聴×池上彰
老後はどう生きる? 人生の始末をどうする? 池上彰さんの悩みって?
波瀾万丈の人生を送ってきた95歳の作家・瀬戸内寂聴さんに、ジャーナリスト・池上さんが「老後の心構え」について聞いた話題の新刊『95歳まで生きるのは幸せですか?』より特別公開!
だれが100歳まで生きたいですか?
寂聴 90歳を超えた私に会って、皆さん別れ際に「いつまでもお元気で」「100まで生きてくださいね」って言ってくださるのね。
でも、だれが100まで生きたいですか? だれがいつまでも生きられますか? 人間の長生きにも加減というものがあると思いますよ。今日はまだボケてませんよね、私。
池上 はい、大丈夫です。
寂聴 いや、ボケてるかもしれない。
池上 「100まで生きてください」ってことは、あと5年は生きてくださいということですね。5年でいいのかという(笑)。
寂聴 もうつくづく、ああ歳をとったなぁと思いますね。90歳までは、そうは思わなかった。やっぱり90というのは大きな境目でしたね。
池上 歳をとったというのは、どんなときに自覚されるんですか?
寂聴 昨日できていたことが、今日できないということがありますね。
池上 たとえば?
寂聴 たとえば、毎朝散歩するのが、長い間ずっと当たり前だったんです。それが今はとてもできない。庭に出るのも辛くって。動けないんですよ。
池上 今、日常生活はどうされてらっしゃいます?
寂聴 年がら年中、本を読んだり書いたり。それは変わりませんね。今は本を読めることが唯一の楽しみ。
池上 最近はどんな種類の本を読んでらっしゃるんです?
寂聴 おもしろそうだなと思ったら、すぐ注文します。本を送っていただくことも多いので、片っ端から読んでいます。
すべての老人が健全に生きてるかというと、そうじゃないのね。若い人に迷惑をかけて生きてるんですよ。若い人はかわいそうですよ。だから人間は、ある程度、体力がなくなったら死んでいくべきなんです。
池上 平均寿命と健康寿命の差が問題ですよね。日本人の平均寿命は80を超えましたが、不自由なく生きられる健康寿命は70代です。本当は生きてる間はずっと元気でいたい。だから「ピンピンコロリ」という言葉があるんですよね。
寂聴 そう、ピンピンコロリがいいですね。自分の経験上、90歳になったら、いくら元気といっても、何かしらマイナス面が出てきますね。私は90歳が境目でした。
池上 いや、90歳まで何も不都合なかったのがすごいですよね。
寂聴 あったんだけど、すぐ忘れちゃうの(笑)。覚えているのが90歳以降。90歳
過ぎると、次から次へといろいろなところが弱ってきます。だから90歳になる前に死
ねたらいいわね。
池上 「シュウカツ」って言葉がありますよね。就職活動の「就活」と、いかに終わりを迎えるかという「終活」。多くの人が「終活」を考え始めています。
寂聴 一番大きな問題ですね。私はやっぱり、老人は早く死んであげないと、若い人がかわいそうだと思います。若い人が面倒見ないと「あいつは薄情だ」なんて言われるじゃないですか。だけど薄情じゃないの。
年寄りの面倒なんて見られないですよ、今の若い人は。自分の生活も大変なんだから。だからやっぱり年寄りはさっさと死んであげなきゃいけない。だけど自殺はいけない。
池上 そこです。年寄りはさっさと死んだほうがいいと言って物議を醸した大臣もいましたけどね。
寂聴 じゃ私もまた……。
池上 また炎上しますよ(笑)。
寂聴 ああ。炎上ってやっぱり不愉快ですよね。この対談はそのまま表に出るから気をつけてと、さっき秘書に言われました。もう駄目だ(笑)。
わかりやすく伝えるプロ、池上彰の悩みとは?
池上 ちょっとフォローさせていただくと、最近、情報を受け取る側の読解力や理解力が落ちていると感じることが多いんですよ。そんなこと言うと、今度は私のほうが炎上しそうですけど。
寂聴 たしかに読解力は落ちていますね。
池上 たとえば、炎上してしまった寂聴さんの先日の発言です。死刑制度についての日
弁連(日本弁護士連合会)のシンポジウムに、寂聴さんが「殺したがるばかどもと戦ってください」というメッセージを寄せました。その真意は、国家権力が人を死刑にしようとすることに対する反対です。
寂聴 もちろんそうですよ。
池上 文脈の中で意味をとらえればわかるのに、「殺したがるばか」という言葉だけが拡散され、一人歩きして取りざたされていました。
寂聴 文脈がわからないのね。というのは、文脈がわからないようにしてしまった教育が悪いんですよ。そこまで言いたかったけど、火に油を注ぐことになるから、もう言わなかったの。あ、今言っちゃったけど。
池上 あ、言っちゃった。
寂聴 最近感じたんですけど、言葉というのは移り変わるんですね。私たちには平安朝
の言葉はわかりませんよね。そこまで遡らなくても、20年もたったら言葉は変わってしまいます。
身近なところで、私には66歳も若い秘書がいますし、他に女性スタッフが二人います。私にはもう彼女たちの言葉がわからないですし、彼女たちも私の言葉がわからないと言います。最近ずいぶん慣れて、だいぶお互いにわかるようになりましたけど。
池上 言葉については、私もちょっと悩んでいることがあるんです。「物事をわかりやすく、わかりやすく」という姿勢でずっとやってきましたが、それだけでいいのかなと。
もちろんわかりやすく伝えるのは大事なんですけど、みんながわかりやすさばかりを重視していると、難解な言葉の言い回しや、それを読解する力、あえて苦労して理解しようとする力が失われていくんじゃないか。だとしたら、よくないなあと思うんですね。
寂聴 よくない傾向かもしれませんね。だいいち本を読まないですよね、今の人たち
は。本を読まないから、文脈も読めないようになっちゃったんじゃないかしら。
池上 はい。もっと本を読めと。本を書いてる人がそう言っても、あまり説得力ないんですけどね。
寂聴 本も売れなくなりました。雑誌も売れなくなりました。読めばおもしろいんだから、もっと読んでくれればいいんだけどね。
自分だけが幸せでも、幸せとは言えない
池上 人生の終わりをどう迎えようと考えたときに、若い人に迷惑はかけちゃいけな
い、けれど自殺はいけない。では、どうすればいいですか?
寂聴 ボケるときは、自分の意思に関係なくボケますからね。それが私はとても不安でね。心配があるとしたらそれだけ。どんなに教養があろうが、頭がよかろうが、ボケる人はボケるんですよ。
池上 そうですね。
寂聴 あなたなんかもボケるんじゃない?
池上 (笑)。もう時々ボケを言ってますけどね。
寂聴 どんなに偉く見える人でもボケるの。
池上 先ほど「ボケるのだけが心配」とおっしゃいましたね。
寂聴 それだけが心配。
池上 つまり亡くなることにはもう不安はない?
寂聴 出家してますからね、亡くなるのはちっとも不安ではありません。
池上 死ぬことには不安はないけれど、自分の意思と関係ないところで認知症になることは不安なんですね?
寂聴 だって認知症になったら、周りに迷惑かけますもの。だから不安でたまらないんですよ。
池上 でも不思議な天の采配といいますか、認知症になった人は、死の不安がなくなりますよね。
仏門に入ってる人は、死ぬことに対する恐れは抱かないのでしょうけど、煩悩だらけの一般人には、やはり死ぬことに対する不安、恐怖心があります。死期が近づいてくるのは、とても不安ですよね。でも認知症になってしまえば不安でなくなりますよね。
寂聴 だけど嫌ねえ。いくら不安がなくなっても。
池上 もちろん客観的には周りに迷惑をかけるかもしれないんですよ。でも本人は幸せですよね。
寂聴 いや、幸せじゃないのよ。私に言わせると。
池上 幸せじゃない?
寂聴 自分だけが幸せでも、それを幸せとは言わないんですよ。
池上 なるほど。
寂聴 周りも幸せでないと、幸せとは言えないんです。自分の周りだけが幸せでも、幸せとは言えない。
日本だけでなく、世界中、行ったことのないような荒れ地にいる人も、全員が十分ご飯が食べられて、健康でいられる。病気になったら、ちゃんとお医者さんにかかれて、子どもはみんな学校に行ける。そうでなければ、本当の幸せじゃないんですよ。
私たちは今たっぷり食べられて、なんとなく幸せそうに過ごしてますけど、これは本
当の幸せじゃないんですよ。本当の幸せというのは、自分だけのものじゃない。この地球上、世界中の、同じ時代に何かの縁で生きている人たちすべてが幸せでないと、幸せと言えない。
池上 トランプ大統領の「アメリカ・ファースト」じゃないですが、自分たちだけの幸は、幸せとは言えないと。
寂聴 言えません。
池上 みんなが幸せになってこそ、自分の幸せもあるということですよね。
寂聴 そうです。だから、地震があって津波に襲われた。でも、うちは山の上でよかった。それじゃいけないんです。どこかで地震が起こった。遠くでよかったと、喜ぶわけにはいかないの。
池上 いかないですよね。
寂聴 同じ時代、この地球に生まれているというのは、仏教で言えば縁ですよね。
池上 縁ですね。えにし。
寂聴 一緒に生きているすべてが幸せじゃないと、本当の幸せとは言えないんです。
池上 東日本大震災で多くの人たちが犠牲になったことを、それこそ我がことのように悲しみますよね。熊本で地震が起きて、あれだけの方々が亡くなれば、本当に辛く悲しいですよね。自分のこととして受け止めるべきなのでしょうね。
寂聴 そうですね。私は今、身体が利かなくなって、今回は熊本には行かれなかったけど、どこかで何かがあれば必ず飛んでいきました。行ったからといって何もできないんだけれど、私は小説を書くより按摩(あんま)がうまいの。
だから「按摩してあげますよ」って言ったら、行列ができて(笑)。でも、それだけでもみんな喜んでくれるんですよ。寂聴さんが来て按摩してくれた。それだけのことで喜んでくれる。だから何もできないけれど、とにかく駆けつけました。
ただ座って、グチを聞いてあげる。それで、みんな本当に喜んでくれるんですよ。小さなことでも行動に移すことが、やっぱり大事なんですね。
池上 でもそうやって大変な人のことを思うことはできても、みんなの幸せを実現するのは、とても難しいことですよね。
寂聴 だから絶対、戦争はいけない。原発はいけないし、要らない。だって人を不幸にするとわかっていることは避けたほうがいいでしょ?


レイプ被害訴え 伊藤詩織さん「バッシングで生活できず」
 レイプ被害を訴えているジャーナリストの伊藤詩織さん(28)が手記「ブラックボックス」を出版し、24日、日本外国特派員協会で会見を開いて「捜査や司法システムの改正に加え、社会の意識を変えていくこと、被害者の救済制度の整備が必要です」と訴えた。
 伊藤さんは15年4月、元TBS記者の男性と都内で飲食したあと意識を失い、男性から性行為をされたとして準強姦容疑で警視庁に被害届を提出。だが東京地検は男性を不起訴処分にした。そのため今年5月、検察審査会に不服を申し立てたが、9月に「不起訴相当」の決議を受けた。
 伊藤さんは会見で、検察審査会の審査員が「男性7人、女性4人」だったことを述べ、「男女比を半々に近づけていただけなかったのは残念」と話した。また、今年5月に会見したことにも触れ、「公にしてからバッシングを受けて前のように生活できなくなったが、隠れなければならないのは被害者ではない」と語った。


競売 アインシュタインのメモ2億円 帝国ホテルの便箋に
 1921年にノーベル賞を受賞した物理学者アインシュタインが翌22年に来日して東京の帝国ホテルに滞在した際、メッセージを届けに来た日本人の配達人にチップ代わりに渡した2枚の手書きメモが24日、エルサレムで競売にかけられ、手数料と合わせて156万ドル(約1億7700万円)と24万ドル(約2700万円)で落札された。
 156万ドルで落札されたメモは帝国ホテルの便箋に「静かで節度のある生活は、絶え間ない不安に襲われながら成功を追い求めるよりも多くの喜びをもたらしてくれる」と明記。科学的な価値はないが、アインシュタインの考えとして注目されている。


年収300万円「非常勤講師」が苦しむ常勤の壁 20年で100以上の大学の公募に応募したが…
藤田 和恵 : ジャーナリスト
現代の日本は、非正規雇用の拡大により、所得格差が急速に広がっている。そこにあるのは、いったん貧困のワナに陥ると抜け出すことが困難な「貧困強制社会」である。本連載では「ボクらの貧困」、つまり男性の貧困の個別ケースにフォーカスしてリポートしていく。
秋の深まりは慌ただしく、そして唐突だった。前日までの陽気から一転、冷気を含んだ雨が、夏の名残をかき消したその日、JRの駅ホームのベンチでたたずむジロウさん(55歳、仮名)の姿があった。ディスカウントショップで買ったという紺色のジャケット。いつも重たいショルダーバッグをかける左肩部分が白く毛羽立っている。おもむろにバッグからおかかのコンビニおにぎりとスポーツドリンクを取り出した。これがこの日の昼食だという。
「時々、隣で女子高生たちもお昼ご飯を食べています。そんなときは、“なんなの?このおじさん”という視線を感じます」
任期付き教授から非常勤講師へ
ジロウさんは1年前まで、地方にある私大の任期付き教授だった。その後、大学での職を得ることができず、現在は、東京都内の私大と関東近郊の専門学校で非常勤講師として勤める傍ら、子ども向け福祉施設の指導員や高齢者施設の夜間受付などの仕事をかけ持ちしている。500万円以上あった年収は激減。今ではすべての仕事を合わせても300万円に届かない。
夜間受付の勤務を終えて深夜に帰宅した翌日に1時限目の授業が入っているときは、朝6時に出勤しなくてはならない。職場間の移動には2時間近くかかることもある。しかし、仕事によっては交通費も出ない。心身はもちろん、時間的にも経済的にも余裕はなく、昼食は駅のホームでおにぎり1個を食べるのが精いっぱいだ。
ジロウさんはこの20年間で100以上の大学の公募に応募してきたが、採用されたのはわずか5校ほど。採用の過程が不透明なことが、どうにも納得できないと憤る。
「大半が出来レース。公募の段階ですでに合格者が決まっているとしか思えないことがありました」
ある私大では、書類選考を通過し、事務担当者から面接日を指定された直後に担当教授から電話があり、「ご辞退いただけないでしょうか」と頼まれた。納得できずに食い下がると、すでに合格者が決まっていると打ち明けられた。
また、別の私大では、面接までこぎ着けたが、不合格。後になってその大学に勤める知人から「学部長の推薦を受けた人が選ばれた」と教えられた。論文や書籍などの執筆件数では断トツで勝っているのに、教授らと面識のある10歳以上年下の若手研究者にポストを奪われたこともある。
試験を受けても合否の連絡が来ないこともあったという。ある有名私大では、ジロウさんから何度も問い合わせをした結果、ようやく不合格と告げられたが、なぜか不合格通知は出せないと言われた。また、別の大学では採用試験から半年近く過ぎても合否が判明しないので、業を煮やして文部科学省を通して問い合わせたところ、ようやく走り書きのような手書きの不合格通知が届いた。
今年に入ってからも、ある地方の私大の公募の面接を受けた。このときは、模擬授業の手応えもよく、担当者からは業務内容や給与など採用条件について詳しい説明を受けたという。ジロウさんは「(担当者からは)“授業の時間割は、先生のご都合によって組み替えることもできます”とも言われました。十中八九、合格したと思いました」と振り返る。しかし、結果は不合格。理由はわからない。
研究業績を積んできたという自負がある
ジロウさんの専門は児童福祉で、共著なども合わせると20冊近い著作がある。フィールドワークにも積極的に携わり、児童虐待に関するユニークなアンケート調査を行った際には、テレビ局や新聞社から取材を受けたこともあるという。
相当の研究業績を積んできたという自負のあるジロウさんは「(選考の基準が)実力主義じゃないんです。大学も経費削減を迫られているので、(人件費が低くて済む)若手を雇うという判断はある程度理解できますが、こんなことばかりしていると教員の質は下がる一方だと思います」と訴え、その証拠として、ここ数年、大学教員によるアカデミックハラスメントをめぐる裁判ざたや懲戒処分が相次いでいることを指摘した。
大学の教員ポスト自体が減少傾向にある中、選考過程の不透明さを指摘する声は少なくない。大学院の博士課程を修了したポストドクターらの間では、公募にも、本当に一から選考する「ガチ公募」と、すでに内定者が決まっている「コネ公募」があるといわれる。文部科学省所管の科学技術振興機構が運営する研究者人材データベースで、多くの大学が教員採用の際に利用する「JREC-IN Portal」の求人にもコネ公募があるとされる。「コネをつくるのも実力のうち」との考えには一理あるが、すでに採用される人が決まっているのに、公正性という体裁を整えるためだけに公募をかけるのだとすれば、それは看過できない問題なのではないか。
コネで入ったら自由な研究ができなくなってしまう
ジロウさんは地方の進学校を卒業後、東京の私大に進んだ。大学の研究者になるのが夢だった。大学院などを経た後、全国の大学で任期付きの講師や准教授などとしてキャリアを積んだ。この間、人脈をつくる機会がなかったわけではない。若い頃、学会などに顔が利く教授から公募の際には推薦しようと持ち掛けられたが、断ったという。
「コネで入ったら、お世話になった人に頭が上がらなくなる。自由な研究ができなくなってしまうと思ったんです」
現在、妻と3人の子どもは地方都市で暮らしている。自宅は妻が両親から相続した持ち家だが、東京で生活するジロウさんには別途6万円を超える家賃がかかる。家族と離れて暮らす理由を「自己投資です」と言い、関東圏のほうが非常勤講師や教員の仕事を見つけやすいほか、参加したい研究会なども東京で開かれることが多いからだと説明する。
妻は嘱託の保育士で、年収は200万円足らず。夫婦の収入を合わせても家計は厳しく、ジロウさんは大学での仕事を失って以降、酒とたばこをやめた。食事はコンビニのおにぎりのほか、牛丼などのファストフードで済ませることがほとんど。食費は抑えられるが、代わりに持病の糖尿病の状態を示すヘモグロビンA1c(エーワンシー)の数値は、この1年間で「6.5」から「7.7」に急上昇した。
コネや人脈を利用する機会を拒んできたことに「悔いはない」と語る。その一方で、高校生になる子どもたちがアルバイトに精を出す姿を見たり、大学受験を控えた子どもが「国公立しか受けない」と言っているのを聞いたりすると、申し訳なく思うと言う。また、大学時代の同窓生たちがいわゆる大手企業に就職し、今は年収1000万円以上を稼ぐまでになっていると知ると、「もう少し賢く生きる道もあったのでは」と複雑な気持ちになる。
話を聞く中で、ジロウさんはこれまで希望するポストを得られなかった理由を「運が悪かったからだ」と嘆いた。一方、別の場面では「運のせいにはしたくない」とも言う。私がそのことを指摘すると、揺れる心の内をこんなふうに語った。
「自分が選んだ道なので、運のせいにはしたくない。運のない、かわいそうな人だとは思われたくないんです。でも、これまで数えきれないほど屈辱的な目に遭ってきたのも事実。運で片付けないとやりきれない気持ちになることもあるんです」
学生らしい理想に燃えた日々は今も彼の中にある
ジロウさんからは、取材場所として東京・高田馬場界隈の喫茶店を指定された。そこから程近い早稲田大学の出身なのだという。その喫茶店はサークル活動や飲み会の後などによく利用した。店内の深紅のじゅうたんやレトロな装飾を見て、学生時代とほとんど変わっていないと喜び、大学の4年間を「人生の中でいちばん輝いていた時代。まさに青春でした」と振り返る。
高校までは受験勉強一色。大学に入ってからはサークル活動の一環で、地域の子ども会でのボランティアに明け暮れた。その中で、発達障害や児童虐待に関するリアルな問題に触れるうちに、生涯の研究テーマとなる児童福祉に興味を持ったのだという。
ジロウさんによると、当時のサークルには「セツルメント運動」の名残があった。セツルメントとは、もともとは宗教家や学生らによる貧民救済活動の一種。日本では1920年代に東京大学の学生らが関東大震災の被災地域などに出向き、さまざまな救済活動を展開したことで知られる。今でいうボランティア活動の走りでもある。学生らしい理想に燃えた日々は今も彼の中で色あせることがない。
コネ公募がまかり通る世界で、理想を追い求めても幸せが待っているとは限らない。しかし、いまやその理想こそがプライドを支える拠り所なのだ。現在も別の大学の選考結果を待っている。絶望の一歩手前。「実力」が評価される未来を信じている。


官房機密費訴訟 最高裁で弁論へ
大阪の市民グループが、いわゆる官房機密費の使いみちを明らかにするよう求めた3件の裁判について、最高裁判所は、再来月、12月に弁論を開くことを決めました。
3件の裁判では文書を公開する範囲について判断が分かれていて、最高裁が統一的な判断を示すとみられます。
大阪の市民グループは、いわゆる官房機密費のうち、▼平成17年から18年にかけて当時の安倍官房長官のもとで支出された10億9500万円余りと、▼平成21年に当時の河村官房長官のもとで支出された2億5000万円、それに▼平成24年から25年にかけて菅官房長官のもとで支出された13億6000万円について、使いみちを明らかにするよう求める裁判を起こしています。
大阪高等裁判所は2件の裁判で一定期間の支出の合計などが書かれた文書の公開を命じましたが、別の裁判長はほぼすべての公開を認めず、判断が分かれています。
最高裁判所第2小法廷は、▽一部の公開を命じた2件については国側の上告を、▽公開を認めなかった1件については市民グループ側の上告をそれぞれ受理し、12月22日に双方の主張を聞く弁論を開くことを決めました。
3件の裁判は原告側が公開を求めている文書は共通していますが、公開する範囲について判断が分かれていて、最高裁が統一的な判断を示すとみられます。

大阪に戻って/ATC/昼から出勤→疲れてる

ブログネタ
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Fig63

Élections au Japon : “Shinzo Abe n’a pas conquis les cœurs”
Shinzo Abe a réussi son pari en remportant une large majorité aux élections. Pourtant, à l’ombre de cette victoire pointent un fort taux d’abstention et un tout nouveau Parti d’opposition, né de l’après Fukushima et favorable au maintien de la Constitution.
Le Parti du Premier ministre Shinzo Abe a remporté sans surprise les élections anticipées, dimanche 22 octobre. En remportant 313 sièges de la chambre basse, le Parti libéral démocrate (PLD, conservateur) et son Parti de coalition Komeito (conservateurs bouddhistes) gardent leur mainmise au sein du Parlement. Shinzo Abe s’assure ainsi sa reconduction jusqu’en 2021, ce qui lui permettra probablement de battre le record de longévité en tant que chef de gouvernement japonais (il est au pouvoir depuis 2012).
Très vite, ces résultats ont été qualifiés par le PLD de “vote de confiance”. Or le taux de participation était d’à peine 53 %, soit le deuxième plus bas niveau dans l’histoire de la démocratie japonaise. Selon un sondage effectué par l’agence Kyodo, 51 % des personnes interrogées ne font pas confiance au gouvernement Abe, contre 44 % qui le soutiennent. “Autant dire qu’Abe a obtenu de bons résultats, mais n’a pas conquis les cœurs”, peut-on liredans les colonnes de l’Asahi Shimbun.
Et le pacifisme du Japon ?
Tout au long de la campagne électorale, le Premier ministre s’est gardé de mettre en avant son ambition historique, à savoir le renforcement militaire. Il compte ainsi mettre un terme à l’esprit de la Constitution [en vigueur depuis la fin de la Seconde Guerre mondiale]” , écrit le site d’information Litera. “Tantôt il prétend privilégier l’économie, tantôt le social. Son parti a tout fait pour tirer profit de la crise nord-coréenne, en évitant surtout de se positionner clairement sur le pacifisme historique du Japon, auquel une majorité de Japonais restent attachés”, dénonce-t-il.
Ce scrutin pourrait permettre au gouvernement d’avoir la majorité nécessaire pour procéder à la révision de la Constitution. Le quotidien Tokyo Shimbun assure ainsi que “près de 80 % des députés seraient favorables à l’amendement de la Constitution”. Même en dehors de la coalition au pouvoir, beaucoup d’autres élus pourraient prêter main forte pour la révision de la Constitution, explique ainsi le journal de Tokyo.
Risque de divisions dans la société
Abe n’a pas carte blanche”, met en garde l’ Asahi Shimbun dans son éditorial du 23 octobre, ajoutant que le Premier ministre ferait “une grave erreur en estimant que les électeurs ont approuvé tous les aspects du bilan de son administration au cours des cinq dernières années et lui laissent les mains libres”. Le grand quotidien rappelle notamment que “l’opinion publique est profondément divisée au sujet de la réécriture de la Constitution” et que les Japonais qui soutiennent la révision du texte sont minoritaires.
Un débat bâclé sur cette question sensible pourrait creuser les divisions dans la société”, ajoute l’Asahi, avant de rappeler qu’Abe, touché par une suite de scandales impliquant son entourage durant l’été, “doit toujours honorer sa promesse et fournir des explications détaillées au sujet des accusations dont il fait l’objet”.
Succès du parti de centre gauche
Bien que le sujet de la Constitution ait mis été en sourdine par le PLD durant la campagne, la question a incontestablement été un des enjeux de ce scrutin. En témoigne le succès du tout nouveau parti de centre-gauche, le Parti démocrate constitutionnel (PDC), qui est devenu le principal parti de l’opposition avec cinquante sièges obtenus. Comme son nom l’indique, la formation se prononce pour le maintien de la Loi fondamentale et de son pacifisme.
Le PDC est présidé par l’ancien porte-parole du gouvernement japonais Yukio Edano, en poste au lendemain de l’accident nucléaire, qui estime que la sortie définitive de l’énergie nucléaire est la seule façon de tirer les leçons de Fukushima. Soutenu par le Parti communiste et encouragé par la mobilisation étudiante SEALDs née au lendemain du tsunami, le PDC est devenu en quelques semaines le parti politique le plus suivi sur les réseaux sociaux au Japon.
フランス語
フランス語の勉強?
内田樹‏@levinassien
「赤旗」の電話取材。今回の選挙で「いいこと」があったとすれば、枝野、志位の両党首が一貫して「紳士的」であったこと。「言いたいこと、したいこと」はいろいろあるけれど、それを自制して、「今言うべきこと、なすべきこと」に譲ったこと。「抑制のきいた大人」を見る久しぶりの経験でした。
野村修也‏ @NomuraShuya
「天井」とは女性の出世を阻む社会的障害の比喩。これではまるで有権者が女性蔑視をしたかのようだ。小池知事はむしろ女性初の総理候補として応援されていたはず。いくら悔しくても、自らの失策を棚に上げ、こんなことを世界に発信するのは酷すぎる。
伊達聖伸 / Kiyonobu Date‏ @buytekadonoi
今回の選挙で立憲民主党ができる前、「安倍自民」対「小池希望」みたいな構図が作られていたとき、フランス語話者に「ジャン=マリ・ルペン」対「マリーヌ・ルペン」みたいなものと説明したらわかってもらえた。ケベックの右のナショナリストからも「それは選択肢がなくてひどいね」と言われた。
有田芳生‏ @aritayoshifu
前原代表は、さきほど小川参議院会長から、参議院民進党は両院議員懇談会を求めていると要求された。記者の「今週中ですか」の問いに「できればね」。「できれば」ではない。この大混乱を招いた希望の小池代表との密室会談の内容を明らかにする責任がある。意思があれば明日にでも開くことができる。
「ココがズレてる健常者2」完全版【前編】
鈴木おさむ カンニング竹山 FUJIWARA ハライチ岩井 千秋 菊地亜美 有働由美子アナウンサーほか
放送作家・鈴木おさむプレゼンツの特別番組「ココがズレてる健常者2(ココズレ2)」の完全版を2週にわたってお届けする。個性豊かな障害者100人と健常者タレント7人によるタブーなき本音のトークバトル。障害者への対応を求められたとき、あなたはどうする? 目の見えない人も一目ぼれをする? 健常者、障害者、双方からぶつけられる究極の質問にスタジオは騒然!果たして両者の距離は縮まるのか?
健常者から障害者へ、究極の質問「健常者に生まれたかった?」
健常者から障害者へ、究極の質問――まずは「健常者に生まれたかった?」という藤本(FUJIWARA)の質問からスタート。これに対し「聞こえる人になりたいとは、これっぽっちも思いません」と廣川さん(聴覚障害)。さらに「不便なだけで不幸じゃない」という尾崎さん(全盲)の名言まで飛び出し、開始早々、エンジン全開! 発達障害のあるサリチルは、「障害者だから配慮されるっていうのは逆に嫌だっていうか、一人の人間として見てほしい」と発言。どこまでが必要な配慮で、どこからが余計な配慮なのか?認識のズレが明らかに。
「障害がなくなるかわりに、ほかの誰かが障害者になるとしたら?」
「障害がなくなるかわりに、ほかの誰かが障害者になるとしたら?」という“究極の“質問をしてスタジオ中をざわつかせたのは、岩井(ハライチ)。障害者からは、猛然と反論が相次いだ。「私の障害を今すぐ差し上げたいです、って言われたら、でも、どう思います?」「健常者になりたいかというと、じゃ今の自分って何ですか、ってなるんですよ。この障害者として生まれてきた33年間の積み重ねをどうするんですか?って」。議論は白熱し、果ては「障害者って何?健常者って何?」というそもそも論まで飛び出した。岩井の質問に対して「闇の深さを感じる」という発言で一旦ラウンド終了。
健常者よ! あなた、こんなときどうする!?
実際に障害者が体験したことをもとにしたシチュエーションクイズ。「テーマパークで大人気キャラクターと写真撮影。みんな並んでいるのに障害者が優先的に扱われた」「車椅子にのっている人に“荷物を持ちましょうか”と声をかけられた」「子どもが車椅子にのりたい!と言い出した」・・・あなたなら、どうする?
タレントゲストの答えに対し、障害者からは様々な意見が。やっぱり思い込みで行動することは厳禁です。
障害者から障害者へ、究極の質問
前半戦最後は、健常者でなく障害者から、自分と別の障害のある人たちへの究極の質問。聴覚障害者から視覚障害者へ、「見えなくても一目惚れはあるのか?」という質問に対しては、「もちろんあります!」と全盲の女性陣。見えなくても、声の感じ、話し方、コロンの匂い、足音など、様々な“一目惚れ”要素があるという。「声を聞いてこの人ちょっと頭が薄いのかな、とかわかる」という発言に、スタジオ内が騒然!「何でわかるんですか?」「声がハゲてる」「声がハゲてるって何だよ〜!」大いに盛り上がったところで、前半戦が終了!後半戦もお楽しみに〜


7時過ぎに目が覚めました.毛布1枚で少し寒かった感じも.とにかく大阪に着きました.
まずはATCに向かいます.ATC? Asia and Pacific Trade Centerの略がATCなのでした. ニュートラムでコスモスクエアそこから中央線.本町で降りる予定が乗り過ごしてしまいました.谷町4丁目で乗り換えて東梅田まで.そこから自転車で部屋に向かいます.シャワー浴びて一服して昼から出勤です.夕方Dのキソキソがあるので頑張らなくてはなりません.でもすごく疲れている感じです.

震災犠牲のペット悼む 気仙沼でイラストや手紙展示
 東日本大震災や熊本地震などで犠牲になったペットの絵を描いた「災害で消えた小さな命展 パート4」が27日まで、気仙沼市新浜町のすがとよ酒店で開かれている。
 絵本作家うささん(49)=千葉県東金市=が企画した。飼い主から寄せられた写真などを基に、国内外の画家やイラストレーターが描いた35点を展示した。
 南三陸町で津波にのまれた猫や、大船渡市の避難所で車内に残され体調を崩した犬などが、元気な頃の愛らしい姿で描かれている。添えられた飼い主の手紙の内容が涙を誘う。
 うささんは「飼い主にとってペットは大切な家族。災害の際には一緒に受け入れてくれるような避難所運営を、多くの人に考えてほしい」と話している。午前10時〜午後6時。26日午後6時から、うささんの講演会「ひとも動物も大切な命」がある。


宮城・南三陸 防災海岸林大きく育て 苗1200本植樹
 宮城県内の合板製造会社や森林組合が集まる「みやぎ森林(もり)づくり支援センター」は21日、東日本大震災で被災した同県南三陸町で、防災機能を果たす海岸林をつくるための植樹イベントを開いた。
 関係者ら約150人が参加。同町戸倉波伝谷地区の被災跡地でクロマツの苗を約1200本植えた。群馬県館林ライオンズクラブから支援を受け、登米市南方町の仮設住宅で5年間育てたマツの苗木70本も併せて植えた。
 参加した石巻市万石浦小3年の千葉海君(9)は「苗を真っすぐ植えるのが楽しかった。大きく立派に育ってほしい」と話した。
 50〜70年かけてマツを高さ約20メートルまで育て、暴風や津波といった災害の被害を和らげる海岸林として役立てる。センターは2009年に植樹を始め、14年から被災地で海岸林を増やす活動に取り組んでいる。
 センターの浅野浩一郎常務理事(64)は「木材価格が低迷する中、伐採地で造林する意欲も減っている。植樹を通して森林の役割を再認識してもらいたい」と呼び掛ける。


安倍首相の記者会見 謙虚をどう形にするかだ
 衆院選の結果を踏まえ、安倍晋三首相が自民党総裁としてきのう記者会見した。
 首相は自らこう語った。「国民からより一層厳しいまなざしが注がれる。そのことをすべての与党議員が強く意識しなければならない。今まで以上に謙虚な姿勢で、そして真摯(しんし)な政権運営に全力を尽くさなければならない」
 自民党の大勝におごらず、国民目線で政治を進める、という意思表明なら、ぜひそうあってほしい。
 しかし、そう言いつつ、首をかしげざるを得ない発言があった。
 一つは、学校法人「加計(かけ)学園」をめぐる国家戦略特区での獣医学部新設の問題だ。
 十分に説明し国民から理解を得られたと受け止めるか、との質問に首相は「国会審議をすべてご覧になった方にはかなりご理解いただけたものと思っている」と答えた。
意図的なすり替えでは
 説明責任は果たし、この問題はもう終わったといわんばかりだ。
 とくに首相は7月の閉会中審査に参考人として出席した加戸守行・前愛媛県知事の発言を強調している。
 加戸氏は「『加計ありき』と言うが、12年前から声をかけてくれたのは加計学園だけだ」と話した。
 愛媛県がけん引し、「ゆがめられた行政がただされた」という加戸氏の発言を、首相としては自身の関与を否定する事例としたいのだろう。
 しかし、この問題の核心は、学園の理事長が首相の友人であり、首相や側近が指示したり、官僚がそんたくしたりして、特区の選定の公平性がゆがめられたかどうかだ。
 加戸氏は7年前に知事を退任し、今回の選定に直接関与していない。その事情を知りつつ、加戸氏の発言が潔白の証明だと主張する首相は意図的に論点をすり替えていると言われても仕方がないのではないか。
 もう一つは、憲法改正である。
 首相は選挙中、自ら改憲への支持を訴える場面はほとんどなかった。これについて「街頭(演説)では地域の生活に密着した政策を述べるものだ」と首相は説明した。
 しかし、自民党が衆院選の主要公約に憲法改正を据え、その最初に掲げた自衛隊の憲法9条明記は首相自身が5月に提起したものだ。
 首相は「憲法(改正)を決めるのは国会ではなく、国民投票だ」と会見で答えた。
 確かに改憲を認めるかどうかは国民投票だが、首相は、衆院選では具体的な議論をしなくても問題ないと考えているようだ。
 改憲案の発議は国会しかできない。その国会を目指す候補者が選挙でそれぞれ憲法観を示すことは投票の重要な指標ではないか。
 自民党総裁である首相が改憲への見解表明を避け続けるなら、国民の理解を深めたいという自身の態度とは正反対と言わざるを得ない。
党の実力を示す比例票
 首相は、自民党の衆院選3連勝はほぼ半世紀ぶりで、「同じ総裁の下で3回続けて勝利を得たのは立党以来60年あまりの歴史の中で初めてのことだ」と胸を張った。
 来年秋に控える党総裁選への強い自信の表明だといえよう。
 しかし、首相はそれほどの信任を得たのだろうか。
 比例代表の全国の政党別得票数を見比べると、自民党の約1852万票に対し、立憲民主党が約1107万票、希望の党が約966万票で、この主要野党2党を合計すると自民党をしのぐことがわかる。
 小選挙区の「勝因」が、立憲と希望の野党分裂選挙になった事情が大きいことは疑いようがない。与党との三つどもえになった選挙区での野党の勝率は約2割にとどまる。
 比例代表では野党を下回り、小選挙区で「漁夫の利」を得たというのが、実態である。
 共同通信の出口調査では、首相を「信頼していない」は51%で、「信頼している」の44%を上回った。
 首相の言う「謙虚」や「真摯」とはどういう意味なのか。
 臨時国会の召集については外交日程を列挙して明言せず、加計問題も「質問いただければ丁寧に答える」と受け身に徹する。
 改憲をめぐる他党との合意形成には「努力」するが、「政治であるからみなさますべてにご理解をいただけるわけではない」とかわした。
 首相に必要なのは、「謙虚」や「真摯」を口で言うだけでなく、具体的な形にすることだ。


安倍政権継続/「謙虚」に多様な声を聞け
 与党圧勝の衆院選から一夜明け、安倍晋三首相が会見した。
 引き続き政権を担うことに対し、「謙虚に政策を進めなければならない」「謙虚な姿勢で国のかじ取りを全うする」と述べた。言葉通りの「謙虚」な政権運営を望みたい。
 首相の電撃的な解散で、野党第1党の民進党は事実上解体し、二つの新党が生まれた。「自民党・公明党」「希望の党・日本維新の会」「共産党・立憲民主党・社民党」の3極に分かれ、これまでとは違った構図での選挙戦となった。
 審判の結果、再び自公が3分の2の議席を確保した。立憲民主は政権批判票の受け皿となり野党第1党となった。代表の小池百合子東京都知事が「排除の論理」を掲げた希望は失速し、解散前の議席を割り込んだ。
 自民が勝利したのは、野党が分裂したからだ。自民の若手リーダー小泉進次郎氏の表現では「野党がボタンを掛け違えたため勝てた」となる。
 野党の選挙協力は一部にとどまり、小選挙区の8割で野党が競り合った。政権批判票を奪い合っていては勝てないのも当然だ。今回の比例代表の得票率は、立憲と希望を合わせれば自民をしのいでいる。
 自民は初めて公約の重点項目として、自衛隊の明記など4項目の憲法改正を挙げた。9条改正は首相の悲願だが、「スケジュールありきではない」「幅広い合意形成に努力したい」と語った。立憲民主は、集団的自衛権を追認する改憲には反対の立場だ。野党第1党との合意がないまま、強引に前へ進めることは許されない。
 急がねばならないのは、デフレから脱却し景気回復を軌道に乗せることだ。消費税増税分を子育て世代に集中的に振り向けるとしているが、財政再建策も合わせて提示する必要がある。
 議席の多くは与党に配分された。しかし民意は多様である。日本全体をまとめるためには、多くの意見に耳を傾け、いかにすくい上げるかが問われる。
 一方、分裂した民進をはじめ野党には再結集の動きがある。選挙目当てに合流しても、有権者はお見通しだ。理念と政策をすり合わせた上での再編や選挙協力でなくてはならない。


安倍首相会見 「謙虚」の言葉は本物か
 安倍晋三首相はきのう、衆院選の勝利を受けた記者会見で「目標を大きく上回る力強い支持を得られた」と述べ、長期政権への自信を見せた。
 改憲については「与党、野党にかかわらず、幅広い合意形成に努める」と、自らの念願実現に向けた議論の加速に意欲を示した。
 だが共同通信の出口調査では、首相を「信頼していない」との回答が51%を占め、「信頼している」の44%を上回った。
 政権が再びおごりに陥らぬよう、まずは自戒が求められる。
 ところが政府・自民党には、学校法人「加計(かけ)学園」「森友学園」を巡る問題の再燃を警戒し、特別国会を首相指名など最低限の日程にとどめようとする動きがある。
 首相は「国会で質問があれば、丁寧に説明したい」ときのうも口にした。ならばその機会を早急に設けるのが筋ではないか。
 会見で繰り返した「謙虚」は本物か、今後の対応が問われる。
 首相は、選挙戦で改憲について積極的に語らなかった理由を問われ「憲法(改定)は決めるのは国会ではなく国民投票だ」と強調。「総選挙で民意を得る、得ないというものではない」と述べた。
 自民党内で検討し、国会の憲法審査会に示した上で「国民的な理解」を深めていくのだという。
 だが憲法は、国民が権力を縛るために制定するものだ。公明党の山口那津男代表も言うとおり、上からではなく「国民の側から沸き起こる」のが本来の姿だろう。
 特に9条に自衛隊を追記する首相の改憲案には世論が割れ、自民党内の議論でさえ煮詰まっていない。発議の環境づくりを性急に進める段階とは言えまい。
 首相はまた「少子高齢化への対応がアベノミクス最大の挑戦だ」と主張。選挙の大義に据えた消費税の使途変更による教育無償化などについて「年内に政策パッケージを策定する」と言明した。
 その事業規模は2兆円という。消費税の使途変更だけでは、財源が数千億円不足すると指摘される。しかし会見で、納得のいく説明は聞けなかった。
 一方で首相は、財政再建の旗は降ろさないとも表明している。ばらまきにもつながりかねない政策との整合性をどう取るのか。国会での緻密な議論が不可欠だ。
 「国の未来を開くことができるのは、耳障りのいいスローガンではない」。首相は強調したが、このままではその言葉は、自らにはね返って来るだろう。


「1強」拡大 反対の声を切り捨てるな
 安倍晋三首相(自民党総裁)はきのうの記者会見で「国民の厳しい視線が向けられている。今まで以上に謙虚で真摯(しんし)な政権運営に努める」と述べた。
 国民に約束したその言葉を今度こそ誠実に守ってもらいたい。
 巨大与党が支える首相の「1強」政治に対する信任が問われた衆院選で、与党は結果的に「1強多弱」の政治状況を拡大させた。
 有権者は「政治の安定」に安全保障をはじめ社会保障や経済再生など政策課題の実現を期待したのだろう。野党側の分裂と競合がそれを許した事情も大きい。
 自民、公明の与党で定数の3分の2(310議席)を超す圧勝である。自民単独でも国会運営を安定して主導できる絶対安定多数(261)を大きく上回った。
 立憲民主党が野党第1党に躍進したとはいえ、当選者は与党の6分の1程度にすぎない。与党と野党第1党との議席差は改選前よりも広がった。
 だからといって、国民は安倍政権に白紙委任したわけではない。
 これまでも首相と与党は選挙で経済最優先と訴えながら、勝利すると国民の知る権利を侵しかねない特定秘密保護法、憲法違反の疑いが拭えない安全保障関連法、「共謀罪」を含む改正組織犯罪処罰法などを「数の力」で強引に成立させてきた。
 政権に絡む「森友・加計(かけ)学園問題」や防衛省の日報隠蔽(いんぺい)問題も明るみに出た。相次ぐ不祥事や暴言・失言を含めて「1強」のおごりや緩みは目に余る。
 投票後の有権者を対象にした共同通信社の出口調査では「首相を信頼していない」との回答が51・0%と過半数に達し「信頼している」の44・1%を上回った。
 首相と与党は当然、野党に投票した有権者を含めた全国民に政治的責任を負う。東京都議選で首相が言い放ったように、政権に批判的な国民を「こんな人たち」と切り捨てることは許されない。
 「1強」拡大の状況だからこそ、反対意見や少数意見を尊重する丁寧な政治を心掛けてほしい。


自公3分の2 大政翼賛政治を危惧する
 森友、加計学園の「疑惑隠し解散」「説明責任なきリセット解散」と言われた衆院選は自民党の圧勝で終わった。
 自民、公明両党の議席は自民の追加公認を合わせて定数465の3分の2(310)を超え、憲法改正の国会発議も可能になる。しかし、比例代表の得票率を見ると、立憲民主党と希望の党を足せば自民を上回る。民進党分裂が自民圧勝を後押ししたようなもので「安倍1強」は強固ではない。政権が信任されたとして、再び強引な政権運営をすれば、たちまち求心力を失うだろう。
 選挙の結果、希望の党と日本維新の会を合わせると改憲勢力が国会全体の約8割を占めることになった。これまで安倍政権下で審議された一連の重要法案は、熟議をせず数の力で成立させてきた。特定秘密保護法、「共謀罪」法、安保関連法しかりである。改憲論議を性急に進めてはならない。
 衆院選前に共同通信が実施した全国電話世論調査は、安倍晋三首相の下での改憲への賛否では反対51・0%、賛成33・9%だった。投票で最も重視する点は「年金や少子化対策など社会保障」29・7%、「景気や雇用など経済政策」16・3%、「安全保障や外交」15・5%と続いた。「憲法改正」は8・9%である。
 小選挙区制度は当選者が1人で、第1党に有利な仕組みだ。多くの選挙区で野党候補が競合し、政権に対する批判票が分散したことが自民党に有利に働いたのは間違いない。民進党は選挙に勝てないと見て事実上解党した。議会政治の野党の役割を放棄したに等しい。
 このため今回は「自民・公明」「希望の党・日本維新の会」「共産・立憲民主・社民」の3極による対決の構図になった。「自民・公明」は3極対決のうち8割の選挙区で勝利している。1本化して1対1の構図に持ち込めなかった野党の責任は重い。
 さらに台風の影響で投票に行かなかった有権者は無党派が多いとみられる。組織力が弱く無党派頼みの新党に比べ、組織票を持つ自民、公明には投票率が下がるほど追い風になったのだろう。
 8月の内閣改造後の記者会見で安倍首相は「深く反省し、国民の皆さまにおわび申し上げたい」「国民の皆さまの声に耳を澄ます」と述べた。しかし、臨時国会冒頭で所信表明演説もせず、野党の質問も受け付けず、一方的に衆院を解散した。
 今回も衆院選後の会見で「今まで以上に謙虚で真摯(しんし)な政権運営に努めたい」と述べた。この言葉を100パーセント信じる国民が、どれだけいるだろうか。
 現憲法が体現してきた戦後の平和民主国家の歩みが揺らいでいる。戦前のような大政翼賛政治にならないように、主権者である国民は政治に目を光らせる不断の努力が求められる。


[衆院選 自民大勝]「白紙委任」していない
 衆院選は自民、公明両党が3分の2の議席を得て、安倍政権の継続が決まった。
 自民党が単独で国会運営を主導できる絶対安定多数を確保し、与党で憲法改正の発議に必要な議席を上回ったのは、大勝といっていい。
 しかし背景をつぶさに見ていくと、安倍政権の評価に対するねじれが浮かぶ。
 共同通信が実施した出口調査で、安倍晋三首相を「信頼している」の44・1%に対し、「信頼していない」は51・0%に上った。報道各社の世論調査でも、安倍内閣は不支持の方が高い傾向にあり、首相の政治姿勢には厳しい目が向けられている。
 自民党内から「おごりや緩みだけでなく、だんだん飽きられてきた」(小泉進次郎筆頭副幹事長)、「政権が全面的に信任されたという評価は下しにくい」(石破茂元幹事長)との声が聞こえてくるのは、それを裏付けるものだ。
 一方、今回の政権継続の審判は、野党自らが招いた「オウンゴール」の側面もある。
 野党第1党だった民進党の分裂。小池百合子代表の「排除の論理」で失速した希望の党。バラバラで頼りない野党に政権は託せないという消極的な支持が与党に集まったのだ。
 衆院選から一夜明けた23日、安倍首相は公明党の山口那津男代表と会談し、憲法改正論議など連立政権が進める主要政策で合意した。 
 選挙で安倍政治の全てが信任されたと思ったら大間違いだ。まして選挙中ほとんど語られなかった改憲を「白紙委任」などしていない。
■    ■
 5年近くに及ぶ「安倍1強政治」が、衆院選の大きな争点だった。
 憲法観や安全保障政策で自民党と違いが不鮮明な希望の党に対し、安倍政権との対立軸を鮮明にした立憲民主党が野党第1党に躍進した意義は大きい。
 枝野幸男元官房長官らがわずか20日前に旗揚げした党が、公示前の3倍以上の54議席を獲得し、政権批判票の受け皿として一定の役割を果たしたのだ。
 希望の党への合流を巡り、小池代表の「排除」であぶり出された民進党出身のリベラル系議員を中心にしてできた党である。
 信念を曲げずに立ち上がった枝野氏らの姿と、「政治は、政治家のためでも政党のためでもなく、国民のためにある」との訴えが有権者の心に響いたようだ。
 立憲主義が壊されていくことへの危機感も大きかったのだろう。
■    ■
 とはいえ立憲民主は1955年以降で最少勢力の野党第1党となる。異常な勢力構成である。 
 1人の当選者以外の票が「死に票」になる小選挙区制度では、与野党が「1対1」で対決する構図を広げなければ、巨大与党には太刀打ちできない。
 安倍1強のおごりを招いた責任の一端は、受け皿になりきれなかった野党にある。
 民主主義を健全に機能させるためにも、安倍政権に対抗しうる勢力を築き上げなければならない。


分裂の野党勢力 再結集へ知恵も汗も
 突然の衆院解散、総選挙による大きな変化は、民進党が分裂したことだ。野党勢力が散らばっていては、巨大与党に対抗できない。勢力再結集に向けて知恵を絞り、精力的に汗をかくべきである。
 千々に砕けたかけらを、一つ一つ集めて、それをもう一度、つなぎ合わせるのは、根気の要る作業ではある。しかし、日本の政治を正すには野党勢力を再結集することは避けて通れない道だ。
 公明党が議席を減らしたとはいえ、自民党と合わせて衆院で三分の二以上を維持した。安倍晋三首相が掲げた「解散の大義」に疑問がないわけではないが、結果を見ると、首相の選挙戦略が的中したことは認めざるを得ない。
 首相が想定していたか否かは不明だが、政敵の民進党が衆院で、希望の党、立憲民主党、無所属へと分裂した。国会での一強多弱の状態は極まったとも言える。
 首相や自民党は今後、強気の政権運営をするだろう。安全保障関連法や「共謀罪」法の成立時のような強硬な国会運営を繰り返すかもしれない。首相が憲法改正に向けた動きを強めるのは必至だ。
 大方の国民の意に反する政治や平和主義を脅かすような改憲が行われようとする場合、野党勢力が分裂したままでは多勢に無勢だ。勢力を再結集し、巨大与党の独走を止めることが、野党に今、課せられた責務と自覚すべきである。
 前原誠司民進党代表は主導した希望の党への合流について「見直さないといけない」と述べた。当然だ。そもそも政策の違いに目をつぶり、生き残りを目的とした合流が国民の理解を得られるわけがない。混乱を招き、自民一強の継続を許した責任は極めて重い。
 枝野幸男元官房長官が立ち上げた立憲民主党が議席を大幅に伸ばし、野党第一党になった。自民党には遠く及ばないが、枝野氏は古巣の民進党を含む野党結集に向けた役割を積極的に果たすべきだ。
 その際、必要とされるのは、民進党から希望の党への合流者を選別した小池百合子東京都知事のような排除の姿勢ではなく、恩讐(おんしゅう)を越えて多くの人を包み込むような包摂の思想である。
 理想や目指す政策に多少違いがあっても、合意点を探り、反対者を説得して政策にまとめ上げる。その努力を惜しんでは巨大与党に立ち向かうことは到底できない。
 日本政治の岐路である。覚悟を持って政権と対峙(たいじ)してほしい。野党勢力を再結集し、選択肢を示すことは、全国民のためでもある。


野党のこれから  自らの足場を固め直せ
 数の力で押し切る政治を転換させ、国会をまっとうな議論の場にする。野党にはその重責をしっかり果たしてもらいたい。
 衆院選の各党獲得議席が固まり、分裂した民進党のリベラル派でつくる立憲民主党が野党第1党に躍り出た。希望の党への合流から「排除」されての結党に、有権者の判官びいきもあろう。だが、希望側の「踏み絵」を踏まず理念と政策の筋を通したことが支持されたといえるだろう。
 公示前勢力から躍進したとはいえ、過去60年余りで最少勢力の野党第1党だ。自民、公明の巨大与党にどう対峙(たいじ)するか、したたかな戦略が求められる。政策面では民進の路線を継ぐ一方、消費増税「凍結」に転じた理由や代替財源など説明不足の点もある。公約実現への道筋を示してほしい。
 枝野幸男代表は選挙戦で、「右か左か(のイデオロギー)ではなく、下から、草の根からの政治に変えていく」と訴えた。安倍「1強」政権が広げた政治と国民の距離を、国民の方へぜひとも近づけてもらいたい。
 今回の与党大勝という結果には違和感がある。比例代表の得票率では、立憲民主と希望の合計が自民を上回った。解散直前の共同通信の世論調査では、望ましい選挙結果について「与野党の勢力が伯仲する」が49・3%で「与党が上回る」の32・4%を超えている。野党の乱立が、小選挙区制の下で与党を利する形となった。
 来秋の党総裁3選、2021年9月までの続投が視野に入る安倍政権に緊張感を与え、「おごり」「緩み」をただす。それには野党各党が選挙結果を厳しく総括し、足場を固め直す必要がある。
 民進の希望への無節操な合流は政党政治の土台を傷つけた。希望は単なる数合わせで政権交代を狙ったことを猛省せねばならない。今回の「完敗」は当然の帰結であり、役員人事すら決まっていない党組織を速やかに固め、政策を体系立てて地道に訴えるべきだ。
 共産党、日本維新の会、社民党は新党2党の間に埋没した。それぞれが今後、新党とどのような連携の枠組みで存在感を示すかが問われる。「反・安倍」「是々非々」というだけでなく、中身の濃い政策論争を積極的に仕掛けてほしい。
 憲法改正の議論は、新たな局面を迎える。社会保障制度の持続と財政健全化、原発に替わるエネルギー確保などについても、より具体的な方策やプロセスを示す必要がある。


希望の党敗北 都知事の仕事に専念を
 東京都民を置き去りにしたような振る舞いが不興を買ったのだろう。小池百合子知事が率いる希望の党の敗北。知事としての求心力の低下は避けられまい。都民のための都政に専念することを望む。
 選挙結果を受けて、小池氏は出張先のパリで「私自身にもおごりや慢心があった」と反省の弁を述べた。だが、もはや「都民ファースト」のスローガンが信用を取り戻すのは簡単ではあるまい。
 民進党を吸収して出発した希望の当選者は五十人。全候補者の二割にすぎない。小池氏のお膝元の都内でさえ、小選挙区選を勝ち抜いた候補者は二十三人のうちたったの一人だ。
 先の都議選では、小池氏が代表を務めた地域政党都民ファーストの会が破竹の勢いに乗り、自民党を抑えて都議会第一党に躍進した。希望はその余勢を失った揚げ句に逆風にさらされた。なぜか。
 公示直前に、小池氏を支えた都民ファ所属の都議二人が離党届を出した。その理由が希望の先行きを暗示しているように響いた。
 都民ファの組織運営を巡る情報公開が不十分なこと。議員個人としての自由な意見表明や調査活動が制約されていること。つまり、党内の民主主義が担保されていないという痛烈な批判だった。
 確かに、民進から希望への合流劇はブラックボックスの中で決まった。加えて、合流組に対し、違憲の疑いが強い安全保障関連法や憲法改正を支持するよう踏み絵を迫り、排除の論理を打ち出した。
 政治理念や政策よりも、小池人気にあやかることが結集軸のようにも見えた。多様な言論を認めない不寛容を印象付けたのも、都民ファの体質に似ているといえる。
 何より、小池氏が知事就任から一年余りで国政にくら替えするかのようなそぶりを見せたのは、都政軽視と映ったのではないか。
 築地市場の豊洲移転や二〇二〇年東京五輪・パラリンピックの準備、高齢化の加速や都市基盤の老朽化など、都政の課題は山積みだ。小池氏の前の知事が三代続けて任期途中に辞めた経緯もある。
 本紙の直近の都民世論調査では、都知事が国政政党の代表を務めることに反対する声が六割を超えていた。都民は安定した都政を切望している。
 小池氏が国政に乗り出し、都議会では都民ファと公明党の協力関係に亀裂が生じた。二足のわらじを履いては都政が停滞しかねない。知事の任期を誠心誠意全うするしか信頼回復の道は開けまい。


加計問題「疑問残ったまま」 前川喜平さんが札幌講演
 文部科学省の前事務次官で、学校法人加計(かけ)学園の獣医学部新設計画を巡る首相官邸の関与を証言した前川喜平さんの講演会が23日、札幌市北区で開かれた。
 前川さんは加計学園問題の経過を説明し、「行政の公正さ、公平さが損なわれている。疑問は残ったまま」と指摘。自身が官邸の関与を重ねて証言したことについて「政府が何をやっているか、国民が知らなければ正すこともできないと考えた」などと訴えた。
 さらに道徳の教科化について触れ、「政治の力で徳目を注入され、内心の自由が脅かされる危険性がある」と強調。「市民や個人としてどう生きるか、あるいは環境や人権など人類が取り組む課題について考える道徳教育がいいのでは」と提言した。
 日本ジャーナリスト会議北海道支部とNPO法人さっぽろ自由学校「遊」が主催。市民や教育関係者ら約700人が集まった。


沖縄の「国難」知って 結フォーラムで翁長知事が講演
 本土復帰から今年、四十五年を迎えた沖縄県への理解を深めようと「東京・結(ゆい)・琉球フォーラム」(主催・東京新聞、琉球新報)が二十二日、東京都千代田区の法政大学で約六百人を集めて開かれた。基調講演した翁長雄志(おながたけし)知事は、県内で米軍機の事故が相次ぎながら、米軍から原因解明や改善策の説明が何もないことを強調。「国からこういう状況を被っていることが(沖縄の)国難だ」と訴えた。
 翁長知事は、国土面積の0・6%の沖縄県に全国の米軍専用施設面積の約70・6%が集中する中で、「日本の法律が及ばない状況を沖縄は強いられ続けている」と指摘。今月十一日に県内で米軍ヘリが炎上した事故でも日本政府を通じて米軍に飛行停止や原因究明を求めたが、「一顧だにされない」と批判した。その上で、日米地位協定の見直しや基地負担軽減を求める沖縄の民意に理解を求めた。
 沖縄経済が基地に依存しているとの一部の見方については、米軍から返還された土地が流通・観光拠点となったことで、収益や雇用が飛躍的に伸びているとするデータを示し否定。今後も発展する東南アジアと日本本土との間で「沖縄は仲人役になれる」と語った。


首相改憲へ加速 立民と合意こだわらず
 安倍晋三首相(自民党総裁)は二十三日、衆院選を受けて党本部で記者会見し、自民党が衆院選公約の重点項目に掲げた改憲について、野党第一党となった立憲民主党との合意には必ずしもこだわらない考えを表明した。公明党は野党第一党を含む合意形成を求めており、与党内で考え方の違いが浮き彫りになった。 (中根政人)
 首相は改憲について、与野党に関係なく「合意形成に努める」と説明。立憲民主も含めて合意を図るのかとの質問に、「合意形成の努力は(野党)第一党であろうと、第二、第三、第四党であろうと行わなければならない。しかし、政治なので当然、みなさん全てに理解いただけるわけではない」と話した。立憲民主と最終的に合意に達しなくても、改憲発議に踏み切ることを想定した発言だ。
 立憲民主は、安倍政権が成立させた安全保障関連法を違憲として、首相が主張する自衛隊を明記する改憲に反対している。公明党の山口那津男代表は二十三日、国会内で「幅広い合意をつくり出すことが大切というのは従来から変わらない」と記者団に強調した。
 会見で首相は、二〇二〇年の改憲施行という目標について「スケジュールありきではない」と強調。一方で「具体的な条文案について自民党内で検討を深め、党の案を国会の憲法審査会に提案したい」と、意見集約を急ぐ考えを示した。
 選挙期間中の街頭演説で、改憲にほとんど言及しなかった理由について「限られた時間の中、街頭で述べることは地域の生活に密着した政策だ。憲法改正は(衆院選ではなく)国民投票の場で、具体的に説明する責任がある」と話した。
 森友学園や加計(かけ)学園を巡る問題では、選挙期間中の党首討論会などで「丁寧に説明した」と強調。「これからも国会で質問があれば丁寧に答えたい」とも話した。


<有権者発>小選挙区 問題点は 得票率48%で3/4占有
 今回の「有権者発」のテーマは、衆院の選挙制度です。衆院選の結果を受けて「多くの有権者は安倍政権を支持していないのに、自民党が今回の衆院選で勝った。小選挙区制度に問題がある」との指摘を受けました。
 本紙の集計で、自民党の小選挙区での得票率(有効投票総数に占める自民党候補全員の得票総数)は約48%でした。それなのに、小選挙区の議席占有率は約74%です。自民党には、小選挙区に投票した人の二人に一人しか入れていないのに、四分の三の議席を獲得した計算になります。
 今回の投票率は戦後二番目に低い53・68%。有権者のうち半分近くの人は投票に行きませんでした。このため、全ての有権者のうち、何割の人が自民党に投票したのかをみる絶対得票率を計算すると約25%。自民党には有権者四人のうち一人しか投票しなかったことになります。
 二〇一四年の衆院選でも、自民党は大勝しましたが、小選挙区で得票率は約48%、議席占有率は約75%でした。
 〇九年に当時の民主党が政権交代を実現した時の衆院選では、小選挙区の得票率は約47%、議席占有率は約74%と同じ傾向でした。
 現行の小選挙区比例代表並立制が導入されたのは、一九九六年です。少ない得票で高い議席占有率を得られ、投票が議席に反映されない「死に票」が多いといった弊害が指摘されてきました。
 国会には小政党を中心に選挙制度を見直すべきだとの意見もありますが、実現しそうにありません。有権者は選挙制度の特徴を踏まえ、投票で意思表示する必要があります。 (城島建治)


「排除」発言を引き出した記者が見た「小池百合子の400日」 なぜジャンヌ・ダルクは墜ちたのか
横田 一
「あの会見」が全ての始まり
安倍政権打倒の先頭に立つはずの希望の星、改革の旗手が一転、リベラル派の「大量虐殺」に手を下す「詐欺師」に豹変したのでは――国民にこんな疑念が浮かんだきっかけは、9月29日の都知事会見だったことだろう。
「前原代表を騙したのか、(それともリベラル派排除のために、前原氏と)共謀したのか」との私の質問に対し、小池百合子都知事(希望の党代表)が笑みを浮かべながら「排除します」と断言した時のことだ。
その4日前の25日午後、安倍晋三首相の解散表明会見の直前に、小池氏は新党・希望の党結成と代表就任、そして「原発ゼロ」を掲げることを表明していた。電波ジャックに成功すると同時に、「原発ゼロ」を訴え続ける小泉純一郎元首相とも面談して激励を受け、「脱原発の旗の下に非自民勢力が結集し、原発推進の安倍政権を打倒するのではないか」という期待感が一気に高まった。
だが、小池氏は千載一遇のチャンスを自ら逃した。民進党の前原誠司前代表が、28日の同両院議員総会で「安倍政権打倒のために1対1の対決に持ち込む。排除されることはない」と説明し、民進解体・希望合流が満場一致で了承されたにもかかわらず、その翌29日、急失速を招く「排除」発言を口にしてしまったのである。
私は小池氏が都知事に就任した昨年8月以降、毎週金曜日の14時に行われる小池都知事の定例会見に、できる限り出席するようにしてきた。
しかし、小池氏の「記者選別」はトランプ大統領並みで、詳しくは後述するが、質疑の際には「お気に入り」の記者を明らかに優先して指すのである。フリーランスで、なおかつ小池氏にとって耳の痛い質問をすることが多い私は指されないことがほとんどだったが、この日は偶然か、半年ぶりに指名された。
そこで冒頭のように、民進党との合流に関する前原代表の説明との食い違いについて聞いてみたのだ。
どこか様子がおかしい…
横田:前原代表が昨日、所属議員向けに「希望の党に公認申請をすれば、排除されない」という説明をしたのですが、一方で(小池)知事、(希望)代表は「安保、改憲を考慮して一致しない人は公認しない」と(報道機関に話している)。(前原代表と)言っていることが違うと思うのですが、前原代表を騙したのでしょうか。それとも共謀して、そういうことを言ったのでしょうか。二人の言っていることが違うのですが。
小池知事:すいません。その質問は場所を転換してからお答えさせていただいた方がいいと思いますし、(筆者が?)「独特の言語」を使っていらっしゃるなと今思ったところです。
4日前に小池知事が希望の党代表に就任したために、この日の定例会見は2部制(前半が都政関連、後半が国政関連)になっていた。そこで私は第1部での質疑応答を止め、第2部で再び同じ質問を繰り返した。
横田:前原代表が昨日(28日)発言した「(希望の党に)公認申請をすれば、排除されない」ということについて。小池知事・代表は、安保・改憲で一致する人のみを公認すると。前原代表を騙したのでしょうか。共謀して「リベラル派大量虐殺、公認拒否」(を企てた)とも言われているのですが。
小池知事(=代表):前原代表がどういう発言をしたのか、承知をいたしていませんが、『排除されない』ということはございませんで、排除いたします。取捨(選択)というか、絞らせていただきます。
それは、安全保障、そして憲法観といった根幹の部分で一致していることが政党としての、政党を構成する構成員としての必要最低限のことではないかと思っておりますので、それまでの考えであったり、そういったことも踏まえながら判断をしたいと思います。
現下の北朝鮮情勢などで、これまでの議論に加えてリアルな対応を取っていこうと考える方々もいらっしゃるので、そういったところもしっかり皆様、希望の党から出馬されたいという方を絞り込ませていただくことでございます。ちなみに、その作業は私どもの方では若狭(勝)議員、そして民進の方から玄葉(光一郎)議員が絞り込みの作業に入るということで基本的に任せているところです。
横田:ということは、「安倍政権打倒」を甘い言葉にして、リベラル派大量虐殺、公認拒否・排除をしたということになりませんか。「(綱領にある)寛容な保守」であれば、ハト派からタカ派まで包み込まないのですか。公認しないのですか。そうしないと、安倍政権を倒せないのではないですか。
小池知事:多様性に富んでいるということは、これ(会見)で証明していることになります。とても寛容な記者クラブで…(と言って、私の質問に答えるのをやめて次の記者を指名)。
この「排除いたします」「取捨」という強い言い回しには正直、私も驚いた。驚いているうちに、小池氏は都庁記者クラブと会見そのものに話をすり替えてしまった。いま考えると、小池氏自身も直前の「排除」発言を「まずい」と思い、焦って話題を変えようとしたのかもしれない。
去年7月の都知事選を皮切りに、2月の千代田区長選、そして7月の都議選と、連戦連勝を繰り返してきた小池氏を1年あまりウォッチしてきた私には、これが「勝負師らしからぬ失言」としか思えなかった。
リベラル派を排除すれば、別の新党結成、ひいては野党乱立を招く恐れがあるのは予測できたはずだ。にもかかわらず、小池氏は自らの首を絞めるような愚行を始めてしまった。小池氏の「排除」は単なる失言ではなく、事実だった。
案の定、その後「排除」されたリベラル派議員を中心に立憲民主党が結党、希望の党を上回る議席を獲得し、野党第一党となったことは皆さんもご存知の通りだ。
止められる側近がいなかった
「女帝」のご乱心を止める側近がいなかったのも致命的だった。立憲民主党の結成前にこの「排除発言」を撤回し、「公認申請者は排除しない(全員公認)」と方針変更をしていれば、失速を避けることも可能だったに違いない。
しかし実際に希望幹部が反省の弁を口にしたのは、立憲民主党の結党後。希望の公認候補を決める民進側の窓口だった玄葉光一郎・元外務大臣は「(排除)発言がなければ、希望の党は200議席に迫る勢いだ」(13日)、「『排除』という言葉を使わなかったら、今ごろ自民党と競っていた」(18日)と悔やみ、小池氏もBSフジの番組で「きつい言葉だったと思うが、政策の一致(が重要)ということを申し上げたかった」と釈明したが、時すでに遅しであった。
ネット上では、小池氏のイメージダウンを招く映像が急速に広がっていった。私が「前原代表を騙したのか」と聞いた瞬間、小池氏はにやりと笑ったのだが、その様子を映した動画が「『前原をだました?』に『ふふふ』さすが緑のタヌキ(笑)」といった説明付きでSNSで拡散されたのだ。
わずか1年前の都知事選では、自民党から公認がもらえずに崖から飛び降りるように出馬し、「草の根改革派」として大勝した小池氏が、今回は一転、一手に公認権を握って「リベラル派大量虐殺」を断行する独裁者となったーージャンヌ・ダルクを彷彿させる善玉のイメージから、「女ヒトラー」(日刊ゲンダイ命名)のような悪玉イメージに変わってしまったのだ。
10月22日の投開票日を迎え、蓋を開けてみると、7月の都議選圧勝が幻だったかのように、お膝元である東京都の小選挙区でも希望の党は惨敗した。
その原因は、容易に推定できた。都議選で、自民党の歴史的惨敗と都民ファ―ストの会圧勝を実現した立役者である野田数・特別秘書(前・都民ファ代表)と選挙プランナーの松田馨氏が、今回の総選挙には一切関わっていなかったのだ。
「小池代表以外で候補者選定に関わっていたのは、産経新聞出身の事務総長のO氏と小池氏と懇意なジャーナリストのU氏で、リベラル派排除を進めたのはO氏と囁かれていました。都議選では、水面下の調整を含めた陣頭指揮を取った野田氏と、選挙プランナーとして候補者に指南をした松田氏が都民ファ圧勝に大きく貢献しましたが、今回の総選挙では2人とも外されていたようです」(都政関係者)
天下分け目の決戦で、実績抜群の有能な「部下」をわざわざ外し、先の読めない不寛容な側近で脇を固めたことが、都議選と正反対の惨敗を招いた主因ではないか。
皆「寛容」を期待していたのに
3ヵ月前の都議選で都民ファは、公明党や連合、民進党離党者などの非自民勢力を幅広く結集し、自民党を歴史的大敗に追い込んだ。その時に掲げたのが「情報公開」の旗印。森友・加計問題での安倍政権の情報隠蔽体質に対する批判が高まっていることと、都が情報公開を進めていることを重ね合わせ、争点化したのだ。
6月1日の都民ファ総決起大会の囲み取材で、私が「(都議選を)『ブラックボックス化の自民党』対『透明化の都民ファーストの会』という構図と捉えていいのでしょうか」と聞くと、小池知事は笑顔でこう答えた。
「たまにはいいことを言ってくれますね。ありがとうございます」
小池知事と入れ替わるように代表から幹事長となった野田氏も、次のように勝因分析をしていた。
「勝因は、自民党の体質が表面化したためだと思っています。今回の都議会選挙が注目を浴びたのは、小池都政が情報公開をすることによって、都政の様々な課題が浮き彫りになった結果です。選挙の大きな争点は『情報公開を進める都民ファーストの会』対『隠蔽体質の自民党』。都議選でしたが、国(安倍政権)の隠蔽体質に『NO』を突きつけたのです」
前述の通り都民ファは都議選で、やり手の若手選挙プランナーの松田氏を選挙対策に抜擢していた。去年11月12日の小池政治塾「希望の塾」第2回で講師を務めた松田氏は、2006年と2010年の滋賀県知事選で嘉田由紀子・前知事の連続当選にも貢献した人物だ。
ちなみに小池氏と嘉田前知事には、女性知事以外の共通点がいくつもある。2人とも環境保護推進派で、選挙のシンボルカラーはグリーン、そして知事選で自公推薦候補を打ち破った。しかも松田氏は2012年12月の総選挙で、嘉田氏が知事と「日本未来の党」代表を兼任した際にも選挙プランナーを務めていた。野党が乱立して自公が圧勝、第2次安倍政権が誕生した時のことである。
「今回の総選挙で小池氏が、都議選圧勝に貢献した松田氏や嘉田前知事に助言を求め、野党乱立(日本未来の党・民主・維新・みんなの党)を招いた当時の失敗談に耳を傾けていれば、あの『排除』発言を口にすることはなかったかもしれません」(永田町ウォッチャー)
私の質問の主旨は、「『安倍政権打倒』という目標と『リベラル派排除』は両立しうるのか」という疑問を呈示することだった。「『寛容な改革保守』という党の綱領に従って、公認申請をする民進前議員を全員受け入れ、ハト派からタカ派まで包み込む非自民勢力の結集を実現することこそ、政権交代には欠かせないのではないか」と言い換えることもできるが、この問いかけに小池氏は答えようとしなかった。
人選ミスに加えて、小池氏自身の聞く耳を持たない「独裁的体質」が転落に拍車をかけたのではないかと思う。
選挙の後、私のもとには「よくぞ質問してくれた」という声も、「あんなことを聞かなければ、希望の党は安倍政権を倒していたかもしれないのに」という声も両方届いている。
確かに、あの会見で私が質問をしなかったら、あるいは私が半年ぶりに小池氏に指されなかったら、選挙の結果はかなり違ったものになっていたかもしれない。また個人的には、自民党を再び大勝に導く遠因を作ってしまったと思うと、複雑な気持ちではある。
しかし一方で、小池氏が「排除」した民進党リベラル派はすぐに立憲民主党を作り、安倍政権に批判的な民意の受け皿となった。彼らが希望の党にいったん合流したとしても、遅かれ早かれ、袂を分かつ日は来ていたはずだ。その日が早まっただけだと考えれば、むしろ選挙後の混乱を未然に防ぐことになったのかもしれない。
おまけ:記者も「排除の論理」?
最後に、小池氏の会見スタイルについて少し補足をしておこう。氏はテレビなどでもおなじみの通り、質疑応答の際には笑顔を絶やさずに丁寧な口調で受け答えをする。しかしその一方で、質問者を選別し、私のような記者には質問の機会をほとんど与えない一面がある。小池氏は去年の夏以降、都知事としての記者会見でも「排除の論理」を徹底してきたといえる。
このことは、定例会見と臨時会見における記者別指名回数を順位づけした「都知事会見の指名回数順位(“好意的記者”ランキング)」を見ると、一目瞭然だ。
ちなみに、私が小池氏の「ブラックリスト」に載った質問と見ているのが、2回目の指名となる昨年8月13日のもの。私はこの時、築地市場の移転問題について、市場関係者との面談を非公開にしたことを問い質したのだが、これ以降、約半年も指されない状態が続いた。
そこで私は「都知事会見指名回数順位表(お気に入り記者ランキング)」を作成してネット媒体の「リテラ」に掲載した。すると、その約1週間後の3月10日、半年ぶりに指名された。
しかしその後は、再び指されない状態が続くようになったので、今度は月刊誌「創」2017年9月号に、今年7月までの情報を追加した最新版を掲載してもらったところ、9月29日に半年ぶりに当てられたのだ。
この表にある日テレの久野村記者やTHE PAGEの具志堅記者は、直近の会見でも私よりはるかに頻繁に指名されている。ランキング2位の具志堅記者は、10月6日と13日に両方とも指された。久野村記者は、13日の囲み取材で私が質問したとたん「囲み終了」が宣言されたにもかかわらず、そのあとで追加質問が許される特別扱いを受けていた。
とにもかくにも、有権者の審判は下された。「排除」というただ一点によって、これまでの破竹の勢いを大きく削がれることとなった小池氏。これから東京五輪へ力を振り向けてゆくこととなる都政を、また国政政党となった希望の党の舵取りを、まっとうすることはできるだろうか。


党内から小池代表に怨嗟の声 希望の党“電撃解党”へ秒読み
 大揺れは確実だ。公示前勢力の57議席を大きく下回り、大惨敗を喫した「希望の党」。代表の小池百合子都知事がパリ出張から帰国する25日に党両院議員懇談会を開き、執行部の人選や首相指名選挙の対応を協議する方針だが、それでオシマイとなるはずがない。小池代表の責任を問う声が続出するのは間違いなく、ブチ切れた小池代表が「解党」を言い出す可能性もある。
 新党の設立を総務相に届けてから約1カ月。党内は「苦戦を招いた責任は小池代表」「代表解任決議を出す」と怨嗟の声であふれ返っているという。選挙目当てで新党に擦り寄り、小池代表に金タマを握られて言いなりになっていたクセに、負けた途端、グダグダ愚痴る姿は見るに堪えないが、ある民進党関係者は「理解できなくもない」と言い、こう続ける。
「『日本のこころ』を離党した中山恭子参院議員のダンナである中山成彬さんを比例九州ブロックの単独1位候補にしたのは論外ですが、小池さんの公認候補選びがデタラメ過ぎた。とりわけ酷かったのが近畿です。突然、代表代行に据えた仲良しの樽床伸二元総務相を比例近畿ブロックの単独1位で厚遇し、2位に元防衛官僚で小池さんの部下だった井上一徳さんをねじ込んだ。井上さんは選挙区で惨敗し、惜敗率は32%だったのに比例復活ですよ。一方、奈良1区の馬淵澄夫元国交相は惜敗率97%、兵庫1区の民進党政調副会長の井坂信彦さんは惜敗率82%なのに、それぞれ落選です。どう考えてもおかしいでしょう」
 小池代表は選挙期間中、「オトモダチ忖度政治が良いのか」「脱しがらみ政治」と声高に叫んでいたが、何のことはない。小池代表自身が安倍以上に“お友達大好き”の政治家だったわけだ。政治評論家の山口朝雄氏がこう言う。
「かつての民主党のように国民からの信頼を失った政党はあっという間に崩れる。希望はこの先も支持が広がるとは考えにくいため、解党の可能性も出てくるでしょう」
 結党会見で「日本をリセットする」と息巻いていた小池代表だが、自分自身がリセットされる時が刻一刻と迫っている。


データ改ざんで揺れる神戸製鋼「解体論」の現実味 「第二の東芝」になってしまうのか
町田 徹 経済ジャーナリスト
すでに会社存続を危ぶむ声が
20代半ばの若き安倍晋三氏(内閣総理大臣)が勤務したことでも知られる、鉄鋼3位の名門・神戸製鋼所の品質に関するデータの改ざん問題が泥沼化してきた。
改ざんが多角化部門のアルミ・銅製品から、本業の鉄鋼製品に飛び火したことに伴い、納入先が200社から500社に膨らみ、「メイド・イン・ジャパン神話」のイメージを損ねる事態になっているが、問題はそれだけではない。
米司法省が情報開示を迫ったり、日本の国土交通省航空局に当たる欧州航空安全機関(EASA)が、「代替可能であれば」という条件付きながら神鋼製品の使用を手控える勧告を行ったりと、国際的に影響が広がり始めているのである。
一方、当事者である神戸製鋼所には、コトの重大さの認識や反省という感覚がないらしい。不正発覚後の自主点検の段階になっても、管理職らが不正の隠ぺい行為を続けていたことが明らかになった。
今後、ユーザーから問題製品の交換に伴う費用の請求や、損害賠償の要求が相次ぐことが確実視されるほか、神戸製鋼製品から他社製品への乗り換えが殺到して売り上げが落ち込むことも予測される。マスコミやエコノミストの間では、早くも、2期連続の最終赤字に沈んでいた同社の存続を危ぶむ声や、その先の国策救済の是非と方策を取り沙汰する声まであがっている。
タカタをつぶした米司法省の動き
まず、事態が次第に深刻になった経緯を、神戸製鋼所の発表を中心に押さえておこう。
発端は10月8日。自主点検で明らかになったとして、今年8月31日までの1年間に、アルミ・銅製品でユーザーと合意した水準を下回る製品の「検査証明書のデータを書き換えて出荷していた」と明かした。
この時点で、納入先が航空機メーカー、自動車メーカーなど200社にのぼること、改ざんは10年以上も前から行われていたこと、管理職を含む数10人が関与しており、組織ぐるみの不正だったことも明るみに出た。
3日後の11日には、当初の4事業所に加え、焼結用の鉄粉や子会社が手がける金属材料(ターゲット材)事業でも不正があったと追加発表。
翌12日には、新聞報道(日本経済新聞)で、問題の製品の供給先(200社)の中に、ほとんどの国内自動車メーカーのほか、米ゼネラル・モーターズ(GM)、米テスラ、独ダイムラー、仏グループPSAといった海外自動車メーカー、米ボーイングと欧州のエアバスの2大航空機メーカー、米ゼネラル・エレクトリック(GE、航空部品)などが含まれていたことが判明した。
そして、13日夕方の川崎博也・神戸製鋼所会長兼社長の記者会見で、同会長自身が前日記者団に「ない」と強調していた本業の鉄鋼事業でも不正があり、納入先が500社に及ぶことを認めた。この中には、世界シェアの50%を握る主力製品の弁ばね用線材などが含まれており、経営問題への発展の可能性が表面化した。
17日の発表も大きかった。ボーイングやGE、GMで問題の製品が使われていることを受けて、米司法省が情報の提出を求めてきたというのだ。数日後、この要求が、拒めば罰則を伴う強制力を持つものだと判明することになる。
司法省と言えば、懲罰的な罰金を科してエアバックのタカタの息の根を止めたことが記憶に新しい。かつて「巨悪を眠らせない」と言われた日本の検察当局をしのぐコワモテで、政治的な動きも厭わない。伝統的に企業の不祥事摘発にも熱心だ。同省が本格的な捜査に乗り出せば、連邦法の詐欺罪などに問われるリスクが高まり、神戸製鋼所の経営危機が決定的なものになりかねない。
同じ日、欧州航空安全機関(EASA)も、アルミ製品(部材)の品質データ改ざん問題を懸念、欧州域内で運航する航空会社や整備関連企業に対し、神戸製鋼所製の部材を使っていれば速やかに当局に届けることや、安全が確認されるまで同社製以外の部品を使うよう促す勧告を出した。
こうした欧米当局の動きによって、世界規模で神戸製鋼所のブランド価値の毀損が避けられないことが明白になったのである。
取引企業からの「助け舟」も水の泡
10月19日、トヨタ自動車、ホンダ、マツダがそれぞれ、ボンネットなどに使っていた神戸製鋼所製のアルミ板について安全性を確認したと発表した。性能に不安を感じた消費者の間に自動車を買い控える動きが出始めており、各社とも「あらかじめ合意していたほどの強度はないが、必要な強度は十分満たしている」と安全宣言を出して影響を押さえ込もうと躍起なのだ。
JR東海も同じ19日の定例記者会見で、神鋼製のアルミ製品を使った新幹線の部品の強度が日本工業規格(JIS)基準を最大3%下回っていたものの、実際に必要な強度を上回っているため、「安全上問題がないことを確認している」(柘植康英社長)と情報発信した。
JR各社の中には、JR西日本のように、神戸製鋼所の製品を定期点検の際などに交換していく費用を請求する方針を早々に明確にしたところもあるが、いずれもただちに危険な状態ではないことを強調し、利用者の不安を抑える姿勢で一致していた。
だが、20日。神戸製鋼所は、そうしたユーザー側の努力を無にする大失態を犯していたことを発表した。
第一が、日本工業規格(JIS)をめぐる法令違反の疑いだ。子会社のコベルコマテリアル銅管の秦野工場が2016年9月以前に出荷した銅製品に関し、JIS規格より厳しい自社規格を満たす狙いから、引っ張り強度や結晶粒度の検査証明書のデータを書き換えていたことが発覚。
これが品質マネジメントの問題として「JIS規格を満たしていない」疑いがあり、JIS認証機関である一般財団法人日本品質保証機構(JQA)の審査を受けるに至ったという。JISと言えば、メイド・イン・ジャパンの象徴だけに、日本の工業製品全体への信頼を揺るがす不祥事になりかねない。
第二が、内部通報で明らかになった問題である。製品の検査データ改ざんを会社が把握した後の社内調査の段階になっても、一部の工場でまだ、管理職を含む従業員がデータの改ざんを隠ぺいして調査を妨害した事実があったというのだ。
隠ぺいがあったのは、同社のなかでも長い歴史を誇る長府製造所(山口県下関市)。今年8月以前に作られたアルミ製品がユーザーと合意していた基準から外れていたにもかかわらず、今夏の自主点検だけでなく、不正発覚後に本社が実施した緊急監査でも隠蔽を続けていた。
会社としての自浄能力のなさが浮き彫りになったどころか、組織ぐるみで隠ぺい工作をしていた可能性が高いという。発覚の端緒も、社内相談窓口への情報提供というお粗末さだった。
自浄能力の欠如が明らかになったのは、日産自動車の不祥事も同じだ。国土交通省から9月に、出荷前の車検とでも言うべき「完成検査」を資格のない者に担当させていた問題を指摘され、同社最大のリコール(回収・無償修理)実施を迫られる事態に陥ったにもかかわらず、国内4工場で是正しないまま無資格者の完成検査を続行していた。
同社は19日、国内の完成車工場6つすべてで国内向けのクルマの出荷を停止すると発表せざるを得ない事態に追い込まれた。出荷の再開までに2週間程度はかかる見通し。不正な検査を続けていた工場から出荷した3万4000台の再検査、リコールも避けられないだろう。一連の費用は約10億円という。
自動車メーカーを代表する「技術の日産」どころか、経営の指揮命令系統が機能しておらず、企業としての体をなしていない。日産の西川広人社長は「再発防止策を信頼していただいた皆さまに深くおわび申し上げる」と陳謝したが、取り返しのつかない不祥事であり、今回の神戸製鋼所の問題とダブルパンチで、日本の工業製品への信頼を根底から揺るがす結果となってしまった。
現場力・課長力の衰退という「病」
神戸製鋼所のデータ改ざん問題の根本的な原因として、新聞やテレビを賑わせているのが「トクサイ」(特別採用)という慣行の悪用だ。
トクサイとは、部材メーカーとユーザー企業の間では、あらかじめ合意していたスペックに届かない製品ができてしまった場合に、必要最低限の強度などを満たしているか確認したうえで、ユーザーが割引価格で買い取る商慣行をいう。
ユーザー側にも調達コストを低く抑えたい、納期内に必要な部品を仕入れたいというニーズがあるため、全体としてコスト削減につながるトクサイを利用することがあるのだ。経緯は不明だが、神戸製鋼所は、このトクサイを相手企業に断らず、勝手にやる風土が根づいてしまっていたようだ。
日産自動車とも共通することだが、「現場力、課長力の衰退」という新種の企業病の可能性を指摘する関係者もいる。
日本の大手製造業では、長引く低成長のなかで、名誉職を含め、企業の上層部に団塊世代やバブル世代が長く居座り続け、製造ラインへの新増設投資は乏しく、若手社員の補充が乏しい傾向がある。要するに、活気がないのだ。
そうした状況においては、減点主義が蔓延しやすい。また、現在の課長職のような下級管理職に20年以上も前からとどまっている人が多いというから、そうした職場が事なかれ主義に陥りがちなのは容易に想像がつく。
わずかな強度不足の検査データの改ざんや、形式的な手続きの性格が強い完成検査の無資格者による実施くらいのルール違反なら、目をつぶってやったほうが、納期遅れやライン停止といった大トラブルを招くよりはマシ、といった感覚になりやすい。
はからずも、表面化したのは日産自動車と神戸製鋼所の2社だが、こうした「現場力、課長力の衰退」は日本の大手製造業に共通の病根ではないかとの見方もある。だとすれば、国や財界、製造業各社は、その種の企業病を徹底的に検証し、対策を取るのが急務であろう。
名門といえども、来期以降は危ない
経営への影響も見逃せない。
インド出身のミッタル氏が率いていた蘭ミッタルが、仏アルセロールを買収してアルセロール・ミッタルを誕生させる前後に、新日本製鉄のような日本の大手鉄鋼会社の買収を目論んでいると噂された時代があった。
当時の神戸製鋼所は、新日鉄、住友金属工業と3社で買収防衛策を講じていたが、新日鉄と住金の2社が合併を決めてからは、神戸製鋼所は自主独立路線を標榜して、多角化をいちだんと推進する道を選択せざるを得なかった。
2016年4月公表の中期経営計画「KOBELCO VISION "G+"(ジープラス)」では、収益の柱として、素材、機械、電力の3本を掲げた。素材のなかでも、伝統的な主力分野である鉄鋼と違い、アルミ事業は新規多角化の重点分野だ。アルミ圧延品の国内シェアでは、首位のUACJ(新日鉄住金系)の約34%に次ぎ、神戸製鋼所が約18%で2位につけている。
だが、そうした多角化路線も順調に進んできたとは言えない。連結決算を見ると、2017年3月期まで2期連続で200億円を超す最終赤字に沈んでいる。今期に入って第1四半期にやや持ち直して復配の見通しを公表していたものの、今回の不祥事によって、その実現にも黄色信号が灯ったとみるべきだろう。
今後の業績への影響で、まず避けられないのが、検査データをねつ造していた製品の交換費用の支払いだ。
前述のJR西日本に加えて、日立製作所が16日、英国向けの高速鉄道車両に神鋼製の問題部品を組み込んでいたことを明らかにしたうえで、部品交換費用の請求を「そういったものも含めながら検討していく」(正井健太郎常務)との姿勢を明確にしたという。SUBARU(スバル)もリコール(回収・無償修理)に発展した場合、「ルールに従い求償することになる」との考えを示している。
ウェットな日本企業は、製品の交換に伴う実費だけで許してくれるかもしれないが、ボーイングやGM、GEといった訴訟社会・米国の企業は、生温い対応ではユーザーや株主から訴訟を受けかねないリスクがあり、多額の損害賠償を請求してきてもおかしくない。
今年1月、エアバックのタカタに罰金や賠償のための補償基金への支払いなど総額10万ドル(1150億円)を負担させることで、同社を身売りに追い込んだ米司法省が、神戸製鋼所にどのような対応をしてくるかも油断ならない。
また、ユーザー企業が株主・顧客対策として、調達先を神戸製鋼所以外に切り替える動きが続出することも確実視される。会社が出している業績予想から売上高が10%減ると仮定すると、1880億円の減収になる計算だ。同社の予想する今期の最終利益額は350億円だから、大幅な減収になれば巨額の最終赤字転落は避けられない。
神戸製鋼所は歴史が古く分厚い資産を持つ名門企業だから、今期ぐらいは乗り越えられるだろう。たとえそうだとしても、リカバリーが遅れれば、来期以降、経営危機が深刻化することも考えられる。
「東芝型」の解体・一部売却も?
こうしたなかで、気の早い事情通の間で早くも囁かれているのが、経営破綻が現実味を帯びて足もとを見られる前に、政府・経済産業省あたりが中心になって、生き残りを大義名分に掲げた東芝型の売り食い戦略を神戸製鋼所に迫るのではないかとの見方だ。
世界的な生産過剰から抜け出せない本業の鉄鋼部門を抱えたまま身売り先を探すよりは、こうした事業の解体・一部売却の方が実現性が高いという。東芝における東芝メディカルや東芝メモリーに相当する、神戸製鋼所の事業(売り物)として、アルミ事業と発電事業の二つが下馬評に上がっている。
ちなみに、アルミ事業は、この事業を持たない鉄鋼業界2位のJFEか、この部門をJFEに渡したくないであろう新日鉄住金が買い手候補だ。
神戸市を中心に展開する発電部門は、電力自由化で関西エリアへの攻勢を強めている東京電力と中部電力の合弁会社JERA(ジェラ)か、JERAに近畿地方で大型発電所を持たせたくない関西電力が潜在的な買い手候補という。が、いずれの部門も、シャープや東芝のように中国勢や韓国勢が買収に名乗りをあげた場合、事態が混迷して出口が見えにくくなる懸念もある。
このように、神戸製鋼所の未曽有の不祥事は、日本の製造業への世界的な信頼を損ねるだけでなく、同社自身の破たんや身売り、事業売却に発展しても不思議のない展開を見せている。
東芝の不正会計問題もまだ解決を見ていないなかで、またも名門企業の数十年にわたる不祥事隠しが明らかになるというのは、日本企業の「経年劣化」がいかに深刻であるかを物語っているのではないか。


「モリカケ疑惑」も不問に 何をやっても許される日本社会
 総選挙の期間中、なぜか大手メディアは「モリカケ疑惑」についてほとんど追及しなかった。
 籠池氏を監獄に閉じ込めておいて「籠池氏は詐欺を働く人間で、昭恵夫人はだまされてしまった」という安倍首相の暴言は、司法の独立を侵すものだったのに、ほとんど問題にされなかった。加えて、総選挙と同時に行われた最高裁裁判官の国民審査の対象になっていた判事のひとりは加計学園の元監事だったのに、そのことも報じられなかった。結果は自民党の勝利である。
 モリカケが不問にされた、こうした現象は、なにをやっても許される、責任を問われない、という日本社会の劣化が、隅々にまで蔓延していることの証左なのではないか。
 選挙中に神戸製鋼や日産自動車の不正が発覚した。神戸製鋼も日産も長期間、データの改竄など不正に手を染めていた。しかも日産は不正が発覚し、社長が謝罪した後も平然と不正を続けていた。
 呆れるのは、神戸製鋼も日産も、経営が苦しいためにやむにやまれず、仕方なく不正をしていたわけではないことだ。神戸製鋼は約3300億円、日産にいたっては4兆円を超える内部留保をため込んでいる。儲かっているのだ。
 要するに、何をしても許される、責任は問われない、と考えているのだろう。実際、東芝も、三菱自動車も不正なことをしても刑事責任を問われていない。神戸製鋼と日産の経営者も罪に問われることはなさそうだ。
「自分は何をしても許される」「選挙で有権者から信任を得た」と開き直っている安倍首相の政治姿勢が伝播してしまったのではないか。
 振り返ってみると、バブル崩壊以降の“失われた20年間”も、刑事責任を問われた経営者や監督官庁の責任者はほとんどいない。福島第1原発事故を起こした東電も経産省もそうだ。
 これほど無責任体制が蔓延し、モラルの低い企業経営者ばかりになっては、日本経済が上向くはずがない。事実、電機産業もエネルギー産業も、日本企業は国際競争力が大きく低下している。間違いを正す、間違ったら方向転換する、という文化がなければ、日本経済が発展するはずがない。総選挙で安倍首相に責任を取らせなかったことで日本はまた壊れていく。


【解剖「維新の会」(上)】 橋下氏不在補えず…「何で希望と組んだんや」罵声浴びた候補 維新低調に「崩壊の始まり」指摘も
率直に負け認めた松井代表、最初から予期していた?
 衆院選が投開票された22日夜。
 間もなく日付が変わるという時刻になっても、当選者の名前が掲げられるはずのボードは真っ白なままだった。
 大阪市内のホテルに設けられた日本維新の会の開票センター。テレビのニュースが報じる「当選確実」に、維新の候補者は一人もあがらない。重苦しい空気が漂う中、ようやく幹事長の馬場伸幸に当選確実が出ると、「馬場先生に出た! 良かった!」と、控室の関係者から悲鳴にも似た声が上がった。
 結局、維新が獲得できたのは11議席。希望の党や立憲民主党という新党の波にのみ込まれ、公示前から3議席減らした。維新誕生から7年間、大阪で苦汁をなめさせられ続けた自民党からは「維新の崩壊の始まりだ」(府連所属の国会議員)と、威勢の良い言葉まで飛び出した。
 「われわれの力不足。これに尽きる」「維新の力はこんなもんだ」。1人で記者会見した維新代表の松井一郎は、率直に負けを認めた。表情には遊説で全国を駆け回った疲れが張り付いていたが、言葉の端々には、初めからこの結果を予期していたような気配も漂っていた。
「振り返っても仕方ない」
 本拠地・大阪の比例代表で得票数が初めて100万票を切る約93万5千票となり、第一党の座を自民に明け渡した維新。大阪府内の選挙区は3勝12敗と全敗は免れたものの、大阪以外では当落争いにさえ食い込めず、埋没した。
 「なんで希望と組んだんや」。選挙期間中、こんな罵声にも似た声を浴びせられた維新候補者は少なくなかった。「戦略的互恵関係」として大阪には希望が候補者を立てず、維新も東京での擁立を見送る「連携」が成立したが、ある候補は「希望との連携で『孤立無援でも頑張ってほしい』という維新ファンが離れた」と唇をかんだ。
 だが、松井は連携の成否は「振り返っても仕方ない」とし、今後については「希望の党さんとも是々非々。政策が違えば協力はできない」と明言した。ある維新幹部は、「希望との連携は選挙で候補者をすみ分けただけで、政策のすり合わせはこれから。全くの白紙だ」と語る。
 維新が希望と連携した狙いの一つは、前代表の橋下徹不在で戦う初の衆院選で、「東京のキー局を完全にジャック状態」(維新幹部)だった希望代表・小池百合子の「発信力」を活用することだったとみられる。
 だが、小池の「排除」発言を機に、発信されるのは「ブラック情報」ばかりに。まるでゲーム盤上の石が一瞬で1色になる「全消し(パーフェクト勝ち)」のように動く“風”に、ある自民関係者はこう語った。
 「大きな潮流には逆らえないのが、国政選挙。橋下なら逆流させられるが、今の維新メンバーには、それはできない」
維新は「大阪のことしか考えないローカルパーティー」 離反におわせる声も
 選挙区で大阪以外「全敗」の代償は大きい。関西の維新関係者の間には、大阪と東京のみで希望と候補者をすみ分けたことに「大阪だけを優遇し、ほかは切り捨てられた」との不満が渦巻き、離反をにおわせる声すらある。
 ある地方議員は「希望とのすみ分けはマイナスイメージしかなく、有権者を戸惑わせた。結局、大阪の候補者に甘いだけ」と指摘。ある候補者は「京都、奈良、兵庫では希望とつぶし合い、共倒れになった。結局、維新は大阪のことしか考えないローカルパーティーだ」と断じた。
 大阪の地方議員も「少しずつできてきた地方組織も、今回を機にしぼんでしまうだろう」と懸念する。そもそも、国政進出は看板政策「大阪都構想」実現に必要な法改正を成し遂げることが目的だった。それがとうに達せられた今、「自民党をぴりっとさせる勢力」(松井)と抽象的な政党像しか語れない維新は、国政政党として何を目指すのか。
 維新幹部の一人はこう語った。「『橋下商店』からわれわれが自立し、天下の一大事のときには橋下徹が復活して、大改革をする。それが目標だが、今のわれわれにはまだまだ遠い」
     ◇ 
 衆院選で「自公」「希望・維新」「立民・共産・社民」の3極対決を打ち出したが、埋没した維新。その背景と今後に迫る。(敬称略)


衆院選 維新の松井氏に代表辞任論 「大阪都構想傾注を」
 日本維新の会が衆院選で惨敗したことで、「大阪都構想」の実現を目指す地域政党・大阪維新の会に危機感が高まっている。大阪維新府議団が24日に開いた会合では、来秋に再実施を目指す「大阪都構想」の住民投票に注力するため、松井一郎代表(大阪府知事)に国政政党トップを退くよう求める意見が出た。市議団は住民投票に向けた対策本部を発足させたが、都構想に反対する自民は対決姿勢を強めている。
 「ローカルパーティー(地域政党)としてやることと国政政党としてやるべきことが、ぐちゃぐちゃになっている。松井知事は、大阪を変えてから日本を変える形に集中すべきだ」
 24日の大阪維新府議団総会で、青野剛暁元府議が強調した。青野氏は大阪維新結党時からの中心メンバーで、衆院選に大阪13区に挑戦して落選。大阪維新幹部は「都構想に松井知事が傾注できる態勢をつくれという趣旨だろう」と一定の理解を示した。
 日本維新の会は大阪維新を母体に2012年に創設され、現在は松井氏がともに代表を兼ねる。今回の衆院選では公示前の14議席から11議席に後退。比例復活を含めた府内での獲得議席は7で、公示前の11から減らした。大阪市内では小選挙区に擁立した3人全員が落選(1人は比例復活)した。選挙の強さが力の源泉だった維新にとって、住民投票実施への協力を求めてきた公明党との関係が揺らぎかねない結果だ。
 23日には大阪維新政調会長の吉村洋文大阪市長が記者団の取材に「敗北であることは間違いない。役員会や全体会議で議論になると思う」と発言。日本維新は規定で衆院選投票日から45日以内に臨時党大会を開き、代表選を実施するか決める。松井氏は22日夜の記者会見では「代表を代えるかどうかは党員の皆さんが判断する」と述べるにとどめた。
 一方、大阪維新市議団は24日、住民投票実現に向けた対策本部を発足させた。前回の住民投票(15年5月)が党本部主導だった反省から、住民に近い立場から戦略を練る。年内にも市民対象の意識調査を実施し、具体策の検討を進める。
 自民は維新と争った大阪市内3選挙区に全勝。市議団の黒田當士幹事長は「選挙戦で公明も自民も都構想に反対だと明確に言った。全て小選挙区で勝ったことは大きく、影響がないことは絶対にない」とけん制した。【念佛明奈、岡崎大輔、椋田佳代】


元SMAP3人映画「クソ野郎」 ヒロイン候補に挙がる女優3人
 テレビ局や芸能プロ、はたまた映画関係者らは気が気でない。元SMAPの稲垣吾郎、草剛、香取慎吾が出演する映画「クソ野郎と美しき世界」のことである。
 公式ファンサイト「新しい地図」で製作が発表され、来春の公開になるという。本来の映画製作であれば、公開時期を考えればすでに撮了し編集作業に入っていなければならないが、現時点では撮影はおろか共演者情報も一切なしの異例の事態。
 しかも、「来年5月に公開される木村拓哉主演の映画『検察側の罪人』と時期がもろにぶつかる。『検察側――』は木村と嵐の二宮和也(34)が初共演することでも話題を呼んでおり、東宝が配給する大型企画。重なる公開時期と“クソ野郎”という意味深なタイトルからして、稲垣、草、香取の3人が元仲間だった木村に対し、ケンカを吹っかける展開だともっぱらです」(映画関係者)。
 その気合はなかなかのもので“クソ野郎”は全4部作になるという情報もある。
「3人は一作ずつ出演し、最後の4本目で揃って共演するスタイル。オープニングはそれぞれ後ろ姿で街をうろつくシーンから始まり、ファンサイト『新しい地図』のPV映像につながる仕掛けを施すようです。何かを探し求めている3人のドキュメント映像が挿入され、かなりメッセージ性の強い作品になる。上映スタイルは、現段階ではインディペンデンスの単館かネット公開が濃厚。ヒロインは菊地凜子(36)や水原希子(27)、草が連ドラでリメークした韓国映画『猟奇的な彼女』のヒロインだったチョン・ジヒョン(35)などの名前が挙がっています」(事情通)
 製作の陣頭指揮をとるのは、3人が所属する「CULEN」代表で、元SMAPのチーフマネジャーだった飯島女史。「今回の製作費は彼女主導のもとファンサイトの余剰資金でまかなうのでは」(前出の事情通)という
 ジャニーズ事務所では禁止されていたSNSを積極的に活用し、市場拡大を狙う手法に出たかと思えば、来月にはネット放送局「AbemaTV」で72時間の生放送も控えている。飯島女史の手腕により退所組3人は注目を集めまくっているが、古巣のジャニーズ事務所も黙ってはいない。
「当初は沈黙していたもののここまであからさまに仕掛けられると事情が違ってくる。最近はCULENに関する情報収集を積極的に行っているようです。映画にせよ、ウェブにせよ、ジャニーズのコンテンツとかぶるようなことが続けば、新たなバトルが勃発するかもしれません」(民放キー局関係者)
 仁義なき戦いは続く。


"安倍圧勝"が示す日本人の憂慮すべき「矛盾」 安倍首相は奇妙な立場に身を置くことになる
ダニエル・スナイダー : スタンフォード大学教授
安倍晋三首相は、再び批評家たちの予想を退け、戦後の政治家の中で最も優秀な1人であることを証明した。
支持率を揺るがすスキャンダル、そして政権与党である自由民主党の内部からの長期にわたるリーダーシップへの批判に直面し、安倍首相は先制攻撃を選んだ。相手の攻撃態勢が本格化する前に、解散総選挙に打って出ること、そして北朝鮮をめぐる切迫した危機感を利用することで、国全体および与党内において、彼は見事に自分の権力を再構築したのである。
日本の有権者の意識には矛盾がある
そうなった今注目すべきは、この新たな権力を安倍首相がどう使おうとしているかだろう。途方もない野望にも見える、憲法改正という生涯の目標に利用するのだろうか。それとも、戦時期に端を発するもう1つの歴史的アジェンダにけりをつけ、ロシアと平和条約を締結するのだろうか。
まもなく来日する、アメリカのドナルド・トランプ大統領が引き起こすきりのない混乱に、どう対処し続けていくつもりなのだろうか。そして、実際のところ、北朝鮮で何が起こるのだろうか。何よりも重要な問いは、国民に約束した経済成長戦略を成功させられるのか、ということだ。
「政策という面では、総選挙の効果は限定的だろう」と、テネオ・インテリジェンスの日本専門アナリストである、トビアス・ハリス氏は予測する。「連立政権の勝利は安定と持続をもたらしただけだ」と、彼は開票結果直後に書いた。
そうであれば、補正予算から一般予算、そして日本銀行の独立性をめぐる重要な決定といった、対内政策にまず着手することになるのだろう。優先順位において、憲法改正は後ろに追いやられる可能性が高いと、ハリス氏は考えている。
もっとも、安倍首相は外交安全保障政策を、自分の功績の中心に据えるような首相だから、上記の問題は彼の意識の最前方にあるに違いない。しかし、これらを深く掘り下げる前に、今回の選挙で何が起こったのかを理解することが重要である。
出口調査で再び明らかになったことだが、日本の有権者の意識には矛盾がある。自公連立政権の存続は支持したが、政策はおろか安倍首相という人物さえも支持していない。憲法改正、税制、そして想像の域を出ない北朝鮮の脅威に対する対応という点では、国民の過半数が安倍首相の政策に反対、あるいは全面的には賛成していない。
むしろ、安倍首相は25年以上前に制定され自民党を下野させた選挙制度を、ものの見事に逆手に取ったといえる。1人区を設けた目的は2大政党制度の実現を促すことで、これは有権者がどちらかの政党を選ぶという、米国式の政治形態だ。
2009年の選挙では、民主党(当時)が中道左派の受け皿となったことでこの制度が機能し、根こそぎ票をさらった。しかし、民主党執行部の崩壊で野党が分裂し、この選挙制度はいまや皮肉にも、自民党候補者に利をもたらすものになっている。得票数が過半数に届かなくても、ほとんどの1人区で苦もなく勝つことができるのである。
国民から支持を得ているわけではない
民進党の無力さを穴埋めし、自民党に代わる本格的な中道政党の選択肢を確立するために動いた、小池百合子東京都知事に、安倍首相は多少の恐怖を感じた。が、解散総選挙に持ち込むことで、安倍首相は小池都知事を油断させた。そして、選挙運動で、小池都知事自身の傲慢さと、国政を担う政党としての未熟さが露呈した。
皮肉にも、小池都知事の新政党立ち上げは、身動きが取れなくなった民進党を分裂させ、よりまとまりのある政党に生まれ変わらせた。しかしそれは、憲法改正反対で結集するには効果的かもしれないが、かつての社会党のように、単独で政権を握ることができない政党である。
今回の選挙結果で安倍首相は、「奇妙」ともいえる立場に身を置くことになる。絶大な権力が手中にある一方、自分の意に沿ってそれを行使するのに必要な、国民の支持がないのである。
外交安全保障政策、特に日本の唯一の同盟国である米国との関係性についていえば、同じようなジレンマが存在している。安倍首相は、米国との、ほかの国との間にはない、親密な関係に満足している。安倍首相の上級顧問たちは、トランプ大統領の影響力を利用するよう進言さえしている。しかし、2人の良好な関係は、トランプ大統領の政策に安倍首相が、意識的に反論しないことが前提である。いざ反論する否や、2人の関係は冷めるだろう。
日本の政府関係者におけるトランプ観は、さまざまな会話の中で筆者の耳にも入っているとおり、極めて実利的だ。トランプ大統領が民主主義を脅かしていることについて、道義的な反応はまったくない。むしろ、安倍首相の顧問の1人が筆者に述べたように、東京では基本的に2つの結論が出ている。
1つは、トランプの外交安全保障政策は、その内容においても政権内で専門的な知識が欠如していることにおいても、めちゃくちゃだということ。このような体制を率いるトランプ大統領は、日本を含め、他国の主権をまったく尊重していない。しかしながら、われわれはトランプとうまくやっていかなければならない、それ以外の選択肢はないのだから、と彼は言葉を継いだ。
トランプ大統領が短期滞在で来日する11月5日に、このような日米の関係性が明るみに出るだろう。ゴルフに始まりプライベートな夕食会、天皇謁見(えっけん)、自衛隊と米軍施設の訪問に至るまで、その目的は良好な関係を視覚的に立証するためだけではなく、貿易のように神経を逆なでする問題を避けるためでもある。両国の役人は、訪問の成功を確実なものにしようと超過勤務で働いているのだから、うまくいかないと考える理由はないだろう。
日本の官僚たちが憂慮していること
穏やかな水面下には、北朝鮮という氷山が漂っている。ワシントンで耳にする機会が多くなった戦争の可能性――それが北朝鮮のミサイルに対する防衛的な攻撃であれ、紛争に発展する筋書きであれ――とは対照的に、日本の政務官たちは、軍事オプションは現実的な選択肢には入っていない、と自信満々に言い続けている。
米国が軍事行動に出るという脅しは、1つには中国を動かすため、もう1つはグアムの米軍基地に向かってミサイル実験をするような、挑発的な行動をこれ以上北朝鮮に起こさせないための道具だと、彼らは考えている。
日本のある官僚によれば、彼らが本当に憂慮しているのは、日本を犠牲にしてトランプ大統領が北朝鮮と駆け引きをすることなのである。彼らが描く米国の譲歩案らしきものでは、北朝鮮に米国本土に到達する長距離ミサイルの実験と開発をやめることと引き換えに、米国が北朝鮮への制裁を解除し、おそらく自国の軍事演習を縮小することだ。
これは、米国を守る取引であり、自分が仕掛けた圧力という政策が功を奏した結果だと、トランプ大統領は公言できるだろう。しかし、この内容では、北朝鮮の核による脅迫と威圧に、日本と韓国が今にも増してさらされることになってしまうのである。
とはいえ、日本の官僚の一部は、トランプ大統領が軍事オプションを選択し、日本が北朝鮮の報復対象になる不安はあると認めている。これが現実になったとしても、そのときに安倍首相がトランプに盾を突く可能性はほぼない。
このことを心配する日本人の政策立案担当者もいる。「日本は自国の責任において、何らかの行動を起こさなければいけない」と、ある元外務政務次官は言う。「もっと自らで行動し、トランプ大統領の政策で日本を破壊させることは許されないと、彼に理解させるべきだ」。
日米安全保障条約の範囲内では、より強力な日本の自主性を模索する動きが出てきている。日本はTPP11と呼ばれる「環太平洋パートナーシップ協定」に署名した国々が集まる話し合いで、リーダーシップを発揮した。
スパイダーマンは言っている
日本からのネゴシエーターはTPP11で合意に至ることを願っており、それができれば、来月のアジア・パシフィック・サミットで、合意内容を発表できる。日本は米国がTPPのテーブルに復帰することを願っているが、その一方で、話し合いを引っ張る現在の立場にますます満足している。
安倍首相はまた、長らく延期になっている、日中韓の首脳会談を12月に招集したい意向だ。これに加え、長期にわたって模索しているロシアとの平和条約を締結し、千島列島の領土問題を解決する道をいまだに探っている。しかし、条約締結には安倍首相が譲歩して、1956年の「日ソ共同宣言」の内容を受け入れる必要がある。
しかし、安倍首相が憲法改正に力を注ぐときが来れば、日本のリーダーシップ確立に向けた試験的な歩みがすべて無駄になりかねない。そのときとはつまり、祖父の岸信介に倣って、米国に強要された憲法とその中にある平和条文には、本質的に日本の自治権が欠如しているという議論を、憲法改正によって、少なくとも象徴的に、解決する目的で権力を行使するときである。
自身が望む第9条の内容よりも、はるかに骨抜きの書き換えを提示することを余儀なくされてきた安倍首相だが、この状況にあって、自民党がもともと画策していた全文差し替えという野望に立ち返ることを選ぶかもしれない。
しかし、強硬に憲法改正を推し進めることは、北朝鮮問題の当事国である中国と韓国との間に、新たな緊張を引き起こすことは明らかだ。また、政治体制は言うまでもなく、日本国民が、長い間手を触れていない、そして、国際秩序における戦後の日本の役割について大きく意見が分かれる可能性がある、この議論を始める心の準備ができているのかどうかは、はなはだ怪しい。
今回の選挙で安倍首相は再び、揺るぎない権力を手に入れた、少なくともこの瞬間は。しかし、スパイダーマンがこう言っている、「大いなる力には、大いなる責任が伴う」。


巨大与党でヒトラー化する安倍首相 国民生活の今後<上>
この選挙制度の悪魔的弊害と「健全な保守」などと言っている野党のバカぶり
「力強い支持を国民からいただいた」――。
 衆院選から一夜明けた23日、自民党本部で開かれた会見で、安倍首相はドヤ顔で選挙結果を振り返り、こう威張っていた。つくづく国民は最悪の選択をしたと言わざるを得ない。
 3割台の支持率しかない政権で、大多数の国民が続投を望まない男が日本の最高権力の座に今後も居続ける。考えるほど頭がクラクラしてしまうが、この選挙結果でハッキリしたことがある。289選挙区のうち、自公、希望・維新、立憲・共産という3極対決となった208選挙区では、自公が173勝と8割超を制した。つまり、選挙区で1人しか当選しない小選挙区制度では、野党が分裂する限り、相対的に与党が漁夫の利を得る、ということだ。制度の「悪魔的弊害」と言っていい。
 野党が巨大与党を打ち負かすには、小異を捨てて大同につき、保守からリベラル、共産党まで含めた野党連合で対峙する以外に道はない。今回のように野党が3極にも4極にも分裂する限り、万年与党・野党の構図は決して変わらないだろう。そして何よりも不幸なのは、有権者が政権選択ができない状態が永遠に続くということだ。
 過去の選挙でその教訓を学んでいるにもかかわらず、選挙前に民進党の前原代表は「非自民・非共産」などと言い、希望の候補からも「健全な保守」なんて声が出ていたのだから、“野党ボケ”としか言いようがない。政治評論家の森田実氏がこう言う。
「かつての中選挙区制であれば政権交代はとっくに起きていたでしょうが、今さら、選挙制度を戻すのは現実的ではありません。となれば、今の小選挙区制度で、いつ大暴走しても不思議ではない極限状態にある安倍独裁政権を止めるには、野党が大同団結するしか方法がありません。大義は『独裁阻止』で十分で、細かな主義主張は二の次で構わないのです」
 バカな野党のせいで、国民は危急存亡のときに立たされてしまった。
窮地の小池と希望は必ず安倍にすり寄るだろう
 希望が失望に転じた「小池劇場」の悲惨な結末には目が当てられない。側近の若狭勝は落選、お膝元の東京は1勝22敗の大惨敗。唯一当選した長島昭久は、選挙ポスターの小池とのツーショット写真をシールで隠す奇策が功を奏したというから、もはや笑い話だ。
 今夏の都議選で「都民ファーストの会」を躍進させたことで、政界の主役に躍り出た小池だが、求心力は急激に低下。希望は小池が出張先のパリから帰国する25日、両院議員懇談会を開き党人事と首相指名を協議する。
 その場で代表辞任を含め“小池批判”が噴出するのは確実だ。
 希望の落選者の中には「人生を狂わされた」と恨み節を口にする者もいるという。まあ、小池人気に群がろうとした連中がどの口で言うのかと呆れてしまうが、小池が崖っぷちに立たされているのは事実。
 離党者が続出し、崩壊状態に陥るのは時間の問題だ。小池がこの窮地を脱するには、選挙中に批判しまくった安倍にすり寄るしかなさそうだ。政治評論家の伊藤達美氏が言う。
「小池氏が潔く代表を辞任すれば済む話ですが、小池氏はそんなことをすれば自らの政治家生命が絶たれると拒否するでしょう。復権を目指す小池氏に残されているのは、五輪の協力などで自公と緩やかに連携していく方法しかない。朝鮮半島有事や憲法改正で現実的な政策議論をしながら政策担当能力をアピールしていく。改憲勢力として安倍政権に加担していくことが政治家として生き残る道となりそうです」
 落ち目の小池を延命させるために改憲論議が加速するなんてことがあってはならない。
権力亡者が身内も「飽きる」10年政権のおぞましさ
 自公大勝が招く最悪のシナリオは、安倍の自民党総裁3選、10年に及ぶ超長期政権の実現だ。政治評論家の本澤二郎氏はこう言う。
「台風直撃で投票率は戦後2番目の低さとなり、組織力のある自民党に有利な戦況ではありました。とはいえ、内閣支持率は不支持率を下回り、世論の半数がアベ続投を拒否している状況で、自公で3分の2の勢力を維持したなんて、にわかに信じられない。安倍首相は曲芸と禁じ手で総理のイスにしがみついてきた権力亡者。今回の圧勝でモリカケ疑惑の免罪符とフリーハンドの信認を得たとばかりに、やりたい放題になるのは明々白々でしょう」
 安倍のオツムにあるのは、祖父の代からの悲願である改憲だけ。一再ならず「私は立法府の長であります」と明言し、加計疑惑を追及した野党議員に「アナタ、責任取れるんですか!」と逆切れ。安倍の強引な国会運営に批判的な有権者を「こんな人たち」と切り捨てた。主権者である国民をないがしろにし、国会を蹂躙する世紀の自己チュー、反知性の問題人物が佐藤栄作元首相(2798日)、吉田茂元首相(2616日)の在任期間超えに“リーチ”をかけたのだからおぞましい。
 毛嫌いされる安倍の名代で選挙中に全国を飛び回った小泉進次郎筆頭副幹事長が「おごり、緩みだけでなくて、飽きだ。だんだん飽きてきている」などと世論を代弁する形でアベ批判を口にしたが、それは党内に渦巻く本音でもある。数の力をかさに独裁色を強め、アベ友だけが甘い汁を吸うデタラメ政治の横行は身内が一番よく分かっている。それでも引きずり降ろせない愚の骨頂。史上最低総裁に史上最長任期を与えようとする自民はまるでマンガである。
全ての法律が自動成立 大政翼賛会で加速する労働者と弱者、言論弾圧
 自公与党で定数の3分の2を上回る313議席を確保。「是々非々」の維新が11議席、希望は50議席を占め、改憲・安保法制容認の親アベは衆院の8割を占める巨大勢力に膨れ上がった。
 加速する国会の大政翼賛会化で最も苦しめられるのは、言うまでもなく国民だ。安倍政権は世論が猛反発した特定秘密保護法と安保法を強行採決。テロ対策だと大ボラを吹いた共謀罪法は、委員会審議打ち切りの中間報告なる禁じ手を使い、力ずくて成立させた。さらに数の力を増し、露骨に異論封殺に動くのは目に見えている。
 まず俎上に載るのが、「働き方改革」と称した裁量労働制の拡大だ。残業時間の罰則付き上限規制と、高年収の専門職を規制外にする「高度プロフェッショナル制度(高プロ)」の導入を画策している。
 労働問題に詳しい政治学者の五十嵐仁氏は言う。
「自公は残業時間の上限を〈年720時間まで〉〈月最大100時間未満〉と規制し、労働者保護を装っていますが、疑似餌に過ぎません。過労死ラインの100時間まで残業を認めるのはメチャクチャですし、高プロの実態は『残業代ゼロ』です。労働力を安価にコキ使うことに主眼を置いたこの法案に賛成する労働者がどれほどいるでしょうか。しかし、安倍政権と近い経団連が法制化を求めている。衆参両院で3分の2の勢力を再び手にした安倍政権は強引に押し通そうとするでしょう」
 安倍の胸三寸でどんな法律でも自動成立しかねない。
 政府の暴走にストップをかけるのが「第三の権力」と呼ばれるメディアの役割だが、囲い込みと恫喝で骨抜きにされた大マスコミにそうした気概はもはや期待できない。選挙戦の最中は公正中立を大義に、政権を直撃するモリカケ疑惑の報道を自粛。各党の主張を横並びで伝えて争点をボヤかし、与党大勝をアシストした。
 そうした中で国政選挙5連勝をモノにした安倍官邸が味を占め、ご都合主義の言論弾圧をさらに強めるのは言うまでもない。


巨大与党でヒトラー化する安倍首相 国民生活の今後<下>
もう他党との連携を言い出した改憲スケジュールの前倒し
「与野党にかかわらず、幅広い合意形成に努める」――。選挙期間中はほとんど触れなかったのに、安倍は23日の会見で早速、憲法改定の国会発議について、他党との連携の必要性に踏み込んだ。
 開票当日にテレビ各局の選挙特番では、「希望の党の皆さんは憲法改正に前向き、建設的な議論をしていこうという人が多い」と、選挙中に批判していた希望の党に秋波を送っていた。二階俊博幹事長も小池との連携について、「お話し合いをした上で、そういうふうになる場合もある」と、すっかり“ノーサイド”だ。
 解散する前に、安倍は来年9月の自民党総裁選で3選を果たした後に衆院解散。改憲を問う国民投票を同時に実施する青写真を描いていた。一部メディアは、新たに4年の衆院任期を得たことで改憲の手続きは焦らないと書いたが、安倍にその気配はない。
 19年春には4年に1度の統一地方選、夏には参院選を控えている。地方選直後では地方議員の活動量低下が懸念されるだけに、下手をすれば参院選で改憲勢力が3分の2を割り込む可能性もある。先送りすれば悲願の改憲が遠のく恐れがあり、安倍は何としても改憲発議のスケジュールを18年中にねじ込むつもりだ。
「安倍首相は選挙中、消費税の使途や北朝鮮危機の対応について何度も演説していましたが、改憲についてはほぼ口をつぐんでいた。改憲の是非について最後は国民に信を問う必要があるのに、国民の間で議論はほとんど深まっていません。それでも、安倍首相は『選挙で信を得た』とか言って、改憲に突き進むのでしょう。自らの悲願のためとしか思えず、まさに“自己都合改憲”と言わざるを得ません」(高千穂大教授・五野井郁夫氏=国際政治学)
 こんな横暴を許してはダメだ。
自衛隊明記など自民改憲4項目で戦争国家完成へ
 安倍自民党が衆院選の公約に掲げた改憲4項目はー衛隊の明記教育の無償化・充実強化6杁淹態対応せ乙脹,旅膓莢鮠叩宗宗C罎任盒欧蹐靴い里廊,鉢だ。
 まず自衛隊明記は、最高指揮官である首相の権限を明治憲法の天皇大権に近づけるものだ。
 現状、憲法に根拠を持たない自衛隊の活動限度には裁判所のチェック機能が働いている。しかし自衛隊明記でその活動が憲法上、揺るぎないものとなれば裁判所の干渉の余地は狭まる。
 その分、自衛隊法に基づく首相の最高指揮監督権と防衛出動(=開戦)命令権が強化されてしまう。明治憲法下で天皇が独占した「陸海軍への統帥権」「編成・予算決定権」「宣戦権」に匹敵する巨大な権限を、暴走首相に与えかねないのだ。立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)はこう指摘する。
「朝鮮戦争のただ中の1952年、日米両国で交わした密約により、米軍は戦時に自衛隊を自由に指揮できる権利を有しています。9条改憲で自衛隊を認めると、米国の軍事戦略の下、自衛隊が世界中の戦争に利用される歯止めが利かなくなる。それこそが、安倍政権の狙いなのではないか」
 緊急事態対応はさらに危うい。自民の改憲草案には「首相が緊急事態を宣言すれば、首相の意向が法律と同等の効果を持ち、国民はこれに従わなければならない」旨が書いてある。
「問題は何をもって『緊急事態』と認定するかが、首相の一存で決められることです。ひとたび首相が緊急事態を宣言すると、国民のあらゆる権利と自由が制限されてしまう。いわば『国難』を奇貨とした独裁も可能なのです」(聖学院大教授・石川裕一郎氏=憲法・フランス法)
 教育無償化の美名に惑わされてはいけない。アベ改憲は戦争国家と独裁完成への総仕上げなのだ。
ナチスとヒトラーはこうして独裁体制を築いた
「ナチスの手口に学んだらどうかね」――。麻生副総理が4年前に発した妄言だが、安倍独裁の完成が近づく今こそ、国民は「ナチスの手口」を学ぶ必要がある。
 権力掌握のためにナチスとヒトラーが用いた手口が、ドイツ国民は内外の敵に脅かされているというプロパガンダだ。その敵とは「第1次世界大戦の戦勝国に押しつけられたドイツ制裁のベルサイユ体制」であり、「戦争の惨劇を利用して富を貯め込むユダヤ人」であり、「台頭する共産主義勢力」である。
 ヒトラーは演説で敵の脅威を散々あおり、民衆の理性より感情に訴えかけた。危機に怯える国民の感情を治安立法や軍備強化に悪用し、着々と独裁体制を築いていったのだ。典型的な「ショックドクトリン」であるが、ヒトラーがあおった敵をそれぞれ「押しつけ憲法」「中国人と朝鮮民族」「反安倍のリベラル派」に置き換えれば、今の日本の政治状況はナチ前夜とそっくりである。
 そして安倍は今回の選挙演説で、ヒトラーが独裁のために乱用したワイマール憲法の「大統領緊急措置権」に相当する「緊急事態対応」には一切触れず、北の脅威だけを連呼して突破した。まさにナチスの手口である。前出の石川裕一郎氏はこう言った。
「危惧されるのは、世相までナチ前夜に酷似してきたことです。
 ユダヤ迫害を連想させるヘイトスピーチがネット上にあふれ、『憲法を変えないと戦争できないから北朝鮮になめられる』という、理性よりもシンプルな感情が先に出てしまう空気がはびこる。安倍首相の選挙演説では、日の丸旗を振る支持者と持たない反安倍派がいがみ合う。『日の丸』は国民統合の象徴のはずなのに、まるでナチス旗を持つか、持たないかのように国民を分断する道具になっている。これらの不穏な空気とナチス独裁を許した当時のドイツの世相はどこかリンクしているように思えてなりません」
 理性が感情にかき消される社会の行き着く先は独裁しか待っていない。
立憲による国民運動の高まりで独裁者の野望は砕けるのか
「損得勘定でやっているのではない。憲法を軽んじる安倍政権を倒すためにやっている。見返りは民主主義だ」。開票日の選挙特番で、立憲などとの野党共闘に臨んだ理由を問われた共産党の小池晃書記局長はこう説明していた。
「壊憲」に突き進む安倍政権を阻止するために候補者を取り下げるなど、党利党略はもちろん、政党間の垣根を越えて選挙戦に挑んだ姿勢には本当に頭が下がる。「見返りは民主主義」なんてセリフは安倍首相の口からは逆立ちしたって出てこないだろう。いずれにしても、一時は絶望的となった野党共闘が再び実現したのは、何と言っても立憲民主党が結党したからだが、本当に重要なのはこれからだ。衆参3分の2議席超を握った独裁者・安倍の野望を打ち砕くために残された手段は、もはや国民運動の広がりしかないからだ。
 2015年8月、安保法に反対する国民が国会議事堂を取り囲んだデモには、およそ12万人(主催者発表)が参加した。いくら安倍が改憲を望んでも、さすがに10万人以上の国民が国会周辺で反対の声を上げたら踏みとどまる可能性はゼロではない。立憲結党で奮起した国民の政権打倒の運動をどこまで広げられるかがカギになるのだ。
「沖縄、新潟、北海道……のように有権者が手を握り、自民打倒に向けて野党を盛り上げる地域はどんどん出てくるでしょう。今はまだ規模は小さくても、こうした草の根の地域運動を全国に広げていくしかありません。一つ一つがつながれば、必ず与野党逆転のチャンスは生まれると思います」(森田実氏=前出)
「自由と権利は毎日獲得し続けなければならない」。米国のミシェル・オバマ前大統領夫人はこう言っていたが、今こそ国民一人一人が立ち上がる時なのだ。


元TBS金平氏「元同僚に非常に怒りを覚える」、伊藤詩織さんの記者会見で強く批判
元TBS記者でジャーナリストの男性から準強姦被害にあったと訴えていたジャーナリストの伊藤詩織さんが10月24日、東京・有楽町の外国特派員協会で記者会見を開いた。この会見の質疑応答で、元TBS記者・ディレクターの金平茂紀さんが、「元同僚・部下が詩織さんにとった行動に、理解できないくらい非常に怒りを覚えている」と見解を述べた。
伊藤さんは2015年4月、元TBS記者でジャーナリストの山口敬之さんと就職の相談で面会。そのあと、ホテルで意識のない状態で性的暴行を受けたと訴えていた。高輪署に被害届を出していたが、検察は嫌疑不十分のため不起訴処分とした。
伊藤さんは今年5月29日、不起訴処分を不服として検察審査会に審査を申し立てたが、検察審査会は9月、不起訴相当の議決をした。現在、伊藤さんは東京地裁に民事訴訟を起こしているほか、10月には手記『Black Box』(文藝春秋)を出版して、刑事司法制度の問題点を指摘している。一方、山口さんは一貫して性的暴行を否定している。
この日の会見の質疑応答で、「報道特集」のキャスターで知られる金平さんは、「質問しようか迷った。私はTBSの元ワシントン支局長」と切り出し、「就職話に絡んでああいうことをやる状況が私には理解できない。支局で働く人間を選ぶときにあんなことやるのは私は想像できないし、ましてや犯罪行為がもしあったならば、1人の人間のモラルとして恥ずべきことだと、個人的に思う」と話した。
伊藤さんは会見で、著書の中で一番述べたかったこととして、「捜査や司法のシステムの改正に加えて、社会の意識をかえていくこと、そしてレイプ被害を受けた人の救済システムの整備が必要だということ」と強調していた。


ORICON NEWS 伊藤詩織さん会見、手記に込めた思い「遠い誰かの話ではない」
 元TBS記者からの暴行被害を訴えたジャーナリスト・伊藤詩織さんが24日、東京・日本外国特派員協会で会見を行った。18日には、事件のことや捜査のあり方、司法のシステム、社会のさまざまな反応についてなど、取材をもとにつづった手記『Black Box』(文藝春秋)を発売。同書に込めた思いを説明した。
 詩織さんは2015年、TBS記者(当時)の山口敬之氏からホテルで意識のない状態で性的暴行を受けたとし、準強姦容疑で警視庁に被害届を提出した。記者逮捕の当日に逮捕が取り止めになり、東京地検は嫌疑不十分でこの件を不起訴と判断。詩織さんは今年5月29日に司法記者クラブで会見し、検察審査会への申し立てを公表したが、9月21日、検察審査会もこれを「不起訴相当」と議決。現在は真相究明を求め、同28日付で東京地裁に民事訴訟を起こしている。
 実名のファーストネームで会見を行い、同書で苗字も公開した。英語で事件のことを振り返った詩織さんは、「公にしてから、バッシングを受けました。前のように生活することもできなくなりました。しかし、隠れなければいけないのは私たち被害者ではありません。話をすることで良い変化をもたらすことができます」と力を込めた。
 手記については、「密室でのできごとということであり、警察や捜査員から何度も『ブラックボックス』という言葉を聞きました。しかし私は2年以上この事件と向き合ってきたことで、警察そのものにもたくさんのブラックボックスが存在していることに気が付きました。いかに光をあて、箱を開くか。少しでもそのきっかけになったらと思い、この本を執筆しました。遠い誰かの話ではないということを知ってほしい。ここで一番述べたいのは、捜査、司法の改正と社会意識変えること。そしてレイプ被害の方の救済システムが必要だということ」と呼びかけた。


衆院選 なぜ炎上しているのか 山尾氏辛勝と無効票1万超
愛知県選管に抗議殺到 「オッサン社会のいやらしさ」指摘も
 愛知県選挙管理委員会に23日早朝から抗議や問い合わせが殺到し、24日夕も電話が鳴りやまない異常事態となっている。無所属の山尾志桜里氏が自民党候補に辛勝した衆院選愛知7区の開票結果を巡り「1万票を超える無効票は異常」「陰謀では」「警察に通報した」とネット上で炎上しているのだ。「当選は不正」と見出しで断じるウェブメディアも現れた。騒動の背景に何があるのか。【小国綾子】
 山尾氏は自民党の鈴木淳司氏(比例復活)に834票の小差で勝利。無効票は1万1291票だった。愛知県選管は23日午前1時半ごろ、確定結果を公表した。疑問の声は直後に出始め、確認できた範囲では午前1時56分、ネット掲示板に上がった。ツイッターなどでも同2時ごろから「怪しい」「対立候補の有効票を不当に無効化したのでは」など再集計を求める意見が次々に登場。「開票作業のバイト、国籍条項ないんでしょ?」と無関係な外国人差別をあおる内容もあった。
 愛知県選管には午前6時ごろから真偽の確認や「やり直せ!」という抗議の電話が殺到。24日も続く。選管は「各陣営の立会人の監視の下で開票した。不正はありえない」としている。
 そもそも、無効票は「異常に多かった」と言えるのか。愛知7区の投票総数に無効票が占める率は4.23%で、前回2014年衆院選小選挙区の全国平均3.29%より高い(今回の全国平均は集計中)。だが、今回の小選挙区選挙で東京12区は9.71%。東京14、16、17区も5%を超えた。14年衆院選の大阪3区では、実に15.25%が無効票だった。小選挙区で支持する候補がいないと白紙投票が増える傾向にあるとされる。総務省選挙部によると14年衆院選で小選挙区選挙の無効票は全国で約180万票あり、その半分強の約100万票が白紙だった。
 なぜ炎上しているのか。「全日本おばちゃん党」を主宰する大阪国際大准教授の谷口真由美さん(国際人権法)は二つの理由を挙げる。「最近、右派や左派に限らず不正選挙と騒ぎがちです。自分と似た考えの意見ばかり目に入るソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)時代。自分に見える世界がすべてと思い込み、『あんなに嫌われてる候補が当選するのは不正に違いない』と短絡的に考える人が増えました」
 さらに、ほかならぬ山尾氏だったことが炎上理由とみる。「安倍晋三首相と真っ向から対決した、しかも女性。不倫疑惑報道もあった。でもそれは本来、他人には関係ない。議員は公務の中身で評価すべきで、男性なら同じ激しさでたたかれないはず。男と対等にやり合う女を引きずり降ろしたい『オッサン社会』のいやらしさが垣間見えます」


暴力団離脱者の就職率はわずか2%…ヤクザからの更正に最も必要なのは地域社会の受け入れと協力
 9月には任侠山口組の織田絆誠代表を狙った襲撃事件が発生し、ボディガードを務めていた組員が射殺されるなど、山口組をめぐる状況は依然として混迷を極めている。
 そんななか、現在、暴力団離脱者が後を絶たない。北海道警察がホームページで公にしている情報によると、全国の暴力団構成員の総数は、昨年末の時点で39100人。前年からは7800人減少で、ピークだった1963年の数と比較すると4分の1以下だという(他の調査ではすでに2万人を割っているとしているものもある)。
 その原因は山口組の分裂ばかりではない。ご存知の通り、暴力団排除条例(暴排条例)によるものが大きい。
 暴排条例は2010年に福岡県で施行されたのを皮切りに全国の各自治体に広まっていった。これにより活動を著しく制限されたため、多くの暴力団離脱者が生まれるわけだが、離脱後の生活基盤の構築は非常に難しい。
 その主な要因が、いわゆる「五年条項」というものだ。暴排条例では、暴力団離脱者は一定期間(おおむね5年間)暴力団関係者とされて、銀行口座の開設、自分の名義で家を借りることなどが不可能になる。
 ただでさえ再就職が難しい状況なのにも関わらず(後述する『ヤクザと介護』では、離脱者の就職率はわずか2%という警察庁発表のデータを紹介している)、こんな八方塞がりでは、せっかく暴力団を抜けて普通の生活を送ろうとしても、また元の世界に戻ってしまう。
 いや、元に戻ればまだマシで、「地下化」、「マフィア化」、「アウトロー化」していくことが懸念されている。
 地下に潜った元暴力団員は、違法薬物売買やオレオレ詐欺などをシノギとするが、そこには暴力団組織の「掟」などはなく、また、警察も状況を把握しにくいため、暴力団に所属していたときよりもむしろ危険な存在となる。
 そのような状況にある以上、社会全体で考えていかなくてはならないのは、暴力団を離脱した人をどのように一般社会になじませていくか、ということであるが、むしろ、現実の社会にあるのは「暴力団に入ったあなたが悪い」といった「自己責任論」である。
 その考え方は大間違いであると主張するのは、犯罪社会学を専門とする久留米大学非常勤講師の廣末登氏だ。末廣氏は『ヤクザと介護 暴力団離脱者たちの研究』(KADOKAWA)で、〈「暴力団辞めて仕事が無いのは自己責任じゃん」と言っていると、アウトローによる犯罪被害にあったとき「あなたが無関心だったからでしょ」と言われても仕方ありません〉と警鐘を鳴らす。
地域社会の人々の協力が更正に向けて大きな力を発揮する
 暴力団からの離脱について研究する廣末氏は、実際に離脱した人たちを調査。その結果、暴力団離脱に成功し、一般社会に定着した人の多くに共通する要因は、地域社会の協力だったという。
 前掲書では、実際に暴力団離脱者のモデルケースとして10人以上の具体例をあげているが、そのほぼ全員が「離脱後の拠り所」として地域社会とのつながりをあげている。
 自分を拾ってくれた会社の上司、行きつけの居酒屋で野球の話をする近隣住民、趣味のオートバイでのツーリング仲間、教会の牧師さんやそこで出会った人など、そういったご近所さんや友人との関係が家族と同じぐらい重要な役目を果たしているという。
 廣末氏は前著『組長の娘 ヤクザの家に生まれて』(新潮社)でも、地域社会による協力の重要性を指摘していた。
『組長の娘』では、覚せい剤営利目的有償譲渡と使用の罪により刑務所に服役した過去をもちつつも、現在はその経験を活かして暴力団離脱者に対して草の根の支援を行っている中川茂代(仮名)さんの活動を取り上げていた。
 彼女がしていることはそんな大それたことではない。更正を願う暴力団組員や刑務所出所者に食事を出してグチや悩みを聞いてあげたり、就職できそうな知り合いの会社を紹介してあげたりといったことだけだ。しかし、これが大きな効果を発揮する。
『組長の娘』のなかで中川さんは「カタギの世界では、これは「支援」いうんか。皆で首を傾げよってんな。ただ、飯食わしただけ。ただ、仕事紹介しただけ」と話しているが、そのような親切を受けた者は自然とその人を裏切るような行為を避けるようになる。
 逆に言うと、地域社会が暴力団離脱者を迫害し排除しようとすれば、離脱しようとした決意は容易に崩れてしまう。前掲『ヤクザと介護』でモデルケースとして登場するMさんはこのように語る。彼は組織のなかで会長付き秘書まで出世したが、暴力団を離脱。現在はその手助けをしてくれた教会の牧師と共に更正支援を行っている人物である。
〈Mさんは言います。人間はどのような時も「居場所」「希望の持てる場所」が必要。更正・自立に必要なことは「支援ではなく、白い目で見ないこと。そうすることで自分の道を歩める」と。「大人も少年も同じ心をもっている。白い目で見られたら反発してしまう」から、一般社会が普通に受け入れ、見守ってくれたら自然に更正してゆく筈であるとの見解を述べました〉
暴力団が機能不全になったら社会にセーフティネットが必要になる
 同書のなかでは、就職した先でヤクザの過去をあげつらったイジメや嫌がらせに遭い、離職せざるを得なかったケースも多数紹介されている。
 社会が、更正した人々を受け入れるどころか、積極的に排除している現状。その不寛容さは「暴力団離脱者の地下化」というかたちで、市民社会にしっぺ返しを食らわせるだろう。廣末氏は『ヤクザと介護』のなかでこのように呼びかける。
〈暴力団離脱における官、民、地域社会の三位一体となった社会復帰支援実現のためには、まず、我々が無知、無関心という態度を改め、更正し、社会復帰を希求する離脱者を新たな隣人として受け入れるための意識改革が何よりも求められているのです。
 換言すると、社会に馴染めない者や犯罪経験者、清く正しく生きられない人たちを受け入れて来た「暴力団というセーフティネット(受け皿)」が、国の政策によって機能不全になっている現在、日本の社会全体が、新たなセーフティネットとして機能しなくてはなりません〉
 ひょっとすると、これは、暴力団離脱者だけに関わる問題ではないのかもしれない。出自をもとにした差別など、現在の日本社会はとかく排他性が高まっている。多様な価値観を受け入れず、枠から外れた人間は排除しようとする息苦しい社会はその歪みを別なところで表す。暴力団離脱者の問題も、他人事として突き放すのではなく、この社会に生きる人みなが考えるべき問題である。(新田 樹)

モーニングが美味しい♪/両棒餅/曽於から志布志→フェリー

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Évacuation d’urgence dans la préfecture de Fukushima
Environ 900 habitants de la tristement célèbre préfecture de Fukushima au Japon ont reçu l’ordre d’évacuer en raison de la menace d’inondations provoquée par le typhon Lan.
Les autorités ont décrété l'évacuation d'urgence d'environ 900 habitants de la ville de Koriyama, dans la préfecture de Fukushima, en raison de la menace de débordement du fleuve Abukuma-gawa, provoquée par le typhon Lan, a appris Sputnik par téléphone auprès de l'administration municipale.
≪919 personnes seront évacuées au total≫, ont annoncé les autorités.
Plus tôt dans la journée, l'ordre d'évacuation a été mis en ligne sur le site de l'administration.
Le typhon Lan s'est abattu dimanche sur Honshu, la plus grande île japonaise. Il s'est déchainé toute la nuit à Tokyo, et les pluies qui sont tombées pendant plusieurs jours d'affilée ont provoqué des crues.
Un typhon perturbe le trafic aérien au sud du Japon, 664 vols annulés
Selon les médias japonais, au moins une personne a été tuée et environ 90 autres ont été blessées dans différentes régions du Japon. L'agence météorologique japonaise fait état de rafales de vent de 45 m/s. Le typhon a touché la majeure partie de l'île de Honshu et le sud de l'île de Hokkaido.
Le 11 mars 2011, un séisme et un tsunami dévastateurs ont frappé la préfecture japonaise de Fukushima, provoquant une série d'accidents dans la centrale nucléaire de Fukushuma-1. La fonte du combustible dans trois réacteurs de Fukushima a entraîné la contamination de vastes territoires aux alentours du site. La centrale a été définitivement fermée fin 2013, mais la décontamination continue jusqu'à présent.
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小西ひろゆき (参議院議員)‏ @konishihiroyuki
民進・前原氏、代表辞任「現は考えてない」http://www.asahi.com/articles/ASKBQ7GZWKBQUTFK016.html
前原代表は直ちに辞職し、自ら離党すべきだ。
もし、代表に留まるなら、本日、党規約に基づき倫理委員会に除籍処分の審査請求をする。
なお、政党交付金の希望の党への移動は政党助成法違反である。

杉原こうじ(NAJAT・緑の党)‏ @kojiskojis
10月23日、報ステで枝野立憲民主党代表
「3分の2の勢力と向かい合おうとしたのが間違い。国民と向き合う。それぞれのテーマごとにどういう考えを持っていらっしゃるか聞く」
「野党再編するつもりはない。立憲民主党が大きくなっていくことを考える。永田町の内側の権力ゲームには参加しない」
「(安倍政権が改憲で)強引なことをしようとすれば、むしろ国民運動を進めていく」。

おしどり♀マコリーヌ‏ @makomelo
いやほんと女性議員少なすぎるやーん!海外とかどうなの?と思ったら、193ヶ国中160位という感じ。スウェーデンとか女性議員1人に男性議員1人だけど、日本は女性議員1人に男性議員9人みたいな。「女性が輝く社会」言うてる党から変えたら? https://goo.gl/D8kkiX

昨晩モーニングを予約していたのですが,洋食のモーニングとても美味しい♪大満足です.結構おなかいっぱいです.
桜島を見ながらまったり.近くでは釣りをしている人がいました.その後,両棒餅(ぢゃんぼもち)を買ってもらいました.おいしいです.全部食べることできないので残りはフェリーで食べます.
フェリーは志布志からなので南ふとうのバス乗り場で待ちます.バスには数人.中央駅を経由して,九州道・東九州道で気が付くと曽於でした.そこで国道に降りて志布志に向かいます.
フェリーは少し揺れてちょっと気持ち悪い感じもします.お風呂がついているのを知りませんでした.

<台風21号>宮城に爪痕 浸水・のり面崩落も
 台風21号の影響で宮城県内は23日、多くの自治体が避難勧告や避難準備情報などを出して警戒を強めた。交通は乱れ、小中学校や高校の臨時休校も相次いだ。
 県危機対策課によると、石巻、岩沼両市と山元町が避難勧告を発令。仙台、気仙沼、角田、登米、大崎、蔵王、村田、川崎、丸森、大和、大郷、色麻、南三陸、大衡の5市8町1村が避難準備・高齢者等避難開始を出した。
 23日午前9時現在、勧告と避難準備・高齢者等避難開始の対象は12万585世帯、31万5318人に上った。
 JR東日本仙台支社によると、県内の全在来線が始発から運転を見合わせた。午前11時現在では仙山線、石巻線の小牛田−石巻間、気仙沼線の前谷地−柳津間が正午ごろから再開する見込み。他の路線の再開時間は未定。JR仙台駅の地下改札口は、雨水が入り込み、浸水した。
 仙台空港アクセス線と阿武隈急行も始発からストップした。
 仙台空港の発着便は午前11時現在、国内線と国際線の計57便の欠航が決まった。高速バスも仙台−福島間、仙台−気仙沼間などで運休が相次いだ。
 岩沼市西部にあるグリーンピア岩沼に至る道路では、のり面が幅約10メートル、高さ約5メートルにわたって崩れ落ち、片側をふさいだ。市東部を含め、市道5路線、県道1路線が水に漬かり、通行止めとなった。
 東北電力によると、宮城県内では強風による倒木などの影響で、石巻市や南三陸町などの7112戸で停電した。午前10時現在、1558戸が復旧していない。
 県教委、仙台市教委によると、県内の公立の幼稚園・学校では幼稚園1園、小中学校186校、高校58校、特別支援学校23校が休校した。


<衆院選宮城>野党分散に泣く 希望、風吹かず恨み節
 22日投開票の衆院選で、宮城県内6選挙区のうち、自民党は前回(2014年)に続き5議席を獲得し、「1強」ぶりを見せつけた。野党勢は、5区の民進党系無所属の前議員が選挙区で勝利したものの、それ以外は自民の厚い壁に阻まれた。注目された希望の党は、公認などを巡って足並みが乱れ、選挙態勢が整わずに失速した。森友・加計(かけ)学園問題を巡る政府対応への批判が根強く残る中、短期決戦を仕掛けた自民党が県内の地盤を守った。
 希望の党は、擁立した宮城3選挙区で全敗した。
 「皆さんの期待に沿えず申し訳ない」。3区の新人一條芳弘さん(44)は柴田町の事務所でわびた。
 選挙初挑戦の元会社員で知名度が低く、市部を中心に選挙カーで名前を売り込む運動を展開。個人演説会を開かなかった上、街頭演説も少なく、訴えを浸透させられなかった。
 民進党県連が擁立を決めた昨年5月から本番までに十分な態勢の後援会組織を確立できず、地方議員や連合宮城との連携の歯車もうまくかみ合わなかった。
 選挙戦直前に公認を得る政党が希望に代わり、リベラル色の強い支持者の離反を招いた。陣営内からは終盤まで「民進党のままの方が戦いやすかった」との恨み節が漏れた。
 地力不足に誤算が重なり、結果は比例代表での復活に遠く及ばない大敗。「有権者の反応は良かった。訴えに間違いはなかった」と力を込めた。
 4区の新人坂東毅彦さん(58)は多賀城市の事務所で、「私の力不足。医療現場の声を伝えたかったが、選挙対策が未熟だった」と敗戦の弁を述べた。
 公示直前に、民進党から希望の党公認となり、立ち上がりが遅れた。選挙ポスターの貼り遅れも目立ち、動きが活発になったのは選挙戦中盤を過ぎてから。民進党県連代表の桜井充参院議員と大和町などを二人三脚で回り、「医師」「医療福祉の専門家」を前面に出し、懸命に追い上げた。
 しかし、期待していた新党への風は吹かず、むしろ当選目当ての政党変更というマイナスイメージがつきまとった。終盤は自力で戦うことに切り替え、市部の住宅地などを回り、無党派への浸透に力を入れたが及ばなかった。終始リードした自民候補に対して、出足のもたつきが響いた。
 1区の新人伊藤優太さん(32)は自民、立憲民主の両候補による激戦に絡めず、落選が決まった。22日夜、仙台市青葉区の事務所で「私の力不足」と肩を落とした。


<衆院選宮城>共産、訴え及ばず全敗
 22日投開票の衆院選で、宮城県内6選挙区のうち、自民党は前回(2014年)に続き5議席を獲得し、「1強」ぶりを見せつけた。野党勢は、5区の民進党系無所属の前議員が選挙区で勝利したものの、それ以外は自民の厚い壁に阻まれた。注目された希望の党は、公認などを巡って足並みが乱れ、選挙態勢が整わずに失速した。森友・加計(かけ)学園問題を巡る政府対応への批判が根強く残る中、短期決戦を仕掛けた自民党が県内の地盤を守った。
 共産党は3、4、6区に新人を立てたが、議席獲得はかなわなかった。
 3区の吉田剛さん(35)は岩沼市の事務所で「ぶれ続ける安倍政権を退陣させたい多くの声を、国会に届けられず申し訳ない」と唇をかんだ。選挙戦では憲法9条堅持、消費税増税の阻止、原発ゼロを掲げ「平和と暮らしを壊す勢力に負けられない」と訴え続けた。
 4区の高村直也さん(34)は午後9時ごろ、塩釜市本町の事務所で支持者に拍手で迎えられた。高村さんは「残念な結果になったが、市民と野党との共闘で安倍政権の暴走を止めようと訴え、かなりの手応えがあった。今後につなげていきたい」とあいさつした。
 6区の横田有史さん(73)は大崎市古川の事務所で「党の躍進を願ったが、負けは負けだ」と静かに語った。反自民を旗印にリベラル票の取り込みを図ったが、結果は大敗。「街頭の反応は悪くなかった。ただ、相手の地盤が分厚すぎた」と悔しさをにじませた。


比例、自民が公示前議席に迫る 立憲民主が大幅増
 第48回衆院選の比例代表選挙(定数176)は22日に即日開票され、自民党が66議席を確保した。公示前の68議席に迫り、比例第1党の座を維持した。立憲民主党は、公示前の9議席から大幅増で、34議席を得た。希望の党は32議席を固めたものの、公示前の35議席には届いていない。
 公明党は21議席に達した。過去最多だった2014年の26議席を得るのは厳しい。共産党は11議席を確実にした。14年の20議席からは大きく後退した。日本維新の会は6議席を固めている。
 社民党は公示前の1議席を得る可能性がある。


共産、公示前21議席から大幅減 野党共闘の影響も
 共産党は公示前の21議席を大幅に下回った。新たに結成された希望の党や立憲民主党との間で、安倍政権への批判票が分散し、従来共産に投じられた「反政権」票の多くが、主張が重なる立憲民主に流れたとみられる。野党共闘優先で立憲民主などとの競合を避け、多くの小選挙区で候補を取り下げたことも、比例代表での票の積み上げに影響した格好だ。
 共産は当初、民進党を含む野党4党の共闘を想定していたが、民進が希望への「合流」を決めたため戦略を変更。立憲民主、社民両党などとの連携で「政権に痛打」(志位和夫委員長)を与える戦略を描いたが、埋没したのは否めない。


立憲民主、野党第1党で攻勢へ 枝野氏、政策一致で連携
 立憲民主党は公示前の16議席から大きく議席を伸ばし、野党第1党に躍進した。安全保障関連法を前提とした憲法9条改正反対や経済政策の転換を求め安倍政権に攻勢を強める構えだ。枝野幸男代表は22日のラジオ番組で、民進系無所属議員らを念頭に「政策が一致する方とは、いろいろな形で協力、連携することはある」と述べた。
 同じく新党の希望の党に失速感がある中、政権批判票の受け皿として野党のリーダー格の存在感を示した格好。今後、岡田克也元民進党代表ら民進系の無所属議員との統一会派結成などを模索し、政権と対抗する勢力との連携を図っていく意向だ。


民進、希望と合流見直し 前原氏、代表解任論も
 民進党の前原誠司代表は23日未明、党本部で記者会見し、希望の党(代表・小池百合子東京都知事)の衆院選での伸び悩みを踏まえ、合流方針を見直す考えを示した。合流を巡っては、民進に残留している参院議員を中心に否定的な意見が多い。前原氏の代表解任論も浮上しており、合流方針を決めた前原氏の責任を問う声が強まりそうだ。
 前原氏は会見で、合流に関し「選挙結果が出たので、希望を中心に大きな固まりをつくるのは、いったん見直さないといけない。どういう形が一番良いか、いろいろな人の話を聞きながら、方向性を定めていきたい」と述べ、参院議員らと協議する意向を示した。


<衆院選>接戦制した菅氏、支援者ら歓声 「やった」
 東京18区で自民前職の土屋正忠氏(75)と「土菅戦争」と呼ばれる激戦を繰り広げ、接戦を制した菅直人氏(71)。当選が確実になったと伝わると、東京都武蔵野市の事務所に集まった支援者らは「やった」と歓声を上げた。
 首相在任中の東日本大震災の経験から主に脱原発を訴え「旧厚相時代に介護保険制度の法案を作った」と過去の実績もアピールした。今回は急きょ立憲民主党公認で出馬し、共産、社民などと共闘。積極的に街頭演説をこなした。


衆院選 自公が3分の2/「敵失」の勝利に慢心するな
 突然の解散で幕を開けた衆院選は自民、公明の与党が定数の3分の2議席を確保する大勝となった。安倍晋三首相は引き続き強固な基盤で政権を担うことになる。
 野党は「希望の党・日本維新の会」と「共産党・立憲民主党・社民党」の2極に分かれて挑んだが、安倍政権の批判票を奪い合い、与党を利する結果となった。
 1人の候補者だけを選ぶ小選挙区で、1強に対抗するためには野党が束にならなければ、勝算に乏しいことは自明の理。希望の党の旗揚げから民進党の分裂に至る野党再編のドタバタ劇に、嫌気が差した有権者も多かったろう。
 その意味では、与党は「敵失」に助けられたと言っていいのではないか。積極的な支持というよりは、「他によりましな政党がない」という「消去法」での判断が働いた側面が否めない。
 5年近くの「安倍政治」が、全て信任されたと慢心されては困る。ただでさえ「1強」のおごりが目立ち、強引な国会運営に加えて閣僚らの失言、不祥事が相次いだ。国民の声に耳を傾ける謙虚な政治姿勢が一段と求められる。
 公明のブレーキ役としての存在意義も増すだろう。
 希望を含めた改憲勢力が、国会発議に必要な3分の2以上を占めた。安倍首相は「自衛隊の存在」を明記する9条改正に改めて意欲を見せたが、エネルギーを注ぎ込む政策は別にあるのではないか。
 今、政権として最優先で取り組むべき課題は大企業、大都市圏にもっぱら恩恵をもたらす「アベノミクス」の軌道修正だろう。
 東日本大震災の被災地をはじめ、取り残された地方は貧困と格差の加速が深刻になってきている。安倍首相はまず言葉通り、景気の実感が列島の隅々にまで届くように全力を傾注してほしい。
 自民にすれば、決して楽な選挙ではなかった。唐突な解散は「自己都合」との批判を浴びた。逆風の最たるものは森友・加計(かけ)学園問題だったが、選挙で「みそぎ」が済んだわけではない。今後も丁寧な説明が求められる。
 この問題がぼやけてしまったのは、野党の離合集散と無縁であるまい。保身、打算と紙一重のごたごたで、自民に代わる受け皿づくりへの期待はしぼんでしまった。
 ただ、リベラル的な考えを求める民意をくみ取った立民が野党第1党に躍進、東北でも比例代表で議席を確保した。東北の小選挙区では野党系の無所属候補が岩手、宮城、福島で計4議席を獲得したが、伸び悩んだ希望は岩手の1議席にとどまった。
 野党は厳しい結果を真摯(しんし)に受け止め、政策を軸に新たな連携の道を模索しなければなるまい。重い野党の存在があってこそ、政治に緊張感がもたらされる。そうでないと、おごりの悪弊がまた、もたげてくるとも限らない。


日本の岐路 「安倍1強」継続 おごらず、国民のために
 衆院選は自民党がほぼ公示前の勢力を維持し、公明党を含む与党で3分の2に達した。
 私たちは安倍晋三首相が抜き打ち的に衆院解散を表明して以来、「日本の岐路」と題して、この選挙を論じてきた。
 従来にも増して、今回の選挙が日本の分岐点になると考えたからだ。具体的には首相に権力が集中する「安倍1強」を継続させるか否かの選択であった。
 そもそも今回の総選挙には、安倍首相が来年秋の自民党総裁選で3選を果たすための実績作りという狙いがこめられていた。
 首相が3選されれば、2021年秋まで政権担当が可能になる。第1次政権の1年分を含め、安倍首相の在任期間は憲政史上最長の10年近くに及ぶこともあり得る。
 そうした前提のうえで有権者は継続を選んだ。
持続可能な社会保障に
 勝利した首相にはそれだけのエネルギーが補充されたと考えられる。ただし、首相の役割は特定のイデオロギーへの奉仕ではない。首相はおごることなく、恵まれた政治資源を国民のためにこそ活用すべきだ。
 国民生活にとって、今、最も優先されるべきは、少子高齢化と財政危機の下で社会保障制度を持続可能にしてゆくことだ。
 25年に団塊世代のすべてが75歳以上となり、大都市圏を中心に介護、医療の需要や財政負担が急増する。同時に若者、子育て支援など全世代型の施策も迫られている。
 一方で、国と地方の借金は1000兆円を超す。社会保障の持続と財政再建を両立する「魔法のつえ」などない。給付と負担のバランスの必要を説くことは、強い基盤を持つ政権だからこそ可能なはずだ。
 来週発足する第4次内閣にとって喫緊の課題は、北朝鮮危機への対応だ。トランプ米大統領が来月5日に訪日する。日米の連携は重要だが、軍事的圧力に傾斜するトランプ政権に同調して不測の事態を招かぬよう、細心の注意を払う必要がある。
 安倍首相の最終目標が憲法改正にあることは疑いの余地がない。
 選挙結果を受けて、首相は改憲についても国民の理解が得られたと強弁する可能性がある。
 首相は9条に自衛隊の存在を明記したいと訴えてきた。実力組織を憲法にどう位置づけるかという問題提起を私たちは否定していない。
 ただし、安全保障法制や特定秘密保護法の時のように性急に憲法を扱ったら、それこそ国の針路を誤らせる。国民に信頼されない改憲作業ほど、危険なことはない。
 将来を見据えて、自衛隊の役割を冷静に論じ、広く国民の同意を得ていかなければならない。
 憲法の論点は自衛隊に限らない。参議院の役割の見直しも含め、衆参両院の憲法審査会で建設的議論を深めるべきだろう。
緊張感ある国会審議を
 着実な成果を上げていくためにはこれまでの「安倍政治」の手法や中身を改め、押しつけ型の政権運営を見直す必要がある。
 衆院選中に実施した毎日新聞の世論調査では、選挙後も安倍首相が首相を続けることに「よいとは思わない」との回答は47%で、「よいと思う」の37%を上回った。
 それでも今回、安倍内閣が信任を得られたのは野党側の事情による。
 小池百合子東京都知事が結成した希望の党は一時、与党を脅かす存在になりかけていた。
 だが、民進党議員の参加をめぐる露骨な選別が逆風を呼んだ。公約や党内統治のずさんさも露呈し、急に失速した。
 他方で小池氏の強引なやり方に反発して民進党の左派リベラル勢力は立憲民主党を結成し、両党は競合関係となった。
 政権批判票の分散が、小選挙区制度の下で自民を利した。小池氏の劇場型手法に多くの有権者が不安を抱き、自民党を「よりまし」と判断したのではないか。
 行政の公正さが疑われた「森友・加計」問題の解明作業は中断したままだ。首相は選挙での勝利を口実として、過去の問題だと片付けるべきではない。
 野党では立憲民主党が公示前勢力を大幅に上回り、躍進した。
 「安倍1強」が続く国会の審議を与党ペースにせず、緊張感を作り出すには野党の姿勢がカギを握る。建設的な政策論争を期待したい。


安倍政権が継続 首相は謙虚に、丁寧に
 衆院選結果を受けて、自公両党の連立政権が継続する。安倍晋三首相(自民党総裁)は続投するが、謙虚に、丁寧に国政に当たるべきは言うまでもない。
 台風が接近し、雨の中、投票所に向かった有権者も多かったのではないか。離島などでは投票を繰り上げたり、即日開票を断念するなど、悪天候の影響もあった。
 期日前投票が過去最高になったのも、天候悪化で投票所に行けない事態に備え、早めに投票したいとの思いもあったことだろう。
 先人が勝ち得てきた貴重な選挙権だ。無駄にしてはならない、との熱い思いを感じざるを得ない。
◆国会は全国民の代表
 選ばれた議員や、政権を託された政党が、こうした有権者の思いに誠実に応えるのは当然である。
 その際、留意すべきは政権を支持しなかった有権者も含めて、政治はすべての国民のために行わなければならない、ということだ。
 言うまでもなく、日本国憲法は国会議員を「全国民の代表」と定める。自らを支持した有権者だけの代表ではない。このことをまず肝に銘じるべきだろう。
 消費税増税分の使途変更と北朝鮮対応のための政権基盤強化を争点に掲げて解散に踏み切った衆院選で、安倍首相は勝敗ラインを「与党で過半数」に設定した。自民党単独で過半数に達し、公明党と合わせて三百議席を超える選挙結果を見る限り、消費税増税分の使途変更と「圧力」に重きを置いた北朝鮮対応を含む自民党の公約、自公両党による政権運営は、形の上では有権者に支持されたことにはなる。
 とはいえ、連立政権を率いる安倍首相が積極的に支持されたと断言するのは早計だろう。
 報道各社の世論調査によると、総じて、安倍首相の続投を支持しないと答えた人は、支持すると答えた人を上回る。
◆続投不支持多数だが
 今年七月の東京都議選で、自民党は歴史的惨敗を喫した。
 このときの敗因には、学校法人「森友」「加計」両学園の問題をめぐる首相自身の不誠実な答弁や「共謀罪」の趣旨を含む改正組織犯罪処罰法成立を強行した強引な国会運営、南スーダン国連平和維持活動(PKO)に派遣された陸上自衛隊の日報隠しなど、安倍政権のおごりや緩みが挙げられた。
 地方自治体の選挙だが、痛手だったのだろう。首相は八月三日、内閣改造後の記者会見で、深々と頭を下げ「さまざまな問題が指摘され、国民の皆さまから大きな不信を招く結果となった。改めて深く反省し、国民の皆さまにおわび申し上げたいと思う」と述べた。
 しかし、今回の選挙戦の街頭演説では、森友・加計問題に自ら言及することはなかった。批判ばかりでは何も生み出さない、と言いながら、旧民主党政権時代をくさして、同党に所属していた議員がつくった新たな政党を批判する。
 わずか二カ月前、深い反省やおわびを表明した首相の低姿勢は、どこに行ってしまったのか。
 安倍首相の続投を支持しない人が多いにもかかわらず、自公両党が過半数の議席を得るのは、一選挙区で一人しか当選しない小選挙区制を軸とした現行の選挙制度が影響していることは否めない。
 小池百合子東京都知事が慌ただしく結成した「希望の党」に、民進党の一部が合流。これに反発する枝野幸男元官房長官らが「立憲民主党」を立ち上げる一方、無所属で立候補した前議員もいた。野党勢力が分散すれば、与党を利するのは当然だ。
 小池氏の準備不足や民進党の混乱を見越した解散なら、選挙戦略としては巧妙だが、国政全体に責任を負う首相としては誠実とは言えまい。希望の党は勢いが失速したが、立憲民主党は議席を大幅に伸ばした。安倍政権に対する批判の強さと受け止めるべきだ。
 自民党は憲法改正を公約の重点項目に初めて掲げたが「改憲派」の各党間にも考え方や優先順位に違いがある。日程ありきで拙速に議論を進めるべきではない。
 成長重視のアベノミクスや消費税増税も、支持されたとはいえ選挙戦で問題点も明らかになった。原発依存も同様だ。引き続き、幅広く国民の声に耳を傾け、柔軟な対応に努めるべきである
◆森友・加計解明続けよ
 そして政治に対する信頼の問題である。森友・加計両学園をめぐる問題がすべて解明されたわけではないし、選挙を経たからといって免責されるわけでもない。国会として引き続き解明に全力を挙げるのは当然だ。ましてや野党側がひるむ必要はまったくない。
 首相自身、問題の解明に進んで協力し、丁寧な説明に努めるべきである。「謙虚に、丁寧に、国民の負託に応えるために全力を尽くす」。ほかならぬ、首相自身の言葉である。


膨張する「改憲勢力」/国民の思いとずれていないか
 衆院選は与党の圧勝で終わった。
 争点の一つとなった憲法改正という観点から見れば、選挙前よりも「改憲勢力」が膨張した。自民党、公明党に希望の党、日本維新の会を加えると、国会発議に必要な3分の2以上の議席に達している。
 各党の主張は違うが、改憲論議が一気に加速するのは確実だろう。
 この選挙結果に、驚きよりも戸惑いを覚える人が少なくないのではないか。国民の思いと、あるいは期待したこととの間に、ずれがあるように感じてならない。
 いずれにせよ、戦後の日本が平和国家として歩んできた道のりが、大きく変わろうとしているのは間違いあるまい。分水嶺(ぶんすいれい)を越えた選挙として記憶されるのかもしれない。
       ◇
 急展開の解散・総選挙だった。
 抜き打ち解散に踏み切った安倍晋三首相は、消費税増税分の使途を変更したいので「国民に信を問う」と説明した。緊迫する北朝鮮情勢と少子高齢化の「国難」を突破するためだとも述べた。
 だが「森友・加計(かけ)」問題を隠す思惑が見え隠れし、「大義なき解散」との批判を受ける。
 突然の解散表明に野党は慌てた。東京都議選で旋風(せんぷう)を巻き起こした小池百合子東京都知事が希望の党を創設すると、野党第1党の民進党は事実上の合流を目指した。
 ところが、小池氏は憲法改正などを“踏み絵”に一部を「排除」した。反発した民進出身者が立憲民主党を立ち上げ、リベラル派の受け皿となる。小池氏が吹かせるはずだった風は希望への逆風になり、代わって立憲民主が政権批判票を集めた。
 準備不足を突かれたとはいえ、自公に独走を許した野党の責任は重い。批判ばかりではなく、アベノミクスに代わる経済政策を中心に現実的な施策を練り上げ、人材育成を進めねばならない。
「白紙委任」ではない
 自民は、初めて憲法改正を政権公約の重点項目とし、「国民の幅広い理解を得て憲法改正を目指す」と明記した。首相が今年5月、突如表明した「9条改憲」の持論を盛り込んだ形だ。
 公約では、9条の改正そのものには触れずに「党内外の十分な議論を踏まえる」と表現された。「1項、2項を残しつつ自衛隊の存在を明記する」という首相案と、党の改憲草案の「国防軍」創設との整合性がとれないためだ。
 9条以外にも公約には、緊急事態条項や参院の「合区」解消、教育無償化がテーマに挙げられている。しかし実際の選挙戦では、首相をはじめ幹部が改憲を正面から訴えることは少なかった。国民に語りかけることを避けるかのようだった。
 改憲を巡る論戦が低調だったにもかかわらず、この勝利で「全て信任された」と受け止め、改憲へと突き進むのは早計だろう。「白紙委任」をしたわけではない。
 国民が重視したのは、「景気や雇用などの経済対策」と「年金や少子化対策などの社会保障」だったことが世論調査に表れている。「憲法改正」を挙げたのは少数だ。
 首相の下での憲法改正に反対する国民は多い。安全保障関連法など選挙前には言及していないことを数の力で押し通してきた首相の言動に、信頼を寄せきれないからだろう。立憲民主が大きく躍進したのも、その流れにあるといえる。
 今後は衆参の憲法審査会を中心に論議されることになる。憲法は国の在り方を規定する最も根本的なものだ。政局とは絡めず、「静かな環境」で論議を進めなければならない。
 また首相は、東京五輪・パラリンピックが開かれる2020年の改正憲法施行を目指している。そもそも五輪と憲法は何の関係もない。首相自身がきのう、インタビューで述べた「スケジュールありきではない」を守るべきだ。
 幅広い観点で論議を進めなくては亀裂をもたらしかねず、時間をかけて国民の理解を深める必要がある。
 選挙直前の内閣支持率は「不支持」が「支持」を上回っていた。それでも自民が圧勝したのは、小選挙区比例代表並立制という選挙制度にも要因がある。
選挙制度の検証必要
 全体の6割の議席を争う小選挙区では、得票率に比べて議席が偏って配分されるためだ。ここにも民意との間にずれがあるように見える。
 3年前の衆院選では全国の小選挙区で有権者の意思が反映されない「死票」が、2500万票に上った。今回も多くの「死票」が出た。
 欧州では、民意をできるだけ反映する比例代表を中心とした選挙制度を採用するところが多い。小選挙区制に改良を加えて民意の反映に努めようとしている国もある。
 小選挙区制が導入されて20年になる。よりふさわしい選挙制度に向け、検証を始める時期にきているのではないか。


与党衆院選勝利  改憲論議は避けて通れない
 与党の勝利である。
 台風の影響で一部地域の即日開票が見送られたが、自民党は早々に単独過半数を確保した。与党の公明党、改憲勢力とされる希望の党、日本維新の会を合わせた議席数は、憲法改正の発議に必要な3分の2を大きく超えた。
 京都の小選挙区では、自民が公示前より1議席増やした。滋賀でも、4選挙区すべてで勝利した。
 安倍晋三首相は信任されたことになり、続投する見通しとなった。
 ■アベノミクスは継続へ
 アベノミクスは、さらに推進される。核・ミサイル開発を進める北朝鮮への対応は、「圧力」を強める首相の路線が継続される。消費税率は、よほどのことがない限り、2019年10月に引き上げられる。ただし、増収分の使途は変更される。改憲に向けた動きは、加速するだろう。
 選挙結果は受け入れなくてはならない。だが、ふに落ちないところもある。
 「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ改正組織犯罪処罰法を強引に成立させたことや、森友・加計学園を巡る疑惑で「おごり」を指摘され、内閣支持率は一時急落した。
 東京都議選で自民党が惨敗したのは、ついこの間のことである。
 首相は、内閣改造をしたばかりなのに、野党の選挙態勢が整っていないのをみて、解散に踏み切った。「疑惑隠しだ」「大義がない」と、厳しく批判されていた。
 それなのに勝利した。主な原因は、小選挙区では結束しなければ与党に勝てない野党が、またしても分裂したことにある。
 都議選大勝の余勢を駆って、小池百合子東京都知事は希望を立ち上げ、野党第1党だった民進党を吸収し、自公政権と対決する戦略を立てた。
 ところが、民進が希望への合流組と無所属、新たに発足した立憲民主党に3分割され、希望の勢力は後退した。
 小池氏が、「排除」という言い回しで、民進からの候補を選別したことを敗因とする声があったが、果たして、それだけであろうか。
 ■政党政治ないがしろに
 民進にいたときは安全保障関連法に反対した人物が、容認する希望に駆け込む節操のなさや、政権選択選挙で首相候補を明言せず、与党を批判しながら連携に含みを残す無責任さが、嫌われたのではないか。
 これらは、いずれも民主主義を支える政党政治を、ないがしろにするものだ。筋を通したかたちの立憲民主が、野党第1党に浮上したことからも、有権者がそう判断したのは間違いない。
 希望の態勢立て直しは、民進再結集の動きもある中、容易ではなかろう。
 いわば敵失による勝利とはいえ、自民が今回の選挙公約に、改憲項目を掲げていたことを忘れてはならない。
 教育の無償化、緊急事態対応、参院の合区解消、そして憲法に自衛隊を明記すること−の四つである。
 希望と維新は、9条を含めた改憲論議に参加する意向を示している。
 くどいようだが、立憲民主に共産党、社民党などを加えた首相主導の改憲に反対する勢力は、発議を阻止する3分の1の議席を獲得できなかった。
 改憲論議を避けて通ることは、もはや不可能に近くなったといえる。国民は今後、改憲項目をめぐる各党の動きなどを、直視する必要がある。
 首相は、2020年の新憲法施行を目指している。衆院選の勝利で国民の信を得たと判断すれば、首相指名の特別国会後に臨時国会を召集し、改正原案を提示するかもしれない。早ければ、与野党の協議の後、来年の通常国会で改正案を発議し、国民投票にかける可能性もありそうだ。
 しかし、最近の世論調査では、安倍政権下での改憲に賛成なのは3割台で、半数以上は反対している。
 ■論戦かみ合わなかった
 政権のパートナーである公明は、一貫して慎重な姿勢を取っている。野党第1党となった立憲民主との協議が重要だが、安保法制を違憲としており、すんなりいくとは思えない。首相も言う通り、「スケジュールありき」ではなかろう。
 疑惑も含め、おごらず、丁寧に議論を重ね、国民への説明責任を果たすべきだ。
 今回の衆院選は、18歳選挙権のもとで初めて行われた。だが、突然の解散で新党などの政策が練り上げられておらず、論戦がかみ合わなかったところもあった。
 特に消費税では、税率を引き上げなかった場合の代わりの財源について、あまり語られなかった。将来の日本を担う若い世代が、この論点を理解していないようなら、それは政党の責任と認識してほしい。


衆院選与党勝利 白紙委任したのではない
 第48回衆院選はきのう投開票が行われ、自民党が単独で過半数を制し、連立与党を組む公明党と合わせて絶対安定多数の261議席を大きく超える勢力を確保した。
 北朝鮮と米国が挑発の応酬を繰り返す中、政治の安定を求める国民の思いが、現状維持という選択に表れた面はあるのだろう。
 安倍晋三首相は勝利を受け、来秋の自民党総裁選での3選も視野に、長期政権を目指す意向だ。
 だが選挙期間中の世論調査ではその多くで、安倍内閣を「支持しない」とする回答が「支持する」との回答を上回った。
 であれば、通常は与党に不利な選挙になるはずである。そうならなかったのは、野党勢力が迷走を重ねたためだ。つまり、敵失に乗じた大勝にすぎない。
 選挙結果を「安倍1強」への信任とみなすことはできない。まして政権への白紙委任状ではない。
 わけても、首相自身が争点とすることを避けた改憲が、国民の信を得たとは認められない。
 首相は「国民の厳しい視線が注がれている」との認識を示し、「謙虚」を強調した。その言葉をしっかり胸に刻んでもらいたい。
■大義なき解散の果て
 そもそも、国民に問う「大義」がないまま始まった選挙である。
 解散当時、野党第1党の民進党は東京都議選惨敗や人事で迷走し、小池百合子東京都知事率いる新党は明確な姿が見えなかった。
 臨時国会が始まれば、学校法人「加計(かけ)学園」「森友学園」の問題で野党の追及は避けられない。首相にとっては「今しかない」というタイミングだったろう。
 そして消費税増税分の使途変更とともに、解散の「大義」に位置づけたのが北朝鮮情勢である。
 「われわれはあらゆる手段で圧力を高めていくから、状況は緊迫していく。今年暮れから来年にかけて選挙をする状況ではなくなる」と、解散の理由を説明した。
 だが情勢の緊迫を回避することこそ政治の役割ではないのか。なのにその責任は棚上げし、選挙戦で不安をあおった。
 政権が圧力一辺倒の姿勢を強めれば、外交的な解決は遠のく。国民が求めるのは情勢の緊迫ではなく、平和的な解決のはずだ。
 忘れてはならないのは今回の選挙が、二つの学校法人を巡る「疑惑」の国会審議をすっ飛ばす形で行われたことである。
 与党内には、今回の勝利を「みそぎ」として幕引きを図る動きもある。だが世論調査でも、国民が納得していないのは明白だ。首相は「丁寧な説明」を口にするだけでなく、実行に移す責務がある。
■受け皿放棄した大罪
 情けないのは民進党である。
 前原誠司代表は、小池氏率いる希望の党に風が吹くと見るや、政策面は度外視して合流を決定。しかし小池氏がリベラル勢力の「排除」を打ち出し、党は分裂した。
 結果は「排除」された側の立憲民主党が躍進する一方、希望に合流した民進党出身者の多くが議席を失った。
 前原氏の責任はきわめて重い。
 今後さらなる野党再編も予想されるが、無節操な離合集散は有権者の離反を招くことを肝に銘じなければならない。
 小池氏は当初、「安倍1強」批判を口にし、政権交代のための野党糾合を掲げた。しかし「原発ゼロ」や「消費税増税凍結」などのスローガンを別にすれば、主張の多くは現政権と重なっていた。
 改憲でも当初は首相の9条改定論に疑問を投げかけながら、その後は議論に応じる構えに転じた。
 支持を急速に失ったのは「排除の論理」に加え、その日和見的な姿勢が見透かされたためだ。
■改憲信任とは言えぬ
 今回の選挙結果により、立憲民主党が衆院での野党第1党をうかがう勢いだ。それも、野党勢力の結集を目指した市民の後押しがあってこそだ。同党にはその原点を大切にしてもらいたい。
 今回、自公両党に希望の党と日本維新の会を加えた「改憲勢力」の獲得議席は、発議の条件である全体の3分の2を超えた。
 自民党内では、党としての改憲原案を年内にもまとめ、各党に提示する日程も取り沙汰される。
 首相はきのう「日程ありきではない」「与党だけで発議することは考えていない」と述べたが、改憲に積極的な希望の党との連携も視野に入れているのだろう。
 ただ首相は改憲を衆院選の争点とせず、選挙戦でも言及を避けた。議論が熟していないことは、首相自身が認識しているはずだ。
 公明党の山口那津男代表はきのうも改憲に慎重な発言を繰り返した。立憲民主党の躍進も、改憲に慎重な世論の表れではないのか。
 今後の改憲論議で国会は、党派の数合わせではなく、民意にこそ目を凝らさねばならない。


安倍自民勝利 民意を謙虚に受け止めよ
 政権継続の“勝ち名乗り”は受けても、胸は張れまい。
 横綱が堂々と正面から相手を受け止め、がっぷり四つに組んで寄り切った、というわけではない。
 猫だましのような奇襲に出た横綱に、怒った相手は大技で反撃しようとしたものの、体勢を崩して押し切られた−。
 第48回衆院選(定数465)は自民、公明の与党が制し、両党で定数の3分の2(310)超の議席数を維持した。安倍晋三首相は、自公連立を基盤に、長期政権への地歩を一段と固めた。
 今後は、少子高齢社会の克服に向けた「人づくり革命」や「全世代型社会保障」などを旗印に諸改革を進め、憲法改正への議論も加速させる構えだ。
 しかし、そこに“物言い”をつけたい国民も少なくなかろう。首相は民意の深層を見つめ、謙虚な政権運営に努めてほしい。
 ●見過ごせぬ「乖離」
 首相は旧民主党から政権を奪還した2012年12月の衆院選を皮切りに、衆参の国政選挙で5連勝を果たしたことになる。
 首相の経済政策「アベノミクス」は、株価の回復や企業の賃金・雇用環境の改善など一定の成果を上げている。社会保障、子育て、教育など幅広い分野で首相は改革案を示し、外交面でも北朝鮮、中国の脅威に対して米国との連携を軸にした国際包囲網の形成を主導するなど存在感を発揮している。
 それらが総体として政治のリーダーシップや安定感を醸し出し、与党優位の基調となった。その一方で、今回の衆院選は「安倍政治」への疑念がじわじわと膨らんでいる現実もあぶり出した。
 公示前後に報道各社が行った世論調査では、自民党の選挙情勢が堅調なのに内閣支持率は4割前後にとどまり、不支持率がそれを上回る−という傾向が表れた。
 首相は「森友・加計(かけ)学園」に絡む自らの疑惑を払拭(ふっしょく)し切れなかった。一内閣の判断で憲法解釈を変更した安全保障関連法の制定をはじめとする一連の国会軽視の姿勢は厳しい批判を浴び、首相の求心力には陰りも生じていた。
 突然の衆院解散は、そうした苦境の打開策であり、野党の低迷が続くうちに政権をリセットしようとする意図が透けて見えた。
 それでも自民が選挙戦を制した背景には野党側の混乱がある。小池百合子東京都知事による希望の党結成に端を発した民進党の分裂と再編劇である。反自民票は分散し、投票率も低調だった。それが相対的に自民に有利に働いた。民意と選挙結果の間には“乖離(かいり)”があることを見据えるべきだろう。
 ●進む「政治の劣化」
 党の理念や政策が生煮えのまま有権者受けを狙った演出やキャッチフレーズが先行する−。今回の衆院選ではそんな姿も目立った。いわば“政治の劣化”である。
 首相が訴えた「国難突破」もその一例だろう。少子高齢社会の克服や北朝鮮の脅威への対応は、今に始まった話ではない。
 「全世代型社会保障」に向け、消費税収の使途を変更するという公約は唐突だった。政策の大転換として与党内で深く議論されたのか。9条に自衛隊の存在を明記するなどの憲法改正案も、党内での議論が熟しているとは言えず、前のめりの印象が強い。
 野党側では、最大野党だった民進党が希望の党との合流に動いた。政権交代に向け「名を捨てて実を取る」という大義だった。
 元々保守色が強い小池氏との共闘には無理があり、民進党は自壊した。希望の党も「反自民」の姿勢を明示できず、伸び悩んだ。
 非合流組の枝野幸男氏が立ち上げた立憲民主党は「反自民」の受け皿としてリベラル路線を貫き、野党第1党に躍進した。党利党略にとらわれない政治姿勢が有権者に支持された結果であろう。
 総じてみれば、安倍政権がどこまで国民に信任されたのか。小選挙区制を軸にした現行の選挙制度の下では、民意と獲得議席数との間に“ずれ”も生じる。首相が今回の勝利におごり、独善的な政権運営を続けるようであれば、逆に民意の離反を招くだろう。
 長期政権は、国に「安定」をもたらしつつ、為政者の慢心や過信を生んでいく。主権者である私たちは、今回の選挙戦の実相を見つめ、むしろ政治への監視を強めていかなければならない。


「オール沖縄」3勝 それでも新基地造るのか
 米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古への新基地建設を拒否する民意の根強さを改めて証明した。安倍政権が県民の意思を今後も踏みにじることは許されない。
 前回2014年の全勝には及ばなかったものの、1〜3区で辺野古新基地建設に反対する「オール沖縄」勢力が当選、当選確実とした。辺野古新基地を容認する自民党は1議席を獲得したが、3氏は選挙区で落選した。
 沖縄選挙区の最大の争点である辺野古新基地建設に反対する民意が上回ったことは、安倍政権の強硬姿勢に県民は決して屈しないとの決意の表れである。
 国土面積の0・6%の沖縄に、在日米軍専用施設の70・38%が集中していることはどう考えても異常である。米軍基地を沖縄に押し込めることは、沖縄差別以外の何物でもない。
 国は迷惑施設の米軍基地の国内移設を打ち出せば、反対運動が起きると懸念しているにすぎない。それをあたかも普天間飛行場の返還には、辺野古新基地建設が唯一の解決策であるかのように偽装している。県民の多くはそれを見透かしている。
 普天間飛行場の一日も早い返還には「辺野古移設が唯一の解決策」とする安倍政権への県民の怒りが選挙結果に表れたといえよう。
 安倍政権が民主主義を重んじるならば、沖縄選挙区で自民党は1人しか当選できなかった現実を真摯(しんし)に受け止め、新基地建設を断念するのが筋である。それでも新基地を造るなら安倍首相はこの国のリーダーとして不適格だ。
 憲法25条は「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と明記する。この権利を県民は享受できていない。米軍基地から派生する騒音被害や墜落事故、米軍人・軍属の事件事故が後を絶たないためだ。
 それを改善するのが国の務めであり、政治家の果たすべき役割である。だが、安倍政権は明らかに逆行している。
 国の移設計画は老朽化した普天間飛行場の代わりに米軍に最新鋭の基地を与えるものでしかない。米軍機は県内全域を飛行し、深夜・早朝にかかわらず訓練する。新基地建設は沖縄の負担強化につながるだけで、負担軽減になることは一切ない。
 沖縄選挙区で自民党候補が当選したのは2012年衆院選以来、5年ぶりである。その時は3氏が当選したが、普天間飛行場の県外移設を求めていたことが大きい。
 沖縄にとって真の負担軽減とは何か。自民党は沖縄選挙区でなぜ苦戦を強いられているのか、安倍政権は自らに問う必要がある。
 自民党候補も沖縄の政治家としての在り方を考えるべきだ。沖縄の将来を見据えて党の政策を変えさせるのか、それとも党の方針に従うのか。政治姿勢が厳しく問われていることを自覚してほしい。


[衆院選 沖縄選挙区]反辺野古 民意揺るがず
 第48回衆院選は22日、投開票された。希望の党の突然の旗揚げと失速、民進党の合流と分裂。振りかえってみればそれがすべてだった。
 今回ほど政治家と政党に対する不信感が広がった国政選挙はない。その責任は重大である。
 自民党が圧勝した全国と比べ、県内の選挙結果は対照的だ。
 名護市辺野古沿岸部への新基地建設に反対する「オール沖縄」の候補が1、2、3区で比例復活組の自民前職を振り切った。
 前回2014年の衆院選に続く「オール沖縄」の勝利は、安倍政権の基地政策や強引な国会運営に対する批判にとどまらない。
 不公平な扱いに対する強烈な異義申し立てが広く県民の間に共有されていることを物語っている。
 とりわけ象徴的なのは、大票田の那覇市を抱える1区は、共産前職の赤嶺政賢氏(69)が接戦の末に自民、維新の前職らを制したことだ。
 共産党候補が小選挙区で当選したのは全国で沖縄1区だけである。
 翁長雄志知事のお膝元での勝利は知事の求心力を高めることになるだろう。
■    ■
 1区の選挙情勢は、赤嶺氏にとっては、マイナスの要素が多かった。
 高齢者に比べ若者には基地容認の傾向があること、保守層の中に根強い共産党アレルギーが存在すること、「オール沖縄」の一翼を担ってきた那覇市議会の新風会が割れたこと、などである。
 1月の宮古島市、2月の浦添市、4月のうるま市の市長選で「オール沖縄」系候補が立て続けに敗れたことも、退潮傾向を印象づけた。
 マイナスの要素を抱えながら、「オール沖縄」が1、2、3区の議席を死守することができたのはなぜか。
 普天間飛行場など多くの米軍基地を抱える2区では、社民前職のベテラン照屋寛徳氏(72)が早々と当選を決め、北部の演習場が集中する3区では、無所属前職の玉城デニー氏(58)が当確を決めた。
いずれも危なげない勝利だった。
 名護市安部で起きたMV22オスプレイの大破事故と、東村高江で起きた米軍ヘリCH53Eの炎上事故は、いずれも民間地で発生した「クラスA」の重大事故だった。
 沖縄ではヘリ事故はどこでも起こりうる、という現実が浮き彫りにされたのである。
 安倍晋三首相は、北部訓練場の約半分の返還を負担軽減の大きな成果だと主張するが、住民の苦境を考慮しない一面的な見方である。
 訓練場の「不要な土地」を返還する条件として、東村高江の集落を取り囲むように、6カ所のヘリパッドが建設された。周辺住民からすれば基地被害の増大にほかならないのである。
■    ■
 県議会は高江周辺のヘリパッドの使用禁止を全会一致で決議した。当選した議員は、県議会とも共同歩調を取って政府と米軍に働きかけてほしい。
 大事なことは、選挙公約を選挙の時だけの話に終わらせないこと、選挙で公約したことを軽々に破らないことだ。
 台風21号の影響で一部離島から投票箱を開票所まで移送することができなくなり、うるま市、南城市、座間味村の3市村は開票作業を23日に持ち越した。
 異例の事態である。
 公職選挙法第65条は「開票は、すべての投票箱の送致を受けた日、またはその翌日に行う」と規定している。
 うるま市の津堅島、南城市の久高島、座間味村の阿嘉島と慶留間島で投票箱の移送が不可能になったことから、これら3市村の開票作業が翌日に延びたというわけだ。
 4区は無所属前職の仲里利信氏(80)と自民前職の西銘恒三郎氏(63)が激しく争っている。
 大票田の南城市の開票作業が翌日に延びたため、午前零時半になっても当落の判定ができない、という事態が生じてしまった。
 台風への対応が適切だったかどうか、県選挙管理委員会をまじえて早急に対応を検証し、台風マニュアルを整備してもらいたい。


野党崩壊後の共産党に問われる今後の姿勢
 ★自民党幹部が言う。「公示前は50議席から90議席のマイナスを覚悟していた。当時は希望の党への期待が強く、場合によっては同党代表・小池百合子が言うように、連立も視野に入れなくてはならないかもしれないという雰囲気。しかし希望が失速し、北朝鮮危機も重なり、自公への支持が強まった。ただ序盤から優勢が伝えられると、陣営が緩む。多少の覚悟は必要とは思いながら、ここまで来た」。 ★自民党にとっての幸運はさして攻勢をかけるまでもなく、希望の党が自滅したこと。政策、首相指名と目標とするものがない政党に、国民は希望を持たない。都知事が党代表になるメリットを、都市部の有権者すら感じなかった。早速今日から母体である民進党や希望の党の党内政局、お家騒動が始まるだろう。民進党は参院が態度を硬化させ、民進党代表・前原誠司の扱いがまず焦点になる。続いて140億円からなる民進党の資産をどうするか。存続になるのか、解党するなら国庫に返却すべきだが、分党ということになるのか。既に前原らが希望のために運用しているという報道もあり、元代表・岡田克也らが精査を求めている。また希望の党当選者の中からの離脱組も出るだろう。選挙の議席確定後も混乱が続きそうだ。 ★有権者から見れば、選挙直前に野党第1党が崩壊したという混乱の罪は重い。枝野幸男率いる立憲民主党が結党されたものの、野党共闘どころか、野党崩壊が自民党を助けたことは言うまでもなく、前原の言う「安倍1強を倒すため」は、共産党排除のための詭弁(きべん)でしかなかった。前原の責任を問う声が民進党から出た場合、前原はどう対応するのだろうか。野党共闘に可能性を見いだそうとしていた共産党は、前原の排除の論理によって野党共闘からはじき出されたが、立憲の候補者がいる選挙区から一斉に同党の候補者を降ろした英断が、立憲の躍進を導いた。野党崩壊後の共産党の在り方が今後問われる。 ★今回の選挙で、希望の党は保守2大政党を模索したが、国民は第2自民党、自民党の2軍は無用という判断を下した。では保守2大政党は日本では生まれないのか。政策の優先順位、予算の組み方、議論のプロセスの違う野党第1党、そして自民党政治を厳しくチェックできる野党への期待は強いとみるべきだろう。双璧の2大政党ではないが、新しい野党の枠組みが生まれれば、2つの巨大政党化に近づくことは可能だろう。 ★そこにもう1つ、揺さぶりがかかるかどうかだ。それは巨大与党・自民党が、方向性の違いから分裂する覚悟があるかどうか、もう1つは共産党が党名、綱領、政策の転換によって、政党として次のステージに進む覚悟があるかどうかだ。次のハードルは、安倍政権がいよいよ仕掛ける憲法改正だろう。一部野党を巻き込む改憲派に対して、自民党内の反発が広がるか、共産党が護憲のために新たな提案を国民に示せるか。そこで与野党を巻き込んだ政界再編が起こり、希望、維新、公明の各党もその渦に巻き込まれるだろう。民進党と連合の解体は、55年体制の本当の終わりを示した。来る憲法改正へ向けた前哨戦が、この選挙だったのではないか。それまでに再度政界再編が起こるはずだ。

絶望の改憲大政翼賛会…歴史の分岐点で暗黒に転落<上>
野党空中分解によって亡国の暴力政権が拡大続投という喜劇
 与党で312議席――。またしても自公の圧勝を許した選挙結果を見ていると、絶望的な気分になってくる。この国に民主主義は存在するのか。なぜ、これほどのデタラメ政治を終わらせることができないのか。そして、野党はかくも無力なのか。権力を私物化した大義なき解散は、与党の巨大化という最悪の結果に終わった。今回は歴史の分岐点になる選挙だった。安倍暴政の5年間に審判を下す最後のチャンスだったからだ。
「数の力を背景にした強行採決を繰り返し、『中間報告』という禁じ手まで使って、憲法違反の悪法を次々と成立させてきたのが安倍政権です。権力の私物化は目に余り、多くの有権者の生活が置き去りにされている。そんな悪辣政権が選挙に圧勝したことで、ますます傍若無人になり、改憲軍拡のアクセルを目いっぱい踏み込むことになる。目の前に広がるのは暗黒の未来です」(政治評論家・本澤二郎氏)
 経済も外交も成果がなく、森友・加計疑惑も炸裂。何から何まで行き詰まった安倍首相が、疑惑隠しの解散に打って出たことは誰の目にも明らかだ。
 世論調査では半数が安倍の「続投を望まない」と答え、不支持率が支持率を上回っている。それでも、自公が圧勝してしまった。
 解散前に安倍が提示した「自公で過半数」という低すぎる勝敗ラインは楽々クリア、自民単独で絶対安定多数の261議席を超え、自公で改憲の発議に必要な3分の2議席を確保した。衆院の定数が10減ったことを考えれば、与党勢力はむしろ拡大したとさえいえる。
「野党が乱立して政権批判票が分散した上に、希望の党の失速が与党の巨大化に寄与した格好です。合流を決めた希望の党の小池代表と民進党の前原代表は裏で自民党と通じていたのか、はたまた米国の指令なのか、結果的に野党分断に奔走し、安倍政権の圧勝に“協力”したように見えてしまいます。台風で投票率が上がらなかったことも与党に幸いした。悪運だけは異常に強い首相です」(本澤二郎氏=前出)
 投票率は前回の52.66%をわずかに上回るものの、53.68%にとどまった。台風接近による悪天候に加え、選挙戦序盤から与党大勝が伝えられたことで、無党派層が「投票してもムダ」とあきらめてしまった可能性もある。
 二階幹事長はさっそく総裁3選を支持すると表明。こんな亡国政権があと4年も続くのか。野党の空中分解が安倍続投を推進し、10年政権だなんて、もはや喜劇だ。
むなしい立憲民主の躍進と「反安倍」民意のうねり
 この暗澹たる選挙結果で、わずかな光明は立憲民主党の躍進だけだ。リベラル系を「排除」した希望の党が公示前勢力から大幅に減らしたのと対照的に、3倍増の54議席で野党第1党に躍り出た。
 公示前、15人で急ごしらえの小政党なんて惨敗してもおかしくない。この低投票率なら、なおさらだ。結党当初は20議席にも届かないとみられていたのに、市民を巻き込んで、みるみる勢いを増していった。
 公式ツイッターのフォロワー数は、立ち上げからわずか2週間で18万人を突破。政治に無関心だった層も引きつけ、候補者の元には寄付やボランティアが殺到した。
 選挙戦最終日の10月21日、新宿駅で行われた枝野代表の街頭演説には、同日の秋葉原で安倍が集めた5000人をはるかに上回る8000人が詰めかけた。雨が降る中、駅周辺は人で埋め尽くされ、周囲のビルの中からも多くの人が枝野の演説に聞き入っていた。
「『受け皿がない』という主権者の声が立憲民主党をつくった。一緒に戦ってほしい」
「右でも左でもなく前へ進む新しい選択肢を掲げたい」
「2017年10月22日、『この日から日本の民主主義が変わり始めた』と後から言ってもらえるような歩みを進めていきたい」
 壇上の枝野が言葉に力を込めるたび、聴衆からは歓声と拍手が鳴り響き、愛称の「エダノン」コールが湧き上がる。
「現政権に対する不満の受け皿さえあれば、支持が集まることが証明されました。希望の党の敗因は、保守を鮮明にして改憲や安保で踏み絵を踏ませたことです。現政権と何が違うのか分からなくなってしまった。選挙後には自公と組むのではないかという疑念も嫌悪された要因です。その点、立憲民主党は与党に対して明確な対立軸を掲げることで、民意のうねりに後押しされ、議席を大幅に伸ばした。重要なのは、立憲民主党はリベラルといわれているけれど、共産党のような左派ではないことです。枝野代表の考えには保守的な部分もある。つまり、今回の選挙でハッキリしたのは、有権者が求める対立軸は“保守かリベラルか”ではなく、“安倍政権か反安倍か”だということです。立憲民主党は反安倍の軸がブレなかったから、勝てたのです」(政治ジャーナリスト・山田厚俊氏)
 それでも自公で3分の2という壁を突き崩すには至らなかった。
 枝野は22日、「上からの政治を草の根からの政治に変えていく。終わりではなく、これからがスタート」と語ったが、目の前には与党、希望、維新の改憲翼賛会が立ちふさがる。躍進といえども、むなしさは募るばかりだ。
「戦争国家」づくりの総仕上げ、強める米国隷従と北朝鮮威嚇
 自公で「3分の2」議席を確保したことで、安倍が一気に「壊憲」のアクセルを踏む込むのは間違いない。街頭演説ではほぼ触れなかったクセに、選挙に勝った途端、テレビ各局の選挙特番で「与党だけで発議しようとは考えていない」「希望の党をはじめ、他の政党とも話をさせていただきたい」と語り、早くも改憲への決意をにじませた。
 9条改憲に慎重な公明がごねても、補完勢力の維新に加え、この先「馬糞の川流れ」となりそうな希望の改憲派が政権にすり寄ってくれば、楽々と改憲を発議できてしまう。
「安倍首相の狙い通り、9条に自衛隊が明記されれば、自衛隊の活動全般を憲法が認めることになり、違憲濃厚の集団的自衛権の行使も晴れて合憲となる。ベトナム戦争の時もイラク戦争の時も、米国は日本に参戦を呼びかけましたが、歴代政権は『あなた方に押しつけられた』と、9条をタテにむちゃな要求をはねのけてきた。集団的自衛権を保有する自衛隊を憲法で認めれば、そのタテは失われます。安倍政権は進んで米国の戦争に巻き込まれようとしているのです」(立正大名誉教授・金子勝氏=憲法)
 改憲には対外的な危機感が必要だ。安倍は今まで以上に北朝鮮にケンカを売り、その脅威をあおっていく。緊張はいや応なく増し、金正恩が万が一、暴発すれば自衛隊が米軍の先兵役となる。前出の金子勝氏が言う。
「有事の際に自衛隊が米軍の指揮下に入ることは、すでに65年も前から『指揮権密約』によって決まっています。朝鮮戦争の最中の1952年、当時の吉田茂首相とクラーク米軍司令官が口頭で交わした密約で、今なお日本政府は『国民に与える政治的衝撃』を鑑みて伏せていますが、その旨は米国の公文書にも残っています。あらかじめ指揮権を米国に握られているのは完全な属国を意味しますが、この5年弱の安倍政治を俯瞰すると、属国強化を望んでいるとしか思えません。海外派兵に活路を見いだす安保法制はもちろん、秘密保護法も米軍の機密を守るため。共謀罪も反戦世論を潰すもの。9条改憲は米国隷従を強め、軍事行動をともにする戦争国家づくりの総仕上げなのです」
 曲芸と禁じ手で生き残ってきた自己都合政権が目指す道はハッキリしている。
小池代表が世論からソッポを向かれ死屍累々の「希望」は分裂の運命
 国民から嫌われ惨敗した「希望の党」は、この先どうなるのか――。
 最終盤の希望の党は本当に醜くかった。候補者から小池代表に対する不平不満が噴出し、新党設立メンバーの松原仁までが「日本は和をもって貴しとなす国だ」と「排除」発言をした小池に苦言を呈するありさまだった。
 結局、野党第1党の座を立憲民主党に奪われ、公示前の57議席に届かないどころか、閣僚経験者の馬淵澄夫までもが比例復活できず落選という死屍累々だ。
 その一方で、ツイッターで「安倍首相の交代は許されない」と呟いたトンデモ男、「日本のこころ」出身の中山成彬は比例九州ブロック単独1位で当選。希望当選者のほとんどが民進出身者なのに、中山のようなウルトラ右翼と一緒の党でやっていけるわけがない。
「希望が70〜80議席を獲得し野党第1党になっていれば、小池さんの求心力は維持され、当面は様子見だったでしょうが、第1党になれなかったことで、コアメンバー以外は早晩、希望を出ていくことになるでしょう。希望の敗因について、『反安倍票が立憲に流れたから』という解説が多いですが、私はそれだけではないと思います。民進党で幹部クラスではなくとも、無所属を選んだことで接戦を制した人も少なくない。つまり、立憲にやられたというより、有権者の『希望は嫌』というアレルギーが強かったということです。希望は今後も世論の支持を広げるのは難しい。そういう意味でも、希望から離れる人が出てくるでしょう」(政治ジャーナリスト・鈴木哲夫氏)
 希望は、いまだに首班指名で誰に入れるかも決まっていない。早ければ首班指名の時にもバラバラになる可能性がある。
 政治評論家の野上忠興氏は、「希望は分裂必至。残っても自民党の補完勢力として第2の維新になるのが関の山じゃないか」とみている。


絶望の改憲大政翼賛会…歴史の分岐点で暗黒に転落<下>
野党第1党に躍り出た立憲民主主導の野党再編に一筋の光明
 立憲民主党が野党第1党になったことは、野党再編を描く上で一筋の光と言える。もし、野党第1党が希望の党だったら、野党はバラバラとなり、自民党の対抗勢力も消えてなくなっていたに違いない。
 前出の野上忠興氏がこう言う。
「当選のバラ付けで、安倍首相の冷めた表情が印象的でした。立憲は安倍首相による改憲は絶対反対で、反安倍の軸がハッキリしている。結束力がイマイチだったこれまでの野党第1党の民進党とは違います。ブレない明確な敵が出てきたということで、安倍首相はさぞ憂鬱でしょう。立憲の枝野代表は世論の支持を得てカリスマ的な人気になっている。これが求心力となって、立憲を中心にもう一度、野党の大きな固まりができていくと思います」
 実際、無所属で出馬した岡田克也元民進党代表は、選挙期間中から、「野党がきちんと協力できる態勢をつくり、将来、大きな固まりにならないといけない」と語っていた。当選した民進系無所属は22人。岡田や江田憲司元代表代行などベテランが多く、院内会派をつくる見通しだが、立憲との統一会派を組む可能性が高い。
 参院民進党についても、小川敏夫会長は「自民党に対抗するリベラル勢力の結集」を主張し続けている。少なくとも参院民進が丸ごと希望に移ることはなく、立憲と連携する可能性が高い。そうなれば、希望からの離脱組もこうした流れに加わることになるだろう。いずれにしろ、立憲民主党が野党再編の中核になるのは間違いない。
「立憲、無所属、民進参院、希望からの出戻りで民進党の再結集が進むことになるでしょう。以前の少し幅の広過ぎる民進党から、政策的に自民党寄りの細野さんたちが先に出ていったことで、自民党に対峙する『保守・リベラル系』の固まりがまとまりやすくなった。これに社民党なども加わるのかどうか」(鈴木哲夫氏=前出)
 北海道や新潟での野党の善戦で、受け皿が1つになれば自公に勝てることは証明された。次こそは、である。 与党大勝世論調査で安倍にすり寄った大メディアの犯罪的腐敗堕落報道
 こんな絶望的な選挙結果になった責任は、腐敗堕落した大メディアにもある。モリカケ疑惑では、朝日新聞などは徹底追及の姿勢だったのに、今回の選挙戦では安倍政権への批判を控え、消費税や改憲についての「候補者アンケート」など“客観報道”に終始していた。
 他紙も各党の政策のちょっとした違いにばかり焦点を当てていたが、冗談じゃない。今回の選挙は「安倍暴政をこれ以上、続けさせていいのか」――そこが最大の争点だったはずだ。5年間の安倍暴政を書き連ね、「これでいいのか」と報じるべきなのに、腰砕けもいいところだ。
 それもこれも、突然の解散で野党が右往左往し、希望の党の出現、立憲民主党の誕生で野党が分断され、「安倍1強」が続くという予想が出てきたからだ。「この政権は倒れない」と踏んだからこそ、大手メディアは政権批判から一転、“忖度報道”に切り替えたのだろう。高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)はこう言う。
「大手メディアは、失言した人や不倫した人など、『水に落ちた犬』は徹底的に叩くのに、強力な相手に対しては顔色をうかがう。多くのメディアが選挙後になって、コメンテーターにモリカケ問題や突然の解散について批判的な論評をさせていますが、順序が違うでしょう。巨大な権力に問題があると分かっているなら、選挙前に徹底的に報じるべきです。それができなければ、メディアの役割放棄に等しい。自ら首を絞めているようなものです」
 この5年間、安倍政権は平然と言論弾圧を繰り返してきた。選挙報道の放映時間が「野党偏重」だとか、アベノミクス批判ばかりだなどと難癖をつけ、NHKの会長人事にまで手を突っ込んでいる。高市早苗総務相(当時)は「電波停止を命じることができる」とまで口にする始末。その結果、政権に批判的なコメンテーターは、番組から一掃されてしまった。
 おかげで、「報道の自由度ランキング」で日本は、2012年の22位から72位にまで急降下。メディアは本来、権力の横暴に立ち向かうべきなのに、安倍ヨイショなど狂気の沙汰だ。こんなメディアは早晩、有権者から見放されるだろう。
4年間の白紙委任状を得た暴力政権が加速化させる国民弾圧
 この先4年間、安倍が強権政治を強めてくるのは間違いない。「安倍1強」があと4年続いたらどうなるか。この半年間を振り返るだけでも明らかである。
 とんでもないのは、野党が憲法53条に基づいて臨時国会の召集を要求したのに、3カ月も棚ざらしにした揚げ句、臨時国会を開いた途端、一切審議せずに解散したことだ。議会制民主主義の国で野党が手続きに従って要求したのに、国会を開かないのはあり得ないことだ。東南アジアの独裁国家と変わらない。
 大手メディアはほとんど問題にしなかったが、憲法53条は少数野党に与えられた極めて重要な権利である。その権利を蹂躙したのは、安倍政権が初めてだ。
「恐らく安倍首相は、選挙で多数を得たら、何をやっても許されると考えているのでしょう。ホンネでは法律も予算も国会で決めず、官邸が決めればいいと思っているのだと思う。民主主義をどう考えているのか、安倍首相の“憲法観”に如実に表れています。本来、憲法は国家権力を縛り、国民の人権を保障するものです。それが立憲主義です。ところが、安倍首相は『立憲主義は絶対王政時代に主流だった考えだ』と発言している。自分は憲法に縛られるつもりはない、ということでしょう」(政治学者の五十嵐仁氏)
 権力者がルールに従わなくなったら、民主主義は成り立たない。安倍が恐ろしいのは、民主国家のトップなのに、自分に従う者には褒美を与え、逆らう者には刃を向けることだ。当初、森友学園の理事長だった籠池泰典氏のことを「素晴らしい教育者」と持ち上げていたのに、自分に盾突いた途端、人格攻撃を加え、容赦なく証人喚問している。とうとう、籠池氏は逮捕されてしまった。
 総選挙で圧勝したことで「安倍1強」が強まるのは確実である。自民党の中で逆らう者はいなくなるだろう。
 完全な独裁者となった安倍。有権者は4年後、「なぜ、あの時、自民党を勝たせてしまったのか」と白紙委任状を渡したことを後悔するはずだ。
狂乱のアベノミクス継続で日本経済は焼け野原
 安倍自民党は「就業者数185万人増加」「若者の就職内定率過去最高」など華々しいデータをアベノミクスの成果として並べ立て、「加速させる」とブチ上げた。しかし、国民生活は悪化の一途をたどっている。
 安倍が宣伝した「雇用の改善」で増えたのはほとんどが非正規雇用だ。
 成果として自慢した「正社員有効求人倍率、初の1倍超え」にしたって、「介護」など離職率の高い職業ばかり。しかも労働者の実質賃金は年間10万円も減ってしまった。最高値を連日、更新している株価だって、「官製相場」によって上がっているだけの話だ。
 実際、好景気を実感している国民はほとんどいないはずだ。
 経済評論家の斎藤満氏が言う。
「自民党が実績として掲げた中でも噴飯ものだったのが『名目GDP50兆円増で過去最高』です。名目GDPが50兆円増加したのは、消費税を5%から8%に引き上げた影響が大きい。第2次安倍政権で、物価上昇の影響を名目値から差し引いた実質GDPの増加率は年平均1・4%に過ぎません。年平均1・6%だった民主党政権時を下回っています。経済指標を都合良く悪用したも同然で、まるでフェイクニュースですよ」
 庶民の暮らしがカツカツになる一方で、大企業は肥え太った。5年間で企業の内部留保は100兆円以上も増加。しかも選挙で大勝した安倍政権は大企業のリクエストに従って、今後、クビ切り自由化や残業代ゼロ法案を推し進める方針だ。
「危惧されるのは、自公圧勝によって黒田日銀の続投の可能性が高まったことです。恐らく来年4月の総裁人事で、安倍首相は政府の意のままに国債を買い上げてくれる黒田総裁を再任させようとするでしょう」(斎藤満氏=前出)
 今年6月、日銀の国債保有額は初めて500兆円を突破。異次元緩和前から3倍強に増え、GDP比で9割超の水準にまで膨らんでいる。
 短期間のはずだった異次元緩和をいつまでも続けられるわけがなく、いずれ破綻するのは目に見えている。
 続投で黒田総裁があと5年も日銀に居座ったら、日本国債の信用は地に落ち、超インフレの形で国民にツケが回ってくる。
 有権者は最悪の選択をしてしまった。


自民圧勝でも光はある! 立憲民主党は共産党や山本太郎と連携してネトウヨに対抗する草の根リベラルを育てよ
 総選挙は、自民・公明で3分の2を超える圧勝に終わった。安保法制、共謀罪をはじめ度重なる強行採決、森友・加計問題に象徴されるお友だち優遇の国家の私物化……こんなひどい政治をやってきたあげく、600億円以上の費用もかけてまったく大義のない解散をした安倍政権が、ここまで勝ってしまうとは、まさに信じがたい。
 ただ、国民は安倍政権の横暴を忘れたわけではなかった。実際、テレビ朝日の調査では政権交代をのぞむ声は50%を超えていたし、近々の各社の世論調査でも軒並み不支持率が支持率を上回っていた。
 にもかかわらず、自民単独でも過半数を超えるどころか280も超えほぼ公示前に迫る大勝。まったく民意を反映していない選挙結果になってしまっている。
 従来から、多様な意見の排除、得票率と獲得議席数の乖離など問題点が指摘されてきた小選挙区制だが、あらためて民意をまったく反映しない欠陥制度であることが明らかになった。
 さらに、台風も安倍自民党に味方した。マスコミ各社の終盤調査では、自民党、公明党の獲得議席数は30を下回るといわれていた。それがこんな数字になったのは、台風のせいで投票率が伸びず、安倍政権に批判的な無党派層が思ったほど選挙に行かなかったことが大きい。
 台風直撃によって、投票日を前日に前倒しにした地域や、通常の20時を大きく前倒して投票を締め切る選挙区が続出。多くの国民の投票の権利が奪われるのがみすみす放置されたが、その台風は同時に、安倍自民党を大勝させる要因にもなったのだ。
 しかし、こんな結果をつくりだしてしまった最大の原因はメディアの姿勢だろう。解散後のメディア報道はほとんど犯罪的と言ってもいい。
安倍政権の問題点を報じず、小池百合子劇場に踊り続けたメディアの罪
 今回の解散は、野党からの国会の開催要求を何カ月も無視しつづけたあげく、招集したとたん国会議論を一切しないままの冒頭解散という暴挙。森友・加計疑惑隠しが目的の解散であることが明らかなのはもちろん、解散権の濫用、国会の否定という、民主主義の破壊行為だ。そして、この選挙はこの大義なき解散に象徴される、安倍政権の独裁政治そのものが問われた選挙だった。
 だとしたら、メディアは本来、安倍政権の問題点、そして改憲の是非についてもっと報じるべきだった。
 しかし、メディアは希望の党の登場と小池百合子劇場に踊りつづけた。前半は小池劇場を煽るだけ煽り、失速後はバッシング。希望の党に民進党が合流することになり、一気に過半数、政権交代も視野に入ったかに思われた9月末までならまだしも、排除発言と立憲民主党の登場で小池人気が失速し、候補者数からも政権交代はほぼ不可能であることが確定的となってからも、相変わらず、小池劇場一色。どのみち政権交代はできないという大勢は変わらないのに、毎日のように小池百合子の出馬確率が何%か、希望の党の首班指名が誰なのかをぐだぐだ報じつづけた。そして、たまに小池百合子の話題じゃないと思ったら民進党のゴタゴタ批判。選挙戦終盤にいたっては、『ひるおび!』(TBS)や『情報ライブ ミヤネ屋』(読売テレビ)といった安倍応援団番組は、国内の選挙について報じず、中国の共産党大会についてえんえん報じていたほどだ。
 この報道で誰が得をしたのかといえば、むろん安倍政権だ。安倍首相はこのまま国民を眠らせたまま、選挙を盛り上げず、投票を迎えることを狙っていた。殊勝な顔をして議席だけとってしまえば、あとはなんでもやれる、と。結果はまさに、その狙い通りとなったわけだ。
 昨日、各局の選挙特番に出演した安倍首相は空気を読んで猫をかぶっていたが、これから確実に牙を剥いてくるだろう。昨日の記事でも指摘したように、大企業による労働者使い捨てがやりたい放題になる働き方改革、いわゆる「残業代ゼロ」と「定額働かせ放題」法案。子育てを家庭とりわけ母親だけに押し付け、公権力が家庭に介入し戦前戦中のように家族を国家の下請け機関に位置づける、家庭教育支援法案。そして、憲法改正も確実にやってくるだろう。
 しかも、それは自衛隊の9条明記にとどまらない。トランプ大統領が年明け、北朝鮮への軍事行動を準備しているという見方が強いが、これに乗じて、国民の権利を制限する緊急事態条項の創設や、9条2項の削除だってもち出しかねない。
 さらに、言論や報道への圧力も再び強めていくだろう。安倍首相はすでにこの選挙前から、ネトウヨ丸出しの和田政宗参院議員を自民党広報副本部長に据え、ツイッターでテレビ局への恫喝をさせていた。これから、加計問題を追及してきた朝日や毎日新聞、TBSやテレビ朝日に対して、卑劣な報復を開始。この国から言論、報道の自由をさらに奪うような政策や圧力を展開するはずだ。
枝野総理、小池晃官房長官、山本太郎財務相のシャドウキャビネットを
 まさに、絶望しかない政治状況。ただ、ひとつだけ希望はある。それは、立憲民主党が野党第一党になったことだ。改憲・自民補完勢力である希望の党ではなく、立憲民主党が野党第一党となったことで、自民党の改憲への動きにも一定のブレーキ役を果たすことができるだろう。
 もちろん立憲民主党の議員たちのメンツだけを見る限り、どこまで信用できるのかという問題はある。本サイトとしては、野党としてなら、立憲民主党より共産党にこれだけの議席があったほうがはるかに頼りになったとも思う。
 しかし今回の立憲民主党躍進の立役者は、元SEALDsメンバーを含む市民連合であり、さすがに彼らを裏切ることはしないだろう。選挙戦途中、枝野幸男代表が二大政党制を肯定するような発言をしたり、野党共闘を組む共産党をないがしろにするような態度をとった際などは、市民たちが批判の声をあげ、枝野代表もそうした声を受け軌道修正してきた。
 消費税増税については、民進党時代よりも市民に寄り添った政策を打ち出した。沖縄の辺野古新基地についても、基本的に民進党時代は是としつづけていたが、立憲民主党は辺野古新基地建設は立ち止まり辺野古以外の選択肢も検討するとした。
 枝野代表は昨晩も、これまでの拙速な政権交代を目指しての数合わせの権力ゲームに対する反省を語ったり、憲法改正、対米従属に関連して、日米関係は重視するとしながらも、これまでの親米タカ派の人脈とはちがう、ハト派のアメリカとの人脈形成を模索したいと発言するなど、対米・外交においてもオルタナティブな路線を志向しているようだった。
 いずれにしても、今回の選挙結果によって、いま、多くの国民がリベラル勢力を求めていることが明らかになった。本サイトは、民主党、民進党の時代から、党内保守を切り捨て、明確にリベラル路線を打ち出したほうがはるかに支持を集められると主張してきたが、その正しさが証明されたわけだ。
 そういう意味では、立憲民主党は、希望の党に寝返った連中や無所属の保守派ともう一度野合してはならない。むしろ、いまこそ連中を“排除”し、山本太郎や共産党など、発信力をもったリベラルと強く連携し、具体的な政権構想を打ち出すべきだろう。
 たとえば、枝野総理、小池晃官房長官、山本太郎財務相という布陣のシャドーキャビネットを立てたっていい。これはギャグで言っているわけではない。共産党らしからぬ柔軟性と高い説明能力をもった小池を官房長官に、マクロ経済を懸命に勉強して国民への再分配の方法を模索している山本を財務相に立ててリベラルな政策を打ち出していけば、“旧民進党の仲間”といった内輪で固まっているより、はるかに強度と影響力をもてるはずだ。
 それは、国会という枠のなかでのことだけではない。自民党が下野時代にネトウヨを組織化し、たんに自民支持を広げるだけでなく、嫌韓ヘイト、弱者叩き、ミソジニーといった反人権・反民主主義的な価値観を煽っていったが、こうした動きに対抗して、草の根でリベラルな価値そのものを広めていくような戦いが求められる。民進党時代のように極右勢力の左派叩きに過剰反応して、ネトウヨ的世論に迎合して保守ぶるのではなく、正面からリベラルな価値を訴え、裾野を広げる戦いをすべきなのだ。海外でも移民排斥やトランプ現象が盛り上がる一方で、サンダースやコービンが高い支持を集めている。世界的に見れば、これもひとつの大きな潮流なのだ。
 従来、その頭の良さ、能力の高さの割に政治勘がないと言われていた枝野代表だが、今回の選挙を機に、本当に大事なものは何か、もっとも頼りになる味方が誰か、ということを強く認識してほしい。(編集部)


民進解体のA級戦犯 前原誠司氏を待つ“政界孤児”の運命
 まんまと小池百合子氏に騙され、民進党を解体した“A級戦犯”の前原誠司氏。もはや、政界でこの男を信用する者は一人もいない。政界の孤児になるのは確実だ。
 23日未明、党本部で会見した前原氏は「選挙結果が出たので希望の党を中心に大きな固まりをつくるのは見直さないといけない」「辞任するのは当然だ」と、やっと責任を認めた。しかし、民進党出身者の怒りは消えない。政治評論家の有馬晴海氏が言う。
「前原さんは、政治家として余りにも未熟でした。10年前の偽メール事件の時から、まったく成長していなかった。せめて、小池知事が“排除”発言した時、小池知事に強く抗議し、排除された議員に『申し訳ない』と謝っていればよかった。ところが、『すべて想定内だ』『私の判断は正しかった』と居直った。あの一言で政界の信用をすべて失った。そもそも野党第1党の党首なのに、細部を詰めることもなく、人、カネ、組織を小池知事に売り渡すのは無責任すぎます。もう、前原さんの政治生命は終わったのではないか。希望にも入らず、たった一人の無所属になる可能性もありそうです」
 選挙区の京都2区で当選こそしたが、演説中、「裏切り者」「恥ずかしないんか」「よう来られたな」「詐欺師が」とヤジが飛び、「帰れ」のプラカードも掲げられた。地元でも完全に嫌われた。
 当初、開票が進んでも「党首をつづける」と強弁していたのに、日をまたいだ未明に「辞任するのは当然だ」と口にしたのも、居座っても「解任」されるだけだと諦めた結果らしい。
「民進党に残っていた参院議員は、前原さんが代表を辞めなかったら解任するつもりでした。民進党の参院議員は、党の金庫に残っている140億円についてもビタ一文、希望の党に渡すつもりがない。前原さんを追放し、党籍を残したまま無所属で出馬した岡田克也さんらと党を再建するつもりです」(民進党関係者)
 なぜ、民進党は前原誠司氏のような男に2回も代表をやらせたのか。


東京でも死屍累々…完全に終わった小池都知事の政治生命
「私の驕りもあった」――。出張先のパリからテレビ各局の選挙特番に出演した希望の党代表の小池百合子都知事は疲れ切った表情で目はうつろ。「日本をリセットする」と宣言した結党時の高揚感は見る影もなく、もはや彼女の政治生命は終わったも同然だ。
■有権者にもハッキリ露呈した排除の独裁者の正体
 わずか1カ月前。メディアは新党結成を電撃発表した小池知事の話題で持ちきりだった。衆院選に出るのか、後任知事は誰か。あえて自身の出馬を曖昧にしたことで報道は過熱。周囲に「電波ジャックね」と笑みを浮かべ、希望から九州比例単独で出馬した中山成彬氏には「選挙はテレビがやってくれるのよ」と軽口を叩いていたという。
 揚げ句に「カネと組織」をぶら下げて野党第1党の民進党が合流。女性初の総理の目が見えてきた先月29日、得意絶頂の時に飛び出したのが、例の「排除」発言である。この日の会見で排除発言を引き出す質問をしたジャーナリストの横田一氏はこう言う。
「いつも厳しい質問で困らせるためか、小池知事は私が会見で挙手しても絶対に当てず、囲み取材で質問してもプイと横向き、知らんぷりの連続でした。会見で指名されたのは、あの日で実に半年ぶり。小池知事は“天敵”にも余裕の態度を示し、度量の広さを見せつけたかったのかも知れませんが、その発想自体が『驕り』の表れ。結果的に彼女は本性をさらけ出してしまった」
 民進出身のリベラル派を「排除いたします」と宣言し、にっこり満面の笑み。手玉に取ったつもりでいたメディアにその姿を繰り返され、風向きは一変した。安倍首相に劣らぬ独裁的な「ヤバい女」という正体を露呈し、小池知事が選挙戦の前面に立つほど票を失う悪循環で、そもそも薄っぺらな“仮面野党”は大失速。皮肉なことに野党第1党の座を、排除したリベラル派による立憲民主に明け渡し、お膝元の東京でさえ死屍累々で、小選挙区で勝ったのは長島昭久氏のみ。小池知事の地盤を引き継いだ若狭勝氏は比例復活すらかなわぬ惨敗で、小池知事の“神通力”の消滅を象徴した。
 長島氏は「都知事には都の仕事に専念してもらい、国政は我々に任せてもらいたい」と小池知事を突き離し、若狭氏は「『排除』という言葉は過激だった」と恨み節だ。
 それでも小池知事は開票後も「排除という言葉が独り歩きした」「最初から衆院選に出馬するつもりはなかった」「総理を目指すために結党したわけではない」と負け惜しみの連発だから、懲りていない。
 新党結成後の1週間で、都には「都政に専念して」との苦情の電話が延べ約750件、メールなどは約1000件寄せられた。都知事としての支持率もつるべ落としで、産経・FNN調査によると、9月の66・4%から10月は39・2%に急落。目も当てられない嫌われっぷりだ。
「地盤の東京で大敗したということは都民からも支持されなかったということです。まさに『信なくば立たず』で、この選挙結果では都政運営も厳しくなるでしょう。あれだけ選挙中に安倍政権を批判した以上、五輪の準備で国の協力を得るのも難しい。今は都議会で都民ファーストと連携する公明党だって、小池知事の利用価値がなくなれば、いつでも手のひらを返すに違いない。前途多難ですが、すべては小池知事の自業自得です」(横田一氏)
 都民ファの53人のうち、自民出身者は11人もいる。都議会自民が手を突っ込めば次々寝返り、都民ファも「馬糞の川流れ」だ。早晩、小池知事が追い込まれて無責任に都知事の座をブン投げても、おかしくないのだ。


馬淵澄夫氏は希望からの出馬が裏目…落選した「大物7人」
■都合よすぎる渡り鳥にノー
 選挙のたびに有利な居場所を物色する常習犯。元環境相の小沢鋭仁氏(63・東京25区=希望)は、2012年衆院選では直前に民主党を離党、維新に移って南関東で比例復活した。前回14年も公示直前に地元山梨1区を見切って、比例近畿単独1位で当選。今回も直前に維新から希望に移ったが、さすがに3度目はなかった。
■引退して何を暴露するのか
 国会には黒塗りのTPP資料しか提出しないのに、農相時代のTPP交渉の暴露本を出版し、地元では「カネもってこーや(公也)」の異名を取る元農相の西川公也氏(74・栃木2区=自民)。選挙に弱いと言われてきたが、やっぱり弱かった。年齢制限で比例復活もナシ。
■「希望から」が裏目に
 6選を目指した元国交相の馬淵澄夫氏(57・奈良1区=希望)が苦杯。過去2回の逆風選挙でも小選挙区で勝ったが、今回、希望からの出馬に疑問の声が続出した。民進党国対委員長に就任したばかりだった松野頼久氏(57・熊本1区=希望)も落選。やはり希望から出たのが失敗だった。
■公明の全勝神話崩壊
 当選7回、元財務副大臣の上田勇氏(59・神奈川6区=公明)が、公明の全勝神話にミソをつけた。全9選挙区で唯一の落選だ。小泉進次郎氏も応援に駆けつけるなど、自民も必死にテコ入れに協力したが及ばず。
■娘当選で影響力は健在か
 公民権停止が解けて、8年ぶりに新党大地の比例北海道単独1位で出馬した鈴木宗男氏(69・比例北海道=大地)は議席獲得ならず。もっとも、娘の貴子氏を自民に押し込み、ちゃっかり比例単独2位で当選させている。
■自民の内ゲバに立憲の伏兵が差す
 解散前日に自民に入党するも公認は得られず無所属で挑んだ浅尾慶一郎氏(53・神奈川4区=無)。自民公認との内ゲバを横目に、立憲民主の新人女性が当選。後ろ盾のはずの二階幹事長を恨むしかない。


こじるり無双!現場も驚く小島瑠璃子選挙リポート力
 22日に生放送されたテレビ東京「池上彰の総選挙ライブ」で、希望の党の開票センターの重苦しさをリポートしたタレント小島瑠璃子さん(23)のコメントです。昨年の参院選、今年の都議選に続く現場リポートですが、自分の言葉でよどみなく状況を伝える力量は局アナ以上。的確、聞きとりやすい、かわいいという三拍子がそろっていて、ネット上も「センスがすごい」「分かりやすい」「そのまま台風中継もお願いしたい」と絶賛。こじるり無双を実感しました。
 大躍進した立憲民主党の開票センターから移動し、両党の明暗をリポートしたこじるり。「車で1、2分の場所にありますが、状況はかなり違うと肌で感じます」ととにかく具体的で、前かがみの小さな声で「大きな声を出せたもんじゃありません」。局アナ風の定型文でも、場違いに騒ぐアイドル仕事でもない、こじるり印の品質保証。希望の党の重苦しい雰囲気を生き生きと伝えてくれました。
 両党のボードの違いにも着目し「立憲民主党のボードは、候補者すべての名前が張り出されて当選者にお花をつけていくスタイルでしたが、こちら(希望の党)では、お花をつけた当選者の名札だけ貼っています。池上さん、これはどういう理由があるのでしょうか」。自分の手に余る解説は池上さんにお任せする落ち着いた差配で、池上無双との息もぴったりでした。
 テレ東によると、こじるりは移動した現場でスタッフから「報道陣の数」「カメラの台数」「それまでの状況」の基本情報をもらうほかは、短い時間で自ら取材し、リポートしているそうです。同局では「経験の浅いアナウンサーの場合はスタッフがしっかり原稿を書いてそれを読んでもらうケースが多いのですが、小島さんは自分の言葉でまとめてリポートしています。現場スタッフも『記者ディレクターのようだ』と驚いています」。
 実際、後方を向いた時に映ったA4サイズの取材メモは、手書きのなぐり書きがびっしり。四角く囲んでいたり、ぐりぐりと塗りつぶしていたりと、限られた時間の中での取材ぶりが伝わってきます。
 立憲民主党の開票センターでも独特の視点で伝えてくれました。福山哲郎幹事長とスタジオの池上さんのやりとりをしっかり見ていて、中継を終えた福山氏の“その後”をリポートに盛り込んでいます。「ひとくち、お水を飲んで、表情が全然変わらず落ち着いているんですよね。お父さんが食卓に座って朝ごはんを待っているような、リラックスした表情なんですよ」。現場スタッフは「精悍(せいかん)な顔つき」という表現を提案したそうですが、「朝のお父さん」の方が伝わりやすいと、こじるりが提案したそうです。
 オリジナリティーあふれるリポートを聞いている池上さんもにこにことうれしそう。福山氏の表情を「かなり絶妙な表情」と総括したこじるりに「絶妙な描写ですよ」とすかさず応じました。
 立憲民主党、希望の党を立て続けにリポートして、最後は台風が近づく霞ケ関の様子をカッパ姿でリポート。消費税を扱う財務省、北朝鮮問題を扱う外務省の真ん中あたりに立ち、今回の総選挙の2大争点を総括しました。窓の電気の数から働き方改革に言及した池上さんが「最後は雨の中を中継してくれて、小島さんの働き方改革はどうなるのか」
と感心しきり。池上無双とこじるり無双の共演で、視聴率は民放1位の9・8%。お見事でした。


衆院選  枝野氏「国民と歩み始める」 立憲党声明全文
 立憲民主党の枝野幸男代表は23日未明、衆院選の結果を受けて、党声明を発表した。全文は以下の通り。
第48回衆議院議員選挙の結果を受けて(党声明)
 立憲民主党代表 枝野幸男
 第48回衆議院総選挙の結果、立憲民主党は78名の公認候補者のうち、現時点において小選挙区17名、比例区33名、計50名の当選を得ることが出来ました。まだ最終の議席確定はしておりませんし、懸命に戦ってきた仲間が結果を待っている状況ではありますが、まずは、この選挙を共に戦い、これだけ多くの議席を勝ち取っていただいた、全ての国民、有権者の皆さんに、心から感謝を申し上げます。
 立憲民主党は、この選挙戦を通じ、上からの押し付けではない、草の根からの「まっとうな政治」を取り戻すことを訴えてきました。そうした私たちの訴えに、これまで永田町の政治が遠いところにあると感じていた多くの国民の皆さんが共鳴し、一緒に新しい政治の流れを創り出して下さったことは、私たちにとって大きな喜びですし、今、あらためてその責任の重さを痛感しています。
 一方で、この間、共に活動し、一緒に戦う準備をしてきた多くの仲間たちが、議席を得ることができず、結果として、与党が絶対安定多数を確保する展開になってしまったことは、「安倍政治の暴走に歯止めをかける」ことをめざし、国民の皆さんと共に戦った私たちにとって大変厳しい結果であり、重く受け止めなければなりません。
 まさに立憲民主党にとっては、今日から、ここからが、国民の皆さんとともに歩みを始める新たなスタートです。今回、立憲民主党の戦いに参加いただいた方々だけでなく、全ての皆さんに、立憲民主党を通じてお一人おひとりの声を国会につなげていっていただきたいと思います。私たちは、国民の皆さんにお約束した草の根からの政治を実行に移し、支え合いの仕組みを創っていくために、強い決意と覚悟をもって国政に臨んで参ります。


830票で疑惑に打ち勝つ 山尾志桜里氏はドブ板選挙が奏功
「不倫を謝れ」と有権者から詰め寄られることもあったが、最後まで「不倫していないので、ごめんなさいは言えない」で押し切った。
 9歳年下のイケメン弁護士と“ダブル不倫”疑惑のせいで、民進で初の女性幹事長起用も見送られ、離党、無所属と厳しい戦いになった愛知7区の山尾志桜里氏(43=無所属)が、ナント830票差で大接戦を制した。
 山尾氏も「逆転の1票を投じていただいた有権者に感謝したい」と満面の笑み。
「序盤では握手を拒否されることも。事前の情勢調査では、前回比例復活の鈴木淳司氏(59=自民)がやや優勢とみられていましたが、めげずにドブ板に徹した。街頭演説でも不倫騒動には一切触れず。『総理の天敵』を自称し、『私をもう一度総理に立ち向かわせてほしい』と訴え続けた。毅然とした態度で臨んだことで、次第に主婦の支持が戻ったようです」(地元マスコミ関係者)
 当選後の事務所には、不倫疑惑を報じた週刊文春の記者の姿も。結婚指輪を外していることを質問されたが、「答える必要がないと思う」と突っぱねた。


立憲民主党 最少の野党第1党 無所属含め連携加速も
 衆院選では立憲民主党が躍進したが、獲得議席は二〇一二年の民主党(当時)の五十七議席に届かず、一九五五年の自民党誕生と社会党統一以来、最も少ない野党第一党になることが確定した。民進党の解散時勢力は八十七。同党の分裂や公明、共産両党の議席減によって、自民党の「一強多弱」の構図が一段と鮮明になる。
 自民は公示前勢力の二百九十から微減となるものの、単独過半数をはるかに超える二百八十議席に到達。新党の希望の党は第三党にとどまり、既存政党も軒並み公示前から後退した。立憲民主の枝野幸男代表は二十二日の記者会見で、希望の失速を念頭に「理念、政策をぐらつかせてまで、自民に対抗する固まりをつくるという考えに対し、国民に拒否感があったことが証明された」と指摘した。
 一方、巨大自民に対抗するため、野党側で連携の動きが加速する可能性もある。注目は立憲民主にも希望にも参加せず、無所属で選挙を戦った民進系勢力。岡田克也・元民進党代表ら二十一人に、解散前に離党した山尾志桜里氏を加えた二十二人中十九人が当選した。立憲民主は民進色が強く、一定数が国会で統一会派を組むことも考えられ、実現すれば規模は膨らむ。
 希望内では民進系を中心に、安全保障関連法の容認などの党方針に異論が出ている。岡田氏は「希望と立憲民主の間に立ち、一つのまとまりとして与党に対抗できるようにしたい」と再結集に言及している。 (金杉貴雄)


前代未聞の奇妙な選挙、これこそが「国難」だ 主役2人の明暗くっきり、次の離合集散始まる
泉 宏 : 政治ジャーナリスト
政界の長老達が「こんな奇妙な選挙は初めて」と口を揃えた第48回衆院選が終わった。
投開票日の22日は超大型台風が列島を直撃したが、解散前の「追い風」を自ら「逆風」に変えて「完敗」した小池百合子東京都知事率いる希望の党に象徴されるように、各選挙区でのどんでん返しも目立った。そんな「乱気流選挙戦」で、最後に笑ったのは「強運」の安倍晋三首相(自民党総裁)だった。
解散直前の結党・党首就任宣言で政権交代への大勝負を仕掛けた小池氏は、自らの"舌禍"で有権者の「希望」が「失望」に変わると、「狐につままれたような選挙」との捨て台詞を残して無念そうに永田町の表舞台から去った。
首相と小池氏という明暗くっきりの「2人の主役」。これに、それぞれの立場で絡み合った各党党首達は、想定外の野党第1党に躍り出た立憲民主党の代表・枝野幸男氏が喜びに困惑が混じる複雑な笑顔を見せる一方、強固な組織で応戦した山口那津男公明党代表と志位和夫共産党委員長はどちらも「比例の頭打ち」などでの議席減に肩を落とした。発足時の「大阪の地域政党」への逆戻りを余儀なくされた日本維新の会の松井一郎代表(大阪府知事)は、選挙戦で結んだ小池氏との連携も含め、「一から出直しだ」と嘆息した。
「革新勢力」の片隅で生き残りにかけた社民党の吉田忠智党首は、かつての剛腕・小沢一郎氏率いる自由党とともに党存続のための「政党要件」クリアでほっと一息。しかし、参戦8政党の中で「自民党より右」とされる小政党・日本のこころは、中野正志代表(参院議員)の選挙戦での舌鋒鋭い革新勢力攻撃が話題になったものの集票にはつながらず、中央政党としての命脈が尽きた。
「判官びいき」で勝ち上がった無所属組
党首の戦いとは別に、あえて無所属での「孤独な闘い」を選んだのが、元党首の野田佳彦元首相、岡田克也元外相ら「筋を通したサムライたち」。野党第1党として巨大与党と対峙してきた民進党の解散直前の希望の党への「身売り」と、同党合流をめぐる「排除の論理」にはじき出された格好だ。しかし、選挙の七つ道具にも不自由する「無所属」を水戸黄門の印籠に変え、有権者の判官びいきを追い風に、そろって勝ち名乗りをあげた。
対照的に、民進党の希望合流を独断で押し進めた前原誠司民進党代表(無所属で出馬)には、行く先々の仲間の応援演説で「帰れコール」が飛び出し、「この道しかなかった」との弁明も次第に力を失った。公示直後に小川敏夫・民進党参院議員会長が口にした選挙後の民進党再結集論には「政治不信の極み」と怒り心頭だった前原氏。だが、希望が失速する中での有権者の視線の厳しさに、同氏の地元事務所は「お通夜のような雰囲気」(関係者)となり、早々と決めた当選にも歓喜はなく、失意の前原氏は選挙後の代表辞任と希望の党への入党を力なく語った。
各党各候補のせめぎ合いの中で、不倫、暴言などで顰蹙(ひんしゅく)を買った自民党「魔の2回生」を中心とする「お騒がせ候補」たちも、厳正な国民の審判の結果、「笑った人」と「泣いた人」に分かれた。
これまで通り、22日午後8時からテレビ各局は一斉に出口調査に基づく各党議席獲得予測を報じた。「まだ票は開いていないのに…」という視聴者の疑問・不信を無視した速報合戦で、事前調査で圧倒的優位とされたいわゆる"鉄板候補"に次々と当確がつけられ、各選挙事務所でのバンザイも始まった。
その喧騒が一段落したところで、開票作業の進行とともに、テレビ報道の重点は「注目候補」の当落に移った。視聴率を競い合うテレビ各局は、当選が当然視される各党党首や有力議員よりも、さまざまなスキャンダルで世間を騒がせた候補者の開票情報を優先し、なかでも「不倫」や「暴言」で当落が注目されたお騒がせ女性候補たちにスポットを当てた。
自民党系の「不倫がらみ」女性候補は全滅
各局がこぞって大きく報じたのは、いわゆる"文春砲"の「ダブル不倫疑惑」報道で民進党離党に追い込まれた山尾志桜里氏(愛知7区)の当落だ。国会論戦で首相の天敵として名を挙げ、「民進党のジャンヌダルク」と呼ばれて9月1日の同党代表選後に幹事長就任が内定したが、直後のスキャンダル報道に、「密会写真」への説明もないまま離党し、無所属での戦いを余儀なくされたのが山尾氏。しかし、選挙戦では一貫して「不倫はしていない」と訴え続け、23日未明までもつれた自民公認候補との大接戦を勝ち抜き、目を潤ませてバンザイした後、支援者に深々と頭を下げる様子が全国中継された。
一方、山尾氏以上に注目を集めたのが元秘書への「このハゲ〜!」などの暴言でこちらは"新潮砲"の餌食となった豊田真由子氏(埼玉4区)。自民党を離党し、無所属で家族の応援もないたった1人のなりふり構わぬ選挙活動が話題となった。公示前から地元の子供たちには「ハゲのおばちゃんだ」と大人気で、行きかう有権者の格好の「写メの標的」ともなったが、対立候補を圧倒する「知名度の高さ」に得票はまったく連動せず、あえなく最下位で落選。おびただしいフラッシュの中で「申し訳ない」と泣き崩れた。
この2人以外で全国的に注目されたお騒がせ候補は、"不倫がらみ"でかつ「女の戦い」を演じた自民公認の中川郁子氏(北海道11区)と金子恵美氏(新潟4区)だった。それぞれ選挙区でのライバルの石川香織氏(立憲民主党公認)、菊田真紀子氏(民進系無所属)と、涙はもちろん中傷合戦を繰り出す「なんでもありの選挙戦」で必死の形相で生き残りをかけた。
故中川昭一元財務相の未亡人という立場なのに、妻子持ちの同僚議員との「路チュー」を激写され、病院に逃げ込んで批判された中川氏は、「聖心女子大OG」対決で後輩の石川氏に圧倒され、比例区復活もならずに悔し涙を流した。
また、当選同期が縁で結婚した夫(宮崎謙介元衆院議員、不出馬)が「育メン宣言」しながらの女性タレントとの不倫で議員辞職に追い込まれるという不運を跳ね返すべく、初出馬以来の「宿命のライバル」とされる菊田氏と「泣き合戦」を演じた金子氏は、小選挙区で競り負け、比例も次点で議席を失った。
「ダブル不倫」疑惑でも無所属で勝ち上がった山尾氏と比べ、「不倫の被害者」のはずの自民公認の金子氏が落選というあたりには、"スキャンダル女性"に対する有権者の「複雑な反応」もにじみ出た。
この4人のお騒がせ女性候補はいずれも3回目の当選を目指した戦いで、山尾氏を除く自民組の豊田、中川、金子3氏はいずれも「自民党魔の2回生」の一員でもあった。それぞれの奮闘ぶりには、有権者からの好奇の目をものともしない「メンタルの強さ」がテレビ桟敷でも話題になったが、山尾氏以外の3氏は逆風を跳ね返せず、涙にくれた。
「壮大な選挙詐欺」という後味の悪さも
首相は「女性活躍」を叫び続けるが、今回の選挙戦でも女性当選者は依然少数で、欧米の先進各国との落差は一向に埋まらない。そもそも、お騒がせ議員や女の戦いばかりが話題になる辺りに、「所詮、女性議員は政界のあだ花」との永田町の差別意識がにじむ。"勝負師"と呼ばれながら「排除」などの発言ミスで「希望」を「絶望」に変え、小池氏を頼った多くの民進系前職を「死亡(落選)」させた小池氏の落胆ぶりと、お騒がせ女性候補たちの大仰な泣き笑いは、「男社会」から抜け出られない永田町政治の歪みも浮き彫りにした格好だ。
こうした候補者の泣き笑いは「相変わらずの選挙風景」(自民幹部)との見方もあるが、今回ばかりは解散に至る経過や、その後の野党陣営での離合集散のドタバタ劇で、「過去にも例のない異常な選挙」(首相経験者)だったことは否定できない。
小選挙区で敗れた候補が比例復活する奇妙な選挙制度も相まって、1億人を超える有権者にとって「開けてびっくり」というより「壮大な選挙詐欺」に引っかかったような選挙結果は、「後味の悪い国民の審判」として政治不信を拡大させかねない。
政府与党は選挙結果を受けての特別国会を、11月1日に召集する方針だ。首相の「盟友」とされるトランプ米大統領の同5日の初来日をにらんだ日程で、1日の首相指名後の組閣では、首相が仕事人と名付けた全閣僚が再任される段取りだという。自民圧勝を受けて株価も23日の寄り付きから上昇している。何もかもが首相の強運を際立たせている。
小池氏最側近で希望の党の公認調整を仕切った若狭勝氏は、小池氏から引き継いだ東京10区であえなく落選した。解散前から他党の批判を浴びた小池氏の「選挙結果をみて決める」とする首相指名だが、候補を誰にするのかは選挙戦最終日(22日)の深夜にパリに飛び立った小池氏が帰国する25日午前にも、当選議員たちの「議員総会」で決めるという。
パリの空の下で「今回は完敗です」「おごりがあったと反省している」と憮然とした表情で取材に答えた小池氏は、代表続投を前提に「国会のことは当選された国会議員の方々にお任せします」とも語った。しかし当選議員の間では、「小池氏と前原氏が敗北の原因、どちらも責任は免れない」(民進系中堅議員)との声もあり、選挙後のゴタゴタは避けられそうもない。
異様な選挙戦そのものが「国難」との声も
一方、希望を押しのけて「反自民の受け皿」として野党第1党に躍進した立憲民主党の枝野幸男代表にも、新たな野党勢力再構築への重圧がのしかかる。希望の党に合流せず、立憲民主にも駆け込まずに無所属で勝ち抜いた「一騎当千の侍」たちとどう連携するのか、さらには、希望の党も含めての野党再編論にどう対応するのか…。次の国政選挙となるはずの2019年夏の参院選をにらんだ離合集散劇は早くも始まっているようにもみえる。
開票速報を受けて、自民党本部で当選者へのバラの花をつける首相の表情は終始こわ張っていた。「こみ上げる笑いをあえて隠した」と周辺が語るように、「ここで、おごりや傲慢さをみせれば、圧勝ムードなどすぐ消える」(自民長老)ことを自覚しているからだろう。
首相は9月25日夕の解散表明会見で今回衆院選を「国難突破」と名付けた。自民圧勝とは裏腹に、選挙期間中の調査や投開票日の出口調査などの内閣支持率を見ると、ほとんどで「支持」を「不支持」が上回っている。選挙後の野党の離合集散騒動や、お騒がせ女性議員の当落騒ぎも含め、有識者の間では「選挙戦で露呈した永田町政治の異様な実態そのものが国難」(政治学者)との声も広がる。

奄美の鶏飯/バリー・シール アメリカをはめた男/SERA

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Le typhon Lan s'amplifie: deux morts
Des pluies torrentielles et des vents violents s'abattent sur le Japon. Plus de 380 vols ont déjà été annulés au départ ou à destination du Japon.
Un puissant typhon se dirigeait vers le Japon dimanche générant devant lui pluies et vents violents qui ont tué deux personnes et en ont blessé plus de dix alors que des millions de Japonais se rendaient dans les bureaux de vote.
Le typhon Lan, qualifié de ≪très vaste et très puissant≫ par l'Agence météorologique du Japon, s'accompagnait de vents de 216 kilomètres par heure dimanche soir dans le Pacifique, au sud du Japon.
Il se dirigeait vers le nord-est et pourrait frapper Tokyo ou ses environs lundi matin. Des vents violents ont forcé les compagnies aériennes à annuler plus de 500 vols tandis que certains trains ou ferries ont été supprimés dans l'ouest du pays, ont rapporté les médias japonais.
Passant tué
Un passant a été tué par des échafaudages qui se sont effondrés sur lui sur un site de construction à Fukuoka, dans l'ouest du Japon, a indiqué la chaîne de télévision publique NHK.
Un homme de 70 ans a été retrouvé mort après avoir plongé dans la mer pour se saisir d'une corde attachée à un bateau alors qu'il essayait de fuir sa propre embarcation en difficulté, a expliqué un garde-côtes à l'AFP.
Au moins 11 personnes ont été blessées à travers le pays, a précisé la NHK. Le constructeur automobile Toyota a annoncé qu'il suspendrait la production dans toutes ses usines du pays lundi.
Arrivée de hautes vagues
Dimanche, le Premier ministre Shinzo Abe a ordonné à son ministre chargé des catastrophes de se tenir prêt à mobiliser des sauveteurs, dont des soldats. Les autorités ont appelé des milliers d'habitants établis près des côtes, de cours d'eau ou en flanc de colline à se rendre dans des refuges. L'agence météorologique a mis en garde contre l'arrivée de hautes vagues, des glissements de terrain et des inondations dans le centre et l'ouest du Japon.
Les électeurs de la capitale bravaient dans la journée des pluies diluviennes accompagnées de vent pour se rendre dans les bureaux de vote. Le scrutin a été retardé de 20 minutes à Kochi dans l'ouest du pays, où un glissement de terrain a bloqué une route tandis que plusieurs bureaux ont fermé à l'avance.
Des ferries à destinations d'îles isolées dans l'ouest ont été annulés en raison de fortes vagues, obligeant à y suspendre le décompte des voix. Des électeurs de petites îles du sud ont déposé leur bulletin dès samedi pour éviter les intempéries. Il est possible au Japon de voter plusieurs jours à l'avance.
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杉原こうじ(NAJAT・緑の党)‏ @kojiskojis
テレ東。池上彰さんに「共産党は、自民が公明なしで選挙ができないのと同様に、立憲民主党に対して影響力を持とうとしているのではないか?」と問われた小池晃さん。「僕らは損得や見返りを求めているわけではない。見返りは民主主義」とキッパリ。
TBSの選挙特番で、枝野さん
「数合わせの誤解を与える行動はとってはいけない。それを徹底することが政権に近づくこと」
「共産党、社民党が直前に候補を降ろすというかなり大変なことをなさったことに敬意と感謝を申し上げたい」と。
核心をついていますね。伸びしろが開けていると思います。


朝ごはんをコンビニで買ってホテルで食べました.コンビニに抽選でジュースが当たりよかったです.
市民病院近くのマクドでネットしながら時間つぶして,お昼ご飯.奄美の食べ物です.とりめしと思いきや「鶏飯」(けいはん).お京阪ではないです.でもすごくおいしいです.
映画を見に行きました.トム・クルーズ主演のバリー・シール/アメリカをはめた男.町山智浩『バリー・シール/アメリカをはめた男』を語る の解説がわかりやすいです.サンディニスタが悪く描かれているようなのは悲しいけどアメリカ映画だから仕方ない??しかしこのバリーという男とんでもない男のようです.娯楽と思えばそんなものかな?2人で2200円だからよしとします.結構長い映画で正直クタクタ.市内を少しドライブしてからホテルにチェックイン.昨日のとは別のホテルです.なかなかいいホテルです.

河北春秋
 この夏、現代アートを中心とした祭典でにぎわった石巻市の牡鹿半島を先日巡った。潮の香りを含んだ風が冷たい。東日本大震災から6年7カ月余り。見渡す風景は今なお、津波の爪痕が残る▼衆院選の話題に住民からため息が漏れる。「選挙に600億円もかけるくらいなら、復興に心血を注いでほしい」「漁業の復興はもう忘れ去られている」。震災復興を問う議論は消費税増税、憲法改正や北朝鮮の脅威の前にかすんだ▼浜は今、カキの出荷作業に忙しい。宮城県漁協の今季の生産目標は計1700トン。震災前の約5割にとどまる。水産加工業者は震災で失った販路を回復できずにいる。人手不足と人件費の高騰にあえぐ業者もいる。アベノミクスの成果は被災地には届いていない▼被災地の課題は多いのに、これが風化なのだろうか、と感じる衆院選だ。各党は公約で復興に触れているが、優先度は低い。重点政策の項目を掲げた見出しから復興の文字が消えた党もあれば、復興を重点政策に盛り込んでいない党もある。復興は遠くに押しやられた感がある▼そもそも今回の解散総選挙は何のため、誰のためであったのか。モヤモヤした感情が拭えないまま、きょう投票日を迎えた。嘆いていても前に進まない。被災地からの思いを1票に込めたい。

デスク日誌 投票へ行こう
 「いいか、おまえら! これだけはしっかりメモしておけ」。大学受験に失敗し、屈辱まみれの十九の春は鮮烈だった。通い始めた東京の予備校。その講師の講義は型破りだが、面白かった。
 講座は英文解釈。文法などは二の次。政治、経済、社会のありようを英語で論評する。名物講師は当時、再起を期す浪人生を奮い立たせるカリスマ的な存在で、教室は常に満員だった。
 「メモしろ」と言われたことで一つだけ覚えていることがある。「陽(ひ)の当たらないところに、陽を当てるのが政治」。肝心の英訳はすっかり忘れたが、30年以上たった今、その言葉の重みを感じている。
 「国難」を掲げ、首相が解散に踏み切った今回の衆院選は、再編で対抗しようとした野党の混乱も相まって、東日本大震災からの復興の在り方の議論は各党とも終始低調だった。
 数合わせの区割り改定で、人口が減る被災地の声は、ますます届きにくくもなった。後に政界入りし、2年前に亡くなった講師は、今回の選挙をどう見るか。
 嘆いてばかりでも始まらない。しっかりと見極めて投票に行こう。
(報道部次長 玉應雅史)


衆院選きょう投票/何が語られなかったのか
 降って湧いたような解散から慌ただしく過ぎた衆院選がきょう、審判の日を迎えた。5年の「安倍政治」を振り返り、自らの暮らしと重ね合わせて熟慮の1票を投じたい。
 希望の党の旗揚げが「触媒」となって、民進党の分裂という思わぬ展開となった今回の選挙。主役がめまぐるしく変わる「不条理劇」を見せられているようだった。
 幕が開くと、「自民党・公明党」に「希望の党・日本維新の会」「共産党・立憲民主党・社民党」が挑む3極の戦いに、民進系の無所属候補が加わる複雑な構図に。
 本来であれば、小選挙区制は二大政党制へ誘導する仕組みだったはずなのに、逆に多党化に拍車がかかるような流れになり、対立軸が見えにくくなってしまった。
 これで安倍晋三首相の森友・加計(かけ)学園問題などはかすんだ感がある。有権者は戸惑い、選択肢に迷ったかもしれない。ただ、政治を突き放し冷笑するシニカルな態度からは何も生まれない。
 「最良の選択」がなければ、「よりましな選択」にならざるを得ないのが代議制の宿命である。物差しは自分の争点でいい。投票権を放棄する傍観者になってほしくない。
 結果次第によっては、日本の将来を大きく左右する「節目」になるかもしれない重要な総選挙だ。
 一つは憲法改正である。9条への対応や改憲項目に違いがあるとはいえ、論議に前向きな党が増えた。与野党を超えて改憲勢力が発議に必要な3分の2議席を占めることになれば、現実味を帯びる。
 先導役は改憲を目指す立場を明確にした自民党だ。公約に「自衛隊の明記」などを掲げ、9条を含む憲法改正原案を国会に提出し発議すると明記した。ところが、肝心の安倍首相は街頭演説で改憲にほとんど言及してこなかった。
 これまでの首相の手法を見れば、選挙に勝てば「お墨付き」を得たといって、改憲のアクセルを踏む可能性は否定できない。何が語られ、何が語られなかったのか。東日本大震災の復興もしかり。有権者は思い巡らす必要がある。
 消費税増税の是非もある。与党は消費税の税率を10%に引き上げる際、借金の穴埋めに充てるはずの増収分を子育て支援などに回すという。
 一方、野党はデフレから脱却できない現在の経済状況では増税は無理などとして、凍結・中止を主張している。
 おまけに各党とも教育の無償化など耳当たりのいい公約を掲げている。しかし、必要な財源について、こちらも語られていないのに等しい。
 誰しも増税は嫌に決まっているが、次世代への借金つけ回しなど到底できる財政状況にないことは明らかだ。
 投票年齢が18歳以上に引き下げられて初めての衆院選でもある。未来を担う若者たちに声を掛けて、共に投票所に足を運ぼう。


日本の岐路 衆院選きょう投票 「安倍1強」の継続か否か
 衆院選の投票日を迎えた。
 憲法改正や社会保障、経済・財政政策、外交・安全保障など多くの課題でこれからの日本政治の方向を決定づける可能性がある選挙だ。
 報道各社の事前調査では2014年の前回衆院選に続き、自民党が優位な情勢になっている。しかし調査時点で投票態度を明らかにしていない人は3〜4割おり、接戦となっている小選挙区も多い。
 私たち有権者の1票は重い。ぜひ投票所に足を運んでもらいたい。
 改めて指摘しておきたい。
 今回は安倍晋三首相の1強体制が継続するのを是とするのか、しないのかが問われている衆院選だ。
 事前調査通りなら、安倍首相が来年秋の自民党総裁選で3選される可能性が強まる。その場合、安倍内閣はあと4年、21年秋まで続き、第1次内閣も含め在任期間は約10年に達して憲政史上最長となる。
首相権限強化の副作用
 なぜ、この1強体制に至ったのだろうか。
 1990年代初めに進められた一連の政治改革は、衆院への小選挙区比例代表並立制導入とともに、内閣機能の強化を目指したものだった。
 各府省の縦割りを排して首相のリーダーシップを強め、迅速に政治課題に対応するという改革の目的が間違っているとは思わない。だが、そのひずみも見えてきたのが安倍政権の約5年間だった。
 内閣人事局が府省幹部の人事権を握った結果、官僚が自由にものを言えなくなっている。森友学園や加計学園の問題が象徴的だ。官僚が安倍首相らの意向をそんたくした結果、行政手続きがゆがんだのではないかとの疑問が今も消えない。
 小選挙区制導入により、自民党では候補者選定や資金配分の権限が党総裁や幹事長に集中した。活発な党内議論が著しく乏しくなっているのはそれと無関係ではないだろう。
 国会も軽視され、安全保障法制をはじめ審議が不十分なのに与党が強引に成立させる場面も目立った。
 安倍首相の実行力を評価する人もいるだろう。しかし権限強化の副作用は明らかに出ている。こうした権力のあり方を問う選挙でもある。
 異例ずくめの選挙戦だった。
 首相は「森友・加計問題の疑惑隠しではないか」との批判を受けながらも臨時国会で何の審議もせずに衆院を解散した。首相自らの都合を優先したのは間違いないだろう。
 一方、野党は小池百合子東京都知事が代表を務める希望の党ができたものの、民進党候補者は分裂し、立憲民主党が急きょ発足。結局、「自民・公明」「希望の党・日本維新の会」「共産・立憲民主・社民」の3極が争う構図となった。
それぞれの尺度で選ぶ
 小選挙区制は二つの主要政党が1議席を争う形を想定している。戸惑う有権者が多いのは当然だろう。
 安倍内閣の支持率は依然、低迷している。毎日新聞の世論調査によれば、衆院選後も安倍首相が首相を続けることについて「よいとは思わない」と答えた人は47%。「よいと思う」と答えた人の37%を上回った。
 にもかかわらず自民党が優位な情勢になっているのは、小選挙区制の下で野党が分散した理由が大きい。ただし決められたルールに基づいて行う選挙の結果によって進められていくのが民主政治の基本である。
 自民党が勝利すれば、憲法改正の議論は首相のペースで急速に進む公算が大きい。経済政策でも特に地方で不満の声が強い今のアベノミクスの方向は変わらないだろう。原発などエネルギー政策も同様だ。国会運営も変わらないかもしれない。
 衆院選の投票率は、ともに自民党が大勝した前々回の12年が59%、前回が52%と2回連続で戦後最低を更新した。有権者の半数近くが棄権する状況は民主政治の危機と言える。
 この低投票率の下で生まれた「安倍1強」でもある。棄権するのは、結果的には政権に白紙委任するのに等しいことも忘れずにいたい。
 確かに今回の選択は難しい。しかし選ぶ方法はさまざまだ。自分が望ましいと考える政治状況に少しでも近づけるために投票する方法もある。最も関心のある政策で自分の考えに一番近い党や候補者を選んだり、候補者の人となりに重きを置いたりするのもいいだろう。
 選挙は有権者が政治に関わる最も重要な場だ。今回初めて総選挙で投票する18、19歳を含め、それぞれの判断で大事な1票を投じたい。


きょう投票/使いこなそう「清き2票」
 衆院選は投開票日を迎えた。
 戦後の総選挙の投票率を振り返ってみよう。昭和時代は70%台が多く、平成に入るとほぼ60〜50%台に下がった。前回は52・66%と最低を記録した。
 今回、期日前投票の中間発表では、過去最多の有権者が投票を済ませた。共同通信社の世論調査で、8割近くが選挙に「関心がある」と答え、前回を上回っている。そのまま投票率向上につながってほしい。
 この選挙は、予期せぬことが次々と起こった。安倍首相による突然の解散表明に始まり、新党結成と野党第1党の事実上解体など、異例の展開だった。
 野党が離合集散したことで、政党の主張がはっきりした部分もある。憲法改正を前面に掲げる党が増え、逆に憲法を大切にしようという主張も広まった。
 一方で、違いが分かりにくい点もある。消費税増税の使途の変更や「凍結」「中止」をうたい、社会保障や教育の充実など、聞こえのよい主張をそれぞれが口にする。では、財源をどうするのか、1千兆円を超える国の借金をどうしていくのか。痛みを伴う問題は先送りされた。
 選択する際、このテーマは賛同できるが、別のテーマでは意見が合わないのはよくあることだ。理想の政党と候補者はなかなか見つかりにくい。となれば、自らとより考えの近い政党、よりましな候補者を選ぶことも時には必要だろう。
 思い出してほしいのは、私たちの手元には2票あるということだ。小選挙区と比例代表にそれぞれ1票を投じることができる。2票とも同じ政党とその候補者に投票するのが一般的だ。だが、小選挙区はA党のB候補に、比例代表ではC党に。そんな選択も十分考えられる。
 棄権は一つの意思表示という人もいる。本当にそうだろうか。「何も変わらない」からと言うのは、現状を黙認し未来をすべて委ねることにつながる。
 現政権を信任するにせよ、新しい政権を望むにせよ、大切なのは熟考して責任ある行動を取ることだ。「あのときどうしたの」と子や孫の世代に問われたとき、どのような答えをするのかを想像してほしい。
 さあ、投票に行って「清き2票」を使いこなそう。


2017衆院選 きょう投票 明日への思い託したい
 衆院選は、きょうが投票日だ。
 野党第1党が事実上解体し、新党が相次いで誕生する異例の展開の中で選挙戦が進んだ。
 野党が分裂したため、政権選択の色彩は薄まったが、安倍晋三政権への評価を下す意味はある。
 「投票しても結果は同じ」という諦めは禁物だ。
 特に今回は、選挙権年齢が18歳以上に引き下げられてから、18、19歳の有権者が初めて投票する衆院選になる。
 日本の政治は、人口が多く投票率も高い高齢者に配慮した政策が優先されがちだ。若者が積極的に投票すれば、軌道修正を働きかける機会ともなるだろう。
 1票は決して無力ではない。民主主義の担い手として、政党や候補者が掲げる政策を吟味し、自らの思いを票に託したい。
 安倍首相は衆院解散の理由の第一に、消費税増税分の使途見直しを掲げた。それなのに、街頭演説では詳しい言及は避け、北朝鮮の核・ミサイル開発問題を「国難」と訴える場面が目立った。
 消費税増税の凍結や中止を唱える野党とかみ合わず、議論の深まりを欠いた。
 国の形を決める憲法を巡っては、多くの政党が改憲や、その議論の必要性を公約に掲げた。選挙の結果次第では、改憲に向けた作業が加速する可能性がある。
 しかし、世論調査では改憲への賛否は反対が賛成を上回っており、有権者の意識とは齟齬(そご)がある。
 選挙戦の議論を見ても、投票先を選ぶ決め手がないと感じるかもしれない。何を重点に投票するか、戸惑うこともあるだろう。それでも、よりよい未来を選択する意思を投票で示してほしい。
 2014年の前回衆院選の道内投票率は56・35%と戦後最低を記録した。投票率の低下に歯止めをかけたい。
 投票率が下がれば、少数の有権者の意思によって、国の行く末が左右されかねない。棄権は白紙委任と解釈され、有権者の信任を得たとして、政権が行きすぎた政策に走る恐れもある。
 そんな想像力を巡らせることも必要ではないか。
 中でも、有権者の約半数を占める無党派層がムードやイメージに影響されずに判断し、投票に向かえば、政治が動く可能性がある。
 私たちの1票が政治の流れを変える重みを持っていることを自覚し、投票所へ行こう。


きょう投票 「熟慮の1票」を投じたい
 ■2017衆院選■
 衆院選はきょう投開票される。
 安倍晋三首相の唐突な衆院解散表明から1カ月もたっていない。小池百合子東京都知事の「希望の党」結党に枝野幸男元官房長官らの「立憲民主党」結成など、目まぐるしい劇場型政治の展開に、なお戸惑う有権者も多いだろう。
 本紙を含む新聞各紙は終盤情勢として自民、公明の与党が「定数の3分の2をうかがう」などと堅調ぶりを伝えた。だが、4割前後の有権者が投票先未定としている。有権者にとって今回ほど悩ましい選挙も珍しいのではないか。
 最大の焦点は巨大与党が支える首相の「1強」政治の継続か刷新かだ。首相の在職は第1次内閣を含めて5年10カ月と戦後歴代3位になった。衆院選で勝利し、来年9月の自民党総裁選で連続3選を果たせば戦後最長が視野に入る。
 首相と与党が力説するのは何よりも「政治の安定」だ。ほぼ1年おきに首相が交代する不安定は確かに解消された。首相の経済政策「アベノミクス」で有効求人倍率など雇用環境は改善し、経済再生も着実に進んだとしている。
 他方で「1強」の弊害も目に余る。国民の知る権利を侵害しかねない特定秘密保護法、憲法違反の疑いがある安全保障関連法、「共謀罪」の趣旨を含む改正組織犯罪処罰法‐いずれも首相と与党は数の力で制定を強行した。
 「森友・加計(かけ)学園問題」など政権に絡む疑惑も噴き出した。「1強」のおごりと緩みが与党に広がっているとの批判も根強い。
 これに対し、長期低迷の民進党は「希望の党」「立憲民主党」「無所属」と3分裂した。野党第1党が事実上解党して総選挙へなだれ込む想定外の展開だった。
 野党各党はどこまで政権批判の受け皿となり得るのか。選挙の結果はなお流動的な野党再編の新たな幕開けとなるかもしれない。
 憲法、原発、消費税、社会保障、財政再建など日本の針路を決する重要な審判である。主権者として「熟慮の1票」を投じたい。


きょう投票  一人一人の意思を示そう
 列島に台風21号が近づく中、衆院選は投開票日を迎えた。悪天候を避けて期日前投票をした人も多いようだ。これから行く人は、空模様に十分留意して出かけてほしい。風雨の強まらないうちに、できるだけ多くの人に投票所に足を運んでもらいたい。
 5年近くに及ぶ安倍政権に審判を下す重要な機会である。憲法、とりわけ9条改正が争点として明確であることにおいて、特筆すべき選挙ともいえる。
 「森友・加計学園疑惑隠し」と指摘される唐突な解散、野党第1党の民進党の分裂、二つの新党の登場−。異例続きの展開に、「票欲しさ」の醜い政治の側面を見た思いの有権者も多いだろう。社会保障改革や財政健全化、地方創生などについて政策論争が深まらなかったのは、急な選挙で与野党とも公約の練り上げが足りなかったことが大きい。
 政権与党との「1対1の構図」をつくると宣言して新党・希望の党への合流を決めた民進が、希望側の「排除の論理」で分裂したことも、政権批判票の受け皿を期待した人々には興ざめだったろう。
 とはいえ、どれほど選びにくい状況でも、私たち有権者は何かを選ばなくてはならない。一人一人の意思を、投票ではっきりと示す必要がある。
 衆院選の投票率は2012年、14年と連続して過去最低を更新した。14年は有権者のほぼ半分しか参加していない。
 このままでは民主主義の根幹が揺らぎかねない。
 一票を投じる行為は、選挙戦で各政党、候補が語った心地よい言葉を「言いっ放し」にさせず、責任をもって実行させることにつながる。
 その際、忘れてならないのは各党が「語らなかったこと」にも目を向けて吟味することだ。
 たとえば主要な争点の一つの消費税について、与党は税率アップを前提に増収分の使途変更を、野党は増税凍結・中止を訴えた。しかし、代わりの財源は何か、国の借金返済をどう進めるかは、どちらもほとんど語らずに終わった。
 エネルギー政策では野党が脱原発を主張するものの、どう原発依存度を下げていくのか、具体性がなく物足りなかった。憲法改正は与野党5党が前向きだが、憲法のどこをどう変えるのか、なぜ改正が必要なのかを必ずしも明確にしていない。
 この5年で目立ってきた、安倍政権の「おごり」「緩み」についても審判を下すときだ。そもそも、常道とは言いがたい今回の首相の「解散権」行使が、厚みを欠いた政策論争、「選びにくい」選挙状況を招いた点は指摘しておかねばなるまい。
 政治、政策に何を最も望むかは、人それぞれだ。ただ、どんな考えや不満をもっていても、票を投じなければ白紙委任と同じである。
 他人の選択した未来を生きるより、自分で選びたい。きっと誰もがそう思うはずだ。
 投票率の低さが目立つ20〜30代の積極的な参加に期待したい。18、19歳にも投票年齢が広がった。若く、真っすぐな声を政治に届けてほしい。


きょう衆院選 自らの政治課題に1票を
 例えばこんな法案が出たらどうなるだろう。「若い世代は投票に行かないから、選挙権は40歳以上とする」
 個々人の考えはさておき、40歳以上の人たちが、国政で自分たち世代の考えをもっと反映させたいと願うなら賛成を示すだろう。そして法案は成立する。なぜなら年代別の投票率を見れば、圧倒的に40代以上の票が多く、国会議員はその世代の意向を無視できないから。
 仮定の話でしかない。しかし、若い世代が投票に行かないことで受ける損失はたびたび指摘されてきた。
 2016年7月の参院選は国政選挙で初めて18歳選挙権が施行された選挙だった。県全体の投票率は54・46%だったが、10代は46・77%、20代は37・98%、30代45・84%と下回った。投票率を引き上げているのは50代以上で、50代で6割超、60、70代で7割を超える。
 「若者は、選挙に行かないせいで、四〇〇〇万円も損してる!?」の著書がある森川友義早稲田大教授(政治学)は14日付本紙のインタビューで「選挙に行かないことで若者は政府に払うお金より受け取るお金が少ない」と、世代間格差を指摘する。
 今回の衆院選は沖縄とこの国の行方を左右する重要な選挙だ。
 政権選択選挙と言われる衆院選でまず問われるのは現政権の評価だ。
 安倍政権は、安全保障関連法や「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ改正組織犯罪処罰法などを成立させた。森友・加計学園の問題では説明不足を批判された。さらに選挙後は憲法改正に向けた動きを加速させるとみられる。
 さらなる長期政権と憲法改正へ弾みをつけることも争点だ。
 沖縄では、政府が米軍普天間飛行場の移設先とする名護市辺野古への新基地建設の是非が最大の争点だ。
 県内小選挙区で辺野古移設に対する姿勢は二分され明確な争点となっている。オール沖縄勢力は「反対」、自公は日米合意に基づく辺野古への移設を掲げる。
 若い世代の中には、政治は遠い世界のものだと考えている人もいるだろう。昨年の参院選で本紙が18〜19歳105人に実施したアンケートでも「自分には関係ない」「誰を選べばよいか分からない」という声が多くあった。
 しかし、関心のある分野を聞くと、基地問題が最多の約4割を占め、次いで子どもの貧困問題や待機児童問題などを含む「福祉・社会保障」、「経済」だった。関心のある分野、それがまさに政治課題だ。
 自らが考える政治課題で、候補者や政党がどんな考えを持つか。その訴えや人柄などに関する報道もその判断材料にしてほしい。
 若者の雇用や教育費の支援に薄いと言われる日本。それを変える一歩にするためにも1票を投じてみませんか。


[衆院選 きょう投開票]さぁ1票投じに行こう
 衆院選はきょう投開票される。この選挙の最大の争点は5年近くにわたる安倍政治への評価だ。
 沖縄4選挙区でも安倍政権が強行する辺野古新基地建設の是非が問われている。
 米軍普天間飛行場がある2区は新基地建設に反対する「オール沖縄」勢力が推す社民候補と新基地を容認する自民候補の一騎打ち。辺野古新基地建設現場の3区、宮古・八重山を含む本島南部の4区は「オール沖縄」勢力の無所属候補と、自民候補の事実上の一騎打ちだ。いずれも対立軸がはっきりしており、有権者にわかりやすい構図である。
 県都、那覇市を抱える1区は3氏を軸にした争いだ。
 自民候補、「オール沖縄」勢力の共産候補、「米側との政治交渉へ戻す」と訴える維新候補の三者三様、違いがはっきりしている。
 前回2014年の衆院選では「オール沖縄」勢力が1〜4区で全勝した。
 昨年7月の参院選でも「オール沖縄」勢力が勝利した。一方で、辺野古違法確認訴訟の最高裁判決では県敗訴が確定。埋め立てに向けた護岸工事が進む。市長選では今年に入り、宮古島、浦添、うるま市長選と連敗が止まらない。
 「オール沖縄」の勢力が維持されているか。革新層を基盤に保守層や経済界を取り込む構図に変容はないか。
 最高裁判決によって新基地問題は「決着済み」と政府と歩調を合わせる自民候補が巻き返すのか。
 選挙結果は、新基地建設問題に大きな影響を与える。
■    ■
 衆院選は安倍晋三首相の唐突な解散表明に始まり、臨時国会は所信表明演説も、それに対する代表質問もないという異例の冒頭解散となった。
 首相と昭恵夫人に近い人が関わり、行政の公平性・公正性がゆがめられたのではとの疑念が消えない森友学園、加計学園問題は十分な説明がなされたとはいえない。
 首相の選挙戦術は選挙中はアベノミクスなど経済政策を前面に押し出し、選挙後は国論を二分する政策に前のめりになる。12年の衆院選以来、繰り返されていることだ。
 憲法施行から70年の節目の年である。自民は憲法9条に自衛隊を明記するとした改憲原案を公約に盛り込んだ。
 首相は街頭演説で改憲について語ることはほとんどないが、選挙結果によっては「改憲勢力」とともにアクセルを踏む可能性が高い。
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 「子どもの貧困問題の解消」「給付型奨学金の創設」「子育てや雇用など若い世代にもっと目を」…。本紙連載「もの申す」での要望だ。
 有権者の関心はそれぞれだろう。沖縄4選挙区と各党の公約を改めてチェックしてほしい。教育無償化は各党が競うが、公約を実現するための財政的な裏付けがあるのか、見極める必要がある。
 前回衆院選の投票率は1970年の国政選挙参加以来、最低の52・36%だった。半数近くが棄権したことになり、深刻だ。投票は民主主義の根幹をなす。棄権することなく、1票を大切に行使したい。


美智子皇后が誕生日談話で安倍政権にカウンター! 安倍が無視したICANノーベル賞の意義を強調、反ヘイト姿勢も鮮明に
 美智子皇后が、今月20日の誕生日に際し、宮内記者会からの質問に答えるたちで文書を公表した。マスコミはあまり報じていないが、その内容は、まるで改憲をして戦争のできる国づくりに邁進する安倍政権を牽制するかのような、極めて踏み込んだものだった。
 皇后は、この1年を振り返るなかで、先日発表されたノーベル賞に「日本も関わる二つの賞の発表がありました」と前置いたうえで、日系イギリス人のカズオ・イシグロの文学賞受賞と並び、平和賞に「ICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)」が選ばれたことに言及。そして、この受賞を「大きな意義があった」と評価してこう綴ったのだ。
〈平和賞は、核兵器廃絶国際キャンペーン「ICAN」が受賞しました。核兵器の問題に関し、日本の立場は複雑ですが、本当に長いながい年月にわたる広島、長崎の被爆者たちの努力により、核兵器の非人道性、ひと度使用された場合の恐るべき結果等にようやく世界の目が向けられたことには大きな意義があったと思います。そして、それと共に、日本の被爆者の心が、決して戦いの連鎖を作る「報復」にではなく、常に将来の平和の希求へと向けられてきたことに、世界の目が注がれることを願っています。〉
 周知のように、100カ国超のNGOが参加し、日本からも7団体が加わっている連合組織であるICANは、被爆者の証言を聞く会合を開き、各国政府に直接働きかけるなどして、今年7月の国連核兵器禁止条約の採択に貢献。そのことが評価されてノーベル平和賞を受賞した。
 だが、国連核兵器禁止条約の交渉にすらのぞまず、批准を拒否するという強硬な態度をとってきた安倍首相は、ICANの平和賞受賞には一言もコメントを出していない。
 そのなかにあって、美智子皇后が誕生日文書のなかでICANについて掘り下げ、その受賞の意義を大きく評価したのは対照的だ。しかも、これは一般論ではなく、明らかに核兵器廃絶の世界的潮流に争い、さらに北朝鮮の核・ミサイル問題を利用して好戦的世論を扇動している安倍政権の動きを意識したものと解釈できる。
美智子皇后がICAN、軍縮の意義を強調し、反ヘイトの意思を明らかに
 実際、文書では〈戦いの連鎖を作る「報復」〉と、わざわざカッコに入れ、「報復」を強調するかたちで否定していた。言うまでもなく、半島情勢は北朝鮮の“暴発”と、アメリカの先制攻撃、あるいは日米韓合同の報復攻撃による戦争勃発が懸念されている。美智子皇后がこうした状況を念頭に置いていたとしても、何ら不思議ではない。
 さらに文書のなかには、安倍政権が武器輸出入政策や防衛設備の投資、軍学共同政策、そして安保法や9条改憲などで進めようとしている“軍事国家化”に異議を唱えるようなくだりもあった。皇后は、アメリカ、フランスの政権交代、イギリスのEU離脱、各地でのテロの頻発など、世界情勢の不安定化について触れるなかで、中満泉氏が日本人女性として初めての国連事務次長で、国連軍縮担当のトップである軍縮担当事務次長・上級代表に就任したことを〈印象深いこと〉として、このように記している。
〈「軍縮」という言葉が、最初随分遠い所のものに感じられたのですが、就任以来中満さんが語られていることから、軍縮とは予防のことでもあり、軍縮を狭い意味に閉じ込めず、経済、社会、環境など、もっと統合的視野のうちに捉とらえ、例えば地域の持続的経済発展を助けることで、そこで起こり得る紛争を回避することも「軍縮」の業務の一部であることを教えられ、今後この分野にも関心を寄せていく上での助けになると嬉しく思いました。国連難民高等弁務官であった緒方貞子さんの下で、既に多くの現場経験を積まれている中満さんが、これからのお仕事を元気に務めていかれるよう祈っております。〉
 一方、日本政府が今年国連に提出した核廃絶決議案では、核廃絶や軍縮に関する表現が大きく後退したと報じられている。日本は核廃絶決議案を毎年国連に提出しているが、たとえば昨年まで「あらゆる核兵器使用」が「破滅的な人道的結果」を招くと明記していた部分から「あらゆる」を削除。“一部の核兵器使用はありうる”と受け取れる表現に変えたのである。
 まったく“唯一の戦争被爆国”の政府の言葉とは思えないが、本サイトで報じてきたとおり、そもそも安倍首相自身、本音では“核の保有や核兵器の使用は認められるべき”と考えている。実際、安倍は官房副長官時代の2002年、早稲田大学で開かれた田原総一朗氏との対話のなかで「憲法上は原子爆弾だって問題ではないですからね、憲法上は。小型であればですね」と語っている(「サンデー毎日」02年6月2日号/毎日新聞出版)。また、2006年には「核兵器であっても、自衛のための必要最小限度にとどまれば、保有は必ずしも憲法の禁止するところではない」と答弁書に記すなど、もとより積極的な核武装論者なのである。
 美智子皇后の誕生日文書では他にも〈心に懸かること〉として、自然災害や原発事故からの復興ともに、〈奨学金制度の将来、日本で育つ海外からの移住者の子どもたちのため必要とされる配慮〉をあげた。これは、在日コリアンの子どもたちなどに対する、政治状況を憂慮してのことだろう。
天皇も「退位のお言葉」で安倍政権を強くけん制するとの観測が
 周知の通り、安倍政権下では嫌韓嫌中感情や外国籍の人々に対する排外主義、差別主義がはびこり、その風潮にのって、各自治体で朝鮮学校への補助金停止が相次いでいる。また、小池百合子都知事は例年行なっていた関東大震災時の朝鮮人犠牲者への追悼文を拒否した。天皇・皇后がヘイトスピーチ問題に強く関心を持っていることは週刊誌などでも報じられてきたが、9月には、私的旅行として、7世紀に朝鮮半島から移り住んだ高句麗の王族が祀られている、埼玉県の高麗神社を訪問、参拝している。
 このとき、今上天皇は「韓国から移住した人々や、招へいされた人々によって、様々な文化や技術が伝えられました」と述べ、わざわざ宮内庁楽部の楽師のなかに、朝鮮半島からの移住者の子孫がいることに触れたうえで、「こうした文化や技術が、日本の人々の熱意と韓国の人々の友好的態度によって日本にもたらされたことは、幸いなことだったと思います」と非常に好意的に語った。
 こうした一連の天皇・皇后の発言・行動を考えると、安倍政権のもとで起こっている好戦的ムードやヘイト的な空気に対し、明らかに抵抗の意志を表しているように感じられてならないのだ。
 美智子皇后は、6月に「天皇の退位等に関する皇室典範特例法」が成立したことを受け、今年の誕生日文書をこのように結んでいる。
〈長い年月、ひたすら象徴のあるべき姿を求めてここまで歩まれた陛下が,御高齢となられた今、しばらくの安息の日々をお持ちになれるということに計りしれぬ大きな安らぎを覚え、これを可能にして下さった多くの方々に深く感謝しております。〉
 今上天皇が、美智子皇后とともに、戦後日本における象徴天皇と平和国家のあり方を模索し続けたことに異論を挟む者はいないだろう。それは昨年の今上天皇の「おことば」を見てもあきらかだが、あらためて美智子皇后は今年の誕生日文書でも「象徴のあるべき姿」という言葉を使って、平和国家としての日本の道のりを想起させたのである。
 衆院選では優勢と伝えられる安倍自民党だが、選挙後に9条改憲や緊急事態条項の創設を目指して大きく舵をきるのは火を見るより明らか。そして、そこから自民党改憲草案のような、天皇を「元首」と位置づけ国民の人権を大きく制限する改憲に次々と打ってでる可能性もある。
 天皇の退位は2019年3月末日で調整中といわれるが、宮内庁周辺では、それまでに今上天皇が、皇太子に向けるかたちをとりながら、安倍首相の平和を破壊する行為に対し強く釘を指すようなメッセージを出すのではないか、とも噂されている。注目せざるをえないだろう。(編集部)


阪急電鉄の「壮大なる鉄道プロジェクト」の舞台裏 近畿の通勤網を変える計画を徹底解説
佐藤 信之 亜細亜大学講師
北大阪急行電鉄延伸となにわ筋線
最近、大阪では阪急電鉄の鉄道プロジェクトの話題でにぎわっている。
グループ会社の北大阪急行電鉄が、1月19日箕面市で路線延伸の起工式を挙行した。千里中央〜新箕面間2.5kmの新線で、2020年(平成32年)の開業を予定する。
また、5月には、JR西日本と南海電気鉄道が運行する予定である「なにわ筋線」の北梅田駅(仮称)から十三まで阪急が地下新線を検討するという発表があった。さらに、9月には、宝塚線曽根駅で分岐して関西国際空港までの地下新線の構想が発表になった。
久々の、阪急電鉄にとっての大規模鉄道プロジェクトであるので、具体化を大いに期待したいところである。
阪急電鉄は、ここ十年程のあいだ、いくつかの困難な問題を抱えていた。
昭和56年、神戸の三宮沖の海上を埋め立ててポートアイランドが建設された。この完成を記念して「ポートピア’81」が開催されたが、その総合プロデューサーに阪急の小林公平専務※が就任するととともに、神戸市の開発するレジャー施設の設計・運営を受託し、「ポートピア’81」の開催に合わせて昭和56年3月に営業を開始した。
これは「ポートピアランド」として「ポートピア’81」が閉幕した後も営業が続けられ、バブル崩壊の年、平成3年には入場者が163万人を数えるまでになった。しかし、阪神淡路大震災による休園とその後の入場者の減少、USJなど競合する行楽施設の開業により、平成18年3月に閉園した。
※小林一三の三男で阪急の社長をしていた小林米三の姪を養女してその婿養子としたのが公平。小林米三が養女とした姪は、小林一三の次男辰郎が松岡家に婿養子に入ったが、その長女である。松岡修造の叔母でもある。なかなか複雑である。
阪急電鉄は、彩都・国際文化公園都市の開発にも参加していた。
千里丘陵の北部の箕面市から茨木市にかけた一帯に、都市再生機構URが開発しているニュータウンである。完成すると743haの地域に人口5万人が暮らす都市が生まれるはずであった。
平成16年に西部地区の彩都あさぎ地区25haの第1期まちびらきを行い、平成19年3月には国際文化公園都市モノレール(彩都)線が彩都西まで開業した。しかし、大阪圏でも都心部に高層マンションが相次いで建設され、人口の都心回帰が進行した。住宅地としての彩都の開発の意義が薄れていた。
平成20年、URは、彩都の開発計画を大幅に縮小し、東部地区から完全に撤退することを決定した。
民間企業が開発を継続することになるが、平成20年リーマンショックから不動産取引が低調になったのに加えて、茨木市が小中学校の定員不足からマンションの新設を認めない方針とした(平成28年に再開)ために、東部地区の開発は停滞した。彩都モノレールの延伸計画も平成29年1月に正式に中止となった。
阪急電鉄は、開発用地として東部地区の山林の買収を進めていたが、開発の停滞により、平成17年3月期に200億円、平成20年3月期には725億円の分譲土地評価損を計上した。
彩都の東部は高速道路のアクセスが良いため、阪急電鉄は住宅地としての開発を断念して、三菱地所と共同で、大型物流施設を建設することを決定した。延べ床面積12万5千平方メートルの大規模な施設で、2020年の稼働を目指し、西日本をカバーする物流基地とする計画である。
小説・映画の舞台に
阪急・阪神ホールディングスには、阪急電鉄が完全子会社であるほか、神戸電鉄の株式を保有して子会社としている。いわば阪急電鉄と神戸電鉄は兄弟会社という事になるが、阪急電鉄もまた神戸電鉄の株式を保有している。
その神戸電鉄が子会社として北神急行電鉄を経営していた。新神戸と谷上の間を結ぶ六甲山を貫通するトンネルの中だけ(谷上駅は地上)を運行する鉄道会社である。新神戸では、神戸市営地下鉄の山手線と相互直通運転を行っている。
この北神急行電鉄が、開業以来赤字経営が続き、巨額の累積損失を抱えていた。親会社の神戸電鉄では支えきれなくなったため、平成4年度から阪急電鉄が支援を開始し、平成14年4月には、神戸市とともに阪急電鉄などの私鉄各社が出資する第三セクター「神戸高速鉄道」にインフラ部を譲渡して、北神急行電鉄は運行だけを担当することになる。
この時、兵庫県、神戸市、阪急電鉄があわせて305億円の融資を行ったが、そのうち205億円を阪急が負担した。平成19年9月には北神急行の親会社の神戸電鉄の経営が悪化したことから、北神急行に阪急電鉄が100億円の追加融資を行うとともに、阪急・阪神ホールディングスの連結子会社とした。
その神戸高速鉄道も、もともと神戸市が筆頭株主であったが、平成21年持ち株の一部を阪急阪神ホールディングスのグループ会社に譲渡したため、阪急阪神ホールディングスの連結子会社となった。
神戸電鉄も、現在、粟生線の旅客の減少による路線維持の問題が浮上しており、上下分離によるインフラ経費を沿線自治体が持つ経営方式の変更を希望したが、地元はこれに応じなかった。現在は、国の助成策を活用した同線の利用促進策に重点が移っている。
阪急電鉄は、関西でも屈指の旅客数を誇っている。平成26年度の旅客数は、6億2753万人で、2府3県に路線網を広げる近鉄の5億6361万人を上回る。そのほかの各社は、京阪2億8078万人、阪神2億2720万人、南海2億2703万人と横並びである。
阪急沿線は、大阪でも一番の人気のある住宅地である。阪急電鉄には、宝塚歌劇団を象徴とする独特の文化があり、阪急京都・宝塚・神戸線の沿線にもそのブランド・イメージを反映して、高級感が漂う人気の住宅地が並んでいる。
阪急沿線の高いブランド価値が、小説や映画の題材にも取り上げられた。
平成19年、有川浩が、阪急今津線の各駅をテーマにして乗客の心情をエピソードにまとめた短編小説『阪急電車』を発表した。平成23年には、これを映画化した『阪急電車 片道15分の奇跡』が公開された。中谷美紀主演、脚本は岡田惠和、監督は阪急グループの関西テレビの三宅喜重である。
阪急電鉄は、このように沿線に人気住宅地を抱えることから、関西私鉄の中では比較的旅客数が堅調に推移している。昭和62年に国鉄が分割民営化によりJRが設立され、急ピッチで大都市圏での輸送改善が進められた。大阪圏では並行する私鉄から旅客の転移が進むことになるが、阪急電鉄の場合は、各路線で、平成7年の阪神淡路大震災まで旅客数を伸ばした。
設備投資を減らし社内留保を厚くする
震災による影響と、平成9年JR東西線の開業でJR宝塚線や神戸線から大阪の都心部への新しいルートが生まれたことにより、並行路線の阪急の旅客の減少を招いた。しかし、その後は、輸送量は6億人を若干上回る水準で推移している。
しかし、8億人近くを数えたピーク時に比べると大幅な減少であるが、それでも依然として大きな利益を生み出しているのはなぜか。
阪急電鉄は、阪急阪神ホールディングスの完全子会社であるが、自らも兼業として不動産賃貸業を行っている。たとえば、梅田阪急ビル(阪急百貨店)、阪急三番街、阪急ターミナルビルといった阪急電鉄の駅ビルや高架下の商業施設などである。
鉄道駅は、電車を乗降する大勢の人々が集まる場所であり、その人たちが駅の商業施設を利用して、お金を落としているのである。つまり、鉄道があることによる外部経済として商業施設が大きな利益をあげているのであるから、その利益を鉄道側に還元する方法として駅ビルなどの不動産を鉄道が所有して賃貸料を徴収するシステムが定着した。
そのほか、阪急電鉄は、梅田1丁目1番地計画といった街ナカ開発を推進し、これから東京の銀座3丁目開発計画が本格化することになる。
平成28年度は、阪急電鉄の営業収益は、鉄道事業が1012億円で、その他事業が892億円、それに対して、営業利益は鉄道事業が246億円であるが、その他事業は259億円をあげ、利益は鉄道事業より大きい。しかし、その他事業の利益が鉄道事業を上回るようになったのは平成27年度からでごく最近のことである。
必ずしも兼業で稼いでいるわけではないとすると、どこで利益を出しているのかという事になるが、阪急電鉄の特徴は、鉄道事業の設備投資を抑えているという事ができる。年度ごとの設備投資額は発表していないので、その代わりに営業収益に対する減価償却費の比率を比較すると、平成26年度、阪急は12.1%で、大阪の京阪14.4%、近鉄14.9%を下回っている。また、東京の、東急と京王の22.4%に比べると半分近くである。
平成25年度の東京圏の大手私鉄9社の設備投資額は2417億円であるのに対して、大阪圏5社の設備投資額は606億円と大きく差が付いている。
阪急電鉄の鉄道事業の設備投資は、自治体が実施する高架化が中心で、そのほか老朽化した車両の代替として、年に8両編成を4〜5本を新造するにとどまっている。1路線当たり1、2本のペースで置き換えが進められている。
設備投資を圧縮することで、減価償却費と利払い費を削減して、経常利益、最終利益を改善しているという事ができる。設備投資を減らして社内留保を厚くする傾向は、大阪圏の大手私鉄だけではなく、国内の製造業など大手企業が一般的に行っていることでもある。
新大阪駅をターミナル化しようとしたものの
阪急にも、積極的に路線網を拡大しようとした時期があった。昭和30年代後半、大阪経済は全盛期を迎え、人口も増加して郊外に大規模なニュータウンが建設されていた。阪急のテリトリー大阪府の北東部に広がる千里丘陵でも、千里ニュータウンが造成され、昭和45年には万国博覧会が開催されることになっていた。
昭和39年10月1日東海道新幹線が東京と新大阪の間を開業した。東京との時間距離を大幅に短縮することで、新大阪駅は大阪の一大ターミナルに変貌するはずであった。
 阪急(当時は京阪神急行電鉄)は、昭和36年2月に、京都線淡路から新大阪を経由して十三に至る路線と神戸線の神崎川から新大阪駅までの路線の敷設を申請し、同年12月26日には免許が交付された。
阪急にとって、京都本線が新幹線とほぼ並行していたため比較的建設が容易であること、新線に切り替えることで京都本線の同区間の踏切を解消できること、さらに新大阪で新幹線、国鉄、地下鉄御堂筋線との乗り換え結節点として整備が期待できるといったメリットがあった。
しかし、新幹線が開業しても旅客は国鉄や地下鉄を使ってそのまま大阪駅に向かうため、単なる通過点となってしまい、駅周辺部の大規模な開発は行われなかった。土地区画整理事業の中で用地を取得し、新幹線の建設に合わせて阪急の計画線との交差部分で工事が行われただけで事業は長い休止の時期に入ってしまった。
また、梅田駅のホーム延伸と高架化のために、国鉄の高架橋の北側に駅を後退させる大規模な工事が進められており、新線建設の余裕がなかったという事情もあった。
大阪の鉄軌道網は、都心部の地下鉄・路面電車、郊外の私鉄、全国ネットワークの国鉄で、それぞれ機能的に異なる交通機関として発展してきた。私鉄と地下鉄で都市圏内の流動を担うことが可能で、全国ネットワークの国鉄とは十分に連結がとられていなかった。京阪神急行は、大きな負担もなく新幹線との接続を図れるという他社にはない機会を得たのであるが、それを生かすことができなかった。
新大阪連絡線は、十三〜新大阪間だけを残して、平成15年3月1日に起業を廃止した。残った十三〜新大阪間は、その後地下鉄四つ橋線の十三延伸と組み合わせされた形で検討が進められ、平成18年12月に国、大阪市とともに原案が正式に発表された。
その後、近畿運輸局に事務局を置いて深度化調査が実施されたが、四つ橋線の十三延伸と阪急の新大阪連絡線をつなぐ案と、十三で阪急に直通運転する案が検討された。
これに対して、阪急電鉄からは、軌間は同じであるが饋電方式が架線式と第3軌条式と違い、また電圧も異なるため、それぞれに対応する車両は製造費が高額となるという説明があり、これ以降新大阪連絡線との直通運転の検討に議論が集約していった。しかし、議論だけで計画は具体化しなかった。
なにわ筋連絡線と地下新線
今年度、国土交通省近畿運輸局に設置された近畿地方交通審議会で、今後の近畿圏の鉄道網の整備について審議が始まることになっている。平成16年10月8日に提出された第8号答申が平成27年度を目標年としていたため、新たに整備すべき鉄道網を審議するというもの。
自治体や鉄道会社の意向を聞き取り、議論の土台とすることになるため、審議に先立って、各方面からいろいろと新線構想が浮上するのが通例である。
平成29年5月23日、大阪府、大阪市、JR西日本、南海電気鉄道、阪急電鉄は、なにわ筋線の早期事業を目指す案を共同でリリースした。
北梅田と西本町間と西本町〜JR難波間、西本町〜南海新今宮間に地下新線を建設し、北梅田では現在地下化工事が進められている東海道貨物支線、JR難波では関西本線、新今宮では南海電気鉄道と直通運転する。JRと南海の2社が列車を運行する。総事業費は約3300億円。開業目標は2031年(平成42年)度末。
このリリースには、「なにわ筋線の整備効果や事業性をより一層高めるため、北梅田駅北側で阪急十三方面に分岐する路線(なにわ筋連絡線)について、国と連携しながら整備に向けた調査・検討を勧めます」との記述が含まれていた。
阪急電鉄が十三と北梅田の間に地下新線を建設してなにわ筋線と直通運転するという構想である。これが完成すると関西国際空港と阪急沿線が直結する。
ただし阪急の軌間は1435mm、なにわ筋線はJR、南海に合わせて1067mmで、相互に直通することができないため、十三での乗り換えが必要である。
さらに、平成29年9月1日、阪急は、宝塚線曽根駅と空港を結ぶ3キロ余りの地下新線の建設を検討することを発表した。こちらは阪急宝塚本線と直通運転する。事業費は1000億円規模と見込まれる。
大阪圏は昭和45年の大阪万博以降人口の停滞、経済活動の低迷が続いている。大阪の活力を高めるために、阪急阪神グループには積極的な設備投資を期待したい。

鹿児島空港→薩摩川内→いちき串木野→鹿児島中央駅→屋台村

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Législatives au Japon: dernier jour de campagne, Abe en tête
La campagne des législatives anticipées au Japon était engagée samedi dans sa dernière journée, vers ce que les estimations donnent comme une large victoire dimanche du parti du chef du gouvernement Shinzo Abe.
Le Premier ministre nationaliste semble en passe de gagner haut la main son pari, en s’assurant un nouveau mandat à la tête de la troisième économie du monde dans un contexte de menaces de la Corée du Nord, qui parle de ≪couler≫ l’archipel, au-dessus duquel elle a déjà fait voler des missiles.
Les discours, ainsi que les tournées dans les ruelles des quartiers résidentiels des typiques camionnettes surplombées de hauts parleurs et ornées de photos de politiques, pourront se poursuivre jusque 20H00 (11H00 GMT).
La coalition du Parti libéral démocrate (PLD, droite) de M. Abe avec le parti Komeito devrait remporter environ 300 des 465 sièges de l’assemblée, selon une projection publiée vendredi par le quotidien économique Nikkei.
M. Abe atteindrait le record de longévité d’un Premier ministre japonais, s’il remporte la présidence de son parti en septembre.
Face à lui, le Parti de l’espoir (droite) de la charismatique gouverneure de Tokyo Yuriko Koike et le Parti démocrate constitutionnel (centre gauche), fraîchement créés, obtiendraient chacun une cinquantaine de sièges.
- Rivale à Paris -
Pris dans des scandales de favoritisme qui ont pesé sur sa cote de popularité, affaibli par une défaite historique de son parti à l’assemblée de la ville de Tokyo en juillet face à Mme Koike, M. Abe, 63 ans, a joué fin septembre la carte de la dissolution de la chambre basse, plus d’un an avant le scrutin prévu.
Il prenait ainsi de court une opposition faible et morcelée pour tenter de faire peau neuve, et obtenir un soutien à sa fermeté affichée vis-à-vis de la Corée du Nord et à sa politique de relance économique (≪abenomics≫).
Mais le coup de théatre est venu de Mme Koike qui, quelques heures avant l’annonce officielle des législatives anticipées, a déclaré qu’elle prenait la tête d’un nouveau mouvement politique.
Cette femme de droite de 65 ans, ex-vedette de la télévision au sens aigu de la communication, ancienne ministre de M. Abe et elle aussi nationaliste, a ainsi, en quelques semaines, animé une scène politique japonaise léthargique et précipité sa recomposition.
Le principal parti d’opposition, le Parti démocrate, s’est défait. Un grand nombre de ses membres s’est dirigé vers le Parti de l’espoir, tandis qu’un ex-ténor, Yukio Edano, défenseur de son aile gauche, créait le Parti démocrate constitutionnel du Japon.
Mais Mme Koike a perdu de son élan, les électeurs se sentant déroutés par sa décision de ne pas se présenter, ce qui lui enlève toute chance de devenir cheffe du gouvernement, à l’issue de ce scrutin. La Constitution japonaise impose en effet que le Premier ministre soit choisi parmi les députés ou sénateurs.
Elle devait d’ailleurs se trouver dimanche à quelque 10.000 km, à Paris, ou elle doit participer à des réunions d’une quarantaine de maires de grandes villes du monde sur le changement climatique.
- Amender la Constitution ? -
≪Tout parti, pour être crédible, doit avoir un candidat au poste de Premier ministre. Ce devait être elle. Or elle a reculé et l’on a un navire soudain sans capitaine≫, a déclaré à l’AFP Michael Cucek, professeur à l’Université Temple de Tokyo.
Il lui est reproché aussi de ne pas présenter de programme très concret et différent de celui du PLD, au pouvoir de facon quasi ininterrompue depuis 1955.
Face au vieillissement de la population, à la déflation qui mine l’économie depuis deux décennies et à une croissance poussive, M. Abe vante ses ≪abenomics≫ faits de largesses budgétaires et d’une politique monétaire consistant à alimenter le marché en liquidités.
Yuriko Koike lui a opposé ce qu’elle a appelé en clin d’œil les ≪yurinomics≫, lui reprochant de ne pas mener de front des réformes structurelles et promettant de geler un projet de hausse de deux points de la TVA, à 10%. Elle se distingue aussi par sa volonté de mettre fin au nucléaire après le traumatisme de l’accident de la centrale de Fukushima en 2011.
Elle est comme M. Abe favorable à un amendement de la Constitution pacifiste, dictée en 1947 par les États-Unis après la reddition du Japon à la fin de la Seconde Guerre mondiale et dont l’article 9 consacre la renonciation ≪à jamais≫ à la guerre. Le Parti démocrate constitutionnel est contre.
フランス語
フランス語の勉強?
市民メディア放送局‏ @info_9
枝野幸男『立憲民主党はあなたのもの』
小池百合子『希望の党は私のもの』
前原誠司『民進党は俺のもの』
安倍晋三・昭恵『国家は私たちのもの』

飯田哲也(いいだてつなり)‏ @iidatetsunari
誰でも入れるはずの「広場」を占拠して選別して締め出す安倍首相のマイク納めが予定されている秋葉原。方や、障がい者や高齢者、子ども連れに優先ゾーンを設けるエダノンのマイク納めの会場。国民への政治姿勢の違いがここにも表れている。このままだと日本から「広場」が無くなるかもしれない。

朝7時すぎに関空を出て8時すぎに鹿児島空港に着きました.空港で無線LANにつないでニュースをチェック.薩摩川内行きのバスに乗ります.自然豊かな道路をどんどん進みます.でも寝ていたので,よくわからない感じ.薩摩川内が「せんだい」なのは何となく抵抗があります.私にとっては「せんだい」は「仙台」なんですが,その逆に「薩摩川内」の人にとっては「せんだい」なんだろうなと思いました.
駅前を少し歩いてJRで串木野に.なにがあるか分からないのですが,「まぐろラーメン」を食べてみたいと思いました.お店がどこにあるかも知らず,ちょっと歩きました.魚のだし?が淡い味わいでおいしかったです.雨が降ってきたし疲れたのでJRで鹿児島中央駅へ.高校生がたくさんいました.
喫茶店でコーヒーを飲みながら,ネットを見て時間つぶしました.7時過ぎに連絡があり一旦ホテルチェックイン.ユニクロ+無印良品で買い物をしてから,屋台村で楽しみました.ホテルは新しくてなかなか良かったです.

<塩釜市魚市場>25日完成「復興の象徴」水揚げ増へ
 宮城県塩釜市が新浜町に建設していた魚市場が25日に完成するのを前に20日、報道関係者向けの内覧会が開かれた。南、東、中央の3棟で構成し、高度衛生管理型の荷さばき所や一般来場者も利用できる食堂などを備える。市は「水揚げを増やし、名実ともに復興のシンボルにしたい」と期待する。
 主に冷凍魚の荷さばき所となる東棟(鉄筋一部鉄骨2階、延べ床面積約3270平方メートル)、食堂や調理スタジオなどが入る中央棟(同4階、同約2700平方メートル)は既に完成。今回、南棟の整備を終えた。総事業費は121億円。
 南棟は鉄筋一部鉄骨3階、延べ床面積約2万平方メートル。1階に高度衛生管理を徹底した全長255メートルの荷さばき所を設け、主に生鮮マグロの水揚げに使用する。展望デッキや展示室などもある。
 市魚市場の昨年の水揚げ額は103億円で、6割をマグロが占める。市は市場完成を機に水揚げ増を図る考えで、来年は120億円を目指す。


原発事故で避難の男性 交通整理ボランティア引退、児童ら「寂しい」
 東京電力福島第1原発事故で全町避難する福島県大熊町の赤井光清さん(81)が20日、避難先の会津若松市で続けてきた交通整理のボランティア活動を終えた。11月にいわき市の災害公営住宅に引っ越しする。約6年半、ほぼ休まずに子どもたちの安全を守ってきた赤井さんに、地域住民たちが感謝とねぎらいの言葉を送った。
 大熊町で大工をしていた赤井さんは40年以上前、地域の人に依頼されたことをきっかけに、交通整理のボランティアを始めた。
 原発事故で取るものも取りあえず避難。会津若松で家財道具や食料などの支援を受けた。「お世話になった恩返しを」と毎朝、鶴城小前と町役場会津若松出張所前に立つようになった。
 当初は制服を着なかったため、運転手から「なぜ車を止めるんだ」と怒鳴られることもあった。徐々に住民からあいさつされ、児童から「赤井さん」と名前で呼ばれるようになった。
 平日はほとんど休まず、雨の日も雪の日も子どもたちを見守った。交通事故の影響で両脚に痛みを抱え、病院に通いながら続けた。いわき市に長男夫婦が暮らしており、高齢になったため引っ越す決心をした。
 活動最終日の20日はいつも通り、通学で横断歩道を渡る児童に「行ってらっしゃい」と声を掛けた。子どもたちから手紙やプレゼントを渡され、握手も求められた。
 鶴城小6年の大島弓佳莉さん(11)は「赤井さんがいなくなると寂しくなる。1年生の時から毎日のように見守ってくれて感謝しています」と話した。
 活動を終えて町役場を訪れた赤井さんに花束が贈られ、職員が大きな拍手で見送った。
 赤井さんは「こんなに幸せなことはない」と感極まった様子。「つらいと思っても子どもの顔を見ると忘れて元気になれた。会津の人には本当に親切にしてもらった」と振り返った。


<衆院選東北>人手不足の被災地選管 職員フル回転「やるしかない」
 人手不足に悩む東日本大震災の被災自治体の職員らが、急転直下の衆院選(22日投開票)で多忙を極めている。膨大な復興事業に煩雑な選挙事務が職員らの肩にのしかかり、現場からは「通常業務だけでも手いっぱいなのに…」と嘆き節も漏れる。
 宮城県内の沿岸14市町では、正規職員以外に応援職員ら計1420人が必要なのに143人不足している。岩手県も沿岸10市町村で計50人が足りていない。
 宮城県女川町は必要数に対し13人が不足。総務課の職員が選挙管理委員会事務局を併任し、仮設庁舎内の期日前投票所の設置や石巻市内の仮設住宅、離半島部での移動期日前投票所開設、投票箱の確保をはじめとする選挙事務全般を担う。
 町は本庁舎や小中一貫校などの整備が完了しておらず、職員1人当たりの負担は依然大きい。総務課は任期付き職員の採用、住宅整備に伴う行政区の設立といった復興に関連する業務も抱える。
 当初予定されていた知事選に衆院選が加わり、選管担当者4人の業務は一気に増加。担当者の一人は「ダブル選で業務が複雑化している。平日は職場で日付をまたぐこともざらだ」と言う。
 宮城県内最多の45人が不足する気仙沼市では、選管事務局専従の4人がフル回転で業務をこなす。期日前投票などは他部署の応援で対応しているが、担当者は「短期決戦とされた2014年の前回よりも準備期間が短い。衆院選だからといって体制は変わらない」と説明する。
 災害公営住宅への入居やハード整備などの復興事業がピークを迎える岩手県山田町は11人が足りず、充足率は83.3%にとどまる。町の担当者は「復興に影響しないよう、やり抜くしかない」と気を引き締める。


河北抄
 <木にとまる小鳥たちはねさえずりで復興の夢歌っているよ>。2012年10月の「第34回大伴家持のつどい短歌大会」(大伴家持顕彰会主催、多賀城市など共催)で、小学生の部の最優秀賞に選ばれた6年男子児童の作品だ。
 11年の大会は東日本大震災で中止され、翌年に男子児童は震災からの復興を願う気持ちを子どもらしく、かわいい小鳥の鳴き声に込めた。当時の大会は震災に関する応募作品が目立ったが、回を重ねるごとに減ってきたという。
 今月8日の第39回大会で小学生の部の最優秀賞に選ばれた作品は、4年男子児童の<夏の夜初めて知った星座たちむかしの人に近づいていく>。星座を考えたいにしえの人々に思いをはせており、夢が感じられる。第34回大会から時間が経過し、子どもたちは厳しい現実から顔を上げて、天体に目を向けるようになった。
 ただ、復興を夢と表現した子どもの率直な気持ちを忘れてはならない。あすは衆院選の投票日。震災時の小学6年生の一部は選挙権を得た。一日も早く復興が実感できるよう一票を投じてほしい。


2017衆院選 震災復興 東北に寄り添う政策を
 東日本大震災から6年7カ月が過ぎても、福島、宮城、岩手3県の約8万4千人が仮設住宅などで避難生活を強いられている。
 震災関連死は3月末時点で3591人に上る。
 地震と津波に、東京電力福島第1原発事故が重なった複合災害の復興には、なお時間がかかる。政府は2020年度までの「復興・創生期間」で総仕上げをするとしているが、到底足りない。
 なのに、衆院選の復興を巡る論戦は低調で、多くの被災者が置き去りにされたように感じている。各党は、被災者が希望を持てる政策を提示できたろうか。
 安倍晋三首相は「東北の復興なくして日本の再生はない」と常日頃から唱え、選挙戦の第一声を福島県で上げた。
 しかし、今村雅弘前復興相が震災被害を「東北で良かった」と発言するなど、最重要課題として真剣に取り組んでいるか、政権の姿勢を疑わざるを得ない。
 与野党とも、公約の中で「復興」の位置づけが、14年の前回衆院選から後退した感は否めない。
 被災地でとりわけ苦境にあるのが福島の原発周辺地域だ。
 政府は今春、周辺4町村で帰還困難区域を除いて、避難指示を解除したが、帰還率は浪江、富岡両町で2%にすぎない。
 自治体には、まちの復興のために早く解除したいとの思いがあるのは確かだが、放射性物質に対する不安などから、住民の多くは解除は時期尚早と訴えていた。
 これでは、被災者に寄り添っているとは言い難い。
 避難住民に強引に帰還を促すようなやり方からは、なるべく早く原発事故の幕引きを図りたいとの意図も見え隠れする。
 福島は、基幹産業の水産業も逆境にある。売り上げが震災前の8割まで回復した加工業者は2割にとどまる。漁獲量も震災前の1割以下で、原発事故による風評被害が追い打ちをかけている。
 被災3県の災害公営住宅に入居する低所得世帯への国の支援も先細りになっていく。
 月収8万円以下の世帯への家賃補助が段階的に縮小され、全体の7割の約1万6千世帯の家計が圧迫されるという。
 家を奪われ、家族や地域社会が崩壊し、孤独死も相次ぐ。被災者が求めているのはコミュニティーの再生である。
 その環境づくりこそ、政治の役割ではないか。


日産と神鋼 不正の蔓延にあきれる
 安全と品質を最優先する日本のものづくりは一体どうなってしまったのか。
 日産自動車が車の完成検査を無資格者に行わせていた問題で、9月末に事実を公表した後も不正が続いていたことが分かった。
 検査体制を見直すため、国内全6工場で車の出荷停止に追い込まれた。前代未聞の失態である。
 アルミ・銅製部材などのデータ改ざんに揺れる神戸製鋼所もきのう、新たにデータ捏造(ねつぞう)や隠蔽(いんぺい)などの不正が確認されたと発表した。
 製造業への信頼を根底から揺るがす深刻な事態だ。消費者の不安はさらに高まった。
 経営陣は、ずさんな組織管理と企業統治(ガバナンス)不全の責任を厳しく問われよう。
 製造業各社は日産と神鋼の不祥事を他山の石とし、事業を隅々まで点検すべきだ。
 日産の無資格検査が公表後も漫然と続いた背景には、ルールを軽んじる企業体質がある。
 工場では正規の検査員が無資格者にはんこを貸し、正規検査を装っていた。そのことに「罪の意識」はなかったというから驚く。
 不可解なのは、不正検査の是正を求める上司の指示が部下に伝わっていなかったことだ。
 指揮命令系統が重大な問題を抱えているのではないか。組織の抜本的な見直しは避けられない。
 西川(さいかわ)広人社長は不正継続が現場の不手際に起因するかのような発言をした。考え違いも甚だしい。
 経営者は企業活動のすべてに責任を負う。日産の歴代経営陣はそれを肝に銘じ、不正が常態化・長期化した原因の究明と再発防止を急がねばならない。
 気になるのは、ものづくりの現場でのモラル低下だ。ルール違反が蔓延(まんえん)している節がある。
 神鋼OBの証言によると、同社には歴代担当者が引き継ぐメモがあった。仕様に適合しない製品を顧客に無断で納入しても問題とならない許容範囲を記したものだ。
 不正の手口を継承する事実上の「手引書」である。規範意識の欠如に愕然(がくぜん)とせざるを得ない。
 神鋼を巡っては、アルミ・銅製部材のデータ改ざんが数十年前から行われていた疑いがある。
 改ざん対象は鉄鋼、鋼線、特殊鋼などに拡大し、米司法省も調査に乗り出す国際問題に発展した。
 日本の製造業の信用をこれ以上失墜させてはならない。効率化の名の下に、生命線である安全や品質がおろそかになっていないか、経営者は目を光らせてほしい。


日産出荷停止  業界の信頼を揺るがす
 日産自動車の国内4工場で資格のない従業員による新車の検査が続けられていた問題で、日産は全6工場で出荷停止に追い込まれた。
 今年9月、同様の問題が国の指摘で発覚し、西川広人社長が是正すると明言したばかりだ。
 自動車の命である安全性にかかわる事項で経営の意思が現場に伝わっていなかった。構造的な問題があるのではないか。経営者の責任が厳しく問われよう。
 4工場では、9月の問題発覚後も、エンジンの始動やタイヤの仕様確認などを無資格の従業員が行っていた。
 無資格者を検査に携わらせるために、厳密に管理されるはずの生産ラインを無断で変更していたという。
 日産は販売済みの約4千台のリコール届け出も検討するという。
 当然の対応だ。そのうえで必要なのは、是正指示が浸透しないまま不正常な生産が続いてきた理由の徹底解明だろう。
 背景には、慢性的な人手不足があると指摘される。生産現場に指示する効率や出荷台数の目標に無理はなかったのだろうか。
 国交省による調査はもちろん、外部の第三者による検証を急いでほしい。
 気になるのは、西川社長が「経営陣から指揮命令を伝える過程で課長と(現場の作業に直接目配りする)係長のコミュニケーションのギャップが大きかった」と述べていることだ。
 原因は工場のスタッフにあると言わんばかりだ。一方で西川氏は「現場に責任を押しつけることはしない」と話すが、どう対処するのか。
 カルロス・ゴーン会長が発言していないことにも違和感がある。
 日産はゴーン氏のもとで生産拡大路線を推し進め、ルノーも含めた2017年上半期の販売台数世界一を達成した。この間、不適切検査が常態化していたとすればゴーン氏の責任も重大ではないか。
 出荷停止で計1万台以上の販売が滞るという。顧客はもとより、工場や販売店で働く人たちにもしわ寄せがいかないようにしてほしい。
 日本の自動車関連産業には厳しい目が注がれている。タカタのエアバッグ問題や三菱自動車の燃費不正、自動車素材も製造する神戸製鋼のデータ改ざん問題などが続いている。
 生産量や効率優先だけでは、かえって信用を傷つけないか。業界をあげて見つめ直してほしい。


神戸製鋼、日産…不正企業“驚愕”の役員報酬と内部留保
 改ざん、捏造、偽装――。日本企業はコンプライアンスもへったくれもなくなってきた。
 日産自動車が無資格の従業員に新車の検査をさせていたことがバレ、神戸製鋼所も品質データを改ざんしていたことが発覚した。
 不正に手を染めているのは2社だけではない。今年だけでも靴販売店「ABC―MART」を運営するエービーシー・マートがチラシの不当表示で消費者庁に措置命令をくらった。さらに東洋ゴム工業で船舶などに使う産業用ゴムのデータを偽装していたことが発覚。昨年はディー・エヌ・エー(DeNA)が運営する「キュレーションサイト」(まとめ記事)でパクリ記事が問題になった。
 呆れるのは、こうした不正企業は経営が苦しくてデータ改ざんや捏造に手を染めたわけではないことだ。むしろ内部留保をたっぷり貯めこみ、経営陣は高額報酬を手にしている。
 例えば日産のカルロス・ゴーン会長は10億円超の役員報酬を貰い、内部留保は4兆3500億円もある。神戸製鋼も内部留保は3316億円。こうした貯めこんだ内部留保や経営陣の高額報酬を社員の人件費や設備投資に回していれば、捏造や偽装を防げたのではないか。
 経済ジャーナリストの井上学氏が言う。
「神戸製鋼所の川崎博也会長兼社長はエコカーの普及で需要が増えたアルミの大増産にハッパをかける一方、工場の負担を軽減する設備投資をほとんど行ってきませんでした。現場が疲弊し切っていたのでしょう。東洋ゴムのデータ偽装もほぼ同様の構図といえます」
 DeNAの南場智子会長も毎年6億円以上の配当金を手にしている。ところが、パクリ記事で問題となった健康情報サイトに寄稿する外部ライターには2000字で1000円程度の原稿料しか払っていなかった。
 少しでもコストを削り、現場に負担を押し付けようとする企業体質が不正の温床となっているようだ。


日産の検査不正/安全対策の最優先誓え
 日産自動車の検査不正は、国土交通省の検査で問題が発覚して西川広人社長が謝罪し、適正化を進める方針を表明した後も、無資格者による検査が続いていた。経営が現場の状況を把握できず、指示も徹底されなかった。世界市場で圧倒的な存在感を誇るグローバル企業だけに、あきれるしかない。国内6工場からの出荷停止は当然だろう。
 日産は電気自動車(EV)の市場投入を加速する戦略を進めているが、事態がここまでくれば、優先順位を考え直す必要があろう。まずは全社を挙げて、法令に適合する強固な検査体制の構築を急ぐべきだ。
 現場の工場を見直すだけでは足りない。無資格者が関与する余地をなくすためには、資格を有する検査員の増員、本社と工場間の指示経路の検証とそれを踏まえた修正、さらに必要に応じて、人事や研修制度なども含む抜本的な改革が必要だ。拙速な出荷再開は許されないだろう。
 事態を甘くみていた面がないのか。検査自体が適正に行われれば、誰が検査しようと保安基準は満たされ、性能には問題はないとの認識が経営陣、現場に染みついているとすれば、ものづくりの担い手としては失格と言わざるを得ない。
 出荷直前の検査は、車が道路に出る前に行う安全確保の最終関門だ。完成車を迅速、大量に市場に供給するため、本来は国が1台ずつ検査する手続きを省略し、資格を持つ検査員が担当する。「性善説」に基づきメーカーが国のチェックを代行する制度だ。
 資格のない者による検査を信頼できるはずはない。免許は持っていないけれど運転は上手だから運転していい、とはいかない。子どもでも分かることができていなかった。各工程での個別検査を済ませていることを理由に、最終検査は多少、手を抜いてもいいとの認識があったとすれば、見当違いだ。
 これは順守しなければならないルールだ。仮にそのルールの必要性が高くないと考えるのであれば、ルールを守った上で、合理的な理由を添えて規制緩和を訴えるべきだ。
 かつて倒産の危機にあった日産を救ったのは、フランスのルノーから乗り込んできたカルロス・ゴーン会長だ。立て直しに臨み、その決意を内外に表明した「コミットメント」(必達目標)という言葉からは不退転の気概が伝わってきた。ゴーン氏はその言葉通り、日産を再生し、世界市場でも仰ぎ見られるような企業に育て上げた。
 売れる車の開発、市場投入を他社に先んじることを最優先し、そこに集中的に経営資源をつぎ込んできた。検査をおざなりにし、その重大性に経営陣、現場とも鈍感だったのは、その副作用ではないのか。車に求める価値観はさまざまだが、安全性を上回るものはない。必要な安全確保策を尽くすのは当然で、人手不足は理由にならない。人手が足りないのなら、その分、生産を縮小するしかない。
 最も重要な安全対策で消費者を欺いた行為は、メーカーの存在理由さえ危うくする。西川社長の検査を是正したとの説明は偽りだった。信用を回復したいのなら、最高実力者のゴーン氏がコミットメントを内外に宣言し、安全対策の最優先を誓うべきだ。


日産と神鋼の不正 問題点は全て洗い出せ
 歴史ある大企業で一体、何が起きているのか。閣僚や財界首脳でさえ「日本のものづくり」への信頼を失墜させる事態だと認めざるを得ない。個人消費を冷え込ませる懸念さえある。日産自動車による新車の無資格検査の問題と、神戸製鋼所の性能データ改ざん問題である。
 いずれも「事実関係」を公表した後も混乱は収束する兆しを見せず、むしろ拡大している。経営陣が現場を把握できていない無責任体質は明らかだ。全ての問題点を洗い出した上で、消費者や取引先の信頼回復に、全力を尽くすしかあるまい。
 日産で起きたのは、無資格の従業員に新車の完成検査を続けさせていた問題だ。国の規定に反した不正行為であるにもかかわらず、常態化していたという。法令軽視の姿勢は根が深く、新車登録制度の根幹にも関わると言わざるを得ない。
 加えて、発覚を受けて再発防止を徹底したはずの9月以降も、4工場で不正な検査は続いていたというから驚く。おととい記者会見した西川(さいかわ)広人社長は「課長と(現場の)係長のコミュニケーション不足が大きかった」と釈明したが、説得力がなさ過ぎる。経営者としての責任の所在を明確にすべきだ。
 日産は国内で販売する全車両の出荷を停止する事態にまで、追い込まれた。不十分な検査体制のまま出荷し、既に販売した約4千台は国土交通省に追加のリコール(無料の回収・修理)を届け出る見通しである。
 背景として、人手不足で現場に要員が適正に配置されず、プレッシャーに耐えかねた従業員が不正に手を染めたとの見方もあろう。効率最優先のつけが回ってきたとは言えないか。従業員の働き方を含め徹底的な見直しをしなければ、不正の根っこは断ち切れまい。
 神鋼で起きたのは製品データの改ざんだ。当初はアルミニウムと銅製品が不正の対象だったが、その後、主力の鉄鋼製品にまで及び、納入先も延べ約500社に膨れ上がっている。
 不正は組織ぐるみで10年以上続けられ、国内の工場も海外の拠点も関与していた。検査データが仕様と多少違っても品質に問題がなければ顧客の了承を得て納入する「トクサイ(特別採用)」という商慣習があるが、それを悪用して顧客に無断で納めたことも否定できない。
 神鋼の製品が使われている車、鉄道車両、航空機などは品質が安全性に関わるだけに影響は計り知れない。トヨタ自動車など一部の国内企業は検証の結果、アルミの安全性は確認したものの、神鋼は製品への信頼を失っただけでなく、今後のリコールや損害賠償に巨額の資金を必要とする恐れもあろう。
 なぜ不正は見逃されてきたのか、今の段階では解明されていない。納期を達成することへのプレッシャーを神鋼の首脳は記者会見で挙げていたが、これもまた説得力に欠けている。
 神鋼はこれまでも、基準値を超える工場のばい煙のデータを改ざんしたり、ステンレス鋼線の強度を偽装したりしてきた。現場の緩みは批判されなければならないが、最も責任が重いのは経営陣である。不正が明るみに出るたびに反省を口にしてきたが、その過去から何を学んだのか。真の意味で、再発防止に全力を挙げてもらいたい。


核兵器禁止条約 解せぬ日本の冷淡さ
 今年のノーベル平和賞をきっかけに、国連で採択された核兵器禁止条約への関心が高まっているが、残念にも日本政府の冷淡な対応が目立つ。この条約に反対する米国への配慮なのか。
 今年のノーベル平和賞が、核禁止条約制定に貢献した国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)に授与されると決まったことに対し、日本政府の反応は冷たかった。
 外務省報道官が談話を出したものの二日遅れだった。しかも「日本政府のアプローチとは異なるが、核廃絶というゴールは共有している」という素っ気なさ。
 その後、日本政府が国連の委員会に提出した核兵器廃絶の決議案が明らかになった。日本政府は一九九四年から毎年、提出している。核廃絶への決意を示し、昨年は百六十七カ国が賛成、採択された。反対は北朝鮮、ロシア、中国、シリアの四カ国だった。
 ところが今年の決議案には、「核兵器禁止条約」への言及はなく、「核兵器のない世界の実現には多様なアプローチがある」とし、核廃絶を求める文言も全体的に弱められた。一方で、北朝鮮については、十回以上国名を挙げ、その挑発行為を非難する記述が大幅に増やされていた。
 北朝鮮への圧力を重視する安倍政権の姿勢が、色濃く反映された内容といえる。核禁止条約に触れず、評価もしない決議では、賛同国が減るのは間違いない。
 日本政府は、核廃絶について「核兵器国と非核兵器国の橋渡しを行う」と表明している。しかし核禁止条約には早々と「署名も批准もしない」「現実的に核兵器のない世界を目指す」(別所浩郎国連大使)と明言した。
 ゴールは同じでも他の取り組みは認めない、無視する。唯一の戦争被爆国のこんな姿勢は、とても理解できないし、情けない。
 核禁止条約には構想の段階から「非現実的」「核保有国が参加しないのでは実効性がない」との批判があったのは事実だ。しかし被爆者の声が、核兵器の悲惨さを伝え、賛同国を広げてきた。日本政府の姿勢は、そういう被爆者の努力への「裏切り」になる。
 日本政府にとって米国の「核の傘」の下にいることが現実だろうが、本当に北朝鮮の核の脅威に有効に働いているのだろうか。
 圧倒的に数の多い非核保有国は「核の全面禁止を」という声を高めている。この方が、よほど現実を反映している。


横行するあおり運転 危険排除の啓発強めたい
 幅寄せや割り込みで車の進路を妨害する「あおり運転」は、他の車を巻きこんだ重大事故につながる危険性が極めて高い。
 先週容疑者が逮捕された東名高速道路上の夫婦死亡事故は、こうした無謀な運転が取り返しのつかない結果を招くことを改めて示した。
 この一件を契機に、あおり運転への社会的な関心が高まっている。
 被害者一家の車は、高速道路上で容疑者の車に接近や追い抜きなどを繰り返された。揚げ句に追い越し車線で車を停止させられ容疑者に暴行を受け、そのさなかに後続のトラックに追突され夫婦は亡くなった。
 逮捕容疑は、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)と暴行だ。過失致死傷罪の法定刑は最高でも懲役7年である。警察は、容疑者が車外にいたため、より罰則の重い危険運転致死傷罪の適用を見送った。
 捜査中だが、逮捕容疑の罪名でしか起訴できなければ疑問が残る。起こった事態の重大さと、科す刑罰の落差が大きすぎるからだ。法の不備ならば正さなければならない。
 あおり運転の実態はどうなのだろうか。警察は、接近しての嫌がらせは、道路交通法の「車間距離不保持」で摘発している。昨年の摘発件数は7625件だが、あおり運転がうちどれだけあるかは不明だという。
 一方、日本自動車連盟(JAF)が昨年実施したインターネット調査では、回答者約6万4000人の過半数が、あおられた経験が「よくある」「時々ある」と答えた。
 死亡事故の減少や飲酒運転の撲滅など車社会の進展に伴う課題は、時代とともに変化してきた。今は多くの人がストレスを抱える。あおり運転が横行する背景に、ハンドルを握ることで攻撃性が強まるというドライバーの意識を指摘する声もある。
 あおり運転がきっかけで傷害など刑事事件に発展するケースも少なくない。どちらが最初にあおったのかなど、証言が食い違えば犯罪の証明は容易ではない。ドライブレコーダーの装着などが有効だろう。
 ただし、ドライバーの自己防衛に任すだけでは足りない。警察による摘発はもちろん重要だが、社会から危険な行為を排除するための地道な啓発活動を関係機関が連携して進めていくことが大切だ。


憲法改正 平和の「砦」崩していいか
 憲法9条は日本の平和を守る「砦(とりで)」である。その普遍的価値を未来へつなぐのか、それとも崩すのか。どちらが日本にとっていいのかを、真剣に考えることが国民に求められている。
 弾道ミサイル発射や核実験を繰り返す北朝鮮の不穏な動きを引き合いに、安倍晋三首相は衆院選を「国難突破」と位置付ける。争点の一つは、憲法改正である。
 憲法改正を巡っては、平和主義の根幹である9条が対立軸となる。9条が形骸化すれば、日本の国の形は大きく変容する。日本の将来がかかった重要な選挙であることを強く認識したい。
 想起してほしい。2014年12月の衆院選では、改憲勢力が3分の2以上の議席を占めたことで、安倍政権が勢いづいた。その結果、憲法に反する法律が一気につくられたのである。
 安倍政権は14年7月、集団的自衛権行使を容認する憲法解釈変更を閣議決定し、国民から大きな反発を招いた。それでも5カ月後の衆院選で自民党は圧勝した。15年9月に安全保障政策を大転換する安保関連法が成立し、16年3月に施行され、集団的自衛権の行使が可能になった。
 安保関連法は法案段階の15年6月、衆院憲法審査会で憲法学者3人全員が「違憲」と指摘した代物である。自衛隊の海外での武力行使に道を開くことを、国民は結果として後押ししたことを忘れてはならない。
 選挙は一つの政策だけを評価して投票するものではない。だが、最高法規である憲法の改正は国民生活に大きく影響する。そのことを有権者一人一人が深く認識する必要がある。
 自民党は憲法への自衛隊明記を公約に掲げた。維新に加え、安倍政権への対決姿勢を強調する希望も改憲には前向きである。
 改憲に対する各政党の政策、候補者の考えなどをしっかり吟味して投票することは、将来世代に対する責任である。
 琉球新報社が衆院選の県内4選挙区の立候補者に行った政策アンケートで、「オール沖縄」勢力の4氏が改憲に「反対」し、自民4氏と維新1氏は「賛成」と回答した。
 今回の衆院選の結果次第では、9条改憲の流れが一気に現実味を帯びよう。県内選挙区の選挙結果は憲法改正の動きに確実に影響を与える。改憲の是非を慎重に判断して1票を投じたい。
 国土面積の0・6%の沖縄に、在日米軍専用施設の70・38%が集中していることで、憲法25条の「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」を県民は享受できていない。
 憲法の具現化に向かって現状を改めることも、政治の役割である。それが実現できるのは誰なのかをしっかり見極めたい。


長時間労働是正できるか/衆院選 働き方改革
 衆院選では与野党ともに雇用・労働政策について、長時間労働や賃金格差の是正を公約に掲げた。しかし、安倍政権が進める働き方改革の具体的な施策については、与野党が鋭く対立している。働き方改革は働き過ぎの抑制につながるのか、むしろ助長する恐れはないか、各党の主張を十分に吟味したい。
 政府が成立を目指している労働基準法改正案など働き方改革関連法案の柱は、(1)長時間労働の是正(2)同一労働同一賃金の実現(3)一部の専門職の労働時間規制を緩和する「高度プロフェッショナル制度」(高プロ)の導入(4)裁量労働制の拡大−である。関連法案は臨時国会に提出されて審議される予定だったが、衆院の冒頭解散で先送りされた。
 働き方改革の看板である労働時間の短縮については、与野党が足並みをそろえた。自民、公明両党は公約で「長時間労働の是正」をうたい、希望の党、立憲民主党、共産党、社民党など野党も、同様の主張を前面に打ち出した。ただし、関連法案が残業時間の上限を繁忙期に限り特例として「月100時間未満」などと定めていることについては、共産と社民が「過労死ライン」の長時間労働を容認していると厳しく批判している。
 パートや派遣労働者など非正規労働者と正社員の賃金格差の是正を目指す同一労働同一賃金も、与野党がそろって公約に盛り込んだ。これに関連して最低賃金の引き上げを訴える党も多い。重要なのは同一労働同一賃金を実現するための具体的な手だてだ。
 働き方改革関連法案の中で最も反発の強い高プロは、年収1075万円以上の金融ディーラーや研究開発などの専門職を労働時間の規制から外し、残業代を払わない制度だ。自民、公明は推進する立場にあるものの、公約に明記していない。共産、社民は「残業代ゼロ法案」として反対を明確にしている。立憲民主は公約では触れていないが、基本的に反対の立場だ。
 労働者の暮らしと健康に大きな影響を与える働き方改革の進め方は慎重であるべきだ。衆院選での論戦に加え、選挙後も十分に時間をかけて議論を重ねてもらいたい。
 10日公示された衆院選は22日に投開票日を迎える。本県でもさまざまなテーマで論戦が繰り広げられてきたが、選挙戦はきょう21日が最終日。各政党、候補者の主張を見極めて、慎重に判断したい。


日本の反論は「本質避ける」 共謀罪で国連報告者
 【ジュネーブ共同】犯罪を計画段階で処罰する「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ改正組織犯罪処罰法が「表現の自由を不当に制約する恐れがある」と警告したカナタチ国連特別報告者は21日までに、これを不当だと反論した日本政府の回答に対し「私の示した懸念(に対する回答)の本質と事実を避けている」と批判する文書を共同通信に寄せた。
 両者の主張はかみ合っておらず、日本側が再反論する可能性もある。カナタチ氏は文書で「衆院選の結果を待って、誰が首相になろうとも日本政府とこの問題に取り組む」と表明し、日本側の姿勢を引き続き注視する考えを明確にした。
 文書は電子メールで約1ページ分。


<衆院選>森友・加計問題 疑い当然と捨て置くな
 衆院選の公示期間も今日1日を残すのみ。首相が「国難突破解散」と訴え、野党側は「森友、加計問題隠し」と批判して始まった選挙戦は、終盤の情勢調査でも自民党が優位を保つ。公明党と合わせた与党で、定数465の3分の2をうかがう勢いという。
 一方、各メディアの世論調査で安倍内閣の支持率は高まらない。収まる気配が見えない野党勢力の混乱が、結果的に与党を利している−との見方があるゆえんだ。
 消極支持が与党を押し上げているとの観測には、5年に及ぶ「安倍政治」の評価という当初想定された選挙の輪郭がぼやける印象が拭えない。約4割が投票先を決めかねているという。従来に増して判断に迷う選挙と言えそうだ。
 この情勢で、安倍晋三首相はなお「厳しい選挙」との認識を強調する。ちょっとした風向きの変化に情勢が大きく左右されることもある。あくまで手堅く進めるのは選挙の鉄則だが、その勢いと内閣支持率のずれが、発言を一層慎重にする面もあるだろう。
 衆参両院で与党が圧倒的多数を握る中での衆院解散の大義には、与党内からもいぶかる声が上がったが、首相には首相なりの覚悟があったに違いない。政権基盤は決して安定していないとの認識だ。
 近くは共謀罪の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正など、数を背景に疑問や批判を押し切る強引な政治手法に対する世論の反発は根強い。安倍首相周辺の関与が取り沙汰される森友、加計学園問題では、首相の意向を示唆する文書や証言が続出。国民の多くが説明に納得していない。
 7月東京都議選で自民党が歴史的惨敗を喫したのは、安倍政治の現状に対する国民の評価に他ならない。その反省も不十分なうちに断行した解散、総選挙に、安倍首相の政治姿勢が問われたのは当然の成り行きだろう。
 第2次安倍内閣が発足した2012年末を境に官邸主導が強まり、野党勢力の低迷もあって「安倍1強」と言われる政治情勢が常態化。14年には内閣人事局を設置して、府省庁の幹部人事を一元的に管理する態勢を整えた。
 官僚との関係でも優位を強めた結果、過剰な「忖度(そんたく)」が表面化したのが森友、加計問題の本質に違いない。
 安倍首相が「李下(りか)に冠を正さず。疑いを持たれることは当然だ」と自覚する状況は、自ら長期政権の弊害を認めるに等しい。
 事は政権の政治姿勢に関わって、選挙結果によらず、うやむやに捨て置くことは世論が許すまい。首相は直接的な影響力行使の有無にとどまらず、「疑いを持たれて当然」な事態に至った経緯が問われていることを知るべきだ。


国民の生活知らないサラブレッド安倍の限界
 ★明日は投票日。選挙戦最終盤を迎え、それぞれがそれぞれの思惑で臨んだ総選挙の舌戦も今日の午後8時で終わる。舌戦では各陣営の焦りも垣間見える。前半戦で自民党は徹底的に希望の党を攻撃。その効果は表れたようだが、希望の候補者からは「離党も辞さない覚悟」などの声も聴かれる。 ★一方、元民進党役員室長で希望の党の小川淳也は街頭演説で「安倍さんたちから最も感じられないのが生活のにおいなんだ。国民の暮らしの実感なんだ。やれ憲法改正だ、やれ集団的自衛権だ。国民の暮らしと直結していない。やっぱりこれは特別な家で育った、特別な環境で育ったサラブレッドの限界だと思う。生活の不安を感じたことがない。お金の心配をしたことがない。そんな人たちばかりが政治をしているから、普通の国民は報われることはないんだ」という。それなら希望の党は選ばない。 ★官房副長官・西村康稔は立憲民主党の攻撃だ。「かつての民主党のようなメンバーが集まって今、立憲民主党をやっている。菅総理が顧問で、官房長官だった枝野さんが党代表。副長官をやっていた福山さんが幹事長。同じメンバーですよ」。過去の失敗をあげつらうなら自民党にもすねに傷はある。今も説明がつかない問題も抱えているはずだ。 ★その傍らで戦後処理のための言い訳や保険、時間稼ぎが始まった。19日、連合会長・神津里季生は民進党の解体と希望の党への参画について「少なくともその時点で私としても受け止めたし、それ以外の選択は取り得なかったのではないかと今も思っている。もう少したってからでないと、本当のところは評価しづらいところがある」とした。その程度の判断か。明日は投票日。

響いたか 打倒安倍政権に立ち上がった“野武士3人”の訴え
 “悪代官を討つ”決意だ。
 新党結成のドタバタばかりが注目された今回の選挙戦だが、その陰で、安倍政権打倒の強い決意を持って個人として立ち上がった3人の新人がいる。
 東京21区の天木直人氏(70=諸派)、千葉5区の山田厚史氏(69=立憲民主)、山口4区の黒川敦彦氏(39=無所属)だ。
 天木氏は、小泉政権下で米国追従のイラク戦争に反対して職を追われた元外交官。立川駅前で辻立ちする天木氏の主張は一貫して「日米同盟の解消」だ。
 改めてその真意を問うと、天木氏は「現政権の政治は対米従属を深めている。日米関係の見直しなくして、日本の将来はありません」と語った。
 同じく、米朝の緊張関係をあおる安倍首相を危惧しているのが、元朝日新聞記者で経済ジャーナリストの山田氏である。山田氏は、立憲民主の結党後に地元市民連合の後押しを受け、公認を得た。民進候補らのスライドがほとんどの立憲ではレアケース。地元駅前で「子供の貧困撲滅」や「格差解消」を中心に演説した後、日刊ゲンダイにこう言った。
「貧困によって戦争は生まれる。大企業ばかりが儲けて、庶民の暮らしに反映されない、こんな世の中は子や孫に残せません」
 今治で加計学園問題を追及してきた黒川氏は、安倍首相の地元で「モリカケ問題」の説明責任と「消費税ゼロ」を訴え続けている。事務所関係者が選挙戦の手ごたえについてこう言う。
「『投票するところがなかったから安倍さんだったけど黒川さんは若くて良い』や『安倍さんの横暴が目に余る』といった住民の声を聞きます。地元の自民内部からも『安倍離反』が出ているようです」
 3人とも厳しい戦いではあるが、身ひとつで立候補したインパクトは大きいだろう。悪代官“成敗”の主張は有権者にどこまで響いたか。


比例区に異変アリ 立憲民主党に無党派殺到し全員当選も
 いよいよ2日後に迫った10月22日の総選挙。「自民無風」「希望失速」「立憲躍進」――となっている選挙情勢。最終盤になって、さらに立憲民主党が勢いを強めている。「比例区」であっと驚く議席を奪う可能性が出てきた。
 朝日新聞が17、18日に実施した世論調査に自民党が衝撃を受けている。「比例区の投票先はどこか」と政党名を挙げて聞いた結果は、自民は34%と2週間前(3、4日)の35%とほとんど変わらなかったが、立憲民主党が7%から13%へ倍増しているのだ。
 朝日新聞の調査は、9月26、27日も行われている。自民は32%→35%→34%、希望も13%→12%→11%と、ほとんど数字が動いていない。要するに、これ以上、支持が広がらない頭打ち状態。なのに、立憲民主党だけがグングン数字を伸ばしているのだ。
「まだ投票先を決めていない」有権者は、29%→27%→23%と少しずつ減っている。無党派が立憲に流れているのは間違いない。いざ投票となったら、まだ23%いる「投票先を決めていない」無党派が雪崩を打って立憲に「比例票」を投じておかしくない。23%の半分が上乗せされるだけでも、立憲は24%となる。
 自民党が密かに恐れているのは、自民党支持者までが、「比例」では立憲に一票を投じる可能性があることだ。選挙制度に詳しい政治ジャーナリストの泉宏が言う。
「クロスボートといって、有権者が選挙区と比例区で投票先の政党を変えることはよくあることです。とくに比例では、遊び心が生まれやすい。世論調査をみると安倍内閣の支持と不支持が逆転し、『今後も首相を続けて欲しい』34%、『そうは思わない』51%となっている。自民党は支持するけど安倍首相は嫌い、という有権者が相当数いそうです。彼らが比例で立憲に一票を入れる可能性はあるでしょう」
■野党第一党なら絶大な影響力
 定数176の比例の議席によって選挙結果もガラリと変わってくる。立憲民主党は、比例だけで40議席を大きく超える可能性が高い。
 泉氏は、「立憲は比例区で予想以上に得票し、北海道ブロック(定数8)と東北ブロック(定数13)では候補者が足りなくなり、東海ブロック(定数21)は選挙区で2人勝てば、重複を含めた比例候補6人全員が当選する可能性があります」と予測している。
 政治評論家の本澤二郎氏が言う。
「立憲民主党は選挙区に63人、比例単独を15人擁立しています。たとえ選挙区で負けても、次々に比例復活し、結果的にほぼ全員当選という事態もあり得ます。もし、立憲が50議席以上を奪って野党第1党になれば、選挙後にも絶大な影響力を発揮することになります。国会運営は政権与党と野党第1党の話し合いによって決めるのが暗黙のルールです。改憲にしても、『野党第1党の理解を得る必要がある』というのが、自民党議員のマジョリティーです」
 立憲民主党が、比例区で議席を奪い、ほぼ「全員当選」という選挙結果になったら、安倍首相も好き勝手はやれなくなる。


星田英利(ほっしゃん。)、ウーマン村本、松尾貴史、吉田照美…安倍政権に「NO」を突きつける芸能人の言葉を聞け
 いよいよ衆院選の投開票日が明日に迫った。結局のところいまにいたるまで、なんのための解散なのか、なにを国民に問いたい選挙なのかがさっぱりわからないが、この間に繰り返されたのは、権力に対して疑義の声をあげた人に対し、安倍応援団たるネトウヨが集団で絡み付いていくという醜悪な光景だった。
 10月2日放送『5時に夢中!』(TOKYO MX)で「無神経、馬鹿じゃないと総理大臣ってできないと思うのよ。安倍ちゃんなんて馬鹿の象徴じゃない?」と語ったマツコ・デラックスや、安倍首相がゲストで登場した10月8日放送『徹の部屋』(AbemaTV)で「ずーっと安倍さんのファン」「日本の国は安倍さんじゃなきゃダメだ」「ほんとにメディアは報道すべきことを報道しない」などとおべっかを使いまくる幻冬舎社長・見城徹氏をツイッターで〈是非、若者に見て欲しい。これが将来勝ち組になるオトナの会話だ。これくらい「飲み屋でやれ!」と思う映像も珍しい〉と皮肉った水道橋博士に対し、ネット上で罵詈雑言が飛び交い炎上した件は、それぞれ本サイトでも記事にしている。
 ただでさえ権力者を批判するような言説をネトウヨが集中攻撃する傾向が強くなっているなか、知名度の高い芸能人であれば政権を批判した際のリスクは飛躍的に高くなる。
 しかし、それでも、口をつぐむことを良しとせず、勇気ある発言をする芸能人は確実に存在する。
 星田英利(ほっしゃん。)は大阪民主新報2017年10月22日号のインタビューに応えているのだが、そこでは安倍政権に対しこのように憤りを表明している。
「選挙権を取って26年、いろんな政権を見てきましたが、今の政権にはこれまで感じたことのない違和感を覚えます。いろんなことに説明責任を果たしていない」
 まさしくその通りだろう。今回の冒頭解散だって森友・加計学園問題を攻められたくないがための保身の解散なのは明白である。
 そして、安倍政権に対し、星田が危機感を覚えるのは、首相の戦争への欲望だ。北朝鮮に対して国際的に対話路線が敷かれるなか、首相はドナルド・トランプ米大統領と並んでその道を塞ぎ、ひたすらに圧力をかけ続けている。このような行動に対し、星田は「戦争に行かされるのは国民。戦争をさせる人を絶対に許してはならないと思います」と怒りをあらわにした。
松尾貴史「いつから安倍さんが国民統合の象徴になったんだ?」
 しかし、なぜ彼は、ここまで政権へ疑問の声を投げかけるのか。北朝鮮問題などをあげてこのように語れば、官邸とメディアの煽りを真に受けたネトウヨから「いい年した大人がそんなお花畑思想でどうする」などという言葉が投げつけられるのは目に見えている。それは、本業である芸人としての活動を考えれば、マイナスな面しかないだろう。
 ただそれでも、星田が為政者に対し疑問の声をあげるのは、それこそが「大人」だからである。どう考えてもおかしいと思うことを唯々諾々と受け入れて、奴隷のようになっている姿を子どもたちに見せるのは、あるべき大人の態度ではない。星田は前掲インタビューでこのように語る。
「僕らに何ができるかというと、大人として思っていることをちゃんと言う姿を子どもたちに見せんとあかんと思うんです」
 本稿冒頭であげたマツコ・デラックスや水道橋博士の例をあげるまでもなく、こういった発言をすればネット、特にツイッターのアカウントには口にするのもはばかられるような罵詈雑言が雪崩のように押し寄せる。
 そんな炎上に日常的にさらされているタレントが松尾貴史だ。彼は先日も自身のツイッターに〈「金持ち喧嘩せず」という諺があるが、近隣の国が狼藉を働きそうだというときに、「対話は不要、圧力あるのみ」と、あわよくば争いを誘引しようという言動は、憲法を変えるための下地作りかと勘繰りたくなる。なぜ、「まぁまぁ」となだめる手間を惜しむのか。惜しんでいるのではなく煽っているのだが〉と書き込み、例のごとくネトウヨから「お花畑思考」などの中傷を受けていたが、そんな彼は「炎上」と日常的に接して感じてきたことを、ウェブサイト「政経電論」でのインタビューでこのように語っている。
〈「レイシズムはダメですよ」って書いたら“在日”だと言われるし、安倍首相に反対すると“反日”って言われる。いやいや、いつから安倍さんが国民統合の象徴になったんだって、本当に不思議でしょうがないですよ〉
 安倍=日本などというネトウヨたちが描く図式は明らかに意味不明だが、それはともかくとして、これだけ米軍基地に傷つけられている沖縄をあっさりと見捨ててアメリカに隷属する首相の姿勢こそ日本を貶めていると思うが、なぜ安倍信者はそのように考えないのだろうか。
 星田や松尾らベテランから中堅の芸人・タレントの姿勢に、星田の事務所の後輩であるウーマンラッシュアワー村本大輔も負けてはいない。村本といえば、8月11日放送『朝まで生テレビ!』(テレビ朝日)に出演。「国民には国を守る義務があると思う」と発言した田原総一朗に対し、「絶対に戦争に行くことがない年寄りに言われてもピンともこないわけですよ。絶対行かないじゃないですか」と反論したことが話題となり、ネトウヨから大炎上させられたのは記憶に新しいが、彼はそんなもので怖じ気づくような人間ではない。村本は、「週刊女性」(主婦と生活社)2017年10月31日号に掲載されたインタビューで引き続き踏み込んだ発言をしている。
自衛隊員の命をカードのように扱う首相にウーマンラッシュアワー村本大輔は怒る
 村本の弟が現役の自衛隊員であることはよく知られているが、その立場から現在の状況を見て彼は「安保法制や憲法改正の議論を聞いていると、隊員の命をカードのように扱っている気がして」と憤る。
 その象徴が、前述した北朝鮮問題に対する安倍首相の態度だろう。彼はひたすら圧力をかけることだけに終始しているが、そもそも政治家の仕事とは、対立が武力衝突に発展しないようあの手この手で交渉することである。ただ単純に相手を侮蔑して威勢のいいことを言うだけなら幼稚園児でもできる仕事だ。
 村本は、安倍首相が自衛隊員の命を「カード」としか思っていない象徴として、京都の海上自衛隊舞鶴基地で隊員に対し「国民の安全確保のため万全の態勢をとってくれました」とスピーチしたことを挙げる。
「あれは安倍さん、「みなさんの命を落とすことがないよう一生懸命に努力します」と言うのが筋でしょう。「私の誇りであります」なんて言ってる場合じゃない」
 また村本は、金を釣り餌にひどい目にあわされている人々として、原発周辺に住む人たちについて語る。村本は福井県おおい町の出身で、近くに大飯原発がある。そして村本自身、売れなかった時代に、実家から原発で働くよう電話がかかってきたこともあるという。
「夢のエネルギーだ、出稼ぎに行かなくてすむんだとうまいこと言われて、貧しい地域に原発が置かれてきた。それで町の基盤もできた。だけど生活するのに必死だから、原発がどれだけ危ないか、事故でどんな被害をもたらすか、考える余裕がないんです。依存させておいて、依存から抜け出すにはリハビリが必要という視点がいまの議論にはないし、生活している人の姿が見えているのかなと思う」
 今回の選挙戦では安倍首相の口から「こんな人たち」級の失言は飛び出さなかったものの、遊説先を告知しないステルス演説をしていたことが象徴的なように「丁寧な説明」はどこへやら、自分とは違う意見の人とはまともに議論しようともせず嘘とはぐらかしですべてをごまかそうとする態度はなんら変わることがなかった。
吉田照美「安倍政権の何が良くて何が悪かったか考えれば簡単に結論が出る」
 これは有権者が投票先を決める際、重要な評価ポイントになるだろう。小島慶子はこのようにツイートしている。
〈政権の座についたら、政治家は自分を支持した人々だけでなく、しなかった人々の暮らしにも責任を負うことになる。だから選挙活動中の候補者が、自分を支持していない人たちに対してどんな態度をとるのか、嫌な質問をされたときにどんな回答をするのかをよーく見ておくことが大事だと思う〉
 森友・加計学園問題を隠したい安倍首相自らの保身のためにすべてが始まった今回の衆院選。これにより600億円の税金がドブに捨てられるのだが、それと引き換えに国民は、これから先も為政者による政治の私有化を進めていいのか、富める者だけがますます富んでいくような社会でいいのか、弱者や少数派に属する人々は見捨てられ迫害される世の中にしていいのか、「戦争」への欲求を抑えられないことが誰の目にも明らかな人物をこれ以上この国のトップに置いて大丈夫なのか、といった問題について審判をくだすことができる機会を手にしたことになる。吉田照美は17年10月17日付け日刊スポーツのインタビューでこのように語っている。
「今こそ、僕ら国民1人1人が、安倍政権の何が我々にとって良かったのか悪かったのか、もう1回、解散を宣誓したあたりに戻って考える時だと思うんです。そうすれば、非常に分かりやすく結論が出ると思うんですよ」
 これ以上、独裁的で強権的な政治をさせないためにも、ここで安倍政権にNOを叩き付けなければならない。
 ちなみに、ミュージシャンでタレントのうじきつよしは、10月15日、ツイッターでこんな激烈な投稿をしていた。
〈『なにが“国難”だよ!私利私欲でルール無視、暗躍しまくりウソつきまくりのおめぇらこそ、最大・最悪ノータリンの"国難"じゃねぇか!もうガマンも限界、気持ち悪くてゲロ吐きそう!』を必死でこらえ、エブリボディ、選挙へゴ、ゴ、ゴ〜〜ッ!!〉
 そう、安倍政権を止めるために、選挙へ行くしかない!(編集部)


また安倍ペテン首相に騙されている国民 その先に待つ地獄
 22日のことは、日本の歴史にどう刻まれることになるのだろう。
 各社の情勢調査では「自民300議席に迫る」「自公で3分の2確保」と、与党の圧勝が確実視されているが、この悪辣政権を勝たせるなんて、正気の沙汰ではない。圧勝させれば、白紙委任状を渡すも同然だ。数々の疑惑も帳消しにされてしまう。国民は本当にそれでいいのか。
「そもそも今回の解散は、森友・加計学園疑惑で行き詰まり、このままでは国会も開けない安倍首相が、疑惑隠しのために仕掛けたものです。自分の保身と延命のために全衆院議員のクビを切ったわけで、どこにも大義がない。首相は解散の理由を『消費税の使途変更を国民に問う』と説明しましたが、選挙戦では北朝鮮の脅威をひたすら煽り、『この国を守り抜く』と叫ぶだけです。『選挙戦を通じて丁寧に説明する』と約束したモリカケ問題も一切触れようとしない。これで勝たせたら、憲法違反の安保法や共謀罪を数の力で強行成立させ、縁故政治で国家権力を私物化してきた安倍政治の異様な5年間を是認することになる。自民党は消費税10%も公約しているわけで、税金を上げて、軍事費を増やし、社会保障は削る冷酷政治が続くことになるのです。自民圧勝なら、国民を待ち受けるのは暗黒社会ですよ」(政治評論家・本澤二郎氏)
 北朝鮮の脅威より、このまま安倍政権が続いて国民生活の底が抜けてしまうことの方が深刻な脅威だ。本当に飛んでくるか分からないミサイルよりも、この国の将来を心配すべきではないのか。大体、国民の財産である国有地をタダ同然で売却して知らん顔している政権に、本気で国民の命と財産を守る気などあるわけがない。北の脅威を利用し、国民を不安に陥れて票をかっさらおうとしているだけだ。
洗脳されているのか、おバカなのか
 街頭演説でアピールするアベノミクスの成果もデタラメそのもの。株式市場は57年ぶりの14連騰に沸いているが、庶民に景気回復の実感はない。給料は増えず、負担ばかりが増えて、生活は厳しくなる一方だからだ。今年9月の日銀の調査でも「暮らし向きにゆとりが出てきた」と答えたのは、わずか7.3%だ。
 精神科医の和田秀樹氏もこう言う。
「街頭演説で安倍首相は、民主党時代は『暗黒時代だった』と言い、自民党政権で景気が上向いたと主張していますが、実際は民主党政権の方がGDP成長率は高かった。雇用が改善したという言い分も疑問で、安倍政権では非正規雇用が200万人以上も増え、相対貧困率が上がっている。貯金ゼロ世帯も急増しています。異次元緩和で1ドル=80円から120円になったなら、円で支給される給料も1.5倍程度にならなければおかしいのに、そうなっていない。逆にいえば、ドル換算で見ると、安倍政権下で日本は急速に貧しくなっているのです。出まかせの数字に騙されていると、国民生活は早晩、破綻しかねない状況ですが、安倍首相がすごいのは、『国民はすぐに忘れる』と確信していることです。だから、その場しのぎのウソも平気で言えるのです」
 ここまでコケにされても、自民党に1票を投じる有権者は能天気すぎる。世論調査では安倍の続投を「望まない」人が半数いて、内閣支持率を不支持率が上回っている。それでも「他に投票先がない」という消極的な理由で自民党に投票すれば、安倍は何をしても許されると勘違いし、ますます増長する。消極的な投票結果が、安倍続投の原動力になる。そして、権力の私物化が続くのだ。
 首相夫人は「私人」でも公務員の秘書がつき、懇意にしていた学校法人には国有地が与えられる。国民生活はカツカツなのに、首相の親友には巨額の公金がつぎ込まれる。権力者と近しければ犯罪も見逃され、歯向かえば逮捕され口封じされる。これではもう法治国家でも民主主義国家でもない。そんな暗黒社会を国民は望んでいるのか。権力者のやりたい放題の犠牲になるのは国民だ。安倍のご都合主義に騙されて自民党に1票を投じるなんて、まるで、肉屋を支持するブタみたいなもんだ。
「結婚詐欺師もそうですが、騙されている間は気付かないものです。数十年後には『安倍長期政権が日本を破滅させた』と認定されるのでしょうが、渦中にいる人は気が付かない。ひと昔前は、自民党が悪いことをすれば、選挙で“お灸をすえる”という民意が働いたのに、それもなくなった。ゆとり教育に代表される愚民化政策の効果もあるでしょうし、メディアの洗脳も奏功しているのでしょう。庶民にとっては、現状を変えた方が明らかにメリットが大きいのに、それを避ける選択をしてしまう『現状維持バイアス』も働いている。日本人は、なぜ北朝鮮の人民があんな独裁者の暴君に従っているのかと不思議に思っているでしょうが、日本の現状も変わりません。DVの恋人から離れられないのと同じで、日本人が貧困に慣れてしまい、変化を恐れて、自分たちの生活が良くなる可能性がまったくない自民党政権を支持している。国民が北朝鮮化しているのです。こうした集団洗脳は解けるのに時間がかかる。あと何回、選挙をやっても自民党が圧勝する可能性もある。それで落ちるところまで落ちないと、目が覚めないのかもしれません」(和田秀樹氏=前出)
■選挙の本質をえぐらず問題を矮小化するメディアの罪
 こんなことになってしまったのは、メディアの責任も大きい。今回の選挙でも、各党の公約比較や注目選挙区など愚にもつかない企画でお茶を濁し、安倍政治の是非という本質に切り込もうとしない。「野党分裂」とか「連合また裂き」とか、野党の内輪モメに選挙の構図を矮小化し、希望の党を悪者にして、結果的に与党の圧勝に手を貸している。消費税10%時の軽減税率で首根っこをつかまれているのかもしれないが、この国が民主主義国家でいられるかどうかの瀬戸際なのに、権力に忖度している場合か。そんなことだから、「報道の自由度ランキング」で年々順位を下げ、今では72位という不名誉に甘んじているのだ。前出の本澤二郎氏が言う。 
「マトモなメディアなら、安倍首相の退陣キャンペーンをしているはずです。モリカケ問題で国民の不信が高まり、内閣支持率が急落した安倍首相は引きずり降ろされる寸前でした。その後、納得できる説明もないし、この政権の体質は何ひとつ変わっていない。そんな政権に国政を任せていいのですか。安倍1強がおごりを生み、国民無視の独裁的な国会運営を許してきたことは誰の目にも明らかです。こういうイビツな状況を是正し、民主主義が機能するように啓蒙するのがメディアの役目でしょう。安倍圧勝の情勢調査を垂れ流すのではなく、『こんな危険な状況だ』と警鐘を鳴らすのが本来のあり方です。総選挙で自民党が大勝すれば、この国には絶望の2文字しかない。それに圧勝報道を垂れ流す大メディアが加担しているのです」
 日本は曲がりなりにも国民主権をうたっている国だ。国民が本気で立ち上がれば、悪政を止めることができる。投票権を行使して、自分たちの代表を選ぶのである。心ある有権者がすべきことはハッキリしている。政権と確かに対峙する野党に投票することだ。立憲民主党、共産党、社民党、あるいは、リベラル系の無所属候補。自民党支持者でも、「安倍続投は嫌だ」と思うなら、今回は目をつぶって野党に投票するしかない。立憲民主党は78人しか候補を立てていないから、全員当選しても政権与党になる可能性はゼロだ。安心して投票すればいい。
 自民単独過半数は崩せなくても、「絶対安定多数」の261議席を割ること。それが、この国の民主主義にとって、せめてもの救いになる。


安倍首相の秋葉原街頭演説が極右集会そのもの! 「こんな人たち」を排除し、日の丸はためくなか「安倍総理がんばれ」コール
  日の丸がはためくなか、響き渡る「安倍晋三!」のコール──。
 選挙戦最終日の本日、安倍首相が“因縁の場所”である秋葉原で街頭演説に立ち、北朝鮮の脅威を煽りまくり、立憲民主党を筆頭に他党批判に精を出した。そして、そのたびに沸き起こる「そうだー!」という熱烈な声援……。2014年の衆院選最終日と同様、多くの日の丸がはためき、まるで戦前に帰ったかのような異常な空気に包まれたのだ。
 安倍首相にとって秋葉原は、今年7月、都議選で「こんな人たちに負けるわけにはいかない」と声を荒げた因縁の場所。今回の選挙戦でも公示前は街頭演説の日程を一般告知せず突然現れるという“ステルス”演説をおこなうなど、安倍首相は政権に批判的な市民から逃亡するというみっともない作戦を恥ずかしげもなく展開。だが、昨日、急遽おこなった下北沢での“練り歩き”では、ステルス作戦むなしく「安倍やめろ!」コールに包まれた。
 しかし、こうした市民からの抗議をシャットアウトするべく、安倍首相の遊説では多数の「安倍親衛隊」が出現。批判する市民を恫喝する一方、「おい、テレ朝 選挙妨害は犯罪なんだよ」「おい、TBS偏向報道は犯罪なんだよ」なるプラカードが多数掲げられた。さらに、大阪でおこなわれた街頭演説では、街宣車の上で「君が代」がバイオリン演奏され、聴衆の一部が大合唱するという恐ろしい光景が。
 そしてきょうも、街頭演説の場では巨大な「頑張れ安倍総理!」などの横断幕が立ち並んだ。日本中をドン引きさせたあの森友学園が運営する塚本幼稚園の「安倍首相がんばれ!」「安倍首相がんばれ!」を彷彿とさせるが、これは、「こういうのは初めて」と安倍首相が感激したという極右団体「頑張れ日本!全国行動委員会」が2015年7月24日には首相官邸前でおこなった安保法制賛成デモの際に掲げられていたものとそっくりだ。
 今月6日には自民党ネットサポーターズクラブ(J-NSC)の緊急総会を開き、そこにサプライズゲストとして安倍首相が登場、参加者たちと「がんばろー!」と掛け声をあげて記念撮影をおこなったばかりだが、選挙戦では、極右団体の動員のほか、こうしたネット右翼の信者たちも詰めかけさせ、応援の声で批判を掻き消すことで、安倍首相は「リベンジ」を果たしたつもりなのだろう。
 だが、支持者の声しか聞かず、こんな方法で市民からの批判を塞ぐ人物が、総理大臣にふさわしいと言えるのか。そして、もっと恐ろしいのは、安倍首相自身が「こんな人たち」と分断し、信者たちに敵対心を向けさせていることだ。
 安倍政権が継続すれば、このような戦前のようなムード、批判者を徹底して排除する空気はさらに増幅していくだろう。体制に反発する者は「非国民」と石を投げつけられる──この男が総理でいるかぎり、その未来はけっして遠くはない。(編集部)


総選挙・自民党の極右候補者リスト「ウヨミシュラン」発表! 日本を戦前に引き戻そうとしているのはこいつらだ!
 リテラが国政選挙の投開票前にお届けしている極右候補者リスト「ウヨミシュラン」。今回の衆院選でも、日本を戦争に引きずり込む民主主義の敵をあぶり出してやろうと、候補者の過去の言動をチェックし始めたのだが、これがまあ、「自民、維新、希望は全員じゃないか」と思うくらい“極右”だらけ。
 憲法改悪で戦争扇動を目論み、過去の戦争犯罪を否定するのは当たり前。報道の自由を否定する者、女性蔑視や外国人差別を扇動する者、国民の生存権を国のために命を捧げる者、愛国教育推進者、そして朝鮮人虐殺につながるようなヘイトクライムを扇動する者……。
 そこで、今回は、壊滅状態の維新、希望は無視して、自民党にしぼって、とりわけトンデモない極右議員を30人ピックアップすることにした。思想の危険性、影響度、ヘイト度、キャリアなどを総合的に加味して、本家のミシュラン同様、☆3段階で評価してみた。
 総選挙後には改憲論議が始まるのは確実と思われるが、まだストップをかけるチャンスは残されている。日本をグロテスクな「戦前」に引き戻さないためにも、ぜひ、参考にしていただきたい。
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●北海道6区:今津寛 ☆
 7期前職のベテラン政治家だが、その主張は自衛隊を軍隊化する憲法9条改正論、永住外国人の地方参政権付与反対、夫婦別姓反対などなど、極右オヤジそのもの。現役首相の靖国参拝を求める自民党「平和を願い真の国益を考え靖国参拝を支持する若手国会議員の会」会長も務めた。しかし、なかでも一際トンデモなのが、2015年、成人年齢の引き下げを議論する党の特命委員会での「高校生がセーラー服を着て産婦人科に入り、子供をおろすことができるというのは世間だれもが認めないだろう」との発言。高校生の望まぬ妊娠に対し、人工中絶を否定したことだ。自民党と立憲民主党候補による一騎打ちの選挙区だけに注目したい。
●宮城6区:小野寺五典 ☆☆
 防衛大臣の小野寺氏。前任(厳密には前の前)の稲田朋美氏があまりにアレすぎて霞んでいるが、この人も強烈なタカ派であることを忘れてはならない。実際、8月10日の閉会中審査では、北朝鮮がグアムに向かってミサイルを発射した場合に「米側の抑止力・打撃力が欠如することは、日本の存立の危機に当たる可能性がないとも言えない」として集団的自衛権を行使できると答弁。3月には党検討チーム座長として「敵基地攻撃能力」保有を検討すべきとの提言を提出している。北朝鮮を挑発するような言動を繰り返す防衛相こそ、日本を戦争という「国難」に導くのではないか。
●茨城5区:石川昭政 ☆
 2012年衆院選にて初当選した安倍チルドレン。國學院大出身で神主の資格を持ち、神社本庁の政治部隊・神道政治連盟の支援を受ける。全国的にはまだ無名だが、その思想は典型的な“安倍チル極右”。ブログでは〈近隣諸国条項による自虐史観で書かれた教科書検定、学習指導要領、教科書採択について見直しを図ります〉〈日本人で良かったと誇りに思える教科書内容に改善して参ります〉など宣言し、稲田防衛相(当時)の靖国参拝も絶賛。もちろん例の“言論弾圧会議”こと「文化芸術懇談会」のメンバー。あの田母神俊雄サンと嬉々として対談したこともある。今後に要注目ということでピックアップしてみた。
●栃木3区:簗和生 ☆
 この人も典型的な“安倍チル”で文化芸術懇談会の一員である。実際、HPを見れば逆説的に安倍自民党の戦前回帰的価値観がまるわかり。〈家庭における子育てやしつけに対する責任感の醸成に取組みます〉〈行き過ぎた個人主義を改める〉等々。あげく2012年にBLOGOSに寄稿したのがコレ。〈(日本は)連綿と続く世界最古の一系の君主を戴き、道徳と規範意識に優れ、和を重んじ共同を大切にし、穏やかで平安な生活を営みながらも、一旦危機が生じれば勇を持って立ち向かう、世界に比類無き卓然たる国柄を有しています〉。そのまんま教育勅語。やっぱり国民を戦地に送り込みたいらしい。
●埼玉2区:新藤義孝 ☆☆
 安倍首相の“極右の盟友”のひとりで、第二次安倍内閣で総務大臣や国家戦略特区担当大臣を歴任。靖国神社を毎年参拝し、ライフワークは竹島や尖閣諸島への視察などの領土問題。政治家としての悲願は改憲と「国防軍」創設だ。だが、そんな新藤氏が“ネトサポ”こと「自民党ネットサポーターズクラブ」(J-NSC)の初代代表であることはあまり知られていない。新藤氏は第4回J-NSC総会にて、参加したネトサポに「こないだの選挙、お世話になりました!」「総務大臣を拝命しておりますのも、みなさんのおかげです」と述べ拍手を浴びている。栗林忠道大将の孫である新藤氏は一昨年の安倍首相の米議会演説に同行し、硫黄島激戦の体験者である元米兵と握手を交わすという「感動シーン」を演出したが、その人がネトウヨにペコペコしている姿は、端的に言って情けない。
●千葉3区:松野博一 ☆☆
 安倍内閣の元文科相。加計学園問題での文書隠蔽や疑惑隠し答弁が記憶に新しいところだが、ウヨミシュランに入れたのは文科大臣としてLGBT差別を推進したから。今年の学習指導要領の改訂にあたっては性的マイノリティについて盛り込むことを求めるパブリックコメントが多数寄せられていた。ところが文科省は却下。松野氏は国会で「LGBTに対する科学的な知見が確立していない」「授業において先生方が合理的な説明の元に進められない問題がある」と答弁し、性的マイノリティに対する差別・偏見を正当化した。一方、教育勅語については「教材として用いることは問題としない」と是認。結局、安倍政権は平等や人権、多様性などの教育を否定し、戦前的価値観を復活したいだけ。そのことを忘れないでほしい。
●神奈川2区:菅義偉 ☆☆☆
 ご存知“安倍政権のゲッベルス”。とりわけ政権に不都合な言論への弾圧行為は苛烈さを極めている。記者からの質問には「指摘は当たらない」「問題はない」「はい次」の“スガ語”で封殺。昨年相次いだニュース番組司会者の降板の影ではすべてこの人の名前が挙がり、加計問題での「怪文書」発言、前川喜平前文科次官への「地位に恋々としがみついた」というデマ攻撃も記憶に新しい。あげく、加計問題を会見で追及した東京新聞・望月衣塑子記者に対しての「ここは質問に答える場所ではない」。言うまでもなく、政治権力によるメディアコントロールと言論弾圧は、ファシズムの危険な兆候。民主主義を終わらせないために、国民は菅氏の鉄の仮面を剥がしにかからねばならない。
●神奈川16区:義家弘介 ☆☆
 文科副大臣にまで成り上がった義家“ヤンキー”センセイ。しかし、そのことによって、頭スカスカの極右っぶりが次々露呈してしまった。副大臣就任時には当時の馳浩文科相(石川1区)とともに、月刊誌で教師時代の「体罰」を自慢していたことが発覚。06年には首相の肝いりの教育再生会議で「体罰の基準見直し」を提言。さらに「諸君!」(文藝春秋/廃刊)07年3月号では“善悪の線引きは国がやるべき”と国家による思想統制の必要性を語り、安保反対デモには「まさに『ヘイトスピーチ』そのもの」(本人FBより)といちゃもん。今年の国会でも、加計問題をめぐる内部証言に対し「国家公務員法違反になる可能性がある」と恫喝した。そもそも、こんな人に教育行政を担わせる政権自体が異常という他ない。
●東京4区:平将明 ☆☆
 自由民主党ネットメディア局長。ネット右翼を多数擁すJ-NSCのトップである。本サイトでも報じたとおり、10月6日の夜、自民党本部で行われたJ-NSC総会では、ネトサポからの具体的な他党のネガキャンに平氏がアドバイス。「希望NO党」「立件(一見)民主党」とのツイートは誹謗中傷か?との問いに「パロディだからOK」。さらに、“従軍慰安婦像の辻元清美”や“手榴弾を投げる人民解放軍姿の志位和夫”なる画像投稿についても「個人のご判断」と笑いながら容認した。周知の通り、SNS上ではJ-NSC会員を自称するアカウントが、野党のネガキャンだけでなく日々ヘイトスピーチを垂れ流している。こんな政治を許していいわけがない。
●東京9区:菅原一秀 ☆☆
 悪質ヘイトの常習犯。昨年6月には当時民進党代表選出馬が取りざたされていた蓮舫氏について、「自分が日本人に帰化したことが悔しくて悲しくて三日三晩泣いた、と自らブログに書いている」と発言。もちろん蓮舫氏のブログにそんな記述はなく、元ネタはネトウヨがばらまいたデマだった。単なるネットリテラシーの欠如ではない。実際、同年3月の「週刊文春」(文藝春秋)によれば、菅原氏は当時27歳だった元愛人に「女は25歳以下がいい。25歳以上は女じゃない」「子供を産んだら女じゃない」と言い放ったという。出自や女性に対する差別をむき出しにする様はネトウヨそのもの。しかも菅原氏は前ネットメディア局長。救いようがない。
●東京11区:下村博文 ☆☆☆
 安倍首相の盟友の元文科相。歴史修正主義・極右教育推進の言動を繰り返すことで知られる。もともと大学業界や塾業界との癒着が指摘されており、最近も「週刊文春」に「加計学園から闇献金200万円」疑惑を報じられた。そのトンデモぶりの最たるは「親学」への思い入れ。親学とは「児童の2次障害は幼児期の愛着の形成に起因する」というトンデモ疑似科学で「障害者への差別思想」として批判を受けているのだが、下村氏はこの親学に傾倒し、親学推進議員連盟まで立ち上げた政治家。また、これまで統一教会などカルト宗教との関連も週刊誌などで囁かれ続けてきた。トンデモ閣僚を多く送り出した安倍政権だが、とくに下村氏を筆頭に文科大臣はヤバいのしかいない。
●東京16区:大西英男 ☆☆
 「文化芸術懇談会」での“言論弾圧3本の矢”の一人。「マスコミを懲らしめるには広告料収入がなくなるのが一番」「経団連に働きかけてほしい」のトンデモ発言で知られる大西氏。とにかく“暴言王”の名がふさわしく、14年の国会では上西小百合議員の質問中に「まず自分が子どもを産まないとダメだぞ」とヤジ。完全にセクハラかつ女性蔑視だが反省はなかったようで、昨年の派閥(=安倍首相の出身派閥である清和会)の会合では「『巫女さんのくせになんだ』と思った」「ひとつ口説いてやろうと思った」「巫女さんを誘って夜、説得しようと思った」なる職業蔑視、女性蔑視発言を繰り返した。また今年も受動喫煙対策に関する党の部会において、がん患者についての文脈で「働かなければいいんだよ」と発言。見ての通り、差別意識の塊のトンデモ政治家だ。恥を知れと言いたい。
●東京18区:土屋正忠 ☆☆
 元武蔵野市長の前職。安倍政権では総務副大臣などを歴任。憲法観や歴史認識などでタカ派右翼として知られるが、とくに今年の共謀罪国会審議中には、“ポンコツ大臣”こと当時の金田勝年法相(比例東北)が答弁を逃げ、議場が紛糾するなか、民進党議員が対応を相談しているのを指して「いまのはテロ、テロ準備行為じゃないか」なる暴言ヤジを飛ばした。これぞ「政府に反対したらテロリスト」なる狂気の考え方の象徴であって、共謀罪の本質を表している。そもそもボスの安倍首相自身が加計問題報道をFacebookで「言論テロ」などと批判した漫画家の投稿に「いいね!」と同意。摘発を煽って言論を封じる、まさに安倍政権が目指すのが恐怖政治であることの証左だ。
●東京24区:萩生田光一 ☆☆☆
 “報道圧力野郎”のあだ名で知られる安倍首相の右腕。前回衆院選では、TBSがアベノミクスに対して批判的な街頭インタビューを報じたのをみて在京キー各局に恫喝文書を見舞った。加計問題をめぐっては、文科省が公開したメールや添付書類に、萩生田氏が「広域的に」「限り」という事実上の「京都産業大学外し」を内閣府に指示していたことが記されており、NHKがスクープした文部省の内部文書「10/21萩生田副長官ご発言概要」も明らかになった。ところが、こうした“萩生田文書”に言及する田原総一郎氏のインタビューを報じた『グッド!モーニング』(テレビ朝日)に対し、萩生田氏は強く抗議。3日後の放送で訂正謝罪させるなど、完全に屈服させたのだ。有権者は、こんなゴリゴリの言論弾圧を放置していていいのかよく考えるべきだろう。
●新潟3区:斎藤洋明 ☆
 2012年当選組の安倍チルドレン。全国的には無名に近いが、最近、とんでもないヘイト発言を放っている。斎藤氏は10月8日、地元での決起集会の場で北朝鮮問題について語ったのだが、そこでこんなことを言い出した。「日本にはすでにたくさんの北朝鮮のスパイが入り込んでいます。たとえば東京の都心の発電所は、おそらくテロでやられるでしょう。もしかしたら水源地に毒を投げ込むかもしれないので、北朝鮮で何か有事が起こったら、水道を飲まないでください」。これは、10月18日に放送されたネット番組『NO HATE TV』で、ジャーナリストの安田浩一氏が公開した音声の再現だ。つまり、斎藤氏は「北朝鮮のスパイが水源地に毒を投げ込むかもしれない」と、なんの確証もなく言っているのだが、これは関東大震災時に朝鮮人虐殺を引き起こしたデマとまったく同じ構造だ。ヘイトクライムを煽る政治家など論外である。
●福井1区:稲田朋美 ☆☆☆
 ご存知、安倍首相の覚えがめでたい“ネトウヨの姫”。その極右思想や発言の数々についてはいまさら言うまでもなく、今年は「サンデー毎日」(毎日新聞出版)が報じた在特会との蜜月関係を最高裁が認定するなど司法のお墨付きまで獲得。しかし本当に笑えないのが、この海外メディアからも一目を置かれる極右政治家が、あろうことか安倍首相の一存で防衛相になり、自衛隊員を生命の危険にさらす最悪の自体を引き起こしたこと。周知の通り、南スーダンPKO日報問題の背景には、政権による「駆けつけ警護」新任務付与のゴリ推しがあった。そして、流出した自衛隊幹部によるものとみられる手書きメモによれば、稲田氏は日報データの存在の報告を受けながら組織的隠蔽に加担し、虚偽答弁を行なった。メモ流出に関して、一部メディアはこのポンコツ防衛相に対する陸自の“クーデター”とまで表現したが、であればもうシビリアンコントロールは完全に不能状態。これは、勇ましく軍隊の復活を唱える政治家がその軍隊の暴走を抑えられないという、この国の悪夢の結末を示唆しているのだ。
●岐阜5区:古屋圭司 ☆☆
 国家公安委員長などを歴任。安倍首相とは成蹊大学の同窓で、タカ派右翼思想も完全に共鳴する仲だ。その古屋氏の発言でとりあげたいのが沖縄に対する差別意識むき出しのヘイトだ。4月16日、沖縄県うるま市で同日に告示された市長選挙の出陣式に参加し、そのことを自身のFacebookにこう投稿した。〈何でも反対、全く財源の裏付けのない無責任な公約や、空虚なキャッチで市民への詐欺行為にも等しい沖縄特有のいつもの戦術〉。「沖縄特有」などと言って問題を県民性に求めることはあきらかに沖縄ヘイトであり、到底許されるものではないが、逆に言えば、この安倍の盟友のヘイト発言は、沖縄を冷遇して差別し続ける政権の代弁である。
●静岡7区:城内実 ☆☆☆
 安倍首相の応援団的立ち位置で、第二次安倍内閣では外務副大臣を務めた城内氏。トンデモ発言を連発することで知られ、たとえば日本会議の機関誌「日本の息吹」では「人権擁護法案通しますか、それとも日本人やめますか」と書いている(08年4月号)。その「日本人」優越主義と人種差別意識はかなり根が深く、控えめに言って異常である。2012年、実質的安倍派である超党派議連・創生「日本」の会合で、城内氏はこう言い放った。「敵は反日日本人であります。“日本人になりすました日本人”と闘っていくことが、我々の使命ではないでしょうか。中国の人が急に話せばわかるようになったり、あるいは日本の技術を盗まなくなったら、それは中国の人ではありません。日本人になってしまいます。ですから、我々の当面の敵は日本にいる反日日本人と闘うことであります!」。もはや言葉もない。
●大阪14区:長尾敬 ☆☆☆
「文化芸術懇談会」での“言論弾圧3本の矢”の一人。「(沖縄メディアは)左翼勢力に乗っ取られている」などと言い放った。その日々の活動はネトウヨそのもの。〈報道しない自由という名の印象操作〉などと何度もツイートしメディアバッシングを扇動。虚偽かつ醜悪なレイシズムに基づいた「泉放送制作デマ」のフェイクニュースを〈拡散!情報戦です!〉と拡散。とくにひどいのが沖縄ヘイト。沖縄の新基地建設に反対する市民活動を〈反社会的行動〉と評し、〈オスプレイ反対運動の背景には、中国共産党が見え隠れします〉〈彼等は仕事として運動をしており、日当・交通費も支給されています〉〈沖縄へ視察に行きますと、こういう裁判で勝ち得た賠償金が、プロ市民の活動資金に流れているという話しを、聞かずに日程を終えることはありません〉と、これまたネトウヨの定番「日当デマ」を流しまくっている。本サイトの過去記事で検証してきたので繰りかえさないが、すべて悪質なデマだ。議員どころか社会人としても完全に失格である。
●兵庫7区:山田賢司 ☆
 2012年当選組の安倍チルドレン。14年8月に行われた自民党のヘイトスピーチ対策等に関する検討PT初会合での「国連に“チンコロ”しているのはどんな団体か。ネットで調べると、ほとんどが朝鮮総連など朝鮮系の団体だ」「右翼車両よりもむしろ左翼のほうがうるさい。取り締まりや、排除をすべきではないか」という妄想ヘイト発言で知っている人もいるだろう。もともと在特会元幹部が関係する講演会に出席するなど問題の人物だが、ほかにも山田氏は「文化芸術懇談会」の一員で、一昨年2月の国会で共産党の志位和夫委員長に対し「さすがテロ政党!」とのヤジを飛ばすなど、もはやネトウヨそのものである。
●奈良2区:高市早苗 ☆☆☆
 総務相を務めた高市氏。「先の戦争は侵略戦争ではなかった」「国会デモを取り締まれ」「福島原発で誰も死んでいない」などのウルトラタカ派発言で知られるが、ネオナチ団体の代表とツーショット写真の発覚や、「説得できない有権者は抹殺するべき」と指南する『ヒトラー選挙戦略』という “発禁本”に推薦文を寄せるなど、その見境のなさは飛び抜けたものがある。そして、あろうことか放送を管轄する総務相の立場で発した「電波停止」発言。この「国の命令で電波を止めることもありうる」というトンデモ発言には、さすがにジャーナリストたちが続々と反論。そのひとり、池上彰は朝日新聞の連載コラムで〈国が放送局に電波停止を命じることができる。まるで中国政府がやるようなことを平然と言ってのける大臣がいる。驚くべきことです。欧米の民主主義国なら、政権がひっくり返ってしまいかねない発言です〉と痛烈批判するほどだった。
●和歌山3区:二階俊博 ☆☆
 コワモテ幹事長。6月29日の都議選応援演説で北朝鮮を「きちがいみたいな国」と言って物議を醸したのは記憶に新しい。中国との太いパイプを持つため、ネトウヨからはかなり嫌われているが、同月30日の演説では「マスコミの人たちが選挙を左右すると思ったら大間違いだ。マスコミが偉いと言ったって限度がある」と露骨な圧力をしかけた。しかも領袖を務める志帥会は清和会に負けず劣らず問題議員を次々に送り込んだ。東日本大震災での「自主避難者」への支援打ち切りについて「自己責任」「裁判でも何でもやればいい」と被災地差別発言を繰り出し、追及したジャーナリストを「出て行きなさい!」と恫喝して更迭された今村雅弘前復興相(比例九州)もそうだ。野放しにしてよい政治家ではない。
●岡山5区:加藤勝信 ☆
 安倍内閣で一億総活躍相と厚労相を歴任した加藤氏。加藤氏の閣僚起用は、もともと安倍首相の“お友だち人事”といわれてきたが、加計問題でも加藤氏の後援会の幹事にあの加計孝太郎理事長が名前を連ねていたことが判明するなど懇ろな様子。そんな加藤氏は例の「文化芸術懇話会」を発足させた張本人であるが、一方で持ち前の悪知恵を働かし、日本を少しずつ安倍首相の思う方向へ近づけようと策略を練っている。たとえば04年、憲法改正の自民党PT会合で加藤氏は「家族・コミュニティに奉仕をする延長線上のなかに国に対する奉仕も位置づけたほうがなじみやすい」と提言。つまり“国民を国家に奉仕させるために、まず「家族」を使ってごまかせ”と言っているのだ。国民はむき出しの極右だけでなく、こうした隠れ極右の存在にも注意せねばなるまい。
●山口4区:安倍晋三
 もはやいちいちディテールを語る気さえ失せた。この国にいま起きている戦前回帰、弱者差別、反民主主義の動きをつくりだした元凶。最大の国難とはまさにこの男のことである。
●香川1区:平井卓也 ☆
 元電通社員という経歴を生かし、世耕弘成経産相とともに自民党のネット戦略を牽引。J-NSCの元親玉で、2013年に行われたニコニコ生放送の党首討論会では福島瑞穂氏の発言中に「黙れ、ばばあ!」と書き込んだことが発覚したこともある。人としてNGだ。近年のネトウヨと自民党のべったりぶりを考えると、これだけでウヨミシュラン入りするにふさわしいが、今年は国会でも前川前次官に対し「文書を流出させたのは前川さんか?」「自分ではないと答えられないのか」などと責め立てるなど、公益通報者の保護の意味をまったく理解していないネトウヨ脳を見せつけた。今後もその動向に注視する必要がある。
●福岡1区:井上貴博 ☆☆
「文化芸術懇談会」での“言論弾圧3本の矢”の一人。「スポンサーにならないということが一番(マスコミは)こたえる」という発言には唖然とさせられる。しかも他の2名(大西氏と長尾氏)が濃すぎて忘れられがちだが、井上氏も元愛人へのDVが発覚。「週刊新潮」(新潮社)での元愛人による告発によれば、愛人関係が妻にバレた井上氏は、元愛人を平手で殴ったのだという。しかも2人はその後も別れず密かに不倫関係を続けたが、暴力はエスカレート。元愛人は「あるときなんかは、殴られたあと顔を踏みつけられもしました」と証言している。言論弾圧の卑劣さのみならず、女性をモノとしか見ていない最低の男である。
●福岡5区:原田義昭 ☆
 原田氏といえば、一昨年、「南京大虐殺」に関する資料のユネスコ世界記憶遺産登録をめぐり、自民党「国際情報検討委員会」委員長としてこう発言。「南京大虐殺や慰安婦の存在自体を、我が国はいまや否定しようとしている時にもかかわらず、(中国が)申請しようとするのは承服できない」。南京事件は第一次安倍政権での日中共同研究でも事実と認められたものであるにもかかわらず、それを180度翻して「存在自体を否定」と言うところがまさに安倍政権の歴史修正主義を象徴している。そして今年、アメリカはユネスコを脱退して孤立化を深め、日本政府も分担金支払いを保留。安倍外交がいかに国益を損なうか、有権者はよく考えなくてはいけない。
●福岡8区 麻生太郎 ☆☆☆
 極右思想もさることながら、“暴言のデパート”と呼ぶべきだろう。1983年には「女性に参政権を与えたのは失敗だった」。2007年には国内外の米価を比較して「アルツハイマーの人でもわかる」。2013年には「憲法はある日気づいたらワイマール憲法が変わって、ナチス憲法に変わっていたんですよ。誰も気づかないで変わった。あの手口学んだらどうかね」。2014年には社会保障費の増加について「子どもを産まないのが問題だ」。そして今年8月には「結果が大事なんですよ。いくら動機が正しくても何百万人殺しちゃったヒトラーは、やっぱりいくら動機が正しくてもダメなんですよ、それじゃあ」。さらに9月には「武装難民かもしれない。警察で対応するのか。自衛隊、防衛出動か。射殺ですか」。そして、昨日20日も「日本海側にいったらもっと真剣だ。それは難民が流れ着くかもしれないから。武装している難民かもしれない。そのなかに武器を持っているテロリストがいるかもしれない。パリを見ろと。みんな難民から入ってきてテロになった。パリであった銃殺・殺人事件はまさにそういった形と同じだ。それが朝鮮半島から流れ着いてくる(かもしれない)、日本海側に」……。
●熊本1区:木原稔 ☆☆
 例の「文化芸術懇談会」代表の木原氏は、やはり言論弾圧の危険な臭いをプンプンさせている。たとえば昨年7月、自民党が“「子供たちを戦場に送るな」と主張することは偏向教育、特定のイデオロギーだ”と糾弾し、HPにそのような学校や教員の情報を投稿できる“密告フォーム”を設置していたことが判明。これを実施し、Twitter上で宣伝していたのが自民党文部科学部会長の木原氏だ。さらにその後、木原氏は“密告フォーム”に寄せられた情報は「公選法違反は警察が扱う問題」であるなどとして、一部を警察当局に提供する考えまで示した。自民党はいま、「子どもを戦場に送るな」という当たり前の言葉さえ取り締まろうとしている。お父さん、お母さんたちには、あらためてこうした政治家・政党に票を入れるべきなのか考えてほしい。
●比例中国:杉田水脈 ☆☆☆
 まさかこの人を自民が擁立するとは……。9条改憲、愛国教育推進、歴史修正主義、男尊女卑、ヘイト肯定というバリバリの極右レイシストの杉田氏。14年の国会での「男女平等は、絶対に実現しえない反道徳の妄想です」との暴言はあまりにも有名。他にも待機児童問題を“コミンテルン陰謀論”にすり替えるなどウルトラCも得意。在特会関連団体とも昵懇の関係だが、前回衆院選時の街頭演説では「私はヘイトスピーチは日本には存在しないと思っています」「だからヘイトスピーチの法案については特に必要ない」などとがなりたてた。さらにはある対談で、慰安婦問題を象徴する少女像について「アメリカもそうですが、慰安婦像を何個建ててもそこが爆破されるとなったら、もうそれ以上、建てようとは思わない。建つたびに、一つひとつ爆破すればいい」などと爆破テロまで扇動。クラクラしてくるが、しかも安倍首相が「杉田さんは素晴らしい!」と言って熱心に自民党に誘ったというのだから、本当に世も末である。
……………………………………
 以上30人の極右衆院候補を紹介したウヨミシュラン。いかがだったろうか。あまりのグロテスクさに戦慄を覚えた読者も多いのではないか。しかし、もっと恐ろしいのはここにあげた候補者の多くが国会議員になり、この国の政治を動かす権力を握ってしまうという事実だろう。しかし、繰り返すが、その動きを止めるチャンスはまだある。あきらめずに、民主主義を壊す動きに徹底してNOを突きつけていく必要がある。
(編集部)

朝から激痛/チャーハンが激ウマ/関空

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Japon : Shinzo Abe, le révisionnisme en héritage
Les législatives anticipées du 22 octobre pourraient offrir quatre année de pouvoir supplémentaires au PLDde Shinzo Abe. Celui-ci conserverait alors ses fonctions de premier ministre pour un troisième mandat.
Dans la prestigieuse famille politique dont le premier ministre, Shinzo Abe, est aujourd’hui l’héritier, c’est sans doute le grand-oncle qui demeure le plus illustre au Japon. Lors de ses huit années passées à la tête du gouvernement, entre 1964 et 1972, Eisaku Sato s’était en effet distingué pour avoir formulé les trois principes par lesquels son pays s’engageait à ne pas produire, posséder ni introduire d’armes atomiques sur son territoire. Cela lui valut le prix Nobel de la paix en 1974, bien qu’il eût négocié, en même temps, un accord avec les Etats-Unis autorisant ces derniers à stocker des armes nucléaires dans l’Archipel. Plus de quarante ans plus tard, son petit-neveu Shinzo Abe, âgé de 63 ans, compte lui aussi entrer dans l’Histoire, mais avec une philosophie politique bien éloignée de celle de son aïeul. Il veut rendre au Japon sa ≪ grandeur ≫ et, avant tout, sa souveraineté que limite, selon lui, l’article 9 de la Constitution – votée en 1946 sous l’occupation américaine –, qui interdit le recours à la guerre.
Les tensions avec la Corée du Nord et l’antagonisme avec la Chine inquiètent l’opinion japonaise et renforcent la position d’un Shinzo Abe, qui pense que le Japon, confronté à une ≪ crise nationale ≫, a besoin de lui pour un nouveau mandat. La Chine et la Corée du Sud dénoncent régulièrement le nationalisme, voire le militarisme, de M. Abe.
En fait, celui-ci n’est pas plus nationaliste que la plupart des dirigeants de par le monde. Il n’est pas non plus un forcené du réarmement : le budget de la défense japonais, certes en augmentation régulière ¬depuis son retour au pouvoir en 2012 (en 2007, il avait renoncé à son mandat), n’est qu’à peine supérieur à 1 % du PIB. En revanche, M. Abe est révisionniste : la révision de la Constitution, dont il s’est fait le chantre, est l’un des éléments d’une vaste entreprise visant à réhabiliter le Japon impérial, et à minimiser ou à nier les exactions commises par son armée du début des années 1930 à la fin de la seconde guerre mondiale.
Rupture dans l’Histoire
La défaite de 1945 constitue une rupture profonde dans l’histoire du Japon : elle déboucha sur le retour à la démocratie, que l’Archipel avait connue dans les années 1910-1920, et sur le rejet du militarisme. La droite dont Shinzo Abe est issu veut gommer cette rupture, ≪ tourner la page ≫ de l’après-guerre, pour renouer avec une sorte de Japon éternel, décomplexé sur la scène internationale, fort économiquement et militairement. ≪ Japan is back ! ≫, proclamait M. Abe en 2013, au début de son deuxième mandat. Au regard de l’Histoire, plus que son activité diplomatique intense et sa politique économique, c’est ce révisionnisme teinté de négationnisme qui restera le fait saillant de son passage au pouvoir.
Shinzo Abe est entré tardivement en politique. Après des études de droit à l’université privée Seikei, qui ne figure pas parmi les plus prestigieuses du pays, puis de sciences politiques à l’université de Caroline du Sud, aux Etats-Unis, il travaille pour le groupe sidérurgique Kobe Steel. En 1982, il devient assistant de son père, Shintaro Abe, alors ministre des affaires étrangères. Tandis que tout concourait à ce que ce dernier soit un jour premier ministre, il meurt en 1991, à l’âge de 67 ans. Le jeune Shinzo se voit alors contraint d’assurer la continuité de la dynastie politique. Une tâche que lui assigne sa mère, Yoko, fille de Nobusuke Kishi, lui-même frère d’Eisaku Sato et premier ministre de 1957 à 1960.
Dans ses Mémoires, publiés peu après le décès de son époux, Yoko Abe écrit : ≪ Le successeur de Nobusuke Kishi, c’était mon mari. Sa disparition a tout bouleversé. Le successeur sera Shinzo : un Kishi par le sang. ≫ Cette mère devenue ≪ chef de famille ≫ a tracé le chemin ; Shinzo ne peut se dérober. La pression est forte. Yoko Abe aurait jugé son époux trop mou, voire trop progressiste : il s’était pourtant porté volontaire pour devenir kamikaze à la fin de la guerre.
Aujourd’hui encore, Yoko Abe conserverait une influence sur son fils. Elle habite avec lui et son épouse, Akie, catholique et fille du président du géant nippon de la confiserie, Morinaga, dans une très chic maison familiale du quartier de Shoto à Tokyo. Le couple Abe, marié depuis 1987, n’a pas d’enfants. Akie aurait refusé une adoption souhaitée par son mari.
En 1993, Shinzo Abe est élu député du ≪ fief ≫ électoral familial dans le département de Yamaguchi (Sud-Ouest). L’élection lui est acquise d’avance : l’homme est l’héritier de trois grandes familles de cette région (autrefois seigneurie de Choshu) qui joua un rôle déterminant dans la chute des shoguns Tokugawa et la restauration de Meiji en 1868. Par la suite, la ≪ coterie ≫ de Choshu domina la vie politique durant toute l’ère Meiji (1868-1912). Parmi les trois familles dont Shinzo Abe est le descendant, les Sato et les Kishi appartiennent à cette ≪ coterie ≫. Les Abe, de riches brasseurs de saké, leur sont liés par un complexe écheveau de mariages et d’adoptions (en cas d’absence d’héritier mâle). Après la défaite de 1945, la ≪ coterie ≫ de Choshu continua de peser sur la vie politique : à eux deux, les frères Kishi et Sato comptabilisèrent ainsi cinq mandats de premier ministre.
Ferme et élégant
Dès le début de sa carrière parlementaire, Shinzo Abe s’est rallié à la frange la plus à droite du Parti libéral-démocrate (PLD). Nommé secrétaire de ce parti en 2003, il s’est imposé aux côtés du premier ministre Junichiro Koizumi (2001-2006), en s’attaquant à des dossiers tels que l’affaire des Japonais enlevés par des agents nord-coréens dans les années 1970-1980. Sa fermeté sert sa popularité dans une partie de l’opinion, et son élégance, qui tranche avec la grisaille de la classe politique, séduit les électrices, lui valant le surnom de ≪ prince ≫ du PLD.
Successeur de Junichiro Koizumi en 2006, M. Abe accède au pouvoir avec un programme politiquement conservateur et économiquement néolibéral. Il surprend en décidant de se rendre à Pékin et à Séoul pour renouer des relations affectées par les visites de son prédécesseur au controversé sanctuaire Yasukuni, où sont honorées les âmes des ≪ morts pour la patrie ≫, dont celles de sept dirigeants japonais reconnus coupables de crime de guerre. Traditionnellement, le nouveau premier ministre japonais réservait jusqu’alors son premier déplacement à l’étranger aux Etats-Unis.
Malgré un certain pragmatisme et en dépit d’une volonté révisionniste affichée en matière d’éducation, Shinzo Abe ne va pas tarder à s’enliser dans les controverses. Un scandale touchant le système de retraite fait chuter sa popularité. Neuf mois après son arrivée au pouvoir, il perd les élections sénatoriales. Conjugués à une grave crise de rectocolite hémorragique – une maladie incurable dont il souffre depuis l’âge de 17 ans et pour laquelle il est hospitalisé en 2007 –, ces déboires le contraignent à la démission. Commence une longue traversée du désert, au cours de laquelle il mûrit son projet de retour.
≪ Vrais conservateurs ≫
Avec d’autres élus PLD, dont Yoshihide Suga, aujourd’hui porte-parole de son gouvernement, il rassemble ceux qu’il considère comme les ≪ vrais conservateurs ≫. ≪ Ce qui m’inquiète le plus avec ma démission, confie-t-il au magazine Bungei Shunju, c’est que les idéaux conservateurs portés par l’administration Abe vont disparaître. ≫ ≪ Pour que les vraies valeurs du conservatisme prennent racine au Japon ≫, M. Abe se déclare prêt à ≪ sesacrifier ≫.
Lors des législatives d’août 2009, alors que le PLD subit une défaite historique face au Parti démocrate du Japon (PDJ) qui va ainsi accéder au pouvoir, Shinzo Abe est réélu dans son fief de Yamaguchi. Il va alors bénéficier d’un tragique concours de circonstances : la mort prématurée, en octobre 2009, de Shoichi Nakagawa, chef de l’organisation nationaliste Sosei Nippon(≪ renaissance du Japon ≫), dont les membres voient bientôt en Abe leur nouveau champion.
Des proches tels que Taro Aso (premier ministre en 2008-2009 et actuel vice-premier ministre), l’influent président de la compagnie ferroviaire JR-Central, Yoshiyuki Kasai (violemment antichinois, ayant participé à la commission sur l’enseignement du patriotisme à l’école, créée en 2007 par M. Abe), et Shigetaka Komori, président de Fujifilm (selon lequel la Constitution donne trop d’importance aux libertés individuelles), lui conseillent de placer au second plan son agenda révisionniste et d’accorder la priorité à l’économie, premier souci des Japonais. Shinzo Abe met alors au point ce qu’on appelle les ≪ abenomics ≫, un vaste projet de redressement de l’économie japonaise engluée dans la déflation.
Il étoffe aussi sa politique de communication avec la complicité de médias tels que le géant de l’audiovisuel Fuji (propriétaire de la chaîne commerciale Fuji TV et du quotidien conservateur Sankei), et développe sa présence sur les réseaux sociaux avec l’aide de Hiroshige Seko, actuel ministre de l’économie. Yoshihide Suga, lui, assure le contrôle de la haute administration. ≪ Habitués à travailler avec le PLD, les bureaucrates détestaient le PDJ et ont tout fait pour saborder sa politique et favoriser le retour d’Abe au pouvoir ≫, explique Michael Penn, fondateur de l’agence d’information Shingetsu et auteur de Japan and the War on Terror : Military Force and Political Pressure in the US-Japanese Alliance (≪ Le Japon et la guerre contre le terrorisme : force militaire et pression politique dans l’alliance américano-japonaise ≫, 2014, non traduit).
En septembre 2012, Shinzo Abe accède à la présidence du PLD qu’il mène à la victoire en décembre de la même année. De retour au pouvoir, il montre qu’il a tiré des leçons de l’échec de son premier mandat. ≪ A la différence de son premier gouvernement, qui réunissait des proches, il a su museler les critiques internes en nommant au cabinet de potentiels rivaux, comme Fumio Kishida, qui appartient à un courant plus libéral et est devenu son ministre des affaires étrangères ≫, avance le politologue Koichi Nakano.
Contrôle strict de la presse
L’opposition est dans un état de grande faiblesse, entretenue par M. Abe qui accapare le terrain médiatique et exerce un contrôle strict de la presse – le rapporteur spécial de l’ONU sur la liberté d’expression, David Kaye, l’a critiqué en mai 2017. Tout en brandissant l’étendard d’un ≪ pacifisme proactif ≫ au contenu flou, il revoit l’interprétation de la Constitution pour autoriser les Forces japonaises d’autodéfense (FJA) à participer à des opérations de défense collective et fait adopter des lois, jugées liberticides par l’opposition, sur la protection des secrets d’Etat et la lutte antiterroriste.
Fort de ces premiers succès, il affiche une certaine arrogance qui explique sa mauvaise gestion, en 2017, des soupçons de trafic d’influence au profit de structures éducatives privées(Moritomo Gakuen et Kake Gakuen) dirigées par des proches. Sa cote de popularité baisse… Puis remonte, à la faveur des tensions avec la Corée du Nord, qui enchaîne durant l’été des tirs de missiles survolant le Japon. M. Abe en profite pour convoquer des élections anticipées. S’il les gagne, il pourra poursuivre son agenda révisionniste, qui est celui de la droite depuis la défaite de 1945, mais aussi le fruit de son héritage familial.
Shinzo Abe voue en effet une grande admiration à son grand-père Nobusuke Kishi : ≪ Unhomme d’Etat sincère qui ne pensait qu’à l’avenir de son pays ≫, écrit-il dans son livre ≪ Vers un beau Japon ≫, publié en 2006 (non traduit). M. Kishi est pourtant un personnage au parcours sulfureux : membre du gouvernement de l’Etat fantoche de Mandchoukouo, créé par les Japonais dans le nord-est de la Chine (Mandchourie) entre 1931 et 1945, il avait été ministre du commerce et de l’industrie du cabinet Tojo, qui déclencha la guerre contre les Etats-Unis. Arrêté en 1945 par l’occupant américain sous le soupçon de crime de guerre, M. Kishi fut libéré par ceux-ci trois ans plus tard, avec des ultranationalistes d’avant-guerre, tel Ryoichi Sasakawa (1899-1995), qui allaient servir d’intermédiaires entre la pègre, le monde politique et la CIA.
Il ne s’agissait plus pour les Etats-Unis de démocratiser le Japon, mais de réformer la droite et de transformer l’Archipel en un ≪ bouclier ≫ contre une Chine basculant dans le communisme. Nobusuke Kishi devint premier ministre en 1957, mais dut démissionner en 1960 sous la pression de la rue, opposée au renouvellement du traité de sécurité avec les Etats-Unis.
La réhabilitation sous la houlette américaine de l’élite d’avant-guerre, ainsi que le maintien d’une bureaucratie constituant une puissante force du conservatisme ont permis le redressement du Japon et son ancrage dans le camp occidental. Cela a aussi ouvert la voie au révisionnisme dont M. Abe est aujourd’hui le héraut.
≪ Ce beau Japon ≫
Le Japon s’est longtemps résigné à une ≪ indépendance ≫ sous contrôle du vainqueur américain assurant sa sécurité. La fierté nationale blessée s’est un temps satisfaite du redressement économique spectaculaire des années 1960, qui fit du Japon la deuxième – et aujourd’hui troisième – puissance économique mondiale. Mais l’éclatement de la ≪ bulle financière ≫ à la fin des années 1980 a porté un coup fatal à ce nationalisme économique. Face à la montée des inégalités et aux doutes grandissants d’une opinion pacifiste et vieillissante sur la pérennité du modèle japonais, la droite a entrepris de raviver un sentiment d’identité nationale enracinée dans une histoire remontant aux mythes fondateurs et lavée des stigmates de la défaite.
La perception de la seconde guerre mondiale a toujours été au centre du clivage droite-gauche, mais la mystique identitaire, construite sur une spécificité de l’âme japonaise, restait un sujet marginal. Désormais, le néonationalisme identitaire, conjugué à une réécriture du passé controversé, tend à devenir un récit fédérateur qui s’exprime au plus haut niveau de l’Etat. Il a deux volets : un retour aux sources, à ce ≪ beau Japon ≫ qu’évoque M. Abe, et une réhabilitation du Japon impérial en minimisant, voire en niant, les exactions commises au cours de la période militariste. Paradoxe : l’empereur Akihito s’y oppose, avec la réserve que lui impose sa fonction.
C’est ce ≪ Japon éternel ≫ que Shinzo Abe a tenu à présenter aux dirigeants étrangers lors du G7 de 2016, organisé aux environs du sanctuaire shinto d’Ise, le plus vénéré du Japon, où est honorée la déesse du Soleil, Amaterasu-o-Mikami, une divinité ancestrale de la dynastie impériale. Parallèlement, M. Abe appuie les activités du ≪ comité d’examen de l’Histoire ≫, chargé de démontrer que les guerres menées par le Japon étaient défensives et non agressives.
Ambiguïtés de la droite
La politique internationale de M. Abe illustre les ambiguïtés d’une droite japonaise à la fois nationaliste et proaméricaine. Il fut ainsi le premier dirigeant étranger à se rendre aux Etats-Unis pour féliciter Donald Trump de son élection. Les relations personnelles entre les deux hommes sont étroites, et cette proximité serait, à en croire les fidèles de M. Abe, le seul moyen d’influencer la politique asiatique du président américain. Tokyo s’est ainsi toujours abstenu de commenter les ≪ sorties ≫ de M. Trump, même les plus agressives à l’égard de Pékin ou de Pyongyang, mettant ainsi le pays en porte-à-faux par rapport à ses voisins chinois et coréens. Couplée à son révisionnisme historique, cette diplomatie risque d’attiser en retour les nationalismes dans la région.
M. Abe et ses soutiens militent pour une révision de la Constitution. Rédigée par le vainqueur américain, elle est à leurs yeux le symbole de l’humiliation nationale parce qu’elle refuse au Japon le droit de belligérance. Conscient de l’attachement de la population à ce texte fondateur du Japon d’après-guerre, la droite cherche, dans un premier temps, à l’adapter à la réalité en renforçant les moyens des FJA, l’armée, dont l’existence ne figure pas dans la Constitution, qui stipule à l’alinéa 2 de l’article 9 que le pays ne doit pas entretenir de force militaire sur son territoire. Créée sous pression américaine au début de la guerre de Corée (1950-1953) comme une police de réserve, devenue, en 1954, ≪ forces d’autodéfense ≫, cette armée a donc un statut ambigu.
Rien n’empêche le Japon de revendiquer un statut de puissance à part entière et de se doter d’un cadre législatif conférant un statut légal à son armée et qui faciliterait sa coopération internationale en matière de sécurité. Mais, orchestrée par un homme dont les prises de position sur les exactions de l’armée impériale (massacre de Nankin en 1937, femmes ≪ de réconfort ≫…) sont contestables, cette révision de la Loi fondamentale suscite un réel malaise dans l’opinion nippone.
フランス語
フランス語の勉強?
青山ゆみこ‏ @aoyama_kobe
社民党が国政を担うことを望んでいるのかと問われると、わからない。でも国会には、福島みずほさんと社民党が必要だと強く思う。投票するときの気持ちって一定じゃない。「この党に国政を」という時、「この党も頑張って」という時、「この党がないとえらいことになる」という時。今回は最後の感じ。
F Hiroyuki‏ @fjhiro3
選挙ではないですが、ミュンヘンで政治家が演説しているときには、目の前で野次を飛ばしている学生らしき若者にマイクを渡して質問させ、それに答えていました。「丁寧に説明する」とはこういうことだよね。
想田和弘‏ @KazuhiroSoda
フランスの映画祭の閉会式で、突然、2名の男性がプラカードを掲げて舞台に乱入してきたことがありました。主催者は彼らにマイクを渡すと、10分くらい演説をして去って行きました。それに対して誰も文句など言わなかった。さすが言論の自由が進んだ国だと思いましたよ。
京大同学会執行委員会‏ @dgkec
沢田敏男の恥多き死。
1978年に学生部長に就任し、熊野寮・吉田寮への確約破棄をはじめとして廃寮化攻撃を開始した人物。現在の川添信介の先祖みたいなやつ。
熊野寮も吉田寮も、京大の戦闘的学生自治も全部残っているぞ!!
川添信介にも恥多き死を!(眦)

飯田哲也(いいだてつなり)‏ @iidatetsunari

「相手候補に投票する人は脳がおかしい」とは有権者に対して許されない暴言。オバマ前大統領を「黒人奴隷」呼ばわりした自民・丸山和也参議院議員、安倍政権の体質だろう。


朝から激痛で大変.寝坊しかも小雨で大変で,遅れそうになるので朝ごはんもそこそこにして自転車をいつものところではないところに停めました.
初めての中華料理屋さんでチャーハンが激ウマです.ギョーザもおいしい♪
夕方関空に向かいました.切符をなくすところでした.

震災犠牲者の慰霊碑建立へ 宮城・女川町が刻銘希望者募る
 宮城県女川町は、建立を計画している東日本大震災の犠牲者の慰霊碑への刻銘希望者を募っている。31日まで。
 震災で亡くなった町民858人のほか、町内で犠牲になるなどした町民以外の人も対象。ともに遺族が希望した場合、碑に名前が刻まれる。
 慰霊碑は全長約28メートル、高さ約1メートル、奥行き約2メートル。2018年9月に完成予定の本設庁舎の敷地内に、同年春ごろ建立する。御影石のほか、地元産の稲井石を使用。町担当者は「震災と同程度の津波が来ても浸水せず、町民らが日常的に通る場所で犠牲者を慰霊したい」と話す。
 役場庁舎は生涯学習センター、保健センター、子育て支援センターを集約した複合施設。JR女川駅南側の高台に整備を進めている。連絡先は町企画課0225(54)3131。


被災地のスーパーが屋外テラス無償開放 住民に活用呼び掛け
 東日本大震災で被災した宮城県岩沼市玉浦地区の集団移転先、玉浦西地区のスーパー「フーズガーデン玉浦食彩館」の敷地内にある屋外イベントスペース「ふれあいテラス」が、県民に無償で開放される。同店を運営する伊藤チェーン(柴田町)が社会貢献活動の一環として決めた。
 ふれあいテラスは同店西側に隣接しており、高さ5.5メートルの屋根付きで床面積は約145平方メートル。伊藤チェーンが使用する際を除き、毎日午前10時〜午後5時までに利用できる。無料だが、電源や水道を使う場合は500円かかる。
 個人、団体を問わないが、宗教活動や選挙運動、勧誘行為などの場合は利用を断ることもある。
 伊藤チェーンは「食彩館は被災地にある店舗。陶芸などの習い事教室など、地域住民が喜ぶ利用形態ならば、どんどん利用してほしい」と呼び掛ける。
 連絡先は伊藤チェーン本部0224(58)7171。


東大寺特別展 来年多賀城で開催
東日本大震災からの復興を祈って奈良の東大寺の宝物を集めた特別展が来年、多賀城市で開かれることになりました。
この特別展は多賀城市と奈良市が友好都市であることから企画され、全国へのPRを目的に都内で記者発表会が行われました。
このなかで多賀城市の菊地健次郎市長は「展覧会が復興の推進力となるよう、より多くの人たちに足を運んでもらいたい」とあいさつしました。
今回の特別展では、平安時代と戦国時代の2度にわたって戦で炎上しながらも再興を遂げてきた東大寺の歴史を伝える国宝や重要文化財の所蔵品などおよそ150点が一堂に集められます。
このうち、国宝の「重源上人坐像」は東大寺が焼き打ちされた際に復興に尽力した僧侶、重源上人の晩年の姿が表現されています。
東大寺の狹川普文別当は「東大寺は戦に巻き込まれるたびに国民全体が力をあわせて復興してきた。
東北ではまだ、復興が進んでいない場所もあると聞いているが、協力して展覧会を盛り上げていきたい」と話していました。
この特別展は来年4月28日から6月24日まで、多賀城市にある東北歴史博物館で開かれます。


<衆院選宮城>「飛び地」仮設に候補者現れず 住民減り予定なし「復興への思いどう託せば」
 22日に投開票を迎える衆院選の区割り改定の影響で、東日本大震災で被災した宮城県南三陸町民が暮らす登米市南方町の仮設住宅が宮城5区の「飛び地」になっている。住民が減ったためか、候補者が回る予定はない。「顔が見えないのに、復興への思いをどう託せばいいのか」。被災者の不安は膨らんだままだ。
 南三陸町は区割り改定で宮城6区から5区に編入されたが、仮設住宅がある登米市は従来の6区のまま。同市南方町の仮設住宅に住む無職女性(67)は「新しい選挙区の候補者はよく知らない。衆院選は投票しないつもり」と語った。
 仮設住宅は南三陸町民が暮らす団地として最大規模。自治会によると、約750人いた居住者は現在、20人ほどに減った。
 1人暮らしの女性公務員(60)は「人がめっきり少なくなったので、仮設住宅に候補者が来ないのは仕方ない」と肩を落とす。集会所前の掲示板には5区の候補者2人のポスターが張られているが、候補者本人や選挙カーを見ていない。
 同町歌津出身で1人暮らしの無職男性(77)は「古里は好きだけど、災害公営住宅の家賃は負担。買い物の便も悪く、戻れない。候補者に直接伝えたいのにその機会がない」と嘆く。
 今回は町長選、宮城県知事選と同日選となり、18日には町長選の立候補者がこの仮設住宅へ来て演説。周辺住民も含め約20人が集まった。無職女性(66)は「以前は国や町の選挙期間中に必ず候補者が来て、聴衆も多かった」と振り返る。
 5区に立候補した自民党前議員の勝沼栄明候補(42)の陣営は「登米市まで回りきれない」と説明。民進党系無所属前議員の安住淳候補(55)の陣営も「政党の車がなく、仮設住宅へ行く時間が確保できない」と認める。
 町選管は21日、仮設住宅の集会所に期日前投票所を設ける。自治会を通じて選挙公報を配り、区割り改定や候補者情報の周知に努めている。


衆院選に問う 福島原発事故/汚染水東電任せでいいのか
 廃炉作業が進む東京電力福島第1原発の汚染水を巡り、東電の川村隆会長の発言が大問題となったのは、わずか数カ月前のことだ。にもかかわらず、今回の衆院選で、触れられないのはなぜだろうか。
 原子炉建屋に流れ込んだ地下水や雨水が、溶融燃料(燃料デブリ)を冷やした水と混じり発生する汚染水。特に多核種除去設備(ALPS)などによる浄化でも取り除けない放射性物質「トリチウム」を含む水の処理問題だ。今も原発敷地内に増設するタンクにたまり続けている。
 東電の川村会長は7月、報道機関のインタビューに「もう判断している」と述べ、海洋放出の方針を決めたかのように発言。地元漁協など福島県内から猛反発を受け、東電が「社の判断ではない」と謝罪する事態に追い込まれた。
 衆院選はエネルギー政策で「原発ゼロ」を目指すかどうかが争点の一つになっているが、現在進行形の原発事故対応の議論は低調。汚染水対策への言及は極めて少ない。
 自民党は政権公約で廃炉・汚染水対策に「引き続き国が前面に立って取り組む」と宣言するものの、トリチウム水は総合政策集で「一定の浄化水の処理について検討を進める」と曖昧に記す程度だ。
 共産党の公約は「政府も東電も汚染水をいずれ海に流せば良いとする安易で許しがたい発想で、無責任な対応に終始してきた」と批判するが、対応策は提示していない。
 トリチウム水の処理を巡っては、国の検討会が昨年6月、希釈しての海洋放出が最も短期間に低コストで処理できるとの技術的な評価結果をまとめた。同年11月からは別の小委員会が方法の絞り込みに向けた議論を続けている。
 一方、原子力規制委員会は通常の原発でも行われているとして、海洋放出を東電に要求。主体的に方針を打ち出すよう迫った結果、川村会長の発言につながった。
 国の小委員会の議論を見守り、東電がどう決断するかを注視する。そんな政治が傍観者側に回る現状のままで、果たしていいのだろうか。
 仮に東電が海洋放出の方針を打ち出せば、地元は「深刻な風評被害を招く」と断固反対するのは間違いない。東電と地元が対決、交渉する構図に押し込めてしまっていいとはとても思えない。
 そもそも風評被害に関しては消費者の受け止め方が最大の課題で、不安払拭(ふっしょく)や解決の役割は政治こそ担える。
 海洋放出以外を選択するなら、コストの負担方法などの検討が必要。いずれにしろ、国民的議論が欠かせない。
 トリチウム水の処理は越えるべき課題が多い。衆院選で各党が口をつぐむのもそのためだろうが、難題だからこそ、政治主導で議論の俎上(そじょう)に載せることも考えるべきではないか。少なくとも成り行きを見守るだけが正しい政治の在りようとは思えない。


老朽原発の廃炉  採算考え新しい流れに
 原発の行方を変える流れになるかもしれない。注目したい。
 関西電力が大飯原発1、2号機(福井県)の廃炉に向けて検討している。運転40年を迎えて、延長するには巨額の安全対策費が求められる。採算は見込めるのか、経営判断を迫られているのだろう。
 経済合理性の面から、ほかの老朽原発に広がれば、原発政策の見直しが必要になる。
 東京電力福島第1原発事故を受け、原発の運転期間は原則40年と規定された。しかし、例外として原子力規制委員会が審査して認めれば、最長で20年延長できる。
 これまでに廃炉が決まったのは、福島第1原発以外に5原発6基。いずれも出力が35万〜55万キロワットと比較的低く、再稼働しても巨額の対策費を回収できないと判断されたためだ。
 ただ、大飯1、2号機は出力100万キロワットを超える大型原発だ。関電社長は「できれば再稼働したい」と意欲を示していた。しかし、国内では1、2号機にしかない特殊設備もあって、大改修を求められれば対策費は大幅に膨れ上がりかねない。
 電力の地域独占の時代は終わり、電力販売の自由化で他業種からの参入が進んでいる。激しい競争の中で顧客は流出し、省エネの拡大で電力需要も減っている。
 再稼働すれば経営は上向く、というのは楽観的にすぎよう。国策の原発だが、生き残るために採算を考えるのは経営として当然だ。
 すでに欧米では高コストの原発はビジネスとしての魅力を失っている。高くつく安全対策費、事故保険、周辺住民の反対運動、訴訟などで原発建設は止まっている。
 安倍晋三政権は原発を「重要な基幹電源」と位置づけ、2030年度の電力供給の20〜22%を原発でまかなうとしている。原発30基程度の再稼働が必要だが、その中には老朽原発の延長も見込まれているはずだ。
 いま経済産業省の有識者会議でエネルギー計画改定の議論が進められているが、政府は大きな見直しは考えていないとしている。
 しかし、経済合理性から見れば廃炉は増えていく可能性がある。何よりも、国民の多くが再稼働を求めていない。この際、原発の目標比率を見直すだけでなく、原発に代わるエネルギー政策を議論すべきではないか。
 経済的な視点だけでなく、今なお福島原発事故が多くの住民に避難を強いている現状を踏まえることを、忘れてはならない。


衆院選・憲法論議 将来に関わる重要な争点
 各党の衆院選公約を見ると、憲法の扱いが地味な政党が多い。与党はあえて争点化を避けているかのような印象すら受ける。しかし、自民党は憲法改正を明記しており、選挙結果次第では、改憲に向けて一挙に動きだす可能性もあるだろう。
 憲法論議は国の将来の姿に関わる最も重要な争点だ。もとより政策の選択は、北朝鮮の脅威といった外交・安全保障の問題や消費増税、経済再建、原発再稼働、生活・福祉、教育など、有権者によって優先順位が異なるものばかりだ。直ちに生活には響かない憲法の優先度は、決して高くはないだろう。
 ただ、今回の衆院選で特に考えておかなければならないのは、憲法以外の政策で支持を集め、政権を獲得した党は、多数を頼みに改憲へと走りかねない恐れがあることだ。衆院議員の任期が4年であることを考慮し、憲法問題の優先順位を高めて候補者や政党を選びたい。
 各党の公約を憲法への言及の仕方で整理してみると、大きく三つに分けられる。
 第一は、憲法改正を掲げる自民党、日本のこころのグループだ。第二は、改憲論議はしていくとする公明党、希望の党、日本維新の会のグループ。第三は、改憲に反対する立憲民主、共産、社民各党のグループだ。
 改憲の発議に必要な議席数は衆参両院とも3分の2以上。第一と第二のグループを合わせた議席数がこれを満たせば、改憲が現実化する可能性が出てくることを考えておく必要がある。
 ただ、改憲とはいっても、各党の具体的内容には違いがある。自民党を例に取ると、自衛隊の明記、教育無償化、緊急事態対応、参院の合区解消という4項目を中心に初の改憲を目指すとし、9条(戦争放棄)を外している。しかし、維新は逆に9条改正をうたう。
 自民党の4項目を見てみると、いずれも、憲法に明記されてはいなくても解釈・運用で対応できる事柄ばかりだ。自衛隊の存在は多くの国民が認めているし、緊急事態対応を否定する人はいないだろう。教育無償化、選挙区見直しも法律のレベルで対処すれば済む。
 改憲でしか対処できない事項の吟味が足りない。安倍内閣が押し切った集団的自衛権の一部容認も現行憲法下でどこまで行使できるのか、はっきりしないところが多い。
 選挙結果によっては、自民党は年内にも国会へ改憲案を提出するといわれる。論議を尽くさない改憲だけは避けなければならない。


衆院選に問う 財政再建 付け回しを続けるのか
 国の借金は1千兆円を超え、日本の財政は先進国で最悪の水準にある。立て直しが急務だ。各党は財政健全化の道筋を具体的に示さなくてはならない。
 安倍晋三首相は衆院の解散表明に当たり、2019年10月に予定する消費税率引き上げでの使途変更を打ち出した。増税分の8割は借金抑制に使うことになっていたものの、一部を幼児教育の無償化などに転用する。
 合わせて、基礎的財政収支(プライマリーバランス)を20年度に黒字化するという財政健全化目標を先送りしている。社会保障や公共事業といった政策的経費を税収などの基本的な収入でどれだけ賄えているかの指標だ。
 事実上の国際公約である。黒田東彦日銀総裁は先ごろ20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で先送りに理解を求めた。
 首相は「財政再建の旗は降ろさない」とするものの、達成時期は示していない。自民党は「引き続き歳出・歳入両面からの改革を進め、目標達成に向けた具体的計画を策定」とするだけだ。
 もともと達成は難しいとみられてきた。増税分を使い、高い成長率を見込んでも赤字になると試算されている。使い道の変更で借金はさらに膨らむ。いつ、どのように黒字化しようというのか。
 公明党の山口那津男代表も衆院選後に新たな財政再建計画の策定を目指す考えを示している。具体策が分からなければ、有権者は判断のしようがない。
 達成の時期や道筋が明確でないのは、野党も同じだ。
 希望の党は、消費税増税を凍結し、財政支出の削減や国有資産の売却などで基礎的財政収支の改善を図るとしている。年限については、20年度黒字化を非現実的だとして達成可能な目標に訂正すると記すにとどまる。
 日本維新の会も凍結を掲げ、立憲民主党は直ちに引き上げることはできないとする。共産、社民両党は消費税増税に反対する。十分な財源を確保できるのか、実現可能な主張なのか、それぞれ詳しく説明する必要がある。
 次世代に付け回しを続けることは許されない。財政再建には歳入増とともに、歳出に切り込む努力が必要だ。各党の公約は、教育無償化をはじめ聞こえのいい取り組みが並ぶ一方、痛みを伴う改革は目立たない。国民に不人気な政策を伏せるのでは無責任である。


1票に込めて 衆院選2017/5止 「何か変」思うことから 作家・平野啓一郎さん
平野啓一郎さん(42)
 作家デビュー後、しばらくは自分の政治的立場を整理できず、政治的な発言を控えてきました。それがツイッターなどのSNS(会員制交流サイト)上で社会問題を語る中、自然に政治についてつぶやくようになりました。意見の違う人の指摘に、「なるほど」と思うこともあります。
 今の日本は、国際競争の中で人間を労働力としてしか見ず、社会が個性ある個人の活動を支援する状況になっていない。復古的な家族主義が叫ばれ、福祉を家族に押しつけるような考えが説かれる一方、排外主義的な風潮が強くなっています。
 若者に現政権への支持が多い理由は、それなりに今の生活が安定しているからでしょう。かつての民主党政権に対するマイナスイメージもあって、強い支持ではないけど「まあいいんじゃないか」みたいな感じではないでしょうか。
 今回の解散・総選挙は、安倍晋三首相が森友学園、加計学園を巡る疑惑から逃れるためのもので、首相による解散権の乱用です。ただ、解散を契機に民進党が分裂し、立憲民主党ができ、僕の周りのリベラル支持の人たちは全く悲観的というわけではありません。右から左まで政党の色調がはっきりしました。
 有権者の人に伝えたいのは「何かおかしいんじゃないか」と思ったら、その感情に従って投票をしてほしいということ。今回の選挙をばかばかしいと思うなら、余計に投票に行くべきです。悪いことに目をつむる態度は、決して現実主義ではないのです。【聞き手・杉本修作、写真・宮本明登】=おわり
 ■人物略歴 ひらの・けいいちろう  北九州市出身。京都大在学中の1999年、デビュー作の「日蝕」で芥川賞、今年「マチネの終わりに」で渡辺淳一文学賞。


加計・森友学園問題 解明せねば政治の信頼失われる
 今回の衆院解散には、多くの国民が今も疑問を感じているはずだ。加計・森友学園問題で、安倍晋三首相は「真摯(しんし)に説明責任を果たす」と言ったにもかかわらず、臨時国会で審議もせず冒頭解散した。問題の核心は、首相や周辺の人々と近しい人物が優遇され、公平公正な行政がゆがめられたのではないかという点にある。民主主義の根幹が問われており、疑惑は必ず解明されなければならない。
 今治市への獣医学部新設の事業者に決まった加計学園は、首相の「腹心の友」が理事長を務める。新設を巡る省庁の文書に「総理の意向」「官邸の最高レベルが言っている」との記載があり、官邸や官僚が首相の意向を忖度(そんたく)し「『加計ありき』で手続きが進んだのではないか」との疑いが噴出した。
 疑惑は、獣医師確保や新学部の必要性とは分けて考える必要がある。首相は、事業者決定に「私が関与したという人は一人もいない」と強調するが、関与が疑われる議員や官僚は「記録も、記憶もない」を繰り返すだけ。記録を示さないことには、説得力を持ち得ない。関係記録を残す今治市や愛媛県も、疑惑を抱えたままの開学を避けるために、また行政の透明化を図る観点からも、自ら記録を公開する責務がある。
 首相は「選挙はまさに民主主義における最大の論戦の場だ」と言いつつ、選挙戦では問題にほとんど触れていない。本紙の県内候補14人へのアンケートでは、獣医学部新設決定のプロセスに関して「透明」「不透明」「その他」から回答を求めたところ、「透明」はゼロ。自民党は4人とも「その他」とし「政府説明が国民の誤解や不信を招いた」「丁寧に説明を尽くすべきだ」などと指摘した。身内からすら出る疑問や注文を、首相は重く受け止める必要がある。
 野党は「獣医学部設置に関する情報は全て公開」「国政調査権を使った真相究明を求める」と公約に掲げる。政府が隠す疑惑の解明に、全力を挙げなければならない。野党の存在意義も問われている。
 国有地が格安で売却された森友学園問題では、財務省局長は「売却価格は適正」と強弁し、交渉記録の文書を求められると「破棄した」と突っぱねた。学園が開設する予定だった小学校名誉校長には、首相夫人が一時就任しており、加計学園と同様に政治の強い関与が疑われる。首相がなすべきは、行政府のトップとして、関連資料を財務省に出させることだ。
 首相は、疑惑に「信なくば立たず」「李下に冠を正さず」との言葉を引き反省の意を示したが、実行しているとは到底言えない。9月の共同通信世論調査でも、79%が政府の説明に納得していないと答えた。信頼は、全ての政治家が最も重視すべき資質である。有権者は聞こえのいい訴えだけではなく、約束を守る政治家か、政党かどうかを見極めなければならない。


[女性活躍] 看板倒れにしては困る
 安倍政権が「看板」に掲げながら、なかなか進まない政策の一つに「女性活躍」がある。
 女性の就労を阻む待機児童の解消は目標が延期され、長時間労働の抑制を目指す働き方改革の議論も、臨時国会の冒頭解散で先送りされた。
 今回の衆院選では教育無償化が大きな争点に浮上した。だが、女性活躍推進の観点から語られることは少なく、本気度が問われる。
 女性活躍を看板倒れに終わらせてはならない。各党の過去の政策や公約を検証し、具体的な成果に結びつくか、目をこらしたい。
 安倍晋三首相は2013年の施政方針演説で「全ての女性が輝けるような国づくりを進める」と述べた。
 16年には女性活躍推進法が施行され、大企業や自治体に女性の雇用を巡る数値目標の設定や公表が義務付けられた。
 企業の採用意識は変わり、女性の就業率は年々上昇している。だが、政府が掲げた「20年までに指導的立場の女性比率30%」の目標には程遠いのが現状だ。
 女性の就業率は出産・子育て世代の30代に落ち込む「M字カーブ」を描く。政府が女性活躍を成長戦略に盛り込んだのは、人材不足が懸念されるなか、女性の潜在的労働力を活用する狙いもある。
 内閣府の16年の調査では「(女性が)子どもができても、ずっと職業を続ける方がよい」と答えた人が54.2%で初めて半数を超えた。しかし、子育てはいまだに女性の役割とされがちだ。
 男性の育児休業取得率は16年度に過去最高となったが、それでも3.16%にすぎない。世界経済フォーラムによる16年の男女平等ランキングでは、日本は144カ国中111位で、先進7カ国(G7)で最下位だった。
 これではとても「女性が輝く」と胸を張ることはできまい。男女ともに仕事と子育てを両立できるよう、企業と社会の意識改革を促す政策が必要だ。
 衆院選では、与野党が「幼児教育の無償化」をこぞって打ち出すが、働く女性たちからは目の前の待機児童解消を優先してほしいという声も強い。
 各党は待機児童解消も公約に盛り込んでいる。受け皿整備や保育士の確保に向けた具体的な財源と道筋も示してもらいたい。
 女性が活躍できる社会は、多くの人にとって生きやすい社会のはずだ。各党の継続的な議論が望まれる。


島田雅彦、平野啓一郎、ケラリーノ・サンドロヴィッチ、山本直樹…作家・文化人たちが続々と安倍政権に批判の声
 衆院選の投開票日まで残すところあと数日。国会で森友・加計問題を追求されることから逃げるための大義なき解散なのは誰の目にも明らかであり、こんな無駄なものに600億円もの血税がドブに捨てられるのかと思うと暗澹とした気持ちになるが、それはともかく、今回の選挙は、政治を私有化し、強権的な国会運営で独裁的な政治を行い、富める者はますます富み貧しい者はますます貧しくなる社会をつくり、自らの野望のために対米隷属して北朝鮮危機を煽りたてる安倍政権へNOを突きつける選挙である。
 この選挙を機会に多くの人々が安倍政権へ憤りの声をあげ、本サイトでは先日も中村文則や中原昌也らの怒りの言葉をご紹介したが、そのほかにも安倍政権へのアンチテーゼを掲げる有名作家は数多い。
 たとえば、島田雅彦氏は2017年10月10日付け東京新聞のインタビューに応え、希望の党を中心とした政治家たちの右往左往を、「公示前の政局は北野武監督の映画『アウトレイジ』を見ているようでした。「全員悪人」」と皮肉る。時は折しも『アウトレイジ 最終章』封切り直前で、ツイッターにも『アウトレイジ』風にデザインされたポスターに小池百合子や前原誠司らの写真を当てはめたパロディ画像も多く出回っていた。同じように感じた人は多かっただろう。
 そして彼は、安倍首相がこれまで総理大臣を務めた期間のことをこのようにまとめる。
〈対米隷属以外の選択肢を持たず、異論を排除し、対話に応じない密室政治を続ける政権も「国難」には対処し切れないでしょう。安倍政権の五年間は単に対米隷属と独裁が強化され、景気回復も税金で株価を上げただけでした〉
 まったくもってその通りだろう。ただ、安倍政権がもたらした暗部はこれだけにとどまらない。とりわけ大きいのは、自らをかたくな肯定し、外国人や障がい者など少数派に属する人々を悪し様に罵って排斥するような「自称「保守」」を大量に生み出したことにある。島田氏はインタビューで現在の悲嘆すべき状況をこのように語っている。
「自称「保守」の極右たちは市民の味方であるリベラルを「反社会勢力」として排除し、おのが権力欲に任せて「仁義なき戦い」を仕掛けています」
平野啓一郎やケラリーノ・サンドロヴィッチが憤る首相の強権的姿勢
 このように感じているのは島田氏だけではない。平野啓一郎氏は「週刊女性」(主婦と生活社)17年10月31日号でのインタビューで、安倍政権下に入り激化した弱者叩きの構図をこのように語っている。
「安倍政権下では弱者への言説のあり方も変わりました。以前は、金持ちは頑張っているのだからという文脈で、低所得者を放っておくような否定の仕方だった。それが今は、生活保護バッシングのような、社会保障費で迷惑をかけているという積極的な否定になっている。新自由主義から全体主義へと変化したと思います」
 平野氏は今回の選挙について、「政治の「まともさ」をめぐる闘いだと思うんです」と語る。すなわち、安倍政権は「まとも」ではなかったということだ。安保法制や共謀罪での審議でたびたび繰り返された、立憲主義をないがしろにし民主主義を破壊する国会運営など、私たちはこれまで歴史の教科書でしか見たことのなかったような独裁的な政治が堂々と行われるのを目の当たりにしてきた。
 そんな絶望的な状況を用意したのは、安倍政権が自分とは異なる意見をもつ者に対し、まともに対話をしようという姿勢を見せず、嘘とはぐらかしと権力でねじふせようとしてきたことにある。
 劇作家のケラリーノ・サンドロヴィッチ氏は、17年10月12日付け東京新聞の連載コラム「風向計」のなかで、公示前に行われたいくつかの党首討論を見た感想を綴っている。
 党首討論では森友・加計問題について疑問が飛んだが、首相の言葉は「私はこれまで予算委員会や閉会中審査で丁寧に説明を重ねてまいりました。委員会の中で、私が関与したと言った方は一人もいない、ということは明らかになっています」という、もはや耳にタコができた「答えになっていない答え」だった。「丁寧な説明」もなければ、政治の私有化に関する疑惑を払拭するだけの回答が得られていないから、何度も同じ話を問い質すことになるのだが、結局は党首討論の場でも核心に迫った話を聞くことはできなかった。ケラ氏はこのように綴る。
〈それで終わり。これは討論とは言わない。国民の多くが、誰もくい下がらないのを不思議に感じているに違いない〉
 これは、昨日今日始まったことではないし、森友・加計の話題になって出てきた現象でもない。安保法制のときも、共謀罪のときも同じ。遥か昔からもうずっとそうだった。ケラ氏は続けてその憤りをこのようにぶちまける。
〈国会では「それでは答えになっていません」という言葉がよく聞かれたものの、やはり多くはそこで終わりだ。「答えになってない」ということしか、わからない。私たちが知りたいのは「答え」だ〉
山本直樹「総選挙の最大の争点は憲法。憲法を変えられては困る」
 今回の選挙では結局はっきりとした政策上の争点は明示されることはなかった。当たり前だ。始めから安倍首相の保身のために始まった選挙なのだから。
 しかし、それでもはっきりしているのは、今回の選挙結果が憲法改正論議に大きな影響を与えるということだ。そして、そのことは昨年の参院選同様に争点隠しにされている。17年10月15日付けしんぶん赤旗日曜版で漫画家の山本直樹氏はこのように語る。
〈総選挙の最大の争点は、憲法だと思います。僕は、インターネットのアイコンに、「憲法護持」という写真を掲げています〉
 山本氏が「憲法護持」を掲げるのは、安倍政権の希望通りに憲法を変えさせることは「表現の自由」の死を意味するからだ。自民党憲法改正草案において、表現の自由に関する条文には「公益及び公の秩序を害することを目的とした活動を行い、並びにそれを目的として結社をすることは、認められない」という文章が新たに付け加えられ、権力が国民の表現の自由を大きく制限することができるようになっている。だからこそ、憲法改正には反対の声をあげる。山本氏はこのように述べている。
〈漫画を描く上で、好き勝手描けなくなってしまうから、憲法を変えられては困るんです〉
 強きを助け、弱きをくじく。弱者は排斥され、多様性も失われた全体主義国家へ──安倍政権下でどんどん強くなってきたこの傾向を今回の選挙で止めなくてはならない。(編集部)


安倍首相が喧伝するアベノミクスの成果も公約も嘘だらけ! 法人税収下がったのに「上がった」と嘘、GDP過去最高も嘘
 街頭演説では相変わらず森友・加計問題や憲法改正は語ることなく、北朝鮮の脅威を煽り、アベノミクスによる経済成長や社会保障の実績をがなり立てつづけている安倍首相。本サイトでは、北朝鮮問題は安倍首相こそが「国難」の役割を果たしていることは再三指摘してきたが、しかしもう一方の経済・社会保障政策についても、安倍首相の説明は嘘や詭弁だらけだ。
 たとえば、安倍首相の主張で耳を疑ったのは、10月8日NHK『日曜討論』で発したこんな言葉だ。
「法人税を引き下げましたが、法人税収は増えています」
 よくもこんなあからさまな嘘をつくものかと呆れる。今年7月5日に財務省が公表した2016年度の決算概要では、法人税収は前年度より5000億円も減少。しかもこれは2年連続の減少だ。
 さらに、安倍首相は遊説でも「GDPは過去最高」「GDPを50兆円も増やした」としきりに喧伝。だが、これにはカラクリがある。
 まず、前提として安倍政権は2016年にGDPの推計方法を見直しており名目GDPが“かさ上げ”されている。また、名目値から物価変動の影響を差し引いた実質GDPの増加率はリーマンショック前の水準を下回っている(毎日新聞10月18日付)。第二次安倍政権発足からの実質成長率は年平均で1.4%でしかないのだ。
 しかも、8月に内閣府が17年4−6月期の実質GDPを速報値で「プラス4.0%」と公表し、六・四半期連続でのプラス成長に安倍政権は「戦後2位のいざなぎ景気に並ぶ景気回復」などと強調したが、エコノミストの田代秀敏氏はこの数字が〈13兆5378億円もの「季節調整」が“大盛り”になっている〉と指摘。実際、9月に入って内閣府は速報値の4.0%から2.5%へと大幅に下方修正したが、季節調整を入れなければこの期の実質GDPは〈マイナス9.9%〉だと述べている(「週刊新潮」10月19日号)。
非正規雇用は過去最高の37.5%、年収200万以下のワーキングプアが安倍政権下で40万人増
 また、安倍首相がアピールする実績に「正社員の有効求人倍率」がある。遊説では、「正社員の有効求人倍率が初めて1倍を超えた。正社員になりたい人がいれば必ずひとつ以上の正社員の仕事があります」と胸を張る。こうした説明に、将来不安を募らせる10・20代が自民党支持者となっている要因もあるだろう。
 だが、内情はどうか。有効求人倍率とは、ハローワークで仕事を求める人ひとりに対して求人が何件あるかという割合だが、パートも含む求人で高倍率となっているのは「警備や交通整理などの保安」(7.70倍)「建築や土木」(5.16倍)「接客や給仕」(3.92倍)「介護サービス」(3.63倍)といった、厳しい労働条件の上、待遇がいいとは言えず離職率も高い職種が目立つ。一方、「一般事務」は0.34倍だ(毎日新聞10月17日付)。
 同時に、安倍首相は「若者の就職内定率は過去最高。これはアベノミクスの成果」とも誇るが、高卒・大卒の就職内定率が高くなっているのは、たんに団塊世代が引退する一方で若者人口は少ないからであって、アベノミクスの成果などではない。
 そして、安倍首相は解散発表会見で「この2年間で正規雇用は79万人増えた」と述べたが、同時に役員を除いた雇用者に占める非正規雇用の比率は、2016年度で37.5%と過去最高の数字を叩き出した。なかでも35〜54歳は約3割が非正規という状態だ。
 くわえて、実質賃金は第二次安倍政権発足の2012年12月〜17年7月のあいだで年間10万円も低下。「ワーキングプア」と呼ばれる年収200万円以下の人も、2012年から16年のあいだに42万3000人も増加している。これでは、消費回復はおろか、少子化にも歯止めはきかないだろう。にもかかわらず、安倍首相は冒頭解散の理由に「少子化対策」をもち出したのである。
安倍政権の5年で大企業と富裕層の資産は増える一方、待機児童は放置、介護報酬は引き下げ
 その「少子化対策」も笑わせる。安倍首相は「幼児教育無償化」「所得の低い家庭の子どもに限った高等教育の無償化」を掲げているが、何度も指摘してきたように民主党政権時代の高校授業料無償化を批判した急先鋒は自民党であり、なかでも安倍首相は子ども手当に対して「ポル・ポトやスターリンが行おうとしたこと」と同じだと猛バッシングすらしていたのだ。実際、安倍首相は政権に復帰すると、子ども手当と高校授業料無償制度を廃止してしまった。
 しかも、今回の選挙の公約では〈待機児童解消を達成するため、「子育て安心プラン」を前倒しし、2020年度までに、32万人分の保育の受け皿整備を進めます〉と謳っているが、何を言うやら。そもそも安倍首相は2014年の総選挙で、「2017年度末までに待機児童解消を目指す」と公約に掲げていたのだ。公約を実行できなかったのに、それについては反省もなく、勝手に3年先送りにしたのである。
 それだけではない。安倍首相は2015年に介護報酬を大幅に引き下げ、それによって介護事業者の倒産が相次いだが、今回の選挙では介護職員の賃上げ方針などを打ち出した。しかし実際は、この期に及んで介護報酬のさらなる引き下げを計画しているのである。実際、厚労省は介護報酬改定の資料となる介護事業経営実態調査の結果公表を衆院選後に先送りしていたことが16日に報道で発覚。介護事業者からの反発が起こり、選挙に影響を及ぼすことを考慮して公表を遅らせたのだという。
 非正規労働者やワーキングプアが増加し社会保障費が削られる他方で、大企業の内部留保は過去最高の400兆円を超えた。国家公務員一般労働組合は「安倍政権5年の激増ベスト3は富裕層資産・大企業役員報酬・自民党への献金」と指摘しているが、アベノミクスとはつまり一握りの富裕層に捧げる果実でしかないのだ。
 こうしたことはあらためて指摘するまでもなく、一般庶民なら生活実感として感じていることだろう。それを嘘や誇張の数字を喧伝することで、「こんなものか」と思わせ、あざむいてきた。それが第二次安倍政権の実態だ。
 森友・加計問題であらわとなった政治の私物化や、強行採決連発の民意を無視した強権政治。そして、まやかしのアベノミクス。選挙を前に、ほんとうにこのままでいいのか、じっくり考えてもらいたい。(編集部)


岡田氏、民進解党否定 衆院選後の野党結集強調
 民進党の岡田克也元代表は十九日、「民進党の解党など決まっていない。参議院、地方組織が残っており、合意がないまま解党などできない」として、衆院選後に党全体で希望の党へ移行するとの前原誠司代表の構想に否定的な考えを示した。衆院選に無所属で立候補した岡田氏自身が、野党結集の中心を目指す意向を改めて強調した。
 三重県菰野(こもの)町での演説会後、報道各社の取材に応じた。民進党の今後を巡り「(解散直後に)確認されたのは党から衆院選候補を出さないことだけ」と説明。自身は民進党を離党する意思はないと明言し、各地の党地方組織について「国会議員が分かれたからほったらかしなどという無責任なことは許されない」と強調した。
 岡田氏は選挙後について「(民進出身の)無所属議員は前原さんは別にして、できるだけ固まりで動いた方が良い」として、前原氏とは行動をともにしない考えも明らかにした。


記者の目 メディアと政治権力=青島顕(東京社会部)
疑念ただすのは当然だ
 権力に都合の悪いことは記録しない。この国ではそうした歴史が繰り返されてきた。政府の公文書管理の見直しが進められているが、情報公開制度を利用した取材をする者として、公文書の記録や公開の後退を強く危惧している。
加計学園の問題 真相なお不透明
 見直し作業の契機の一つに、安倍晋三首相の友人が理事長を務める加計(かけ)学園が、国家戦略特区を利用して愛媛県今治市に岡山理科大獣医学部を新設する計画を巡る問題がある。文部科学省の担当者が、内閣府幹部から「総理のご意向」などと早期開学を求められたことを記録した文書を残していたことが明らかになった。当初は文書を「確認できない」としていた文科省は再調査に追い込まれ、存在を認めた。一方の内閣府側は文科省との面談記録を残していないとした上で、文科省の文書の内容を否定した。真相はなお不透明だ。
 解明を目指して7月10日に国会の閉会中審査があった。毎日新聞は参考人のうち前川喜平・前文科事務次官の証言と政府側の反論を中心に報じた。理事長が「首相の友人」であることを理由に、政府の判断がゆがめられたかが問題の核心で、特区を利用して新設が認められた経緯を知る立場の人物の証言に注目が集まったからだ。翌11日朝刊(東京本社最終版)の1面見出しは「前川氏『官邸の関与がある』」「政府側『一点の曇りもない』」となった。
 地元・愛媛県の加戸(かと)守行・前知事も参考人として出席し「10年来、知事として獣医学部の誘致をしてきた」「我慢してきた岩盤に国家戦略特区が穴を開けた。ゆがめられていた行政がただされたというのが正しい」などと述べた。毎日新聞は11日朝刊の特集面で加戸氏の証言を掲載し、同23日朝刊社会面(東京本社版)で地元事情とともに紹介した。あくまで背景を知る人物としての扱いにとどめた。
 加戸氏の証言から地元が長年、獣医学部招致を求めたが認められなかった事情は分かる。ただし今回の特区を巡る判断とは直接関係のない話だ。加戸氏は7年前の2010年に知事を退任した。特区の会議に説明者として出席したが、判断の過程に関わっていない。「ゆがめられていた行政がただされた」という発言は、判断のプロセスを知る立場でのものとは言えない。
首相は事実誤認 論点もすり替え
 ところが、首相は加戸氏の証言で潔白が証明されたかのように発言し、証言の報道量の少ないメディアの批判もしている。衆院選公示を前に8日、日本記者クラブで開かれた党首討論会で質問した朝日新聞の論説委員に対し、閉会中審査翌日に朝日新聞が加戸氏の証言を全く報じなかったと決めつけ「国民の皆さん、新聞をよくファクトチェック(事実確認)していただきたい」と言った。
 朝日新聞は詳報面だが、加戸氏の発言を見出しを立てて報じた。首相は事実誤認をした上に、論点をすり替えている。
 驚いたのは首相の発言を受けるように産経新聞が今月9日と16日に、朝日新聞と毎日新聞の批判を展開したことだ。「自社の論調や好悪に合わせて極めて恣意(しい)的に編集し、大切なことでも『不都合な真実』は無視してはいないか」「メディアは『フェイク(偽物)ニュース』を多発しているのではないか」と書いた。
 産経新聞は毎日新聞の倉重篤郎・専門編集委員に矛先を向けた。倉重記者は討論会で「結果的に一番偉い方(首相)の友達が優遇されたことに、安倍さんは何もおっしゃっていない。いかがか」と首相に質問。正面から答えない首相に対し、答えを遮って「聞いているのはそこではない」とただした。産経新聞は「根拠なき決め付け質問は尊大で感情的」と指摘した。
 国民に隠されたものを含めた情報と権限を持つ権力は、常に腐敗の危険をはらむ。報道機関は権力が行政の判断をゆがめていないかをチェックする必要がある。最高権力者に説明責任を果たすべき疑惑があり、それに沿う形の公文書も見つかれば、報道機関は取材・検証しなければならない。倉重記者は言葉遣いが丁寧でなかったかもしれないが、はぐらかされた時、答えを促すのは当然のことだ。
 報道機関には国民の知る権利に応えるため、権力の干渉を拒んで報道することが求められる。戦前・戦中の例を挙げるまでもなく、報道の自由は常に失われる危険がある、もろいものだ。それを肝に銘じていなければならない。
 今年1月、米国の大統領就任直前の記者会見で、トランプ氏はCNNの報道を「フェイクニュース」だとして質問を受け付けず、メディアを選別した。さらにトランプ氏に近い立場のメディアがCNNなどを攻撃する事態になった。こうした状況下では国民に誤った情報が広がりかねない。日本で同様なことが起きてはならない。
 選挙後に政府は公文書管理の見直し作業を加速させそうだ。歓迎する部分もあるが、省庁間の協議では原則として双方で内容を確認後に公文書に残す、という点が気になる。複数の識者は、加計学園問題で文科省職員が残した文書のようなものが記録されにくくなると指摘する。今回の問題で国民の知る権利がないがしろにされないよう、目を光らせたい。


神戸製鋼所の不正/企業体質のうみ取り除け
 神戸製鋼所が強度などのデータを改ざんした製品が、国内外の車や鉄道車両、航空機、防衛装備品などに使われていた。人命に関わるトラブルが発生する恐れもあり、事態は深刻だ。影響は世界規模で広がり、米司法省が対応に動くなど「ものづくり日本」の信頼は大きく傷ついた。神戸製鋼はまず、安全性の確認を急がなければならない。
 不正は組織ぐるみで10年以上継続し、国内の工場だけではなく海外の拠点も手を染めていた。契約で定めた基準を満たしていないにもかかわらず、性能データを書き換えていた。しかも、神戸製鋼は以前にも、基準値を超える工場のばい煙のデータを改ざんしたり、ステンレス鋼線の強度を偽装したりして不正を繰り返していた。
 現場の規律の緩みは厳しく指弾されなければならないが、最も責任が重いのは経営陣だ。不正が明るみに出るたびに反省を口にしてきたが、過去から何を学んだのか。そこからなぜ教訓を得られなかったのか。これだけ不祥事が重なると、企業体質そのものに原因があるとしか思えない。川崎博也会長兼社長ら経営陣は、うみを全部取り除かなくてはならない。
 質の高さが売り物の「メード・イン・ジャパン」のつまずきは海外でも関心が高く、米紙ニューヨーク・タイムズは1面トップで報じ、英BBC放送も連日取り上げた。
 神戸製鋼は鉄鋼大手の一角だ。川崎製鉄と日本鋼管、新日本製鉄と住友金属工業がそれぞれ経営統合し規模のメリットを追う中で、鉄鋼事業以外にアルミニウムや建設機械、電力などを手掛ける独自の路線に活路を見いだしてきた。市況に左右されやすい鉄鋼事業を補う多角経営は、他の大手とは違うスタイルとして一定の評価を得ていた。
 特にアルミは戦略性の高い製品だ。燃費改善などから自動車車体などの軽量化が課題になっており、より軽く、頑丈なアルミを安定して供給できれば商機は格段に広がる。しかし神戸製鋼は製品への信頼を完全に失ってしまった。
 今後、リコール(無料の回収・修理)や損害賠償などの動きが出てくるのは必至だ。まだ納入先各社が影響調査を始めたばかりで、どの程度の対応が必要になるか不明だが、産業の基礎となる金属素材だけに使用されている範囲は相当広く、巨額の資金が必要になる恐れもある。
 顧客離れも懸念される中、経営への影響は軽微ではあるまい。株主も黙っているとは思えない。経営陣は当面、安全性の確認、原因究明、再発防止策の策定に全力を挙げなくてはならないが、めどがつけば、進退を含め明確な形で責任を取るべきだろう。
 神戸製鋼は1995年の阪神大震災で、世界で圧倒的なシェアを占める自動車用の線材の生産ラインが被災した。この線材供給が止まれば、世界の自動車生産への大きな影響は免れなかった。
 このとき、神戸製鋼は他社にシェアを奪われることを覚悟し、線材の製造ノウハウをライバル各社に提供して安定供給を確保した。メーカーの責任を果たすとはどういうことなのか、身をもって示した事例として、今でも業界では語り継がれている。あのときの心意気や誇りを思い出してもらいたい。


仏大統領夫人「男性と正面からぶつからない」姿勢に好感
『希望の党』を立ち上げ、日本中から注目されることとなった小池百合子東京都知事。日本初の女性総理大臣誕生かと期待も高まったが、結局衆院選には出馬せず、その支持率も下降線をたどることとなった。
 女性の星だったはずなのに、「排除」の姿勢などからどんどん嫌われ始めている小池氏だが、その一方で世界には同性から熱く支持される女性がいる。
 ブリジット・マクロン。フランスのエマニュエル・マクロン大統領(39才)の24才年上の夫人であり、小池氏と同年代の64才だ。
 夫妻の出会いは約20年前。マクロン氏は15才で、ブリジットさんは彼の通う高校の教師だった。当時の彼女は既婚者で3人の子供がいたが、2回り年下の彼と許されぬ恋に落ちた。結局、夫との離婚に踏み切って2007年にマクロン氏と再婚した。
 今年5月の大統領選でマクロン氏が39才の若さで勝利したのちは、「プルミエール・ダム」(ファースト・レディー)として絶大な人気を誇る。
 そんな彼女の単独インタビューを掲載した雑誌『ELLE』は、ここ10年間で最高の売り上げを記録し、日本でも女性ファンが急増中だ。
 元フランス文学の教師ということもあり、知性と教養を備えるブリジットさんはファッションセンスも抜群。今年5月のG7では白いジーンズに真っ赤なセーター姿で並み居る首脳夫人を圧倒した。彼女の魅力をフランスで20年暮らしてきた医師・岩本麻奈さんが語る。
「ものすごい美人ではないけど64才とは思えないスタイルでメイクはナチュラル。無理して若さを保っていないことも人気の秘訣です。ユーモアがあるのに知的で、大統領が財界の寵児となり高収入の時でも、高校教師を続けて自分の仕事に誇りを持つ点もフランス女性から支持されます」
 若き大統領との関係も好感度を高めている大きな理由だ。「ブリジットは、ある意味、(エマニュエルの)目であり耳でもある」――フランスの新聞『Le Parisien』(4月3日号)がこう伝える通り、ブリジットさんはマクロン氏の実務を徹底的にサポートしている。例えば、大統領選では常に夫に同行し、集まった人たち全員と握手をする一方、忙しい夫とほかの政治家の連絡係を務め、服装・メイクをすべてチェックしてスピーチを添削するなどして、夫を支えた。前出の岩本さんが続ける。
「立ち位置がそれぞれ違うので一概に比べられませんが、小池さんと違い、ブリジットさんは男性と正面からぶつからない。フランス人は自己主張が激しいですが、ブリジットさんは一歩引いて夫を立てているように見えます。日本人的な“内助の功”もありますね。“若い男に走った女”と色眼鏡で見られてもおかしくないのですが、彼女は年齢を重ねてあらゆる面で成熟し、男性だけでなく、すべての人に対する優しさがあります。だから女性からも反感ではなく、好感を持たれるんです」
 国民を束ねる女性リーダーとして支持を得るには、ブリジットさんが備える「優しさ」が必要だと国際政治学者の三浦瑠麗さんが言う。
「政治には、組織を率いる能力も必要。権力を振りかざすよりも人間的な側面を仕事に持ち込み、部下を慈しむことができれば、組織のさまざまなことがスムーズにいくようになります。その上で言うべき時にビシッと言えば、誰もが納得するはずです」
 横文字が大好きな小池氏だけに、ブリジットさん流の「アムール」(愛)から「愛され方」を学んでほしい。


悠仁さま 東大合格者多数輩出難関私立一貫校の文化祭ご訪問
 都内の某私立中学校は、高校からの募集を行わない完全中高一貫校。中学受験での偏差値は70近いという最難関校で、毎年30名前後の東大合格者を輩出している名門だ。9月上旬、この中学校で行われた文化祭の来訪者に、生徒や保護者は度肝を抜かれた。
「秋篠宮家の悠仁さまがいらっしゃっていたんです。周囲には6人くらい護衛らしき人がいて少し物々しい雰囲気でした。悠仁さまは各教室で行われた展示をご覧になっていました。もしかしてウチを受験されるんでしょうか?」(保護者の1人)
 現在、お茶の水女子大学附属小5年生の悠仁さま。お茶の水の高校は女子校なので、悠仁さまをはじめ男子児童がエスカレータ式に内部進学できるのは中学まで。そのため、その前段階の中学進学を機に別の学校を選択する児童も多い。
「悠仁さまはお茶の水小に隣接する筑波大学附属中に進学されるのではないかといわれてきました。そのために、“特別な制度”まで作ったんですから…」(お茶の水関係者)
 その特別な制度とは、両校の間で行われる「提携校進学」のこと。双方の小学校から若干名を募集し、中学進学のタイミングで“交換”するというものだ。書類審査だけで、いわゆる「学力テスト」は不要だ。
「悠仁さまが受験をせずに筑波中に進学できるように作られた制度だともっぱらの噂です。悠仁さまが進学されたら数年のうちに廃止されるとまでいわれています」(筑波関係者)
 かねてから、悠仁さまの東大進学が紀子さまの悲願だといわれてきた。偏差値75という超名門の筑波中に進学できれば、良好な学習環境のもとエスカレータで高校までの6年間を過ごし、東大進学も近づくというわけだ。だが、ここにきてその「東大ルート」に暗雲が垂れ込めている。
「自由闊達な校風が変化してしまうのでは、と不安を漏らす筑波側の関係者やOBが多くいるんです。これまでに皇族方が入学されたことはありませんし、もし入学されれば、学校全体に活動の制約も多くなるでしょう。また、“充分な警備体制を作ることが難しい“という声もあります」(別の筑波関係者)
 加えて、他の受験生との「不公平さ」を訴える声も聞こえてくる。
「そもそも、お茶の水幼稚園に入園するときから、悠仁さまには新設された『特別入学制度』が適用されました。ですがその後、その制度は利用すらされていません。“幼稚園から約3km圏内に居住”という入園条件も無視した特別待遇ですからね。同じようなことが、また行われようとしている。私立の学校ならまだしも、国立の学校がこれをやってしまうと、正直、受験勉強を頑張って合格してくる他の子供たちに示しがつきません。筑波側としては、“ご遠慮願いたい”というのが本音のようです」(前出・筑波関係者)
 そういった空気を察知した結果が、冒頭の悠仁さまの「文化祭見学」だったのかもしれない。お受験関係者によると、「生徒たちの学校での日常風景を知るには文化祭は絶好の機会」だという。
「もしかしたら、悠仁さまの進学先が当初いわれていた筑波中とは別になるかもしれません。ですが、目指すべき東大は変わりません。また、今年7月に紀子さまと悠仁さまがお2人で私的に小笠原諸島を訪問され、戦没者を追悼する碑に献花し黙とうを捧げられたように、紀子さま流の『帝王教育』も同時並行で行われています」(宮内庁関係者)
 悠仁さまの目には、自身の進学先はどのように映っているのだろう。

東成で痛くて抗生物質をもらう/ポートタワーを立体的に

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比例は社民党_山城博治さん

Point de vue. Le Japon hostile au changement ?
Dans un contexte qui lui est favorable, le Premier ministre japonais Shinzo Abe a dissout l’Assemblée fin septembre, afin de provoquer de nouvelles élections anticipées. Et sauf très grosse surprise, le Japon devrait se réveiller dimanche, avec la même coalition gouvernementale et… le même Premier ministre.
Le Premier ministre japonais, Shinzo Abe, aime les élections en fin d’année. En décembre 2014, elles avaient donné 291 sièges à son Parti libéral démocrate (PLD).
En poste depuis cinq ans, il peinait dans les sondages depuis quelques mois. En dissolvant l’Assemblée et en convoquant des élections législatives, dimanche, il a misé sur un petit regain récent de croissance, et surtout sur la désorganisation de l’opposition.
Outre l’inoxydable parti communiste (21 sièges), celle-ci comprenait le Parti démocrate du Japon (PDJ, 73 sièges), déchiré entre sa gauche et sa droite, et la très nationaliste Association pour la Restauration du Japon (ARJ, 41 sièges), tout aussi divisée. Rien d’inquiétant…
Puis Yuriko Koike est entrée dans l’arène. Gouverneure très populaire de Tokyo depuis 2016, elle y a spectaculairement ≪ dégagé ≫ le PLD de l’assemblée régionale. Un temps ministre de M. Abe, comme Emmanuel Macron le fut de François Hollande, elle n’a jamais caché son ambition nationale. Elle n’est guère moins conservatrice et nationaliste que M. Abe, mais elle connaît les ficelles du populisme, alors qu’il est plutôt froid et hautain.
Le jour même de la dissolution, Mme Koike a lancé le Parti de l’Espoir, qui a obtenu d’un coup le quart des intentions de vote dans les sondages. Le président du PDJ a aussitôt invité ses troupes à la rejoindre. Les gouverneurs d’Osaka et de Nagoya, hommes forts de l’ARJ, lui ont apporté leur soutien.
Un électorat très âgé
Dix jours plus tard, l’Espoir a perdu les deux tiers de son soutien. En campagne, M. Abe fait simple : il promet de rendre l’éducation gratuite grâce à l’augmentation de la TVA programmée pour 2018 (de 8 % à 10 %), et affiche sa fermeté face à la Corée du Nord. Il passe rapidement sur sa volonté d’amender la Constitution de 1947 pour la rendre ≪ véritablement japonaise ≫, une idée que Yuriko Koike partage mais qui divise l’opinion.
Mme Koike renchérit de son mieux sur M. Abe en jurant de ne pas augmenter la TVA, alors que la dette publique atteint 250 % du PIB. Elle en fait autant que lui sur la menace nord-coréenne, mais celle-ci suffit à dissuader les électeurs de risquer un saut dans l’inconnu. D’autant que la moitié d’entre eux ont plus de 65 ans, un âge où l’on n’aime guère l’inconnu. Elle répète qu’elle veut rompre avec les intérêts particuliers qui contrôlent le PLD, qu’elle est moderne, au centre. Et qu’elle créera une société ≪ où chacun pourra mener sa vie selon ses propres valeurs ≫, ce qui, au Japon, est tout un programme.
Mais il lui manque l’engouement médiatique qui a porté Emmanuel Macron. La presse japonaise ne fait pas son fonds de commerce du changement, et elle est légalement tenue à une forme de neutralité en période électorale.Surtout, Mme Koike est tombée dans un piège qu’elle aurait dû prévoir. Au Japon, le Premier ministre doit être un parlementaire. Pour le devenir en cas de victoire, Mme Koike aurait dû quitter son confortable poste de gouverneure pour se faire élire députée. Elle n’a pas osé. Cette dérobade a ruiné son image. Les gouverneurs amis ont pris leurs distances, et l’aile gauche du PDJ a créé un parti qui pourrait bien dépasser l’Espoir.
Sauf très grosse surprise, le Japon se réveillera, dimanche, avec la même coalition gouvernementale et le même Premier ministre. Et un nouveau parti qui pourrait se débander aussi vite qu’il a été créé.
フランス語
フランス語の勉強?
こたつぬこ‏ @sangituyama
希望の党内の議員から「反安倍ではないなら離党する」という声があがりはじめてます。これにビビるのは自民陣営です。ラスト3日の騒乱の幕開け。
東北地方を中心に希望の党の民進系議員たちの離反が続いてますが、これを議員たちの日和見とみるのは正確ではありません。彼らの支援者からの、疑問や訴えに動かされているわけです。つまり民主主義の力がこの離反を後押ししているわけです。そうした支援者たちの想いとつながるときです。

適菜収。ほぼbot。(作詞家)‏ @tekina_osamu
『女性セブン』が「いちばん嫌いな男」というアンケートをやったら、第4位の江頭2:50や第7位の出川哲朗をぶっちぎりで抜いて、第1位は安倍晋三だった。「あらゆることへの執着の深さが気持ち悪い」(65才・主婦)。「往生際が悪い」(56才・自営業)。女性の感性は信用できる。


手術の跡が痛い感じ.東成区はちょっと遠いけど,抗生物質をもらいました.
ポートタワーを立体的に描くのに意外に苦労しました.もう少し頑張りたいのでしたが,時間切れ.とりあえず作品?を掲示しました.
安否確認のメールが来たけど,返事忘れてました.ごめんなさい.

仮設住宅設置の5軟式野球場 来年4月から順次再開 土の入れ替えなど着手
 東日本大震災のプレハブ仮設住宅が置かれていた仙台市宮城野、若林両区の公園5カ所の軟式野球場を、市が来年4月から順次再開させることが19日、分かった。市内では震災後、草野球や少年野球の会場が足りず、市民が市外施設を借りるケースが目立っていた。
 野球場は宮城野区の福田町南一丁目、岡田西町、扇町一丁目の3公園と、若林区の卸町五丁目、卸町東二丁目の2公園。扇町一丁目公園は野球場の芝生の養生が遅れ、来年6月再開となるが、他の4公園は4月再開を予定する。
 5公園の仮設住宅計462戸には、ピーク時の合計で被災者895人が住んでいた。昨年までに全員が災害公営住宅などに移り、仮設住宅は撤去された。
 野球場の再開に向け、市は土の入れ替えや地下排水溝の改修などに着手済み。公園課は「来春の野球シーズン開幕に間に合うよう準備する」と話す。
 仙台サンデーリーグを運営する市軟式野球協議会は震災後、富谷市や宮城県山元町の球場を借りて試合を実施してきた。大山悟事務局長は「地元の野球人にとって、球場再開は大きな喜びだ」と心待ちにする。
 津波被災した宮城野区の海岸公園野球場は、昨年10月に再開した。


パンとジェラート 玉浦の味ギュギュ
 東日本大震災で被災した岩沼市玉浦地区の農業復興を支えようと、農産物直売所やカフェを手掛ける「岩沼みんなの家」に新商品が誕生し、好評を博している。オール玉浦産の米粉パンと玉浦野菜を使ったジェラートで、「ここでしか食べられない」という限定感が人気につながっている。
 新商品の一つは、米粉で焼いたパンにトウモロコシを挟んだ「焼きとうもろこしサンド」(250円)と「マヨコーンサンド」(同)。米粉、トウモロコシともに玉浦産で、岩沼みんなの家でパンを焼き、出来たてを提供している。
 玉浦産のトウモロコシ3品種とシソ2品種を用いたジェラートも販売。材料を仙台市青葉区のジェラートショップに持ち込み、開発してもらった。5品種とも1カップ360円。
 岩沼みんなの家は復興に向け玉浦の野菜を市内外に紹介しようと、2014年から米粉パンやジェラートを販売してきた。今回の新商品は、商品化するには数量が少ない野菜や余り野菜の消費にもつながるようにと考案され、8月から店頭に並ぶ。
 原則、岩沼みんなの家かイベント先などでしか購入できないという点が逆に評判を呼び、販売は好調。今後はイチジクやカボチャなど秋のラインアップを充実させる考えだ。
 堀拳駄支配人は「玉浦のおいしい野菜がギュギュッと詰まっている。ぜひ食べに来てほしい」と話す。連絡先は岩沼みんなの家080(9696)5025。


<衆院選東北>完遂とは程遠い景色 被災者との意識と距離
 復興の完結を語る候補者と、終わりが見えない今を生きる被災者。二つの時計の針はかけ離れていく。
◎震災復興 争点を歩く
<5年後めどに>
 「5年の間に新しい街をつくる」。真新しい鉄筋コンクリートの建物3棟が並ぶ敷地に、福島5区に立つ自民党前議員の復興相吉野正芳(69)の声が響いた。
 福島市飯坂町の災害公営住宅で16日にあった街頭演説。東京電力福島第1原発事故の影響で浪江町から避難した約25人を前に、「浪江には帰還困難区域が残るが、国は古里を回復する約束をした」と力を込めた。
 帰還困難区域の復興を柱とした改正福島復興再生特別措置法が5月に施行された。国の負担でインフラ整備と除染を集中的に実施する「復興拠点」を設定し、5年後をめどに帰還開始を目指すとした。
 吉野がトップを務める復興庁の設置期限は2020年度末。政府は同庁の機能存続を検討する方針だが、具体化はしていない。演説で吉野は持論の「福島復興庁」に言及しなかった。
 対する希望の党前議員吉田泉(68)は原発事故に伴う避難者への支援を継続する必要性を指摘。16日にいわき市内で開いた個人演説会では「原発事故の後片付けができなければ復興は夢のまた夢」と訴えた。
 吉田が加速を求める廃炉の主要工程は目標の先送りが相次ぎ、ゴールは遠い。ともに新人の共産党熊谷智(37)、社民党遠藤陽子(67)はそれぞれ原発ゼロなどを主張する。
<原点忘れるな>
 東日本大震災の津波で大きな被害を受けた宮城県沿岸部。公選法改正に伴う区割り変更で、宮城5区には新たに南三陸町が加わり、石巻市、女川町、東松島市と共に津波被害が集中した多くの沿岸地域を抱える。
 自民党前議員の勝沼栄明(42)は15日、東松島市矢本地区であった個人演説会で、党の公約に沿い「復興庁がなくなるあと3年5カ月間で復興を加速、完結させる」と声を張り上げた。
 迎え撃つ無所属前議員の安住淳(55)。13日の石巻市での街頭演説で「震災で苦しい思いをした被災地を元気にする。復興特別会計を作った当時の財務相として、(復興特会の)残り4年間、責任を持ってやっていきたい」と力を込めた。
 人口減少、なりわいやコミュニティーの再生。被災地には長期的、持続的な取り組みや支援が必要となる課題が横たわり、完遂とは程遠い景色が広がる。
 岩手、宮城、福島3県で約4万4000人が避難生活を続ける中、震災後5回目となる国政選挙の投票日は、3日後に迫った。
 「11年目以降がどうなるか心配だ。国会は震災発生時の原点を忘れないでほしい」。衆院選への立候補を見送り、政界引退を表明した陸前高田市出身の民進党前議員黄川田徹(64)。家族を亡くした一被災者としての言葉が重く響く。(敬称略)


<宮城知事選>舌戦終盤 問われる復興の針路
 22日の投開票に向けて終盤の舌戦が繰り広げられている知事選では、東日本大震災からの復興の方向性が問われている。4選を目指す現職村井嘉浩候補(57)は「創造的復興」の実績を強調し、インフラ整備などの総仕上げに意欲を見せる。新人多々良哲候補(59)は被災者支援を優先課題に掲げ、人への投資に転換を訴える。
 「元に戻すだけでなく、創造的復興でさらに大きく発展させるため、懸命に頑張ってきた」。村井候補は18日午後、大郷町の街頭演説で、仙台空港民営化や大学医学部の新設、防潮堤整備などをアピールした。
 政策集には2018年度までの災害公営住宅全戸完成や、「高台移転」「多重防御と内陸移転」による災害に強いまちづくりなどを掲げた。「国が財源確保を約束する20年度までにやり遂げる」と強調する。
 被災者の心のケアや地域コミュニティー再構築、農林水産物の販路拡大などを盛り込み、ソフト事業にも配慮した。20年の東京五輪・パラリンピックで「世界に復興した姿を披露しよう」と呼び掛ける。
 「『創造的復興』の名の下に、住民が望みもしない巨大防潮堤建設などのインフラ整備を進めた」。多々良候補は18日朝、仙台市太白区の街頭演説で村井県政の復興施策を糾弾した。
 「被災者の暮らしと事業の再建に対する支援は大きく立ち遅れている」とも指摘。被災者支援策として、県が打ち切った医療・介護の費用負担に関する減免措置を「速やかに実施したい」と力を込めた。
 被災者が安心して住める住宅の確保、被災者や被災事業所に対する総合的な相談・指導窓口の設置を優先課題に挙げる。「今、求められるのは人間の復興。明日への希望を持てる日まで支援を継続する」と約束し、支持拡大に奔走する。
 ◇知事選立候補者
多々良 哲59 元あいコープ専務理事 無新(共推)
村井 嘉浩57 知事         無現


衆院選に問う 東京一極集中是正/手詰まり感 かすむ地方再生
 安倍政権が「地方創生」を掲げて3年がたった。
 東京一極集中の是正、人口減少の克服を目指す看板政策に位置付けられてきたが、目立った成果は上がっていない。そればかりか、手詰まり感さえ漂う。
 もちろん、衆院選の各党公約には地方活性化策が並ぶ。与党は省庁地方移転の実証実験、地方が自由に使える一般財源の総額確保などを掲げる。野党も憲法改正で地方分権の考え方を明記することや、正社員を増やす企業への支援強化を打ち出した。
 だが、人口減少に歯止めを掛け、地方再生につながる処方箋は判然としない。地方の有権者がもどかしさを募らせる選択機会にしてはならない。各党の地方戦略の視点が問われている。
 地方の未来を展望するとき、政治がまず手を付けるべきは、東京一極集中の是正に尽きることは言うまでもない。現状を確認しておきたい。
 安倍政権は2014年、転入者の数が転出者を大幅に上回る東京圏(東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県)の「転入超過」を20年に解消する戦略を決定した。
 13年の東京圏への転入者は約46万6千人。転出者は約37万人で約9万6千人の転入超過だった。戦略はこれを起点に転入者を6万人減らし、転出者を4万人増やすと明記。20年に転出入とも41万人で均衡させることを掲げた。
 現実は目標に遠く及ばない。16年の転入超過は約11万7868人。15年より約1489人減ったものの、転入超過は21年連続となった。
 湾岸部では20年東京五輪・パラリンピック関連の再開発が進んでおり、転入超過が再び拡大すると予測されている。目標は修正が避けられず、「絵に描いた餅」と指摘されても仕方あるまい。
 起爆剤として期待された政府機関の地方移転も、掛け声倒れに終わった感が否めない。地方側は観光庁や中小企業庁、気象庁などの移転を要望したが、決まったのは京都に全面的に移る文化庁だけ。背景に官僚らの「東京中心主義」があるのは明らかだ。
 全国知事会は公示前、与野党8党の選挙公約を採点した。地方税財源の充実、地方創生の推進、人口減少局面の打開など知事会が要望した10項目の政策が、どの程度反映されたかを評価した。
 安倍政権の重点政策に関する項目もあり、与党への評価が高い傾向がみられたが、人口減少対策や働き方改革では与野党の評価が拮抗(きっこう)した。ただ、各党が地方創生で論戦を交わす場面は少なく、他の争点の陰でかすみがちだ。
 選挙戦は最終盤に入る。東北の候補者一人一人に望みたい。党の地方政策をリードする気概を持ち、東京一極集中の打破と地域再生の道筋を示してほしい。政治の力が発揮されなければ、「地方創生」はうつろに響くだけだ。


[2017衆院選]安全保障法制 このまま運用すべきか
 安全保障関連法は成立から2年を経過した今も各党の賛否が分かれている。国民の安全に関わる重大な法律が、反対論渦巻く中で強引に採決された上、その後も説明が不十分なまま、なし崩し的に運用が進められることがあってはならない。安保法に対する各党の姿勢を見極めたい。
 安保法は、米国など「密接な関係にある他国」に対する武力攻撃が発生し、それを政府が「存立危機事態」と認定した場合、集団的自衛権の行使を可能にするものだ。直接攻撃された際にのみ反撃する個別的自衛権に限っていた日本の安全保障政策は、大きく転換。後方支援や国連平和維持活動(PKO)での任務も格段に拡大した。
 自民党はこの安保法によって日米同盟が一層強固になったと強調。「北朝鮮への圧力強化を主導し、全ての核・弾道ミサイル計画の放棄を目指す」と公約に掲げた。当時、採決で反対に回った民進党議員を加えた希望の党も、緊迫する北朝鮮情勢などを踏まえて「安保法制は憲法にのっとり適切に運用する」と肯定的だ。
 一方、立憲民主党は、安保法はそもそも違憲だと主張。専守防衛を軸に現実的な安保政策を推進するとの方向を打ち出している。共産党は安保法を「戦争法」と呼び廃止を求めている。
 安倍晋三首相(自民党総裁)は安保法成立後、必要性を国民に粘り強く説明していくとの考えを示したが、その後理解を得るため力を尽くしただろうか。採決強行のしこりが残り、反対派との溝が深まっている印象すらある。
 双方の対立が続く中、安保法に基づく新任務の運用は着々と進められている。
 初の運用となったのが、今年5月に日本近海の太平洋で米海軍の補給艦を対象に行われた「武器等防護」。武器や艦船、航空機などを守る自衛隊の任務の対象が米軍など他国軍にも拡大されたことを受けた措置で、自衛隊の護衛艦が米補給艦と行動を共にし警戒監視に当たった。
 安倍首相は以前、米艦への防護について「最大限情報を開示して丁寧に説明する」と述べていたが、運用について政府から公式な説明はなかった。
 日本海で北朝鮮の弾道ミサイル防衛に当たる米イージス艦に対し、洋上給油を実施していたことも9月に判明したが、このときも政府は米軍の意向を踏まえて事実を公表しなかった。
 国民が知らないところで実績が重ねられ、日米の軍事的な一体化が加速度的に進むことが懸念される。米国の要請に従ううちに、無用な戦争に巻き込まれる恐れも否定し切れない。
 憲法学者が違憲と口をそろえた安保法が、何事もなかったかのように運用されていることに疑問を感じている人も多いはず。各党には安保法と憲法との整合性について改めて丁寧な論戦を展開してもらいたい。


衆院選に問う 森友・加計問題 説明責任をどう果たす
 「国民に対し説明しながら選挙を行う」としていた安倍晋三首相の言葉がすっかり色あせた選挙戦である。
 衆院解散を表明した先月25日の記者会見での発言だ。森友・加計学園の問題で国民にきちんと説明する。そう約束したのに街頭でほとんど触れようとしない。
 首相が「説明する」と言わざるを得なかったのは、憲法に基づく野党の国会召集要求を3カ月間たなざらしにした上で、臨時国会冒頭で衆院を解散したからだろう。野党の要求は森友・加計問題を国民が見ている前で追及するのが主な目的だった。このままでは解散、総選挙が疑惑隠しに使われる結果になりかねない。
 何が問題か改めて確認しておこう。大阪市の学校法人森友学園に対する国有地売却で財務省は、価格を約8億円値引きしていた。値引きの経緯が分かる資料の提示を国会で求められると同省は、交渉記録は既に破棄したとの説明で押し通した。
 小学校を建設するための用地だった。首相の妻昭恵氏が名誉校長を一時務めていた。系列の幼稚園では園児に「安倍首相がんばれ」と唱和させていた。
 加計学園は獣医学部新設を巡る疑惑である。長年新設されたことのない学部の計画がなぜ加計学園に限り進んだのか、そこに首相の意向や官僚の忖度(そんたく)が働かなかったかが問われている。
 加計学園理事長は首相自身が「腹心の友」と呼び、食事やゴルフを共にする間柄にある。
 公平、公正であるべき行政がゆがめられたのではないか―。問題の核心はここだ。
 首相はこれまで納得のいく説明をしていない。「国会審議の中で私が関与したと言った人は一人もいない」といった言い方で野党の追及を突っぱねてきた。
 公示前日に出演した民放テレビ番組では「こういう場で質問されれば答えるが、街頭演説で説明するのは(控える)」と、開き直ったような発言をしている。
 自民党は公約で特区の運用透明化などをうたうものの問題への直接の言及はない。野党は関係文書の公開などを掲げている。
 政治と行政の信頼が懸かる重大な問題である。うやむやにするわけにはいかない。
 投票日まであと3日。疑惑に首相が答えるか、国民への説明責任をどこまで果たすか、見極めよう。


憲法改正 争点化の重み熟慮せねば
 今衆院選は、有権者に平和の在り方を問うていると言っていいだろう。各党が憲法改正への姿勢を公約に盛り込み、9条にどう向き合うかも示したからだ。
 戦争放棄、戦力不保持を定めた9条は、戦後の平和日本を支えてきた。近づく投票日を前に改憲や9条が争点となっていることの重みを改めて考えたい。
 改憲の可否を最終判断するのは国民である。今回の選挙を通じて各党の主張を吟味し、さらに関心を深めなければならない。
 最大与党の自民党は安倍晋三首相の提案に沿う形で、自衛隊明記を公約に入れた。連立を組む公明党は、国民の多くが自衛隊を違憲とは考えていないとして9条改正には慎重だ。
 希望の党や日本維新の会は公約の中で9条改正に言及しているものの、その中身を具体的に示しているとはいえない。
 これに対し立憲民主党は、安全保障関連法を前提にした「9条改悪」に反対と訴える。共産党、社民党も憲法を守る立場から安倍首相や自民党が唱える9条改憲への反対姿勢を鮮明にする。
 首相が改憲実現にこだわりを見せ、最大与党が衆院選公約に掲げたことを踏まえれば、改憲への動きがさらに現実味を帯びてきたのは間違いない。
 改憲の国会発議には、衆参両院ともに3分の2以上の賛成が必要となる。
 いわゆる「改憲勢力」は、衆院選前に衆参両院とも3分の2を占めていた。与党内に温度差はあるものの、改憲が争点となった衆院選後もこれが維持されれば論議は加速する可能性がある。
 報道各社の情勢調査では自民党の堅調ぶりが伝えられている。共同通信の最新の調査では、公明党と合わせた与党で定数465の3分の2前後をうかがうとの予測が出ている。希望や維新も改憲に前向きだ。
 一方で今回の衆院選が、9条改憲を問うに足る選挙なのかという疑問は消えない。
 首相の唐突な解散表明を受けて作られた自民党の公約は急ごしらえの感が否めない。解散前には首相の9条改憲案への異論が党内から出ていた。
 最大野党民進党の分裂による混乱もあった。9条改憲を俎上(そじょう)に載せるなら、慎重に論議した上で具体的な公約を有権者に問うのが筋だ。
 9条改憲は、国論を二分する重要なテーマである。
 県民の意識も同様だ。新潟日報社が15〜17日に行った世論調査では、反対意見が5割近くを占め、賛成意見が約3割という結果が出ている。
 日本の将来のため9条を変える必要があるのか否か。それによりどんな影響が予想されるのか。
 今回の選挙を、9条がこれまで果たしてきた役割や今後の平和の在り方についてしっかりと見つめる好機と捉えたい。


選挙制度改革 公平な戦い阻む「解散権」制約を
 安倍晋三首相の「自己都合解散」で、改めて「解散権」の是非が問われている。憲法に明確な規定がないにもかかわらず、与党にとって最も有利な時期に衆院選を設定する「道具」になってしまった。選挙での有権者の公平な選択を阻害するなど、さまざまな弊害が出ている。解散権の制約を含めた選挙制度全般について、有権者も考えてみる必要がある。
 今回の衆院選は、7月に施行されたばかりの改正公選法の小選挙区割りに基づく。定数1減の6県を含む19都道府県の97選挙区が変更になった。愛媛でも久万高原町が2区から4区へ。1区の旧松山市も分割され、一部が2区に編入された。
 突然の解散で有権者への周知は十分ではない。「顔なじみではない」候補者への投票をためらう人が多い。衆院の「1票の格差」是正のための見直しではあるが、地域特性への配慮に乏しく、有権者の投票行動に影響を及ぼすだけではなく、政治不信にもつながりかねない。
 最高裁が1票の格差を生む主因として廃止を求めた「1人別枠方式」も温存したまま。人口比に応じて議席を配分する「アダムズ方式」の導入を2020年の国勢調査を基準にするよう先送りしたこともあり、今回、選挙制度改革を公約に掲げる政党が少ない。地方の声を国政に反映させるために、民主主義の基本ともいえる制度。本来、大きな争点にするべき問題だ。
 また、今回は18歳以上への選挙権が認められて初めての「政権選択選挙」でもある。にもかかわらず、野党が大混乱のうちに離合集散。与野党ともに公約は公示の直前に慌ててまとめたもので、具体性に乏しい。特に初めて選挙に参加する有権者には戸惑いが大きいだろう。
 時間的な制約から生徒に対する「主権者教育」をあきらめた高校も多い。突然の解散による準備不足を嘆く声は全国から聞こえる。首相はこうした声に真摯(しんし)に耳を傾けるべきだ。
 解散権は首相の「専権事項」とされてきた。しかし、その権利は憲法7条の「天皇の国事行為」の一つ、衆院解散の前段に「内閣の助言と承認により」という文言があるため、それを援用している慣行にすぎない。英国やドイツでは政権の恣意(しい)的解散を防ぐため、権利を制約する法律を定めている。
 本来4年の衆院議員任期が、実質的に平均2年8カ月になっていることも問題だ。いつ解散があるか分からないので、議員活動の視点がどうしても短期的なものになってしまう。任期がきちんと固定されれば、首相周辺が時折意図的に吹かせる「解散風」に、議員が右往左往させられることも減るはずだ。
 立憲民主党は公約に「解散権の制約」を掲げた。自民党の野田聖子総務相も「首相の解散権をなくし、参院と同じように任期を全うする制度」の創設を提案する。選挙戦でこそ議論しなければならない。


<衆院選>どうする原発 福島を直視しているか
 衆院選公示直前の今月四日、原子力規制委員会は、東京電力柏崎刈羽原発が、3・11後の新基準に「適合」すると判断し、福島の事故を起こした東電に、原発を運転する「適格性」があると認めた。
 九月末、国と東電は廃炉への工程表を改定し、福島第一原発1、2号機のプール内に保管されている使用済み燃料の取り出しを三年間、延期した。
 メルトダウン(炉心溶融)で溶け落ちた燃料デブリ(固まり)の取り出しに至っては、その方法の決定すら一年先延ばしになった。
 公示の当日、福島地裁は、原発事故でふるさとを追われた福島県住民らの訴えを認め、国と東電に賠償を命じる判決を言い渡した。
 被害者への賠償が不十分との司法判断だ。
 事故処理の費用は総額二十二兆円に上ると見積もられ、さらに増大する見込みという。そのツケは国民にも回される。
 福島県からの避難者は、いまだ五万人以上に上る。
 後始末の道のりは遠く険しい。
 これだけを見ても、東電のどこに「適格性」があるのだろうか。廃炉や賠償の進展を上回るスピードで、福島の風化が進んでいるのではないか。危険である。
 3・11以降、各種世論調査では、原発依存からの脱却を求める声が常に過半数を占めている。
 福島を、原発をどうするか−。世界が、風力やバイオマスといった再生可能エネルギーへの切り替えを加速させていることなども考え合わせ、今回の選挙でも当然、重要な争点にされるべきである。
 自民党は原発維持、野党のほとんどが将来、または即座に原発ゼロ、与党の公明党も、将来的には原発ゼロ。維持かゼロかの対立軸は明らかにされている。
 にもかかわらず、首相は公示後の第一声を福島で上げながら「原発推進」を語らなかった。立地地域での議論も低調だ。これはおかしい。
 原発維持派には、原発の安全確保や、万一の事故の備えに国としてどのように関与していくか、脱依存派には、代替エネルギーの普及策、立地地域の振興策など、核のごみをどうするか。双方に聞きたいことは山ほどある。フクシマの現状を直視して、具体的に語るべきだ。
 今フクシマに正しく向き合わないと、私たちの未来は、それこそ危険にさらされる。 


米軍トモダチ作戦を追ったドキュメントで番組改変が! 担当者も「日テレ報道の魂は『安倍に忖度』という事」と報告
 日本テレビのNNNドキュメント『「放射能とトモダチ作戦」米空母ロナルドレーガンで何が?』(10月9日放送)で、安倍政権に忖度する番組改変が行われた。
 放送10日前に突如削除されたのは、9月25日に小池百合子都知事(希望の党代表)と面談をした小泉純一郎元首相。去年5月に訪米、「福島第一原発事故による放射能被曝で健康被害が出た」と訴える米軍兵士にヒアリングをした小泉元首相は、被曝兵士救済に動かない安倍政権の姿勢に呆れて支援基金を設立。訪米時の涙の記者会見が全国放送されるなど、トモダチ作戦被曝兵士の存在を広めるのに貢献したキーマンだったのに、番組から消し去られてしまったのだ。
 日本テレビのホームページには、こう紹介されていた。
〈東日本大震災でトモダチ作戦として支援活動した米空母ロナルドレーガン。乗員ら4百人超が放射能による健康被害を受けたと訴訟中だ。死者計9人に…空母で何があった?〉
〈福島第一原発の事故。汚染されたのは東日本の陸上だけではなかった。実は、放射性物質の約8割は太平洋上に流れ込んでいたともいう。そして東北沖で“トモダチ作戦”として支援活動していたのが米空母ロナルドレーガン。当時、艦内では放射能アラームが鳴り響いていた。乗組員の兵士らは次々と放射能による健康被害を訴え死者は計9人に。そして米兵ら400人以上が訴訟を起こしている。空母で一体何があったのか?〉
 東京電力などを相手取った被曝兵士の損害賠償訴訟を当初から支援、小泉元首相に訪米を勧めたジャーナリストのエイミー辻元氏(日系四世で被爆二世)は、こう振り返る。
「番組制作に全面的に協力してきましたが、9月29日、日本テレビの担当プロデューサーから『今回放送の番組の中の小泉氏の登場シーンは全てカット』というメールが届いたのです」
 日本テレビの担当者が9月29日3時23分に送信したメールには、番組改変の経過が次のように綴られていた。
日テレ担当者も「日テレ報道の魂は『AB(安倍)に忖度』という事」と吐露
〈本日二度目のチーフプロデューサー、プロデューサー原発班をいれてのプレビュー(著者注:放送前視聴)が行われました。そこで日本テレビ報道局の総意として以下の業務命令が出ました。
「今回放送の番組の中の小泉氏の登場シーンは全てカット」というものです。(中略)8日放送(著者注:9日未明放送)ギリギリで小池氏が政権交代を目指し衆院選立候補になったりした場合、脱原発で小泉氏が小池氏を応援コメントなどをする可能性が高く、そうなった場合、対応不可となる場合があるからとの説明でした。
放送法では『告示期間中』に限定されているのですが、小池=小泉は影響が大きすぎて期間直前でもだめだという局の判断との事。結局、日テレ報道の魂は『AB(著者注:安倍政権)に忖度』という事なのです〉
 小泉元首相の登場シーンがすべてカットされた理由も、次のように列挙されていた。
〈■選挙が目前である事
 ■選挙期間中は出馬する人、選挙に影響する人を一方的にOAしないという放送法の決まり事がある事
 ■希望の党が脱原発を公約、選挙の争点にした事
 ■希望の党設立の会見後に小池・小泉が会って協力を臭わせた事
 ■さらに政権政党奪取のために都知事を辞して小池氏が衆院選に出る可能性が出てきている事
 ■それが放送ギリギリにわかって、小泉氏が応援する事にでもなると放送直前の直しが間に合わなくなり、放送に穴が空くから
との理由からです。守りきれませんでした。申し訳ありません〉
 安倍政権に異常なまでの配慮をした日本テレビの姿勢が浮き彫りになるようだ。選挙中の公平報道原則を拡大解釈することによって、被曝兵士救済に動こうとしなかった安倍政権の冷たい姿勢(職務怠慢)と、「政府が動かないのなら民間が動いて支援する」という小泉元首相の思いを隠蔽したのだ。
 メールに列挙された理由も根拠薄弱としか言いようがない。小泉元首相は「原発ゼロ社会実現」やトモダチ作戦被曝兵士の実情を訴える全国講演行脚を続けていたが、そのときの囲み取材や会見で「選挙で特定の政党や候補者を応援をすることはしない」と繰り返し述べていた。25日の小池都知事との面談後も、選挙応援を否定したのはこのためで、「(小池氏を)小泉氏が応援すること」は起こりえない事態だった。
安倍一強状態がつくり出した、テレビの政権忖度
 これまでNNNドキュメントは、2015年10月4日に『南京事件 兵士たちの遺言』を放送するなど、硬派な番組制作を続けてきた。しかし今回は、第二次安倍政権の一強多弱状態が4年半以上も続くなか、安倍政権に忖度する日本テレビ上層部の強い意向に逆らえず、軍門に下ったようにみえるのだ。
 先のエイミー辻元氏は、こう話す。
「被曝兵士が今回の番組を見たら『なぜ小泉元首相が出て来ないのか』と全員が首を傾げるでしょう。是非、小泉元首相が登場した場面を入れた続編を放送して欲しい」
 総選挙の投票材料となる事実を隠蔽、国民の知る権利を侵害した今回の番組改変事件は徹底的に検証されるべきだろう。(横田 一)


核兵器禁止条約/各党は考えを語るべきだ
 今月上旬、スイス・ジュネーブに拠点を置く国際非政府組織(NGO)の核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN(アイキャン))に、ノーベル平和賞が贈られることが決まった。
 核兵器を非合法化する核兵器禁止条約が今年7月、国連で採択されたことへの貢献が評価された。受賞決定を受けてICANのベアトリス・フィン事務局長は「日本が核兵器を取るのか、禁止に向かうのか。衆院選挙で大きな争点になることを期待する」と述べている。
 だが、残念ながら、条約への対応は選挙戦で大きなテーマになっていない。
 唯一の戦争被爆国で実施される政権選択選挙である。今からでもいい。各党には考えをもっと語ってもらいたい。
 自民党と希望の党、立憲民主党などの公約には「核兵器禁止条約」の文言がない。広島、長崎の被爆者らは条約への参加を求めている。全く触れないのは無責任ではないか。政権を目指すのであれば、条約に対するスタンスや将来の展望など何らかの言及をする必要がある。
 一方、「日本政府に核兵器禁止条約に署名することを強く求める」とするのは共産党だ。
 公明党は「核保有国と非保有国の橋渡し役を積極的に務める」とした上で、「核兵器禁止条約の採択を契機として『核兵器のない世界』の実現に向けたさまざまな取り組みを進める」とする。ただ、条約への賛否がはっきりせず、玉虫色と言わざるを得ない。
 1970年に発効した核拡散防止条約(NPT)は、核兵器の保有を米ロ英仏中に限定し、その5カ国に核軍縮について誠実に交渉することを義務付ける。しかし現実には核軍縮は停滞し、核拡散も進んでいる。
 日本維新の会は「ポストNPT核軍縮に向け新たなテーブルを構築する」と掲げる。どのような枠組みで協議を進めるのか、具体的な説明を求めたい。
 ICAN国際運営委員の川崎哲(あきら)さんは「日本政府も、核兵器禁止条約に署名すべきだ」と主張する。同じ声は国内でも高まっている。全ての政党が真剣に受け止め、議論を深めるべきだ。


立憲民主潰しに血眼 安倍自民が苦戦する「激戦74選挙区」
 大手メディアが「自公300議席」と報じている10・22総選挙。しかし、289選挙区のうち、自民党候補が「当選圏内」に入っているのは、せいぜい150程度だ。残りの140議席は、どうなるかまったく分からない。自民党は51の選挙区で野党候補と接戦となり、23人の無所属候補にリードを許すか接戦となっている。
 安倍自民党は立憲民主つぶしに血まなこになっている。16日夜、安倍首相も出席した選対会合では、49の激戦区を重点区として指定。投票日まで残り4日。自民党はこの重点選挙区を徹底的にテコ入れする方針だ。激戦区の多くで立憲民主と戦っている。政治評論家の山口朝雄氏が言う。
「自民の最大の敵は、勢いを失った希望の党ではありません。安倍政権が恐れているのは、立憲民主旋風の背後にいる市民の力です。組織票ではありませんから、立憲民主の候補がどれだけ伸ばすのか読めないのです。安倍自民はなりふり構わず総力を挙げて立憲民主をつぶしにくるでしょう」
 実際、北海道や東京など、自民が激しく競り合っているのは立憲民主だ。自民がことごとく競り負けると、議席は激減する。
 自民は立憲民主の勢いに戦慄しているという。何しろ、動員もしていないのに、枝野代表の街頭演説には1000人単位の人が集まり、党のツイッターフォロワー数は数日で第1党になって、現在約18万人で独走中。個人献金も1日余りで900人超から、計1700万円が集まった。応援する有権者の熱気が、自民とはまったく違うのだ。
 さらに、自民が立憲民主を“目の敵”にする大きな理由がある。山口朝雄氏が続ける。
「選挙後の政権運営を考えると、なにがなんでも立憲民主の議席を少なくしたいのだと思う。改憲や安保法制で同じ立場の『希望』や『維新』は仲間のようなものです。一方、立憲民主は筋を通す本物の野党です。政権にとって目障りな勢力が力を持つことはどうしても避けたい。立憲民主さえいなければ国政を自由勝手にできる。それに立憲民主に躍進されてしまうと、トータルの数字で与党が圧勝しても、勝利がかすんでしまいます。もし立憲民主が50台に乗せたら、勝者は立憲民主のようになってしまう。何としても最小限の躍進で食い止めたいのです」
 自民VS立憲民主――この戦いが選挙を決める。


無所属23人が自民候補を撃破か 選挙後は野党結集の中核に
 立憲民主党と並んで自民党を苦しめているのが、野党系の無所属候補たちだ。23人が、自民党候補をリードしているか接戦となっている。全員勝ち上がったら、選挙結果は大きく変わってくる。
 無所属候補のほとんどが、自分の信念に従って小池百合子の“踏み絵”を蹴飛ばしたメンメンだ。長野1区から立候補している篠原孝は、希望が勝手に“公認”したが、「公認申請していない」と、わざわざ“返上”している。
 無所属候補には組織がない代わりに、一般市民からの支援が殺到している。北海道8区から立っている逢坂誠二には、わずか数日の間に“個人献金”の申し入れが200件もあったという。
 はたして、当落はどうなりそうなのか。
 現時点では、小沢一郎(岩手3区)、安住淳(宮城5区)、野田佳彦(千葉4区)、岡田克也(三重3区)ら、18氏が自民党候補に5ポイント以上の差をつけてリード。
 山尾志桜里(愛知7区)、原口一博(佐賀1区)ら、5氏が接戦となっている。
 政治評論家の本澤二郎氏が言う。
「長い間、選挙取材をしていますが、これほど多くの無所属が健闘している選挙は初めてです。有権者の支持が集まっているのは、自分の政治信念に従い、損得を計算せずに戦う姿勢に感動しているからでしょう。と同時に、選挙後、小沢一郎氏、岡田克也氏、江田憲司氏といった力量のある政治家たちに野党勢力をまとめて欲しいと期待しているのだと思います」
 無所属候補の多くが、一騎当千のツワモノである。当選すれば、選挙後、安倍政権と対峙し、自民党を苦しめるのは間違いない。


公文書管理 国民の共有財産どう守る
 公文書管理は情報公開とともに民主主義を支える両輪とされる。それが危うい状況にあることが続けざまに明らかになった。民主主義の危機ともいえるだろう。
 「国民への情報公開、説明責任を全うするため、行政文書の適正な管理に努める」「公文書管理法を改正し行政文書の恣意(しい)的廃棄を禁ずる」−各党は競うように公文書管理の適正化や情報公開の徹底を衆院選の公約に盛り込んだ。
 公文書管理や情報公開が選挙の主要公約となるのは、あまり例がない。獣医学部新設の加計(かけ)学園問題、国有地格安売却の森友学園問題、防衛省の日報隠蔽(いんぺい)問題と、公文書管理や情報公開をないがしろにする事態が安倍晋三政権下で相次いで発覚したためだ。
 情報開示請求には「廃棄した」と背を向け、国会の資料提出要求も拒む。資料の存在を認める証言が相次ぐと「個人のメモ」と言い繕う−。政策決定に直結する公文書や情報を隠そうとする一連の姿勢は目に余る。
 首相や閣僚から何らかの指示があったのか。官僚が政治家を忖度(そんたく)したのか。関係する公文書や情報を明らかにできないなら、行政をゆがめたのでは−と国民に疑念を持たれても仕方あるまい。
 公文書を含む行政情報は、主権者である国民の共有財産である。権力の意思決定過程は、将来の国民も含めて知る権利がある。それを示すのが公文書であり、行政情報は国民への公開が原則だ。
 首相は約束した「丁寧な説明」を果たしていない。説明の場になるはずだった臨時国会は冒頭解散した。解散前に政府がまとめた公文書管理の見直し案をみても疑惑を招いたことへの反省は薄い。
 見直し案によると、複数の府省庁や外部との協議では可能な限り相手方の発言を確認して公文書を作成するという。互いに示し合わせて発言内容を改ざんしたり、発言がなかったことにしたりする恐れはないのか。懸念は拭えない。
 政府に都合のいい見直しでは再発は防げない。実効性のある対策を与野党で競ってほしい。


「保毛男」論争 人権と情熱の間に横たわるコンプラ問題
 テレビはもっと自重するべきなのか、自重し過ぎているから面白くないのか――。そんな両論が湧き起こっている。
 ひとつはフジテレビ系バラエティーでの「保毛尾田保毛男(ほもおだ・ほもお)」問題。先の「とんねるずのみなさんのおかげでした 30周年記念SP」で、とんねるずの石橋貴明(55)が演じたこの約30年前のキャラクターに対し、視聴者からの抗議を受けて宮内正喜社長が謝罪したのに続き、番組公式サイトでも謝罪文が掲載された。
 朝日新聞は「『保毛尾田保毛男』なぜ使った?」とする記事でフジが今回の放送にいたった経緯を取材し、事前の映像チェックで「問題がないだろうか」との声はあったが、考査・倫理の担当部署との協議はしなかったという内情を報じた。そこで「LGBT(性的少数者)を取り上げる場合は、その人権に十分配慮する」との民放連放送基準に基づき各局がガイドラインを設けているとし、性的少数者のみならずコンプライアンス重視を徹底すべきとする昨今のテレビ界の風潮を伝える内容だ。
 もうひとつは、ダウンタウンの松本人志(54)の打ち出した持論である。最近のテレビ番組が面白くなくなったといわれる原因について、ツイッターでこう書いたのだ。
「バラエティ番組はいわゆるスピード違反で叱られる時がある でもそれはテレビを面白くしたい情熱だったりする。今のテレビを面白くなくしてるのは叱られることを恐れすぎのスピードださなすぎ違反だと思う」
 もちろん人権への配慮は十分なされるべきで、フジの「保毛尾田保毛男」は言語道断にしても、制限や自重ばかりではテレビがますます面白くなくなってしまうという声は実際にバラエティー番組関係者の間からも上がっている。芸能リポーターの城下尊之氏はこう言う。
「まず、テレビマンは総じて視聴者からの批判を受けたくありません。サラリーマンの皆さんならお分かりだと思いますが、今回のフジテレビでのように社長が公に謝罪するようなのは最も避けたい最悪のケースなのです。昨今は15〜20年前までは問題視されなかった表現もアウトだったりするので、何かというとコンプライアンスの部署に問い合わせます。そして、ちょっとでも危ないとなると、放送を見合わせる。もちろんチェックは必要です。でも、実はちょっとした工夫や配慮を加えればOKということもなくはないんですね。例えば『女中』という呼称は今そのまま使えばアウトですけれど、『うちのお袋は若い頃の仕事を女中だと言っている』というような場合、どうかという検証が十分でなかったりする。『女中』でいえばかねてこの国では家庭や旅館などに住み込みで働く女性をそう表現していたのは事実なのですから。そうしたことを十分に調べることなく、一様に『お手伝い』に変えてしまう傾向にあるのが、今のテレビなんです。それが表現を狭め、結果的に面白さを奪ってしまうということもあるのかも知れません」
 コンプライアンスをお題目のように唱えて冒険心と情熱を忘れたらテレビは死んだも同然。「何でもアリ」のネットに駆逐されるのも仕方がないか。


神鋼改ざん拡大/法令順守の意識はどこへ
 驚く事実ばかりが露見する。日本を代表する製造業の矜恃(きょうじ)はどこにいったのか。
 神戸製鋼所が発表したアルミと銅製品の検査数値改ざんは、グループ9社が手がける9製品に拡大し、納入先は500社に増えた。数十年前から続いていた疑いがあるという。
 過去に取締役会が改ざんを把握しながら公表しなかった製品や、発覚後も手を染め続けていたグループ企業があった。多角化が災いし不祥事の反省が全部門に浸透しなかった。法令順守の意識の低さに言葉を失う。
 経済産業省は今月初め、1カ月以内に原因を追及し対策を講じるよう神鋼に指示している。いつ、どのような理由で始まり、なぜ続いたか。うみを出し尽くし、再発防止へ新たな検査態勢を構築せねばならない。
 改ざんは主力の鉄鋼製品でも発覚した。自動車や航空機、発電所の配管など、さまざまな分野に使われている。
 自動車で約3万にのぼる部品について、メーカーがその素材の品質まで検査するのは不可能で、作り手に任せるしかない。中国企業などの価格攻勢に高品質で対抗してきた「メード・イン・ジャパン」のブランドにも、神鋼の不正は泥を塗った。
 国内の自動車各社に加え、ゼネラル・モーターズやボーイングなど米国を代表する製造業が神鋼製素材を使った部品の安全性調査に乗り出した。欧州連合(EU)の航空当局は、神鋼の製品調達を可能な限り停止するよう関連企業に勧告した。経営へのダメージは見通せない。
 米司法省は神鋼に関連書類の提出を求めている。トヨタ自動車の大規模リコール(無料の修理・回収)やタカタの欠陥エアバッグでは、議会が公聴会を開いて独自調査に乗り出し、最終的に両社が巨額の賠償金を支払うことで司法省と和解した。同じ展開にならない保証はない。
 神鋼の取引企業は6千を超す。大半は中小だ。うち1千社近くは兵庫県内である。いわゆる孫請けなども含めれば、その数はさらに膨らむ。浮沈は地域の盛衰にも影響する。
 過去にさかのぼり不正の実態を積極的に解明するのが、目下の神鋼の責務である。それなくして、次の展開は描けない。


神戸製鋼の不正 品質軽視は断じて許せぬ
 日本を代表する鉄鋼メーカー、神戸製鋼所の性能データ改ざんが発覚しておよそ10日がたつ。問題製品の納入先は延べ約500社に広がった。取引先企業も品質調査など対応に追われ、日本の「ものづくり」への信頼を揺るがしかねない事態である。
 顧客との間で取り決めた仕様に強度が不足しているなど適合しない製品について、検査証明書のデータを書き換えて合格品のように装うなどしていた。アルミや銅、鉄粉、特殊鋼など製品は多岐にわたり、自動車や鉄道、航空機、ロケット、防衛装備品などに使われていた。
 改ざんは組織ぐるみで、10年以上前から行われていたとみられる。子会社を含め、管理職など数十人が関与していたという。同社は「現場に納期、生産目標のプレッシャーがあった」と改ざん理由を明かしている。品質や安全を軽視するなど絶対にあってはならず、全容解明に厳しく取り組まねばならない。
 もし強度不足などが確認されれば、大規模なリコール(無料の回収・修理)に発展する可能性がある。取引先が部品交換の費用や損害賠償を請求する動きも出てきた。まずは安全性に問題がないかを、速やかに確認することが第一であろう。
 神戸製鋼では昨年も、グループ会社でステンレス製品のデータ改ざんが発覚した。過去には総会屋への利益供与事件(1999年)や、製鉄所で環境基準を超えるばい煙を排出しながらデータを改ざんする不正(2006年)も起きている。名門企業でありながら続発する不祥事にはあきれるばかりだ。
 なぜ、教訓は生かされなかったのか。どうすれば再発を防止できるか。「品質」が求められる素材メーカーの原点に立ち返り、徹底的な検証が必要である。
 経営陣の責任も重い。改ざんへの関与は否定するが、ずさんな管理で不正を長年見逃してきた。8月末に問題を把握したにもかかわらず、記者会見は10月と大幅に遅れた。グループ会社による不正の幾つかは過去に取締役会が把握していたという。
 データ改ざんを巡っては、15年の東洋ゴム工業による建物の免震装置ゴムや、昨年の三菱自動車燃費不正などが発覚している。神戸製鋼にも利益や効率を優先する企業風土があったのではないか。ガバナンス(企業統治)が問われる。今後、経営への打撃は避けられまい。
 影響は海外でも拡大している。米国や欧州の航空機、自動車大手が、数値が偽装された製品を使用していないかどうかの調査に乗り出した。米司法省は神戸製鋼の米子会社に関連書類の提出を求めており、多額の罰金などが科されることも想定される。
 今回の偽装が、日本の製造業全体への不信につながってはならない。調査と情報公開を徹底すべきだ。


山口氏レイプ問題を追及する『Black Box』が出版…不可解な捜査の一方、山口氏の“捏造”記事で安倍政権関与の疑惑も浮上!
 伊藤詩織さんが、昨日18日に著書『Black Box』(文藝春秋)を出版した。詩織さんは今年5月、元TBS記者・山口敬之氏からのレイプ被害が不起訴処分になったことについて検察審査会へ異議申し立てを行い、名前と顔を公表して記者会見に臨んだフリージャーナリストの女性。今回は名字も明かしての出版となった。
 9月、東京第6検察審査会は「不起訴相当」と議決したが、このレイプ被害をめぐってはホテルの防犯カメラなど数々の証拠が提出されており、当局の判断をめぐる疑問点はまったく解消されていない。
 一方、「週刊新潮」(新潮社)の報道後から雲隠れを続けていた山口氏は、検察審査会の議決の直後に代理人弁護士を通じコメントを発表。〈この案件は完全に終結しました〉と幕引きを宣言し、さらにメディアに対し法的措置をちらつかせ、真相を究明しようとする報道をシャットアウトしにかかっている。
 だが、今回、詩織さんが上梓した『Black Box』を読めば、山口氏が逮捕・起訴を逃れたことの不自然さが、より詳細な点で浮き彫りになっていく。それだけではない。日本の捜査当局の不透明さ、性犯罪をめぐる法制度の欠陥、性暴力を受けた人々が直面せざるをえない社会的システムの不備の現状が、詩織さんの取材と実体験を元に構成されており、ノンフィクション本として重厚な内容だ。
 とくに本サイトが注目したいのが、警察や検察の対応だ。周知の通り、この事件をめぐっては、最初に捜査を担当していた高輪署の捜査員が山口氏を逮捕するため、逮捕状を持って成田空港で山口氏の帰国を待ち構えていた。ところが直前に上層部からストップがかかる。この逮捕取りやめを指示したのが“菅義偉官房長官の子飼い警察官僚”である中村格刑事部長(当時)。逮捕を取りやめるよう指示したことについては、「週刊新潮」の直撃に対して本人が認めている。『Black Box』には詩織さんが直接、中村氏への取材を二度試みたくだりがある。
〈出勤途中の中村氏に対し、「お話をさせて下さい」と声をかけようとしたところ、彼はすごい勢いで逃げた。人生で警察を追いかけることがあるとは思わなかった。
 私はただ、答えが欲しいのだ。中村氏にはぜひ、「私のした判断は間違いではなかった。なぜなら……」ときちんと説明して頂きたい。なぜ元警視庁刑事部長の立場で、当時の自分の判断について説明ができず、質問から逃げるばかりなのだろうか?〉
 当局がこの事件をこのまま葬り去りたいのは明らかだが、しかも同書には、詩織さんが捜査の過程で受けたありえない対応の数々が語られている。たとえば山口氏から性的暴行を受けたあと、警察署を訪ねたとき、当初、管轄の高輪署の捜査員は詩織さんにこう言い放ったという。
「一週間たっちゃったの。難しいね」
「よくある話だし、事件として捜査するのは難しいですよ」
「こういう事件は刑事事件として難しい。直後の精液の採取やDNA検査ができていないので、証拠も揃わなくてさらに難しい」
「社会的地位がある人は逮捕の必要ない」山口氏の行為を闇に葬ろうとする捜査当局
 詩織さんが懇願し、ホテルの防犯カメラに映った映像を見て、捜査員もようやく事件性を認めたようだったというが、それでも「相手は有名で地位もある人だし、あなたも同じ業界で働いているんでしょ。この先この業界で働けなくなるかもしれないよ。今まで努力してきた君の人生が水の泡になる」など、繰り返し被害届の提出を考え直すよう言われたという。詩織さんは、被害届と告訴状に署名した際のことをこう述懐している。
〈警察に行けば事実が自然と明らかになる、警察が調べてくれると、漠然と考えていた。しかし、そうではなかった。何度同じ話を繰り返しても、返ってくるのは「難しいですね」「厳しいですね」という言葉だった。「事実」とは、これほどとらえどころがないものだった。〉
 中村刑事部長の決済で山口氏の逮捕が取りやめになったあと、不可解にもこの高輪署の捜査員は担当から外された。新たに担当になった警視庁の捜査員たちは、なぜ逮捕状が出たのに逮捕しなかったのか問う詩織さんに「逮捕状というのは、簡単に出ます」「今までの証言や他のところをもっと詰めていく」と言い、現段階での証拠では逮捕されても不起訴になってしまうと説明。さらにこうも話したという。
「社会的な地位のある人の場合、そのことは捜査に影響するのか? というと、正直関係はあります。社会的地位のある人は居所がはっきりしているし、家族や関係者もいて逃走の恐れがない。だから、逮捕の必要はないのです」
 詩織さんは、このように疑義を述べている。
〈そもそもこの言い方は、社会的地位のある人は証拠隠滅などしないし、逃亡もしない、と言っているように聞こえる。地位がなければ、証拠隠滅もやりかねないし、逃亡の恐れだってある、と言いたいのだろうか? それでは社会的地位がない人、低い人は簡単に逮捕するということなのだろうか?
 その言葉こそが、社会的地位の高い人への優遇になってはいないか?〉
 この警視庁の捜査員の説明だけでも不可解だが、さらにその後、捜査官は詩織さんに弁護士を紹介したいと、わざわざ警察車両に乗せて、捜査員たちも同行するかたちで弁護士と面会させた。面談の最後に、その弁護士は詩織さんにこう言ったという。
「私に求められているのは、示談交渉なのかなと思っていました」
 警察が被害者の前で、逮捕が直前で取りやめになったことを正当化し、さらには示談専門の弁護士のもとに連れて行く。こんなことがあっていいのだろうか。だが、これが詩織さんが直面した現実だ。詩織さんは同書で〈私が一番求めているのは、「真実がどうだったか」なのだ。お金でも時間でも、曲げることのできない真実だ〉と書いているが、その「真実」を捜査当局が自ら手の届かないところにもって行こうとしているように見えてならない。それこそ山口氏の行為を「ブラックボックス」のなかに押し込めておきたいかのように。
タクシー運転手の証言を入れなかった捜査一課…不起訴にするための組織的な動きか
 結果的に、事件は2015年8月26日に書類送検されたが、山口氏は翌年7月22日付けで不起訴処分になった。
 同書にはほかにも、警視庁の捜査のあまりに不自然な事実をついている。検察審査会に申し立てをすると決めた詩織さんは、証拠開示請求をし、また自分でも可能な限りの証言と証拠を集めた。事件の日の夜、山口氏と詩織さんを乗せたタクシー会社と運転手も探し出し、話を聞いた。運転手は詩織さんが「最寄駅まで行ってください」と複数回頼んでいたと証言。また、「都ホテルに行ってくれ」と言う山口氏に対し、詩織さんが「その前に駅で降ろしてください」と言っていたことも、動かなくなった詩織さんを山口氏が引きずり出すように車から降ろしたことも、はっきり覚えていた。
 だが、この証言は、もともと高輪署の報告書にも記載されていたことだ。なぜ、詩織さん自身が、あらためてタクシー運転手の証言をとる必要があったのだろうか。
〈それは、警視庁で作成された捜査報告書には、『「駅で降ろして下さい」と女性が何度も言っていた』というタクシー運転手の証言が入っていなかった、という情報を得たからだった。
 私は捜査一課で、これまでに聴取が済んでいる関係者にも、もう一度話を詳しく聞く、という説明を捜査員から受けた。タクシー運転手が高輪署の聴取に応じたのは、捜査一課に担当が移る一月ほど前だった。だから、この情報が入った時は、警視庁で聴取を受けた際は、彼の記憶が薄れてしまっていたからなのか、と考えた。
 しかし、それは違った。
 彼は、二年近く経っても鮮明に覚えていたのだ。聞いてみると、不思議なことに彼は、高輪署の捜査員としか話をしていないことがわかった。几帳面な運転手さんの手帳に、しっかりと日付がメモされていたのだ。〉
 タクシーの運転手が警察から話を聞かれたのは、高輪署の2回だけだったという。つまり、詩織さんがホテルへ行くのを明確に拒否していたこと、さらに動かない詩織さんを無理やり山口氏がホテルに連れて行ったことを証明するこのタクシー運転手を、警視庁はなぜか事情聴取していなかったことになる。詩織さんには、「これまでに聴取が済んでいる関係者にももう一度話を詳しく聞く」と説明していたにもかかわらずだ。
 こうしたディテールを読んでも、捜査のやり方が少しでも前向きだったならば、結果は変わっていたのではないか。とりわけ警視庁は、山口氏を不起訴にすべく組織的に動いていたのではないか。そう思えてならないのだ。
 繰り返すが、事件の夜、泥酔した詩織さんは明確に自宅に帰ろうとしていたにもかかわらず、山口氏がホテルに連れ込んだことは証言者もいる事実である。また、避妊具をつけず性行為におよんだことは山口氏自身も認めている。相手が抵抗できない状態で行為におよぶことは、立派な性暴力である。そして、山口氏に一度は逮捕状が発行され、逮捕直前の空港で捜査員が待ち構えているというタイミングで、菅官房長官と昵懇の関係にある中村警視庁刑事部長の判断により、逮捕がストップになったこともまた、揺るがない事実だ。やはり、“安倍官邸御用ジャーナリスト”である山口氏をめぐる、不自然な逮捕取りやめと不起訴処分には、官邸クラスの関与が疑われる。
レイプ事件と同時期に山口氏が発表した“捏造”記事に、安倍政権が関与!
 一方、今日発売の「週刊新潮」が興味深いスクープを出した。それは、山口氏が「週刊文春」15年4月2日号に寄稿した「韓国軍にベトナム人慰安婦がいた」とする“スクープ記事”の「捏造疑惑」だ。記事では、山口氏の記事が根拠とするアメリカの公文書のなかに実際には「慰安婦」や「慰安所」の言葉がないことを突き止め、また証言者として登場する元米軍人にあらためてインタビューを行うなどして、山口氏の記事との矛盾点を細かく検証している。
 だが、なかでもとくに注目すべきは、山口氏が「週刊文春」に寄せた“韓国軍ベトナム人慰安所スクープ”に、安倍政権の策略がからんでいたのでないかという点だ。
 詳しくは発売中の「週刊新潮」を読んでもらいたいが、驚くことに、少なくとも山口氏は記事の載った「週刊文春」発売の前後、山田重夫駐米公使(当時)ら政府の外交官に、記事のゲラや公文書のコピーをメールで送るなどのやりとりをしていたというのだ。「週刊新潮」が報じる山口氏と日本政府要人とのやりとりによれば、菅官房長官の会見や米国務省の広報官会見においてこの記事についての質問が出る手はずを整えていたことなどがわかる。
「週刊新潮」は〈安倍外交を援護したかったが故の共同作業〉と書いているが、つまり山口氏は、韓国の慰安婦問題に対抗したい安倍官邸の意向を汲んで記事をつくり、さらに記事を材料とした外交戦略についても政府とすり合わせていたとみられるのである。
 とすれば、こうした山口氏と安倍官邸とのベッタリの関係は、やはり詩織さんの事件にも少なからず影響していると考えるのが自然だろう。周知の通り、「週刊新潮」による詩織さんレイプ事件の取材の過程で、山口氏がメールで事件の対応を「北村さま」なる人物に相談していたことが明らかになっている。本人たちは否定しているが、この「北村さま」は、“官邸のアイヒマン”の異名をもつ北村滋内閣情報官のことと言われている。
「今売ってる週刊文春に僕の寄稿が掲載されているから読んでおいてね」
 詩織さんが東京で山口氏と会うことになる数日前、山口氏はメールでそう書いてきたという。奇しくも、山口氏が意識を失った彼女をレイプしたのは、今回「週刊新潮」が追及している韓国軍ベトナム人慰安所の記事が発表されたのと同じタイミングだった。
「私に起こったことは、あなたやあなたの大切な人に降りかかるかもしれないこと」
 詩織さんは『Black Box』のなかで、このように記している。
〈それでも、今の司法システムがこの事件を裁くことができないならば、ここに事件の経緯を明らかにし、広く社会で議論することこそが、世の中のためになると信じる。それが、私がこの本をいま刊行する、もっとも大きな理由だ。〉〈この本を読んで、あなたにも想像してほしい。いつ、どこで、私に起こったことが、あなたに、あるいはあなたの大切な人に降りかかってくるか、誰にも予想はできないのだ。〉
 山口氏は検察審査会の判断を盾に、メディアに対する法的措置までちらつかせ、完全な幕引きを図ろうとしているが、たとえ法で裁かれなくとも、真相が明らかにならない限り「事件」は決して終わらない。法も捜査当局も、国家権力そのものである。そこに近い人間ならば性暴力をふるっても守られ、一方の被害者が突き放されることなどあってはならないし、二度と、繰り返しさせてはいけないのだから。(編集部)


自民圧勝報道でも「モリ・カケ」の不安に怯える安倍首相
 まれに見るほどアップダウンの激しい、目の回るような選挙情勢の変転である。希望の党が彗星のごとく登場した直後には「自民、単独過半数割れか?」との観測が広がったが、その希望への民進党の解党的合流のゴタゴタが災いして、たちまち失速。今週月曜日の毎日新聞では「自民、最大300超も」という驚愕の予想まで飛び出した。
 残り数日間の最終盤でまた何かが勃発してちゃぶ台がひっくり返されるようなこともあるのかもしれないけれども、そんなことでもない限り、与党圧勝はまず間違いないだろう。
 安倍はさぞかし鼻高々で、さあいよいよ改憲発議にまっしぐらと張り切っているんでしょうね? と自民党のベテラン秘書氏に聞くと、意外な答えが返ってきた。「それが、そうでもないんだ」と。
 まず基本的に、安倍はこの政局に自信を持っておらず、むしろ怯えている。モリカケ疑惑は、彼の精神がほとんど壊れそうになるくらいの心労となっていて、それを今井尚哉秘書官ら取り巻きが「とにかく国会審議を開かないということで、何を言われてもカエルの面に何とかで突っ張り通しましょう。なあに、有権者なんて3カ月前のことは覚えていないんだから大丈夫ですよ」と言って尻を叩いているけれども、安倍は不安で仕方がない。
 改憲にしても、日本会議系の右翼シンクタンクの提言に従って、「9条1項2項は触らない、3項を付け加えて自衛隊の存在を明記する」という迂回路線を提起したものの、自民党本来の改憲派からは邪道だと批判され、公明党からも姑息だと顔をしかめられて、宙に浮いた形になっている。この案で自信を持って突き進むという心境になっていないというのである。
 自民党の中堅参院議員に聞いても、こう言っていた。
「多くの候補者が、菅官房長官や河野外相とのツーショットのポスターを張っていて、安倍とのポスターを出している人は少ない。選挙応援も、来なくてもいいと向こうから断られるケースが多いそうです。安倍本人も、ヤジを浴びせられるのが怖くて、遊説日程を明らかにしなかったり、直前に変更したり、コソコソと逃げ隠れしている。野党のバラバラという敵失によって結果的に自民党が勝つことになるのでしょうが、さあそれで『改憲まっしぐら』というほどの勢いにはならないだろう」
 自民大勝が必ずしも安倍1強更新につながらないという不思議な政局である。


中村文則が警鐘「この選挙は日本の決定的な岐路になる」このまま自公が圧勝すれば、安倍政権の横暴をすべて認めたことになってしまう
「ぜひ、あなたの声を聞かせてください」──テレビをつけると大量にオンエアされている自民党のCMでは、最後に安倍首相がこんな台詞を吐いている。よりにもよって自分に批判的な市民を「こんな人たち」と呼ぶあなたが言うか?と呆れ果ててしまうが、今回の選挙の争点は、とどのつまり「この男が総理大臣でいいのか」に尽きるだろう。
 そんななか、総理大臣としての安倍晋三という存在、そして「安倍現象」と呼ぶべき社会の変化についての鋭い論考が朝日新聞(10月6日朝刊)に掲載された。寄稿者は、『土の中の子供』で芥川賞を受賞し、今年8月発売で全体主義社会を描いた最新作『R帝国』(中央公論新社)も評判となっている作家の中村文則だ。
 中村はこれまでも安倍政権に対する危機感を表明してきた作家だが、今回も、冒頭解散を疑問視する声が高まってもそれを無視し、筋の通った説明もしない安倍首相について、中村は〈今回の解散は、ある意味首相らしいとも言える〉という。
〈首相はそもそも様々なことに対し、もう国民を納得させる必要をそれほど感じていないように見える。本当の説明をせず、押し通すことに、もう「慣れて」しまっているように見える。これは、とても危険なことだ〉
 そもそも安倍首相は「こんな人たち」発言からも顕著なように、自分を批判する層のことはハナから相手にしていない。しかし中村は、現在の安倍首相は「中間層」に対しても説明なく押し通しても大丈夫だと高を括っているのではないかと見る。それは、あれだけ多くの国民が反対していた安保法制を強行的に可決した翌年の参院選で自民党が勝利した、あの成功体験がもとになっているのではないか、というのだ。
 しかし、そうやって見くびられた結果、今回の選挙で安倍自民党がまた勝てば、どうなってしまうのか。中村はこう綴る。
〈現政権が勝利すれば、私達はこれまでの政権の全ての政治手法を認めたことになる。政権は何でもできるようになる。あれほどのことをしても、倒れなかった政権ならすさまじい。友人を優遇しても何をしても、関係者が「記憶にない」を連発し証拠を破棄し続ければよい。国民はその手法を「よし」としたのだから。私達は安倍政権をというより、このような「政治手法」を信任したことを歴史に刻むことになる〉
もし「蓮舫首相の森友・加計問題」だったとしても、安倍応援団は「全く問題ない」と言うのか
 内閣不支持率が支持率を上回っていながら、その要因であるさまざまな疑惑、強行政治、情報の隠蔽を、選挙によって是認してしまうことになる──。こんな馬鹿な話はないが、もうひとつ、重要なことを中村は指摘する。選挙の結果によって安倍首相が増長するという恐れだけが待っているわけではない、ということだ。
〈国会を見ていると、事実より隠蔽の、説明より突破の、共生より排他の強引な政治のように感じる。そしてそれらを、論というよりは感情によって支える人達が様々に擁護していく〉
 論より感情の人たちが安倍政権を支えている──それはどういうことなのか。たとえば中村は、森友・加計問題について「問題ない」と声高に叫ぶ安倍支持者は〈蓮舫議員の二重国籍問題を批判した人達はかなり被る〉と分析した上で、〈もしこれらが全て「蓮舫首相」がやったことだったらどうだろうか〉と問いかける。
〈蓮舫首相が獣医学部の規制に「ドリルで穴を開けた」結果、蓮舫首相の長年の親友の大学のみがその対象に選ばれたとしたら。果たして彼らは同じように「全く問題ない」と言うだろうか。少なくとも、ネット配信が盛んなあの保守系の新聞が、打って変わって「蓮舫首相の加計学園問題」を喜々として叩く様子が目に浮かぶ。ちなみに僕は無党派というのもあるが、もし「蓮舫首相」が同じことをしても絶対批判する。逆に安倍首相に蓮舫氏のような「二重国籍問題」があっても絶対批判しない。強い安倍政権支持は、もう論というより感情の世界に入り込んでいる危険がある〉
 こうした「論より感情」を安倍首相自身も煽っていることは周知の通りだ。事実、安倍首相がフェイクニュースやヘイトスピーチの温床となっているまとめサイトの記事にリンクを貼ったり、先日も『NEWS23』(TBS)での党首討論では、そうしたネット上で書き込まれていたネット右翼によるメディアへの言いがかりをそのまま司会の星浩キャスターにぶつけた(詳しくはhttp://lite-ra.com/2017/10/post-3502.html)。
 また、安倍首相の街頭演説の場では、批判的な人が掲げるプラカードは自民党関係者に取り囲まれて覆い隠される事例が起こる一方、「おい!TBS 偏向報道は犯罪なんだよ」「モリカケ疑惑は朝日のでっちあげ」などというプラカードは堂々と掲げられている。さらに、自民党ネットサポーターズクラブの総会でも、「従軍慰安婦像の辻元清美」のコラ画像を投稿してもいいか?という問いに、自民党ネットメディア局長・平将明衆院議員は「個人のご判断」などと回答。下劣な他党叩きの活動を、安倍自民党は暗に推奨しているのだ。ここに「論」などは見当たらない。
 しかし、こうして安倍首相の崇拝や排外的な思想から過激な言動に出る人間は全体からすると少ないだろうと思う人も多いはずだ。だが、問題は、日常の場面でも、この「論より感情」が広まりつつある、ということだろう。
「この選挙は日本の決定的な岐路になる」「いまを逃せば後戻りできなくなる」
 その一例に、中村は自身の体験を振り返っている。知人との会話のなかで憲法に話題が及んだ際、個別的自衛権と集団的自衛権の違いについてなどを語る中村に対し、その知人は〈面倒そうに説明を遮〉り、こう言ったのだという。「でもまあ色々あるんだろうけど、(憲法を変えないと戦争できないから)舐められるじゃん」。
〈「舐められるじゃん」。説明より、シンプルな感情が先に出てしまう空気。卵が先か鶏が先かじゃないけれど、これらの不穏な世相と今の政治はどこかリンクしているように思えてならない。時代の空気と政治は、往々にしてリンクしてしまうことがある。論が感情にかき消されていく〉
 このような考え方は、選挙で自民党が勝利し安倍政権が存続となれば、さらに加速していくだろうことは想像に難くない。独裁状態をつくり出すには、危機を演出して敵愾心を煽ることが重要だ。そうしたなかでは恐怖や不安が優先され、冷静で慎重な議論は求められない。
 そして中村は、こうした状況下での恐ろしい「近い将来」を予測する。
〈明治というより昭和の戦前・戦中の時代空気に対する懐古趣味もさらに現れてくるように思う。そもそも教育勅語を暗唱させていた幼稚園を、首相夫人は素晴らしい教育方針ともうすでに言っている〉
〈改憲のための様々な政治工作が溢れ、政府からの使者のようなコメンテーター達が今よりも乱立しテレビを席巻し、危機を煽る印象操作の中に私達の日常がおかれるように思えてならない。現状がさらに加速するのだとしたら、ネットの一部はより過激になり、さらにメディアは情けない者達から順番に委縮していき、多数の人々がそんな空気にうんざりし半径5メートルの幸福だけを見るようになって政治から距離を置けば、この国を動かすうねりは一部の熱狂的な者達に委ねられ、日本の社会の空気は未曽有の事態を迎える可能性がある〉
 この中村の予測は、確実に現実のものになるだろう。なぜなら実際にわたしたちは、もうすでにそのレールの上に安倍首相によって立たされているからだ。だが、中村はただ悲観するのではなく、だからこそわたしたちに訴えかける。選挙に行かなくてはならない、と。
〈この選挙は、日本の決定的な岐路になる。歴史には後戻りの効かなくなるポイントがあると言われるが、恐らく、それは今だと僕は思っている〉
 社会に蔓延る排外主義・全体主義の空気を嗅ぎわけ、的確な時評と極めて現実的な分析をおこなう中村のような作家の論考を、いまはまだ読むことができる。しかし、そうした自由さえも奪われかねない世界が、扉を開けて待っている。そうした世界を信任するのか、拒否するのか。それがこの選挙では問われている。(編集部)


「民進党の120億円」の行方は? 有田芳生議員らの見解
 イソップの寓話『欲張り犬』は、肉をくわえた犬が水面に映った自分の姿を見て「あの肉も取り上げてやろう」と欲をかき、吠えた拍子に川に落としてしまう。民進党の“遺産”をめぐる争奪戦は、そんな寓話を思わせる。
 政党助成金を積み立てて148億円の資金を貯め込んでいた民進党は、希望の党、立憲民主党、無所属に分かれて出馬した“元所属議員”や“元公認候補”たちに、「1人1500万円」を支給したとされる。
 それでも、党の金庫にはまだ120億円近いカネが残っている。この「民進党の遺産」を希望、立憲民主、無所属議員が奪い合うことになるのは間違いない。政治ジャーナリスト・角谷浩一氏が語る。
「民進党は候補者を立てていないだけで、解党はしていません。今も前原誠司氏が代表で、46人の参院議員も残っている。資金の配分は選挙後に話し合うことになるでしょうが、希望合流組と排除された立憲民主党組には感情的対立がある。
 前原氏や希望合流組は“議席数に応じた分配”を主張する可能性が高く、立憲民主党組がそれを認めるとは考えにくい。また、代表経験者である野田佳彦氏や岡田克也氏ら無所属出馬組は当選後に民進党に戻るつもりだといわれています。彼ら旧執行部組は“民進党の資金だから他の党には1円も渡さない”というでしょう」
 とても円満解決は望めそうにない。民進党の有田芳生・参院議員もこう言う。
「もはや前原代表の一存で勝手に決められる状況ではない。民進党の繰越金が希望の党に流れるなんて、まったく筋の通らない話です」
 ここで“前例”になるのが党分裂と内紛の末に2014年の総選挙前に解党したみんなの党のケースだ。残余金約8億2600万円を国庫に返したのである。
「資金分捕り合戦が始まれば自民党などから、『民進党は事実上消滅に等しいのだから政党交付金を国庫に返納せよ』といった議論が噴出、世論も“税金を返せ”と同調し、返納せざるを得なくなるという展開もあり得る」(角谷氏)
 欲張り政治家が吠え合い続ければ、最後は全てを失うことになる。


文科省 「男女共同参画」やめる? 担当課、名称消滅へ
 文部科学省が来年度の組織改編で、女性の社会進出を支援してきた男女共同参画学習課をなくし、新設する共生社会学習推進課に統合する。幹部は「より幅広い共生社会を目指す」と説明するが、「男女平等の社会が実現するまで存続させるべきだ」と反対の声が上がっている。
 文科省は生涯学習政策局を総合教育政策局に改めるのに伴い、男女共同参画学習課と、初等中等教育局で海外子女教育を担当してきた国際教育課などの業務を、新設する共生社会学習推進課に一元化する。
 男女共同参画学習課は1998年に前身の婦人教育課を改称して設置された。99年に成立した男女共同参画社会基本法に基づき、女性が学ぶ機会を増やすなどして社会進出を後押しする部署で、内閣府が男女共同参画局を発足させた2001年よりも早く、先駆的な存在だった。
 文科省は共生社会学習推進課の中に「男女共同参画学習室」を設けることも検討。幹部は「理念を変えるわけではない。新しい課では、性別にも国籍にもとらわれず共生できる社会を目指していく」と説明する。
 これに対し、学内のグローバル人材育成・男女共同参画推進本部長も務めるお茶の水女子大学の室伏きみ子学長は「男女平等の社会が実現していない中で看板を下ろすのは尚早だと思う。名称が変わると、教育における男女共同参画の視点まで失われてしまうのではないかと心配だ」と話している。【伊澤拓也】


NZ、9年ぶり政権交代へ 首相に37歳、TPP影響も
 【シドニー共同】ニュージーランド議会の総選挙で第3党となり、連立政権成立の鍵を握るポピュリスト政党ニュージーランド・ファースト党のピーターズ党首(72)は19日、第2党の野党で中道左派の労働党と連立を組むと発表した。これにより9年ぶりの政権交代が決まり、首相には労働党の女性党首ジャシンダ・アーダン氏(37)が就任する。同国で3人目の女性首相となる。
 労働党は環太平洋連携協定(TPP)見直しを主張し、ニュージーランド・ファースト党もTPPに反対の立場。政権交代で、日本などが早期発効を目指す交渉に影響する可能性がある。

ウルグアイのアサード/神戸ポートタワーの図

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Ayako de Tezuka aura son intégrale au Japon
par LiseF
En France, ce n'est qu'après la mort d'Osamu Tezuka que son oeuvre Ayako a été récompensée au Festival d'Angoulême en 2004 pour le prix du patrimoine. Pourtant, la série est une oeuvre majeure dans la carrière du mangaka, qui va d'ailleurs être mis à l'honneur avec une exposition dédiée à l'occasion du festival d'Angoulême 2018.
Ayako raconte de façon intimiste et bouleversante le Japon d'après-guerre.
Et les japonais vont pouvoir redécouvrir cette oeuvre en décembre, puisqu'elle va être ré-éditée en une intégrale de deux tomes, de plus de 700 pages au total chez Fukkan. Les lecteurs pourront y découvrir des pages couleurs, des galeries d'illustrations et des commentaires de l'auteur.
En France, c'est Delcourt qui a récupérée cette série, publiée en trois tomes. Croisons donc les doigts pour que l'éditeur récupère le projet et publie lui aussi ces deux jolies intégrales !
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ソノサキ 〜謎のナンパ塾を受講した先…彼女できる!?
世の中の気になるアレの知られざる“ソノサキ”をバナナマンが追跡!今回はネットなどで見かける怪しい講座を受講したソノサキ。『ナンパ塾』で学ぶと…彼女はできるのか!?
身近なモノや気になるアレの知られざる“ソノサキ”を大追跡し、バナナマンが笑い&感動と共に紹介する新番組! 今夜の大追跡は… ★怪しい講座を受講したソノサキ…『ナンパ塾』で本当に彼女はできるのか!? ★昔流行った喫茶店のおみくじ器…ソノサキを取材すると驚きの町工場に! ★『ソノサキ刑事』…県境に家を建てたら? 花火大会が中止になると? ★『ソノサキ観察カメラ』…あのベテラン芸人に内田理央が衝撃発言!? バナナマン(設楽統、日村勇紀) 内田理央・荻野由佳(NGT48)・澤部佑(ハライチ)☆番組ホームページ:http://www.tv-asahi.co.jp/sonosaki/

金子勝‏ @masaru_kaneko
【嘘つき社会】不正を働く企業の経営が苦しいわけではない。神戸製鋼は利益剰余金を3317億円もため込む(9頁)。https://goo.gl/k1b5Wa 日産自動車は利益剰余金を4兆100億円もため込んむ(7頁)。https://goo.gl/BWLvAp 社会が壊れてきた。


前から気になっている青いお店.エスニック風だけどよくわからない.いつも朝その前を通っていたのだけど,今日は偶然お昼過ぎにに通りかかりました.ちょっと勇気がいるけど,頑張ってランチを注文.アサードという肉料理.おいしいのだけど,どこの料理か見当がつきません.聞いてみたらウルグアイなのでした.
夕方神戸ポートタワーの図を描く準備をしました.今日は立体的なのではなくて平面的なもの.まあうまくできました.

福島の仮設 石巻で再利用
福島県で使われなくなった木造の仮設住宅を事務所として再利用しようと被災者の支援団体が石巻市で設置作業を始めました。
仮設住宅を再利用するのは石巻市を拠点に全国から寄付された自動車を被災者に利用してもらう活動を行っている「日本カーシェアリング協会」です。
18日はスタッフやボランティアなど15人が集まり、仮設住宅に使われていた木材を合わせて緩衝材を詰めたり、木づちでたたいたりしながら手際よく組み立てていました。
この仮設住宅は原発事故で避難した住民のために福島県内に整備され、入居者が退去したため使われなくなったもので、あらかじめ移築を想定して解体や組み立てがしやすく設計されています。
協会では防潮堤の建設によって事務所を移転するため、この仮設住宅を福島県から無償で譲り受けて利用するということです。
日本カーシェアリング協会の西條里美事務局長は「災害のたびに仮設住宅が建てられては壊されるという状況を繰り返さないために何ができるかを考えて再利用を決めました」と話していました。


追加の仮設住宅7戸 完成
九州北部豪雨で大きな被害を受けた朝倉市で追加の要請があった仮設住宅7戸が、18日完成しました。
新たに完成したのはいずれもすでに仮設住宅が設置されている▽朝倉市頓田の4戸と▽朝倉市宮野の3戸です。
福岡県では7月の九州北部豪雨で自宅が全壊するなどした被災者のために、▽朝倉市に78戸▽東峰村に22戸の仮設住宅を9月中旬までに建設し、100世帯207人の入居を終えています。
その後、朝倉市に対し、新たに7世帯14人から仮設住宅を追加で建設してほしいという申し出があり、市から要請を受けた県が9月20日から建設を進めてきました。
7世帯には19日、仮設住宅の鍵が手渡されます。
一方、朝倉市は、壊れた家屋の撤去費用について、これまでは「全壊」を除いて持ち主の負担としていましたが、今回、「大規模半壊」についても全壊した家屋と同様に、市が全ての費用を肩代わりすることを決めました。
対象となるのは、「大規模半壊」と判断された139の家屋のうち、公営住宅や国の補助を受けて応急の修理を終えた住宅を除く95の家屋で、11月から年末まで、申請を受け付けることにしています。


奇跡の一本松 再生衣装完成 東京のNPOお披露
 東日本大震災の津波に耐えた岩手県陸前高田市の「奇跡の一本松」の幹を原料に作ったショールやポンチョが完成し、地元で披露された。
 一本松の枝で木製の笛「コカリナ」を作って演奏活動をしているNPO法人日本コカリナ協会(東京)のメンバー約40人が16日、ショールをまとって「ふるさと」などを演奏。市に布の一部を贈呈した。
 衣装の製作は、コカリナ協会が大阪府の繊維メーカーに依頼した。一本松を保存処理するために幹をくりぬいて粉砕したチップから繊維をより上げ、長さ50メートル、幅1.2メートルの布計20本を作製。これを裁断、縫製して衣装にした。
 米ニューヨークのカーネギーホールで11月に開かれるコンサートで、コカリナ協会のメンバーや日本人学校の子どもら約250人が着用する。
 コカリナ協会長の黒坂黒太郎さん(68)は「チップの活用という夢がかなって感激。ニューヨークの人々にも被災者を励ました奇跡の一本松や布製作のことを伝えたい」と話した。


日本の岐路 財政立て直し こぞって後回しの無責任
 衆院選の各党公約は、いずれも歳出の膨張策を並べているのが特徴だ。財源が問われるが、与党は2019年の消費増税による税収の一部を借金返済に回さないと表明し、野党は増税自体に反対している。
 日本の財政は1000兆円超の借金を抱え、危機的状況にある。それなのに健全化はこぞって後回しだ。
 自民党は過去に公約した基礎的財政収支の20年度黒字化目標を削除した。社会保障や公共事業などの経費を借金に頼らずに賄えるかを示すが、安倍晋三首相は黒字化の前提となる消費増税の税収の一部を教育無償化などに充てると方針転換した。
 首相は「急速に少子高齢化が進む中、2兆円規模の政策を実施し大改革を成し遂げる」と語った。しかし、借金返済を減らすのなら、赤字国債の発行で賄うのと変わらない。
 少子高齢化を「国難」と呼び、政策の信を問うと衆院を解散したのは首相だ。それほど重くみているなら、今後生まれる世代につけ回しせず財源を確保する責任があるはずだ。
 しかも首相は、基礎的財政収支の20年度黒字化について「困難となる」と述べただけで、新たな目標時期も示さなかった。健全化の具体的道筋を示すのは与党の責務だ。放棄したと言われても仕方がない。
 野党はもっとあいまいだ。
 希望の党や立憲民主党、共産党なども教育無償化を打ち出したが、消費増税は凍結・中止を主張する。
 希望は基礎的財政収支の20年度黒字化を非現実的と指摘した。収支の改善は、経済活性化による税収増や歳出の見直しで図るという。
 ベーシックインカム(最低所得保障)導入や医療費などの負担軽減を羅列するが、ばらまきではないか。議員定数削減もうたうが、社会保障の財源不足を埋めるにはほど遠い。
 超高齢化社会に備えて財政の安定を図るため、消費増税と借金返済の枠組みを決めたのが12年の自民、公明、民主の3党合意だ。国家的課題で政争の具にしないとの理念に基づいていたが、ないがしろにされた。
 日銀の金融緩和で国債金利がほぼゼロになり、与野党とも財政への危機感がすっかり薄れてしまった。低金利に安住するのは、あまりに無責任だ。不人気でも必要な負担は逃げずに論じるのが政治の役割だ。


<衆院選>9条改憲論 平和の未来がかかる
 憲法施行七十年。その年の衆院選で改憲が争点となった。自民党の公約が九条への「自衛隊の明記」だ。九条改憲に真っ向から反対する政党もある。何が問題なのか、有権者はじっくり判断したい。
 改憲は自民党の安倍晋三総裁(首相)の宿願である。それでも同党の公約で六つの重点項目に「憲法改正」と堂々と掲げたのは、今回が初めてである。
 あえて民意を問い、改憲手続きに進みたいのだろう。改憲項目は緊急事態対応など四つあるが、「自衛隊の明記」は総裁自ら五月に語ったことでもある。
 だが、公明党は「意図は理解できないわけではないが、多くの国民は自衛隊の活動を支持しており、違憲の存在とは考えていない」と距離を置いている。希望の党も九条を含め改憲を進める考えだが、小池百合子代表は「自衛隊だけ取り出し、このような形で進めるのは大いに疑問」と語った。
 維新の改憲案はむしろ統治機構改革などが主だ。ただ九条も改憲のテーマに挙げる。日本のこころは自衛隊明記に賛成する。つまり改憲政党でも、九条へのスタンスには濃淡がある。
 これに対し、立憲民主党、社民党、共産党は「九条改憲反対」の立場だ。立憲民主の枝野幸男代表は「違憲の安全保障法制を追認する憲法改正には賛成できない」と語る。社民は「九条を死文化しようとしている」と護憲を訴える。共産党も「変えるべきは憲法ではなく、憲法をないがしろにした政治だ」という。
 自衛隊には従来、強固な政府見解がある。不意の侵入者への正当防衛、そのための戦力には至らない「自衛力」に基づく実力組織であり、合憲と説明されてきた。
 だが、今や集団的自衛権を行使できる存在だ。米軍などと一体となって行動できる。米軍はまぎれもない軍隊であり戦力である。一緒に行動する自衛隊が戦力でないといえるのか。そんな疑問が出てくる。つまり九条二項の戦力不保持と矛盾するのではないか。
 自衛権の範囲をめぐる論争が再燃するのは必至であろう。いずれ二項の削除の方向に議論が進む心配も出てくる。
 反対する野党にも注文がある。教条的にならず、国民に向けて、もっとわかりやすい言葉で、なぜ自衛隊の明記が許されないか語るべきであろう。平和国家の行く末のために有権者が判断しやすい論争をしてほしい。


[安倍政治]国会の監視機能高めよ
 衆院選は後半戦に入った。
 報道各社の情勢調査で共通しているのは、自民党が堅調に議席を伸ばしながら、安倍内閣の支持率で厳しい数字が出ていることだ。
 この乖(かい)離(り)をどうみたらいいのだろうか。
 小選挙区制では当選者は1人しか出ない。与党の自公が推す候補に対し、野党の候補が乱立しては票が分散し、勝利することは難しい。
 衆院解散前後に、民進党が分裂し、希望の党や立憲民主党が誕生した。合従連衡の末、「野党共闘」は一部にとどまり、政権の批判の受け皿が分散しているのである。
 自民党の議席予測と内閣支持率の齟齬(そご)は、「安倍1強政治」に対する批判である。
 それは今回の衆院解散の在り方が象徴している。野党が憲法に基づき要求した臨時国会召集を3カ月間もたなざらしした揚げ句の冒頭解散である。所信表明演説も代表質問もなかった。
 「共謀罪」法の審議では参院法務委員会の採決をすっ飛ばす「中間報告」という禁じ手を使って本会議で採決を強行した。
 国有地が格安で払い下げられた森友学園問題、獣医学部新設が事実上1校だけに認められた加計(かけ)学園問題は、いずれも安倍晋三首相や昭恵夫人に近い人が関わっており、行政の公平性や公正性がゆがめられた疑いが消えていない。
 加計学園の理事長は国会で一度も説明したことがない。国会招致も、関係省庁の情報公開も、安倍首相が指示すれば済むことだ。
 国会軽視というほかない。
■    ■
 小選挙区制が抱える根本的な弊害もある。民意を正確に反映しないことである。
 前回2014年12月の総選挙で、自民党の小選挙区における得票率は約48%だったにもかかわらず、議席占有率は約76%に上った。
 選挙時にはアベノミクスなど経済問題に重点を置き、選挙が終わるや、数を頼みに国論を二分するような法案を強引に通すのが安倍首相のやり方だ。
 特定秘密保護法、安全保障関連法、「共謀罪」法しかりである。今度は憲法改正に向けた議論を加速するだろう。
 安倍首相は今回の不意打ちのような解散総選挙を消費増税の使い道の変更と、北朝鮮情勢への対応を挙げ、「国難突破解散」と位置付けた。
 消費税の使途や北朝鮮情勢が「国難」というのであれば、国会で熟議を尽くすのが筋である。取って付けたような理由と言わざるを得ない。
■    ■
 安倍政権で行政府が肥大化し、国会は三権分立によるチェック・アンド・バランスの機能を失いつつある。
 行政府の「暴走」を止めるには、与野党を問わず監視機能の強化が必要だ。だが、小選挙区制の下、首相(総裁)の権限が強まっている。異論は排除され、自民党内でも活発な議論が失われている。
 国会が行政府を監視する機能を回復させることが何よりも重要だ。私たち有権者も試されていることを忘れてはならない。


[2017衆院選]憲法改正 なぜ必要か十分議論を
 これまで緊急事態条項の創設などがポイントだった憲法改正論議で、9条改正がにわかに焦点に浮上している。安倍晋三首相(自民党総裁)が今年5月、2020年の施行目標を示した上で、戦争放棄を規定した9条1項と、戦力不保持などを定めた同2項を残したまま、自衛隊の存在を書き込む項を追加する改憲案を提起し、衆院選でも公約として掲げたためだ。
 憲法改正に前向きな改憲勢力とされる希望の党と日本維新の会は9条改正に前向きだ。ただし、希望は自衛隊の明記について「国民の理解が得られるかどうか見極めた上で判断する」と慎重な構えで、小池百合子代表は「(自衛隊明記で)防衛省と自衛隊の関係が逆転してしまう。大いに疑問がある」との見解を示す。
 共産、立憲民主、社民各党の護憲勢力は「9条の改悪」と反対し、安倍政権との対決姿勢を鮮明にしている。安全保障関連法の廃止を求めてきた民進党出身で立憲民主代表の枝野幸男氏は「自衛隊明記は、憲法違反の安保法制を追認するもので賛成できない」と猛反発している。
 9条への自衛隊明記は、自民党内でほとんど議論されたことがなく、安倍首相の提起は与党議員にとっても寝耳に水だった。これまで積み上げてきた党内での議論や、衆参両院の憲法審査会での議論が無視された格好であり、首相の独断専行に党内にも戸惑いや動揺が広がったほどだ。
 自民党は12年に党改憲草案を発表している。9条改正については、自衛権の発動を妨げないように規定し、自衛隊を国防軍とすることを柱に据えていた。突如浮上した自衛隊明記については党内での議論が深まっておらず、9条2項の戦力不保持との整合性に疑問を呈する声もある。
 首相は「自衛隊が違憲だという認識を変えなくてはならない」などと狙いを説明しているが、街頭演説などでは改憲内容について語っていない。議論が全く深まらない中、自衛隊明記を公約化した姿勢には疑問を持たざるを得ない。9条に自衛隊をなぜ明記しなくてはならないのか。9条2項との整合性はどう取るのか。首相は有権者と真摯(しんし)に向き合い、説明を尽くす必要がある。
 憲法前文と9条が示す「平和主義」は、今後も守るべき国の基本理念だ。一方、憲法施行から70年がたつことを踏まえ、社会の変化に合わせて適宜改正すべきとの意見も少なくない。「国民の知る権利の明確化」「教育の無償化」「首相の衆院解散権の制約」など他党も改憲の具体的な項目を掲げているが、その必要性を明示してもらいたい。
 憲法は国の形を決める原則である。その改正を巡って、議論が十分に行われなかったということだけは避けなければならない。与野党問わず活発な議論が求められる。


衆院選に問う 憲法論戦 ごまかし許さぬ目を
 憲法の行方が懸かる論戦がこれか、こんな粗雑な議論で憲法のこれからが方向づけられてしまうのか―。
 もどかしさが募る選挙戦である。
 自民党が初めて改憲を公約の柱に据えて臨んでいる。それなのに自民も、連立与党の公明党、野党の希望の党も、憲法についての公約は継ぎはぎだらけ。責任ある姿勢から遠い。
 選挙のあと結果が勝手に解釈され、改憲論議が国民の意思と懸け離れた方向に進まないか心配だ。
   <首相の説明不足>
 いちばんの責任は安倍晋三首相にある。目指す改憲項目を国会発議の要件緩和から緊急事態条項、教育無償化と変えてきた。改憲を自己目的にしていると言われても仕方ないやり方だ。
 そしてこの選挙では自民公約に▽自衛隊明記▽教育無償化▽緊急事態対応▽参院の合区解消―を盛り込んでいる。
 首相は5月の憲法記念日には戦争放棄の9条1項と、戦力不保持、交戦権否認の同2項はそのまま残し、自衛隊を9条に書き込む考え方を打ち出していた。自衛隊明記は戦力不保持と矛盾しないのか、説明はなかった。国会で問われると、首相と党総裁の立場を使い分けてはぐらかした。
 教育無償化も合区解消も憲法を変えなくてもできる。緊急事態条項は国民の権利を制約する。疑問だらけの4項目である。
 そもそも自民の公式の改憲案は今でも2012年にまとめた草案である。そこには「国防軍」保持が盛り込まれている。自衛隊明記とは隔たりがある。草案を脇に置いて4項目を掲げるのは政党として無責任すぎる。
   <置き去りの心配>
 公明の対応も分かりにくい。自衛隊明記について公約には「理解できないわけではないが、国民は自衛隊を憲法違反とは考えていない」とある。選挙のあと、首相が進める改憲論議にどう向き合うのか、これでは判断できない。
 希望は公約では「9条を含め改正論議を進める」とうたっている。小池百合子代表は公約発表の記者会見では「希望の党の存在が、憲法改正の大きなうねりをつくる役目を果たす」と述べた。ただしどの方向に向けた論議をするのかあいまいだ。
 02年の衆院本会議。小池氏は当時所属していた保守党を代表してこんな質問をしている。
 「わが国は…平和憲法を口実とし、日米安保をお守りとして国家の安全保障や防衛問題から目をそらしてきた。…これが制度面のみならず、国民の心の面でも…さまざまな問題を生み出している」
 その発想は、いまの憲法を「みっともない」とけなし「日本人の精神に悪い影響を及ぼしている」と述べる首相と似ている。
 選挙後の自民との関係について小池氏は明言を避けている。仮に改憲問題で自民と組むようなことになれば、改憲に慎重な国民世論が置き去りにされかねない。
 共同通信の世論調査では安倍首相の下での改憲に半数以上が反対している。希望が自民と協力することはないのか、小池氏は有権者に説明すべきだ。
 立憲民主党は公約で、首相による衆院解散権の制約など立憲主義を前面に押し出している。同党は安倍政権下での改憲論議に応じないとした民進党の姿勢を継承してもいる。共産党、社民党は明快に改憲反対の立場だ。
 こうした慎重論、反対論が有権者にどこまで浸透するかは選挙の行方を決める要素になる。
 日本維新の会は公約に改憲による教育無償化を盛り込んでいる。財源は国会議員定数、歳費の3割削減や国・地方公務員総人件費の2割削減で捻出するとしている。
   <重みかみしめて>
 財源を本当に定数や歳費の削減でまかなえるのか、無償化になぜ改憲が必要なのか。維新の公約にも疑問は多い。
 選挙が終わると改憲論議の場は衆参の憲法審査会に移る。審査会での立ち位置について、各党は国民に明らかにすべきだ。
 改憲の中身の前に問わねばならないことがある。
 首相は、集団的自衛権の行使は憲法上許されないとする歴代内閣の憲法解釈を一方的に変更して行使に道を開き、安保関連法を成立させた。憲法に基づく野党の国会召集要求を無視し続けた揚げ句、臨時国会冒頭で解散した。憲法秩序の軽視があらわだ。
 選挙はこうした姿勢に有権者が審判を下す場でもある。
 憲法は国と社会の在り方を決定づける。戦後の日本は平和憲法の下、軍事的価値に重きを置かない社会を築いてきた。9条が改定されれば日本社会のありようも大きく変わるだろう。
 継ぎはぎとごまかしの改憲論議では将来を誤る。有権者はこの選挙の重みをもう一度かみしめて論戦に目を凝らそう。


衆院選・安全保障と憲法/国民に判断を求めるべきだ
 衆院選は終盤の戦いに入った。安倍晋三首相がこれまでの街頭演説で強調するのは、少子化とともに「国難」と位置付けた北朝鮮の脅威だ。北朝鮮に対して、もしも米軍が軍事的行動を取れば、米軍と自衛隊との一体運用を進める安全保障関連法によって自衛隊がその行動に関与する可能性が指摘される。
 その安全保障政策の根幹にあるのが「平和主義」を基本理念に掲げる憲法だ。北朝鮮の脅威を訴えるのであれば、首相は密接に関連する憲法改正への考えも明確に説明すべきだ。当面の北朝鮮対応を中心とする安保政策と憲法の議論の両方を併せて各党の主張を冷静に見極め、日本の針路を託す選択をしたい。
 首相は演説で「この選挙は北朝鮮の脅威に対して、いかに国民の命と幸せな暮らしを守り抜くのかを問う選挙だ」と強調、「北朝鮮の政策を変えさせるために、圧力をかけていかなければならない」と主張する。
 公明党の山口那津男代表も「リアルな北朝鮮の危機に立ち向かう姿勢のない野党に、日本を任せるわけにはいかない」と訴える。
 これに対して、希望の党の小池百合子代表は「リアルな安全保障論をきっちりと議論する」と語り、日本維新の会は公約で「断固たる措置を実施する」としている。今回の選挙戦は「3極」対立の構図とされるが、安保政策では希望、維新両党は与党に近いと言えよう。
 一方、共産党の志位和夫委員長は「経済制裁の強化と一体に、対話による平和的解決を図るのが唯一の方法だ」と主張、社民党の吉田忠智党首も対話による解決を訴えているが、対話の道筋については具体的な主張は示しにくいようだ。
 首相が北朝鮮の脅威を強調するのは、脅威を恐れる有権者は安定した政治を求め、選挙では政権維持に有利に働くとの判断があるのかもしれない。しかし対外的な危機で国民の支持を得ようとする手法には疑問がある。世論は時に熱しやすくなる。国民にきちんと情報を示した上で、冷静な判断を求めるべきだ。
 首相がなぜ演説で改憲を訴えないのかも疑問だ。自民党は公約の重点項目に、自衛隊の明記や教育無償化など4項目を挙げ「初めての改憲を目指す」と明記した。
 首相は民放番組で「国会は改憲を発議するだけで、決めるのは国民投票だ」と述べた。改憲は衆院選で賛否を問われる争点ではないとの考えを示したのだろう。
 だが国会に発議権があるのは、国民投票の前に国会議員がしっかりと議論するよう求めているからだ。国会の勢力を競う選挙で改憲への考えを明確に説明するのは当然の責務だろう。
 これまでの論戦で、各党の憲法に対する主張の違いは鮮明になっている。小池氏は改憲論議に前向きな姿勢を示し、維新の松井一郎代表は「安倍政権下では改憲論議をしないというのは幼稚だ」と野党を批判。日本のこころの中野正志代表は自主憲法制定を主張する。
 立憲民主は9条改正に反対。共産、社民両党は改憲自体に反対を主張する。国の基本理念という重要なテーマである。首相も堂々と持論を訴え、論戦を深めるべきだ。


教育無償化 格差解消へ実効性ある論議必要
 与野党各党がこぞって公約で教育の無償化や負担軽減をうたっている。今回の衆院選の特色の一つと言えるだろう。誰もが安心して子育てし、平等に教育を受けられる。そんな社会を目指すことに全く異論はない。
 しかし、これほどまでに教育の負担軽減で各党の意見がそろっているなら、なぜ国会で論議し、実現しなかったのか。課題を突き詰めて、財源を掘り起こし、今後どう実現するのか具体策を明らかにしない限り、選挙のための単なるリップサービスで終わりかねない。
 安倍晋三首相は衆院解散の理由を、2019年予定の消費税増税の使途を変更して教育無償化に充てるため、国民に是非を問うと唐突に説明。野党各党も競うように無償化を公約に盛り込んだ。政府与党で議論はほとんどされておらず、解散の口実は明らかだが、野党も慌てて土俵に飛び乗った感が否めない。
 自民党は20年度までに幼稚園と保育所の費用を無償化する方針を打ち出した。低所得世帯の0〜2歳児と全ての3〜5歳児を対象にする。政府の試算では約8700億円かかるという。従来は借金の返済に充てるはずだった財源を回すため、結局は子どもの未来にツケを回す。民主党政権時代、子ども手当や高校無償化の実施に「ばらまき」だと反対した。どう違うのか、納得のいく説明が聞きたい。
 公明党は自民よりさらに対象を拡大。19年までに0〜5歳児全てを無料にするという。
 一方、希望の党は消費税増税を凍結してなお、幼児教育・保育を無償化する。共産党、日本維新の会、社民党も同様だが、代わりの財源をどう確保するのか言及しないままでは、無責任と言わざるを得ない。
 保育料を無償にすると、利用者が増える可能性がある。今でも待機児童は約2万6千人。不足する保育所や保育士への対策を先にしない限り、立ちゆかないのは明白だ。立憲民主党は保育士の待遇改善を掲げる。財源を含めた具体策を求めたい。
 各党は、所得制限の有無は別にして、高校授業料の無償化や大学の奨学金拡充でも足並みをそろえた。ただ、一律の無償化は高所得世帯が浮いたお金を塾代などに回すなど、かえって格差を助長しかねない。深刻化する貧困と格差問題の解決には、給食費や修学旅行費用の支援など他にもすべきことは多い。
 気になるのは、自民が教育無償化を改憲の柱の一つと主張していることだ。維新も同様の訴えだが、法律で十分対応でき、憲法を変える必要性はない。誰もが反対しにくい政策を目くらましに、9条改憲の突破口に利用する思惑なら、強く異議を唱える。
 教育費の負担軽減について、これほど焦点が当たったのは、所得による教育格差が深刻なことの証左でもある。選挙後も各党が公約を忘れずに政策の実現を目指すため、実効性のある議論を深めなければならない。


地域と原発 住民の不安に応えてこそ
 ■2017衆院選■
 原発の位置付けを含めた将来のエネルギー政策は衆院選の大きな争点の一つとなっている。とりわけ原発が立地する自治体やその周辺地域では、避難計画や再稼働の地元同意を巡る不安や懸念が根強い。各政党は「地域と原発」の視点から、関係住民らの声に耳を傾け、政策を競い合ってほしい。
 東京電力福島第1原発の事故で被害は原発立地の自治体を越えて広範囲に及んだ。これを機に「原発の地元」という意識は立地自治体の周辺にも広がってきた。
 九州では原子力規制委員会の新規制基準に適合した九州電力川内原発1号機(鹿児島県薩摩川内市)が全国の先陣を切って2015年8月に再稼働した。続く2号機の再稼働は10月だった。
 九電玄海原発3、4号機(佐賀県玄海町)も来年1〜3月に再稼働する見通しだ。緊急防護措置区域(UPZ)の30キロ圏内には福岡、長崎両県を含む3県8市町が入り、多くの離島も含まれる。避難計画の対象は計26万人を超す。
 的山大島(長崎県平戸市)は人口約1100人のUPZ内にある離島だ。9月にあった国の原子力総合防災訓練では海上保安部の巡視艇を使う予定だった。ところが海難事故の対応で参加できなくなり、急きょ民間船をチャーターしたという。避難に必要な船舶が十分確保できるのか課題を残した。
 再稼働の手続きを巡っても国や九電に不信感を募らせる住民は少なくない。同意対象を原発立地の県と市町村に事実上限定しているためだ。国や電力会社は、再稼働へのハードルが高まる対象の拡大には否定的とされる。
 こうした状況にもかかわらず、再稼働への動きは着々と進む。
 UPZ内自治体のうち4市が反対姿勢を示している中、立地自治体の玄海町と佐賀県は再稼働に同意した。「地元」の範囲をどう設定すべきか。「合意」の手続きは現状のままでいいのか。地域住民の声も踏まえて、各党は活発な論戦を繰り広げてほしい。


[原発政策] 正面から論議深めたい
 衆院選の主要な争点に浮上すると思われた原子力政策の論戦が、なかなか深まらない。
 安倍晋三首相は「原発依存の可能な限りの低減」を事あるごとに口にしながら、原発再稼働に前のめりだ。だが、街頭演説などでは触れようとしない。
 「2030年の原発ゼロ」を掲げた希望の党代表の小池百合子東京都知事も、九州電力川内原発が立地する薩摩川内市で街頭演説しながら、原発に言及しなかった。
 今回の衆院選は、原発回帰を進める安倍政権の是非を問うという捉え方もできよう。
 エネルギー政策に原発をどう位置付けるか。各党、各候補は正面から原発政策を語り、有権者に判断材料を提供すべきだ。
 11年の東京電力福島第1原発事故で、日本の原発を取り巻く状況は一変した。安全性への信頼は失墜し、当時の民主党政権は原発ゼロ政策を打ち出した。
 ところが、政権奪還後の安倍政権は14年、原発を基幹電源とするエネルギー基本計画を閣議決定する。30年度に原発の発電比率を20〜22%とする目標も決めた。
 希望の党が原発ゼロを主張したのは、時計の針を事故前に戻そうとするような政権に反発する有権者の声を意識したからだろう。
 立憲民主党は「一日も早く原発ゼロ」と訴え、共産党、社民党とともに脱原発で足並みをそろえる。公明党も公約に「原発ゼロを目指す」と明記している。
 これに対し、自民党はあくまでも再稼働を進める方針だ。温室効果ガス削減にも不利だとして、脱原発は現実的でないとの立場だ。
 ただ、各党とも目標実現に向けた道筋は見えない。
 政権が掲げる30年度の原発割合を達成するには約30基の運転が必要とされるが、川内1、2号機など5基しか再稼働できていない。
 日本世論調査会が9月に行った調査では、63%が原発再稼働に反対だった。根強い反対の世論の中、いかに再稼働を進めるのか。さらに将来、新設や建て替えが必要になるならそれをどう実現していくのかも含めて語るべきだ。
 脱原発を掲げる各党も、原発に依存せずに安定供給と温室効果ガス削減をどう両立するのか。太陽光など代替エネルギーに移行する実現可能な工程表を示さなければ説得力はない。人気取りのスローガンに終わらせてはならない。
 資源の乏しい日本にとってエネルギーは死活問題だ。各党は具体的な戦略を示す責務がある。


原発政策 現実的な道筋示し論じよ
 東京電力福島第1原発事故から6年半が過ぎた。世界最悪レベルの事故を経験したわが国が、将来にわたって原発を使い続けるのか、否か。今回の衆院選で主要な争点の一つになっている。
 福島県では今なお、5万人超が県内外で避難生活を続けている。いまだに詳細な事故原因は解明されず、廃炉などの事故対応費用は約22兆円に膨らんでいる。衆院選の公示日には、原発事故の被災者が国と東電に損害賠償などを求めた訴訟で、福島地裁が国と東電は津波被害を予見できたのに対策を怠ったとする厳しい判決を出した。
 原発の再稼働に前のめりな安倍政権に対し、主要な野党は原発ゼロを訴えて対決姿勢を鮮明にしている。事故の教訓にあらためて向き合い、論戦を深めてもらいたい。
 自民党は公約で原発を「ベースロード電源」と位置づけ、原子力規制委員会が新基準に適合すると認めれば地元同意を得て再稼働を進めるとする。2014年に策定した政府のエネルギー基本計画では、原発でつくる電気の割合を30年度に全体の20〜22%にする目標を掲げる。
 だが、この目標はすでに実現性が低いと指摘されている。実現するためには30年度に約30基の運転が必要とされるが、これまでに再稼働したのは5基にとどまる。世論調査では再稼働に反対する国民が多い。新潟県のように再稼働に慎重な知事が就任し、規制委の審査に合格しても、地元同意のめどが立たない状況も生じている。
 30年度までには既存の原発の多くで老朽化が進む。運転開始から40年を超す原発の運転延長だけでなく、新増設が必要とされるが、国民の批判を避けるためか、そうした議論は先送りにされてきた。
 自民党と連立政権を組む公明党は公約で「新設を認めず、原発に依存しない社会・原発ゼロを目指す」としており、自民党とは違いがある。与党内でどうすり合わせるのか。さらに30年度以降の原発比率や新増設はどうするのか。与党は説明するべきだ。
 一方、希望の党、共産党、立憲民主党、社民党は実現時期に違いはあるが「原発ゼロ」を訴える。日本維新の会は「電力自由化の促進で原発はフェードアウト」とする。各党は代替電源の確保策を含め、原発ゼロに向けた道筋をより具体的に示してほしい。
 福島の事故後にドイツや台湾、韓国などが脱原発を打ち出す決断をした。地球温暖化防止の国際的な枠組み「パリ協定」を機に、太陽光など再生可能エネルギーの拡大に多くの国が力を入れる中、日本は確実に後れを取っている。さらに原発の賛否にかかわらず、避けて通れないのは高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の処理である。最終処分地のめどは立っていない。
 エネルギー政策の再構築は急務だ。与野党の現実的な政策論争が求められる。


【2017衆院選 エネルギー政策】原発の行方を決定付ける
 東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働審査で、原子力規制委員会が事実上の合格を出した。
 福島第1原発事故の責任企業である東電に、事故後初めて再稼働を認めたことになる。福島第1原発と同じ沸騰水型炉にゴーサインを出したのも初めてだ。
 実際の再稼働には地元同意が必要なため、運転の開始はなお見通せないが、日本の「原発回帰」の強い流れを改めて感じさせる。
 今回の衆院選は、日本のエネルギー政策、特に原発の行方を決定付ける選挙になる可能性がある。
 安倍政権は2014年に見直したエネルギー基本計画で、「原発依存度を可能な限り低減する」としながら、原子力は「重要なベースロード電源」と位置付けた。
 翌15年には30年度の電源構成比率を決め、原発は現在の数%から「20〜22%」にするとした。
 基本計画はおおむね3年ごとに策定される。経済産業省は次期計画の策定作業に入っているが、世耕経産相は骨格を変えない方針だ。
 20%以上の電源構成比率を実現するには、全国で停止している原発を再稼働するだけでは足りない。原則40年の運転期間期限を迎えた原発を延命して使うか、新たに建設する必要がある。
 既に老朽原発3基が20年間の延長審査に合格している。原発事故を教訓に設けられた期間制限を形骸化させるものだ。原発依存の「低減」に逆行すると言わざるを得ない。
 主要な野党は、解散後に発足した二つの新党を含め、原発ゼロの方向でほぼ一致している。自民党との対決姿勢を強めており、衆院選の大きな争点になりそうだ。
 脱原発の実現は、原発事故の惨劇を体験した多くの国民の切なる願いと言ってよい。
 各党の政策はそれにどれだけ応えられるのか。国民は厳しく見極め、選択する必要がある。選挙戦で、各党は分かりやすく、丁寧に説明してほしい。
 問われているのは原発の行方だけではない。地球温暖化の防止、低炭素社会の実現を目指し、国際社会のエネルギー政策は大きく変わろうとしている。
 15年には、今世紀後半に実質的に温室効果ガスの排出量をゼロにすることを目標にパリ協定が結ばれた。多くの先進国が、温室効果ガスの排出量が多い化石燃料