フランス語の勉強?

décembre 2017

再び生卵とキムチ/洗車/おもちゃでヘトヘト

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冠岳から171203

L'année 2017 vue de Google Trends
Adrien Gaboulaud
L'outil Trends de Google permet de dresser un bilan original de l'année à travers les recherches effectuées en France. Voici une sélection -subjective- des résultats marquants de 2017.
Nous ne dresserons pas ici la liste des requêtes les plus caractéristiques de l'année 2017 en France sur les différents outils de Google : le Google News Lab s'en est déjà chargé ici et révèle quelques curiosités, comme par exemple le fait que la définition la plus cherchée en 2017 par rapport à 2016 a été celle d'≪oligarchie≫, un mot au coeur de la campagne présidentielle; ou encore, la percée de la tartiflette parmi les recettes les plus recherchées.
En revanche, nous avons choisi d'utiliser Google Trends pour suivre l'évolution durant l'année des requêtes autour d'un mot ou d'une expression qui nous paraît avoir marqué 2017.
Google Trends permet de représenter dans le temps l’évolution de l'intérêt pour un mot-clé en quantifiant le volume de requêtes dans les moteurs de recherche de Google, Google News et YouTube. L’indice 100 représente le volume maximal des recherches sur un sujet au cours d’une période et dans une zone géographique. Les données utilisées sont calculées à partir d’un échantillon représentatif de l’ensemble des recherches effectuées en France.
Voici la liste des mots-clés que nous avons testés en ce dernier jour de l'année.
Johnny Hallyday. Le chanteur, disparu le 6 décembre dernier, écrase absolument le classement de Google Trends. Le graphique ci-dessous montre que le pic d'intérêt est, logiquement, survenu la semaine de son décès.
François Fillon. Le candidat Les Républicains à la présidentielle a connu une campagne cauchemardesque suite aux révélations sur les emplois de son épouse Penelope. Le pic de requêtes est atteint selon les données de Trends entre le 5 et le 11 février. Après les révélations du ≪Canard Enchaîné≫ et d'≪Envoyé Spécial≫, le candidat présente cette semaine-là ses ≪excuses≫ aux Français.
Panda.
La naissance d'un bébé panda au zoo de Beauval, le 4 août, est associée à un pic de requête dans Google pour ce mot-clé. L'animal ne recevra son nom -Yuan Meng- que début décembre, à l'occasion d'une visite de la première dame, Brigitte Macron.
L'incertitude de l'élection présidentielle a dopé l'intérêt pour la requête "sondage" avant le premier tour
Sondage. L'intérêt des Français pour les sondages est allé croissant, si l'on en croit les données de Google Trends. Le pic est atteint à la veille du premier tour de la présidentielle. Il est vrai que l'incertitude était très forte quant à l'ordre d'arrivée des quatre favoris : Emmanuel Macron, Marine Le Pen, François Fillon et Jean-Luc Mélenchon. Dans ≪La présidentielle en temps réel≫, le sondage quotidien Ifop-Fiducial pour Paris Match, six points seulement séparaient le premier (Macron) du quatrième (Mélenchon). Le duel de second tour Macron-Le Pen suscitera moins d'intérêt pour la requête ≪sondage≫.
Wonder Woman et Star Wars. La domination de ≪Star Wars≫ est presque incontestée dans les résultats de Trends. Le huitième épisode de la saga, ≪Les derniers jedi≫, a entretenu le suspense jusqu'à sa sortie en décembre. Néanmoins, l'intérêt pour l'autre blockbuster de l'année, ≪Wonder Woman≫, a dépassé, au moment de sa sortie le 7 juin, les aventures galactiques inventées par George Lucas.
Anthony Scaramucci. L'éphémère responsable de la communication de la Maison blanche n'est pas un personnage essentiel dans l'incroyable feuilleton de l'administration Trump. Son passage éclair dans l'équipe du président des Etats-Unis est néanmoins bien illustré par les données de Trends : dix jours après sa nomination, il est écarté après avoir proféré des bordées d'injures à l'encontre de ses collègues. Les requêtes sur son nom atteignent alors leur apogée, avant de sombrer.
Neymar. L'arrivée du joueur brésilien au PSG est l'un des événements sportifs de l'année. Selon le classement de Google Trends, l'attaquant est le sportif qui a le plus percé dans les requêtes en 2017, devant Kylian Mbappé, son co-équipier du club parisien. Le pic a été atteint entre le 30 juillet et le 5 août lorsque, après des semaines de rumeurs, l'annonce officielle du recrutement a été faite par le club, le 3 août.
Fainéants. Il aura suffit d'une mention par Emmanuel Macron, au détour d'un discours devant la communauté française d'Athènes, pour que les requêtes pour le mot ≪fainéants≫ explosent, début septembre. Selon les données collectées par ≪Le Poids des mots≫, qui analyse les discours présidentiels, le mot ne revient ensuite qu'à une reprise dans la bouche d'Emmanuel Macron : le 15 octobre, sur TF1. ≪Les mots de "cyniques" et de "fainéants" sont d'un registre ou normal ou soutenu≫, assume-t-il à cette occasion.
Ouragan. Le passage dévastateur de l'ouragan Irma, notamment à Saint-Martin et Saint-Barthélemy, a eu un impact visible dans Google Trends : le pic de requêtes est atteint entre le 3 et le 9 septembre, lorsque l'inquiétude est maximale.
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鶴瓶の家族に乾杯「幸せをありがとう 20周年SP 名場面を一挙放送」

「鶴瓶の家族に乾杯」20周年スペシャル。ゲストは美輪明宏さん。20年間の笑いあり、涙ありの素敵な出会いの数々を今夜一挙公開。出会った方のその後も徹底取材。小さかったあの子は今…。鶴瓶をしのぐ個性あふれる人たちとの出会いや元気いっぱいのお年寄りや子供たち、大家族との出会いなど、選(え)りすぐりの名・珍場面をお送りします。 美輪明宏, 笑福亭鶴瓶,小野文惠, 久米明,常盤貴子
兵頭正俊 @hyodo_masatoshi
世界が関心をもったのは、ただの「準強姦」ではなく、〇蓋敬之が安倍晋三のオトモダチであり、中村格(いたる)によってもみ消され、その中村が出世し、ぅ瓮妊アが権力を怖がって採り上げない、ということでしょう。日本は司法とメディアが中世のままです。

部屋に残されることになって,お昼は再び生卵とキムチです.生卵が意外においしく満足.
そのあと洗車+買い物.
おもちゃでヘトヘトになった・・・というので怒られてしまいました.反省.
夜は筑前煮みたいなのと梅酒.

再建店舗で初めての年越しそば
震災から6年余りを経て、平成29年にようやく再建した南三陸町のそば店が、大みそかの31日、年越しそばを求める人たちでにぎわいました。
南三陸町の「そば処京極」は、昭和3年の創業以来、90年近くにわたり地元に親しまれているそば店です。
東日本大震災の津波で店を流されたあと、町の仮設商店街で営業を続けてきましたが、平成29年4月、高台の住宅地に店を再建しました。
初めての大みそかを迎えた店では、午前11時の開店とともに近所の人たちなどが次々と訪れ、真新しい店内でおいしそうに年越しそばを味わっていました。
また、自宅で味わおうと持ち帰り用のそばやつゆを買い求める人もいました。
岩手県から訪れた女性は、「仮設商店街にあったときから好きになって通っていたので、ここで年越しそばを食べようと決めていました。来年もみんな健康でよい年にしたいです」と話していました。
店主の京極雅弘さんは「ようやく再建した店で年越しを迎えられて、とてもうれしいです。お客さんの中にも自宅を再建された方が多いと思うので、新しい家でも年越しそばを味わってもらいたいです」と話していました。


震災から7度目の大みそか 幸せ願う灯温か
 東日本大震災、東京電力福島第1原発事故から7度目の大みそかを迎えた。
 年の瀬の夕刻、仙台市のビル街を離れ、津波で被災し復興事業が進む名取市の閖上地区を歩いた。
 海を望む高台に、今年完成した集合型の災害公営住宅が5棟並ぶ。夕闇が深まるにつれ、一つ、また一つ窓に温かな灯がともる。
 被災地では今年、岩手、宮城、福島を中心に5万人余りが仮設住宅を離れ、新たな一歩を踏み出した。その一方で、仮設住宅などで暮らす全国の避難者は7万7436人(12日現在、復興庁調べ)に上る。
 入り江の対岸には再建された「ゆりあげ港朝市」の屋根が見える。31日まで恒例の「年末市」が立ち、ナメタガレイやタコなど縁起物を求める人たちで活気づく。
 年末、久しぶりに帰省して、古里の料理に癒やされている人もいるだろう。先立ってしまった大切な人に、一年の無事を報告する人もいるだろう。
 住まい、暮らし、仕事…。復興の歩幅は一人一人違っても、幸せを願う気持ちは変わらない。
 明日から2018年。今日ばかりは歩を緩め、一年の労をねぎらいたい。


直営そば店開店 初の大みそか
東日本大震災の影響で販路を失うなどした、釜石市の製麺会社が平成29年、直営のそば店をオープンさせ、31日、初めての大みそかを迎えました。
店には、年越しそばを買い求める客などが訪れていました。
このそば店を直営する製麺会社は、震災で工場などに被害はありませんでしたが、物流が途絶えたことで販路を失い、売り上げの低迷に苦しんできました。
そうしたなか、地元の大学と開発した日持ちのするそばの生麺が評判となって、売り上げが回復し、平成29年、そのそばなどを提供する直営店をオープンさせました。
31日は、オープン後、初めての大みそかとあって、開店前から、地元産のそば粉を使った、手打ちのそば、およそ70食分を用意し、営業に備えていました。
そして午後5時半に開店すると、さっそく家族連れなどが訪れ、予約したそばを受け取ったり、そばを注文したりしていました。
訪れた客は、「そばを持って帰って家族で味わいたいです」と話していました。
製麺会社の役員も務める、店主の川端学さんは、「一時、会社がどうなるんだろうと思うときもありましたが、そば店を開業できてよかったです。釜石の人たちにおいしいそばを味わってもらいたいです」と話していました。


被災地の南阿蘇で年越しそば作り
大みそかの31日、熊本地震からの復興途上にある南阿蘇村では、地元産のそば粉を使ってそば打ち体験できる店を多くの人が訪れ、訪れた人は「細く長く地道に頑張りたい」と話していました。
そばの生産が盛んな熊本県南阿蘇村で、村の第三セクターが経営する「久木野そば研修センターそば道場」では、大みそかの31日は、地元でとれた新そばをふだんのおよそ5倍にあたる1000食分用意し、朝から従業員が袋詰めなどの作業に追われています。
この店ではそば打ち体験も出来ることから、自分で作ったそばを食べて年を越そうと午前中、親子連れや夫婦など20組以上が訪れました。
訪れた人は、そば粉と小麦粉に水を加えて混ぜ合わせて固め、2ミリほどの厚さにした後、慣れない手つきながら丁寧に包丁で切っていました。
そして、打ち立てのそばをゆでてもらって、早速、味わっていました。
熊本市東区から家族で訪れた男性は「来年は家族一同幸せにいられるよう、そばのように細く長く地道に頑張りたい」と話していました。
そば道場の甲斐成二センター長は「地震の後、水が使えず米が作れなくなった農家に、代わりにそばを作ってもらっているので、そばが復興の一助になればと思う。ことしは粘りけがあっておいしいおそばができたので、ぜひ食べてほしいです」と話していました。

震災で流失した津波の碑発見 山元・磯地区
 東日本大震災の大津波で流失した明治三陸大津波(1896年)と昭和三陸津波(1933年)を伝える石碑が山元町磯地区で見つかった。碑は建っていた地区内の磯浜漁港付近に再び設置される見通し。住民は6年ぶりの発見に喜び、「震災の惨禍とともに過去の津波も伝えていきたい」と話している。
 町によると、碑が見つかったのは8月ごろ。高さ約2.3メートルで重さは1トン程度とみられる。磯地区を襲った高さ10メートル前後の津波に流され、元の場所から西へ50メートルほどの工事現場で埋まっていたのが見つかった。現在、発見場所近くの建設会社事務所で保管されており、町が来年度以降に港付近に再設置する方向で検討が進められている。
 碑は、昭和三陸津波の際に全国から寄せられた義援金で被災した各地に建てられたうちの1基。表には「地震があったら津波の用心」と刻まれている。裏には明治と昭和の津波の被害状況が記されており、磯地区周辺の津波が明治で約2メートル、昭和で約2.3メートルだったことなどが記録されている。
 同時に建てられた磯地区の隣、中浜地区の碑も津波に流されたが既に発見され、旧中浜小跡地で保管されている。
 磯地区の自宅が全壊し、町の災害公営住宅に住む鈴木勝雄さん(70)は「毎年正月、地域住民は海の安全と豊漁を願って神社だけでなく碑を参拝していた。再び見ることができて良かった」と感慨深げだ。
 碑の警告にもかかわらず、磯地区では震災で約50人が犠牲になった。鈴木さんは「あれほどの津波が来るとは、ほとんどの住民が考えていなかった」と振り返る。
 磯地区の猪又賢区長(63)は「せっかく見つかったので今回の震災とともに、過去の津波のことも後世に伝えていきたい」と話している。


<私の復興>古里と移住の地結ぶ
◎幸せのかたち〜一関市 美容室経営 菅原由香子さん
 「アバッセに行くとさ、何人もの知り合いに会って買い物がはかどらないの」
 「それそれ。『高田あるある』だね」
 陸前高田市に今春開業した新商業施設の話題で会話が弾む一関市東五代の美容室「Mint(ミント)」。陸前高田市出身の美容師菅原由香子さん(50)が、幼なじみの髪をカットしていた。
 JR陸前高田駅近くで10年間営んでいた美容室は跡形もない。移住した一関市で店を再建し、5年がたった。「(経営は)今年やっと一息つけたかな。人のつながりに助けられた」
 「逃げろー」。防災無線の絶叫を背に、寝たきりの祖父や両親と死に物狂いで高台を目指したあの日。大津波は自宅も店も全てを押し流したが、家族9人は無事だった。
 陸前高田市の仮設住宅と一関市内の親戚宅へ分散避難を4カ月続けた後、一関市に一戸建てを見つけて移住することになった。
 「うちの土地、使っていいから。またやって」と申し出る常連客の声に後ろ髪を引かれながら古里を離れた。2011年8月のことだった。
 シングルマザーでもある。家族のために働かなければならない。勤めに出ようとした矢先、美容専門学校時代の旧友が助言してくれた。
 「陸前高田から避難してきた人たちが集まれる店をつくったら?」
 これなら古里とつながっていられる。自宅敷地に12年5月、5坪、2席の小さな美容室を構えた。
 最初の3年はパン屋やケーキ屋に間違われることもあった。避難者や近所の人たちが顔を出すようになり、少しずつ固定客を増やしていった。
 震災で家族を亡くした客は、鏡越しに素直に思いを吐露した。「大丈夫。(大切な人は)きっとそばにいるよ」。一緒に泣いた。
 昔なじみが何人も陸前高田市から足を運ぶようになった今年、菅原さんは古里に戻ることを真剣に考えた。しかし、新たな出店費用は工面できそうもない。市役所に仮設店舗への入居を相談したが、その時期は既に過ぎていた。
 年が改まる。古里への思いに区切りをつける時かもしれない。もちろん古里の移り変わりを見詰め続けることはやめないし、気持ちが離れることも絶対にない。
 今は復興が進む街に再生するおいしい店や名物を、一関の人たちに紹介することも大切な役割だと思っている。「『勝手に親善大使』のつもり。震災で開いた心の穴は埋められないけど、ここには私を必要としてくれる人がいる」
(一関支局・浅井哲朗)
●私の復興度・・・80%
 お客さんが増えて仕事は順調。もし、知り合いが多くいる古里で美容室を再開したら、ここまで人のありがたみを感じることはできなかったかもしれない。お金はなくても夢はある若い世代がチャンスを得られるような陸前高田市へと復興してほしい。


<災害公営住宅>家賃上昇なら入居者「暮らせない」石巻市長、支援可否近く判断
 東日本大震災の最大被災地・石巻市で、被災者が暮らす災害公営住宅の家賃が段階的に上がる入居6年目が近づいている。「いくら値上がりするのかも分からない。これ以上負担が増したら大変だ」。宮城県ではどの被災自治体も対応を示しておらず、入居者からは不安の声が漏れる。(石巻総局・鈴木拓也)
 家賃が上がる石巻市の対象者は宮城県で最も多い2906世帯(11月末現在)で、全3730戸の77.9%を占める。市内で最初に6年目を迎えるのは2013年4月に入居が始まった石巻市湊の災害住宅(20戸)。制度上は来年4月から家賃が上がる予定だ。
 対象となる無職女性(70)は夫の年金を頼りに家計をやりくりする。6年目以降の段階的な引き上げは最近の報道で知った。「今の暮らしでも厳しいのに、家賃が上がったら生活できなくなる。補助を継続してほしい」と訴える。
 6年目以降の補助については復興庁が11月、市町村に独自の判断で家賃軽減の継続が可能とする文書を送付。石巻市の亀山紘市長は市議会12月定例会で「住まいのセーフティーネットの役割を果たすために前向きに検討したい」と意欲を示した。独自支援策を打ち出せるかどうか、近く判断する方針だ。
 市に補助の継続を陳情した市民団体「石巻住まいと復興を考える会連絡協議会」の佐立昭共同代表(74)は「対象者の中でも収入の低い人は上がり幅も大きく、特に配慮が必要。6年目以降の対応は自治体に任された格好で、最大被災地の石巻市には被災者の深刻な状況をしっかり受け止めてほしい」と訴える。


<災害公営住宅>家賃軽減3県で差 福島、岩手→延長も 宮城→動き鈍く
 東日本大震災の災害公営住宅で、低所得世帯の家賃引き上げが2018年度から本格化する。国から自治体への家賃補助の交付金が段階的に縮小するためだ。補助制度の対象は岩手、宮城、福島の3県で1万7800世帯超。福島、岩手では負担軽減期間の延長など自治体独自の対応を始める一方、宮城では具体策を示した自治体はなく、3県で対応が分かれている。(報道部・門田一徳)
 国の家賃軽減事業は、家族構成など各種要件に伴う額を控除した月収が8万円以下の低所得世帯が対象。入居後5年間、家賃を安く抑え、6〜10年目は段階的に引き上げ11年目に一般の公営住宅の家賃水準に戻る。3県の対象世帯数(11月末現在)は表の通り。災害住宅で暮らす世帯の約4分の3に及ぶ。
 福島では原子力災害からの復興の長期化を見据え、既に自治体が対応を始めている。相馬市は今年4月、国の制度を基に軽減期間を20年とする市の独自策を打ち出した。全災害住宅の住民団体から延長要望もあった。市建設課は「復興途上にある居住者の実情を考慮した」と説明する。
 南相馬市は災害住宅の入居募集を始めた14年、軽減期間を20年に延長する制度をスタートさせた。いわき市も12月に延長の検討に着手した。
 岩手は県主体で対応する。県は、国の制度に相当する一般の公営住宅の家賃軽減策を震災前から導入しており、年数制限も設けていない。県は制度を説明する文書を8月、対象世帯に送り周知を図った。
 さらに、県営と市町村営の災害住宅で家賃格差が生じないよう、「県と同じような軽減を自治体に呼び掛けている」(県建築住宅課)という。
 一方、宮城の自治体は動きが鈍い。仙台、石巻、山元の3市町は来年4月に6年目を迎える災害住宅を抱える。3市町とも国の制度に相当する仕組みはない。宮城県も岩手県のような低所得者向けの制度は設けていない。
 仙台市には、入居者から軽減延長を求める要望が相次いでいる。市市営住宅管理課は「国への期間延長を求めると同時に、市としてできることを検討している」と語る。
 復興庁は延長に難色を示す。理由は災害住宅の建設費の自治体負担の少なさ。通常より多い9割弱を国が補助しているため、自治体が家賃から回収しなければならない費用は一般の公営住宅よりも少ない。国は既に手厚い対応をしている、という立場だ。
 吉野正芳復興相は12日の閣議後の記者会見で「復興庁としてきちんとした対応をしている」と述べ、軽減制度延長には否定的だ。


[年の終わりに]抗いの声に耳を傾ける
 振り返れば、不寛容という社会の空気に息苦しさが増した一年だった。
 息苦しさを象徴するかのように、「フェイクニュース」が今年の流行語の一つとなり、インターネット上には「ヘイトスピーチ」がはんらんした。
 言論がすさんでいる時代だからだろう。苦しみの中から絞り出された言葉、困難に立ち向かい紡がれた言葉が、心を揺さぶった。
 今年も本紙の十大ニュースのトップは、米軍がらみの事故やトラブルだ。
 米軍普天間飛行場に隣接する普天間第二小学校の運動場に米軍ヘリの窓が落下したのは今月13日。直前には緑ヶ丘保育園の屋根に米軍ヘリからとみられる部品が落ちた。
 事故後、緑ヶ丘保育園の父母会がまとめた嘆願書に、「子どもたちは、『ひこうきのおなかが見えるよ〜』と言う」との一文がある。 
 無邪気な言葉が示す異常さに心が凍り付く。
 日常的に子どもたちの頭上を米軍機が飛び交うという不条理が、沖縄の歴史の中で続いていることが悔しくてたまらない。
 29日に開かれた抗議の市民大会で母親のひとりが声をつまらせ訴えた。「子どもたちに『もう大丈夫だよ、空からは雨しか降ってこないよ』と言えるように」
 小さな島の中で、住宅地に接近する飛行場や演習場の運用にはもともと無理がある。基地との強いられた共存が、子どもの命と安全を脅かしているのだ。
■    ■
 沖縄の戦後史は米軍関係者の事件事故の繰り返しの歴史でもある。
 昨年、うるま市でウオーキング中の20歳の女性の命が奪われた事件は、県民に大きな衝撃を与えた。殺人や強姦(ごうかん)致死などの罪に問われた元米海兵隊員の男の裁判員裁判が、1年半が過ぎた11月、那覇地裁であった。
 ナイフで胸をえぐられるような痛みが走ったのは、被害者の母親の陳述だ。
 「(娘は)想像しがたい恐怖におびえ、痛み、苦しみの中でこの世を去りました。悔やみます。悔しいです。悲しすぎます」「私の心は地獄の中で生きています」
 一人娘を失った両親の悲しみを想像することはたぶんできない。しかし「もしかしたら、自分だったかも」と想像し、被害者や遺族の痛みを共有しようとする人が増えたのは大きな変化である。
■    ■
 名護市辺野古の新基地建設は、護岸建設が始まるなど新たな段階に入った。政府は「工事が進めば県民は諦める」と考えているのだろう。
 だが先の衆院選では全国で自民党が圧勝する中、沖縄は新基地に反対する「オール沖縄」が3勝1敗と勢力を維持した。
 この夏公開された、政治家、瀬長亀次郎氏の記録映画に人々が列をなしたのは、辺野古の反対運動と重ね合わせたからではないか。米軍と闘った「抵抗の人」は、こんな言葉を残している。
 「民衆の憎しみに包囲された軍事基地の価値は0に等しい」


立憲・枝野代表が語る「ここは筋を通すべき時だと決断」
「一を以て之を貫く」。2017年、この人ほど儒学の始祖・孔子の言葉を噛みしめた人はいなかっただろう。立憲民主党代表の枝野幸男氏(53)は先の衆院選直前、東京都知事の小池百合子代表(当時)率いる「希望の党」に“排除”の意向を示されて憤慨し、新党「立憲民主党」を旗揚げ。党員1人からの船出となったが、アレヨアレヨという間に有権者の支持を集め、選挙が終わってみれば55議席を獲得して野党第1党に躍り出た。「台風の目」となった衆院選。改めてどんな主張や政治姿勢が有権者に評価されたと考えているのか。
「(躍進の理由は)まさに『ブレなかった』という点に尽きるでしょう。『草の根の民主主義』『草の根の経済再生』という明確で分かりやすい主張に対し、大きな期待をいただけたのではないか、と思っています」
 新党立ち上げ時から一貫して訴え続けているのが「上からの押し付けではない下からの民主主義」だ。選挙の街頭演説でも有権者との距離感を重視したという。
「例えば演説の際、車の上など高い位置からではなく、出来るだけビール箱や小さな台の上から演説しました。国民の目線の近い場所で訴えたいと考えたからです。そういう政治スタイルが、我々の主張である『草の根』という言葉と結びつき、好感を持っていただけた。その結果、いろいろな方々が自発的に写真や動画をツイッターやフェイスブックに載せて拡散してくれました」
 古巣の民進党の分裂劇をめぐっては、これまでの主義や主張と異なる動きを見せたり、公認をめぐって右往左往したりする候補者の姿にうんざりさせられた国民は少なくなかった。
「政治には『妥協』と『筋を通す』という2つのバランスが求められると思います。妥協しない政治は物事が硬直化して進まないし、かといって、妥協し過ぎると筋を曲げたことになる。当然、有権者の理解も得られません。政治家は、この2つのバランスをうまく保ちつつ、どうブレずに行動するのかが重要ではないでしょうか。衆院選では、まさに中途半端な妥協をすれば、筋を曲げたと言われても仕方がない、ここは筋を通す時だと考えました。結果的にその姿勢が有権者に短期間で伝わったと思います」
 政治信条は「多様性を認め、異なる意見を排斥しない」だけに、多様性も異なる意見もバッサリ切り捨てるような小池知事の「排除発言」や「政策の踏み絵」は許せなかったようだ。
■数合わせのための党勢拡大と受け取られてはいけない
 まずは順調な滑り出しを見せている新党だが、今後の課題はいかに党勢を拡大していくかだ。民進や希望、共産など他の野党との連携も欠かせなくなる。「妥協」と「筋を通す」のバランスが問われる場面も増えるだろう。
「まずは『永田町のゲーム』と誤解をされないようにしなければいけないと考えています。確かに理念や政策を推進、実現していくためには同じ思いを抱く仲間を増やしたり、他党と調整や連携したりする必要がありますが、それが選挙に勝つためと受け取られたり、数合わせが自己目的化している、などと見られてはならない。これは筋を通していても誤解されかねないので、相当、気をつける必要があります。すでに誤解を招く発言をして、周りから注意されていますしね。一つ一つの発言や、手順、段取りをしっかり踏むということを常に意識し続ける。筋を通す姿勢を分かりやすく国民に伝えることが重要だと思っています」
▽えだの・ゆきお 1964年、栃木県生まれ。東北大法学部卒。24歳で司法試験に合格し、91年に弁護士登録。93年の衆院選で、日本新党から出馬し、初当選。2009年の民主党政権で、行政刷新会議「事業仕分け」の統括役を務めたほか、内閣官房長官、内閣府特命担当相(沖縄・北方対策)、経産相などを歴任。民進党では初代幹事長、代表代行に就いた。当選9回。


加計だけ2大学に補助金 16年度新設私大事業 文科省「優遇ではない」
 二〇一六年度に国が実施した私立大学への研究補助事業で、安倍晋三首相の友人が理事長を務める学校法人「加計(かけ)学園」だけが、運営する二校が選定されていたことが分かった。当時は、加計学園に有利な条件で国家戦略特区での獣医学部新設が決まったばかりの時期。所管する文部科学省は「加計学園を優遇したわけではない」と説明するが、識者は疑問を投げかけている。 (中根政人)
 補助事業は、文科省が一六年度に始めた「私立大学研究ブランディング事業」。「独自性の高い研究や事業に取り組む私大」に対して補助金を新たに交付したり、増額したりする。
 一六年度は計百九十八校の応募(応募主体の学校法人数は非公表)があり、同年十一月二十二日に四十校が選定された。この中で、加計学園が運営する岡山理科大(岡山市)が「恐竜研究の国際的な拠点形成」、同じく千葉科学大(千葉県銚子市)が「『大学発ブランド水産種』の生産」などの研究で、それぞれ選ばれた。同じ学校法人から複数選ばれたのはこの二校だけ。
 補助金の交付期間は少なくとも三年間で、中間評価の結果が良ければ最長五年間。一六年度の二校への補助金は計約一億一千六百万円に上った。
 一七年度(百八十八校応募、六十校選定)も、同じ学校法人から二校選ばれたケースが一例あった。加計学園ではない。
 一六年度の補助金交付が決まる約二週間前の一六年十一月九日、国家戦略特区諮問会議は、「広域的に獣医学部のない地域」を条件に獣医学部新設を決定。加計学園と競合する京都産業大(京都市)は関西圏に別の獣医学部があるため不利となり、今年一月に加計学園が事業者に選ばれた。
 補助金交付は学識経験者らの委員会が審査したが、委員名や議事内容は公表されていない。文科省の担当者は、加計学園だけ二校に補助金が決まったことについて「応募は大学単位なので意識していなかった。獣医学部の検討状況はまったく知らなかった」と説明。加計学園は「適切に申請した」とコメントしている。
◆決定理由、公表すべき
<市民団体「森友・加計問題の幕引きを許さない市民の会」の醍醐聡(だいご・さとし)・東大名誉教授の話> 加計学園が提案していた獣医学部新設の検討状況を知らなかったとの文部科学省の説明は、当時の政府内の作業を考えると通用しない。文科省は補助金の決定理由を大学別に公表すべきだ。


森友・加計問題 「政と官」不信残したまま
 大阪市の森友学園と岡山市の加計学園、二つの学校法人を巡る問題は今年の国会論戦の大きな焦点だった。
 公平、公正であるべき行政がゆがめられたのではないか―。野党が繰り返し追及したものの、政府側との質疑はかみ合わなかった。疑問は来年に持ち越される。
 国有地払い下げ、大学獣医学部新設という決定が不透明な形でなされた。うやむやにできない問題である。事実関係をはっきりさせることは年明けの通常国会で与野党に課された宿題だ。
   <不可解な特別扱い>
 森友学園には小学校建設用地として評価額9億5千万円の国有地が1億3千万円で売却された。地下に埋まっているごみの処理費用を差し引いたという。経緯を調べた会計検査院は、ずさんに算定されたと指摘している。
 国会審議で財務省は、価格交渉を疑わせる音声データの存在を認めた。森友側が「ゼロ円に極めて近い形で払い下げてほしい」と求め、財務省側はごみ撤去費として既に支払った1億3千万円を下回る金額は提示できないと回答―といった内容のものだ。
 異例の対応を重ねたことも判明している。売却を前提にした定期借地契約を結んだり分割払いを認めたりしていた。近年、他に例はない。不可解な特別扱いだ。
 加計学園は政府の国家戦略特区制度を活用し、愛媛県今治市に岡山理科大の獣医学部を設ける。1966年の北里大以来、52年ぶりの新設である。定員140人と全国最大の規模になる。
 政府は、獣医学部の新設を認める条件として▽新たに対応すべき具体的な需要▽近年の獣医師の需要動向を考慮―など4項目を閣議決定している。これらを満たしているとするものの、明確な根拠は示していない。
   <人事権を握る官邸>
 森友の小学校は安倍晋三首相の妻、昭恵氏が一時、名誉校長に就いていた。加計の理事長は首相の長年の友人が務める。こうした関わり、近しさが疑念を生んだのは当然の成り行きだ。
 国有地売却では、首相夫人付の政府職員が財務省の担当者に問い合わせをしていた。
 獣医学部を巡り、文科省が内閣府とのやりとりを記録した文書には「総理のご意向」「官邸の最高レベルが言っている」といった文言があった。文科省の前事務次官は国会で「首相補佐官がさまざまな動きをしていた」と述べ、官邸の関与を指摘している。
 問題は、首相側から省庁に対して指示や働き掛けがあったかどうかだけにとどまらない。
 2014年に内閣人事局が発足し、各省庁の幹部人事は首相官邸が一元管理している。官邸の意向を推し量って仕事をする傾向が強まっているのではないか。いわゆる「忖度(そんたく)」である。
 野党の追及に、政府側は「記録がない」「記憶がない」といった答弁を繰り返し、議論は堂々巡りだった。根拠を示さないまま、適切だったと主張しても、説得力を持たない。
 世論調査では政府の説明に対して「不十分」「納得できない」との回答が多数を占めている。
 行政をチェックする国会は機能不全が著しい。
 決定が適正だったのか判断するには、どんな交渉や議論を経たのか詳しく知る必要がある。記録がないなら関係者を呼んで事情を聴くのが筋だ。与党は、野党が求める参考人招致や証人喚問に応じるべきである。
 首相の国会軽視の姿勢も見過ごせない。憲法に基づく臨時国会召集の要求を放置した揚げ句、冒頭解散に踏み切った。安全保障関連法の成立を強行した15年にも応じなかった経緯がある。
   <徹底解明が前提だ>
 衆院選後の特別国会では自民党が質疑時間の配分見直しを主張した。2対8で野党に多く配分する近年の慣例を改め、与党分を増やそうというものだ。巨大与党のおごりを感じさせる提案である。
 首相は、国有地売却について算定のずさんさを指摘した会計検査院の報告を真摯(しんし)に受け止めるとしつつ、売買契約の検証や再調査は拒否した。獣医学部新設の認可を巡っては適正だったとの認識を重ねて強調している。
 一方で、国有財産の処分手続きを見直す考えを示し、国家戦略特区制度の透明性を向上させるとした。政府は行政文書管理のガイドラインも見直している。
 再発を防ぐことは、むろん大事だ。とはいえ、論点を今後の取り組みに移し、幕引きとするわけにはいかない。
 政と官の関係がゆがんだものになっていないか、1強のひずみが生じてはいないか。問題の根っこを掘り下げる必要がある。
 同じことを再び起こさないためにも、まずは決定に至った過程の解明が欠かせない。政府を監視する国会の存在意義に関わる。与野党を問わず国民の代表として責任を果たさなくてはならない。


国政この1年 安倍政治、不信感根強く
 今年の国政は、盤石だった「安倍1強政治」が揺らいだ年だった。安倍晋三首相や昭恵夫人の関与が疑われる森友学園・加計(かけ)学園問題が浮上し、勢いは失速した。それでも10月の第48回衆院選は自民党が大勝。与党の自民、公明両党が定数の3分の2の310議席を獲得した。だが、安倍政権に対する不信感はいまだ根強い。首相は国民の声にしっかりと耳を傾け、襟を正す必要がある。
 「1強政治」が揺らいだ大きな理由に、数の力を背景とした強引な国会運営がある。象徴的なのが、6月に成立した「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ改正組織犯罪処罰法。参院法務委員会で審議中だったにもかかわらず、委員会採決を省略して本会議採決を強行した。こうしたやり方に国民が疑問の目を向けた。
 決定的だったのが、森友学園・加計学園問題だ。国会での野党の追及に対し、首相はあいまいな答弁を繰り返し、疑惑をより深めた。説明責任を果たさない首相の態度は国民を失望させ、内閣支持率が急落した。
 そうした中、安倍首相は突然の衆院解散に打って出る。選挙戦の最大の争点は安倍政権への評価。有権者は5年近くに及ぶ安倍政権の継続を選択した。
 だが、自民の勝利は野党の迷走に助けられた側面が大きかった。安倍1強の打破を掲げて新党を立ち上げた希望の党は、民進党からの合流で勢いを付けるかに見えたが、代表の小池百合子東京都知事が候補者を選別したことで批判を浴び、大きなうねりを生み出せなかった。
 衆院選は、野党の力不足を露呈する場にもなったといえる。野党各党は現状のままでいいのかを真剣に考え、政策・理念、戦略を見直すことも重要だ。
 選挙中は「丁寧な説明」を約束した安倍首相だが、強引な政治手法が改善されたとは言い難い。加計学園について審議した衆院文部科学委員会で自民党が要求して野党の質問時間を大幅に減らしたのは、その表れではないか。この問題は年を越すが、国民に対して今後も説明責任を果たさなければ、安倍政権への不信感はさらに増すことを肝に銘じてほしい。
 政府が天皇陛下の退位を2019年4月30日に決定したのも大きな出来事だった。皇族が減少の一途をたどる中、恒久的な皇位継承対策が急務であることも忘れてはならない。
 「米国第一主義」を掲げて誕生したトランプ政権との連携、核開発・ミサイル発射を繰り返す北朝鮮への対応など、外交もこれまで以上に注目された。日本が取った政策、姿勢は適切だったのか。検証しながら一歩一歩進む必要があるだろう。
 衆院選で安倍政権継続が選択された形だが、今の政権に求められるのは多様な意見を政策に反映させる柔軟な姿勢だ。重要案件について野党と議論を尽くさなければ、国民の信を得ることはできない。


問われる政権体質 丁寧な合意形成が民主政治の要
 「騒がしい年だった」。安倍晋三首相は今年をこう振り返った。国民の声に耳をふさぎ、数の力で思い通りに進める政権の「体質」が現れている気がしてならない。
 2017年が終わる。分断と排除が影を落とす世界にあって日本の政治もまた、丁寧な合意形成に背を向けた年だった。安倍政権発足から5年。官邸主導の強硬姿勢が目立つ。空洞化した国会を再構築し、少数意見を尊重して熟議する民主政治の大原則へ立ち戻るよう求めたい。
 首相は経済政策をうたって有権者を引き付けては、選挙で得た数の力により、公約で前面に掲げなかった法律を強引に成立させる手法を繰り返してきた。国論を二分する特定秘密保護法も、違憲の疑いが濃い安全保障関連法もそうだ。
 6月には、犯罪を計画段階で処罰する「共謀罪」の趣旨を盛った改正組織犯罪処罰法を、捜査権乱用の懸念が叫ばれる中、強行成立させた。委員会を省略するという禁じ手まで持ち出した暴走は許されない。
 国会の骨抜きはこれにとどまらない。今年の会期日数は190日で過去20年のうち最短。自民党は質問時間の配分の見直しを求め、特別国会の予算委員会で野党の質問時間を短くした。さらに首相は加計、森友問題など国民の疑問に「丁寧に」「真摯(しんし)に」説明すると繰り返しつつ全く答えない。議論を深めて合意形成を目指すのが民主政治の要だ。その根本を失った「政治の劣化」を強く危惧する。
 長期政権の良さは、国民の痛みを伴う社会保障改革などを、中長期の展望をもって腰を据えて進められることにある。だが首相は「地方創生」「1億総活躍」「人づくり革命」と支持率が下がるごとに新たな看板に掛け替え、選挙に持ち込む。検証もなされず、これでは効果が上がるはずもない。このような場当たり的な衆院解散権の乱用は看過できない。解散に一定の制約を設ける制度改革を、真剣に議論する時機が来ている。
 人事権を盾に、官邸主導の政策を実現させる手法も見過ごせない。14年には内閣人事局を設置して、省庁幹部の人事も掌握した。官僚を支配することによって、物言えぬ土壌を広げ「忖度(そんたく)」させる「ゆがみ」に懸念が募る。
 戦後の平和を守ってきた憲法が今、岐路に立たされている。首相は5月、改憲派の会合にビデオメッセージを寄せ「20年を新しい憲法が施行される年にしたい」と唐突に表明、自衛隊の明記を掲げた。改憲勢力が衆参両院で3分の2以上の議席を占める中、18年中の改憲発議も視野に入れる。
 政権のおごりが際立ち、国会がチェック機能を果たせない現状では危うい。国民は選挙で首相が敵視した「こんな人たち」でも「騒がしい」人でもなく、主権者。安心と平和を守るために声を上げ続けるのは、未来への責任である。


国会改革/内閣への監視機能を高めよ
 「言論の府」が制度疲労にむしばまれているのではないか。今年の国会を巡る動きを振り返ると、その懸念を強くする。来年こそ、国会改革に本格的に取り組むべきだ。
 今年は異例ずくめだった。まず、安倍晋三首相と野党党首が基本政策を議論する党首討論が、「年間ゼロ」に終わった。
 最後に開かれたのは昨年12月で、2000年に創設されて以降初めてのことだ。00年は年8回開催されたものの、その後は減少傾向にあり、昨年は2回だけ。制度の形骸化がうかがえる。
 本来であれば、国会論戦のひのき舞台になるはずだが、野党にとっては審議時間が計45分間と限られているのが難点だ。長時間にわたって、安倍首相を追及できる予算委員会審議を優先する野党の思惑があったのも確かだろう。
 「森友学園」の国有地払い下げ問題や、「加計(かけ)学園」の獣医学部新設問題が背景にあったのは言うまでもない。
 時間の制約が壁になるならば、拡大したらいい。原則月1回とする14年の与野党合意にこだわらず、柔軟に対応することも検討すべきだ。せっかく導入したのだから、審議の充実に生かすよう改善していくのは当然だ。
 自民党が10月の衆院選で大勝した結果を踏まえ、特別国会での質問時間の配分見直しを野党側に迫ったのも異例と言えよう。
 質問時間については国会法などには規定がない。このため、衆院では旧民主党政権以降、与野党の配分は「2対8」が慣例だったが、「3対7」が相場になりつつある。
 「安倍1強」と言われる中で、監視機能を働かせる国会の責任は大きい。とりわけ、対峙(たいじ)する野党の役割は一段と重要になってきている。その質問時間を削るという姿勢は国会の活性化に逆行する、と言わざるを得ない。
 答弁する側にも問題がある。例えば「共謀罪」法案を巡る通常国会の審議では、当時の金田勝年法相に代わって、出席した官僚らが度々、「助け舟」を出す形で答弁するケースが目立った。
 さらに言えば、用意された答弁資料を棒読みしている閣僚がほとんど。官僚は極力事務的、技術的な答弁に限るべきである。閣僚は政治的テーマについて、自らの見識を披歴すべきだ。
 追及する野党側にも努力を求めたい。質問内容が重複する場面が散見される。時間を効率的に使い、議論を深めてほしい。そのためには各党の役割分担も必要ではないか。
 何よりも野党が憲法53条に基づいて要求した臨時国会の召集を3カ月間も棚ざらしにした揚げ句、安倍首相が突如、衆院解散に踏み切ったことが象徴的だった。国会軽視と言われても仕方あるまい。
 内閣のおごりを正し、緊張感をもたらすための国会改革が不可避ではないか。


2017年回顧 平和の秩序乱すのは誰だ
 人生が「禍福は糾(あざな)える縄の如し」ならば、人の世も「明」と「暗」を織りなしながら月日を重ねていく。2017年はどんな歴史を刻んだのだろうか。
 国内外で平和の秩序が崩れ、人々の不安感が増幅している。そんな中、若者が秘める無限のエネルギーに明るい未来を見いだした年でもあった。
 ■世界は排外主義増幅■
 これは「暗」の幕開けだったのだろうか。「米国第一」を掲げた米共和党のトランプ大統領が1月、第45代大統領に就任。環太平洋連携協定(TPP)やパリ協定、ユネスコからの離脱表明は保守主義を超えて我欲むき出しの秩序破壊だ。
 アジアの大国、中国の習近平(しゅうきんぺい)1強体制はさらに権力集中を強め、経済強国と海洋権益増強を狙う。米中のパワーゲームを見透かすように、北朝鮮の核・ミサイル開発が加速。11月には米本土射程の新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射し「核戦力完成」を宣言した。有事リスクが拡大する情勢だ。
 欧州も「暗」を醸す。メイ英首相が3月、欧州連合(EU)離脱を正式通知。内向きな保守主義は独仏の大統領選、議会選挙でも顔をのぞかせる。中東情勢はトランプ大統領のエルサレム首都認定で、テロの恐怖とともに新たな火種を抱え込んだ。
 唯一の光明は、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)のノーベル平和賞受賞だ。分断と排除の論理がまかり通る世界に希望を見いだす。だが、7月に採択された核兵器禁止条約に、米国の「核の傘」に頼る日本はそっぽを向いている。
 ■日本の劣化も一段と■
 国内はどうだろう。政治は「不穏」、社会は「暗」に染まったといえば言い過ぎか。
 長期政権を視野に安倍1強政治が加速するも、学校法人森友、加計学園問題で「総理のご意向」や官僚の「忖度(そんたく)」があぶり出され支持率は急低下した。
 それでも北朝鮮の脅威を「国難」と強調する巧みな「印象操作」で10月の衆院選を自民党大勝で飾った。勢いを得て悲願の憲法改正を目指すが、北朝鮮への圧力を強めるほど拉致問題解決が遠のく。拉致40年。もう言い逃れは許されない。
 「明」と位置付けたいのが約200年ぶりの天皇陛下退位である。熟議の末に12月、19年4月30日と決定した。特例による一代限りの措置。皇位の安定的継承という難問を引きずるが、平和を祈る両陛下に国民はねぎらいの拍手を送るだろう。
 成熟社会の暗闇を象徴する事件も起きた。10月末以降、神奈川県座間市で9人の切断遺体が見つかった。自殺願望をツイッターに書き込んだのが端緒。危ういネット社会である。
 広告大手電通の新入社員過労自殺や日産、神戸製鋼所、三菱マテリアルなど大企業の相次ぐ不正発覚も衝撃的だった。新幹線のぞみの台車亀裂問題も同じ文脈にあり「ものづくり日本」の劣化を象徴する。
 ■福井を飛躍の聖地に■
 県内でも暗い事件があった。3月、池田中の男子生徒が校舎から飛び降り自殺。教員の厳しい指導が原因とされ、県全体で教育現場の見直しが進められている。未来を断ってまで「命を懸けた訴え」にどう答えを出すのか。重い責任を背負った。
 北陸新幹線の大阪までの全ルートが確定したのは3月だ。整備計画決定から実に43年余が流れている。ただ財源確保や多額の地方負担など難題山積みだ。
 原発マネーも先細り。高速増殖原型炉もんじゅに続き、関西電力大飯原発1、2号機の廃炉も決まった。かつての15基体制から8基へと縮小、地元財政に及ぼす影響は大きい。
 人口減が加速する中、限界を突き破るパワーの必要性を教えてくれたのが桐生祥秀(よしひで)選手だ。9月9日、県営陸上競技場で開催の日本学生対校選手権100メートル決勝で9秒98をマーク。ついに10秒の壁を破った。
 陸上の「聖地」は福井国体総合開会式の舞台になる。希望の未来へ県民も新たなスタートラインに立ちたい。


最近、たるんでないぞ 大晦日に考える
 いろいろあった一年もついに暮れますね。大晦日(おおみそか)ぐらいは、ということで大目に見ていただき、ちょっとくだけて笑いや遊びについて書いてみます。
 二〇一七年も三百六十五日目。「いやはや、もう一年か」と感慨にひたっている方も少なくないでしょう。こんな笑話があります。
 雷様が、お月様とお日様と一緒に旅をした。だが朝、宿で雷様が目を覚ますと独りぼっち。宿の者に聞けば「お月様もお日様ももう出発なさいましたよ」。雷様が一言。「月日のたつのは早いなぁ」
「新解釈」で笑う
 笑いといえば、割と有名ななぞなぞを一つ。英語で一番長い単語は何? 答えは、smiles。「ほほ笑み」のスマイルの複数形とか、人の姓にもありますね。で、たった六文字でなぜこれが一番長いのか。最初のSと最後のSの間が1マイル(1・6キロ)あります…。スマイル、いや薄笑いでも浮かべていただけたら幸甚。
 笑いとは何かは難問ですが、例えば劇作家の鴻上尚史(こうかみしょうじ)さんがどこかで書いていたのは「新解釈」。そういえば、駄洒落(だじゃれ)だって、言葉に別の意味を見いだすのですから新解釈といえば新解釈ですね。時に「おやじギャグ」などと蔑(さげす)まれますが、なかなかの傑作もあって−。
 ゴルフ場で、一人が、もう少しでグリーンに乗るというナイスショット。その瞬間、誰かが叫ぶ。「あわや、乗りこ!」。まあ、ブルースの女王を知る世代限定ですが。
 これも「新解釈」でしょうか。記憶曖昧ながら、前にネットで見た変換ミスコンテストの応募作の一つが、確かこんな感じで−。
 その人は、友人とメールで信仰について論争中、「(自分は)神の存在を信じないし、不幸とも思わない」と大まじめに打って送ったつもりが、変換ミスでこうなっていたそうです。
 「紙の存在を信じないし、拭こうとも思わない」
「遊び」へと飛び出せ
 ちょっと言葉遊びがすぎたでしょうか。でも、笑いは健康にいいとも言われますし、昔から「笑って損した者なし」と。ただ、笑いは、笑う方にゆとりがなければ生じ得ないのも確かです。
 古く外の目から言われる日本人の特質はといえば、第一に勤勉、まじめであって、ついつい仕事にのめり込む傾きが。ゆとりというのは案外苦手な気がします。
 勤勉は美点ですが、そこに企業の競争・効率至上主義がつけこむと、個人が無理を強いられ続けかねません。今年を振り返っても、過労死や過労自殺など働き方をめぐる悲劇は相次ぎました。
 文筆家のワクサカソウヘイさんは雑誌『望星』十二月号のエッセーで、そうした、こうあらねばならない、と不断に迫ってくるような社会状況を「意味の呪縛」と呼んで、こう指摘しています。
 <私たちは意味の呪縛に対抗する、唯一にして尊い手段を持っている。それが「遊び」だ>。草野球でも登山でも盆栽でも、とにかく何でもいいのでしょう。意識的に「意味の構図」から無意味=「遊び」へと飛び出すべし、と。
 「遊び」といえば、もう、ひと昔前になりますが、原題にひかれて一冊の本を買い求めたことがありました。トム・デマルコという米国人コンサルタントが書いたビジネス書ですから、本来なら本屋で見ても素通りなのですが、表紙の「Slack」という言葉に目がとまったのです。
 聞かない英語ですが、筆者の愛好する遊び、フライフィッシング(西洋式毛針釣り)ではなじみ深い言葉で、結んだ毛針を水面で流す時、糸につくる「たるみ」を指します。それがほどけて流れを吸収してくれる間は、毛針が糸に引っ張られて動くことなく自然に流れてくれる。ピンと張っていてはそうはいきません。
 この本(邦題『ゆとりの法則』)の著者はビジネスにも、その「たるみ」こそが肝要だと説いています。効率化を進めすぎて、スラックがなくなると、変化への対応力も失い、生産性は損なわれる、というのです。
 こんな例を挙げています。
 九ますに八個の数字タイルが並ぶパズル。そこにもう一つタイルを入れて、空きスペースをなくしてしまうとどうなるか? もう、タイルは一切、動かせない…。
スラックがなくなると
 この「たるみ」は「遊び」に通じます。ほら、ハンドルの遊びなどと言いますし。「ゆとり」と呼び換えてもいい。さすれば、笑いも生まれ得ましょう。
 企業にも個人にも大事なのですから、むしろ、上司は「最近、たるんでるぞ」じゃなく「最近、たるんでないぞ」と部下を叱咤(しった)すべきなのかもしれません。
 さて、もう一つ寝るとお正月。いい新年にしたいものです。


今年も虚言を吐きつづけた! 安倍首相の真っ赤な嘘&インチキ発言ワースト10
 年末恒例となった、安倍首相による「大嘘」振り返り企画をお届けする季節が今年もやってきた。昨年は「なぜここまで平気で嘘をつけるのか?」と題して安倍首相の姿勢に疑問を投げかけたが、今年はその余地もなし。モリカケにはじまり、共謀罪強行採決、北朝鮮問題、大義なき解散……と国民を完全に舐めきった態度に終始し、嘘の低レベルさ、アホさにも磨きがかかった。
 しかも、モリカケ疑惑は終わった話ではない。新年でリセットさせないためにも、今年の真っ赤な嘘&インチキ発言をいま一度、確認していこう。
大嘘1
「(加計学園の獣医学部新設計画を知ったのは)1月の20日の特区諮問会議」
7月24日、衆院予算委員会の閉会中審査
 それは度肝を抜かれる嘘だった。突然、何を思ったのか安倍首相は、今年1月20日の特区事業者決定まで加計学園の獣医学部新設計画を知らなかったと強弁しはじめ、「私は知り得る立場にはあったわけでございますが、しかし、そのことについての具体的な説明は私にはなかったわけでございまして」などと述べたのだ。
 完璧すぎる虚偽答弁だ。なぜなら、安倍首相はこの答弁の約4カ月前の国会では「関係者はみんな知っているんですよ!」とキレまくった上、6月にも「構造改革特区で申請された」ときに承知したと明かした上で「国家戦略特区に申請をすれば私の知り得るところになる」と答弁。しかも、社民党の福島瑞穂議員の質問主意書に対しても、答弁書で“構造改革特区の説明資料に加計学園が候補となっていると記載されていた”と回答、閣議決定している。それをすべてなかったことにしようとは、インチキをはるか通り越して、もはや「ご乱心」と呼ぶべきだろう。
大嘘2 「この問題の本質は、岩盤規制にどのように穴をあけていくかだ」
6月5日、衆院決算行政監視委員会
 こういう台詞をバカのひとつ覚えと言うのだろう。この時期にはすでに「総理のご意向」と書かれた文書が明らかになり、さらに前川喜平・前文部科学事務次官が、安倍首相の側近である和泉洋人首相補佐官から「総理の代わりに言う」として対応を早くしろと迫られていたことを証言するなど「加計ありき」の実態が明らかになりつつあったが、安倍首相は頑として「岩盤規制」の一点張り。その上、“獣医学部新設は民主党が検討したものを安倍政権が引き継いだだけ”とまで言い出した。民主党政権下で始まった高校無償化や子ども手当は引き継がず廃止したくせに、である。
 あらためて言うまでもなく、問題になっているのは「加計学園のために安倍首相は自分がスタートさせた国家戦略特区を使って獣医学部新設を押し進めたのではないか?」ということ、そして「岩盤規制に開けたその穴はなんで加計しか通れない仕掛けなの?」ということだ。安倍首相はいまだにそれに対して明確な回答をできていない。挙げ句、デタラメを上塗りするように、以下のような大嘘をついているのだ。
大嘘3
「(国家戦略特区の)議事はすべて公開しています」
6月19日、記者会見冒頭発言ほか
 こう主張しては国家戦略特区の決定プロセスの透明性に胸を張ってきた安倍首相だが、8月になって、国家戦略特区ワーキンググループ(WG)が2016年6月に愛媛県と今治市からヒアリングをおこなった際、加計学園の幹部3名が同席していたにもかかわらず公開されている議事要旨にそのことが伏せられていた事実が発覚。さらに、発言内容を一部削除することで発言主旨を真逆に書き換えるという議事録の改竄までおこなわれていたことも明らかになった。「すべて公開」などされていなかったのだ。
 だが、安倍首相が事実をねじ曲げ正当性を主張してきた例は、これだけにかぎらない。たとえば、選挙中にもしつこく繰り返した「朝日新聞は加戸守行・前愛媛県知事や八田達夫・WG座長の報道をしていない!」という主張がそれだ。実際には朝日は加戸証言も八田証言も記事にしてきたが、「報道が歪められている」というお得意の“印象操作”で問題をすり替えようという下心が見え見えだ。
 また、安倍首相は同じように「国会審議すべてを見られた方々は納得されたという方も多かったのではないか」とも言いつづけているが、どうしたら「プロセスに一点の曇りもない」だの「(加計の獣医学部計画は)1月20日に知った」だのと明らかな大嘘を吐いておいて誰が納得できるのか。国民を舐めすぎである。
大嘘4 「この解散は国難突破解散だ」
9月25日、記者会見冒頭発言
 で、モリカケ問題の国会追及に耐えきれなくなった安倍首相が、民進党のゴタゴタと北朝鮮問題を助け船にして打って出たのが、国会の冒頭解散という「大義なき解散」だった。そして、自己保身のために解散権を濫用するという民主主義を破壊する暴挙にもかかわらず、安倍首相は会見で「国難突破」などというインチキも甚だしい恐怖を煽るような戦中ワードをキャッチコピーにもち出したのだ。
 しかも、失笑せざるを得なかったのは、「国難」の中身だろう。安倍首相は北朝鮮問題だけでなく、何十年も前から叫ばれてきた「少子高齢化」までいまさら「国難」と認定。幼児・高等教育の無償化を謳ったが、選挙後に蓋を開けてみたら自民党の検討案はその売り文句に遠く及ばない内容であることが判明している。その上、早期解消が求められている待機児童についても、「今後ゼロになるかについて、断定的にゼロになるとは言えない」(11月28日衆院予算委)と言い出す始末。解散時にさんざん匂わせていた「12月に米朝軍事衝突」という説といい、「国難」はどこに行ったのだろう。
大嘘5
解散前「国民のみなさまに説明しながら選挙する」 →
選挙中「街頭演説で説明するよりも国会で説明したい」 →
選挙後「国会において丁寧な説明を積み重ねて参りました」
9月25日記者会見→10月9日『NEWS23』(TBS)→11月20日衆院本会議
 ここまでわかりやすい嘘に、説明はいらないだろう。しかも、安倍首相が選挙中の遊説でモリカケ問題の説明をしたことは一度もなし。ようするに、ハナから「丁寧に説明」する気などさらさらなかった、ということだ。
 その上、選挙が終わると文科省の大学設置・学校法人審議会は加計学園獣医学部の新設を認める結論の答申をした。選挙のスケジュール自体がこの設置審の認可を認める答申前にと調整されたという情報もあり、つまり選挙さえ「加計ありき」で進められた可能性もあるのである。
大嘘6
「TOC条約を締結できなければ、東京オリンピック・パラリンピックを開けないと言っても過言ではない」
1月23日、衆院本会議
 今年、安倍政権が禁断の暴挙である「中間報告」によって強行採決で成立してしまった共謀罪。「21世紀の治安維持法」でしかない危険極まりない法案を通すために安倍首相がついた嘘が、この「共謀罪を成立させないと国際的組織犯罪防止(TOC)条約に加盟できない、TOC条約を締結できなければ五輪は開けない」という論法だった。
 だが、TOC条約と共謀罪はまったく別の話だ。多くの識者が言及しているように、共謀罪を新設せずとも現行法の制度のなかでTOC条約を締結させることはできるし、TOC条約は組織的な経済犯罪を防止するマフィア対策なのに、共謀罪はそのような中身にはなっていない上、テロ対策にさえなっていない。だいたい、オリンピックが本当に国民の人権を制限しなければならなければ開催できないような代物なら、さっさと開催を返上するべきなのだ。
 しかし、法案成立に躍起になる安倍首相は、書簡で共謀罪法案を「プライバシーや表現の自由を不当に制約する恐れがある」と指摘した国連特別報告者であるジョセフ・ケナタッチ氏を攻撃するため、「アントニオ・グテーレス氏国連事務総長も『人権理事会の特別報告者は、国連とは別の個人の資格で活動しており、その主張は必ずしも国連の総意を反映するものではない』旨、述べていました」などと国会で主張。だが、このグテーレス事務総長の発言内容は、安倍政権によってかなり都合よく歪曲されたものだったのだ(詳しくは既報参照
 国連事務総長の発言までねじ曲げる総理大臣……。「国賊」とはこの人のことだろう。
大嘘7 「『そもそも』を辞書で調べたら『基本的に』という意味もある」
4月19日、衆院法務委員会
 穴があったら入りたくなるような、恥ずかしすぎる嘘である。発端は、安倍首相が1月に過去の共謀罪法案との違いとして「今回は“そもそも”犯罪を犯すことを目的としている集団でなければならない」と述べたことだ。ところが、その後に「性質を一変させた場合」と取り締まり対象の拡大を突然言い出した。この答弁の矛盾を山尾志桜里議員にただされると、安倍首相は自信満々に上記のハッタリをかましたのだ。
 しかし後に、「そもそも」の意味を「基本的に」と記している辞書など存在しないことが明らかにされると、政府は「大辞林」(三省堂)に「(物事の)どだい」という意味があり、「どだい」には「基本」の意味があると主張。違う言葉をあいだに挟んで意味が同じになるならほとんど全部の言葉が同じ意味になるが、恐ろしいことにこのトンデモ解釈は閣議決定されてしまった。しかも、さらっと「首相が自ら辞書を引いて意味を調べたものではない」と嘘を修正したかたちで。
 あまりに馬鹿馬鹿しい嘘だが、この「そもそも」問題は、「訂正でんでん」発言などとは違い、法案の根幹にかかわる重要な部分。こんなインチキかつ杜撰な主張の末に共謀罪を成立させたことは、憲政史上でも汚点中の汚点と言っていいだろう。
大嘘8
「我が国に北朝鮮がミサイルを発射」
「我が国を飛び越えるミサイル発射という暴挙は、これまでにない深刻かつ重大な脅威」
8月29日、記者会見
 この日の北朝鮮の弾道ミサイル発射では、早朝から全国瞬時警報システム「Jアラート」と緊急情報ネットワークシステム「エムネット」が発動し、国民にかつてない恐怖感を与えた。そして、安倍首相の会見でのこの一言も、さらなる恐怖を煽った。
 だが、上空を通過したミサイルを「我が国に発射」というのは明らかに言い過ぎであり、「かつてない脅威」というのも事実ではない。北朝鮮は日本全域を射程にしたミサイルを10年以上前から開発しており、この件で脅威が高まったわけではないからだ。その上、日本上空を越えてミサイルが発射されたのも過去に2回あり、1998年には今回と同様、事前予告がなかった。
 しかも、この日のミサイルが北海道上空を通過した時間はJアラートによるアナウンスからわずか約4分後で、避難のしようもない。Jアラートは役立たずであるばかりか、時間帯によっては大パニックを起こしかねない。ようは危機を煽って北朝鮮のミサイルを政治利用しようという魂胆しか感じられないものだ。
 こうした煽動は来年も繰り返されていくことは必至だが、いちばん怖いのは、トランプ大統領と一緒になって北朝鮮を無用に刺激し、国民には恐怖を植え付けようとする安倍首相の存在だとあらためて言っておきたい。
大嘘9 「(山口敬之氏のことは)取材対象として知っている」
11日30日、参院予算委員会
 ようやく国会で取り上げられるようになった、元TBS記者・山口敬之氏によるレイプ疑惑。この日は福島瑞穂議員がついに安倍首相に対してはじめて山口氏の問題を追及し、「『総理』という本を書いたジャーナリストをご存知ですか、面識はあるでしょうか」と質問した。そして、その答弁は上記のものだった。
 よくもまあ、ヌケヌケと言ったものだ。山口氏と安倍首相の関係が「取材者と被取材者」というようなものでないことは、それこそ山口氏の著書『総理』(幻冬舎)を読めば明らか。執務室での写真をジャーナリストに使わせることも異例だし、山口氏が安倍氏の自宅や外遊先のホテルの客室にもしょっちゅう出入りするシーン、第一次政権崩壊後の2008年から安倍や昭恵夫人と定期的に登山をしていたエピソード、さらには、内閣人事案や消費税をめぐってメッセンジャー的な役割まで果たしていたことを、山口氏自らが自慢げに語っているからだ。それを「取材対象として知っている」とは開いた口が塞がらない。
 しかし、この山口氏のレイプ疑惑は、山口氏の逮捕状もみ消しに官邸の関与が疑われるという、法治国家の根幹を揺るがす大問題だ。山口氏をめぐっては、氏と昵懇だったペジーコンピューティング社長の齊藤元章氏が助成金詐欺事件で逮捕された一件とあわせて、徹底した真相究明がおこなわれなくてはならない。
大嘘10
「私や妻が(認可や国有地払い下げに)関係していたということになれば、これはもう、まさに、私は総理大臣首相も国会議員も辞めるということははっきりと申し上げておきたい」
「(獣医学部新設で)私がもし働きかけて決めているとあれば、責任を取る」
2月17日衆院予算委員会/3月13日参院予算委員会
 今年のいちばんの安倍首相による大嘘は、森友・加計問題それぞれで見得を切ったこの発言だろう。「妻が(国有地払い下げに)関係していた」ことは、総理夫人付き職員だった谷査恵子氏の口利きFAXや、財務省が不当な値引きを主導していたことを示す音声データからも明らかだ。そして加計問題も、官邸による異様な「加計ありき」が数々の証言・証拠によって証明されている。そして来春4月には、まさに「総理のご意向」どおりに獣医学部が新設されるのである。
 これだけ「詰んだ」状態では、過去の政権ならいまごろはもう倒れているはずだ。それが、安倍政権はどっこい年を越そうとしている。その背景には、誠意も正義もなく平気で国民に嘘をつく総理の存在と、もうひとつは忖度しかできない腰抜けメディアの存在がある。だからこそ、何度でも執拗に指摘しつづけなければならない。「総理は稀代の大嘘つきだ!」と。
 ──安倍首相の嘘とデタラメはまだまだあるのだが、今回は10本に厳選した。しかし、安倍首相の思い出しておきたい発言は、嘘・デタラメ以外にもある。追ってお伝えするので、そちらも楽しみにしていただきたい。(編集部)


お前は絶対君主か! 安倍首相の国民軽視、独裁者体質丸出し発言集
 本サイトでは先立って「安倍首相の真っ赤な嘘&インチキ発言ワースト10」をお送りしたが、安倍首相の問題発言はまだまだある。なかでも目についたのは、「あなた、何様のつもり?」とツッコみたくなる上から目線、いや、もはや“絶対君主”気取りの発言の数々だ。それは主権者の存在を無視し、民主主義を否定する、「独裁者」の態度が透けて見える。
 そんな独裁者気質を丸出しにした安倍首相の今年の発言を、以下にピックアップしていこう。
◎「我が軍」発言の反省なし
「警戒監視や情報収集に当たる部隊は、私の目であり耳であります」
「諸君のなかから最高指揮官たる内閣総理大臣の片腕となって、その重要な意思決定を支える人材が出てきてくれる日を楽しみにしています」
3月19日、防衛大学校卒業式での訓示
 自衛隊は「私の目であり耳」「片腕になれ」──。しかも、この訓示で安倍首相は6回も自分は「最高指揮官」であると繰り返した上、「最前線の現場にあって指揮をとる諸君と、最高指揮官である私との意思疎通の円滑さ、紐帯の強さが、我が国の安全に直結する。日本の国益につながっています」とも述べた。
 自衛隊員に向かって恥ずかしげもなく「私とのつながりの強さ」が安全の基準だと断言し、「私の目であり耳」「片腕」などとのたまう。「国民の」ではなく「私の」と言明しているのがポイントで、これこそまさに、安倍晋三が自衛隊を私兵として見ていることの証明だろう。そして、この口ぶりは戦前の「軍人勅諭」そっくりだ。
 悲願の2020年までの改憲に向け、安倍首相はこれまでこだわってきた9条への「国防軍」明記と2項削除案から、1・2項を残して3項に自衛隊を明記する「加憲」案にシフトした。だが、訓示からわかるのは、安倍首相にとって自衛隊は「我が軍」であることに変わらない、ということだ。
 だいたい、安倍首相の「加憲」案は9条に手を加えることに対する国民の抵抗感を下げる一方で、2項の平和主義を骨抜きにするのが目的であることは明々白々。そうして改憲をしてしまえば、事実上、2項が空文化したことで自衛隊の活動には歯止めがきかなくなり、「我が軍」化は現実となるだろう。安倍首相の一見「ソフト」に見せかけた「加憲」案に、騙されてはいけない。
◎国家戦略特区は「俺ありき」だった!
「速やかに全国展開を目指したい」
「地域に関係なく、2校でも3校でも、意欲のあるところにはどんどん認めていく」
6月24日、神戸「正論」懇話会での講演
 この発言が報じられた際、多くの人が「は?」と首を傾げたことだろう。獣医学部新設を加計学園1校に限定したのは、文科省でもなければ日本獣医師会でもない。新設条件に「広域的に」「限り」という文言を萩生田光一副官房長官が書き加えたことによって、京都産業大学が必然的に振るい落とされた。つまり、官邸のゴリ押しで加計の1校に決まったのだ。
 にもかかわらず、安倍首相はこの講演で「1校に限定して特区を認めた中途半端な妥協が、結果として国民的な疑念を招く一因となった」などと発言。「中途半端な妥協」も何も、獣医師を管轄する農水省が「獣医師確保が困難になることは想定しにくい」と報告していたように、需給の観点からも新たに獣医学部を新設することに国民から疑義が呈されているのだ。しかし、そんな声を安倍首相はまるで無視。「そんなに加計加計言うなら全国展開してやるよ!」と逆ギレして見せたのだ。
 まったく冗談じゃない。実際、日本テレビが獣医師養成課程のある全国16の大学に実施したアンケート結果では、この安倍首相の発言に対して「コンビニ出店を目指す社長のような発言」「獣医学教育や獣医師の役割を全く理解していない発言」という意見が寄せられたという。あまりに当然の意見だ。
 しかも、この発言が恐ろしいのは、「データも実態調査もいらん! 俺が決めたら特区で何でもやれるんだ!」というワンマン社長さながらの「俺ありき」の実態を自ら暴露したこと。安倍首相はこの国のことを自分が好き勝手できる会社のようなものだと考えているから、こんな言葉が出てきたのだろう。そして、だからこそ加計問題は起こったのだ。
◎日本はすでに「トランプ・ファースト」 「(武器装備購入は)米国の経済や雇用にも貢献するもの」
2月15日、参院本会議
 トランプ米大統領が出した入国禁止令に対して世界中が非難の声をあげるなかでおこなわれた日米首脳会談で、「米国が偉大な国になっていくことを歓迎したい」と宣った安倍首相。そして、トランプに言われるがまま防衛装備品の購入を決め、挙げ句、上記のように高らかにアメリカ・ファーストを国会で強調。セーフティネットである社会保障費を削減し国民に身を切ることを強要する一方で、「武器を買ってアメリカの経済に貢献しよう!」と言い出したのだ。
“国民の生活よりトランプが第一”というこの男の姿勢は、対北朝鮮でも鮮明になった。「北朝鮮に対する圧力を最大限まで高めていくことで完全一致」「日米が100%ともにあることを力強く確認」などというトランプと一体化した安倍首相の発言は北朝鮮を無駄に刺激するだけで、むしろ衝突をけしかけるものでしかない。だが、それも安倍首相にとっては当然の選択だった。こうやって今年、北朝鮮問題を煽りに煽ったことで政権浮揚を果たし、安倍政権はもち堪えたのだから。つまり、保身のために国民を危機に晒したのだ。
 北朝鮮を挑発しつつアメリカの軍事装備を売りつけるトランプに尻尾を振り、国民の生活と安全を差し出す安倍首相──これこそが、政権が喜ばしいことのように喧伝する「日米同盟の強化」の実態である。
◎恐怖政治さながらの国民分断
「こんな人たちに負けるわけにはいかない」
7月1日、都議選の秋葉原駅前街頭演説で
 ここまで直接的に市民を愚弄した総理大臣がいただろうか。加計学園問題の追及では閣僚席から仕切りにヤジを飛ばして質疑を邪魔していた当人が、そうした思い上がった首相の姿勢に異を唱える市民を「こんな人たち」呼ばわり。自分に対する批判に耳を傾け自省するでもなく、市民を「敵」として排除したのである。
 実際、衆院選の最終日に同じ場所でおこなわれた街宣には“安倍信者”が日の丸をはためかせ、政権を批判するプラカードを持った人たちに対して「朝鮮人!」などというヘイトスピーチまで飛び出すグロテスクな“極右集会”と化した。そして、安倍首相は直後に出演した自民党のネット番組で「熱気がすごかった。いろんな意味で『負けるな』というみなさんの気持ちだと思う」「何に『負けるな』とはいま私言いにくいですが」などと述べた。
 支持者は「味方」、批判する市民は「敵」。この分断と排除の発言を、このままでは近い将来、「あれが恐怖政治のはじまりだった」と振り返る日がくるかもしれない。
 いかがだっただろうか。いずれも自分は絶対的な存在なのだと信じて止まない思い上がりも甚だしい発言ばかりで、大きな問題になるに十分な、あるいはクビが飛んでも当然の発言も並んでいる。
 にもかかわらず、これらのなかにはテレビのニュースで取り上げられることもなかったものさえある。そうして、いまもこの男は総理の座に居座っているのだ。
 しかも、安倍首相が今年吐いた言葉は、嘘・インチキ発言や、こうした独裁者気取りの発言だけではなく、ネトウヨさながらの驚愕発言も連発してきた。それについては、追ってお届けしよう。(編集部)


安倍首相のネトウヨ化が止まらない! フェイク拡散、ネトウヨ用語連発、「報道特注出たい」
「真っ赤な嘘&インチキ発言」「独裁丸出し発言」とお届けしてきた安倍首相の今年の発言を振り返る企画の最後は、安倍首相による見苦しさと知性レベルの低さが露呈した発言集だ。
「印象操作」「レッテル貼り」を多様したり、ドヤ顔でデマを国会で答弁したり、はたまた陰謀論をテレビで披露したり……その態度はもはや「ネトウヨそのもの」である。
 ただただウンザリするばかりの発言がつづくが、憂うべきはこれが現実だということ。新たな年を迎える前に、いま一度、このどうしようもない事実を直視してほしい。
「(森友問題の追及で)レッテル貼りは辞めましょうよ。一生懸命、一生懸命、そうやって印象操作をされていますけど、何もないんですよ、そこは」
2月27日、衆院予算委員会
 出た、安倍首相がキレると必ず飛び出す「レッテル貼り」「印象操作」の決め台詞。だが、このときの質問は決してそんなものではない。質問は、昭恵夫人の言動について「(小学校の)ホームページ(から昭恵夫人の挨拶文と顔写真)を消したり名誉校長をやめたり(中略)これ以上(問題を)つつかれたくないから引いた、そういうことじゃないんですか」というものだった。それを安倍首相は「ホームページを消したのは私でも私の家内でもありませんよ!」と否定し、「レッテル貼りだ」「印象操作だ」と言い出したのだ。
 しかし、籠池泰典理事長は、安倍事務所の「初村さんという秘書」から電話がかかってきて、「非常にコワモテの声で『(HPから)下ろせ』と」「『FAXで流しているので今日中に顔写真すべて外せ』ということだったのでそのようにした」と証言。そして、これが事実かどうかを確認した質問書に対しては、「安倍議員の政治家個人又は私人としての活動等に関するもので、政府としてお答えする立場にない」という答弁書を閣議決定している。「印象操作だ!」と吠えるのなら事務所のFAX記録を出せばいいだけなのに、それさえしていないのである。
 また、安倍首相が同様に今年連発したのが「ないものを証明しろというのは『悪魔の証明』だ」という言葉だ。だが、森友にしろ加計にしろ、普通ならば残しているべき記録を「ない」「破棄した」と突っぱねてきたのは政府のほう。証明できる資料や記録を一方的に「ない」と言い張った挙げ句に「悪魔の証明」などと言い出すのは筋違いもいいところだ。
 だが、安倍首相はさらなる醜態を晒した。それが次の発言だ。
「辻元議員はですね、きょう産経新聞に『3つの疑惑』が出ていましたね。辻元議員も証明しないといけないということになりますが」
3月28日、参院決算委員会
 森友問題に絡んでネット上では、辻元清美議員に対する「塚本幼稚園に侵入した」「森友学園の小学校建設現場に作業員をスパイとして送り込んでいた」という情報が流れ、こうした情報を産経新聞が「民進・辻元清美氏に新たな「3つの疑惑」」と記事にした。これらがすべてデマであることはすぐさま証明され(既報参照)、あらためて産経が「フェイクニュースの温床」「デマ拡散新聞」「まとめサイトレベル」であることが再確認されたが、安倍首相はこのデマを得意気に国会でもち出したのである。
 ネトウヨがデマを流布することも悪質な行為だが、あろうことか総理大臣が裏付け調査もせず、デマを事実であるかのように取り上げ、国会で追及材料にするとは……。最低限の倫理と知性さえもち合わせていないということは、これではっきりしただろう。
 そしてそのことは、以下の発言でも明確だろう。
「私は、私は、私は! 『報道特注』出たいんだけど!」
10月21日、自民党ネット番組『Café Sta』で
 間違えないでほしいが、TBSの『報道特集』のことでは断じてない。『報道特注』というのはネトウヨから熱い支持を受けているネット番組で、司会の生田よしかつ氏(築地市場のマグロ仲卸三代目)のもと、自民党広報副本部長の和田政宗参院議員や「朝日新聞、死ね」ツイートの日本維新の会・足立康史衆院議員、経済評論家の上念司氏というレギュラー陣が、しばしばアルコールと見られるグラスを傾けつつ、デマと陰謀論丸出しでマスコミや野党をバッシングしまくっている番組。
 さらに準レギュラーには作家の百田尚樹氏や、レイプ告発を受けている安倍官邸御用ジャーナリスト・山口敬之氏もいる。山口氏は10月28日放送では、「もし(レイプ問題を)知らない方がいたらネットなど検索しないでおいていただけると(助かる)」などとネタにし、会場のグロテスクな笑いを誘った。
 このように、出演者をみても内容をみても知性や品格の欠片もない内容なのだが、そんなどうしようもない番組に、安倍首相は「出たいんだけど!」と出演を熱望しているのである。
「丁寧に説明する」という国民との約束は一向に果たさず、ネトウヨ番組に「出たい!」とアピールする。とほほと言うほかないが、しかし恐ろしいことに、今年、安倍首相はもっと露骨に自分のネトウヨっぷりを披露した場面があった。これだ。
「イヤホンちょっと、大丈夫ですか?」
10月9日放送『NEWS23』(TBS)党首討論で星浩キャスターに向かって
 放送を見ていた視聴者のほとんどが「?」の状態だったろうが、テレビの前でネトウヨは狂喜乱舞。それもそのはずで、なんと安倍首相は、ネトウヨがネット上で展開していた陰謀論をそのままテレビの生放送で口にしたからだ。
 経緯を説明しよう。安倍首相が解散発表後に『NEWS23』に生出演した際、番組では籠池泰典理事長側と財務省側との交渉を記録した音声データを取り上げるなど、数々の疑惑を安倍首相にぶつけた。だが、これにネトウヨが大反発。星浩キャスターのイヤホンから「2人でもりかけ」というディレクターの指示の音声が漏れていたことを鬼の首をとったかのように騒ぎ立てたのだ。
 時間が限られている生放送で自分のPRだけをやろうとした安倍首相に対し、番組側が少しでも国民が注目する部分に話をもっていこうと努力するのは当たり前のこと。だいたい「丁寧に説明する」と言って憚らないのは安倍首相自身だ。それをあたかも不正がおこなわれたかのように騒ぎ立てるのはいかにもネトウヨらしい行動といえるが、問題はこのあと。党首討論で再び安倍首相が同番組に出演すると、唐突に「イヤホンちょっと大丈夫ですか」と星キャスターに尋ねたのだ。
 ネトウヨによる「偏向報道陰謀論」を安倍首相がキャッチし、生放送でそのネトウヨの指摘を実行してみせる。しかも、党首討論という国民が注視する場で、である。
 もはや、安倍首相が「ネトウヨ的」だとか「ネトウヨとの親和性が發ぁ廚箸い辰織譽戰襪力辰任呂覆、この言動は「ネトウヨそのもの」。この国は「総理がネトウヨ」なのである。
 そして、そんな安倍首相は、今年、ネトウヨ集会にも参加し、次のように挨拶したのである。
「ネットサポーターズのみなさまには、日頃、自由民主党をしっかりと支援をしていただいていますこと、まずもって厚く御礼を申し上げたいと思います」
10月6日、自民党ネットサポーターズクラブ(J-NSC)の緊急総会
 J-NSCは表向き「自民党の政策や方針などをネットで広報すること」だとされているが、その実態は、自民党が日頃、民族差別や弱者差別を煽っている悪質なネトウヨたちを組織し、他党や政敵へのネガティブキャンペーンをおこなう“ステマ部隊”として使っているといわれてきた。そして、選挙期間中に開かれたこの緊急総会でも、その醜悪さは全開となった。
 たとえば、出席した会員から飛び出した「“従軍慰安婦像の辻元清美”や“手榴弾を投げる人民解放軍姿の志位和夫”は誹謗中傷になるか?」という質問に、J-NSCを統括する自民党ネットメディア局長・平将明衆院議員は「あの、個人のご判断だと思います、はい」と笑いながら返答する、といった具合だ。
 ネトサポをめぐっては、これまでもJ-NSC会員を自称するツイッターアカウントが、野党やその議員たちをデマを駆使して誹謗したり、民族差別を煽る悪質まとめサイトなどをどんどんリツイート拡散している姿が確認できている。
こうした差別発言やネガキャンに関わっているのは、ごく一部のネトサポが勝手にやっている可能性もあったが、しかし、この緊急総会の模様を目の当たりにすれば、やはり自民党が扇動して組織的にネトサポたちにやらせているとしか思えない。
 そして、この総会にサプライズゲストとして安倍首相が登場し、日頃、下劣な誹謗中傷や野党のネガティブキャンペーンに勤しむネトサポたちに「厚く御礼」を述べたのである。
 安倍首相はこの日、事前告知もなく遊説場所に現れる「ステルス街宣」を展開していたが、現場では「お前が国難」というプラカードを掲げる人たちの前に自民党関係者が自民党の幟を持って立ちはだかるなど、ピリピリムードに覆われた。そんな街頭から安倍首相がそそくさと逃げ込んだのが、このネトサポ総会だったのだ。
 ネトウヨ総理が卑劣な謀略デマ攻撃集団を組織し、総理はそれに支えられている。この現実を、来年も忘れてはいけないだろう。(編集部)

自転車はパンク/はんだごて/生卵とキムチ

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La Corée du Sud remet en cause son accord avec le Japon sur le dossier des ≪femmes de réconfort≫
Le président sud-coréen Moon Jae-In a dénoncé hier jeudi l’accord conclu en 2015 avec le Japon sur le dossier des ≪femmes de réconfort≫, qui étaient soumises à l’esclavage sexuel dans des bordels de l’armée japonaise avant et pendant la seconde guerre mondiale. Le Japon a aussitôt mis en garde contre une remise en cause de l’accord conclu.
Moon Jae-In a pris position après la publication la veille, du rapport d’enquête d’une commission d’études qui a conclu que l’accord de décembre 2015 avec le Japon ≪ne règle pas la question≫.
Par l’accord conclu sous le précédent gouvernement sud-coréen de Park Geun-Hye, le Japon avait présenté ses ≪sincères excuses≫ et versé sept millions cinq cent mille euros de dommages et intérêt à une fondation sud-coréenne pour aider les rares ≪femmes de réconfort≫ sud-coréennes toujours en vie. Mais au lendemain de sa signature, l’accord a été vivement critiqué par une partie de l’opinion publique et des associations sud-coréennes.
Dans son rapport publié hier, la commission estime que l’accord de 2015 ≪ne règle pas la question≫, et qu’il était ≪précipité≫, ≪très imparfait≫ et ne prend pas en compte la voix des victimes. Le président sud-coréen a appelé son administration à prendre au plus tôt des mesures de suivi, sans plus de précisions.
Le ministre japonais des Affaires a immédiatement réagi en déclarant qu’une révision de l’accord serait inacceptable et rendrait les relations entre les deux pays ≪ingérables≫.
Une éventuelle dénonciation de cet accord par Séoul aurait des conséquences sur ses rapports avec le Japon, au moment ou les deux alliés des Etats-Unis font front commun face aux programmes nucléaire et balistique de Pyongyang.
Pendant la période coloniale du Japon, entre 1910 et 1945, jusqu’à 200.000 femmes, essentiellement coréennes, mais aussi des Chinoises, des Indonésiennes et des ressortissantes d’autres pays asiatiques, ont été soumises à l’esclavage sexuel dans des bordels de l’armée japonaise. Cette question des ≪femmes de réconfort≫ empoisonne les relations entre le Japon et la Corée du Sud depuis des dizaines d’années.
Sarah J Cohen Sarah J. Cohen est une juriste spécialisée en droit international, basée à Strasbourg. Elle a travaillé de nombreuses années en tant que consultante pour divers organismes internationaux après avoir été analyste dans une banque internationale en tant qu’analyste.
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YTSスペシャル 希望の一滴〜希少難病に光!ここまで来た遺伝子治療〜
日本放送文化大賞・準グランプリ作品。遺伝子治療で運動機能が改善していく希少難病患者を山形テレビが長期取材。医療の可能性を信じる患者家族や医師たちの姿を描く。
遺伝子異常で寝たきりになる希少難病“AADC欠損症"。有効な治療法がなかったこの難病に一筋の光が差しこむ。それは「遺伝子治療」。山形テレビでは、患者家族、自治医科大学の遺伝子治療チームを独占取材。手術後2カ月で、寝たきりだった患者兄妹の身体機能に、驚くべき変化が起き始める。自分の意思で物をつかみ、半年後には、歩行訓練を始めたのだ。知られざる遺伝子治療の現場に密着。これまで治療法が見つからなかった神経難病に対する遺伝子治療の可能性と、患者家族の笑顔を伝える。 山形テレビ ☆番組HP  http://www.yts.co.jp/contents/ytsspecial/2016/08/post-27.html

報道の日2017
“激動の日本×アメリカ×北朝鮮”今そこにある東アジアの危機!緊迫する米朝関係!度々緊張と緩和を繰り返してきた朝鮮半島!その歴史を徹底検証、危機の行方を考察します ★司会   関口宏 雨宮塔子 ★ゲスト   恵俊彰 ホラン千秋     ◇   平井久志(共同通信 客員論説委員)   中林美恵子(早稲田大学 教授)      ほか ★アシスタント   皆川玲奈(TBSアナウンサー)
今年、もっとも賑わせたニュースのひとつ、北朝鮮。アメリカとの緊迫感は増すばかりです。いったいどこへ向かうのか?そして、私たちへの影響は?今年の「報道の日」は、この北朝鮮とアメリカ、そして日本に注目してお送りします。朝鮮半島の南北分断がはじまったのは、1945年太平洋戦争の終戦から。番組は、それまで日本に併合されていた朝鮮半島が、米ソによって分割統治されるときからスタート。以降、南北間では、アメリカや日本を巻き込み、幾度となく緊張が高まったり、緩和されたり…。時には、戦争直前の危機も訪れます。これまでに朝鮮半島で起きたこととは? 番組HP http://www.tbs.co.jp/houdounohi/ TBSテレビ 制作プロデューサー/総合演出 谷上栄一 制作プロデューサー 西野哲史 番組プロデューサー 上田学 プロデューサー 辻井靖司(MBS) 山口秀一(TBS-V) チーフディレクター 遠藤奏 スタジオ演出 山内尚文

異邦人‏ @Beriozka1917

「詩織さんは彼女の体験(山口敬之から受けた準強姦被害)についての本(Black Boxのこと)を出版したが、日本の主要ニュースメディアではあまり注目されていない」と、記事の最後に書かれている。日本では性犯罪被害者が声を上げても注目すらされないという現実が改めて世界中に知れ渡るね。
伊藤詩織さんの件は、日本における #MeToo 運動と絡めてBBCやNYタイムズ、スウェーデンのダーゲンス・ニュヘテルでも取り上げられ、他にもフランスのフィガロやルモンド、イタリアのコリエーレ・デッラ・セーラ等で報道されている。それに引き換え、国内メディアの怠慢ぶりは一体何なのか。
伊藤詩織さんは自らが受けた惨たらしい準強姦被害を勇気を振り絞って告発し、今まで日本独特の社会的風潮によって抑圧されてきた性的被害の告白に先鞭を付けたけれども、肝心の国内メディアより海外メディアの方が敏感に反応しているというのは恥ずべき事だ。これは紛う事なき日本社会の問題なのに。

内田樹‏ @levinassien
「フィガロ」の見出しは「伊藤詩織 強姦事件日本を震撼させる」ですけれど、国内メディアを見る限り、日本は全然「震撼」されていないようです。現に起きていることを報道できないメディアって何の役に立つんでしょう?
渡邉葉 @YoWatShiinaEsq
NY Times記事 re: #ShioriIto #JusticeForShiori
米法観点からみて興味深いのは、詩織さんがホテルロビーのカメラで記録を見ると"incapacitated" (自律能力がない)と見える、と明記されていること。米国内であったなら、大多数の州で、強姦立証要件の一つです。

小島慶子‏ @account_kkojima
伊藤詩織さんの告発について報じたニューヨークタイムズの記事。山口氏にも取材しています。逮捕が取りやめられた経緯だけでなく、性暴力について日本の社会やメディアが語ろうとしない背景を伝えています。
She Broke Japan’s Silence on Rape

怒れる元K(재일 한국인 3세) @HeatK325
伊藤詩織さんを皮切りにはあちゅうさんをはじめ、女性達が声を上げたのは日本でも同じ。しかし、海外と違うのは、女性達へのセカンドレイプ・バッシングの多さ。"モテテる自慢"とか"チヤホヤされて可愛がられてうらやましい"から"セクハラや痴漢される方にも原因がある、隙がある"、果ては"男性全員を性加害者扱いするな"とかNotAllMenを持ち出したり、"性被害を訴えるからには命の保証はないとか、(加害)男からの報復を覚悟しろよ"という風に脅され、妨害したり潰そうと試みる男児達が続出する始末。挙句に、AED処置を女性に施したらセクハラで訴えられるという悪質なデマまで流し、さらなる#metooに絡めてさらなる女性嫌悪を広めようと画策する奴らもでる始末。多少のセカンドレイプ’は海外でもあり、アホな男は存在するが、悪質な嘘やデマ、女性をあざ笑う冷笑系の戯言、ネトウヨやセクシストのパヨク、嘘松なる暴言やカウンターに塗れる醜悪さは世界広しといえども、日本だけだ。被害者へのバッシングに加わらず、運動に賛同するようなマシな男性達でさえ、「女性はもっと告白してほしい」「女性はもっと声を上げるべき」という自分は加害者(性犯罪者)と無関係ですよという限りなく他人事なのがさらに救えない。"被害を訴える女性は改善策を出すべきだ"という意見もあって、事後の改善策まで女性に押し付ける始末。痴漢などの性犯罪でも一緒。セカンドレイプ以外の一件最初の一言は加害者への非難で被害者により沿うようにみえて自衛策や痴漢の改善策を出せとか、女性へ責任を押し付け、告白をしにくくさせている。ホモソ・男根・家父長制社会全体や男性性全般に目を向け、まず自分達が変わろう。その上で女性の責任ではなく、女性への性暴力の蔓延は男性性の問題や責任であることを踏みしめ、自分達が友人や仕事の同僚を含む他の男性に働きかけ少しずつでもいいから変えていこうという#howiwillchangeの積極的な表明が日本では少数の男性以外から最後まで上がらなかった。
金子勝@masaru_kaneko
【原子力村のデマ】新潟県と東電の合同検証委員会は、福島第一原発事故後2か月以上メルトダウンが起きたことを東電が認めなかったのは、当時の清水社長の判断であり、当時の民主党政権の官邸からの指示はなかったとする調査結果を公表。無責任社会は時効後に真実が出る。

出かけようとしたら自転車はパンク.前輪も後輪も.なので歩いてDIYのお店に向かいました.
買い物ははんだごてです.
スーパーでキムチを買ったので,お昼は冷凍庫のご飯を解凍して生卵とキムチです.
帰りが7時過ぎかと思っていたら9時近くまでお仕事頑張ってきたとのこと.お疲れ様です.

[復興拠点整備] 地域の将来像見えない
 東京電力福島第1原発事故で全町避難が続く福島県双葉町で、住民が再び住めるようにする「特定復興再生拠点区域」(復興拠点)の整備に向けた除染が始まった。
 政府が認定した復興拠点の整備計画に基づく初めての作業である。福島県内7市町村に残る帰還困難区域の再生に向けた第一歩ではあるが、帰還目標は2022年春ごろまでとまだ遠い。
 順調に進んだとしても、どれくらいの住民が戻るかは見通せない。拠点の内と外で町民の分断が生じることも懸念される。
 安心して住める古里が取り戻せるのか。町全体の復興に向けた道のりは依然厳しく、地域の将来像は見えないと言わざるを得ない。
 帰還困難区域は福島第1原発事故による避難区域のうち、放射線量が年間50ミリシーベルトを超え、立ち入りが制限されている地域だ。双葉町では面積の約96%に当たる。
 双葉町の復興拠点は町のおよそ1割の約555ヘクタールだ。今回の工事は来年7月までの予定で、JR双葉駅周辺の約7ヘクタールで表土のはぎ取りや草刈りなどの除染、約55軒の住宅や公共施設の解体を行う。
 政府は最終的には帰還困難区域全域を除染し、避難解除する方針だ。しかし、「選択と集中」が必要だとして、具体的な目標時期は示していない。
 これでは、帰れない地域の人に不公平感が残り、長期的な町の政策も立てづらい。国は早期に計画の全体像を住民に示すべきだ。
 双葉町では、拠点整備のスタートを評価する声がある一方、避難の長期化で帰還を諦めたという町民は少なくない。
 事故から6年9カ月を超え、建物の多くは手つかずのままだ。荒れた家屋に加えて、周囲の放射線量や治安、買い物に不安を感じるのは当然である。
 帰還困難区域が面積の約8割を占める浪江町で、16年に復興庁が行った調査では、将来も含めて「帰りたい」と回答したのは17.5%にとどまった。
 避難先で苦労しながら生活を安定させてきた人たちは多い。国は「帰還ありき」ではなく、住民それぞれの意向に沿った支援の選択肢を提示しなければならない。
 復興拠点の除染にはほかの地域と異なり、国費が投入される。
 1日も早い除染作業は必要だが、環境行政の根幹である「汚染者負担原則」に反しており、事実上の東電救済になっていることは見逃せない。
 最終的には東電に請求することを検討するとともに、負担が生じている以上、国民にも丁寧な説明が欠かせない。


宮城の汚染廃棄物問題/国は前面に立ち責任果たせ
 東京電力福島第1原発事故で生じた宮城県内の汚染廃棄物の処理問題は、根本的な解決への一歩を踏み出せないまま、今年も越年する。
 原発事故から間もなく7年。汚染廃棄物を抱える地域住民は、いまだ日常を取り戻せないまま。遅々とした政治の対応を嘆かざるを得ない。
 県は27日、大崎、石巻、黒川、仙南の4圏域の広域行政事務組合代表の首長と会合を開き、一斉開始を前提とした試験焼却を「順次開始」へと方向転換した。準備の整った地域から2月以降、順次行っていくという。
 自治体が原発事故の後処理で翻弄(ほんろう)される現実に改めて違和感を覚える。問題の解決を、被害者である市町村に委ねるのは矛盾している。圏域で足並みの乱れが生じないのか、懸念が残るやり方だ。
 放射性物質に汚染された廃棄物のうち、濃度が国の基準(1キログラム当たり8000ベクレル)以下の稲わらや牧草は宮城県内で約3万6000トン。放射性物質汚染対処特措法により一般ごみと同じ扱いとされ、市町村が処理責任を負う。
 汚染廃棄物を巡る県や市町村の対応は二転三転した。動きだしたのは2016年春。県内で基準値を超える「指定廃棄物」の最終処分場問題が棚上げされた後だった。
 県は同年11月、県内の自治体などが持つ焼却施設で一斉処理する方針を発表。全35市町村長を集めた会議に提案したが、全会一致に至らず結論を翌年に持ち越した。
 今年6月、県は一斉焼却を断念し、汚染廃棄物を保管する自治体が圏域ごとに個別処理する方針に転換。7月の市町村長会議で合意され、今秋の試験焼却開始が決まった。
 しかし、大崎市や石巻市であった説明会は、焼却場や焼却灰の最終処分場がある地域の住民から風評や健康被害への不安が噴出。両市は関連費を予算化できず、年内着手は断念を余儀なくされた。
 安全を担保するデータや風評被害対策が不十分なまま進む県や市町村の議論は、住民の不安を呼び起こす一因になっている。反対する住民や市民団体の活動は各地で活発化し、「福島集約」の声すら出始めた。これもまた原発事故がもたらした悲しい現実だ。
 放射性物質は時間とともに自然減衰する。特措法上、指定廃棄物が基準値を下回れば一般ごみとされ、自治体の処理負担は刻々と増えることになる。現在の仕組みは、国が汚染廃棄物の問題を市町村に押し付けているように映る。
 指定廃棄物の最終処分場問題は14年1月の候補地決定から2年間足踏みし、頓挫した。県は今回、汚染廃棄物の18年度の本格処理を目指す。首長たちは覚悟を迫られている。堂々巡りを回避する手だてはあるのだろうか。
 国は傍観者ではなく、当事者として前面に立ち、特措法の再構築を含めた政治責任を果たす義務がある。


その後の原発、世界が監視 政府の責任続く
 ★東京電力福島第1原発事故の後、炉心溶融(メルトダウン)が2カ月間公表されなかった問題で、当時の官邸から指示、つまり首相・菅直人の指示があったか否かが焦点だった。26日、新潟県と東電の合同検証委員会は「炉心溶融という言葉の使用について官邸からの指示はなく、使わないよう社内に指示したのは当時の社長・清水正孝の判断だった」とする調査結果を公表した。 ★やっと検証結果が出たわけだが、東電は自分たちの立場を印象付ける第三者委員会で「官邸からの指示」と明記したために起きた混乱だ。この報告をベースに首相・安倍晋三は菅批判をしていたが、ブログを削除した。つまり東電がうそをついていたことを自ら発表し、6年後に東電も入った検証委員会で「事実はなかった」の結果は、あまりに不毛だ。その資料の信頼も揺らぐし、東電の発表をうのみにしていた報道機関や東電自身は、取り消しや謝罪は行わないのだろうか。 ★日本ではほとんど報道されていないが、20日、ロシア外務省のザハロワ報道官は「福島第1原発の大事故によって発生した液体放射性廃棄物を海に大量に放出するという、東京電力の方針に関する報道は、懸念を呼んでいる」と指摘。「日本政府は放射性汚染水の海への放出を禁止し、福島での大事故によって発生した廃棄物を安全に処理する方法を見つけるべきだ。日本にそのような技術がないのであれば、日本は国際社会に支援を求めることができるはずだ」と会見で発言した。 ★菅の名誉は回復したが、東電の責任とこの問題を引き継いだ現内閣や政府の責任は続いている。国内では風化が叫ばれるが、世界の政府が監視していることを忘れてはならない。今年1年を振り返ると、政権は内政、外交ともに目先のファクトに飛びつく傾向が強い。事故処理が中途半端では、復興も五輪もない。無視して通用する話でもない。真摯(しんし)な態度とは、避けて通りたいことも丁寧に実現させていくことだ。

ムスリムへ理解深めて多様性尊重する街に 東北大留学生ら活動
 イスラム教徒(ムスリム)の東北大留学生らが、教義に従った食事の普及を目指す取り組みや、礼拝場所の整備を要望する行動を通じて多様性の尊重に理解を求めている。宮城県国際化協会によると近年、東南アジアなどムスリム圏からの在留者の増加傾向が続く。留学生は「誰もが心地よく暮らせる街づくりを」と呼び掛ける。
 活動の中心は、東南アジアなどからの留学生約150人でつくる東北大イスラム文化協会。2008年に来日したインドネシア出身の大学院生アダム・バドラ・チャハヤさん(27)が代表を務める。
 留学生の情報交換の場として06年に結成され、アダムさんが16年4月に代表へ就いた後、ムスリム在留者への理解を広める活動や訪日外国人旅行者(インバウンド)の誘致に向けた環境づくりに力を入れ始めた。
 今年6月にはムスリムの食事「ハラール食」を提供する飲食店を増やそうと、仙台市青葉区の市地下鉄東西線国際センター駅で県内の食品加工業者との交流会を初めて開催。約80人が集まり、留学生がハラール対応の牛タンや白石温麺(うーめん)などを味わった。
 ムスリムに欠かせない礼拝の場所を確保する活動にも取り組む。今月11日に10人が県庁を訪れ、礼拝にも使える多目的スペースの整備に対する助成などを求め河端章好副知事に要望書を手渡した。
 同国出身の大学院生アンディ・ホリック・ラマダニさん(28)は「洋服店の試着室で礼拝したという話を聞いたこともある。仙台市内に礼拝場所をもう少し増やしてほしい」と支援を求めた。
 県内にある専用施設は仙台市と大衡村の2カ所。アダムさんは「人が少ない所で礼拝したら警備員に声を掛けられたこともある」と苦い思い出を振り返る。「ムスリムへのネガティブなイメージを払拭(ふっしょく)し、もっと自分たちのことを知ってほしい」と話す。
 県国際化協会によると、県内在留のインドネシア人は659人(16年)で5年前の約3倍に増加。日本政府観光局のまとめではムスリム圏からのインバウンドも伸びており、首都圏だけでなく東北など地方にも足を運ぶようになっている。
 アダムさんは「私たちは訪問先の食事や礼拝場所を事前に調べることが多い。ムスリムが安心して来ることができる仙台になってほしい」と期待する。


豊洲市場移転と小池都政 それで築地はどうなった
 東京都政は今年も「豊洲」「築地」に揺れた1年だった。
 築地市場から豊洲市場への具体的な移転・開業日が来年10月11日に決まった。都と市場関係者の合意がようやくまとまり、当初の予定から約2年遅れての移転となる。
 小池百合子知事が移転延期を決めたのは昨年8月末だ。その後、盛り土が一部ないことが判明し、施設内の地下水から環境基準の100倍を超える有害物質も検出された。
 確かに、延期したことで政策決定のずさんさが浮き彫りになった。安全対策を講じたのは当然だ。
 だが、東京都議選を前にした6月、豊洲市場と築地市場の両立方針を示してから、迷走が始まった。
 小池氏は「築地は守る、豊洲を生かす」と述べ、築地市場の跡地を「食のテーマパーク」とする再開発構想を打ち出した。しかし、その具体的なビジョンはいまだに示されていないままである。
 豊洲市場と築地市場のすみ分けがはっきりしないことは、豊洲市場の集客施設構想にも不安を与えている。施設の運営を予定する業者は「競合する」と反発し、撤退も検討しているという。
 これでは都政をあずかる責任ある姿勢とはいえないだろう。
 市場の安全を確保し、風評被害が出ぬよう努めるとともに、早急に築地再開発のグランドデザインを示すべきだ。
 豊洲市場の採算を危ぶむ声は根強い。年間の管理費も約77億円かかるとされ、赤字運営が見込まれる。
 卸売市場の水産物取引量は減少している。築地など都中央卸売市場の取引額は、1990年のピーク時に比べ2016年は約4500億円と半減している。消費者の魚離れや産地との直接取引の広がりが要因だ。
 取引量を増やし、経営合理化などで赤字を減らす工夫も必要だ。
 小池氏は「希望の党」を結成し、代表として10月の衆院選に臨んだ。だが「排除発言」などから失速し大敗すると代表を辞任した。国政と都政の間で揺れ動いた年だった。
 衆院選後、小池氏は「都政に専念する」と宣言した。豊洲移転問題への一連の対応が、知事のパフォーマンスだったといわれぬためにも責任ある対応が求められる。


脱炭素社会/世界の潮流に日本は逆行
 先進国に温室効果ガスの排出削減を義務づけた「京都議定書」の採択から、20年が過ぎた。
 議定書を機に世界の温暖化対策が動きだし、後継の「パリ協定」につながった。先進国に限った議定書の反省も踏まえ、新興国も含めた新たな枠組みとなり、昨年発効した。
 今年6月には米国のトランプ大統領が離脱を表明して影響が懸念されたが、米国を除くすべての国が参加する。具体的なルールづくりも始まり、「脱炭素社会」の実現に向けた世界の流れが鮮明になった1年だった。
 だが、福島第1原発事故後、排出量の多い石炭火力発電を国内外で推進する日本は、流れに逆行していると批判される。議長国として議定書を取りまとめた責任を果たすためにも、歩調を合わせるべきだ。
 日本は京都議定書の第1約束期間(08〜12年度)では、90年度に比べて温室効果ガスの排出量を8・4%減らし、義務づけられた6%を上回った。
 ただ、海外からの排出枠購入や森林が吸収する分などが考慮されての目標達成だ。実際の排出量は1・4%増と、むしろ増えた。また第2約束期間(13〜20年)については、温暖化政策に産業界を取り込むことができず、参加を拒否している。
 世界的には石炭火力発電の廃止方針を打ち出す国が相次ぎ、再生可能エネルギーへの転換が進む。英仏は、ガソリン車の販売を禁止して、電気自動車へシフトさせる方針だ。
 パリ協定は来年、ルール策定の合意を目指す。本気で取り組むのであれば、政府は抜本的な対策を示さねばならない。
 協定は今世紀後半に温室効果ガスの排出を実質ゼロにし、産業革命前からの気温上昇を2度未満に抑えることを目指す。しかし、各国が掲げる現状の目標だと不十分なほど、温暖化が深刻な状況にある。
 神戸市は来年、燃焼時に二酸化炭素が発生しない水素を使った電気の供給を市街地に始める。世界初の取り組みで、川崎重工業が20年ごろの実用化を目指すという。
 温暖化対策を世界はビジネスの機会と捉えている。日本でもこうした技術革新を積極的に促していく必要がある。


原発と規制委 再稼働ありきでいいか
 原子力規制委員会が、新潟県の柏崎刈羽原発6、7号機に対し、再稼働に向けた「安全」のお墨付きを正式に与えた。
 東京電力福島第1原発事故後、東電の原発が審査を通ったのは初めてで、事故を起こしたのと同じ沸騰水型の原子炉としても全国初だ。東電は早期運転再開を目指しているが、地元の同意なしに再稼働できないことを、肝に銘じてほしい。
 新潟県の米山隆一知事は再稼働に慎重な姿勢を崩していない。万一のときの避難方法や福島の事故について「県独自の検証がなされない限り再稼働の議論は始められない」とし、判断には3〜4年かかるとの考えだ。
 同県は、「合格」と判断した規制委に対し、年明けにも正式に説明を求める方針だという。地元住民にとって「安全」と「信頼」は欠かせない。規制委は判断に至った経緯も含め、詳細に説明する責任がある。
 そもそも6年前に起きた福島の原発事故への対応ができていないことを忘れてもらっては困る。現場での調査が十分できないため、いまだに事故原因も究明されていない。廃炉のめども立ってはいない。
 そうした状況下で規制委は、事故の当事者である東電の安全対策が、新規制基準に適合していると認めたのである。
 審査は、設備面だけでなく、東電の事業者としての適格性がもう一つの焦点だった。当時の田中俊一委員長は当初、事故を起こした東電は「ほかの電力会社とは違う」との問題意識を持ち、「再稼働の資格なし」とまで発言していた。
 だが東電が廃炉をやり遂げるとする「決意文」を出すとそれを受け入れ、ゴーサインを出した。「決意」さえ示せば良かったのだろうか。疑問が残る。
 柏崎刈羽原発では今年、免震重要棟の耐震性不足を3年前に把握しながら規制委に報告していなかったことが発覚した。そんな姿勢で原発再稼働を任せていいのかと、被災者や原発立地の住民から不安の声が上がるのも当然だろう。
 発足5年を迎えた規制委は、福島の事故を反省し、政治や行政から独立した立場で原子力施設の安全性を監視するために設置されたはずだ。これでは、政府が進めたい原発再稼働にお墨付きを与えるための機関だと言われても仕方あるまい。
 司法では、そのお墨付きに待ったをかける判断も下された。再稼働していた四国電力伊方原発3号機(愛媛県)について広島高裁は今月、運転差し止めを決定した。規制委が認めた四電の火山対策を「不合理」と断じた。同様の立地の原発は少なくない。重く受け止めるべきだ。
 安全性を追求すれば費用は当然かかる。先日、関西電力は大飯原発2基の廃炉を決めた。安全対策にコストがかかり過ぎ、採算が合わないと認識したからではないか。
 政府や東電は、再稼働を経営再建の柱と位置付けてきた。廃炉や賠償の費用が膨らむ一方、停止している原発の維持費もかかるから再稼働しなければ―。そんな経済性を最優先した理由で、安全性が軽視されることがあってはならない。
 規制委は再稼働を前提にするのではなく、地元住民の不安と向き合って議論を重ね、慎重な判断に努める必要がある。


原発の1年 厳しさを増す稼働環境
 原発はどこへ向かうのだろうか。原発を取り巻く厳しい環境を突きつけた1年は、そんなことを考えさせた。
 象徴的なのは、関西電力大飯1、2号機(福井県)の廃炉だ。いずれも出力100万キロワット超の大型原発。東京電力福島第1を除けば大型の廃炉は初めてだ。
 2基とも営業運転開始から40年弱が経過。申請して認められれば最大60年まで運転が延長できるが、安全対策に巨額な費用を要するため採算が合わないと判断した。
 これで東日本大震災後、福島第1の6基の他に8基の廃炉が決定した。発電効率の良い大型炉でも、稼働年数との兼ね合いで断念するケースが増えるかもしれない。
 「原発は安い電源」の前提が成り立たなくなっている。電力事業者は今後難しい判断が求められよう。国も「原発ありき」の政策の見直しが迫られているのではないか。
 国はエネルギー基本計画の改定作業中。ただ、2030年度電源構成比率の「原発は20〜22%が目標」とする骨格は変えない方向のようだ。
 確かに再稼働の動きは進む。東電柏崎刈羽6、7号機(新潟県)が新たに審査に通り、新規制基準下の合格は計7原発14基となった。
 しかし一方で廃炉が相次ぐ状況を見ると「原発20%超」が現実的とは思えない。再生可能エネルギー普及強化をもっと前面に打ち出すべきだ。
 海外でも原発は苦戦している。専門家がまとめた報告書によると、昨年末の段階で今年中に運転を開始するとされていた原発は17基あったが、実際に稼働したのは3基にとどまるという。
 苦境を端的に示すのは、東芝子会社の米原発大手が破綻したことだ。一連の原発事業をめぐる巨額損失は東芝の経営を揺るがした。
 そんな中、日本、インド間の原子力協定が発効。日本からの原発輸出に向けて協議を進めるが、事故発生時にメーカーの責任を問えるインドの原子力損害賠償法の運用が焦点となっている。
 福島事故後、世界で原発建設コストは膨らんでいる。事故の賠償の可能性も考えるなら、慎重な姿勢が求められよう。
 難題である高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場問題でも動きがあった。「科学的特性マップ」が公表され、本県を含む広い範囲が「適地」とされた。ただ、それを受けた意見交換会で、謝礼を持ち掛けて動員を図ったことは、原子力政策に対する不信感を募らせた。
 解決を見通せないまま原発が稼働してきた核のごみ問題を考えても、原子力政策は今一度根本的に見直す必要があるのではないか。


憲法論議/目立った首相の強気姿勢
 憲法施行70年の今年は、改憲を目指す政治の動きに弾みがついた年となった。
 一石を投じたのは、5月3日の憲法記念日に公表された安倍晋三首相のビデオメッセージである。戦争放棄や戦力不保持を定めた9条に「自衛隊の存在」を追記する案を提示した。
 党内に諮らず、唐突に打ち出された首相の「意向」は波紋を広げた。一方で、戦後の復興や繁栄に憲法が果たした役割に関する議論が深まらなかったのは残念というしかない。
 首相は東京五輪・パラリンピックが開催される2020年に「新しい憲法」を施行したい考えも強調した。19年夏の参議院選までに改憲の国会発議を目指しているとされる。
 しかし、最近の世論調査でも安倍政権下の改憲に5割近くが反対している。国民の不安や懸念と向き合い、「改正ありき」の進め方は慎むべきだ。
 この夏、「加計(かけ)学園」の獣医学部新設計画や「森友学園」への国有地売却を巡る疑惑で内閣支持率が急落した。首相は「反省」を口にし、頭を下げた。その際、改憲についても「スケジュールありきではない」と前のめりの姿勢を軌道修正した。
 だが、支持率下落に歯止めがかかると議論加速の構えを打ち出した。さらに衆院解散に踏み切って総選挙で勝利を収め、党内の議論を急ぐよう指示するなど、いっそう強気に転じた。
 自民、公明両党に希望の党や日本維新の会を含めれば「改憲勢力」が発議に必要な3分の2以上の議席を超えている。改憲を「宿願」とする首相にはうってつけの状況といえる。
 ただ、9条に自衛隊を明記する首相案には自民党内にも異論が根強くある。戦力不保持と交戦権否定を定めた2項を削除して「国防軍」を創設する党改憲草案と矛盾するためだ。
 自民党は首相案への一本化の動きを年明けに再開する。他党とも協議を進める方針だが、教育無償化を明記するかなど、政党間の主張は一致していない。立憲民主党は、自民党などの案にない首相の解散権制約などを検討課題に挙げている。
 違いを超えて合意形成を図るには時間が要る。結論を急がず熟議を最優先すべきだ。


2017回顧 国内 強い言葉が飛び交った1年
 「国難」「排除」「革命」―。2017年は、こうした強い言葉が飛び交った1年だった。
 10月の衆院選は与党の大勝で終わった。北朝鮮情勢と、進む少子高齢化を「国難」と位置づけての選挙。自民、公明で憲法改正に必要な議席を維持した。
 安倍首相は、森友、加計学園などを巡る問題で野党から「政治の私物化」「強引」と批判を浴び、7月の東京都議選で自民が歴史的惨敗を喫した。その後に解散に持ち込んで、結果的に野党の「敵失」に助けられた形だ。
 その野党は期待はずれだった。小池百合子都知事が「希望の党」を結成、台風の目になったが、民進党からの合流組に対し、保守的な政策の受け入れを迫る「排除の論理」が反発を受けた。民進党は分裂した後、今も迷走している。つけいるすきを与えた側の責任も大きい。
 そして安倍政権が掲げたのが、「生産性革命」や「人づくり革命」だ。確かに先端技術を入れて、日本の産業構造を変えたり、幼児教育や高等教育を無償にするのも大切だろう。ただ、言葉だけが先走りして内実が伴わなければ何にもならない。国民も、スローガンに惑わされず、国の活力を失わせかねない変化に目を向けたい。
 第2次安倍内閣がスタートして5年。自民党内に安倍首相の政策を修正しようとする勢力は存在感が薄くなり、多様性が失われていることの弊害が心配だ。
 今年も列島各地で災害が発生した。九州北部を記録的豪雨が襲い、福岡、大分両県で犠牲者は40人。行方不明者は依然2人となっている。隣県での被災は佐賀県民にとっても人ごとではない。
 国や自治体は災害履歴や地形情報を生かした対策、インフラの老朽化に備え、住民側もハザードマップ(被害予測地図)を作ったり、要援護者の安否確認など避難支援態勢を整えたい。
 神奈川県座間市で9人の切断遺体が見つかり、27歳の男が逮捕されるという陰惨な事件が起きた。
その一方で明るい話題もあった。
 中学生でプロ入りした将棋の最年少棋士、藤井聡太四段がデビュー戦以来、公式戦29連勝の新記録を樹立。30年ぶりの快挙で、14歳という若さに日本中がわいた。加藤一二三九段の引退も注目され、将棋ブーム再来の年となり、子どもたちに夢を与えたのは特筆される。
 スポーツでは、陸上男子100メートルで、桐生祥秀選手(東洋大)が9秒98の日本記録を樹立し、日本人で初めて10秒の壁を破った。
 皇室に大きなニュースがあり、昨年、ご高齢を理由に天皇陛下が示された「退位」のご意向は、大方の国民の願い通りに進んだ。退位日が2019年4月30日と決まり、翌5月1日に皇太子さまが即位され、新しい元号となる。
 また、秋篠宮家の長女、眞子さまと小室圭さんの婚約が内定した。喜ばしいことではあるが、皇室を将来的にどう維持していくかは、大きな課題として残ったままだ。議論を急ぐ必要がある。 
 平成の終わりのカウントダウンが始まったが、北朝鮮の挑発など、海外の動きが直接、国政に跳ね返る。それだけ政治の責任は大きい。強い言葉を発するよりも、まず国民の声なき声に耳をすます姿勢こそ持ちたい。  (横尾章)


回顧2017 多様な言論確保する場を
 国内、外で混迷と亀裂が深まった。残念ながら、こうくくらざるを得ない1年である。
 「米国第一」を掲げるトランプ大統領が就任し、超大国のリーダーとは思えぬ傍若無人な振る舞いに全世界が翻弄(ほんろう)されている。
 北朝鮮は6回目の核実験を強行し、弾道ミサイルの発射を繰り返す。ミサイルは2度も北海道の上空を通過した。これに対し、圧力一辺倒の米国に日本も同調するものの、解決の糸口は見えない。
 この北朝鮮情勢や少子高齢化問題などを時代がかった「国難」と訴えて、安倍晋三首相は10月の衆院選に大勝し、政権に返り咲いてから丸5年を迎えた。
 首相は経済指標の好転を強調するが、景気拡大の長さが高度成長期の「いざなぎ」を超えても、一向に実感はわかず、将来への不安や閉塞(へいそく)感は晴れない。
 むしろ、今年の流行語大賞に「森友」「加計」問題を象徴する「忖度(そんたく)」が選ばれたように、長引く「安倍1強」のひずみが国民にも意識されたと言えよう。
■寛容さを失った米国
 温暖化対策の枠組み「パリ協定」からの離脱、イスラム圏からの移民制限、エルサレムをイスラエルの首都と認定―。
 トランプ米政権の発足以来、次々に打ち出される極端な政策に、多くの人が不安を抱いたろう。
 白人至上主義者と反対派の衝突が流血の惨事となった際、大統領が両者を同列視する認識を示し、非難されたことも記憶に新しい。
 こうした言動が反発を招いても、トランプ氏は意に介さない。それどころか、批判をうそと決めつけ、口汚く罵倒する。
 女優のメリル・ストリープさんが「軽蔑は軽蔑を生み、暴力は暴力を生む」と懸念したように、対話を拒絶し、他人を侮辱するような権力者の態度は、社会に悪影響を及ぼさずにはおくまい。
 米国では差別主義者が行動をためらわなくなったとの指摘があり、人種対立が激化した。
 米国が民族や文化の多様性を認め合う寛容さを失えば、分断は世界に波及する恐れがある。
 トランプ氏は現実を直視し、軌道修正してもらいたい。
■真摯な議論はどこへ
 こうした事態は、日本には無縁と言い切れるだろうか。
 特定秘密保護法、安全保障関連法に続き、安倍首相は今年も、国論を二分する「共謀罪」法を数に物を言わせて強引に通した。
 安倍1強の下で、こうした手法が繰り返されるうちに、国会での審議は形骸化し、真摯(しんし)な議論さえ成り立たなくなっている。
 首相自身がやじを飛ばしたり、声を荒らげたりしたが、深刻なのは、ぞんざいな対応が官僚にも広がったことだ。
 端的に表れたのが「森友」「加計」問題である。
 財務省や文部科学省の担当者の口からは「記憶にない」「記録を廃棄した」といった驚くべき答弁が飛び出した。
 官僚は、時には、しゃくし定規なまでに、法律と手続きに忠実であるべき公僕だ。
 職務上の誠実さを捨てて口をつぐむのは、首相の意向を「忖度」してのことか、それとも、圧力を受けたせいか。
 官僚を含め政府がこぞって、まともな答弁を放棄した。野党議員だけでなく、その背後にいる国民を軽んじたに等しい。
 それは、ひいては国会の権威を損ねることになる。
■民主主義の原点こそ
 民主主義は本来、多様な民意を反映させようと努力する手間暇のかかるプロセスだ。
 ところが、現状は「決められる政治」「果断な指導力」と称して、熟議や手続きを省略し、少数意見を切り捨てている。権力の乱用と指摘されても仕方あるまい。
 年の暮れ、米軍基地が集中する沖縄で、看過できない卑劣な出来事が起きた。
 米軍ヘリが窓を落下させる事故があった小学校に、「やらせ」「後から建てた方が悪い」といった電話やメールが相次いだ。
 沖縄の現実への偏見と悪意に満ちた中傷である。
 他人の意見に耳を傾けることなく、ひたすら相手をののしるヘイトスピーチ(憎悪表現)とほとんど変わりがない。
 私たちは、こうした不当な圧力を受ける人の声に耳を澄まし、その訴えを伝える努力を続けたい。
 多様な言論の場を確保することが、民主主義の原点であり、権力の乱用に歯止めをかけることにもつながると信じるからだ。
 今年のノーベル文学賞を受賞したカズオ・イシグロ氏は「分断の時代に人々がまとまるようなことに関わりたい」と語った。
 世界の人々に向けて発せられた切実なメッセージだろう。


分断の世界 対立深めた不寛容で乱暴な政治
 世界にとって今年は「分断の一年」であったかもしれない。
 自由、平等、民主主義の旗を掲げ、共生を目指してきたはずの多くの国で格差が広がり、分断が進み、排除の論理やむき出しの憎悪が横行している。共通して懸念されるのは、結果や勝敗しか見ない、不寛容で乱暴な政治の手法、ありようである。
 民主主義の根幹である丁寧な合意形成のプロセスを軽視し、「敵か味方か」「イエスかノーか」といった単純な二分論を国民に迫り、数の力で勝ち負けを決める。それだけでは社会はすさみ、対立は深まるばかりだ。それぞれの国の指導者は、政治の荒廃が社会の亀裂や「傷」を深めている現状を省み、改めて新たな年に、融和への一歩を踏み出さなければならない。
 力ずくで分断や対立をあおる政治の劣化を、最もあらわに見せつけたのは1月に就任したトランプ米大統領だった。「米国第一」を掲げ、パリ協定などの離脱を表明。意に沿わぬ報道を「偽ニュース」と罵倒、移民や人種への差別、偏見を隠そうともせず、テロや銃乱射、ヘイトクライム(憎悪犯罪)が続発した。大国のリーダー自らが不穏な緊張を高め、対立を激化させてきた責任は極めて重い。
 身勝手な超大国が誇示する力は、危ういバランスを保ってきた国際秩序を根底から揺るがしている。エルサレムをイスラエルの首都と認定したことで、中東は再び混乱の渦に。北朝鮮が核・ミサイル開発を加速させ、脅威を増大させた背景にも「力には力で」との論理にのみ込まれた影響が少なからずあろう。
 一方の欧州も、分断と不信が国を「自壊」させ始めている。
 国民投票で欧州連合(EU)離脱を決めた英国は、与党が今夏の選挙で過半数割れに陥り、国の立て直しは遠い。スペインは、カタルーニャ自治州の独立の是非を問う住民投票を強行。一方的な独立宣言の末、州自治権が停止されたが、やり直しの州議会選でも再び独立派が「勝利」した。ともに国が真っ二つに分断され、住民は混乱のさなかに取り残されたまま。対立をあおるだけあおって放置し、抑圧しても問題は解決しない。遠回りのようでも政治的な対話を地道に重ねていくほかに、収束の道はあるまい。
 「欧州の盟主」ドイツも、与党が9月の総選挙で議席を減らし、排外主義的な新興右派政党の初の国政進出を許した。従来の寛容な難民政策への国民の不満が、右傾化や不安定化につながっている状況を危惧する。
 他の国も、日本もまた同じ。テロや貧富の格差、雇用不安、不公平な社会への不満が、より弱い立場の人に向かっている。政治が果たすべき役割は、多様性を尊重し、対立する利害を解きほぐし調整して、社会に寛容の精神と信頼、良心を取り戻すこと。「恐怖と憎悪で未来を築くことなどできない」(フランスのマクロン大統領)ことを、来年こそ改めて胸に刻みたい。


スパコン詐欺  助成先の選定は適正か
 先端技術への国の助成金制度が悪用されないよう、対策を強化する必要がある。
 スーパーコンピューター開発会社「ペジーコンピューティング」の社長らが、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成金約4億3千万円をだまし取った詐欺の疑いで東京地検特捜部に逮捕、起訴された。開発費を水増し請求し、不当に得た金を別事業に充てたと供述しているという。
 社長の斉藤元章容疑者がかかわる会社には、NEDOの助成金と科学技術振興機構(JST)の無利子融資を合わせて100億円近くの公的資金の投入が決まっており、不正受給額はさらに膨らむ可能性がある。全容を解明し、再発を防がなければならない。
 NEDOの助成金をめぐっては、以前から不正行為が相次いでいる。機械装置の架空発注や経費の過大請求、実態のない研究活動、データの捏造(ねつぞう)による不正受給などだ。水増し請求での詐欺事件は2014年にも起きている。
 不正防止のため、NEDOは事業者に指針を示し、実地検査も行っているが、効果が不十分なのは今回の事件でも明らかだ。
 最先端分野に挑むベンチャー企業を支援することは重要だ。日本の産業技術力の強化にもつながり得る。だが、期待先行、予算の消化ありきといった制度運用がなされていないか。専門性の高い分野への助成決定にあたり、事業内容を適正に評価、審査できているかという疑問も浮かぶ。
 スパコンは中国が先行し、世界的に開発競争が激しくなっている。高度な計算能力が気象や災害被害の予測、車の安全設計、新薬の開発などに役立ち、日本も「国家基幹技術」の一つとして巨費を投じて開発を後押ししている。
 ペジー社が開発した「暁光(ぎょうこう)」は今年11月の世界のスパコンの計算速度ランキングで4位に入り、独自の冷却液を循環させて消費電力を抑える技術で注目された。斉藤容疑者は業界では知られた存在で、政府の有識者会議の委員を務めたこともある。
 言うまでもなく助成先の選定は公正、透明であることが第一だ。どんな経緯でペジー社に公的資金が投じられることになったのか、明らかにする必要がある。審査や検査の在り方自体も詳しく検証せねばならない。
 NEDOとJSTをそれぞれ所管するのは経済産業省、文部科学省だ。特捜部による捜査に加え、政府の責任で問題点を洗い出し、公表してもらいたい。


国民は忘れない 安倍首相のノド元に刺さったモリカケ疑惑
 1月22日に召集される通常国会では、改めてモリカケ疑惑について野党の徹底追及が始まる。安倍首相は総選挙で大勝した上、特別国会も逃げ切って「禊は済んだ」と思っているようだが冗談じゃない。メディアの世論調査では、いまだに7〜8割の国民がモリカケ疑惑に対する政府の説明に納得していないのだ。国民がモリカケ疑惑を忘れると思ったら大間違いである。
 なにしろ、森友問題も加計問題も、疑問はひとつも解消されていない。
 なぜ、財務省は森友に特別な便宜を図ったのか。理財局長として答弁した佐川宣寿国税庁長官は、なぜ「金額のやりとりはない」と虚偽答弁を繰り返したのか。森友学園が新設する予定だった小学校の名誉校長だった安倍の妻・昭恵氏はどう関わったのか。疑惑は全く晴れていないのだ。
 加計学園の疑惑も、すでに生徒募集が始まっているが、官邸の関与の有無や、規制緩和に至った根拠は不透明のままだ。
 モリカケ疑惑を解明し、国民の納得を得るには、野党が要求している通り、疑惑の当事者である昭恵夫人と佐川長官、加計孝太郎理事長の3人を国会に呼んで証人喚問する以外にない。「モリカケ共同追及プロジェクト」の黒川敦彦氏がこう言う。
「国会を開かず、開いても疑惑に対してマトモに答弁しない安倍政権は、国会軽視も甚だしい。国民の疑問にこたえる気が全くありません。会計検査院は森友問題で調査に入りましたが、世論の高まり次第では加計問題でも動く可能性は十分ある。野党の追及も終わらないでしょう」
 安倍のノド元に刺さった“疑惑の骨”は、さらに深くえぐり続けることになる。


森友、加計問題越年/疑惑解明へ説明尽くせ
 森友、加計問題の本格論戦は来年の通常国会に持ち越された。政府、与党は解明に背を向け、野党が臨時国会召集や関係者の国会招致を求めても一切応じなかった。さらに自民党大勝に終わった衆院選後には質問時間の配分見直しを要求。衆院予算委員会では慣例で「野党8、与党2」だった割合を「野党9、与党5」にまで持ち込んだ。
 先の特別国会で安倍晋三首相は「真摯(しんし)な説明を丁寧に行う」と表明。自民党内からも「おごることなく、謙虚に」との発言が相次いだが、その実、野党から追及の場を奪い、国民の関心が薄れるのを待って逃げ切りを図りたいとの思惑にも思える。野党の足並みがそろわないのも、与党にとっては好都合だろう。
 しかし首相に近いといわれた大阪市の森友学園と岡山市の加計学園という二つの学校法人が官僚らの忖度(そんたく)により、それぞれ国有地売却と獣医学部新設で優遇され、行政がゆがめられたとの疑念は深まるばかりだ。国会が数の力に支配され、行政をチェックする本来の役割をほとんど果たせないでいることに疑問や不満の声も高まっている。
 政府、与党には通常国会で野党の質問時間を削るような対応ではなく、首相の夫人や友人が関わった一連の疑惑の解明に正面から向き合い、説明を尽くすことを強く求めておきたい。
 森友問題で野党の追及は1年近くに及び、8億円余りも値引きして国有地を森友学園に売却した不透明な経緯につき「適正な処理」の一点張りだった政府の説明にほころびが見え始めた。値引きの根拠とした地中のごみ撤去費の算定を巡り会計検査院が11月に、あまりにもずさんだったことを指摘したのが大きい。
 特別国会に入り財務省は、学園側と財務省近畿財務局側とのやりとりを収めた音声記録の内容について事実であることを初めて認めた。売買契約を前に「ゼロ円に極めて近い形で払い下げをしてほしい」と迫る学園側に財務局側が「ゼロに近い金額まで、できるだけ努力する作業をやっている」などと応じている。
 これまで「先方にあらかじめ価格について申し上げることはない」としてきた財務省の答弁と矛盾する。財務省は「金額も含め、さまざまなやりとりはあった」としながらも「価格交渉ではない」と苦しい釈明に終始した。
 しかも、売却を前提にした定期借地契約を結ぶなど「特例」を重ねたことも認めた。検査院の指摘で批判が高まり政府が追い込まれた形だ。学園側に示された過分な配慮の背景に、学園が開校を目指した小学校の名誉校長に就任した首相の昭恵夫人の存在があったことは想像に難くない。
 一方、首相が「腹心の友」と呼ぶ加計孝太郎氏が理事長を務める加計学園の獣医学部新設は文部科学省から正式に認可された。ただ大学設置・学校法人審議会が審査の過程で、学園の計画に是正を求める数々の注文を付けたことが分かった。
 2年前に閣議決定された「獣医師の需要動向」など新設の4条件を満たしているかどうかも通常国会で改めて論議になるだろう。与党は野党の質問時間をさらに削ろうとするとみられ、野党が連携して粘り強く追及に取り組めるかどうかだ。


[森友、加計問題] 疑惑解明は年を越した
 国民の関心が薄れるのを待って逃げ切りを図ろうという思惑だろうか。
 「忖度(そんたく)」という言葉がクローズアップされた森友、加計学園問題は疑惑が解明されないまま来年に持ち越された。
 政府、与党は野党が臨時国会召集や関係者の国会招致を求めても応じる姿勢は見せず、問題解決に後ろ向きだった。
 国会が数の力に牛耳られ、行政を監視し正す本来の役割を果たしていない。国民が疑問や不信を募らせているのは間違いない。
 疑惑があれば与野党問わず、解明に全力を挙げるのが国権の最高機関としての国会の責務である。1月に開かれる通常国会での本格論戦を求めたい。
 安倍晋三首相に近いといわれた大阪市の森友学園と岡山市の加計学園の二つの学校法人は、それぞれ国有地売却と獣医学部新設で優遇されたとの疑念は払拭(ふっしょく)されていない。むしろ疑惑は深まるばかりといえよう。
 森友問題で野党は1年近く追及した。8億円余りも値引きして国有地を学園に売却した経緯は不透明である。
 政府は「適正な処理」との説明に終始しているが、ほころびが見え始めたといっていい。
 値引きの根拠とした地中のごみ撤去費の算定に対する会計検査院の指摘は重大だ。
 土地の売却額がずさんに算定され、「慎重な調査検討を欠いた」とする検査結果報告を参議院に提出。ごみ処分量の推計根拠が定かでなく、実際の処分量は推計の3〜7割だった可能性があるなどとした。
 この問題では、安倍晋三首相の昭恵夫人が国有地に建つ予定だった小学校の名誉校長に一時就任。行政側が忖度して不可解な値引きにつながったとの疑惑が浮上している。
 一方、首相が「腹心の友」と呼ぶ加計孝太郎氏が理事長を務める加計学園の獣医学部新設は文部科学省から正式に認可された。
 新設を巡っても問題点が浮き彫りになっている。
 大学設置・学校法人審議会が審査の過程で、学園の計画に是正を求める数々の注文を付けた。そもそも2年前に閣議決定された「獣医師の需要動向」など、新設の4条件を満たしているか疑問視されている。
 先の特別国会で首相は「真摯(しんし)な説明を丁寧に行う」と表明している。だが、言葉だけが空回りし、国会論戦は深まらなかった。
 野党は結束して粘り強く追及することが求められる。


国内回顧 1強のひずみが露呈した
 「安倍1強」政治のひずみが見えた年だった。安倍晋三首相は10月の衆院選で大勝したが、数々の問題は残ったままである。
 官邸の意向を先回りして推し量る「忖度(そんたく)」は、学校法人・森友学園の国有地売却と、加計(かけ)学園の獣医学部新設に絡む問題として表面化した。
 森友には約8億円も値引きし、加計の問題では、「総理のご意向」などと書かれた文書の存在が明らかになった。
 首相側近や官僚の関与の有無が国会で追及されたが、首相らは否定。しかし、納得のいく説明は尽くされておらず、疑惑は晴れていない。
 首相は「謙虚な政治」を強調しているが、その姿勢を国民が注視していることを忘れてはならない。
 国論を二分する法律を強引に成立させる手法にも、「1強」のおごりが見えた。
 6月に成立した「共謀罪」法では、委員会採決を省略する「中間報告」という奇手まで使った。国会の議論を軽視し、民主主義を否定する暴挙だったと言える。批判が強まったのは当然だ。
 「1強」の緩みは、閣僚の度重なる失言などに表れた。4月には、今村雅弘復興相が東日本大震災を巡る不適切な発言で辞任した。7月には、南スーダン国連平和維持活動(PKO)部隊の日報隠蔽(いんぺい)問題を巡って稲田朋美防衛相が辞任に追い込まれている。
 首相の任命責任が問われ、7月の東京都議選で自民党は歴史的な惨敗を喫した。国民を甘く見た代償は大きく、内閣支持率は急落。安倍政権を揺るがした。
 看過できない事態は経済でも起きた。基幹産業の「ものづくり」の製造現場で相次いだ不正である。
 日産自動車とスバルで新車の無資格検査問題が発覚したほか、神戸製鋼所はアルミ・銅製品の性能データを改ざんしていたことが分かった。東レと三菱マテリアルの両子会社は、製品の検査データを偽っていたという。
 いずれも日本経済の屋台骨を支えてきた企業であり、「ものづくり」への信頼は大きく揺らいだ。産業界は重く受け止め、再発防止に努めなければならない。
 神奈川県座間市のアパートで9人の切断遺体が見つかった事件は、ネット社会の闇を浮き彫りにし、社会に大きな衝撃を与えた。
 内閣府が先月発表した「治安に関する世論調査」によると、自身や身近な人が犯罪に遭うかもしれないと不安になる場所を複数回答で尋ねたところ、「インターネット空間」を挙げた人が61・1%に上った。
 不特定多数の相手と簡単に知り合えるネット社会が広がる中、犯罪に巻き込まれる恐れを感じている実態が浮かび上がった。
 ネット社会とどう向き合っていくか。あらゆる情報を冷静に判断し、リテラシー(読み解く力)を向上させていく取り組みが欠かせない。


忍び寄る 「健康格差」 NHKディレクター神原一光氏が警鐘
若年の非正規に糖尿病が蔓延
 小泉政権以来の規制緩和で世の中は「勝ち組」「負け組」に分けられ、「格差社会」といわれるようになって約10年。格差は高齢者や子どもにまで広がり、経済的な格差が健康面や寿命にまで関係するという衝撃の研究結果も出てきている。そんな「健康格差」に焦点を当て、徹底調査してきたのがNHKディレクターの神原一光氏。昨年のNHKスペシャルの放送に続き、先月は本も出した(講談社現代新書)。このまま「健康格差」を放置しておくと、この国の土台が崩れてしまいかねない深刻な問題だという。
  ――「健康格差」とは、ハッとするタイトルです。
 NHKスペシャルの「私たちのこれから」を今年6月まで担当していました。この番組は専門家だけでなく一般の市民も招く討論シリーズです。全国の皆さんが気になることは何だろうと考え取材していくと、年金、医療、雇用、少子化など社会保障の問題にあたりました。やはり、最も身近ですから。その取材の中で「健康格差」という問題に出合ったのです。
  ――「健康格差」はどこまで広がっているんでしょう。
 すべての世代に忍び寄っています。例えば、中高年層に多いはずの糖尿病が、30〜40代の特に非正規雇用の人たちに蔓延しつつあります。本に書きましたが、金沢市の医師に、20代の方の口腔内の写真を見せてもらったのですが、糖尿病の合併症の歯周病が進行し、歯がほとんどないのです。
  ――最近は「下流老人」「子どもの貧困」についても問題視されています。
 高齢者や子ども世代についても、自身や親が低所得だと食費を削るケースが多く、結果的に食事が安価で高カロリーな炭水化物に偏ってしまうことが見られました。取材班が出会った単身の70代男性は、カルシウムやビタミンが不足して骨粗しょう症を患い、外に出るのもままならなくなってしまっていた。また野菜、魚、肉より炭水化物中心の食事になると、太る傾向がある。貧困家庭の子どもは肥満がちになり、生活習慣病を発症するリスクも高まると危惧されています。
  ――健康面に差が出る原因は、やはり経済格差ですね。
 まず、非正規と正規といった雇用形態の問題。そして、雇用格差に伴う所得格差があります。もうひとつは、家族構成。最近は単身世帯が増えています。一人暮らしでは誰かが料理を作ってくれるわけではないですから、外食や調理済みのものを食べる傾向になり、健康的な食事が取りづらい状況になってしまいます。また地域による食習慣の違いも要因になっています。
  ――取材していく過程で、そういった現実が見えてきたのですか。
 千葉大の近藤克則教授をはじめとした専門家に話を聞くと、みなさんしっかりとエビデンス(根拠)に基づき、健康格差について問題提起されていました。それまでは、うすうすと「格差は健康にまで及んでいるのでは」と感じる程度でしたが、現実は思っていたよりかなりの影響があると気付かされた。これは看過できないなと。
  ――とはいえ、健康に無頓着な人も多いですよね。
 確かにそういった方はいらっしゃる。でも、不健康な人が多くなれば医療費は増大し、国民全体の負担が増えていくことになります。「自分は健康だから関係ない」は通用しません。社会全体で健康水準を底上げしていかないと、健康な人も足を引っ張られ、皆が沈んでしまう可能性がある。そこでよく出てくるのが自己責任論です。
  ――確かに、普段から健康に気を配っている人が、「健康は自己管理するもの。何で不摂生している人の医療費を負担しなきゃいけないんだ」と思ってもおかしくはありません。
 実際に番組の討論でもそういった意見は出ました。私も「そうかもしれないな」と思ったこともありました。しかし、いまや非正規雇用の人たちは40〜50代に突入している方も多く、世代的に言えば「団塊ジュニア」ですから、相当なボリュームです。この世代がさらに高齢化していくと、自身の生活もさることながら、社会保障制度そのものも危うくなってくる。もはや自己責任論を議論している段階ではなくなっています。
  ――こと健康管理においては、自己責任論が根強いように見えます。
 例えば、非正規雇用の一人暮らしの人が1日15時間労働をして、疲労困憊で帰宅する。で、また次の日も働かないといけない。その状況でちゃんと自炊できるのかという、時間的余裕の問題がひとつあります。金銭面で見ても、時給で働き、ボーナスもない不安定な状況の中で、たとえ体にいいのは分かっていたとしても足が早い野菜を買って食べる意識を強く持ち続けることができるでしょうか。さらに、普段から運動をする時間的余裕があるのかという問題もある。
  ――正規雇用で時間的にも金銭的にも余裕のある人にとっては、縁遠い話かもしれません。
 いまや、大企業もいつ統廃合するか予想できない不確実性の高い時代です。自分には関係ないと思っているかもしれないけれど、いつリストラに遭うか分かりません。非正規で不安定な人たちを自己責任と断じるのは、倫理的に見ても厳しいのではないかと考えます。
  ――誰の身にも起こりうる問題だということですね。
 そうです。健康な人もいつ不健康になるか分かりません。社会全体が高齢化していくのに、自分はずっと健康だと言い続けられますか。皆、不健康になるリスクは高まっていく。それでも、自己責任と言い張れるでしょうか。
社会全体で健康水準を底上げしなければ皆沈む
  ――政府の側も、まだまだ自己責任論が根強い。
 国は97年から糖尿病などの「成人病」を「生活習慣病」に改称しました。それで、生活習慣を管理すれば予防できるんじゃないか、という印象が強くなったのかもしれません。ただ、番組に出演された評論家の宇野常寛さんもおっしゃっていましたが、国民から税金を取っているのに「自己責任だから知りません」というのは、国家として成立しないだろうと思います。憲法でも「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と規定していますしね。
  ――健康格差解消のポイントは何でしょう。
 キーワードは「底上げ」です。健康志向の高い人は、言われなくても体に悪いものは食べず、良いものだけ取るよう心がけ、皇居の周りを走るでしょう。一方、時間や金銭に余裕のない人ほど健康への配慮がおろそかになり、どんどん不健康になる。健康意識の低い人、健康に気を配れない人をいかに底上げできるかにかかっています。
  ――意識を高めるため、国や自治体が「生活習慣病予防」などと呼びかけていますが、なかなか効果が上がっていません。
 個人のモラルに訴えるのは、もはや限界が来ていると考えます。意識の低い人に「健康診断行った?」と聞いても「面倒くさい」「何か病気が見つかると嫌だから行かない」と言う。啓蒙ではなく、新しい政策のアプローチが必要だと考えています。
  ――具体的にはどういったアプローチでしょう。
 例えば、足立区は区内の飲食店などに、お客さんが最初に野菜を食べる「ベジ・ファースト」を呼びかけ、店側も実践しています。居酒屋なら野菜中心のお通しを最初に出すといった具合です。イギリスでは政府と食品業界が協力し、一般の食品に含まれる食塩の量を8年かけて徐々に減らしていきました。つまり、意識の低い人も知らず知らずのうちに健康になる仕掛けを打ち出していくということです。
  ――それならば費用もそこまでかからない。
 いま、新しい政策を打とうとすると、すぐ「財源はどうするんだ」という話になりがちです。「財源がない。じゃあ増税。それはできない」という循環です。でも既存の予算内で、もっと賢いやり方が提案できるはずです。ベジ・ファーストなどは、「野菜から先に出してくれませんか」と飲食店に呼びかけるだけの話ですから。
  ――カネをかけることがすべてではないと。
 もちろん、経済対策や社会保障費の再分配について議論しなければなりません。しかし、日本社会の“足腰”を鍛え直すため、足立区やイギリスのような賢い政策を国ぐるみで取り組むべき時ではないでしょうか。10〜15年という長いスパンかもしれませんが、確実に日本の健康水準が底上げされるはずです。底上げされれば健康な人が増えるわけですから、働き続けられる人が増え、みんなが活躍できる。健康な社会になれば、医療費の増大も食い止められるかもしれない。「急がば回れ」の発想です。  (聞き手=本紙・小幡元太)
▽かんばら・いっこう 1980年、東京都出身。早稲田大学人間科学部スポーツ科学科卒業後の2002年、NHKに入局。大型企画開発センターディレクターを務める。主な担当番組は「トップランナー」「週刊ニュース深読み」など。現在、NHKスペシャルのシリーズ「AIに聞いてみた どうすんのよ!?ニッポン」を担当している。


【2017回顧(下)】痛みの記憶つなぎ留め
 人の痛みに寄り添い、記憶にとどめる。その大切さを考えさせられた年ではなかったか。
 2014年232人、15年215人、昨年244人。国が調査した全国の児童生徒の自殺者数である。やり切れない。
 1980年代まで200人を上回ることもあった自殺者数はその後、100人台で推移していた。だが、2010年代に再び200人を超え始めた。子どもたちを巡る悲報は今年もやむことはなかった。
 自殺の理由として「家庭の不和」「進路の悩み」さらに「いじめ」などが挙げられる中、実に半数以上が「不明」とされる。
 家族にも、友人や学校にも理解されない苦悩の淵に迷い込み、行き場を失っている。日本人の15〜39歳の死因の1位は自殺だ。何と息苦しい社会なのか。その「なぜ」を象徴する凄惨(せいさん)な事件が起きた。
 神奈川県座間市で27歳の男の自宅アパートから9人の若者の切断遺体が見つかった。女子高生ら10〜20代の若者たちだった。男はインターネットに自殺願望を書き込むなどしていた女性たちとつながり、誘い込んでいた。
 捜査段階で真相を推論するのは禁物だが、被害者らの環境に通底していたのは貧困や格差、将来不安からの生きにくさではなかったか。
 無差別的殺傷事件が近年相次ぐ。昨年も相模原市の障害者施設で元職員が19人を殺害する事件が起きた。犯人の動機も判然としない。
 虐待、過労死、企業の検査違反、大相撲暴行事件、新幹線の異常放置走行…。共通するのは痛みへの鈍麻だ。その中で不正や暴力は連鎖し、慢心や緩みがはびこる。政治家の心ない暴言も同根だろう。
 核兵器禁止条約の実現に尽くした非政府組織「核兵器廃絶国際キャンペーン」に今年のノーベル平和賞が贈られた。その活動の推進力となったのが広島、長崎の被爆者たちの証言活動だった。
 深い傷の記憶を風化させまいと、70年余にわたり語り続けてきた不屈の訴えが結実した。一方で、日本は「核の傘」を抜け出せない矛盾を抱え込んだままだ。
 文学賞を受賞した長崎市生まれの英国人カズオ・イシグロ氏は被爆者の母から「ヘイワ」を教わった。過去に向き合う「記憶」の物語を紡ぐ作家は今、テロや差別主義の拡大を憂慮する。負の歴史への忘却が再び過ちを生む。
 半面で、記憶の継承の難しさも思う。沖縄戦で住民が集団自決したチビチリガマを荒らした少年に惨劇の過去は伝わっていなかった。
 四国電力伊方原発3号機の運転を差し止めた広島高裁の仮処分決定は、約9万年前の阿蘇山噴火を想定せよと命じた。人為の限界を思い知らされた東電福島第1原発事故から何を学ぶべきなのか、という根源的な提起ではないか。
 痛みを共有し、記憶につなぎ留めていく。その積み重ねの中に安心と共生の未来が築かれるはずだ。


企業の不祥事 「甘え」がまん延している
 1990年の米国映画「バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3」にこんなシーンがある。
 時は55年。科学者が30年後の自分が作り出したタイムマシンを修理する。故障した部品を見て思わず声を漏らす。「無理もないか。日本製だとさ」。85年からやって来た若者はそれを聞き、反論する。「どうして? 日本の製品は最高だよ」
 54年末から始まった日本の高度経済成長は約19年間続く。発展を支えたのは、この間に飛躍的に向上した「品質」だった。
 映画で若者が暮らす85年には、すでに日本製の品質の良さが世界中で確立していた。そんな時代が過去になりつつある。
   <不正を知っても容認>
 企業の不祥事が今年も相次いだ。素材産業の神戸製鋼所、三菱マテリアル、東レで発覚した品質データ改ざん。日産自動車、SUBARU(スバル)の無資格検査問題―。品質に直接関係しかねない深刻な不正である。
 素材3社の不正は、いずれも取引先と決めた仕様を満たしていないのに、検査データを書き換えて製品を納入していた。
 見過ごせないのは、品質に関する認識の甘さだ。
 三菱マテリアルの子会社は90年代から指南書に従って改ざんを日常的に行い、役員が黙認していた。子会社前社長は、顧客から損害賠償を請求されると会社の破綻につながると考え、問題の製品の出荷を続けていた。
 神戸製鋼では、本来チェック機能を果たすべき品質保証の担当部署が関与していた。一連の不正を自主点検する過程では、工場の管理職を含む従業員が隠蔽(いんぺい)した。執行役員3人が不正を認識していたことも分かった。
 東レは不正を把握してから公表まで1年以上かかった。社長は記者会見で神戸製鋼などの不正がなければ「公表する考えはなかった」とも述べている。
 製造業の「川上」に位置する素材メーカーは、顧客企業の個別の注文に応じて多種多様な製品を取りそろえ、ものづくりを底辺で支えている。
 不正が見つかった製品は、アルミニウムや銅、ゴム製品のほか、鉄鋼まで広がった。納入先の企業は計約800社に上る。影響の大きさは明らかだ。
 素材メーカーは自らが置かれた立場を自覚していたはずだ。それなのに不正を容認する「甘さ」がなぜ生まれたのか。
   <品質の高さにおごり>
 背景には「おごり」も見え隠れする。顧客と取り決める仕様は、安全面から余裕を持って決められる。中には必要以上の高いレベルの仕様を顧客から求められるケースもあるという。
 不正が起きた現場には「品質は高いので、仕様から多少外れても問題ない」という意識がまん延していたのではないか。
 三菱マテリアルは28日に公表した特別調査委員会の中間報告書で「仕様書を順守する意識が不足していた」と結論づけた。
 同様の意識は、生産した自動車の最終検査を、資格を持たない社員が担当していた日産やスバルにも垣間見える。
 「失われた20年」でデフレにあえいだ日本経済。製造業は低価格でも利益が出るように、コスト削減競争に追われた。人員削減が繰り返され、能力以上の生産量も求められた。過度な労働も見過ごされ、現場は疲弊した。
 東レで検査データを書き換えていた品質保証室長は、人手不足で自ら検査を行わざるを得ないなど負担が増大。仕様外の製品を出すと納期に間に合わないと思い、不正に手を染めたという。
 日本企業は失ってはならないものを失ったのではないか。「品質を最優先する意識」である。
   <責任の所在明らかに>
 米CNNテレビは一連の不正を「世界がうらやむ卓越した技量を備えていた『日本株式会社』が揺れている」と報道。中国メディアは「日本製造業の匠(たくみ)の精神が踏みにじられた」と断じている。
 ここ数年続く企業の不祥事は、日本企業の競争力と信用を確実に奪いつつある。
 問題の根本はどこにあるのか。
 企業の不祥事に詳しい太田肇同志社大教授は、日本企業の共同体型組織の限界を主張している。
 係長、課長、部長、取締役と続く階層的な組織は、それぞれの上司の「納期を守れ、コストを削減しろ。利益を上げろ」という意向を忖度(そんたく)して動く。だれが何をいつ決めたのか、責任や権限も不明確になり、現場の実情も上層部に伝わらないとする。
 改善するためには「現場のプロ集団を少数の精鋭が責任を持って管理するフラット型組織への転換」が必要と訴える。
 問題は不正が発覚した企業に限られないだろう。「甘え」や「おごり」が根付いていないか、現場を経営が把握できているのか。日本企業は自らの足元を見つめ直す必要がある。


詩織さんからはあちゅうまで、セクハラ被害者、働く母親へのバッシングが頻発した“男尊女卑”の1年を総まくり
 2017年は世界的に女性の人権、性暴力被害が大きな問題としてクローズアップされた年だった。きっかけはハリウッド大物映画プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタインの長年のセクハラが告発されたことだったが、以降、「#MeToo(私も)」を合い言葉に、次々と女性たちが声をあげ、社会全体でセクハラ告発を後押ししようという空気が広がっていった。
 また「TIME」誌の“今年の人”には「沈黙を破った人」としてセクハラ告発者らが選ばれるなど、そのムーブメントは世界的な広がりをみせている。
 しかし、日本はどうだろう。性的暴行、セクハラ被害に対して告発の声をあげる女性はまだまだ少数派であるうえ、勇気ある告発をした女性や性被害を受けた女性に対して、逆に卑劣なバッシングが巻き起こるのがパターンになっている。これは、日本社会が女性は“性の道具”とする男尊女卑思想、差別的偏見にいまだ支配されているからだ。いや、「いまだ」どころか、女性への蔑視、差別的攻撃は年々ひどくなっている。
 そうした実態を再認識する意味で、2017年年末、リテラ版男尊女卑セクハラ事件簿をお届けしたい。
【その1】官邸御用記者・山口敬之の準強姦事件被害者・詩織さんに向けられたセカンドレイプ攻撃
 今年、女性に向けられた卑劣な性暴力と攻撃の筆頭といえば、やはり元TBS記者で“安倍首相にもっとも近いジャーナリスト”山口敬之氏による準強姦もみ消し事件だ。TBS時代に就職の相談で会った伊藤詩織さんをホテルに連れ込み性行為に及ぶ。山口氏に対し準強姦容疑で逮捕状が発布されるが、しかし逮捕直前、警視庁の中村格刑事部長(当時)の指示で逮捕が見送られたというもの。しかも、この不可解な捜査中止の背景には安倍官邸の影がちらついていた。逮捕見送りを指示した中村刑事部長は、菅義偉官房長官の懐刀と呼ばれていた警察官僚であることや、山口氏が安倍首相の側近である北村滋内閣情報官とみられる人物にこの事件についての相談メールを送っていたことも明らかになった。
 まさに、山口氏だけでなく、山口氏をかばった警察や官邸関係者も性犯罪の加担者というべきだが、しかし、問題はこれだけではない。被害者の伊藤詩織さんが「週刊新潮」(新潮社)で告発し、実名、顔出しで告発会見を開くと、ネトウヨや安倍応援団から一斉に詩織さんに対するバッシング攻撃が起こったのだ。
「ハニートラップ」「美人局」「民進党の仕掛け」などというデマ攻撃に加え、象徴的だったのが、詩織さんの服装について「胸元のボタンを開けすぎ」などという非難が浴びせられたことだ。
 実際の詩織さんはそういう服装ではなかったが、そもそもなぜ被害者服装が糾弾されなければならないのか。
 しかし、詩織さんはこうした声に屈することはなかった。メディアの取材に対して「被害者ならこうするはず、しないはず、というように被害者としてキャラクターづけられ生きていることは絶対に嫌です」と発言。著書『Black Box』(文藝春秋)のなかでも性犯罪被害者がタブー視されることのおかしさや、捜査や司法システムの問題、そして性被害に対する意識変革を訴え続けた。
 こうした詩織さんの活動は、性犯罪被害者の女性たちを勇気づけ、日本社会の性被害への偏見を正すために大きな役割を果たしたといえるだろう。
 対照的に、事件発覚後も卑劣きわまりなかったのが、加害者である安倍御用記者の山口氏だった。会見も開かず、一時は表舞台からフェイドアウトしていたが一転、“お仲間”の極右媒体で、詩織さんに対して反論にもならない反論を展開、恫喝攻撃までおこなった。
 そしてもう一人、女性の人権を踏みにじった人物がいた。事件が報じられた直後、山口氏は自身のフェイスブックでもセカンドレイプ的な反論をしていたのだが、現首相夫人の安倍昭恵氏がその記事に「いいね!」を押していたのだ。
 この事件はたまたまではない。レイプを容認するような女性蔑視の体質が日本の最高権力を取り巻く組織や人脈にまで及んでいることを証明したといえるだろう。
【その2】小出恵介淫行事件で起きた被害少女への誹謗中傷に松本人志が賛意!「相手の未成年の女にも罰則を」
 今年6月、未成年淫行が発覚し芸能活動無期停止になった俳優の小出恵介だが、小出以上に批判に晒されたのが被害者である17歳の少女だった。
 ネットでは「小出は悪いが女も未成年で飲酒してる」「悪い女に引っかかっただけでしょ」などといった少女批判が溢れ、芸能マスコミも一般人である少女のプライバシーまで晒して「ハニートラップ」「美人局」呼ばわり、また『とくダネ!』(フジテレビ)司会の小倉智昭は明らかに少女が金銭目的との前提で、批判を口にしていた。
 なかでも悪質だったのが『ワイドナショー』(フジテレビ)の松本人志だ。「未成年の女のほうにも罰則を作るべき」と暴言を吐き、さらに被害者少女がバッシングされている状況を「SNSとかがまんざら悪くない」「我々タレントにしたらいい時代になってきた」とまでコメントしたのだ。
 そもそも淫行条例は身体や精神が成長途上にある18歳未満の少年少女を保護するのが目的だが、松本はそんなことすら理解せず、単に「男ばっかりずるい!女のほうもしょっぴけ!」とばかりに執拗に少女に対する攻撃を繰り返した。
 松本は、その後もさまざまな事件で、強者の論理を丸出しにし続け、12月には安倍首相と嬉々として会食までおこなった。
 そういう意味では、まさに成功者にありがちな「マッチョ男権オヤジ」の典型になってしまった、ということだろう。
【その3】斉藤由貴ら女性芸能人の不倫は厳しく糾弾される一方で、宮迫博之ら男性の不倫は笑い話に
 日本社会の男尊女卑、不平等を語る上で、はずせないのが不倫問題だ。今年も、芸能界では斉藤由貴、上原多香子、江角マキコ、藤吉久美子、政界では今井絵理子、山尾志桜里と、女性の不倫が大々的に取り上げられ、激しいバッシングが浴びせられた。
 斉藤由貴、上原多香子は活動自粛、江角マキコは引退、山尾志桜里も離党に追い込まれている。
 しかし、一方、男性の不倫は全く厳しく追及されない。その例が8月に発覚した雨上がり決死隊の宮迫博之の二股不倫だ。不倫が報じられたのは宮迫がスペシャルサポーターを務める“感動テレビ”『24時間テレビ「愛は地球を救う」』(日本テレビ)の直前。これまでベッキーや矢口真里など不倫騒動を起こした女性タレントたちが番組降板に追い込まれてきたことを考えれば、宮迫降板の可能性も取り沙汰された。
 しかし実際はそんな事態にはならなかった。むしろ、他レギュラー番組もほぼ休むことなく現状が維持されている。それどころか、報道翌日に生出演したレギュラー番組『バイキング』(フジテレビ)で釈明した際も、他出演者から“いじられる”だけで、“一線を超えていない”という言い訳に対する厳しい批判や矛盾を指摘するツッコミは皆無だった。
 たとえば日テレだけを考えても、宮迫の『24時間テレビ』出演続行を美談に仕立てた一方で、2016年に不倫が報じられたベッキーは『世界の果てまでイッテQ!』を、さらにその前年に不倫が発覚した矢口真里は『ヒルナンデス!』のレギュラーを降板したままいまだ復帰できていない。あまりにちがいすぎる 。
 この差はいったい何なのか。本サイトで度々指摘している大手事務所タブーももちろんある。しかしもうひとつ別の理由がある。それが、宮迫が男だったからだ。
 これまで、多くの男性芸能人の不倫が発覚してきたが、芸能活動を休業するまで追い込まれたケースはほとんどない。しかし、女性に関しては、芸能マスコミも世間も大糾弾し、ほとんど犯罪者扱いでどこまでも追いかけ回してきたのは、矢口のケースでも明らかだろう。
 これは社会が女性にだけ強い貞操を求め、男性の不倫は“芸の肥やし”“誰でもする”という肯定論、寛容論が根強く存在するからだ。さらに、日本では男性の不倫を許容する妻が良き妻として称賛される。
 まさしく女性蔑視以外のなにものでもないが、これはメディアの問題だけでなく、女性の性に不寛容な日本社会全体の問題だろう。
【その4】今年も政治家のセクハラ事件が続発!安倍内閣の閣僚もハレンチ事件の前歴もつ差別主義者だらけ
 今年も中央、地方問わず、政治家の暴言、女性スキャンダル、セクハラ事件が頻発した。公務中に市長室で、既婚女性にキスをしたり足をなめたりしたことが発覚した福井県あわら市の橋本達也市長(当時)、女性記者の宿泊先を訪ねて抱きつきキスを迫った岩手県岩泉町の伊達勝美町長(当時)、さらには立憲民主党の青山雅幸議員、初鹿明博議員にもワイセツ強要が発覚した。
 また、当時、自民党所属で経済産業大臣政務官だった中川俊直衆院議員(当時)は元愛人から「週刊新潮」で不倫&重婚&ストーカーの事実を告白されたうえ、秘書時代、「集団レイプ」まがいの行為をして事件になりそうになったのをもみ消していた疑惑を「フライデー」(講談社)で報道された。
 しかも、これらは今年、事件が発覚した政治家たちだが、永田町を見回してみると、他にもワイセツ、セクハラ、女性差別の前歴をもつ政治家が山ほどいる。たとえば、現内閣の閣僚たちを見ても、松山政司一億総活躍担当相はJC福岡理事長だった時代に「女体盛り」に興じていた疑惑を、西村康稔内閣官房副長官は「ベトナム4P買春」という破廉恥なスキャンダルを報じられている。
 また、「人づくり改革」担当相となった茂木敏充氏のセクハラ常習も有名で、女性記者に男性器の名称を口にさせようとしたというエピソードを週刊誌に書き立てられたこともある。
 政治の世界こそ、世の中でもっとも女性蔑視が横行していると言ってもいいかもしれない。
【その5】女性が女性を抑圧する典型? 指原莉乃がセクハラ告発に「ハニートラップの可能性も」と攻撃
 弱者や女性叩きは、何も男性だけの専売特許ではない。その代表例がオヤジ目線を内面化した発言を連発する指原莉乃だ。その本領をいかんなく発揮したのが12月に放送された『ワイドナショー』(フジテレビ)でのことだった。番組では福井県あわら市の橋本達也市長と岩手県岩泉町の伊達勝身町長によるセクハラ事件が取り上げられたが、感想を求められた指原莉乃がこんなことを言い出した。
「もちろん女性が被害に遭うことに違いないし、絶対あってはいけないことだと思うんですけど。でも立て続けにこうなると、市長さんとか町長さんだと、よく思っていない人も多いじゃないですか。だからハニートラップの可能性も今後増えてくるかもしれないじゃないですか」
 こうした発言は、セクハラ被害に対し勇気をもって告発した女性たちを貶めるもので、セカンドレイプとも言える悪質なもの。そして男性からの中傷同様、今後、セクハラ被害に悩みこれからセクハラ被害を訴えようとする女性を抑圧することになる。
 これまでにも指原は女性差別を追認する発言を繰り返してきた。たとえば『ワイドナショー』に安倍首相が出演した際も、「(子どもを)産めれば産めるほど産みますよ。国に貢献したい」「身体の限界が来るまで産みます」など、その場に迎合する発言を繰り返している。
 あまりに無神経な物言いの数々だが、しかしそれは空気を読むことに長けた指原が、周囲の空気を敏感に察知し、オヤジ社会の代弁をしたという側面も否めない。エラい男性には一切文句は言わず、ものわかりのいい女性としてふるまう。しかも、こうした振る舞いは指原に限ったことではない。圧倒的男性優位社会、オヤジ社会のなかで、性暴力やセクハラを何事もなかったように笑ってやり過ごすことが、働く女性の美徳や職能とされ、本心では傷ついていてもそれを表面に出さないという処世術を、女性が身につけざるを得なかった面もあるからだ。
 だが、こうした揶揄や中傷は、ある意味男性から以上に被害者を抑圧し孤立を招く。女性側も、そろそろそのことに気づくべきだろう。
【その6】子連れ議会出席の熊本女性市議にバッシングが…ネトウヨタレントつるの剛士もトーンポリシング攻撃!
 熊本市議会女性議員の子連れ議会出席問題も、理不尽な女性へのバッシングが起こったケースだった。
 11月、生後7カ月の長男と一緒に出席しようとした緒方夕佳市議だったが、これが認められず開会が40分遅れた。その様子はワイドショーで大きく取り上げられ、案の定、緒方市議への批判が殺到したのだ。
 そもそも緒方市議は以前から「子どものいる状態で議員活動をサポートしてほしい」「いつでも授乳をできるように議場に連れて行きたい」「託児所を作れないか」など何度も要望を続けていた。しかし事務局から取り合ってもらえなかったため、やむなく長男を連れて出席しようとした。
 だが、こうした事情などおかまいなし。ネットやワイドショーでは「きちんとした手順を踏め」「ルールを守れ」「売名のパフォーマンス」といった的外れな批判が巻き起こっていったのだ。
 緒方市議に向けられたこれらの批判は、典型的なトーンポリシングだ。トーンポリシングとは、正当な訴えをしていても、その内容を無視し、口調や態度がヒステリーだと責めたり、その手法がルール違反だと批判することで、その本質から議論を逸らせ、問題を矮小化する抑圧的ロジック。
 実はネトウヨタレントのつるの剛士もこトーンポリシングを使って、緒方市議を攻撃していた。自身のTwitterに〈こういう問題提起の仕方は本当に悩んでいる働くママ達や子供が結局一番可哀想な思いをしてしまうんじゃないかなあ、と思いました〉とつぶやいたのだ。
 つるのは「保育園落ちた日本死ね」問題でも、その言葉遣いを批判していたが、一方で「親学」の広告塔的活動を行なっている。親学は“子どもを産んだら母親が傍にいて育てないと発達障害になる。だから仕事をせずに家にいろ”などと主張する極右トンデモ理論。「やり方がよくない」と言いながら、実際は働く母親を批判したいだけなのだ。
 しかし、現在の日本では、緒方市議の切実な訴えよりも、つるのの詐欺的発言のほうが賛同を集めてしまっている。嘆かわしい状況と言うほかない。
【その7】“痴漢冤罪”問題でも男目線の意見ばかり! ネットでは被害者女性への「嘘つき」バッシングが
 “痴漢冤罪”も、今年大きくクローズアップされた問題だ。特に痴漢を指摘された男性が線路を走るなどして逃走する事件が多発、5月には痴漢行為を指摘された男性が電車にはねられるなどで死亡する事件が2件相次いだことで、メディアもこの問題を大きく扱った。
 もちろん冤罪は深刻な問題だ。しかしこの問題で槍玉にあがったのは、なぜか被害を訴えた女性たちだった。
 ネットでは「被害を訴える女はみな嘘つき」「平然と嘘をつく」「ハニートラップですね」「冤罪生み出すくそ女!」「エロいカッコだったからじゃね」「目的は示談金」など女性に対する罵詈雑言が溢れた。
 本来、痴漢冤罪は、冤罪を生み出している警察や検察、そして司法の問題だ。しかしそうした議論はほとんどなく、その矛先はひたすら痴漢被害に声をあげた女性たちに向かう。冤罪は痴漢に限ったことではないが、メディアも同様になぜか“痴漢冤罪”に限って、“身に覚えのない時の対処法”や“冤罪の恐怖”“冤罪被害者の人権”といった“男目線”の話題ばかりを取り上げるが、一方で痴漢以外のテーマで冤罪が国内メディアでこれほど取り沙汰されることがあるだろうか。たとえば同時期に共謀罪法案が審議されていたが冤罪の危険性について批判の声がここまで盛り上がっていたか。痴漢冤罪議論の本質が、冤罪防止でなく女性叩きにあるのは明らかだろう。
 痴漢冤罪が起こるのは、そもそも痴漢という犯罪行為(迷惑防止条例違反や強制わいせつ罪)、そして加害者が存在するからだが、そうした本質的議論は起こらない。本当に必要なのは痴漢という卑劣な犯罪をなくすために何ができるか、という議論だろう。
 性犯罪の加害者に対して再犯防止プログラムを実践してきた精神保健福祉士・社会福祉士の斉藤章佳氏は著書『男が痴漢になる理由』(イースト・プレス)でこう指摘している。
〈社会から男尊女卑の概念がなくならないかぎり、そこにある認知の歪みも是正されることはなく、性暴力加害者は再生産されつづけます。痴漢をはじめとする性犯罪は決して女性側の落ち度から発生するものではありません。男性優位社会に付随する女性差別的な視線が根幹にあることに、私たちはそろそろ気づくべきです。〉
【その8】はあちゅうに激しい非難が殺到する一方で、新たなセクハラ告発の動きが
 最後は、やはり著名ブロガーはあちゅうこと伊藤春香氏の告発についてふれておこう。電通時代の上司であるクリエイティブディレクターの岸勇希氏からセクハラ、パワハラを受けていたという告発をしたはあちゅう。大きな話題を呼び、岸氏は自分の経営する会社の代表を辞任する結果となったが、一方で起こったのは、はあちゅうへの激しい批判、バッシングだった。
 実際、はあちゅうは「(セクハラを告白したことで)人生で一番、心ない言葉を浴びました」と苛烈なバッッシングを語っているが、これはオーバーな話ではない。これまで紹介してきた事例をみてもわかるように、日本社会では女性が性被害を告白すると、必ず激しいバッシングが起きる。
 この背景には“被害を受ける女性にも落ち度や責任がある”という女性に対して抑圧的な日本社会の特性、そしてセクハラする側が自分の行為を性暴力だと認識していないという問題がある。女性が性被害を訴えると、加害者は過剰な自己保身から、その告発を“無化”しようとさまざまなかたちで攻撃を加え、本質をすり替えようとするのだ。
 問題の根深さに暗澹とした気分になるが、一方でははあちゅうの告発をきっかけに、SNSで自らのセクハラや性被害を訴える投稿が急増している。これまで「セクハラは笑って流せばいい」と抑圧され、沈黙を余儀なくされていた多くの女性が、声を上げ始めたのだ。
 今年は他にも元厚生労働事務次官の村木厚子氏や、作家の森まゆみ氏、中島京子氏が過去のセクハラ被害を告白。またはあちゅうの告白後には政治アイドルの町田彩香や、起業家の椎木里佳氏といった女性たちが声を上げている。性被害は女性の落ち度などでは決してない。性被害者に責任などない。#MeTooの流れ、女性たちの意識改革の流れが日本でも広がっていくことを期待しよう。(編集部)


「レイプに対する沈黙破った」=伊藤詩織さんの訴え報じる−米紙
米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は29日、元TBS記者の50代男性から性的暴行を受けたと訴えているジャーナリストの伊藤詩織さん(28)を紹介する東京発の特派員電を掲載した。
 記事は「彼女はレイプに対する日本の沈黙を破った」との見出しを掲げ、日本では性的暴行は「避けられるテーマ」となっており、女性による被害申告が少ないなどと説明。伊藤さんの訴えは「日本の女性がほとんどしないこと」だと指摘した。
 記事には男性も実名と写真付きで登場し、同紙の取材に「性的暴行はなかった」などと答えている。


夫婦別姓不可は“憲法違反” IT企業社長が国を提訴へ
結婚して妻の名字になったIT企業の社長が、夫婦別姓を認めない民法の規定は憲法に違反し、仕事の上でも不利益を被っているとして、国に賠償を求める訴えを起こすことになりました。
民法には、明治時代から夫婦は同じ名字にするという別姓を認めない規定があります。
ソフトウェア開発会社サイボウズを経営する青野慶久社長(46)は、別姓を認めない規定によって不利益を被っているとして、来月、国に賠償を求める訴えを東京地方裁判所に起こします。
訴えによりますと、青野社長は、結婚して妻の名字になったあとも、対外的に知られている旧姓の「青野」を通称として使っていますが、自社の株式の名義は、戸籍名になっているため、投資家に誤解されることがあるとしています。
外国人と結婚する日本人は別々の名字にできますが、日本人どうしの結婚では、別姓が認められていないため、青野社長は法の下の平等などを定めた憲法に違反すると主張しています。
夫婦別姓をめぐっては、おととし、最高裁判所が「夫婦が同じ名字にする制度は社会に定着してきたもので、家族の呼称を一つにするのは合理性がある」などとして民法の規定は憲法に違反しないという判決を言い渡していますが、改めて司法の判断を求めることになります。
提訴について法務省は「裁判が起こされる前なのでコメントできない」としています。
青野氏「夫婦別姓も選択肢に」
サイボウズの青野慶久社長は、夫婦が同じ名字にするか別々の名字にするか選べる制度を導入してほしいと訴えています。
青野社長は、結婚前に会社を起業し、当時の名字の「青野」が広く知られるようになったため、今も通称として使っています。ふだんの仕事で大きな支障が出ることはありませんが、経営者として仕事を進めるうえで、不都合を感じることも少なくないといいます。
青野社長は自社の株式を保有していますが、結婚したときに株式の名義を戸籍名の「西端」にするために、名義変更に80万円余りの手数料がかかったということです。
また、株式の名義が戸籍名になっているため、投資家から自社の株式を保有していないと誤解されることもあるということです。
さらに、海外出張の際に社員がホテルを予約したところ、パスポートに記載されている戸籍名と異なっていたため、現地でトラブルになったこともあったということです。
青野社長は「共働きをする家庭も増えている中で、生まれたときからの名前を使い続けら
れると不利益も無くなる。夫婦別姓を選択肢として持つことが、これからの社会のあるべき姿だと思う」と話しています。


来年も安倍政権は明治=大日本帝国美化に邁進!慰安婦像に逆ギレ、アパホテル炎上、高須ナチ礼賛…2017歴史修正事件簿
 2017年も歴史修正主義の嵐が吹き荒れた。本サイトではこれまで、戦中日本軍の犯罪行為の事実を抹消し、大日本帝国を美化する歴史修正の動きをくり返し批判してきた。そこで、今年一年を振り返りながら、安倍首相をはじめとする日本のリビジョニストの動向を新ためてチェックしてみたい。名付けて“2017年歴史修正事件簿”である。
●安倍首相、大阪市長が“慰安婦像”問題で、自らの歴史修正主義思想を世界にさらす
 日本の歴史修正主義者たちが、血眼になって攻撃している“慰安婦像”問題。今年も慰安婦像をめぐって、歴史修正主義者たちが世界各地で醜態をさらした。
 安倍政権は、昨年末に韓国で慰安婦問題を象徴する少女像が新たに設置されたことをうけ、駐韓大使と釜山総領事の一時引き揚げや日韓通貨スワップ協議の中断などの対抗措置を強行した。しかも当時、釜山総領事だった森本康敬氏はのちに異例の短期間での退任となったが、これは少女像をめぐる政権の対応に批判を漏らしていたことを安倍官邸の知り激怒、粛清的に事実上の更迭を指示したとされている。
 また、米サンフランシスコ市が慰安婦像の設置を承認したことを受けて、大阪市の吉村洋文市長が姉妹都市関係の解消を宣言するなど、異常な状況にある。
 しかし、本サイトで何度も詳しく伝えているように、戦中に日本軍が慰安所をつくり、現地の女性を慰安婦にしていたことは、多くの公文書や証言が残っている歴史的事実だ。にもかかわらず、過去を直視せず、大使引き上げなどの圧力行為に出て、さらに文在寅大統領が「日韓合意では慰安婦問題が解決されない」と表明したのに対抗し、平昌五輪欠席をちらつかせ恫喝する安倍政権こそ、日本の「名誉と信頼」を毀損していると言うほかないだろう。
●アパホテルが元谷代表の「南京事件はなかった」本で国際的炎上
 安倍首相の支援者としても知られるアパホテル代表の元谷外志雄氏。その極右・歴史修正主義が、世界中に知れ渡ることとなった。アパホテルの客室には〈南京事件も慰安婦強制連行もなかった〉などと歴史修正を記述した元谷代表の著作が、まるで聖書のように設置されている。
 1月、海外からの宿泊客がこの歴史修正本の存在に気づき、その内容をSNSに投稿したことから、国際的な問題に発展。当然ながら海外メディアは批判的に報じた。元谷代表はほかにも、歴史学者からトンデモ論として総スカンを食らっているコミンテルン・ユダヤ陰謀史観をこれでもかと展開している。
 アパはユダヤ陰謀論の一部こそ、ユダヤ系コミュニティからの抗議を受けて問題箇所を削除修正、釈明コメントを出したが、「南京事件はなかった」という歴史修正言辞については「言論の自由」だと強弁し、撤去しないと断言。あろうことか、海外からの宿泊客増加が予想される2020年東京五輪開催時でも、客室の歴史修正本を撤去しない考えを示したのである。
 言っておくが、海外とりわけ欧州では、ホロコースト否定論がナチスの戦争犯罪を肯定するものとして厳しく批判、制限されるほど、歴史修正の問題に敏感だ。当然、五輪開催時にアパの本が目にとまれば、ホスト国である日本全体が歴史修正主義を容認していると受け取られ、信頼をなくす。連中の言葉を借りれば、それこそ「反日」である。
●アパホテルの歴史修正主義を批判した宇野常寛が『スッキリ!!』をクビ!!
 アパ歴史修正問題が海外で大きな批判を浴びた一方、国内メディアとりわけテレビは腰砕けで、あろうことかアパの肩をもつ番組まであった。
 たとえば1月19日放送の『情報ライブ ミヤネ屋』(読売テレビ)では、司会の宮根誠司が「イヤだったら泊まらなきゃいいわけですよ」などと、まるでアパの回し者のようにまくし立てた。他にも、同月22日の『ワイドナショー』(フジテレビ)で、安倍ヨイショ芸人と化した松本人志が「中国が国をあげてアパホテルを叩いている行為は異常」などとコメントした。
 そんなか、アパの歴史修正主義を正面切ってテレビで批判したのが、評論家の宇野常寛だった。宇野氏はレギュラーコメンテーターを務めていた『スッキリ!!』(日本テレビ)1月19のなかで、「この人(元谷代表)の歴史観ってのは、もう話になんないと思いますよ」「歴史修正主義だし、陰謀史観だし。何やってんだともう呆れるしかない」「こういったトンデモ歴史観を、妄想を垂れ流して対抗するんではなくて、やはり地道な外交努力だったりとか文化交流だったりとか、そういったことによって信頼関係を築き上げていくことだけが唯一の解決法」と、至極まっとうな指摘をしたのである。
 ところが、そんな宇野氏が、このアパ批判発言が発端となり、リニューアルを名目に9月いっぱいで『スッキリ!!』をクビにされてしまったのだ。
 その内幕を宇野が暴露したところによれば、宇野のアパ批判放送の後、日本テレビに右翼団体の街宣車が来て大問題になり、「その結果、日本テレビの小林景一プロデューサーは、ぼくに対して『右翼批判はおこなわないように』という要求をおこないました」という。宇野氏の歴史修正主義への批判は国際社会ではごく常識的なもので、批判されるようなものではまったくない。にもかかわらず「ただ面倒を起こしてほしくないからこいつを黙らせよう」(宇野氏)という日本テレビの言論封殺姿勢は、歴史修正主義に加担しているのと同じだ。恥を知れと言いたい。
●高須クリニック院長のナチ礼賛発言が国際問題になるも、訴訟ちらつかせて弾圧
 医師であり大病院経営者である高須クリニックの高須克弥院長の発言も国際問題になった。
 高須院長は〈南京もアウシュビッツも捏造だと思う〉〈ヒトラーは私心のない 本物の愛国者だ〉〈ドイツのキール大学で僕にナチスの偉大さを教えて下さった黒木名誉教授にお会いした。励まして下さった!嬉しい なう〉などといったナチ肯定のツイートを繰り返していた。
 8月、これらのツイートを問題視したエストニア共和国在住の男性や、差別問題に取り組んでいる有田芳生参院議員が批判。国際社会も黙って見ているわけがなく、ユダヤ系人権団体が高須院長の発言を問題視し、アメリカの美容外科学会に高須院長を会員から追放するよう要請、イスラエルのマスコミも大々的に報じた。
 だが、高須院長は、ナチ礼賛発言を指摘した男性と有田氏に対して訴訟をチラつかせて恫喝。有田氏については〈提訴するよう、指示しました。なう〉などとツイートし、実際に提訴する構えまで見せたのである。
 批判者を恫喝する一方で高須院長は、〈僕の学んだドイツ医学の素晴らしさを伝えてます。ナチスのイデオロギーは好きではありません。〉〈ナチスの庇護を受けた優秀な科学者は尊敬に価する。しかし人種差別のナチズムは僕の八紘一宇のイデオロギーの対極である。〉などとツイート。ナチスのイデオロギー肯定発言をごまかしつつ、ナチス下のドイツ医学や科学への評価を明言したのだ。
 しかしナチス下のドイツ医学の業績じたい、非人道的な人体実験などによってもたらされた部分が大きく、その業績だけをナチスのイデオロギーや罪と切り離して評価できるものではない。それを医師である高須院長が「素晴らしい」「尊敬に値する」などと称賛することは、重大な問題だ。
 さらに問題なのは、こうした高須院長のナチ礼賛発言をめぐる騒動を、テレビはやはりネグってしまったことだ。高須クリニックが大量のCMを出稿するスポンサーであること、そして提訴をちらつかせた恫喝行為が影響を与えているのは想像に難くない。またしても、メディアの弱腰が歴史修正の蔓延に加担した格好だ。
●アトランタ総領事が「慰安婦は売春婦だった」と発言
 6月には、米アトランタ日本総領事・篠塚隆氏が、「慰安婦は売春婦だった」という趣旨の発言をして、国際的に大問題となった。発端は、米ジョージア州の地方紙のインタビュー。同州ブルックヘブン市内の公園での設置を同市議会が決定したことに関して〈篠塚総領事は慰安婦の女性らは金で雇われた売春婦だったと言った〉(23日付電子版)などと地の文で伝えた。
 この「金で雇われた売春婦だった」という発言は、国際的に大きな問題となった。しかし、日本国内メディアは対照的に沈黙。ほぼ唯一、東京新聞の名物特報欄「こちら特報部」が問題の経緯と事実を詳細に伝える報道をした。記事によれば、実際に録音テープのなかでは、篠塚氏は英語でこのように発言していた。
「歴史的事実として、女性は性奴隷ではなく、強制されていない。アジアの文化として、いくつかの国々で、家族を養うためにこの仕事を選ぶ女の子がいる」
「ブルックヘブン市での慰安婦像は多くの論争を巻き起こす政治的なツール。日本に対する憎悪と憤りの象徴でもある」(「こちら特報部」訳)
 一目瞭然、批判されて当然の発言である。しかし、安倍政権は少女像設置に対して一時引き上げの対応を批判したとされる釜山総領事は更迭したにもかかわらず、篠塚総領事にはなんのお咎めもなしだった。
●灘中学など全国私学への教科書採択に対する右派の組織的圧力が発覚
 夏頃には、中学・高校での歴史教科書をめぐる、歴史修正主義者からの圧力問題が話題を呼んだ。発端は、受験最難関クラスである私立灘中学校・灘高等学校の校長が2016年に発表した手記。灘校長の手記には、「学び舎」という出版社がつくる歴史教科書の採択をめぐり、右派勢力が学校のOBを名乗るなどして「反日極左の教科書」「採択を即刻中止にすることを望みます」などという“抗議ハガキ”が大量に送りつけるという、組織的な“圧力”があったことが明かされていた。灘校長によれば自民党の県議や国会議員からも「なぜあの教科書を採用したのか」と詰問を受けたという。
 この圧力問題は、灘中学だけでなく、全国の有名私学で行われていた。この問題を調査報道したNHKの『クローズアップ現代+』(9月6日放送)では、学校へのアンケートの結果が紹介され、「多様な思考力を育む教育を否定する動きに恐ろしさと悲しさを感じた」(東京の私立)、「全体像が分からないことに得体のしれぬものを感じる。学校現場が萎縮しないことを切に願う」(埼玉の私立)など、自由な教育の抑制を懸念する声が報じられた。
 本サイトでも追及したように、こうした運動の背景には、日本最大の右派組織「日本会議」や、首相のブレーンのひとりである八木秀次氏が率いる「日本教育再生機構」の影が見え隠れする。実際、『クロ現』では抗議ハガキの送り主のひとりとして自民党所属の広島県議にインタビューしているのだが、この県議は、日本会議広島が主催する講演会や日本会議と深く関わる地方議員だ。
 安倍首相と日本会議や日本教育再生機構の緊密な関係についてはいまさら言うまでもないが、歴史修正の運動は教育現場の侵食から始まるのである。今後も注視していかねばならない。
●ケント・ギルバートのヘイト本が大ヒット、講談社の担当編集者は
 歴史修正と差別主義は表裏一体の関係にある。数年前から問題になってきた“歴史修正・ヘイト本”ブームがようやく下火になりつつあるかに思えたが、今年は安倍応援団の元外国人タレント、ケント・ギルバート氏によるヘイト本『儒教に支配された中国人と韓国人の悲劇』(講談社)が約50万部の大ヒットを記録した。
 一見、他国の歴史的文化を論評するように見せかけ、実のところ事実を捏造しながら罵倒し、「それに比べて日本はなんて素晴らしいんだ」と持ち上げることで、国籍・民族差別を煽動する。あまりにお粗末だ。そもそも、タイトルに「儒教」と出てくるが、同書をいくら読んでもの儒教思想に対する深い分析などまったく出てこず、引用文献も一次資料はもちろん学術書も皆無で、あるのはネトウヨ系のタネ本ばかり。
 しかしケント氏は、なんの根拠も示さないまま「儒教に呪われた中韓の人間」「儒教の陰謀」などと言いっぱなしにして、〈「禽獣以下」の社会道徳や公共心しか持たないほどに落ちぶれた〉〈自尊心を保つためには、平気で嘘をつくのが韓国人です〉〈その病的なレベルについていえば、韓国人が世界一だと思います〉などというヘイトスピーチを連ねるのである。
 こんな悪質な差別本を大手の講談社が出版したこと自体クラクラしてくるが、しかも恐ろしいのは、同書の担当編集者が業界紙のインタビューで、「欧米人の書いた反中国・反韓国本だからこそ、特定の人たちだけでなく、多くの日本人に受け入れられたんでしょうね」などと、一切悪びれることなく、“読者ニーズがあったから売れたのだ”と開き直っていたことだ。 本来、出版文化の担い手であるはずの大手編集者が、“売れるから”という理由で歴史修正やヘイト本に手を出す。末期状態としか言いようがない。
●百田センセイのトンデモ歴史修正主義は健在
 ケント氏の『儒教に支配された〜』ほどではないが、ネトウヨ作家こと百田尚樹センセイの『今こそ、韓国に謝ろう』(飛鳥新社)もベストセラーになった。
 同書は、朝鮮半島の紀行文から恣意的に引用したうえで、“未分化の朝鮮半島に文化を持ち込んでやったのは大日本帝国だ”などの虚説をもって歴史の歪曲を行うヘイト本。百田氏は〈(朝鮮)総督府は実質的に文字を持たなかった民衆に、ハングルを教育し、普及させました。つまり日本は朝鮮の国語を「奪う」ことはせず、むしろ「与えた」のです〉などと上から目線で主張しているが、これは完全なデマである。
 実際、朝鮮近現代教育・文化史や言語社会論を専門とする三ツ井崇・東京大学大学院総合文化研究科准教授も「総督府が初めてハングルを普及させた」というのは〈明らかな事実誤認〉と断じているように、ハングル小説の嚆矢と言われる許筠の『洪吉童伝』は17世紀初頭に成立しており、近代学校における朝鮮語教育も19世紀の終わり頃には始まっている(『朝鮮植民地支配と言語』明石書店)。
 余談だが、百田氏といえば今年、「中国を偉大な国と勘違いさせる「漢文」の授業は廃止せよ」なる文を「SAPIO」(小学館)5月号に寄稿した。言うまでもなく、漢文なくしては日本の文字文化もありえなかったわけで、この男の無知蒙昧ぶりにはほとほと嫌気がさすが、こうして他国の文化を罵って差別を煽動するのも歴史修正主義のバリエーションなのである。
●小池都知事が式典への追悼文を取りやめ!増長する朝鮮人虐殺否定論
 関東大震災時の混乱に乗じて「朝鮮人が井戸に毒をもっている」などのデマが飛び出し、日本人自警団が多くの朝鮮人や中国人を殺害した、いわゆる「朝鮮人虐殺」。これは、当時を生きた著名人を含む多くの証言が残っている歴史的事実だが、それを否定しようという動きが加速している。
 象徴的だったのは、9月1日の朝鮮人犠牲者の追悼式典をめぐって、都知事が例年送っていた追悼文の送付を小池氏が拒否したことだ。小池都知事は会見でも、「様々な被害で亡くなられた」「様々な歴史的認識がある」などと述べ、朝鮮人虐殺という歴史事実への言及を避けた。
 波紋を広げるなか、本サイトでは式典当日、“虐殺否定論”に立つ在特会系の極右団体が催した集会を取材したが、そこには現役の区議会議員までが参加していた。集会後、区議に直撃すると「朝鮮人暴動は流言飛語ではなく事実」「意図的に殺したとかじゃない」との主張。こうした歴史事実を否定する動きは、都政トップの小池都知事の言動と同調して、これからどんどん増長していくだろう。
 事実、昨年の熊本大地震では「熊本の井戸に朝鮮人が毒を入れている」という悪質なヘイトデマツイートが出回った。歴史修正主義は決して学問上の対立ではなく、ときに人を殺すヘイトクライムと地続きなのだ。
●安倍首相の側近が歴史修正発言を連発、杉田水脈を安倍がスカウト
 安倍首相の側近議員からも、歴史修正主義発言が次々飛び出した。たとえば、安倍首相の寵愛を受ける稲田朋美元防衛相。最近も懲りずに「外務省 目覚めよ!南京事件はなかった」なるタイトルの講演会に登壇し、「日本の名誉を守るとは、いわれなき非難や事実と違うことに断固として反論することだ」などと語った。
 8月には、麻生太郎副総理兼財務相が、麻生派の研修会で「(政治家は)結果が大事なんですよ。いくら動機が正しくても何百万人殺しちゃったヒトラーは、やっぱりいくら動機が正しくてもダメなんですよ、それじゃあ」と述べた。何の弁解の余地もない、ヒトラーを肯定する大問題発言だが、いまでも麻生はのうのうと副総理の座に収まっている。
 もうひとつ、唖然とさせられたのは、先の衆院選で自民党があの杉田水脈氏を公認候補に擁立、当選させたことだ。杉田氏は、男尊女卑や外国人・マイノリティ差別、さらには反日工作員なる妄想や「左翼」への並々ならぬ憎悪をごっちゃ混ぜにしたトンデモ極右で、ヘイト系の関連団体や人物と一緒になって慰安婦の否定などがなりたててきた人物。昨年出した作家・河添恵子氏との共著『「歴史戦」はオンナの闘い』(PHP研究所)では、「慰安婦像を何個建ててもそこが爆破されるとなったら、もうそれ以上、建てようとは思わない。建つたびに、一つひとつ爆破すればいい」と爆破テロまで煽動していた。
 驚くのは、実に杉田氏を自民党にスカウトしたのが、他ならぬ安倍首相だったことだ。櫻井よしこ氏が出馬の裏側を明かしたところによれば、安倍首相は「杉田さんは素晴らしい!」とほめたたえ、最側近の萩生田光一氏が熱心に誘ったのだという。第二次政権では表だった歴史修正発言を控えるようになった安倍首相だが、その本質が極右のリビジョニストそのものであることを忘れてはいけない。
●フランスのル・モンド紙が、安倍首相を歴史修正主義者と喝破
 歴史修正主義と戦う言論は徹底して潰されてしまうのが安倍政権下の日本。
 だが、そうして国内は封殺できても、国際社会までは騙すことはできない。たとえばフランスのル・モンド紙は、選挙直後の10月20日の電子版に「安倍晋三、受け継がれし歴史修正主義」と題した特集記事を掲載、こう喝破した。
〈安倍氏は歴史修正主義者(revisionniste)である。たとえば、彼の礼賛する憲法改正は、日本の帝国主義の復興を目指し、1930年代初頭から第二次世界大戦終戦までの日本軍が犯した残虐行為の数々を過小評価ないしは否定しようとする広大な企てのなかの一つだ〉
 ル・モンドが言うように、安倍首相はまごうことなき歴史修正主義者であり、その欲望は、確実に日本を戦争へと近づけていく。2018年は、改憲への動きと連動して、歴史修正主義もさらなる加速を見せるだろう。
 歴史修正主義は基本的に内向きの性質を持つが、決して過去のみを標的にしているわけではない。ましてや、単なる学問上の対立ではありえない。実態は、過去を歪曲することで現在を都合よく解釈し直そうとする企み、そのいく末は、安部政権が喧伝する“輝いていた在りし日の日本”ではなく、正真正銘の“戦争ができる国”なのである。
●明治礼賛の国策映画、明治150年事業…安倍政権による明治日本=大日本帝国礼賛ムーブメント
 安倍首相が日本軍の戦争犯罪を否定する一方で推し進めるのが、明治時代の礼賛だ。昨年10月、安倍政権は2018年に明治維新150年の記念事業を実施することを発表。今年7月の中間とりまとめでは、「明治150年」関連施策として実に100を超える事業がラインナップされた。スポーツ庁からの求めで、来年秋に開催される福井国体に「明治150年」という冠称をつけようという動きが出ているのも、その明治礼賛=大日本帝国の美化政策の一環だろう。
 ほかにも150年記念事業として、明治期の国づくりなどを題材とした映画やテレビ番組の制作を政府が支援することを検討していると報じられた。完全に、ナチスを彷彿とさせる“国策プロパガンダ映画”事業である。大日本帝国の植民地主義を正当化、アピールしようという意図があるのは明らかだ。
 実際、安倍政権は、この明治日本=大日本帝国への憧憬を隠さず、ことあるごとに、明治日本=大日本帝国の正当化を喧伝してきた。
 たとえば、2015年7月「明治日本の産業革命遺産」の世界遺産登録へのゴリ押しに安倍政権の強い意向があったことが明らかになっている。また安倍首相は戦後70年談話のなかでも、明治日本の植民地主義を正当化し日露戦争を良い戦争だったと語った。さらに安倍政権や極右団体・日本会議による「明治の日」復活の動きもある。
 さらに安倍首相は来年の年頭所感でも、明治150年を打ち出しているという話もある。2018年、安倍政権による明治礼賛=大日本帝国美化という歴史修正主義ムーブメントに、これまで以上に要注意だ。(編集部)

トースト/歩いて買い物/生姜焼き・卵焼き・スープ/イルミネーション

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Johnny Hallyday et les femmes : de Sylvie à Laeticia, son "ange gardien"
Sylvie, Nathalie, Adeline, Laeticia... La France aura vibré au rythme des coups de foudre du chanteur, entre soif de liberté et quête éperdue d'un foyer.

Jusqu'à sa rencontre avec Laeticia en 1995, la vie amoureuse de Johnny aura connu moult rebondissements, quatre mariages dont deux avec la même femme, deux enfants, une multitude de flirts et quelques très belles histoires. Cette difficulté à construire un foyer, le rockeur l'avait analysée au micro d'Antoine de Caunes au début des années 1990 : ≪ Je suis passé à côté de mon adolescence et c'est sans doute pour cela que j'ai ressenti le besoin de créer une famille toute ma vie... ce que je ne suis pas vraiment arrivé à faire. Mon père ne m'a pas élevé, ma mère n'avait pas le temps de s'occuper de moi. Dès 5 ans, j'ai été trimballé un peu partout dans le monde par mes parents adoptifs. Je n'ai pas eu d'enfance normale par rapport aux autres qui vont à l'école, qui font des boums. Du coup, je n'arrive pas à m'installer longtemps quelque part ou avec quelqu'un. C'est vrai que je ne tiens pas en place... ≫
Johnny Hallyday a 18 ans lorsqu'il rencontre son alter ego féminin, Sylvie Vartan. Ils sont jeunes, beaux et connaissent un succès fulgurant. De leur mariage en 1965, ou débarqueront 4 000 fans survoltés, à la naissance de leur fils, David, le 14 août 1966, et jusqu'à leur divorce en 1980, leur union ressemble à un tourbillon. Début 1981, Johnny s'offre un mariage éclair de deux mois avec Élisabeth Étienne, dite Babeth, une jolie brune, avant d'enflammer les unes des magazines avec la femme dont il a toujours dit qu'elle était celle qui l'a le plus impressionné, l'actrice Nathalie Baye. Derrière cette idylle improbable sur le papier, se cache une profonde histoire d'amour. On a longtemps caricaturé, à tort, l'attirance entre l'intello éprise de nature et le fauve instinctif vivant pour sa musique, sa bande de potes et ses virées à moto. Mais Johnny est aussi un passionné de cinéma, dévorant trois ou quatre films par jour et rêvant secrètement à une carrière d'acteur. ≪ Elle a fait de moi un homme ≫, dira-t-il. Elle lui ouvrira les portes du septième art, ensemble ils auront Laura, née en 1983 - dont le prénom inspirera un tube -, qui deviendra la belle actrice que l'on connaît. La rupture avec Nathalie Baye le laisse anéanti, aux prises avec ses démons et ses paradoxes : un rêve de famille stable, mais pas la vie qui va avec.
≪ Je suis seul ce soir, y a-t-il quelqu'un pour me tenir compagnie ? ≫
Pourtant Johnny n'aime pas être seul. Dans les années 1990, le rock(co)eur d'artichaut enchaîne les liaisons plus ou moins passionnées : Leah, une top-modèle canadienne ; Linda Hardy, Miss France 1992 ; Gisèle Galante, qu'il promet d'épouser, avant d'annuler le mariage ; sans oublier Adeline Blondieau, saison 1 et 2, la fille de son meilleur ami Long Chris, qu'il va épouser deux fois en quatre ans. Elle a 3 ans lorsque, sur le ton de la plaisanterie, il lui promet un jour de l'épouser et d'être son prince charmant. Seize ans plus tard, il tient sa promesse. En juillet 1990, la jeune fille de 19 ans se marie à Ramatuelle, dans une robe Nina Ricci, avec le chanteur de presque trente ans son aîné. Une union sous le signe de la passion, qui s'achèvera deux ans plus tard, pour rebondir en mai 1994. Les amants terribles, partis en virée à travers les États-Unis, se remarient à Las Vegas. De retour en France, Johnny, bravache, multiplie les interviews en expliquant qu'Adeline est la femme de sa vie. La saison 2 ne durera pas un an. Quelque temps plus tard, foulant la scène du parc des Princes devant un public féminin en délire, il clamera : ≪ Je suis seul ce soir, y a-t-il quelqu'un pour me tenir compagnie ? ≫ Car, malgré cette apparente instabilité sentimentale, il n'a toujours pas renoncé à son désir de cellule familiale. Son métier a des exigences. Les femmes de sa vie aussi. Et les deux semblent définitivement incompatibles.
Début 1995, le Tout-Paris glousse d'une nouvelle idylle. La gamine s'appelle Laeticia, elle a 20 ans, des anglaises, des taches de rousseur et serait dingue de son rockeur. Le 25 mars 1996, Johnny Hallyday s'offre un cinquième mariage, sur lequel personne ne mise. Et pourtant : elle sera la mère de ses deux dernières filles, sa meilleure amie, son ange gardien... Bref, la femme de sa vie.
She Broke Japan’s Silence on Rape
TOKYO — It was a spring Friday night when one of Japan’s best-known television journalists invited Shiori Ito out for a drink. Her internship at a news service in Tokyo was ending, and she had inquired about another internship with his network.
They met at a bar in central Tokyo for grilled chicken and beer, then went to dinner. The last thing she remembers, she later told the police, was feeling dizzy and excusing herself to go to the restroom, where she passed out.
By the end of the night, she alleged, he had taken her back to his hotel room and raped her while she was unconscious.
The journalist, Noriyuki Yamaguchi, the Washington bureau chief of the Tokyo Broadcasting System at the time and a biographer of Prime Minister Shinzo Abe, denied the charge and, after a two-month investigation, prosecutors dropped the case.
Then Ms. Ito decided to do something women in Japan almost never do: She spoke out.
In a news conference in May and a book published in October, she said the police had obtained hotel security camera footage that appeared to show Mr. Yamaguchi propping her up, unconscious, as they walked through the hotel lobby. The police also located and interviewed their taxi driver, who confirmed that she had passed out. Investigators told her they were going to arrest Mr. Yamaguchi, she said — but then suddenly backed off.
Elsewhere, her allegations might have caused an uproar. But here in Japan, they attracted only a smattering of attention.
As the United States reckons with an outpouring of sexual misconduct cases that have shaken Capitol Hill, Hollywood, Silicon Valley and the news media, Ms. Ito’s story is a stark example of how sexual assault remains a subject to be avoided in Japan, where few women report rape to the police and when they do, their complaints rarely result in arrests or prosecution.
On paper, Japan boasts relatively low rates of sexual assault. In a survey conducted by the Cabinet Office of the central government in 2014, one in 15 women reported experiencing rape at some time in their lives, compared with one in five women who report having been raped in the United States.
But scholars say Japanese women are far less likely to describe nonconsensual sex as rape than women in the West. Japan’s rape laws make no mention of consent, date rape is essentially a foreign concept and education about sexual violence is minimal.
Instead, rape is often depicted in manga comics and pornography as an extension of sexual gratification, in a culture in which such material is often an important channel of sex education.
The police and courts tend to define rape narrowly, generally pursuing cases only when there are signs of both physical force and self-defense and discouraging complaints when either the assailant or victim has been drinking.
Last month, prosecutors in Yokohama dropped a case against six university students accused of sexually assaulting another student after forcing her to drink alcohol.
And even when rapists are prosecuted and convicted in Japan, they sometimes serve no prison time; about one in 10 receive only suspended sentences, according to Justice Ministry statistics.
This year, for example, two students at Chiba University near Tokyo convicted in the gang rape of an intoxicated woman were released with suspended sentences, though other defendants were sentenced to prison. Last fall, a Tokyo University student convicted in another group sexual assault was also given a suspended sentence.
“It’s quite recent that activists started to raise the ‘No Means No’ campaign,” said Mari Miura, a professor of political science at Sophia University in Tokyo. “So I think Japanese men get the benefit from this lack of consciousness about the meaning of consent.”
Of the women who reported experiencing rape in the Cabinet Office survey, more than two-thirds said they had never told anyone, not even a friend or family member. And barely 4 percent said they had gone to the police. By contrast, in the United States, about a third of rapes are reported to the police, according to the Bureau of Justice Statistics.
“Prejudice against women is deep-rooted and severe, and people don’t consider the damage from sexual crimes seriously at all,” said Tomoe Yatagawa, a lecturer in gender law at Waseda University.Ms. Ito, 28, who has filed a civil suit against Mr. Yamaguchi, agreed to discuss her case in detail to highlight the challenges faced by women who suffer sexual violence in Japan.
“I know if I didn’t talk about it, this horrible climate of sexual assault will never change,” she said.
Mr. Yamaguchi, 51, also agreed to speak for this article. He denied committing rape. “There was no sexual assault,” he said. “There was no criminal activity that night.”
‘Not a Chance’
Ms. Ito had met Mr. Yamaguchi twice while studying journalism in New York before their encounter on April 3, 2015.
When she contacted him again in Tokyo, he suggested that he might be able to help her find a job in his bureau, she said. He invited her for drinks and then dinner at Kiichi, a sushi restaurant in the trendy Ebisu neighborhood.
To her surprise, they dined alone, following beer with sake. At some point, she felt dizzy, went to the bathroom, laid her head on the toilet tank and blacked out, she said.
When she woke, Ms. Ito said, she was underneath Mr. Yamaguchi in his hotel bed, naked and in pain.
Japanese law describes the crime of “quasi-rape” as sexual intercourse with a woman by “taking advantage of loss of consciousness or inability to resist.” In the United States, the law varies from state to state, with some defining the same crime as second-degree rape or sexual assault.
The police later located a taxi driver who recalled picking up Ms. Ito and Mr. Yamaguchi and taking them to the nearby Sheraton Miyako Hotel, where Mr. Yamaguchi was staying.
The driver said Ms. Ito was conscious at first and asked to be taken to a subway station, according to a transcript of an interview with the driver. Mr. Yamaguchi, however, instructed him to take them to his hotel.
The driver recalled Mr. Yamaguchi saying that they had more work to discuss. He also said Mr. Yamaguchi might have said something like, “I won’t do anything.”
When they pulled up to the hotel, the driver said, Ms. Ito had “gone silent” for about five minutes and he discovered that she had vomited in the back seat.
“The man tried to move her over toward the door, but she did not move,” the driver said, according to the transcript. “So he got off first and put his bags on the ground, and he slid his shoulder under her arm and tried to pull her out of the car. It looked to me like she was unable to walk on her own.”
Ms. Ito also appears incapacitated in hotel security camera footage obtained by the police. In pictures from the footage seen by The New York Times, Mr. Yamaguchi is propping her up as they move through the lobby around 11:20 p.m.
Ms. Ito said it was about 5 a.m. when she woke up. She said she wriggled out from under Mr. Yamaguchi and ran to the bathroom. When she came out, she said, “he tried to push me down to the bed and he’s a man and he was quite strong and he pushed me down and I yelled at him.”
She said she demanded to know what had happened and whether he had used a condom. He told her to calm down, she said, and offered to buy her a morning-after pill.
Instead, she got dressed and fled the hotel.
Ms. Ito believes she was drugged, she said, but there is no evidence to support her suspicion.
Mr. Yamaguchi said she had simply drunk too much. “At the restaurant, she drank so quickly, and in fact I asked her, ‘Are you all right?’” he said. “But she said, ‘I’m quite strong and I’m thirsty.’”
He said: “She’s not a child. If she could have controlled herself, then nothing would have happened.”Mr. Yamaguchi said he had brought her to his hotel because he was worried that she would not make it home. He had to rush back to his room, he said, to meet a deadline in Washington.
Mr. Yamaguchi acknowledged that “it was inappropriate” to take Ms. Ito to his room but said, “It would have been inappropriate to leave her at the station or in the hotel lobby.”
He declined to describe what happened next, citing the advice of his lawyers. But in court documents filed in response to Ms. Ito’s civil suit, he said he undressed her to clean her up and laid her on one of the beds in his room. Later, he added, she woke and knelt by his bed to apologize.
Mr. Yamaguchi said in the documents that he urged her to return to bed, then sat on her bed and initiated sex. He said she was conscious and did not protest or resist.
But in emails that he exchanged with Ms. Ito after that night, he presented a slightly different account, writing that she had climbed into his bed.
“So it’s not the truth at all that I had sex with you while you were unconscious,” he said in a message on April 18, 2015. “I was quite drunk and an attractive woman like you came into my bed half naked, and we ended up like that. I think we both should examine ourselves.”
In another email, Mr. Yamaguchi denied Ms. Ito’s allegation of rape and suggested that they consult lawyers. “Even if you insist it was quasi-rape, there is not a chance that you can win,” he wrote.
When asked about the emails, Mr. Yamaguchi said a full record of his conversations and correspondence with Ms. Ito would demonstrate that he had “had no intention” of using his position to seduce her.
“I am the one who was caused trouble by her,” he added.
Shame and Hesitation
Ms. Ito said she rushed home to wash after leaving the hotel. She now regards that as a mistake. “I should have just gone to the police,” she said.
Her hesitation is typical. Many Japanese women who have been assaulted “blame themselves, saying, ‘Oh, it’s probably my fault,’” said Tamie Kaino, a professor emeritus of gender studies at Ochanomizu University.
Hisako Tanabe, a rape counselor at the Sexual Assault Relief Center in Tokyo, said that even women who call their hotline and are advised to go to the police often refuse, because they do not expect the police to believe them.
“They think they will be told they did something wrong,” she said.
Ms. Ito said she felt ashamed and considered keeping quiet too, wondering if tolerating such treatment was necessary to succeed in Japan’s male-dominated media industry. But she decided to go to the police five days after the encounter.
“If I don’t face the truth,” she recalled thinking, “I think I won’t be able to work as a journalist.”
The police officers she spoke to initially discouraged her from filing a complaint and expressed doubt about her story because she was not crying as she told it, she said. Some added that Mr. Yamaguchi’s status would make it difficult for her to pursue the case, she said.
But Ms. Ito said the police eventually took her seriously after she urged them to view the hotel security footage.
A two-month investigation followed, after which the lead detective called her in Berlin, where she was working on a freelance project, she said. He told her they were preparing to arrest Mr. Yamaguchi on the strength of the taxi driver’s testimony, the hotel security video and tests that found his DNA on one of her bras.
The detective said Mr. Yamaguchi would be apprehended at the airport on June 8, 2015, after arriving in Tokyo on a flight from Washington, and he asked her to return to Japan to help with questioning, Ms. Ito said.
When that day came, though, the investigator called again. He told her that he was inside the airport but that a superior had just called him and ordered him not to make the arrest, Ms. Ito said.
“I asked him, ‘How is that possible?’” she said. “But he couldn’t answer my question.”
Ms. Ito declined to identify the investigator, saying she wanted to protect him. The Tokyo Metropolitan Police would not comment on whether plans to arrest Mr. Yamaguchi were scuttled. “We have conducted a necessary investigation in light of all laws and sent all documents and evidence to the Tokyo Prosecutors’ office,” a spokesman said.
‘I Have to Be Strong’
In 2016, the most recent year for which government statistics are available, the police confirmed 989 cases of rape in Japan, or about 1.5 cases for every 100,000 women. By comparison, there were 114,730 cases of rape in the United States, according to F.B.I. statistics, or about 41 cases per 100,000 residents, both male and female.
Scholars say the disparity is less about actual crime rates than a reflection of underreporting by victims and the attitudes of the police and prosecutors in Japan.
Over the summer, Parliament passed the first changes to Japan’s sex crime laws in 110 years, expanding the definition of rape to include oral and anal sex and including men as potential victims. Lawmakers also lengthened minimum sentences. But the law still does not mention consent, and judges can still suspend sentences.
And despite the recent cases, there is still little education about sexual violence at universities. At Chiba, a course for new students refers to the recent gang rape as an “unfortunate case” and only vaguely urges students not to commit crimes.
In Ms. Ito’s case, there is also a question of whether Mr. Yamaguchi received favorable treatment because of his connection to the prime minister.
Not long after Ms. Ito went public with her allegations, a Japanese journalist, Atsushi Tanaka, confronted a top Tokyo police official about the case.
The official, Itaru Nakamura, a former aide to Mr. Abe’s chief cabinet secretary, confirmed that investigators were prepared to arrest Mr. Yamaguchi — and that he had stopped them, Mr. Tanaka reported in Shukan Shincho, a weekly newsmagazine.
The allegations did not affect Mr. Yamaguchi’s position at the Tokyo Broadcasting System, but he resigned last year under pressure from the network after publishing an article that was seen as contentious. He continues to work as a freelance journalist in Japan.
Ms. Ito published a book about her experience in October. It has received only modest attention in Japan’s mainstream news media.
Isoko Mochizuki, one of the few journalists to investigate Ms. Ito’s allegations, said she faced resistance from male colleagues in her newsroom, some of whom dismissed the story because Ms. Ito had not gone to the hospital immediately.
“The press never covers sexual assault very much,” she said.
Ms. Ito said that was precisely why she wanted to speak out.
“I still feel like I have to be strong,” she said, “and just keep talking about why this is not O.K.”
Hisako Ueno contributed reporting.
フランス語
フランス語の勉強?

朝はトーストです.買い物は歩いて行きました.たぶん20分くらい.結構ありました.生姜焼き・卵焼き・スープを作ってもらい2人で食べました.美味しかったですよ.
その後大掃除.窓拭いたり流しを洗ったり.ちょっと疲れたかな❓
イルミネーションを見に,市電で市役所前まで移動です.ドルフィンポートで日本酒+梅酒を買いました.天文館公園のイルミネーションを背景に2人で写真とってもらいました.天文館食堂で晩ご飯食べて帰りました.

気仙沼・津波に耐えた並木 伐採の桜に新たな命を 土木事務所が無償提供
 県気仙沼土木事務所は来年1月、東日本大震災の津波に耐えながら県の河川堤防の建設に伴い伐採された気仙沼市神山川沿いの桜の木を無償提供する。
 同事務所が提供するのは直径10〜20センチ、長さ90センチの幹50本と、直径20〜30センチ、長さ45センチの150本。11月に伐採されたソメイヨシノ39本のうち、工事を請け負った業者が状態の良い幹を選び、使いやすいように切った。木工品やまきストーブでの利用を見込む。
 神山川左岸約600メートルの桜並木は、地元住民が40〜50年前に植栽し、手入れをしてきた。津波をかぶった後にも花を咲かせ、被災した人たちを勇気付けた。
 県は当初、全ての桜を切る予定だったが、地元の反発を受けて計画を変更。震災後の隆起分を考慮し、一部は残す方針を決めた。
 希望者は同事務所のホームページから申込書を入手し、搬出予定車両、利用目的などを記入してファクスなどで申し込む。受け付けは1月4〜15日で先着順。居住地は問わない。
 19、20日に市内の保管場所で引き渡す。本数などは同事務所で調整し、営利目的には提供しない。
 同事務所は「神山川の桜に対する愛着を持つ住民は多い。活用してほしい」と呼び掛ける。連絡先は同事務所0226(24)2564。


<回顧17みやぎ>(14完)気仙沼大島大橋/祝賀機運 行政水差す
 転勤で気仙沼市に引っ越してきた3月29日は、地元にとって50年来の悲願である「希望の架け橋」がつながった日でもあった。
 気仙沼市の離島・大島と本土を結ぶ「気仙沼大島大橋」が架設され、2018年度末の完成に向け、いよいよカウントダウンが始まった。地元はどこか華やいだ雰囲気があった。
 橋をくぐるクルージングは評判を呼び、橋の人気にあやかるメニューを考案する焼き肉屋もあった。島民を対象にした初の見学会には予想を上回る320人の住民が集まった。
 そんな地元の盛り上がりに水を差したのが行政だった。11月18日にあった島内の説明会で、市は橋の完成と同時期のオープンを目指した観光拠点「大島ウエルカム・ターミナル」の供用開始が20年度までずれ込む見通しを明らかにした。関連した県の事業が20年度まで遅れるのが影響した。
 東日本大震災後、気仙沼市の観光客数は落ち込んだままだ。16年の観光客数は135万3500人と震災前10年(254万600人)の53.3%にとどまる。
 大島大橋の開通は市の交流人口拡大に向けた起爆剤としての役割を担う。市が離島に橋が架かった他地域の状況を参考に算出した予測によると、開通直後のピーク時、1日あたり大島大橋の交通量は約1万200台に達するという。
 ゴールデンウイークであったり、夏休みであったり、19年度は多くの観光客が島を訪れるだろう。だが、この需要を取り込む施設が島にはできない。特に、観光拠点に商業モールを建設する予定だった島の商店主らの落胆は大きい。
 県、市は責任の重さと島民の痛みをどれだけ感じているのだろうか。
 「県の事業が進まなければ動けない」(市担当者)、「当初の計画に無理があった」(県気仙沼土木事務所)。取材で聞いた責任を押し付け合うような発言からは、住民に寄り添う本来あるべき行政の姿勢はみじんも感じられなかった。
 事業の遅れを検証し、善後策を探る県と市の調整会議の初会合が今月26日にあった。担当者は一様に「整備日程を一日でも早めたい」と口をそろえる。
 単なるリップサービスに終わり、地元を再び失望させることだけは許されない。県、市双方の力量と真剣さが問われている。(気仙沼総局・大橋大介)
[メモ]長さ356メートル。橋脚間の長さは297メートルで東日本では最長のアーチ橋。県が進める東日本大震災の復興事業に位置付けられる。東北で離島の架橋事業は初めて。旧大島村が1951年に架橋を構想。67年に県の発展計画に盛り込まれた。


<大槌復興刺し子>好調 無印良品とコラボ第4弾発売
 東日本大震災で被災した岩手県大槌町の女性たちでつくる「大槌復興刺し子プロジェクト」と、生活雑貨店「無印良品」によるコラボ商品の第4弾が発売された。国内外の店頭に並べられており、女性たちは「刺し子を広く知ってもらうきっかけになる」と喜ぶ。
 両者の協力関係は2013年に始まった。今回作ったのは、舟形ミニバッグ(4900円)舟形ポーチ(2900円)三角ミニポーチ(1500円)の3種類で計2600個の限定商品。それぞれ海とつながりのある漁網、波、塩をイメージした柄を手縫いした。
 無印良品での取り扱いは、国内は東京のみで有楽町と池袋西武の2店舗。海外はイギリス、フランス、イタリア、ドイツ、スペインの計23店舗に広がった。
 プロジェクトでは、20〜80代の約30人が刺し子を手掛ける。生産の指揮を執った佐々木加奈子さん(40)は「一針一針を大事にしながら仕上げた」と語る。
 これまで無印良品との共同企画でコースター、ランチョンマット、バッグなどが誕生した。昨年は大槌の女性たちがヨーロッパに行き、刺し子のワークショップも開いた。
 無印良品を展開する良品計画(東京)の担当者は「被災地支援で始まった企画だが、女性たちの技術は年を追うごとに向上している。商品の売れ行きは毎年好調だ」と話す。
 大槌復興刺し子プロジェクトは11年6月に発足。NPO法人テラ・ルネッサンス(京都市)が運営する。売り上げの一部が女性たちの工賃となり、これまで186人に計3075万円を支払った。


<ふるさと息づく 岩手・大槌>(中)震災/慰霊碑建立 津波へ戒め
 東日本大震災で人口の約1割に当たる1285人が犠牲になった岩手県大槌町。内陸部に位置する金沢(かねざわ)地区も無縁ではなかった。
 2011年3月11日夜、民生委員の佐々木成子さん(73)は自宅の隣にある集会施設に1台の車が止まっているのに気付いた。
 中には夫婦がいた。命からがら津波の難を逃れ、車中に泊まるという。「入って休んで」。大急ぎで施設の鍵を開け、ストーブをたいた。
 次の日から金沢に続々と避難者が押し寄せてきた。みんなが口々に「町がなくなった」と言う。3カ所の避難所で一時350人以上が寝起きを共にした。親戚や知人の家に身を寄せた人は、3月21日時点で275人を数えた。
<地域挙げ支援>
 沿岸部が壊滅した大槌。ライフラインが途絶える中、金沢では地域を挙げて避難者支援に奮闘する日々が始まった。
 佐々木さんら民生委員は毎日、避難者向け支援物資を沿岸被災者が身を寄せている家に届けた。住民は自宅からコメや毛布を持ち寄り、避難所などで炊き出しをした。まきで湯を沸かし、避難者を自宅の風呂に招く人もいた。
 避難所の開設は7月末まで続いた。食料確保などに奔走した農業兼沢平也さん(70)は「被災していない自分たちが助けなければ。その一心で頑張るだけだった」と振り返る。
 昨夏、町補助事業を活用して震災犠牲者の慰霊碑を建立する計画が持ち上がった。金沢でも震災時に仕事で海の近くにいるなどした2人が亡くなっている。
<聞き取り実施>
 「それだけじゃない。就職や結婚で出て行った出身者も大勢犠牲になった」と臨済宗大勝院の住職、谷藤邦緒さん(66)。兼沢さんらと全世帯にアンケートを実施し、碑文の内容や建立場所を決めた。
 地区住民のほとんどが檀家(だんか)という大勝院の一角に碑は完成し、今年8月に除幕式があった。交通量の多い県道沿いで目に付きやすい。お盆には他地区から手を合わせに来る人の姿もあった。
 「地震があったら津波が来ると考えよ」「何度も津波が来る。一度逃げたら戻るな」。碑には震災の規模や町の被災状況とともに八つの戒めを刻んだ。
 谷藤さんは「次に大地震が起きたとき、仕事や通院で海沿いにいるかもしれない。墓参りに来た住民が改めて犠牲者に思いを寄せ、備えの気持ちを新たにしてほしい」と願う。


河北春秋
 東日本大震災で深刻な被害があった気仙沼市中心部の内湾地区。いまだに更地の場所や、津波の傷痕を残す建築、あるいは逆に再建された真新しい建物などが目立つ。そんな中にも所々、趣のある商家を見つけては港町として栄えた歴史を体感し、ほっとする▼今月17日、地区に残る国登録文化財の六つの建物を巡るイベントがあった。いずれも被災し海外の財団の支援を受けるなど再建・修復作業に入り、そのうち3棟で完了している。造り酒屋や陶器店、魚問屋などを回り、クイズを交えて学んだ▼修復中の1軒である米穀店では親子土壁塗り体験会も開催。「安波山の裾野に広がった気仙沼の街は、変形の敷地に建てられた建築が多い」などと説明を聞いた。参加した同市九条小4年の吉田菜穂子さんは「こてを使ってうまく塗れたよ」と笑った▼企画したのは市民や建築家、被災建築所有者らが震災後に結成した「気仙沼風待ち復興検討会」。菅原千栄会長は「建物を通じて、今も息づく地域の成り立ちを伝え、にぎわいを取り戻したい」と力を込める▼会員たちは内湾地区自体を一つの文化財「風待ち復興ミュージアム」として、観光客や市民に楽しんでもらいたいと夢見る。修復完了には、まだまだ支援が必要とか。ぜひ、あなたも協力を。

<今年の水揚げ>3年連続不漁響く女川、サンマ1万トン割れ気仙沼、ブランド化が奏功の石巻、サバ・カツオけん引した塩釜
 宮城県内の主要4魚市場は28日、今年の業務を終え、水揚げ実績がまとまった。サンマが歴史的な不漁となり、主力とする女川の水揚げ量は東日本大震災が起きた2011年を除くと06年以降で最低となった。気仙沼は初めてサンマが1万トンを割った。石巻はブランド化などが奏功し、震災後で最高の水揚げ額となった。塩釜はサバ、カツオがけん引し、数量・金額とも前年を上回った。
●女川
 女川魚市場はサンマの3年連続不漁が響き、水揚げ量は前年比18.8%減の3万5618トンにとどまったが、金額は1.0%増え80億5568万円となった。
 数量は主力のサンマが31.0%減の9516トンと激減したのが影響したほか、カツオやイサダなど多くの魚種が不漁だった。ただ、魚価が高く推移し、金額は目標の80億円を達成。養殖ギンザケは19.3%増の34億2100万円だった。
 加藤実専務は「水産加工会社にとっては不漁に加え魚価が高く、大変厳しい状況だ」と話した。
●気仙沼
 気仙沼市魚市場の水揚げ量は前年比2.4%減の7万3870トンで、金額は5.4%減の188億5145万円だった。震災前の10年比で数量は71.3%、金額は83.8%の水準。
 サンマは大不漁で前年比28.2%減の9676トン。1万トンを初めて割った。平均単価が上がったため金額は21億2738万円で9.6%減にとどまった。一本釣りと巻き網を合わせた生鮮カツオは不調だった昨年とほぼ同水準(1.7%増)の1万9779トン。21年連続の日本一は達成した。気仙沼漁協の臼井靖参事は「サンマとカツオが不調だった。来年は回復してほしい」と話した。
●石巻
 石巻魚市場の水揚げ量は11万2656トン、金額は208億3217万円で、前年を数量で18.1%、金額では25.1%上回った。
 金華サバや、国の「地理的表示保護制度(GI)」に登録された銀ザケ「みやぎサーモン」など高級魚のイメージ戦略に注力。サバは数量では前年比で5.4%減ったが、単価が上昇して金額は5億700万円増の31億3600万円。銀ザケは約6億円増の27億8500万円。マダコが豊漁で前年比6.5倍の609トン、金額は7.5倍の5億7000万円を記録した。
 佐々木茂樹常務は「寒流系のサンマやスルメイカは振るわなかったが、暖流系の魚が水揚げ全体を底上げした」と語った。
●塩釜
 塩釜市魚市場の水揚げ量は前年比4.2%増の2万2557トン、金額は3.3%増の107億3565万円となった。
 好調だったのはサバの巻き網。数量は震災後最多だった前年を47.5%上回った。カツオの一本釣りも68.9%増で順調だった。一方、主力のマグロはえ縄の水揚げ量は11.6%減と低迷。近海の漁場が形成されなかった。巻き網の水揚げ量は5.9%増で、相場が高値で推移したため金額は約4割アップした。
 魚市場管理事務所の担当者は「サバやカツオなどの水揚げが増えており、主力魚種になるよう力を入れたい」と話す。


安倍政権/国民の声聞こえているか
 5年目の第2次安倍政権は、一時支持率が下落し、盤石だった「1強」の足元が揺らいだ。それでも安倍晋三首相が解散に踏み切った衆院選は、野党の分裂などで自民党が圧勝した。憲法改正の発議に必要な3分の2の勢力を確保し、首相は悲願の改憲に踏み出すとみられる。
 ただその勝利は、野党がひと固まりとなって戦わず、票差以上に議席数が増幅される小選挙区制度にも負うところが大きい。国民の声をしっかりと聞かなければ、大きな揺り戻しが起きるだろう。
 年初の国会は、「安倍1強」を象徴するように首相ペースで始まった。ところが、文部科学省の天下り問題や防衛省でPKO日報を隠蔽(いんぺい)した疑いが浮上する。さらに森友学園への国有地売却問題と、加計(かけ)学園の獣医学部新設に関する疑惑がクローズアップされた。
 「もり・かけ」問題は、首相や昭恵夫人とつながりのある人物が関与していたため、国会で厳しい追及にさらされた。「記憶にない」「記録を廃棄した」とする首相の側近や官僚の答弁は、「忖度(そんたく)」という言葉を流行語にした。首相自身も「謙虚」とは程遠い言動があり、国民は不信感を強めていく。
 重要法案では、「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法の改正案が焦点となった。野党の反対にもかかわらず、自民、公明などは審議を打ち切り、禁じ手の「中間報告」の手法で成立させた。またも数の力で押し切る姿勢に、政権の支持率が下がったのは当然だろう。
 国会が終わって突入した東京都議選は、小池百合子都知事率いる「都民ファーストの会」が躍進し、自民は歴史的な惨敗を喫した。有権者は不満の「受け皿」を求めていたといえる。
 安倍首相は9月末、衆院を解散し、消費税増税分の使途変更などを理由に挙げた。
 野党は、勢いに乗る小池氏が「希望の党」を設立する。民進党は合流を図ったが、小池氏の「排除の論理」で立憲民主が誕生し、希望と無所属に3分裂した。結局、希望は失速し、野党は共闘できず与党の大勝を許すことになった。政権批判の国民の意思を受け止められなかったことを猛省するべきだ。


ニッポンの大問題 安倍一強と国会の劣化
 安倍晋三氏が再び首相に就いて五年。このまま続投すれば歴代最長も視野に入りますが、眼前に広がるのは「安倍一強」がもたらした国会の惨状です。
 国会は今年三回開かれました。一月召集の通常国会と、安倍首相が冒頭、衆院解散に踏み切った九月の臨時国会、衆院選後の十一月に召集された特別国会です。会期は三国会を合わせて百九十日間。首相の政権復帰後、最も短い会期の年となりました。
 野党側は通常国会閉会後、憲法五三条に基づいて臨時国会を召集するよう求めていましたが、首相は三カ月間も放置し続け、召集した途端の冒頭解散です。
◆野党の召集要求を放置
 野党側は「森友」「加計」両学校法人をめぐる問題と安倍首相らとの関わりを追及しようとしていました。国会を開かなかったり、会期を短くした背景に、追及を避ける首相らの狙いがあったのかもしれませんが、召集要求の放置は憲法軽視にほかなりません。
 「内閣の助言と承認」に基づいて天皇が国事行為を行うと定めた憲法七条に基づく衆院解散も、慣例化しているとはいえ「解散権の乱用」との批判が続いています。
 衆院解散は、立法府を構成する国会議員の職を、行政府の内閣が一方的に奪う行為だからです。
 内閣不信任決議の可決や信任決議案の否決という憲法の規定に基づくものでなければ、政府提出の予算案や重要法案が否決された場合や、国論が二分されて国民に判断を仰ぐ必要がある場合など、大方の国民が納得できる相当の理由が必要でしょう。
 首相は国会議員から選ばれる必要があります。閣僚の過半数も同様です。政府は国会が決める法律や予算に従って行政権を行使します。国会は憲法上、内閣に優越するように見えます。何せ、国会は「国権の最高機関」ですから。
◆下請け機関と化す与党
 国会議員の多くは政党所属ですから、この権力構図は気圧配置にならい「党高政低」と呼ばれ、長らく政権の座にあったかつての自民党では、これが当然でした。
 しかし、この力関係は「政高党低」へと徐々に変化し、二〇一二年の第二次安倍政権の発足以降、特に顕著になりました。
 背景にあるのが平成に入ってからの政治改革です。自民一党支配下での疑獄事件を機に、政治腐敗をなくすには政治に緊張が必要だとして、政権交代可能な二大政党制を目指して衆院小選挙区制と、政党助成制度が導入されました。
 政党・政策本位の制度への転換です。確かにこの制度の導入後、疑獄事件は鳴りを潜めました。
 同時に、選挙での政党による公認と、政治資金の配分という政治家の政治生命を左右する権限が、首相を頂点とする政権中枢に過度に集まってしまいます。
 首相やその周辺の機嫌を損ねるような言動をすれば、自らの政治生命が絶たれるかもしれない。そんな空気が政権与党、特に自民党議員の間にはびこっているからこそ「安倍一強」とされる政治状況が生まれ、増長するのでしょう。
 首相は野党の主張に耳を貸そうとせず、謙虚な姿勢で、丁寧に説明すると言いながら、野党議員に対する国会答弁は尊大です。
 特定秘密保護法や安全保障関連法、「共謀罪」の趣旨を含む改正組織犯罪処罰法など国の将来を左右する重要法案では採決強行が繰り返されました。そこにあるのは首相官邸の意向を追認する下請け機関と化した与党の姿です。
 極め付きは安倍首相の改憲発言です。歴代首相は憲法改正への言及を避けてきました。首相や閣僚らには憲法尊重・擁護義務があり首相による改憲発言は憲法に抵触しかねないからです。
 今、自民党内で首相の改憲発言に、面と向かって異を唱える議員はほぼいません。いくら自民党が「改憲政党」だとしても、現行憲法を軽んじるような言動を、許してはいけないのではないか。
 首相官邸の振る舞いに国会が注文をつけられない。それは立法、行政、司法が互いを監視し、均衡を図る三権分立の危機です。国会の劣化と言ってもいい。
◆行政に「民主的統制」を
 主権者である国民が、その代表で構成する国会を通じて行政権力である内閣を民主的な統制の下に置く。これは権力を暴走させないための重要な仕組みであり、先の大戦の反省に基づくものです。
 平成の政治改革が始まって二十年以上がたちますが、そろそろ弊害にも目を向け、改善策を講じなければなりません。安倍政治がその必要性に気付かせてくれたのだとしたら、せめてもの救いです。
       ◇       
 平成の時代もあと一年余り。いまだ解決されない、また新たに浮上した「ニッポンの大問題」を読み解き、読者とともに考えます。


【2017回顧(上)】国会の劣化を招く強引さ
 国会をないがしろにすることばかりの1年ではなかったか。
 学校法人「森友学園」への国有地売却、「加計学園」による獣医学部の新設、南スーダン国連平和維持活動(PKO)の日報に関してなど、国会では政権の姿勢を問われる問題が取り上げられた。
 目立ったのは、批判を受けようとせず、正面からの議論を避ける安倍首相らの姿である。森友問題で首相は「私や妻、事務所が関わっていれば首相も国会議員も辞める」と述べながら、解明に消極的なままだ。
 稲田元防衛相は、戦闘が起きるなど現地では緊張高まる厳しい情勢だったにもかかわらず、「9条の問題になるので武力衝突という言葉を使っている」とした。PKO5原則と憲法9条への抵触を避けようとの思惑で詭弁(きべん)を繰り返した。
 他にも隠蔽(いんぺい)、強弁など不誠実さばかりが印象に残る。議論が深まらなければ、国会審議は形骸化し、機能不全に陥るのではないか。
 「共謀罪」法の採決では、自民が参院の委員会での採決を省き、本会議に持ち込む「中間報告」の強硬手段に出た。森友問題などを追及しようという野党からの臨時国会召集要求はたなざらしにした上、首相が冒頭で解散した。衆院選後は、慣例で野党に多く配分されてきた質問時間を数の力で減らした。
 民主主義が機能するためには「健全な野党が必要だ」―。
 「鉄の女」といわれた英国のサッチャー元首相が残した言葉である。論戦を繰り広げ、問題の中身を掘り下げてこそ、国民の理解は広がる。その過程を積み重ねることで民主主義は確かになる。
 当然、野党の存在が問われるべきだ。だが民進党は立憲民主党、希望の党、無所属の会などに分裂した。なお離党と合流が続く。
 その存在の軽さが首相の「1強政治」による強引さを許しているといっていい。ひいては国会の劣化にも結び付いていないか。
 官僚の態度にも疑問が残る。佐川宣寿・現国税庁長官は森友側への国有財産の売却を巡り、平然と「資料を破棄し、面会記録は残っていない」。全体の奉仕者である官僚に開き直りとも取れる態度を許しては、国会の権威が保てまい。
 首相は衆院選で森友、加計問題への批判をそらし、東京都議選の大敗からの挽回を図ったのだろう。唐突に少子高齢化などを「国難」と表現し、教育無償化を打ち出した。
 消費税率10%への再増税による税収の一部を、債務返済に充てず教育無償化の財源に転用するとした。財政健全化と引き換えに掲げた公約で、衆院選を戦った形である。
 12月初旬の世論調査では、森友問題に対する会計検査院の報告が出た後の首相の説明に、75%が不十分とした。加計問題に関する政府の説明には66%が納得していない。
 首相は丁寧、謙虚を心掛けると口にする。だが、その姿勢によっては民意は離れかねない。


加計・森友学園疑惑 首相の不誠実際立つ一年だった
 安倍晋三首相の指示や官僚による忖度(そんたく)で、行政がゆがめられたのではないか―。加計・森友学園問題は、ついに疑惑が拭えないまま越年となりそうだ。
 首相は自身の国会対応について「国民から疑念の目が向けられるのはもっとも」「おごりがあった」と反省し、「丁寧に説明する」と約束した。だが本心からそうは思っていなかったと見え、丸1年近く野党の追及から逃げ続けた。問題をうやむやにしようとし、政治不信を招いた責任は極めて重い。このまま幕引きを図ることは到底許されず、来年こそ、国民の疑問に、謙虚に、真摯(しんし)に答えなくてはならない。
 首相の「腹心の友」が理事長を務める加計学園を巡っては、何度も却下されてきた今治市への獣医学部設置のための特区申請が、なぜ一転し認められたかが問題の焦点だ。政府は新たに国家戦略特区を設け、「ライフサイエンスなど新分野の需要がある」など4条件を満たしたからとする。だが、その後の文部科学省の大学設置・学校法人審議会で「需要が不明」と疑義が出て、認定手続きの不透明さが一層増した。政府が「加計ありきではない」と強弁しても納得できるはずはない。誰が、どんな事実に基づき判断したのかを記録文書で明らかにすべきだ。
 疑惑のうちに来春の開学が決まったが、学生や市民にとっても望ましい状況とは言えない。真相解明の一つの鍵となるのが特区申請前に市職員が首相官邸を訪れ、協議した内容だ。官邸が構想段階で市職員と会う「特別扱い」をなぜしたのか疑問が残る。面会したとされる当時の首相秘書官は国会の答弁で「記憶にない」を連発、市は面会相手を明かさない。市は今からでも情報を公開し、学園理事長も公の場で申請の経緯を説明せねばならない。
 森友学園への国有地払い下げ問題でも、特別扱いが鮮明になった。定期借地契約や分割払いを認められたのは、近年では森友学園だけ。地中のごみ撤去費用について、森友側には約8億円と示したが、別の学校法人には8430万円と見積もっていた。会計検査院が「値引きの根拠は不十分」と指摘したにもかかわらず、検証と原因究明を拒む首相の姿勢は看過できない。
 大阪地検特捜部は籠池泰典前理事長を詐欺の疑いで7月末に逮捕、起訴し、勾留は5カ月間に及ぶ。一方、財務省や国土交通省の担当者への背任容疑の告発状も受理した。行政の信頼を揺るがし、公金に関わる重要な問題を「トカゲのしっぽ切り」で終わらせてはならない。徹底した捜査で、不可解な特別扱いの真相を明らかにするべきだ。
 与党からは「いつまで議論を続けるのか」との声もある。だが、終わらない原因は、首相や官僚の不誠実な対応にある。首相は改めて関係省庁に調査を求め、メモ類の提出も指示する責務がある。問題に終止符を打てるのは、首相しかいない。


大学設置審 「加計、新設条件満たさず」 複数委員が認識
 加計(かけ)学園の獣医学部新設計画について、文部科学省の大学設置・学校法人審議会(設置審)の専門委員会で審査に携わった複数の委員が毎日新聞の取材に応じ、「獣医学部新設の前提となる4条件を満たしていない」との認識を示した。設置審の答申を受け、文科相は11月に認可したが、1人は「本来なら来年度も再度審査すべきだった。時間切れになった」と語り、来春開学の日程が優先されたことを示唆した。
 文科省は27日、今年度の設置審の議事要旨を公開した。加計学園に関する記述は17行しかない上、獣医学の専門家が実質的な審査をした専門委員会(14人)の議事要旨は「自由闊達(かったつ)な意見交換を妨げる」などを理由に非公開とされた。
 政府は2015年、特区制度での獣医学部新設について「獣医師が新たに対応すべき具体的な需要がある」「既存の大学・学部では対応が困難」など4条件がそろった場合に検討すると閣議決定。今年1月に加計学園が事業者に選ばれ、計画が4条件を満たしているのを前提に設置審で審査された。
 設置審は教育課程や設備が大学設置基準に適合しているかを判断し、4条件は審査の対象外だが、委員の一人は「最初から4条件を満たしていないと思った。『他大学にできないことをする』というが、このカリキュラムでできるのかとの疑問があった。募集する学生数(140人)も多い」と話した。
 設置審は翌年春の開学に間に合うための通常の認可期限となる8月末、加計学園の計画について判断を保留し、修正を求めた。この委員は、修正後の計画も「熟度が高くなかった」とし、「時間切れで認可になってしまった。本来なら来春に再度、審査すべきだと思った」と話した。
 別の委員は加計学園の計画について「(学部が新設される四国での)需要をきちんと説明していない。これまで50年以上も認めていなかった新設を認めるのだから、公明正大にやるべきだ」と指摘。認可答申の結論については「審査意見に対して学園側が計画を修正した以上、認めざるを得なかった」と語った。他のある委員は「修正した計画を学園が履行できるのか、最後まで確証がなかった」と振り返った。【水戸健一、伊澤拓也】


[性被害「#Me Too」]告発支援できる社会に
 まっすぐ前を見つめる女性5人と腕だけの6人目−。年末に「今年の人」を発表した米タイム誌は、セクハラや性暴力被害を告発する運動に加わった6人が表紙を飾った。テーマは「沈黙を破った人」。顔と名前を公表し証言した人と、匿名の人、どちらも尊い存在であるとのメッセージを表明した。
 運動は「#Me Too」(ハッシュタグ・ミー・トゥー=私も)と呼ばれ、今や国境を越えた広がりを見せる。この種の証言が、これまでほとんど表面化しなかったことを考えると、運動はまさに世界に風穴を開けた。
 きっかけは米国の女優たちが、ハリウッド映画界の大物プロデューサーの長年のセクハラを訴えたことだ。運動が波及したヨーロッパでは、告発された著名人が次々と社会的地位を失った。
 日本でも、人気ブロガーが、会社員だったころのセクハラ被害をインターネットに投稿したことが火付け役となって、共感が広がっている。
 告発から分かったのは、セクハラや性暴力が、職場や学校など「外」にとどまらず、家庭など「内」でも起きていること。女性や女児に限らず、男性や男児、性的少数者も被害を受けている。
 場面や被害の多様さを見れば、男女や個人の問題ではなく社会の問題だと知る。
 一方、日本では訴えと並行して被害者への誹謗中傷も増えている。欧米とは異なる反応で、「証拠を出せ」「警察に行けばいい」など告発自体への批判や、被害者に責任を転嫁する声が後を絶たない。
 性暴力被害者が沈黙する理由が、ここにある。
■    ■
 来沖したインドの作家ウルワシ・ブタリアさんは、「被害者の落ち度を問うのは全くの理解不足」と話す。
 セクハラや性暴力は、上司と部下、教師と生徒、大人と子ども、面接官と求職者、兵士と市民など、権力・腕力の明らかな不均衡の下で起きる。加害者と被害者には歴然とした力の差があり、ターゲットにされれば、防ぐことはとても難しいという。
 そのブタリアさんが「性被害者の支援を学びたい」と訪れた沖縄には、これまでにも、顔や名前を出し、または匿名で、米兵やあるいは身近な人からの性暴力を公表した人々が存在する。
 その結果、米兵による性犯罪の多発が県民の目に見えるようになり、他方では、県のワンストップ支援センター設立につながった。
■    ■
 「#Me Too」に代表されるような被害者の証言は、セクハラや性暴力がはびこる社会を変える力を持っている。端緒となった米国では、複数の議員が辞任に追い込まれたほか、米議会の「説明責任法」が議員のセクハラを隠蔽(いんぺい)しかねないとして法改正する動きも出てきた。
 日本はどうか。今年7月には、性犯罪を厳罰化する改正刑法が施行された。110年ぶりの大幅改正だが、被害者の抵抗の度合いで性暴力を認定する「暴行脅迫要件」が残るなど課題も多い。社会を変える第一歩として、尊い告発を支援したい。


「性的指向」が初めて判決文に刻まれた府中青年の家事件を振り返る【SHIPにじいろキャビン10周年記念シンポジウム】
 みなさん、こんにちは。中京大学の風間孝です。今日は私が大学4年生のときに参加していた、同性愛者のグループ「動くゲイとレズビアンの会」(以下、OCCUR)のメンバーとして遭遇した「府中青年の家事件」について話したいと思います。私はこの事件に、1990年から97年の間、裁判という形で関わってきました。
 最初にOCCURが結成された1986年当時の同性愛者を取り巻く状況についてお話をします。例えばフェミニストの上野千鶴子さんは『女という快楽』という本に、こんな風に論評をしていました。
「私は内在するヘテロ指向性を重視する。この見地から私はホモセクシャルを差別する」
 また上野さんは、ゲイは女嫌いの人、レズビアンは男嫌いの人とも語っていました。ゲイであることを悩んだ時、性に関する思想を知ろうと思い、フェミニズムの本を読むことがあると思います。しかし当時は、そういった本にこのようなことが書いてあった。そうした時代でした。
 また85年には、男性同性愛者がエイズの一号患者に仕立て上げられるという出来事もありました。その頃、男性同性愛者は献血拒否の対象になっており、疫学研究の調査の中で「ハイリスクグループ」として排除の対象ともなっていました。精神医学においても、「同性愛は異常性欲・性倒錯」とみなされていましたし、司法でも離婚に関する裁判の中で、同性愛者であった夫について「性的に異常な性格」と判決文に書かれていました。
 これからお話する府中青年の家事件の裁判は、こうした時代背景の中で始まったということをまずはおさえてください。
「まったく疲れちゃったよ」
 ことの発端は、1990年2月11〜12日に、OCCURが東京都府中青年の家で合宿をしたことに始まります。
 当日は他にも、大学の合唱サークル、小学生のサッカークラブ、そしてキリスト教団体が府中青年の家を利用していました。私とOCCURの代表が、利用団体のリーダーが集まるリーダー会に参加したとき、自分たちは同性愛者の団体であり、同性愛者の人権のための活動をしていると自己紹介しました。その場では取り立てて反応はなかったのですが、その後、廊下を歩いていた高校生のメンバーがキリスト教団体の人から「こいつらホモ」と言われる出来事が起こります。その高校生は、記憶を辿ってみると、お風呂場を覗かれて笑われるなど、実は他にも嫌がらせを受けていたことに気づいていきます。
 「OCCUR」という名称で府中青年の家を利用していたので、リーダー会参加者以外のひとは、私たちが同性愛者の団体であるとはわからなかったはずです。つまり嫌がらせはリーダー会がきっかけとなって起きたことになります。そこで、私たちはリーダー会を主催した府中青年の家側に臨時のリーダー会を開くよう求めました。不在であった所長の代理で対応した係長は非常に物分りがよく、私たちにこんなことを言いました。
「私は長年障害者の問題に携わってきたから君たちの問題もよくわかる。君たちの要望にそって対処しましょう。他の団体がリーダー会での自己紹介をどのように伝えたのか調べます」
 いま振り返ると、府中青年の家で受けた嫌がらせは、明らかなセクシュアル・ハラスメントです。これまでセクハラに関する事件に携わったことがありますが、加害者は大概、自分の加害行為を認めません。府中青年の家事件でも同様でした。他の団体に話を聞いた係長は「他の団体はそんなことを言っていない」と私たちに報告し、さらに「君たちのせい」と直接的には言わなかったものの、「まったく疲れちゃったよ」と言いました。
 この発言にOCCURのメンバーが怒り「こんなことで疲れていたら、わたしたちは20年間疲れてきたんだから、首を吊ってますよ」と発言すると、係長は「そんなこと言ったら社会から孤立するぞ」と言って部屋から出ていってしまいました。
 その後に開かれた臨時のリーダー会でキリスト教団体の2名は、「リーダー会以外で同性愛者の団体が来たことは話していない。服装や素振りで同性愛者だとわかったのかもしれない。女装していれば誰だってそう思う」と言いました。しかし私たちは女装していたわけではありません。さらにその2名は「同性愛者は誤った道を歩んでいる人びとです」、「女と寝るように男と寝るものは憎むべきことをしたので必ず殺されなければならない」と聖書のレビ記を読み上げはじめました。
 当然、我慢できるようなものではありません。しかし私たちがどんな気持ちになったかを話したいというと、係長にそれを遮られるなどされて、頭にきた私たちは席をたちました。こうして青年の家での合宿は終わりました。
「青少年の健全育成に正しくない影響を与える」
 一週間後、メンバーで集まって今回の事件をどう受け止めるかを話し合いました。嫌がらせを受けた当事者は、他の団体からの嫌がらせも我慢できないが、むしろ係長の行為のほうが許せない、と言っていました。係長は「障害者の問題に携わってきたから君たちの問題もよくわかる」と言いますが、少数者の問題として重なるところはあっても、障害と同性愛は別個の問題です。他の団体からの嫌がらせはもちろん我慢できるようなものではありませんが、むしろ知ったかぶりをして対応した係長に私たちは強く怒ったといえるでしょう。
 1ヶ月後、事件当日は不在だった所長と交渉をもつことになりました。所長がそこで述べたのは、「府中青年の家で起きたことはいたずらや嫌がらせだったかもしれないが、差別ではない」「職員の対応は適切だった」「青少年の健全育成に正しくない影響を与えるので、次回からの利用はお断りしたい」というものでした。
 所長のこうした対応に接して、OCCURのメンバーだけでは限界があると思い、中川重徳弁護士に代理人を頼み、上の部署にあたる教育庁に連絡を取りました。しかしそこでも社会教育課長から「まじめな団体だっていってるけど、本当は何をしている団体かわからない」「イミダス(現代用語辞典、詳しくは後述)なんかをみると、OCCURも何のために青年の家を利用するんだか疑わしい」「お風呂場でいろいろあったっていうけど、そっちの方が何かそういう変なことをしていたんじゃないでしょうか」といったことを言われました。
 最終的に1990年4月26日、東京都教育委員会での審議で、OCCURの府中青年の家の利用拒否決定がくだされました。
 その際に東京都教育委員会が持ち出したのが「男女別室ルール」です。
「青年の家は『青少年の健全な育成を図る』目的で設置されている施設であり、男女が同室で宿泊することを認めていないが、このルールは異性愛に基づく性意識を前提としたものであって、同性愛の場合異性愛者が異性に対して抱く感情・感覚が同性に向けられるのであるから、異性愛の場合と同様、複数の同性愛者が同室に宿泊することを認めるわけにはいかない」
 この決定のあと、『内外タイムズ』は「見たかゲイパワー 都庁仰天 レズと手を組んだ“人権闘争”のてん末」、『日刊ゲンダイ』は「ゲイに押しかけられた東京都の動転 施設を貸せ、貸さないで大騒ぎ」といった見出しで、都の利用拒否を報道しました。
提訴の際にとった3つの戦略
 事件からほぼ一年後の91年2月12日、私たちは提訴を行いました。提訴に向け、私たちは3つの論点について話し合いました。
 一つ目は、同性愛をどう表現するか、という問題です。
 当時、同性愛については「異性への嫌悪が核となる感情」だとか、異常性欲、性的倒錯、性的嗜好、性的志向といった様々な表現が乱立していました。私たちは、同性愛と異性愛を対等であり、異性愛者が府中青年の家を利用できるなら同性愛者も使えるはずという観点から、どういう表現を使用するべきかを話し合います。その中で出会った英語の文献に使われている「セクシュアル・オリエンテーション」という言葉を、「好きになる方向性をあらわす概念だから、指向という言葉がいい」ということで「性的指向」と訳し、訴状に書き込むことにしました。
 二つ目は、男女別室ルールへの反論方法です。
 「そもそもなぜ男女が同室で泊まれないのか」と反論した場合、いつまでたっても「なぜ同性愛者は利用できないのか」という議論に行き着かない可能性があります。そこで、「男女別室ルール」そのものを問題にするのではなく、「複数の同性愛者はなぜ同じ部屋に泊まれないのか」に焦点を当てることにしました。男女、ジェンダーの問題ではなく、セクシュアリティ固有の問題として語るという戦略をとったわけです。
 そして三つ目は、既存の学問的な権威に対しても取り組む、という点です。
 裁判に勝つために、OCCURはメディア、学会、『イミダス』を出版している出版社、文部省に対しても働きかけました。最終的に、イミダスを出していた出版社はそれまで書かれていた「男性ホモの場合は脅迫的で反復性のある肉体関係がつきまとい、対象を変えることが多い」を削除し、「同性愛も異性愛も人間の性のあり方のひとつと考えるのが妥当だろう」という文言を付け加えます。広辞苑からは「異常性欲」という表現を削除してもらい、文部省の指導書では倒錯型性非行のページに書かれていた同性愛の項目自体を削ってもらいました。
ゲイ・コミュニティからのバッシング
 提訴の際、私たちは顔と名前を出して記者会見を行いました。その結果、多くの同性愛者がこの裁判のことを知り、法廷には100人ほどの、同性愛者あるいは支援者が駆けつける様になったのだと思います。ILGA日本は、裁判を支援する決議をあげてくれました。
 大手紙の多くは、この記者会見をもとにした報道を流しています。ちょうどその時、サンフランシスコでドメスティックパートナー制度(婚姻関係にないパートナーもカップルとしての権利を認めるという制度)が始まったこともあり、日米を比較する報道があった一方、ワイドショーやテレビニュースでは、正確さを欠いた、人権問題として捉えられていない報道がありました。例えば、「動くホモとレズビアンの会」という不正確な名称を使う。私と代表で受けたインタビューでインタビュアーが急に「お母さんがかわいそうだ」と泣き出す。バラエティ番組で「おかま特集」が組まれ、「ある事件を契機に立ち上がったおかまたちがいる。そのおかまたちは、『動くゲイとレズの会』」と流される、などいろいろです。
 一方、ゲイ・コミュニティからも、OCCURに対する風当たりの強い反応がありました。
 タレントのおすぎさんは『薔薇族』の連載で「私たちは同性愛者の団体ですって“青年の家”に泊まって親睦会をするなんていうのはいかがなもんでしょうねえ。この事件は、端から、公共施設を相手取って、団体の存在を宣伝したかったというのかしら…。それだと、ちょっと卑怯な手段をとったものね。」(「おすぎの悪口劇場」『薔薇族』90年8月号)と書いていましたし、ゲイバーで「裁判の支援をしている」と話した知り合いが、その場にいたお客さんからことごとく批判されたこともありました。「青年の家を利用し、そこで同性愛者の団体だと自己紹介したOCCURに問題がある」という風潮は非常に根強かったんですね。
「同性愛者は有害」に戦略を変えた東京都の敗訴
 肝心の裁判ですが、東京都は、OCCURの「同性愛者が泊まるとどんな問題が起きるのか」という問題提起に対してあくまで「男女の問題」としてしか反論してきませんでした。要するに「私たちは同性愛に偏見があるのではなく、青年の家には男女別室ルールがあるので、利用をお断りしているだけですよ」という態度を一貫してきたわけです。
 しかし一審判決で負け、高等裁判所での二審になると東京都は戦略を変えてきます。その時に出てきたのが「同性愛という性的指向を、性的自己決定を十分に持たない小学生や青少年に知らせること自体問題である」という主張です。「同性愛者は有害だ」という主張に転換したわけです。さらに「平成二年当時の我が国における同性愛者に関する知識を基準とすると、同性愛者が青年の家を宿泊利用することが、小学生を始めとする青年の家の他の利用者の健全育成に悪影響をおよぼすと判断したことはやむを得なかった」とも言い始めました。
 こうした主張に対し、高等裁判所は私たちが使用した「性的指向」という言葉を用いて、こんな判決を下しました。
・同性愛は人間が有する性的指向のひとつであって、性的意識が同性に向かうものであり、異性愛とは、性的意識が異性に向かうものである
・従来同性愛者は社会の偏見の中で孤立を強いられ、自分の性的指向について悩んだり、苦しんだりしてきた
・同性愛者団体メンバーが性行為のなされる具体的な可能性の有無を判断することなく、安易に「同性愛者」と「男女」を同列に扱っている
・嫌がらせは青少年を拒否する理由にはなっても同性愛者を拒否する理由にはならない
・都教育委員会を含む行政当局としては、少数者である同性愛者を視野に入れた、きめの細やかな配慮が必要であり、同性愛者の権利、利益を十分に擁護することが要請されているのであって、無関心であったり、知識がないということは許されない
 そして裁判所は、東京都に対しOCCURに対し16万7200円の支払いを命じます。東京都は上告をせず、府中青年の家事件の裁判は終わりました。
カミングアウトした途端に奪われる「自由」の枠を問う
 最初にお話したように、事件の発端はOCCURメンバーへのセクシュアル・ハラスメントでした。同じようなハラスメントは現在も日本各地で毎日のように起こっているでしょう。多くの人は、自分の居場所を維持するために、ハラスメントに対する怒りややるせなさを我慢していると思います。自分の怒りを表現するのが難しいという現状は、高裁判決から20年経った今でも変わっていません。
 また、当時、OCCURが青年の家で自己紹介したことに対して、「同性愛に理解のない人の前でした、配慮の欠いた行動であり、OCCURは嫌がらせを我慢するべきだった」という意見は根強いものでした。しかしこういう被害者非難こそ、嫌がらせの背景にあるホモフォビアや同性愛者への偏見を明らかにすることを困難にしているものであり、性的マイノリティの問題を人権問題として表に出すことを妨げています。
 私は、カミングアウトした側がたたかれることの背後には「カミングアウトしなかったら差別されずに楽しく生きていける」という考え方があるのだと思います。
 私たちはリーダー会で自己紹介する前に、同性愛者の団体であることを話すべきか議論しました。当時OOCURは年に3度ほど勉強会の合宿を民間施設で行っていましたし、電話相談も受けていました。そういう積み重ねの中で、公に、一歩ずつカミングアウトしていこう、と考えて、同性愛者の団体であると自己紹介するという結論に至ったのです。
 自己紹介をしなければ、問題なく青年の家を利用できたのかもしれません。しかしその自由は、カミングアウトした途端に奪われる「自由」です。そういう意味でこの裁判は、カミングアウトの問題、許容された枠の中で生きることから、その枠自体を問うという、意義のあるものだったのだと思います。


隙あらば逃げたい希望結党メンバー
 ★民進党が機関決定した、希望の党と立憲民主党の旧民進党系3党統一会派構想。衆院選前の民進党の状態まで戻そうという民進代表・大塚耕平のもくろみだが、立憲が断ることを見込んで、希望の合流だけでも実現したいとしているが、それ自体が大塚の求心力を低めたといっていい。党がバラバラになって、党内をグリップする立場になかった二線級が権力を握って混乱させているのは、希望代表・玉木雄一郎も同様だ。 ★民進は拡大役員会で、各党に年末年始も働きかけを続けると確認した。大みそかもホテルに陣取って説得するという。ご苦労なことだが、必死なのは民進と希望がすでに草刈り場になっているからだ。既知の通り、立憲から出たい者はいない。民進が希望とだけ組むと、民進議員は立憲に逃げ出すだろう。つまり、今の主導権は立憲にある。しかし解せないのは、希望の対応だ。民進の政策などに反対し、当時の党代表・小池百合子への踏み絵と呼ばれた政策協定にサインした段階で、ルビコン川は渡ったはずだ。 ★ところが、希望の内部は玉木の指導力のなさも相まって、今やチャーター(結党)メンバーでもグラグラした状態。最低でも民進との統一会派を組みたいのが本音。選挙の時には排除されず、“選ばれた”保守系候補者だった彼らも、今では隙あらば逃げ出そうという考え。「党としては一緒になれないものの、民進系3党が固まっていれば地元も何とかなる」(希望関係者)。結果、立憲と民進の統一会派が実現、希望は割れるのではないか。安保容認派の細野豪志や前原誠司ら一部の第2自民党派が残って、後は民進系の何らかの受け皿探しをするのではないか。政界は一寸先は闇だが、覚悟のない政治家の醜態を年末まで見せられる国民はうんざりだ。

海外回顧 「力こそ正義」から脱却を
 力こそ正義−。そんな乱暴な考えが、再び国際社会を揺さぶり始めた年。2017年は、そう記憶されるかもしれない。
 主役を挙げるとすれば、まずは、この人をおいてほかにはいない。1月に米国の第45代大統領に就任した共和党のトランプ氏である。
 「米国第一」を掲げ、執務初日、環太平洋連携協定(TPP)から離脱する大統領令に署名。6月には地球温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」から、10月には国連教育科学文化機関(ユネスコ)からの脱退を表明し、米国第一主義をいよいよ鮮明にしている。
 しかし内政では、ロシアによる大統領選干渉疑惑などがくすぶっており、まれにみる低支持率が続く。
 政権運営が一向に安定しない中、今月6日には、エルサレムをイスラエルの首都と認定し、商都テルアビブにある米大使館を移転させると宣言した。中東情勢に大きな混乱をもたらす一方的な態度表明である。
 国連総会の緊急特別会合では、認定の撤回を求める決議案が圧倒的多数の賛成で採択された。各国の声を無視していては、いずれ孤立を深めることになろう。
 何かと対米追随が指摘される日本も、この問題に関しては米国に同調しない立場だ。当然の判断であり、事実上、仲介役の地位を失った米国に代わって、中東和平で存在感を示すべき時ではないか。
 東アジアでは、「力を通じた平和」を唱える米国の脅威に対抗するとして、北朝鮮が核・ミサイル開発を加速させている。こちらも国際社会の懸念はどこ吹く風である。過去最大規模の核実験を行ったほか、弾道ミサイルの発射を繰り返している。
 挑発行動をやめない北朝鮮を翻意させるには”後見人“である中国が重要な鍵を握っている。ところが、その動向には、きなくささすら漂う。
 5年に1度の共産党大会で政権基盤を盤石にし、「1強体制」を確かにした習近平総書記は、「強国建設」を声高に叫ぶ。欧州までも視野に入れた現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」を提唱し、南シナ海の海洋権益確保も狙う。周辺国の不安を顧みることなくアジアでの新秩序確立に力を注いでいる。
 経済的にしろ、軍事的にしろ、大国が身勝手な行動を取れば、行き着く先は、人類が2度までも経験した大戦の歴史が示す通りだ。
 分断や排除の論理が大手を振って歩き始めた世界で、一筋の光となったのは核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)のノーベル賞受賞だろう。一人一人の良心が国家を動かし、核兵器禁止条約の採択にこぎ着けた。
 この1年、ないがしろにされてきた国際協調、共存の思想をいま一度、世界の本流に引き戻さなければならない。「平和国家」日本の果たすべき役割は大きい。


マルチ商法「ジャパンライフ」の陰にまた昭恵夫人が登場
 高齢者をターゲットにマルチ商法を展開してきたジャパンライフが、銀行から取引停止処分を受け倒産した。日刊ゲンダイは、同社が長年、問題ビジネスを継続できた背景に時の政権との“癒着”があった可能性を報じてきたが、安倍首相との蜜月がうかがえる写真がネット上に出回っている。
 写っているのは、モリカケ疑惑でも問題視された昭恵夫人だ。笑顔を浮かべる夫人の隣にいるのは、10月27日に消費者庁から3カ月間の一部業務停止命令を受けた「48ホールディングス(HD)」の淡路明人会長である。48HDは「公開前に購入すれば、1カ月半後には10倍に値上がりする」などとウソを言って仮想通貨を販売。マルチ商法まがいで3万5000人の会員をかき集め、この2年で約220億円を売り上げたという。
 ジャパンライフと48HDには接点がある。48HDの渡部道也社長はかつてジャパンライフの取締役を務めていたのだ。
「2016年のジャパンライフの会社案内で、渡部氏は『取締役香港支社長』の肩書で紹介されています。ジャパンライフの山口隆祥会長と関係が深く、ネットワークビジネス業界では知られた存在です」(専門紙記者)
 淡路会長については、毎年4月に首相が主催する「桜を見る会」で、安倍首相や菅官房長官と一緒にいる写真までネットに出回っている。
 ジャパンライフは安倍政権との蜜月関係を背景に問題ビジネスを続けてきたのか。実は、安倍官邸も事が大きくなるのを恐れているという。
「消費者庁は17年3月に行政処分を下した後、新たな追加措置を検討していた。しかし、官邸からストップがかかったといいます。当時はモリカケ疑惑が国会で紛糾中。官邸は、ジャパンライフ問題を突くと、新たな疑惑が噴出しかねないと判断したとみられています」(永田町関係者)
 結局、消費者庁は今月15日に1年間の一部業務停止命令を下したが、これが“ユルユル処分”なのだ。
「ジャパンライフは16年末に1回目の行政処分を受けた後も、手を替え品を替え、ビジネスを続けてきました。一部業務停止命令など、痛くもかゆくもないということです。事を荒立てたくない官邸が消費者庁と“調整”し、処分の程度を緩くした可能性があります」(前出の永田町関係者)
 ところが、今月20日に被害対策弁護団が告発したことで事態は動き、大手メディアもこの問題を報じ始めている。ある野党議員は「通常国会で追及する」と意気込む。新たな“アベ友”疑惑が、年明けの国会で炎上するかもしれない。


韓国の「慰安婦日韓合意」検証は事実だ! 安保法制でも暗躍した安倍側近・元外務官僚が米国の意を受け秘密交渉
 文在寅大統領になって、見直しの動きが強まっていた慰安婦問題をめぐる2015年日韓合意だが、ここにきて大きな動きがあった。韓国の検証チームが、合意交渉は当時の朴槿恵大統領と安倍晋三首相の「側近による秘密交渉」で、元慰安婦の意見が十分反映されなかったと指摘したのだ。これに対し日本政府は猛反発。河野太郎外相は「(合意変更になれば)日韓関係がマネージ不能となり、断じて受け入れられない」とコメントし、安倍首相は「平昌五輪に行くのは難しい」などと信じられない恫喝方針を表明している。
 マスコミも同様だ。「国と国の約束を守らない韓国の態度はおかしい」「日本国民の韓国不信が高まる」などと一方的に韓国を批判している。
 しかし、この日本側の言い分は明らかにおかしい。「日韓合意は朴槿恵大統領と安倍晋三首相の側近による秘密交渉によるもの」という韓国政府の検証結果はまぎれもない事実であり、韓国から見直しの動きが出てくるのは極めて正当で、むしろ遅すぎるといってもいいほどだ。
 まず、簡単に振り返っておくと、15年の日韓合意は、日本政府は韓国政府が設立する元慰安婦を支援するための財団(和解・癒やし財団)に10億円を拠出し、一方の韓国政府はソウルの日本大使館前の少女像について関連団体と協議したうえで「適切に解決されるよう努力する」とし、日韓政府は「慰安婦問題の最終的かつ不可逆的な解決」を確認するという内容だった。
 だが、本サイトはこの合意が締結された直後から、合意をした日韓両政府を厳しく批判してきた。それは、合意の内容が日本の真摯な反省にもとづくものではなく、アメリカ側からのプレッシャーにしぶしぶ従い、カネで慰安婦問題を封じ込めようとするものだったからだ。
 米政府は当時、日本政府に慰安婦問題で謝罪をすることを厳しく要求していた。2015年10月に、オバマ大統領が朴大統領との首脳会談後の会見で「歴史的問題の決着」を強く求めたことは有名だが、それ以前から、国務省のダニエル・ラッセル東アジア・太平洋担当国務次官補やダニエル・クリテンブリンク国家安全保障会議アジア上級部長、そのほか国務省幹部がしきりに日本政府に圧力をかけていた。
 そして、その米国国務省の圧力の窓口となっていたのが、今回、韓国政府の検証報告で「秘密交渉を行った」とされた「安倍側近」の谷内正太郎国家安全保障局長、そして兼原信克内閣官房副長官補という、元外務官僚コンビだった。
安保法制を主導した谷内正太郎国家安全保障局長が日韓合意でも米国の
 実は本サイトは、2年前の日韓合意締結直後からこの2人の元外務官僚が米国の意向を受けて動いていたことを掴み、こんな裏を報道していた。(リンク
〈谷内氏、兼原氏の元外務官僚コンビは、現在、安倍外交を事実上牛耳っているとされる存在。米国と太いパイプをもち、その意向を受けて、日米ガイドライン、安保法制を主導したことで知られる。今回の慰安婦問題日韓合意でも、この2人が中心になっていたという。
「今回の合意の原案をつくったのは、兼原副長官補、裏交渉をして準備を整えたのは谷内局長です。当然、米国と密に連絡を取りながら進めていたはずです。実際、米国政府も少し前から、日韓両国が28日に合意をして歓迎表明をするシナリオをほのめかしていましたからね」(官邸担当記者)〉
 これは韓国サイドも同様で、やはり米国から相当なプレッシャーを受け、朴大統領の側近でイ・ビョンギ国家情報院長(当時)が交渉にあたった。まさに、合意は国民不在の米主導による秘密交渉だったのである。
 しかも、その合意内容もひどいシロモノだった。たしかにこのとき、岸田文雄外相と韓国の尹炳世外相との共同記者会見で発表された談話には、「当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であり、かかる観点から、日本政府は責任を痛感している」「安倍内閣総理大臣は、日本国の内閣総理大臣として改めて、慰安婦として数多の苦痛を経験され、心身にわたり癒しがたい傷を負われた全ての方々に対し、心からおわびと反省の気持ちを表明する」という記述があった。
 だが、そこには、河野談話にあった強制性を認める文言はまったくなく、安倍首相自身が実際に公の場で「元慰安婦たちへのおわびと反省」を語ったわけでもなかった。その後も安倍首相は一切謝罪の言葉を述べず、元慰安婦たちが首相による「おわびの手紙」を求めた際も、国会答弁で「毛頭考えていない」と全否定した。
 にもかかわらず、10億円の拠出で「最終的かつ不可逆的に解決される」と、“慰安婦をめぐる韓国からの要求を今後一切受け付けない”ことを示す文言までが盛り込まれたのだ。
 韓国の元慰安婦がいちばん求めているのは、日本政府が慰安婦問題で強制性があったことを認め、実際に安倍首相が“心からの反省”を示すことなのに、それをせずに、こんな合意をするというのは、それこそ日韓両政府が札束で慰安婦問題にフタをしようとしたと言われてもしようがないだろう。
少女像を合意に含め、カネで慰安婦問題を封印しようとした日韓両政府
 しかも、最悪なのは、この合意のなかに、在韓国日本大使館前の少女像をめぐる項目があり、韓国政府が「関連団体との協議を行う等を通じて,適切に解決されるよう努力する」と表明していたことだ。
 安倍政権や日本のマスコミは少女像をさも“反日の象徴”“日本への嫌がらせ”のように扱っているが、これは彫刻家によるれっきとした美術作品=表現芸術で、その資金は市民による募金である。民主主義国家ならば当然尊重すべき、国民の「表現の自由」の範疇だ。
 少女像の制作者である彫刻家キム・ソギョン氏とキム・ウンソン氏夫妻は、日韓の慰安婦問題だけに取り組んでいるのではなく、ベトナム戦争時の韓国軍による民間人虐殺の加害意識も正面から受け止め、謝罪と反省の意味を込めた「ベトナムのピエタ像」の制作も行なっている。つまり、少女像は決して“反日の象徴”ではなく、正式名称の「平和の碑」の名のとおり、戦争を憎み、犠牲者を悼み、世界の平和を希求する思いが込められているのだ。
 たとえば、同じように平和の象徴である広島の「原爆の子の像」(禎子像)について、原爆を投下したアメリカが「10億円を出すから像を撤去しろ」などと言って日本政府が「解決」を約束したら、わたしたちはどう思うだろうか。「なんでそんなことを勝手に決められなければならないのだ」と激怒するはずだ。
 ところが、日韓両政府はこの表現の自由への侵害、平和を思う人々の内心を圧殺する条件を約束してしまったのだ。
 こんな内容の合意について、韓国国民が「合意見直し」の声をあげ、文在寅大統領がそれに応えようとするのは、民主主義国家の代表としては当然の姿勢ではないか。
 だが、安倍政権と日本のマスコミは、そうした問題の本質を一切無視して、韓国政府の見直しの動きを「約束違反」などとヒステリックに攻撃するばかりだ。
 それは、今回だけではない。日本政府やマスコミはこの間もずっと同じような攻撃を韓国に行なってきた少女像が撤去されないことについて、「契約不履行」だと糾弾。昨年末、韓国の市民団体が釜山に新たな少女像を設置すると、駐韓大使の一時引き上げや日韓通貨スワップ協議の中断などの対抗措置を断行。露骨に韓国政府に圧力をかけてきた。
 しかし、韓国側の慰安婦問題に対する強硬姿勢はむしろ、安倍首相の歴史修正主義が招いたものだ。
韓国側の強硬姿勢を招いたのは、安倍首相の歴史修正主義だ
 日本軍が韓国はじめアジア各地に慰安所を設置し、現地の女性をかき集めていたことは、中曽根康弘元首相も手記で得意げに語っていたように、歴史的な事実だ(過去記事参照)。
 しかし、安倍首相は、若手議員のときから「(慰安婦だという人の中には)明らかに嘘をついている人たちがかなり多くいる」「実態は韓国にはキーセン・ハウスがあって、そういうことをたくさんの人たちが日常どんどんやっているわけですね」(『歴史教科書への疑問─若手国会議員による歴史教科書問題の総括』より、勉強会での安倍の発言)と主張するなど、露骨なまでの慰安婦否定論者であり、首相になってからは「政府が発見した資料の中には、軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接示すような記述も見当たらなかった」とする答弁書を閣議決定するなど、慰安婦問題を矮小化することに血道を上げてきた。
 そして、安倍首相にくっついている自民党の極右政治家連中も同様に、慰安婦の軍関与を否定し、「慰安婦は金目当ての売春婦」というような誹謗中傷、デマをふりまき続けてきた。
 こうした姿勢は第二次政権で「当時の軍の関与の下に,多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた」「安倍内閣総理大臣が心からおわびと反省の気持ちを表明する」とした2015年日韓合意の後もまったく変わっていない。
 前述した軍関与の否定や誹謗中傷はもちろん、朝日新聞の誤報をあげつらうことで、あたかも慰安婦問題そのものがでっちあげであるかのような印象操作まで行なってきた。
 少女像の設置運動の高まりは、こうした安倍政権への反発という部分が非常に大きい。日韓合意への反発も同様だ。実際は、安倍首相に反省のかけらもなく、米国のご機嫌取りのために10億円支払ってやったというくらいの認識しかないことを韓国国民に見透かされているのだ。
 日本のマスコミは他国の「約束不履行」をなじる前に、まず、自国のトップのグロテスクな歴史修正主義を批判すべきではないのか。(編集部)


景気拡大なのに実質賃金が下がるアベノミクスの本質 「3%賃上げ」の虚実
石水喜夫:大東文化大学経済研究所兼任研究員
景気拡大が続いているのに、実質賃金が低下する過去の景気拡大局面では見られなかった事態が続いている。政府は失業率や求人倍率の改善を喧伝するが、なぜ、アベノミクスのもとで賃金は上がらないのか。労使関係に詳しく労働経済論などの専門家でもある石水喜夫・元京大教授(現・大東文化大学経済研究所兼任研究員)がアベノミクスの「不都合な真実」を3回にわたって解説する。
労働力は他の商品とは違う。「労働市場論」という知的欺瞞
 賃金の行方に多くの人々の関心が集まっています。来春闘でも政府は経済界に賃上げを求めています。
 私たちの賃金は、これからどうなるのでしょうか?
 これまでの賃金の動きを振り返り、今後を見通すために、経済分析への期待は大きいでしょう。
 ところが、経済を分析する場合、どのような分析枠組みを用いるかによって、結論が大きく左右されてしまうという問題があります。特に賃金の分析では、注意が必要です。
 たとえば、経済学には「労働市場論」という考え方があって、労働市場で雇用と賃金が決まるという分析装置が用いられます。
 この分析装置には、一般の商品のように需要と供給の関係で価格が決まり、労働力が不足すれば、賃金が上がるという因果関係が組み込まれています。
 こうした関係を経済原則として、当然視する向きもあるでしょう。
「なぜ人手不足なのに賃金は上がらないのだろう?」という問いに、多くの人が心惹かれるとするなら、日本の社会では、それだけ多くの人が「労働市場論」を信じていると言うこともできます。
 この問いかけは、労働市場で賃金が決まることを前提としているからです。
 人が働くということを労働力の供給と見なすことはできないとか、たとえ労働市場というものを仮定したとしても、労働市場で雇用や賃金は決まらないとか、さらには、労働市場で雇用と賃金が決まるとは考えるべきではないなど、「労働市場論」に代わる考え方はたくさんあります。
 しかし、今の日本社会では、あたかも「労働市場論」が真理であるかのごとく前提とされているところに、大きな問題が潜んでいるのではないでしょうか。
既存の経済学の枠組みでは雇用の実態を見誤る
 日本経済や、雇用、賃金の実際の状況はどうなのでしょうか。
 2013年以降の景気回復を解説する場合に、有効求人倍率の上昇とか、雇用情勢の改善といった語り方が好まれてきました。
 経済活動を、生産回復の面から解説するなら、鉱工業生産指数を用いてもよさそうな気がするのですが、鉱工業生産指数は、2014年に前年比プラスとなった他はマイナスで、ようやく2017年にプラスが見込まれるようになったものです。
 経済情勢の「改善」というメッセージを打ち出すには少々、「不都合な指標」といえます。
これに対し、雇用情勢を示す指標は力強く改善してきました。
(注)
(1)数値は四半期の季節調整系列である。
(2)シャドーは景気後退過程を示している。
 有効求人倍率は、景気循環の拡張過程である第14循環のピーク(1.08倍)を超え、21世紀に入って最高値を更新するとともに、2017年には、ついにバブル期(第11循環)のピーク(1.45倍)をも突破して、1.5倍台へと突入したのです。
 有効求人倍率が労働市場における労働力需給を示していると考えるなら、2017年には、バブル期並みの賃金上昇率が達成できることになります。
 しかし、現状の賃上げが、バブル期の足下にも及ばないことは誰でも知っています。
 また、「異次元緩和」を続ける金融政策でも、不都合な事態が広がっています。日本銀行がこれだけ多くの貨幣を供給しても、目標通りには物価が上昇してこないのです。
 経済学には、先ほどの「労働市場論」と同じように、「貨幣数量説」というものがあって、物価は供給された貨幣量に連動すると考えられています。
「労働市場論」や「貨幣数量説」の思考の道筋からすれば、雇用情勢の改善によって労働力需給は逼迫し、貨幣供給によって物価上昇も展望されるから、労働組合はより高い賃金の獲得に尽力しなくてはならない、という「物語」が作り出されてしまうのです。
 経済学は、人々の思考を縛り、ある特定の社会認識を生み出し、そして、ある特定の行為を命ずる、というような危険な性格を持っています。
 本当に大切なことは、既存の経済学の枠組みに囚われることなく、もっと柔軟に経済指標を分析することなのではないでしょうか。
「不都合な事実」も含めて、日本経済の真の姿を描き出し、今後に向けた対応を真摯に検討していくことが求められます。
求人倍率や失業率の「改善」は一部職種の特殊要因も大きい
 よく目を凝らしてみると、「高い」と言われる有効求人倍率にも、実は、そうでもないところがあるのです。
 有効求人倍率は、様々な職業からなる求人倍率の平均値ですが、今回の景気拡張過程では、建設関連の職業で大きく上昇しました。
(注)
(1)常用有効求人倍率とは常用有効求人数を常用有効求職者数で除した値であり、職業別有効求人倍率は常用有効求人倍率で示されている。
(2)有効求人倍率には一般の有効求人倍率と常用有効求人倍率とがあり、一般は常用と臨時・季節を合わせたものである(常用とは雇用契約において雇用期間を定めないか又は4か月以上の雇用期間が定められているもの、臨時とは雇用契約において1か月以上4か月未満の雇用期間が定められているもの、季節とは季節的な仕事に就労するか季節的な余暇を利用して一定期間を定めて就労するもの[期間は4か月未満、4か月以上の別を問わない])。
(3)2016年度(第16循環の拡張過程における直近)の有効求人倍率は1.39倍、常用有効求人倍率は1.25倍(両倍率のギャップは0.14ポイント)、2006年度(第14循環のピークで第16循環の値により更新されるまでは2000年代で最も値が高かった時期)の有効求人倍率は1.06倍、常用有効求人倍率は1.02倍(ギャップは0.02ポイント)であった。
(4)職業別有効求人倍率を用いた求職者5分位階級は職業別有効求人倍率をもとに有効求人倍率が低い職業から順に並べ、それぞれの有効求職者数によって5等分し、低い方から順番に第喫位、第曲位、第景位、第己位、第五分位とした。
(5)(4)における各分位の推計にあたっては、各分位間にまたがる職業については、求職者数をもとに線形補間法で按分した。
 アベノミクスの「三本の矢」の経済政策は、金融緩和、財政発動、規制緩和、の三つですが、公共事業のための財政発動も進められ、建設関連職種を中心に求人は増加してきました。
 しかし、事務や組み立てなど、求人倍率の低い職業を希望する求職者にとっては、事態はそれほど改善していません。
 21世紀に入り最高水準に達した2016年度の値を、第14循環のピーク時(2006年度)と比較してみると、求人倍率の低い層では大した違いはなく、求人倍率の高い層でより高くなって、平均値で見求人倍率が引き上げられています。
 これらに加えて、近年では、契約期間の短い臨時労働者の求人も多くなり、臨時・季節を除く常用有効求人倍率は、一般の有効求人倍率ほどには高くない、という事実も指摘できます。
「労働市場論」を前提にすれば、高い賃上げのために、労働力需給が引き締まっているというストーリーは都合がよく、有効求人倍率の上昇は、そうした都合に答える指標の動きといえます。
 こうした状況のもとで、有効求人倍率の上昇をはやし立てる雰囲気が作られ、その内実は語られることが少なくなっていくわけです。
 また、失業率の改善についても、今回の拡張過程では特異な状況が見られます。
 雇用者数の増加により失業者は減っていきますが、今回の雇用増加は、成長率が高まったことによるものではないのです。
 雇用の増加は、成長率が低い割に労働力需要が膨らみすぎたことによって引き起こされました。これを「雇用弾性値の上昇」と言います。
(注)
(1)景気拡張過程のうち、雇用者数が増加している期間について推計した。
(2)第16循環の景気拡張過程については、2012年の第源揚彰から2017年の第胸揚彰までの期間とした。
(3)雇用者数は四半期の季節調整値を用い、起点を100.0とした指数を線形関数で特定し、その傾きを年率換算してして雇用者数の増加率とした。
(4)GDP(国内総生産)は実質の四半期季節調整系列を用い、起点を100.0とした指数を線形関数で特定し、その傾きを年率換算してGDPの増加率とした。
(5)雇用弾性値は(3)の雇用者数の増加率を(4)のGDPの増加率で除した値とした。
 第16循環では、小売業や飲食サービス業で雇用増加が加速しています。今回の拡張過程では、消費支出は低迷しているのですが、消費が低迷するもとで、消費関連産業の雇用が拡大するという動きが見られるのです。
 2014年4月の消費税率の引き上げは、売り上げ鈍化という形で、小売、飲食の現場を直撃することになりました。労働者は、そこからの回復に懸命に取り組み、仕事はますます忙しくなっています。一方で事業者は生き残るために人手を増やしサービスを良くしようとして、過当競争に陥り、競争の激化と人手不足の悪循環が生じることとなりました。
 雇用増加の裏には、こうした厳しい現実があります。
「雇用情勢の改善」を表面的に語るエコノミストは、人々の生活や労働の実態に関心があるわけではなく、金融政策の成果にのみ関心があるのだと言ってよいでしょう。
翻弄されてきた労働組合 「官製春闘」のもと、実態を語れず
 一体、この間、労働組合は何をしていたのでしょうか。
 本来、労働組合とは、労働者の実情を「言葉」の力によって描き出し、社会に問題提起していく存在だったのではないでしょうか。
 2013年以降の賃金交渉では、従来、労使で行われてきた交渉に政府が関与し、「デフレ脱却」のために経営に賃上げを求めたことから、「官製春闘」と呼ばれてきました。
 もちろん、このように言われることを潔しとしない組合役員はいるでしょう。
 しかし、現実に、政府のデフレ脱却路線に組み込まれてしまったことは、政策当局と一緒になって、賃上げの成果を誇らねばならないことを意味していたのです。
 この過程で生じたことは容易に想像できます。
 たとえば、消費税率の引き上げは、2014年4月の税率引き上げまでの駆け込み需要とその後の反動減をもたらしましたが、労働組合は反動減の事実から目をそらしたのではないでしょうか。
 もし、消費税率引き上げ後の経済停滞を認めてしまったら、翌年の賃上げに力を込めることはできなかったからです。
 また、2015年の経済は低迷し、賞与もマイナスに転じましたが、この事実は、受けとめることすらできなかったのではないでしょうか。
 権力とともに賃上げに取り組んでしまうと、「賃金は上昇した」という結論以外を受け入れることはできなくなってしまうのです。
 賃上げの結果ばかりに気が取られ、社会の現実に向き合うことを次第に忘れて行きます。これは、かつて国民が、広く大本営発表を真実として受け入れた心理状態と似たようなものだと思います。
景気拡張過程で実質賃金が低下 アベノミクスの「隠された本質」
 一体、今、日本社会では、どのような事態が進行しているのでしょうか。
 第16循環の拡張過程では、確かに名目賃金は0.6%(年率)上昇しました。しかし、物価はそれ以上に上昇し、実質賃金上昇率は△0.8%(年率)となったのです。
 景気拡張過程に実質賃金がマイナスとなったような歴史は存在しません。
(注)
(1)賃金は現金給与総額で、産業計、事業所規模30人以上の四半期の指数(季節調整値)を用いた。
(2)各景気循環の拡張過程についてみたものである(第16循環は2017年第技揚彰までの期間とした)。
(3)変化率は、起点を100の指数系列として推計した線形関数の傾きとし、年率に換算した。
(4)消費者物価上昇率は名目賃金上昇率から実質賃金上昇率を差し引いた値とした(消費者物価指数のうち帰属家賃を除く総合に該当するもの)。
 バブル崩壊前までは、物価上昇率を超えて名目賃金の上昇が達成され、実質賃金上昇率も高い伸びを示していました。
 1991年のバブル崩壊は、日本の労使関係に大きな衝撃を与えたのですが、実際の賃金交渉パターンに影響を与えたのは、不良債権問題などで経済停滞する中で無理に「財政構造改革」を押し進めた1997年の経済失政と、その後の非正規雇用化の進展です。
 物価は低下に転じ、平均賃金も低下する場合が出てきました。ただし、実質賃金の上昇率はプラスを維持していたのです。
 現在の第16循環で進行していることは、名目賃金上昇率に対し、物価上昇率が大きいということです。
 これは、今までにない新しい事態の出現であり、巧妙に隠されたアベノミクスの本質でもあります。
 超金融緩和で円安の流れを作り維持することで、輸出企業の生産を支え経済を活性化させようとしますが、輸入物価の上昇や資源価格の上昇を招き寄せてしまっているのです。
 もちろん、物価上昇率は、日本銀行が目指す「2%」に比べれば小さいのですが、労働者が獲得する名目賃金の伸びに比べれば大きな数字です。
 そして、実質賃金の低下は、企業収益の改善に大きく貢献し、輸出の増加にも寄与しています。
 金融の異次元緩和を通じた円安傾向と輸入物価の上昇は、2013年から明らかになりました。
 2014年4月の消費税率の引き上げには、価格転嫁の環境を整えるためにも、国内物価の上昇傾向は不可欠であり、円安による輸出の促進、財政による下支えによって総需要の拡張傾向が生み出され、輸入物価の上昇など諸コストの増加は、消費者物価に転嫁されました。
 また、円安によって、日本の株価に割安感が生まれ、株式市場も活況を呈するようになったのです。
 こうして、政府は、予定通りに消費税率を引き上げ、企業は価格転嫁を進めました。
 しかし、働く人たちは、わずかばかりの賃上げを手にしたものの、より多くの支出を余儀なくされ、物価上昇によって実質所得を収奪されることとなったのです。


日本の政党は“右往左往”してる──パックンが「リベラル/保守」の矛盾をズバリ衝く!
小池百合子氏の「リベラル排除」発言と、その結果生まれた立憲民主党の躍進で今年の政治のキーワードのひとつになった「リベラル」。
だが、よく考えてみると日本における「リベラル」の定義は曖昧(あいまい)で、何を指しているのかよくわからない。
そこで「週プレ外国人記者クラブ」第102回は年末スペシャル編として、来日24年のアメリカ人マルチタレント、「パックンマックン」のパックンこと、パトリック・ハーラン氏に話を聞いた。
***
―日本では「リベラル=左」っていう意味で使われていると思います?
パックン 個人的には同義語だと思うんですけど、日本の皆さんは左というと社会主義、共産主義に近いものをイメージするんじゃないでしょうか。だけど、今の日本の共産党はそこまで左じゃないですよ。党綱領に自衛隊を廃止するとは書いていないでしょう。
ゆくゆくは全ての国が軍を持たない世界を作りたいという理想を掲げているだけで、それに対して「自衛隊がないと困るでしょ!」って反論するのはちょっと幼稚な主張だと思います。日本のリベラルといえば、立憲民主党とか社民党になるんじゃないかな。
―言ってみれば、日本のリベラルは「中道左派」とか「保守の中のやや左寄り」くらいの位置づけかも。
パックン そうですね。日本は右が左で、左が右。右往左往してる! だって今、自民党は教育無償化しようとしてるじゃないですか。これ、思い切り左がやる政策ですよね。一方で、立憲民主党は同性婚を公約に挙げていない、これは右です。基本的に欧米のリベラルは同性婚を今すぐ認めるべきという主張ですから。
―日本のリベラル/保守の不思議なところはまさにそこですね。主義主張がゴチャゴチャに混ざり合っている。
パックン これは、戦後ずっと続いている「一党一強」による弊害だと思います。結局、自民党しか政権を担わないから、教育無償化みたいに本来は野党が主張していた政策も自民党の都合次第で「パクられて」しまう。そうなれば、野党の存在意義も特色も出せません。
その結果、混在する野党は票割れしていまい、自民党は40%程度しか得票率がないのに与党で70%以上の議席を確保している。これは選挙制度の問題でもあると思いますが、一党一強の政治体制のおかげで、与党・野党間の主張の違いが際立たない。
―とはいえ、「保守」を自認する自民党政権下でも、20年くらい前までの日本はアメリカみたいな「格差社会」ではなく、国民皆保険制度が整備されていたり、それなりに弱者への配慮もある国だった。自民党の55年体制というのは、保守政権がやっている一種の社会主義だったんじゃないか?という見方もあります。ひと昔前の自民党って、それなりに「リベラル」だったんじゃないか…と。
パックン まさにそう!
―ただ、その自民党もここ20年ほどで大きく変質していませんか? まさにアメリカの経済的保守に近づいているというか。
パックン 安倍政権は法人税を下げて、消費税を上げようとしていますしね。まさにその通りで、僕が日本に来てからの20数年間で「これはアメリカのパクリだな」っていう動きがたくさん見られます。
小泉政権が「民営化、民営化!」と言っていたのはアメリカの保守派の文言のコピーだったし、安倍首相の「日本を取り戻す」も、共和党のジョン・マケインが選挙キャンペーンで使っていた「テイク・バック・アメリカ」そのまま。共和党の演説で聞くような表現が増えてきています。明らかにアメリカを見ていますよね。
先述したように、共和党は「神の党」ですが、「軍の党」でもあります。いつも軍軍軍軍軍軍軍軍!言うんです。例えば、野党が軍事費を削減しようとすると「国のために命をかけている軍人を危険にさらしたいのか! 防弾チョッキのお金も削るのか!」というような論調で猛反対する。いやいや、そうじゃなくて装備は減らさず軍人の数を減らせばいいんじゃないかと思うんですけど。
自民党も同じ論理ですよね。集団的自衛権の議論の中で、邦人が乗っているアメリカの輸送船を警護できないのはおかしいでしょ!とか。共和党のレトリックとそっくりなんですよ。
さて、「リベラルとは何か?」に話を戻しましょうか! 「リバタリアニズム」という言葉もありますよね。リベラリズムが自由主義なら、リバタリアニズムは「自由至上主義」とでも訳したらいいのか、極端に「小さな政府」を志向して、軍も持たない、所得税もない、あらゆる規制を撤廃してすべて自由であるべきという考え方です。
この「リバタリアン」と言われる人たちは、例えば麻薬は取り締まらなくていいと考えるから左に近い。でも、企業に対する規制も全部撤廃したいという点では右です。軍を持たないというのは左、信仰の自由のために黒人にサービスを提供しないお店があってもいいと考える…これは右です。だから、リバタリアンの皆さんの考え方は共和党、民主党双方に含まれるんですけど、この人たちがどっちに票を入れているかというと大体、共和党です。
―アナキスト(無政府主義者)の右版っていう感じですね。
パックン なんでそうなるかっていうと、共和党はこの辺のコミュニケーション戦略が本当に巧くて、「自由」という言葉すら保守のものにしているんですよ。
―え、どうしてそんなことになっちゃうの?
パックン 「自由、幸福の追求」の保障です。わかりやすい実例を挙げますと、今年、コロラド州のケーキ屋さんの訴えが連邦最高裁まで行ったんです。ある日、ふたりの男性が来店して「結婚式のケーキを作ってほしい」と言った。それに対して、キリスト教徒であるこのケーキ屋さんは「自分は同性婚には反対なので、信仰の自由のためにケーキは作れない」と拒否したんです。
―つまり、自分には「同性愛者にケーキを売らない自由」があるんだ、と。LGBTの権利か、個人の信仰の自由か…というわけですね。
パックン そういうことです。それから、「アファーマティブ・アクション」という弱者への優遇措置があるんですが、例えば、同じ成績の黒人と白人が大学に入学願書を出すと、黒人が優先される。歴史的に黒人は多くの重荷を背負ってきたので、格差や差別の是正のために優先的にチャンスを与えられるという、真っ当な考え方です。
ところが、不合格にされた白人の身にもなってみろ、この人の「権利」や「自由」が侵害されているじゃないか!と保守派は主張するわけです。虐(しいた)げられた白人、虐げられたキリスト教徒の自由を共和党は守る。だからトランプは自由のためにイスラム圏からの移民を国内に入れないわけです。
―今日は「リベラルとは何か?」というテーマでいろんな話をしてきましたが、ひとつハッキリしたのは「自由って難しい」ってことですね。そう考えると「リベラル」という言葉の曖昧さは、そのまま「自由」という言葉の曖昧さでもあるんだなぁ。
パックン 「自由」だけじゃなく「保守」という言葉もそうですよね。保守とは何か? 本来は現状を守るとか、古き良きを守るとかいう意味でしょうけど、日本の保守もアメリカの保守も「改革、改革!」と言っています。それ、保守じゃないじゃん!っていう。
―安倍政権は目下、「人づくり革命」とか「生産性革命」に躍起ですからね。こんな革命だらけの保守なんて聞いたことない。戦後ずっと続いてきた平和な時代を守ろうというのが保守なのかと思いきや、戦後を全部否定したりね。
パックン そうそう、「戦後レジームからの脱却」ですね。この辺のマジックワードも、まさにアメリカのレトリックを倣(なら)っていると思います。
―最後に今後、日本のリベラルにパックンが期待することは?
パックン 僕は番組などで野党の皆さんにお会いするたびに「いつでも政権交代ができるようにちゃんと準備してください。本気で政権を獲ろうと対立してください」と言っています。自民党は本当に巧みです。野党のいいアイデアはすぐに自分のものにする。野党はそこに負けないで、自民党にマネされないブランディングをするべきです。
先ほども言ったように、ここ20年、自民党はアメリカの共和党のマニュアルを使って戦略を立てているように見えます。でも、実際には共和党の政策って矛盾だらけですよ。例えば、「環境保護法」という名で公害に対する規制を緩和したり、まるでジョージ・オーウェルのディストピア小説『一九八四年』が現実のものとなったようです。
―安倍首相の国会答弁も矛盾だらけですよね。
パックン 言葉には「意味」があるべきです。「矛盾している言葉を使ってはいけない」と野党は強く訴えないといけない。徹底的に突っ込んだ上、批判するだけじゃなくて代替案を出して、与党に勝つビジョンを示してほしい。そうすれば、選挙はもっと有意義なものになり、投票率も上がるでしょうからね。(取材・文/川喜田 研 撮影/保高幸子)
●パトリック・ハーラン  1970年生まれ、米国コロラド州出身。ハーバード大学卒業後、1993年に来日。吉田眞とのお笑いコンビ「パックンマックン」で頭角を現す。最新刊『世界と渡り合うためのひとり外交術』(毎日新聞出版)など著書多数。BS−TBS『外国人記者は見た+日本inザ・ワールド』(毎週日曜夜10時〜)のMCを務めている


日本側「挺対協説得」「性奴隷の単語禁止」…ほとんどすべて聞き入れた韓国側
非公開の“裏合意”の内容を見ると
12.28合意反対を憂慮する日本に
韓「関連団体説得に努力する」
第3国の少女像」に対する不満には
政府が支援しないという文句入れる
「性奴隷という単語は使うな」の要求にも
「公式名称は慰安婦被害者」と応答
合意後大統領府、外交部に指示
「国際舞台で慰安婦発言するな」
政府・団体の活動に自ら足かせ

 2015年12月28日ユン・ビョンセ外交部長官と岸田文雄日本外相が共同記者会見で発表した韓-日「慰安婦」被害者問題関連合意は、両国が合意した内容の一部に過ぎなかった。 韓-日日本軍慰安婦被害者問題合意検討タスクフォース(以下TF)のオ・テギュ委員長は27日、TF検討結果報告書を発表する席で、12•28合意の”裏合意”について「(双方が合意内容を)口頭で発表する前に『これは発表し、これは発表しない』ということを確認したもの」として「法律的に口頭合意」であると確認した。 これまで政界と市民団体から多く提起されてきた”裏合意”の存在が事実として露になったのだ。 既に知られている「平和の少女像」問題以外にも、結果的に「慰安婦」問題を巡る韓国政府と市民社会団体の活動を制約した内容も含まれており、論議が予想される。
■ 「少女像適切に解決の努力」など裏合意
 TFが明らかにした12•28合意の”裏合意”の核心は、2015年12月ユン・ビョンセ外交部長官と岸田文雄日本外相が韓-日外交長官会談で言及した内容のうち非公開に分類された部分である。
 当時日本側は12•28合意発表によって「慰安婦」問題は最終的・不可逆的解決になるわけだから、韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)などの団体が合意に対する不満を表明した場合韓国政府がこれらを説得してくれるよう願うという立場を明らかにした。 また「在韓日本大使館前の少女像をどう移転するのか、具体的な韓国政府の計画」を尋ね、第3国での「慰安婦」記念碑等の設置は「適切でない」と言った。
 日本側は「韓国政府が今後『性奴隷』という単語を使わないよう希望する」という意思も明らかにした。 TFはこのような日本側の発言に韓国側が対応する形式で非公開言及内容が構成されていると伝えた。
“裏合意”には韓国側が日本政府の着実な措置履行を前提に、12•28合意発表で「慰安婦」被害者問題の最終的・不可逆的解決を確認し、「関連団体」などの説得のために努力すると答えたものと出ている。 日本側の要求と異なり挺対協など団体を特定してはいないが、TFは「日本側の希望を事実上受容れた」と判断した。 大使館前の少女像と関連しては12•28合意当時のユン長官の発表内容と同一の内容が非公開部分に入っている。 韓国政府が「日本政府の憂慮を認知して関連団体との協議等を通して適切に解決されるように努力」するという内容だ。 TFは韓国政府の「具体的移転計画」を問う日本側の質問に韓国政府が同じ返答をしたことに注目した。 朴槿惠政権は2015年4月に拒否した第3国での「慰安婦」記念碑設立の動きに対する立場表明を、協議最終段階で「支援しない」という文句を入れる方式で行なった。「性奴隷」という表現を使わないという約束はしなかったが「公式名称は『日本軍慰安婦被害者問題』のみ」と確認した。
■ 「外交部も非公開合意の弊害認知」
 2015年4月の第4次高位級協議でこのような内容が暫定的に妥結された後、外交部が内部会議を通して修正または削除が必要な4つの事項を整理したという点は注目される。 外交部が整理した内容には、第3国の「慰安婦」記念碑と「性奴隷」表現の問題が含まれ、少女の像関連の言及もあった。 TFは「外交部が非公開合意内容が問題を引き起こす可能性があることを認知していたということを示すもの」と指摘した。
 これ以外にも“裏合意”には、12•28合意によって日本政府の予算で設立することにした「慰安婦」支援目的財団に関する詳細な措置及び財団設立関連論議で日本側が「(被害者への)現金の支給は含まない」という表現を削除する過程などの議論記録も含まれているとTFは明らかにした。 また両国は「発表内容に関するメディア質問時の応答要領」を前もって作成し、12•28合意における日本政府の法的責任など敏感な事項に対する共同返答を調整したことが明らかになった。
 TFは「韓国政府は公開された内容以外の合意事項があるのかという質問に対し、少女の像と関連してはそんなものはないと答えながらも、挺対協説得、第3国の少女の像、「性奴隷」の表現と関連した非公開内容があるという事実は言わなかった」と指摘した。さらに、“裏合意”部分で韓国政府が日本側の要求を事実上受容れたものと評価した。
■ 自ら足かせをはめる
 12•28合意により朴槿惠政権は、「慰安婦」問題を巡り自ら政府の活動範囲を制限する結果を招いただけでなく「慰安婦」被害者と支援団体の活動にも足かせをはめることになった。
 合意以後大統領府が「国際舞台で慰安婦関連発言はするな」という指示を外交部に下したということは今回明かされた事例の一つだ。 TFはこれによって「まるでこの合意を通じて国際社会で慰安婦問題を提起しないと約束したという誤解をもたらした」と指摘した。
 実際韓-日両者の次元で日本政府の責任・謝罪・補償問題を解決するための12•28合意は、以後「慰安婦」被害者問題と関連して国際社会で韓国政府の行動に変化をもたらした。 合意の翌年である2016年3月、ユン長官はスイスジュネーブで開かれた国連人権理事会の高位級会議演説で「慰安婦」問題について何ら言及しなかった。
 またこの日の女性家族部発表に寄れば、朴前大統領は合意直後の去年1月、「慰安婦」被害者記録物のユネスコ登載支援事業と関連して「支援中断」の指示をしたことが明らかになった。去る10月末にユネスコは結局、日本軍「慰安婦」被害者記録物の世界記憶遺産登載を保留した。
キム・ジウン記者

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Japon : une journaliste accuse de viol un proche du Premier ministre et ébranle le pays
Shiori Ito accuse le biographe de Shinzo Abe de l'avoir violée, en avril 2015, et dénonce des interventions politiques qui empêchent sa condamnation.

La journaliste japonaise Shiori Ito accuse de viol un proche du Premier ministre Shinzo Abe. L'affaire remonte au mois d'avril 2015, mais la journaliste de 28 ans attend toujours que la justice reconnaisse les faits, raconte Le Figaro, mercredi 27 décembre. "Mon cas personnel n'est rien, mais il peut changer la société", déclare au quotidien français Shiori Ito, qui tente de briser ce tabou au Japon, resté indifférent au mouvement #MeToo qui a suivi l'affaire Weinstein.
La police répond qu'il est "difficile d'enquêter"
Shiori Ito accuse Noriyuki Yamaguchi, biographe de Shinzo Abe et ancien journaliste chef du bureau de Washington de la télévision japonaise TBS, de l'avoir droguée et violée, le 3 avril 2015. En 2017, il a donné plusieurs conférences de presse pour raconter son histoire. Ce soir-là, Shiori Ito, alors stagiaire à l'agence Reuters, partage un dîner d'affaires avec Noriyuki Yamaguchi, dans un restaurant de Tokyo. A un moment, "j'ai eu la tête qui tournait, je suis allée aux toilettes", a détaillé la journaliste lors d'une conférence de presse. "Je me rappelle avoir posé ma tête sur le lavabo, je ne me souviens de rien d'autre ensuite", explique-t-elle.
Le chauffeur de taxi qui les conduit ensuite dans un hôtel a complété son récit, dans son témoignage recueilli par la police : la jeune femme voulait être déposée à une station de métro, mais Noriyuki Yamaguchi a insisté pour la ramener avec lui à l'hôtel. La jeune femme pouvait à peine marcher. "J'ai repris conscience vers 5 heures du matin", a encore précisé la jeune femme. "J'étais allongée, nue, sur un lit d'hôtel, M. Yamagushi était sur moi, en train de me pénétrer. Je vais me retenir de donner des détails explicites, mais je peux vous dire qu'un acte sexuel était commis contre moi, contre ma volonté", a continué Shiori Ito.
Une enquête ouverte pour "quasi-viol"
Commence ensuite une bataille contre la société japonaise, qu'elle raconte dans son livre, Black Box, publié en octobre. Après une difficile consultation chez un gynécologue et un appel infructueux à une association de victimes de violences sexuelles, Shiori Ito tente de porter plainte, face à des policiers qui essaient de la dissuader : "Ce genre de choses arrivait souvent, il est difficile d'enquêter", "cela va affecter ma carrière", "je vais gacher ma vie". La jeune femme insiste et dépose plainte, la police ouvre une enquête pour "quasi-viol", selon le quotidien japonais Asahi Shimbun (en anglais) , un chef d'accusation utilisé "pour les incidents dans lesquels les victimes ne peuvent pas résister à cause d'un état d'inconscience". Devant les preuves et témoignages, un juge met Noriyuki Yamagushi en examen.
Mais alors que la police s'apprête à arrêter le suspect, Itaru Nakamura, le patron de la brigade criminelle, également proche du Premier ministre, annule l'opération, raconte Le Monde. Pour Shiori Ito, il s'agit d'une interférence politique, ce que le responsable de la police nie. "Itaru Nakamura a reconnu avoir demandé de ne pas procéder à l’arrestation, mais a nié toute intervention du pouvoir politique", explique le correspondant à Tokyo du quotidien. La justice pénale prononce ensuite un non-lieu.
Au Japon, le viol est considéré comme quelque chose qui n'arrive que dans les films, ou alors très loin
Shiori Ito poursuit désormais Noriyuki Yamaguchi au civil et a entrepris de médiatiser l'affaire. Le 24 octobre, lors d'une conférence de presse, elle déclare : "Je veux parler à visage découvert, pour toutes les femmes qui ont peur de le faire parce qu'ici, au Japon, ni la police, ni la justice ne soutiennent les victimes de crimes sexuels". Noriyuki Yamaguchi s'est contenté de répondre sur sa page Facebook qu'il n'avait "rien fait d'illégal" et que la police avait d'ailleurs "abandonné les charges contre lui".
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菅 直人 (Naoto Kan) @NaotoKan
東電本店はメルトダウンを隠したのも海水注入を中止させたのも当時の総理であった私を含む官邸の政治家だと虚偽情報を流し続けました。その虚偽情報に基づいて菅内閣に対する不信任案を自民党に出させた張本人が安倍現総理です。#安倍総理にも虚偽情報拡散 の責任はあります。
本間 龍  ryu.homma @desler
これは極めて重要。この清水の嘘を自民党が最大限利用し、当時の菅首相や枝野氏が圧力をかけたとデマを拡散した。事故を起こしただけでなく、虚偽情報を流布した点であまりにもその罪は重い。恐るべき鉄面皮。 炉心溶融認めず 官邸ではなく当時の東電社長判断

午前中にネットでいろいろ作業して,ざぼんというラーメン・せご丼を食べてから,天文館に向かいます.これといったあてがあるわけでなく,単にぶらぶら.でも4時過ぎからの「肯定と否定」というホロコースト否定論者との裁判を扱った映画を見たいんです.ちなみに原題はDenialで「否定」ですがフランス語だとLe procès du siècle.最初は弁護団の方針がよくわからなかったものの,なかなか考えているようだと感心しました.2時間の映画でしたが,あっという間でした.
その後郵便局で待ち合わせして,ご飯を食べに向かいます.でもお昼のざぼんのおかげかお腹いっぱいで,ほとんど食べられませんでした.

震災の風化 知事が強い懸念
宮城県庁は28日が仕事納めで、村井知事は、「東日本大震災からの復興は着実に進んだ」と振り返る一方、風化に対する強い懸念を示し、「復興の姿を思い描き、これからどのような取り組みが必要かを考えてほしい」と職員に呼びかけました。
県庁では、講堂に職員およそ300人が集まり、村井知事がこの1年を締めくくるあいさつをしました。
この中で、村井知事は、「ことしは、震災復興計画の再生期の総仕上げをしながら次の発展期につなげる、大切な1年だった。復興・まちづくりは着実に進んだ」と述べ、まちづくりが着実に進み、くらしや産業の再生が進んだ1年だったと振り返りました。
ことし、宮城県内では、南三陸町の「さんさん商店街」が3月に、石巻市の「いしのまき元気いちば」が6月にそれぞれオープンしたほか、塩釜市の新しい魚市場が10月に完成し、移転した新しい気仙沼市立病院が先月、診療を開始しました。
一方で、村井知事は、「震災から7年を前に風化を感じることが増えてきた。震災の経験を次世代にしっかり受け継いでいく必要がある」と述べ、風化に対する強い懸念を示しました。
そのうえで、「復興の姿を思い描き、これからどのような取り組みが必要かを考える年末年始にしてほしい」と呼びかけました。
宮城県によりますと、気仙沼市と南三陸町で災害公営住宅がすべて完成するなど、先月末の時点で、災害公営住宅は県全体の計画の94%に達しましたが、およそ9000人が仮設住宅で生活を続けているということです。


惜別 かしまの一本松 南相馬で伐採式
 東日本大震災の津波に耐えた南相馬市鹿島区の「かしまの一本松」が27日、伐採された。関係者が樹勢回復に努めてきたが、高潮などの影響で枯死を免れなかった。作業に先立ち、住民らが記念式典を開いて別れを惜しんだ。
 一本松は高さ約25メートル。10メートル超の津波に見舞われ、2015年秋ごろから衰えが目立っていた。復興工事により周囲に土盛りが必要になったことから、福島県が伐採を決めた。
 式典には約50人が出席。神事に続き、代表者らがおの入れを執り行った。チェーンソーで松が根元から倒されると、切り株をなでる地元住民もいた。
 地元集落は震災で54人が犠牲となり、行政区も解散した。保存活動を続けてきた五賀和雄さん(77)は「きょうまで本当に頑張ってくれた。感謝の気持ちでいっぱい」と話した。伐採された松は表札への加工、配布が検討されている。


津波タワーで避難訓練兼ね初日の出観賞会 住民団体企画
 東日本大震災で被災した仙台市宮城野区新浜地区の住民有志が2018年1月1日、地区の津波避難タワーで、避難訓練を兼ねた初日の出の観賞会を開く。年の初めに震災犠牲者の冥福を祈り、災害への備えを新たにする。別の地区に移った旧住民らにも参加を呼び掛ける。
 主催は住民6人が11月に設立した任意団体「新浜オダヅモッコ倶楽部」で初めて企画した。午前6時、地震に伴い津波警報が発表されたとの想定で、住民が新浜津波避難タワー2階の屋内施設に集まる。午前6時50分ごろ、高さ10メートルの屋上に移り、初日の出を拝む。
 災害公営住宅などに移った旧住民や初乗りに向かうサーファーらの参加も見込み、甘酒300人分を用意する。住民が被災体験を伝えたり、旧交を温めたりする計画だ。タワーは16年に完成し、約250人を収容できる。
 同倶楽部によると、約150世帯が暮らしていた新浜地区は津波で63人が犠牲になった。住民は約80世帯にまで減少し、ほとんどが高齢者だという。
 倶楽部主宰の村主英幸さん(58)は「避難タワーに実際に上る体験をしてもらうとともに、イベントを通して交流人口を増やし、新浜をPRしたい」と話す。
 連絡先は村主さん090(3753)3611。


深刻化する人手不足/地域経済は瀬戸際にある
 東日本大震災の被災地を含む東北経済の眼前に、労働力不足が厚い壁となってせり出してきた。
 2020年の東京五輪・パラリンピックを前に、東京一極集中は拍車が掛かる。復興需要が陰りを見せ、好況の波が及ばない地方経済は今、瀬戸際にあるのではないか。
 東北の有効求人倍率はバブル期並みの水準にある。11月は1.49倍に達し、過去最高を更新した。リーマンショック後の世界金融不況に覆われた09年は0.33倍だった。
 雇用統計は絶好調に映るが、実感できる東北の経営者はいかばかりか。
 宮城の11月の月間有効求人数は5万9982人で、震災があった11年の月平均の1.5倍。一方、有効求職者数を見ると11月は3万6272人と11年の6割にも届かない。
 産業別の偏りは著しい。11月の医療福祉分野の新規求人数は宮城で3774人。全産業の19%を占めた。高齢化がハイペースで進む東北にあって、介護需要に人材供給が追い付かない。
 10月に青森市であった北海道東北知事会議は、地域経済を支える人づくり推進に関する決議をした。
 席上、高橋はるみ北海道知事は「人手不足を改善しなければ地域の疲弊は止まらない」と強調。「地方は働く条件が悪いとさらに人が減る」(達増拓也岩手県知事)「介護人材の確保は大きな課題」(三村申吾青森県知事)など現状を危惧する声が相次いだ。
 東北の人口減、高齢化の深刻さが、労働力不足でより鮮明になってきた。地域社会の基盤が揺るがされる状況にありながら、政治と現場の温度差は悲劇的だ。
 先の衆院選で、安倍晋三首相は有効求人倍率の上昇を前面に出し、東北各地で経済政策「アベノミクス」の成果を訴えた。与党圧勝の選挙結果に、村井嘉浩宮城県知事は「アベノミクスは成功している」との認識を示した。
 果たしてそうか。円安、株高で沸く大企業と、地方の中小零細企業の格差は2極化し、拡大の様相を帯びる。
 賃金が象徴する。17年度の地域別最低賃金は最高の東京が958円。東北は宮城の772円が最高で、青森、岩手、秋田は738円と全国最低クラスだった。地方は人手不足で業績回復を阻まれた上、人材の確保と定着のため大手との競合を迫られ、賃金の上昇圧力にさらされる。
 国内経済を押し上げる過度な金融緩和は、常に潜在的なリスクを抱えている。ほころびが出れば、影響を真っ先に受けるのは体力を奪われ続ける地方だろう。
 今なすべきことは、国は行き過ぎた一極集中を是正する政策誘導であり、地方は雇用状況の冷静な分析に基づく産業政策の再構築だ。
 私たちの足元の暮らしを支えるのは、中小零細企業であることを再認識したい。


意見募集「東電に資格ない」 柏崎刈羽「適合」決定
 原子力規制委員会は二十七日の定例会合で、東京電力柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)が、原発の新規制基準に「適合」するとした審査書を正式決定した。意見募集(パブリックコメント)では八百七十件が集まり、福島事故を起こした東電に「原発の運転資格はない」とする意見が多かった。だが、規制委は字句を修正しただけで、審査を通した。(小川慎一)
 東電の原発としても、福島第一と同じ仕組みの沸騰水型としても、初の新基準適合。東電は賠償費用を工面するため再稼働を目指すが、立地する新潟県などが同意する見通しはない。
 寄せられた意見には、福島第一原発の事故収束作業や巨額の損害賠償を抱えている東電に、再び原発を動かす権利を与えることへの否定的な意見が目立った。だが、規制委が示した「考え方」は、いずれの意見に対しても正面から向き合わない内容だった。
 審査全般について、「通常より丁寧に調査した」と強調。規制委は「福島事故の収束をやり遂げ、柏崎刈羽を安全第一で運営する」との内容を、柏崎刈羽の保安規定に盛り込ませることで、東電に運転資格ありと判断した。これに対し、新たな重大事故が起きれば東電の存続が危うく、東電の社内文書である保安規定は意味がなくなるとの意見が寄せられたが、規制委は取り合わなかった。
 柏崎刈羽で新たな事故が起きても、東電には賠償能力がない点を問題視する意見もあったが、規制委は直接的には答えなかった。新基準向けの工事費を工面できることや、「原子力損害賠償制度がある」と一般論を書いただけで、東電全体の経営状況やほとんど備えがない賠償制度の現状には触れなかった。
 この日記者会見した規制委の更田(ふけた)豊志委員長は「事故当事者の東電に、厳しい批判があるのは当然。規制委としてもそういう思いは持っている。できるだけのことはやった」と述べた。


大飯原発廃炉/エネルギー計画も再考を
 関西電力が、大飯原発1、2号機(福井県おおい町)の廃炉を決めた。福島第1を除けば、大型原発では初となる。
 いずれも1979年に運転を始め、原則では運転禁止となる40年の節目が間近に迫る。新規制基準を満たすための安全投資を行えば、例外として20年延長の可能性もあった。
 関電はこれまで7基の原発の安全対策に8300億円を費やしてきた。大飯1、2号機は原子炉の格納容器が特殊な構造で、従来より費用が膨れ上がる可能性が高い。このため採算が取れないと判断した。
 電力需要の増加を当て込んで80年代に建設された原発が相次いで40年目を迎える。電力会社は追加投資の判断を迫られる。今後は人口減や産業構造の変化で需要減が予測され、廃炉続出は避けられないだろう。
 関電の販売電力量はピークの2010年度から2割も減った。自由化に伴い、競争はいっそう激化している。原発も聖域扱いせず、収益を厳しく見極めるのは当然といえる。
 法的リスクも見逃せない。運転停止中の原発の再稼働を巡っては、各地で住民団体が運転差し止めの仮処分を訴え出ている。広島高裁が四国電力伊方原発3号機に対し、阿蘇山で大規模噴火が起こる可能性を踏まえ「立地に適さない」などとして、運転差し止めの仮処分を決めたことは記憶に新しい。
 きのう原子力規制委員会の審査に合格した東京電力柏崎刈羽6、7号機についても、地元の新潟県は「判断に3〜4年かかる」と慎重だ。
 もはや原発は、電力会社の思惑通りに利益を生む打ち出の小づちではなくなった。
 政府はエネルギー基本計画の改定作業に入っている。現行計画は原発をベース電源と位置づけ、30年段階で発電量の20〜22%を賄う青写真を描く。30基近くの再稼働が必要な計算だが、現在は5基にとどまる。再考が必要なのは明白だ。
 原発から発生する高レベル放射性廃棄物は最終処分の見込みが立たない。敷地内の保管場所があと数年で満杯となる原発も少なくない。政府は廃炉時代に入ったことを直視して、政策転換に踏み出さねばならない。


被爆体験者敗訴 置き去りは認められぬ
 核兵器禁止条約の採択や核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)のノーベル平和賞受賞―。
 国際的には「ヒバクシャ」に光の当たった1年だったが、この人たちは置き去りにされた。
 長崎で原爆に遭いながら国が定めた指定地域の外にいたため、被爆者と認定されない「被爆体験者」のことである。
 およそ400人が被爆者健康手帳の交付を国などに求め、長く裁判で争っていた。だが、最高裁は一、二審と同様に請求を退け、原告の敗訴が確定した。
 被害者に寄り添う姿勢はうかがえず、疑問が拭えない。
 政府は司法のお墨付きを得たと考えてはならない。制度を見直して幅広い救済に努めるべきだ。
 指定地域は旧原爆医療法の制定を機に1957年に定められた。爆心地から南北12キロ東西7キロに及ぶが、行政区域に沿って線を引いており、いびつな形をしている。
 このため、爆心地から同じ距離で被爆しても、指定地域の内か外かで被爆者と被爆体験者に分けられてしまう。
 医療費の自己負担が原則無料となる健康手帳が交付されず援護に差があるのは不合理だと、原告が訴えたのは当然だ。
 被告の立場である長崎市が、むしろ政府に被爆体験者の救済を求めている現状も、制度の欠陥を示すものだろう。
 一方、最高裁は、指定地域外で健康被害を示す科学的な証拠は見いだせない―とした高裁の判決を「是認できる」と評価した。
 しかし、被爆と健康被害の関係は、いまだ解明されていないことが少なくない。放射性物質は行政区域を越えて広がる。こうした実態に目を向ければ、指定地域の線引きこそ科学的とは言えまい。
 高齢化している原告側に被害の立証を求めたのも酷である。
 広島でも、援護対象の区域外で「黒い雨」を浴びた人たちが、被爆者の認定を求めている。
 政府が直視すべきは、被爆から70年以上を経て、なお援護を求める声が後を絶たない現実だ。
 戦後50年に合わせて制定された被爆者援護法の理念を忘れてはならない。
 原爆による健康被害を「他の戦争被害とは異なる特殊の被害」と位置付け、国の責任において、被爆者への総合的な援護対策を講じるとうたっている。
 被爆による被害の可能性が少しでもあれば手を差し伸べる。それが政府の重い責務である。


柏崎刈羽「適合」 東電は信頼に足るか
 東京電力の柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)は、福島第一原発事故後に作られた新規制基準に適合していると原子力規制委員会が認めた。再稼働させてよいのか。必要性があるのか。疑問がある。
 柏崎刈羽原発は、福島第一と同じで東電が所有する沸騰水型だ。福島原発事故は、津波が原因とされるが、地震や津波の襲来からメルトダウン(炉心溶融)、水素爆発へと至る経緯は、現場で十分な調査ができず、不明な点が多い。
 原因究明が終わっていないのに住民の安全が保証できるのか。東電に任せられるのか。規制委は、もっと慎重でもよかった。
 規制委はフィルター付きベント(排気)設備の設置など、ハード面の対策を評価した。だが、福島事故では、非常用冷却装置「イソコン」を動かした経験のある東電社員が一人もいなくて、状況判断が遅れた。ハードがあればいいというものではない。
 新潟県は独自に検証委員会をつくっている。再稼働には同県の同意が必要。県が検証結果を再稼働の条件にした効果があったのか、東電は昨年、それまでなかったとしていたメルトダウンの定義を記したマニュアルの存在を認めた。
 昨日の本紙は、高レベル放射性廃棄物の住民意見交換会で、東電から原子力発電環境整備機構への出向者が、東電関係者に動員を要請するメールを送っていたことを明らかにした。
 事故直後から原子力部門は“たこつぼ”化していたのでは、という指摘があった。隠蔽(いんぺい)体質が事故後も残っているのであれば、信頼は置けない。
 必要性も検証すべきである。
 最近は首都圏で電力不足を心配することはない。省エネが進み、需要も減っている。電力自由化で東電はすでに約百数十万世帯の顧客を失っている。原発の電気を使いたくないという人は多い。再稼働でさらに多くの顧客を失う恐れはないのか。経営にプラスという判断は正しいのか。
 原発は地域経済に必要といわれるが、新潟日報は柏崎市と三条市、新発田市の比較などを基に「経済波及効果は極めて限定的」とし、経済効果は「神話」と結論づけている(「崩れた原発『経済神話』」、明石書店)。
 再稼働の時期は見通せないとされるが、何でも二〇二〇年の東京五輪が今の政権のやり方だ。五輪を口実に新潟県や住民に圧力をかけることは慎みたい。


柏崎原発審査合格 東電への不信ぬぐえず
 原子力規制委員会は27日、東京電力が再稼働を目指す柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)について、新規制基準に適合していると認める「審査書」を決定した。これにより同原発は規制委の審査に正式に合格した。
 規制委には16原発26基の審査申請があり、このうち審査に合格したのは今回の2基を含め7原発14基となった。ただ、これまで合格した12基は関西電力、四国電力、九州電力の「加圧水型」の原発だった。東電の原発が合格するのは今回が初めて。福島第1原発と同型の「沸騰水型」の合格も初だ。沸騰水型は加圧水型に比べ小さく、内部の温度や圧力が上昇しやすい欠点がある。
 2011年の福島第1原発事故の影響はあまりにも大きく、国民の多くは原発に対する不安や東電への不信感をいまだに払拭(ふっしょく)できずにいる。規制委がお墨付きを与えたとはいえ、福島原発の廃炉作業の収束にめどが立たない中、東電の原発、しかも福島原発と同型の原発が再稼働するとなれば、反発の声が高まるのは必至だ。
 今後は新潟県など立地自治体が再稼働に同意するかどうかに焦点が移る。同県内には「原発がないと立ちゆかない」と地域経済活性化の観点から再稼働に期待する声がある一方、「あれだけの事故を起こした東電に原発を運転する資格はない」などと反対する声は根強く、簡単に結論を出せる状況にはない。
 新潟県の米山隆一知事は、泉田裕彦前知事が示していた「福島原発事故の検証なくして再稼働の議論はできない」との方針を引き継ぐ考えで、再稼働を認めるかどうかの判断には3〜4年かかるとの見通しを示している。
 今回の審査合格を受け「安全性を確保するため、まずは説明を求め、審査結果を検証したい」とのコメントを出した。住民の声を踏まえ、引き続き慎重な姿勢で臨むべきだ。
 新潟県は専門家でつくる技術委員会で、福島第1原発事故を独自に検証。東電が事故当時、メルトダウン(炉心溶融)を隠蔽(いんぺい)していたことを東電に認めさせるなど、真相究明に一定の成果を上げてきた。
 その検証が途上にある中、規制委が柏崎刈羽原発の再稼働にゴーサインを出すことに違和感をぬぐえない。審査の過程では、東電が規制委に事実と異なる報告を続けていたことなどが判明し、信頼性への疑問は消えていない。原子炉建屋などの防火壁で建築基準法に違反する不備も多数見つかり、東電のずさんさは浮き彫りになった。審査合格に「結論ありきでは」と批判の声が上がるのも当然だろう。
 今後、同じ沸騰水型原発について再稼働に向けた手続きが進められる可能性があるが、福島原発事故の検証が進まない限り、事故への不安はいつまでも付きまとう。再稼働を拙速に進めてはならない。


柏崎原発合格 県民目線で検証を尽くせ
 東京電力が再稼働を目指している柏崎刈羽原発6、7号機が原子力規制委員会の適合性審査に正式合格した。
 東電福島第1原発事故を受けた重大事故対策などが新規制基準に適合しているとの、規制委によるお墨付きである。
 残る「工事計画」と「保安規定」の審査が終了すれば、再稼働に向けた国の手続きはほぼ完了することになる。
 しかし、それで再稼働が可能になるわけではない。県など立地自治体の同意が必要だ。
 米山隆一知事の方針に沿い、県は原発を巡る「三つの検証」を独自に進めている。
 規制委の判断にとらわれず、住民目線に立って丁寧に検証を積み重ねる。県にはそれを徹底してもらいたい。
 というのも、規制委の適合性審査は施設、設備面に主眼が置かれているからだ。事故の際の住民避難や生活については一切検討していない。
 福島事故を防げなかった東電の原発が対象の今回は、東電の「適格性」を審査する異例の手順も踏んだ。だが、保安規定に東電の安全確保に向けた「決意」を明記させるという曖昧な形での決着となった。
 いったん原発の過酷事故が起きれば、立地地域にとどまらず広い範囲の住民の暮らしに深刻な影響を及ぼす。
 福島事故の原因とともに、事故時の避難、健康・生活といった住民への影響もテーマとする県の検証が持つ意味は重い。
 柏崎刈羽原発が正式合格となり、気になるのは、原子力を「重要なベースロード電源」として再稼働推進を掲げている政権の出方である。
 自民党の原発推進派国会議員でつくる議連の細田博之会長は新潟日報社の取材に対し、原発の安全性は規制委に委ねているとし、次のように述べた。
 「前知事も今の知事も、自分が納得するまで『うん』とは言わないと。そう言われると、なかなか大変だ。この問題は高度に技術的な問題。それに別の要素を加えるのは根拠がなく、あまり適当ではない」
 柏崎刈羽原発の再稼働問題を巡るこれまでの県の姿勢に対して、否定的な見解を表明したものといえよう。
 経済産業省は、原発再稼働に必要な国の審査が全て終わってから9カ月たっても稼働しない原発について、立地自治体への交付金を大幅に削減するよう規則を変えた。
 経産省サイドは否定しているものの、交付金を盾に早期再稼働を迫る圧力ではないかとの見方も出ている。
 東電は柏崎刈羽原発6、7号機の再稼働を収益改善の柱と位置付け、経営陣は強い意欲を示してきた。
 国や東電はエネルギー確保や経営安定の観点から再稼働を求めているのだろう。立地する地元との乖離(かいり)は大きい。
 立地県の住民にとって柏崎刈羽原発を巡る最大の関心は、安全と安心だ。国や東電はそこを肝に銘じる必要がある。


慰安婦合意検証 日韓は粘り強く対話を
 従軍慰安婦問題を巡る2015年の日韓合意に対し、韓国政府の作業部会が進めてきた検証作業の報告書がきのう公表された。
 朴槿恵(パククネ)政権当時に進めた対日交渉について「被害者の意見を十分に集約しなかった。政府間で解決を宣言しても問題再燃は避けられない」と批判した。
 日本側が要請した元慰安婦支援団体への説得を韓国側が事実上受け入れたなどとする、非公開だった合意内容も明らかにされた。
 文在寅(ムンジェイン)政権は韓国政府としての方針決定を来年2月の平昌冬季五輪後に先送りする意向だが、報告書は合意に対する韓国世論の反発に拍車を掛けかねない。
 きょうで2年を迎えた合意は厳しい局面を迎えたが、日韓関係の重要な基盤として維持していく必要がある。そのために両国政府は首脳同士をはじめとする粘り強い対話を続けるべきだ。
 検証の矛先は主に、「一貫して秘密交渉の形で進められた」と指摘する合意過程に向けられた。
 公表された非公開部分で日本側は、第三国での元慰安婦の追悼碑設置などを支援せず、国際社会で「性奴隷」という表現を使わないことも求め、韓国側も最終的に受け入れたとしている。
 韓国政府が水面下の交渉内容を作業部会に開示したのは、保守系の朴前政権に対する文政権の不信感の表れでもあろう。
 2年前、日韓が急転直下の合意に至った背景には、対北朝鮮連携への悪影響などを懸念した米国の仲介があった。日韓が関係改善を急いでいたのは確かだ。
 だからといって、合意の過程や内容に被害者の観点が欠けていたということにはなるまい。
 「全ての元慰安婦の名誉と尊厳を回復し、心の傷を癒やす」という合意の目的自体には、韓国側も異存がないはずだ。
 文政権がここで合意を破棄したり、再交渉を求めたりすれば、政府間での解決は絶望的になる。高齢化が進む元慰安婦にとって望ましいことではないだろう。
 日本政府にも慎重な対応が求められる。この問題で安倍晋三首相ら政権幹部は、日本が10億円を拠出した時点で責任を果たし終えたと受け取れる言動を続けている。
 それでは元慰安婦に寄り添うことにはならず、韓国世論を硬化させるだけではないか。
 両国政府がなすべきは、対話を重ねながら合意の精神と目的に沿った協力の在り方を追求し、真の和解へと導くことだ。


[韓国「慰安婦」検証]冷静な対応に徹したい
 旧日本軍の「従軍慰安婦」問題を巡る日韓合意を検証していた韓国政府の作業部会が報告書を公表した。
 報告書は「韓国政府は被害者の意見を十分集約せず、主に政府の立場から決着させた。被害者が受け入れない限り、政府間で慰安婦問題の『最終的・不可逆的な解決』を宣言しても問題再燃は避けられない」と結論付けた。
 元慰安婦との意思疎通を欠いたことを問題視したほか、朴(パク)槿恵(クネ)前大統領について「慰安婦問題を日韓関係全般と結び付けて解決しようとし、むしろ関係を悪化させた」と稚拙な外交を批判した。
 報告書は合意内容について「日本政府の責任を『道義的』という修飾語なく明示したことは、河野談話などに比べ進展した」と評価。一方で「日本側は合意直後から韓国に設立された財団への拠出は法的責任による賠償ではないと主張。責任問題が完全に解消されない限り、被害者が受給したとしても慰安婦問題が根本的に解決されたとは言えない」と指摘した。
 今回、合意に非公開部分があったことも明らかにした。日本側がソウルの日本大使館前に慰安婦問題を象徴する少女像を建てた市民団体の説得を要請し、韓国側が事実上受け入れていることだ。
 団体から強い反発を呼ぶのは間違いない。
 報告書を受けて韓国政府が合意破棄や見直し要求に踏み出せば日韓関係は制御不能な混乱に陥るだろう。
 ただ報告書はそこまで踏み込んでいるわけではない。両国国民の感情的な対立をエスカレートさせないためにも、両政府は冷静な対応に徹してもらいたい。
■    ■
 2015年12月の日韓合意で、日本は軍の関与と政府の責任を認め、安倍晋三首相が「心からのおわびと反省」を表明した。元慰安婦を支援する財団に10億円を拠出し、「最終的かつ不可逆的な解決」をうたったものだ。
 元慰安婦の7割以上が財団からの現金支給に肯定的な反応を示す一方、受け取りを拒否した人もいる。
 元慰安婦は高齢化が進み、残された時間は少ない。大切なのは筆舌に尽くしがたい苦しみを強いられた元慰安婦の名誉や尊厳を回復し、心の傷を少しでも癒やしていくことである。
 しかし首相が「心からのおわびと反省」を表明したにもかかわらず、国内では在日コリアンに対するヘイトスピーチ(憎悪表現)が後を絶たず、ネット上では「従軍慰安婦は捏造(ねつぞう)だ」などとする言説が飛び交っている。
■    ■
 日韓両国は未来志向の関係を目指すが、首脳同士の相互訪問が途絶えて久しい。
 緊迫する北朝鮮情勢への対応で、本来なら首脳同士の緊密な対話があってしかるべきだ。だが今は関係修復の糸口さえ探るのが難しい状況だ。
 韓国政府は来年2月に開かれる平昌冬季五輪まで、今後の方針を打ち出すことは先送りするという。
 日本政府は韓国政府の国内向け対応を見守りながら、政府間同士の合意履行の重要性を訴えてもらいたい。


慰安婦合意検証 日韓不安定化は避けよ
 従軍慰安婦問題を巡る日韓合意に関し、「被害者の声が十分反映されなかった」とする韓国側の検証報告書が発表された。問題はあったにせよ、日韓関係まで不安定にするべきではない。
 二〇一五年の十二月末に日韓の外相が発表した合意は、「最終的・不可逆的解決」をうたった。民間の専門家らが五カ月かけて検証した結果は、合意を評価するどころか、厳しい批判に満ちていた。
 合意に至る経緯と内容に関する数々の問題点を挙げたうえで、「政府間で解決を宣言しても、問題は再燃するしかない」と指摘した。また合意に非公開の部分があったことも明らかにした。
 確かに合意は唐突だった。両外相が会見して発表したが質問は受け付けず、正式な合意文書も配布されなかった。もちろん被害者への、事前の根回しもなかった。
 外交上の合意は、双方が水面下で協議して実現することが多い。前政権時代のことなら、非公開にされていたやりとりまで公表するという今回のような方法は、韓国外交のマイナスにしかならない。
 報告書は、合意破棄や再交渉までは求めていない。今後は文在寅政権が、この結果を受けて、どう政策に反映させるかに移る。
 市民パワーに後押しされた文氏は大統領選で、合意の再交渉を公約に掲げた。大統領就任後は「大多数の国民が情緒的に受け入れられない」と不満を表明しながらも、再交渉には触れていない。
 逆に文政権は、対日関係では歴史問題と安保・経済協力などを切り離す「ツートラック(二路線)」戦略で臨んでいる。
 日韓両国には共通する課題が多い。経済的、軍事的な影響力を急速に拡大する中国。核・ミサイル開発を放棄しない北朝鮮への対応も、待ったなしだ。
 平昌冬季五輪、東京五輪では、首脳を含めた相互交流が欠かせない。安倍晋三首相と文大統領は電話会談を重ね、すでに一定の信頼関係を築いている。
 歴史問題は重要だが、これだけでせっかく築いた両国関係を停滞させるのは、言うまでもなく得策ではない。
 日本政府も、「被害者の視点を欠いていた」とする報告書の指摘について、謙虚に耳を傾けてほしい。黙殺するだけなら、韓国の世論を刺激し、合意見直しを求める声が高まるかもしれない。
 また、「日本は歴史を忘れようとしている」という誤解さえ招く危険もある。


攻撃型自衛隊への変貌進む、9条改正必要か
 ★読売新聞のスクープのように防衛省は、海上自衛隊のヘリコプター搭載護衛艦「いずも」を攻撃型航空母艦に改修する検討に入った。また米海兵隊のステルス戦闘機F35Bが離着艦出来るようにし、航空自衛隊もF35Bの購入の検討に入ったという。26日、防衛相・小野寺五典は「F35Bの導入や、いずも型護衛艦の改修に向けた具体的な検討は現在、行っていない」と否定した。 ★「いずも」と2番艦「かが」は、護衛艦とは名ばかりで世界的に見れば軽空母と呼べる規模と装備を備えており、「いずも」就航時には中国が「将来の空母改修」を懸念していた。ただ憲法9条により攻撃型の運用が認められないため、駆逐艦級の艦船を護衛艦と呼び、日本政府は海外に自衛隊が進出することや、給油により継続距離を伸ばせる航空機の運用には慎重な対応をしてきた。 ★竹下内閣の防衛庁長官・瓦力(かわら・つとむ)は、同年4月の参議院予算委員会で「憲法第9条第2項で我が国が保持することが禁じられている戦力」について、相手の国土を壊滅するために用いられるICBMや長距離戦略爆撃機などと並んで「攻撃型空母を自衛隊が保有することは許されず」と答弁している。ちなみに76年11月に三木内閣が防衛費はGDP1%以内の枠が閣議決定されるが、米国から防衛力の増加要求が強まり、86年12月に中曽根内閣が撤廃を閣議決定した。 ★政府は来年末までに策定する新たな防衛大綱で攻撃型空母など、歯止めを撤廃する方針だろうが、自民党が守ってきた歯止めを外すのならば、9条改正の必要すらなくなる。政府は米国セールスマンの言いなりか。

森友疑惑で財務次官 “アベ友”田中一穂氏に天下りのご褒美
 またしても“アベ友”優遇人事だ――。2代続けて天下りとなった政府系金融機関「日本政策金融公庫」の総裁人事。25日付で総裁に就任した田中一穂元財務次官(62)は、第1次政権時代に首相秘書官を務めた安倍首相の“大のお気に入り”である。
 そもそも田中氏が次官になったのも、ロコツなアベ友人事だった。前任の次官2人は、いずれも田中氏の同期。同期が3人も次官になることは通常あり得ないのに、安倍首相が押し込んだとみられている。
 今度は政府系金融のトップに天下りさせている。しかし、田中氏は、森友事件が起きた時、財務省の次官をやっていた責任者だ。
「国有地は理財局長の決裁がなければ動かせないし、その際は次官の了承を必ず得ることになります」(財務省OB)というから、疑惑のど真ん中にいた人物である。市民団体から公用文書毀棄罪で刑事告発までされている。政策金融公庫の細川興一前総裁は25日の会見で「人物本位」を強調したが、どこが人物本位なのか。
 待遇は極めて厚い。政策金融公庫によると、総裁の年収は約2400万円。5年ほど総裁のイスに座っていれば、退職金は1600万円を超える。
■ポストをアメに官僚をコントロール
 それにしても、安倍政権による天下り復活はすさまじい。内閣官房が公表している「国家公務員管理職の再就職状況」によると、民主党政権の2012年度の1349人から、第2次安倍政権になって、右肩上がり。昨年度は12年度比3割増の1775人にも上る。4つある政府系金融機関のうち3つは、政権発足後1年以内でトップの天下りをキッチリ復活させている。残る日本政策投資銀行も“時間の問題”だと囁かれている。
 政治評論家の山口朝雄氏が言う。
「官僚を意のままにコントロールするには、政権に歯向かう人物を徹底的に排除する一方、安倍政権に忠誠を誓い、尽くしてくれる役人には、“ご褒美”が必要です。アメですね。それが天下りポストです。安倍政権で天下りが急増しているのは、そういう人事戦略の表れだと思います。国民から見れば、田中総裁誕生は、疑惑の渦中の人なのに、と思うかもしれませんが、佐川国税庁長官同様、森友問題の論功行賞の意味もあるはずです」
 どこまで国民をナメるつもりだ。


香取慎吾が飯島三智マネージャーへの思いを告白!「言葉が見つからないくらいに、この人と一緒に仕事をしたい」
〈「あの人」と一緒に仕事していきたいという僕の思いが、あの二人にも強くあった。〉
 昨日27日発売の「週刊文春」(文藝春秋)2018年1月4日・11日新年特大号で、香取慎吾が登場し、欽ちゃんこと萩本欽一との思い出、独立をめぐる思い、SMAPメンバーとの関係、そしてSMAP育ての親である飯島三智マネージャーに対する強い思いを語っている。
「週刊文春」といえば、これまで数々のSMAPのスキャンダルを報じてきたのはもちろんのこと、何より、メリー喜多川副社長が飯島マネージャーに対し「SMAPを連れて出て行け!」と公開パワハラ説教を行い、SMAP分裂騒動のきっかけをつくった存在である。
 そんな因縁の週刊誌に香取が初登場しただけでも驚きだが、これまで公に語ることのなかった飯島氏に対する思いまで明かしているのだ。
 香取が登場したのは、同誌で「欽ちゃん76歳のボケないキャンパス珍道中」を連載中の萩本欽一との対談。萩本といえば、「慎吾が出ないのなら、僕も出ません!」と『全日本仮装大賞』(日本テレビ)の香取続投を訴えたり、『72時間ホンネテレビ』に萩本の所属事務所・浅井企画の芸人たちが全面協力するなど、独立以降香取らの活動をバックアップしてきたひとりだ。今回の対談も「ぼくは今回、読んだ人がみんな、慎吾の味方になってくれるような対談にしたいと思って臨んだ」という。
 飯島氏の話は、そんな欽ちゃんが、香取のレギュラー番組『おじゃMAP!!』(フジテレビ)にゲスト出演したときのエピソードから出てきたものだった。欽ちゃんは番組で「その人のために頑張れる、という人はいるの?」と質問したとき、香取が「いる」と即答したことを振り返り、「それはどんな人なの?」「慎吾が、そこまで思う人ってのは、どんな人なのかな」とあらためて質問。すると、香取はこう答えたのだ。
「上手く言えないですけれど……言葉が見つからないくらいに、「この人と一緒に仕事をしたい」と思っている人です。」
「例えば、僕が「AとB、どっちを選べばいいですか?」と訊いて、その人が「A」と言えば、「オッケー。あなたが言うならAで」と、ずっとやってきたんです。僕にとっては、そういう風に信じられる人、ということですね」
 欽ちゃんは、「そうか。あえてそれが誰なのかは聞かないし、ここで名前を言う必要はないよ」とそれ以上掘り下げなかったが、これがSMAP育ての親である飯島マネージャーのことを指しているのは明らかだった。
 分裂騒動以降、香取の飯島氏に対する信頼についてはたびたび報じられてきたが、こんなふうに香取自身が飯島氏への思いを語るのは初めてだろう
 しかも、香取は、こうした飯島氏への強い思いが、稲垣吾郎、草なぎ剛にも共通してあったと明かしている。
「実は、僕の方から彼らに「一緒にやろうぜ」と言ったわけではないんです。「あの人」と一緒に仕事していきたいという僕の思いが、あの二人にも同じように強くあった。三人の思う場所が一緒だったから、「じゃあ一緒にやろう」となったんです」
 たしかに、稲垣も「GQ JAPAN」(コンデナスト・ジャパン)2018年1・2月合併号のロングインタビューで、迷いながらも独立を決断した理由についてこんなふうに語っていた。
「もちろん揺れ動く部分も多かったですし。ただやっぱり絶対に捨ててはいけないものというのがあって、それはこの人とやりたいとか、このスタッフと一生やっていきたいとか、そういうことですね」
 ようするに、3人は飯島氏と仕事がしたい、ただその一点を理由に、リスクをおかして、ジャニーズ事務所からの独立に踏み切ったということらしいのだ。
 想像以上の深い絆だが、しかし彼らにしてみれば、これは当然の選択だったのかもしれない。2016年1月のSMAP分裂騒動時の検証記事でも書いたが、SMAPにとって飯島氏はたんに、「育ての親」とか「恩人」というレベルの存在ではない。【http://lite-ra.com/2016/01/post-1896.html
 SMAPが旧来のアイドルを超えた国民的存在になったのは、まさに飯島氏のプロデュースによるものだった。ジャニーズ事務所から見捨てられた存在だった5人の才能を見出し、司会者にキャスター、バラエティ、脇役や性格俳優でのドラマ出演、アーティストとのコラボレーションなど、それまでのジャニーズタレントが絶対やらないような挑戦を次々やらせ、アイドルのありように革命をもたらした。現在、ジャニーズ事務所のタレントがこれだけ活躍できているのも、彼女とSMAPが新しいマーケットを切り開いた結果だ。
 香取は飯島氏を“その人が「A」と言えば、「オッケー。あなたが言うならAで」”と語っているが、飯島氏は彼らに正解以上の「A」を与え続けてきたのだ。3人がリスクをおかしてでももう一度飯島氏と仕事をしたいと考えたのは、浪花節的なものではなく、そのプロデュースへの絶対的信頼感が大きかったのではないだろうか。
 そして、飯島氏は実際に3人の期待に応えてみせた。2トップと呼ばれた人気メンバーがいない、地上波で取り上げてもらえない、共演者が限定される、SMAPの歌が歌えない……いくつもの不利な条件を抱えていた3人だが、そんなことをものともせず、SMAPの始まりの頃のように、次々と新しいチャレンジをやらせることで、そのブランドイメージをむしろ分裂騒動以前より高めていった。
『新しい地図』と名乗るサイトのいきなりの開設。AbemaTVでの『72時間ホンネテレビ』放送、SNSへの挑戦。ネットという新しい世界でゲリラ的に活動する一方、サントリーというナショナルクライアントのCMを新たに獲得したり、パラリンピックサポーターというメジャー感のある仕事もおさえる。これまでジャニーズに限らず大手事務所を独立したタレントたちのように芸能界のしがらみに阻まれて難しいだろうと思われた歌や映画も自力でプロジェクトを立ち上げようとしている。
 とくに印象的だったのが『72時間ホンネテレビ』だ。年下キャラで内向的だった香取が、数々のアイデアを打ち出し2人を引っ張り、この対談の欽ちゃんもそうだが手をさしのべてくれる共演者たちに積極的にからんでいく。5人のなかで埋没しがちだった稲垣が、香取・草なぎの年下仲良しコンビをさりげなく守る姿や、クールなイメージを破って生の感情をさらけ出す姿。まるで解散騒動などなかったかのような草なぎの天然で自由奔放な言動。かつてのSMAPにあった自由な空気を再現しながら、3人の新しい魅力を見事に引き出した。
 こうした活動については、保守的な芸能関係者やジャニーズファンの間から「安売り」だとか「ネットの視聴者数なんてたいしたことがない」などといった揶揄の声も出ているが、飯島氏と3人はこれからも意に介することなく、さらに新しいチャレンジを続けていくようだ。最近も、園子温、爆笑問題の太田光らを監督にする映画の製作が発表され、業界を驚かせた。
 その姿はそれこそ20数年前、飯島氏のプロデュースによって次々と新しいことにチャレンジしていたSMAPの姿に重なって見える。
 2016年1月15日、『SMAP×SMAP』でのあの公開生謝罪の夜、本サイトは「SMAPは死んだ」と書いたが、あのとき止まったSMAPの時計は、飯島氏と3人によって再び動き始めたといってもいいかもしれない。
 いや、3人だけではない。対談のなかで香取は、飯島氏への思いだけでなく、中居正広、木村拓哉についても、踏み込んで語っている。欽ちゃんから「SMAPが慎吾の学校だったとも言えるけど、一番年下の慎吾からみて、メンバーは「先輩」という意識? それとも「仲間」?」と問われた香取は、こう答えた。
「うーん。どっちでもないですね。強いて言えば「お兄ちゃん」という表現が近いかなァ。いちばん上の人たちとは、五歳離れていましたから」
「だから、みんなのことは好きなんだけれど、嫌なことがあれば「ふッざけんな!」と素直に言えるような関係でしたね」
「いちばん上の人たち」というのは、言うまでもなく中居正広、木村拓哉のことだ。先輩というようなかしこまった関係でなく、何でも言い合えるもっと近い存在であったと、騒動をめぐるわだかまりを経たいまも、素直に語っている。
 そしてSMAPの関係性については、常に変化してきたものであると語る。
「僕らの関係はとても不思議で、中学生の頃は学校の延長みたいだったのが、ちょっと年齢を重ねるとお互いを意識し合って会話をしなくなり、またしばらく経つと、気づいたら喋るようになっている……ということを繰り返してきました」
「だから、ふと気づくと彼とは二年くらい一言も喋ってなかったな、とか、別の彼とは「おはよう」も言わない時期があったのに今は話しているな、とか。その中で、みんなとの関係が常に変化してきたというか」
 こうした香取の発言を聞いていると、中居・木村・新しい地図の3人と、「1人、1人、3人」で道が分れてしまったかに見える現在もまた、SMAPという絶えず変わりつづけるグループの過程のひとつに過ぎないのではないか。そんな感じさえしてくる。
 奇しくも、香取が登場している「週刊文春」の同じ号には、「ジャニーズ血脈支配の曲がり角」と題された特集記事で、ジャニー喜多川社長とジュリー副社長ら創業者ファミリーの不協和音やタレントたちの抱える不安や不満、ジャニーズ事務所の行き詰まりがレポートされている。
 ジャニーズ事務所が生き残るために、飯島氏の手腕が絶対に必要というのは、業界関係者の誰もが認めるところだった。にもかかわらずメリー氏は我が子かわいさで飯島氏を追放してしまった。その結果がこれだ。
 あの騒動で終わったのはSMAPではなく、ジャニーズ事務所のほうだったのかもしれない。(本田コッペ)


パックンが深堀り! 今年の政治のキーワード「リベラル」ってそもそも何?
小池百合子氏に排除された「リベラル」の本来の意味、その変遷をパックンがわかりやすく解説!
2017年は政治の景色が様変わりした1年だった。秋の総選挙では民進党が分裂、結果的に立憲民主党の躍進に繋がったが、この時、キーワードになったのが希望の党の小池百合子代表(当時)が放った「リベラルは排除します」という言葉。
「リベラル」って堂々と「排除します」と言われてしまうモノなんだ…と驚きつつ、よく考えてみると日本における「リベラル」の定義は曖昧(あいまい)で、何を指しているのかよくわからない。
日本のリベラルとアメリカのそれは同じなのか? そもそもリベラルとはなんなのか? 「週プレ外国人記者クラブ」第102回は年末スペシャル編として、来日24年のアメリカ人マルチタレント、「パックンマックン」のパックンこと、パトリック・ハーラン氏に聞いた――。
***
―日本における「リベラル」や「保守」の色分けって曖昧でわかりにくい…ということで、アメリカと日本、ふたつの社会に生きてきたパックンに聞く「リベラルとは何か?」というのが今日のお題です。
パックン いいテーマです! まず、日本で最も保守的な政党の英語名が「リベラル・デモクラティック・パーティ(自由民主党)」ですよね。
―そうですね。排除されなくていいのかな? 
パックン ね! 1955年に自由党と民主党が合併して自民党が誕生した当時は、「自由」も「民主」も今よりは素敵な響きを持っていたと思うし、名は体(たい)を表すというか、「自由民主党」という党名が意味するものは明確だったと思うんです。余談ですが、それと比べて「希望の党」って漠然としすぎているし、もうちょっと政治理念を党名に表してもいいんじゃないかなと思います。その点、立憲民主党はわかりやすいですけど。
一般的に、日本では自民は右で、民進・共産・社民などは左と解釈されてきたけど、実際にそれぞれの政策を見てみると、例えば原発推進派が民進党にいたりして、左右の違いがそれほど明確ではない場合も多い。特に民進党は、党内に右派・左派が複雑に混在していたために党としても政治理念が見えず、非・自民党支持者の受け皿となれなかった。
そういう意味では、総選挙で希望の党は「いい仕事」をしてくれましたよね。小池さんの「リベラルは排除します」は、「排除」というイメージの悪い言葉を使ったという点でダメというか、小池さんらしくないと思うんだけど、あの発言で民進党内のリベラルと保守の色分けがわかりやすくなりましたからね。そのおかげで、立憲民主党を立ち上げた枝野さんは「排除する」という言葉を使わずに、非リベラルを「排除」することができた! そういう意味ではよかったんじゃないですか。
とはいえ日本の場合、立憲民主党の左は「まあまあ左」という程度だし、自民党の右は「やや右」であって、どちらも政治的には狭い触れ幅の中で分かれているという印象で、政策的な境界線には曖昧な部分も多い。アメリカ人から見たら、あるいはヨーロッパ人から見てもそうかもしれないけど、日本の政治を「こっちはリベラルで、こっちは保守」と選別するのは、我々の目から見ると難しく感じることも少なくありません。
というのも、アメリカ人は「リベラルvs保守」という二極体制の政治構造に生まれた時から慣れているので、あらゆる政治的問題において「これはリベラル派の考え方」、「これは保守派の考え方」というふうに明確に区切ることができる場合が多いんです。
―それはそのまま、アメリカではリベラル=民主党、保守=共和党という色分けになりますか?
パックン 基本的にはそうですね。ただ、アメリカの場合もそうとは言い切れないケースもあります。例えば、昨年の大統領選でヒラリー・クリントンと民主党候補を争ったバーニー・サンダースは、自ら社会主義者と名乗るほどリベラルの代表というイメージですが、実は「銃規制反対」の立場です。
また、オバマ政権が作ったアメリカ初の国民皆保険制度と言われるオバマケアだって、日本の国民健康保険のような公的保険じゃなくて、国民が民間の保険会社と契約する形になっています。これは企業が一番喜ぶパターンですし、元々、保守派の案でした。だから、オバマ前大統領はリベラルと言われているけど、ヨーロッパのリベラルから見ると、ちょっと違うんじゃないかな。
ただし、そんなオバマでさえ、米国内では「社会主義」だと言われてしまうんです。このようにアメリカは全体的に「右の国」であって、右の人たちはリベラルという言葉を社会主義と同じレベルでの「けなし文句」として使っています。
―なるほど。すると小池さんが放った「リベラルは排除します」の「リベラル」は、そうした「けなし文句」としてのリベラルに近いのかもしれませんね。ところで、アメリカにおけるリベラル/保守のカテゴライズの基準って具体的にはなんでしょう?
パックン リベラルや保守の定義って、実は時代によっても変わるものだと思うのですが、現在のアメリカだとリベラルは「政府の力で弱者やマイノリティを守る」ことを優先する人たちで、保守は「政府の邪魔から企業を守る」ことを優先する人たちだと考えていい気がしますね。ただし、アメリカでもリベラルや保守の定義、考え方は時代によって大きく変化しているんです。
ここで少し、リベラルという言葉の本来的な意味について触れておきたいのですが、リベラルの語源は「リベラリズム=自由主義」ですよね。これって、元々は政府が個人の自由を侵害しないという考え方です。自由を守るためにはどんどん規制を撤廃していく。経済活動の自由を守るために、あまり税金も取らない。当然、税収が減るから公共事業や公的サービスの予算が削られ、「小さな政府」になる。つまり、本来は「リベラル=小さな政府」なんです。
ところが、今はそれが逆転していて、リベラルは弱者への社会保障を充実させようとする「大きな政府」を志向し、保守は逆に「小さな政府」を打ち出している。そして、この「小さな政府」は企業の自由を守ると考えます。規制を撤廃する、税金を減らして政府による「富の再分配」の役割を小さくする代わりに市場での競争と自己責任を重視する考え方です。
この主調の逆転の背景には、共和党の大成功した戦略があります。敬虔なキリスト教徒の社会的保守派と企業を保護する経済的保守派を巧妙に結びつけたのです。本来、このふたつは相反する。キリストの真の教えは何かというと「隣人を愛すること」…つまり、弱者救済ですからね。どっちかといえば、今で言うリベラルの考え方に近いはず。
ところが、共和党は50〜60年代から、牧師たちに支援金を渡しながら、何万人も入るスタジアムで説教させました。そこでの教えは「成功した人は神様に選ばれた人」というもの。イエス・キリストは、お金持ちが天国に行くのは「ラクダが針の穴を通るくらい難しい」と教えていました。ところがこの牧師たちは、神様は我々ひとりひとりが頑張って豊かさを勝ち取ることを望んでおられると教え、「お金持ち=善」となったのです。
―競争と自己責任を肯定するわけですね。じゃあ実業家として大金持ちになったトランプ大統領なんて「大善人」だ!
パックン そうです! イエス・キリストは財産にしがみつくなと教えていたんですけど、「お金持ちはお金持ちのままでいいよ」と言われたほうがずっと楽ですよね。このようにして、共和党は神様をも自分たちのものにして、巧妙にキリスト教徒のハートを掴んだ。さらに「ファミリー・バリューズ」といって「家族的道徳」を喧伝して、例えば中絶反対、同性婚反対、銃規制反対などを理論化していった。
アメリカでは1973年に中絶を規制する国内法を違憲とする最高裁判決が出て、中絶は女性の権利として認められています。しかし現在、共和党の動きによって、中絶する医師には特別な資格が必要だとか、特別な施設が必要だとかどんどん規制をかけて、事実上できない環境にしているんですよ。その一方で、共和党は貧困層に生まれた赤ちゃんを救済する法律には異を唱える。それのどこが家族的道徳なんだよ!と我々リベラルは思うわけですけど。
―キリスト教徒が中絶や同性婚に反対するのはなんとなくわかるけど、銃規制反対というのはどういう理屈なんですか?
パックン やや複雑ですが、そういう保守的なキリスト教徒は地方に住む人が多くて、この人たちの気持ちを煽(あお)るためには銃の問題を持ち出すことが効果的なんです。共和党のレトリックは善悪をハッキリさせること。世の中には悪人がいる、悪人を止める唯一の手段は善人が銃を持つことだ、銃は家族を守るための必需品だという論理です。
―我々、普通の日本人にはなかなか理解しがたい理屈ですが…(汗)。


日本は「慰安婦」被害者の名誉回復の意義に立ち返れ
 韓日慰安婦合意の経緯を検討したタスクフォース(検証結果)の発表で、2015年の韓日政府間の合意の隠されていた部分が明らかになり、国民の怒りが煮えたっている。文在寅(ムンジェイン)大統領は28日「重大な欠陥があったことが確認された」として「この合意で慰安婦問題が解決されることはできないという点を国民と共にはっきりと明らかにする」と述べた。事実上の「追加協議」を示唆すると解釈することもできる。
 しかし日本の安倍首相は検証結果の発表後「合意は1ミリも動かない」と話したと伝えらている。河野外相も「前の政権がやったことは知らないということでは、今後何事においても日韓が合意するのは難しくなる」、「非公表を前提にしているものを一方的に公表したのはいかがなものか。極めて遺憾だ」と主張した。日本が指摘する「合意形式の妥当性」にはもちろん一理がある。しかし「合意を守りなさい」と声を高める日本のマスコミでさえ「慰安婦合意の核となる精神は、慰安婦被害者の名誉と尊厳の回復にある」(朝日新聞)、「日本政府も『被害者の視点を欠いていた』とする報告書の指摘に謙虚に耳を傾けてほしい」(東京新聞)と言及している点に日本政府も注目すべきである。
 韓日両政府は合意をなぜ成そうとしたのかその根本的な理由に立ち返るべきである。長い年月が経ったのでもう「未来」だけ見て適当にふたをして過ぎ去らせようとしたのではなかろうか。2015年の合意案に「被害者の名誉や尊厳の視点」が入っていると果たして言えるだろうか。当時の主な内容を「非公開」にしたのは誰のためだったのか。結局は政権に負担になる内容を隠そうとしたのではないか。このような問いに当時合意をした両国政府の当局は明確に答えねばならない責任がある。それでも「とにかく合意をしたのだから守りなさい」と主張するのは「慰安婦被害者の名誉」はもちろん、国際社会での日本の地位向上にも全く役に立たないだろう。
 慰安婦問題の合意は、互いに有利なことをやりとりするような通商協定とは性格が全く違う。歴史的意味と人類共通の価値を再確認する崇高な作業だ。これを密室でやりとりするように「取り引き」して両国国民に隠して嘘をついていたことは容認できない。単に朴槿恵(パク・クネ)政権の無能と身勝手ぶりだけを恨むのではなく、日本の安倍政権もまたこの責任を厳重に負うのが当然だ。日本政府は両国が合意になぜ乗り出したかを今からでも振り返り、いかにすることが韓国と日本の未来指向的関係に役立つのか、深く考えるべきである。

昨日に続いてお掃除/フェリー/そばのすする音が

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Interpellée sur Twitter par un sans-abri, la mairie de Paris décide de retirer des barrières anti-SDF
Les barrières ont été installées "il y a huit ans" sur des grilles d'aération.
PARIS - "La honte", "inhumain", un "scandale"... Les messages d'indignation se sont multipliés sur Twitter lundi 25 et mardi 26 décembre à destination de la mairie de Paris, en réponse à la photo postée par un sans-abri sur le réseau social. Celle-ci montrait des barrières installées sur des grilles d'aération, "où parfois se posaient les SDF". La mairie a assuré qu'elles allaient être retirées.
Les barrières, installées sur le trottoir d'une rue du 19 arrondissement de la capitale, sont disposées sur deux grilles d'aération comme il en existe partout dans la ville, et dont certaines diffusent de l'air chaud. Pour le SDF à l'origine du tweet comme pour bon nombre d'internautes, l'installation s'apparente à du mobilier urbain dissuasif, destiné à empêcher les SDF de s'installer dans la rue.
Interrogée par franceinfo, la mairie de Paris a reconnu mardi que cette installation avait pour but "d'empêcher les installations" de sans-abri. Mais elle explique que les barrières ont été posées "il y a huit ans", avant le mandat d'Anne Hidalgo. Un coup d'oeil sur Google Maps permet de confirmer qu'elles ont fait leur apparition dans la rue "entre mai 2008 et septembre 2010".
Sur Twitter, le conseiller en communication d'Anne Hidalgo assure que "la ville de Paris ne pratique pas les installations dites 'anti-sdf'". En revanche, les propriétaires privés peuvent y avoir recours, comme le dénoncent la fondation Abbé Pierre et Emmaüs Solidarité avec le mot-clé "#SoyonsHumains".
Interrogés par France Bleu, des riverains ont expliqué que des SDF s'installaient régulièrement sur ces grilles d'aération. "Certains avaient installé un matelas et dormaient à quatre ou cinq dessus il y a quelques années", raconte ainsi Chantal, une habitante de l'immeuble adjacent. Des pétitions avaient été adressées à la mairie pour faire part de nuisances provoquées par l'installation des sans-abri, d'après la radio.
De son côté, le maire du 19e arrondissement de Paris François Dagnaud, en poste depuis 2013, a expliqué que les barrières avaient été installées "pour préserver l'accessibilité d'une bouche CPCU (Compagnie parisienne de chauffage urbain, ndlr)", destinée à accéder à des canalisations. "En fonctionnement normal, aucune émission de chaleur à cet endroit", assure-t-il par ailleurs.
"La pose de ces grilles a été portée à notre connaissance hier via les réseaux sociaux. Dès que nous en avons eu connaissance, Anne Hidalgo a demandé leur retrait sans délais", a expliqué la mairie à franceinfo. La décision a été saluée par Christian Page, le sans-abri à l'origine du tweet.
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十三シアターセブン @juso_theater7
【映画】1/6(土)〜『その街のこども 劇場版』今年もシアターセブンにて上映。こどもの頃に震災を経験し、今は東京で暮らす勇治(森山未來)と美夏(佐藤江梨子)は、追悼のつどいが行われる前日に神戸で偶然知り合い、震災15年目の朝を迎えるまでの時間を共に過ごすことになる http://www.theater-seven.com/2017/movie_sonomachi-17.html


昨日に続いてお掃除.ここしばらくサボってきたのを少しだけですがキレイにできたのはよかったです.でもまだまだ道は遠いです.
志布志行きのフェリーに乗りました.バイキングで食べ過ぎてしまいました.そばのすする音が気になってしまいます.
暑くてなかなか眠れません.

震災後誕生の子 心の影響調査へ
東日本大震災から間もなく7年になる中、震災後に生まれた子どもたちの間で、落ち着かない様子などが見られるといった相談が相次いでいることから、被災地で心のケアに取り組む研究グループが、初めて、東北の被災3県で大規模な調査に乗り出すことになりました。
震災から間もなく7年となり、来年4月には震災後に生まれた子どもたちが小学校に入学します。
こうした中、乳児期に被災したり震災後に生まれたりした子どもたちの間で、衝動的だったり、落ち着かなかったりする様子などが見られるという相談が、心のケアに取り組んでいる大学教授らの研究グループに相次いでいるということです。
震災をきっかけに家庭の経済状況が厳しくなったり、親が精神的に不安定になったりしているケースもあるということで、研究グループは親や周囲の人が抱える震災のストレスの影響を受けている可能性があると指摘しています。
このため、実態の解明に向け、年明けに社団法人を立ち上げて岩手・福島両県も含めた被災3県で大規模な調査を行い、子どもの心の状態や必要な支援などについてまとめることにしています。
研究グループによりますと、こうした調査は全国でも初めてだということです。
宮城学院女子大学の足立智昭教授は、「大規模災害での子どもへの長期的な影響調査は、これまで資料がない。震災で子どもたちに何が起きているのかを記録に残し、支援につなげていきたい」と話しています。


響け!希望の音色 津波被災のビッグバンドが創立25年コンサート「ジャズの灯を消したくない」
 宮城県気仙沼市のジュニアジャズビッグバンド「スウィングドルフィンズ」が今年で創立25年目を迎えた。東日本大震災で楽器や練習場所を失うなど、多くの困難を乗り越えてきた。23日には同市で記念のクリスマスコンサートを開催。響かせた希望の音色に、訪れた市民から大きな拍手が送られた。
 コンサートでは「ハウ・ハイ・ザ・ムーン」「キャラバン」などのスタンダードナンバーから、ラテンやロックまで15曲を披露。生き生きとした演奏ぶりに会場は沸いた。
 ドルフィンズには現在、小学4年〜高校2年の15人とOG2人の17人が在籍。毎週日曜午後1〜4時、同市の水梨コミュニティセンターなどに集まり練習している。
 学校週5日制導入で休みが増えたことをきっかけに1993年設立。児童・生徒の居場所づくりとともに、音楽を通じて協調性や主体性のある子どもを育てようと、地元のジャズ愛好家らがボランティアで指導に当たってきた。
 震災では当時のメンバーや指導者の多くが被災。練習場所や楽器・楽譜を津波で失うなど、存続が危ぶまれた。
 しかし、国内の支援団体が米国のライブハウスからの寄付を使って楽器を寄贈。避難所での演奏を通じ被災者を励まし、2013年にはジャズの古里、米ニューオーリンズ市で公演した。
 今回は避難所などでの演奏を除いて、震災後に地元で開く初めての単独コンサート。テナーサックス担当の津谷中3年森天音(あまね)さん(14)は「ジャズが大好き。大勢の人に聴いてもらう機会は少ないので、うれしい」と満足そうに話す。
 創設から関わってきた運営委員会会長で中学校教諭の菅野敏夫さん(59)は「気仙沼に音楽文化を根付かせ、音楽好きな子どもを育てようと努力してきた。しかし、まだまだ道半ば」と振り返る。
 少子化や、震災による人口流出もあり、メンバーの確保が課題だ。ドルフィンズは「ジャズの灯を消したくない。気軽に練習の様子を見てもらえれば」と、新入会員を歓迎している。


スピーディーな意思決定、人材育成、情報共有…業務前進へ 復興派遣職員が石巻市に提言
 東日本大震災の復旧復興事業のため他自治体から石巻市に派遣されている有志職員7人がプロジェクトチームを結成し、業務を前進させるための3項目を市に提案した。外部の視点を石巻市の市政運営に反映させようとする珍しい取り組み。有志職員は「できることから業務のスリム化を図ってほしい」と話す。
 プロジェクトチームは派遣1、2年目の有志7人で6月に結成。仙台市や千葉市、広島市などから来た20〜40代の職員が毎週水曜日の終業後に計21回集まり、日頃感じている課題を出し合った。
 メンバーが共有する問題意識は、復興期間の終わりを見据えた業務の効率化だ。12月1日現在、派遣を含めた市職員は約2150人で、通常時に比べて約500人多い。今後、復興支援の職員が減れば1人当たりの仕事量の増加が予想され、事前に改善できる点は見直してほしいと検討を重ねた。
 結果は今月4日、市役所であった内部の会議で亀山紘市長ら市幹部に提案。主な内容は(1)スピーディーな意思決定(2)人材(人財)育成制度(3)情報共有の改善−の三つで、決裁ルートから不必要な職員を外して情報共有をスムーズにしたり、新規採用した職員の育成制度を導入したりする案を盛り込んだ。
 3項目の他にも市長と若手職員のランチミーティング、公用車運転日誌の押印廃止なども業務推進のアイデアとして示した。
 中心となった障害福祉課の渡辺あゆみさん(39)と道路課の小野力さん(27)は「全国の派遣職員が集まっているのは石巻のメリット。他自治体の事例を交えて提案することで、仕事の効率が少しでも良くなるきっかけになればうれしい」と語る。


宮古・田老の仮設商店街「たろちゃんハウス」今月末で営業終了 支え支えられ商いつなぐ
 東日本大震災で被災した岩手県宮古市田老地区にある仮設商店街「たろちゃんハウス」が、31日で営業を終了する。震災から半年後の2011年9月にオープンして以来、同じ敷地に立ち並ぶ市内最大の仮設住宅団地「グリーンピア団地」の被災者の生活を支えてきた。大半の店は既にそれぞれ別の場所で再出発しており、最後に残った1店も新天地に移る。
 たろちゃんハウスには食料品店、食堂、理髪店など22店舗が入居していた。このうち19店舗は再建を果たし、2店舗は廃業。食料品店「山長商店」が最後までのれんを掲げてきた。
 山長商店の山本悦治さん(53)は「仮設店舗のおかげで商売を続けられた。これからもお世話になった地域の皆さんに喜んでもらえるよう、商いに精を出したい」と話す。新店舗は来年2月、道の駅「たろう」内に完成予定だという。
 仮設商店街の店主らでつくった「たろちゃん協同組合」は、今後も互助組織として残す。理事長の箱石英夫さん(64)は「これからが本当のスタート。田老を取り巻く環境は変わっていくが、力を合わせて乗り切りたい」と前を向く。
 市は、たろちゃんハウスの退去期限を当初16年9月としていたが、建築資材の高騰や人手不足で店舗の再建が遅れ、延長措置を3回繰り返してきた。
 隣接するグリーンピア団地には最も多いときで407戸1039人が暮らしていたが、11月末現在で24戸46人に減少。一部では解体工事も始まっている。


「水位15.1M」津波の高さと脅威伝えるGSの被災看板撤去へ 国道かさ上げ、保管が困難
 東日本大震災の津波の高さを伝える陸前高田市のガソリンスタンド「オカモトセルフ陸前高田」の鉄柱看板が、国道45号のかさ上げ工事に伴い、来年7月までに撤去される見通しになった。
 看板上部のパネルには震災後、「津波水位15.1M(メートル)」と記した矢印を掲示。剥落やへこみをあえてそのまま残し、津波の脅威を伝えてきた。
 陸前高田店は移転することになり、担当チーフの杉村幸亮さん(24)は「津波の高さが一目見て分かる看板。ここで営業を続けたかった」と惜しむ。
 看板は屋外広告の規制が強化される以前の設置のため、店舗移転先に移設することもできない。市に保管や展示を相談したが、これも難しいという。
 震災後の2012年に営業を再開したスタンドの周辺は、震災遺構として保存される旧道の駅「タピック45」以外の建物が取り壊され、今も看板を見上げて写真に収める人が少なくない。
 震災当時、避難した高台から街並みとともに看板が津波にのまれるのを見た元従業員は「家族や家を失った人たちのことを思えば、撤去した方がいい」と語った。


津波に耐えた「かしまの一本松」伐採 福島 南相馬
東日本大震災の津波に耐えて残った「奇跡の松」として知られる、福島県南相馬市の「かしまの一本松」が海水につかった影響で枯れてしまったことなどから、27日、地元の人たちに惜しまれつつ伐採されました。
「かしまの一本松」は、東日本大震災の津波で大きな被害を受けた、南相馬市鹿島区の沿岸にある高さ25メートルのクロマツです。
津波に耐えて1本だけ残った「奇跡の松」と呼ばれ、復興を目指す希望の象徴として地域の人たちが大切にしてきました。
しかし、幹の根元が長い間、海水につかっていたため次第に枯れたことや、一帯に防災林を整備することが決まったことから伐採されることになりました。
27日は、一本松との別れを惜しむ式典が開かれ、地元の住民およそ100人が集まりました。
そして、住民を代表して鎌田由人さんが、「この松は地区の希望でした。この松との思い出は永遠に残ります。ありがとう、さようなら」と別れの言葉を述べたあと、一本松はチェーンソーで伐採され、震災から6年9か月の間、被災地を見守り続けてきた役目を終えました。
伐採された松は表札の材料として生まれ変わり、住民に利用されるということです。


南相馬・鹿島 津波耐えた一本松に別れ 復興の象徴
 東日本大震災の大津波に耐えた、福島県南相馬市鹿島区南右田の「かしまの一本松」が27日に伐採された。市民らが復興のシンボルとして保存活動を進めたものの、高潮の影響で立ち枯れが進んでいた。防災林の一角には、一本松の枝や種から育てた苗木が植えられる予定だ。
 市民らでつくる「かしまの一本松を守る会」のメンバーが保護活動を続けたが、海水による衰弱は止まらず、伐採が決まった。【高井瞳】


<女川原発>避難計画検証、地元の同意…課題山積、再稼働見通せず
 東北電力が2018年度後半以降の再稼働を目指す女川原発2号機(宮城県女川町、石巻市)を巡る原子力規制委員会の審査は終盤を迎えた。審査に合格しても、原子力災害に備えた住民の広域避難計画の検証や地元同意など課題は山積する。再稼働時期はなお見通せない。
 女川2号機の30キロ圏内の宮城県内7市町には約21万人が暮らす。これまで全自治体が県内33市町村に避難する広域避難計画を策定したほか、12月に女川町、石巻市、東松島市が原発事故を想定した協定を避難先の自治体と結んだ。
 町民の避難先となる栗原市と協定を締結した須田善明女川町長は「大きな一歩」と評価しつつ、「実際に避難となれば段階に応じてやるべきことがたくさん出てくる」と指摘する。
 自力避難できない人をバスで避難させる対応も途上だ。県によると、在宅の避難行動要支援者は7市町に約8000人いる。車など移動手段を持たない人もおり、バス利用者の総数さえ精査できていない。
 ある自治体関係者は「原発事故は地震などが起因する複合災害の可能性が高い。県にはその想定もない」と実効性を懸念する。
 再稼働に同意が必要な「地元」の範囲も意見は分かれる。
 河北新報社が実施した県内35市町村長へのアンケートで、地元の範囲を村井嘉浩知事が主張する「立地する県と女川町、石巻市」と答えた首長は7人。原発30キロ圏の緊急防護措置区域(UPZ)内の7市町を地元と見なす回答は14人で最多だった。
 地元の範囲に法的な規定はなく、川勝平太静岡県知事はUPZ内を同意の対象と表明。日本原子力発電が東海第2原発(茨城県)の同意対象を周辺自治体に広げると発表するなど、広範囲の民意をくみ取る動きが表れている。
 10月の宮城県知事選は再稼働反対を訴える新人が立候補したが、4選された村井知事は争点とせず、有権者から「原発にどう向き合うのか分からなかった」との声が聞かれた。
 再稼働の是非について、村井知事は「国や県の有識者検討会の判断を待つ」と繰り返し、地元同意の範囲見直しに慎重な姿勢を崩していない。


<女川原発>再稼動申請から4年 最終判断は2号機の耐震焦点
 原子力規制委員会による東北電力女川原発2号機(宮城県女川町、石巻市)の再稼働審査は27日、申請から4年になる。規制委は女川2号機を集中議論するチームを設けるなど審査は終盤の様相だ。東北電は2018年度後半以降の再稼働に向け、18年5月までに審査項目の説明を終えたい考えだが、東日本大震災で被災した原発だけに、最終判断の局面では耐震強度が大きな焦点となる。(報道部・高橋鉄男)
<東北電「早期に」>
 審査会合はこれまで99回開催した。8月に耐震設計の目安となる基準地震動が確定し、地震・津波分野がほぼ終了。審査は重大事故対策を中心とした設備分野に移った。月数回だった論点整理の非公開のヒアリングは、10月が9回、11月は14回と急増した。
 東北電の原田宏哉社長は「着実に審査が進展している」と評価した上で「効率的に審査を進めるため、一つ一つの説明を充実させ早期に終わるようにしたい」と語り、来春に審査項目の説明を終わらせたいとの意向を示す。
 審査を巡って規制委は10月、沸騰水型軽水炉(BWR)の設備分野を担当するチームを2から3に増やし、うち一つを「女川2号機を集中的に審議する担当」(規制委)に再編した。
 BWRで並行審査してきた日本原子力発電東海第2(茨城県)や中部電力浜岡4号機(静岡県)、中国電力島根2号機(島根県)のうち、基準地震動が固まったのは女川2号機が2例目。1例目の東海第2は技術的審査が終了しており、次は女川2号機を先行させる方針とみられる。


河北春秋
 ケンカして絶交中の裕太から届いた年賀状には、「あけまして ごめん」とあった。「ぼく」は一枚だけ取っておいたはがきを直接、裕太の家の郵便受けに入れる。転校する友と仲直りするために。重松清さんの小説『あいつの年賀状』である▼5年生ならともかく、遠方の相手も多い大人はこうはいくまい。予期せぬ人からの年賀状に慌てぬよう、先方にも慌てさせぬよう、まだの方は急ぎ投函(とうかん)を。通常はがきは62円に値上がりしたが、年賀はがきは52円のまま。ただし、来年1月8日以降は10円分の切手を足す必要がありますよ▼日本郵便によると、一度に多くの量を配達する年賀状はコストを抑えやすく、値段を据え置けた。拍手。先月、宮城で行われた全日本実業団女子駅伝で日本郵政グループをもう少し応援しておけば良かったか。ちなみにはがきに差額が生じるのは1967年以来。この年用の年賀4円、通常5円だった▼山下清の『栗』(38年)は古切手を重ねて作った貼り絵だ。イガの厚みある質感が印象的だが、戦争の陰濃く、色紙(いろがみ)が手に入らなかったことも背景にある▼画伯には申し訳ないけれど、切手に世話になるにしてもこんな形はごめんだと、少しきなくさい平成の年の瀬に思う。<賀状書く鍋の煮豆の音ききつ 稲葉より恵>

安倍政権発足5年 「国難」政治に終止符を
 第2次安倍政権の発足から5年。安倍晋三首相は「これからも国民のために頑張る」と述べた。果たして「国民」の中に沖縄県民は含まれているのだろうか。
 県民はこの間、米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古への新基地建設に反対する民意を知事選や国政選挙などで、明確に表明してきた。圧倒的な民意をこれまで無視し続けておいて、安倍首相は「これからも国民のために」と言うのである。沖縄のことは念頭にないのだろう。
 安倍首相は2014年2月を起点に普天間飛行場の5年以内の運用停止を約束した。だが、翁長雄志知事の協力が得られないとし、今年2月の衆院予算委員会で断念を表明した。運用停止は埋め立て承認を得るための「空手形」に過ぎなかったことは明らかだ。にもかかわらず、翁長知事に責任転嫁するのである。
 11月の日米首脳会談で「辺野古移設が普天間の継続的な使用を回避する唯一の解決策」と確認した。辺野古埋め立て作業開始から新基地の完成までは約10年はかかる。普天間飛行場の危険性を約10年も放置することが解決策になるはずがない。
 安倍政権が5年も続いたことを裏返せば、県民は新基地建設で、安倍政権の強権姿勢に5年もさらされたということである。
 安倍首相は来年9月の自民党総裁選について態度を表明していないが、宿願である憲法改正実現のため、3選を目指しているのは間違いない。有力な「ポスト安倍」がいない現状では、安倍政権が21年秋まで続く可能性が高い。
 安倍首相は12年の政権奪還後も国政選挙で連勝し「安倍1強」体制を築いた。選挙で勝利すれば、安倍政権が信任されたと強弁して、特定秘密保護法や安全保障関連法などを、国民の根強い反対を無視して成立させてきた。先の通常国会では委員会採決を省略し、禁じ手である「中間報告」による本会議採決で「共謀罪」法を成立させた。
 加計学園問題を巡り、野党は6月に憲法規定に基づき臨時国会の召集を求めた。だが安倍首相は3カ月待たせた揚げ句、臨時国会冒頭で衆院を解散した。
 共同通信が11月に実施した世論調査では「安倍首相が3選して首相を続けてほしい」は41・0%。「続けてほしくない」が51・2%で上回った。安倍政権の「おごり」の反映である。
 安倍首相の5年を表す言葉にふさわしいのは「言行不一致」である。「沖縄の気持ちに寄り添う」と述べる一方で、新基地建設に向けた作業を強行している。森友・加計問題での丁寧な審議や、分かりやすい説明の約束はいまだに果たされていない。
 このような不誠実極まる安倍政治があと4年も続くのであれば、これこそ「国難」である。国民の力で終止符を打ちたい。


安倍政権5年  異論に耳貸す謙虚こそ
 第2次安倍晋三政権発足後、5年を迎えた。安倍首相はきのう、「さまざまな壁があったが、国民の力強い支持を力に乗り越えることができた」と振り返った。
 「いざなぎ景気」超えの景気拡大に、「アベノミクス」の成果を誇示する。とはいえ実感が湧かないのは多くの国民の認識だろう。
 日銀の異次元緩和が円安、株高を呼んだ。だが堅調な企業業績とは裏腹に、将来不安が根強く個人消費は伸び悩む。金融緩和や財政出動を繰り返しながら、所得増につながる成長戦略を打ち出せなかったことを総括する必要がある。
 政権は内閣支持率の下降をにらみつつ内閣改造のたびに「女性活躍」「地方創生」「1億総活躍」と目玉政策の看板を掛け替えて目先を変えた。目下は「働き方改革」「人づくり革命」である。
 看板施策をどのように実行に移し、どんな成果を残してきたのだろうか。実効ある政策とするには「プラン(計画)・ドゥ(実行)・チェック(評価)・アクション(改善)」が求められる。目新しさに惑わされてはなるまい。
 例えば「待機児童ゼロ」は3年先送りされた。安倍政権は保育の枠を増やし、2017年度末までに待機児童を解消すると宣言。保育所整備は進んだものの、保育のニーズがそれを上回った。なぜ読み違ったのか。子育てしやすい社会を政策に掲げるならば、未達成施策の検証が欠かせない。
 安倍首相は政権復帰を果たした12年末の衆院選以降、国政選挙で5連勝した。「安倍1強」の政権基盤を背景に、選挙戦で争点化を避けた特定秘密保護法や安全保障関連法、いわゆる「共謀罪」法などを次々と成立させてきた。
 いずれも国論を二分したにもかかわらず、数の力で国会審議を強引に打ち切る政治手法は同じだ。「多弱」の野党の力不足や迷走こそが「1強」のおごりを許してしまった。政治に緊張感を与えるのは健全な野党の責任であろう。
 憲法改正は安倍首相の宿願である。ただ世論調査では安倍政権下での改憲に半数以上が反対している。そもそも憲法のどこが問題で、どう変えればいいか、議論は十分とは言えない。国民の意見を踏まえて党内論議を重ね、国会の場で熟議を尽くすのが筋であろう。
 安倍首相は、来秋の自民党総裁選での3選をにらんで足場を固め、長期政権を狙う。いま首相に求められているのは、党内外の異論にも耳を傾ける謙虚さ、真摯(しんし)さを心掛ける政治姿勢ではないか。


[安倍政権5年] 謙虚な政治を求めたい
 安倍晋三首相が政権に復帰してから丸5年を迎えた。
 安倍政権は堅調な内閣支持率を後ろ盾に「1強」体制を構築し、長期政権の地歩を固めている。
 政権の特徴は強権的な体質にある。巨大与党の数の力を背景に特定秘密保護法や安全保障法制、「共謀罪」法など国論を二分する法律を強行成立させてきた。
 憲法や国会を軽んじる政治姿勢は歴代政権の中でも際立つ。民主政治の土台を掘り崩し、国民の分断につながりかねない行為だ。
 1強政治がおごりや緩みを生じさせている。首相は率先して襟を正すべきだ。異論に耳を傾ける度量や謙虚さを求めたい。
 安倍首相は2012年12月の自民党両院議員総会で「強い経済を取り戻し、誇りに思える日本を取り戻すことが課せられた使命だ」と述べた。
 経済面では、「アベノミクス」という大規模金融緩和と財政出動による円安株高で企業収益は増え、名目国内総生産(GDP)や有効求人倍率は改善した。
 しかし、政権が誇るほどの成果とは言い難い。最大の懸案であるデフレ脱却は達成できず、地方では景気回復の実感は乏しい。「地方創生」「女性活躍」などスローガンを次々に打ち出したが、政策の看板掛け替えの面が強い。
 外交面では「地球儀を俯瞰(ふかん)する外交」を掲げ、5年間の訪問先は70の国・地域に上った。先進国首脳の中で存在感を高めたことは確かである。
 だが、核・ミサイル開発を強行する北朝鮮との対話の糸口はつかめず、拉致問題の解決も見通しが立たない。トランプ米大統領との蜜月関係は日本外交の自主性を損なうリスクもはらむ。
 自民党では、15年秋の党総裁選で安倍首相の無投票再選が決まり責任のある政策論争の機会が失われた。党内で首相に一線を画する勢力は皆無に近い。
 一方、14年には内閣人事局が発足し、官邸主導の人事が相次いだ。こうした流れが官邸の顔色をうかがう「忖度(そんたく)政治」を強める結果となった。森友・加計学園問題が生じた一因だろう。
 首相の原動力は10月の衆院選で5連勝となった国政選挙の勝利だ。来年秋の自民党総裁選で連続3選をにらむ。視線の先に宿願とする憲法改正があることは間違いない。
 安倍1強を許している要因として、民進党の分裂など「多弱状態」にある野党の責任も大きい。
 熟議を欠けば国会は形骸化する。首相は丁寧な合意形成が求められることを肝に銘じるべきだ。


安倍政権5年 政治手法、謙虚に見直せ
 第2次安倍内閣の発足から5年となった。この間「安倍1強」政治が繰り広げられ、重要法案の強引な採決が繰り返された。森友学園・加計(かけ)学園問題で説明責任を果たそうとしない安倍晋三首相の姿勢は1強のおごりと言っていいだろう。この5年間を検証し、反省すべきところは反省する謙虚な姿勢が求められる。
 今後、憲法改正の議論や赤字が膨らみ続ける財政の再建のほか、核実験・ミサイル発射を繰り返す北朝鮮への対応、秋田市が候補地に挙がっている地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の配備など、待ったなしの課題が待ち受ける。国民の負託に応え、信頼を得られるような政治を実践してほしい。
 2012年発足の第2次安倍内閣は、経済政策「アベノミクス」を新たに打ち出し、経済を最優先課題と位置付けた。経済優先で高い支持率を得た一方で、安全保障関連法や共謀罪の趣旨を盛り込んだ改正組織犯罪処罰法といった国論を二分する法案の採決を強行するなど強引な国会運営が目立った。
 風向きが大きく変わったのは安倍首相や昭恵夫人の関与が疑われる森友・加計学園問題。野党の追及に対し、首相から納得いく説明はなく内閣支持率が急落した。それでも10月の衆院選では、新党結成を巡り混乱した野党の失策にも助けられて大勝し、与党の自民、公明党合わせて3分の2の議席を獲得した。
 この5年で日本は良くなったのか。冷静に総括する時期でもある。首相は、アベノミクスにより企業収益を伸ばし株価や有効求人倍率を上げたと主張するが、地方の企業は好景気を実感できていない。地方では人口減少が一層進み、企業の人手不足などさまざまな問題が表出している。
 財政状況も厳しさを増す。先ごろ閣議決定された18年度予算案は約97兆7千億円。安倍内閣の下、毎年過去最高を更新し続ける中で、政府が目標に掲げた基礎的財政収支(プライマリーバランス)の20年度黒字化は先送りされ、財政健全化の道は大きく遠のいた。借金頼みで、抜本的な対策を講じようとしない政府の姿勢が問われる。
 外交面ではトランプ米大統領と厚い信頼関係を築いたが、これが米国追従主義に陥り、自国外交の自主性を阻害しているとの見方もある。日本が米国の軍事戦略の中に組み込まれ、平和憲法の枠を超えた役割を担わされることが危惧される。
 最も注視すべきことはこうした重要案件に対する安倍首相の姿勢だ。衆院選勝利について自民党内から自戒する声が上がっているが、安倍政権への全面的な信任とは言えないことを自覚すべきだ。これまでのように数の力を背景に強引な国会運営を続ければ国民の不信感はさらに高まるだろう。国民が厳しい目を向けていることを肝に銘じる必要がある。


小学校に中傷 基地の歴史への無理解
 「学校は後から造った。同情の余地はない」 「沖縄は基地のおかげで暮らせている。落下物で子どもに何かあっても、お金があるからいいじゃないか」
 基地騒音や事故の危険にさらされている人々にこんな言葉を投げ付けることがどうしてできるのだろう。想像力と共感の欠如に怒りが込み上げる。
 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)に所属する海兵隊大型ヘリが13日に起こした事故にからむ問題だ。重さ7・7キロの緊急脱出用の窓枠が普天間第二小学校の校庭に落下した。
 その時校庭では体育の授業が行われ、54人の児童がいた。一歩間違えば惨事になっていた。
 米軍は「人為ミス」だったと発表して6日後に飛行を再開。日本政府も容認した。
 再発防止の保証がない再開に地元では怒りの声が強い。そんな中で、学校を中傷する電話が同校と市教委に相次いでいる。
 宜野湾市では第二小への落下の前、緑ケ丘保育園にも円筒形の物体が上空から落ちている。同園に対しても「ここに住んでいるのが悪い」などとする電話が1日に4、5件寄せられている。
 一部の人の心ない行為として済ませるわけにいかない。中傷電話の底に、基地の歴史に対する無理解と沖縄への差別意識が潜んでいる可能性があるからだ。
 一例が東京の地上波ローカル、東京MXテレビが1月に放送した番組だ。米軍北部訓練場のヘリコプター離着陸帯(ヘリパッド)建設への反対運動について「反対派は日当をもらってる!?」などと字幕で伝えた。「テロリストみたい」との発言もあった。
 改めて基地の歴史を振り返りたい。普天間飛行場はもともと沖縄の人が普通に暮らしている場所だった。1945(昭和20)年、米軍の上陸により人々は避難せざるを得なくなった。戦争が終わった後、米軍はブルドーザーで基地を建設。人々は元いた場所に戻れなくなった。
 その結果が基地の周りに人々が住む今の状況である。第二小は土地不足からやむなく基地の隣接地に建設された。
 こうした歴史を踏まえれば、「後から造った」などの言葉が出てくるはずがない。
 普天間の辺野古移設やヘリパッドへの反対運動に対し政府は本土から機動隊を送り込んで威圧し、押さえ込んでいる。こうした政府の姿勢がヘイト(憎悪)発言を増長させていないかも気にかかる。


憲法違反の攻撃型空母の保有は断じて認められない(談話)
社会民主党幹事長 又市征治
1.政府が、海上自衛隊のヘリ搭載型護衛艦「いずも」などを戦闘機の離発着ができる「空母」に改造するとともに、「空母艦載機」の運用を視野に、レーダーに捉えにくい高度なステルス性に優れた最新鋭戦闘機「F35B」の導入を検討していることが報じられている。ヘリ搭載型護衛艦と称するが、海上自衛隊の艦艇の中では群を抜く大きさで、イージス艦のおよそ3倍のトン数で外見もアメリカ軍の航空母艦(空母)とそっくりで、就役当時から空母ではないかとの疑念を持ってきた。F35B戦闘機を搭載すれば軍事的には完全に空母以外のなにものでもない。長距離巡航ミサイルに加え、攻撃型空母まで認めるのであれば、事実上改憲したのも同じことになる。「専守防衛」に反するなし崩し的な軍備拡大は断じて認められない。
2.1988年4月の参議院予算委員会での瓦力防衛庁長官答弁、2014年7月15日の参議院予算委員会の小野寺五典防衛大臣答弁、2015年9月4日の我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会の中谷元防衛相答弁、今年8月10日の参院外交防衛委員会の小野寺五典防衛相答弁など、攻撃型空母の保有は自衛のための必要最小限度を超えるため憲法上認められていないと政府は説明してきた。攻撃型空母の保有は、従来の政府見解を度外視するもののであり、明らかに憲法9条2項の戦力不保持違反である。年明けの通常国会では、6年連続の防衛費の増の問題とあわせて徹底的に追及する決意である。


もんじゅの廃炉 規制委は厳しく監視を
 廃炉決定から1年も過ぎてこの程度の計画しか出せないようでは、先が思いやられる。
 発電で用いた以上のプルトニウムを生むとされ「夢の原子炉」と呼ばれた高速増殖原型炉もんじゅについて、運営主体の日本原子力研究開発機構が廃炉計画の認可を原子力規制委員会に申請した。
 もんじゅは通常の原発と仕組みが異なり、水と混じると爆発的な反応を起こす液体ナトリウムを原子炉の冷却などに用いる。
 同種の施設の廃炉は国内で前例がなく、難題が山積する。にもかかわらず計画は具体性を欠き、実現性にも疑問符がつく。
 忘れてならないのは、原子力機構が点検漏れなどの重大な不祥事を繰り返していることだ。
 規制委は、計画を綿密に審査するとともに、認可後も廃炉作業を厳しく監視する必要がある。
 2018年度に第1段階となる核燃料の取り出しを始め、47年度まで30年かけて終えるという。総費用は3750億円と、通常の原発の廃炉に比べ大幅に高い。
 もんじゅは炉内から液体ナトリウムを完全には抜き取れない構造になっている。だから、抜き取り方法も固まっていない。
 原子力機構は「技術的には十分可能だ」と話すが、認識が甘すぎないか。ナトリウム抜き取りで失敗すれば、大事故につながりかねない。機構には慎重の上にも慎重を期した作業が求められる。
 もんじゅには1兆円の国費をかけたが、運転実績はほぼない。廃炉となったのは構想自体に無理があったほか、機構の安全管理体制が極めてずさんなことによる。
 点検漏れに加え、茨城県にある機構の施設では6月、作業員が極めて高レベルの内部被ばくに遭う事故が起きた。
 もんじゅの地元・福井県が廃炉作業に懸念を示すのは当然だ。機構や政府は情報公開を徹底しなければならない。
 気になるのは、政府が核燃料サイクル政策に固執していることだ。要の一つ、もんじゅの廃炉決定で破綻したのは明白なはずだ。
 もう一つの要で、もんじゅが増殖させる燃料を造る予定だった青森県六ケ所村の使用済み核燃料再処理工場も一向に完成しない。
 なのに政府は、諦めるどころか新たな炉をつくるという。実現の見通しも定かでない「夢」に巨費を投じる愚を繰り返すのか。
 政府がなすべきは、もんじゅ失敗の総括であり、サイクル政策を白紙に戻して見直すことだ。


[大飯廃炉決定] 原発依存低減の契機に
 関西電力は営業運転開始から40年弱が経過している大飯原発1、2号機(福井県おおい町)の廃炉を決めた。
 原子力規制委員会の認可を受ければ最大60年まで運転を延長できるが、安全対策に巨額の投資が必要となるため断念した。
 東日本大震災後に廃炉が決まった原発はこれで東京電力福島第1原発を除き8基となった。出力100万キロワット超の大型原発は国内で初めてだ。
 廃炉を進めることは老朽化した原発のリスクを減らすことにつながる。速やかに廃炉にして、電源の原発依存度を低減する方向に持っていくべきだ。
 今回の廃炉決定をその契機としたい。
 関電は来年中に廃炉の具体的な工程をまとめ、原子力規制委員会に提出する。作業は30年ほどかかると想定している。
 既に美浜原発1、2号機(福井県美浜町)の廃炉を決定しており、残る7基の順次再稼働を目指している。
 大型原発の廃炉は国の原発政策にも影響を及ぼしそうだ。
 政府は全電源に占める原発の比率を30年度に20〜22%程度にする目標を決めている。だが、16年度はわずか2%にとどまる。
 今回の廃炉により目標達成は遠のくに違いない。
 さらに気がかりなのは、関電が大飯原発の廃炉を決定する一方で、新増設や建て替えに向け政府の支援を期待している点だ。
 関電は福島第1原発事故前の10年、美浜1号機の廃炉と新原発の建設をセットにした「建て替え」を表明したことがある。福島第1原発事故で白紙となったが、新原発建設に対する経営陣の思いは変わらないという。
 国が来年春をめどに見直しを進めるエネルギー基本計画に、新増設や建て替えが盛り込まれるかどうかが注目される。
 だが、福島第1原発の事故後、原発の安全性に対する国民の不信感は大きい。各地で再稼働反対運動が続き、運転差し止めを求める訴訟も相次いでいる。
 福島第1原発では、今も事故が収束する見通しは立たない。
 原発から出る高レベル放射性廃棄物の最終処分場建設地についても、絞り込みの道筋は見えていない。
 こうした中、新増設や建て替えに国民の理解が得られるとは到底思えない。
 国と電力会社は早急に脱原発の方向性を打ち出し、安全で持続可能な電源開発を進めなくてはならない。


規制委 柏崎刈羽、基準適合決定 再稼働は見通せず
東電・事故後初
 原子力規制委員会は27日の定例会で、東京電力柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県、ともに135.6万キロワット)が新規制基準に適合したことを示す審査書を正式決定した。重大事故を起こした東電の原発としては初の合格で、福島第1原発と同じ沸騰水型(BWR)の合格も初めて。安全審査に合格した原発は7原発14基となる。【鈴木理之】
 再稼働には、設備の詳細設計をまとめた「工事計画」などの認可手続きが必要となる。一方、地元自治体の同意を巡っては、新潟県の米山隆一知事が福島原発事故の検証作業を優先するとしている。検証は3〜4年かかるとみられており、再稼働の時期は見通せない。
 東電は2013年9月、新規制基準に基づき6、7号機の審査を申請した。審査書は、設計上想定する地震の揺れ(基準地震動)を最大1209ガル(ガルは加速度の単位)、津波の高さを最大8.3メートルに引き上げる安全対策を盛り込んだ。
 BWRタイプは格納容器の容積が加圧水型(PWR)に比べて小さく、重大事故で冷却機能を失うと炉内温度の上昇で内圧が高まりやすい。このため、審査書には、放射性物質を除去しながら内部の空気を外部に排出(ベント)するフィルター付きベントに加え、東電が独自に提案した「循環冷却装置」(内部を冷やし圧力を下げる装置)などの安全対策も新たに盛り込んだ。一般からは904件の意見が寄せられたが、大きな修正はなかった。
 審査を巡っては、規制委は東電が重大事故を起こした当事者であることを重視。今年7月、小早川智明社長ら経営陣から意見を聴取するとともに、原発の運転ルールを定めた保安規定に、「経済性より安全性を優先する」などとする7項目の決意文を反映させることなどを条件に、審査書案を10月に了承した。
 これまでに審査に合格した6原発12基は、全てPWRの原発。規制委はBWRの原発について審査体制を強化しており、今後、BWRタイプの再稼働に向けた手続きが進む可能性もある。


NUMO 東電管理職らに周知依頼 核のごみ意見交換会
 原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定に向けた市民向け意見交換会に原子力発電環境整備機構(NUMO)の孫請け業者が謝礼を約束して学生らを動員した問題で、NUMOは27日、調査結果をまとめた報告書を公表した。NUMO幹部が東京電力の管理職らに意見交換会への参加と周知を呼びかけるメールを送り、実際に1人が出席していたことが新たに判明した。
 報告書は外部の弁護士やNUMOの評議委員らによる調査チームが作成。問題のメールは、東電から出向しているNUMO幹部が10月5日、東電グループの管理職ら11人に対して送付した。10月17〜19日開催の東京都、栃木県、群馬県の3会場について「出席または周知よろしくお願いします」と呼びかけた。
 報告書は、メールを送った幹部には「動員要請の意図はなかった」としつつ、「事情を知らない者から見れば動員要請と判断してもやむをえない」と批判した。
 意見交換会は、最終処分場選定について理解を深めるのが目的。これまで28都府県で開催し、計1611人の参加者のうち電力会社関係者は67人だった。うち2人は少人数のグループ討論にも参加していたが、原子力推進を示唆するような発言は確認できなかった。
 一方、意見交換会以前に機構が開いた説明会やセミナーで、計79人に謝礼を約束して参加を呼びかけ、うち2人の口座に5000円が振り込まれたことも確認された。
 NUMOは当面、意見交換会を中止する。27日、近藤駿介理事長と藤洋作副理事長を厳重注意と2カ月間の報酬1割減とする処分を発表した。【岡田英、柳楽未来】



伊方原発差止直前、テロの危険性を無視した規制委員会の会見が! 泉田前知事も「原発の稼働を停止すべき」と明言せず

「広島高裁(12月13日)の伊方原発差止命令に続いて、来年1月の高浜原発差止訴訟もいける。原発へのミサイル攻撃を理由にしたもので、安倍首相が北朝鮮の脅威増大を『国難』と言っているのだから、勝てる可能性は十分にあるとみている」
 こう話すのは、全国各地の原発差止訴訟を手掛ける海渡雄一弁護士だ。四国電力伊方原子力発電所3号機の運転差し止め仮処分申請即時抗告審で、広島高裁(野々上友之裁判長)が運転差止決定を下した。福島原発事故後、原発の運転を差し止める高裁判断は初めてのこと。そのため「脱原発弁護団全国連絡会」の共同代表でもある海渡氏は記者会見で、冒頭のように勝利宣言を行ったが、今回の差止決定で浮彫りになったのは、電力業界=原子力ムラの言いなりに近い「原子力規制委員会」(更田豊志委員長)の実態と、安倍政権の危険な丸投げ・無責任体制だった。
 今回の差止命令の根拠は火山のリスクだ。野々上裁判長は、熊本県の阿蘇山が過去最大規模の噴火をすれば安全は確保されないとして「火山の影響による危険性について、伊方原発が新規制基準に適合するという原子力規制委員会の判断は不合理」と判断したのだ。海渡氏は記者会見で原子力規制委員会を次のように批判している。
「火山ガイドにある阿蘇山の破局的噴火(1万年に1回程度発生)で火砕流が到達した可能性は“十分小さいと評価できない”ため、『原発立地不適格』と見なしたのです。未だに規制委員会は『火山モニタリングによって火砕流噴火を事前に予知できる』と判断している。火山学者がみんな否定している論理を直していないのですが、そこに対して広島高裁からレッドカードが示されたのだと思います」
 要するに規制委員会は火山のリスクを過小評価していたと判断されたわけだが、しかし過小評価しているのは火山のリスクだけではない。北朝鮮のミサイルやテロゲリラによる原発攻撃についても、規制委員会は「対策不十分」という現実を直視せず、国民の生命や安全を脅かしている。
泉田前知事の曖昧な態度に、出席者が猛反発!
 それは柏崎刈羽原子力発電所の再稼働を阻止し続けてきたはずの泉田裕彦前新潟県知事(現衆院議員)も同様だった。泉田氏は新潟5区で初当選をしたが、その直前の9月10日、「講演会&懇親会」で次のように訴えていた。
「いま米朝関係が緊迫していますが、私は『原発にミサイルが当たったらどうするの』とずいぶん前から懸念していました。個人的に言っているだけではなくて、知事会要望として伝えています。それに対して原子力規制委員会は『所管でない』『航空機テロも含めてテロやミサイル着弾は規制の範囲を超える。国民保護法でやってくれ』と言う。『ふざけるな』と言いたい。国民保護法で動くのは自衛隊なのですが、『(柏崎刈羽原発の周辺住民の)44万人を避難させてください』と言ったら、自衛隊は『できません』と回答。誰も責任を負わない状態なのです。外野からいくら言っても変わらない。このまま原発再稼働をすれば、何のセーフティネットもないまま、日本国民の生命や健康が危険にさらされてしまうということを声を大にして言いたい」
 ところが当選後の12月2日、泉田氏は新潟市内で開かれた原発問題のシンポで河合弘之弁護士や、滋賀1区から立候補して落選した脱原発派の嘉田由紀子前滋賀県知事らと議論、ここでも、いつ原発テロが起こっても不思議ではないと説明していたが、風向きが変わったのは、続けて河合氏が、北朝鮮のミサイル攻撃リスクを問題視した時のことだった。
「いま自衛隊法82条の3の破壊措置命令が出ています。首相がいちいち許可をしていたら間に合わないので、弾道ミサイルが常時発令状態なのです。自衛隊の航空総隊司令官の裁量で発射できるようにしている。そんな緊急状態なのだから、地下鉄や新幹線を止める暇があったら『原発を止めろ』と(言いたい)。一年間の運転で広島原爆の千発分の放射性物質が貯まる原発を攻撃されたらどうなるか。北朝鮮からミサイルが飛んできて、安倍首相が『国難だ』と言っている割には何で原発を止めないのか。それで稼動停止を求める仮処分で闘っています。それに対して関西電力は『大丈夫です。北朝鮮のミサイルは性能が悪いから当たりません』という抗弁をしている」
 こう訴えた上で河合氏は「私は裁判で頑張りますが、最後を決めるのは政治です」と締め括り、国会議員の泉田氏に期待を投げた形になったが、しかし露になったのは両者の温度差だった。「原発は止めるべき」との河合氏の主張に対して、泉田氏は「動いている方がリスクは高い」と言いながらも曖昧な答えを繰り返したからだ。
「(原発を)止めなくてもリスクが存在している。柏崎刈羽原発はそこにある。着弾をしたら放射性物質をまき散らしてしまう。『(稼働を)止めると安全になる』というのは幻想なのです。『すでにある原発にどう向き合うのか』というところから議論をしていかないといけない」
 これに河合氏は猛反発をした。
「『動いていなくても、使用済核燃料プールなど原発には危険がある』のはその通りだが、危険の度合いが全然違う。福島原発事故で起きたような作業をミサイルが飛んで来た後、火の海の中で出来ますか。動いている時のミサイルの危険を100だとすれば、止まっている時のミサイルの危険性は10以下。100対1ぐらいの違いがあると思っています。『動いていてもいなくても危険なものだから(北朝鮮の)ミサイル対策で運転を止めたって無駄』という考え方には賛成しません。関西電力が言っているのは、まさにそのことです。『(動いていても止まっていてもリスクは)同じじゃないか』と主張、これに対し裁判でいま言ったことで反論しました」
具体的回答のない泉田氏に直撃も、繰り返された「権限がない」発言
 それでも泉田氏は「リスクとしては違うが、原発とどう向き合うのかが重要」と同様の主張を繰り返し、最後まで「原発の稼働を停止すべき」と明言することはなかった。
 パネリスト同士の議論の後、参加者から質問を受ける「質疑応答タイム」に入ったので、筆者は「原発テロ対策が不十分で穴だらけというのはその通りだと思うので、自民党の部会で二階幹事長をはじめ自民党の重鎮を集めて、公開部会をして今の議論をして欲しい。議員会館でシンポジウムを開いて同じ話ができるし、国会で北朝鮮情勢がこれだけ緊迫化しているわけだから国会を延長して徹底的に議論をすべきではないか」と聞いたが、しかし具体的回答はない。そこでシンポが終了した後、泉田氏を直撃した。
————部会を開くことについては。
泉田氏 権限がない。
————(原発テロでメルトダウンが起きる結末の小説)「原発ホワイトアウト」勉強会の(自民党の)部会はどうですか。
泉田氏 だから部会を動かす力が私にはないのです。
————提案も出来ないのですか。
泉田氏 国会の仕組みを知っていれば分かるでしょう。
————必要性は感じているのではないのですか。
泉田氏 常識を知らない恥ずかしい人になるだけでしょう。
————どうやったら部会が開かれるのですか。
泉田氏 私が総理になったら出来ます。
————その前に出来ることはないのですか。
泉田氏 (無言のままエレベーターに乗り込む)
「自民党国会議員として原発政策を変える」という泉田氏の意気込みは当選早々、トーンダウンしてしまったようにみえた。これでは、原発テロ対策強化や稼動原発停止など安倍政権や原子力規制委員会の原発政策変更につながるはずがない。
原子力規制委員会も「テロ対策は十分だ」と明言する職務怠慢ぶり
 実際、原子力規制委員会の更田豊志委員長は12月6日、筆者の質問に対して「原発テロ対策は十分」と回答、対策強化の必要性を否定した。
————今、アメリカでは原発を兵士150人が守って訓練しているにもかかわらず、日本では警察と民間警備会社が守っていて、「こんな国は日本しかない」と石破(茂)元防衛大臣も問題視している、この原発テロ対策が不十分な現状についてどう考えているのか。(中略)北朝鮮の脅威にさらされて不審船も漂着する中で、稼働中の原発停止と再稼働先送りをすべきではないか。
更田委員長 米国の例をとって兵士が(原発を)警備をされていると。私たちは兵士を持っていません。ですから、米国は米国で原子炉の規制以外の枠組みでもって国家の危機に耐える仕組みを持っている。
————(原発を)自衛隊員では守れないということなのか。
更田委員長 あくまで国会での議論があるのであれば、それは結構なことだと思います。
————「原発テロ対策が不十分」という現状認識を持っているのか。
更田委員長 テロ対策は十分だと思っている。セキュリティ対策として十分な手当てをしている。
 伊方原発差止仮処分で問題になった火山のリスクと同様、原子力規制委員会は原発へのミサイル攻撃やテロ対策においても楽観的な現状認識をしているとしか言いようがない。
 また北朝鮮の原発攻撃時における稼動の有無による被害の違いについても更田委員長に聞いたが、「仮定が多すぎて答えられない」「今後、試算する考えもない」と回答した。
 職務怠慢とはこのことだ。河合氏が裁判やシンポで主張するように、原発攻撃を受けた際に稼動している方が桁違いの被害が想定されるのであれば、「北朝鮮の脅威が問題ないレベルになるまで原発の稼動停止と再稼動先送りをする」との結論に至る。その試算をしようとさえしない規制委員会は、原発事故から国民の生命と安全を守る責務を放棄しているとしか言いようがないのだ。
 そんな規制委員会を「世界最高水準の審査基準」と褒め称えて事足りる安倍首相もまた、未曾有の放射能汚染を招く「国賊」「疫病神」と後ろ指を指されても仕方ないだろう。(横田 一)


【隠れ残業】労働への価値観見直そう
 違法な長時間労働が常態化し、若い命が失われたのに、問題の本質にメスは入っていないのか。
 広告大手電通グループのことである。新入社員の過労自殺を受け、労働環境の改善に着手した昨年秋以降も、グループ会社の複数の社員が仕事を自宅に持ち帰る「隠れ残業」を余儀なくされていた。
 電通は、午後10時以降は全館消灯にするなど長時間労働の防止を進めている。グループ会社も同様だが、仕事量は減らず、社員は隠れ残業に追い込まれていた。
 刑事責任も問われた電通は10月に罰金刑が確定している。社長は違法残業の再発防止を誓ったはずだ。早急に実態を調べる必要がある。
 伝統的に「モーレツ社員」に支えられてきた多くの企業も人ごとではあるまい。長時間労働防止が単なる退社時間の切り上げに終わっていないだろうか。再点検したい。
 このグループ会社はデジタル分野のコンサルティングなどを手掛ける「電通アイソバー」(東京)。一部社員が加入する労働組合「ブラック企業ユニオン」が共同通信の取材に対し、実態を明らかにした。
 一部社員は多いときで週に数度、仕事を自宅に持ち帰り、未明まで作業していた。基本的にサービス残業だったようだ。
 同社はユニオンに対し、会社として残業の指示はしていないが、複数社員の自宅での深夜業務を管理職が把握していたことを認めている。
 職場での残業を制限した結果、隠れ残業が増える―。これでは長時間労働防止は形骸化し、従業員の心身負担はかえって高まりかねない。
 大都市では、働き方改革により、退社後に喫茶店などで仕事を続ける会社員の増加も問題になっている。過重労働が形を変えて続いているのだとしたら、ゆがんだ改革というしかない。
 電通アイソバーの社員は「体育会的な職場で、みんなで乗り越えようという雰囲気があった」と明かす。企業は働き方改革を現場に丸投げしていないか。従業員の「やる気」に過度に依存していないだろうか。
 人手不足や労働時間短縮に対応する働き方改革は、生産性の向上とセットで論じられている。もちろん、効率的な仕事や従業員の能力アップは欠かせない。
 ただ、それには人材育成の強化や労働環境の改善、業務の見直しといった経営姿勢が必要だ。利益至上主義や過度の成果主義は従業員を疲弊させ、結果的に生産性を低下させかねない。
 国は、残業の上限を「最長でも月100時間未満」とする関連法案の成立を目指している。過労死ラインと重なるため短縮を求める声は強い。
 政治の取り組み強化とともに、企業も労働への古い価値観や風土を見直す必要があろう。
 企業だけではない。教員や医師も長時間労働が深刻になっている。人口減少社会にふさわしい働き方を追求したい。社会全体の課題だ。


リニア談合 どこに行った「決別宣言」
 「夢の超特急」といわれるリニアモーターカーはかつて、宮崎県日向市−都農町間に初の実験線があった。九州にも縁が深い。
 そのリニア中央新幹線工事の入札を巡り、大手ゼネコン4社が受注調整をしていた疑いが持たれている。これまで何度も繰り返されてきた談合事件である。
 東京地検特捜部と公正取引委員会が独占禁止法違反の疑いで、大林組、鹿島、清水建設、大成建設を家宅捜索した。入札前に受注予定者や入札価格を決めていた疑いがある、とされる。
 このうち大林組は他社との受注調整を認めた。公取委に対し、課徴金減免制度に基づき、違反を申告した。
 工事は民間企業であるJR東海の事業だ。国など公の入札に適用される刑法の談合罪は成立しない。今回は発注者が官か民かを問わず、公正な競争を阻害することを禁じた独禁法が適用された。
 とはいえ、事業は政府が関わる国家的な巨大プロジェクトといっていい。東京−大阪間を1時間余りで結ぶ新幹線の整備だ。総工費は9兆円に上り、うち3兆円は国の財政投融資を活用する。
 談合で工事費が膨らめば、談合したゼネコンがもうかる一方で、将来的には乗客が支払う運賃にはね返る恐れがある。
 大手4社は国がリニア整備計画を決定した2011年ごろから、受注希望を調整していたとみられている。JR東海によると、これまでに契約した計24件の工事のうち、15件は4社がそれぞれ代表を務める共同企業体(JV)が3、4件ずつ受注している。
 背景には高い技術が求められる工事の特殊性もあろう。27年に先行開業する東京−名古屋間のうち8割余をトンネルが占める。各社は入札業者が限られる環境を利用した可能性が指摘されている。
 大手ゼネコンは05年に「談合決別」を宣言した。しかしその後も、東日本大震災の復興工事で談合が摘発されるなど、体質は改まっていない。徹底した捜査による全容解明を求めたい。


韓国 慰安婦合意「秘密交渉」 被害者意見「集約せず」
 【ソウル大貫智子】慰安婦問題に関する2015年の日韓両政府合意の経緯を検証していた韓国の康京和(カン・ギョンファ)外相直属の作業部会は27日、「協議の過程で被害者の意見を集約しないまま、政府間で慰安婦問題の『最終的かつ不可逆的な解決』を宣言しても、問題は再燃するしかない」などと指摘する報告書を発表した。また、慰安婦を象徴する少女像の撤去問題などで一部非公開の合意があった点を問題視し、外交当局間の「秘密交渉」ではなく、「国民とともに呼吸する民主的な手続きと過程が重要だ」と問題解決の方法論で注文を付けた。
 報告書は、非公開の合意内容についても言及。少女像撤去問題について公開された「韓国政府が適切な解決に努力する」との合意に加え、非公開の部分として、韓国政府が撤去に反対する市民団体の「説得に努力」することや、第三国に設置された像についても「韓国政府が関与することではないが、こうした動きを支援せず、韓日関係が健全に発展するよう努力する」ことなどが約束されたと明らかにしている。
 また、「不可逆的」という文言は、「解決」の前提条件として韓国側が安倍晋三首相の公式謝罪を担保する閣議決定を要求する文脈で持ち出し、韓国側は「謝罪」の不可逆性を意図していたが、日本側の閣議決定は実現しなかった。このような経緯を経る中で「『解決』の不可逆性を意味する脈絡に変わった」などと経緯を説明。「最終的解決の確認」「少女像移転の努力」が盛り込まれたことで、日本側の要求を受け入れる形になったと指摘した。
 報告書は、再交渉など今後の政府の立場に対する方向性は示さなかった。報告書発表に先立ち、康氏は「政府としては、報告書を基に被害者中心のアプローチで被害者や関連団体らの意見を謙虚に聞いていく。同時に韓日関係に与える影響も考慮し、合意に対する政府の立場を慎重に定める」と述べ、国内世論と対日外交の両面を勘案していく考えを示した。
 これに関連し、青瓦台(大統領府)関係者は27日、合意への取り扱いを決める時期について「2、3カ月も引き延ばす問題ではない」と述べ、早期に検討する方針を明らかにした。
 今年5月に発足した文在寅(ムン・ジェイン)政権は、日韓合意が国民の支持を得ていないとして7月、作業部会を設置。被害者である元慰安婦の意向が反映されているかや、合意に「最終的かつ不可逆的」と盛り込まれた背景などを検証していた。


#MeToo 伊藤詩織さん「社会変わると…声あげ続ける」
 自身のレイプ被害をもとに、日本の性犯罪を取り巻く事情を取材した手記「Black Box(ブラックボックス)」を出版した伊藤詩織さん。毎日新聞のインタビューに対して、作家でブロガーのはあちゅうさんの告発で広がったセクハラ告発キャンペーン#MeTooへの思いを初めて語った。【中村かさね/統合デジタル取材センター】
性暴力について話せる社会にしたい
−−日本でも#MeTooの動きが広がっています。詩織さんの告発に背中を押された人も多いようです。
 「ブラックボックス」を出版した同時期に#MeTooのムーブメントが起こりました。公で自らの体験を語ってから同じ苦しみを抱えている人がこんなにもいることを知り、また#MeTooで世界中からのさまざまな人の声を聞き、何かが変わらなくてはいけない時がきたのだと感じました。
 問題を解決していくには、声を上げ、話し合わなければいけません。性暴力について話せる社会にしたい、というのが私の本来の願いだったので、#MeTooはその思いが世界中の人々と一つになったムーブメントだと思います。
  日本で当初、私が感じたのは性暴力の話をすると声を上げた人が責められる、または男女の問題として片付けられてしまうということです。しかし、これは暴力の問題です。個人の問題ではなく、多くの人に共通する社会問題として捉えていくべきです。
 スウェーデンではこの運動が男女平等担当大臣に届き、システムが変わるきっかけになろうとしています。日本でも#MeTooが社会を変えるきっかけになると信じて、これからも声をあげ続けていこうと思います。
−−5月に司法記者クラブ、10月に日本海外特派員協会で記者会見を行いました。周囲の反応や気持ちの変化は?
 5月の会見の後は、批判や脅迫のメッセージが続き10日ほど食べ物が喉を通らず、起き上がることができませんでした。でも日本海外特派員協会での会見後は、海外のメディアに取り上げてもらい、日本国内外から応援メッセージをいただいた。出版後は伝えたかったことについて理解していただき、たくさんの応援コメントも受け取っています。
−−「ブラックボックス」では、会見前からメディア取材を受けてきたのに一切報道されなかったことを明かしています。海外特派員協会での会見は、背景に日本のメディアへの失望感もあった?
 そうですね、それはとても大きかった……。10月の会見は(メディアに対して)何度も同じ話を繰り返しているのにまた同じ話をすべきか悩みました。「会見がないと報道しづらい、報道のきっかけがほしい」という日本メディアの声も聞いていて、それに応えることにも葛藤があった。
 ただ今年1世紀ぶりに刑法が改正された背景には、国連から何度も意見表明があったこともあり、日本は外から問題を相対的に可視化されると動くんだな、と感じていた。海外メディアに自分の声で伝えるということは必要だと思っていたので、実現できてよかったです。
「少しずつ、すべてを変える必要がある」
−−執筆に当たり、スウェーデン・ストックホルムをはじめ、海外の性被害サポート体制についても取材しています。
 一番訴えたかったのは、今の日本の社会システムを見直し、変える必要があるということ。当時、相談窓口、病院、警察、報道、一つ一つに落胆し、社会のシステムに疑問がわきました。いろんな壁がありました。その壁がなければ、事実関係をもっと明らかにできただろうし、ここまで深く傷つくこともなかった。少しずつ、でもすべてを変えなければいけない。
 例えば私が被害に遭ったとき、まず最初に何をしなければいけないのかすら分かりませんでした。自分の無知に驚きました。情報が欲しくて電話した相談窓口には「面接に来てくれ」と言われたけれど、本来なら検査ができる病院を紹介してくれるべきですよね。決して近くはない場所に面接に行かなければ情報が得られないのでは、ホットラインの意味がありません。例えばストックホルムなら、カウンセリング、検査、治療がワンストップでできる施設が24時間365日稼働している。男性専用の施設もある。「被害に遭ったらここに行けばいい」とみんなに周知もされています。
 性暴力被害は誰にでも、どこでも、どんな時でも起こり得ます。でもその後、社会がどう動くか、どうサポートできるか。その点で日本は欠けているところがたくさんある。一つ一つの壁を可視化する必要があります。そのために、海外ではどんな取り組みがあって、何が効果的なのかを知りたかったし提案したかったのです。
−−本書で「勝手に決められた『被害者』のイメージの中で生きたくない」と書かれています。そう感じる#MeToo発信者は多いようです。
 被害者だったら「泣いているはず」「白いシャツで、ボタンは一番上まで留めているはず」というようなステレオタイプにはめられ、被害者とキャラクターづけられて生きることは絶対に嫌だったんです。
 そこから外れた行動を取ると「本当に被害者なのか」と証言の信頼性と関連付けて批判される。そのイメージを壊したくて、会見にはリクルートスーツを来てくるようにとアドバイスされましたが、受け入れることができませんでした。
 被害を受けてもその後の人生は続きます。 笑っていることを批判されたこともありますが、私は今でもよく笑います。ステレオタイプに当てはまらなければ信じてもらえないのは、おかしいと思います。


#MeToo 「はあちゅうさんで『私も』」加速する動き
「私も」と被害訴える動きと、激しいバッシングも
 米国や欧州で広がるセクハラ告発キャンペーン「#MeToo」−−。告発された著名人は社会的地位を追われ、被害者は「沈黙を破った人たち」として米タイム誌の「今年の人」表紙に選ばれるなど、社会現象となっている。日本でも今月、ブロガーで作家のはあちゅうさん(31)が電通社員時代に受けたセクハラ被害を名指しで告発。「私も」と被害を訴える動きが加速する一方、激しいバッシングも目立つ。「#MeToo」は日本社会を変えるのか。【塩田彩、田口雅士/生活報道部、中村かさね/統合デジタル取材センター】
#MeTooでセクハラ告発 男性も女性も
 はあちゅうさんは今月17日、電通時代に先輩社員だったクリエーターの岸勇希氏から受けたセクハラ体験を、ネットメディア「BuzzFeed」上で告発した。岸氏は内容を一部認めて謝罪し、代表を務めていた会社を翌18日付で退社。この告発をきっかけに、日本ではツイッターで#MeTooをつけたセクハラ被害の投稿が拡大、拡散している。
 東京都内の20代の女性は、自分が就職活動や仕事上で受けたセクハラを告白した。就活中、人材紹介会社の役員に無理やり酒を飲まされホテルに連れ込まれそうになった。就職後は取引先から男女関係を迫られ断ると契約を切られたこともあったという。当時は「隙(すき)を見せた自分が悪い」と考えていたが「はあちゅうさんの告発を見て、私も黙っていることはできないと思った」と話す。
 #MeTooの発信者は女性だけではない。東京都内に住む男性(26)は今月、自身がアルバイト先で受けたセクハラ被害を投稿した。靴専門チェーン店で勤務中、年上の正社員男性から何度も体を触られた。「しつこいので途中から無視していたが、それでもずっとしてくるから気持ち悪いなと思った」。店長を通して注意してもらったが逆に説教を受け、嫌になって辞めた。
 一連の動きについて、大阪大大学院の牟田和恵教授(ジェンダー論)は「セクハラをする側は自分の行為が性暴力だと認識していないことも多い。#MeTooで被害者が声を上げることで、セクハラがどれほど相手を傷つけるのか加害者側が気づくきっかけになればいい」と期待する。
被害者バッシングに負けない
 #MeTooに先立ち、日本ではジャーナリストの伊藤詩織さん(28)が今年5月、元TBS記者からの性暴力被害を告発し、記者会見でカメラの前に立った。元TBS記者は犯罪性を否定し、双方の主張に隔たりがある。周囲に反対されながらも被害を公表した理由を「自分の中の真実と向き合えなければ、ジャーナリストとして真実を追究する仕事はできないと感じた」と説明。「ハニートラップだ」などの誹謗(ひぼう)中傷も浴びたが、10月には手記「Black box(ブラックボックス)」(文芸春秋)を出版して、一連のムーブメントの象徴的存在となっている。
 はあちゅうさんもツイッターで「伊藤詩織さんの告発に勇気をもらった。伊藤さんの本を読んで『これは私も味わった感情だ、きっと他にも苦しくなりながら読んでる人がたくさんいる』と思った」と明かしている。
 一方、被害を告白した側がバッシングに遭うケースも多い。女子高校生社長として注目された慶応大2年の椎木里佳さん(20)は、ツイッターで「(セクハラ・性的要求を)断ったら仕事の話が白紙になったことが何回もある」と告白。実際に危険な目に遭った経験も投稿したが、「証拠を出せ」「警察へ行けばいい」などの批判が殺到した。はあちゅうさんも今回の告発と直接関係のない過去の言動が批判を浴びている。
 海外の#MeTooを知り、「自分も投稿しようか迷ったけれど、日本では誰も後に続かないだろうと思った」という椎木さん。バッシングは想像していなかったというが、投稿は後悔していない。ツイッターでは「被害にあった事実を真剣に受け止めて考えることのできない人が多いから、セクハラも性的要求も未だに終わらないんだよ」と冷静に反論する。「期待した広がり方ではなかったけれど、誰でも参加していいんだ、と思ってもらえるきっかけになればいい。堂々としているつもりです」と明るく語った。
「被害者にも責任がある」は間違い
 「私は自分に起きたことを語りましたが、人生を奪われたわけではありません。被害者として振舞うことを世の中に強要されるのなら、人生を奪われたと感じるかもしれません」。はあちゅうさんは被害告発後、ブログにこうつづった。
 告発会見で、シャツのボタンを開けた服装を批判された伊藤さんも「被害者ならこうするはず、しないはず、というように被害者としてキャラクターづけられ生きることは絶対に嫌です」と語る。
 性暴力の撲滅を目指すNPO法人「しあわせなみだ」代表の中野宏美さんは「海外では被害者が声を上げれば賛同が集まるが、日本では被害者にも責任があるという意識が強い。告発することで不利益を被らない安全な環境にいる人は少ない」と指摘する。バッシングは女性から寄せられることもあるが、「特に職場では性暴力やセクハラを笑ってやり過ごすことがスキルとして求められ、多くの女性はどんなに傷ついてもそう対処してきた。私は我慢しているのに、という気持ちがバッシングの根底にある」と言う。
 被害者バッシングは、海外からはどう見えるのだろうか。
 カナダ・トロントで映像制作会社を経営する吉田貴臣さん(25)は、同国オンタリオ州政府のセクハラ防止啓発動画に日本語字幕を付け、ツイッターで紹介した。「海外では否定的な意見があるとしても『セクハラは男性が受けることもある』『すべての男性が性犯罪者のような扱いをするのはやめてほしい』といった内容が多いように思います」と語る。「日本での反応を見ていると、問題意識の低さを改めて感じます。被害者のあら探しをしたり証言を疑ったりするのではなく、セクハラが日本社会にはびこっている一つの大きな問題だととらえることが必要ではないか」
#MeToo 沈黙する選択肢もあっていい
 兵庫県の大学4年の女子学生(23)は就職活動中、志望する出版社の男性社長にホテルに連れ込まれ、無理やりキスをされた。社長と似た背格好の男性が怖く、しばらく電車に乗れなかった。顔を押さえられた時につかまれた髪の毛は、短く切ったまましばらく伸ばせなかった。伊藤さんの告発に勇気づけられ、自分もツイッターで発信しようと何度も下書きしたが、結局投稿できなかった。
 女子大生は、告発しないことで他の人が同じような被害に遭うかもしれない−−と自分を責めている。#MeTooの盛り上がりについて「私にとっては当たり前の日常を平気な顔で過ごすことがすでに闘いなのに、それをわかってもらえないのはつらい」と話す。
 内閣府の2014年度の調査で、男性から無理やり性交された経験を持つ女性は15人に1人に上るが、被害経験者の67.5%は誰にも相談していなかった。そもそも「私も」と声を上げることができない被害者も少なくない。
 中野さんは「性暴力被害者にとって一番大切なのは、本人が人生を生き抜くこと。声を上げない選択があっていい」と話す。米タイム誌の「今年の人」の表紙には、告発者たちに交じって誰のものか分からない片肘が写っている。「声を上げられない人たち」を象徴している。
#MeTooの先へ みんなが考え、行動しよう
 広がる#MeTooの声を、私たちはどう受け止めればいいのか。
 海外では、#MeTooの訴えをを受けて「#HowIWillChange(どう変わるか)」と男性側が応える動きも広がっている。日本ではほとんど広がっていないが、著述家の勝部元気さんは「#MeTooの声を無視したら、ただの加害者だ」など#HowIWillChangeを使った投稿も試みている。
 勝部さんは「男性がセクハラ被害を告白することは、自分が男社会のピラミッドにおける弱者であると表明するようなものと捉え、ハードルが高いと感じるのではないか」と推測する。自身のツイッターではあちゅうさんらを擁護するコメントを投稿したところ「モテたいだけ」「女にこびている」との批判も届いたという。「男性が#MeTooに賛同することも、男性社会を裏切った、降りたと取られがち。でも本来は男女の対立問題ではなく、誰でも『私も』『どう変わるか』と発信していいはずです」と訴える。
 吉田さんが字幕を付けたセクハラ防止啓発動画もヒントになりそうだ。
 動画は州政府がセクハラ防止キャンペーンを行っていた2015年に作成したもので、国際的な#MeTooの広がりを受けて再公開した。バーで泥酔した女性を押し倒している男性、社内で女性の肩を揉む男性……。セクハラ真っ最中の男性たちがカメラに向かって「声を出さないでくれてありがとう」「こっちを気にしないでくれてありがとう」とささやく。「傍観者でいることは、セクハラに加担しているのと同じだ」というメッセージが込められている。
 知人の女性からセクハラ被害について相談を受けたことがあるという吉田さん。「その時は彼女たちの話を聞いて、今後は加害者に近づかないように、と言うくらいのことしかできませんでした。でも動画を見て、私が何も行動してこなかったのは、加害者に加担していたのと同じことだったと気づかされました」と振り返る。
 字幕を作成したのは、行動を起こす最初のステップだった。「吉田貴臣という人間はセクハラを許さない、ということを知ってもらえてよかった」と話す。
 「男性も女性も、みんなが『自分はセクハラを見かけたらやめさせます。被害者の方を助けます』と宣言すれば、少しずつ被害は減っていくんじゃないかな。みんなが考えて、行動して、この問題をなくしていかないといけない。動画を通じて、そういう意識が広がっていけばいいなと思っています」


「素直にありがたい」=無罪確定に菊地元信者
 オウム真理教の菊地直子元信者(46)は27日、最高裁が検察側上告を棄却する決定をし、逆転無罪が確定することを受け、「素直に、ありがたく受け止めたい」とするコメントを弁護士を通じて発表した。
 薬品を運搬した行為が重篤な被害を生んだことについて「これからの人生で重く受け止めていくことは、控訴審判決後に申し上げた通り変わりありません」とつづり、改めて謝罪した。
 一方、弁護人の高橋俊彦弁護士らは「冷静に、法と証拠に基づいた判断をした裁判所に敬意を表する」と最高裁決定を評価。「この結果は、長期間にわたって逃走してきたことによって得られたものではない」とし、事件発生から審理開始まで19年かかったことによる影響との見方を否定した。


菊地元信者、無罪確定へ 上告棄却 オウム都庁爆弾事件
 オウム真理教による一九九五年の東京都庁小包爆弾事件で、殺人未遂ほう助罪に問われ、二審で逆転無罪となった元信者菊地直子被告(46)の上告審で、最高裁第一小法廷(池上政幸裁判長)は「罪を認定するには、合理的な説明が十分になされていない」として、検察側の上告を棄却した。菊地被告の全面無罪が確定する。決定は二十五日付で、五人の裁判官全員一致の意見。
 教団を巡る一連の事件で全面無罪は、信者監禁事件の男性に続いて二人目。残る刑事裁判は、被告と同様に長期逃亡の末、地下鉄サリン事件など四事件で殺人罪などに問われ、一、二審で無期懲役判決を受けた高橋克也被告(59)=上告中=の上告審のみとなる。
 菊地被告の裁判で最大の争点は、被告が爆薬の原料となる薬品を運んだことをもって「テロを手助けする認識があったといえるかどうか」だった。
 一審東京地裁の裁判員裁判は、事件当時、教祖の麻原彰晃(しょうこう)死刑囚(62)=本名松本智津夫(ちづお)=の逮捕阻止のために教団が何らかの活動をすることを、被告も認識していたなどとする事実関係から「人が殺傷される結果になることは推認できた」とした。
 これに対し、第一小法廷は、事実関係から導ける範囲は幅広く内容があいまいだとして「人が殺傷される結果を推認することは困難で、手助けする意思があったと認めるには飛躍がある」と判断した。
 一審判決は、教団元幹部の井上嘉浩死刑囚(47)の「(菊地)被告が運んだ薬品を使って製造した爆薬を見せた際、(被告が)『頑張ります』と応じた」などとする証言を支えに、事実関係からほう助の意思があったとして、懲役五年を言い渡した。
 二審東京高裁は証言の信用性を否定し、一審判決を破棄、無罪を言い渡した。第一小法廷は証言があってもなくても、事実関係からはほう助の意思があったと推認できないとした。
 菊地被告は、都庁事件直後、地下鉄サリン事件の殺人容疑で特別手配された。約十七年後の一二年六月に相模原市内で発見され、逮捕された。地下鉄事件などは不起訴となり、都庁の事件だけで起訴された。爆発物取締罰則違反ほう助罪については一審で無罪が確定している。最高裁決定に対し、検察側は二十八日までに異議申し立てができる。

部屋を少し片付け/阪神であさ開/正月用八ッ橋

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Fig78

Alberto Fujimori, les excès du pouvoir
Gracié dimanche 24 décembre par le président péruvien Pedro Pablo Kuczynski, Alberto Fujimori, âgé de 79 ans, a été la figure marquante du Pérou à partir de 1990. En bien et en mal.

Alberto Fujimori a été l’homme fort du Pérou de la fin du XXe siècle. Mais il aura, au final, passé autant de temps en prison qu’au pouvoir. Président de 1990 à 2000, il a ensuite été condamné, après un exil au Japon, à 25 ans de prison. Dimanche 24 décembre, l’actuel chef de l’État, Pedro Pablo Kuczynski, a toutefois annoncé qu’il accordait une mesure de grâce ≪ humanitaire ≫ au détenu âgé aujourd’hui de 79 ans.
Un président populaire
Né à Lima le 28 juillet 1938 de parents japonais immigrés, Alberto devient ingénieur agronome, puis enseigne les mathématiques. En 1987, il est élu président de la conférence des recteurs d’universités péruviennes avant de se lancer en politique. Avec succès : à la surprise générale, il est élu à la présidence en 1990, battant l’écrivain Mario Vargas Llosa, chantre de l’ultra-libéralisme et futur prix Nobel de littérature.
Dès les premières années, cette présidence est marquée par la manière forte. En 1992, le gouvernement dissout un parlement jugé insuffisamment docile et suspend la Constitution. Ces adversaires dénoncent un ≪ auto-coup d’État ≫. En vain.
Fort de sa victoire sur la rébellion maoiste du Sentier lumineux et des mesures prises pour vaincre l’hyperinflation, Alberto Fujimori est aisément réélu en 1995. Il l’emporte dès le 1er tour avec 64 % des suffrages, battant sèchement l’ancien secrétaire général des Nations unies Javier Perez de Cuellar.
Cinq ans plus tard, en dépit des limites imposées par la Constitution, il brigue un troisième mandat. Il gagne à nouveau, mais fait face à de nombreuses accusations d’irrégularités et de corruption qui le contraignent à la démission.
La corruption érigée en système
Au cours de la décennie 1990, de nombreuses voix se sont élevées pour dénoncer les excès du gouvernement Fujimori. Pour certains, il exerce une présidence autoritaire ; pour d’autres, il s’agit en fait d’un dictateur.
C’est finalement la justice qui tranchera, mais plus tard. En 2009, après un long imbroglio juridique passant par le Japon et le Chili, où l’ancien chef de l’État s’exile, Alberto Fujimori est condamné à 25 ans de prison pour avoir commandité deux massacres perpétrés par un escadron de la mort en 1991-1992, dans le cadre de la lutte contre le Sentier lumineux. Quelque 25 personnes sont assassinées, dont un enfant.
Le travail de la justice met également en évidence l’autre face sombre du régime : la mainmise sur le pays via un système mêlant corruption et espionnage, autour du conseiller présidentiel et chef des services secrets, Vladimiro Montesinos.
Des vidéos révèlent l’affaire au grand jour. L’ancien président sera donc également condamné à plusieurs reprises à de lourdes peines de prison pour détournement de fonds publics. Vladimiro Montesinos, qui connaît le même sort, est toujours en prison.
L’héritage politique en question
Si les années Fujimori se sont achevées piteusement, l’homme n’a pas pour autant complètement disparu de la scène politique.
Car sa fille Keiko, choisie comme ≪ première dame du pays ≫ par son père après son divorce en 1994, a pris la relève. Elle s’est déjà présentée deux fois à l’élection présidentielle, en 2011 et en 2016, ravivant à chaque occasion les plaies du passé. Depuis sa défaite dans un mouchoir de poche lors du dernier scrutin face à Pedro Pablo Kuczynski, elle est aujourd’hui, à 42 ans, la chef de file de l’opposition.
Elle n’est pas la sele héritière du capital politique familial : son frère Kenji, 37 ans, est également une personnalité politique de premier plan. En 2016, il a, pour la deuxième fois consécutive, été le député le mieux élu du pays.
Si l’ex-homme fort du Pérou est aujourd’hui malade et fatigué, il sait toutefois que son nom n’est pas près de disparaître de la scène politique péruvienne.
Gilles Biassette
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クリスマスの約束2017【小田和正が届ける聖夜のライブ】
小田和正が2001年から毎年お届けするライブ特番。17回目の今年も、音楽史を彩る日本のポップス・洋楽・映画音楽が、最高のクオリティで次々と披露されていきます! 熊木杏里・JUJU・スキマスイッチ(大橋卓弥・常田真太郎)・根本要(STARDUST REVUE)・松たか子・水野良樹(いきものがかり)・和田唱(TRICERATOPS)
古希を迎えた小田和正が、奇跡の歌声を惜しみなく披露!音楽の持つ偉大な力を、最高のクオリティと圧倒的な表現力で紡ぎだす、音楽史を彩る名曲で構成されるライブ特番。ライブでは、自身の代表曲をはじめ、カーペンターズの名曲や、ムッシュかまやつ氏へ捧げるメドレー、誰もが耳にした事のある映画主題歌メドレーなど、圧巻の名演が次々と披露される。 ◇番組HP http://www.tbs.co.jp/program/christmasnoyakusoku_20171225.html

杉原こうじ(NAJAT・緑の党) @kojiskojis
防衛装備庁のHPに今年度の採択一覧が出ています(12月22日更新)。http://www.mod.go.jp/atla/funding/kadai/h29kadai291222.pdf …
大規模研究では岡山大と東海大がJAXA、東京工科大が物質・材料研究機構、東京農工大が富士通、とそれぞれの分担研究を行い、小規模研究では東京農工大がJAXAの分担研究を予定。「辞退を」の声を届けて下さい。

KK @Trapelus
【安倍昭恵夫人 インスタで半裸間男騒動】ファーストレディーの自覚ナシ 投稿はすでに削除されているが、ネット上には残されたまま 首相夫人でありながら、半裸男をSNSに載せた昭恵氏の感覚を疑いたくなる。そんなヒマがあったら、森友疑獄に答えるために早く国会に出てくるべきだ(日刊ゲンダイ)
こたつぬこ @sangituyama
93年以降の20年間で日本は4度の政権交代を経験しているわけです。しかし結果的には野党第一党の社会党、民主党が消滅しただけに終わった。この教訓踏まえない政権交代論は危ういですよ。
田川滋 @kakitama
炉心溶融認めず 官邸ではなく当時の東電社長判断 | NHKニュース https://www3.nhk.or.jp/news/html/20171226/k10011272321000.html
この意味するところは、先の東委員会の調査報告も清水元社長の証言も「嘘をついて責任を”官邸”になすりつけた」と認めたと言う事。”官邸の指示は有りませんでした”で済む問題ではない。


部屋を少し片付けました.ほんの少しだけです.今までできていなかったので,小さいけど確実な一歩です.明日以降もっとできたらいいと思っていますが・・・
阪神であさ開という岩手のお酒を買いました.南部杜氏のお酒です.
正月用八ッ橋の八ッ橋も.と言っても箱に「賀正」と書いてあるだけです.

<回顧17みやぎ>(12)りんごラジオ閉局/被災者の肉声 公開を
 東日本大震災から7度目の年越しを迎える。復興へと地道な歩みを重ねた2017年。被災地を置き去りにした解散風が吹き、大型選挙が相次いだ。学校現場では再び尊い命が失われ、問題の根深さが浮き彫りとなった。宮城県内であった出来事を記者が振り返る。
 「3歳から100歳の話を聞いた」「ラジオは人をつなぐことができる」
 今月12日、3月で放送を終えた宮城県山元町の臨時災害FM局「りんごラジオ」の高橋厚・元局長(75)が町内の自宅で熱っぽく語った。
 相手はりんごラジオをテーマに卒論を書いている立命館大4年の宮崎裕海(ゆみ)さん(21)。高橋さんと妻真理子さん(68)に放送を6年間続けた思いを聞こうと町を訪れていた。
 多くの声を伝える大切さを語る高橋さんの言葉に、ラジオのスタッフだった伊藤若奈さん(37)が閉局時にくれた1枚のCD−ROMを思い出した。伊藤さんが「この時の取材経験があって、町のことを伝え続けようと思った」と話した放送の記録だ。
 録音は2013年1月。東日本大震災の津波で家を流され、仙台市のアパートなどにいる元住民21人が市内で交流する様子が記録されている。
 冒頭、30分以上かけて自己紹介が行われた。病気療養のためだったり、子どもを頼って移り住んだりと町を出た事情はさまざまだ。声の様子や話の内容から、ほとんどが高齢者だと分かる。
 出席者がそれぞれ思うままに話し、ほぼ編集せずに放送しているので前後関係が分からない部分もある。でも、一人一人が話し終えると、古里への思いが大きな塊になっていくように感じる。
 歓談のざわめきの中、伊藤さんがインタビューをしていた。「マンション暮らしの息子に迷惑を掛けたくない」とアパートに一人で暮らす89歳の女性。男性は「友達がいないのが一番寂しい」と泣いた。
 この人たちは今、どうしているのだろう。CDを初めて聞いた時、声の主と会ったことがあるような不思議な感覚になった。
 今年9月に開館した山元町の防災拠点施設「つばめの杜ひだまりホール」に、りんごラジオを聴けるコーナーがある。生の声を大切にするりんごラジオの温かさを感じることができる。ただ、用意されているのは放送初日の様子など五つのプログラムだけだ。
 向けられたマイクに向き合い、語ったのは延べ1万人以上。震災後を生きた住民の思いを後世に伝えるためにも、町はさらなる公開を模索してほしい。(亘理支局・安達孝太郎)
[メモ]りんごラジオは2011年3月21日、災害時に被害状況や避難所の情報などを提供する公設民営の臨時災害FM局として山元町が開設した。年間運営費約1500万円は国の交付金が充てられ、10人前後のスタッフで放送を続けた。町は復興が進展したとして、16年度での閉局を決めた。


コボパの新名称「楽天生命パーク宮城」へ 来年1月1日から
 宮城県と楽天(東京)は25日、プロ野球東北楽天の本拠地・県営宮城球場(仙台市宮城野区)の愛称を来年1月1日、「Koboパーク宮城」から「楽天生命パーク宮城」に変更すると発表した。球団親会社の楽天からの申し出。新愛称は残りの契約期間の2019年12月末まで継続する見通しだ。
 これまでの愛称の「Kobo」は楽天グループが提供する電子書籍サービスの名称。楽天は「グループの生命保険会社『楽天生命』の名を冠し、暮らしや人生をサポートする存在として、認知度向上と拡大を図りたい」とコメントした。
 村井嘉浩知事は25日の定例記者会見で「企業が状況に応じ、愛称を変更することはあってもいい。多くの方に親しまれるよう、県も積極的に応援したい」と述べた。
 県によると、宮城球場のネーミングライツ契約は5期目。楽天とは2期目で、現行の契約金額は年間2億100万円。道路標識、地図などの表示変更に要する経費は楽天側が負担する。楽天側は現在の契約期間中、新愛称を継続する考えだという。
 契約期間中の名称変更は、スポンサーが日本製紙(東京)だった08年、再生紙の古紙配合率を偽装した問題を受け「日本製紙クリネックススタジアム宮城」から企業名を外した例がある。


新路線名は「リアス線」 三陸鉄道、山田線の移管後
 三陸鉄道(岩手県宮古市)は25日、2019年3月にJRから山田線の宮古−釜石間(55.4キロ)が移管されるのに合わせ、現在運行している南北リアス線と統合して新路線名を「リアス線」とすることを決めた。第三セクター運営の鉄道では全国最長となる。
 盛岡市で25日にあった取締役会で決定した。リアス線は久慈(久慈市)から盛(大船渡市)まで県沿岸部を一本のレールで結び、総延長は163.0キロとなる。
 宮古−釜石間に新駅を2カ所設置する。磯鶏(宮古市)−津軽石(同)間に「八木沢・宮古短大」、津軽石−豊間根(山田町)間に「払川」をそれぞれ置く。既存の13駅は山田線での駅名をそのまま使用する。
 中村一郎社長は「久慈から盛まで直通列車も検討している。沿線自治体と連携し、地元住民に生活の足として使ってもらう鉄道を目指したい」と話した。


<羽越線脱線事故12年>再発・風化防止を誓う 遺族ら現地で追悼慰霊式
 乗客5人が死亡した2005年12月のJR羽越線特急いなほ転覆事故から12年となった25日、山形県庄内町の事故現場に立つ慰霊棟で犠牲者の追悼慰霊式があった。13回忌の節目に遺族6人とJR東日本の冨田哲郎社長ら22人が参列した。
 全員で黙とうした後、冨田社長が「事故に遭った皆さまに深くおわび申し上げる。事故を風化させることなく、究極の安全に向けて全力を注いでいく」と誓った。
 同社は19日、酒田市に設置した特殊なレーダーを用いて突風を事前予測し、列車の運転を規制する新システムの運用を始めた。25日午前4時半〜5時にJR酒田駅周辺の3区間で初めて運転中止の指示が出され、貨物列車2本が運転を約10分間見合わせた。
 冨田社長は式典後の取材に「より精緻に広範囲で突風を検知できるよう、まだ改善の余地がある」と強調。遺族からはシステム導入に一定の評価を得たものの「機械やシステムだけに頼るのでなく、社員一人一人が安全に対する思いを持ち続けてほしい」と求められたことも明らかにした。
 事故は05年12月25日夜、秋田発新潟行き特急いなほ14号が脱線転覆し、乗客5人が死亡、乗員2人を含む33人が重軽傷を負った。同社は今月13日、全被害者、遺族との示談が成立したことを発表。冨田社長は「実際はかなり前に成立していたが、遺族の心情やプライバシーを考えて公表を控えていた。事故から10年以上たち、遺族や負傷者に負担をかけずに済む時期になったと判断した」と説明した。


<東北大雇い止め>職組と団体交渉 職員の無期転換「財政的に困難」と大学側
 東北大が3000人規模の非正規職員を2018年3月末以降、順次雇い止めにする問題で、同大は25日、東京大や名古屋大が同様の職員を無期転換する方針に転じたことについて「東北大では財政的に困難だ。他大学と比較するつもりはない」との見解を示した。
 東北大職員組合によると、25日あった職組との団体交渉で答えた。職組は16年2月に大学と交わした「部局は能力や意欲のある非正規職員を無期転換するよう本部に求めることができる」との確認書の実行も要求。同大は「部局は無期転換を求めることはできるが、詳細は弁護士と相談する」と回答したという。
 労働契約法によると、18年4月以降、同じ職場で通算5年を超えて働く有期雇用者は雇用主に無期転換を申し込める。東北大には5年超の非正規職員が約1050人在職している。
 同大は18年4月に職務などを制限した「限定正職員」制度を導入する予定で、既に実施した採用試験で669人が合格している。


<リンゴ王国 青森から>りんご娘 ステップアップル
◎未来の実(番外編)弘前のご当地アイドル 人気県外でも
 青森県弘前市を拠点とするご当地アイドル「りんご娘」の人気が青森県内外に広がっている。17年間にわたる地道な活動が実を結び、8月発売のCDシングルはオリコン週間インディーズで念願のトップ10入り。古里の特産を冠したユニットとして県もPRに力を入れる。
 地元弘前で23日、26日発売の新アルバム「RINGOSTARS」の記念ライブがあった。県内外から集まったファン約340人を前に、メンバー4人が「りんごのね。」「Ringo star」などリンゴに関する曲を次々披露した。
 歌詞の中に津軽弁が登場する「だびょん」(標準語で「だろう」の意味)ではファンもメンバーに合わせて歌い出し、会場は熱気が高まった。
 りんご娘は2000年デビューした「農業活性化アイドル」。市内の自動車販売業樋川新一さん(47)による芸能企画の一環で結成された。県内出身の女性23人が交代を経ながらメンバーとして参加し、シングルCD17枚を発表した。
 現メンバーは6期生のときさん(19)、7期生の王林さん(19)、8期生のジョナゴールドさん(16)と彩香(さいか)さん(16)。全員がリンゴの品種名だ。昨年、ご当地アイドルの全国大会で優勝するなど躍進の兆しを見せた。
 弘前産リンゴPRのため国内外を飛び回り、3月には台湾へ行った。東京や大阪の商業施設の販売促進イベントや幼稚園の食育活動にも呼ばれる。
 来春、新シングルを発表する予定。メンバーは「ファンに支えられていると実感する。活動を通して再発見した青森の魅力を伝え続けていきたい」と話す。


デスク日誌 要するに
 新聞社で「連絡さん」と呼ばれるアルバイトをした後、出版社に勤めた友人に直言されたことがある。
 「新聞記者とか編集局内って、『要するに』って言葉を乱発しすぎだよ。『つまり』もそうだけど。何でもかんでも君ら勝手に『要しちゃう』んだよな」
 若手のころ、原稿を出すとデスクから電話が入る。「お前の言いたいことは要するに〜ってことか?」「つまり書きたいことは何なんだ?」。下手なこっちが悪いがいい気はしない。
 くくりたがりの職業病?
 よく解釈すれば、表層に隠れるフェイクを引っぱがし、原稿に必要なファクトに一刻も早くたどり着きたい性分だからではないか。
 今、編集局で耳を澄ます。やはりデスクの何人かは若手の原稿に「要するにつまり」責めする使い手のようだ。自分も、添削を手伝うくらし欄ティータイムの投稿者との電話口で「要するに〜ということですね」と言っていてはっとする。
 要するにのひと言でばっさり割り切られ、はしょられたくない要所はたくさん潜んでいるだろう。傾聴が大事だと自戒を重ねる。ただ、締め切り間際に発したらごめんなさい。(生活文化部長代理 佐藤英博)


防衛費が最大に 際限なき膨張を憂う
 二〇一八年度予算案の防衛費は五兆一千九百十一億円と過去最大となった。北朝鮮や中国の脅威を理由とするが、際限なく膨張することはないのか。防衛力整備に「節度」を取り戻さねばならない。
 防衛費は冷戦終結後、減少傾向にあったが、政権復帰した安倍晋三首相の下で編成した一三年度以降、六年連続で増額、過去最大の更新も四年間続く。厳しい財政状況の中での防衛費の優遇である。
 政府が防衛費増額の理由とするのが、核・ミサイル開発を続ける北朝鮮や、海洋進出の動きを強める中国への対応強化だ。
 日本と周辺地域の平和と安全を守るため、情勢変化に応じて防衛力の適正水準を常に検討することは必要だが、単に予算を増やせばいいというものでもあるまい。
 国民の命を守るための防衛力整備が地域の軍拡競争を加速し、逆に脅威が高まる「安全保障のジレンマ」に陥っては本末転倒だ。
 他国の脅威を利用して防衛力の整備を一気に進めるような姿勢は厳に慎まなければならない。
 防衛費の増額が続くのは高額の米国製武器購入も要因だろう。
 垂直離着陸輸送機MV22オスプレイやF35A戦闘機、無人偵察機グローバルホークは高額の上、米国が価格や納期の設定に主導権を持つ有償軍事援助(FMS)調達に基づいて導入されている。
 政府は地上配備型ミサイル迎撃システム「イージス・アショア」二基と戦闘機に搭載して艦船や地上の目標を攻撃する巡航ミサイルの導入を決めた。一八年度は初期費用のみを計上したが、いずれもFMSでの導入が想定される。
 当初、一基八百億円と見込んでいたイージス・アショアは、一千億円を超えるとの指摘もある。
 一二年度に千三百八十億円だったFMS調達は安倍内閣の下で急増し、一八年度は四千百二億円に上る。米国に促されても不要不急の防衛装備品は購入せず、必要であっても適正価格での購入に努めるようクギを刺しておきたい。
 政府は中期防衛力整備計画で一四年度から五年間の防衛費総額を、米軍再編経費などを除き二十三兆九千七百億円程度と定めるが、当初予算だけで二十四兆円を超える。毎年約二千億円の補正予算を加えればさらに増える。
 防衛省は、為替変動などの要因を除けば中期防の枠内と説明するが、防衛費は適正な範囲内に収まっているのか。防衛力の在り方や米国製武器調達の妥当性を含め、国会での徹底議論が必要だろう。


安倍政権と憲法 国民の総意 汲んでこそ
 安倍晋三首相はきょう、2012年12月の第2次内閣発足から5年の節目を迎えた。
 この間、経済政策で次々と看板を掛け替えて4度の国政選挙を勝ち抜き、「安倍1強」を確立。特定秘密保護法や安全保障関連法など、世論を二分する法律を数の力で強引に成立させてきた。
 その先に据える最終目標が憲法改定なのだろう。
 首相の意を受け自民党憲法改正推進本部がまとめた「論点取りまとめ」は焦点の9条について、現行の条文を残して自衛隊を追記する首相案と、戦力不保持をうたう2項を削除する案を併記した。
 自民党内すら議論が煮詰まっていない現状を反映したものだ。
 首相は直後の講演で「2020年、日本が大きく生まれ変わる年にする。憲法について議論を深めるべきだ」と作業加速を促した。
 だが、ことは国のかたちを規定する憲法だ。国会はおろか党内合意すら見えぬまま、歩を進める環境にはない。国民の総意を汲(く)む姿勢がいまこそ首相に求められる。
 衆参の憲法審査会は特別国会で議論を再開したが、浮かび上がったのは各党の立場の溝である。
 9条では、公明党が慎重論を強める一方、希望の党や日本維新の会が自衛隊明記に一定の理解を示し、与野党の枠組みが揺らぐ。
 ほかの項目についても、参院自民党が選挙区の県を越えた合区解消のための改憲を掲げる一方、日本維新は教育無償化を最優先とするなど、論点が収束しない。
 国民にとって急を要する改憲項目が存在しない証左ではないか。
 衆院審査会の現地調査では、一院制導入を問う改憲が国民投票で否決されたイタリアの議会関係者から「その時々の政治的多数派に頼って憲法改正をすることは極めて危険」との助言を得た。
 国民投票でEU離脱を決めた英国では「国民投票で現状を変更しようとするのなら、少なくとも60%の賛成が得られる状況が必要」と指摘された。数を頼った安易な発議に対する警告であろう。
 今月上旬の共同通信の世論調査では、安倍首相の下での憲法改正について「反対」が48%を占め、「賛成」は36%にとどまった。
 首相はこれまで、時として立憲主義を軽んずるかのような言動を重ねてきた。それが国民の不信を招いたと受け止めるべきだ。
 改憲を「党是」に掲げる自民党の総裁だからこそ、現行憲法の価値を見つめ直し、民意に謙虚に耳を傾けてもらいたい。


安倍内閣発足5年/アベノミクスの限界見えた
 第2次安倍内閣の発足からきょうで5年になった。10月の衆院選をはじめ国政選挙に5連勝し、盤石な体制を築き上げた安倍晋三首相。来秋の自民党総裁選で3選されれば、超長期政権も視野に入る。
 政権の原動力になってきたのが経済重視の姿勢だ。なのに地方には恩恵が及ばず、5年のうちに大都市圏との間に深い溝ができた。大企業優先で富の偏在をもたらすアベノミクスの限界が見えたと言っていい。軌道修正すべきだ。
 「新三本の矢」「地方創生」「1億総活躍社会」…。看板の掛け替えで目先を変えてきた面は否めない。今度は少子高齢化をにらんだ「人づくり革命」を打ち出した。
 これまでのスローガン政策の実効性が乏しかったことの裏返しではないか。期待感で国民をつなぎ留める手法がこのまま通じるのか疑問だ。
 しかも、当初から掲げた「デフレからの脱却」は道半ばというのが現実である。
 日銀による「異次元」の金融緩和にもかかわらず、2%の物価上昇目標はいまだに達成されていない。「副作用」さえ生じている。
 長引く金融緩和で、日銀が保有する国債は膨らみ続ける。金融市場をゆがめているとの批判は絶えず、リスクを懸念する声が高まっている。
 確かに円安が進み、大企業の収益は改善されたが、賃金は伸び悩み、個人消費は低迷したまま。地方は「実感なき景気回復」どころか、貧困と格差の深刻度が増す一方だ。
 安倍首相は、二つの顔を使い分けてきた。選挙戦では経済を前面に出す一方で、選挙後には「タカ派」の政策を押し通す。安全保障関連法や特定秘密保護法、「共謀罪」法など異論が強い重要法案を次々成立させたのがいい例だ。
 その延長線上に思い描いているのが、憲法改正だろう。憲法9条に自衛隊の存在を明記する案を提唱。「スケジュールありきではない」と弁明するものの、2020年の改正憲法施行に意欲を見せる。
 ただ、それは「独り善がり」と言わざるを得ない。改憲の必要性という点で、国民の意識との間に乖離(かいり)があるからだ。各種世論調査の結果からも分かる通り、多くは改憲に向けた今の拙速な議論に違和感を覚えている。求める政策の優先順位が改憲ではないことは明白であろう。
 政権は長ければ、いいというわけではあるまい。有権者の飽きを招きやすく、おごりや慢心といった「おり」も沈殿しがちだ。その象徴は学校法人森友学園、加計(かけ)学園を巡る問題ではなかったか。
 「安倍1強」の下、人事を完全に握られた霞が関で、「総理のご意向」という忖度(そんたく)をうかがわせる記録文書が出てきたのもうなずけよう。
 政治に緊張感をもたらすのは健全な野党の存在である。離合集散を繰り返す惨状は結果的に政権長期化を手助けしている。立て直しが急務だ。


生活保護費見直し 最低基準の検討も必要だ
 厚生労働省は来年度からの生活保護費の見直しで、受給世帯の3分の2に当たる67%が減額になると発表した。食費や光熱費に充てる「生活扶助費」が減額されるためだ。
 見直しの基準は低所得層の消費動向などと比較して決められた。しかし、もともと生活の厳しい世帯と比較して決めた基準である。生活保護が必要な人のうち約2割しか受給していないという指摘もあり、実態を反映していない恐れがある。
 それに沿った見直しが受給者の生活を支えられるのか、疑問が残る。各地域で最低限度の生活ができる基準を決めて給付額を定めるのが自然な考え方ではないか。
 生活保護費には生活扶助と、医療費を全額公費で負担する「医療扶助」などがある。生活扶助は5年に1度基準が見直される。その比較対象となるのは低所得層の消費支出額だ。保護基準の方が高くなる場合が多く、引き下げに傾く。前回の基準見直しでは生活扶助は平均6・5%減額された。
 今回の見直しでは、65歳以上の単身世帯で76%、子どものいる世帯では46%が減額される。都市部の単身高齢者や母子世帯などへのしわ寄せが大きくなる。一方、町村に住むひとり親世帯などでは増額となるケースもあるが、全体としてみれば減額傾向だ。
 生活保護費は国と自治体が全額公費でまかない、国費分だけで約3兆円(2018年度予算概算要求)に上る。このため、支給基準の抑制圧力は年々強まっている。
 厚労省は先に、生活保護費の段階的引き下げで、3年かけて国費計約160億円を削減すると発表した。生活扶助は180億円減、ひとり親世帯を対象にした「母子加算」が20億円減だ。児童手当に相当する「児童養育加算」は40億円増額するとしているが、全体としては減額ありきにも受け取れる。
 生活保護の受給世帯は今年9月時点で約164万世帯を超え、20年間で約2・7倍となった。このうち独居の65歳以上の高齢者が48%と半数を占める。今後も無年金、低年金などで受給者は増えるだろう。
 増え続ける生活保護費を抑えるのは簡単ではない。しかし、今の支給額でも生活は苦しいとの声がある中で、単純に総額抑制を選んでいいのか。仕組みの見直しも必要ではないか。
 保護基準の見直しを検討した厚労省の審議会では、前回の見直し時から最低限度基準の必要性を指摘し、導入する手法を検討することを求めた。しかし厚労省に検討する姿勢は見えない。
 安倍政権は、貧困の連鎖を断つとして授業料の減免や給付型奨学金の拡充を打ち出したばかりだ。最低賃金引き上げなど暮らしの底上げも掲げてきた。それならば、生活に必要な最低限度の基準を定めることを検討すべきだ。


LGBTをテーマにした『弟の夫』が把瑠都出演でNHKドラマに! 作者の田亀源五郎が訴える無自覚な差別
「同性婚」をテーマに据え、2015年には第19回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞も受賞している田亀源五郎『弟の夫』(双葉社)。先日、この話題作がNHK BSプレミアムでドラマ化されることが発表された(2018年3月4日より放送開始)。主演は佐藤隆太、そして、主要キャラクターのひとりであるマイク役には元大関の把瑠都が選ばれるという冒険したキャスティングには驚きの声がネット上に溢れた。
『弟の夫』は、男手一つで小学生の娘・夏菜を育てる主人公・弥一のもとに、ある日突然体格の良い謎のカナダ人男性が訪れるところから始まる。このカナダ人・マイクは、カナダに移住し、現地で亡くなった弥一の双子の弟・涼二の結婚相手であるという(カナダでは同性同士の結婚が法的に認められている)。
 子どもの頃の弥一と涼二は仲の良い兄弟だったが、高校生のときに涼二からゲイであることをカミングアウトされて以降、微妙にギクシャクするようになっていた。カナダに移り住んでからの近況報告もほとんどされておらず、突然来訪したマイクの存在に弥一は困惑する。
 とはいえ、慣れない日本までやって来た弟の結婚相手を追い出すわけにもいかず、弥一、夏菜、マイクによる束の間の共同生活が始まるのだが、マイクの優しい人柄に触れた弥一の心の壁はだんだんと崩れていく。その結果、カミングアウトが行われて以降の自分は無意識のうちに涼二を疎んじていたこと、また、その素振りが涼二の心を傷つけていたことに気づいていく。
 そして、弥一は「家族のかたち」とはどのようなものか考えをめぐらせていくようになるのである……。
 この『弟の夫』という作品で重要な点は、同性愛や同性婚というある種センセーショナルに捉えられがちなテーマを描きつつも、登場人物たちの日常はとても穏やかであり、マイクに対して面と向かって嫌悪の言葉を叩きつけるような人物が登場しないことである。
 しかし、だからといって街のなかでマイクの存在が無条件で受け入れられているわけではない。むしろ、差別や偏見は当事者からは見えないかたちで進行していく。
 たとえば、夏菜の友だちの母親は、娘がマイクに会うために夏菜の家に遊びに行こうとするのを理由も言わずに止めようとする。担任の教師は夏菜がクラスでマイクの話をするのを問題視して弥一を学校まで呼びだしたうえ「そういう話はまだ小学生には早いかな…と…」と遠回しに警告する。いずれの人物も、マイクに直接罵倒の言葉を浴びせるわけではないが、しかし確実に差別や偏見をもっていることをうかがわせるものだった。
『弟の夫』で描かれる、日本特有な差別・偏見のあり方
 作者の田亀氏は『ゲイ・カルチャーの未来へ』(Pヴァイン)のなかで〈自分でも気づかないうちに無自覚に踏襲してしまっている差別やホモフォビアに対して、一度みんなで考えてみましょう、ということをやってみたかったんです〉と綴り、これは『弟の夫』で描きたかった題材であるとしている。
 田亀氏がそのように描いたのは、自身もゲイとしてこの国で生きてきたなかで、「無自覚な差別」こそが、日本的な差別のあり方であると感じているからだ。
〈日本社会というのはああいうものだと思っているからです。たとえばヘイターが実際にいたら、表立って闘えばいいから対処は簡単なんですよ。それより難しいのは、無自覚な偏見に囚われている層なんです。そういう人たちというのは、差別が良くないということはわかっているし、自分が差別的ではありたくないと思っている。つまり自分は差別していないという前提があるから、なおさら「それはじつは差別的なんだよ」という風に指摘されると、ものすごく抵抗するんですよ。それはもう意固地になるくらいに。私は自分の生活で、そうした例を実際によく見ています〉(前掲『ゲイ・カルチャーの未来へ』より)
 また、『弟の夫』という作品が素晴らしいのは、物語の主題は確かに同性愛や同性婚をめぐる問題であるものの、作品としての結論は「家族のあり方とは?」という、LGBTの当事者以外にも共通する非常に普遍的なものになっているという点だ。
 実際、それは制作当初から念頭に置かれていたものであったようで、前掲『ゲイ・カルチャーの未来へ』では〈これはどういう話なのだろう、と制作のはじめの段階で編集さんと話し合ったときから、これは家族の物語だろうということはわかっていました〉と綴られている。
 そういった「家族の物語」であることの象徴は、弥一と夏菜の父子家庭をめぐるエピソードだろう。
 弥一がシングルファーザーとして夏菜を育てているのは先に述べた通りだが、物語の途中から夏菜の母である夏樹(ドラマでは中村ゆりが演じる)が登場する。弥一と夏樹は離婚し、現在では仕事の手が空いているときに夏樹が弥一と夏菜の家を訪れる生活になっている。
 そんなある日、両親とマイクの4人で夕食を囲んだ夏菜は、とても嬉しそうにしながら「パパもママもマイクもいて今日は最高!」「ずーっとこうならいいのに!」とつぶやく。その言葉を聞いて夏樹は「やっぱりあの歳だとまだ…母親が必要なのかな」と思い悩むのだが、そこで弥一はこのように決意を語るのである。
「『お母さんがいないからかわいそう』『片親だけでかわいそう』『親がいないからかわいそう』、そんな考え方には、俺は絶対与したくない。淋しがらせることもあるかもしれないけど、それでも俺は夏菜を幸せにしてみせる。『これが正しい家族の形だ。それ以外はかわいそうだ』、そんなのって差別的だよ」(引用者の判断で漫画のコマに括弧と句読点のみ付け加えた)
安倍政権や日本会議が押し進める「不寛容」な社会
「『これが正しい家族の形だ。それ以外はかわいそうだ』、そんなのって差別的だよ」という言葉、これは『弟の夫』において重要なセリフである。
 父と母と子どもで構成される家庭がある一方で、涼二とマイクのように男二人で築く家庭があってもいいし、弥一と夏菜のような父子家庭があってもいい。どういう家庭が正しいというのはないし、どういう家庭が間違っているということもない。
 しかし、現在の日本社会は、そのような「多様性の許容」とは180度真逆の方向性に向かって急速に舵が切られている。
 たとえば、近年、保守的な家族規範が押しつけられる風潮がどんどん強まっている。「教育勅語は、親孝行などいいことも言っている」と政治家が平気で公言したり、10歳の子どもに親への感謝を強要する1/2成人式が流行したり、子どもが事件や事故に巻き込まれるたびに母親がバッシングされたり……。
 その象徴的な存在ともいえるのが、日本会議の意向を強く反映した自民党の改憲草案にある「家族は互いに助け合わなければならない」という、いわゆる家族条項だろう。一見もっともらしいことを言っているようにも見えるこの条項は、その蓋を開けてみれば、家父長制の復活を目論むかのような旧来的な家族像や性役割を押しつけるものであり、個人の価値観や多様性など一顧だにせずマイノリティを排斥しようとするものでもある。また、それは、国家が担うべき社会保障がすべて家族内の自己責任に押しつけられるということも意味する。
田亀源五郎「自分の価値観を他人のジャッジに委ねる必要はない」
 田亀氏は前掲『ゲイ・カルチャーの未来へ』のなかでこのように綴っている。これは、先に述べてきたような「不寛容」が広まる社会において重要な提言だろう。
〈この社会は何かにつけて「これが正しい」「これが美しい」と、画一化された価値観を押しつけてくる。それに負けてしまう人も少なくないだろう。しかし、自分の価値観を他人のジャッジに委ねる必要はない。
 あなたの生き方を選ぶのはあなたでいい〉
「自分の価値観を他人のジャッジに委ねる必要はない」「あなたの生き方を選ぶのはあなたでいい」。そのような考えを自分のものにするためには、逆に、たとえそれが自分とは違う生き方であろうとも相手の生き方を尊重し、差別や偏見などをぶつけないことが必要となる。
『弟の夫』という作品は、まさに「あなたの生き方を尊重すること」の大切さを伝えるものであり、弥一がマイクとの交流を通じてそれを理解していく成長物語でもある。
『弟の夫』は、「多様性の許容」が失われつつある現在だからこそ生まれるべくして生まれた作品である。漫画・ドラマともども、多くの人に愛されるものになることを願う。(編集部)


セクハラ告発後、はあちゅうさんがさらに苦しんだ1週間 「人生で一番、心ない言葉を浴びました」
被害者の「あら探し」を始めてしまう日本
笹川かおり ライフスタイル編集長 / 副編集長 特集「家族のかたち」はじめました。
竹下隆一郎 ハフポスト日本版 編集長
「セクハラは、誰が誰に受けているかを明確にしないと、ずっと怯えて生きていかないといけない」
ブロガー・作家の、はあちゅうさんが、電通のトップクリエーターだった男性のKさんから「セクハラ・パワハラを受けた」とBuzzFeedのインタビューで告発した。
はあちゅうさんは、元電通社員。「深夜、自宅に呼び出されて正座をさせられた」「顔や体について性的な言葉をあびた」。はあちゅうさんのこうした訴えに続き、似たような被害をネットに書き込む「 #MeToo 」の声が上がった。
一方で、はあちゅうさんへの批判も起こった。特に、はあちゅうさんの過去のTwitterでの「童貞」をネタにした発言などが掘り起こされ、「はあちゅうさんも、セクハラをしている」という指摘が相次いだ。はあちゅうさんはいったんブログで謝罪したが、後に撤回し、謝罪文を削除した。
告発から1週間——。「人生で一番、敵意や心ない言葉を浴びました」というはあちゅうさんに、ハフポスト日本版が聞きに行った。
インタビューは、はあちゅうさんの新刊「『自分』を仕事にする生き方」(幻冬舎)のトークイベントを前に行われました。本についての記事はこちら。また、はあちゅうさんは、セクハラ・パワハラを訴えた相手に対して、取材中は「Kさん」と表現したため、匿名にしています。
——はあちゅうさんは2009年に慶應大を卒業し、電通に入社しました。2010年頃、電通社員だったときに受けたパワハラ、セクハラについて、このタイミングで声を上げたのはなぜでしょうか。
多分、(過労自殺した元電通社員の)高橋まつりさんの事件から私にはモヤモヤするところがありました。まつりさんの死に対して、すごく胸が痛む自分がいるんですけど、どこかで、「でももっとひどい状況でも働いている人がいる」と思ってしまう。なんで私はこんなに意地悪なことを思うんだろうと、眠れないくらい気持ちが消化できませんでした。
(セクハラされて)私もつらい思いをして我慢していたけど、これだけ世の中で騒がれることなんだと思いました。消化しきれない思いを抱えていて、加えて伊藤詩織さんの報道がありました(※ジャーナリストの伊藤さんが、元TBS記者だった男性に仕事の相談をしたところ、「お酒を飲まされて、望まない性交渉をさせられた」と訴えた)。
ちょうど元TBS記者の方の本を読んでいて、すごいと思っていたところで、女性である伊藤さんから声が上がって。自分に近いことが起きているのに、でもその記者の方がネット上で私の本を褒めてくれたことがあったから、伊藤詩織さんの側について私がつぶやいちゃいけないような気がしていました。
報道を見ていくにつれて、私は伊藤さん側の人間で、同じこと(セクハラ)をされて、社会的に上の立場の人の裏の顔に苦しめられるという、同じ感情で、悔しかったのに、本を褒められたからというだけで、つぶやけない自分がいる。同じ女性なのに、面倒なことに触れない自分が卑怯な気がしました。伊藤さんが被害を訴えた本(「Black Box」文藝春秋)を読んで、私の話が書いてあると思ったんです。
同時に、この人はこうやって戦っているのに、自分は相手のことを許してないし、セクハラが世の中からなくなって欲しいと思っているのに、ずっと逃げていた、と自分を責める気持ちが沸いてきました。その頃から、あの時のことがフラッシュバックするようになりました。それまでも何回もあったんですけど。
伊藤さんの事件を見るのがつらいと気づいたんです。自分の経験がフラッシュバックするから。会社を辞めて関わらないようにしようと思っていたけど、ずっと心の中にあったんだと気づきました。
——高橋まつりさん、伊藤詩織さんの件で、あらためて過去のセクハラ、パワハラの経験と向き合うことになったんですね。
そんなときに、友人だった編集者さんが、(セクハラ被害を受けた)Kさんの本の出版を準備されていると聞きました。私はその編集者さんに、自分の受けたセクハラの話をしてたんです。その人は、話を聞いたうえで本を出版すると言いました。
「本が売れたら、読者の若い人たちが、Kさんに会いに行って、私と同じ目に遭うかもしれない」と思い、伝えてみましたが、それでも、「本は出す」ということでした。
私が世の中に出してないことは、世の中的にはなかったことになる。誰も訴えなかったことは、なかったことと同じ。これでいいんだろうかという思いがありました。
それから、もともと仲の良い編集者さんだったのに、その一点で相手のことを嫌いになってしまいそうでどうしたらいいかわからない、ということを個人的にある人に相談したんです。その人は、編集者さんとは面識がありませんが、とにかくそのセクハラの話はひどいから、一度誰か公正に聞いてもらったほうがいいと言われて、BuzzFeedさんを紹介していただいたんです。
「そんなに大したことじゃないんですけど」と話し出したら、「いや、それは立派なセクハラとパワハラですよ」と言っていただけて...。
それを聞いたときに、わっと涙が出たんですね。私が受けてきたことは、「ひどいことだ」と言ってもらえることなんだと気づきました。
それまでは色んな人に相談しても、「あの人(Kさん)は仕事ができるからね」とか「あの人、面倒臭い人よね」としか言われなかったのに、会社を出たらこんな風に言ってもらえる。なんで、私もっと早く第三者に相談しなかったんだろうと思いました。
——同じ会社の人ではなく、第三者への相談は重要ですね。
なんで今か、と聞かれると、やっぱり、(Kさんが)本を出したのがきっかけです。本を担当した編集者さんはTwitterでもやりとりしているから、私の読者にもその人のフォロワーがたくさんいるんですよ。本が出た後、ものすごくたくさん「良い本だ」という感想が自分のタイムラインに流れて、見てて苦しくなって。伊藤さんも似た心境だったのかもしれない、と勝手に想像したりしました。
相手がメディアに出てきたり、自分の近くにいたりすると、その人のことを信奉している人が身近に見えてしまう。でも自分のされたことが言えない苦しさ。周りがどんどん敵になって追いやられてしまう感覚がありました。また、その方のことを「知っていますか?」とか「対談してほしい」と言われることもありました。なんとしてでも、私の人生に二度とあの人に近くに来て欲しくない、という気持ちが沸き起こったんです。
——Kさんの名前を実名で告発して、本人は電通から独立して立ち上げた会社の取締役を辞めました。名前を出すことについて悩みましたか。
最後の最後まで、悩みました。やっぱり実名で告発するべき問題だと思ったので、実名で(告発)しました。
私は退職後も色々な嫌がらせを受けていたんですけど、会社を出たら誰も助けてくれなかったんですね。だから、今後仕事をしていくうえで、その人の妨害を二度と受けないようにするためには、相手の実名を出す必要があると思いました。
セクハラは誰が誰に受けているかを明確にしないと、ずっと怯えて生きていかないといけない。
ブログにもすこし書きましたが、相手の実名が分からないと、「仲をとりもってやろう」とする先輩もいるかもしれませんし、一緒の仕事をセッティングされるかもしれません。私は何かの間違いで、広告業界のイベントで一緒になったらどうしようと約8年間思い続けていました。イベントで、Kさんがいそうだから行かないと思ったこともありました。
——実際、セクハラを告発した記事は大きな反響があったと思います。あれから1週間、今どんなことを感じていますか。
出して良かったとは思っています。もちろんすごく嫌なことも言われて、過去の私の人生のあら探しが始まり、人生で一番、敵意や心ない言葉を浴びました。この2、3日はすごく心がへばったりしたんですけど、でも、ものすごくたくさん応援の言葉ももらいました。
届いたメールには、「これまで、親にも家族にも言えなかった。私は、ネットに書くことはしないけど、はじめて親と家族に話した」と。私も、被害のことは親にちょくちょく言ってたんですけど、全部は言えませんでした。名のある会社に入って元気に立派に働いていると親に思ってもらいたくて、心配かけたくないという気持ちがあったから。
会社員の人が、仕事がなくなる可能性を背負って告発することは、本当に勇気がいること。仕事を辞めたくなかったら耐えるしかない。こういう社会を根こそぎ変えていきたいなとあらためて思いました。
ロボットが働きかたを変えるとまでいわれているほど未来を生きているのに、なんでこんなことがまかり通るんだろうと。対個人ではなくて社会構造やそれを容認している人に対して、憎たらしいようなやるせない気持ちが湧いてきましたね。
私は本当に小さなきっかけしか作れていないし、変わっていくのはこれからだと思いますが、今まではどこに味方がいるか分からなかくて、誰も相手にしてくれないという気持ちが、少しでも和らいだ人がいるんだったら言って良かったなと思います。
——はあちゅうさんは被害を受けた側なのに、告発したことを批判されたり、悪口を言われたりして、さらに苦痛を与えられました。
予想以上に来ました。「ああ、被害を受けることって自分の責任なんだ」と思わされました。私がこういう人間だから「されて当たり前」とか、状況を知らない人たちが「もっとこうすればよかったのに」と言ってくることが苦しかったです。人に理解されないってこんなに苦しいんだということを、ただただ感じていました。
もし自分や自分の娘、大事な人に対しても、この人は、同じことをいうんだろうか...と考えながら、ずっと苦しかったです。
——一方で、はあちゅうさんをきっかけに、政治アイドルの町田彩香さんや、起業家の椎木里佳さんといった若い世代が声を上げました。
若い世代の目立つ子たちがまずは投稿してくれたのを見て、「上の世代は?」と。次の世代の人の方が、きちんとした健全な感覚を持っていると思いました。
多分、私たちより上の人の方が、「こんなことは我慢することだ」とか「こんなことはセクハラじゃない」と女性自身が思ってしまっていることが多い。こういうことを言ったら周りに「めんどくさいやつ」と思われる気持ちもあると思います。
——はあちゅうさんはこれまでの著書で、恋愛テクニックを披露したり、男性から「かわいくおごられる方法」などを書いたりしてきました。一見すると、セクハラの土壌となっている社会構造をこれまで受け入れてきたのでは、という批判の声もあると思います。
(そうした批判に対して)全く成熟してない社会だなと思ってしまいました。
恋愛とセクハラはまったく別ものなのに、どうしても延長上で考えてしまう人がいる。恋愛コラムを書いているような女は「尻が軽い」から、セクハラを受けて当たり前という論調の批判をいただいたんですけど、密室で組織の中で起こるセクハラと、自分が選択できる中での個人の恋愛や趣向とは違う話です。
セクハラの意識が高まっているアメリカでも、恋愛テクニック本はたくさん売れています。そこは絶対に混同しちゃいけないし、それを言うのであれば、全人類から恋愛を取り上げないと仕事ができなくなります。
おごる/おごられる問題に関しても、わたしは「男性がおごるのが当たり前と思うのは一種のセクハラなんじゃないか」というのは、それはそうだと思っています。「男性がおごるのが普通じゃないからこそ、おごられたら特別だよね」というのが私の考え方です。私は、恋愛のかけひきのない飲み会では、ふつうに割り勘がいいと思います。そういうことをちゃんと切り分けて考えられるのが、成熟した社会だと思います。
——過去の童貞をめぐる発言について謝罪し、その後撤回しました。なぜですか?
すごく間違ったことをしたなと思いました。表現とセクハラは全然違います。
その環境自体が異常だという批判もありましたが、親友が「オトナ童貞」のためのメディアを立ち上げているので、そういうことを話題にしやすい環境にいたと思います。「童貞」という言葉を使っていても、話している内容は"中二病"です。自分も"中二病"だから、こういうことあるよねって自虐も込めて話している。
もちろん、「童貞」という言葉に拒否感を感じる人もいるので、それ自体は受け止めますが、差別用語で、話題にするのが一切NGとは思えません。そういうものも全部ダメだったら、ブスとか美人とか貧乳とか巨乳とか、人の容姿に関わることやコンプレックスに関わることは、すべて話しちゃいけないことになります。
私はフラットに話せることは健全だと思います。下ネタが全部なくなって欲しくはない。そういうものとセクハラを混同させてしまうという意味で、ネット上の声を受けて、自分が謝罪したことは、少なくともこのタイミングでは間違いだったと思っています。
私の考え方が全て正しいとは思っていませんが、過去の発言を全部振り返って、何も落ち度がない人でないと、#MeTooで返り討ちにあうという印象やセクハラされる人は本人にも落ち度があるという印象を、強めてしまったと思います。
——はあちゅうさんは、ちょっと過激な言動が売りの一種の「キャラ」としても見られています。今回の告発も、「はあちゅうが、何かした」とコンテンツとして消費されてしまった部分もあるかもしれません。また、今の社会は、訴えた人の言動が「好きか、嫌いか」「発言する資格はあるか」などを探ってばかりいます。どうしたらセクハラやパワハラそのものを議論できる社会に変わりますか。
ものすごく時間がかかると思います。理解してくれる人から理解が進んでいく、としか思えませんでした。普段、自分と働き方や生き方の部分で共感することが多いと思う人は、「応援するよ」と言ってくれました。でも、普段からこの人合わないと思う人は、やっぱりあら探しをしていました。
身の回りから、徐々に徐々に変えていくしかないと思います。昔『半径5メートルの野望』という本で、「自分の活動範囲は半径5メートルしかないかもしれないけど、その体験をシェアすることで、世の中がちょっとずつ変わるかもしれない」と伝えました。
まさに半径5メートルから、ちょっとずつ、ひとりずつ理解者を増やすことしかできない。多分、みんなが一気に変わるということはないですね。
——セクハラやパワハラで声を上げることは、コストが高く、大変すぎませんか。
コスト、高いと思いますよ。私も、全部仕事がなくなるかもしれないと思いながら、声を出しました。一番仲の良い友だちの電通の子にも言えませんでした。でも記事が出たら、応援してくれると言ってくれて。
今は、ハッシュタグの#MeTooを真面目に聞かないといけないという意識が広がってきたと思います。声を上げる人を受け止めるとことから、みんな変われたらいいなと思います。これは男性でも出来ることです。
「セクハラだと思うんだよね」と言われたときは、周りの人は、その話を信じて聞いてあげてほしいと思います。聞く体制ができてないから、話す人がいないんです。私は聞いてくれる人があまりにも少なかった。時代が追いついてなかった。今も全然追いついてないですけど。
私のところにきた読者さんからのメールには、接待に行った帰り際に、「チューしてほしい」と言われた経験が書かれていました。「夫に言っても真剣に受け止めてもらえなかった。だから私も笑いに変えちゃった。でもこのハッシュタグを見てたら、私あのとき怒ってよかったと思った」という人もいました。「今まで笑って受け止めてきたけど、今日はじめて『セクハラですよ』と言えました」という胸がちぎれるようなメールも来ました。
——個人だけでなく、企業や社会も、受け止めないといけない。
外資系で働いている人の話では、その人の会社では、セクハラの対策部署がインドにあるそうです。インドの人が「これはセクハラです」といってすぐに認定してくれる。日系の企業から転職して来た人は、職場環境が良すぎるって驚くそうです。
セクシャルなものに対して敏感な国というのもあるかもしれないですけど、でも日本のオフィスだとセクシャルハラスメントの対策委員会のメンバーが、知り合いの先輩社員だったりします。知り合いに言うのは嫌ですよね。会社組織から離れた、外部の委員会をつくる土壌が日本でできてほしいです。
話したい人は話したいと思ってるんです。でも親身になって受け止める人がいない。我慢しないといけなかったのは、聞いてくれる人がいなかったから。もし、周りでそういう人がいたら、まずは耳を傾けて、信じて欲しいです。


ICAN事務局長が安倍首相に面会要請
核兵器禁止条約の採択に貢献し、ノーベル平和賞を受賞した国際NGOのICAN=核兵器廃絶国際キャンペーンの事務局長が、来月、初めて日本を訪れることになり、被爆地の広島と長崎を訪問するとともに、条約への参加を求めるため政府に安倍総理大臣との面会を要請していることがわかりました。
国際NGOのICANは、核兵器禁止条約の採択に貢献したとしてことしのノーベル平和賞に選ばれ、今月、ノルウェーで行われた授賞式では、ベアトリス・フィン事務局長が演説を行いました。
フィン事務局長は来月12日から7日間の日程で日本を訪れ、被爆地の広島や長崎で講演などを行う予定ですが、滞在中、安倍総理大臣との面会や、各政党の幹部を招いた討論会の開催を計画し、政府や各政党に要請していることがわかりました。
核兵器禁止条約について、日本は、核保有国が参加していないため現実的な核軍縮にはつながらないとして反対の立場を示していて、ICANとしては日本が条約に参加した場合の効果と弊害の双方を具体的に調査、研究することなどを安倍総理大臣らに提案したい考えです。
ICANの川崎哲国際運営委員は、「条約に反対する国々が、もし署名をしたらどういう意味があり、どういう障害があるのか十分に検討してほしい。漠然と、核の傘のもとにあるから賛成できないということでなく、具体的な議論になっていくよう、NGOとしてもサポートしていきたい」と話しています。


安倍首相は「憲法をおもちゃにしている」−立民・枝野代表が改憲批判
延広絵美、Isabel Reynolds
立憲民主党の枝野幸男代表は、安倍晋三首相が意欲を示している憲法改正について「変えること自体が自己目的化している」と指摘し、「憲法をおもちゃにしている。まじめに憲法を考えていない」と批判した。
  枝野氏は25日、ブルームバーグの取材で、集団的自衛権行使を容認した安全保障関連法は「憲法違反」とした上で、安倍首相が掲げる9条への自衛隊明記などの改憲案について「今の憲法を守ってから、変える論議が初めてできる」と強調。安保法の「違憲部分を撤回しない限り9条を変えることはあり得ない」と語った。
  自民党の憲法改正推進本部は20日、自衛隊の明記や緊急事態条項の創設などを目指す4項目について論点整理を示した。9条については首相が提唱した1、2項を維持して自衛隊を明記する案と、戦力不保持などを定めた2項を削除し自衛隊の目的・性格をより明確化する案を両論併記した。
  枝野氏は4項目について「どれも賛成できる余地はない」と言う。非常時に国会議員の任期延長を可能にする案に加え、政府への権限集中や私権制限を含めた緊急事態条項案が示されたことに対しても、「ヒトラーの全権委任法のようなものでなければ今の憲法で十分だ」とし、現行憲法で適切に対応可能との考えを示した。
  枝野氏は北朝鮮の核・ミサイル開発の進展を受けて政府が導入を検討している長距離巡航ミサイルについても触れ、専守防衛を逸脱する可能性があると懸念する。政府が22日閣議決定した来年度予算案で関連費用を計上したにもかかわらず、10月の衆院選で争点化しなかったことは「政治的に不誠実だ」と指摘。来年の通常国会の「大きなテーマ」として政府を追及する構えを見せた。
  防衛省は3種類の長距離巡航ミサイルの取得を目指している。射程は最大で約900キロで技術的には北朝鮮にも到達可能だが、小野寺五典防衛相は5日の記者会見で「敵基地攻撃を目的としたものではない」と説明した。こうした発言について枝野氏は「常識では考えられない」と述べ、敵基地攻撃能力を導入しようとしているなら「堂々と国民に問うべきだ」と語った。
野党連携
  立憲民主は報道各社の世論調査で野党トップの支持率を維持している。枝野氏は野党第1党として政権交代を目指す上で必要なのは「党が大きくなっていくこと」だとするが、「政界再編で政権を取ろうとは全く思っていない」と述べ、古巣である民進党系の再結集には慎重な姿勢を崩していない。
  特に、立憲は先の衆院選で政策理念の違いから「希望の党に入れないので旗を立てた」経緯がある。枝野氏は、希望と統一会派を組むことは「アイデンティティーを失う」と明言。現在、党の再生に向け改革案を協議している民進から統一会派の申し出があった場合でも、「希望の党には呼び掛けないという前提でなければ話のしようがない」と3党連携は拒否する姿勢を示した。
  希望の玉木雄一郎代表は23日の記者会見で、巨大与党と対峙(たいじ)する上で「野党がバラバラではまともな国会論議はできない」と野党連携に意欲を見せた。これに対し、枝野氏は「主張の違う党がそれぞれの主張をしっかり訴えていくのが国会のあるべき姿」と述べるとともに、「単に野党が数がまとまれば力を発揮できるなら、民進党はもっと力を発揮していたはずだ」と自戒を込めて語った。
日銀
  アベノミクスの第一の矢を担う日本銀行の金融政策については「結局インフレ目標も達成できない、出口も見えない」現状だとして、来年4月に任期満了を迎える黒田東彦総裁が「けじめをつけないと前に進まない」と述べ、続投すべきではないとの考えを示した。  
  枝野氏は異次元緩和から始まった現行の枠組みは「そもそも方向性が間違っていた」としたものの、急に金融引き締めにかじを切るのは不可能であり「方針転換するためには、3年とか5年という時間が必要ではないか」と語った。


貴乃花vs八角理事長でマスコミが代理戦争! 貴派はスポニチ、文春、フジ産経、理事長派は読売、朝日、日刊ゲンダイ
 いまだに連日、ワイドショーをにぎわしている日馬富士の暴行事件をめぐる貴乃花親方と八角理事長率いる日本相撲協会の対立劇。もっとも報道の論調は途中から一変してしまった。当初は、相撲協会のリークに乗っかった貴乃花親方バッシングが主流だったのが、いまでは、多くのテレビ、スポーツ紙、週刊誌が白鵬らモンゴル力士バッシング、相撲協会批判に傾き、貴乃花親方擁護の論陣をはるようになってしまったのだ。
 コメンテーターも同様で、相撲協会よりの相撲記者、相撲レポーター以外の出演者はいずれも貴乃花擁護のコメントを連発。たとえば、空気を読むことに長けていると評判の『ひるおび!』コメンテーター・八代英輝弁護士などは事件当初、あれだけ「貴乃花親方の対応に疑問を感じる」と声をあげていたのに、いまでは「貴乃花親方を処分しようとする日本相撲協会はおかしい」と相撲協会批判にまで踏み込むなど、態度を豹変させた。
 ただ、同じ貴乃花擁護派でもその本気度にはかなり温度差があるようだ。
「ほとんどのメディアは、世間の空気が貴乃花親方に同情的なので、そっちに乗っかってるだけ。“貴乃花親方にくっついて白鵬を叩いたほうが視聴率が取れるし、新聞も売れるから”というようなレベルです。そんななかで、ゴリゴリの貴乃花親方派なのは、今回の暴行をスクープしたスポーツニッポンと、貴乃花親方から直接、情報をリークされていて、近く親方の手記が掲載されるのではないかといわれている『週刊文春』(文藝春秋)。あと、フジ産経グループもあの極右排外主義に通じるものがあるのか、貴乃花親方を一貫して擁護していますね。特に『夕刊フジ』は露骨で、貴乃花親方にかこつけて思う存分モンゴルヘイトを全面展開してます」(スポーツ紙記者)
 もっとも、いまでも、貴乃花親方に批判的なメディアも数少ないながら存在する。まず、新聞では、読売新聞とスポーツ報知がドン・渡邉恒雄代表と日本相撲協会の関係から現在も相撲協会主流派の八角理事長に食い込んでおり、貴乃花に批判的だ。テレビでは、大相撲ダイジェストをずっと放送していた関係で、他局より相撲協会と関係が深いテレビ朝日がやや相撲協会よりといえるだろう。
 また、前回の理事長選挙の時から、貴乃花親方と協会私物化疑惑のある経営コンサルタントや新興宗教とが親密関係にあることに注目し、疑問を呈していた「週刊朝日」(朝日新聞出版)、「日刊ゲンダイ」が今回も貴乃花批判の急先鋒となっている。
理事選挙を前に夕刊フジと日刊ゲンダイが貴乃花VS八角の代理戦争
 ようするに、メディアの側も、貴乃花親方派と八角理事長・相撲協会派にわかれて、代理戦争を繰り広げているのだ。しかも、この代理戦争はさらに露骨になっている。
 もともと、今回の暴力事件がここまでこじれた背景には、来年2月の理事長選挙、理事選挙をめぐる貴乃花親方と八角理事長の綱引きがあった。暴行事件を八角理事長おろしに利用したい貴乃花親方と、逆にその対応の責任を追及することで貴乃花親方を潰したい八角理事長。さらに、18日に錣山親方、湊親方、立田川親方の3人が、本来、八角理事長派である時津風一門からの離脱を表明すると、マスコミが両派の意向を反映した票読みまで始めたのだ。
 その典型が昨日25日発売の「夕刊フジ」と「日刊ゲンダイ」だろう。まず、
夕刊フジは「貴 勢力倍増」という見出しで、貴乃花部屋が時津風一門からの離脱を表明した錣山親方、湊親方、立田川親方の3人以外にも理事長派だった親方が 次々と反旗を翻して合流し、17人まで膨れ上がるとぶち上げた。
 一方の日刊ゲンダイはというと、夕刊フジとは真逆。「貴軍団内部分裂 勢力拡大のウソ」「貴乃花親方 勢力激減 自業自得」とのタイトルで、時津風一門を離脱した3親方も貴乃花を支持しないうえ、次々と人が離れていると報じた。
〈3人は来年の理事選で貴乃花一門を支持しないと聞いた〉〈この3親方に加え、前回の理事選で貴乃花一派を支持した時津風親方(44=元前頭時津海)以下の3親方もすでに離反、時津風一門からは計6人が貴乃花親方から離れることになります〉(日刊ゲンダイより)
 勢力は倍増どころか、減少の一途で、貴乃花は理事選で本人ひとりぼっちになる可能性さえ指摘されている。
 ここまで真逆だと、いったいどっちが正しいのか、わけがわからなくなるが、実はどちらもかなり、我田引水的な解釈、情報操作が混じっているようだ。
 まず夕刊フジだが、17人に膨れ上がるという根拠としてあげたのが例の“女装カレンダー“。この女装カレンダーは昨年12月の貴乃花部屋の忘年会で参加者に配られた貴乃花ら11人の親方の女装姿カレンダーが流出し物議を呼んだものだが、夕刊フジは「図らずも結束の固さが白日の下にさらされた(?)11人」と紹介。このカレンダーに、貴乃花一門と先の時津風一門を出た3親方以外に、時津風親方、玉ノ井親方、山響親方、甲山親方が登場していたと報じたのだ。
 もっとも、この“女装カレンダー“はまだ、ここまで対立が激化していない昨年のもので、貴乃花親方との距離感は例の騒動以降、大きく変わっている。実際に今年は、このカレンダーに出たのに、貴乃花部屋の忘年会に参加しなかった親方がかなりいたという。
貴乃花勢力倍増と報じた夕刊フジ、でも能町みね子に間違いを指摘され
 しかも、参加した親方の名前も完全に間違えていたらしく、相撲通のコラムニスト・能町みね子氏からツイッターでこんなツッコミを入れられる始末だった。
〈「貴乃花派」に甲山親方が入ってるけど、これは例の女装カレンダーの正体をネットの誰かが間違えて甲山さんだと拡散したことから広まった誤解で、実際あの女装は陣幕親方。もうこの時点で信用性がいちじるしく低いのですが…〉
 他にも、“同期の桜”で現役時代に仲がよかったという理由だけで、浅香山親方(元大関・魁皇)も貴乃花親方と行動をともにすると書くなど、かなり無理矢理な記述が目立った。
 一方の日刊ゲンダイも、時津風一門から離脱した3親方について「時津風一門を離れるのは、前回の選挙で貴乃花一門を支持したみそぎ」で「来年の理事選挙で貴乃花一門を支持しない」などと書いているが、これは完全に的外れだ。
 他の親方らの間では貴乃花支持から離脱する動きが出ているのはほんとうだが、あの3親方については、次の理事選で貴乃花親方を支持するのは明らかだという。実際、そうでなければ、わざわざ離脱する理由がないだろう。
 いずれにしても、両陣営に割れたマスコミが理事選を前に、それぞれ、自分のくっついている陣営に勢いがあるとアピールし始めたというわけだ。しかも、そこには、かなりのフェイクニュースがまじっている。
 相撲協会の不祥事隠蔽の手伝いから始まって、排外主義丸出しのモンゴル力士バッシング、さらには貴乃花親方vs八角理事長の多数派工作宣伝部隊の役割まで演じ始めたマスコミ。ここまで検証してきてなんだが、「どうでもいいわ」とつぶやくしかない。(林グンマ)


炉心溶融認めず 官邸ではなく当時の東電社長判断
東京電力が、福島第一原子力発電所の事故のあと、2か月以上メルトダウンいわゆる炉心溶融が起きたことを認めなかったことについて、新潟県と東京電力が合同でつくる検証委員会は26日、当時の清水社長の判断であり、当時の民主党政権の官邸からの指示はなかったとする調査結果を公表しました。
福島第一原発の事故では、3つの原子炉で核燃料が溶け落ちるメルトダウンいわゆる炉心溶融が起きましたが、東京電力は事故から2か月後まで正式に認めず、東京電力の委員会は去年6月、当時の清水正孝社長が当時の民主党政権の官邸からの指示で“炉心溶融”という言葉を使わないよう指示していたなどとする検証結果をまとめていました。
これについて、福島第一原発の事故を検証する新潟県と東京電力でつくる合同委員会は26日、清水元社長らへのヒアリングの内容を踏まえ、事故のあと炉心溶融が起きたことを認めなかったのは、清水元社長みずからの判断であり、官邸などからの指示はなかったとする調査結果を公表しました。
それによりますと、清水元社長は「官邸から炉心溶融を使うなという電話などはなかった」としたうえで、炉心溶融という言葉の定義が不明確で、官邸と共通認識をもっていないため、その言葉を使用しないように指示したとしています。今後、委員会では検証結果をまとめ、新潟県や東京電力に報告書を提出するとしています。
今回の検証結果について東京電力は、「当時の清水社長が『炉心溶融』を使うなと指示したこと自体が問題だと考えており、今後はどのような事態に直面しても、二度と同様のことを繰り返さないよう再発防止対策を徹底しています」とコメントを出しました。
炉心溶融問題 調査の経緯
柏崎刈羽原発がある新潟県は、福島第一原発の事故の検証なしに再稼働の議論はできないとして、東京電力がなぜメルトダウン=炉心溶融が起きていたことを事故から2か月もの間認めなかったのかを追及してきました。
東京電力はメルトダウンの公表が遅れたことについて、「判断の根拠がなかった」などという説明を繰り返していましたが、事故から5年近くが経った去年2月、炉心損傷割合が5%を超えていればメルトダウンと判定すると記したマニュアルが社内の調査で見つかったことを明らかにしました。
東京電力は外部の弁護士らでつくる委員会を設置し、公表が遅れた経緯を改めて調査していましたが、委員会は去年6月、事故当時の清水正孝社長が、民主党政権だった官邸からの指示で“炉心溶融”という言葉を使わないよう指示していたなどとする検証結果をまとめました。
これに対して民進党は、指示や要請をしたことはなく、明らかな事実誤認だとして抗議していました。新潟県は問題の全容が解明されていないとして、その後も、清水元社長ら当時の幹部への聞き取りを行い、具体的に指示をした人物の特定や指示の内容について調査を続けていました。

年賀状印刷→投函/国相手の大飯原発止めよう裁判

ブログネタ
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Fig76

Jean-Jacques Goldman en tête du Top 50 des personnalités préférées des Français
Paris - L'auteur-compositeur Jean-Jacques Goldman est la personnalité préférée des Français, devant l'acteur Omar Sy et le champion de judo Teddy Riner, selon le Top 50 Ifop publié par le Journal du dimanche.
Invités à choisir les dix personnalités françaises "qui comptent le plus pour vous aujourd'hui, et que vous trouvez les plus sympathiques", les sondés ont permis à Jean-Jacques Goldman de passer de la 3e place il y a un an à la première en décembre 2017.
Omar Sy, deuxième, était arrivé en tête en décembre 2016.
Derrière le trio de tête suivent l'acteur, humoriste et réalisateur Dany Boon (4e), l'actrice Sophie Marceau (5e) et l'acteur Jean Reno (6e).
Le médecin et animateur de télévision Michel Cymes occupe la 7e place, devant l'humoriste Gad Elmaleh (8e), le chanteur Florent Pagny (9e) et l'humoriste Florence Foresti (10e).
Première personnalité politique citée, Emmanuel Macron occupe la 34e place.
Le chef de l'Etat arrive en première position du Top 10 parmi les sympathisants de son mouvement politique La République en Marche, devant Jean-Jacques Goldman et Michel Cymes.
Qu'il s'agisse des sympathisants de la gauche ou de la droite, ils placent Jean-Jacques Goldman en tête.
Sondage mené auprès d'un échantillon de 1.003 personnes, représentatif de la population française agée de 15 ans et plus (méthode des quotas).
Les interviews ont été réalisées par questionnaire auto-administré en ligne du 6 au 11 décembre 2017. Une liste de 64 personnalités a été soumise aux sondés. Auparavant, une liste de 50 potentiels nouveaux entrants avait été proposée aux internautes pendant tout le mois de novembre : les 10 premiers de cette présélection ont intégré la liste des 64 noms testés.
フランス語
フランス語の勉強?
地球ドラマチック「宇宙食レボリューション〜三つ星シェフの挑戦〜」
人類初の宇宙進出から半世紀以上。いまだに「改善の余地あり」と言われる宇宙食をグルメな料理にするため有名一流シェフが立ち上がった!前代未聞の宇宙食開発に密着する。
宇宙食改革に挑むのは、英国人三つ星シェフのヘストン・ブルメンタール。ヘストンは、アウトドア好きの宇宙飛行士のために、サケとソーセージを使ったキャンプ料理風の宇宙食を思い付く。ぜいたくな一品としてビーフシチューも献立に登場。トッピングの昆布は、宇宙空間でうまみを感じてもらうための秘策だ!さらに無重力空間でも「くずが飛び散らない」パン料理も考案。はたしてその成果は?いよいよ宇宙での試食が始まった… 渡辺徹 〜BBC World Wide制作〜

望月衣塑子 @ISOKO_MOCHIZUKI
ジャーナリストの伊藤詩織さんの著者インタビュー 本日発売の #プレジデント に!日本の難民問題にも言及。プレジデント社の方が、詩織さんに書いて欲しいと依頼されたようで、詩織さんが日本での仕事を受けれたととても喜んでました。「パリのすてきなおじさん」の著者インタビュー、写真も。
ニュース 東大の声VOUT @freedom_ut_stu
本紙は東大学内メディアではありますが、過去に東大は駒場寮を潰された歴史を持つことから、京大吉田寮での寮自治会の闘いを応援します。
ささきりょう @ssk_ryo
会社が組合の要求をのんだので、ストは解除された。明日から通常運航。労働組合、よくがんばった!
#九州商船ストライキ
今度の一件で、ストライキの強さを目の当たりにした。今後、他の労組も、この伝家の宝刀を抜くことを恐れず、何より忘れないでもらいたいな。

「国相手の大飯原発止めよう裁判」
大飯原発設置変更許可取消訴訟 第24回口頭弁論期日
地震動データ改ざんに関する求釈明への国の回答等。
報告集会:大阪弁護士会館1205室
呼びかけ:おおい原発止めよう裁判の会

松井計 @matsuikei
時々、「うちは仏教徒だからクリスマスで騒ぎません」てな論を見るけど、それよりもむしろ、「うちはクリスチャンだからああいうクリスマスはやりません」のほうが正しいような気がする。

年に一度の年賀状.昨日までにだいたい考えていたので,午前中に印刷しました.一言二言と言ってもほんの少しですが書き加えて投函.実は投函したのは夕方でした.
国相手の大飯原発止めよう裁判,の報告集会に参加しました.火山灰の影響が無視できないこと,国がデータをごまかしていることがわかりました.福井の原発でできた放射性廃棄物の保管ですが,六ヶ所村または和歌山の日置川が狙われているそうです.日置川には「工作員」が4人もいるとのことでビックリです.

六甲山の慰霊の木柱に黒いペンキ 東北と兵庫の登山者が建立
 兵庫県と岩手、宮城、福島3県の勤労者山岳連盟が昨年3月に神戸市の六甲山に建てた阪神大震災と東日本大震災の犠牲者鎮魂や復興を願う木柱が今年5月、ペンキのようなもので黒く塗られる被害に遭っていたことが25日、関係者への取材で分かった。被害届を受けた東灘署が器物損壊事件として調べている。
 木柱は兵庫県の連盟が東日本大震災の被災地支援のため東北でボランティア活動を進めた際に、各県の連盟と関係が深まり、設置が決まったという。兵庫県の連盟の村上悦朗副会長(81)は「腹立たしい。東北の被災者の方にも顔向けできない」と話している。


震災犠牲者 今度は鎮魂碑が全面真っ黒塗りつぶし被害
神戸の六甲山頂付近 兵庫県の勤労者山岳連盟が明らかに
 兵庫県の勤労者山岳連盟(労山)は24日、東北3県の労山と一緒に神戸市東灘区の六甲山頂付近に建立した震災犠牲者の鎮魂碑が、何者かにペンキのようなもので全面真っ黒に塗りつぶされたと明らかにした。被害を5月下旬に確認し、6月に県警東灘署に届けた。同署は器物損壊容疑で捜査している。
 兵庫労山によると、2011年3月の東日本大震災を受け、メンバーが現地で支援活動に取り組んだのをきっかけに岩手、宮城、福島の労山と交流を深め、昨年3月に鎮魂碑を建立。一辺9センチ、高さ1.3メートルの茶色の木製四角柱で、白字で阪神大震災と東日本大震災の発生日のほか、「復興祈願」などと記した。今年4月にメンバーが訪れた際は、無事だったという。
 兵庫労山の村上悦朗副会長(81)は「震災犠牲者の心情を思うと許せないが、また被害に遭うかもしれないと思うと修復もできない」と困惑している。
 神戸市では阪神大震災犠牲者を追悼する「慰霊と復興のモニュメント」(中央区)でも落書きが見つかっている。【藤田愛夏】


震災鎮魂の木柱 黒く塗りつぶし
阪神・淡路大震災と東日本大震災の犠牲者の鎮魂を願って六甲山の山頂付近に設置された木柱の文字が、ペンキのようなもので黒く塗りつぶされていたことが警察への取材で分かりました。
警察は、器物損壊事件として捜査しています。
この木柱は、阪神・淡路大震災と東日本大震災の犠牲者の鎮魂や復興を願って、去年3月、兵庫県勤労者山岳連盟などが神戸市東灘区の六甲山山頂付近に設置しました。
警察によりますと、木柱は高さおよそ1メートルで「鎮魂」や「復興祈願」などの文字が書かれていましたが、ことし6月、ペンキのようなもので黒く塗りつぶされているのが見つかったということです。
警察は、山岳連盟からの被害届を受け、器物損壊の疑いで目撃者がいないかなど捜査しています。
神戸市では、今月22日にも阪神・淡路大震災の犠牲者の名前などが刻まれているモニュメントに落書きがされているのが見つかっています。


柳美里さん、南相馬の自宅で朗読劇イベント
 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の被災地支援のため、南相馬市小高区に移住した作家柳美里さん(49)が24日、自宅のガレージで朗読劇イベントを開いた。柳さんが自宅で開業準備を進めている書店カフェ「フルハウス」に併設予定の劇場「LaMaMa ODAKA(ラママオダカ)」のプレオープンイベント。近くの住民や県内外のファンら約140人が観劇した。
 披露したのは、柳さんの小説「ねこのおうち」をクリスマス向けにアレンジした朗読劇。
 末期がんの妻と妻に寄り添う夫、飼い猫ゲンゴロウの悲しくも心温まるやりとりを、柳さんの友人のフリーアナウンサー渡辺真理さん(50)、NHKアナウンサー吾妻謙さん(48)が演じた。終幕では、来場者全員で「きよしこの夜」を合唱した。
 柳さんは2015年に神奈川県鎌倉市から南相馬市原町区に移住し、今年7月に小高区に移った。旧避難指示区域の子どもや住民の居場所づくりを目指し、来春にも自宅を書店に改装する計画だ。
 書店名「フルハウス」は柳さんが初めて書いた小説のタイトルで、大入り満員という意味。「初心に返って店を開き、多くの住民が帰還してほしい」との思いを込めた。
 併設の劇場は広さ約100平方メートル。住民が自由に文化活動を発表できる場にしようと自宅のガレージなどを改装する予定で、来秋の開設を目指す。
 柳さんは「劇場を完成させてから劇をやるのではなく、住民の皆さんと一緒に劇が生まれたこの場所に劇場を建てたい」とイベント開催の狙いを語った。
◎書籍購入費を募集 CFで500万円目標
 南相馬市小高区にある自宅に書店カフェ「フルハウス」を整備中の作家柳美里さんは、書籍購入に充てる費用をインターネットのクラウドファンディング(CF)で募っている。
 目標額は500万円。CF専用サイトの「Motion Gallery(モーションギャラリー)」で来年2月28日まで受け付ける。出資5万円で柳さんがガイド役を務める小高ツアー、10万円で直筆原稿などを贈る。


豪雨被災地の子どもサンタ激励
25日はクリスマスです。
九州北部豪雨で大きな被害を受けた福岡県東峰村の子どもたちの元を24日夜サンタクロースが訪れ善意で集められた絵本やおもちゃを手渡しました。
サンタが訪れたのは7月の九州北部豪雨で大きな被害を受けた福岡県東峰村の幼稚園や保育園に通う31人の子どもたちの家庭です。
サンタは地元の有志やNPO法人を通じて全国から善意で集められたおもちゃや絵本を1人1人に手渡しました。
サンタは子どもたちが災害の中で母親の手伝いや幼稚園の活動などこの1年がんばったことを褒めたあと絵本やおもちゃを手渡しました。
子どもたちは大喜びして早速、お母さんに読んでもらっていました。
中には豪雨のあと保育園と自宅を結ぶ道路が寸断されて母親と2日間会えなかったり自宅が被害に遭い引っ越しを余儀なくされたりした子どももいるということです。
プレゼントを受けとった子どもの母親は、「子どもたちがうれしそうな顔をしているのが一番うれしいです/災害はあったものの、こんな風な機会をつくってくれて胸がいっぱいです」と話していました。


【現場から、】九州北部豪雨、「復興」見えぬ集落
 九州北部豪雨からまもなく半年です。福岡県朝倉市では、被災した集落に残り行方不明の妻の帰りを待ち続ける男性がいる一方、故郷から離れる決断をした住民も多くいます。存続の危機に直面する被災地の「現場から、」です。
Q.先祖に何と報告したんですか?
 「かあちゃんの何かを見つけてくれって」
 福岡県朝倉市の田中耕起さん(54)。あの日からずっと妻の加奈恵さん(63)の帰りを待ち続けています。
 「ハヤシライス食べたいから、早うつくらんかいって。うまいよ。いけてるもん、うちのかあちゃん」(田中耕起さん)
 今年7月、静かな集落を襲った豪雨は濁流となり、加奈恵さんがいた自宅に押し寄せました。仕事で外出していた田中さん。電話での数回のやりとりが最後の会話となりました。
 田中さん夫婦が住んでいた乙石川流域。長さ4キロほどの川に沿って、36世帯98人が暮らしていました。福岡県内の豪雨による犠牲者と行方不明者は合わせて38人に上りますが、このうち、7人は乙石川流域の住民です。
 乙石川の上流に住んでいた梶原恭輔さん(42)です。自宅は土砂に流され全壊。42年間過ごした故郷ですが、戻る気はないといいます。
 「住める状態じゃないし。住めない」(梶原恭輔さん)
 梶原さんは、豪雨の1か月後に朝倉市のアパートに移り住みました。いわゆる、みなし仮設住宅です。生活再建の猶予期間として、2年間は家賃の全額が国から補助されます。
 「土地はあるけど、家を建てられるわけがない。そういう人に『2年間』というのは無理じゃないかと、再建がね」(梶原恭輔さん)
 今月9日に開かれた国や朝倉市などの行政側と被災した住民らとの話し合い。どのように復興を進めていくかを議論する場です。もともと住んでいた場所に戻るのか、それとも離れるのか。重い決断を迫られている住民の苦悩は、強い言葉となって行政側にぶつけられます。
 「見捨てられるんじゃないかなというような気がしました。本当にですね、住んでみてください。怖いですよ」(女性)
 「戻りたい、戻りたいけど今のままでは戻れない、だからどうかして欲しい」(松末地域コミュニティ協議会 伊藤睦人会長)
 国などは、来年3月までに復興計画をまとめる方針です。
 住民それぞれの思いや事情が交錯し、復興が見通せないまま、被災地は豪雨から半年を迎えようとしています。


奄美復帰64年で記念集会
戦後、アメリカ軍に統治されていた鹿児島県の奄美群島が日本に復帰して、25日で64年です。
奄美市では、日本に復帰したことを記念する集会が行われました。
奄美群島は、戦後、アメリカ軍に統治されていましたが、地元の人たちの激しい運動を受け、64年前の昭和28年12月25日に日本に復帰しました。
奄美市では、毎年この日に合わせて記念の集会を開いていて、25日は市民や地元の小中学生などが集まり、名瀬小学校で集会が行われました。
会場には祭壇が設けられ、参加した人たちは、復帰運動に力を尽くしその後亡くなった人たちに献花を行いました。
そして、15歳の時に復帰を経験した奄美市の石神京子さん(79)が、戦後はどの家庭も貧しく、子どもたちもまきを拾うなどして家事を手伝っていたことや、日本に復帰するとの知らせを聞いたときは、地元の人たちは近くの学校の校庭に集まって喜びを分かち合ったことなど、当時の経験を話しました。
これを受けて名瀬中学校2年の西形みさきさんが「終戦後の先人たちの苦労が忘れられないように、今の奄美を生きる私たちが後世に伝えていかなければいけない」と決意を述べました。
参加した小学6年の女子児童は「昔の奄美の人たちが奄美を日本に返すように活動したことは、ありがたいことだと思いました。自分たちのあとの人たちにも伝えていきたい」と話してしました。


川崎・老人ホーム転落死 元職員「記憶にない」無罪主張へ
3件の殺人罪 18年1月23日から横浜地裁で初公判
 川崎市幸区の有料老人ホーム「Sアミーユ川崎幸町」で入所者3人が転落死した事件で、3件の殺人罪に問われた元施設職員、今井隼人被告(25)が、事件当時について「記憶していない」と説明していることが捜査関係者への取材で分かった。来年1月23日から横浜地裁で始まる裁判員裁判で、事件への関与を否定し、無罪を主張する見通し。今井被告は捜査段階で殺害を認めていたとされ、公判では供述の経緯なども争点になりそうだ。
 起訴状によると、今井被告は2014年11〜12月、当時86〜96歳の男女の入所者3人をホームの居室のベランダから転落させ、殺害したとされる。
 捜査関係者らによると、神奈川県警は16年1月末から任意で今井被告に事情を聴き、いったんは3人の殺害を認めたため、逮捕した。だが逮捕後、被告は黙秘に転じ、さらにその後は当時について「覚えていない」などと話しているという。
 これまでの公判前整理手続きで弁護側は、「精神障害の影響で健忘症の症状があり、事件当時の記憶がない」と主張。「検察側は殺人罪の成立を立証できていない」として、起訴内容について争う姿勢を示している。地裁は今井被告の事件当時の精神状態や責任能力などを調べるため精神鑑定を行っており、公判では鑑定結果なども審理されるとみられる。
 被害者3人はいずれも未明に、表通りから死角となる裏庭で見つかった。目撃情報や防犯カメラの映像などの物証に乏しい中、検察側は、3人の転落時に被告がいずれも当直勤務をしていたなどの状況証拠を積み上げて、被告以外に3件の事件を起こせる人物はいないとして有罪を立証するとみられる。
 裁判員裁判には、複数の遺族が被害者参加制度を利用して参加する予定。3月に判決が言い渡される見通し。【国本愛】


エルサレム決議 カネで正義は買えない
 トランプ外交の完全敗北といっていい。エルサレムをイスラエルの首都と認めた米国の決定に対し、国連総会の特別会合が圧倒的多数で、「決定の無効と撤回」を求める決議を採択したからだ。
 エルサレムにはユダヤ教、キリスト教、イスラム教の聖地の集まる旧市街があり、複雑な歴史を経て今日に至っている。
 米国は一九九五年に商都テルアビブからエルサレムに大使館を移す法律を成立させたが、反発を考慮し移転を延期してきた。トランプ氏の首都認定宣言は、公約を守ることで、支持率向上を図る狙いがあったようだ。
 しかしパレスチナやイスラム諸国は強く反発し、米国に近い英国やフランス、ドイツも中東の不安定化に懸念を表明した。
 国連総会に先立って開かれた国連安全保障理事会では、米国の拒否権行使で決議案は否決された。
 その後に開かれた総会の緊急特別会合で、賛成百二十八カ国、反対九カ国という圧倒的な差で決議は採択された。米国の決定撤回を求める国際社会の総意が、明確に示されたといえる。
 極めて問題なのは、特別会合に先立って、米国が各国に対して露骨な「どう喝」を行ったことだ。
 トランプ氏は、決議賛成国への財政支援見直しをにおわせた。
 さらに、ヘイリー米国連大使は、各国の国連大使に「われわれは一票一票に留意する」とするけん制のメールを送り、「国連に対する米国の見る目は変わる」と国連への拠出金削減も警告した。
 カネの力を使ってでも、自国の要求を実現させたいのだろうか。世界の大国とはいえない、乱暴な振る舞いだ。
 国連総会の決議には法的拘束力はない。しかし、安保理がまとまらない場合に国連総会が特別会合を開き、国際の平和と安全の維持について勧告する今回の仕組みは米国が主導して作り上げたものだ。一九五〇年、朝鮮戦争に関連し、安保理でのソ連の拒否権行使に対抗するのが狙いだった。
 それだけに米国は総会決議を重視し、大使館の移転を再考してほしい。
 北朝鮮情勢を巡って、米国と完全に歩調を合わせている日本は、今回は決議に賛成した。国際的な影響を考えれば当然の対応だ。
 日本は、中東地域で中立的な立場を維持し、「仲介役」としても期待されている。米国の外交が不適切な場合には、反対し、忠告することは、もちろん必要だ。


[国連エルサレム決議]力のおごりが孤立招く
 仲介者の役割を放棄したような米国の一方的な振る舞いに対する国際社会からの批判である。
 トランプ米大統領がエルサレムをイスラエルの首都と正式に認定した問題で、国連総会の緊急特別会合が開かれ、認定の撤回を求める決議案を賛成多数で採択した。
 賛成は日本を含む128、反対9、棄権35だった。米国が国際社会から孤立していることを示す結果だ。
 採択に至るまでのトランプ大統領らの態度は、同調しない国に露骨に圧力をかけ、敵か味方かに選別する姿勢が際立った。
 「私たちから数億ドルや数十億ドルも受け取っておきながら、反対する国があれば、やらせておけばいい。米国は大いに節約できる」。トランプ大統領は緊急特別会合の前日、こう言ってのけた。反対する国には経済援助を削減すると警告を発したのだ。
 カネの力に物を言わせ、米国に従えといわんばかりである。傲慢(ごうまん)極まりない。
 ヘイリー国連大使も国連演説で、最大の拠出金を支出している米国の主張が認められなければ、削減することを示唆した。会合を途中退席するなど、拠出金を人質にしたあからさまな脅しである。
 当初見込みより棄権が多かったのは、米国のどう喝によって安全保障や経済で米国の強い影響下にある国々が棄権に回ったためとみられる。
 決議に拘束力はないが、米国が自ら威信を低下させたことは間違いない。
■    ■
 エルサレムはユダヤ教、キリスト教、イスラム教の三大宗教の聖地で、帰属問題は中東和平の核心である。
 イスラエルは1967年の第3次中東戦争で、東エルサレムを占領・併合したが、国際的に首都と承認している国はない。
 一方、パレスチナ側は東エルサレムを将来の独立国家の首都と位置付けている。
 「パレスチナ国家樹立によるイスラエルとの『2国家共存』が和平実現への唯一の道」というのが米国の歴代政権の方針だった。
 トランプ大統領の首都認定は来年の中間選挙を控え、支持層のユダヤ系やキリスト教右派に公約の実行力をアピールする狙いがある。
 エルサレムを首都と宣言してから約3週間。パレスチナ人とイスラエル軍の衝突が激化し、対立を深めている。一方的な宣言で国際的混乱を引き起こしているのだ。
■    ■
 今回、日本は決議案に賛成した。中東外交で長年築いてきたアラブ諸国との関係を重視したためだ。
 河野太郎外相は現地時間の25日にイスラエルとパレスチナを訪問する。日本の立場も、国際社会と同じように「2国家共存」の支持であることを両首脳に直接伝えるとともに、国際社会と協力して和平への関与を強めてほしい。
 トランプ大統領の暴挙をいさめるのも同盟国の重要な役割であることを認識して働き掛けてもらいたい。
 中東では日本は一定の信頼感と期待感を持たれている。和平に向けて仲介者としての役割を果たしてほしい。


国連エルサレム決議 米国の露骨な圧力看過できない
 米国の孤立が鮮明になった。トランプ米大統領がエルサレムをイスラエルの首都と正式認定した問題で、国連総会の緊急特別会合は、米政府を批判し認定の撤回を求める決議案を、日本を含む賛成多数で採択した。
 一方的な「首都認定」から半月が過ぎた。東エルサレムを将来の独立国家の首都と位置づけるパレスチナの抗議デモはやまず、イスラエル軍の銃撃や報復攻撃で多数の死傷者を出している。トランプ氏には、国際社会の声を重く受け止め、認定を撤回するよう求めたい。
 だが、米国は聞き入れるどころか、考えが認められないなら国連への拠出金を削減すると圧力をかけた。会合前にはトランプ氏本人が、米国が経済支援している国に対し「反対すればいい。米国は大いに節約できる」と支援削減をちらつかせた。
 国際社会を主導すべき大国が取る態度とは思えず、経済力の弱い国々を資金力によって都合よく動かそうとする傲慢(ごうまん)さは、看過できない。「国の尊厳や票をカネで買えると思うのは倫理にも反する」(トルコのチャブシオール外相)と猛反発を受けるのも当然だ。経済支援を盾に力ずくで服従を強いることは、到底許されない。
 米国の強い影響下にある国のいくつかは採択で棄権や反対に回ったが、128カ国の賛成に対し、反対は当事国である米国とイスラエルを含む9カ国にとどまった。もとより「認定」は国内の支持者をつなぎ留めるための身勝手で、大義もない。どう喝さながらの外交姿勢がさらに、国際社会からの信頼と米国の影響力を失墜させている。その愚に早く気付くべきだ。
 パレスチナ自治政府のアッバス議長は、中東和平の仲介を担ってきた米国に対し、「われわれは米国のいかなる和平案も受け入れることはできない」と態度を硬化させた。これまで積み上げてきた協議が水泡となりかねず、再構築が欠かせない。
 日本は、歴史的にも経済的にも重要な関係にある中東でイスラム諸国の反発を招くのを避けるため、決議案に賛成した。だがその一方、トランプ氏の不興を買って日米同盟にほころびが出ないよう、認定の是非に関しては黙している。米国の顔色をうかがうばかりでは、政権が自負する国際社会と米国の「仲介外交」の役割も果たせまい。
 国連のこれまでの決議は、エルサレムを国際管理下に置き、どの国も大使館を置かないと決めている。約束にのっとり、将来的なパレスチナ国家樹立によるイスラエルとの2国家共存に向け、中立の立場で2国間の交渉を支えるよう、毅然(きぜん)とした姿勢で臨むことが重要だ。
 河野太郎外相が今、中東を訪問している。イスラエルとパレスチナで、米国に同調しない立場を双方の首脳に説明するという。近隣諸国と連携して和平協議を立て直すとともに、トランプ氏に対しても、対立解消の努力を促さなくてはならない。


BPO意見書/「倫理違反」の指摘は重い
 放送界の第三者機関、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会が、沖縄の基地反対運動を取り上げた東京MXテレビの番組「ニュース女子」に関して、「重大な放送倫理違反があった」とする意見書を公表した。
 問題とされたのは、外部の制作会社が手掛けた情報バラエティー番組だ。1月の放送直後から「事実に基づかない内容だ」「批判する相手に取材もせず、差別的な表現がある」などの苦情が寄せられていた。
 「ニュース女子」は制作会社による「持ち込み番組」で、MXは制作に関与していない。それでも委員会は「放送前の考査を適正に行わなかった」として局側の対応を問題視した。
 公共の電波を使用している以上、放送した番組についての責任は放送局にあるとする。妥当な判断といえるだろう。
 「ニュース女子」は、化粧品会社の子会社が制作し、東京のローカル局のMXが放送している。時事問題をテーマに刺激的なトークを売り物とする。
 問題の放送では、沖縄の米軍北部訓練場のヘリコプター離着陸帯建設工事に反対する運動の参加者を、出演者らが「テロリストみたい」などと表現した。さらに「救急車の通行が反対派に妨害された」などの話を事実のように伝えた。
 委員会は現地調査を行い、救急車妨害の事実がなかったことなどを確かめた。その上で、MX側が番組の内容について裏付けの確認を怠った−などと指摘し、「放送倫理上の問題を真摯(しんし)に検証したとは言いがたい」と結論づけた。
 意見書は、局による番組の考査は外部からの干渉を防ぎ、放送の自主・自立を守る「とりで」だと強調する。今回の問題で「とりでは崩れた」と放送の在り方に警鐘を鳴らした。
 MXは当初、「問題はない」との姿勢を示したが、BPOの審議入りを受けて沖縄県民の声を紹介する番組を制作した。
 MXはもちろん、制作会社など関係者全てが意見書を重く受け止めねばならない。番組の内容を問わず公正、公平さを堅持し、人権を尊重する義務がある。放送界全体が、改めて深く肝に銘じるべきだ。


米軍ヘリ窓落下 「文句言うな…」被害小学校に続く中傷
「やらせだ」や「自作自演」まで のぞく沖縄差別
 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)に隣接する市立普天間第二小学校への米軍ヘリの窓落下事故で、同校などに「学校を後から建てたくせに文句を言うな」といった抗議電話が続いている。第二小の歴史を踏まえ、差別意識ものぞく抗議の背景を考えた。【遠藤孝康、中村かさね】
 第二小は1969年、児童の増えた普天間小から分かれて開校した。飛行場は市域の4分の1を占め、市は「他に場所がなかった」と説明する。そもそも飛行場は沖縄戦のさなか、米軍が住民を収容所に拘束しつつ造ったもの。以前は役場や学校、多数の集落があった。終戦後、住民は周辺に住まざるを得なかった。
 米海兵隊は50年代に本土から沖縄に移転を始めたが、当初、飛行場は静かだった。60年代に飛行場で働いた崎浜秀松さん(81)は、「ベトナム戦争(73年和平協定調印)中はがら空きだった」と証言する。その後、様相は一変する。
 沖縄国際大の野添文彬准教授(日本外交史)によると、70年代後半、普天間には米軍岩国基地(山口県)などから新たに海兵隊部隊が移転し、軍用機が激しく飛び交うようになった。野添氏は「本土の基地縮小の結果、沖縄への米軍の集中や普天間の機能強化が進んだ」と話す。
 市は80年代、第二小PTAの移転要望を受け、約30億円の用地取得費補助などを政府に求めたが、実現しなかった。元PTA会長の藤井登良徳(とらのり)さん(68)は「政府は現状を全く分かってくれなかった」と振り返る。
 学校側への抗議電話は30件を超え、「やらせだ」など根拠のない誹謗(ひぼう)中傷も多い。翁長雄志知事は21日、「目の前で落ちたものまで『自作自演』だと来る。それ自体が今までにない社会現象だ」と語った。
 中傷の背景に何があるのか。沖縄国際大の佐藤学教授(政治学)は「基地集中を中国の脅威で正当化する誤った正義感がある。一度デマが広がると、事実を提示しても届かない」と話す。ジャーナリストの江川紹子氏も「政権に一体感を覚える人には、飛行反対は現政権にたてつく行為と映るのだろう」と指摘する。
 2013年、東京・銀座でのオスプレイ反対デモは「非国民」との罵声を浴び、昨年には沖縄県東村でヘリパッド移設に反対する住民に大阪府警の機動隊員が「土人」と言い放った。差別問題に詳しいジャーナリストの安田浩一氏は「沖縄が悪質なデマ、『沖縄ヘイト』の標的になっている。それを日本社会全体の問題として議論すべきだ」と語った。


生活保護費減額  議論深め安全網維持を
 政府は来年度、生活保護費のうち食費や光熱費などに充てる「生活扶助」を最大5%削減する。
 当初は13・7%減額を示していたが修正した。それでも受給世帯の67%が減額になる。
 生活扶助の水準は5年に一度検証される。前回2013年度には平均6・5%引き下げられた。
 憲法が保障する「健康で文化的な最低限度の生活」ができない、と各地で訴訟も起きている。
 こうした中でのさらなる減額には疑問を抱かざるをえない。
 とりわけ問題なのは、引き下げの理由である。
 政府は、生活保護を受けていない低所得世帯の消費支出より生活扶助費が多いことをあげている。
 政府の考えは、受給世帯の消費支出がそうでない世帯より多いのは認められない、ということだ。
 しかし、最低限の生活を保障すべきという観点に立てば、考え直すべきではないか。
 生活保護基準は住民税の非課税限度額や最低賃金に影響する。地域経済への影響も深刻になろう。
 一般世帯と受給世帯の支出を比較する方法は、保護費を固定せず社会全体の水準に合わせるためのものだった。
 だが「生活保護を受けていない低所得者」の多くは本来、生活保護を受けるべき人たちとなると、話は違ってくる。
 生活保護制度は、受給可能な人の2割程度しか受けていないという指摘がある。
 不正受給対策と同様に、受給漏れも対策を急がねばならない。
 ひとり親世帯が対象の母子加算も引き下げられる。社会で共有されつつある「子どもの貧困対策」に逆行するのではないか。
 一方で受給世帯の高校生が大学などに進学する際に最大30万円の一時金を支給する。
 生活保護費の年間削減額約160億円に対し、必要経費は年約7億円である。安倍晋三首相は「必要でやる気のある人」の進学支援を打ち出すが、この金額では本気度が疑われる。
 生活保護の受給世帯は164万世帯を超え、20年で7倍になった。国と自治体の負担は5兆円に迫っている。
 最大の要因は収入の少ない高齢者の増加だ。
 安倍政権は受給抑制を強めているが、無年金や低年金の高齢者は今後も増える。急場しのぎの抑制では「安全網」は維持できない。
 就労や医療、住宅の支援強化も含めた総合的な議論に早急に向き合う必要がある。


河北抄
 きょうはクリスマス。いつもより早起きし、プレゼントに目を輝かせる子どもたちの姿が目に浮かぶ。飛び切りの笑顔を想像し、ほっこりした気持ちになる一方、気になるニュースが頭をよぎる。
 「クリスマスなんてなくてもいい、来ないでほしい」。シングルマザーの3人に1人がそう考えたことがあると、NPO法人「チャリティーサンタ」(東京)が先日、調査結果を明らかにした。
 「多くの人にとってのお祝い事は、経済的に余裕がない人にはつらいイベント。そこに一人でも多く気付いてほしい」とチャリティーサンタ代表理事の男性。
 厚生労働省によると、18歳未満の子どものうち、平均所得の半分を下回る家庭で暮らす子どもの割合、いわゆる「子どもの貧困率」は13.9%(2015年)。7人に1人の割合だ。
 1人親家庭では50.8%に跳ね上がり、実に2人に1人が貧困状況にある。貧困といっても水や食料、住む家がないという極端な貧しさではない。ただ、「クリスマスなんか来ないで」と考えてしまう人々に思いを寄せたい。


クリスマスなんていらない
12月25日はクリスマスです。枕元に置いてあるプレゼントに気付いた時の子どもたちの笑顔を見ると、親のほうもつい笑顔になってしまいますよね。一方で、経済的な理由からクリスマスを心待ちにする子どもたちの思いが、重荷になっている親もいるといいます。「すべての子どもたちに夢のあるクリスマスを」。そんな願いを込めた新たな取り組みがこの冬、始まりました。(さいたま放送局記者 清有美子)
子どもたちの笑顔が見たい
「メリークリスマス!」。町じゅうがきらびやかに彩られた12月24日の夜、白い口ひげをたくわえ、真っ赤な衣装を身につけたサンタクロースが都内の住宅を訪れました。
玄関先に出迎えたのは、3人の幼い子どもたち。サンタクロースからそれぞれ、赤い袋に入ったプレゼントを手渡されました。
袋の中身は絵本。3人は絵本を取り出すと、「サンタさん、ありがとう」と弾んだ声でお礼を言いました。子どもたちの母親は「ことしは子どもの入学や引っ越しなどが重なり、クリスマスプレゼントを用意できませんでした。子どもたちも喜んでいてよかったです」と話していました。
“Book Santa”
子どもたちに届けられた絵本、実は全国から寄付されたものでした。「Book Santa(ブックサンタ)」と呼ばれるこの冬に始まったプロジェクトです。
経済的に苦しい母子家庭の子どもたちに、楽しいクリスマスを過ごしてもらおうと、東京のNPOの「チャリティーサンタ」と書籍や雑誌の取り次ぎ会社の「日本出版販売」そして、書店の「リブロ」が共同で行いました。
その仕組みです。取り組みの趣旨に賛同した人たちが書店やインターネットで思い思いの絵本を購入してNPOなどに寄付します。そして、寄せられた絵本をボランティアのサンタクロースが全国の母子家庭の世帯などに届けて回ります。
ことしは全国100世帯ほどの母子家庭に絵本を届けたということです。
クリスマスは来ないでいい
こうした取り組みが行われた背景には、“クリスマス格差”が広がっていることがあるといいます。
NPOはことし9月から10月にかけてシングルマザーの女性を対象にインターネットを通じてクリスマスの意識調査を行い、およそ1割にあたる103人から回答を得ました。
それによりますと、「クリスマスは来ないでいいと思ったことがあるか」という質問に対し、36.9%が「ある」と答えました。
その理由としては、「お金がかかるから」が最も多く、次いで「時間的な余裕がないから」、「母子2人で寂しいから」となっています。
また全体の9.7%、10人に1人が「うちにはサンタクロースが来ない」と子どもに伝えたことがあることもわかりました。
“あなたも誰かのサンタクロースに”
今、子どもの貧困が社会的問題になっています。
厚生労働省によりますと、所得が一定の水準を下回り、貧困状態にあるとされる世帯で暮らす、17歳以下の子どもの割合、「子どもの貧困率」はおととしの時点の推計で13.9%となり、およそ7人に1人に上っています。
また、母子家庭などひとり親世帯の貧困率はおととしの時点で50.8%と、全体の半数を超えています。
この冬の「ブックサンタ」の取り組みには802冊の絵本が寄付され、全国各地の子どもたちに届けられました。
NPOの代表の清輔夏輝さんは「クリスマスに幸せな経験をすることは子どもの成長にとっても大きな意味があると思います。クリスマスに夢を持つことのできる子どもが一人でも増えるよう、支援の輪を広げていきたい」と話していました。
「メリークリスマス!」
この言葉とともに子どもたちを笑顔にできる社会を作るために私たちに何ができるのか。忙しいさなかだとは思いますが、年の終わりにそんなことを考えてみてはいかがでしょうか。


朝日新聞・高橋純子氏 「安倍政権の気持ち悪さ伝えたい」
 新聞記者は、ウラを取って書けと言われるが、時に〈エビデンス? ねーよそんなもん〉と開き直る。政治部次長だった時に書いた朝日新聞のコラム「政治断簡」をまとめた著書「仕方ない帝国」(河出書房新社)が評判だ。キチッとした優等生の文章が当然の朝日において、時に〈『レッテル貼りだ』なんてレッテル貼りにひるむ必要はない。堂々と貼りにいきましょう〉とあおり、〈安倍政権は「こわい」〉と言い切る。テンポ良く、小気味いいが、もちろん、炎上も数多い。そんな名物コラムはなぜ、生まれたのか? 朝日新聞論説委員の高橋純子氏に聞いた。
■番記者慣例、森元首相への誕生日プレゼントを拒否
  ――毒づくような高橋さんのコラムは始まった当初から話題でした。中でも炎上したのが、「だまってトイレをつまらせろ」というタイトル。紙がないことを訴えても聞く耳を持たないのであれば詰まらせろと。強烈な安倍政治批判でした。あれが本のタイトルでもよかったのではないですか。
 あのコラムについて、「中学生みたいな文章を載せるな」「次長ともあろう人がなんて下品な」といったお叱りを読者からたくさんいただきました(笑い)。トイレの話は私が考案したテーゼではなく、船本洲治氏という活動家が編み出したもの。さすがに本のタイトルに使わせていただくのは美しくないと思いました。
  ――“名物記者”だったと聞きました。森元首相の番記者時代に慣例だった誕生日プレゼントを拒否したそうですね。
 西部本社の社会部から2000年に政治部に異動しました。政治部特有の“しきたり”を知らず、自分では当たり前の疑問を森元首相にぶつけて記事を書いていたら、ある日、「君の質問には答えたくない」と言われました。メディアと森元首相との当時の対立をご存じの方も多いと思います。いくら「有志で」であっても、さすがに誕生日プレゼントを渡すのはよくないと思ったんです。
  ――それにしても、お堅い朝日のイメージからはかけ離れたコラムです。
 それまでは論説委員として社説を担当していました。「政治断簡」はストレートな永田町の話題を取り上げることが多かったのですが、私を筆者に加えようとした上司には、永田町の外の社会と政治記事をリンクさせる意図があったのかもしれません。
  ――社説も担当していたんですか。
 そうなんです(笑い)。「〜ではあるまいか」などとかしこまった文章を書いておりました。社説は政治家や官僚に向けたものが多く、政策や法律に照らした内容が多かったですね。
  ――政治断簡とは、随分文体が異なります。
 政治断簡は、ひとりでも多くの読者に自分の言葉が届いたらいいなと思って書いています。そのためには、もっともな内容をもっともらしく書いても、読者には届かない。読者に読んでもらうには身体性のある表現が必要だと思っています。
  ――身体性とは?
 極端に言うと、論の精緻さよりも、筆者の感情を込めた文章です。筆者がこれだけ怒っているとか、うれしいとか悲しいとか、そういった表現が今の新聞には失われているように思います。社説を書いている時から、筆者の体温が感じられるように書くことが大切だと考えていました。
  ――それで独特の文体が生まれたのですね。
 08年に休刊した月刊誌「論座」で編集を担当していた頃、うまいのにつまらない文章をたくさん読みました。私は「ヘタでもいいから死んでもこれだけは言いたい」という気持ちを伝えられたらと思っています。
人間の醜い感情を利用した「分断化」社会
  ――コラムがああいう表現になったのには、安倍1強政権だからこそのニーズや必然性があるようにも思います。言葉のすり替え、ごまかしが当たり前の安倍政権をバカ正直に論じてもはぐらかされてしまうというか。
 その通りです。安倍政権の振る舞いや政策を正面から論じても読者はピンとこない。政府もヘッチャラです。なぜなら、向こうは百も承知で「人づくり革命」「1億総活躍」をはじめとする、欺瞞的で、人間を道具扱いするかのごときキャッチフレーズを次々と繰り出してはばからないからです。欺瞞を正面から論破するのは難しい。だから「なんか嫌だ」「どっか気持ち悪い」などといった自分のモヤモヤした感情をなんとか言葉にして読者に伝えないと、権力に対峙したことにならないんじゃないかと思うんです。
  ――筆を走らせ過ぎると、“新聞の中立性”に目くじらを立てる人もいそうです。
 中立って、真ん中に立つことでも、両論併記でもないはずで、各人が「正しい」と思うことを発信し、議論したりせめぎ合ったりする中でかたちづくられるものではないでしょうか。なので、記事を読んだうえで目くじらを立ててくださるのであれば、うれしくはないけどありがたいですね。
  ――一方で安倍政権を手放しで応援する人も存在します。
 差別や憎悪、妬みといった、人間の醜い感情を巧みに利用した「分断統治」が行われている印象を持ちます。社会が分断化されてしまっているのです。もちろん、首相自身が差別的な言葉を口にすることはありませんよ。でも、いつからか、「反日」「国賊」といった、国によりかかって異質な他者を排除するような言葉が世にあふれかえるようになりました。権力を持っている人たちの振る舞いが暗にそうした空気を社会につくり上げ、メディアの批判も届きにくい状況があるように思います。
  ――そういえば、コラムでも〈安倍首相はつるんとしている。政治手法は強権的だが、相手と組み合うのではなく、ものすごいスピードで勝手にコロコロッと転がってゆく〉と書いてました。
 安倍政権はぷよぷよしたゼリーみたいなもので包まれている感じがします。いくら批判しても、吸収されたり、はね返されたりしてしまうもどかしさがあります。例えば、現状に不満を抱えた人たちの承認欲求を逆手に取って「動員」する。それが首相を包むゼリーのようになってしまっているのではないかと。そうした人の承認欲求は別の形で満たしてあげることこそ政治の仕事のはずなのに、人間のルサンチマンをあおって利用するなんて、政治家として絶対にやってはいけないことだと思います。
■「長い物には巻かれろ」でいいのか
  ――「1億総活躍」もそうですが、もともと軍国主義の歴史を背負った言葉を平気で使うところに、首相の姿勢が垣間見えます。
 安倍政権は「1億総活躍社会」のことを「包摂」と説明しています。しかし、私が取材した政治学者は、1億総活躍について「あれは包摂ではなく動員だ」と指摘していました。包摂とは、社会的に弱い立場にある人々を一定の範囲に包み込むこと。動員とは意味が全然違います。キチンと腑分けして見極めなければならないというのが、当座の私の結論です。
  ――1億総活躍と大衆動員する先に何があるのか。
 本のタイトルを「仕方ない帝国」としたのは、今の日本の“長い物には巻かれろ”という風潮に「本当にそれでいいの?」と問いかけたかったこともあります。動員されている人も、最初からモロ手を挙げて安倍政権を歓迎していたわけではないはずです。旧民主党政権が誕生した時は、「社会が変わるんじゃないか」と希望をもった人も多かったと思います。しかし、期待した民主党はダメだった。その後の東日本大震災から脱原発への動きも頓挫した。絶望と諦めが日本人の根底にはあると思います。でも、このまま「仕方ない」が続いていけば、結局、日本は何も変わらない。多くの人が自分の無力感を肯定しながら生きていくしかないんじゃないかなという気がします。
  ――本の中では「最後は金目でしょ」と言った石原元環境相の発言にも噛みついていましたね。
 あの発言こそが安倍政権の本質を表していると思います。カネさえ付ければ、どんな政治手法でもありだと考えているとしか思えないとてつもない言葉ですよ。あらゆることを損得の基軸に落とし込もうとする安倍政治が、私は嫌い、というか、なんか悔しい。だからといって、言葉を強めて批判的な記事を書けば、読者に届くわけでもない。記者として今の政権に対峙するにはどうすればいいのか、非常に悩ましく思ってます。 (聞き手=本紙・岩瀬耕太郎)
▽たかはし・じゅんこ 1971年福岡県生まれ。93年に朝日新聞社入社。鹿児島支局、西部本社社会部、月刊「論座」編集部(休刊)、オピニオン編集部、論説委員、政治部次長を経て編集委員・論説委員を兼任。


九州商船 全便ストライキに突入 長崎ー五島列島 年末年始へ混乱必至 旅客船巡るストは全国でも異例
 九州商船(長崎市、美根晴幸社長)の船員112人が加盟する全日本海員組合長崎支部(松本順一支部長)は25日、長崎、佐世保と五島列島を結ぶ全便・無期限のストライキに突入した。旅客船を巡るストは全国的に珍しい。年末年始の繁忙期に及べば、帰省客や物流に影響し混乱は必至だ。  長崎県によると、五島列島発着便の輸送人員で九商のシェアは約6割に上る。このうち長崎―福江は独占状態だ。全便止まれば一日約2千人の足に影響し、物流も滞る。五島産業汽船(新上五島町)はストの間、長崎―福江3往復6便などを臨時運航するが、どこまでカバーできるか見通せない。  組合は、九商がジェットフォイル整備員の採用形態を船員から陸上従業員に変えた「陸上化」に反発。撤回しない限りストに入る方針を示していた。一方、九商の美根社長は、陸上化は経費削減や船員不足への対応に必要として「撤回する考えはない」としていた。  24日は、野口市太郎五島市長と江上悦生新上五島町長が九商と組合をそれぞれ訪ね、スト回避を要請していた。これを受け九商の担当役員が組合を訪れ交渉を求めたものの、最後まで折り合いは付かなかった。

理研が非常勤職員を「大量雇い止め」で上がる現場の悲鳴 波紋はどこまで広がるか
田中 圭太郎 ジャーナリスト
最先端の研究を支えてきた彼らが…
国内最大の研究機関「国立研究開発法人 理化学研究所(以下、理研)」の非常勤職員が、2018年の3月末以降、大量に雇い止めされることになった。最先端の研究発表や研究事務を長年支えてきた職員たちが、一方的に導入された就業規則によって、職場を去らなければならないのだ。
理研は物理学、工学、化学、数理・情報科学、計算科学、生物学、医科学など幅広い分野で研究を進める、日本唯一の自然科学の総合研究所。1917年に財団法人として創設され、株式会社、特殊法人を経て、2003年に文部科学省所管の独立行政法人として再発足。2015年に国立研究開発法人理化学研究所となった、100年の歴史がある日本を代表する研究機関だ。
その理研が、非常勤職員の契約期間を5年上限とするルールを導入したのは、2016年3月のことだ。非常勤職員たちは戸惑い、労働組合とともに反対の声をあげたが、さらに彼らを混乱させたのが、理研が交渉の中で、雇い止めをする明確な理由や、人数を明らかにしなかったことだ。
雇い止めの期限が来年3月末に迫るなか、交渉にまともに応じようとしない理研の態度に労働組合は憤り、今月18日、東京都労働委員会に不当労働行為の救済を申し立てた。
理研の雇い止めは、「改正労働契約法」の趣旨に反する恐れがあると同時に、研究者の将来や、他の独立行政法人にも大きな影響を及ぼす可能性がある。問題点をリポートする。
雇い止めされる理研の職員が会見(厚生労働省・2017年12月18日)
涙を流しながら
12月18日、来年3月末で理研を雇い止めされる非常勤職員6人が、労働組合とともに厚生労働省で記者会見を開いた。内訳は、60代の男性1人と、30代から50代の女性5人。全員が6年以上勤務している。「雇い止めに納得できない」と涙を流しながら訴えたのは、40代の女性だった。
「雇い止めを禁止するような法律がこの国にはある。にもかかわらず、どうして理研が決めたルールで雇い止めになるのか、理解できません」
この女性が指摘している法律とは、2013年4月に施行された改正労働契約法のことだ。簡潔に言うと、非正規の労働者を5年以上同じ職場で雇う場合、本人が希望すれば、原則「無期雇用」にしなければならないことを定めている。この法律に基づけば、会見した6人は、2018年4月以降、「無期雇用」を申し込む権利が発生するはずだった。
ところが理研は、独自に決めたルールによって、それを阻止しようとしているという。
理研の研究の下支えをしている非常勤職員には「アシスタント」「パートタイマー」「事務業務員」といった職種があり、職員のほとんどが女性だ。もともと契約期間に上限がなく、1年契約を毎年更新し、10年以上働き続けてきた職員も多い。過去に半年以上の休業期間をおいて、再雇用されているケースも少なくない。
こうした実態があるにもかかわらず、理研は2016年3月、労働組合や労働者代表の反対を押し切って、契約期間の上限を5年と定めた。それも、「2013年4月の契約」に遡って適用し、「2018年3月で雇い止め」と決めたのだ。
合格基準が不明なテストを実施
労働者の無期雇用申込権を阻止するために、契約期間の上限を5年とすることは改正労働契約法の趣旨に反すると、筆者は過去の記事でも指摘してきた。
たとえば東京大学でも同じ問題が起きていたが、結局東大は労働組合との話し合いの末、雇い止めを撤回。5年以上働く非常勤職員らを「原則、無期雇用に転換する」方針を決めた。(詳しくは『東京大学で起こった、非常勤職員の「雇い止め争議」その内幕』
理研も「すべての対象者を雇い止め」にするわけではなく、無期雇用の職種「無期雇用アシスタント」を作り、この試験に合格した職員は「無期雇用にする」として、2016年から試験を開始。2016年は74人、2017年は47人が合格。2017年は少なくとも100人ほどが不合格になったとみられる。
このように「無期雇用に転ずる制度を作ったのだから、これで問題ないだろう」という姿勢なのかもしれない。しかし理研は、そもそも不合格だった人が何人いたのかを明らかにしていない。不合格になった職員は点数も明かされず、なんの説明も受けていないという。
さらに職員が不審に思っているのは、試験を受けた職員のなかでも、特に、長年勤務してきたベテランの職員が「不合格」になっている傾向がみられることだ。
「私も受けましたが落ちました。長く勤務されて、仕事を十分に理解している方も不合格になりました。なぜ雇用してもらえないのか、理解できません」(40代・女性)
理研は、雇い止めする人数も組合や職員に説明していなかったが、その数字は12月になって、意外なところで明らかにされた。この問題が国会でも議論されたためだ。参議院内閣委員会に提出された資料では、理研には非常勤職員が4209人在籍し、そのうち496人が2018年3月に契約期間が終了すると記されていたのだ。
将来的には研究員も雇い止め?
理研の労働組合と、上部団体の科学技術産業労働組合は、団体交渉で雇い止めの人数や、理由などを明らかにしないのは「不誠実団交」だとして、12月18日、東京都労働委員会に不当労働行為の救済を申し立てた。
理化学研究所労働組合と科学技術産業労働組合が東京都労働委員会に申し立て(2017年12月18日)
組合は、理研が行う雇い止めから非常勤職員を守るために申し立てを行なったが、他にも危惧していることがある。
その1つは、多くのベテラン職員が大量に雇い止めされることで、研究業務が滞ってしまうことだ。実際に、各研究室からもベテラン職員がいなくなることで研究に支障がでる、と困惑の声があがっているという。団体交渉の場で組合が「研究に支障がでるはずだ。そこは大丈夫だと考えているのか」と質すと、理研から返ってきた言葉は「自信がない」だったという。
もう1つの危惧は、この雇い止めが非常勤職員にとどまらず、将来的に研究者にも及ぶ可能性がある点だ。改正労働契約法は、2014年4月に特例が設けられている。その内容は、「大学等及び研究開発法人の研究者、教員等については、無期転換申込権発生までの期間を原則5年ではなく、10年」としているものだ。
組合によると、理研で無期雇用されている職員・研究員は600人で、無期雇用の研究者の募集は長い間行なっていない。その一方で、有期雇用、つまり非常勤の研究員は約2000人もいるという。
今回の職員の雇い止めがまかり通れば、労働契約法の改正から10年を迎える2023年4月までに、今度は2000人の非常勤研究員の多くを雇い止めするルールが導入される可能性が否めないのだ。
「非常勤職員の大量雇い止めにより、理研全体のパフォーマンスが低下し、研究レベルは下がらざるをえません。いまの経営陣は研究の現場を知らないのです。さらに今後、研究員の雇い止めが起きてしまったら、日本の自然科学研究の未来はないでしょう」(組合関係者)
理研の回答は…
筆者は理研に対し、雇い止めは労働契約法の趣旨に反するのではないかと質問した。その回答は雇い止めを正当化するものだった。以下回答を掲載する。
「理研においては、多くの職員が時限プロジェクトに従事しており、この時限の到来により改廃され得るプロジェクトを遂行するため、その財源で雇用される職員については有期雇用が基本と考えている。
さらに、有期雇用を適切かつ効果的に活用し、研究系人材の流動化を促進するという社会的な使命を果たしていく観点から、適切かつ効果的に、また労働法制の下で有期雇用の運用を図ることは重要であり、そのため、任期制職員の雇用期間に関し関係する規定において雇用上限の明確化を明示したものである」(原文のまま)
理研は「研究系人材の流動化を促進する」ことは「社会的な使命」だと回答し、「雇い止め」を正当化している。しかし、「労働法制の下で有期雇用の運用を図ることは重要」とあるが、労働法制の下で、と言いながら契約期間を5年上限とすることは、無期雇用化を促す改正労働契約法の趣旨と矛盾するのではないか。
組合側の弁護団は、理研が契約期間の上限を導入したことは、「改正労働契約法の脱法行為」であると同時に、必要性と合理性がない不利益変更であり、違法と指摘している。「無期雇用アシスタント」の試験が、実態として長く働いた人を落とすための試験になっているのではないかということも、違法性が疑われると話している。
さて、東京都労働委員会の審査は年明けから始まる。しかし、雇い止めが起きる2018年3月末までに理研の態度が変わらなければ、組合側は新たな法的措置も検討しているという。
理研の雇い止め問題の行方は、理研だけで終わる問題ではない。独立行政法人全体に影響を及ぼす可能性があることを指摘しておく。
先述した参議院内閣委員会で示された資料では、各省庁が所管する独立行政法人の非常勤職員が、2018年3月にどれだけ雇い止めされるのかが初めて明らかにされた。その人数は、理研も含めて少なくとも4700人。上限付きの契約となっている非常勤職員は3万人もいる。このままでは多くの人が異を唱えることができないまま、無期雇用申込権を得られなくなってしまう可能性があるのだ。
日本の研究基盤を揺るがす問題が起こっていることに、注視しなければならないだろう。


働き方に革命などいらない
 ★政治は二流だが、経済は一流。この言葉が戦後の日本の製造業と産業、そして経済をけん引してきた。しかし今年は、その製造業の信頼が崩壊した年でもあった。神戸製鋼所、日産自動車と「ものづくり日本」を代表する企業の不祥事が後を絶たない。神戸製鋼のアルミや銅製で発覚した品質データの改ざんは、日本の産業全体の信頼を脅かす。日産の完成車の無資格者検査は、70年代から横行していたという。スバルも新たに同様の検査実態を認めた。他にも東洋ゴム、東レでも発覚。年末には14センチもの亀裂を見逃し、大惨事の危険すらあった新幹線「のぞみ」を、JR西日本と東海は運行していた。国交省は新幹線初の重大インシデントに認定した。 ★日本の製造業の誇りは、その品質レベルの高さだ。Q(品質)、C(コスト)、D(納期)を総合的にやりくりして、コスト削減と生産性向上に日夜努力し続けた。だが、ものづくりの品質と信頼は既に神話の世界に入ってしまった。「昔は良かった」ということなのだろうか。それぞれ会社の幹部が会見を開いて、説明やら陳謝やらに追われているが、その現場の労働者はどう考えているのだろうか。政界関係者が言う。「鉄鋼、自動車、ゼンセン、不祥事で名前が出た会社は大手有名企業でもあるが、連合傘下の中でも、連合幹部や連合組織内候補の政治家を輩出する企業ばかりだ」と指摘する。 ★連合は、働き方改革で非正規労働者などと正規社員を区別なく扱う努力もしたが、最後は官邸と手を握ろうとして失敗している。働き方の一方、パワハラやセクハラ、それに伴う自殺など、コンプライアンス違反が問われた大手企業も多かった。労働貴族もいなくなったが、熟練の達人たちを企業も組合も守らなかったツケではないのか。働き方に革命などいらない。本来の信頼回復のために何をすべきか、財界も組合も共に考えるべきではないか。

英国の和食チェーン「ワガママ」が謝罪  「病欠禁止」と従業員に
英国で有名な日本食チェーン「Wagamama(ワガママ)」は、支店マネージャーがクリスマス期間中に病欠する従業員は懲戒処分にすると警告したことを受けて、謝罪した。
ワガママのロンドン北部ノース・フィンチリー店のシフト表には、体調不良で休む従業員は、代わりにシフトに入る人を探す責任があると書かれていた。
同社は、このマネージャーが「従業員の欠員を恐れた」ため、「残念ながら、このような極めて異例の対応をとった」と説明。会社方針ではないと強調した。
労働組合「ユナイト・ホスピタリティー」がこのシフト表をフェイスブックに投稿して、明るみに出た。
シフト表の下には、「病欠はなし! シフトに出勤できない場合は、代わりに入ってくれる人を探す責任があると覚えておくこと(契約と就業手引きに記載の通り)」、「今後2週間の間に病欠する人は、懲戒処分を受けることになる」と書かれている。
「会社方針ではない」
同社は、このルールは「決して会社の方針ではなく」、ノース・フィンチリー店「のみで起きたこと」だと主張した。
労組「ユナイト・ホスピタリティー」の広報担当は、「体調不良の労働者を懲戒処分で脅すのは、不道徳だというだけでなく、慢性的な身体的、精神的な症状の人への差別に当たるため、労働安全衛生法と平等法の下で違法となる可能性がある」と指摘している。
日本や韓国、中国などの料理をアレンジして出すワガママは、2011年以来ロンドンの投資会社デューク・ストリート・キャピタルが所有し、英国全土で100カ所以上の店舗を持っている。
ワガママの広報担当者は「ノース・フィンチリー店の張り紙は、単独の出来事で会社の就業規則ではない」とコメントした。
「支店マネージャーは年末年始期間の人手不足を心配するあまり、残念ながら、このような極めて異例の対応をとってしまった」
「私たちは会社として全従業員に最大限の敬意をもって接しており、全員が一生懸命、働いていることを認識し、ありがたく思っている。起こってしまったことに対して心からお詫びし、従業員全員とお客様にメリー・クリスマス、そして新年おめでとうございますとお伝えしたい」
「血が煮えくり返った」
問題のシフト表について労組に知らせたのは、従業員の友人だった。
「写真が送られてきた」と彼はBBCに話した。「拡散してほしいと言われれたわけでは全くない。でも、あまりに頭に来て血が煮えくり返ったので、何とかしなければと思った」
「マネージャーの発案だったのかもしれない。法律を知らない人のやることだ」
シフト表の但し書きは、「人の健康と安全を危うくする」可能性があると、告発した男性は指摘する。
「病気の人に無理に働かせると、食中毒を引き起こすかもしれない。大間違いだ」
問題の店舗では、東欧出身の若者が大勢働いており、「クビにされるのが怖いか、自分たちも法律に詳しくないのかもしれない」と男性は話した。
ボイコットの呼びかけ
西スコットランド選出のスコットランド議会議員ロス・グリア氏(緑の党)は、早い段階でシフト表の写真をツイッターに投稿した。「もう『ワガママ』には行かない。従業員をちゃんと扱いなさい」と書いた。
@dtaylor5633さんも健康リスクを心配した。テイラーさんはツイッターに「最悪だ! 従業員が病気だと連絡することを怖がるあまり、料理は細菌やウイルスにまみれる。『ワガママ』のマネージメントは最悪だ」と書いた。
シフト表をきっかけに、ハッシュタグ#boycottwagamama(ワガママをボイコット運動)が広がった。多くの人が、店側がこのようなことをすれば病気の従業員が勤務シフトに入るのではないかと心配した。
しかし、一店舗に問題があるからと「会社全体を中傷する」するべきではないという意見も上がった。他店舗の元従業員だという人たちは、自分はノース・フィンチリー店のような経験はしていないと書き込んでいる。
(英語記事 Wagamama apology for 'don't be sick' staff notice


第二の加計? 山口敬之のスポンサー・ペジー齊藤社長に新たに52億円の不可解公金投入発覚…『総理』使った営業疑惑も
 経産省所管法人からの助成金4億円超を詐取した容疑で、ペジーコンピューティング社長の齊藤元章氏が逮捕された事件。本サイトでも報じてきたとおり、このスパコンベンチャー社長は、官邸御用ジャーナリスト・山口敬之氏と昵懇の仲。すでに山口氏が生活の拠点にしていた永田町ザ・キャピトルホテル東急内の高級事務所を齊藤社長が提供していたことや、二人が一緒に設立した財団法人の所在地が実は山口氏の実家であったことなどが報じられている。
 この間、両者の蜜月関係をめぐってはずっと、齊藤社長の会社への助成金に、山口氏と官邸による何らかの関与があったのではという疑惑がささやかれてきたが、最近、経産省とは別に、文科省関連法人からも約52億円という莫大な金を受け取っていたことが明らかになった。
 これは、文科省の文部科学省所管の国立研究開発法人「科学技術振興機構」(JST)が、齊藤社長が創設したペジー社の兄弟会社「ExaScaler」(以下、エクサ社)が実施するスパコン開発事業に融資したものだ。これについて、今月12日の記者会見で質問された林芳正文科相は、「ペジー社の関連企業のExaScaler社への支援は、スーパーコンピューター『暁光』の開発に対して、開発委託という形で総額60億円を限度として融資」し、「JSTからExaScaler社へはその内訳約52億円が支出された」と認めた。
 52億とは目も眩むような莫大な額だが、実際、JSTがホームページで公開している資料を見ると、エクサ社は2016年10月に「緊急募集」された「産学共同実用化開発事業(NexTEP)未来創造ベンチャータイプ」に応募、翌年1月に「新規課題」として決定されている。NexTEPは〈開発リスクを国(JST)が負担し、企業単独では困難な開発を後押し〉するもので、利子はなく、もし開発が失敗しても融資額の10%の返済でOKという事業者にとって喉から手が出るほど欲しいであろう代物。言うまでもなく、その原資は国民の血税を元にした公的資金である。
 だが、この文科省外郭団体による齊藤社長の会社への巨大融資には、あの加計学園問題を彷彿とさせるような、極めて不可解な事実があった。前述したとおり、この助成制度は「緊急募集」という名目で行われた。公募要項は100ページを超え、応募に必要な書類等も細かい書式の指定などがあり煩雑だが、その募集期間は2016年10月12日から同月の25日。つまり、発表から締切までたったの2週間しかなかったのである。
 そんな異様な短期間にもかかわらず、齊藤社長のエクサ社は、まるで事前に「緊急募集」を知っていたかのように応募を済ませ、結果、52億円という巨額融資を手に入れることができた。これはいったい、どういうことなのか。
第二の加計問題!52億円もの公的資金投入をわずか2週間の緊急募集で決定
 実際、NexTEPの2016年度緊急募集に応募できたのは、エクサ社の他は長崎県のエネルギー系開発会社のみ。両者とも新規採択されたが、長崎県の会社の融資上限はたったの2億円だった。何度でも言うが、対する齊藤社長の会社は52億円。ひょっとして、この極めて合理性にかける短期間の緊急募集は“エクサ社ありき”だったのではないか。そういう疑念が頭をもたげてくるのが自然だろう。
 思えば、加計学園問題では、今年1月4日、国が今治市と広島県の国家戦略特区で獣医師養成学部の新設を認める特例措置を告示し、公募を開始。募集期間はたったの1週間で、応募したのは加計学園だけだった。さらに、特区による獣医学部新設については、加計学園の岡山理科大学の他に京都産業大学も提案していたにもかかわらず、“京産大外し”としか思えない数々の事実が明らかになった。
 たとえば、政府がつけた「2018年4月設置」という条件だ。内閣府は昨年11月から今年1月にかけて「広域的に獣医学部のない地域に限る」「2018年度開学」「一校に限る」という条件を加えた。京産大は会見で応募を断念した理由について「『平成30年4月開設』との条件を今年1月4日に告示され、準備期間が足りないと判断したため」「タイトなスケジュールで、本学にとっては予期していない期日で難しかった」と説明している。ようするに、2018年4月の開学は、京産大にとっては絶対に不可能なスケジュールだったのだ。
 ところが、加計学園は行政と連携して、京産大がこの条件を知るはるか以前から「平成30年4月設置」を念頭に置いていたとしか思えないのだ。毎日新聞が入手した資料によれば、2016年4月1日の今治市議会の非公式会合で、市の担当課長が「最速18年の4月開学というものを想定している。ただあくまでも内閣府主導という想定で(スケジュールを)作らせていただいている」と説明していたという(6月9日付)。
 また、本サイトでもジャーナリストの横田一氏が指摘していたが、2016年8月3日には内閣府から今治市職員に対し、〈各者でスケジュールの共有を図り、当事務局からも、そのスケジュールに合わせ、進捗を確認できる体制をつくるべく(中略)今治市のスケジュール表を作成願います〉と書かれたメールが送られていた。さらに翌4日に今治市が作成したスケジュール表には「H30.4月開学予定」「(2016年12月に私有地の)無償譲渡案」と書き込まれていた。これらは行政が加計学園を想定して「平成30年4月設置」を設定したと考えるしかない証拠だ。
 ひるがえって今回、齊藤社長のエクサ社が、極めてタイトな「緊急募集」に応募することができ、結果的に国から52億円の融資を獲得したのも、加計学園をめぐる問題のような“エクサありき”の動きがあったのではないか。繰り返すが、齊藤社長と昵懇の山口氏は官邸に深く食い込むジャーナリストで、安倍首相の“お友だち”。そもそも、こんな巨額の公的資金投入を、たった2週間の募集期間で決めてしまえるのは極めて不自然だろう。事実、JSTはエクサ社が募集した「緊急募集」を締め切った後、通常募集の枠に切り替えて同じ公募を継続している。なぜ、そんな不可解なことをしたのか。疑問は次から次に湧いてくる。
齊藤社長が山口敬之を「官邸に近い人物」と紹介、山口は『総理』を印籠のように…
 実は、この疑惑に関しては、今週発売の「週刊新潮」(新潮社)12月28日号も「「安倍・麻生」ベッタリ記者の「欠陥スパコン」に公金100億円!!」という特集記事で追及した。タイトルの「公金100億円!!」とは、前掲の文科省管轄法人JSTからエクサ社への52億円融資と、これまでペジー社が経産省系の新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から受給してきた助成金の合計のことである。
「週刊新潮」によれば、JSTはエクサ社への融資の経緯について、2016年度第二次補正予算で国から120億円が割り当てられたことで「緊急募集」したと説明。また、直撃されたJST理事長の濱口道成氏は「(補正予算が)出たらほら、(募集を)やらなイカンでしょ」「中途半端にほったらかしにしておくほうがイカンのよね」などと答えている。あからさまに“国から予算がきたから使ってみました(私のお金じゃないし)”というような、政府系ファンドなどにありがちな杜撰な実態が透けて見える。
 はたして、齊藤社長にわたったこの文科省系の巨額助成金に、山口氏や官邸は何らかの関与をしていたのか。その本丸についてはまだ明らかになっていない。しかし興味深いのは、新潮の同じ記事のなかで、山口氏が齊藤社長のカネ集めに同行し、官邸との近さを“印籠”のように使っていたとのコメントが掲載されていることだ。永田町関係が「齊藤社長は山口さんと基本的には一緒に行動していました」としたうえで、このように打ち明けている。
「齊藤社長が一所懸命にスパコンの性能を訴えて、山口さんは関心がなさそうな態度で。齊藤社長よりも偉そうな感じで黙って、よく言えば重鎮のような振る舞いをしているように見えたそうですね。ひとしきり話が進んだところで、齊藤社長が、“こちらの方は、総理、官邸と近い人物です。信頼していただいて大丈夫です”と言うと、山口さんが例の……ヨイショ本の『総理』を差し出してくる」
 念のため言っておくが、『総理』とは、山口氏が2016年参院選直前に幻冬舎から出版した政権PR本。その表紙には、執務室で電話をする安倍首相の写真が大きく使われている。まさしく「この紋所が目に入らぬか!」と言わんばかりだが、これでは加計問題どころか、安倍夫妻の名前を使って交渉していた森友問題まで思い起こさせるではないか。
 スパコンベンチャー・齊藤社長の補助金詐取事件は、官邸御用ジャーナリストの山口氏が、安倍首相の存在を見せびらかすことでカネを集めていたことが濃厚になり、公的資金をめぐる行政との癒着の可能性も高まった。メディアは徹底追及するべきだ。(編集部)


外務省に衝撃 次期駐米大使は安倍首相“お友達人事”の典型
 外務省OBにとって最高のポストである駐米大使に、杉山晋輔外務事務次官(64)を充てる人事が固まった。来年1月にも閣議決定する見通しだが、この人事に外務省内は衝撃と諦めの空気だという。
 現在の佐々江賢一郎駐米大使(66)は、通常3年とされる在任期間がすでに5年を超え、トランプ米大統領来日のビッグイベントも済んだことから退任が検討されていた。ただ「次」に起用される杉山氏は、2016年6月に次官に就任し、慣例の2年をまだ迎えていないため“途中交代”となる。そこで囁かれているのが、「なぜ『次』が、斎木昭隆前次官(65)ではないのか」である。
 駐米公使、アジア大洋州局長などを経て13年6月から16年6月まで外務次官を務めた斎木氏は、拉致問題での関わりもあり安倍首相とは古くから近しい仲とされてきた。夫婦揃って外務官僚で安倍首相とは家族付き合いともいわれ、昨年の都知事選では自民党の候補者選考で名前も挙がった。
「能力的にも順番から考えても、次期駐米大使は杉山氏ではなく斎木氏ですよ。しかし、何が原因なのか、斎木氏は官邸から外されてしまった」(外務省関係者)
■トランプべったりがますます加速
 一方の杉山氏は、東大出身者が当たり前の外務次官の中で、戦後初の私大(早大法学部中退)出身次官となった人物。省内では「太い指輪と香水」がトレードマークで、週刊誌に「機密費流用」疑惑を報じられたことがあり、次官抜擢時も「ありえない人事」と言われたものだ。が、安倍首相の外遊に常に同行し、ご機嫌取りをしてきた結果、今やかつての斎木氏のポジションを完全に奪い取り、安倍首相の覚えがめでたい官僚のひとりに上り詰めている。
 外務省OBの天木直人氏もこう言う。
「誰がどう見ても、次の駐米大使は斎木氏でした。杉山氏起用は典型的な安倍首相のお友達人事ですよ」
 安倍首相の意を受け、トランプべったりの屈辱外交がますます加速しそうだ。


【加計学園問題】前川喜平氏があらためて指摘する「総理の意向」
’17年の国会・閉会中審査で、加計学園の獣医学部新設に「総理の意向があった」と記された文書の存在を証言し、注目を浴びた前文部科学事務次官の前川喜平氏(62)。現在は講演活動や教育関係のボランティアに注力しているという前川氏だが、未だハッキリとした答えの出ない同問題にいま、何を思うのか。本人に話を聞いた。
●「非常に保守的」な文科省の体質
――前川さんはなぜ文部省に入ったのですか?
 大学(東京大学)では法学部でしたが、法律学が嫌いでした。とくに民法、刑法、商法といった実定法というヤツは本当につまらなくて、「法学部なんて来なきゃ良かったな」と思って、ずっとブラブラしていたんです。実際、大学には6年間いました。司法試験や国家公務員試験を受けるためにあえて留年する人もいますが、私の場合、本当に単位が足りなかった。本郷三丁目の駅を降りて赤門に着く前に喫茶店に入っちゃって、そのまま夕方まで本を読む。そうすると同級生たちが来て、飲みに行って帰る。いわゆる高等遊民的な生活をしていました。
 一方で、学生時代は仏教青年会というものに入って、この勉強は好きでやっていました。座禅修行のまねごとをしてみたり、お寺巡りをして仏像を見て歩いたり、そんなことをやっていましたね。
 そんなことで、ギリギリで卒業した状況だったのですが、国家公務員上級甲種試験に運良く受かった。役人になったら人に関わる仕事をしたいと思っていたので、人間の精神、魂を扱うという分野ということで「自分の性に合っている」と感じて文科省を選びました。
とはいっても、学部では教育判例も勉強していましたから、文部省が非常に保守的であることは理解していました。自分の考えと組織の論理がかみ合わないところはあるはずだ、と覚悟していましたが、想像以上でした。
――文科省には優秀な人が青雲の志を持って入っているんじゃないんですか?
 みんなが青雲の志を持っている訳じゃないですよ。役人には3つのパターンがあります。
1つは「世のため人のために尽くしたい」人。これが本来あるべき姿ですがね。生涯賃金で言えば、商社や銀行に行けば役人になる倍くらいもらえるわけですが、それでも国家公務員になる、と言って入ってくるわけですから。しかも、今はもう天下りはないですから(笑)。
 2つは「安定志向」の人。絶対に潰れないし、身分保障もある、という考えの人です。こういう人はかなりの数いましたが、大体仕事ができない。事務次官時代の仕事は人事が中心だったのですが「使えない人間をどこで使うか?」は非常に難しい問題でした。高学歴が多いので、プライドだけはあって、威張ってばかりで何もしない。するのはパワハラだけ。でも、悪いことをした訳じゃないから免職にもできない。
 3つめは「権力に近づきたい」人。国会議員に転身したり、政府の中枢に近づき権力を振るったりすることを考えている。官邸にたむろしているような官僚です。加計問題に関わったのは、まさにこのタイプでしょうね。
●加計学園問題はまだ終わっていないが、自分にできることはもうない
――加計問題では前川さんの発言が注目されましたが、この問題に関してはどうお考えですか。
 私の知らない事実がずいぶんと明るみに出たと思います。一番の成果で言うと「’15年から加計ありきでスタートしていた」ことが明らかにされたことですね。
――前川さんはそのことは知らなかったのですか。
 私が関わったのは事務次官になってからなので、去年(’16年)の8〜9月からのことだけしか分かりません。しかもそれまで担当は初等中等教育でしたから、この問題については全然知りませんでした。
――キーとなるのは「’15年4月2日の官邸訪問」なのでしょうか。
 この日(’15年4月2日)に加計学園、今治市、愛媛県の関係者が揃って官邸に行っている。そこで誰に会い、何の話をしたかが「ブラックボックス」な訳です。それでも、その前とその後に起きたことを考えると、だいたい想像がつく。
 8年にわたって愛媛県が獣医学部新設を「構造改革特区」で15回提案して、15回はねられている。そんななか、この官邸訪問の2ヵ月後、6月5日にワーキンググループが開かれて、今治市が「国家戦略特区」での獣医学部新設をはじめて提案した。それまで15回却下されているのに、この提案で「これは良いじゃないか」という話になった。しかも、そこに説明補助者として加計学園の人間がいた、ということも最近になって分かった。
 分かりやすく説明すると、構造改革特区というのは「地域限定の実験をする」という考え方。まずその地域で実験をして、そこで上手くいくようだったら他の地域のためにもその制度を広めましょう、というものです。でも、大学の学部を作れば、全国から学生が来ますよね。しかも、学生は卒業後に全国に散るから「地域限定」の実験にはならない。なので、文科省は「(獣医学部新設は)構造改革特区では論理的にできない」と断っていた。
でも「国家戦略特区」となると話が変わる。「地域限定」の実験ではなく、「国家」の戦略となるからです。この特区は国際競争力を付けるとか国際的な拠点を形成する、というように元々全国的に利益が及ぶような事業を行う特区なので、文科省が獣医学部の新設に際し、構造改革特区でこれまで「ダメだ」と言っていた理屈は通らなくなる。さらに言えば、「そういう説明さえすれば、構造改革特区ではできなかった事を国家戦略特区でできる」という知恵を出した人間が必ずいる。和泉洋人さんではないかと思います。4月2日の官邸で応対した人物は、報道では柳瀬唯夫総理秘書官だとされていますが、「構造改革特区は諦めましょう。これからは国家戦略特区ですよ。国家戦略特区の提案を出してください。そうすれば’30年4月に間に合うようにできます」と言うような相談をしたのではないか。
 明らかに4月2日の官邸訪問は非常に重要な意味を持っていたのでしょう。構造改革特区での挑戦を断念して、国家戦略特区で再挑戦するという方針を決めた重要な会議だと思います。構造改革特区のまま16回目の提案で通れば、その理由の説明は非常に難しい。でも、国家戦略特区は構造改革特区とは趣旨が違うので、理屈が作りやすい。実際、その2ヵ月後に「国際水準の獣医学教育特区」という提案を今治市が出していますが、これは言葉の上では国家戦略特区にドンピシャリです。さらに、これを出したのはあくまでも今治市で、加計学園じゃない。「加計ありき」なのは明らかですが、国家戦略特区に路線変更したところから、加計学園の名前を伏せている訳です。おそらく、今治市が作った提案書は加計学園側が作ったに違いないし、その際も彼らの知恵では作れないから、内閣府が指導している。つまり、提案を受け取る側の内閣府が「こういう風に書けば100点ですよ」とはじめから指導して添削した。そういう相談を4月2日にしていたんでしょう。
 この日に加計学園や今治市の人たちと会ったのが、柳瀬唯夫さんという「事務」の秘書官だったことがポイントです。総理秘書官には政務の秘書官と事務の秘書官がいるのですが、事務の秘書官というのは総理の影のような存在であって、総理の意向に添ってしか仕事をしない。その事務の秘書官が官邸で外部のお客さんと面談したということは、彼自身の自発的な行動ではない。総理の代理として応対していることは間違いない。さらに言えば、総理大臣の代理で人に会うのなら、総理から事前に指示があったか、少なくとも事前の了解をもらっているはずだし、事後には報告をしているはずです。柳瀬氏は7月の閉会中審査に参考人として招致されて「記憶にございません」と7回も発言していますが、記憶にない訳がない。絶対に憶えている。
 私は4月2日に官邸で応対したのが事務の秘書官だということを聞いて「これははじめから総理の意思があるんだ」と確信しました。だから「今治市の国家戦略特区の事業者に決定した1月20日に初めて知った」という総理の答弁はウソで、少なくとも2年前の4月2日には知っていたはずだし、国家戦略特区でやるっていう方針も知っていたはずだし、そのときから’30年4月に開学するという方針も決まっていたのでしょう。
――加計学園問題はまだうやむやになっている部分も多いですが、ご自身の今後については?
 この問題については、私の役割はほぼ終わっていると思っています。私が文科省で直接見聞きしたことは、すべてこれまでにお話ししています。国会で参考人や証人などで呼ばれても繰り返しにしかならないですし、私自身が貢献できることはもうないでしょうね。ただ、今後もキチンと国会の場で追及されるべき問題だと思います。
 私自身としては、いろいろな形で教育の世界に関わっていこうと思っています。文科省時代に私がやってきたことは教育行政なので、私の本来の知識や経験を発揮できるのは教育の「仕組み作り」。そういう部分で提言をするとかできればやっていきたいな、と。
 間違いなく言えるのは、選挙に出ることは一切ないということ。政治家とはもう二度と付き合いたくないです。政治がキチンと動かなければ民主主義は死んでしまうと分かってはいるのですが、たちの悪い政治家をたくさん見てきたし、あんな人たちと同じ空気を吸う場所にいたくないです。やっと逃れられたのに(笑)。


原武史氏 女性天皇について「血の穢れ問題にメス入れよ」
 2019年4月30日で天皇皇后両陛下が退位することが決定した。その一方で、長期的な皇室の存続を目的として、「女性宮家創設」の必要性も唱えられている。そこで、著書に『皇后考』『〈女帝〉の日本史』などがある放送大学教授、明治学院大学名誉教授の原武史氏に、問題点を聞いた。
 * * *
 男系の男子のみに皇位の継承を認めるという今の皇室典範を墨守することが、いずれ立ち行かなくなるのは明らかだと思います。
 ヨーロッパやアジアには王政を敷いている国が複数ありますが、そのような国には女帝もいれば、女系もいたわけです。万世一系が保てないならば天皇制はなくなってもいいという考えの人たちは「他国とは違い、世界で唯一日本だけが崩さず保ってきた」という点に誇りを感じている。それこそが「国体」であり、逆にいえば、女系天皇が誕生して万世一系のイデオロギーが崩壊したときに「日本が日本でなくなってしまう」という考えなのでしょう。
 ですが、男系の男子に固執することは、現実的には将来、悠仁親王の結婚相手に男子が誕生するまでとにかく子供を産ませるということにしか解決策はありません。昭和天皇の妻である香淳皇后は今上天皇を産むまでに4人の女子を産んでいます。5人目に、やっと皇位継承権をもつ男子が生まれた。現代においてこれと同じようなことを強制すれば、立派な人権侵害といわざるを得ません。
 明治初期に天皇が全国を回ったとき、地方の人々が天皇をすんなりと迎えたのは、政府がつくった神道のイデオロギーを受け入れたからではなく、民俗学的な「生き神」だと思ったからです。こうした「生き神」信仰は、今なお残っています。仮に皇統が途切れたとしても、必ずまた別の「生き神」が出てくる。天皇という存在や皇室がなくなったとしても、その信仰自体は残ると思います。
 ただ私は、もっと根本的な問題があるような気がしています。それは、皇室に男性よりも女性により多くのプレッシャー、負担がかかるようなしきたりが厳然と残っているということです。
 端的にいえば「血の穢れ」の問題です。2016年の天皇の「おことば」からもわかるように、天皇皇后が重要視していることの1つは「祈り」です。宮中祭祀はその最たるものといっていい。ですが、宮中には女性の生理や出産にともなう産褥を穢れと捉える考え方があります。生理中であれば、宮中三殿にあがることさえできない。明治以前からのしきたりによって絶対的な「男女の差異」を認めてしまっている。そこにメスを入れようとしない限り、女性天皇や女系天皇に関する議論は足元がおぼつかないままだと思います。


大飯2基廃炉 再確認したい40年ルール
 関西電力が老朽化した大飯原発1、2号機(福井県)の廃炉を決めた。出力が100万キロワットを超える大型炉の廃炉は、事故を起こした福島第1原発を除けば国内で初めてとなる。老朽原発の延命は慎重に、という運転ルールの原点を再確認する契機としたい。
 東日本大震災の後、原発の運転期間は安全性を確保するため原則40年までと定められた。「例外」として最長20年延長できるが、耐震性の強化や電気ケーブルを燃えにくくするといった安全対策を取り、原子力規制委員会の審査に合格しなければならない。
 大飯1、2号機はいずれも出力117万5千キロワット。1979年に運転を始め、2019年に40年を迎える。関電は当初、大型で運転効率がよい2基の運転期間延長を目指す考えだった。ところが、事故時に氷で原子炉を冷やす国内で例のない特殊な構造のため、通常の原発で1基あたり1千億円とされる対策費用がさらに膨らむ可能性があった。
 原発事業を取り巻く環境は厳しさを増してきている。電力需要の伸びが期待しにくい中で、昨年の電力自由化により、価格競争が激化している。関電は2基の延命に巨費を投じても、採算性が見通せないと判断したようだ。特殊な構造は安全面でネックになるとされており、廃炉の判断は妥当と言えよう。
 構造上の特別な事情はあるとはいえ、今回は形骸化が指摘される40年ルールが機能した形となった。
 これまでこのルールに基づいて廃炉になった6基はいずれも経済性に劣る小型炉である。一方で80万キロワット級と比較的大型の高浜原発1、2号機、美浜原発3号機は規制委に運転延長を申請し、全て合格した。あくまで例外だった老朽原発の延命が認められてきたのが実情だ。
 老朽原発の運転延長は本来、安全性の問題だったはずだ。だが、安全対策にコストをかけても見合うかどうかという経済性の問題にすり替わっている感がある。
 今後、稼働40年を迎える原発の大半は、初めから燃えにくい電気ケーブルを使っており、費用のかさむ難燃化対策を行う必要がない。対策費が下がれば、40年ルールがますます骨抜きになりかねない。
 安倍政権は原発回帰の路線を鮮明にしており、30年度に全電源に占める原発の比率を20〜22%程度に高める目標を掲げている。大型炉2基が廃炉される事態を受けて世耕弘成経済産業相は「原発の再稼働や運転期間延長で目標は達成可能だ」と述べている。言葉通りなら、40年ルールの形骸化がさらに進む懸念が拭えない。
 政府は現在、中長期的な政策の指針となる「エネルギー基本計画」の改定作業を進めている。福島の事故の教訓を踏まえた上で脱原発依存を前提に、原発比率の見直しを含めて原発事業の在り方を抜本的に議論すべきだ。


立憲 「原発ゼロ」明確化 基本政策の素案で
40年で原発原則廃炉の方針「徹底」
 立憲民主党が年明けにもまとめる基本政策の素案が24日、判明した。原発の新増設を「中止する」とし、「必要性が認められず、国の責任ある避難計画が策定されないままの再稼働は認めない」と指摘。40年で原発を原則廃炉とする方針を「徹底する」と掲げるなど衆院選公約で打ち出した「一日も早い原発ゼロ」をより明確にする。
 憲法改正については「権力に歯止めをかけ、国民の権利を守る観点から、真に必要な改定すべき事項を検討する」との原則を明記した。
 外交・安全保障政策では日米同盟を基軸と位置付けて「健全に進展させる」とし、基地負担軽減策で日米地位協定の改定提起を掲げた。経済政策では「中長期の財政健全化目標を定める」と掲げ、消費税など税制全体を見直して再分配機能を強化するとした。時給1000円以上への最低賃金引き上げ▽企業団体献金禁止と個人献金促進策の法制化▽各種選挙の被選挙権年齢5歳引き下げ−−なども盛り込んだ。
 原発ゼロについては、年内にもまとめる党綱領案にも明記する。綱領には、枝野幸男代表が結党に当たり訴えてきた「ボトムアップの政治」「草の根からの民主主義を実践する」などの文言を盛り込み、独自色を打ち出す。【真野敏幸】


「奇異の目なくすのが行政」 京都・長岡京市議がLGBT告白
 京都府長岡京市議の小原明大さん(40)が、このほど閉会した12月定例会本会議の一般質問で、LGBT(性的少数者)であるとカミングアウトした。LGBTへの差別解消に向けた対策の遅れが指摘される中、地方議員の当事者が公にする例は極めてまれだ。「いろいろな人がいて当たり前。当事者のしんどさを伝え、理解を広める、一つのきっかけになれば」と話す。
 「日常のあらゆる場面で当事者は存在しています。私もその一人です」
 12日、LGBTを巡る課題への対応について問う中で言及した。「当事者の困難の根本は、自分の存在が社会に想定されていないこと」と述べ、性的指向と性自認の多様性を説明。学校での教育の在り方や、同性カップルに自治体が証明書を発行する「同性パートナーシップ制度」の導入に関し、市側の見解を尋ねた。
 小原さんは取材に、中学生時代に男性同性愛者(ゲイ)だと認識したと説明した。これまで自身の性的指向を公の場で表明することはなく、「自分の人生から性的な側面は抜け落ちている状態だった」という。
 初当選から10年たった2015年の6月定例市議会の一般質問で、LGBTについて初めて触れた。委員会でも話題に上れば発言した。だが「どう見られるのかいつも不安だった。一方で、他人ごとのようにこの問題を取り上げることはしんどかった」と振り返る。
 今年7月、当事者の地方議員らで結成した「LGBT自治体議員連盟」の研修会に参加。各地の先駆的な取り組みに刺激を受けた。知り合った議員のカミングアウトに「続くことが大事」と思うようになった。
 12月定例会の質問に、市側は「(同性パートナーシップ)制度を使った人へ奇異の目を集めてしまわないか、というリスクを考えなければならない」と答弁した。小原さんは「制度をつくった上で奇異の目をなくしていくことが行政の役割。見て見ぬふりはしないでほしい」と望む。
 当事者であることを受容する中で、街中を歩くカップルや家族に「いいなあ」と思うようになったという。「横に置いてきた人間らしい感情。これで自然にいられるかな」
■住民の理解向上を期待
 「LGBT自治体議員連盟」の世話人を務める前田邦博・東京都文京区議の話 カミングアウトしている地方議員はごく少数。社会の偏見が根強い中、当事者にとっては現実の問題として、選挙でのマイナス要因になりかねず、立候補そのもののハードルも高い。ただ、カミングアウトで主張に具体性と切実さが伴う。行政職員や住民の理解の向上につながっていくことを期待したい。


刑事に好意、言う通りに自白 検証・湖東病院事件(1)
 「この人に全部任せておいたら間違いない」。13年前、取り調べを受ける西山美香さん(37)がそう思った相手は、弁護士ではなく、目の前の若い男性刑事だった。「この人の好むようなことを言ってあげよう」。供述は二転三転し、思いもよらぬ方向に発展していった。
 2003年5月22日の早朝、滋賀県湖東町(現東近江市)の湖東記念病院で入院中の男性患者が心肺停止状態になっているのが見つかった。患者は人工呼吸器を着けていたが、発見した看護師は当初「チューブが外れていた」と報告した。
 警察は、当直の看護師や看護助手だった西山さんが、チューブが外れれば鳴るはずのアラームに気づかず、異変を見逃した過失の可能性を疑った。
 「アラームは鳴っていたはずだ」。事件から1年が過ぎようとしていた04年5月、西山さんは任意の取り調べで繰り返し刑事に問われた。他の看護師同様「鳴っていなかった」と答えていたが、刑事に大声を出されたり、いすを蹴られたりする。怖くなり、「鳴っていた」と認めた。
 途端に刑事は優しくなった。コミュニケーションが苦手で、成績優秀な兄への引け目があった自分の身の上話も親身に聞いてくれた。「この人(刑事)は、私のことを分かってくれる」。うれしさから、次第に好意を抱くようになった。
 取り調べは続く。アラームが鳴ったのなら、呼吸器のチューブは外れていたのではないか、と詳しい状況の説明を求められた。「(アラームを止める)消音ボタンを押すときに外れたと思う」「確認しなかった」「布団をかけたら外れた気がした」。刑事の気を引くため、つじつまを合わせようと説明を重ねた。そして供述は「自分がチューブを外した」に行き着く。容疑が過失致死から殺人に変わった潮目だった。
 逮捕後に弁護士のアドバイスで否認を試みると、別室に連れて行かれた。別の刑事が「両親は警察を信用してるのに、なんであんたは信用しないんや」と怒声を浴びせた。謝って、否認を撤回した。若い刑事は「執行猶予もある。任せておけば悪いようにしない」と素直に認めるよう諭した。「好きだったし、言うことを聞いておけば大丈夫」と従った。
 「この場面はこうだったんじゃないか」「そうかもしれない」。刑事との特殊な信頼関係の中で、共同作業のように供述調書がつくられていった。身の上話で聞いてもらった職場への不満が、いつしか犯行動機とされていた。
 「西山さんの供述は、犯人の可能性を考慮する余地がないほど変遷している」。服役中の10年に行った最初の再審請求に先立ち、弁護側の依頼で西山さんの性格や供述を鑑定した大谷大の脇中洋教授(法心理学)はそう分析する。鑑定は、西山さんのコミュニケーションの特徴として、かなり高い迎合性と、葛藤状況で自暴自棄になる傾向を指摘。犯行の自白は真の体験記憶に基づかない虚偽供述だと結論づけた。
 逮捕されても「こんな大ごとになると思わなかった」という西山さん。「裁判で話せば分かってもらえる」。その期待は、裏切られることになる。
 ◇
 大阪高裁は20日、男性患者の人工呼吸器を外したとして殺人罪で服役した西山さんが求めていた再審の開始を認める決定をした。決定は、患者が病死した可能性を指摘。弁護団も事件はなかったとして「空中の楼閣」と批判した。西山さんはなぜ「自白」し、裁判所はどのようにして有罪判決を下したのか。西山さんへの取材や裁判資料を基に経緯を検証する。

門真市図書館/1000円のお食事券/100円ワイン/九州商船ストライキ

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Sylvie Vartan dans la ≪ tristesse ≫, son message de Noël après la disparition de Johnny Hallyday
Après la mort de Johnny, elle adresse un joli message
Élodie Mandel
Bientôt trois semaines que Johnny Hallyday est parti. Très émue Sylvie Vartan, qui n'a pas assisté à ses obsèques à St Barth a publié un message touchant sur les réseaux sociaux.
Il était son amour de jeunesse, Johnny Hallyday s'en est allé dans le nuit du 5 au 6 décembre. Très vite, la mère de David, Sylvie Vartan a pris la parole pour témoigner et évoquer "son coeur brisé". Malgré les années, un divorce, Johnny Hallyday et Sylvie Vartan n'auront jamais coupé les ponts. Là l'un pour l'autre, Sylvie Vartan qui vit une partie de l'année aux Etats-Unis s'était rendue à son chevet, quelques jours avant sa disparition.
Présente lors de l'hommage à la Madeleine, Sylvie a préféré ne pas se rendre à St Barth. Sa déclaration avait d'ailleurs fait réagir certains proches de la star, dont l'ami de toujours Jean-Claude Darmon qui s'était ému de ses propos. Une attaque c'est ainsi qu'ont pris ses déclarations, si vite après la disparition du Taulier. Pourtant c'est bien Johnny qui avait décidé d'être inhumé à St Barth, Laeticia mettant en oeuvre les dernières volontés de son mari. Rentrée aux Etats-Unis, réconfortée par les siens, Sylvie Vartan a tenu à adresser un message à tous ceux qui l'ont soute-nue dans cette épreuve. On l'avait vue très éprouvée lors de l'hommage religieux à la Madeleine, tombant dans les bras de Nathalie Baye, également très émue.
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夫のちんぽが入らない
こだま
扶桑社
2017-01-18


タイトルが秀逸。理解出来ない人には出来ないでしょうが、読み物として面白かった!!
友人に薦められ、賛否両論の評価の中、どんなものだろうと読んでみましたが、いやいや、面白いじゃないですか!!
文章が上手いし、普通に読み物として面白いですよ。
この本は、すべてのことに対して白黒をつけないと気がすまなかったり、世の中には色んな人がいるということを理解出来ない人には理解出来ないものかもしれません。
世の中には、辛いことがあっても簡単に他人に助けを求められなかったり、思ったことをポンポン言えない人というのがいます。
自分もそうなので、この筆者の気持ちがよくわかります。
他人がどう思おうと、「私は夫のちんぽが入らない。こういう夫婦もいる。私達はそれでいい」と著者が思うに至ったのであれば、それが著者にとっては正しいことだと思います。
オチがないとか救いがないとか言われている方もいますが、実際、人生にオチがあるとは限らないし、皆が同じ幸せを目指している訳でもありません。
どういう親に育てられて、どういう地域で育ち、今の自分が出来上がったのかということを、著者が実に客観的に文章として展開している点にも感心しました。
親にいつかこの本を読ませたいという恨みがましい気持ちを感じる、と書かれている方がいますが、私はそうは思わなくて、ただ著者にとっての事実が淡々と語られていると感じます。
私自身も毒親育ちであり、親と決別して苦しみを手放す努力をしてきましたが、苦しんで育った自分をありのままに受け入れる人もいるし、人それぞれだと思います。
そして、タイトルが秀逸です。
このタイトルこそが、著者の人生に長年横たわってきた問題であり、言いたくても誰にも言えなかったことなのでしょう。
これを書いたことにより、著者の感情が解放されたことを願います。
余談ですが、著者が若い時に思っていた「セックスなんてしたくない。しなくてはいけないなら、知らない相手がいい」という“願い”が、著者が大人になってから実に皮肉な形で“現実化”していることに、ちょっとゾッとしたのでした。

男が痴漢になる理由
斉藤章佳
イースト・プレス
2017-08-18


痴漢になる理由が腑に落ちた
東京に住んでいるがこれまで(主に終電の)満員電車で痴漢を目撃したことは数え切れず、逮捕(私人逮捕。痴漢を捕まえ警察署で調書作成に協力)した経験が複数回ある。
こうした経験から、痴漢で逮捕されると、仕事や家族、社会的な信頼等を一瞬にして失うリスクがあるのにどうして痴漢になってしまうのか、といった疑問をずっと持っていた。特に私が逮捕した痴漢の中には社会的地位が高い人(逮捕の瞬間から「弁護士を呼べ」と連呼していた)や若くイケメンのサラリーマンもいたためである。
女性に触るのが目的であればお金を払って風俗に行けば目的は達成されるはず、などと考えていた。
本書を読んで普通の男性が痴漢に変身する理由に納得がいき、全体的に内容に強く共感した。
著者は性犯罪者の研究や依存症(痴漢は依存症)教育にも取り組んでいる人物。
実際に痴漢で逮捕され更生を目指す人物に接触しているだけあって、内容に非常に説得力があった。
世界でも群を抜いてトップレベルの痴漢大国である日本において、本書を読了すると多くの問題意識を持つことができる。
例えば痴漢の多くが満員電車で行われている中、満員電車の解消(電車の増便や出社時間をずらして出勤する等)や痴漢(依存症患者)の更生プログラムの確立(ブラッシュアップ)など、考えさせられる点が多かった。
また、本書で特に強く共感した内容は「ミニスカートをはいているから痴漢に遭うんだ」(派手な格好をしていたら体をさわられても仕方がない)といった男尊女卑をベースにした被害者に原因を押しつけるような論調が実際に少なくない点(窓の鍵を閉め忘れ空き巣に入られたら「鍵を閉め忘れたのが悪い」と指摘されるに等しい)。
こうした馬鹿げた話は、私自身もよく耳にし、強い違和感を持っていたため、著者がはっきりその点を指摘しているのも痛快であった。
日本は性犯罪への社会的な取り組み(犯罪・再犯防止、更生プログラム)が遅れている点を考慮すると、こうした本がきっかけになり痴漢撲滅(性犯罪撲滅)に寄与して欲しいと思う。

「Stop!痴漢」...この むずかしさをしっかり伝えてくれます。
 「男が...」と書かれると、「...ぜんぶ?」、「...男だけ?」とつっこみたくなるので、あまりキャッチ―なタイトルはいかがなものかとは思いますが...「Stop!痴漢」に奮闘している著者・斉藤さんの姿と実現のむずかしさをしっかり伝えてくれる内容に仕上げてくれています。
 まず...痴漢行為に走る男性は...「性欲は強いけれど、もてない男」像のような特別で限定された枠組みではなく、「四大卒で会社勤めをする、働きざかりの既婚男性」でもあると常識や思い込みの枠を取りはらってくれます。次に、「性嗜好障害」と「セックス依存症」を比較しながら、痴漢行為、盗撮、下着窃盗などが分類される「性嗜好障害」は、ギャンブルと同様の「(その)行為・プロセス」への依存と説明してくれます。「行為・プロセス」依存ですから...強迫性(そうせずにはいられない)、反復性、衝動性、貪欲性(より強い刺激を求める)、有害性、自我親和性といった、依存症の特徴をもっていることは明らかです。
 再犯防止のための教育や対処方法も依存症と同様ですが、ここには目を開かされました。
 ある行為と決別したことで得たものは?とその行為を止めたことのメリットを尋ねることはしますが、デメリット...痴漢行為を止めたことで"失ったもの"は?と尋ねること...その過半数の回答が、「"生きがい"を失った」というものだったこと、これには驚きます。が、一方で、「依存行為を止めたことで得たものは?」という問いかけは、尋ねる側に"止めることにはメリット(のみ)がある"という思い込みや尋ねる側の強い期待が込められてしまっていることに気づかされます。依存症に限らず、こうした"デメリット"を尋ねるというのは再発防止や予防を考えるうえで見落としてはいけないたいせつなポイントなのかもしれません。
 再犯をしないために、「反省を強いるのは逆効果、まずは行動を変える」...行動を変えることで、連動して内面に変化を起こすというところこは、行動療法であり、認知行動療法の考え方で...性犯罪者処遇プログラムの内容は、このようになっているそうです,1)自己統制、2)認知の歪みと変容方法、3)対人関係と親密性、4)感情統制、5)共感と被害者理解(被害者はどのように感じて、どのように過ごしているかを思う)。"トリガーに気づいて、どう対処するか"を学習するプログラムです。
 "(被害者への)共感"と"トリガー"が、この本のキーワードかと思いますが、"現実のストレスフルな生活はトリガーだらけ"という実生活での対処のむずかしさも考えさせてもらいました。

tadaharu morimoto @_haru_kun_
私は、闘争期にはストライキを配置する組合の専従者の端くれです。
全日本海員組合のみなさんがいま、どれほど神経をすり減らしていることか、痛いほどよくわかります。
だからこそ、最大限の支援を惜しみません。
檄 全日本海員組合
#九州商船ストライキ

ナスカの痴情ェ @synfunk
九州商船のストライキで、従業員側に「乗客に迷惑をかけるな」との非難を向ける人が見られる。現場に不当労働行為で介入して県労働委員会から誠実に話し合いなさいよと言われたのを無視してきて安全確保に不安を生じさせていたのは経営側だからな。迷惑かけるなを投げる方向が違うわな。
Ayumi Otsuka @ayukero52
九州商船は社員と乗客の安全を考えていないと日本中に知れ渡っているなう。#九州商船ストライキ
地球人 @earthian

昭和までは普通にあったスト。待遇改善の戦いだし「そうか頑張れ」とだけ思ってた。平成に入って聞かなくなり、雇用の規制緩和で派遣天国・ブラック・労働力使い捨ての日本になった。応援してます!
⚡️ 「 #九州商船ストライキ の経緯について」(作成者: @aequitas1500)

MORInoIbuki 共謀罪は廃止! @bpp2006
九州商船、不当な組合潰しの企みを諦め、ストライキが回避できるような誠実な対応を‼
#九州商船ストライキ

OoA本部公式アカウント @OoA_jpn
#九州商船ストライキ
この年の瀬にはた迷惑な会社だのぅ?安全対策講じず営業やっといておかしい思わないんか?ええ加減にせいよ!ストやられるんは全部会社が悪いんじゃ!

ささきりょう @ssk_ryo
九州商船、いよいよ明日の1便からスト突入か。会社が妥協する姿勢はまだ見えず。組合の要求はそれほど難しいものではない。なぜ、会社は頑なになるのか。ほんと謎。
#九州商船ストライキ

AEQUITAS /エキタス @aequitas1500
そんな重要な仕事に従事する労働者が不当に扱われるなんて本来あってはならないこと。経営側がダメ過ぎますね。経営側が労働者側の正当な要求をのめばストライキは回避されますから、会社側にそうするよう要請すればよいのです。
#九州商船ストライキ

よしー @Crowm69
⚡️「#九州商船ストライキ の経緯について」(@aequitas1500さんによる: https://twitter.com/i/moments/944760456199077888 …)
どう考えても会社側が悪い。スト頑張れ

内田 達朗‏ @9tUchida
「ストやるなんてけしからん」「迷惑だ」なんて言われて労組がたたかわなくなったら、利用者の安全にも跳ね返る事態になる。
#九州商船ストライキ

望月衣塑子 @ISOKO_MOCHIZUKI
#ウーマン村本 さん「番組で『原発無いとやってけない町悪い』と言われた。恩知らずが。基地も原発も町が手を挙げよう挙げまいと、日本全体の置き場になってる。一軒家でフクイ君とオキナワ君に洗濯機置かせてもらい使ってながら『洗濯機お前の部屋に置いてるから』じゃない」
村本大輔(ウーマンラッシュアワー)@WRHMURAMOTO
沖縄、被災地などの問題にふれることに「勉強してからにしろ」というやついるけど知識はいらない。「なにが起こってるの?教えて?仲間だろ」の悩みを分けてもらうってだけでいい。勉強した頭でっかちが自分を疑えなくなって争うんだから。それこそ#metooで私もみてみぬふりしてました、をやるべき。
きっこ @kikko_no_blog
親の七光は同じでも、正しい教育を目指した姉と、親友の安倍晋三を利用して国の補助金で私服を肥やし続けた弟が、考え方の違いから袂を分かつまでの流れが良く分かるドキュメンタリー、森功著『悪だくみ「加計学園」の悲願を叶えた総理の欺瞞』(文芸春秋)、これは必読!→悪だくみ 「加計学園」の悲願を叶えた総理の欺瞞

朝頑張って門真まで出かけました.自転車なのでちょっと遠いです.行先は門真市立図書館.久しぶりです.以前ベルサイユのばらを借りました.いろいろあるので意外にこの図書館が好きなんです.分館のほうにもいきました.少し迷ってしまいましたが,元門真南高校だったところです.ここもいろいろあります.門真運転免許試験場の近くで遠いのでたまに行くのはいいかな?
お腹すいたのでとりあえず梅田に.腹ごなし?にネットカフェ.クリスマスというのでチョコのサービス.30分しかいないのでなぜか抽選券をもらってじゃんからの前でガラガラを回すと赤い玉.1000円のお食事券でした.今年はあと数日だから運を使い果たしたかな?ちなみに「おしょくじけん」が汚職事件と変換されてしまったのには笑ってしまいました.
近くで100円ワインを試してみましたが圧倒的にマズイ.100円だから仕方ありません.
九州商船がストライキをするというニュースが入ってきました.熊本から島原に行くのに使った気がします.ネットで調べてみると労働組合の言っていることがもっともで会社は素直に組合の要求を,そんなに大変な要求ではないはずですが,飲めば解決です.組合がんばれ.

<伝える〜被災地から>(下)残す/大川の誇り模型に刻む
<記憶たどり復元>
 忘れ難き古里が目の前に広がる。山、川、家々。その光景を目の当たりにした人々が涙ぐみ、思い出話をしながら記憶をたどる。
 東日本大震災で被災した石巻市大川地区の街並みを500分の1の大きさで復元した模型が11月以降、地元の釜谷集落のプレハブ施設に展示されている。
 復元プロジェクトを進める一般社団法人「長面浦海人(うみびと)」の小川英樹代表理事(36)は「大好きな大川を語り継ぎ、自然災害から命を守ることを伝承していきたい」と誓う。
 震災で大川地区は住民約420人が犠牲になった。9集落のうち間垣、釜谷、長面、尾崎の4集落が災害危険区域となり、約400世帯が移転を余儀なくされた。
 時がたつにつれ、住民の間で切実な声が上がるようになった。「自分の家の屋根の色が分からなくなってしまった」「街があったことを形に残し、暮らしの記憶を子や孫へと伝えたい」
 そうした心情を酌み、2016年にプロジェクトが動きだした。小川さんや釜谷集落で暮らしてきた阿部良助さん(70)、神戸大などが連携。住民らから聞き取った話を基に4集落を模型で再現し、建物や風景に色付けした。
 模型にアクリル片の「記憶の旗」が並ぶ。その数は約2700枚。懐かしい思い出や地域の歴史、震災当時の出来事などが記されている。「夏になるとシジミをとる」「お祭りの準備みんなで集まった」「後ろ見たら津波の壁」
<10年、20年後も>
 小川さんは尾崎集落にあった自宅が津波で被災。古里の復興に役立ちたいと、会社を辞めて漁師になった。「一人でも多くの人が大川に関心を持ってくれたらいい。10年、20年と模型を残したい」と志を立てる。
 神戸大大学院工学研究科の岡実侑さん(23)は約40人の学生と共にプロジェクトに参加した。「模型には多くの方々の思いが詰まっている。大川が立ち上がっていくためには、地元の若い人たちの力が必要だと思う」と話す。
 東北福祉大1年永沼悠斗さん(23)はプロジェクトで、住民や同世代の学生らとコミュニケーションを取り、潤滑油となってきた。
 長面集落の出身。地元の大川小と大川中で学び、野球に励んだ。「楽しい思い出がたくさんある。自然の豊かさや人の温かさはどの地域にも負けない」
 震災から7度目の年の瀬。仮設住宅に暮らす今でも、大川地区で生まれ育ったことを誇りに思っている。


<あなたに伝えたい>「使命」と受け止め寺を再建
◎三宅俊乗さん(名取市)から俊昭さん、らん子さんへ
 俊乗さん 父は勉強家で、たくさんの本を読み、大勢の方に仏教を丁寧に説いていました。達筆で、よその寺に書を頼まれるほどの腕前でもありました。多くの檀信徒や他寺に慕われた立派な和尚でした。
 母は明るく快活な性格。だからでしょう、法事の申し込みで檀信徒が来ると、すぐ世間話に花が咲き、長居していきました。今でも「いい奥さんだった」と言われます。
 あの日の3日前、宮城県外に出掛けることになっていたので、出発前に話をしたのが最後になりました。住職になっても勉強することはたくさんあります。まだまだ教わりたいことがいっぱいあったのにと、無念でなりません。
 もう半月もすれば住職を交代する予定でした。勇退後の時間を2人でゆっくり過ごしてほしかった。温泉が好きでしたから自由に行かせてやりたかった。震災がなかったなら、と思わずにいられません。
 津波で全壊状態となった寺の再建が6月に始まり、今月15日に引き渡しを受けました。閖上の復興が遅く、着工までに心が折れそうになる時もありましたが、寺が流されたままでは2人に申し訳ない。再建という大きな使命を与えられたのだと踏ん張りました。
 閖上はハード整備は進みましたが、住民の心にまだ本来の安寧はありません。開かれた寺にし、皆さんが一歩先へと進むお手伝いをしたいと思っています。さらに精進するので、どうか見守っていてください。
◎地域で慕われた住職の父と母
 三宅俊昭さん=当時(85)=、らん子さん=同(77) 名取市閖上の東禅寺の住職夫妻として、長男俊乗さん(58)らと7人暮らしだった。東日本大震災の地震で倒れた墓石の見回りなどをしていて津波に襲われたとみられる。俊昭さんは7日後、らん子さんは9日後に、それぞれ境内などで発見された。


被災地を明るく「光の箱」思い照らす 石巻・門脇
 東日本大震災の被災地を明るく照らすオブジェ「光の箱」が23日、甚大な津波被害を受け新たなまちづくりが進む宮城県石巻市門脇町で点灯された。来春まで毎晩、明かりがともされる。
 乃村工芸社(東京)が復興支援の一環で企画。光の箱は1辺が約2.5メートルの箱形で、色付きのセロハンで作ったカラフルな297個の小箱を組み合わせて制作した。
 午後5時からの点灯式で白い幕が外されライトアッされると、集まった子どもたちが歓声を上げた。
 これまでは石巻市の仮設商業施設「橋通りCOMMON(コモン)」に置かれていたが、同施設が11月に閉鎖したのに伴い門脇町に移設された。小箱も石巻市と東京でワークショップを開き、リニューアルした。
 ワークショップに参加した同市蛇田小2年三浦月(るな)さん(8)は自分が作った小箱を見つけ、「きれいにできた」と話した。


デスク日誌 強い人
 東日本大震災からの再生を願いメールマガジン「3.11を忘れないためにできること」の発行を2011年7月から続ける千葉県柏市の会社員花木裕介さん(38)と取材で出会ったのは15年4月。以来たまに連絡を取り合うようになり、何度か紙面でも取り上げた。
 花木さんから今月1日に届いたメールを見てハッとした。咽頭がんの宣告を受けたという。自分の未来予想図が一瞬にして崩れ去った…と切実な胸の内を記す一方で、「相反する(前向きな)想(おも)いも生まれている」と書いてあった。
 花木さんの行動の原点には言葉は人の心を動かす力を持つとの考え方がある。メルマガなどによる震災後の地道な文章発信には共鳴するものを感じていた。
 1日のメールには心を込めて返信した。心配しながら数日たつと、「38歳、まさかのステージ4体験記!」と題するブログの開設を知った。文章発信による病気克服への新たな挑戦の宣言だ。強い人だなと思う。
 花木さんは「震災の教訓があって今、こうして病気に前向きでいることができる」と話す。揺るぎない信念で完治させてくれることを心から願っている。(報道部長代理 松田博英)


<B2仙台>熊本地震の被災者支援 主将の柳川選手らブースターに呼び掛け
 ◆…熊本地震の被災者を支援しようと23日、バスケットボール男子、B2仙台−熊本があったゼビオアリーナ仙台(仙台市)で選手による募金活動が行われた。
 仙台の主将、柳川や熊本の主将、小林ら4選手がアリーナの入り口に立ち、訪れたブースターに協力を呼び掛けた。小林は熊本市出身。「募金をお願いします」という声にも力がこもっていた。募金はリーグを通じて被災者支援に充てられる。活動は24日の試合前にも行われる。


ちびっこサンタに通行人にっこり
 ◇…「メリークリスマス。じゃんけんしてください!」。青森市中心部の新町通りに25人の子どもサンタクロースが突如現れた。新町商店街振興組合の恒例イベントだ。
 ◇…通行人とじゃんけんし、勝っても負けてもりんごあめに使う「ヒメリンゴ」などのプレゼントを渡す。キュートな姿に通行人もにっこり。
 ◇…子どもサンタは真剣そのもので、通行人にダッシュで駆け寄っては勝負に挑む。負けてあげようとする「忖度(そんたく)ロース」はいなかったもよう。(青森)


2つの大震災鎮魂願う六甲山頂の木柱、ペンキで黒く塗りつぶされる
 兵庫県と東北3県の各県勤労者山岳連盟が合同で六甲山頂付近(神戸市東灘区)に設置した阪神・淡路大震災、東日本大震災の鎮魂を願う木柱が、ペンキのようなもので黒く塗りつぶされていたことが24日、関係者への取材で分かった。柱に記された「鎮魂」「復興祈願」などの文字は判読不能になった。兵庫県の連盟は6月、東灘署に被害届を出しており、同署が器物損壊容疑で捜査している。
 兵庫県勤労者山岳連盟は2011年の東日本大震災後、数回にわたって岩手、宮城、福島の3県でボランティア活動に取り組み、現地の連盟と親交を深めた。友好の証しの意味も込め、阪神・淡路の被災地である神戸に合同の「鎮魂碑」設置を計画。昨年3月、国の設置許可を得て、六甲山頂付近に木柱を建てた。
 木柱は太さが9センチ四方、高さ1・3メートル。四面に「阪神淡路・東日本大震災鎮魂・復興祈願」や建立日、連盟名などを記した。設置直後、六甲山系の山々を歩く「六甲全山縦走大会」に東北3県の約30人を招き、お披露目したという。
 ところが今年初夏、柱の全面が真っ黒に塗りつぶされていることが判明。同連盟の関係者が登山者らから聞き取った結果、5月1〜20日ごろに塗られた可能性が高いという。同連盟の村上悦朗副会長(81)=神戸市灘区=は「なぜこんなひどいことをするのか。目撃情報などを寄せてほしい」と憤る。繰り返される恐れがあるため、木柱は今もそのままにしているという。
 神戸では22日にも、阪神・淡路大震災の犠牲者を追悼する東遊園地(中央区)の「慰霊と復興のモニュメント」に落書きされているのが見つかり、生田署が器物損壊容疑で調べている。(上杉順子、杉山雅崇)


動植物園で復興支援者見学ツアー
去年の熊本地震で大きな被害を受けた熊本市動植物園で、復旧費用を支援している人たちを対象に、休園中の区画や園内の裏側を見学する「バックヤードツアー」が行われました。
去年の熊本地震で大きな被害を受けた熊本市動植物園は、まだ休園中の区画が残り、復旧が終わった区画についても土日と祝日に限って開園しています。
全面復旧には、およそ9億円近くかかる見込みで、動植物園では、ことし2月から「復興応援サポーター」として、個人や団体からの復旧費用の寄付を呼びかけています。
24日は、この「サポーター」への感謝の気持ちをこめて、休園中の区画や園内の裏側を見学できる「バックヤードツアー」が開かれ、11人が参加しました。
ツアーでは、休園中の区画で飼育されているクマやカバなどを見学し、飼育員から動物の生態について説明を聞いたり、飼育用の通路からエサをあげたりしていました。
また、動物用の手術室なども見学し、獣医師から動物の健康管理のしかたなどについて説明を受けて、参加者は興味深そうに聞き入っていました。
参加した熊本市に住む幼稚園児の男の子は「エサやりが楽しかった。カバが口を大きく開けて食べるところがかわいかった」と話していました。
動植物園によりますと、23日までに806の個人と41の団体から、合わせておよそ1800万円の寄付が集まっているということです。


人権理の勧告 胸に手を当てる機会に
 自分は人からどう見られているか。第三者が抱く印象に接して戸惑った経験は誰しもあるだろう。国柄も同様だ。
 国連人権理事会で、日本の人権状況を審査する作業部会が先月発表した勧告は218項目に上る。審査会合での106カ国・地域の意見を反映したものだ。
 日本の審査は5年ぶり3回目。初回2008年に26項目だった勧告は、12年に174項目に急増。今回は200を超えた。人権意識の高まりとともに、日本に対する関心の高さがうかがわれる。
 日本政府は今後、受諾の是非を判断。人権理は来年2月から3月にかけての会合で、日本が受諾した項目のみを最終勧告として採択する。
 もとより勧告は国連の総意ではなく、勧告に法的拘束力もない。加盟各国の自助努力を尊重する制度の性格が透ける。人権保護は、法や制度などの「形」ではなく実態が問題だ。強制はそぐわないにせよ、それに甘えて改善の取り組みを怠るようでは制度の趣旨を損なうだろう。
 勧告分野は死刑廃止や男女の賃金格差の問題、性的少数者(LGBT)の権利保護や子どものいじめ問題など多岐に及ぶ。東京電力福島第1原発事故に関しては、自主避難者への生活支援のほか妊婦や子どもの健康問題も取り上げられている。
 菅義偉官房長官は「ごく一部の国の発言でも基本的に掲載される傾向がある」との認識を示す。日本政府の耳に痛いものもあれば、的外れの指摘も多いことだろう。
 従軍慰安婦問題で、勧告は元慰安婦への誠意ある謝罪と補償などを求める。日本は15年末の日韓合意で、10億円の拠出を伴って「最終的かつ不可逆的解決」を確認。日本政府は審査段階で反論した。
 この件で、勧告をそのまま受け入れるわけにはいくまいが、戦後処理の歴史を踏まえた日本側の認識と国際社会の受け止めのギャップを埋める外交努力の必要性は、しかと認識しなければならない。
 今回は複数の国が日本の言論環境を取り上げた。16年春には、言論と表現の自由に関する特別報告者が現状調査のため来日。日本政府が放送法を盾にテレビ局に圧力をかけていると批判したのが下地になったのは想像に難くない。
 政権が成立を強行した特定秘密保護法や、「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法に、報道の萎縮や人権侵害の懸念が示されてもいる。
 政府はことごとく反発するが、言論・表現の自由は民主主義国家の基盤。国連の場で懸念が示されること自体が不名誉との指摘もある。
 政府の人権意識と国情に隔たりはないか。勧告は胸に手を当てるいい機会だ。


滋賀の再審決定 自白偏重はやはり危うい
 これまで何度も冤罪(えんざい)を生んできた自白偏重の危うい捜査に、またもや警鐘が鳴らされたと言えよう。
 滋賀県東近江市の病院で2003年、人工呼吸器を外して患者を殺害したとして殺人罪で懲役12年の有罪が確定した元看護助手の西山美香さんについて、大阪高裁が再審開始を認める決定をした。西山さんは今年8月に服役を終えている。
 再審請求の即時抗告審で争点となったのは、患者の死因と自白の信用性だった。死因について、大阪高裁は、弁護団が新証拠として提出した医師の意見書や司法解剖のデータから、不整脈による自然死の可能性があると認めた。そもそも事件ではなかった疑いがある。
 有罪の大きな根拠となった「呼吸器を外した」という捜査段階の自白についても、患者の死亡への関与など供述は多くの点でめまぐるしく変遷しており、真実かどうか疑わしいと判断した。西山さんが好意を抱き、信頼していたという取り調べ担当の警察官に誘導されて、虚偽の自白をしたとも考えられるとした。
 「疑わしいときは被告人の利益に」との刑事裁判の原則にのっとった判断と言える。大阪高検が特別抗告すれば、最高裁が改めて再審開始の可否を判断するが、速やかに再審を始めるべきだろう。
 これまで再審が認められたのは、DNA鑑定など明確な新証拠が出たケースが多い。今回は自然死の可能性を指摘する医師の意見書が決め手となったものの、従来ほど決定的な証拠ではない。捜査員への好意から自白したという点も、強引な取り調べなどが問題となった過去の冤罪とは異なる。
 だが、捜査段階でその供述の変遷や事件発生時の状況に疑問を挟む余地はあったのではないか。西山さんが否認に転じて無罪を主張したのは公判からだが、患者の死因の検討という基本をおろそかにしていたのなら問題だ。
 気掛かりなのは、西山さんが服役後、発達障害と軽度の知的障害があると医師に診断されたことである。人に迎合しやすい傾向があるという。
 発達障害があっても診断を受けずに大人になる人は多いと専門家は指摘する。岡山県教委の調査では、発達障害などで「特別な支援が必要」とされる児童生徒の割合は年々増えており、公立高校で昨年度、4・3%に上った。
 昨年成立した改正発達障害者支援法は、コミュニケーションが難しい障害の特性を踏まえたものである。刑事事件などの取り調べや裁判でも、当事者が不利にならないように、個々に応じた配慮を国や自治体に求めている。
 取り調べに迎合しやすい人が少なからずいることを十分に念頭に置かねばなるまい。自白に偏重せず、客観的な証拠から真実を追求する姿勢を貫くことが捜査機関や裁判所には必要だ。


カタルーニャ独立派過半数 中央政府は大胆な妥協を
 スペイン北東部カタルーニャ自治州の州議会選挙で、独立派3政党が合わせて議席の過半数を握る見通しになった。
 独立派の勢いがそがれるのを期待していたスペイン中央政府には誤算だろう。しかし、混乱収拾のため州議会を解散したのは中央政府の判断である。選挙結果を受け止め、自治州への大胆な妥協を図るべきだ。
 自治州のプチデモン前首相は、中央政府の反対を押し切って10月に独立を問う住民投票を強行し、圧倒的多数の賛成で承認されたとして州議会での独立宣言に踏み切った。
 これに対し中央政府は、住民投票は憲法違反だとして「反逆罪」で州政府幹部を訴追し、自治権を停止した。前副首相はスペイン当局に拘束され、前首相は逮捕を避けてベルギーに逃れた。
 こうした圧力を受けながらも住民の多くが独立派に投票し、前首相らは議員として再選された。その重みを中央政府は受け止めるべきだ。
 まずは前首相らへの訴追取り下げなど、話し合いに応じる姿勢を見せることが求められる。
 一方の自治州側も前途多難だ。
 独立派は、中央政府との対話を模索する穏健派と、独立に固執する強硬派に分裂して選挙を戦った。全体で過半数を確保しても、連立政権作りに失敗すれば、州政治のかじ取りはできない。
 政党別の議席数では、独立に反対する新興中道右派政党「シウダダノス」が第1党になる見込みだ。反対派が連立政権作りへの主導権を握ることも考えられる。
 カタルーニャ独立は、スペイン政府のみならず、欧州連合(EU)や国際社会の理解を得られなかった。既存の秩序を乱す国家分裂への動きが欧州各地に広がり、混乱の火種となる恐れがあったからだ。
 自治州は、外国企業撤退の動きなどで経済的にも打撃を受けた。いったん独立の旗を降ろし、自治権拡大などの現実的な戦術に転換することが望まれる。それによって国際社会の理解も得やすくなるだろう。
 独立か反対かで割れた民意をどうくみ上げ、これからの和解と交渉につなげていくか。自治州と中央政府の双方の政治家に、対立を克服する知恵と責任が求められる。


出るか“第2の貴乃花親方” 芸能界の暴力体質は角界顔負け
 大相撲の元横綱日馬富士の平幕貴ノ岩への暴行事件が、芸能界にも波及するかもしれない。
 貴乃花親方が所轄の警察署に刑事告訴したことで大騒動になっているが、「これに続けと、業界にはびこる暴力体質を告発する者が出てきてもおかしくない」との声が芸能関係者にあるのだ。
「人気俳優やら売れっ子モデルを売り出した事務所の社長、多くのグラドルを育て上げたことで知られる大物、大手レコード会社幹部ら、パワハラのエピソードは有名な話。部下を殴ったり蹴ったりして、ガラスの大きな灰皿を投げつけてケガをさせたとか、被害者は数え切れないほどいます。独特の閉鎖社会で、そんなやつらに文句を言えば生きていけないと口をつぐみ、黙って耐えたり、いまもその痛みを引きずっている被害者が警察に駆け込んだり、ネットで告発すればどうなるか。貴乃花親方は相撲協会に報告せず、独善的な行動だと批判されていますが、被害者にすれば『その手があったのか』ということになるし、警察が捜査に着手したことで、成功例のように見えなくもない。これは芸能界にも影響を与える前例となるんじゃないでしょうか」(ある芸能関係者)
 タレントであっても、飲み会で先輩から無理難題を押し付けられ、泣き寝入りしてきた例はいくらでもあるという。
「暴力を振るわれても刑事告訴すれば、泣き寝入りせずに報復できる。第2の貴乃花親方が芸能界から出れば業界内の空気はがらりと変わる。ブラックな状況に風穴があくかもしれない」(前出の芸能関係者)というのだ。
 日本の芸能界も相撲界も根は同じ体質。勇気ある告発者を待つばかりだ。


エルサレム決議 米国の傲慢が目に余る
 トランプ米大統領はあまりにも傲慢(ごうまん)ではないか。
 米国がエルサレムをイスラエルの首都と認定した問題で、国連総会は撤回を求める決議を日本を含む賛成多数で採択した。
 トランプ氏はこれに先立つ閣議で「賛成票を投じればよい。多額の節約につながる」と述べ、賛成する国々への経済援助打ち切りを示唆した。
 自分たちとは違う考えを認めず、援助を人質に取ってまで投票行動を変えさせようとする。
 このような脅迫まがいのやり方は、もはや外交とは言えない。まして責任ある超大国のすべきことではない。
 米国の威信の低下を招き、国際社会での孤立は避けられまい。
 ただでさえ不安定な中東情勢も混乱させることになる。
 決議案には加盟193カ国のうち、128カ国が賛成した。米国の「圧力」に屈して棄権に回った国もあるとみられるが、反対は9カ国と広がりを欠いた。
 当然である。「われわれは侮辱も脅迫も受け入れない」(パレスチナ自治政府のマルキ外相)「米ドルで民主的な意志は買えない」(トルコのエルドアン大統領)など、米国に対して厳しい批判の声が上がっている。
 エルサレムはユダヤ教のみならず、イスラム教、キリスト教の聖地である。
 特にパレスチナが将来の独立国家の首都と位置づける東エルサレムは1967年にイスラエルが占領し、併合した。国際社会はこれを認めていない。
 中東の国々が、米国の脅しに屈するとは考えにくい。
 仮に米国が援助を打ち切れば、中東諸国との関係悪化は取り返しのつかないものとなるだろう。
 トランプ氏が今月6日に首都認定を発表して以来、エルサレムではパレスチナ人とイスラエル軍の衝突により、多数の死傷者が出ている。トランプ氏はこの事態を重く受け止めるべきだ。
 イスラエルの占領で故郷を追われたパレスチナ人は500万人を超え、各地の難民キャンプで劣悪な生活を強いられる。
 トランプ氏の首都認定は、パレスチナ国家建設へのかすかな希望を打ち砕くものと映る。
 河野太郎外相は今週、パレスチナとイスラエルを訪問する。「2国家共存」しか道がないことを双方とあらためて確認する必要がある。その上で、米国に粘り強く軌道修正を求めていくべきだ。


国連の「エルサレム」決議 米国は孤立深めるのか
 国連加盟国の約3分の2に当たる国々が米国に対してノーを突き付けた。トランプ大統領がエルサレムをイスラエルの首都と認定した問題で、国連総会の緊急特別会合は認定の撤回を求めるなどした決議案を賛成多数で採択した。
 投票前に米国は経済支援の削減をちらつかせ、けん制していた。それも影響したのだろう。反対が米国、イスラエルを含む9、棄権が35あった。また採決を欠席した国も21に上った。
 それでも圧力で従わせようとする露骨な外交姿勢に、国際社会が一層反発したのは確かだろう。決議内容と世界の反応を、米政府は真剣に受け止めるべきだ。改めなければ、孤立を深めるのは必至である。
 トルコとイエメンが共同提出した決議案は、米国を名指しこそしていないが、「エルサレムの地位を巡る最近の決定に深い遺憾の意」を表明している。その上で全ての国に対して、エルサレムに大使館を置かないよう求めた。
 エルサレムをイスラエルの首都とする認定は、中東地域の和平への道を一方的に閉ざす暴挙である。混乱を招き、対立を再燃させている責任は重大だ。決議に拘束力はないものの、米国の横暴を認めないという決意が示されたのは間違いない。
 決議を重く受け止めるべき米国だが、今のところ、聞く耳持たぬという態度である。ヘイリー米国連大使は「きょう受けた攻撃を覚えておく」などと述べて、採決前に席を立った。
 その姿に象徴されるように、米国の「踏み絵外交」が際立った。国連総会に先立ち、トランプ氏は米国の決定に反対する国には、経済支援を削減すると警告した。「私たちから数億ドルや数十億ドルも受け取りながら反対する国があれば、やらせておけばいい。米国は大いに節約できる」と。経済力の弱い国を米国の方針に反対させず、追従させようとした形だ。
 さらにヘイリー大使が国連に対する米国の多額の拠出金についても言及し、圧力を強めた。
 こうした「恫喝(どうかつ)」にも等しい外交に対し、「国々の尊厳や票を金で買えると思うのは倫理的に許されない」とトルコ外相が非難したのをはじめ、各国が猛反発しているのも無理はない。
 米国による「首都認定」は、来年の中間選挙を控え、有力支持層の歓心を買う思惑かららしい。それが国際社会から批判されるや、経済力で従わせようとするとは、何とも嘆かわしい大国の振る舞いだ。経済支援と引き換えに途上国に追従を求めたり、国内問題より海外へ国民の目を向けさせたりする政治手法は、どこか中国とも重なる。
 トランプ政権の自国第一主義は既にさまざまな場面で世界の協調を乱してきた。友好関係にある国々をも閉口させていることに気付かないのか。
 米国の援助に頼るアラブ諸国が今回、決議案に賛成したこともその証しだろう。さらに日本や英国など同盟国も賛成している。米国は力や金で服従させるやり方の限界を認識すべきだ。
 米国は決議に賛成しなかった64カ国に謝意を示し、年明けのレセプションに招くという。どこまで国際社会に背を向けるつもりか。米国に認定撤回を求めて、各国は迎合することなく、働き掛けを強める時だ。


米国批判決議 独断専行は許されない
 「脅し」の効果も限られたようだ。
 国連総会が緊急特別会合で、エルサレムをイスラエルの首都と認めた米政権を批判し、認定の撤回を求める決議案を採択した。
 節操のないことに、トランプ米大統領は採決前、決議に賛成する国には経済支援を削減するとの警告を発していた。結果は、賛成が日本を含め128、反対が9。棄権は35だった。
 決議に拘束力はないものの、国際社会はトランプ大統領の判断に明確にノーを突き付けた。認定に固執すれば、外交上の大きな痛手となるだけでなく、軍事衝突やテロを誘発しかねない。米政府は直ちに取り消すべきだ。
 トランプ大統領が首都認定と米大使館の移転を公表したのは、今月6日だった。パレスチナとイスラエルによる「2国家共存」を目指し、両国間の和平交渉でエルサレムの地位を決める、との方針を一方的に転換した。
 深刻な影響が出ている。
 米国への抗議デモは、中東のイスラム諸国にとどまらず、パキスタンやマレーシア、インドネシア、欧州へと広がっている。
 パレスチナとイスラエル軍との間で武力衝突も繰り返されている。イランの有力な聖職者は反イスラエル闘争を呼び掛け、過激派組織イスラム国(IS)は米本土への攻撃を予告した。
 トランプ大統領は、中東和平に向けて「新たなアプローチを始める」とも宣言したが、具体的な内容は定かでない。シーア派のイランと対立するスンニ派のサウジアラビアやエジプトを抱き込み、パレスチナに圧力をかける狙いがあるとされる。
 イラン敵視で結集したところで真の和平は実現しない。米国が独断専行を続ければ、中東の分断に拍車をかけることになる。
 いずれにせよ、このままでは米国に和平交渉の仲介役を期待することはできない。国連加盟国は今回の決議を機に、協力して交渉再開の道を探ってほしい。
 パレスチナには、日本に新たな仲介役を求める声がある。米国の拒否権で否決されたけれど、日本は今回、国連安全保障理事会でも議長国として、首都認定の撤回を求める決議案に賛成した。
 とはいえ、北朝鮮対応を重視する安倍政権は、トランプ大統領の不興を買わないよう慎重な構えを崩していない。いさめるべきはいさめるのが同盟国の役割だ。米国の顔色をうかがうばかりでは、国際社会の信頼は得られない。


【国連米批判決議】無軌道な振る舞い許すな
 札束で頬をたたいて従わせる―。国連の場であるまじき光景が公然と繰り広げられている。
 トランプ米大統領がエルサレムをイスラエルの首都と正式認定した米国の決定に対し、国連総会は緊急特別会合で、認定の撤回を求める批判決議案を圧倒的多数の支持で採択した。日本も賛成した。
 エルサレム問題は宗教対立が複雑に絡み、憎悪と暴力の歴史を重ねてきた。米国を含む国連加盟国がガラス細工を組み上げるように試行錯誤してきた中東和平の難題だ。その解決の道を一方的に断ち切るようなトランプ氏の独断が、国際社会で容認されるはずもなかった。
 決議は平和を追求する国連の当然の意思表示である。法的な拘束力はないとしても、米国は真摯(しんし)に受け入れるべきだ、と求めたいところだが、どうやら米国は聞く耳を持たないようだ。
 国連での決議案採決を前に、トランプ氏は米国方針に反対する国に対し、経済支援を削減すると警告し、圧力をかけた。大国のカネの力にものをいわせ、米国の援助に頼る国々の弱みにつけ込む。脅迫、どう喝にも似る。
 「数億ドルや数十億ドルも受け取っておいて(米国に)反対する国には、やらせておけばいい。米国は大いに節約できる」。トランプ氏の脅しめいた発言に超大国のリーダーの品格は見られない。
 決議は、欧州諸国など128カ国が賛成し、米国やイスラエルなど9カ国が反対したほか、オーストラリアやカナダなど35カ国が棄権した。米国の孤立が際立った一方、棄権は予測よりも多かった。米国の圧力の影響は否めない。
 パレスチナとイスラエルの抗争が激化している。そんな混乱も顧みないトランプ氏の強引な言動には、ユダヤ系の国内支持層などへの内向きのアピールが透ける。北朝鮮問題などでは国際協力を迫り、自らの要求に応じない国は口汚くののしる。ご都合主義も甚だしい。
 国連の議場で米国のヘイリー国連大使は、国連のイスラエル対応そのものを非難し、国連への拠出金の削減も示唆した。米国が築いてきた国際社会での指導力、けん引力を自ら捨て去るにも等しい。
 国連憲章は「寛容を実行し、かつ、善良な隣人として互いに平和に生活し、国際の平和および安全を維持するためにわれらの力を合わせ」とうたう。大戦の反省に立つ国連の対話と協調の精神を米国は踏みにじるのか。
 テロや地球温暖化など、もはや1国のみでは解決できず、多国間の枠組みを要する課題が広がり続けている。トランプ政権の「米国第一」主義はその国際潮流に逆行する。
 日本の決議案支持は1国の横暴を許さないという判断として当然だ。国際協調の普遍的価値をないがしろにする無軌道な振る舞いをいさめ、正していく。同盟国、友好国であるが故の役割を果たすべきだ。


沖縄予算減額 辺野古反対の意趣返しだ
 政府が決定した2018年度沖縄関係予算案は前年度比140億円減の3010億円となった。総額は2年連続、沖縄一括交付金は4年連続で減額となった。総額は13年に安倍晋三首相が21年度までの3千億円台確保を表明して以降、最少額となった。
 米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設で、仲井真弘多知事(当時)が埋め立てを承認した翌14年度の3501億円より491億円の大幅減だ。
 辺野古移設反対を公約に掲げて当選した翁長雄志氏の知事就任後の15年度は前年度より161億円減額された。16年度は前年度比10億円増となったが、17年度は前年度比200億円減となり、18年度はさらに140億円減額となっている。
 こうした翁長県政後の予算額の下降傾向をみると、政府の辺野古移設方針に従わないことへの意趣返しとしか受け取れない。江崎鉄磨沖縄担当相は「知事選とこうした予算は切り離して、しっかり国も対応している。(基地問題と)リンクさせるべきではない」と関連を否定した。
 しかし菅義偉官房長官は昨年8月の会見で、辺野古工事と予算について「工事が進まなければ予算が少なくなるのは当然ではないか」と述べている。県市長会長の古謝景春南城市長も翁長県政と政府が基地問題で対立していることについて「影響があると疑わざるを得ないだろう」と述べている。政府が基地問題とリンクさせて減額しており、極めて不当であり、悪質だと言わざるを得ない。
 そもそも沖縄県が予算面で国から厚遇されているわけではない。国から県への財政移転(国庫支出金と地方交付税)は15年度決算ベースで約7456億円で、東日本大震災の復興予算が多く投入された岩手、宮城、福島の3県を除いて全国12位だ。人口1人当たりの金額は52万円で、全国1位の島根県の77%にすぎない。基地による厚遇予算を受けているとの風説は事実に反する。
 県と市町村が使途を比較的自由に決められる沖縄振興交付金(一括交付金)は前年度比171億円減で、12年度の制度創設以来、最も低い額となった。一括交付金は繰越額や不用額の多さを理由に減額されてきた。しかし16年度執行率は前年度比で3・1ポイント改善し、繰越率も2・6ポイント改善している。一括交付金の執行状況よりも国の直轄事業を優先的に積み上げており、これまでの理由では説明できない不透明な減額だ。
 一方で防衛省は辺野古移設に向けた関連経費として1048億円を計上した。沖縄関係予算の3分の1を超える額だ。沖縄の民意に背く形で辺野古移設は強行し、沖縄が求める予算は削っていく。極めていびつな構図だ。今回の減額は沖縄を自立的発展の軌道に乗せるという沖縄振興計画の目的にも逆行する。


リニア談合 JR東海、全19工事の契約額の非公表のなぜ
専門家「国の財政投融資活用…」 JR東海「費用減の妨げ」
 リニア中央新幹線の建設工事を巡る談合事件で、事業主体のJR東海(名古屋市)が、発注した全19工事で契約金額などを公表していないことに疑問の声が上がっている。JR東海は「公表すると、今後の同種工事に影響し、コストダウンの妨げになる」と説明するが、専門家は「公的資金を原資とする国の財政投融資が活用されており、公共工事に準じるべきだ」と情報開示の必要性を指摘している。
 リニア事業を巡っては、JR東海が2007年に自己負担で建設すると表明。14年に、東京・品川−名古屋間の工事実施計画が国に認可された。総工費は約9兆円に上り、うち約3兆円は国が低金利で資金を貸し出す財政投融資が用いられている。
 JR東海は品川−名古屋間の工事について「工事区間が長く、自社だけで発注を行い切れない」として、一部を独立行政法人「鉄道建設・運輸施設整備支援機構」(横浜市)に委託。現在までにJRが19工事、機構が3工事で契約を締結した。
 このうち、JRは業者選定手続きについて、工事区間によって▽公募競争見積もり方式(14工事)▽指名競争見積もり方式(4工事)▽随意契約(1工事)−−を採用。いずれも契約金額や受注を希望した業者名などは明らかにしていない。
独立行政法人の「機構」 3工事とも入札後に公開
 一方で、機構は「透明性を高める観点」から、3工事とも一般競争入札方式を採用。受注を希望した業者や入札過程などをホームページで入札後に公開しており、JRとは対照的な対応となっている。
 今回の事件を踏まえ、JR東海の柘植康英社長は20日、東京都内で開いた記者会見で「契約額を開示すると、例えばある工区の契約額が分かれば、隣や同種の工区の額も想像がつく。予見できない形で競争した方がコストダウンにつながると考えている。契約額などの開示に益があるとは思えない」と話した。
 五十嵐敬喜・法政大名誉教授(公共事業論)は「完全な民間事業であれば非公表でもよいが、リニア工事は実質的に約3兆円もの国民のお金が使われる公共性の高い事業。JR東海は、各工事の希望契約額の上限や下限、受注のプロセスなど詳細を公表すべきだ。全て『暗闇』では、裏側で何が行われても国民は分からず、検証もできない」と指摘している。【飯田憲、平塚雄太、巽賢司】


地方議員 車いす議員わずか7人 障害者進出、限定的
47都道府県議会と20政令市議会 総定数の0.2%
 全国47都道府県議会と20政令市議会で、障害を持ち活動する地方議員について毎日新聞が調べたところ、車椅子利用者は7人、視覚障害者は1人と判明した。計67議会の総定数に占める割合は約0.2%にとどまる。障害者の議員数に関しては公的なデータがなく、他に内部障害のある議員などがいることも想定されるが、障害者の議会進出が極めて限定的となっている実態がうかがえる。
 都道府県議会(総定数2687)と政令市議会(1183)の各議会事務局や議員に取材し、車椅子を利用する肢体不自由者らのほか、点字資料の提供や手話通訳の配置など議会が一定の対応をしている議員について12月1日現在で集計した。
視覚障害者は新潟市で全盲市議1人、聴覚障害者の議員はゼロ
 車椅子の議員は兵庫、福岡両県で各1人、さいたま、静岡、名古屋、神戸、熊本の5市で各1人。このうち、兵庫、福岡両県議と静岡市議は、病気や高齢に伴って任期途中から車椅子を日常的に利用するようになった。視覚障害者は新潟市で全盲の市議1人が活動している。聴覚障害者の議員はいなかった。
 これに対し、2017年版障害者白書によると、視覚や聴覚、肢体不自由などの身体障害者は国民の約3.1%。精神、知的を含めると約6.7%が何らかの障害があるとされ、障害者が人口に占める割合に対し、議会での割合は大きく下回っていると言える。
 今月閉会した特別国会をみると、衆参両院(総定数707)で車椅子利用者や視覚、聴覚障害者はいないが、参院では川田龍平議員が薬害エイズの被害者として、身体障害に認定されるHIVの感染を公表している。
障害者議員、痛み分かる資質持つ
 障害者の議会進出について、どう考えるか。全盲・全ろうの福島智・東京大先端科学技術研究センター教授(障害学、バリアフリー論)に聞いた。【聞き手・武本光政、山田麻未】
 日本では、十数人に1人程度が障害者ということになる。この割合を考えると、国会にも地方議会にも障害を持つ議員は極めて少なく、障害者の社会進出の遅れを示す縮図だ。
 政治家の資質とは、いかに国民の苦しみを想像できるかだと思う。障害を持っている人が挫折やつらさを経験していることは確かで、そのことは、政治家としてプラスに働くと私は考えている。何らかのハンディを持つ障害者議員は、痛みを抱える人の悔しさや悲しさが分かる蓋然(がいぜん)性が高いのではないか。
 日本では高齢化が進み、体の不自由な人も増えている。政治家も高齢者の「当事者」が多いが、高齢になるほどタフでお金や権力があって、弱さに対する想像力が摩耗し、高齢者の立場になるのも難しいように感じる。
 ハンディのある議員が活躍できる環境を整えることは、誰もがのびのびと暮らせる社会づくりにつながるのではないか。
福島智(ふくしま・さとし)教授
 1962年神戸市生まれ。小学生で全盲となり、高校生の時に特発性難聴で聴覚も失う。母が両手の指の関節を点字の突起に見立てた「指点字」というコミュニケーション方法を考案し、よどみなく会話ができるようになった。


「明石家紅白」で共演! 明石家さんまと大竹しのぶ元夫婦に共通する「戦争」と「弱者切り捨て」への怒り
 今月18日に放送された『第3回明石家紅白!』(NHK)。この番組は、明石家さんまがミュージシャンを呼んでトークと演奏で盛り上がる趣旨の、彼がNHKで初めてもった冠番組だが、今回は乃木坂46、高橋優、T.M.Revolution西川貴教と並んで、先月にニューアルバム『ち・ち・ち』をリリースしたばかりの大竹しのぶがゲスト出演。スタジオトークでは、いつものごとく、お互いに言い合いながらの夫婦漫才(もう夫婦ではないが)が繰り広げられていた。
 仲がいいのか悪いのかわからないところになんとも言えない面白みのある二人。あまり指摘されないが、実はこの二人には、もっと真面目な共通点もある。それは、「戦争」と「弱者切り捨て」への批判姿勢だ。
 先日、本サイトでも取り上げたが、さんまは11月25日放送『MBSヤングタウン土曜日』(MBSラジオ)のなかで、戦争に予算を使う政府に憤り、税務署に文句を言いに行ったことがあるというエピソードを語っている。
「一度、俺は税務署に文句言いに行ったことあるから。湾岸戦争のときにね、日本が何億って、アメリカに武器をつくる代金として渡したことがあるんですけど、そのときは税務署行って、『俺はね、人殺しのアシストしたくて働いてるんじゃない』と。『こんなもんに金使うんだったら、俺は納めません』って言うて。ほんなら、コーヒー出してくれはって、『それはうちじゃなくて、違うところに言ってください』って。で、コーヒーいただいて、『お疲れさーん』言うて帰ってきた。それは、もっと上のほうに、法律をつくる人に言わなあかんから」
 また、さんまは東京オリンピック開催決定に日本中が沸くなかでも、浮かれる世間に対し苦言を呈していた。オリンピックの東京開催が決定した直後となる2013年9月14日放送『MBSヤングタウン土曜日』にて、レギュラーの道重さゆみから「すごい盛り上がりそうですねー」と話を振られたさんまは、「いや、だからでも、福島のことを考えるとね……」としながら、こう切り出したのだ。
「こないだも『福島から250キロ離れてますから大丈夫です』とかいうオリンピック招致のコメントはどうかと思って、やっぱり。俺までちょっとショックでしたけど、あの言葉はね」
明石家さんまも大竹しのぶも被災地おきざりの「五輪開催」に違和感表明
 さんまは、同年9月4日に東京2020オリンピック・パラリンピック招致委員会の竹田恒和理事長がブエノスアイレスでの会見で語った、まるで福島を切り離すかのようなこの暴言に対し、「『チーム日本です!』とか言うて、『福島から250(キロ)離れてます』とか言うのは、どうも納得しないコメントやよね、あれは」と不信感を隠さない。そして、安倍首相はじめオリンピック招致に躍起になる人びとから「お荷物」扱いを受けていた福島に、こう思いを寄せた。
「福島の漁師の人にインタビューしてはったんですけど、『7年後のことは考えてられへん』と、『俺ら明日のことを考えるのに精一杯や』って言わはったコメントが、すごい重かったですよね。だから、あんまり浮かれて喜ぶのもどうかと思いますけどもね」
 メディアも含め、日本中がお祭り騒ぎになるなか、それに冷や水をかけるようなこの発言は、ともすれば「非国民」と炎上しかねない。しかし、それでも言うべきことは言うのである。
 それは、大竹しのぶも同じだ。彼女もさんまと同じく、被災地を見捨てるかのような対応をとりながらオリンピックに熱狂しようとしている風潮に異議を唱えている。
 大竹しのぶはエッセイ集『わたし、還暦?』(朝日新聞出版)のなかで、〈福島で被曝した森や畑。誰もいなくなった土地で歩き回るたくさんの野生の動物たち。その一方で、東京ではオリンピックの準備が着々と(でもなさそうだが)進められている。除染作業で必死になっている人たち。その一方で再稼働した原発。この国は、一体どこへ向かおうとしているのか〉と綴り、東日本大震災で得たはずの教訓すら震災後わずか数年で放り投げようとする政権に怒りを滲ませた。
 また、本稿冒頭でご紹介した通り、さんまは税務署にまで出向いて「人殺しのアシストしたくて働いてるんじゃない」と文句を言いに行っているが、そんな行動的な部分も実は二人はよく似ている。
 国民の反対を押し切り安保法制を強行採決させた2年前。SEALDsをはじめ、国会前で連日のように繰り広げられた反対デモに、実は彼女も参加していた。前掲『わたし、還暦?』では、そのときのことがこのように書かれている。
〈私も数日前の夕方、国会前での集会に参加し、何人かの人のお話を聞いた。大勢の叫んでいる人の、その正面には、国会がライトを浴びて立ちはだかっていた。
 お話をしている中の一人に、牧師さんがいらっしゃった。彼は、聖書の言葉を引用して話された。「平和を作りし者は幸いです、平和とは祈るだけではない、作るものなのだ」と。
 この声を、想いを、安倍首相はどのように思っているのか〉
大竹しのぶ「社会的な発言をして何がいけないのか?」
 彼女のこのような活動はネトウヨからの攻撃対象にもなり、理不尽な炎上やバッシングにもさらされたわけだが、大竹しのぶはそれでも言うべき主張を止めることはない。その背景には、「この社会では生きていくための人としての基本的な考え方、誰もが当たり前に考えなければいけないことだから、発言して、何がいけないのかと思いますね」(「婦人画報」17年10月号/ハースト婦人画報社)という思いがある。この考えは、きっと、明石家さんまも共通してもっているものだろう。
 日本では「野球、政治、宗教の話はタブー」という風潮が長くあり、お茶の間で家族同士が政治の話をすることはあまりない。しかし、大竹家では違うという。前掲「婦人画報」のなかで彼女はこんな話もしている。
「私は、内容も法案可決までの進め方も『ノー』でした。でも、息子は『決め方はよくないが、世界情勢やアメリカとの関係を考えれば法案にも一理ある』というスタンス。『じゃあ、戦争になる可能性もあるってことでしょう。もし徴兵されて、戦争に行かなきゃならなくなったらどうする?』『日本を捨てる』『それも淋しくない?』なんて、そんな会話をしたりします。食卓の真ん中に新聞を置いて、『これどう思う?』と話しだすことが多いですね。新聞好きの母が音読する記事について、みんなで話し合ったりもします」
 こういった会話にさんまも入っていったことがあったのだろうか離婚してから25年近くの時が経ったいまも、番組共演したり大竹しのぶの還暦パーティーに参加したりといった関係を保てている理由について二人は「子どもたちのおかげ」としているが、それはもちろんあるとして、それとはまた別に、本稿であげてきたような「根っこの部分」で共通するものをもっているというのも大きいのではないだろうか。(編集部)


【森友問題】佐川国税庁長官が偽証…財務省、ごみ撤去見積の10倍値下げして国有地売却
 11月22日、会計検査院は森友学園問題における国有地払い下げについて、8億円の値下げは「根拠不十分」(=不適切)と参議院予算委員会理事会で報告発表した。安倍内閣や財務省、国交省はどう反応するかが注目された特別国会であったが、「取引について、『問題ない』としてきた過去の答弁の誤りも認めず、今後の手続きの見直しを強調し、論点をそらす場面が目立った」(11月29日付毎日新聞)。共同通信による調査では75%の国民が安倍内閣の対応に納得していないと答え、次の国会でも追及が必要という声は50%以上に上る。
 本来なら国会論議のなかで決着を付けなければならない問題だが、当初財務省は「証拠書類は廃棄した」と繰り返し、官僚の紋切り型答弁が続いていたが、3月2日に参議院予算委員会で福山哲郎議員(現立憲民主党幹事長)が委員会として会計検査院に特定事項検査を求めるべきと提案した。そして8カ月後に発表された会計検査院の報告内容では、8億円の払い下げの根拠が不十分だと判断し、さらに国が森友学園に対していくつもの特例措置を取っていたことが明らかにされた。
 これを受け安倍内閣は、「今後は同様のことがないように対応する」という答弁ですませようとしているが、国民が求めているのは、払い下げ処分の間違いを認めて謝罪し、違法・不当な払い下げの実態を包み隠さず明らかにすることである。会計検査院が「不適切」と認めた国有財産の払い下げが、曖昧な処理のまま済まされれば、今後同様の措置が当たり前に行われ、立憲主義や法の下での公平な運営が保証されなくなる。
 一方、払い下げを取り消すという点では、森友学園は予定していた今年4月の開校ができず、契約上は学園用地は更地にして国の所有物へ返還することになっていた。そのため、国は6月29日、買い戻し権を行使して、同用地を国有地に戻している。ただし建造物が残り、森友学園が校舎建設を委託した藤原工業株式会社が工事代金の請求を行っている。
 この案件は、財政法9条の「国民の財産を適正な対価なく、譲渡・貸付を行ってはならない」に違反する疑いが濃い。また財務省はなぜ不当な払い下げを行ったのか、安倍晋三首相と夫人の昭恵氏の関与や不正が行われてきた疑惑の解明は緊急課題である。そこで本稿では、特別国会を通して明らかになった問題点を整理し、今後の国会論戦での課題を探りたい。
 また本稿の執筆過程で、関連する大きな2つの情報が入ってきた。
(1)12月13日、野党による追及はようやく産廃マニフェスト(産業廃棄物管理票)問題に及び始めた。民進党の調査チームは国交省大阪航空局に対し、3m以深に埋設ごみがどれだけあったのかを問い質し、予測していた埋設ごみ約2万トンの100分の1の194.2トンだったことを国の担当部署が公式に認めた。
 机上の計算で、2万トンの埋設ごみがあるとして8億円の値引きを行ったが、実際に校舎建設に伴い排出された産廃ごみが、2万トンのわずか100分の1でしかなかったことを、ようやく国の担当機関が認めたのである。しかもこの194.2トンも新築混合廃棄物であり、埋設ごみはゼロであった。いよいよ格安払い下げの違法性が覆い隠せなくなってきた。
(2)東京地検特捜部は9月に森本宏氏が特捜部長に就任後、その週の内に市民団体による背任罪への訴えを受理した。その後、安倍首相関連とみられる案件への捜査・逮捕の動きが急展開している。
 12月にはスパコン開発ベンチャー、PEZY Computingの齊藤元章社長を、 国立研究開発法人「新エネルギー・産業技術総合開発機構」(NEDO)からの助成金不正受給の容疑で逮捕した。齊藤氏は、詩織さん強姦容疑で損害賠償を求める民事訴訟を起こされている元TBS記者、山口敬之氏の高級賃貸レジデンス賃料を負担していたと報じられている。
 さらに安倍首相肝いりで3兆円の財政投融資を受けるリニア中央新幹線をめぐり、入札妨害があったとして大林組など4つのスーパーゼネコンの捜査に入った。特捜部は安倍政権の縁故者への支援に関連した不正疑惑に捜査のメスを入れている。このまま安倍首相による国家の私物化が続けば、「国家の破滅に近づく」(福田康夫元首相)と考えた特捜部の動きと考えて間違いないであろう。国の権力機関の一角を占める会計検査院と検察特捜部が動き始めている。
安倍首相の「言い訳」
 会計検査院の報告は、安倍内閣や政府が「適切」と答えてきたことを正面から否定した。安倍首相は特別国会のなかで、これに対してどのように答えたか。
 これまで安倍首相は国会で「ごみがあるのだから値引きは当然」「払い下げは適正に行われている」と答えてきたが、今回の会計検査院の報告を受けて、立憲民主党の長妻昭、川内博史両衆院議員の質問に対し、次のような答弁を行っている。
「私が過去の答弁で言ったのは、(財務省の)理財局も近畿財務局も、国有地を適切な価格で売買していると信頼しているということだ。私が調べて『適切』と言ったわけではない」「私の(過去)の答弁ですが、私は価格が適正だということは申し上げたことはございません」
 今回の払い下げに当たっては、後述するように4件もの特例が実施されたが、識者によれば、部門を超えた特例措置は、部門間で局長クラス以上による調整が行われなければ実施できないという。
特別国会での注目点
 では、先の特別国会から見えてきた森友問題の新たな実態について見ていきたい。
 川内博史議員は会計検査院の河戸光彦院長に質問し、報告書にいう「適切とは認められない事態」という点は、「違法・不当である」という意味かと尋ね確認を行った。つまり格安払い下げを実際に行った財務省と国交省の官僚が、違法もしくは不当な払い下げを行っていたことを、国会の場で会計検査院から証言を取ったのである。
 その上で、「国土交通省大阪航空局が行った値引きの見積もりの算定に使った前提となる数値が適切であったか」を尋ね、ごみが混入していたとされる土壌の「深さ」「混入率」のいずれも算定の根拠が示されておらず、さらに算定価格の根拠も示されていないと答弁がなされた。
 さらに質問し、深度は「3.8m」「9.9m」と記載され、混入率は、「47.1%」と記載されているが、それらの根拠が確認できたかと尋ね、これらについても根拠がないと答弁した。つまり、埋設ごみが2万トンあったという算出根拠がないという。
 森友学園は2015年の土地賃借時に、表土から約3mまでの浅い部分の埋設ごみの撤去をすませており、今回問題になっているのは、16年の初頭から始まった校舎建設に伴い、さらに深部からごみが出たとする3m以深についてである。この2回目のごみ撤去量は、実際の量ではなく、国が想定した量であり、計1万9520トン、約2万トン。この撤去費に8億円かかるとされた。
 国交省大阪航空局は、この2万トンの計算を以下の計算式で行った。
「面積」×「深さ(9.9mまたは3.8m)」×「混入率」をごみの容積として、これに比重を掛けることでごみの重量としている。
 ところが会計検査院の河戸院長は、この「深さ」「混入率」のデータに根拠がなかったと答弁している。基本データに根拠がない以上、埋設ごみの計算はできず「ゼロ」ということになる。しかもその計算が、すでに撤去している3mまでの深さにあるごみを2重に計算する間違いを犯していたことは、これまで当サイトでも述べた。つまり、2万トンは根拠のない架空のデータだったことになる。
 その上で1トン当たりの単価の根拠となるデータもなかったというのである。河戸院長の答弁は、約8億2000万円を値引いた根拠が不十分どころか、計算上はごみは「ゼロ」だったことを意味する。国会での河戸院長の答弁は、会計検査院の報告が、安倍首相、そして財務省と国交省の大臣が「適正」と言ってきた発言を、真っ向から否定していたことが確認できた発言だった。
 先の特別国会では野党による追及で上記の重要質疑のほかに下記の3つの事実が判明した。
(1)森友学園への土地売却をめぐり取られた特例措置は、過去に前例がない
 川内議員は、国から森友学園への払い下げは、15年5月には賃貸借契約で始まり、翌年の16年6月には売買契約へと変更された点を踏まえ、国有財産の払い下げは売却が原則となっているなかで、今回のように「売却を前提とした上での定期借地契約」を行ったり、売買契約への切り替えに当たって、「分割の支払いや延納特約」などの特例措置が取られた点について質問した。
 会計検査院の報告で示されていたこれら特例は、財務省全体として記録が確かな12年から16年の間に何件あったのかを尋ねた。その結果、それぞれ約1000件の内、特例は森友学園しかなかったことがわかった。それに加え、「瑕疵担保責任免責特約」によって、もし瑕疵=埋設ごみ等の増減が今後わかっても、契約金額は変わらないとしたり、売買価格について非公表にした事例についても尋ね、ほぼ1000件前後の事例のなかで、森友学園1件だけの措置であったことが太田充理財局長の答弁から得られた。
 川内議員の質疑によって、森友学園へ手厚い特別な取り扱いが行われていたかが日本中に知れ渡り、しかも売却額を86%引きにしていた点について非公表にするなどして隠していたのである。安倍首相や昭恵氏の関与があったこと、さらには財務省や国交省の多くの官僚たちが組織的に関与していたことをうかがわせる特例問題だった。
・売却を前提に定期借地契約:1194件の内1件
・土地代金の分割と延納特約:1214件の内1件
・瑕疵担保責任免責特約:1214件の内1件
・公共随意契約の内、売却価格を非公表:972件の内1件
(対象期間:12〜16年)
(2)音声データを国が認め、佐川宣寿前理財局長らの偽証明らかに
 宮本岳志衆院議員(共産党)らは、9月に関西テレビが報じた音声データについて質問し、財務省太田允理財局長は音声が16年3月下旬〜4月に同省近畿財務局と森友学園が協議した際のものと認めた。この音声データには、埋設ごみを理由とする値引きの金額交渉や新たな埋設ごみの存在に疑問を示す業者の声を無視し、ごみが存在する旨を口裏合わせする部分も含まれていた。本件の実務者レベルのトップであった佐川宣寿前理財局長(現国税庁長官)はこれまで、国会質疑で事前の売却価格提示や交渉を否定していたが、この音声テープによって、佐川氏の偽証は決定的となった。
(3)財務省は、ごみの撤去費用の算定を12年に行っていた
 森ゆうこ参院議員(自由党)は、財務省が埋設ごみ撤去作業に要する費用見積もりを専門事業者に委託し、調査していた事実を掴み、その国有財産の「評価調書」を提出させることに成功した(12月7日、文教科学委員会内閣委員会連合審査会)
 12年に購入を希望した別の法人(隣接する大阪音楽大学)は7億円の購入額を提示していたが、鑑定価格の9億300万円に達しないとして払い下げを断られていた。財務省はその際にごみの撤去費を約8430万円と見積り、除染費用(4390万円)を含めて1億2820万円だったことがわかった。埋設ごみの撤去費用だけで見ると今回の8億2000万円の10分の1である。森ゆうこ氏の開示要求に対して財務省が開示した。
 これまで、国(財務省や国交省)は、ごみの撤去費用の鑑定を、専門の不動産鑑定士に依頼せず、今回明らかになったような杜撰な計算を行ってきた理由として、森友学園の17年4月の開校に間に合わせるために、土地の所有者である国交省大阪航空局自身が行ったと説明してきたが、実は今回明らかになった「評価調書」は12年7月12日に作成されていたことがわかった。
安倍昭恵氏の国会招致に立ちはだかる壁
 今後は、安倍首相と昭恵氏の関与が問われることになる。会計検査院の報告を受けて11月27日、国会質疑において長妻昭議員(立憲民主党)は、「昭恵氏ら関係者を国会招致し、真相解明を」と求めたことに対し、首相は、「私がこの場でお答えしており、ご了承いただきたい」と答えた。逢坂誠二議員(同)の質問には、「私がつまびらかに、相当何回も披露(答弁)している。新しい議論はないだろう」と答弁した。
 安倍首相は「働き方改革」を掲げて「男女共同参画会議」を設置し、女性が輝く先進企業を表彰するなどして、女性の自立を推進しているが、答弁では「私がこの場でお答えする」としている。これは「妻の意見は私と同じである」と言っているのと同じで、昭恵氏の人格を認めていない。
 安倍首相は、名誉校長に就任した昭恵氏の証人喚問や国会招致を邪魔すべきではなく、開会後の国会での最優先課題として取り組むことが求められている
会計検査院の報告書から抜け落ちた産廃マニフェスト
 では、実際に森友学園の3m以深に埋設されていた産廃ごみの量は、どれだけだったのだろうか。
 それを示す産廃マニフェスト(産業廃棄物管理票)については、会計検査院の報告書でも欠落していたため、今国会での論議でも取り上げられることなく、来年の国会に持ち越された。ただ参議院予算委員会での質疑で、埋設ごみの調査が今からでも科学的な方法を使ってできないかという質問が民進党の議員からあり、それに対して国が不可能だと答える場面があった。
 校舎建設は16年初頭から始まり、17年2月には終了し完成している。撤去しなければ建設ができないとされる埋設ごみが撤去されていなければ、校舎の完成はない。そうすると、地中を調査しても埋設ごみは残っていないはずだ。それならば、杭打ちや基礎工事のために撤去した土壌と、その土壌中に含まれているはずの埋設ごみを探ったほうがよい。事業活動によって生じた産廃は産廃マニフェストとして報告しなければならず、それを見れば、ごみ量がわかるからである。
 恐らくこれらの考え方の下に12月13日、民進党の森友調査チームでは国交省から聞き取り調査を行い、この産廃マニフェストについてその存在と下記に示す内容を国として認めさせた。
 これらの写真は、森友学園校舎建設の経過を追った写真だが、掘削された土壌が校庭に積み上げられ、その土壌が撤去された経過に注目してもらいたい。写真2は16年5月の森友学園の校舎建設途中の写真であり、基礎工事がほぼ完了し、土壌を掘削した様子がわかる。取り除いた土壌は手前の校庭に積み上げられている。もし新たな埋設ごみがあれば、この積み上げられた土壌の中に混在している。
 写真3は17年3月、校舎が完成して校庭に積まれていた土壌が撤去されたあとの写真で、校舎は完成している。それまで校庭に積み上げられていた土壌の山は学園用地外に撤去されている。
 そこで、産廃マニフェストに注目したい。事業者が事業を行うに当たって排出される産廃は種類ごとに量を明記し、依頼先の産廃運送業者、および実際に処理が完了したのかを自治体に報告することが定められている。したがって、この時に除去された土壌の中にもし産廃ごみが混入していれば、森友学園から校舎建設工事を請け負った藤原工業が産廃マニフェストとして届けているはずである。
 つまり、この産廃マニフェストを見れば、埋設ごみの量が確認できる。この産廃マニフェストは廃棄物処理法上定められた報告書であり、森友学園から作業を請け負った株式会社中道組が16年度、藤原工業が17年度に豊中市へ報告し、その文書は公文書として豊中市に保管されている。
 そして産廃マニフェスト(17年度)を確認してみると、排出された産廃は194.2トン。値引きの根拠となった2万トンという数字の100分の1、しかもその内容は「新築混合廃棄物」であり、埋設ごみは「ゼロ」であった。
 この産廃マニフェストについて、先の特別国会では取り上げられていなかったが、ようやく国政レベルでの審議の課題に上り始めた。
 新たに見えてきた問題点
 11月1日に召集された特別国会は、実質の審議時間はわずか10日ほどしかなかったが、また野党の質問時間も従来から大幅に削られ、安倍内閣による「もり・かけ」隠しの傾向が顕著ななかでも、会計検査院の報告をきっかけに野党の追及が目立った。
 会計検査院の報告内容と野党の審議を加え、森友学園への払い下げの違法性、不当性は全容が明らかになりつつある。次の国会では、安倍内閣はこれまで「適正に行われてきた」と事実に反して国会で発言してきた点への謝罪が必要であり、その下に責任・処分を明らかにし、検察の捜査による刑事罰だけでなく、行政機関としての行政処分は不可欠であろう。
 この件で所管官庁の麻生太郎財務相は、当初「再検証は行わない」と答弁していたが、論議が進み、実態がより明らかになる中で、川内議員の質疑には、「かなり大きなしおりでありますので、その内容を良く精査させていただました上で(略)検討させていただきたい」と発言を変えてきている。職員のみならず大臣自身も責任を問われるべきではないか。国交省についても、同じ区画の土地の値段が、豊中市と森友学園では、なぜ10倍も違うのかについては、今もって説明されていない。そしてこの点が、森友学園への格安払い下げへの疑念の出発でもあった。
 さらに、瑕疵担保責任免責特約をつけるなど、なぜここまで国が森友学園に配慮しなければならなかったのかも、いまだ不明だ。森友学園側から深部の埋設ごみのために開校が遅れれば、国は賠償請求をされる。その備えのために瑕疵担保責任免責を付けたと公明党議員が国会で発言したが、実際には3m以深にごみがないことを国も知っていたのであり、そのような訴訟リスクはないことは知っていたはずである。また今回森ゆう子議員が明らかにした「評価調書」の存在をどこまで知っていたのか、興味のあるところである。
 会計検査院の報告にもかかわらず、特別国会では誰ひとりとして処分されない実態が浮き彫りになった。その一方、市民団体が財務省の担当者を背任罪で訴える告発状が、東京地検特捜部に受理されたが、大阪地検特捜部は森友学園前理事長の籠池泰典氏と夫人を4カ月にもわたり拘置所に勾留している。
 来春の国会でのやり取りに注目し、森友問題の解決に向けた国民の声が高まることを期待し、特別国会での概要報告を終えたい。(文=青木泰/環境ジャーナリスト)


紅白司会の桑子真帆アナ 「私で大丈夫ですか?」と漏らした
 12月第2週から正月にかけて、人気女子アナたちは息つく暇もない忙しさだという。とりわけこの年末年始は、例年よりさらに過酷さが増すという。各局とも、かつてない人材不足に悩まされているからだ。
 NHKは民放に比べれば人員に余裕があるため、特定の女子アナに仕事が集中することは少ない。
 しかし『紅白歌合戦』の総合司会に抜擢された桑子真帆アナ(30)だけは、まさに眠れぬ年末になりそうだ。
「12月28日まで平日夜には『ニュースウオッチ9』の放送がある。日中は紅白の制作スタッフとの打ち合わせでスケジュールがビッシリ。そのまま、28〜30日は3日連続で紅白のリハーサルに入ります。
 初日の28日は出演者との顔合わせが中心だが、29日と30日は通しリハがある。そして大晦日の本番が終わると、そのまま渋谷で朝まで『カラオケ打ち上げ』をやるのが恒例です。元日の朝にはフラフラになっているんじゃないか」(NHK局員)
 芸能評論家の三杉武氏によれば、「2015年まで4年連続で総合司会を務めたベテラン・有働由美子アナ(48)でもリハーサルから緊張していた」というほどの大役。それだけにプレッシャーは大きいだろう。前出・NHK局員が続ける。
「桑子アナはマジメで熱心だが、根を詰めてしまいがちのところがあるから心配です。総合司会が決まったときも『私で大丈夫でしょうか?』と周囲に洩らしていた。『ニュースウオッチ9』のスタッフも気を遣って、当初は28日に予定されていた番組の忘年会の日程を繰り上げたほどです」
 忙しいのは売れっ子の証拠だが、彼女たちも会社員。多くのサラリーマンが骨休めをしている間にも気の休まる暇がないというのは同情してしまう。


電子レンジでプラチナ回収 新たな「都市鉱山」に期待
 山形大の遠藤昌敏准教授(分析化学・環境化学)らの研究チームが、家庭用電子レンジを使い、自動車の排ガス浄化装置からプラチナなどのレアメタル(希少金属)を回収するのに成功した。実用化できれば廃棄自動車のリサイクルが容易になり、新たな「都市鉱山」としての期待も高まる。
 セラミックを主体とする排ガス浄化装置はこれまで、一度粉砕し、溶解や製錬などの工程を経てプラチナ類を回収してきた。だが時間もコストもかかるため、より簡単な方法が検討されてきた。
 約27時間を要した作業が約8分に短縮。車2台分の装置から回収できるプラチナは指輪1個分という。

録画用HDD購入/梅田は人多過ぎ/年賀状準備

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kamn2

Un policier japonais à bicyclette colle une contravention à une Lamborghini
Une vidéo montre une course insolite entre un policier à bicyclette et... le conducteur d'une superpuissante Lamborghini. Il s'avère que les chevaux vapeurs ne l'emportent pas à tous les coups...
Un policier japonais a réussi à rattraper à bicyclette une voiture sportive pour infliger une contravention à son conducteur, selon cette vidéo publiée sur YouTube.
Le conducteur de la Lamborghini Huracàn orange (dont la puissance du moteur est de 610 cv) ayant enfreint les règles de la circulation, a décidé de prendre la fuite. Un policier à bicyclette, corbeille fixée au guidon, s'est lancé à sa poursuite. Finalement, le policier a non seulement réussi à rattraper le fautif, mais aussi à lui coller la contravention.
フランス語
フランス語の勉強?
北原みのり @minorikitahara
都内某所の勉強会にて。
大学の沖縄基地問題の授業で、講師を「偏っている」と断定し、ネット情報をペラペラ語る学生が増えてると、大学教員の方々が辛そうに話してた。
ただのヘイト(無知の暴力)を、何がしかの知だと勘違いしてる人には、ただ、現場に行け、と言うしかないのだと思う。
でも。最初はヘイトを偉そうに語っちゃう子も、一年真面目に勉強すると、変わってくるとも言ってた。教養身に付け、現場を知れば、変わらざるを得ないのね。 教育こそが、やはり希望。

Simon_Sin @Simon_Sin
長州出身の総理大臣が明治維新150年を祝おうとしているその頃、会津では「次やる時は絶対勝ってやるからな」という意思満々の戊辰戦争150年記念イベントを企画しているのであった

録画用のHDDを買いました.先日来たときはどれが適合機種かわからなかったので一応調べて印刷してきたのですが,小さく印刷してしまい字が見えない!!店員さんに聞いて3TBのものを選びました.
梅田は人多過ぎです.ランチでどこもかしこも行列。1時半だというのに…東梅田のほうでビビンバをいただきました.
年賀状準備をしました.明日もう一度チェックして印刷します.

被災の寺で上棟式 心の古里再建へ一歩 来年3月11日は新本堂で法要 東松島市野蒜地区の長音寺
 東日本大震災で被災した東松島市野蒜地区の長音寺で22日、本堂新築工事の上棟式があった。震災発生から6年9カ月余り。檀家(だんか)ら約200人が集まり、約600年の歴史がある古刹(こさつ)の再建への一歩を祝った。
 新たな本堂は木造平屋で床面積約170平方メートル。広間やホール、事務室などを備える。11月に着工し、来年2月末に完成する予定。総工費は約5000万円を見込む。
 上棟式では、秋山公純住職(50)らが建設中の本堂で法要を営み、参列者が焼香した。屋根から餅をまくなどして工事の無事を願った。
 震災から7年となる来年の3月11日には、完成した本堂で震災犠牲者らを供養する法要を執り行う。秋山住職は「何とかここまでたどり着いた。檀家のほとんどが被災し、周りの街の面影はなくなってしまった。お寺を古里の心のよりどころの一つとしてほしい」と望む。
 長音寺は震災の津波で本堂や庫裏などが流され、約100人の檀家が犠牲となった。震災後は屋外で法要をしてきた。敷地には「鎮魂の鐘」や、花や木々に囲まれた環境で供養できる墓地「マイメモリー樹木葬 のびる」などもある。


<伝える〜被災地から>命と向き合う姿 次代へ
◎(中)つなぐ/結論ではなく、考え、悩み抜くことが大事
 東日本大震災で被災した東松島市で8月上旬、全国から集まった約70人の高校生が、防災や復興について真剣に語り合った。
 全国高校総合文化祭弁論部門の交流会でのやりとり。被災地の生徒は心のケアの大切さを訴えたり、家族の避難先を確認する重要性を挙げたりした。
<「何も知らない」>
 一方、災害がまだ起きていない「未災地」の生徒が素直に明かす。「何も結論が出なかった。防災について何も知らないから」
 特別参加した石巻高3年雁部那由多(なゆた)さん(18)が口を開いた。「結論が出なくていいんです。次の災害に備えて考え、悩み抜くことが大事だと思う。災害が起きたら同じように話し合い、街をつくり直さなければいけない」
 東松島市大曲小5年だった2011年3月11日。激しい揺れの後、避難する際に校舎の昇降口付近で、50代ぐらいの男性が黒い津波にさらわれていった。「おじさんの手をつかんだら、自分が助からない」。雁部さんはそう直感し、手を差し伸べることができなかった。
 震災の記憶を胸に閉じ込めたまま、小学校を巣立った。中学2年だった14年3月、地元であった震災関連シンポジウムに出席。高校生パネリストの発言に胸を打たれた。「自分が体験を話すのは、被災していない人にとって価値のある情報になると思うから。その人に何かがあったとき、同じような目に遭わなくて済む」
 その言葉を心に刻み、雁部さんは中学時代の仲間と共に語り部を続ける。
<「災間」を生きる>
 震災で東松島市は約1100人が犠牲となり、全世帯の約7割が被害を受けた。雁部さんは考える。「建物は直っても、誰もが心のどこかに傷を負っている。防災とは命と向き合うこと。災害と災害の間、いわば『災間』を生きる僕たちが次の世代に教えていかなければいけない」
 弁論部門の生徒実行委員長を務めた築館高3年新妻綺羅(きら)さん(18)は、交流会に雁部さんを招いた意図を話す。「雁部さんは、命が突然なくなる状況に直面し、じかに大きな悲しみを感じた。テレビや本では分からないことを全国の高校生に伝えてほしかった」
 新妻さんは内陸部の栗原市に住む。震災当時は地震で自宅が被害を受けたが、時が解決してくれた。
 大学へ進んだら、何らかの復興支援に携わりたい。災害はいつ起きるか分からない。そのとき、自分に何ができるのか、考え続けようと決めている。


政府予算案 目に余る政権の無責任
 政府が決めた来年度予算案は、先進国で最悪の財政状況という現実から目をそらし、小手先の帳尻合わせに終始した。財政規律を喪失し、後世への問題先送りを続ける政権の無責任さは目に余る。
 膨張を続ける一般会計当初予算案が過去最大を更新するのは六年連続である。
 高齢化の進展による社会保障費の増大が大きな要因だが、景気の長期拡大を自賛しながら公共事業費を高水準で維持したり、防衛費は四年連続で過去最高を更新したりするなど、歳出抑制の意思は感じられないのである。
 予算規模では「大きな政府」だが、福祉に手厚いわけではなく、逆に生活保護基準を引き下げるなど冷たい自己責任社会である。
 政府は二十七年ぶりという高い税収の伸びを見込み、新規国債の発行額や借金への依存度は低下したと胸を張る。しかし、それは気休めにもならない。国債依存度は歳入の三割以上を占め、借金残高の累増は一向に止まらない。
 そもそも財政の構造自体がもはや限界なのである。所得税、法人税、消費税の基幹三税を合わせた税収は、自動的に地方交付税に回す分を差し引くと社会保障費だけでほぼ消えてしまう。その他の税収などで他の経費を賄えるはずはなく、良心的な政府であれば増税や歳出カットを選ぶはずだが、安倍政権は三十兆円以上の借金に頼っているのである。
 問題なのは、税制改正も予算編成も官邸主導で進められ、ほとんど異論も聞かれないことである。与党は沈黙し、官僚は萎縮、経済界は理不尽な財政穴埋めの資金提供をも受け入れる。日銀が異次元緩和で金利を抑え込み、利払い費の圧縮を支える。これらが相まって財政規律を失わせている。
 安倍政権は二〇二〇年度までに基礎的財政収支(プライマリーバランス)を黒字化するという国際公約すら断念した。政権には一層の財政拡大論も根強く、新たな目標がどうなるか不透明である。
 このような弛緩(しかん)状態がいつまでも許されるはずはない。二五年には団塊世代がすべて七十五歳以上となり、放置すれば医療や介護の費用が急増しかねない。
 財政を持続可能とするためには社会保障と税の新たな一体改革に早急に着手することだ。当初予算に比べチェックが甘い補正予算も野放しにしていては借金増大に歯止めはかからない。中長期的な目標設定と財政の抜本的な構造改革こそ政府・与党の責務である。


来年度予算案 防衛費聖域化を危惧する
 防衛費が際限なく伸び続けるのではないか。聖域のような扱いに強い危惧を抱く。
 政府が2018年度の予算案を閣議決定した。一般会計総額は97兆7128億円と、6年連続で過去最大を更新した。
 17年度から0・3%増となった主因は、防衛費と社会保障費が伸びたことにある。
 防衛費は1・3%増の5兆1911億円で、4年続けて過去最高となった。
 防衛費は第2次安倍内閣が初編成した13年度の予算で11年ぶりに事実上の増額に転じた。そこから6年連続で増えている。
 18年度予算案では、安倍晋三首相が「国難」と呼ぶ北朝鮮情勢を理由に、増額に拍車がかかったといえる。
 中でも注目しなければならないのは地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の導入関連費が盛り込まれたことだ。
 海上自衛隊のイージス艦に搭載している迎撃ミサイルシステムを地上に配備するもので、2基を導入し23年度の運用開始を目指している。
 だが問題が大きい。「防衛計画の大綱」に記載されていないのに19日の閣議で導入が決まったからだ。国会を含め十分な論議がなされないままの、拙速な決定という印象が拭えない。
 敵基地攻撃が可能な長距離巡航ミサイルの導入関連費用も盛り込まれた。憲法9条に基づく「専守防衛」との整合性を問う声が野党などから出ている。
 政府は効果や必要性なども含め、疑問に答える必要がある。
 心配なのは導入決定の裏に米国の影がちらつくことだ。先月来日したトランプ米大統領は自国製武器の購入を迫った。「強固な日米同盟」の掛け声のもと、巨額の防衛装備が野放図に導入されることなど許されない。
 社会保障費は1・5%増え、約30兆円に膨らんだ。全体の3割超を占める。
 高齢化に伴う自然増は薬価引き下げなどで約5千億円に抑えた。だが医師の人件費などに当たる診療報酬の本体部分は引き上げた。選挙で自民党を支えた医師会への見返りとされる。
 報酬引き上げは窓口支払いなどを通じ国民の負担増に直結する。納得が得られるかどうか。
 「人づくり革命」で子育て支援や教育費の軽減に力点が置かれたとはいえ、生活保護費が一部の世帯で減額され、高所得の会社員らは所得税増税となる。
 歳入面では、税収がバブル期並みの高水準まで伸びると想定するが、前提となる経済見通しは甘すぎるとの指摘がある。
 借金である新規国債発行額は約33兆円と高止まりし、予算総額の3分の1を占める。
 国の借金残高は1千兆円を超え、先進国では最悪水準だ。
 このまま社会保障の抜本的改革が足踏みし、防衛費が膨らみ続ければ、財政再建が遠のく。
 そればかりでなく、他の経費が圧迫され国民の生活にしわ寄せが及ぶことになりかねない。
 歳出を抑え財政健全化をどう進めるのか。年明けの通常国会で真剣に論議せねばならない。


来年度政府予算案/これでは財政健全化は遠い
 経済成長を見込み税収が増えるというのに、借金依存体質に目立った改善は見られない。一方で、放漫な支出構造は温存されたままだ。これでは、先進国で最悪の財政が健全化に向かうわけがない。
 きのう閣議決定された2018年度政府予算案についてそう言わざるを得ない。
 一般会計総額は約97.7兆円と、また過去最大を更新した。このことだけでも財政規律の緩みは隠しようもない。
 健全化に向け、借金である新規国債発行額は8年連続して減るという。だが、それでも歳入に占める割合、国債依存度は34.5%に上る。依存症が治る兆候はない。
 財政再建を巡る、この政権の危機感の乏しさをさらに物語るのは、政策経費を主に税収でどれだけ賄えるかを示す基礎的財政収支の赤字幅だ。
 10.4兆円。税収は約1.4兆円増えるのに、赤字幅は約0.5兆円縮小するだけである。政権は消費税再増税の一部を「人づくり革命」に回すため、20年度達成を断念しながらも、この収支の黒字化目標は堅持すると強調した。
 18年度はその仕切り直しの初年であるにもかかわらず、わずかな改善にとどまる。やる気を疑うほかはない。
 歳出の抑制も不十分だ。
 政府の予算編成方針は、看板である人づくり、生産性両革命に重点配分するとともに歳出全般にわたる「聖域なき徹底見直し」をうたった。
 確かに、子育て・教育の取り組みは一歩前進といえる。待機児童解消に向け、まず11万人分の保育の受け皿を整備し、高等教育では給付型奨学金の支給対象を2万3千人と約8倍に増やすという。
 だが、歳出の見直しは今回も掛け声だけで終わった。
 防衛費は安倍政権になって6年連続で増額となる。北朝鮮情勢を理由に、ミサイル防衛の整備が図られる。だが、その装備が本当に有用なのかどうかを含め、国会で十分に議論し吟味する必要がある。
 歳出削減との絡みで疑問を残したのは、医師らの技術料や人件費に充てる診療報酬本体部分のプラス改定である。
 国民の負担に直結する。10月の衆院選で自民党を支えた医師会に対する見返りとされるだけに、既に高額な医師の報酬をさらに優遇することに国民の理解が得られようか。
 社会保障費は全歳出の3分の1強、約33兆円に上る。高齢者に応分の負担を求めることとも併せ、大胆にメスを入れなければ、財政再建が遠のくだけでなく、ほかの費目が圧迫され暮らしにしわ寄せが及ぶことにもなりかねない。
 防衛費を含め、こうした「聖域」の見直しを決して看板倒れにしてはなるまい。
 25年には団塊世代が75歳以上になり、社会保障費は一層膨らむ。将来世代にツケを回さないため、中長期的な視点に立った社会保障制度改革と財政再建は不可欠だ。その姿勢を政権に強く求めたい。


2018年度予算案 健全化の道筋が見えない
 政府は2018年度予算案を閣議決定した。一般会計の総額は97兆7128億円で、当初予算としては過去最大となった。
 6300億円の自然増が見込まれた社会保障費の伸びは、目標とする5千億円に抑えた。歳入面では新規国債発行を7千億円減らして33兆7千億円にとどめている。
 財務省はこれをもって「財政健全化を着実に進めた」と言う。
 ところが、それを支えているのは59兆円というバブル期並みの税収見積もりだ。
 来年度の名目成長率を2・5%と見込んだことが税収の根拠となっている。代表的な民間予測の1・8%と比べあまりに楽観的だ。
 16年度の税収が当初予算を1兆7千億円下回り、赤字国債で穴埋めした教訓を生かしていない。
 現実味を欠く前提を基に「健全化が進んだ」と強調しても、絵に描いた餅になりかねない。これでは単なる数字合わせと批判されても仕方あるまい。
また国民負担が増加
 焦点だった社会保障費抑制も数字合わせに終始した印象が強い。
 来年度は6年に1度という診療報酬と介護報酬の同時改定の年に当たる。
 団塊の世代が後期高齢者となる「25年問題」に備える上で重要な機会だが、国民が納得する方向性が示されたとは言いがたい。
 特に医師の技術料に当たる診療報酬本体は0・55%増と、2年前の前回改定を上回る伸びとなった。プラス改定は6回連続だ。
 政府が民間に3%の賃上げを求めていることを理由に、日本医師会が引き上げを主張し、それに応えたとされる。
 改定による経費増は600億円に上る。代わりに薬価を引き下げて、社会保障費全体の伸びを目標以内にとどめた。
 診療報酬本体が上がれば、通院費や入院費も上がり、国民が支払う保険料と患者が病院の窓口で払う自己負担も増える。
 すでに過去の歳出改革によって医療費の自己負担は段階的に増えている。これでは老後の不安が増すばかりである。
 裕福な人には給付を抑え、応分の負担を求めるのが、社会保障改革の現実的な方向性だろう。
 自民党の有力支持団体である医師会への配慮が目立つようでは、国民の理解は到底得られない。
 診療報酬本体を増やす余裕があるのなら、安倍晋三首相の唱える「全世代型社会保障」のために、子育て世代や低所得者への支援にお金を回す考え方もあるはずだ。
企業頼みで財源確保
 膨張する社会保障費の影響で、その他の経費への予算配分は硬直化が目立つ。
 安倍政権の新看板政策「人づくり革命」の関連施策が典型だ。
 人づくり革命の施策の大半は消費税増税の実施を前提としている。このため18年度は、保育の受け皿拡大、保育士の賃金引き上げ、給付型奨学金の拡充など一部の前倒し実施にとどまる。
 しかも新たに盛り込んだ11万人分の保育所運営費は、所要額1150億円のうち990億円が企業の負担で賄われる。
 待機児童対策は国が最優先で取り組むべき課題だ。財源も国の予算から捻出するのが筋である。
 社会保障費から充当できないのであれば、省庁の壁を越えた柔軟な予算配分を行うべきだろう。
 もう一つの看板政策の「生産性革命」の関連では、道路整備など従来型の公共事業に多くの予算が割かれた。
 「生産性向上」を大義名分にすれば何でもありになりかねない。無駄やばらまきにつながっていないか、国会での徹底的な議論を求めたい。
補正を抜け道に利用
 子育てや教育の財源探しに苦慮する一方で、防衛費は6年連続で増額された。
 さらに疑問を拭えないのが、18年度予算案で「歳出改革」「財政健全化」をアピールしながら、同時に17年度補正予算案を閣議決定していることである。
 補正予算案の歳出規模は2兆7千億円に上る。安倍政権がこれまで補正の財源としてきた前年度の剰余金では足りず、1兆2千億円分の国債を追加発行する。
 内容も、人づくり革命や生産性革命の関連施策、防災・減災を名目にした公共事業など18年度予算案と重複するものが多い。
 北朝鮮対応を理由に防衛省にも2千億円超が配分された。
 歳出抑制を演出するため、当初予算に盛り込めない事業を補正予算で救済しているとの見方が出るのも当然だろう。
 首相は「財政健全化の旗は降ろさない」と言うが、これでは全く説得力を欠く。補正予算は、緊急性の高い事業に限定するという本来のあり方に戻るべきだ。


2018年度予算編成 危機感欠き財政規律緩む
 安倍政権は2018年度予算案を閣議決定した。一般会計総額は97兆7128億円で、6年連続で過去最大を更新した。急速に進む少子高齢化への対応、激変する安全保障環境への備えなどの課題に適切に対応しつつ、財政健全化への道筋を示すことが求められたが、及第点とは言い難い内容になったことは残念だ。
 社会保障関係経費への切り込みや地方交付税の抑制が不十分だった。さらに、国内の需給ギャップは解消され、需要は十分あるにもかかわらず、需要を喚起する公共事業費を増やすなど必要性に疑問が残る査定もあった。冗漫な歳出が続く恐れを排除できない。
 日本の債務残高は1千兆円を超え国内総生産(GDP)比で230%超、財政状態は先進国で最悪だ。持続性に疑義を持たれれば、理論的には国債の急落、金利急騰もあり得る。
 財務当局はこうした状況を把握しているはずだが、業界団体、政治の圧力に屈する毎年の光景が、この年末も繰り返された。
 歳出の絞り込みが甘くなった背景には、税収増の見込みと低金利がある。18年度の税収について財務省は好調な企業業績などから59兆790億円に上るとみている。バブル景気だった1991年度の59兆8千億円以来27年ぶりの高水準だ。
 これに加え市場金利の低下が国の負担を軽減する。国の借金の利回りである国債の想定金利について財務省は過去最低の1・1%とした。この結果、過去の借金の利払いや償還に充てる国債費を抑えることができた。ここは日銀の大規模金融緩和に負うところが大きい。
 こうした状況で生じた余裕は財政再建に振り向け、少しでも借金を減らすべきだったが、逆に財政規律が緩み、歳出規模が膨張してしまった。新規国債発行額は33兆6922億円と、高止まりしたままだ。危機感が欠如していたと言わざるを得ない。さらに言うと、税収増を前提にした歳出増は危うい。景気が減速し税収が見込み通りに増えなければ、国債の増発に追い込まれる。
 今回の予算編成で最大の焦点となった診療報酬では医師らの人件費などに充てる本体部分が0・55%増で決着した。この結果、国費約600億円が投入されるほか、保険料や窓口負担も増える。当初こそマイナス改定を目指した財務省だが、日本医師会と同会の支援を受ける自民党の前に早々と白旗を揚げた。医師らの待遇改善を図る必要性が厳密に吟味された形跡はない。
 地方交付税についても、自治体の基金残高が21兆円を超え過去最大となっていることから、財務省はその分を反映した交付税の削減を目指したが、阻まれた。基金を財政再建に活用しない明確な理由は示されていない。
 安倍晋三首相は、消費税増税による増収の使途を借金返済から教育無償化に変更、公約だった借金以外の歳入で政策経費をどれだけ賄えるかを示す基礎的財政収支の20年度黒字化を先送りした。
 今回の予算編成は、同収支黒字化へ向けた取り組みを仕切り直す意味もあった。景気拡大が戦後2番目の長さで続き、大幅な税収増も見込まれるという状況はそうそうあるものではない。借金返済を確実にする行程を描くせっかくの好機を逃してしまった。このつけは確実に回ってくる。(共同通信・高山一郎)


2018年度予算案 展望なき歳出膨張に危機感募る
 政府は、一般会計総額97兆7128億円の2018年度予算案を閣議決定した。6年連続で過去最大を更新、安倍晋三首相が唱える「聖域なき歳出改革」は完全に後回しになった。中長期的な展望に欠け、借金頼みから脱却しない財政運営に強い危機感を覚える。
 政権の下で増え続けてきた防衛費は、5兆1911億円でまたも過去最高を更新した。北朝鮮問題を「国難」とあおって利用し、国会での十分な審議もなく巨額装備の経費を盛り込んだことは看過できない。憲法9条に基づく「専守防衛」から逸脱する危険性が高い、敵基地攻撃が可能な長距離巡航ミサイルの経費を計上。2基で総計2千億円規模となる地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」導入も閣議だけで決めた。
 購入額がどこまで膨らむかも不透明だ。政府は当初、イージス・アショアの額を1基800億円としていたが、今月になって急きょ、根拠も示さず1千億円弱に。最新鋭レーダー搭載でさらに跳ね上がろう。契約もいわば米国の「言い値」で、見積額に基づき前払いする対外有償軍事援助になる見通し。トランプ米大統領の売り込みを受け今後、必要以上に購入が増え続けることを危惧する。
 高齢化の進行で、社会保障費は過去最大の32兆9732億円に膨らむ。団塊世代が75歳以上になる「2025年問題」に対応可能な将来の制度設計は、今回も示せなかった。
 11兆6079億円の医療給付費のうち、診療報酬改定は全体では微減だが、医師らの人件費などに充てる「本体部分」はプラスとした。選挙で自民党を支えてきた日本医師会への見返りとされる。改定率は本来、サービスの需要量に応じ算出すべきだが、単に総額を抑制すればいいわけではなく、めりはりを付けた配分が必要。プラス分は疲弊する医師の負担軽減や、偏在の解消に生かさねばならない。
 沖縄振興予算は2年連続の減額で3010億円となり、14年の翁長雄志知事就任後、最低を更新した。米軍普天間飛行場移設を巡り、国と県が激しく対立している。政権との「距離」が恣意(しい)的な予算配分につながっている疑念が拭えない。
 税収は27年ぶりの高水準の59兆円と想定するが、歳入の6割にすぎず、国債依存率が3割を超える状況は変わらない。税収増の根拠となる経済成長率を、政府は名目で2.5%と見込むが、16年度が1%台前半だったことを考えると楽観的だ。財政悪化が続けば日本経済への信頼性が揺らぎ、混乱に陥るリスクを政府は直視する必要がある。
 今回の予算膨張は首相の意向が色濃く反映された結果だ。財政の健全度を示す基礎的財政収支の赤字は高止まりが続き、18年度も10兆円を超える。黒字化の目標は先送りが続き、このままでは達成する見通しが全く立たない。歳出の抜本的な改革には一刻の猶予もない。


河北春秋
 「これは十字軍の聖戦」。2001年の米国同時多発テロの後、当時のブッシュ大統領がこう反撃を訴え、内外の批判を浴びた。十字軍は中世、イスラム教圏にあった聖地エルサレム奪還に燃えたキリスト教諸国の200年に及ぶ遠征だ。混乱と犠牲を残し失敗、一方的正義の愚行のたとえにもなった▼トランプ大統領も「十字軍」を気取ったか。イスラエルが69年前の建国以来パレスチナから占領し「首都」とするエルサレムを、同大統領が主張通りに認めた。イスラムの聖地でもあり、紛争の悲劇を引き起こしてきた問題を、十字軍の剣さながらに切り割った▼ユダヤ系、キリスト教系の票を狙って、首都の証しとして「エルサレムに大使館を移転する」と昨年の大統領選で公約していた。今は支持率低迷の中、「強い指導者ぶりを見せたい異常な執着心がある」との指摘が本紙に載った▼21日の国連総会が、「当事者が共生できる解決を」と米政府に認定撤回を求める決議を採択した。反対するなら援助金を削るような、なりふり構わぬ本人の脅し文句が聞かれたが、日本を含め大多数の国が筋を通し賛成した▼あらわになったのは、世界に「愚行」を見せた大統領の孤立か。失地回復を焦る剣が、暗雲漂う隣の半島へ振り下ろされぬよう願うばかり。

デスク日誌 介護保険20年
 あまり話題にならないので、忘れかけていた。あれから、もう20年なのだ。
 1997年12月に成立した介護保険法。40歳以上の国民が保険料を払い、介護の必要な人が適切なサービスを受けられるようにする仕組みの骨格が決まった。
 この年の秋、国際長寿センター(ILC)主催の記者研修会に参加し、超高齢社会をテーマに米紙記者たちと意見交換する機会があった。当然、介護保険も話題になったが、議論はまるでかみ合わず、米紙記者たちが総じて懐疑的だったのが印象に残っている。
 公的保険に対する意識が決定的に違っていたのだ。例えば代表的なのは、こんな意見。「将来介護が必要になるかどうかは、かなりの部分が自己責任」「要介護にならない人まで保険料を支払うのは不公平だ」
 どうやら、わずかな負担で病院を受診できる健康保険制度を持つ日本人は何だかんだと言っても、公的保険の良さを理解し、一定の信頼を寄せているのだと感じた。少なくとも当時は。
 来年は一部高齢者の自己負担が3割に引き上げられる制度改正もある。国民の信頼をどう守るか。この先ますます難しくなる。(山形総局長 昆野勝栄)


防衛省 岡山大など助成4大学判明 防衛装備庁、明らかに
 自衛隊の防衛装備品に応用できる最先端研究を公募して研究資金を助成する防衛省の「安全保障技術研究推進制度」を巡り、岡山大、東海大、東京工科大、東京農工大の4大学が今年度分の助成を受けたと、制度を運営する防衛装備庁が22日、明らかにした。
 同制度は「軍事研究に当たる」との批判が強く、科学者の代表機関・日本学術会議が今年3月、大学などの応募に否定的な声明を出している。防衛装備庁は8月、今年度分の配分先14件を代表機関の企業や公的研究機関名と共に発表したが、分担研究する4大学名は公表していなかった。
 同庁は「分担研究機関との研究委託契約は装備庁とではなく代表研究機関と結ぶため、了承なく公表できない」と説明していた。4大学の研究者名や研究内容は明らかにできないとしている。
 同制度は3年目の今年度から予算額が110億円と昨年度の6億円から18倍に急増。それに伴い新設された高額研究枠は、最大5年間で総額20億円が提供され、4大学はこの枠で研究費を受け取る。東京農工大は小規模研究枠でも採択された。
 今年度の応募総数は104件と昨年度の44件(配分先は10件)から急増していた。【千葉紀和】


停滞する拉致問題 元凶は安倍政権と追及しない野党にあり
「何も見えない、何も動いていない状況で、今日まで頑張ってきた」
 横田早紀江さん(81)が21日、衆参両院で開かれた拉致問題特別委員会の閉会中審査で、そう訴えた。
 今年はめぐみさんらが拉致されて40年、家族会結成から20年という節目の年。拉致被害者、松木薫さんの姉・斉藤文代さん(72)も閉会中審査で、「政府に今年中にすべての被害者の救出を求めるという運動方針を決めたが、残念ながら願いがかないそうにない。家族は切羽詰まっている」と悔しさをにじませた。またしても進展ナシの越年。家族の高齢化が進む中「もう待てない」が家族の本音だ。
 閉会中審査では、与野党の議員が神妙な面持ちで、家族らに質問。異口同音に「全力で取り組む」と口をそろえたが、ちょっと待って欲しい。安倍政権の5年にもわたる「不作為」を許してきたのが、国会ではないのか。
「野党の責任は重大です。拉致問題について成果を出せない安倍政権を追及して、しっかりと取り組ませるのが国会、とりわけ野党の役割です。ところが、野党の中には、“親北”だった議員もいて、拉致は触れたくない問題。その結果、安倍政権の無策にも大手を振れないのです」(元外交官の天木直人氏)
「拉致の安倍」という幻想もネックだ。12月4日の参院本会議で、安倍首相は、成果ナシの自分を棚に上げ、「全ての拉致被害者のご家族が自身の手で肉親を抱きしめる日まで私の使命は終わりません」と薄っぺらい言葉を口にした。たまらず複数の野党議員が「いい加減しろ」とヤジを飛ばすと、ネット上では「野党議員は拉致問題を解決したいと思ってないようですね」と炎上した。
■超党派で取り組め
 11月の参院予算委では、民進の増子輝彦議員が「1ミリも進んでいない」と苦言を呈すと、後日、飯島勲内閣参与が「週刊文春」で「国会議員からこんな後ろから味方が鉄砲で撃つような発言が出てくるなんてけしからんの極みだよ」と書いた。
 野党が何もやっていない政府を批判するのは当然なのに、拉致に限っては「安倍批判は解決に後ろ向き」という風潮がいまだに残っている。
 国会の拉致問題軽視は数字にも表れている。本紙の調べだと、今年1年間で、衆参両院の拉致問題特別委の実質審議は、21日の閉会中審査を含めても、衆院3回、計4時間、参院4回、計6時間に過ぎない。国会の拉致問題の扱いはこんなものなのだ。
「安倍政権の無策を追及すること以外にも、国会議員は議員外交などやれることはいくらでもあります。ところが、訪朝するのはアントニオ猪木議員だけです。それも、行っただけで、何のフォローアップもされていません。議員同士が連携して、もっと戦略的にやらないと話になりません」(天木直人氏)
 家族会代表の飯塚繁雄さん(79)も閉会中審査で「各党バラバラではなく、きちんと任務を決めて、超党派で取り組んで欲しい」と繰り返し注文をつけた。
 来年1月22日から始まる通常国会では本気の議論をすべきだ。拉致問題は安倍政権の最優先事項のはず。「来年ダメなら退陣する」くらいの覚悟をみせたらどうだ。


はあちゅうのセクハラ告発がなぜ女性から批判されるのか? はあちゅう自身の過去のセクハラ冷笑から考える構造的問題
 はあちゅうこと伊藤春香氏がネットメディア「BuzzFeed Japan」で告白した電通在籍時の先輩クリエイター・岸勇希氏によるセクハラ被害。ところが、このはあちゅうの勇気ある告発について、評価する声の一方で、批判の声が巻き起こっている。
「ちょうど新刊を出したから売名じゃないか」というお決まりの攻撃に加えて、「そもそも女を売りにしてるからそんな目にあうんだ」「お前も岸氏に女の子を紹介してるんだから加害者だ」「自分もさんざんコラムでセクハラ的なことを語っていたくせに」……。
 さらに、はあちゅうが過去に童貞をいじるような文章を書いていたことが発覚、「おまえもセクハラをしていたじゃないか」と炎上が広がっている。
 もっとも、こうした批判のほとんどは、セクハラする側の男たちによる告発無化のための話のすり替えでしかない。勇気ある告発をした人間に対して、力を持っている側がこうした吊るし上げ攻撃をする日本の社会の問題については、別稿で指摘したいと思うが、ただ、はあちゅうへの批判については、もうひとつ気になることがある。
 それは、同じセクハラの被害者であるはずの女性の側から「さんざんおいしい目をしていたくせに、いまごろ何を言ってるの」といったような冷ややかな意見が多数混じっていることだ。
 実は、はあちゅう自身が以前はそうだった。本サイトでは、2015年3月にはあちゅうがセクハラ批判を揶揄する発言をしたことを取り上げ、そのことを検証する記事を掲載したことがある。
 当時、JR東日本の子会社が運営するファッションビル「ルミネ」が公式映像としてアップしていた「ルミネが働く女性たちを応援するスペシャルムービー」がセクハラだとして炎上。しかしこのとき、はあちゅうはセクハラCMに対する批判の声を冷笑するようなツイートをしていた。
〈好きな人にやられたら嬉しいことを嫌いな人がやったらセクハラになるって言葉思い出した。〉
セクハラ批判を冷笑するようなはあちゅうの過去の発言
 断っておくが、本サイトはいま、はあちゅうを攻撃しているセクハラ男たちのように「前はこんなこと言っていたくせに」とあげつらっているわけではない。
 自分がかつて、セクハラ告発を抑圧する側にいたことは、はあちゅう自身が前述のBuzzFeed Japanの記事のなかできちんと認めている。
「私の場合、自分が受けていた被害を我慢し、1人で克服しようとすることで、セクハラやパワハラ被害のニュースを見ても『あれくらいで告発していいんだ…私はもっと我慢したのに…私のほうがひどいことをされていたのに…』と、本来手をとってそういうものに立ち向かっていかなければならない被害者仲間を疎ましく思ってしまうほどに心が歪んでしまっていました」
「けれど、立ち向かわなければいけない先は、加害者であり、また、その先にあるそういうものを許容している社会です。私は自分の経験を話すことで、他の人の被害を受け入れ、みんなで、こういった理不尽と戦いたいと思っています」
 本サイトがこの問題をもちだしたのは、このはあちゅうの過去の発言がセクハラ告発を冷笑する女性たちに共通するものであり、それを生み出しているのもまた、男社会の歪んだ構造であると考えるからだ。
 だから、本サイトはこの機会に、かつてはあちゅうを批判的に検証したこの記事をあえて再録したいと思う。はあちゅうを攻撃しているセクハラ男でなく、はあちゅうに冷ややか視線を投げかけている女性にぜひ、読んでもらいたい。そして、このときのはあちゅうの姿が、いまの自分たちの姿と地続きにあることを感じ取ってもらいたいと思う。
(編集部)
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 先週、JR東日本の子会社が運営するファッションビル「ルミネ」が公式映像としてアップしていた「ルミネが働く女性たちを応援するスペシャルムービー」が大炎上した。
 動画を見ていない人のために、動画内で描かれた物語を紹介しよう。
 まず、ボーダー服+パンツ+トレンチコートという出で立ちで出勤するひっつめ髪の女子が、会社近くで先輩と思しき男性と遭遇する。「なんか顔疲れてんなー、残業?」と声をかけられ、女子が「普通に寝ましたけど」と答えると、男性は「寝てそれ?」と言って笑いはじめる。そのとき、ふたりの同僚である、もうひとりの女子が登場。そのビジュー付きカーディガン+パステル系ふんわりワンピの巻き髪女子を見て、男性は「やっぱかわいいな、あの子」と言い、ボーダー女子に対し「大丈夫だよー、吉野とは需要が違うんだから」と述べる。そこに〈需要〉というテロップがかかり、〈求められること。この場合、「単なる仕事仲間」であり「職場の華」ではないという揶揄。〉と解説されるのだ。
 ……「需要のある女」と「需要のない女」を男性目線で分断・区別する。これだけで十分“アウト”なストーリーだが、問題はこのあと、当のボーダー女子が「最近サボってた?」と自問自答しはじめる点。そこで「変わりたい? 変わらなきゃ」というルミネのメッセージが流れるのだ。そう、男性目線で「需要がない」と断罪された女性が、その言葉をまんま内面化してしまうのである。
 ご存じの通り、このスペシャルムービーには非難の声が殺到し、すぐさまルミネも謝罪し動画は公開中止となった。だが、この騒動に対して、人気ブロガーの“はあちゅう”こと伊藤春香がTwitterにさらなる一石を投じ、そちらも話題になっている。
はあちゅう「イケメンだったら炎上しなかった」「嫌いな人がやったらセクハラになる」
 はあちゅうの主張は、こうだ。
〈ルミネのCM、上司がイケメンだったら炎上しなかったと思うんだけどな〜。好きな人のためなら頑張れるけど、冴えない上司に言われるのはムカつくってだけで、好きな人にやられたら嬉しいことを嫌いな人がやったらセクハラになるって言葉思い出した。〉
 はあちゅうは「イケメンだったら」というが、世の中はイケメンなら何を言っても許せるほど寛容な女ばかりであるはずがなく、このツイートも案の定、炎上。しかし問題は、“セクハラ行為も好きな人ならOKで、嫌いな人はNG”というコメントのほう。こうした女性の“矛盾”をつき、男性側から「好きな男に許すのならセクハラと騒ぐな」と批判が起こることは少なくないからだ。
 だが、このような言説に抗うように、声高に叫んだ女性がいる。
「嫌いな男が胸を触ってくるのに怒り、好きな男が触りたいと思うお尻が欲しい」
 言葉にしたのは、70年代に巻き起こったウーマン・リブを先導した、伝説の運動家・田中美津である。嫌いな男には触られたくないと拒否するし、だからといって好きな男に欲望される存在でありたいと思うことを否定する必要はない──田中はそう主張したのだ。
 田中がこのような言葉を口にしたのは、彼女自身が矛盾を抱える存在だったからだ。たとえば、田中の著書『かけがえのない、大したことのない私』(インパクト出版会)では、〈私自身の卑屈な例〉として、胡座をかいていたところに好きな男性がやってきて、とっさに足を正座に組み直したエピソードが紹介されている。
〈意識では、「女が、胡座をかいたっていいじゃないか」と100%思っている。ところが、好きな男が入ってきたらしい気配を感じただけで、考えるまでもなくからだが勝手に動いて正座になってしまった。女への抑圧って、かように身体化しているのか、いやぁ驚いたって思いました〉
 田中の世代の女たちは、男に好かれる女になること、男に選ばれる女になること、すなわち女らしい女になることを幼いころから徹底的に叩き込まれてきた。そうした男性の視線、男性の考える一方的な価値のなかでしか生きられなかった時代に、田中たちは自由に生きたいと立ち上がった。だからといって、男性に好かれたいという思いを、すぐさま消去できるほど人間は器用ではない。矛盾はさまざまな場面で立ち現れる。もちろん、男からだけでなく女からも、その矛盾は追及されてきた。
 しかし、田中はその矛盾を肯定した。矛盾し、引き裂かれる自分こそが、いつわらざる“いま、ここにいる私”だからだ。
〈あぐらから正座に変えた、そのとり乱しの中にあるあたしの本音とは〈女らしさ〉を否定するあたしと、男は女らしい女が好きなのだ、というその昔叩き込まれた思い込みが消しがたくあるあたしの、その二人のあたしがつくる「現在」にほかならない〉(『いのちの女たちへ とり乱しウーマン・リブ論』現代書館)
 田中はこの文章を約45年前に書き付けているが、いま、この時代にも、自分の矛盾にとり乱している女性はいるだろう。あるいはとり乱さないために、はあちゅうのように、消費される女性性を担保にして男社会の論理のなかでうまく立ち回りつつ、自分の価値を見出したほうがかしこいと考える女性もいるだろう。
はあちゅうは自らがうけた屈辱的セクハラをどう表現していたか
 でも、田中が述べたように、とり乱していていいのだ。一貫性がないと罵られても、いま〈ここにいる女〉として、セクハラにはノーと言えばいい。
 だからこそ気になるのは、はあちゅうが今回の騒動にかんして、こんなふうにつぶやいていることだ。
〈は〜。なんかセクハラの話で私につっかかってくる人いまだに多いけどあんなのがセクハラって言ってる人に、私がクライアントに音読させられた「ハルカ・リーチ・オーガズム」っていう創作短編小説を読ませてあげたい!(引っ越しの荷物の中から今出てきた)〉
 そのクライアントに音読させられたという創作小説がどんなものなのかはわからないが、タイトルから察するに、よほど屈辱的な内容だったと思われる。それを声に出して読まされるという、耐えがたいセクハラを、彼女は受けたのだろう。ならば、いま一度、はあちゅうは考えてみてほしい。そのクライアントがイケメンだったら、自分はその屈辱を許せたのか?と。
 たぶん、はあちゅうは自分が受けたセクハラに比べたら、男に「需要/非需要」と分けられることくらいたいしたことではないからガマンしろとでも思っているのかもしれないが、セクハラの中身や程度の差は天秤にかけて計る必要などないものだ。そして、セクハラ小説を女性社員に読ませるという暴力的な行為は、女を「需要/非需要」に分けるという思考から発生している、ということを、ぜひ知ってほしいと思う。
 最後に、はあちゅうには田中美津のこんな言葉を贈りたい。
〈「なぜ私はそれを選ぶの、何で私はこんなふうに行動してしまうの?」という疑問や気付きと一緒に、世の中を変えていくということをやらない限りは、人も世の中も本当には変わらないと私は思います〉(田岡 尼)


連載対談 中島京子の「扉をあけたら」
声を上げることのできない多くの性犯罪被害者がいる。罪に問われない加害者がいる。私たちは性犯罪にどう向き合えばいいのか。自身のレイプ被害を告発したジャーナリスト伊藤詩織さんとともに考える。
第十八回 日本にも「Me Too」を! ゲスト 伊藤詩織(ジャーナリスト)
レイプ犯は、大多数が顔見知り
中島 私が詩織さんの姿を初めて拝見したのは、二〇一七年五月二十九日。自ら被害者となったレイプ(強姦)事件が不起訴処分となったため、検察審査会への申し立てを行い、その後司法記者クラブで会見された時の報道映像でした。勇気を出して理不尽と闘う。言葉で言うのは簡単ですが、特にレイプの被害者は好奇の目にも晒されます。実際に一歩足を踏み出した人は日本ではほとんどいない。報道されているのは本当に氷山の一角で、性犯罪は社会の中に根深く潜んでいると思うんです。もし、私たちの世代がちゃんと声を上げていれば、社会も少しは変わっていたかもしれない。詩織さんがひとりで頑張らなければいけないような状況にしてしまい、本当に申し訳ないなと思いました。
伊藤 ありがとうございます。中島さんにそう言っていただけると、勇気が湧いてきます。
中島 そして、十月十八日に著書『Black Box ブラックボックス』(文藝春秋)を出版されました。読んでいると、被疑者を逮捕する直前で上からの圧力でストップがかかったことや警察が示談を仲介するなど、この国が信用できなくなるような出来事があまりに多くて、腹立ちを通り越して悲しくなりました。私も詩織さんを応援するひとりとして、新聞広告に推薦文(「会見を見て、未来を生きる人たちのために意を決して声を上げた詩織さんを、一人にしてはいけないと思った」)を寄せました。
伊藤 私も最初は、あまりの理不尽さに悩み、苦しみました。でも、次から次へとおかしなことが起こるので、途中からもう考えるのはやめにしました。
中島 何より驚いたのは、強姦罪が認定されるためには、強姦があったことを被害者が証明しなくてはいけないということでした。
伊藤 「行為があったか」「合意があったか」そして何よりも「暴行・脅迫があったか」を被害者が証明しないといけないんです。
中島 普通に考えると「無罪だというなら証明しなさい」と言われるのは、訴えられたほうだと思うのですが。
伊藤 強姦の場合、見知らぬ人に突然襲われるような事件は、全体の一割くらい。大多数が、顔見知りによる犯行なんです。被疑者が顔見知りの場合「彼女がよろこんでついてきた」と証言されれば、被害者がそれを否定する証拠を示さないと起訴することは難しいのです。
中島 この法律は、日本の女性みんなが、ちゃんと知っておかないといけないことですね。誰もが、いつ被害者になるかわからないですから。
伊藤 女性に限らず、男性にとってもです。二〇一七年の刑法改正で、「強姦罪」は「強制性交等罪」と変更されて、男性も対象になりました。ようやくという感じですが、海外では教会の神父さんによる男児への性的暴行も問題になっています。日本でも、あまり報告されていないだけで、男性の被害者も多いと思います。
中島 この本にあるようにレイプ被害にあった場合、最初に駆け込むべきところは病院の婦人科ではなく救急外来だということも、ほとんどの人が知らなかったと思います。
伊藤 現在、日本ではDNAなどを分析して加害者を特定するための「レイプキット」を設置しているのは、主に救急外来です。
中島 なぜ婦人科じゃないのでしょう。救急外来は、重篤な患者さんも運ばれてくるところですから、レイプの被害を受けた直後に駆け込むのは心理的に難しい気がします。
伊藤 そうなんです。婦人科にもぜひ設置してほしいですよね。外科でも、内科でも問診票に「性被害を受けましたか?」という一文が追加されるだけで、ずいぶん違うと思います。その病院に「レイプキット」がなくても、近くの病院を紹介することができますから。
中島 それでも、詩織さんの勇気ある告発によって、性犯罪の被害者になったときにどうすればいいのかという、これまで表に出ていなかった大切な情報が共有され、問題として認識され始めました。
伊藤 スウェーデンには、「レイプ緊急センター」があって、二十四時間三百六十五日いつでも対応してくれます。二〇一五年には、男性専用の窓口もオープンしました。それまでも男性を拒んではいなかったのですが、あえて「男性専用」と看板を掲げたんです。
中島 たしかに、男性のほうが女性よりも声を上げにくい現実はありますね。スウェーデンには取材に行かれたのですよね。
伊藤 はい。スウェーデンは、レイプの発生率が世界一多い国なんです。なぜかというと、レイプ一回を一件とカウントするからです。長期間にわたってレイプされ続けた事件では、その回数分がカウントされるので、レイプの発生件数も多くなります。
中島 なるほど、国として性犯罪に対する問題意識が高く、対策も進んでいる。隠されていないんですね。
伊藤 スウェーデンの「レイプ緊急センター」の調べによると、被害者のうち約七割が現場でフリーズ状態に陥っています。殺されるかもしれない。恐くて抵抗すらできない被害者がこんなに多いんです。
中島 日本でも同じですね。しかも、被害者による証明が必要だということは「抵抗しなかった」イコール「合意があった」ととられるかもしれない。理不尽ですよね。もっと被害者の立場に寄った法律に変えられないのでしょうか?
伊藤 スウェーデンでは、被疑者のほうに合意を証明させるための新しい法案づくりに着手しているそうです。行為に及ぶ前に、一筆書かせるのか、もしくは録音するのか。具体策はまだわかりませんが、そういう法律ができると、襲われそうになったときにも、拒否する気持ちを後押ししてくれると思います。
日本女性の「NO」は「YES」?
中島 今朝、詩織さんのことを考えながら対談に出かける準備をしていたら、突然ピンク・レディーの『S・O・S』という歌が頭のなかで流れ始めました。「男は狼なのよ 気をつけなさい 年頃になったなら つつしみなさい」という歌詞で始まる曲です。
伊藤 「つつしみなさい」ですか……。
中島 「羊の顔していても 心の中は 狼が牙をむく そういうものよ」と続くんですね。子どものときに覚えた歌だから、記憶違いかなと思って、ネットで検索してみたら、やっぱり「つつしみなさい」なんです。男は危険なものだから、女の子がつつしまなければならない。この国はそういう文化をずっとひきずってきていると思います。
伊藤 たぶん年配の女性からだと思うのですが、記者会見のあとに「あなたはもっとつつしまなければならない」という内容のメールをもらったことがあります。
中島 残念ながら性被害にあうのは、女性のほうがふしだらだからだというイメージが刷り込まれているのでしょうね。被害にあったほうが責められるなんて、どう考えてもおかしい。セカンドレイプです。
伊藤 ネットで「金玉潰し」というのを見つました。
中島 なにそれ。強烈なネーミングですね!
伊藤 「男性が電車で股を開いて座っていたら潰していい。路上で寝ていたら潰していい。男性のだらしない行為は、すべて潰していい」。そんなことを言われたら、男の人だってぎょっとするんじゃないでしょうか?
中島 「被害にあうのは女性が悪い」という言説がいかに理不尽かをわかってもらうにはよい比喩(笑)。
伊藤 駐在員として日本に来ている外国人の友だちから聞いた話で、ちょっと驚いたことがあるんです。彼は、これまで四人の日本人女性とお付き合いをしたことがあるそうです。そのうちの三人は、最初に夜をともにした日に性行為を行おうとしたら「NO」と断られた。まだそんな気持ちじゃないんだと思い「本当にごめん、大丈夫」とあやまると、彼女は「なぜ途中でやめちゃうの」と怒りだした。彼は、彼女の真意がわからず、混乱したと言っていました。
中島 「NO」と言っても、本当は「YES」だってこと?
伊藤 そうなんです。インターナショナルなスタンダードだと、「NO」は「NO」でしょう。
中島 日本人の男性はどうなんでしょう?
伊藤 男友だちに聞くと、彼らもそういう日本女性の態度は理解できるという。でも、もしかしたら本気で「NO」と嫌がっているのかもしれないでしょう。なぜ相手の気持ちがわかるのかと、喧嘩になってしまうこともありました(笑)。
中島 根深いですよね。日本の男性には性行為における女性の「NO」は「YES」だと翻訳する装置が組み込まれているのかもしれない。昔は「イヤよイヤよも好きのうち」なんて言葉もあったけれど、現代の若者たちのメンタリティも似たようなものだと知ると、ちょっとショックです。
伊藤 私にはそういう感覚がまったくなかったから、最初は彼の話がまったく理解できませんでした。でも、それが男女の駆け引きなのか、本当の「NO」なのか、ちゃんとわかるように意思表示できないと、危険だと思うんですね。
中島 どうすればいいんでしょう。「NO」や「イヤ」に、両方の意味があるというのは、加害者にとっても免罪符になってしまう。
伊藤 だから日本語にも「Fuck off!(うせろ)」のような強烈な言葉が欲しいんです。英語圏で、女性が大声でこの言葉を使う時は、相手を罵倒していることが明白です。私の場合も、最後はかなり激しく英語で罵りました。
中島 日本語には、そういう強烈な「罵倒語」はない。
伊藤 短くて、強烈な日本語の罵倒語。中島さんも、ぜひいっしょに考えてください。
中島 新しい言葉を作る。すごく革命的な提案かもしれませんね。「NO」が「NO」だと伝わらないのだから、絶対に「NO」だと誰もがわかる言葉。そういう武器が日本女性には必要なんですね。
被害者として。ジャーナリストとして
中島 詩織さんのときのように就職活動中の大学生の女性は、とくに危険な環境ですよね。
伊藤 なかなか口には出せないでしょうが、被害者は多いと思います。
中島 就職や仕事の上下関係がある場合は、いろんな思惑が働く可能性もあるから難しいですよね。元TBSワシントン支局長の逮捕を直前で中止させた警視庁の刑事部長(当時)も『週刊新潮』の取材に対して、所詮男と女の揉め事、という内容の発言をしていました。地位や権力のある男性の頭の中で、なぜ「仕事の相談」が「男女の関係」とつながってしまうのか。そういう空気がセクハラやパワハラの温床になっている気がします。
伊藤 彼らのマインドセットが恐ろしいですね。しかも、警察の上層部にいる。日本は大丈夫なのか?
中島 詩織さん自身、会見後いろんな活動をされていて、実際にレイプ被害者の方とお会いになることもあると思います。
伊藤 私を取材してくれた女性記者さんのなかにも、性被害を受けたことがあると告白された方がいます。
中島 取材に来た記者さんが、告白されたんですか!
伊藤 あるネットメディアの記者の方なのですが、誰にも言えずにずっと自分のこころのなかに閉じ込めてきたんでしょうね。インタビューを終えたあと、これまで自分が被害を受けたことは、言わないほうがいいと思っていたけれど、ちゃんと書かないといけないと語り始め、実名で記事を書かれました。
中島 彼女も詩織さんの行動に後押しされたんですね。
伊藤 前回ロンドンに発つ前日に、カフェでミーティングの準備をしていました。「詩織さんですよね」と、ひとりの女性が駆け寄ってきて「応援しています」と言ってくれたんです。そのあと、彼女は自分も私と同じような体験をしたのだと告白し、泣き出しました。その姿を見ていると、何年前のことであろうと、私たち被害者のなかでは決して時効になることはないんだと、あらためて実感しました。
中島 ハリウッドで大物プロデューサーのセクハラ事件が公になったとき、多くの女優たちが自分も被害を受けたと告白しました。その後セクハラ被害を受けたことのある女性たちに対して「#Me Too(私も)」をつけてツイッターに投稿しようという呼びかけが広がりました。
伊藤 素晴らしいですよね。レディー・ガガさんでさえ七年間、誰にも言えなかったそうです。その閉ざされた気持ちを誰かにすくい取ってもらえないと、ずっと誰にも言えない。少しずつでもいいから、そういう人たちの気持ちをすくい取れるような活動が出てきたらいいなと思います。
中島 ひとりだと逆風を受けることがあっても、大勢の力が合わさるとムーブメントになります。権力を笠に着た悪にも、正義で対抗できる。
伊藤 日本でも、「Me Too」のアクションがひろがっていけばいいなと思います。
中島 現在は日本を離れて、イギリスで活動されているそうですね?
伊藤 はい。私の状況だと、日本ではどうしてもジャーナリストとしての活動はやりにくい。だから、バイアスのかからない海外で活動しようと考えました。いまはロンドンを拠点にしています。
中島 なぜロンドンを選んだんですか?
伊藤 ロンドンにはイギリスのメディアだけでなく、世界のいろんなメディアの支局が集まっています。向こうのメディアは、私のような経験値の少ないジャーナリストにも「Welcome」と門戸を開いてくれる。提案した企画が良ければ、すぐに採用してくれます。
中島 ジャーナリズムは権威を監視する役割もあるから、すべての人から情報を集める姿勢は正しいですね。残念ながら日本のメディアは、それほどオープンではないですね。海外のメディアで経験を積むのは正解でしょうね。
伊藤 BBCが採用してくれた私の企画のために、南アフリカの女性がいっしょに働いてくれています。彼女の話だと、南アフリカでは、小さい頃から学校で性のことを歌にして教えてくれるそうです。大人の男性には小児性愛者がいるから気をつけようとか、おかしな人がいたらすぐに先生に報告するようにと、ちゃんと性被害に対する教育が行われている。
中島 日本より治安が悪いということもあるのでしょうが、「NO」は「YES」だという文化が残っている日本に比べると、はるかに意識が高い。教育の重要性を感じますね。
伊藤 そうなんです。私自身の問題を解決するためにも、日本の性犯罪に対する意識を変えていきたいと思います。
中島 被害者でもある詩織さんが、ジャーナリストとして海外から発信していく。そのメッセージの重さは、必ず日本にも伝わると思います。
 そして、詩織さんの勇気ある行動は、すでにこの国を変え始めていると思います。ゆっくりかもしれないけど。詩織さんの活動、これからも応援しています。


「伊藤詩織は嘘をついている」と糾弾し続ける山口敬之の意図的な誤読が意味すること
 前回、この連載原稿を、このように書き始めた。
「多くの人が、あちこちでこの事案についての記事を読んでいるはずなので『またか』との印象を与えるかもしれないが、加害者やその支援者は、この件を皆が忘れてくれるのを何より待望している。ならば、繰り返し言及するしかない」。
 今回もその書き出しをそのまま使う。繰り返し言及するしかない。
 セクハラ被害を告発する「#Me Too」の動きがようやく日本でも広がってきている。実名で表に出て、ジャーナリスト・山口敬之からのレイプ告発に踏み切ったジャーナリスト・伊藤詩織の姿勢は、日本における広がりの最初の「Me」と言える。忘れさせようとする加害者周辺の企みを放置したくない。
 事件の詳細については前回の原稿に目を通していただきたいが、少しだけまとめなおす。山口にレイプされたと告発し、レイプ被害者を取り巻く司法や捜査システムの改善、性暴力被害を語りやすくする社会の実現を訴えた伊藤詩織の著書『Black Box』の刊行を受け、山口が『月刊Hanada』(2017年12月号)で「私を訴えた伊藤詩織さんへ」と題した手紙風の手記で潔白を訴えた。伊藤の『Black Box』と読み比べれば、山口の弁解からは、明らかなる説明不足の点がいくつも抽出されたのだが(その旨も前回記した)、何があろうとも自分をかばってくれる右派雑誌とその読者には有効だったようだ。
 翌月号(『月刊Hanada』2018年1月号)の読者投稿欄を読むと、65歳の男性が、山口の手記について「客観的で一貫性があり、感情的な表現もなく、好感の持てるものでした」とする投稿が掲載されている。まず伊藤の著書が刊行されて、その後に山口の手記が書かれた、この順番を踏まえた上で読み比べれば、客観的で一貫性があり、感情的な表現がないものはどちらのテキストなのか、すぐに分かる。
「伊藤氏の私を犯罪者にしようという目論見は失敗に終わったのである」
(山口敬之「記者を名乗る活動家 金平茂紀と望月衣塑子の正体」『月刊Hanada』2018年1月号)
 このまま不十分な手記だけで逃避するのだろうと思いきや、山口は「攻撃は最大の防御」という意図なのか、翌月号では「『伊藤詩織』問題 独占スクープ第2弾! 記者を名乗る活動家 金平茂紀と望月衣塑子の正体」との原稿を発表した。TBS『報道特集』キャスター・金平茂紀と東京新聞記者・望月衣塑子が、自分への取材もなしに伊藤の見解に依拠した報道をしたことを糾弾する内容だが、この雑誌(毎号通読しております)が度々TBSの報道姿勢を批判し、菅官房長官に詰め寄る質問を繰り返す望月の存在を毛嫌いしてきた経緯を考えれば、読者の共感を呼びやすい「糾弾素材」を選び、自らの説明不足をうやむやにしたと思わざるを得ない。
 これも前回と同じ主張になるが、山口の手記は何の弁明にもなっていないのだから、伊藤がそうしたように、記者会見に臨むべきではないのか。山口は、現在も誹謗中傷のメールや書簡が続いていると訴えているが、ならばなぜ、表に出て説明しないのだろうか。今回の原稿で、メディアからの取材依頼に対して「反応する意味があると判定したものについては回答書を寄せたり、取材に応じたりした」と書いているが、ずっと自分の味方をしてくれている雑誌とネット番組のみに登場する事がその「判定」ならば、納得できるはずがない。
 そして何よりこの原稿で放置できないのが、被害者・伊藤詩織の手記に対する“意図的な誤読”を重ね、そして糾弾をいくつも盛り込んでいる事だ。その糾弾が、書き手及び編集部の総意であることは、タイトルに「『伊藤詩織』問題」とあることからも明らかである。これは「伊藤詩織問題」ではない、「山口敬之問題」である。小学校の校長先生が入学式で新入生に投げかけるような教示になるけれど、この人たちは、人の痛みが分からないのだろうか。分からないのかもしれない。
 「伊藤氏の私を犯罪者にしようという目論見は失敗に終わったのである」とする山口は、「伊藤氏の『犯罪事実があった』との主張は、『朝まで意識を失っていた』ということがすべての前提となっている。ところが、真実は違う」と書いた。
 前号の山口の手記にも「『朝まで意識がなかった』のでは決してなく、未明の時間に自ら起き、大人の女性として行動し、また眠ったのです」と書かれている。2号連続で彼の原稿を読んだ読者は、本当は意識があったのに伊藤は嘘をついていると感じるだろうが、そもそも伊藤は、手記に「朝まで意識を失っていた」などとは記していない。
 事件の当日、串焼き屋から鮨屋に移動したのが夜9時40分頃、そして3合目の日本酒を頼んだ辺りから不調を感じ、伊藤は「そこからの記憶がない」と書く。そして次に「目を覚ましたのは、激しい痛みを感じた」から。「『痛い、痛い』と何度も訴えているのに、彼は行為を止めようとしなかった」。意識を取り戻し、痛みに耐え、「トイレに行きたい」と言うと山口はようやく体を起こした。そこで「避妊具もつけていない陰茎が目に入った」。
 なお、避妊具をつけずに性行為に及んだことを山口は、伊藤と交わしたメールの中で認めている。トイレから戻ると、ベッドに引きずり倒され、再び犯されそうになった伊藤は必死に抵抗する。何とか逃れ、「ピルを買ってあげる」「パンツくらいお土産にさせてよ」などと開き直った発言を浴びると、伊藤は「体を支えていることができ」なくなり、もう一つのベッドにもたれて、身を隠した。そうやって必死に耐える様子を見た山口は「困った子どもみたいで可愛いね」などと戯言を吐いたという。一刻も早く部屋の外に出る方法を模索した伊藤。この段階でようやく「窓の外が、次第に明るくなってきた」と書いている。意識を取り戻し、暴行や暴言に耐え続け、ようやく、これから朝を迎えようとする時間を迎えた。
 山口は、伊藤が「朝まで意識がなかった」と主張している、とする事で、記憶がなかったはずの女が今さら告発してきて迷惑している、との構図を作ろうとしているのだろうが、伊藤は記憶している限りの事を詳細に記している。「朝まで意識がなかった」を繰り返し使い、詳細が語られる機会を避けているのは、伊藤ではなく山口である。伊藤の主張が虚偽だとするならば、山口は細かくどこがどう虚偽なのかを指摘しなければいけない。「全部ウソ」で片すのはジャーナリストの仕事ではない。
「伊藤氏は『上からの力を感じた』という表現をもって、何も具体的な問題点を示さず、『犯罪が揉み消された』と主張した」
(山口敬之「記者を名乗る活動家 金平茂紀と望月衣塑子の正体」『月刊Hanada』2018年1月号)
 山口は、逮捕状が取り下げられ、検察が不起訴としたのに「伊藤氏は『上からの力を感じた』という表現をもって、何も具体的な問題点を示さず、『犯罪が揉み消された』と主張した。警察が上からの圧力に屈して犯罪を揉み消したなら、大変なことだ」と書いているが、「何も具体的な問題点を示さず」とはどういうことか。本をちゃんと読んだのだろうか。
 伊藤は具体的な問題点を示している。
当時刑事部長だった中村格氏が自分の判断で逮捕を差し止めたと認めたこと、山口氏が以前から「北村氏」に私のことを相談していたこと、この2つの事実がわかったのは、本当に大きな進展だった。(『Black Box』P215)
 伊藤の著書に引用されている『週刊新潮』(2017年5月25日号)の記事によれば「北村氏」とは、安倍首相の一番近くにいる人物である内閣情報官・北村滋だとされる。『週刊新潮』からの取材依頼書をメールで受けた山口は、北村にその旨を伝えるためにメールを転送するつもりが、うっかり『週刊新潮』に返信してしまったのだ。そのメールタイトルは「北村さま、週刊新潮より質問状が来ました。伊藤の件です」。記者から、いつごろより山口から相談を受けているのかと問われた北村は「いえいえ、はい。どうも」との対応で、相談を受けてきたことを否定しなかった。
 さらに伊藤は、中村に直接取材を試みたものの、中村が乗る車は猛スピードで逃げていった。「人生で警察を追いかけることがあると思わなかった」とは伊藤の弁。これらの動きを知ってなお、「何も具体的な問題点を示さず、『犯罪が揉み消された』と主張した」と言い切る山口が正しいと思う人はいるだろうか。
 今回の原稿で山口は、金平と望月を指差し、「視聴者・読者・国民に求められているのは、『エセ記者』『エセ情報』を看破し葬り去る観察眼である」と原稿を締めくくった。指差す相手は違うが、山口の見解自体には同意する。視聴者・読者・国民に求められているのは、『エセ記者』『エセ情報』を看破し葬り去る観察眼だ。双方の筆致を読み比べれば、誰が「エセ」なのかはすぐに分かる。


「童貞」といじられ続けた広告代理店の男性 「僕も #MeToo と声を上げてもよいでしょうか?」
海外でセクハラを受けた女性たちがSNSなどを通じて、被害を告発するムーブメント「 #MeToo 」。日本でも今年5月、ジャーナリストの伊藤詩織さんが元TBS社員の男性から性的被害を受けたことを告発したことをきっかけに広まり始めた。詩織さんは実名で顔を出し、男性を刑事告訴したが不起訴となり、現在は男性を相手取って民事訴訟を起こしている。
その後、元電通社員で、ブロガー兼作家のはあちゅうさんが12月、同じく元電通社員の男性からセクハラやパワハラを受けていたことを告発した記事がBuzzFeedで報じられた。しかし、はあちゅうさんが以前より女性経験のない男性について「童貞いじり」していたことから、一部のユーザーから「セクハラでは」と批判されて炎上。はあちゅうさんが一時は謝罪する騒動にまで発展した(12月22日現在は削除済み)。
この騒動を静かに追いかけていたのが、都内で暮らす30代男性Aさんだ。20代の頃、まだ女性経験がなかったAさんは、勤め先の大手広告代理店の先輩たちから、「童貞」といじられ続けた。「先輩たちに悪意があったとは思っていませんが、とても嫌な気持ちになりました」と当時を振り返る。Aさんの体験から見えてくるハラスメントの構造とは?
●「童貞は、何が楽しくて生きてるの?」と1年間、言われ続ける
関東の高校を卒業したAさんは、有名大学の理学部に進学した。周囲は9割が男子学生。Aさんは女性に特に関心を持たないまま、好きな研究に打ち込む生活を送っていた。「当時の趣味はゲームやアニメ。研究も忙しかったし、女性にはまったく興味がありませんでした」と振り返る。
大学卒業後は広告代理店に就職した。周囲に彼女がいないと知れると、「好きな女性のタイプは? 芸能人でたとえると誰?」「どうして彼女を作らないの?」と何度も聞かれ、少し煩わしさを感じた。そうした会話の中で「女性と交際経験がない」ことが知れると、童貞であることに驚かれた。
「どうしてこの人たちは恋愛にこんなに興味があるのだろう? どうして恋愛が共通の話題になると思い込んでいるのだろう?」。Aさんは不思議だったという。
たまに「童貞」が話題になることもあったが、ほとんどの同僚が「面白い学生生活だったんだね」「研究がそんなに楽しかったんだ」とむしろ感心されたため、特に気にすることはなく過ごしていた。しかし、ある仕事でチームを組むことになった先輩社員の男性Bさんが、Aさんが童貞だと知ると、頻繁に「いじり」をしてくるようになった。
「童貞は、何が楽しくて生きてるの?」「童貞なんて、人生の9割は損してるよね」「セックスは人間の本能なんだから、セックスしないとかおかしくない?」「早く3次元の女の子とセックスしろよ」
こうした言葉を、Aさんは複数の同僚がいる前で、Bさんから度々投げつけられた。名前ではなく、「童貞」と呼ばれることもあった。
「Bさんに悪意があったとは思っていません。親しい後輩男子に対する親愛の表現であり、彼のコミュニケーションの方法だったのではないでしょうか。でも、恋愛やセックスはとてもプライベートな領域のものです。信頼関係のない他人に踏み込まれ、決めつけられたり、いじられたりしたくありません。僕にとっては、セクハラと言えるものでした」
●仕事先で突然「こいつ、童貞なんですよ」と紹介される
結局、Bさんとチームを組んでいた1年間、Aさんに対する「童貞いじり」は続いた。他にもAさんは、別の先輩社員の男性Cさんと仕事先に出かけ、不愉快な思いをしたことがある。
「突然、仕事先の人(年配男性)に『こいつ、童貞なんですよ』と紹介されました。仕事先の人には『そうなの? なんで?』と聞かれてしまい、返答に困りました」
BさんもCさんも、社内では大先輩であり、メディアにも取り上げられるような「有力者」だった。若手のAさんが「そういういじりは止めてください」とは言えなかった。言えば、仕事に支障が出ると思ったからだ。「今でも、Bさんの顔をメディアで見ると、怒りが湧いてきます」とAさんは苦笑する。
「恋愛経験が豊富なことが、人間の真価や優位性を決定するという価値観が男女関わらずあることは知っています。BさんもCさんも、そうした価値観で生きているのだろうと。でも、それが必ず他人と共有できていると思うのは、少し雑ではないでしょうか。しかも、相手にそうした価値観を押し付けて貶めることは、明らかなハラスメントです」
Aさんに今回の「童貞いじり」の議論はどう映ったのだろうか。
「男性に対するセクハラはマッチョな男社会の中で抑圧され、告発は難しいです。『童貞いじり』はそうした社会で横行しています。童貞という言葉自体は、それ以上でもそれ以下でもない意味ですが、童貞という言葉を使って相手が嫌がる行為をすれば、それはハラスメントになるでしょう。本人が意図しなくてもそういう『相手』に届いてしまうし、言われた側も抗議が難しいSNSやメディアを使うのであれば、十分な配慮が必要だと思います」
そう語ったAさん、は最後に「僕も #MeToo と声を上げてもよいでしょうか?」と付け加えた。


東京新聞望月記者 ペジー事件の捜査が政権に及ぶ可能性指摘
「安倍政権ってちょっと怪しくない?」。世の中にそんな雰囲気が充満していた2017年6月、颯爽と官邸会見に現れ、菅官房長官に厳しい質問を飛ばして慌てさせたのが、東京新聞の望月衣塑子記者(42才)だった。年の瀬迫る12月中旬に起きた巨額公金詐欺事件。その背景には、またも安倍人脈が見え隠れする──。望月記者が政権深部の「綻び」を読み解く。
 * * *
 今の安倍政権がスタートして丸5年が経ちました。5年目の2017年は政権にかかわるさまざまな問題が噴出した1年間でした。
 政治部記者ではなく、主に事件取材を続けてきた社会部畑の私が、いくつかの問題に関心を持ち、2017年6月、初めて首相官邸の会見場に足を踏み入れてから半年が経ちました。毎日行われる菅義偉官房長官の定例会見には、今でもできるだけ出席するようにしています。“アイツに質問させると厄介だ”と思われているのでしょうか、官邸サイドのマークも厳しくなって、なかなか思う通りに質問できないもどかしさもあります。バッシングも聞こえてきます。
 でも、子供の将来を考えた時、この政権はこの国をどこに導こうとしているのかを見極めることが私の責任だと思って会見場に向かっています。
 最近、東京・霞が関の中央省庁を取材して回っていると、顔を合わせる官僚は口を揃えて、「それで、ペジー事件(※注)はこれからどうなるの?」と私に“逆取材”してきます。それだけ、官僚たちにとって、この事件の捜査の行方が大きな関心事になっているんです。
〈※注:東京地検特捜部は2017年12月上旬、スパコン開発会社「ペジーコンピューティング」創業社長の齊藤元章容疑者(49才)を逮捕した。2013年度に国の助成金4億3000万円を騙し取った詐欺容疑。齊藤容疑者は関連会社で総額100億円超の公的資金を受けていたと報じられた〉
 官僚たちがペジー事件から目が離せないのは、不透明な経緯で流れた税金が巨額だったからだけではありません。ペジー事件の捜査は、安倍政権の中枢の周辺にまで伸びる可能性があるので、霞が関のみならず、永田町にも激震が走っています。
◆安倍総理の「オトモダチ」の名が浮上
 振り返れば、2月に森友学園問題が発覚して籠池夫妻が逮捕される事件に発展。5月には「総理のご意向」文書が報じられ、加計学園問題が浮上しました。5月末にはフリージャーナリストの詩織さんが性的な暴行を受けたとして、顔と名前を公表しての異例の記者会見を開きました。詩織さんへの暴行で逮捕状が出ていたのは、“総理に最も食い込んだ男”として知られる、元テレビ局記者のジャーナリストA氏でした(A氏は犯罪行為を否定し、不起訴が確定)。
 そんな中、年の暮れも迫った12月上旬に起きたのがペジー事件でした。一見すると安倍政権とは無関係のようですが、森友、加計、詩織さんの問題に続いて、この事件の周辺にも「総理のオトモダチ」の名前が浮上しています。
 ペジー社長の齊藤容疑者は、自社で開発したスパコンを研究機関に売り込んだり、スパコン開発への投資を呼びかけたりする場面で、自分の信頼性を高めるために、隣に「顧問」の名刺を持つ人物を引き連れていたそうです。その人物こそ、前出のA氏でした。
 A氏はとにかく安倍首相周辺に顔が利きます。2016年7月、公的研究機関のスパコンを麻生太郎副総理が視察したとき、案内役を務めたのが齊藤容疑者でした。彼に麻生副総理を紹介したのが、A氏だとされています。
 A氏は東京・永田町にある超高級ホテルの住居部分に住んでいました。家賃は月におよそ68万〜240万円。ジャーナリストでそんなに高級な賃貸マンションに住んでいる人なんて聞いたことがありません。その家賃はペジー社が負担していたそうです。
 東京地検特捜部は、2017年内に齊藤容疑者を詐欺で起訴して、2018年年明けから脱税容疑の捜査に取りかかると見られます。ペジー社からA氏に支払われた顧問料も捜査の対象になると思われますし、今後、なぜペジー社に巨額の税金が流れたのか、顧問のA氏の共犯性はないのか、そこにA氏に繋がる政権中枢の政治家や秘書たちの存在がなかったのかも焦点になるでしょう。


[沖縄関係予算]これでは制度がゆがむ
 予算を大幅に減らすことで、辺野古移設に反対する知事をけん制し、県内世論に揺さぶりをかける。そんな狙いがすけて見える予算である。
 政府は22日、2018年度予算案を閣議決定した。内閣府沖縄担当部局の沖縄関係予算案は3010億円、前年度に比べ140億円、4・4%の大幅減となった。
 このうち沖縄振興一括交付金は1188億円。使い道の自由度が高く、市町村からも予算確保の要望が強い一括交付金も、前年度比で約170億円、12・6%の大幅減となっている。
 県経済は観光を中心に堅調に推移しており、それを予算面から後押しし、自立的・持続的発展につなげていくことが、何よりも政府に期待された。
 だが、県や市町村の要望は入れられず、総額では2年連続の減額となった。一括交付金は4年連続の減少である。
 県によると、ソフト事業に充てる一括交付金の執行率は、12年度の50・9%から16年度には79・5%に改善している。
 政府はこれまで、一括交付金の執行率の低さを問題にしたが、執行率は確実に改善されているのである。
 江崎鉄磨沖縄北方担当相は、記者会見で減額の理由について聞かれ、「詳細は事務方に…」と説明を避けた。
 減額予算となったのは首相官邸の意向だといわれる。
 沖縄関係予算が「基地維持装置」としての役割を強めれば強めるほど、沖振法に基づく「沖縄振興の論理」がゆがめられていく。
■    ■
 18年度沖縄関係予算の問題点は額の減少だけにとどまらない。一括交付金は沖振法に基づく沖縄独自の制度で、沖縄の特殊性に起因する事業などを県や市町村が自主的に実施できる制度として創設された。
 ところが、18年度の沖縄関係予算は、国の直轄事業を軒並み増額する一方で、一括交付金は大幅に削られ、過去最低となった。
 概算要求の段階でまず総額を決め、国として使途を定めている国直轄事業予算を優先的に確保した上で、残った分を一括交付金に回す、という手法を取ったようだ。
 一括交付金制度が本来の趣旨に反し、政府によって都合良く利用されている、と批判されても仕方がないだろう。
 県は、一括交付金がらみの事業を改めて精査し、減額の影響を最小限に抑えるため、事務事業の見直しなどに着手してほしい。
■    ■
 一括交付金を巡っては、アイドルグループ「AKB48」のイベントに一括交付金が充てられたことが問題になったこともある。必要性が高く、効果の期待できる事業に充てるべきだろう。
 一括交付金制度は地方分権改革の趣旨を踏まえてスタートした。それが自治体統制の手段としての性格を強めているとすれば問題である。
 沖縄関係予算に対する官邸のコントロールが今ほど強まっている時は過去にない。制度が変質している以上、その役割と効果、問題点を改めて洗い直した方がいい。


沖縄の選挙に沈黙する立憲民主は誰に忖度?
 ★このところの立憲民主党の立ち位置があやしい。立憲主義を標榜する党代表・枝野幸男はどこに向かおうとしているのか。2月の名護市長選挙の対応について「関わりたくない」との判断を党内で示し始めている。党には副代表・選対委員長・近藤昭一がいるが、同時に沖縄等米軍基地問題議員懇談会の会長も務める。その近藤すら名護の市長選挙への関わりについて沈黙を守る。立憲民主党はいったい誰に忖度(そんたく)しているのか。 ★沖縄問題は米軍基地問題と密接に関係する。それは同時に安全保障政策や外交、果ては憲法観にまで関連するテーマだが、党のスタンスを示すチャンスだ。ところがおしなべて非協力的だ。譲ってみれば、党の多岐にわたる政策の方針が定まらないうちには選挙に関われないという理屈もわからないでもない。しかし、中央政界の主戦場は再来年の統一地方選挙と参院選挙だ。来年の沖縄・南城市と名護市の市長選挙、年末の知事選挙は大きく党の方向を見せつける意味でも、また党を知ってもらうためのアピールにもなる。 ★それに消極的なのは安保政策や憲法観が立憲民主党支持者のそれと乖離(かいり)していることを示している。野党関係者は「純化路線でリベラルさを出す立憲だが、党内はそんなにきれいなものではない」と指摘する。実は改憲に積極的に参加したいと考えているのが立憲だろう。立憲に年内にも入党するといわれる山尾志桜里は、すでに立憲民主党会派の衆院法務委員会理事を務める。これはすなわち野党筆頭理事という意味だ。その山尾は「憲法の文字を守るより価値を守るという時代に変わりつつある」と発言している。結果的に古言左翼と思われたくないことが高じて安倍改憲路線に同調するのが立憲の本音ではないか。それは沖縄に伝わるか。

部落差別解消へ条例可決 たつの市議会が兵庫県内初
 人権尊重のまちづくりを目指し、兵庫県のたつの市議会は22日、部落差別の解消を進める条例案を可決した。昨年施行された部落差別解消推進法を受けたもので、市によると同条例の成立は兵庫県内の自治体で初めて。
 市側は条例の提出理由として、1969年の同和対策事業特別措置法施行後、住宅環境などの整備は進んだ一方、差別待遇やインターネットで差別を助長する書き込みが続いている現状を課題に挙げる。
 条例は、市が差別解消に向けて施策を進める責務を明記。部落差別解消推進基本計画を取りまとめ、市民団体や学識者らでつくる審議会を設置し、相談体制や人権教育の充実などの施策を効果的に進める。施行日は来年4月1日。
 たつの市民主化推進協議会の根本親良会長(67)は「条例成立は全国で初めてではないか。部落差別は社会悪と明確にしたことが重要だ」とする。法務省人権擁護局は「同様の条例について全国の事例を集約していない」としている。(松本茂祥)


脱原発の小泉純一郎氏にポンと1億円を寄付した意外な財界人とは?「トモダチ作戦」被爆の米兵支援金
 東日本大震災で日本人を助けてくれた米軍の「トモダチ作戦」。後遺症に苦しむ元米兵たちに恩返しをしたのは、日本を代表する経団連(日本経済団体連合会)ではなく、中堅企業や個人の面々だった。
 福島第一原発が爆発した6年前、米軍は日本で「トモダチ作戦」と名付けた支援活動を展開した。その際、福島沖で空母から作戦に従事した乗組員らが被曝して体調を崩したと主張。今年8月には157人が治療費に充てる基金の創設を求める裁判を米国で起こした。
 昨年3月、兵士らが被曝して苦しんでいる話を聞いた小泉純一郎元首相らは早速渡米し、元兵士らの訴えに耳を傾ける。実際に健康被害が出ていることを確かめると、彼らを救うための基金を細川護熙元首相や城南信用金庫相談役の吉原毅氏らと立ち上げた。
 小泉氏に同行して渡米した吉原氏が語る。
「被曝した元兵士たちは体調が悪く、体が動かなくなったりガンを発症した人もいた。訴えはウソではないかとの声もあると言いますが、話を聞いていれば本当だとわかるし、ウソをいう理由もない。辛そうな体なのに文句も言わず、日本人を助けるために誇りを持って作戦に携わったという言葉に心を打たれ、基金を作ることになったのです」
 1億円を目標額に据えてまず、経団連に寄付を打診した。ところが冷たく断られてしまう。
「今回の原発事故で放射能被害を受けた元米軍人たちへの基金と説明すると、『協力できない』と言うのです。経団連のお仲間である電力会社は福島原発事故で人への健康被害は発生していないと主張しているのに、自分たちが金を出したら被害を認めたことになると。米軍人に支援をしてもらったのだから、そのお礼をするのは当然です。なのに自分たちのことしか考えない大企業の姿を見て、非常に情けなくなりました」
 代わりに協力を申し出たのがIT分野などの新興企業や中小企業、商店だった。個人で1000万円をポンと出した人も何人かいる。ニトリの似鳥昭雄会長は1億円を寄付した。
 建築家の安藤忠雄さんたちが中心となり、小泉氏がトモダチ作戦の元米兵たちの話をする講演会を東京や大阪で開くと、千人単位で人が集った。講演会の会費を寄付するという形にすると、その額は今年3月までに3億円に達した。被曝した元米兵たちへの治療費などに使ってもらうよう順次、米国へ送金しているところだという。
 小泉、細川両氏と吉原氏は4月、「原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟(原自連)」を立ち上げ、全国の脱原発活動の連携を進める取り組みを始めている。
「世界に目を向ければ、自然エネルギーは今や原発の2倍に相当する800基分の電気を作り、革命を起こしています。日本でそれを邪魔しているのは原子力村。直ちに原発を停止して自然エネルギーにシフトすれば日本経済は大発展するし、電力会社も潰れることはないのです」(吉原氏)
 脱原発をいつの日か実現できるのか?(桐島瞬)


エッチ中「愛の囁き」に興奮する男性4割! 具体的に喜ばれる言葉は…
明日はクリスマスイブ! そして、もうすぐ年末。
そんな時期は、彼氏や彼女とイチャイチャする人も多いはず。私も、そんな年越しに憧れているひとり、中村愛で〜す。
でも、イチャイチャ中に出てくる問題って、いろいろありますよね。
たとえば「どんな言葉を囁いていいのか?」とか。これって、もう永遠のテーマですよね。
そんな悩みをどうしても2017年中に解決したくて、こんな調査をしてみることに。
■男性と女性の違い
しらべぇ編集部が、全国20代〜60代男性669名を対象に「エッチ中、いろいろな言葉を囁いてくる相手に興奮するか?」調査を実施したところ、約4割の男性が「YES」という結果に。
次に、同じ質問を女性667名を対象に調査したところ…
ワオ! 過半数は超えていないものの、思ったより「興奮する」と答えた人が多かったのでは?
しかも、意外や意外、女性より男性のほうが、エッチ中に甘い言葉を囁いてほしいと思っていることが発覚。
■40代男性がなんと…
結果を性年代別で見てみると、興味深い結果に。
女性では、20代女性の割合がもっとも高く42.5%の人が「甘い言葉を囁いてほしい」と思っていますが、男性は40代の割合が高く、半数を超える結果に。
え? もしかして40代男性は「ドM」が多いってこと…? 
■男たちの主張
「甘い囁き」が興奮する理由について、さまざまな職業の男性たちから話を聞いてみました。
言葉にしてくれると、相手がなにを思っているのか分かりやすいので、嬉しくて興奮する。(40代トラックドライバー)
エッチなビデオを見ている感覚になり、臨場感が出てグッとくる。出来れば大げさに言ってほしい。(30代 不動産管理)
夜の囁きは「ホンネ」な気がして気持ちが高まる。また、耳元で囁かれると興奮する。(40代 会社員)
■具体的に、どんなセリフ?
それでは一体、どんな言葉が興奮するのか?
「男性が喜ぶ夜の甘い言葉5選」を私の独断と偏見で選んでみたので、それを書いて今日の授業は終わり!
(1)大好き
いつも言われているのとはまた違う感じで、嬉しい。
(2)気持ち良い
単純に褒められている感じがして、嬉しい。
(3)気持ちいい?
気にしてくれているのが、嬉しい。
(4)どうしてほしいの?
普段は攻めてこないのに、そういう時にだけ囁かれるとギャップがあって嬉しい。
(5)凄い
本当に喜んでいる気がして、素直に嬉しい。
男性って、きっと単純な生き物。女性のみなさん、こんな感じでクリスマスや年末も囁いてみては?
夜の甘い言葉も、数字で出来ている。(文/ゲスドル・中村愛)
【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
・調査対象:全国20代〜60代の男女1,336名(有効回答数)
・調査期間:2017年9月23日〜9月26日


学術会議、軍事研究で倫理規定検討 禁止の新声明を具体化
 国内の科学者を代表する機関「日本学術会議」の山極寿一(じゅいち)会長は二十二日、東京都港区の学術会議本部で記者会見し、軍事研究に関する新たなガイドラインや倫理規定の策定を検討する考えを示した。「戦争を目的とする科学の研究は絶対に行わない」という過去の声明を踏襲した今年三月の新声明決定を受けたもの。
 山極会長は、新声明について「学会や研究機関、全国の大学などに判断を丸投げしており、軍事研究の可否を判断するのが、個人なのか組織なのか、拘束力があるのかないのか、何も言ってない」と強調。新声明を具体化するガイドラインなどを、同会議が中心になって提示する必要性を指摘した。
 今後、同日に新たに選出した三委員らを加えた計十五人の科学者委員会で、全国の大学や研究機関を対象に、軍事研究に関するガイドラインや研究の適切性に関する倫理規定の有無など、取り組み状況に関するアンケートを実施。これを基に、学術会議としてガイドラインや倫理規定が作成できないか検討する。
 山極会長は「個別の大学ごとにガイドラインや倫理規定を作ると、大学間にきしみができてしまう。科学者の立場で一致できるものを目指したい。学術会議としてどこまでやれるか、海外に意見をどう発出できるか考えていく。日本の科学者が新声明を発したことは非常に重要だ」と話した。


教員の負担軽減へ北九州市の試みに注目 下校早めて休憩確保 部活指導者非常勤採用も
 教員の多忙化に伴う働き方改革の議論が進む中、改善に向けた北九州市の取り組みが注目されている。全公立小中学校で勤務時間を管理するICカードを4年前から導入。昼休み時間を短縮して教員の休憩時間を下校後に設けたり、中学校の部活動で外部指導員の権限を拡大、教員の休日確保に努めたりしている。市外からの視察も相次ぐ。
 午前8時前、小倉南区の菅生中。出勤してきた教職員はまず、職員室の教頭席に置かれたカードリーダーにそれぞれのICカードをかざして自席に着く。
 2人いる事務職員の1人、古賀早紀子さん(30)の席は教員たちが見渡せる教頭席の隣。4月から教頭の補佐役として業務の一部を担っている。市教育委員会などからの文書の確認と各教員への振り分け、外部ボランティアの謝金管理、郵便物の確認…。学校運営の会議などにも参加する。
 吉本一也校長は「事務職員は経理が主な仕事だが、学校のことをよく把握しており、もっと活用すべきだと考えた」。仕事を分担している林光孝教頭は「業務の3割はお願いできるようになり、定時に帰れる日も増えた」と話した。
 二島小(若松区)で取り組むのは「教員の休憩時間の分割」。45分間だった昼休み時間を25分に短縮して児童の下校時間を早め、残り20分の教員の休憩時間を放課後にしっかり確保できるようにした。宮原雅則校長は「子どもがいる時はどうしても指導に追われ、先生は休めない。放課後の余裕もできて時間外勤務を減らせている」と言う。
 長時間勤務の大きな原因とされる中学校の部活動を巡っては現在、外部ボランティア248人が顧問教員を補佐し、指導などに当たっている。5月からは、このうち15人を学校教育法に基づく非常勤嘱託職員の「部活動指導員」として採用。土日の指導や練習試合への引率などが単独で可能となり、配置されている15校で顧問の土日の勤務時間が昨年比35〜50%減少するなど成果を上げつつある。
 市教委は各学校の取り組みを検証しながら、来年度以降の改革に生かす方針。市教委教職員課は「劇的な変化というのは難しい。小さな取り組みを少しずつ積み重ねていくしかない」と話している。


まちのエネルギーを喜劇で
 大阪の釜ケ崎を舞台にした人情喜劇「月夜釜合戦」(同製作委員会配給)が23日から大阪・九条のシネ・ヌーヴォで公開される。京都出身でドキュメンタリー畑の佐藤零郎監督(36)が16ミリフィルムで撮った自主製作の劇映画。「社会変革をテーマに、まちのエネルギーを喜劇で描いた」という佐藤監督に話を聞いた。
 佐藤監督は京都生まれで若いとき、太秦にある東映俳優研究所に入って俳優を志した。「弟が京都造形大に入ったので、僕は僕で負けられんと思った。とにかく何かを『表現したい』という気持ちが強かった」と述懐。キャリアは映画「天狗の葉」(2008年)に出演して本格的なスタートを切る。
 その後ドキュメンタリー作品との出会いがあって、同路線の撮影、編集に関わった後に「大阪の長居公園テント村の野宿生活者たちが強制的に立ち退きにあうという事件に遭遇した。それを記録したのが僕の監督第1作『長居青春酔夢歌』だった。その折に関係者に釜ケ崎のまちの話をいろいろ聞いて興味を覚え、次回作にしたいと思い脚本を書いたのが『月釜』だった」
 今度は初めての劇映画で「脚本作りと同時にスタッフ、俳優など準備が大変で、プロデューサーの梶井洋志さんと組んで整えるのに時間がかかった。俳優の川瀬陽太さん、渋川清彦さんらが出演してくれることになり、前作で付き合ってくれた地元の人たちも集まってくれて、2014年5月から半年以上かけて撮りあげた」
 撮影途中随所に問題があり、また作業のポストプロダクションでも時間がかかり、ようやく今年3月に完成。たどり着くのに5年近くかかった。「一時落ち込んだが、今は達成感でいっぱい」。映画は冒頭、通称「釜ケ崎」(西成区)のまちを、自転車に乗った若い女性(太田直里)が映し出される。彼女と家の周辺の住民が主人公で、「釜が盗まれる」という事件が発生しみんなが巻き込まれるという展開になる。
 「釜というのは釜ケ崎のそれと、ごはんを炊くお釜、つまり釜ケ崎の伝説になっている労働者に提供するごはんを炊くお釜のことを指している。脚本の題材は落語の『釜泥』(お釜泥棒の話)を参考にし、タイトルにも使った。まちのお釜がなくなることと、近年まちが徐々に変化している状況が重なった」
 物がなくなると、それは貴重になり値段が上がる。土地のやくざの組が大事にしていたお釜がなくなって大慌てし、二代目(渋川)と情報屋(川瀬)は地元住民と一緒にお釜探しに明け暮れる。時代劇「丹下左膳」の「こけ猿の壺」騒動に似ているが山中貞雄の傑作映画のタッチも取り入れ、「釜ケ崎のフィクションに近いものにしたかった」。
 「社会変革」とは何かという問いもある。「この場所で、自分らは生きている」という訴えもある。「大阪だけでなく、今は全国的なテーマでもある」
 シネ・ヌーヴォは29日まで。その後神戸・元町映画館、京都・みなみ会館、神戸映画資料館で上映される。

昨日の資料が机の上に/年内最後のコー

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Japon: deux réacteurs nucléaires de plus fermeront définitivement en 2019
La compagnie japonaise d'électricité Kansai Electric Power a officialisé vendredi la fermeture en 2019 de deux de ses réacteurs nucléaires vieillissants, en raison d'un coût jugé trop élevé de leur mise en conformité avec les nouvelles normes de sécurité post-Fukushima.
Dotées d'une capacité de 1.175 mégawatts chacune, les tranches 1 et 2 de la centrale nucléaire de Oi, dans la région de Fukui (ouest), portent ainsi à 14 le nombre de réacteurs au Japon voués à fermer définitivement après la catastrophe nucléaire de Fukushima en mars 2011, causée par un très violent séisme suivi d'un énorme tsunami.
Depuis ce désastre, la pire catastrophe nucléaire mondiale depuis Tchernobyl en 1986, le Japon a considérablement rehaussé le niveau de ses exigences de sécurité nucléaire.
Kansai Electric Power avait un temps envisagé de solliciter une prolongation de 20 ans de la durée d'exploitation des unités 1 et 2 d'Oi, mises en service en 1979.
Mais la compagnie a estimé que les coûts seraient trop importants, alors qu'elle prévoit déjà d'investir quelque 830 milliards de yens (plus de 6 milliards d'euros) pour remettre aux normes les sept autres réacteurs qu'elle opère dans la région de Fukui, dont deux autres à Oi, de construction plus récente.
Actuellement, seulement 5 réacteurs sont en service au Japon, tous de type à eau pressurisée (PWR ou REP), sur un parc de 54 unités avant la catastrophe de Fukushima.
Le Premier ministre Shinzo Abe est toutefois favorable à une relance de l'énergie nucléaire au Japon, au nom de la réduction de sa forte dépendance énergétique, de son développement économique et du respect de ses engagements contre le réchauffement climatique.
Son gouvernement ambitionne une production d'électricité provenant à 20-22% du nucléaire à horizon 2030, contre 30% avant Fukushima. Toutefois, selon des experts, cet objectif nécessitera non seulement le redémarrage de réacteurs, mais aussi la construction de nouveaux.
Début octobre, Tokyo Electric Power (Tepco) a obtenu un feu vert technique de l'autorité japonaise de régulation nucléaire pour relancer deux de ses réacteurs au Japon, une première pour cet opérateur considéré comme responsable de l'accident de Fukushima.
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フランス語の勉強?
澤田愛子 @aiko33151709
籠池氏に決定的な証拠を握られてしまっているのでは?国民の声で何とか気の毒な夫妻を釈放させてあげることはできないのでしょうか。それにしても血も涙もない仕打ち。かつて自分たちの思想に共鳴したこの国家権力者の冷酷さを身に染みて痛感していることでしょう。
NYの会議通訳者が教える英語 @NYCenglessons
NYのレストランでパスタを頼んでもスプーンはついていません。イタリアでもスプーンは使わないらしいです。フォークだけで細長い麺を巻き取り、吸い込まないで口の中に入れて食べるのは慣れないとやりにくいのですが、「お箸がうまく使えないからスプーンを使う」のが格好悪いのと同じです。
ついでに書くと、カレーもリゾットもフォークで食べます。汁物とお粥以外にスプーンを使っているのは見たことがないです。
そういえばビビンパはスプーンで混ぜて食べますね。


職場に行くと机の上に昨日の資料が・・・出席しない奴は読んでおけ!ということなのでしょうか?気になっていたらDoさんが「一応机の上に置いておきましたよ.別にでなくてもよかったみたいですが・・・」とのことで,安心しました.
今日は年内最後のコーを無事に済ませホッとしたところです.4月の冊子の原稿草案も準備しましたし.

宮城・野蒜の長音寺 再建の上棟式
震災で被災し、本堂が流失していた東松島市野蒜地区の長音寺。震災から6年9ヶ月、ようやく再建が進み22日、上棟式が行われました。上棟式には寺の関係者や地域住民らおよそ70名が参加し工事の安全を祈願しました。震災の津波で周囲の住宅と共に長音寺は本堂が流失。住職をはじめ多くの檀家が犠牲になりました。半数以上の檀家が仮設暮らしを強いられたため、これまで寺の再建に着手できずにいた長音寺。今年に入り、野蒜地区の高台移転も進み、檀家の生活もいち段落したことから着工にこぎつけました。地域住民が待ち望んだコミュニティーの場がようやくもどってきます。安部俊郎護持会長「住まいは無くなってしまったんですけど、もう一度ここが活気付くシンボルができたのかなと思います」秋山公純住職「ふるさとの面影もなくなったところにお寺だけが残ってる状態ですが、みなさんの心の中にお寺があるから安心だと思っていただければいいんでないかと思います」本堂は来年3月までの完成を目指しています。

<伝える〜被災地から>葛藤乗り越え語り部に「なぜ友は亡くなり、自分だけ助かったのか」
 東日本大震災の発生から6年9カ月余りがたつ。記憶の風化を肌で感じながらも、備えの大切さや古里の思い出を伝えている人々がいる。震災の教訓を糧に、ひた向きに活動する姿を被災地で追った。(石巻総局・水野良将)
◎(上)踏み出す
<自分を責め続け>
 同級生だった親友が暮らしていた地で、語り部としての一歩を踏み出した。9月10日、宮城県東松島市大曲浜地区。東北文化学園大1年添田あみさん(18)が同大の学生ら約30人を案内した。
 「震災から6年半がたち、やっと気持ちの整理がつきました。懐中電灯や食料を用意しておけば、すぐに逃げられる。災害時は、できるだけ早く避難してください」
 2011年3月11日。大曲小6年だった添田さんは学校で、卒業制作をしていた。突き上げられるような揺れを感じ、校庭に避難。近隣住民が迎えに来た。「バイバイ」。そう言って親友と別れた。
 海から約2キロ離れた大曲小にひたひたと津波が押し寄せる。車、木、がれきが交じった濁流が、校庭で洗濯機のように渦を巻いていた。
 3月末の卒業式の日、会場に親友の姿はなかった。学校の近くで亡くなった、と告げられた。先生の話がそれ以上頭に入らず、泣くことしかできなかった。
 親友と過ごす時間は気持ちが落ち着いた。海で楽しく釣りをしたり、好きな漫画のキャラクターの話で和んだり。「一緒に声優になれたらいいね」。共に歩む未来を思い描いていた。
 思春期。合唱部での活動や文化祭など学校生活を送る傍らで、自分を責め続けた。「あの時、私が『家に帰っちゃ駄目だよ』と言っていれば、あの子は助かったかもしれない。なんで私が助かったんだろう」
<思い出は消えず>
 葛藤する自分と向き合ってくれる複数の教員がそっと背中を押してくれた。
 「親友が体験できなかったことを、あなたは体験できる。悲しみをちょっとずつ受け止めて、体験を何十年後かに親友に伝える。その時を目指して頑張ることは間違いじゃないよ」
 今年夏、地元のイベントの打ち合わせで、語り部グループ「TSUNAGU Teenager Tourguide(TTT)」の関係者と知り合った。TTTは東松島市内の高校、大学生の女性たちが自分の震災経験を語り継ぎ、防災に貢献している。
 「私も語り部になる」。親友がこの世に生まれた8月10日、添田さんはそう決意した。
 親友が生きた大曲浜地区ではかさ上げ工事が進む。目に見える景色が変わっても、2人で遊んだ思い出は色あせない。
 「行ってきます」と言って出た家に、「ただいま」と帰る。そんな日常のありがたさが身に染みる。
 あの時、あんな風に言えばよかったな、もっと話しておけば−。そう悔やむ人が一人でも減ってほしいと、切に願う。


気仙沼向洋高校完成は来年夏以降
震災の津波で大きな被害を受け再建工事が進められている「気仙沼向洋高校」の新校舎は、造成工事の遅れで完成が遅れ、来年度初めの予定だった新校舎への移転が来年の夏以降にずれ込むことになりました。
「気仙沼向洋高校」は、震災の津波で大きな被害を受け、旧校舎は震災遺構として整備が進められる一方、生徒はいまもプレハブの仮設校舎で授業を受けています。
旧校舎からおよそ1キロ離れた場所では新しい校舎の建設が進められ、県は当初、新校舎への移転時期を来年度初めの4月としていました。
しかし、県によりますと、建設予定地の地盤の強度が想定よりも低いことがわかり、追加の工事が必要になったため、新校舎での授業開始が来年8月下旬の夏休み明けまでずれ込む見込みになったということです。
県教育委員会は「予定していた完成時期が遅れることになり皆さんにおわびしたい。工事を急ぐとともに、教育長らと現地に赴き、関係者の方々に直接事情を説明していきたい」としています。


デスク日誌 花と歌と人
 独断と偏見で今年の「見出し大賞」を選ぶなら、これだと思うものがある(人間関係に支障が出るので、自社は除きますね)。
 毎日新聞7月27日1面の「19種類の花に祈り 相模原殺傷1年」がそれ。障害者施設で入所者19人が殺害された事件から1年。全盲、全ろうの大学教授が、色や形の異なる19種をまとめた花束を手向けた。「それぞれの人生があった」と。
 見出しを付けた整理記者は、読者がある歌を想起するだろうと信じていたはずだ。お分かりですね。そう、SMAPのあの曲です。
 障害がある人もそうでない人も、みんな違ってみんないい。不寛容の時代と言われる今だからこそ、歌詞に込められた願いを思い起こして。見出しはそう訴えている気がする。
 ちなみに朝日は「忘れない 19の人生」、読売は「19人偲(しの)び献花」。記者の思いまで伝わりますか。
 SMAP解散から1年。今年は誰もが口ずさめる曲がなかった。歌を通じ人々が同じ空気を共有できた時代は遠くなり、「花に祈り」のような見出しは生まれにくくなるのか。差別や偏見のない世の実現までも遠くなるとは思わないが。(整理部次長 村上朋弘)


糸魚川大火1年 「災害に強いまち」着実に
 例年より早く雪が積もった被災地で重機がうなりを上げる。再建のつち音である。
 糸魚川市の中心市街地が約4万平方メートルにわたって焼けた大火から、22日で1年になった。
 あの日、火は南からの強風にあおられて広がり、147棟が焼損した。寒さが厳しさを増し県内では火災が相次いでいる。改めて備えを徹底したい。
 糸魚川の被災地では8月に策定された「駅北復興まちづくり計画」に沿って、「災害に強いまちづくり」を目指した再建が進んでいる。
 市街地で延焼を防ぐため、道路拡幅や防災公園の整備、建物の不燃化を進める。大型の防火水槽を設置し、海水も消火に利用できるシステムを整える。
 狭い土地に住宅や事業所が密集し、消火に手間取った経験を踏まえ、二度と大火を繰り返さないようまちを再編する。
 住宅には連動型の火災警報器を設置し、隣接する家や店舗にも火災を知らせる。高齢者ら避難に時間がかかる弱者にいち早く発生を知らせて命を守り、早期消火にもつなげるためだ。
 再発防止を最優先に、いざという時にシステムが機能するよう目配りを望む。
 被災者の住宅再建はこれから本格化する。再建を断念した住民らに向けて整備する復興市営住宅には、訪問診療所が開設される方向になった。
 自宅で医療を受けられる環境が整えば安心して地域で暮らしていける。今後も、被災者や住民の不安に配慮した対応を進めてほしい。
 計画が掲げた「にぎわいのあるまち」の実現も重要だ。火事が起きても迅速に気づき、消し止めることができれば被害は抑えられる。それには人の力が必要だ。人が集うこと自体が防災の力になる。
 被災した中心市街地は大火前、高齢化率や人口減少率が市の平均より高く、65歳以上の高齢者が約50%に達していた。大火がなくても、市街地の立て直しは重要な課題だった。
 市は焼失した地域の敷地を再編し、一角に「にぎわい創出広場」を設ける。11月のプレオープンで開かれた「いといがわ復興マルシェ」では被災した飲食店なども店を出し、来場者の行列ができた。
 まちに家並みが戻り、被災者以外にも多くの人が集まり、顔を合わせる場があれば、新たな活力が生まれるはずだ。息の長い取り組みが欠かせない。
 金沢、長野という観光地と、北陸新幹線で結ばれているという地の利もある。観光をにぎわい創出に生かすために、ジオパーク、奴奈川姫といった歴史的な資源や独自の食文化にも磨きをかけたい。
 この1年、被災地では住民と行政、商工関係者が集まり、幾度も再建への話し合いを重ねてきた。市民が知恵を出し合い、力を合わせてきたことも、今後に向けて大きな財産になろう。
 まちは人が集うことで守られる。それを具体化し、地方都市のモデルに高めてもらいたい。


神戸震災モニュメントに落書き
阪神・淡路大震災の犠牲者の名前などが刻まれている神戸市のモニュメントに落書きが見つかり、警察は、器物損壊の疑いで捜査しています。
警察や神戸市などによりますと、神戸市中央区の公園、「東遊園地」にある「慰霊と復興のモニュメント」に「落書きがされていた」と22日、神戸市から警察に通報がありました。
モニュメントの地下にある壁には、平成7年の阪神・淡路大震災の犠牲者やその後、亡くなった被災者などの名前が刻まれた銘板が貼り付けられていますが、銘板が貼られていないスペースに「あほ」、「ばか」などという文字が書かれていたということです。
落書きは、それぞれ縦50センチほどの大きさで、金属のようなもので壁をひっかいて書かれたとみられるということです。
神戸市は、22日午後3時半に報道関係者から連絡を受けて落書きを見つけたということで、警察は、器物損壊の疑いで目撃者がいないかなど捜査しています。
モニュメントには、来月で震災の発生から23年になるのを前に、今月17日に新たに10人の名前が刻まれたばかりでした。
モニュメントを管理しているNPO法人の設立者で、俳優の堀内正美さんは「大変悲しい気持ちだ。
われわれの活動が弱く、十分に伝わっていないのかもしれないが、この場所がどんなところか、なぜ名前が刻まれているのか、分かってもらいたい」と話していました。


震災「慰霊と復興のモニュメント」に落書き 神戸
 阪神・淡路大震災の犠牲者を追悼する「慰霊と復興のモニュメント」(神戸市中央区、東遊園地)に落書きがされていたことが22日、神戸市などへの取材で分かった。生田署が器物損壊容疑で捜査している。
 落書きは犠牲者の名前を刻んだ銘板近くの壁板に鋭利な物で引っかいたような傷で「あほ」「ばか」とあった。同日午後、通報を受けた市職員が確認。市によると午前9時から午後5時まで出入りは自由で、防犯カメラは設置していない。
 モニュメント運営委員会の堀内正美委員長(67)は「悲しい。子どものいたずらかもしれないが、われわれ大人が震災について伝え切れていない責任を痛感する」。長男夫婦を亡くした足立朝子さん(81)=豊岡市=は「息子に会える場所で、家族を亡くした仲間が励まし合える場所。遺族の思いを考えてほしい」と声を落とした。
 モニュメントでは2004年にガラスが割られ、近くにある「1・17希望の灯り」では03年と04年にガラスケースが壊された。市市民協働推進課の山根賢治担当課長は「亡くなった方々の気持ちを考えると非常に許されない」とする一方、防犯カメラ設置については考えていないという。(井沢泰斗、小林伸哉)


公文書の管理見直し/将来の検証に応える制度に
 公文書をどう保存し、国民の「知る権利」に応えるか。政府に課された責務が一向に果たされていない。
 「森友・加計(かけ)学園問題」であらわになった官庁の公文書管理のずさんさは国益を損ねかねない段階にまで来ている。対策を急がねばならない。
 政府の諮問機関、公文書管理委員会は20日、文書作成・保存のルールとなる新ガイドライン(指針)の最終案を了承した。「1年未満で廃棄できる文書」の限定などが柱で、政府は年内に決定する。
 一方、立憲民主、希望、共産、自由、社民、「無所属の会」の野党6党派は「法改正で対応すべきだ」として、保存文書の定義の見直しなども含め公文書管理法の改正案を先の特別国会に共同提出した。
 年明けの通常国会で真摯(しんし)な議論を尽くしてほしい。
 森友学園への国有地売却を巡る問題では、会計検査院が調査した際、必要な文書が残されていないため価格の妥当性の検証ができなかった。
 財務省が学園との交渉記録などを「1年未満」に分類していたためだ。このことが「不透明な土地取引」だとして国民に疑念を持たれる発端になった。
 肝心なのは、保存文書の範囲や期間が恣意(しい)的に決められないようにすることだろう。
 新指針案は、行政の意思決定過程を検証するのに必要な重要文書の保存期間を「原則1年以上」と定めている。
 「1年未満」の保存も認めるが、対象は「定型的な業務連絡」「正本・原本の写し」など7項目に限定した。場当たり的な廃棄を防ぐ上で一定の歯止めにはなろう。
 ただ、線引きの判断は各省庁に任される。職員が指針を都合よく運用し、情報が遠ざけられる懸念は残る。外部のチェック機能が不可欠だ。
 これに対し、野党案は保存対象を「国の職員が職務上作成した文書」と現行法より幅広く捉えた。「個人メモ」なども含まれることになる。その上で、期間を「1年以上」に義務化。新指針案より厳格な枠組みを整えた。
 野党側は「(新指針案は)言い逃れの根拠をつくるだけ」と指摘している。
 例えば、省庁間のやりとりや外部との打ち合わせを文書に残す場合、新指針案では「正確性を期すため」として相手方に発言内容を確認することを盛り込んでいる。
 正確性の基準をどこに置くのか不明だ。認識のずれが事前に調整され都合の悪い記録が残されなくなれば、かえって真実が遠のく恐れがある。
 加計学園問題で発言があったかどうか省庁間で食い違った「総理のご意向」文書が、これに当たるのではないか。抜け道を許してはなるまい。
 管理法は「公文書は民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源」と規定する。将来の国民の検証に応える責任を負っていることを重く捉える必要があろう。


部長交代で復活 リニア談合は特捜部が断念した案件だった
 リニア中央新幹線の建設工事をめぐるスーパーゼネコン4社の談合事件は、東京地検特捜部が強制捜査に踏み込む急展開を遂げた。突破口となった大林組は公正取引委員会に違反を自主申告し、早々にバンザイ。トントン拍子に進む捜査の先にバッジは見えているのか。
■連日流される捜査情報
 大林組に対する偽計業務妨害容疑を突破口に始まった捜査は、鹿島建設、清水建設、大成建設へと拡大。総工費9兆円の巨大プロジェクトをめぐる独占禁止法違反容疑で4社が総ガサ入れを食らう大型事件に発展した。
 驚くことに、4社はリニアのルートが正式決定した2011年5月以前から受注調整を始めていたという。
 何らかの形で事業計画を知り得ない限り、あり得ない動きだ。なぜ、ルートの正式決定前にゼネコン4社は詳細を知っていたのか。現場の力だけではあり得ない。ここに、大物政治家が関与した疑いが持たれている。
 特捜部と公正取引委員会が入手したという裏付け文書の内容も生々しい。大林組の社内会議で使用された資料で、将来発注予定の工区別に4社のイニシャルが割り振られており、実際の受注状況とほぼ一致しているという。
「新たな捜査情報が連日メディアで流されることで、特捜部の勢いを感じますが、引っかかりがないわけでもない。捜査の進展がはかばかしくない時ほど情報が盛んにリークされ、世論の懲罰感情に訴えることはままある。それに、リニア疑惑は特捜部が一度は断念した案件なのです」(司法関係者)
 今回の捜査の端緒をつくったのは公正取引委員会だった。
 今春までに受注調整を疑わせる4社のイニシャルが記された大林組の内部文書を入手したものの、特捜部は立件が難しいと判断し、公取委による強制調査は見送られたという。
 しかし、今年9月の人事異動で東京地検の体制が一新され、検察内で「エース中のエース」と目される森本宏特捜部長が就任。「これはやれる」「やるべきだ」とGOサインが出たという。もちろん、特捜部が動く時、最終ターゲットはバッジだ。
 元検事の落合洋司弁護士はこう言う。
「これまでの経過を見る限り、捜査はいい流れで進んでいる印象です。大林組の家宅捜索から10日ほどで4社の強制捜査を終え、相当量の資料を押収している。その過程で大林組は他社に先駆け、独禁法の課徴金減免制度(リーニエンシー)に基づいて、公取委に違反を申告した。これは独禁法における司法取引のような位置付けで、特捜部が大林組から捜査に進展をもたらす情報を得られる可能性は広がりました。国税庁も動いているので、特捜部はリニアをめぐるカネの流れも掴んでいると思います。押収した証拠物の分析と合わせ、政治が関わる贈収賄事件に発展させられるか。ゼネコン談合事件だけで終わらせようとは考えていないでしょう」
 国民が期待する「巨悪を眠らせない」特捜部の復権なるか。


リニア談合事件 入札の実態解明を急げ
 JR東海のリニア中央新幹線の工事を巡り、大林組、鹿島、清水建設、大成建設の大手ゼネコン4社が受注調整をしていた疑いが強まっている。東京地検特捜部が強制捜査に乗り出し、4社幹部らの聴取を行っている。総工費約9兆円に上る大事業の入札実態について解明を急いでほしい。
 大林組は「名城非常口」(名古屋市)新設工事の入札で不正があったとして今月8、9日に特捜部の家宅捜索を受けた。その後、課徴金減免制度に基づき、公正取引委員会に「大手4社はリニア関連工事で事前に受注調整していた」と自主申告し、4社による談合を認めた。
 JR東海は2015年以降、トンネルや駅、非常口の新設といった計22件のリニア関連工事の契約を締結。うち15件を、大手4社が代表の共同企業体(JV)が3、4件ずつ受注。4社は受注予定企業をまとめた一覧表を作成していた。特捜部は、受注会社が決まっていない5件についても事前協議をしていた可能性があるとみている。一方で、大林組を除く3社は談合の事実を認めていない。
 リニア計画は旧国鉄時代からの国家的なプロジェクト。国も融資しており、公共性は極めて高い。常態的に不正を繰り返してきたとすれば極めて悪質である。談合により落札額がつり上げられた可能性もあるといい、到底許されるものではない。
 大手4社は、特捜部や公取委から独占禁止法違反などでたびたび摘発されてきた。談合事件に対する社会の批判を受け、4社は05年に「談合決別宣言」をした。しかし、その後も旧防衛施設庁の発注工事、名古屋市発注の地下鉄工事、東日本大震災で被災した高速道路の復旧工事など、本社やそのグループ会社が関与した談合事件が次々に発覚している。今回の談合事件が事実なら「談合決別宣言」は外向けのポーズで、国民をあざむいてきたことになる。
 なぜこれほどまでにゼネコンの不正が続くのか。不正が発覚しても他業種に比べて大きなダメージを受けないことが理由の一つに挙げられる。三菱自動車が燃費不正の発覚後、会社存続の危機に瀕するほどのダメージを負ったのとは対照的だ。現在の入札制度では、本社が指名停止処分となっても、そのグループ会社は影響を受けず、逆にグループ会社が指名停止となっても本社は公共事業の入札に参加できる仕組みだ。不正をさせないためには、こうした仕組み自体を見直すことも必要になるのではないか。
 JR東海は27年に品川―名古屋間の先行開業を目指している。同社幹部は今回の事件による工期への影響はないとしているが、事業を適正に行うことが工期以上に重要なはずだ。談合が疑われる入札はいったん白紙にすべきではないか。そうしなければ不正を容認することになり、国民の理解は得られない。


公明幹部が明言 「9条改憲なら連立離脱」どこまで本気か
 どこまで公明党は本気なのか――。自民党の「憲法改正推進本部」は、20日、憲法9条の改定を盛り込んだ論点整理案を了承した。自民党は、来年の通常国会の会期末(6月)までに改憲案を発議するつもりだ。
 ところが、フジテレビによると、連立を組む公明党の幹部は「9条を持ち出すなら連立を離脱する」と明言しているという。斉藤鉄夫幹事長代行も、改憲についてラジオ番組で「そこまで盛り上がっていない」とクギを刺している。
 もし、公明党が連立から離脱したら、安倍政権は参院で3分の2を失い、改憲は不可能になる。それどころか、安倍首相の“総裁3選”も吹っ飛ぶのは確実だ。これまで“下駄の雪”となり、自民党の言いなりになってきた公明党は、本当に連立から離脱するのか。
「公明党は憲法9条の改定だけは、本気で止めるつもりです。やはり、10月の衆院選で大敗したことが大きかった。5議席も減らしただけではなく、初めて比例票が700万票を割ってしまった。敗因は、公明党の党是は平和なのに“安保法”や“共謀罪”に賛成したことでしょう。支持母体である創価学会の会員が離反してしまった。創価学会の婦人部は、反戦や平和に対する思いが強いですからね。もし、公明党が9条の改定に賛成したら、支持離れが決定的になってしまう。ただ、9条改定に反対しても、連立離脱はせず、与党内野党に徹するはずです。いずれにしろ、公明党の賛成を得られず、安倍首相が9条改定を強行するのは難しいでしょう」(政治ジャーナリスト・鈴木哲夫氏)
 公約した9条改憲の発議を実施できなければ、保守派を中心に批判が強まり、安倍首相の求心力が急降下するのは確実。
■“安倍降ろし”加速の可能性も
 ただでさえ、安倍首相に対する“飽き”が国民と自民党に広がっているだけに、来年秋の総裁選は出馬断念に追い込まれてもおかしくない。実際、改憲を断念したら、もう安倍首相にはやることがない。
「安倍首相に“飽き”がきているのは、公明党も同じです。総裁に3選されたら、あと3年も続くことになる。もちろん、表立って“安倍降ろし”はやれないし、やらないでしょうが、自分たちと考え方が近い首相を誕生させたいのがホンネです。自民党議員の大半は公明票がないと当選できないだけに、公明党が動いたら一気に“安倍降ろし”が強まる可能性があります」(政界関係者)
 公明党は本当に“下駄の雪”をやめられるのか。


湯川秀樹 戦中の原爆研究に言及 京大が日記公開
 日本人初のノーベル賞を受賞した物理学者、湯川秀樹(1907〜81年)が、終戦期の45年に書いた日記を21日、京都大基礎物理学研究所・湯川記念館史料室が公開した。湯川が生涯を通じて公的な発言を控えていた原爆研究「F研究」に言及。広島原爆投下や時局に関する記述もあり、専門家は「第一級の歴史的史料」としている。
 湯川は49年に中間子論でノーベル物理学賞を受賞した。戦時中、旧海軍が京都帝国大(現京都大)で進めたF研究を理論的に支えたことが他の史料などで知られるが、本人の記述はほとんど見つかっていなかった。
 湯川の没後、遺族が38〜48年の「研究室日誌」「研究室日記」計15冊を史料室へ寄贈。史料室は分析を順次進め、45年1〜12月に書かれたB5判のノート3冊の内容を今回発表した。
 F研究は44年ごろに始まったとされるが、45年前半に会議を重ねていた様子がうかがえる。
 最初に「F研究」の文字が見えるのは45年2月3日で、研究の責任者だった原子核物理学者・荒勝文策教授らと相談したと記述。6月23日には、荒勝教授ら研究者11人と学内で第1回打ち合わせをしている。7月21日には「(大津市の)琵琶湖ホテルに行く」とある。F研究は明記されていないが、京都帝国大と旧海軍の合同会議が同ホテルであった日で、湯川の参加が裏付けられた。
 広島原爆投下の翌日の8月7日、新聞社から「原子爆弾」の解説を求められたが断ったと記述。一方、同9日には新聞を引いて「威力は熱線が全体で数粁(キロ)に及ぶといわれている。落下傘で吊(つる)し、地上数百米(メートル)にて爆発」と書いた。
 湯川は戦争の行方に強い関心を寄せている。45年6月に大阪に空襲があった際に「(京都で)日も赤く濁る」と記し、硫黄島や沖縄戦の甚大な被害にも触れている。研究資料を避難させるため荷造りを進めるなど身辺が緊迫していた様子も読み取れる。
 山崎正勝・東京工業大名誉教授(科学史)は「湯川が発言を控えた『空白期』だけに、研究の一端がうかがえる第一級の史料。戦時の軍事研究について史料保全、公開を進める機会にもすべきだ」としている。【野口由紀】
 【ことば】戦時の原爆研究
 太平洋戦争中、旧日本軍は極秘に原爆開発の研究を物理学者らに託した。海軍が京都帝国大の荒勝文策教授に依頼したのが通称「F研究」で、「fission(核分裂)」の頭文字を取って命名された。同じ時期、陸軍は理化学研究所の仁科芳雄博士に通称「ニ号研究」を委託した。ただ、いずれも内実は原爆製造にはほど遠かったとされる。


もんじゅの廃炉 30年で終わるだろうか
 発電しながら燃料を増やす夢の原子炉「もんじゅ」。トラブル続きで廃炉が決まって丸一年。三十年の歳月と約四千億円の予算を費やす事業という。世界に例のない仕事。本当にそれでできるのか。
 大まかなスケジュールと言うべきか。今月六日、原研、日本原子力研究開発機構が原子力規制委員会に申請した廃炉計画は、具体性にも実現性にも欠けている。
 原子炉内から核燃料を取り出し、冷却材の液体ナトリウムを抜き取って、建物を解体する。二〇四七年度までの三十年間、四段階に分けて実施する。政府の試算では、通常の原発の十倍以上、四千億円近い費用がかかるという。
 中でも特に難関なのが、ナトリウムの抜き取りだ。
 核燃料のプルトニウムに高速の中性子を当てて、激しい核分裂を促して、増殖させる。だから高速増殖炉。普通の原発とは違い、冷却材に、中性子を減速させる水ではなく、ナトリウムを使う。
 ナトリウムは、空気に触れると発火し、水に触れると爆発的な反応を起こす。その上、核燃料に直接触れる一次冷却系のナトリウム約七百六十トンのうち、原子炉容器内にある数百トンは現状では抜き取りができない構造になっているという。廃炉を想定していなかったというのである。言葉もない。
 前例のない作業、人が近づけない環境、構造上の非常識…。日程的にも費用的にも、原研の見積もりは甘すぎる。
 もんじゅの完成は一九九〇年。一兆円以上の国費を注ぎ込みながら、トラブルが相次いで、運転できたのは二百数十日だった。つくづく悲劇の原子炉だ。
 もんじゅで増殖させる燃料を作るはずだった青森県六ケ所村の使用済み核燃料再処理工場は、一八年度上期の完成をさらに三年延期することになりそうだ。
 こちらも九七年完成だったのが、二十三回もの延期。再処理にかかる事業費も増え続け、十三兆九千億円に上る見込みという。
 それでも政府は、燃料の増殖こそ断念したものの、使用済み核燃料から取り出したプルトニウムを高速炉で燃やすという核燃料サイクル計画をあきらめない。国富をとめどなく注ぎ込んでまで、かくもこだわる理由は何か。
 もんじゅの現状を直視して、サイクルは白紙に戻し、その廃炉に全力を傾注すべきである。夢は夢。もんじゅにもうこれ以上、悲運を背負わせるべきではない。


もんじゅ廃炉  徹底して安全、公開を
 高速増殖原型炉もんじゅ(福井県)の廃炉を、政府が決定して1年。ようやく日本原子力研究開発機構から計画認可の申請が出され、廃炉に向けて一歩踏みだす。
 国内で初、世界でもあまり例のない高速炉の廃炉であり、未解決の難問が待ち構えている。申請を受けた原子力規制委員会の更田(ふけた)豊志委員長は「淡々とやれば終わる作業ではない」と機構にくぎを刺す。
 事故やトラブルが相次ぎ、それを隠す機構に対し、規制委は運営主体として不適格とした経緯もある。機構は安全と公開に努め、規制委は認可後も廃炉作業を監視していく必要がある。
 消費した以上にプルトニウムを生みだし、「夢の原子炉」と呼ばれたが、冷却材に使うナトリウムが空気や水に触れると激しく反応するリスクを抱えている。
 廃炉に向けて大きな壁になる。ナトリウムを抜き取る方法が、あらかじめ決まっていないというのだ。信じられないことだ。機構は解決策を探らないといけない。
 廃炉は2018年から30年かけて4段階に分けて実施するが、先は見通せていない。
 まず22年度までの第1段階で530体の核燃料を取り出し、付着したナトリウムを洗って燃料池に移す。もんじゅで使うナトリウム1670トンのうち、放射性物質を含むのは760トン。第2段階でナトリウムを流すポンプや配管の解体を準備するが、撤去に入る第3段階の開始時期は分からない。作業の難しさがうかがえよう。
 もんじゅには1兆円超の国費が投入されたが、運転したのは約250日だけ。さらに廃炉経費に約3750億円もかかる見込みだ。
 それでも、政府はもんじゅ廃炉後も高速炉開発を続ける方針を掲げる。原型炉の次のステップである「実証炉」をめざすというのだ。理解に苦しむ。
 原発の使用済み核燃料を再処理してプルトニウムを取り出し、再び燃料として使う「核燃サイクル」に政府は固執するが、現実は破綻している。もんじゅとともに核燃サイクルの両輪である六カ所再処理工場(青森県)も、稼働のめどが立っていない。
 開発は見通せず、経済合理性に欠ける核燃サイクルから、多くの先進国が撤退している。政府のこだわりに正当な理由が見いだせない。安倍晋三首相は岩盤規制の打破を口にするが、核燃サイクルこそ「岩盤政策」ではないか。
 もんじゅの廃炉が、大きく転換すべき時を示している。


大飯1、2号機廃炉 関電は説明責任を果たせ
 関西電力は大飯原発1、2号機が運転40年を迎えるに際して廃炉を決定。福井県と地元おおい町に説明する。単に費用対効果で判断したとするなら、原発の安全確保を前提に「共生」に努めてきた立地自治体に失礼な話だ。十分説明を尽くす必要がある。
 発電コストが安い大型炉の延命が阻まれたのは、東京電力福島第1原発事故後の再稼働環境が厳しさを増している状況を物語る。政府のエネルギー基本計画の見直しにも影響しそうだ。
 原子力規制委員会は厳しい新規制基準を定め、原発をふるいに掛けている。審査に合格すれば、原則40年運転を超えて最長60年まで20年間の延命が可能だ。
 過酷事故後、福島第1を除き、国内では関電美浜1、2号機、日本原電敦賀1号機の県内3基を含め計6基の廃炉が認可された。いずれも出力30万〜50万キロワット台の小型炉である。
 1979年3月、12月に営業運転を始めた大飯1、2号機は出力117万5千キロワット。100万キロワットを超す大型炉の廃炉は福島を除き全国初となる。電力各社が大型炉の再稼働を目指してきたように、関電も表向き10月の段階でも「申請の準備を進めている」としていた。しかし、巨額の安全対策費に窮し採算が合わないと判断したようだ。
 関電保有の原発は11基。うち再稼働決定済み7基の安全対策費に最低でも約8300億円が必要になる見込みだ。大飯1、2号機は各2千億円以上に膨らむ可能性もあり、このままでは関電が再稼働に投じる総額は1兆円超。膨大なコストが経営の足かせになる。
 関電の経営環境は厳しい。電力市場の全面自由化で顧客が流出。家庭用、法人用とも落ち込み、販売電力料はピーク時の2010年から7年連続の減少だ。火力発電の燃料価格上昇も経営を圧迫する。原発依存度が高い関電にとって、運転停止を求める訴訟や仮処分申請も相次ぎ「司法リスク」も高まる一方である。
 原発で問われるのは安全性だ。1、2号機は10、11年の定期検査以降、停止中だが、安全だったのか。
 2基は3、4号機と同じ加圧水型とはいえ、事故時の安全装置が異なる。1次系配管が破断した場合、高圧蒸気による原子炉格納容器の破損を防ぐため、水ではなく1250トンの氷で急速冷却する「アイスコンデンサ方式」を採用。国内で唯一の特殊構造だ。
 格納容器の容積は3、4号機に比べ約半分。設計耐圧も4気圧に対して0・94気圧と非常に低く、壁の厚さも薄い。このため壁面の補強や循環冷却装置、内部の蒸気を放出するフィルター付きベントの設置も要求され、多額の費用と工期が必要になる。
 新規制基準と安全対策が「世界一厳しい」とされるのは、二度と過酷事故を起こさないためであろう。であるなら、他の原発以上の事故リスクを抱えながら30年超の運転を続けてきたこと自体が問題ではないか。関電は廃炉理由の詳細を県民にも明確に示すべきだ。


滋賀の再審決定 自白偏重 危うさ検証を
 自白に偏った捜査や立証への度重なる警告と言えよう。
 滋賀県の病院で入院患者を殺害したとして懲役12年の刑が確定し服役した元看護助手の女性について大阪高裁が地裁の判断を翻して再審開始を認める決定をした。
 争点は、患者の死因と自白の信用性だった。
 高裁は自白に関して「捜査員の誘導に迎合した虚偽の内容だった疑いがある」と結論付けている。
 昨年に再審開始決定が出た松橋(まつばせ)事件などと同様、またしても自白偏重の危うさが露呈した。
 警察・検察当局は結果を真摯(しんし)に受け止め、問題点の検証や再発防止に努めねばならない。
 女性は病院での待遇に不満を持ち、2003年、宿直勤務中に男性患者=当時(72)=の人工呼吸器を外し、死亡させたとして殺人罪に問われた。
 有力な目撃証言や物証がない中で、有罪の決め手となったのは任意捜査での「呼吸器を外した」という自白だった。
 数々の冤罪(えんざい)事件に共通する構図であり、高裁の決定からは慎重な態度がうかがえる。
 一連の供述について「めまぐるしく変遷し、体験に基づいていない疑いもある」と指摘した。当事者しか知り得ない秘密の暴露もないとして信用性を認めなかった。
 死因を丁寧に探る問題意識も、今回の判断を導いた大きな要因だ。高裁は、弁護団が提出した医学的な証拠に基づき、高齢患者に少なくない致死性の不整脈による自然死の可能性に言及した。
 死因は事件か否かの判断を分かつ客観的な要素である。検討を積み重ねた姿勢は評価できる。
 一方、女性の再審請求は2度目だ。有罪認定した審理はもとより、再審の是非を検討した過程も含め、これまでの裁判で、なぜ立証の不十分さを見抜けなかったのか。この点の検証も求められる。
 気がかりなのは、女性が自白した経緯や理由だ。
 大阪高裁は、女性には迎合的な性格が見られると認定している。こうした人は取り調べの際に誘導されやすい傾向を示す。
 警察が思い込みの捜査で、都合のいい供述を引き出そうとしたとすれば極めて深刻である。
 取り調べの録音・録画(可視化)を、逮捕以降だけでなく任意捜査にまで広げる必要があろう。
 そうすれば今回のようなケースでも、どのような状況での供述か公判で検証できる。政府や国会は早急に法改正に取り組むべきだ。


滋賀・患者死亡 自白偏重戒める再審決定
 滋賀県の病院で2003年、人工呼吸器を外して入院患者を殺したとして、殺人罪で服役した元看護助手西山美香さんの第2次再審請求の即時抗告審で、大阪高裁が再審開始を認める決定をした。
 有罪判決を支えた医師の鑑定書や西山さんの自白の信用性は、以前から揺らいでいたが、警察と検察は十分に見直さなかった。
 これまで何度も指摘されてきた自白偏重捜査の危険性が、また厳しく問われたと言えよう。なぜ改められないのか。捜査機関はしっかりと検証しなければならない。
 抗告審で大きな争点となったのは、当時72歳だった男性患者の死因である。
 確定判決は、酸素供給の途絶による急性心停止と認定していた。
 これに対して高裁は、遺体を解剖した医師の鑑定書が、人工呼吸器が外れていたとする警察の説明を前提にしていたと指摘。確定判決は呼吸器が外れていなかったとしているので、鑑定書だけでは判定できないと断じた。
 さらに、弁護団が新証拠として提出した臨床医らの意見書から、解剖時の血液検査の数値に着目し「致死性の不整脈による自然死の可能性がある」とした。
 その上で高裁は、西山さんの自白が多くの点で目まぐるしく変遷しているとし、「体験に基づく供述ではないとの疑いが生じる」と判断した。
 そもそも捜査は、患者の異常を発見した看護師が「呼吸器が外れていた」と説明したことで始まった。看護師は後に証言を変えている。その時点で事件性の有無に疑いを持たなかったのか。
 高裁が自然死に言及し、「事件」ですらない可能性があるとしたことを、捜査機関は重く受け止めるべきだ。
 自白について高裁は、西山さんが好意を抱き、信頼していた警察官らの誘導に迎合した可能性にも触れた。
 西山さんは服役を終えた後、「人に迎合しやすい傾向があり、軽度の知的障害と発達障害がある」と精神科医から診断されている。
 大阪高検の幹部は、高裁の決定を受け「自白があれば殺人事件と考えるのが合理的」と説明したが、今回のようなケースは他にもあるのではないか。思い込みを排し、供述者の性格や傾向を見極めた上で判断しなければ、誤りは根絶できまい。
 自白の偏重が生み出した冤罪(えんざい)は、1966年の袴田事件など、枚挙にいとまがない。
 再審無罪となった90年の足利事件や97年の東京電力女性社員殺害事件などでは、血痕やDNA型といった客観的な証拠が軽視された。
 高裁が客観証拠である血液検査の数値を重視し、「疑わしきは被告人の利益に」という刑事裁判の鉄則に沿った決定を下したのは、そうした手法への警鐘とも受け取れる。
 捜査機関だけではなく、裁判所も改めて自戒してもらいたい。


飯塚事件、目撃証言警察が誘導? 弁護団「聴取前の下見報告書存在」
 福岡県飯塚市で1992年に女児2人が殺害された「飯塚事件」の再審請求即時抗告審で、久間三千年(みちとし)元死刑囚=執行時(70)=の有罪認定を支える柱の一つだった目撃証言の信用性が焦点となっている。女児のランドセルなどが遺棄された現場近くで「紺色で後輪がダブルタイヤ」の不審車両を見たとする男性の供述調書を作成した県警の当時の巡査部長が聴取の2日前に元死刑囚の車を「下見」したとされており、西日本新聞は元巡査部長らを取材。これを踏まえ弁護側は「下見の捜査報告書が存在し、証言の誘導を裏付ける記述がある可能性が高い」とし、開示勧告を求めるため福岡高裁に面談を申し入れる方針を固めた。
 再審請求審の地裁決定は、県警の元警部補作成の捜査資料(92年10月15日付)に下見とみられる記載があることを踏まえ、元巡査部長が調書作成の2日前の同年3月7日時点で「(元死刑囚の)車の車種や特徴を把握していた可能性は相当高い」と認定している。
 西日本新聞の取材に対し元巡査部長は「下見した覚えはない」と説明。一方で「当時は徹底した組織捜査。すべて班長の指示で動き、報告書は成果がなくても毎日書いていた」と話した。元警部補も「下見の報告書は記憶にない」としたが、自身がまとめた捜査資料は「各捜査員の報告書や供述調書を基に作った。多くはざら紙に書かれた報告書で、疑問点を個別に尋ねることもあった」と答えた。
 弁護団の徳田靖之共同代表は「2人の話を総合すると下見をした捜査報告書が存在することは明らか。捜査本部の指示内容が記載されている可能性がある」と指摘。「見込み捜査の下、元死刑囚の車を事前に確認し、その特徴に合う目撃供述を引き出すため捜査本部が下見を命じたのではないか」と推測する。
 弁護団によると、即時抗告審で検察側は「下見の報告書は存在しない」と説明。裁判所も開示勧告の要請に応じず、審理は5月の3者協議で終結した。
 福岡高検の秋山実次席検事は取材に「再審請求事件について個別の内容には答えられない」としている。
    ◇      ◇
■証言が日を追い詳細に
 被害女児2人のランドセルなどが遺棄された福岡県朝倉市・八丁峠の現場近くで事件発生の1992年2月20日、運転中に不審車両を見掛けたという男性の目撃証言の信用性については、当初の公判段階から争われてきた。再審請求後に検察側が証拠開示した捜査資料からは、車の特徴に関する証言が日を追って詳しくなっていった不自然な経緯も浮かび上がっている。
 県警の当時の巡査部長が作成した捜査報告書や供述調書によると、目撃者の男性は事件から10日余り過ぎた3月2日、元巡査部長に対し、車の運転中に「紺色ワゴン車を見た」と説明。4日には「後輪がダブルタイヤで、ガラスに何か貼っていた」と話した。
 9日には(1)普通の標準タイプのワゴン車(2)トヨタや日産ではない(3)やや古い型(4)車体にラインは入っていなかった(5)タイヤのホイールキャップに黒いラインがあった−などとする供述調書が作成され、車のそばにいた不審人物についても頭髪や服装の細かい特徴が記された。
 当時、久間三千年元死刑囚が使用していた車は後輪がダブルタイヤのマツダ「ボンゴ」。購入時にあった特徴的なラインを自ら剥がしていた。確定判決は不審車両の特徴が元死刑囚の車と一致するとして、有罪認定の根拠の一つとした。
 しかし、目撃現場は山中の急カーブ。目撃者は、下りカーブを時速25〜30キロで運転しながら、対向車線側の道路脇に駐車した車両や人物を10秒余りの間に詳しく確認したことになる。弁護団は「下見で確認した元死刑囚の車の特徴に合わせた内容に供述が誘導されていった結果、詳細すぎる内容になった」と指摘する。
 「下見」の裏付けとなったのが、元巡査部長らの捜査報告を基に作られた92年10月15日付の捜査資料。検察側は当初、一部を黒塗りにしていた。裁判所の全面開示勧告で、元死刑囚の車に関する「捜査結果」の一覧表が明らかに。目撃者の供述調書作成前の3月7日の欄には「捜査員現認」として「ラインはなかった」との記載があった。
 弁護団は「ラインの有無は県警が元死刑囚の車と目撃車両を一致させる大きな要素。検察側は最後まで捜査の経過を隠そうとしていた」と批判、下見の捜査報告書の開示を求めている。
 元巡査部長は取材に対し「死刑判決が出るような事件。誘導も何もない」と強く否定した。
【ワードBOX】飯塚事件
 1992年2月20日、福岡県飯塚市で小学1年の女児2人=ともに当時(7)=が行方不明になり、翌21日に同県甘木市(現朝倉市)の山中で遺体が見つかった。94年に殺人などの容疑で逮捕された久間三千年元死刑囚は一貫して無罪を主張。福岡地裁は死刑を言い渡し、高裁も支持。2006年10月に最高裁で確定し、08年10月に刑が執行された。捜査への導入後間もないDNA型鑑定が有罪認定の根拠の一つとなったが、同じ手法が使われた「足利事件」の再審では証拠能力が否定され、無罪判決が出ている。元死刑囚の妻が09年10月に再審請求。福岡地裁は14年、DNA型鑑定は「直ちに有罪認定の根拠とすることはできない」と事実上“排除”しながらも「他の状況証拠で高度な立証がなされている」として請求を棄却。弁護側が福岡高裁に即時抗告した。


普天間ヘリ再開 米軍の安全軽視著しい
 事の重大性に対する米軍の認識を疑わざるを得ない。
 沖縄県宜野湾市で米軍普天間飛行場所属のCH53E大型輸送ヘリコプターが、飛行中に窓を普天間第二小学校の校庭に落とした事故からわずか6日後、米軍は同型機の運航を再開した。
 防衛省と在日米軍は、普天間飛行場周辺の学校上空における航空機の飛行を「最大限可能な限り避ける」ことを確認した。
 だが、これは既に合意済みの内容とほぼ同じだ。米海兵隊は合意を守らず、設定ルート外の飛行が常態化していたとされる。
 事故のまともな原因究明や再発防止策もなく曖昧な約束で運航を繰り返す姿勢は、安全に配慮する気がないと言われても仕方ない。
 沖縄県議会はきのう、学校や病院などの民間地上空での飛行中止を求める抗議決議と意見書を全会一致で可決した。当然である。
 米軍は事故原因は人為的ミスであり、機体に問題はないという。
 窓のレバーが安全ワイヤで適切に固定されていないことを見落とし、緊急脱出の位置に動かされたことで窓が外れたと説明した。
 信じられない初歩的ミスが、なぜ起きたのか。訓練や整備に問題はなかったのか。そうした点を徹底調査するべきだろう。
 米軍にそう促すどころか、安易な説明をそのまま受け入れた政府の姿勢は理解に苦しむ。
 沖縄での米軍機の事故やトラブルは後を絶たない。普天間所属のCH53は10月にも民家近くの牧草地で炎上し、昨年12月には新型輸送機オスプレイが名護市辺野古沿岸部に不時着し、大破した。
 オスプレイは機体の構造的な欠陥、CH53は老朽化が指摘されている。海兵隊の人員不足や隊員の疲労を問題視する向きもある。安全性の多角的な検証が必要だ。大惨事が起きてからでは遅い。
 翁長雄志(おながたけし)知事は事故を受け、米軍絡みの事件・事故に日本の捜査権が及ばない日米地位協定の抜本改定を政府に重ねて求めた。
 だが政府は今回も耳を傾けず、証拠物の窓は地位協定に基づき米軍に返却された。主権国家として問題だと思わないのだろうか。
 普天間飛行場周辺では今月、保育園でも落下物と疑われるCH53の部品が見つかった。
 残念なのは、保育園や普天間第二小に「事故はやらせ」などと、中傷の電話やメールが相次いだことだ。米軍基地が集中する沖縄の現実を直視すれば、こんな卑劣な行為はできないはずである。


米軍機「窓枠」落下◆普天間の運用直ちに停止を◆
 「あってはならない」ことがなぜ起きたのか。再発を防ぐため、抜本的な対策に取り組まなければならない。沖縄県宜野湾市の米軍普天間飛行場に隣接する小学校の運動場に、米軍大型輸送ヘリコプターの窓が枠ごと落下した。普天間飛行場所属の輸送機オスプレイが同県名護市沿岸部で大破した事故からちょうど1年。米軍機のトラブルはほかにも相次ぐ。
重大事故の可能性も
 沖縄には在日米軍専用施設の約7割が集中し、普天間飛行場は宜野湾市の中心部にある。政府は同型ヘリの飛行を自粛するよう要請した。だがその場しのぎの対応では不十分だ。
 日米両政府は1996年に普天間飛行場の全面返還で合意したが、その後も運用を続けている。名護市辺野古への移転計画は米軍基地の機能を強化、輸送機オスプレイの配備などを増強するもので、沖縄の負担軽減にはつながらない。まず普天間飛行場の運用を直ちに停止し、負担軽減に真正面から取り組むべきだ。
 小学校に落下したヘリの窓枠は約90センチ四方で、重さは7・7キロもある。運動場では児童約60人が授業中で、飛んだ小石が男児の腕に当たったという。「もしも」と考えると恐ろしいばかりだ。
 普天間飛行場の近くでは今月7日、保育園の屋根に円筒状の物体が落下。米軍はヘリの部品であると認めたが、飛行中の米軍機からの落下は否定している。しかしトラブルはそれにとどまらない。2004年に沖縄国際大にヘリが墜落したような大事故だけではない。部品の落下でも人命に関わる重大事故になりかねない。米軍の安全管理はどうなっているのか。
基地集中の認識に差
 1996年の日米両政府の合意は、沖縄県内の米軍基地内へのヘリポート新設などを条件に、普天間飛行場を5〜7年以内に全面返還する内容だった。しかし代替施設は辺野古沿岸部を埋め立てる大規模基地の建設計画に変わり、反対運動が続いている。
 安倍晋三首相は、仲井真弘多前知事が2013年末に埋め立てを承認した際、普天間飛行場の「5年以内の運用停止」の検討を約束した。このため翁長雄志知事らは19年2月までの運用停止を求めている。ところが安倍政権は辺野古移転計画と絡め、翁長知事の協力が得られないことを理由に運用停止は実現困難だとしている。
 沖縄に米軍施設が集中し、トラブルが相次ぐ現状に対して本土側の認識は依然として低い。共同通信社が実施した全国の知事アンケートでは、一部の知事が沖縄の負担軽減の必要性に理解を示しながらも、オスプレイの訓練受け入れなどの具体的な対応に関しては消極的な回答が大半を占めた。翁長知事は「各自治体が自身の問題と認識していない表れだ」と指摘する。沖縄に負担を押し付ける安全保障政策でいいのか。真剣な検討が求められる。


“沖縄”で民進系3党は団結できないか
 ★来年は衆参などの国政級の選挙がなく、「突如増税案が幅を利かせ始める」(野党関係者)など比較的穏やかな年とみられているが、石川、滋賀、長野、香川、福島、愛媛、和歌山などでは県知事選もある。今、1年間52週、どこかで何らかの選挙が行われていると言っていい。その中で特筆すべきは、沖縄県内の選挙が続くということ。 ★1月21日には南城市長選と南城市議補選が行われる。2月4日には名護市長選があり、12月9日には沖縄県知事選が控える。宜野湾市の小学校のグラウンドに米軍の大型ヘリコプターの窓が落下した事故などがあり、基地問題は県民感情を逆なでしているが、中央政界が沈黙していることなど、県民からすれば解せないことも多い。県内政界関係者は与野党問わず問題に取り組み、一致して抗議するなどまとまりを見せる。知事や名護市長など野党系が議席を持つものの、中央政界で積極的に動くのは自民党や公明党。ただ、党が事故の調査団を出すなどの動きは皆無だ。 ★というのも、党の行方さえ分からない民進党系3党は党内掌握を優先。また地方組織対策が進んでいるのは立憲民主党だけ。水面下の動きは分からないが、沖縄をどうとらえるかは安保政策や米軍に対しての政策的評価が伴うため、どの党も明確な態度を示すことができない。せめてこのチャンスに民進系3党が事故調査団を編成するとか、選挙協力を打ち出すとか、それぞれ協力して応援の日程を組むなど、「中央ではできないが、沖縄を舞台にかつての同僚たちがまとまることはできないか」(野党関係者)との声もある。県内は与野党が団結して問題解決に動くのに、なぜ民進系3党ができないのか、不思議だ。

[生活保護引き下げ]弱者切り捨てをやめよ
 2018年度は、5年ごとに実施される生活保護基準の見直しの年になる。その見直しで、厚生労働省は生活保護費のうち食費や光熱費などに充てる「生活扶助」の支給額を段階的に引き下げ、3年かけて国費を約160億円削減する方針を示した。
 年齢や世帯の構成などによっても異なるが、都市部などでは最大5%の減額になる。計算方法によっては一部増額となる場合もあるが、総じて引き下げの方向だ。
 13年度の前回改定でも、生活扶助が3年かけて6・5%減額された。今回、厚労省は約14%もの大幅引き下げを目指していた。厚労省の審議会で反対が出て、幅は抑えられたが、連続しての減額であることには変わりない。
 生活保護受給世帯は今年9月で約164万世帯、212万人以上おり、世帯数は20年間で約2・7倍に増えた。
 受給者の半数が1人暮らしの高齢者のほか、4分の1も傷病・障がい者の世帯である。現行支給額でも、苦しい生活を余儀なくされている人は少なくない。減額は、社会の支えを必要とする人たちにとって、冷たい措置である。社会のセーフティーネットの機能が低下することを強く懸念する。
 生活保護は、本当に必要とする人の2割しか受給していないとされる。8割の人が、生活保護基準以下の収入で生活をしていることになる。社会の安全網は十分に行き渡らず、生活扶助も減額する。憲法25条がうたう「健康で文化的な最低限度の生活」が保障されないのではないか。
■    ■
 生活扶助引き下げ方針の根拠は、一般の低所得世帯の消費支出に比べ、保護費の支給額が多いとの調査結果が出たことだ。
 生活扶助は一般家庭の消費支出とのバランスをみて改定される仕組みとなっている。低所得者の消費が低くなったら、生活扶助も減額することになる。
 しかし、厚労省の審議会でも「一般低所得世帯との均衡のみで生活保護基準の水準を捉えていると、絶対的な水準を割ってしまう」などと、算定方法に懸念が示された。さらに、算定方法の見直しを念頭に「これ以上、下回ってはならないという水準の設定について考える必要がある」との意見も出た。
 前回の改定時にも審議会は算定方法の見直しを迫った。人の命や暮らしに関わる大事な仕組みについて看過し、同じ指摘を受けるのは厚労省の怠慢である。
■    ■
 生活保護基準の引き下げは、受給者だけの問題ではない。低い所得で生活をしている人たちの暮らしにも影響を与えかねない。
 生活保護基準が下がると、住民税の非課税基準も下がる。これまで無税だった低所得者が課税されたり、医療、介護、教育、福祉などでの低所得者向けの減免が受けられなくなる可能性もある。
 これでは、たとえ賃金が多少上がったとしても、可処分所得が減少する世帯が増え、結局、経済の底上げにもつながらない。生活保護基準の引き下げは見直されるべきだ。


国連総会 エルサレム首都認定、撤回求める決議採択
 【ニューヨーク國枝すみれ】国連総会は21日午前(日本時間22日未明)、緊急特別会合を開催し、エルサレムをイスラエルの首都とする米トランプ政権の認定を無効とし撤回を求める決議案を128カ国の賛成で採択した。米国の国際的な孤立が浮き彫りになった形だが、米国が経済援助削減をちらつかせて加盟国に決議案に賛成しないよう圧力をかけたため、棄権する国も35カ国に達した。
 欧州各国や日本などが賛成し、反対は米国とイスラエルに加えて南太平洋の島しょ諸国など9カ国。棄権は米国の隣国カナダやメキシコのほか、米国の経済支援や軍事支援に頼る東欧やアフリカ諸国など。
 米国のへイリー国連大使は総会で投票前に演説し、「米国は投票結果を覚えている」と各国をけん制。「米国が国連最大の(資金)供出国だ。米国の意思が尊重されることを期待するのは正当だ」と述べた。また、米大使館をエルサレムに移転する決定に変更はないと明言した。
 へイリー氏は19日に加盟国に書簡を送って決議案を支持しないよう要請。トランプ米大統領も20日、米国は決議案に賛成した国に対する経済支援の打ち切りで「多額の節約につながる」と述べていた。
 イスラエル代表は総会で「国連はパレスチナの操り人形だ」とし、この決議案は「平和を遠ざけるだけだ」などと反論した。
 一方、イスラム協力機構(OIC)議長国であるトルコのチャブシオール外相は「パレスチナは我々全員の問題だ。今日、正義と平和のために声を上げる」と演説。外相は採択後、多くの棄権国が出たことについて記者団に「(米国の)いじめの結果」と話した。
 総会決議に法的拘束力はない。だが、東エルサレムを首都に国家建設を目指すパレスチナ自治政府と連携するイスラム諸国などには、多数の賛成票を誇示して米国批判の国際世論を喚起したい思惑がある。
 米国は6日にエルサレムをイスラエルの首都と認め、大使館のエルサレム移転を発表。決議は米国を名指ししていないが「エルサレムの地位に関する最近の決定に深い遺憾の意」を表明し、エルサレムの地位変更は「無効で撤回されなければならない」としている。


赤ちゃん連れ議員も出席OKな仕組み、テレワークで 熊本市議も参加し「前進」の成果も。
熊本市議会はその後どうなったのか。子連れ会議の是非を超えて行こう!
泉谷由梨子 ハフポスト日本版ニュースエディターyuriko.izutani@huffingtonpost.jp
熊本市議が赤ちゃん連れで本会議に出席、厳重注意を受けた問題を機に、議員と子育ての両立や、柔軟な働き方についての議論が広がっている。
12月19日、衆院議員会館ではテレワークの仕組みを活用し、子育て中でも議員活動や仕事を続ける方法を探る勉強会が開かれ、熊本の緒方夕佳市議も参加した。
テレワークは、「ICTを活用し、時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方」と定義されている。緒方市議も騒動後の経緯を報告、閉会日には一種のテレワークとも呼べる仕組みを活用し、本会議に出席できたことを報告した。
多様な人々が参加できることが民主主義の基本という前提のもと、「子連れ出勤や議場入り」の是非論を超えるための話し合いとなった。
熊本市議会、その後
12月定例会の閉会日だった13日、緒方市議は議会事務局や市議会との話し合いを経て本会議に参加した。議員控え室に呼んだベビーシッターに長男を預けて、授乳が必要な時にだけ一時退席する形をとったという。
本会議の開始から約1時間20分後、控え室で子どもが泣き出した。そこで、ベビーシッターから連絡を受けた事務局が議員席の電話を鳴らし、緒方市議はいったん退席。控え室で授乳をし、再び議場に戻った。
控え室で緒方市議は、授乳をしながら議場のネット中継で議会の行方を見守った。採決の直前に「走って議場に滑り込み」、採決にも参加することができた。ただ、2つの承認案件について見落としてしまい、参加することができなかったという。
緒方市議は「賛否色々な意見をいただいたが、こうした前進があったことは大きな成果。私も『授乳できずに、預けた子が泣きっぱなしでは』と不安になることなく、安心して議会に参加できた。ただ、大切な採決を2つ飛ばしてしまったことは課題の一つとして残った」と話した。
議員経験の女性たち「代理採決なども必要」
勉強会には多くの女性議員・経験者らが参加し、意見を述べた。
前川崎市議会議員の吉沢章子さんは「私が初当選した2003年、控え室には女性用の着替えスペースさえなかった。子育てを理由に躊躇してしまうことが女性が政治にチャレンジする障壁になっている。私自身も両立が難しいと子どもの成長を待って政治活動を始めたが、時代は変わった。色々な可能性があると感じた」とテレワークなどの技術活用に期待を寄せた。
前東京都議の塩村文夏さんは「都議会では一人会派の場合、控え室も個人の裁量で自由に使える。民間企業よりもよほど働きやすい環境と感じる。ただ、議会中は集中力が必要で議場への赤ちゃん連れは難しいのでは。採決の時などは、素早く立ったり座ったりしなくてはならず間違えがあってはいけない。システムを変える必要もあるかもしれない」。
また、前品川区議の阿部祐美子さんは「議員がきちんと仕事をしたかどうか、『議会に出席している』こと以外で測りづらいことも課題。子育てだけではなく障害やけが、病気の人もいる。どうしても出席できない場合に代理採決などの仕組みも必要では」と話した。
「次世代に繋げられなかった責任を感じた」
勉強会は井戸正枝・前衆院議員らの呼びかけで実現した。テレワーク導入の第一人者、田澤由利さん(テレワークマネジメント社長)がテレワークの技術や実践例などを紹介した。
勉強会の隣室には、第2会場が設けられ、ビデオ会議で本会場と結ばれた。この仕組みによって、子連れ参加者は、途中で子供が泣いたり騒いだりした場合にも、勉強会の進行に支障がないよう、親子で隣室に移動して参加を続けることが可能になった。
また、兵庫県姫路市の駒田かすみ議員は、市議会の控え室などから遠隔で参加した。
田澤さんは「議会や仕事と生活をどう両立できるか。そのハードルを越えるツールとしてテレワークを活用してほしい。通勤時間を省略すれば、例えば子育て中の社員が時短ではなくフルタイムで働けるなど、企業にとってもメリットがある」。
5児の母でもある井戸さんは「熊本市議会の件では、子育てをしながら政治に関わってきた私たちの工夫や苦労が、次世代に繋がっていなかった責任を感じた。今後につながる議論を深めたい」と語った。


暴言だらけの安倍政権 森友学園問題をめぐる4つの暴言
 10月に行なわれた総選挙後に召集された特別国会(12月9日閉会)では、過去の政府答弁と食い違う森友学園問題の新事実が次々に明らかになった。
 とくに国有地の大幅値引き問題で、会計検査院が「値引きの根拠が不十分」という報告書を公表すると、それまで「見積もりは適切」と答弁していた安倍晋三首相は窮地に立たされた。「丁寧に説明する」と約束した首相はどう語ったか。
「財務省や国土交通省から適切と報告を受けていた。私が調べて、私が『適切』と申し上げたことはない」
“オレが調べたわけではないから責任はない”というのだ。国会は「国権の最高機関」だ。総理の国会答弁は官僚が作るが、責任は総理自身にしか負うことはできない。それを役人に転嫁すれば国家の秩序は崩れていく。
 その財務省にも火が燃え広がった。
「財務省のシステムは即座にデータが抹消される仕様になっています」
 そんな“迷答弁”で森友側との交渉記録廃棄を正当化し、国税庁長官に出世した佐川宣寿・前理財局長も新事実に足を掬われた。佐川氏は証拠が残っていないことをいいことに、通常国会では値下げ交渉について「価格を提示したこともないし、先方からいくらで買いたいと希望があったこともない」と全否定していた。
 ところが、近畿財務局が森友側に「1億3000万円」などと伝えた音声データの存在が明るみになり、特別国会で虚偽答弁だと追及された。
 国税庁長官就任以来、記者会見も開かず、国会の参考人招致にも応じない佐川氏に代わって後任の太田充・理財局長がこんな“珍答弁”を繰り出した。
「金額のやりとりはあったが、価格の交渉はしていない」
 上が上だから、下は平気でそう開き直る。国会での答弁が嫌で嫌でたまらない安倍首相は、ついに野党の質問時間を減らすという“禁じ手”に出た。先兵役を担ったのが萩生田光一・幹事長代行だ。
「直近の民意を考えれば、野党に質問時間を譲っているのは国民の理解を得られない」
 自民党は「与党2対野党8」の配分だった質問時間を、与党の議席数が多いことを根拠に「5対5」にするように野党に要求し、野党が猛反発して特別国会は冒頭から紛糾。せっかく39日間の会期があっても、審議が行なわれない日が続いた。萩生田発言の狙いはそこにあったようだ。
「野党が抵抗すればするほど、国会の会期が消化され、審議時間が減っていくから好都合だった」
 自民党国対筋は、陰でそう笑っていたのである。


風刺漫才に反響 ウーマンラッシュアワー 基地は日本全体の問題「米より沖縄に思いやりを」
17日夜にフジテレビ系で全国放送された番組「THE MANZAI 2017」で、吉本興業所属のお笑いコンビ「ウーマンラッシュアワー」の村本大輔さん、中川パラダイスさんが辺野古や高江の基地建設問題や原発などの状況を強烈に風刺する漫才を披露した。インターネット上で反響が広がっている。
沖縄ネタでは基地問題に触れ「それらは沖縄だけの問題か?」「いや、日本全体の問題」と提起した。
次々に質問する村本さんに中川さんが答える形式。東京五輪は「日本全体が盛り上がる」と指摘した上で「沖縄の基地問題は沖縄だけに押し付ける」「楽しいことは日本全体のことにして」「面倒くさいことは見て見ぬふりをする」と全国的な無関心を風刺した。
日本が在日米軍に思いやり予算9465億円を払っていることに触れ「アメリカに思いやりを持つ前に」「沖縄に思いやりを持て!」と叫んだ。
村本さんは出身地の福井県おおい町や周辺に4基の原発があることに触れ、東京五輪で豪華な競技場を建てる前に「被災地に家を建てろ」と強調した。
村本さんのツイッターには「どれだけ無関心だったか改めて自覚した」「漫才じゃなく主張」などコメントが相次ぐ。村本さんは「おれが漫才で言ってるのは無関心層への攻撃で見て見ぬ振りせず一緒に考えよう。沖縄以外は、代わりに基地置いてもらってる自覚を持てよってこと」と投稿した。今回のネタについて村本さんは「被災地や沖縄でこの漫才をやった時に地元の人が涙流して『嬉しい』と言われた。全国ネットで日本中の人にこの街のことをふれさせると約束したから」と明かしている。


河北抄
 各地に広がる「子ども食堂」の名付け親は、2012年、東京都大田区に開設した近藤博子さんだという。社会活動家の湯浅誠さんの著書『「なんとかする」子どもの貧困』に記されている。
 湯浅さんは「大事なことは、子どもが一人ぼっちで食事しなければならない孤食を防ぎ、さまざまな人たちの多様な価値観に触れながら『だんらん』を提供することだ」と説く。
 仙台市太白区のNPO法人「おりざの家」が運営する週2回の食堂には多世代が集う。今月上旬、利用する小・中学生や1人暮らしの高齢者、支援ボランティアの大学生と主婦ら計約20人が夕げを共にした。献立は豆類や野菜中心の家庭料理。食後に一日の出来事を語り合った。
 理事長の佐藤宏美さん(56)は「誰かと一緒に食べることが肝心。昔の大家族で囲む食卓の雰囲気を味わってほしい」と話す。開始から1年が過ぎ、「人をつなぐ地域の食卓でありたい」と願う。
 きょうもどこかで心も満たす食が提供されていることだろう。<納豆にあたたかき飯を運びけり 村上鬼城>


12月23日祝日外しの動きは安倍の天皇敵視だ!「明治の日」で戦前回帰推進しながら護憲派天皇の足跡は抹消
 2019年4月末日をもって天皇が退位することが決定したが、天皇誕生日を前に「12月23日を祝日(休日)ではなくす」という動きが表面化、国民の間から反発の声が上がっている。
 生前退位に関する特例法は、皇位継承後は皇太子の誕生日である2月23日を「天皇誕生日」と定めているが、現在の12月23日に新たな祝日を設けるかについては明記していない。ところが、菅義偉官房長官は、21日午前の会見で「幅広い議論が必要」と断りながらも、「このまま特例法が施行されれば平日になる」としたのだ。
 また、毎日新聞21日付朝刊は、政府が12月23日を〈当面は新たな祝日とせずに平日とする検討に入った〉と報じた。記事は、「上皇の誕生日を祝日にすれば権威付けになりかねない。上皇に感謝する民間行事が開かれる可能性もある。少なくとも上皇在位中の祝日化は避けるべきではないか」という政府関係者のコメントをあげながら、〈上皇の誕生日を祝日にすると事実上の「上皇誕生日」になり、新天皇の誕生日と併存して国民の目に「二重の権威」と映る懸念があるため〉と伝えている。
 “二重権威”とは極右の安倍政権らしくない物言いだが、天皇誕生日が国民に天皇の誕生日を祝うことを強いる“権威”の強制の役割をもっていることはたしかだ。
 しかし、安倍政権の「平成天皇の誕生日の祝日抹消」の動きの背後にあるのはそんな真っ当な理由ではない。これは、安倍首相の明仁天皇への嫌がらせ、敵視の表れとしか思えない。
 なぜなら、安倍首相やその周辺にいる右派勢力は、天皇誕生日を嫌がるどころか、歴代の天皇誕生日の権威化を強引に推進してきたからだ。その典型が、4月29日の「昭和の日」だ。
「昭和の日」のあと「文化の日」を「明治の日」にしようとする安倍政権
 この4月29日は昭和天皇の誕生日だが、当初は天皇崩御にともない「みどりの日」と名づけられていた。〈自然に親しむとともにその恩恵に感謝し、豊かな心を育む〉という趣旨で、そこには生物学者であり自然をこよなく愛した昭和天皇を偲ぶ意味も込められていた。ところが、それが気にくわない極右勢力は「昭和の日」に名称を変更するよう運動を展開。極右運動と歩調を合わせた自民党タカ派議員たちも、祝日法改正案を国会に提出して、「昭和の日」への名称変更を求めてきた。
 こうした背後に「昭和の日」を戦後の日本国憲法と国民主権を否定し、先の戦争を肯定するためのシンボルにしようという意図があったのは明らかで、たとえば「昭和の日」改定運動に参加してきた小堀桂一郎・日本会議副会長は「正論」(産経新聞社)1999年4月号で、〈直接「昭和」といふ輝かしい名への連想を一切持たないこの命名(みどりの日)はあまりにも畏れ多く、無残なことである〉と書いている。
 当然、こうした動きには、国内はもちろん、日本が侵略したアジアの国々から懸念と反対の声があがったが、しかし、小泉政権下での圧倒的な議席数を占めた自民党は2005年にこの改定を強引に成立させた。そのとき、中心になっていたのが安倍晋三だった。そして、第一次安倍政権の07年から「みどりの日」は5月4日に移動し、4月29日は「昭和の日」となった。同年、「『昭和の日』をお祝いする実行委員会」が開いた記念式典では、参加者が昭和天皇の埋葬された武蔵野陵に拝礼し、「天皇皇后両陛下万歳」と三唱。当日、外遊中だった安倍首相も祝辞を寄せている。
 さらに、近年は、11月3日を「明治の日」に改めようという動きまで広がっている。11月3日は明治天皇の誕生日で、昭和時代の1927年から1947年までは「明治節」という名称だったが、1946年の11月3日に日本国憲法が公布され、その2年後の祝日法制定時に、憲法の戦争放棄の精神に基づいて〈自由と平和を愛し、文化をすすめる〉日として「文化の日」に生まれ変わった。
 ところが、極右勢力がこの「文化の日」の理念を全否定し、明治天皇の誕生日を祝う「明治の日」にせよ、とがなり立てはじめたのだ。
 この運動の中核を担っているのは、「昭和の日」実現運動を推進したメンバーとかぶる「明治の日推進協議会」なる団体で、役員にはジャーナリストの櫻井よしこ氏や、安倍首相のブレーンのひとりと言われる伊藤哲夫・日本政策研究センター代表のほか、代表委員に百地章氏や所功氏といったお約束の日本会議系の人士が名を連ねる。
 しかも、稲田朋美元防衛相や古屋圭司衆院議員など、安倍首相の“盟友”といえる政治家らが、この運動に積極的に参加。同団体が昨年11月1日に国会内でおこなった集会では、当時、防衛大臣だった稲田朋美衆院議員が「神武天皇の偉業に立ち戻り、日本のよき伝統を守りながら改革を進めるというのが明治維新の精神だった。その精神を取り戻すべく、心を一つに頑張りたい」と語った。
民主主義と平和主義の象徴たらんとした今上天皇への安倍首相の敵視
 剥き出しの皇国史観と戦前回帰への欲望には目眩を覚えるが、こうした動きのバックにいるのはもちろん安倍首相だ。ことあるごとに“明治維新の栄光”を口にする安倍首相は、2015年に「明治日本の産業革命遺産」の世界遺産登録をゴリ押ししたが、続いてこの「文化の日」を「明治の日」とする改定を虎視眈々と狙い、子飼いの極右議員たちを使って下地づくりをしてきた。
 ところが、そんな安倍政権が、12月23日の現天皇の誕生日だけは、「二重の権威」を理由に平日にし、「平成」を国民の祝日から“抹消”しようというのである。このダブルスタンダードは、いったいなんなのか。
 本サイトでも何度も指摘してきたように、明仁天皇は、日本国憲法のもと、言い換えれば戦後の民主主義のなかで初めての天皇となり、平和主義国家の象徴としてのありかたを皇后とともに考え抜いてきた。第二次安倍政権下では、安倍首相が目指す“戦争のできる国づくり”に対する危機感を表明するかのように、踏み込んだ護憲発言をおこなってきた。
 ところが、これに対して、安倍首相は報復、嫌がらせとしか思えないような行動をとってきた。子飼いの学者やメディアを使って「天皇皇后は政治的発言をするな」「天皇はおかしい」と攻撃を仕掛け、女性宮家や生前退位をめぐる問題では、天皇サイドの意向を無視。生前退位が決まったあとも「天皇がパレードを望んでいる」などと、あたかも天皇のわがままで生前退位がおこなわれることになったかのような情報操作を展開してきた。
 ようするに、今回の“天皇誕生日平日化”もこうした安倍首相の天皇敵視、天皇攻撃の延長線上で出てきたものとしか考えられないだろう。
 しかも、この安倍首相の天皇攻撃はたんに個人的な感情だけではない。戦後の民主主義と平和主義の象徴たらんとした今上天皇の足跡を消し去りたい。そういう意図もあるはずだ。そして、それは明治や昭和の天皇だけを“権威”として戦前回帰的なイデオロギーに利用したいという野望の裏返しでもある。
誕生日会見で天皇は何を語るのか?“安倍に御恨み骨髄”報道も
 天皇はこうした安倍首相の仕打ちに対してどう考えているのか。先日、本サイトは「週刊新潮」(新潮社)の記事が宮内庁から激しい抗議を受けた一件を紹介したが、そのタイトルは「「安倍官邸」に御恨み骨髄「天皇陛下」が「心残りは韓国…」」。記事では侍従職関係者のこんなコメントが掲載されていた。
「陛下は喜怒哀楽の感情を表に出すことを決してされないのですが、それでも安倍さんには御恨み骨髄、という表現がぴったりくるのではないでしょうか。これだけ陛下の思いをないがしろにした首相は前代未聞だと言えます」
 しかし、宮内庁が激しい調子で「事実でない」と抗議したのは、この記事に掲載されていた「天皇が生前退位でパレードを望んでいる」という政府関係者のコメントのみで、タイトルや、天皇がないがしろされているというコメントに対しては一切抗議をおこなっていなかった。
 この一事をもってしても、天皇が安倍首相のやり口に怒りをもっていることは明らかだろう。
 明日23日には、天皇の誕生日会見の模様が一斉に報じられる。2013年の誕生日会見で「戦後、連合国軍の占領下にあった日本は、平和と民主主義を、守るべき大切なものとして、日本国憲法を作り、様々な改革を行って、今日の日本を築きました」という“護憲発言”を口にして以降、警戒心をあらわにした安倍官邸は宮内庁に対しての締め付けを陰に陽に強めていき、天皇は安倍首相の歴史観や憲法観と対峙するような発言を自重せざるをえなかったと言われる。
 昨年も、生前退位をめぐる官邸との攻防のさなかにあって、結局、憲法や平和主義に関して踏み込んだ発言を一切することができなかった。
 だが、生前退位が法整備などで一段落ついた今年ならどうか。残り2回となった「天皇誕生日」だからこそ、これまでになかった発言が飛び出す可能性はゼロではない。
 繰り返すが、「平成天皇」という名と同時に振り返られるはずの一時代は、日本が近代化以降、初めて直接的に戦争をしなかった期間である。仮に、その時代精神を祝日として位置付けるならば、国民が天皇個人の誕生をではなく、戦争を憎み平和を希求する大きな理念の誕生を、あらためて祝う日として定めるのがふさわしかろう。間違っても、かの時代を美化する目的で葬られてよいものではない。(宮島みつや)

フィッシュアンドチップス・ギネス/評価の会議忘れて

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Deux sumos privés de salaire à cause d'une bagarre
Incapables de stopper une bagarre entre deux de leurs collègues, deux sumos ont vu l'instance nationale de la discipline les priver de salaire pour le mois de janvier.
Au Japon, les sumotoris sont de véritables stars voire même idoles ! Ca n'empêche pas qu'on s'est y mettre la manière quand tout ne tourne pas rond. L'instance nationale de la discipline a choisi de sanctionner deux sumotoris mongols. Elles reprochent à ces derniers d'avoir été incapables d'arrêter une bagarre. Pour cet affront, Ozeki Hakuho et Kakuryu vont devoir faire une croix sur leur salaire de janvier. Pour le premier cité, sumo le plus titré de l'histoire, il faudra même faire l'impasse sur la moitié de sa paye de février. Pour rappel, l'histoire qui leur est reprochée remonte à fin octobre. Lors d'une soirée privée ou s'étaient réunis plusieurs sumotoris, l'un d'eux Harumafuji était rentré dans une colère noire à l'encontre de l'un de ses rivaux, Takanoiwa, provoquant une bagarre. Il a depuis reconnu les faits et mis un terme à sa carrière.
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想田和弘‏ @KazuhiroSoda
カリフォルニア州は携帯電話の電磁波を避けるためのガイドラインを公表。通話時はヘッドホン等を使う、寝る時は遠くに置く、ポケットに入れないなど。携帯電話の電磁波が脳腫瘍や精子の減少、頭痛、記憶障害、聴覚障害、睡眠障害などのリスクを高める可能性があるとしている。
http://sanfrancisco.cbslocal.com/2017/12/14/california-cellphone-radiation-guidelines/

I @mearythindong
ええ、点ではなく線で見る必要がある。中核派学生の弾圧が一通り済み、クスノキ前立て看に関わった非中核派学生の弾圧の目処が着いたら、立て看を規制し、次は吉田寮廃寮。一連の流れとしてあるし、ここで留まらず弾圧は続いていくでしょう。「"過激派"じゃないから安全」と思っている学生の所にまで。
中核派や中核派と一緒にやることが問題なのは、奴らが党派利害を第一に掲げその為に現場を搾取することを厭わず、物理的な暴力を奮ったり人を殺したりするから。自分達が弾圧された時に救援してくれそうなノンセクトの人達を、2012年の同学会乗っ取りが記憶に新しいが、自ら暴力を奮い潰してしまった。
悲しいのは、京大の現場の中核派学生すら、中央の駒として、当局に弾圧されたことだ


昨日は夜遅くまで頑張ったので今日はのんびり.ランチはフィッシュアンドチップスにギネス.時間が30分だったのでちょっと慌ただしかったけれどおいしかったです.
夕方評価の会議あるのを忘れてました.気がついたら微妙な時間だったので参加しませんでした.

南三陸・集団移転団地 一般開放区画の集合住宅を見合わせ 住民理解を優先
 東日本大震災で被災した宮城県南三陸町の防災集団移転団地の空き区画の一般開放を巡り、町は20日、住民説明会を役場で開き、地域の理解が得られるまで従業員寄宿舎とアパートの建設を見合わせる方針を示した。
 説明会は志津川中央団地が対象で、住民約80人が集まった。アパート建設などへの区画開放について佐藤仁町長は「空き区画が塩漬けのままでは国費が無駄になると考えて開放した。ただ、その前に住民の皆さんに示すべきだった」と釈明した。
 町によると、空き区画への寄宿舎・アパートの建設は住民の同意を条件とし、当面募集を見合わせる。既にアパートなどの建設用地として購入を決定している事業者には、住民の声を伝えた上で建設するかどうかを協議する。
 町内28地区で2016年12月までに造成した防災集団移転団地(827区画)のうち、113区画に空きが出た。町は分譲の条件を緩和し、利便性の高い志津川中央、志津川東の両団地で寄宿舎・アパート建設用の区画を指定。9月に希望者を募り、両団地の3カ所6区画で3事業者によるアパートなどの建設が決まった。
 一方で、団地の住民には条件変更の説明がなかったことから、不満の声が上がっていた。
 説明会で、住民から「一般開放する前に高台移転のルールを決めてきたまちづくり協議会に諮るべきではなかったのか」との質問があり、町担当者は「復興業務を急いで進めるため、大事なところを忘れていた。教訓にする」と述べた。


河北春秋
 東北で東日本大震災は終わらぬ現実なのに、世の関心の風化を今年も感じた。だが、科学の目で見ればどうか。1995年の阪神淡路大震災から9年後に新潟県中越地震、その7年後には東日本大震災、さらに5年後に熊本地震が発生。驚くべき頻繁さで、この列島は震災の風化を拒んでいる▼新たな震災の予測が19日公表された。北海道東部沖で30年以内に超巨大地震発生の「切迫性が高い」と、政府の地震調査委員会が評価した。根室沖では「70%程度の確率」などと踏み込んだ▼震源は千島海溝。350年前後の間隔で大地震が発生し、前回から既に約400年を過ぎたという。先住民のアイヌ民族に文字伝承がなく、津波の堆積物を長年調査した平川一臣北海道大名誉教授らが歴史に埋もれた震災に光を当てた▼「東日本大震災のような『想定外』をなくすため、科学的知見を総動員した」。委員の今村文彦東北大教授の話を読んだ。6年前の惨状を目にした地震研究者らの悔恨が、過去のあらゆる遺物や記録を見直す新方針につながった▼遠くの話でなく、震源域が青森沖に広がる恐れも指摘される。前回の大地震の津波が、旧仙台藩領で約1800人が亡くなった1611年の慶長三陸津波と同じものだったとの説も。過去の学びこそ備えになる。

ミニボート5隻が復興の航跡へ「きっとたどり着く」青森・八戸から米国へ出航
 東日本大震災の津波で流出した鳥居の漂着がきっかけで、青森県八戸市の小学生も参加する米国の博物館のミニボート漂流プログラムで、完成したミニボート5隻が20日、同市沖から米国に向けて流された。
 長さ約1.4メートルのミニボートはグラスファイバー製で、衛星利用測位システム(GPS)を搭載。大久喜、金浜、種差の3小学校の児童が18、19両日に製作作業に当たった。代表して大久喜小の児童が20日、大久喜漁港まで5隻のミニボートを運び、市南浜漁協所属の漁船に積み込んだ。
 児童は「フレーフレー大久喜」などとエールを送り、出航を見送った。6年高崎葵さん(12)は「米国の人と仲良くなり、友達になりたいという気持ちでミニボートを作った。交流が楽しみ」と声を弾ませた。
 ミニボートは約20キロ沖で海に流された。実施団体のコロンビア川海事博物館(米オレゴン州)のネイト・サンデルさん(38)は「5隻のボートはきっとたどり着くと思う」と話した。
 プログラムは海洋について学ぶのが狙い。米国側からは既に3隻を太平洋に流しており、残る2隻も2018年1月に流す。1隻ずつ日米でパートナーとなる学校を決めており、今後、インターネットを通じた交流も予定している。


<1951年の宮城>被写体の漁師「じっちゃんだ」石巻の91歳村田さんと判明
 米国人医師が1951年に宮城県内各地で撮影した写真を紹介するウェブサイト「Miyagi 1951」に掲載された若い漁師が、石巻市月浦の村田敏雄さん(91)と判明した。大人や子どもの写真を数多く載せているが、人物の特定につながったのは初めて。被写体の情報を求めてきた医師の長男は対面を心待ちにしている。
 「Fisherman(漁師)」というタイトルのカラー写真に写るたくましい上半身の男性が、当時25歳だった村田さん。サイトを見た知人が、「じっちゃんじゃないか」と同居する長女の秋子さん(67)に教えてくれたという。
 秋子さんは「若い時の父の写真を見るのは初めてで、びっくりした。今、病気一つしないのは重労働で鍛えたこの体のおかげだ」と語る。
 写真は米軍医だったジョージ・バトラーさん(74年に62歳で死去)が、米軍松島キャンプ(東松島市、現航空自衛隊松島基地)に駐在した際に撮った。51年夏頃に牡鹿半島を訪ね歩いた際の一枚で、他にも昔の浜の風景が切り取られている。
 村田さんは撮影されたことを覚えていないが、「近くの荻浜に米軍が上陸したことがあって、その時かもしれない」と振り返る。
 村田さんは幼少時から月浦地区で暮らす。撮影当時は定置網漁に従事し、80歳前に引退するまでカキ養殖を手掛けた。東日本大震災で32軒あった地区の住宅はほとんどが津波で失われ、4人が亡くなった。村田さんの自宅は高台にあったため難を逃れた。
 サイトはバトラーさんの長男アランさん(68)が被写体の情報を得るために始めた。アランさんは来年5月に宮城県を訪問することを計画しており、「ようやく人物が特定でき、とてもうれしい。村田さんにぜひお会いしたい」と話している。


<石巻3人殺傷>再審請求「判決、事件像と異なる」弁護団が新証拠を提出
 石巻市で2010年に起きた3人殺傷事件で、殺人罪などで死刑判決が確定した元解体工の千葉祐太郎死刑囚(26)=事件当時(18)=の再審を請求した弁護団が20日、仙台市内で記者会見し、犯行の計画性や残虐性を否定する鑑定書、供述調書など104の新証拠を仙台地裁に提出したことを明らかにした。
 新証拠は情動に駆られて意識障害に陥り、突発的に犯行に及んだ可能性を指摘する精神科医の鑑定書のほか、共犯の男=同(17)、殺人ほう助罪などで有罪確定=が事件に計画性がない旨を記した被害者宛ての手紙、確定判決が残虐性や執拗(しつよう)性を認定する根拠とした目撃証言の変遷を示す捜査段階の供述調書など。
 草場裕之主任弁護人は「判決は強固な殺意に基づく計画的で残忍な犯行と認定したが、実際の事件像と違う。結果の重大性とは別に、死刑を判断する上での重要な要素に事実誤認があることを、本人は納得していない」と説明した。
 18日に千葉死刑囚と接見した増田祥弁護士は「『確定判決のような事件像で死刑が執行されるなら、冷静でいられる自信がない』と話していた。本人は死刑を受け入れる気持ちがあると同時に、犯した事実を正しく残してほしいという思いも強くある」と語った。
 16年6月の最高裁判決は計画性を認定し「事件の態様は冷酷、残忍で、当時18歳の少年であっても深い犯罪性に根差した犯行だった」と判断。09年に始まった裁判員裁判で初となる事件当時少年の死刑判決が確定した。
 確定判決によると、千葉死刑囚は10年2月10日朝、共犯の男と石巻市の交際相手の女性=同(18)=の実家に押し入り、交際に反対した女性の姉南部美沙さん=同(20)=と友人の大森実可子さん=同(18)=を牛刀で刺殺。居合わせた南部さんの知人男性=同(20)=にも大けがをさせ、女性を車で連れ去った。
 大森さんの遺族は「向こう(千葉死刑囚)の話。こちらから申し上げることはありません」と話した。
 日弁連は20日、千葉死刑囚の実名報道を控えるよう、各報道機関に要望する会長声明を出した。


目指すは仏ボルドー産 大和・吉田にワイナリー完成
 仙台市青葉区の農業生産法人「みらいファームやまと」(早坂了悦社長)が大和町吉田地区に整備を進める「了美(りょうみ)ヴィンヤード・アンド・ワイナリー」の醸造所が完成し、20日に現地で式典があった。
 関係者ら約100人が出席し、早坂社長は「ブドウの栽培からワインの醸造、販売まで6次産業化を進める。観光資源として活性化にも貢献したい」とあいさつ。醸造担当の樫原信元氏(48)は「昨年植樹したブドウの適性を見極めながら糖度と酸味のバランスの取れたワインを造りたい。フランスのボルドー産が目標だ」と話した。
 醸造所は木造平屋約500平方メートル。醸造タンク28基を備え、年間の生産能力は赤ワイン1万リットル、白ワイン約1万1000リットル。同社は月内に他地域産リンゴなどを使ったシードルの醸造を始める。自社栽培したブドウで造るワインは、早ければ2019年春にできるという。
 約15ヘクタールの敷地内には19年までにレストランや宿泊施設を開設する予定で、県内3カ所目のワイナリーとして観光地化を進める。総事業費は2億4000万円の見込み。


津波被災地で発見の白骨遺体、室町時代の女性だった 放射性炭素年代測定で判明
 宮城県警亘理署は20日、亘理町吉田須賀畑で5月に見つかった女性の白骨遺体が室町時代(14〜16世紀)の人骨だったと発表した。外部の研究機関が、考古学で用いる「放射性炭素年代測定」を用いて死亡時期を割り出した。
 カルシウム成分を含む砂地などでは酸性土壌が中和され、骨が分解されずに残るケースがある。少なくとも400年以上前の遺体と判明し、同署は「事件性は問えない」とする文書を検察庁に送付。遺体を引き渡された町は、関係機関などと協議して対応を決める。
 遺体は5月25日、太陽光発電所用地造成現場で整地中の作業員が発見した。身長150センチ前後で30〜50歳の女性とみられ、全身の骨がバラバラの状態で見つかった。現場は海岸から内陸側に約600メートルで、東日本大震災前までは住宅があった。津波被害を受けて、災害危険区域に指定された。工事で地盤が震災前より1メートル前後削られていた。
 町郷土資料館によると、江戸時代初期には吉田地区の沿岸部に集落と港があった。資料館の菅野達雄学芸員は「墓の出土ではないので集落を示す資料とは言えないが、歯の状態などから当時の食生活の一端が分かるかもしれない」と話す。


西山さん再審へ 「自白」経緯を検証せよ
 そもそも事件性のない自然死ではなかったのか。大阪高裁が投げかけた確定判決への疑問は、あまりにも重い。ならば、なぜ自白したのか。一日も早く裁判をやり直し、“自白”の経緯を検証せよ。
 滋賀県東近江市の病院で二〇〇三年五月、植物状態だった七十二歳の男性患者が死亡。看護助手だった西山美香さん(37)が翌年七月になって「人工呼吸器のチューブを外して殺害した」と自白し、殺人罪で懲役十二年が確定した、という事件である。西山さんは公判では否認に転じ、有罪確定後も冤罪(えんざい)を訴えていた。
 目撃者はなく、確定判決では、急性の低酸素状態を死因と判定した司法解剖鑑定書が自白を裏付ける証拠とされた。
 大阪高裁は今回、医師の意見書を新証拠として死因を再検討。呼吸器が外れたことによる低酸素状態と断定することに合理的な疑いが生じ、致死性不整脈、つまり自然死であった可能性が出てきたとして再審開始を決定した。
 自然死であるなら、なぜ、殺害を自白したのか。
 滋賀県警は当初、当直の看護師が人工呼吸器の異常を知らせるアラームを聞き落とし、結果として患者を窒息死させた、との見立てで捜査を進めていた。
 ところが、アラームを聞いたと証言する関係者は現れなかった。
 弁護側によると、執ような追及が続く中、西山さんは「アラームを聞いた」と供述してしまう。その結果、同僚看護師が窮地に陥ったことを知り、自分がチューブを外したという“自白”に至る。犯行の動機は、看護助手の待遇に不満があったため、とされた。
 西山さんは後に、精神科医による発達・知能検査で軽度知的障害と発達障害の傾向が判明する。つまり、防御する力が弱い「供述弱者」だったのである。大阪高裁も今回の決定で「警察官、検察官の誘導があり、それに迎合して供述した」可能性を指摘している。
 虚偽供述を誘導し、自然死を殺人事件に仕立ててしまったのか。
 供述弱者が虚偽自白に追い込まれやすいことは、死刑判決の誤りが判明し、一九八九年に再審無罪となった島田事件などで何度も指摘されてきたはずだ。自白偏重の捜査、裁判で冤罪を繰り返すことがあってはならぬ。
 無理な捜査で虚偽自白に追い込み、検察も裁判所も見抜けなかった疑いが強まった。速やかに再審を始め、不可解な“自白”の経緯を検証する必要がある。


湖東病院事件  再審開始を急ぐべきだ
 早急に裁判をやり直すべきだ。
 東近江市の湖東記念病院に勤務中、人工呼吸器を外し男性患者=当時(72)=を殺害したとして殺人罪で懲役12年の有罪が確定し、服役した元看護助手西山美香さん(37)の第2次再審請求即時抗告審で、大阪高裁が再審開始を認める決定を出した。
 高裁は、男性は病死の可能性があると判断。自白についても、捜査員の誘導に迎合した虚偽の可能性を指摘した。
 有罪が確定した判決を支える唯一の証拠は自白である。高裁はその信用性を否定した。西山さんの有罪の根拠は崩れたといえよう。地検は特別抗告せず、再審を開始してほしい。
 事件の確定判決によると、西山さんは2003年、待遇への不満などから病院に恨みを抱き、事故を装って人工呼吸器のチューブを抜いて男性を殺害したとされた。
 西山さんは捜査段階で自白したが、裁判では「虚偽の自白をさせられた」と一貫して無罪を主張していた。
 抗告審では、男性患者の死因と自白の信用性が改めて争われた。大阪高裁は解剖データに着目。弁護団は、男性患者が不整脈で病死した可能性を指摘する複数の医師の意見書を提出し、病死の可能性を訴えていた。
 高裁はこれを重視し「致死性の不整脈による自然死の可能性がある」と指摘した。
 自白についても、重要な部分に変遷があるため「自分の体験を供述しているか疑わしい」と判断。西山さんが警察官に好意を抱いて誘導に迎合した可能性に触れ「犯人とするには合理的な疑いが残る」と結論付けた。
 自白頼みの捜査手法の問題が改めて指摘された。任意捜査の段階も含めた取り調べの全面的な可視化がやはり必要だ。
 確定判決はチューブが外されたのが死因とする内容の解剖鑑定書を自白の補強証拠にしていた。だが鑑定人は事前に警察から「呼吸器の管が外されていた」と聞かされていたという。
 高裁決定は、裁判所が専門家の鑑定を安易に認める傾向を戒めたといえよう。
 今年は大崎事件(7月、鹿児島地裁)、松橋事件(11月、福岡高裁)で再審が認められた。
 最高裁は「白鳥決定」(1975年)で、確定判決後に事実認定に合理的な疑いが出れば再審を開始すべきとしている。
 死因についての新所見は合理的な疑いの出現である。検察は西山さんの名誉回復を急ぐべきだ。


今度はジョンヒョンが…“自殺者続出”韓国芸能界の深い闇
 韓国の男性アイドルグループ「SHINee(シャイニー)」のメーンボーカル、ジョンヒョンさんの自殺(享年27)は、グループ所属の大手芸能プロが「デマや臆測報道は控えて」と訴えるなど大騒動になっている。しかしながら友人アーティストに託されていた遺書がすぐさま公開されたり、「実は死んでいない」とする生存説まで飛び交うなど波紋は韓国社会全体に広がっている。
 この芸能プロ「SMエンタテインメント」はJYP、YGと並ぶ韓国3大事務所の一角で、日本でも人気の東方神起、少女時代、BoAらが所属。レコード会社も持ち、「SM帝国」とも呼ばれているという。今回のジョンヒョンさんの自殺と事務所の関わりは分かっていないが、過去には5人組だった東方神起の元メンバー3人が待遇を巡って事務所を提訴して辞め、2人組になる分裂騒動やトラブルも報じられている。芸能プロデューサーのイ・ビョンフン氏は言う。
「SMに限りませんが、韓国のグループはデビューする前から大変なんです。難関のオーディションに合格しても、それから短くても2〜3年、5年くらいの訓練期間があり、練習生の間は寮生活とスタジオの往復で軍隊のように管理され、携帯の使用も制限される。そこでの競争を勝ち抜き、ランキング上位の者を組ませてデビューさせるからこそ、完成度の高いグループができるのですが、道のりのあまりの過酷さから脱落する者も少なくない。そこであらかじめ脱落者を当て込んで、5人組グループをデビューさせるのに最初は8人で組ませたりしているのです」
 シャイニーは韓国で2008年にデビュー。瞬く間に売れっ子となり、日本でも15年以来、4年連続となる東京ドームでのコンサートを来年2月に開催することが決まっていた。ジョンヒョンさんは単独でのコンサートを盛況のうちに終えたばかり。絶好調とみられていたが、実はうつに苦しみ、公開された遺書には「私は心の底から壊れていた。ゆっくりと私をむしばんでいた憂鬱は結局、私をのみ込み、私はそれに勝てなかった。私は完全にひとりぼっちだ」などとつづられていた。
 11年には、歌手のチェ・ドンハさん(享年30)が首吊り自殺。10年にはドラマ「冬のソナタ」などで日本でも人気のあったパク・ヨンハさん(享年32)も自宅で首を吊った。09年には、「性接待を強要された」「31人に100回以上。接待を受けに来た男性は悪魔だ」などと記して女優チャン・ジャヨンさん(享年29)が、08年には俳優でモデルのキム・ジフさん(享年23)、女優のチェ・ジンシルさん(享年39)も自ら命を絶っている。悲報が相次ぐ韓国芸能界について芸能プロデューサーの野島茂朗氏はこう言う。
「日本だとタレントをやりながら再び大学に入って勉強したりもできますが、韓国でそうした人生のリセットはまずできません。多くのタレントが事務所の言いなりの、奴隷のような契約で締め付けられ、常にトップの成績を求められ、プライベートなどないも同然。ちょっとでも何かあるとネットなどで袋叩きにされる。どこにも逃げ場がなく、がんじがらめの毎日を送っている。そのストレスは日本の芸能界の比ではありません」
 前出のイ・ビョンフン氏はこう言う。
「私は2013年に自殺した元巨人の投手チョ・ソンミンらを知っていますが、亡くなった人たちは皆さん、真面目でした。自殺の原因は大きく2つあると思います。ひとつは男女を含む対人関係、もうひとつは家庭の問題。裏切られたとか、人間関係のもつれですね。それらに悩み、誰にも相談できずに抱え込んでしまうことが多いのです。それで酒やクスリに浸ってしまったりする。自殺は一瞬です。たとえば酔って、心に魔が差しただけで、それまで元気そうにしていた人が突然、首を吊ってしまうことだってある。そういう情報は韓国ではネットを見れば、簡単に入ってしまいますから。ですからメンタルの管理は本当に重要なのですけど、周りが細心の注意を払っていても防げなかったりするのです」
 華やかなステージの裏側にはかくも凄惨な現実が横たわっているのである。


また“アベ友”か 首相側近とマルチ商法告発企業の蜜月関係
 老人を食い物にしたのか。磁気治療器などの預託商法を展開する「ジャパンライフ」(東京)が巨額の債務超過を顧客に隠して勧誘したなどとして、愛知県の被害者対策弁護団が20日、詐欺や預託法違反などの疑いで同社と山口隆祥会長、長女のひろみ社長に対する告発状を県警に提出した。
 被害者は全国に広がり、消費者センターには、2015年春以降で計515件の相談が寄せられ、約7割が70代以上の高齢者という。
 ジャパンライフは1975年設立。同社が手掛けた「マルチ商法」の被害が広がり、85年には衆院商工委でジャパンライフ問題の集中審議が行われた。14年には消費者庁から文書で行政指導を受け、16年には同庁から行政処分が下り、一部業務について1年間の業務停止を命じられた。
 消費者庁から行政指導を受けながら、42年もの間、なぜ営業を続けてこられたのか不思議だが、実は、ジャパンライフは安倍首相の側近と“密接”な関係にあるのだ。
■霞ヶ関役人の「天下り天国」
 加藤勝信厚労相は、1億総活躍担当相時代にジャパンライフの宣伝用チラシに登場している。チラシには、〈(17年)1月13日【金】、安倍内閣の重要閣僚の加藤大臣と山口会長が会食し、ジャパンライフの取り組みを非常に高く評価していただきました!〉と記されている。会食時期は業務停止命令が下った直後だが、加藤厚労相は〈ジャパンライフのビジネスモデルは、1億総活躍社会を先取りしています!〉とコメントを寄せている。
 下村博文元文科相が代表を務める政党支部は、ジャパンライフが行政指導を受けた2カ月後の14年12月25日、同社から10万円の寄付を受けている。
 加藤、下村両事務所に問い合わせたが、期限までに返答はなかった。
 さらに、ジャパンライフは政治家の名がズラッと並んだ「お中元リスト」を保有。この問題を国会で徹底追及してきた大門実紀史・共産党議員の事務所担当者によると、リストには安倍首相をはじめ、麻生財務相や菅官房長官、茂木経済再生相ら“お歴々”の名が記されているというのだ。
 霞が関との距離も近い。ジャパンライフや関連団体には、消費者庁元課長補佐や元特許庁長官など複数の官僚が顧問として再就職。天下り天国になっている。
 政権との“蜜月”関係を背景に、長年、問題ビジネスを続けてきたのなら、モリ・カケ疑惑と構図は同じだ。


改憲案の国民投票実施なら憲政史初の「首相リコール投票」に
 国政選挙が予定されていない2018年の政治の最大イベントは、9月の自民党総裁選だが、ほぼ安倍晋三首相の3選が確実視され、国民の多くは“政治に大きな変化は起きない”と思っているのではないか。
 ところが、そうした前提が根底から覆されるかもしれない。自民党内で総裁選延期説が急浮上している。
「憲法改正を掲げて先の総選挙に勝利した安倍総理は、1月召集の通常国会での改憲発議に意欲を燃やしている。会期内に改憲案が衆参で可決されれば、60〜180日以内に国民投票が行なわれる。
 その最中に総裁選を実施し、“ポスト安倍”と目される石破茂さんや岸田文雄さんが遊説で“私は総理とは9条改正についての考え方が違う”などと言い出せば改憲がぶち壊しになってしまう。そこで官邸では、通常国会で改憲発議すれば総裁選を1年延期し、国民投票で憲法改正を成立させることに全力をあげるというシナリオが検討されている」(安倍側近議員)
 日程を整理すると、通常国会の会期末(6月)までに改憲案が国会で発議されると、早ければ8月、遅くとも12月に我が国初めての国民投票が実施される。発議から国民投票までは改憲賛成派と反対派がメディアを通じて国民に主張を訴える「国民的議論」の期間になる。ただし、安倍首相にとって国民投票は政権の存立に直結する大博打でもある。
 欧州では、2016年に英国の国民投票でEU離脱が決まり、離脱反対だったキャメロン首相が辞任に追い込まれた。イタリアでも、総選挙に大勝したレンツィ首相が憲法改正の国民投票を実施したが、否決されて辞任した。政治ジャーナリスト・野上忠興氏が語る。
「議院内閣制では国民が直接、総理大臣を選ぶことができない。そのため、憲法改正など大きな政治テーマの賛否を問う国民投票が、そのまま政権に対する信任投票の性格を帯びやすい。
 政権への不満が強まると、改憲案の内容には反対ではなくても、“この政権は嫌だから否決しよう”という反対票が増える。改憲案が国民に否決されれば安倍首相がいかに国会で圧倒的多数の議席を持っていても、内閣総辞職しなければならない」
 可決されれば安倍首相はその後の総裁選も勝ち、異例の長期政権時代に突入し、“一強体制”が続くことになる。だが、改憲案が否決されれば首相は交代し、経済政策だけでなく、外交路線から「女性宮家創設」といった課題まで政治の方向性が大きく転換される可能性がある。
 国民が自分の1票で強大な政権の命運を決めることができる憲政史上始まって以来の“首相リコール投票”が実施されるのだ。


弱者の視点持たぬ政治家など…
 ★自民党による荒っぽい政策が続く。「法人減税」「賃上げ要請」「サラリーマン大増税」という、アベノミクスが成功していれば行う必要のない政策が、脈絡なく羅列される。それに加えて貧困問題が重大課題となりつつある中、財務・厚労両省は生活保護費のうち食費や光熱費などに充てる「生活扶助」について、国費約160億円を削減することを決めた。 ★貧困問題を取材する記者は、母子家庭の貧困の度合いは一見普通の家庭の体裁に見えるものの、高校生の子供の虫歯などに顕著に表れるという。「母親が働きに出る時、菓子パンを与え、高校生では歯医者で治療ができない生徒が多く、もう歯がボロボロ。マイナスのスパイラルから抜け出せない状況がある」。受給額だけでなく、母子加算の月約4000円減額も決まった。厚労相・加藤勝信は前1億総活躍担当相。何が総活躍だ。実態を理解しているのだろうか。 ★自民党副幹事長・後藤田正純はフェイスブックに「生活保護費の適正化へ。生活保護をもらわずに働いている方々と不公平があってはいけない。不正受給者、生活保護を政治利用している政党や弁護士の話もよく聞かれる。身近にいたら通報ください」と書き込んだ。不正受給の取り締まりと本当に貧困にあえぐ人たちを「不公平があってはいけない」と、ひとまとめにする政治家。それを「通報しろ」とは、大叔父のカミソリ後藤田も言わないような一言だ。選挙が終わると、自民党は年の瀬の国民にえらく冷たい。 ★外相は専用機が欲しい。自民党は議員年金復活を模索する。トランプ米大統領は「武器を買え」とせっつく。すべては国のため。そのために国民は我慢せよという政策は、憲法25条「生存権」にすら抵触しかねない。格差が広がる今こそ、弱者への視点を持たない政治家などいらない。後藤田には失望した。

マツコ・デラックスが安倍首相インスタグラムを危険視!「ものすごい操作できる」「フェイクニュースの可能性も」
 今月15日、安倍首相がインスタグラムのアカウントを新設した。ワイドショーでは浅田真央のアカウントをフォローなどと盛り上がっているが、そんななかマツコ・デラックスがまたもや核心を突く発言をした。
 それは、今月18日放送『5時に夢中!』(TOKYO MX)でのこと。同番組ではつい最近も、衆議院を森友・加計隠し解散させたことを指して、「安倍ちゃんなんてもう馬鹿の象徴じゃない? あれ、もうさ。あれぐらいのさ、アホな人じゃないと、多分あんなことやれないと思うんだよね。この時期に解散とか、普通の神経だったら言えないじゃん?」(10月2日放送回)と発言し大きな話題を呼んだが、果たしてマツコは安倍首相のインスタグラムについてどんな言葉をぶつけたのか。
 番組では、安倍首相のインスタグラムに関する新聞記事が紹介されたあと、まずは、レギュラーコメンテーターである株式トレーダーの若林史江氏が「首相が何をやっているかって国民に広く知らせるのってすごく大事なことだと思っていて。私はこういった業界にいるので、安倍さんがどういう行動をしているのかって逐一耳に入ってくるんですけど、テレビで報道されているのと、首相が何の仕事をしているかっていうことの開きが大き過ぎるというか、くだらない報道のほうが多くて」と発言した。
 安倍応援団やネトウヨがよく言う「偏向報道」とそっくりの言い分である。若林氏はSNSによって、首相の本当の仕事が世間に伝わると言うのだが、力説されたこのコメントに対し、マツコは苦笑いでこう返した。
「超、安倍寄りのこと言ってるじゃないの」
 さらに、このように続けた。
「インスタとかSNSっていうのは、ようはああいうのって、ものすごい操作できるってことを見てる人は(考えておくべき)。都合のいいように、それだけを信じるのは違うかなって思うんだよね。出てるものすらフェイクニュースである可能性もあるわけじゃん。トランプさんなんて、そういうやり方をしているわけじゃない? 『これが真実だ!』って言っているけど、それが真実かどうかはわからないわけじゃない?」
 どう考えてもマツコの意見が正論だろう。マツコが指摘するとおり、SNSでは発信者に都合のいい情報しか発信しないことが可能で、アメリカのトランプ大統領などはツイッターで自分に都合のいいフェイク情報を発信する一方、自身に批判的な報道をフェイクニュースだと吠えまくっている。
 そして安倍首相も、デマ発信についてはトランプ大統領に負けていない。そもそも安倍首相はメディア報道や他人の発言を「捏造」「でっち上げ」「ウソをばらまいた」と声高に批判することが多いが、安倍首相のほうこそいたるところで見境なくデマを乱発してきた。
安倍首相、Facebookでもメルマガでもフェイクニュース拡散の前科
 たとえば安倍首相は、東京五輪招致プレゼンでの「(福島の)状況はコントロールされている」発言や、伊勢志摩サミットでの「リーマンショック級の危機」発言など、世界に向けて臆面もなくデマを発信。辻元清美議員に森友学園問題を追及されて、「辻元議員、辻元議員はですね、メールのなかに書かれていたことはですね、産経新聞に『3つの疑惑』が出ていましたね」などとネトウヨのデマを産経が記事化しただけフェイクニュースを国会答弁にまでもち出したことがある。
 さらに言えば、安倍首相はすでにSNSやメールマガジンなどの発信ソースを、自らのイメージ向上や政策ゴリ押しのために「デマ拡散装置」として利用してきた実績がある。
 悪質極まりないのは、2016年、自らの公式Facebookで「年金損失はデマ」というデマ情報を流していたことだろう。
〈「株価下落により、年金積立金に5兆円の損失が発生しており、年金額が減る」といった、選挙目当てのデマが流されています。しかし、年金額が減るなどということは、ありえません。このことを明確に申し上げたいと思います〉
 だが、これこそが選挙目当てのデマだった。安倍政権は前年度の運用成績の公表時期を例年とは違い参院選後にするという姑息な手段を講じており、この投稿も選挙を見越したものだった。しかし、投稿から4日後には、2015年の公的年金積立金の運用成績が5兆円を超える大損失を出していたことを朝日新聞がスクープし、安倍首相のほうがデマを流していたことが判明したのだ。
 先にあげた『5時に夢中!』でマツコ・デラックスが語っていた「ああいうのってものすごい操作できる」「出てるものすらフェイクニュースである可能性もある」という危惧がまさしく現実に起きていたという一例である。
 これだけではない。安倍首相は、トランプ大統領登場よりはるか以前から、自身のメディアでデマ情報を発信することで、政敵を攻撃し自らを利してきた。代表的なのは、震災後の混乱のさなか、菅直人元首相の福島原発事故対応について安倍首相が自身のメルマガでデマ情報を発信した件だ。
 安倍首相は自民党下野時代の11年5月20日、「菅総理の海水注入指示はでっち上げ」と題し〈やっと始まった海水注入を止めたのは、何と菅総理その人だったのです〉〈これが真実です〉と断言。しかも翌日には読売新聞と産経新聞が同じ内容の記事を一面で報じ、22日には再びメルマガで〈海水注入を一時間近く止めてしまった責任はだれにあるのか?菅総理、あなた以外にないじゃありませんか。真実は明らかです〉と攻撃した。
SNSだけではない!ストレートニュースも、権力に都合のいい発表報道だ
 だが、これもすでに明らかになっているように、まったくのデマだ。海水注入を止めるよう指示したのは東京電力の武黒一郎氏であり、故・吉田昌郎所長はその指示を無視して海水注入を継続させたのが“真実”だ。これは吉田所長も証言していることで、客観的な事実である。
 本稿冒頭でご紹介した通り、『5時に夢中!』で若林氏は「くだらない報道のほうが多くて」と語り、SNS によって政権からの情報が国民にダイレクトに伝わるようになれば、マスコミによって日々なされている「偏向報道」から脱することができるとした。ご存知の通り、これは安倍応援団の論法としては定番のものだ。
 しかし、この考え方には、そもそも政策に関する情報はもっぱら行政の側だけが発信、コントロールできるという認識がすっぽり抜け落ちている。日々、メディアで報道されているストレートニュースのほとんどは発表報道、つまり権力が自分たちに都合よく編集した情報だ。これがただタレ流されるだけになれば、政策や法案にどんな問題点があっても、国民には知らされず、政府の意のままに世論がコントロールされてしまうことになりかねない。
 だからこそ、政権から発信された情報に対し、メディアが批判的な立場から検証、報道することで、はじめて国民の知る権利が担保されるのだ。
 こういった過程をいっさい経ることのないSNSによる情報発信は、マツコの言う通り「ものすごい操作できる」ものであり、プロパガンダ以外のなにものでもないのは指摘するまでもない。
 流行りのインスタグラムを始めたからといって国民に根づいた首相への不信感が払拭されることなどないだろうが、このSNSがまた新しいデマ拡散装置とならぬよう、私たちは注意深く見ていく必要がある。(編集部)


鎌田實医師 2017年の漢字は「怒」
 諏訪中央病院名誉院長の鎌田實医師は、ふだんはあまり怒らないで過ごしているという。ところが2017年は、怒りがこみあげる場面が数多くあったという。「怒」をテーマに、鎌田医師が一年を振り返った。
 * * *
 いよいよ年の瀬だ。2017年を振り返ってみると、普段は怒らないカマタが、よく怒った一年だった。師走の風物詩になった「今年の漢字」一字を、ぼくが挙げるなら間違いなく「怒」だ。
 今年の年頭、ぼくはイラクの難民キャンプを訪ねた。小児白血病やがんなど重い病気を抱える子どもたちが、過激派組織ISから逃げながら、十分な治療が受けられないまま亡くなっていく姿を目の当たりにした。
 ぼくが代表をしている日本イラク医療支援ネットワーク(JIM-NET)はイラクの子どもたちに医療支援を続けてきたが、ISがいなければ助かった命も多かったはず。そう思うと怒りがこみあげてくる。
 米国では、トランプ大統領が就任し、世界の分断を広げるような言動を繰り返している。安倍さんは、就任前、いちはやくトランプ大統領の私邸に飛んでいった。
 先月、今度はトランプ大統領が来日したが、たった3日間しかいない日本で、半日を割いたのはゴルフだった。北朝鮮という国難を解決する気があるようには思えない。いや、むしろ、安倍さんにとって、選挙をしたり、防衛費を拡大したりするために、国難を都合よく利用しているようにさえ感じられる。
 今年の最も大きな怒りは、一強をめぐるモリカケ問題だった。この怒りはなかなか収まらない。
 加計学園が獣医学部の設計を委託しているのは、加計学園グループのSID創研と大建設計。そのSID創研は加計理事長の妻が取締役だ。校舎建設には国の補助金が入っている。そのお金が妻の企業へ流れていくということだ。
 一強と仲がいいと、いいことがいっぱいある。でも、一強に歯向かうと痛い目に遭う。森友学園の籠池前理事長は7月末から逮捕勾留が続いている。籠池さんに余計なことをしゃべらせないようにしているとしか思えない。
 このモリカケ問題で注目を浴びた「忖度」という言葉だが、これにあやかって「忖度まんじゅう」が商品化された。ファミリーマートでは「忖度御膳」というお弁当を発売したようだ。これらの商品は、悪しき風潮を笑い飛ばすブラックジョークなのだろう。
◆政治家が使う200万円の軽々しさ、一方非正規雇用の人は…
 それにしても、饅頭も、お弁当も、札束を忍ばせてお代官様に献上するにはちょうどいいサイズだ。と思っていたら、札束を隠すどころか、封筒に入れて堂々と手渡した人がいた。自民党の神谷昇衆院議員が、選挙前に、選挙区内の市議14人に現金計210万円を配ったという。市議たちは「時期が時期だけに怖くなって、全て返却した」と困惑。
 しかも、この神谷さんには別の疑惑もある。岸和田市長選の際、信貴芳則現市長の支持者が、自民党の推薦を得る目的で現金200万円を神谷さんに渡したと証言した。神谷さんはもらっていないと否定しており、水掛け論になっている。
 210万円にしろ、200万円にしろ、実に軽々しい。今年、2050万人となった非正規雇用の人の平均年収は172万円である。この人たちの年収の重みが、神谷さんには理解できないだろう。
 非正規雇用の人だけではない。正規も非正規もあわせた労働者の平均年収は422万円。10年前と比べても、まだ13万円低い。世界第3位の経済大国といいながら、名目賃金は先進国のなかで、日本だけが20年近く上がっていないのだ。これでは経済がよくならない。
 そのうえ、政治家の汚れた裏金と、格差の拡大で、ますます社会に怒りや不満がたまっていく。
 ぼくは昨年、有志とともに「地域包括ケア研究所」を立ち上げた。「まちだ丘の上病院」という新しい病院をつくり、地域包括ケアの拠点にしたいと思っている。
 経済的な基盤ができたら、空き家を利用し、シングルマザーシェアハウスをつくったり、シングルマザーが働けるような高齢者の小規模多機能型居宅介護の施設をつくろうと考えている。
 ぼくがそう思ったのは、あるシングルマザーが、どこにも保育所が見つからず、保育所を確保している風俗店で働くことになった、という話を聞いたからだった。風俗店でさえ保育所のことを考えているのに、「脱・少子化」「女性活躍」をうたう国は、何をしているのか、怒りがこみあげてきた。
 従来、高齢者の介護というと、公的サービスと高齢者という狭い範囲だけでものを考えがちだった。しかし、地域包括ケアではその地域で暮らすすべての人たちの参加が重要になる。シングルマザーが抱える問題を地域みんなで解決することで、だれにも住みよい地域をつくることができると考えている。
 今年は、怒らないカマタがよく怒った。この怒りを静かにかみしめながら、来年は、社会をよくしていくための力に変えていきたいと思う。
●かまた・みのる/1948年生まれ。東京医科歯科大学医学部卒業後、長野県の諏訪中央病院に赴任。現在同名誉院長。チェルノブイリの子供たちや福島原発事故被災者たちへの医療支援などにも取り組んでいる。近著に、『人間の値打ち』『忖度バカ』。


NHKに批判殺到 大宮・風俗ビル火災の被害者を実名報道
「大宮風俗ビル火災」をめぐり、NHKなどが文字通り大炎上している。
 17日に埼玉県さいたま市・大宮駅前の風俗ビルで発生した火災は、男女4人の犠牲者を出した。そのうち3人の身元が19日に判明。本紙が確認できた範囲ではNHKの「首都圏ネットワーク」、TBS系「Nスタ」、産経新聞が3人の実名を報じた。その他のメディアは「埼玉県志木市の女性(29)」などと匿名表記だった。
 現場ビルにはソープランドが入っており、亡くなった男女は従業員と客とみられている。
 ネット上では実名報道による故人のプライバシー侵害を指摘する声が殺到。なかでもヤリ玉に挙げられたのがNHKだ。同局はウェブ版でも「埼玉ビル火災 死亡した3人の身元判明」と題し、3人の実名を報道。しばらくして当該記事を削除した。
 似たケースでは、10月に神奈川県座間市で起きた“頭部9遺体事件”が記憶に新しい。遺族から実名報道を控えるよう報道機関に要請があったにもかかわらず、大半の新聞・テレビが9人の実名や顔写真を報じた。
 NHK広報は「事件、事故の報道は、真相や背景に迫り、国民の知る権利に応えるため、実名報道を原則としています。一方で、事件や事故の内容によっては、当事者のプライバシーや名誉に配慮して様々な対応を取っています」と説明。
 ウェブ版削除の理由はボカしたが、拡散の恐れがあるネットで記事を配信したことに批判が相次いだためと思われる。
 NHKをめぐっては、6日に最高裁が受信料制度を合憲と認定。「テレビ設置時にさかのぼって受信料の支払い義務が生じる」と判断したことで、併せて物議を醸している。
「ますますNHKの殿様商売ぶりに拍車がかかることは確実。報道姿勢ともども、それに納得できないアンチが次々と批判の声を上げている」とはテレビ関係者。今後もNHKは標的にされそうだ。


NHKが謝罪した橋爪功の不適切発言とは?「差別用語」になった歴史を振り返る
『ごごナマ』の放送中、阿部渉アナが謝罪「先ほどは不適切な発言がございました」
安藤健二 ハフポスト日本版ニュースエディター / 「知られざる世界」担当
俳優の橋爪功(76)が12月20日、NHKの昼番組「ごごナマ」でしゃべった言葉が「不適切な発言」として、放送中に局アナが謝罪する一幕があった。
この一件はサンスポ、スポーツ報知、日刊スポーツなどのスポーツ紙が報じたが、肝心の発言内容については触れていない。
それは、マスコミではタブーとされている表現だったからだ。橋爪が何と言ったのか。そして、なぜNHKが「不適切」と謝罪したのかを調べた。
■「若手俳優に言いたいことは?」と問われた橋爪は...
この日の「ごごナマ」は「演技派俳優の本音に迫る」として、司会の船越英一郎らが俳優デビュー56年の橋爪に、芸能生活の裏話を尋ねるものだった。
『船越のクエスチョン5』という質問コーナーで問題の発言は飛び出した。「若手俳優に言いたいことがある?」という質問に「NO」と即答した橋爪は、以下のように答えた。
「うん。言ってもしょうがねえしなぁ。ってすごく否定的だね。(愛は)ない。言いたいことってない。言いますよ、『馬鹿だ』、『チョンだ』か、『死ね』とか、『ひでえ』とか。そういうことは言います。理屈立ててというか、丁寧になんかは言いません」
隣で話を聞いていた阿部渉アナは、やや強ばった表情を見せていた。そしてコーナー終了後、「先ほどは不適切な発言がございました。大変失礼いたしました」と謝罪した。
これを聞いた橋爪は「えっ、俺? ね、こういうことがあるんですよ」とつぶやいていた。別の質問で、生放送が苦手な理由として以下のように答えていたばかりだった。
「失言が多い、俺。舌禍。生放送は取り返しがつかないんですよ。結構、今まではあったんですよ」
■もともとは江戸時代から使われていた言葉
橋爪の発言中で、NHKが不適切としたと思われるのは「馬鹿だ、チョンだ」という部分だ。現在、NHKだけでなく多くのテレビ局では放送で使わなくなっている。
では、この言葉を辞書で引いてみるとどうだろう。三省堂「大辞林」第三版の解説には、こう書かれている。
​​​​​​ちょん
句読点・傍点など、何かの印として打つ点。点。
〔芝居で幕切れに拍子木を打つことから〕 物事の終わり。幕切れ。おしまい。 「事件はあっけなく−になった」
「馘首かくしゆ」「解雇」の意を俗にいう語。 「人員整理で−になった」
〔俗語〕 一人前以下であること。 「ばかだの、−だの、野呂間だのと/西洋道中膝栗毛 魯文」
ここにあるように「バカだのチョンだの」という表現は、明治3年に出版された仮名垣魯文の小説『西洋道中膝栗毛』にも出てくる。
江戸時代から、人間が一人前でない状態を示す言葉として使われていたようだ。そこから派生して、全自動コンパクトカメラのことを「バカチョンカメラ」と呼ぶ事例も近年まで多かった。
しかし、いつからか「チョンコ」や「チョン」という言葉が朝鮮人を指す蔑称としても使われるようになった。そこで「馬鹿でもチョンでも」といった用例や「バカチョンカメラ」という言葉が民族差別として捉えられて抗議を受けるケースが増えて、多くのメディアが使用を自粛した。
​​​​​​​共同通信社の記者ハンドブック(第12版)には、読者に不快感を与える言葉として「バカチョンカメラ」を「簡易カメラ」「軽量カメラ」と言い換えるようにと書かれている。
政治家の舌禍事件となることも多く、2015年4月には、当時の自民党幹事長だった谷垣禎一氏が大阪市での街頭演説で「ばかだチョンだ」という表現を使ったが、まもなく陳謝撤回している。
以下、差別用語に関する専門書2冊から解説を引こう。
■「私家版差別語辞典」(上原善弘著)の「チョンコ」の項目より
これは主に関西方面でよく使われた在日朝鮮人・韓国人を指す呼称で、私も幼い頃から聞いて育った。根っからの差別語と呼んでよいだろう。(略)語源は朝公(チョウコー)からきているとされているが、他の説もいろいろあって、俗語だけには正確な語源はわかっていない。
ただここで興味深いのは(実際は深刻な問題なのだが)、バカチョン・カメラ(全自動カメラ)のチョンは、俗に「馬鹿でも朝鮮人でもできる」という意味にとられてしまい、放送禁止用語になってしまったことだ。
チョンという言葉は、日本では昔からあり、俗語としては「一人前以下」という意味を持っていた。(略)バカチョン・カメラはその応用だったのだが、いつの間にか使っている人もチョンコからの応用だと思うようになってしまったようだ。
■『新・差別用語』(山中央著)の「バカチョン」の項目より
「バカだチョンだ」の「チョン」は、朝鮮人に対する差別用語であるとされているが、もともと「チョン」は古くからあったことばで、「バカでもチョンでも」とか「バカだのチョンだの」という表現で、「頭の悪い状態」を指して使われた。
それが短縮されて「バカチョン・カメラ」などに利用されていた。原義には民族差別の意味はないのだが、一方に朝鮮人を指す蔑称として「チョン公」(朝公)ということばがあり、いつのまにか「バカでもチョンコーでも」の意にスリかえて考える者が増えてきたという事情がある。
■1970〜80年代に「バカチョン」が抗議を受けた事例
さて、「バカチョン」という言葉がマスコミ各社で、いつから自粛されるようになったのかははっきりしていない。1970年代から抗議例があり、80年代には謝罪事例があることから、少なくとも2000年以前には自粛されるようになった模様だ。
以下、70〜80年代のマスコミへの抗議事例を並べた。
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1975年2月 エジプトから帰国した三笠宮崇仁親王がNHKに出演した際に「バカチョンカメラをもってゆくべきだった」と語ったことで、抗議を受ける。
1981年5月 テレビ朝日系で放送された「日曜洋画劇場—がんばれベアーズ」で「バカチョンどもに負けていいのか!」という表現があり、視聴者から抗議の電話。
1987年1月 アニメ「超人戦隊バラタック」がKBS京都で放送された際に、数カ所に「バカチョン」の台詞があり、抗議の電話を受ける。
1988年4月 日本テレビ系で放送された「11PM」で、ゲストの三田佳子が芸能界デビュー当時を振り返り「バカだのチョンだのといわれていじめられた」と述べた。司会の藤本義一が番組内で「不適当な発言がありました」と謝罪した。日本テレビに数件の抗議電話。


NHK受信料徴収「合憲」 集金人に対抗の映像コンテスト「賞金30万円」
 NHKの受信料制度に対し、最高裁が6日に合憲とする判断をしたばかりだが、受信料徴収にまつわるトラブルが絶えない。女性宅に夜遅くに訪れるなど、しつこい訪問を繰り返したNHK集金人の動画が、ユーチューブに投稿され話題を呼んでいる。
 この集金人は、女性宅を何度も訪れたうえ「本日放送受信料の件で訪問させていただきました」という手紙を1日に17通もポストに投函した。女性は、尼崎市市会議員で政治団体「NHKから国民を守る党」に所属する武原正二氏(39)に情報を提供。武原氏が、同じ集金人が女性宅に再度やって来たところを注意する模様を撮影した動画をユーチューブに投稿した。ネット上では「権力があれば何をやってもいいのか」「(集金人が)非常識すぎる」などと炎上している。
 元NHK職員で同党代表の立花孝志氏(50)は「集金人はNHKが外部契約している300社近くある下請け会社から派遣されているスタッフ。彼らにはノルマがあり、出来高で給料がもらえるので、丁寧に説明して契約を取るのではなく、荒々しい手段に出る人が少なくないのです」と指摘する。
 立花氏の元には「ドアに足を入れて閉めさせないようにしたり、扉を強く叩き続けたりした」「『契約するまで帰らない』と言ってきた」「マンションで『○○さん、お金払ってください』と大声を出された」などの集金人の強引な行動が寄せられているという。
 一方で最高裁が、受信料制度が契約の自由を保障する憲法に違反するかが争われた訴訟で、合憲と初判断し、司法のお墨付きが出たことで、受信料契約をする人の数は飛躍的に増えている。
「最高裁の判決で、集金人の取り立て方がより強引になっていると聞く」という立花氏は次の行動に出た。ネットで「悪質なNHK集金人を撮影して投稿すれば30万円もらえるコンテスト」を開始したのだ。撮影した動画を送信し、ユーチューブで再生回数が最も多かった人が優勝し、30万円をもらえるという。


京都大、吉田寮の退去期限通知 寮生は反発「一方的」
 国立大の学生寮で現役最古の100年超の歴史を持つ旧棟を含む京都大吉田寮(京都市左京区)について、大学当局は20日までに、2018年9月末までにすべての寮生の退去を求める基本方針を策定し、寮生に通知した。旧棟の老朽化に伴う安全確保のための措置としているが、寮生からは「一方的な通告だ」と反発の声が上がっている。
 吉田寮は、1913年築の旧棟と2015年築の新棟で構成される。旧棟については、当局は耐震性を欠いているとして建て替えを提案する一方、寮側は補修などによる維持を主張してきた経緯があり、今後の計画は決まっていない。15年以降、当局は寮自治会に入寮募集の停止を求めてきたが、新規入寮は続いていた。
 基本方針は▽18年1月以降の新規入寮は認めない▽新棟を含むすべての寮生272人は18年9月末までに退去し、希望者には現在の寮費(1カ月400円)で当局が代替宿舎を用意する▽旧棟の老朽化対策は、収容定員の増加を念頭に置き今後検討する―との内容で、吉田寮の廃止を目的とはしていない、としている。
 19日夜に当局からのメールで基本方針を伝えられた男子寮生は「大学と事前の話し合いがなく受け入れることはできない。寮生と今後の対応を決めていきたい」と話している。

湖東記念病院事件再審決定・西山美香さんは無実です!

ブログネタ
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kumant1

Des Japonais ont inventé un verre capable de se réparer tout seul
Andy
Le temps des verres brisés qu’on essayait de rafistoler avec de la colle pourrait bien être révolu grâce aux recherches menées par des scientifiques de l’université de Tokyo. Une étude menée par le professeur Takuzo Aida et publiée dans la revue Science le 14 décembre 2017 dévoile l’existence d’un verre capable de se réparer tout seul. Les chercheurs nippons dirigés par Takuzo Aida sont à l’origine de cette découverte scientifique.
Dans une vidéo montrant l’expérience des chercheurs, on peut voir clairement deux débris de verre fabriqués à partir d’un nouveau polymère semi-transparent fusionner entre eux. La fusion des deux éléments survient après qu’ils aient été compressés durant de nombreuses heures à température normale.
À long terme, cette technologie pourrait bien être étendue à nos écrans de smartphones, ce qui pourrait nous éviter bien des tracas. Elle sera aussi utile dans d’autres domaines.
Une première dans le domaine de la science
Les chercheurs japonais ont affirmé que cette nouvelle matière était la première à pouvoir se restaurer à température ambiante. D’après les scientifiques, ≪ Dans la majorité des cas, il faut chauffer le verre à une température d’environ 120°C ou plus pour qu’il fusionne et se répare.
En dehors de sa capacité de régénération, le polymère ≪ est hautement robuste et peut être réparé grâce à une simple compression de la surface fracturée pendant une à six heures. ≫ Après avoir été réparé, le verre garde également toute sa force.
Une découverte accidentelle
L’équipe de chercheurs japonais a indiqué que la découverte des propriétés de ce nouveau polymère s’est faite accidentellement après que l’étudiant de l’université de Tokyo, Yu Yanagisawa, ait préparé le matériel pour en faire de la colle.
Durant son expérience, l’étudiant a remarqué qu’après que la surface du polymère ait été découpée, les bords continuaient à se recoller entre eux. Ces derniers ont fini par fusionner complètement après avoir été compressés durant 30 secondes à une température de 21°C.
Durant une interview accordée à NHK, Yu Yanagisawa a déclaré qu’il avait du mal à croire à sa découverte et avait recommencé l’expérience plusieurs fois avant d’en être sûr.
フランス語
フランス語の勉強?
鳩山由紀夫‏ @hatoyamayukio
東京新聞の報道で、音声データによると森友への国有地売却の値引きについて、工事業者の方が嘘をつきたくないと尻込みしていたのに、国側が「9mまでゴミが混在しているとすればよい」と積極的に値引きさせたがっていたことが明らかになった。高値を望む筈の国が値引きを求める。上からの声しかない。

今日はいいニュースです.湖東記念病院事件の再審決定を大阪高等裁判所が行いました.今年の5月27日のえん罪の集会SUN−DYUさんと桜井さん/徳之島特産黒糖焼酎の冤罪の集会に参加してはじめて湖東記念病院事件を知りました.その時はみんな頑張っているなぁ・・・と思ったくらいでしたが,再審決定になってとてもうれしいです.西山美香さんは無実です!

<年の終わりに17東北>(1)「乾杯」あふれる笑顔
 一年が終わろうとしている。東日本大震災から7度目の年の瀬になる。東北の被災地の表情や地域の習わし、人々の営みを見詰めた。
◎再開店舗で忘年会(岩手県陸前高田市)
 師走の街にまた一つ、明かりが戻った。
 震災で全壊した陸前高田市の飲食店「和食 味彩(あじさい)」が、6年9カ月ぶりに営業を再開した。「待ってました」「お帰り」。客席に笑顔が広がる。
 店を切り盛りする阿部昌浩さん(50)、裕美さん(50)夫妻は昼も夜も大忙しだ。忘年会の予約もひっきりなし。「感謝の気持ちでいっぱいです」と接客を担う裕美さんの声が弾む。
 にぎわいを取り戻そうと陸前高田市の人々は今年、大規模にかさ上げされた中心市街地で一歩を踏み出した。商業施設や市立図書館が相次いでオープン。個人店舗の再起は、阿部さん夫妻の店で10店舗を数える。
 「一店一店が強ければ魅力的な商店街になると思う。皆さん、そういう覚悟でやっている」
 今はまだ、さら地の多い中心市街地だけど、再びともしびあふれる街にしようと誓って「乾杯」。


<回顧17みやぎ>(7)色麻町・一斉放送事業破綻/苦渋の有線本卦帰り
 東日本大震災から7度目の年越しを迎える。復興へと地道な歩みを重ねた2017年。被災地を置き去りにした解散風が吹き、大型選挙が相次いだ。学校現場では再び尊い命が失われ、問題の根深さが浮き彫りとなった。県内であった出来事を記者が振り返る。
 嫌な予感がした。新任地に着いて間もない4月、無線機を見た時だ。れんが大の黒い本体から、角のように2本飛び出たアンテナ。この武骨な機器が、住宅の居間や玄関に置かれた光景はイメージしづらかった。
 宮城県色麻町が全2000世帯分を1台約6万円弱で購入した。災害情報などを一斉放送するデジタル無線網事業。運用開始予定から2年たっても、約1200世帯で発生した受信トラブルを解消できずにいた。
 無線機のデザインより、問題の根は深かった。原因を調査した町の専門家委員会は4月末、「現状の設備で全世帯への一斉放送はできない」と結論付けた。
 周波数の帯域幅の不足など、設計上の致命的な課題が突き付けられた。事実上の事業破綻。巨額の公費が無駄になる可能性が高いと感じ、大きく報じた。
 その後の展開は、ほぼ予想通り。会計検査院は11月、無線機の購入費など約1億5000万円の支出を不法と指摘。町は事業に充てた国の交付金を返還した。設計業者は、追加工事分の委託料の支払いを求めて町を提訴。責任論争は法廷に場が移り、町民にとってもやもやした状況が当分の間、続きそうだ。
 意外だったのは、約6割の世帯が加入する有線放送電話(有線)を代替策に選んだこと。国内では役目を終えた前時代の技術とされる。故障しても代替機器がもう製造されていない、とも聞いていたからだ。
 ところが、町は通話機能のないスピーカーなら未加入の800世帯に設置が可能で、専門家委員会が提案したコミュニティーFMの開局より費用を抑えられると言う。予算や時間が限られる中、苦渋の本卦(ほんけ)帰りであることは分かるが、「だったら初めから…」と思わずにはいられなかった。
 町が有線の再整備方針を示した9月28日、役場2階の放送室に入った。前回改修から24年が経過。この先、いつ変調を来すか分からない。町職員は「写真はやめてね。汚くてかっこ悪いから」と声を掛けてきた。
 放送開始から60年目。県内で唯一残る有線は、誇るべきレガシーであり、事業破綻の教訓でもある。「もう少しの間、頑張ってよ」。そう念じ、シャッターを切った。(加美支局・佐藤理史)
[メモ] 色麻町は2011年から全国に先駆けて高速無線通信「地域WiMAX(ワイマックス)」網を整備。総事業費は約3億7000万円。13年に災害時の避難所となる40カ所との情報通信が可能となったが、全戸一斉放送はできなかった。有線放送電話は町の広報や町議会の中継が聞け、無料通話もできる。


リニア工事談合事件/「悪弊」を断ち切れないのか
 建設業界は「悪弊」をまだ断ち切れないでいるのか。総工費9兆円を超える巨大プロジェクトが、業界ぐるみの不正の温床になっていた疑惑が浮かび上がった。
 JR東海が発注したリニア中央新幹線の建設工事を巡る独禁法違反事件である。
 大手ゼネコンの大林組が、東京地検特捜部の事情聴取に対し鹿島、清水建設、大成建設との4社による受注調整を認めた。公正取引委員会にも違反を申告していたという。
 民間の事業とはいえ、リニア計画には財政投融資3兆円が投入されており、公共事業と同じ重みがあると言っていい。談合で事業費が膨らめば利用者に運賃の形でしわ寄せが及びかねない。司直の手で全容を徹底解明してほしい。
 JR東海がこれまでに締結した工事は22件。このうち4社が代表となる共同企業体(JV)が15件受注し、各社は3〜4件とほぼ均等だった。4社の担当者らは業界の会合などを通じ定期的に会い、情報交換していたという。
 特捜部は当初、大林組のJVが受注した名古屋市の非常口工事で不正な入札があったとみて偽計業務妨害容疑で同社の強制捜査に踏み切った。
 今月8〜9日の家宅捜索後、大林組から公取委に「4社で事前に受注調整した」と、課徴金減免制度に基づく申告があった。もはや他の3社は「談合には当たらない」といった言い逃れができなくなったはずだ。
 制度は談合の課徴金の増額と共に、2006年の法改正で設けられた事実上の司法取引だ。独禁法違反容疑で調査を受ける前に関与を認めれば課徴金が減免される。他社より早い申告なら刑事告発も免れることができる。
 各社は1990年代のゼネコン汚職事件の反省を踏まえ、05年に「談合決別宣言」をしたはずだった。にもかかわらず、その後も談合が繰り返されているのは問題だ。
 宣言直後の06年には、旧防衛施設庁発注工事に絡む官製談合事件で大手ゼネコンを含む多数の業者が摘発を受けた。今年4月には、東日本大震災の被災農地復旧事業を巡る談合疑惑で、大手の東北支店などが公取委から立ち入り検査を受けている。
 リニア計画には難易度の高い工事が多い。「技術力と体力のある会社が受注しただけ」という声を聞くと、おごりや甘えの体質があったと言わざるを得ない。
 これまでの捜査で、JR東海側が工事価格に関わる非公開情報を伝えた疑いも指摘されている。発注者側にも重大な責任がある。説明を尽くすべきだ。
 独禁法は、発注者が官か民かを問わず公正な競争を妨げることを禁じている。談合は公平な入札制度の根幹を揺るがす悪質な犯罪である。
 新時代を切り開くリニア中央新幹線に、汚点を残してはならない。


大林組会長はメシ友 安倍首相にリニア9兆円利権との接点
 スーパーゼネコン4社に“総ガサ入れ”だ。リニア中央新幹線の建設工事を巡り、東京地検特捜部は18日、独占禁止法違反の疑いで大手ゼネコン鹿島と清水建設の本社を家宅捜索し、強制捜査に乗り出した。近く大成建設や既に偽計業務妨害容疑で強制捜査を受けた大林組への捜索にも踏み切る。入札前に水面下で4社が協議し、受注分担を決める「談合」の疑いが深まったためだ。総工費9兆円に上る巨大利権のウラには、安倍首相とゼネコンの「パイプ」が浮かび上がる。
 リニア関連工事は2015年8月から計22件の工事契約を締結。このうち大手4社は計15件を受注し、南アルプス地下トンネルやリニア新駅建設など難工事を伴う契約を3〜4件ずつ分け合う形となっている。いずれも価格は非公表ながら、総工費が1000億円から数千億円規模とみられる巨額工事について、4社は受注分担を協議。受注予定者や入札価格を事前に決める調整を繰り返していた疑いがもたれている。
 ここまでなら、単なる談合事件で片づくのだが、主要工事でゼネコン関係者がクビをかしげる「談合破り」が1件存在するのだ。それが名古屋のリニア新駅工事。朝日新聞によると、当初の協議では大成建設が希望したが、結果的には大林組が受注したという。
「主要駅の改築工事では、以前にその駅施設を建設したゼネコンに優先権を与えるのが、業界の不文律です。大成は今年全面開業した名古屋の新駅ビル『JRゲートタワー』を受注。地下6階、地上46階建てビルの地下にリニア新駅が建設される予定だったため、大成は当然工事を取れると思っていたはずです」(ゼネコン関係者)
■名古屋駅工事を異例の逆転発注
 なぜ、大成は逆転を許したのか――。大林組といえば、トップの大林剛郎会長は安倍首相の“メシ友”だ。12年12月の第2次政権発足以降、複数の知人を交え、少なくとも3回会食。先月19日、東京・ホテルオークラで開かれた大林会長の親族の結婚披露宴には、安倍も来賓として出席した。現職首相が民間企業の親族の披露宴にわざわざ顔を出すのは、まれだ。それだけ2人の親交の深さがうかがえる。
 大林組が名古屋駅工事の契約を締結したのは昨年9月6日のこと。約1カ月前の8月1日夜にも安倍と大林会長は会食していた。
「工事を譲る形となった大成は、前年の2015年に施工業者として携わった新国立競技場の『ザハ案』が白紙撤回。確保していた下請けの作業員や建築資材が宙に浮きかねなかったところを、政府の再コンペで建築家の隈研吾氏とタッグを組み、何とか受注に成功し救われた格好です。受注を競った建築家の伊東豊雄氏は再コンペの採点方法に異議を唱えましたが、当時、彼と組んだゼネコン連合は竹中工務店、清水建設、そして大林組です」(政界関係者)
 リニアの総工費9兆円のうち、約3兆円は国の財政投融資からの借入金で賄っており、工事に政権の意向が入る余地はある。また発注側のJR東海の葛西敬之・代表取締役名誉会長は安倍の後見人で財界ブレーンとして知られる。
 夢の巨大プロジェクトの裏で何があったのか。特捜部は全容解明に向け、徹底的に捜査のメスを入れるべきだ。


[リニア入札談合] 許されない業界の悪弊
 リニア中央新幹線の工事を巡る不正入札の捜査は、大手ゼネコンの談合事件に発展する公算だ。
 東京地検特捜部と公正取引委員会は独禁法違反(不当な取引制限)の疑いで、大林組、鹿島、清水建設、大成建設の本社などを家宅捜索した。
 リニアの総工費は9兆円超に上る。発注は民間のJR東海だが国の財政投融資を使って3兆円が充てられる国家的プロジェクトだ。
 大林組は4社による不正な受注調整を認め、課徴金減免制度に基づき公取委に違反を申告した。
 浮かび上がってきたのは巨大事業の裏で、スーパーゼネコンと呼ばれる4社が工事を分け合う構図である。
 談合はおよそ許されない業界の悪弊と病理にほかならない。特捜部や公取委は、業界のうみを出すため全容の解明に全力を挙げてもらいたい。
 一連の捜査の端緒は、リニアの地下トンネルから地上に避難するため名古屋市に新設する非常口工事の入札だ。大林組の共同企業体(JV)が約90億円で受注した。
 大林組は事前に工事費などの非公開情報を入手し、競合他社に受注の希望を伝え、他社も協力したとされる。こうした受注調整は他の工事でも繰り返された疑いがある。
 実際に4社が受注した工事15件は、各社3〜4件ずつ均等割りで工事を取った形だ。
 大林組は当初、入札を巡る偽計業務妨害容疑で強制捜査を受けたが、1社だけの不正でないとの見方は根強かった。捜査のメスが業界の談合体質に向かったのは当然の成り行きだろう。
 リニア建設を巡っては在来線の運行を続けながら地下駅を造ったり、南アルプスをトンネルでくりぬいたりするなど難工事が多い。
 このため請け負える企業は高い技術力を持つ大手に限られることは確かだ。「工事は利幅が少なく技術者も足りない」(大手ゼネコン幹部)との声も上がる。
 だからと言って、決して受注調整の言い訳にはならない。工事費が膨らめば、乗客の運賃などにはね返る。不正のつけが国民に回ってくることは間違いない。
 発注のあり方にも目を向ける必要がある。JR東海側が工事費の見積もりを漏らし、組織としての意向が受注調整の背景にあった疑いが持たれている。
 国民生活に直結する巨大事業だけに、入札や契約の透明性確保が欠かせない。JR東海は民間企業の入札に独禁法が適用された意味を十分考慮し、入札のあり方を検証すべきだ。


リニア談合 事実の徹底究明を急げ
 何度も繰り返されてきた大手ゼネコンの談合事件。今度はリニア中央新幹線工事の入札を巡り、大手ゼネコン4社が受注調整をしていた疑惑が出てきた。
 大林組、鹿島、清水建設、大成建設の4社である。入札前に協議して、受注予定者や入札価格を決めていた疑いがある。
 これまで契約済みのリニア関連工事22件のうち、4社は計15件を受注している。件数は3〜4件ずつとなっており、均等に振り分けるように調整したとみられる。
 東京地検特捜部と公正取引委員会は独占禁止法違反(不当な取引制限)の疑いで、4社を家宅捜索した。大林組は不正な受注調整を認め、課徴金減免制度に基づき、公取委に違反を申告している。
 JR東海による民間事業のため、刑法に基づく談合罪は適用されない。とはいえ、談合で工事費が膨らめば、乗客が支払う運賃にはねかえる恐れがある。各社が技術と価格を競争する自由で公正な入札が工事の前提だ。特捜部と公取委が独禁法違反容疑で捜査に乗り出したのは当然である。
 リニアは総工費9兆円に上る巨大事業で、全国新幹線鉄道整備法に基づき国土交通相が認可している。財投債を財源とした財政投融資で国が調達した資金3兆円も、JR東海に貸し出されている。国家プロジェクトに等しい。
 工事契約が不透明ならば、特捜部と公取委は事実を徹底究明するべきだ。
 背景には、リニア中央新幹線工事の特殊性もあるだろう。
 2027年に先行開業する東京・品川から名古屋までの286キロのうち、86%をトンネルが占める。山梨、静岡、長野を通る全長約25キロの南アルプストンネルは特に困難とされる。地表から約1400メートル付近を掘削するため、強い負荷がかかり、高圧の水脈に当たる恐れもある。地下深くに建設する名古屋や品川の新駅も難工事だ。
 施工できる技術を持つゼネコンは限られているとされる。各社は入札に参加できる業者が少ない環境を利用して、談合を繰り返していたのではないか。各社の間でどんなやりとりがあり、入札にどう影響したのか、慎重に調べる必要がある。
 県内では、リニア関連工事の生活環境への影響などを巡り、JR東海と地元との対話が不足し、住民の不安や不信感を招く事態も生まれている。今回の疑惑は不信感をさらに高めることにつながる。全容解明と責任追及は地元の理解を得るためにも不可欠である。


伊方原発差し止め決定◆住民の危機感くんだ判断だ◆
 大事故の危険があるとして広島市の住民らが、四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の運転差し止めを求めて申し立てた仮処分の即時抗告審で、広島高裁が運転差し止めの決定を下した。東京電力福島第1原発事故後、原発の再稼働や運転を禁じる高裁段階の司法判断は初めてだ。事故から間もなく7年、国や電力会社がここへきて加速させている原発の再稼働路線に対し、司法が周辺住民の意見をくみ上げ、厳しい判断を突きつけたことを政策決定者らは深刻に受け止める必要がある。
規制委評価は不十分
 決定は、九州・阿蘇山の大噴火が伊方原発に与える影響について原子力規制委員会や四国電力が行った評価の不十分さを指摘し、他地域の原発の安全性評価にも反省を迫る内容となった。東電の事故後、規制委は、活動する可能性が否定できない火山が原発から半径160キロ以内にある場合、火砕流や火山灰などの影響を評価し、必要に応じて対策を求める「火山影響評価ガイド」を定めた。
 規制委はガイドに基づき、伊方原発から約130キロの所にある九州の阿蘇カルデラが大規模な噴火をした際でも、火砕流が原発に到達する可能性は十分に小さいと評価。2015年7月、3号機が「原発の新規制基準を満たしている」として再稼働に道を開いた。これに対し、3号機が再稼働した昨年8月以降、周辺4地裁・地裁支部で住民らが運転停止の仮処分を申請。差し止めを認めなかった今年3月の広島地裁決定に対し、住民側が高裁に即時抗告していた。
旧態の政策見直しを
 高裁は決定の中で、火山噴出物の量などに関する四国電力の想定が「過小」と認定。「伊方原発が新規制基準に適合するとした原子力規制委員会の判断は不合理」だと断じた。「まるで福島原発事故などなかったかのように、原発を再稼働させる動きが加速している」とする住民の危機感を司法が受け止め、「生命、身体に対する具体的危険の存在」を認めた形だ。国のエネルギー政策について、今回の決定が持つ含意は大きい。
 現在の原発を取り巻く状況は「30年度に電力供給の20〜22%を原子力で賄う」との目標達成が困難だと指摘する識者は多いが、経産省はこの目標を見直さない方針を表明。それどころか次期エネルギー基本計画の中で、原発の新設や建て替えの重要性への言及を検討、原発の経済性をアピールし再生可能エネルギーの問題点を指摘する情報をホームページに掲載するなど原発への傾斜を強めている。
 今回の決定は、規制委のお墨付きを得た原発でさえ、「司法のリスク」を抱えていることを示した。政策決定者も電力会社の経営者も、今回の決定を、既得権益を重視する旧態依然としたエネルギー政策とその決定手法を見直し、市民の意見や世論を反映させたエネルギー政策を日本で実現するための契機とすべきだ。


最高裁、域外被爆認めず 全員救済へ政治判断が不可欠だ
 広島と長崎の原爆禍から七十余年。病に苦しみ続けながら、いまだに「被爆者」とさえ認められず、救済の網から取りこぼされた人が大勢いる。そうした人々の痛みに、司法はまたも寄り添わなかった。
 原爆投下時に国が指定する地域の外にいたため、「被爆者」でなく「原爆体験者」とみなされた人々が、国と長崎県、長崎市に被爆者健康手帳の交付などを求めた第1陣訴訟で、最高裁は一、二審に続き、被爆者と認めない判決を言い渡した。指定地域の内外で援護に差をつけ、全面救済から目を背ける国を、司法が追認した。失望と憤りを禁じ得ない。
 被爆した人たちは高齢となり次々亡くなっている。同様の訴訟は広島の原爆を巡っても続いており、これ以上裁判闘争を強いることは許されない。国が政治判断で被爆者の認定基準を変えない限り、もはや問題は解決すまい。被爆者援護法は「国の責任において」援護対策を講じると明記している。今すぐ救済制度を抜本的に見直すべきだ。
 そもそも、国による地域指定は旧長崎市など当時の行政区画に沿って画一的に決めたにすぎず、問題が大きい。被爆者と認められれば医療費は原則無料で健康管理手当も支給される。一方、「体験者」への医療費支給は精神疾患とその合併症に限られ、著しい格差を生んでいる。
 放射性物質を含む「黒い雨」や「死の灰」が行政区通りに降るはずがない。同じように雨を浴び、灰の浮かんだ水を飲み、畑の野菜を食べた人たち。がんなどの病を患い、見えない放射能の不安におびえて生きてきた苦しみを思えば、皆「被爆者」であることに違いはない。実態を無視して、地図上の勝手な線引きで救済者が決められることはあってはならず、一方的な排除は、国による差別と言わざるを得ない。
 指定地域拡大を求める体験者らに対し、国は「拡大は科学的根拠のある場合に限るべきだ」との立場を取り、訴訟では、影響を立証する責任を体験者に課している。70年以上前の放射能による健康被害を立証するのは極めて困難で、それを原告らに求めるのは、責任転嫁だ。
 昨年の第2陣訴訟の長崎地裁判決では、一定の被ばく線量を超えていたと推定できる体験者を被爆者とするよう長崎市などに命じた。一歩前進かと思われたが、今回の第1陣訴訟では司法は一貫して体験者側の立証を退けた。同じ場所で被爆した家族が1、2陣に分かれて提訴したために、判断が割れた例もある。新たに生まれた理不尽な格差を憂慮する。
 国には、個々の状況を見極め援護の内容を決めるなど、柔軟な仕組みを求めたい。原爆禍は国が始めた戦争によって引き起こされた。その事実を改めて肝に銘じなければならない。全員救済は国の重大な責務。それを抜きにして、ヒロシマ・ナガサキの悲劇は決して終わらない。


米軍ヘリ飛行再開 「普天間」閉鎖しかない
 県民の強い反発にもかかわらず、生命を脅かす行為が強行されたことに抗議する。
 米軍は普天間第二小への窓落下を受けて見合わせていた普天間飛行場所属のCH53E大型輸送ヘリコプターの飛行を再開した。事故からわずか6日である。
 米軍は事故が安全ワイヤの固定を見落とした「人的ミス」だと結論付けた。「機械的、構造的な問題はない」とするが、現場や個人への責任転嫁にすぎない。10月に東村高江で発生したCH53Eの不時着、炎上後も再発防止策を講じたと説明したが事故は繰り返された。
 問題は深刻である。「人的ミス」を起こさない安全管理策が機能していないのではないか。繰り返される事故を見れば再発防止は無理だ。危険を除去するためには普天間飛行場の閉鎖しかない。
 米軍の軍事力を年次的に評価している米保守系シンクタンクのヘリテージ財団の2018年版報告書によると、米海兵隊の全航空機で飛行可能な機体が昨年末時点で41%にとどまっている。今回飛行再開したCH53Eの飛行態勢も、後継機のCH53Kの開発遅れで「重空輸ヘリの所要を満たすには不十分」と問題視している。
 報告書はその上で「機体の老朽化と飛行時間が削減されることが組み合わさると、人的エラーと機械的エラーの両方による飛行中の事故の危険性が高まる」と事故多発の可能性にも言及している。
 県が求めた全軍用機の飛行停止や、普天間所属機の長期の県外・国外へのローテーション展開も受け入れられなかった。根本的な問題を解決しないままの飛行再開は認められない。
 事故を受け、防衛省と在日米軍は学校上空の飛行を「最大限可能な限り避ける」ことで合意した。飛行した場合の罰則はない。小野寺五典防衛相は「基本的には飛ばないということだ。仮に飛行した場合は直ちに米側に申し入れる」と語った。「決して」飛ばないのではない。「最大限」「基本的」などの文言で抜け道を残している。
 問題は普天間飛行場周辺にとどまらない。訓練のためにCH53や垂直離着陸機MV22オスプレイが沖縄を飛んでいる。いつでも、どこでも深刻な事態を招く可能性がある。日米安全保障と言うが、県民の安全を危険にさらして、一体だれの安全を保障しているのか。
 この間の日本政府の対応は非常に不誠実である。防衛省は今回、米軍の事故原因の報告について「防衛省の同種の事故調査を行う知見に照らせば、飛行を再開するための措置がとられたと判断できる」と理解を示した。10月のヘリ炎上後の飛行再開も「再発防止対策がとられている」とお墨付きを与えたが事故が繰り返された。
 対米追従の政府の説明はもはや信頼できない。


[第二小へ誹謗中傷]心ない行為 看過できぬ
 米軍普天間飛行場所属のCH53E大型輸送ヘリが普天間第二小学校の運動場に窓を落下させた事故で、同小や宜野湾市教育委員会に対し誹謗(ひぼう)中傷の電話が相次いでいる。
 「やらせだろう」「基地のそばに造ったのはあんたたち」などといった内容である。
 落下事故が児童や学校に与えたショックは計り知れず、「怖い」と訴えて欠席する児童が出る中、児童や職員の心をさらに深く傷つける暴言を許すことはできない。
 電話の内容は事実と違うものである。
 窓が回転しながら運動場に落ちていく様子を複数のテレビ局のカメラが捉えている。にもかかわらず、このような電話をかけてくるのは悪意に満ちた行為というほかない。
 第二小は普天間小の過密化を解消するため1970年、一部校舎が現在地に完成。敷地が文部省(当時)基準に合わず騒音も悪化したため移転を計画した。米軍が敷地を同飛行場として提供する条件を付けたことや、移転先の学校用地費が2倍以上に急騰、国の補助も認められず断念せざるを得なかった経緯がある。
 思い出すのは2015年、自民党の若手国会議員らが招いた有名作家の発言である。普天間飛行場は「もともと田んぼの中にあり、周りには何もなかった」などと語った。
 普天間飛行場の建設場所は戦前、役場や国民学校があり、生活の中心地だった。住民が収容所に入れられている間に米軍が土地を占領して建設したというのが事実だ。
 誹謗中傷はCH53Eヘリの部品が屋根に落下したとみられる緑ヶ丘保育園にも向けられており、深刻な事態だ。
■    ■
 事実かどうかは二の次。弱い立場の者を「敵」に仕立てて暴言を吐く。基地に反対する沖縄の人たちを一方的にたたき、留飲を下げる。
 基地問題でヘイトスピーチ(憎悪表現)まがいの言説があからさまに表面化したのは13年1月。全市町村長らがオスプレイ配備の撤回などを求め、東京・銀座でデモ行進した。沿道から浴びせられたのは「売国奴」「中国のスパイ」などの罵声だった。
 高江のヘリパッド建設で抗議する人が「日当をもらっている」などと、根拠のない番組を放送した東京MXテレビが放送倫理・番組向上機構(BPO)から「重大な倫理違反」を指摘されたばかりだ。
 基地を巡る言論空間のゆがみと同時に、沖縄への蔑視や偏見を受け入れる素地に愕然(がくぜん)とする。
■    ■
 米軍は事故を起こした同型のCH53Eヘリの飛行を再開した。「学校の上空の飛行を最大限可能な限り避ける」とするが、実効性を担保するものは何もない。喜屋武悦子校長は「子どもの命を預かる校長として『飛ばない』という回答をいただきたい」と当然の要求をしたが、日米とも応えることはなかった。
 児童の安心・安全が何より最優先されなければならない。このためには普天間飛行場の運用停止こそが先決だ。
 いわれなき誹謗中傷は精神的負担が大きいに違いないが、職員らはひるまず事実を示し毅然(きぜん)と対応してほしい。


生活保護費 「どんどん下げられると、やっていけない」
受給額引き下げ方針で衆議院第1議員会館で院内集会
 政府が18日に公表した生活保護受給額の引き下げ方針について、反対する受給者らが19日、東京・永田町の衆議院第1議員会館で院内集会を開いた。集会には約160人が参加し、受給者は「保護費をどんどん下げられると、やっていけない」と憤った。
 脳性まひで電動車いすで生活する川西浩之さん(45)=東京都=は「まるで、障害者や病気の人は早く死んでくださいと言わんばかりの状況」、東京都の宮本由喜子さん(75)は「どんどん下げられると、やっていけない。上に着るものは周りの人がくれて、下着とジーパン、靴とソックス程度しか買わない。それでも髪は伸びるし、電気製品は10年以上たつとダメになる」と訴えた。
 政府の方針では、受給額のうち食費や光熱費など生活費相当分について、3年で最大5%引き下げるとしている。集会では生活保護基準の見直しを話し合った社会保障審議会生活保護基準部会の報告書や政府方針について、法政大学の布川日佐史教授や元生活保護ケースワーカーで弁護士の森川清さんらが解説した。森川さんは、生活保護を受給している人からの聞き取りや家計調査をしていない▽前回(2013年)引き下げの影響の検証が不十分▽受給者以外の低所得層の消費との比較で引き下げを決定したこと▽最低賃金や住民税、就学援助など関連制度へ影響を及ぼす−−−などの問題点を指摘。受給者以外の低所得者層について、「本来生活保護を利用できる人の7〜8割はできていない。その人たちが多く含まれた状態」と、比較対象として不適当とした。
 子どもの貧困に直面しやすいひとり親世帯では、母子加算も平均2割削減される。名古屋市立大学人文社会学部の桜井啓太専任講師は「母子家庭は生活保護本体の引き下げに加え、母子加算、児童養育加算引き下げの影響で、トリプルパンチを受ける」と懸念した。
 最低賃金1500円を求める団体「エキタス」のメンバー、原田仁希さん(28)は「法律上、最低賃金は生活保護との整合性を考慮することになっている。生活保護費が削られると最低賃金は低く抑えられ、負の連鎖が起きる。受給者だけの問題ではなく、ろくでもないような最低賃金近くで生きている、若い労働者にとっても問題。政府は論点をすり替えないでほしい」と怒りを込めた。【西田真季子】


児童手当に減額世帯 安倍政権“子育て支援のウソ”また発覚
 安倍首相が選挙公約にブチ上げた「幼児教育無償化」は結局、認可外保育園が対象になるのかどうかも含め制度設計が来年夏へ先送りというサギだった。さらにまたひとつ、安倍政権の子育て政策のペテンが明らかになった。今度は児童手当だ。2019年度以降、支給世帯を絞り込み、支給額を減らすことが、18日の閣僚折衝で固まった。
 現在、児童手当は中学生以下の子供のいる世帯に支給されている。0〜2歳が1人月額1万5000円、3歳〜中学生は月1万円だ。ただし所得制限があり、夫婦と子供2人の場合、稼ぎの多い方の年収が960万円以上の世帯は、1人月5000円となっている。
 これが19年度から、所得制限が世帯収入の合計に変わる。例えば、年収700万円の夫、400万円の妻、3歳未満1人、小学生1人の世帯は、今の児童手当は月2万5000円だが、世帯収入の合計では年収が1100万円なので、19年度からは支給額が月1万円に減額されるわけだ。
■女性の政権支持率が低下
 この児童手当は民主党政権時代に「子ども手当」となり所得制限なく全ての子供に支給された。しかし、自公は“バラマキ”と批判し、所得制限が再び導入された経緯がある。だから所得制限世帯への1人5000円の支給も激変緩和の意味合いの強い「特例」扱いで、財務省などは特例もやめたくて仕方がない。世間の批判をかわすために、一気に大幅減額ではなく、そろりと制度を縮小しているのが実態だ。
 代わりに低所得世帯向けの児童扶養手当の受給者を増やすが、しょせん、予算を右から左に付け替えただけ。子育て政策の充実に逆行してやしないか。
「欧州などと比較しても日本は教育や家庭にお金をかけないし、子育て支援と口では言っても、結局、政府は金勘定しか考えていない。子供たちが豊かになるように税収をどう配分するかという思想は二の次なのです」(経済ジャーナリスト・荻原博子氏)
 12月に入って安倍政権の支持率が低落傾向だが、顕著なのが男女差の拡大だ。日経新聞の世論調査では女性の支持率が男性より13ポイントも低かった。待機児童解消が後手後手になるなど安倍政権に対する女性の目が厳しくなっている。女性を敵に回した安倍政権は、再び負のスパイラルに入っていく。


庶民イジメの診療報酬引き上げ 裏には安倍首相の“お友達”
 性懲りもなく、また「お友達」を厚遇だ。18日の閣僚折衝で決まった2018年度の診療報酬改定。注目は医師らの技術料や人件費にあたる「本体部分」を0・55%引き上げたことだ。引き上げに伴って投じられる税金は約600億円。安倍政権は社会保障費の自然圧縮を進めていて、来年度予算でも1300億円を削減する方針だが、医療業界だけは特別扱いらしい。
 改定で企業や個人が支払う保険料や病院の窓口負担額も1600億円を超える見込みだから、まさに庶民イジメの大改悪といっていい。
 10月の衆院選で、20万票といわれる組織票で自民党を支援した日本医師会。約17万人の会員医師のトップに立つ横倉義武会長は、安倍首相が自民党の社会部会長(現厚生労働部長)からの知り合いで“蜜月関係”にあるとされる。横倉会長は福岡出身で、麻生財務相とも親しい間柄という。
 問題は、そういう安倍首相や閣僚と近しい“お友達”や関係者が、重要政策の決定直前に頻繁に首相官邸を訪ねていることだ。モリカケ疑惑と同じ構図である。
 例えば、横倉会長は11月9日に官邸を訪ねているし、安倍首相の側近である加藤勝信厚労相の議員会館事務所に所在地を置く自民党の議員連盟「国民医療を守る議員の会」の高村正彦会長らは12月10日、13日と立て続けに官邸を訪問している。
■モリカケ疑惑の反省なし
 この「議員の会」は13年に診療報酬のプラス改定を政府に陳情するためにつくられ、本紙は過去に「日本医師連盟」が「議員の会」に対して、13年11月に500万円、14年10月に100万円を寄付した――との記載が政治資金収支報告書にありながら、「議員の会」側が総務省にも東京都選管にも「政治団体」の届け出をしておらず違法献金の疑いがある、と報じた(医師連は後に記載を削除訂正)。
 一部報道では、加藤厚労相が麻生財務相に「ありがとうございます」と頭を下げて引き上げが決まった、などと描写されているが、茶番劇もいいところ。まさに「お友達のお友達によるお友達のための政治」ではないか。安倍政権は、モリカケ疑惑を全く反省していない。というより、むしろ大っぴらにやりたい放題だから許せない。
「ふつうは公人ですら総理大臣とは軽々に面会できません。しかし、献金=カネが絡み、安倍首相と近しい、あるいは気に入られれば頻繁に会うことができるのだとすれば、“買収”に近い癒着関係といわれても仕方がないでしょう。カネで政治行政が歪められているのに等しい」(政治資金に詳しい神戸学院大の上脇博之教授)
 国民はもっと怒った方がいい。


「森友」国有地 売却協議の詳細判明 「9メートルまでごみ混在、虚偽にならぬ」
 学校法人「森友学園」への国有地売却を巡り、昨春行われた学園側と財務、国土交通両省との協議の詳細が本紙が入手した音声データで判明した。八億円超の値引きの根拠となった地中のごみについて、学園側の工事業者は「三メートルより下にあるか分からない」と主張し、虚偽報告の責任を問われかねないと懸念。これに対し、国側は「九メートルまでの範囲でごみが混在」しているとの表現なら、虚偽にならないと説得し、協議をまとめていた。 (望月衣塑子、清水祐樹)
 音声データには、昨年三月下旬に行われたとみられる学園側と財務省近畿財務局職員、国交省大阪航空局職員らとの協議などが記録されている。
 データでは、国側が「三メートルまで掘ると、その下からごみが出てきたと理解している」と発言。これに対し、工事業者が「ちょっと待ってください。三メートル下から出てきたかどうかは分からない。断言できない。確定した情報として伝えることはできない」と主張した。
 さらに国側が「資料を調整する中でどう整理するか協議させてほしい」と要請すると、工事業者は「虚偽を言うつもりはないので事実だけを伝える。ただ、事実を伝えることが学園さんの土地(価格)を下げることに反するなら、そちらに合わせることはやぶさかでない」とやや軟化した。
 この後、学園の代理人弁護士(当時)が「そちら(国)側から頼まれてこちらが虚偽の報告をして、後で手のひら返されて『だまされた』と言われたら目も当てられない」と懸念。工事業者は「三メートル下からはそんなに出てきていないんじゃないかな」と付け加えた。
 国側は「言い方としては『混在』と、『九メートルまでの範囲』で」と提案したものの、工事業者は「九メートルというのはちょっと分からない」と難色を示した。
 しかし、国側が「虚偽にならないように、混在していると。ある程度、三メートル超もある。全部じゃないということ」と説得すると、工事業者がようやく「あると思う」と同意。国側が「そんなところにポイントを絞りたい」と決着させた。
 国が算定した地中のごみの量を巡っては、会計検査院が最大七割過大に算定されていた可能性を示した。大阪航空局は、建設用地から実際に撤去したごみが国の算定の百分の一だったことを明らかにしている。
 音声データは十一月二十八日の衆院予算委員会で財務省が存在を認めた内容を含む、より詳細なもの。本紙が著述家の菅野完(たもつ)氏から入手した。
 本紙の取材に財務、国交両省から回答はなく、学園の当時の代理人弁護士は「一切コメントしない」と回答。工事業者の代理人弁護士は電話取材に「国と学園側の落としどころの金額に沿ったものを出したが、根拠が十分ではなかった。こちらの試算では、ごみを完全に撤去する費用は九億数千万円だった」と述べた。
◆口裏合わせ はっきり記録
<解説> 会計検査院の検査では、学校法人「森友学園」への国有地売却で八億円超の大幅値引きの根拠となった地中ごみの処分量が最大七割も過大に算定されていた可能性が示された。一方で、契約に至る資料の一部が廃棄されたことなどが壁となり、価格決定の詳しい経緯は解明できなかった。
 しかし、今回、財務省が存在を認めた音声データの全容を詳細に分析すると、地中ごみが地下三メートルより下からはほとんど出ていないにもかかわらず、地下九メートルまであるという形にまとめようと、国側が口裏合わせを求めたともとれるやりとりがはっきりと記録されていた。学園側が、国側のストーリーに合わせて報告を行えば、虚偽にとられかねないと不安視している発言も含まれていた。
 なぜ財務省職員らがそんな無理をして値引きしようとしたのか。安倍晋三首相の妻の昭恵氏が小学校の名誉校長に就いたことや、首相夫人付きの職員が国有地について財務省に照会したことが影響した可能性はないのか。
 学園側への国有地の売却では、分割払いや価格の非公表などさまざまな特例がなぜか付されていた。その理由も政府はいまだに明らかにしていない。この音声データが明るみに出たのを機に、関係者を国会に呼ぶなどして、もう一度調査をやり直すべきだ。 (望月衣塑子)


森友問題で財務省が嘘の口裏あわせをした決定的証拠! 一方、昭恵夫人は首相公邸でおトモダチと忘年会開催
 森友学園問題で、核心に迫るスクープが報じられた。今朝の東京新聞が、森友側と財務省、国土交通省が協議をおこなった際の「音声データ」を入手。そのやりとりは、3メートル以下の地中からゴミが出てくるというシナリオに沿って動いていくことを国側が「説得」していたことをさらに裏付けるものだ。
 記事によると、この音声データは今年9月に関西テレビがスクープしたものと同じ2016年3月下旬におこなわれた協議のものとみられ、出席者は〈学園側は籠池泰典理事長と、妻の諄子・幼稚園副園長、学園の代理人弁護士、小学校建設業者、国側は財務省近畿財務局の統括国有財産管理官とその部下、国土交通省大阪航空局職員〉だ。
 すでに関テレの報道で、このときに籠池理事長は「棟上げの時に、首相夫人来られることになっている。だから日にちの設定をした。設定をしててこんなになってしまった。どうするの、僕の顔は」と昭恵夫人の名前を出すかたちで国側に肉薄。対する国側の職員は、「3メートルまで掘っていますと。土壌改良をやって、その下からゴミが出てきたと理解している。その下にあるゴミは国が知らなかった事実なので、そこはきっちりやる必要があるでしょというストーリーはイメージしているんです」と、事実上、国側が「値引き」をおこなうためのストーリーを提示していたことが判明していた。
 一方、工事業者は「3メートルより下からはゴミはそんなに出てきていない」と言うと、国側の職員は「言い方としては“混在”と、“9メートルまでの範囲”で」と提案。弁護士も「(9メートルまでガラが入っている可能性は)否定できないでしょ?」と語り、結果的に工事関係者は「そのへんをうまくコントロールしてくれたら、我々は資料を提供しますので」と承諾。国側の職員は「虚偽のないようにあれが大事なので、混在していると。ある程度3メートル超のところにもあると。ゼロじゃないと」と畳みかけていた。
 この音声データが公開された時点で、もはや国側が値引きに向けて口裏合わせをおこなっていたことは明々白々だった。しかし、11月28日の衆院予算委員会でこのやりとりは口裏合わせだったのではないかと追及を受けた財務省の太田充・理財局長は、「3メートルを超える深い所から出てきた物について、必要な資料の提出をお願いした。口裏合わせはしていない」と否定。30日の参院予算委では「会話の一部が切り取られた。新たな埋設物の資料提供をお願いしている」と重ねて否定したのだ。
 だが、今回の東京新聞の報道では、この協議をより克明に伝えるもので、肝心な部分は中略せず、会話の一部を切り取ることなく伝えられている。
財務省職員が「判然としないことは承知」と工事業者に明言
 たとえば、先述した“3メートルより下からゴミが出てくるストーリーをイメージしている”と国側の職員が述べたあと、つづけて「三メートル以下からごみが噴出しているという写真などがもし残ってたら」と語っている。これをもって太田理財局長は「新たな埋設物の資料提供をお願いしている」と答弁したのだろうが、このあとすぐに工事関係者は以下のように反論している。
「ちょっと待ってください。そこは語弊があるので。三メートル下から出てきたかどうかは分からない。下から出てきたとは確定、断言できてない。そこにはちょっと大きな差がある。認識をそういうふうに統一した方がいいのであれば合わせる。でもその下から出てきたかどうかは、工事した側の方から、確定した情報としては伝えるのは無理」
 このように、国側が資料提供を求めたあと、工事関係者は明確に「確定、断言できない」「確定した情報として伝えるのは無理」と反論しているのである。
 しかし、国側は引き下がらなかった。この工事関係者の反論を受けて、国側の職員はこう語っている。
「●●さん(工事業者)からそういう話は聞いている。●●さん(設計業者)からもそういうふうに聞いている。どこの層から出てきたか特定したいのでこういう聞き方をしてきた。●●さん(設計業者)もどこから出てきたか、判然としないという話で今までは聞いている。ただ今後、資料を調整する中でどういう整理をするのがいいのか協議させていただけるなら、そういう方向で話し合いをさせていただければありがたい」
 つまり、国側の職員は、工事関係者からも設計業者からも「3メートルより下のゴミは確定できない」と説明されてきたことを踏まえて、それでもなお、3メートルより下からゴミが出てきたというストーリーにこだわり、「そういう方向で話し合いを」と求めていたのである。東京新聞は、この一連の会話を中略していない。ようするに、どう考えても、太田理財局長が主張した「新たな埋設物の資料提供をお願いしている」会話などではないのだ。
 それはその後の会話もそうだ。以下に「カット」せずに東京新聞に掲載された会話を引用しよう。
〈弁護士「そちら(国)側から頼まれてこちらが虚偽の報告をして、後で手のひら返されて『だまされた』と言われたら目も当てられない」
工事業者「三メートル下より三メートルの上からの方がたくさん出てきてるので、三メートル下からはそんなにたくさんは出てきていないんじゃないかな」
国側の職員「言い方としては混在と。九メートルまでの範囲で」
工事業者「九メートルというのはちょっと分からない。そこまでの下は」
弁護士「そこは言葉遊びかもしれないが、九メートルの所までガラが入っている可能性を否定できるかと言われたら否定できない。そういう話だ」
工事業者「その辺をうまくコントロールしてもらえるなら、われわれは資料を提供させてもらう」
国側の職員「虚偽にならないように、混在していると。ある程度、三メートル超もあると。全部じゃない、ということ」
工事業者「あると思う」
国側の職員「そんなところにポイントを絞りたい」〉
昭恵夫人は森友問題に頬被りしたまま公邸で忘年会
 どうだろう。国側の職員は、虚偽の報告をおこなうことに抵抗感を示す工事業者に「言い方としては混在と。九メートルまでの範囲で」「虚偽にならないように、混在していると」などと積極的に提案し、言いくるめようとしているではないか。
 一体なぜ、国側は不当な土地取引を主導して進めようとしたのか。東京新聞の記事では、法政大学の五十嵐敬喜名誉教授(公共事業論)が、このように指摘している。
「地下九メートルと言えば、建物二階分で相当深い。そんなところまでごみがあったというなら、はっきりした根拠が必要で、音声データのようなやりとりはあり得ない。虚偽報告を懸念する工事業者を説得して土地の価格を安くしたとすれば、国の職員の忖度そのものだろう。安倍晋三首相の妻昭恵氏の存在があったからとしか思えない」
 会計検査院の報告によって約8億円の値引きに根拠がないことがすでに認められている。そして、国側がその不当な値引きのストーリーを描き、主導したことも、こうして証拠として残っている。あとに残るのは、昭恵夫人への追及だけだ。
 日刊ゲンダイによると、昭恵夫人は本日、〈首相公邸で親しい知人を招いて忘年会を開く予定〉なのだという。「首相夫人は私人」という閣議決定までしておいて、税金で維持されている首相公邸で私的なパーティを開催する──いまだ昭恵夫人は「私物化」を当然だと思っているらしい。
 年をまたげばみんなが忘れて疑惑が帳消しになると思ったら大間違いである。年明けの国会では、絶対に昭恵夫人の証人喚問が必要だ。(編集部)


ピンク・レディーが目玉 レコ大は賞レースとしてもう限界
「出演シーンの視聴率が楽しみです」と、関係者は口々に言っている。30日にTBS系で生放送の「第59回 輝く!日本レコード大賞」(レコ大)にピンク・レディーが出演、ヒット曲をメドレーで披露することになった。
 今年はピンク・レディーの生みの親である阿久悠さんの没後10年、作詞家50年の節目の年。その功績に特別賞を贈り、栄誉をたたえるためにふたりの特別出演が決まったというのである。
 名目は何であれ、話題をつくって、かつての高視聴率に少しでも近づきたいというのが制作側の本音だろう。1977(昭和52)年の第19回に最高視聴率50・8%を記録したレコ大は、2005年の第47回で記録した過去最低の10・0%からは復調し、昨年は14・5%とまずまずの結果を残している。
 そこで、さらなる好結果を出し、スポンサーを逃さないようにするための企画だろう。が、「レコ大の発表場面よりもピンク出演シーンに関心が集まり、番組瞬間最高視聴率もピンク・レディーがとるんじゃないか」という声が、審査委員を務めるマスコミ関係者からも聞こえてくるのだ。
 スポーツ紙デスクは言う。
「芸能担当の記者のなかで、音楽担当は芸能というジャンルの雄といった感じでした。審査員を務めるレコ大はその最たるもの。普段は締めないネクタイをして、国民的番組に関わっていると胸を張ってTBSに行っていたものです。ところが昨今は『まだやっているのか』という目が強く、『どうせ出来レースだろう』とか、買収工作とか黒い噂に加担しているんじゃないかと見られていて、レコ大に向かう記者も肩身が狭い思いをしています。大晦日から30日に前倒しになったことでG気G兇帽潦福H崛箸箸靴討量鯡椶終わっているのは否定しようもないです」
 1959(昭和34)年、日本作曲家協会会長だった作曲家の故・古賀政男氏らは、米グラミー賞をヒントに、その年度に最も支持を集めた歌手や音楽関係者を顕彰するためにレコ大を創設。一時は人気歌手がレコ大会場から紅白の行われるNHKホールへの移動まで中継されるほどで、日本の年末の風物詩でもあった。
 しかし、歌謡曲は廃れ、一年を代表するようなヒット曲も生まれていない。さらに、かねて噂されていた業界と審査員の癒着や大手芸能プロによる票や賞の買収まで囁かれるようでは、視聴者がソッポを向くのは当然の帰結だったに違いない。
■来年で節目の60回
 ピンク・レディーのレコ大は78年に「UFO」で大賞を受賞して以来といっても、番組を見るのは当時を懐かしむ中高年世代が中心となり、若い世代にはピンとこないだろう。もはや日本版グラミー賞という本分は跡形もないのが現実なのである。
 社会学者の太田省一氏はこう言う。
「レコ大では80年に五木ひろしさんと八代亜紀さんの賞レースが『五八戦争』と話題になったのを覚えています。大人から子どもまで話題にし、結果を予想したりして、五木さんの『ふたりの夜明け』と八代さんの『雨の慕情』をもうひとつ別の形で楽しんでいました。そういうドラマも含めて関心を集めた、まさに国民的な番組だった。その年のヒット曲を聞くことで、視聴者は一年を振り返り、締めくくっていたのです。もちろんそれは街に歌謡曲が流れ、誰もが口ずさんでいたからこそのもの。最近は過去の名場面を振り返るような特集が増えていますけれど、それも、今の日本の芸能のシーン。変わりゆく世相を映しているといえなくもない。大賞とか賞レースにこだわらず、今の時代にあった演出に変えていってもいいのかもしれません」
 来年で節目の60回。潔く幕を閉じるのも日本的美学だろう。


河北春秋
 トランプ米大統領は既存のメディアを嫌う。都合の悪いニュースが出ると「フェイク(偽り)」と一喝する。誰かが何かをたくらんでいるのではないか、と常に疑心暗鬼になっている。新聞やテレビはまるで攻め込んでくる侵略者であるかのよう▼米の天文学者セス・ショスタックさん(74)は本紙のある記事で、米国人が侵略者に敏感なのは「カウボーイ気質だから」と説明。この特性こそが未確認飛行物体(UFO)への信仰につながっているのだ、と指摘している▼未知の存在に対する不安、恐れ、そして憧れ。文化や娯楽はこうした感情をうまく取り込んだ。先日、国際面で「2007年から国防総省がUFO調査」の記事を読んで、あらためて米国人気質に触れたような気がした▼それにしても、である。経費は6年間で約2200万ドル(25億円程度)。サッカーJ1ベガルタ仙台の年間予算とほぼ同じではないか。ちょっと弱いけど数々の歓喜のプレーを知る身としては、科学的根拠が乏しい?円盤にそれほどカネを使わなくてもいいように思うが…▼ショスタックさんはかつて欧州の講演会で聴衆に言われた。「われわれは宇宙人を本気で探すほど不真面目でない」と。「ではサンタクロースを信じますか」。こう言い返したかどうかは分からない。

山田洋次監督が大林宣彦監督にエール!「今の支配者は戦争を知らない」「戦争の恐ろしさを発信し続けなくては」
 大林宣彦監督が末期ガンと闘いながら撮った最新作『花筐/HANAGATAMI』が公開になった。
『花筐/HANAGATAMI』は、檀一雄が1937年に出版した小説『花筐』を原作とした日米開戦直前の青春群像劇だが、登場人物の恋や生活なども丁寧に描かれ、平和と反戦のメッセージと人間を描くドラマ、エンタテインメントを見事に両立させた作品となっている。大林作品の中でも「傑作」との呼び声が高い。
 そんな大林監督作品『花筐/HANAGATAMI』に、あの山田洋次監督がメッセージを送っている。大林監督と山田監督は、映画作家としての来歴も作風も大きく違っており、これまで接点らしきものを聞いたことがなかったが、先日発売された「キネマ旬報」(キネマ旬報社)2017年12月下旬号に山田監督の「大林宣彦さんへ」という談話原稿が掲載されたのだ。
 だが、その記事を読んで、山田監督がなぜ、あえてメッセージを送ったかが理解できた。山田監督は大林監督の才能をかねてより認め、『花筐/HANAGATAMI』が映画として優れていることを表明しつつも、こう語っている。
〈この映画の底流には大林さんの思想がある。映画を見ているとそれが液体のように滲んでくる。その思想の根底には、戦争中を知っている世代の、僕もその世代だけれど、特有のものがある。
 敗戦というこの国の大きな転換期、戦後のすごい生活苦を体験している者として、戦争がどんなに恐ろしいものか、それを警告し発信し続けなくてはいけない。いま世界中に戦争の匂いがしだしているから、それをどんなにくりかえして言っても、言いすぎることはない。そういう考え方が大林さんの中に確固としてある。〉
 そう、山田監督は大林監督の戦争への向き合い方に共感し、エールを送ったのだ。
山田洋次「戦争は恐ろしいものだって、学校で教えられているとは思えない」
 山田監督といえば、長崎の原爆で亡くなった息子の霊(二宮和也)と母親(吉永小百合)の不思議な日々を描いた2015年公開の映画『母と暮せば』も記憶に新しいが、インタビューでもしばしば「戦争体験」「反戦メッセージ」を語っている。
 1931年に大阪で生まれた山田洋次監督は、機関車製造会社のエンジニアだった父が南満州鉄道株式会社に転職したのをきっかけに、2歳のときに満州へ引っ越している。それ以降、父の転勤に合わせて各都市を転々とし、13歳のときに大連で終戦を迎えた。
 当時のエリート職にあたる満鉄社員の父の給料は良く、少年時代の山田監督は何ひとつ不自由のない暮らしを送っていたという。戦況が悪化してからも、空襲に怯えながら日々を暮らさなければならないような内地とはずいぶん違った暮らしを送っていた。「本の旅人」(KADOKAWA)2011年4月号のインタビューでは、大連から見た内地の状況を「対岸の火事といった感じでした」と説明している。
 しかし、終戦を迎えて状況は一変。父は職を失い、家も八路軍に接収されると、一家は食料や燃料にも困る日々を送ることになる。それからは衣類や古本などを兄弟3人揃って街角に立って売る生活に。友だちの家を訪れたら一家全員が死にかけた状態でグッタリとしている状況にも出くわしたことがあるという。しかし、自分たちもギリギリの状態で生きているのでどうしてやることもできない、そんななかをなんとか生き残っていった。
 終戦から1年半が経ってようやく帰国。一家は山口県宇部市の親戚の家に身を寄せるが、それから先も貧しい生活は続く。山田監督は旧制宇部中学を経て旧制山口高等学校へ進学しているが、その学費を稼ぐため、農家の田んぼの草取り、こやし運び、空襲で焼けた工場の片付け、炭坑の坑木運び、進駐軍の病院の清掃など、さまざまなアルバイトをこなした。そこで出会った人々の記憶は、後の映画づくりにおいて重要な財産となった。そのなかには、あの寅さんのモデルになった人物もいるという。
 そんな戦争体験をもつ山田監督は、「ステラ」(NHKサービスセンター)2014年2月21日号のなかで、戦争に対する若者の認識についての危惧をこのように語っている。
「現在、戦争はこんなに恐ろしいものだって、学校でちゃんと教えられているとは思えない。それに、日本人の被害もひどかったけども、日本人は加害者でもあるわけだから、それはちゃんと教えなきゃいけないんじゃないのかな」
山田洋次監督が自らの体験として語った満州時代の「中国人差別」
 山田監督がこのように警鐘を鳴らすのは、満州で過ごした少年時代を思い返しての反省の思いがあるからだ。戦中でも満州の日本人たちが過不足ない生活を享受できたのは、彼らが現地の中国人たちを搾取していたからにほかならない。
 前掲「本の旅人」では、終戦当時に住んでいた大連の家を訪れているのだが、現在その家に住んでいるおばあさんから親切に対応してもらったのを受けて、「そのおばあさんの手を取って謝りたい気持ちになりました」としつつ、このように語っている。
「日本人は、中国人の土地に植民者として入り込んで、豊かな生活を享受していた。そして、中国人というのは貧しくて、汚くて、頭も悪いという、ひどい差別意識を持っていたんです。中学生だった僕も、なにも考えず、そういう差別の上にあぐらをかいていた」
 山田監督がこのような思いを抱く一方、この国、かつて戦争に乗じて周囲の国々に残酷極まりないことをしたという事実も、それどころか、戦争によって自分たちも壊滅的な被害を受けたということすらも、なにもかも忘れ、権力者たちが煽る好戦的な空気に乗っかろうとしている。
 だからこそ、70年以上前に起きた悲劇を思い返すことは重要だ。そして、そのために芸術は大きい役割を果たす。だから、映画でも、文学でも、演劇でも、音楽でも、あらゆる芸術は、未来に向けて確固たるメッセージを込めなければならない。
 前掲「大林宣彦さんへ」で山田監督はこのように綴っている。
〈いまの日本を支配している権力者は戦争を知らないし、体験もしていない。戦争は国民を苦しめ、痛めつけ、最後には殺してしまう。国民はハガキ一本で召集されて、死ね、と言われて死ななくてはいけない、そんな恐ろしくて残酷な体験を、この国は、つい70年前までしていた。そのことを、僕たちはくりかえし思い出さなくてはいけない。〉
 一方、大林監督も、NHK Eテレで放送されたドキュメンタリー『青春は戦争の消耗品ではない 映画作家 大林宣彦の遺言』のなかで「みんながしっかりと怯えてほしい。大変なことになってきている」「それが、実際に怯えてきた世代の役割だろうと思うので、敢えて言いますけどね。怯えなきゃいかん。戦争というものに対して」と発言。映画『花筐/HANAGATAMI』は太平洋戦争の時代を描いたものだが、その物語は好戦的な空気を煽る2017年にも通じるものであり、そんな状況のいまだからこそつくられるべき作品であったと語っている。
 山田洋次監督や大林宣彦監督が伝えようとしている思い。私たちはそれを重く受け止めなければならない。(編集部)


反骨の風刺漫才コンビと吉川晃司
 ★ネットでは原発、北朝鮮のミサイル、沖縄の米軍基地などを正面から扱ったウーマンラッシュアワーの風刺漫才の反響が大きい。首相・安倍晋三とお笑い芸人などが会食したという報道の直後だけに反骨心あふれる漫才に驚く声と称賛の声が渦巻く。否定的な声には「お笑いに政治を持ち込むな」という声もあるそうだ。 ★「永続的敗戦論」の著者で政治学者の白井聡は「話題沸騰のウーマンラッシュアワーの漫才。この放送は事件と呼ぶに値する。つくづく思いますが、結局は個人の勇気しか、信ずるに値するものはない。で、勇気ある人間の多寡と、社会の品位の程度は比例関係にあるのでしょう」とネットに書き込んでいる。ただ、この漫才がテレビで放送されたことをすごいとしていては広い意味の言論が衰退していることを意味する。ウーマンラッシュアワーとともに、もう1人の反骨の男がいる。 ★吉川晃司だ。東日本大震災直後は石巻に出向いてがれきの撤去作業ボランティアに加わり、また、チャリティーのライブも行い、6億円以上の義援金を被災地に送っている。「このまま何も策を講じることなく死んじゃったら、僕ら恥ずかしい世代ですよね。放射能のことも、僕らは本当のことを知らず、知識がないゆえに傍観してきた。それは悔いても悔やみきれない」。(「週刊文春」12年4月12日号)。「リスキーだし、マイナス面も増えますよ。実際にコマーシャルの話が来る時に『原発発言、しますか?』みたいに訊くところもあるわけで。『しますよ』と言うと、その話はもうそこでなかったりするしね。一時期、文化人とかエンターテイナーが政治や経済について語ることはかっこ悪いみたいな風潮が日本にもあったと思うんだけれども、今はそんなこと言ってる人がかっこ悪いと思ってますよ。どんどん言うべきじゃないのっていう」(「bridge」13年3月号)。

軍事研究、前のめりだった京都帝国大
 いつの時代も軍事研究は秘密裏で行われてきた。防衛省の研究公募は昨年度まで、特定秘密保護法上の「特定秘密」になりうるのか、要項上あいまいだった。軍事と多額の研究資金で科学はどうゆがむのか、戦時中の歴史を京都で追うと、秘密のベールが立ちふさがる。
 「戦時中、京都帝国大は軍事研究に前のめりだった。かなり戦争に協力していた姿勢がみてとれる」
 京都大大学文書館(京都市左京区)の西山伸教授は、防衛省防衛研究所にあった資料に目を落としながら語った。
 京大側で、該当する資料は現存していない。
 資料名は、陸軍兵器行政本部技術部と陸軍技術研究所の「研究嘱託名簿」。戦時中に集められた科学者の名簿だ。東京帝国大、慶応大…。1945年1月の名簿638人の研究者の中に、京大から38人の名があった。
 名簿に、戦後間もなく京大総長を務めた鳥養利三郎(1887〜1976年)の名前もあった。鳥養は電圧や電波が専門の電気工学の重鎮。先端技術で重きをなした「応用科学研究所」のトップも任されていた。
 京滋では府立医科大が「生活限界に関する研究」(月80円)、京都繊維専門学校(現京都工芸繊維大)が「能力限界に関する研究」(月60円)を担っていた。
 鳥養には軍から月120円の手当が支払われている。所属先は旧陸軍が極秘裏に兵器を研究した一大拠点「登戸研究所」(川崎市)だった。研究テーマは「と號(ごう)装置ニ関する研究」。「と號」は兵器の暗号で、電気で弾丸を飛ばす「投擲(とうてき)砲」と考えられている。
 登戸研究所の建物は一部現存している。明治大の生田キャンパスにあり、平和教育の資料館となっている。アメリカ本土を攻撃する決戦兵器、風船爆弾。細菌兵器、毒物開発。偽札作りなどの謀略。戦後に跡地を購入した明治大は、戦中は無関係だったが、秘密戦研究と戦争の暗部を掘り起こし、資料を展示している。館報では松野誠也さんが「研究嘱託名簿」と登戸研について寄稿していた。
 「科学研究者調(甲表)」という資料もある。召集解除が必要な科学者の一覧表で掲載数は226人。京大は20人の氏名がある。2資料の研究テーマには、自動追尾ミサイルや暗視装置など現代に実戦投入されている兵器もある。京大・木材研究所でも研究していた「軍用木材」も挙げてある。電波や衝撃波でB29を破壊しようとした「怪力線」や空気中に蒸気化学材を散布し、飛行機や戦車のエンジンを停止させようとした研究など、実現性がよく分からないテーマも多い。本気で研究しようとしていたのか。
 湯川秀樹博士のメモにあったように、終戦直後に組織的に戦時中の軍事研究資料は焼却され、記録は乏しい。戦後は占領軍に動じず、大学自治を貫こうとした鳥養の軍事研究への思いを知りたい。京大大学文書館所蔵の鳥養資料に当たった。


患者殺害の罪で服役 再審認める
14年前、滋賀県東近江市の病院で、人工呼吸器を外して患者を殺害した罪で懲役12年の刑が確定し服役した元看護助手の女性について、大阪高等裁判所は、「患者は病死だった可能性がある」として再審=裁判のやり直しを認める決定をしました。
滋賀県東近江市の湖東記念病院の看護助手だった西山美香さん(37)は、平成15年、当時72歳の男性患者の人工呼吸器を外して殺害した罪で懲役12年の刑が確定し、ことし8月まで服役しました。
西山さんは、平成24年、無実を訴えて2度目となる再審=裁判のやり直しを申し立て、大阪高等裁判所では患者の死因や自白の信用性が争点になりました。
弁護団は、「患者の死因は不整脈などによる病死で、事件ではない。
西山さんは人に迎合しがちな性格で、刑事に好意を抱き気に入られようと、うその自白をした」と主張し、新たに医師の意見書を提出していました。
一方、検察は、「人工呼吸器が外されたため、患者は窒息状態になって死亡した。自白には信用性がある」と反論していました。
20日の決定で大阪高等裁判所の後藤眞理子裁判長は、「弁護側が新たに提出した証拠などを見れば、患者が人工呼吸器を外され酸素が途絶えたことが疑いなく認められるとまでは言えず、不整脈などによって病死した可能性もあると考えるべきだ」と指摘しました。
また、「人工呼吸器のチューブを外したとする自白などは体験に基づく供述ではなく、捜査機関が誘導した可能性がある。取り調べにあたった刑事に好意を抱きうその自白をしたと考えられなくもない」とした上で、「西山さんが犯人だとするには、合理的な疑いがある」として、再審を認める決定をしました。
西山美香さん(37)は再審を認める決定が出たあと記者会見し、「再審開始決定が出ると思っていなくてびっくりしました。裁判官がわかってくれたと思ってすごくうれしかったし、決定書の『再審開始決定』の文字を見たときには、それまでの不安が吹き飛びました。
ここまで来られたのも支援してくれた人たちのおかげです。無罪判決をもらうためこれからも闘い続けます」と述べました。
また、西山さんの弁護人を務める池田良太弁護士は、「患者が人工呼吸器を外され殺害されたことに合理的な疑いがあるという判断で、評価したい。人工呼吸器が外されていたという前提で警察が見込み捜査をして自白を迫り、有罪の根拠とされたのがいちばんの問題だった。西山さんはこれだけ長い間、殺人犯の汚名を着せられ服役もしたのだから検察は最高裁への特別抗告をするべきではない」と述べました。
再審の開始決定を受けて西山さんの弁護活動をしている井戸謙一弁護団長は、大津市で記者会見し、「弁護団が出した証拠を吟味し死因が自然死である合理的な疑いが生じたと判断した。今回の決定は、論理的で緻密に考え抜かれていると感じている」としたうえで、「自白の信用性についても否定した大阪高裁の決定に敬意を表したい。
検察側には、不服を申し立てることなく、正々堂々と再審開始後の裁判で改めて争うことを求めたい」と述べました。
20日の決定について大阪高等検察庁の田辺泰弘次席検事は、「検察官の主張が認められなかったことは遺憾だ。決定の内容を十分に検討し適切に対応したい」というコメントを出しました。
再審を認める決定が出たことについて、事件の捜査にあたった滋賀県警察本部は、「見解をお伝えする立場にありませんので、コメントは、差し控えさせていただきます」としています。
【専門家は】。
刑事裁判に詳しい大阪大学法科大学院の水谷規男教授は、「2審で再審が認められたケースは珍しく画期的な決定だ。今回の決定は、これまでの証拠と新たな証拠のすべてに基づいて再審を判断するという最高裁の判例を忠実に守ったといえる。供述の移り変わりに着目し自白の信用性を慎重に検証したことは、えん罪を防ぐ意味でとても大きなことだ」と話しています。
【事件の経緯】。
平成15年5月、滋賀県の当時の湖東町、今の東近江市にある湖東記念病院で、当時72歳の男性患者が死亡しているのが見つかりました。
「患者の人工呼吸器のチューブが外れていた」という証言があったことから、警察は業務上過失致死の疑いで捜査を始めました。
その1年余り後、警察は病院の看護助手だった西山美香さんを殺人の疑いで逮捕しました。
任意の取り調べで、「意図的に人工呼吸器のチューブを外し、患者を殺害した」と自白したことがきっかけになりました。
裁判で西山さんは、「精神状態が不安定でうその自白をした」として、無罪を主張しました。
しかし、大津地方裁判所は、「捜査段階の供述は詳細かつ具体的で信用性が極めて高い」として、懲役12年を言い渡し、平成19年5月、最高裁判所で確定しました。
西山さんは、和歌山刑務所に服役していた平成22年9月、「明確な物的証拠や目撃証言はなく、有罪の根拠になった自白も警察に強要されたものだ」として、再審=裁判のやり直しを求め、最高裁まで争いましたが、認められませんでした。
その後の平成24年9月には、2度目の再審請求を行いましたが、3年後、大津地方裁判所に退けられ、西山さん側は決定を不服として即時抗告し、大阪高等裁判所で審理が進められていました。


元看護助手の再審決定 湖東病院「呼吸器外し」事件
 滋賀県東近江市の湖東記念病院で2003年、男性患者=当時(72)=の人工呼吸器を外して死亡させたとして殺人罪に問われ、服役した元看護助手の西山美香さん(37)が裁判のやり直しを求めている再審請求で、大阪高裁(後藤眞理子裁判長)は20日、再審を認める決定をした。
 今回の審理で西山さんの弁護団は、患者が致死性不整脈で病死した可能性を指摘する医師の意見書を提出し、事件性はなかったと主張していた。患者の死因や自白の信用性について高裁の判断が注目されていた。
 西山さんの弁護団によると、これまで高裁は解剖結果をもとに患者が事件以外で死亡した可能性に関心を示し、弁護側、検察側の双方に死因について主張や立証を促していた。
 05年の確定判決によると、西山さんは職場での待遇への不満から病院に恨みを抱き、それを晴らすために事故を装って患者の殺害を計画。人工呼吸器のチューブを抜いて患者を殺害したとされた。
 西山さんは最高裁で懲役12年が確定、今年8月に和歌山刑務所(和歌山市)を満期出所した。今回の再審請求は2度目だった。


呼吸器外し事件 元看護助手女性の再審開始決定 大阪高裁
 滋賀県内の病院で2003年、人工呼吸器を外して男性患者(当時72歳)を殺害したとして、殺人罪で懲役12年が確定して服役した元看護助手の西山美香さん(37)=同県彦根市=の第2次再審請求で、大阪高裁(後藤真理子裁判長)は20日、請求を棄却した大津地裁決定(15年9月)を取り消し、再審を開始する決定をした。
 西山さんが捜査段階で殺害を自白したことが唯一の直接証拠とされたが、弁護側は患者は病死で、自白は強要されたと争っていた。
 大阪高検は最高裁に特別抗告するかどうか検討する。高裁決定が確定すれば、裁判をやり直す再審が大津地裁で開かれる。
 03年5月、滋賀県東近江市の湖東記念病院で入院中の男性が死亡。当時、看護助手として当直勤務していた西山さんが県警の任意聴取に「人工呼吸器のチューブを外した」と自白したため、殺人容疑で逮捕された。
 公判では「好意を抱いた警察官の気を引こうとして虚偽の自白をした」と否認に転じたが、捜査段階の自白調書が決め手となり、07年に最高裁で懲役12年が確定。確定判決では、看護助手が冷遇されているとの不満を晴らすために人工呼吸器を外し、低酸素状態により窒息死させたと認定した。
 西山さんは服役中の10年、1度目の再審を請求し、11年に最高裁が棄却。12年に2度目の再審を請求したが、大津地裁が15年に棄却し、大阪高裁に即時抗告していた。西山さんは今年8月24日に刑期を終え、和歌山刑務所を出所した。
 今回の再審請求審で、弁護側は解剖時の血液データから、「患者は致死性不整脈で病死した可能性が高い」とする医師の意見書を提出。捜査段階の自白は警察官の強要や誘導によるもので、任意性や信用性がないと主張した。
 一方、検察側は「死因を低酸素状態による心停止とした解剖医の鑑定に問題はない」とする別の医師の意見書を提出。自白は自発的になされたもので信用性もあると反論していた。【原田啓之】


湖東記念病院人工呼吸器事件
事件の概要  
★事故の捜査が殺人事件に、「自白調書」の創作で
 植物状態になっている入院患者の人工呼吸器のチューブを引き抜いて殺害したとして、看護助士の西山美香さんが殺人罪に問われ、懲役12年の刑が確定した事件。事件は取調室で自白を強要されたものだとして、西山さんは和歌山刑務所から再審を求めています。事件の概略を紹介します。
 2003年5月22日午前4時30分頃、愛(え)知(ち)郡湖(こ)東(とう)町(ちょう)(現東近江市)の湖東記念病院の病室で入院患者Aさん(72歳、人工呼吸器なしでは生命維持ができない重篤患者)が心肺停止状態になっているのが発見されました。
 発見したのは、おむつ交換にまわってきた看護師のBさんと、看護助士の西山美香さん(当時23歳)でした。
 Aさんは救命処置が施され一時心拍が回復しましたが、7時31分に死亡が確認されました。
★叱(しっ)責(せき)されると供述が変わる
 滋賀県警愛(え)知(ち)川(がわ)署は当初、人工呼吸器が外れたのに気づかず死亡させたとして、業務上過失致死容疑で捜査をしました。B看護師、西山さんなど病院関係者は、人工呼吸器のアラームは鳴っていなかった、不具合による事故と主張しました。捜査は進展せず1年ほどが経過しました。
 任意の取調べで担当が山本誠警察官になると、西山さんらにアラームが鳴っていたことを認めるよう強く迫るようになりました。西山さんが「鳴っていた」と供述を変えると山本警察官は急にやさしくなり、男性との交際経験のなかった西山さんは好意を寄せるようになりました。
 しかし、B看護師の恨みを買って悩むことになり、再び「本当は鳴っていなかった」と言うと、山本警察官に厳しく叱責されて、供述を変えるといった繰り返しがつづき、「自分がチューブを引き抜いて殺した」と供述。その後も否認をしたり、犯罪行為の供述が次々変遷(せん)するなか殺人容疑で逮捕されました。
 西山さんは接見した弁護士に無実を訴えましたが、警察官の取調べでは犯行を「自白」。警察官に言われるがままの自白調書が創作されました。その自白調書を検察官が仕上げて西山さんは殺人罪で起訴されました。
 検察官は、「処遇等への憤(ふん)まんを募らせ、気持ちを晴らすため入院患者を殺そうと企て、入院加療中のAに対し、殺意をもって、人工呼吸器のチューブを引き抜いて、呼吸器からの酸素供給を遮断し、呼吸停止状態に陥らせ、急性低酸素状態により死亡させた」と主張し、西山さんの「自白調書」などを証拠として提出しました。
 西山さんは第2回公判から犯行を否認。「自白」は好意をもった警察官に迎合し、誘導されるままにしたものであると主張しました。
 弁護側は、「自白」は脅迫や誘導によるもので信用できない。供述の変遷の著しさ、実行行為の不自然さ、動機もつじつまが合わず、西山さんは無実だと主張しました。
★「自白」にある多くの矛盾点
 西山さんと犯罪をむすびつける証拠は西山さんの「自白」以外にありません。
 証拠とされた自白調書では、看護師詰所の廊下を挟んだドアの開いたままの隣室(4人の患者がいる)に入り、「Aさんに装着してある人工呼吸器を引き抜き、60秒経つとアラームが鳴るので、1、2、3と秒を数え、60秒直前に消音ボタンを押し、これを3回繰り返し(3分間)死ぬのを見ていた。口をハグハグさせ顔を歪め苦しそうに死んでいった」旨述べています。
 一審の大津地裁は、この「自白」を「実際その場にいた者しか語れない迫真性に富んでいる」と全面的に信用し、解剖をした医師の「急性低酸素状態に陥ったことによる急性心停止」との鑑定、証言と矛盾しないなどと認定。懲役12年の判決を言い渡し、最高裁で確定しました。
  「自白」には多くの疑問や矛盾点があり、その後の第1次再審請求、第2次再審請求で弁護団が提出した新証拠では、「自白」が客観的、科学的な鑑定結果にも反する虚(きょ)偽(ぎ)の疑いが一層濃厚になりました。
 その主なものは、次の点です。
急性低酸素状態による心停止で必ず現れる症状が解剖所見にみられない
呼吸を停止した人は3分では死に至らない
病院を困らせるために「事故」に装った犯行なら自ら「殺人」を供述する必要はなかった
 看護師詰所の隣室、しかも他の患者もいて、同僚看護師がナースコールなどいつのぞかれるか分からない部屋は犯行が目撃されやすく、犯行方法が不自然、不合理
 このような点から、警察官に述べた「自白」は信用性がなく、冤罪は明らかです。
★服役しながら無実を訴える
 今、第2次再審請求審を申し立て。大津地裁は15年9月に不当決定、現在、大阪高裁に係属中。
 西山さんは、和歌山刑務所に服役しながら、一日も早い再審開始と無罪判決の日が来ることを願っています。
要請先 〒530−0047 大阪市北区西天満2−1−10 大阪高裁
守る会の連絡先/署名等  
激励先 〒520―0051 滋賀県大津市梅林1―3―30 滋賀県労連内 国民救援会滋賀県本部


声    明
 本日、大阪高裁第2刑事部(後藤眞理子裁判長)は、滋賀・湖東記念病院人工呼吸器事件第二次再審請求即時抗告審において請求人・西山美香さんの再審請求を認め、再審開始決定を言い渡した。無実の罪に苦しめられてきた西山さんの支援をしてきた者として心から歓迎する。
 本件は、2003年5月22日早朝、滋賀県東近江市(旧湖東町)の湖東記念病院で人工呼吸器を装着していた入院患者が「急性低酸素状態」で死亡したことが殺人事件とされ、看護助手の西山美香さんが犯人とされた事件である。
 事件の日、西山さんを伴い病室を訪れた当直看護師が、患者の人工呼吸器の「チューブが外れていた」と供述したことから、警察が業務上過失致死の疑いで捜査を開始した。捜査が進展しない中、コミュニケーション能力に問題がある供述弱者であった西山さんに対して警察は厳しい取調べをおこない、「私がチューブを引き抜いて殺した」と捜査官に迎合する自白をさせ、逮捕・起訴した。西山さんは公判で一貫して無実を訴えたが、懲役12年の刑が確定した。
 第二次再審請求審で弁護団は、死因は人工呼吸器を外したことによる窒息でなく、致死性不整脈による病死であることを明らかにする新証拠を提出した。裁判所は、新証拠を踏まえ自白の信用性について丹念に検討し、その結果信用性はないと認め、再審を開始する決定を出した。
 当然の判断とはいえ、西山さんの今後の人生に希望を与えるものである。
 西山さんにとって、中学時代の恩師はじめ多くの人に支えられた体験は、本人に計り知れない糧となった。さらに娘の無実を信じて奔走したご両親の労苦は筆舌に尽くしがたいものであったが、多少とはいえ、ようやく報われる日が訪れた。
 誤った裁判によって無実の人に刑罰を加え、家族をも不幸のどん底におとし入れた罪はたいへん深いものである。
 私たちは、検察が本決定を真摯に受けとめ、最高裁判所に特別抗告しないことを強く要請するものである。
 最後に、支援して下さった皆様に心から感謝するとともに、西山さんが無罪判決を勝ちとる日まで奮闘する決意を表明する。
 2017年12月20日  西山美香さんを支える会 日本国民救援会中央本部 同滋賀県本部


湖東記念病院事件 再審請求の振り返り/滋賀
2007年に最高裁で実刑判決が確定してから10年。無実を訴え続けてきた西山さんのこれまでを振り返ります。
西山さんは、服役中の2010年から再審を求めてきましたが、1度目の請求結果は棄却。出所までの再審はついにかなわず、37歳までの間、刑務所の中で過ごしてきました。
おととし、2度目の再審請求が大津地裁で棄却されてからは大阪高裁へと舞台を移し、今年8月まで裁判所と検察、弁護団が協議を進めてきました。
協議のたびに、裁判所前には、支援者と西山さんの両親の姿があり、再審開始を求める署名活動を行い、殺人犯とされる娘の汚名を晴らしたいと闘い続けてきました。
今年8月に刑期を終えて刑務所を出所した西山さん。囲む会で自分を支えてくれた人たちに向けて、改めて感謝と再審への思いを次のように語っていました。
「私にはまだかけがえのない両親がいる」「私も含め、両親に早く安心してもらえるよう、無罪判決が出るようこれからもご支援をよろしくお願いします」


患者殺害で懲役12年、再審決定後女性は何語った?
 殺人罪で12年服役した元看護助手の女性に、再審=裁判のやり直しが認められました。女性の罪は、病院で人工呼吸器を外して患者を殺害したというものでした。再審決定後、女性は何を語ったのでしょうか?
 滋賀県東近江市の湖東記念病院で看護助手をしていた西山美香さん(37)は、2003年5月、入院患者の人工呼吸器を外し殺害したとして、懲役12年の判決を受け今年8月まで服役しました。
 きっかけは、警察の任意の取り調べで、「自分が故意に人工呼吸器のチューブを外した」と自白したことでした。
 「優しかったんですよ。コロッといってしまって、好意を持つようになって、どんどんうそをついてしまったんですよ、事件のことでは。私が無理やり蛇腹を外して殺してしまったって」(西山美香さん)
 西山さんは、今年8月に服役を終えて刑務所を出ました。西山さんは、「男性の死因はチューブが外れたことによる窒息死ではなく、病死だった可能性もある」などとして、裁判のやり直しを求めました。
 弁護団が新たな証拠として注目したのは、死亡した男性患者の血液中の「カリウム値」です。司法解剖の結果では、男性のカリウムの値が、正常値よりもかなり低かったことがわかっています。カリウム値が低いと病死するケースもあるのです。
 大阪高裁は、20日の決定で、自白について、捜査員らの誘導に迎合した虚偽の内容だった疑いがあるとして、「信用性が高いとは言えない」と述べました。また、患者の死亡についても、「不整脈による自然死だった可能性がある」と指摘。西山さんの再審開始を決定しました。
 「決定書を見た時はびっくりした。裁判官がわかってくれたと思ったら、すごく嬉しい。検察側に特別抗告をしてほしくないが、絶対してくると思うので、負けずに戦い続けるしかない」(西山美香さん)
 「こんな、ばかな話ってないですわ。なんでこんなことになったのか。やっと人間社会に戻れたという感じです」(父・輝男さん)
 大阪高検は、「決定の内容を十分に検討し、適切に対応したい」とコメントしています。


「オレの心は負けてない」在日「慰安婦」被害者の宋神道さんが死去
16歳で連れて行かれ「慰安婦」生活強要され 
日本政府相手に10年間法廷訴訟

 日本で暮らしていた日本軍「慰安婦」被害者として、唯一人日本政府を相手に謝罪と賠償を請求する訴訟をした宋神道(ソン・シンド)さんが亡くなった。韓国政府に登録された日本軍「慰安婦」被害生存者は32人しか残っていない。
 宋神道さんは16日午後、東京都内で老衰のために亡くなったと「在日の慰安婦裁判を支える会」が19日明らかにした。11日に95歳の誕生日を祝った5日後だった。
 ソン・シンドさんは、1922年忠清南道で生まれ、16歳だった1938年にだまされて中国の武昌(現在の湖北省武漢)の慰安所「世界館」に連れて行かれ、慰安婦生活を強要された。少しでも拒否すれば、決まって殴打された。わき腹と太股に残った刃物の傷痕、腕に彫られた金子という名前の入れ墨は、苦痛の過去をそのままに見せる。何度も妊娠した末に2人の子どもを産んだが、育てることはできない境遇で人知れず中国人の手に任せなければならなかった。
 7年間、多くの慰安所に連れ回され日本の敗戦をむかえたが、行く所はない状況で、「結婚して日本に行こう」という日本の軍人の話にだまされて日本に行った。1946年春、船で博多港に到着するとすぐに軍人は彼女を捨て、彼女は在日韓国人の男性に会い1982年まで一緒に暮らした。
 こうしたソン・シンドさんの存在を世に知らせたのは、日本の良心的市民たちだった。1992年、慰安婦動員に日本軍が関与したことを立証する政府文書が発見された。これに対し日本の4つの市民団体は、慰安婦関連情報を集めるために「慰安婦110番」というホットラインを開設した。この時、匿名の情報提供で宮城県に住む宋さんがついに名乗り出た。その後、市民団体は「在日の慰安婦裁判を支える会」を結成し、宋さんとともに日本政府の公式謝罪を要求する裁判闘争に乗り出した。
 安海龍(アン・ヘリョン)監督が作ったドキュメンタリー映画「オレの心は負けてない―在日朝鮮人『慰安婦』宋神道のたたかい」(2007)は、在日日本軍慰安婦として唯一人、日本政府を相手に訴訟を闘った宋神道さんの人生と裁判過程を扱った。
 「オレの心は負けてない」というこの映画のタイトルは、10年に及ぶ長い法廷闘争で日本の最高裁まで持ち込んだが、結局裁判には負けてしまった宋神道さんが「それでも心は負けてない」と話したことから借りてきた。映画は、宋神道さんがなぜこの闘いで決して負けられない人なのかに焦点を合わせている。
 日本の敗戦後、日本に行くことになった宋さんは、1993年4月「慰安婦」強制動員などについて東京地方裁判所に訴訟を提起し法廷闘争を始めた。2003年3月、日本の最高裁判所が上告を棄却して敗訴が確定したが、10年にわたる裁判過程を記録したドキュメンタリー映画「オレの心は負けてない」が2007年に公開され、大きな反響を起こした。この映画で「二度と戦争をしてはならない」という宋さんの呼び掛けは深い共感を得て、映画は現在も日本など各地で上映されている。
 宋さんの葬儀は、「在日の慰安婦裁判を支える会」が非公開で行ったと明らかにした。
ドキュメンタリー映画「オレの心は負けてない」のポスター//ハンギョレ新聞社
東京/チョ・ギウォン特派員

死刑執行にショック・・・再審請求していたのに/桧の六角箸

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Japon: après plus de vingt ans de prison, deux condamnés à mort ont été exécutés
Ce mardi 19 décembre, deux condamnés à mort pour meurtre ont été exécutés au Japon. Ces deux nouvelles pendaisons portent à 21 le nombre total de condamnés exécutés depuis le retour au pouvoir fin 2012 du Premier ministre conservateur Shinzo Abe, dont quatre rien que cette année. Le Japon et les Etats-Unis sont les deux derniers pays du G7 à continuer d'appliquer la peine de mort.
Avec notre correspondant à Tokyo, Frédéric Charles
Les deux hommes exécutés ce mardi avaient passé plus de vingt ans dans leur cellule de 5 mètres carrés éclairée jour et nuit. Ils n'ont appris leur pendaison qu'au dernier moment. Les deux condamnés avaient fait appel de leur verdict mais la justice japonaise n'a pas attendu l'épuisement de leurs recours.
L'un des deux hommes exécutés avait été condamné à mort pour avoir tué quatre personnes. A l'époque, il était âgé de 19 ans. Pour la première fois depuis 1997, le Japon exécute donc un condamné qui n'avait pas la majorité pénale au moment des faits.
Exécutions en hausse
Plus d'une centaine de personnes sont dans les couloirs de la mort dans l'archipel. Une cinquantaine ont épuisé tous les recours et vivent chaque jour dans la hantise de leur exécution.
Depuis une dizaine d'années au Japon, on note une accélération des exécutions. Elles n'ont pourtant pas atteint un record depuis le retour au pouvoir du Premier ministre Shinzo Abe il y a cinq ans. Selon les sondages, 80 % des Japonais se disent favorables à la peine de peine de mort.
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よ〜いドン!【国宝脱サラ世界一周して古民家で宿を営む夫婦▽たむけん日帰り香住】
国宝・脱サラして世界一周旅、古民家で宿を営む夫婦&亡き弟の遺志を継ぎジェラートを作る兄▽たむけん日帰り香住旅、超高級カニづくし満喫
「となりの人間国宝さん」を始め「本日のオススメ3」「産地の奥さんごちそう様!」「いきなり!日帰りツアー」「ロザンのうんちくん」「あいLOVE田舎暮らし」「スゴ腕ワーカー」「いっちゃん高いもん HOW MUCH!?」など人気コーナーが続々!朝の忙しい時間が一段落した中、リラックスしたスタジオから「ゆったり」「ほっこり」「にっこり」をお届けします。街のおじさん&おばさん、職人さん、芸能人・・・有名無名な人々の「ごきげんなライフスタイル」の中にシアワセに生きるヒントが満載です。 松本伊代 円広志 たむらけんじ  星田英利  石原良純 高橋真理恵(関西テレビアナウンサー)

ゆじた‏ @yujitashi
憲36「公務員による拷問及び残虐な刑罰は,絶対にこれを禁ずる」で死刑が「残虐な刑罰」なのか、残虐なら廃止すべきと考えるのが憲法が示した戦後日本の大切な課題なのに、自民党の改正案は「絶対にこれを」を外し、国連人権理事会の勧告と逆行。
死刑は犯罪抑止とは別ではないかと考える一人です。

ワイド師匠‏ @feedback515
米国でも多くの州が死刑廃止または執行停止となっていますが、昨年の大統領選でクリントンが勝利した場合、連邦政府単位で死刑が廃止されるという噂がありました。仮にそうなっていたら日本政府は、日本社会はどんな反応を示したか、今となっては知る術もないのが残念です。

朝テレビで緊急ニュースということで死刑執行が報じられていました.年末のこの時期にショックです.あるおっさん(おじいさんと言ったほうが正しいのですが)がメールをくれて国家に殺された2人は再審請求したと知りさらにショック.
ランチは千林で.桧の六角箸だったのがよかったです.

七七銀女川支店に慰霊碑設置へ
東日本大震災の津波で全壊し、従業員12人が犠牲となった女川町の七十七銀行女川支店の新店舗に、震災の発生から7年となる来年3月11日までに慰霊碑が設置されることが分かりました。
慰霊碑には犠牲者の名前は刻まれない方針で、遺族からは「家族が生きた証しが残らない」という意見も出ています。
七十七銀行女川支店では震災当時、銀行で働いていた従業員が支店長の指示で高さおよそ10メートルの屋上に避難しましたが、屋上を越える津波に襲われ12人が犠牲となり、建物は全壊しました。
七十七銀行によりますと、慰霊碑はJR女川駅近くにことし9月にオープンした新店舗の駐車場に、震災の発生から7年となる来年3月11日までに設置する方針だということです。
七十七銀行は「慰霊碑を設置することで、このようなことが繰り返されないように努めたい」とコメントしています。
碑文には、従業員12人が犠牲になったことについて記載されるということですが、七十七銀行によりますと、遺族によって意見が分かれたため、慰霊碑には犠牲となった従業員の名前は刻まないことにしたということです。
これについて長男を亡くした田村弘美さんは「慰霊碑に名前を刻み、最後まで銀行のために働いて殉職したということを残さなければ生きた証しが残らない。きちんと当日の状況も記載して未来の命を生かすことにつなげてほしい」と話していました。


避難者の心の支えに いわきの公営住宅敷地内に双葉郡立診療所 あす開業
 東京電力福島第1原発事故に伴う避難者向け災害公営住宅の敷地内に福島県双葉郡立の好間診療所が完成し、いわき市好間町の現地で18日、開所式があった。双葉地方の医師が診療に当たり、市内などに避難する住民の健康維持や安心の拠点の役割を担う。
 8町村でつくる双葉地方広域市町村圏組合が設置、双葉郡医師会が運営する。建物は鉄骨2階、延べ床面積645平方メートル。診療科は内科と歯科。診療は月曜、水曜、金曜の週3日で、20日に始まる。医師3人、歯科医師2人が避難先などから通い、交代で勤務する。
 管理者となる郡医師会長の堀川章仁医師(69)は開業していた富岡町から二本松市に避難している。「健康維持はもとより心の支えが一番。避難者の生活は落ち着いてきたがストレスはたまっている。同じ言葉を話す医者がいることで安心してもらえる」と語る。
 診療所が立つ公営住宅「北好間団地」は全323戸で県内最大。入居が順次始まっている。双葉町から避難する男性(71)は「埼玉県に通院しているが、これからは近くて助かる。双葉郡のお医者さんがいるのは心強い」と歓迎する。
 郡立診療所は来春、いわき市勿来町酒井地区に整備中の避難者向け災害公営住宅にも併設される。


子どもの貧困対策充実を 被災地出身の学生ら厚労相に提言
 一般財団法人教育支援グローバル基金(東京)の人材育成プログラム「ビヨンドトゥモロー」に参加した大学生や高校生のグループ6人が18日、厚生労働省を訪れ、会員制交流サイト(SNS)を活用した子どもの貧困対策を加藤勝信厚労相に提言した。
 東日本大震災で被災した上智大1年の稲村ほのかさん(20)=宮城県亘理町出身=のほか、長野県や広島県などの高校生が寸劇を交えながら「子どもたちには心の『居場所』が必要」とアピールした。
 貧しい境遇に置かれた中高生らが励まし合ったり、貧困経験のある大人が助言したりできるSNSアプリの開発を提案した。
 加藤氏は「SNSは子どもたちがチャレンジする窓口になる。アプリが作り上げられれば素晴らしい」と期待を示した。
 稲村さんは震災の津波で亘理町の自宅が被災し、帰る家がないつらさを経験したことからプログラムに参加。「仲間といろいろな体験談を語り合い、社会問題を身近に考えるきっかけになった」と話した。


<原発事故>東電賠償迫る期限 家賃・慰謝料来年3月終了、問われる被災者支援
 東京電力福島第1原発事故の被災者らに対する東電の賠償が、来春までに相次いで一定の区切りを迎える。避難世帯の家賃は自民党が来春以降の支援継続を東電に要請。農林業は一部生産者を対象に支払い方式の変更を協議中だ。避難に伴う精神的賠償も2018年3月で終わり、ケアの在り方が問われそうだ。
 期限を迎える東電の主な賠償は表の通り。避難指示に伴って賃貸住宅に避難した世帯への家賃賠償は18年3月で終了予定。楢葉町を除き無償の利用期間が19年3月まで延長された仮設住宅の入居世帯とずれが生じる事態となっている。
<福島県に寄付案も>
 地元の要請を受けた自民党は今月15日、東電に「知恵を出してほしい」と負担継続を要請。東電は「重く受け止める」(小早川智明社長)と前向きに対応する考えを示した。
 17年度の家賃賠償は約40億円。東電は賠償をやめる代わりに同額を福島県に寄付し、県が家賃支援に充てる案が出ている。
 風評被害が続く農林業では、避難区域外の生産者に対する年明け以降の賠償方式が議論されている。
 東電は風評被害に伴う減収分を1カ月ごとに穴埋めする形で賠償してきたが、18年1月からは3カ月単位に変更する案を提示。原発事故前より収益が悪化した月があっても、市況によって翌月が大幅アップすれば賠償を請求できないケースが出るとみられる。
 県内の農協グループによる協議会は近く、対応を決める見通しだ。
 避難指示が出た区域内の生産者については、原発事故で失われた年間利益について、19年末までの分を一括して支払うことで既に合意している。
<期間延長議論なし>
 一方、精神的賠償は被災者の暮らしを支える側面を担ってきた。今も避難が続く大熊、双葉両町と帰還困難区域に対しては、一括賠償が17年5月分までで終了。6月以降の追加分として古里喪失の慰謝料が支払われている。
 18年3月で終了するのは、17年春までに避難指示が解除された南相馬市小高区など他の避難区域。賠償額は1人当たり計850万円で終わることになる。
 賠償期間延長の議論はなく、自立した暮らしの再建がより重要になる。
 県避難者支援課の深谷一夫課長は「避難長期化で被災者が抱える課題は複雑化している。全国26カ所の生活再建支援拠点などと連携した戸別訪問や情報提供を通じ、被災者支援に当たりたい」と説明する。
 東電によると、同社はこれまで被災者個人に3兆円余、農林業者を含む法人・個人事業者に4兆円余を賠償している。


リニア入札捜索 巨大事業の「闇」解明を
 総工費9兆円に上る巨大プロジェクトに捜査のメスが入った。
 JR東海が発注したリニア中央新幹線の工事を巡り、東京地検特捜部などが大手ゼネコン鹿島と清水建設の本社を家宅捜索した。
 入札前に協議して受注予定者を決めていた独禁法違反の疑いが持たれている。近く大林組と大成建設も捜索する見込みだ。
 ゼネコン各社は過去にも談合や入札不正を繰り返し、再発防止を誓っていたはずだ。
 なのに、またしても業界ぐるみの疑惑が浮上した。不正が事実であれば極めて深刻な事態である。
 リニア新幹線の工事は政府の財政投融資も活用しており、非常に公共性の強い事業と言える。徹底的に捜査し、全容解明を進めてもらいたい。
 特捜部は今回の家宅捜索に先立ち、名古屋市内の非常口建設工事に関わる非公開情報をJR東海から入手し、公正な入札を害した疑いで大林組を捜索している。
 情報管理に問題はなかったのか、JR東海も社内調査を尽くすべきだろう。
 リニア工事では2015年以降、駅やトンネル、非常口建設など計22件の契約が結ばれている。
 このうち大林組、鹿島、清水、大成が代表の共同企業体が、全体の7割を占める15件をほぼ均等に受注しているという。
 特捜部は非常口建設のほかにも、複数のリニア関連工事を視野に捜査しているもようだ。業界は真摯(しんし)に受け止め、捜査に全面的に協力しなければならない。
 見逃せないのは、27年に東京―名古屋間で先行開業し、さらに大阪への延伸を目指すリニア新幹線の工事が、一般の民間事業とは異なる性質を帯びていることだ。
 政府は成長戦略を推進する事業と位置付け、建設費の一部に多額の財政投融資、すなわち国の資金を充てている。
 不正によって事業費が膨らめば、その「ツケ」は運賃への上乗せという形で利用者に跳ね返る可能性も否定できない。捜査中とはいえ、政府も事実関係の確認に努める必要がある。
 大手ゼネコンは05年に、不正の撲滅を申し合わせる「談合決別宣言」をしている。
 だが、その後も旧防衛施設庁の発注工事を巡る談合など、不正は後を絶たない。
 これでは宣言はその場しのぎだったと言われても仕方あるまい。業界は法令順守や再発防止の取り組みをしっかりと検証すべきだ。


リニア談合捜査/ゆがめられたか夢の計画
 またも談合の疑いで大手ゼネコンに強制捜査が入った。
 東京地検特捜部と公正取引委員会はきのう、いずれも東京都内の鹿島と清水建設の本社を家宅捜索した。大林組、大成建設の2社についても、近く都内の本社を捜索する方針だ。
 容疑は独禁法違反(不正な取引制限)で、舞台となったのはJR東海が発注したリニア中央新幹線の工事である。大手ゼネコン4社は入札前に話し合い、受注予定社や入札価格を決めた疑いが持たれている。
 公正な競争がゆがめられ、工事価格がつり上げられたのなら、運賃上昇などの形で利用者にしわ寄せが及びかねない。
 「夢の超特急」と呼ばれる総額9兆円の巨大事業の裏で、不正な取引が繰り広げられたのであれば、国民の期待をも裏切ったことになる。今後の捜査を注視したい。
 特捜部などは今月8日、偽計業務妨害容疑で大林組の本社を捜索し、ゼネコン4社の幹部らから事情を聴いていた。
 独禁法は公共工事はもちろん民間の工事でも、談合など公正な競争を妨げるような行為を禁じている。リニア整備には大阪延伸前倒しのため、総額3兆円の財政投融資が投じられており極めて公共性が高い。公正さが強く求められるのは当然だ。
 既に契約済みの22件の工事をみると、約7割の15件をゼネコン4社が受注している。件数はほぼ均等で不自然な印象がある。受注を分け合ったと見られても不思議はない。
 JR東海は「今後の契約に影響する」として、契約の経緯や発注額などを明らかにしていない。強制捜査を重く受け止め、情報を公開すべきである。
 大手ゼネコンは過去に何度も談合事件を摘発され、2005年には「談合決別」を宣言した。大林組は07年、公共工事を巡る事件が相次いだ責任を取って社長が辞任、全社を挙げて出直すことを誓ったはずだ。
 しかしその後も、北陸新幹線や東日本大震災の復興工事などで談合が摘発されるなど、業界の体質が改まる兆しは全く感じられない。
 談合は「必要悪」でなく、「絶対悪」の犯罪行為である。厳しく戒めるしかない。


リニア捜索 受注調整の闇を解け
 不正な受注調整はあったのだろうか。リニア中央新幹線の建設工事に絡み、独占禁止法違反容疑で東京地検が複数の大手ゼネコンを捜索した。巨大プロジェクトへの疑惑だ。徹底的な解明を望む。
 JR東海が進めるリニアは二〇二七年に品川−名古屋の間で開業する。大阪までの延伸は最速で三七年を目指す計画だ。総事業費は九兆円で、国から三兆円の財政投融資も受けている。
 受注調整とは、ゼネコン各社の話し合いによって、どの工区をどのゼネコンが受注するかを決めていくやり方だ。
 一般論として話し合いはあるかもしれないが、割り振りを決め、受注価格も決めれば、悪質な談合と同じである。
 民間企業が発注した事業であっても、受注する企業が調整を繰り返せば、自由な企業競争が阻害されるのは自明の理であり、独禁法が禁ずる「不当な取引制限」に問われるのだ。
 東京地検はまず八日に偽計業務妨害の疑いで大林組を家宅捜索した。十八日には鹿島、清水建設を家宅捜索した。大成建設にも捜索方針という。いずれもスーパーゼネコンである。興味深いのは、一五年から今年十一月にかけ、リニアで二十二件の工事契約が結ばれ、この四社が約七割にあたる十五件を受注している。
 各社ごと三、四件、ほぼ均等に工事を分け合う形になっていることだ。これは各社の担当者による受注調整の結果なのか。東京地検には全容解明が期待される。
 それにしても、ゼネコンは度重なる談合事件の摘発を受けて、〇五年に「談合決別宣言」をしたのではなかったのか。実は宣言後も名古屋市発注の地下鉄工事で談合が起きているし、各地で談合事件が摘発されている。
 とくに一一年の東日本大震災の復旧工事や首都圏の再開発などで、中小含めたゼネコン各社までも建設ラッシュで好況が続く。そうした背景にリニア新幹線の大事業もあったはずである。さらに東京五輪も控える。そうした活況の中で高度成長期の“土建国家”の悪弊まで復活しているのなら、極めて残念である。
 今は違反を公正取引委員会に自主申告すれば課徴金を減免される制度がある。最初に“自首”すれば告発も免れる。
 不正は結果的に損になる−企業にとってそんな法的仕組みを入れている。二度目の決別宣言は決して恥ではない。


体質 変わらなかったか/リニア不正受注
 JR東海が発注したリニア中央新幹線の工事を巡り、東京地検特捜部と公正取引委員会は独禁法違反の疑いで、鹿島と清水建設の本社を家宅捜索した。特捜部は先に大林組を捜索している。総工費が9兆円を超える巨大プロジェクトで、大成建設を含む大手ゼネコン4社を中心に、受注業者や入札価格を事前に決める調整が行われた疑いが濃厚になったためだ。
 JR東海は民間企業だが、政府は2016年に閣議決定した経済財政運営の指針「骨太方針」にリニアへの財政投融資の活用を明記、総額3兆円を貸し付けている。リニア建設は国家プロジェクトの側面を持ち、その裏で4社が工事を分け合い、公正な競争を妨げたとされる。
 市場の競争原理が働かなければ、全体の工費は膨らみ、ゆくゆくは乗客が払う運賃などにはねかえる。国や自治体発注の工事で談合が税金の無駄遣いにつながるのと同じで結局、不正のつけは国民に回ってくる。
 これまで検察当局や公取委によって、たびたび談合などを摘発され、4社は05年、談合と決別すると宣言したにもかかわらず、業界の体質は変わっていないのだろうか。業界ぐるみともいえる大掛かりな不正の構造にメスを入れ、徹底解明してもらいたい。
 一連の捜査の発端となったのは、名古屋市内に新設される非常口の工事で、大林組の共同企業体(JV)が受注した。大林組はJR東海の担当者から工事費などの非公開情報を入手。あらかじめ競合他社に受注の希望を伝え、JR東海との価格協議で非公開情報を基に算出した見積価格を提示したとされる。
 また、大林組の希望を受け入れた他社は、より高い価格を提示して受注調整に協力したという。このような「話し合い」が、他の工事でも繰り返されたとみられている。
 談合決別宣言後、06年に旧防衛施設庁の発注工事を巡る官製談合事件で8社の幹部らが略式起訴され、51社に計約30億円の課徴金納付が命じられた。07年には名古屋市発注の地下鉄工事で、5社が独禁法違反で摘発された。
 決別宣言で活動休止に追い込まれた各地の談合組織も東日本大震災の復興・復旧工事や20年東京五輪・パラリンピックに向けた再開発で息を吹き返しつつあるといわれ、再発防止に本腰を入れて取り組む必要がある。


リニア工事不正受注 業界の宿痾 徹底解明せよ
 大林組だけなのか、との疑念が的中した形だ。大手ゼネコン4社による談合が事実なら、過去の反省を生かせず、宿痾(しゅくあ)に侵された業界としか言いようがない。
 JR東海が発注したリニア中央新幹線の建設工事を巡り、入札前に協議し受注予定者を決めていた疑いがあるとして、東京地検特捜部などが独禁法違反(不当な取引制限)の疑いで鹿島と清水建設の本社を家宅捜索した。近く大林組と大成建設も捜索する見通しだ。
 リニア新幹線は、車両が磁力により浮上し、東京と名古屋、大阪間を走らせる計画で、2027年の先行開業が予定されている東京・品川―名古屋間は40分で結ばれる。総工費9兆円を超えるビッグプロジェクトであり、計22件の工事契約のうち、4社が代表となる共同企業体(JV)が、うち15件を3〜4件ずつ受注しているという。
 端緒は、名古屋市内の工事を巡り、大林組が受注希望を競合他社に伝え、これに応じた社が大林組を上回る見積価格を出すなどして受注調整に協力したとみられる。当初は大林組に対する偽計業務妨害の疑いによる捜索だった。
 だが、4社の幹部らの任意事情聴取や押収資料の分析から、他の複数の工事でも大手ゼネコンなどが互いに相談し、受注予定者や入札価格を事前に決める調整を繰り返し行っていた独禁法違反の疑いが出てきたとみられる。
 受注調整などの結果、建設費が膨らめば、国などの公共工事では税金の無駄遣いとなり、民間のJR東海のケースでは乗客が支払う運賃にはねかえる。さらにはリニア建設には事業促進のため、3兆円の財政投融資が投入され、単なる一民間企業の事業とは言えないはずだ。
 4社はスーパーゼネコンとも称され、東日本大震災の復興・復旧工事が増え、20年の東京五輪・パラリンピックに向けた再開発などで業績は好調だ。関係者の中にはリニア工事に関し「難易度の高い工事が多く、技術力と体力のある会社が受注しただけだ」と疑惑を否定する声も出たというが、五輪後は活況も頭打ちになるとされる。リニアはその後も続く“おいしい工事”だが、4社によるお手盛りというのは言語道断だ。JR東海の意向が受注調整の背景にあった疑いも指摘されている。
 不正行為は過去にも度々繰り返されてきた。05年には、公取委の権限を強化する改正独禁法が施行されるのを前に、4社は「談合決別宣言」を出した。談合担当の社員は配置転換され、各地の談合組織も活動休止に追い込まれた。
 決別宣言後も旧防衛施設庁の発注工事を巡る官製談合事件や、名古屋市発注の地下鉄工事での独禁法違反事件など、業界の体質は全く変わっていない。震災復興や五輪関連の発注では、休止していた談合組織が復活し始めたともされる。
 不正のつけは国民に回ってくる。特捜部などには業界ぐるみとされる構造を徹底解明してもらいたい。


リニア入札不正 談合からの脱却はどこへ
 大手ゼネコンには依然、根強い「談合体質」があったのか。JR東海が発注したリニア中央新幹線の工事を巡る大林組の入札妨害事件は、他のゼネコン各社も関与する大型談合事件に発展しそうだ。
 東京地検特捜部などがきのう、独占禁止法違反(不当な取引制限)容疑で鹿島と清水建設の本社を家宅捜索した。近く、大成建設と大林組も捜索する見通しという。
 これまで特捜部は、これら大手4社の幹部らからも任意で事情を聴いており、リニア関連の南アルプストンネルなど複数の工事で各社が互いに相談し、受注の事前調整を繰り返していた疑いがあると見ているようだ。
 リニア中央新幹線は、総工費9兆円を超える巨大プロジェクトである。2027年に品川―名古屋間の開業を目指し、37年に大阪まで延伸して全線開業を予定している。
 関連工事は15年以降、計22件契約されているが、うち15件は「スーパーゼネコン」と呼ばれる大手4社による共同企業体(JV)が3〜4件ずつ受注していた。
 事業はJR東海が自己資金で行うが、計画の前倒しのため、うち3兆円は国の資金を民間銀行より大幅に低い金利で貸し出す財政投融資が活用されている。景気浮揚をにらんで強く後押しする政府は、いわば「国家事業」と位置づけている。断じて不正があってはならない。
 特捜部は当初、名古屋市の非常口新設工事の入札に対する偽計業務妨害容疑で、受注した大林組の強制捜査に踏み切った。公募したJR東海が見積価格を含めた総合評価と価格交渉で発注したが、手続きの過程で大林組は他のゼネコンに協力を要請したとみられている。
 これまでの調べで、JR東海の担当者が工事費などに関する非公開の情報を大林組に漏らした疑いも浮上した。大林組は違法性を否定するが、何とも不自然ではないか。発注者のJR東海も内部調査を進めるべきだ。
 独禁法は業者が受注調整を繰り返すなどして、市場の競争を阻害した場合に適用される。発注者が国や自治体か、民間企業かは問わない。
 今回の容疑が事実だとすれば、これまでの大手ゼネコンの10年余におよぶ談合防止への取り組みの甘さが再び露見したことにほかなるまい。
 不正に対する制裁強化などを盛り込んだ改正独禁法の施行(06年1月)に合わせ、大手ゼネコンでは談合との決別を05年末に宣言した。
 しかしその後も、07年には名古屋市発注の地下鉄工事を巡る談合事件で、仕切り役だった大林組元顧問らが独禁法違反罪で起訴されている。
 リニア関連工事はいずれも難工事で、大手の技術力が有利とされる事情は理解できなくもない。だが、入札不正の横行はリニア事業そのものの信頼まで大きく損なう。徹底した実態解明が必要だ。


リニア不正受注/再発防止へ徹底解明を
 JR東海発注のリニア中央新幹線建設工事を巡り、東京地検特捜部と公正取引委員会は独禁法違反の疑いで鹿島と清水建設の本社を家宅捜索した。特捜部は先に大林組を捜索しており、大成建設も今後捜索するとみられる。総工費9兆円を超える巨大プロジェクトで、大手ゼネコン4社を中心に受注業者や入札価格を事前に決める調整が行われた疑いが濃厚になったためだ。
 JR東海は民間企業だが、政府は2016年に閣議決定した経済財政運営の指針「骨太方針」にリニアへの財政投融資の活用を明記、総額3兆円を貸し付けている。リニア建設は国家プロジェクトの側面を持ち、その裏で4社が工事を分け合い、公正な競争を妨げたとされる。
 市場の競争原理が働かなければ全体の工費は膨らみ、ゆくゆくは乗客が払う運賃などにはねかえる。税金の無駄遣いにもつながり結局、不正のつけは国民に回ってくる。これまで検察や公取委により、たびたび談合などを摘発され、4社は05年には「談合決別宣言」を出したが、業界の体質は変わっていない。
 特捜部のここまでの捜査で発注者であるJR東海による組織としての意向が受注調整の背景にあった疑いも指摘されている。建設業界ぐるみともいえる大掛かりな不正の構造にメスを入れ、徹底解明してもらいたい。
 リニア中央新幹線は東京と名古屋、大阪を結ぶ路線が計画され、JR東海は東京・品川−名古屋間の27年先行開業を目指し、これまでに22件の工事を発注。うち7割に当たる15件について、大手4社が準大手や中堅各社と組んだ共同企業体(JV)で3〜4件ずつの契約を取り、沿線各県で建設工事を進めている。
 ほぼ均等割りの受注となっており、4社で工事を分け合ったとささやかれていた。一連の捜査の発端となったのは、事故などでリニアの地下トンネルから地上に避難するため名古屋市内に新設される非常口の工事で、大林組のJVが受注した。
 大林組はJR東海の担当者から工事費などの非公開情報を入手。あらかじめ競合他社に受注の希望を伝え、JR東海との価格協議で非公開情報を基に算出した見積価格を提示したとされる。大林組の希望を受け入れた他社は、それよりも高い価格を提示して受注調整に協力したという。
 こうした”話し合い”が、トンネル工区など他の工事でも繰り返されたとみられている。独禁法は「事業者は、私的独占又は不当な取引制限をしてはならない」と定めている。不当な取引制限とは、事業者が連絡を取り合って価格や受注業者などを相談して決め、競争を制限することで、発注者が国や自治体か、民間企業かは問わない。
 談合決別宣言後、06年に旧防衛施設庁の発注工事を巡る官製談合事件で大手4社など8社の幹部らが略式起訴され、51社に計約30億円の課徴金納付が命じられた。07年には名古屋市発注の地下鉄工事で、大林組や清水建設、鹿島など5社が独禁法違反で摘発された。
 各地の談合組織も東日本大震災の復興・復旧工事や20年東京五輪に向けた再開発で息を吹き返しつつあるといわれ、再発防止に本腰を入れて取り組む必要がある。


リニア入札捜査 全容の徹底解明進め不正根絶を
 JR東海が発注したリニア中央新幹線工事で、入札の不正が横行していた疑いが強まった。東京地検特捜部は、「スーパーゼネコン」と呼ばれる大林組など大手4社が入札前に協議し、受注予定者を決める受注調整を行ったとみて、独禁法違反容疑で捜査を進めている。
 建設業界では談合や入札の不正が相次ぎ、その度に再発防止を誓ってきた。大手4社は2005年、談合の罰則を強化した改正独禁法施行前に「談合決別宣言」を出した。しかし宣言とは裏腹に、東日本大震災の復興工事でも多くのゼネコンが談合に加担するなど、不正は一向にやまない。特捜部は全容の徹底解明を進め、業界に巣くう悪癖をあぶり出し、不正根絶につなげなければならない。
 リニア中央新幹線は東京―大阪間を約1時間で結ぶ総工費9兆円超の巨大プロジェクト。JR東海の入札は「公募競争見積方式」で、各社の技術提案や見積価格を総合評価し、企業と協議し契約価格を決める仕組み。これまでに22件の工事契約を結んでいるが、15件を大林組、鹿島、清水建設、大成建設の大手4社で3〜4件ずつほぼ均等に受注しており、不自然に映る。
 事件の端緒となったのは、大林組が昨年、約90億円で受注した名古屋市の非常口新設工事。大林組は受注したいとの意向を競合他社に伝え協力を要請し、求められた側はより高い見積価格を提示したとみられる。特捜部は今月上旬、大林組本社を偽計業務妨害容疑で家宅捜索し、他3社の関与を調べていた。公正な入札が妨害されれば、工事費は膨らむ。運賃や税金などの形で利用者の負担につながりかねず、到底許されない。
 大林組は、07年に名古屋市発注の地下鉄工事で談合の仕切り役だった元顧問が逮捕、起訴されるなどの事件が続き、当時の社長が辞任した。事件を機に定款に「入札の公正、公平を阻害する行為を一切行わない」との文言を盛り込む異例の対応をとり、襟を正したはず。今回の不正が事実とすれば、公共工事を含め大型工事のうまみを分け合おうとする体質が染み付いていると見られても仕方あるまい。
 JR東海の担当者が大林組に非公開の工事情報を漏らした疑いも浮上している。大林組は工事価格は聞いていないとして違法性の認識は否定したが、入手した技術仕様を基に見積価格を算定した事実は認めているという。発注者側が特定の企業に肩入れし、競争入札の信頼性を失わせる愚行だ。JR東海は内部調査を急ぎ、経緯を明らかにする必要がある。
 建設業界は震災復興や東京五輪・パラリンピックに向けた再開発で好況を呈している。五輪後を支えるリニア工事には国の巨額融資も投入されており、不正に厳しい目が向けられるのは当然である。もはや業界の自浄能力には頼れない。不正根絶に向け、国は監視と摘発強化に知恵を絞ってもらいたい。


リニア入札不正 徹底捜査で実態解明急げ
 「談合と決別する」と宣言していた大手ゼネコンの決意は、一体何だったのか。
 総工費が9兆円に上る巨大プロジェクト「リニア中央新幹線」の工事を巡り、東京地検特捜部の捜査が広がりを見せている。
 発端は、名古屋市の非常口新設工事を約90億円で受注した大林組が、業者選定の過程で他のゼネコンに受注希望の意向を示し、協力を要請したとされる入札妨害事件だ。
 要請に応じた他のゼネコンは、大林組よりも高い見積価格を提示したといわれる。
 不正行為が本当なら公正、公平であるべき入札制度の根幹を揺るがす事態だ。信用失墜は避けられないだろう。
 適正な競争が行われていれば、工事発注者のJR東海はより低い価格で契約できていたとの指摘もある。リニア整備計画には、国の巨額融資が投入されていることを忘れてはならない。
 非常口新設工事の発注を巡っては、JR東海の担当者が工事に関する技術仕様などの非公開情報を大林組に漏らした疑いも浮上している。
 大林組は、そうした非公開情報を利用し、受注活動を有利に進めたとされる。
 リニア工事には、用地買収や環境対策などの面で多くの自治体が関わっている。その意味で公共事業そのものであり、業者選定を適正、公正に行わなければならないのは言うまでもない。
 選定過程でどんな不正が行われたのか。組織上層部の関与はどうなのか。特捜部は徹底的に捜査し、早期に実態を解明してもらいたい。
 リニア計画の背景には、50年以上が経過した東海道新幹線の経年劣化がある。南海トラフ巨大地震などの大規模災害に備えたプロジェクトでもあり、東京一極集中を緩和する効果も期待されている。
 完成時期に遅れが生じるなど影響が出ないよう、JR東海も独自調査をしっかりと進め、再発防止策を講じていかなければならない。
 非常口新設工事の選定手続きは、「公募競争見積」と呼ばれる2段階方式で行われていた。だが、1次審査で最も高い評価を受けた業者が、事実上、工事を受注する仕組みだったとの指摘もある。そうした選定方式に問題があるなら、JR東海は早急に仕組みを改善すべきだ。
 リニア関連工事は、これまでに計22件の契約が締結されている。このうち大林組、鹿島、清水建設、大成建設の大手ゼネコン4社が代表の共同企業体(JV)が、全体の7割に当たる15件をほぼ均等に受注していた。そこに不正行為はなかったのかどうか。
 強制捜査を受けたゼネコン各社は、過去に談合や独禁法違反などでたびたび摘発されてきた。不正行為を反省し、談合を根絶するとした声明も出したはずである。
 旧態依然の体質を改めさせるためにも、特捜部には大規模工事も含めて厳正な捜査を求めたい。


甘利事件のリベンジ狙う 地検「アベ友」捜査拡大の可能性
「アベ友」案件の捜査はどこまで進むのか。スパコン詐欺事件で、東京地検特捜部に逮捕された斉藤元章容疑者。当初、国から支給された助成金は約35億円とされた。しかし、経産省が所管する法人からだけでなく、文科省所管の法人からも無利子融資を受けていたことが発覚。経営する「ペジーコンピューティング」と関連企業は、国から計100億円超のカネを受け取っていた。政界からは「特捜部はどこまで捜査を広げるつもりなのか」と不安の声が上がっている。
 斉藤容疑者は、安倍首相と昵懇の元記者・山口敬之氏と親しい関係にある。久々の政治案件に特捜部はヤル気満々という。
 特捜部がヤル気になっているのは、“甘利事件”へのリベンジの意味もあるという。自民党の甘利明元大臣は、現職の経産相だった時、建設会社から大臣室で50万円を受け取りながら、結局、不起訴となっている。都市再生機構(UR)を家宅捜索しながら、立件できなかった特捜部には、忸怩たる思いがある。
 さらに、18日発売の「週刊現代」によると、法務・検察の“人事”の遺恨も絡んでいるという。もともと法務省の次官には、森本宏・現特捜部長と近い林真琴刑事局長が内定していた。ところが、甘利事件後の16年9月、森本特捜部長とは距離のある当時の官房長・黒川弘務氏が就任した。
 不可解な人事のウラには「官邸の意向」が働いたという。週刊現代によると、黒川氏は官邸の意向を酌んで甘利事件を握りつぶし、その論功行賞で次官に就いたというのだ。
 実際、甘利氏が不起訴処分となった直後の昨年6月、当時の民進党が開催した「甘利前大臣疑惑追及チーム」では、民進党議員が法務官僚に「黒川さんあたりのラインで全てを決めて、法を歪めているのではないか」と詰め寄っていた。林刑事局長に近い森本部長が、“忖度”抜きで徹底捜査を進めても不思議ではない。
 捜査はどこまで進みそうなのか。カギは逮捕された斉藤容疑者がどこまで話すかだ。
「ペジー社は、経産省所管の『新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)』から4億3000万円もだまし取っています。しかし、NEDOから補助金を受けるには厳しい審査を受ける必要があり、並大抵のことではありません。補助金申請に際し、誰かに依頼をしたのか、そのためにカネを流したのか。広い人脈を持つ斉藤容疑者が洗いざらいゲロすると、政官財に飛び火する可能性があります」(捜査事情通)
 今ごろ肝を冷やしている人物がいるのかもしれない。


加計学園 定年「ダブルスタンダード」
 学校法人「加計(かけ)学園」(岡山市)が運営する岡山理科大の教授と元教授計11人が、定年が71歳から65歳に引き下げられ不利益を受けたとして、学園側に地位確認などを求めた訴訟が岡山地裁で続いていることが分かった。来春に新設が決まった同大学の獣医学部獣医学科では、1期生が卒業する6年後に70歳以上になる教員12人が就任する見込みで、労働組合関係者からは「ダブルスタンダードだ」と批判の声が上がっている。
 訴状などによると、学園は2008年4月、定年を71歳から65歳に引き下げる改正就業規則を施行した。同年3月末時点で65歳超の教授には適用せず、60歳以下だった教授については68歳までとするなど経過措置を設けたが、66歳以降の給与は一部減額した。原告らは定年の引き下げで収入が減るなど人生設計に支障が生じたとして、15年に提訴した。
 訴訟で学園側は、定年引き下げの理由について、▽少子化による収入減が予想される▽魅力的な学部を作るための投資に重点を置く必要性がある▽大学などの認証評価機関「大学基準協会」から「教員の年齢構成が高く、改善が望まれる」と指摘を受けた−−などと主張。役員給与のカットなど他の人件費抑制策を尽くしており、定年引き下げはやむを得ないと強調している。
 一方、獣医学部の新設に関して学園が大学設置・学校法人審議会に提出した書類によると、獣医学科の1〜6年の学生がそろう「完成年度」の23年度末時点では専任教員75人の4分の1にあたる20人が定年の65歳以上になる。学園の就業規則では、新たに学部を設置する場合、理事会の承認があれば理事長が関係職員の定年を延長できると定めており、規定上の問題はない。
 定年引き下げを巡っては、別の教授ら22人も11年に提訴し、計1億8000万円を学園側が支払うことなどで14年に岡山地裁で和解している。
 学園の労働組合の関係者は「教授は通常、1年生が卒業するまで面倒を見る。65歳を定年に変えておきながら、6年後に65歳以上になることが確実な人を新たに雇うのはおかしい。特例を認めすぎではないか」と疑問を呈している。
 加計学園は「係争中につきコメントは差し控える」としている。【竹田迅岐】


[米軍ヘリ飛行再開へ]負担の強要 もはや限界
 事故が起きてからまだ1週間もたっていない。原因究明はおざなりで、再発防止策も実効性の疑わしい内容だ。
 それなのに米軍は、事故を起こしたCH53E大型ヘリの飛行を再開し、日本政府もこれを認める考えだという。
 13日午前、米軍普天間飛行場所属のCH53Eの窓が、普天間第二小学校の校庭に落下した。
 小2と小4の児童約60人が、体育の授業を受けていたまさにその場に、重さ約7・7キロ、約90センチ四方の脱出用の窓が、金属製の枠もろとも、きりもみ状態で落下したのである。保護者や住民が受けた衝撃は計り知れない。
 米軍は、手順を守らなかった搭乗員の人為的なミスで機体に問題はなかった、との調査結果を県に伝えた。事故後見合わせていた同型機の飛行を再開する方針だ。
 防衛省によると、搭乗員は飛行前点検の際、窓のレバーが安全ワイヤによって固定されていないことを見落とした。「(窓のレバーが)誤って、または不注意によって緊急脱出の位置に動かされたことによって、窓が航空機から離脱した」のだという。
 なぜ、これほど単純な操作ミスが発生するのか、そこがまったく明らかにされていない。米軍機の事故がこれでもかこれでもかと立て続けに起きているのはなぜなのか。
 機体に問題がないからといって、飛行を再開してもいいということにはならない。
 一方的な再開方針の伝達は県民感情を無視した基地負担の押し付けである。
■    ■
 再発防止策として普天間第二小を含むすべての学校の上空飛行を「最大限可能な限り避ける」としている。
 そういう方針は、建前上は、これまでも堅持していたのではないのか。それともこれまでは「できる限り学校、病院を含む人口密集地帯上空を避ける」と言いながら、「できる限り」を都合よく解釈して運用してきたというのか。
 騒音規制措置に盛り込まれた「できる限り」という表現を、再発防止策と称して「最大限可能な限り」という表現に変えたことに、逆に不信感を抱かざるを得ない。
 米軍は、米連邦航空法に基づく飛行場の安全対策として、滑走路両端の延長上にクリアゾーン(事故可能性区域)を設け、土地利用を大幅に制限している。
 ところが、普天間飛行場では、クリアゾーンに普天間第二小をはじめ学校や保育園、病院、公民館などの公共施設が存在する。それが問題だ。
■    ■
 普天間飛行場は、住民の安全への考慮を欠いた欠陥飛行場である。普天間飛行場の辺野古移設は「高機能の新基地を確保するために危険性除去を遅らせる」もので、負担軽減とは言えない。
 一日も早い危険性の除去を実現するためには、安倍晋三首相が仲井真弘多前知事に約束した「5年以内の運用停止」を図る以外にない。期限は2019年2月。
 そこに向かって、不退転の決意で大きなうねりをつくり出し、目に見える形で県民の強い意思を示す必要がある。命と尊厳を守るために。


CH53E飛行再開へ 米本国では許されない
 米軍の不誠実な対応と日本政府の米国追従ぶりは、目に余る。
 普天間第二小米軍ヘリ窓落下事故を受け、飛行を控えていた米軍普天間飛行場所属のCH53E大型輸送ヘリコプターの飛行を再開する方針を米軍が県などに伝えた。事故原因について米側は「人的要因」と説明した。だとすれば訓練が必要だろうし短期間の飛行再開は納得できない。
 海兵隊は普天間第二小学校の喜屋武悦子校長に安全点検と搭乗員に対する教育を徹底できたとの認識を表明。最大限、学校上空を飛ばないようにすると米軍内で確認したことを伝えた。これに対し「最大限の確認では納得できない」と喜屋武校長が述べたのは当然だ。飛行禁止にすべきだ。
 結局、防衛省は飛行再開のために必要な措置が取られたとして、飛行再開の容認を決めた。県民にきちんと説明しないまま、米軍の言いなりである。これでは米軍の代行機関ではないか。
 この1年間、米軍機の事故が頻発している。その都度日本政府は、米軍の飛行再開を容認してきた。翁長雄志知事が指摘するように「当事者能力がない」。
 CH53Eは2004年に宜野湾市の沖縄国際大学に墜落したCH53Dの後継機。30年以上運用し、アフガニスタン紛争にも投入された。老朽化が進み部品が枯渇して、海兵隊航空機の中でも最も深刻な整備と即応性の課題が指摘されている。飛行可能は37%という米国報道もある。だから今回の事故が「人的要因」というのは説得力がない。
 順次退役が決まっているが、積載量の増加やコックピットの近代化などを打ち出した新型機CH53Kは開発が遅れ、今年4月に生産体制が整ったばかりだ。
 今年10月11日に東村高江で不時着炎上したCH53は、1週間後の18日に通常飛行を再開した。発表文で米軍は「整備記録」を確認した結果、飛行再開を決めたとしたが、原因究明や再発防止策の説明は一切なかった。
 この時、ローレンス・ニコルソン在沖米四軍調整官は「われわれは日本における米海兵隊航空機の飛行の安全性を約束している。安全ではないと思える運用は決して許さない。CH53Eヘリは沖縄や日本本土で長年、日米同盟に奉仕してきた信頼できる航空機だ」と述べた。
 にもかかわらず今回、落下事故が発生した。米本国では短期間の飛行再開は許されないだろう。
 昨年12月の北部訓練場過半の返還を記念した式典で、菅義偉官房長官は「今回の返還は日本復帰後最大の返還であり、沖縄の米軍施設の約2割が返還され、沖縄の負担軽減に大きく寄与する」と強調した。だが沖縄で起きているのは「負担強化」でしかない。
 現状を改善できないなら、日本政府は米国の「共犯」と言われても仕方ない。


伊方原発差し止め 理にかなう決定に応えよ
 広島高裁が四国電力伊方原発3号機(愛媛県)の運転を差し止める決定を下した。決定は「火山の影響について伊方原発が新規制基準に適合するとした原子力規制委員会の判断は不合理」と断じた。決定理由は明快で「理にかなった」内容と言える。東京電力福島第1原発事故後、原発の運転を禁じる高裁段階の司法判断は初めてだ。四国電力など電力各社や規制委員会、政府は今回の決定に誠実に応えて今後の原子力政策に反映させるべきだ。
 新規制基準の内規である「火山影響評価ガイド」(火山ガイド)は「原発から半径160キロ以内の火山が原発運転期間中に活動する可能性が十分小さいかどうかを評価し、評価できない場合はその敷地に原発を立地することは認められない」としている。これは規制委員会が自ら定めたものだ。
 今回の決定は、熊本県の阿蘇山が約130キロ離れた伊方原発の運転期間中に巨大噴火を起こして火砕流が原発に達する可能性が十分に小さいとは判断できないと認定した。そもそも「十分小さい」との表現が曖昧なのだが、四国電力による火砕流シミュレーションでは評価できないはずで、それを「新規制基準に適合する」とした規制委の判断は不合理、と結論付けた。
 火山に近い原発の運転差し止めを求める住民の訴えを認めなかったこれまでの司法判断では、巨大噴火の発生頻度が低い場合、「無視し得ると容認するのが社会通念」とした判例が目立っていた。今回は「規制委員会が決めたガイドに従えば運転は認められないはず」と正面から指摘したと解釈できる。
 決定に対して規制委員会の更田豊志委員長は「規制の役割を果たすだけ」と述べるだけで、決定に応えていない。政府も「規制委員会の判断を尊重する方針に変わりない」(菅義偉官房長官)との姿勢。せめて「司法判断を真摯(しんし)に受け止め最大限尊重する」と言えなかったか。
 2011年に東北・太平洋側を襲った巨大津波。発生頻度は低くても、悲劇的な被害をもたらす自然災害に備えなくてはならないことを、東日本大震災で学んだはずだ。日本には111の活火山があり、気象庁は50の火山を常時観測している。火山に比較的近い原発も北海道や九州などにあるが、巨大噴火を含む噴火時期や規模を正確に予想することは現時点では困難だ。科学(火山学)の限界にも触れ、規制委員会の判断根拠の不合理さを突いた広島高裁決定の意味は極めて重い。


被爆体験者判決 柔軟な支援を続けてこそ
 原告にとって司法救済の道が閉ざされる厳しい判決である。
 長崎原爆に遭遇した場所が被爆地域とされず、被爆者援護法を適用されない「被爆体験者」が、国などに被爆者と認めるよう求めた第1陣訴訟で、最高裁は原告全面敗訴の一、二審判決を支持し、1人を除いて上告を退けた。
 法律上の被爆者と認定するには確かに、どこかで線引きが必要である。これまでは、行政が厳しい線を引き、司法がそれに疑問を投げかけて救済の枠を拡大するという図式が続いてきた。
 国が定める被爆地域は長崎市の爆心地から南北約12キロ、東西約7キロと細長く、いびつな形状だ。原告388人はそこから外れる地域で被爆した。判決は、爆心地から約5キロ以内にいなかった人の健康被害を否定した福岡高裁判決を「是認する」とした。
 原爆で受ける放射線量と健康被害の関係は今も明確ではない。ただ、被害の実態はどうだったのか。原告の一人は爆心地から東約8・3キロの自宅で被爆し、爆風にさらされた。幼くして歯茎からの出血や頻発する発熱に苦しんだ。単なる偶然と言い切れるのか。
 被爆体験者は長崎市などの要請を受け、国が2002年に始めた制度である。過去の訴訟で最高裁が行政の原爆症認定基準を機械的と批判した流れの中で生まれた。精神疾患とそれに伴う合併症の医療費を支給する。
 今回の判決は援護法の性格について「戦争遂行主体だった国が自らの責任により救済を図る一面を有する」とした。ならば疑わしきは救済する立場にもっと踏み込めなかったのか。もとより被爆地域は旧行政区分などで決定された。科学的根拠はない。原告側に被害の立証を求めるのは酷である。
 被爆から70年以上たつのに、高齢の人たちが今なお救済を求める現実を国は重く受け止めてほしい。第2陣訴訟では10人が長崎地裁で勝訴し福岡高裁で係争中だ。司法判断がどうであれ、行政による柔軟で粘り強い支援が必要であることは改めて言うまでもない。


[生活保護見直し] 必要な人に届く制度に
 厚生労働省は、生活保護費を来年10月から一部世帯で3年かけて段階的に引き下げ、国費計約160億円を削減すると発表した。都市部などで最大5%減額となる。
 児童手当に相当する「児童養育加算」は40億円プラスとなるが、食費や光熱費に充てる「生活扶助」は180億円減らす。「母子加算」も減額される。
 生活扶助の支給水準は5年に1度見直す。前回改定では3年かけて平均6.5%縮減された。今回は当初案より小幅の減額で、小規模自治体では増額となることもあるが、受給対象者の生活は保障されるのか慎重に見極めるべきだ。
 改定の根拠は、一般の低所得世帯の消費支出より保護費の支給額が多いとの調査結果だ。
 改定を議論する厚労省の審議会は、景気低迷などで低所得世帯の消費が減ると保護支給額も減り、最低生活の水準を維持できなくなる恐れがあると、現行制度に疑問を呈した。
 さらに「最低限度の生活水準について本質的な議論をすべきだ」と求め、根本的な算定方法の見直しを迫っている。
 専門家の間には、生活保護が必要な人のうち実際には約2割しか受給していないとの指摘もある。制度の理念に照らして現状に矛盾はないのか、あらためて点検しなければならない。
 生活保護受給世帯は9月時点で164万世帯を超え、20年間で約2.7倍に膨らんでいる。半数近くは1人暮らしの高齢者だ。
 鹿児島県内では約2万4000世帯が受給し、この数年、月平均2万3000〜2万4000世帯で推移している。高止まりの状態にあると言っていいだろう。
 独居高齢者対策をはじめ受給世帯の自立は大きな課題だ。ただ、支援体制には不安が残る。
 生活保護のケースワーカーが1人当たり受け持つ平均保護受給世帯数は、鹿児島県内4市の福祉事務所で4月に、法が定める標準数80を上回った。最多は118で負担は大きい。
 ワーカーは受給手続きや調査、訪問による受給者の生活・就労指導などを担う。社会問題となった不正受給はないか見極める大切な役割もある。
 行財政改革などで職員数が絞られ、保護の実態把握に追いついていないなら問題の根は深い。県は必要数の充足に努めるよう指導しているというが、抜本的な解消策には程遠い。
 憲法が定める「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」とは何か。本当に困った人が安心して頼れる制度にしたい。


野口英世の遺体解剖記録をガーナで再発見 何度か行方不明、記念会が福島での保存検討
 福島県猪苗代町出身の細菌学者、野口英世(1876〜1928年)の顕彰活動に取り組む野口英世記念会(猪苗代町)は18日、野口の遺体を解剖検査した時の所見を記したノートをガーナで再発見したと発表した。ノートは何度か行方不明になっており、同会はノートを預かって保存することを検討する。
 ガーナの解剖結果を記録した約450ページのノートで、黄熱病の研究で同国に滞在していた野口に関する記述は1ページ。黄熱病に自らかかって死亡したとの所見を、共同研究者だった英国人病理学者ウイリアム・A・ヤングが記している。
 ノートは1979年、ガーナに野口記念医学研究所を建設するプロジェクトを進めていた福島医大調査団が首都アクラの病院で見つけた。損傷が激しかったため、記念会が99年、在日ガーナ大使館の依頼を受けて修復。大使館に渡したが、その後、所在不明になった。
 2010年、アクラの野口記念医学研究所の金庫にあることを日本の関係者が確認。だが、今年11月に現地を訪れた記念会の野口由紀子主任が再調査した際には確かめられなかった。その後、解錠した金庫から原本が見つかったとの報告が現地から届いた。
 野口主任の現地調査では、野口が使ったとみられる顕微鏡が在ガーナ日本大使館に保管されていることが確認された。
 記念会の竹田美文副理事長は「博士が自殺したという説が一時流れたこともあり、ノートは博士が黄熱病で亡くなった事実が分かる貴重な資料。今後、行方不明にならないようにしたい」と話した。


飲み会三昧の昭恵夫人 首相公邸で忘年会開催の公私混同
 日経新聞の世論調査で、森友問題を巡る疑惑で政府の説明に「納得できない」が78%だったのに対し、「納得できる」はたったの12%。国民の理解が進まない原因の一端は、いまだにハッキリと説明をしない昭恵夫人(55)にもある。
 ところが、まったく懲りちゃいないようだ。関係者によると、20日に首相公邸で親しい知人を招いて忘年会を開く予定だというのだ。
 昭恵夫人は、11月18日に自身がオーナーを務める居酒屋「UZU」の開店5周年記念パーティーを開催。今月10日には、安倍首相を伴いパレスホテル東京の中華料理店「琥珀宮」で歌手の松任谷由実と会食した。昭恵夫人のフェイスブックには他にも、本人がワイン片手に関係者と笑顔を浮かべていたり、立食パーティーを楽しんでいる様子を撮った写真が掲載されている。
 昭恵夫人開催の飲み会に参加したことがある関係者はこう言う。
「忘年会や新年会、暑気払いなどといった節目に縛られず、ちょくちょく私的な飲み会を開いているようです。過去に知り合った仕事の関係者や社会人大学院時代の同級生など、気の合う仲間を招くケースが多い。本当にたわいのない気軽な宴会といった雰囲気でしたね」
■夫人の行動をとがめない首相にも問題
 すっかり“飲み会”三昧のようだが、首相公邸で開催するというのはいかがなものか。首相公邸は国家公務員宿舎法に基づき設置され、年間約1億5000万円の維持管理費の原資はもちろん税金だ。政府は今年3月、昭恵夫人について「公人ではなく私人」と閣議決定していたではないか。
 政治評論家の山口朝雄氏はこう言う。
「『私人』という立場にありながら、首相公邸で私的な会合を開くのならば、公私混同と言わざるを得ません。それに、森友問題について、国民はまだ納得していない。私的な会合への出席を優先させるのは順序が違います。説明が先でしょう。夫人の行動をとがめない首相にも問題があります」
 首相官邸に問い合わせると「夫人のプライベートな案件については、把握していない」と回答。安倍晋三事務所に質問状を送付し、昭恵夫人の携帯電話の留守電にもメッセージを残したが、返答はなかった。
 昭恵夫人は7日、ベルギー大使館での勲章授与式で「今年は本当にいろいろなことがあり、つらい一年でした」と涙ながらに語っていたが、酒を飲んで“年忘れ”なんて許されない。


厚顔、稲田朋美が防衛相時代の失態をネグり復活!!「南京事件はなかった」のトンデモ講演、「一議員で終わらない」の決意表明も
 大臣辞任から半年も経たず、あの議員が再び息を吹き返した。今月13日、都内でおこなわれた「外務省 目覚めよ!南京事件はなかった」なるタイトルの講演会に稲田朋美が登壇、「日本の名誉を守るとは、いわれなき非難や事実と違うことに断固として反論することだ」「国益を守ることに政治家としての軸足を置いていきたい」と語ったというのだ。
 さらに、この講演会の2日前には、自身が会長を務める「伝統と創造の会」の総会を開催。また、同日はアパグループの「真の近現代史観」懸賞論文の出版記念パーティにも参加し、アパの元谷外志雄代表・芙美子社長夫妻や田母神俊雄氏と肩を並べて仲良く写真を撮っている。
 稲田元防衛相は、南スーダンPKO派遣に際して大規模な戦闘を「戦闘ではなく衝突」と答弁したり、その上「戦闘」としなかった理由を「憲法9条上の問題になるから」と平然と言ってのけるなど、大臣以前に法曹家としても信じられない発言を連発。一方、森友問題では籠池泰典・前理事長との関係を必死になって隠そうとして虚偽答弁をおこなったことも記憶に新しい。
 なにより、大臣辞任の引き金となった日報問題では、稲田防衛相が日報隠蔽に直接関与していたことはもはや決定的であるにもかかわらず、辞任したことを盾にして閉会中審査への出席も拒否。いまだ説明責任をはたしていないのが現状だ。
 しかし、当の本人はまったく無反省。現に、11月に地元・福井でおこなった講演会では、今年10月の衆院選について、涙ぐみながら「今回の選挙ほど苦しいものはなかった」と語ったという。「苦しい」選挙戦になった原因をつくり出したのは自身の責任なのだが、その自覚が微塵も感じられない。挙げ句、この講演会では、自民党の二階俊博幹事長がわざわざ駆け付け、「女性総理の最短距離にある」と太鼓判を押した。
 いや、二階幹事長だけではない。当の稲田氏も〈「このまま一議員で終わりたくない」と再起に意欲をみせる〉(産経ニュース12月5日付)というのだから、呆れて開いた口が塞がらないではないか。
 ようするに、選挙によって「もう禊ぎは済んだ」とばかりに、ここにきて鳴りを潜めていた稲田元防衛相が再始動。大臣であるために抑えてきた歴史捏造主義者としての言動を大々的に解禁しはじめた、というわけだ。
歴史修正主義全開で再び「ポスト安倍」を狙い始めた稲田朋美
 事実、13日に稲田議員が講演をおこなったイベントは、タイトルからもわかるように、外務省および政府の〈日本軍の南京入城(1937年)後、非戦闘員の殺害や略奪行為等があったことは否定できない〉という見解を全否定する、歴史の捏造を目的としたものだ。
 そもそも「南京虐殺はなかった」という“虐殺まぼろし”論は一部のネトウヨや狂信的極右学者、右派メディアが叫んでいるだけで保守系歴史学者の間でも相手にされていないトンデモ論でしかない。しかも、稲田氏は弁護士として参加した南京事件に絡んだ訴訟(「李秀英裁判」「夏淑琴裁判」「南京百人斬り訴訟」)でことごとく敗訴している。だが、稲田氏は歴史的事実から目を逸らしつづけ、南京事件を否定するイベントに元防衛相として登場したのである。
 だが、こうした歴史捏造主義の主張を展開させることこそが、稲田議員が「ポスト安倍」に返り咲くための生命線であることは間違いない。なぜなら、安倍首相が稲田氏を寵愛してきた理由は、そこにあるからだ。
 前述した「百人斬り」訴訟に参加するなかで極右界で注目を集めた稲田氏を勉強会に招いたのは、当時、自民党幹事長だった安倍氏である。安倍氏の側近議員が「安倍さんは稲田さんの弁舌に一目ぼれした。女性の保守という点も珍しいと評価していた」(「週刊文春」2015年10月15日号/文藝春秋)と証言しているが、その後、安倍氏は2005年の郵政選挙の刺客候補として稲田氏に出馬を自ら要請。安倍氏は稲田氏の極右思想と歴史捏造主義のスピーカーとしての才能を買ったのである。
 そして、そうした安倍首相の「趣味」はいまも薄れていない。実際、今年の衆院選では、極右政党・日本のこころ(当時・次世代の党)の元衆院議員である杉田水脈氏を公認。本サイトでは詳しく紹介したように、杉田議員は「9条改憲、愛国教育推進、歴史修正主義、男尊女卑、ヘイト肯定」というバリバリの極右レイシストであり、著書では慰安婦像の“爆破テロ”を推進するような人物だ。この杉田氏を自民党が公認した背景を、櫻井よしこ氏はネット番組『言論テレビ』でこう語っている。
「安倍さんがやっぱりね、『杉田さんは素晴らしい!』って言うので、萩生田(光一・自民党幹事長代行)さんが一生懸命になってお誘いして、もうちゃんと話をして、(杉田氏は)『自民党、このしっかりした政党から出たい』と」
 つまり、稲田氏をスカウトしたときと同じように、いまも安倍首相は「女性で、口が立つ極右」を求めて杉田氏を自民党に引き入れた。そして、その杉田議員は、前述した稲田議員が会長を務める「伝統と創造の会」に加入し、同じようにアパの出版記念パーティにも出席。稲田議員と笑顔で田母神氏を挟んだ写真をブログにアップしている。
「防衛相辞任を慰留され続けた」と安倍の寵愛を自慢する稲田朋美
 先の選挙直前に広報副本部長に抜擢され、メディア批判を繰り返している和田政宗議員の件といい、安倍自民党の「ネトウヨ化」はよりパワーアップしつつあるが、そんななかでも安倍首相の稲田議員に対する愛は変わらないらしい。稲田議員は自身の有力後援者に、大臣辞任の裏側として、こんなことを語っていたという。
「“安倍総理は、『稲田さんまで辞める必要はない』と、何度も突っぱね、辞任をなかなか許してくれなかった”と」
「“自分の信条として、あの2人が辞任するのに、自分だけ大臣の座に残ることなんて絶対にできない。辞めさせてくださいと懇願し、ようやく総理に辞任を認めてもらえた”と仰る(後略)」(「週刊新潮」10月5日号/新潮社)
 この稲田議員の弁が事実か否かはわからないが、少なくとも本人はいまも安倍首相との親密な関係を強調し、「このまま一議員で終わりたくない」という野心も隠さなくなっている。しかも、杉田氏のような過激な議員まで加わったなかで安倍首相に忠臣であることをアピールするべく、今後さらに「初心」である歴史捏造主義者としての言動を強めていくのは必至だ。
 だが、繰り返すが、日報隠蔽問題の説明責任を稲田議員はいまだ果たしていない。それなのに「女性総理の最短距離」にまで簡単に戻れてしまう。それが安倍政権なのである。(編集部)


上川法務大臣による死刑執行に抗議する
NPO法人監獄人権センター
上川陽子法務大臣は,本日(12月19日)関光彦氏,松井喜代司氏(いずれも東京拘置所)に対し,死刑を執行した。今回の執行は,今年8月の上川法務大臣再任後初であるが,上川大臣としては2015年6月25日の神田司氏(名古屋拘置所)に対する死刑執行に続き二度目である。第二次安倍政権以降に死刑が執行された人の数は21人となった。
関,松井両氏とも,現在,弁護人を選任したうえで再審請求中であった。これまでの慣例を無視し,再審請求中に死刑執行を行ったことは,きわめて問題である。死刑判決確定後に再審請求で無罪判決が確定した免田事件,財田川事件,松山事件,島田事件はいずれも,複数回の再審請求を行った結果,裁判所の厳正な判断により無罪判決が下されたものである。また,袴田事件では第二次再審請求で再審開始が決定し,袴田巌さんが2014年に釈放されている。これらの例を見ても,原判決に誤りがある可能性はいかなる場合でも否定できず,被告人自身が犯行を否認または判決の誤りを主張している事件については,より慎重な審理が行われるべきである。
さらに関氏は,犯行時19歳であった。20歳未満を少年とする我が国の法制度においては,犯罪時18歳未満の少年に対して死刑を科さないという現行の少年法(第51条1項)にとどまらず,1994年に我が国で発効した子どもの権利条約第6条が少年の生命に対する固有の権利及び成長発達権を保障していること、及び同条約で引用されている少年司法運営に関する国連最低基準規則(いわゆる北京ルールズ)の趣旨が最大限に考慮されなければならない。すなわち北京ルールズ第2条2(a)では、少年を年齢で区別することなく、「少年とは、各国の法律制度の下において、犯罪について成人とは違った仕方で取り扱われている児童又は若者をいう」とした上で、同規則第17条2では「死刑は少年が行ったいかなる犯罪についても科してはならない」と規定している。したがって,科刑のみならず死刑執行の判断にあたっても,「少年」に対しては,成人の場合よりもさらに慎重な判断が求められるというべきである。
日本政府は,死刑制度をめぐる上記を含めた数々の問題点を直視し,制度の廃止をも視野にいれ,直ちに死刑制度自体の見直しを行うべきである。
監獄人権センターは,今回の死刑執行に強く抗議するとともに,死刑執行の停止,そして死刑制度廃止の政策的実現に向け,今後も取り組んでいく決意である。


死刑執行に強く抗議する(談話)
社会民主党幹事長 又市征治
1.本日、法務省は東京拘置所で2人の死刑を執行し、死刑囚の氏名や犯罪事実を公表した。2013年、15年に続く12月の執行であり、まるで年末の帳尻合わせのように駆け込み執行するのは言語道断である。社民党は死刑制度が人権に反するものとして、その存置に強い疑問を呈してきた立場から、今回の死刑執行に強く抗議する。
2.第2次安倍政権以降では12度目、実に21人目という異常な大量執行となる。しかも今回は2人とも再審請求中であり、うち1人は犯行時に19歳だった。再審請求中の執行は7月に続く暴挙である。誤判の可能性に留意し、再審請求中の執行には慎重を期してきたこれまでの慣例を踏みにじるもので、抑制的な対応を大転換するなら国民に死刑制度に関する全ての情報を公開し説明を尽くすのが当然だ。折しも11月29日には福岡高裁が、1985年に熊本県で起きた「松橋事件」で再審開始を認める決定を出したが、そうした事実への反省もなく、再審請求が人権救済のための重要な制度であることに目を背けた安倍政権の偏向した姿勢は断じて容認できない。
3.犯行時に未成年だった死刑囚への執行は97年の永山則夫元死刑囚以来の事態で、少年法の精神にも抵触し死刑適用の妥当性が問われる執行は、厳しい批判を免れない。上川陽子法相が「慎重な検討を加えて執行を命令した」と言うのであれば、どのような検討を行ったのか明確に示すべきだ。死刑制度をめぐっては国連人権理事会の対日審査で11月、死刑廃止に関する勧告が30以上出されるなど、制度のあり方を問う声が国内外から上がっている。死刑を全面的に廃止した国は100か国を上回っているが、こうした国際的な潮流を一顧だにせず執行を強行し続けることは許されない。政府および法務大臣は、早急に国際人権基準に沿った法改正への道筋をつけるとともに、死刑制度に関して存廃や死刑に代わる措置など刑罰のあり方についてより開かれた国民的な議論を尽くし、その間は死刑の執行を停止すべきである。社民党は今後も、死刑制度の見直しに全力を挙げて取り組む。


日本:2人の死刑を執行
12月19日、2人が死刑に処された。またもや、生きる権利を顧みない日本政府の姿勢が鮮明になった。
処刑されたのは、関光彦さん(44才、強盗殺人)と松井喜代司さん(69才、殺人)で、執行場所は、東京拘置所だった。2人とも、再審請求中で、関光彦さんは犯行当時19才だった。
2人の執行は、日本の人権状況にまた汚点を残すことになった。「またもや日本政府は、生きる権利を軽視する行動に出た」(東アジア地域調査ディレクター、ロザーン・ライフ)
2007年12月、国連総会は死刑執行の停止を求める初の決議を採択した。それからちょうど10年が経ち、世界の潮流は確実に死刑廃止に向かっているが、日本はこの動きに背を向け続けている。
「もし日本政府が、死刑は司法としての役割を果たす手段であると考えているならば、大きな勘違いである。死刑は、残虐で非人道的で品位をおとしめる刑罰であり、国際社会の多くの国が、このことを認めている」(ロザーン・ライフ)
今回の2人の執行で、2017年に処刑された人は4人となった。死刑確定者は通常、数時間前に執行を告げられ、直前に告げられることもある。家族や弁護人、一般市民が執行を知るのは、行われた後である。
アムネスティは、犯罪の性格や犯罪者の特質、執行方法にかかわらず、例外なくすべての死刑に反対する。アムネスティは40年以上、死刑廃止を求める運動を続けている。
アムネスティ国際ニュース2017年12月19日
※死刑執行抗議声明における「敬称」について アムネスティ日本は、現在、ニュースリリースや公式声明などで使用する敬称を、原則として「さん」に統一しています。また、人権擁護団体として、人間はす べて平等であるという原則に基づいて活動しており、死刑確定者とその他の人々を差別しない、差別してはならない、という立場に立っています。そのため、死刑確定者や執行された人の敬称も原則として「さん」を使用しています。


#MeToo とウーマンラッシュアワーから考える師走in 2017年 来年はあなたも「沈黙を破る人」に?(上)
アメリカから見た! 沖縄ZAHAHAレポート(5)
 あっという間に、2017年も残りわずか。今年はみなさんにとって、どんな年だったでしょうか? 米タイム誌は12月、その年を象徴する人を選ぶ毎年恒例の「今年の人(Person of the Year)」に、性的嫌がらせや性暴力を告発した人を選び、「The Silence Breakers(沈黙を破った人たち)」と名付けました。
 表紙には、ハリウッドの大物映画プロデューサー、ハーベイ・ワインスタイン氏のセクハラ疑惑を実名で告発した女優アシュレイ・ジャッド氏をはじめ、自分の尻をつかんだ元ラジオDJに対する民事訴訟に勝訴した人気歌手テイラー・スウィフト氏、米国の果樹園でイチゴを摘む仕事に就いていたイサベル・パスカル氏(仮名)、カリフォルニア州の企業ロビイスト、アダマ・イウ氏、配車アプリ「UBER」の最高経営責任者を退任に追い込んだ元エンジニアのスーザン・ファウラー氏が表紙に並んでいます。
「セクハラ」「性暴力」がまん延する社会
 タイム誌では、今年に入り、セクシャル・ハラスメントについて声を挙げた61人(大半は女性)の顔写真を時系列で紹介しています。そこには、ホテルで働く女性、起業家、海兵隊員、大学教授、活動家、女優、議員、ジャーナリストなどが名を連ねています。インタビュー記事などに30ページ余りを割き、いかにさまざまな職業、立場の女性たちが被害を受けてきたか、そして、勇気ある行動を起こした女性たちに賛同し、ソーシャルメディアで「#MeToo(私も)」と、被害を訴える大きなうねりが起きたかなどを伝えています。
 タイムのウェブ版では、インタビュー動画を交え、トランプ氏の大統領就任式翌日の1月21日に、ワシントンD.C.をはじめ世界各地で行われた女性の権利を訴えるデモ「ウィメンズ・マーチ(Women's March)」を起点に、この1年で女性たちの告発、行動がいかに大きなムーブメントになってきたかを分かりやすく紹介しています。
 師走に入っても、アメリカ国内のセクハラ問題はまだまだ続いています。議員による議会スタッフへのセクハラ問題などが指摘されていた米連邦議会では、民主、共和両党の議員3人がセクハラ行為を認め、辞職を表明しました。著名なシェフやジャーナリストなども被害者からの訴えを受け、謝罪したり、番組を降板したりと、政治やメディア界の権力者が相次いで自身の行為を認め、責任が追及されています。
 これは、長年ずっと起こり続けていた問題が勇気ある告発で表面化したということで、被害はあくまで氷山の一角。力関係を利用したセクハラや性暴力が長年、いかに社会全体にまん延してきたか、今もどれだけ多くの人が被害に苦しんでいるかを示しているのだと思います。
 被害が起こるのは、女性や子どもたち、一部の男性が、上司/部下の関係、指導者/選手・生徒の関係、仕事での顧客や取引先との関係、などなど、力の強い側が弱い側を抑圧する関係性によるものが多い。そして、被害を受けた側は、職を失うかもしれない、報復が怖い、自分が悪かったのかもしれない、周りから非難されるかもしれないと、声を出せずにいる(いた)ということ。加害者側の認識が引く中で起こり続けている問題。被害を受けている側、立場の弱い側が声を挙げない限りは、残念ながら社会は変わらないということでしょう。
日本はいったいどうなっている?
 翻って、日本はどうでしょうか?レイプ被害を告発したジャーナリストの伊藤詩織さんをはじめ、最近では、作家・ブロガーのはあちゅうさんも電通時代のセクハラ被害をバズフィードの記事で訴えました。
 そこで目にするのは、被害に対して「こんなのおかしい」「私もこんな被害に遭った」という賛同や連帯の声の一方、女性にも非があったのだろうと被害者を責める心ない声や、加害者を非難しつつも全く当事者意識のない男性のコメントがウェブの記事やツイッターであふれる現状です。そして、こういった問題を日本の大手メディアはなかなか取り上げません。女性の勇気ある告発を後押ししたアメリカのメディアとの違いを強く感じると共に、その背景に大きく2つの違いがあると考えます。
 #MeTooの動きが起こってから、日本人の友人(女性)は、職場の同僚(アメリカ人男性)に、「僕は今まであなたにセクハラや嫌なことをしていなかったか? もし、していたら本当に申し訳ない。僕が嫌なことをしていたらぜひ教えてほしい」と言われたそう。
 私もこの話題を知人のアメリカ人男性と話した時、「昔、自分が苦しいときに助けてくれた友達が、実は酒に酔って知人の女性にセクハラを繰り返していた。僕は後で知ったが、友達に『やめろ』と言えなかった。自分の行動を変えるべきだったと思う」と話してくれました。
 セクハラは、圧倒的に男性から女性に対しての加害が多い。「女性の問題」と押し込めるのでなく、加害者側になり得る男性同士が話さなければならない問題だと思うのです。こうやって「自分」に置き換えて、「当事者として考える」ことのできる男性が増えなければ、いくら女性が告発しても問題は解決しない。
 でも、少なくとも私は、こういった見方をしている日本人男性にまだ出会っていません。この話題になると、「女性から男性に対してのセクハラもある」「男性は何もかも『セクハラ』だと訴えられて、びくびくして過ごすしかない」といった「問題をすり替える」反応はよく受けましたが。
 もう一つは、「こんなのおかしい」と政治や社会問題に声を挙げる人をたたく風潮が日本は根強いということ。アメリカは、人と違うこと、「Make a difference」に価値を置く文化。一方の日本はどうでしょうか。2016年7月、安冨歩さん(東京大学東洋文化研究所教授)に初めてお会いし、安倍政権やネトウヨ、米軍基地問題などから「同調圧力」についてお話を伺った時の言葉を思い出しました。
―同調圧力、違う物を排除しようという動きの原点は、何でしょうか?
 「自分」が何者であるか分からなくなった人間は、他人をイミテートするしかないので、イミテーションをみんながやると「同調」するんです。誰かと同じようにしようとすると何かにそろう。そろっていない人は、自分たちと同じように作動していないで生きている「危険な生き物」だから排除する、ということ。同調圧力というのは、ある「特定のモードに従う」ことを要求しているのではないんですよ。「何かに従うこと」を要求している。
 同調圧力や「加害側」に立つのは、既得権益にしがみつく人や、変化を望まない人、自分の立場を脅かされたくない人だと感じます。セクハラや性暴力の問題についていうと、日本に根強く残る性的役割、家父長制、女性を「活用」しようという上から目線の政策、ミソジニー(女嫌い)、そして自身も社会や権力から踏みにじられているが故に、誰かをまた踏みにじるという「いじめ」のような連鎖―があるのではないでしょうか。
 いろんなことが絡み合った中で、どの「立場」から、物事が語られ、異議を唱えることを許されない風潮ができあがっているのか、「おかしい」と声を挙げる人の口を封じようとする誰が「得」をしているのか、私たちは注意深く見て、考えなければならないと思うのです。


#MeToo とウーマンラッシュアワーから考える師走in 2017年 来年はあなたも「沈黙を破る人」に?(下)
アメリカから見た! 沖縄ZAHAHAレポート(6)
政治を、時事問題を風刺たっぷりの笑いに。そして、沖縄。
 4月にワシントンD.C.に来て、トランプ大統領を巡る混乱やアメリカ社会の現状に一喜一憂している中で、私の2017年の楽しみは毎週土曜深夜、米NBCで放送される人気コメディ番組「サタデー・ナイト・ライブ(SNL)」でした。
 1975年に始まった長寿番組で、もともと政治や時事問題を風刺したコントに定評がありますが、最近はトランプ大統領を巡るコントがとにかく最高! アレック・ボールドウィンが演じるトランプ大統領、スカーレット・ヨハンソンによるイバンカ・トランプ補佐官、ケイト・マッキノン演じるジェフ・セッションズ司法長官など、政治を巡る動きが毎週土曜、絶妙なものまねと風刺たっぷりのシチュエーションで繰り広げられる。細部の英語は理解できなくても、腹を抱えて笑い、「よし、すっきり!笑って頑張ろう」、と前向きな気持ちにもなれる時間です。風刺、笑いの力ってすごいなと思います。(You TubeのSNLのリンクを貼ろうと思いましたが、日本では公開制限がある模様)
日本では、安倍晋三首相をはじめ、政治家をネタにしたお笑いやパロディなど、すっかりお目にかかる機会がありませんが、そんな中、注目すべきニュースが。お笑いコンビの「ウーマンラッシュアワー」が12月17日、フジテレビ系の「THE MANZAI」で米軍基地問題や原発、震災、東京五輪、北朝鮮のミサイル問題など、政治ネタを笑いと風刺で披露しました。
 彼らのネタをきっかけに、いろんな反応が起こっているようですが、私は「よくぞやってくれた」という気持ちになりました。「難しくて分からない」「面倒くさい」「自分には関係ないこと」。そんな意識的、無意識的な「加害」がまん延している社会を、しっかり可視化してくれた気がするからです。
 沖縄だけを見ても、「癒やしの島」「青い海、青い空」といった「いいところ」だけを「消費(搾取)」して、基地や安全保障などの難しい、面倒くさい部分は見ない・考えないという風潮は、女性を「性」の対象と見るくせに、セクハラや性差別、性暴力の問題を訴える女性の声を非難したり、無視したりする風潮に似ているのかもと、私の中ですごく絡まり合って感じます。
 そんな時、彼女の言葉を思い出さずにはいられません。2016年、ウオーキングに出掛けた20歳の女性が元海兵隊員の男に乱暴目的で襲われ、殺害された事件が沖縄でありました。その米軍属女性暴行殺人事件に抗議する県民大会で、当時21歳の玉城愛さんが登壇して語ったあいさつです。
(以下、あいさつ) 被害に遭われた女性へ。絶対に忘れないでください。あなたのことを思い、多くの県民が涙し、怒り、悲しみ、言葉にならない重くのしかかるものを抱いていることを絶対に忘れないでください。
 あなたと面識のない私が発言することによって、あなたやあなたがこれまで大切にされてきた人々を傷つけていないかと日々葛藤しながら、しかし黙りたくない。そういう思いを持っています。どうぞお許しください。あなたとあなたのご家族、あなたの大切な人々に平安と慰めが永遠にありますように、私も祈り続けます。
 安倍晋三さん。日本本土にお住まいのみなさん。今回の事件の「第二の加害者」は、あなたたちです。しっかり、沖縄に向き合っていただけませんか。いつまで私たち沖縄県民は、ばかにされるのでしょうか。パトカーを増やして護身術を学べば、私たちの命は安全になるのか。ばかにしないでください。
 軍隊の本質は人間の命を奪うことだと、大学で学びました。再発防止や綱紀粛正などという使い古された幼稚で安易な提案は意味を持たず、軍隊の本質から目をそらす貧相なもので、何の意味もありません。
 バラク・オバマさん。アメリカから日本を解放してください。そうでなければ、沖縄に自由とか民主主義が存在しないのです。私たちは奴隷ではない。あなたや米国市民と同じ人間です。オバマさん、米国に住む市民のみなさん、被害者とウチナーンチュ(沖縄の人)に真剣に向き合い、謝ってください。
 自分の国が一番と誇るということは結構なのですが、人間の命の価値が分からない国、人殺しの国と言われていることを、ご存じですか。軍隊や戦争に対する本質的な部分を、アメリカが自らアメリカに住む市民の一人として問い直すべきだと、私は思います。
 会場にお集まりのみなさん。幸せに生きるって何なのでしょうか。一人一人が大切にされる社会とは、どんな形をしているのでしょうか。大切な人が隣にいる幸せ、人間の命こそ宝なのだという沖縄の精神、私はウチナーンチュであることに誇りを持っています。
 私自身は、どんな沖縄で生きていきたいのか、私が守るべき、私が生きる意味を考えるということは何なのか、日々重くのしかかるものを抱えながら現在生き