フランス語の勉強?

mai 2018

まさつが??ドジケイなど大繁盛!/でも1人でクタクタ

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富士山1965

Le combat d'irréductibles fermiers japonais contre l'aéroport de Tokyo-Narita
Vue du ciel, la ferme de Takao Shito apparaît prise au piège d'un entrelacs de pistes et de voies de circulation d'avions. Ce fermier japonais refuse de quitter ses terres, au grand dam de l'aéroport de Tokyo-Narita.
"On s'habitue au bruit", raconte l'homme de 68 ans, rencontré par l'AFP dans son exploitation, à laquelle on accède principalement en empruntant des tunnels passant sous l'aéroport.
"Ce sont des parcelles cultivées par trois générations de ma famille depuis près d'un siècle, mon grand-père, mon père et moi-même. Je veux continuer à vivre ici", insiste-t-il.
Sa bataille, avec une poignée d'autres familles, dure depuis des décennies.
Narita, deuxième aéroport du Japon avec 40 millions de passagers et 250.000 vols par an, a suscité la controverse dès l'annonce du projet, en 1966.
A l'époque, des militants et agriculteurs, dont le père de M. Shito, protestent vivement contre sa construction. Les manifestations tournent au drame et plusieurs policiers et manifestants sont tués, mais il faudra attendre des années avant que les autorités s'excusent pour leur responsabilité dans ces morts.
- "Pas une question d'argent" -
L'aéroport ouvre finalement en 1978. L'opposition locale, elle, ne faiblit pas, empêchant la construction d'une seconde piste jusqu'en 2002.
Petit à petit, Takao Shito a vu les propriétaires céder leurs parcelles aux responsables de Narita, y compris ceux qui louaient leur terrain à sa famille depuis des années.
Mais il n'a jamais plié, arguant que cette terre était son gagne-pain et se plaçant sous la protection de la loi foncière agricole japonaise.
L'aéroport n'a donc eu d'autre choix que de modifier le tracé de la seconde piste, qui contourne désormais son exploitation et encercle un de ses lopins.
Aujourd'hui Narita veut étendre sa toile et bâtir une troisième piste pour accueillir des touristes de plus en plus en nombreux, un flot qui devrait grossir avec la Coupe du monde de rugby en 2019 et les jeux Olympiques de Tokyo en 2020.
La ferme de M. Shito n'est pas menacée, mais l'aéroport se heurte à la résistance d'autres agriculteurs, décidés à rester malgré les nuisances sonores et les promesses d'un dédommagement financier.
"Ce n'est pas du tout une question d'argent", souligne le sexagénaire, chemise bleue et pantalon de travail, tout en s'affairant à quelques mètres d'appareils décollant et atterrissant dans un assourdissant bruit de moteurs.
"Je fais de l'agriculture bio, sans pesticides. Je ne peux pas simplement déplacer la terre et espérer parvenir au même résultat à d'autres endroits", explique le fermier qui compte 400 clients dans Tokyo et sa région.
- Bataille judiciaire -
"Je m'amuse bien à faire pousser des légumes ici, ils ont un goût différent. C'est ma vie", confie-t-il. Si l'environnement ne paraît pas idéal, les analyses de la qualité de l'air et de l'eau démontrent que les niveaux de pollution n'y sont pas plus élevés qu'ailleurs.
Il est actuellement engagé dans cinq procédures judiciaires distinctes contre l'aéroport de Narita, qui a récemment remporté une manche importante.
Contactés, les gestionnaires de Narita refusent de dire s'ils comptent l'expulser, forts de cette victoire judiciaire. "Nous déterminerons nos actions futures en consultant nos avocats et les autres parties concernées", ont-ils laconiquement déclaré en réponse à des questions écrites de l'AFP.
Takao Shito est parfois soumis à des contrôles d'identité par les services de sécurité. "Ils savent qui je suis pourtant", soupire-t-il.
Il peut compter sur le soutien de militants, venus témoigner leur solidarité lors d'une audience récente au tribunal de Chiba. Certains réclament même la destruction de l'aéroport afin que la région puisse renouer avec son passé agricole.
"Le mode de vie de M. Shito, le fait qu'il ne soit pas intéressé par l'argent, cela résonne plus que jamais avec les aspirations des gens aujourd'hui", assure Nobuharu Ito, 71 ans, qui a commencé à défendre cette cause il y a plus de quatre décennies en tant qu'étudiant.
"Quand le gouvernement dit et fait quelque chose, la plupart acceptent ou cèdent sans poser de questions", regrette Takao Shito. Mais "le gouvernement devrait avoir de la considération pour les habitants d'ici."
En tout cas, lui n'a pas l'intention de renoncer. "Je veux que le monde entier sache qu'il y a un fermier ici à cet endroit. Je veux que les gens le sachent."
Par Hiroshi HIYAMA
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まさつがよくわからない??という声が多いです.それにドジケイなども.大繁盛!なのは喜ぶべきことかもしれませんが,1人でクタクタです.

野蒜小津波訴訟 上告退ける決定
東日本大震災で東松島市の小学校から帰宅し津波で死亡した児童の遺族が市を訴えた裁判で、最高裁判所は市の上告を退ける決定を出し、2600万円余りの賠償を命じた判決が確定しました。
東日本大震災の津波をめぐり、自治体に賠償を命じた判決が最高裁で確定したのは初めてです。
東松島市の野蒜小学校では東日本大震災でいったん学校に避難した児童が、同級生の親に引き渡されて浸水予想区域に囲まれていた自宅へ帰り、津波に巻き込まれて死亡しました。
児童の遺族が起こした裁判で、1審と2審は、学校側には災害時に児童を引き取ることになっていた家族が来るまで児童を保護する義務があったとして、市に2600万円余りの賠償を命じる判決を言い渡しました。
これに対して市が上告していましたが、最高裁判所第2小法廷の山本庸幸裁判長は、31日までに上告を退ける決定を出し、市に賠償を命じた判決が確定しました。
東日本大震災の津波の被害をめぐる裁判で、自治体に賠償を命じた判決が最高裁で確定したのは初めてです。
この裁判では、野蒜小学校の体育館に避難して津波で死亡した女性の遺族も市に賠償を求めていましたが、上告が退けられ遺族側の敗訴が確定しました。
上告が棄却されたことについて東松島市の渥美巖市長は、「最高裁判所の決定は今後の教育現場に大きな影響を与えるものだと認識している。震災で犠牲になった市民に改めて哀悼の意を表するとともに、この決定をもとに災害対策をいっそう強化し、再び悲劇が起きることのないよう努めていきたい」と話しています。


野蒜小訴訟、女児遺族の勝訴確定 最高裁、東松島市の上告退ける
 東日本大震災で宮城県東松島市立野蒜(のびる)小に避難した後、学校の判断で帰宅し、津波の犠牲になった女子児童=当時(9)=の遺族が市に損害賠償を求めた訴訟で、最高裁第2小法廷(山本庸幸裁判長)は、市側の上告を退ける決定をした。市側の過失を認め、約2600万円の賠償を命じた1、2審判決が確定した。決定は30日付。4裁判官全員一致の結論。
 東日本大震災の津波をめぐり自治体を相手取って起こされた訴訟で、遺族側勝訴が最高裁で確定するのは初めて。


大震災津波犠牲、学校の過失確定
 東日本大震災で小学校に避難した後、学校の判断で帰宅し、津波にのまれて死亡した宮城県東松島市立野蒜小3年の女児=当時(9)=の遺族が市に損害賠償を求めた訴訟は、学校側の過失を認め約2650万円の支払いを命じた二審仙台高裁判決が確定した。最高裁第2小法廷(山本庸幸裁判長)が5月30日付で市の上告を退ける決定をした。
 津波からの避難を巡り犠牲者遺族が起こした訴訟で、自治体の賠償責任を認めた判決が確定するのは初めてとみられる。
 昨年4月の二審仙台高裁判決は「保護者が引き取りに来るまで、学校での保護を継続すべき義務があった」として過失を認め、一審判決を支持した。


震災津波、遺族側の勝訴確定=児童避難めぐる訴訟−最高裁
 東日本大震災の津波で宮城県東松島市立野蒜小学校の女子児童=当時(9)=が死亡したのは、校長が児童を保護者以外に引き渡した過失が原因だとして、遺族が市に損害賠償を求めた訴訟の上告審で、最高裁第2小法廷(山本庸幸裁判長)は30日付の決定で市側の上告を棄却した。校長の過失を認め、市に約2600万円の賠償を命じた一、二審判決が確定した。
 東日本大震災による津波訴訟で、遺族側の勝訴が最高裁で確定するのは初めてとみられる。
 一、二審判決によると、女子児童は2011年3月11日、同小の体育館に避難。同級生の保護者に引き渡され、自宅に送り届けられた後、津波に巻き込まれた。
 17年4月の二審仙台高裁判決は「(学校側が)保護者など事前に登録された責任者以外に児童を引き渡すことは許されない」と指摘。同小から自宅に向かうまでに、防災マップの津波浸水域を通ることなどから、16年3月の一審仙台地裁判決に続き、引き渡せば津波に巻き込まれることが予見できたと判断した。


甘み上々今年も丸々 被災から復活のメロン収穫 宮城・岩沼
 宮城県岩沼市押分南谷地の「相野釜ハウス園芸組合」で、特産のクールボジャメロンの収穫が始まった。
 東日本大震災で被災した約4キロ海側の相野釜地区から移り、7度目の収穫。全国でも栽培されるのは岩沼、名取両市内だけという希少種が今年も甘く実った。
 30日は組合の5世帯7人が早朝から摘み取りと箱詰めなどの作業に当たった。クールボジャメロンは「昔ながらの優しい甘み」が人気で、全量が直売や通信販売でさばける。
 相野釜地区のメロン栽培は40年以上前から続いてきたが、組合は津波で資機材を失って現在地に移転。2012年3月からクールボジャメロンの栽培を再開した。現在は19棟のハウスで生産している。
 収穫は6月末ごろまで。連絡先は宍戸繁組合長090(4636)6026。


集団移転跡 復興の水田に 市民団体が新事業 ビオトープも整備 仙台・荒浜
 仙台市宮城野区岡田新浜地区の東日本大震災に伴う防災集団移転跡地に、「復興田んぼ」とビオトープが整備される。市の跡地利活用に応募した市民団体「カントリーパーク新浜」の事業で、自然農法のコメ作り体験や水生生物の観察ができる空間を目指す。6月2日に古代米の田植え体験会を実施し、プロジェクトを本格スタートさせる。
 カントリーパーク新浜は自然農法を実践する農家、新浜地区の住民、環境教育が専門の大学教授ら計6人が昨年11月に設立した。市の跡地利活用に応募し、今年3月に事業が認められた。
 予定地は貞山運河の西側で、震災前は水田だった約8700平方メートル。このうち約6000平方メートルを復興の象徴となる水田として整備し、約2000平方メートルを水辺ビオトープ、約700平方メートルを砂地ビオトープや駐車場にする。
 地下30メートルからくみ上げる井戸水が年中、田んぼやビオトープを潤す。農薬や化学肥料を一切使わず、有用微生物群(EM菌)が有機物を分解し、土壌を強くするという環境に優しい農法で、うるち米のササシグレなど数品種を栽培する。
 震災後に用地の除塩はしていないが、塩分濃度が必要な環境配慮型の農法に適しているという。
 水辺ビオトープにはメダカを放し、タガメなど水生生物が生育する環境を整える。砂地ビオトープにはハマナスやハマボウフウなどを植え、津波で失われた海岸の風景を復活させる。
 会員制度をつくり、個人や家族、グループ(5人以内)の一般会員は2万円、企業など法人会員は10万円の年会費で、田植えや稲刈り体験、自然観察会や収穫祭などに参加してもらう。
 収穫したコメは一般会員には玄米で30キロ、法人会員には60キロを贈呈する。残りは「農薬・化学肥料不使用米」として販売し、収益は事業の資金に充てる。
 児童生徒の体験学習、自然農法を学ぶ学生のフィールドワーク、企業の社外研修の場として活用してもらう。新浜地区のイベントとも連携し、沿岸部の復興まちづくりに貢献する。
 沢口義男代表は「多くの市民が集まり、学び、憩う場所にしたい。新浜地区の本来の海岸風景を取り戻すことで、復興にも寄与できるのではないか」と話す。
 田植え体験は2日午後1時。会員登録は随時受け付けている。連絡先は遠藤耕志事務局長090(8255)9552。


<インバウンド>被災地の今 Youにも説明 盛岡のIT企業がアプリ開発
 訪日外国人旅行者を対象にした東日本大震災の語り部ツアーを支援しようと、盛岡市のIT企業「アイシーエス」が、被災地の復興状況を多言語で説明するアプリを開発した。
 アプリはタブレット端末に対応し、語り部が紹介する地点の写真を事前に登録して使用する。画面の写真にタッチすると、被災時のエピソードが英語と中国語に翻訳されて表示される。
 アプリは岩手県の委託で開発。5月には同県山田町で語り部ガイドに取り組む「新生やまだ商店街協同組合」が利用を始めた。
 アイシーエス営業部の今野弘子主任は「操作はシンプルで、高齢の語り部の方も簡単に使える。外国人旅行者が被災地へ足を運ぶきっかけにもなるのではないか」と話す。


酒楽しみながら東北楽天の熱戦に酔う HUB仙台マーブルロード店開店
 全国で英国パブを展開するハブ(東京)は29日、プロ野球東北楽天とスポンサー契約を結んだ「HUB仙台マーブルロード店」を仙台市青葉区一番町に開店させた。落ち着いた内装の店内で、酒を楽しみながら東北楽天を応援できる。
 店舗面積は約140平方メートルで76席あり、東北楽天の試合中継が放映される。選手会長を務める岡島豪郎外野手のサイン入りバットやチームのユニホームなどが壁に飾られ、応援ムードを盛り上げる。
 生ビールや英国パブ定番のドラフトサイダー(りんご酒)、カクテルのほか、フィッシュ&チップスなどの食べ物を用意している。
 ハブは仙台市内で「仙台名掛丁店」「仙台一番町四丁目店」を既に展開しているが、両店はともにサッカーのJ1仙台とタイアップ。マーブルロード店は初めて東北楽天と連携した。
 ハブの太田剛社長は「地域の皆さんに愛されるパブを目指している。ファンやサポーターに限らず多くの方が店に集ってほしい」と話す。


<強制不妊手術>「なくてもいい命はない」仙台で全国初のデモ 国の謝罪求める
 旧優生保護法(1948〜96年)下で繰り返された強制不妊・避妊手術をテーマにしたシンポジウムが30日、仙台市青葉区のアエルであった。参加者らは国の謝罪などを求め、全国初となるデモ行進を行った。
 シンポジウムは障害者の自立を目指す全国自立生活センター協議会(東京)の主催で、全国から約200人が参加した。
 27日に結成された全国被害弁護団の共同代表を務める新里宏二弁護士(仙台弁護士会)は「手術によって被害者の配偶者も家族を形成する権利を失った。被害の実態は非常に広範囲だ」と指摘。「ようやく提訴できたが(救済への道は)甘くない。多くの人が声を上げるしかない」と語った。
 国家賠償請求訴訟を起こした被害者らも出席した。1月に全国初の訴えを仙台地裁に起こした県内の60代女性の義理の姉は「国が謝罪と補償をする前提で実態調査をしない限り、優生手術の非人道的な行為は解明されない」と強調した。
 デモ行進には約150人が参加。車いすに乗ってプラカードを掲げ、「なくてもいい命はない」「共に生きる社会をつくろう」などとシュプレヒコールを上げて市中心部を歩いた。


終盤国会の攻防/「強行」あってはならない
 国会は終盤に入り、与野党の攻防が激化している。またぞろ目立ってきたのは、自民党が数の力でごり押しする「強行」路線だ。
 今国会最大の焦点の「働き方改革」関連法案を巡り、与党は衆院厚生労働委員会で野党の抵抗を押し切って可決した。1年前の「共謀罪」法案以来の採決強行である。
 法案を巡っては、日本維新の会、希望の党と修正合意した。法案採決へ一部野党を協力勢力として取り込み、野党や世論の強行批判をかわす狙いは明らかで、小手先の修正としか映らない。
 政府、自民党が優先して取り組むべきは一連の不祥事に関する国民への説明である。財務省の森友文書改ざん、元首相秘書官が官邸で面会に応じた加計学園問題は真相解明にほど遠い。特に加計問題を巡る疑念は深まるばかりだ。
 28日の衆参両院予算委員会集中審議での首相答弁は説得力を欠いた。獣医学部新設を巡る愛媛県文書に記された加計孝太郎理事長との「面会」を改めて否定したものの、質問に正面から答えず、はぐらかす場面が目立った。
 野党側が求める加計理事長や中村時広愛媛県知事らの国会招致に応じる姿勢は全くない。非がないのなら自身の主張を証明するためにも認めるべきではないか。
 自民党は「これ以上(野党が)期待するようなことはない」(二階俊博幹事長)などと問題の幕引きを図る。さらに6月20日までの国会会期の延長論も浮上。働き方関連法案の衆院採決を31日に先送りしたことは丁寧な国会運営の演出であり、同法案やカジノを中核とする統合型リゾート(IR)実施法案を確実に成立させるのが狙いだ。
 政権は今国会を「働き方改革国会」と位置付けてきた。その手前、目玉法案が頓挫すれば、首相の求心力低下が浮き彫りになる。首相は一連の不祥事に関し「うみを出し切る」と誓ったのと裏腹に、秋の自民党総裁選を有利に戦うための実績づくりを優先しているのが内実だ。
 終盤国会と並行して地方では重要な選択がある。6月10日投開票の新潟県知事選だ。新人同士の与野党対決の構図となっており、安倍政権への「審判」の側面がある。
 新潟では2016年の参院選と知事選で、脱原発を掲げて野党が共闘し与党候補を退けた経緯がある。結果によっては党内の「安倍離れ」が加速する可能性がある。
 30日には首相と野党党首の党首討論が1年半ぶりに開催されたが、一連の不祥事に関する議論はかみ合わず、首相は答弁を変えなかった。
 会期延長が熟議に資するのなら歓迎だが、安全保障関連法や「共謀罪」法を巡り強引な国会運営を繰り返してきた政権の体質に危惧を抱く。またも数の力を振りかざせば、将来に禍根を残す恐れのある法が増えるだけではないのか。


ずさんなデータに基づいた「働き方改革関連法案」が可決 法案の是非を問う以前の行政機関
 安倍政権が今期の通常国会の重要法案としていた「働き方改革関連法案」が、今月31日に衆議院本会議で採決された。自民党、公明党の他、日本の維新の党、希望の党などによる賛成多数で可決し、6月4日には参議院に審議入りされている。働き方改革関連法案とは、「雇用対策法」「労働基準法」「労働時間等設定改善法」「労働安全衛生法」「じん肺法」「パートタイム労働法」「労働契約法」「労働者派遣法」の8本の労働法の改正に関する法案の通称のこと。関連法案の中でも特に注目されているのが、労働基準法が定める「裁量労働制」に関する改正について、だ。
 日本では、8時間を超えた労働に対しては残業代を支払うことが義務付けられているが、裁量労働制の場合、8時間を超える労働にも8時間分の賃金の支払いでよい、としている。現状では裁量労働制を取れる対象は「専門業務型」と「企画業務型」に限定されているが、改正案は「企画業務型」の対象を拡げるものになっている。
 しかし、拡大対象は「高度な専門知識を必要とする業務」とされているものの、範囲や対象が具体的には示されておらず、曖昧だ。また法案成立後に、さらなる拡大の懸念もなされており、「働かせ放題になるのでは」「過労死を助長させる」といった批判が起きていた。
 その上、今年1月29日に安倍首相が「裁量労働制のほうが働く時間が短いとするデータがある」という答弁に対し、根拠とされていた「平成25年度労働時間等総合実態調査」に様々な問題点があることが判明する。
 はじめは調査内容や方法の問題点が指摘されていたのだが、野党が答弁とデータの内容が一致しないことを指摘。さらにデータにもおかしな点が多数あることが発覚し、政府側はデータの精査をすると答えていた。
 厚生労働省は3月23日に、データの裁量労働制に関する部分の撤回を表明をするが、さらに改めて精査した結果、すべてのデータのうち約2割を削除することを今月15日に公表。しかし25日に再び、野党の指摘を受け、6つの事業所のデータについて、外部機関に集計を委託する際に、原票だけでなくコピーも渡してしまったために二重に集計していたことを厚労省が認めた。
 30日には、「原票ではなく、(いくらでも修正することが可能な)コピーに基づいて集計するのは、調査のきほんの『き』がなっていない」と批判し、コピーがどのくらい存在するのか等の質問をした立憲民主党の尾辻かな子議員に対し、政府は回答をはぐらかし、精査の必要はないと考えていた。
 法案の根拠ともなっていた調査がずさんであったこと、そして次々に問題点が指摘されている調査の精査もしない。財務省が森友学園の決算文書の改ざんを認めるなどしたばかりであるにもかかわらず、である。そんな状況で、法案を採決するのは、法案の是非や中身を議論する以前の、行政・立法機関の問題ではないか。
 長時間労働の抑制など、働き方改革関連法案には裁量労働制以外の重要な法案も含まれている。6月4日には参議院に審議入りするとされているが、行政機関としてのきほんの「き」を果たしてもらいたい。


河北春秋
 陸上の桐生祥秀選手が昨年、日本人で初めて10秒の壁を破った男子100メートル。「陸上の華」と言われる競技で、30年前、9秒79の超人的な記録を残した選手がいた。カナダのベン・ジョンソン選手▼舞台はソウル五輪。黒光りする「筋肉の塊」の疾走が世界を驚かせた。3日後、さらに驚く事実が判明した。ジョンソン選手のドーピング違反。金メダルを剥奪された同選手は、競技から永久追放された▼こちらも重い処分が下された。日本大アメリカンフットボール部の選手による悪質な反則問題。関東学生連盟は内田正人前監督らを永久追放に相当する除名処分にした。反則の指示を否定した内田氏らの主張は「虚偽」と一蹴した▼「監督が黒と言えば黒」。連盟の調査からはチームの異常な雰囲気が浮かび上がる。絶対的な権力を持った指導者と従わざるを得ない選手。レスリング女子の伊調馨選手へのパワハラ問題が記憶に新しい。近頃は政治などスポーツ以外の世界でも似た構図を目にする▼ジョンソン氏は引退後、反ドーピング活動を展開、「若い世代に自分の過ちを繰り返してほしくない」と訴える。公式戦の出場停止処分を受けた日大アメフット部の選手たちも過ちを教訓に再生してほしい。チーム名のフェニックス(不死鳥)のように。

批判の矛先向く日大理事長の“正体” 角界が戦々恐々の理由
 予想された通りの「厳罰」だった。
 29日、都内で臨時理事会を開いた関東学生アメリカンフットボール連盟は、悪質な反則プレーで問題となっている日大アメフト部の内田正人前監督(62)と井上奨前コーチ(30)を罰則規定で最も重く、永久追放に相当する「除名」とする処分を決定。同学連の規律委員会は、反則が内田、井上両氏の指示によるものと認定した。
 これを受け、同部の加藤直人部長は「ご裁定を重く受け止め、真摯に対応させていただきたく存じます」などとする声明を発表したものの、大学側はいまだ、「指導者の指示はなかった」とする見解を変えていない。それどころか、真相究明を委ねるとした第三者委員会の設置すら実現していない状態だ。
 いよいよ批判の矛先が大学、そして、そのトップである田中英寿理事長(71)に向けられているのだが、予算2620億円の日本最大の学校法人を牛耳るそんな理事長の去就に戦々恐々としているのが、大相撲だという。
■引退力士を日大職員として再雇用
 田中理事長が総監督を務める日大相撲部は、横綱輪島、大関琴光喜をはじめ、全大学中最多の68人もの力士を大相撲に送り込んでいる一大勢力だ。
 相撲部屋にとってもだから、頭が上がらないところがある。幕下付け出し、三段目付け出しの資格を得た力士を入門させれば、労せずして関取を育てられる。即戦力力士の供給源である日大相撲部、いや、田中理事長の影響力は、角界においても絶大なものなのだ。
 ある日大OBはこう話す。
「プロを目指す部員がどの部屋に入門するかは、すべて田中理事長の一存です。有無を言わさず、『オマエはこの部屋』と割り振られる。逆に『いや、ボクはこの部屋に入りたいです』などと逆らった力士には容赦しない。一方で面倒見の良い部分もあり、十両止まりで引退した力士を、日大の職員として再雇用したこともある。出身力士にすれば、日大という太いタニマチが付くうえに、引退後の心配もない。相撲部の門を叩く人材が絶えないわけですよ」
 それもこれも、田中理事長の剛腕があってこそ。仮に失脚となれば、日大相撲部は衰退必至で、角界も大ダメージを受けるというわけだ。
 相撲指導には定評がある田中理事長は、自身もアマチュア相撲ではそれと知られた存在。日大3年時に学生横綱に輝き、卒業後もアマチュア横綱3回、実業団横綱2回の実績を誇る。
 当時を知る相撲記者は「プロでも横綱になれた逸材でした」と、こう続ける。
「本人はプロ志望だったが、学校側に『プロには1年後輩の輪島を行かせるから、オマエは大学に残れ』と言われ、断念した経緯がある。強さは本物でしたね。あの当時、輪島が入門した花籠部屋は、日大相撲部の稽古場の近所にあった。そこに、日大職員時代の田中理事長が『輪島、一丁やるぞ』と、アマ相撲の大会の調整のため、“出稽古”に来る。輪島は入門3年目に関脇を4場所で通過して大関に昇進するが、その時でさえ、田中理事長には歯が立たない。しまいには、『先輩が来そうだから』と逃げ回っていたほどです」
■語っていた皮肉な信条
 日刊ゲンダイは2006年、日大相撲部監督としての田中理事長に120分にわたってインタビューを行ったことがある。低迷中だった大相撲への提言として、
「最近の外国人の相撲を見ていると、勝負を優先するあまり、やや礼儀作法を欠いているように思う。師匠の教えが行き届いているようには見えない」
「白鵬や琴欧洲など、外国人力士の急成長を見るにつけ、今の日本人力士は精進しているのかと疑問に思う。現状に満足し、地位に甘んじているだけではないか」
「力士は地位が上がれば、それまで以上に周囲からチヤホヤされる。タニマチなどからの誘いも増えていく。カネ回りがよくなり、勘違いする者などは自制心が欠けているのだ」
 などと語っていた。
 こうした発言の多くが今、自身に跳ね返っている。
 礼儀どころか倫理すら疑われているアメフト部を野放しにし、大学の常務理事でもある内田前監督らイエスマンにチヤホヤされ、その地位にあぐらをかいている田中理事長は、過去の自身の発言をどう思うのだろうか。


日大前監督除名/抜本的な出直ししかない
 日本大アメリカンフットボール部の守備選手による悪質な反則問題で、関東学生連盟が処分を決めた。
 内田正人前監督と井上奨(つとむ)前コーチを「除名」とした。最も重く、永久追放に相当する。
 反則行為の指示を否定した内田前監督に対し、「供述は虚偽である」と主張を全面的に退けた。監督らの指示との守備選手の説明は具体的で、周囲の証言とも一致するとした。
 大学全体の信用が大きく傷ついたことを、理事長や執行部は重く受け止めねばならない。抜本的な出直し以外に、チーム再生と大学イメージの回復の道はないことを肝に銘じるべきだ。
 関東学連の規律委員会は、日大や関西学院大の関係者ら約20人から聞き取りをした。明らかになったのは、絶対服従の雰囲気の下、選手を精神的にも肉体的にも追い込む−という内田氏独特の指導方法だった。
 気に障る選手やコーチが辞めさせられ、昨年には約20人の選手が部を去っている。守備選手が危険な反則タックルに追い込まれた背景には、異常な組織風土があったとした。
 選手たちは声明文で「指示に盲目的に従ってきた」ことが今回の一因と認めている。
 学連は反則した守備選手とチームの処分を、本年度シーズン終了まで公式試合の出場資格停止とした。選手が反省し、組織改革が認められた場合にそれぞれ処分が解除される。
 守備選手は強権体質の被害者でもある。関係者のサポートによってぜひ再起してほしい。
 組織改革の絶対条件は、常務理事として理事長に次ぐ地位にあるとされる内田氏の影響力を排除することだ。日大は遅れている第三者委員会による真相解明を急ぎ、大学全体の古い体質を一新せねばならない。
 今回の問題は、暴力やパワハラなど前近代的な体質が大学スポーツに根強く残っていることをうかがわせた。
 スポーツ庁は来春、大学スポーツの体質改善や組織運営能力の向上を目指し、全米大学体育協会(NCAA)の日本版を創設する方針だ。教訓を、指導者の資質や、大学と運営団体の危機管理能力を高めることにつなげねばならない。


アメフト処分 学生スポーツの原点に
 厳罰処分を学生スポーツ界への警鐘と受け止めたい。
 日本大アメリカンフットボール部選手が悪質な反則で関西学院大選手を負傷させた問題で、関東学生連盟が関係者の処分を決めた。
 内田正人前監督と井上奨(つとむ)前コーチによる反則の指示を認め、永久追放にあたる除名とした。
 学連の調査で明らかになったのは、学生による自治という運動部本来の姿とはかけ離れた、ゆがんだ支配構造である。
 選手は絶対服従を強いられ、強大な権限を持つ指導者にコーチさえ逆らえない。
 日大の教育理念「自主創造」からも程遠い。アメフット部は組織を刷新し、強権体質を一掃して出直す必要がある。
 選手と指導者の証言が食い違う中、学連は、聞き取り調査や動画の検証で事実関係を認定した。
 井上前コーチの「つぶせ」という発言にけがをさせる意図があったと認め、自身の指示を否定する内田前監督の証言は退けた。
 選手を追い込み、反則の指示も辞さない指導スタイルを「指導者失格」と断じたのは当然だ。
 選手とチームは今季公式試合の出場資格停止となり、解除の条件として組織改革などが課された。
 処分に至るまで、日大は、ほとんど教育機関の体をなしていなかったと言えよう。
 反則を行った選手は自ら記者会見を開き、謝罪して経緯を説明した。これに対し、日大は、学生を守ろうとするどころか、内田氏らに事実上の反論会見をさせた。
 不誠実な対応を重ねた結果、負傷した選手側が警察に被害届を出した。試合中の行為が捜査対象になる異例の事態を招いた責任の重大さを自覚すべきだ。
 学連の動きも鈍く、初動の遅れへの批判は免れまい。
 内田氏は昨年末の「甲子園ボウル」を制し、27年ぶりの大学日本一に導いた。
 このため、強圧的な指導で多くの退部者を出しながら、不問に付されたようだ。
 勝利至上主義の弊害である。アメフット競技や日大だけの問題ではないのではないか。
 学生スポーツが大学の広告塔の役割を担ってきたのは事実だ。
 好成績を目指して努力するのは大切だが、自ら考え、判断し、行動できる人間を育成するのが学生スポーツの原点であることを、忘れてはならない。
 関係者には、このことを胸に刻んでもらいたい。


アメフット処分  厳罰を改革につなげて
 厳しい処分であったが、改革再生の土台にしてほしい。学生たちが本来のスポーツの姿をプレーで見せてくれる日を待ちたい。
 日本大アメリカンフットボール部の前監督と前コーチに対し「除名」が決まった。永久追放に相当する最も重い処分だ。スポーツをゆがめた責任は極めて大きい。
 関東学生連盟は、関西学院大選手への悪質な反則タックルを、前監督の事実上の指示によると認定した。前監督は指示を否定したが、「虚偽である」と断じた。
 学連は調査で、有望選手を精神的に追い詰める前監督の指導法を明らかにしている。指導ではなく恐怖支配といえ、その対象になることを学生たちは「はまる」と呼んで恐れ、「地獄」「部活を辞めたかった」と証言している。
 一連の処分の中で、相手を危険タックルでけがをさせた日大選手は、本年度シーズン中の公式試合出場資格停止となった。ただし、反省文を書き、再発の危険がないと認められれば解除される。
 行為は許されないが、ゆがんだ指導の犠牲者ともいえる。1人で記者会見し、謝罪するために自ら事実を語った真摯(しんし)な姿を思えば、再起を願わずにいられない。
 日大の選手たちが出した声明にも光明が見える。大切な仲間が追い詰められているのに助けられなかったと悔いている。前監督らの指示を勝利のためと深く考えないで従うだけだったことが、事態を招いたと深く反省しているのだ。
 チームへの処分は、本年度の公式試合出場停止となったが、組織改革を進め改善が認められれば解除される。チャンスはある。
 学生たちの中から改革の芽が生まれようとしている。声明は「部全体が生まれ変わる必要がある」といい、これから話し合いを続けていくとしている。
 学生たちだけで組織の改革はできないにしても、新しい指導陣とともに学生たちが主体的にスポーツのあるべき姿を示してほしい。
 大学に限らず、中高校の部活動で今なお指導者の古い体質による理不尽な練習や体罰が見られる。教育の場であるのに、学生らの自主性をそぎ、理由も示さず従わせている。これでは自ら判断し、臨機応変に対応する力はつかず、未来を担う人間力が育たない。
 日大アメフット部には大きな試練だが、大学全体で問題の背景を含めて洗い出し、再生に取り組まなければならない。これからの大学スポーツの姿を示す先陣を切ってもらいたい。


アメフット問題 抜本的な組織改革急務
 日本大アメリカンフットボール部の守備選手による悪質な反則問題で、関東学生連盟は内田正人前監督と井上奨前コーチを「除名」とする処分を決めた。事実上の永久追放処分だ。守備を統括する立場だった森琢ヘッドコーチは「資格剥奪」、危険なタックルをした宮川泰介選手とチームは、条件付きで2018年度シーズン終了まで公式試合の出場資格停止処分とした。
 20歳の宮川選手は今月22日に実名と顔を公表して記者会見に臨み、監督やコーチの指示に従って反則をしたことを告白。これに対し、内田、井上両氏は翌23日の釈明会見で反則指示を全面的に否定していた。
 関東学連の規律委員会は、宮川選手、内田氏、井上氏、部員らからヒアリングを実施。内田氏が否定した反則の指示に関しては「やらなきゃ意味ないよ」との発言があったとし、「(内田氏の)供述は虚偽」と認定。「前監督が反則を容認していた」と結論付けた。井上氏の「つぶせ」という指示については「けがをさせろ」という意味があったとした。関係者の声を詳細に検証し、厳しい処分を決定した関東学連の対応を評価したい。
 日大アメフット部には、白いものでも「監督が黒と言えば黒」という絶対服従のおきてがまかり通っていた。人事担当の常務理事だった内田氏の気に障ると選手もコーチも突然辞めさせられたというから驚く。こうしたゆがんだ体質が、悪質な反則問題につながったことは間違いない。日大は今回の処分決定を真摯(しんし)に受け止めなければならない。
 日大の対応は後手後手で、事の重大さを十分に認識しているとは言い難い。田中英寿理事長がいまだ公の場で謝罪していないことを疑問視する声も多い。さらに、関東学連が調査を終えた段階でも真相究明のための第三者委員会すら設置していないありさまだ。第三者委で客観的な調査を行い、指導体制の問題点をしっかりと検証する必要がある。
 けがをした関西学院大の選手はもちろんだが、日大アメフット部員たちも今回の被害者といえる。指導体制の改善などが関東学連の理事会で認められれば出場停止処分は解除されるというが、そうでなければ4年生は18年度シーズンを戦えないまま引退せざるを得ない。大半の選手に罪はないだけに、大学は早期に具体的な改善策を示し、抜本的な組織改革を実現することが求められる。
 大学の名声を上げようと勝利至上主義に陥るのは、なにも日大に限ったことではないとの見方もある。他の大学でも、結果を求めて行き過ぎた指導が行われている可能性はある。今回の問題を教訓に、各大学で選手が適正な競技環境にあるかどうかを検証するべきだ。競技のあるべき姿、適正な指導方法などを見詰め直し、スポーツの健全な発展につなげたい。


【日大反則処分】ゆがんだ体質取り除け
 日本大学アメリカンフットボール部の選手による悪質プレー問題で、関東学生連盟は反則行為は監督、コーチの指示だったと認定し、内田正人前監督と井上奨(つとむ)前コーチを「除名」とするなどの処分を決めた。
 除名は罰則規定で最も重く、永久追放に当たる。連盟は、関西学院大の選手にけがを負わすよう、前監督らが仕向けたと断じた。スポーツ競技を逸脱し、傷害行為にも等しい。厳罰は当然だ。
 選手の人格を平然と踏みにじる、強権的な指導がチームを支配していたとしか思われない。そのゆがんだ体質を取り除かなければ、再発防止は図れない。
 反則を犯した日大選手は、井上前コーチから「相手をつぶせ」と指示され、「けがをさせろ」と受け止めた。内田前監督に志願すると「やらなきゃ意味ないよ」と試合出場を認められ、危険なタックルに及んだと自ら認めた。
 一方、内田前監督らは反則指示を全面否定し、選手が指示を誤解したと釈明した。だが、連盟は部員らへの聞き取りで得た証言などを積み重ねて検証し、前監督らの釈明は「虚偽」と結論付けた。
 部員らの証言から浮かぶのは、内田前監督による独裁ともいえる指導体制だ。選手たちが日常の過酷な練習で、体力的にも精神的にも追い込まれる中、前監督があらがいようのない絶対的存在と化していた状況が浮かぶ。
 反則行為をした選手も当時、それまでの主力起用から一転して戦力外の扱いを受け始めていたとされる。その焦りと、監督への絶対服従の関係が選手の自律的な判断力を奪ったのだろう。
 内田前監督は日大の常務理事でもあり、人事を担当する。大学組織内で絶大な権限を持ち、同時に、日大を代表する強豪チームを率いた。勝利に駆られた過剰な指導を誰もチェックできなくなっていたのではないか。日大全体の組織統治の問題が背景に透ける。
 本格的な学生スポーツでは、程度や質の差はあるにしても、厳しい練習指導は決して珍しくないだろう。選手間の激烈なレギュラー争いもある。勝利至上主義が招きかねない危うさをどのチームも抱え込んでいるのかもしれない。
 暴力やパワーハラスメント問題は大相撲や女子レスリングでも相次いで発覚している。絶対服従の古い上下関係の意識のまま、厳しさだけがエスカレートし、指導者側の慢心や、選手の人格やプライドへの軽視を生んでいるように見える。
 今回の日大の問題を処分で幕引きにしてはならない。スポーツ界全体で向き合う問題と捉え、教訓を探り出していくべきだ。
 日大のチームも、反則を犯した選手も公式試合の出場資格停止処分を受けた。選手は言い逃れをすることなく、自ら名乗り出て過ちを認め、謝罪した。再起の機会が用意されるのは当然だ。


関学大QBの父・奧野氏、内田前監督と井上前コーチへの告訴状を提出…
 アメリカンフットボールの定期戦での悪質なタックルで負傷した関学大のQB(クオーターバック)の父で大阪市議の奥野康俊氏(52)が31日、自身のツイッターを更新し、日大の内田正人前監督(62)と井上奨(つとむ)コーチへの告訴状を提出したことを明かした。
 奧野氏は「たった今、嘆願書現時点の現物6348通を添え、宮川選手を除く、内田前監督、井上前コーチの2人に対する告訴状を調布警察において受理頂きました」と発表した。
 その上で「日大様に対しては、理事長の会見と形骸化したものでなく、全くの第3者で構成され設置される第3者委員会において、世論が納得する回答を希望いたします」と要望していた。
 後にこのツイートは削除された。


[アメフット処分] 絶対服従の指導明白に
 日本大アメリカンフットボール部の守備選手による悪質な反則問題で、関東学生連盟は前監督と前コーチを「除名」処分にすると決めた。罰則規定で最も重く、永久追放に相当するものだ。
 6月にも開かれる総会の決議を経て正式決定する。
 学連の調査で明らかになったのは、前監督らによる絶対服従の雰囲気の下で行われていた特異な指導方法だ。将来を見込んだ選手に精神的な圧力をかけて成長を促すという。
 選手が「地獄」と表現するような状況をつくり出す非常識な指導である。
 学連はこうした指導体制が悪質な反則タックルを生んだ最大の要因だとして、前監督らに厳罰を下した。妥当な処分といえよう。
 同部は指導者と選手の関係を見直し、一から出直さなくてはならない。
 処分を巡っては、反則の指示があったとする選手と、指示を否定する前監督らの言い分が真っ向から食い違っていたため、いかに事実認定するかが焦点だった。
 学連は周囲の証言などから、前コーチの「つぶせ」という指示は「けがをさせろ」という意味があったと認定。指導陣の供述を虚偽として退けた。
 アメフット部は選手一同で声明文を発表し、監督やコーチの指示に「盲目的に従ってきた」ことが今回の事態を招いた一因とした。
 監督やコーチに頼り切り、自ら考え判断する気風がなかったことは残念でならない。
 声明文では部員全体の責任を認め、反則した選手の復帰を願う内容も盛り込まれた。
 一方、日大は第三者委員会で事実解明を目指すとしているが、いまだ設置すらなされていない。早急に事実解明に取りかかるべきだ。
 前監督らは改めて、指導方法や一連の指示の有無について真実を語ってほしい。
 今回の問題は、反則の場面が何度もテレビ放映されたほか、日大側の対応のまずさがクローズアップされ社会問題化した。
 この機会に身近なスポーツ活動についても考えてみたい。指導は選手の自主性を重視しているか、コミュニケーションは十分か、勝利至上主義に陥っていないかなど振り返ってみる必要がある。小中高の部活動も例外ではない。
 勝負の世界には厳しさが必要だが、選手と指導者の間には信頼関係が不可欠だ。そうでなければ、選手のやる気を引き出し、成長させることはできないことを肝に銘じたい。


森友 告発者ら、検察審議会に申し立てへ 佐川氏ら不起訴
 学校法人「森友学園」(大阪市)への国有地売却を巡る一連の問題で、大阪地検特捜部は31日、前国税庁長官の佐川宣寿氏(60)や財務省職員ら計38人について不起訴処分にした。いずれも、容疑不十分か容疑なし。特捜部は、決裁文書を改ざんした虚偽公文書作成や、国有地を不当に安く売却したとする背任など6容疑で告発を受理したが、佐川氏らの刑事責任は問えないと判断した。
 特捜部は、昨年春から1年以上にわたった捜査を終える。ただ、告発した大学教授らは来週にも、処分の妥当性を判断する検察審査会に審査を申し立てる方針。検審の議決によっては、佐川氏らが強制的に起訴される可能性もある。
 財務省は今年3月、国有地の取引に関する決裁文書14件が昨年2〜4月に、同省理財局の主導で改ざんされていたと発表。元々の文書には学園との価格交渉に加え、安倍晋三首相の妻昭恵氏や複数の政治家の名前も記されていたが、交渉経緯などとともに削除された。
 当時の理財局長だった佐川氏が「価格交渉はしていない」などと国会で答弁した内容に合わせるため、改ざんが行われたとされる。虚偽公文書作成罪は、権限を持つ者が文書の趣旨を大幅に変えることが成立要件となるが、契約金額や方法など根幹に変更がなく、特捜部は不起訴にした。
 佐川氏は虚偽公文書作成など4容疑で捜査対象になったが、いずれも容疑不十分と判断された。特捜部は認否を明らかにしていないが、関係者によると「(改ざんは)事前に部下から報告があり、了承した」などと関与を認めている。
 一方、国有地売却を巡る問題は昨年2月に発覚。学園が国有地で小学校建設中に「地中からごみが見つかった」と主張し、国が8億円を値引きした経緯が問われた。佐川氏以外の財務省職員や、国土交通省大阪航空局の職員らが、小学校の名誉校長だった昭恵氏らに配慮し、自らの保身や学園の利益を図る目的で過大に値引きしたとして、背任容疑で告発された。
 しかし特捜部は、学園がごみによる開校の遅れを理由に国に損害賠償を求める意向を伝えていたことや、国に賠償請求できない特約が売買契約に盛り込まれていた点を重視。値引きの背景に、ごみ処理を巡るトラブルや賠償請求を避ける意図があったとし、国に損害を与える目的はなかったと判断したという。
 学園との交渉記録などを廃棄したとする証拠隠滅や公用文書毀棄(きき)容疑についても、文書の保存期間が1年未満と定められていたことなどから、特捜部は一括で不起訴にした。
 山本真千子・特捜部長は処分発表で「社会的な批判の対象となった問題だが、刑事罰を科すことには慎重に判断した」と話した。【宮嶋梓帆、高嶋将之】


籠池氏と口裏合わせ 財務省に「応接記録」改ざん疑惑浮上
 また改ざんか――。森友問題をめぐり、交渉記録を意図的に廃棄し、決裁文書は改ざん。もはや財務省にとって、公文書は“落書き帳”レベルだが、ナント、新たに「応接記録」の改ざん疑惑まで浮上した。最初に問題が報じられて以降のマスコミ対応をめぐって、学園側と“口裏合わせ”までしていた。
 29日の衆院財務金融委員会で、共産党の宮本徹議員が2017年2月13日付の財務省の「応接記録」と題された資料を提示。日付は、朝日新聞が最初に森友問題を報じた4日後だ。紙1枚で、財務省が今年3月末、別の共産党議員に提出したものだという。
 記録は、籠池泰典前理事長が近畿財務局の池田靖前国有財産統括官に電話した際のもの。
〈応接概要〉には〈本日、森友学園から取材対応状況について報告〉と記されている。〈森友学園に対する取材状況〉には、〈。検В械亜…日新聞〉〈■后В娃亜)萋放送〉などと、マスコミ計12社から学園が取材を受けた時刻が記載されている。
■共産入手文書には詳細な記述
 ところが、である。ここからが仰天発言だ。宮本議員は、表題は違うものの、冒頭からマスコミ12社までの記載がほぼ同じ内容、同じ日付の別の記録を独自入手したという。こちらの記録は全4枚で、籠池氏と池田統括官の詳細なやりとりが記されている。
 宮本議員によると、近財側の質問として〈地下埋設物は適切に処理しているのかといった質問はありましたか〉〈地下3メートル以深のゴミに関して何かコメントされているか〉などと記載がある。さらに、よほど気になったのだろう、近財が〈国会議員の関係は聞かれましたか〉と質問すると、籠池氏が〈いろいろと聞かれたがそんなことあるはずもない〉〈根も葉もないことをいろいろ聞かれたが何ら関係ないと答えている〉と返答したことが記されているという。
 つまり、財務省が都合の悪い部分を意図的に削除したのではないかということだ。
 宮本議員が「応接記録も改ざんしたのか」と追及すると、太田充理財局長は「今、調査している。報告もする」とシドロモドロだった。そもそも、学園側とマスコミ対応をめぐって“口裏合わせ”をやっていたというのも大問題だ。
「宮本議員が提示した資料はかなり詳細で、信憑性は高いと思います。また改ざんしたのであれば、財務省は終わりです。改ざん体質が染みついていると指摘せざるを得ません。口裏合わせをしていたということは、財務省は学園と一体になって動いていたということでしょう」(高千穂大教授・五野井郁夫氏=国際政治学)
 決裁文書改ざんはやはり氷山の一角だったか。


森友文書廃棄問題 国民だます背信行為だ
 学校法人「森友学園」への国有地売却問題で、財務省が学園との交渉記録を意図的に廃棄していたことが明らかになった。問題を隠蔽(いんぺい)する許し難い背信行為だ。売却の決裁文書改ざんも発覚しており、財務省は国民をだまし続けていたことになる。安倍晋三首相ら行政トップの責任は重い。
 森友学園は大阪府豊中市にある国有地に小学校新設を計画、安倍首相の妻、昭恵氏が名誉校長に就任していた。この国有地が不当に安く払い下げられたのではないか、との疑惑である。
 国会で追及された安倍首相は昨年2月、「私や妻が関係していたら、首相も国会議員も辞める」と答弁した。理財局長だった佐川宣寿氏は「売買契約締結をもって事案が終了、交渉記録は廃棄し残っていない」と述べていた。
 しかし、実際には記録は残っていた。今回、財務省は約960ページに及ぶ交渉記録を衆参両院に提出するとともに、佐川氏の答弁に合わせるために記録を廃棄していたと説明した。
 提出された記録の中に昭恵氏付の政府職員からの照会として「(学園側から)優遇を受けられないかと総理夫人に照会があり、当方から問い合わせさせていただいた」と書いた応答メモがあった。このほか昭恵氏の名前が10回以上記載されていた。
 メモから読み取れるのは、まず学園が昭恵氏側に国有地の貸付料減額を要望、昭恵氏付政府職員が財務省に照会したという流れだ。これは昭恵氏が交渉に関与した可能性を示している。
 28日の国会の集中審議で安倍首相は「お金のやりとりがあって頼まれて行政に働き掛けた、という意味での関わりはない」と説明したが、全く関与はなかったとは強弁できない状況を認識したための軌道修正だろう。
 このほか財務省との交渉で学園側は「棟上げ式には総理夫人も来ることになっている。工期が遅れたら大変なことになる」と昭恵氏の存在をにおわせ、強引に値引き交渉を進めていた実態が浮かび上がっている。
 評価額9億5600万円の国有地が8億円以上も値引きされて学園に売却された要因の一つは、名誉校長になっていた昭恵氏の存在だ。「記録はない」という虚偽答弁は昭恵氏の関与を隠す意図だった疑いが色濃い。
 記録には交渉について「苦慮している」という言葉もあるが、その結果、異常な値引きと悪質な公文書の改ざん、廃棄をもたらした。財務省の調査は、その原因をきちっと解明しなければならない。


森友交渉記録◆政府の逃げ切り許されない◆
 学校法人・森友学園への国有地売却問題で財務省は、学園側とのやりとりを詳細に記載した近畿財務局のメールなど大量の交渉記録を国会に提出した。28日の衆院予算委員会では政府側答弁で、近畿財務局から地中にごみがあるとみなす範囲の拡大を提案し、わずか2日後に国土交通省大阪航空局がごみ撤去費を当初の積算額から約1億5千万円引き上げ、約8億2千万円として報告していたことも明らかになった。決裁文書の改ざん、交渉記録の廃棄など問題が相次いで浮上し、底なし沼だ。
論点拡散させる魂胆
 交渉記録は、8億円余りの値引きが明らかになった昨年2月以来、佐川宣寿前国税庁長官が「廃棄した」と言い続けた記録である。さらに同省は答弁との整合性を図るため、文書廃棄を進めていた。記録の存在を知りながら、省全体で隠し通そうとした疑いを拭えない。疑惑を突きつけられたら「記憶にない」などとしらを切る。批判が高まると資料を小出しにし「調査中」と時間を稼ぐ。こんなことが繰り返されてきた。
 疑惑解明は大きなヤマ場を迎える。政府、与党は国会会期末をにらみ、逃げ切りを図ろうとしていた。決して許されないことだ。会期延長についても、不祥事を追及する野党の舞台になりかねないため、官邸サイドは否定的だった。しかし、働き方改革関連法案など重要法案の成立を目指し、会期延長はやむを得ないと判断。与野党の攻防は激しさを増すだろう。
 先に加計学園の獣医学部新設に関し、愛媛県が新たな内部文書を提出している。そのさなか交渉記録と改ざん前文書、陸上自衛隊イラク派遣部隊の日報隠蔽(いんぺい)問題の調査結果も一度に出された。論点を拡散させ、追及を鈍らせようという政府の魂胆が透けて見える。
佐川氏の再招致必要
 しかし解明を失速させてはならない。交渉記録は2013年から16年にかけて作成され、全体で900ページ以上。その中には、首相の昭恵夫人付政府職員が森友学園の籠池泰典前理事長から土地買い取り価格の値引きなどを陳情され15年11月、財務省に問い合わせをし「夫人の知り合いから優遇を受けられないかと照会があった」と告げた経緯の詳細も記されている。
 学園が開校を目指した小学校の名誉校長に一時就任した夫人との関係を前理事長は盛んに持ち出し、財務省側との交渉を有利に運んだとされる。その過程で財務省側に忖度(そんたく)が働き、値引きにつながったとの疑惑は解消されていない。明らかになった記録を基に交渉経緯の細部を詰める必要がある。
 佐川氏は改ざんに絡む虚偽公文書作成容疑などで告発されているが、大阪地検特捜部は既に不起訴の方針を固め、近く捜査を終結するとみられる。佐川氏が証人喚問で何度も証言拒否の理由に挙げた「刑事訴追の恐れ」もなくなる。再度国会に呼び、一連の経緯について詳しい証言を求めるべきだ。


安倍政権の「ご飯論法」で失うモノ
 ★政界では今、ご飯論法が話題だ。労働問題に詳しい法大教授・上西充子が「朝ご飯を食べましたか」と質問された場合、パンを食べていても、あたかも「ご飯(白米)」について問われたかのように論点をずらし、「食べていない」と強弁する論法だ。うそではないがごまかしてすり替えて論点をぼかし議論をかみ合わせないようにする。この手法を取り入れて官僚の政府答弁にまで浸透させたのは安倍政権だ。 ★副総理兼財務相・麻生太郎は森友学園での公文書改ざんは「単に答弁に合わせて300カ所以上書き換えただけ、悪質なものではない」と言いだした。趣旨が変わっていないから改ざんではなく書き換えだという論法。それなら飲食の領収書の金額を書き換えたが飲食した事実、つまり趣旨は変わっていないから金額の書き換えぐらいは悪質ではないということになる。来年の確定申告も国税庁職員は大変だろうと同情する。 ★政界関係者が言う。「すり替えてかわし、ウソをついていないとか、聞かれたことに答えただけとの閣僚や官僚の答弁を国民がどう聞いているかということだ。原発問題を引き合いに出すとわかりやすい。技術者たちは原発はコントロールできる技術で危険はないという。その発言にウソはないだろう。だがそれまでの説明にごまかしやすり替え、隠匿があれば、技術は信用されても原発を運用している人たちに信頼がないから批判がくすぶり続ける。今の政権はこれと同じだ。正面突破は可能だろうがずっと終わらず言われ続け国民は政権を信用しなくなる」。 ★29日にテレビで加計学園問題の国会審議をめぐり「安倍さん自体がうみなんだろ」と発言した俳優・中尾彬に賛否があるという。その中には「中尾彬って何様なの」という声もあるという。答えは簡単だ。れっきとした国民様だが問題か。国民からの信用、信頼は内閣支持率ではない。国民の目だ。お忘れなく。

「参院選の顔」重視 安倍3選のカギ握る竹下派と公明の本音
 安倍首相の自民党総裁3選にますます赤信号がともってきた。ポイントはズバリ、「参院選の顔が安倍首相でいいのか」である。
 先週末、自民党の竹下亘総務会長が9月の総裁選に関し、「首相は選挙に負けたら終わり。首相の責任は重い」と発言。来夏の参院選で勝てる人かどうかを基準にする考えを明らかにした。そのうえで安倍首相について、内閣支持率が30%台に低下していると指摘し、「ちょっと待てという空気があるのは事実だ」と、厳しい見方を示したのだ。
 竹下氏が派閥会長を務める竹下派は、首相派閥の細田派、麻生派に次ぐ党内第3勢力。総裁選への態度をギリギリまではっきりさせず、派閥の存在感を高めるため、キャスチングボートを握る作戦とみられている。今回の発言も“観測気球”のたぐいだろうが、モリカケ疑惑が底ナシで世論の信用をどんどん失う安倍首相に、「参院選の顔」はキツイ条件だ。
「旧経世会の流れをくむ竹下派は、90年代の分裂騒動で小沢一郎氏など衆院議員が自民党を離党する中、参院議員の多くが自民党に残った。そうした経緯もあり、竹下派は今も参院が主導権を握っていて、参院選での勝利に重きを置いています」(政治ジャーナリスト・鈴木哲夫氏)
 公明党も、自民党の「参院選の顔」を気にしている。29日、山口那津男代表(同下)が安倍首相と官邸で会談したが、モリカケ問題について「国民の納得と理解が大事だ。政府として誠実に取り組んでほしい」と苦言を呈した。
■公明は「自民が弱いと困る」
 実際、支持母体の創価学会からは来夏の参院選を見据えて、「安倍首相のままでいいのか」という声が届いているという。公明党関係者がこう言う。
「うちは参院選では複数区で候補者を擁立しますから、自公で戦うことになります。特に来年は愛知、兵庫、福岡の3選挙区で新たに候補者を立てる。前回も立てていますが、参院は3年ごとに半数改選ですから、初陣みたいなもので厳しい戦いが予想される。その際、自民が弱いと困るのです。思い切ってぶつかることができないし、F票など支持者以外のパイの食い合いが起きる。自民党総裁の人気が高く、政権が盤石であってこそ、我々が戦いやすくなります」
 参院選の顔……安倍首相ではムリだ。


1年半ぶりの党首討論 本質そらしは首相の方だ
 これでは党首討論は不要だという声が強まるばかりではないか。それが心配になる。
 安倍晋三首相と立憲民主党の枝野幸男代表らとの党首討論がきのう、行われた。開催は実に約1年半ぶりだ。だが、相変わらず首相は聞かれたことにまともに答えず、時間を空費する場面が目立った。
 森友・加計問題に対する国民の疑念が晴れないのはなぜか。首相はなお、分からないのかもしれない。
 首相の姿勢を端的に表していたのが、枝野氏に対して語った「同じことを聞かれれば、同じことを答える(しかない)」との答弁だ。
 枝野氏の質問は新たに明らかになった財務省と森友学園との交渉記録に基づき、首相の妻昭恵氏の関わりをただしたものだ。ところが首相は従来の説明を繰り返し、「私や妻の問題に持っていこうとするから本質からそれていく」とまで語った。
 加計問題では、愛媛県の文書に記された首相と学園理事長の面会について学園が「担当者が、実際にはなかった面会を引き合いに出した」とコメントした点も取り上げられた。
 これが事実なら学園は首相の名前を利用したことになる。しかし首相はこの日も「民間団体に政府としてコメントしない」と評価を避けた。
 財務省の文書改ざんなど一連の重大問題は、すべて首相を守るためではなかったか。共産党の志位和夫委員長が指摘したように、多くの国民がそれが本質と見ているはずだ。
 にもかかわらず首相は文書改ざんは「最終的には私の責任」と言う一方で、文書保存のシステムに問題があったと強調した。問題をすり替えているのはやはり首相である。
 首相が言うように党首討論は「国家の基本政策」を議論する場だ。国民民主党の玉木雄一郎共同代表もそれを意識したのだろう。日米関係を中心にただした。
 ただし、玉木氏が米国の自動車関税引き上げ問題で「トランプ大統領から事前に連絡はあったか」と聞くと、首相は鉄鋼・アルミニウムの輸入制限話を延々とした末に、肝心の答えは「詳細は話せない」だった。いかに時間がもったいないことか。
 党首討論の時間はわずか計45分間。時間の大幅延長が必要だが、まず改めるべきは首相の姿勢である。


党首討論 政策論争深める工夫を
 一年五カ月ぶりの党首討論。首相と野党党首が丁々発止と議論するために設けられたが、せっかくの機会を生かし切れているとは言い難い。討論の意義を再確認し、運営方法を見直す必要がある。
 前回の党首討論は二〇一六年十二月。昨年は一度も開かれていない。なぜこれほど長い間、開かれなかったのか。一四年五月には当時の与野党七党が「月一回開催」を確認したにもかかわらず、である。公党間の約束を放置した与野党双方に猛省を促したい。
 その上で、今回の党首討論が、この制度の導入時に想定していた「政策本位」にふさわしい議論の場となっていたであろうか。答えは、残念ながら「否」である。
 冒頭、初めて討論に立った枝野幸男立憲民主党代表は森友・加計両学園の問題に絞って追及した。
 両学園をめぐる問題は、公平・公正であるべき行政判断が、安倍晋三首相の間接的または直接的な影響力でゆがめられたのか否か、という極めて重要な問題だ。野党が追及するのは当然ではある。
 両学園の問題がいまだ真相解明に至っていないのは、政権側の不誠実な態度にある。とはいえ追及の場は予算委員会などほかにもある。あえて党首討論でも取り上げるべきだったのか、疑問は残る。
 枝野氏は安倍首相の退陣や衆院解散・総選挙を求めている。ならば政権交代が実現した場合、どんな政策を進める考えなのか。政権追及にとどまらず、党首討論の場でこそ具体策を聞きたかった。
 枝野氏と同じく初めて討論に立った国民民主党の玉木雄一郎共同代表は、枝野氏とは対照的に、日米の通商問題や、日ロ間の領土交渉、米朝首脳会談など経済、外交問題に絞って討論を展開した。
 とはいえ、玉木氏の持ち時間は四十五分中の十五分、最も多い枝野氏でさえ十九分だ。これでは政策論争が深まるわけはない。
 英国の制度を参考に導入された党首討論は小渕内閣当時の〇〇年二月、正式に始まった。当初は衆院への小選挙区制導入に伴って政権交代可能な二大政党の党首同士が政策論争することを想定し、野党の離合集散による多党化は念頭になかったのだろう。
 野党勢力の再結集が当面難しいなら、持ち時間を譲り合うなど政策論争を深める工夫をすべきだ。開催回数を増やす必要もある。
 官僚を排した政治家同士の政策論争を通じて、国民に政策の選択肢を示す。党首討論が果たすべき役割をあらためて確認したい。


党首討論/論戦深める改革が必要だ
 党首討論がきのう1年半ぶりに国会で行われた。安倍晋三首相に4人の野党党首が論戦を挑んだ。外交、内政に課題が山積し、疑惑も終息しない中、野党が現在の枠組みとなって初の党首同士による対決である。
 だが、やりとりがかみ合わない、議論が物足りない、何より時間が足りない。果たしてこれが「討論」の名に値するのか。見ていた人の多くがこう思ったのではないか。
 国会を活性化するために導入されたのが党首討論である。その目的をかなえるには、現状のままでは不十分なことは明らかだ。導入から18年、抜本的な改革が不可欠だ。
 立憲民主党の枝野幸男代表と共産党の志位和夫委員長は、森友・加計(かけ)問題を取り上げた。
 首相は森友問題で、国有地の売却に自身や昭恵夫人の関与が発覚すれば「首相も国会議員も辞める」としていた。財務省が廃棄した交渉記録などに夫人の名前が何度も出てきているのに、先日の集中審議では「贈収賄ではない」と主張した。
 枝野氏は、「関与」の定義を金品の授受に限定したのかと追及した。志位氏は公文書の改ざんや廃棄、虚偽答弁などが相次いだことを指摘し、「1年間国民と国会を欺いてきた」と首相に辞任を求めた。
 しかし首相は従来の答弁を繰り返したり、論点を変えたりして質問をかわし続けた。
 国民民主党の玉木雄一郎共同代表は、日ロ交渉は経済分野ばかりで領土問題が見えないことを疑問視した。首相は「相当な時間をかけて平和条約の交渉をしている」としたものの、詳細は明らかにしなかった。
 大きな問題点は、4人合わせた討論時間が45分しかないことだ。最長の枝野氏でさえ19分、最短の日本維新の会の片山虎之助共同代表は5分である。時間切れで首相が答弁しないこともあった。これで議論が深まるとは到底思えない。
 党首討論は当初、週1回の開催が原則だった。その後申し合わせで月1回となった。
 党首が対峙(たいじ)して政策の違いを堂々と主張し、国民に支持を求める。「言論の府」にふさわしい場とするために、与野党は早急に協議を進めるべきだ。


党首討論 これでは疑念は晴れぬ
 国会はきのう、安倍晋三首相と主要野党との党首討論を行った。一昨年12月以来1年半ぶりの開催で、今国会では初めてだ。
 だが限られた時間の中、首相は質問をはぐらかすばかりで、議論は最後までかみ合わなかった。
 森友学園、加計(かけ)学園などを巡る問題で国政への不信が渦巻いている。首相に求められるのは追及をかわすことではなく、疑問に誠実に答える姿勢ではないのか。
 英国の先例を形だけ取り入れた現行制度の限界も明らかだ。国会は与野党を超えて、討論のあり方を見つめ直さねばならない。
 野党の持ち時間は、もっとも長い立憲民主党で19分、共産党は6分にすぎない。各党が首相に簡潔な答弁を求めたのは当然だ。
 ところが首相は自らの立場の主張に力点を置き、質問に正面から答えることを避け続けた。
 森友問題で「私や妻が関係していたとなれば、首相も国会議員もやめる」とした答弁に、なぜ「金のやりとり」の条件を加えて修正したか問われると、自らの過去の答弁を列挙して時間を費やした。
 公文書改ざんや廃棄、官僚の虚偽答弁が現政権下でなぜ続発したのか、その認識を問われると「李下(りか)に冠を正さずで身を引き締めていきたい」と反省を口にしたが、原因については口を閉ざした。
 一方で目立ったのが「これまで何度も答えている」と、幕引きを急ぐかのような姿勢である。
 疑問が解消されないからこそ同じ問いが繰り返されていることを、首相は認識するべきだ。
 党首討論は、2大政党制の英国議会を手本に2000年に正式導入。当初は英国と同じ週1回を想定していた。1時間に満たない討論時間も英国に倣ったものだ。
 だが日本では複数の野党でわずかな時間を分け合う形となる。開催はせいぜい年数回にとどまり、昨年は一度も開かれていない。
 現行のままでは実りある議論は望めまい。制度自体を再検討する時期に来ているのではないか。
 討論の時間を長くする、あるいは開催の回数を増やすなど、方法はいくらでもあるはずだ。
 野党側にも、質疑内容の調整や時間を譲り合うなど、討論を有効活用する工夫が求められよう。
 見過ごせないのは与党側が、首相の国会への出席を減らそうとする動きを強めていることだ。
 国会は一連の疑惑に加え、働き方改革など問題含みの法案審議も抱える。さらに丁寧な説明が求められることを忘れてはならない。


党首討論  時間も中身も不十分だ
 あまりにも時間が短い。討論の充実に向け、改善が必要だ。
 国会の党首討論がきのう、ほぼ1年半ぶりに行われた。
 2016年12月に行われた前回の討論では、野党第1党は民進党だった。現在の党派の枠組みになってからは初めてだ。
 今国会の最大の焦点の森友・加計問題では、安倍晋三首相の過去の発言と、その後明らかになった資料や文書との矛盾を、首相自身がどう説明するかが注目された。
 トランプ米政権との2国間関係のあり方なども議論になった。
 立憲民主党と国民民主党、共産党、日本維新の会の4党首が安倍首相に論争を挑んだが、結果的として議論を深めるやりとりにはならなかった。残念だ。
 とりわけ安倍首相は、論点をはぐらかして持論を展開することが多く、質問に正面から答えない姿勢が目立った。
 立民の枝野幸男代表は、加計学園が首相との面会を愛媛県に報告しながら、今月になって「実際にはなかった」と否定したことについて「一国の首相が利用されたのではないか。怒らないのはなぜか」と追及した。
 これに対し、安倍首相は「(加計学園の)獣医学部は倍率が16倍になった」などと、問われていないことを述べるにとどまった。
 国民の玉木雄一郎共同代表は対米、対ロシア政策で持論を展開して「自立的、自主的外交」を求めたが、安倍首相に「政府には戦略がある」とかわされた。
 外交問題を取り上げる意気込みは評価したいが、少ない持ち時間で取り扱うべきだったか、疑問が残った。
 共産の志位和夫委員長は森友・加計問題の責任は首相にあるとして辞任を求めた。維新の片山虎之助共同代表は省庁の幹部人事を内閣が一括管理する制度の修正を求めた。
 首相と野党党首のやりとりは最大3回にとどまった。全体で45分という党首討論の時間の短さが改めて際だった。
 最も長い立民で19分では、議論の深めようがない。
 野党も今回はテーマを森友・加計問題に絞って討論者を第1党に託すなど、工夫や連携をすべきだった。
 党首討論は、党首の政治家としての力量に触れ、政治への関心を高める機会にもなる。
 国会の慣習などが障壁になっている実情もあるが、開催回数や時間を増やすなど、与野党は討論を充実させる努力をしてほしい。


党首討論 とことん意見戦わせよ
 昨年は開催ゼロだった与野党の党首討論がきのう、1年半ぶりに開かれた。丁々発止の議論が妙味のはずだが、自民党総裁の安倍晋三首相は核心を避け、野党4党首も細切れの質問で決め手を欠いたといえる。
 象徴的なのは「森友・加計学園問題」を巡る応酬だろう。立憲民主党と共産党は改めて疑義を示した。これに対し、安倍首相は従来の主張を繰り返し「同じ事を聞かれたから同じ事を答えるだけだ」と述べた。
 外交や内閣人事局に水を向けたのは国民民主党、日本維新の会だ。これにも、首相は米国やロシアとの交渉は「詳細をお話しできない」と通り一遍だった。
 国会中継を見た人にどう映ったか。ただ時間が45分に制限されていることもあり、もやもや感が残ったというのが正直なところではないか。
 党首討論の意義を与野党とも思い返してもらいたい。始まったのは2000年で、議会政治の本場とされる英国下院の「クエスチョンタイム」をモデルにした。わが国では、衆院に小選挙区中心の選挙制度が導入され「選挙の顔」となる党首の発言力が以前にも増して求められ始めたのが大きかったといえる。
 当初は「国会改革の切り札」ともてはやされ、年5〜8回開かれた。政局の潮目を変える舞台となったこともある。民主党政権下、12年11月の討論だ。
 当時の野田佳彦首相は衆院定数削減の与野党合意などを求め「あさって解散してもいい。この国会で結論を出そうじゃありませんか」と突如、衆院解散を表明した。この場で向き合い、首相の言葉の重みや責任を問うたのが安倍自民党総裁だった。
 ところがどうだ。「1強」の第2次安倍政権誕生で二大政党政治の機運は遠のき、13年以降は討論も年1、2回にとどまる。与野党論議の場は予算委員会などで保たれているが、野党が専らただすだけの「一方通行」になっている。法案審議などと異なり、幅広い観点から基本政策の在り方や国の行く末を論じ合う場である。このまま形骸化させていいとは思えない。
 党首討論の在り方を根本から見直すべきではないか。少なくとも月1回の開催を求めたい。それは与野党が4年前に合意した国会改革案にも盛り込まれているからだ。森友・加計問題などで「誠実な説明を尽くす」「うみを出す」と誓った首相とすれば、国会閉会中を含め毎月の開催もやぶさかではあるまい。
 時間も延ばすべきだ。45分ではあまりにも短い。野党の割り当ては議席数などに応じ、立憲民主19分、国民民主15分、共産6分、維新5分だった。
 ましてや与党の党首が質問をはぐらかしたり、持論を延々と展開したりすれば、せっかくの討論も不毛に終わる。休憩を挟みながら、とことん意見を戦わせてほしい。
 野党側にも注文がある。少数政党ばかりで持ち時間が分散した結果、きのうの討論も迫力を失った。質問が重複しないようにあらかじめ調整し、場合によっては野党第1党に割当時間を集約することも手だろう。
 今回の党首討論はよもや、首相肝いりの法案を予定通り今国会で成立させるためのガス抜きではあるまい。与野党の党首が切り結ぶ討論こそ、「言論の府」の真骨頂といえよう。


なぜ真正面から答えぬ/党首討論
 今国会初めての党首討論が開催され、学校法人「森友学園」「加計学園」の問題や日米、日ロ関係などを巡り、安倍晋三首相(自民党総裁)と立憲民主党の枝野幸男代表ら野党4党首の論戦が行われた。
 ただ計45分という短い時間での討論では、消化不良に終わった印象が強い。特に、首相は野党側の追及に真正面から答えず、質問と関係のない発言でも時間を費やした。
 首相は「誠実な説明を尽くす」「うみを出す」と繰り返してきたはずだ。なぜ真正面から答えないのか。真摯(しんし)な姿勢はうかがえなかった。
 野党側も、予算委員会などで繰り返し質問している個別の事案ではなく、政府、与党の疑惑解明への消極姿勢がいかに政治への信頼を損なっているかを大所高所から追及すべきではなかったか。
 首相のはぐらかしの答弁は、たとえば森友学園問題だ。枝野氏は首相の昭恵夫人が関与した疑惑を指摘し、夫人の国会招致を要求。共産党の志位和夫委員長は、財務省が行った決裁文書の改ざんや交渉記録の廃棄が「安倍首相を守るために行われた」として首相の辞職を要求した。
 これに対し、首相は「問題の本質は国有地がなぜあの値段で学園側に引き渡されたのかだ」などと議論をすり替えた。
 加計学園問題では学園側が首相と学園理事長の面会について愛媛県に虚偽報告をしたとのコメントを出している。
 これに関して、枝野氏が「首相は利用された側になる。学園に説明を求めるべきではないか」と指摘したのに対し、首相は「政府としてコメントする立場にない」「大事なことはプロセスが公正公平だったかだ」などと述べた。これで国民の理解が得られるだろうか。
 国民民主党の玉木雄一郎共同代表は、国会運営での少数意見の尊重を求め、熟議の国会を呼び掛けた。その上で、米国が検討している自動車への追加関税を課す輸入制限策や日ロ交渉についてただしたが議論は深まらなかった。
 党首討論は国会審議の活性化策として2000年に導入されたが、首相が本会議などに出席した週は開かないなどの例外があり、今回は約1年半ぶりの開催となった。野党側にも、予算委員会の集中審議を優先する考えがあり、形骸化しているとの指摘もある。党首討論の意義を見いだす再検討が必要ではないか。


党首討論/不完全燃焼に終わった
 今国会初めての党首討論が開催され、学校法人「森友学園」「加計学園」の問題や日米、日ロ関係などを巡り安倍晋三首相(自民党総裁)と立憲民主党の枝野幸男代表ら野党4党首の論戦が行われた。
 ただ計45分という短い時間での討論では、不完全燃焼に終わった印象が強い。特に首相は野党側の追及に真正面から答えず、質問と関係のない発言でも時間を費やした。
 首相は「誠実な説明を尽くす」「うみを出す」と繰り返してきたはずだ。なぜ真正面から答えないのか。真摯(しんし)な姿勢はうかがえなかった。
 野党側も、予算委員会などで繰り返し質問している個別の事案ではなく、政府、与党の疑惑解明への消極姿勢がいかに政治への信頼を損なっているかを大所高所から追及すべきではなかったか。工夫が必要だろう。
 首相のはぐらかしの答弁は、たとえば森友学園問題だ。枝野氏は首相の昭恵夫人が関与した疑惑を指摘し、夫人の国会招致を要求。共産党の志位和夫委員長は、財務省が行った決裁文書の改ざんや交渉記録の廃棄が「安倍首相を守るために行われた」として首相の辞職を要求した。
 これに対して首相は「問題の本質は国有地がなぜあの値段で学園側に引き渡されたのかだ」などと議論をすり替えた。
 加計学園問題でも、学園側が首相と学園理事長の面会について愛媛県に虚偽報告したとのコメントを出している。
 これに関して、枝野氏が「首相は利用された側になる。学園に説明を求めるべきではないか」と指摘したのに対し、首相は「政府としてコメントする立場にない」「大事なことはプロセスが公正公平だったかだ」などと述べた。これで国民の理解が得られるだろうか。
 国民民主党の玉木雄一郎共同代表は、国会運営での少数意見の尊重を求め、熟議の国会を呼び掛けた。その上で、米国が検討している自動車への追加関税を課す輸入制限策について「日本経済への大打撃だ。トランプ大統領に対して同盟国として言うべきことは言うべきだ」と強調した。これに対して首相は「戦略をしっかり持って米国と対応している」と答弁。
 日ロ交渉では、玉木氏が「共同経済活動の話ばかりで領土交渉が全く見えない」と指摘したのに対し、首相は「平和条約交渉に臨む戦略は今の段階でオープンにするわけにはいかない。最後の段階ではプーチン大統領と最終的な判断をしなければならない」と述べるにとどめ、議論は深まらなかった。
 党首討論は国会審議の活性化策として2000年に導入された。原則は毎週1回の開催だが、首相が本会議などに出席した週は開かないなどの例外があるため原則は崩れ、今回は16年12月以来、約1年半ぶりの開催となった。野党側にも、長い時間を確保して首相を追及できる予算委員会の集中審議を優先する考えがあるため党首討論の意義が薄れているのは間違いない。
 ただ平日の長時間にわたる予算委審議をテレビ中継などで見られる人は多くない。たとえば党首討論を夜8時から開催すれば、与野党の議論がもっと国民に伝わるはずだ。党首討論の意義を見いだす再検討が必要だろう。


党首討論 首相の不誠実な答弁が目に余る
 1年半ぶりとなる党首討論が国会で開かれ、加計・森友学園問題を巡り、安倍晋三首相に野党党首が論戦を挑んだ。しかし議論はかみ合わず、国民が求める問題の真相解明からはほど遠かったと言わざるを得ない。
 その責任の多くは首相の不誠実な対応にある。質問に対して「もう既に何回も申し上げている通り」と過去の説明をなぞって時間稼ぎするのみ。真正面から答えず「私や妻に問題を持っていこうとするから本質からそれる」などと開き直る姿勢からは、政治と行政への信頼が大きく損なわれている現状への危機感が全く感じられない。関係者らの証人喚問に背を向け、弥縫策(びほうさく)でその場をやり過ごすだけでは、疑惑はいつまでも晴れず、信頼も決して回復しないと、首相は認識すべきだ。
 加計問題では、首相と加計孝太郎理事長が2015年2月に面会したかどうかが焦点となっている。首相は一貫して獣医学部新設計画を知ったのは17年1月と答弁しているが、県が提出した新文書と食い違う。一方、県に面会を報告した学園は、作り話で誤った説明をしたとコメントし、混乱が広がっている。
 学園のコメントが事実なら、首相答弁の整合性は保たれるものの、首相の名を利用した虚偽の報告を基に計画を進め、県と今治市から補助金を受領したとの重大な問題をはらむ。
 見解を問われた首相は「指摘の日に、理事長とは会っていない。加計理事長もそう発言している」と述べるのみ。さらには「見失ってはならないのは、私たちは何をやろうとしていたかということ」と、国家戦略特区の意義を説く始末だ。
 首相はこれまで、「(理事長は)私の地位を利用して、何かを成し遂げようとしたことはない」と繰り返してきた。学園が作り話をしたなら地位利用以外の何ものでもない。にもかかわらず「民間の学園がコメントを出している。政府としてコメントする立場にない」ではあまりに無責任すぎる。
 安倍政権下で改ざんや隠蔽(いんぺい)、虚偽答弁など、公文書管理と情報公開という民主主義を担保する砦(とりで)が破壊されている状況が次々浮き彫りになった。その原因を繰り返し問われても首相は、公文書の電子決済システムの整備の必要性など制度上の不備にすり替えた。
 何のための党首討論なのか、むなしいばかりだ。首相の対応はもちろん問題だが、物足りなさの原因は野党分裂により、各党首の持ち時間が短かったことにもある。議論が充実するよう制度改革が急務だ。「国会改革の柱」であった党首討論を形骸化させてはならない。
 国会の会期末も迫っている。加計・森友問題をこのままうやむやにすることは、決して許されない。調査のための特別委員会の設置など、与野党がやるべきことはまだ残っている。そしてその陣頭に立つ責任が首相にはある。


[党首討論] 論点ずらした首相答弁
 限られた時間であっても、真摯(しんし)に質問に答えていれば少しは議論が深まったに違いない。しかし議論はかみ合わず、期待は裏切られたと言わざるを得ない。
 安倍晋三首相と野党4党首による党首討論がきのう、約1年半ぶりに行われた。
 立憲民主党の枝野幸男代表と共産党の志位和夫委員長は、ともに学校法人の森友・加計学園問題をただした。
 28日の集中審議で森友学園問題に金銭を伴う関与はしていないとした首相答弁を巡り、枝野氏は関与の範囲を贈収賄に限定しているとして「ひきょうな行為だ」と批判した。
 これに対し、首相は過去にも同じ答弁をしており、「急に新しい定義を定めたわけではない」と反論した。
 枝野氏が問題視したのは、2015年11月に昭恵首相夫人付職員が森友学園への国有地売却に関し財務省に「優遇を受けられないか」と問い合わせたことだ。
 昭恵夫人は一時、森友学園の小学校名誉校長を務めていたことから、学園側が夫人の計らいで便宜を受けた疑惑が持たれている。
 首相は、問い合わせは「私個人の事務所にしてもらった方が良かったかも知れない」とあくまで制度論を聞いただけだとかわした。
 目立ったのは質問に直接答えず、論点をずらす首相の姿勢である。枝野氏が夫人の国会招致を求めたのは当然だ。
 加計学園問題で枝野氏は、15年2月に首相と加計孝太郎理事長が面会したという愛媛県文書の記載について学園側が否定したことなどを取り上げた。
 首相は文書にある日時に「会っていない」と否定し、問題の本質は「50年間獣医学部が新設されなかったことだ」と、ここでも論点をずらして持論を展開した。国民の疑念は全く晴れないだろう。
 共産党の志位委員長は森友学園の文書改ざんや破棄などを指摘し、「このような悪質極まる政権は歴史上初めてだ」と安倍内閣の総辞職を要求した。
 森友、加計問題の核心は、首相らの直接的な指示がなかったとしても、官邸や財務省などが首相や昭恵夫人案件と認識し、不公平で不透明な行政が行われたのではないかという疑惑だ。特別委員会を設置して疑惑を解明すべきだ。
 国民民主党の玉木雄一郎共同代表は日米関係などをただし、日本維新の会の片山虎之助共同代表は官邸が霞が関人事を決める仕組みの見直しを促した。
 時間が短すぎた党首討論の制度の見直しも求めたい。


史上最低の党首討論 安倍首相の答弁は“ご飯論法”より醜悪
「党首討論の歴史的使命は終わった」――。立憲民主党の枝野代表がそう振り返った。30日の1年半ぶりの党首討論で安倍首相はスリ替えと時間稼ぎに終始。いま流行の「ご飯論法」をも上回る見苦しい答弁も飛び出した。
「ご飯論法」とは、労働問題に詳しい法政大の上西充子教授が名付けた言い逃れのワザ。「朝ご飯を食べましたか」という問いに「(パンは食べたけど、ご飯=米飯は)食べていない」のように論点をスリ替え、ごまかす答弁だが、安倍首相もこの日、活用した。
 冒頭、森友への国有地売却の「関与」を金品授受に絞ろうとする安倍首相に対し、枝野代表は「急に金品や贈収賄のような限定を付したとすれば、ひきょうな行為だ」と指摘した。安倍首相は、過去に金品授受に触れた答弁が数回あることを示し「急に私が新しい定義を定めたわけでない」と釈明。金品授受の有無にかかわらず関与は問題との趣旨なのに、「急に」という言葉にだけ反応する「ご飯論法」である。
 その後の答弁もヒドイ。加計学園の“安倍面会デッチ上げ”について、枝野代表が「個人としては平然でもいいが、総理として怒るべきだ」と質問すると、安倍首相はまた論点をスリ替え。「この問題で見失ってならない視点は獣医学部が50年間新設されなかったこと」と長広舌を振るって、最後に「政府はコメントする立場にない」と逃げた。「総理」の肩書を悪用された当事者意識ゼロだ。
■異次元レベルの言い逃れ
 さらにヤジに過敏な安倍首相は「いま、後ろから(同じ答弁を)100回聞いたという、辻元さんからのヤジがございましたが、同じことを聞かれたから同じことを答えるのです」と気色ばむ。納得できないから、何度も聞いているのにバカ丸出し。こんな認識だから、モリカケ問題がいつまでも続くのだ。
 共産の志位委員長が、改ざん、隠蔽、廃棄、虚偽答弁が安倍政権下で相次ぐ理由を聞いても、安倍首相は関係ないことをダラダラ答えた揚げ句、「うみを出し切り組織を立て直したい」と抱負を述べるだけ。「どうして、ご飯食べたなんてウソつくの?」という問いに「これからしっかり食べます」と切り返すようなもの。もはや異次元レベルの言い逃れで、「ご飯論法」よりもヒドイ。
「安倍首相は、ほとんど全て聞かれたことに答えていませんでした。くだらない答弁を繰り返し、時間が過ぎれば勝ちという姿勢です。メディアも世論も『どうせ、いつものこと』とやり過ごしてはいけません。もっと大騒ぎすべきです」(政治評論家・森田実氏)
 最初から安倍首相に答える気がなけりゃあ、党首討論はやるだけムダだ。


[萩生田・加藤氏発言]古い価値観が根下ろす
 「3歳児神話」につながる女性観や「産めよ増やせよ」の復古調的思想が、深く根を下ろしているということだろう。
 自民党の萩生田光一幹事長代行が、宮崎市で行った講演で、乳幼児の養育を巡って持論を展開した。
 「『男女共同参画』『男も育児』だとか格好いいことを言っても、子どもには迷惑な話。お母さんと一緒にいられるような環境が必要」
 「統計は取れないが、どう考えてもママがいいに決まっている。0歳からパパがいいと言うのはちょっと変わっている」
 子育て環境の整備を説きながら、その実、3歳までは母親が子育てに専念すべきという3歳児神話の考えがポロリと出た発言だ。
 神話に合理的根拠はない。共働きが主流となる中、母親による育児が前提の子育ては時代に合わない。父子家庭への配慮も欠ける。
 萩生田氏が言う「ママがいい」は、一緒にいて世話をしてくれる母親への執着のようなもので、それは子育ての負担が母親に偏っていることの裏返しでもある。
 「迷惑」発言にすぐさま反応したのは、子育てに向き合うパパたちだ。抗議の意思を示そうとハッシュタグを付けて、ツイッターに子育てに奮闘する写真を次々と投稿している。
 男性の育休取得率が5%程度と低迷しているのを萩生田氏はどう見ているのか。男性の働き方を見直して、パパも当たり前に育児参加できるようにしていくことが政治の仕事である。 
■    ■
 女性の人権を無視した失言で開き直ったのは、自民党の加藤寛治衆院議員。
 加藤氏は今月10日の会合で、結婚披露宴に出席した際に「必ず新郎新婦に3人以上の子どもを産み育てていただきたい」と呼び掛けているとの発言をした。子どもがいなければ「人さまの子どもの税金で老人ホームに行く」との言い方もしている。
 野党だけでなく与党からも不快だとの声が上がり、謝罪、撤回のコメントを発表したが、27日の党長崎県連定期大会で「批判もあったが、全国から賛同、激励が多数寄せられた」と語ったのだ。
 それでは先の撤回は何だったのか。政治家としての適格性を疑う。
 子どもを持つかどうかは個人の生き方の問題である。国がとやかく言うことではない。
■    ■
 振り返れば、第1次安倍内閣で柳沢伯夫厚生労働相が女性を「産む機械」に例え、激しい批判を浴びた。菅義偉官房長官が人気俳優の結婚に絡め、「ママさんたちが『一緒に子どもを産みたい』という形で国家に貢献してくれれば」と話し、波紋を広げたことは記憶に新しい。
 出産や育児を巡る自民党議員の発言には失望させられるが、根っこは一緒だ。
 国の少子化対策の成果が一向にあがらないことと、古い家族観・女性観は無関係ではない。
 認識不足を猛省してもらいたい。


高等教育の無償化 学生が通う大学などに“条件” 政府が方針
低所得世帯を対象とする高等教育の無償化をめぐり、政府は、学生の通う大学などで、卒業に必要な単位の1割以上の授業を実務経験のある教員が担当していることなどを支援の要件とする方針を固めました。
高等教育の無償化をめぐり、政府は、年収380万円未満の世帯を対象に、所得に応じて段階的に大学などの授業料を減免するほか、生活費についても返済のいらない給付型奨学金を支払うなどの支援を行う方針です。
これに関連して政府は、納税者の理解を得るためにも、学生の通う大学などの要件を定める必要があるとして、検討を進めた結果、卒業に必要な単位の1割以上の授業を実務経験のある教員が担当していることや、理事に産業界など外部の人材を複数任命していることなどを支援の要件とする方針を固めました。
また学生についても、成績の状況などを毎年確認し、1年間に必要な単位の6割以下しか取得していないときや、成績が下位4分の1に属するときは、大学などから警告を行い、連続して警告を受けた学生への支援は打ち切るとしています。政府は、こうした方針をことしの「骨太の方針」に盛り込むことにしています。


西田幾多郎の未公開ノート50冊発見 「思考過程たどる史料」
 「善の研究」などで知られる哲学者西田幾多郎(1870〜1945年)の未公開ノート50冊が見つかったと、京都大などが30日、発表した。宗教学や倫理学と題した京大での講義ノートなどで、京大文学研究科の林晋教授(思想史)は「西田の生の思考過程をたどることのできる第一級の史料」と話す。
 石川県西田幾多郎記念哲学館(かほく市)によると2015年10月、遺族からノート50冊とリポート類250点が預けられた。東京都の遺族宅倉庫で保管されていた。湿気による損傷が激しく、奈良文化財研究所などの協力を得て汚れを落とした後、写真撮影して電子データ化。これまでノート14冊分の内容を書き起こした。
 これまで分かっている範囲では、最も古いノートは東大の学生時代だった1891〜94年に書かれたとみられる。1928年の京大教授定年退職の前後に記された内容もあり、数十年にわたる思索の軌跡が刻まれている。英語やドイツ語を交えてつづられ、表紙に「倫理学」、宗教を意味する「Religion」などと記されていた。
 10年代に京大で教べんを取った頃に記されたとみられる倫理学講義ノートでは、客観的な現象と主観的な活動について「(純粋経験上)同一のもの」という記述があり、「善の研究」を執筆した初期の西田哲学のエッセンスが跡づけられる。アリストテレスやカントなどの古典から、ドイツの数学者デデキントや米国の心理学者ウィリアム・ジェームズといった同時代の学者にも言及。同館の中嶋優太専門員は「独自の哲学を展開した西田だが、幅広い範囲でほかの研究者の思索に関心を払っていたと分かる」と指摘する。
 現在もノートの解読作業は進めていて、西田が考えを深める過程について新たな視点を提供できる可能性があるという。


副作用に人種差別はありません… 米女優の釈明に製薬会社が反論
ツイッター(Twitter)で人種差別的な投稿をしたとして主演ドラマを打ち切られた米女優のロザンヌ・バー(Roseanne Barr)さん(65)が、問題の投稿は睡眠薬のせいだったと釈明したことを受け、仏製薬大手サノフィ(Sanofi)は30日、自社の医薬品が人種差別を引き起こすことはないとする冷静な反論を展開した。
 バーさんは問題の投稿で、バラク・オバマ(Barack Obama)前政権で大統領上級顧問を務めたアフリカ系米国人のバレリー・ジャレット(Valerie Jarrett)氏を猿になぞらえ、非難が殺到。米ABCテレビから主演の人気コメディードラマ「ロザンヌ(Roseanne)」を打ち切られ、自身の芸能プロダクション、ICMからも契約を解除された。
 バーさんは夜間のツイッター投稿で、サノフィの睡眠障害治療薬「アンビエン(Ambien)」に言及し、「あの時は午前2時で、アンビエン(をのんで)ツイートしていた」と釈明。この投稿はその後削除された。
 これを受けてサノフィはツイッターで直ちに反論し、「サノフィでは、世界中の人々の生活を向上するため、あらゆる人種、宗教、国籍の人が毎日働いています。すべての治療薬には副作用がありますが、サノフィの医薬品の中で、人種差別が副作用として知られているものは一つもありません」と説明。この投稿は瞬く間に話題を呼んだ。
 バーさんは、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領を声高に支持し、これまでツイッターを使って極右的な見解を示したり陰謀説を唱えたりしていた。


ついに元在特会・桜井誠公式も閉鎖、17万本近い差別動画がYouTubeから消える
京都地検によって幹部が名誉毀損罪(刑事事件)で起訴されるレベルのヘイトスピーチを行っている「在特会」生みの親、桜井誠のYouTube公式チャンネルが差別的な内容を含むとして閉鎖させられました。
「明治天皇の玄孫(やしゃご)」という血筋を売り物にするタレントの竹田恒泰氏も、同様の理由で公式チャンネル閉鎖に追い込まれ、「ヘイトエンペラー」と揶揄されたことは記憶に新しいですが、浄化の流れはさらに広まっているようです。詳細は以下から。
◆元在特会・桜井誠の「日本第一党」公式チャンネルも削除
閉鎖された桜井誠のYouTube公式チャンネル。「YouTubeのコミュニティガイドラインに違反していたため、このチャンネルを停止しました」とはっきり表示されています。
自らのチャンネル閉鎖を受け、桜井誠は自らの差別発言を一切省みないどころか、左翼思想の持ち主による通報(※実際はなんJ民です)と断じた上で「彼らの動画を是非皆さんで通報しましょう」と反撃を呼びかけています。
ちなみに今回の動画削除ラッシュは、差別表現を含む動画に自社の広告が表示されることを嫌った大手企業の広告出稿取り下げ騒動を受け、YouTubeが差別表現に対して厳しい姿勢で臨むよう大きく方針転換したことによるもの。
しかしあくまで規約違反かどうかを判断するのはYouTubeで、通報があれば削除されるわけではありません。
削除に不満を訴える人々は「第三者であるYouTubeから見て差別的と判断されたため、規約違反として削除された」と理解しておくべきです。
◆削除された動画は11万本以上、絶大な効果を上げた「春のBAN祭り」
差別的な内容を含む動画が削除されまくっている背景として、有志による差別的・憎悪を煽る動画を通報する動きがあったのは以前お伝えした通り。
5月31日午前中時点で78チャンネル、11万6093本におよぶ差別的な内容を含む動画群がYouTubeから削除されただけでなく、50チャンネル、5万3378本の動画が自主削除・動画非公開に。実に17万本近い動画が見えなくなる絶大な効果を上げています。
凍結されたチャンネル一覧や、通報方法をまとめたサイト。法務省が提示したヘイトスピーチの典型例に当てはまるような動画を見つけた際は、通報してみるといいかもしれません。
◆削除ラッシュを「言論弾圧」と批判するのは恥の上塗り
一連の流れについて「言論弾圧ではないか」「韓国や中国を批判することも許されないのか」という意見があります。
しかし削除された動画の中に含まれていた表現は、まとめブログ・保守速報が名誉毀損で提訴された際に問題視されたものとほぼ同じで、汚い言葉で差別感情を吐き捨てただけのもの。
動画をチェックしてYouTubeに報告する有志のメンタルが削られる、言論・批判というにはあまりに幼稚な内容のため、「差別動画を楽しみたくて仕方がない幼稚な人」でない限り、これらの意見に同調するのは避けた方が賢明です。
稀代の名将・アダルトマン将軍を生み出したほか、一連の流れを取り上げたBuzzap!編集部に共産党のメールアドレスを騙る人物から「閉鎖しろ」というメールが送られてくるなど、さまざまな形でほうぼうに影響を与えているYouTubeの削除ラッシュ。
もともと差別動画で埋め尽くされていたこと自体が異常なわけですが、大量削除をきっかけに異文化理解を深め、多様性を認めるような動画などが目に留まりやすくなれば、そのぶん世の中は平和になるかもしれません。


『笑点』で円楽、たい平、木久扇が安倍政権批判ネタを連発して炎上! 圧力に屈しないベテラン落語家たちの心意気
 高い視聴率を誇る長寿番組『笑点』(日本テレビ)がネットで炎上した。理由は、5月27日放送で安倍首相や政権への風刺、批判的な回答が連発されたためらしい。
 せっかくなので、この日の放送を再現してみよう。まず、司会の春風亭昇太から「人はうるさいと耳をふさいだりなんかしますよね。そこで皆さん、今回耳をふさいでください。で、一言言ってください。私が『どうしたの?』って聞きますから答えてください」というお題が出される。
 これに口火を切ったのは、三遊亭円楽だった。声色を安倍首相に似せながらこのように答えた。
「安倍晋三です」
「どうしたの?」
「トランプ氏から国民の声は聞かなくていいと言われました」
 続いて、手を上げたのは林家たい平。彼もまたモノマネを交えながら回答した。
「麻生太郎です」
「どうしたの?」
「やかましいぃ〜」
 政権批判ネタ三部作のトリを飾ったのは林家木久扇。彼はこのように答えた。
「うるせーなー」
「どうしたの?」
「沖縄から米軍基地がなくなるのはいつなんだろうねぇ」
 まさに、安倍政権への痛烈な風刺三連発。そして、回答した三人は連続で座布団一枚を獲得した。
「米軍基地問題はいつなくなるのか」の答えに偏向と噛み付くネトウヨ、安倍応援団
 しかし、これが放送されるやいなや、ツイッターを中心に大炎上。ネット上には〈河原乞食が飢えもせず生きていけるのは資本主義社会の賜物なのにな 馬鹿だと思うわ〉〈「笑点」で円楽が政権批判すると司会の昇太が「面白い、座布団1枚」となる。少しも面白くないのにである。笑いまで政治的偏向するようになってしまったのかと思う。最近「笑点」を見なくなった理由の一つでもある〉といった言葉が次々と投稿された。
 その典型が、中国や韓国へのヘイト本を多く出版する石平太郎氏である。彼は、その日の『笑点』を見た感想をこのようにツイートした。
〈先ほど家のテレビで久しぶりに「笑点」を見ていたら、「安倍晋三です。国民の声を聞かなくてよいとトランプに教えられた」とか、「沖縄の米軍基地はいつなくなるのか」とか、まるで社民党の吐いたセリフのような偏った政治批判が飛び出たことに吃驚した。大好きな笑点だが、そこまで堕ちたのか〉
 三遊亭円楽は楽太郎時代からしばしば政治や社会風刺の大喜利回答をしてきたし、『笑点』とはそもそもそういう番組であるのは、きちんと番組を観てきた人であれば誰もが指摘するところである。〈大好きな笑点だが、そこまで堕ちたのか〉などと言うのは、果たして本当に『笑点』を観ていたか甚だ疑問だが、それはともかく、多くのお笑い芸人が社会風刺のネタに及び腰になるなか、『笑点』は一貫してそういった類のネタも放送し続けてきた。
 たとえば、三遊亭円楽は2015年8月9日放送回の『笑点』で、安倍首相を名指しした風刺ネタを披露している。そのときは鍼灸師を題材にした大喜利をしていたのだが、彼はこんな回答を披露したのだ。
「耳がよく聞こえるようにしたいんですね?」
「どこに鍼を打っても、国民の声は聞こえるようにはなりませんよ、安倍さん」
 これだけではない。三遊亭円楽は同月23日にも、『24時間テレビ 愛は地球を救う』のなかの1コーナーとして放送された『笑点』にて、「24時間テレビ」に引っ掛けて、「――かん――び」の傍線部分に言葉を当てはめるというお題に対し、このような答えを繰り出した。
「安倍さん、聞いてください、政治に不信“かん”、国民の叫“び”」
 三遊亭円楽だけではない。林家木久扇も、16年4月10日放送回にて、安倍内閣を皮肉ったネタを披露している。この日の『笑点』では、「育児休暇」をテーマにしたお題が出た。メンバーがさまざまな職業の人に扮し、「育児休業を取った」と語り、そこで司会の桂歌丸(当時)が「どうなりました?」と聞いてくるのに対して、さらに一言付け加えるというものだ。そこで林家木久扇は「日本の内閣の大臣全員が育休を取りました」と語り、歌丸の「どうなりました?」との問いにこう返した。
「別に支障がありませんでした」
 内閣の大臣なぞ、いてもいなくてもどっちだっていいという痛快な皮肉だ。
『笑点』メンバーは一貫して政治家や権力風刺をネタにしてきた
 このように、『笑点』メンバーは以前から、政治家や権力をからかい、政治の話題を大喜利に盛り込んできた。しかし、おそらくそれは彼らにとって特別なことではない。庶民が権力者に対して抱く怒りや不満を、皮肉や風刺の笑いに変えることは、芸人の役割のひとつであり、日本でも以前は普通におこなわれてきたことだからだ。テレビで芸人が総理大臣をからかったり、コテンパンに悪口を言うというのも、昔はそう珍しいことではなかった。
 ところが、第二次安倍政権以降、こうした政権批判をすると、ネットで炎上し、ネトウヨや安倍応援団からテレビ局に電凸が殺到するようになり、どんどん政治風刺ネタが姿を消していった。
 しかし、笑点メンバーは、ネットの反応や安倍応援団の抗議など気にすることなく、一貫して政治風刺ネタを続けてきた。そして、今回は三遊亭円楽、林家たい平、林家木久扇のトリオ芸で、かなり痛烈な安倍政権批判をおこなった。
 そう考えると、笑点メンバーの心意気には敬服するしかないが、問題は、こうした社会風刺や権力批判を笑いに変えようとする芸人が、ほとんどいなくなっているということだ。
 だが、若手・中堅のお笑い芸人でその役割を背負おうとしているのは、ウーマンラッシュアワーくらいで、林家木久扇や三遊亭円楽など、ベテラン中のベテラン芸人しかいない現状は、あまりにもこころもとない(『笑点』メンバーのなかにいると若く見えるが、林家たい平だって53歳である)。
 また、もうひとつ心配なのは、今回の大炎上をきっかけに『笑点』制作サイドにプレッシャーがかかって、政権風刺ネタが制約されたりしないか、ということだ。
 せめて『笑点』だけはこれまで通りの姿勢を貫き続けてほしい。(編集部)

4月に届いていた?/緑の本なし/リッダから46年

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Japan Expo, Kore-eda: les 6 rendez-vous japonais à Paris
De la dernière Palme d'or au salon pop Japan Expo, en passant par la cérémonie du thé à Guimet, voici six occasions de plonger dans culture nippone sans quitter Paris.
Japan Expo
Le rendez-vous annuel dédié à la culture nippone rend hommage aux mangas bien sûr mais également à tout l'art de vivre japonais. Des ateliers de cuisine pour apprendre à préparer des sushis temari, des masterclasses de Cosplay, des projections de dessins d'animation, un espace détente pour tester le reiki et des spectacles de combats de sabre comme au temps des samourais vous attendent pour une immersion totale. Et pour célébrer ≪Japonismes 2018≫ le festival organise des concerts de tambours japonais et shamisen.
Japan Expo. Parc des expositions de Paris-Nord Villepinte (93). Du 5 au 8 juil. de 8 h 30 à 18 h. Tarifs de 17€ à 56€.
Salon Idées Japon
L'association Jipango fête ses 20 ans cette année et organise une expo-vente de style japonais avec plus de 30 créateurs, des bijoux aux bougies, des céramiques aux coussins en passant par des boîtes, écharpes, kimonos… mais aussi de nombreux ateliers cuisine et dégustations pour découvrir les spécialités du pays du Soleil-Levant.
Espace Cinko. 12-18, passage Choiseul (IIe). Du 14 au 16 juin de 11 h 30 à 19 h 30. Entrée libre.
La Palme d'or
Le réalisateur japonais Hirokazu Kore-eda est tombé à pic cette année à Cannes. Fidèle d'entre les fidèles, présent en compétition officielle grâce à de beaux longs-métrages poétiques et sensibles, de Nobody knows à Tel père tel fils en passant parStill Walking, le voilà qui décroche une palme d'or méritée pour son très joli film Une affaire de famille , contant les mésaventures quotidiennes d'une tribu de petits voleurs à la tire, qui recueille une petite fille livrée à elle-même, maltraitée par ses parents. Malgré la pauvreté, une bonne humeur soudée irrigue la maisonnée et la petite trouve sa place dans cette famille... jusqu'à ce qu'un incident révèle leurs plus terribles secrets. Un film magnifique, tendre et profond à découvrir en salle à partir du 12 décembre.
Cérémonie du thé
À deux pas du Musée Guimet, le jardin japonais de l'hôtel d'Heidelbach accueille des cérémonies du thé au cœur de la nature. Les 6, 7 et 8 juin à 14 h, 15 h et 16 h et le 23 juin à 10 h 30, 11 h 30 et 12 h 30. 15 € pour une cérémonie d'une heure.
Hôtel d'Heidelbach. 19, av. d'Iéna (XVIe). Rés.: 01 56 52 53 45 ou resa@guimet.fr
Danse et musique à la cité U
Le dimanche 10 juin, la maison du Japon accueille un spectacle musical avec au programme danses et instruments traditionnels. Une bonne occasion de découvrir aussi son architecture créée en 1929 et inspirée des constructions nippones.
Maison du Japon, Cité internationale universitaire de Paris. 7, bd Jourdan (XIVe). De 20 h à 21 h 30. Entrée libre. Rens.: maisondujapon.org
Laque de Wajima et textile Shibori
Les nouvelles expositions de l'espace Densan mettent en avant des créations uniques d'artisanat japonais. On peut y voir d'une part des pièces en tissu typiques de Kyoto (foulards, kimonos), associant des techniques modernes et traditionnelles, et d'autre part des objets en laque et cuivre ou bois (coupelles, assiettes, verres). Un savoir ancestral au service de la beauté épurée.
Espace Densan. 8 bis, rue Villedo (Ier). Du 1er juin au 31 août. Du lun. au sam. de 12 h à 20 h.
dfweb75 (éphéméride)‏ @dfweb7530 mai 1972 Premier attentat-suicide en Israël, faisant 26 morts et 80 blessés à l'aéroport Lod de Tel Aviv (désormais aéroport international David-Ben-Gourion). Cette attaque est organisé par l'Armée rouge japonaise, au nom du Front populaire de libération de la Palestine (FPLP)
houchati smail‏ @HouchatiSmail
la résistance est droit international a tout instants jusqu’à la libération de la Palestine de l'occupation sioniste le reste c'est une affaire de moyens et de volonté c'est comme au Vietnam ou en Algérie .
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書籍を3月に頼んでいたのがいまだに届きません.おかしいと思って聞いてみたら別の部署に「だれか」が持って行ったとのこと.あきれてしまいます.政治の世界ほどおかしくはないにしても・・・
4月に届いていた?のなら責任もって連絡してほしいものです.緑の本がないのもがっかりです.
リッダから46年になります.毎年何をするわけでもないですが,想いは遠くのあの地へ.

気仙沼復興の力に 3代目えびす像 来夏にも復活へ
 東日本大震災の津波で流失した宮城県気仙沼市魚町の神明崎にあったえびす像の再建を目指す住民団体「3代目えびす像建立委員会」は29日、新たなえびす像の縮小版の原型を公開した。カツオを抱えた躍動感ある銅像は、来夏にも現地に復活する。
 お披露目されたのは、仙台市出身の彫刻家翁観二さん(80)が作った高さ35センチのプラスチック製。実物(約1メートル70センチ)の約5分の1の大きさで、右足を踏みだし、左脇には気仙沼市が水揚げ日本一を誇るカツオを抱えている。
 翁さんから作品の説明を受けた委員からは「生き生きしている」「柔和な表情がいい」などの声の一方、「カツオの口はもう少し上がっている」と、気仙沼ならではの注文も付いた。
 1932年に建てられた初代のえびす像は、太平洋戦争の激化に伴い軍が回収。80年代後半に復元された2代目は津波で流失した。昨年8月に気仙沼商工会議所や漁業関係者らが建立委を組織し、再建に動きだした。魚はタイからカツオに変更した。
 翁さんは仙台市青葉区の勾当台公園にある谷風像などを制作した。気仙沼市役所にも作品が飾られている。「親近感のある場所が被災し、心を痛めていた。復興へ向かう気仙沼の力になるような作品に仕上げたい」と話した。
 今秋に完成し、2019年夏にも現地にお目見えする。建立委員会の臼井賢志会長(76)は「力強いえびす様の復活が今から楽しみだ」と話した。


河北春秋
 吹き抜けの天井に焦げ茶色の梁(はり)が重なり、古い「家」の物語を今に伝える。最も太いケヤキの梁は根元で幅90センチ。「切り出した大木がそのまま使われた。現代の住宅建築で再現は不可能」と、建築家の佐々木文彦さん(61)は感嘆する▼東日本大震災の被災地、東松島市の高台に造成された野蒜ケ丘の一角。7月初めに開業する診療所に、栗原市若柳に明治期の約130年前からあった農家の部材が移築された。同じ震災で大規模半壊となり、廃棄の運命にあった古民家だ▼佐々木さんも石巻市北上町の自宅を流され、仙台市の事務所を拠点に木造住宅を手掛ける。「日本民家再生協会」というNPOの一員で、古民家の改修、再利用にも取り組んできた。「文化財である古民家の多くは震災の打撃でたちまち失われた。1棟でも救いたい」▼栗原の農家の話は7年前の秋、持ち主から解体の相談を受けた工務店から情報を得た。再利用してくれる人を探す「民家バンク」という協会の制度に乗せて、2年半前に希望者との縁をつないだ。診療所を計画した石巻の病院長だった▼渋く深い彩りの障子戸、板戸も待合室や診察室に用いられ、真新しい施設に人の暮らしの温かみが満ちる。「被災地の復興にも古民家の命が生きる。そんな価値を見直してほしい」

<陸前高田市>防災マイスター講座開講 市民組織再活性化目指す
 東日本大震災で被災した陸前高田市が、市民向け防災マイスター養成講座を開講した。震災の教訓を取り入れた独自の講座で防災リーダーを育て、震災で停滞している自主防災組織の活動の再活性化を目指す。
 講座は12月まで計8回開講。気象や避難情報に関する基礎知識をはじめ、災害時の行動心理、地震による火災、避難所での栄養確保といった実践的なテーマについて専門家が講義する。
 20日の初回講義には、市民約30人が参加した。受講は無料で、全15単位のうち9単位以上を取得すると認定証が授与される。
 震災で祖父母を亡くした高校2年佐藤叶(かな)さん(16)は「受講していれば誰かに教えられる。災害時に助かる人が増えるのではないか」と講義に臨む。
 高校2年小野寺海衣(みい)さん(16)は、避難所体験を振り返り「子どもにはできることが限られ、悔しかった。積極的に活動できるようになりたい」と語る。
 震災前に8割だった市内の自主防災組織の組織率は現在66.8%。岩手県平均の85.3%を下回る。自主防災組織があっても約4割は活動を休止している。
 震災で旧来の地域コミュニティーが崩壊した上、移転先の高台では津波の心配がなくなったと自主防災組織の必要性を感じない人も少なくないという。
 受講者は随時受け付けており、市は来年度以降も講座を継続する方針。市防災課は「災害時は自助、共助が重要。月1回の講座が防災を考えるきっかけになってほしい」と呼び掛けている。


関連死女児の遺品で「おのくん」
東日本大震災の津波で大きな被害を受けた東松島市で30日、地元の人たちが、熊本地震で災害関連死と認定された女の子の靴下を使って、サルのぬいぐるみ「おのくん」を製作しました。
この「おのくん」は、女の子の遺族に贈られるということです。
靴下で作られたサルのぬいぐるみ「おのくん」は、東日本大震災のよくとしから、津波で大きな被害を受けた東松島市で主婦たちが製作をはじめ、被災した人たちの心を癒やしてきました。
そして、今回、おととしの熊本地震で災害関連死と認定された宮崎花梨ちゃん(当時4)の遺族を励まそうと、花梨ちゃんの靴下を使って「おのくん」を製作することになりました。
30日、作業場に集まった人たちは、愛らしいキャラクターが描かれた花梨ちゃんの靴下を手際よく縫い合わせて10センチほどの小さな「おのくん」を2体作り、手や足を動かして仕上がりを確認していました。
東日本大震災で当時6歳だった長女を亡くし、今回の製作を提案した石巻市の佐藤美香さんは「『おのくん』として花梨ちゃんの生きた証を感じさせてくれる存在になって欲しい。無事に家族のもとに返してあげたい」と話していました。
完成した「おのくん」は、近く、花梨ちゃんの遺族に贈られるということです。


幅広い世代が防災学ぶ 東松島
東日本大震災で被災した東松島市の野蒜ケ丘地区で30日、地域の幅広い世代の人たちが参加して防災を学ぶイベントが開かれました。
このイベントは、震災後にできた新しいコミュニティで幅広い世代間の交流を深めながら防災の意識を高めようと、東松島市のまちづくり支援団体などが開いたものです。
参加したのは、震災を経験した市民をはじめ、宮野森小学校の4年生や東北大学の留学生など、およそ30人です。
参加者たちは、まず、震災後、地域の人たちが集える場所として整備された「復興の森」を訪れ、地震や津波への備えをテーマに作られた歌を歌い、震災の教訓を確かめ合っていました。
このあと、避難所に指定されている野蒜市民センターへ移動し、避難生活を想定して、ごはんをビニール袋に入れて簡単におにぎりを作るなど、楽しみながら防災の知識を身につけていました。
参加した70代の男性は、「震災を経験しましたが、その後も繰り返し教訓を確認していくことが大事だと思います」と話していました。
企画した野蒜まちづくり協議会の山縣嘉恵さんは、「いざという時に助け合えるよう地域全体で楽しみながら防災について考える機会を提供していきたい」と話していました。


東南海7県の沿岸小学校 津波対応規定、9割に増 具体化には温度差
 南海トラフ巨大地震の発生が懸念されている東南海地域7県沿岸の小学校で、防災マニュアルに津波対応を盛り込む学校が東日本大震災前の3割弱から9割近くに増えたことが、河北新報社が日本学校保健学会会員の学校防災研究メンバーと共同で実施したアンケートで分かった。震災を踏まえ、事前防災への意識が高まる一方、児童の保護者への引き渡しルールや、避難住民の対応といった具体的な課題への取り組みは各校で温度差が見られた。(大川小事故取材班)
 マニュアルに津波対応を規定する学校は87.0%に上った。内訳は「震災前から」28.3%、「震災後」58.7%。体育館や校舎上層階、近隣の高台といった児童の津波避難場所は、60.9%が保護者に加えて地域住民とも共有していた。
 市町村が作成する津波ハザードマップの浸水予想区域の決め方について、「説明できる程度に分かる」は28.3%にとどまり、「なんとなく分かる」が52.0%、「よく分かっていない」が19.0%だった。
 一方、学区内にハザードマップの浸水予想区域がある学校は81.0%。これらの学校に、浸水域から通う児童への対応について何らかの取り決めをしているか聞いたところ、「していない」が23.9%に上った。
 児童の保護者への「引き渡し」を職員会議で話し合ったことがある学校のうち、90.5%は保護者と内容を共有する。ただ、具体的な方法は「津波注意報・警報の発令中は引き渡さない」30.6%、「事前登録者と確認できれば引き渡す」49.3%、「登録者以外でも関係が確認できれば状況によって引き渡す」11.9%と分かれた。
 校長ら管理職が不在時、津波襲来の恐れが生じた場合の対応を「話し合ったことがない」は59.9%と半数を上回った。
 84.4%の学校が市町村の津波避難場所に指定されているが、避難住民の対応を地域と話し合ったことがある学校は49.3%にとどまった。住民対応は「臨機応変に対応するしかない」が42.7%、「児童対応を優先し住民対応は地域や行政などに任せる」が41.4%で判断が分かれた。
 教職員の津波に対する意識は76.2%が「継続している」と答えたが、意識の格差や低下を感じる学校も計17.1%あった。
 東日本大震災の津波で児童74人、教職員10人が犠牲となった石巻市大川小の事故について、75.8%が「大いに」、20.1%が「多少」教訓にしていると回答。自由記述では「最悪の状況を想定した判断が大切」(静岡)、「無駄になってもいいので高台避難を迅速に決定する」(愛知)などがあった。
 調査は東南海7県(神奈川、静岡、愛知、三重、和歌山、徳島、高知)の海岸線から4キロ以内に立地し、日本教育学会の学校防災グループが2013年に実施したアンケートに答えた小学校487校が対象。3月に調査票を郵送し、269校(55.2%)から回答があった。


災害救助法改正/被災者の立場を忘れずに
 大規模災害時の被災者支援の一部権限を、都道府県から政令指定都市に移すことを可能にする災害救助法の改正案を巡り、両者の間で意見の食い違いが表面化している。
 都道府県側は「災害対応は一元的に行うべきだ」と反対し、政令市側は「迅速で的確な救助が可能になる」と歓迎する。
 県域や市域を越えた大規模災害では膨大な事務が発生する。被災者支援が滞らないようにする必要がある。役所間の権限争いに陥ることなく、被災者の立場で考えることが大切だ。
 改正案は、大規模災害時の避難所運営や仮設住宅整備などの権限を都道府県から一定規模の財政力のある政令市に移す。被災者に近い政令市の権限を強めて対応を早め、その分都道府県の負担を減らし、他の市町村への支援に注力できるようにすることが狙いだ。閣議決定され来春の施行を目指す。
 背景には、近年の地震で県と政令市が対立したことがある。
 東日本大震災では仮設住宅の建設が遅れ、宮城県は「仙台市の用地選定が進まなかったため」と理由を挙げた。仙台市は、用地は確保できていたとし、「他市町との均衡」のため県から権限が移されなかったとする。熊本地震でも、権限の移譲で弾力化を求める熊本市と県との間で意見の相違が表面化した。
 国は法改正を検討したが、全国知事会は権限が政令市に移れば、同じ県内でも被災者間に不公平が生じかねないことなどを理由に反対した。
 このため権限の移譲は都道府県知事の同意を前提とし、政令市が物資を先取りしないよう他市町村との配分調整役を都道府県が担うことにした。
 それでも都道府県側は慎重な姿勢を崩さない。兵庫県の井戸敏三知事は「現行の制度で十分対応できる。法改正の意図が理解できない」と否定的だ。
 関東以西の30都府県で甚大な被害が想定される南海トラフ地震は、兵庫県内だけでも死者は2万9千人、建物の全半壊は21万4千棟とされている。
 被災者にとって必要な支援を素早く実現することが、何より求められるはずだ。県と神戸市は、事前に十分な調整をして大災害に備えてもらいたい。


「イシノマキマンのうた」発売 シンガーソングライター萌江さん テーマソングで元気届ける
 石巻のご当地キャラクター「イシノマキマン」のテーマソングが発売された。作詞、作曲は、石巻市出身のシンガーソングライターの萌江(もえ)さん(23)。石巻の名勝やイシノマキマンのコンセプトなどを紹介しており、萌江さんの明るい歌声が元気を与えている。
 イシノマキマンは平成27年8月に誕生した石巻市の非公認キャラクター。広告代理店の(株)ビヨンド(斉野浩一代表)=同市鹿妻=が生みの親であり、文具や菓子などグッズは17種類を数える。着ぐるみは各種イベントに出演し、人気を呼んでいる。
 テーマソングはビヨンドが萌江さんに依頼した。収録曲の「イシノマキマンのうた」は基本形のイーヌからイシノマキマン、イシノマキマンSUPERに段階変身するキャラを表現。ナレーションの有無で2曲入れ、このほか「それいけイーヌ」を収録した。
 斉野代表は「テーマソングはポップ調の曲にしたかった。萌江さんは多くのご当地ソングを手掛けており、イメージにぴったり」と話す。CDにはジャケット写真に合わせ、イシノマキマンか萌江さんのカードが付く。
 萌江さんは「感動のエネルギーがパワーになるイシノマキマンは今の石巻の人そのものであり、歌を通して石巻をPRしていきたい」と話していた。CDは1080円(税込)。ビヨンド(店頭またはインターネット販売)、サンファン館、道の駅上品の郷、石巻観光協会、いしのまき元気いちば、おかべ本屋さん、ナリサワで取り扱っている。


旧優生保護法を考えるシンポ
旧優生保護法のもとで、強制的に障害者などに不妊手術が行われていた問題を考えるシンポジウムが30日、仙台市で開かれました。
シンポジウムは、障害者を支援する団体が仙台市内で開き、およそ250人が参加しました。
平成8年まで施行されていた旧優生保護法のもとでは、障害などを理由に全国でおよそ1万6500人が本人の同意がないまま不妊手術を受けさせられたとされていて、全国で初めての裁判がことし3月から仙台地方裁判所で始まったほか、今月、男女3人が国に損害賠償を求めて東京と仙台、札幌の3か所で一斉に裁判を起こしています。
シンポジウムでは原告の弁護団の新里宏二弁護士が、「強制不妊手術の被害者に対する一刻も早い救済が必要だ」と話した後、裁判をおこしている仙台市の70代の女性が意見を述べ「これまで死ぬような思いで生きてきた。1人でも多くの人に声を上げ謝罪と補償を受けてもらいたい」と訴えました。
また、全国で初めて提訴した原告の姉は「今も妹は差別的な扱いを受けていると感じる。障害者であっても自分の生き方を選べる社会であってほしい」と訴えました。
シンポジウムのあと、全国から集まった100人以上の障害者たちが「国は強制不妊手術の被害者に謝罪を」などと声をあげながら市内の中心部でデモ行進を行いました。
旧優生保護法をめぐっては、手術を受けた人の救済に向けて与党の作業チームや超党派の国会議員の議員連盟が議論を進めているほか、厚生労働省が都道府県などに対して実態調査を進めています。


犯罪被害者の会 解散へ/司法を変えた功績は大きい
 ボランティアで結成された民間の団体が、司法制度の変革に対してこれほど大きな役割を果たしたのは、他に類例がないのではないか。犯罪被害者や遺族の権利の確立を目指して、2000年から活動を続けてきた全国犯罪被害者の会(あすの会)である。
 会員の高齢化などを理由に6月3日で解散する。約18年に及ぶ活動は、広範な国民の共感を呼び、犯罪被害者基本法の成立、刑事裁判での被害者参加制度の創設、殺人など凶悪犯罪の公訴時効の撤廃などに結実した。
 同会では「18年間で司法における被害者の立場は格段に向上した」と自らを評価している。会員はほとんどが被害者やその家族。一定の成果を挙げ得たことも、会員の高齢化とともに、解散を選んだ理由である。
 従来の刑事裁判は被害者や遺族を置き去りにしてきた側面が強い。そうした在り方を劇的に変えた推進役を担ってきたのが同会である。弁護士会や学会の一部から強硬な反対に遭いながらも、国民や国会の賛同を得て、刑事司法の姿を変革した功績は特筆に値しよう。
 刑事裁判の在り方、被害者や家族の救済に関しては、なお積み残された課題が少なくはない。加害者側、被害者側双方の人権に十分に目配りしながら、信頼できる司法制度に磨き上げていく不断の努力が今後も問われる。
 同会が大きな役割を果たしたのは08年に始まった被害者参加制度である。重大な刑事事件の被害者や遺族などが法廷で直接被告人に質問し、また、犯罪事実や法律の適用について意見を述べることができるようになった。
 被害者参加制度では、弁護人が被害者側に付く国選弁護人制度も新設された。刑事事件を担当している裁判所が被害者側の民事上の損害賠償に関して審理する損害賠償命令制度も導入されている。
 殺人罪など法定刑の上限が死刑である犯罪の公訴時効は10年に撤廃され、従来であれば、加害者の処罰を諦めなくてはならなかった時期を過ぎても、加害者の処罰が可能となった。
 いずれも被害者側の心理的負担の軽減、刑事裁判への疑念や不満を拭い去るための法改正であり、制度の創設である。被害者の会が先進事例としてドイツやフランスを自費で視察し、国に導入を強く求めてきた制度である。
 残る課題の一つは犯罪被害給付制度の充実である。この制度による国の給付金は金額が比較的低く、見舞金の性質を脱していない。損害補償としての役割を持たせるべく一層の充実が望まれる。
 会の活動が示したのは、裁判のような国家の基本的な制度であれ、国民の声で改善できるという具体例である。被害者支援の充実を求める他の団体にとっても、示唆に富んだ18年であった。


司法取引/冤罪を防ぐ対策は十分か
 司法取引を導入する改正刑事訴訟法が6月1日に施行される。容疑者や被告が共犯者らの犯罪解明のために捜査機関に協力すれば、見返りに罪を軽くしてもらえる制度だ。
 他人の犯罪の情報提供などに対して、検察官は起訴の見送りや取り消し、より軽い求刑などができる。薬物・銃器関連や、贈収賄、詐欺といった経済事件などを対象とした。
 覚醒剤密売など組織犯罪の捜査に有効な手法と期待されている。だが一方で、うその供述によって無関係の人が冤罪(えんざい)に巻き込まれることへの強い懸念がある。捜査機関は指摘される課題を踏まえ、慎重に運用しなければならない。
 冤罪が懸念されるのは、いまでも自分の刑を軽くする意図で容疑者らが他人を引き込む供述をするケースがあるからだ。
 談合や会社ぐるみの経済事件で、犯罪の経緯をよく知る人物が真実を織り交ぜて供述すれば、うそを見抜くのは難しい。冤罪を防ぐ対策が欠かせない。
 司法取引には弁護人の同意が必要で、協議の全過程に立ち会う。ただ、容疑者・被告の利益を重視する立場なので、無実の人を巻き込まないための防止策にならないとの指摘がある。
 うその供述には5年以下の懲役という罰則も設けられた。こうした冤罪防止策が実際に機能するのか、検証を重ねていくことが重要だ。
 司法取引は、冤罪事件を防ぐ取り調べの録音・録画の義務化に合わせて導入された経緯がある。供述が得にくくなるとの警察・検察の声を受けて、証拠収集の代替手段として改正刑事訴訟法に盛り込まれた。
 同種の制度は他国にもあるが、検察官が認めれば警察官が容疑者と協議して供述を求められるのは日本の制度の特徴だ。
 その場合は警察本部長が指揮するが、乱用の懸念は拭えない。地検が制度を使う場合は、高検検事長が指揮することになる。検察は適正に運用されているかを、捜査の全過程でチェックする責任がある。
 司法取引による供述証拠には、捜査機関が十分な裏付けを示すことが必須だ。裁判所は信用性を厳しく判断し、冤罪防止の歯止めとならねばならない。


司法取引導入 冤罪防止目的に逆行する
 司法取引を導入する改正刑事訴訟法が6月1日に施行される。
 逮捕された容疑者や起訴された被告が共犯者らの犯罪解明のために警察官や検察官に対して、供述や証拠提出などの協力をした見返りに、検察官は(1)起訴の見送り(2)起訴の取り消し(3)より軽い罪での起訴(4)より軽い求刑―などができる。
 罪を犯した人は適正に処罰されるべきである。他人の犯罪を明かしたからといって、償うべき罪を軽減されるなどの恩恵を与えられるのはどう考えてもおかしい。
 対象となる犯罪は改正法で定めている薬物・銃器関連、詐欺、横領、贈収賄などのほか、3月に閣議決定した政令で独占禁止法違反や金融商品取引法違反などを加えた。
 薬物事件など組織犯罪捜査での効果が期待される一方、虚偽の供述で冤罪えん(ざい)を生む危険性がある。逮捕された後、刑を逃れたり、軽減させたりするために、虚偽の供述をすることは十分あり得る。検察官がうそを全て見破ることができるとも限らない。
 実際、共犯者とされた人物の虚偽供述が重要な証拠となり、身に覚えのない罪に問われた例がこれまでもあった。
 名古屋市発注の道路清掃事業を巡る談合事件で2003年、名古屋地検特捜部に逮捕、起訴された男性は虚偽の証言によって巻き込まれた。業者に予定価格を漏らしたとして逮捕された男性の部下が男性に報告し、了承を得ていたとのうその供述をしたため逮捕された。無罪が確定し、男性が非常勤顧問として職場に戻ったのは逮捕から7年が経過してからである。
 09年に東京都内の民家に男2人と共に押し入り、現金を奪ったとして、強盗致傷罪などに問われた男性は「身に覚えがない」と否認した。だが、共犯者とされた男が「男性から話が持ち込まれた」と供述したため逮捕された。男性が無罪を勝ち取るまでに6年もかかった。
 司法取引の導入によって自らの罪が軽減されることが期待されれば、冤罪の危険性がこれまで以上に高まることは否定できない。
 そもそも刑事訴訟法などの改正は、大阪地検特捜部が押収したフロッピーディスクの内容を改ざんし逮捕した厚生労働省元局長の無罪が確定した文書偽造事件を機に議論が始まった捜査・公判改革の一環である。冤罪を防ぐことが大きな目的だったはずだが、司法取引はそれに逆行する。
 検察が起訴権限を独占し、容疑者らに対して圧倒的な影響力を持っている現状で、司法取引を導入するのは危険である。検察の意に沿うストーリーを受け入れれば、起訴しないと誘導する捜査手法につながる恐れがあるからだ。
 司法取引はあまりにも問題点が多い。新たな冤罪を生みかねないとの懸念を払拭できない以上、司法取引制度は廃止すべきだ。


何があった…日大アメフト部「選手声明文」拍子抜けの真相
 日大アメフト部の選手がついに29日、声明文を出した。内田前監督や日大当局が責任逃れに終始する中、現役部員の声に注目が集まったが、開けてみると、まるで“検閲済み”のような当たり障りのない文面だった。
 選手は、言いたいことをぶつけるのではないか――。声明文は、けがをさせるプレーの指示が内田前監督、井上前コーチによるものと結論づけ、すべてのコーチの退陣要求を含む再発防止策を打ち出すとみられていた。
 冒頭、関学の被害者や家族に謝罪を述べ、<皆で悩みながら何度も話し合ってきましたが、まだ明確な答えが見つけられたわけではない>ともがく様子がつづられている。だが、以下の内容は、まるで大学当局の声明文のようだった。
<捜査機関による捜査や大学が設置する第三者委員会の調査に全面的に協力する>
<監督やコーチに頼りきりになり、その指示に盲目的に従ってきました>
<監督・コーチとの間や選手間のコミュニケーションも十分ではありませんでした>
 具体的な言及は避け、“従順な優等生”が書いたような文面に終始。一体、何があったのか。
「選手が声明文を出すためのミーティングをしていると、コーチと弁護士が来て『声明文を出すと自分たちの首をしめることになるぞ』と発言したようです。別の日には複数のコーチがミーティング中の選手たちを6時間、隣室で監視していたとも言われています」(事情通)
■「選手は大学より弱い立場」
 声明文が発表された直後、アメフト部の寮から出てきた部員に話を聞くと「声明文に書いている通りです。第三者委員会に任せたいと思います」と“笑顔”ながら、素っ気ないコメントをくれた。
 スポーツジャーナリストの谷口源太郎氏が言う。
「日大アメフト部の選手は、当事者として責任を感じ、メッセージを出したのでしょう。大いに苦労されたと思います。ただ、選手一人一人は、大学に在籍し、アメフト部に所属している身。親も含め、大学側と比べて非常に弱い立場です。各自、思うところはあったのでしょうが、大学側に盾突くわけにはいかなかったのでしょう。無力感は残ったかもしれませんが、自分の生活を守るには我慢するしかない。大学側もそれが分かっていて“プレッシャー”をかけたのではないでしょうか。支配・隷属の関係はそう簡単に崩れるものではありません」
 どうにも後味が悪い。


アメフット反則問題 高圧的な指導体質見直す契機に
 日本大アメリカンフットボール部の守備選手による悪質な反則問題で、関東学生連盟が、日大の内田正人前監督と井上奨前コーチに対して最も重く永久追放に相当する「除名」処分とすることを決めた。ヘッドコーチは、除名に次いで重い「資格剝奪」、危険なタックルをした選手とチームは期限付きの出場資格停止処分とした。極めて重い措置だが、事案の重大性を考えると当然の決定だ。
 問題が混迷を深めたのは、日大の対応が後手に回り不誠実だったためだ。真相を明らかにし選手を守ろうとする姿勢が感じられなかった。プレー後に背後からタックルした衝撃的な映像により、反則の悪質性が広く知られ社会問題となったのは確かだ。しかし、日大アメフット部にあった高圧的な指導体質の弊害が浮き彫りとなったのが問題の本質だ。学生スポーツの在り方を見直す契機としたい。
 日大側の対応の遅れが目立った。負傷した選手が所属する関西学院大に対する最初の回答では、十分な調査もせず監督の指示を否定し「指導と選手の受け取り方に乖離(かいり)」と結論付けた。記者会見や、責任者による負傷選手への直接の謝罪もなかったため、関学大は納得せず再回答を求めた。
 一連の対応の不手際で加害選手自身が記者会見を開く事態を招いた。選手は名前や顔を公表し、反則は監督、コーチの指示だったと説明。反則に対する責任は当然あるが、自己弁護せず真摯(しんし)に反省、謝罪した会見は真実性が高かった。一方、大学関係者が同席せず20歳の大学生に1人で会見させた日大の責任は重いと言わざるを得ない。
 井上前コーチは、相手のクオーターバックを「つぶせ」との発言自体は認めたが、けがをさせることを「目的として言っていない」と釈明した。反則について日大指導陣は自らの指示を認めねばならなかった。加害選手がやる気のなさを指摘されたり、実戦形式の練習から外されたりして、精神的に追い詰められ正常な判断ができなくなった状況を把握しておく必要があった。把握していないのは指導者失格だ。
 その上で「つぶせ」というのは、けがをさせる意味ではないと丁寧に説明するべきだった。説明しなかったということは反則が指示だったと言わざるを得ない。監督も暴力行為を指示していないと弁明するが、選手がそう受け取ったのであれば指示と同然と認識する必要がある。
 選手と監督、コーチの会見から、日大アメフット部の強圧的な指導体質が明らかになった。選手が監督に意見を言えるような関係ではなかった。前監督は大学の常務理事も務めていて絶大な権力を持ち、コーチも監督に従い選手に指示するばかりで上意下達に徹していた。学生スポーツの世界で高圧的な指導がまん延していないか危惧する。各競技団体で指導現場を検証することを求めたい。


日大前監督除名 時代遅れの指導明らかに
 日本大アメリカンフットボール部選手による悪質な反則問題で、関東学生連盟が内田正人前監督と井上奨前コーチを「除名」とする処分などを決めた。
 除名は永久追放に相当する。関東学連の規定では一番重く、異例の厳しい処分といえる。
 問題の焦点は、悪質な反則をした宮川泰介選手に、指導陣から指示があったかどうかだ。
 宮川選手は記者会見を開き内田前監督らの指示に従ったと説明したが、前監督らは一貫して指示を否定していた。
 関東学連の規律委員会は約20人からのヒアリングや試合映像の分析をもとに、双方の主張の相違点を検証し、前監督らから指示があったと認定した。
 井上前コーチの「つぶせ」という指示には「けがをさせろ」という意味があり、内田前監督が危険なタックルを目撃していなかったと説明していたことが虚偽だったと断定した。これまでの説明は責任逃れだったことになる。まさに指導者失格だ。
 一方で宮川選手とチームは、条件付きで2018年度シーズン終了まで公式試合の出場資格停止処分とした。
 宮川選手の責任はもちろん問われなければならない。ただ今回浮き彫りになったのは、絶大な権力を持つ前監督が選手に精神的な圧力をかけ続けるという時代遅れの指導方法だ。
 宮川選手は前監督から日本代表を辞退しろと言われたり、練習から外されたりして精神的に追い込まれていた。
 こうした圧力は日常的に行われていたという。宮川選手もパワハラの被害者と言っていい。
 日大の選手一同は声明文を発表し、監督やコーチの指示に「盲目的に従ってきた」ことが今回の事態を招いた一因とした。
 前監督らから追い詰められた状態だった宮川選手について「手助けすることができなかった私たちの責任は重い」と厳しく反省している。
 被害届を出した関学大の選手側も寛大な処分を求めている。関東学連の処分は理解できる。
 日大は第三者委員会で徹底的な真相解明を行い、部をどう再生していくのか早急に示さなければならない。
 被害届提出を受け警視庁が傷害容疑を視野に捜査する方針だ。行方を注目したい。
 今回の問題は大学スポーツ全体にも重い問いを投げ掛けた。
 大学の部活は課外活動と位置付けられ、管理や運営に大学側が積極的に関与せず、「現場任せ」になるケースが多い。
 このため実績のある指導者やOB会が力を持ち、閉鎖的になりがちだとの指摘がある。
 そうした土壌がゆがんだ勝利至上主義を生み、教育とは相いれない指導を招いていないか。
 スポーツ庁は、米国を参考に大学スポーツを統括する組織の創設を検討中だ。学生の学業とスポーツの両立、事故防止の共通ガイドラインの徹底などを統一的に支援する狙いがある。
 論議を加速させ、学生がより健全な環境でスポーツに打ち込めるようにしてほしい。


悠々自適の雲隠れ 日大・内田前監督に高級ホテル“潜伏”情報
 一向に沈静化へ向かわない日大アメリカンフットボールの「殺人タックル」問題。テレビのワイドショーは今も多くの時間を割いて事件の「解説」をしているが、ここにきて渦中の人物の仰天情報が飛び込んできた。
 日大アメリカンフットボール部の内田正人前監督(62)が、都内の高級ホテルの一室に「雲隠れ」していることが関係者の話でわかったのだ。
 内田前監督は23日の緊急記者会見後、心身の疲労を訴えて東京都内の病院に直行したことになっている。日大広報部は24日に、「(内田は)心身の疲労を理由に入院した。病院で異常がないか検査する予定」と発表していた。
 ところが、実際は病院で検査どころか、都内のホテルでくつろいでいたようなのだ。内田前監督が宿泊しているとされる部屋の料金は、1泊(2人)約5万円から7万円超。広いバスタブから都内が一望でき、広大な専用ラウンジも。専門のスタッフがあらゆる要望に24時間応じてくれるサービスが自慢だ。関係者の話では、内田前監督はこの部屋が大のお気に入りで、日頃からよく利用しているという。
 都内の病院に入院しているといいながら、実は高級ホテルに連泊していたとすれば、体調不良を理由に病院に逃げ込む悪徳政治家も顔負け。28日午後、真偽を確かめるため日大広報部に電話をかけたが、まったくつながらなかった。
 そもそも今回の事件は、日大が初期対応を誤ったことが問題を大きくした。その最たるものが、内田前監督の遅すぎた「登場」だろう。
 関学大との定期戦で、日大の宮川選手が悪質なタックルで相手選手を負傷させたのが今月6日。内田前監督が公の場に姿を見せたのはそれから13日後の19日。殺人タックルの衝撃映像がテレビで何度も流され、林文科相が「(あの反則は)看過できない非常に危険な行為」と述べ、対応を示した翌日のことだった。その日、内田前監督は関学大を訪れ、鳥内監督らに謝罪し、大阪・伊丹空港で「一連の問題は全て私の責任」と辞任を表明したが、アメフト部の責任者がここまで姿を見せなかったことに苛立つ報道陣も少なくなかった。
 その後、不慣れな司会者が仕切った緊急記者会見でも、内田前監督、井上前コーチの発言と、前日の宮川選手の「告発」とは大きな食い違いを見せた。それは、選手を守るべき監督、コーチの最悪の姿だった。
■大学の対応に近隣住民が怒りの抗議文
 一連の日大の対応を見ていて「この大学らしいですよ」というのは、アメフト部のグラウンド近隣に住む世田谷区民だ。この住民はこれまで、午後10時30分までアメフト部のグラウンドから聞こえる練習中の大きな声と、深夜0時まで消えない日もあるグラウンドの照明で日常生活に支障をきたしてきたと訴える。
「日大アメフト部のグラウンドは住宅地のど真ん中にある。練習をやめろというのではない。せめて大声を出すのは午後7時ぐらいまでにしてくれと。それに日大の照明は強く、厚手のカーテンをしても光が室内に入ってくるのです。マンション住民の署名を集め、理事長と学長に改善を求める抗議文を送っても返事はまったくありません。私はグラウンドに2回ほど直接抗議に行ったこともある。だから井上(前)コーチも内田(前)監督のことも知っています。抗議をしてもまったく無視です。だから、世田谷区役所の環境保全課に申し入れたのですが、それでもダメでした」
 世田谷区環境保全課にこの件について問い合わせたところ、「確かに一昨年ぐらいから、日本大学文理学部の部活動における騒音や電気に関する近隣住民からの苦情はありました。しかし、学校関連の騒音については難しい問題なので当事者同士で話し合ってくださいとお答えしました」という返答だった。
 前出の住民は続ける。
「同じ区内にある明大のアメフト部を調べたら、練習は14時から17時まで。18時には選手は引き揚げる。地元の自治会とはその点について文書で(取り決めを)交わしているといいます。大学はとても協力的です。今回の事件で日大アメフト部の学生は練習ができなくてかわいそうだという声を聞きますが、私たちにとっては今は平穏なので助かっています」
 関東学生アメリカンフットボール連盟は29日午後にも、内田前監督や日大アメフト部などの処分を決める。アメフト部員も今週中には声明文を出すといわれている。今回の事件によってアメフト部だけでなく、日大本体にも善処すべき問題が山積していることが露呈した。


タックル問題で再燃 日大理事長の交遊関係に“マル暴”の影
 日大アメフト部員の“悪質タックル”問題は日大トップの解任問題にまで飛び火しそうな勢いだ。数年前、国会でも取り上げられた日大の田中英寿理事長(71)と、広域指定暴力団幹部との“親密”写真問題が再燃しているからだ。
 田中理事長の黒い交際疑惑を裏付ける、6代目山口組の司忍組長とのツーショット写真を巡っては、2015年に香港の英字新聞「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」など海外メディアが次々に報じている。
 “黒い関係”を巡る疑惑は国会にも飛び火し、同年4月には、維新の党(当時)の牧義夫衆院議員(現・国民民主党)が、<日大の理事長としてというよりも、これは間違いなくJOC(日本オリンピック委員会)副会長であるからこそ、その裏社会との関係を懸念する記事が出ている>と指摘した。
 いつの間にか田中理事長の“疑惑の交友関係”はウヤムヤに終わったが、アメフト事件を契機に日大の体質そのものに目が向けられ、再び問題視され始めた。
 最新号の「週刊文春」は、司忍組長とのツーショット写真を掲載。ネットメディアも、闇社会との関係を報じ始めている。
■海外ニュースが報じた黒い関係
 田中理事長や日大は、暴力団幹部との写真や交際について「(写真は)作られたもの」「事実無根」と一貫して主張しているが、暴力団関係者との写真は、司忍組長とのツーショット写真だけではない。
 指定暴力団住吉会の福田晴瞭元会長との写真も出回っている。さらに、右翼系の敬天新聞には、09〜10年に撮影されたとみられる山口組幹部とのツーショット写真も掲載されている。はたして、田中理事長は暴力団と関係があるのか。
 米ニュースサイト「デーリー・ビースト」は、14年1月に「ザ・ヤクザ・オリンピックス」と題した記事の中で、<田中英寿氏は福田会長と過去においてよい友人だった><山口組のボスの少なくとも1人、さらには他の暴力団の構成員とも友人関係を維持していることを示す書類もあった>などと紹介している。
 暴力団関係に詳しいノンフィクション作家の溝口敦氏がこう言う。
「そもそも、暴力団はボクシングや相撲などの体育会とのつながりが強い。ただ、一般的に、暴力団側は『声がかかれば会って腹を割って話をする』という立場なので、もし関係があるとすれば、田中理事長の方から接触を持ちかけた可能性が高い。恐らく、理事長の趣味、肌が合うといった感覚で交際していたのでしょう。写真は『合成だ』という主張が世間に通じるかどうか」
 改めて日大とJOCに田中理事長と暴力団の関係について問い合わせたが、期日までに回答はなかった。
 仮にも田中理事長は生徒数7万人を誇るマンモス私大のトップだ。もはや、いつまでもウヤムヤにできる状況じゃないだろう。男らしく表に出てきて話をした方がいい。


日大選手声明 再生しプレーを見せよ
 日大アメリカンフットボール部の選手たちが声明を発表した。監督・コーチからの指示として相手選手を負傷させたチームメートを守り、自分たちの手でチームを再生させる決意を支えたい。
 日大アメフット部選手一同で出した声明文からは、このような事態になってしまった答えを全員で悩み、話し合った苦悩が浮かび上がってくる。
 相手選手がパスを投げ終えて約二秒もたって背後からタックルすることは、普通なら絶対にあり得ない。そのことは同じ選手としてよく分かる。
 声明ではそのようなプレーをするほどに追い込まれていたチームメートを、手助けできなかった自分たちを責めている。その反省から、大人たちに振り回されてきたチームを自らの手で改革していきたいとする思いに、胸を熱くする人は多いだろう。
 異例の声明を出したのは、加害者となってしまった選手を守りたいという思いも強くあったはずだ。たとえ指示があったとしても、その選手は相手をけがさせるほどの悪質なプレーをしたことを悔やみ、公の場で経緯を説明して謝罪した。
 深く頭を下げるチームメートを、選手たちは自分自身と重ね合わせたに違いない。
 理不尽な指示、指導にも「昨季はこのやり方で甲子園ボウル(全日本大学選手権決勝)に勝ったから仕方ない」と従ってきたことが、今回の問題につながった責任も感じた。
 自ら声を上げることが仲間を守り、存続の危機とさえいわれる部を生まれ変わらせることができると決意し、声明文を出した。その前向きな勇気と決意には拍手を送りたい。
 ただ旧態依然とした体制を改革したとしても、今後はいばらの道が待つ。監督への厳しい処分は当然としても、一度失った信頼を取り戻すことがどれほど難しいか−。まだ大学生でありながら、そのことを身をもって知るであろう残酷な未来を、お互いに支え合いながら乗り切ってほしいと心から願う。
 日本のスポーツ界は今回の問題をあしき事例として指導者もチームも意識、組織改革を積極的に推し進めていくことが求められる。
 二年後の東京五輪・パラリンピックでスポーツ本来の素晴らしさをアピールするためにも、再生を見せてほしい。日本中が、応援するだろう。


日大アメフット部処分 異常な支配構造への断罪
 日本大アメリカンフットボール部選手の悪質なタックルをめぐる問題で、関東学生連盟が関係者の処分を決めた。日大の内田正人前監督と井上奨(つとむ)元コーチは除名とした。
 除名は懲罰規定で最も重く、大学アメフット界からの永久追放にあたる。学生に限らず、スポーツ界での除名処分は極めて異例だ。
 学連は、井上氏の「つぶせ」という言葉には「けがをさせろという意図が込められていた」と認定した。内田氏の発言については、映像などから「およそすべてに信用性がない」と指摘した。
 一方、タックルなどの反則を重ねた日大の宮川泰介選手の証言には合理性があると認めた。
 処分は、指導者として不適格だと結論づけただけではない。内田氏による日大アメフット部の異常な支配構造も浮き上がらせた。
 反則行為の映像がネットなどで流れると、宮川選手は指導者の指示を記者会見で認めた。日大はそれを受ける形で内田氏らが否定した。
 言い分は食い違うが、両者に共通するのは、選手を強圧的かつ心理的に追い込んでいく指導方法だ。
 宮川選手は、日ごろから内田氏に意見を言える関係ではなかったと明かしている。
 日大アメフット部の選手たちは父母会を通じて声明文を発表した。その中でも、監督やコーチに頼りきりになり、言われるがままに指示に従ったと記されている。
 監督は選手の起用法だけでなく、卒業後の進路にも大きな影響力を持つ。そのような権力者に選手が刃向かうことは許されず、服従を強いられる。指導とは呼べないような非常識な接触が日常化していた。
 学連によれば、コーチも内田氏を恐れて、指導方針を曲げて追従した。気に障ることがあれば辞めさせられたという。
 内田氏は、現在は職務停止中とはいえ、大学では人事担当の常務理事である。大学経営の中枢にいる人物となれば、コーチでも逆らうことは難しいという現実があった。
 こうして内田氏を頂点とするピラミッド型のゆがんだ支配構造が構築されていった。学連の処分は、この構造こそが問題を引き起こした本質だと断罪したに等しい。


【記者の目】日大アメフット処分…関東学連、バランス感覚に優れ理性的な判断
 日本大アメリカンフットボール部の宮川泰介選手による悪質なタックル問題で、関東学生連盟は29日、都内で臨時理事会を開いた。内田正人前監督(62)と井上奨前コーチを罰則規定で最も重く永久追放に相当する「除名」に、守備を統括する立場だった森琢ヘッドコーチを「資格はく奪」、宮川泰介選手とチームは、条件付きで18年シーズン終了まで公式試合の出場資格停止処分とした。規律委員会の調査で、反則は内田、井上両氏からの指示によるものと認定した。
  ◇  ◇
 関東学連は、多くの人が納得のできる理性的な判断を下したのではないか。世間からは対応の遅さを指摘されたが、9日の規律委設置から約3週間で調査を終え、定例理事会(6月13日)よりも前倒しで1日でも早く真相を究明しようという強い意志を感じた。
 反則指示について“言った言わない”の水掛け論になる危惧もあったが、規律委は当事者はもちろん、審判や試合を見ていた観客にもヒアリングを行い、客観的事実を積み上げた上で、前監督らの責任を認定した。若者の将来をつぶし、相手選手の命の危険性もあるプレーを誘発させた。スポーツだけでなく社会のルールを逸脱した指導者を永久追放とする処分は重いが、事の重大性を鑑みれば当然のことだと言える。
 また、当該選手への“温情”ともいえる処罰もバランス感覚に優れるものだった。反則プレーを実行した責任は免れられないが、悪らつな指導者に出会ってしまった不運には同情の余地がある。一度失敗してしまった若者から再挑戦の機会を奪わない処分は、十分理解できるものだと感じる。(アメリカンフットボール担当・藤川資野)


男性の育児休暇取得者も20年で増加、育児は「ママがいいに決まって」ない
 自民党・萩生田光一幹事長代行が、5月27日に開かれた自民党宮城県連の会合で、国が待機児童ゼロを目指していることを言及した上で、「待機児童の赤ちゃんを救済していくことは大事だが、0歳の赤ちゃんが赤の他人に預けられることが本当に幸せなのか」「0〜3歳の赤ちゃんにパパとママのどちらが好きかを聞けば、どう考えたってママがいいに決まっている」「お母さんたちに負担がいくことを前提とした社会制度で底上げしていかないといけない」などと発言し、批判が殺到している。
 今月30日に厚生労働省が発表した「平成29年度雇用均等法基本調査(速報)」によれば、平成27年10月1日から平成28年9月30日までの1年間で、在職中に出産した女性のうち、平成29年10月1日までに育児休業を開始・申出した割合が83.2%と前年度から1.4%上昇し、同期間に配偶者が出産した男性のうち育児休業を開始・申出した割合が5.14%と前年度から1.98%上昇している。平成8年度の同調査では、女性は49.1%、男性は0.12%程度しか育児休業を開始・申出していない。男女の育児休業取得率はいまなお非常に偏りが見られるが、この20年で女性だけでなく男性の育児休業取得率が上昇していることも確かだ。
 母親こそ育児を、とする萩生田議員の発言はこうした時代の流れに逆行している。さらに言えば「ママがいいに決まっている」という発言は、主に男性が育児を担っている家庭や父子家庭を顧みないものでもある。
 萩生田議員は同講演の中で「子育てが仕事のカテゴリに入っていないことはおかしい」「仕事の心配もせず、1年休んでもおかしな待遇をうけることない環境をつくっていくこと」など、過小評価されがちな育児負担に対して理解を示しているようにみえる発言もしている。しかし、結局のところ「母親こそが育児を担うべきだ」という個人的な価値観に基づいて、「保育園ではなく、家庭内で母親が育児をするのが望ましい」という旧態依然とした価値観を強化するような社会制度が望ましいという考えを持っていることが発言全体から見て取れる。
 待機児童問題を女性の育児負担を増やす方向で解決するべきではない。待機児童問題の解消と、極端に女性に担わせている育児負担の是正は同時に達成可能なもののはずだ。


政治の男女均等/意識と環境を変える契機に
 女性の意見を政治に生かしていくために意識を変え、環境を整える契機にするべきだ。
 「政治分野の男女共同参画推進法」が施行された。国会や地方議会の女性議員を増やすため、選挙の候補者数を「できる限り男女均等」にするように政党に促す。地方、国政を問わず、今後行われる議員選挙で適用される。
 総務省の統計から、県内の各議会で女性議員が占める割合を見ると、昨年末の段階で、県議会が13%、県内13市議会が8・7%、県内46町村議会が7・1%となっており、まだ女性議員は少ない。
 女性議員の割合は、政策決定の過程に多様な意見を取り入れることができるかどうかの指標となっている。法律上の罰則規定はないが、各党は、各種選挙での女性候補者の擁立を進めることを通じて、男女共同参画社会の実現に向けた決意を示すことが必要だ。
 法律は、地方自治体に対して、政治分野での男女共同参画を進めるため、仕事や家庭と議員活動を両立できるような環境整備を進めることを求めている。
 地方自治は、首長と議員が両輪となって政治を進める二元代表制の制度を取る。首長に代表される行政側は議会中に子どもを預かる託児制度の充実、議会側は出産や育児、介護などでの議員の欠席を認める規則の改正など、それぞれの立場で、女性が政治参加をためらってしまうようなハードルを下げるための努力を重ねてほしい。
 議会側の取り組みについては内閣府の統計があり、昨年4月の段階で、県内59市町村議会のうち、女性議員の出産時の欠席を規則などで明文化しているのは34議会だ。男女を問わず、議員の育児や家族の看護・介護を理由とした欠席を明文化している議会はゼロとなっている。ルールの明文化を改革の第一歩にするという視点も欠かせないだろう。
 女性の政治参加を進める啓発・人材育成の分野についても、地方自治体の関わりが求められている。ただ、法律はあるべき姿を示した「理念法」のため、今後の具体的な取り組みは、自治体がそれぞれ模索しなければならない。
 法律を審議した参院内閣委員会は、一つの手法として「女性模擬議会」の開催を提案する。自治体や議会が、地域の女性を対象に模擬議会を開き、首長に対する質疑などを通じて、政治への距離を縮めてもらう仕組みだ。
 模擬議会の開催は、行政にとっても女性の率直な意見を聞く良い機会となると考えられる。本県でも導入が進むことを期待したい。


改憲の手続き◆運動の公平性確保見直しを◆
 今の通常国会で初めてとなる衆院憲法審査会が開かれ、自民、公明両党は憲法改正の手続きを定めた国民投票法の改正案を幹事会で提示した。自民党は3月にまとめた9条など4項目の改憲案の提示も目指すが、他党は了承せず、審査会では国民民主党の結成に伴う審査会幹事の選任にとどめ、質疑など実質審議は行わなかった。与党は月内の国会提出と審議入りを目指す。
資金力多い側が有利
 森友・加計学園問題などを巡って与野党の対立が続く中で改憲案の議論に入れないのは当然だろう。自民党はまず与野党が話し合える環境づくりに努めるべきだ。
 自公両党の国民投票法改正案は、先行して改正された公選法の規定に合わせ、投票する人の利便性を高める内容であり、基本的に合意できるものだろう。ただ国民投票法には、使える資金やテレビCMの規制など、運動の公平性を確保する観点からの問題点が残っている。
 提示された改正案は8項目。7項目は2014年の国民投票法の改正以降に改正された公選法に盛り込まれたものだ。投票日当日に駅や商業施設に設置できる「共通投票所」の導入、洋上投票の対象拡大などの内容で異論は無い。もう一つは、郵便投票ができる要介護認定者の対象を広げる案で、公選法と併せた改正を提案した。
 しかし重要なのは今回の提案に含まれていない点だ。一つは運動に使える資金の制限である。国民投票法は国民の活発な議論を促すため「運動は原則自由」という理念に基づいている。このため現行法では使える資金に規制はなく、どんな人や団体が巨額の資金を投入して投票での賛否を呼び掛けても許される。「原則自由」の理念は大切だが、資金の多い側が有利になることが想定される。その懸念を放置していいのか。
最低投票率も課題に
 欧州連合(EU)離脱の是非を問うた16年の英国の国民投票は賛成、反対の意見を代表する団体を認定し、使える資金に上限を設けた。日本の場合も運動団体を登録制にするなどした上で、資金の上限を設定し、収支報告を義務付け、事後にチェックできる仕組みにすべきではないか。
 二つ目はテレビCMの問題だ。現行法では投票日の14日前からCMは原則禁止となるが、それ以前は自由になっている。このためCMを多く出せる資金を持つ側が有利になると指摘される。
 投票率の問題もある。国民投票法には、成立に一定の投票率を条件とする「最低投票率制度」は盛り込まれなかった。しかし投票率がどんなに低くても「1票」でも多ければ改憲の可否が決まるという仕組みで国民の理解が得られるだろうか。当面は改憲案の国会発議の日程が想定される状況ではない。しかし重要な手続きの問題点だけに、見直しの議論は早期に始めておきたい。


【働き方法案】結論ありきでは禍根残す
 安倍政権が最重要法案と位置付ける働き方改革関連法案が、衆院厚生労働委員会での採決強行を経て31日の衆院本会議で採決される。
 働く人の命に関わる過重労働への懸念は拭い去れていない。国会日程を優先する与党による拙速な審議という批判は免れまい。
 法案の焦点は、年収1075万円以上の金融ディーラーなどの一部専門職を労働時間の規制から外す「高度プロフェッショナル制度(高プロ)」の創設だ。
 適用された労働者は、自由な働き方ができるとされる一方、残業代を得られなくなる。政府は「働いた時間ではなく成果で評価する制度だ」とするが、法案に成果型賃金は明記されていない。成果が賃金に反映される保障はない。
 これに対し、野党側は「残業代ゼロ」「過労死が確実に増える」と削除を求めている。
 現行の労働基準法で、高プロと同じく労働時間規制の適用除外とされている管理監督者にも過労死が起きている。今月、2015年に死亡したテレビ朝日の50代男性プロデューサーが労災認定されたのは、その一例だ。
 規制の枠を外せば、いくら自由といったところで仕事の内容や企業側の都合で長時間労働を強いられる。過労死を増加させかねないという懸念は当然だ。
 与党は、日本維新の会や希望の党と法案の修正で合意。労働者が経営者と同意して高プロを適用された後でも、撤回して元の働き方に戻れる手続きを盛り込んだ。
 ただし、経営者と比べて労働者の立場が弱いわが国では、撤回を申し入れにくい状況は容易に想像できる。実効性を疑問視する声は多い。さらに言えば、「撤回」を盛り込むこと自体が制度の危うさを物語っている。
 そもそも法案に関しては、厚生労働省によるずさんなデータ処理が数多く発覚。裁量労働制の適用業種拡大が既に削除されるなど、「改革」の根拠が揺らいでいる。
 データ問題の影響で法案提出が1カ月半遅れた国会での審議も、厚労省の不祥事や高プロに集中。残業時間の上限規制や、非正規労働者の処遇改善といった重要な論点はなおざりになっている。
 過労死が相次いで社会問題化し、長時間労働の是正が急務であることは間違いない。しかし、共同通信の世論調査では法案の今国会の成立は「必要ない」とする意見が68・4%を占めた。
 安倍晋三首相が「働き方改革国会」を掲げた今国会は、森友、加計両学園と自衛隊の日報隠蔽(いんぺい)という「三大疑惑」が噴出した。安倍政権の信頼性が問われる中で、法案への国民の理解も進んでいないということだ。
 政府・与党は強行を辞さない姿勢を改めるべきだ。説明と議論を尽くさないまま「結論ありき」で進めるやり方では、将来に禍根を残す。


[「もんじゅ」検査] ずさん管理浮き彫りに
 半世紀にわたって巨額の税金を投じながら、わずかな研究成果に終わった経緯を裏付ける内容である。
 会計検査院が、日本原子力研究開発機構が運営する高速増殖原型炉もんじゅ(福井県)の検査結果を明らかにした。少なくとも1兆1313億円が使われ、研究の達成度は16%にすぎなかった。
 検査院は「保守管理の不備が廃炉につながった」と総括。原子力機構によるずさんな管理の実態があらためて浮き彫りになった。
 検査院は、2009年1月以降の保守管理について調べた。
 機器の点検を期限内に実施していなかったり、点検の間隔や手法が適切でなく、プラントの安全に寄与しなかったりした点検項目の数は全体の1〜2割に上った。
 原子炉が冷温停止中でも機能維持が必要な重要機器も含まれていたというからあきれる。
 稼働期間中の研究状況も調査した。1995年に冷却材のナトリウム漏れ事故が起きるまでの205日では142の試験項目のうち50しか完了せず、2010年に運転再開したときの45日では117項目の全てが終わらなかった。
 検査院は不備の原因として、計画に従って機器の保守点検を行う必要性の認識が共有されておらず、体制も整備されていなかったことを挙げている。
 原子力規制委員会が15年に、機構をもんじゅの運営主体として不適格としたのは当然といえよう。
 その原子力機構が今後の廃炉作業を担うことにも、懸念を抱かざるを得ない。
 規制委は3月末、もんじゅの廃炉計画を認可した。7月には計530体の使用済み燃料の取り出し作業が始まる。
 だが、もんじゅの炉心は、燃料棒が互いに支え合う特殊な構造だ。10年には燃料交換装置が炉心に落下する事故が起きた。空気や水に触れると激しく燃えるナトリウムの抜き取り方法も廃炉計画には示されてはいない。
 リスクの高い廃炉作業には、高いレベルの保守管理が必要なはずだ。過去にトラブルを繰り返した機構が安全に行えるのか。
 機構は計画や進捗(しんちょく)状況を公開し、規制委の厳正な監督の下で作業を進める必要がある。
 もんじゅの廃炉で核燃料サイクルの破綻は明らかである。それなのに、国の新たなエネルギー基本計画の素案には、核燃サイクル路線の継続方針が盛り込まれた。
 実現性の乏しい国策に、さらに巨費をつぎ込むつもりか。現実を直視し、早急に原子力政策の見直しに取り組むべきだ。


国会審議で“接待”否定せず 藤原審議官に「収賄罪」の疑い
 やっぱり供応を受けたのか――。「加計学園」の獣医学部新設をめぐり、当時「内閣府地方創生推進室次長」だった藤原豊氏(現・経産省審議官)が、加計学園から接待を受けたのかどうか、大問題になってきた。
 すでに、2015年8月、熊本県や岡山市、今治市に出張した際、「加計学園」からクルマの提供を受けていたことが明らかになっている。さすがに、利害関係者の「加計学園」から便宜供与を受けたことを「マズイ」と思ったのだろう。出張記録には、移動手段を「岡山市内〜今治市内〜松山空港は官用車利用」と虚偽の記載をしていた。
 当然、野党は「クルマの提供だけでなく、飲食の供応もあったのではないか」と追及していた。もし、供応がなければ、安倍内閣は否定すればいいだけの話。ところが、野党議員の質問主意書に対し「質問の具体的な範囲が明らかでないため」として「お答えすることは困難」とする答弁書を閣議決定。さらに、28日の国会審議でも、ハッキリと否定しなかった。その結果「やっぱり接待を受けたのか」と、疑惑が深まっているのだ。
 藤原審議官の出張の目的は、国家戦略特区・構造改革特区に関する意見交換だった。この2カ月前、内閣府は今治市と愛媛県から特区の申請を受けていた。
 供応があったのか、なかったのかが問題になっているのは「収賄罪」に問われる可能性があるからだ。元特捜部検事の若狭勝弁護士がこう言う。
「まず、出張記録に虚偽の記載をしていたとしたら、理屈上は『虚偽公文書作成等罪』に問われます。さらに、供応を受けていた場合は、『収賄罪』に問われる可能性がある。特区の選定実務を仕切る地方創生推進室次長には、職務権限があったと考えられるからです。供応は賄賂と見なされる可能性があります」
■規制改革大好き人間
 藤原審議官は、文科省の担当者に「これは官邸の最高レベルが言っていること」と、加計学園の獣医学部新設を進めるように厳命したのではないかとも問題になっている。いったい、どんな人物なのか。
「東大卒のキャリア官僚ですが、経産省の主流ではありません。内閣府など、いつも外にいるイメージです。本人は“規制改革大好き人間”。ただ、他人の話を聞こうとせず、“規制改革は善”“反対するのは悪”という意識に凝り固まっている。加計学園から提供されたクルマを利用したのは、接待というより、単純に電車よりラクだからということだったのでしょう」(霞が関関係者)
 供応を受けたのかどうか、本人を国会に呼んで聞くべきだ。


米朝会談で安倍首相がまた醜態! 世界で唯一「会談中止を支持する」と表明した直後にトランプが開催に動き右往左往
 アメリカのトランプ大統領が一度は中止にすると表明していた米朝首脳会談だが、再び開催に向けて動き始めた。それ自体は非常に喜ばしいが、このめまぐるしい展開によって、安倍首相はまたぞろ醜態をさらすこととなった。
 というのも、安倍首相は世界の首脳でたったひとり、米朝会談の中止を支持すると表明していたからだ。
 24日にホワイトハウスが中止を発表した際、各国の首脳はその決定に一斉に「遺憾」の意を示した。ところが、安倍首相ときたら25日、訪問中のロシアで「トランプ米大統領の(中止の)判断を尊重し、支持する」と宣言。その直後の講演でも「米朝首脳会談を今後も追求していく必要がある」と語る一方、各国が示したトランプ政権への「遺憾」は一言も出さず、逆に「北朝鮮の対応にさまざまな問題があったのは事実」と金委員長側を非難してみせたのだ。会談中止に賛意を示したのは、世界中で日本一国だけだった。
 しかし、その安倍首相が「中止を支持する」と表明した数時間後、トランプ大統領が北朝鮮の談話に対して「温かくて生産的」とツイートし、再び米朝会談に前向きな姿勢を見せ始める。すると、翌26日、安倍首相も一転して、「米朝会談は不可欠」「実現に向けて国際社会は結束を」などと発言。さらに、6月12日に米朝会談開催されることが具体化してくると、28日の参院予算委員会では、3日前の発言など忘れたように、「実現を強く期待している」と宣ったのである。
 ようするにトランプ大統領が「中止」と言えば「支持する」、「再開」の動きを見せれば「期待する」……トランプの“ポチ犬”どころか、ご主人様のセリフを何も考えずに繰り返すただの“オウム”状態であることがバレバレになってしまったのだ。
 さらに、情けないのはその情報力のなさだ。トランプ大統領が米朝会談実現をあきらめていないことは、24日の中止発表直後から指摘され、25日の段階ではかなり開催が現実性をもちはじめていた。にもかかわらず、安倍首相はそのタイミングで「中止を支持する」「北朝鮮の対応に問題があった」などとコメントしていたのである。
菅官房長官も「世界でたった1カ国会談中止を支持した」とトンデモ自慢
 周知のように、安倍首相のこうした醜態は今回に始まったことではない。年明け、南北首脳会談実現の動きが進み始めた頃からそうだった。実際は米国も南北対話の動きにコミットしていたのに、それにまったく気付かず、2月の五輪開会式での日韓首脳会談では文大統領に「米韓合同軍事演習を予定通り進めることが重要だ」と言い出して融和ムードへ冷や水を浴びせかけ、その後も外務省を通じて韓国に「まだ時期が早い」「思いとどまるべき」だと、再三にわたって圧力をかけ続けた。そして、五輪開催中、トランプ大統領と電話会談をすると、「北朝鮮に最大限の圧力をかけ続けていく点で完全に一致した」と発言するなど、ひたすらトランプと歩調を合わせているとアピールしていた。
 ところが4月、南北会談が実現して、トランプ大統領が全面支持を表明すると、安倍首相は一転。「北朝鮮をめぐる諸懸案の包括的な解決に向けた前向きな動きと歓迎する」とのコメントを発表したのだ。
 安倍応援団は森友加計をはじめとするデタラメ政治を糊塗するために“外交の安倍”などともちあげているが、その外交も実態はたんに一週遅れでトランプ大統領を追いかけ、そのセリフを復唱しているにすぎない。
 『報道ステーション』コメンテーターの後藤謙次氏が米朝会談の対応について「日本の外交はアメ車の助手席に乗っているだけ」という意見を紹介していたが、いまの安倍首相は助手席というより、後部座席のさらに後ろのリアに必死でしがみついている、という表現のほうがぴったりだろう。
 ただし、そんな安倍首相も一つだけ秀でている点がある。それは、国際政治でどれだけ外交能力のなさを露呈しても、国内向けには平気で自分の手柄にでっちあげてしまう“厚顔”ぶりだ。
 たとえば、完全に蚊帳の外に置かれた南北首脳会談の直後、安倍首相は「日米がまさに主導する形で日米韓で協力をしながら、最大限の圧力をかけていったからこそ、こうした大きな変化につながっていく。前向きな動きにつながってきたということだろう」と、なんと南北首脳会談が“トランプ・安倍コンビの手柄”であるかのようなコメントを発していた。
 今回の米朝首脳会談中止から再開にいたる動きのなかでも同様だった。菅義偉官房長官は会談中止を評価してしまった安倍首相の失態をフォローするためか、こんな我田引水なコメントを述べたのだ。
「会談を開くことが重要なのではない。核・ミサイル、拉致問題を前に進めていくことが重要だ。だから安倍晋三首相が、トランプ氏の(会談中止という)決断を支持すると言った。たった1カ国です、世界でも。そしたらまた(トランプ氏が米朝会談について)やるかもしれない、良い感じにあるとツイートした」
「私どもが考えていた方向に物事が回り始めてきている。安倍首相の外交努力によって、トランプ氏を引き込んで、圧力をかけ続けてきた。これからが正念場だ」(26日の自民党栃木県連大会での発言、朝日新聞デジタルより引用)
 米朝会談中止の決定を世界中で安倍政権だけが支持したことを恥じるどころか、逆に我々が北朝鮮の態度を変えさせたとドヤ顔で誇る。いったいどういう神経をしているのだろうか。
米国の顔色をうかがうだけの安倍政権は「米朝戦争」にも全面協力する
 しかし、安倍首相が真に問題なのは、自分の外交能力の欠如を隠そうとするみっともなさやそれを手柄話に仕立てる厚顔無恥な性格ではない。この総理大臣が日本国民の安全や世界の平和、国際情勢の安定など一顧だにせず、ひたすらご主人様である米国の顔色だけをうかがい続けていることだ。
 日本が米国の属国であることはいまに始まった話ではないが、安倍政権の対米追従姿勢は歴代政権の中でも突出している。安保法制、米軍基地問題と、米国にしっぽをふるために、日本国憲法や国民の生活を平気でふみにじってきた。その延長線上にあるのが、今回の米朝会談をめぐる言動なのだ。
 そう考えると、現状もけっして楽観はできない。いまはたまたまトランプ大統領が対話路線に傾いているからいいが、まったく逆の動きをすれば、それこそ安倍首相も逆の方向に動きかねないからだ。
 たとえばホワイトハウスではここにきて北朝鮮への先制攻撃も肯定するウルトラタカ派の存在感が増している。
 たとえば、その中心人物が国家安全保障問題担当のボルトン大統領補佐官だ。日本のマスコミはなぜかほとんど危険視していないが、ボルトン補佐官は、2000年代の国務次官時代(ブッシュ政権)からイランや北朝鮮に対する強硬路線の急先鋒。米国内でも〈良い点は、自分の考えを述べることだ。悪い点は、その考えの中身である。ボルトン氏ほどアメリカを戦争に導く人材はいない〉(ニューヨークタイムズ紙)と呼ばれるほどの超タカ派である。実際、米朝会談中止はボルトン氏がトランプ大統領に電話で再考を促したことがきっかけと見られている。
 この先、トランプ大統領がボルトン補佐官に引きずられて、再び豹変して北朝鮮との全面戦争をぶちあげる、という可能性だってゼロではない。そして、そうなったら、きっと安倍首相は「トランプ大統領の決断を全面的に支持する」と、諸手を挙げて賛同し、憲法を無視して全面協力をするだろう。
 日本にとって、北朝鮮なんかよりもこの総理大臣のほうがはるかに危険であることを我々はもっと強く認識すべきではないか。(編集部)


安倍首相「焼肉くらいで」発言のまやかし! 加計理事長の接待は焼肉だけじゃない、年間1億円の報道、昭恵夫人支援も
「(2015年2月25日に)お会いしたことはない」。一昨日おこなわれた集中審議で、安倍首相は「獣医大学いいね」と言ったという加計孝太郎理事長との面談を、加計学園から出された仰天コメントを使って否定した。
 加計学園のコメントはいわば“安倍首相の名前を使って愛媛県と今治市を騙した”という詐欺行為を告白した内容だ。普通に考えれば、「加計は詐欺師だ!」と激昂しても不思議はないのに、しかし安倍首相は「抗議する理由がない」と知らん顔……。これまでも佐川&柳瀬の総理護衛コンビによる茶番劇が国会で繰り広げられてきたが、そのなかでも今回の“加計コメントを受けた安倍首相の一人芝居”は群を抜いて酷いシナリオとしか言いようがない。一体こんな穴だらけの下手な嘘を、どうやって信じろというのだろう。
 だが、安倍首相は一昨日、もうひとつ噴飯モノの話をはじめた。それは、加計理事長と繰り返し会食やゴルフに興じてきた“接待疑惑”を指摘されたときのことだ。
 安倍首相は、「(加計氏は)私が国会議員になる前からのずっとの付き合い」だと主張すると、「こちら側も相当ごちそうしている」「ゴルフは費用がかかるから、それはこちら側ですべてもっている」「焼肉屋の場合はこちらが払ってる場合もありますし」と、いつもの通り証拠も何もないままざっくりした記憶を並べ立て、「贈収賄になるとはとても考えられない」と強弁。何をトチ狂ったのか、ついには「(会食の)その後も、家でもう1回食べるってことも(ある)」などと言い出した。
 接待を受けたあとに家でシメのお茶漬けをかき込めば贈収賄にならないって、それはどんな理屈なのだろうか。もうさっぱり意味がわからないが、さらに安倍首相は、“利害関係者である加計理事長が、安倍首相や首相秘書官と会食したり食事代を支払うのは問題ではないのか”と追及した立憲民主党の長妻衆院昭議員に対して、「食事の見返りに特区に入れたかのごとくの言い方だ」「みんなそういう印象をもっているんですよ!」などと逆ギレ。そして、こうまくし立てたのだ。
「私が食事をごちそうしてもらいたいから国家戦略特区で特別にやるって、たとえば焼肉をごちそうしてもらいたいからそんなことするって、これ、考えられないですよ!」
新潮、文春が報じた加計理事長の「カネがかかる」「年間一億出してる」発言
 いやいや、「焼肉をゴチになったから、そのお返しに」というかたちで特区が決まったなんて誰も言っていないし、思うわけがない。むしろ、「加計さんは長年の友人だ」と強調し、あたかも学生同士のカジュアルな付き合いのなかでおごってもらったかのように「印象操作」しているのは、安倍首相のほうではないか。
 そして、安倍首相と加計理事長の仲は、そんな「焼肉をおごる・おごられる」というような庶民的なものではけっしてない。「腹心の友」という言葉がもつ清いイメージとは裏腹な、「ズブズブの関係」と表現すべき間柄だ。
 そもそも、安倍首相より3歳年上の加計理事長が出会ったのは、留学先である南カリフォルニア大学のキャンパスだったことは周知の通りだが、当時はそれほど仲が良かったわけではないという。
 加計問題を追いかけるジャーナリスト・森功氏の『悪だくみ 「加計学園」の悲願を叶えた総理の欺瞞』(文藝春秋)によれば、ふたりが接近したのは帰国後、安倍が神戸製鋼に就職して以降。昭恵夫人がFacebookに投稿した、2015年のクリスマスイブに撮られた“男たちの悪だくみ”写真にも写っている三井住友銀行・元副頭取で現在、金融庁参与である高橋精一郎氏と週末に大阪で遊ぶようになった際、そこに加計氏も加わるようになってからだという。当時、すでに学園の副理事長という立場にあった加計氏は、羽振りも良かったらしい。
〈いきおい彼らの遊びは、もっぱら時間と資金力のある加計任せだ。加計が安倍に声をかけ、それに応じるかっこうで、盟友関係がのちのちまで続く〉(『悪だくみ』より引用)
 実際、その後のふたりの関係を赤裸々に物語るかのような報道がなされたこともある。「週刊新潮」(新潮社)や「週刊文春」(文藝春秋)では、加計理事長が口にしていたという、こんな発言が紹介されている。
「彼とゴルフに行くのは楽しいけど、おカネがかかるんだよな。年間いくら使って面倒を見ていると思う?」(「週刊新潮」2017年3月16日号)
「(安倍氏に)年間一億くらい出しているんだよ。あっち遊びに行こう、飯を食べに行こうってさ」(「週刊文春」2017年4月27日号)
 さらに、「安倍に近い関係者」もまた、かつて安倍がこのように話していたと証言しているのだ。
「加計さんは俺のビッグスポンサーなんだよ。学校経営者では一番の資産家だ」
 これらの発言が事実ならば、安倍首相が強調する“長年の友人関係なのだからおごられることもある”という関係とはまったく違い、加計理事長は意識的に「年間一億」もかけて安倍首相の「面倒を見て」おり、一方の安倍首相も加計理事長のことを「スポンサー」として認識していることになるだろう。「焼肉をおごられた」なんて次元の話ではまったくないのだ。
安倍首相のため選挙活動に協力、昭恵夫人が取り組む活動をバックアップ
 だいたい、安倍首相と加計理事長は、わかっているだけで年に数十回、会食したりゴルフをする「お友だち」以上の関係であることは間違いない。現にこれまでにも、2009年の総選挙では安倍のために加計学園が職員に“出張命令”を出して選挙活動に動員していたことが発覚。また、加計理事長は「自由民主党岡山県自治振興支部」の代表者として政治資金収支報告書に名を連ね、同支部の所在地も加計学園グループの予備校である英数学館岡山校の住所が記載されていた。
 しかも、その関係は安倍本人だけにとどまらない。安倍が結婚してからは、加計理事長は昭恵夫人とも仲を深め、昭恵夫人が取り組むミャンマーの教育支援を加計学園が協力している。つまり、安倍の政治活動や妻である昭恵氏の活動まで、加計理事長はバックアップしてきたのだ。
 会食やゴルフというのは、それこそ首相動静にも出ている「オフィシャル」の情報にすぎない。実際には、このように加計理事長は安倍夫妻にとって公私ともに多大な「面倒」を見てくれている相手なのだ。その「見返り」として国家戦略特区での獣医学部新設を動かしたのではないか。そういう疑いの目を、いま安倍首相は向けられているのだ。
 そもそも、会食やゴルフにしても、けっして見逃がせない問題だ。大臣規範には〈関係業者との接触に当たっては、供応接待を受けること、職務に関連して贈物や便宜供与を受けること等であって国民の疑惑を招くような行為をしてはならない〉とある。だからこそ安倍首相は、加計学園の獣医学部新設計画をはじめて知った時期を、当初は「構造改革特区で申請されたことは承知をしていた」「私は議長だから国家戦略特区に申請をすれば私の知り得るところになる」と答弁していたのに、「2017年1月20日の特区諮問会議」だと前言撤回したのだ。
 野党はずっと加計理事長の証人喚問を要求しており、一昨日の集中審議で要求が出されたが、与党はこれを拒否した。いくら安倍首相が潔白を叫んでも、これでは「やましい関係」であることを証明づけているようなものである。(編集部)


財務省の森友「交渉記録廃棄」問題 佐川前長官を再告発
 財務省が森友学園との国有地取引に関する交渉記録を廃棄していた問題で、上脇博之神戸学院大教授と弁護士らは30日、佐川宣寿前国税庁長官や財務省職員、氏名不詳の安倍首相側近らについて、公用文書毀棄などの疑いで大阪地検に告発状を提出した。
 上脇教授らは告発状で、佐川氏や氏名不詳の安倍首相側近らは2017年2月下旬以降、共謀の上、国有地取引に昭恵夫人が関与していた痕跡を消去し、佐川氏の国会答弁とのつじつまを合わせるために、関係する交渉記録などを毀棄・隠匿したとしている。「民主主義に反する戦後最大の公用文書破棄事件」と批判している。
 上脇教授らは4月にも、財務省の決裁文書改ざん問題で佐川氏らを公文書変造容疑などで告発した。一部で大阪地検は不起訴の方針を固めたなどと報じられたが、佐川氏を逃がしていいのか。


政権不祥事、新潟知事選に波及 来月10日投開票
 6月10日投開票の新潟県知事選で、森友・加計(かけ)学園問題など政権不祥事が焦点の一つに浮上している。野党側は、与党の支持を受ける候補が元官僚であることを理由に、安倍政権の意向をくんだ県政運営を行うと指摘。知事選を安倍政権への審判と位置付けて、政権批判を展開している。一方、与党系候補は国政の対立構図を持ち込まれるのを避けるため、「県民党」を掲げ、安心して暮らせる街づくりを訴える。 (山口哲人)
 知事選は、自公両党が支持する前海上保安庁次長の花角(はなずみ)英世氏(60)と、立憲民主など野党五党が推薦する元県議の池田千賀子氏(57)による事実上の一騎打ち。前職が任期途中で辞任したことに伴い、二十四日に告示された。
 「今、政治に審判を下すことができるのは新潟県民だ」。告示後初の週末を迎えた二十七日、新潟県長岡市内で行われた池田氏の街頭演説にそろい踏みした野党六党・会派の国対委員長らは声を張り上げた。
 立憲民主の辻元清美氏は、森友・加計問題を巡る官僚の国会答弁などを引き合いに「官僚は記憶力が悪く、文書は捨て、都合が悪かったら書き換える」と、官僚出身の花角氏をやゆ。衆院会派「無所属の会」の広田一国対委員長は「安倍政権の言いなりになる候補に新潟の未来を託すわけにはいかない。求められているのは国に物を言う知事だ」と訴えた。
 新潟では二〇一六年の参院選と知事選で、脱原発を掲げて野党が共闘し、与党候補を制した実績がある。国政の対立構図を持ち込んだ上で三たび勝利を引き寄せ、安倍政権が国民の信頼を失っていると浮き彫りにしたい考えだ。
 これに対し、花角氏の陣営は「いつまでも『もりそば』『かけそば』と、小学校の学級会みたいだ」(自民党県議)と、野党の戦術にいら立ちを隠さない。
 花角氏は告示後、自公両党から「支持」を得たものの、政党色を前面に出せば国政の逆風が直撃すると懸念。党幹部を街頭演説などに投入することは控え、企業・団体回りなどの組織票固めを依頼。安心して暮らせる街づくりや、高齢化対策など政策を訴える。
 東電柏崎刈羽原発の再稼働に慎重な野党候補に敗れた前回知事選の反省を踏まえ、街頭演説で「将来的には原発に依存しない社会を目指していく」とアピールする。
◇新潟知事選立候補者(届け出順)
安中聡(あんなか・さとし)40 (元)五泉市議 無新 
花角英世(はなずみ・ひでよ)60 (元)海上保安庁次長 無新 =自公
池田千賀子(いけだ・ちかこ)57 (元)県議 無新 =立国共由社


安倍政権と財務省に改ざんの反省なし! 居直る麻生太郎財務相、安倍首相の後見人を黒塗り、昭恵夫人関与の記録を隠蔽
 昨日おこなわれた衆院財務金融委員会で飛び出した麻生太郎財務相の発言が波紋を広げている。立憲民主党の川内博史議員が、いまだに決裁文書の改ざんを「書き換え」と表現する財務省に対して「改ざん」と言うように求めたところ、麻生財務相はこう言い放ったのだ。
「(佐川宣寿前理財局長の)国会答弁に合わせて書き換えたというのが全体の流れではないか。従って書き換えという言葉を使っている」
「書き換えられた文書の内容を見る限り、少なくともバツをマルにしたとか、白を黒にしたとかいうようないわゆる改ざんといった悪質なものではないのではないか」
「悪質じゃない公文書改ざん」なんていうものが存在するのか。決裁文書の改ざんは佐川前理財局長の答弁ではなく、安倍首相の「私や妻が関係していたということになれば総理も国会議員も辞める」という答弁に合わせ、昭恵夫人の関与を示す部分や異常な取引の実態を隠すため意図的に“偽造”して「黒を白」にしたもので、「歴史的な国家犯罪」と呼ぶべき大事件だ。普通に考えれば、とっくの昔に内閣総辞職になっていなければおかしいくらいだ。
 にもかかわらず、責任者である麻生財務相は辞職もせず、その上、「たんなる書き換え」「悪質なものじゃない」と矮小化してみせたのだ。これまで「しっかりと全容を解明していく」「真相究明と二度と起こらない体制をつくり上げることで責任を果たす」などと殊勝なことを口にしてきたが、こんな責任など微塵も感じていない人物に再発防止などできるはずがない。
 事実、「再発」はもうすでに起こっている。その典型が、交渉記録の黒塗り問題だ。
 今月23日、財務省は「破棄した」と言い張ってきた森友学園との交渉記録を約3000ページ公表したが、文書内には「個人情報」として黒塗りされた箇所が大量にあった。だが、財務省が当初、ホームページ上で公開した文書は、この黒塗り部分がパソコン操作によって見える状態になっていた。その黒塗り部分のなかには、情報保護対象の私人ではない公人や、問題になってきた安倍首相に近い関係者の名前が書き込まれていたのだ。
交渉記録から、稲田朋美・元防衛相の夫の名前が黒塗りに
 そのひとつが、稲田朋美・元防衛相の夫で弁護士の龍示氏の名前だ。龍示氏は2016年1月に籠池夫妻と近畿財務局、大阪航空局の職員の面談に立ち会い、事務所の応接室まで提供していたことを昨年おこなわれた証人喚問で籠池泰典・元理事長があきらかにし、その事実を稲田元防衛相も認めた。だが、今回の財務省公表の交渉記録では、弁護士名や訪問先がものの見事に黒塗り状態に。
 さらに、龍示氏の事務所で面談をおこなうことに決まった際の記録では、近畿財務局はわざわざ「参考」と記し、以下のように記していた。
〈稲田龍示弁護士は自民党の稲田朋美政調会長のご主人。稲田朋美政調会長は、第2次安倍内閣発足時に行政改革担当相となり、一昨年9月には党三役に抜擢。二階俊博政務会長と親密な関係〉
 稲田氏は安倍首相にとくべつに引き立てられている上、自民党実力者の二階氏とも親密。龍示氏はそんな稲田氏の夫である──つまり、ここでも「安倍首相案件」であることが示されていたわけだが、この「参考」部分は〈弁護士は〉という文字と句点以外はすべて黒塗りされているのだ。
 安倍首相は28日の集中審議で黒塗りの必要性を問われた際、「稲田議員のご主人が弁護士として関わっていたということはすでに明らかになっていることで、稲田さんが二階さんと親しいということは隠すことでもない。私としてはむしろ全部出していただいたほうがよかったと思う」などと答弁した。しかし、ほんとうの問題は、いまだに公人の名前を隠す対応をしていること、そして実際に隠されていた部分に書かれていたのは、安倍首相にかかわる部分だったということなのだ。
 しかも、「安倍案件」であることを黒塗りにしていた箇所は、これだけではない。安倍首相と盟友雨といわれるくらい関係の深い大物の名前も黒塗りになっていた。
安倍首相の後見人・JR東海の葛西敬之名誉会長の名前も黒塗り
 2014年7月14日の交渉記録では、近畿財務局に来訪した相手方が伏せられたかたちで、「ボーリング調査のための現地立入り」の陳情を受けたことが記されている。黒塗りなしの記録によると、この陳情をおこなったのは〈(株)高等境域総合研究所〉(「境域」は「教育」の打ち間違いか)。同社はおもに高等教育のコンサルタント業務をおこなう会社なのだが、この陳情のなかで、同社はこんなことを述べているのである。
〈本件では、私のところにも■■■■■■■■■■■より、本件をよろしくお願いするといった連絡が入るなど対応に苦慮する場面があり、理事長指示に忠実に動かなければならないと考えている〉
 じつは、この黒塗りの下に隠されていたのは、このような名前だった。
〈JR東海の代表取締役名誉会長の葛西氏(秘書)〉
 JR東海・葛西敬之氏といえば、経済界の大物であると同時に、「安倍首相の後見人」とも呼ばれるほど安倍首相とは昵懇の仲であることは有名な話だ。事実、第二次安倍政権で安倍首相が会食した回数は、葛西氏が財界人のなかでダントツのトップという関係である。
 他方、森友学園は大阪府私学審議会への報告のなかで、愛知県の海陽学園への推薦枠があるとしていたが、この海陽学園の理事長こそが葛西氏である。海陽学園は推薦枠の問題を「事実無根」と否定していたが、このように、葛西氏はわざわざコンサルにプレッシャーをかけるほど、森友の小学校建設をバックアップしていたのだ。また、籠池氏は昨年7月の大阪府議会の参考人招致で葛西氏とのツーショット写真も示していた。
 たしかに、葛西氏は安倍首相を後押しする経済人による「四季の会」、その流れを汲む「さくらの会」の中心人物であり、別名「安倍晋三記念小学校」の設立に葛西氏が肩入れすることはけっして不思議ではないだろう。
 だが、こうした安倍首相につながる公人の情報を、財務省は黒塗りにして隠した。この期に及んで、まだ隠蔽しようというのだ。
財務省が4月28日の交渉記録をださないのは、昭恵夫人関与の記述があるから?
 いや、黒塗りによる隠蔽だけではない。昨日の衆院財務金融委員会では、新たに「改ざん後の改ざん」まで浮上した。
 問題となっているのは、森友問題が国会で取り沙汰された直後の昨年2月13日に近畿財務局の池田靖・統括国有財産管理官と籠池理事長(ともに当時)が電話で協議をおこなった際の「応接記録」。これを財務省に対して提出するよう共産党の宮本岳志議員が要求し、今年3月30日に出されたのだが、この応接記録を同じく共産党の宮本徹議員が独自に入手。2つの記録を比較したという。
 すると、財務省から提出された記録は1ページだったにもかかわらず、独自入手のほうは4ページにもわたっており、さらには池田管理官が「朝日新聞社の取材に関して、除去費用の額を1億円と回答してはいないか」などと籠池理事長に質問。国会対応の口裏合わせをおこなっていたという。こうした口裏合わせをした箇所が、財務省提出記録からはごっそりと削除されていたのだ。
 記憶に新しいように、財務省が決裁文書の改ざんを認めたのは今年3月12日のこと。そして、財務省がこの応接記録を宮本岳志議員に提出したのは約20日後の3月30日。つまり、財務省は改ざんを認めたあとにも文書の改ざんをおこなっていた可能性が高いのだ。
 こうなってくると、財務省が公表した交渉記録も改ざんされている疑いをもたざるを得ないのは当然の話。しかも、公表された交渉記録には、近畿財務局に小学校建設予定地で昭恵夫人が籠池夫妻と撮った写真が示され、「夫人からは『いい土地ですから、前に進めてください』とのお言葉をいただいた」と籠池理事長が説明した2014年4月28日の記録など、たしかにあるはずなのに出されていないものが複数あるのだ。
 麻生財務相は「また出てくるかもしれない」と言いながら、この4月28日の記録については「いままでの段階ではまったく見つかっていないのが事実」と答弁。太田充理財局長も「努力はしたがどうしても4月28日の記録だけは探せなかった」と必死になって“ない”ものにしようとしている。誰の目にもあきらかなように、かなり怪しい動きをしているのだ。
 担当大臣が罪を認めないなか、現在進行形でおこなわれている改ざん・隠蔽──。この国でいま起こっていることは、到底、正気の沙汰とは思えない。(編集部)

6月中旬に1月の予定/おいはらう?/今さら?VU,A入力

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≪Les enfants sont une affaire de femmes≫
Des parlementaires du parti du Premier ministre Shinzo Abe sont critiqués, après avoir affirmé que les femmes ne devaient pas travailler pour rester auprès de leurs bébés.
Les critiques pleuvaient mardi sur le gouvernement japonais, après que des parlementaires du parti du Premier ministre Shinzo Abe ont affirmé, l'un que les femmes devaient rester auprès de leurs bébés, l'autre que les jeunes mariés devaient concevoir au moins trois enfants. Koichi Hagiuda, membre du Parti libéral démocrate (PLD, droite) au pouvoir, a déclenché une tempête dimanche en estimant que les enfants préféraient être élevés par leur mère que par leur père. ≪Ils ont besoin d'un environnement où ils peuvent rester avec leur mère (...) si vous demandez aux enfants de moins de trois ans quel parent ils préfèrent, la réponse a toute les chances d'être "maman", même s'il n'y a pas de statistiques le prouvant≫, a déclaré l'élu de 54 ans.
Un autre parlementaire de la même formation, Kanji Kato, avait de son côté affirmé il y a quelques jours que les jeunes couples devaient donner naissance à trois enfants, au moins, pour le bien de la nation. Ces déclarations entrent en totale contradiction avec la volonté affichée de l'exécutif d'aider les femmes à exercer une activité extérieure et d'inciter les hommes à davantage participer à l'éducation des enfants. ≪Intolérables≫ ces propos, s'est agacé Yukio Edano, chef du Parti démocrate constitutionnel (centre-gauche). ≪Il y a beaucoup de couples qui n'arrivent pas à procréer et beaucoup de foyers ou le père élève seul ses enfants. Cela leur a échappé?≫ , a-t-il souligné.
≪Remarques grossières≫
≪Quid des promesses du gouvernement de construire une société où les hommes peuvent participer à l'éducation des enfants? C'est contradictoire et je suis sûre que beaucoup de pères ont été révulsés par les remarques grossières≫ de M. Hagiuda, a réagi pour l'AFP, Sumire Hamada, du Centre de ressources pour les femmes Asie-Japon. Même exaspération pour Tetsuya Ando, fondateur de l'organisation Fathering Japan et papa de trois enfants: ≪Il est inacceptable de dire que les enfants de moins de trois ans aiment plus leur mère que leur père. Ce genre de propos incite les mères à rester à la maison et obère le droit des pères d'élever les enfants≫.
Selon une étude du gouvernement datant de 2016, 40% des Japonais des deux sexes se disent d'accord avec l'idée que ≪les femmes doivent garder le foyer pendant que les hommes travaillent à l'extérieur≫.
A senior Japanese official says raising toddlers is not a dad’s job
by Amanda Erickson
Think of the children.
That's the argument a senior member of Japan's Liberal Democratic Party made this weekend, when explaining why men shouldn't have to watch their own children.
In a speech, Koichi Hagiuda said raising infants and toddlers is a job for mothers. He called the idea of fathers serving as primary caregivers “unwelcome.”
“We speak of cool ideas such as a gender-equal society and men's child-rearing, but they are unwelcome ideas for children,” the 54-year-old executive acting secretary general of the LDP told an audience in the city of Miyazaki.
Children under 2 “need an environment in which they can stay with their mothers,” he said.
Hagiuda acknowledged there is little data on whether fathers are unfit to parent young children. But he said infants “must want moms, no matter how you look at it.”
“I think it is a bit strange if they choose dads,” he said.
His remarks reflect Japanese reality. According to the BBC, Japanese fathers spend less time doing housework and taking care of their children than men in much of the world. In the United States, men spend about three hours a day helping out with children and chores. In Japan, it's one hour, according to the BBC. The average Japanese father spends just 15 minutes a day with his children. Just 2 percent of Japanese men take the paternity leave they are entitled to.
Hagiuda also acknowledged raising children is hard work, and Japan needs to “create a system to care for mothers.”
His remarks came on the heels of several other sexist comments from Japanese lawmakers. LDP's Kanji Kato, 72, said this month that newlyweds should have at least three children. The remark prompted one female LDP lawmaker to accuse Kato of “sexual harassment.” Yukio Edano, who heads up a different Japanese political party, called the statements “intolerable.”
Hagiuda's remarks also sparked controversy.
Sumire Hamada of the Asia-Japan Women's Resource Center called them “rude.”
“What happened to the government’s pledge to build a society where men can participate in child-rearing?” she asked, according to the Japan Times. “These comments overturn what the government has said, and I’m sure many fathers have been angered.”
Tetsuya Ando, founder of the Fathering Japan organization and father of three, took issue, too.
“When he said children under 3 like mothers more than fathers, that’s unacceptable,” Ando told the Japan Times. “That kind of remark puts pressure on working mothers to stay at home while removing fathers’ rights to rear children.”
Japan has often struggled to incorporate mothers into the workplace. Things are so bad that in 2013, the BBC asked, is Japan “the worst developed country for working mothers?”
Women say the long hours, part of Japanese culture, make raising a child nearly impossible. Studies by the government show that this is the main reason that young mothers leave their jobs. “If you want to keep working you have to forget about your children. You have to just devote yourself to the company,” Nobuko Ito, a lawyer, told the BBC.
Before she had children, she would sometimes work from 9 a.m. to 3 a.m. She left her corporate law job after giving birth. “I can't do this. It's impossible,” she said.
Even women who want to work face obstacles. In parts of Japan, there is also a severe child-care shortage. The Tokyo government says about 20,000 children are on waiting lists for child-care spots.
The lack of women in the workplace is a big problem for Japan. The country's population is shrinking, and it is in need of qualified workers. Prime Minister Shinzo Abe has made increasing the number of women in the workplace a top priority.
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1月に休みとる?というので予定を確認したら,6月中旬に1月の予定がわかる,とのことでした.後2週間くらいなら待ちましょう.
Shさんにメールしたら,おいはらう?というカゲキな表現でイラッとしました.本心はどうかわからないけどあまりよくないなぁ…と思いつも私も同じようなことしていないか心配になりました.
今さら?ですが,VU,Aの入力をしていないことに気がつきました.夜遅いですが少しだけ入力しました.他のみんなもほとんどしていませんでした.

<ど根性ポプラ>被災地に広場完成 大船渡
 東日本大震災の津波に耐えた大船渡市三陸町越喜来地区のポプラの木周辺に緑地広場が整備されて27日、完成式典があった。「ど根性ポプラ」と呼ばれて地元住民を励ましてきた巨木を中心に、被災跡地が憩いの場に生まれ変わった。
 広場は約2400平方メートル。樹齢約80年、高さ約25メートルのポプラを囲むように市があずまややベンチを整備。総事業費約5600万円は復興交付金を活用した。地元住民でつくる協議会が管理する。
 震災前は越喜来地区の中心部だったが、住宅などが高台移転した。住民同士で話し合いを重ね、一部を市内外の人々が集える広場とするよう市に提言した。
 式典後、まちづくり委員会代表の片山和一良(わ いち りょう)さん(67)は「地域に人を呼び込むきっかけにしたい。震災直後よりポプラも元気になってきたようだ。自分たちも頑張るのでもう少し長生きしてほしい」と語った。


<南三陸町社協>被災者一線に立ち100万件 見守り、声掛け助け合う
 南三陸町社会福祉協議会が東日本大震災後、町内外の仮設住宅を中心に行ってきた被災者の訪問支援が延べ100万件を超えた。生活支援員の多くが被災者ながら第一線に立ち、高齢、独居世帯の見守りや声掛けを地道に続け、住民と信頼関係を築いた。仮設住宅の解消が進んだ今も、住民の支え合いをサポートする活動を続けている。
 町社協は2011年7月、町の事業委託を基に、同町や登米市に被災者生活支援センターを開設。主に、支援員による被災者宅の訪問に取り組んだ。
 受託が終わった今年3月までの6年9カ月で、町内外の仮設住宅やみなし仮設などで支援員が行った訪問支援は延べ101万2398件に上る。うち約56万件は、仮設住宅で暮らす60歳以上の住民が担う滞在型支援員による見回りだった。
 震災後、南三陸町の被災者が暮らす仮設住宅は町内外の58団地に、計2195戸が建った。町社協は多い時で100人の滞在型支援員を配置した。
 雇用した支援員の9割は町の女性で、指揮を執った町社協にとっても手探りの活動だった。町社協地域福祉係の高橋吏佳係長は「当初は訪問先で『何ができるんだ』と厳しい言葉を突き付けられた」と振り返る。
 相談方法や震災に関連する制度を学ぶ研修を重ね、支援員のスキル向上を図った。住民の交流促進に力を入れ、お茶会やラジオ体操などの開催を支援した。
 町内の災害公営住宅で暮らす山岸るい子さん(85)は「仮設住宅にいたとき、川柳クラブの立ち上げに協力してもらった。今でも困った時の相談相手」と信頼を寄せる。
 町社協は現在も町内の災害公営住宅6カ所に生活援助員を配置し、支援を続けている。高橋係長は「被災の有無にかかわらず、住民が相互に助け合う地域づくりを目指したい」と話す。


<学校防災>被災3県の沿岸小中 ハザードマップ理解3割
 河北新報社は日本学校保健学会会員の学校防災研究メンバーと共同で、岩手、宮城、福島3県沿岸の小中学校と、南海トラフ巨大地震が懸念される東南海地域7県沿岸の小学校を対象に防災アンケートを実施した。東北では津波ハザードマップの浸水予想区域の決め方について、「説明できる程度に分かる」と答えた学校は31.1%にとどまり、東日本大震災から7年がたつ今も災害リスクへの「理解度」が高まっていない現状が明らかになった。(大川小事故取材班)=30日に東南海の結果と全体の詳報
 学校防災を巡っては、児童・教職員計84人が犠牲となった石巻市大川小津波訴訟の控訴審で事前の備えが焦点となった。4月26日の仙台高裁判決は、教員が地域特性に合わせ、独自にハザードマップを検証する必要性を指摘した。
 ハザードマップの理解度は「何となく分かる」50.8%、「よく分かっていない」17.4%。ハザードマップの受け止めについては「浸水域内のため対策を立てている」37.1%、「域外だが対策は立てている」50.8%の一方、「域外だから安心」が8.3%あった。大川小を含めて浸水予想区域外の学校が数多く被災したが、いまだに1割近い学校がハザードマップを「安心材料」と捉えている実態が浮き彫りになった。
 学校の防災マニュアル(危機管理マニュアル)は、91.7%が津波への対応を規定。うち45.5%が震災後に定めた。一方、浸水域かどうか「分からない」が7.6%あり、各校のリスクの認識に課題を残した。
 児童の津波避難場所は、51.4%が「保護者・地域住民とも共有」と回答したが、避難場所の情報共有の範囲が教職員にとどまる学校も23.4%あった。
 職員会議で児童生徒の保護者への「引き渡し」を検討したことがある学校のうち、98.9%は保護者とも情報を共有。内容は「津波注意報・警報の発令中は引き渡さない」が66.3%に上った。引き渡し後の児童生徒が被災したケースが相次いだことを教訓に、ルール化したことが分かる。
 一方、大川小のような管理職不在時の災害について、対応を話し合ったことがあるのは59.8%だった。
 81.1%の学校が、地域住民の避難場所に指定されている。そのうち避難住民への対応を「話し合ったことがない」は32.7%。具体的な住民対応を問うと、「児童を優先し住民対応は地域や行政などに任せる」35.5%、「教職員が対応」35.5%、「状況に応じて臨機応変に」21.5%と分かれた。
 教職員の津波への意識については、13.6%が「教員間に意識の格差」または「低下」を感じていた。
 震災の経験を教訓にしているかの問いには「大いに」78.0%、「多少」12.9%と9割の学校が教訓を生かしていると回答。「あまり状況をよく知らない」も8.3%あった。
 調査は東北3県沿岸の小中学校(移転・統合先含む)198校と、東南海7県沿岸の小学校487校が対象。3月に調査票を郵送し、東北132校(66.7%)、東南海269校(55.2%)から回答があった。


<福島第1原発>2号機の壁解体に着手
 東京電力は28日、福島第1原発2号機の原子炉建屋西側の壁面に開口部を設ける本格的な工事に着手した。あらかじめ切り込みを入れた壁を、6月下旬までに重機を遠隔操作して取り壊す。その後はロボットを入れ、内部の空間線量などを調べる。
 設ける開口部は縦7メートル、横5メートル。28日は事前調査で開けた穴から内側に放射性物質の飛散防止剤を散布。縦140センチ、横75センチの大きさに切り込みを入れたブロック二つ分を、後付けした金属製の「取っ手」を重機で引いて解体した。
 工事は壁面に密接して設置した鋼鉄製の「前室(ぜんしつ)」内で進める。東電によると、前室内や建屋周辺の空間線量などに変動はない。
 開口部の設営は、使用済み燃料プールに保管された燃料を取り出す作業の一環。内部の空間線量などを把握後、建屋上部を解体する。


DJ献血マン出動 ユーモア満載の話術で話題に
 仙台市青葉区一番町3丁目の仙台フォーラス前で、爽やかに献血を呼び掛ける男性がいる。宮城県赤十字血液センター職員の熊谷永遠(とわ)さん(20)。軽妙な語り口で交通整理に当たる「DJポリス」をほうふつとさせるその話術、市民の間で「DJ献血マン」と話題になっている。
 呼び掛けは笑顔から始まる。
 晴天の日は「信号をお待ちの、この太陽のように輝かしい心をお持ちの皆さまに献血のご協力をお願いいたします」。必要な血液型などの説明中、信号は赤から青へ。「日差しが強く暑い日。どうぞ小まめな水分補給と休憩に努めてください。それでは信号、青に変わります」
 行き交う人々に耳を傾けてもらおうと昨年5月ごろから工夫を重ね、今のスタイルにたどり着いた。
 花巻市出身。中学1年の時、東日本大震災で救護に取り組む日本赤十字社の活動をテレビで見て感銘を受け、赤十字のボランティアに携わった。仙台市の医療系専門学校に進んだが「もっと活動に関わりたい」と1年で退学。現在の仕事に就いて2年目になる。
 職場は青葉区一番町4丁目の「杜の都献血ルームAOBA」。年間約2万人が訪れる。利用者アンケートで献血のきっかけの1位は「呼び掛けの人の声」。だからこそ手を抜けない。
 世界陸上のリレーで日本勢が活躍すれば「患者さんも命のバトンを待っています」と盛り込む。光のページェント期間は「患者さんたちは命の光、希望の光を必要としています」と訴える。思いやりとユーモアが詰まった言い回しは、インターネット上でも「トーク術面白いw」「通るたびに笑ってしまう」と評判だ。
 若年層の献血協力者が伸び悩む中、上司の角田正樹係長(48)は「若者の確保に向けて頑張ってほしい」と見守る。
 雨の日や昼下がりなど熊谷さんは献血者の少ない時間に街頭に立つ。
 「患者さんは今この時間も皆さんの献血へのご協力をお待ちでございます。快適な環境の献血ルームを用意しておりますので、ぜひ定期的にお越しください」


事故慰霊碑 風化させぬ決意新たに
 亡くなった学生たち一人一人を表すという13枚のガラス。それを両手でそっと包むように石が支えている。一昨年、軽井沢町で起きたバス転落事故の現場に慰霊碑が建立された。
 同じ事故を繰り返さないための通過点に―。式典に臨んだ遺族が語っている。その願いを受けとめ、事故の教訓を風化させない決意を新たにしたい。
 スキーツアーの夜行バスが下り坂のカーブで転落し、乗員を含む15人が亡くなった。直接の原因は運転手の操作ミスだが、運行会社のずさんな安全管理の実態や、その背後にある業界の構造的な問題があぶり出された。
 運行会社は、運転手の技量を把握せず、十分な訓練もしないまま大型バスを運転させていた。運行指示書に経路など必要事項を記載せず、運転手任せにすることも日常的だったという。
 事故調査委員会は、国の基準に満たない運賃で旅行会社から運行を請け負う業界の慣行が安全軽視に結びついた可能性を指摘している。参入規制の緩和による過当競争がその慣行を生み、運転手の過重労働にもつながった。
 事故後に改正、施行された道路運送法で、安全確保を怠った業者への罰則が強化された。国の監査態勢を補うため、民間の指定機関が業者を巡回指導する仕組みも設けられた。ただ、実効性が不確かな上、業者の監督・指導だけで根本的な問題の解決は図れない。
 関越道で乗客7人が死亡したバス事故の後、規制が強化されたにもかかわらず軽井沢の事故は起きた。場当たりの対処を重ねるのでなく、運転手の過重労働の是正をはじめ、構造的な面に踏み込んだ対策を取らなくてはならない。
 バス運行会社の社長と当時の運行管理者である元社員は昨年、業務上過失致死傷の疑いで書類送検された。既に1年近く、地検の捜査が続いている。
 「責任の所在が法廷で明確にされないと、再発防止は完結しないと思っている」。遺族会代表の田原義則さんは話す。
 ただ、事故を予測できたこと、回避する義務を怠ったこと―という要件の立証は容易でない。乗客ら100人以上が死亡したJR福知山線の脱線事故でも歴代社長3人の無罪が確定している。
 末端の従業員だけの責任にせず、真相解明につなげるため、企業自体の刑事責任を問う「組織罰」の法制化を求める声が出ている。安全対策を政府に求めるとともに、その議論も進めたい。


加計学園「虚偽の面会報告」 首相が怒らない不可解さ
 加計学園の獣医学部新設をめぐり、安倍晋三首相と学園の加計孝太郎理事長が面会していたのかどうかで混乱が広がっている。
 愛媛県の公文書には、2015年2月25日に首相が加計氏と面会し「獣医大学の考えはいいね」と語った記録が残る。これに対し学園が「当時の担当者が実際にはなかった総理と理事長の面会を引き合いに出し、県と(同県今治)市に誤った情報を与えてしまった」とのコメントを唐突に出したからだ。
 学園は、県が文書を国会に提出した当日には「理事長が15年2月に総理とお会いしたことはございません」と面会を否定するだけにとどめていた。なぜ最初から発表しなかったのか、不自然な対応である。きのうの衆参両院予算委員会の集中審議でもこのコメントが焦点になった。
 仮にこれが事実だとすれば、架空の面会を報告することにより首相の後押しがあると見せかけ、県と市を動かそうとしたことになる。
 実際、面会報告後に柳瀬唯夫首相秘書官(当時)が県と市の担当者と会い、国による国家戦略特区の手続きが進んでいく。その適正さを疑わせる重大な問題をはらんでいる。
 県の文書によると、学園側は県に面会を報告した際に財政支援も求めた。県と市は今春、計約93億円の補助金拠出を決めている。
 さらに不可解なのは首相が抗議しないことだ。これまで首相は「加計理事長は友人だが、私の地位を利用して何かを成し遂げようとしたことは一度もない」と繰り返してきた。
 面会があったにしろなかったにしろ、県や市に報告した事実は学園側も認めている。まさに首相との関係を利用して獣医学部新設を実現しようとした行為ではないか。
 首相は本来ならもっと学園の対応に怒ってしかるべきだろう。きのうの集中審議で野党はその点を突いたが、首相は「私は常に平然としている」などとはぐらかした。
 そもそも学園側は真っ先に県と市に謝罪すべきなのに、ファクスを報道機関に送っただけで取材にも応じていない。首相との面会がなかった裏付けは示されないままだ。
 加計氏が国会など公の場で真相を語らなければ、疑惑はいつまでも続くことになる。


加計が「偽情報」 学部新設の正当性欠く
 二〇一五年二月の加計孝太郎理事長と安倍晋三首相との面談はなかった、と加計学園が説明を変えた。愛媛県にうそをついていたのなら、獣医学部新設の正当性や大学運営の資格が問われて当然だ。
 にわかには信じ難いが、学校法人加計学園が、一五年三月三日に愛媛県側と行った打ち合わせで説明していた加計氏と首相との面談の事実や、首相の発言内容が虚偽だったとのコメントを発表した。
 この発表が事実か否か。真偽を確かめることが必要だ。まずは加計氏ら学園関係者の証人喚問を求めたい。国政調査権を有する国会は真摯(しんし)に対応すべきだ。
 愛媛県が今月、参院予算委員会に提出した文書によると、加計氏は一五年二月二十五日、首相と十五分程度面談した際「今治市に設置予定の獣医学部では、国際水準の獣医学教育を目指す」ことなどを説明し、首相からは「そういう新しい獣医大学の考えはいいね」とのコメントがあったと、加計学園が県側に説明していた。
 この説明が事実なら、加計学園の獣医学部新設計画を初めて知ったのは一七年一月二十日だとする首相答弁とは明らかに矛盾する。
 加計学園はなぜ三年以上も訂正しなかった県への説明を突然、変えたのか。学部新設への首相関与の有無が国会などで問題となり、学部新設への関与や加計氏との面談を否定する首相を守るため、と受け取られても仕方があるまい。
 仮に、加計学園の県側への説明が虚偽だったとしたら、首相のコメントや、学園理事長と首相との面会の事実を捏造(ねつぞう)するような組織に学部新設だけでなく、そもそも大学を運営する資格や能力があるのか、という問題が浮上する。
 首相はきのうの国会答弁で「会ったか、会わなかったかはまったく関わりがない」と、加計氏との面談の有無と獣医学部の新設認可手続きとは無関係だと強調した。
 しかし、愛媛県文書では「総理案件になっている」と発言した柳瀬唯夫首相秘書官(当時)との一五年四月二日の面会は首相と加計氏との会食で地元の動きが鈍いとの話が出たことがきっかけだ。県や市が同年六月四日に学部新設を提案したのも、首相が加計氏との面談で「いいね」とコメントしたことが前提になっている。
 首相と加計氏との面談の事実関係や、愛媛県への加計学園の説明の真偽を確かめることは、学部新設だけでなく、首相答弁の正当性に関わる重大な問題だ。「関わりがない」では済まされない。


発表コメント矛盾だらけ 加計学園「安倍利用」自白の墓穴
「公的機関に偽りの説明をしたとすれば、県や市に説明と謝罪をして、責任者が記者会見を開くのが常識だ」――。加計学園の獣医学部新設をめぐるウソのもぐらたたきのような展開に、愛媛県の中村時広知事がブチ切れた。
 県が国会に提出した公文書の〈(2015年)2/25日に(加計)理事長が首相と面談〉との記載について、加計が26日、「当時の担当者が実際にはなかった総理と理事長の面会を引き合いに出し、県と今治市に誤った情報を与えてしまった」なんてコメントを発表したからだ。
 中村知事が激怒するのも当然だ。自前の土地もなく、資金力も乏しい加計に対し、県や市が獣医学部の施設整備費として計約93億円の税金補助を決めた背景には、安倍首相と加計理事長の「面談」を踏まえ、国という後ろ盾を信用したからだろう。それが県や市に何ら説明もなく、当然、「面談は作り話でした」と言われて「ハイそうですか」となるワケがない。
 そもそも県の公文書には〈加計学園から、理事長と安倍首相の面談結果等について報告したいとの申出があり、(2015年)3月3日、同学園関係者と県との間で打ち合わせ会を行った〉とあるのだ。つまり、加計側はわざわざ両者の面談内容について話したい、と県に要望。そこで2月25日の面談や、〈首相からは「そういう新しい獣医大学の考えはいいね。」とのコメントあり〉と報告しているのだ。
 さらに加計はウソをついた理由として〈当時、獣医学部設置の動きが一時停滞していた時期であり、何らかの打開策を探していた〉としている。つまり、安倍首相の総理大臣としての地位や立場を獣医学部設置の打開策に利用したと認めているワケだが、これは〈理事長が私の地位や立場を利用して何かを成し遂げようとしたことは一度もなかった〉という安倍首相の国会答弁と真っ向から反する話ではないのか。
■森友学園問題で籠池氏は証人喚問
 森友学園をめぐる補助金詐欺事件で、詐欺罪などで起訴、勾留され10カ月ぶりに保釈された前学園理事長の籠池泰典被告は安倍首相の妻・昭恵氏からの100万円寄付が虚偽との理由で証人喚問された。仮に加計側の説明通りであれば、安倍首相と理事長の面会を引き合いに出して獣医学部をつくり、県や市からカネを引っ張ることにまんまと成功した加計孝太郎理事長の証人喚問は避けられないだろう。
 元検事の落合洋司弁護士は次のように指摘する。
「一担当者が理事長や首相の名前を勝手に使ったとは考えにくい。恐らく、愛媛県の公文書の信用性は否定できないため、ならば『担当者がウソをついた』となったのでしょう。もはや、証人喚問か参考人招致かはともかく、国会で加計理事長にきちんと説明してもらう以外に真相解明はできません」
 ウソまみれでありながら、よくもまあ「世界に冠たる獣医学部を目指す」(加計理事長)なんて言えたものだ。


加計・森友疑惑  証人喚問で真相解明を
 またしても強気の答弁である。
 加計、森友両学園問題などをめぐる国会の集中審議で、安倍晋三首相は加計学園の加計孝太郎理事長と面会したとの記載があった愛媛県文書の内容を再度否定した。
 「伝聞の伝聞を書いた」文書だと切り捨て、加計氏と「獣医学部新設について話したことはない」とこれまでの主張を繰り返した。
 文書で指摘された2015年2月25日には加計氏と会っていないとしながら説得力ある根拠を示さず、質問に関係ない説明を長々とする姿勢も相変わらずだった。
 「うみを出し切る」と言ったのに、自らに向けられた疑念を晴らそうという姿勢は感じられなかった。トップがこんな調子では、疑惑を持たれている官僚たちも真実を語ることはないだろう。
 政治や行政への不信が増幅されかねない。憂慮すべき事態だ。
 加計、森友問題に関し、先週それぞれ国会に提出された文書は、両学園と首相との関わりの深さを、これまで以上に示唆する内容が含まれている。
 このうち愛媛県文書に関し、加計学園は理事長と首相との面会を「実際にはなかった」と否定するコメントを出した。
 事実とすれば、学園が首相と理事長の架空の面会を引き合いに愛媛県や今治市をだましたことになる。開学した獣医学部の正当性にも疑問符が付きかねない。
 そこまでして首相を守ろうという姿勢からは、かえって両者の親密さがただならないことを感じさせる。しかし首相は、「私と加計氏が会ったかどうかは全く関わりがない」と、国家戦略特区の認可に影響がなかったと強調した。
 森友、加計問題をめぐる疑惑の審議は1年近く続いているが、追及と答弁がかみ合わず、水掛け論に終始している感がある。こんなやりとりを繰り返していても、事実解明にはつながらない。
 真相を知る関係者を国会に証人喚問し、それぞれの矛盾点をただす以外にないのではないか。
 とりわけ、疑惑の渦中にいながらまだ公の場で説明がない加計理事長には、愛媛県などに架空の面会を報告したことの真偽も含め、真実をしっかり語ってもらわなくてはならない。
 集中審議では行政文書の廃棄や改ざんについて「国会を冒涜(ぼうとく)した」と指摘する声が与党議員からも出た。国会の責任が問われる局面だ。もはや中途半端な審議は許されない。党派を超え、疑惑究明に真剣に取り組んでほしい。


加計学園の説明 ファクス1枚は不誠実だ
 獣医学部新設の動きが停滞していたから愛媛県や同県今治市に虚偽の情報を伝えた−という。それも大問題だが、にわかに信じられない説明である。
 学校法人「加計(かけ)学園」が26日、安倍晋三首相と加計孝太郎理事長の2015年2月25日の面会は実際にはなかった、とのコメントを突然発表した。
 衆参両院の予算委員会できのうあった集中審議でも、野党各党がこのコメントを取り上げ、加計氏や学園関係者などの証人喚問を求めた。疑惑解明に加計氏らの喚問は不可欠だ。
 首相と加計氏の面会は愛媛県職員が残していた新文書に記載されていた。加計氏が国際水準の獣医学教育を目指すと話し、首相が「そういう新しい獣医大学の考えはいいね」と応じた−同年3月3日に学園関係者から、そう報告を受けたという。
 この面会が事実とすれば、当時の柳瀬唯夫首相秘書官が同年4月2日に学園関係者、愛媛県や今治市の職員と首相官邸で面会するなど、これを機に獣医学部新設の動きが加速した構図が浮き彫りになる。
 首相が学園の獣医学部新設計画を知ったのは事業者に正式認定された17年1月20日で、加計氏から獣医学部新設の相談を受けたこともない−とする国会答弁にも疑問符が付く。
 これに対して首相は集中審議でも、愛媛県の新文書について「伝聞の伝聞を書いたものだ」と否定した。苦境の首相を集中審議の2日前に援護射撃するようなコメント発表であり、首相は「加計氏も面会を否定している」と強調した。
 「担当者が実際にはなかった総理と理事長の面会を引き合いに出し、県と市に誤った情報を与えた」とする学園のコメントが仮に事実だとしても、別の重大な疑念が浮上する。
 首相の名前を使って地方自治体をだまし、政府の国家戦略特区認定に向けて獣医学部新設計画を軌道に乗せたことになる。その結果、学園は県と市から事業費のうち93億円の補助、市から評価額36億7500万円の予定地を無償譲渡、国から私学助成金と、巨額の援助を得た。
 にもかかわらず学園は記者会見もせず、報道各社にファクス1枚を送り付けただけだった。中村時広愛媛県知事は「公的機関に偽りの報告をしたのであれば、普通はまず関係者に謝罪し、責任者が会見するのが常識だ」と批判した。全く同感だ。
 不誠実極まりない態度で、コメントの真偽にも疑問を抱かせる。そもそも疑惑発覚で国政を揺るがし、国民の不信を招きながら、加計氏はほとんど公の場に姿を見せず、記者会見もしない。説明責任を果たすべきだ。


[森友・加計審議]加計氏の喚問は必須だ
 野党から追及されてもきちんと説明せず論点をすり替える不誠実な対応、「うみを出し切る」と言いながら疑惑解明に後ろ向きの姿が目に付いた。
 衆参両院の予算委員会に安倍晋三首相が出席して集中審議が行われた。
 加計(かけ)学園の獣医学部新設を巡っては、愛媛県が今月、学園からの報告として、首相と加計孝太郎理事長が2015年2月に面談と書かれた新文書を国会へ提出。これに対し学園は、面会は「実際にはなかった」とするコメントを発表した。
 愛媛県文書の記述について首相は「学園関係者からの伝聞の伝聞にすぎない」と面会の事実を改めて否定したが、根拠としたのは報道された「首相動静」である。動静に記載されない会談はままあり、官邸の記録が示されない否定はいかにも根拠が薄い。
 集中審議直前になって加計学園が報道各社に送った「担当者が実際にはなかった面会を引き合いに、誤った情報を伝えた」とのコメントにも不自然さが漂う。文書にあった「新しい獣医大学の考えはいいね」との首相の言葉まで創作というのは考えづらい。
 複数の大学を運営する法人の理事長ともなればスケジュールを管理する職員もいるだろうに、こちらも根拠の弱い説明である。
 昨年1月に獣医学部新設計画を知ったとする首相答弁と整合性をとろうとした結果、苦しい言い訳を強いられているのではないか。
 これ以上問題を長引かせないためにも、加計氏を証人喚問し、話を聞く必要がある。
■    ■
 加計学園がマスコミ向けに面会否定のコメントを発表したことに、愛媛県の中村時広知事は「普通はまず関係者に謝罪し、説明する」と怒った。
 学園側の言い分が事実だとしても、県や今治市に多額の財政支援を要請する中、偽りの報告をしたとなれば、責任者がきちんと報告するのが筋である。
 今治市に新設された獣医学部には、県と市から3年間にわたり計93億円の補助金が支出される予定だ。多額の私学助成金も支払われる。
 誰が、何のために、誤情報を流したのか、説明責任を果たさなければならない。
 どうにも腑(ふ)に落ちないのは、架空の面会相手とされた首相の態度である。
 首相の権威をバックに獣医学部計画を進めようとしたことが明らかになったのだから、当然怒るべきだ。
■    ■
 森友学園への国有地売却を巡って首相は、自身や昭恵夫人の「関与」について、贈収賄に問われるような範囲で「一切関わっていない」と否定した。
 ただ先日、財務省が公表した交渉記録の中からも夫人が関係する重要部分は抜け落ちており、否定の具体的根拠は示されなかった。
 この問題で首相は「行政府の長としての責任を痛感」と繰り返している。ならば昭恵氏の証人喚問は必須である。
 政治の信頼低下は深刻だ。関係者を国会に呼んで真相を明らかにすることが、責任を取るということである。


「一点の曇りもない」ウソがほころび始めた
 ★一点の曇りもないはずの森友・加計学園疑惑。森友学園との交渉記録はないとしていた政府答弁は、あっけなく4000ページを財務省自らが提出すれば、28日の参院予算委集中審議で首相・安倍晋三は「資料をよく読んでいただければわかること」と発言した。政府がないと言い続けたものを今更ながら持ち出して、今度はよく読めという。「関与がないのは明らか」を連呼するのは「関与していたら総理も議員も辞める」との自らの発言を自分で否定したいからだろう。 ★自民党ベテラン議員が言う。「相変わらず、答えになっていない説明で押し切ったり、野党が沈黙していると思っているのは、昨年の衆院選前の思考と全く同じ。選挙後、野党はバラバラになったが、この森友・加計疑惑で6党派は再結集したといっていい。つまりこの程度の答弁で乗り切れたと思っているのは、官邸の太鼓持ちの側近たちだけ。野党が詰め切れないのは、役所が資料を隠したり、なくしたと言い張ったり黒塗りにしていたから。加えて衆院予算委で江田憲司も言っていたが、関係者といわれる人物の話を、ことごとく自民党が国会に呼ぶことを拒んできたからだ」と指摘する。 ★自民党議員の正論を聞いていても、一点の曇りもないはずの自民党が、なぜ拒むのかの論理的説明もなければ、解決に近づくことを拒んでいることになり、これでは共犯関係だ。今までは首相夫妻とその仲間たちと官邸の問題だったが、今では自民党が抱える問題だ。28日には、共産党が提示した森友問題の内部文書から、国交省航空局長・蝦名邦晴と財務省理財局長・太田充が値引きを隠すため、会計検査院も巻き込み、国会対策、メディア対策、世論対策の口裏合わせをしていたことが発覚。2人は事実上の会合は認めたが、内容については記憶にないとかわした。国民は既に分かっている。うそで塗り固めて来たものがほころび始めていることを。あとは本人が認めるかだ。

森友問題めぐり財務省・太田理財局長が会計検査院への介入を密談した記録が! 菅義偉官房長官との連携もポロリ
 またまた驚愕の内部文書が出てきた。昨年9月総選挙の直前に、財務省と国交省が政権のデメリットに配慮して、官邸ぐるみで文書の隠蔽など国会対応をいかにごまかすか密談していたというのだ。
 昨日28日におこなわれた集中審議の質疑のなかで、共産党の小池晃参院議員が明らかにしたもの。
 共産党が独自に入手したという新文書は「意見交換概要」と題された文書で、小池議員によると昨年9月7日の午前9時15分から約40分間にわたって、財務省の太田充理財局長と国交省の蝦名邦晴航空局長らでもたれた話し合いの内容が記録されている。
 まず小池議員は、太田理財局長に「昨年9月7日に、国交省の蝦名航空局長らと、会計検査院や国会への対応について意見交換をおこないませんでしたか」と質問。太田理財局長は、「自身も航空局長も異動したばかりで森友問題について詳しくなかったのでいろんな意味でできるだけ顔を合わせて意思疎通を図ろうとしていた」として、9月7日の面会の事実を認めた。
 すると小池議員が、その9月7日の話し合いの内容をまとめた「意見交換概要」なる文書を独自入手したとして、読み上げ始めた。
 最初に紹介されたのは、会計検査院への対応にかんする話し合いだった。ちなみに、昨年2月以降国会で議論されてきた、森友学園への国有地の値引きの妥当性について、安倍首相らは「会計検査院が調査中だから」「会計検査院の調査を待つ」として、一切の説明責任から逃げ続けていた。
 その会計検査院の報告書について、太田理財局長と蝦名航空局長の間でこんなやりとりがあったという。
航空局「総額を報告書から落とすこと。瑕疵担保免責の考え方を認めさせて、リスクを遮断するために、見える範囲で最大限合理的な範囲で見積もったと主張できるようにしておくことが重要」
理財局「総額を消すことが重要だが、それが難しい場合には、失点を最小限にすることも考えなくてはいけない。少なくともトン数は消せないのではないか。金額よりもトン数のほうがマシ」
「官邸をまわる姿を見られるのはよくない。秘書を通じて官房長官へ」の発言も
「失点を最小限にする」とは、断言・全否定の佐川宣寿・前理財局長とは違ういかにも太田理財局長らしい発言に思えるが、それは置くとして、「総額」「トン数」と言っているのは、国有地から出てきたゴミのことを指していると思われる。
 つまり、太田局長らは、会計検査院の報告書から「総額を消してもらおう」「総額が難しければ、トン数だけは残して金額だけでも消してもらおう」と話し合っているのだ。これが事実なら、とんでもないことだ。会計検査院は内閣から独立した機関と憲法で定められているが、その会計検査院の検査に対して、介入を相談していることになるからだ。
 しかも、太田理財局長は「会計検査院は独立した機関だから、仮に我々が希望したからといって、検査院のほうに通るわけがありません」と抗弁していたが、実際、昨年11月に会計検査院に公表した報告書は、ここで太田局長らが話し合った通りのものになっている。
ゴミの量については、国が「全体で47%の土壌にゴミがある」と試算していたのに対し、会計検査院の調査では「ゴミの量は国の推計の3〜7割程度」と数字を明示し疑義を呈した一方、金額については「検証に必要な資料が十分残されていない」などとして踏み込まなかった。これに関しては当時から、政権に忖度したのではないかと指摘されていた。
 文書改ざんと同じように「理財局が勝手にやったこと」「佐川の答弁に合わせるため」などと、安倍首相らは言い募るかもしれないが、そんな言い逃れは通用しない。この密談が官邸ぐるみであることも明言されているからだ。
 会計検査院に対して局長レベルで対応したあと、官邸や与党の対応をどうするかという航空局長の問いに対し、太田理財局長がこんなふうに応じているのだ。
「両局長が官邸をまわっている姿をマスコミに見られるのはよくない。まずは寺岡を通じて、官房長官への対応をするのが基本だ」
「寺岡」というのは、寺岡光博・官房長官秘書官のことを指していると思われるが、ようするに官邸、菅官房長官ぐるみで、会計検査院の報告や国会対応をどうごまかすか、文書隠蔽の相談を図っていたのだ。
「政権のデメリットを考えて」行動することを告白していた太田理財局長
さらに、「今後、決裁文書等についてどこまで提出してゆくべきか」という話し合いで、太田理財局長はこんなことまで言っている。
「ないものは出せないが、これまでもある程度出してきており、個人的には出せるものはできるだけ出したほうがいいと思う。出てしまうと、案外追及されなくなるという面もある。ただし、政権との関係で、デメリットも考えながら対応する必要はある」
どの文書を出すか出さないかは、「政権との関係で、デメリットも考えながら対応する」というのだ。
 安倍首相は、たとえば今月23日の衆院厚労委員会でも「国会答弁との関係で文書を廃棄することは不適切であり、誠に遺憾」などと答弁するなど、「文書の改ざんも破棄も財務省理財局が勝手にやったこと」と言わんばかりの他人事を決め込んできた。
しかし、太田理財局長が、文書を出すか出さないかは「政権との関係で、デメリットも考えながら対応する必要はある」と語っているように、文書の隠蔽も廃棄も、すべて「政権のデメリットを考えて」のことなのだ。
 小池議員はこの文書について「すぐ見つかるはずだ」と言っていたが、太田理財局長や安倍首相の狼狽ぶりを見る限り、この文書は間違いなく本物だろう。
 本来、内閣から独立した機関である会計検査院の検査に、財務省や官邸が介入していたとしたら大問題だ。しかも、前述したように、昨年2月に森友学園への国有地8億円値引き問題が発覚して以降、安倍首相は「会計検査院の調査を待ちたい」「会計検査院の調査中」と、会計検査院の検査を口実に、一切の説明責任から逃げ続けていた。それが、実際には報告書の内容について裏工作しており、官邸お手盛りの報告だった可能性も出てきた。
 さらに、きのうの衆院予算委員会では、同じく共産党の宮本岳志議員も、この「意見交換概要」文書について質問したが、宮本議員によると、会計検査院が検査結果を国会に提出する2カ月以上前のこの9月7日の時点で、会計検査院の報告書の内容を太田理財局長が知っていたと思われる記述があると指摘したのだ。
 公表前の昨年9月の時点で報告書の内容を知っていたか問われた太田理財局長は「通告がなくて答えられない」「記憶を呼び戻せと言われても答えようがない」とまったく答えなかった。
官邸が会計検査院の調査結果公表を選挙後に延期させた疑惑も
この会計検査院介入問題については、ほかにも気になる点がある。会計検査院への介入が、きのう小池議員に指摘された「金額を消す」という点だけだったのか、という問題だ。
 というのも、会計検査院が検査結果を国会に報告したのは、昨年11月22日のこと。検査の途中経過が漏れ伝わってきたのも、10月末。10月22日の総選挙の後のことなのだ。検査が要請されたのは3月6日のことで、実に8カ月以上かかっており、遅すぎるのではないかと指摘されていたが、これもやはり「政権のダメージ」を考えて、検査結果の公表を選挙後にするよう、官邸から介入がなされた結果なのではないか。
 この財務省と国交省によるこの密談がおこなわれたのは、9月7日。「モリカケ隠し解散」を「国難突破解散」と嘯く解散会見をしたのは9月25日で、メディアで解散が一斉に報じたのは9月17日のことだ。
 不十分だったとはいえ、会計検査院の検査結果は、「値引きの根拠は確認できない」と8億円もの値引きに疑義を呈するもので、これが選挙前に明らかにされていたら、選挙にも大きな影響があっただろう。
 内閣から独立した機関であるはずの会計検査院の検査にも介入し、検察も政権に忖度した動きしかしていない。
 きのうの集中審議では、無所属の江田憲司衆院議員が安倍首相に対し、「証拠はもう十分出揃っているが、自白だけがない状態」「安倍首相は詰んでいる」と詰め寄っていたが、どれだけ証拠が揃っても、あらゆる機関が安倍首相に忖度して、嘘に嘘を重ねて安倍首相をかばう、ということが繰り返されている。この自浄能力のなさは、日大どころの話じゃないと思うのだが……。(編集部)


加計学園問題 虚偽の放置は許されぬ
 国が認可し、公費の助成を受ける大学の学部新設が、虚偽に基づいて進められた疑いがある。見過ごしにできるわけがない。
 国会はきのう、学校法人「加計(かけ)学園」の獣医学部新設などを巡り、安倍晋三首相出席の集中審議を衆参の予算委員会で行った。
 この問題では、加計孝太郎理事長と首相との面会を記した愛媛県文書と、否定する首相の言い分が食い違い、疑問が深まっている。
 驚くのは学園側が、愛媛県に「誤った情報」を与えたとする談話を発表したことだ。首相と加計氏との面会をでっち上げ、行政機関を欺いたと取れる内容だ。
 なのに首相は調査すら指示しようとしない。愛媛県の公文書を「伝聞の伝聞」と切り捨てる一方、自らの名前をかたった学園を不問に付す姿勢は、理解に苦しむ。
 首相の立場を守るため、無理な説明が上塗りされたと疑わざるを得ない。国会は加計氏らを証人喚問し、事実の究明を急ぐべきだ。
 愛媛県文書は学園の報告として2015年2月に首相が加計氏と面会し「新しい獣医大学の考えはいいね」と述べたと明記。昨年1月まで計画を知らなかったとする首相の主張と食い違う内容だ。
 これに対し学園はその後、「担当者が実際にはなかった面会を引き合いに出した」と面会を否定する談話を出し、首相を擁護した。
 愛媛県の中村時広知事は「本当に虚偽の説明をしたのなら県に謝罪し、責任者が記者会見で説明するのが常識だ」と学園の対応を批判した。当然の指摘である。
 愛媛県文書には面会前に学園が「安倍総理と面談する動き」を見せていたとの説明や、面会後に当時の柳瀬唯夫首相秘書官が資料提出を求めた経緯も記されている。
 面会がなかったというのなら、この詳細な記述は、愛媛県が捏造(ねつぞう)したとでもいうのだろうか。
 中村知事は「文書自体に偽りはない」としている。首相はきのう愛媛県文書について「コメントする立場にない」と述べたが、反証を示す責任は首相自身にある。
 問題長期化を受け、自民党内からも真摯(しんし)な対応を求める声が聞こえ始めた。来年の統一地方選や参院選への影響を懸念する動きだ。
 石破茂元幹事長は加計氏の招致を主張。岸田文雄政調会長も「政府として説明責任を果たしてもらわなければならない」と述べた。
 国会議員には与野党を問わず、国民を代表して行政を監視する責務があるはずだ。自民党がその自覚を取り戻せるかも問われる。


加計森友集中審議 関係者招致が不可欠だ
 衆参両院の予算委員会で28日、集中審議が行われた。焦点である加計(かけ)学園問題や森友学園問題などを巡り、与野党が安倍晋三首相らを追及した。
 加計問題では、安倍首相と加計学園の加計孝太郎理事長が2015年2月25日に面会し、その際加計氏が国際水準の獣医学部教育を目指すと説明したのに対し首相が「そういう新しい獣医大学の考えはいいね」と応じたと愛媛県の文書に記載されていることが判明。「加計ありき」との疑惑が深まっている。
 安倍首相は集中審議で、愛媛県文書の内容を否定。「伝聞の伝聞を書いた文書」だとして疑義を唱えた。加計氏とは加計学園の獣医学部新設について話をしたことはないと改めて強調し、学園の獣医学部新設が決定した17年1月20日までその計画を知らなかったとするこれまでの国会答弁を繰り返した。
 だが取り沙汰されているのは、獣医学部新設に関し安倍首相が、長年の友人である加計氏を特別扱いしたのではないかという疑惑だ。当事者の首相が違うと言葉で否定するだけでは説得力を持たない。
 愛媛県文書は、その点で注目すべき資料だ。安倍首相と加計氏の面会は、加計学園から県と今治市に伝えられた情報だという。ところが学園側は、当時の担当者が、首相と理事長の面会が実際にはなかったのにあったとする誤った情報を、県と今治市に伝えてしまったとのコメントを発表した。
 野党は安倍首相をかばう不自然な弁明だと一斉に批判。中村時広知事も、それが本当なら普通は関係者に謝罪し、会見するものだと学園側の対応に不快感を示したが、当然だろう。極めて重要な問題であり、うやむやにしてはならない。加計氏や中村知事ら関係者の国会招致が急務。その思いが強まった。
 森友学園問題については、国有地の取引を巡る財務省近畿財務局と同学園の交渉記録が国会に提出された。その中に、安倍昭恵首相夫人付の職員が財務省に電話し、土地の貸し付け条件に関し具体的な照会をしていたことが記されていた。
 安倍首相は「優遇をしてくれということではなく制度に関する問い合わせだ」と述べたが、一方的な見解にすぎない。土地の貸し付け契約を結んだ後、8億円余り値引きして学園に売却したのはなぜか。昭恵氏関与の疑いは拭い切れず、昭恵氏らの国会招致の必要性は高まった。
 国内外に課題は山積しており、いつまでも加計問題や森友問題に時間を費やしているわけにはいかない。だがこの日の集中審議はこれまでと同じやりとりの繰り返しで、真相解明が近づいたとは到底思えない。
 野党だけでなく、与党が率先して真相解明に力を注ぐべきだ。政府は政治の停滞の原因は自らにあると認識し、国民の信頼回復のため疑惑払拭(ふっしょく)に全力を挙げなければならない。


「モリカケ」解明 巨大与党の「総裁案件」
 「何が本当のことなのか、特別委員会などを設けて徹底調査するべき」「関係者の国会招致を」などとする野党側の訴えには、森友学園や加計学園問題への首相や周辺の関わり方に疑念を拭い切れない国民世論の大勢も、同調するのではないか。
 「モリカケ」と称される両学園を巡る数々の問題に、野党からは「いつまでも付き合わされる」(立憲民主党・福山哲郎幹事長)との声が上がる。与党は与党で真逆の思いがあるだろうが、平行線をたどる議論は何より国民のストレスだ。そうした世論の空気を、与野党はしかと受け止めてもらいたい。
 森友学園への国有地売却では、会計検査院も「根拠が不十分」と指摘した8・2億円の値引きの経緯がさっぱり分からない。獣医学部設置は他地区にも競合する計画があったのに、なぜ官邸筋は加計関係者とだけ面会を重ねるなどの特別扱いを受けたのか−。
 数ある疑問は、政府が最重要とする働き方法案やカジノ法案などの審議の熟度に関わって、政策への国民の信頼を揺るがせる。米朝首脳会談の行方を焦点に、世界の目が東アジアに注がれる時。政権が疑惑にほんろうされ続ける不利益は、内政はもとより外交上も計り知れない。
 国会は国民の代表だ。国行政による公文書の改ざんや隠ぺいは、それを基に議論する国会の権威を汚し、歴史の評価を不能にする。与野党が問題意識を共有するならば、事実解明のための取り組みに一致点を見いだすのは、そう難しいことでもあるまい。
 安倍晋三首相は、自民党総裁だ。憲法問題では、その立場で9条への自衛隊明記をはじめ党の改憲論議を主導。2020年の改正憲法施行を目指し、与野党に議論の加速を促した経緯がある。
 それが可能なら、「モリカケ」で与党に徹底解明を促すのはわけもあるまい。特別委設置や関係者の招致について「国会が決めること」と突き放すのは、御都合主義といわざるを得ない。
 加計学園の獣医学部新設に絡み、同学園は文書一つで愛媛県文書にある首相と学園理事長の面会記録を「誤情報」と発表。それを引き合いに、同県や今治市に国家戦略特区の申請を働き掛けたという。
 首相はさほど問題視していないようだが、事実なら地方を欺き、制度の公平を侵して事業化を推し進めたことになる。面会を否定する自らの主張に沿うとはいえ、地方を手玉に取るようなうそを、国行政のトップが安易に見過ごしていいはずがない。
 一連の疑惑は、首相周辺でくすぶり続けている。巨大与党の「総裁案件」として、究明を主導願いたい。


森友、加計審議 自己正当化するだけでは
 森友学園問題も、加計学園問題も、国民の疑念はさらに深まっているに違いない。にもかかわらず安倍晋三首相は、今まで通り自らの正当性を訴えることに終始した。
 このままで納得が得られると首相が考えているなら、甘すぎよう。真相を明らかにするにはやはり、関係者の国会招致が不可欠だ。
 衆参両院の予算委員会で集中審議が行われ、森友、加計問題を巡り論戦が交わされた。
 不可解さを禁じ得なかったのは、学校法人森友学園への国有地売却に関する答弁だ。
 首相は否定を続けてきた自らや昭恵夫人の関与について「お金のやりとりがあって頼まれて行政に働きかけた、という意味での関わりはない」とわざわざ説明した。
 首相は昨年2月、関与について「私や妻、事務所が関わっていれば、首相も国会議員も辞める」と国会で答弁した。
 今回、「関与」を贈収賄に問われるような範囲に限定した格好である。あえて予防線を張るような物言いをしたことが引っかかる。
 学校法人加計学園の獣医学部新設問題では、2015年2月25日に首相と学園の加計孝太郎理事長が面会したと記載されていた愛媛県作成文書の内容を重ねて否定した。
 首相は「県の担当者が私や加計氏から直接聞いた記録ではない。学園関係者からの伝聞の伝聞にすぎない」と述べた。
 「伝聞の伝聞」との論理はこの文書が判明した後、与党幹部らからも出ていた。
 文書によると、加計氏が国際水準の獣医学教育を目指す考えを説明したのに対して、首相が「そういう新しい獣医大学の考えはいいね」とコメントしたとされる。
 愛媛県側が国会に提出し「正直に書いた」と強調している文書である。明確な根拠も示さず「伝聞の伝聞」だからと否定して説得力を持つかどうか。
 この面会について、集中審議直前に、加計学園側が「実際にはなかった」とのコメントを発表したことも不自然だ。
 コメントは、獣医学部設置の動きが停滞していた時期で打開策を探しており、「担当者が実際にはなかった総理と理事長の面会を引き合いに出し、県と(今治)市に誤った情報を与えてしまったように思う」とする。
 首相は集中審議で、学園のコメントに絡み、国家戦略特区の認可手続きと関係がなく、誤情報の影響はなかったと言及した。だが学園側が停滞状況を打破するために首相を持ち出したのなら、説明には疑問符が付く。
 何より、事実なら愛媛県や今治市への背信行為だろう。愛媛県の中村時広知事が学園のコメント発表を受け、「普通はまず関係者に謝罪し、説明する。(それがないのは)あり得ない」と批判したのは当然だ。
 「不都合」が出てくると、それを覆い隠すような動きが生じる。これでは、疑念が晴れるはずはない。


国会集中審議 うみ出し切り事態収拾を
 衆参両院の予算委員会がきのう、集中審議を行った。森友学園に関する財務省の決裁文書改ざんや交渉記録廃棄、加計学園を巡る問題などについて野党が安倍晋三首相らを追及したものの、議論は平行線に終わった。
 森友学園問題では先日、財務省近畿財務局と学園側の交渉記録が国会に提出された。昨年2月の問題発覚後、当時理財局長だった佐川宣寿前国税庁長官が「廃棄した」と繰り返し答弁したが、実際はその答弁につじつまを合わせるため、理財局が廃棄を指示していた。
 交渉記録などには、首相夫人の昭恵氏付の政府職員が財務省に森友の名を出して条件面を問い合わせたり、学園側が昭恵氏の「発言」や親密ぶりを示して強く交渉を迫ったりする様子が記されていた。
 これに対し安倍首相は、昭恵氏の発言の記載は学園側の主張にすぎないと反論する一方、否定してきた自身や昭恵氏の関与については「お金のやりとりがあって頼まれて行政に働き掛けた、という意味での関わりはない」と説明した。文書改ざんなどの不祥事には「首相としての責任を痛感している」と陳謝した。
 文書改ざんも交渉記録廃棄も、国会や国民を愚弄(ぐろう)する重大な政府の背信行為だ。佐川氏の答弁と齟齬(そご)がないよう改ざんなどが指示されたのであれば、なぜ佐川氏が虚偽答弁をしたのか、この点の徹底追及がまず第一である。
 だが財務省はいまだ、詳細は調査中としている。トップである麻生太郎財務相も自らの責任を明確にしていない。首相は麻生氏の引責辞任は必要ないとしたが、速やかに調査を終え、大臣を含めた処分を行う必要がある。
 加計学園の獣医学部新設を巡っては、愛媛県が国会に提出した新文書で、加計関係者からの報告として首相と加計孝太郎理事長が2015年2月25日に面会し、首相が学部新設を評価したとする内容が明るみになった。
 首相はこれまで、学園の計画を知ったのは昨年1月だとしており、真っ向から食い違う。首相は文書を「伝聞の伝聞」と指摘し、面談は改めて否定した。
 学園は先週末、面会は「実際にはなかった」とするコメントを発表した。関係者に確認した結果、担当者が虚偽の面会情報を県と今治市に伝えたという。
 ただ具体的な説明も記者会見もなく、愛媛県の中村時広知事は「謝罪や説明がないのはあり得ない」と対応を批判している。学園の説明が事実なら、地方自治体を欺いたと言わざるを得ない。会見などできちんと説明責任を果たすことが求められる。
 国会閉会まで1カ月を切った。疑惑の真相解明が進まぬ中、重要な外交や法案などの課題が山積していることも見過ごせない。首相自らが「うみを出し切る」という以上、事態収拾に尽くすべきだ。


国会集中審議 疑惑解明へ加計氏喚問が不可欠
 学校法人「加計学園」の今治市への獣医学部新設を巡り、衆参両院の予算委員会で安倍晋三首相が出席し、集中審議が行われた。2015年2月に学園の加計孝太郎理事長と面会したとの記載があった愛媛県の新文書について、首相は改めて内容を否定。学園が理事長の面会や内容を否定するコメントを出したことにも言及し、自身の潔白を強調した。
 学園のコメントは、担当者の記憶の範囲で確認できたとする内容であり、具体的な根拠は示されていない。学園の説明通りなら、県と市にうそを語り、獣医学部誘致を働き掛けていた疑いが浮上するが、いまだに県や市に面会しての謝罪や説明がない。「加計ありき」を打ち消すため、首相答弁とのつじつま合わせをした疑念は払拭(ふっしょく)できず、全容解明には加計氏らの証人喚問が不可欠だ。
 焦点は学園の獣医学部構想に関し、首相がどの時点で知ったかだ。首相は学園が新設事業者に正式決定した17年1月と繰り返している。県新文書は、学園担当者の報告として15年2月に首相と加計氏が面会し、獣医学部構想に首相は「いいね」と述べた、と記載されていた。面会が事実なら、首相のこれまでの答弁が虚偽で「加計ありき」が決定的となる。
 集中審議で、首相は報道された「首相動静」に記載がないことなどを改めて説明し、15年2月の面会を否定。獣医学部新設計画を17年1月に知ったとする主張を崩さなかった。しかし、委員から「首相動静に載らずに官邸に行ったことがある」と指摘されるなど、根拠とするには薄弱だ。
 首相の不誠実な答弁は相変わらずだった。「委員がつくったストーリー」「印象操作だ」。感情的に反論するが根拠は示さない。質問に関係ない経緯を長々説明する場面もあり、疑惑解明に後ろ向きな姿勢には強く異を唱えたい。
 それにしても、学園の対応は不可解だ。集中審議に先立つ26日、面会事実を否定するコメントを出した。「実際にはなかった総理と理事長の面会を引き合いに出し、県と市に誤った情報を与えたと思う」。当時の担当者が国家戦略特区に申請すれば状況を打開できると考え、架空の面会話を伝えたという。
 県や市から、巨額の補助金を受ける立場にあるにもかかわらず、連絡はファクス1枚を報道機関に送付しただけ。首相の名をかたって、県と市をだましたとすれば悪質であり、まずは説明責任を果たすべきだ。
 他にも疑念は残る。県新文書からは柳瀬唯夫首相秘書官(当時)が誘致に積極的な関与をしているように取れるためだ。10日の参考人招致で、柳瀬氏は15年4月の学園側との面会を認めたものの、県や市職員との面会は「記憶にない」などと答えており、違和感がある。柳瀬氏にも虚偽証言に罰則がある証人喚問を求める必要がある。


8億円値引きで検査院対策 財務&国交省が“秘密会議”の衝撃
 森友学園への国有地格安売却をめぐり、財務省と国交省の“謀議”を裏付ける新たな文書の存在が浮上した。28日の参院予算委の集中審議で共産党の小池晃議員が示した「航空局長と理財局長の意見交換概要」だ。
 この文書によると、2017年9月7日、財務省の太田充理財局長と国交省の蝦名邦晴航空局長、両局の総務課長の4人が協議。値引きの根拠とした約8.2億円のゴミ撤去費の妥当性を調べていた会計検査院に独自の試算額を検査結果報告に明記されるのを避けるため、官邸や与党へどう働き掛けるか知恵を絞っていた。
 文書に記載された太田氏の発言は生々しい。「総額を消すことが重要」「少なくともトン数は消せないのではないか。金額よりも数の方がまし」と試算額の扱いを相談。「検査院に対しては官邸だからといって通用しない」「官房長官への対応をするのが基本」などと官邸を通じた検査院への圧力に言及し、「政権との関係でデメリットも考えながら対応する必要がある」とも口にしていた。
 小池議員に事実関係を追及された太田氏は「それがどういう紙か、私にはわかりません」とトボけ、安倍首相も「紙がどういう性格のものか承知していないのでお答えのしようがない」とはぐらかしたが、デタラメな値引きをごまかそうとしたのはミエミエだ。国に損害を与えた背任罪に問われかねない。そんな後ろめたい気持ちで動き回っていたのではないか。不当なダンピングが表沙汰になったらヤバイと慌てたのは明らかだ。
 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言う。
「売り手は高く売ろうとし、買い手は安く買い受けようとする。それが通常の商慣習なのに、財務省が国有地を安く売るために奔走し、その後処理に腐心する異常な状況が浮き彫りになりました。安倍首相が〈私や妻が関係していたなら、首相も国会議員も辞める〉と大見えを切ったために、ツジツマが合わない国会審議が延々と続けられ、国民の疑念は深まる一方です」
 捜査を進める大阪地検特捜部は関係者の立件を見送る方針だというが、そんなメチャクチャに世論が納得するわけがない。


働き方改革に“激怒” 水木氏と「鬼太郎」が投げかける疑問
 子ども向けの妖怪アニメの題材になるほど「異常」だということだ。27日、フジテレビ系で放送された「ゲゲゲの鬼太郎」で、安倍政権が今国会の目玉と位置付ける「働き方改革」がテーマに取り上げられ、話題となっている。
 タイトルはズバリ「河童の働き方改革」。ストーリーは、薄給と激務が原因で従業員が次々と退社し、人材不足に頭を悩ませた加藤勝信厚労相似のIT企業社長が「キュウリ3本」の時給でカッパを大量雇用。しかし、深夜遅くまで働き続けたカッパが業務中に卒倒するなど、現代社会の“過労死”を彷彿とさせる内容だった。
 この放送直後、ネットでは〈外国人研修制度や働き方改革をdisった話だった〉〈河童に自分の業界を重ねて見てしまった〉〈目玉おやじさんが忙しいという漢字は心を亡くすと書く、って言ったとき心に響いた〉などと大盛り上がり。〈神回〉〈深い〉と称賛の声も上がった。
「ゲゲゲの鬼太郎」の原作者である水木しげる氏は、自らの戦争体験を踏まえ、反戦マンガを描いていた。
 集団的自衛権の行使容認など、好戦的な安倍とは真逆の思想で、その「鬼太郎」が働き方改革に疑問を投げかけているのだから、視聴者も水木氏からの草葉の陰のメッセージと受け取ったに違いない。
「働き方改革関連法案」は、労働時間のデータに相次いでミスが発覚したにもかかわらず、衆院厚労委で強行採決され、29日にも衆院を通過する見通しだ。
 野党や過労死遺族からの「過労死を助長する」といった批判をまるで無視している中で放送された「河童の働き方改革」。 今度は「総理大臣と友達を理由に金儲けを企む学校法人の理事長」や「公務員を好き勝手に使う総理大臣のカミさん」「記憶も記録もないけどオレが正しいという妖怪」の話を、ぜひ作ってほしいものだ。


危機管理のプロが指摘 日本大学の記者会見はなぜ失敗した
 日本大学の広報部がまっとうな危機管理と真逆の対応を行った。アメフト部員による悪質プレーがあった後、2週間以上も記者会見を行わなかったばかりか、大学に押し寄せる記者には「法人としてお話しすることはない」と木で鼻をくくった対応。守るべき学生を守らず、対応が後手後手に回っている。ようやく開いた内田正人前監督の会見では司会役の広報職員がマスコミとひと悶着を起こし、火に油を注ぐ始末だった。
 思い起こせば2000年7月、集団食中毒事件を起こした雪印乳業の石川哲郎社長が「寝てないんだよ!」と逆ギレする失言を犯した。その後の雪印食品による牛肉偽装もあり、同社は事実上の解体。戦後企業史に残る汚点として知られるが、その教訓から日大は一切学んでいないようだ。
 そもそも日大にはリスクマネジメントを研究する「危機管理学部」がある。だが、教授20人のうち12人が公官庁などからの天下り。防衛省が4人で最も多く、警察庁、国交省、法務省のほか、読売新聞の元記者も名を連ねる。教授クラスの報酬は1500万円程度で、この人事権を握っているのが内田前監督だ。
 読売出身の勝股秀通教授の担当は「企業広報論」。まさしく今回の騒動のど真ん中の学問であり、雇用主である日大の窮地に日頃の知見をいかんなく発揮してもらいたかったものだが、まったく機能しなかった。こういうことを昔の人は、机上の学問……と呼んで忌み嫌ったものだ。
■事前の戦略が8割
 もちろん、広報部職員も、上層部が怖いのか、田んぼのカカシ状態だ。今回の異様な対応をプロの広報コンサルタントはどう見ているのか。「日本リスクマネジャー&コンサルタント協会」の石川慶子理事がこう言う。
「記者会見は事前の戦略が8割で、日大広報部はやるべきことをやっていませんでした。23日の会見は開始1時間前にメディアを呼び出したことでも分かるように、明らかに準備不足。本来ならば、学生選手が会見を行う前のタイミングで会見を開くべきでした。また、開始1時間半を過ぎたころに質疑を打ち切ろうとした司会役の職員も、感情的な打ち切りで報道陣の反発を招いた。危機管理対応を勉強しているとは思えず、メディア対応のプロとは言えません」
 細かいようだが、謝罪する人の背広やネクタイの色や柄をアドバイスするのも、広報マンの役割のひとつ。内田前監督がピンクのネクタイをしていた時点で、広報職員のミスだ。本物のリスクマネジメントを学んだ職員を採用すべきだが、日大職員は文科省からの天下りも多い。
 前出の石川氏は「学生に責任を押し付けることに憤りを感じる」と断りつつ、それでも今後の日大の対応をこうアドバイスする。
「そもそも今回の問題は大学の常務理事とはいえ、一運動部監督や学長が対応できるレベルを超えており、他大学であればトップの理事長が謝罪すべき案件です。広報職員は田中英寿理事長を説得し、『大学のブランドを守るためトップの責任を果たしてください』と言って会見をセッティングすべきでした。今からでも遅くありませんので、速やかに理事長に会見を行わせるべきです」
 学生選手は「QBをつぶせ」と指示されたとされるが、この広報部は日大ブランドをつぶしてしまっている。


悪質タックル 学生スポーツの危機だ
 アメリカンフットボールの日本大と関西学院大の定期戦で、日大選手が悪質な反則タックルで関学大選手を負傷させた事件が社会問題化している。学生スポーツの危機として、その在り方が問われている。
 日大選手の反則行為は許されるものではない。意図的に相手を負傷させたプレーは、ルールに基づきフェアプレーで競うスポーツを冒?(ぼうとく)している。
 なぜ、傷害事件になるかもしれないひどいプレーが起きたのか。加害選手と日大指導部の言い分の食い違いが、騒動を混乱させている。
 選手は「罪」を認めた。単独で会見に臨んで謝罪し、経緯を説明した。監督、コーチからの、相手選手を「つぶせ」との指示を「けがをさせろ」と解釈した。あり得ない命令でも逆らえず、蛮行に及んだことを悔いた。日本代表候補になるほどの逸材が、もう自分には競技を続ける「権利はない」と言った。
 ここまで選手を追い込んだものは何か。選手は監督に意見を言える関係ではなかった、ともいう。伝統ある名門体育会で継承されてきた強権的指導法が今も残っているようだ。上意下達のチーム運営が学生選手から思考の自由を奪ったのか。
 日大指導者の対応は不可解だ。監督は指示を否定。コーチは「つぶせ」と言った事実は認めたが、けがをさせる目的はなかったと釈明している。共に辞任した監督、コーチの苦しい弁明には、最も苦悩しているはずの学生を守ろうという姿勢が見えないのが、悲しい。
 国内最多、約7万人の学生数を誇る日大は、スポーツでも数多くの名選手、五輪メダリストを輩出し、日本のスポーツ界で大きな存在感を示してきた。少子化時代になって各私学が運営に苦労する中、「スポーツ日大」のブランド力を押し出した広報活動も強化してきた。昨年も学生日本一になったアメフット部は、その象徴でもあった。
 学生スポーツの指導者が、学校のブランドを守るため、あるいは高めるために勝利至上主義に走ることはないのか? そのために選手を犠牲にしているのでは? そんな疑念さえ湧く深刻な事態と言えよう。
 問題はまだ解決していない。関学大も、世間も、日大の説明に納得していない。この頃、日本では、権力にいる側が、うそやごまかしで問題をすり抜けようとする悪い連鎖が続いている。学生スポーツ全体の健全化のためにも、日大アメフット部は真実を明らかにした上で再起してほしい。


日大アメフト部が声明文 仲間救えず「私たちの責任はとても重い」「指示に盲目的に従って…」
 日本大アメリカンフットボール部の守備選手による悪質な反則問題で、29日、選手一同が声明文を発表した。「大切な仲間であるチームメイトがとても追い詰められた状態になっていたにもかかわらず、手助けすることができなかった私たちの責任はとても重い」とした。
 声明文の冒頭で「ケガを負ったQBの選手とご家族の皆さまにお見舞いを申し上げるとともに、関西学院大学アメリカンフットボール部関係者の皆さま、関東学生アメリカンフットボール連盟その他の関係者の皆さまに、多大なご迷惑とご心労をおかけしてしまったことを、私たち日本大学アメリカンフットボール部選手一同、心よりお詫び申し上げます」と謝罪。
 反則をした宮川泰介選手(20)に対して「大切な仲間であるチームメイトがとても追い詰められた状態になっていたにもかかわらず、手助けすることができなかった私たちの責任はとても重いです」と打ち明け「これまで私たちは、監督やコーチに頼りきりになり、その指示に盲目的に従ってきてしまった。それがチームの勝利のために必要なことと深く考えることもなく信じきっていました」と組織、体制の問題点を挙げた。
 今後については「私たちは、日本大学アメリカンフットボール部全体が生まれ変わる必要があることを自覚しています。今後、具体的に何をしていかなければならないかについては、これから選手一同とことん話し合って決めていきたいと思います」と誓った。
 「そして、いつか、私たち日本大学アメリカンフットボール部が、部の指導体制を含め生まれ変わったと皆さまに認めていただいた時には、私たちが心から愛するアメリカンフットボールを他のチームの仲間たちとともにプレーできる機会を、お許しいただければ有難いと思っています。また、そのときには、もし可能であれば、私たちのチームメートにも再びチームに戻ってきてもらい、一緒にプレーできればと願っています」と切なる願いを記した。


日大選手が声明文「指示に盲目的に従い」/原文まま
 日本大アメリカンフットボール部の選手による悪質な反則行為で関西学院大の選手が負傷した問題で、日大の選手が29日、声明文を発表した。
 全文は以下の通り。
 本年5月6日に行われました関西学院大学アメリカンフットボール部と私たち日本大学アメリカンフットボール部の第51回定期戦での私たちのチームメイトの反則行為について、ケガを負ったQBの選手とご家族の皆様にお見舞いを申し上げるとともに、関西学院大学アメリカンフットボール部関係者の皆様、関東学生アメリカンフットボール連盟その他の関係者の皆様に、多大なご迷惑とご心労をおかけしてしまったことを、私たち日本大学アメリカンフットボール部選手一同、心よりお詫び申し上げます。本当に申し訳ありませんでした。また、私たちの行為によりアメリカンフットボールという競技そのものへの信頼が損なわれかねない状況に至ってしまったことについて、アメリカンフットボールを愛する全ての皆様、そして社会の皆様に深くお詫び申し上げます。
 今回の件が起こってから、私たちは、どうしてこのようなことになってしまったのか皆で悩みながら何度も話し合ってきましたが、まだ明確な答えが見つけられたわけではなく、これからも話し合いは続けていきたいと思います。また、これから捜査機関による捜査や大学が設置する第三者委員会の調査が行われるようですので、私たちも全面的に協力して、その結果も待ちたいと思います。なお、それらの捜査・調査に際しては、関係者の皆様にも、私たちが信じているチームメイトのように、誠実にありのまま全てをお話しして、その責任をしっかり受け止めて頂きたいと思っています。
 ただ、少なくとも、私たちは、私たちの大切な仲間であるチームメイトがとても追い詰められた状態になっていたにもかかわらず、手助けすることができなかった私たちの責任はとても重いと考えています。これまで、私たちは、監督やコーチに頼りきりになり、その指示に盲目的に従ってきてしまいました。それがチームの勝利のために必要なことと深く考えることも無く信じきっていました。また、監督・コーチとの間や選手間のコミュニケーションも十分ではありませんでした。そのような私たちのふがいない姿勢が、今回の事態を招いてしまった一因であろうと深く反省しています。
 私たちは、日本大学アメリカンフットボール部全体が生まれ変わる必要があることを自覚しています。今後、具体的に何をしていかなければならないかについては、これから選手一同とことん話し合って決めていきたいと思います。ただし、絶対に必要だと今思っていることは、対戦相手やアメリカンフットボールに関わる全ての人々に対する尊敬の念を忘れないこと、真の意味でのスポーツマンシップを理解して実践すること、グラウンドではもちろんのこと、日常生活の中でも恥ずかしくない責任ある行動を心がけるなど常にフェアプレイ精神を持ち続けることを全員が徹底することです。そのために何をしていく必要があるのか、皆様にご指導頂きながら、選手一人ひとりが自分自身に向き合って考え抜くとともに、チーム全体でよく話し合っていきたいと思います。
 そして、いつか、私たち日本大学アメリカンフットボール部が、部の指導体制も含め生まれ変わったと皆様に認めていただいた時には、私たちが心から愛するアメリカンフットボールを他のチームの仲間たちとともにプレーできる機会を、お許しいただければ有難いと思っています。また、そのときには、もし可能であれば、私たちのチームメイトにも再びチームに戻ってきてもらい、一緒にプレーできればと願っています。
 私たち選手一同の今の思いは以上のとおりです。私たちは、今回の件の深い反省のもと、真剣に、謙虚に、一丸となってチーム改革を実行していく所存ですので、どうかご指導のほど、よろしくお願い致します。
平成30年5月29日
日本大学アメリカンフットボール部選手一同


アメフット 内田前監督と井上元コーチ「除名」 関東学連
 日本大アメリカンフットボール部による悪質タックルについて調査した関東学生連盟は29日、内田正人前監督(62)と井上奨(つとむ)元コーチ(29)を最も重い除名処分としたと発表した。事実上の永久追放処分となる。森琢ヘッドコーチは資格剥奪(登録抹消)。悪質なタックルで関西学院大選手を負傷させた宮川泰介選手(20)とチームについては、今季の公式試合出場停止処分とした。ただし、宮川選手とチームについては、再発防止策などが理事会で承認されることを条件に処分を解除するとしている。【松本晃、村上正】
チーム、今季出場停止
 関東学連は悪質タックルについて、内部の理事らで構成する規律委員会を設置。関係者の聞き取り調査に基づき、重い順から(1)除名(2)資格剥奪(3)団体活動の一時的または無期限停止(4)公式試合の無期限出場資格の停止−−などの罰則規定の適用を検討してきた。この日は東京都内で臨時理事会を開き、規律委員会の報告を基に処分を検討した。日大側は異議申し立てをすることができ、除名処分は加盟チーム代表や理事らによる社員総会の承認が必要となる。
 両校の定期戦(6日、東京都調布市)で行われたタックルは、試合の映像がソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を通じて急速に拡散し、注目を集めた。象徴的な悪質タックルを皮切りに3度の反則を犯して退場するまで放置した内田前監督ら指導陣は選手が悪質な反則をした指導監督責任を問われた。
 批判が高まり、試合から2週間近くとなった19日に内田前監督が引責辞任して問題の収束を図ろうとしたが、22日に宮川選手が実名と顔を公表して記者会見し、内田、井上両氏から悪質な反則を指示されたと告白する異例の事態に発展。具体的な説明を伴った内容とは対照的に、23日に釈明会見した内田、井上両氏は指示を否定して責任を回避するような内容となった。問題を放置した形になった日大本部にも批判の矛先が向いた。
 日大は試合から約3週間後の25日、大塚吉兵衛学長が記者会見し、大学として初めて謝罪した。さらに今週にも第三者委員会を設置し、調査する方針を固めた。一方、被害に遭った関学大選手側は傷害容疑で警察に被害届を提出。警視庁は日大関係者から聞き取り調査を始めており、刑事責任の有無を慎重に判断する。
 日大が所属する関東大学1部リーグの監督会は日大の指導体制が改善されない場合は、秋のリーグ戦での対戦を拒否する方針を示しており、30日に会合を開く予定。
 関東学連から29日夜に報告を受けたスポーツ庁の鈴木大地長官は「選手の反則行為に監督、コーチの指示があったという事実認定がされた。ある意味組織ぐるみで反則行為が行われた。許されるものではない」と話した。
◇関東学生連盟の処分◇
【除名】※次回社員総会の決議が条件
◎内田正人前監督
◎井上奨元コーチ
【今季終了まで公式試合の出場資格停止】
◎宮川泰介選手
→反省文を連盟に提出し、規律委員会との面談で再発の危険の払拭(ふっしょく)が確認でき、理事会で承認されれば処分解除
◎日大チーム
→原因究明を行い、再発防止策を策定・実施し、チーム改革・組織改革を断行し、理事会に改善報告書を提出。検証委員会で確認され、理事会で承認されれば処分解除
【資格剥奪(登録の抹消)】
◎森琢ヘッドコーチ


内田前監督 井上前コーチ除名処分 日大アメフト問題で関東学連
日本大学アメリカンフットボール部の選手が重大な反則行為をした問題で、試合を主催した関東学生アメリカンフットボール連盟は29日、臨時の理事会を開き、日大の内田正人前監督と井上奨前コーチについて反則行為を指示したことなどを理由に最も重い「除名」とする処分を決めました。
今月6日に行われた日大と関西学院大学の定期戦で日大の選手が後ろからタックルする重大な反則行為をして全治3週間のケガを負わせました。
試合を主催した関東学生連盟は規律委員会を設置し、「反則行為を指示された」とする日大の選手だけでなく、「意図的に指示はしていない」とする内田前監督などから直接、聞き取りをして事実関係の調査を進めてきました。
規律委員会は29日、都内で開かれた理事会で、日大の内田前監督と井上前コーチを「除名」、森琢ヘッドコーチを「資格の剥奪」、反則行為をした選手とチームについては「今年度シーズン終了までの公式試合の出場資格停止」とする処分案を提案し、理事会はこれらの処分案を承認しました。
「除名」は事実上の永久追放に相当する最も重い処分で、理事会での決定のあと各チームの代表が集まる総会の承認が必要となります。
規律委員会では反則行為に至った事実関係の判断を行い、2人を「除名」処分とした理由について「悪質なタックル行為は指示があってやったものだと認定した。選手本人は『やらない選択肢がなかった』と話していて、そういう状況に追い込み、かつ、相手選手をケガさせるような指示をしたことは許されない」と説明しました。
一方、反則行為をした選手への処分については規律委員会との面談で再発の危険が払拭(ふっしょく)されたことが確認できたことなどを条件に、またチームについては抜本的なチーム改革を断行することなどを条件に処分は解除されるとしました。
選手への処分について「反則行為をやったのは本人であり、どんな圧力があっても許されることではない。ただ、謝罪会見を開き、社会的な制裁を受けたのではないかと思う」と説明しました。
内田前監督 大学の実質ナンバー2
内田正人前監督は62歳。日本大学を卒業後、母校に就職してアメリカンフットボール部のコーチを務め、2003年には監督に就任しました。
選手の育成に定評があり、関東学生アメリカンフットボール連盟の強化委員を務めた経験もあります。
2015年に一度退任しましたが、去年監督に復帰し、復帰1年目で学生日本一を決める甲子園ボウルでチームを27年ぶりの優勝に導きました。
内田前監督は大学では人事担当の常務理事も務め、大学の関係者によりますと「大学では理事長に次ぐ実質ナンバー2に当たり、理事長から最も信頼されている人物」とされていました。
しかし、今回の問題を受けて、今月19日にアメリカンフットボール部の監督を辞任し、常務理事についても一時的に職務を停止しています。
井上奨前コーチとは
井上奨前コーチは、日本大学アメリカンフットボール部内に13人いるコーチの1人で、ディフェンスラインを担当していました。
井上前コーチは、大学の付属校で都内にある日大豊山高校のアメリカンフットボール部で以前、監督を務めており、今回、反則行為をした選手を2年生と3年生の時に指導していました。
井上前コーチは今回の問題を受けて、アメリカンフットボール部のコーチを辞任していました。
関東学生連盟とは
アメリカンフットボールの関東学生連盟は、関東や山梨県、新潟県にある大学の96チームが加盟する一般社団法人です。
関東学生連盟には、理事長をトップに理事会が設けられ、加盟する各大学から理事が選ばれています。
連盟は、春のオープン戦や秋のリーグ戦などの試合の運営のほか、指導者や選手に対する安全対策などを担うとともに、連盟の定款や規定に違反した団体や個人に対して調査をしたり、罰則を与えたりすることができます。
加盟するチームは関東学生連盟の1部から3部、それに4部に相当するエリアリーグに所属して、試合を行います。また、医学部や歯学部のチームで構成されたリーグや、7人制のリーグも設けられています。
罰則規定と処分
関東学生連盟の罰則規定によりますと、加盟する団体や個人が規定に違反したときなどへの処分は8種類あります。
最も重い処分は「除名」で、次いで「資格の剥奪」、「団体活動の一時的または無期限停止」、「公式試合の無期限出場資格の停止」、「公式試合の一定期間出場資格の停止」、「公式試合の一定数出場資格の停止」、「戒告」、「訓告」となっています。
重大な違反行為については、理事長が規律委員会を設置して審議をさせることができるとしていて、日大のアメリカンフットボール部の問題では、この規律委員会が事実関係の調査を行いました。
処分の決定は理事会が行いますが、このうち、連盟に復帰することができない最も重い「除名」は、理事会の決定のあと加盟チームの代表が集まる総会の承認が必要となっています。
試合のスケジュールは
関東学生連盟に加盟するチームは、例年4月から6月にかけて春のオープン戦を行っていて、関西学生連盟などほかの連盟のチームとも試合を行っています。
一方、秋のリーグ戦は1部から3部、それに4部に相当するエリアリーグに分かれて、毎年9月から12月に行われます。
日本大学も所属する最も上の1部リーグの「TOP8」は、8チームの総当たり戦で行われ、優勝したチームは大学日本一を決める甲子園ボウルへの出場権をかけた東日本の代表校決定戦に進むことができます。
日大「受け止め真摯に対応」
日本大学のアメリカンフットボール部は、内田正人前監督や井上奨前コーチなどを除名にするなどの処分を関東学生連盟が決定したことについて「連盟の裁定を重く受け止め、真摯に対応させていただきたい。今回の事案の反省のもとに早急に具体的な改善策を策定、実行し、二度とこのような事案が起こらないように不退転の覚悟で進めていきたい。反則行為をした選手の一日も早い復帰、並びに、チームの活動の再開をお許しいただけるように部を一新して誠心誠意努めてまいります」とコメントを出しました。
アメフト部父母会会長「新チーム作りサポートしたい」
日本大学アメリカンフットボール部の父母会の会長はチームに処分が出されたことについて、「選手たちともども厳粛に受け止め、今後行われるであろう新しいチーム作りなどを側面から全面的にサポートしてまいりたいと考えております。選手たちが愛して止まないアメリカンフットボールができる日が早く訪れることを切に願っております」とコメントしています。
関学大「真相究明の尽力に深く敬意」
処分決定について関西学院大学のアメリカンフットボール部はコメントを発表し、「真相究明へのご尽力に深く敬意を表します。関東学生連盟の決定についてはコメントを差し
控えたい」としています。


生活保護受給者に後発薬 社会の公平性どう考える
 生活保護法改正案が今国会で成立する見通しとなっている。4兆円近くに上る生活保護費の約半分を占める医療費を抑えるため、受給者には原則として低価格の後発薬(ジェネリック医薬品)を処方することが盛り込まれている。
 生活保護費の膨張は抑えなければならないが、受給者だけ後発薬を義務づけることには異論も根強い。
 新薬の特許権が切れた後に、別の会社が同じ有効成分を用いて作るのが後発薬だ。新薬開発時に有効性・安全性は試験済みであるため、開発期間は平均で3〜5年と短い。価格も新薬の3〜7割と安い。
 政府はこれまでも受給者への後発薬処方を進めてきたが、現在72%にとどまっている。薬効は同じでも、新薬とは形状や添加物が異なり、溶け方や塗り心地が違うことから、後発薬を嫌がる人がいるためだ。
 受給者だけでなく、政府は国民全体にも後発薬の使用促進を図っている。ジェネリック医薬品の使用割合が1%上がれば10億〜15億円は削減できる。医療費全体の膨張を抑えることにつながるためだ。
 ところが、日本全体の後発薬の使用の割合は現在65%。米国の90%をはじめとする諸外国に比べて低い。このため、2020年9月までに後発薬の使用を80%にすることが、昨年6月に閣議決定された。
 生活保護の受給者だけをターゲットにするよりも、国民全体で後発薬の使用を進める方が医療費を抑える効果ははるかに高い。お金のない人を自動的に後発薬とすることによる差別感を避けることにもなる。
 日本には貧困層への医療に配慮してきた歴史がある。1911年には貧困者に無料で薬の投与、治療を行う「施薬救療の大詔」が発せられた。雇用労働者を対象にした旧健康保険法の施行(27年)より前のことだ。現在も保険証のない困窮者に対して無料低額診療制度がある。
 高齢化や医療技術の進歩で今後も医療費は増加することが予想される。負担増や受診制限など、厳しい政策の検討も避けられないだろう。
 社会的公平性を守りながら、医療制度を持続可能にするには何が必要か。公的医療が担ってきた社会に対する国民の信頼や連帯感についても深く考える必要がある。


日立の英国原発 国策のツケは国民に
 3・11以降、原発は世界中で“不良債権化”しつつある。新規建設は、「国策」でなければ成り立たず、企業は巨大なリスクを背負い込む。英国で原発新設に乗り出す日立。成算はあるのだろうか。
 時代の流れに、どこまで逆らうつもりだろうか。
 向かい風に帆を揚げて、急流をさかのぼろうとする小舟のようなものではないか。「成長戦略」という名目の小舟である。
 グレートブリテン島中西部のアングルシーという島に、二〇二〇年代前半の運転開始をめざして、百三十万キロワット級の原発二基を建設する。
 総事業費は三兆円以上。日立は六年前、英国の原発事業会社を買収して子会社化、資金難に陥った英国側の事業を引き継いだ。
 福島原発事故後の建設費急騰に音を上げて、日立は日英両政府に資金支援を要請した。
 最新の資金計画では、北海油田・ガス田の枯渇を見越し、先進国で唯一、原発新設に積極的といわれる英国政府が、二兆円の融資を提示した。
 残りを日立と英政府や英企業、日本の政府系金融機関や電力会社などが出資し、日立などの出資分は事実上、日本政府が債務保証するという方向で交渉が進んでいる。これも「国策」だということだ。国策のつけは国民に回される。
 安全対策を考えれば、原発は割に合わない。既に世界の常識だ。
 フィンランドのオルキルオト原発3号機は、総事業費が当初見込みの三倍近くに膨らんで、完成は現時点で十年遅れ。フランスのフラマンビル原発3号機の事業費も同様で、この二基のつまずきが世界最大の原発メーカーであるフランスのアレバ社を事実上の破綻に追い込んだ。原子力事業子会社「ウェスチングハウス(WH)」の破綻が東芝を土俵際まで追い詰めたのも記憶に新しい。
 再生可能エネルギーの台頭により、欧州ではすでに原発の電力は市場競争力を失った。
 英国政府は原発の電気を一定期間、高額で買い取るシステムを導入し、建設費を国民に転嫁した。原発事業はもはや、政府の後押し、つまり国民の負担なしには成り立たない。安全面だけでなく、経済的にも巨大なリスク、いわば“泥舟”なのである。
 3・11の当事者でありながら、さまざまなリスクを押して原発にこだわる日本政府。真意はどこにあるのだろうか。


沖縄復帰から46年◆情勢変化に応じ基地再考を◆
 沖縄県は今月、1972(昭和47)年の本土復帰から46年を迎えた。衆院は当時、速やかに米軍基地の整理縮小を進めるべきだと決議している。しかし今も国土面積の約0・6%しかない沖縄に、在日米軍専用施設の約70%が集中する。その沖縄の米軍基地問題はこの夏、重大な岐路に直面する。宜野湾市の市街地にある普天間飛行場の移転先として名護市辺野古で進める基地建設工事で、政府は7月にも海を埋め立てる土砂の投入に踏み切る構えを示しているためだ。
移転で美しい海破壊
 天然記念物のジュゴンや貴重なサンゴなどが生息し、生物学者らが「わが国で最も貴重な海域の一つ」と指摘する美しい海は、土砂投入によって二度と元の姿に戻すことができなくなる。
 基地建設は日本を取り巻く安全保障環境を理由に進められてきた。だが事態は大きく動いている。北朝鮮は非核化の意思を表明、朝鮮半島の平和と安定に向けた関係各国の協議が続く。日本と中国も関係改善へと動きだしている。
 楽観視するのは禁物だが、今、政府と与野党が議論すべきなのは、大きく動き始めた北東アジアの情勢に対応する安全保障政策ではないか。その中で、在日米軍の在り方、沖縄の米軍基地の整理縮小も再検討すべきだ。その検討もせず、思考停止のように建設工事を進めるべきではない。貴重な自然を破壊してしまう前に再考するよう求めたい。
 復帰の日を前に沖縄で行われた3日間の「平和行進」には主催者発表で約5400人が参加。宜野湾市での県民大会で採択した宣言は、先の南北首脳会談での合意に触れた上で、「東アジアが平和と安定へと加速し、日米安保を抜本的に見直す時期が到来している」と指摘、「日米両政府によって強行される米軍基地の強化、拡大に反対する」と訴えた。
負担を押し付けるな
 日本政府は昨年4月、土砂を投入する海域を囲む護岸工事に着手。近く完成すれば土砂投入に踏み切る構えだ。これに対して沖縄県は工事差し止めを求めて提訴したが、那覇地裁は「県の訴えは裁判の対象とならない」として却下、県側が控訴している。
 46年前の本土復帰で、沖縄で初めて日本国憲法が適用されるようになった。しかし憲法が掲げる平和主義や基本的人権の尊重などの普遍的な理念は守られているだろうか。この1年だけでも、小学校の校庭に米軍ヘリコプターの部品が落下したり、ヘリが民家近くで炎上したりする事故が相次ぐ。
 翁長雄志知事は復帰の日に当たり、「いまだに沖縄県民は米軍基地から派生する事件・事故、騒音・環境問題などに苦しみ、悩まされ続けている」とのコメントを発表した。政治が取り組むべき責務は、沖縄に安全保障の負担を押し付けるのではなく、地域情勢の変化に対応した安保政策の議論を真正面から進めることだろう。


マリ移民の「スパイダーマン」 4歳児救助の瞬間
パリ北部の18区で26日、集合住宅の4階ベランダからぶら下がった4歳の子供を22歳の移民男性が救助し、男性を英雄だと称賛する声が上がっている。
マモウドウ・ガッサマさんの見事な救出劇を収めた動画はソーシャルメディアで拡散した。ガッサマさんはエマニュエル・マクロン大統領と面会し、フランスの市民権を得る見込みだ。


男児救助の「スパイダーマン」に仏市民権、消防局が採用の意向
パリ(CNN) フランス・パリの集合住宅でバルコニーから転落しそうになった男の子を目撃した西アフリカ・マリ出身の男性が、「スパイダーマン」さながらにビルをよじ登って救助した出来事をめぐり、フランス大統領府は28日、この男性に市民権を贈呈すると発表した。パリ消防局は、この男性をぜひ採用したいと申し出ている。
男の子を助けたのはマリ人のマムドゥ・ガッサマさん(22)。わずか数秒でビルのバルコニー伝いに4階をよじ上り、転落しそうになっていた男の子(4)を引っ張り上げた。パリ救急隊が到着した時は、既に男の子はガッサマさんのおかげで無事保護されていた。
マクロン大統領は28日、ガッサマさんをエリゼ宮(大統領府)に招き、表彰状と勲章を贈呈。ガッサマさんは「何も考えずによじ登った。神が私を助けてくれた」と振り返った。怖くなって身体が震え始めたのは、男の子の部屋にたどり着いた後だったという。
現場を撮影したビデオには、バルコニーにしがみついた男の子を、隣の部屋の住民が手を伸ばして必死に助けようとする様子が映っている。男の子の父親は買い物に出かけて留守だった。
パリ検察によると、父親は子どもを置き去りにした疑いで取り調べを受けている。男の子は保護された。
パリのイダルゴ市長は公式ツイッターで27日、ガッサマさんの勇気に感謝の意を伝えたことを明らかにした。ガッサマさんはフランスで生活することを夢見て数カ月前にパリに到着したといい、イダルゴ市長はフランス定住を支援すると約束した。
パリ消防局もガッサマさんについて、「マムドゥはパリ消防局の価値観を共有している。ぜひ彼を迎えたい」とツイートした。

問題解決?/月曜は憂うつ?/来年はスタート変更?

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Coca-Cola choisit le Japon pour sa première boisson alcoolisée
C'est la première fois en 125 ans d'existence que la marque américaine va proposer une boisson alcoolisée.
La célèbre bouteille rouge et blanche va se renouveler. Le groupe américain Coca-Cola a choisi le Japon pour commercialiser sa première boisson alcoolisée, nommée Lemon-Do, sorte de cocktail pétillant, proche de breuvages en vogue et que goûte volontiers le public féminin japonais.
C'est la première fois que le groupe âgé de 125 ans ose proposer une boisson alcoolisée, après avoir abandonné en 1983 la vente de vins héritée du rachat de Taylor Wines en 1977.
Trois variantes citronnées et plus ou moins alcoolisées de Lemon-Do sont proposées pour cette nouvelle boisson qui appartient à la catégorie "chuhai", souvent basée sur un alcool distillé appelé "shochu", gazéifié et accommodé à différentes saveurs de fruits. Dans un premier temps, Lemon-Do ne sera cependant vendu que sur l'île de Kyushu (sud-ouest). "Il s'agit d'un essai, dans une région qui représente un marché important", a précisé Masaki Iida, porte-parole de Coca-Cola au Japon.
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辞めるかどうかの話はなんだかよくわからないうちに問題解決?本当によくわからないので,状況を見守っていくしかありません.
W女子から月曜日は憂うつと言われてショック.どうしたらいいのでしょう?男子は元気がないのかあまり主張がありません.
いろいろ考えて来年はスタートを変更しないとまずいかな???と考え始めています.少なくとも10日間ぐらいは落ち着いて考えてみましょう.

名取・閖上復興支援にイベントで感謝 6000人招待
 東日本大震災で被災した宮城県名取市閖上地区で27日、支援者らに謝意を示す「閖上復興促進イベント」があった。1年後に同地区の「まちびらき」を計画する市が、復旧・復興に携わる工事関係者の意思統一を兼ねて企画。閖上水産加工業組合による初の復興感謝祭も同時開催された。
 ボランティアや他自治体からの派遣職員ら全国から約6000人を招待した。主会場で名取こどもミュージカルなどのステージ発表があったほか、4月に開校した閖上小中など同地区内7カ所を視察してもらうループバスの運行も行った。
 感謝祭では同組合の13社などが販売会を行い、焼きガレイの試食コーナーに長い行列ができた。佐々木直哉理事長は「ようやく、こうしたお祭りを開けるまで復興した。これまで協力してくれた多くの方に感謝したい」と話した。


漁協の公的資金完済/沿岸地域の持続性見通せず
 宮城県漁協は、東日本大震災後に受けた国などによる資本注入計66億8000万円を全額返済する方針を固めた。壊滅的な津波被害から7年が過ぎ、漁業者の多くが事業を再開し、生産・加工施設はおおむね復旧した。県漁協の財務基盤の回復は沿岸部の基幹産業復興の一里塚になるが、漁業を軸とした地域社会の持続性はいまだ見通せない。
 資本注入は農漁協金融の再編強化法に基づき、宮城県漁協のほか、岩手、宮城、福島3県の計8農協に対し、2012年3月に実行された。被災地の資金需要に応えるための経営強化を狙い、注入総額は約570億円。県漁協は7月中に返済する予定で、これで被災した全農漁協が公的資金を消却することになる。
 県漁協は20年度末までの完済目標を約3年前倒しした。漁業施設の早期復旧に加え、国の地理的表示保護制度(GI)に登録された「みやぎサーモン」など水産物の高付加価値化による販売増がけん引した。17年度の受託販売実績は震災前の09年度比102.7%に達している。
 宮城県内は震災で139漁港が被災し、漁船1万2000隻以上が失われるなど被害額は9000億円近くに上った。今年2月現在、漁港は75%が完成し、漁船も98%まで回復。石巻など主要5魚市場の17年の水揚げ額は約607億円で震災前を上回った。
 ハード面や数字上の復興は順調だが、現場の実感とはずれがある。水産庁が今年3月に発表した青森、茨城を含む被災5県の水産加工業者へのアンケートによると、宮城県内は生産能力が8割以上回復した業者は66%。売り上げが8割を超えた割合は54%にとどまる。特に資本金1000万円以下の小規模業者の回復率は3割以下に低迷した。
 最大の課題は人手不足だ。各地域の水産業は漁業者と地元の労働力が生産・出荷を支えてきた。石巻市の沿岸半島部の場合、人口流出でコミュニティーが弱体化し、カキむきといった加工作業に携わる人が決定的に不足している。
 県漁協はこれまで、米国へのカキ輸出や企業と連携した水産物の高付加価値化を進めてきた。販路開拓へ試行錯誤を続けるが、それでも漁業再生の切り札にはならない。地域経済の担い手である漁業者や零細水産加工業者の経営を守るには、官民挙げた事業承継の取り組みが必要だ。
 企業の力も欠かせない。ソフトバンクグループは東松島市でIoT(モノのインターネット)を活用した定置網漁業の可能性を探る。ITや通信関連の企業がICT(情報通信技術)を駆使し、人材難をカバーする試みもある。
 水産業の再興と地域社会の持続可能性は一体化している。震災から8年目。経営基盤を安定化させた県漁協の正念場はまさにこれからだろう。既存の枠を超えた支援の構築へ一層の知恵を絞りたい。


<岩手・宮城内陸地震10年>ランプの宿 再起へ奮闘 栗原・花山の三浦旅館
 栗駒山麓の「ランプの宿」で知られ、2008年の岩手・宮城内陸地震から再起した湯浜温泉三浦旅館(栗原市花山)で、4代目主人三浦治さん(63)の長男千空(ちひろ)さん(29)が宿の切り盛りに汗を流している。6月14日で発生から10年。長期休業の影響で客離れは止まらないが、千空さんは「いずれは自分がこの宿を引っ張る」と決意を示す。
 「キュッ、キュッ」。新緑がまぶしい5月中旬の週末。千空さんが廊下で灯油ランプを黙々と磨いた。
 平日は栗原市一迫にある自宅近くの介護施設で働き、日曜に山に通って旅館を手伝う。休日返上の二重生活も「山が好きだから苦にならない」と笑う。
 千空さんは幼稚園に入るまで三浦旅館で育ち、入園後は現在の自宅に移り、週末を旅館で過ごした。元マタギで3代目主人の祖父昭一さん(故人)からキノコ採り、渓流釣りなど山のいろはを教わった。
 東京都の大学に進んだ翌年、内陸地震が発生。宿の源泉が枯れ、1876年の開業以来初の長期休業に追い込まれた。再開準備中の2011年に東日本大震災が起き、再び源泉が枯渇した。
 電話で家族の安否確認こそしたが、帰省して宿を手伝うことはなかった。「当時は学生気分で、対岸の火事だった」と振り返る。
 宿は13年4月に通年営業を再開。大学卒業後に都内や仙台市内で送っていた会社員生活に疑問が芽生えた。「人工物ばかりの都会と比べ、ありのままの自然に抱かれる宿の素晴らしさを思う時間が長くなった」。15年にUターン就職し、宿の手伝いを始めた。
 長期休業が響き、山菜や川魚を売りにする宿の経営は厳しい。東京電力福島第1原発事故の風評被害も追い打ちをかけ、年間約1000人いた宿泊客は3分の1に減った。だが千空さんの情熱は冷めない。昨年から栗駒山の夏山開きに合わせた出発式を仲間と企画。かつて地域に根付いていたマタギ文化の発信やジビエ料理の提供など新たな構想も練る。
 昨年12月に昭一さんが亡くなり、後継者としての自覚がさらに強くなった。治さんは「見ていて頼もしい。いずれはバトンを渡し、若い感性で新しい歴史を築いてほしい」と願う。
 千空さんは「電気も携帯電話も通じない非日常の空間は多忙な現代にこそ求められる。この魅力を磨き、歴史ある宿の灯をともし続けたい」と力を込める。


平泉・毛越寺で「曲水の宴」平安の歌遊び みやびやかに
 平安貴族の歌遊びにちなむ「曲水(ごくすい)の宴」が27日、岩手県平泉町の世界遺産、毛越寺であり、大勢の見物客がみやびやかな世界観を堪能した。
 新緑に包まれたやり水の周囲に、衣冠(いかん)や狩衣(かりぎぬ)、袿(うちぎ)などの平安装束に身を包んだ歌人が座った。「古(いにしえ)」を歌題に、水に浮かべた「羽觴(うしょう)」が流れ着く間に和歌を創作した。
 主客歌人を務めた陸前高田市芸術文化協会長で画家の熊谷睦男さん(85)は「いにしえの 浄土楽土に 思ひはせ 描く老女の 鎮魂の舞」と詠んだ。
 曲水の宴は、1983年に浄土庭園の発掘調査で平安時代のやり水の遺構が発見されたのを契機に、86年に始まった。


<徳仙丈つつじ祭り>今年も開催 特設ステージ、周囲が協力
 ツツジが見頃を迎えた宮城県気仙沼市の徳仙丈山(711メートル)の気仙沼側登山口付近で27日、恒例の「徳仙丈つつじ祭り」があった。昨年まで主会場だった「市森林文化センター」が今春全焼し、主催する住民団体が中止を検討したが、周囲の協力で開催にこぎつけた。
 地元の住民団体「徳仙丈のつつじを愛する会」が主催した。祭りの目玉は大自然の中で楽しむカラオケ大会で、県内外の約20人が自慢の歌声を披露した。
 舞台を備えたセンターは4月16日に全焼した。会長の小野寺富夫さん(64)が市内の建設会社やスナックに協力を呼び掛け、大型トラックやカラオケ機材を無償で借りた。センター跡地に乗り入れたトラックの荷台を特設ステージにした。
 火災の直後、小野寺さんは開催を諦めた。気仙沼市出身で、東日本大震災後、毎年祭りを手伝ってきた相模原市の「神奈川気仙沼復興支援隊」の沢村宗代表に「一度やめたら終わってしまう。何でも協力するから続けよう」と諭された。
 支援隊の約20人は今年も、会場の設営などに当たった。空手道場などを経営しバンドで活動する沢村代表も、特別ライブを行った。
 小野寺さんは「何人かの登山客から『今年も祭りがあってうれしかった』と声を掛けられた。続けて良かった。みんなの協力に感謝したい」と話した。


河北春秋
 「流汗悟道」。福井県の永平寺の修行で学んだ言葉だという。「知識でなく、一緒に汗をかいて初めて大切なものは伝わる。その思いだった」と山形県大石田町の地福寺住職宇野全匡さん(73)。1997年から続けたネパール支援のコメ作りが今年で最後になる▼本紙連載「オリザの環(わ)」が伝えたヒマラヤの貧しい稲作の村ズビンから「農業を学びたい」と願う若者を無償で寺に受け入れた。地元農家ら共鳴する仲間と交流団体「NIJI」を結成。村から農業や文化を学ぶ研修生を招き、昨年までに30人を超えた▼活動費は地元に借りた研修田のコメを支援者に食べてもらって稼いだ。寺での生活費は、宇野さんの講演収入などで賄った。11年前にズビン村訪問を実現させたが、その後、がんの手術を重ね「体力の限界を感じた」と言う▼研修田では化学肥料や農薬のないズビンと同様、田植え、草取り、稲刈りも手作業。寺では里子の10〜20代の若者らも暮らし、共に自立を志すネパールの研修生と農作業の汗を流してきた▼今年の田植えは6月3日。「来年から別の形の支援をしたい。ズビンや仲間との縁は続くが、長く関わってくれた人々と一緒に最後のコメを育て、味わいたい」と宇野さん。大勢の参加を願っている。連絡先は0237(35)2879。

佐川前理財局長の国会虚偽答弁は43回
参議院予算委員会の午前中の集中審議で、参議院の郷原悟事務総長は、森友学園との交渉記録について財務省の佐川前理財局長が「廃棄した」とか「記録が残っていない」と国会で答弁をした回数が、去年2月以降、合わせて43回に上っていたことを明らかにし、麻生副総理兼財務大臣も同様の答弁を合わせて11回していたと説明しました。
これについて、太田理財局長は虚偽の答弁だったことを認め、「事実と異なることを答弁しておりました。誠に申し訳ありません」と陳謝しました。
このほか、先週、財務省が公表した交渉記録には、平成26年3月に近畿財務局の担当者が大阪府の担当者から、学園が新設予定だった小学校の校名について『安倍晋三記念小学校』と説明されていたことが記されていましたが、佐川氏は去年3月、「近畿財務局としては、安倍晋三記念小学校の話については全く承知していない」と答弁していました。
また、佐川氏は、学園側との事前の価格交渉を一貫して否定していましたが、おととし5月18日の交渉記録には、学園の籠池前理事長が「訴訟をしませんよといった条件で土地を買受けるのであれば、金額は限りなくゼロに近いものであるべき」と述べたのに対し、翌日、近畿財務局の担当者が「まずは提示させていただく金額を確認したうえでご判断お願いします」とか「損害賠償請求を行わない契約書案に合意することを前提として価格折衝を行いたい」などと答えたことが記されています。
これについて、太田理財局長は、小学校名や事前の価格提示に関する佐川氏の答弁についても虚偽だったことを認めたうえで、「決裁文書の書き換えを行ったあとに合わせて、そういうことを行っていた。誰の指示だったかなどは、今まさに調査をしているので、調査結果を速やかに報告したい」と述べました。
「4月28日の記録は見つかっていない」
改ざん前の決裁文書や、先週、財務省が公表した本省相談メモという文書には、平成26年4月28日の近畿財務局との打ち合わせの際、学園側が籠池前理事長と安倍総理大臣の妻の昭恵氏がともに写った写真を示し、「総理夫人を現地に案内し、夫人からは『いい土地ですから、前に進めてください』とのお言葉をいただいた」と発言したことが記されています。
しかし、財務省が公表した学園との交渉記録に、この4月28日の記録は含まれていませんでした。
これについて、衆議院予算委員会の集中審議で、自民党の議員が「4月28日など学園との打ち合わせがあったことが明らかになっている日の交渉記録が欠けている。今回提出されたものが本当にすべてなのか」とただしました。
これに対して、麻生副総理兼財務大臣は「調査すればまだ出てくるのかもしれないが、捜査当局の協力も頂いたうえで、私どもが見つけることができたものすべてを提出させていただいた。4月28日の記録は今までの段階では全く見つかっていない」と述べました。


元財務省・田中秀明氏 官僚の「政治化」が生んだ忖度体質
 霞が関の官僚の壊れっぷりが酷すぎる。中でも“最強官庁”として君臨してきた財務省は一体どうなってしまったのか。森友疑惑に関して決裁文書改ざんに手を染めたうえ、事務次官がセクハラ発言で辞職に追い込まれた。安倍政権下で官僚は人事を官邸に握られ、忖度ばかりするようになったといわれるが、原因はそうなのか。
元財務官僚でもある明大公共政策大学院専任教授の田中秀明氏に聞くと、官僚の「政治化」がその背景にあるという。
■「内部統制」の概念がない
  ――古巣の財務省で、あり得ない不祥事が続発しています。
 公文書の書き換えもセクハラもとんでもないことです。1990年代の接待汚職事件で財務省は逮捕者まで出し、その後、変革を誓って自己改革の報告書をまとめた。しかし、20年経って、元に戻ってしまいました。原因は複雑ですが、組織と公務員制度の2つの問題が背景にあります。それは財務省に限らず、霞が関に共通しています。
  ――組織の問題とは?
 役所にはマネジメントの概念が乏しく、自己チェック機能が弱いのです。組織のマネジャーは本来、事務次官です。しかし実際は、次官は「名誉職」だと思います。1、2年で交代する順送り人事だからです。英豪などでは、次官は3年以上務め、組織のマネジメントに責任を負っていますが、そう自覚する次官は日本にはいないでしょう。
  ――マネジメントの必要性に対する意識が低いのでしょうか。
 役所は手続き重視の前例踏襲。マネジメントとは少ない資源でより良い結果を生み出すということですが、役所には、そうした概念はありません。それから、根本的には、内部統制という概念がなく、内部監査も不十分です。
  ――内部統制がない?
 役所特有の考え方はあるんです。例えば、物品を買うという場合。それを使う人、注文を出す人、お金を出す人、届いた商品をチェックする人などを分ける。不正を回避する仕組みです。しかし、民間企業のような事前のリスクコントロールという考え方はありません。不正や情報漏洩などが起こることをあらかじめ想定して、その発生をどうやって下げるか。そういう意味での内部統制やその重要な要素である内部監査は、法令に書いてありません。
  ――いわゆる危機管理がないのですね。
 防衛省や警察などには危機管理を担う部署があるのですが、一般の役所は「無謬性」といって、「間違えない」という前提なんです。だからリスクがなく、失敗もない、と。しかし、リスクを想定して、事前に対応を取る仕組みや体制は必要です。
 英国などでは、事務次官は「会計官」としても任命され、内部統制報告書や財務書類などに署名します。また、外部の専門家も入る内部監査委員会も設置され、自律的にチェックをしています。今般の財務省・防衛省などの不祥事は、まさにこうしたガバナンスが欠けていたからといえます。
政治任用と資格任用の区別が必要
  ――官僚自体も劣化していませんか。
 80年代にエズラ・ボーゲル(米ハーバード大名誉教授)が著書「ジャパン・アズ・ナンバーワン」で、戦後の奇跡的な経済復興を牽引したのは大蔵省や通産省などの官僚たちだと言いました。これは過大評価であり、右肩上がりの時代は、誰がやってもうまくいった。
 しかし、90年代に入り、バブルがはじけて日本経済は低迷しました。官僚の不祥事も続き、官僚主導から政治主導へと行政改革が行われました。従来官僚たちは、政治家や関係業界と調整して政策を作りながら、自らの利益も追求してきました。私は、これを「政治化」と呼んでいます。しかし、政治主導が進む中でこうしたモデルは通用しなくなったのです。官僚は本来、専門性に基づき分析し選択肢を提示すべきですが、そうした専門性は政治化ゆえにおろそかになっています。それでは、良い政策は作れません。
  ――内閣人事局にも問題があるとされています。
 公務員の任命権は各省の大臣にありますが、2014年に内閣人事局が設置されてからは、幹部公務員の任免については、総理・官房長官・大臣が事前協議することになりました。政府全体の見地から幹部人事を行う建前は良いのですが、菅官房長官が、各省から出された人事案を差し替えたり、官邸に異論を唱えた幹部を左遷しているといわれています。
 菅長官は適材適所と言っていますが、それは恣意的な人事と紙一重です。人事を握られているので、公務員は政治家に忖度します。今や幹部公務員は官邸のイエスマンとなりました。
  ――菅長官の影響力が強いことが問題なのでしょうか?
 従来から幹部人事に官房長官等が関与する仕組みがあったのですが、それが過度になっています。ただ根本的な問題は公務員の任命制度にあります。公務員の任命制度には、政治任用と資格任用があります。例えば米国では、局長級以上の幹部公務員については政治任用です。大統領の好き嫌いで決められ、政権交代のたびに入れ替わる。
 英国は、資格任用で、大臣に直接の人事権はありません。事務方トップの次官に至るまで能力や業績で決まる。幹部公務員は公募採用が一般的で、ポストごとに競争原理に基づいて採用されます。公務員には政治的中立性が厳しく求められ、政治家との接触は制限されています。日本は、制度の建前は英国型ですが、公務員の任命権は大臣にあるため、政治任用できる仕組みです。
  ――日本では政治任用と資格任用の区別がない。
 公務員の政治化は、両者の区別がないことに起因しています。今の官邸主導の人事は、公務員をさらに政治化させています。公務員は忖度し、政治家に耳障りなことは言わないのです。米国も、課長までは厳しい能力主義です。資格任用を建前ではなく、実質的に強化し、政策立案において、中立的な分析や検討ができる仕組みに変えるべきです。そして、資格任用の公務員は、公募のように透明かつ競争的な任命プロセスで選ばれるようにする。政治的な調整は官邸や大臣の仕事であり、新しくつくった補佐官を活用すればいい。
  ――今の公務員制度ではダメですね。
 専門家が育たず、政策立案・実施能力が高まりません。政治家や業界との調整ばかりで消耗し、優秀な人ほど若くして辞めてしまう。官僚ではキャリアが向上しないので、外資系金融機関に転職したり、弁護士や学者になっていますよ。
  ――いわゆる「財務省解体論」についての是非は?
 不祥事が続いたので解体すればよいのかもしれませんが、国の財政に誰が責任を持つのでしょうか。よく財務省は最強官庁だといわれますが、昔はともかく、今は違います。もしそうであれば、先進国最悪の財政にはなっていないし、消費税が2度も延期になっていません。多くの研究により、財務大臣の権限が弱い国ほど、透明性が低い国ほど、財政赤字が大きいことがわかっています。日本はまさにこの2点が問題です。
■財務省は予算中心ではなく経済政策を担うべし
  ――具体的には財務省をどう見直すのですか。
 世界の財務省は、予算が中心ではなく、経済政策を担う役所です。米国やカナダ、オーストラリアなどでは、財務省と予算省に分かれています。財務省は財政政策、経済政策、金融政策などマクロを扱い、予算省は細かい予算や会計、評価などミクロを扱う。日本もこのようにするのが一案です。今の日本では、予算は財務省、経済政策は内閣府、金融の企画立案は金融庁、とマクロを扱う官庁がバラバラで最悪です。日本の財務省には、博士号を持ったエコノミストは幹部にはいません。経済政策を担当しないからであり、世界標準とはかけ離れています。
  ――その場合、主計局はどうなりますか。
 主計局の総務課など予算についてマクロ政策を担当する部署は財務省に残すとして、各省との細かな折衝をする部署は総務省と一緒にしたらいいと思います。
  ――歳入庁構想もありますが。
 社会保険料と税を一緒に徴収するのは効率的ですが、新しい組織をつくらなくても、保険料の徴収業務を国税庁に委託すればよいだけの話です。我々は、今般の不祥事を踏まえて、財政を担う組織はどうあるべきなのかを真剣に議論しなければなりません。財務省は自ら猛省し、ガバナンスを改革する必要があります。(聞き手=本紙・小塚かおる)
▽たなか・ひであき 1960年東京都生まれ。85年東京工業大学大学院修了後、同年大蔵省(現財務省)入省。政策研究大学院大博士。オーストラリア国立大学客員研究員、一橋大学経済研究所准教授、内閣府参事官などを経て、現職。専門は公共政策・財政・マネジメント、公務員制度など。著書に「日本の財政」(中公新書)などがある。


イラク日報調査 「現場のミス」で済むのか
 重大な不祥事を教訓とし、再発防止に生かすには、もっと徹底的な調査が必要だ。踏み込み不足ばかりが目立つ。
 陸上自衛隊イラク派遣部隊の日報隠蔽(いんぺい)問題で、防衛省は「組織的隠蔽はなかった」とする調査結果を公表した。
 「ない」としていた日報が見つかりながら、防衛相への報告が遅れたのは、意思疎通が不十分だったことによる現場の認識不足が原因で、作為はなかったと結論付けた。
 陸自内部の情報伝達の問題は検証作業の焦点の一つだった。
 だが、調査からは、なぜ意思疎通を欠いたのかなど、組織の在り方を検証する上で肝心な部分が抜け落ちている。
 情報伝達は実力組織の根幹に関わる。齟齬(そご)があるようでは任務の遂行に支障をきたすことになろう。
 意思疎通を欠く事態が認められたのであれば、その背景を突き詰めるのが不可欠だ。それがなされてこそ、改善のヒントが見つかるからだ。
 イラク日報が発見されたのは昨年3月だ。南スーダン国連平和維持活動(PKO)部隊の日報隠蔽問題を受けた特別防衛監察の過程で、陸自研究本部(現教育訓練研究本部)教訓課で見つかった。
 前月には「廃棄済み」のはずの南スーダンPKO日報が見つかり、イラク日報の所在についても国会で議論となっていた。
 しかし、教訓課長は南スーダン日報以外は報告不要と判断して報告せず、ことし3月になって統合幕僚監部から小野寺五典防衛相に報告があるまで、存在の事実が伏せられていた。
 要因が認識不足にあったのだとすれば、情報公開の重要性に対する感度が鈍すぎるというほかない。
 イラク日報問題では、稲田朋美前防衛相の指示の在り方も焦点と見られていた。
 稲田氏の不明瞭な言動が組織を混乱させ、結果として日報の公表が遅れたとの見方が野党などに根強かったためだ。
 しかし、調査は稲田氏から日報を探すよう指示があったという前提で始まり、稲田氏に対しては事実関係の確認すら行われなかった。これはおかしい。
 調査チームが指示と認めた稲田氏の「本当にないのか」という発言は、どんな意図で発せられたのか。その点を調べず、指示を十分に履行できなかったとして関係部署の職員を処分するのでは、強引にすぎよう。
 捜索の指示だったとすれば、組織に徹底させられなかった稲田氏の責任はどうなるのか。
 イラク日報問題は、文民である大臣が実力組織を統制する、文民統制の機能不全への懸念を抱かせた。にもかかわらず、疑問は解消されなかった。
 今回の不祥事の原因を「現場のミス」で片付けることが、果たして妥当なのか。
 野党は「全く真相に切り込んでいない」と批判している。重要なポイントを棚上げにしたような調査で決着を図ろうとしても、国民の納得は得られまい。


陸自イラク日報調査 組織に起因の隠蔽体質を見直せ
 存在しないとされてきた陸上自衛隊イラク派遣部隊の日報が見つかった問題で、防衛省が調査結果を報告。現場の認識不足や意思疎通の不十分さが原因として17人を処分したものの、組織的隠蔽(いんぺい)はなかったと結論付けた。防衛省は個人の責任で幕を引きたいのだろうが、大いに疑問があると言わざるを得ない。
 この問題は、ずさんな文書管理や情報公開への意識の低さ、シビリアンコントロール(文民統制)の緩みなどが問われている。仮に共謀しての隠蔽がなくとも、文書管理や報告という当然のことができないのは、組織の問題に起因することは間違いない。防衛省、自衛隊の在り方を根本から見直す必要がある。
 統制する側である政治の責任は重い。小野寺五典防衛相への報告遅れなど、実力組織である自衛隊を統制できているのか不安が募る。民主主義の根幹を揺るがす危険な状況であり、政治主導で組織を立て直さねばならない。
 この問題は昨年2月、防衛省が野党の日報提出要求に不存在と回答し、当時の稲田朋美防衛相も「見つけることができなかった」と答弁したことが発端。調査結果によると、その後、稲田氏が再捜索を指示したが、省内で指示と認識されなかった。翌月には日報が見つかったものの、報告の必要がないと判断。開示請求の担当者も見つかったことを知らずに対応した。陸上幕僚監部への報告は今年1月。小野寺氏への説明もさらに遅れた3月末だった。
 すぐに報告を上げないばかりでなく、1年間も放置し続けており、情報開示に対するあまりにも鈍感な姿勢にあきれるしかない。昨年は南スーダン国連平和維持活動(PKO)の日報隠蔽が明らかになり、国会が連日紛糾していた。その過程で日報が見つかったにもかかわらず、南スーダン日報以外は報告不要との判断は理解に苦しむ。反省や教訓がまったく生かされておらず、極めて深刻な事態だ。
 イラク派遣当時、政府は自衛隊の活動範囲を「非戦闘地域」と説明してきた。日報には、南部サマワの情勢について「英国軍と武装勢力の間で銃撃戦」など緊迫した状況が記載されている。政府見解との落差が浮き彫りになるため、防衛省内に日報の公開をためらう「忖度(そんたく)」が働いたのではないかとの疑念が拭えない。
 当時の政府説明や判断の妥当性を検証するには、現地の状況や活動の記録が欠かせない。たとえ日報の記載内容が派遣の正当性を揺るがしかねないとしても、隠したりせず堂々と国会で議論することこそが、あるべき姿であり、文民統制であると改めて認識すべきだ。
 これまでに公表された日報には抜け落ちている部分がある。引き続きあらゆる記録を再捜索し、発見できたものから開示してもらいたい。隠蔽体質を今度こそ断ち切らねば、防衛省、自衛隊の信頼回復は遠い。


性の自己決定 多様性支える選択肢を
 各地の自治体が、同性カップルを結婚に相当する「パートナー」と認める制度を導入するなど、性的少数者の権利擁護の動きが少しずつ始まっている。
 4月からは、心の性と体の性が一致しない人(トランスジェンダー)を対象にした性別適合手術に、公的医療保険の適用がスタート。岡山県で初の手術が行われた。
 性同一性障害特例法は、戸籍の性別変更の条件として、子宮や卵巣、精巣を摘出したり、陰茎を切断したりする性別適合手術を受けることを求めている。手術費は100万円を超える場合もあったが、保険適用で自己負担が最大3割で済むようになった。
 手術したくても高額の費用がネックで二の足を踏んでいた人にとっては、大きな一歩。だが、依然課題は多い。
 まず、ホルモン療法を受けていると、保険が適用されない。体の性を心の性に近づけるため、多くの当事者が選択しているのが自由診療のホルモン療法。しかし、保険診療との併用は原則禁じられているため、ホルモン療法を受けている人は手術が全額自己負担になってしまう。
 ホルモン療法にかかる費用も、医療機関によって大きく異なるという。当事者団体などが保険適用を働き掛けてきたが、実現していない。
 さらに、心と体の性に違和感がある人が皆、手術を望んでいるわけではないことにも留意したい。
 支援関係者によると、これまでも「自分が扱われたい性別」で進学や就職をするために、不本意ながら手術を選択するケースがあったという。保険適用で手術のハードルが下がったことで、むしろ望まない手術を後押しすることにならないか懸念される。
 世界に目を転じれば、アルゼンチンなど性別変更の要件に診断を必要としない国も出てきた。スペインに始まった、トランスジェンダーを「病気」や「障害」と見なす風潮に対する異議申し立ての運動が各地に広がっている。
 日本はどうか。2020年東京五輪に向け「多様性の尊重」が叫ばれているものの、当事者の自己決定を支える選択肢は限られており、国際社会と比較すれば、立ち遅れが際立つ。
 手術の保険適用にとどまらず、ホルモン療法の保険適用、専門医の育成、さらには差別禁止法の制定など、多様性を支える多様な選択肢を整えていく必要がある。
 「性的多数者」のまなざしも問われている。奇異の目で敬遠するのではなく、手術で体の性を変えるよう押し付けるのでもない。見守り、自己決定を尊重する関わりに、制度が相まって、少数者が生きやすい社会が実現できる。


日大アメフト問題 真相究明と再発防止急げ
 一体何があったのか。一向に真相が見えてこない。日本大アメリカンフットボール部の選手が、危険で悪質なタックルをして、関西学院大の選手を負傷させた問題だ。
 解決が長引いているのは、当事者である日大側が納得のいく十分な説明責任を果たしていないからだ。日大は第三者委員会に結論をゆだねる方針だが、真相究明と再発防止を急ぐ必要がある。
 この問題を巡っては、日大の選手と前監督、前コーチがそれぞれ記者会見した。主張の違いだけでなく、問題への向き合い方、姿勢に落差があり、議論を呼んでいる。
 反則行為をした宮川泰介選手は、内田正人前監督と井上奨前コーチから指示があったと明かした。「1プレー目でつぶせ」と言われ、心理的に追い詰められていった状況を詳細に吐露した。
 宮川選手の犯した行為は決して許されるものではないが、「たとえ監督やコーチに指示されたとしても、自分で判断できなかった自分の弱さ」と自身の非を認め謝罪した。20歳の若者が顔も名前もさらし、時に言葉に詰まりながら謝る姿からは真摯(しんし)で誠実な思いが伝わってきた。
 これに対して、日大側の対応は後手後手だ。危険なプレーの動画が繰り返し報道されても、責任者が表に出て説明することはなく、関学大への直接謝罪は約2週間後だった。日大選手が関学大選手に直接謝罪したいという申し出も、前監督が制止していた。
 前監督と前コーチの記者会見は、日大選手の会見の翌日夜に急きょ開かれた。理解し難い点が多々あった。
 前監督は指示を否定した。前コーチは「つぶせ」とは言ったが、けがをさせる目的ではなかったと主張した。選手の受け取り方の問題だと言わんばかりだ。それなら、なぜ反則行為の直後に選手を指導、注意しなかったのか。矛盾している。責任転嫁でしかない。指導者として失格だ。
 試合直後の前監督の発言も音声データで発覚した。「宮川はよくやった」と評価し「反則と言うんであれば僕の責任だ」と述べている。
 スポーツマンシップのかけらもない態度だ。前監督は指示があったかなかったかだけに問題を矮小化(わいしょうか)するのではなく、卑劣な反則行為に至った経緯を率直に語るべきだ。
 勝利至上主義に陥っていなかったか。指導者に絶対服従という時代錯誤の体質がはびこっていなかったか。これらはスポーツの本来の精神からは懸け離れたものである。
 日大当局は組織防衛に走っているように映る。本来守るべきは学生、選手だが、その姿勢が見えない。
 鈴木大地スポーツ庁長官は「大学スポーツ全体の課題として考えるべきだ」と指摘した。大学スポーツは教育の一環であり、人間形成の場だ。他の大学でも同様の体質は残っていないか。悪弊根絶に向けて、うみを出すときだ。


日大アメフト問題で分かった「組織を殺す広報」「生かす広報」の差 あれは、いわば自爆だ
落合 絵美 PRコンサルタント Kiss and Cry代表
日大が、燃えた。
日本を代表する教育機関のひとつが、あっさりと燃えた。テレビもラジオも週刊誌もwebも、なんなら給湯室の世間話も、日大一色だ。
この問題の特徴のひとつに、広報部の失態がある。これは、史上稀に見る“広報の自爆テロ”だ。テロの被害者は、日本大学アメリカンフットボール部のメンバーであり、日大の在校生であり、そこで教鞭を振るう教育者であり、多くのOBOGたちだ。
スポーツの中で起きたトラブルが、当事者のみならず多くの大学関係者を傷つける事態になった。なぜ、こんなことになったのか。PRコンサルタントの落合絵美氏が問題点を整理しつつ、解説する。
グラウンド上の問題から、組織全体の問題に
一部で「悪質タックル問題」とも呼ばれる一連の事件について、そもそも、みなさんはどこから注目していましたか?
ご存知の通り、本件はアメフトの試合で起きた反則プレイから端を発していますが、当初から本件に注目していたのは、OBOGを含む日大・関学大の関係者、アメフト関係者やファン、スポーツが好きな方くらいだったのではないでしょうか。
お恥ずかしい話、私自身、本件のことは把握していましたが、問題のプレイを見直すこともなく、「怪我をした選手がかわいそうだ」くらいにしか思っていませんでした。
わたしがこの問題について意識的に情報収集し始めたのは、5月22日に行われた当該選手の記者会見からです。厳密に言うと、その日の夜に日大広報部から発信された公式文書「アメリカンフットボール部・宮川選手の会見について」(→日大広報部コメント全文/東京新聞)を読んでからです。
この文書に、わたしは尋常でない違和感を覚えました。
致命的な欠陥として、「心が痛い」「申し訳ない」以上の謝罪がないのです。該当選手に対しても、傷つけられた相手選手に対しても。
しかも、謝罪の対象は「生徒の会見」と「選手と監督・コーチとのコミュニケーション不足」に対してであり、そもそもこのような事件が起きてしまったことに対しての
謝罪ではありません。
完璧と讃えられた「東大広報文書」との違い
同じように大学機関が発信した謝罪文書に、5月8日に東京大学本部広報課が発表した「東京大学中央食堂の絵画廃棄処分について」という文書があります。食堂に飾ってあった画家の故・宇佐美圭司氏の絵画作品を誤って破棄してしまったという内容のものです。
実はこの文書、稀に見る秀逸な謝罪文書だと話題になりました。宇佐美氏とその関係者だけでなく、「この貴重な作品に触れる機会を失ったすべての方々」に対して、東大は謝罪したのです。また、再発防止についても明言していました。
話を日大に戻します。世の中は、当該選手の立派な謝罪会見で持ち切りです。多くの人がこの青年に注目し、共感し、自分や自分の子供のことのように捉えているセンシティブなタイミングです。そんなときに、謝罪の言葉もない、事故の原因も曖昧、再発防止にも触れていない、こんな文書を出して、誰が納得するでしょうか。
しかもそれを、監督やコーチが言ったのではなく、大学の声であり顔である広報部が発信したのです。この瞬間、問題はグランド上のものから、日大全体の問題に変わってしまったのです。
もちろん、学生が起こしたことは指導者の問題であり、指導者の問題は組織全体のものなのですが、広報部がヘマをしたことで、一気に組織の責任の話に拡大したのは否めません。
世間の感情を逆なでした「壊滅的」記者会見
こうして世間からの目が厳しくなる中で開かれた、監督・コーチによる記者会見のお粗末さはご存知の通りです。内容のまずさは各種報道で繰り返し語られていますので広報の目線に絞ると、謝罪する側の態度とは思えない不遜さ、司会を務めた日大広報部の仕切りの悪さ。
後日、「司会者が苛立ったのは、テレビが局ごとではなく番組ごとに質問をしてきたから」という発言が出ましたが、むしろ局ごとにマイクを集約するなんて広報部の常識では考えられません。
また、会見する監督、コーチの後ろを度々報道関係社のカメラが通過していましたが、通常の会見ではよほどの理由がない限り背中を報道関係者に見せることはしません。手元の資料が後ろから報道に丸見えになるからです。
そもそもこの記者会見、始まる時点で日大は負けていました。
広報の業界では不祥事に対する謝罪会見は「金曜夜」と決まっています。日中のニュース番組で生中継されることもありませんし、翌・土日はメディアの動きも遅くなります。不都合な話題の拡散防止になるのです。
ただし、緊急性がある場合は、曜日に限らず夜に行います。広報のセオリー的に見れば、この会見は正解です。
ですが、当該学生は、「単身で・日中に」記者会見を開き、多くのメディア・聴衆の目にさらされることを選びました。
学生の堂々とした姿と対してヒール役になりつつあった大学側は、いくら夜の会見が広報のセオリー通りであっても、学生と同じ条件で会見を開かなければ「批判を恐れた」と思われて印象を落とすのは容易に想像がつきます。
しかし、ご存知の通り、会見は夜開かれ、人目を避けるつもりが大炎上しました。
遅すぎた大塚学長の会見には不審者も乱入
こうして、誤った広報対応のせいで日大全体が悪のようなイメージが浸透してしまった中、25日に大塚吉兵衛学長の記者会見が開かれました。
冒頭から、怪我をした学生、当該学生、在校生とその父兄、そして日大OGOBに対し謝罪し、約12万人の生徒を大学として守る姿勢を明確にしたのは、先述の東大広報文書に通じるものがあります。司会もスムーズでした。
しかし、あまりにも遅すぎました。この記者会見の日大側の意図は、「当該学生一人に問題を背負わせるのではなく、大学として謝罪し解明・改善に真摯に対処する」ことの表明かと思いますが、これは23日の会見の前に行うべきものでした。今更の謝罪と新しい情報のない記者会見は、「なんのための会見だったかわからない内容」との見方が大多数です。
しかも、会見の冒頭で不審者の乱入騒動が発生しました。記者会見では受付で報道関係者であることを確認するのが当たり前で、今回のように世間の注目が高い事案の場合は、不審者の乱入を防ぐために名刺を複数枚確認するなどします。にもかかわらずの不審者乱入は、広報部が管理する受付に不備があったと言わざるを得ません。
また、今回の進行の仕切りはとても理想的でしたが、学長の質疑応答では聴衆の感情を逆なでるシーンも散見されました。一例を挙げると、昨今の学生の動向を批判したとも取れない発言や、やや浅めのお辞儀など。
おそらく、今回の会見を仕切った人物は、会見前に学長に対して必要最低限のメディアトレーニング(報道機関の前に立つ際の適切な言動や見せ方の研修)をしたことでしょう。しかし、長時間の会見でボロが出てしまったと言わざるを得ません。
ちなみに大企業の場合、広報部が平時から代表者にメディアトレーニングを受けさせていて、急な記者会見でも万全の対応ができるように備えていることが一般的です。
関学大は危なげない対応
日本大学の一連の記者会見を受けて、関西学院大アメフト部も26日に記者会見を行いましたが、これは非の打ち所のない内容でした。
会見早々、集まった報道機関へのお礼に続き、記者会見の目的と当日の流れを丁寧に説明することで進行をスムーズにさせました。また、冒頭の発言から、会場に入る際に不審者の侵入を避けるために手荷物チェックをしたことも伺えます。
記者の質疑応答に対しても、約1時間半の長時間の対応にもかかわらず丁寧に真摯に回答していました。関西学院大アメフト部としての見解だけでなく、鳥内監督、小野ディレクターの個人としての見解もバランスよく語られ、聞いていて納得感のある内容でした。
ちなみに関西学院大アメフト部の小野ディレクターは、関西学院大アメフト部OBでもあり、新聞記者の経歴もある人物です。大学内で広報室を担当していた時期もあり、本件に関する広報対応のレベルの高さも納得です。
計り知れない「広報」の影響力
「あなたの発言で日大のブランドが落ちてしまうかもしれませんよ」
「落ちません!」
というのは23日の会見での報道関係者と日大広報担当者のやり取りですが、残念ながら日大のブランドは落ちてしまいました。それは、広報部の対応がお粗末すぎたためだと言わざるを得ません。日大という生命体の顔であり声である広報部のありえない文書や発言が、組織全体を汚してしまったのです。
広報という職業は、通常はそこまで注目される部署ではありません。会社によっては、閑職のように扱うケースも見受けます。しかし、広報の影響力は計り知れないものがあるということを最悪の形で表してしまったのが、本件です。
なお、お断りしておくと、わたしはPRコンサルタントの立場から本件を解説することを意図していて、日本大学やその関係者を貶したり、不祥事を娯楽として消費する気はありません。出身地は日本大学芸術学部のすぐそばで、愛着すら感じています。
また、私自身、学生時代に母校で「スーパーフリー事件」という痛ましい事件がおき、在校生として世間から厳しいバッシングを受けた経験もあります。当事者のみならず、関係者が受けた心の傷は計り知れないものがあると思います。
日大広報部には、ぜひ今後の情報発信に誠意を持って対応していただき、一刻も早い事件解明とブランド回復が実現されればと祈っています。
伝わらなければ、意味がない
最後に、少しだけ私の話させてください。
私は、PR業界に来る前にビジネス書の出版社に約10年勤務していました。経営企画などいくつかの部署を経て編集者になりましたが、その後1年もしないでPR会社への転職を決意しました。なぜか。
短い編集者時代に、必死に企画して徹夜で編集した本が、3ヶ月もすると山のように返品となって戻ってくることを経験しました。
単純に私の企画力がなかったというのもあるでしょう。しかし、自社も含めて多くの出版社が出版不況から自転車操業状態に追い込まれ、丁寧にマーケティング活動をして企画を立てる余裕もなければ、完成した書籍の特徴や魅力を適切に情報発信する余裕もありませんでした。
ある晩、誰もいないオフィスで編集中の原稿と向い合いながら、私は唐突に気づいたのです。「せっかく良いものがあっても、伝わらなければ犬死だ」と。そこから私はPR会社への転職を経て本年独立し、企業の魅力を発信する活動を続けています。
どの組織にも、素晴らしい魅力が隠れています。しかし、それが正しく発信されていなければ、その組織は誤解されます。関係する多くの人々を傷つけます。
組織を活かすも殺すも、「広報」次第なのです。


日大アメフト部コーチ陣、「声明文」出す選手たちに恐怖の脅し 一方の関学は「宮川選手を救いたい」
テレビ朝日の取材で、日大アメフト部員たちが近日中に発表すると言われている危険タックル問題に関する声明文の内容が明らかになった。「内田正人前監督と井上奨前コーチからタックルの指示があった」という結論や、再発防止策として、すべてのコーチの退陣要求などが盛り込められているという。
コーチたち「声明文出したら自分たちの首しめるぞ」
ゲストとしてスタジオに招かれた大阪学院大アメフト部総監督の睫邯欺┿瓩蓮屬發掘覆海瞭睛討)真実だとしたら、部員たちはコーチたち全員がこの件に関与していると知っているということ。かなり重い内容です」と話す。
また、この声明文を出すにあたり、コーチ陣の妨害があったというから驚きだ。
選手たちが声明文を出すためのミーティングをしていると、突然(井上コーチとは別の)コーチが弁護士とともに現れ、「声明文を出すと自分たちの首をしめることになるぞ」と発言。別の日には隣の部屋にコーチがほぼ全員集まり、ミーティング中の選手たちを6時間ずっと「監視」していたという。まったく「怖い」「異常」としかいいようがない。
一方、負傷した関学大のクオーターバックや関学大の対応は対照的だ。
負傷した関学大の選手は、ケガをさせた宮川泰介選手に対し「かわいそうだ。心苦しく感じた」と同情。「もう自分にはフットボールをする資格がない」という宮川選手に対し、「それは違う。フットボール選手として戻ってグラウンドでルール内で正々堂々と勝負したい」と話しているという。
関学側は宮川選手の入部を考えている?
また、関学大の小野宏ディレクターは、宮川選手に対し「困っているなら支援できるところは支援していく」と話している。睫郢瓩蓮嵋椰佑希望するなら、関学大に転入させることも考えているのではないか。宮川君を救うなら、フットボールで救うしかない。関学の器なら『自分たちと一緒にフットボールして出直そう』と手を差し伸べる可能性はある」と話す。
羽鳥慎一(司会)「関学は3年生の8月から11月ころに編入試験があります。タイミング的にも転入は可能です」
玉川徹(テレビ朝日解説委員)「それができるならすごい」
石原良純(気象予報士)「宮川選手だけでなくて残っている選手たちの救済も考えないと。日大フェニックスが今後どうなるか分からないわけだし」
玉川「色々な大学が受け入れてあげたらいい」
睫郢瓠峇愿譴琉貮凜蝓璽阿隆篤腸颪任癲⊆分たちのチームで受け入れようという話が出ています」
住田裕子(弁護士)「でもこれ、裏返したら、日大ブランドの危機ですよね」


<日大アメフト問題>推定年収1440万円の “逆ギレ広報” が仕切った会見の舞台ウラ
「日本一、社長を輩出している大学」がガタついている。発端は5月6日、日本大学アメリカンフットボール部(以下、日大アメフト部)がしでかした“組織的な違反行為”。関西学院大学との定期戦で、相手チームのQB選手を悪質な反則行為で負傷させた。
 監督やコーチに追い詰められるまま、鉄砲玉のようにタックルを仕掛けた当事者、日大アメフト部の宮川泰介選手(20)は、ひとりで実名・顔出しの謝罪会見(22日)に臨み、
「監督、コーチからの指示があったとはいえ、僕がやってしまったことについては変わらないと思って、とても反省しています」「プレーに及ぶ前に、自分で正常な判断をするべきだったと思います」「判断できなかったのは自分の弱さ」
 などと自らの非を全面的に認め、率直な反省を口にした。
理事長と連絡がつかない
 テレビ画面を通し全国に伝わったその真摯な態度に、被害者の関学大側からも、
「勇気を出して真実を語ってくれたことには敬意を表したい。立派な態度だった」(鳥内秀晃監督)などとコメントが出るほどだった。
問題のタックルシーン。一歩間違えば死亡事故になっていた可能性も(関西学院大学アメリカンフットボール部提供)
 あべこべに「日大の恥ですよ」「みんなあきれ返っています」というOBの糾弾の声が示すように、内田正人監督(62=すでに辞任)と井上奨コーチ(30=辞意表明)のツーショット会見(23日)の評判は散々。
 その場しのぎでしどろもどろのあきれた応対が情報番組などでオンエアされ続けた結果、全国に“日大の恥”をばらまくことに。
 その裏側を、日大OBに聞くことができた。
「23日の会見は、実は理事長と学長でやる予定だった。ところが、大学側が田中(英寿)理事長と連絡がつかなくて、開けなくなったらしいよ。その後、急きょ監督とコーチで会見したからさ、そりゃあんな会見になるよね」
 このような緊急時に理事長と連絡がつかない大学……。
 日本大学大学院講師で弁護士の船山泰範さんは、両者の会見をこう解説する。
「宮川選手の態度は非常に誠実でした。反省して、可塑性(変化すること)に富む人物でした。若いからこそ、自分が悪いことをしたことにすぐ気づいて変わろうとする。弁護士の経験からも、非行少年が相当悪いことをやったと自覚したとき、ガラッとその人が変わることがあります。
 一方、大人の場合は、残念ながらなかなか変わりにくい。どうやったら、(問題や質問を)かいくぐれるのかと、うそを少しずつ出していく。最終的にはバレてしまうんですけど」
 会見をさらに悪印象にしたのは、司会役の広報担当者だ。記者の質問をさえぎり、会見の終盤を混乱させ、後味の悪いものにした。やたら高圧的で我を通した、その“キレる老人”の正体は─。
「元・共同通信社の記者で日大の広報に入った人らしい。あんなお粗末な司会進行をしましたが、給料は月に120万〜130万円ももらっているという話です。田中理事長の奥さんのお気に入りで、広報に来たそうです」(前出OB)
 単純計算しても年1440万円以上。もし臨時ボーナスなどがあればさらに高給となる。
監督・コーチ会見で司会を務めた米倉久邦氏
 現役日大生からは宮川選手へのエールが止まらない。
「20歳であそこまでできるなんて信じられない。私だったら会見なんて無理。家に引きこもっちゃう」(女子学生)
 と、たたえ、監督・コーチの会見をこう断罪する。
「何で大学が学生を守らないんだって、みんな言ってます。日大っていうだけで色眼鏡で見られます。就活をしている先輩は怒っていましたね。内定取れなかったらどうするんだよって」(同)
 25日に会見した日大の大塚吉兵衛学長は、就活生への悪影響を気にかけた。
 日大生も日大アメフト部員も、クレバーな指導者を持てなかったツケに襲われているが、“将来の日大アメフト部員”も今、揺れに揺れている。
保護者はみんな宮川君の味方
 日大のホームページによれば、同大は日本全国に20以上の付属高校(経営母体は一律ではない)を抱えている。アメフト部がある高校も多く、そこから優秀な選手が、日大アメフト部に入部する仕組みだ。巨大な“アメフトピラミッド”。その頂点に君臨していたのが、内田前監督。
「日大の付属高校にも、内田監督の息がかかった監督やコーチがいるんです。日大アメフト部を強くするために、高校から育てておきたいんですよ。宮川君も付属出身です」
 そう語る付属高校関係者は、今回の騒動の余波を次のように明かす。
「日大アメフト部がどうなるかわからないから、他大学のアメフト部への推薦状を書いてほしいって、高校の監督にお願いしたんだけど、内田監督の許可がないとダメだとかでもらえないんですよ。これには多くの保護者が大激怒。担任の先生にも相談したんですけど、私が独断で書いたりするとクビになるからって、取り合ってくれませんでした。
 今はようやく緊急保護者会も開いて、推薦状も書いてもらいましたけど、トライアウト(スポーツ試験)が間に合うのかどうか……」
 付属高校に通うアメフト部の生徒と、宮川選手はさほど年齢差はないため、
「保護者はみんな宮川君の味方ですよ。宮川君に責任をなすりつけて、いい大人が責任を逃れようとしているなんて何考えているんですかね。宮川君がかわいそうですよ。宮川君が息子とダブってみえます。私たちが応援しないといけないですね」(前出・関係者)
 単独謝罪会見では不安そうな表情で宮川選手は、
「この先、アメリカンフットボールをやるつもりもありません」と述べている。
 日大アメフト部関係筋によると、すでに練習をボイコットしている選手もいる。
 学生日本代表にも選抜されるほどの若者をつぶした、老監督とイエスマンのコーチ。前出の弁護士・船山さんは、今後問われる3人の罪を次のように見通す。
「宮川君に命令した2人が現場にいて、やるかやらないか見張っている。これを実行共同正犯といいます。みんなが同じ立場にいると考えられます。今回は傷害罪ですが、いちばん重くて懲役15年。ただし罪の重さは監督、コーチ、選手の順番になると思います」
 日大は2019年、創立130年の記念イヤーを迎える。キャッチフレーズは“130年の輝きと共に、未来を創る”。だが、輝きは色あせた。古い感覚の人たちが大きな声を張り上げる大学が、不死鳥(フェニックス=日大チーム名)のようによみがえることはなさそうだ。


筆洗
 ずるとかごまかしなどの不正行為は細菌のようなもので、人から人へと感染するものだそうだ▼行動経済学者でイグ・ノーベル賞受賞者のダン・アリエリー教授の『ずる』(早川書房)の中にこんな実験があった。だれかに大勢の人の前でカンニングのような不正行為をやってもらう。監督官にはそれをとがめないよう頼んでおく。すると、それを見ていた他の大勢も、同じ不正行為をするようになるそうだ。ずるが感染している▼ずるをやっても、それが見過ごされ、成功するのなら、自分だって…。そんな心理に陥るのか。この説でいけば、わが国における、大規模なずるとごまかしの大感染を疑ったほうがよいかもしれぬ▼気の毒だが、政権中枢と中央官庁は既に菌にやられてしまったのだろう。国民に知られて困る記録は「ない」と隠す。政府の主張に沿った曲がったデータを国会に提出する。ここ数カ月の恥知らずなずるとごまかしの連鎖を見れば、その細菌は猛威をふるっている▼政治行政にとどまらぬ。企業のデータ不正は後を絶たぬし、どこぞの大学アメフット部の前監督の不可解な説明を聞けば、ああこの方もと心配する。国中でずるを聞かぬ日がないとは、大げさではないかもしれない▼教授の説が恐ろしい。「誰かの反倫理的な行動を目にするたびに私たちの道徳心もすり減っていく」という。このままだと…。

故・川田亜子アナウンサーの死に安住紳一郎が号泣…10年経つも不可解な白いベンツの謎
 5月27日放送のラジオ『安住紳一郎の日曜天国』(TBSラジオ)にてMCの安住紳一郎(44)が2008年5月25日に死去した故・川田亜子アナウンサー(享年29)について言及し、嗚咽する一幕があった。
 同放送では「ずるい話」をテーマに、まず8年前に局アナ時代の安東弘樹アナ(50)と田中みな実アナ(31)とアナウンス室に3人きりになった日曜日のことを回想。当時、安住紳一郎が仕事について注意したことで田中みな実と険悪になり、1年半ほど口もきかない関係が続いていたそう。しかし、その頃のTBS社屋にはコンビニはなく、近隣の飲食店も日曜日は閉まっていたため、3人はお腹を空かせていたという。そこで安住アナは、頂き物の“お煎餅の詰め合わせ”でお腹を満たそうと、安東アナにもお裾分けして2人でボリボリと音を立てながら“ごまのお煎餅”を中心に食べ始めたそうだ。
 すると、田中アナが「私にも1枚お煎餅ください!」と歩み寄ってきたという。それでも、久しぶりに口をきいた田中アナに対して意地悪な感情が働き、唯一あまり好きではなかった“抹茶のお煎餅”を差し出したそう。すると、一度は席へ戻って食べた田中アナだったが、もう一度安住アナのもとへ来て「私にもごまのをください!」と詰め寄り、3人は堪えきれずに大笑いしたそうだ。安住アナは「私は(2人と)仕事をした中でこのエピソードが大好きなんです」と笑いを誘っていた。
 そして告知を挟んだ後に、安住アナは「さて内輪の話をもうひとつ、恐縮なんですけれども。もうひとり後輩の話をしたいと思います」と前置きし、約9秒間沈黙した後に「すいません。ちょっと待ってくださいね」と突然、声を震わせた。続けて、声を整えようと何度か咳き込み「もうひとり川田亜子という女性アナウンサーが私の後輩におりまして……」とちょうど放送日の2日前が命日だったことを泣き声のまま説明し、「もう少し何か出来たんじゃないかなと10年ずっと変わらず考えてしまいます」と川田アナへの後悔を吐露した。
 安住アナいわく、生前の川田アナは「ちょっと仕事のやり方が強めだったということもあって、少し孤立していた時期があった」とのこと。そして安住アナも同様に「田中みな実さんと1年半も口きかない、みたいなそういう強引なやり方をしてたんで、同僚から浮いちゃってた」とアナウンス部内で孤立した時期があったことを明かし、川田アナから「安住さん、私も孤立してしまいました。私と組みませんか?」と相談されたことを告白。今となっては川田アナが「俺に甘えて来てただけだと思う」と理解できるものの、当時は「俺は俺で、お前とのやり方は違う」「お前はそのやり方で仕事が煮詰まったんじゃないか」と突き放してしまったという。
 安住アナは当時を振り返り「その後、結局彼女は自殺をしてしまうんだけれども、本当にその時のことを後悔しています。そして、川田さんのことを大事に思っていた人には本当に申し訳なく思っています。それは本当に……どんな謝罪をもっても許されないことだと思って。俺がこの放送局のアナウンスを続ける限りは川田のことを考えてあげたいってずっと思ってます」「(川田アナは)非常に可憐な女の子なんですけれども、そしてとっても性格強気なんですけれども、寂しがり屋なところがありましたので、ぜひたまに思い出してやってください。内輪の話ばかりで申し訳ない。今日はちょっと自分の話ばかりしてしまいました」と語り、「この曲を聞くといつも川田のことを思い出す」という川田アナが亡くなってすぐに発売されたKOKIA「ありがとう」を流してトークは終了した。
 高いアナウンス技術を持ち、常に冷静沈着なイメージの強い安住アナが、自身を「私」ではなく「俺」と称し、「川田さん」ではなく「川田」と呼び、涙を流しながら語った川田アナへの後悔。彼女の死は、10年経った今なお多くの憶測が飛び交い謎に包まれている。
 2008年5月26日午前6時すぎに、東京都港区の路上に停車していた白いベンツの中で、川田アナが倒れているのを男性会社員が発見。5月7日から川田アナが自身のブログで悩んでいる様子を記していたり、車内に練炭とコンロと遺書3枚が置かれ、運転席の窓がビニールテープで目張りされていたことから、一酸化炭素中毒による自殺を図ったと見られた。
 しかしその後、マスコミでは2人の男性の存在が取り沙汰された。ひとりは川田アナがTBS退社後に所属した芸能事務所幹部であり、恋人だったと噂されているA氏。そしてもうひとりは「川田アナの最後の恋人」と言われているアメリカ人平和活動家・B氏。
 川田アナと男性2人の関係について真実は明らかになっていないものの、川田アナの死後、B氏は「川田の自殺原因を明らかにする」と、A氏に対し損害賠償請求裁判を起こしていた。結果はB氏が敗訴したが、川田アナが亡くなる前にもA氏とB氏は金銭トラブルに発展していたことも明らかになった。なお2人は、2013年12月にも2012年ミス・インターナショナル世界大会のグランプリ・吉松育美氏を巡って再度トラブルが起きたと報じられている。
 さらに、川田アナの遺体が発見された“白いベンツ”が川田アナ名義ではないこと、第一発見者の男性が一時行方不明になった等さまざまな報道が飛び交い、マスコミでは他殺の可能性が浮上。しかし、川田アナの実父がいくら訴えても警察が捜査することはなかった。
 川田アナの死の真相は、多くの謎を残したまま闇に葬られてしまうのだろうか。いずれにせよ、今回、安住アナがラジオで号泣しながら川田アナへの思いを語ったことは、ネット上で大きな反響を呼んでいる。安住アナの願い通り、川田アナの存在を世間は忘れていない。また節目のたびに思い出すことだろう。(夏木バリ)


遺族の感情逆なで 堀内議員“高プロ”強行採決で大ハシャギ
 衆院厚労委で強行採決された、高度プロフェッショナル制度(高プロ)を含む「働き方改革」関連法案。野党議員が委員長席に詰めかけた際、ピンクのスーツ姿で両手を挙げて「賛成」する姿を見せていたのが自民党の堀内詔子議員(52歳、山梨2区、当選3回)だった。
 高プロは“定額働かせ放題”ともいわれる「過労死促進法」だ。この日の委員会は、NHKで過労死した佐戸未和さんの母親ら過労死遺族も傍聴。安倍首相との面会が実現しない中、大ハシャギで跳びはねていた堀内氏の様子は過労死遺族の目にどう映ったのだろうか。
 堀内氏は2012年初当選の“魔の3回生”だ。国会でヒンシュクを買ったのは今回だけではない。1月開会の通常国会では、質問時間の配分をめぐって与野党が対立。自民党は「若手の機会を確保する」として時間増を求め、1月29日の衆院予算委で「若手」として質問に立ったのが堀内氏だった。
 ところが、質問時間を1分以上も残したまま質問を切り上げようとし、議場内の議員から「時間まだあるぞ」とヤジが飛ぶ始末。共産党の小池晃書記局長が「余らせるぐらいなら野党の時間を増やしてほしい。(時間を)残して叱られるなんて、子供じゃあるまいし、みっともない」と呆れたほどだった。
■“貢献ぶり”を熱烈アピール
 堀内氏の公式サイトによると、愛読書は「ジャン・ジャック・ルソー」。ルソーといえば18世紀、世に蔓延する社会的不平等の構造を究明し、自由で平等な市民の共同体を達成すべく「社会契約」の必要性を説いた人物だ。つまり、ルソーの思想とは、労働時間規制のルールをすべて取っ払って“野放し”を推し進める高プロとは真っ向から反するのだ。愛読書は「ルソー」なんて言っているが、本質を全く理解していないのは明々白々だ。
「本人は、安倍政権が進める重要法案の採決に“貢献”しているところを政権側にアピールしたかったのでしょうが、遺族の目前ですることでしょうか。政治家以前に、人としてどうかと思います」(政治評論家・山口朝雄氏)
 有権者は、過労死遺族の感情を逆なでした堀内氏の振る舞いをよ〜く覚えておいて、次の選挙では何が何でも落とすしかない。


麻原らオウム確定死刑囚「6月執行説」の根拠と上祐氏の懸念
 オウム真理教(現アレフ)の元教祖・麻原彰晃(本名・松本智津夫)死刑囚の周辺が慌ただしくなっている。
「5月中旬以降、『6月に麻原らの刑が執行される』との情報が司法記者クラブ内を駆け巡り、各社ともXデーに備えた厳戒態勢を敷いています」(全国紙司法担当記者)
 今年3月、東京拘置所に収容されていたオウム確定死刑囚13人のうち7人が全国の拘置所(支所含む)に移送され、「執行準備か」との観測が一気に広がった。死刑制度に詳しいジャーナリストの青木理氏の指摘。
「移送は、麻原1人でなく共犯のオウム死刑囚も同日執行するための措置と見られています。共犯事件の死刑囚は同日に執行されるのが原則。東京拘置所ではこれまで一日に最大で2件の死刑執行例があるのみです」
 各拘置所には刑場は1つしかないとされ、移送し分散させることで刑場を確保し、一斉執行に備えているという見方だ(法務省は「移送は執行とは関係ない」と回答)。
 そうしたなか、突如降ってわいた「6月執行説」。関係者たちが語る“根拠”は次のようなものだ。
「来年は天皇の生前退位という一大イベントがあり、恩赦も予定されている。再来年には東京五輪が控え、オウム死刑囚の執行は“今年しかない”との暗黙の了解が法務省内にはある」(前出・司法記者)
 法務省関係者はこう話した。「7月に上川(陽子)法相の欧州外遊が予定されていて、8月に入れば自民党総裁選の準備に政治家は忙しくなる。9月の総裁選が終わり、内閣改造で法相が替わることがあれば、すぐに執行命令書にサインできる状況ではなくなる。年末に近づけば目前に迫った生前退位の祝賀ムードに水を差しかねないので適切でないとの声が省内にある」
 前出・青木氏も「国会開会中に死刑執行はしないとの過去の慣例に倣えば、仮に延長がないとして6月20日の国会閉会後がひとつの焦点になる」と話す。アレフから離脱した『ひかりの輪』代表の上祐史浩氏は本誌取材にこう答えた。
「死刑執行後に心配されるのはアレフ信者による後追い自殺などです。今でもオウムの後継団体であるアレフは“自分たちの信仰が麻原尊師を生かしている”と信じて活動している。死刑が執行されない限り、アレフの組織延命と“麻原信仰”は止まりません」
 いまだ麻原死刑囚を「開祖」と位置づけるアレフの今後の動向にも注目が集まっている。


大前研一氏、独を参考に人口の10%目標に移民受け入れ制度を
 人口が減少する日本において、労働力の不足は大きな問題である。解消法としては、年齢や性別に関わりなく、誰でも働きやすい社会になることに加え、移民の受け入れ推進がよく話題になる。経営コンサルタントの大前研一氏が、日本が外国人労働者を受け入れるには、どんな制度が望ましいのかについて提言する。
 * * *
 日本政府が来年4月をめどに外国人労働者向けの新たな在留資格を作ると報じられた。「特定技能(仮称)」というもので、働きながら技術を学ぶ最長5年間の「技能実習」を終えて帰国した外国人が、一定の要件を満たせば、さらに日本で最長5年間就労できるようにする方針だ。人手不足が深刻な農業、介護、建設、造船などの業界を対象にするという。
 だが、日本に通算10年間住んでもよいと言いながら、この新資格では永住権までは与えられない。法務省の「永住許可に関するガイドライン」には法律上の要件の一つに「原則として引き続き10年以上本邦に在留していること」という項目があるが、技能実習と今回の新資格で通算10年間日本に在留しても、「引き続き」ではなく、いったん帰国するので、直ちに永住権取得の要件を満たすことはできないとされる。なぜそのような理屈をこね回した役人的で中途半端な資格を新設するのか、その理由がそもそもわからない。
 では、どうすればよいのか? 私が『新・大前研一レポート』(講談社)の「日本を変える法案集」の「国籍法」で25年も前に主張しているように、通算10年間も日本で働き、永住を希望する外国人には、2年間かけて技能だけでなく日本語や日本の文化、慣習、法律、社会常識など「日本人」としての教育を義務付け、それを修了した人には永住権(アメリカのグリーンカードに相当)を与えて移民を受け入れていくべきだと思う。
 たとえば、ドイツは第2次世界大戦後の1950年代以降、人手不足を解消するためにトルコ、ギリシャ、イタリア、ポーランドなどから移民を積極的に受け入れてきた。当初はドイツ人との確執などによるトラブルもあったが、今では国民の5人に1人が「移民の背景」を持つようになり、社会は非常に安定している。
 なかでもトルコ人は最も割合が大きく、ドイツ全体で300万人に達していると言われる。苦労しながら死にもの狂いで働いた1世に教育重視で育てられた2世の中からは、政財界や学術分野などで優秀な人材も登場している。むしろ、今やドイツはトルコ人がいなければ社会も経済も成り立たないほどになっていると言っても過言ではないだろう。
 さらに、ドイツで育ったトルコ人が祖国に帰り、経済発展の柱として目覚ましく活躍している。たとえば、トルコ西部イズミルにあるドイツの高級ファッションブランド「ヒューゴ・ボス」の工場は非常に業績優秀なことで知られているが、そこで主力になっているのはドイツから帰国した人たちだ。彼らはトルコ語とドイツ語のバイリンガルなので、トルコとドイツの関係強化にも大いに貢献している。
 日本では、中国人やベトナム人など在日外国人の犯罪が時々クローズアップされるが、外国人労働者が定着して正規の教育課程を経た永住者が増加すれば、親日的な人が増えて国同士の関係も親密になっていくはずだ。それは長い目で見た時の安全保障にもつながるだろう。当初は日本人との間がぎくしゃくするかもしれないが、いずれはドイツのように安定するから、とりあえず人口の10%くらいをターゲットに移民(永住者)を受け入れていく制度を確立すべきだと思う。
 前述した外国人に対する2年間の日本適応教育には、戦時中の“皇民化教育”を思わせるといった批判的な意見があるかもしれないが、それは違う。
 私はかつて、成人年齢を20歳から18歳に引き下げるのであれば、高校までを義務教育にして、最後の1年間に社会人としてのルールとマナー、自動車の運転、ファイナンシャルプランなどの知識を教える。それを修了したら、晴れて「日本の成人の条件」を満たした者と認め、成人とすべきだ、と書いた。それと同じように、日本に長く住んで永住を希望している外国人に対しては、私が日本人の高校卒業者に課すことを提案しているような「成人になるための条件」をクリアしてもらうことを要件にすればよいのである。
 国立社会保障・人口問題研究所の将来推計(2017年)によると、日本の総人口は2053年に1億人を割って2065年には8808万人となり、生産年齢(15〜64歳)人口は2065年に4529万人にまで減少すると見込まれている。生産年齢人口の減少はGDPの減少、すなわち国家の衰退を意味する。これを反転するには、長期的視野で移民受け入れに本腰を入れるしかないのである。


BEGIN、モンパチ、マブヤーも CIAが沖縄の音楽などを分析 世論研究の解説書
 【ジョン・ミッチェル特約通信員】米中央情報局(CIA)が沖縄世論を研究するため、ポップ音楽などを広く分析していたことが分かった。CIAがまとめた解説書は、BEGIN(ビギン)やモンゴル800、Cocco(コッコ)さんなどの歌詞、「琉神マブヤー」のヒーロー像を題材に、「平和を愛する人々」「美しい島々」といった県民の自己認識を説明している。
CIAの解説書「沖縄における基地と政治」には、BEGINやCoccoさんの名前も登場する
 解説書の題名は「沖縄における基地と政治」。2012年、CIAオープンソースセンターが米政府の政策立案者向けにまとめた。「公用限定」に分類されており、本紙が情報開示請求で入手した。
 Coccoさんの歌から「ジュゴンの見える丘」を取り上げ、「沖縄のもろく美しい環境に光を当てた」と解説。「ジュゴンは、反基地や自然保護の活動家が普天間飛行場の移設に伴う環境への影響を示すため、広く利用している」と警戒感も示す。
 モンゴル800の「琉球愛歌」は「他者への共感を呼び覚ますとともに、非暴力と自然への愛着を体現する『琉球の心』を強調している」と分析する。
 BEGINの「島人ぬ宝」に込められたメッセージを、「島独特の自然や歴史が持つ物質的ではない豊かさ」と指摘。HYの「時をこえ」の歌詞に登場する「命どぅ宝」の考え方について、「間接的に戦争を否定し命の価値を広める」と解説する。
 琉神マブヤーは「他者を思いやり、許す」文化の象徴とみる。一方、NHKの大河ドラマ「琉球の風」や「テンペスト」には批判的で、大交易時代を「美化」することで、基地がなくても「アジアの交差点」として経済が成り立つと県民に思わせたと推定する。
 世論分析のため、投稿サイト「沖縄のうわさ話」で埋め立てについて賛否の意見を数えた記述も。市町村のシンボルマークや非核都市宣言は、平和を求める県民感情を知る手掛かりにしている。
 このほか歴史、文学、空手、平和運動など各分野の第一人者の著作や発言も分析している。
取り上げた主な人物・グループ
 CIAが沖縄世論を理解するため、解説書の中で作品や発言を取り上げた主な人物、グループは以下の通り。(敬称略、登場順)
 高良倉吉、仲本和彦、金城実、大江健三郎、高良政勝、太田好信、嘉手苅林昌、平安隆、宮城喜久子、仲井真弘多、翁長雄志、赤嶺政賢、知花昌一、富川盛武、大城立裕、大田昌秀、目取真俊、石川元平、稲嶺恵一、佐藤優、仲原善忠、新城俊昭、安仁屋政昭、山里毅彦、安里猛、尚泰、HY、モンゴル800、多田治、BEGIN、Cocco、稲嶺進、新垣裕治、井上雅道、チャルマーズ・ジョンソン、玉城満、柳宗悦、長嶺将真、上地拓郎、尚泰久、尚巴志、新田重清、座安政侑、山中久司、仲里効、林泉忠


「百万遍こたつ事件」救援会
声明文
 私たちの友人であるAさんとBさんが、2018年5月22日・23日に道路交通法違反(道路における禁止行為)の容疑で京都府警下鴨警察署・京都府警交通指導課に逮捕されるという事件が起こりました。この逮捕は、AさんとBさんが2月25日に、京都大学付近の百万遍交差点路上にてコタツを持ちだし座り込んだ行為によると京都府警は発表しています。AさんとBさんのこうした行為そのものについては、私たちのなかにもさまざまな意見があります。しかし、私たちは二人の逮捕・勾留とそれに続く報道には以下のような重大な問題があると考えます。
 そもそも今回のような軽微な違法行為で逮捕・勾留されるのはきわめて異例のことです。AさんとBさんの行為は、実際に事故を招いたり、誰かにけがをさせたりしたわけではありません。交差点に座り込んでいたのは警察によれば5分間程度であり、警察官の注意を受けて歩道に退去しています。警察官が逮捕に相当する犯罪とみなせば現行犯逮捕もできたはずですが、当日にそのようなことはありませんでした。
 しかし、AさんとBさんは後日(それも3ヶ月も経ってから)逮捕・勾留され、さらに検察は裁判所に勾留請求を提出し、二人の身柄拘束を延長しようとしました。そもそも勾留は「罪証隠滅のおそれ」「逃亡のおそれ」などの理由がなければ認められないと法律で定められています。AさんとBさんの場合、自ら出頭して捜査に応じ、住所も隠していないなど理由となりうる状況は全くありませんでした。それを裏付けるように、勾留請求は裁判所によって却下され、AさんとBさんは5月24日夜に釈放されました。
 十分な理由なき勾留請求が却下されるのは当然のことですが、日本では95%以上の勾留請求が安易に認められているという現状があります。その中で今回の京都地裁の判断は司法が正当に機能した一例として評価されるべきでしょう。同時に、今回の逮捕・勾留がもとよりいかに妥当性を欠く不合理なものであったかを示すものといえます。
 比較的短期間で釈放されたとはいえ、今回AさんとBさんは逮捕・勾留によって生活上の多大な不利益を被りました。二人の行為に対比して明らかに過剰かつ暴力的な権力行使がなされました。私たちはこれをAさんとBさんに対する人権侵害と捉え、京都府警および京都地検に対して断固として抗議します。
 また、逮捕を受けて行われた報道には、AさんとBさんの氏名、住所、年齢、性別等の個人情報を公表するものが多数見られました。原則として被逮捕者はその時点では「被疑者」であり、犯罪事実が確定しているわけではありません。その時点での実名報道は、無罪の可能性のある人物が犯罪者のように周知されるという大きな問題をはらむものです。また実際に犯罪を行った者であっても、個人情報を恣意的に報道されることは法的な処罰以外の「社会的制裁」となります。その結果、本人や周囲の人物が私的に迫害を受けたり、それが法的に罪を償った後にも続いたりといった事態が起こりえます。現在はインターネット上に情報が流れることにより、その危険はますます深刻なものとなっています。
 各種報道を含む表現の自由は尊重されるべきですが、逸脱者をさらし者にしたり、プライバシーを覗き見したりする欲望におもねるのはジャーナリズムにあるまじき振舞いです。私たちは、こうした報道に対してもまた強く抗議します。
 上述の逮捕・勾留と実名報道はいずれも、AさんとBさんの人権を恣意的に侵害するものです。これらを容認することは、この社会の市民的自由そのものを広く脅かすことにつながります。「自業自得」と切り捨てるのではなく、「明日は我が身」の視点を手放さない批判的姿勢こそが、権力の横暴を抑止するはずです。私たちは、これらの問題への注目と、そして不利益を被ったAさんとBさんへの支援を呼びかけます。
2018年5月28日 「百万遍こたつ事件」救援会
※AさんとBさんは5月24日に釈放されたものの捜査は継続中であり、今後のさまざまな事態に対応する諸費用が必要です。カンパをぜひともお寄せください。詳細に関しては以下の連絡先までご連絡ください。
kotatsu-jiken@protonmail.com

今日も日曜出勤/デザインの問題を慌ててチェック

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Visite zen au cœur du plus grand jardin japonais d’Europe
Michel Valentin, notre envoyé spécial à Maulevrier (Maine-et-Loire), avec Roberto Garçon et Anissa Hammadi
Quoi de plus apaisant qu’une promenade dans un jardin japonais ? Conçu pour la méditation et échapper aux stress, ce type d’espace vert existe aussi en France. Le plus grand d’Europe se trouve à moins de 400 km de Paris, à Maulévrier, dans le Maine-et-Loire.
A peine sorti, on a déjà inscrit le rendez-vous dans l’agenda : revenir sur place à l’automne, lorsque les arbres changent de couleur ; et au printemps prochain, au tout début de la floraison des cerisiers japonais. C’est à ces moments, sans nul doute, que le parc oriental de Maulévrier, à une quinzaine de kilomètres au sud-est de Cholet (Maine-et-Loire), doit briller comme jamais.
Celui qui se revendique comme le plus grand jardin japonais d’Europe, avec ses 29 hectares, resplendit quoi qu’il en soit, en toutes saisons.
≪ Ce n’est pas un simple jardin, souligne François, un amateur éclairé qui n’hésite pas à traverser la France, voire l’Europe, pour découvrir les plus beaux espaces verts. Il n’a pas été conçu comme juste un peu de pelouse avec des arbres, mais en suivant les préceptes orientaux, en tant qu’espace de tranquillité et de repos, et il est lui-même une allégorie de la vie et de l’univers ! ≫
Ce ne sont pourtant pas des bouddhistes ou des taoistes qui en sont à l’origine, mais un certain Alexandre Marcel, architecte parisien qui avait épousé la fille des propriétaires du château Colbert, celui surplombant le parc.
Plutôt que d’en faire un simple carré vert ombragé permettant la promenade des dames avec ombrelle et messieurs cigare à la main, Marcel, inspiré par les créations de la période Edo au Japon (1603-1868), transforme complètement les lieux à partir de la fin du XIXe siècle et jusqu’avant la Première Guerre mondiale.
L’eau joue un rôle essential
Abandonné ensuite durant des décennies, le parc est finalement restauré à partir de 1985, et dûment reconnu comme un vrai jardin japonais par des experts nippons, puis comme ≪ jardin remarquable ≫ par le ministère de la Culture.
Comme dans l’empire du Soleil levant, l’eau joue ici un rôle essentiel. C’est autour du lac artificiel, alimenté par la rivière Moine, que sont disposés arbres, plantes et sculptures, voire temple khmer et torii (portiques rouges japonais comme ceux disposés à l’entrée des lieux sacrés).
≪ Toute la balade s’articule autour du bassin, reprend François. A moins de monter sur la pente qui mène vers les serres et le salon de thé, on ne s’en éloigne jamais vraiment loin, tout comme dans la vie, il n’est pas possible de se passer longtemps de l’eau. ≫
On peut aussi, tout comme dans la vie quotidienne, prendre un peu de recul, en se perdant dans ses pensées à deux endroits prévus à cet effet, la bien nommée colline des méditations, proche d’une petite cascade, ou la butte aux azalées, dont la petite hauteur permet de mieux admirer les environs.
300 espèces d’arbres
Les paysagistes en herbe n’auront, eux, d’yeux que pour les incroyables sculptures arboricoles, naturelles ou artificielles, qui font la fierté des jardiniers de Maulévrier, comme ces arbres qui ressemblent à des champignons géants !
Ou ces érables du Japon, qui se différencient de leurs cousins canadiens grâce à leur tronc tourmenté. Ou ces gingko biloba aux feuilles si caractéristiques…
Au total, 300 espèces mènent ici la danse, mais en respectant le rythme des saisons, comme un être vivant géant que la frénésie des hommes n’atteint pas.
Route de Mauléon, à Maulévrier. En mai, juin et septembre, ouvert de 14 heures à 18 heures du lundi au vendredi, les samedis de 14 heures à 19 heures, les dimanches de 10h30 à 19 heures En juillet et août, ouvert tous les jours de 10h30 à 19h30. Entrée : 7,50 €, TR 6,50 €, gratuit pour les moins de 12 ans. Rens. : www.parc-oriental.com, 02.41.55.50.14.
Deux autres espaces bucoliques japonais
Le jardin japonais du Château de Courances (Essonne)
Au jardin japonais du Château de Courances dans l’Essonne, les couleurs et la nature de la flore rencontrent l’esprit de l’Extrême-Orient. Les tulipes et jacinthes côtoient les hêtres pourpres.
Le parc prend vie dans les Années Folles, sous l’initiative de la marquise Berthe de Ganay et Kitty Lloyd-Jones, élève de la paysagiste Gertrude Jekyll, créatrice du mixed-border anglais – parterres de plantes fleuries. Les érables et les arbres taillés en nuage nous transportent au Japon. Un thé peut être dégusté à la Foulerie, situé juste en face, pour profiter de la vue.
Parc ouvert les week-ends et jours fériés. Tarifs : 7, 50 euros et 5, 50 euros, entrée gratuite pour les moins de 13 ans.
Le jardin japonais contemporain d’Albert-Kahn à Boulogne-Billancourt (Hauts-de-Seine)
On sait peu de choses d’Albert Kahn, riche banquier né à la fin du XIXe siècle, qui passait son temps à bourlinguer à travers le monde. Mais son jardin, la grande œuvre de sa vie, remplace toutes les biographies.
On devine son amour pour les Vosges, sa région natale, et le Japon, son pays de cœur, à la place immense qu’occupent la forêt vosgienne et le jardin japonais.
A côté, le jardin anglais paraît ridicule. Les visiteurs viennent d’ailleurs pour ça : regarder les poissons orange entre les nénuphars, prendre en photo le petit pont rouge, admirer les pins taillés à la japonaise, et imaginer une cérémonie du saké dans la maison à thé. Le tout aux portes de Paris, à Boulogne-Billancourt (Hauts-de-Seine)…
Visites guidées uniquement sur réservation au 01.55.19.28.00. Tarifs : de 1,5 à 3 euros.
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フランス語の勉強?
テレメンタリー 「‘イスラム国’に引き裂かれた絆 日本人記者が追った6年」
今年でイラク戦争が始まって15年。ジャーナリスト玉本英子は、紛争地で犠牲になる人々の取材を続けてきた。最も衝撃を受けたのは“イスラム国”による住民虐殺。クルド人のヤズディ教徒は「邪教」として殲滅の対象になった。玉本は2組のヤズディ教徒の一家に出会う。“イスラム国”に村を追われ避難民施設で子供を生んだ新婚夫婦。5人の子供のうち3人が拉致された家族。引き裂かれたヤズディ教徒の家族を6年間追った。 安富史郎 朝日放送テレビ
明日へ つなげよう 証言記録「宮城県石巻市 希望をつなげ 壁新聞」
東日本大震災で最も多い4千人が犠牲になった石巻市。石巻日日新聞は津波で社屋が冠水し輪転機も止まったが、手書きの壁新聞を避難所に届けると決断。記者達は通信や交通手段も途絶する中、水につかって奔走した。掲げた編集方針は、被災者の心に“希望をつなぐ”記事。しかし壊滅した故郷を前にぼう然となり事実を伝えざるを得ないと葛藤する記者も。絶望と希望のはざまで記者達は何をどう伝えたのか?懸命に格闘した7日間の記録 柴田祐規子
NNNドキュメント わが子を看取る おうち診療所ですごした3か月
米田一華ちゃん(4)に残された時間はあとわずか。ママとパパと妹、そして間もなく弟が誕生予定の家族が、一華ちゃんの最期を迎える場として選んだのが病院と自宅の間のような"おうち"診療所でした。難病の子が家族と一緒に暮らしながら医療ケアを受けられる全国でも数少ない施設を舞台に取材班は、幼い子の看取りまでの家族の葛藤と苦悩、その果ての決断を記録。リアルな映像を通して、子どもの終末期医療の充実を訴えます。 山本隆弥(YTVアナウンサー) 読売テレビ
バリバラ「HEY重度 意思決定全力サポート!」(後編)
重い障害があって意思表示が難しい人たちとのコミュニケーションについて考えるシリーズ「HEY重度」の後編。岐阜県の通所施設にとびこんだ俳優・横田美紀に新たなミッションが課せられる。言葉での意思表示が難しい若者一人ひとりの願いをくみとり、その人だけの外出プランを立てるというもの。しかし解決困難な障壁が次々と立ちはだかる。ミッションは果たせるのか?名曲HEY JUDEにのせて番組は衝撃のラストへ! 山本シュウ,大西瞳, 玉木幸則, 横田美紀, 大橋グレース, 神戸浩


新聞屋 著者の取材力に脱帽
冤罪の可能性が高いとされる同事件。著者は石川一雄氏の冤罪を信じて疑わない。冤罪なのか偽装なのか本当のところは分からないし、今後も真相が究明されることはないのだろう。裁判所が認定する「事実」と、実社会上の「真実」とは必ずしも一致しないのだから。しかし、著書を読むと冤罪が作られる構図がよく分かる。強引な、そして自白偏重の捜査…。冤罪の根源が、著者の数年にもわたる緻密な取材で浮かび上がる。そして、当時の石川氏の実態像がまざまざと蘇る。本作に描かれた実態は、数十年前の事件とは思えないほど鮮やかで繊細だ。著者の作品はどれも綿密な取材がされており、読んでいて面白い。そして冤罪事件を考える上では著書は必読といえる。
greendragon 勉強になりました
当時は大変に世間をにぎわしたというこの事件、私は今年(2005年)になって知りました。興味があり、まず最初に読んだのがこの本でした。
この本は、真犯人を推理したり、つきつめたりしている本ではなく、疑いをかけられ、冤罪を主張し続けている石川一雄さんの無罪を信じる著者が、石川さんを応援し、もう一度ちゃんとした公正な裁判を求めている本です。私は、当然事件を目撃してませんし、何も言えませんが、ただ、警察の怠慢、被差別部落民への強く根深い偏見と差別意識、無責任を強く感じ、冤罪というものがどういう構図で出来上がっていくのか、勉強になりました。
事件そのものとは別に、石川さん自身が、読み書きが苦手で世事に疎かったことを悔い、刑務所で猛勉強されたというところなどは、感動もしました。強く深い一念が人をこんなにも成長させるのかと。
ただ、この本は、ある程度事件のことや経過を知っている人にはいいと思いますが、私の様に事件について全く知らなかった者には、少しわかりづらいと思うところもあり、星4つにさせて頂きました。


今日も日曜出勤です.どうしたらいいのでしょう?ブラック企業ではないはずなのに・・・
ふとデザインの問題を見ていないことに気がつきました.慌ててチェック!ということでギリギリセーフかな?

全国から復興への思いをコメて 47都道府県のコメをブレンドした日本酒「絆舞」仕込み作業
 47都道府県のコメをブレンドして造る日本酒の仕込み作業が26日、福島県会津坂下町の曙酒造であった。全国の信用金庫によるプロジェクトで、東日本大震災からの復興や地方創生の後押しにつなげる。
 作業には一関、新庄、会津など東北をはじめ全国27信金の役職員や自治体関係者ら37人が参加。蒸したコメを担いでタンクに運び、もろみを仕込んだ。会津農林高の生徒は「早乙女踊り」を披露し、新酒造りの成功を祈った。
 造る日本酒は同日、「絆舞」と命名された。飲めば踊りたくなるような酒をイメージしたという。石巻信金の向井太郎業務執行役員は「全国の思いが詰まった良い酒になってほしい」と期待した。
 曙酒造の杜氏(とうじ)鈴木孝市さん(34)は「プロジェクトにちなみ47%まで精米した。飯米が多く温度管理が難しいが、福島の酒造りの技術で、全国の絆をつなぐようなきれいな甘さのある酒にしたい」と話した。
 「絆舞」は約1万2000本を製造。9月19、20日に東京で開く復興イベントで販売し、売り上げの一部を被災地などに寄付する。
 500ミリリットル入り2200円。岩手、宮城、福島、熊本の被災4県のコメを使う日本酒「絆結(きゆ)」も昨年に続いて醸造する。


閖上復興、風を味方に ヨットハーバー7年ぶり復活
 東日本大震災で被災した宮城県名取市閖上地区に7年ぶりに復活した閖上ヨットハーバーで26日、大学生セーラーらが復活をアピールするセーリング大会「北日本オープンヨット選手権」が始まった。27日まで国際470級と国際スナイプ級の2種目のレースが複数回行われ、順位が決まる。
 北海道、東北など6大学7団体から43艇、86人が参加。ヨットハーバー沖の海域で午前10時ごろから1回目のレースが始まり、各艇はスキッパーとクルーの2人が協力してマークを回り、ゴールを目指した。
 審判長を務めた東北大4年伊藤大貴さん(24)は「良い風が吹く閖上の海を多くの人に知ってもらいたい。今日を宮城、東北のセーリングの新しいスタートの日にしたい」と話した。
 津波で壊滅的な被害を受けた閖上ヨットハーバーは2016年度に再整備が始まり、大会前に浮桟橋やヨットを海面に下ろすための「斜路」が完成した。


<大川小津波訴訟>判決の意義を訴え都内で集会 原告代理人らが説明
 東日本大震災の津波で児童と教職員計84人が犠牲となった石巻市大川小事故を巡る損害賠償請求訴訟の原告の代理人弁護士と遺族が25日、都内で開かれた集会に出席し、事前防災の不備を認めた仙台高裁判決の意義を全国の教育現場で生かすよう訴えた。
 集会は市民や研究者らでつくる「大川小学校研究会」の第2回として開かれ、約80人が参加。原告代理人の斎藤雅弘弁護士は「控訴審判決は教職員個人に責任を押し付けるのではなく、誰が学校現場にいても子どもの命が守れるような平時の体制づくりを組織的な責任として認めた」と強調し、判決を高く評価した。
 同じく代理人の吉岡和弘弁護士は「学校防災の絶好のテキストとして、ぜひ全国の教師たちに判決を読んでほしい」と訴えた。
 大川小3年だった長女未捺(みな)さん=当時(9)=を亡くした原告の只野英昭さん(46)は「判決を学校防災の礎として未来につなげるため、つらく悲しいことでも語り継いでいきたい」と決意を述べた。
 元教師の女性(73)は「学校は命を守るという当たり前の責任を果たさなければならない」と感想を語った。共催した専修大法学部法社会学ゼミナールの飯考行教授は「大川小に関心を持つ人は多い。当事者の話を聞くことで判決を広く伝える機会になる」と話した。


<あなたに伝えたい>地元で美容室 夢かなえたい
◎伊藤英さん(岩手県陸前高田市)から涼子さんへ
 英さん 「行ってらっしゃい」。あの日の朝、いつものように仕事に出る母を、ベッドに寝たまま声だけで見送ったのを今も思い出します。いつもそばにいるのが当たり前で、甘えて迷惑ばかり掛けていました。もっと親孝行ができれば良かったと、後悔が募ります。 私は勤務する大船渡市の美容室で被災しました。高台に避難して難を逃れましたが、自宅は流されました。母の姿はどこにもありませんでした。昼は避難所で救援物資の仕分け、夜は盗難を阻止するための夜回りをしながら、合間を縫って母を捜しました。
 警察によると、自宅から遠く離れた所で発見されたそうです。捜し続けていたある日の夜、海側から見た町の景色が頭に浮かびました。母が見つかった場所に似ており、呼んでくれたのかもしれません。
 一時、美容師を辞め、幼なじみが設立した復興支援団体「SAVE TAKATA」に参加し、農業の6次化や若者の雇用確保などに取り組みました。自らの再起と美容師としての独立を目指し、3年前に修業で東京に出ました。今は支店長を任されています。
 古里を離れた東京暮らしで、亡き母や家族、友人の存在や、前の職場で教わったことが支えになっていると実感しています。
 いずれ陸前高田に戻り、自宅と美容室を建てたいです。一人でも多くのお客さんを笑顔にして、いつの日か土産話を母さんに伝えたいと思っています。
◎甘えて迷惑ばかり掛けた母
 伊藤涼子さん=当時(57)= 東日本大震災の津波で、陸前高田市の職場から帰宅する途中に流されたとみられる。震災から半年余り、行方不明だった。次男の英(さとる)さん(36)が2011年9月末、岩手県警から白骨化した遺体発見の連絡を受けた。県警のDNA鑑定で身元が判明した。


石巻自慢の新鮮ホヤ 消費拡大を応援 「元気いちば」できょうまでフェス
 宮城県石巻市の観光交流施設「いしのまき元気いちば」で26日、旬を迎えるホヤの魅力をPRする「石巻ほやフェス」が始まった。27日まで。
 同市寄磯浜で水揚げされたホヤ約2000個が販売された。買い物客はたくさんのホヤが入ったコンテナをのぞき込み、新鮮なホヤを次々と買い込んだ。
 宮城県産ホヤは、東京電力福島第1原発事故の影響で韓国の輸入規制が続く。同施設を運営する「元気いしのまき」の米沢耕也マネジャー(33)は「地元での消費拡大に向けて応援していきたい」と話した。
 フェスではホヤ料理の試食会、加工品の販売などもある。午前10時から。無くなり次第終了。


河北春秋
 港町のイメージが強い気仙沼。市の総面積の7割は森林で、実は山の町でもある。海と山。二つの観光資源をつなぐ初のイベントがきょう開かれる▼50万本のツツジが咲き誇る徳仙丈山(711メートル)の登山者を、海の幸を集めた街中の観光施設「海の市」へ誘導する。今月の週末、登山者へ特産品が当たる抽選券を配っており、きょうは海の市で抽選会や物産展が開かれる▼気仙沼観光コンベンション協会の臼井亮事務局長(45)は「これまでは山の観光地を生かし切れなかった」と語る。東日本大震災前は年6万人近くが訪れた徳仙丈山。登山者をもてなす常設の施設はなく、街にいざなう周遊策も乏しかった▼シンボル安波山(239メートル)も同様。協会などは昨年、パンフレットを作製し本格的なPRを始めた。山頂や展望台までの距離、時間が分かる看板もできた。大橋開通を来春に控える大島の亀山(235メートル)を含め、市は三つの山のアクセス道、物販や展望台の在り方を検討し、魅力アップに努めるという▼安波山の名は、航海の安全と大漁祈願に由来する。海と山とが一体だった証しだ。両方を生かす観光戦略を構築してほしい。もう一つ。震災で寂しくなった、安波山から望む内湾の夜景を取り戻したい。街の明かりは、希望の光でもある。

<日本海中部地震>「大人になった姿見たかった」「35年過ぎた実感ない」遺族、亡き子思う
 1983年の日本海中部地震から35年。秋田県男鹿市戸賀の加茂青砂海岸で26日あった慰霊式で、参列した旧合川南小(北秋田市)の児童13人の遺族ら約50人は改めて無念さをかみしめ、忘れることのできない亡き子どもたちへの思いを語った。
 津波が容赦なく児童を襲った海岸を見下ろす高台にある慰霊碑の前で、地震が発生した午前11時59分になると遺族らは静かに手を合わせた。
 「35年が過ぎたという実感はない。今でも戻ってきてほしいと思っているからかな」
 4年生だった長女有希子さん=当時(9)=を亡くした北秋田市の主婦福岡史恵さん(68)は、変わらぬ娘への愛情を語った。「遠足に向かう明るい笑顔を見たのが最後。大人になった姿を見たかった」。海を見つめ、思いをはせた。
 5年生だった次女信子さん=当時(11)=を亡くした同市の農業土濃塚(とのづか)謙一郎さん(73)は「『日本海側は津波なんてこない』と言われてきた。犠牲者が残してくれた教訓を忘れず、二度と悲劇が起きないことを願う」と話した。
 男鹿市内では26日、消防や町内会が人命救助や消火といった訓練をそれぞれ実施した。30日には、男鹿沖での震度6強の地震発生を想定した避難訓練が同市戸賀地区で行われる。


<日本海中部地震>遠足から帰る日今も待つ 発生から35年、男鹿で追悼
 1983年に発生し、計104人が命を落とした日本海中部地震から、26日で35年となった。遠足で訪れていた旧合川南小(秋田県北秋田市)の児童13人が津波の犠牲になった男鹿市戸賀の加茂青砂海岸は、鎮魂の祈りに包まれた。
 「遠足で食べられなかった弁当、食べてね」「ビールもあるよ。もう大人だもんね」。遺族たちは幼い命が奪われた海岸に食べ物や飲み物を供え、手を合わせた。遠足から帰らなかった子どもの姿を探し、思い思いに声を掛けた。
 日本海中部地震では秋田県で83人、青森県で17人、北海道で4人が亡くなった。


「うつ・PTSD疑い」4.3% 熊本市職員 地震発生から2年、割合は減少 [熊本県]
 熊本地震での心の影響を調べるアンケートに回答した熊本市職員のうち、うつまたは心的外傷後ストレス障害(PTSD)の疑いがあると判定された人の割合が4月時点で4・3%に上ることが市の調査で分かった。アンケートは今年で3回目。割合は年々減少しており、担当課は「地震発生から2年がたち住環境や(地震直後に業務が集中した)労働環境が改善されている」としているが、該当職員には産業医や臨床心理士との面談を勧めるなど、さらなる改善を目指す。
 市によると、調査は全職員約9千人を対象に4月中旬〜下旬に実施した。質問は12項目で、食欲の変化や睡眠状況、揺れへの恐怖感など、被災体験の日常生活への影響を調べた。正職員と嘱託職員の計2064人から回答(回答率約23%)があり、うち88人がうつまたはPTSDの疑いがあることが分かった。
 市は、災害発生から1年や2年という節目に関連報道が増えると、「アニバーサリー(記念日)反応」と呼ばれるストレス症状が表れやすいことから毎年4月に調査を続けている。地震発生3週間後の調査では696人(13・9%)、翌17年は130人(7・1%)が、うつまたはPTSDの疑いがあると判定された。


デスク日誌 違法性
 警察や裁判所を担当すると、通常の取材の中で犯罪の成立要件をたたき込まれる。三つの柱があり、(1)構成要件該当性(法令に定められた犯罪の構成要件に当てはまること)(2)違法性(法令に違反していること)(3)有責性(責任能力があること)−がそれに当たる。
 (2)に関しては「違法性阻却事由」という、小難しい用語に直面する。法に触れる行為でも、「特別の事情」により違法とはならない場合を指す。
 相手を思い切り殴って瀕死(ひんし)の重傷を負わせても、リング上の試合なら傷害や殺人未遂罪には当たらない、といったところか。ただ、スポーツだからといって何をしてもいいというわけではない。特別な事情には資格に基づく正当な行為や、厳格なルールが存在する。
 そう考えると、日大アメフット部の選手による悪質な反則行為は、「タックル」の名を借りた傷害事件と言える。違法性は否定されないだろう。ベンチから危険タックルの指示があったとしたら、それはまさに「教唆犯」に該当する。
 前監督が述べたとされる「法律的に良くない」行為ではなく、学生を巻き込んだ刑事事件そのものだ。(報道部次長 末永秀明)


日大アメフット/混迷深める対応のまずさ
 日本大アメリカンフットボール部の選手に、生命に関わりかねない危険な反則をさせるほど追い込んだものは何なのか。真実を求める関係者の期待にはほど遠い内容だ。
 問題の反則があった定期戦から20日たったきのう、日大の再回答を受け関西学院大は会見を開いた。
 再回答の内容には、これまでの内田正人前監督や井上奨(つとむ)前コーチらの発言と同様に多くの矛盾がある。謝罪という言葉を使いながら、問われていることの本質に向き合わない姿勢が改めて示された。混迷を深めさせている日大の指導者らの責任は極めて重い。
 関学大がまず指摘したのは、内田氏らは反則した選手と試合後に複数回会っているにもかかわらず、理由や背景を一切聞いていないことだ。聞き取りもせず、厳しい指導と選手の受け取り方で「乖離(かいり)があった」との言い分を繰り返している。関学が不信感を深めるのも当然だ。
 批判と疑念が強まる中、内田氏らは反則をした選手が会見せねばならない状況に追い込んだ。その翌日に初めて正式な会見を開き、監督とコーチの指示という選手の主張を否定した。
 本来学生を守らねばならない立場の指導者が、一方的に責任を押しつけていると言われても仕方ない。スポーツのみならず、学生を預かる教育者として不適格と言わざるを得ない。
 この会見では、司会者が途中で打ち切ろうとするなど手際の悪さも批判を浴びた。後日、大塚吉兵衛学長が認めたように、大学の危機管理の未熟さが混乱に拍車を掛けている。
 関学大は51回重ねてきた日大との定期戦の中止を決めた。関東学生連盟に所属する大学の監督会は、日大の指導体制の改善がなければ、今秋のリーグ戦での対戦を拒否する方針だ。やむを得ない措置だろう。
 日大の第三者委員会や連盟の規律委員会の調査が不十分であれば、捜査機関に真相解明を委ねることになる。そうなれば、アメフットと日大全体のイメージはさらに悪化する。
 大学幹部は、対応のまずさから事態を深刻化させた責任を受け止め、体質改善と信頼回復に全力を挙げねばならない。


アメフット悪質反則 選手切り捨て 何の勝利か
 アメリカンフットボールの日本大−関西学院大の定期戦で起きた悪質な反則行為の問題は、日大側の対応に関係者の不信が募るばかりだ。けがをした関学大の選手側のみならず、関東学生連盟の各チームが日大との対戦を拒否する方針を示し、日大の選手や保護者会からも批判の声が出始めた。大学日本一の名門校の指導に潜んでいた大きな病理は、日大だけでなくスポーツ全体の信頼を揺るがしている。関学大は26日、日大からの再回答書の内容を「真実とは到底認識できない」と非難した。「行き過ぎた勝利至上主義」に社会が反発している。
 ■選手に前監督が反論■
 問題のプレーは5月6日の定期戦で起きた。日大の宮川泰介選手が、パスを投げ終えた関学大の選手に後ろからタックル、けがを負わせた。その後も危険な反則を重ね退場となった。
 宮川選手は22日、実名で会見し「相手をつぶせと言われ、けがをさせろという指示と解釈した」と明らかにした。「(試合前の)1週間、(監督やコーチに)追い詰められていたので、やらないという選択肢はなかった」とも説明した。
 ところが翌23日、辞任した内田正人前監督が会見し、「私からの指示ではない」と強調した。井上奨前コーチも「思い切り行かせるために、過激なことを言った」と述べ、けがをさせろという指示ではなかったと主張。宮川選手の発言のうち、前監督らの指示に関して重要と思える部分をことごとく否定した。
 ■競技精神を逸脱■
 荒々しく選手がぶつかり合うアメフットは、けがを防ぐためのルールが細かく定められている。例えば攻撃選手のブロックは原則、相手選手の肩から下に限られ、ブロックで手を相手に向けるときは開いていないといけない。頭部への打撃防止、握り拳による打撃被害防止のためだ。反則規定の4分の1以上が、けがを防ぐのが目的。激しさはこの競技の醍醐味(だいごみ)。だが一方で選手の安全へ最大限配慮するのが競技の精神といえる。
 日大アメフット部は、昨年大学日本一に輝いた競技を代表するチームである。そのチームが犯した競技精神を冒とくする行為。問題が拡大しても責任者がなかなか表に出てこなかったことも批判を拡大させた。
 ■勝利至上主義■
 内田前監督は問題の試合後、反則となったプレーに対し「僕のやり方だから。こんなこと言っちゃなんだけど、(反則した選手は)よくやった」などと発言したことも明らかになっている。「(選手には)相当プレッシャーをかけている」「そうじゃなかったら関学みたいなチームに勝てない」といった言葉には、勝つために選手をとことん追い詰めていく勝利至上主義が浮かぶ。25日に日大の大塚吉兵衛学長が会見を開き、一連の騒動は「本学に責任がある」と謝罪したが収束には程遠い。
 関東学生連盟は5月中に臨時理事会を開き、日大の処分を決めるという。日大の部員も宮川選手を守る声明文を出す準備を進めている。関係者が自浄作用を働かせようとする姿が救いだ。
 関学大は26日、「捜査機関による真相究明を希望する」と表明した。調査に乗り出したスポーツ庁は指導力を見せてほしい。選手とともに勝利を目指すという姿勢が感じられず、選手を切り捨てても平気な指導者の傲慢(ごうまん)な姿は、女子レスリングの騒動と同じ構図に映る。日本スポーツ界全体に巣くう病理をこの際一掃する覚悟を見せてほしい。


働き方改革法案 審議があまりに不十分
 働く人の命と健康に関わる法案にもかかわらず、審議が尽くされていない。
 衆院厚生労働委員会は、働き方改革関連法案を自民、公明両党と日本維新の会の賛成多数で可決した。野党の一部を取り込み、与党が強引に採決に持ち込んだと批判されても仕方あるまい。
 安倍政権が最重要法案と位置付けており、成立へなりふり構わぬ姿勢が鮮明だ。
 最大の焦点である高度プロフェッショナル制度(高プロ)は、高収入の一部専門職を労働時間規制から外す。与党と日本維新の会、希望の党が一部修正で合意したが、制度への疑念は拭えない。
 そもそも、高プロ、残業時間の上限規制、同一労働同一賃金など性格の異なる8本の法案が一括で提案されたことに無理がある。
 論点は多いのに、本格審議は2週間余りにすぎない。与党は週明けにも衆院を通過させる方針だが、議論をやり直すべきだ。
 関連法案の提出は、厚生労働省の不適切なデータ処理の問題によって、4月までずれ込んだ。
 その後も、法案の基礎となるはずの労働時間のデータに誤りが相次いで見つかった。ずさんというほかない。
 高プロの必要性については、厚労省が聞き取りを行ったサンプル数はたった十数人だ。
 もはや審議の前提が揺らぐ事態と言えよう。
 修正案は、高プロで働くことに同意した人が、希望すれば適用を撤回できるという内容だが、経営側が優位な力関係を考えれば、実効性に疑問符が付く。
 高プロは労働時間規制を取り払うため、長時間労働の助長が危惧される。企業は、4週間で4日休ませれば、残る24日は24時間働かせても違法にはならない。
 残業代も深夜・休日手当も出ないため、企業は労働時間を把握する義務がない。過労死が起きても、認定が難しくなる。
 対象業務や年収要件が国会審議を経ずに、省令で変えられる点も問題だ。対象は年収1075万円以上の研究職などとされているが、労働者派遣法のように対象拡大が繰り返される恐れがある。
 野党6党派、労働界、過労死遺族がこぞって法案から高プロの削除を求めるのも当然だ。共同通信の世論調査でも、約7割が今国会での成立に反対している。
 誰のための働き方改革なのか原点に戻り、法案の中身を一つ一つ分けて議論するのが筋である。


働き方法案強行採決 高プロは削除すべきだ
 安倍政権が最重要法案と位置付ける働き方改革関連法案を与党などが衆院厚生労働委員会で強行採決し、可決した。
 法案には高収入の一部専門職を労働時間規制の対象から外す高度プロフェッショナル制度(高プロ)が含まれている。過労死が増大する働き方の改悪法案ではないか。
 高プロは年収1075万円以上の金融ディーラーや研究開発職といった一部専門職を労働時間規制の対象から外す制度だ。政府は「時間ではなく成果で評価される働き方」と説明する。柔軟な働き方で生産性を高めようとする経済界の思惑が背景にある。事実上の残業代ゼロの制度だ。
 安倍晋三首相は1月の施政方針演説で、働き方改革関連法案の意義について「わが国に染みついた長時間労働の慣行を打ち破る」と述べた。しかし高プロは首相の主張に逆行する。高収入専門職を労働時間規制や残業代の対象から外し、働く人の命を奪いかねない危うい制度ではないか。
 現行の労働基準法で高プロと同様に労働時間規制の適用除外とされている管理監督者にも過労死が起きている。さらに、あらかじめ決めた時間を働いたと見なす裁量労働制の適用を受けていた電機メーカーのエンジニアの男性も過労死している。労働時間規制や残業代の対象から除外すれば、結局は企業の都合で長時間労働を強いられてしまうのは目に見えている。
 裁量制では企業は残業代を支払う義務がないため、労働時間管理が甘くなりがちだ。過労死したエンジニアの男性の会社も働いた時間を把握していなかった。
 このため遺族は労災申請に必要な勤務実態を把握するため、自ら調査している。遺族が勤務実態を把握できなければ企業責任を問えない。極めていびつな状況だ。
 関連法案は高プロのほかに残業代の上限規制、同一労働同一賃金の導入が3本柱だ。当初はこれ以外に、裁量労働制の適用業種拡大も盛り込まれていたが、厚生労働省の労働時間調査に異常値が見つかった影響で削除された。
 さらに、この調査のデータで新たに6カ所のミスが発覚した。再調査で6事業所を二重集計するミスがあったとの報告が採決当日の朝にあった。あまりにずさんだ。
 共同通信の世論調査では、今国会での成立は「必要ない」とする意見が68・4%を占めた。国民の理解は得られていない。厚労委の法案審議は不祥事などに集中し、残業時間の上限規制や非正規労働者の処遇改善などの重要論点の議論は十分ではなかった。
 にもかかわらず、政府は29日の本会議で衆院を通過させ、参院に送付する考えだ。あまりに拙速だ。
 高プロは労働基準法の根幹となる法定労働時間制を壊す制度だ。働き方を向上させてきた歴史にも逆行する。高プロは関連法案から削除すべきだ。


働き方法案採決強行 過労死の危険まだ残る
 働き方改革関連法案が衆院の厚生労働委員会で、自民、公明両党と日本維新の会の賛成多数によって可決された。野党の多くが抗議する中での採決強行である。働き方改革国会と安倍晋三首相が銘打った手前か、どうあっても通す構えらしい。
 長時間労働を助長し、過労死を招くとして主な野党や労働界が反対する「高度プロフェッショナル制度(高プロ)」などの議論は生煮えのまま、日程ありきで踏み切ったようだ。
 働く人の視点に立った改革とうたうが、曖昧さを残せば、使用者側に都合よく運用される恐れがある。弱い立場の労働者が保護されるとは思えず、強引に成立させることは許されない。
 維新が採決に加わったことで、与党としては強行採決との批判をかわし、丁寧な国会運営を演出したつもりだろう。高プロの一部修正に応じることで、維新を抱き込んだ。
 修正点は、高プロ適用への同意を、労働者が後に撤回できる規定の明記などである。だが、適用を「撤回」できるようにしたこと自体、問題をはらむ制度だと示したようなものだ。
 そもそも法案の根拠とする労働時間調査からしてミスだらけだった。厚労省は15日に精査した結果を公表したはずが、与党が採決を構える25日朝になっても、新たに6件の誤集計が見つかるというお粗末さである。
 ずさんなデータによって全面削除となった「裁量労働制」の対象拡大と同様、高プロも法案から切り離す必要がある。
 厚労省は、高プロの対象となる労働者へのヒアリング結果を示し、必要性を訴える。だが聴取したのは研究職やコンサルタントら、わずか12人にすぎない。都合よい回答だけ集めたと取られても仕方あるまい。
 高収入の一部専門職を労働時間の規制から外す制度である。しかし導入後、職種が拡大される懸念は拭えない。また、年間104日以上の休日確保が義務付けられているものの、月単位で150時間、200時間といった残業も可能だ。労災認定の根拠となる労働時間は記録されない。「過労死が確実に増える」と野党は反発している。
 時間でなく、成果で評価される働き方という政府の説明に、「成果と賃金がリンクすると書いてない」と野党は追及した。加藤勝信厚労相は曖昧な答弁ではぐらかし続けた。健康と命が懸かっている重大さをどこまで認識しているのだろう。
 前財務事務次官のセクハラ疑惑を巡り、野党が欠席する中、与党は維新と審議を進めた。野党側の戦術にも問題があるとしても、議論を重ね、労働者のための改革にしようという誠実さがうかがえない。
 首相は「労働基準法の制定以来、70年ぶりの大改革」と自賛するばかりで、過労死した人たちの遺族が面会を求めても取り合わなかった。
 共同通信社の世論調査で、今国会での成立は「必要ない」とする意見が68・4%に上っている。「理解が深まっていないだけ」と評する与党議員がいた。実際、議論が尽くされていないからこそ、国民に理解されていないのではないか。
 残業時間の上限規制や非正規労働者の処遇改善などの重要論点も置き去りのままだ。数の力で成立させてはならない。


働き方法案可決 「過労死温床化」消えず
 禍根を残しかねない結果と言える。働き方改革関連法案が衆院厚生労働委員会で可決された。相反する内容を束ねた法案に大きな疑問点があるにもかかわらず、論議を深めないまま強行的に採決した手法が問われる。
 安倍政権下での数を頼んでの強行採決は、これまでも特定秘密保護法や安全保障関連法などで行われた。またもこのような形になったのは極めて残念だ。政権が最重要と位置付ける法案だけになおさらだ。
 労働界や過労死遺族が異議を唱えた高度プロフェッショナル制度(高プロ)の創設が焦点となった。高収入の一部専門職を労働時間規制の対象から外す制度だ。
 安倍晋三首相は衆院厚生労働委員会で、過労死への懸念を問われても「時間ではなく成果で評価をする働き方を自ら選択できる。導入は待ったなしの課題」と答弁。過労死増加につながるとの見方を否定した。
 政府や与党はこれまでも「柔軟な働き方ができる」「高い付加価値を生み出す」と必要性を主張してきた。
 ただ、厚労省が厚労委に示したヒアリング結果は、その判断材料に乏しかった。聞き取ったのは研究職やコンサルタントらわずか12人にすぎないからだ。
 回答には「1日4〜5時間の研究を10日繰り返すよりも、2日間集中した方が、トータルの労働時間は短くて済む」など制度導入に肯定的な意見が並んだという。
 そう思う人がいるのは確かだろう。しかし、高プロと地続きにある裁量労働制で過労死が出ている実態を踏まえると、過労死の温床となる恐れがある。もっと多くの事例を調査すべきだ。
 対象者は法案成立後に省令で定める。将来拡大される心配はないか。この点についての首相説明は「法改正することなく要件を緩和するのは不可能だ」と従来の政府見解にとどまっている。
 心配が消えないのは労働者派遣法の例があるからだ。当初は限られていた業務が緩和され、原則自由化されていった。首相の説明だと、緩和するために法改正もあり得ると捉えることができる。
 現在、本県の労働者に該当者はほとんどいないとみられるが、将来直面する人が相次ぐことも考えられよう。
 与党は法案を月内に衆院を通過させて参院に送付、会期内の成立を目指す。しかし、このまま成立させてよいはずがない。
 法案には残業時間の上限規制、同一労働同一賃金導入など対策の急がれる内容も含まれるが、高プロにその必要性は感じられない。再考を促したい。


エネルギー計画 国民的な論議で未来図を
 経済産業省が、日本の中長期的なエネルギー政策の指針となる第5次「エネルギー基本計画」の素案を公表した。
 将来の日本は、どんなエネルギーをどのような組み合わせで使うのがベストか−その問いへの指針であるはずなのに、先送りや曖昧な表記が目立つ。
 素案はまず、地球的課題の脱炭素化を目指すため、太陽光や風力など再生可能エネルギーを初めて「主力電源」と位置付けて積極的に導入する方針を示した。これは評価したい。
 だが、原子力については「重要電源」とする一方、「依存度を低減する」と玉虫色の表現を維持した。依存度低減を唱えるなら、実現への道筋や手順を示すべきなのに、それはない。
 計画は夏にも閣議決定するという。その前に幅広い国民的議論を通じて、確かなエネルギーの未来図をつくるべきだ。
 今回の素案は、計画の目標期間を従来の2030年から、温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」で温室効果ガスの8割削減を掲げる2050年に広げたのが特徴だ。その中でも30年度、そして50年度の電源構成をどう表記するかが焦点だった。
 素案は30年度に原子力20〜22%、再生エネ22〜24%、火力56%と4年前の第4次計画をベースにした電源構成を踏襲した。
 この4年で世界のエネルギー情勢は大きく変化している。それを踏まえて十数年先の姿を十分見通した上での結論だろうか。50年度の数値は見送ったが、議論を尽くしたのか疑問だ。
 特に30年度の電源構成には問題が多い。原発比率20〜22%は依存度低減の大前提を空洞化するものだ。16年度の原発比率は2%にすぎず、実現には30基程度の稼働が必要だ。そのためには、原則40年の原発の寿命延長や建て替えなども必要となる。
 福島原発の事故後、再稼働に至った原発は8基で、再稼働に批判的な世論も増えている。数値は非現実的ではないか。
 一方、再生エネは16年度に全発電量に占める割合が15%に拡大している。30年度に22〜24%というのは小さ過ぎる。発電コスト低減や送電線の有効活用、蓄電池の改良などを進め、世界的な趨勢(すうせい)に歩調を合わせるべきだ。それが多様な関連ビジネスの創出や温暖化対策としての石炭火力低減にもつながろう。
 もう一つ問題なのは、計画策定に国民から意見を募りながら「議論に反映されていない」との批判が多いことだ。国民軽視の姿勢とすれば問題である。
 エネルギー政策は将来の経済社会や人々の生活の在り方まで左右する。国や電力関連企業だけに都合のよい計画では、国民の理解や支持は得られない。


[イラク日報調査]文民統制を厳格にせよ
 とても納得できる内容とはいえない。
 陸上自衛隊イラク派遣部隊の日報隠蔽(いんぺい)問題に関する防衛省の調査結果である。
 発端は、昨年2月の国会で稲田朋美防衛相が野党議員に「見つけることができなかった」と存在を否定する答弁をしたことだ。だがイラク日報は陸自研究本部(現教育訓練研究本部)教練課で翌3月には見つかっている。陸上幕僚監部には今年1月に報告されたが、小野寺五典防衛相に上がったのは3月である。
 発見から1年以上も防衛相らに報告されていない。防衛省・自衛隊の隠蔽体質、政治が軍事に優越するシビリアンコントロール(文民統制)が機能しているのか疑わざるを得ない事態である。
 昨年3月といえば南スーダン国連平和維持活動(PKO)日報隠蔽が問題になっていた時期である。イラク日報問題が新たに飛び出すのを避けたのではないか、との疑念が拭えない。
 稲田氏が国会答弁した2日後、統合幕僚監部の総括官に「本当にないのか」と発言。調査結果はこれを再捜索の「指示」と認定しているが、疑問である。
 稲田氏の発言はあいまいさが指摘され、本人の認識を確かめるため聞き取りをしなければならないのに、防衛省はこれを怠っている。
 調査はこの発言が「指示」だったとの前提で始めている。当初から稲田氏の政治責任は問わず、必然的に責任は部下にあるとの構図が出来上がったのではないか。
■    ■
 統幕総括官が「指示」と受け止めたことを理由に、担当者が陸幕などにメールで「指示」を伝え、再度日報を捜索するよう求めた。だが、メールの本文中に「大臣指示」「命令」などの記載がなかったため、陸幕は再捜索の「指示」と認識しなかったという。やはりあいまいなのである。
 陸自研究本部教練課でイラク日報が見つかったが、課長は報告の必要がないと判断。イラク日報に関する情報公開請求を受けた担当者も課長に確認もせずに存在しないと回答したという。極めて不自然というほかない。
 現場の認識不足や担当者同士の意思疎通が十分でないことが原因で、組織的隠蔽はなかったと調査結果は結論付けているが、にわかには信じがたい。聞き取りは「現場のミス」で一致しており、防衛省幹部が「口裏合わせ」との見方を示しているくらいだ。
■    ■
 日報には「戦闘が拡大」などとの記述があり、「非戦闘地域」に限定した派遣との矛盾もある。自衛隊の活動実態が国民に知らされなければ戦時中の大本営発表と同じだ。
 今年4月には幹部自衛官が野党議員に「国益を損なう」などと暴言を浴びせた。野党議員は「おまえは国民の敵だ」とののしられたとも証言している。改正防衛省設置法で制服組と背広組が同等になり、自衛隊のおごりが生まれているのではないか。
 イラク日報問題を省内の調査チームで手掛けたことにそもそも限界がある。調査は尽くされておらず、国会でたださなければならない。


天敵の籠池氏保釈で“劇場”再燃 高まる「6.20会期末解散」
「国策勾留、妻は冤罪。まさに人権蹂躙だ」「財務省の決裁文書は国民の財産。改ざんは国民に対する背信だ」「証人喚問では全く虚偽は申し上げていない」「安倍夫妻は本当のことを言うべきだ」――。弁舌なめらかに政権批判の“籠池節”が炸裂した。
 森友学園の籠池夫妻が25日、保釈された。約10カ月ぶりに表舞台に登場し、“籠池劇場”は今後もヒートアップ。財務省が公開した約4000ページに及ぶ森友関連記録や、加計疑惑の愛媛県文書に記された「いいね」発言の追及も重なり、安倍首相がますますモリカケ疑惑に苦しむのは間違いない。総裁3選が危ぶまれる中、急浮上しているのが、6・20会期末解散説だ。
■米朝決裂で狂った幕引きシナリオ
 今週23日、都内の講演で唐突に早期の衆院解散・総選挙実施を訴えたのは、飯島勲内閣官房参与だ。こう主張した。
「自民党は最低で過半数は取れる。(安倍は)国民から信任を得たことになり、9月の党総裁選をする必要はなくなる」
 さらに24日には米朝会談が中止に。安倍首相周辺がたくらんだ疑惑追及の幕引きシナリオも破綻した。官邸側は28日の衆参予算委員会での集中審議を乗り切れば、疑惑追及もウヤムヤになると高をくくっていた節がある。月が替われば、メディアも国民も12日の「世紀の首脳会談」に目が移り、モリカケ疑惑など忘れてしまうというナメきった発想でいたのだ。
 23日には財務省の森友学園との交渉記録などと同時に陸自のイラク日報問題の調査結果を提出。膨大な情報を一度に公表することで、個々の報道を減らし、国民の関心をそらす意図はミエミエだ。こうして“膿を出し切った”とのポーズを取って6月を迎えれば、疑惑は水に流せるとの思惑も、米朝会談ご破算により水の泡。“煙幕”は晴れ、6月も疑惑を追及される安倍首相の姿はムキ出しとなる。
■総裁3選の道が険しくなれば
 保釈後の会見で籠池泰典被告は不敵な笑みを浮かべ、「これから活躍させてもらわないかんなと思っております」と宣言。モリカケ政局について、「10カ月間、社会から隔絶され、現状を把握しかねている」としながらも、「頭の中で正確に判断でき、キチンと説明できることになれば、対応させていただく」とも語った。
 森友疑惑を巡って籠池被告が再び参戦し、情報発信を強めれば、野党の攻勢は増す。政権への逆風が吹き荒れれば、安倍首相の総裁3選は危うくなる。窮地打開のため、安倍首相が解散権の“伝家の宝刀”を抜く可能性も高まっていく。
「現時点で解散の確率は5%でも、一夜にして90%になり得ます。その条件とは安倍首相の3選が厳しくなること。会期末に向かって首相が徐々に追い込まれる姿を見れば、自民党内でも3選不支持の声が高まりかねない。解散以外に3選の道を失えば、安倍首相は躊躇なく打って出るはず。内閣支持率が30%台で下げ止まり、野党の選挙態勢が整わない中、会期末解散は絶妙なタイミングです」(政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏)
 我が身第一の首相にとって解散の大義なんて、お構いなし。会期末までに働き方改革など重要視する法案を強引に片づけ、野党が内閣不信任案を突き付ければ、それを口実に、いきなり解散に打って出てもおかしくないのだ。


加計学園が「安倍首相と加計理事長の面談」を自らの捏造と弁明するも嘘がバレバレ! 面談を物語る証拠がこんなに
 昨日、加計学園が愛媛県の新文書について呆れ果てるようなコメントを発表した。同文書には、加計学園からの報告として、2015年2月25日に加計孝太郎理事長と安倍首相が面談し、安倍首相が「そういう新しい獣医大学はいいね」と発言したことが記載されていたが、今回、加計学園側はそれを自分たちがでっち上げた嘘だったと弁明したのだ。
 加計学園が〈当時の関係者に記憶の範囲で確認出来た事〉として、文書で発表したコメントは以下のとおり。
〈当時は、獣医学部設置の動きが一時停滞していた時期であり、何らかの打開策を探しておりました。そのような状況の中で、構造改革特区から国家戦略特区を用いた申請にきりかえれば、活路を見いだせるのではないかとの考えから、当時の担当者が実際にはなかった総理と理事長の面会を引き合いに出し、県と市に誤った情報を与えてしまったように思うとの事でした。その結果、当時の担当者の不適切な発言が関係者の皆様に、ご迷惑をお掛けしてしまったことについて、深くお詫び申し上げます。〉
 これがほんとうならば、加計学園のやったことは、愛媛県と今治市に対する「詐欺」行為ではないか。
 なぜなら、「誤った情報」などという表現でごまかしているが、加計学園は自ら「獣医学部設置を実現するため、安倍首相と加計孝太郎理事長の面談を担当者がでっち上げ、愛媛県と今治市を騙して動かした」ことを認めたことになるからだ。しかも、この加計学園の「総理と理事長の面会」でっち上げの結果、愛媛県と今治市が緊密な連携をはかり獣医学部新設に向けて動き、それが国家戦略特区として認められ、愛媛県や今治市から合わせて約186億4000万円もの補助金を出す決定をおこない、今年4月の開学へといたっているのだ。
 これはほとんど犯罪だろう。しかも、安倍首相はその詐欺犯罪に名前を利用されたことになる。安倍首相は森友学園問題では籠池泰典理事長のことを「詐欺をはたらく人物」と批判したが、すぐに「加計学園は詐欺をはたらく学校」として抗議するべきだ。
 だが、安倍首相がそんなことをするはずがない。なぜなら、「安倍首相と加計理事長の面談はつくり話」とする今回の加計学園のコメントじたいが、インチキ、嘘の上塗りでしかないからだ。
愛媛・今治の柳瀬首相秘書官訪問は、安倍・加計会談を受けてのもの
 今回の加計のコメントがインチキであることは、ほかでもない当時、首相秘書官だった柳瀬唯夫氏の行動が証明している。
 参考人招致でも認めたように、柳瀬氏は加計学園側と官邸で3回も面談をしているのだ。しかも、その1度目は、安倍首相と加計理事長の面談があったとされる2015年2月25日からほぼ1カ月後の3月24日のことだった。
 柳瀬氏はこの面談について、参考人招致で「(加計の担当者から)『今度、上京するのでお会いしたい』とアポイントがあってお会いした」と述べた。この答弁は「具体的な案件もなく、『上京するから』なんて理由で首相秘書官と簡単に会えるものなのか」というツッコミが溢れたように、嘘というのがバレバレだ。首相秘書官が独断で一学校法人の担当者の特区指定の相談に乗るなどという、ほかでは絶対にあり得ないことが実現したのは、柳瀬首相秘書官を動かすなんらかのきっかけがあったからだ。
 愛媛県の新文書には、安倍首相の「獣医大学いいね」発言が記された文書とは別に、同年3月15日に今治市と加計側がおこなった協議の内容を記した文書があるのだが、そこにはこんな記述があった。
〈柳瀬首相秘書官と加計学園の協議日程について(2/25の学園理事長と総理との面会を受け、同秘書官から資料提出の指示あり)(学園)3/24(火)で最終調整中である〉
 つまり、この文書には、安倍首相と加計理事長の面談がすべての出発点になって、柳瀬首相秘書官が加計学園に資料提出を求め、加計は3月24日に官邸を訪問することになったという経緯が記されているのだ。
 さらに同文書には、「文部科学省の動向について」と題した項目にこんな記述もある。
〈(学園)文科省から獣医学教育の改善・充実に関する調査研究協力者会議委員に対する意見照会を実施している模様。
 2/25に学園理事長と総理との面会時の学園提供資料のうち、「新しい教育戦略」(別紙p.5-6)に記載の目指すべき大学の姿に関する部分を抜粋したアンケート形式の資料を示して、短期間での回答を求めている。アンケート結果は、柳瀬首相秘書官との面会時に、学園に対し、情報提供されるものと推測。
 なお、委員からの評判は概ね良いとの情報を得ている〉
 そう。この報告文書には、「2/25に学園理事長と総理との面会時の学園提供資料」と、面談時に加計理事長が安倍首相に資料を提供していたとする記述まで、当たり前のように出てくるのだ。
柳瀬首相秘書官は、安倍と加計の会談について否定していなかった
 加計学園担当者の「総理と理事長が面会した」という発言がつくり話ではないことを物語る材料はほかにもある。それは、柳瀬氏と加計学園担当者が官邸で2度目に会うことになった2015年4月2日の会合をめぐるものだ。
 5月10日に行われた柳瀬秘書官の参考人招致でも大きな焦点となったこの会合は、加計学園サイドが柳瀬秘書官に愛媛県、今治市を引き合わせるため、いっしょに官邸を訪問。愛媛県、今治市の複数の職員が同席のもとで会合がおこなわれた。
 この会合が行われたのも、安倍首相と加計理事長の会話がきっかけになっていた。新文書のうち、3月24日の柳瀬首相秘書官と加計関係者の協議について今治市から受けた報告内容をまとめた文書には、こう書かれているのだ。
〈安倍総理と加計学園理事長が先日会食した際に、獣医師養成系大学の設置について地元の動きが鈍いとの話が出たとのことであり、同学園としては柳瀬首相秘書官に4月2日午後3時から説明したいので、県と今治市にも同行願いたいとの要請があったと今治市から連絡があった〉
 安倍首相と加計理事長が面談し、獣医学部に関して会話していたのが事実であることは、4月2日の会合における柳瀬氏の対応からもうかがえる。加計学園の担当者はこの会合で、柳瀬氏や愛媛県、今治市職員を前に〈先日安倍総理と同学園理事長が会食した際に、下村文科大臣が加計学園は課題への回答もなくけしからんといっているとの発言があった〉などと報告していた。
 もしこれがつくり話であったら、柳瀬氏は当時、総理のスケジュールや行動をすべて把握している首相秘書官であり、すぐにその嘘を見抜けたはずだ。加計学園が安倍首相の名前を使って嘘をついていたのなら、その場で「そんな事実はない」と指摘していなければおかしい。
 しかし、この会合の報告文書のどこをみても、柳瀬氏のそういった発言はない。柳瀬氏はむしろ、安倍首相・加計理事長の面談が前提であるかのように、建設的なアドバイスをおこなっているのだ。
日大だけでなく、安倍首相の嘘と責任転嫁体質も徹底追及すべきだ!
 いずれにしても、こうした経緯をみれば、安倍首相と加計理事長が面談をおこなったことをいまさら「つくり話」とすることがいかに無理スジかというのがよくわかるだろう。
 にもかかわらず、加計学園はなぜ、自らの詐欺疑惑まで浮上するリスクを冒してまで、こんな嘘をついたのか。
 それはやはり、安倍首相を守るためとしか考えられない。
 周知のように、愛媛県新文書の公表以来、安倍応援団たちはしきりに「愛媛県の文書には信用性がない」「新文書の内容は伝聞の伝聞でしかない」と、愛媛県の担当者の誤認であるかのような攻撃をおこなってきた。
 しかし、愛媛県の新文書公開で、会合の同席者で安倍官邸とべったりのスタンスだったはずの今治市も追い詰められ、菅良二市長が、安倍首相と加計理事長の面談について加計学園側から市に伝えられていたことを明らかにせざるをえなくなった。
 そこで、加計理事長との面談を絶対に認めるわけにいかない安倍官邸は、加計学園サイドに言い含めて、話の出所である加計学園の担当者が嘘をついた、ということにしたのだろう。
 保身のために佐川宣寿・前理財局長や柳瀬氏にバレバレの嘘をつかせ、今度は大学担当者に責任を押し付けはじめた安倍首相。マスコミはいま、日本大学アメフト部の悪質タックル問題で、日大の責任転嫁体質を厳しく批判しているが、安倍首相の責任転嫁と嘘についても徹底追及すべきではないか。こちらは、日本の政治の根本的な問題が問われているのだ。(編集部)


【カンヌ最高賞】弱者の目線に世界が共感
 映画監督、是枝裕和さんの最新作「万引き家族」が、カンヌ国際映画祭で最高賞の「パルムドール」に輝いた。
 世界最高峰とされる映画祭で日本映画が同賞を受けるのは、今村昌平監督の「うなぎ」(1997年)以来21年ぶり5作目となる。邦画の歴史に新たなページを開いた快挙を喜びたい。
 是枝作品では「誰も知らない」(2004年)で柳楽優弥さんが男優賞を、「そして父になる」(13年)が審査員賞をそれぞれ受賞している。同映画祭の常連であり、脚本や演技指導、撮影などすべての面で高く評価されてきた。
 「万引き家族」は年金を頼りに、足りない分は子どもに万引させて補う一家の日常を描いている。親の死亡届を出さずに年金をもらい続けて暮らす年金不正受給事件から、着想を得たという。
 「誰も知らない」も実際にあったネグレクト(育児放棄)事件がテーマだった。父親が違う4人の子どもをアパートに置き去りにして、母親が新しい恋人と暮らし始める。
 随分と身勝手な母親だが、是枝さんは彼女を断罪するような描き方をしていない。人間はなぜ過ちを犯すのか。社会がそうさせてしまう側面がありはしないか。
 「非人道的な振る舞いは許せない」「犯罪だから悪い」で済ますのではない。なぜそんなことが起きたのか、当事者の側に立って徹底的に掘り下げる。そうすることで今まで見過ごされがちだった、新しい何かが見えてくる。
 病院での子ども取り違え事件を扱った「そして父になる」も同様だろう。一般に家族は血のつながりが重視される。しかしたとえ血はつながっていなくても、一緒に過ごした時間の長さや濃密さによっても家族の絆は生まれはしないか。映画はそう問い掛ける。
 是枝作品を見て感じるのは、先入観を排除して考えること、当たり前だと思われている価値観を疑ってみることの大切さである。
 カンヌでの最高賞もそれと無関係ではあるまい。
 広がる格差社会は今や世界の普遍的な問題である。万引や年金の不正受給に手を染める。ネグレクトをやめられない…。セーフティーネット(安全網)からこぼれ落ち、片隅に追いやられる人はどこの国にもいる。弱者の目線で社会を丁寧に描く是枝作品に、世界の共感が集まるのもうなずけよう。
 先入観に縛られず、相手の立場に立ってとことん考える―。是枝作品が示す寛容さは、人種や宗教などさまざまな問題で分断が深まる世界にあって、人と人とを結び直すための大切な一歩でもあろう。
 小津安二郎、成瀬巳喜男、山田洋次…。巨匠たちが描いてきた家族の姿と、是枝作品のそれとはまたひと味違う。日本映画の豊かで多様な世界を、次の世代にもしっかりつなげていきたい。

寝坊/自転車スポーク修理の間イタリアン

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Japon: deux melons vendus plus de 25.000 euros, un record
Deux melons Yubari, fruit très prisé au Japon, se sont vendus pour la somme record de 3,2 millions de yens (plus de 25.000 euros) samedi lors d’enchères à Sapporo sur l’île de Hokkaido (nord), ont annoncé des responsables.
Cette somme, qui suffirait à acheter une voiture neuve au Japon, supplante les 3 millions de yens obtenus voilà deux ans pour deux melons Yubari. Les ventes aux enchères de fruits de saison au Japon offrent régulièrement l’occasion de records de ce genre.
La paire était la première de l’année à être présentée aux enchères du marché de gros de Sapporo et a été achetée par une firme locale de conditionnement de fruits.
≪Les melons Yubari poussent bien cette année car les heures d’ensoleillement ont été longues depuis début mai≫, a expliqué un responsable du marché, Tatsuro Shibuta.
Les Japonais vouent un culte aux fruits de luxe et le melon Yubari, un melon cantaloup cultivé sur l’île de Hokkaido et protégé par un label, constitue un cadeau très apprécié, comme du bon vin.
Les fruits même ordinaires coûtent relativement cher au Japon.
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歴史秘話ヒストリア「こんなダンナですみません!愛され実業家・五代友厚」
西郷隆盛、大久保利通とならぶ薩摩の逸材、五代友厚(ごだいともあつ)。「人間関係」が得意な五代は、その才能で明治維新を、日本を動かす!その愛し、愛され人生とは!?
大河ドラマ「西郷どん」で今年注目の幕末・薩摩藩…というと、西郷隆盛や大久保利通が注目されがちだが、そのカゲで明治維新に貢献した薩摩の逸材がいる。「五代友厚(ごだい・ともあつ)」だ!最近、朝ドラでも人気をあつめた五代。スマートなイメージをお持ちかもしれないが、実はたいへんな「世話好き」。奥さんも困らせる世話焼きで、激動の時代を仲間と「とも」に「あつ」く駆け抜けた男の、愛し、愛された人生をご紹介。 井上あさひ


昨日は疲れてお酒飲んで寝てしまったので寝坊です.目が覚めたら10時過ぎでした.昨晩自転車がカチャカチャ音がしているのを見たら後輪の針金みたいなスポークが折れていました.商店街の近くの自転車屋さんに持っていきます.1時間くらいかかるというのでネットカフェで時間つぶそうかな?と思いましたが,素直に?イタリアン.パスタはそんなに好きではないけどたまにはということでお願いしました.
せっかくだから白ワイン飲みたいのですが,午後から仕事なのでそうもいきません.
1時間後自転車屋さんに行くと1500円で修理できたとのこと.人のいい大阪のオッちゃんでした.新品を買うと13000円+税で意外に安い♪でも今回はパスです.

名取・閖上に熱々ギョーザ出前 横浜の企業など災害住宅で振る舞う
 東日本大震災で被災した名取市で最大の集合型災害公営住宅「閖上中央第一団地」に25日、焼きたての宇都宮ギョーザの「出前」が届いた。「コミュニティーづくりの場になれば」と、栃木工場がある自動車部品製造の京浜精密工業(横浜市)などが振る舞った。
 宇都宮市の人気ギョーザ店で焼き方の研修を受けた社員ら約30人が訪問。団地の一角に四つの焼き台を持ち込み、住民約60人分を焼き上げた。住民は香ばしく仕上がったギョーザを味わい、冷えたビールで流し込むなどした。江戸落語のステージもあった。
 栃木工場に閖上地区出身の若佐勇さん(45)が勤務していたことなどがきっかけで、同社は被災各地でギョーザの振る舞いを続けている。若佐さんは「育ててもらった地元の力になりたい。うまいギョーザを食べて笑顔になってほしい」と話した。


<陸前高田・子どもの貧困>震災後 家計悪化5割 母子家庭 高い困難度
 東日本大震災で大きな被害のあった陸前高田市では、子どもがいる貧困世帯の5割で震災前より家計が悪化していることが、市の調査で分かった。非貧困世帯の家計悪化率を上回っており、被災が貧困世帯により強く影響している実態が浮き彫りになった。
 市は、震災で被災した岩手県沿岸部の市町村で初めて子どもの貧困実態調査を実施。中学生の子どもがいる世帯を対象に2017年11〜12月に調査した。
 所得が平均の半分に満たない貧困世帯の中学生の割合は16.9%だった。単純比較はできないが、全国平均の子どもの貧困率13.9%(2015年)を上回っている。
 貧困世帯の52.9%が震災前より経済状況が「悪くなった」「少し悪くなった」と回答。非貧困世帯の37.7%を15.2ポイント上回った。
 貧困世帯の被災状況(複数回答)は「住まいが被災した」(52.9%)「家族が被災(死亡)した」(17.1%)「仕事がなくなった」(15.7%)など。被害程度も非貧困世帯に比べて大きい傾向にあるという。
 貧困世帯の家族構成は「両親家庭」(21.4%)と「母子家庭」(22.9%)が拮抗(きっこう)。母子家庭の割合は非貧困世帯の4.1%を大きく上回った。
 貧困世帯で過去1年間で必要なものを買えないことが「頻繁にあった」「何度かあった」のは食料で18.6%、衣料で22.9%だった。
 市子ども子育て課は「特に母子家庭の困難度が高い。部活動の用具提供など新たな施策を検討したい」としている。


<陸前高田・子どもの貧困>長期的・複合的支援が必要/「インクルいわて」山屋理恵理事長に聞く
 陸前高田市による子どもの貧困実態調査の結果について、震災被災者やひとり親家庭の支援に取り組むNPO法人「インクルいわて」(盛岡市)の山屋理恵理事長に聞いた。(聞き手は大船渡支局・坂井直人)
 −貧困世帯で家計の悪化が浮き彫りになった。
 「職場が被災するなど就労が不安定になったり、震災の犠牲や離婚でひとり親が増えたりしたのではないか。家賃など新たな負担増もあり得る。物々交換などで生活を助け合っていた沿岸のコミュニティーが崩壊した影響も考えられる」
 −震災後は金銭的な就学支援が拡充したはずだが。
 「確かに手厚い支援はあるが、いずれ終了する。これからが大変で、高校や大学と子どもが成長すればさらにお金がかかる。阪神大震災では、震災発生から年を追うごとに家計が悪化した」
 「子どもだけでなく、親に対する正規雇用や所得増につながる就労支援はどれだけできたのか。家庭を取り巻く生活課題も一緒に解決しなければならない。あれだけの災害を経験し、数年で生活や心が安定するわけがない。長期的、複合的な支援が必要だ」
 −岩手県の被災自治体で初の実態調査になった。
 「数値化した意味は大きい。支援の在り方を検証する貴重な資料だ。1度で終わりにするのではなく、深く分析してほしい。今後の災害にも役立つはずだ」


<防潮堤施工ミス>気仙沼市「住民合意尊重を」 知事に要望書提出へ
 気仙沼市内湾地区の防潮堤高を宮城県が誤って施工した問題で、気仙沼市の菅原茂市長は25日、現状のまま設置する考えを示した村井嘉浩知事に、造り直しを求めた住民合意を尊重するよう求める要望書を提出する方針を明らかにした。市議会も24人の全議員が連名で同様の要望書を出す。
 市役所で同日あった市議会への説明会で菅原市長が明らかにした。中島源陽県議会議長にも同じ要望書を提出する。早ければ今月中にも出す見込み。
 要望書案では村井知事の判断について、「これまで市民と行政の対話の下で進めてきた結論を踏みにじるものだ」と批判。「市内の防潮堤整備は住民や地権者の合意を前提に進めており、今後も堅持すべき基本。県と住民、地権者との合意で進めるよう強く要望する」と訴えている。
 要望書を補足する文書では、住民団体「内湾地区復興まちづくり協議会」が造り直しを求めた経緯や県に対する住民の不信感を説明。「住民が納得する解決を求めていく」とする。
 菅原市長は「気仙沼市で造る防潮堤は、(事業主体が)県であろうと市であろうと住民合意が必要だ。要望書は(村井知事に)直接渡すのが理想」と話した。
 市の説明を受け、市議会は同日、議員全体会議を開催。議会も住民の意向を考慮するよう求める要望書を村井知事、中島県議会議長に出す方針を確認した。


デスク日誌 ああ勘違い
 「内心、被災者に怒られるだろうと思った」
 取材した広島ガスの社員は、東日本大震災の被災地への派遣を命じられた時の心境をこう振り返った。社員約50人は3月下旬〜4月中旬、天童市の温泉旅館に宿泊しながら仙台市に通い、都市ガスの開栓をした。
 着任した時点で、既にガスが止まって2週間が経過。電気、水道に比べ、ガスは復旧が遅れていた。社員は厳しい声にもしっかり耳を傾ける覚悟で臨んだ。
 作業を始めてすぐ杞憂(きゆう)だと分かった。「苦情どころか、行く家々で感謝された。通行人にもねぎらいの言葉をかけられ、感激した」
 もっとも1日10〜20キロを歩くため、体はきつかったらしい。「遂行できたのは、東北の温かい人柄と温泉に元気をもらったおかげ」と言われ、うれしかった。
 ガスの復旧で思い出すのは当時、太平洋沿岸部に赴任していた後輩の話。アパートのある地域の都市ガスが止まり、3カ月ほど先輩宅の風呂を借りていた。
 その後、アパートはプロパンガスと判明。地震で安全装置が働いただけで、スイッチ一つで復旧できたとか。明るい失敗談に、あの時は癒やされた。(山形総局副総局長 須藤宣毅)


大川小判決を今後の学校防災に
児童ら84人が犠牲になった石巻市の大川小学校をめぐる裁判で先月言い渡された判決を今後の学校防災に生かそうという講演会が、25日夜、東京で開かれました。
この講演会は、2審判決の意義を広く伝えようと、都内の大学教授らが開いたもので、会場には教育関係者や学生などおよそ80人が集まりました。
25日夜は、はじめに遺族側の代理人の齋藤雅弘弁護士が講演しました。
齋藤弁護士は「判決は、震災前の学校の防災マニュアルの不備に対し、初めて法的責任を認めた画期的なものだ」と述べ、教育現場が積極的に事前防災に取り組む重要性を訴えました。
また、東日本大震災は予見できなかったとの批判に対し、「判決が認めたのは、宮城県沖地震などの過去の災害から学び備えていれば犠牲は防げたということだ」と意義を強調しました。
参加した神奈川県の50代の女性は、「救えた命だったと感じました。判決を防災の礎として、子どもをきちんと守ることにつながってほしい」と話していました。
会を共催した専修大学法学部の飯孝行教授は、「判決の全容はまだまだ知られていないが、自治体や企業にも大きな影響を与えるもので、多くの人に知ってほしい」と話していました。
一方、石巻市と宮城県は「判決は教育現場に過大な義務を課す」などとして上告しています。


女川駅前地区 都市景観大賞 都市空間部門で最高賞 スピード感と質を両立 復興まちづくりに弾み
 東日本大震災後に女川町のにぎわい拠点として整備された「女川駅前レンガみち周辺地区」が、平成30年度の都市景観大賞「都市空間部門」で最高賞の国土交通大臣賞に選ばれた。駅と海を結んだ空間づくりやデザインへのこだわりなどが高く評価され、審査委員の全員一致で決定。受賞は復興のまちづくりを進める上で大きな弾みとなりそうだ。
 都市景観大賞は、国交省の外郭団体「公益財団法人都市づくりパブリックデザインセンター」が平成3年から実施。このうち都市空間部門は、景観の美しさに加えて地域活性化に向けた官民の取り組みなど、ハード、ソフト両面から総合的に評価される。
 本年度は同部門に全国から13地区の応募があった。これまで大賞に複数の地区が選ばれてきたが、本年度は厳選して1つとする方針で審査。現地視察などを踏まえ、町と住民がスピード感を持って取り組んだ女川駅前エリアが全員一致で大賞に選ばれた。
 女川町や関係団体が連名で「女川駅前レンガみち周辺地区」として応募した地区面積は約6.6ヘクタール。女川駅前広場から女川湾に真っすぐ伸びる「レンガみち」を挟むように商業施設や交流、公共施設が立ち並ぶ。
 地域が一体となったまちづくりのあり方も含め、震災から生まれ変わる町のシンボル的な空間であり、集客効果も高い。拠点施設がそろった29年5月の黄金週間には、特別なイベントを設けずとも町人口の10倍を超す7万7千人が訪れた。
 審査講評では「復興まちづくりは質よりスピードが一般的と言われ、都市景観形成は迅速さから避けられているように見受けられるが、女川町はスピードとともに質を追求して実現させた。まさに復興都市デザイン、復興事業による景観形成の優良事例」と絶賛された。
 石巻地方での都市景観大賞は、28年度に石巻市の新蛇田地区が都市空間部門の特別賞に選ばれた。また29年度には同市中央一丁目地区の取り組みが景観まちづくり活動・教育部門の国交大臣賞に選出された。


仙台 「横丁フェス」にぎわう
飲食店などが集まった仙台市内の横町の雰囲気を若者などにも楽しんでもらおうという催しが市の中心部で開かれ、多くの人でにぎわっています。
「横丁フェス」と名付けられたこの催しは、若者や女性にも横町に親しみを持ってもらおうと初めて開かれました。
会場となった仙台市青葉区の勾当台公園市民広場には、「文化横丁」や「東一市場」などの横町のほか、県内の飲食店から合わせて20あまりの店がブースを出しました。
このうち、「東一市場」のイタリア料理店は、窯で焼く本格的なピザを販売しています。
また、山元町のいちご農家は、いちごのスパークリングワインの中に地元産のいちごを入れて販売し、人気を集めていました。
会場には、横町の雰囲気をイメージして紅白のちょうちんや畳を敷いた席も設けられ、訪れた家族連れなどがレトロな雰囲気を楽しんでいました。
栗原市の20代の男性は、「一度に多くの横町の店を楽しむことができて、うれしいです。また来たいです」と話していました。
この催しは、26日は午後9時まで、27日は午前11時から午後7時まで開かれる予定です。


「寺山さん垣根ない人」漫画家・竹宮恵子さん語る
 寺山修司と親交のあった漫画家竹宮恵子さんのトーク&サイン会が三沢市寺山修司記念館で開かれ、市民ら約300人を前に竹宮さんが思い出などを語った。
 竹宮さんは、寺山に劇場へ連れて行ってもらって刺激を受けたことなど、出会った頃のエピソードを紹介。寺山の印象について「垣根のない人で、一世代も下の私に対等に話してくれた。いいお付き合いをさせてもらった」と語った。
 記念館では7月29日まで、竹宮さんの雑誌デビュー50周年を記念した企画展も開催中。「(代表作の一つ)『風と木の詩(うた)』がなければ、足元は固まっていなかった。ファンの力を感じた50年でもあった」と振り返った。
 トーク&サイン会は、寺山の命日「修司忌」の4日に開かれた。会に先立ち、来場者らが記念館近くにある寺山修司顕彰文学碑に献花。三沢市堀口中の生徒が「われに五月を」と題して寺山のさまざまな言葉を朗読し、追悼した。


<東北大雇い止め>仙台地裁、労働審判打ち切り 通常訴訟に
 東北大から不当な雇い止めを受けたとして、元非正規職員の女性2人が地位確認を求めた労働審判で、仙台地裁は25日、審判手続きの打ち切りを決めた。調停成立は困難と判断した。今後は地裁での通常訴訟に移行する。
 女性側の代理人弁護士によると、地裁は「争点が多数あり、計3回の審理が原則の労働審判では限界がある。双方の主張の歩み寄りもみられなかった」と打ち切り理由を述べた。女性2人は通常訴訟で、雇い止めがなければ発生したはずの賃金支払いも求める方針。
 申立書などによると、2人は単年度更新の有期契約で、いずれも改正労働契約法に基づいて無期転換を申請できる通算勤務期間5年を超えるが、3月末で雇い止めにされた。同様の地位確認を求めた元職員3人の労働審判は7月中にも結論が出る見通し。


加計問題で新文書◆反証できないなら責任とれ◆
 学校法人・加計学園の獣医学部新設を巡り、愛媛県が新たな内部文書を国会に提出した。2015年2月下旬に学園の加計孝太郎理事長が安倍晋三首相と面談し、国際水準の獣医学教育を目指すと説明した-と学園関係者がその年3月初め、県側との打ち合わせの場で報告したことなどが記されている。首相答弁と大きく食い違う内容だ。
国会は関係者招致を
 これまで首相は、自ら議長を務める国家戦略特区諮問会議で学園が特区の事業者に決まった「17年1月20日」に初めて学園の獣医学部新設計画を知ったと説明していた。柳瀬唯夫元首相秘書官は先の参考人質疑で15年4月2日と前後2回、官邸で学園関係者と面会したことを認めたが、特別扱いはしていないとした上で「首相に報告したことも、指示を受けたこともない」と強調した。
 しかし新たな文書からは、柳瀬氏をはじめ官邸側が早い段階から学園側とやりとりを重ねていた経緯が読み取れる。文書の内容が事実なら、「うそ」の答弁を繰り返していたことになる。今回の文書は、国会の要請に応じて提出された。国会には加計氏ら関係者の招致によって真相解明に取り組む責任がある。
 愛媛県の提出文書は27枚。それによると、加計氏は15年2月25日に首相と会い「今治市に設置予定の獣医学部では、国際水準の獣医学教育を目指す」と説明したとの報告が学園側からあり、このとき、首相は「そういう新しい獣医大学の考えはいいね」と話したという。これを受けて柳瀬氏からは、改めて資料を提出するよう指示があったとの記述もある。
面談する前から動き
 首相は「ご指摘の日に加計氏と会っていない」と否定。「念のため官邸の記録を調べたが、確認できなかった」とした。調べたのは官邸の訪問記録という。ただ以前、柳瀬氏と県・市側との面会の有無をただされ、官邸側は「訪問者の記録は保存されていない」と答えている。加計氏と首相との面談の場は官邸とも限らない。
 面談前後の経緯にも注目すべきだ。面談前の2月、学園側に官房副長官が「今治市への獣医学部設置は厳しい状況にある」と説明したとの連絡があり、加計氏が首相と面談する動きもあるとしている。さらに面談後の3月、官邸で柳瀬氏が学園側に、獣医師会の反対を乗り越えるため内閣府と相談するよう助言したことも今治市から伝えられたとある。また4月2日の柳瀬氏の発言も「獣医学部新設の話は総理案件になっている。なんとか実現をと考えている」と以前公表された文書より詳しい記録も出てきた。
 政府はこれまで「記憶にない」「記録にない」と、国民の疑問や野党の追及をかわし続けてきた。しかし愛媛県文書を巡って誰もが納得する反証をできないなら、その責めを負うべきだ。


伊方原発乾式貯蔵施設 国策破綻のツケ 地元に負わすな
 四国電力伊方原発でたまり続ける使用済み核燃料の問題で、四電は、敷地内での「乾式貯蔵施設」の設置に向け、安全協定に基づく事前協議を県と伊方町に申し入れた。施設は貯蔵容量が約1200体、2023年度に運用を開始する予定という。
 使用済み核燃料は、国の核燃料サイクル政策に基づき、青森県の日本原燃再処理工場へ運ぶ計画となっている。だが、工場は20年以上も完成延期を繰り返し、使用済み核燃料プールはほぼ満杯。伊方からの搬出は現時点で全く見通しが立たず、新たな施設に半永久的に留め置かれる懸念が拭えない。核燃サイクルの破綻は明らかだ。国には抜本的な政策の見直しを強く求める。これ以上、地元に負担を押しつけることは許されない。
 乾式貯蔵施設は、使用済み核燃料をプールで一定期間、冷却した後、放射線を遮る金属容器「キャスク」に入れて空気循環で冷やす。東京電力福島第1原発事故のように、冷却機能を失うリスクがあるプールと比べて安全性は高いとされている。
 四電の佐伯勇人社長は、県庁で中村時広知事に対し、施設は耐震性や放射線の遮蔽(しゃへい)機能が保たれる設計になっているとして安全性を強調した。ただ、原子力施設はテロの脅威もある。審査する国の原子力規制委員会や県の専門家委員会は、多角的に検証することが欠かせない。
 伊方原発の使用済み核燃料プールは容量の限界が迫る。1号機に続き、2号機の廃炉が決まったことで2基分のプールが使えなくなる。四電は司法判断で停止中の3号機が運転再開した場合、24年度ごろに容量を超過するとみている。施設の運用開始はこれに間に合うよう設定された。
 佐伯社長は、乾式貯蔵施設を「あくまでも一時貯蔵」と主張した。だが、伊方から燃料を搬出する時期は明言しなかった。これでは、住民の不安を解消することは難しい。四電と県、伊方町が結んだ安全協定では、再処理工場へ燃料を搬出することが明記されている。将来的に見通しが立たなければ協定違反にもつながり、容認できない。
 核燃サイクルは少なくとも、「資源の有効利用」の柱だった高速増殖炉もんじゅが廃炉となった時点で、抜本的な見直しが急務だった。にもかかわらず、先日公表された国のエネルギー基本計画案では核燃サイクルを維持する方針が盛り込まれた。問題の先送りを続ける国の姿勢は無責任に過ぎる。まずは、政策の失敗を認めるべきだ。
 高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場や、3号機などが実施するプルサーマル発電で出る使用済みプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料の取り扱い方法も決まっていないなど、原発を巡る根本的な問題は、長年解決されないままだ。今こそ立ち止まり、使用済み核燃料を発生させないよう脱原発へかじを切ることこそが将来世代への責務だ。


トランプ「米朝戦争なら戦費は日本が引き受ける」は本当か
 6・12の米朝会談の中止を公表したトランプ米大統領だが、その24日の会見で、日本として聞き捨てならない発言があった。
「万が一、北朝鮮との間で不測の事態が起きたら、その経費を韓国と日本が喜んで引き受ける。すでに話してある」
 米朝が戦争になったら、その戦費を日本が喜んで引き受けるとは、一体どういうことか。安倍政権は既にオッケーを出しているということか。
 きのう(25日)、菅官房長官はこの発言について会見で質問されると、こう答えた。
「米国との間で緊密な擦り合わせを行っていますが、具体的なやりとりについては控えたいと思います」
 OKを出していないなら否定すればいいだけの話。トランプすり寄りの安倍政権のこと、本当に安請け合いしていそうだ。


学長会見は“ガキの使い” 日大理事長が絶対表に出ない理由
 日大アメフト部の悪質タックル問題は、ようやく25日、大学側が会見を開き、謝罪した。
 頭を下げたのは、大塚吉兵衛学長(73)。「本学に責任があるのは当然。私への非難は真摯に受け止める。本学の信頼回復に努める」などと話したが、反則タックルについて内田正人前監督の指示があったのかどうかについては「コメントは難しい。第三者委員会が調査する」と言うのみ。アメフト部の存続や前監督らの責任問題にはコメントしなかった。「大学は何をやっているのか」という世間の猛批判を受け、とりあえず表に出てきた程度の中身スカスカの会見だった。
「そりゃそうですよ。日大で実権を握っているのは、カネや人事を差配できる田中英寿理事長(71)であって学長ではないし、常務理事の内田前監督は理事長に次ぐナンバー2のポジション。学長に責任ある発言など、できるわけがありません」(大学関係者)
 24日に声明を出した日大教職員組合文理学部支部も、田中理事長の記者会見とともに、理事会と法人本部の人事刷新を求めていた。日大の信頼回復というのなら、やはり理事長が会見するしかないのではないか。
 そうした質問は、大塚学長の会見でも出されたが、大塚氏は「理事長の対応は考えていない」「(理事長の会見が)どこまで必要か私が判断しかねる」と拒絶した。
■過去に暴力団との交際疑惑
 田中理事長が表に出てこられないのには理由がある。過去の暴力団との交際疑惑が蒸し返されることになるからだろう。
 2014〜15年にかけ、海外メディアなどが田中氏について、指定暴力団住吉会の福田晴瞭会長(当時)や山口組6代目の司忍組長との関係を、親密写真とともに報道。田中氏が日本オリンピック委員会(JOC)の副会長だったことから国会で問題になり、田中氏本人は「事実無根。写真はつくられたもの」と全面否定したものの、JOCが外部の専門家による調査を行う事態に発展した。
 13年には、田中氏が日大の工事を受注した建設会社から、謝礼として500万円超を受け取った疑惑も報じられてもいる。
 今回はアメフト部の問題だが、大学の対応の悪さから騒動が拡大、被害届を受け、刑事事件化している。
 政府も黙っているわけにいかず、24日、スポーツ庁と文科省の担当者が日大の常務理事から事情聴取した。
 国や自治体から日大が受け取っている私学助成金は私大トップの金額で、毎年150億円(小中高含む)に上る。理事長が矢面に立たされれば、“黒い交際”が再びクローズアップされ、私学助成にも影響しかねない。そうしたこともあり、学長の会見で収束を図ろうとしているのだろうが、そうは問屋が卸さない流れとなりつつある。


日大宮川選手を追い詰めた監督やコーチの「トンネル」
 臨床心理士・経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になった著名人をピックアップ。記者会見などでの表情や仕草から、その人物の深層心理を推察する「今週の顔」。今回は、日大アメフト部の宮川選手の謝罪会見をクローズアップ。
 * * *
 アメリカンフットボールの定期戦で、悪質な反則行為で関西学院大学の選手を負傷させた日本大学の宮川泰介選手が、都内で会見を開き、ケガをさせた選手や保護者、関係者に謝罪した。顔を出し、実名公表での会見は「顔を出さない謝罪はない」という本人の希望だった。
 会見場に現れた宮川選手は、黒のスーツ姿。冒頭、同席した弁護士から、会見に至った経緯などが説明されるのを緊張した面持ちで聞いていた。それが終わると、立ち上がって謝罪の言葉とともにまっすぐに顔を上げると、大きな身体を小さく縮めて深々と頭を下げた。その姿に真実を話すことへの迷いは見られない。
 試合までの内田監督や井上コーチらとのやり取り、自分の心理状況などを落ちついた口調で話す。覚悟を決めているという印象だ。反則行為をしてしまった理由を自分の弱さとした上で、「追い詰められていたので、やらないという選択肢はなかった」と、目線を落とす。彼が最後の一線を越えてしまうほど、追い詰められたのはなぜなのだろう。
 宮川選手が置かれていた状況をみると、心理学者メラリが言う「トンネル」というプロセスに似ていたことがわかる。トンネルはマインド・コントロールで使われるプロセスだ。理性ある普通の若者がテロリストに作り替えられるまでのプロセスを、トンネルを通ることに例えているのだが、実はこれ、そんな危険な目的だけでなく、日常の様々なところで、目標や目的達成のために用いられている。例えばスポーツチームやクラブ、日大アメフト部に所属することもトンネルに入るという意味になる。
 このトンネルについて、精神科医の岡田尊司氏は、その著書『マインド・コントロール』(文春新書)で2つの要素があると述べている。
1つはトンネルが外部から遮断された小さな世界だということだ。日本代表にまで選抜されていた宮川選手にとって、アメリカンフットボール部のチームという小さな集団の中での関係が最も重要であり、それが彼の生活のすべての基準であったのだろう。そうなるとそこでのルールや価値観が、彼にとっての価値基準になっていたと推測できる。
 もう1つは、トンネルには入れば出口という1点に向かうしかないということだ。1点に向かって進んでいくうちに、周りから遮断された環境で、いつの間にか視野狭窄を生じさせるのだという。アメフト部というトンネルの中で、選手として試合に出る、試合に勝つという1点に彼の目は向いていたと思うのだ。
 ところが彼は、試合の数日前に実践練習からはずされ、日本代表にも行くな、変わらなければ試合には出さないとまで言われてしまう。マインド・コントロールでは、このように予測のつかないことで、価値観や思考にゆさぶりをかけて混乱を生じさせ、不安を感じさせるという手法がある。彼もこのままでは試合にも出してもらえないという不安や恐怖から、どうしていいかわからなくなっていたのだろう。そして、コーチに言われた「相手のQBを1プレー目から潰せば」という言葉から、彼はさらに視野狭窄になっていく。
 続けてコーチから「関学との定期戦がなくなってもいいだろう」と言われ、先輩からも「1プレー目からQBを潰せ」というコーチからの伝言を伝えられたことで、彼の不安はどんどん強くなる。岡田氏は、このような状況に陥った人間は、混乱し自分の何が悪いか振り返り、自分を責めたり、相手の気持ちを推し量ろうとするようになるという。こんな心理状態を味わわせ、緊張が高まりきったところで、どうすればいいかをほのめかすと、不安な心理状態を解消できるのならと、人は妥協してしまうというのだ。
 ここまでくると思考が単純化され、それしかない、それがすべてだと考えるようになってしまうらしい。宮川選手も、選手として試合に出たい、チームで活躍したいという強い思いと感情が彼の行動をさらに縛り、越えてはいけない一線を越えてしまった。
 チームが1つの目的や夢に向かって、それを成し遂げようと頑張る姿は素晴らしい。そのためにトンネルというプロセスは必要なのだろうが、指導者である監督やコーチが追い詰め方を間違うと、抜け道がなくなった選手は壊れてしまうことになりかねない。「もう自分にはアメフトをやる資格がない」と、淡々と語っていた宮川選手の顔が忘れられない。


森友 「首相夫妻、真実を」 籠池被告、夫妻で保釈
 学校法人「森友学園」(大阪市)を巡る補助金詐欺事件で、詐欺罪などで勾留されていた前学園理事長の籠池泰典(65)と、妻諄子(61)の両被告が25日、10カ月ぶりに保釈された。大阪市内で記者会見した籠池被告は、国有地取引に安倍晋三首相の妻昭恵氏の影響があったことを改めて示唆。捜査批判を繰り返す一方、起訴内容に関する自身の認否については明言を避けた。
 両被告は、大阪地検特捜部に逮捕された昨年7月から勾留された。大阪地裁がこの日、保釈許可決定を不服とした地検の準抗告を棄却。保釈金は籠池被告が800万円、諄子被告は700万円だった。
 両被告は同日夕に大阪拘置所を出て、午後8時から記者会見。スーツ姿の籠池被告は頬が少しこけ、諄子被告はかなり痩せたように見えた。
 会見の冒頭、籠池被告は「(学園関係者らに)一連の騒動で迷惑をかけ、深くおわび申し上げる」と陳謝した。特捜部の捜査や長期間の勾留について「妻はまったくの冤罪(えんざい)で、詐欺にタッチしていない。国策勾留だ」と批判。自身の認否については「今は言えない」と繰り返した。
 学園が建設を計画する小学校の名誉校長だった昭恵氏が取引に影響したかについては「証人喚問でうそは言っていない」と強調。昨年3月の喚問では「(昭恵氏付の政府職員を通じて)財務省に働きかけていただいた」などと述べていた。安倍首相夫妻に言いたいことを問われると、「本当のことを言ってほしい」と注文をつけた。
 また、取引に関する財務省の決裁文書が改ざんされたり、交渉記録が廃棄されたりしたことについては、「国家公務員がすることではない。国民に対する背信だ」と批判した。
 一方、「小学校の建設はあきらめていない」などと持論も展開。諄子被告は記者の質問にほとんど答えず、涙ぐむ場面もあった。
 起訴状によると、両被告は2011〜16年度、幼稚園の運営や小学校建設に関する大阪府・市と国の補助金、計約1億7700万円をだまし取るなどしたとされる。【遠藤浩二、山崎征克、岡村崇】


弁護士へ大量懲戒請求 「差別加担許さぬ」提訴
 全国各地の弁護士会が朝鮮学校への補助金停止に反対する声明を出したことを巡り、複数の弁護士への懲戒請求が大量に出された問題で、神奈川県弁護士会に所属する神原元(はじめ)弁護士らが、不当な請求で業務を妨害され、精神的苦痛を受けたとして、請求者の一部に損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こしたことが分かった。提訴は九日付。
 神原氏は「大量請求は在日朝鮮人への差別扇動が目的のヘイトクライムで厳しい対処が必要。提訴は『差別に加担するな』というメッセージだ」としている。
 訴状などによると、県弁護士会には二〇一七年六月〜今年一月、神原氏に対する計約千百四十通の懲戒請求書が届いた。いずれも同じ文面で「声明に賛同し、その活動を推進する行為は確信的犯罪行為」と記され、神原氏らは根拠を欠く請求で名誉を侵害され、反証のために時間と労力を費やしたとしている。
 神原氏は一六年、川崎市の社会福祉法人が在日コリアン排除を訴えるデモの禁止を求める仮処分を申し立てた際、代理人を務めたことから標的にされたとみられる。インターネット上の特定のブログで懲戒請求が呼び掛けられたとみられ、県弁護士会は四月、懲戒処分を下さない判断をした。
 日弁連によると、例年、千〜三千件台で推移していた全国の弁護士会への懲戒請求は、昨年一年間だけで約十三万件に上り、大部分が声明に関する内容だった。
 東京弁護士会の佐々木亮、北周士両弁護士も、三月に届いた約九百六十通分の請求者に損害賠償を求め、六月末に東京地裁に提訴する方針を明らかにしている。


南海、近鉄、阪急の野次合戦 ダミ声の元応援団長が語る秘話
「お〜い門田、豚まんや! こっち来〜い、一緒に食べよぉ〜!」──小太りの門田博光(元南海ホークスの主砲)に豚まんという組み合わせが笑いを誘う。今も語り継がれる伝説の野次だ。かつて、南海、近鉄、阪急の関西私鉄3球団のファンによる野次合戦はパ・リーグの野球を大いに盛り上げた。
 その1人が元阪急ブレーブス応援団長の今坂喜好氏(73)。小4で阪急ファンとなり、中学を卒業後、応援するために阪急電鉄に就職したという猛者だ。
「このダミ声は野次を飛ばすために作ったものですわ。21歳で応援団長になったとき、声に特徴を出そうと、来る日も来る日も河原で血を吐くまで大声を出して喉を潰しました」
 そうやって作り上げた声で選手にゲキを飛ばすが、そこにはルールがあるという。
「昔の応援団は内野席に陣取った。もちろんトランペットもなく、西宮球場なら一塁側のベンチ上の特設ステージから野次を飛ばす。相手の応援団長が三塁側にいて、言葉のキャッチボールをするんです。
 野次といっても野球本来の楽しみをそぐようなものはNG。たとえば“悔しかったら阪急沿線に住んでみ〜”と投げると、“近鉄電車は2階建てやぞ〜”と返ってくる。相手チームのファンも笑ってくれて、グラウンドの選手が苦笑いしてくれたら勝ちですわ。試合後に相手応援団と反省会をやってましたからね」
◆カネやんの目が真っ赤
 野次はすべて即興。選手の動きやその場の状況に応じて、頭に浮かんだものをおもしろおかしく言葉にするのだという。
「豚まんの野次も、551蓬莱で買った豚まんを大阪球場で食べようと買ってきたら、たまたま打席に立っていたのが門田だった。それで声を掛けたら反応してくれた。パ・リーグには石毛(宏典)や落合(博満)など野次に結構応えてくれる選手が多かった。カネやん(金田正一監督)は野次ると目を真っ赤にして怒ってましたわ(笑い)」
 1978年の日本シリーズで上田利治監督が打球の判定で抗議した時は、ヤクルトファンと口論になって、警察まで連行されたことがある。
「警察から戻ってきても抗議が続いていたのには驚いた。上田監督の執念に圧倒され、その時は野次るのを忘れてましたわ」
 阪急が身売りした1988年には、発表前にオーナーから本社へ呼ばれたという。
「表彰されるのかと思ったら身売りやといわれた。ショックでね。3日間失踪騒ぎを起こしてしまった。そのシーズンの最終戦で応援団は解散しました」
 今でもたまにオリックスの試合を観戦している。だが、もう自慢のダミ声を響かせることはない。 鵜飼克郎


西城秀樹さんに最後の別れ 野口さんと郷さんが弔辞
 情熱的な歌と派手なパフォーマンスで歌謡曲の黄金期を築き、16日に63歳で死去した歌手の西城秀樹さんの葬儀・告別式が26日、東京都港区の青山葬儀所で開かれた。共に「新御三家」と呼ばれた野口五郎さん、郷ひろみさんが弔辞を読み、参列した芸能関係者やファンらが故人をしのんだ。主催者によると計1万人以上が参列したという。
 会場正面には、生前の西城さんを中心に新御三家の3人が笑顔で並ぶ大きな写真パネルを設置。ファンが会場の外まで長い列をつくった。
 弔辞で野口さんは「おまえのラブソングを天国できわめてくれ」と述べ、郷さんは「安らかに眠ってください」と遺影に語り掛けた。


カンヌ受賞の是枝裕和監督が「戦時中の満洲が舞台の映画を撮りたい」と! 歴史修正主義を批判する是枝監督の“戦争映画”は実現するか?
 第71回カンヌ国際映画にて、『万引き家族』が最高賞となるパルムドールを受賞した是枝裕和監督。その是枝監督が23日夜帰国し、羽田空港で凱旋会見を行った。会見では、帰国前にニューヨークで次回作の打ち合わせをしてきたとも明かし、詳細は控えながらも、「打ち合わせはうまくいきました。その時は(賞を)取れて良かったと思いました。(相手からは)『断れないな』と言われました」(ウェブサイト「映画.com」より)と語った。
 実は、是枝監督がパルムドール受賞後に今後の作品について語ったのは、これが初めてではない。受賞直後の21日に放送された『プライムニュースイブニング』(フジテレビ)にて、反町理のインタビューに応えた是枝監督はこのように話している。
「ちょっと大きな、たとえば戦時中の話であったりとか、そういうものなんですけれども。予算規模が大きいとか、テーマ的に難しいとかってことで、自分のなかで寝かせている企画がいくつかありまして」
「あまりしゃべると実現しないことが多いのであまりしゃべりたくないんですけど、満州を舞台にしたものをやりたいなと思っております」
 次回作ではカトリーヌ・ドヌーブとジュリエット・ビノシュが母娘役で共演するとの噂も出ており、ここで語られているものが次に撮る作品というわけではないだろう。しかし、それでもいずれ撮りたいテーマとして是枝監督は「満州を舞台にしたもの」を挙げた。今回のパルムドール受賞は、その目標に近づくための大きな足がかりとなったのは間違いない。
 是枝監督の言う「満州を舞台にした戦時中の話」とは、いったいどのような映画になるのだろうか。それは、百田尚樹原作の『永遠の0』のような右傾エンタメとは180度真逆の作品になることは間違いない。
 というのも、是枝監督は、安易な国粋主義が広まった挙げ句、グロテスクな歴史修正主義がまん延することになった現在の日本社会の現状を鋭く批判しているからだ。
「共同体文化が崩壊して家族が崩壊している。多様性を受け入れるほど成熟しておらず、ますます地域主義に傾倒していって、残ったのは国粋主義だけだった。日本が歴史を認めない根っこがここにある。アジア近隣諸国に申し訳ない気持ちだ。日本もドイツのように謝らなければならない。だが、同じ政権がずっと執権することによって私たちは多くの希望を失っている」(2018年5月18日付中央日報)
 是枝監督が指摘する状況は、第二次安倍政権発足以降のここ数年一段とひどくなっている。太平洋戦争での日本の被害についてはしばしば言及される一方、日本側が植民地で行ってきた加害については触れられることが減り、それどころか、「南京大虐殺などなかった」といったような歴史修正が堂々と喧伝されるようにもなった。それを扇動しているのが、安倍政権および安倍応援団たちであることは言うまでもない。
 前述した発言のなかで是枝監督は「予算規模が大きいとか、テーマ的に難しいとかってことで、自分のなかで寝かせている企画がいくつかありまして」と語っている。これは単にお金だけの問題でなく、近年の日本における歴史修正主義の台頭の影響もあるだろう。事実、保守化が進む言論状況のなかで、日本側の戦争加害をストーリーのなかに組み込んだ映画をつくることは年々難しくなりつつある。
塚本晋也が明かした『野火』実現までの苦労、一方で国威発揚映画には補助金が
 その点を指摘したのが、大岡昇平の名作『野火』を実写映画化した塚本晋也監督だ。『野火』は、塚本晋也自身が監督のみならず主演や脚本や撮影もこなし、資金集めまで行った自主製作・自主配給作品ながら、「キネマ旬報」(キネマ旬報社)が年間ベストテンの日本映画部門で2位に選出するなど高い評価を受けた。
 この『野火』の作中では、教会で出くわした現地の人を日本兵が殺してしまったり、飢えに耐えかねての人肉食が描かれたりと、第二次大戦末期のフィリピン・レイテ島で当時の日本兵が犯した罪に関する描写もあるのだが、それゆえに映画の製作は難航した。15年8月17日にゲスト出演した『荻上チキ・Session-22』(TBSラジオ)で、塚本監督はこのように語っていた。
「いつもの僕の自主映画の、僕の頭の中にあるちょっと奇天烈なものを映画化するというのとは違って、もう大岡昇平さんという素晴らしい原作があるので、それをたっぷりと描くのには、自分がちゃんとつくると言えば、お金がいつかは集まるんじゃないかという気がしてたんですけど、でも、時間が経つにつれて、まあ、お金だけの理由ではなくて、例えば、『もっと小さい規模でやります』と言っても、だんだんだんだんに、お金が出ない雰囲気というか、風潮みたいなものを感じるようになって、つくりづらくなっているなぁというのはここしばらく感じていた感じですね」
 この『野火』は構想に20年かかっている。というのも、先に引用した塚本監督の発言にも一部あるように、大岡昇平による戦争文学の代表作が原作であることから、大規模公開が見込めるスター俳優をキャスティングして映画化しようと思っていたのだが、社会が保守化するにつれ、だんだんと資金集めは難しくなっていったからだ。一時は実写での映画化は諦めてアニメ映画にしようという案まで浮上したのだが、結果的には、塚本自身が監督のみならず主演も務めるかたちでようやく企画実現に至った。
『野火』のように戦争の現実を描いた映画がこのような状況に置かれる一方、プロパガンダ映画には助成金が出る状況がある。たとえば、安倍政権は明治期の国づくりなどを題材とした映画やテレビ番組の制作を支援する方針を打ち出しているが、そのようなかたちで国が映画産業を支援することに対し、是枝監督はこのように釘を差している。
「補助金もあるけれど、出してもらうと口も出すからね。映画のために何ができるか考える前に、映画が国に何をしてくれるのか、という発想なんだと思いますよ。それはむしろ映画文化を壊すことにしかならないんです。
 たとえば、東京オリンピック招致のキャッチコピーに『今この国にはオリンピックの力が必要だ』っていうのがありましたけど、私は五輪はスポーツの祭典の場であって、国威発揚の場ではないということがとても大切な価値観だと思っています。安倍首相は東京国際映画祭のオープニングでも挨拶したけれど、映画が日本のアピールのために利用されているようにも思える。なのでサポートして欲しい、ということも個人的には言いにくいわけです」(ウェブサイト「Forbes JAPAN」16年12月9日付)
是枝監督の戦争映画は実現するか? 高畑勲監督も「日本の加害責任を問う映画を作りたい」と
 戦争に関わる者が被害者にもなり、加害者にもなるということを描いた反戦映画の歴史的名作といえば、小林正樹監督『人間の條件』(1959年〜1961年)が挙げられる。満州が舞台となっているという点も、これから是枝監督がつくろうとしている作品と似たものを感じさせる。
 しかし、近年そのような戦争映画はほとんどつくられていない。本サイトでもお伝えしたが、亡くなった高畑勲監督も生前、「じつは『おもひでぽろぽろ』をつくる前に、しかたしんさん原作の『国境』をもとにして、日本による中国への侵略戦争、加害責任を問う企画を進めていたのです。残念ながら、天安門事件の影響で企画が流れたのですが、日本が他国に対してやってきたことをきちんと見つめなければ世界の人々と本当に手をつなぐことはできないと思っています」と明かしたことがあった。しかし残念ながら、その思いがかなうことはなかった。
 是枝監督の企画が実現すれば、戦争を描いた近年の日本映画のなかではかなり貴重なものとなるだろう。
 ただ、ひとつ気になるのが、現在の是枝作品の体制でその映画づくりが可能なのかということだ。というのも、ここ数年の彼の作品にお金を出しているのはフジテレビだからだ。『そして父になる』(13年)、『海街diary』(15年)、『海よりもまだ深く』(16年)、『三度目の殺人』(17年)と、是枝監督の近作には一つの例外もなくフジテレビが製作に名を連ね、長年出資してきた。もちろん、今回の『万引き家族』も同様だ。歴史修正主義を広める旗振り役を担ってきたフジサンケイグループが日本の戦争加害を描く映画に金を出すのだろうか。
 とはいえ、いまや是枝監督はパルムドール受賞監督である。フジテレビが金を出さずとも、他に支援を名乗り出る企業はあるだろうし、海外の企業が製作に名乗り出る可能性もある。そういう意味でも、今回のパルムドール受賞は是枝監督のこれからの映画人生において、日本の映画界にとっても、かなり重要なトピックであるともいえる。
 しかし、目を日本国内の状況に向けると、『万引き家族』パルムドール受賞をめぐって、思わず頭を抱えたくなるような現象が起きている。普段から「日本スゴイ」思想を撒き散らしているネトウヨたちが、『万引き家族』に対して「日本に貧困が広まっているように見せ、この国を貶める映画だ」「カンヌは反日」「犯罪を描くなんて何事だ。犯罪教唆だ、R指定にしろ」などと喧伝しているのだ。
 そもそも、映画も観ないで何を言っているんだという感じであるが(映画は6月8日公開)、『万引き家族』という映画は、まさしく彼らのような人間へのアンチテーゼとしてつくられた映画である。この映画を通して是枝監督が伝えたかったことはなんだったのか。後日、改めてお伝えしたい。(編集部)


「ブレーキ痕ねつ造は不可能」高知白バイ衝突死 最高裁も再審を認めず
 2006年、高知県で白バイとスクールバスが衝突し、白バイ隊員が死亡しました。
この事故をめぐっては警察による「ブレーキ痕のねつ造疑惑」が浮上。
業務上過失致死の罪で刑務所に服役したバスの元運転手が、出所後、再審・裁判のやり直しを求めていましたが、最高裁判所が「認めない」決定を下しました。
「ブレーキ痕ねつ造は不可能」高知白バイ衝突死 最高裁も再審を認めず
届いた最高裁からの通知
 最高裁の「特別抗告棄却」の決定文は、ゴールデンウイーク明けの5月9日、何の前触れもなく郵送で届きました。
(元バス運転手/片岡晴彦さん(64))
「高裁の時にちょっとガッカリきたけどね、ひょっとしてという期待感もあったけど。今の最高裁の件はガッカリも何も…なんちゅうたらええんじゃろうね、こんなもんかと」
「ブレーキ痕ねつ造は不可能」高知白バイ衝突死 最高裁も再審を認めず
バスは止まっていた?動いていた?
 この裁判は、2006年3月、高知市の国道交差点で、遠足の中学生を乗せたスクールバスと高知県警の白バイが衝突し、白バイ隊員が死亡した事故をめぐるものです。
「ブレーキ痕ねつ造は不可能」高知白バイ衝突死 最高裁も再審を認めず
 バスを運転していた片岡晴彦さん(64)や生徒らは「中央分離帯付近で停止中のバスに、猛スピードの白バイが突っ込んだ」と主張。
「ブレーキ痕ねつ造は不可能」高知白バイ衝突死 最高裁も再審を認めず
 一方、検察側は「バスが安全確認を怠り車道に進入し、白バイと衝突後に急ブレーキをかけて停止した」と主張しました。
「ブレーキ痕ねつ造は不可能」高知白バイ衝突死 最高裁も再審を認めず
(バスの後ろで事故を見た引率の校長)
「全然、バスは動いてませんでした。私の目の前で見えました」
(当時バスに乗っていた生徒)
「バスは止まっていたと思いますし、もちろん急発進とか急ブレーキとかそういう感覚もなかったんで」
「ブレーキ痕ねつ造は不可能」高知白バイ衝突死 最高裁も再審を認めず
 しかし、裁判所は検察側の主張を全面的に採用。
 片岡さんは業務上過失致死の罪で禁錮1年4カ月の実刑が確定し、刑務所に服役しました。
「ブレーキ痕ねつ造は不可能」高知白バイ衝突死 最高裁も再審を認めず
有罪の決め手となったブレーキ痕に「ねつ造」疑惑
 有罪判決の決め手になったのは、検察が提出した実況見分の写真です。
 バスのブレーキ痕や白バイが引きずられた際にできた路面の擦過痕が写っていて、「バスが動いていた証拠」とされました。
「ブレーキ痕ねつ造は不可能」高知白バイ衝突死 最高裁も再審を認めず
 これに対し、片岡さんが出所後に行った「再審請求」の中で、画像解析の専門家が証拠写真のネガフィルムを鑑定し、ブレーキ痕や路面の擦過痕は「人為的に偽造したと疑わざるをえない」と指摘しました。
(画像解析の専門家 千葉大学/三宅洋一名誉教授)
「アスファルトの溝の中にまで黒いものがしみこんでいる。通常のゴムとはちょっと違うなという感じ」
 しかし、高知地裁は「ねつ造は不可能で、無罪を言い渡すべき明らかな証拠は認められない」として再審を認めませんでした。
「ブレーキ痕ねつ造は不可能」高知白バイ衝突死 最高裁も再審を認めず
再審請求…最高裁決定までの長い期間
 一般の裁判で知られている控訴、上告という「三審制」と同じように、再審請求の手続きでも決定内容に不服があれば上級の裁判所に申し立てる「抗告」を行うことができます。
 片岡さんの再審請求では、2014年の高知地裁の棄却から、高松高裁の即時抗告棄却まで1年10カ月。そこから、今回の最高裁の棄却まで約1年7カ月と、長い期間を要しました。
「ブレーキ痕ねつ造は不可能」高知白バイ衝突死 最高裁も再審を認めず
特別抗告棄却…第2次再審請求は?
(元バス運転手/片岡晴彦さん)
「(結果が)2カ月3カ月ぐらいでスッと来てくれたらね、切り替えもできるし。もう一回やってみようかという気持ちにもなるけど、こんなに引っ張られて、気持ちが萎える時分にボンときたらよ『よっしゃ』っていう気持ちは今はないわね。それをタイミング見よったかどうか知らんけどね」
 再審は、一度認められなくても、別の新たな証拠が見つかれば何度でも請求が可能です。静岡県の袴田事件は第2次、三重県の名張毒ブドウ酒事件では第10次再審請求までおこなっています。
 とはいえ、これまでに出していない新証拠が必要で、片岡さんは第2次請求をするかどうか即答を避けています。
「ブレーキ痕ねつ造は不可能」高知白バイ衝突死 最高裁も再審を認めず
「ねつ造は不可能」高松高裁の決定
 再審を認めなかった高松高裁の決定の大きな柱は、「事故後に現場に到着した警察官が、通行人や報道関係者がいる中、短時間で事故状況の偽装を企て、タイヤ痕や擦過痕をねつ造するのはほとんど不可能だ」というものでした。
「ブレーキ痕ねつ造は不可能」高知白バイ衝突死 最高裁も再審を認めず
 鑑定の結果、同じ現場で撮影されたタイヤ痕の先端の「濃さ」が違っていて、その濃い部分が中心からずれていることについては、「原因は不明」とした上で、「タイヤ痕の特徴の一部について科学的な説明がなされていないとしてもねつ造された合理的な疑いが生じるとは言えない」としました。弁護団「専門家の意見を素人解釈で排斥」
(片岡さんの弁護団長/坂本宏一弁護士)
「衆人環視の中で(ねつ造が)できるかできないかということも何か証拠に基づくわけでなく常識的な装いで、そうでしょ、皆さんみたいな」
 弁護団は特別抗告の申立書の中で、「明白かつ新規証拠たりうる専門家の意見を、素人解釈で排斥している」と指摘。
 確定判決の事実認定に合理的な疑いが生じれば再審を開始できるとした、1975年の「白鳥決定」の判例に反する、と主張しました。
「ブレーキ痕ねつ造は不可能」高知白バイ衝突死 最高裁も再審を認めず
 しかし、最高裁・第三小法廷の林景一裁判長ら5人は「抗告理由に当たらない」と、片岡さん側の申し立てを全員一致で棄却。いわば「門前払い」でした。
(元バス運転手/片岡晴彦さん)
「衆人環視の中でブレーキ痕があるんだから描いたことはないと、頭から言われたら、そういう感覚で言われたらよね、攻めようがないわね」
「ブレーキ痕ねつ造は不可能」高知白バイ衝突死 最高裁も再審を認めず
再審請求から7年7カ月 時間の経過で…
 高知地裁に再審請求をしてからはや7年7カ月…「時間の経過」は、少しずつ闘う気力を失わせていました。
 高松高裁に即時抗告していた際、片岡さんの支援組織は、月に1度、街頭で再審開始を求める署名を集め、高裁に直接手渡していました。
 しかし、最高裁に特別抗告した後は、定例の会議も開かれていません。
「ブレーキ痕ねつ造は不可能」高知白バイ衝突死 最高裁も再審を認めず
事故から12年…元運転手の今の暮らし、そして思いは
 ハイヤー会社に勤務していた片岡さんは、事故で職を失いました。
 午前2時半起きで新聞配達を続けているのに加え、最近は、デイサービスの送迎や山間の高齢者世帯に弁当を配達するなど複数のアルバイトを掛け持ちし夫婦2人の生活を成り立たせています。
(元バス運転手/片岡晴彦さん)
「ずっと貧乏暇なしでいろいろやりよんやけど、なんとか食べていけるように頑張らないかん。たまにこの上の木を切ったりさせてもらいよるんだけど」
 そんな暮らしの中でも、いつ届くか分からない裁判所からの通知をひたすら待つ日々でした。
「郵便が届くのが怖い」という感情は、当事者でなければ計り知ることができません。
「ブレーキ痕ねつ造は不可能」高知白バイ衝突死 最高裁も再審を認めず
(元バス運転手/片岡晴彦さん)
(Q.悔しさは?)
「…悔しさはあるね、本当に。止まってたバスにどうしてスリップ痕がついた?ていう単純なことやけどね。本当に止まってるバスにブレーキ痕がつくということ自体がおかしいんじゃけん。(第2次再審請求については)ちょっと今時間をおいて考えさせてもらおうかと思いよるけどね」

やっぱり辞めたいって/10か月ぶり籠池夫妻が保釈

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Japon : Une femme contrainte de s’excuser d’être tombée enceinte auprès de son employeur
Certaines entreprises japonaises ont instauré des ≪ calendriers de grossesse ≫ où sont indiquées les périodes de l’année durant lesquelles une employée a l’autorisation de se marier ou de tomber enceinte. Cependant, un scandale qui secoue l’archipel ces derniers mois pourrait bien sonner le glas de cette pratique.
Lorsque le Japon fait son apparition dans les pages de nos journaux, c’est souvent pour parler du problème de natalité qui frappe le pays qui vieillit le plus vite au monde. Il serait donc légitime de penser que tout y est fait pour encourager les Japonaises à tomber enceintes. C’est pourtant mal connaître cet archipel de tous les paradoxes.
Pour cause, un autre sujet se retrouve régulièrement dans les pages de nos journaux : cette culture d’entreprise japonaise, poussée à l’extrême, qui engendre chez beaucoup d’employés un dévouement sans faille à leur employeur. Rajoutez à cela une pénurie chronique de crèches et vous obtenez tous les ingrédients pour des dérives comme l’instauration de ≪ calendriers de grossesse ≫ dans certaines entreprises, qui n’hésitent pas à dicter à leurs employées à quel moment elles peuvent envisager de se marier ou de tomber enceinte.
Cependant, les jours de cette pratique impensable dans la plupart des pays européens pourraient bien être comptés. En effet, comme le rapporte un récent article paru dans le quotidien Mainichi Shimbun, le cas d’un couple japonais ayant été obligé de s’excuser en personne d’une grossesse hors calendrier lors d’un entretien avec le directeur d’une crèche privée de la préfecture d’Aichi, dans le nord du Japon, agite le pays. Comme un nombre conséquent d’entreprises japonaises, cette crèche avait mis en place un système complexe de rotation, fonctionnant sur la base d’un accord tacite. Chaque salariée se voyait ainsi attribuer une courte période de l’année au cours de laquelle elle pouvait envisager de se marier ou tomber enceinte. En théorie, chacune devait patiemment attendre son tour, en donnant la priorité à ses supérieures.
Dans une lettre ouverte publiée fin février dans ce même journal japonais, le mari avait révélé que sa femme avait, malgré cet entretien humiliant, été réprimandée sur son lieu de travail pour avoir supposément fait preuve d’≪ égoisme ≫. Un incident qui illustrerait selon lui la manière dont la société japonaise reste ≪rétrograde ≫.
La publication de cette lettre a entraîné de nombreuses réactions de soutien de la part des Japonais, comme l’explique le quotidien britannique The Telegraph — même si une minorité de lecteurs ont exprimé leur sympathie vis-à-vis des difficultés rencontrées par les crèches. Les langues de nombreuses Japonaises se sont ainsi déliées et les témoignages relatant des pressions similaires se sont multipliés ces dernières semaines. Une partie de la société japonaise a donc appris avec stupeur que ce type de plannings était monnaie courante dans les entreprises où la majorité des employées sont des femmes.
De nos jours, les femmes japonaises continuent de faire face à de nombreuses discriminations de genre au travail. Comme le rappelle The Telegraph, une enquête gouvernementale révélait en 2015 que la moitié des femmes actives japonaises enceintes ont déclaré avoir été victimes de harcèlement (NDLR, il existe même un terme pour cela en japonais : ≪ matahara ≫) et près de 20% avoir été tout bonnement licenciées pour être tombées enceinte. Rien de bien étonnant à ce que l’année dernière, le pays ait chuté à une médiocre 114e place sur 144 dans le classement du Forum économique mondial pour ce qui est de l’écart entre les genres.
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やっぱり辞めたいってというメールがあったそうで,相談を受けました.と言っても大したことができるわけでもなく常識的なことを説明しただけでした.
10か月ぶり籠池夫妻が保釈されました.この2人好きだというわけではありませんが,籠池(夫)氏が「妻はえん罪」というのを聞いてハッとしました.そうです.えん罪を着せられようとしています.長期にわたる拘留も国策ということは明らかです.とりあえず2人の釈放を喜びたいと思います.

日大アメフト退部を決意も 宮川選手をクラブチームが狙う
「ルール逸脱は僕の考えにはない。まさか、ああいうことになるとは正直、予想できなかった」と前監督が言えば、悪質プレーを直接指示したとされるコーチも、「(宮川は)とんでもない重圧を受けて、本当に目の前が見えなくなったのかな、と」言った。
 23日午後8時に緊急会見を行った内田正人前日大アメフト部監督(62)と井上奨コーチ(30)の言い分は、従来の主張と変わらず、前日に宮川泰介選手(20)が明かした「相手のQBがケガをして秋の試合に出られなくなったらこっちの得だろう」という井上コーチの発言も、本人は「損とか得とか言っていない」とキッパリと否定。選手と指導者の言い分は、大きな食い違いを見せた。
 ちなみに内田前監督は会見で「(日大)常務理事の資格を一時停止して謹慎する。第三者委員会の結果が出た後、大学の判断に任せる」とし、井上コーチは辞任の意思を示した。
■U−19日本代表の実力者
 日大アメフト部の殺人タックル問題は、まだまだ尾を引きそうだが、国内のアメフト界はすでに、宮川選手の「今後」に目を向けている。
 宮川選手は22日の会見で「アメリカンフットボールを続けていく権利はないと思う。この先、アメリカンフットボールをやるつもりもない」と言ったが、テレビで会見を見ていたXリーグ(社会人アメリカンフットボールリーグ)のOBは「そうは言っても、クラブチームが放ってはおきませんよ」と言ってこう続ける。
「加害者である彼も、監督やコーチの命令に従わざるを得なかったことで被害者であることが明らかになった。アメフトを続けることを批判する者は皆無でしょう。これだけ世間を騒がせたし、マスコミの前で名前も顔も出した。気持ちの切り替えにはかなりの時間を要するだろうが、彼はU―19の日本代表にも選ばれた実力者です。社会人のチームでも十分にやっていける技量がある。半年もすれば、『うちに練習に来いよ』と声をかけようと考えているクラブチームが、5つか6つはあります」
 Xリーグの選手登録は最大65人だが、どのチームにも練習生が10人前後はいる。
「宮川君は大学を辞めるとは言っていない。クラブチームで練習生として汗を流し、卒業したら選手登録して公式戦に出ればいい。日本のアメフト界のためにも、それが一番いい」(前出のOB)
 日大を卒業したら、ライスボウルで日本一になるかもしれない。


選手説明翌日の日大会見 責任逃れだけが目立った
 日本大に対する不信感が強まっていることを大学当局者はわかっているのだろうか。
 アメリカンフットボールの悪質なタックルを巡って日大前監督の内田正人氏と、コーチだった井上奨(つとむ)氏が記者会見を開いた。タックルした日大の宮川泰介選手が指導者の指示だったと認めた会見の翌日だった。
 宮川選手は、自身の会見では名前や顔を公表し、関学大に謝罪した。指導者の発言内容やプレーに至る経緯の説明は具体的だった。だが、内田、井上両氏はあらためて指示を否定した。
 井上氏は「つぶせ」とは伝えたが、けがをさせることが目的ではなかったと強調した。内田氏はボールを見ていたため、悪質なタックルには気づかなかったと語った。
 だが、それではつじつまが合わない。試合直後、悪質な反則を問われ「(自らの指示で)やれと言ったでいい」と、プレーを承知したような内田氏の発言が報じられている。
 また、内田氏は「(宮川選手は)よくやったと思う」と話したという。反則は試合開始早々にあり、宮川選手はわずか数分間のプレーで退場した。短い出場時間のどんなプレーを評価したのか問いたい。
 被害選手側からは警察に傷害容疑で被害届が出されており、内田氏や井上氏は共謀や教唆の有無を問われる可能性がある。その責任を逃れるため、「けが」という言葉に敏感に反応した印象は拭えない。
 日大の公式見解では、指導と選手の受け取り方に乖離(かいり)があったことを問題の本質と捉えている。もし乖離があったなら、語るべきは、それを引き起こした指導者のアプローチの拙さのはずだ。
 会見からは、強圧的な態度や言葉の圧迫による古い体育会気質の指導の構図も浮かび上がった。
 本来、学生を守る立場にある大学が、選手の会見翌日に、組織防衛の形で急きょ反論会見を設定した姿勢が常識から外れている。
 約2時間に及んだ会見を強制的に打ち切ろうとした司会の大学職員にも批判が集まっている。
 日大は第三者委員会で真相究明にあたるという。しかし、一連の対応を見ていると、中立性や信頼性を保てるかどうか疑わしい。


アメフット 日大会見「火に油」の司会は元ジャーナリスト
「日大ブランド」検索上位に
 日本大アメリカンフットボール部の23日の記者会見は、インターネットでも生中継された。約2時間に及んだ会見のやり取りの終盤で、内田正人前監督や井上奨元コーチより対応に批判が集まったのが進行役の日大広報部・米倉久邦氏だった。
 記者会見が開始から約1時間半を過ぎると「同じ質問が繰り返されている」「十分聞いた」などと質問を打ち切ろうとした。記者が「この会見をみんな見てますよ」と食い下がると、「見ても、見なくてもどっちでもいい」と反論。別の記者が「司会者のあなたの発言で、日大のブランドが落ちてしまう」と指摘すると、「落ちません」と突き放した。
 会見終了後、多くの報道陣に囲まれた米倉氏だったが、自身の名前を求められても回答することなく、会場を後にした。米倉氏は元共同通信の記者。2002年に退職後は趣味の登山に関して「六十歳から百名山」(06年新潮社)などの著書も出版する森林ジャーナリストとして活動した。年齢は70代という。
 短文投稿サイト「ツイッター」では米倉氏について厳しい意見が相次いだ。ハッシュタグ(検索の目印)「日大ブランド」は、一時検索上位にランクインするなどして「炎上」した。記者会見から一夜明けた24日、ある男子学生(18)は「最近アルバイトを始めたが、大学が日大と言うと、ちょっと引かれる」と困惑した。別の男子学生(19)は「ネットで大学までたたかれ迷惑。悪いのは内田(前監督)。早く(大学の常務理事職を)辞めてほしい」と語気を強めた。【倉沢仁志、松本晃】


[日大反則タックル]第三者で真相の究明を
 日本大アメリカンフットボール部の守備の選手が、相手チーム関西学院大の司令塔のクオーターバック(QB)の選手を、悪質なタックルで負傷させた問題が社会問題化している。
 なぜ危険で重大な反則行為がなされたのか、指導者からの指示があったのかなどについて、日大の選手と内田正人前監督、井上奨コーチが相次いで会見した。真実は一つであるはずなのに、選手と前監督らの認識の隔たりは大きく、事実関係の食い違いも浮かび上がった。
 選手は問題のタックルについて、前監督やコーチの指示があったと告白した。前監督が「相手のQBを1プレー目でつぶせば(試合に)出してやる」と言っているとコーチから伝えられたとし、「つぶせ」という言葉を「けがをさせろ」という意味で受け取る以外にはなかったという。
 これに対し、前監督は「私からの指示ではない」と関与を否定。コーチは「QBをつぶしてこい」と言ったことは認めたが、「けがをさせることを目的としては言ってない。思い切り行かせるために言った」と、発言は選手を発奮させることにあったと釈明した。
 自責の念にさいなまれ真実を懸命に語ろうとした選手に対し、前監督やコーチからは、指示の意図を正確に把握していなかった選手に未熟さがあり、それが反則行為につながったと捉えられるような発言もあった。選手に責任転嫁せず、指示を浸透させられなかった指導者の資質こそ問われなければならない。
■    ■
 24日発売の「週刊文春」によると、内田前監督は試合直後のマスコミの取材に、選手の反則について「よくやったと思いますよ。法律的にはよくないかもしれないけど」などと、容認する発言をしていた。さらに「『内田がやれって言った』でいい」という音声も録音されている。
 23日の会見で前監督は発言を認め、選手を批判から守るため自身を悪者にしたと説明した。矛盾する内容で、本当は監督の指示だったとの疑いは深まる一方だ。
 有望と認めながらも選手を練習から突然はずし、試合前になって「QBつぶし」を条件に、プレッシャーをかけて起用している点などから、「ゆがんだ指導」がまかり通っていた実態もうかがえる。
 選手は今後、アメフットを「やるつもりはない」と決断した。ゆがんだ指導で、若者をそこまで追い込んだ責任を痛感しなければならない。
■    ■
 社会問題化した責任は、前監督やコーチにあることは疑いない。日大だけによる真相解明は期待できそうにない。主張の隔たりを埋めるためにも、第三者機関を立ち上げ、解明する必要がある。チームは今回の問題が、スポーツの一線を越えてしまったことを深刻に受け止めるべきだ。
 後手に回ってきた大学側の対応にも非難が集まる。内田前監督が大学の常務理事であることも、対応のまずさの背景にあると指摘されている。理事会の責任も認められれば、私学助成をする文部科学省も指導する必要がある。


アメフット会見  責任逃れでなく説明を
 アメリカンフットボールの悪質な反則問題で、関西学院大の選手を負傷させた日本大の選手と、内田正人前監督らが相次いで記者会見した。
 会見で双方の主張は食い違いをみせ、真相究明は混迷の度合いを増している。大学として今回の問題をどう受け止めるのか、日大の姿勢が問われる。
 焦点となっている危険なタックルについて、会見した20歳の選手は前監督とコーチの指示に従ったと説明した。
 「相手をつぶせ」などの指示を「けがをさせろ」と解釈したという。「やらないという選択肢はなかった」と追い込まれた心情について生々しく語った。
 これに対し、選手会見の翌日夜に緊急会見を開いた前監督は、タックルは「私からの指示ではない」と否定。プレーは「予想できなかった」と責任転嫁のような発言に終始した。
 すでに試合から2週間以上が経過し、責任者による説明が遅すぎた。その上、選手の発言を否定するために急きょ会見を開いたかのような大学側の対応には、首をかしげざるをえない。
 問われているのは、なぜこんなプレーが行われたか、ということである。選手を追い込んだのは一体何だったのか。
 選手は「やる気が足りない」と実戦練習から外され、「つぶせば(試合に)出してやる」とコーチを通じ伝えられたという。指導の在り方は妥当だったのか。
 前監督が語るべきは、そうした根本のことであり、「指示があった」「なかった」というだけの話ではないはずだ。
 少子化の影響で学生の確保が多くの大学の課題となっている。スポーツが大学の広告塔となり、本来の在り方をゆがめているとの指摘は以前からある。
 問題がさらに深刻化し、過剰な勝利至上主義を招いている可能性がある。アメフット以外にも有力部を抱える日大は真剣に向き合い、再発防止に取り組むべきだ。
 折しも、スポーツ庁は全米大学体育協会(NCAA)を参考にした統括組織「日本版NCAA(仮称)」を来春創設する方針だ。
 そこでは安全対策などにも取り組むとしているが、「ビジネス化」の側面が強く、さらなるゆがみをもたらさないか心配だ。
 大学スポーツは教育の一環で、選手のためのものでなくてはならない。今回の事案を、あるべき姿を取り戻すきっかけにしたい。


複数選手「指示あった」 日大アメフット部父母会 前監督ら会見に憤り
 日本大の選手が悪質な反則行為で関西学院大の選手を負傷させた問題で、日大アメリカンフットボール部の選手の保護者でつくる父母会は二十四日、反則行為について内田正人前監督らから「指示があったと聞いている」と明らかにした。内田前監督と井上奨(つとむ)コーチから指示があったとする宮川泰介選手と、前監督らとの言い分が食い違っていたが、保護者らの証言で前監督ら側の説明への疑念が強まった。 (木原育子、内田淳二)
 父母会は同日夜、「大学にはもう任せておけない」として緊急理事会を開き、約百十人が出席した。会合後に会見した父母会長は、二十三日夜に開かれた前監督らの会見について、「憤りを覚えた。宮川選手の発言が正しいと思った」と強調。反則プレーが誰の指示かは「聞いていない」としたが、自身の息子や複数の保護者から「指示があったと聞いている」と明言した。
 内田前監督らについて「(会見で)責任を取ってもらいたかった」と語った。
 選手らは「どうしていいのか分からない」と大学側の一連の対応に不安の声を上げているといい、父母会は全面支援する方針。
 また会長は宮川選手について「父母会としても守ってあげられなくて申し訳ない。戻る意思がないということだが、戻ってこられるような環境をつくってあげたい。それに尽きる」と語った。
 関西学院大学に対しても「(父母会としても)心よりおわびしたい」と話した。


[日大アメフット] パワハラ的体質を露呈
 日本大アメリカンフットボール部の前監督とコーチが会見し、選手への反則指示を改めて否定した。反則を指示されたとする選手との認識の違いが顕著になった。
 事実の解明は日大の第三者委員会に委ねられるが、今回浮き彫りになった課題を2点指摘したい。
 一つ目は日大の対応のまずさである。悪質なタックルがネットやテレビで放映され、批判が高まった。前監督が対戦相手の関西学院大へ謝罪に出向いたのはその後であり、誠意が感じられなかった。
 また、反則行為をした選手は前監督らより先に、実名での記者会見を開いた。大学生のアマチュア選手が不祥事で会見するのは極めて異例のことである。被害選手や家族、関学大に直接謝罪したい一心だったに違いない。
 加害者として顔や名前を知られるデメリットを覚悟しての会見である。前監督らはどんな思いで見たのか。社会経験の浅い選手を守るのが指導者の役割のはずだ。
 課題の二つ目は、スポーツ界に根深いパワハラともいえる体質である。選手にはコーチを通じて前監督から「つぶせ」という指示があった。選手は「けがをさせろ」と解釈し、無防備な相手に背後からタックルした。
 選手は会見で「やらないという選択肢はなかった」「(前監督とは)意見を言えるような関係ではない」と話した。監督やコーチは絶対的な存在であり、どんな指示にも選手は「ノー」と言えず、追い込まれていく実態が浮かぶ。
 旧態依然とした指導の背景には勝利至上主義があるのだろう。日大はスピードスケート五輪金メダリストの清水宏保選手や陸上のケンブリッジ飛鳥選手ら多くのアスリートを輩出してきた。
 こうした著名アスリートの存在は、少子化の影響で学生の確保が課題となっている各大学にとって大きな魅力だ。
 だが近年、駅伝の青山学院大や競泳、陸上の東洋大などライバル校が力をつけて競争が激化し、日大の存在感はやや薄くなっているとされる。それだけに日大の看板であるアメフット部の不祥事は大きなダメージに違いない。
 日大には危機管理学部があり、「危機を防ぐための問題解決を実践できる、広い視野と柔軟な思考力を持つ人材を養成する」とうたっている。一から出直す覚悟で改革に取り組まなければ、有能な人材の確保は困難だろう。
 スポーツで勝負にこだわるのは自然だ。しかし、大学スポーツが人間性を育む教育の場でもあることを忘れては、「スポーツ日大」の名声は取り戻せまい。


高プロ制度 修正で問題は解消せず
 今回の法案修正では問題点は何も解消していない。
 働き方改革関連法案である。与党の自民、公明両党と、野党の日本維新の会、希望の党が、焦点となっている高度プロフェッショナル制度(高プロ)の一部修正などで合意した。
 与党はきょうの衆院厚生労働委員会で採決する構えだ。一部野党の賛成で、「強行採決」の批判をかわせるという判断だろう。
 修正案は、高プロで働く本人が制度適用への同意をした後に撤回できる規定などを設けた。労働者を保護できるとの主張である。
 高プロは週40時間労働の原則など現在の労働時間規制を、一定の条件で外す制度だ。長時間労働を助長する懸念がある。小手先の修正で解消できる問題ではない。
 導入するには「労使委員会の5分の4の決議」や「本人同意」などが必要になる。これらは裁量労働制の企画業務型と同じだ。裁量制では労使委が機能せず、違法適用されたケースが後を絶たない。
 経営者より弱い立場の労働者が導入への同意を求められれば断れない、という指摘は野党や労働組合に根強い。撤回規定があっても、労働者が意思を通すことができるのか疑問である。
 対象者は、専門的で高度な知識などが必要な職種で、新たな契約によって全労働者の平均の3倍(1075万円)の年収が見込まれる人だ。経団連には年収要件の引き下げを求める声がある。派遣労働者と同様、際限なく対象が広がる懸念も拭えない。
 高プロの本質的な問題点は、経営者が合法的に労働者を長時間労働させることが可能になることだ。経営者は「年間104日」かつ「4週で4日」以上の休日を確保すれば、1日に何時間働かせても違法にはならない。
 安倍晋三首相は「労働者視点の働き方改革」を強調してきた。それなのに、労働者が高プロをどこまで求めているのか不透明だ。
 厚生労働省は高プロの必要性に関して、研究者など12人からヒアリングしたことを明らかにしている。極めて少なく不十分である。「高度専門職の人たちは導入を望んでいる」(加藤勝信厚労相)という根拠は乏しい。
 これらの懸念に政府は真正面から答弁せず、質問の趣旨をはぐらかしてきた。議論が煮詰まっていないのは明らかだ。
 制度の必要性や問題点を詳しく検証するべきである。法案を採決できる状況ではない。高プロを法案から切り離し、出直すべきだ。


働き方改革 危険法案 拙速な採決許されない
 政府が重要法案に位置付ける働き方改革関連法案の衆院審議で、与党が採決強行の構えをみせている。日本維新の会、希望の党との間で、法案の一部修正が合意し、採決への環境が整ったと判断した。
 しかし多様な論点を含む8本の法案の審議は尽くされておらず、過重労働を助長する危惧はなお強い。厚生労働省の労働調査のデータに重大な欠陥が見つかり、法案の根拠さえ揺らいでいる。働く人全ての健康と命に関わる法案の重みを改めて自覚すべきだ。拙速な採決は決して容認できない。
 8本の法案は、罰則付き時間外労働(残業)の上限規制▽非正規労働者の処遇改善を目指す「同一労働同一賃金」▽高収入の一部専門職を労働時間規制の対象から外す「高度プロフェッショナル制度(高プロ)創設」―の三つの柱で構成している。
 最大の懸念は高プロだ。適用によって、労働者は夜型など柔軟な働き方が可能になる半面、働き過ぎを防ぐ役割を果たしている残業代も払われなくなる。働いた時間と賃金が連動しないため、企業が労働時間を把握しなくなり、長時間労働を招きかねない。
 適用には本人の同意が必要だが、修正案によって自分の意思で撤回できるようになった。しかし、経営者側と労働者の力関係は歴然であり、立場の弱い労働者が、簡単に撤回の意思を示せるとは考えづらい。撤回しなかったことを理由に、長時間労働や過労死が自己責任にされる恐れも拭えない。小手先の修正では、過労死を防ぐことは不可能だ。高プロは法案から削除するよう改めて求める。
 そもそも法案修正には、少数野党を取り込むことで「与党だけで採決を強行した」との批判をかわす狙いが透けて見える。「働き方改革国会」と銘打った安倍晋三首相のメンツのために数の論理で押し切ろうとするなら言語道断である。
 目玉だった、残業時間の上限規制も議論が不十分だ。これまで事実上、青天井だったが、法案には「繁忙月で100時間未満」と明記された。ただし、月100時間は労災認定の目安とされる過労死ラインに匹敵する水準で看過できない。働き過ぎを防ぐためには、さらなる引き下げが必要だ。
 議論の出発点だったはずの厚労省の労働時間調査も精査してみれば、2割に上る不適正なデータが見つかった。法案全体の信頼性が大きく損なわれたにもかかわらず、政府は「調査自体は有効」とし、撤回しないと強弁している。このような不誠実な姿勢では、国民の信頼は得られない。
 「命を削って働いて、最後は命を持って行かれた」―。過労死遺族の悲痛な声が、首相官邸前で上がっている。しかし、首相は遺族との面会を拒み、重い教訓に耳を傾けようとしていない。国民の命を軽視することは決して許されない。


是枝氏のカンヌ受賞 評価された弱者への視線
 映画には世界の人々の心をつなぐ力がある。
 そう実感させてくれたのが、是枝裕和監督「万引き家族」が第71回カンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドールを受賞というニュースだった。
 ベルリン、ベネチアと共に世界三大映画祭といわれるカンヌ映画祭で、日本映画が最高賞を受賞したのは5作目。今村昌平監督「うなぎ」以来、21年ぶりの快挙だ。
 是枝監督は55歳。カンヌのコンペ部門だけでもこれが5本目の出品。2004年の「誰も知らない」で男優賞、13年の「そして父になる」で審査員賞を受賞している。
 1950年代から世界で評価されている黒沢明、溝口健二、小津安二郎らの巨匠監督や、70年代以降に海外で認められた大島渚、今村監督らの後を継ぐ、日本映画を代表する実力派監督だ。
 そうした意味では、「万引き家族」の最高賞受賞は、決して意外な結果ではない。審査員長のオーストラリア出身の女優、ケイト・ブランシェットさんが「演技、監督、撮影など総合的に素晴らしかった」と評価したように、完成度が高いウエルメードな作品であるのに加え、映画のテーマが、「女性のカンヌ」といわれた今年の映画祭の問題意識と響き合ったことも、受賞を後押しした。
 受賞作の主人公は、東京の片隅で、祖母の年金に頼って暮らす、父母、息子、母の妹らの“家族”。生活力のない父は息子に万引のテクニックを教え、必要な日用品を調達している。だが、平穏な暮らしはある事件をきっかけに暗転。家族の秘密が明らかになっていく。
 是枝監督自身の言葉を借りれば「今の日本社会の中で隅に追いやられ、見過ごしてしまうかもしれない家族の姿を可視化した作品」が、なぜ審査員の心を捉えたのだろう。
 「誰も知らない」で親に置き去りにされた子どもたちを見つめた是枝監督は、「万引き家族」では、親に虐待される幼い子どもを重要な役に配した。両作品に共通するのは、セーフティーネットからこぼれ落ち、“見えない存在”になってしまった弱者への優しい視線だ。
 おそらく、それが、レッドカーペットの階段にブランシェット審査員長ら女性たちが集まり「女性の映画監督が極端に少ない現状を改革しよう」と訴えた「女性のカンヌ」の精神と、共鳴したのだろう。9人中5人が女性だった審査員からは「私たち全員がこの映画と恋に落ちた」という言葉も出たほどだった。
 宗教対立、テロ、難民問題、保護主義、格差社会…。映画は、世界を覆う深刻な問題を解決する力は持っていないかもしれない。だが、そうした困難な現実の中で懸命に生きる人々を描くことによって、出会ったこともない異国の人の心を動かす力を持っている。
 「対立している人と人を、隔てられている世界と世界を、映画がつなぐのではないかという希望を感じます」。授賞式で是枝監督はこう語った。
 「万引き家族」は、既に110を超す国と地域での配給が決まっており、是枝監督の次作は海外の大物俳優との作品になるといわれている。
 家族を血縁で美化せず、犯罪でしかつながれなかった家族の優しさを描いた映画が、世界中に広がっていく。排除ではなく受容すること。映画に込められたメッセージが、人々をつないでいく。(共同通信・立花珠樹)


是枝監督のカンヌ受賞/共感呼ぶ弱者への視線
 是枝裕和監督の「万引き家族」が第71回カンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドールを受賞した。ベルリン、ベネチアと共に世界三大映画祭といわれる同映画祭で、日本映画が最高賞を受賞したのは5作目。今村昌平監督「うなぎ」以来、21年ぶりの快挙だ。
 是枝監督は55歳。カンヌのコンペ部門だけでもこれが5本目の出品。2004年の「誰も知らない」で男優賞、13年の「そして父になる」で審査員賞を受賞している。
 1950年代から世界で評価されている黒沢明、溝口健二、小津安二郎らの巨匠監督や、70年代以降に海外で認められた大島渚、今村監督らの後を継ぐ、日本映画を代表する実力派監督だ。
 そうした意味では「万引き家族」の最高賞受賞は、決して意外な結果ではない。審査員長のオーストラリア出身の女優、ケイト・ブランシェットさんが「演技、監督、撮影など総合的に素晴らしかった」と評価したように、完成度が高いウエルメードな作品であるのに加え、映画のテーマが、「女性のカンヌ」といわれた今年の映画祭の問題意識と響き合ったことも、受賞を後押しした。
 受賞作の主人公は、東京の片隅で、祖母の年金に頼って暮らす、父母、息子、母の妹らの”家族”。生活力のない父は息子に万引のテクニックを教え、必要な日用品を調達している。だが、平穏な暮らしはある事件をきっかけに暗転。家族の秘密が明らかになっていく。
 是枝監督自身の言葉を借りれば「今の日本社会の中で隅に追いやられ、見過ごしてしまうかもしれない家族の姿を可視化した作品」が、なぜ審査員の心を捉えたのだろう。
 「誰も知らない」で親に置き去りにされた子どもたちを見つめた是枝監督は、「万引き家族」では、親に虐待される幼い子どもを重要な役に配した。両作品に共通するのはセーフティーネットからこぼれ落ち”見えない存在”になってしまった弱者への優しい視線だ。
 おそらく、それが、レッドカーペットの階段にブランシェット審査員長ら女性たちが集まり「女性の映画監督が極端に少ない現状を改革しよう」と訴えた「女性のカンヌ」の精神と共鳴したのだろう。9人中5人が女性だった審査員からは「私たち全員がこの映画と恋に落ちた」という言葉も出たほどだった。
 宗教対立、テロ、難民問題、保護主義、格差社会…。映画は、世界を覆う深刻な問題を解決する力は持っていないが、そうした困難な現実の中で懸命に生きる人々を描くことによって、出会ったこともない異国の人の心を動かす力を持っている。
 「対立している人と人を、隔てられている世界と世界を、映画がつなぐのではないかという希望を感じます」。授賞式で是枝監督はこう語った。
 「万引き家族」は、既に110を超す国と地域での配給が決まっており、是枝監督の次作は海外の大物俳優との作品になるといわれている。
 家族を血縁で美化せず、犯罪でしかつながれなかった家族の優しさを描いた映画が、世界中に広がっていく。排除ではなく受容すること。映画に込められたメッセージが人々をつないでいく。


カンヌ最高賞◆社会の隅見つめひずみ問う◆
 時代に漂流する家族の機微を描く随一の映画監督だろう。第71回カンヌ国際映画祭で、是枝裕和監督の「万引き家族」が最高賞のパルムドールを受賞した。是枝監督は一貫して「家族」という普遍的なテーマを巧みな繊細さで描き、深いメッセージを社会に投げ掛けてきた。世界三大映画祭の最高峰カンヌで日本映画が同賞を受賞したのは21年ぶり5作目となる。
 長編コンペ部門審査員長の俳優ケイト・ブランシェットさんは授賞式で、世界から選ばれた21作品について「社会で抑圧されていたり、つながりや愛を求めていたりする『見えざる人々』に声を与えた」と称賛した。この言葉通り、その真骨頂にあるのが「万引き家族」だろう。
年金不正受給に着想
 「万引き家族」は都会にある下町にひっそりと暮らし、祖母の年金をあてにして万引きをしながら生計を立てる貧しい一家の物語だ。相次いだ年金不正受給事件に着想を得たという。是枝監督は受賞後の会見で「今の日本社会の中で隅に追いやられている、本当だったら見過ごしてしまうかもしれない家族の姿を、どう可視化するかを考える」と答えている。
 貧困や格差が拡大する中でセーフティーネットからこぼれ落ち、存在を忘れられた人々。豊かなはずの日本で生まれている“棄民”の日常を丁寧に描き、社会のひずみをあぶり出す。この手法は、過去の作品でも貫かれてきた。たとえ登場人物の家族が犯罪行為に手を染めようとも、母親が育児放棄して子どもを死に至らしめようとも、紋切り型の価値観や分かりやすい善悪だけで測らない。断罪もしない。人間の生をありのままに肯定し提示することで、是枝作品は共感や共振を呼んできた。
本県でも「覚悟」語る
 子ども虐待を扱った作品「誰も知らない」(2004年)でも同様だった。本紙が子どもの貧困問題を連載していた14年、是枝監督を招いたトークイベントと上映会を宮崎市で行った。この際、「映画を公開した時、(育児放棄した)母親をなぜもっと悪く描かないのかと言われた。しかし、人間を裁いて不幸にして終わってはいけない」と語っている。それは単なる優しさや寛容から発された言葉ではないだろう。「断罪して終わり」にしない表現者としての覚悟と言っていい。
 社会で起きる事件や問題から何を学び取るか。登場人物が併せ持つ優しさや冷淡さ、孤独や生活の見通しのなさ、挫折や希望は、同じ時代を生きる者に通じるものではないか。人と人をつなぎ、支え合う手だてはどんなものか。
 こうした問いを鑑賞者に次々と放ち、揺さぶり、考えさせる。前提には鑑賞者への信頼がある。社会の矛盾から目をそらさず、埋もれた声や存在を「知らない」から「知る」へ。是枝作品とともに、こうした姿勢が世界で認められたことも大きな意味がある。


前川喜平さんロングインタビュー1 「18歳成人」時代の高校教育はどう変わる? 学びの先にある民主主義の未来 新科目「公共」や地理、歴史の記述をめぐる政治的な圧力とのせめぎあい
 今年(2018年)3月、政府は成人年齢を18歳に引き下げる民法の改正案を閣議決定した。2007年に成立した国民投票法に続いて、2016年に施行された公職選挙法の改正で既に「18歳選挙権」が実現しているが、今回の民法改正案が成立すれば、2022年以降、18歳は名実共に「大人」となり、高校教育は文字通り「大人になるための学び」の最終段階となる。
 そこで気になるのが2020年から導入される予定の新しい学習指導要領だ。18歳成人時代に向けて高校の教育内容はどのように変わるのか、その背景には政府や文部科学省のどのような意図があるのか? 前文部科学省事務次官の前川喜平氏に聞いた。
──2020年に文部科学省(以下、文科省)が導入するという今回の「学習指導要領」の改訂では、特に高校教育の見直しに重点が置かれていると言われていますが……。
前川 学習指導要領というのは学校教育を行う上でのカリキュラムに関する「国が定めた基準」で、およそ10年に一度見直しをすることになっています。平成20年(2008年)頃に行われた前回の学習指導要領改訂のときには、文部科学省も小中学校のほうに一生懸命で、高等学校の指導要領はほとんど見直していないんですね。
 だいたい5年スパン、つまり前回の学習指導要領が実施されて4〜5年目から見直しの議論を始めるので、今回の高校学習指導要領の見直しも2013年頃から、いろいろと議論をやっていたことになります。ただ、実はその前に「政治的な議論」や「圧力」があったのも事実です。
──「政治的な議論」や「圧力」ですか?
前川 つまり、日本の保守政党――私はもう最近は「右翼政党」と言ってもいいと思いますけれども――政権を握っている自民党から文科省に対していろいろと注文が飛んでくるわけです。
 具体的に言うと、小中学校に関しては道徳教育、道徳の教科化というのがずいぶん言われていて、これは今年の4月から始まったわけですが、高校に関しては、まず「日本史必修」という話があって、これまで世界史が必修で日本史は選択だったのを「日本人が日本の歴史を学ばないでどうするんだ!」って言う人たちが文科省に圧力をかけていた。
 もう一つは、小中と同じように「高校でも道徳教育が必要だ」という議論。中には「徴兵制を導入して高校生も鍛え直すべきだ」なんてことを真顔で言う人もいるぐらいで、高校生のための道徳教育、あるいは日本人としての自覚を持たせる教育、愛国心教育みたいな内容を高校教育に織り込ませたいという声が、常に自民党の中にあるわけです。
 新しい高校学習指導要領で導入される「公共」という教科などは、まさにそういう議論の中から出てきたものです。実は2006年に教育基本法の改正があって、その中に新たに「公共の精神」という言葉が入れられたのですが、その「公共の精神」を養うための教科が必要だ……と。小学校、中学校では「道徳」があるけれど、高校にはないから、「公共」というものを設けるべきだという、そういう政治的な思惑から始まっているんですね
 ただし、文科省はそうした「政治的な思惑」をそのまま受け止めるのではなく、それを中央教育審議会(以下、中教審)にお任せして、委員の皆さんにご議論いただく……というプロセスを通します。もちろん、中教審の委員にも、例えば右派政治家の立場を代弁する、櫻井よしこさんみたいな人がいたんだけど、彼女も30人いる委員のうちの一人ですから、決して櫻井よしこさんの言う通りになるわけではありません。
 しかも、中教審の下にはいくつかの分科会、部会、専門委員会という組織を設けてあって、そこで日本中の学者や教育関係者の知恵を集めて議論する。その過程で、「右」の人たちからの極めて単細胞的な政治の思惑というのがある程度打ち消され、まっとうな方向に議論を方向転換させていく……というのが文科省の常套手段です。
 新たな高校学習指導要領で現在の「現代社会」に代えて導入される「公共」という科目もこのプロセスを経ていますから、教科の名前という「包装紙」は変えても、実質的には「現代社会」の焼き直しに近い内容に収まっているとも言えます。
 ただ、それでもある程度は「政治」の側の人たちが望む「公共」的な味付けをしないと「政治的にもたない」ので、領土問題に関する記述や、おそらく自衛隊の扱い方などについても相当書き込むことになるでしょう。今の学習指導要領との違いという意味では、そのあたりが大きいのではないかと思います。
──中教審の委員の人選というのは誰に任命権があり、通常、どのような形で行われているのでしょうか?
前川 中教審の委員の任命権は文部科学大臣にあるので、最終的に大臣がうんと言わない人は任命されないわけですが、もともと、いろんな教育に関わる世界の人たちをバランスよく集めようという考え方があるので、小学校の関係者、中学校の関係者、高等学校の関係者、大学の関係者、社会教育の関係者というような教育関係者は一通り揃っていないと中教審にならないよね……という、一種の「相場感」は存在するわけです。
 そういう人たちの存在がある意味、安定性の担保になっている。
 ただし、そこに、いわゆる「政治任用」みたいな人が入ってくるわけです。特に下村博文元大臣は任命権をフル活用しましたから、「この学者はこんなこと言っているから外せ」とか「その代わりこの人を入れろ」とか……。まあ、言ってみれば「思想調査」みたいなことをずいぶんしました。確か、2013年の中教審で櫻井よしこさんが委員になられたのだと思うのですが、あれなんかはまさに政治任用そのものですよね。
──現行の「現代社会」と新科目の「公共」の違いは?
前川 表向きの議論としては、「現代社会」は、ただ現代社会を認識するための教科で、「公共」はより積極的に、この社会の形成者として新しい社会の形成に能動的に関わっていくという、そういう態度を養うんだ――みたいな説明になっているんじゃないかと思います。
 一方、具体的な内容の変化という意味では、先ほどもお話ししたように、ある程度「政治」の側からの声を反映せざるを得ない部分もあって、例えば、領土については政府の見解をそのまま書くべし……というのがあって、これも、本当は問題がありますよね。
「竹島は日本固有の領土だ」って書くのか、「日本政府は竹島が日本固有の領土だと主張している。その理由はこうだ」と書くのでは、当然、大きな違いがあるわけですが、新しい高校の学習指導要領では、「竹島は日本固有の領土だって教科書に書け」と言っている。
 現実問題として、そういう「政治の言うことを聞きましたよ」という部分を見せて、権力を持っている人たちが「うん、わかった。それでいい」というような形に持っていかなきゃいけない部分というのは、残念ながらあるわけです。
 でも、一方で、教育の現場に対して、そういう政治の「単細胞的な議論」をそのまま押し付けたらまずいという気持ちも文部官僚は持っていますし、中教審のまっとうな先生たちだって、大半はそう思っている。だから、中身としては、できるだけまっとうな形に、しかも新しい時代にマッチした「新時代性」みたいなものも追求しながら、教育の現場に下ろしていこうという気持ちはあると思うんですよね。
──とはいえ、今、お話に出た領土問題などは、両者がそれぞれの言い分を持って対立している問題ですから、お互いが一方的に自分たちの立場の正当性を主張し続けている限り、絶対に解決しません。話し合いで解決しようとすれば、当然、相手の言い分も聞かなければならないはずです。
 学校教育の場において「わが国の主張はこうであるけれども、それと異なる主張をしている国もある」と言うのではなく、「わが国の主張が正しいのだ」という形に変えることは「立場の違いを話し合って議論する」という前提を教育が否定することになりませんか?
前川 まったくその通りだと思います。
れは領土問題に限らず、歴史認識だってそうですね。社会科系の教科にはそういう問題があちこちに出てくるわけですが、そこで政府見解をそのまま教えなさい……なんて、これはもう全体主義国家の始まりです。
 だから「竹島は日本固有の領土だ! はい、おしまい!」っていうような、そういう教え方をしちゃいけないんです。仮に教科書にそう書いてあったとしても「教科書にはこう書いてあるけれども、韓国政府はこう言っている」というように、対立する考え方を提示して批判的に思考するっていう、そういう態度を養うというのが大事なのであって、今、政治の世界で起きている様々な問題を見てもわかる通り、権力者や権威ある人から言われたことを、そのまま鵜呑みにするような、そういう人間ばかりになったら民主主義なんて機能しません。
 そうやって「自分で考える」力を持った人を育てることが、本来のあるべき「主権者教育」なのであって、「これはこうである」っていう一方的な考え方を刷り込むような教育は、僕に言わせれば教育じゃない。
 ところが、領土問題だけじゃなく、歴史認識なんかも「教科書に政府の見解だけを書け」というふうに教科書検定基準を変えてしまったんですね。ただし、文科省が作る「学習指導要領解説」という、現場の先生に向けた「学習指導要領」の解説書があって、そこにちゃんと「一方的な考え方を押し付けてはいけない」とか「考えて議論するということが必要だ」という、文科省のホンネ、あるいは中教審で議論した内容が書いてある。
 ですから、仮に教科書には「政府見解」だけが載っていたとしても、実際の授業では先生が「他の国はこのように主張しています」と紹介しながら、生徒たちが議論できる余地を残してあるんです。まあ、こんな話をして「今後は教科書だけじゃなく、学習指導要領解説もしっかりチェックしなきゃ」って考える政治家が出てくると困るんですけどね(笑)。
──政治が教育の現場に直接手を突っ込んでくる……という意味では、先日、前川さんご自身が愛知県の公立中学で講演をされた際に、自民党の国会議員が文科省に圧力をかけ、名古屋市教育委員会に講演内容などに関して質問し報告を要請したという事件がありましたよね。
前川 政治が教育に手を突っ込むというのは、大抵、こういうやり方なんですね、要するに「騒ぎ立てる」。今回のように国会議員が騒ぎ立てる場合も多いのですが、怖いのは地方議会ですよ。あと、もっと怖いのが地方自治体の首長です。教育委員会に圧力をかけて「右の教科書」を採用しようとしたりしますからね。
 防府市の松浦正人市長が会長を務める「教育再生首長会議」という団体があるのですが、彼らは教育、特に教科書の採択は教育委員会でも、現場の教員でもなく、選挙で選ばれた自分たちが決めるべきだと主張しています。「新しい歴史教科書をつくる会」から分派した団体で、安倍首相直属の諮問機関「教育再生実行会議」の有識者委員でもある八木秀次・麗澤大学教授が理事長を務める「日本教育再生機構」とともに、育鵬社の教科書採択を広める活動を積極的に展開しています。
 また、現場の先生が領土問題や歴史認識について「いや、韓国政府はこういうことを言っているよ」みたいなことを言うと、県議会議員や市議会議員などの地方議員が「これは反日教育だ」と言って騒ぎ立てるというのもよくあります。そうやって、地方政治家が騒ぎ立てたり、あるいはPTAの役員がなんか文句を言ったり……と、「偉い人」が騒ぐと、学校側としては騒がれたくないので、それなりに萎縮効果がありますからね。
 その点、今回の名古屋の中学校の件では、文科省の態度と市教委の態度との違いが際立っていましたね。文科省が一部の右翼的な政治家の圧力に屈して、教育現場への不当な介入とも言える動きをしたのに対し、市教委はそれを学校現場まで及ぼさないよう対応した。名古屋市教委の振る舞いは立派だったですよ。
──ちなみに、そうした「地方自治体の首長」や「地方議会」、あるいは「市民運動」の形で騒ぎ立てて、国政に影響を与えてゆこう……という手法は、保守系の政治団体「日本会議」が改憲運動などで行っている戦略とよく似ている気がします。
前川 似ているというか「そのもの」ですね。実際、国の形を教育から変えていきたいという勢力は、政治の世界でどんどん強まっている。おそらく日本会議に参加しているような人たちなんだけど、近年になって、こうした動きがはっきり出てきた。ただし、これって、本を正せば、これは戦後ずっとくすぶっていた問題でもあると思うんです。
 つまり、日本という国も国民もあの戦争をきちんと清算していない。清算しないまま戦前的なものを残したまま戦後を始めてしまったから、きちんと害虫駆除していないんですよ。「害虫」という表現が強すぎるなら、日本を悲惨な戦火で焼き尽くした、その「火」をきちんと消し切らなかったために、その「残り火」が戦後70年を経て、今また、一気に燃え広がり始めている状態とでも言えばいいのかな。
 例えば学校で「道徳」の時間が始まったのは、「安倍首相のおじいさん」である岸信介内閣のときで、1958年から週1回の「道徳」の時間が始まっていますけれども。あれも松永東(とう)という文部大臣の鶴の一声によって、学習指導要領の後づけで作ったもので、その背景には戦前の「修身」の復活という、右派政治家の執念みたいなものがあったわけですね。それが、この4月から始まった「道徳の教科化」へとつながっている。


前川喜平さんロングインタビュー2 「公教育」は国家の繁栄ではなく「一人ひとりの幸せ」のためにある 「大人への学び」の最終段階で問われる高校生・主権者教育の意味と重み
 2020年度から導入される予定の新しい「高等学校学習指導要領」では、18歳選挙権や成人年齢の引き下げに合わせた「主権者教育」が重要なポイントになると言われている。
 国民全体の政治への関心が低く……あるいは、関心はあっても「選挙では何も変わらない」という、一種の諦観が広がりつつあるこの国で「大人の入り口」に立つ高校生が、「一人の主権者」としての自覚を持ち、政治を主体的に「自分の問題」として捉えることは、民主主義の未来を支える重要な鍵となるはずだ。前文部科学省事務次官の前川喜平氏が語る、「主権者教育」の意味と重み、そして「公教育」本来の目的とは。
──2020年度から導入される高等学校の新たな学習指導要領では「主権者教育」にも重点が置かれていると言われています。そうした狙いが具体的な学習内容にはどのような形で表れているのでしょうか?
前川 今回の高等学校の学習指導要領の特に社会科系は大幅に変わります。「歴史総合」「地理総合」「公共」というのは、いわば主権者教育3点セットと言っていい。
 ここにも、「ロングインタビュー1」でお話しした「政治からの圧力」と、それを逆手に取った文部科学省(以下、文科省)側のホンネという、ある意味相反する側面があって、例えば「歴史総合」は、「日本史を必須にしろ」という政治からの圧力に「わかりました、日本史やります。わかりました、やります」と応えた形をとりながら、実際には世界史と抱き合わせで、しかも、近現代を中心にしています。
 そうやって、世界史の中に日本を相対化して見ていく。しかも、近現代で現代につながっているところをきっちり勉強する。16世紀ぐらいからあと、特に18世紀あたりからあとをしっかりと勉強する。産業革命や民主主義革命や、あるいは帝国主義や世界大戦といったものをしっかり学ぶことで、人類がいかにして人権とか平和とか民主主義というものを勝ち取ってきたか、あるいは、まだどこが不十分なのかという視点を持つ大きな助けにもなる。
 そういう世界史の中に日本史を学ぶ、しかも今の現代につながっている部分、どうやって現代につながってきているかをしっかりと認識するというのはものすごく大事で、私は「歴史総合」が主権者教育のベースをなすような教科になると思っているんです。
 例えば「ワイマール憲法」という当時では世界で最も民主的な憲法の中から、なぜヒトラーのような独裁者が生まれたのか? こういう愚かなことを日本人だって繰り返さないとは限らないよという、そのことを学ぶってものすごく大事だと思うんです。
 それから地理もそうですね。日本地理、世界地理じゃなくて、「地理総合」で世界地理の中の日本地理を学ぶということで、例えば地球大の問題、食料問題、エネルギーの問題、気候変動の問題、こういったものを全体として見る視野ができてくる。
 そうした歴史や地理に関する、視野の広い理解をベースに「公共」という教科の中で自らその社会を形成していく、社会の形成者としての資質をつくっていくというのは、ものすごく大事だと思っていて、これは本当にうまくこの教科を使っていただければ、本当にいい主権者教育ができるんじゃないかと思っているんですけれど。一方で、政治の側にはそういう「目覚めた主権者」は困ると言う人もいるわけです。
 その人たちはむしろ、目覚めさせないような主権者教育がしたいので、いろいろ、あれしちゃいけない、これしちゃいけないという規制をかけるわけですね。それが2015年に文科省が出した通知に表れているんですけれどもね。これは18歳選挙権が施行される前、2015年の10月に、主権者教育に関する通知を出していますけれども、その通知で文科省は何と言っているかというと、いろいろと生徒にも先生にも制限を加えています。
 例えば、生徒に対してはまず「学校の中では政治活動をするな」と。それどころか「学校の外」でも学校が規制できると言っているわけです。僕なんかは「ホントかよ?」と思うんですけどね。だって、高校生には基本的人権があって表現の自由も言論の自由もあるわけじゃないですか。
 もちろん、学校の中には一応「施設管理権」があるので、ある程度「ここではこういうことをしないこと」というのがあるのは、仕方ないかもしれないけれど。それでも教育の場だっていうことを考えるのであれば、生徒が主体的に考えたことを表現するって、これは最大限に保障するべきですよ。
 ほかの生徒の迷惑になるような方法だったら、一定の規制をかけたらいいとは思うけれど、例えば校庭のどこかで「僕はこう思うんだ」っていうような演説をしていたっていいと思うし、ビラを配ったっていいと思う。学校の中での政治活動というのは、むしろ容認どころか、促進してもいいぐらいだと思うんですよね。
 ところが、文科省の通知は、まず教育課程内での政治活動はいっさい禁止。つまり、例えば総合的な時間とか、特別活動の時間に「9条改正反対の署名、みんなやってくれ」というようなことを言ったらダメというわけですね。
 それどころか、教育課程外であっても学校の中では規制をしなさいと言っています。さらには、学校の外で行う政治活動についても届け出制にして構わないとかね。そうやって非常に過度に高校生の政治活動を制限しようとしている。 
 もちろん、教員に対しても「自分の政治的見解を言うな」と言っているんですね。それだけじゃなくて「不用意に影響を与えるな」とも言っています。でも「不用意に影響を与える」って何ですか? 例えば、先生が胸に「9」っていうバッジを付けているだけでも不用意な影響を与えることになるのか? これって非常に萎縮効果があると思うんです。
 本当はそんなに気にしないで、客観的に「こういう意見がある。こういう意見もある。君たちはどう考えるか、議論しましょう」と。これでいいんですよ。もちろん「こういう意見」の中には必ず、先生自身の意見だってあるはずですし、そもそも、自分の政治的見解も持っていないような教員には主権者教育などできません。
 ちなみに、こうした文科省の姿勢に日本弁護士連合会が批判的な意見書を出しています。その意見書を読むと、ドイツのことが書いてあるんだけど、ドイツには「ボイステルバッハ・コンセンサス」というのがあると言うんですね。
 この「ボイステルバッハ・コンセンサス」というのは1970年代に、政治教育のあり方について学者が集まって、一定のガイドラインを作ったんですが、そのガイドラインでは、もちろん、教師は自分の政治的見解を述べて良いということになっている。
 ただし、自分の見解だけではなくて、それに反対する見解も同様にきちんと説明して、生徒の自主的な判断に委ねることが大事なんですよと。そういう政治教育についてのあり方、考え方というものを当事者の中で議論して決めた。国が決めたんじゃなくてね、学者たちが集まって決めたコンセンサスなんですよね。これ、1976年ですから、もう40年前の話なんですが、このあたりにも、やっぱりドイツと日本の違いを感じます。
──それは二つの国の「戦後の後始末の仕方」の違いに始まっているんでしょうね。
前川 そうそう。つまり害虫の巣を残しちゃった国と、完全に駆除した、あるいは、それを常に駆除し続けなきゃいけないと思っている人たちとの違い。
 それだけの痛恨の歴史を持っている国。ワイマール憲法がヒトラーを生み、ヒトラーがホロコーストをしでかして、とんでもない戦争で何千万人もの人を殺したと。そういうとんでもないことを、しかしそれに迎合し支持した国民がいたという……。それだけシビアな歴史観、民主主義観というのが常に彼らの中にはあって、その運用をいかに間違えないかということに対する意識が、常に一定のブレーキというか、必ず考えなければいけないプロセスとして残っているということなんですね。
──18歳選挙権や成人年齢の引き下げに伴って「主権者教育」の重要性を訴える一方で、民主主義の基礎を支える「異なる様々な意見に耳を傾け」「自分で考える」力を身に着けた、前川さんの表現を借りれば「目覚めた主権者」は困る……というのでは、まるで、一人ひとりの主権者を「自分たちに都合のいい一票」としか見ていないように感じます。
前川 最近の「公文書問題」などを見ても象徴的ですが、現実には「民はよらしむべし。知らしむべからず」みたいな社会に戻ろうとしていますよね。とにかく、真実を国民に伝えないようにしようと。その一方で、他国の脅威とか、ヘイトのような国民のネガティブな感情に訴えて、支持を勝ち取ろうという、ポピュリズム的な政治手法です。
 基本的に、国民はバカだと思っているんですよ。だませると、最後までだまし通せると思っている。まあ、ここにきて国民も少し「あんまりバカにすんなよ」っていう感じになっていると思いますが、とにかく嘘も100回つけば真実になるみたいな話ですよね。そうやって、「そんなはずないじゃありませんか」と言ったら、「そうか、そんなはずないのか」って思っちゃう。大きな声で断定的に繰り返し言うと、みんなそれを信じちゃうっていう。これはヒトラーの手法ですが、最近の日本でもそれがまかり通ってきた。
 僕自身、日本国民はもういっぺん戦争があってとんでもない目に遭わないと目覚めないのではないかという、極めて悲観的な思いに囚われることがときどきあるんですよ。
 だけど、そうじゃないはずだと。今のドイツ国民だって、過去の歴史を学んで今の民主主義を守ろうとしているんだから、日本国民だって世界の歴史を学べばいいんだと。日本の歴史だって学ぶものがあるだろうけど、ドイツの歴史も日本人が学べばいいんでね。
 ワイマール憲法からヒトラーが生まれてきた過程。全権委任法みたいな、反憲法的法律がまかり通っちゃったっていう。そうやって憲法が憲法の役割を果たさなくなってしまう、立憲主義がないがしろにされていくという過程があったわけですね。
 学びの中からそういう視点を得ることで「それ、今、日本で起こっていることじゃない?」っていう気づきにつながる。そうやって過去を学ぶことから現在をちゃんと見ることができるという意味で、高等学校の新しい学習指導要領に盛り込まれた「歴史総合」は非常に大きな意味を持っていると思うんですけどね。
──最後に、公教育とは、そもそも「誰のため」にあるのでしょうか?
前川 私は「一人ひとりの個人が幸せに生きるため」だと思います。公教育というのは、国家の繁栄のためとか、国家を守り抜くためとか、そんなことのためにあるのではなくて、一人ひとりの幸せのためにある。もちろん「幸せである」ためにはまず、平和でなきゃいけないわけで、戦争が起きないようにするということが大事なわけですが、そういう「国民一人ひとりの幸せ」と平和を実現するためには、それを守る政治体制が必要で、それが憲法なんですよね。個人の尊厳というものを守るために国に対して一定の行為を禁じ、あるいは一定の行為を求めるという、そういう枠組みが憲法。
 そして、憲法に記された思想良心の自由を侵すなとか、あるいは生存権を守れ、保障しろと。人を平等に扱えとか。そういう個人の、一人ひとりの幸せのために国はあるという考え方の先に、国が教育の機会をちゃんと提供するとか、最低限の生活ができる生活保護を出すとかっていう仕組みが成り立っているのが立憲政治だと思うんです。
 自分たちの社会がこういうふうに成り立っている、その究極の目的は一人ひとりが幸せに暮らすことだと憲法13条に書いてある、個人として尊重され、幸福追求権があるっていう、そういう幸せを実現するための仕掛けですよと。ただし、それは自分たちで守っていかないと崩れるよと。そういうことを学ぶ必要があると思うんですね。
 私は38年間ずっと「公教育」に携わる公務員として、公教育の行政や仕組みに携わる者としては、そういう考え方でやってきたんだけど、一方で、そうじゃないということを言う人たちがいるわけでね。「教育は国家のための営みである」と。教育というのは、国が人間を国のために教育するということだと。
 これは、森有礼(もり・ありのり)はそうだったわけですよ。明治18年(1885年)に内閣制度ができて、伊藤博文が初代の総理大臣になって、そのときの初代文部大臣というのが森有礼という人ですね。
 しかし、それ以前の明治になったばかりの頃は違っていた。文部省は明治4年(1871年)からあったけれども、それまでの間の文部省のトップの人は、文部卿といって、明治5年(1872年)に学制発布、それから太政官被仰出書(おおせいだされしょ)というのが出ていますけど。ここに出てくる思想は、国家のための教育じゃないんですよね。むしろ、どちらかというと福沢諭吉の『学問のすすめ』と同じような考え方。
「学問」という言葉は、今はなんか大学や大学の先生の専売特許みたいになっているけど、もともと学問というのは学習とか学びとかという意味で、学問するのは己のためであると。自分がその学問をすることによって、社会で身を立てていく。学問というのは、そのために必要なんだから勉強しなさいというのが『学問のすすめ』の考え方ですが、それと同じことが太政官被仰出書にも書いてあるんですよ。
「おまえら、学問なんかいらないと思っているかもしれないけれども、おまえのためなんだ」と。「勉強すると自分にとっていいことがあるんだぞ」ってね。
──それは、まさに「一人ひとりの幸せ」のための教育ですね。
前川 そうなんです。ところが、明治18年の森有礼のときからガラッと変わっているんです。森有礼は、戦前の国家主義的な教育体制の礎をつくったわけですけれども。小学校令、中学校令、師範学校令、帝国大学令というようなものを矢継ぎ早に制度として整えた。そして、その5年後(明治23年、1890年)には教育勅語が出ているわけですからね。
 そうやって戦前の国家主義的教育の礎を築いたのが森有礼で、さらに、当時の山縣有朋内閣の法制局長官だった井上毅(いのうえ・こわし)、明治天皇の先生(御侍講)であった元田永孚(もとだ・ながざね)らが教育勅語を作った。だから、まあ、そういう考え方が戦争のあともしぶとく残っていて、今また、ジワジワと燃え広がりつつある。でも、公教育は「国」のためではなく、一人ひとりの「個人」のためにあるはずです。ひたすら強いものに付き従うのではなく「自分で考える力」を身に着けた「目覚めた主権者」の存在なしに、本当の民主主義などありえないのですから。


交差点でこたつ 逮捕された京大院生の動機と意外な“素性”
「赤いヘルメット」と「こたつ」の謎が解けた。
 京都市左京区の京都大学吉田キャンパスに隣接する百万遍交差点で今年2月、こたつを置いて座り込み、交通の妨害をしたとして、京大大学院生の上田雅子(31=男)と加藤雅俊(26)両容疑者が23日までに、京都府警に道交法違反(道路における禁止行為)の疑いで逮捕された。
「もしよかったら、こちらの方に来て、一緒に鍋を囲みませんか」
 2月25日の午後5時前、コート姿の男女4人が交差点のド真ん中にこたつを置き、鍋を囲みながら拡声器で通行人にこう呼び掛け、その場に10分以上居座った。ヘルメットをかぶり、拡声器で演説する学生もいた。
「若者が道の中央でこたつに入っている」
 通行人から通報を受けた下鴨署員が移動するよう注意すると、4人はこたつをリヤカーに積み込んで、大学構内に立ち去った。翌26日夜8時ごろにも同じ場所で、「こたつに入っているグループがいる」という通報があったが、署員が駆け付けた時はすでに姿はなく、同一グループかどうかは今のところ明らかになっていない。
 事件当日、男女4人を逮捕できなかったのには理由があった。
「現場は東大路通と今出川通が交わる、共に右左折レーンを含んだ6車線の広い交差点です。もともと交通量が多い上、車の往来が激しい時間帯だった。早急に退去させて、円滑な交通と学生たちの安全性を確保する必要があった。そのため、まずは学生たちを歩道に移動させたのですが、そのまま構内に消えた。警察官はキャンパスに入れないため、詳しい事情を聴くことができなかったのです。その後、現場の目撃情報やドライブレコーダーの映像から容疑者を特定した」(捜査事情通)
 府警によると、動機については現在捜査中とのことだが、ネット上では京大OBの作家、森見登美彦氏の長編小説でアニメ映画にもなった「夜は短し歩けよ乙女」をマネしたのではと、話題になっている。それは、こたつで大学構内をうろつく神出鬼没な「韋駄天コタツ」と呼ばれるキャラクターのことで、物語の舞台は京都。一部の学生は、昔からこの「韋駄天コタツ」を構内でやっているという。
■見た目と名前が女性
 逮捕された上田雅子容疑者は「見た目」と「名前」は女だが、性別はれっきとした男だ。今年9月の退去通知が出た築105年、日本最古の学生寮「吉田寮」に住んでいる。
 本人のものとみられるSNSではミニスカートをはき、「吉田寮で見つけた」という赤いヘルメットをかぶり、ピースする写真がアップされ、「予防拘禁という言葉は微妙なエロスを感じさせる」「男を縄で後ろ手に縛り、鞭打ちの拷問を加える自分の姿を想像すると、たまらなく心地好い」といった書き込みが……。
 さらに「私は過去に警察に捕まったことはないのだが、他人に逮捕されたことはありますか? と聞かれることがある」「私は後ろから武装した男に追いかけられ、逃げる途中で金縛りで動けなくなる夢を暫し見る。何の暗示だろうか?」とあった。
 相当な妄想癖と変わった性癖の持ち主のようだ。

今日もオカモリ繁盛/論外!とか言うのダメ

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Fig96

Un train à grande vitesse sur le thème Hello Kitty au Japon
Un shinkanzen (train à grande vitesse) sur le thème félin et très kawaii de Hello Kitty circulera dès le 30 juin au Japon.
De couleur rose, ce train spécial de la West Japan Railway Co. est décoré de rubans représentants la "connexion" et "le lien" entre les passagers et les régions de l'ouest du Japon, destinations dont il fait la promotion.
Deux wagons comporteront une déco ponctuée de coeurs, de bulles et d'affichages promotionnels pour les destinations de Shimane, Tottori,Osaka, Hyogo, Okayama, Hiroshima, Yamaguchi et Fukuoka.
Un espace de vente de marchandises Hello Kitty proposera par ailleurs des sucreries, des boissons, des montres ou encore les films de la franchises. Les passagers pourront se faire tirer le portrait aux cotés d'une mascotte Hello Kitty grandeur nature.
Ce train rejoint la myriade d'avions, chambres d'hotel, cafés et restaurants dédiés au petit félin, qui a notamment séduit la compagnie aérienne EVA Air.
JR West a publié des images de l'intérieur du train, ainsi que les horaires du Shinkansen Hello Kitty. À partir du 30 juin, il effectuera la liaison vers Hakata et Shin-Osaka.
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やいちゃん @picoyai
「とつきぶりに会いまして、それはうれしかったですよ、わたしたち相思相愛ですから。あ、相思相愛でよかったな」
「おとうさんと結婚できてよかったです。幸せです〜」
ラブラブな籠池夫妻。お元気そうでよかった。


今日もオカモリ繁盛です.8時近くまででクタクタ.
論外!と言って不快だというのを聞いていましたが,同じようなことを言うのもダメです.注意しました.

<気仙沼向洋高>旧校舎南側の市有地、にぎわい創出へパークゴルフ場 地元建設会社が整備計画
 宮城県気仙沼市が震災遺構とする気仙沼向洋高旧校舎の南側市有地に、市内の建設会社「小野良組」がパークゴルフ場の建設を計画していることが24日、分かった。同社の創立100周年記念事業として整備し、市に寄付する予定。早ければ2020年の完成を目指す。
 市役所であった会合で、同社が市や地元の階上地区の住民団体、市内の競技団体の関係者に示した。
 計画では、元グラウンドを活用し、約3万平方メートルに36ホールの国際パークゴルフ協会公認コースを造る。駐車場やトイレ、遊具を備えた広場も設ける。小泉進社長は「震災で社が撤去したがれきを受け入れてもらった階上地区に、恩返ししたい」と述べた。
 旧校舎は市が震災遺構として保存し、19年3月に公開する予定。パークゴルフ場整備を求める要望が以前からあり、遺構への来訪者が増え相乗効果が期待できることなどから、市は計画の受け入れを前向きに検討する考えを示した。
 住民の間には、農薬による漁業への影響や、遺構の隣接地に娯楽施設ができることを懸念する声があるという。階上地区まちづくり協議会の佐藤俊章会長は「にぎわい創出につながる施設。地元に持ち帰り話し合う」と語った。


防潮堤ミス 県に要望書提出へ
県のミスで計画より高く整備された防潮堤を「修正しない」とする県の方針をめぐり、気仙沼市の菅原市長は25日、住民との合意を尊重するよう求める要望書を県側に提出する考えを明らかにしました。
気仙沼市魚町地区の防潮堤が県のミスで計画より22センチ高く整備された問題をめぐっては、村井知事が誤った高さを修正しない方針を示し、住民から強い反発の声があがっています。
この問題について25日、気仙沼市議会で説明会が開かれ、まず市の担当者が県のミスの内容や住民との話し合いの経緯などを報告しました。
出席した議員からは、「市として正式に要望書を県に出すべきではないか」などという意見が出されました。
これを受けて菅原市長は、県の方針は住民との議論の結果を踏みにじるものだとして、住民合意に基づいて工事を進めることを求める要望書を知事と県議会議長宛てに提出する考えを明らかにしました。
説明会のあと菅原市長は、「要望書は可能なら直接知事に手渡しさせていただきたいと思う。なるべく速やかに提出できるよう調整したい」と述べました。
一方、説明会のあと市議会議員も会合を開き、市議会としても県に対して市と同じ趣旨の要望書を出すことを決めました。


<311次世代塾>第2期 第2回講座「弔いの記録伝えたい」受講生100人、遺体収容や埋葬先視察
 東日本大震災の伝承と防災の担い手育成を目的に河北新報社などが開く通年講座「311『伝える/備える』次世代塾」第2期の第2回講座は19日、仙台、東松島両市などを訪れた。多数の遺体と向き合った弔いの現場を視察した大学生ら受講生約100人は「犠牲者の尊厳に心を配って弔いに奔走した人たちの記録を未来に伝えていきたい」と決意を新たにした。
 宮城県利府町では、遺体安置所となった県総合運動公園(グランディ21)の県総合体育館を訪問。仙台市の葬祭業「清月記」の西村恒吉業務部長(45)は、床に多くの棺が並ぶ写真を前に「想像を絶する遺体の数に衝撃を受けた。手厚く弔えない状況に戸惑いと葛藤を感じた」と打ち明けた。
 同社は石巻市で仮埋葬とその後の遺体の掘り起こしも担った。土中で棺と遺体の状態は悪化し、葬送のプロでさえ身が震える光景だったという。西村さんは「職業意識を持って臨んだ。遺体の尊厳を保ち、遺族が納得できる弔いとは何か自問自答した」と証言した。
 宮城県では6市町で2108体が仮埋葬された。東松島市大塩地区の仮埋葬跡地では、市防災課の佐々木寿晴課長(55)が、自衛隊が埋葬に携わった当時の様子を説明。「東松島市では380体が仮埋葬された。痕跡はなくなっても、震災の記憶は伝えていかなければならない」と話した。
 同市野蒜地区の復興祈念公園で慰霊碑と市震災復興伝承館も訪れた。津波の高さと同じ3.7メートルに造られたモニュメントや犠牲者の名前が並ぶ芳名板にそっと手を触れる受講生もいた。
 仙台市若林区の深沼海岸と、市が震災遺構として保存整備した旧荒浜小も視察。4階建ての2階まで浸水し、曲がったベランダなどが津波の威力を伝える校舎を見学した。荒浜の街並みを再現した模型も見学した受講生は震災前の地域の暮らしに思いをはせた。
 津波で被災しながらも、遺体安置所や火葬場を奔走した宮城野区蒲生の専能寺では足利一之(もとゆき)住職(51)が講話した。足利さんは「地区住民の犠牲は75人。7年たった今も2人が行方不明のまま。遺骨が別々の場所で見つかることもある。家族の苦悩と悲しみは続いている」と声を詰まらせた。
 視察後、仙台市宮城野区の東北福祉大仙台駅東口キャンパスで行ったグループ討議では「遺体の尊厳を保つのが難しい中で献身的に弔おうとした人がいたことを伝えたい」「犠牲になった人は皆、かけがえのない命だった。震災の教訓を風化させてはいけない」などと伝承の必要性を訴えた。
◎受講者の声
<仕事の覚悟学ぶ>
 犠牲の現場の講話から、職責を担う覚悟と「まさかは現実に起こりうる」と備えることの大切さを学びました。つらい記憶を話してくれた講師に感謝し、震災を忘れず次の世代に伝えたいと思いました。(仙台市若林区・東北福祉大3年・鈴木亜実さん・20歳)
<現状 自分の目で>
 仙台市若林区の旧荒浜小や東松島市を初めて訪れました。現地の様子は写真とは全然違い、多くの人が犠牲になった被害の大きさを実感しました。被災地の現状を自分の目で見る必要があると思いました。(埼玉県川越市・明治大4年・落合美紅さん・21歳)
<専門家も戸惑う>
 仮埋葬という措置は、葬儀の専門家でも戸惑い、葛藤を抱く大変な状況だったことが分かりました。多くの犠牲者の葬送に携わった住職の話から、災害時に支え合うには日頃の交流が大切だと学びました。(仙台市青葉区・東北工大2年・八重柏紀之さん・20歳)
[メモ]311「伝える/備える」次世代塾を運営する「311次世代塾推進協議会」の構成団体は次の通り。河北新報社、東北福祉大、仙台市、東北大、宮城教育大、東北学院大、東北工業大、宮城学院女子大、尚絅学院大、仙台白百合女子大、学都仙台コンソーシアム、日本損害保険協会、みちのく創生支援機構。事務局は河北新報社防災・教育室=メールjisedai@po.kahoku.co.jp


石巻 旧北上川の堤防に遊歩道
石巻市中心部を流れる旧北上川に、遊歩道のついた堤防が一部完成し、25日、地域住民を招いてお披露目式が開かれました。
石巻市中心部を流れる旧北上川では、震災の津波が川をさかのぼってあふれ、周辺の住宅や商店が大きな被害を受けました。
国と市は新たに建設する高さ4メートルほどの堤防の上ににぎわい作りの拠点となる遊歩道の整備を進めていて、これまでにおよそ100メートルの区画が完成しました。
式典でははじめに石巻市の担当者が、「石巻らしいまちづくりの第一歩を踏み出せた。住民の方々に有効活用していただきたい」とあいさつしました。
そしてテープカットを行ったあと地域の住民が堤防を歩き、整備された遊歩道のベンチに腰をかけたり川の眺めを楽しんだりしていました。
近所の災害公営住宅に住む40代の男性は、「やっと完成しました。住民みんなで使える場所にしたい。ほかの場所から来た人にも石巻の復興を感じてほしい」と話していました。
国と市はこうした遊歩道を整備するほか、津波や高潮の対策として旧北上川の河口付近およそ15キロを堤防で囲む工事を進めていて2020年度内にすべての事業を終える計画です。


ハマヒルガオ、輝く生命力 被災した閖上の海岸に淡いピンクの花
 東日本大震災で被災した名取市閖上の海岸に、ハマヒルガオが咲き始めた。防潮堤の工事が進む海岸の所々に群生し、淡いピンクの花が訪れる人を楽しませている。
 24日昼前、建築業者の橋浦英二さん(66)、みえ子さん(64)夫婦が砂浜を散策していた。津波で自宅を失い、名取市の仮設住宅から先月、閖上の災害公営住宅に移ったばかりという。
 震災後、年々増える群生地を眺めながら、英二さんは「砂浜の植物の成長が楽しみ。花々の生命力を感じてうれしくなる」と笑顔を見せた。ハマヒルガオは6月中ごろまで楽しめるという。


福島・大熊で町役場新庁舎着工「復興の象徴に」 来年度開庁へ
 東京電力福島第1原発事故で全町避難する福島県大熊町の大川原地区に新設する町役場新庁舎の安全祈願祭が24日、現地であった。放射線量が比較的低い居住制限区域の同地区の避難指示解除に向け、2019年4月の開庁を目指す。
 いずれも地上2階の庁舎棟(鉄骨造)と災害対策機能棟(鉄筋コンクリート造)を建設する。延べ床面積は計5457平方メートルで、総事業費は27億4000万円。
 庁舎棟は町長室や窓口機能、議場のほか、町民の交流スペースとしても利用できる大会議室「おおくまホール」を設ける。内装は周囲の自然に調和するよう木目調のデザインにする。
 災害対策機能棟には食料や水を保管する備蓄倉庫、会議室などを配置する。
 安全祈願祭で渡辺利綱町長は「原発事故から7年2カ月の歳月を経て、ようやくスタート地点に立てた。新庁舎が復興のシンボルとして、町政の中核を担うとともに、町民の憩いの場ともなることを期待する」と話した。
 町は今後、周辺に災害公営住宅や交流施設、商業施設などを順次整備する。


<内陸地震10年>教訓学ぶ小学生向け復興ツアー、一関市が参加呼び掛け 6月16日実施
 2008年の岩手・宮城内陸地震から6月14日で丸10年となるのを前に、防災訓練や復興ツアーを実施する岩手県一関市が広く参加を呼び掛けている。当日は市内の学校や事業所に加え、各家庭でも自発的に防災訓練を実施するよう促す。
 地震が発生した午前8時43分に合わせて市は、安全を確保する行動を取るよう防災行政無線やFMラジオで呼び掛ける。
 6月16日に実施する復興ツアーは小学生と保護者が対象。地震の揺れで崩落し震災遺構として保存されている旧祭畤大橋、磐井川をせき止めた地滑り現場などをバスで巡り、被災者の体験談を聞く。
 ツアーは午前9時〜午後3時20分。定員は25組50人程度。5月25日〜6月12日に参加を受け付ける。連絡先は市治水河川課0191(21)2111内線8551。


レトロな雰囲気で一杯いかが あすから仙台横丁フェス
 仙台市内の横町のレトロな雰囲気を再現して酒や料理を楽しんでもらおうと、「仙台横丁フェス2018」(実行委員会主催)が26、27の両日、仙台市青葉区の勾当台公園市民広場で初めて開かれる。各横町の人気店などが出店し、赤ちょうちんや畳敷きの客席を用意して気分を盛り上げる。
 最近は若者や女性にも人気の壱弐参(いろは)横丁や文化横丁、東一市場、仙台浅草などから計約20の飲食店や屋台が参加。串焼きなどの定番メニューをはじめ和食、中華、タイ・インド料理など約130種類の食べ物を提供する。飲み物はワインに日本酒、ビール、ハイボールなど約30種類を取りそろえる。
 実行委の担当者は「赤ちょうちんの下、みんなで盛り上がり、見知らぬ人同士が知り合いになる。それこそが横町の醍醐味(だいごみ)。イベントをきっかけに仙台の横町を周遊する人が増えてほしい」と呼び掛ける。
 26日は午前11時〜午後9時、27日は午後7時まで。入場無料だが、ドリンク用のグラス代300円を負担する。飲食物は有料で平均価格は500円前後の見込み。連絡先は実行委022(714)8321。


被災者支援法/生活再建優先の見直しを
 自然災害の被災者に最大300万円を支給する「被災者生活再建支援法」は公布から20年を迎えた。
 阪神・淡路大震災で被災者への公的支援を求める市民運動が展開されたことを受け、1998年5月に議員立法で成立した。これまで72の災害で約25万8800世帯に計4352億円が支給された。災害が相次ぐこの国で、個人の生活再建を支えるのに、なくてはならない法制度となっている。
 しかし、課題は残る。災害の規模や居住地によって支援に差がある▽半壊以下の被害では対象にすらならない▽財源が足りない−といった不備が指摘される。制度を維持し、多様な被災の実態に対応していくため、抜本的な見直しが必要だ。
 全国の被災地の声を受けた2004年、07年の2度の法改正では、支給額の引き上げ、使途制限や年齢・年収要件の撤廃などで使い勝手が大幅に改善された。国の制度から漏れる被災者のため、独自の支援策を設ける自治体も増えた。
 だが、東日本大震災と福島第1原発事故では、住まいの被害を免れても、生業や仕事を失い、家族と離れて長期の避難を余儀なくされた人も多かった。現行制度は住宅の被害認定が基準となるため、生活基盤に深刻なダメージを受けても支援の対象にならないケースが生じた。
 近年頻発する竜巻やゲリラ豪雨など局地的な災害では、市町村単位で一定数の住宅被害が出なければ法が適用されないなどの問題点がある。
 支援法は、07年の再改正時に4年後をめどに見直しを検討する付帯決議があるが具体化していない。一人一人の被災実態を把握し、支援金の増額や対象の拡大など生活再建に直結する仕組みに改める必要がある。
 南海トラフ巨大地震に備え、財源不足への懸念が高まっている。だが、東日本大震災で支給された支援金は約3500億円で、復興財源25兆円の1・4%にすぎない。予算配分を見直し、国が責任を持って被災者を支える姿勢を示すべきだ。
 復興の最優先課題は被災者の生活再建である。国は明確なメッセージを発し、国民の合意形成に力を尽くさねばならない。


医学部定員減へ/医師偏在の解決が先決では
 厚生労働省が全国の大学医学部の定員を削減する方向性を打ち出した。医療従事者の需給に関する検討会の専門部会が2022年以降、定員を削減する方針を承認した。
 医学部定員は06年にそれまでの抑制策から増加策に転じた。その後も地域の医師確保の観点から定員の増加を図ってきた。しかし、東北地方をはじめとして、地方の医師不足の問題は、なお解消には程遠いのが現状だ。
 削減を議論する前に、地域医療を充実させる具体的かつ実効性のある方策を実現に移すのが先決ではないか。医師の地域的な偏在だけでなく、診療科における偏在の問題も残されたままだ。
 地方の医師不足の解消に向けては、国会に医療法などの改正案が提出されている。定員削減を巡る検討は、改正案の成立の後、その実効性が実際に確保されてからでも遅くはない。地域医療に不安を与えるような性急な削減は避けるべきだろう。
 厚労省の推計によると、全国の医学部の定員が現状の約9400人のまま維持されると、28〜33年には需給が均衡し、医師不足は解消すると見られる。その後は需給が逆転するため、卒業が28年以降となる22年の入学者から削減する必要があるという。
 確かに、医学部学生の定数は、緊急医師確保対策や学部の新設などで約10年前より1800人近く増えた。近い将来、医師不足が解消するという厚労省の推計は間違っているとは言えない。
 ただ、医師の総数が充足したからと言って、地域間での医師の偏在が容易に解消されるわけではない。現に、厚労省は「医学部の定員が抑制から増加に転じて以降、むしろ地域間での格差が広がっており、その解消が急務」と分析している。
 厚労省のアンケートによると、医師の44%が地方で勤務する意思があると回答。それにもかかわらず、実際には勤務に結びついていない。理由は労働環境や仕事内容の過酷さ、子どもの教育に関する不安などだ。
 改正案は、医師確保のための都道府県の体制強化を中心に、研修病院の指定権限の国から地方への移譲、入学者の地域枠を設定するよう要請する権限の創設など、多様な対策を盛り込んだ。
 目新しいのは、医師不足に悩む地域で一定期間、勤務した医師を「社会貢献医」として認定し、各種の優遇策の対象とする制度の導入だ。効果については賛否があるが、地域医療への貢献の動機付けになり得る新たな制度と言っていいのではないか。
 医師不足に悩む地域の住民はこれまで長い間、都市住民に比べると、健康面での不利益を受けてきた。地域医療に従事する医師など医療従事者の不安を解消し、医療を充実させるさまざまな対策をまずは実行したい。


森友と日報 国政の根幹揺るがす背信
 政府はどこまで国会と国民を愚弄(ぐろう)するのか。許せない、あきれた、情けない−。さまざまな思いが渦巻く。これは、もはや「民主主義の危機」と言っても過言ではないのではないか。
 国民の共有財産である公文書を隠蔽(いんぺい)、改ざん、廃棄することで、政府は一体何を国民の目から遠ざけようとしたのだろう。全てを明らかにしない限り、国民の信頼は戻らない。
 ●答弁後廃棄の不実
 国政に対する不信感が極まるような出来事が、まるで示し合わせたかのように同じ日に重なった。
 学校法人「森友学園」への国有地売却を巡り財務省が「廃棄した」と説明していた交渉記録の国会提出と、陸上自衛隊イラク派遣部隊の日報隠蔽に関する防衛省の調査結果公表である。
 財務省が提出した交渉記録は約960ページに及ぶ。他に改ざん前の決裁文書約3千ページ、「本省相談メモ」と題する資料を提出した。
 どうして疑惑発覚から1年3カ月もかかったのか。「捜したら見つかった」では済まされない。
 驚くべき事実も明らかになった。交渉記録について担当の理財局長だった佐川宣寿(のぶひさ)前国税庁長官が昨年2月24日に「廃棄した」と国会答弁した後、理財局は残っていた記録の廃棄を進めたという。
 あぜんとさせられる。公文書管理法が「民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源」と定める公文書を何と心得ているのか。
 財務省は佐川氏の答弁との整合性を図るためと説明する。では、佐川氏はなぜ廃棄したと答弁したのか。公になると困る内容が含まれていたからではないのか。
 それが決裁文書の改ざんで削除された安倍晋三首相の妻昭恵氏や複数の政治家の名前だったことは想像に難くない。交渉記録にも昭恵氏や政治家たちが登場する。
 財務省が敏感に反応したのは昭恵氏の名前だろう。佐川氏答弁の1週間前の2月17日、首相が国会で「私や妻が関係していたということになれば総理大臣も国会議員も辞める」と強弁したからだ。
 交渉記録には、昭恵氏付政府職員だった谷査恵子氏が2015年11月に「総理夫人の知り合いから照会があった」として国有地賃料減免について問い合わせをしてきたことなどが記載されている。
 学園の強引で執拗(しつよう)な値引き要請に苦慮していた財務省近畿財務局の対応が変化し、最終的に8億円もの値引き売却に応じたのは、こうした経緯の後である。
 財務省が決裁文書を改ざんし、交渉記録を廃棄しようとしたのは、昭恵氏が疑惑に関係したと思われる「痕跡」を全て消去しなければ−と焦ったからではないか。
 ●隠蔽体質は根深く
 一方、防衛省は計17人を減給1カ月などの処分とした。組織的背景はなく、担当者同士の意思疎通が十分でないことなどが原因と結論付けた。しかし、これで一件落着とするわけにはいかない。
 イラクの日報も昨年2月の国会で、当時の稲田朋美防衛相が「残っていない」と答弁していた。結果として、この答弁も国会を軽んじたと言われても仕方ない。
 日報には陸自が派遣されたイラク南部サマワについて「英国軍と武装勢力の間で銃撃戦」など緊迫した情勢が記載されている。「非戦闘地域」であるとした政府見解との落差を浮き彫りにした。
 日報についても「公にしたくない」との思惑が防衛省内で働いたことが、隠蔽につながった−との疑念が容易に浮かぶ。
 防衛省は各個人の責任で幕引きを図りたいのだろうが、日報の存在が判明しながら小野寺五典(いつのり)防衛相への報告は遅れに遅れた。稲田氏の日報探索の「指示」が曖昧だったとされることも、文民統制(シビリアンコントロール)の根幹に関わる重大な問題である。
 防衛省と財務省−問題の構図は何から何まで相似形だ。財務省が理財局の責任を強調して幕引きを模索している点も同様である。しかし、両省だけに限定した問題とはいえない。
 加計(かけ)学園の獣医学部新設を巡る首相官邸や内閣府の対応を含め、知られたくないことは国会にも国民にも隠し通そうとするのは安倍政権に共通する体質ではないか。
 「うみを出し切る」と言うなら首相も「参考人や証人は国会が決めること」と逃げずに真相解明の先頭に立つべきだ。麻生太郎財務相の責任を明確にすべきことは改めて言うまでもない。
 民主主義の根幹が揺らぐ深刻な事態である。政府、国会、各政党は一連の疑惑の徹底究明と再発防止へ待ったなしで取り組む時だ。


河北春秋
 「ない」ものを「ある」、「ある」ものを「ない」と言う。責任ある組織の行為なら捏造(ねつぞう)や隠蔽(いんぺい)だ。昨今の不祥事や疑惑の報道でたびたび聞くが、戦時中は日常茶飯事だった▼勇壮な音楽とともに戦果を国民に伝えた「大本営発表」。戦況が悪化すると軍部は事実を伏せ、ないはずの勝利を発表した。都合の悪いことを隠す体質は時代も環境も違う今でも同じなのか▼2004〜06年、イラクに派遣された陸上自衛隊の部隊の日報を巡り、防衛省が「存在しない」と昨年2月の国会で答えながら、先月「見つかった」と発表した問題。400日分余りが公表されたが、内部調査の結果は「組織的隠蔽ではない」▼復興支援が派遣目的だったが、日報には戦闘に巻き込まれかねない状況の記述も。戦闘地域だったと見られれば、国会の論戦や憲法論議に触れるので隠したか−と疑われた。ただ、実態の検証に必要な肝心の部分は見つからなかったという▼「ない」はずのものと言えば、森友学園問題で財務省が「廃棄した」と国会で主張した学園との交渉記録。職員のパソコンなどから「見つかった」と4年分を出した。どちらも問題の発端から1年3カ月後。殻にじっと身を隠し、角を出すカタツムリのようで、昔の大本営発表と同様、政府への信もまた揺らぐ。

[イラク日報調査] 政治の責任が問われる
 陸上自衛隊イラク派遣部隊の日報隠蔽(いんぺい)問題で防衛省が調査結果を公表した。現場の認識不足や担当者同士の意思疎通が十分でなかったことが原因として、組織的隠蔽はなかったと結論づけた。
 小野寺五典防衛相は「シビリアンコントロール(文民統制)にも関わりかねない重大な問題をはらんでいた」として、陸自研究本部(現教育訓練研究本部)の情報公開担当者を減給とするなど計17人を処分した。
 陸自の対応が問われるのは当然だ。その上で、小野寺氏への報告遅れなど、文民統制を揺るがす事態については、政治家側にも招いた責任がある。
 担当者の自覚の欠如に問題を矮小(わいしょう)化してはいないか。情報隠蔽への反省や政治家の責任への言及は物足りなかったと言わざるを得ない。
 イラク日報を巡っては昨年2月、野党議員の資料要求に防衛省が「不存在」と回答し、当時の稲田朋美防衛相も「見つけることはできなかった」と答弁した。
 調査結果は稲田氏が答弁の後に「本当にないのか」と発言したのを「探索指示があった」と認定した上で、指示を履行できなかったことが一連の問題の原因とした。
 だが、稲田氏への聞き取りが行われていないのはおかしい。適切な指示を出したのか、という疑念は置き去りにされたままだ。
 翌3月には、南スーダン国連平和維持活動(PKO)日報隠蔽問題の特別防衛監察の過程で、教訓課でイラク日報が見つかった。しかし、教訓課長は報告の必要がないと認識し、情報公開の担当者と発見の事実を共有せず、上層部への報告もしなかった。
 深刻なのは、南スーダンPKO日報でも問題となった防衛相への報告遅れが繰り返されたことである。陸上幕僚監部への報告は今年1月、小野寺氏には今年の3月末になってからだった。
 防衛省は「精査や再確認を行っていた」と釈明するが、「不都合な事実」こそ直ちに伝えるべきであり、猛省が必要だ。
 同時に、トップの統制が機能していなかった現実を重く受け止めなければならない。
 安全保障関連法の施行で自衛隊の任務は拡大している。実力組織である自衛隊を政治が統制できなければ、民主主義の基本原則は揺らぐ。
 日報は派遣部隊の実情を知り、政策判断を検証する国民共有の重要な文書である。
 小野寺防衛相は、文書の管理と情報公開の重要性を組織内に徹底させてもらいたい。


【イラク日報隠蔽】文民統制の緩みを許すな
 シビリアンコントロール(文民統制)の危機的状況をあらためて危惧する調査結果だ。
 防衛省が不存在としてきた陸上自衛隊イラク派遣部隊の日報が見つかった問題で、防衛省は「組織的な隠蔽(いんぺい)はなかった」と結論付けた。陸自研究本部(現・教育訓練研究本部)など「現場のミス」で幕引きを図る意図が透け、事務次官以下17人も比較的軽い処分にとどめた。
 しかし調査結果は、政治が実力組織を統制できていない現実を浮き彫りにしている。
 イラクの日報を巡っては昨年2月、当時の稲田朋美防衛相が「見つけることはできなかった」と国会答弁した後、統合幕僚監部の幹部に「本当にないのか」と尋ねている。
 統幕幹部らは発言を再捜索の「指示」と認定したが、調査の具体的な実施要領や方針を示さず、結果の確認もしないなど十分に履行しなかった。政治の声が実力組織の末端まで届かなかったわけだ。
 イラクの日報は、南スーダン国連平和維持活動(PKO)の日報隠蔽を巡る特別防衛監察のさなかだった翌3月、研究本部の教訓課で見つかった。
 ところが教訓課長らは稲田氏の「指示」を認識しておらず、南スーダン以外は報告する必要がないと判断したという。国会が紛糾する中、なぜ報告不要と判断したのか疑問が残る。事実ならば、信じがたい組織統制の不全というほかない。
 統幕監部は今年2月末に日報の存在を把握したが、小野寺五典防衛相への報告は3月末まで1カ月も遅れている。調査結果は精査や確認作業を行った結果だとしたが、文民統制の機能不全と隠蔽体質はここにも現れている。
 安倍政権の下、安全保障関連法の施行で自衛隊の任務が拡大する中、政治の側にも文民統制への自覚の低さが疑われる事例が目立つ。
 今年4月、野党議員に「国益を損なう」などと暴言を浴びせた幹部自衛官について、小野寺防衛相は当初かばうような発言をし、懲戒処分にすらしなかったのはその一端だ。
 2004年から06年まで続いた陸自のイラク派遣は、あいまいな派遣の仕方で始まった。
 当時の小泉純一郎首相をはじめ政府は活動範囲を「非戦闘地域」と説明した。しかし、実態は宿営地への攻撃が続発するなど自衛隊初の「戦地」派遣だった。4月に公表された延べ約435日分、約1万5千ページに上る日報は、隊員の緊迫した状況がつづられている。
 調査の結論付けはどうあれ、不都合な事実を国会に1年以上も伏せた隠蔽には違いない。情報が国民と国会に正しく開示されなければ、自衛隊の海外派遣の正当性は今後も検証できまい。
 小野寺防衛相は、再発防止策として行政文書の管理や情報公開のチェック体制強化などを示している。文民統制の徹底がなければ防衛省・自衛隊の信頼回復もない。


大量公表で“煙幕” 隠されている森友「昭恵夫人関連メモ」
 ほとんど嫌がらせだ。23日、ようやく財務省が、森友学園への国有地売却を巡る交渉記録と改ざん前の決裁文書などを国会に提出。なんと、約4000ページに及ぶ膨大な量だ。野党議員からは「読み込むだけでも時間がかかる。28日の集中審議までに精査できるかどうか」とボヤく声も上がる。
 なにしろ、佐川前理財局長が「廃棄した」と言い張っていた交渉記録だけでも、1000ページ近くに上るのだ。交渉記録は、職員が紙や個人のパソコンに“手控え”として保管していたものを公表したという。
 だが、これで本当に全部なのかも疑わしい。実際、財務省側も「見つかっていないものも一部にあると考えられる」と衆院予算委理事懇に報告するなど、予防線を張っている。まだ隠している記録があるのではないか。
 財務省は今回の文書公表を何度も先延ばししてきた。交渉記録には安倍昭恵夫人の名前も頻出するが、公表して構わない内容か、念入りにチェックしているはずだ。おそらく、4000ページの文書を精査したところで、驚くような新事実は出てこない。「あるはずなのに、ないもの」に焦点を当てた方がいい。
■“膿を出し切った”という演出
 例えば、交渉記録とは別に公表された「本省相談メモ」に不審な点がある。1ページ目に<決裁文書「承諾書の提出について」(平成26年6月30日)の調書の記載「(※H26・4・28〜H26・5・23 本省相談メモ、法律相談結果等参照)」に関し、調査の結果、以下の資料が見つかった>と記載されているが、いきなり2014年4月28日分のメモが抜け落ち、5月8日以降の4回分しかない。もともと4月28日のメモが存在しなければ、「H26・5・8〜H26・5・23」と書くはずだ。この日のメモが存在したなら、昭恵夫人に関して重要な記載があった可能性が高い。
「本省相談メモ」には「本事案の経緯」として時系列の簡易な説明が添付されているが、4月28日付でこう書かれている。
<同日の打ち合わせの際に、「平成26年4月25日、安倍昭恵総理夫人を現地に案内し、夫人からは『いい土地ですから、前へ進めてください。』とのお言葉をいただいた。」との説明を受ける(森友学園籠池理事長と夫人が現地の前で並んで写っている写真を提示して説明)>
 この写真提示を契機に交渉がトントン拍子に進んだこと、近畿財務局が写真のコピーを取ったことはすでに判明している。近畿財務局が4月28日に写真のコピーを添えて、昭恵夫人に関する事案を本省に相談・報告していた可能性があるが、公表された文書の中には、昭恵夫人の写真は見当たらなかった。
「一気に大量の文書を公表したのは、“膿を出し切った”という演出でしょう。同じ日に防衛省のイラク日報問題の調査結果も公表され、森友学園の籠池前理事長の保釈決定も報じられた。国会会期末まで1カ月を切り、安倍首相の外遊日程も詰まっている。焦点を分散し、詳細な精査時間を与えないまま、これですべての問題の幕引きを図る政府・与党の意思が感じられますが、問題の本質から目をそらしてはいけません」(政治ジャーナリスト・山田厚俊氏)
 大量の文書放出という“煙幕”に惑わされてはいけない。なぜ、財務省が公文書改ざんという犯罪行為に手を染めたのか。前理財局長が「交渉記録を廃棄した」と答弁せざるを得なかったのか。やはり、「私や妻が関わっていたら総理も議員も辞める」という安倍首相の国会答弁が引き金になったとしか思えない。モリカケは、どこまでいっても安倍夫妻の問題なのである。


森友交渉記録 首相と財務相は辞任を
 これで安倍昭恵首相夫人が関わっていないとは、到底言えないのではないか。
 学校法人「森友学園」への国有地売却を巡り、財務省は近畿財務局と森友側との面会、やりとりなどを記した交渉記録を国会に提出した。
 記録には、昭恵夫人付の政府職員が2015年11月、理財局に電話で「森友学園が社会福祉法人同様、介護施設向けの優遇措置を受けられないかと首相夫人に照会があり、問い合わせた。学校法人に拡大されるなど、今後の方針について教えていただきたい」と優遇措置について問い合わせたことが明記されている。
 安倍晋三首相は「値下げをしてくれということでなく、制度上の問いをしている」と述べ、問題ないとの考えを示している。
 果たしてそうか。問い合わせた職員は昭恵夫人の指示で理財局に質問しているのである。たとえ制度上のことを聞く趣旨だったにしても、森友学園の意向を受けて首相夫人が動くこと自体、大きな問題である。
 財務省関係者は、安倍首相への忖度そん(たく)が働いたかは分からないとしつつも「首相夫人の名前がプレッシャーとなったのは間違いないと思う」と共同通信の取材に答えている。
 森友学園が開校を目指した小学校に昭恵夫人が関わっていたことが、国有地売却価格の大幅値引きにつながった可能性は否定できない。
 安倍首相は森友学園の小学校の認可や国有地払い下げに関し「私や妻、事務所が関わっていれば、首相も国会議員も辞める」としていた。辞する時はとうに過ぎている。
 格安払い下げ問題が発覚した17年2月以降、理財局長だった佐川宣寿氏の「交渉記録は廃棄した」との国会答弁との整合性を図るため、財務省は実際には保管していた交渉記録を破棄していた。記録を基に答弁しなかったことをとがめるのではなく、答弁に合わせて記録を破棄したというのだ。言語道断である。
 財務省は佐川氏の「(国有地売却は)法令に基づき適切に管理、処分を行った」との国会答弁にも合わせるため、決裁文書を改ざんしていた。佐川氏の答弁説明は明らかに虚偽であり、許されない。
 虚偽答弁に端を発した記録廃棄、決裁文書改ざんなど、財務省の一連の行為の背景には、安倍首相への忖度が強く働いたと見るのが自然である。財務省は国民の代表で構成する国会を欺いた。強く抗議する。
 麻生太郎財務相は決裁文書改ざんが発覚した際「理財局の一部の職員により行われた」と述べた。最終的な責任者は佐川氏と説明し、財務相に居座り続けている。
 安倍首相は「行政の最終責任は総理大臣の私にある」と述べている。財務省が犯した暴挙の責任を取る必要がある。言葉だけでなく、行動に移す時である。当然、麻生財務相も辞任すべきだ。


森友記録隠蔽 国民を愚弄したに等しい
 決裁文書の改ざんに加え、交渉記録も意図的に廃棄されていた。国民と国会を愚弄(ぐろう)したに等しい。そこまでして取り繕おうとしたのは、なぜなのか。
 学校法人「森友学園」への国有地売却を巡る交渉記録を、財務省が国会に提出した。
 記録は、森友側への格安の払い下げが発覚した後の昨年2月、理財局長だった佐川宣寿前国税庁長官が国会で「廃棄した」と答弁していたものだ。職員が手控えとして保管していたものなどが見つかったという。
 交渉記録には安倍晋三首相夫人の昭恵氏の関与や、官僚の忖度(そんたく)への疑念がさらに強まる記述が複数ある。徹底的な真相解明を進めなくてはならない。
 あきれるのは、記録提出に際しての財務省の釈明だ。佐川氏の国会答弁と整合性を図るために廃棄を進めたと説明した。
 決裁文書の改ざん同様、売却の交渉経緯を組織的に隠蔽(いんぺい)しようとしたのは明らかだ。
 公開された記録は2013〜16年分の約960ページに上る。今後精査する必要がある。誰が指示したかの解明も不可欠だ。
 注目したいのは、3年に及ぶ記録に昭恵氏に関する記載が10カ所以上も登場することだ。
 15年11月には、昭恵氏付政府職員だった谷査恵子氏が、土地貸し付けを巡り学園の名前を挙げて具体的な照会をしていた。
 「総理夫人の知り合いから優遇を受けられないか照会があり、問い合わせた」。谷氏がこう語ったとする記述もあり、昭恵氏と学園の「蜜月ぶり」をうかがわせる。
 財務省近畿財務局が15年1月、土地貸付料を学園側に示していたことも記録で分かった。
 佐川氏は国会で、貸付料を事前に示すことはないとし、谷氏の照会は制度に関する一般的な質問だったと答弁しており、矛盾が明らかになった。
 昭恵氏は学園が計画した小学校の名誉校長に一時就いていた。記録には、学園理事長だった籠池泰典氏の妻諄子氏が小学校開設に関し、財務省に「安倍首相、安倍首相夫人、自民党幹部も認識している」と伝えたとの内容もある。
 国有地払い下げでは8億円という異例の値引きが行われた。首相は昨年2月、自らや昭恵氏の関与があれば議員辞職すると答弁していた。
 一方で、首相夫妻の関与や官僚の忖度があったのではないかとの疑問は根強い。交渉記録が明らかになり、疑念が一層深まったといえる。
 加計(かけ)学園の獣医学部新設を巡っても、首相への忖度があったとの疑いが持たれている。
 交渉記録が廃棄されていたことに関し首相は「不適切で誠に遺憾。経緯を調査させる」と強調したが、危機感が見えない。
 真相解明に向けて昭恵氏や、佐川氏ら関係者の国会招致が不可欠である。
 財務省では佐川氏の引責辞任に続き、事務次官がセクハラ問題で辞任した。麻生太郎財務相の任命責任や監督責任も大きく問われよう。


森友交渉記録 棒読み答弁繰り返すのか
 国会答弁に合わせて文書の改ざんに加え、廃棄を進めていたというから、開いた口がふさがらない。
 学校法人「森友学園」への国有地売却を巡り、財務省が学園との交渉記録を国会に提出した。昨年2月の問題発覚後、野党が追及する中、当時の理財局長だった佐川宣寿前国税庁長官が「ない」「廃棄した」などと言い続けてきた記録だ。
 この答弁に沿って、「理財局の一部職員の指示」で意図的に廃棄していたという。提出した記録は職員の「手控え」だと説明しているが、財務省ぐるみで隠蔽(いんぺい)を図ったとの疑念が膨らむ。調査結果は後日、公表するとしている。国会の会期末が6月20日に迫る中、逃げ切りを図ろうとしていないか。
 交渉記録には、安倍晋三首相夫人の昭恵氏の記載が10カ所以上にも及ぶ。首相はなお否定し続けるが、濃厚な関与を示す記述もある。昭恵氏は無論、昭恵氏付の政府職員から話を聞く必要がある。さらには、佐川氏を再喚問すべきだ。財務省の罪は重く、麻生太郎副総理兼財務相にはけじめを求めたい。このままの幕引きは決して許されない。
 首相には、加計学園問題で愛媛県が提出した新たな内部文書を巡り、2015年2月に学園の加計孝太郎理事長と面会し、獣医学部に関して話をしたとの疑念が浮上。野党が虚偽答弁だとして攻勢を強めている。
 そんな最中に、計4千ページ近くに及ぶ交渉記録と改ざん前文書、加えて防衛省・自衛隊のイラク派遣日報隠蔽問題の調査結果が一気に提出された。意図的にぶつけ印象を薄めようとの安易な狙いも透ける。
 とはいえ、解明に向け手をこまねいているわけにはいかない。とりわけ、交渉記録には、昭恵氏や政治家の秘書が頻繁に関わっていることが改めて明らかになっている。
 昭恵氏付職員の谷査恵子氏が15年11月、森友学園の籠池泰典前理事長から国有地の貸付料の減額などを陳情され、財務省に問い合わせをし「夫人の知り合いから優遇を受けられないかと夫人に照会があった」と説明したことなどが記されている。首相は「谷さんが自発的にやったものだ」と答弁したが、昭恵氏の指示を受けての問い合わせにほかならないではないか。
 籠池氏は財務省や近畿財務局との交渉の都度、小学校の名誉校長だった昭恵氏を持ち出し、有利な状況をつくってきたとされる。夫人や首相への忖度(そんたく)が、8億円余りという破格の値引きにまでつながったとの疑念は今も拭えていない。
 首相はこれまでの答弁の棒読みを繰り返すだけでは国民不信は一向に解消されないことを知るべきだ。加計問題でも、いくら理事長との面会を否定しても、官邸の出入りがチェックされないルートがあり、官邸以外での面会も可能である以上、疑いは晴れない。関係者を国会招致し、向き合うよう腹をくくるべきだ。それができないなら、責めをいかに負うかを考える以外にない。


“加計面談”否定の生命線 安倍首相がすがる空白の3時間18分
 愛媛県の文書に記された加計学園の加計孝太郎理事長との面談について、安倍首相は全面否定を繰り返しているが、官邸への入邸記録は破棄され、「会ってない」との記憶だけでは否定の根拠にならない。
 そこで安倍首相がすがるのが報道各社の首相動静だ。23日も国会で「首相動静等で調べるしかない。それを見る限りでは会っていない」と居直った。愛媛文書によると、安倍首相が加計氏と面談し、「新しい獣医大学の考えはいいね」と伝えたのは、2015年2月25日。この日の動静に加計氏の名前が載っていないことを逃げ口上に、ノラリクラリとはぐらかすつもりだ。
「ただ、首相の番記者は主に官邸の正面玄関から入る面会者を確かめます。官邸には出入り口が複数あり、その全てを確認しているわけではありません。“裏口”から記者の目をくぐって官邸に忍び込めば、安倍首相と面会しても動静に載らないことは十分あり得ます」(ある政治部記者)
 愛媛文書に記された面談時間は「15分程度」。これだけの時間を割けないほど、安倍首相の日程がびっしり埋まっていれば否定の材料になるが、当日の動静は〈別表〉の通り。スケジュールはスカスカだ。
■懲罰動議に値する大嘘連発
 15分以上の「空白」は_弾4泳蕊長官(当時)と面談後、官邸を離れるまでの39分国会から官邸に戻り、再び離れるまでの48分4嬰,飽榮宛紂∧謄轡鵐タンク外交問題評議会のハース会長と面談するまでの28分に萋新聞のインタビュー後、谷垣幹事長(当時)と会うまでの36分ッ垣と面談後、戦後70年談話に関する有識者会議出席までの47分――私邸に帰るまで都合5回、計3時間18分もある。
 ちなみに、,料阿鵬颪辰寝弾は、15年2月に加計学園関係者と面談したことを認めている。直後に、加計氏がこっそり現れてもおかしくないシチュエーションだ。
 また、記者に悟られず官邸や私邸で「極秘会談」を行えば、首相動静には載らない。この日に海外にでもいない限り、いくら安倍首相がゴマカしてもムダ。「獣医学部新設の計画を知ったのは2017年1月20日の国家戦略特区諮問会議」の国会答弁が大嘘だった疑惑は深まるばかりだ。
 これだけ虚偽答弁を重ねる首相にはどう対峙すべきか。衆院事務局に33年間勤めた元参院議員の平野貞夫氏は23日、都内のパーティーでこう訴えた。
「保守本流とは嘘をつかないこと。今の総理や周辺は嘘をついて国会を混乱させている。憲法58条に基づく、嘘で院内の秩序を乱した『懲罰動議』に値する」
 懲罰動議は国会法の定めで、衆院は40議員、参院は20議員の賛成で提出できる。野党は何が何でも安倍を退陣させると、腹をくくるべきだ。


加計問題で新文書 首相と理事長が説明せよ
 学校法人「加計学園」の獣医学部新設を巡り、愛媛県が新たに国会に提出した文書が、安倍晋三首相の国会答弁の信ぴょう性を揺るがしている。
 新文書は、首相が約3年前に加計孝太郎学園理事長と面会し、獣医学部新設計画に「いいね」と語ったなどとしている。
 新文書には、国会招致された柳瀬唯夫元首相秘書官による学園側への助言も記載されている。獣医学部新設に関し、首相が長年の友人とする加計氏側に有利な扱いが本当になかったのだろうか。
 国民の疑念を晴らすには、首相自らが経緯を丹念に説明するとともに、国会など公の場で加計氏らに真相を問いただすことが不可欠だ。
 愛媛県の新文書は獣医学部誘致での学園、今治市との打ち合わせや報告の記録などで、国会の要請で調査し見つかった。
 文書には学園からの報告として、2015年2月25日、首相と15分程度面談した理事長が国際水準の獣医学部を目指すなどと説明、首相は「そういう新しい獣医大学の考えはいいね」とコメントしたと記されている。
 さらに柳瀬氏から学園側に、日本獣医師会の反対が強く、内閣府の藤原豊・地方創生推進室次長に相談を、などの助言があったとしている。
 首相は加計学園の計画を知ったのは17年1月20日と国会で繰り返しており、文書が事実なら虚偽答弁が濃厚になる。
 首相は第2次政権発足後、加計氏と19回面会したとする一方、文書記載の日には加計氏と面会しておらず、獣医学部新設の話をしたこともないと全て否定している。
 ただ、首相官邸の入館記録は廃棄したとされる。新聞各紙の「首相動静」に面会の記述はないが、記者の目に触れず官邸内外で会うことも可能だろう。
 官房副長官当時、学園側と会ったと文書に記載された加藤勝信厚生労働相は面会を認めた。
 文書の記述と首相の言い分のどちらが正しいのか。一刻も早く真偽を見極めねばならない。
 政権が抱えるもう一つの火種が森友学園問題だ。財務省は23日、「ない」としてきた学園との交渉記録などを国会に提出した。この日、自衛隊イラク派遣時の日報隠蔽(いんぺい)の調査結果も報告された。
 国会閉幕に向け、懸案の幕引きを図ったともみえる。しかし、国会答弁に合わせて森友側との交渉記録を廃棄したことや首相夫人の昭恵氏付職員の関わり方などが判明した。さらなる解明が必要だ。


籠池被告夫婦、保釈後会見で“公開おのろけ”「お父さんと結婚できて幸せ」
 学校法人「森友学園」の補助金詐取事件で詐欺罪などで起訴され、大阪拘置所に勾留されていた学園前理事長・籠池泰典被告(65)と妻・諄子(じゅんこ)被告(61)が25日、保釈され、大阪市内で緊急会見を行った。
 籠池被告は約報道陣150人の前で、安部晋三首相(63)に対し「しっかり本当のことを言うべき。正々堂々、伝達、報告すべき」と話した。
 計1500万円もの保釈保証金が納付され、昨年7月に大阪地検特捜部に逮捕されて以降、約10か月にわたる勾留が解けた両被告。籠池被告は冒頭「妻はまったくの冤罪(えんざい)。大変な事やと思う」と憤り、昨年3月の国会証人喚問について「虚言はない」と、胸を張った。
 自身の詐欺罪に関しては「いまだ公判中。詳細をお話することは控えたい」と明かさなかった。一方で「私はこれから活躍をさせていただく。小学校建設をあきらめた訳ではありません。吉田松陰先生の志で進んでいきたい」と前向きな発言も飛び出した。
 会見中は妻の妻・諄子被告が涙を流し、肩をたたいて「冤罪や」と慰めた。さらに諄子被告が「お父さんと結婚できて幸せです!」と“公開おのろけ”する場面もあった。
 弁護士が2度目の保釈請求を行い、大阪地裁は23日、両被告に保釈を認めた。大阪地検はこれを不服として準抗告したが、この日、却下された。


イラク日報処分/隠蔽体質は一掃できるか
 陸上自衛隊イラク派遣部隊の日報隠蔽(いんぺい)問題で、防衛省は調査結果を公表した。
 文書があっても「ない」と答え、「報告の必要はないと思った」と釈明する。大臣にもすぐに調査結果を伝えない−。
 改めて浮かび上がるのは、防衛省・自衛隊で繰り返される「情報隠し」の根の深さだ。
 調査結果は「組織的隠蔽はなかった」と結論づけた。だが、重要な情報が1年以上も秘匿される結果となった。
 安倍晋三首相は「再発防止に全力を」と指示した。当然だ。情報公開や説明責任を軽視する体質を一掃しなければ、国民の信頼は回復しない。
 日報には、「派遣先は非戦闘地域」とする政府の説明と裏腹に、緊迫した状況が「戦闘」などの言葉で記されている。
 昨年2月に野党議員が資料請求したが、防衛省は「不存在」と回答した。当時の稲田朋美防衛相も「見つけることはできなかった」と国会で答弁した。
 3月下旬に陸自内で見つかったが、その後も問い合わせには「ない」と答え続けた。後任の小野寺五典防衛相に報告されたのは今年3月になってからだ。
 防衛省は、文書確認と報告を求めた大臣指示に関する認識不足が原因とする。だが、指示を発したとされる稲田氏の聴取は行わず、現場の担当者を減給とし、事務次官や自衛隊幹部の監督責任を問う形で処分した。調査を尽くしたとは言いがたい。
 自衛隊では昨年も「廃棄済み」とした南スーダン国連平和維持活動の日報が見つかり、稲田氏が引責辞任した。その際も大臣への報告が遅れた対応が疑問視されたが、今回も文書確認が自衛隊から大臣に報告されるまで3カ月ほどかかった。
 自衛隊は武力を行使する実力組織だ。国会議員への暴言問題で隊員の意識が問われている。「シビリアンコントロール(文民統制)に関わる重大な問題」との指摘を、防衛省・自衛隊は深く肝に銘じるべきだ。
 財務省の文書隠蔽や決裁文書改ざんなど、民主主義の根幹を揺るがす背信行為が複数の省庁で相次いでいる。危機的状況というしかない。最高責任者である首相は、どこまで深刻に受け止めているのか。


イラク日報調査 文民統制あまりに緩い
 防衛省は陸上自衛隊イラク派遣部隊が作成した日報の隠蔽(いんぺい)疑惑について調査報告書を公表した。
 当時の稲田朋美防衛相による文書再探索の指示が徹底されなかったとする一方、組織的な隠蔽はなかったと結論付けた。
 小野寺五典防衛相は調査結果を受け「文民統制(シビリアンコントロール)にも関わりかねない重大な問題だ」と述べた。
 浮かんだのは文民統制をあまりに軽んじ、公文書管理や情報公開への意識も極めて低い防衛省の実態だ。南スーダン国連平和維持活動(PKO)派遣部隊の日報隠蔽問題の教訓は生かされなかった。
 防衛省は文書管理や情報公開の監察を担当する組織の新設などの再発防止策を掲げた。今度こそ組織の体質改善を徹底させないと、実効性は期待できまい。
 稲田氏は昨年2月、国会でイラク日報は「見つけることはできなかった」と答弁した2日後に、統合幕僚監部の幹部に「本当にないのか」とただした。
 報告書によると幹部はこれを指示と認識したが、統幕職員の出したメールが曖昧で、担当部局に明確に伝わらなかった。
 一方で3月、PKO日報の特別防衛監察の過程で、陸自研究本部(現・教育訓練研究本部)の教訓課でイラク日報が見つかった。しかし教訓課は、陸上幕僚監部に報告する必要はないと判断した。
 指揮命令は絶対のはずの実力組織の機能不全は深刻だ。ところが報告書からは、個々の対応のまずさで片付ける姿勢がうかがえる。
 PKO日報を追及されていた国会審議をさらに紛糾させないために、重要情報を出し渋る「事なかれ主義」が組織全体にあったとの疑念は拭えない。だが、そうした背景に迫る姿勢は見られない。
 組織のひずみを正せなかったのは統制する政治の側の責任だ。その意味で稲田氏にも問題がある。指示の意図があるなら明瞭な言葉で伝え、徹底されたかどうかや、結果を報告させるのが当然だ。
 それなのに、実際にどう対応したのか、本人への聞き取りを行わなかったのは理解に苦しむ。
 イラク日報の存在は今年1月に陸幕に報告されてから、小野寺氏に上がるまで約3カ月かかった。小野寺氏の監督責任も免れまい。
 だが、事務次官、統幕長ら17人への処分に小野寺氏は含まれていない上、最も重い処分内容は教訓課員の減給30分の1にすぎない。自身や身内に甘い姿勢では、同じ過ちが繰り返されるだろう。


防衛省と日大アメフト部の体質は同根
 ★防衛省は、国会答弁などで「不存在」としていた陸上自衛隊イラク派遣部隊の日報が見つかった問題に関する調査結果を23日に発表し、組織的な隠蔽(いんぺい)を否定した。防衛省は当時の防衛相・稲田朋美の指示がメールで伝えられるなど、命令が徹底されなかったこと、またその確認すら行われていないことなど、大臣軽視や文民統制からの逸脱ともいえる対応が見え隠れしていたことが分かる。つまり稲田をなめていたのだろう。 ★稲田は就任当時、ハイヒールで甲板を歩くなど、本人の防衛相としての意識も低く、命を賭して任務に就く自衛官らの士気の低下が指摘されていた。しかし女性だからか、それとも、気に入らない大臣という軽視した対応の空気があったのだろうか。それでも調査は稲田には及ばず、処分もされていない。また現職の防衛相・小野寺五典にも、処分はない。それどころか現場の処分は大甘で、シビリアンコントロールが問われている問題をあたかも連絡ミスかのように処理した。 ★防衛相は「シビリアンコントロールにも関わりかねない重大な問題をはらんでいる」と強調し「首相・安倍晋三から指示が末端の部隊まで行き渡る組織をつくるため、再発防止に全力を挙げてほしい」と指示を受けたと会見で説明。統合幕僚長・河合克俊に訓戒、防衛事務次官・豊田硬、官房長・高橋憲一、陸幕長・山崎幸二は口頭注意となった。これでは先の野党議員に「国民の敵」と言って訓戒処分になった3佐同様、身内に甘い日大のアメフト部の指導幹部らと同根だ。 ★日大の対応の悪さなどに、多くの国民は憤りを感じているし、批判も多い。しかし企業や警察、防衛省などは、絶対命令や理不尽な命令にも、忠実なものをかわいがる傾向がある。就職でも、体育会の学生は好調と聞く。これは日本社会の体質になりつつあるのではないか。不安が募る。

デスク日誌 伝統を疑う
 「『ニョニンキンゼイ』って読むんだ。へえー」と思った人、少なくなかったはず。これまでも何度か物議を醸してきた大相撲の「土俵は神聖な場所だから女を上げるな」問題。このたびは人命が関わっていたこともあり、相撲協会も伝統を振りかざしてばかりはいられなくなった。
 神事や祭事に女性を参加させないのは、出産や生理が「不浄」「ケガレ」とされたから。女性がトンネル工事の現場に入れず、漁船に上がってはいけないのは、山や船の神様が女神で、女に嫉妬するから。
 もっともらしいようだが、実は何か別に都合の悪い理由があって、その後は男性が既得権を独占していたかっただけなのでは、と勘繰りたくなる。
 女人禁制だった富士山や各地の霊峰は、明治初期に禁を解かれ、今では誰でも登っている。トンネル工事も漁船も変わった。
 「伝統だから差別とは違う」という、そもそもその「伝統」に意味はある? 明治以降に登場した幾多の「伝統」の底流にはびこる男性優位思想。守り伝える意味のないあしき伝統より、もっと大切な今や未来がある。 (整理部次長 阿久津康子)


新潟県知事選 原発「検証」の先を語れ
 きのう告示された新潟県知事選。事実上の与野党対決となり、東京電力柏崎刈羽原発の再稼働問題を含む県政の課題に加え、安倍政権の政治姿勢も問われることになる。県民の判断を注視したい。
 米山隆一前知事が女性問題を理由に任期途中で辞職したことに伴う県知事選。三人が立候補し、自民党が支援する花角英世前海上保安庁次長(60)と立憲民主、国民民主、共産、自由、社民各党が推薦する池田千賀子元県議(57)との事実上の一騎打ちとなった。
 森友・加計学園の問題や財務省前次官のセクハラ問題などで安倍内閣の支持率が低下した中での選挙戦だ。安倍晋三首相が衆院解散に踏み切る場合を除き、国政選挙は今年予定されておらず、県政立て直しに加え、国政の問題や安倍内閣に対する審判の場にもなる。
 最も大きな課題は県内にある柏崎刈羽原発の再稼働問題だろう。
 二〇一六年の前回県知事選で再稼働に慎重な姿勢を掲げて当選した米山氏は、福島第一原発の事故原因▽原発事故が健康と生活に及ぼす影響▽万一原発事故が起こった場合の安全な避難方法−の三つの検証が終わらない限り、再稼働の議論はしないとしてきた。
 花角、池田両氏とも三つの検証の「継承」を掲げるが、その先に原発ゼロを強く志向するのか、再稼働も視野に入れるのか、よく見極める必要がある。
 花角氏は新潟駅前での街頭演説で「原発に依存しない社会を目指す。検証結果が出れば一定の結論を出し、信を問いたい」と、検証後に再稼働の是非を問う出直し県知事選を行う考えを示した。
 原発ゼロを目指す姿勢は評価できるとしても、花角氏は再稼働を進める自民党の支援を受ける。政権の論理を超える覚悟があるか、選挙戦での訴えに耳を傾けたい。
 池田氏は新潟駅前での第一声で「原発のない新潟をどうつくるのか。検証の結果を県民と共有し、丁寧な議論の上で決定する」と訴えた。告示日前日には同県魚沼市で原発ゼロを訴えた小泉純一郎元首相に会い、脱原発の思いは「確信に変わった」という。
 とはいえ、池田氏を支持する連合新潟には原発を推進する電力総連傘下の労組も加盟する。組織の論理が脱原発の足かせになることはないのか、不安は残る。
 原発再稼働をめぐる県民の選択は、国民全体にも影響する。候補者は三つの検証の先にある原発の在り方について曖昧にせず、堂々と県民に語り掛けるべきである。


新潟県知事選と原発 真正面から再稼働問え
 女性問題を巡る前知事の辞職に伴う新潟県知事選がきのう、告示された。与野党がそれぞれ支援、推薦する候補による事実上の一騎打ちの構図となった。来月10日の投開票に向け、激しい選挙戦が予想される。
 最大の焦点は、県内に立地する東京電力柏崎刈羽原発の再稼働問題だ。東電の責任や、原発回帰をうかがわせる国のエネルギー政策が問われる。中国電力島根原発3号機の新規稼働の前提手続きが進む中、中国地方の私たちも関心を向けたい。
 野党側は選挙戦で森友、加計問題なども取り上げ、安倍晋三首相の政治姿勢を問う構えでいる。秋の自民党総裁選や来年の統一地方選、参院選を占う上でも、大きな意味を持とう。
 無所属の新人3氏が争う選挙で軸となるのは、自民党が支援する前海上保安庁次長の花角英世氏と、立憲民主、国民民主、共産など野党5党が推薦する元新潟県議の池田千賀子氏である。国政で連立を組む公明党は花角氏支援に回るとみられる。
 柏崎刈羽原発を巡っては考えねばならない点が多い。まず福島で未曽有の事故を起こした東電に、再び原発を動かす資格があるのか。東電は経営立て直しには不可欠と訴えるが、福島第1と同じ沸騰水型原子炉は各地で停止したままだ。再稼働して大丈夫なのか、多くの国民は不安や疑問を拭えないでいよう。
 これらを踏まえ再稼働に慎重な姿勢を示していたのが、任期途中で先月辞職した米山隆一前知事である。福島の事故原因▽健康や生活への影響▽万一の安全な避難方法―という三つの検証を最優先とし、再稼働にストップをかけていた。
 大きな争点でありながら、今回の知事選を複雑にしているのも原発である。与野党の候補がともに「県民党」を名乗り、米山路線の継続を訴えたからだ。再稼働慎重派でくくられがちだが、第一声からはスタンスの違いも浮かび上がった。
 「原発のない新潟をどうつくっていくか」と訴えたのは池田氏だ。県民との「丁寧な議論」を約束し、原発に代わる再生可能エネルギーの普及を訴えた。
 一方の花角氏はどうか。「私自身、原発には不安がある」として安全性検証の継続を主張したが、再稼働に含みを持たせた。「必要があれば皆さんの信を問うこともある」とし、出直し知事選を検討するという。この発言には首をかしげざるを得ない。次の審判を軽々に持ち出すのは選挙制度の軽視とも受け取られかねない。
 こうした花角氏の態度は、与党の選挙戦略も影響しているのではないか。世論を二分する争点で相手の主張に訴えをくっつけるのは「抱き付き戦略」と呼ばれる。これは米軍基地問題より地域振興を前面に打ち出し、与党系候補が勝った先の沖縄県名護市長選に通じる戦い方だ。
 原発再稼働は真正面から是非を問うべきだ。これは池田氏にも注文しておきたい。推薦を受けた野党5党はかねて、原発ゼロの目標時期などを巡って温度差があるからだ。実際、2年前の鹿児島県知事選で脱原発の統一候補として臨んだはずの野党候補が当選後腰砕けになったのも記憶に新しい。
 新潟県知事選ではぶれない公約と、有権者に分かりやすい説明を求めたい。

書類再送付/オカモリ充実/あく巻き美味しいけど多い

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Japon : Vahid Halilhodzic assigne la Fédération en justice, pour un yen symbolique
Les avocats de Vahid Halilhodzic ont assigné jeudi en justice la Fédération japonaise de football (JFA) et son président Kozo Tashima, réclamant un yen symbolique pour "rétablir l'honneur" de l'ancien sélectionneur de l'équipe nationale, limogé début avril.
"La JFA ne veut pas s'expliquer, donc on l'appelle à s'expliquer à la barre", a déclaré à l'AFP Me Lionel Vincent, qui a déposé le dossier à la mi-journée au tribunal de Tokyo.
"Nous demandons une lettre d'excuses et un yen symbolique en guise de réparation", a-t-il précisé, un montant dérisoire équivalent à même pas un centime d'euro. Loin d'être une "question d'argent", "l'objet de cette assignation, c'est de rétablir l'honneur de Vahid", a expliqué l'avocat, jugeant que les motifs invoqués par la JFA pour renvoyer le sélectionneur "étaient diffamatoires et portaient atteinte à son honneur".
Le président de la JFA, Kozo Tashima, a mis en avant des problèmes de communication entre l'entraîneur et des joueurs pour justifier sa décision de congédier le sélectionneur, à seulement deux mois du Mondial en Russie. "Personne, jamais, ne m'a averti qu'il y avait un quelconque danger" d'être remercié, avait alors réagi Vahid Halilhodzic durant un entretien, dénonçant "une humiliation".
"On est venu chercher Vahid pour ça"
Nommé à ce poste en mars 2015, le Franco-Bosnien, qui vit toujours à Marcq-en-Baroeul (Nord), estimait, lui, avoir rempli sa mission en qualifiant les "Samourai Blues" pour leur sixième Mondial de rang. "On est venu chercher Vahid pour ça. J'ai qualifié l'équipe, et maintenant ils m'empêchent de tenter quelque chose de plus grand", avait déploré l'ancien entraîneur du PSG et de Lille, privé d'une deuxième Coupe du monde après son aventure avec l'Algérie.
Parallèlement à la procédure au civil, ses avocats ont dit "préparer une saisine de la commission arbitrale de la Fifa pour contester la décision".
Selon Me Vincent, la décision de la JFA est "entachée de nullité" car "il est matériellement impossible qu'elle ait été validée par le conseil d'administration" avant que M. Tashima ne l'annonce publiquement. "Il a agi en violation des règles de gouvernance de la Fédération".
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こたつぬこ @sangituyama
日大闘争は、まさに民主的なルールに従って、不正経理スキャンダルの古田会頭の退陣を要求し、1万人大衆団交で退陣を勝ち取り、学生たちが喝采をあげた翌日に、安倍さんの叔父の佐藤栄作が介入し、退陣を撤回。警官隊と体育会を学生たちにぶつけて、分断させて徹底弾圧をやったわけです。
友弘 克幸 @ktyk_TOMOHIRO
「座り込み」までして総理との面会を求めた過労死遺族の会からの面会要請を断った安倍総理。
その数時間後に、経団連の歴代会長と料亭で会食。
いくらなんでも、このタイミングで、これはないんじゃないでしょうか。
これ、過労死家族の会の皆さんが見たら、どう思うでしょうか。

渡辺輝人 @nabeteru1Q78
やはりというか、一番肝心なやつは抜いてあった。予言するがこれも残っている。いつかは出てくる。 / “消された「安倍昭恵」文書 財務省4000枚の森友文書公開も無意味 (1/3) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)”
ビーバップ!ハイヒール 神木に突き刺さる鎌!?摩訶不思議な神社仏閣の秘密に迫る!
神社仏閣は京都だけじゃない!?大阪の摩訶不思議な寺社の数々をランキング形式でご紹介! ▼ナゼこんな所に?ビルの入り口に鳥居 ▼何のために!?誰もくぐれない鳥居
ハイヒールの二人が世の中の様々な常識にハテナ?と疑問を抱き、スタジオのメンバー達と深く考えていく知的好奇心バラエティ
『大阪・摩訶不思議な寺社ランキング』… ▼7位 神木に鎌!? ▼6位 ビル前の鳥居 ▼5位 梅田の真ん中に唯一無二の神 ▼4位 有名企業が崇める神社 ▼3位 くぐれない鳥居 ▼2位 張子の虎の謎 ▼1位 大量のしゃもじ
ハテナの自由研究は、ブラックマヨネーズの大人気企画『弟子は師匠を超えられるのか!?』… 弟子が師匠にガチンコ勝負!今夜もハラハラドキドキの対決が! ハイヒール(リンゴ・モモコ) ブラックマヨネーズ(吉田敬・小杉竜一) たむらけんじ 森川侑美 大野聡美(ABCテレビアナウンサー) 江川達也 筒井康隆 西俣稔(大阪案内人)… 自ら大阪を歩き、調べ案内する「大阪案内人」。歴史を過去のものとせず、現在から未来へ繋がるものとの視点で、毎日新聞の連載「わが町にも歴史あり・知られざる大阪」をはじめ、多数の歴史案内や講演、執筆活動を精力的に行っている。


月曜日に電話のあった書類が昨日届いていたのでハンコを押してその書類を再送付しました.来週に届くはずです.
木曜日だけどオカモリ充実.いいことですが,疲れてしまうので困ります.
鹿児島で買ったあく巻き.開けてみるとなんというかやわらかい物体.黒糖をかけて食べると美味しいです.でも一人で食べるには多いです.

話そう あの日の教訓 雄勝小・中生が防災ワークショップ
 東日本大震災の記憶が薄い子どもたちに震災の教訓を継承し、防災意識を培ってもらおうと、宮城県石巻市の雄勝小(児童21人)と雄勝中(生徒14人)は23日、全児童生徒を対象にした防災ワークショップを開いた。
 津波で被災した旧雄勝小跡地に集まり、当時の児童らが避難した裏山を登って経路を確認した。雄勝地区の街を見渡せる場所で、同地区で被災して母と祖母を失い、語り部として活動する佐藤麻紀さん(46)の話を聞いた。
 佐藤さんは、大きな揺れを感じてから避難するまでの緊迫した様子を説明。「雄勝は津波が来たら生と死が背中合わせにある地域。命を失わないためにはどんな備えが必要なのか、保護者と話してみてほしい」と訴えた。児童生徒は真剣な表情で聞き入った。
 小学2年の阿部穂香さん(7)は「初めて震災の時の話を聞いた。津波はとても怖いと思った」、中学3年の阿部洋都さん(14)は「自分も津波を経験した。震災の教訓を広く伝える役割を果たしていきたい」と語った。
 震災の津波で、旧雄勝小と旧雄勝中は全壊した。両校は昨年4月、それぞれ旧大須小、旧大須中と統合。同8月から小中学校が併設する新校舎で授業を行っている。


チリ地震津波の記憶伝える 南三陸町図書館で写真展
 1960年のチリ地震津波の資料展が南三陸町志津川の町図書館で開かれている。24日にチリ地震津波から58年となるため、同館が当時の記憶を伝えようと企画した。27日まで。
 南米チリ沖で発生したマグニチュード(M)9.5の大地震による津波が襲った旧志津川町では41人が犠牲になり、家屋約300戸が流失した。
 町中心部の八幡川をさかのぼる津波や浸水した町の様子、住民の救援活動に当たる自衛隊などの写真29枚を展示。当時の惨状を報じた新聞記事や志津川小の児童が体験談を記した文集も並ぶ。同館の大森隆市館長は「遠く離れたところで起きた地震でも津波が来ることを忘れてはいけない」と展示の狙いを語る。
 午前9時〜午後5時。連絡先は同館0226(46)2670。


Hey!Say!JUMPと宮城県 観光PR この夏宮城に跳んできて! 都内で紹介動画お披露目
 宮城県とジャニーズ事務所の人気アイドルグループ「Hey!Say!JUMP」が展開する2018年度観光キャンペーンの発表会が23日、東京都内であった。メンバー9人と村井嘉浩知事が東日本大震災からの復興が進む宮城を発信した。
 「夏タビ宮城」と題した動画を上映し、松島や仙台城跡、鳴子温泉、沿岸の震災遺構などを紹介した。メンバーの薮宏太さん(28)は「豪華でたくさんの観光地がある。見ていてわくわくした」とアピール。宮城県出身の八乙女光さん(27)は「多くの人が訪れることで宮城の人の心が明るくなってくれるとうれしい」と抱負を語った。
 動画は特設ホームページ(HP)で公開中。メンバーが観光地を紹介するガイドブックは24日〜6月5日、県内観光施設などで配布。6月6日からHPで着払いの郵送申し込みも受け付ける。
 10月以降、秋冬向けの動画とガイドブックを製作する。県にとって初の通年キャンペーンで、過去最多だった10年の観光客6129万人の更新を目指す。村井知事は「若年層にPRし、継続的な旅行需要を高めたい。多くの人に夏の宮城にジャンプしてほしい」と呼び掛けた。


<日大アメフット問題>選手の覚悟、認識を 部の体質環境原因
 日本大の選手による悪質タックル問題は、3月まで東北大のアメフット部員だった身としても怒りと悔しさを覚える。内田正人前監督らは23日夜、意図的な反則の指示を否定した。選手生命と引き換えに謝罪・説明会見に踏み切った宮川泰介選手(20)の勇気と覚悟を、指導者や大学は真摯(しんし)に受け止めるべきだ。(報道部・坂本光)
 昨年12月、東京都内であった全日本大学選手権の東日本代表決定戦で日大と対戦した。当時2年で同じ守備選手(DL)の宮川選手は運動能力に優れ、将来の日大を背負う存在との印象を持った。日大チーム全体もプレーの厳しさは感じたが、相手を負傷させる意図のプレーなどはなかった。
 「準備のスポーツ」と言われるほど試合前の戦略が勝敗を左右するアメフットで、選手は基本的に作戦通りに動く。作戦を決める監督やコーチには大きな権限がある。とりわけ昨年、日大を27年ぶりの学生王者に導いた内田前監督の力は強大だったと推察される。そうでなければ将来有望だった宮川選手に対し、学生日本代表を辞退させたり、練習から排除するなど「干す」ことはできなかったはずだ。
 宮川選手は22日の会見で監督やコーチの指示を拒めなかった理由を「自分の意志の弱さ」と説明した。20歳になったばかりの学生に「意見を言えるような関係ではない」(宮川選手)監督の指示をはねつけるほどの意志の強さを求められるだろうか。「逆らえなかった」と言えない宮川選手を気の毒に思った。
 反則でしかないタックルに正当化の余地はないが、選手をそこまで追い詰めた点に問題の本質がある。「大学に入り(アメフットが)好きではなくなった」と明かした宮川選手。好きだから厳しい練習も乗り越えられ、勝利の喜びを渇望する。そんな原点の気持ちすら失わせたのなら、大学での部の体質や環境が原因としか言いようがない。
 今回の問題で、アメフットの危険な側面だけが強調されているのが残念でならない。本来は屈強な選手らがルールに従い、正々堂々と戦う面白さがあることも理解してほしい。


熊本地震 右胸なくても素敵なドレス 被災女性に支援の輪
来月、手作りの結婚式
 2016年4月の熊本地震で被災し、熊本県南阿蘇村の仮設住宅に暮らしながら乳がんと闘う主婦、梶原瑠美子さん(33)を支援しようと、長男が通学する小学校の保護者らが募金活動を始めた。結婚式を開かず、ウエディングドレスも着ていない梶原さんのために、寄付を活用してカメラマンやドレスを手配し、村内で6月8日に手作りの結婚式を計画している。
 梶原さんは、地震後の16年9月、美容師の夫豊三さん(38)と長男蒼佑(そうすけ)さん(6)、次男琉心(りゅうしん)ちゃん(4)、三男碧志(あおし)ちゃん(2)の家族5人で仮設住宅に入った。入居前の16年6月に右胸にしこりを感じたが、産科で母乳のつまりとされるなどした。その後は避難生活と子育てに追われ、自分のことは後回しになった。
 16年10月にがんと分かった時には既に肺などに転移したステージ4だった。入退院を繰り返して抗がん剤治療や右胸の全摘手術を受けた。一時は痛みで歩けなかったが、今年4月には蒼佑さんの入学式に参加できるまで回復した。
 そんな梶原さんの姿を伝えた4月11日付の毎日新聞の記事をきっかけに支援の輪が広がった。保護者仲間で自営業の中嶋かおりさん(31)もその1人だ。「自分に置き換えて考え、何か支えになりたいとすぐに会いに行った」。同じ村で生まれ育った同世代。梶原さんとはすぐに打ち解けた。
 梶原さんがブログで「夢のお話」と題して「右胸なくても、髪の毛みじかくても、素敵(すてき)なドレスを着たい。爪がボロボロでも指輪をはめてもらいたい」と記していたことを知った。夢をかなえようと、同じ保護者仲間で看護師の今村恵さん(39)らと協力し、有志で応援する実行委員会を結成。子どもが通っていた保育園などに募金箱を置いた。
 現在、梶原さんは体調が悪化し、阿蘇市内の病院で入院治療を受けている。支えが広がっていることを知った梶原さんは「ブログにポロッと書いたことをここまでやってくれてうれしい。楽しみが増え、パワーがわき上がってくるような気持ちにしてくれた」とベッドの上で笑顔を浮かべた。
 寄付の宛先は、ゆうちょ銀行の普通預金で名義「南阿蘇西小梶原瑠美子さん応援実行委員会」。ゆうちょからの場合は「記号17190、番号37213441」。他金融機関からの場合は「店名七一八、口座番号3721344」へ。【佐野格】


財政健全化/国は社会保障の将来像示せ
 持続可能な社会保障制度は財政健全化にかかっている。政府は、どこまでその将来像を描けているだろうか。
 健全財政の指標とされる「基礎的財政収支」の黒字化達成時期について、政府は新しい健全化計画で従来の2020年度から5年先送りする。来月まとめる「骨太方針」に盛り込む見通しだ。
 社会保障費が膨らみ、国債の大量発行が続いて国の借金は1千兆円を超す。将来世代に負担を押し付けられないのは分かりきっているが、それでも黒字化が先送りされる事態は、一にかかって政治の責任である。
 計画が順調に進まない大きな要因は政府の甘い経済見通しだ。想定外の税収不足と歳出削減の不徹底によって瓦解(がかい)するパターンである。
 内閣府の1月の試算でも実質2%前後の高めの成長を見込んだ。25年度は3兆8千億円の赤字見通し。黒字は27年度になるという。それでも政府は25年度黒字化を目標にするというのだから強気だ。
 今年1〜3月期の国内総生産(GDP)は9四半期ぶりにマイナスに振れ、景気の先行きに予断は許さない。25年度までに全ての団塊世代が後期高齢者の75歳以上になり、社会保障費が増加していくのも目に見えている。
 甘い成長予測に寄り掛かる近視眼的な計画は危険だ。
 社会保障費の抑制が鍵となろう。16〜18年度は増加額を年5千億円程度に抑えたが、新健全化計画では19〜21年度の目標を記さない。「高齢化による増加分」の枠内に収める形で切り詰めるという。
 しかし、当面の暮らしを考えれば、医療や介護サービスを大きく切り下げることにも限界がある。高齢者や社会的弱者ほどコスト負担をまともにかぶることになるからだ。
 社会保障改革は足元の国民生活を踏まえながらも、中長期にわたる展望が不可欠だ。
 政府が公表した推計によると、65歳以上の高齢者数がピークに近づく40年度の社会保障費は約190兆円に上る。18年度の1.6倍。GDPに占める割合は医療、介護費の増加を中心に24%に高まる。
 生産年齢人口(15〜64歳)は現在より約1500万人減っている計算。就業者の5人に1人は医療や介護、福祉分野に携わらないと対応できない社会が到来している。
 22年先はそう遠い未来ではない。政府は早急に対策に取り掛かるべきだ。給付と負担の適切なバランスを見定め、持続可能な社会保障の工程表案を作っておく必要がある。
 消費税や保険料のさらなる負担増など国民の痛みは避けて通れまい。それだけ政治の責任は重い。1年ごとの財政規律を着実に守り、実績を積み上げていくしかあるまい。
 一人一人の暮らしの不安に向き合い血の通った高齢社会を目指すのは全ての前提だ。まずは25年度の黒字化へ政府の本気度が問われている。


「森友文書」公表 責任負うべきは政権だ
 財務省はきのう、学校法人「森友学園」との国有地取引を巡る問題で、廃棄済みとしていた学園側との交渉記録と、改ざんされた決裁文書の原本を国会に提出した。
 一連の文書から浮かび上がったのは、学園と財務省との交渉の中で安倍晋三首相と昭恵夫人の名前が頻繁に交わされていた事実だ。
 8億円もの値引きを含む異例の売却手続きの背景で、首相夫妻への忖度(そんたく)が働いたのではないか―。その疑念はさらに深まった。
 なのに財務省は、責任を一部職員に押しつけて幕を引こうとしている。首相や麻生太郎財務相への波及を避けたい意図は明白だ。
 行政府が国会に対し、改ざん文書の提出や虚偽が疑われる答弁を重ねた事態は、議院内閣制の原則を揺るがす。その責任は内閣が連帯して負わねばならない。
 全容の解明には、昭恵氏の証人喚問が不可欠である。首相はその実現に協力するべきだ。
 提出された交渉記録には、学園と財務省とのやりとりが900ページ以上にわたって記されている。
 その中には、2015年7月に学園側が小学校の開設について「安倍首相、首相夫人、自民党幹部も認識している」と財務省側に伝えていたとの記載があった。
 同年11月には、昭恵氏付政府職員だった谷査恵子氏が「総理夫人の知り合いから優遇を受けられないかと夫人に照会」があったとして、学園側の要望を仲介した。
 昭恵氏と学園側との密接な関係が、異例ずくめの契約の下地となったとみなさざるを得ない。
 首相はきのう国会で「国有地払い下げや学校の認可で私や妻が関わったことはない」と述べた。潔白を主張するのなら、昭恵氏の国会での証言に応じるのが筋だ。
 見過ごせないのは、いわば「トカゲのしっぽ切り」で収拾を図ろうとする財務省の姿勢である。
 今回の交渉記録は、職員が「手控え」などとして保管していたものだ。一方で省内では国会答弁との整合性を取るために交渉記録の廃棄が進められていたという。
 決裁文書改ざんと同様、組織的な隠蔽(いんぺい)が疑われる。理財局に全責任を負わせて片付けようとする姿勢は、到底容認できない。
 財務省では、佐川宣寿前国税庁長官が文書改ざんで引責辞任したのに続き、福田淳一前事務次官もセクハラ問題で辞職している。
 省としての対応の遅れに加え、自ら放言を繰り返して混乱を長引かせた麻生氏の責任は重い。いまこそ進退を明らかにすべきだ。


森友文書公表 疑惑解明は国会の責務
 財務省が公表した学校法人「森友学園」との国有地取引をめぐる交渉記録からは国会を欺き続けた重大な隠蔽(いんぺい)行為が浮かび上がる。何を隠そうとしたのか、国会は今度こそ真相解明を果たすべきだ。
 「私や妻が関係していたということになれば、首相も国会議員も辞める」
 安倍晋三首相が二〇一七年二月十七日に国会で発した言葉が、すべての始まりだったとの見方はますます強まったといえる。
 今回明らかになった重大な事実は、佐川宣寿(のぶひさ)・前理財局長の「売買契約の締結をもって事案は終了し、記録は速やかに廃棄した」との国会答弁と整合性を図るために、理財局職員が九百五十ページに及ぶ交渉記録を廃棄するよう指示していたことだ。
 国有地売買の決裁文書を改ざんしたのと同様、答弁とのつじつま合わせのためだったと理財局幹部はこの日、国会に説明した。
 問題の核心は、佐川氏の国会答弁が、首相の「辞める発言」を受けて、「記録は残っていない」と急速に強弁に転じた点である。
 交渉記録には、首相夫人付きの政府職員だった谷査恵子氏が、学園の要望を受け、「国有地の賃料に優遇が受けられないか」などといった問い合わせを財務省にしていたことが記されていた。
 学園との交渉で安倍昭恵氏の関与を深くうかがわせるものではないだろうか。決裁文書改ざんで昭恵氏の名前が削除されていたのと併せ、疑惑はより深まったと思わざるを得ない。
 交渉記録は、廃棄が進められたものの、近畿財務局の職員が個人的に「手控え」として保管していたものもある。いずれにしても財務省は国会を一年以上にわたり欺いてきたのである。国権の最高機関、国民の代表をだます行為は、国民全体を愚弄(ぐろう)するに等しい。
 加計問題では、安倍首相が加計孝太郎理事長と一五年二月に面談したかが焦点となっている。愛媛県職員が学園からの報告として面談記録を文書に残しているにもかかわらず、首相は「会っていない」の一言で一蹴した。
 これでは国民の納得はいつまでたっても得られるはずはない。真相解明を妨げているのは、加計氏や昭恵氏らの証人喚問に反対している与党に他ならない。
 憲法で国会に付与された国政調査権がもはや死蔵された状態のままなのも自公の党利党略のせいである。首相の疑惑解明は与党の責務であると認識を改めるべきだ。


森友記録と自衛隊日報 うそと隠蔽の罪は大きい
 財務省がきのう、森友学園との国有地取引に関する交渉記録などを明らかにする一方、防衛省は陸上自衛隊イラク派遣部隊の日報をめぐる問題の調査結果を公表した。
 そもそも二つの重要発表を同じ日に設定したこと自体が、国民の理解を得ようという姿勢ではない。膨大な情報を一度に公表することで、個々の報道を減らし、国民の関心をそらす意図があるとしか思えない。
 公文書は何のためにあるのか。いずれも政府側が理解していない実態を改めて示したと言えるだろう。
 森友学園との交渉記録について、財務省の佐川宣寿前理財局長は昨年の国会で「残っていない」と再三答弁してきた。
 ところが存在していることが報道されて国会が調査を要求。これを受けて同省は今回、職員個人の「手控え」などの形で残っていたことが分かって公表したと説明している。
 財務省は森友問題に関する決裁文書の改ざんに手を染めた。しかも驚くことに今回、佐川氏の答弁に合わせるため、改ざんと同時に交渉記録の廃棄も進めていたことが分かった。この隠蔽(いんぺい)工作は誰の指示だったのか。さらに調査が必要だ。
 国会に提出したのは、この交渉記録と改ざん前の決裁文書、近畿財務局が本省に相談した際の「本省相談メモ」で計約4000ページに及ぶ。
 相談メモには、安倍晋三首相の妻昭恵氏付の政府職員だった谷査恵子氏が2015年秋、財務省理財局の担当課に対し、学園への土地貸付料について優遇措置が受けられるかどうか可能性を問い合わせたとする記述もあった。
 今後も文書を精査し、国会で真相を解明していくのは当然だ。
 一方、防衛省は存在しないとしていたイラク派遣部隊の日報が見つかった問題について、「組織的な隠蔽はなかった」と結論づけた。
 情報が省内の一部にとどまっていたのは担当者の認識不足などが原因だったという。だとすれば、個人の認識不足でこれだけ公表が遅れた点に組織上の問題があろう。
 両省とも隠さず情報を出していれば、国会審議は違った展開となっただろう。国民世論も変わっていた可能性がある。うそと隠蔽。安倍政権の罪は極めて重い。


財務省森友文書/隠蔽図った理由が問題だ
 学校法人「森友学園」への国有地売却を巡り、財務省が「廃棄した」としていた交渉記録が見つかった。同時に国会へ提出した改ざん前の決裁文書と合わせれば、4千ページという膨大な量である。組織的に隠蔽(いんぺい)を図ったとしか思えない。
 国会で偽りの答弁をしてまで、なぜ隠さねばならなかったのか。その理由こそが問題の核心である。
 きのう財務省が提出したのは2013〜16年の交渉記録と改ざん前の決裁文書の全文だ。
 財務省の説明では、保管していた交渉記録の廃棄が進められたのは昨年2月以降という。当時理財局長の佐川宣寿前国税庁長官は、法令に基づいて「適正に廃棄した」と国会で答弁していた。だがその裏では、答弁とつじつまを合わせるように、交渉記録を廃棄し、決裁文書を改ざんしていたのだ。
 この1年間の論議がまったく意味をなさないことになる。国会を欺き、国民を愚弄(ぐろう)する行為で悪質極まりない。
 今後は、だれが廃棄を指示したのか、その指示を省内のどこまで承認していたのか、具体的に明らかにする必要がある。
 見つかった記録は、職員が手控えとして紙で保管したり、個人のパソコンに残っていたりしたものだという。まだ見つかっていないものもある。引き続き調査を急ぐべきだ。
 記録には安倍昭恵首相夫人の名前が登場する。夫人付の政府職員が「(夫人の)知り合いの方から、優遇を受けられないかと総理夫人に照会があり」として、学園名を挙げて国有地の貸付料減額を財務省に問い合わせたことが記載されていた。
 「制度に関する一般的な質問」とする安倍晋三首相や佐川前長官の答弁と矛盾する。財務省がどう受け止め、値引き交渉に影響を与えたのか。「忖度(そんたく)」はあったのか。国会での徹底解明が不可欠だ。
 同じ日に、防衛省がイラク派遣部隊の日報問題の調査結果を国会に報告した。組織的な隠蔽はなかったと結論付けたが、いずれも公文書の管理がずさんだったことは明らかだ。改ざんや廃棄など意図的な運用ができないよう、公文書管理のあり方を見直さねばならない。


森友交渉記録 「安倍晋三小」14年認識 近畿財務局
 学校法人「森友学園」への国有地売却を巡る問題で、財務省が23日に公表した交渉記録には、財務省近畿財務局と大阪府のやりとりを記録した文書も含まれていた。学園が新設を目指した小学校の名誉校長に安倍晋三首相の妻昭恵氏が就任する1年以上前の2014年3月、校名が「安倍晋三記念小学校」だったことを財務局が認識していたことを示す文書もあった。
 学園理事長だった籠池泰典被告(65)によると、籠池被告が昭恵氏に学校建設を伝えたのと同時期。翌4月には、大阪府豊中市の小学校建設用地を訪問し、昭恵氏と写真撮影していたくだりは国会に提出した公文書では削除された。当時から財務局が安倍首相の名前を意識していた可能性がある。
 府とのやりとりの記録は13年9月〜15年12月の計32通。14年3月4日に財務局職員が府庁を訪ねた際の記録には、府職員の発言として「安倍晋三記念小学校として本当に進捗(しんちょく)できるのか、取り扱いに苦慮している」とあった。
 学園が13年9月に財務局に提出し、昨年11月に開示された設置趣意書の校名は「開成小学校」。昭恵氏が名誉校長に就任したのは15年9月だった。
 また、15年1月8日付の記録では、財務局職員が、小学校の設置認可を審査する府私立学校審議会を早期に開催するよう執拗(しつよう)に求めていたことも分かった。府職員が「大阪府のスケジュールまで口出しするのは失礼ではないか」と不快感を示すと、財務局側が「無理を承知でお願いしている」と返答したことも記録されていた。小学校の設置が早期に認可されないと、国有地の売却時期に影響が出かねず、開催を急ぐ様子が記されていた。【津久井達、藤顕一郎、芝村侑美】


[森友交渉記録]疑念はいっそう深まった
 学校法人「森友学園」への国有地売却を巡り、財務省は23日、同省近畿財務局と学園側との交渉記録を国会に提出した。
 財務省の佐川宣寿理財局長(当時)は昨年の国会で、「(交渉記録は)廃棄した」「残っていない」と繰り返し答弁していた。ないはずの文書が出てきたのである。
 適正に廃棄したことを強調していた佐川氏の答弁とつじつまを合わせるため、保管してあった記録の廃棄を進めていたことも明らかになった。
 交渉記録には、安倍昭恵首相夫人の関与を示す記述もある。昭恵夫人は学園が開校を目指した小学校の名誉校長を務めていた。
 記録によると、学園の籠池泰典前理事長が昭恵氏を通じて国有地の貸付料減額を要望。昭恵氏付の政府職員だった谷査恵子氏は2015年11月、学園の要請に応じ、財務省に電話で問い合わせた。
 交渉記録は「安倍総理夫人の知り合いの方から、優遇を受けられないかと総理夫人に照会があった」などと記している。
 財務省の担当者から「現行ルールの中で最大限の配慮をして対応している」との回答を得た谷氏は学園側にファクスし、その旨を伝えた。
 安倍晋三首相は昨年2月、衆院予算委員会で「私や妻が関係していれば総理大臣も国会議員も辞める」と答弁している。
 間接的にであれ昭恵氏がこの問題に「関与」していたことは明らかであり、首相の政治責任はまぬがれない。
■    ■
 財務省はこの日、森友学園に関する改ざん前の決裁文書もあわせて国会に提出した。
 財務省はなぜ、公文書である決裁文書を改ざんし、改ざん後の文書を国会に提出した上で、国会で虚偽答弁を重ねたのか。
 森友問題は、加計学園の獣医学部新設問題と構図がよく似ている。
 加計学園の加計孝太郎理事長は安倍晋三首相の「腹心の友」で、森友学園の名誉校長だった昭恵氏は現職の首相夫人。
 この関係を前提にして官邸の官僚や財務省の官僚が「忖度(そんたく)」し、都合の悪い事実を隠蔽(いんぺい)するために官僚が国会で虚偽の答弁を繰り返した疑いがもたれているのである。
 公文書の改ざんと改ざん後の文書の国会提出、国会での虚偽答弁は、民主主義の土台を掘り崩す深刻な行為だ。
 組織の責任者である麻生太郎財務相が責任を取らず、その座に居座ったままだというのは理解に苦しむ。
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 この件では、上からの指示を受けて決裁文書の改ざんにかかわったとされる近畿財務局の男性職員が、追い込まれた末に自ら命を断っている。 安倍首相や麻生財務相は正直なところ、森友・加計問題をどう考えているのだろうか。公文書の改ざんを指示したのが官僚だとしても、安倍氏や麻生氏には責任がない、ということにはならない。
 政治家には結果責任がつきまとう。疑惑を解消できず、国政を混乱させ、政治不信を招いた責任を安倍氏も麻生氏も負わなければならない。


「森友」交渉記録提出 国会はさらなる検証を
 学校法人森友学園への国有地売却を巡り、財務省が近畿財務局と学園側の千ページ近い交渉記録を国会に提出した。併せて改ざん前の文書約3千ページも開示しており、今月中にも、改ざん問題に関する調査結果と関係者の処分を公表するという。
 交渉記録を巡っては、財務省理財局長だった佐川宣寿氏が「廃棄した」と国会で繰り返し答弁してきた。国権の最高機関である国会を1年間も欺き続けたことは極めて問題だ。麻生太郎財務相の責任があらためて問われなければならない。
 佐川氏は財務省の内規を持ち出し「本件は売買契約締結をもって事案終了しているので記録は残っていない」「メールのやりとりや事案の面会記録なども残っていない」と言い張っていた。本人だけの判断だったのだろうか。組織的な隠蔽(いんぺい)工作を疑われても仕方あるまい。
 さらに財務省は、昨年2月下旬以降、国会答弁に合わせて文書の廃棄を進めていたことも認めた。佐川氏は事前の価格交渉について「こちらから提示したこともなく、先方からいくらで買いたいとの希望があったこともない」と否定していた。だが財務省の決裁文書には学園の提案に応じて鑑定評価する旨を記述しており、この記載は改ざんによって削除していた。
 改ざんの動機や経緯は、佐川氏がことし3月の国会証人喚問でも証言を拒み、いまだ真相は不明である。ただ改ざんに絡む虚偽公文書作成容疑などで告発された佐川氏について、検察は不起訴の方針を固めている。証言拒否の理由に挙げた「刑事訴追の恐れ」はあるまい。
 与野党は佐川氏を再度国会に呼び、拒んでいた証言をあらためて求めるべきだろう。
 交渉記録では、安倍晋三首相の妻昭恵氏付の政府職員だった谷査恵子氏が、学園への土地貸し付け条件について財務省理財局に電話で問い合わせた内容が判明した。谷氏は「森友学園の件については財務省がよく対応してくれているものと理解している」と切り出し、学園の名前を挙げて照会している。
 昨年3月の籠池泰典前理事長の国会証人喚問では、谷氏が学園側に「ご希望に沿うことはできない」とファクスを送ったことが明らかになっている。当時これについて菅義偉官房長官は「忖度(そんたく)以前のゼロ回答だ。昭恵夫人は中身には関与していない」と突っぱねたものの、今回の交渉記録のやりとりによって、財務省側の首相への忖度を巡る疑惑は深まったといえよう。
 結果として国有地は8億円余り値引きして売却されている。昭恵氏や谷氏の国会招致も含め、さらに交渉経緯の検証が行われるべきではないか。
 野上浩太郎官房副長官はきのう「問題点を洗い出した上で、政府を挙げて公文書管理の在り方の見直しを行いたい」と述べたが、事は実務や組織の在り方にとどまるはずもない。公文書は民主主義を支える国民の共有財産であり、廃棄や改ざんなどといった行いは民主主義を根幹から揺るがしかねない。
 安倍政権は6月下旬の国会会期末をにらみ、逃げ切りを図ろうとしている感がある。しかし、疑惑の解明には程遠いと言わざるを得ない。与野党が党利党略を超え、国会として毅然(きぜん)と対処すべきだ。


森友交渉記録  疑問の解明これからだ
 「廃棄した」と国会で説明したはずの記録が大量にあった。国民に対する重大な背信行為である。
 大阪府豊中市の国有地売却を巡り、財務省が森友学園との交渉記録を国会に提出した。未公表の改ざん前決裁文書も公表した。
 国有地を不当に値下げして売却したのではないか、という野党の追及に対し、当時、理財局長を務めていた佐川宣寿前国税庁長官は、一切の記録が残っていないと繰り返し述べていた。
 ところが今回、計約3900ページもの文書が出てきた。
 佐川氏は「メールのやりとりや面会記録なども残っていない」と念押ししていたが、虚偽答弁だったことになる。
 財務省は月内にも改ざんの経緯の検証報告を公表し、幹部を処分する方針だが、これで問題の幕引きを図るのは無理がある。
 むしろ、課題がようやく出そろった状況ではないか。
 明らかになった記録を国会で検証する必要がある。大幅値引きの背景に、首相夫妻の関与や官僚の忖度(そんたく)があったのではないか。佐川氏はなぜうそをついたのか。疑問は何一つ解明されていない。
 交渉記録には、森友学園の籠池泰典前理事長が安倍昭恵首相夫人を通じた国有地の貸付料減額を要望し、当時の夫人付職員が2回にわたって財務省に問い合わせた内容も含まれていた。
 職員は「(籠池氏から)優遇を受けられないかと総理夫人に照会があり、当方から問い合わせした」などと電話していた。
 改ざん前の決裁文書には「本省相談メモ」とされる資料があり、昭恵氏が森友学園側に「いい土地ですから、前に進めてください」と発言したとの記録もあった。
 昭恵氏側による「口利き」と受け止められても仕方がないのではないか。
 安倍首相は改ざん直前の昨年2月17日に国会で「私や妻が関係していたならば、首相も国会議員も辞める」と発言していた。首相は今後、どう説明するのだろうか。
 公表記録は財務省職員の手控えで、正式文書は佐川氏の答弁に合わせ破棄されたという。
 佐川氏は理財局長当時、「法令に基づき破棄した」と述べていたが、実際は組織的な隠蔽(いんぺい)が行われていたといえる。公文書管理のあり方も見直しが急務だ。
 佐川氏は大阪地検に告発されたが、立件見送りが伝えられる。真相を究明できるのは、もはや国会しかない。


疑惑解明 逃げ切り許すな/森友交渉記録
 学校法人・森友学園への国有地売却を巡り財務省が、学園側とのやりとりを詳細に記載した近畿財務局のメールなど大量の交渉記録を国会に提出した。8億円余りの値引きが明らかになった昨年2月以来、野党が不透明な交渉経緯を追及する中、当時理財局長だった佐川宣寿前国税庁長官が「廃棄した」「ない」と言い続けた記録である。
 ところが今年3月、学園との売却契約などに関する決裁文書の改ざんが発覚。改ざん前文書に学園側との詳しい交渉経過が記されていたことが分かり、交渉記録が職員個人の「手控え」のような形で残っているとみられていた。
 財務省は内部調査で記録を確認したとし、謝罪した。だが記録の存在を知りながら、省全体で隠し通そうとした疑いを拭えない。改ざんも行われた。そして、疑惑を突きつけられたら「記憶にない」「記録はない」としらを切る。批判が高まると、資料を小出しにし「調査中」と時間を稼ぐ。そんなことが政府を挙げて繰り返されてきた。
 財務省は未公表だった改ざん前文書の全文も提出した。改ざん問題の調査結果も近く発表するとみられ、疑惑解明は大きなヤマ場を迎える。ところが政府、与党は6月下旬の国会会期末をにらみ、逃げ切りを図ろうとしている。決して許されないことだ。
 先に加計学園の獣医学部新設に関し愛媛県が新たな内部文書を提出。野党は安倍晋三首相の答弁に虚偽の疑いがあるとして攻勢を強めている。そのさなか交渉記録と改ざん前文書、さらに陸上自衛隊イラク派遣部隊の日報隠蔽(いんぺい)問題の調査結果が一度に出された。論点を拡散させ、野党の追及を鈍らせようという政府の魂胆も透けて見える。
 交渉記録には、首相の昭恵夫人付政府職員が森友学園の籠池泰典前理事長から土地買い取り価格の値引きなどを陳情され2015年11月、財務省に問い合わせ「夫人の知り合いから優遇を受けられないかと照会があった」と告げたことなどが記されている。
 学園が開校を目指した小学校の名誉校長に一時就任した夫人との関係を前理事長は盛んに持ち出し、財務省側との交渉を有利に運んだとされる。その過程で財務省側に忖度(そんたく)が働き、破格の値引きにつながったとの疑惑はいまだ解消されていない。今回明らかになった記録を基に交渉経緯の細部を詰める必要がある。


終盤国会 疑惑解明へ権威を示せ
 6月20日の国会会期末まで1カ月を切る中、安倍政権の政治姿勢に関わる一連の疑惑や問題に、早く区切りをつけたいのだろう。学校法人「森友学園」への国有地売却に絡む文書が国会に提出されたタイミングで、防衛省も自衛隊の日報隠ぺい問題の調査結果を公表した。
 森友学園を巡る財務省の改ざん前文書は防衛省の問題とは別途、当初18日に公表され週明けに集中審議が行われる手はずだった。延期は、野党が防衛省の問題でも改めて集中審議を要求する可能性に予防線を張り、重要法案と位置付ける働き方法案やカジノ法案の今国会成立を確実にする狙いがあるだろう。
 集中審議は28日に実施の方向だ。安倍晋三首相は24日からロシアを訪問してプーチン大統領と会談。近く北朝鮮が核実験場廃棄の式典を予定しており、その時期には国内より海外に国民の関心が集まるとの読みもあるに違いない。
 大阪地検特捜部は、森友問題の決裁文書改ざんで告発されていた佐川宣寿前国税庁長官らを不起訴とする方針と伝えられる。政権の対応には、幕引きの環境は整いつつあるとの期待感がにじむ。
 その姿勢に冷や水を浴びせたのが、加計学園の獣医学部新設に関する愛媛県提出の文書。2015年2月25日に、安倍首相の親友である学園理事長と首相の面会記録があった。かねて首相は「学園の構想を初めて知ったのは17年1月20日」と明言してきた。
 安倍首相は即座に記載内容を否定したが、記録より記憶に頼る釈明は世論の疑念を深めるばかりか、県文書の精度を疑うに等しい言動が国と地方の信頼関係を傷つける懸念さえある。新文書は、安易な幕引きに警鐘を鳴らす「天の配剤」と知るべきだろう。
 財務省が公表したのは、改ざん前の決裁文書全文と国有地取引を巡る森友学園との交渉記録。なぜ約8億円も値引きされたのか、首相夫人や政治家の関与はなかったのか。疑惑が一向に解消されていないのは、メディアの世論調査に明らかだ。
 特に交渉記録は、佐川氏が理財局長当時に「廃棄した」と繰り返し答弁してきた代物だ。虚偽となれば、国会を欺き、国民を欺いていたことになる。国会が経緯を掘り下げるのは当然の責務だ。
 佐川氏は文書改ざんの動機や経緯についても、3月の証人喚問で「刑事訴追の恐れ」を理由に証言拒否。立件が見送られれば、疑惑解明へいよいよ国会の役割は重い。その権威が問われる時に「1強」「多弱」の別はあるまい。
 政治不信を「数」で押し切るような国会運営では、首相がスローガンとする「美しい国」の真意が疑われよう。


森友交渉記録 不透明な売却の解明を
 国会、国民に対する重大な背信行為だ。
 森友学園への国有地売却を巡り、財務省が決裁文書改ざんとともに交渉記録の廃棄を進めたことを明らかにした。問題発覚から1年以上も国会を欺いてきたことになる。
 8億円の値引きは不適正だった疑いがさらに強まった。文書を精査し、払い下げの経緯を徹底追及しなければならない。
 交渉記録は、改ざん前の決裁文書全文とともに、きのう国会に提出された。2013〜16年の記録で約960ページある。
 文書改ざんと同様、国会答弁との関係で、理財局職員が廃棄するよう指示したという。職員が手控えとして紙媒体などで残していたものが見つかった。
 佐川宣寿前国税庁長官は理財局長当時、学園側との事前交渉を否定し、記録は「廃棄した」と繰り返した。存在を知っていたなら虚偽答弁だったことになる。
 なぜ組織ぐるみで隠さなければならなかったのか。文書改ざんと合わせ、解明する必要がある。
 改ざんは佐川氏の答弁とのつじつまを合わせるため、理財局の職員が行ったとされる。動機や経緯について佐川氏は証人喚問で「刑事訴追の恐れ」を理由に証言を拒否した。不起訴の方向になった以上、再喚問すべきだ。
 大幅値引きの背景として改めて浮かび上がるのは、安倍晋三首相の妻、昭恵氏の存在が影響した可能性だ。開校予定だった小学校の名誉校長に一時、就いていた。
 交渉記録には、学園側の要望を受けて首相夫人付職員が国有地の貸付料について財務省に問い合わせた際のやりとりがある。
 「総理夫人の知り合いの方から優遇を受けられないかと総理夫人に照会があり、お問い合わせさせていただいた」との電話に対して財務省の担当者は「現行ルールの中で最大限の配慮をして対応している」などと回答した。
 昭恵氏と関わりのある学園への厚遇ぶりがうかがえる。官僚の忖度(そんたく)があったのではないか。
 首相は「私や妻が関係していたなら、間違いなく総理も国会議員も辞める」と言い切っていた。この答弁が改ざん、廃棄の引き金になった疑いも拭えない。
 政府はなお麻生太郎財務相を続投させる構えだ。菅義偉官房長官は「麻生氏の指揮の下で徹底した調査を行い、再発防止に努めてほしい」とした。麻生氏の下で起きた不祥事である。トップの責任を棚上げして調査結果を出しても信用することはできない。


森友記録の公開 隠蔽の動機追及が必要だ
 やはりというべきか、決裁文書改ざんに続く財務省の悪質な隠蔽(いんぺい)工作にはがく然とする思いだ。
 学校法人「森友学園」への国有地売却を巡り、財務省がきのう、近畿財務局と学園側の交渉記録を国会に提出した。昨年2月以降の国会答弁で、当時の佐川宣寿理財局長が繰り返し「廃棄しており、存在しない」としてきたものである。
 この答弁とつじつまを合わせるため、理財局職員が保管してあった交渉記録を廃棄するよう指示していたことも明らかになり、財務省は謝罪した。提出された記録は、職員が手控えとして紙やパソコン端末に残していたもので、2013〜16年分の約960ページあった。財務省は改ざん前の決裁文書の全文約3千ページも提出した。
 森友問題がここまで長引く要因の一つが、国会や国民への背信行為とも言えるこうした財務省の組織的な公文書や事実の隠蔽であることは間違いない。疑惑の解明が進まず、今年3月に行われた佐川氏の国会証人喚問でも証言拒否が連発された。
 何をそこまで隠す必要があるのか。大きな不都合が存在するのか。指摘されてきた安倍晋三首相や昭恵夫人への忖度(そんたく)の有無を含め、国民の疑念を膨らませた責任は重い。麻生太郎財務相や安倍首相の対応も極めてお粗末だ。
 改ざん同様、佐川氏の答弁と齟齬(そご)がないようにしたとの財務省の説明が釈然としないのも当然だろう。自身や夫人の関与を否定した安倍首相の国会答弁に合わせざるを得なかったのではないか、との疑念は拭えない。同省は一連の経緯を調査し、速やかに報告すべきだ。
 与野党は森友問題の全容解明につながるよう、提出された記録などを基に国会できちんと追及する必要がある。問題の核心はもちろん、国の財産である国有地が不当に安く学園側に売却されたのでは、という点にほかならない。
 公開された交渉記録には、15年7月に学園の籠池諄子氏が小学校開設に関し、同省に「安倍首相、安倍首相夫人、自民党幹部も認識している」と伝えたとの内容があった。
 同年11月には学園側の要請に応じ、昭恵氏付の政府職員が同省に電話を入れ、「安倍総理夫人の知り合いの方から優遇措置を受けられないか夫人に照会があった」として条件面での細部の問い合わせをしていた。この際、財務省側は「最大限の配慮をして対応している」と応じていた。
 また、近畿財務局が同年1月に土地貸付料について、具体的な額を学園側に伝えていたことも交渉記録に記されていた。事前交渉を否定した佐川氏の国会答弁とは食い違っている。
 浮かび上がる学園への配慮の解明なしに行政への信頼回復は図れない。真相解明に及び腰の安倍政権の姿勢があらためて厳しく問われる。


森友交渉記録/疑惑解明へヤマ場だ
 学校法人・森友学園への国有地売却を巡り財務省が、学園側とのやりとりを詳細に記載した近畿財務局のメールなど大量の交渉記録を国会に提出した。8億円余りの値引きが明らかになった昨年2月以来、野党が不透明な交渉経緯を追及する中、当時理財局長だった佐川宣寿前国税庁長官が「廃棄した」「ない」と言い続けた記録である。
 理財局長が交代してからも財務省は同じ答弁を繰り返した。ところが今年3月、学園との売却契約などに関する決裁文書の改ざんが発覚。改ざん前文書に学園側との詳しい交渉経過が記されていたことが分かり、交渉記録が職員個人の「手控え」のような形で残っているとみられていた。
 財務省は内部調査で記録を確認したとし、謝罪した。だが記録の存在を知りながら、省全体で隠し通そうとした疑いを拭えない。改ざんも行われた。疑惑を突きつけられたら「記憶にない」「記録はない」とし、批判が高まると、資料を小出しにして「調査中」と時間を稼ぐ。そんなことが繰り返されてきた。
 財務省は、これまで未公表だった改ざん前文書の全文も提出した。改ざん問題の調査結果も近く発表するとみられ、疑惑解明は大きなヤマ場を迎える。しかし政府、与党は6月下旬の国会会期末をにらみ、逃げ切りを図ろうとしているようにしか見えない。
 先に加計学園の獣医学部新設に関し愛媛県が新たな内部文書を提出。野党は安倍晋三首相の答弁に虚偽の疑いがあるとして攻勢を強めている。そのさなか交渉記録と改ざん前文書、さらに陸上自衛隊イラク派遣部隊の日報隠蔽(いんぺい)問題の調査結果が一度に出された。論点を拡散させ、野党の追及を鈍らせようという政府の魂胆も透けて見える。
 しかし解明を失速させてはならない。交渉記録は2013年から16年にかけて作成され、全体で900ページ以上。その中には、首相の昭恵夫人付政府職員が森友学園の籠池泰典前理事長から土地買い取り価格の値引きなどを陳情され15年11月、財務省に問い合わせをし「夫人の知り合いから優遇を受けられないかと照会があった」と告げたことなどが記されている。前理事長とつながりがあった政治家秘書とのやりとりの記録もある。
 学園が開校を目指した小学校の名誉校長に一時就任した夫人との関係を前理事長は盛んに持ち出し、財務省側との交渉を有利に運んだとされる。その過程で財務省側に忖度(そんたく)が働き、破格の値引きにつながったとの疑惑はいまだ解消されていない。今回明らかになった記録を基に交渉経緯の細部を詰める必要がある。
 佐川氏は国会答弁で、こうした記録の全てをないことにした。だが、それだけではない。財務省によると、決裁文書の改ざんと同様に答弁に合わせて「理財局の一部職員」が指示して記録の廃棄を進めていた。まだ見つかっていない記録もあるという。
 佐川氏は改ざんに絡む虚偽公文書作成容疑などで告発されているが、大阪地検特捜部は既に不起訴の方針を固め、近く捜査を終結するとみられている。佐川氏が先に証人喚問で何度も証言拒否の理由に挙げた「刑事訴追の恐れ」もなくなる。再度国会に呼び、一連の経緯について詳しい証言を求めるべきだ。


森友交渉記録 国民欺く廃棄隠蔽 徹底解明必要
 財務省が、不都合な公文書の改ざんに加え、廃棄までも組織ぐるみで進めていた。国民への信じがたい背信行為に、憤りと強い危惧を覚える。政策が適正かどうか検証するために重要な公文書を、ねじまげ、捨てて隠蔽(いんぺい)するなら、国民は一体何を信じればよいのか。この国の民主主義は、崖っぷちにある。
 学校法人「森友学園」への国有地売却を巡り、財務省は学園側との900呂鯆兇┐觚鮠諜録を国会に提出した。同省理財局長だった佐川宣寿前国税庁長官が「事案が終了し廃棄した」と国会で繰り返していた、なかったはずの記録そのものだ。
 財務省は職員の手控えとして残されていたとする一方、佐川氏の答弁と帳尻を合わせるために、理財局職員が指示して廃棄を進めていたと認めた。国権の最高機関である立法府をだます組織的な隠蔽は、国民を欺く暴挙にほかならず、断じて許されない。組織トップの麻生太郎財務相や行政府の長である安倍晋三首相の責任を問うとともに、経緯の徹底検証を求めたい。
 肝心なのは、なぜ誰のために官僚がそこまで「手を染めた」のかということである。問題の根幹は、国有地払い下げで8億円もの異例の値引きが行われた背景に、安倍首相夫妻の関与や官僚の忖度(そんたく)があったのではないかとの疑念にある。国会での追及の過程で、文書の改ざんや廃棄が繰り返されていたことで、その疑いは一層深まった。
 公表された交渉記録には、昭恵首相夫人付の政府職員が理財局に電話で優遇措置を詳細に問い合わせ、担当が「最大限の配慮をして対応している」と答えたやりとりが記されていた。首相は「制度上の問い」にすぎないとするが、学園の名前を挙げた上での細部に及ぶ照会は、一般的な制度への質問から逸脱していると言わざるを得ない。
 記録に首相夫人の名前はたびたび登場する。名誉校長になることも示されており、学園と交渉する担当者への重圧になって忖度を生んだとしても不思議ではない。照会以降、学園を優遇する動きが進んでいる事実も見過ごせない。
 文書改ざんも合わせて全容解明を急ぐ必要がある。佐川氏は事前の価格交渉を否定していたが、決裁文書の「学園の提案に応じて鑑定評価を行い、価格提示を行う」との記載が、改ざんによって削除されていた。今回の記録にも土地貸付料の事前提示について記載されていた。佐川氏は国会での証人喚問で証言拒否を繰り返したが、改めて国会で説明すべきだ。
 首相は「(文書廃棄は)不適切で誠に遺憾」としたが、自身を巡る疑惑は深まる一途。解明責任は自らにある。いつまでも「関与は一切ない」と繰り返しているだけでは国民の政官への信頼は取り戻せず、ゆがめられた行政を立て直すこともできない。職員個人の問題として幕引きを急ぐことは、万が一にもあってはならない。


【森友交渉記録】新文書が暴く疑惑の深さ
 財務省が「廃棄した」と断言したはずの文書に、なぜこれほどの重要事項が書かれていたのか。行政のあまりにでたらめな対応に、開いた口がふさがらない。
 学校法人「森友学園」への国有地売却で財務省が、同省近畿財務局と森友側との交渉記録を、国会に提出した。
 交渉記録は佐川宣寿前国税庁長官が理財局長当時、「適正に廃棄した」としていた。しかし職員が「手控え」として保管していたものなどが残っていた。財務省は佐川氏の答弁に合わせて文書廃棄を進めていたことを認めた。
 それだけでも犯罪的行為だが、交渉記録の内容にも驚く。
 森友学園問題は、財務省が国有地のごみ撤去費用として約8億円もの値引きをして森友側に売却した。学園がこの土地に建設しようとした小学校では一時、安倍昭恵首相夫人が名誉校長を務め、その関与や官僚の忖度(そんたく)の有無が問われている。
 交渉記録には、昭恵夫人付の政府職員だった谷査恵子氏が2回、財務省に問い合わせた際のやりとりが含まれていた。谷氏は「安倍総理夫人の知り合いの方から、優遇を受けられないかと照会があった」と財務省に電話したという。
 そのやりとりは既に明らかになっており、目新しい事実ではない。しかし証拠となる文書の記録が、「廃棄」寸前までいったと考えるとぞっとする。
 昭恵氏が森友学園に「いい土地ですから、前に進めてください」と発言したとの記載もあった。財務省が改ざんする前の文書にもそう記されていた。官僚が文書を改ざんするなど、普通はあり得ない。
 昭恵氏の言動が森友問題に与えた影響を知るには、もはや昭恵氏や関係者を国会に招致し、事情を聴くしかあるまい。
 佐川氏が「記録の廃棄」を言明したのは昨年の国会だ。「メールのやりとりや面会記録なども残っていない」と強調した。だが、そう大見えを切った文書が今回出てきた交渉記録ではないか。
 結果的にでも「虚偽答弁」だった可能性は濃厚だ。佐川氏は国会で、森友側との事前の価格交渉を否定した。だが「売買金額は事前調整に努める」などと記した文書の存在が次々に明らかになった。
 いったいこの間の国会審議は何だったのか、腹立たしい思いにとらわれる。国会は膨大な新文書を詳しく分析し、疑惑の闇に光を当ててほしい。森友問題はまだ何も解明されていない。
 重要文書の廃棄や改ざんがまかり通り、「ない」といっていたものが出てきて批判を浴びる。組織的で大掛かりな不正というほかない。麻生財務相の監督責任も免れないのではないか。
 加計学園、自衛隊日報を加えた三つの問題で、同じような構図を抱える安倍首相も、決してひとごとではないだろう。


[森友交渉記録] 隠蔽理由を明確にせよ
 財務省が組織的に隠蔽(いんぺい)していた事実に驚くばかりである。財務官僚が文書の改ざんや廃棄をしてまで事実を隠そうとした理由を解明し、責任の所在を明確にしなくてはならない。
 学校法人「森友学園」への国有地売却を巡り、財務省は近畿財務局と学園側との交渉記録を衆院予算委員会理事懇談会に提出。昨年2月の問題発覚以降、理財局職員が指示して交渉記録廃棄を進めていたことを認め謝罪した。
 佐川宣寿前国税庁長官は理財局長だった昨年の通常国会で、交渉記録を「事案が終了し廃棄した」としていたが、佐川氏の答弁に合わせ廃棄していた。
 佐川氏はこれまでに国有地売買の決裁文書改ざんも認めている。
 国有地売却問題の発覚から1年余り、財務省の偽りの答弁や文書を基に多くの時間を費やし、問題を追及してきた国会の議論は一体何だったのか。
 国会と国民を欺く行為に強い憤りを感じざるを得ない。
 財務省が提出した交渉記録は2013〜16年のもので900ページ以上に上る。
 「廃棄した」とされる記録は、「手控え」のような形で職員の個人用パソコンなどに残されていた。見つかっていないものもあり、全記録の把握が欠かせない。
 佐川氏は国会での証人喚問で、文書改ざんの動機や経緯について証言を拒否し、真相は不明のままだ。だが、組織的な隠蔽が明らかになった以上、疑惑解明は欠かせない。
 森友学園問題は、国有地売却でごみ撤去費用約8億円を差し引いた件で、学園が開校を目指した小学校の名誉校長を務めた安倍昭恵首相夫人の関与や官僚の忖度(そんたく)の有無が焦点である。
 今回明らかになった交渉記録には、昭恵夫人付の政府職員から財務省側に「総理夫人の知り合いから優遇を受けられないかと夫人に照会があり」との文言があった。国会議員秘書に応対した際の記載もあった。
 こうした事実を考え合わせると、値引きの背景に首相夫妻の関与や官僚の忖度がなかったのか疑念は深まる一方だ。交渉経緯の細部を詰める必要がある。
 財務省は近く改ざん問題に関する調査報告と関係者の処分を公表する方針だ。一連の対応で財務省への信頼は地に落ちている。会期末をにらみ逃げ切りを図るような、おざなりな報告では国民の理解は得られまい。
 組織的隠蔽があった以上、麻生太郎財務相の責任が問われるのも当然である。


日大アメフト部よりヒドい! 安倍首相が次から次へとデタラメ答弁、安倍の嘘を必死に庇う側近たち…もはやカルトだ
 決裁文書の改ざんだけではなく、交渉記録を昨年2月下旬に破棄するよう命じていた──。昨日、国会に森友学園との交渉記録を財務省が提出したが、あらためて、犯罪的な行為によって国民を欺いてきた実態が浮き彫りとなった。
 しかし、そんななかにあって、安倍首相は呆れるような発言を連発している。
 たとえば、昨日おこなわれた衆院厚生労働委員会では、こんなことを言い出した。
「国会答弁との関係で文書を廃棄することは不適切であり、誠に遺憾だ」
「国民の信頼回復に向けて私も、その責務を果たしていく決意だ」
「誠に遺憾」って、何を第三者ぶっているのだろうか。ようするに、安倍首相は「文書の改ざんも破棄も財務省理財局が勝手にやったこと」と言わんばかりに他人事を装ったのだ。
 だが、公開された交渉記録からわかったことは、これが「安倍昭恵案件」であったという事実だ。昭恵夫人付職員だった谷査恵子氏は2度にわたって財務省に電話をかけ、「安倍総理夫人の知り合いの方」「安倍総理夫人が名誉顧問に就任した開校予定の小学校」(ママ)として森友学園の国有地賃料の優遇措置を迫っていたのである。
 その上、谷氏は財務省に対して「総理夫人に照会があり、当方からお問い合わせさせていただいた」と話したことも記されていた。安倍首相は今年4月11日の衆院予算委員会で、財務省への働きかけについて、今井尚哉首相秘書官が谷氏に聞き取った結果、「籠池氏側から妻に留守電が幾度となくあった後、谷さんが自発的にやったもの」と説明していたと答弁したが、これも交渉記録によって“嘘”だったことが判明したのだ。
 こうした記録を、理財局職員の意思決定だけで破棄するなどということは到底できるはずがない。昭恵夫人の関与が裏付けられる記録が含まれていたことを考えれば、決裁文書の改ざん同様、記録の破棄もまた官邸からの指示によるもので、そのきっかけとなったのは、昨年2月17日に安倍首相が口走った「私や妻が関係していたということになれば総理大臣も国会議員も辞める」という答弁に違いない。それを安倍首相は、自らが犯罪的行為の元凶であるにもかかわらず、「信頼回復の責務を果たす」などと宣っているのである
加計氏との面談を「官邸記録で確認」→「首相動静で確認」と嘘に嘘を重ねる安倍首相
 嘘をつく、他人事を決め込む、シラを切る。こうした安倍首相の態度は、加計学園問題でも発揮された。やはり昨日の衆院厚労委員会で、愛媛県の新文書において安倍首相が「獣医大学はいいね」と述べたと記述されている2015年2月25日の加計孝太郎理事長との面談について、こう否定したのだ。
「首相動静などで調べるしかないが、それを見るかぎりお目にかかっていない」
 既報で詳しく述べたとおり、首相動静には「穴」があるし、官邸サイドが面談相手によってオープンか非公式かを選択している。首相動静はまったく「会っていない」ことの根拠にはならないのだ。
 だが、驚いたことに、安倍首相は昨日、同委でこうも答弁したのだ。
「加計理事長と会った回数は首相動静で確認できたものが計14回。(首相動静以外に)Facebook等、国会議論、写真で確認できたのは5回あった」
「(首相動静は)必ずしもすべての方々が公表されるわけではない」
 自分から「首相動静が根拠だ!」と言っておいて、自分で「首相動静はあてにならない」と認める。──いかに安倍首相が、無理のある嘘のために支離滅裂の状態に陥っているかがよくわかるだろう。
 実際、安倍首相は愛媛県の新文書が公表された翌朝、加計理事長との面談を否定した際、「念のため、昨日、官邸の記録を調べたが、確認できなかった」と述べた。だが、官邸の入館記録は速やかに「破棄」していると菅義偉官房長官らが説明してきたもの。それを、安倍首相は「調べた」と言ってしまったのだ。
 そのため、安倍首相の発言後におこなわれた午前の定例記者会見で菅官房長官は、「入邸記録は業務終了後速やかに廃棄される取り扱いとなっており、残っているか調査をおこなったが、確認できなかった。残っていなかった」と破棄済みだと念押し。安倍首相も午後の答弁では「官邸の入館記録は面会終了後、廃棄される。念のため調査した」と発言を付け加えて“修正”をはかった。首相動静を言い訳に使ったことと同じで、熟考なく嘘のためにその場しのぎで飛びついている状態なのだ。
日大アメフト部そっくり!“支離滅裂”総理の嘘を、側近たちが更なる嘘で必死に庇う
 そんな“錯乱総理”を取り巻く側近たちも必死だ。安倍首相と加計理事長が2015年2月25日に会っていないとする、その根拠を野党側が参院予算委員会理事懇談会で指摘したことを受け、きょう、内閣官房が回答書を出したが、そこには、こう書かれていた。
〈ご指摘の点については、総理より「ご指摘の平成17年2月25日に加計理事長とお会いしたことはありません。」と申し上げているところに尽きるものと存じます〉
 根拠は「総理が言っているから」……。もはやこの国の総理はカルト教団の教祖のような絶対的存在となっているらしい。しかし、その教団に入信していない国民からすれば、こんな馬鹿げた回答はない。だが、これがれっきとした安倍内閣官房からの「回答」なのである。
 トップの絶対的権力者が嘘をつき、罪を押し付け、「それは違う」と勇気ある告発者が声を上げるが、取り巻きがあからさまな嘘でトップを庇う──。森友も加計もこうした展開が繰り広げられてきたが、これはまさに、いま大きな注目を集め、多くの人が怒りに震えている日本大学アメリカンフットボール部の事件とそっくりの事態だ。
 公文書の改ざんに破棄、そして証拠を提示することなく自分の主張をがなり立てるだけの自己中総理とその取り巻きたち。そうしてこの国の民主主義を滅茶苦茶に壊しつづけている悪党政権に対して、しっかりと怒りを示さなくてはいけないのだ。(編集部)


日報問題で処分  現場のミスで済まない
 陸上自衛隊イラク派遣部隊の日報隠蔽(いんぺい)問題で、防衛省が経緯の調査結果を国会に報告し、関係職員17人を処分した。
 担当者が防衛相の指示や情報公開への認識を欠いていたことが問題で、組織的隠蔽はなかったと結論づけた。「現場のミス」で決着させようとの意図が読み取れる。
 真相解明には不十分な内容で、処分も形式的にみえる。再発防止につながるとも思えない。これで問題を終結させてはならない。
 日報が陸自研究本部(現・教育訓練研究本部)で見つかったのは昨年3月27日、小野寺五典防衛相への報告は今年3月31日だ。約1年間も組織内に隠されていた。
 発見から3日後、同本部にあった情報公開請求の問い合わせに、日報はないと回答していた。
 調査結果では、日報の存在は同本部の幹部数人が把握していたが、稲田朋美防衛相(当時)へ報告の必要性はないと認識していたという。当時は、南スーダン平和維持活動(PKO)派遣部隊の日報問題を巡って稲田氏が国会で追及の矢面に立っていた時期だ。危機意識が欠けていたという以上に、なぜ報告不要と判断したのか、疑問が残る。
 同本部が陸幕に日報の存在を報告したのは、発見から約9カ月たった今年1月12日、陸幕から統合幕僚監部に伝えられたのは2月27日だった。小野寺防衛相に知らされたのはさらに1カ月後だ。
 重要な報告を速やかに省全体で共有しなかった理由は分かりにくい。組織的隠蔽ではないと言い切る根拠も不明だ。
 関係者の意思決定や情報の伝達過程などを精査し、具体的な改善策につなげていく必要がある。その役割を担う国会の責任は重い。
 ただ、日報の隠蔽というシビリアンコントロール(文民統制)を揺るがす事態を招いたことは、政治の機能不全も浮き彫りにした。
 昨年2月、稲田氏は同省がいったん不存在とした日報について再捜索を指示したが、統合幕僚監部の背広組トップに「本当にないのか」とただしただけだったという。
 今年4月には幹部自衛官が「国益を損なう」との暴言を野党議員に浴びせたが、小野寺防衛相は当初かばうような発言をし、懲戒処分にもしなかった。
 こうした組織統制の甘さが、一連の隠蔽問題の背景にあるとも指摘されている。
 実力組織である自衛隊をしっかり統率する責任を、政治の側はあらためて自覚してほしい。


強豪高校から“絶縁宣言” 日大アメフト部は廃部へ一直線
 悪質なタックルで関学大QBを負傷させた日大アメフト部DL宮川泰介選手の会見で、タックルが内田前監督の指示だったことはもちろん、コーチもグルだったことが分かった。反則を強要する監督の指示を、コーチが「本当にやらなくてはいけないぞ」「できませんでしたじゃ、すまされないぞ」などと何度も念押し。「相手のQBがケガをして秋の試合に出られなくなったらこっちの得だろう」とまで言ったというのだから、まるで鉄砲玉を諭すヤクザの若頭だ。
 日大のアメフト部では指導者が選手に手を上げるのは日常茶飯事。首脳陣の命令で、上級生が下級生に体罰を与えることもあったとする証言も出ている。真偽は別にしても、内部からボロボロと監督批判が出るのは指導者と選手の間に信頼関係がなかったことの証左。22日の加害選手の会見は、イメージ失墜の決定打になった。
「今後の付き合いを考えざるを得ない、というのが正直な感想です」とは、日大に卒業生を何人も送っている強豪高校アメフト部の監督だ。
 歴代2位の甲子園ボウル21回制覇の実績を誇る日大のアメフト部には現在、選手だけで95人もの部員がいる。昨年の甲子園ボウルで27年ぶりの優勝を果たすまで長い低迷があったものの、それでも「名門フェニックス」の看板の威力は絶大で、昨年4月には全国から40人以上の新入生が入部した。それも、部員の供給元である全国の高校とのパイプがあってこそ。そのパイプが、今回の一連の騒動で早くも壊れ始めているのだ。
 元凶の内田監督は辞任した。その内田監督が否定したコーチ陣の刷新も避けられない。そうして体制が一新されたとしても、今や日大そのものに批判が集まっている。
 加害選手の覚悟の会見を受けてなお、日大広報部はこの日、監督の反則指示を否定。「指導と選手の受け取り方に乖離があった」とする当初からの主張を崩さなかった。選手側への責任転嫁とも取れる姿勢が批判されているにもかかわらず、いまだ大学として正式な会見を行っていない。
 そういう体質が高校の指導者や選手、保護者から敬遠されている。廃部へまっしぐらである。


「被害選手におわび」 日大アメフット部父母会
 日本大アメリカンフットボール部の父母会は24日、悪質な反則問題を受けた緊急の会合を東京都内で開いた。終了後に取材に応じた会長の男性は「関西学院大の被害選手、保護者に心からおわび申し上げたい」と謝罪。相手選手を負傷させた日大の宮川泰介選手に対し「父母として守ってあげられなかったことを申し訳なく思う」と述べた。
 会合には約110人が参加。部員らをどう守っていくかを話し合ったという。
 会長は日大の一連の対応について「選手を優先に考えてくれない。憤りを覚えた」と批判。「息子からは『指示があった』と聞いており、個人的には宮川選手の発言が正しいと思う」と話した。


日大悪質タックル問題 醜聞にまみれた米名門大の「前例」
 日大アメフト部の悪質タックル問題、2つの会見を経た後も釈然としない思いが残った。立教大学体育会野球部に所属していた過去があり、現在も立教大学非常勤講師として、「スポーツビジネス論〜メジャーリーグ1兆円ビジネス」の教鞭を執るスポーツジャーナリストの古内義明氏が指摘する。
 * * *
 5月22日に日本記者クラブで、日本大学アメリカンフットボール部の当該選手の会見を見て、胸が痛くなった。日本中が注目し、社会問題となる中、彼は身分を証し、自分の言葉で謝罪する決断をしなければならなかった。会見場には日大アメリカンフットボール部はおろか、日大の関係者の同席もない中で、20歳の若者一人が350人を超えるメディアの前に立つような状況に、なぜ追い込まれてしまったのか、大学スポーツに関わる身として、激しい憤りを感じざるを得なかった。
 コンタクトスポーツの世界において、彼が行った故意によるラフプレイは許されるものでは決してない。しかし、彼が発した「事実を明らかにすることが、償いの第一歩」という真摯な態度は関西学院大学アメリカンフットボール部のクオーターバックの選手とそのご家族、そして関係者の方々に届いていたと信じたい。
 私はアメリカの大学院に進み、スポーツ経営学の修士課程で学ぶ中で、全米大学体育会協会(NCAA)の存在意義、そして、カレッジスポーツの関係者と話す機会に幾度となく恵まれた。その経験から今回の問題で、真っ先にNCAAの歴史に汚点を残したペンシルベニア州立大学のスキャンダルを思い出した。
 ペンシルベニア州立大学アメリカンフットボール部は「ビッグ10カンファレンス」に所属する強豪であり、2度の全米チャンピオンに輝く名門校だ。陣頭指揮を執るジョー・パターノ監督は46年間もサイドラインに立ち続けたカリスマ的な名将であり、カレッジフットボールの殿堂入りも果たしている。
 2011年、その名将の右腕のアシスタントコーチだったジェリー・サンダスキーが15年間に渡り、8人の少年に性的虐待をしていたことが発覚し、全米を震撼させた。大学理事会の対応は迅速だった。事の重大性に鑑みて、元FBI長官のルイス・フリー氏を長とする外部委員会を設置し、調査を依頼。出来上がった報告書によると、「パターノ監督が事件の隠蔽工作を積極的に指揮していた」という衝撃的な事実が明らかになった。
 パターノ監督はシーズン終了後の辞任を表明していたが、大学理事会はそれを許さず、伝説的な名将は解任された。と同時に、学長、副学長、体育局長という大学の要職も解任したのだ。さらに、10万6572人を収容するビーバー・スタジアムの前に立つパターノ監督の銅像も重機によって撤去された。
 統括団体となるNCAAの制裁措置は関係者の予想を上回る徹底したものだった。まずは、パターノ監督が「不祥事を知り得た時点」までさかのぼって、それ以降に記録した111勝は抹消された。これにより409勝の通算勝ち星は298勝となり、「歴代最多勝利監督」という栄誉も剥奪された。また制裁金として、当時のレートで約48億円という巨額の罰金の支払いを命じ、4年間に渡ってプレーオフ進出禁止と毎年10人分の奨学金停止も通達された。
 同校のあるペンシルベニア州のステートカレッジは4万人という小さな町であり、ペンシルベニア州立大学フットボール部はおらが町の誇りだった。スキャンダルが与えた経済的損失はもちろんのこと、何よりも名門校が受けたイメージダウンは避けられないものとなった。それでも、ペンシルベニア州立大学は高等教育機関として、ゼロからの出発を選んだ。監督はもちろんのこと、大学トップをも解任して、自らの襟を正す決断をしたのだ。
 だからこそ、今回の日本大学とアメリカンフットボール部の対応、そして世論との間にこそ大きな「乖離」があると言わざるを得ない。
 立教大学では「RIKKYO ATHLETE HANDBOOK」を作成し、体育会51部56団体に所属する2400人のすべての部員に配布している。この中には、立教大学の体育会活動を支える考え方をまとめた「立教大学体育会憲章」が掲載され、体育会学生であることの心構えが記載されている。学生は内容を習熟することで、スポーツ活動と学業を両立させる文武両道の精神のもとに、人間性を養うことがうたわれている。
 その憲章の中にある第7条(監督・コーチとの関係)では、「体育会各部の監督・コーチ(以下「指導者」という。)」は、体育会員に技術を指導し、スポーツを理解せしめ、その心身の健全なる育成を行う」(原文ママ)とある。指導者とは技術指導はもちろんのこと、学生に対してルールに基づいたスポーツの本質を教えることで、社会のためになる人間形成が求められている。
 23日夜になって日本大学アメリカンフットボール部の内田正人前監督と井上奨コーチがようやく会見を開いた。だが、該当選手の会見と、内田前監督や井上コーチの会見を聞き比べると、やはり何か釈然としない。また、2人の指導者が質問に対して、的確な回答をせず、どこか他人事であり、全て保身に走る内容という印象が残った。結果、該当選手か、指導者のどちらかが嘘をついていると言わざるを得ない歯切れの悪さが残る会見となった。
 今回の一連の問題で、大学は誰のためにあるのか、指導者は誰を守るのか、という本質論が浮き彫りになった。学生スポーツに関わる大人が、「選手に対して、自分の息子、娘のように考えられるか、どうか」。いま、その姿勢そのものが問われているような気がしてならない。
【PROFILE】古内義明(ふるうち・よしあき)/立教大学法学部卒、同時に体育会野球部出身。ニューヨーク市立大学大学院修士課程スポーツ経営学修。立教大学では、「スポーツビジネス論〜メジャーの1兆円ビジネス」の教鞭を執る。1995年の野茂英雄以降、これまで二千試合を取材するスポーツジャーナリスト。著書に、『メジャーの流儀〜イチローのヒット1本が615万円もする理由』(大和書房)など、これまで14冊のメジャー書籍を執筆。(株)マスターズスポーツマネジメント代表取締役、テレビやラジオで高校野球からメジャーリーグ、スポーツビジネスまで多角的に比較・分析している。


米大使館移転 対立と分断を助長するな
 トランプ米政権が在イスラエル大使館をエルサレムに移転したことで、パレスチナ自治区ガザを中心に抗議行動が激化、イスラエル軍の発砲で60人を超えるパレスチナ人が犠牲になった。抗議行動は沈静化したものの、中東和平の見通しは完全に行き詰まった。イスラエル寄りにあからさまにかじを切ったトランプ大統領の「展望なき移転」の責任は厳しく問われなければならない。
 今回の抗議行動は元々、5月15日の「ナクバ」(大惨事)に向けてのもので、3月末から始まった。ナクバはパレスチナにとっては、1948年のイスラエル建国で約70万人のパレスチナ人が難民となった厄災の日。逆にイスラエルにとっては建国70周年の記念すべき日である。
 エルサレムはユダヤ、キリスト、イスラム各宗教の聖地。イスラエルは同地を永遠の首都とし、パレスチナ側も東エルサレムを将来の独立国家の首都とするとして激しく対立、米歴代政権もいずれかに肩入れするのを避けてきた。
 しかし、トランプ氏は昨年末、エルサレムをイスラエルの首都と認定し、今回、当初の移転計画を前倒しして実施した。これにパレスチナ人が猛反発したのは当然だろう。特にガザでは、実効支配する強硬派のイスラム組織ハマスがデモを主導し、若者ら一部がイスラエルとの境界の鉄条網に突入しようとしてイスラエル軍に射殺された。
 ガザはイスラエルの経済封鎖で、住民の生活が困窮し、イスラエルや米国に対する不満と憎悪が爆発寸前にまで高まっていたという背景もある。加えて、中東和平交渉が暗礁に乗り上げる一方で、イスラエルがパレスチナ自治区への入植地建設を進め、「ユダヤ化」の既成事実を積み重ねていることがパレスチナ人の怒りに拍車を掛けた。
 トランプ氏は大使館移転に当たって「恒久的な平和を推進する」と表明したが、中立的な調停者の立場を事実上放棄した中、どうやって交渉を進めていこうというのか。和平の基本的な枠組みであるイスラエルとパレスチナの「2国家共存」方式にこだわらない考えを示し、パレスチナ側の反発を招いているが、具体的な構想は全く明らかにされていない。
 懸念されるのは、同氏のエルサレム移転が11月の米中間選挙の鍵を握るキリスト教福音派の支持を得るためとみられる点だ。内政を有利にするため、国外の深刻な問題を利用することは許されず、これ以上、対立と分断を助長してはならない。


県民投票へ署名開始 那覇で集会、目標11万5千筆
米軍普天間飛行場の移設に伴う辺野古埋め立ての賛否を問う県民投票条例制定請求に向け「『辺野古』県民投票の会」は23日午後、署名集めを開始した。同日夜、会の趣旨に賛同する市民ら約220人が参加し、那覇市のかりゆしアーバンリゾート・ナハでキックオフ集会を開いた。県民条例制定請求には有権者の50分の1の署名約2万3千人分が必要だが、同会は2カ月間で約11万5千筆の署名獲得を目指す。
呉屋守将顧問はあいさつで「日本に復帰後、本当の意味で我々が求めた人権、平和、民主主義が得られたのか。ブルドーザーと銃剣で我々の土地を奪っていった米軍基地は『もう勘弁してくれ』と求めて県民投票をする」と意義を強調した。
元山仁士郎代表は「戦争や基地のこと、島々の問題などを共有し議論を深めたい」と呼び掛け、安里長従副代表は「県民投票と同時に普天間の閉鎖返還、県外、国外移設を求めていくきっかけにしたい」と訴えた。
参加者らは手をつなぎ「話そう、基地のこと。決めよう、沖縄の未来」と唱和した。

直前の欠勤連絡にイラ/30分電話・辞めたいんだって

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Cannes 2018 : la palme d’or embarrasse-t-elle le Japon ?
Le festival de Cannes s’est terminé ce weekend et la Palme d’Or a été décernée à ≪ Une affaire de famille≪ , du japonais Hirokazu Kore-eda. Ce film critique notamment la politique sociale et culturelle du gouvernement, ce qui pourrait déranger le Japon.
Le Point a révélé, via une correspondante au Japon, qu' ≫une affaire de famille ≫ sacré samedi soir à Cannes ne plaisait pas forcément au pays dont est originaire le réalisateur. En effet, le gouvernement japonais n’a fait aucun commentaire à propos de la récompense. Ce qui ne semble pas déranger le vainqueur : ≪ Mais ce n’est pas Kore-eda qui se plaindra que le Premier ministre et ses proches l’ignorent, bien au contraire. En effet, le réalisateur de nombreuses chroniques familiales déchirantes n’est pas un fan de Shinzo Abe ni de sa politique. Et le film primé, Manbiki kazoku (littéralement, La famille des vols à l’étalage), inspiré d’un fait divers, dénonce les effets néfastes de la division de la société japonaise, une situation que Kore-eda attribue en partie à la politique menée par le gouvernement Abe. ≫ peut-on alors lire dans le magazine.
Kore-eda contre la politique culturelle
Kore-eda a l’habitude de critiquer ouvertement le gouvernement. En effet, il a plusieurs fois protesté contre la politique culturelle de son pays et principalement en ce qui concerne le cinéma. Cette dernière devrait, selon lui, aider le secteur à devenir beaucoup indépendant et ne plus compter sur les sponsors. Il reproche également à Shinzo Abe de venir au festival de Tokyo avec des arrière-pensées : ≪ Malheureusement, le Festival du film de Tokyo est un lieu de vente des films du Japon. C’est exactement comme les Jeux olympiques, un outil au service de la politique nationale. Ce n’est pas au bénéfice du sport ou du cinéma, mais d’abord au bénéfice du Japon ≫, avait-il déclaré dans un entretien accordé en septembre 2016 au magazine Forbes Japon.
フランス語
フランス語の勉強?
玉木雄一郎 @tamakiyuichiro
4000ページの大量の資料で「膿を出し切った」感を演出しているものの「今回出てきていないもの」に意味がある。例えば、本省相談メモのうち、籠池氏から昭恵夫人の写真を見せられたH26.4.28の会談メモはない。本省相談メモはこれ以外にも大量にあると推測される。今回出てきたのは、あくまで一部だ。
ガイチ @gaitifuji
ここだろうな、今回の大量資料公開の最大のポイントは。この大事な4.28メモない。こんなに資料がたくさん残っているのに肝心要のこの日のメモがない。共産党の辰巳議員も指摘していたように、この問題を追いかけている野党の人ならまず4.28のメモを見るはずで、それがないんだから怪しむよ、そりゃ

バイト君が直前の欠勤連絡してきました.代わりを探すことを考えると,もう少し早く連絡してきてほしいです.正直イラッとしました.
一方妹が焦っています.30分電話しました.辞めたいんだって.何にも解決になっていないですのですが,とりあえず話だけ聞いてあげました.

愛媛県の新文書/首相答弁の整合性が揺らぐ
 これが本当ならば、安倍晋三首相は国民にうそを重ねてきたことになる。公平・公正であるべき行政が、官邸主導でゆがめられた疑念もさらに深まった。国民に対する極めて重大な背信ではないか。
 国家戦略特区を活用した学校法人「加計学園」の獣医学部新設を巡り、安倍首相が2015年2月25日に学園理事長と面会し、獣医学部新設の構想を聞いていた−。そんな内容が記載された愛媛県作成の新たな文書が国会に提出された。
 面会で説明を受けた安倍首相は「新しい獣医大学の考えはいいね」と応じたという。面会のやりとりが記された新文書は、愛媛県職員が15年3月、加計学園関係者と打ち合わせをした際の記録だ。学園側は首相との面会内容を丁寧に県に報告している。
 この面会について学園側は否定し、安倍首相も「ご指摘の日に理事長と会ったことはない」と語ったが、具体的で詳細な記述はとても虚偽の文書とは思えない。
 安倍首相はこれまで「獣医学部の新設について、相談や依頼は一切ない」と強調。加計学園の獣医学部新設の計画を知ったのは、学園が事業者に認定された「17年1月20日」だったと国会で答弁を繰り返してきた。知らなかったのだから指示も関与もない、という言い分だ。
 しかし、愛媛県の新文書に基づくなら、安倍首相の答弁は根底から覆ることになる。
 安倍首相がうそをついているのか、愛媛県の新文書が虚偽なのか。事実はどちらか一つしかない。
 愛媛県は「学園側から聞いた内容を正直に書いた」と主張する。確かに、県がわざわざ事細かに作り話を文書に残す理由はない。一方、安倍首相は「記録を調べたが、(面会は)確認できなかった」と述べた。それでどれほどの国民が納得するだろうか。
 愛媛県が国会に提出した新文書は、加計学園との打ち合わせの記録だけではない。合わせて27枚に上る。学園が今年4月に獣医学部を開学した愛媛県今治市と県の会合、県職員が15年4月に首相官邸で面談した柳瀬唯夫元首相秘書官(現経済産業審議官)の発言、県と今治市と学園関係者による意見交換会の内容など多岐にわたる。
 しかも新文書には首相官邸が何度も学園側とやりとりを重ね、「加計ありき」を主導したとみられる経緯が詳細にまとめられている。
 そうした内容の新文書が証拠として出てきた以上、安倍首相は証拠に基づいて反論する必要がある。それができないのであれば、進退が問われても不思議ではない。
 新文書に関しては「また聞きのまた聞きだ」(公明党)との声もある。そうであるならなおさら、国会は学園の加計孝太郎理事長ら関係者を呼び、直接本人に問いただし真相を究明するほかあるまい。


加計問題で愛媛県の新文書 記載内容に合理性はある
 加計学園の獣医学部新設をめぐり重大な問題をはらんだ公文書の存在がまた明らかになった。
 愛媛県が国会に提出した文書によると、2015年2月25日に安倍晋三首相が加計孝太郎学園理事長と面談し、獣医学部の新設計画について説明を受けたとされる。
 事実だとすれば、計画を知ったのは17年1月20日だという首相の国会答弁と矛盾し、自身の関与を否定してきたこれまでの説明が崩れる。
 当時、獣医学部の新設は新潟市が国家戦略特区の事業として既に提案していた。新潟市に先を越される危機感から学園側が面談を求めた経緯が文書には記されている。
 面談では首相が「いいね」と言い、当時の柳瀬唯夫首相秘書官が学園側に資料の提出を指示したという。
 その後の3月24日、学園幹部と愛媛県今治市の職員が首相官邸に柳瀬氏を訪ね、県職員も同席した4月2日の柳瀬氏との面会につながった。県の文書には柳瀬氏が「首相(総理)案件」と述べた記載が複数残る。
 柳瀬氏は学園側と計3回面会したと認めている。首相秘書官が特定の事業者と頻繁に会うことになった起点に首相と加計氏の面談があったと考えれば合点がいく。
 しかも、面談に先立つ2月中旬、学園側は「官邸への働きかけを進めるため」として当時の加藤勝信官房副長官(現厚生労働相)にも面会を求めている。加藤氏が面会の事実を認めたことからも、県の文書の記載内容には合理性が感じられる。
 だが、安倍首相は面談自体を否定した。当時の首相動静記事に記載はないが、官邸にはメディア側がチェックできない通路があり、面談がなかった証明にはならない。
 学園側も面談を否定するコメントを出したが、県の文書は面談について学園側から報告を受けたとしている。そうすると真実は三つに一つとなる。学園側が県に虚偽の報告をしたか、県が作り話をでっち上げたか、首相がウソをついているかだ。
 首相は自治体が残していた公文書を行政府のトップとして尊重すべきだ。明確な根拠を示さず一言で否定して済む話ではない。
 文書は参院予算委員会の求めに応じ県が提出した。受け取った国会には真相究明に取り組む責務がある。


新証拠で大ウソ確定 安倍首相は獣医学部計画を知っていた
「首相案件」はもはや揺るぎようがない。メガトン級の決定的証拠が出てきた。加計学園問題をめぐり、中村時広愛媛県知事が21日、安倍首相が3年前に加計孝太郎理事長と面会した際、獣医学部新設についてやりとりしたことを示す新たな公文書を国会に提出したのだ。
 内容はまさに驚天動地。加計獣医学部計画について「知ったのは2017年1月20日」という安倍首相の国会答弁がウソ八百だったのは明々白々だ。
 愛媛県が国会に提出した27ページにわたる公文書を日刊ゲンダイも入手。文書には、加計学園から県への報告内容が記されている。
 15年3月の報告書には、同月3日、学園からの報告として〈2/25に理事長が首相と面談(15分程度)〉とあり、加計理事長が獣医学部について安倍首相に説明したと書いてある。安倍首相の主張する計画を知った時期より2年も前に、直接、加計理事長から計画を聞いていたのである。そのうえ、〈首相からは「そういう新しい獣医大学の考えはいいね。」とのコメントあり〉と、安倍首相が前向きなリアクションを示したことまで明記されていた。
 その続きには〈柳瀬首相秘書官から、改めて資料を提出するよう指示があった〉とも書かれていた。柳瀬唯夫元首相秘書官は10日の予算委参考人質疑で、15年4月2日に学園関係者と面会したことを認め、「アポイントがあればなるべく会うようにしていた」などと取り繕っていたが、自ら積極的に学園側に資料を出すよう求めていたのだ。
 一方、加計側も獣医学部新設に向け、相当焦っていたらしい。当時、新潟市が獣医学部新設に積極的だったことや、〈下村博文文科大臣が一歩引いたスタンス〉であることを不安視し、愛媛県にも官邸へ働きかけることを要請している。とりわけ、当時の認可権者である下村文科相が学部新設に後ろ向きな姿勢を示していることに危機感をにじませていたようだ。
 そこで焦った加計は、内閣府との面会アポも積極的に取り付けていた。15年3月の〈獣医師養成系大学の設置に係る内閣府及び首相秘書官訪問について〉と題された報告書には、〈学園から内閣府の藤原次長との相談日程が4月2日11時30分に調整できた〉〈学園としては柳瀬首相秘書官に4月2日午後3時から説明したい〉と記されていたのだ。
■「贈収賄」疑惑に発展も
 この愛媛県の公文書を読む限り、柳瀬氏がウソをつき続けていたのは、安倍首相の虚偽答弁を取り繕うことだけが目的ではなかったのだろう。国家戦略特区諮問会議の議長である安倍首相に“利害関係者”である加計理事長が飲食代やゴルフ代を供応した疑いまで浮上し、ヘタをすれば安倍首相が「贈収賄」に問われる可能性があるからだ。
 首相動静によると、第2次安倍政権発足の翌13年以降、安倍首相はたびたび加計理事長と会食。15年2月25日の「いいね」以前に4回、都内高級店で一緒に飯を食い、以降も計7回会食している。ゴルフは計4回だ。安倍首相は会食費やゴルフ代について「先方が払うこともある」と答弁していて、加計獣医学部新設計画を知った上で「ゴチ」されていたのであれば大問題だ。
「今回明らかになった愛媛文書は、安倍首相が学園の構想を知っていたことを裏付ける内容です。仮に飲食代、ゴルフ代を払ってもらっていれば、安倍首相は職務権限者としての責任を問われることになる。贈収賄や受託収賄事件に発展する可能性も考えられます。愛媛県知事はもちろん、加計理事長以下、学園関係者も国会に招致し、真相を明らかにすべきです」(政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏)
 加計学園は、「理事長が15年2月に総理とお会いしたことはございません」とコメント。安倍首相も加計理事長との面会を否定した。では、愛媛県がこれだけの詳細な記録を“捏造”したというのか。加計理事長の証人喚問は必須だ。


首相面会の解明 加計氏の喚問が必要だ
 加計孝太郎・加計学園理事長が安倍晋三首相と二〇一五年二月に面会し、獣医学部新設計画を説明したとする文書が残っていた。首相答弁とは矛盾する。事実解明には加計氏らの証人喚問が必要だ。
 参院予算委員会に提出された愛媛県作成の文書によると、加計学園は一五年三月の同県との打ち合わせの際、同年二月二十五日に加計氏が首相と十五分程度面談し、加計氏が「今治市に設置予定の獣医学部では、国際水準の獣医学教育を目指す」ことなどを説明、首相からは「そういう新しい獣医大学の考えはいいね」とのコメントがあった、と伝えていた。
 首相はこれまで加計学園の獣医学部新設計画を初めて知ったのは一七年一月二十日だったと、国会などで答弁してきた。文書の内容は首相答弁と明らかに矛盾する。
 この文書の記述が正しいという前提に立てば、首相は国会で虚偽の答弁を繰り返したことになる。国権の最高機関に対する冒涜(ぼうとく)にほかならず、看過できない。
 首相はきのう、愛媛県文書の内容について「ご指摘の日に加計理事長と会ったことはない。念のために官邸の記録を調べたが、確認できなかった」と否定した。
 しかし、首相が加計氏との面会記録を確認できなかったのは、首相官邸への入邸記録が「業務終了後速やかに廃棄される取り扱いとなっている」(菅義偉官房長官)ためであり、面会を否定する根拠とするには無理がある。
 指摘された二月二十五日以外や首相官邸ではなく私邸など、ほかの場所で加計氏と面会したことはなかったのか、疑問は残る。
 愛媛県文書によると、首相と加計氏との面会後、一五年四月二日に学園側と会った柳瀬唯夫首相秘書官(当時)が「総理案件になっている」と発言するなど、学部新設の動きが加速した。公平・公正であるべき行政判断が、首相の影響力で歪(ゆが)められたことになる。
 愛媛県文書と首相答弁のどちらが正しいのかは、政権の信頼性や安倍内閣の存立に関わる重要な問題だ。その真偽を確かめるには、加計氏や柳瀬氏らの証人喚問が必要であり、中村時広県知事ら愛媛県、今治市の関係者の参考人招致も検討すべきだろう。
 与党側は加計氏らの証人喚問や中村知事らの参考人招致を拒否してきたが、この問題を解明できなければ、国会の存在意義が問われるという危機意識が希薄ではないのか。与野党を超え、国政調査権を果敢に行使すべき局面である。


加計新文書/首相発言の根底が揺らぐ
 学校法人「加計(かけ)学園」の獣医学部新設を巡り、新たな文書が出てきた。愛媛県が国会の求めに応じて提出した交渉経過に関するものだ。
 安倍晋三首相が学園の加計孝太郎理事長から直接、獣医学部の計画の説明を受け、首相は「いいね」とコメントしたことが記されている。面会したのは首相が計画を知ったとする時期から2年も前のこととされる。
 これが事実なら首相の国会答弁が根底から揺らぐことになり、極めて重大な問題だ。証人喚問を含め、国会で徹底した真相解明をしなければならない。
 新文書は計27枚あり、愛媛県が再調査をして発見された。
 2015年3月に加計学園から県に報告された内容として、首相と理事長が2月25日に15分程度面会したと明記されている。理事長が国際水準の獣医学教育を目指すことなどを説明したことに、首相は「そういう新しい獣医大学の考えはいいね」と返したという。
 これまで首相は、学園による獣医学部の構想を知ったのは17年1月20日と国会で何度も明言している。文書の内容が事実だとすると、首相は2年近く前から聞いており、答弁が虚偽だったことになる。
 ただ、首相の動向をまとめた新聞各紙の「首相動静」には記載がなく、首相も「ご指摘の日に理事長と会ったことはない」と否定している。
 新文書には、参考人招致された柳瀬唯夫元首相秘書官の答弁と矛盾した記述もあった。「本件は総理案件。なんとか実現を、と考えている」と柳瀬氏の発言が書かれている。学園の特別扱いを否定していたが、文書が正しければ「加計ありき」で計画が進められたことになる。
 中村時広知事が「県はあくまでも正直」と述べたように、県側が虚偽の記録を作成する必要性は全くない。国と県との主張が真っ向から違う以上、関係者を国会に招致して解明することが必然といえる。
 首相や元秘書官の国会答弁がうそだった可能性が出ている。与党の反応が鈍いのはどうしたことか。国権の最高機関の権威にかかわる事態が起きている。党派を超えて深刻に受け止め、対処すべきだ。


「加計」新文書 解明の責任 首相にある
 学校法人「加計(かけ)学園」の獣医学部新設を巡り、安倍晋三首相が2015年2月25日、加計孝太郎理事長と面談していたと記した文書を愛媛県が国会に提出した。
 国際水準の獣医学教育を目指すという加計氏の説明を受け、首相は「そういう新しい獣医大学の考えはいいね」と応じたという。
 首相は国会で、加計氏から「獣医学部の新設について相談や依頼があったことは一切ない」と答弁。学園の計画を知ったのは昨年の1月20日だと主張している。
 新文書は、その言い分と真っ向から食い違う内容である。
 首相は面談を否定するが、ではなぜ、県の公文書に細部にわたる記録が残されたのか。首相か、学園か、愛媛県か、いずれかが虚偽の説明をしていることになる。
 国民の疑いの目は首相に向けられている。首相自身が解明を尽くさねばならない。
 まずは国会で、加計氏らの証人喚問が不可欠だ。それを実現させる責任は、首相にある。
 新文書によると学園側は、加計氏と首相の面談に先立ち、当時の官房副長官だった加藤勝信厚生労働相とも面会していた。
 加藤氏は、日本獣医師会や既存大学の反発が強いと説明。このため今治市は、計画実現は「厳しい状況」と受け止めていたという。
 さらに学園側は、競合する新潟市の計画に「危機感」を抱き、対抗するため「理事長が安倍総理と面談する動き」を見せていた。
 そして加計氏は首相から「いいね」の言質を引き出し、当時の柳瀬唯夫首相秘書官が資料提出を学園側に指示したという。そこに首相の意向は働かなかったのか。
 既に明らかになった文書によれば柳瀬氏はその後、学園側と協議を重ね、「首相案件」の実現へ、自治体側の熱意を求めていた。
 暗礁に乗り上げた計画が、加計氏と首相の関係をてこに、「加計ありき」で急展開した―。新文書の記述はそんな疑念と符合する。
 首相と学園側は文書の内容を認めようとしないが、愛媛県が公文書を捏造(ねつぞう)したというのか。ならば首相自身が反証を示すべきだ。
 政権への不信が渦巻く中、与党側はきのう、カジノを中心とした統合型リゾート施設(IR)整備法案を野党の反対を押し切って審議入りさせた。働き方改革関連法案も数の力で成立を急ぐ構えだ。
 だが一連の疑惑について、首相が「うみを出し切る」と約束したはずだ。それを果たさぬままの一方的な国会運営は認められない。


加計問題新文書  事実なら答弁は虚偽に
 安倍晋三首相のこれまでの発言を、覆しかねない新たな文書が現れた。白黒を、はっきりさせなければならない。
 学校法人「加計学園」の獣医学部新設を巡り、愛媛県の中村時広知事が、国などとの交渉経緯を記した新文書を国会に提出し、共同通信が入手した。
 それによると、2015年2月25日に学園の加計孝太郎理事長が首相と面会し、愛媛県今治市に設置予定の獣医学部では、国際水準の教育を目指すと説明した。首相は「そういう新しい考えはいいね」とコメントしたという。
 これまで首相は、獣医学部構想を知ったのは17年1月20日で、関与はないと明言してきた。
 新文書の記載が事実なら、首相は虚偽の答弁をしたことになる。国民にうそをついたも同然で、政権の信頼性が大きく揺らごう。
 知事によると新文書は、国会の要請を受けて提出された。公的な文書として、その内容を重く受け止めたい。
 首相と加計氏との面会は、15年3月に行われた県と学園の打ち合わせ会で学園側が報告した。15分程度で、「いいね」などのやりとりがあった。これを受けて、柳瀬唯夫元首相秘書官から県に改めて資料提出が求められたとする。
 県職員が面会した際、柳瀬氏は「獣医学部新設の話は総理案件になっている」と述べたとされており、先に国会の参考人招致で行った答弁とは食い違いがある。
 いずれも日付が記されているなど記述は具体的だ。
 知事は、一貫して「県側は正直に話してきた」と主張してきた。「県として(獣医学部に)税金約30億円を出す以上、県民に対しクリアにしないといけない」とも強調している。
 新文書の信ぴょう性は、かなり高いのではないか。
 首相の主な動向をまとめた新聞各紙の「首相動静」に、この面会は記述されていない。学園は「理事長が15年2月に首相とお会いしたことはない」とコメントし、首相も「ご指摘の日に理事長と会ったことはない」と否定した。
 それぞれの主張は真っ向から対立しており、どちらかが間違っていることになる。ここは、野党側の求めに応じて知事の参考人招致や加計氏の証人喚問に応じる必要が、与党にもあるだろう。
 加計問題が発覚して、約1年が経過した。これ以上、真偽をうやむやにして、国政を前に進められないことを知るべきだ。


獣医大新設「いいね」 嘘をついているのは誰か
 安倍晋三首相と愛媛県の言い分が食い違っている。こんな不透明な状況を、これ以上放置することは許されない。
 学校法人「加計学園」の獣医学部新設を巡り、愛媛県の中村時広知事が国会に提出した交渉経緯に関する新たな文書で、安倍首相の国会答弁が虚偽だった疑いが強まった。
 安倍首相は、加計学園の獣医学部構想を知ったのは「2017年1月20日」と国会で明言してきた。
 だが、新文書には15年2月25日に加計孝太郎学園理事長が国際水準の獣医学教育を目指すと説明し、安倍首相は「そういう新しい獣医大学の考えはいいね」とコメントしたと記されている。
 安倍首相は「ご指摘の日に加計理事長と会ったことはない。加計氏から獣医学部新設について話をされたこともない。私から話をしたこともない」と否定。加計学園も「理事長が15年2月に総理とお会いしたことはございません」とのコメントを出した。
 愛媛県が捏造(ねつぞう)する理由はない。加計学園が説明していないことをわざわざ記録するだろうか。愛媛県幹部は「文書は、職員が学園側から聞き取った内容を正直に書いている。脚色する必要はない」と述べている。
 安倍首相の言う通り、面会日や「いいね」のコメントが事実でないならば、加計学園側が愛媛県に対して虚偽の説明をしたことになろう。
 愛媛県がこれまでに公表した文書の内容は、政府の説明を覆すものが多く、信ぴょう性も高い。柳瀬唯夫元首相秘書官が加計学園側との面会を認めるきっかけにもなった。愛媛県文書の記載内容は、首相答弁よりも信用できると多くの国民は受け止めているのではないか。
 柳瀬氏は「本件は首相案件」という自身の発言について「首相との言葉は使わないので違和感がある」と否定していた。だが、新文書には柳瀬氏が「獣医学部新設の話は総理案件になっている。なんとか実現を、と考えているので、今回内閣府にも話を聞きに行ってもらった」と発言したとの記載がある。
 柳瀬氏が「首相案件」を否定する根拠は乏しくなった。「なんとか実現を」との発言は「加計ありき」で進める姿勢にほかならない。
 新文書の内容が事実ならば、安倍首相のこれまでの説明は虚偽ということになる。柳瀬氏の国会での説明も事実を語っていないことになる。
 安倍首相は「うみを出し切る」「丁寧な上にも丁寧に説明する」「真摯(しんし)に説明責任を果たす」などと何度も繰り返してきた。だが、言葉とは裏腹に強弁で押し通す姿勢に終止している。
 真相を明らかにするには加計理事長をはじめ、柳瀬氏、中村知事らの国会招致が不可欠だ。嘘(うそ)をついているのは誰かを突き止めない限り、国民の政治不信はますます拡大する。


[愛媛県が加計新文書]事実なら内閣総辞職だ
 文書が事実なら、安倍晋三首相は国会でウソの答弁を繰り返したことになる。「行政を私物化した」との疑念が広がっており、極めて深刻な事態だ。
 学校法人「加計学園」の獣医学部新設を巡り、愛媛県は、国会の求めに応じ、新たな文書を参議院に提出した。
 新文書によると、加計学園の加計孝太郎理事長は2015年2月25日、安倍首相と約15分面談し、「今治市に設置予定の獣医学部では、国際水準の獣医学教育を目指す」ことなどを説明した。
 安倍首相からは「そういう新しい獣医大学の考えはいいね」とのコメントがあったという。
 同年4月2日には加計学園幹部や愛媛県、今治市の職員らが午前中、内閣府の藤原豊・地方創生推進室次長と会い、午後からは首相官邸で柳瀬唯夫首相秘書官(いずれも当時)と会っていたことが明らかになっている。
 通常ではあり得ないような厚遇ぶりだ。
 新文書によると、柳瀬元秘書官は「獣医学部新設の話は総理案件になっている。なんとか実現を、と考えている」とも発言したという。
 首相は国会で、加計学園の学部新設計画を知ったのは17年1月だと説明してきた。
 新文書の内容は、首相の国会説明だけでなく、柳瀬元秘書官の答弁とも矛盾する。
 官邸ぐるみで加計学園を後押ししていたのではないかとの疑念は、いよいよ深まるばかりである。
 新文書の内容が事実なら内閣総辞職しかない。
■    ■
 首相は「念のため官邸の記録を調べたが、確認できなかった」と面談の事実を否定している。だが、官邸の入館記録に記載がなくても、それが面談していないことの証明にはならない。公表すると都合の悪い人の入館は公表されない場合が多いからだ。
 不思議でならないのは、疑惑の渦中にある加計理事長がこれまで、国会の参考人招致にも証人喚問にも呼ばれていないことである。与党側の反対のためだ。
 加計学園の理事長を務める加計氏は首相自身が認める「腹心の友」である。官邸の官僚には、そのことを前提にしたと思われる言動が目立つ。
 藤原地方創生推進室次長(当時)は15年8月、愛媛県今治市に出張した。
 加計学園の車を利用して移動したにもかかわらず、出張記録には「官用車」を使った、と報告していたことが分かっている。
■    ■
 加計・森友学園を巡っては、証人喚問や参考人招致が必ずしも真相究明につながっていないのも確かである。
 与党は数の力にものをいわせ「首相が否定しているのだから首相を信じる」との姿勢に終始し、政府側の官僚は平気で虚偽の答弁を繰り返す。
 その結果、新たな文書が公表されるたびに疑惑が深まる、という負の連鎖が続いてきた。安倍首相の政治責任は極めて重い。
 国会には真相究明の責任がある。真相をうやむやにしたまま数の力で国会を閉じることがあってはならない。


加計問題の新文書 否定するなら証拠示せ
 これまでの安倍晋三首相の国会答弁と食い違う文書がまた出てきた。全容解明が急がれる。
 加計学園による愛媛県今治市での獣医学部新設を巡る問題で、愛媛県が交渉経緯に関する新たな文書を国会に提出した。
 2015年4月2日、当時の柳瀬唯夫・首相秘書官、藤原豊・内閣府地方創生推進室次長との面談時の概要メモなど、県職員が詳細に記録した計27枚の文書である。首相をはじめ官邸が早くから加計学園と交渉を重ねていたことを示すものだ。
 驚くのは、同年2月25日に加計孝太郎学園理事長が安倍首相と15分程度面談して国際水準の獣医学教育を目指すと説明、首相が「そういう新しい獣医大学の考えはいいね」とコメントしたとの記載だ。同年3月3日に学園側が県に報告したという。
 加計理事長を「腹心の友」と言う首相だが、獣医学部構想については、特区に認定された17年1月20日に初めて知ったと答弁してきた。計画について理事長と話もしなかったと繰り返し説明している。加計学園の意向を特区申請前に知っていて優遇したなら、公平であるべき行政をゆがめたことになるからだ。
 しかし答弁と新文書は矛盾している。記載内容が事実なら、国権の最高機関である国会ひいては国民を、内閣のトップが欺き続けていたことになる。
 新文書には、首相が構想を知っていたどころか、進み具合まで気にしていた様子も記されている。「安倍総理と理事長が先日会食した際、獣医師養成系大学の設置について地元の動きが鈍いとの話が出た」「文部科学省からの宿題を返せていないことを安倍総理が心配されていたと聞いた」などである。
 それでも、首相も理事長側も指摘された日には会っていないと否定している。ただ、新文書は参院の要請に応じて愛媛県が出した、いわば公文書である。職員が意図的にうそを記載するとは考えにくい。
 首相や理事長側が面談を否定するのなら、何か証拠を示さない限り国民の疑念は拭い去れまい。ところが、官邸の入館記録は残っていなかった上、首相の面会記録もないという。官邸以外の場所で会っていた可能性もあり、面談がなかったと、にわかに信じられない。
 というのも、これまで何度も疑念が指摘され、官邸や政府が否定しても、後で文書などが見つかるケースが相次いでいるからだ。官邸や政府には積極的に疑念を晴らす気がないと言わざるを得ない。そんな姿勢を続ければ信頼はさらに失われよう。
 関係者が洗いざらい事実を話すしか解明を進めることはできない。もちろん、その筆頭に立つべきは安倍首相である。
 与党の責任も重い。「首相の発言を信頼し支持する」(二階俊博自民党幹事長)ようでは国民の理解は得られまい。公明党の山口那津男代表も文書について「また聞きのまた聞き」と述べるなど危機感に乏しい。伝聞情報にすぎないと言うのであれば、加計理事長や柳瀬氏、藤原氏ら文書に記された人を全て国会で証人喚問すべきだ。
 官邸や政府は「自浄能力」を欠くようだ。ただすのは国会、特に与党の義務である。新文書は、参院で与野党が一致して愛媛県に求めたから提出された。できることは多いはずだ。


愛媛県新文書 問われる首相の説明責任
 学校法人「加計(かけ)学園」の獣医学部新設とは「首相案件」だったのか。そんな疑念が深まるような文書の存在が明らかになった。安倍晋三首相の説明責任が改めて問われる事態である。
 愛媛県が国会の要請に応じ、交渉経過に関する新たな文書を提出した。首相の国会答弁の信ぴょう性を揺るがす内容だ。
 首相は新文書の内容を全面的に否定した。しかし新文書が事実とすれば、首相自身が疑惑の渦中にいた当事者ということになる。首相は今度こそ、疑惑の解明に真摯(しんし)に向き合うべきだ。
 新文書によると、首相は学園の加計孝太郎理事長と2015年2月25日に面会した。加計氏から国際水準の獣医学教育を目指すとの説明を受け、「そういう新しい獣医大学の考えはいいね」と述べたという。
 事実だとすれば、これこそ「首相案件」の発端ではないか。
 首相はこれまで、学園の獣医学部構想を知ったのは、学園が新設獣医学部の事業者に正式決定した17年1月20日だったと繰り返し国会で答弁してきた。
 新文書の内容と照らし合わせると、首相による一連の国会答弁は虚偽だったことになる。
 首相と加計氏の面会は、愛媛県と学園の打ち合わせ会で学園側から報告された。その面会では柳瀬唯夫首相秘書官(当時)から改めて資料を提出するよう指示があったという。
 新文書には、柳瀬氏と愛媛県や学園などの関係者が面会した際、柳瀬氏が「獣医学部新設の話は総理案件になっている。なんとか実現を、と考えている」と語ったとの記載もある。
 柳瀬氏は国会の参考人質疑で「首相案件」という表現について「私は首相という言葉は使わないので違和感がある」と答弁していたが、この新文書では「総理案件」となっている。
 首相はきのうの衆院本会議で新文書について「ご指摘の日に理事長と会ったことはない」「加計氏と獣医学部新設の話はしていない」と全面否定した。
 確かに、首相の主な動向をまとめた新聞各紙の「首相動静」で、15年2月25日付に加計氏との面会は書かれていない。しかし、あくまで主な動向である。
 40年来の親友で会食やゴルフを重ねる首相と加計氏が、獣医学部新設構想について一切話さないというのは考えにくい。そもそも愛媛県の職員にうそを書き残す理由は見当たらない。
 野党は加計氏と柳瀬氏の証人喚問、中村時広愛媛県知事の参考人質疑、首相出席の集中審議を求めた。当然だ。一連の疑惑を巡って「うみを出し切る」というのならば、首相も文書に基づく指摘には口頭だけでなく、確たる証拠で反証すべきだ。


国会に真相解明の責任/加計問題で新文書
 学校法人・加計学園の獣医学部新設を巡り、愛媛県が新たな内部文書を国会に提出した。2015年2月下旬に学園の加計孝太郎理事長が安倍晋三首相と面談し、国際水準の獣医学教育を目指すと説明した−と学園関係者がその年3月初め、県側との打ち合わせの場で報告したことなどが記されている。首相答弁と大きく食い違う内容だ。
 これまで首相は、自ら議長を務める国家戦略特区諮問会議で学園が特区の事業者に決まった「17年1月20日」に初めて学園の獣医学部新設計画を知ったと説明してきた。
 柳瀬唯夫元首相秘書官は先の参考人質疑で15年4月2日と前後2回、官邸で学園関係者と面会したことを認めたが、特別扱いはしていないとし「首相に報告したことも、指示を受けたこともない」と強調した。しかし新たな文書からは、官邸側が早い段階から学園側とやりとりを重ねていた経緯が読み取れる。
 まず首相の「丁寧な説明」を聞きたい。文書の内容が事実なら、「うそ」の答弁を繰り返していたことになる。今回の文書は国会の要請に応じて提出された。国会にはその内容に基づき、加計氏ら関係者の招致などによって真相解明に取り組む責任がある。
 愛媛県の提出文書によると、加計氏は15年2月25日に首相と会い「今治市に設置予定の獣医学部では、国際水準の獣医学教育を目指す」などと説明したとの報告が学園側からあったとされる。
 このとき、首相は「そういう新しい獣医大学の考えはいいね」と話したという。これを受けて柳瀬氏からは、改めて資料を提出するよう指示があったとの記述もある。
 首相は「指摘の日に加計氏と会ったことはない」と否定した。しかし文書では、面談前の2月に今治市から、学園側に官房副長官が「今治市への獣医学部設置は厳しい状況にある」と説明したとの連絡があり、加計氏が首相と面談する動きもあるとしている。
 また4月2日の柳瀬氏の発言も「獣医学部新設の話は総理案件になっている。なんとか実現をと考えている」と以前公表された文書より詳しい記録も出てきている。
 政府はこれまで「記憶にない」「記録がない」と、追及をかわし続けてきた。しかし、愛媛県文書を巡って誰もが納得する反証をできないなら、その責めをいかに負うかを考える必要があるだろう。


加計問題新文書 首相関与疑惑深まった
 学校法人「加計(かけ)学園」の獣医学部新設を巡り、愛媛県の中村時広知事が交渉経緯に関する新たな文書を国会に提出した。その中に、2015年2月25日に加計孝太郎学園理事長が安倍晋三首相と面会して国際水準の獣医学教育を目指すと説明し、首相が「そういう新しい獣医大学の考えはいいね」と話したことが記されていた。
 安倍首相と加計氏は長年の親友。野党は、国家戦略特区の認定は「加計ありき」で行われたのではないかと追及してきた。これに対し安倍首相は、加計学園の獣医学部新設計画を知ったのは自らが議長を務める国家戦略特区諮問会議で学園の計画を認定した「17年1月20日」と繰り返している。知らないのだから、指示も関与もしようがないというのが一貫した主張だ。
 だが、この新文書の内容が事実なら、首相が示した関与否定の根拠は根底から覆される。しかも、首相が国会で虚偽の答弁を繰り返してきたことになり、行政府の長としての責任は極めて重い。
 今回の新文書に関し、首相は「加計氏から話されたこともない。私から話したこともない」と内容を否定、加計学園も「理事長が15年2月に総理と会ったことはない」とコメントした。一方、愛媛県の中村知事は「県はあくまでも正直」と文書の信ぴょう性を主張する。
 文書では、学園と県が15年3月3日に行った打ち合わせ会の際、首相と加計氏が面会したことが学園側から県に伝えられたという。どちらかが事実と異なる主張をしている。それは首相側なのか、それとも愛媛県側なのか。首相が言明した「うみを出し切る」ためには事実関係を早急に解明する必要がある。
 そのためにも中村知事の参考人招致と、加計氏の証人喚問が不可欠だ。その中村知事の参考人招致を求める野党に対し、自民党は即座に拒否する姿勢を示した。真相究明を阻害するような対応であり、首相の関与があったのではと思われても仕方がない。こうした政府与党の不誠実な態度が国民の不信感を増大させることを自覚すべきだ。
 政府が国家戦略特区での獣医学部新設検討を盛り込んだ「日本再興戦略」を閣議決定したのは15年6月。その2カ月前に柳瀬唯夫元首相秘書官が愛媛県職員を含む学園関係者らと官邸で面会していたことが明らかになったばかりだ。柳瀬氏は「記憶では会ったことがない」と答弁してきたが、「首相案件」と柳瀬氏が発言したとする県文書の発覚を受け、先ごろ参考人招致された国会で学園関係者との面会を認めている。一方で「首相案件」発言は否定した。
 官邸主導による「首相案件」「加計ありき」の計画という疑惑はさらに深まったと言わざるを得ない。新文書にある首相、官邸、学園に関する記述は事実なのか。国会で一つ一つ検証することが求められる。


加計新文書 虚偽答弁の疑い一段と
 加計学園の獣医学部新設を巡る疑惑がさらに深まった。愛媛県の新文書には、首相らの答弁と矛盾する内容が記されている。どちらが正しいのか、真相を明らかにしなくてはならない。
 国会の要請を受け、改めて調査して見つかった文書だ。学園側との打ち合わせで聞き取った内容などを記している。
 記録によると、安倍晋三首相と加計孝太郎理事長が2015年2月に面談したことを学園側が県に伝えた。国際水準の獣医学教育を目指すとの加計氏の説明に対して首相が「新しい獣医大学の考えはいいね」とコメントしたという。
 期日は分からないものの、会食でも話題に上ったとしている。
 首相は、学園の獣医学部構想を知ったのは17年1月だと述べてきた。文書にある通り、加計氏から説明を受けていたとすれば答弁は虚偽だったことになる。
 首相は「ご指摘の日に理事長と会ったことはない」と新文書の内容を否定した。「加計氏から獣医学部新設について話をされたことも、私から話したこともない」と重ねて述べている。学園も面会を否定するコメントを出した。文書とは食い違いが残る。
 愛媛県側が言うように県の職員が文書を改ざんしたり、うそを記したりする理由はない。4月に明らかになった文書には、当時の柳瀬唯夫首相秘書官との面会が記されており、柳瀬氏は学園関係者に会っていたと認めた。この経緯を見ても文書の信ぴょう性は高い。
 柳瀬氏についての新たな記述も見過ごせない。特区の活用について、県や今治市と一緒に内閣府の地方創生推進室次長に相談するよう学園側にアドバイスしたとされている。「総理案件」「なんとか実現を、と考えている」といった発言も記されていた。
 参考人招致では学園への特別扱いを否定した。「首相案件」と発言したとの記述を巡り「国家戦略特区が政権の政策の柱という意味で、制度の一般的な話をした」と述べている。新文書によって答弁の信用性は揺らいだ。
 文書の記述は学園側などから伝えられた間接的な内容が多い。何が本当なのか、はっきりさせるには学園や自治体、関係する省庁の担当者らを国会に呼んで話を聞く必要がある。
 野党6党派は加計氏と柳瀬氏の証人喚問、愛媛県知事の参考人招致を要求している。特別委員会を新設して精査すべきだとの声もある。真相解明は国会の責務だ。与党は応じるべきである。


加計新文書 国会主導で徹底究明せよ
 事実なら、安倍晋三首相や官邸側のこれまでの答弁が一気に覆る。疑問を抱いている国民は少なくあるまい。真相の徹底究明に向け、国会が主導的な役割を果たすべきだ。
 学校法人「加計学園」の獣医学部新設を巡り、交渉経緯に関わる新たな文書を愛媛県が国会に提出した。
 文書は、愛媛県が作成したものだ。その中には、2015年2月25日に学園の加計孝太郎理事長と首相が面会したとの記載も含まれていた。
 加計氏が国際水準の獣医学教育を目指す考えを説明したのに対し、首相は「そういう新しい獣医大学の考えはいいね」と語ったとされる。
 このやりとりの真偽は極めて重要だ。加計氏は首相が「腹心の友」と呼ぶほど親しい。獣医学部新設では「加計ありき」を疑わせる文書が相次いで明らかになっている。
 一方、首相は、加計氏は「私の地位を利用して何かしようとしたことはない」などと国会で繰り返し、学部新設計画を知ったのは事業者が決まった17年1月20日と主張してきた。
 今回提出された文書の通りであれば、首相答弁が虚偽だった疑いが強まる。
 首相は「ご指摘の日に理事長と会ったことはない」「官邸の記録を調べたが、確認できなかった」と文書に記された面会を否定した。加計学園側も否定のコメントを出している。
 だからといって、愛媛県の新文書の内容が誤りだと即断するのは一方的だろう。
 愛媛県幹部は、担当職員が学園から聞き取った内容を正直に書いたもので脚色やうそはないとし、中村時広知事も「職員が3年前の文書を改ざんする必要はない」と述べている。
 文書には、首相秘書官だった柳瀬唯夫氏が、首相と加計氏の面会を受け、学園側に資料提出を指示したと記述されたものもあった。
 15年4月に愛媛県職員らが柳瀬氏と面会した際の概要メモには、「獣医学部新設の話は総理案件。何とか実現を、と考えている」との柳瀬氏の発言が記録されていた。
 柳瀬氏は参考人招致で「首相案件」発言を否定していた。改めて整合性が問われよう。
 首相や官邸側の説明と愛媛県の文書の内容に食い違いがある以上、国会には真相を明らかにする責務がある。
 説明は国会でなされ、愛媛県の文書は国会の要請に応じて出されたものだからだ。
 野党は加計氏と柳瀬氏の証人喚問、中村知事の参考人招致を求めている。与党は真摯(しんし)に応えなければならない。
 自民党の二階俊博幹事長は首相発言を「信頼し、支持する」との姿勢を示し、公明党の山口那津男代表も「学園も首相も否定している」と強調したが、問われているのは事実がどうなのかである。
 与党は政権の擁護より、国民の疑問にきちんと向き合うことを優先してもらいたい。


加計問題で新文書 うそか否か、真相解明急げ
 学校法人「加計学園」の獣医学部新設を巡り、愛媛県の新たな内部文書が国会に提出された。2015年2月25日に学園の加計孝太郎理事長が安倍晋三首相と15分程度面談し、国際水準の獣医学教育を目指すと説明した―と学園関係者が翌3月初めに、県側との打ち合わせで報告したことなどが記されている。
 自ら議長を務めた国家戦略特区諮問会議で、学園が事業者に認定された「17年1月20日」に初めて学園の計画を知ったと繰り返し説明してきた首相答弁とは、まるで食い違う。
 首相は「指摘の日に加計氏と会ったことはない」と否定し「念のため官邸の記録を調べたが、確認できなかった」とした。だが、これもおかしい。官邸側はこれまで「訪問者の記録は保存されていない」と説明してきたからだ。記録がないことが会っていないという根拠にならない。
 文書の内容が事実なら、首相は国会の場で「うそ」をついてきたことになる。野党が「首相の進退に関わる重大な文書」と攻勢を強めるのも当然だ。国会は加計氏ら関係者を招致し、真相解明に取り組むべきだ。
 文書には加計氏の説明に対して首相が「そういう新しい獣医大学の考えはいいね」とコメントしたとある。面談を受け、当時の柳瀬唯夫首相秘書官から「改めて資料を提出するよう指示があった」ともある。
 柳瀬氏は先の参考人招致で、この年の3月から6月にかけて学園側と計3回会ったと説明。4月2日の面談では「愛媛県や今治市の方がいたかどうかは分からない」などと話した。だが、新文書には柳瀬氏が「獣医学部新設の話は総理案件になっている。なんとか実現を、と考えている」と以前の文書より詳しい記述があり、「制度の説明」の域を超えた力の入りようもうかがえる。
 文書には新たに当時の加藤勝信官房副長官(現厚生労働相)が登場。加藤氏は「地元(岡山)の衆院議員ということで訪ねてきた」と述べたが、学園側は理事長と首相の面会が「実現しない中で、官邸への働きかけを進めるため」としている。本紙掲載の2月25日の「首相動静」では、首相はその日真っ先に加藤氏と会っている。加計氏を連れだっていなかったのか、疑いの目が向く。そもそも15分の面談なら官邸外であったとしても不思議ではない。
 面談を求めた背景には当時、戦略特区で先行していた新潟市への学園側の「危機感」があったことが記されている。「2月25日に理事長と首相が面談」の記載が複数回あるように、面談実現で「加計ありき」へ事態が動いたと読み取れる。
 文書の国会提出に踏み切った中村時広知事は「職員が3年前の文書を改ざんする必要はない」と改めて正当性を主張した。首相は全面否定することで世論の批判を抑え、国会を乗り切る構えだが、「国民にうそ」を払しょくするには誰もが納得する反証を示す必要がある。関係者の国会招致にまずは応じるべきだ。


加計問題県新文書 首相の虚偽答弁疑い強まった
 学校法人「加計学園」の獣医学部新設を巡り、愛媛県が国会に新文書を提出した。文書には安倍晋三首相が2015年2月に学園の加計孝太郎理事長と面会し、学部新設に賛同したことなどが記されており、一貫して関与を否定してきた首相答弁の矛盾がはっきりと浮かび上がった。内容が事実なら、「加計ありき」との疑惑が決定的となるばかりか、一国の首相が国会で虚偽答弁を繰り返したこととなり、言語道断だ。
 首相は面会自体を否定したものの、国会の要請に従い提出した公的な文書に記載されていたことの意味は重く、証拠に基づかない否定では、もはや信用できない。加計問題がここまで拡大し、1年にわたり引きずり続けているのは、真摯(しんし)に説明責任を果たそうとしなかった首相の姿勢が原因であると自覚すべきだ。首相自らが中村時広知事と加計氏の国会招致を指示し、全容解明に尽くさねばならない。
 首相はこれまで、加計氏から学部新設についての相談依頼は「一切ない」と否定し続け、計画を知ったのは17年1月20日だと繰り返してきた。
 ところが学園が県に報告した内容が記載された文書には、15年2月25日、首相と加計氏が面会し、学部新設を説明した加計氏に対し、首相が「いいね」と応じたとの旨がある。これほど早期から計画を知り、その上、高評価まで与えていたのなら、国家戦略特区を活用した獣医学部設置認可のプロセスに影響がなかったとはいえまい。
 首相は「ご指摘の日に理事長と会ったことはない」と面会を否定し、与党幹部も支持する。さらに文書について「また聞きのまた聞きだ」(公明党の山口那津男代表)などと、信憑性(しんぴょうせい)に疑義を呈する発言も出ている。しかし、学園が県や今治市にうその報告をしたり、県職員が脚色したりする必要はなく、どちらが信頼できるかは明白だ。与党が首相をかばい立てしているとしか映らず、真相究明を望む国民を愚弄(ぐろう)するものだ。
 参考人招致された柳瀬唯夫元首相秘書官の答弁も、文書と食い違っており納得できない。柳瀬氏は「首相案件」とした自身の発言について、特区は政権の政策の柱と説明しただけだと答えていたが、新文書では「総理案件になっている。なんとか実現を、と考えている」と踏み込んだ発言をしている。答弁の妥当性は根幹から崩れた。虚偽証言に罰則がある証人喚問で改めてただす必要がある。
 今国会は働き方改革関連法案などの重要法案を抱えている。与党は着実に審議を進めていく構えだが、首相答弁への信頼が揺らぐ中での審議には疑問符が付く。この問題の事実関係について明確に説明し、国民に納得してもらうことが最優先だ。そのために県だけでなく今治市も情報公開を徹底すべきだ。関係者すべてが真実を述べ、情報を明らかにしない限り、加計問題を終わりにはできない。


【「加計」新文書】首相の主張崩れるばかり
 「そういう新しい獣医大学の考えはいいね」。学校法人「加計学園」の獣医学部新設を巡り、安倍首相が加計孝太郎学園理事長に話したとされるコメントが愛媛県の公文書に記されていた。
 県が国会に提出した新たな文書に、学園側から県への報告内容として記載されていた。それによると、加計理事長は安倍首相と2015年2月25日に面談したとされ、首相が学園の構想を17年1月20日に初めて知ったと主張してきたこれまでの国会答弁と食い違う。
 安倍首相は加計理事長を「腹心の友」と公言するほどの親密な間柄だ。愛媛県の文書が事実なら、首相の国会答弁が虚偽だった可能性を裏付ける。政権トップが特定の学園の事業認可に向けて後押ししていたとの疑いも招きかねない。
 愛媛の新文書に対し首相は加計理事長との面談を改めて否定する。だが、「総理の意向」などの文書をはじめ次々と「物証」が明らかになる中で、関係省庁に残る文書や愛媛文書の信ぴょう性が高まる一方、首相の主張の信用性は崩れていくばかりだ。
 獣医学部新設の交渉経緯を愛媛県職員が時系列的にまとめた新文書には、学園が首相や官邸への接触に躍起になっていたとうかがわせる記述が並ぶ。
 「官邸への働き掛けを進めるため」として、15年2月に当時の加藤勝信内閣官房副長官を訪ねたほか、同3月には当時の柳瀬唯夫首相秘書官や下村博文文部科学相らと面談。柳瀬氏から資料提出の指示を受けるなどしていたとされ、官邸側が「加計ありき」で手続きを促していた形跡さえ透ける。
 安倍首相と加計理事長が面談した後、学園関係者と柳瀬氏のやりとりが始まり、新学部申請の動きが急加速したような様子が分かる。柳瀬氏は国会答弁で学園の厚遇を否定したが、新文書では15年4月の面会で「なんとか実現を、と考えている」と助言したとされる。答弁の真偽をただすべきだ。
 愛媛県職員の備忘録で、この面談の際に「首相案件」と述べたとされた柳瀬氏は、官邸では「総理」としか呼ばないと国会で否定した。だが、新文書には柳瀬氏が「総理案件になっている」と発言したとの記載がある。首相の関与や官邸の「忖度(そんたく)」への疑念を強くする。
 首相や官邸側が疑惑を否定しても否定しても、それをことごとく覆す新たな文書が発覚する。その度に首相らは明確な証拠も示さず、「記憶にない」といった強弁で押し通す。国民はうんざりしている。その不信感は真相究明がままならない国会にも向けられている。
 加計理事長や柳瀬氏、愛媛県の関係者らの証人喚問は疑惑解明の最低限の入り口だ。政権、与党に拒否する理由はない。文書内容は極めて具体的で、詳細だ。安倍首相をはじめ当事者が誠実に答えれば、解明に時間はかからない。


[「加計」新文書] 答弁との矛盾に答えよ
 愛媛県は、学校法人「加計学園」の獣医学部新設を巡る新たな文書を国会に提出した。官邸などとの交渉経過がつぶさに記録されている。
 安倍晋三首相は獣医学部新設構想を初めて知ったのは2017年1月20日と国会で明言してきた。だが、その2年近く前には既に知っていた疑いが文書で明らかになった。
 文書の内容が事実だとすれば、虚偽の答弁を繰り返していたことになる。首相はこの矛盾に誠意を持って答えるべきである。
 文書によると、首相は15年2月25日、長年の友人である加計孝太郎学園理事長と面会した。その際、加計氏が国際水準の獣医学教育を目指すと説明し、首相は「そういう新しい獣医大学の考えはいいね」と応じたとされる。
 そういった会話があったとしたら、首相は遅くてもこの時に獣医学部新設構想を知っていたことになる。首相は「官邸の記録を調べたが、確認できなかった」と否定したが、面会の場所が官邸だったとは限らないだろう。
 交渉経過からは、官邸側が学園と度々打ち合わせをし「特別扱い」していたことも読み取れる。
 たとえば、当時の柳瀬唯夫首相秘書官の対応である。資料を改めて提出するよう指示したり、獣医師会の反対を乗り切るために内閣府の担当者と相談するようアドバイスしたりもしている。
 さらに、「獣医学部新設の話は総理案件になっている。なんとか実現を、と考えている」との発言もある。柳瀬氏は先の参考人招致で学園の特別扱いを否定したが、最初から「加計ありき」だった可能性が高まったのではないか。
 愛媛県が作成した記録文書はこれまでも一部が公表され、柳瀬氏が学園側との面会を認める契機にもなった。信ぴょう性は高いといえるだろう。文書を否定するだけでは国民の疑念は晴れまい。
 安倍首相はこれまで、国民が納得できるような説明はしないまま強弁で押し通し、関わりを否定してきた。だが、今回明らかになった文書は自身の発言と食い違う内容である。文書に偽りがあると言うのなら、明確な証拠を示して反論すべきだ。
 文書は愛媛県が国会の要請を受け、改めて調査して見つかったのだから、国会の責任で真相を究明していくのが筋である。
 予算委員会の集中審議で安倍首相に再度説明を求めるほか、加計氏や中村時広愛媛県知事ら関係者を国会に招致することも欠かせない。与党が集中審議や招致の実現に率先して取り組むべきだ。


高プロ制度で修正合意 懸念の解消には不十分だ
 安倍政権が最重要課題に掲げる働き方改革関連法案が今国会で成立する見通しとなった。焦点となっている高度プロフェッショナル制度(高プロ)について与党と日本維新の会、希望の党が一部修正することで合意したためだ。
 高プロは年収1075万円以上の専門職を労働時間規制から外す制度だ。労働者は自分の好きな働き方ができるとされる一方、残業代は得られなくなる。修正案は、高プロで働くことに同意した人が自らの意思で撤回できる規定が盛り込まれる。
 一般に専門職とされていても、日本の雇用慣行では上司の意向に逆らえない人は多いだろう。後で撤回したくなっても、会社との実質的な力関係で言いにくいという人も出てくるのではないか。
 高プロの適用には本人の同意が必要な上、労働組合と会社側との協議を経なければならない。しかし、現在の労組がチェック機能をどこまで果たせるのかは疑問だ。
 高プロ制度は、長時間残業の制限、同一労働同一賃金とセットで提出されている。経営者側は残業時間制限による労働力不足、非正規雇用の賃上げによるコスト増を埋め合わせるため、高賃金の社員に高プロを適用することを考えるだろう。
 本来適用してはいけない人にまで高プロ制度が広がることが懸念されるのはそのためだ。現在の労働基準監督署の体制では企業を十分にチェックすることもできない。
 日本のような先進国のホワイトカラーの働き方を考える上で、労働時間で賃金を決める従来のやり方が合わなくなっているのは確かだ。特に、創造性が必要な専門業務に関しては、自分の好きな時間に好きなやり方で仕事をし、その成果に対して賃金を得ることを求める人も多い。
 ただ、それを実現するためには、現場での乱用を防ぐきめ細かい制度設計が必要だ。形式的な微修正で済むような問題ではない。
 働き方改革は過労死・過労自殺が相次いでいる現状を改め、非正規雇用の待遇改善のためにこそ必要だ。何をおいてもそれらを優先すべきなのに、安倍政権は以前から導入しようとしていた高プロ制度をセットで関連法案にした。そうした無理がちぐはぐな現実を招いているのだ。


「残業代ゼロ」 議論尽くされていない
 「残業代ゼロ」との批判のある高度プロフェッショナル制度(高プロ)を含む関連法案が衆院通過の勢いだ。修正が検討されているが、過重労働への懸念が消えない。やはり法案から削除すべきだ。
 「働き方」関連法案は、安倍内閣が最重要法案と位置付ける。それだけに政府・与党の国会審議は結論ありきで進められてきた。納得できる審議ではない。
 自民、公明両党は法案処理を加速させるため強気の国会運営も辞さない構えだが、働く人の命にかかわる法案だ。拙速な採決は慎むべきである。
 高プロは法案の柱のひとつである。年収の高い専門職を労働時間の規制から外す全く新しい働き方だ。議論して詰める課題は多い。
 与党と日本維新の会、希望の党は高プロの適用を受けた労働者が自らの意思で解除できる規定を新たに盛り込むことで合意した。
 高プロ適用には働く本人の同意が必要だが、そもそも経営者と比べ立場が弱い労働者は求められれば同意させられる懸念がある。それを本人の意思で解除することはさらに難しいのではないか。
 国会審議で問題になっているのは、長時間労働規制の枠から外す働き方になれば際限なく働くことになるという不安だ。野党が「働かせ放題」と批判する点はここにある。労働時間把握がされないと労災認定もされにくくなるとの指摘もある。
 政府は、時間も含め仕事の進め方を自ら決められる裁量のある人の働き方だと言う。だが、多くの人に仕事量を自分で決められる裁量権はないことが実情である。
 国会審議で加藤勝信厚生労働相は、高プロにもニーズがあると説明したが、そのヒアリング対象となった労働者は十数人だけだったと認めた。裁量労働制を巡る厚労省のずさんな調査といい、議論の前提となる情報も十分に提供されていない。
 一方で、非正規雇用の待遇改善を進める「同一労働同一賃金」に関する議論は低調だ。
 国会開会中にも、裁量制で働く二十代男性が過労死認定されていたことが分かった。長時間労働をさせる温床になっていないか。裁量制は法案から削除されたが過労死が起きている。働く人の健康をどう守るのかは今国会で議論すべき課題だろう。
 論点の多い八本もの法案を一括提案した政府の責任も重い。
 とても議論が尽くされたとは言えない。 


働き方改革法案 採決を急ぐべきではない
 安倍政権が今国会の最重要課題と位置付ける働き方改革関連法案の衆院審議が大詰めを迎えている。自民、公明両党と日本維新の会などが一部修正で合意したのを受け、政府、与党は週内の衆院採決を目指すという。
 法案は4月下旬に審議入りしたが、森友、加計学園問題や自衛隊の日報隠蔽(いんぺい)などを巡って主な野党が反発し、国会を欠席していた。与野党がそろって実質審議が始まってからまだ2週間で、採決はあまりにも拙速だ。すべての働く人の命と健康に関わる法案である。「成立ありき」で、数の力で押し切ることは許されない。
 法案を巡っては、根拠となった厚生労働省の労働時間調査に多数の異常値が見つかり、政府は当初、法案に盛り込む予定だった裁量労働制の対象業種拡大を見送った。その後、厚労省がデータを精査して異常値や誤記が見つかった2割の事業所を除外したところ、平均残業時間が当初より変わるなどしている。
 政府は調査自体は有効と主張するものの、立憲民主党など主な野党6党派は法案の策定過程を疑問視し、労働政策審議会に差し戻すよう求めている。ずさんな調査で議論の入り口からつまずいた形だ。
 法案は8本の労働法規の改正案を一つにまとめたものだ。高収入の一部専門職を労働時間規制の対象から外す「高度プロフェッショナル制度(高プロ)」に加え、罰則付きの残業時間の上限規制、正社員と非正規労働者の不合理な待遇格差をなくす「同一労働同一賃金」の導入も含まれ、論点は多岐にわたる。
 特に、労働問題専門の弁護士や過労死した労働者の遺族らが問題視しているのが高プロの創設だ。きのう、衆院厚生労働委員会に参考人として出席した遺族は「規制をほぼ全面的になくす高プロは、過労死を促進する可能性が非常に高い」と訴えた。
 高プロについて政府は「働いた時間でなく成果で評価する」「柔軟に働ける」と説明するが、法案には労働者の裁量や成果型賃金などは記されていない。企業には「年間104日」かつ「4週で4日以上」の休日確保を義務付けるが、制度上は24時間勤務を3週間続けても違法とならない。企業が労働時間を把握しなくなり、労災認定が困難になるとの指摘もある。
 厚労省は対象者を年収1075万円以上として金融ディーラーや経営コンサルタントなどを例示しているが、対象は厚労省令で定めるため、行政の判断で変わる可能性もある。法案修正で高プロの適用にいったん同意した人が後に撤回できる規定が盛り込まれるものの、過重労働への懸念を拭うには不十分だ。
 どうすれば本当に働く人のための制度となるのか。労働者や過労死遺族の声を踏まえて議論を尽くすべきだ。少なくとも高プロは法案から切り離し、再検討すべきである。


レフト3.0政策はは「経済にデモクラシーを」
「そろそろ左派は〈経済〉を語ろう」ブレイディみかこ、松尾匡、北田暁大著/亜紀書房1700円+税
 日本の左派は、護憲などの政治運動やマイノリティーの人権擁護には熱心だが、勤労庶民のための経済政策を持ちあわせていない。このことに批判的な論者たちの鼎談を収めた本書では、「経済にデモクラシーを」を主張するアメリカやヨーロッパの新しい左派(レフト3・0)の運動や主張が紹介されている。
 ちなみに〈レフト1.0〉は20世紀の共産主義や社会民主主義などの旧左翼。新左翼から反原発や環境保護の市民運動、フェミニズムなどのマイノリティー運動にいたる流れが〈レフト2.0〉。
 冷戦後、欧米の中道右派や中道左派(日本でいえば小泉自民党や旧民主党)政権は、緊縮財政と規制緩和という新自由主義政策を推進してきた。その産物であるデフレ不況、雇用の不安定化、「小さな政府」と福祉予算の削減などでさんざんに痛めつけられ、我慢の限界に達した労働者階級の「反乱」として、アメリカのトランプ大統領誕生、イギリスのEU離脱がある。
 1930年前後のドイツでも、緊縮政策で経済危機を致命的に悪化させた左右の中道政党から、再軍備と公共投資による積極財政を主張するナチ党が、大量失業と生活苦に喘ぐ民衆の支持を奪いとることに成功した。今日の欧米では、ファシズムにも通じる右派ポピュリズムと新しい左派が、困窮した勤労者の支持を争奪している。両勢力に挟まれた左右の中道勢力の没落は著しい。
 コービンのイギリス労働党、スペインのポデモスなど〈レフト3.0〉は反緊縮を掲げ、金融緩和や公共投資の増額を求めている。しかし日本で反緊縮を実行しているのは〈ライト〉側の安倍政権で、財務省と一緒に増税と財政健全化を主張しているのが左派のほうなのだ。このねじれの解消こそ急務だと、著者たちは強調する。
 アベノミクスの金融緩和と公共投資に関しては、その部分性や不徹底性を批判し、新自由主義的な規制緩和や福祉予算の削減は徹底的に拒否する〈レフト3.0〉の経済政策こそが必要だと。


IR法案審議/「カジノありき」は強引だ
 カジノを含む統合型リゾート施設(IR)整備法案の審議が、きのう衆院で始まった。
 ギャンブル依存症への懸念などから、カジノ解禁には否定的な世論が優勢だ。野党の多くも法案には反対しているが、政府は今国会中の成立を目指している。閉会まで1カ月を切って審議日程が窮屈になる中、古屋圭司議院運営委員長が職権で審議入りを決めた。
 安倍晋三首相は衆院本会議で「依存症などの万全な対策を講じ、世界中から観光客を集める滞在型観光を推進する」と述べた。だが世界100カ国以上の後を追うカジノ解禁が、日本の観光振興に結びつくのかとの疑問は拭えない。
 カジノありきの強引な法案審議をせず、与野党は国民の疑問や不安に向き合い丁寧な議論を積み重ねる必要がある。
 IRはカジノや国際会議場、ホテルなどを一体で整備する大型施設だ。誘致したい自治体の中から、国が最大で3カ所を選ぶ。すでに大阪や和歌山、長崎などが手を挙げている。
 法案は、カジノ事業は免許制とするほか、入場料を6千円とし、日本人客には「週3回、月10回」を上限とする利用制限や身元確認を課す。依存症患者だけでなく反社会的勢力の利用にも目を光らせる狙いがある。
 自民、公明両党と日本維新の会は、すでに依存症対策法案を共同提出している。専門家だけでなく患者や家族でつくる関係者会議が、国の基本計画に意見を述べるなどの内容だ。
 カジノに慎重な公明は、IR法案より依存症対策法案の審議先行を求めていた。自民や維新は、これで審議入りの環境が整ったと判断したのだろう。
 しかしどんな対策を講じても、カジノが依存症の誘因となるのは間違いない。疑いのある人は全国で320万人と推計され、法案に憤る声も聞こえる。完成前から心身への影響を考慮せねばならない施設が、経済以外も含め地域にとってプラスといえるのだろうか。
 訪日客が求めるのは、固有の風土や文化、歴史だ。そして心づくしの「おもてなし」だろう。政府が注力すべきは、そうした日本らしさを磨く地域や自治体の努力を後押しすることだ。


相撲協会の公益認定、取り消しを 女人禁制、主婦が署名提出
 大相撲の土俵に女性が上がれない「女人禁制」に関し、女性を差別しているとして日本相撲協会の公益認定の取り消しを求め、東京都世田谷区の主婦、轟木洋子さん(59)が23日、インターネット上で集めた約1万7千人分の署名を内閣府の公益認定等委員会に提出した。委員会は内容を見て対応を判断するという。
 轟木さんは「公益事業で女性差別をしている。指導してほしいということを伝えた」と話した。
 相撲協会は4月の春巡業で、京都府舞鶴市長が倒れた際、救命処置をした女性に土俵から下りるよう促す場内放送が批判を浴びた。協会はその後の臨時理事会で一般男女への意識調査実施などを決めた。


[土俵の女人禁制] 柔軟に解釈できないか
 日本相撲協会は土俵に女性が上がることを禁じた「女人禁制」について議論することになった。
 有識者の意見を聞くほか、一般男女の意識調査を実施し本格的な検討を進めるという。
 「土俵と女性」の問題は過去も議論になった。伝統に固執し、かたくなだった協会が、外部の声に耳を傾ける姿勢を示したことは評価できる。変革を期待したい。
 4月の春巡業で、大相撲の習わしと社会常識とのズレを感じさせる出来事が相次いだ。
 京都府舞鶴市で市長が倒れた際に、救命処置をした女性に土俵から下りるように場内放送で再三促した。その直後の兵庫県宝塚市では、女性市長が土俵上でのあいさつを希望したのに拒まれた。
 こうした姿勢は女性蔑視ではないかとの批判を受けて協会は臨時理事会を開き、八角理事長が緊急時は女人禁制の例外とする談話を発表した。当然の判断だ。
 一方で理事長は「男が必死に戦う場。女性が土俵に上がることはないという習わしが受け継がれてきた」とし、神事を起源とする相撲の伝統を強調。女人禁制の是非は結論を出さなかった。
 確かに大相撲は神事に基づく。今も本場所と巡業で土俵を整備し終えると土俵祭りをして神様を迎え、千秋楽では神送りの儀式をする。力士が塩をまき、かしわ手を打つのも神事の儀式を倣ったものと考えられている。
 こうした儀式が受け継がれてきたことは伝統文化としての証しであり、大相撲の魅力となっているのは間違いない。
 ただ、神聖な土俵だから女性は上がるべきでないとの主張は、女性を不浄と見るものではないかとの強い批判がある。
 また、優勝制度があって成績を争うことはスポーツとしての性格も強い。ことさらに神事と強調するのは違和感もあろう。
 ならば、神事とスポーツを切り離して考えてはどうか。千秋楽の結びの一番を終えたならば、土俵はもはや男の神聖な戦いの場ととらえず、勝者を祝福する場とみなしてもよいのではないか。
 既に複数の女性文部科学大臣が誕生し、いずれ女性首相が誕生するかもしれない。いつまでも女性のあいさつを拒み、賞の授与を禁じてはいられまい。
 協会は公益財団法人である。税金が優遇される一方で、高い公益性が求められる存在だ。性差別を排除する時代の風潮に鈍感であっていいはずはない。
 協会には大相撲の伝統を守りつつ、将来に目を向けて柔軟に解釈する見識を示してほしい。


国民投票法  積み残し課題の検討を
 改憲手続きを定めた国民投票法の改正案を自民、公明両党が野党に示した。足踏み状態の改憲論議を再起動させる「呼び水」としたい思惑が透けるだけに、拙速を避け慎重な審議を求めたい。
 与党の改正案は商業施設への「共通投票所」導入など8項目。主に公選法とのズレを正す規定で異論は少ないだろう。ただ国民投票には、ほかにも手付かずの「宿題」が数多く残っている。
 国民投票法は公選法とは制度設計が異なる。活発な議論や自由な発言を促す趣旨から、政策を訴える投票運動の手段や費用などに制限をほとんど設けていない。
 例えば選挙は費用に上限を定め、出納責任者に収支報告を義務付ける。国民投票では上限も使途も無制限で、投票の公正さを害する恐れが大きい。選挙で禁止される戸別訪問も国民投票では認められる。仮に選挙と国民投票が同時に実施されれば混乱は必至だ。
 最も懸念されているのがテレビなどの広告だ。国民投票前の14日間を除き、誰がどれだけ金額を使っても自由。資金力がある一方の主張だけがメディアを通じて大量に流される懸念を拭えない。
 英国のように賛成、反対の団体ともに選挙管理委員会に届け出をさせ、一定の金額内で広告を出せば、回数も制限されて歯止めになる。表現の自由にも配慮して最低限のルールを作る必要がある。
 インターネットや会員制交流サイト(SNS)での投票運動も制限はない。虚偽情報の流布が不安視され、対策が欠かせない。
 一定の投票率がなければ不成立になる最低投票率についても議論しておきたい。投票率が低くても過半数で国民投票が成立するならば民意を反映した結果と言い難い。投票の正当性を担保するには最低投票率導入も一考に値する。
 国民投票法は改憲への公正中立なルールを設けるもので、手続き法とはいえ重要な法律である。与野党とも冷静な論議の中で、課題の解決や懸念の払拭(ふっしょく)に向けて合意形成に努めてもらいたい。
 衆院憲法審査会が先週、新幹事選出のため今国会で初めて開かれたものの、実質審議は行われなかった。きょう3カ月ぶりに開催予定の参院憲法審も同様という。
 自民党は9条への自衛隊明記など4項目の改憲に前のめりだが、相次ぐ政権不祥事で与野党が対立する中、腰を据えたまともな憲法論議は望めない。まずは憲法審で与野党が冷静に話し合える環境を整えることが先決であろう。


「本省相談メモ」で森友優遇の実態が明らかに! “安倍夫妻案件”と知った財務省本省が近畿財務局に圧力
 やはり昭恵夫人の存在が土地取引を大きく動かしていた──。森友学園問題で、決定的な文書がきょう公開された。佐川宣寿・前理財局長が「破棄した」と言い張ってきた交渉記録が約900ページ。さらに、改ざんされた14の決裁文書の、改ざん前の原本が約3000ページ。そして、その決裁文書のひとつ「承諾書の提出について」の改ざん前文書に「参照」として記載されていたが、これまで公開されてこなかった「H26.4.28〜H26.5.23本省相談メモ」約30ページだ。
 なかでも、注目が集まっているのが森友側との交渉記録だ。財務省理財局は交渉記録を昨年2月に破棄するよう指示していたこともわかったが、このなかには昭恵夫人付職員だった谷査恵子氏が働きかけをおこなった際の記録も含まれていた。
 しかも、谷氏は「安倍総理夫人付」として2度にわたって財務省に電話をかけ、「安倍総理夫人の知り合いの方」「安倍総理夫人が名誉顧問に就任した開校予定の小学校」(ママ)として森友学園への対応を迫っていたことが発覚。そのとき、谷氏は「総理夫人に照会があり、当方からお問い合わせさせていただいた」と話したことが記されていたのだ。
 安倍首相は今年4月11日の衆院予算委員会で、谷氏の財務省への働きかけについて「籠池氏側から妻に留守電が幾度となくあった後、谷さんが自発的にやったもの」と説明していた。それが、実際は「自発的」などではなく、「総理夫人に照会」があったから問い合わせをおこなっていたのだ。その上で、財務省の田村嘉啓国有財産審理室長(当時)は「最大限の配慮をして対応している」などと回答していたのである。
 つまり、昭恵夫人付の職員が土地取引に関与していたことの証拠を、国会に提出することもなく、破棄することで隠蔽しようと必死だったというわけだ。
 だが、注目すべき文書は、まだある。本サイトが注目したのは、「本省相談メモ」だ。「メモ」と書かれているものの、これは、太田充理財局長も国会答弁で「公文書」と認めた重要な文書。しかし、それを麻生太郎財務相が「メモだから公文書でない」と主張し、翌日に太田理財局長が公文書ではないと訂正するということも起こった。このように、「本省相談メモ」は財務省が隠したがり、矮小化してきたものだ。
 今回、これを本サイトで精査したところ、新たな事実が浮かび上がってきた。
 というのも、「本省相談メモ」を読むと、森友との交渉を打ち切ろうとしていた近畿財務局に対し、財務省がいかにして森友の要求を丸飲みするよう動かしてきたかがわかるからだ。
 まず、最初に注目しなければならないのが、その日付だ。前述したように、改ざん前文書には「H26.4.28〜H26.5.23本省相談メモ」と書かれていたが、平成26(2014)年4月28日といえば、改ざん前文書の「これまでの経緯」において、昭恵夫人の名前が最初に登場する日だからだ。
当初は森友側の要請を断っていた近畿財務局が対応を変えたのは、なぜ?
「本省相談メモ」の内容に入る前に、この点を軽くおさらいしておきたい。既報(http://lite-ra.com/2018/03/post-3869.html)に詳しいが、この2014年4月28日以前まで近畿財務局は、森友と距離をもった交渉をおこなっていた。たとえば、2014年4月15日に森友側から大阪府の小学校認可適当の答申より先行して土地を〈貸付けてほしい〉という要望を受けたとき、近畿財務局は〈答申を得る前の契約はできない〉と断っている。この前年である2013年8月13日には自民党・鴻池祥肇参院議員の秘書が、貸付を要望する「口利き」電話を入れているが、それでも近畿財務局は森友側に答申を得る前の契約をきっぱり断っていたのだ。
 ところが、2014年4月28日に近畿財務局が森友側に資料提出を早くおこなうように要請すると、逆に森友側から〈当初計画していた本年7月の大阪府私立学校審議会への諮問を本年12月に変更したいので、その前提で対応してほしい〉〈大阪府が小学校新設に係る設置計画書を受理した段階で、近畿財務局から豊中市に「森友学園と本財産の契約を締結することを証する」旨の文書を提出してもらいたい〉という要請を受ける。決裁文書のこのときのやりとりについて書かれた箇所では、〈なお〉と前置きし、こうつづいている。
〈なお、打合せの際、「本年4月25日、安倍昭恵総理夫人を現地に案内し、夫人からは『いい土地ですから、前に進めてください。』とのお言葉をいただいた。」との発言あり(森友学園籠池理事長と夫人が現地の前で並んで写っている写真を提示)〉
 この日を境に、近畿財務局の対応はがらりと変わる。それまで態度を膠着させていたはずが、2014年6月2日には森友側から受けていた2つの要請を承諾する回答をおこない、その上、〈売払いを前提とした貸付け〉についても〈協力させていただく旨を回答〉と記しているのだ。
 大臣経験があり、関西では大物政治家として名を轟かせる鴻池議員が口添えしても動いてこなかったのに、昭恵夫人との関係を認識するや、要望をすべて聞き入れ、特例契約に「協力する」とまで態度を一変させる──。あまりに露骨な変貌ぶりだが、しかし、なぜここまで近畿財務局が態度を変えたのか。その理由が今回、「本省相談メモ」によって明らかになった。
 今回、財務省が公表した「本省相談メモ」は、2014年5月8日、9日、14日、23日の日付が入っており、タイトルはいずれも「取得等要望相手方への対応について」というもの。これは、森友学園から出されていた要望にどう対応するかを近畿財務局がまとめたものと見られ、「本省との相談」を経て、その内容をアップデートしていったものと推察される。
 そして、ここにこそ、近畿財務局が“森友優遇”に傾いた“経過”が見てとれる。
財務省本省の意向で、近畿財務局は森友への対応を一変させたことが明らかに!
 というのも、最初の「5月8日」の文書を読むと、近畿財務局は森友からの要望である「審査スケジュールの変更」と「豊中市への証明書の発行」に対し、それまでと同じように、通常の対応をおこなおうとしていたことがわかるからだ。
 たとえば、審査スケジュールについては、5月8日の文書で近畿財務局は〈8月末で設置認可に係る見極めができない場合は、審査結果を「不適当」として回答することとする〉と書いている。
 しかし、それがなぜか「5月9日」の文書では、〈今後、一定程度の審査期間の延長もやむを得ないものと考える〉という譲歩した文書が加わり、「5月23日」の文書では、以下のように、がらりと変わってしまうのだ。
〈平成26年12月に大阪府の私学審議会への付議がなされなければ、平成28年4月開校は困難となる状況〉
〈同年9月末までに設置計画書の提出が必要としていることを踏まえ、平成26年9月末における相手方の設置計画書の提出状況を見定めた上で、改めて対応を検討することとする〉
〈検討に当たっては(中略)改めて相手方の意向を確認した上で、大阪府とも連携し対応することとする〉
 最初は8月末がデッドラインだと示していたのに、23日の文書では森友の事情に寄り添う内容へと変わっている──。これは、近畿財務局ではなく、財務省の判断だということだろう。近畿財務局が対応方針をまとめたものの、財務省との「相談」において、財務省が“森友優遇”を促し、その結果、文書がアップデートされていった。そう考えられるからだ。
 もっとあからさまなのは、同じく森友からの要望だった、近畿財務局が工事施行を承諾する旨の「豊中市への証明書の発行」のほうだ。5月8日の文書では、近畿財務局はこのように対応するとまとめている。
〈本地については、国有財産地方審議会への付議対象財産であることから、府議会における答申を得ない段階で、第三者に国の処分意思決定を表明できない〉
〈したがって、先方の望む豊中市に対する近畿財務局からの書面提出は、当方が地方審議会を開催し、審議会より先方への処分の答申を得た上での対応とならざるを得ない〉
 これはごく当然の対応だと思われるが、それが「5月14日」の文書では、このように変化する
〈相手方の意向を踏まえ、豊中市に対し、承諾書に代わる文書の発出をもって、開発行為の事前相談・協議等の手続きのみを先行して進めることができないか協議したところ、同市より別途の文書等により対応することはできないとの回答があった〉
 近畿財務局は豊中市に掛け合い、協議までおこなっているのである。実際、交渉記録を確認すると、近畿財務局は豊中市計画推進部長に問い合わせをおこない、5月13日に回答を得ている。このとき、豊中市は「できない」という回答だったため、14日の段階では〈今回、相手方の要望に沿った形での文書を発出することはできない〉という方針でまとまっている。
 それが、交渉記録によれば、近畿財務局は15日に豊中市に再び交渉。その結果、5月23日の文書では内容が一変する。〈同市より別途の文書により対応することは可能との回答があった〉となり、〈相手方から要望のあった文書は発出できないものの、開発行為の事前相談・協議等の手続きのみを先行して進めることを承諾する内容の文書を発出することは可能である〉とまったく逆の内容に変わっているのだ。
財務省の森友優遇措置は、“安倍夫妻案件”であることを知ったことが出発点
 これはようするに、「対応できない」という近畿財務局の方針に対して財務省が難色を示し、近畿財務局は豊中市と協議をおこなったものの、豊中市の対応はやはりノー。これに財務省が納得せず、近畿財務局が食い下がった結果、最終的には豊中市も対応を変え、当初の「できない」という方針が「できる」とかたちを変えた。そういうことではないのか。
 財務省との「相談」によって、最後には森友の要望を聞き入れる内容に変わっていく、この「本省相談メモ」。──それにしても、どうして財務省はここまで近畿財務局に森友優遇を迫ったのか。その理由は、やはりあの人の存在にあった。
 そう。この「本省相談メモ」には、2014年5月8日の最初の文書から、「本事案の経緯について」という時系列でまとめた文章が付けられていた。そして、「H26.4.28」の項目には、森友からの要望と合わせて、昭恵夫人との関係が綴られているのだ。
〈同日の打合せの際に、「平成26年4月25日、安倍昭恵総理夫人を現地に案内し、夫人からは『いい土地ですから、前に進めてください。』とのお言葉をいただいた。」との説明を受ける(森友学園籠池理事長と夫人が現地の前で並んで写っている写真を提示して説明)〉
 さらに、この「本省相談メモ」の5月9日分には、〈「学校法人 森友学園」の概要等〉という文書が付けられており、そこには籠池泰典理事長が「日本会議大阪 代表・運営委員」であること、そして日本会議国会議員懇談会の説明には〈副会長に安倍晋三総理〉と明記されているのである。
 つまり、森友を優遇するかたちで異常な取引がおこなわれるようになったのは、安倍夫妻がかかわる案件だと認識した財務省による意向が強く働いた結果だったのだ。昭恵夫人が名誉校長に就任する約1年前から、財務省は森友の小学校設立が“安倍夫妻案件”だと知っていたのである。
 しかも、この「本省相談メモ」には疑問点がある。決裁文書のなかでは「H26.4.28〜H26.5.23本省相談メモ」と題されていたのに、今回、提出された文書は平成26年5月8日〜23日までのもの。肝心の4月28日の文書が含まれていないのだ。
 この点については、今後、さらに追及がおこなわれると思われるが、土地取引において昭恵夫人の存在が方向を大きく変えたことは、これで明確になったと言えるだろう。
 一方、その疑惑の当事者たる昭恵夫人は、昨日、安倍首相の永年在職25年の表彰式に出席するため、なんと国会にのこのこと現れた。この厚顔さには呆れるほかないが、昭恵夫人には今度は追及を受ける身として、国会に来ていただかねばならない。(編集部)


森友文書提出 「国会軽視の表れ」市民団体いら立ち
 学校法人「森友学園」への国有地売却問題を巡る新たな文書が23日、明らかになった。このうち、財務省と学園側との交渉記録は、昨年2月の問題発覚後、当時理財局長だった佐川宣寿前国税庁長官が「廃棄した」と繰り返し答弁してきたものだ。「なかったものが、見つかった」の連鎖に、政治評論家や市民団体からはいら立ちの声が上がった。
 午前10時、衆院予算委員会の理事懇談会。着席した各理事の前に、事前に運び込まれた約30センチの紙の束が積まれていた。財務省がこの日国会に提出したのは、国有地売却問題を巡る改ざん前決裁文書約3000ページと、財務省と学園側との間で行われた面談や交渉に関する記録だ。交渉記録は1000ページ近くに上るとみられる。
 学園との交渉記録を巡っては、当時の佐川理財局長が昨年2月の衆院予算委員会で「廃棄され、残っていない」などと答弁。麻生太郎財務相も同年4月、「保存期間の満了をもって適切に廃棄した」と国会答弁していた。
 だが、今年3月19日、近畿財務局の一部の職員が「手控え」として保存していたことを毎日新聞が報じ、財務省が、文書改ざん問題と並行して調査。太田充理財局長は5月11日の衆院財務金融委で「きちんと調べて、あるのであれば、できるだけ速やかに報告したい」と述べていた。
 一方の改ざん前決裁文書は、与野党が当初、今月18日の国会提出で合意したが、麻生財務相が「分量も多く、確認作業に時間を要している」とし、この日にずれ込んだ。結果的に両文書が同時に国会に提出された。
 これまでの財務省の対応を振り返り、政治アナリストの伊藤惇夫さんは「財務省の国会軽視の表れだ。背景には官邸を重視し、国会にはうそをついてもいいという姿勢が透けて見える」と指摘する。
 佐川氏らを刑事告発した市民団体の発起人、醍醐聡・東大名誉教授も「事実と違う佐川氏の国会答弁をおとがめなしのまま終えていいのか。交渉記録で、国有地を大幅に値引きして売却した経緯の詳細が明らかになった場合、佐川氏の口から真相を語ってほしい」と語気を強めた。【飯田憲、蒔田備憲】


財務省 森友交渉記録、答弁に合わせ廃棄 理財局職員指示
 財務省は23日、学校法人「森友学園」への国有地売却を巡る問題で、学園側との交渉記録と改ざん前の決裁文書を国会に提出した。交渉記録を巡っては、国有地売却が国会で問題となった昨年2月以降、当時理財局長だった佐川宣寿前国税庁長官が、記録は「廃棄した」と繰り返し答弁。財務省はその後も交渉記録の存在を認めていなかった。財務省は同日、この答弁とつじつまを合わせるために改ざんだけでなく、理財局の一部職員の指示で保管していた記録の廃棄を進めていたことも明らかにし、富山一成理財局次長が「深くおわびします」と陳謝した。
首相夫人付職員関与の照会記載
 財務省が衆院予算委員会の理事懇談会に提出した交渉記録は約1000ページ。職員が紙や個人のパソコンに手控えとして保管していたものを公表した。同省は記録廃棄の動機や経緯などの調査を進め、速やかに調査結果を報告すると説明した。悪質な記録の隠蔽(いんぺい)と言え、野党などからの批判がさらに高まるのは必至だ。
 公開された交渉記録は全部で217件。森友学園の籠池泰典理事長(当時)が2013年6月、近畿財務局を訪問し、小学校用地として国有地購入の希望を伝えるやりとりから始まっている。
 貸し付け契約締結後の15年11月、学園側の要請に応じ、首相の妻安倍昭恵氏付職員の谷査恵子氏が理財局に、学園の貸付料に対する優遇措置について電話で問い合わせていた記録も残されていた。谷氏は「安倍総理夫人の知り合いの方から優遇を受けられないかと総理夫人に照会があった」などと語ったとしている。
 また、16年3月に国有地から「新たなごみが見つかった」として、籠池夫妻が理財局を訪問。「このままでは工期に遅れが生じる。棟上げ式には安倍総理夫人も出席されることで調整している」などとして対応を求めるやり取りなども記録されていた。
 国有地売却を巡っては学園側が低価格での早期買い取りの意向を財務局に示した。財務局は同年6月、ごみの撤去費用として約8億2000万円を値引きし、1億3400万円で売却。交渉の際、財務局が学園側に対し「(価格が)ゼロに近い形まで努力する」と伝えていたことが既に明らかになっている。記録の内容では、国有地を売却する際の値引きが適正だったかも焦点になる。
 交渉記録について、佐川氏は国会で「売買契約締結をもって事案が終了しているということなので、速やかに廃棄をしている。記録は残っていない」などと繰り返し答弁。しかし、毎日新聞が今年3月に記録の存在を報じ、財務省が調査するとしていた。
 一方、改ざん前の決裁文書は国有地の「貸付決議書」など計14文書(うち1文書は公表済み)で、計約3000ページ。財務省は3月に改ざんを認めた際に改ざん内容を公表したが、野党の求めに応じて改ざん前の全文書を公開した。【井出晋平、杉本修作】


佐川氏答弁後、理財局職員が廃棄指示 森友交渉記録を財務省公表
 学校法人「森友学園」に国有地を安値で売却した問題で、財務省は二十三日、同省と森友側との交渉記録を衆院予算委員会の理事懇談会に提出した。安倍晋三首相の妻、昭恵氏付きの政府職員・谷査恵子氏が財務省に照会した際の記録や、政治家秘書とのやりとりも含まれていた。昨年二月の問題発覚直後に「記録は廃棄した」とした佐川宣寿(のぶひさ)前国税庁長官(当時は理財局長)の国会答弁と整合性を取るため、理財局職員が、当時は保管されていた記録を廃棄するよう指示していたことも判明した。 (桐山純平、白山泉)
 財務省が提出した交渉記録は約九百五十ページで、森友側との面談ややりとりなど二百十七件が記されている。記録では、二〇一五年十一月、森友側が国有地の賃料減額を昭恵氏に要望していることを、谷氏が理財局に伝えていた。また、会計検査院が昨年十一月の検査結果で「根拠が不十分」と指摘した八億円以上の国有地の売却価格値引きについても、詳しい経緯が明らかになる可能性もある。
 交渉記録の存在を巡っては、佐川氏は昨年二月二十四日の衆院予算委で「売買契約の締結をもって、事案は終了した。記録は速やかに廃棄した」と説明していた。だが、富山一成理財局次長は理事懇談会で「昨年二月下旬以降、国会答弁との関係で、当時保管されていた交渉記録の廃棄を進めていたことも認められた」と説明。森友の決裁文書が改ざんされたのと同様に、佐川氏の答弁とつじつまを合わせるのが理由だったことを認めて陳謝した。
 今回見つかった交渉記録は国有地売却を担当した近畿財務局の一部職員がパソコンなどに保管していたが、財務省はその存在を一年以上隠してきたことになる。
 一方、財務省は二十三日、今年三月に発覚した森友に関する決裁文書の改ざん前の全文も提出。文書改ざんによって、昭恵氏が一四年四月に小学校の建設予定地を訪れたことが削除されていたことはすでに判明しているが、その直後、同年五月に作成した「本省相談メモ」が初めて明らかになった。
 改ざんは十四件の文書で確認されており、すでに全文を公表している一件を含めて、これで全ての改ざん前文書の全文が公表された。財務省は月内にも、文書改ざんや交渉記録の意図的な廃棄が行われた原因や責任に関する調査結果を公表する方針。すでに辞職した佐川氏のほか、幹部職員らの処分も検討している。
◆交渉記録ポイント
一、財務省、昨年二月の問題発覚後、交渉記録の廃棄を進めていたと説明
一、財務省、国会答弁が「事実と異なっていた」と謝罪
一、交渉記録は約九百五十ページ。改ざん前の決裁文書は約三千ページ


【辺野古から】安全保障の名の下に 県側弁護士感じる「司法の壁」
 沖縄県名護市辺野古への米軍普天間飛行場(宜野湾市)移設を巡る訴訟で国と対決する県側代理人を務める弁護士は、安全保障という国の根幹に関わる問題で争うが故の「司法の壁」を感じるという。戦後、米施政権下に置かれた沖縄が1972年5月15日に日本に復帰して46年。国が安全保障の名の下に沖縄に米軍基地負担を押し付ける構図は変わらない。
 翁長雄志(おなが・たけし)知事が、前知事による辺野古沿岸部の埋め立て承認を取り消したことで、国と県の法廷闘争は始まった。福岡高裁那覇支部と最高裁は承認取り消しの妥当性を認めず、県は敗訴した。県が埋め立て工事差し止めを求めた訴訟も那覇地裁で敗れた。控訴中だが、事実上の3連敗。この間、県側代理人を辞めた弁護士もいる中、全ての訴訟に関わるのが加藤裕(かとう・ゆたか)弁護士(53)だ。
 岡山県出身。司法試験合格後、初めて訪れた沖縄で米軍基地が集中する実態を見て衝撃を受け、沖縄で弁護士を始めた。若手の頃から、米軍基地訴訟に関わった。95年に当時の大田昌秀(おおた・まさひで)知事が米軍用地の提供を拒否した代理署名訴訟、普天間や米軍嘉手納基地の飛行差し止め訴訟…。
 だが、賠償が認められることはあっても、基地返還や運用差し止めが認められたことはない。25年以上にわたり米軍基地訴訟に関わって思う。「司法は必要な判断を避け、基地による人権侵害に向き合わない。三権分立の役割を果たせていない」
 埋め立て承認の取り消しで敗れた翁長知事は、承認後の状況の変化を理由にした「埋め立て承認撤回」に踏み切ると表明している。撤回すれば新たな訴訟が始まる可能性がある。県が埋め立て工事差し止めを求めた訴訟の控訴審も控えている。加藤氏は支え続ける考えだ。
 安全保障という国家の論理の前では、訴訟に明るい展望があるわけではない。ただ、たとえ勝つ可能性が小さくとも、闘い続けるために「種火」を保つ必要があると考えている。「戦争につながる米軍基地は憲法9条の理念にも反している。平和な沖縄にするために、米軍基地に反対するための種火は絶やさない」と決意を示す。
 今年も5月15日を前に、米軍基地負担の軽減を訴える「平和行進」が11日から始まった。移設工事が進む辺野古の米軍キャンプ・シュワブのゲート前と、沖縄県庁前の2カ所からスタート。県内外からの参加者が「基地のない平和な沖縄をつくろう」と声を上げながら歩いた。
 行進最終日の13日、普天間飛行場近くの公園で、辺野古移設に反対する県民大会が開かれた。行進の参加者も合流し、主催者発表で約3500人が集まった。大会宣言で「復帰から46年が経過した今日、米軍基地はさらに強化、拡大されている」と指摘、「普天間飛行場の危険性除去に名を借り、辺野古で新基地建設を強行しようとしている」と政府を批判した。
 国土面積の約0.6%の沖縄県に、今も在日米軍専用施設の約7割が集中する。太平洋戦争末期の45年に始まった沖縄戦を経験した石川元平(いしかわ・げんぺい)さん(80)は県民大会に参加し「復帰で基地がなくなることを願ったが、現状は変わっていない」と憤った。(共同通信=那覇支局・市川翔一)

加治木まんじゅう/食パン/キソキソS90分オーバー

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都をどりおまんじゅう180401

Vu du Japon. Primé à Cannes, Kore-eda révèle les non-dits de la société nippone
Au Japon, la presse applaudit le choix du jury cannois, qui a attribué cette année la Palme d’or à un cinéaste japonais, et estime que le film récompensé met en lumière les malaises de la société nippone.
Samedi 19 mai, le palmarès tombe : “Une affaire de famille” de Hirokazu Kore-eda reçoit la plus haute distinction du festival de Cannes. C’est la cinquième fois que le cinéma japonais est mis à l’honneur sur la Croisette. Le dernier film japonais primé, Unagi (“L’anguille”) de Shohei Imamura, date de 1997.
Déjà récompensé en 2013 pour le film “Tel père, tel fils” (prix du jury), le cinéaste japonais raconte dans son nouveau long-métrage l’histoire d’une famille pauvre qui survit grâce à la pension de retraite de la grand-mère, complétée par du vol à l’étalage. Par hasard, la famille prend sous son aile une fillette trouvée dans la rue qui a été rouée de coups. Son arrivée dans le foyer bouscule leur quotidien et conduit à la révélation de multiples secrets de famille.
Kore-eda a confié que ce scénario lui avait été inspiré par des événements réels, à savoir l’histoire de citoyens japonais ayant bénéficié illégalement de la pension de retraite de personnes décédées.
Le réalisateur, qui a commencé sa carrière dans le documentaire, “s’attache à présenter de manière très sensible la vie de la famille et les petits accrocs du quotidien. Il emploie ce procédé dans la plupart de ses œuvres” analyse l’Asahi Shimbun dans un éditorial. “Ainsi, ce cinéaste s’interroge sur ce qui fait le lien et maintient la confiance entre les êtres”, ajoute le journal.
Rendre visibles les invisibles
Si Kore-eda montre les côtés sombres d’une situation, il n’oublie pas les moments joyeux. “Il n’invite pas les spectateurs à avoir de l’empathie pour les personnages, ni à les juger négativement. Les spectateurs peuvent tirer leurs propres conclusions”, poursuit le quotidien de Tokyo.
Dans ses déclarations à la presse, Kore-eda a affirmé sa volonté de toujours rendre visibles les invisibles de la société nippone. Pour l’ Asahi Shimbun, l’objectif est tenu :
Les personnes qui ont de l’influence dans la société parlent en couvrant la voix des Japonais ordinaires. En tant que citoyen, on perçoit le malaise actuel du pays en regardant ce film.”
Masatoshi Inoue
フランス語
フランス語の勉強?
有末やよい @arisueyayoi
怖すぎる!
内田監督、最後に
アメフト関係者と日大関係者に迷惑かけたとだけ言って、
怪我をさせた関学の選手やご家族への謝罪は一言もなく
以上です
って打ち切った!
日大のイメージをドン底まで落とすための会見でした…
#日大アメフト部
#緊急会見

大神@肉球新党 @T_oogami
内田前監督「日大に多大なるご迷惑をおかけしました」
違うだろ。
アンタが迷惑をかけた相手として最優先で謝罪しなければならないのはタックルを受けた関学の選手と、アンタに命じられるままに違反行為を実行して人生をも狂わせる事になった日大の選手だろ。


先週食べた加治木まんじゅうの残りを食べました.賞味期限が5月19日になっていたけど勝手にセーフということにしました.
冷凍庫に入れてあった食パンはもっと前のもの.電子レンジで解凍して食べました.
キソキソSはなんと90分オーバーです.Rで早いという指摘があったのですが,これだと疲れてしまいます.

<仙台市>災害援護資金で少額返済の容認決定
 仙台市は、東日本大震災の被災者に生活再建のために貸した災害援護資金の返済で、経済的に余裕がない世帯に限って少額での返済を認めることを決めた。主に生活保護世帯や低所得世帯が対象となり、6月上旬から申請を受け付け、所得や生活状況を審査する。
 災害援護資金は災害弔慰金法に基づき、住宅が全半壊した世帯などに市町村が最大350万円を貸す制度。震災特例で借り入れから6年間は返済が猶予され、その後の7年で返済する。返済は年1回か、半年ごとが原則で、「被災者への負担が大きい」と少額返済を求める声が上がっていた。
 市災害援護資金課によると、2017年度末時点の貸付件数は1万5137件、貸付総額は233億5771万円。17年12月に返済が始まり、18年度中に約9000人が返済開始となる見込み。同課は「少額返済を認めても免除するわけではない。生活状況を踏まえ、計画的に完済できるよう相談に応じたい」と話す。
 宮城県内では石巻市や多賀城市、亘理町など6市町が少額返済を認めている。


<気仙沼・防潮堤施工ミス>気仙沼市、宮城県に抗議 現状維持案を批判 住民の意向反映求める
 気仙沼市内湾地区の防潮堤高を宮城県が誤って施工した問題で、気仙沼市は22日、住民の意向を踏まえず現状のまま設置する方針を示した村井嘉浩知事に抗議する内容を含む文書を送ったと明らかにした。菅原茂市長は同日の定例会見で村井知事の手法を批判。県に対する市の不信感は根深く、両者の溝は深まりつつある。
 市によると、県農林水産部長宛てに「魚町防潮堤について」との文書を21日にメールで送った。18日に住民団体「内湾地区復興まちづくり協議会」が開いた会合で協議会は「造り直し」を求めたが、村井知事が「現状のまま設置」を提案したことへの市の見解をまとめた。
 県は当初、(1)造り直し(2)背後地かさ上げ(3)現状のまま設置−の3案を示し、住民の意見を尊重するとしてきたが、村井知事は造り直しに2億〜3億円の費用がかかり、県民全体の理解が得られないことなどを理由に協議会の総意を覆した。
 文書は村井知事の判断に「住民や地権者には理解しがたく、県政に対する県民の信頼を著しく損なう」と反論した。さらに(1)「造り直し」は内湾地区の総意(2)市内に造る防潮堤は住民合意が前提(3)市は県と住民が合意するよう努める−との考えを示した。
 市役所であった定例会見で菅原市長は「選択していない案を示された市民はショックを受けた。通常の県と県民の関係では考えられないやり方」と非難、「合意なきものを造られては禍根を残す」と強調した。
 村井知事が気仙沼市を再訪する意向を示したことには「また同じやりとりを繰り返すべきではない」と述べ、住民と県、市が事前に調整する必要性を訴えた。
 21日の県議会環境生活農林水産常任委員会で、武藤伸子農水部長は「住民が混乱しないよう、今後も丁寧に誠意を持って対応したい」と話している。


<ツール・ド・東北2018>交流深め被災地の励みに 東京都内で大使ら大会PR
 東日本大震災で被災した宮城県沿岸を自転車で巡る「ツール・ド・東北2018」(河北新報社、ヤフー主催)をPRする発表会が22日、東京都内であり、大会の「広報大使」を務めるモデルの道端カレンさんらが魅力を紹介した。
 道端さんのほか「東北応援大使」の元Jリーガー中西哲生さん、トライアスロンで2020年東京パラリンピックを目指す谷(旧姓佐藤)真海さん(気仙沼市出身)、初出場するお笑いトリオ「ロバート」、お笑いトリオ「パンサー」の尾形貴弘さん(東松島市出身)が出席した。
 道端さんは「仙台を出発する新しいコースができる。ぜひ挑戦したい」とアピール。谷さんは「多くの人が被災地を訪れることで被災者の励みになる」と呼び掛けた。ロバートの山本博さんは「ロードバイクはほぼ初心者だが、楽しく駆け抜けたい」と意気込んだ。
 一力雅彦河北新報社社長と宮坂学ヤフー社長も登壇。「被災地で新しい交流の機会が確実に育まれている。復興と共に歩むイベントにしたい」などと語った。
 ロックバンド「くるり」が手掛けた新しい大会テーマソング「忘れないように」をビデオで披露。英国のファッションデザイナーのポール・スミス氏がデザインした公式バンダナも発表された。
 大会は9月15、16日に開催。全9コースで募集人数は計4000人。今月26日から公式サイトで申し込みを受け付ける。


宮城・女川駅前、再生の街が最高賞に 都市景観大賞・都市空間部門
 優れた都市デザインや街づくりを表彰する2018年度都市景観大賞の都市空間部門で、宮城県女川町の「女川駅前レンガみち周辺地区」が最高賞の国土交通大臣賞に選ばれた。東日本大震災被災地の同賞受賞は初めて。
 同地区は約6.6ヘクタール。JR女川駅前の広場と女川湾に向かって延びるれんが敷きの遊歩道を軸に、商業施設や公共機能が集積する。中核となるテナント型商店街「シーパルピア女川」が15年12月開業し、にぎわいの拠点となっている。
 同地区は遊歩道を中心としたエリアの周辺でも、地域主導で設置した委員会が事業者らと建物のデザインなどを協議。一体感ある街並みを形づくった。
 審査の講評では、速さが求められる復興まちづくりの過程で質を追求し、実現させた点が認められ「良好な都市空間実現のためにかけられた大きなエネルギーを感じる。復興事業による景観形成の優良事例」と評価された。
 須田善明町長は「震災で壊された町をもう一度つくるため、多くの関係者がアイデアや思いを込めて築いた場所が評価された」と喜びを語った。
 都市空間部門には全国13地区から応募があった。


震災後生まれの子ども防災学ぶ
震災後に生まれた世代に防災や命の大切さを学んでもらおうと石巻市の雄勝小・中学校で防災学習が行われました。
石巻市の「雄勝小・中学校」は震災の津波で校舎が全壊した雄勝小学校や中学校などが統合して去年、開校した学校で、震災後に生まれた子どもたちが今年度初めて入学しました。
23日はまず、全校の児童と生徒が震災前に小学校があった場所に集まり、震災の津波で祖母と母を亡くした雄勝町の佐藤麻紀さんから震災の体験を聞きました。
佐藤さんが子どもたちを迎えに小学校を訪れた際に校庭に待機していた児童を見て「津波が来るから早く逃げて」と教員に訴えたことを語ると子どもたちは真剣な表情でうなずいていました。
そのあと当時、児童らが実際に避難した裏山に全員で登り、木に巻かれた津波の到達点を示すテープの高さを確かめていました。
小学1年生の男子児童は「初めて聞いた話しで怖かったです」と話していました。
体験を語った佐藤麻紀さんは「地震が起きた時、雄勝町にいる私たちは死と背中合わせだということを知ってもらいたかった。次の災害が来る前に自分の命を自分で守れる子どもたちになってほしい」と話していました。


<東北の道しるべ>「通訳者」漁村と都会結ぶ 一方通行から相互交流へ
 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故をきっかけに、東北の漁業者と都会の消費者による新しい関係づくりが進む。販路減少に苦しむホヤ漁師に代わり消費者と産地をつなぐ支援団体、安全で新鮮な魚を手に都会に出向いて消費者に語り掛ける漁師、環境負荷が少ないカキの養殖を始めた浜…。自然の豊かさと厳しさを知る「通訳者」たちの奮闘が、漁村と都会の関係を一方通行から相互交流へと変えていく。
◎浜の声代弁 女性や若者に/よそ者視点でツアー・PR ほやほや学会(石巻)
 自宅のある埼玉県川口市から、石巻市と宮城県女川町に足しげく通う。
 ホヤの消費拡大を目指す団体「ほやほや学会」(石巻市)の田山圭子会長は、被災地が主産地のホヤを復興の要と位置付ける。
 「国内生産量の7割が宮城。これほど可能性を秘めた食材はない」
 田山会長の本職は、一般社団法人ピースボートセンターいしのまきの職員。主に首都圏で業務に当たっている。「腰を据えて被災地を支援したい」と2012年1月、東京のコンサルタント会社から転じた。
 ほやほや学会は14年に結成した。宮城の生産量の7割を輸出していた韓国が禁輸し、被災地で復活した養殖ホヤは最大の販路を失った。「浜の窮地を何とかしよう」との思いだった。
 主要メンバーは地元のホヤ漁師、加工業者、首都圏のホヤ愛好家ら10人。交流サイトのフェイスブックで「いいね」を押すと入会できる「学会員」は2800人を超える。
 14年夏、ホヤ漁師と首都圏の消費者をつなぐ「女川ほやほやツアー」を始めた。「ホヤで人は呼べない」との地元の予想を覆し、目標の2倍となる40人余りを集めた。
 ツアーは年1回、旬の7、8月に実施する。船上試食や浜ごとのホヤを味比べする「利きホヤ」など、ホヤずくめの内容が評判を呼んで毎年定員が埋まる。
 「一番おいしいホヤは現地の船の上。鮮度落ちが早いホヤの弱みは、被災地に人を呼ぶ強みにもなる」と田山会長は話す。
 地元のホヤ漁師の信頼も厚く、石巻市雄勝町の伊藤浩光さん(57)は「漁師よりもホヤを知っている」と一目置く。
 田山会長は仙台市青葉区の勾当台公園で3日にあった消費拡大イベント「ほや祭り2018」で、ほやほや学会のブースに立った。水槽に入ったホヤの前で、お客に生態や食べ方などを丁寧に説明した。
 イベント実行委を構成する宮城県漁協の小野秀悦代表理事は当初、ほやほや学会と距離を置いていた。だが今では「組合が接点のなかった女性や若者にホヤを広め、消費を増やしている」と感謝する。
 「よその人間だから、ホヤ漁師のすごさや地元の人が気付かないホヤの魅力に気付き代弁できる」。田山会長は、ホヤが枝豆級の居酒屋メニューになるまで、ファン拡大に力を尽くすと心に誓っている。
◎顔見える関係 心をつかむ/消費者と会話「ご近所化」 漁師・菊地基文さん(相馬)
 大型連休谷間の1日朝、相馬市の松川浦漁港に、試験操業を終えた漁船が次々と帰港した。
 底引き網漁船「清昭丸」船主の菊地基文さん(41)は接岸後、手際よくヒラメやアナゴを陸揚げした。
 大学を卒業した1999年、曽祖父から続く漁師を継いだ。震災前は週6日、漁に出ていた。水揚げした魚の8割は築地に運ばれ、どれも高値で売れた。
 「価格も魚の行き先も仲買人任せだった。漁以外を自分事として考えていなかった」
 大震災と原発事故は、浜の日常を一変させた。震災の翌年に試験操業を再開したが、風評被害で魚の値も戻らない。
 転機は生産者の記事と手掛けた食材をセットにした情報誌「東北食べる通信」だった。菊地さんは2013年9月号で特集された。
 提供食材は、根魚のドンコの身と肝をたたいたつみれ「どんこボール」。しかし、荒天などで肝心のドンコが調達できず、配送が遅れてしまった。
 会員からの抗議やクレームを覚悟しつつ、交流サイト「フェイスブック」に事情をつづった。返ってきたのは、状況に理解を示す励ましのメッセージだった。
 「直接ちゃんと説明すれば伝わる。顔の見えない売り買いだけの関係よりもずっと強くなる」。ご近所のように気兼ねせず話せる食べ手を増やそうと決めた。
 15年秋、同世代の地元仲間と季刊「そうま食べる通信」を創刊した。東京の会員に会いに行ったり、相馬に呼んだりして「ご近所化」を進めた。当初100人に満たなかった会員が、今では約220人に増えた。
 「自分の魚を食べたい人が増えれば市場に左右される割合は減る。相場に気をもむことも少なくなる」と菊地さん。行動を共にする若手漁師も増えてきた。
◎品質が改善 次代の養殖へ/危機逆手にエコブランド 戸倉出張所カキ部会(宮城・南三陸)
 親潮と黒潮が行き交う内陸に入り組んだ宮城県南三陸町の志津川湾。カキ、ホヤ、ワカメなどを養殖するのに恵まれた漁場だ。
 カキの収穫期は、5月いっぱい。多数のカキ養殖棚が並び、漁師たちがカキを引き揚げていた。
 県漁協志津川支所戸倉出張所カキ部会長の後藤清広さん(58)が見渡す。「これでも養殖棚は、震災前の3分の1になったんだ」
 後藤さんが住む湾南側の戸倉地区も津波被害は免れなかった。当時、約1000台あったカキ養殖棚は全て流された。
 「小粒」「実入りが悪い」。震災前、戸倉のカキに対する消費者の評価は低かった。原因は、養殖棚の密集でカキに栄養が行き届かないことだと分かっていた。でも、減らすのは容易ではなかった。
 湾内に養殖棚が無くなった震災直後を、後藤さんは再生のチャンスと捉えた。「もう同じことを繰り返さない」。2011年5月、戸倉出張所のカキ養殖再建で、仲間を取りまとめる役目を強い思いで引き受けた。
 震災前は10〜15メートル置きだった棚を、40メートル置きに変えた。そして棚の数は3分の1まで減らした。効果はてきめん。以前は3年で成育したカキは1粒15グラム。新たな棚では、1年で1粒30〜40グラムまでに育った。
 16年4月、環境に配慮した養殖を後押しする水産養殖管理協議会(ASC)の国際認証を国内で初めて取得した。ブランド「戸倉っこかき」として販売され、県の平均単価を10〜15%上回るまでになった。
 同時期からバージンオイスターとも呼ばれる未産卵ガキの生産も始めた。1年未満で小ぶり。「あまころ牡蠣(かき)」と名付け、16年度は約10万個出荷した。仙台圏や首都圏のオイスターバーで、特に若者たちの人気を集める。
 後藤さんは「環境に配慮した漁場を残すことで、次の世代につなげられる」と強調する。長男伸弥さん(33)も、父親の姿を見て養殖を手伝ってくれるようになった。津波で痛め付けられた浜に、希望が生まれた。


宮城の新たな観光PR動画公開
人気アイドルグループ、Hey!Say!JUMPのメンバーが県内各地を巡る、観光PRのための動画が完成し、23日にお披露目されました。
東京で行われた記者会見には村井知事と宮城県のキャンペーンキャラクターを務めるHey!Say!JUMPのメンバーが出席しました。
今回の動画は県内出身のメンバー、八乙女光さんの案内で「宮城県」と書かれた扉を開けて県内の観光スポットや東日本大震災の震災遺構を訪れたり、地元の料理を堪能したりする内容になっています。
このうち南三陸町ではメンバーの山田涼介さんが震災遺構の旧防災対策庁舎を訪れたり、さんさん商店街の旬の食材がのった海鮮丼を紹介したりしています。
八乙女さんは、「震災時も今も大変な思いをしている人がいるので、宮城県の情報を発信してたくさんの人に訪れてもらい、宮城の人の心が明るくなってほしいです」と話していました。
今回のキャンペーンにあわせて作成されたガイドブックでは、気仙沼市の気仙沼向洋高校などの震災遺構を紹介するコーナーが設けられているほか、キャンペーン期間中にメンバーが沿岸部を訪れる方向で調整が進められているということです。
会見のあと村井知事は、「10代から40代の女性の親子に動画を見てもらいたい。震災遺構は不幸なことがあった場所だが、人気のあるメンバーが訪れたのをきっかけににぎわいにつながることを期待したい」と述べました。
宮城県によりますと、おととしの県内を訪れた観光客数は6084万人と東日本大震災前の平成22年とほぼ同じ水準まで回復しています。
一方で、被害が大きかった石巻地域や気仙沼地域の観光客数は震災前のおよそ7割にとどまっていて、いかに沿岸部に観光客を呼び込むかが課題になっています。


<福島・新地>「町内に震災慰霊碑を」 420人が署名、町に要望
 福島県新地町の住民有志でつくる「東日本大震災の犠牲者を忘れない会」(寺島清一会長)の代表らが22日、行方不明と関連死を含む町の犠牲者119人の名前を刻んだ慰霊碑の建立を求める要望書を、加藤憲郎町長に約420人の署名を添えて手渡した。
 同町に対する慰霊碑建立の要望は初めて。町によると、加藤町長は「重く受け止める。前向きに検討したい」と述べた。
 忘れない会は昨年6月、津波被害の大きかった釣師浜や大戸浜の住民らを中心に発足。今年3月から署名を集めた。要望した菊地幸信事務局長(69)は「手を合わせて犠牲者の冥福を祈り、震災を後世に伝えられる場が必要だ」と話した。
 町は本年度から、釣師地区の防災緑地に「想(おも)いの丘」を整備する計画。忘れない会は、丘の一部へ建立するよう求める。


<Miyagi1951>笑顔で握手 ありがとう 米軍医長男が石巻を訪問、当時被写体と対面
 米軍医だった故ジョージ・バトラーさんが1951年に宮城県内各地で撮影した写真をウェブサイト「Miyagi 1951」に公開した長男アランさん(69)が22日、被写体となった石巻市月浦の村田敏雄さん(92)を訪問した。村田さんは「Fisherman(漁師)」と題したカラー写真に25歳の姿が収められている。
 カリフォルニア州から訪れたアランさんは村田さんと笑顔で握手を交わし、「長生きして訪問を待っていてくれてありがとう。写っている人に実際に会えて感動している」と話した。
 村田さんは「撮ってもらった記憶はないが、こんなことはめったにない。お礼申し上げる」と喜んだ。
 バトラーさんは集落の写真も残した。村田さんの長女秋子さん(67)は「51年当時の建物は東日本大震災の津波で流された。貴重な資料だ」と語った。
 アランさんたちは市内の住吉公園や中瀬地区、小渕浜地区なども歩き、写真の風景と見比べていた。


岩肌に薄化粧 東松島・嵯峨渓で「セッコク」見頃
 日本三大渓の一つ、東松島市宮戸の嵯峨渓で、ランの希少種「セッコク」が見頃を迎えた。荒波で削られた岩肌や樹木に、白や薄いピンクのかれんな花を咲かせている。6月上旬ごろまで楽しめる。
 セッコクは湿度の高い場所に群生する着生植物で、宮城県内では嵯峨渓や松島町などでしか見られない。嵯峨渓ではかつてセッコクの盗掘被害が相次ぎ、旧鳴瀬町が1996年に天然記念物に指定した。東日本大震災では岩の崩落に伴い減少したが、回復傾向にあるという。
 嵯峨渓を巡る遊覧船船長の小野孝一さん(71)は「先週ごろ一気に咲き、今年は白い花が多い。この時期ならではの嵯峨渓の魅力を見に来てほしい」とPRする。連絡先は遊覧船を運航する奥松島公社0225(88)3997。


河北春秋
 報道陣とカメラの放列を前に、20歳の若者が頭を下げた。顔を出さない謝罪はない、との決意で。日本大アメリカンフットボール部の選手が、関西学院大の選手を危険な反則で負傷させた問題で、日本記者クラブで行った会見▼その証言では大学生日本代表に選ばれる力なのに練習で干された。コーチから闘志を疑われ、内田正人前監督から代表を辞退させられた。「どうしたら監督は試合に出してくれる」と悩む選手へコーチの答えが、相手の中心選手を「1プレー目でつぶせ」▼さらに6日の試合前、重圧に苦しむ選手に監督は「やらないと意味はない」、コーチは「できませんでしたじゃ済まされない」。監督はもの申せる存在でなく、反則で退場させられて選手は泣いたそうだ▼これはパワハラかと感じた。それでも「自分で判断できない弱さがあった」と自らを責める選手。聴く方がつらかった。負傷させた相手への謝罪も当初、監督から止められたという。監督も大学も真実を明かさぬまま、一人追い詰められた▼相手選手も、腰椎損傷という選手生命に関わるけがだった。加害者の汚名を着せられた若者は「アメフットを続けていく権利はない」「もう好きでなくなった」と語った。大人が口を開く番だ。未来や夢をつぶして何のスポーツか。

日大の対応が政府や官僚の弁明とダブる
 ★悪質なタックルは悪質な命令で行われた。それをしないことも出来たのに、自分はやってしまった。その責任は自分にあるとした日大アメフト部の学生は最近の国家公務員の謝罪などとは全く違い、真摯(しんし)なものだった。彼の会見での発言は、彼がまだ経験しない日本のサラリーマンや公務員たちに与えた衝撃は大きい。理不尽なことを要求されてそれを断る勇気は彼にはなかったが、世間の注目を浴び幾多のフラッシュをたかれた学生はメディアの質問にも丁寧に答えた。 ★日大も守ってくれない。周りの大人に見捨てられた孤立無援の学生は、霞が関で正直に答えたばかりに孤立無援の戦いを続ける前文科事務次官・前川喜平をほうふつとさせる。正直な告白に「証拠はあるのか」「悪魔の証明はできない」「勝手にやったこと」「犯罪とは言えない」「全く問題ない」との反撃や答えに慣れてしまった国民には学生の行ったことは決して許されないものの、立派に謝罪した学生にむしろすがすがしさすら感じたのではないか。チームにはチームの理屈がある。まさに内部の論理の強さに対して社会では通用しない独自のルール。トップの尻拭いをこの学生がしていると感じたのは今の国会の状況と重なるからだ。 ★アメフト部の監督、コーチは表に出てしっかり説明することなく、辞任で体裁を整えたつもりだろうが、代わりにテレビ中継で謝罪したのは学生1人だった。元首相秘書官や前国税庁長官のうんざりするような弁明と、日大中枢の対応がダブって見える。近畿財務局では関係者の死人が出ていても司直は動いてくれない。学生の謝罪に正義の居場所を見ながら、学校経営者・加計孝太郎がこの1年余りの騒動で1度も発言しないでいることを許していることを恥ずかしく感じる。今度は大人が答える番だろう。

学生にこんな思いをさせる大学とは 日大危険タックル問題
 日本大学は、学生にこんな思いをさせる大学なのか。日大アメリカンフットボール部とは、選手をこんなふうに扱うクラブなのか。多くの人々がそう感じた記者会見ではなかったか。
 危険タックル問題で、反則を犯した日大の宮川泰介選手が22日、東京都内で自ら口にしたいきさつと自責の念。経緯が事実だとすれば、日大アメフット部の指導も大学本部を含む事後の対応も、おぞましいほど卑劣だった。
 宮川選手によると、3日に練習を外されて内田正人監督から「やる気があるのか、ないのか分からない。試合に出さない。辞めていい」と言われた。危険タックルがあった関西学院大との定期戦の3日前だ。翌日には大学世界選手権代表も辞退させられ、前日の5日になって、井上奨コーチを通じて内田監督の「相手のQBを1プレー目でつぶせば出してやる」という言葉が伝わってきたという。
 井上コーチから「『QBをつぶしにいくんで僕を使ってください』と監督に言いにいけ」「相手のQBがけがをして秋の試合に出られなかったらこっちの得だろう」などと言われ、「つぶせ」とは「けがをさせるという意味で言っているんだと認識した」という。
 直前まで葛藤があったが、従わなければもう使ってもらえない恐怖が、スポーツマンとしての良心を押しのけた。「最初の反則の時、審判の笛は聞こえましたか」。報道陣からの質問に「投げ終わったということは気付いていました」と答えた。すなわち、関学大のQBがプレーを終えたと審判が判断したことを認識した後のタックル。勢いがついていて、笛に気付かず当たってしまったタックルではなかったことを明確に認めた。
 アメフットの汚点となるプレーが、過失ではなかった。そして、そうせざるを得なかった選手の胸中は…。会見の中で、宮川選手は「指示があったにしろ、やってしまったのは私なので私が反省すべき」などと自責の言葉を繰り返し、うなだれた。
 身体接触を伴う競技や、野球のように凶器になり得る用具を使う対面球技では、「つぶせ」とか「壊せ」といった荒っぽい言葉がしばしば飛び交う。
 プロ野球では、ベンチのコーチらが投手に向かって頭を指差すしぐさをして、「頭にぶつけろ」と指示したとして問題になったことがある。さまざまな議論を経て、1994年からセ・リーグが故意か過失かに関係なく頭部付近への死球を危険球退場とし、2002年からパも同様の運用になった。
 1980年代、女子バレーボールの有力実業団チームの監督が、ライバルチームの選手を狙ってネットの下から足を出すよう指示していると言っていた。バレー選手が他の選手の足に乗ると、膝の靭帯(じんたい)断裂など大けがをする危険があり、センターラインの踏み越しは故意でなくても反則だ。その監督はすでに亡くなり、実際に指示が実行されたかは不明だが、幸い名指しされた選手が相手選手の足に乗って大けがをしたことはなかった。
◇「相手のことを考える必要はない」
 日本のスポーツ界は長らく、指導者も選手も気性が激しく、特に男子は野蛮なほど闘志むき出しの選手がよしとされてきた。一般社会にも「バンカラ」といった言葉が残り、大学の体育会員は肩で風を切って歩いていた。指導者や上級生は、暴力や体罰を「愛のムチ」と容認され、ともすれば「カリスマ」と持ち上げられて、それらがスポーツ界の甘えにもなっていた。
 しかし今日は、暴力に厳しい目が向けられ、言葉による叱責も時にパワハラと指弾される。まして相手の選手を意図的に負傷させる行為を、「試合に出たいなら」と出場機会と引き換えに迫り、試合当日にも「やらなきゃ意味ないよ」(内田監督)「できませんでしたじゃ、済まされないぞ。分かってるな」(井上コーチ)と念押しまでしたという。事実なら、過去にタイムスリップしても果たして許されたか。
 プロであってもスポーツマンシップにもとる行為だが、今回の舞台は大学の試合。互いに保護者から預かった学生を健全、安全に育成する立場にあることが頭になく、他大学の学生なら意図的に傷付けてもいいと考えたなら、そうした監督が常務理事まで務める大学を、受験生やその保護者はどんな目で見るだろう。
 さらに試合後、内田監督は選手たちに「こいつ(宮川選手)のは自分がやらせた。こいつが成長してくれるんならそれでいい。相手のことを考える必要はない」と言ったという。日大の選手は、アメフットをそうして成長する競技だと教わっていることになる。さらに「周りに聞かれたら、俺がやらせたんだと言え」とも話したという。翌日のスポーツ紙にも同じ趣旨のコメントが載った。
 しかし、問題が表面化して関学大から抗議文が届くと、回答書には「意図的な乱暴行為を行うこと等を選手へ教えることは全くございません」「今回、指導者による指導と選手の受け取り方に乖離が起きていたことが問題の本質」と記し、宮川選手の早合点であるかのような見解を示した。スポーツ紙の談話も、真意が伝わらなかったと半ば記者のせいにして撤回している。
 この間、10日に部のホームページへ抽象的な謝罪文を載せただけ。11日には宮川選手と両親が、内田監督、井上コーチと会い、相手の選手に謝罪に行きたい旨を伝えると止められた。その上、危険タックルは監督・コーチの指示だったとすることを公表するようメモを渡したが、拒否されたという。試合直前・直後の発言と、事が大きくなってからの姿勢や関学大への説明には、それこそ「乖離」が感じられる。
◇「定期戦がなくなってもいい」
 宮川選手によると、井上コーチは「関学との定期戦がなくなってもいいだろう」とも言った。試合の2日後にもコーチ陣から同様の言葉が出たという。関学大アメフット部の小野宏ディレクターは17日の記者会見で、「今の両チームの信頼関係は決定的に損われている」と憤る一方、「OBの方々とのつながりは蓄積がある」と両校の歴史に思いを至らせたが、日大でこんな会話まで交わされていたと想像しただろうか。
 好敵手に対して試合中に燃やす闘志とは全く別次元の、先人が築いてきた伝統と交流を事もなく踏みにじる発言。日大アメフット部のOBも、どう聞くか。日大側が説得力を持って宮川選手の証言を否定できなければ、このクラブは学生スポーツ界に籍を置く資格も疑われる。
 日大は24日をめどに、関学大に対して再回答することになっているが、20歳の学生が思い詰めた末、名前も顔も出して語ったことをどう受け止め、どんな見解を示すのか。21日には関学大選手側が警察に被害届を出している。日大が大学として、アメフット部として取るべき対応や負うべき責任は日ごとに広がり、内田監督の辞任は意味を成していない。
 疑問も残っている。宮川選手は「大学に入って厳しい環境になり、フットボールがあまり好きではなくなってしまった部分がある」と話し、内田監督の求める厳しさに戸惑っていたようだ。ややおとなしいタイプに見受けられる。ただ、選手には練習に身が入らない時期もあれば、闘志を内に秘める選手もいて、長い歴史、多い部員の中では突出して珍しい例でもないだろう。
 それなのになぜ、あんなプレーを指示するに至ったのか。そこまでして関学大のQBを狙う必要がどこにあったのか。
 関東学生アメフット連盟など競技団体の対応も、重い責任を伴う。スポーツのルールや規範には、面白さの担保、公正・不公正や安全・危険の線引きなど、社会一般の法制度とは異なる物差しが必要で、統括団体が現場やファンのコンセンサスを探り、模索しながら年月をかけて整備してきた。
 違反や不正に対しても、独自の視点で厳正に対処しなければ、存在意義や存立まで脅かされかねない。今回、関学大の選手側は止むにやまれず警察に被害届を出した。立件の可能性もある行為ではあるが、あくまでフィールドの中で起きた事案に警察の手が入ることを、アメフット界は深刻に受け止める必要がある。(時事ドットコム編集部)


勇気ある会見で判明した日大と内田前監督の4つの許せない“嘘”と矛盾点
 文部科学省は、もう日大への学校法人の認可を取り下げた方がいいのかもしれない。この日、日本記者クラブで開かれた悪質タックルを行った加害者である宮川泰介氏の勇気ある会見で、日大と日大アメリカンフットボール部が、これまでに少なくとも4つの許されない“嘘”をついていたことが明らかになった。
 矛盾点、つまり、彼らがついてきた“嘘”を整理してみる。
 一つ目は、これまで情報が錯綜していた「監督、コーチの反則指示」があったか、どうかという点。宮川氏は、この日の会見で、詳細な経緯と内田正人前監督と井上奨コーチから受けた具体的な言葉を明らかにした。
「アライン(守備ポジションと狙い)はどこでもいい」
「相手のQBがけがをして秋の試合に出られなかったらこっちの得だろう」
 これらは疑いようのない反則の指示だ。にもかかわらず日大広報は「監督は反則を指示していない」と“発表”している。これが16日だ。また、この日の会見を受けて、改めて反則指示はなかったことを弁明した。「つぶせ」がよく使われる言葉で、「受け取り方に乖離」があるならば、なぜ、1プレー後に内田前監督は宮川氏を注意しなかったのか? これらはもはや見解の相違などではなく“嘘”の発表である。
   二つ目は、「本人も反則指示がなかったと言っている」との広報コメントだ。これも、この日、真っ赤な嘘であることが明らかになった。しかも、5月11日に宮川氏が、井上コーチに連絡をして、本部にある内田前監督の部屋で、監督と井上コーチ、宮川氏と両親の5人で会談を行い、宮川氏の父親から「個人的にでも相手方選手と家族に謝りに行きたい」と申し入れたところ、監督からは「今はやめてほしい」と拒否され、父親が「監督、コーチから選手に対して対戦校のクオーターバックにけがを負わせろと指示を出し、選手はそれに従っただけである」ということの公表を求めて、そのメモを渡したが、これも「公表できない」と断られている。ここまで選手が訴えていたにも関わらず、日大側は、監督、コーチの有利な方向に情報を誘導しようとしていたのだ。
 三つ目は回答書の“嘘”だ。
 関学大は12日に会見を開き、謝罪と見解についての回答書を求めた。送られてきた回答書を関学大は17日に会見を開き公表したが、「指導者の指導と本人との理解の間に乖離があった」と書かれていた。だが、弁護士は、この日、「部による聞き取りが一度もなかった。それで乖離があったというのはおかしい」と暴露した。宮川氏が、監督、コーチの指示をどう受け取って、なぜ反則行為に至ったか?という経緯に関する部内の聞き取り調査を一度として受けてもいないのに、なぜこういった回答ができたのだろう。
「乖離していた」という言葉を使い“監督、コーチの指示には問題はなかったが、宮川氏が勝手に暴走した”という論理のすり替えになぜ持っていけたのだろう。
 内田前監督が事情を明らかにするまで真実はわからないが、明らかに監督、コーチにとって都合がよく、宮川氏だけに責任を押し付けるように事実を捻じ曲げて“作文した”文書だったのだ。
 さらに関学大から「誠意を感じられない」と“差し戻し”を要求され、24日までに調査して再度返答するとしていたが、その部の調査も今なお行われていない。
 辞任した内田前監督も、空港での囲み会見で反則行為を指示したか、どうかを問われ、「文書でこちらから誠意を持って答えたい」と、繰り返すだけで言及をさけていたが、一切、部による調査を行っていないのだから、誠意などない嘘八百の逃げ口上だったということになる。
 もうほとんど回答期限までの時間がなくなっているが、24日期限の回答書を日大は、今度は、どう“作文する”つもりでいるのだろうか。
 4つ目の矛盾点は、内田前監督が辞任の囲み会見で言った「私がまず関学大に直接お会いして、直接謝罪するのが大事で今まで時間的に迷惑をかけた」との発言だ。雲隠れしてきたことと、辞任が遅れたことへの言い訳だが、宮川氏と父親が「個人的に謝罪にいきたい」と申し入れても「それはやめてほしい」と止めておき、自らもなかなか謝罪を行っていなかったのだから言動が矛盾している。
 これらは内田前監督の自らの謝罪についての言い訳で、加害者の謝罪について話したわけではないが、当事者の謝罪を止めた理由が理解できない。そこに誠意など欠片もない。宮川氏の勇気のある会見で明らかになったのは、内田前監督の謝罪も辞任も、自分が有利になるための言い訳で塗り固められた、まったく信用のおけないものであるということだ。
  そして、もうひとつ、この日の会見では驚くべき事実が明らかになった。
 宮川氏側の 弁護士が、日大総務部の聞き取りに応じた際に、大学側が「大学と部は違う団体である。組織である。あくまで大学としてお聞きしたい」と説明した部分だ。
 日大アメフット部は、大学側が統括、監督責任を持っている学内のクラブ活動団体である。日大の有志やOBが集まって学外で行っているスポーツクラブでもなんでもない。100人を超える選手の練習場所を確保して、選手の一部をスポーツ推薦という形で入学させている。それを「大学と部とは違う団体」と語っているとすれば、日大アメフット部は、いったい何なのか。
 日大アメフット部を統括、管理する責任のある大学側が、まるで、それらを放棄したような発言であり姿勢である。学内ナンバー2の立場にある常務理事の内田氏が監督をしていた団体には、モノの言えない学内構造でもあるのだろうか。大学側が、その活動内容と実態を把握せず、コントロールできないような組織が、対外試合も含めた部活動を行っていること自体が大きな問題だろう。
 会見を受けて「激しい怒りを覚える」というコメントを発表した被害を受けたQB選手の父親、奥野康俊氏は、「監督やコーチが最初から自分の息子を怪我させようとしていた。絶対に許されないことだ。このような指示を出すこと自体あってはならないことだし、さらに強制し追い詰めるやり方は社会のルールをまったく逸脱している。こうしたことが学校の中でおきていたこと自体が信じられない」とも語った。
 学校内で“反則行為の教唆”が起きたことが問題なのだ。
 この日、日大の広報部に何度も電話をしたが、一度としてつながらなかった。また広報部が「質問は文書にてお願いします」ということだったので、先週の木曜日に送ったが、今なお、ナシのつぶてだ。夜になって公式コメントを出したが、今なお、監督、コーチの反則指示を認めていない、という矛盾したもので、本来、学生を守らねばならない立場の大学が迷走している。
 内田前監督の正式な記者会見をいったいいつになれば行い、今回の問題に対する大学としての見解、対応、そして学校側の処分、また今後の方針などを、いったいいつになれば“世間”に明らかにするつもりでいるのだろうか。日大は説明責任をまったく果たしていない。
 対して、ここまで2度会見を開いている関学大は、この日、「宮川氏が不利益を被る可能性がある」として、18日に直接謝罪を受けていた事実をここまで公表してこなかったことを<お詫び>として謝罪していた。教育機関としての理念や姿勢が、この対応ひとつとってみればよくわかる。


「日大アメフト会見」からわかる、子へのパワハラに親ができること 大学側は「誤解を招いた」と言うけれど
西脇 喜恵子 臨床心理士・元新聞記者
5月6日に日大アメフト部と関学アメフト部との交流戦にて起きた反則行為。加害者本人が顔と名前を出して会見を行って一部始終を語り、Twitterには「人の親として涙なくしては見られなかった」「胸が張り裂けそう」といった声が相次いだ。日大選手は、反則行為をしたときにどのような精神状態だったと考えられるのか、そして子どもがこのようなできごとに遭った時、親はどうしたらいいのか。元新聞記者の臨床心理士・西脇喜恵子さんに、緊急寄稿してもらった。
正常な判断のできる状況になかった
セクハラの被害者に「本人が申し出てこないとどうしようもない」などという大臣がいる一方で、22日の記者会見で見せた日大アメフト部の選手の姿はあまりにも立派でした。質問をする記者一人一人に体を向け、他罰的な言葉を一切排して答えるその様子に、誠実さを感じとった人は多かったのではないかと思います。
もちろん、この前日に被害届が出され、被害学生の保護者が記者会見したとおり、負傷した選手からすれば、彼は明らかな加害者で、その行為は決して許されるものではありません。
しかし、この日の会見で語られた内容が事実であれば、監督やコーチとの関係においては、彼もまた歪んだ大きな力に押しつぶされた被害者ではなかったか。そう思えてなりません。
会見の中で、この選手は5月6日のラフプレーについて、「自分が断ればよかった」と繰り返し詫びた上で、「自分で正常な判断をするべきだった」と述べています。これは裏を返せば、当時、彼が正常な判断のできる状況にはなかったことを物語っています。
彼はこのラフプレーに至る前あたりから、「やる気があるかないかわからないから試合に出さない」「闘志が足りない」という理由で、試合や実践練習から外されたといいます。そして、相手チームのクォーターバックを「つぶす」ことを条件に件の試合への出場を許された。果たしてそれを実行に移した後にかけられた言葉が「こいつが成長してくれるならそれでいい」だったようですが、自責の念に駆られ涙する彼にとって、この言葉は呑み込みがたいものだったに違いありません。何がなんだかうまく考えられず途方にくれるような思いだったのではないかとも想像します。
まずは相手を否定し、「認められたい」と思う気持ちを刺激し、逃れられない状況に追い込みながら不当な要求に従わせる。そして、不当な要求に従ってしまったこと、あるいは、うまく従えなかったことに自責感を覚えたり、憤りを覚えたりしても、「すべてはお前のためなんだ」「優しすぎるのが悪いんだ」と相手に非を押し付ける。この一連の経過は、私がこれまでよく目にしてきたハラスメントの典型のひとつです。
物事の判断が鈍り、過度の要求に応じることも
これはスポーツに限ったことではありません。例えば、指導教員から「お前なんか卒業させない」「卒業したいんだったら、1週間寝ないで研究しろ」と言われた学生が、「卒業させてもらえなかったらどうしよう」と本気で悩み、教員の言葉通り、睡眠時間を削って研究にあたるようなケースがあります。
研究室のソファで仮眠しているところを見つかって、「寝ないで研究するように言っただろ!なんで言われたことができないんだ!」とさらに叱責を受けたりすると、学生は「できない自分がいけないんだ」「悪いのは自分だ」と自分を強く責めるようになる。そして、物事の判断力が鈍り、客観性や主体性も失われて、さらなる過度の要求にも応じようとしてしまう。ともすると、研究成果を出さなければと思うばかりに善悪の判断すら難しくなって、「いけない」とわかっていることにまで手を染めてしまうかもしれない。こういうことが、実際に起き得るのです。
「これだけ冷静な記者会見ができるのに、なんで人を怪我させるようなことをするのか」という声があるかもしれませんが、普段であれば発揮される判断力が弱まり、主体性や客観性も失われてしまった結果が、あのプレーだったとすれば、それこそまさにハラスメントの影響だったと言えるかもしれません。
「ハラスメントにはグレーゾーンがある」とよく言われます。AさんがBさんを殴り、その結果、Bさんが怪我をしたというような場合は、加害行為と被害の程度が明確にわかるのですが、ハラスメント被害は体の怪我とは異なり目に見えにくいものです。
また、加害行為も言葉によるものだったり、ときには「場の空気」だったりするので、加害であるかどうかの評価は、人の感受性や人間関係に左右されやすい側面があります。「指導者側の意図と選手の受け止めに乖離があった」「つぶせというのは、思い切ってあたれという意味」という今回のような反論を許したり、ハラスメントの事実認定に脆弱性がつきまとったりするのは、そのためです。
その点、救いという言い方が適当かどうかわかりませんが、今回、「つぶせ」と言われたときに「相手のクォーターバックが怪我をして秋の試合に出られなくなったら、こっちの得だろう」という具体的な言葉もあったこと、そして、それをチームメイトが聞いていた可能性があることは、事の本質を明らかにする手がかりになります。
「理不尽さ」や「不当なパワー」といった目に見えないもの、しかしながら、そのことで確実に受けた被害を明らかにするためには、具体的なエピソードの積み上げや関係者の証言が、大いに助けになります。そして、理不尽な目に遭い傷ついた事実を認めてもらうことは、なにより回復への第一歩につながっていきます。
「親として涙なくして見られない」
今回、会見を見て、「子を持つ親として涙なくしては見られなかった」と言った私の友人がいました。Twitter上にも会見中から「親の気持ちになると胸が張り裂けそう」「自分が親だったら止めてあげたいくらい」といった親の立場からの悲痛ともいえる書き込みがあふれました。自分の子どもが相手に怪我を負わせたことへの責任と、自分の子どもが意思に反する行動を強いられたことへの憤り、非を押し付けられたままの理不尽さ。複雑に交錯する親御さんの気持ちを思うと、私もいたたまれない気持ちになります。
この記事の冒頭でも触れたとおり、日大選手は会見で、監督やコーチを責めることはありませんでした。それも含めて立派だったと思うのですが、監督やコーチを悪く言わなかったことについて、別の見方を持ち込めば、そういうことが言えない関係性の中にいまだ彼がおかれていると見ることもできます。
ご両親や弁護士が彼の気持ちを支え、行動を共にしてくれていることで、冷静さや客観的な判断を取り戻しつつあるように見えますが、歪んだ大きな力に押しつぶされた影響は、簡単にぬぐいきれないと考える方が自然かもしれません。
そんな中で、周囲のサポートがなかったり、誰にも言わず子どもが一人で抱えてしまったりするような場合、親として何ができるのでしょうか。
苦しむ子どもに親ができること
今回の日大選手は、件の試合後まもない段階からご両親の協力を得て、問題解決に臨もうとしていたことがわかっています。
しかし、子どもがふさぎ込んで何も言わない、関係者からも納得のいく説明が得られないといったような場合、親は子どもがやってしまった行為ばかりを責め立ててしまう可能性があります。自分の子どもが誰かを傷つけてしまったことに対するショックを、我が子に対する怒りとして発露してしまうのは、ある意味、仕方のない親の側の心の機微ですが、善悪の分別があるにもかかわらず、加害行為をしてしまうという今回のような状況では、子どもを責め立てても、百害あって一利なしと言えます。
会見の中で、退部の意思を伝えたというこの日大選手に、「関学側が許してくれたらアメフトをしたほうがいいんじゃないか」と質問した記者がいました。彼の自分を責めるばかりの言葉に、思わずそんな声をかけたくなってしまったのかもしれません。このように、過度な自責感を抱えている場合、「あなただけが悪いのではない」「そんなふうに考えなくてもいいのでは」と声をかけ、気持ちをやわらげ、客観的な目線を入れてもらうことは大切です。
それでも、理不尽な現実を前に、一人で抱え込もうとする様子があるときには、アドボケーター(代弁者)となることも一案です。親が社会とのつなぎ役をしながら、子どもは大きくなっていきます。被害にあったとき、社会に向けて声をあげることは簡単ではありません。被害選手の保護者が会見を開き、選手の様子や言葉を一部伝えたのもアドボケートのひとつだったのだと思います。
親といえどもできることには限りがありますが、まずは自身が冷静になること、何があったのか、その話を聞くことも含め、子どもを支えようとする態度を見せることは、犯してしまったことへの償いを果たすためにも大切になってくるのではないでしょうか。
そして、最後に。今回の日大アメフト部の問題は、指導者と選手という関係とはいえ、大学という高等教育機関で起きたことを踏まえると、就労関係で使われるパワー・ハラスメントではなく、アカデミック・ハラスメントと呼ぶ方が適切なのだろうと思います。教員や指導者など力のある立場の人が、不当な行為で学生の就学を困難したり、その尊厳を傷つけたりすることをアカデミック・ハラスメントと規定している大学は少なくありません。
その意味では、日本大学が第三者委員会を立ち上げ調査に乗り出していることは一定に評価できますが、選手の会見後、大学側から出されたコメントが、力のある側の目線に立った言い分であるように思えたのは、おそらく私が被害相談を受けることの多い立場だからというわけではないだろうと思います。
繰り返しになりますが、ハラスメントにはグレーゾーンがあります。厳しい指導とハラスメントの境目がどこにあるかの判断は難しいところもあります。今回の件では、日大選手が言っていた「信頼関係はわからない」という言葉が、「指導」とは言えないのではないか、と感じさせるヒントにもなるように思います。
だからこそ、大学は高等教育機関として、理不尽な力の前にひれ伏してしまうことのある学生の立場に立って問題解決をはかる目線も持ってほしいと思います。陳腐な表現になりますが、これから社会に出ていく彼らにとって、今回のことが取り除くことのできない足かせにならないことを願うばかりです。


スポーツ心理学者も指摘 日大アメフト部の卑劣“洗脳指導”
 悪質なラフプレーで相手の関学大QBを負傷させた、日大アメフト部DL宮川泰介選手(20)の告白は衝撃的だった。
 宮川選手は22日の会見でまず、被害者となった選手や保護者、関係者に謝罪。その上で、問題の悪質反則が内田正人前監督(62)とコーチの指示だったことを認め、「精神的に追い詰められて悩んだ。正常な判断ができなくなっていたが、やってしまったことに変わりはない。反省しています」とまた頭を下げた。
 スポーツ心理学者の児玉光雄氏が言う。
「立派な会見だったと思います。顔と実名を出して自らの非を潔く認め、質問にも自分の言葉でしっかり答えていた。非常にスマートな印象を持ちましたが、それだけにそんな彼から正常な判断力を奪った日大首脳陣の卑劣なやり方が際立った。代表入りや練習環境などを取り上げることで精神的に追い詰め、ぎりぎりまで追い込んだところで反則行為を条件にした試合出場というアメを目の前に出す。服従させるために巧妙に練られた、仕組まれたやり方です。洗脳と言っていい」
 まさに洗脳だ。
 宮川選手の陳述書と説明によれば、問題のプレーがあった5月6日の1週間ほど前から突然、練習への参加を禁じられた。その間、内田前監督から決まっていた日本代表への招集を辞退するよう強要され、コーチから「やる気が足りない。闘志が足りない」となじられ、「坊主にしてこい」と強制されるなどさまざまなストレスを与えられた。思い詰めていたところへ、コーチから「監督が、相手のQBを1プレー目でつぶせば(試合に)出してやる、と言っている」と囁かれたのは試合の前日。そして当日、「やらなきゃ意味ないよ」との監督の言葉、「わかってるな」とのコーチの言葉に押し出されて立ったフィールドで、彼は蛮行に至った。
「一時代前の典型的なトップダウン、上意下達のこうしたやり方を今も平然と行っていたことに驚きを禁じ得ません。現在では、指導者は選手の目線まで下り、双方向のコミュニケーションが取れた上で指導、アドバイスをするのが当たり前。恐怖政治的な方法が短期的には結果を出すこともあるが、ちょっと歯車が狂えば今回のような重大な問題を誘発する。いずれにしろ、なぜ日大の指導者がこうした20世紀型の方法論を取っていたのか、その背景も含めて内田前監督の口から真実をつまびらかにしてもらいたい」(児玉氏)
 闇は深そうだ。


アメフット反則◆なぜ悪質な行為続けたのか◆
 背筋が凍るような行為だった。学生アメリカンフットボールの東西の雄による定期戦で、関西学院大のクオーターバックがパスを投げ終え、その数秒後に無防備な状態で日本大の守備選手に背後から猛然とタックルされ、崩れ落ちた。被害を受けた関学大は、反則後もプレーを続けさせた日大の判断の背景に暴力的なプレーを容認する指示があったのではとの不満を強くにじませ、抗議文を提出。日大監督は辞任を表明したが、説明が尽くされていないとして被害選手の父親は被害届を提出した。関東学生連盟は調査のため第三者委員会を設置するとしており、一層の真相究明が求められる。
選手は「監督の指示」
 反則行為をした選手は22日、記者会見を開き、監督とコーチからの指示があったことを明らかにした。コーチを通じ監督から「相手のクオーターバックを1プレー目でつぶせば(試合に)出してやる」と指示を受けたと説明。その上で「指示があったとはいえ僕がやったことは変わらない。プレーに及ぶ前に正常な判断をするべきだった」と自責の念を吐露した。
 反則行為は、クオーターバックに背後からタックルした1回目を含め、日大の守備選手が資格没収(退場)になるまでの約4分間に悪質な反則を3回繰り返した。驚くのはすぐに交代を命じられることなく、さらに乱暴なプレーと反則を続けた後ようやく退場処分となったことだ。あれだけの重大な反則行為が起これば、監督は選手を即座に交代させ、強い調子で叱るのが一般的な対処だろう。
 鈴木大地スポーツ庁長官は「なぜあのようなプレーが起きたのか考える必要がある。大学スポーツ全体の課題として考えるべきだ」と語り、林芳正文部科学相は「看過できない非常に危険な行為」と指摘し、「事態の全容解明と再発防止に向け、必要な対応をしたい」との姿勢を示した。
背景に勝利至上主義
 関学大ばかりではない。日大との対戦の中止を求めた関東学生連盟の各校にとどまらず、国内のアメリカンフットボール関係者全てが日大自身による詳しい説明を待っている。関東学生連盟は日大の当該選手を試合出場停止に、監督を厳重注意処分にしているが、いずれも暫定的な措置だ。
 一部が勝利至上主義に陥り、相手に敬意を払いルールを尊重して正々堂々と試合する理想がおろそかにされているのではないかとの懸念が募る。日大の監督は、学生日本一のタイトル奪還を目標に掲げるあまり、フェアプレー精神が奥に引っ込んでしまった部分はなかったのか。
 相手を傷つけようとする反則はフェアプレーの対極に位置する最も醜い行為だ。スポーツに関わる選手と指導者は最大限の努力で、こうした考えを排除しなければならない。この基本原則を無視し、危険で悪質な反則を容認するなら、チームは厳罰を免れない。


日大アメフト選手の償いとメディアの無慈悲 ひどいのは監督、コーチ、学校だけではない
木村 隆志 : コラムニスト、人間関係コンサルタント、テレビ解説者
「ついに」と言うべきか、「ようやく」と言うべきか。
5月6日に行われたアメリカンフットボールの日本大学と関西学院大学の定期戦で起きた騒動に、大きな進展がありました。関学大の選手に悪質なタックルを仕掛けて負傷させた日大の選手が、都内の記者クラブで記者会見を開いたのです。
この会見で、日大の監督やコーチが、「1プレー目で相手のクォーターバックをつぶすのなら出してやる」「ケガをして秋の試合に出られなかったら、こっちの得だろう」「できませんでは済まされないぞ」「日本代表に行くな」などの発言をしていたことが明らかになりました。
監督、コーチとしての指示というより、強制的な命令であり、絶対服従。パワハラのレベルを超えて、脅迫に近い怖さを感じた人も少なくないでしょう。
すでに、反則行為に至る経緯や、それが監督、コーチの指示だったことなどは報じられているため、ここでは詳細は省き、会見の当事者と取材者の是非をつづっていきます。
スポーツマンらしい勇気と全力の謝罪
日本記者クラブに集まった報道陣は実に358人。大谷翔平選手がメジャーリーグ挑戦会見を開いたときの255人を大幅に上回りました。しかし、騒動が大きくなっているため見落としがちですが、今回の件は学生スポーツの中で起きたこと。しかも大きな大会ではなく、定期戦での出来事でした。「本来守られるべき存在である学生が、矢面に立たなければいけない」という点に異様さを感じてしまいます。
「20歳の学生に無数のフラッシュが浴びせられる」という酷な状況に、名前と顔を明かして臨み、答えられるすべてのことを話した宮川泰介選手は、これで一定の許しを得られるのではないでしょうか。
少なくとも、「すべて私の責任です」とざっくり話しただけで、「(指示があったかは)ここでは控えさせていただきます」と語らなかった内田正人監督と比べると、印象の差は一目瞭然。傷害罪としての責任を問われる可能性こそ残っていますが、相手選手が復帰間近なこともあり、被害者側と加害者側、双方の関係者が宮川選手を守るのではないでしょうか。
「非を正直に認める」のはクライシス・コミュニケーション(危機管理広報)の基本ですが、20歳の若者は、果敢にそれを完遂しました。世間から批判を受けたとしても、所属する大学や部を敵に回したとしても、「事実を明らかにした上で、自分の悪かった点を謝りたい」というスタンスを貫いたのです。
この点は「宮川選手の今後を守る上で、これがいちばんいい」とアドバイスしたであろう周囲の大人たちの判断力も光っていました。特に、「まだ学生である息子が謝罪会見の場にさらされる」、両親にとっては大きな決断だったことが推察されます。
「復帰は考えていない」と言い切った潔さ
また、話は変わりますが宮川選手は、先月の会見で山口達也さんが、「席がそこにあるなら、またTOKIOとしてやっていけたら」と漏らしたような、「今後の希望を語ってしまう」というミスもしませんでした。それどころか、「選手としての復帰は考えていない」と言い切る潔さを見せたのです。「勇気を出さなければいけない」「全力で謝りたい」というストレートな思いが、会見を見た人々の心を打ちました。相手の選手には気の毒ではあるものの、宮川選手がこのような心境になれたことで、「教育の一環としての学生スポーツ」という存在意義は、ギリギリのところで守られたのではないでしょうか。
それとは対照的に、疑問を抱かざるを得なかったのは、会見を取材したメディアの姿勢。
会見冒頭、弁護士が「まだ学生であるため、顔のアップは映さないように配慮してほしい」と要望したにもかかわらず、各番組は会見の大半をアップで映していました。芸能人ではなく、社会人でもない20歳の学生であることを踏まえると、これは過剰演出。司会者や弁護士を含む登壇者全員が映る引いたアングルなどでもできたはずだけに、各メディア横並びの無慈悲さが露呈されました。
もう1つ気になったのは、質問者たちの姿勢。「ミヤネ屋」(日本テレビ系)の中山正敏リポーター、「とくダネ!」(フジテレビ系)の伊藤利尋アナ、「スッキリ」(日本テレビ系)の大竹真リポーター、「NEWS ZERO」(日本テレビ系)の小正裕佳子キャスター、「プライムニュース」(フジテレビ系)の木村拓也アナ、読売テレビの春川正明解説委員長が順に質問し、その後も「ゴゴスマ」(TBS系)、「モーニングショー」(テレビ朝日系)、「ビビット」(TBS系)らの番組関係者が続きました。
いずれも常識や人間性を求められるテレビ局のスタッフなのですが、「会見を開いてくれてありがとうございます」と感謝しつつも、質問の内容は発言を誘導するようなものばかりだったのです。
今回の会見で宮川選手は、「これ以上話すことがない」と言ってもいいほど、詳細にわたる経緯を語りました。また、宮川選手が語ろうとしていたのは謝罪と事実であり、監督やコーチの問題点ではありません。
怒りや憎しみを引き出そうとするメディア
しかし、各局のスタッフたちは、「監督、コーチはそれだけ怖い存在だった?」「監督、コーチの指示は『つぶせ』という内容だった? やらなかったらやらなかったでフットボールをやれない状況が生まれていた?」「監督、コーチはどんな存在?」「監督、コーチに信頼はあった?」「監督、コーチから理不尽も多々あった?」
「部内で監督、コーチの責任という声はあがっていた?」「コーチは『できませんでは済まされないぞ。わかってるな?』そういうことを言う人物?」「いまだに監督が指示のことを言わない事態をどう思う?」「誠意ある謝罪をしようという空気は感じない?」と、監督やコーチに関することばかり執拗に聞き続けました。
各局のスタッフたちは、20歳の学生に「監督やコーチに対する怒りと憎しみを引き出そう」とする誘導的な質問を続けたのです。勇気を振り絞って経緯の詳細を語ったにも関わらず、「まだ足りない」「もっと決定的な言葉を引き出そう」と似た質問を浴びせ続けるのは、配慮に欠けるとともに、番組の都合を優先させているだけではないでしょうか。
このような質問ラッシュは、不祥事を起こした芸能人、ビジネスパーソン、政治家などを追い込みたいときの常とう手段。しかし、今回の相手は、保護者や学校から守られてしかるべき学生であり、すでに言えることはすべて言っていただけに、メディアが寄ってたかって拷問をしているように見えてしまったのです。
そのほかにも、「新監督や部のメンバーに伝えたいことは?」「(今後も)アメフトやったほうがいいんじゃないですか?」などと若者を試すような無神経な質問もありました。そんなメディアの悪意に引きずられず、「今は考えられません」「その立場にありません」と答え続けた宮川選手が立派に見えたほどです。
各局のスタッフたちが、「それが私たちの仕事」「これはジャーナリズム」と思っているとしたら、首をかしげざるを得ません。もし番組のプロデューサー(スポーツの監督に近い立場)やディレクター(コーチに近い立場)からの指示でこのような質問をしたのなら、程度の差こそあれ、「日大アメフト部の図式と似ているのではないか」とすら感じてしまいました。
関学大OBの有馬キャスターが見せた配慮
ただ一人、「TOKYO MX NEWS」のメインキャスターである有馬隼人さんは、ほかの人とは異なるスタンスでした。「最初に反則をしたプレーで、(プレー終了を伝える審判の)笛は聞こえていましたか?」と尋ね、宮川選手が「(相手の選手が)投げ終わっていたのは気づいていました(プレー終了は認識していた)」と答えると、落胆を隠さなかったのです。有馬さんは、「プレーが終わっていたということは、認識していたと……(言葉を飲み込んで)。わかりました。ありがとうございます」と質問を誰よりも早く終わらせました。
有馬さんは関学大アメフト部のOBであり、負傷した選手と同じクォーターバックの名選手でした。今も社会人リーグのチームでヘッドコーチを務めているだけに、宮川選手のことを最後まで信じていたのではないでしょうか。同じアメフトを愛する者だからこそ、「『故意にケガさせる』という一線は絶対に越えてはいけない」と責めたい気持ちもあったはずですが、学生であり、すでに拷問状態だった宮川選手をおもんぱかったのです。有馬さんの対応を見ても、「ほかのスタッフたちがいかに、無慈悲な上に意味が薄いことを繰り返していたか」がわかるのではないでしょうか。テレビ局に限らず各メディアのスタッフが今後、宮川選手を追いかけないことを願ってやみません。
まだわからないところはあるものの、今回の会見で、監督やコーチ、引いては学校に、体質的な問題があることが明らかになりました。会見での宮川選手の姿を見て、内田監督と井上コーチは、何を感じ、どんなファーストアクションをするのでしょうか。2人の合同会見があっても驚きませんが、多数の部員や大学にも関わることでもあり、先行きは不透明です。
当然ながら日大も、学校組織として、教育現場としての誠実な対応を問われるでしょう。実際、会見から数時間後、広報部が文書でコメントを発表しました。しかし、それは再び首をかしげざるを得ないものだったのです。
「誤解」「言葉足らず」日大広報部の苦しい釈明
「コーチから『1プレー目でクォーターバックをつぶせ』という言葉があったということは事実です。ただ、これは本学フットボール部においてゲーム前によく使う言葉で『最初のプレーから思い切って当たれ』という意味です。誤解を招いたとすれば、言葉足らずであったと心苦しく思います」「宮川選手と監督・コーチとのコミュニケーションが不足していたことにつきまして、反省いたしております」
誤解、言葉足らず、コミュニケーション不足……これらは謝罪文で最も使用してはいけない類のフレーズ。しかも一部のみを抽出し、それ以外のところでも宮川選手を追い詰めていたことに関して言及していません。
文書での中途半端な釈明に留めたことも含めて、日大に対する風当たりはますます強くなっていくでしょう。拙速な対応の数々を見る限り、クライシス・コミュニケーションの専門家がアドバイスしているとは思えないだけに、今後にも暗雲が垂れ込めています。
今回の騒動は少し目線を変えれば、「企業における社員の内部告発」に置き換えられるのではないでしょうか。ビジネスパーソンのみなさんにとっても、個人と組織、それぞれの責任の取り方を学ぶ機会とも言えるのです。


「アップで撮らないで」日大選手会見のテレビ中継に批判殺到
アメリカンフットボールの試合で日本大学の選手が関西学院大学の選手を悪質なタックルによって負傷させた問題。5月22日、反則行為をした日大の選手の記者会見が行われた。
日大の選手は「本件でけがをさせてしまった関西学院大学の相手のクオーターバックの選手や家族、関係者に対して多大な迷惑をかけたことをおわびいたします」と冒頭に謝罪。反則行為について内田正人前監督から「相手のクオーターバックを1プレー目でつぶせば(試合に)出してやる」と指示を受けたと説明した。
まだ学生である選手が顔と実名を出して謝罪をするという異例の事態となった今回の会見。このことについて、会見冒頭で代理人の弁護士は「長い将来のある若者です。ずっとアップで撮るようなことは避けていただいて」と配慮するよう呼び掛けていた。
しかし『情報ライブ ミヤネ屋』(読売テレビ系)や『グッディ』(フジテレビ系)では弁護士の経緯説明や質疑応答でも選手の顔をアップで放送。ネットでは怒りの声が上がっている。
《…芸能人でも犯罪者でもないんだから配慮しろよ!!》
《本人が話してる間も、報道陣が話してる間もずーーっとどアップで選手映してる!ミヤネ屋こわい》
《マスコミの配慮のなさ、彼への責任のなさに怒りを通り越して呆れました。情けない》
アップで放送し続けるテレビ各社に対し、経緯説明の間は弁護士のみを映すなど配慮を見せていたニコニコ生放送に称賛の声が上がっている。
《ニコ生が一番ましだった》
《ニコニコ動画が1番まとも》
《日大アメフト部の記者会見、モラルのあるメディア、ないメディアがはっきりわかるね
今後ニコ生を積極的に使っていきたいと思った》
勇気と誠意を見せた日大選手の今後に、周囲から然るべき配慮がなされることを願うばかりだ――。


日大アメフト問題で太田光ら日大出身芸能人が次々コメントする一方、附属高アメフト部出身のオードリーは沈黙
 日本大学アメリカンフットボール部選手による悪質タックルの問題は昨日、加害者の選手が会見。内田正人監督やコーチから「潰せ」と指示があったことを証言した。
 ところが、内田監督といえば、ようやく監督辞任を表明したものの、今回の事態がなぜ引き起こされたかについてまともな説明はいっさいおこなっていない。日本大学も同様だ。内田監督は日大の常務理事で職員の人事権を掌握する人事部長でもあるのだが、責任をとらせるどころか、この期に及んでまだ「壊せ、は激しくぶつかれ、という意味」などと、事件を矮小化し、内田監督を擁護する弁明を繰り返している。
 こうした問題はスポーツ部の不祥事から日本大学という大学の問題に発展。日大の責任を問う声が日増しに強くなっているが、とばっちりを受けているのが日大出身の芸能人たちだ。
 彼らには何の責任もないが、自ら日大出身であることを表明し、母校についてコメントせざるを得ない状況になっているのだ。
 たとえば、20日の『サンデー・ジャポン』(TBS)では、アメフト好きでも知られる爆笑問題の太田光が開口一番、「私も日大OBなんでね、恥ずかしい」と 言ったあと、アメフトの精神との乖離を指摘した。
「アメリカンフットボールの常識として、クオーターバックを怪我させるのはとんでもないことであって。なおかつアメリカンフットボールって、こんだけ激しいスポーツだからこそ、毎年ルールが改正されていくんですよね」
「それはすごく科学的なスポーツで、ジャッジにしてもビデオ判定とかいち早く、必ずアメリカンフットボールから全部のスポーツが発展していくイメージがあって、すごく安全性に関しては、何回も何回もルールをチェンジしている」
 テリー伊藤も同番組で、「大学は学生ファーストのはずだけど、学生に対して思いがない。学生だけでも話し合うことが必要。(日大の)一般学生も恥ずかしい思いをしている」と日大の姿勢を問題視した。
 また、21日の『直撃LIVEグッディ!』(フジテレビ)では、トレンディエンジェル斎藤司も「お恥ずかしいんですけど、僕日大なんです。恥ずかしい」と、恐縮しきりの様子を見せていた。
 いずれも、OBとしてこの事件がアメフトや日大生のイメージを傷つけていることを深刻に受け止め、母校への批判や残念な気持ちを積極的に表明するものだった。
 ところが、そんななか、日大とも浅からぬ縁があり、アメフトについて一家言をもっているはずの芸人が不自然なくらいに沈黙を貫いている。
 それはオードリーの若林正恭と春日俊彰だ。周知のように、ふたりはともに日本大学第二高等学校のアメフト部出身。日大のアメフト部だったわけではないが(進学先も春日は日大だが、若林は東洋大学)、日大と関係の深い特別付属高校でアメフトをやっており、その伝統や体質についても一般人よりは詳しいはずだ。
日大二高アメフト部出身のオードリー若林のアメフト愛
 しかもふたりは、アメフトへの愛情が深く、2010年からは『オードリーのNFL倶楽部』(日本テレビ)のMCも務めるなど、さまざまなメディアでアメフト愛を語ってきた。
 とくに、若林はアメフトについて高い見識をもっており、『オードリーのNFL倶楽部』のなかでは、ひとつのプレーをスローモーションで再生しながら、その数秒のなかで同時多発的に発生している選手同士の駆け引きや戦略を若林自ら解説するコーナー「若林の熱視線」を担当している。しかも、そうしたなかでしばしば語ってきたのが、アメフトが「野蛮なスポーツ」でなく、いかに知的で戦略的なスポーツであるかということだった。
 前述のテレビ番組のコーナーを書籍にまとめた『オードリーのNFL倶楽部 若林のアメフト熱視線』(文藝春秋)で若林はアメフトの魅力をこのように語っている。
〈アメフトのアメフトたる所以というのは、本当の意味で“捨てプレー”がひとつもないこと。だって1回1回プレーを止めて、作戦を練るスポーツなんて他にないでしょ。(中略)オフェンスであれば誰かがゲインし、ディフェンスであれば誰かがブロックする。つまり、ひとつひとつのプレーに明確な意図があり、誰かのファインプレーが隠されているわけですよ。捨てプレーがないから、一瞬たりとも気が抜けない。すべてのプレーが面白いし、そこには必ずデザインされた意思があるんです〉
 こうした知見とスタンスをもっている若林だから、今回の日大の悪質タックル事件についても、おそらく思うところも言いたいこともはたくさんあるだろう。
 若林は「週刊文春」(文藝春秋)18年2月8日号掲載「阿川佐和子のこの人に会いたい」では、「アメフトって体格や技術で負けていても、作戦次第、もっというと卑怯なプレーで勝つことができるんですね」という発言をしていたが、今回の事件をめぐってなにが「許される卑怯」でなにが「ありえない卑怯」かということもきちんと語ることができたはずだ。
 しかし、若林も日大卒の春日もいまのところ、この事件についてなにも語っていない。ふたりがパーソナリティをつとめる『オードリーのオールナイトニッポン』(ニッポン放送)ではしばしばアメフトの話題になるため、先週土曜日の放送で何か発言があるのではないかと思われたが、結局、なにもなかった。
「オードリーのオールナイトニッポン」を日大が番組提供していたが…
 いったいなぜか。ネットや一部の業界関係者の間では、「オードリーは日大から番組のスポンサーについてもらってるから、そのからみで話題にできないんじゃないか」という見方も流れている。
 たしかに、調べてみると、『オードリーのオールナイトニッポン』では2016年10月4日から12月28日、2017年10月7日から2018年3月31日まで、日本大学が番組提供をしていた。
 しかし、現在は番組提供に日大は入ってないし、そもそもラジオ番組のスポンサーをしているくらいで、今回のような大事件に口をつぐむというのは考えにくい。
 むしろ、オードリーがこの件について発言できない理由があるとすれば、やはり特別付属高校のアメフト部出身ということが大きいのではないか。昨日の日大アメフト部の選手会見では、内田監督の意を受けて反則を指示し念押しした井上奨コーチが、加害選手が通っていた日大豊山高校の監督も兼任していたことが明らかにされたが、内田監督は大学だけでなく、附属高校や提携の高校にも強い影響力をもっている。
 そういう体育会的なヒエラルキーやしがらみ、目に見えない圧力を感じて、オードリーは言いたいことを言えなくなってしまっているのかもしれない。
 しかし、どういう事情があろうと、オードリーはやはりこの事件にきちんとコメントすべきではないか。前述したように、彼らはこれまで、アメフトというスポーツの伝道者として活動し、若林はアメフトが「野蛮なスポーツ」などではなく、「知的で科学的なスポーツ」であることをしきりに強調してきたのだ。
 これでもし、体育会的なヒエラルキーに屈して口をつぐんでしまったら、それこそ自分の言葉を否定してしまうことになるだろう。日本のスポーツの陰湿な体育会的体質を変えるためにも、若林のようなアメフトの科学的な本質を理解している人間に、ぜひこの事件の問題点や背景を指摘してもらいたい。(本田コッペ)


日大アメフト部の反則タックル事件、日本大学側が頑なに説明を避けることで組織は崩壊する
 5月6日に行われたアメリカンフットボールの定期戦で、日本大学の選手が、関西学院大学の選手に対して反則行為にあたる激しいタックルをした件が大きな波紋を広げている。特に争点となっているのは、日大選手の反則行為に監督の指示があったのか? ということだ。日大の内田正人監督は5月19日付で辞任、大学側が徹底して明言を避ける中で、反則行為を行ったとされる日大選手(20)が22日、日本記者クラブにて記者会見を行った。大学の部活動で起きた不祥事について、選手が実名や顔を公表して記者会見を行う事態は異例だ。しかも、弁護士は同席するが、日大関係者はノータッチだ。
 一連の経緯を振り返りたい。5月6日、東京・調布市で行われたアメリカンフットボールの定期戦で、無防備だった関学大選手の背後から日大選手が激しくタックルし、関学大選手は全治3週間のケガを負った。当該日大選手はその後も反則を繰り返し、3度目の反則では相手選手を殴り退場となった。試合後、日刊スポーツの取材に応じた日大の内田正人監督は「うちは力がないから、厳しくプレッシャーをかけている。待ちでなく、攻めて戦わないと。選手も必死。あれぐらいやっていかないと勝てない。やらせている私の責任」と答えていた。
 5月10日、関東学生アメリカンフットボール連盟は、反則を繰り返した日大選手への対外試合出場禁止、および内田監督への厳重注意を発表。日大アメフト部は「事態を厳重に受け止め、これまで以上に学生と真摯に向き合い指導を徹底する」とコメントし、一方の関学大は同日、日大の部長、監督宛に正式な見解と謝罪を求める抗議文書を送付している。
 5月12日、関学大は会見を行い、6日の定期戦で日大選手が行ったタックルは生命に関わる危険のあるものだったと指摘し、日大側の対応次第では来年度以降の定期戦を行わない意向を示す。さらに5月17日、関学大が記者会見で日大から届いた回答書の内容を公開。日大の回答書では反則行為について「意図的な乱暴行為を行うこと等を選手へ教えることは全くございません。弊部の指導方針は、ルールに基づいた『厳しさ』を求めるものでありますが、今回、指導者による指導と選手の受け取り方に乖離が起きていたことが問題の本質と認識しており、指導方法に関し、深く反省しております」というもので、具体的な経緯の説明はなかった。
 関学大の鳥内秀晃監督は「なぜあのプレーが起きた時『そういうプレーをしようと言ったのではない』と言えなかったのか」「(昨年はルールを守っていた日大の選手が)なぜ突然、このような意図的で悪質な行為に及んだのか」と疑問を呈し、また日大側から直接の謝罪もないため「誠意ある回答とは言えない」としている。
 5月19日、日大の内田監督が、ケガを負った関学大の選手と保護者に直接謝罪し、報道陣の取材に対して、監督を辞任する意向を発表。日大選手の反則行為について「私の責任」としながらも、反則行為の指示の有無については語らず、現在務めている日本大学の常務理事については「それは違う問題ですので」と辞任しない意向を示している。
 5月21日、日大側が19日付で内田監督の辞任届を受理したと発表。こうした経緯を経て、同日、負傷した関学大選手の父親が会見を開き、今回の件で警察に被害届を提出、受理されたことを発表。内田監督の会見について「加害者がなぜあそこまで追い込まれたか、一言言っていただきたかったです」と語った。
 そして5月22日午後、反則行為に及んだとされる日大選手が会見を行うに至った。20歳を過ぎたばかりの選手が実名も顔も公表して経緯を説明するという異例の事態について、会見冒頭、代理人弁護士が「一言でいうと、顔を出さない謝罪はないだろうという本人や両親の考え」からこのようなスタイルでの会見になったことを説明。弁護士によると、本件について、5月10日の関学大アメフト部からの抗議文書を受け、5月11日に本人と両親は個人として直接謝罪をしたい旨を内田監督に伝えるも、内田監督から止められたという。その一方で、部から事実関係について聞き取りが行われることはなかった。
 5月15日、個別にでも謝罪したいが認められない、加えて「事実について報道を見る限りは、監督・コーチからの指示があったということは否定されている」「本人が指示がなかったと否定しているというような報道」さえあり、「このままでは事実が明らかにならない、本人が勝手に突っ込んでケガをさせたことになってしまう」として、父親が弁護士に相談。
 5月17日に本人、父親、弁護士で日大総務部の事情聴取に応じた際も「部としての聞き取りではない」と明確に言われ、大学と部は違う団体であり、あくまで「大学として」の聞き取りだったという。21日時点で、部からの聞き取り調査はないとのことだ。
 会見で日大選手が説明した経緯からは、コーチがはっきりと「相手のクォーターバック(以下QB)をつぶせ」と選手に告げていることがわかる。以下が日大選手による説明だ。
 まず5月3日、日大選手はプレーが悪かったとコーチから練習を外され、監督から「やる気があるのかないのかわからないので、そういうヤツは試合に出さない。辞めていい」と言われた。
 5月4日の練習前には監督から「日本代表に行っちゃダメだよ」と、今年6月に開催される大学世界選手権大会の日本代表を辞退するように言われ、監督に理由を確認することはとてもできず「わかりました」と答えた。
 5月5日、実践練習を外された選手はコーチから「監督にお前をどうしたら試合に出せるかを聞いたら、相手のQBを1プレー目でつぶせば出してやると言われた。『QBをつぶしに行くんで、僕を使ってください』と監督に言いにいけ」と言われ、さらに「相手のQBとは知り合いなのか」「関学との定期戦がなくなってもいいだろう」「相手のQBがケガをして、秋の試合に出られなかったら、こっちの得だろう。これは本当にやらなくてはいけないぞ」と畳み掛けられたという。
 コーチは選手と同じポジションの先輩にも「1プレー目からQBをつぶせと言っておけ」と命じており、実際に選手はそう伝えられた。この時、選手は「相手をつぶすくらいの強い気持ちでやってこいという意味ではなく、本当にやらなくてはいけないのだ」と思い、追い詰められ、悩んだという。
 そして5月6日、試合前の練習時にコーチに「今行ってこい」と言われ、監督に「相手のQBをつぶしに行くので使ってください」と伝えた。監督からは「やらなきゃ意味ないよ」と言われた。さらに試合前の整列時には、コーチからも「『できませんでした』じゃすまされないぞ。わかってるな」と念を押された。そして選手は反則タックルを実行した。
 その後、2回目、3回目の反則行為についても選手は説明。「相手がつかんできてもおとなしすぎる」「やる気がない」と言われていたため、「向かってきた相手選手にやられっぱなしにできないと思って、意識的に行った行為」と認めた。試合後、監督はチームメンバーに対して「こいつのは自分がやらせた。こいつが成長してくれるんならそれでいい。相手のことを考える必要はない」という話をした。また、退場後に事の重大さに気づき泣いていると、コーチから「優しすぎるところがダメなんだ。相手に悪いと思ったんやろ。」と言われ、さらに気持ちが追い詰められたという。
 5月8日には監督や2人のコーチと話す機会があったが、選手が「もうフットボールはできない」と言うと、監督は「罰退になってお前の処罰は終わっているんだからいい。世間は監督を叩きたいだけでお前じゃない。気にするな」と言い、2人のコーチからは退部を慰留されたが、事実関係の確認はなかった。5月9日にはヘッドコーチから三軒茶屋のキャンパスに呼び出され、「辞めるべきじゃない。フットボールで返していくしかない。監督が厳しく言ったことを、そのままお前に伝えたコーチに責任がある」と言葉をかけられた。
 5月11日、監督とコーチ、選手、両親で面会した際、父親が「相手方選手と家族に謝りに行きたい」と申し入れたところ、監督に「今はやめてほしい」と止められる。また父親は、監督・コーチから選手に対して対戦校のQBにケガを負わせろと指示を出し、選手はそれに従っただけである旨の公表を求めたが、断られた。その後も紆余曲折があったが、結局、5月18日に選手と父親は、ケガを負わせた選手とその両親、関学大小野ディレクターと面会し、直接謝罪した。
 内田監督はどんな存在だったのかという質問に、選手は「いくら監督、コーチからの指示があったとはいえ、僕がやってしまったことについては変わらない」と前置きした上で、「日本代表に行くなって言われた時もそうですし、『なぜですか』とかいう意見を言えるような感じではなかった」と答えた。また、監督の指示が自身のスポーツマンシップを上回ってしまった理由については、「監督、コーチからの指示に自分で判断できなかったという、自分の弱さ」と語り、逆に言えば監督コーチがそれだけ怖い存在であったということかとの問いには「はい」とだけ答えた。
 この会見を受け、「真実を明らかにすることが償いの第一歩だと決意」し、実名・顔出しで会見に臨んだ選手を「立派」だとたたえる世論が湧いている。監督やコーチの指示に対し、理由を問うたり意見を言える立場、環境ではなかったにもかかわらず、このような会見に挑んだことは、確かにとても勇気ある行動だ。しかし一方で、その組織に属している以上、声を上げることのできない部員たちがおり、無邪気な称賛で、告発することのできない立場の人々を追い詰めることになってはいけないという危惧もある。
 選手の会見後に日大広報部は公式コメントを発表。かなり短いものであった。そこでは<コーチから「1プレー目で(相手の)QBをつぶせ」という言葉があったことは事実>としながら、<ただ、これは本学フットボール部においてゲーム前によく使う言葉で、「最初のプレーから思い切って当たれ」という意味です。誤解を招いたとすれば、言葉足らずであったと心苦しく思います>と説明。そして選手と監督・コーチの<コミュニケーションが不足していたことにつきまして、反省いたしております>と締めている。つまり、コミュニケーション不足による誤解が大本の原因だという見解だ。
 では、選手が会見で説明したその他の言葉についてはどう捉えているのだろうか。組織として事実を説明しようとはしなかった。コーチから掛けられたという「相手のQBとは知り合いなのか」「関学との定期戦がなくなってもいいだろう」「相手のQBがケガをして、秋の試合に出られなかったら、こっちの得だろう。これは本当にやらなくてはいけないぞ」。そこには明確に“相手のQBにケガをさせ、秋の試合にも出られないようにしてやれ”という意図があるのではないか。さらに試合後、相手選手が負傷し、日大選手が反則行為で退場になっているにもかかわらず、監督は「こいつのは自分がやらせた。こいつが成長してくれるんならそれでいい。相手のことを考える必要はない」という話をしたという。日大が組織として選手を、そして、それこそ監督や部を守る気があるのなら、詳細な経緯についてこそ丁寧な説明が必要だ。


日大アメフト事件で「コミュニケーション不足ゆえの誤解」と弁解する日本大学は、説明責任を果たす気がない?
 日本大学のアメリカンフットボール部の選手が関西学院大学との伝統試合中に反則行為を繰り返した事件は、日を追うごとに騒動が拡大している。5月6日に開かれた日大と関学大のアメリカンフットボール部の定期戦で、日大の選手が悪質な反則タックルに及んだ。このプレー動画はネットであっという間に拡散し、日大の内田正人監督およびコーチ陣、そして日大上層部に対して説明責任を求める声は日に日に大きくなっている。
 この事件について、関西学院大学は12日と17日にそれぞれ会見。17日の会見では日大から届いた回答書の内容を公開した。日大は反則行為について「意図的な乱暴行為を行うこと等を選手へ教えることは全くございません」「今回、指導者による指導と選手の受け取り方に乖離が起きていたことが問題の本質と認識しており、指導方法に関し、深く反省しております」と、あくまで選手と指導者との間に誤解が生じたことが理由だと弁明。監督による意図的なラフ・プレーの指示はなかったとしているものの、しかし具体的な経緯の説明はなく、到底納得できる内容ではなかった。
 大怪我を負った関学大クォーターバック選手の父親も会見を開き、傷害事件であるとして警察に被害届を提出したことを公表。それでもなお日大側は沈黙を貫き、そして5月22日、悪質なプレーをした日大選手が単独でマスコミ記者会見を敢行するに至った。選手は日大の回答書にあったような「監督・コーチの指示と自分の理解に齟齬があった」との説明は行わず、ラフ・プレーをした理由を説明した。いつ、どのような言葉をコーチから(監督の指示として)掛けられたかをひとつずつ明らかにしたのである。
 本来であればこの経緯説明は、日大が組織として調査のうえ、おこなうべきだった。しかし同日、日大が公表した声明は非常にお粗末なものだった。<コーチから「1プレー目で(相手の)QBをつぶせ」という言葉があったことは事実>と認めつつも、<ただ、これは本学フットボール部においてゲーム前によく使う言葉で、「最初のプレーから思い切って当たれ」という意味です。誤解を招いたとすれば、言葉足らずであったと心苦しく思います><(選手と監督・コーチの)コミュニケーションが不足していたことにつきまして、反省いたしております>との弁解に終始。もし本当に誤解が引き起こした悲劇だというのであれば、なぜ誤解を招いてしまったのか、究明すべきであろう。そこには間違いなく構造的な問題があるはずだ。
 たとえば、選手の記者会見で明らかになったように、監督の指示はコーチを通じて部員に伝えられる。ただでさえ誤解が生じて当然の“またぎき”状態になるのだから、言葉を尽くさなければならないことは大前提だ。さらに部員は、監督はおろかコーチに発言の真意を問うことが許されない。自ら良し悪しを判断することは認められず、従う以外の道がない。コーチと監督の関係も同じようなものだろう。体育会系の部活動で至極当然と捉えられてきたことなのだとしても、合理性を欠いた指導法だとしか言いようがないのではないか。そのようにして頂点に君臨する監督の指導は絶対的な権力を持ち、コミュニティ内でのパワーハラスメントが常態化していく。大学という教育機関においてそのようなあり方で良いのか、少なくとも調査し検討する必要があるはずだ。しかし日大の声明は、あまりに簡素だった。<コミュニケーション不足>の一言でこの問題がおさまるとはとても思えない。内田監督が辞任したにせよ、まったく幕引きにはなっていないのだ。
 今回の反則行為があってはならないことだというのは、今現在、日大側も認識を共有しているはずだ。にもかかわらず、当初からの責任の押し付け合いが未だ続いている印象を受ける。少なくとも内田監督と日大学長で即日会見を開き、関学大への公式な謝罪と調査計画の予定を述べるくらいのことはすべきであった。なぜそれをせず放置してしまったのか、問題の軽視と危機意識の欠如としか言いようがない。
 22日に単独で会見を開いた日大選手の代理人弁護士は、質疑応答の終了後に「本人にとって、この会見は、本件に幕を引くためのものではなく、今後、さまざまな責任を果たしていく出発点となります」と述べている。日大側はどう責任を果すのだろう。少なくとも、明らかに調査が不十分であるのに、<誤解><コミュニケーション不足>でまとめあげた声明に、誰が納得するだろうか。しかも件の声明は、日大広報部によるものだ。まさか広報部の声明をもってこの事件を終了とし、問題の核心に一切手をつけないつもりだろうか。(清水美早紀)


オウム死刑囚 VXの連名論文が学術誌に掲載
中川智正死刑囚が拘置所で執筆
 松本、地下鉄両サリン事件などに関わったオウム真理教の元信者、中川智正死刑囚(55)が、毒物研究の世界的権威である米国の化学者と連名で執筆した化学兵器の神経剤VXに関する論文が21日、日本法中毒学会の学術誌「Forensic Toxicology」電子版に掲載された。拘置所で死刑囚の執筆した論文が学術専門誌に掲載されるのは極めて異例だ。【統合デジタル取材センター/岸達也】
オウム真理教と金正男氏暗殺
 共同執筆した化学者は台湾出身で米コロラド州立大名誉教授のアンソニー・トゥー氏(台湾名・杜祖健)。専門はヘビ毒の研究だが、化学兵器などにも精通している。2011年12月以降、研究目的で東京拘置所で13回、広島拘置所で1回の計14回にわたって、中川死刑囚と面会を重ねていた。
 論文は英文で、タイトルは「Murders with VX:Aum Shinrikyo in Japan and the assassination of Kim Jong-Nam in Malaysia(VXによる殺人〜日本におけるオウム真理教とマレーシアでの金正男氏暗殺)」。
 論文では、1994年に教団が大阪府内で起こしたVXを使った世界初の殺人事件について、日本の捜査当局がどのような科学捜査で立証したかなどが説明されている。
「経験を社会に役立てたい」
 また、昨年2月にマレーシア・クアラルンプールの国際空港で発生した北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)・朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男(ジョンナム)氏暗殺事件に関しては、襲撃役とされる、ベトナム人とインドネシア人の女2人の衣服などからマレーシア当局が採取した化学物質の分析結果を考証。正男氏の顔でVXの前駆物質を混ぜ合わせる「バイナリーシステム」という方法でVXを合成した可能性が高いと分析している。
 トゥー名誉教授は「私はテロ対策の目的で面会を重ねましたが、中川死刑囚はいつも記憶に従い率直に話してくれました。昨秋の面会時に、中川氏から『自分の経験を社会に役立てたいので英文で論文を書きたい』と聞いて協力し、権威ある専門誌に掲載できました。長年、日本の法務省や拘置所が面会を許可してくれたことに感謝しています」と語っている。


【鳴門の「第九」100年】新たな交流の始まりに
 ベートーベン作曲の交響曲第九番合唱付が日本で初めて演奏されてから6月1日で100年となる。初演の地、徳島県鳴門市では今月27日に開幕イベントがあり、6月3日まで関連行事が続く。第九の初演は鳴門の板東俘虜[ばんどうふりょ]収容所長を務めた、会津出身の松江豊寿[とよひさ]がドイツ人捕虜に心ある対応をしたのがきっかけとなった。松江を通じた会津若松市と鳴門市の交流が続いており、絆を強める契機としたい。
 収容所長時代の松江は第一次世界大戦で捕虜となったドイツ人に人道的に接したことで知られる。「第九」ばかりでなく、地域の活性化に大きく貢献した。「俘虜作品展示会」の開催は、当時のドイツが持っていた高い技術や文化を地元に伝えた。捕虜の手で頑強な橋も建設されている。鳴門では「松江さま」と呼ばれ、いかに地元に尊敬されているかが分かる。
 演奏から100年を記念した行事は実に多彩だ。27日には、「第九」演奏会と映画「バルトの楽園[がくえん]」の上映会がある。初演当日となる6月1日は記念式典やシンポジウム、松江の銅像建立除幕式などが予定されている。2、3の両日は演奏会が続く。一連の行事には斎藤勝会津若松市副市長が出席するほか、「第九」演奏会には会津第九の会の会員らが多数参加する。
 この時期に合わせて、徳島県のエアトラベル徳島は福島空港と徳島阿波踊り空港を結ぶ2泊3日のチャーター便ツアーを企画しており、1日の演奏会を聴く。昨年春の大型連休の際にもチャーター便が運航されており、両市の交流に一役買っている。
 会津若松と鳴門の交流は、ライオンズクラブ(LC)会員の絆によって生まれた。1993(平成5)年に、鳴門LCから会津若松鶴城LCに申し入れがあり、2年後に友好締結した。昨年、姉妹クラブに格上げとなった。会津若松市と鳴門市は1999年に親善交流都市を結んでいる。民間同士の地道な活動が行政を動かし、現在の強固な関係に至っている。
 100年の節目を機に、ぜひ、小中学生や高校生を中心とした若い年代のつながりを強めてほしい。世界に胸を張れる松江の精神は、若い層に大きな刺激を与えるばかりでなく、古里を誇りに思う動機付けになるはずだ。少人数からでも、派遣事業を進めてみてはどうだろう。
 会津若松市でも今秋、會津風雅堂前に松江の記念碑が完成する見込みとなっている。松江を橋渡し役とした交流の輪がますます広がっていくことを願う。(安斎康史)


「田舎から東大」記事を読んだ社会学者が語る「学歴分断」の現実 もう目を背けることはできない
吉川 徹 大阪大学大学院教授
日本版『ヒルビリー・エレジー』
「『底辺校』出身の田舎者が、東大に入って絶望した理由」(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/55353
この記事を書いた阿部幸大氏は、1980年代に釧路で生まれ、地元の高校を卒業。東大進学を経て、現在はアメリカ・ニューヨーク州で学術研究生活を送っている。自らのこの経歴を顧みて、氏は教育格差と地域格差が重なった現代日本の姿をリアルに描いている。
これが大きな反響を呼んだという。地域と学歴にかかわる分断状況への関心が、それほど高まっているということだろう。氏の出自の「田舎」と、到達した「東大」は、まさに別世界だ。この両極の間には、容易に乗り越えがたい分断が確かにある。
もっとも、描かれたストーリー自体は、私には既視感のあるものだった。そのあらすじが、程度の差はあれ、2016年に全米ベストセラーとなった『ヒルビリー・エレジー』と瓜二つだったからだ。
こちらの著者J・D・ヴァンスも、やはり80年代生まれで、アメリカ中部ラストベルトの失業、怠業、低賃金、麻薬や少年犯罪、家族の崩壊などが蔓延する田舎町から一人抜け出し、紆余曲折を経てアイビーリーグのイェール大学のロースクールへの進学を果たし、青年実業家としての成功を勝ち得ている。
ヴァンスは、自らが見た上下2つの「世界」の落差を描き、今のアメリカ社会の分断状況を白日のもとにさらした。おりしもトランプが大統領選に勝利したタイミングであり、この自伝は、アメリカ社会における秘かな分断の進行を考えるきっかけともなった。
翻って、近代以降の日本を思い返してみると、そこでも「田舎」と「東大」の対比の構図が好まれていたことが思い出される。
夏目漱石の一連の作品でも、川端康成の『伊豆の踊子』でも、司馬遼太郎の『坂の上の雲』でもこのモチーフが使われている。著名な経営者の立志伝では、田舎からの大学進学は定番中の定番エピソードだったし、NHKの朝の連続テレビ小説の半数以上は、世間を知らない地方女子が、大都会に進学・流出するストーリー構成だ。
「格差」が「分断」に変わるとき
問題はここからだ。こんな単純で古典的な構図の話なのに、なぜ今になってこの記事が多くの現代人の心の琴線に触れたのだろうか。そこに私は、時代が新局面に入っているということを感じ取った。
アメリカであれ日本であれ、社会が右肩上がりに成長していた時代には、子どもが親より高い学歴を経て、親とは異なる地位に至るのは当たり前のことだった。だから、社会階級の上層と下層を、自らの人生の経過の中で複眼的にみることができる人は数多くいた。
しかし今は、分断線の向こう側の世界を全く知らないまま、同じ生活環境で生まれ育ってきた人たちが、若い世代を中心に数を増している。だから阿部氏の生い立ちをみて、「こんなことがあるんだ/いや、あるわけがない!」という新鮮な驚きが表明されたのではないか。
このような社会の分断は、集団間関係の隔絶によって決定的なものになる。
ただ上下差があるということだけなら、格差という言葉を使っていれば事足りる。だが、それが膠着し、集団間の交流がなくなり、「あちら側とこちら側では、人生・生活が全く交わらない」という社会システムの機能不全が生じたとき、格差社会は分断社会に変わるのだ。
アメリカでは、WASP階級とヒスパニック移民層は別々の言語を使い、異なる街区に住み、別の店で異なる商品を買い、別々の教会に行く。イギリスでも、中産階級と労働者階級が異なる政策を支持し、異なる文化をもつ。この危うい状態から、共生の理念が失われると、容易に分断社会が到来することになる。
「学歴分断社会」ニッポン
わたしたちの日本社会にも今、分断は忍び寄っている。ただしそれは、欧米にみられるような階級やエスニシティをめぐる軋轢とは異なっている。なぜなら日本の分断は、徹頭徹尾、学歴に基づいた分断だからだ。
これを私は「学歴分断社会」と呼んできた。
学歴分断社会のやっかいなところは、学歴をめぐる格差について、日本人はわかっていても表立って口にしないようにしているという点にある。
日本の格差社会の中身が学歴社会だということは、だれもが薄々気がついている。しかしこれを阿部氏のように言葉にするのは、「ミッキーマウスの中には人が入っているのではないか」と公言するのと同じように、公然のタブーとされているのだ。
この隠れた学歴分断の深刻さに気付くのは簡単だ。まず、あなたが大卒であるならば、この1週間の間に、仕事や私生活で会話を交わしたり連絡を取ったりした人をすべて思い浮かべてみてほしい。そのなかに、非大卒層はどれくらいいるだろうか? ほとんどいない、という人が多いのではないだろうか。
そもそも、あなたが日頃、職場や家庭などで接しているのは、自分と隣り合っている、似通った境遇の人たちばかりではないだろうか?
今の日本社会を支える現役世代をデータでみると、大卒層が約半数(45%)、非大卒層が約半数(55%)だ。ということは、自分と異なる学歴の人と触れ合うことの「期待値」は、おおよそ2分の1であるはずだ。
もしあなたがそのように大卒層とだけコミュニケーションをとっているのならば、逆に、大卒層とはほとんど交流のない日常を送っている非大卒層が、どこかにきっといるということになる。このような集団間関係の隔絶こそが、学歴分断の現実だ。
わたしたちは、日本社会のど真ん中を切り分けている「学歴分断線」の向こう側にいる人との絆が少なく、お互いの人生・生活に想いをはせることが少ない。しかも学歴をめぐる格差を語ることはタブー視されているのだから、この最も重要な分断線は、長いあいだ見過ごされてきた。
しかし日本社会においても、阿部氏がいうように、もはやこの分断の深刻さを直視しないではいられない。
社会調査データで語る「この国の分断」
そこで私は、この「学歴分断」という視点から最新社会調査のデータを分析してみた。
その枠組みはシンプルで、日本社会の現役世代(20〜59歳)を大卒/非大卒の学歴分断線に加え、若年/壮年、男/女という区分で切ってみるというものだ。これで、日本を支える現役世代を8つのタイプに切り分けて考えることができる。
すると、社会の凸凹がはっきりとみえてくる。具体的には、例えば次のような事実だ。
●壮年大卒男性と若年非大卒男性の稼得力には2倍以上の差があり、世帯収入には1日1万円以上の格差がある。
●壮年大卒層における非正規雇用者はわずか5.3%だが、若年非大卒男性の非正規雇用者はその2.5倍の14.0%である。
●若年大卒女性の子ども数は0.91人にとどまっている一方、若年非大卒女性の子ども数は1.32人で、非大卒層は少子化を遅らせることに1.5倍の貢献をしている。
●非大卒男性の喫煙率は約50%だが、大卒男性の喫煙率は約30%である。
こうした事実を取りまとめると、日本社会の本体部分に大きな凹みがあることが見えてくる。
それは若い非大卒男性たちが、雇用や賃金において、低い水準で多くのリスクを抱え、結婚して子どもをもつことにも出遅れがちで、政治、消費、文化、国際交流など何につけても消極的に社会とかかわっているということだ。
日本を支えている現役世代の8つのタイプ=「8人」のなかで、彼らだけが切り離された位置にいるのだ。
さらにこの枠組みを使って、阿部氏の議論にある「地方と東京」を比較してみよう。
一例として、北海道と東京都の学歴構成を比べると次の図のようになる。東京には大卒層が多く、非大卒層が少ない。これに対し、北海道ではおおよそ3人に2人が非大卒層である。このことの背後には、東京には四年制大学が137大学あるが、道内には札幌を中心に37大学しかないということがある。
いうまでもないことだが、この学歴構成の違いは、地域間の所得差を生じさせ、文化的活動や大学進学志向の地域間の温度差の主因となっている。さらに、大卒/非大卒それぞれの学歴は、親から子、子から孫へと継承され、配偶者選択にも大きく作用する。
先ごろ上梓した拙著『日本の分断』では、このような学歴分断社会の最新の実情を詳しく論じている。
「大卒至上主義」を超えて
ところで阿部氏の主張については、一点どうしても同意しかねるところがある。氏は東京の大学に進学することこそが、人生の成功を勝ち取るための唯一の道だという前提で議論を進め、自分の学歴達成について、一種の「サバイバーズ・ギルト」のような感覚をもつとしている。
これは、ちょっと違うのではないかと思う。
次のグラフは、子をもつ現役世代に限って、「子どもには、大学以上の教育を受けさせるのがよい」という意見に対する賛否を聞いたものだ。
ここでわかるのは、大学進学志向には、親の学歴によって、かなり温度差があるということだ。大卒学歴をもつ親の大学進学肯定回答は、「そう思う」と「ややそう思う」を合計すると78.0%に達するが、非大卒の親では20ポイント以上低い56.5%にとどまる。
ここからは、現代日本では、もはや昭和の大衆教育社会のように、だれもが大学(東大)に行くことを望んではないことがわかる。
そこから思い巡らせれば、釧路に限らず地方社会全般を支えているのは、大学進学しない人生を確信をもって選んだ人たちであるとみることもできる。かれらのその人生は、地方消滅を食い止める重要な力になっており、この点で、東京に流出した大卒層ではなく、かれらこそが「現代の金の卵」だという見方ができる。
拙著『日本の分断』では、そういう非大卒の人生を前向きに歩む若者たちに目を向けようという意図で、かれらをレッグス(LEGs: Lightly Educated Guys)と呼び、そのプレゼンスを正視することにしている。
この「レッグス」の存在を見過していることが、日本の分断の最大の懸念事項であり、かれらこそがこれからの日本の宝であるとみる価値観が、もう少し広がってもいいように思う。
学歴分断社会に暮らすわたしたちには、社会をけん引する高学歴エリートに熱い視線を送るだけではなく、「分断線の向こう側」へのリスペクトをもって、絆を失わないように暮らすことが望まれる。
そうした広い視野と社会的リテラシーが、日本社会の活力を維持することにつながるはずだ。


百万遍交差点にこたつ、京大院生を逮捕 道交法違反疑い
 京都市左京区の百万遍交差点にこたつを置いて居座り、車の走行を妨害したとして、京都府警交通指導課と下鴨署は22日、道交法違反(禁止行為)の疑いで、京都大大学院の30代の院生を逮捕した。捜査関係者への取材で分かった。
 捜査関係者によると、院生は2月25日夕、百万遍交差点の中央に鍋を載せたこたつを置いて、10分以上にわたって居座った疑いが持たれている。
 こたつの周囲には院生を含む計4人がいたとみられる。下鴨署員が駆けつけて注意すると、4人はリヤカーにこたつを積み込み、京大吉田キャンパス構内に立ち去った。翌26日夜にも同様の通報があったという。
 事件当時、交差点は多くの車が行き交う危険な状況だった。府警は、交通事故を招きかねない悪質な行為と判断。通行車両のドライブレコーダーの映像などから、行為者とみられる4人のうち、30代と20代の京大院生2人を特定した。
 京大広報課は「事実確認ができていないため、コメントは差し控える」としている。


こたつで交通妨害か京大院生逮捕
ことし2月、京都大学の前にある交差点の真ん中にこたつを置いて座り込み交通を妨害したとして、京都大学の大学院生2人が道路交通法違反の疑いで警察に逮捕されました。
ことし2月25日、京都市左京区の京都大学の前にある多くの車が行き交う「百万遍」交差点の真ん中に、4人組のグループがこたつを置いて座り込みました。
警察によりますと、4人はこたつの上に鍋を置いて5分余り居座り、駆けつけた警察官に注意されると、こたつをリヤカーに積んで逃げたということです。
けが人はいませんでした。
ツイッターには当時の様子を撮影した動画が掲載され、コートを着てマスクなどをした4人が交差点の真ん中に置いたこたつを囲みながら拡声機を使って何かをしゃべっていて、車が避けるように通行する様子が映っています。
警察は、重大な事故につながりかねない危険で悪質な行為だとして捜査を進め、4人のうち2人を「吉田寮」という同じ学生寮に住む京都大学大学院の31歳と26歳の男子学生と特定し、23日までに道路交通法違反の疑いで逮捕しました。
2人の認否について警察は明らかにしていません。
警察は残る2人の特定を進めています。

お好み焼きでおたんこナースとドン・ドラキュラ/バイト0人!!

ブログネタ
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浅草180319

Japon : après un burn-out, un moine porte plainte contre ses employeurs
Le plaignant affirme avoir travaillé plus de 17 heures par jour sans pause. Il réclame 8,6 millions de yens de dommages et intérêts aux responsables de son ancien temple.
Léa Stassinet
Dans notre imaginaire, le moine bouddhiste est toujours associé à la zénitude. Mais en réalité, ce n'est pas toujours le cas, du moins au sein du temple situé sur le site sacré du mont Koya, au Japon. Un ancien moine a ainsi engagé des poursuites judiciaires contre les responsables du temple, ses anciens employeurs, pour surmenage.
Comme le révèle le média japonais The Japan Times, cet homme, qui préfère rester anonyme, est tombé en dépression en 2015, 7 ans après avoir rejoint ce lieu sacré situé au sud d'Osaka. Son avocat Noritake Shirakura affirme que son client enchainait les heures supplémentaires non payées et travaillait parfois jusqu'à 17 heures par jour sans pause.
Pire encore, selon le journal colombien El Espectador, le plaignant n'aurait eu aucun jour de repos durant des mois entiers. "Quand vous travaillez en tant que moine, trop souvent vous n'avez pas d'heures fixes", déplore son avocat. "Vous fournissez un travail, mais on vous dit que cela fait partie de la formation religieuse et que vous devez le supporter même si cela vous cause de grandes souffrances", poursuit-il.
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松本創 @MatsumotohaJimu
日大選手の会見。20歳の青年が自らの過ちを悔い、事実を語ろうとする姿に胸が痛む。「やる気がない、闘志が足りない」と精神論で責められ、試合出場や代表招集を盾に反則を指示され、追い詰められて正常な判断ができなくなったと。精神論と脅しで従わせる組織風土は、福知山線事故前のJR西に重なった。
つゆぴ@18千早回3 @tsuyup
日大事件の記者会見は、大学体育会系の闇だけじゃなく、日本社会全体の闇を図らずも映し出してる気がする。撮るなとお願いされても撮り続けるテレビ、質問制限数御構い無しの記者会見。カメラマンも記者も「とってこい」と上から言われてるのだということはこの社会で生きてる人間ならなんとなくわかる
星田 英利 @hosshiyan
包み隠さず正直に話す。言い訳をせず心から反省して謝罪する。潔く責任をとる。・・・弱冠20歳の大学生より圧倒的に劣ってるこの国の“オトナ”。
ほんと恥ずかしいね、同じく大人と呼ばれる人間として。

想田和弘 @KazuhiroSoda
それにしても、オリンピックの金メダリストにはわざわざ電話かけたりする「日本スゴイ」大好きな安倍ちゃんが是枝監督のパルムドール受賞を華麗にスルーしてるのは露骨すぎないか。スルーしなけりゃしないのも嫌だけど笑。(≧∇≦)
うちのうら @muenchen1923
自分は運動オンチで学校の体育だけでもものすごい憂鬱で、もうスポーツ自体イヤで避けて通ってた。大人になって初めて、「他人からジャッジされずに、ただ身体を動かす喜び」を知って、ものすごく腹が立った。子どもにスポーツや体育を通じて教えることってその喜びだったんじゃねえのって
雨上がりの「Aさんの話」〜事情通に聞きました!〜 確率で得する(秘)方法&ジャッジ
偶然or必然?アホでも使える統計学!確率のプロに聞く“損しない方法”▽日本の常識は世界の非常識!ロシア編▽ジャッジ!「テープとワックス、脱毛する時に痛いのは?」
Aさんの話は「偶然or必然?アホでも使える統計学!人生を上手く生きる秘訣」を調査!“エスカレーター”と“エレベーター”はどちらに乗ると損しない?スーパーの“レジ待ち行列”で早く進む列は?新幹線の自由席で座れる確率をアップする方法とは!?必見!バッファロー吾郎A調査員は「それワタシの国ではアウトダヨ!日本の常識は世界の非常識!」を調査!日本ではOKでも、海外で絶対にやってはいけない行動をクイズ形式でご紹介!いよいよ始まるサッカーワールドカップ、開催地・ロシアで絶対にやってはいけない事とは…?モンスターエンジン調査員は“ジャッジ洋一”シリーズ!今回はホステスさんたちの賑やかな応援の中「テープとワックス、脱毛する時に痛いのはどっち?」をジャッジ!また、2人の銭湯経営者が「どちらの電気風呂が強力か?」のジャッジを依頼。洋一の絶叫が響き渡る! 雨上がり決死隊、ケンドーコバヤシ、海原やすよ ともこ、インパルス・板倉、バッファロー吾郎A、モンスターエンジン


久しぶりにお好み焼きを食べに行きました.去年の11月に天神橋筋で食べて以来??かもしれません.15-20分かかるというので佐々木倫子のおたんこナースや手塚治虫のドン・ドラキュラを読みました.おたんこナースは面白くてつい一人でクスクス笑ってしまいました.
夕方のキソキソはバイト0人!!おばあさんが亡くなったとか聞いていたのですが,なんだかなぁ・・・という感じです.

<気仙沼・防潮堤施工ミス>「住民無視」県議会から批判
 県議会の環境生活農林水産委員会などでは21日、気仙沼市魚町の防潮堤の造り直しを求める住民意向を無視し、村井嘉浩知事が18日の住民団体の会合で現状のまま設置する案を示したことに批判が相次いだ。
 「住民がまとめた『造り直してほしい』という考えを蹴飛ばすような方法だ」。気仙沼・本吉選出の守屋守武氏(自民党・県民会議)は地元の意見を踏まえずに工事を続けようとする県の姿勢を非難した。
 18日の内湾地区復興まちづくり協議会の会合を傍聴した守屋氏は「(拙速な方針提示で)住民はみんな反対に回った。一呼吸置き善後策を考えるべきだ」と迫った。
 同じ地元選出の境恒春氏(みやぎ県民の声)も「住民と県が対立することになった」と批判。防潮堤高のミス発覚直後、県は住民の意向に従う姿勢を示してきたことに触れ、「粘り強く住民の声を聞くべきだ」と求めた。内藤〓司氏(共産党県議団)も「住民の総意に応えるのは当然だろう」と語った。
 建設企業委でも、地元選出の畠山和純氏(自民党・県民会議)が「間違ったのであれば造り直すのが常識だ。県は常識以外の対応をしている」と指摘した。
(注)〓は隆の旧字体


県ミスの防潮堤“住民合意を”
県のミスで計画より高く整備された防潮堤を「修正しない」とする村井知事の方針について、気仙沼市の菅原市長は「住民合意のない防潮堤をつくることはできない」と述べ、丁寧に住民の合意を得るよう求めていく考えを示しました。
気仙沼市魚町地区の防潮堤が県のミスで計画より22センチ高く整備された問題をめぐっては、村井知事が、誤った高さを修正しない方針を示し、住民から強い反発の声があがっています。
これについて、気仙沼市の菅原茂市長は、22日の会見で「地区の総意とは正反対の方針で、県行政のあり方としてこれまでなかったことだ」と述べて、県の姿勢を批判しました。
そして「県も市もこれまで一貫して『合意のない防潮堤は造らない』という姿勢で復興を進めており、そのスタンスは必ず守られるべきだ」と述べ、丁寧に住民の合意を得るよう求めていく考えを示しました。
そのうえで「防潮堤の後背地をかさ上げし、見た目の高さを維持する案も一時は検討された。市としても、よりよい解決策を示せないか努力する」と述べ、県と住民の間にたち調整を進める考えを示しました。


<気仙沼・防潮堤施工ミス>知事「造り直し困難」現状維持、重ねて表明
 東日本大震災で被災した気仙沼市内湾地区の魚町に建設中の防潮堤を県が計画より22センチ高く造った問題で、村井嘉浩知事は21日の定例記者会見でミスを陳謝し、現状のまま設置する考えを重ねて表明した。会見ではパネルを用いて説明する異例の手法を取り、県の方針への理解を求めた。
 県は、18日にあった住民団体「内湾地区復興まちづくり協議会」の会合で現状維持の最終案を示したが、造り直しを求める住民との協議は平行線をたどった。村井知事は「地元の皆さんの主張は当然だが、時計の針を戻すことは時間、費用の面でも非常に難しい」と述べ、造り直しは困難との見解を示した。
 報道各社から最終案に至った経緯の説明を求められると、村井知事は「資料で説明させてほしい」と切り出し、事前に準備していた防潮堤の概要や完成イメージ図を記したパネルを提示。「高さの見え方はこれぐらいの差が出てしまう」などと丁寧さを演出した。
 村井知事は「復興は気仙沼を最優先に考えていることは間違いないが、限られた財源をいくら投入してもいいとのことでは決してない」とも指摘。「工事継続をベースに、地元へ何らかの提案ができないか考えたい」と話し、要請があれば今月中に説明へ再度出向く考えを示した。


河北春秋
 映画監督の是枝裕和さんの出発点はドキュメンタリーだ。水俣病訴訟の責任者だった高級官僚の自殺などを追ったテレビ番組を手掛けた。映画監督デビュー後もドキュメンタリーの手法を取り入れた作品で、高い評価を受けた▼その是枝さんが「撮れない」と思う出来事があった。東日本大震災。『文藝別冊 是枝裕和』にある当時のエッセーによると、震災直後に石巻市や陸前高田市を訪れたが、甚大な被害を見て打ちのめされたという▼「震災を意識的に取り入れたフィクションをつくろうと思わない。自然に反映される形で作品が変化していければ」と是枝さんは書いている。2年後、映画のPRで仙台市を訪れた際には「震災後によく使われた絆という言葉の意味を考え直した」と語った▼是枝さんの新作『万引き家族』がカンヌ国際映画祭で最高賞に輝いた。日本映画で21年ぶりの快挙だ。テーマは「家族を超えた絆」。親の死亡届を出さずに年金をもらっていた年金不正受給事件から想を得て、現代日本の格差社会の中で埋もれて生きる家族に光を当てた▼是枝さんは家族の在り方を問う映画を撮ってきた。家族は国境を超えた普遍的なテーマだ。ドキュメンタリーの時代から一貫した、社会に対する鋭い眼力が世界の映画人の心をとらえた。

<野口英世命日祭>没後90年 あせぬ偉業 ガーナでも
 福島県猪苗代町出身の世界的細菌学者、野口英世(1876〜1928年)の没後90年に当たる21日、同町の長照寺で命日祭があった。野口が黄熱病研究で滞在中に亡くなったガーナや地元の関係者が参列し、野口の偉業伝承に向けた決意を新たにした。
 在日ガーナ大使館のフランク・オチェレ次期大使、元駐ガーナ大使二階尚人氏、在ガーナ日本人会の田村芳一会長ら約80人が参列。顕彰活動に取り組む公益財団法人野口英世記念会(猪苗代町)の八子弥寿男理事長は「没後90年、博士も喜んでいるだろう」とあいさつした。
 ガーナの関係者は野口の遺影の前で、死者を悼む伝統のドラム演奏を披露。軽快なリズムが本堂に響いた。オチェレ次期大使は「ガーナでは野口博士の研究を基に医療研究所が日本の支援で設立された。今や世界に通じる研究所になった」とたたえた。
 参列者は読経、焼香の後、本堂横の墓前に手を合わせた。
 続いて野口と同時代にペルーに渡り、後に世界遺産となったマチュピチュ村の初代村長野内与吉氏(福島県大玉村出身、1895〜1969年)の生涯について、孫の野内セルサ良郎さんが記念講演した。
 記念会主催の命日祭は毎年5月21日の命日に開催している。
◎ガーナから寄贈の遺体所見 記念会が展示保存へ
 野口英世記念会は21日、ガーナで見つかった野口の遺体を解剖した際の病死だとする所見を記録したノートの寄贈を受け、野口英世記念館(福島県猪苗代町)で展示保存することを明らかにした。6月9日に公開を始める。
 ノートは1979年にガーナで見つかり、記念会が99年に修復。その後、所在不明になり、2010年に再度見つかった。
 記念会の職員がガーナに赴き、野口の命日の21日、関係者から資料を受け取った。記念会の八子弥寿男理事長は「野口が自殺した説を否定する確実な資料。記念館で保管し、伝えていきたい」と話した。


アメフット 「相手のQBをつぶせ」前監督らが指示
 アメリカンフットボールの日本大と関西学院大の定期戦(6日、東京・アミノバイタルフィールド)で、関学大のQBへに悪質な反則タックルでけがをさせた日大3年のディフェンスライン(DL)、宮川泰介選手(20)と代理人の弁護士が22日、東京都内の日本記者クラブで記者会見した。宮川選手は負傷した選手、両親、関学大アメフット部に対して「大きな被害と多大なるご迷惑をおかけしたことを謝罪したい」と深々と頭を下げた。
 代理人は18日に宮川選手と両親が負傷した選手と両親に会って直接謝罪したことを明らかにした。代理人は「被害者や家族への謝罪の意味がある」と実名と顔の公表に至った経緯を明らかにした。
 宮川選手は陳述書を読み上げ、悪質なタックルをした理由について19日付で辞任した内田正人前監督らの言葉で追い詰められた経緯を語った。試合3日前から練習でも外され、試合1日前にコーチから「監督にどうしたら試合に出せるか聞いたら相手のQBを1プレー目でつぶせば出してやると言われた。『QBをつぶしに行くから使ってください』と監督に言いにいけ」と言われた。
 その後コーチからも「QBがけがをしていたら秋のシーズンは楽だろう」などと言われた。「やらなければ後はないと思った」と感じたという。
 試合開始前にもコーチに対して「リード(ボールを追わない)しないで突っ込みますよ」と確認した。試合前に整列したときにコーチからは「できないでは済まされない」と念押しをされた。試合後に後悔して涙を流したが、監督からは「俺がやらせたと言え」と言われたことを明らかにした。
 宮川選手は最後に「真実を明らかにするのが償いの一歩」と再び頭を下げた。監督とコーチの指示に従った理由を「判断できなかった自分の弱さ」と述べて、アメフットを続けて行く意思がないことも明らかにした。
 日大は関学大への回答書(15日付)で「意図的な乱暴行為などを選手へ教えることはない。指導方針は『厳しさ』を求めるものだが、選手の受け取り方に乖離(かいり)が起きた」と答えていた。関学大は17日の記者会見で、直接の謝罪や指導内容などの具体的な回答を要望。具体的な経緯や見解などは事実関係を確認し、24日までに再回答する意向を示している。
 タックルを受けたQBの父親で大阪市議の奥野康俊さん(52)が21日、記者会見して「加害者がなぜあそこまで追い込まれたのか、真相究明してほしい気持ちだった」と述べた。大阪府警池田署に傷害容疑で被害届を出したことも明らかにした。
 両校は大学日本一を決める毎日甲子園ボウルで最多の29回対戦し、定期戦も今回が51回目だった。


身内も公然と刃を 日大アメフト内田前監督は“袋のネズミ”
 火に油を注いだのが日大アメフト部・内田正人監督(62)の言動にあるのは明白だ。
 日大選手の悪質なタックルによって全治3週間のケガを負った関学大選手の父親が21日、大阪府警に被害届を出したことを明らかにした。
「内田監督の会見で真実を聞くことができなかった。加害者がなぜあそこまで追い込まれなければならなかったのか、あちらの監督の会見でひとこと言っていただきたかった」
 こう話す父親は、日大の対応次第では告訴まで検討せざるを得ないと思い、被害届を提出したという。
 内田監督は去る19日に兵庫県西宮市内で、負傷した選手や保護者らに謝罪。一連の問題の責任は自分にあると辞任を表明したものの、選手にラフプレーを指示したのかなど肝心な部分に関しては逃げまくり。「日大選手がどうしてあのようなプレーをしたのかの説明がなかったし、指示があったのかも話されなかったので釈然としない」と父親は怒り心頭だった。
 内田監督は日大の常務理事。大学内の役職を退く可能性について「それは違う問題」と否定したが、内田監督の言動が大学のイメージを著しく低下させたのは事実。にもかかわらず学内の中枢に居座る傲慢さには誰もがあきれるし、それで良しとする大学も大学ではないか。
■大学のイメージを著しく傷つけた責任
「米国なら辞任どころか解任。学長以下、しかるべき立場の人たちも含めて学校には残れません」と、アメリカ野球愛好会副代表で法大講師の鈴村裕輔氏がこう続ける。
「11年にペンシルベニア州立大学のフットボールのコーチが、大学の施設内に複数の少年を連れ込んで性的行為を強要していた不祥事が発覚。コーチは逮捕され、隠蔽工作をしていた監督はもちろん、学長、副学長、体育局長まで解任された。米国ではNCAA(全米大学体育協会)が統制をとっていて、厳しい処分を科さないと査問委員会によって加盟校の資格を取り消され、リーグ戦に出られなくなるなど大打撃を受けるからです。元チームドクターが、300人超の女子選手たちに性的虐待を繰り返していた問題で、ドクターが勤務していたミシガン州立大が被害者たちに5億ドル(約550億円)を支払うことで和解したのは、それだけの金額を払うくらいのダメージが大学にはあるということ。大学のイメージを著しく傷付けた当事者の責任はとてつもなく重くなります」
 NCAAが仕切る米国の大学スポーツは莫大な放映権料が動くし、半ばプロ。日本とは事情が違うとはいえ問題のプレーはまかり間違えれば殺人だ。指示などの関与も含め、騒ぎを大きくした当事者が大学に残れるなんてあり得ないのだ。
 この日、日大の教職員組合、執行委員会、各学部の支部などが理事長と学長に真摯な対応を求める声明文を発表。「その対応は遅きに失し、もっとも肝心な点が一切言及されなかったため、監督の辞任だけでは済まされない状況を自らつくってしまったといえよう」として、人事や人心の一新などを訴えた。イメージを損なわれた当事者たちの怒りもすさまじい。
 22日午後、関学大選手にタックルを見舞った日大選手が都内で会見する。被害者の父親は告訴まで示唆し、身内からは公然と刃を向けられている。内田監督、いよいよ崖っぷちだ。


日大の悪質反則/監督辞任で区切りではない
 監督が辞任したからといって、それで区切りではない。なぜ危険な反則行為が起きたのか。事実の究明と再発防止がなされなくては、問題が解決したとは言えない。
 アメリカンフットボールの日本大の選手が、関西学院大との定期戦で悪質なタックルをした問題である。反則行為により負傷した関学大選手の父親が21日、警察に被害届を提出したと明らかにし、問題は刑事事件に発展する可能性が出てきた。
 日大の内田正人監督が「全て私の責任」として19日に辞任を表明したが、悪質タックルに至った詳しい経緯は依然としてうやむやなままだ。
 内田氏は24日をめどに関学大に出す再回答で説明するというが、自身が反則を指示したのではないかとの指摘もある。内田氏は大学の人事担当常務理事という要職を務め、運動部を束ねる組織のトップでもある。疑問や疑念に明確な説明をする責任があるだろう。
 事はアメリカンフットボール界の枠を超え、スポーツ庁の鈴木大地長官が「大学スポーツ全体の課題として考えるべきだ」と話すなど社会問題化している。しかし、日大の対応は後手に回り、認識が甘かったと言わざるを得ない。
 内田氏が関学大の選手らに直接謝罪し、辞任表明したのは、試合があった6日から約2週間後だった。この間、内田氏は公の場に姿を見せず、日大関係者からも経緯や事実の説明はなかった。
 日大は当初、部のホームページに謝罪文を掲載するだけだった。対応に誠実さがないと非難されても仕方あるまい。その一方で、不意打ちのタックルを受けた関学大の選手が倒れる動画が波紋を広げ、日大の信頼やイメージの失墜にもつながった。
 見逃せないのは、監督が「相手を壊してこい」「やるなら試合に出してやる」などと語ったとされる証言があることだ。反則行為を指示し容認していたとなれば、監督辞任で済む話ではない。
 日大は関学大の抗議文に対する15日付の回答で、監督の指示はなかったと説明。指導方針について「ルールに基づいた『厳しさ』を求めている」と記し、「指導と選手の受け取り方に乖離(かいり)が起きていた」と釈明した。
 反則の原因はまるで選手側の理解不足かのような回答は釈然としない。関学大が「疑問、疑念は解消していない」と批判し、再回答を求めたのは当然だろう。
 日大が属する関東学生連盟は、規律委員会を設けて問題を調査している。連盟には、真相究明に向けて第三者委員会設置の要望もある。
 スポーツはルールを度外視しては成り立たない。相手を傷つけようと意図的にする反則は、最も卑劣な行為だ。
 日大や関係者は事態の重大さを受け止め、真相解明と不正根絶に努める必要がある。


アメフット 関学監督と選手父コメント 日大選手会見受け
 被害を受けた関西学院大の鳥内秀晃監督と負傷した選手の父、奥野康俊さんのコメント全文
鳥内秀晃監督
 会見で日大選手(宮川君)が話してくれた内容は非常に具体的だったので真実を語ってくれたと感じた。愕然(がくぜん)としている。このようなことがスポーツの場で起きたこと自体が信じられない。また、この事案はアメリカンフットボールあるいはスポーツの範ちゅうを越えているものだと改めて感じた。今後は警察の捜査にも委ねられることになるだろう。
 関東学生連盟にはきちんと報告書を作成し、しかるべき措置を講じてもらいたい。部としては、24日の日大からの回答を待って対応を決定するつもりだ。
 日大選手(宮川君)の行為そのものは許されることではないが、勇気を出して真実を語ってくれたことには敬意を表したい。立派な態度だった。
奥野康俊氏
 激しい憤りを覚える。監督やコーチが最初から自分の息子をけがさせようとしていた。絶対に許されないことだ。このような指示を出すこと自体があってはならないことだし、さらに強制し、追い詰めるやり方は社会のルールをまったく逸脱している。こうしたことが学校の中で起きていたこと自体が信じられない。被害届を取り下げる準備もあったが、今回の会見を見て刑事告訴も検討せざるをえない状況だ。
 24日の日大からの回答を待って、家族、本人、関学アメリカンフットボール部とも相談して結論を出したい。日大選手(宮川君)は自分のしてしまったことを償い、再生していただきたい。勇気をもって真実を話してくれたことに感謝する。


日大アメフト問題・内田氏についに「常務理事解任要求」が出された 「非常勤講師クビきり問題」の責任で
田中 圭太郎 ジャーナリスト
<(アメフト部の)監督を辞任するだけで、人事部長及び人事担当常務理事を継続し強大な権限を握り続けるならば、事実経過の解明と責任の所在を明らかにして、再発防止の有効な措置をとることは困難です>
日大アメフト部の選手が危険極まりないタックルで関西学院大学の選手に大けがを負わせた問題で、内田正人監督は5月19日、監督辞任を表明した。一方で、内田氏は現在勤めている日本大学常務理事の職は辞さないと表明し、学内で波紋を呼んでいる。実は内田氏、アメフト部だけでなく、この職責でも大きな問題を抱えていることはあまり知られていない。
筆者は長らく、各地の大学で進められる「非常勤講師の大量雇い止め問題」を取材してきた。近年、大学改革の名のもとに首を切られる職員・講師が増加していることが社会問題となっているが、日本大学でも今年3月末、非常勤講師の「雇い止め」が実施され、少なくとも6つの学部で数十人に及ぶ講師が職を失った。
さらに近い将来には、日大は約3600人の非常勤講師の多くを雇い止めする見通しで、これに異を唱える首都圏大学非常勤講師組合は、去る2月14日、「手続きが違法だ」として日本大学を刑事告発した。
この雇い止め問題の日大側の責任者が、人事担当の常務理事である内田氏なのだ。
冒頭の一文は、5月21日に首都圏大学非常勤講師組合が公表した、日本大学への「緊急要求申入書」だ。この申入書では、非常勤講師の雇用の問題について、責任者である内田氏を解任、解職することを求めている。
日大で働く教員は、「内田氏が日大の常務理事になったころから、法律やルールを守らない強硬な人事・労務政策が始まった」と証言する。複数の教職員から実情を聞いた。
交渉の場には出て来ず
「多くの非常勤講師を雇い止めするという、講師の人生がかかった重大な問題であるにもかかわらず、内田氏は一度もこの問題に関する団体交渉の場に出てきたことがありません。内田さんは人事担当の理事。普通の大学なら、その立場にある人が団交に出席するのは当たり前でしょう」
こう話すのは、首都圏大学非常勤講師組合の副委員長で、日大ユニオン準備会の代表を務める志田慎さんだ。
日本大学では、三軒茶屋キャンパスに2016年に開学した危機管理学部とスポーツ科学部の英語非常勤講師15人が、最低でも4年間の勤務を依頼されていたにもかかわらず、「教育課程の再構築」という理由で、わずか2年の2018年3月末で雇い止めされた。
日大ユニオン準備会は本件に関して大学側と団体交渉を行なったが、実質的な責任者である内田正人氏が出席することはなかったという。大学側から出席した人事課長や弁護士は不勉強なのかほとんどユニオン側の質問に答えられないままで、組合の主張を持ち帰っても、ゼロ回答ばかりで交渉は平行線をたどったそうだ。
結局、責任者の内田氏の出席も説明も何もないまま、15人の雇い止めは強行された。
しかもこの4月に入って、雇い止めされたのは15人だけではないことがわかった。経済学部や文理学部など、あわせて6つの学部で数十人の非常勤講師が、合理的な理由もなく雇い止めされていたという。さらに日大は、授業コマ数の2割減と、専任教員が担当する授業の6割増を計画している。その結果、現在3600人以上いる非常勤講師が担当している授業がなくなり、非常勤講師の多くが雇い止めされる、とみられているのだ。
日大は、2016年度以降に新規採用した非常勤講師の契約更新を、上限4回とする就業規則を2017年10月に導入した。非常勤講師は1年契約で毎年更新しているので、たしかにこの就業規則だと、2016年以降に採用された講師全員は、2020年度以降、順次5年目の終了時に雇い止めされてしまう可能性がある。
首都圏大学非常勤講師組合は、日大が就業規則を導入する手続きに違法性があったとして、2018年2月に刑事告発している。(詳細は筆者の以前の記事を参照http://gendai.ismedia.jp/articles/-/55121)志田さんによると、それでも内田氏が説明に立つことはなかったという。
「2013年に改正された労働契約法によって、同じ職場で5年以上働いた非正規労働者は、無期雇用に転換できる権利が発生するようになりました。にもかかわらず、法律を無視して非常勤講師3600人を雇い止めしようとしているのが日大なのです」(志田慎さん)
労働環境が悪化…?
内田氏については、現在各メディアでアメフト部の経歴を中心に語られている。ここでは、大学を経営する理事会での氏の経歴をみていきたい。
日大は現在、田中英壽理事長の4期目の体制に入っている。1期の任期は3年。内田氏は、田中理事長2期目の2011年に、本部教職員から選出される評議員になり、田中体制3期目の2014年に理事に選ばれ、人事部長に就任。それから3年後の2017年、4期目の体制で人事担当の常務理事に抜擢されている。
日大の常務理事は5人。内田氏は大学職員から経営側の役員に登りつめた。
日大で長年にわたって勤務している非常勤講師の男性は、2014〜15年頃から、日大の労働環境が変化してきたと感じている。
「日大は以前は働きやすい大学で、待遇などにも満足していました。ところが、3、4年前から急にその風潮が変化しました。この頃、定年退職の年齢が引き下げられたのですが、その際に、われわれ非常勤講師に対して何の説明も行われなかったのです。
毎年受け取る採用条件通知書を見て、いつもは通知書面が2枚あるのに、その年は1枚になっていた。今年は裏表で1枚にしたのかなと思いました。ところが裏面をよく見ると、退職年齢引き下げの契約書になっていました。説明もなく退職年齢の引き下げが決まったのです。だまし討ちみたいで……」
労働条件の悪化は、内田氏が理事になった時期と重なっているが、別の職員によると、内田氏が人事担当常務理事に就任した2017年からは、さらにひどいものになったという。
先述の危機管理学部とスポーツ科学部の英語の非常勤講師15人の雇い止めが明らかになったのは、内田氏が常務理事に就任した直後のことである。
文部科学省からの学部設置認可を受けた場合、最初の4年間は、カリキュラムや教員の変更は緊急の理由がない限りできないことになっている。ところが日大は緊急の理由がないのに教員を雇い止めしたうえ、この2つの学部の英語の授業を、4月からは語学学校に委託したという。
大学の授業を語学学校へ委託することには、端的に2つの問題がある。
一つは、文部科学省が大学の「民間業者への授業の丸投げ」を禁止していること。日大はさすがに問題があることは分かっているのか、語学学校のネイティブの講師が授業を行うが、大学の専任教員が授業を観察するので「丸投げではない」という姿勢で、この委託を実行した。
しかし、専任教員が授業を観察することで、もう一つの問題が生じる。それは、労働者派遣法に抵触する「偽装請負の疑い」があることだ。派遣法では、同じ部屋で元請け側の人が請負側の人と一緒に働いているだけで、元請け側による指揮や命令が行われるとみなされ、この時点で偽装請負が成立してしまうのだ。
つまり、民間の語学学校への授業の委託は、「丸投げ禁止」の面でも、「労働者派遣法」の面でも認められない可能性が高い、グレーな行為といえるのだ。
フェアプレーを謳っているが……
その他にも日大は、小学校、中学校、高校の教諭や、医療職の給与のカットなども次々と打ち出しているという。
日大は、経営難に苦しんでいるわけではないはずだ。なぜなら2016年には三軒茶屋キャンパスを新設し、歯学部の新病棟が完成予定だ。さらには現在歯学部の新校舎建設も進めている。その一方で、大量雇い止めや人件費削減を推し進めているのだ。そうした人事問題は、繰り返すまでもないが内田氏の管轄である。
アメフト部の問題も、非常勤講師の問題も、共通するのは「十分な説明がなされていない」ということだろう。アメフト部の場合、監督がタックルを指示したのかどうかの説明がなされていない。非常勤講師の雇い止めの問題も、責任ある立場の人間から講師らに対して十分な説明がなされなかったという。冒頭の申入書は、そうした事情を鑑みて日本大学に提出されたもので、はっきりと内田氏の解任を求めている。
日大で働く教員には、大学OBも多い。ある教員は、内田氏のせいで日大がバッシングを受けていることについて、こう嘆く。
「もちろん日大にはまじめに勉強している学生がたくさんいますし、研究と教育に打ち込んでいる教員も当然います。それが、内田氏の教育者と思えない対応によって、大学全体が叩かれているのが残念です。大学が自ら説明し、しかるべき人間が責任を取る姿勢に変わらなければ、学内もさらに混乱するでしょう」
日大の応援歌「花の精鋭」には、「フェアプレイ日大」と繰り返す部分がある。フェアプレイを心掛けたうえで、相手に勝つのが日大精神、と説くものだ。
フェアプレイの精神で、ルールに則った解決をはからない限り、雇い止めもアメフト部の問題も、泥沼化するばかりではないだろうか。


「万引き家族」にカンヌ最高賞 若い映画人たちの励みに
 家族のきずなとは何か。日本社会の谷間から投げかけた大きな問いが、世界をつかんだ。
 南仏で開催されていた映画祭の最高峰、カンヌ国際映画祭で、是枝裕和(これえだひろかず)監督の「万引き家族」が最高賞のパルムドールを受賞した。
 日本人監督作品としては、1997年の今村昌平監督の「うなぎ」以来21年ぶり、5作目の快挙だ。
 テレビのドキュメンタリー制作畑出身の是枝監督は、作家性が強いことで知られる。社会を独自の視点で切り取るオリジナルの脚本を執筆することが多く、家族のさまざまな形を見つめ続けてきた。
 年金不正受給事件がきっかけという受賞作は、祖母の年金を当てに、足りない分は万引きでまかなう家族の姿を描く。断罪するのではなく、セーフティーネットからこぼれた彼らを、同じ高さの目線で追いながら、社会のひずみをあぶり出した。
 その向こうに浮かび上がるのは、格差の拡大にきしむ世界の普遍的な問題だ。芸術作品に昇華された、是枝監督の問いかけの鋭さと深さが、審査員を動かしたに違いない。
 個性を持った映画を作る若手が生き残っていくのは容易ではない。是枝監督は「カンヌが育ててくれた」と言う。コンペティション部門参加は2001年に始まり、今回が5度目。カンヌで世界の目にさらされることで、自らのスタイルを追求し、世界に通用する強度を身につけていった。いまや河瀬直美監督や黒沢清監督と並ぶ常連だ。授賞式後の「若い人たちにもどんどん目指してほしい」との言葉はそんな思いの表れだ。
 日本の映画界は好調が続いている。昨年の興行収入は、2285億7200万円に上る。しかし、邦画約600本の公開本数中、上位10本が興収の3割近くを占める。
 挑戦的な主題や表現の作品は、なかなか大衆受けしないのが現状だ。かといって、ビジネスの成功を追い求めてばかりでは、映画文化は先細りする。
 社会性と娯楽性を両立させてきた是枝監督が世界で認められたことは、後に続く若い映画人の大きな励みになるだろう。
 多様な映画があってこそ、豊かな芸術文化が育まれる。それは観客にとっての幸福でもあるはずだ。


カンヌ最高賞 現代の家族、世界が共感
 家族映画の名手が、5度目の挑戦でついに栄冠を手にした。
 第71回カンヌ国際映画祭で、コンペティション部門の最高賞「パルムドール」に、是枝裕和監督の「万引き家族」が輝いた。
 日本人の受賞は今村昌平監督「うなぎ」以来、21年ぶり5作目。是枝作品は、男優賞や審査員賞の実績がある。今回はその集大成と言えよう。
 都会の片隅に生きる“家族”を見つめ、彼らを取り巻く社会への深い問いを投げかけた。
 パルムドールは、映画の登場人物のように、拡大する格差にあえぎながらも、絆を求める人々へ、世界の映画人から寄せられた共感のメッセージととらえたい。
 是枝監督は、映画の芸術性と娯楽性、そして社会性を兼ね備えた作家として知られる。
 受賞作は、祖母の年金を頼りに日雇い仕事と万引で生計をたてる一家の秘密を描いた群像劇だ。
 親の死亡届を出さず年金を不正受給する子や、子どもに万引させる親など、家族を巡る近年の事件を下敷きにしている。
 是枝監督は当事者に寄り添い、今の社会で見過ごされてきた人々の姿を浮かび上がらせた。ドキュメンタリー出身らしい手法だ。
 育児放棄を扱った「誰も知らない」(2004年)、新生児取り違えを題材にした「そして父になる」(13年)などとも通じる。
 社会が変化し、伝統的な家族は変容しつつある。そこからこぼれた人々の「新しい家族の形」をどう支えるか。普遍的な課題が、文化を超えて支持されたのだろう。
 若者の洋画離れが進み、日本映画が好調だ。06年には邦画の興行収入が洋画を上回り、17年まで6年連続で1千億円を超えた。
 だが、「シン・ゴジラ」「君の名は。」などが海外でも人気を呼んだものの、映画制作者の「内向き志向」が指摘される。
 受賞あいさつで、是枝監督は「対立している人と人を、隔てられている世界と世界を、映画はつなぐのではないかという希望を感じる」と語った。
 世界に目を向け、分断と向き合う若い映画人をぜひ育てたい。
 是枝監督は、子どもの頃放送されていた「東芝日曜劇場」で、北海道放送のドラマなどにふれ、映像の道を志したという。
 昨年も札幌国際芸術祭に参加し、留萌市周辺でロケを行うなど、道内ファンにも親しい存在だ。
 受賞を機に、多くの人に、是枝作品と出会ってもらいたい。


是枝監督の受賞  高く評価された普遍性
 カンヌ映画祭で、是枝裕和監督の「万引き家族」が最高賞「パルムドール」を受賞した。
 同映画祭で、日本映画が最高賞を受賞したのは、今村昌平監督の「うなぎ」(1997年)以来21年ぶり、5作目になる。
 同映画祭では過去に、是枝監督の2作品が主要な賞を受けている。最高賞に達したことをたたえたい。
 是枝監督は主に家族を題材に、社会の光と影を、独特のタッチで描いてきた。
 今回の受賞作「万引き家族」も、都市の片隅にひっそりと暮らす一家を通じて、家族のあり方や貧困問題などを問うている。
 世界に通じる普遍性が評価されたといえよう。
 「万引き家族」は、女優の樹木希林さんが演じる「おばあちゃん」の年金を頼りに、子どもたちに万引きをさせて暮らす一家を描く。別の家族に虐待された少女や、父親の不安定雇用などを絡め、日本社会の今を浮かび上がらせた。
 是枝監督はテレビドキュメンタリーの制作会社出身で、見る人に問題を投げかける描写が特徴だ。
 育児放棄にあった子どもを描いた「誰も知らない」(2004年)や、新生児の取り違えをテーマにした「そして父になる」(13年)などは、現実の事件報道を機に作られた。
 「万引き家族」も、親の死亡後に年金を受け続けた不正受給事件が契機になった。
 不正受給した人を断罪する報道や、東日本大震災以降の「絆や家族の語られ方」に違和感を抱いたという。
 こうした問題意識が映画にどう反映されているのか。6月8日からの公開で、注目を集めそうだ。
 今回の受賞を機に、日本映画の現状についても考えたい。
 日本映画は、興行成績は洋画ときっ抗しているが、漫画や小説と連携した娯楽作品が多い。
 大手のシネコンは増えたが、中小の配給会社は減少し、独立系の映画館は減っている。是枝監督の「誰も知らない」の配給会社も、既に倒産した。
 製作委員会方式が主流になり、監督より製作者の声が強くなる傾向もある。映画の多様性が失われかねない状況だ。
 これに対し、インターネットを使って広く資金を募るなど、新たな取り組みも始まった。昨年からロングランを続ける「この世界の片隅に」も2千人超から初期費用を集めた。参考になろう。
 評価の高い作品を全国で見ることができる仕組みを整えたい。


「“高プロ” で長時間労働野放し」過労死遺族が座り込み
高収入の一部専門職を労働時間の規制から外す「高度プロフェッショナル制度」について、過労死や過労自殺で家族を亡くした人たちが総理大臣官邸の前で座り込みを行い、働き方改革関連法案から削除するよう訴えました。
座り込みには過労死や過労自殺で家族を亡くした人たちでつくる「全国過労死を考える家族の会」のおよそ15人が参加しました。
働き方改革関連法案をめぐっては、与党側は23日の衆議院厚生労働委員会で採決を行いたいとしています。
参加した人たちは「高度プロフェッショナル制度により労働時間の規制が外されると、長時間労働が野放しになり過労死につながりかねない」とか「労働者の声を反映させず審議が進められている」などと声を上げ、法案から削除するよう訴えました。
全国過労死を考える家族の会の寺西笑子代表は「労働者が望んでいない制度を作るのは本来あるべき『働き方改革』ではなく、十分な審議もせずに強行採決することはあってはならない」と話していました。


働き方改革法案/審議はまだ熟していない
 何が何でも法案を通そうとする姿勢が鮮明になった。
 働き方改革関連法案で与野党の対立軸となっていた「高度プロフェッショナル制度(高プロ)」について、自民、公明両党と野党の日本維新の会、希望の党が一部修正で合意した。
 高プロは、金融ディーラーや経営コンサルタントといった高収入の一部専門職を労働時間規制から外す内容だ。経済界の期待が強い。
 立憲民主党などの野党は「過労死促進法」と批判し、削除を求めてきた。だが、与党は週内にも衆院の委員会で採決し、月内に衆院を通過させる考えという。自民幹部は「これで野党の一部も賛成するため強行採決にはならない」としている。
 議論を尽くさないまま数の力で押し切ることは許されない。問題点を掘り下げるべきだ。
 修正部分は、労働者が雇用者側と同意して高プロを選んだ後でも、撤回して元の働き方に戻れる手続きを明記する。
 労働者の保護を理由とするが、撤回規定を設けること自体、高プロがはらむ問題を認めているといえる。制度には長時間労働を助長する懸念がある。撤回を申し出るハードルが高くなることも働く側の不安材料だ。
 拙速な規制緩和は労働者の命にかかわる恐れがある。共同通信の世論調査では、働き方関連法案の今国会での成立は不要との回答が7割に上る。結果を重く受け止めてもらいたい。
 そもそも、法案の根拠となる労働時間の調査データが信頼できない事態に陥った。データに異常値が見つかり、裁量労働制の適用拡大が見送られたのは3月だ。さらに厚生労働省の精査で、一般労働者のデータの2割も削除する結果となった。
 働き方関連法案は高プロなどの規制緩和と、残業の上限規制や非正規労働者の待遇改善といった労働者保護の要素が抱き合わせになっている。8本に及ぶ労働法規の改正を一本化したところに無理がある。
 少子化が加速する中、就労を希望する人が柔軟に働けるようにすることも改革の目的だ。
 ワークライフバランスと企業の競争力向上の双方が達成されるよう、法案をひとつずつ丁寧に審議する必要がある。


エネルギー計画/原発退潮の流れ直視せよ
 経済産業省は、有識者会議で新たなエネルギー基本計画の素案をとりまとめた。国際的な温暖化対策の枠組み「パリ協定」を見据えて、2050年のより長期の政策指針を盛り込んだ。意見公募を実施した後、今夏に閣議決定する。
 脱炭素化の世界的な流れを受け、再生可能エネルギーの主力電源化への推進を掲げた。一方で、原発は可能な限り依存度を低減するとしている。ところが、30年度の発電割合は再生エネが22〜24%、原発20〜22%で従来目標のままだ。
 現行の計画で3年前に決定された際の数字と同じである。その後、再生エネと原発を巡る状況は大きく様変わりした。その変化を反映していないのは問題と言わざるを得ない。
 まず、原発のコスト増に目を向けていない。
 計画は1基の建設費を14年時点の4400億円とした。実際には、福島の原発事故を受け、世界的な安全規制の強化から1兆円以上に高騰している。膨張する福島の事故対応の費用などもきちんと考慮していない。
 コスト高騰による原発の退潮は鮮明だ。安倍政権が力を入れる原発輸出も、台湾、ベトナム、リトアニア、トルコで中止や見通しの立たない状況に追い込まれている。国際競争力を失っている原発事業の現実から目を背けてはならない。
 懸案の新増設にも触れていない。原発に厳しい目を向ける国民の声を無視して建設することは極めて難しい。だが老朽化と廃炉が進む中、発電割合2割という目標達成は新増設なしにはありえず、矛盾といえる。
 原発の位置づけをあいまいにしてきたことは、再生エネ拡大の妨げとなってきた。
 再生エネの送電線規制はその最たるものだ。停止中の原発向けに送電線を空けるため、太陽光や風力などの導入の大きな壁となってきた。世界で再エネの価格が急激に下がる中で、日本の価格が国際水準の約2倍に突出する要因である。
 計画がエネルギー関連企業の設備投資に大きな影響を与える重みを国は自覚すべきだ。再生エネと原発の現実の上に立たなければ、新しいエネルギーの在り方は描けない。


候補者男女均等法 意識と環境の変革を
 世界から見ても恥ずべき状況を脱する一歩になってほしい。「政治は男のもの」という固定観念を崩す好機である。
 議会選挙で男女の候補者数をできる限り「均等」にするよう政党に努力を促す「政治分野における男女共同参画推進法」(候補者男女均等法)が参院本会議で全会一致で可決、成立した。今月中にも施行される見通しだ。
 政党などに候補者数の目標を定めるなど自主的な取り組みを求める国内初の法律である。政策の立案や決定に「多様な国民の意見が的確に反映される」ことが趣旨で、女性議員を増やす狙いがある。性的少数者や障がいのある人に政治の道を広げるきっかけとしても期待されている。
 背景には、日本の女性議員があまりにも少ない現状がある。
 世界の国会議員が参加する列国議会同盟が発表した2018年の報告書によると、日本の衆院議員の女性比率は10・1%で193カ国中158位。地方議会も女性比率は1割程度にすぎない。世界全体の23・4%よりはるかに低く、アジア地域でも中国(71位)、韓国(116位)よりも低い。
 その弊害だろうか。財務省前事務次官のセクハラ問題で閣僚や官僚に心ない発言が目立つ。待機児童問題など子育て政策の停滞も、女性議員が少ないことが影響していないか。「女性活躍」を掲げる安倍政権だが、肝心な足元の政治分野が「活躍」に程遠い状況では、社会全体の改善は進まないだろう。
 その意味で、数値目標などを政党に求めた均等法を評価したい。法的拘束力はなく、努力規定ではあるものの、政党へのプレッシャーとなり、現状を変える力となるはずだ。
 法律が成立する過程では慎重論もあった。「適材適所だ」「現職議員を外してまで女性を増やすのか」などだ。しかし、有権者の半分が女性であることを考えれば、女性が1割強しか占めない日本の議会はいびつというほかない。これでは生活に根差した国民の声が政策に直結しにくい。
 フランスは政党・政治団体の候補者数の男女差が2%を超えると政党助成金が減額される。また、約130の国や地域が男女均等を実現する手法として「クオータ(割り当て)」制度を何らかの形で導入しているという。世界では「待ったなし」で均等化が進められている。
 法を生かすには「政治は男のもの」という意識の改革と、女性が立候補しやすい環境の整備が不可欠である。川に例えると、下流の幅を広げても、源流から水が流れにくいのでは、幅を広げた意味が損なわれる。
 女性候補を増やす各党の取り組みや実績を有権者がチェックすることも大切だ。多様性を尊重した政治を実現するのは、有権者の1票である。


要介護高齢者  受益と負担抜本議論を
 介護が必要な高齢者を社会全体で支える−。そんな前提の仕組みが揺らぎ始めていないだろうか。
 団塊世代の全員が75歳以上となる2025年度に65歳以上で介護が必要となる人は現在より142万人増えて約771万人になるとの見通しを厚生労働省が示した。
 財源や担い手の不足がいっそう懸念される。介護保険制度のサービスを利用した際の自己負担額をさらに引き上げる案も出ている。
 すでに、軽度の人向けのサービスが市区町村事業に移管された。制度が当初想定したサービスはじわじわと切り詰められている。
 ただ、安易な自己負担引き上げやサービス縮小は、利用の抑制につながり、かえって家族介護の負担を増やすことになりかねない。
 家庭で抱え込むのでなく社会全体でケアするという介護保険制度導入の理念に逆行することになっては本末転倒だ。安定したサービスと受益者の負担について議論し直さなくてはならない。
 高齢者の保険料や自己負担額は上昇し続けている。今年4月に改定された65歳以上の介護保険料は全国平均で月5869円と、制度が始まった00年度の2倍に膨れあがった。25年度には約7200円になる見通しだ。年金生活者にとって「限度」とされる月5千円を上回る状態が続いており、老後の安心コストは割高になっている。
 自己負担額も、00年度の一律1割が、15年度からは一定以上の所得者が2割に増額。高所得者は8月から3割となる。財務省は2割負担を原則とするよう求めており負担増への圧力は強まる一方だ。
 サービス供給面では弊害も出始めている。市区町村に移管された訪問介護と通所介護(デイサービス)では、地元の介護事業者の人手不足や大手事業者の撤退で運営難に陥る自治体が増えている。自治体の財政事情で移管前より報酬が減ることが背景にあるという。
 介護保険から切り離しても、軽度の症状の進行を防げなくなれば介護費用の抑制にはつながらない。逆に病院通いが増え、社会保障全体の財政健全化は遠ざかることになるのではないか。
 介護にかかる総費用は、00年度の3兆6千億円が本年度予算では11兆1千億円となった。今後も増加することは避けられない。
 負担増とサービス縮小ばかりを論じていても問題解決にはならない。国などの公費負担のあり方に加え、高齢者の健康づくりや医療との連携など新たな視点で制度改革に踏み込む必要がある。


終盤国会 「数の力」で押し切るのか
 これが、国民の期待する国会の姿なのか。国会は政府と与野党のゲームの場ではない。これでは憲法が規定する「国権の最高機関」という看板が泣く。
 通常国会は来月20日の会期末まで1カ月を切った。終盤の焦点は、安倍晋三首相が今国会の最重要法案としながら不適切なデータ処理が発覚した働き方改革関連法案▽刑法が禁ずるカジノを含む統合型リゾート施設(IR)実施法案−などである。
 国民本位の視点で白熱した議論が繰り広げられるのなら、納得できる。ところが、政府と与党は重要法案の会期内成立しか念頭にないかのようだ。与党所属の委員長の職権で審議や採決を加速化し始めた。
 一時的に「強行」の批判を浴びても、最後は「数の力」で押し切れる−。そんな安直な思惑が国会の権威と信頼をおとしめていることに気付かないのか。
 そもそも各種審議が停滞しているのは、森友・加計(かけ)問題をはじめ政権絡みの疑惑や不祥事に政府と与党が正面から向き合ってこなかったからだ。改めて言うまでもなく国会運営の第一義的な責任は政府と与党にある。
 野党は「徹底抗戦」で関係大臣の不信任決議案、所管委員長の解任決議案などを連発する構えだ。内閣不信任決議案の衆院提出も視野に入れるという。ただし、いずれも採決で退けられれば、それまで−である。
 それなら政府や与党が立ち往生するぐらい、法案の本質的問題に焦点を当てたり、疑惑を徹底追及したりする方が国民の理解を得られるのではないか。
 共同通信社の今月の世論調査では、働き方改革関連法案について「今国会で成立の必要はない」との回答が68・4%に達した。カジノ解禁は3月の調査で65・1%が反対した。ともに国民の理解を十分に得ていない。
 働き方法案で与党は日本維新の会、希望の党と「高度プロフェッショナル制度(高プロ)」の一部修正などで合意した。
 高プロは一部専門職を労働時間規制から外し、残業や深夜、休日出勤をしても割増賃金を払わないという制度で、長時間労働を助長するとも指摘される。
 維新、希望を取り込み「与党だけで採決強行」との批判をかわす狙いなのだろう。残業時間の上限規制値をはじめ、他にも重要な論点は残ったままだ。
 きょう審議入りするIR実施法案にしても、カジノで地域は活性化するか、暴力団の介入や周辺治安への影響はないか−など国民の不安は拭えていない。
 国会はまだ1カ月ある。徹底審議をすれば、多くの疑問や懸念は解きほぐせるはずだ。議事強行とこれに反発する決議案連発の応酬では何も生まれない。


安倍首相が破棄したはずの「官邸記録」を根拠に加計理事長との面会を否定(笑)。首相動静に載せなかった極秘会談の数々
「新しい獣医大学の考えはいいね」──安倍首相が2015年2月25日に加計孝太郎理事長と面談し、獣医学部新設構想に同意を示していたことが記されていた愛媛県の新文書。これによって安倍首相の「加計氏から獣医学部の新設について相談や依頼があったことは一切ない」「計画を知ったのは2017年1月20日」という答弁が大嘘であったことがはっきりとした。
 しかし、予想通りと言うべきか、安倍首相はまたも愛媛県文書の否定にかかっている。昨晩は記者から「『獣医学部、いいね』と言ったのですか?」と質問されても無言で立ち去った安倍首相だが、今朝は一転、「ご指摘の日に加計理事長と会ったことはない」「獣医学部新設について、加計氏から話をされたこともないし、私から話をしたこともない」と新文書の内容を否定し、こう話した。
「念のため、昨日、官邸の記録を調べたが、確認できなかった」
 官邸の記録……? そもそも官邸の入館記録は「破棄」されたのではなかったのか。実際、萩生田光一・元官房副長官は「訪問者の入邸確認後、訪問予約届はその使用目的を終えることから、公文書管理法や関係規則等に基づき遅滞なく破棄する扱い」と述べてきたし、安倍首相自身も「総理官邸に入館した方の記録は基本的に定期的に廃棄をしている」(4月11日衆院予算委員会)と答弁していたではないか。その、遅滞なく速やかに破棄されたはずの3年前の記録を、安倍首相は昨晩「確認した」と言うのだ。これは「いままで国会で嘘をついてきた」と白状しているようなものではないか。
 しかも、愛媛県の新文書には、柳瀬唯夫首相秘書官のみならず加藤勝信内閣官房副長官(当時)までもが加計学園関係者と面談するなど、当時、いかに官邸の安倍首相側近たちが加計と接触を重ねていたかが記されている。そうしたなかで安倍首相の面談をセッティングするのに、側近たちが記録を残さないかたちで加計理事長を入邸させていても不思議はない。
 実際、池上彰はウェブサイト「P+D MAGAZINE」の連載で、総理官邸の建て替え以降、総理が極秘に人と会うことが可能になっていると指摘している。
「ただし、総理官邸が建て替えられてからは、記者たちの目の届かないルートを通って総理執務室に入ることが可能になりました。これ以降、「首相動静」に報じられる会談以外にも、極秘の会談がありうるようになりました。」
加計理事長とのバーべキューも秋元康、見城徹との組閣ごっこも首相動静に記述なし
 いや、そもそも安倍首相はなぜ、加計理事長と面談したのが「官邸」だと限定しているのか。同日夜、安倍首相は公邸で各府省庁の副大臣と菅義偉官房長官と会食を約1時間30分にわたっておこなっているが、この合間に事前に公邸に招かれていた加計理事長と15分の面談をおこなった可能性もある。
 さらに、加計理事長と私邸で会った可能性もある。加計理事長は昭恵夫人とも昵懇で、森功氏の著書『悪だくみ 「加計学園」の悲願を叶えた総理の欺瞞』(文藝春秋)でもふたりの関係について、〈その親密な交際は、日本国内のクリスマスパーティやゴルフ、飲食にとどまらない。海外にもいっしょに頻繁に出かけた〉〈下戸だった首相に代わり、大酒飲みの夫人たちの面倒をみてきたのが、ほかならぬ加計なのだ〉と書かれている。加計理事長が私邸で昭恵夫人と安倍首相の帰宅を待って“宅飲み”していてもおかしくはない関係なのだ。
 つまり、安倍首相は破棄したはずの「官邸の記録」をもち出して加計理事長と会ってなどいないと否定するが、ふたりが面談をおこなったのは官邸以外の場所、公邸や私邸である可能性は十分考えられるのだ。
  他方、安倍応援団やネトウヨたちも「首相動静には加計理事長と会っていたなどとは書かれていない!」として愛媛県文書の内容を同じく否定しにかかっている。だが、これもまったくナンセンスな話だ。
 たとえば、2013年5月に安倍首相の別荘でおこなわれたバーベキューの際も、加計理事長が参加していたにもかかわらず、各社の動静には名前は出ていなかった。
 名前が乗らないケースだけではない。会合そのものが消されているケースもある。安倍首相は「お友だち」である秋元康や幻冬舎の見城徹社長らと2015年3月、総理公邸の西階段で「組閣ごっこ」写真を撮影し、それが「フライデー」(講談社)に報道されたが、このときの会食も首相動静には一切出ていない。
 また、安倍首相と会食した経済評論家の三橋貴明氏はその会食をブログで報告する際、こう書いていた。
〈「財務省が日本を滅ぼす」を書いた三橋との会食を持ちかけたのは両端の方々ですが、「クローズではなく、オープンで」と決めたのは官邸であること(オープンなので、総理動静にも載りました)〉
 つまり、これは会談そのものをオープンにするかクローズにするか、官邸が恣意的に選んでいるということだろう。
当の安倍首相も首相動静に載らない加計との面談を認めていた!
 しかも、こうした首相動静が完全な情報ではないことは、当の安倍首相自身が認めている事実だ。
 5月14日におこなわれた衆院予算委員会の集中審議で、無所属の会・江田憲司議員に「第1次政権では加計氏と1回も会食もゴルフもしていないのに、第2次政権では17回もしているのはどういう事情か?」と問われた安倍首相は、こう答弁している。
「一次政権のときも加計さんと会食したことはありますけども、いわば、たまたま名前が外に出ていないということだろうと思います。あの、それはよくあることですから」
 ネトウヨは「首相動静に記述がない! はい論破!」などと騒いでいるが、安倍首相自らが述べているように、名前が動静に載らないことは「よくあること」なのである。
 このように、安倍首相も、安倍首相を擁護したいネトウヨも必死になって加計理事長との面談を否定しているが、いずれもまったく反証になっていないのだ。
 その上、今回提出された愛媛県の新文書の正しさを証明する証言も出てきた。2015年2月に加計学園関係者と面談したと新文書に記述されている当時の加藤官房副長官(現・厚労相)は、「地元(岡山県)の事務所で確か事務局長が来て、10回以上チャレンジしたけど難しいという話があった」と、面談の事実を認めているのだ。
 愛媛県の記録と安倍首相の言い分、一体どちらが事実で、どちらが嘘をついているのか。愛媛県の中村時広知事の参考人招致はもちろんだが、この1年、嘘ばかりの答弁に終始してきた可能性が高まった安倍首相こそ、偽証罪に問われる証人喚問が必要だろう。(編集部)


加計学園新文書 経緯が記載「首相『獣医大学の考えはいいね』」
加計学園の獣医学部新設をめぐる問題で、愛媛県は、3年前に柳瀬元総理大臣秘書官が官邸で学園側と面会したことに関連する県の新たな文書を21日に国会に提出しました。この資料には、3年前の4月2日に官邸で県や学園関係者らが柳瀬元総理大臣秘書官と面会するに至る経緯などが27ページにわたって記されています。
2月12日 学園側「官邸への働きかけを進める」
このうち2月12日に、県と今治市、加計学園の3者が意見交換したとする内容を記した文書では、学園側から「イスラム国問題等で多忙を極める安倍総理大臣と学園理事長との面会が実現しない中で官邸への働きかけを進めるため2月中旬に加藤官房副長官との面会を予定している」といった説明があったと記載されています。
また、同じ2月に作成された文書には、県が今治市から聞いた内容として今治市への獣医学部設置は厳しい状況にあると記されています。
そして、同じく獣医学部新設を目指していた新潟市に言及し、「加計学園では新潟市の国家戦略特区の中で提案されている獣医学部設置が政治主導により決まるかもしれないとの危機感を抱いており、学園理事長が安倍総理大臣と面談する動きもある」と記されています。
3月3日 「2月に加計理事長が安倍首相と面談」
さらに、3月3日に県が学園側と打ち合わせをした内容をまとめたとする文書には、「2月25日に加計理事長が安倍総理大臣と15分程度面談。今治市に設置予定の獣医学部で国際水準の獣医学教育を目指すことなどを説明」と記されています。
安倍総理大臣からは「『そういう新しい獣医大学の考えはいいね』とのコメントあり」と記載されています。
3月15日 「柳瀬元秘書官から資料提出の指示」
3月15日に今治市と学園側が協議した結果を県が報告を受けたとする文書には、理事長と安倍総理大臣との面会をうけて、柳瀬元総理大臣秘書官から資料提出の指示があったと記されています。
3月24日 学園側 4月に秘書官と面会へ 「県と市も同行を」
そして、3月24日に、学園側が柳瀬元総理大臣秘書官と官邸で面会した内容を今治市が県に報告したとする文書には、学園側から柳瀬元総理大臣秘書官と4月2日午後3時に再度、面会するにあたり、「県と市にも同行願いたいとの要請があった」と記されています。


財務省、森友交渉記録23日公表 存在確認、国会答弁と齟齬
 財務省は22日、学校法人「森友学園」への国有地売却を巡る学園側との交渉記録が存在していたことを内部調査で確認し、23日に公表する方針を固めた。交渉記録は残っていないと説明してきた佐川宣寿前国税庁長官による国会答弁との齟齬を野党などから追及されるのは必至だ。
 改ざん前の決裁文書、防衛省がまとめた陸上自衛隊イラク派遣部隊の日報隠蔽問題に関する調査結果と合わせ、23日午前の衆院予算委員会理事懇談会に提出される。
 見つかった交渉記録は、学園関係者との面談ややりとりを記した応接録など。国有地を大幅値引きして売却した経緯などがこれまで以上に詳しく分かる可能性がある。


佐川氏不起訴…国民の負託に応えぬ検事をクビにする方法
 保管していた交渉記録を「廃棄した」と国会で虚偽答弁し、決裁文書の改ざんも指示していたのにスットボケ。これが犯罪に当たらないのであれば法治国家じゃない。森友問題で、虚偽公文書作成の疑いで刑事告発された佐川宣寿前国税庁長官について、大阪地検特捜部が近く不起訴にする方針――と報じられた。
 地検は改ざん前後の公文書の根幹部分に大きな違いはない、と判断したらしいが、冗談ではない。
 そもそも、森友問題に対する地検特捜部の財務省に対する捜査姿勢は最初から腰が引けていた。問題発覚後、森友学園には早々に詐欺と補助金適正化法違反の疑いで強制捜査に入ったのに、なぜか近畿財務局はスルー。いまだにガサ入れした話も聞かない。売買をめぐる関係資料をすべて押収し精査した上で、立件の可否を判断したのであればともかく、佐川氏の簡単な任意聴取で「ダメでした」なんて許されるはずがない。
 共同通信などの世論調査でも、証人喚問時の佐川氏証言に「納得できない」との回答が7割以上に上るのだ。検察庁のHPで西川克行検事総長は〈国民の検察への負託を深く自覚し、日々生起する様々な刑事事件を適正に処理することによって責務を果たしていきたい〉なんて言っているが、負託に全く応えない税金ドロボー検事は即刻、クビにするべきだ。
■日本にも「検察官適格審査」が必要
 検察庁法23条では、検察官の罷免勧告や適格審査を行うための制度として「検察官適格審査会」がある。審査会は国会議員(6人)や最高裁判事、日弁連会長、学識経験者ら11人で構成し、すべての検察官を対象に「定時審査」を実施するほか、法相の請求や一般市民の申し立てを受けて「随時審査」も行う。
 2010年の大阪地検特捜部の元主任検事による証拠改ざん事件では、元大阪高検公安部長の三井環氏が当時の大阪地検検事正ら9人の罷免を求めて審査を申し立て、あっという間に1000人以上の共同申立人が集まった。今回、仮に佐川氏が不起訴処分となれば、西川検事総長のほか、上野友慈大阪高検検事長や北川健太郎大阪地検検事正、山本真千子大阪地検特捜部長はそろって罷免だ。
 現制度では「(検察に)プレッシャーを与えるのは検察官適格審査しかない」(三井環氏)が、韓国国会は21日、与党の元党員らによるネットを使った不正な世論操作疑惑で、政府から独立した形で捜査する「特別検察官」を任命する特別法案が賛成多数で可決された。日本でも、今こそ国民が声を上げるべきではないか。


受信料拒否宣言も 森友スクープ記者“左遷”NHKに視聴者抗議
 日刊ゲンダイが先週(18日付)報じたNHKの森友問題スクープ記者の“左遷人事”。来月8日付で「閑職」の考査室へ異動という内々示が出され、背景には安倍政権への“忖度”があるのではないか、というものだ。
「皆様のNHK」がどこを向いて放送しているのか、なのだが、早速、視聴者の「受信料支払い拒否」や「抗議」の動きが出てきた。
 森友問題を追及する弁護団の中心人物である阪口徳雄弁護士が、20日、ブログでこの人事を批判。こう書いている。
〈NHK記者の「不当配転」が真実なら受信料拒否宣言をしようと思う〉
〈受信料拒否する者にNHKが裁判するなら私自らは受けて立つし、他の者に裁判でもあれば法的な支援は惜しまない〉
 そして21日には、NHK大阪放送局の前で市民団体が抗議行動を展開。NHKの上田良一会長宛てに「森友問題の真実を取材させない不当な人事異動に抗議します」という抗議文を提出した。
 放送の目的について、放送法第1条では、「放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによって、放送による表現の自由を確保すること」とある。市民団体は「森友問題の取材を規制する行為は、マスメディアとしての自滅行為だ」としている。


H・グラント57歳で結婚へ 3子もうけた恋人と
 英俳優ヒュー・グラント(57)が、長年の恋人アンナ・エバースタインさん(39)と間もなく結婚することがわかった。グラントにとって初めての結婚となる。
 英サン紙など複数のメディアによると、グラントは英国の慣例である結婚の予告を、ロンドンのケンジントンおよびチェルシー地区の自宅近くの戸籍役場に公示していたという。
 情報筋は同紙に、「友人たちの誰も、この日が来るとは思わなかった。彼は間もなく囚人になり、そしてついに家庭人になるだろう」とコメントしている。グラントは2012年、スウェーデン人のテレビ司会者であるエバースタインさんとの間に第1子をもうけ、続いて15年に第2子、今年3月には第3子が誕生した。グラントはまた、元恋人ティンラン・ホンとの間に5歳と6歳になる2人の子供たちがいる。
 13年間パートナーだった英女優エリザベス・ハーレーと破局後は、数々の女性たちと浮名を流し、独身主義として知られていたグラントは16年、米テレビ番組のインタビューで、「人間が40年も同じパートナーと結婚し、誠実でいられるはずがない」と発言していた。
 元恋人ハーレーは今年3月、米番組のインタビューで、「ヒューは素晴らしい父親よ。本当に優しいの。3人の子供たちが、彼をよき父親に変えたのよ」と語っていた。(ニューヨーク=鹿目直子通信員)


京大立て看撤去「表現の自由脅かす」 出身弁護士連名で声明
 京都市の屋外広告物条例に違反するとして、京都大が吉田キャンパス(左京区)の周辺で立て看板を撤去している問題で、京大出身の全国の弁護士138人が22日、「憲法が保障する表現の自由という基本的人権を脅かす危険をはらんでいる」とする声明を連名で発表した。看板撤去の措置の見直しを強く求め、市と京大に声明文を送る。
 声明では、学生が設置する立て看板の多くは意見表明など自主的な活動を対外的に表示する目的と主張。「言論表現の一形態として憲法上その自由が尊重されるべき」と強調した。倒壊などの危険性は「個別に規制措置を講ずべき」とした。その上で、立て看板撤去について「学問の自由も含めて基本的人権の保障を危うくする」と訴えた。
 京都市中京区で記者会見した京都弁護士会の塩見卓也弁護士は「大学の自治は表現の自由、学問の自由を守るためにある。基本的価値観の欠けた自治は誤り」と述べ、京大は学外の声に耳を傾ける必要があると指摘した。

AとWがいい感じ/市役所に電話/締め切りは25日/Muさんにオープンを相談

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ホヤぼーや180313

Point de vue. Le Japon et la peine de mort
Le Japon s'apprête sans doute à pendre sept anciens responsables de la secte Aum Shinrikyo, dont l'attentat au gaz sarin dans le métro de Tokyo, en 1995, avait tué treize personnes et en avait intoxiqué plus de six mille. Ils ont aussi seize autres morts sur la conscience. La manière dont le Japon applique la peine capitale pose question.
Six autres condamnés, dont le gourou, attendent eux aussi la corde. Le Japon compte environ cent vingt condamnés à mort, et en exécute en moyenne cinq par an. Sans entrer dans le débat sur la peine elle-même, on peut s'interroger sur la manière dont elle y est prononcée et administrée.
Confinés dans des cellules de 5 m2, les condamnés vivent dans une angoisse perpétuelle. En effet, une fois la sentence finalisée, elle est exécutée d'une manière totalement arbitraire : le ministre de la Justice décide en personne, seul et souverainement, de qui sera exécuté, et quand. Certains condamnés languissent ainsi dans une affreuse incertitude depuis des décennies, sans qu'aucun ministre n'ose les faire exécuter tant leur cas est peu clair. Et les cas peu clairs ne manquent pas.
La justice japonaise a la religion des aveux. Pour en obtenir, une fois en possession d'un mandat de dépôt que le juge lui accorde quasi systématiquement, la police peut garder les suspects à vue et les interroger pendant vingt-trois jours d'affilée, jusqu'à douze heures par jour.
Le juge d'instruction n'existe pas au Japon, et les visites d'un avocat - si le suspect a l'audace et les moyens d'en demander un - sont soumises à autorisation policière.
Quarante-huit ans à attendre la mort
En pratique, l'interrogatoire se fait donc uniquement à charge. Si le suspect n'a pas craqué au vingt-troisième jour, la police le relâche, mais elle peut le remettre aussitôt en prison sous un motif légèrement différent : un drogué qui refuse de dénoncer ses fournisseurs sera ainsi interrogé pendant plus de deux mois, d'abord pour possession, puis pour consommation, puis pour trafic. À ce régime, c'est un exploit de ne pas avouer.
Même sans autre preuve, les tribunaux condamnent 99 % de ceux qui ont avoué, même si ces derniers se sont rétractés dès que les policiers ne les ont plus eus sous la main. Très peu d'accusés s'y risquent, car ils le payent cher : on les laisse presque toujours en détention provisoire dans l'attente de leur procès, et cette attente peut durer très longtemps.
Pour la paix de sa conscience, aucun ministre de la Justice n'envoie à la corde ceux qui ont été condamnés sur la base d'aveux douteux, mais aucun ne veut non plus faire perdre la face à l'institution qu'il représente.
Le peintre Sadamichi Hirasawa, malheureux héros de l'un des crimes de masse les plus célèbres du Japon d'après-guerre, condamné sur la base d'aveux qu'il avait ensuite rétractés, est décédé en prison à 95 ans, dont quarante passés dans sa cellule de condamné à mort. En 2017, trente ans après son décès, ses avocats essayaient encore d'obtenir un nouveau procès pour l'innocenter...
Iwao Hakamada, condamné dans des conditions similaires, avait tenu vingt jours avant d'≪ avouer ≫ et s'était rétracté au procès. Libéré en 2014 grâce à des analyses ADN, à 78 ans dont quarante-huit passés à attendre chaque jour la corde, il en est ressorti à demi-fou. Pour autant, en l'absence de toute mobilisation médiatique sur la question, plus de 80 % des Japonais seraient toujours favorables à la peine de mort.
フランス語
フランス語の勉強?
なるみ・岡村の過ぎるTV【絶景!絶品!サービスエリア&シェイプアップ(秘)グッズ】
(1)バスガイドがオススメ!サービスエリアの絶景&絶品グルメ(2)大阪人女性がオススメ!シェイプアップグッズに岡村悶絶(3)銀シャリ鰻が若手芸人の特殊アルバイトをプレゼン!
なるみ 岡村隆史(ナインティナイン) 鰻和弘(銀シャリ) もりやすバンバンビガロ 横山太一(ABCテレビアナウンサー) 斎藤真美(ABCテレビアナウンサー)
『街頭調査!大阪人がオススメし過ぎるええもん』 ええもんがあれば教えたがる大阪人女性にオススメの「シェイプアップグッズ」を調査!スタジオには、エステティシャンがオススメする「当てるだけで脂肪をほぐすローラー」が登場!さらに「ピロピロするだけで鍛えられる」謎のグッズも!?『大阪べ〜たバンク』 今回は関西のバスガイド30人に聞いた「オススメ過ぎるサービスエリア」!バスガイドさんに話を聞くと、オススメのサービスエリアと食べるべき絶品グルメが続々!スタジオには、バスガイドさんオススメの「人気があり過ぎるSAの練り物」が登場!『大阪若手通信!特殊過ぎるアルバイト』 特殊なアルバイトをしている若手芸人に密着取材、知られざる業界の裏側を銀シャリ鰻がプレゼン!電車の線路を点検・整備する“軌道工”という仕事をしているという芸歴12年目の芸人が登場!厳し過ぎる研修に密着!
あなたの街の「過ぎる」情報&調査してほしい!噂の「過ぎる」など…「○○過ぎる情報」を番組ホームページで大募集!スマホでも投稿可能です! 番組HP http://asahi.co.jp/sugirutv/ 公式twitter @sugirutv #過ぎるTV をつけてつぶやこう!


AとWがいい感じ,と思っていますが,本当は違うかもしれません.勝手な自画自賛?
11時過ぎ携帯に着信があって誰???と思ったらなんと市役所から.1時に電話すると,書類が法務局でダメと言われたとのこと.
28日締め切りの書類は25日が締め切りだったみたいで少し焦っています.
夕方Muさんが来てくれたので夏のオープンを相談しました.とりあえずいいよ,とのこと.実際は何も決まっていないので適宜報告の予定です.

児童のびのび全力疾走 仮設住宅解体 校庭全面で運動会 南三陸・伊里前小
 東日本大震災で被災した宮城県南三陸町歌津の伊里前小(児童129人)で20日、震災後初めて、校庭の全面を使った運動会が開かれた。青空の下、子どもたちが広くなった校庭を元気に走り回った。
 児童は赤組と白組に分かれ、保護者や地域住民の声援を受け、徒競走や玉入れなどを行った。6年生は、校庭全面で実施する運動会が最初で最後となり、三浦真広君(11)は「広いグラウンドを全力で走ることができてうれしかった」と笑顔を見せた。
 同校は2014年、半分の土地に仮設住宅が建つ校庭で、運動会を再開した。今年5月中旬までに仮設住宅の解体と校庭の整備が終わり、7年ぶりに本来の広さに戻った。
 西城長一校長は「去年までは狭い校庭で工夫しながら開催してきたが、今年は子どもたちも存分に楽しむことができたと思う」と話した。


困窮者の住居確保 善意頼みも限度がある
 生活が困窮すればするほど突き当たる難題が、住まいの確保だ。
 「車中で生活しながら、日雇い派遣で働いているが、借金もあり住む場所もない」
 「金がなく、アパートの契約を解除された。高齢で保証人もいないので、どこも貸してもらえない」
 盛岡市のNPO法人「くらしのサポーターズ」が運営する「あすからのくらし相談室・盛岡」に寄せられた相談事例の一端。吉田直美事務局長が家探しに奔走している。
 東日本大震災後、宮古市を拠点に活動していた当時を含め、支援に携わった1444人のうち、1割以上が住まいの問題を抱えていたという。
 どう確保するかは、善意頼み。まずは、理解のあるアパートの大家を地道に開拓する。生活保護を受給していれば、家賃面は心配ない。入居時をはじめ継続的にサポートすることで、不測のトラブル防止に努めている。
 首都圏を中心に、生活困窮者の受け皿になっている「無料・低額宿泊所」も、善意頼みの構図に変わりはない。
 支援団体が自費で住宅を借り上げ、運営しているケースが多いという。厚生労働省によると、2015年6月時点で全国537施設、利用者1万5600人。潜在的ニーズはさらに多いとみられる。
 課題は山積。1月、札幌市の共同住宅で11人が死亡する火災が発生した。貧困ビジネスの横行も指摘されている。
 にもかかわらず、政治はいつまで善意頼みを続けるのか。住居確保をめぐる社会福祉法などの改正案は、今国会の重要法案の一つだった。
 だが、財務事務次官のセクハラ疑惑が発覚し、政府対応に反発した野党が衆院厚生労働委員会を欠席。議論不在のまま与党は採決に踏みきり、あっさり衆院も通過した。
 改正案は、事業者の事前届け出制を導入し、面積や消火設備などの最低基準を定め、下回る場合は自治体が改善命令を出せるようにする。
 一方で、報知機やスプリンクラーを設置する際の国の補助制度はない。これでは、自己資金に乏しい善意の事業者まで排除することになりかねない。負担軽減策を講じ、政治の責任を果たすべきだ。
 住居確保をめぐり、支援関係者の期待を集めていたのが、昨年始まった新たな住宅セーフティーネット制度。低所得者らの「入居を拒まない賃貸住宅」を家主に登録してもらい、マッチングを図る。
 だが、今なお利用は低調に推移。改修費など家主の負担軽減策の乏しさを背景に、登録がなかなか進まない。
 善意を支える公的支援の拡充へ、本腰を入れるべきだ。善意の限度を超えれば、多くの困窮者が路頭に迷う。


JR仙台駅で列車屋根から煙 東北線ホーム閉鎖、7本運休
 20日午前7時25分ごろ、仙台市青葉区のJR仙台駅東北線下りホームで、列車の屋根から煙が出ていると駅員から119番通報があった。市消防局などが一時ホームを閉鎖し、現場を確認。東北線と仙石東北ラインの上下線計7本が運休となり、約1500人に影響した。
 仙台中央署によると、1番線ホームに停車中の仙台発利府行き(6両編成)から破裂音がし、先頭から3両目の屋根の計器用変圧器が破片となって焼け落ちていた。消火作業前に鎮火し、乗客30人や運転士らにけがはなかった。
 JR東日本仙台支社によると、同日午前7時20分ごろに東北線長町−東仙台駅間で一時停電が発生。列車火災の影響とみられ、JRなどが原因を調べている。
 火災発生直後、仙台駅は在来線のほとんどの運転を一時見合わせ、改札周辺は再開を待つ人であふれた。
 宮城野区の病院職員の女性(52)は「常磐線に乗って山下駅に行き、友人と待ち合わせて食事に出掛ける予定だった。乗れないならキャンセルしなければならない」と不安を募らせた。
 仙台駅には消防車など16台が出動。東松島市の自宅に向かう途中だった病院職員の男性(53)は「ホームも閉鎖されるなんて物々しい」と話した。


徳仙丈山 深紅まとう 気仙沼・ツツジ見頃
 日本有数のツツジの名所で知られる気仙沼市の徳仙丈山(711メートル)で、満開となった花が斜面を赤く染め上げている。
 快晴となった20日、市内外から大勢の観光客らが訪れた。咲き誇るツツジと初夏の新緑、登山道から見下ろす気仙沼湾との鮮やかなコントラストを楽しんだ。市内の無職小湊敏子さん(84)は「天気の良い日曜日に満開の花が見られて最高です」と喜んだ。
 市によると、徳仙丈山にはヤマツツジとレンゲツツジ約50万株が自生。今週半ばごろまで見頃だという。


<柳美里流書店術>(上)Why なぜ、小高で/誰かのために居場所を
 柳美里さん。49歳。芥川賞作家。南相馬市小高区に4月、自宅の一部を改装して書店「フルハウス」を開いた。
 静謐(せいひつ)な空間で、作家にも会える−。本屋さんとして理想の姿かもしれないが、ここは被災地。東日本大震災と東京電力福島第1原発事故で深く傷ついた。
 柳さんは語る。
 「汚染地という強烈なレッテルに対して美しさを取り戻したい。本来文化の薫りがする美しい所だ」
 小高区の避難指示が一部を除き解除されたのは、原発事故から5年以上を経た2016年7月。事故前は1万3000人が暮らしたが、今は帰還者ら2700人ほどにとどまる。
 開店を控えたある日。書籍5000冊が運び込まれた。近くの高齢男性が何事かと来た。「本屋? 厳しいよ。人いねぇんだがら」。男性は両手を広げた。閑散とした町を見てくれと。
 書店の計画を出版関係者に打ち明けた時も「えーやめなよ。大借金負うよ。絶対ムリだって」と言われた。
 柳さんの視点は違う。
 「自分はここで何ができるのか。本屋だったらと思い付いた。赤字にならず、とんとんならいい」
 「3・11」は仕事で韓国・ソウルにいた。ホテルに戻りテレビをつけた。大津波の映像が続いた。
 「一睡もできなかった。涙が止まらず泣き続けた」
 4日後、仕事を終えてソウル近郊の金浦空港へ。日本からの避難者で混雑していた。
 「福島を見ておかなければ。この目で。規制のかかる前に」
 仕事の依頼があったわけではない。衝動だ。11年4月、福島県に入り、福島第1原発の正門や浪江町の請戸地区近くに入った。
 富岡町夜の森地区の桜を自身のツイッターにアップした。避難者らから故郷を気に掛けるリツイートがあった。南相馬市原町区の夜の森公園や三春町の滝桜などを回り、桜通信の役目を負って応えた。
 「気遣いのすごい人」。今春閉局した南相馬市の臨時災害放送局「南相馬ひばりエフエム」の元ディレクター今野聡さん(47)は評する。
 ラジオ番組「柳美里のふたりとひとり」を二人三脚で手掛けた。これが、柳さんが当時住んでいた鎌倉市から南相馬市に移住するきっかけともなった。「スーパーなど生活必需の店より先に本屋を開いちゃうなんて。きっと人々が気付かなかった情報や新たな自分に会える引き出しになる」
 柳さんは10代の頃、家出をしている。父母のけんかが絶えず、いたたまれなかった。
 本の世界に逃げ込めた。救いの空間だった。
 書店はJR常磐線の終電を待ち、午後9時20分まで灯をともす。高校生らが何かあったら駆け込めるように。
 「居場所のない人の居場所だったらいい。自分がそうであったように」
   ◇
 被災地に芽吹いた本屋さん。店主の柳美里さんと向き合った。(南相馬支局・佐藤英博)
<ゆう・みり>1968年茨城県土浦市生まれ。横浜市育ち。高校中退後、劇団東京キッドブラザースに入団。97年「家族シネマ」で芥川賞受賞。著書に「ゴールドラッシュ」「命」「グッドバイ・ママ」「自殺の国」「ねこのおうち」「飼う人」など。フルハウスはほぼ毎週土曜日午後、人気作家を招いたトークイベントを開く。日・月曜日休み。


<柳美里流書店術>(中)Who 誰、私は一体/境界を漂流たどり着く
 柳美里さん(49)は日本生まれの日本育ちだが、韓国籍の「在日」だ。
 「38度線の存在しない朝鮮半島をずっと思い描いてきた」
 動きだした半島情勢が気になる。
 4月27日の歴史的南北首脳会談の翌日。柳さんが開いた南相馬市小高区の書店「フルハウス」裏。倉庫を改装した「劇場」で恒例のトークイベントがあった。
 「聞いていいのか。柳さん、きのうをどう見たの」。トーク相手の芥川賞作家中村文則さん(40)が突っ込む。
 「テレビに見入った。だけどコメンテーターのあまりにレベルの低い発言にスイッチを消した」
 代わって韓国で出会った、元は北の軍人で南に強制連行された小説家李(イ)浩(ホ)哲(チョル)さんの言葉を引いた。
 「南北の人が同じテーブルに着き一緒に食事をする。その回数が増えたら統一したと考えるべきでは」
 南北首脳が食事を共にしたのを評価し、続けた。
 「北にだってたくさんの人がいる。日本文学研究者も。反日教育で全員が日本人を敵視しているかというとそうでもない。その顔が伝わらないのが不幸だ」
 柳さんは南相馬市の臨時災害放送局「南相馬ひばりエフエム」(今春閉局)の番組を担当。耳を傾けた東京電力福島第1原発事故などの被災者は延べ600人近い。小高区の避難指示解除(2016年7月)に向けた住民説明会にも足を運んだ。
 気付いたのは被災地を分断する悲劇だ。
 「原発事故により、地域と親子きょうだいと職場とのつながりが断たれ、暮らしが傷つけられた。カネで償えない大事なものを失った」
 分断は優しくない。
 柳さんはかつて従軍慰安婦やヘイトスピーチの問題に触れた。ネットの世界で「そんなに日本が嫌なら半島に帰れ」と心ないバッシングが飛び交った。むき身の心は打ち震えた。
 「かつては潜伏していた差別意識が顕在化している。この風潮は危険だ」
 「福島の子とは結婚させられない」。原発事故後のあからさまな偏見にも同じ臭いを嗅ぎ取った。
 「それまでの鎌倉市の暮らしに違和感を覚えた」
 15年春、南相馬市への移住を決めた。
 被災者の話を聞き、もう一つ分かったことがある。朝鮮戦争時に韓国を離れた母の父、柳さんの祖父が南相馬市原町区でパチンコ屋を営んでいた奇遇だ。
 市内に朝鮮人が多く暮らす地域があり、狭いまちで差別があった。自分が近くに住み着く不思議さも感じた。
 日本人でも韓国人でもない。柳さんは境界を漂流してきた。
 パスポートは韓国のもの。海外出張しても「日本に帰る」「帰国する」と言えない。日本はあくまで「向かう」国家だ。
 「だけど『小高に帰る』、こうは言える」


<柳美里流書店術>(下)How どうする、この先/後継ぐ者ここで育てる
 柳美里さん(49)は忙しい。取材で出張も多い。
 ある日、仙台市から書店フルハウスの待つ南相馬市小高区への帰り道。JR常磐線に乗った。宮城県境を越えるころ、車両内で独りぼっちになった。
 「辺りは静まり、人家の明かりがぽつりぽつり。まるで銀河鉄道に乗っているかのようだった」
 フルハウスには開店を知ったファンらが東北各地や関東、関西圏から駆け付ける。週末のトークイベントを含め大型連休もにぎわった。運が良ければ店主に会える。一躍、小高区で最も熱いスポットになった。
 「列車の本数は少ないけれど、不便な所イコール不利では決してない。町への滞在時間も長くなる」
 仙台市から常磐線を使って来店した女性(57)は「車窓からの雰囲気は欧州にも匹敵する」と言う。いわき市に住んだ経験がある。懐かしさがこみ上げて小高までやってきた。重くても本を数冊購入した。
 フルハウスは今夏、店頭にカフェを併設する。
 「小高産業技術高の生徒たちに食事を出したい。広いテーブルで話したい」
 最大の指針がある。演劇ユニット再結成と今秋の公演実現だ。
 柳さんは10代で演劇ユニット「青春五月党」を旗揚げした。24歳の時に「魚の祭」で岸田国士戯曲賞を最年少で受賞した。
 「こんなに演劇から離れるとは思ってもみなかった。演劇なら人はもっと集まる。企画をいろいろ考える」
 25年ぶりのチャレンジ。出演者やスタッフはその都度募る。書店の際も展開した、インターネットで資金を募るクラウドファンディング方式を描く。
 「小高の人たちに演劇に出てほしい。決して被災地への押し付けではなく、書籍や演劇を通して思いを染みこませられれば…」
 元小高工高教諭の井戸川義英さん(64)は楽しみに待つ一人。「小高に二つ三つと灯がともっていく。それが大事だ」と語る。
 井戸川さんは東京電力福島第1原発事故で出身地の小高区を追われた。避難先の福島市から南相馬の仮設校舎に通った。
 柳さんのラジオ番組で、2人が初めて会ったのが2014年の3月11日。小高工と小高商の統合で17年春に誕生した小高産業技術高の校歌の歌詞を柳さんが書き、歌手長渕剛さんに作曲を依頼するのを手伝った。
 柳さんと小高との間を取り持った井戸川さん。「柳さんは、いや、すごい人。バイタリティーがある。東日本大震災と原発事故で大変な思いが続くが、柳さんと素晴らしい縁ができた」
 劇的な壮大な仕掛けが小高の町に施されていく。台風の目は柳さん自身だ。
 「フルハウスは絶対につぶさせない。10年、20年先も。私がいなくなっても。いつ死ぬかなんて誰にも分からない。だから作家や演劇人ら後に続く者をこの地で育てたい」


河北抄
 修学旅行で来たのだろうか。仙台市宮城野区の「仙台うみの杜水族館」が小中学生のグループでにぎわっている。
 「おっ、ホヤだ」。水槽の中にホヤの養殖棚を再現した「マボヤのもり」から子供たちの声が聞こえてきた。宮城を代表する海の幸の生態を学び、海底散歩のような雰囲気も楽しめる。
 水槽だけでなく、壁を飾るパネルも必見。ホヤを紹介する写真の中に、水揚げを喜ぶ漁師さんがいる。石巻市鮫浦の阿部誠二さん(34)。東日本大震災の津波で家も養殖施設も失ったが、地元の海で踏ん張り、4年前にやっと生産再開にこぎ着けた。
 それでも苦労は絶えない。東京電力福島第1原発事故に伴う韓国の輸入規制によって販路は広がらないし、「鮫浦のような小さな漁港は、復興のペースが遅くて」と阿部さん。
 震災後、8度目の旬を迎えるホヤ。ことしも食べられるのは、阿部さんのような方がいるからこそ。あの被災を乗り越えて古里の味を守るのは並大抵のことではないのですよ、小中学生の皆さん。


量子コンピューターシンポジウム
高い計算能力から次世代のコンピューターとして期待される「量子コンピューター」の活用方法などを紹介するシンポジウムが、21日、仙台市で開かれました。
このシンポジウムは、量子コンピューターの研究に力を入れる東北大学が開いたもので、会場には研究者や企業の担当者などおよそ130人が集まりました。
量子コンピューターは、気象予測などに活用されている現在の「スーパーコンピューター」をはるかにしのぐ計算能力を発揮するとされ、次世代のコンピューターとして期待が高まっています。
21日は、7年前、世界で初めて量子コンピューターを発売したカナダのベンチャー企業の社長が講演し、その能力を活用すれば、新たな治療法の開発や交通渋滞の解消などが期待できると説明しました。
また、東北大学の大関真之准教授は、量子コンピューターを活用すれば津波などの災害が起きた際、リアルタイムで住民ひとりひとりに最適な避難ルートを示すシステムを開発できると紹介していました。
参加した企業の担当者は、「工場での最適なロボットの配置を考える際などに利用できると思う。今後5年ほどで量子コンピューターを使ったサービスが広がってくると思うので、研究開発を進めたい」と話していました。


地方制度調査会/追認機関化で伝統汚すな
 66年の歴史を有する首相の諮問機関「地方制度調査会(地制調)」。その権威が揺らいでいる。地方自治体の監査制度を論じた直近の答申を「地方制度の充実強化とは相いれない」と疑問視する声が相次いでいるのだ。
 答申は、監査制度を有効に機能させるとして「統一的な監査基準の策定」と「修了要件を明確化した研修制度の設置」を提案。そのために「全国的な共同組織を構築」するとした。
 何を監査対象にするかは、当然のことながら自治体個々の実情による。ここに統一基準を持ち込めば、たちまち自治体監査の自立が損なわれてしまう。
 監査技能に習熟するための研修は、既に自治大学校や全国知事会、市長会、町村長会が実施している。新たな研修制度設置は屋上屋を架すことになりかねない。
 確かに首をかしげたくなる内容だ。答申は自治体監査を中央の統制下に置こうとしているかのように映る。地制調が本来目指す地方の自治や分権とは、向かう先が正反対だろう。
 今回、地制調が監査制度を調査対象としたのは、自治体による物品納入業者への「預け金」、組織内の「裏金」など不適正な予算執行が会計検査院に指摘されたことがきっかけだった。
 しかし自治体監査は「いかにすれば公正で合理的、効率的な行政を確保できるかが最大の関心事」(地方自治法逐条解説)であり、不正の摘発を目的とはしていない。むろん取引業者に対する強制調査権限もない。
 専門家集団の地制調が、こうした基本を知らないはずがなかろう。無理筋であることを承知の上で中央統制の強化に傾く背景には一体、何があるのだろうか。
 一つ指摘されているのが、地制調事務局を担う総務省自治行政局のありようだ。
 総務省幹部の人事もまた、官邸主導で内閣人事局が握っている。そのため、政権中枢の意向を忖度(そんたく)する総務官僚に地制調が利用されているのではないかという見立てだ。
 監査制度と同様、評判が芳しくない昨今の地方制度改革に町村議会の見直しがある。
 総務省の研究会が今春、唐突に報告書を発表したのにも驚いたが、同時に地制調での検討を経て早ければ来年の通常国会で法改正を目指すという性急な日程にも違和感が広がった。地制調は、まるで追認機関の扱いだ。
 研究会も自治行政局が事務局である点に留意したい。
 1952年制定の地制調設置法は「憲法の基本理念を具現するよう地方制度に検討を加える」とうたっている。
 以後、道州制や市町村合併といった、ときに刺激的な答申で地方の自立を世に問うてきたのが地制調だったのではなかったか。伝統を汚すことのないよう願いたい。


新しい財政健全化計画 とてもその名に値しない
 1000兆円超の借金をどう減らし、超高齢化社会を乗り切っていくのか。その答えになっていない。
 政府が来月の決定に向け検討中の新しい財政健全化計画のことだ。
 従来の計画は、借金に頼らず社会保障などの経費を賄う基礎的財政収支の黒字化を2020年度に達成するという目標を掲げていた。だが安倍晋三首相は昨年、目標を延期し新しい計画をつくると言い出した。
 その際に首相は少子高齢化を「国難」と呼び、「財政再建の旗は降ろさない」と強調した。それならば新計画では目標をできるだけ遅らせず、将来世代につけを回さない財政の姿を明示する責任があるはずだ。
 ところが、明らかになっている計画の内容は問題だらけである。
 まず目標を25年度と5年も先送りすることだ。
 25年は団塊の世代がすべて75歳以上となり、社会保障費が大幅に膨らむ時期だ。これに合わせて健全化を図るとアピールしたいのだろう。
 しかし3年前の22年には社会保障費の拡大が加速し始める。その年から団塊の世代が段階的に75歳になっていく。膨張に早く歯止めをかけなければ、将来へのつけがどんどんたまっていくばかりである。
 しかも社会保障費を抑える数値目標も見送る方針だ。従来の計画には盛り込んでいたが、来年の参院選をにらんで与党が抵抗したという。これでは財政規律がさらに緩んで、ばらまきになりかねない。
 さらに疑問なのは、現状をはるかに上回る経済成長が続く甘い見通しを前提にしていることだ。
 高成長ほど税収も多く見込める。首相は従来も痛みを伴う歳出抑制にほとんど手をつけてこなかった。今後も成長頼みを続けたいのだろう。
 だが税収が確保できないと健全化計画は土台から揺らぐ。従来計画が目標を達成できなかったのも高成長を当てにしたためである。
 政府の危機感が乏しいのは、日銀の異次元緩和で低金利が長期化しているからだ。しかし異次元緩和は経済をゆがめる劇薬である。いつまで続けさせるつもりなのか。
 首相は深刻な財政にきちんと向き合う必要がある。現実的な経済見通しに立脚したうえで歳出抑制に本格的に取り組む計画にすべきだ。


河北春秋
 2015年公開の英SF映画『エクス・マキナ』は見目麗しいアンドロイドのCGが話題を呼んだ。人間は、人造人間と共存可能か否か。「フランケンシュタインコンプレックス」と呼ばれるSFの古典的テーマを扱った▼劇中で若きIT企業社長がアンドロイドに搭載した人工知能(AI)の原理として使ったのが、ネット上のビッグデータを自動収集する検索エンジン。IT企業の設定が実在するグーグルやフェイスブックをほうふつとさせ、リアリティーを増した▼国内IT大手ヤフージャパンは13年参院選で、ビッグデータを活用して各政党の議席予測を試みた。「検索数をベースとしたネット上の注目度と得票率には相関関係がある」との前提に基づく▼結果は90%台後半の一致率となり、14年衆院選も高い精度を誇った。しかし16年参院選は選挙区で82%にとどまり、同社は予測から撤退。理由として「野党共闘の効果を反映させられなかった」ことなどを挙げた▼固定電話にかける電話世論調査に大きく依存する新聞・テレビの議席予測が、曲がり角と言われて久しい。携帯電話しか持たない層が年々拡大し、世帯カバー率が低下しているためだ。選挙の当落予測はメディアの実力を測る物差しでもある。IT界の挑戦に学ぶ点は多い。

男女均等法 多様な声 生かす政治へ
 女性議員を増やす取り組みを政党に求めた、議員の手による新しい法律が誕生した。男性が大半を占める議会を、多様な声を生かせる場に変える一歩になるのか。政党のやる気が問われる。
 新たな法律は「政治分野における男女共同参画推進法」(候補者男女均等法)。政党や政治団体に対し、国政や地方の選挙で候補者数が男女均等になるよう、目標設定に努めることなどを求めた。
 女性議員を制度によって増やそうという、政治家の意志を込めた日本初の法律である。
 日本の女性議員の割合の低さは国際的に際立つ。安倍首相は二〇二〇年までに指導的立場にいる女性を三割に増やすことを目標に掲げたが、昨年の衆院選で当選した女性議員の割合は一割にすぎない。地方では「女性ゼロ」の市町村議会が全体の二割もある。政治の場の男女格差はあまりに大きい。
 社会のありようもニーズも多様になる中で、有権者の代表で構成する議会に多様な視点があるとは言い難い。待機児童問題は後回しになり、セクシュアル・ハラスメント問題にも反応や対応の鈍さが目立っている。これでは「女性の活躍」どころではない。
 この現状は女性議員の少なさと無関係とはいえないだろう。多様な経験や視点を持つ人が増えていけば、今より政策論争は活発になるはずだ。女性だけではない、性的少数者や障害のある人たちの政治参加も促されるのではないか。
 法律は、昨年の通常国会では成立に至らず、衆院解散で廃案になった。罰則はなく、強制力もない理念法にとどまったために、実効性に乏しいという批判もある。女性議員を増やしてきたヨーロッパの国々や、アジアでは韓国や台湾などで採用され、議席や候補者の一定数を女性に割り振る「クオータ制」の導入も見送られた。
 それでも、国会の全会派が一致して、男女均等を目指す姿勢を示した意義は大きい。各党は女性候補を増やす取り組みを果敢に実行してほしい。
 地方議会では無所属の議員が多く、新しい法律だけでは女性議員を増やせない。女性が議会に参加しやすい環境や制度を整えるのはもちろんのこと、夜間や休日に議会を開いたりすることも日中働く人たちの政治参加を促す。
 来年は春に統一選、夏は参院選がある。政党は候補者数の男女均等化に努めているか。多様な声を生かそうとしているのか。有権者は投票の判断材料としたい。


「貧困は性差別的」 著名人ら、世界の指導者に性不平等の是正求める
米人気司会者で俳優のオプラ・ウィンフリーさんや米俳優のメリル・ストリープさんら多くの有名人が、世界中にある性の不平等を是正する緊急対応を取るよう、世界各地の指導者に求めている。
ウィンフリーさんやストリープさんは、国際チャリティ団体「ONE」がまとめた公開書簡に署名し、各国の政治指導者に具体的な対応をとるよう「警告」した。
署名した著名人140人は、全ての少女に教育機会を提供し、「女性のため歴史的変化」を実現するため、各国指導者に自分たちの権力を使うよう呼びかけた。
映画「ブラックパンサー」に出演したレティシア・ライトさんやチャドウィック・ボーズマンさんも署名した。
マイケル・シーンさんやサンディー・ニュートンさん、ナタリー・ドーマーさんといった英俳優や、レナ・ダナムさん、ナタリー・ポートマンさん、イッサ・レイさんといった米俳優も、呼びかけに賛同した。
セクシュアル・ハラスメントに対抗する最近の運動の広がりを受け、テレビドラマシリーズ「ナッシュビル」に主演するコニー・ブリットンさんは声明で「性差別やシステム的な性不平等が我々の社会にもたらしている有害な影響に対する関心の驚くべき高まりを、我々は目撃している」と述べた。
米エミー賞受賞俳優のブリットンさんは「今年の私の望みは、全員が、特に私たちの指導者が、完全な平等のための闘いに加わることだ」と述べ、公開書簡への支持を表明した。
公開書簡は貧困について、最も打撃を受けるのは女性だと指摘。「私たちは、最も貧しい女性が見過ごされているのを傍観などしません」としている。
世界経済フォーラムは昨年、男女格差の解消には、今の変化のペースのままではあと100年かかると報告を発表した。
主催者は、さらに大勢が公開書簡に署名して欲しいと希望している。
この書簡には、エンターテインメント業界以外からも多くの大物が支持を表明している。マデリン・オルブライト元米国務長官、フェイスブックのシェリル・サンドバーグ最高執行責任者(COO)、米ウェブメディア「ハフィントン・ポスト」の創立者アリアナ・ハフィントンさん、ナイジェリアのンゴジ・オコンジョ・イウェアラ元財務大臣、モザンビークの政治家グラサ・マシェルさんらも支持者に名を連ねた。
公開書簡の内容は以下の通り――。
「親愛なる世界の指導者の皆様へ
私たちは皆さんに警告します。
教育を受けていない1億3000万人の少女のために。銀行口座を開けない10億人の女性のために。今日、児童婚で幼い妻になった3万9000人の少女のために。同じ仕事をしても男性より安い賃金しかもらえていない世界中の女性のために。
女性が男性と同じ機会を与えられている場所は、地球上のどこにもありません。しかし、性格差は、貧困状態で暮らす女性にとって、より大きく広がっています。
貧困は性差別的です。そして私たちは、最も貧しい女性が見過ごされているのを傍観することはありません。
あなたがたは、女性のために歴史的な変化を今年中に実現する力を持っています。G7からG20まで。アフリカ連合から、皆さんの国の年間予算まで。私たちは皆さんが約束を実現するよう、背中を押し続けます。そして約束を確実に実現するか、見届けます。実現できなければ責任を問いただします。そして、もし変化を実現できたら、私たちは真っ先に皆さんの進歩を称えます。
世界中の女性と少女に正義が実現するまで、私たちは止まりません。
なぜなら、全員が平等になるまでは、誰も平等ではないので」
(英語記事 Gender inequality: Stars tell world leaders poverty is sexist


大企業の利益 ため込む一方では困る
 東証1部上場企業の2018年3月期決算がほぼ出そろった。
 最終的なもうけを示す純利益の総額は、2年続けて過去最高となる見込みだ。
 堅調な世界経済や円安を背景に、電機や自動車などの輸出型製造業が全体をけん引している。
 経営効率の改善を進め、稼ぐ力を高めた結果なのだろう。日本経済にとって明るい材料であることは間違いない。
 にもかかわらず、中小企業や消費者の多くが大企業の好業績に見合う景気実感を持てずにいる。
 このままでは、消費の盛り上がりが新たな生産を促す経済の好循環は望めまい。
 大企業は、もうけをため込むばかりではなく、今こそ従業員への配分を増やしてほしい。
 SMBC日興証券の15日時点の集計によると、1部上場企業全体の決算は売上高が前期比7・6%増、純利益が24・7%増だった。
 復調が目立つ電機では、ソニーが画像センサーといった強みを生かして過去最高益を上げた。
 日本企業として過去最高となる2兆4900億円の純利益を計上したトヨタ自動車は、コスト削減や海外市場開拓が功を奏した。
 ただ、製造業では中国が急速に力をつけている。人工知能(AI)に代表される先進技術に投資を重ね、経営を磨き続けねば生き残りはおぼつかない。
 大企業の経営者に求められているのは、広く世界に目を配りつつ国内の経営基盤を固め、持続的な成長を図ることだろう。
 その点で、国内総生産(GDP)の6割を占める個人消費が一向にさえないのは気がかりだ。最大の理由は、物価を加味した実質賃金が回復しないことにある。
 企業の利益の蓄積である内部留保は400兆円を突破し、どんどん積み上がっている。
 だが今春闘の賃上げ率は約2%と低水準だ。利益がどれだけ働き手の取り分に回っているかを示す労働分配率も低下傾向にある。
 従業員は企業の最も大切な財産である。経営者は利益還元にもっと前向きであってよいはずだ。
 十分な賃金を支払い、積極的に設備投資も行う。優れた製品を世に送り出し、もうけは再び賃金や投資に回す。道内にも多い中小企業との取引では、無理な値引きを求めず利益を適正に分け合う―。
 こうした姿勢こそ、力強い景気回復につながり、結局は自社にもプラスに働く。そのことを大企業の経営陣は自覚してほしい。


エネルギー基本計画 再生エネ拡大し脱原発に転換を
 経済産業省が、新たなエネルギー基本計画案をまとめた。2014年以来の改定で、太陽光や風力など再生可能エネルギーの主力電源化を進めると盛り込んだ。一方で、30年度に再生エネを22〜24%、原発を20〜22%とする発電割合の目標は据え置かれた。
 欧州と比べ再生エネの普及拡大で後れを取る日本が主力電源化を掲げたのは当然だ。ただ、14年計画からエネルギーを巡る情勢が変化しているにもかかわらず、発電割合の目標を変更していない点は看過できない。再生エネを増やし、原発を減らす目標を明記すべきだ。その上で達成に向けた工程を練り直すよう求めたい。
 再生エネを巡っては、東京電力福島第1原発事故後に始まった固定価格買い取り制度で、電力の買い取りが大手電力に義務付けられ、太陽光を中心に一気に普及拡大した。電源構成比率は、事故前の10年度は9.5%だったが、16年度は14.5%と大幅に伸びている。14年計画で掲げた22〜24%の目標達成が現実味を帯びており、上積みして普及拡大を加速していく必要があろう。
 計画案は、温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」で、50年に温室効果ガスを8割削減する公約を掲げた点を踏まえた。再生エネ主力化の実現には、固定価格買い取り制度に頼らず安価な電気を供給できる仕組みづくりをはじめ、安定供給に向けた送電網の増強、高性能で低価格の蓄電池の開発といった課題の解決が重要だ。技術開発を含め、官民協力した取り組みが欠かせない。
 原発に関しては、「重要なベースロード電源」とする位置づけを維持した。焦点だった原発の新増設の再開は、経済界などから要望があったものの、盛り込まれなかった。
 そもそも、原発比率20〜22%の目標達成は非現実的だ。達成には30基程度の再稼働が必要とされるが、福島原発事故以降、再稼働したのは四国電力伊方原発3号機など8基にとどまる。司法判断で運転差し止め仮処分決定が下り、長期間停止するケースも出ている。巨額な安全対策費を必要とする老朽原発は廃炉を迫られる。
 肝心なのは、福島原発事故を受けて依然として根強い原発の安全性や経済性への懸念に耳を傾けることだ。「原発の依存度を可能な限り低減する」と掲げておきながら、具体的な道筋がみえない計画案では、国民の理解は得られない。
 プルサーマル発電を含め使用済み核燃料を再利用する仕組みがいまだに整わない核燃料サイクルや、高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分の問題に関しても、目新しい変更はなかった。原子力政策の抜本的な改革は待ったなしで、このまま先送りを続けることは許されない。まずは、政府が脱原発へかじを切ることが、将来世代に対する責任だ。


エネルギー基本計画 「脱炭素」に背を向けるな
 将来のエネルギー政策をどうするのか。国家の未来像を示さないまま、その場しのぎでお茶を濁したとしか言えない計画案が出てきた。
 経済産業省がまとめたエネルギー基本計画の素案だ。太陽光や風力など再生可能エネルギーの「主力電源化」を目指すと初めて明記しながら、その発電割合目標は変えない。原発の依存度を「可能な限り低減」とうたいながら、その割合を維持し「重要なベースロード電源」として残した。
 矛盾だらけの内容で、「脱炭素」という世界の流れにも背を向けている。夏の閣議決定までに科学的、国際的な視点を取り入れ、根底から見直すべきだ。
 エネルギー基本計画は中長期のエネルギー政策の指針で、おおむね3年ごとに見直している。
 今回は4年ぶりの改定で、2050年の長期目標も初めて見据えた。背景には、温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」で、50年までに温室効果ガスを8割削減するという日本の国際公約がある。
 しかし、今計画からは、その目標に向けた道筋と政府の本気度が見えてこない。
 最大の問題点は、原発頼みを続ける姿勢と、再生エネルギーへの及び腰だ。
 30年度の電源構成比率は3年前に決めた再生エネ22〜24%、原発20〜22%という目標に手を付けなかった。エネルギー環境の世界的な急速な変化に全く対応できていない。
 原発は11年の東京電力福島第1原発事故以来、事故処理や廃炉費用も含めると高コストな電源というのは明白だ。核燃料サイクルも破綻している。建設コストも急騰し、世界の専門家には既に価格競争力を失ったとの認識が強い。
 全原発閉鎖のドイツをはじめ、韓国や台湾、スイスも脱原発を政策として決めた。原発はもう時代遅れなのだ。
 現在再稼働している原発は8基で、発電割合は2%でしかない。20%台にするには約30基の再稼働が必要だ。新増設か、廃炉期間40年の延長かだが、いずれも現実的ではない。脱原発を求める世論は根強い。政策転換は急務だ。
 再生エネルギーの推進に消極的な政府の姿勢も透けて見える。再生エネ比率は今でも約15%まで伸びてきているが、「主力化」を打ち出すなら、もっと高めるべきだ。
 ここ数年、再生エネルギーのコストは劇的に下がり、新興国など各国で飛躍的に普及が進んでいる。
 再生エネルギー関連産業で働く世界の従業者数は、17年に1千万人の大台を超えた(国際機関調べ)。一方、日本は2年連続で減少した。
 再生エネ事業者への送電線開放が不十分なのも一因だ。後ろ向きの政策が産業の成長を阻んでいる。経済活性化の観点からも政策面での後押しが必要である。
 世界はいち早く「脱炭素社会」へかじを切っている。日本も目を覚ますべきだ。


エネ基本計画案 及び腰と無責任が透ける
 情勢の変化を踏まえ、日本のエネルギー政策の将来像をきちんと提示する。そうした責任感はうかがえず、及び腰で曖昧な印象が強い。
 経済産業省が新たなエネルギー基本計画の素案を取りまとめた。意見公募を行った上で、今夏に閣議決定する。
 計画案のポイントは、太陽光や風力などの再生可能エネルギーの主力電源化を進め、原発依存度を可能な限り低減するとしたことである。
 温暖化対策の推進に向け、二酸化炭素(CO2)を排出しないエネルギー構造への転換を打ち出している。
 大枠としての方向性に異論はない。一方で、素直に期待することは難しい。将来の電源構成比率に関して、従来の目標を踏襲したことへの疑問が拭えないからだ。
 現行計画では2030年度の発電割合について、再生エネ22〜24%、原発20〜22%との目標を掲げている。計画案はその変更に踏み込んでいない。
 再生エネを主力電源に育てるというなら、目標の割合を増やし、そこに向けて政策誘導することが自然だろう。
 再生エネを巡り日本の「出遅れ」が指摘される中、計画案では発電コスト低下を背景に国内でも大量導入に積極的に取り組むとした。安定供給に向け技術開発の重要性も訴えている。
 にもかかわらず、なぜ目標は据え置いたのか。本気度を疑われても仕方がない。
 原発についても、東京電力福島第1原発事故の反省を踏まえ依存度を減らすとしながら、発電割合の目標だけでなく、「重要なベースロード電源」との位置付けもそのままだ。これで説得力が備わるのか。
 福島事故は、原発で過酷事故が起きれば、立地地域を越えて広範囲に被害や影響が及ぶ深刻な現実を突き付けた。国民の原発への懸念は根強い。
 新潟日報社が加盟する日本世論調査会が今年2月に行った福島事故に関する世論調査で、将来的に原発ゼロを求める回答は6割を超えた。
 国民の多くが抱く思いと計画案との間には、距離があると言わざるを得ない。
 原発から出る「核のごみ」の最終処分についても、国が前面に立って取り組みを強化するとしたものの、具体的な道筋は見えない。
 重要な問題に正面から向き合おうとせず、どっちつかずのような対応を続けていては、時代や国民意識の変化に即した政策の遂行にはつながるまい。
 米山隆一前知事の辞職に伴う知事選告示が24日に迫った。選挙では、東電柏崎刈羽原発の再稼働問題に対する候補者の姿勢が大きな注目点となろう。
 事実上の与野党対決が確定的となる中、主要候補予定者はともに将来的に原発ゼロを目指すとしている。
 そのゴールに向け、柏崎刈羽原発の再稼働問題をどう位置付けるのか。有権者に明確に訴えてもらいたい。


[ハンセン病市民学会]社会の加害責任を問う
 年に1度、全国から当事者や支援者が集う「ハンセン病市民学会」の大会が、名護市の沖縄愛楽園などで開かれた。
 国の強制隔離政策を違憲と断罪した熊本地裁判決から17年を経て照らし出されたのは、被害がまだ終わっていないことを示す「家族訴訟」や、高齢化による語り部の減少など今日的課題である。
 ハンセン病の隔離政策を巡っては、患者本人だけでなく家族も深刻な偏見や差別にさらされたとして、国に謝罪と損害賠償を求める集団訴訟が進行中だ。
 配偶者や子どもら家族訴訟の原告は568人に上り、その4割は県内に在住している。
 家族訴訟をテーマにした分科会で報告に立った弁護士の徳田靖之さんは、国の加害責任はもちろん、社会の加害責任も問われていると裁判の意義を説明した。
 単に国策によってというだけでなく、家族を差別し、地域や学校から排除する「加担者」に市民を駆り立てたものは何だったのか。
 宮古南静園を退所した知念正勝さん(84)の娘で原告の1人でもある女性は、「クンキャヌファ」(ハンセン病の子)と呼ばれいじめにあったことや、仲良くしていた友人がある日突然冷たくなったこと、何か言われるのではといつもビクビクしていたことなど幼少期のつらい体験を語った。
 家族訴訟の被告席に座るのは国だが、正しい知識を持たず、大勢に流され、家族を白い目で見続けた私たちもまた被告としての責めを負っている。
■    ■
 厚生労働省によると全国14のハンセン病療養所の入所者は1338人で、平均年齢は85歳を超えている。「記憶をどのように次世代に伝えていくか」が今後の大きな課題だ。
 市民学会が2017年度末時点で調査した「伝承・継承」に関するアンケートで、療養所で語り部活動を行う元患者はわずか39人にとどまっていた。
 学生を中心に来園者の数は年間5万人近くに上っているものの、入所者が直接対応することは難しくなりつつある。
 体験者から非体験者への継承をテーマにした分科会では、沖縄戦体験の継承と重ね合わせながら、隔離の歴史を伝える方策について考えた。
 当事者による「語り」を映像で残していくことや、代わりに語り継ぐボランティアの育成などは早急に取り組まなければならない。
■    ■
 大会では、ハンセン病差別の歴史と沖縄に米軍基地が集中する問題を並べた議論も展開された。国民の不安をあおり、社会的少数者に負担や犠牲を強いる不公正な社会構造の告発である。
 問われているのは差別構造を維持している多数派側の無知や無関心、迎合だ。
 元患者の「人間回復」は、道半ばである。隔離政策による被害もまだ続いている。
 熊本地裁判決を風化させないよう、いま一度関心を呼び起こしたい。


終盤国会  うみを出し切れるのか
 会期末まで残り1カ月を切った国会で、与野党の対決姿勢が強まっている。委員長の職権を使った強気の国会運営で法案審議を加速させる与党に対し、野党は閣僚の不信任決議案の提出などでブレーキをかける構えだ。
 心配なのは、日程をめぐる駆け引きが激化する中で、肝心な点がおろそかになることだ。法案の中身の徹底審議、そして一連の不祥事の真相解明である。
 先週、環太平洋連携協定(TPP)の承認案が、野党を押し切る形で衆院本会議に緊急上程され、与党などの賛成多数で可決された。今月11日に委員会審議が始まってわずか1週間。法案の内容は米国離脱前とほぼ同じとはいえ、最初の法案も国内農家や消費者の懸念を置き去りにしたまま、強引に採決した経緯がある。審議を短縮していい理由にはならない。
 政府・与党はトランプ米政権の通商圧力をかわす「盾」にする狙いから、TPPの承認案と関連法案の成立、11カ国での協定発効を急ぐ。働き方改革関連法案についても、日本維新の会と修正合意を経て週内に衆院を通過させる構えだ。カジノを含む統合型リゾート施設(IR)整備法案の今国会での成立も描く。
 一方、「数の力」で劣る野党の対抗手段は限られる。与党主導の国会運営を足止めし、時間切れによる廃案を狙う。茂木敏充経済再生担当相の不信任決議案を提出してTPP関連法案の審議中断に持ち込んだのに続き、働き方法案に絡んで加藤勝信厚生労働相の不信任案も検討している。
 論点未消化のまま審議を切り上げる、不信任案の連発で審議を空転させる−。そのどちらも、国民が本来望むところではない。とりわけ、働き方改革の焦点である「高度プロフェッショナル制度」とカジノ解禁には、人々の関心と批判的な目が向けられているだけに、論戦が中途半端に終われば政治不信は増すだろう。
 国会日程が窮屈になったそもそもの原因は、森友学園や加計学園、自衛隊日報をめぐる問題で公文書の改ざん、隠蔽(いんぺい)、答弁矛盾が噴き出し、審議の前提が崩壊したことにある。回復の責任は第一に、政府と与党にある。
 「うみを出し切る」と安倍晋三首相は約束した。国民の信頼を取り戻せるかは、今国会中の取り組みにかかっている。
 不祥事の究明は後回し、与党の看板政策に関わる法案成立はゴリ押し−という姿勢は許されない。


国民投票法 多くの課題、手付かずだ
> 与党の自民、公明両党が憲法改正の手続きを定めた国民投票法の改正案を野党に示した。商業施設への「共通投票所」の設置など公選法と整合性を取る項目が中心だ。だが、運動資金に上限を設けるかどうかなどの課題は手付かずのままで、十分な改正案とは言えない。
 国会会期末まで残り約1カ月となって与党が改正案を示したのは、一連の政権不祥事でしぼんだ憲法論議を再起動させる狙いがあるに違いない。本末転倒だろう。今国会での改正案成立を目指すというが、拙速な結論は避けるべきだ。与野党で、他の課題も吟味する必要がある。
 与党が示した改正案は8項目ある。洋上投票の対象拡大など7項目は公選法の規定に合わせたものだ。もう1項目は、郵便投票ができる要介護認定者の対象を広げる案で、公選法と併せた改正を提案している。投票する人の利便性を高めるものが中心で、与野党で折り合えない内容ではないだろう。
 しかし、国民投票法の課題はこれだけにとどまらない。
 まず投票運動を巡る資金の問題だ。運動を原則自由とし、なるべく規制を設けないのは、民主主義や国民主権を守る上で大切なことである。ただ、運動の資金に上限や使途の制限がなければ、資金力がある方の主張ばかりが出回り、有利になる可能性がある。これでは投票が公正と言えるのか疑問が残る。
 欧州連合(EU)離脱の是非を巡る2016年の英国の国民投票が参考になる。賛成、反対の意見を代表する団体を認定し、使える資金に上限を設けていた。日本でも運動する団体を登録制にし、費用に上限を設けて収支報告を義務付ければ、公平性は一定に保てよう。
 テレビCMも問題ではないか。現行法では投票の14日前から原則禁止になるが、それ以前は回数制限はなく、資金力さえあれば好きなだけCMを流せる。14日前以降も、賛否の意見表明だけなら流せるという「抜け穴」もある。これらも資金力が世論を動かすことになりかねず、野党からはCMの規制強化を求める声が出ている。
 低投票率も懸案の一つだ。現行法では投票率がどんなに低くても過半数が賛成すれば改憲は成立する。それでは民意が十分反映されているとは言えまい。
 世界各国の国民投票では、一定の投票率を成立条件とする「最低投票率」や、有権者の一定数の賛成が必要となる「絶対投票率」を導入した例がある。日本でも検討すべきだ。
 憲法論議は停滞している。衆院は先週、今国会では初めて憲法審査会を開いたが、事務手続きだけ行い、実質的な審議はなかった。参院の憲法審も2月に1度開かれただけである。
 国会は森友・加計学園問題などの不祥事が相次ぎ、与野党が激しく対立する。自民党がまとめた9条への自衛隊明記など4項目の改憲案を話し合う環境にはあるまい。だからといって必要最小限度の国民投票法の改正案を示し、憲法審に野党を引っ張り出そうとしても、まともな議論になるはずなかろう。
 国民投票は、改憲を巡る最も重要な手続きの一つである。法改正を進めるのなら、与野党とも、あらゆる課題と真剣に向き合わねばならない。徹底的な議論を求めたい。


ICAN運営委・川崎哲氏 「今こそ核兵器禁止条約の出番」
 北朝鮮の完全な非核化は実現できるのか。融和ムードに包まれた南北会談が終わり、来月12日には歴史的な米朝首脳会談が控える。関係諸国の思惑が渦巻く中、蚊帳の外に置かれた日本が本来、非核化で寄与すべきこととは――。
 昨年、核兵器禁止条約の国連採択に貢献し、ノーベル平和賞を受賞した国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)の国際運営委員を務める川崎哲氏が、熱っぽく語る。
■北の非核化には抑止力の論理を捨てるしかない
  ――まず南北首脳が署名した板門店宣言をどう評価していますか。
「朝鮮戦争の終結」という文脈の中で「非核化」が位置づけられたことが重要です。日本では北朝鮮という変な国が核を持ち、物騒な動きをするのは意味が分からないという捉え方が一般的ですが、韓国の受け止め方はかなり異なる。
 私は韓国のNGO団体とも頻繁に交流を重ねてきましたが、彼らは朝鮮半島で北朝鮮と共に生きる当事者。変な国が突然、登場したわけではなく、北の核・ミサイル問題は朝鮮戦争が終わっていないことが要因との認識です。戦争終結は南北共通のテーマであり、戦争が終われば核で脅し合う必要性も消え、北が非核化を目指す動機にもなります。
  ――しかし、日本では「非核化の具体性に欠ける」「北にだまされるな」との論調が大勢です。
 それは「核が突然、出てきた」というアタマで見ているからです。北の核は突然、出てきたわけではない。北の視点で見れば、生存が脅かされ、いつ国を潰されるか分からないと怯えている。根底には戦争が終わっていないことへの恐怖があり、その根を絶たなければ、北の核・ミサイル問題は解決できません。核だけ排除しても根っこが残っていれば、また出てくるのです。
■朝鮮戦争という「根」を絶て
  ――南北両国が事実上の朝鮮戦争の当事国である米中首脳に会談を呼びかけた直後、トランプ米大統領が在韓米軍縮小を検討と報じられました。
 北が求めるのは自国だけでなく、「朝鮮半島の完全な非核化」です。韓国には現在、核兵器はありませんが、在韓米軍に核が配備される可能性は、いまだゼロではない。今後、北が在韓米軍のあり方に注文を付けるのは容易に想像できます。在韓米軍縮小報道は北の要望に対処する用意はあるとのメッセージ。南北が戦争終結に本気で取り組めば、トランプ大統領も追認せざるを得ないと思います。
  ――それでも北が核を放棄すると言っても「信用できない」が、世界の大勢ではないですか。
 過去の経緯を考えれば、簡単に信用できないのは当然です。しかし、ホンの数カ月前は朝鮮半島で戦争が始まり、核が使用される脅威がリアルに迫っていた。日本が巻き込まれる恐れもあったのです。恐ろしい緊張状態に戻りたくなければ、北は「信用できない」と言い続けても状況は変わらない。信用に足る非核化とは何かについて、知恵を出すべきです。その際、極めて重要なのが「検証」だと思います。
  ――具体的にどのような検証が必要ですか。
 歴史を振り返ると、1989年に東西冷戦が終結。米ソが核で睨み合う論理が失われ、互いに核削減を一気に進めた結果、両国の核兵器は半分以下に減りました。あれから30年。ついに南北朝鮮に残る「冷戦」を終わらせる上でも、米ソ関係を参考にすべきです。
 ソ連崩壊後に核を引き継いだロシアとアメリカは、相互検証措置を設け、互いに査察し、本当に核を削減しているのかを検証し合いました。共に条件を出し、実行すれば信頼度を高め、守らなければ信頼度は下がる。核を減らすには段階的に「信頼のテスト」を実施するしかない。北は豊渓里の核実験場を閉鎖・公開の方針です。これは信頼のテストの良い糸口になる。
  ――信頼は互いにつくり上げていくものだと。
 94年締結の「米朝枠組み合意」が2000年代にウヤムヤになったのも、米朝相互に問題があります。もちろん北も悪いけれど、米側も約束していたエネルギー供給が議会の強硬派の反発で予算を止められたり、非核化に向けた6カ国合意が結ばれた直後に米国は北に金融制裁を科したりしました。双方の約束の不履行によって関係がこじれたのです。
圧力路線の行き着く先は際限なき軍拡競争
  ――朝鮮半島の非核化を達成するには、地道に信頼を築き上げる長い道のりが必要なのですね。
 そして今こそ核兵器禁止条約の出番です。昨年7月の国連採択に関わった者として、朝鮮半島の非核化のために禁止条約は生かせるものだと自負しています。最上の形は禁止条約の南北同時署名です。
 条約は核保有国の非核化プロセスを包括的に定めています。北が加盟すれば▼核保有状況の申告 ▼国際的査察の受け入れ ▼廃棄の検証 ▼非核化状態の保証などの義務が生じる。そのプロセスは加盟する多国間の監視下に置かれ、信頼度も高い。トランプ大統領と金正恩委員長だけで非核化を進められたら、裏で何を話し合っているのか不安ですからね。
  ――韓国側はどうなりますか。
 北が恐れる領土内の核兵器設置や開発はもちろん、米国の核兵器使用や核を使った威嚇への援助行為も条約で禁じられます。条約の内容は核兵器不拡散条約(NPT)よりも厳しい。例えばドイツやオランダなどは米軍の核兵器を領土内に置いていますが、NPT違反にならない。つまりNPTだと、韓国が米軍の核を置くことは防げませんが、禁止条約なら北から見た脅威が完全に解消できます。私は禁止条約の活用がベストな解決策だと思いますが、残念ながら、米国も中国も韓国も国連で禁止条約を支持していません。
  ――被爆国の日本政府も非常に冷淡です。
 核保有国やその同盟国が必ず言うのは「厳しい安全保障環境の中で、我が国は核兵器の禁止条約には賛成できない」というセリフです。日本政府もそう。どこかで聞いた言い回しだと思ったら、北が核保有を正当化する論理と同じです。核保有国や日本はどのツラ下げて、北に「完全に非核化しろ」と言えるのか。抑止力のために、核保有はやむを得ないという発想から決別しない限り、北に付け入る隙を与えるだけです。
■広島・長崎・福島の知見を生かせ
  ――安倍政権は「核の傘」による抑止力を正当化し、強化しているフシがあります。
「100%共にある」と米国に頼り切りですが、トランプ大統領が自国第一でICBMさえ飛んでこなければいい、と最終的に北の核を容認したら、どうする気なのか。日本は短距離の核ミサイルでも困る。米国とは環境が異なるのに、安倍政権は圧力一辺倒。「ウチが強く出たから、北もなびいた」という態度です。
 制裁は今のように交渉を始めるためなのに、安倍政権の政治手法は威張り散らして、相手をさげすみ、当座の支持を集めているだけ。どうやって交渉の道筋を切り開くつもりなのかはサッパリ見えません。北には完全かつ検証可能で不可逆的な核廃棄を求めながら、自分たちは核の傘で守って欲しいなんて理屈では議論になりません。交渉は平行線をたどり、結局、核の均衡が維持される。行き着く先は、北との際限ない核軍拡競争です。
  ――北の非核化プロセスに本来、日本はどのように寄与すべきですか。
 北朝鮮が核実験場などの査察を受け入れることを前提に、非核化の検証部分で貢献すべきです。公平な国連の下での検証制度の一翼を担い、お金も人も技術も提供する。国際社会で日本だけが活用できるのは、広島、長崎の被爆者援助や福島の除染作業などでの知見です。
 あれだけ核実験を重ねれば、北朝鮮にも被曝者はいるはず。日本でも未解決の問題は多々ありますが、少なくとも被曝者の援護や核廃棄物の処理などで何が困難かは理解しています。被爆国としての経験を生かし、朝鮮半島の平和と安定に貢献すれば、日本は世界に歓迎され、尊敬されると思います。
 被爆国の日本だからこそ「核は絶対にダメだ」と断言できるはず。広島、長崎の年老いた被爆者の方々が必死になって「核はダメだ」と、国際舞台で廃絶を訴えているのに、日本政府が核を容認している状況は非常に残念です。(聞き手=本紙・今泉恵孝)
▽かわさき・あきら 1968年東京都生まれ。東大法学部卒業後、ピースデポ事務局長などを経て2003年からNGOピースボート共同代表。ICANでは10〜12年副代表、12〜14年共同代表、14年7月以降、国際運営委員で現在に至る。


日大教職員組合らが理事長、学長に声明文/原文まま
 アメリカンフットボールの日大の選手が悪質な反則行為で関学大の選手を負傷させた問題で21日、同大の教職員組合、執行委員会、各学部の支部などが理事長、学長に対し真摯な対応を求めて声明文を発表した。
 全文は以下のとおり(原文まま)。
    ◇    ◇    ◇    ◇
日大アメフト部による反則事件に関する声明文
2018年5月21日
学校法人日本大学理事長 田中英壽殿
学校法人日本大学学長 大塚■兵衛殿
日本大学アメリカンフットボール部による重大な反則事件に関する声明文
日本大学教職員組合
執行委員会委員長 菊地香
文理学部支部長 初見基
経済学部支部長 木暮雅夫
商学部支部長 竹内真人
船橋支部長 吉田洋明
湘南支部長 清水みゆき
 2018年5月6日に行われたアメリカンフットボールの日本大学と関西学院大学の定期戦において、本学アメリカンフットボール部選手が関西学院大学チームのQB(司令塔)に対してきわめて危険な反則プレーを行い負傷退場させる「事件」が起こってしまった。このことをめぐって、連日、新聞・TV・ネットなどで大きく報じられ、その行為のみならず、本学の示した事後対応が不透明・不誠実であるとの批判・非難の声が強まったのは周知の事実である。
 本学が教育機関であることを踏まえれば、上述した外部からの批判・非難の有無にかかわらず、本学の選手がなぜあのような悪質極まりない言語道断な暴力的行為におよんでしまったのかに関しては、第三者機関による調査活動とは別に、大学当局が自浄作用を働かせて公正かつ厳正な調査を実施して、真相を徹底的に究明しなければならない。また、被害者や関学アメフト部をはじめとする関係者の方々に納得していただくことができる説明と謝罪、ならびに補償と再発防止に向けた具体的な取り組みが示されなければならないことも当然である。
 5月19日(土)の報道によれば、アメフト部の内田正人監督がすべての責任を認めて謝罪し、監督を辞する旨を表明した。だが、その対応は遅きに失し、もっとも肝心な点が一切言及されなかったため、監督の辞任だけでは済まされない状況を自ら作ってしまったと言えよう。さらに、今回の事件に関して、内田監督が本学の人事担当の常務理事という要職に就き、学内で絶大な権力を行使する立場にあることから、一スポーツ部の一監督や一選手のあり方ばかりか、本学の大学としてのあり方、なかんずく外部の関係者に対する「姿勢」(不誠実と呼ばざるを得ない対応)や「体質」(有無を言わせずに従わせる上意下達の体育会的気風)や「社会構造」(学内の意思決定のあり方、権力構造や人的資源の配分構造)にまで関連させて問題視する指摘が各方面から相次いでなされるようにもなってしまった。今回の事件は、こうした本学の抱える看過できない問題性が、図らずも衆目にさらされることとなったのである。
私たちは、スポーツマンシップ以前に人間としての基本姿勢に反する事件が起きたことに対して、高等教育機関であり、知の共同体であるべき本学の教職員一人一人が、この大学を創っているのだということを反省的に捉え返し、今後の歩みに生かしていく必要があるだろう。その上で、理事長、理事会と大学学長に対して、以下の諸事項の履行を強く求めるものである。
(1)付属学校も含めた本学における健全なスポーツのあり方を再検討し、すべての競技選手に対してあらためてフェアプレイ精神の重要性を再教育すると同時に、ラフプレーを行った当該選手が個人的な攻撃に見舞われないよう大学として最大限に配慮すること。
(2)第三者機関の徹底した真相究明に全面的に協力し、協力した者への如何なる圧力も禁じること。
(3)専断的でなく民主的な大学を創るために、一人一人の学生及び教職員を、それぞれ独自の意思を持つ人格的な存在として尊重し、権力を行使し得る立場にある自分たちと同等に位置づけ、多様な声に絶えず耳を傾けて、それを最大限に大学運営に反映させる制度を確立すること。
(4)運動部だけでなく、日本大学の全組織を挙げて、上意下達の体質を改め、パワーハラスメントになりやすい権力行使を抑制する仕組みを構築して、風通しの良い学内環境を醸成しつつ、自主創造の精神が十分に発揮される生き生きとした大学に再生させる行動計画を策定すること。
(5)本学のあり方(姿勢・体質・構造)に対する厳しい批判を真正面から受け止め真摯に反省し、人事及び人心を一新すること。
連日メディアでセンセーショナルに報道されているこの問題によって、本学に対するイメージと社会的信用は深く傷つけられてしまった。学生の勉学意欲や様々な対外活動、学部生・大学院生等の就職活動、教職員の士気、さらには受験生の本学に対する見方や教職員の採用に至るまで深刻な悪影響が懸念される。ひいては、このことが本学の教育を誠実に支えてきた教職員の労働環境悪化にもつながりかねないことを危惧するものである。
早急に本学の社会的信用を回復すべく、理事長、理事会と大学学長は直ちにことの真相をあますところなく明らかにして、関西学院大学の関係者に対してはもちろんのこと、上述した本学のイメージと社会的信用の低下に直面せざるをえない本学学生と教職員にも説明責任を果たすことが不可欠である。そして、この状況を踏まえた大学改革の道筋を、教職員からの声を充分に聞き届けたうえで社会に提示し、それを滞りなく推進していくべきである。
 以上、問題の深刻さと社会的広がりをふまえて、現時での私たちの見解を表明しておくものである。※■は土の下に口


日大悪質タックル問題 教職員組合が怒りの声明文も、大学提出後はなぜか歯切れ悪く…
 アメリカンフットボールの定期戦で、日大選手の悪質な反則行為によって関学大選手が負傷した問題で、日大側の対応が問題の長期化を招いている中、日本大学教職員組合が21日、同大学・田中英壽理事長と大塚吉兵衛学長へ宛てた声明文を発表。同日、千代田区の日大本部に提出した。
 声明文は人事一新などを求めるもので、文理学部教授の初見基文理学部支部長は提出前、「私たちの立場からすれば、一番迷惑を被るのは学生。就職活動にも大きな影響があるし、教職員たちも今回のことに関しては非常に怒っています」と話し、本部へと提出に向かった。
 しかし、予定よりも30分長引いて、本部から出てくると、取材に応じた生物資源科学部国際地域開発学科准教授の菊地香執行委員長は「ルールを逸脱するプレーをしたことへの管理のあり方はどうなのか。そういうところ」と話したものの何度も「歯切れが悪くてすいません」と繰り返し、アメフット部の内田正人監督が監督は辞任したものの学内の役職である常務理事などにとどまっていることを問われても「説明しにくいところ…。我々も動揺している。もうちょっと情報を整理させてもらって、話をする場を設けさせてもらいたい」と、後日の会見で説明すると話すに止めた。


関学負傷選手の父が会見 被害届は日大監督の態度みて決断「真実聞けなかった」
 6日に行われたアメリカンフットボールの定期戦で、日本大の守備選手が関西学院大の司令塔であるクォーターバック(QB)選手に悪質なタックルを仕掛けて負傷させた問題で、21日夜、負傷した関学QB選手の父親が大阪市内で会見し、警察に被害届を提出したことを明らかにした。父親は大阪維新の会の奥野康俊大阪市議。この日に奥野氏と息子である被害選手、妻の3人で提出した。相手はタックルを仕掛けた日大選手の名前で提出したという。
 被害届を提出した理由を、19日に謝罪に訪れた日大の内田正人監督の説明が不十分であったためとした。
 冒頭、奥野氏は「息子は練習に復帰できる状態になりました。正直、辛かったです。6日に何があったか分からなかったですが、帰ってビデオを見たときに、本当に大丈夫だろうかという気持ちでした。いろいろ家族の中で話し合いをして、息子も泣きながら『アメフットをやるんじゃなかった』と。そういうこともありました」と沈痛な表情で語った。
 これまでを「あのビデオが流れる度、息子が何度も殴られる映像を見て、私も家内もおさまることはありませんでした」と明かした。
 9日に警察に相談したが、被害届を提出するかは「日大の対応如何」としていたという。「加害者がなぜあそこまで追い込まれたのか、その一点をあちらの監督の会見で一言いっていただきたかった」「真実を聞くことができませんでした」と、提出に至った経緯を説明した。
 問題の反則行為があったのは6日に行われた定期戦。被害選手は負傷退場し、右膝の軟骨損傷と腰の打撲で全治3週間と診断され、左足にしびれが残った。
 19日になって日大の内田監督が兵庫県西宮市内で被害選手や、保護者らに謝罪した後に、監督辞任を表明したが、自身が反則行為を指示したかについては明らかにしなかった。
 定期戦は東京都調布市のグラウンドで開催されており、今後、警視庁が調べるとみられる。


「人間にとっての恥は立派になること」と語るタモリの美学
「自分史って言葉、大嫌いなんだよね」(タモリ/テレビ朝日「タモリ倶楽部」5月4日放送)
 ある文庫本の裏表紙にある「自分史上最高の――」などという“ウラスジ”を紹介中、タモリ(72)が、わざわざ割り込んで漏らした言葉を今週は取り上げたい。
 タモリの座右の銘が「適当」であることは有名だ。他にも「現状維持」「俺は努力ということをしない」などを挙げることもある。共通することは「頑張って向上する」ということを拒否した言葉だ。
「なんかいつも、みんな何年後かに私はこうなりたいとかいうでしょ。目標を持って努力して頑張ることが、いいことのように言うけど、いつも違和感があったんだよね」(フジテレビ「エチカの鏡」09年2月1日)
 タモリは意外なことに中学の時、短距離走の選手になりたかったという。だが、いくら努力してもライバルに勝てなかった。そこで悟るのだ。世の中には努力ではどうにもならないことがあるのだと。
 大学ではマイルス・デイビスに憧れ、トランペット奏者になりたくてジャズ研究会に入るが、「マイルスのトランペットは泣いてるだろう。おまえのトランペットは笑ってるんだよ」と言われ、司会役になったことは有名な話だ。
 自分としては不本意だったが、そこで彼の才能が開花し始めた。それが後に「笑っていいとも!」(フジテレビ)の司会者として花開くことになった。そうした経験からタモリの根幹には「なるようにしかならないし、なるようにはなる」という思想が形成されていったのだろう。
 タモリが「反省しない」ことも、また有名だ。生放送の帯番組「笑っていいとも!」が30年以上続いたのは、反省しなかったからだと常々語っている。「人間、行き当たりバッタリがいちばんですよ」(講談社「MINE」98年9月号)と。
 日々反省し、それを糧にして夢や目標に向かって向上していく。それが、立派な人間だと世間では言われている。けれど、タモリはそれを真っ向から否定する。
「人間の不幸は、どだい、全体像を求めるところにあると思うんです」(飛鳥新社「話せばわかるか―糸井重里対談集」83年7月発売)
 過去を大事にし、未来を夢見るとき、人は現在を否定しがちだ。タモリは違う。赤塚不二夫イズムで「これでいいのだ!」と現在を肯定していく。そこに「自分史」のような全体像なんて関係がないのだ。
「人間にとって一番恥ずかしいことは、立派になるということです。僕にダンディズムがあるとすれば、このへんですね」(「週刊読売」95年1月22日号)


是枝裕和のカンヌ受賞作『万引き家族』は“貧困叩き”への違和感から生まれた! 安倍政権と国粋主義批判も語った監督の問題意識
 第71回カンヌ国際映画祭で、是枝裕和監督の『万引き家族』が最高賞であるパルム・ドールを受賞した。
 日本人監督がパルムドールに輝いたのは、『地獄門』の衣笠貞之助監督、『影武者』の黒沢明監督、『楢山節考』『うなぎ』で2回受賞した今村昌平監督に続く4人めということで、マスコミはこぞって「快挙」と大きく取り上げた。
 ただ、今回、その一方でほとんどふれられていないのが、是枝監督がこの作品を撮った背景だ。
「数年前に、日本では亡くなった親の年金を受け取るために死亡届を出さない詐欺事件が社会的に大きな怒りを買った。はるかに深刻な犯罪も多いのに、人々はなぜこのような軽犯罪にそこまで怒ったのか、深く考えることになった」
 是枝監督は、カンヌ公式上映後に韓国紙・中央日報のインタビューに応じて、『万引き家族』を制作したきっかけについてこう明かしていた(5月17日付)。
 2010年、足立区で111歳とされていた男性が白骨化して発見され、実は30年以上前に死亡していたことが発覚。死亡届を出さずに年金をもらい続けていたとして、家族は後に詐欺で逮捕される。この足立区の事件を皮切りに全国で相次いで類似の事件が発覚し、“消えた高齢者”として社会問題化。年金詐欺として大きなバッシングを浴びた。
 このバッシングは、数年後に盛り上がった生活保護バッシングにも通じるものだが、是枝監督はこの事件をきっかけに、“社会から排斥される存在”として年金と万引きで生計をたてている一家の物語を着想したようだ。前掲インタビューで、是枝監督は、『万引き家族』の主人公一家が現在の日本で決して特殊な存在でないと強調している。
「日本は経済不況で階層間の両極化が進んだ。政府は貧困層を助ける代わりに失敗者として烙印を押し、貧困を個人の責任として処理している。映画の中の家族がその代表的な例だ」
是枝監督が語った“家族の絆”ブームへの違和感、歴史修正主義への批判
 しかし、いまの日本社会ではこうした失敗者は存在しないものとして無視され、浅薄な“家族愛”ばかりがやたら喧伝されるようになった。是枝監督はこうした“家族礼賛”の空気に対しても違和感を表明している。
「日本では今も家族は『血縁』というイメージが固定化されている。特に、2011年大地震以降、このような家族の絆を大げさに強調する雰囲気について疑問を感じていた」(前出・中央日報)
 そういう意味では、『万引き家族』には、是枝監督がいま、日本社会にたいして感じている違和感、問題意識が凝縮されているとも言えるだろう。近年の新自由主義政策によってもたらされた格差の激化、共同体や家族の崩壊、機能しないセーフティネットによる貧困層の増大、疎外される貧困層や弱者、自己責任論による弱者バッシングの高まり……そういったものが、一人一人の人間に、家族になにをもたらしているのか。今回のカンヌ受賞作はその本質的な問いを私たちに突きつけるものだ。
 しかし残念なことに、メディアでは日本人によるカンヌ最高賞受賞という快挙を大々的に報じているが、こうした作品の背景にまで踏み込んだ報道はほとんど見られない。
 一方、日本人の世界的活躍にいつもはあれだけ「日本スゴイ」と大騒ぎするネトウヨたちは今回の『万引き家族』受賞に「こんな映画絶対に見ない」「万引きをテーマにするなんて世界に恥をさらす行為だ」などと、ディスりまくっている。
 両者は真逆のように見えて、根っこは同じだ。賞を獲ったというだけで「日本スゴイ」と賞賛、マイナス面を真正面から見据えるという行為については、無視するか、「恥さらし」「反日」と非難する。これは、現在の日本に蔓延る、偏狭な愛国主義や歴史修正主義にも通じるものだろう。
 実は是枝監督自身、先のインタビューでこうした日本に蔓延する国粋主義と歴史修正主義についても指摘している。
「共同体文化が崩壊して家族が崩壊している。多様性を受け入れるほど成熟しておらず、ますます地域主義に傾倒していって、残ったのは国粋主義だけだった。日本が歴史を認めない根っこがここにある。アジア近隣諸国に申し訳ない気持ちだ。日本もドイツのように謝らなければならない。だが、同じ政権がずっと執権することによって私たちは多くの希望を失っている」
安倍政権のテレビに対する圧力にNOを突きつけた是枝監督
 まさに正論と言うほかはないが、是枝監督のこのインタビューは前述した『万引き家族』同様、ネトウヨから激しい攻撃を受けている。
 しかし、是枝監督はこれからも、日本社会の本質に目を向ける姿勢を曲げることはないだろう。実際、是枝監督は、安倍政権の圧力に対して、はっきりとNOの姿勢を示してきた。
 たとえば、是枝監督はBPOの委員をつとめているが、安倍政権のテレビへの圧力とも完全と闘ってきた。たとえば、2015年、『クローズアップ現代』(NHK)のやらせ問題と『報道ステーション』(テレビ朝日)での元経産官僚・古賀茂明氏の安倍首相批判を問題視した自民党の情報通信戦略調査会がNHKとテレビ朝日の幹部を事情聴取、両局に高市早苗総務大臣が「厳重注意」した際、BPOが〈今回の事態は、放送の自由とこれを支える自律に対する政権党による圧力そのものであるから、厳しく非難されるべきである〉と毅然とした意見書を出したが、この原動力になったのも、是枝監督だった。
 是枝監督はブログでも、〈安易な介入はむしろ公権力自身が放送法に違反していると考えられます〉〈BPOは政治家たちの駆け込み寺ではありません〉と批判。「週刊プレイボーイ」(集英社)2015年12月14日号での古賀茂明氏との対談でも「安倍政権は放送法4条だけを言い立てて、「公平にやれ」と、しきりにテレビ局を恫喝しますが、それって実は放送法を正しく理解していない証拠なんですよ」「公権力が4条の「公平」という部分だけを局所的に解釈して、介入を繰り返すというのであれば、それこそ放送法違反だといってもいい」と繰り返し強調していた。
安倍政権による映画の政治利用も危惧していた是枝監督
 また、安倍政権は明治期の国づくりなどを題材とした映画やテレビ番組の制作を支援する方針を打ち出しているが、こうした安倍政権の映画の政治利用の姿勢に対してもはっきりと異議を唱えてきた。
「補助金もあるけれど、出してもらうと口も出すからね。映画のために何ができるか考える前に、映画が国に何をしてくれるのか、という発想なんだと思いますよ。それはむしろ映画文化を壊すことにしかならないんです。
 たとえば、東京オリンピック招致のキャッチコピーに『今この国にはオリンピックの力が必要だ』っていうのがありましたけど、私は五輪はスポーツの祭典の場であって、国威発揚の場ではないということがとても大切な価値観だと思っています。安倍首相は東京国際映画祭のオープニングでも挨拶したけれど、映画が日本のアピールのために利用されているようにも思える。なのでサポートして欲しい、ということも個人的には言いにくいわけです」(ウェブサイト「Forbes JAPAN」16年12月9日付)
「たとえばですが「国威発揚の映画だったら助成する」というようなことにでもなったら、映画の多様性は一気に失われてしまう。国は、基本的には後方支援とサイドからのサポートで、内容にはタッチしないというのが美しいですよね。短絡的な国益重視にされないように国との距離を上手に取りながら、映画という世界全体をどのように豊かにしていくか、もっと考えていかなければいけないなと思います」(「日経トレンディネット」16年9月1日付)
 そう考えると、是枝監督がカンヌを受賞したことは閉塞する日本の言論状況のなかで「大きな希望」といえるかもしれない。「表現の自由の侵害」や「国家権力による芸術やスポーツの利用」にこうした危機感をきちんともっている映画作家が国際的な評価を得たことで、その作品やメッセージに耳を傾ける人はこれまで以上に多くの人に届く可能性があるからだ。
 あとは、メディアがどう伝えるか、だ。願わくば、この『万引き家族』について、たんに「日本人がカンヌを獲った」というだけでなく、また特殊な人たちを扱ったセンセーショナルな題材と扱うのでもなく、是枝監督がこの映画をつくった背景や問題意識が広く伝わってくれたらと願う。(編集部)


カンヌ受賞 世界の是枝監督が描き出す家族の現実と普遍性
「カンヌは7回目の常連。最高賞パルムドールは実績のない監督では受賞できません。これまでの作品も含めて高く評価された証しです」(映画批評家・前田有一氏)
 第71回カンヌ国際映画祭で、是枝裕和監督(55)の最新作「万引き家族」(6月8日公開)が最高賞「パルムドール」を受賞してお祭り騒ぎだ。日本映画としては衣笠貞之助監督「地獄門」(1954年)、黒沢明監督「影武者」(80年)、今村昌平監督「楢山節考」(83年)、「うなぎ」(97年)に続く21年ぶりの快挙。海外映画祭の場数は踏んでいる是枝監督でさえ受賞スピーチでは「さすがに足が震えています」と語ったほどである。
 受賞作「万引き家族」は東京の下町を舞台に、祖母の年金を頼りにしながら万引で生計を立てる一家を描いた意欲作。息子・祥太(城桧吏)と協力して万引を重ねる父・治をリリー・フランキー(54)。その妻・信代を安藤サクラ(32)、信代の妹・亜紀を松岡茉優(23)、祖母・初枝を樹木希林(75)が演じている。
 今作も「そして父になる」などと同様に是枝監督が描き続ける家族の在り方がテーマ。なかでも母親役の安藤サクラの醸し出す猥雑で根源的なエロスと存在感は特筆に値するという。
 受賞後の会見では「今の日本社会の中で隅に追いやられている、本当であれば見過ごしてしまうかもしれない家族の姿をどう可視化するか考えた」と語った是枝監督。
「今や黒沢明や今村昌平と肩を並べる世界的な映画監督」(前出の前田有一氏)になった世界のKOREEDAが描き出す家族の中に、日本社会の矛盾や現実がぎゅうぎゅうに詰まっているようだ。


愛媛県新文書 “3年前 加計氏が安倍首相に獣医学部構想説明”
加計学園の獣医学部新設をめぐる問題で、愛媛県は、3年前に柳瀬元総理大臣秘書官が官邸で学園側と面会したことに関連する県の新たな文書を21日に国会に提出しました。文書には、学園側からの報告内容として「3年前の2月末、加計理事長が安倍総理大臣と面談し、獣医学部の構想を説明した」などと記載されています。
加計学園の獣医学部新設をめぐる問題で、柳瀬元総理大臣秘書官は、今月行われた衆参両院の参考人質疑で、愛媛県今治市が国家戦略特区に提案する2か月前の平成27年4月2日に官邸で学園側と面会したことを認めました。
愛媛県は、担当者がこの面会に同行したと説明していて、参考人質疑を行った参議院予算委員会が、県に対して、面会の内容や経緯が把握できる文書を提出するよう求めていました。
これを受けて、愛媛県は、当時の資料を調べ直した結果、平成27年2月から3月にかけて作成した新たな文書が見つかったとして、21日午後、参議院事務局に提出しました。
愛媛県は内容を明らかにしていませんが、NHKが入手した文書には、当時、県が学園側から受けた報告の内容として、「平成27年2月25日、理事長が首相と15分程度面談。理事長から獣医師養成系大学空白地帯の今治市に設置予定の獣医学部では、国際水準の獣医学教育を目指すことなどを説明。首相からは『そういう新しい獣医大学の考えはいいね』とのコメントあり」と記載されています。
さらに、同じ年の3月に、学園と今治市が協議した結果の報告として「加計理事長と安倍総理大臣の面談を受けて柳瀬氏から資料を提出するよう指示があった」と記載されています。
このほか、4月2日に総理大臣官邸で面会した際の柳瀬氏の発言をまとめたとするメモには、柳瀬氏が「獣医学部新設の話は総理案件になっている。なんとか実現を、と考えているので、今回内閣府にも話を聞きに行ってもらった」と発言したと記載されています。
今回、新たな文書を提出したことについて、中村知事は午後5時半すぎに取材に応じ、「国権の最高機関の国会から、与野党合意のうえ、関連文書を出してほしいと要請があったので提出した」と述べ、文書の今後の扱いは国会に委ねる考えを示しました。
安倍首相の説明
安倍総理大臣は、加計学園の獣医学部新設の計画について初めて知ったのは、学園が国家戦略特区の事業者に選定された去年1月20日だと国会で繰り返し説明してきました。
また、去年7月の衆議院の予算委員会で、加計学園の理事長が長年の友人であることを問われると、安倍総理大臣は「『時代のニーズにあわせて新しい学部や学科の新設に挑戦していきたい』という趣旨の話は聞いたことがあるが、『獣医学部をつくりたい』、さらには『今治市に』といった話は一切無かった」と述べました。
さらに、今月14日の衆参両院の予算委員会で、柳瀬氏が獣医学部新設をめぐり3年前に学園側と3回面会したことを問われると、「柳瀬氏から報告は受けていない」と述べました。
柳瀬元秘書官の説明
柳瀬元総理大臣秘書官は、今月10日に行われた衆参両院の参考人質疑で、3年前の4月2日に総理大臣官邸で加計学園の関係者と面会したことを認めました。
しかし、面会した一行の中に愛媛県と今治市の担当者がいたかについては、「会った記憶はない」、「10人近くの随行者の中にいたのかもしれない」と述べていました。
一方で、学園の関係者とは、詳しい日付は覚えていないとしたうえで、3年前の4月2日以外にも同じ年の2月か3月に1回と、今治市が国家戦略特区に提案する6月4日の前後に1回の合わせて3回、総理大臣官邸で面会したことを明らかにしました。
自民 二階幹事長「疑念残らないよう対応を」
自民党の二階幹事長は記者会見で、「機会を得て、報告を聞いてみたいと思っており、これからの国会審議でも、疑問や疑念が残らないようにしっかり対応していきたい。疑問があれば、しかるべき時に尋ねてもらえれば、安倍総理大臣が納得のいく答弁をすると思う」と述べました。
また、二階氏は、愛媛県の中村知事の国会招致について「それぞれの委員会が判断して、お越しを願いたい時には、そういう意見を言ってもらえばいい。われわれの側から直接、意見を申し述べるべきではない」と述べました。
立民 辻元国対委員長「柳瀬氏の証言がうその濃厚な証拠」
立憲民主党の辻元国会対策委員長は国会内で記者団に対し、「『柳瀬元総理大臣秘書官の証言がうそだった』という濃厚な証拠が出てきたと思うし、『1国の総理大臣が国会や国民に対し、うそをつき通してきたのではないか』ということにつながると思う。『うそをうそで上書きして、書き直そうとしても無理だ』ということだ」と述べました。
国民 玉木共同代表「核心的な疑惑出てきた」
国民民主党の玉木共同代表は国会内でNHKの取材に対し、「『加計ありき』がより鮮明になったし、『一連のストーリーは安倍総理大臣の指示から始まったのではないか』という極めて核心的な疑惑が出てきた。この疑惑を明らかにすることなく、ほかの重要法案の審議は到底できない。安倍総理大臣、加計理事長、愛媛県の中村知事ら関係者に一堂に予算委員会の集中審議に集まってもらい、真実をしっかり話してもらわなければならない」と述べました。
公明 石田政調会長「国会審議の中で議論に」
公明党の石田政務調査会長は記者団に対し、「詳しく把握していないので、これから精査をしないといけない。文書自体が、どういうものなのか、よくわからないので、国会審議の中で議論をしっかりしていくことになるのではないか。国民の中ではふに落ちていないと思うので、国会でしっかり説明していかなければならない」と述べました。
共産 小池書記局長「総理の進退に関わる重大な文書」
共産党の小池書記局長は国会内で記者団に対し、「安倍総理大臣の進退に関わる重大な文書だ。文書を見ると、安倍総理大臣と学園の加計孝太郎理事長の会談がすべてのスタート台で、安倍総理大臣が『いいね』と答えたことで、すべての話が始まった。『加計ありき』どころか『安倍ありき』だ。国会で虚偽答弁を続けてきた安倍総理大臣の責任は極めて重大で、解明なしでは何も進まない」と述べました。
維新 馬場幹事長「特別委で集中審議を」
日本維新の会の馬場幹事長は国会内でNHKの取材に対し、「資料の事実関係は確認していないが、事実であれば、今までの安倍総理大臣の説明が違っていることになる。説明の場を作り、きちんと真相究明していくことが必要で、国会に特別委員会を設置して集中的に審議すべきだ」と述べました。
加計学園「コメントできない」
愛媛県が国会に提出した新たな文書について、加計学園はNHKの取材に対して、「責任ある担当者が不在で、文書の内容も把握できていないため、現段階ではコメントできない」としています。


安倍首相の嘘を完全に証明する文書を愛媛県が提出!「加計理事長と首相が面談、首相から『獣医学部はいいね』」
 安倍首相の嘘を証明する文書がまたも出てきた。なんとそこには、2015年2月に安倍首相と加計学園の加計孝太郎理事長が面談し、その席で安倍首相が「そういう新しい獣医大学の構想はいいね」と話していたことが記されているのだ。
 この文書は、2015年3月に愛媛県の地域政策課が作成したもので、タイトルは「報告 獣医師養成系大学の設置に係る学園関係者との打合せ会等について」。この文書は、こんな一文からはじまる。
〈加計学園から、理事長と安倍首相との面談結果等について報告したいとの申出があり、3月3日、同学園関係者との間で打合せ会を行った〉
 つまり、加計学園側は愛媛県に対し「理事長と安倍首相の面談」の報告をしたいと言い、そのため2015年3月3日に加計学園側と愛媛県が打ち合せをおこなった。この場でどのようなやりとりがおこなわれたかを愛媛県職員が記録し、報告書として文書と残していたのだ。
 そして、「加計学園からの報告」は以下のようなものだった。
〈2/25に理事長が首相と面談(15分程度)。理事長から、獣医師系大学空白地帯の四国の今治市に設置予定の獣医学部では、国際水準の獣医学教育を目指すことなどを説明。首相からは「そういう新しい獣医大学の考えはいいね。」とのコメントあり。
また、柳瀬首相秘書官から、改めて資料を提出するよう指示があったので、早急に資料を調整し、提出する予定。〉
 これで安倍首相の嘘がはっきりしただろう。安倍首相は周知の通り、加計学園の獣医学部新設計画を知ったのは、加計が国家戦略特区の事業者に決定した「2017年1月20日」だと強弁。加計理事長についても「私の地位を利用して何かをなし遂げようとしたことは一度もなく、獣医学部の新設について相談や依頼があったことは一切ない」と説明してきた。だが、実際は今治市が国家戦略特区に申請する2015年6月4日より約5カ月も前から安倍首相は獣医学部計画を知り、その上、「いいね」とお墨付きを与えていたのだ。「「獣医学部いいね」と安倍さんが言ったから、2月25日は加計記念日」──思わずあの有名短歌になぞらえる人がネット上で続出している。
 しかも、この文書からは、このとき柳瀬氏も同席あるいは加計学園関係者と面談していたことがわかる。ようするに、少なくともこの時点で柳瀬氏は加計の獣医学部新設計画が「首相案件」であると認識しており、だからこそ、この約1カ月後におこなわれた4月2日の官邸訪問で、愛媛県・今治市職員に対して「本件は、首相案件」と述べたのだろう。
 さらに、文書はこうつづく。
〈下村文科大臣が一歩引いたスタンスになっており、県においても、官邸への働きかけを非公式で実施いただけないかとの要望があったが、政治的な動きは難しい旨回答〉
 この記載もまた、先に出ている愛媛県文書と整合性がとれるものだ。愛媛県職員が2015年4月2日の官邸訪問後に作成した文書でも、安倍首相と加計理事長の会食時の会話が加計学園関係者によって言及され、下村文科相が「加計学園は課題への回答もなくけしからん」と述べていると安倍首相が加計理事長に伝えたことが記されていた。〈下村文科大臣が一歩引いたスタンス〉というのは、このことを指しているはずだ。
 これまで何度も書いてきたが、愛媛県には嘘をでっち上げる理由など何ひとつない。それが、柳瀬氏は参考人招致で、愛媛県から出てきた記録や証言を全否定するかのように、愛媛県や今治市の職員と官邸で面談した事実を「いまでもわからない」などと認めなかった。そのあからさまに無理のある答弁を、安倍首相は「柳瀬氏は正直に話した」と支持し、さらには愛媛県関係者との面会確認は「困難」だと閣議決定までしてみせた。しかし、ご都合主義の曖昧な記憶よりも、記録し残されていた文書のほうが信頼性が高いことは言うまでもない。
 それでも、安倍首相はこの文書の内容を否定することだろう。たとえば、この問題の2015年2月25日の首相動静には、加計理事長との面談は記載されていない。そうしたことをもち出して、「そもそも面談などしていない」などと言い張るかもしれない。だが、首相動静というものはいくらでも抜け穴がある。とくに加計理事長は「首相案件」であるため、首相秘書官などの官邸スタッフが事前に調整して、加計理事長を官邸や公邸に招いていた可能性も十分に考えられるからだ。
 今回の文書を愛媛県はきょう、国会に提出している。与党は強固に拒否してきたが、もはや愛媛県の中村時広知事の参考人招致、そして疑惑の当事者である加計理事長の証人喚問は絶対におこなわれなくては先に進まない局面にいよいよ入っただろう。今度こそ、国会ではっきりしていただこうではないか。(編集部)

NNNドキュメント 南京事件II/Nスぺ 縮小ニッポンの衝撃

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Le Japonais Hirokazu Kore-eda remporte la Palme d’or du Festival de Cannes
Le sujet des enfants maltraités a largement dominé le palmarès du 71e Festival de Cannes, remis ce samedi 19 mai par Cate Blanchett, présidente d’un jury majoritairement féminin. La tragédie des enfants abandonnés domine à la fois la Palme d’or ≪ Une affaire de famille ≫ du Japonais Hirokazu Kore-eda, le prix du Jury pour ≪ Capharnaüm ≫ de la réalisatrice libanaise Nadine Labaka et le prix d’Interprétation féminine pour l’actrice kazakhe Samal Yeslyamova dans le film russe ≪ Ayka ≫, de Sergeï Dvortsevoy.
Le réalisateur Hirokazu Kore-eda a accueilli la Palme d’or avec une certaine modestie. Il est le cinquième réalisateur japonais qui réussit à décrocher le prix suprême du Festival de Cannes. Après plusieurs chefs d’œuvre, dont Tel père, tel fils, récompensé en 2013 avec le prix du Jury, il a enfin remporté la plus haute distinction avec Une affaire de famille : ≪ J’avoue que j’ai les jambes qui tremblent. Cannes est un endroit où l’on reçoit beaucoup de courage. Ici, j’ai ressenti l’espoir que les gens et les pays qui aujourd’hui s’affrontent peuvent se rejoindre. ≫
Le film, raconté avec une finesse inouïe, nous fait vivre l’histoire d’une famille pauvre et plus que recomposée. Pour survivre, le père enseigne le vol à l’étalage à ≪ ses ≫ enfants sauvés dans la rue, et la grand-mère a plusieurs raisons – dont certaines inavouables - d’aimer ses ≪ enfants ≫ et ≪ grands-enfants ≫. Le tout est orchestré comme une composition cinématographique visant à ausculter la cellule familiale jusqu’au plus petit détail.
Le prix d’Interprétation féminine attribué à Samal Yeslyamova
Lors de la cérémonie à Cannes, Samal Yeslyamova, couronnée du prix d’Interprétation féminine, n’arrivait presque pas à parler tellement elle était émue, mais probablement aussi encore bouleversée par son rôle. Dans Ayka, du réalisateur russe Sergeï Dvortsevoy, elle joue une jeune Kirghize sans papiers en Russie, obligée d’abandonner son nouveau-né après l’accouchement pour garder son travail et son espoir de pouvoir s’en sortir un jour de sa situation inhumaine. C’est donc logique que le film, lui aussi, ne nous laisse aucune échappatoire, aucune issue.
Le ≪ Capharnaüm ≫ de Nadine Labaki
Le discours le plus long et le plus émouvant a été prononcé par la lauréate du prix du Jury, attribué à la réalisatrice libanaise Nadine Labaki. Capharnaüm représente un flamboyant plaidoyer en faveur des enfants maltraités, au Liban et dans le monde entier : ≪ Je crois profondément au pouvoir du cinéma. Le cinéma est là pour agir et réfléchir, pas seulement pour divertir. Pour dire ce qu’on ne peut pas dire dans ce capharnaüm qui est le monde. Je voudrais vous inviter à réfléchir. Car les enfants mal aimés sont à la base du malheur de notre monde… Quant à mon pays, malgré tout ce qu’on lui reproche, le Liban a quand même accueilli le plus grand nombre de réfugiés dans le monde. ≫
Marcello Fonte, prix de la meilleure Interprétation masculine
Quand le prix de la meilleure Interprétation masculine est attribué à Marcello Fonte, l’acteur de petite taille et tout frêle fait déjà un triomphe dans la salle en montant sur scène. Une fois arrivé, il n’ose presque pas s’approcher du micro avant d’avouer à quel point il est touché par cette reconnaissance : ≪ quand je ferme les yeux, je ressens la chaleur, ma famille est le cinéma, c’est vous, Cannes. ≫ Dans Dogman, du réalisateur italien Matteo Garrone, il incarne un toiletteur pour chiens qui affronte la cruauté du monde et apprend à dire non.
Hommage à Spike Lee et Jean-Luc Godard
La 71e édition du Festival de Cannes n’a pas oublié d’honorer aussi deux grands maitres du cinéma. Spike Lee reçoit le Grand Prix pour BlacKKKlansman, un film hilarant, inclassable, entre policier, comédie et pamphlet politique où le réalisateur américain ose même se moquer du Ku Klux Klan et de cibler le président américain Donald Trump. Quant à Jean-Luc Godard, il n’a pas remporté la Palme d’or pour son film Le Livre d’Image, mais il a été honoré avec une Palme d’or spéciale, parce qu’il a ≪ fait avancer le cinéma et il définit et redéfinit toujours le cinéma ≫, a expliqué la présidente du Jury, Cate Blanchett, à la fin d’une cérémonie qui s’est terminée d’une manière joyeuse avec un concert de Sting sur le tapis rouge.
フランス語
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米朝首脳会談に暗雲?南北会談が突然中止▽加計で与野党攻防は▽中東に新たな火ダネ▽危険タックルの波紋▽大谷また本塁打▽首位広島の死角は▽大相撲
一週間の見逃せないニュース&スポーツをサンデーモーニングならではの視点でお送りします!◎世界と日本の出来事を掘り下げるカバーストーリー▽ ◎おなじみ・スポーツ御意見番「喝!&あっぱれ」◎関口宏の「一週間」ニュース◎時代と社会の断面を切り取るコーナー「風をよむ」〜〜
関口宏 岸井成格(他) 橋谷能理子 唐橋ユミ 伊藤友里 水野真裕美(TBSアナウンサー) 張本勲(他) 三枝成彰 ◇番組HP http://www.tbs.co.jp/sunday/ 西野哲史  金富 隆 TBSテレビ

テレメンタリー「津波はまた来る 〜カラー化でよみがえるチリ地震津波の記憶〜」
今から58年前、南米チリで発生した津波がほぼ1日をかけ、日本各地の沿岸を襲い、142人が犠牲になった。当時の被災状況を伝える写真はほとんどがモノクロ。 教科書のように、遠い昔のこととしか感じられない。しかし、これらの被災写真を人工知能(AI)でカラー化すると、その光景は驚くほど東日本大震災と重なる。58年前、そして7年前。繰り返し日本沿岸を襲う津波。いつか来る‘次’の津波へ、私たちができることは。 吉田羊 東日本放送
明日へ つなげよう 未来塾「コシノジュンコ “デザインが福島を救うのよ”」
半世紀以上第一線で活躍するデザイナー・コシノジュンコさん。今、最も力を入れているのが「福島の伝統工芸の再生」。伝統工芸品をお土産として買っていた観光客の減少、さらに東京電力福島第一原発の事故による放射能汚染が原料となる土や植物にも広がっているのではないかという風評により、福島の伝統工芸は窮地に立っている。それを救うため、コシノさんは東京藝術大学生を集めたが…。  服飾デザイナー…コシノジュンコ, サンドウィッチマン, 多部未華子
NNNドキュメント 南京事件
かつて日本が行った日中戦争や太平洋戦争。残された兵士のインタビューや一次資料を分析、さらに再現CGで知られる事のなかった戦場の全貌に迫る。政府の公式記録は、焼却されるなどして多くが失われた。消し去られた事実の重みの検証を試みるとともに現代に警鐘を鳴らす。 湯浅真由美 日本テレビ
バリバラ「HEY重度 意思決定全力サポート!」(前編)
重い障害があって意思表示が難しい人たちとのコミュニケーションについて考えるシリーズ「HEY重度」。岐阜県の通所施設を舞台に、かつて「バリバラドラマ」で多くの障害者たちと心を通わせた俳優・横田美紀が、見習い支援員として5日間の特別プログラムに挑戦!言葉での意思表示が難しい若者たちに向き合い、しぐさや表情から意思を読みとろうと奮闘する姿に密着する。世界の見え方が変わる2回シリーズの序章。 山本シュウ,大西瞳, 玉木幸則, 横田美紀, 大橋グレース, 神戸浩
NHKスペシャル「縮小ニッポンの衝撃 労働力激減 そのとき何が」
2050年代、人口1億を切る日本。現役世代はピーク時に比べ3500万人減少、人類史上例のない「棺桶型」の人口ピラミッドになる。誰が社会を支えるのか?期待されるのが高齢者だ。労働者に占める高齢者の割合は既に12.4%で世界一だが、さまざまな業務が舞い込む。もうひとつの柱が外国人。しかし、若い労働力を求めて世界規模の争奪戦が起きている。この先、どんな未来が待ち受けているのか。模索する現場をルポする。 苅谷俊介
鳴海圭矢 @narumikeiya
NHKスペシャル縮小ニッポンの衝撃。日本で高齢者が働く割合は世界一高い。現場では高齢にもかかわらず、現役世代と同様の働き方を求められ、事故も起きて問題になっている。
東浩紀@hazuma
先進美術館の件。日本ではもう美術には、投資して稼ぐくらいの価値しか認められてないんでしょう。本屋の新刊の並びを見れば、納得できる話です。国立大学再編を含め、最近の流れは国民の美術や学問への視線そのものの結果なので、覆すのはなかなか難しいよ。

残念ながら今日も日曜出勤です.なぜにこんなに仕事がたくさんあるのでしょう?先週よりはまfだ余裕がある感じですが.
テレビに衝撃です.NNNドキュメント 南京事件IIで日本の加害行為というより虐殺行為がおそろしく許しがたいものであることを否定できません.
さらに夜のNスぺ 縮小ニッポンの衝撃にもガーン.

岩手12市町村「震災未経験職員」増 経験伝承 財政規律に苦慮 研修体制の整備急務
 東日本大震災で被災した岩手県の沿岸市町村が、行政組織内で災害対応ノウハウを共有したり、財政規律を維持したりするのに苦慮している。急激な世代交代で、震災時の自治体危機や震災前の行財政改革を知らない職員が増えているためだ。(盛岡総局・浦響子、釜石支局・東野滋、大船渡支局・坂井直人)
 沿岸12市町村で、震災発生の翌年度以降(2012〜18年度)に採用された正職員の割合は表1の通り。山田、大槌の両町では既に、4割が震災対応経験のない世代に入れ替わった。
 正職員180人の山田町では、11〜17年度に82人が退職した。うち44人が定年を待たずに職場を去った。震災対応に疲弊し、早期退職を選択したケースも少なくないとみられる。
 正職員の平均年齢は38.8歳(17年度)と県内市町村で最も若く、経験の浅い若年の管理職登用が続いている。
 震災で職員39人が犠牲になった大槌町では、震災前のような職員研修が実施できていないのが実情だ。本来なら1カ月に及ぶ新採用研修で行政の基礎を学ぶが、震災後は復興事業が立て込み、研修は後回しになっている。
 震災時の経験を若手に伝える機会も、これまでは町長や幹部による講話などに限られていた。震災を検証した報告書に基づき、町総務課は「本年度中に研修カリキュラムを策定したい」としている。
 各市町村は震災後、任期付きや自治体派遣の職員を多数採用しており、実質的な震災未経験者はさらに増える。
 陸前高田市の場合、任期付き職員(46人)や応援職員(91人)を加えると、震災後に採用した職員の割合は47.2%に達する。
 早晩、職員数は適正規模に戻るが「ハード整備後も維持管理は必要。そのための人繰りが今後課題になる」(市街地整備課)という。
◎桁違いの予算 特例に慣れも
 震災後の沿岸市町村は毎年度、桁違いの復興予算を差配してきた(表2)。震災前の地方行財政改革を知らない職員が増え続ける中、財政規律の緩みが懸念されている。
 陸前高田市は、震災直前の2010年度に120億円足らずだった一般会計が3年後、10倍以上の1255億円に膨張した。本年度の一般会計当初予算も819億円と高い水準で推移している。
 通常事業に前年度比10%削減の要求基準(シーリング)を課してきた歳出抑制策から一転、震災復興を眼目に地元負担実質ゼロの事業補助や自由度の高い復興交付金を存分に活用できるようになった。
 「震災関連」の枠組みで多様な事業展開が可能になった一方、市職員は「役所も住民も特例的な財政支援に慣れてしまった」と打ち明ける。
 沿岸市町村に派遣されている応援職員は意識の違いをこう証言する。「元の職場は冷暖房するのをためらうほど経費節減を徹底していた。今の職場は使い放題。誰も気に留めない。震災後に入った職員は、これが当然の感覚になっている」
 陸前高田市の幹部は「今の状態がいつまでも続くわけではない。感覚を切り替えないといけない」と、肥大した財政と職員意識の今後に危機感を募らせた。


<311次世代塾>弔いの現場 訪ね歩く 仮埋葬地や安置所視察
 東日本大震災の伝承と防災啓発の担い手育成を目指し、河北新報社などが運営する通年講座「311『伝える/備える』次世代塾」第2期の第2回講座が19日あった。大学生ら受講生約100人は仙台、東松島両市、宮城県利府町を訪れ、震災直後、多数の犠牲者と向き合った現場の混乱と悲しみの証言に耳を傾けた。
 東松島市では土葬による仮埋葬が行われた大塩地区の跡地や旧JR野蒜駅周辺などを訪れた。同市の佐々木寿晴防災課長は「記録と記憶は伝えていかなくてはならない」と力を込めた。
 利府町では、当時、遺体安置所の一つだった県総合運動公園(グランディ21)の総合体育館を訪問。安置に携わった葬祭業「清月記」(仙台市)の西村恒吉業務部長(45)は「床一面にひつぎが並び、手厚く弔えない状況が衝撃的だった」と振り返り、「大規模災害では多数の遺体が発生するのが現実。現実を直視する覚悟が必要だ」と強調した。
 受講生らは、仙台市が震災遺構として公開する旧荒浜小と、深沼海水浴場(いずれも若林区荒浜)も視察。校舎2階まで押し寄せた津波の脅威を学び、慰霊碑では犠牲者の冥福を祈った。
 津波で泥やがれきが押し寄せた専能寺(仙台市宮城野区蒲生)では、足利一之(もとゆき)住職(51)が「昼夜を問わず葬儀場を駆け回り遺族と泣きながら犠牲者を送った」と証言。「震災が人ごとではなく、自分の身近なことだという意識を持つことが大切だ」と呼び掛けた。
 視察後、東北大4年の三浦規義さん(22)は「人の死の話題はなんとなく避けてきたが、今後の災害を考え、正面から議論するべき時ではないか」と話した。
 次世代塾は河北新報社、東北福祉大、仙台市の3者を核とした「311次世代塾推進協議会」が昨年4月に開講。第2期の本年度は年15回の講座のうち、3回程度被災地を視察する。


被災地の高齢者らと編み物 帽子や毛布 海外へ 米出身・サーカさん 七ヶ浜中生に活動紹介
 東日本大震災で被災した宮城県七ケ浜町の女性らと共に、シリアやフィリピンなど戦災や災害で苦しむ人たちに編み物を送る活動を続けている米国出身のテディ・サーカさん(71)が18日、同町の七ケ浜中で授業を行い、被災者に寄せる思いを語った。
 サーカさんは2年生92人を前に、「東日本大震災を体験し、阪神大震災で将来を悲観して自殺するお年寄りが多くいたことを思い出した」と活動のきっかけを振り返った。
 同町在住のサーカさんは震災の3カ月後、毛糸と編み針を用意し、仮設住宅に住む女性のお年寄りたちと編み物を始めた。
 編み物グループ「ヤーン・アライブ」をつくり、これまでにシリアの難民が身を寄せるヨルダンや天災に遭ったフィリピン、ネパールなどに毛糸の帽子や膝掛け毛布を送った。現在も活動を続けている。
 ヤーンは「毛糸」、アライブは「生き生き」を意味する。サーカさんは「(被災した)おばあちゃんたちが笑顔になりハッピーになったのは、毎日起き上がる理由を持っていたから。他人を助ける思いがあったからだ」と強調した。
 生徒たちは「(女性たちが)震災で家やお金がなくなっても困っている人を助けてあげるのは、すごい」「大人になったらボランティア活動をしたい」などと感想を話した。


被災水田で実れ交流 ボランティア経験者を招き田植え体験会・気仙沼
 東日本大震災の支援活動を通して育んだ縁を深めようと、震災の語り部活動を続けている気仙沼市本吉町の元消防職員佐藤誠悦さん(65)が19日、東京都や富山県などのボランティア経験者ら約60人を招き、田植え体験会を開いた。
 津波で被災し、復旧した佐藤さんの水田約12アールで、参加者は慣れない作業に戸惑いながら、苗を植えていた。終了後は、田んぼの脇で東京や仙台で活動する歌手のミニライブもあった。
 富山県南砺市の団体職員井沢祐美さん(24)は「地域の住民と交流を深める貴重な場。稲刈りの時期が楽しみだ」と話した。
 会は、震災で妻を亡くした佐藤さんが2013年から開いている。佐藤さんは「毎年、全国各地からたくさんの人が集まってくれる。心のつながりを大切にしたい」と話した。


東大寺と鶴岡八幡宮合同で鎮魂と復興 宮城・松島の瑞巌寺で祈る
 東大寺(奈良市)と鶴岡八幡宮(神奈川県鎌倉市)による「東日本大震災物故者慰霊と被災地復興への祈り」が19日、宮城県松島町の瑞巌寺で行われた。「平成の大修理」を終え6月に落慶法要を控える瑞巌寺の本堂で犠牲者を鎮魂し、一日も早い復興を願った。
 東大寺の僧侶16人、鶴岡八幡宮からは神職とみこ20人が並んだ。約200人が見守る中、僧侶は大般若経600巻を転読し、般若心経などを読み上げた。鶴岡八幡宮は祝詞に続き、みこたちが四海(しかい)の平穏を祈る神楽「浦安の舞」を披露した。
 鶴岡八幡宮の吉田茂穗宮司は「復興が終わるまで祈りを続けていく。一つの心になって祈りをささげてくださるとありがたい」、東大寺の狹川普文別当は「復興は道半ば。前に向かって一緒に歩んでいく」と思いを述べた。合同の祈りは震災後、年1〜2回実施。今回は多賀城市の東北歴史博物館で開催中の特別展「東大寺と東北 復興を支えた人々の祈り」の関連行事と位置付けられた。
 祈りに先立ち、塩釜神社の協力で御座船が松島湾を運航して復興を祈る関連行事もあった。


避難生活の疲れ 笑って吹き飛ばそう 福島・大熊町教委が会津若松で落語教室
 東京電力福島第1原発事故で全町避難する福島県大熊町教委は15日、避難生活の疲れを笑いで吹き飛ばそうと、落語教室を避難先の会津若松市の大熊町熊小・大野小体育館で開いた。ユーモアあふれる内容に子どもも大人も楽しんだ。
 教育と笑いの会名誉会長の野口芳宏植草学園大名誉教授、同会長の玉置崇岐阜聖徳学園大教授、上方落語家桂雀太さんが小ばなしや落語を披露。児童生徒と町民、地域住民ら約90人が、笑いながら拍手を送った。
 続くシンポジウムには3人に加え、大野小6年吉田遥さん(11)、大熊中3年青山蓮さん(14)らが登壇。「苦しいと思うことはない?」と司会者が問うと、野口氏は「諦めることもマイナスじゃない」と指摘。青山さんは「諦めていけない時もある」と反論した上で、「でも数学(の成績)は諦めている」と話し、笑いを誘った。
 武内敏英町教育長は「笑いは心のサービスエリアだが、立ち寄らず走ってきた。日常の笑いを子どもたちだけでなく町民にも広