フランス語の勉強?

juillet 2018

2作品目はカッコいいデザイン/豆乳冷麺

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Japon: Des mosquées mobiles pour accueillir les touristes musulmans des JO 2020
Une société japonaise a créé la première mosquée sur roues afin de s’assurer que les touristes musulmans auront à disposition des installations adéquates pour prier lors des Jeux olympiques de 2020, rapporte AJ+.
Pratiquer sereinement leur religion
Le camion blanc et bleu de 25 tonnes qui indique la direction de la Mecque peut accueillir jusqu’à 50 personnes. Il comprend une zone pour se laver les mains et réaliser les ablutions. La mosquée mobile sera garée près du stade par souci pratique. Le Japon qui compte entre 100.000 et 200.000 musulmans pour 126,7 millions d’habitants ne compte pas beaucoup de mosquées.
La Pays du Soleil-Levant espère ainsi que les visiteurs musulmans qui viendront au cours de l’événement sportif majeur pourront pratiquer sereinement leur religion sur les différents lieux de compétitions, où sera mise à disposition une mosquée mobile. Le centre de presse étrangère du Japon a indiqué dans un communiqué de presse que d’autres mosquées mobiles sont en cours de fabrication.
Le nombre de touristes originaires de pays musulmans en Asie du Sud-Est a considérablement augmenté ces dernières années, rapporte le Muslim Post. Selon l’Organisation nationale du tourisme du Japon (JNTO), près de 271 000 Indonésiens se sont rendus au Japon en 2016, contre 63 000 en 2009. De même, plus de 394 000 Malais sont arrivés l’an dernier, contre 89 000 il y a sept ans, précise le média musulman.
Un outil pour promouvoir la paix dans le monde
≪ En tant que pays ouvert et hospitalier, nous voulons partager l’idée de l’omotenashi (hospitalité japonaise) avec les musulmans ≫, a déclaré Yasuharu Inoue à l’initiative du projet. Et d’ajouter : ≪ Nous aimerions que la mosquée mobile devienne un outil pour promouvoir la paix dans le monde. ≫ La société localisée au Japon espère étendre sa mosquée mobile à d’autres évènements sportifs tels que la Coupe du monde de rugby ou encore la Coupe du monde de football de 2022 au Qatar.
フランス語
フランス語の勉強?

今日もカントクン.そして今日もまたアツいです.
2作品目はカッコいいデザインです.
ランチの豆乳冷麺もおいしかったです.

<東京五輪>聖火到着地は松島基地 福島で組織委理事会「復興五輪に沿う」
 2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長は30日、ギリシャで採火される聖火の日本到着地が、東日本大震災の津波で被災した航空自衛隊松島基地(東松島市)になると明らかにした。聖火リレーの出発地は福島県に決まっており、「復興五輪」の理念に沿うと判断した。
 サッカー施設、Jヴィレッジ(福島県楢葉町、広野町)であった理事会の冒頭、森氏が「松島基地を到着させる場所にしたい」と述べた。到着後の式典などは今後検討する。
 理由について、森氏は終了後の記者会見で「安全に間違いなく届くという意味で一番いい」と説明。同基地が被災しながら復活したことに触れ「不屈の精神を示す象徴的な場所になっている」と語った。輸送には民間チャーター機が使われる見通しだという。
 記者会見で森氏は、国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長が東京五輪の野球・ソフトボール会場となる福島県営あづま球場を視察する意向であることも明らかにした。11月30日から東京で開かれる予定のIOC理事会に合わせた時期になるとみられる。
 Jヴィレッジは東京電力福島第1原発事故の対応拠点になり、28日に一部再開した。組織委は被災地の現状を把握し大会運営に生かすため、初めて東京以外で理事会を開いた。 岩手、宮城、福島の被災3県の知事、副知事との意見交換もあり、内堀雅雄福島県知事は「多くの県民が笑顔で皆さんを迎え、支援への感謝を伝え、精いっぱい応援できるよう準備していく」と述べた。
 理事の有志は理事会に先立ち、津波被災から復旧したいわき市小名浜の魚市場を視察した。魚の放射性物質検査の様子を見学し、水揚げされたイシガレイの刺し身などを試食した。


西日本豪雨、海水浴場に打撃 7府県、土砂や流木
 西日本豪雨で土砂や木が海に流れ込んだり周辺インフラが被災したりしたため、少なくとも7府県の海水浴場で遊泳禁止や海開き断念などの措置を取ったことが31日、分かった。復旧作業を済ませ、既に再開したところもあるが、観光業への打撃は避けられず、諦めの声も出ている。
 広島県坂町の海水浴場「ベイサイドビーチ坂」の砂浜には土砂が入り、流木やがれきが散乱。周辺の国道沿いの斜面が崩れ、通行止めになった。迂回路として海水浴場の駐車場が舗装され、国道復旧の工事車両が行き交う。砂浜の一角は国道から取り除かれた土砂の仮置き場になった。


自治体間支援 助け合いの力を強めたい
 西日本豪雨で大きな被害を受けた岡山、広島、愛媛3県の被災地では、県外から派遣された自治体職員も支援活動している。職員確保の大きな役割を担っているのが、被災した自治体と支援する自治体を組み合わせる「対口(たいこう)支援」方式だ。総務省が今春要綱を定めて制度化し、今回初めて運用した。
 大規模災害が発生すれば、自治体職員も被災する可能性がある。さらに復旧や支援関連の業務などが大幅に増え、著しいマンパワー不足に陥る。対口支援は、その対策として打ち出したものだ。
 「対口」には中国語で一致するとか、ぴったり合うとの意味がある。2008年の四川大地震で、中国政府が支援役を大都市に割り当てたことで知られるようになった。日本でも16年の熊本地震の際に九州地方知事会が導入した。その成果や課題を踏まえて要綱を策定し、全国規模での運用に踏み出した。
 国が制度化した対口支援では、総務省や全国知事会などが参画する現地調整会議を設け、司令塔の機能を担う。被災した自治体のパートナー役は都道府県と政令指定都市。都道府県は管内の市町村と一体となって職員を派遣する。
 西日本豪雨で最も応援職員が多かった時には、約30に上る都道県や政令市から来た500人を超える職員が、3県の19市町で活動したという。業務には、罹災(りさい)証明書の発行など自治体職員でないとできない内容もある。
 甚大な被害を受けた真備町地区を抱える倉敷市には、東京都や埼玉県などの職員が駆けつけ、家屋の被害調査や避難所の運営などを支援してきた。総社市では、仙台市や新潟市の職員が災害対策本部の運営支援などに当たった。矢掛町では千葉県が派遣した職員が、ボランティアセンターの運営などを手伝った。
 派遣された職員の中には、かつて地震など地元で災害に対応した経験のある人もいる。即戦力の投入は、混乱した被災地にとって心強く、迅速な復旧・復興にもつながることだろう。
 一部の自治体に支援が偏ることを防ぐ役割も対口支援にはある。自治体では、独自に県境を超えた圏域や市町村同士で災害時の相互応援協定を結んでいるケースは多いが、対口支援は限られた要員を効率よく被災地に手配するには有効な手だてと言えよう。支援する立場になった場合も、被災地での体験を地元の防災施策に反映させられるなどメリットは大きい。
 もちろん、日ごろから自治体同士の縁を広げ、相互の応援システムを築いておくことは重要だ。その上で、対口支援の在り方を今後さらに議論し、効果を高めてほしい。
 異常気象の頻発で災害が激甚化する現代では、西日本豪雨のような広域かつ同時多発的な災害も増えてこよう。自治体間連携をさらに深め、助け合いの力を強めたい。


【肱川の悲劇】ダム巡る防災見直したい
 西日本豪雨で愛媛県・肱川の野村ダム(西予市)と鹿野川ダム(大洲市)が緊急放流し、住宅浸水などで住民9人が犠牲になった問題が波紋を広げている。
 当然であろう。安全基準の最大6倍の水が流され、ダムを管理する国土交通省は氾濫を予測していたが、住民に十分伝わっていなかった。
 大洲市は、大規模放流を2時間半前に国交省から伝えられていたが、住民に避難指示を出したのは放流開始の5分前だった。
 ダムの操作や情報提供、避難の呼び掛けは適切だったのか。9人の命は失われずに済んだのではないか。ダムの管理や行政対応に深い疑念を抱かずにはいられない。
 国交省は、放流の操作は「マニュアル通りに行い、適切だった」としている。一方で、情報提供を巡っては課題があったとして、有識者らによる検証組織を立ち上げた。
 未曽有の雨だった。ダム操作もマニュアル通りだったかもしれない。だが、「適切だった」との説明には違和感がある。
 多くの疑問を徹底的に調査し、ダムと河川の防災体制の見直しにつなげる必要があろう。高知県内にも多くのダムがある。対岸の火事にしてはならない。
 ダムが持つ治水効果は大きいが、今回浮き彫りになったのは、貯水しきれないほどの水が流入した場合の対応力だ。
 野村、鹿野川の両ダムは7日、水が満杯になり、流入量をほぼそのまま流す「異常洪水時防災操作」に踏み切った。ダムから水があふれるのを防ぐためだ。
 国交省は両市にこの操作の予定を伝え、放水の警報サイレンも鳴らしたとしている。ところが、住民からは「雨音が強く、聞こえなかった」などの声が上がっている。
 西予市は、国交省の放流方針を受け、大規模放流の1時間余り前の午前5時すぎに避難指示を出したが、浸水などで5人が犠牲になった。大洲市の避難指示は午前7時半まで遅れ、鹿野川ダムの大規模放流は7時35分に始まった。約3千棟が浸水し4人が亡くなった。
 両ダムとも、大雨に備えて事前放流を続けていたようだが、対応が十分だったか検証が求められる。両市は避難指示の徹底や発令のタイミングが厳しく問われよう。
 何より、事態の重さが国交省と両市で共有できていたのか。住民にも重要な放流規模などが具体的に伝わっていなかった。情報を伝えたといっても、「伝わった」とは言い難い典型例だ。
 地球温暖化の影響なのか数十年に1度といわれるような豪雨が頻発している。ダムの管理マニュアルや情報提供、避難の在り方も見直しが避けられまい。
 堤防の整備や河床掘削などのハード面はもちろん、避難訓練の徹底などソフト面も未曽有の災害を想定すべきだ。そのためにも肱川の検証をしっかりと進めなければならない。


[西日本豪雨 情報伝達] 早期避難へ有効策探れ
 西日本豪雨では被害が拡大した一因として、避難情報の伝達や周知の課題が指摘される。
 気象庁は、予想降雨量が災害に直結するレベルだったため、被害発生前から異例の緊急会見を開き、広く警戒を呼び掛けた。ただ、それが国民にどれだけ深刻に受け止められていたか検証が必要だろう。
 早期避難を促す情報発信のタイミングと手段は妥当かつ十分だったか、実効性を高める手だてが求められる。
 情報は放送やインターネット、携帯端末など多様な手段で発信されたが、こうしたメディアになじみのない人もいる。犠牲者の中で多数を占めた高齢者の多くは、自治体の情報が深夜や未明だったため十分に伝わらなかったり、自力避難が困難だったりして逃げ遅れた可能性が指摘されている。
 高齢者世帯や独居高齢者、要介護者といった「災害弱者」にいかに情報を伝え避難を手伝うか。地域の共助や見守りが果たす役割を重視した制度設計が欠かせない。
 気象庁が「数十年に1度の大雨」を想定し最大級の警戒を求める「特別警報」をはじめ、市区町村が出す避難準備・高齢者等避難開始、避難勧告、避難指示(緊急)という3区分の用語の意味が住民に浸透していたかも疑問が残る。用語を分かりやすく見直すよう求める声は一考に値する。
 河川の氾濫や土砂災害の多くは、ハザードマップ(危険予測地図)の想定内だった。だが、ハザードマップは住民に十分には共有されておらず、想定が生かされなかったのは残念でならない。
 ハザードマップは氾濫の恐れのある河川を抱える市区町村に作製と周知が義務付けられ、約98%が作製済みだ。一方、決壊が相次いだ「防災重点ため池」は、全国の約35%しかハザードマップが公表されていないことが分かった。情報の周知を徹底すべきだ。
 住民は日頃から地域の浸水の危険性を理解して、避難所や避難経路を確認しておく必要がある。
 最終的に身を守るのは一人一人の判断である。予測や予報の精度が向上しても不測の事態はあり得る。住民の早期避難の意識を高めることが肝要だ。
 近年は異常気象が頻発し、過去に例のない災害が起きる恐れは増大している。住民は行政の呼び掛けを待たずに近隣で声を掛け合い「念のために逃げる」ことを徹底してほしい。それが、被害の抑制につながることを肝に銘じたい。


河北抄
 わが家の文字通りの愚息が高校生だった頃。親の時代と違って、学校には当然のようにエアコンが付いているものと思っていたので、聞いてみた。
 「図書室にだけ付いてる。だから席を確保して、放課後は図書室で勉強しているんだ」という答え。そうか、教室は暑くて勉強どころではないのか、それにしてもエアコンくらい付けてもいいんじゃないの−などと思った。
 夏休みも、冷房が効いた図書室に足しげく通っていたから、首尾よく志望校に行けるものと思っていたら…。涼しい図書室で気持ちよく昼寝でもしていたんだろう、きっと。
 以上、かなり前の思い出話。今はこの暑さだ。学校といえど、ちゃんと教室にエアコンが設置されているだろうと思っていたら、全然。ある新聞記事に宮城県の小中学校は4%の設置率とあった。
 対して東京は99.9%。この差って何ですか。と、民放の番組名をつい思い浮かべた。全国どこでも、この夏の暑さは変わらない。恐らく来年も再来年も。教室にエアコンを−。声を大にしたい。


<山形大パワハラ>職員組合「減給の説明 不誠実」 学長宛てに再び要求書
 山形大が職員へのパワーハラスメント(パワハラ)を理由に同大xEV飯豊研究センター(山形県飯豊町)のセンター長を減給約1万円とした処分について、根拠の説明などを求めていた同大職員組合は30日、大学側から27日にあった回答は不十分で不誠実だとして、小山清人学長宛てに再び要求書を提出した。
 大学側は27日、懲戒規程のうち「被害者側の意に反し、繰り返し行われた行為(減給以上)」の条項に相当すると回答。より重い「職場の上下関係に基づく影響力を用いた行為(停職以上)」の条項を適用しなかった理由には触れなかった。
 組合は今回の要求書で、学内調査に当たった特別対策委員会の認定事実に照らし、減給以上の条項を適用するのが妥当と判断した理由を明確に説明するよう求めた。
 特別対策委は調査報告書で「責任者の地位を背景に職員に精神的苦痛を与え、職場環境を悪化させた」と指摘。大学側が処分に適用した条項との整合性が疑問視されている。
 組合は回答期限を31日正午までとし、大学側からの再回答を求めている。


河北春秋
 東京など各地で気温が40度を超えた先週、「サマータイムの導入を検討して」と安倍晋三首相が直訴を受けた、と報じられた。要望の主は森喜朗・東京五輪組織委員会会長。今より1〜2時間、時計の針を進め、マラソンの開始を早めたいという▼2年後の夏の東京五輪で、マラソンの開始予定は暑さ対策で朝7時。だが「レース中の酷暑が避けられず、命の危険もある」と懸念が膨らむ。それなら五輪期間に「夏時間」を導入し、実質は朝5時や6時から走ればいい−との発想だ▼「選手ファースト」と言いたげだが、五輪のために一日の時間を変えられ、生活を巻き込まれる国民の事情は考慮されているのか。そもそも真夏に五輪を開く方に無理があろう。開催準備が進むにつれて「組織委ファースト」の姿勢が目につく▼新国立競技場の隣の神宮球場を資材置き場や待機場所に使いたいと組織委が借り上げを求め、野球ファンの反発を招いた。都内の混雑軽減を最優先に、企業の一斉休暇やネット通販の物流緩和なども要請されそうだという▼五輪のボランティア募集が9月に始まる。組織委は運営や競技の支援で10日以上の無償活動を求めながら、交通費や宿泊は全くの自己負担。首都圏の人ならいいが、地方の希望者は宿を探すことも難儀では。

熱中症と体調管理 安全最優先の対応を
 猛暑の夏。各地で熱中症による死者が相次いでいる。農作業や中学・高校生のスポーツ大会に限らず、屋内で過ごしている高齢者にも暑さ対策が求められる。
 24、25日に営まれた「田辺祭」でも厳しい日差しが照り付けた。「笠鉾(かさほこ)」などを引いて旧市街地を練り歩いた氏子らの疲労は激しく、取材した記者も全身から汗が噴き出した。気象庁が「命の危険がある暑さ」と注意を呼び掛けたのも納得できる暑さだった。
 総務省消防庁の速報値では、全国では22日までの1週間に熱中症で65人が死亡した。2008年に集計を始めて以降、1週間当たりでは最多。前週(9〜15日)の12人より大幅に増えた。救急搬送も2万2647人と過去最多で、65歳以上の高齢者が全体の46・5%(1万525人)を占めた。
 田辺市消防本部管内では今季、熱中症の疑いにより救急搬送した人は7月27日までに43人。5、6月中は9人だったが、7月に入って急増、30人以上が搬送された。程度は軽かったが高齢者は22人。全体の半数を占めた。室内でも熱中症になる場合があり、和歌山市では24日、70代男性が屋内で倒れているのが見つかり、その後熱中症による死亡が確認された。
 この猛暑にどう備えるか。田辺市消防本部の指導救命士によると、老化に伴って発汗など体温を調節する能力が低下し、温度や湿度を感じる機能も衰える。喉の渇きも感じにくくなるため、熱中症になる危険が高まるという。喉が渇いていなくてもこまめに水分を取る、空調機などを利用して適切な室温に保つことが大切という。
 子どもも体温を調節する機能が未発達なため、熱中症になりやすい。そばにいる大人がしっかりと様子を見ながら、水分や塩分を補給させたり、休憩を取らせたりすることが肝要だ。
 愛知県豊田市では小学1年生の男児が熱中症で亡くなった。この事故を受けて、和歌山県教育委員会は県立学校や市町村教委に児童生徒の熱中症を防ぐための注意事項を文書で通知した。田辺市教委も各学校に通知して現場の教職員に注意を促している。市教委学校教育課は「児童生徒の健康や安全を最優先にしていきたい」という。想像を絶する暑さに備え、臨機応変の対応を期待する。
 屋外のスポーツ活動にも柔軟な対応が求められる。
 今夏の高校野球京都大会では、午後の暑い時間帯を避け、夜間の試合に切り替える対応をした。東京都では、気温や水温が上昇し過ぎたためプールの使用を中止した小学校もあった。紀南でも部活動に気を配り、練習の開始時間を早めるなどした学校もある。こうした工夫、柔軟な対応によって、命を守っていきたい。
 熱中症予防の基本は十分な睡眠による体調管理と水分や塩分の補給。梅干しに含まれるクエン酸にも疲労回復効果がある。活動時に携行する水筒に一粒の梅干しを入れるだけでもいい。細心の注意で猛暑を乗り切りたい。


地上イージス/「配備ありき」再考すべきだ
 本当に必要な防衛力なのか。北朝鮮情勢が激変したにもかかわらず、導入を急ごうとする安倍政権の姿勢は「配備ありき」に映る。
 北朝鮮に対する弾道ミサイル防衛の強化策として政府が米国から取得し、2023年度運用開始を目指す地上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」だ。
 イージス艦の機能を地上に移した装備で日本に飛来する弾道ミサイルを高性能レーダーで探知、追尾し迎撃ミサイルが大気圏外で撃ち落とす。
 2基で日本全土をカバーできるといい、秋田市の陸上自衛隊新屋演習場、山口県萩市の陸自むつみ演習場の2カ所が配備候補地に挙がった。
 6月に米朝首脳会談が実現。非核化協議の進展は見通せないが、導入決定時の緊張が緩和したのは明らかだ。小野寺五典防衛相は「脅威は何ら変わっていない」と強調するものの、政府は会談の成果に立ち、9県で予定していた北朝鮮の弾道ミサイル想定の住民避難訓練を取りやめた。
 政府の異なる理屈の説明には矛盾が浮かび上がる。「配備は北朝鮮と緊張関係にあるときの案。数年先の配備となると真に最適の候補地なのか」(佐竹敬久秋田県知事)との疑問はもっともだ。
 防衛省の説明不足も地元の不信を招いた。秋田市の新屋演習場は住宅や学校が近い。住民には攻撃対象になるのではとの不安をはじめ、探知レーダーの電磁波が健康に影響することへの懸念がある。演習場内の適地調査の入札手続きを急ぎ、地元の反発で延期せざるを得なかったことも拙速ぶりを印象付けた。
 同省は秋田県などの質問状に、電波環境などの調査で不適と判断すれば配備しない方針や新屋演習場以外は配備の条件を満たさないこと、周辺警備に約200人が必要になる見通しなどを示した。
 こうした事項は地元から問われるまでもなく、明らかにすべきだ。配備プロセスを性急に進めるあまり、住民への的確な情報提供をおろそかにした証左ではないか。
 防衛省は19年度予算の概算要求で、米軍再編関連経費を含め過去最大の5兆3千億円近くを計上する方向だ。イージス・アショアの導入費用も盛り込まれる。
 小野寺防衛相は30日、取得費は2基で約2700億円になると示したが、搭載ミサイルなどを含めると計6千億円近くに膨らむ可能性がある。米側の「言い値」がつり上がることも十分考えられる。
 政府に念を押しておきたい。多くの「国策」で繰り返されてきた「アメとムチ」で地元理解を導くような手法は取るべきではない。もちろん、住民の意思に反した配備強行は避けなければならない。
 与党内にも費用対効果を疑問視する声は根強い。米朝が対話に転じたことに逆行するような「配備ありき」は、再考すべき余地が大いにある。


辺野古工事 国は真摯な話し合いを
 ついに埋め立て承認の「撤回」だ。沖縄県名護市辺野古への米軍基地建設は重大局面。本当にそこに新たな基地が必要か。政府は法的対抗措置に出るのではなく県側と真摯(しんし)に話し合いをするべきだ。
 建設阻止を掲げる翁長雄志知事は、二〇一五年に辺野古沿岸の埋め立て承認を「取り消し」た。これを違法とする国相手の訴訟は最高裁で知事側敗訴が確定したが、今度表明した撤回は取り消しとは意味が違う。
 取り消しは、前知事による承認審査に法的な誤りがあったと、いわば身内の手続きを問題にした。
 撤回は、その後政府が始めた建設工事に、県との事前の取り決めに対する重大な約束違反が生まれていることを根拠とする。
 指摘しているのは、新基地全体の実施設計や環境保全対策が明らかでない点だ。辺野古の海底には、ぐにゃぐにゃの軟弱地盤があることが沖縄防衛局の調査で判明した。そんな場所に、大幅な設計変更もなく基地が造成できるのか。政府側は、そうした地盤の存在を市民団体による情報開示請求まで公にしなかった。自ら不都合を認めているようなものだ。
 希少なサンゴの移植も進んでいない。現地では市民の反対運動も続いている。工事が無理に無理を重ねているのは明らかだ。
 政府側は十分に県側との協議は行っていると主張。工事を進めていく考えに変わりがないとする。今回の処分には、裁判所への申し立てや訴訟で再び撤回を違法と認めてもらい、工事中断を最短に抑える構えだ。しかし、今度こそは、県民の代表である知事の判断を厳粛に受け止め、今後の聴聞会をはじめとして、県側にきちんと説明することから始めるのが筋ではないか。八月十七日から予定する土砂投入は延期すべきだろう。
 前回の訴訟時には一時、政府と県との全面和解が成立。国地方係争処理委員会が、国と県は一から議論し直すべきだと提言したが、政府はまともに取り組まなかった。国策の名の下に、自治を踏みにじってきたのも同然だ。
 沖縄では十一月に県知事選、その後には辺野古埋め立ての賛否を問う県民投票が予定される。必要なのは、強引な埋め立てよりも、将来を見据えた議論である。
 翁長氏は会見で、東アジア情勢の変化に触れ「平和を求める大きな流れからも取り残されている」と政府を批判した。仕切り直しは当然だ。


辺野古承認撤回/国は立ち止まって再考を
 米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設を巡り、国と沖縄県が再び法廷で闘う可能性が出てきた。翁長雄志(おながたけし)知事が、前知事による埋め立て承認を撤回する手続きに入る方針を表明したのだ。国は直ちに法的手段で対抗する方針という。
 県と国が正面から争う展開に陥った最大の原因は、安全保障をたてに国が辺野古ありきの姿勢を崩さない点にある。
 翁長氏は承認を取り消し、その有効性を巡って国と争ったが、2016年に最高裁で敗訴が確定した。
 しかし県民の反発は根強い。移設の是非を問う県民投票の実施を求める署名が必要数を上回ったのはその証しだ。
 米朝首脳会談もあり、アジアを巡る情勢は緊張緩和へ動いている。国はいったん立ち止まって沖縄の声と向き合い、計画の必要性と基地の負担軽減のあり方を再考すべきではないか。
 翁長氏は撤回理由として、沖縄防衛局が環境保全対策を示さず工事に着手した点などを挙げた。事業者の義務に違反しているという主張だ。
 国は8月中旬に土砂投入を始める方針を県に通告している。工事を阻止するため、翁長氏は11月の知事選を前に「最後のカード」を切ったと言える。だが司法のハードルは高い。県の撤回を裁判所が無効とすれば、国は土砂投入を早めるだろう。
 国と地方はあくまで対等な関係だ。司法判断とは別に、なぜ沖縄がここまで反発を強めるかを国は考えるべきだ。
 そもそも普天間の負担軽減策として当初の構想に挙がったのは、撤去可能な海上施設だった。それが海を埋め立てる恒久施設に一変している。普天間閉鎖が実現しても、沖縄全体で負担が軽減するとは言いがたい。
 国はこれまで前知事による埋め立て承認を工事強行の根拠にしてきた。これに対し翁長氏は、基地建設反対を掲げて当選した経緯がある。ただ知事選の構図は、翁長氏の去就を含めて定まっていない状況だ。
 「沖縄の方々の気持ちに寄り添う」。安倍晋三首相が何度も口にするこの言葉が本心なら、なし崩し的に土砂を投入するのではなく、民意をきちんとくみ取らねばならない。


辺野古「撤回」  話し合いに戻るべきだ
 対立が深まる理由は主に国にある。話し合いに立ち戻るべきだ。
 国が沖縄県名護市辺野古で進める米軍基地の建設について、沖縄県の翁長雄志知事が海の埋め立て承認を撤回する方針を決めた。
 翁長知事は就任後、前任の仲井真弘多知事が出した埋め立て承認に瑕疵(かし)があったとして「取り消し」たが、国との裁判になり最高裁で取り消し無効となっていた。
 今回の「撤回」は、事業の承認後に事業者の違法行為や問題が判明した場合に取り消す措置だ。
 翁長知事は、埋め立て地の地盤が極めて軟弱なことが判明したのに設計変更を届けず工事を続けていることや、環境保全対策をしていないことを理由に挙げている。
 仲井真前知事の承認の条件では、環境保全対策や工事、設計の変更があれば国は県と協議し知事の承認を得る必要がある。
 しかし政府はサンゴの移植をせずに本体工事の一部に着手した。今月には、埋め立てる沖合の海底が、深さ40メートルの「マヨネーズ地盤」とも言われる軟弱層ということが分かった。
 計画通り埋め立てるなら大規模な地盤改良が必要になる。ところが国は設計や工法の変更を沖縄県に届け出ず工事を進めている。
 海底の岩石などを壊すのに必要な岩礁破砕許可についても、国は「漁業権の消滅」などを理由に県に対し手続きをせず、沖縄県が差し止め訴訟を起こして係争中だ。
 沖縄県に届けて協議すれば、基地建設がストップする。国はそう踏んでいるのだろう。できる限り工事を進め、既成事実を積み上げる狙いが透けて見える。
 安倍晋三政権は「防衛は国の専権事項」と常々主張するが、国と自治体は協議すべきことを忘れているのではないか。国が行政手続きを無視していいわけがない。
 安倍首相はまた、「最高裁判決に従い辺野古移設を進める」と言うが、判決書には「承認の取り消しは違法」と書いてあるだけだ。
 11月の沖縄県知事選で安倍政権は県政奪還を目指している。県内自治体選挙では近年、政権寄りの候補の勝利が続いているが、「辺野古推進」を前面に掲げて勝った例は一つもない。強引な建設は分断と対立を招いている。歓迎されているわけではない。
 軟弱地盤の改良もあり、建設費は当初見込みの2500億円を大きく上回るのは確実だ。投じられるのは全額日本国民の税金である。この問題が京滋の私たちにも無縁ではないことを、直視したい。


辺野古承認撤回 沖縄の声に真摯な対応を
 知事の行動は県民の悲痛な叫びの象徴だといえよう。対立が解消されないまま一方的に進めることは将来に禍根を残す。政府は立ち止まり、真摯(しんし)な対応をしなければならない。
 沖縄県の翁長雄志(おながたけし)知事は、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設を巡り、前知事による辺野古沿岸部の埋め立て承認の撤回に向け、手続きを始めると表明した。
 防衛省沖縄防衛局が8月中旬に予定する土砂投入の阻止に向けた最後の手段といえる。
 辺野古移設反対を公約し当選した翁長氏は2015年10月、法的瑕疵(かし)があるとして前知事の埋め立て承認を取り消した。不服とする政府と法廷闘争に入り、県敗訴の最高裁判決が確定し工事が再開した経緯がある。
 今度の撤回は承認後の事情変化を理由に行政処分を取り消す。だが最高裁判決もあり法廷で認められるハードルは高い。
 翁長氏が撤回の理由に挙げるのは防衛局が環境保全対策を示さなかったことやサンゴ類を移植せず工事に着手したことだ。
 さらに護岸設置場所の地盤が軟弱と指摘し、朝鮮半島の非核化と緊張緩和への努力が続けられていると強調した。
 防衛局は環境保全対策を事前に詳細に説明したと反論し、工事の適法性を主張する。処分取り消しの行政訴訟や執行停止の申し立てなど法的措置で対抗し、工事を進める構えだ。
 政府・与党は早ければ裁判所から処分取り消しの執行停止決定が数週間で出るとみる。11月の知事選までに土砂の投入を行い、埋め立てを既成事実とし、移設阻止の無力化を図る。そんな思惑が透ける。
 知事選を政治決戦と位置付け、移設問題の決着を目指す。30日には自民県連が出馬を要請した宜野湾市長が受諾した。
 狙うのは2月の名護市長選の再現だろう。政権や与党幹部が連日応援に入り地元振興を口にし、当選した新人は移設の賛否に触れず争点化を避けた。
 こうして地元の民意を測ったとし選挙で決着したとするのは中央の勝手な論理だ。沖縄の有権者の本意ではないはずだ。
 選挙以外に民意を測る手段はある。市民団体は30日、移設の是非を問う県民投票を求める署名が必要数を上回ったと発表した。翁長氏も賛同し、直接請求の条例案は最短なら9月県会で可決の見通しという。
 政府は重く受け止め、実施前の土砂投入は見送るべきだ。
 問題の原点は、国土の0・6%の面積にすぎない沖縄県に在日米軍専用施設の70%が集中していることだ。県民は基地があることによる事件・事故、騒音に悩まされ続けてきた。
 安倍晋三首相は「沖縄に寄り添う」と言いながら、翁長氏の訴えに耳を貸すことがなかった。重病と闘い、去就が定かでない翁長氏は託された県民の願いを改めて国に突き付けた。
 政権は重要な国策を進めるのであればこそ、地元と対話を続け、丁寧に説明し理解を得る努力を欠いてはいけない。


文科省汚職/不祥事続きにあ然とする
 文部科学省の幹部がまた逮捕された。一連の汚職事件では2人目である。昨年も組織的に天下りをあっせんしていたため、事務次官が辞職している。不祥事続きにあ然とする思いだ。
 東京地検特捜部が収賄容疑で逮捕した前国際統括官川端和明容疑者は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)へ出向中、業者から140万円相当の接待を受けた疑いが持たれている。
 銀座の高級クラブなどで頻繁に接待を受けていただけでなく、タクシーチケットも提供されていたという。
 前科学技術・学術政策局長の佐野太被告が、受託収賄罪で起訴されたばかりである。佐野被告は、息子を東京医科大に「裏口入学」させてもらい、さらにゴルフなどの接待も受けていたとされる。
 2人とも事務次官候補で、評価の高いエースの一人だった。接待などが事実であれば、本来持っているべき倫理観はいったいどこへ置いてきたのか。
 国家公務員は倫理規程などで過剰な接待を受けることを禁じられている。容疑の通りなら規程は有名無実となっている。綱紀粛正には研修の徹底も必要となるが、日本の教育を統括し、指導すべき立場の文科省にとって情けない限りだろう。
 両者に対する贈賄側は、いずれも元コンサルタント会社役員の谷口浩司容疑者だ。川端容疑者は谷口容疑者の依頼を受け、東京医科大の記念式典に宇宙飛行士を出席させることで便宜を図ったとされる。佐野被告の事件でも、東京医科大との間を仲介したとみられる。
 特定の人物が文科省の高級官僚と癒着している実態が浮かび上がってくる。谷口容疑者は、国会議員の「政策顧問」の肩書を持っていたという。これが人脈づくりにどう影響したのか。このほかに癒着している官僚はいないのか。文科省が地に落ちた信頼を取り戻すには、徹底した解明が求められる。
 文科省内では、危機感を覚えた課長級や課長補佐級ら40人が連名で、若手や専門性の高いベテランを積極的に登用するなどの改革を事務次官に提案した。こうした機運を生かし、抜本的な策を講じなければ、再生は難しいと受け止めるべきだ。


財務省人事 森友問題の反省どこに
 森友学園の国有地売却を巡る決裁文書改ざんなどへの反省が見られない。そう言わざるを得ない人事だ。
 政府はセクハラ問題で辞任した財務省の福田淳一前事務次官の後任に、岡本薫明(しげあき)主計局長を昇格させた。
 主計局長から事務次官への昇格は財務省ではお決まりのコースである。岡本氏は次官候補の本命とみられていた。
 しかし、岡本氏は文書改ざんが行われていた当時、文書管理や国会対応に責任を持つ官房長だった。その管理責任を問われて厳重注意処分も受けた。
 その人物が事務方トップに就任して、財務省の抜本的な改革は果たして期待できるのか。
 他の主要ポストもほぼ順送りで「身内の論理」が色濃く表れている。麻生太郎財務相や安倍晋三首相がすんなり了承したのは無責任というほかない。
 一連の問題で問われたのは「首相への忖度(そんたく)」に象徴される「ゆがんだ政と官」の関係だ。人心一新を進め、真相の解明に力を尽くさなければ信頼回復はほど遠い。
 財務省は森友問題で佐川宣寿(のぶひさ)国税庁長官が辞任し、省のトップ2人が3カ月以上不在という異例の事態が続いていた。
 この間、財務省は公文書改ざんなどの再発防止策をまとめたが、小手先の改革にとどまっている。幹部人事も不祥事幕引きの意図が見受けられる。許されることではない。
 麻生財務相は法令順守を強化するための組織を新設すると発表した。そのトップにも岡本氏を据える。これでは第三者の視点が十分に反映されるか疑問だ。
 そもそも麻生財務相は安倍首相の意向も受けて引責辞任はせず、「きちんと対応することで職責を果たしたい」と言ってきた。その結果がこの人事なのか。
 首相官邸が内閣人事局を通じて官僚人事を支配する「権力の過度な集中」が一連の問題の背景にあるのは間違いない。
 安倍首相が先頭に立って是正する必要がある。
 加計問題では、首相秘書官時代に加計学園関係者と複数回面会していた柳瀬唯夫経済産業審議官が退任した。野党からは「疑惑隠し」との指摘が出ている。
 森友・加計問題の背景にある政官もたれあいの構図解明のためには、退任した関係者であっても国会に招致して徹底追及するほかないだろう。


財務省新体制 生半可な改革では済まぬ
 一連の不祥事で、事務次官と国税庁長官という事務方のトップ2人が3カ月も不在の異常事態に陥っていた財務省で、やっと後任人事が決まった。
 新事務次官には岡本薫明主計局長、新国税庁長官には藤井健志同庁次長が昇格した。
 「省庁の中の省庁」と言われた財務省への信頼は地に落ちている。生半可な取り組みでは信頼回復はないと覚悟すべきだ。今、問われているのはどこに向き合って仕事をするかだ。それが国民でなければ組織の再生、刷新はおぼつかない。
 財務省では、学校法人「森友学園」への国有地売却を巡る決裁文書改ざんで3月に佐川宣寿氏が国税庁長官を辞任した。4月には福田淳一氏がセクハラ問題で次官を辞した。官僚の本分を忘れた背信行為、政権への忖度(そんたく)、おごりの帰結だろう。
 新事務次官の岡本氏は、次官候補の本命とされてきたが、改ざんが行われた当時、文書管理や国会対応の責任者だったため、文書厳重注意処分も受けた。次官就任には強い批判もある。不正の根幹をただせるか、国民は厳しく見詰めている。
 新体制となっても省の弱体化は著しい。顕著なのは財政再建など重要課題についての発言力低下だ。6月の「骨太方針」では、新たな借金に頼らず税収などで政策経費を賄えるかを示す基礎的財政収支の黒字化目標が2020年度から25年度へ5年先送りされた。財務省は3年程度の先送りにとどめたいとの意向だったと伝えられている。
 歳出抑制の鍵となる19年度から3年間の社会保障費の伸びについても、従来計画で明示していた数値目標設定を見送った。厚生労働省などからの抵抗をはね返せなかったとされる。
 国と地方の債務残高が1千兆円を超え、来秋の消費増税も控え、今こそ財政再建に本腰を入れねばならぬ正念場なのに、経済成長最優先の政権中枢と正面から渡り合えないのでは困る。
 国民に負担を求める政策を進める官庁として、省の刷新を図り、国民に納得してもらう姿勢は不可欠だ。新体制では、省内に「コンプライアンス(法令順守)推進会議」を設置し、再生への方策をまとめるという。
 しかしそれで十分なのか。霞が関の主要人事は内閣人事局によって官邸主導で決められている。そこで政治におもねる官僚が量産されていないか。人事の在り方も再考すべきだ。
 忘れてならないのは、組織のトップとしての麻生太郎副総理兼財務相の責任だ。不祥事を軽視するかのような発言を繰り返してきた大臣の下で、省の抜本的な出直しが可能とは思えない。改めて決断を求めたい。


[財務省人事] 自己改革力が問われる
 財務省は、女性記者へのセクハラ問題で辞任した福田淳一前事務次官の後任に岡本薫明氏を起用した。主計局長からの昇格である。
 森友学園に絡む決裁文書改ざんで辞任した佐川宣寿前国税庁長官の後任には同庁次長の藤井健志氏を昇格させ、事務方トップ2人不在という異常事態は3カ月余りぶりに解消する。
 前代未聞の不祥事を起こした財務省への国民の視線は極めて厳しい。この新体制で地に落ちた信頼の回復へ自己改革できるのか、自浄能力が問われる。
 財務省では、予算編成を指揮する主計局長が次官に昇格するのが通例とされる。その点では岡本氏の就任は順当な人事と言える。
 ただ、岡本氏は改ざん当時に文書管理や国会対応に責任を持つ官房長を務めていたため厳重注意処分を受け、次官昇格はいったん見送られたとみられていた。
 その後、次官候補として主税局長や財務官らの名前が浮かんでは消えた。
 森友問題への批判が拡大するのを避けたい政権側の狙いや、本命の岡本氏を温存しようという財務省の思惑が交錯したのだろう。
 岡本氏起用に方針転換したのは、新潟知事選で与党系候補が勝利し、内閣支持率が回復するなど流れが変わったからだ。政権側が「森友問題が風化しつつある」と判断したに違いない。
 国民の顔色をうかがいながら、組織防衛を画策する―。こんな内向きの論理で組織の出直しができるのか甚だ心もとない。
 再発防止のため、事務次官を議長とする「コンプライアンス推進会議」を省内に設置し、民間から参与を迎えて組織立て直しを図るという。一連の不祥事を組織全体の問題として捉え、意識改革を進めてもらいたい。
 岡本氏は記者会見で「予算や税という国民生活に深く関わる行政を担う組織であり、信頼回復が何より大事だ」と抱負を語った。
 来年10月の消費税増税や財政健全化、社会保障の見直しなど、この先、国民に痛みを強いる政策を進めなければならない財務省である。国民の信頼がなければとても理解は得られまい。
 そのためには、まずは国民の疑問に答えることだ。
 「最強官庁」と言われる財務省の幹部が公文書の改ざんに手を染めざるを得なかった背景に何があったのか。そもそも、国有地が8億円も値引きして森友学園に売却されたのはなぜなのか。
 森友問題の徹底解明なしに国民の信頼回復はないことを忘れてはならない。


文科省汚職 組織全体の構造的問題にメスを
 文部科学省の不祥事がやまない。現職の局長級幹部が、二つの汚職事件で相次いで逮捕された。行政中枢の腐敗に、がくぜんとする。
 昨年は国家公務員法に反する組織的な天下りのあっせんが発覚。加計学園の獣医学部新設を巡っても、内閣府が「総理のご意向」として文科省に開設を求める文書が、当初ないとしていたにもかかわらず出てくるなど隠蔽(いんぺい)気質が浮き彫りになった。真相はその後もうやむやにされている。
 官僚としての倫理観や責任感の欠如を強く危惧する。文科省そのもののガバナンス(組織統治)が効かず、異常化していることはもはや明白だ。個人の資質でなく構造的問題と捉えて、メスを入れなければならない。
 教育行政への信頼は地に落ちている。古い体制を一新して閉塞(へいそく)感を払拭(ふっしょく)するため、組織の解体的出直しが不可欠だ。林芳正文科相の責任も極めて重く、辞任は避けられない。中堅・若手官僚有志が早急な改革を訴える申し入れ文書を事務次官に提出する異例の動きも出ており、正面から向き合う必要がある。
 官民癒着の実態解明と抜本的な再発防止策は急務だ。徹底捜査に加え、第三者による補助事業の詳細な検証を求めたい。
 前国際統括官の川端和明容疑者が宇宙航空研究開発機構(JAXA)出向中、コンサルタント業者から繰り返し高額接待を受けたとされる事件は、講演会に宇宙飛行士を派遣した見返りとされるが、狙いがそれだけだったとは思い難い。宇宙開発には巨額のカネが動き、利権につながりやすい。将来性が見込める研究に集中投資する科学技術分野の予算を狙って接近したとの見方も、省内にくすぶる。
 私立大支援事業に選定して補助金を与える代わりに、息子を「裏口入学」させてもらったとして、事務次官候補で科学技術・学術政策局長だった佐野太容疑者が逮捕、起訴された事件も権力の私物化そのものだ。公正な入試や大学運営を指導する側が不正を主導した点も看過できない。行政への信頼を根底から崩すことで、この国の教育の針路さえ揺るがしかねない。
 不正の背景には、大学政策のゆがみがある。政府は学生数などに応じて配分する補助金を削減し、経営改革に取り組む大学を支援する「特別補助」で競争させてきた。少子化で私立大の経営は厳しい。生き残りのため補助金や国の「お墨付き」の奪い合いが激化しており、文科省が不正の温床となる懸念は拭えない。そもそも、競争をあおる大学政策は、目立たなくても地道で重要な研究を阻害するなど弊害が指摘されてきた。政策自体を根本的に見直す時機だ。
 文科省は今、大学入試改革を進めている。2020年度からの「大学入学共通テスト」の英語では民間試験の導入が予定され、利権を巡る新たな不正も懸念される。改革に一刻の猶予もない。


核兵器禁止条約 被爆者の声に耳傾けよ
 世界で核兵器を禁止する動きが活発化する中、唯一の戦争被爆国である日本の役割が見えない。むしろ核保有国寄りの姿勢が目立ち、被爆者からは批判が起きている。謙虚に耳を傾けるべきだ。
 一年前、核兵器の保有や使用を初めて法的に禁じる核兵器禁止条約が国連で採択された。賛成は、加盟国の三分の二近い、百二十二カ国にのぼった。
 前文には「核兵器被害者の受け入れがたい苦しみと被害に留意する」と明記され、「hibakusha」(被爆者)という表現も盛り込まれた。
 広島、長崎で被害を受けた人たちの思いを、世界が受け止めた結果と言えよう。
 条文では核兵器の使用、開発、生産、保有、実験等を幅広く禁止。さらに核抑止力を事実上否定する「使用の威嚇」も禁じた。
 採択実現の背景には、核保有国が非核化になかなか応じないことへの苛(いら)立ちがあった。
 ピーク時よりは減っているが、世界には一万四千発以上の核兵器があるとされる。昨年六回目の核実験を行った北朝鮮だけでなく、世界全体で危機は続いている。
 ところが米国、フランスなどの五大核保有国は核兵器禁止条約に反対。米国の「核の傘」に入っている韓国や日本も消極的だ。
 日本政府は、核保有国と非保有国の「橋渡し役」になると宣言しているが、「(非核化の)ゴールは同じだが、アプローチが違う」(河野太郎外相)と、条約に冷ややかで、距離を置いている。
 条約は現在、各国が調印、批准する過程に入っている。五十カ国の批准で条約として発効する。しかし、メキシコや、オーストリアなど十三カ国にとどまっており、核保有国からの圧力があるのでは、とも指摘されている。
 そんな中、共同通信のアンケートで被爆者の八割が「日本政府は条約に参加すべきだ」と答えた。日本が参加すれば、批准に弾みがつくと期待しているのだ。
 同じ調査では、日本の姿勢について「被爆者の長年の活動を無視した行為」との厳しい意見もあった。
 朝鮮半島では、六月十二日に歴史上初の米朝首脳会談が開催され、朝鮮半島の非核化と朝鮮戦争の正式な終結が論議されている。
 まだ十分な成果は上がっていないものの、半島情勢は変化を迎えている。非核化を実現するチャンスと言えよう。今こそ、日本が世界に語りかける時だ。


核禁止条約参加要求 被爆者の思い受け止めよ
 被爆体験から73年。高齢化しても悲痛な叫び声を上げ続けている。政府は、貴重な教訓として、その声に耳を傾けるべきだ。
 共同通信が全国の被爆者に核兵器禁止条約について尋ねたアンケートで「日本政府は条約に参加すべきだ」と回答した人が8割に達した。米国の「核の傘」の下にあるとして条約に背を向けている政府に対し、被爆者の大半が強い不満を抱いている実態が浮き彫りになった。
 そもそもこの条約の根幹をつくったのは被爆者だ。広島、長崎の被爆者らが条約の早期実現を求め、世界規模で署名活動を繰り広げた。息の長い国際的な核廃絶運動の原動力になった。
 その結果、核の開発・保有・使用を全面禁止する世界初の画期的な国際法が誕生した。被爆者たちの「核なき世界」への強い思いが、悪魔の兵器を拡散させず、核依存の安全保障政策から脱却したいと願う国際世論をつくり出したのだ。条約実現の推進役となった「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」にはノーベル平和賞が贈られた。
 しかし、日本政府は核兵器に依存した安全保障体制を支持し続けている。核廃絶は「非現実的」との認識だ。トランプ米政権が、「核なき世界」を目指したオバマ前政権の方針を大きく転換し、通常兵器やサイバー攻撃を受けた場合の報復や先制攻撃にも核が使えるとした新たな核戦略指針を公表した際も「高く評価する」と肯定した。
 唯一の被爆国でありながら、核兵器の存続に加担する姿勢を取ることは、世界の恒久平和を願う被爆者たちの思いを踏みにじるに等しい。
 今回の調査の回答には、震える文字や強い筆圧でいくつもの悔しさが記され、政府への深い失望がにじんでいたという。
 回答者の6割以上が自身の被爆体験を語っていないことも明らかになった。今なお脳裏に焼き付く惨状に胸を痛め、口をつぐむ人が多く存在する。高齢化も深刻だ。消えゆく生の声をいかに後世に伝えるかは非常に重要な課題である。「思い出すだけで涙が出てくる」「家族にも話したくない」という苦痛の中から紡ぎ出した言葉を、政府は重く受け止めるべきだ。
 沖縄にも深い関わりがある。日米は沖縄の施政権返還に合意した際、日本復帰後も有事には米軍が核を持ち込めるとした密約を交わした。米側は今も沖縄への核の再持ち込みを念頭に置いた訓練を実施している。
 県議会は今月6日の本会議で、非核三原則の堅持と核兵器持ち込み疑惑の解明を日本政府に求める意見書を全会一致で可決した。戦争など有事の際の核使用に沖縄が巻き込まれる恐れは今も続く。
 政府は「核なき世界」を実現することを自らの責務と捉え、核兵器禁止条約に率先して参加すべきだ。


[最低賃金]格差是正し底上げ図れ
 厚生労働相の諮問機関である中央最低賃金審議会が2018年度の地域別最低賃金を答申した。全国の時給平均を26円引き上げ、874円とする内容だ。
 最低賃金の目安は都道府県の経済状況に応じ、A〜Dの4ランクに分けられている。
 Aランクの東京都は27円の引き上げで985円となる。来年度にも千円を超えそうな勢いだ。一方、最も低いDランクに属する沖縄県は23円で、目安通りに引き上げられても760円にとどまり、依然として全国最低だ。
 Aランクの東京とDランクの沖縄の格差は現在の221円から225円になる。大都市圏と地方の格差は拡大するばかりである。
 沖縄の最低賃金が760円になり、フルタイム(1日8時間、週40時間)で働いた場合でも、月収は約13万2千円、年収は約158万5千円にしかならない。
 沖縄は仕事に就く世帯のうち、年間所得200万円未満の「ワーキングプア」(働く貧困層)といわれる層が全国の約3倍で最も高い。
 今回の引き上げでもワーキングプアを脱することができないのである。最低賃金法がうたう「労働者の生活の安定」には程遠い、と言わざるを得ない。
 今後、各都道府県の地方審議会が目安を踏まえて最低賃金を議論し、沖縄は8月中に改定額を決める見通しだ。新たな最低賃金は10月ごろから適用されることになる。
 沖縄地方最低賃金審議会には格差をなくす努力をしてもらいたい。
■    ■
 一方、経営基盤の弱い中小・零細企業の立場からすると、最低賃金の引き上げが人件費の増加を招き、マイナスの影響を及ぼしかねない。
 特に沖縄は中小・零細企業が大多数を占めているからなおさらだ。
 中央最低賃金審議会では、労働者側が賃金の底上げを求めたのに対し、経営者側は中小企業の経営を圧迫しかねないとして大幅引き上げに反対して対立したという。
 政府が昨年3月にまとめた「働き方改革実行計画」では「全国平均千円」を目標に、「年3%程度の引き上げ」を掲げている。
 安倍政権は政策として打ち出しており、最低賃金千円の実現に向けて、確かな道筋を示してもらいたい。
 今回の引き上げが政権主導の「官製賃上げ」の決着であることを考えると、中小・零細企業の負担を緩和する支援策も同時に実施すべきだ。
■    ■
 県内の子どもの貧困率は29・9%と3人に1人に上り、全国で最も高い。その背景にあるのが親の貧困であり、その元になっているのが低賃金である。
 構造化された沖縄の「貧困の連鎖」を断ち切るには、最低賃金の大幅な引き上げが効果的であると指摘されている。引き上げがなされたとしても、全国最低であることに変わりはなく、まだまだ不十分であることはいうまでもない。
 格差を拡大しているランク付けの在り方も再検討する必要がある。


杉田水脈を批判した稲田朋美が「憲法教という新興宗教」暴言で炎上! カルトは安倍、稲田、杉田のほうだ
 いまだ杉田水脈議員のLGBT差別問題にかんして処分はおろか見解すら公表していない自民党。そんななか、突如、Twitterで杉田議員を批判したのが、稲田朋美議員だった。
 稲田議員も杉田議員も、極右の女性論客として安倍晋三氏が白羽の矢を立て自民党からの出馬にラブコールを送ったという経歴の持ち主で、歴史修正主義に基づく極右発言を連発してきた“同士”。なのに、わざわざ稲田議員がTwitterで初めて投稿したのが杉田議員批判という展開には失笑を禁じ得なかったが、こうしてTwitterデビューを果たした稲田議員が、予想を裏切らない早さでさっそく暴言を吐いた。
 稲田議員は7月29日、自身のTwitterアカウントにこう投稿したのだ。
〈日本会議中野支部で『安倍総理を勝手に応援する草の根の会』が開催され、私も応援弁士として参加しました。支部長は大先輩の内野経一郎弁護士。法曹界にありながら憲法教という新興宗教に毒されず安倍総理を応援してくださっていることに感謝!〉
 憲法教という新興宗教──。この発言はたとえば、憲法9条を改正すべき、という個別的な改憲論とはレベルが違う。憲法という存在そのものの全否定ともいえるものだ。
 国会議員は、憲法99条で定められている通り《憲法を尊重し擁護する義務》を負っている。にもかかわらず、よりにもよってこの国の最高法規である憲法を「新興宗教」「毒」扱いしたのである。これは、国会議員の憲法遵守義務違反以外の何物でもない。
 当然、この投稿に対して批判ツイートが殺到。すると、稲田議員は昨日の午後あたりに削除してしまった。
 昨年、自民党候補者の応援集会で「防衛省、自衛隊、防衛大臣、自民党としてもお願いをしたい」と憲法違反の演説をして、防衛相辞任に追い込まれたのに、まったく懲りない人である。
 しかし、これは稲田議員にとって“うっかりミスの失言”などではない。むしろ、現行憲法を新興宗教扱いする発言は、出るべくして出たものだった。なぜなら、稲田議員の憲法観こそカルトそのものだからだ。
「稲田議員は防衛力増強のために、9条を改憲しようとしているだけ」などと考えている自民党支持者もいるかもしれないが、勘違いも甚だしい。稲田議員がなくしたがっているのは9条だけではない。国民主権や基本的人権の保障といった民主主義の根幹を否定し、戦前の国家主義、軍国主義を復活させようとしているのだ。
 そのことを証明したのが、2012年におこなわれた「創世」日本の東京研修会での発言だ。この会合で稲田議員は堂々と「国民の生活が大事なんて政治はですね、私は間違っていると思います」と宣言した。これは憲法13条《すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする》や憲法25条《すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する》《国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない》の否定であることはもちろん、国家主義を是とし、基本的人権そのものを否定するものだ。
 しかも、稲田議員は2010年に発表した『私は日本を守りたい』(PHP研究所)で、現行憲法について、〈前文だけ読んでも、まじめに勉強すれば、反日的になるような自虐的な内容です〉と批判している。現行憲法の前文には国民主権や基本的人権の尊重、平和主義といった憲法の原理が綴られているが、それを稲田議員はまるでネトウヨのように「反日的」「自虐的」と指弾したのだ。
 また、稲田議員は2010年に開かれた集会では、「国民の一人ひとり、みなさん方一人ひとりが、自分の国は自分で守る。そして自分の国を守るためには、血を流す覚悟をしなければならないのです!」と、「国家のために血を流せ」発言までおこなった。
稲田朋美、杉田水脈のカルト思想は、安倍首相の代弁だ
 こうした姿勢をみれば、稲田議員がただの改憲論者というレベルではないことがよくわかるだろう。ネトウヨや日本会議などと同じく、頭のなかが「戦前礼賛」一色になっているカルトそのものなのだ。そして、カルト宗教の教祖や信者が現実社会での人々の生活を「悪魔」とか「サタン」「地獄に落ちる」などと指弾するように、稲田議員は自分が「カルト」だから、世界の多くの国で採用されているごく普通の民主主義の考え方が「新興宗教」「毒」に映るのである。
 じつは、このカルト性は、LGBT差別発言をした杉田議員もまったく同じだ。杉田議員もまた、現行憲法を徹底攻撃し、国民主権や基本的人権、生活権を否定する発言を連発してきた。その挙げ句に出てきたのが、明らかな憲法13条違反である今回のLGBT差別発言だった。
 そういう意味では、稲田議員も杉田議員もまったく同じ穴の狢だ。だからこそ、立法、国政が尊重すべき個人の尊重や国民の幸福追求権を無視し、マイノリティ、社会的弱者の生きる価値を否定する、憲法違反である言動を平気で口にすることができる──。
 こんなカルト政治家が国政の場に進出しているということ自体に戦慄をおぼえるが、しかし、忘れてはならないのが、冒頭で記したように、この二人をスカウトしたのが、他でもない安倍首相だということだ。
 本サイトでは、かねてより、杉田議員の「LGBTは生産性がない」発言は、安倍首相の本音の代弁でしかないと指摘してきたが、稲田議員の「憲法教という新興宗教」「毒」発言も同じこと。安倍自民党をこのままのさばらせるということは、国民主権と基本的人権の保障という民主主義の根幹を危機に晒すことにほかならない。


LGBT寄稿 自民は差別容認なのか
 月刊誌への寄稿で性的少数者(LGBT)のカップルは「生産性がない」などと記し、行政支援などに疑問を呈した自民党の杉田水脈衆院議員に対し、抗議行動が広がっている。
 「『LGBT』支援の度が過ぎる」と題した寄稿である。「生産性」発言は、性的少数者を社会に無益な存在と見なして排除する優生思想に通じる。人権を軽んじた差別的発言と言わざるを得ない。
 ほかにも問題は多い。「(LGBTは)そんなに差別されているのか」という記述は、不当な扱いに苦しむ当事者への認識不足である。同性愛を認める風潮は「不幸な人を増やす」とも述べている。
 さらに「『常識』や『普通であること』を見失っていく社会は『秩序』がなくなり、いずれ崩壊していく」と結論づけている。性の多様性を誤解と偏見に基づき否定する内容である。
 杉田氏は数年前から同様の発言を繰り返している。今回に限り筆が滑ったという内容ではない。
 基本的人権を尊重し、当事者が置かれた環境を改善していくのが国会議員の役割だ。寄稿は当事者を傷つけ、存在意義を否定しかねない。杉田氏は批判をどう受け止めるのか。見解を示すべきだ。
 自民党の対応も問題だ。
 二階俊博幹事長は会見で「人それぞれ政治的立場はもとより、いろんな人生観もある」と語り、問題視しない考えを示している。
 杉田氏は「『間違ったこと言ってない』などと、大臣クラスの方をはじめ、先輩方が声をかけてくださる」などとツイッターに投稿し、その後削除している。
 議員の発言は自由でなければならない。ただし、人権に配慮し、事実を論評した責任ある発言であることが前提だ。
 発言容認は党が差別を認めることになり、見識が問われる。
 自民党は2016年に「性的指向、性自認の多様な在り方を受け止め合う社会を目指す」との基本方針を公表した。それでも人権感覚に欠く発言が相次いでいる。
 二階氏も6月の講演で「子どもを産まない方が幸せじゃないかと勝手なことを考える人がいる」と述べている。伝統的な家族観を重んじる風潮が党内に根強いことの裏返しだろう。
 県内をはじめ全国では、当事者らが同性パートナーシップ制度の設立や理解促進を求める請願を、地方議会に提出する動きが出ている。当事者の訴えを受け止められなければ、自民党の基本方針はうわべを繕った詭弁(きべん)にすぎない。


LGBT差別/国レベルの支援拡充を
 LGBTを巡り月刊誌に「彼ら彼女らは子どもを作らない、つまり『生産性』がない」と、行政支援を疑問視する投稿をした自民党の杉田水脈衆院議員に対する批判が広がりを見せている。それを特に問題としない党の姿勢にも厳しい目が向けられ、週末には東京・永田町の自民党本部前など各地で当事者や支援団体が抗議の声を上げた。
 LGBTは同性愛のレズビアンとゲイ、両性愛のバイセクシュアル、体の性と自ら認識する心の性とが異なるトランスジェンダーの頭文字で、性的少数者の総称。身近な人にも相談できずに悩み、職場や学校で差別や偏見、いじめなどにさらされているという切実な訴えが後を絶たない。
 近年、性的多様性を尊重する流れはある。3年前に東京都渋谷区は同性カップルを結婚に相当するパートナーと認める全国初の制度を導入。札幌市や大阪市、福岡市などが続き、企業でも社内制度の見直しが相次いでいる。さらに、お茶の水女子大をはじめ複数の女子大はトランスジェンダーの学生受け入れに向け具体的な検討に入った。
 だが杉田氏の主張と自民党の対応はこの流れに逆行し、全ての国民に「個人の尊重」と「法の下の平等」を保障する憲法とは相いれない。差別解消と人権保護を阻む壁は厚い。遅れている国レベルの支援拡充に本格的に取り組む必要がある。
 「『LGBT』支援の度が過ぎる」と題した投稿で、杉田氏は「生産性」を持ち出し「LGBTのカップルのために税金を使うことに賛同が得られるのか」「なぜ男と女、二つの性だけではいけないのか」と持論を展開。「『常識』や『普通であること』を見失っていく社会は『秩序』がなくなり、いずれ崩壊していくことにもなりかねない」などとしている。
 そもそも子どもを産むか産まないかは個人の選択であり、生産性という尺度で評価すること自体おかしい。優生思想の差別的な考えに通じるものがあり、「無理解、悪意に満ちた偏見」「言語道断」と批判が噴出。公明党からも「子どもを産まないことを非難がましく言うのはいかがなものか」と苦言が呈された。
 ところが自民党の二階俊博幹事長は「人それぞれ、政治的立場はもとより人生観もいろいろ」と語り、党として問題にしない考えを示した。杉田氏も批判を意に介する様子はなく、自身のツイッターで「先輩議員から『間違ったことを言っていないから、胸を張っていれば良い』と声を掛けられた」とつぶやいた。
 背景には自民党内の保守派に根強い伝統的家族観がある。これまでも二階氏は「子どもを産まない方が幸せじゃないかと勝手なことを考える人がいる」と発言し批判を受けた。
 自民党は「性的指向、性自認の多様な在り方を受け止め合う社会を目指す」との基本方針を2年前に公表したが、杉田氏の投稿をはじめ、それに反する言動が目立つ。
 13人に1人は性的少数者という民間の調査結果もある。そうした人たちが差別や偏見により十分力を発揮できなければ、社会にとっては損失だろう。性的指向を理由とする差別を禁止する基本法を制定するなど、国としての支援を広げることが求められる。


はるな愛「人を人として見ていない」杉田議員に憤慨
 タレントはるな愛(46)が、自民党の杉田水脈(みお)衆院議員(51)が子どもをつくらない性的少数者(LGBT)を「生産性がない」などと指摘したことに不快感を示した。
 はるなは31日、ラジオ文化放送の看板番組「大竹まこと ゴールデンラジオ」(月〜金曜午後1時)に火曜レギュラーとして出演。大竹まこと(69)が腰痛のため入院しており、代役でパーソナリティーを務めた吉田照美(67)とともに、杉田議員の見解について語り合った。
 ニューハーフタレントとして活躍し、実業家の顔も持つはるなは「なぜこんなことを言えるのか。人のことを人として見ていない発言。この人にとっては、どういうことが幸せなのか本当に気になってしまう」と厳しく批判した。
 吉田照美は「国会議員どころか人間としてどうなのって思う。人権の問題」と指摘した上で「(自民党から)何のとがめがない。普通なら『けしからん』という意見が出る」と、与党内から反発の声が上がらないことにも疑問を呈した。
 杉田議員は月刊誌「新潮45」に、LGBTのカップルへの行政支援について「彼ら彼女らは子どもをつくらない、つまり『生産性』がない」「支援の度が過ぎる」と寄稿して問題視されている。


「ニュース女子」で名誉毀損 市民団体の代表が提訴
沖縄のアメリカ軍の施設の建設をめぐり、反対運動を行う人たちを取り上げた番組で名誉を傷つけられたとして、市民団体の代表が番組の制作会社などに賠償を求める訴えを東京地方裁判所に起こしました。
訴えを起こしたのは、市民団体で共同代表を務める辛淑玉さんです。
訴えによりますと、番組制作会社のDHCテレビジョンが制作し、東京メトロポリタンテレビジョン=TOKYO MXで去年1月に放送された番組「ニュース女子」では、沖縄のアメリカ軍北部訓練場のヘリコプター発着場の建設に反対する人たちが取り上げられました。
この中で、辛さんの市民団体のチラシが紹介されて暴力的な反対運動を支援しているかのように放送され、名誉を毀損されたとして、DHCテレビジョンと、司会を務めた元新聞記者の長谷川幸洋氏に1100万円の賠償と、現在もインターネットで配信されている番組の削除などを求めています。
この番組をめぐっては、ことし3月、BPO=「放送倫理・番組向上機構」の放送人権委員会が、名誉毀損が認められるとして「TOKYO MX」に対し、再発防止に努めるよう勧告しています。
会見した辛さんは「放送でデマを流せば、人を傷つけ、社会を壊します。再発防止の思いを込めてこの裁判を起こしました」と話しています。
提訴についてDHCテレビジョンは「訴状の内容を見ていないので現段階ではお答えしかねる」としています。
また、長谷川幸洋氏の所属事務所は「訴状が無いのでコメントのしようがない」としています。


病気かサボりか? 安倍首相の突然の休暇をNHKがフェイクニュースでごまかし 災害無視してたのに「連日災害対応」と
 定例の閣議をも取りやめて異例の休暇を昨日今日ととっている安倍首相。体調悪化説も流れているが、首相周辺によると「体調が悪いわけではない。つかの間の休息だ」(朝日新聞デジタル7月28日付)という。しかし、だったらなぜ年末年始やお盆でもないのに定例の閣議まで中止してまで休むのか、しっかり国民に説明すべきだろう。
 だが、この異例の休暇について、本日、NHKが目を疑うような報道をおこなったのだ。
〈安倍総理大臣は西日本を中心とした豪雨や台風12号への対応に連日当たってきましたが31日、総理大臣官邸には入らず休暇を取ることにしていて、定例の閣議も開かれないことになりました〉
〈安倍総理大臣は西日本を中心とした豪雨で大雨の特別警報が出された今月6日以降、豪雨や台風12号の対応に連日当たっていて、短い休暇をとり英気を養うことにしたものとみられます〉(NHK NEWS WEB)
 ……は? 〈特別警報が出された今月6日以降、豪雨や台風12号の対応に連日当たっていて〉というが、どうしたらそんな話になるのだろうか。
 NHKがいう「豪雨で大雨の特別警報が出された今月6日」は、安倍首相は非常災害対策本部を立ち上げることもなく、大雨にかんする閣僚会議もなし。その上、18時49分からは公邸で規制改革推進会議の大田弘子議長や議長代理のフューチャー会長・金丸恭文氏、梶山弘志規制改革担当相らと会食し、20時4分に終了。安倍首相は公邸泊した。
 当初、この公邸泊は豪雨対応に備えたものなのかとも思われたが、しかし、本サイトでも報じたように、実際はこの夜、安倍首相は公邸に自民党の無派閥議員を呼び付け、総裁選に向けた囲い込みのための「極秘会合」を開いていたのだ。
 しかも、6日午後からは土砂崩れや河川の氾濫で取り残された人びとによる救援要請が相次いだというのに、翌7日になっても、安倍首相は非常災害対策本部を立ち上げず、「7月5日からの大雨に関する関係閣僚会議」(図らずも5日とは「赤坂自民亭」が開催された日だ)を開催するにとどまり、この会議もたったの15分間で終了。安倍首相は正午前にそそくさと東京・富ヶ谷の私邸に戻ってしまった。
 そして、このような国民の命を無視するかのような対応をとってきた安倍首相が「救命救助、避難は時間との戦い」などと言い出してようやく非常災害対策本部を設置したのは、翌8日になってのことだ。
 災害は初動が肝心であり、それによって人命が左右される重大事だ。一方、安倍首相の言動は「赤坂自民亭」なる内輪のどんちゃん騒ぎにはじまり、特別警報が発令された6日も動静に記録されない極秘の会合を開き、7日も15分の会議を済ませると私邸にさっさと帰ってしまった。
 この事実のどこを見て、NHKは〈6日以降、豪雨や台風12号の対応に連日当たって〉きたと言っているのだろう。これはただの「大本営発表」、そして事実に基づかない「フェイクニュース」ではないか。
 本サイトでは本日、NHK政治部が立ち上げたウェブサイト「政治マガジン」が、「菅義偉、彼は何を狙うのか」なるタイトルで露骨な菅氏の官房長官続投に向けた提灯記事を掲載したことを報じた。この記事をめぐっては「菅さんが猟官運動のためにNHKに書かせたものではないか」という見方が広がっているのだが、それと今回のフェイクニュース問題も同根の問題だ。政権に食い込まれ、圧力を恐れ、媚びへつらう。それが板についてしまったからこそ、NHKは公共性ゼロの猟官運動に手を貸し、安倍首相の豪雨対応の初動の遅れを批判しないどころか、まるで初動から必死で対応してきたかのような「印象操作」を平気でやってのけてしまうのである。
東京新聞・望月記者に6日夜の災害無視を追及された菅官房長官の舐めた回答
 そして、こうやってNHKを手懐けきった菅官房長官は、その態度を増長させている。
 たとえば、昨日午前の定例会見では、孤軍奮闘する東京新聞の望月衣塑子記者が豪雨災害の真っ最中である6日におこなわれた公邸での極秘会合について質問。この会合は菅官房長官自らが無派閥議員を束ねてとりもった会だと言われているのだが、望月記者はいかに6日夜が緊迫した状態であったかに触れて、「災害を指揮すべき首相と長官がこのような会合をもったのか」と追及した。ところが、対する菅官房長官は事務方に合図を送って「質問を簡潔にお願いします」と質問を遮らせた上、こう言い放ったのだ。
「ここは政府の見解を説明する場でありますので、あなたの要望にお答える場ではありません。しっかり対応しております」
 災害対応に当たるべきときに、なぜ首相と官房長官が揃って総裁選のための活動をおこなったのか。それについて質問することは個人の要望などではないし、官房長官は説明責任の義務を負っている。なのに、「あなたの要望に答える場ではない」と言って拒否する──。しかも、この傲慢な会見の様子を、どのメディアも伝えようとはしないのだ。
 安倍首相と菅官房長官が喧伝する「やってる詐欺」が無批判に報じられ、公共放送が進んでフェイクニュースを流す……。本サイトが伝えた『報道ステーション』(テレビ朝日)の政権批判封印問題もそうだが、メディアの忖度は今後もさらに加速していくのだろう。


巨悪には手を付けず…安倍政権の真の狙いは“文科省潰し”か
 現職幹部が東京地検特捜部に立て続けに逮捕されるという前代未聞の不祥事に大揺れの文科省。省内は「捜査はどこまで拡大するのか」とテンヤワンヤだが、「裏口入学」と「140万円の接待」という“小悪”に対して、いつになく張り切っている特捜部の「意図」はどこにあるのか。霞が関官僚の間でささやかれているのは、安倍政権の「文科省潰し」だ。
〈今回の逮捕・起訴には大変驚いています。報道と私が知っていることがあまりにもかけ離れているため、様々な疑問が残されたまま谷口と佐野さんが起訴され、川端さんが逮捕されました。事件の真相が知りたい、というのが私の率直な気持ちです〉
 先週、あるブログが永田町で話題となった。文科省汚職事件で、収賄容疑で逮捕された前国際統括官の川端和明容疑者と、受託収賄の罪で起訴された前科学技術・学術政策局長の佐野太被告の2人と面識があり、“キーマン”と報じられている元会社役員、谷口浩司被告(受託収賄幇助罪で起訴、贈賄容疑で再逮捕)の「妻」と名乗る人物が開設した〈谷口浩司を信じる妻の疑問〉だ。真偽は不明だが、国会議員や官僚の実名をバンバン挙げつつ、特捜部の捜査に疑問を投げかけて「夫」の潔白を訴えている。
「妻」の肩を持つつもりはないが、「裏口入学」の当事者でもないのに起訴された上、一緒にメシを食っただけで逮捕されるのか――と不満を抱いているのは間違いない。
 官僚と民間業者が情報交換を兼ねてメシを食べることはよくある話だ。防衛専門商社からゴルフ接待など計約870万円の接待を受け、実刑判決が出た元防衛事務次官のようなケースならともかく、飲み食いしただけで逮捕となれば霞が関官僚は皆アウトだ。
 特捜部は「個人的な付き合いの範囲を超えている」と説明しているらしいが、それなら、安倍首相としょっちゅう高級店で飲食し、家族ぐるみで別荘に泊まりがけのゴルフ&キャンプを繰り返している加計学園の加計孝太郎理事長の方がよっぽど「個人的な付き合いの範囲」を超えているだろう。加計獣医学部新設を巡り、岡山市や今治市に出張した際にクルマの提供を受けていた内閣府地方創生推進室次長(当時)の藤原豊氏なんて、「収賄罪」そのものに当たる可能性が高い。特捜部は、弁護士グループなどからも告発状も出ている、こうした「巨悪」には一切手を付けず、なぜ文科省を“狙い撃ち”しているのか。
「同僚とは『文科省潰しが狙いじゃないか』と話していますよ。加計問題では、内部資料がどんどん漏れて報道されたから、今の政権にとっては面白くないのでしょう。歴史教育を巡っても、国家主義的な考え方を押し付けようとする政権とは一線を画しているから、自分たちの意のままに動く新たな文科省に組織を再編したいのではないか。それに他省庁に対しても、『官邸に弓を引くとこうなるよ』という見せしめ効果も考えているのではないか」(中堅文科官僚)
 ナチス・ドイツでも、司法が独立性を失い、「政治の道具」にされたが、このままでは日本の司法検察も危うい。


国立大新教員に年俸制を導入 19年度から順次、文科省
 文部科学省は31日、国立大の新規採用教員の給与規定について、業績評価により受取額が変動しやすくなる年俸制を2019年度以降、順次導入していく方針を示した。在職教員にも本人の同意を前提に適用を目指す考え。今秋にガイドラインを策定して各大学に実施を促し、進捗状況と運営費交付金の配分を連動させる仕組みも設ける。
 経営合理化を目指した04年の独立行政法人化後も年功序列の色彩が強い国立大の給与体系を抜本的に見直し、教員の意欲向上や人材流動化につなげる。ただ、大学側からは専門分野で異なる評価指標の扱いや、減収の可能性を理解してもらうことに難しさを指摘する声も上がる。


経営難の私立大は募集停止や学校法人解散に 文科省
経営が厳しい私立大学が増える中、文部科学省はこれらの大学に対し債務超過の危険性などが確認できた場合、学生の募集停止や学校法人の解散といった指導を行うと通知しました。
現在、全国におよそ600校ある私立大学は少子化の影響などで全体の4割が定員割れするなど、経営状況が厳しくなっています。このため、文部科学省はこれら私立大学に対してより踏み込んだ経営指導を行うことを通知しました。
具体的には、まず大学経営が3年連続で赤字となったり借入金が預貯金より多くなったりした場合、文部科学省の委員会が大学が提出した経営改善計画などをもとに3年間をめどに改善に向けた助言を行うとしています。
しかし、それでも経営が改善せず債務超過に陥る危険性が確認された場合は、学生の募集停止や学校法人の解散といった指導を行うとしています。
大学経営に詳しい東京大学大学総合教育研究センターの小林雅之教授は「私学助成金という税金が投入されている以上、国は指導や助言は行わなければならない。一方で、教育の問題は経営とは別で大学の自主性は尊重されるべきだ。文部科学省による画一的な指導は問題になるだけだ」と話しています。


京都・三十三間堂、神仏像を配置換え 80年ぶり本来の姿
 京都市東山区の三十三間堂で31日、中央にある千手観音坐(ざ)像の周りに配置されている「二十八部衆像」や「風神・雷神像」の配置が変更され、一般公開が始まった。絵画や学術的知見を参考に約80年ぶりに本来の姿が「平成の配列」で再現された。
 三十三間堂の1001体に及ぶ「木造千手観音立像」が新たに国宝に指定される記念事業の一環。この機会に他の像の配置も原点に立ち返ろうと、伊東史朗和歌山県立博物館館長らの協力を得て配列を再編した。


三反園知事、女性添乗員を怒鳴る ブラジル訪問中の懇談会 「あるまじき行為」県議らは非難
 鹿児島県の三反園訓(みたぞのさとし)知事が今月、訪問先のブラジルで開かれた県人会の夕食懇談会場で、同県訪問団の世話役を務める旅行会社の女性社員を名指しして怒鳴りつけていたことが30日、西日本新聞の取材で分かった。県議らは「一般の人に対して公衆の面前であるまじき行為」と非難している。
 知事はブラジル鹿児島県人会の記念式典出席などで20〜23日、県議や商工、大学関係者ら十数人とサンパウロを訪問。女性は添乗員として同行していた。
 複数の関係者によると、22日の県人会幹部主催の懇談会で、県議長が締めくくりのあいさつをしている最中、席を外していて戻った知事が突然、女性を呼び捨てにして「誰が会を閉じていいといった」などと大きな声で叱責(しっせき)。議長のあいさつが止まり、女性はうつむいていたという。出席者によると、知事は会場でワインなどを飲んでいた。
 知事は翌日、議長に「お騒がせした」と頭を下げたが、女性への謝罪はないという。
 県議の一人は「県政トップの言動とは思えない」と話した。西日本新聞は30日、この件で取材を求めたが知事は応じなかった。


デスク日誌 ボツ見出し
 W杯サッカーロシア大会はフランスが5大会ぶりに優勝トロフィーを手にし、4年に1度のビッグイベントが幕を閉じた。
 本紙も特集面で対応し、さまざまな見出しが躍り、たくさんの見出しがお蔵入りした。中でも印象に残ったのがフランスとベルギーが共に4強入りを決めた試合。担当者が両試合の見出しの語呂を合わせられないか悩んでいた。締め切り時間が迫る中、他の部員も自分の仕事を進めながら言葉を出し始めた。
 ○○なんかどうです?
 ××では試合内容と離れちゃうか。
 名案が出ず破れかぶれでつぶやく部員たち。その言葉をつなぎ合わせ担当者はさらさらとメモ帳に書き出した。ぽつり「これだ」。
 「フランスパン一斤」
 「ベルギー麦酒一気」
 小腹の減る時間。字面に眺め入り、満面の笑み。もちろん紙面に使えるわけがない。しかし、切り口を変え、緩い空気の中での部員同士のやりとりがいいアイデアを生むことがよくあり、そんな思考が次につながる。見出しは時間ぎりぎりで「フランス鮮烈一撃」「ベルギー速攻一気」に落ち着いた。やれやれ。(整理部次長 足利克寛)

カントオク1日目暑い/お京阪でトラブル→ツイシン

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Au Japon, la communauté LGBT se mobilise contre le ≪ discours de haine ≫ d’une députée
Mio Sugita, élue du parti au pouvoir, a qualifié les lesbiennes et les gays de personnes ≪ non productives ≫, ajoutant : ≪ Je me demande s’il faut utiliser l’argent des contribuables pour elles. ≫
Le drapeau arc-en-ciel des LGBT (lesbiennes, gays, bi et trans) a flotté vigoureusement, les 27 et 28 juillet, à Tokyo et Osaka. Les Japonaises et Japonais ont bravé le typhon Jongdari pour manifester et exiger la démission de la députée Mio Sugita, qu’ils accusent d’avoir tenu un ≪ discours de haine ≫. Elue du Parti libéral démocrate (PLD) au pouvoir dans le département de Hyogo (ouest), la députée a qualifié, dans une interview publiée le 18 juillet par le magazine Shincho 45, les personnes LGBT de ≪ non productives ≫, car ≪ ne pouvant pas se reproduire ≫.
Je me demande s’il faut utiliser l’argent des contribuables pour elles ≫, a ajouté celle pour qui une société acceptant des relations homosexuelles risque l’effondrement. Elle considère également un média parlant des couples de même sexe comme pouvant encourager les personnes ≪ capables de vivre une romance normale et de se marier ≫ à ≪ devenir homosexuelles ≫.
Ses propos ont suscité une vague d’indignation et un appel à manifester. A Tokyo, des milliers de personnes se sont rassemblées devant le siège du PLD, appelant à lutter contre les discriminations et déplorant que l’élue résume la vie humaine à la procréation. ≪ C’est comme si on m’avait dit que je n’avais pas le droit de vivre ≫, a déclaré une participante lesbienne.
L’homosexualité n’est pas la définition du malheur. Ce sont des remarques discriminatoires comme celles de Mio Sugita qui nous rendent malheureux ≫, a par ailleurs réagi Taiga Ishikawa, l’un des premiers responsables politiques japonais – de l’opposition – ouvertement homosexuel. Pour lui, outre leur aspect discriminatoire, les propos de Mio Sugita ≪ ternissent considérablement la réputation du Japon ≫ à l’approche des Jeux olympiques de 2020 à Tokyo.
La situation des LGBT évolue lentement
Les critiques sont d’autant plus vives que les réactions du PLD sont apparues mitigées. Si Shunsuke Takei, ancien secrétaire parlementaire aux affaires étrangères, estime que les propos de Mme Sugita ne sont ≪ pas de la politique mais simplement un discours de haine ≫, le secrétaire général du parti, Toshihiro Nikai, a refusé de les condamner. ≪ Hors des positionnements politiques, différentes personnes affichent des points de vue différents ≫, a-t-il simplement déclaré.
L’ambiguité de M. Nikai rappelle qu’en novembre 2017, Wataru Takeshita, autre cacique du PLD, avait estimé que les partenaires de même sexe ne devraient pas être invités aux réceptions de l’empereur Akihito. Le premier ministre Shinzo Abe a exprimé, en 2015, des réserves sur le mariage pour tous. Lors des législatives d’octobre 2017, le PLD a promis de faire adopter une loi pour une meilleure considération des LGBT. Elle se fait toujours attendre.
La situation n’évolue que très lentement au Japon, même si certaines municipalités, comme Sapporo (Nord) reconnaissent les unions de personnes de même sexe, et si le ministère de l’éducation a inclus en 2017 les LGBT dans sa politique de lutte contre le harcèlement à l’école. Mme Sugita, elle, n’en est pas à ses premières polémiques. Appartenant à la frange la plus nationaliste du parti, elle nie l’existence des femmes dites ≪ de réconfort ≫, contraintes de se prostituer pour les soldats de l’armée impériale nippone, et critique les femmes qui tentent de développer le mouvement #metoo au Japon.
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カントオク1日目です.1時間弱遅れですが,暑い.ランチ行こうとしたらもう終わりましたって.別のお店を探したけど,酷暑です.
お京阪でトラブルのせいでツイシン?よくわからないけどどうする?

港の社交場 希望照らす 宮城・南三陸に震災後初のスナック開店 「夢の続き」義姉とともに
 東日本大震災で被災した宮城県南三陸町志津川で、7年ぶりにスナックの明かりがともった。「地元で再開できるとは思っていなかった。かつての常連客の後押しで夢の続きが始まった」。スナック「愛に恋」をオープンさせたママの小山智美さん(49)は古里で念願の再出発を果たした。
 スナックは海の近くでかさ上げされた商業地に建つ。28日夜、開店を待ちわびた客が続々と訪れ、約50平方メートルの店内ににぎやかな笑い声が響いた。
 小山さんは開店目前に体調を崩して今月中旬に手術を受けたが、28日にオープンしたい理由があった。この日は長男裕人(ゆうと)さんの29歳の誕生日。無事開店できた安堵(あんど)感に浸りながら、酒を飲んだりカラオケを歌ったりして楽しむ客の姿をうれしそうに見詰めた。
 震災前は旧町役場近くでスナック「オレンジ」を義姉の大内恵子さん(53)と営んでいた。水産業が基幹産業の町での商売。漁師の客も多く、小山さんは「長靴を履いたままや腕に魚のうろこを付けて来るお客さんもいた」と懐かしむ。
 小山さんは志津川で生まれ育ち「いつか自分の店を持つのが夢だった」。だが独立から4年目、震災に見舞われた。
 借りていた店舗が津波で流失し、震災後は独立前に勤めていた登米市内のスナックで働いた。地元での再開は諦めていたが、昨年、登米の店を訪れたオレンジ時代の常連客に背中を押された。
 志津川にかつて15軒ほどあったスナックは震災の影響で多くが廃業に追い込まれた。町民から社交の場でもあるスナックの復活を望む声があっただけに、町のにぎわいづくりにつながりそうだ。
 「気軽に会いに来てもらえるアットホームな店にしたい」と小山さん。大内さんは「ママを支え、店を盛り上げたい」と語る。地元で愛される店を目指し、再び二人三脚で新たな一歩を踏み出した。


熊谷さんの短編舞台化「ラッツォクの灯」 モデルの地気仙沼で上演 「被災者の支えになりたい」
 仙台市在住の直木賞作家熊谷達也さんの小説を原作にした舞台「ラッツォクの灯」が28日夜、作品のモデルの地となった気仙沼市で上演された。
 東日本大震災後、熊谷さんが描き続けている「仙河海(せんがうみ)」シリーズのうち、短編集「希望の海 仙河海叙景」(集英社)の一編を舞台化した。
 劇団「黒色綺譚(こくしょくきたん)カナリア派」を主宰し、母親が気仙沼市出身の赤澤ムックさんが脚本・演出を手掛けた。同劇団に所属し、演劇ユニット「コマイぬ」を主宰する石巻市出身の芝原弘さん(36)らが出演した。
 津波で家族や家を失い心がすさんだ、芝原さん演じる翔平が止まっていた時と向き合い、一歩を踏み出す物語だ。
 会場はカフェ「K−port」で、海に面したガラス戸を開け、外に出て演じるシーンもあり、約80人の観客は1時間半ほどの公演をじっくり鑑賞した。
 熊谷さんの小説を初めて舞台化したこの作品は昨年11月、石巻市で上演された。その後、熊谷さんが芝原さんに気仙沼での再演を提案した。
 熊谷さんは「ぜひ気仙沼で上演してもらいたかった。作品に新たな命を与えてくれた」と語った。芝原さんは「被災した方の支えになるような芝居をしていきたい」と述べた。
 熊谷さんは教諭として気仙沼中に勤務した経験があり、当時同校に在籍した市民が上演に協力した。協力者の一人で、まちづくり団体「気楽会」代表の小山裕隆さん(40)は「時間の経過とともに忘れかけていたものを思い起こさせてくれた」と感謝した。


復興政策の課題 見つめ直す 日本学術会議と東北大、仙台でシンポ
 科学者組織の日本学術会議と東北大は29日、シンポジウム「東日本大震災後の10年を見据えて」を、仙台市青葉区の東北大川内南キャンパスで開いた。被災地で研究を続ける識者や前仙台市長の奥山恵美子氏が講演し、復興政策や防災の課題を指摘した。
 市民ら約150人が参加。東北大災害科学国際研究所の佐藤大介准教授(江戸時代史)は、被災地で歴史資料を修復・保存する活動を紹介し「過去の自然災害の被害が分かり、防災の基礎にもなる」と述べた。地域の資料を保存する活動を、被災者の自尊心の回復につなげる心理学分野の研究も紹介した。
 横浜国大大学院の吉原直樹教授(社会学)は、東京電力福島第1原発事故の被害を受けた福島県大熊町の復興政策を「避難住民の早期帰還を重視するあまり、住民同士の分断を招いている」と指摘。避難先から戻らない住民も含めたコミュニティー維持など柔軟な施策を求めた。
 奥山前市長は震災後の市の対応を振り返り「高齢者や障害のある人のための福祉避難所を開設できず、サポートも不十分だった」と反省点を挙げた。民間賃貸住宅を借り上げる「みなし仮設住宅」制度の事務手続きの複雑さを強調し、法改正による改善を訴えた。


河北春秋
 防護服に身を包み、雑草をかき分け進んだ先に古木があった。樹齢百年超。幹の太さは1メートル近く。四方に伸びた枝には直径2、3センチのナシの青い実が幾つもなっていた。もう何年も手入れがされていないというのに、生命力の強さに驚く▼東京電力福島第1原発で全域避難が続く福島県大熊町の「関本農園」。関本好一さん(83)の祖父が1913(大正2)年に開いた。一帯は水利が悪く、水稲が作れない荒れ地だった。現金収入を得るため選んだのがナシ栽培だったという▼果物はぜいたく品。作るのはまかりならん−。太平洋戦争末期、当局にナシの木を切るよう命じられた。親たちが幹だけを残したナシ畑に芋などを植えていたのを関本さんは覚えている。平和な時代が訪れ、自由に作付けができるようになった▼関本さんは自宅脇に直売所を開くなどして大半を農協を通さずに販売。キウイ栽培などにもいち早く挑戦した。経営が軌道に乗った後は息子に農園を任せていた。開園時に植えられた古木を「記念樹」として大切にしてきた▼原発事故前、町には約40軒のナシ農家があった。避難指示が続く町内ではいまだに栽培できず、避難先で営農を続けている農家もいないという。代々の汗が染み込んだナシ畑が復活する日は来るだろうか。

遺族側の答弁書 8月提出へ
震災の津波で犠牲になった石巻市の大川小学校の児童の遺族が訴えた裁判で、石巻市と宮城県が上告を申し立てたことに対し、遺族側は、受理しないよう求める答弁書を来月、最高裁判所に提出することを決めました。
石巻市の大川小学校では、震災の津波で児童74人と教職員10人が犠牲になりました。
このうち23人の児童の遺族が裁判を起こし、2審の仙台高等裁判所は、ことし4月、事前の学校の防災対策に不備があったことなどを認め、石巻市と宮城県に14億3000万円あまりの賠償を命じる判決を言い渡しました。
石巻市と宮城県は判決を不服としてことし5月に上告し、「2審判決にある、事前の学校の防災対策の内容は、教員に極めて高度な義務や非現実的な回避義務を課すものだ。国家賠償法の『過失』の解釈を誤っており、法令違反がある」などとする上告理由書を提出しました。
これに対し、遺族側は、上告の棄却を求めるとともに、上告を申し立てたことに対し「上告する理由がない」として受理しないよう求める答弁書を来月24日、最高裁判所に提出することを決めました。
遺族側の弁護士は、答弁書の具体的な内容については今後さらに検討するとしています。


聖火はまず東松島に運ぶ計画
2020年東京オリンピック・パラリンピックの組織委員会は、聖火リレーの聖火について、ギリシャで採火式を行ったあと、まずは東松島市に運んでくる計画を明らかにしました。
組織委員会は、東日本大震災の被災地での大会への機運を盛り上げたいとして、大会の重要事項を決める理事会を、福島県にある「Jヴィレッジ」で初めて開催し、福島県の内堀知事や宮城・岩手両県の副知事らと意見を交わしました。
会議の冒頭で組織委員会の森会長は、「復興五輪として東北を応援しようという点は、大会招致以来の源流だ」と述べ、2020年の3月26日に福島県を出発する聖火リレーの聖火について、ギリシャで採火式を行ったあと、まずは被災地の東松島市にある航空自衛隊の基地に運んでくる計画を明らかにしました。
このあとの会見で森会長は、採火式の時期について、東日本大震災から9年となる3月11日に行いたいという意向を示し、聖火は、リレーに先だって、宮城、福島、岩手の3県で「復興の火」として各県で2日間ずつ展示する方針だということです。
また、大会期間中の暑さ対策の一環として、夏に生活時間を早める「サマータイム」の導入をめぐり、森会長は「2時間早めたい」と述べ、組織委員会として政府に働きかけていく考えを示しました。
【復興五輪へ新たな取り組みも】
東京オリンピック・パラリンピックの組織委員会は、被災3県との意見交換会の中で、聖火リレーや競技以外の面でも被災地を後押しする、新たな取り組みを検討していることを明らかにしました。
取り組みの一つが、震災での支援に対する感謝や選手への応援の気持ちを伝える「モニュメント」で、被災地の中学生や高校生がモニュメントにメッセージを書き、選手村などに設置する計画です。
組織委員会によりますと、このモニュメントに、大会に参加した選手が返事のサインを書くことも検討していて、大会後は被災3県に移設したいということです。
また、被災地を含め全国各地の伝統工芸品を世界に売り出そうと、東京大会のライセンス商品の販売の仕組みも示し、今後、実施していきたいとしています。
このほか、被災地の子どもたちが大会を観戦したり、ボランティア活動を体験したりすることも検討していくことにしています。


道の駅「遠野風の丘」 素通り阻止へ誘客大作戦 釜石花巻道路の全線開通控え、通年企画や施設改修
 遠野市の道の駅「遠野風の丘」で、創業20周年記念の大掛かりな感謝祭が始まった。市内を横切る東北横断道釜石花巻道路の全線開通を見据え、道の駅で集めた観光客を周辺に回遊させる戦略だ。巨額投資による道の駅改修工事も進んでおり、まちを挙げて「素通り阻止」の誘客大作戦を展開する。(釜石支局・東野滋)
 月替わりで各種イベントを繰り出す通年企画「20周年感謝祭」は6月にスタート。来年3月までの立ち寄り客で前年同期比20%増の数値目標を掲げる。道の駅を除いた市の観光客数も2017年度から2万2000人増の45万人を目指す。
<交通量4割減少> 
 市内は15年12月に遠野インターチェンジ(IC)の利用が始まって以降、道の駅周辺の交通量が約4割も減少し、関係者に困惑が広がった。
 ただ、本年度中に全通する利用無料の釜石花巻道路は80キロの全区間にサービスエリアなどの休憩場所が1カ所もない。市観光交流課は「遠野ICは路線の中間点に位置する。下りてすぐの道の駅を、今からアピールすることが重要だ」と強調する。
 感謝祭の事業費1639万円はほぼ全額を市が支出し、運営は新設された市観光推進協議会が担う。観光に関係する地元の団体や事業者が結集した協議会にとっては、今後を占う試金石となる。
 しかし肝心の市内への観光客回遊策は「今後、協議会で練っていく」(市観光交流課)にとどまり、出遅れの印象は否めない。6月以降、天候に恵まれて周辺への波及効果が見え始めていただけに具体策づくりが急務だ。
<多額の累積赤字> 
 道の駅をはじめとする主要観光施設を指定管理する第三セクター遠野ふるさと公社にとっても、感謝祭は正念場になる。来場者や売り上げの減少で累積赤字が過去最大の4010万円に達しているからだ。
 特に盛岡市内の大型商業施設に進出したアンテナショップ「結いの市」は開設以来12年連続の赤字で、市議会からは存続を疑問視する声も上がる。
 菊池美之(よしゆき)常務理事は「釜石花巻道路全通後も盛岡圏からの誘客の重要性は変わらず、情報発信拠点として維持したい。地場産品の販売や雇用など公社が果たす役割は大きく、危機感を持って感謝祭に臨む」と理解を求める。
<観光の底上げに>
 市は20年度まで約10億7300万円を投じる道の駅改修計画を進めている。費用対効果の面でも一層の集客増は欠かせない。
 市観光推進協議会長で公社の理事長でもある本田敏秋市長は「道の駅へのてこ入れは公社への経営支援ではなく、集客力をさらに伸ばして活用していくための取り組み。遠野観光全体の底上げにつなげたい」と話す。


懸命プレー 泥んこバレー熱戦 大崎の休耕田で地区住民ら親交
 「泥んこバレーin小泉」が29日、大崎市古川小泉の休耕田で開かれた。参加者は泥だらけになって自らのプレーをアピールした。
 地区住民の交流を深めようと地元町内会の小泉親交会が企画。9回目の今年は23チームが出場した。参加者はぬかるみに足を取られながらも懸命にプレー。際どい判定には、サッカーのワールドカップで有名になったビデオ判定を求める姿も。熱戦の末、風来坊ワン(同市)が優勝した。
 初めて参加した古川北中1年の手嶋友哉さん(12)は「ぬるぬるしてジャンプもできなくて大変だったけど、とても楽しかった」と笑顔を見せた。


介護離職10万人/実効性ある対策が見えない
 家族の介護や看護を理由に仕事を辞めた人が昨年は9万9000人に上った。総務省が先ごろ発表した就業構造基本調査で明らかになった。
 政府は「介護離職ゼロ」を掲げるが、離職者は10万人前後で推移している。介護現場の人材不足にも改善の気配はなく、高齢化が進む中で国や企業のより実効性のある対策が求められよう。
 6月に総務省が公表した家族介護者の調査では、仕事を続けたいと思いながら離職した人のうち、その後に就職活動をしても再就職できない人が6割近くに上った。親の介護が必要になる中高年ともなれば、いったん離職すれば再就職はかなり困難になる。働ける時間の制約も加わり、正規から非正規に転じるケースも多い。
 介護休業制度は法改正で3回までの分割取得が可能になり、介護給付金も引き上げられた。しかし、調査では家族介護者の9割が利用したことがなく、その6割は制度の存在すら知らなかったという。
 先が見通せず、親が遠隔地にいればなおさら困難が増すのが介護だ。勤務先に休業制度があっても、取得時期に悩み、結局は退職を選ばざるを得ない現状も浮かび上がる。
 国は介護離職者のうち年1万5000人程度が在宅サービスや施設利用の不足が原因とみて、施設整備などで解消を図るという。団塊の世代が全て75歳以上になる2025年を控え、20年代初頭までに50万人分の受け皿を用意する方針を打ち出している。
 しかし、それを担う人材確保が進んでいない。厚生労働省によると、25年度には不足する介護職員が全国で33万7000人に上る見通しだ。
 現在でも職員不足で定員を下回る利用者しか受け入れられない特別養護老人ホームがある。短期入所(ショートステイ)サービスを停止する施設も珍しくない。過酷な労働の割に賃金は低く、離職率は高い。このため介護職員の求人倍率は、全職種平均の2倍を超えている。
 外国人労働者に政府は活路を求めるが、どれだけ定着するのか、現場の受け入れ準備ができているかなど、課題は多い。量も質も確保するためには、目に見える形での処遇改善は不可欠だろう。
 一方で、国は要支援など軽度の訪問・通所サービスを介護保険の枠組みから市区町村の「総合事業」に移すなど給付抑制の動きも進めている。助けがあれば家で暮らせる高齢者が支援を受けられなくなれば、従来の生活を維持するため家族が仕事を諦める事態になりかねない。
 「介護離職ゼロ」とは逆行する動きではないか。総合事業では地域格差や、利用者の経済力による格差も懸念される。介護保険の理念そのものが揺らぐ中で、要介護者は確実に増えていく。事態を改善するために腰を据えた取り組みが必要になっている。


最低賃金の引き上げ 国際競争力はまだ足りぬ
 パートやアルバイトなど働き方に関わらず適用される最低賃金が3年連続で3%引き上げられることになった。引き上げ額の目安は26円で、過去最大のアップだ。
 政府は最低賃金の目標値を1000円としている。このペースで引き上げが進めば、東京都は2019年度にも突破する。
 ただ、働き手不足は深刻だ。政府はベトナムから介護労働者1万人を招く計画を立てたが、すでに韓国の最低賃金は実質的に日本より高い。中国の諸都市も近年は大幅な最低賃金の引き上げを図っている。
 アジア諸国の高齢化は進んでおり、今の日本の最低賃金の水準では外国から介護労働者を集めるのは難しくなるだろう。国際競争力の弱さは否めない。
 フルタイムで働く人の平均賃金との対比では、日本の最低賃金は約40%の水準にとどまる。フランスは60%、イギリス、ドイツは50%前後で、日本は経済協力開発機構(OECD)加盟国の中では最低レベルにある。
 今国会で成立した働き方改革関連法では、長時間労働を是正するため残業時間に上限規制が設けられた。最低賃金を少し上回る程度の賃金で働いている非正規社員は多く、複数の仕事を掛け持ちしないと生活できない人もいる。非正規社員の長時間労働を改善するためにも、さらなる引き上げが必要だ。
 地域間格差も問題だ。諸外国では全国一律の最低賃金が一般的だが、日本は都道府県ごとにA〜Dの4ランクに分かれている。今回の引き上げで、東京は985円となるが、沖縄などは760円にとどまる。前年度よりさらに差は広がった。
 実際の賃金は物価など地域特性を理由とする差よりも、企業の規模や産業・職種による差の方が大きい。同じ内容の仕事なのに地域によって時給200円以上も差があると、最低賃金の低い地方からの労働力流出は進むばかりだろう。
 連合の調査では世帯収入は改善の傾向にあるものの、暮らしに関する将来の不安を感じている人は多く、消費の回復にはつながっていない。
 最低賃金の一層の引き上げと格差是正を進めるべきだ。税金や保険料を納める層が厚くなれば、社会保障制度の安定にもつながる。


国連人権理事会/米国の脱退は責任放棄だ
 超大国としての役割を自覚しなくてはならない。
 米国が国連人権理事会からの脱退を発表して1カ月余りが過ぎた。最近もヘイリー米国連大使が「国連最大の失敗」と主張するなど、批判を強めている。
 「自国第一主義」を掲げるトランプ米政権はこれまで、地球温暖化対策の「パリ協定」や国連教育科学文化機関(ユネスコ)など国際的な枠組みからの離脱を相次いで表明してきた。
 国際社会が積み上げてきた努力を、一方的に崩す姿勢には理解し難いものがある。
 米国が人権擁護の旗振り役を降りたのは、人権理に「イスラエルへの慢性的な偏見がある」という理由だ。親イスラエルの立場を鮮明にするトランプ政権は、イスラエルの批判の場に利用されているとして改革を求めていた。
 人権理はパレスチナ情勢に関して、イスラエル軍による自治区ガザへの軍事作戦などを非難する決議をたびたび採択してきた。だからと言って離脱という選択をするのは、責任放棄に等しい。再考を求めたい。
 12年前に発足した人権理は47カ国の理事国で構成される。国連加盟国の人権状況を監視し改善を促すなど、極めて重要な役割を担っている。
 国際的に人権への対応が主要な課題となっている中、トランプ大統領がそのことを十分理解しているのか疑問である。
 トランプ政権は、中国やベネズエラ、コンゴ(旧ザイール)など、人権を軽視しているとされる国が理事国になっていることも指摘している。
 ならば、人権理内にとどまって改革の先頭に立つのが、長年世界に人権重視を訴えてきた米国の責務ではないか。
 人道団体などからは米国の不在で人権理が弱体化し、被害者支援が難しくなるとの懸念も出ている。
 一方で英国やドイツなどが米国に苦言を呈しているのに対して、日本は批判を封印している。米国の姿勢を容認するという間違ったメッセージを世界に送ることになりかねない。
 人権理は、日本が北朝鮮による拉致問題を追及する場でもあった。国際世論を喚起するためにも米国の復帰を促すべきだ。


ヤマト過大請求 顧客への背信、目に余る
 宅配便の値上げで顧客に負担増を強いる一方で、引っ越し事業では料金の過大請求を続けていた。
 宅配便最大手ヤマトホールディングス(HD)の子会社ヤマトホームコンビニエンスが、法人向け引っ越し事業で8割の顧客に過大請求していた。過去2年間で計4万8千件、総額17億円に上る。
 ヤマトは会社ぐるみの不正を否定しているが、子会社の元支店長が先週記者会見し、組織的な水増し請求が行われていたと証言した。事実なら極めて悪質だ。
 ヤマトHDでは昨年、宅配事業を担うヤマト運輸で240億円もの残業代未払いが判明し、事業の抜本見直しを進めている。荷物の急増に伴う人手不足が背景にあるとして運賃値上げも実施した。
 宅配便という生活インフラを守るために値上げを受け入れ、負担を分け合う顧客の信頼を裏切った責任は重い。事態の全容を明らかにし、再発防止に努めるべきだ。
 引っ越し料金は実際に運んだ荷物の量に基づいて請求されるのが一般的なルールだ。だがヤマト側によると、実際の荷物量が事前の見積もりより少なかったのに、見積額のまま請求していた。
 個人向けは、当日に依頼者と荷物量を確認して請求するため過大請求の可能性は低いという。
 裏を返せば、顧客企業の担当者が実際の荷物量を確認しにくい法人向けの盲点を突き、ルールの逸脱が横行していたと言えよう。
 ホームコンビニエンスの2018年3月期の営業利益は5億円余りで、過大請求がなければ赤字だった可能性もある。業績をよく見せかける意図はなかったか、徹底した真相究明が必要だ。
 気になるのは、過度に利益を追求してきたヤマトの経営姿勢だ。
 宅配事業では、他社が不採算を理由に撤退したネット通販大手アマゾンの商品配送を請け負って規模拡大を図り、人手不足が深刻化した。その結果、残業が常態化して残業代未払いにつながった。
 自浄作用が働かなかったことも問題だ。過去に過大請求を指摘する内部告発があったが、全社的な調査は行われなかった。今回は外部の告発で発覚しており、それがないと放置された恐れもある。
 これが売上高1兆5千億円を超える巨大企業グループにふさわしい姿と言えるだろうか。儲(もう)け優先で内向きな企業風土を根本から変えない限り信頼回復は望めまい。
 法人向け引っ越しで不適切な請求が他社でも行われていないか。業界は点検を急いでもらいたい。


水道法改正 市場開放ありきは危険
 海外の巨大資本にも市場を開く水道法の改正案は、衆院を通過した後、参院で時間切れになった。次の国会では慎重な議論を望みたい。水を守るということは、命を守るということでもあるからだ。
 水道法改正案は、水道事業の経営基盤強化の名の下に、事業者に施設の維持と修繕を義務付けるとともに、官民連携や広域連携を促す内容だ。
 政府は次の国会で成立を図るだろう。
 現行の水道法は「水道事業は、原則として市町村が経営するもの」と定めている。例外はあるものの、そのほとんどが公営だ。
 財政難にあえぐ多くの事業者すなわち自治体が、老朽化する水道管など施設の維持、管理に困っているのは否めない。
 法定耐用年数の四十年を超える老朽水道管の割合は、東京都が13・5%、愛知県が16・6%、大阪府では三割近くに上っている。
 六月の大阪府北部地震では、水道管の破断による断水が多発し、老朽化の実態があらためて浮き彫りになった。対策が急がれるのも確かである。しかし、人口減による料金収入の目減りなどもあり、更新はままならない。
 そこで民間の参入を促進し、経営の改善を図るのが、改正案の“肝”らしい。
 具体的には、自治体に施設の所有権を残しつつ、事業の運営権を民間に委ねる仕組み(コンセッション方式)の導入だ。
 これに対し、水や空気、穀物の種子などのように、人がそれなしでは生きていけない「社会的共通資本」を市場経済に委ねることへの懸念も次第に強まっている。
 世界の民営水道市場は、下水道も含め「水メジャー」と呼ばれる仏英の三大資本による寡占状態。このほかにも、米国のスーパーゼネコンなどが日本市場の開放を待っている。
 フィリピンの首都マニラでは、民営化によって水道料金が五倍になった。南米のボリビアでは、飲み水の高騰や水質の悪化に対する不満が大規模な暴動に発展した。
 改正案には、民間の運営に対するチェック機能の定めがない。マニラやボリビアのようにはならないとの保証はない。
 一方、北九州市のように、隣接自治体との事業統合により、料金の値下げや緊急時の機能強化に成功した例もある。
 市場開放ありき、の法改正はやはり危うい。広域連携を軸にした、さらなる熟議が必要だ。


死刑制度の存廃 終身刑含め議論進めたい
 オウム真理教による一連の凶悪事件で死刑が確定した13人の刑が執行された。1カ月という短期間に13人もの大量執行は極めて異例だ。
 今回の執行に対して、欧州諸国や国際機関から強い批判の声が上がった。2020年までの死刑廃止を求めている日弁連も抗議声明を出した。
 死刑廃止が世界の潮流となる中、日本は今後も制度を維持していくのか。終身刑導入なども視野に、死刑制度の存廃について国民的な議論を一歩進めていく時機だ。
 オウム事件は残忍卑劣な未曽有の事件だっただけに、死刑はやむを得ないと考える国民は多いだろう。被害者遺族も多くが厳罰を望んでいた。愛する家族の命を奪われた心情は十分に理解できる。
 ただ、今回の13人死刑執行には不透明な部分が多い。なぜこの時期か。来年の改元を前に「平成の事件は平成のうちに決着を」という意向が働いたともされる。
 再審請求中が10人いたにもかかわらず、執行に踏み切ったのはなぜか。元教祖の松本智津夫死刑囚の精神状態はどうだったのか。政府は国民への説明責任を果たしていない。議論する上での判断材料が不足している。
 世界はどうか。国際人権団体アムネスティー・インターナショナルによると、17年現在、死刑制度廃止国が106、実質廃止国が36の計142カ国ある。存続国は56カ国あるものの、17年に執行したのは23カ国だった。
 先進国で死刑を続けているのは日本と米国(州によっては廃止)だけだ。韓国は制度自体はあるが約20年間執行していない。欧州連合(EU)は死刑廃止が加盟条件だ。
 国連の02年調査で「死刑が終身刑よりも大きな抑止力を持つことを科学的に裏付ける証拠はない」との結論が出ている。人口当たりの殺人発生率の低さが世界1〜3位のオーストリア、ノルウェー、スペインはいずれも死刑を廃止している。
 上川陽子法相は「死刑廃止は現状では適当ではない」と発言している。死刑容認の国民世論も背景にあるようだ。
 内閣府の14年の世論調査によると、死刑容認派は80%、廃止派は9%だった。ただ「終身刑を導入した場合」を聞くと、容認派は51%に減り、廃止派は37%に増え、差は大幅に縮まった。
 現行制度では死刑と無期懲役の差が大き過ぎる。終身刑導入を具体的に検討する時期ではないか。
 死刑は国家が一人の命を奪う究極の刑罰である。過去に再審事件が相次いだように、冤罪(えんざい)の危険性も付きまとう。
 裁判員裁判の中で一般市民が死刑と関わる機会も皆無ではない。判断を下すためにも、政府は死刑について秘密主義に陥らず、十分な情報公開を果たすべきだ。
 正しい情報に基づいて具体的な議論を進める機運を高めていきたい。


稲田元防衛相 “憲法教”ツイートを削除 「誤解招く」
 稲田朋美元防衛相は29日、ツイッターに法曹界の護憲派を「憲法教という新興宗教」と否定的に評するコメントを投稿した。その後批判を受け、30日までに削除した。
 稲田氏は29日に保守系団体「日本会議」の東京都中野支部の集会に参加。支部長の弁護士について「法曹界にありながら憲法教という新興宗教に毒されず安倍(晋三)総理を応援してくださっている」と投稿した。これにネットで「憲法尊重・擁護義務に反する」などの批判が相次いだ。
 稲田氏は毎日新聞の取材に「ツイッターに書くにはあまりにも誤解を招きやすい(表現だった)なと思う。憲法を否定するつもりは全くない」と説明。「憲法を変えさえしなければ日本は平和であるというのもまた違う」とも語った。【田中裕之】


杉田議員に5000人が辞職要求も…自民は抗議の声を完全無視
「人権無視する議員は辞めろ」「差別をするな」――。LGBT(性的少数者)のカップルは「『生産性』がない」と寄稿した自民党・杉田水脈衆院議員の議員辞職を求める抗議集会。27日夜、東京・永田町の自民党本部前には、約5000人(主催者発表)が駆け付けたのだが、抗議を受けた自民党はガン無視だった。
 この日、性同一性障害であることを公表している上川あや世田谷区議ら「LGBT自治体議員連盟」のメンバー4人が、安倍晋三総裁宛ての抗議声明を渡すため自民党本部に向かった。声明は「根強いLGBTへの差別や偏見を助長するとともに、子どもを産まない人、産めない人、障がいや病気などによって経済的な自立が難しい人をも否定するもので、決して許されるものではありません」と訴える内容だ。
 ところが、党本部の建物に入れてもらえなかったうえ、党職員すら顔を出さなかった。結局、抗議声明は、受け取りを拒んでいた警備員が渋々受け取った。
「党職員すら対応しないというのは、LGBTの人たちの声には耳を傾けないという自民党のメッセージです。杉田議員の見解を党として容認しているということ。有権者は、しっかり覚えておいて、次の選挙の判断材料にすべきです」(立正大名誉教授・金子勝氏=憲法)
 石破茂元幹事長は、杉田発言を「自民党は許してはならない」と講演で批判し、稲田朋美元防衛相は、政調会長時代にLGBTに取り組んだことを挙げ「私は多様性を認め、寛容な社会をつくることが『保守』の役割だと信じる」とツイートした。だが党職員すら対応に応じないという姿勢に自民党の「本音」がよく表れているではないか。ナチの優生思想と全く同じ。早く政権の座から引きずり降ろさないと国民がどんどん不幸になる。


LGBT差別 なぜ自民はとがめない
 これでは差別や偏見をあおるヘイトスピーチ(憎悪表現)と何ら変わるまい。性的少数者(LGBT)の支援策を巡って、自民党の杉田水脈(みお)衆院議員が月刊誌「新潮45」の最新号に寄せた文章である。
 中に、こんな一節が見える。「LGBTのカップルのために税金を使うことに賛同が得られるものでしょうか。彼ら彼女らは子供を作らない、つまり『生産性』がないのです。そこに税金を投入することが果たしていいのかどうか」
 当事者たちは同等の扱いを訴えているのであり、税金投入のくだりは要領を得ない。同性カップルを結婚に相当する関係と認める条例が東京都渋谷区で2015年に成立して以来、広がる行政支援に横やりを入れたかったのかもしれない。
 パナソニックが社内ルールの変更で同性婚を認めるなど、LGBTの社員も働きやすい職場づくりに踏み出す企業は増えている。お茶の水女子大は今月、戸籍上は男性でも性自認が女性のトランスジェンダーの入学に門戸を開く方針を公にした。
 多様性を認め、受け入れることが共生社会への道を開くとの思いからだろう。「性的指向による差別の禁止」は、五輪憲章にも盛り込まれている。2020年東京五輪・パラリンピック開催地の国会議員として、杉田氏は認識を改めてほしい。
 氏の属する自民党が、先の衆院選で掲げた公約にもある。<性的指向・性自認に関する広く正しい理解の増進を目的とした議員立法の制定を目指す><多様性を受け入れていく社会の実現を図ります>
 そううたった党が不問に付すのは、どうにも理解できない。二階俊博幹事長は今回、「人それぞれ政治的な立場、いろんな人生観がある」といった見解にとどまっている。
 わけても杉田氏は、自民党中国ブロックの比例単独候補として当選した。政党票で議席を得た以上、「いろんな人生観」で済まされるはずがない。このまま、公党としての役割を投げ出してしまうのだろうか。
 「生産性」を尺度に持ち出す人権感覚は、とりわけ見逃せない。「五体不満足」の著者、乙武洋匡さんは「国家にとってどれだけ有益かという観点から優劣がつけられる社会になれば、次に排除されるのは『私』かも」とツイートしている。
 あながち取り越し苦労とはいえないだろう。人間に「生産性がない」といったレッテルを貼る論理は、相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で2年前、入居者19人の命を奪い、27人に重軽傷を負わせた元職員のおぞましい優生思想を思い起こさせるからである。
 「生産性革命」は、安倍政権にとって看板政策である。高齢者も、女性も、障害のある方も―とはやす一億総活躍プランでも、「生産性」はキーワードになっている。にもかかわらず、誤解させかねない暴論をなぜ、とがめないのだろうか。
 LGBTとして生きることは、誰の権利も妨げるわけではない。であれば、その自由を認めるのが、日本国憲法の根底を流れる「個人の尊重」という原理である。それを認めないとなれば、全体主義に向かって敷くレールにほかならない。受け入れることは到底できない。


「LGBT 生産性ない」自民 杉田議員の発言に野党から批判
自民党の杉田水脈衆議院議員が、LGBTと呼ばれる性的マイノリティーの人たちについて、「『生産性』がない」などという考えを示したことに対し、野党側からは「議員の資格がない」などと批判が相次ぎました。
自民党の杉田水脈衆議院議員は、今月発売された月刊誌で、LGBTと呼ばれる性的マイノリティーの人たちについて「彼ら彼女らは子どもを作らない、つまり『生産性』がない。そこに税金を投入することが果たしていいのか」などという考えを示しました。
これについて、共産党の小池書記局長は記者会見で「無知、無理解、悪意と偏見に満ちた文章と言わざるをえず、個人の尊厳を根本から否定するようなもので、杉田氏は撤回し、謝罪すべきだ」と述べました。
そのうえで小池氏は「謝罪や撤回の中身にもよるが、これだけ時間がたっても、いまだに何のコメントも出さないというのは議員の資格がない。辞任すべきだ」と述べ、杉田氏は議員辞職すべきだという考えを示しました。
また立憲民主党の福山幹事長は記者会見で、「『LGBTの皆さんが生きやすく、理解が広がった社会にするべきだ』という世界の潮流がある中で、全く時代遅れの無理解な人権無視の発言だ」と批判しました。


財務省人事 森友解明こそが信頼回復の一歩
 森友学園問題を巡る決裁文書の改ざんや事務次官のセクハラ問題といった前代未聞の不祥事で揺れた財務省の新しい幹部人事が発表された。事務方トップの事務次官には新居浜市出身の岡本薫明氏が就任し、国民からの信頼を大きく損なった組織の立て直しを図る。
 文書改ざんで政治とのゆがんだ関係が浮かび上がり、セクハラ問題では人権感覚を著しく欠いた省の対応が批判を浴びた。求められているのは、こうした不祥事の背景解明や体質改善であるが、人事だけではその道筋は見通せない。新体制と併せて打ち出した再生策を実効性あるものとして、抜本的な改革を進めなければ、省が訴える消費増税や財政健全化には耳を傾けてすらもらえないと肝に銘じねばならない。
 財務省では3月、文書改ざんで佐川宣寿氏が国税庁長官を辞任。さらに4月には福田淳一氏がセクハラで次官を辞任し、次官級の3ポストのうち2人が長期不在という異例の事態が続いていた。
 今回次官に就任した岡本氏は改ざん当時、文書管理や国会対応に責任を持つ官房長だった。改ざんには直接関与していないというが、厳重注意を受けた。岡本氏は記者団に「責任を痛感している」と述べており、深い反省の上に立ち信頼回復に全力で取り組んでもらいたい。
 文書改ざんは民主主義の否定であり決して許されない。再発防止が急務だが、真相はいまだ不透明だ。省の調査報告では、当時理財局長だった佐川氏が、政治家の名前が載る文書を「外に出すべきでない」として、改ざんを主導したと認めた。「最強官庁」とも言われた財務省の幹部が、これほどの不祥事に手を染めざるを得なかった背景の解明が欠かせない。
 学園との交渉記録を破棄したのは、安倍晋三首相が夫妻の関与を全面否定した国会答弁が契機だとも認定している。首相は答弁と破棄は無関係だと強調しているが、「首相1強」体制が長期化し、官邸が官僚人事の支配を強化する中、官僚に過度の忖度(そんたく)を強いたことは容易に推認できる。「病巣」を取り除く責任は政治にもある。
 さらには、国有地がなぜ約8億円も値引きされたのかという森友問題の核心部分は分かっていない。各種世論調査の結果では、この問題が決着していないと考える国民が依然多数であることを示しており、徹底解明なくては省の再出発はないと認識すべきだ。
 一連の問題では、任命・監督責任がある麻生太郎財務相のけじめが不十分なままだ。「(改ざんは)悪質なものではない」「(セクハラの前事務次官は)はめられた可能性は否定できない」といった暴言を繰り返し、混乱に拍車を掛けたことも見過ごすわけにはいかない。今からでも遅くはない。大臣自ら出処進退を決断し、組織刷新の範を示さねばならない。


財務省人事  自己改革は可能なのか
 信頼回復より組織の都合を優先したような人事ではないか。
 財務省が、新たな事務次官に主計局長だった岡本薫明氏を、国税庁長官には同庁次長だった藤井健志氏をそれぞれ起用した。
 セクハラ問題や森友学園を巡る決裁文書改ざんで、次官級の2トップが約3カ月も不在となっていた異常事態は解消した。
 ただ岡本氏は、文書改ざんが起きた時、文書管理や国会対応に責任を持つ官房長だった。改ざんは知らなかったというが、管理責任を問われ厳重注意処分となった。
 改ざんした文書を国会に提出した前代未聞の不祥事に間接的に関わったともいえるだけに、国民の理解を得られるかは疑問だ。
 それ以上に問題なのは、組織を立て直して刷新する意図が人事から読み取れないことだ。
 事務次官の後任を巡っては、主税局長や財務官の名前が一時浮上したが、最終的に「本命」だった岡本氏となった。「5年先まで決まっている」とされる次官候補の順番をたがえることはなかった。
 改ざん問題では、佐川宣寿前国税庁長官ら職員20人が処分されたが、麻生太郎財務相は閣僚給与1年分を自主返納することで決着を試み、大臣の座にとどまった。
 不祥事に手を染めた官僚個人の責任は問うたが、麻生氏の政治責任は問題にされず、財務官僚の人事の既定路線も守り抜いた。
 財務省は不祥事の再発を防止するとして、事務次官を議長とする「コンプライアンス推進会議」を設け、民間人を起用して法令順守や組織立て直しを図るという。
 だが、一連の改ざん問題に責任がなかったとはいえない大臣と次官の下で、厳しい自己改革ができるかどうかは極めて疑わしい。
 こうした形ばかりの改革を許したのは、新潟県知事選の勝利や世論調査の結果などで、森友問題への世論の関心が薄まったと安倍政権が感じているからではないか。
 政権は内閣人事局によって省庁の幹部人事を握っており、官僚は政権におもねりやすい。
 ほとぼりを冷ましたと思っている政権に、省内人事の慣行を認めてもらった同省がこれまで以上に従属を強めるなら、「国民全体の奉仕者」ではなくなってしまう。
 来秋に予定される消費税増税への対応や、与党などからの歳出圧力が強まる中での財政再建への取り組みなど、財務省に対する国民の目は厳しさを増そう。
 改めて襟を正し、不信感を払拭(ふっしょく)する努力を続けるしかない。


公文書管理 抜本的対策とは言い難い
 問題の根本的な原因はどこにあるか。防ぐためには何が必要か。公文書は後世に伝えるべき国民共有の財産だ。この大きな視点が抜け落ちている。
 改ざんや隠蔽(いんぺい)など相次ぐ国の公文書管理の不祥事を受け、政府が再発防止策を決定した。
 内閣府の独立公文書管理監を格上げし、各府省庁の行政文書の管理状況を常時監視するよう体制を強化するなどの内容だ。改ざんといった悪質事案に免職を含む重い処分を打ち出した。
 管理体制強化は一歩前進といえるが、対症療法にすぎない。
 独立公文書管理監は国民に公開しないことを前提とする特定秘密の検証・監察を行う役職だ。国民へ公開すべき公文書管理の適正化と異なる。
 本腰を入れるなら首相の下にある内閣府でなく公文書管理専門の独立機関をつくるべきだ。会計検査院のように府省庁へ強い権限を持てば中立性が増す。
 有識者の意見を聞くなど外部のチェックを入れる仕組みをつくることも重要だ。第三者の目を入れることで公平性や公正さをより強められよう。
 そもそも公文書の定義についてもきちんと考えるべきだ。公文書は公文書管理法で「健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的財産」と定義される。
 制定を主導した福田康夫元首相は「民主主義は国民が事実を知ることで成り立つ。事実を知らなければ判断できない」と述べた。各省庁の行政文書は、国民への説明責任を果たすものにほかならない。
 学校法人「森友学園」への国有地売却を巡って、財務省は決裁文書を改ざんし、安倍晋三首相の昭恵夫人が記述された部分を削除した。当時の理財局長が方向性を主導したと認定した。
 陸上自衛隊イラク派遣部隊の日報を巡り、陸自は不存在としていた文書を昨年3月に発見したが、当時の防衛相に報告せず隠蔽し、文民統制が問われた。 一連の不祥事では「ない」とされた文書が職員のパソコン内部で見つかった。個人的メモとして残されていたケースもあった。森友文書について近畿財務局は当初きちんと昭恵夫人や政治家の関わりを記録していた。
 改ざんや隠蔽を判断・指示したのは本省など上層部だった。一方で現場が記録していたことで後から不正が分かった。このことを重く受け止めたい。
 再発防止策によって、逆に職員が文書を作成しなくなり「個人資料」として行政文書に登録しなくなったら元も子もない。
 公務員が業務でつくった文書はメモを含めすべて公文書として扱うよう公文書管理法を改正する根本的な対応が必要だ。
 行政機関の行為を確実に記録することが公の奉仕者たる公務員の職務の礎となり、国民の信頼を得るはずだ。政治家の圧力といった不正を許さないモラルの維持にもつながる。
 もっとも森友問題など安倍首相への忖度(そんたく)が行政をゆがめたとの疑念が解消されないままでは、不祥事対策としてバランスを欠いた印象が否めない。


公文書管理 抜本的な対策こそ必要だ
 学校法人「森友学園」を巡る財務省の決裁文書改ざんなど、公文書管理に関する相次ぐ不祥事を受け、政府が再発防止策をまとめた。
 改ざん防止のため決裁文書の事後修正を禁止し、修正が必要な場合は新たに決裁を取り直すことなどを明文化する。改ざんなど悪質な事案は免職を含む重い処分を行う。修正した際に記録が残る電子決裁への移行も加速させる。
 チェック機能を強化するため、内閣府の独立公文書管理監の権限を拡大し、これまでの「特定秘密」に加え、一般の行政文書も監視するようにする。各府省庁にも「公文書監理官(仮称)」を置き、各府省庁の公文書担当幹部には研修を義務付けるという。
 だが、打ち出された防止策では不都合な文書を隠す「抜け穴」をふさぐ対策は十分とはいえず、失われた公文書管理への信頼を回復させることができるとは思えない。
 一連の不祥事では、政権への忖度(そんたく)で改ざんや廃棄といったずさんな公文書管理が行われた可能性が指摘されている。チェック機能の強化は重要だが、公文書管理監は法律上は首相の下に置かれたもので、独立した権限はない。公正に監視機能を果たすためには、政府から独立した機関をつくる必要があろう。
 公文書管理法では公文書を「行政機関の職員が職務上作成し、組織的に用いるもの」と規定する。しかし、一連の不祥事では、官僚が重要な文書やメールを「個人メモ」「手控え」などとし、都合の悪い文書を隠す口実にしている実態が浮き彫りになった。
 罰則強化だけが先行すると、本来は保存すべき重要文書を、官僚がこれまで以上に残さなくなる懸念がある。実際、官僚からは「後で問題にならないよう、記録は私的メモとするケースが増える」という声があるという。公文書管理に詳しい専門家からは、個人メモなどの「抜け穴」をなくすよう、公文書の定義を明確にすべきだとの意見が出ているが、今回の防止策には盛り込まれなかった。
 2011年施行の公文書管理法では、公文書は「民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源として、主権者である国民が主体的に利用し得るもの」と定められた。だが、一連の不祥事を見ると、官僚も政治家も「行政情報は自分たちのもの」という意識が変わっていないようだ。
 米国ではヒラリー・クリントン氏が国務長官時代に公務で私用メールを使っていたことが分かり、大きな問題になった。米国では政策決定の過程が検証できるよう、メールなども公文書としてきちんと残すという考えが浸透している。日本でもこうした意識を根付かせる必要がある。
 現在や後世の国民への説明責任を果たすためには、公務員が職務上作成した文書を幅広く公文書と定義することが求められよう。政府は抜本的な対策に取り組むべきだ。


加計疑惑 首相の威借る内閣府 真相… 官僚ら口閉ざす
 「平成30年4月開学を大前提に逆算して最短のスケジュールを作成し、共有いただきたい。これは官邸の最高レベルが言っている」
 加計(かけ)学園の獣医学部開設を巡り、昨年五月に明るみに出た文部科学省の文書。日付は二〇一六年九月で、表題は「藤原内閣府審議官との打合せ概要」とある。
 発言の主とみられるのは内閣府で特区事業を取り仕切っていた審議官の藤原豊(55)。藤原は一五年四月、学園や愛媛県の幹部らに「国家戦略特区で突破口を開きたい」と開学に向けた支援を約束した人物だ。
 文書からは、獣医学部を今年四月に開学させる前提で、最短のスケジュールを作成するように文科省に迫ったことがうかがえる。その上で「これは官邸の最高レベルが言っている」と虎の威を借りて強く迫った様子が浮かび上がる。
 この文書は省内の関係部署で共有されており、ある職員は「官邸の最高レベルは総理のことかと当時、話題になった」と振り返る。
 大学や学部を新設する場合、国家戦略特区で規制を突破しても、開学には文科省の認可が必要となる。内閣府職員の一人は「藤原さんは省庁を押し切って規制緩和をしたという実績作りに躍起だった」と語る。
 問題発覚後、文書を作成した文科省の担当者は「こうした趣旨の発言があったのだと思う」と省内のヒアリングに答えた。だが、内閣府は発言を否定。藤原も国会で「獣医学部の新設で総理から指示を受けたことは一切ない」と答弁した。
 内閣府は記録も残していないというが、ある職員は「藤原さんは『省庁とのやり取りは必ず記録に残せ』と口うるさく言っていた。記録がないなんてありえない」と証言する。
 官邸の関与をうかがわせる記録は一六年十月、官房副長官の萩生田光一(54)が文科省の局長に伝えた内容を記したとみられる「萩生田副長官ご発言概要」にも残っていた。「官邸は絶対やると言っている」「総理は『平成三十年四月開学』とおしりを切っていた」
 安倍晋三(63)の側近で文教族の萩生田は加計学園の名誉客員教授も務める。萩生田は今月、取材に局長との面会は認めたが首相や官邸に関連した発言は否定した。「文科省が自分たちの都合で作ったメモ。局長からは『問題解決のために副長官の名前が省内で使われる傾向があり、私もその一員で申し訳なかった』とおわびがあった」と説明した。
 取材班は改めて関係者に接触したが、文科省との協議に同席した内閣府幹部は記者と顔を合わすなり、逃げ出した。萩生田と面会した文科省局長は「話すことはない」と口をつぐんだ。
 ある文科省職員は申し訳なさそうに、こう答えた。「すみません。誰が漏らしたか、すぐ分かるので」 (敬称略、肩書は当時)


プラごみ対策 出遅れを取り戻したい
 この夏、各国を襲う猛暑とともに、もう一つの問題に世界の関心が集まっている。海を汚すプラスチックごみと国際社会の戦いだ。
 米コーヒーチェーンのスターバックスは今月、2020年までに世界でプラスチック製の使い捨てストローを廃止すると発表した。全店で紙製などに切り替える。
 プラスチックのストロー禁止・廃止の動きは米国の自治体、ホテル、航空会社に拡大している。英国、台湾などでは国レベルでも禁止の方向が打ち出された。
 さらに国連環境計画のまとめでは、レジ袋など使い捨てプラスチック製品への規制を行う国・地域が少なくとも67に上るという。
 アフリカが先進地で、ルワンダは10年前からレジ袋の生産、販売を禁じた。レジ袋については中国も禁止・課金を導入するなど世界で規制の動きが加速している。
 プラスチックによる海の汚染は地球規模で広がる。レジ袋や包装容器がごみとして海に流れ込むと、壊れたり劣化して細かくなり、5ミリ以下の微粒子「マイクロプラスチック」が生じる。
 汚染物質が吸着しやすい微粒子を魚が誤飲し、それを食べる人間に悪影響を与えると指摘される。深海魚の体内にも蓄積しているとの研究成果が今月発表された。
 世界で危機感が強まり、6月の先進7カ国首脳会議(G7サミット)の議題となった。しかし、プラごみ削減の数値目標を盛り込む文書に日本は署名を見送った。
 日本は、プラスチック製品に対する国としての規制もない。海の汚染と戦う世界的な取り組みに、立ち遅れているのは明らかだ。
 プラごみについて、政府は来夏までに大幅削減に向けた戦略をつくる。1人当たり排出量が世界で2番目に多い国の責任として、早期に出遅れを取り戻したい。
 戦略づくりでは、レジ袋や使い捨て容器の規制が焦点になる。マイクロプラスチック削減を目指す改正法が先月成立したが、企業の努力義務にとどまり、罰則はない。
 欧州や中国のような禁止・課金を導入すべきか。諮問を受けた中央環境審議会での幅広い論議が望まれる。まずは国として、プラごみ削減の明確なメッセージを世界に発信することが大事だ。
 日本は、ペットボトルなどの廃プラスチックを途上国に大量輸出し、いわば処理を押し付けてきた。しかし途上国側が輸入を制限し始め、今後の在り方が問われる。
 レジ袋を受け取らないなど、暮らしも一段と変化が求められる。長い海岸線と豊かな漁場を持ち、海の恵みを受ける岩手も関心を高めたい。


東京五輪あと2年 猛暑や渋滞、対応強化せよ
 2020年の東京五輪開幕まで2年を切った。選手強化が進む一方、大会運営には課題がのしかかっている。この夏の猛暑は災害に位置付けられ、対策の重みが増した。アクセス道路の整備遅れが影を落とす渋滞問題も、根本的な解決策が見つかっていない。2年という時間はあっという間に過ぎる。都や大会組織委員会はもちろん、関係機関が一体となって向き合う態勢づくりが急務である。
 暑さ対策では、2年後も「猛暑は災害」になるとの前提に立つことが何より重要だ。具体的には、直射日光からどれだけ逃れられるかが鍵になる。
 国際オリンピック委員会(IOC)は、とにかく日陰を多くつくるよう注文している。観客の列を覆う仮設の屋根、ミストシャワーなどは効果が見込めるだろう。行列の時間短縮、ボランティアの活動時間管理などの工夫も大事だ。
 選手についても、「鍛えているから」などと楽観視するのは禁物である。むしろ選手たちは、限界を感じても無理をする可能性がある。控室、ウオーミングアップ用の施設などを含め、選手目線でどんな環境を用意すべきかチェックしておかなければならない。
 決定済みの競技スケジュールも柔軟に見ていくべきだ。マラソンはスタートを午前7時に早めたといっても、当初予定から30分ずらしただけで、直射日光にさらされることに変わりはない。アテネは午後6時だった。夜間開催の可能性は検討されたのか。当日の気温上昇が見込まれるなら延期もあり得るはずだ。そのための日程の余裕をぜひ検討しておくべきだ。
 また、道路渋滞も重い課題である。都や組織委、国土交通省、首都高速道路会社などがつくる調整会議は今年1月、「対策をしない場合、首都高速の渋滞は例年の約2倍」との中間報告をまとめている。
 都心と臨海部の会場などを結ぶ環状2号線が、築地市場移転問題がこじれたことにより整備が間に合わないのが要因である。暫定道路で対応するが、車線が少なく輸送力が落ちる。
 政府や都は時差出勤や、自宅で業務をする「テレワーク」の促進、期間中の配送業務見直しなどを呼び掛けるが、決め手を欠く印象は否めない。
 気になるのは、これら課題への対応ぶりに関係機関の組織的な問題点もうかがえることである。渋滞問題では、混雑箇所に大会用レーンを設置する計画が「渋滞がかえって悪化する」との指摘を受けて見直しを余儀なくされ、現在も案が完成していない。都の打ち水作戦のパフォーマンスに対しては、逆に暑さ対策が手薄である表れなのでは、と懸念する声が上がった。
 専門家を交えて現状を分析し、必要な施設整備や運用見直しを計画的に実現していく“対策本部型”対応を今こそ関係機関に求めたい。連携を深めながら権限も集中し、即断即決していかなければ問題解決は遠い。国の総力によらないと、五輪成功はおぼつかない。


「正気の沙汰ではない」気象予報士と医師が指摘する"灼熱"東京オリンピックの危険性
2020年東京五輪の競技日程が発表された。7月22日から(開会式は24日)8月9日までの19日間で、史上最多の33競技339種目が行なわれる。
このスケジュールでの開催で何より懸念されるのが、期間中の東京の気候だ。
7月23日には青梅市の最高気温が40.8℃となり、観測史上初めて都内で40℃超えを記録するなど、今年の東京は連日の猛暑。もし2年後も同じような状況になれば、選手の体に重大なダメージを与える事態まで起こりかねないのではないだろうか。
7月下旬から8月上旬にかけての東京の気象状況を『ひるおび!』(TBS系)でおなじみの気象予報士・森朗氏が解説する。
「20年東京五輪の日程を知ったとき、正直私は『ありえない』と思いました。というのも、この時期の東京は太平洋高気圧とチベット高気圧が強く、加えて山越えの風がフェーン現象的に吹き降ろしてくると、今年のような酷暑になるからです。
また、過去には7月22日の段階でまだ梅雨が明けていなかった年や、結局夏を通じて梅雨が明けなかった年があるように、ずっと雨が続いている可能性も捨てきれない。また、酷暑時にはゲリラ雷雨が起こりやすくなり、冷夏になったらなったで気圧配置的に台風が近づきやすかったり、前線の大雨に見舞われたりする。つまり、どう転んでもなんらかの心配事がある時期なんです」
その意味で前回、つまり1964年の東京五輪が10月10日から24日にかけて行なわれたのは、考えに考え抜かれた日程だったといえる。
「苛烈な夏を越し、秋の長雨が明けるのが例年10月10日あたり。そこから11月上旬にかけては非常に天候が安定し、過ごしやすくなります。ただ、11月に入ってしまったら肌寒さも感じるので、前回の東京五輪の開催期間は、東京でスポーツイベントを開くにはまさに最適の時期だったわけですよ」(森氏)
だが、過酷な気候下でも、すでに確定した日程で五輪を実施するしか選択肢はない。そこで大会組織委員会は暑さ対策として、マラソンを当初予定の午前7時半から午前7時へ、男子50km競歩を午前7時半から午前6時へ、ゴルフを午前9時から午前7時へなど、いくつかの屋外競技のスタート時間を繰り上げたのだが......。
「砂漠の都市の夏でさえ、朝晩はけっこう気温が下がるのですが、真夏の東京は一日の最低気温が30℃を上回ることも珍しくありません。つまり東京は世界でも極めてまれな、夏は24時間ぶっ通しで暑い街なんです。競技のスタート時間を1、2時間早めたところで、さほどの意味はないと思いますね。
それでも早朝は日中より若干気温は低いでしょうが、実は気温と湿度は反比例の関係にあり、かえって湿気は日中より増すんですよ。だからスタート時間の繰り上げは、逆効果にさえなりかねないのです」(森氏)
日本スポーツ協会(旧・日本体育協会)公認スポーツドクターで、16年まで日本オリンピック委員会強化スタッフ(医・科学)を務めた内科医の栗原隆氏も警鐘を鳴らす。
「もし2年後の東京が今夏と同じ暑さになったとしたら、日本スポーツ協会が出している指針では、『運動は原則中止』というレベルなんですよ。そんななか、世界最高水準の強度で競技を行なおうというんですから、医師の立場からすれば、正気の沙汰とは思えません。特に日本の夏は蒸し暑さが問題です。気温が高くても乾燥していたり、風が吹いていたりすると汗が蒸発して体を冷やしてくれますが、湿度が高いと汗がじっとり体に張りついたままで放熱されないので、熱中症になる可能性が高くなるんです」
特に警戒が必要な競技は、マラソン、テニス、トライアスロンあたりだという。
マラソンはそもそも鍛え抜かれたトップ選手でも健康リスクの大きい競技。ましてや酷暑のなかを走るのは相当危険です。熱中症までいかなくても、脱水症状で選手が倒れることはよくありますからね。給水ポイントでボトルを取り損ね、水分や電解質をうまく補給できなかった場合はかなり危険です。テニスは競技時間が長い上、コートからの照り返しもきついので相当な発汗量になる」(栗原氏)
でも、トライアスロンは、ランやバイクの距離がそう長くない上に途中で水分補給ができ、スイムは海中で体を冷やせるから、さほどの心配はないのでは?
「いえ、そのスイムが盲点なのです。激しい運動をしているので、選手は海中でもけっこう汗をかいているのですが、その割にはあまり喉が渇かないし、途中での水分補給もできない。しかも頭部には強い日差しが当たっているので、体温調節機能が狂いがちなのです」(栗原氏)
医学的見地からも、東京五輪はとても安心して見ていられる大会ではないようだ。


最高気温40度超えの岐阜県多治見市がまさかの設置率0%! 小中学校へのエアコン設置が進まないワケ
今夏の猛暑は"災害級"だ。7月17日には、愛知県豊田市の市立小学校に通う小1男児が熱中症で犠牲になっている。
「その日、公園での30分程度の校外学習を終え、『疲れた』と異常を訴えた男児を担当教諭は教室で休ませましたが、体調が急変して20分後に意識不明に。その教室には扇風機しか設置されておらず、室温は35℃以上に達していました。これでは体調が悪化して当然です」(地元紙記者) 
事故当日の豊田市内の最高気温は37.3度で、高温注意報が発令されていた。だが、この小学校の教室にはエアコンが設置されていなかった。ちなみに、同市内の公立小中学校約100校のうち、生徒が日常的に授業を受ける普通教室にエアコンが設置されている学校はほぼないという。
こうした実態は、豊田市の一件を受け全国各地の学校で表面化している。では、なぜエアコンを設置できないのか? 各自治体の事情を追ってみた。 
まずは"暑い町"とし有名な岐阜県多治見(たじみ)市。同市では7月23日に40.7度を観測するなど今夏も猛暑日が続いている。だが、市内にある小学校13校、中学校8校の普通教室へのエアコン設置率は0%だ。市内の小学校に通う生徒の母親がこう嘆く。
「子供がふらふらになりながら唇を紫色にして学校から帰宅することもありました。この町でも犠牲者が出てしまうんじゃないかと心配です」
だが、多治見市・教育総務課の担当者は苦しい胸の内をこう打ち明けるのだった。
「保護者の方からエアコン設置の要望は年々強まっています。ただ、財政的に厳しい。全小中学校の普通教室にエアコンを入れた場合の設置費用を試算した結果、総額16億円になることがわかりました。大型施設用の電圧変換機や室外機の設置など大がかりな工事が必要となり、施工費は莫大です。市の年間予算は350億円程度ですから、この財政負担はネックでありまして...」 
名古屋大学大学院の准教授で、『教育という病』(光文社新書)などの著書がある内田良氏は、「学校のエアコン設置を阻む最大の障壁が財政問題」と話す。
「まず、小中学校の教室にエアコンを導入するか否かは、学校の設置者、つまり市町村立なら市町村が決定します。ただ、行政の施策には常に"公平さ"が不可欠なので、市町村としては同一市内にエアコンがある学校とない学校が併存するという不公平な状況をつくるわけにはいかない。
そうなると、必然的に自治体内の学校の全教室に一斉にエアコンを導入することが求められる。すると、一度に数億から数十億単位の莫大な予算が必要になり、さらには毎年多額の電気代負担も生じる。多くの自治体がそこに尻込みするわけです」 
さらに別の問題もある。前出の多治見市の担当者がこう言う。
「小中学校のエアコン設置については文部科学省が設置費の3分の1を負担してくれる交付金制度がありますが、"申請しても採択されない"というのが実情です」 
この点については文部科学省に直接確認した。
「この交付金制度は空調設備の導入だけでなく、校舎の耐震化や和式トイレの洋式化や校内のバリアフリー化なども対象なのですが、交付金の予算自体が非常に厳しい状況にあるなか、優先順位をつけざるをえず、今年度は特に、小中学校へのエアコン設置に関する申請はどうしても後回しになってしまう状況です」 
ちなみに、市町村から上がってきたエアコン設置に関わる交付金申請のうち、文科省が今年度に採択したのは「0件」というから事態は深刻だ。


【外国人労働者】共生の準備が欠かせない
 外国人労働者の受け入れ拡大に向け、政府が骨太方針に盛り込んでいた新たな在留資格が、来年4月にも創設されることになった。
 最長10年の労働を可能にし、これまで認めていなかった外国人の単純労働を事実上解禁するものだ。政策の大転換といってよい。
 日本で働く外国人労働者の数は、昨年10月時点で過去最多の約128万人に上る。人口減少が進む日本では、外国人労働者の需要は増しており、政府は新たな制度で数十万人を受け入れる考えだ。
 だが、来春の開始となると拙速感が拭えない。これまでの受け入れ体制に問題が多かったからだ。
 最たるものが外国人技能実習制度だろう。低賃金や長時間労働、パワーハラスメントなどが相次ぎ、国内外から、「奴隷的」なケースがあるとさえ批判された。
 安易な門戸拡大では同じことが繰り返されかねない。外国人労働者の権利を擁護し、生活環境や相談体制なども整える準備が急がれる。
 社会の側もこれまで以上に共に暮らす意識づくりが大切だ。しっかりと議論や準備を重ねたい。
 新資格は慢性的な人手不足に悩む介護、農業、建設、宿泊、造船の5分野が検討されてきた。政府は多くの業界から要望が出ていることを踏まえ、製造業や水産業にも拡大する方向だ。
 新制度に合わせて在留管理を強化するため、「入国管理庁」のような官庁を創設する検討にも入った。
 在留期間は、通算で最長5年を原則とする。技能実習制度と合わせれば10年の滞在が可能になるが、家族の帯同は認めない。こうした制限から政府は「移民とは異なる」としている。
 移民の受け入れ問題を先送りした対症療法との指摘が出て当然だ。
 技能実習制度も、本来は途上国の人材育成という国際貢献の仕組みだが、政府は事実上、労働力確保の手段に用いてきた。在留期間も3年から5年に延長して受け入れ人数を増やしてきた。
 在留が10年になれば、技能もより高まり、日本で生活基盤もできる。永住を望む声も出るだろう。安倍首相は外国人労働者を求める一方で、「移民政策は取らない」方針を示している。都合のよい政策になってはいないか。
 日本の社会や産業は既に、外国人労働者なしでは成り立たなくなっている。大都市では、コンビニも飲食店もホテルも、外国人労働者が支えているといっても過言ではない。今後は介護現場での活躍も期待されている。
 日本への貢献にふさわしい受け入れ方を模索すべきだ。もちろん移民の門戸を開くとなれば国民的合意が必要になる。不安を抱く人も多く、簡単ではない。日本人の雇用への影響も検証しなければならない。
 だからこそ抜本的な論議が要る。問題の先送りを続ける国に共生の道は開けまい。


東京五輪でボランティアさせるため文科省が大学に「期間中は授業やるな」…まるで戦時中の学徒動員!
 先日本サイトでお伝えしたように(http://lite-ra.com/2018/07/post-4142.html)、2020年東京オリンピック大会期間中の酷暑問題が懸念されているなか、信じがたい動きが浮上した。
 文科省とスポーツ庁が全国の大学と高等専門学校に対して、学生を東京五輪のボランティアに参加させるため、五輪・パラリンピック期間中は授業や試験をやらないよう通知を出したというのだ。
 東京オリンピックは7月24日から8月9日にかけて行われ、パラリンピックは8月25日から9月6日まで行われる予定。ところが、文科省は、すべての大学、高専に、授業や試験がこの大会期間と重ならないよう、対応を促したのだ。通知を受けた大学側も、首都大学東京や国士舘大学、明治大学など、大会期間中を休みにすることを決定した大学や検討し始めた大学が出てきている。
 なぜ、たかだかいちスポーツイベントのために、教育機関の授業を犠牲にしなければならないのか。これではほとんど戦時中の「学徒動員」「国家総動員」ではないか。
 これはけっしてオーバーな話ではない。そもそも、東京オリンピック・パラリンピックのボランティアは、完全にボランティアのレベルを超えた、ブラック労働としか言いようのない代物なのだ。
 東京オリンピックに際して募集されるボランティアは、大会の運営に直接関係する大会ボランティアと、交通案内や観光案内などを行う都市ボランティアの二つに大別される。前者は8万人、後者は3万人、合計11万人のボランティアが必要だと試算されている。これは、2012年ロンドン大会における7万人を上回る数字で、過去最大のものだという。
 3月28日に、東京都と2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会が大会におけるボランティア募集要項案を発表したが、とくに大会ボランティアのほうがひどい条件だった。
 まず運営側は、02年4月1日より前に生まれた人、合計10日以上活動でき、指定するすべての研修に参加できることを大会ボランティアの応募条件としている。
 10日プラス研修という拘束時間だけでも無償の域を超えているが、他の条件がこれまたひどい。1日の仕事時間は8時間もあり、1日1回を原則とする飲食は支給されるが、交通手段や宿泊場所は各自が手配し、費用も自己負担となっている。ようするに、寝泊まりの場所は勝手に考えて、勝手に現地に来いというのである。この条件を発表した直後、大炎上したため、6月になって、組織委は慌てて1000円程度の交通費を認める方針を出した。しかし、こんな少額では都内近郊の人でないと足りないし、日当や宿泊費などは依然出ないままだ。
 しかも、驚かされるのは、仕事の内容だ。組織委員会は「積極的に応募していただきたい方」として、競技の基本的知識がある人、英語やその他言語のスキルを生かしたい人、スポーツボランティア経験をはじめとするボランティア経験がある人といった厳しい条件をあげているが、それもそのはず。仕事の内容を確認すると、タダ働きとは思えないほど知識や技能が必要な仕事が含まれているのだ。
 たとえば、空港や会場での海外要人の接遇、関係者が会場間を移動する際の車の運転、選手がメディアからインタビューを受ける際の外国語でのコミュニケーションの補助、ドーピング検査のサポート、大会を記録するための写真や動画の編集サポートといったものまで。これは、タダ働き人員で補うレベルの仕事ではなく、プロの通訳やドライバーを雇って割り振るべき仕事だろう。
 ようするに、この悪条件でボランティアがなかなか集まらない懸念が広がる中、文科省は今回、大学と高専に「学徒動員」まがいの通知を出したというわけだ。
中学生、高校生にもボランティア半強制、五輪中は「ネット通販控えろ」
 いや、大学と高専だけではない。組織委は競技会場外での道案内などの仕事で中学生・高校生向けの募集枠を設ける方針なのだが、これについて「教育的価値が高く、スポーツボランティアの裾野を広げる観点から有意義な取り組みだ」(2018年3月28日付日本経済新聞)と説明している。ようするに、学校側がボランティアを内申点や推薦に反映させる空気を作り出し、中高生にもボランティアを半ば強制しようとしているのだ。
 さらに、「オリンピックのため」の滅私奉公は企業にも呼びかけられている。
東京都オリンピック・パラリンピック準備局大会施設部が、「大会期間中は休暇をとってほしい」「ボランティア休暇制度をつくってほしい」「オリンピック中はネット通販を控えてほしい」などと要望しているのだ。
 この事実を報じたのは、ウェブサイト税理士ドットコム。同サイトによると、今月7日、芝浦工業大学で行われた公開講座「東京2020大会に向けた輸送戦略」で、東京都オリンピック・パラリンピック準備局大会施設部の松本祐一輸送課長が大会中の交通マネジメントについて、このように語っていたという。
「大会期間中、混雑が予想される平日10日間は、できるだけ休暇を取っていただきたいとお願いをしています。大手のメーカーさんでは、全社一斉休業にする取り組みも決まっています。また、ボランティア休暇制度がない企業さんには、新たに設けていただきたいと思っています」
「本当にお願いしたいところは、ネット通販がかなり物量を増やしています。個人の消費者行動なので、『クリックしないでください』とは言えないのですが、たとえば大会期間の前に必要なものを納めていただき、不要不急のものは大会後に注文していただくなど、みなさまにご協力いただければと思います」
 たかだか数週間の運動会のために、なぜここまで市民生活が制限されなくてはならないのか。
オリンピック関連職種だけ「働き方改革」を猶予し、過重労働を容認?
 しかも、たんに生活を我慢するレベルでなく、オリンピックによって、国民の健康や命が危機にさらされる可能性もある。冒頭で指摘したように、東京五輪は前例のないような酷暑のなかで開催される可能性が非常に高く、下手をしたら、長時間、炎天下に立つボランティアは熱中症で命に関わりかねないからだ。五輪組織委はそんな悪条件での奉仕を無償でを半強制的にやらせようとしているのだ。
 さらに、オリンピックを理由に過重労働を求めさせようという動きまで出てきている。2019年度から始まる残業時間の上限規制により、原則として全業種で残業を年間720時間、繁忙月は特例で100時間未満までとなる。この上限規制は過労死ラインを容認するものであると批判されているが、運輸と建設に関しては、さらにこの上限規制に猶予期間が設けられる可能性がある。
 日本経済新聞の報道によれば、労働時間の単純な短縮は五輪関連などの工期に影響しかねないとして、日本建設業連合会が国土交通省に時間外労働の上限規制の建設業への適用に相当な猶予期間を設け、東京五輪以降に段階的に導入するよう要請したという。
 昨年夏、東京オリンピック・パラリンピックの開会式および閉会式の基本プランを作成する「4式典総合プランニングチーム」の一員である椎名林檎が語った「国民全員が組織委員会」なる言葉を口にして、批判を浴びたが、まさにそういう事態が進んでいるのだ。「オリンピックのため」というお題目があればどんな無理もまかり通る。そして、それを胃を唱える者や、オリンピックのために滅私奉公しない者は「非国民」のように扱う。
 もともと、今回のオリンピックは「復興五輪」という触れ込みで行われる予定だった。しかし、実際の東京五輪は復興どころか、国民の命と生活を脅かし、愛国心を煽るだけの最悪のイベントになろうとしているのである。


米軍、放射性物質を下水に流す 大震災後トモダチ作戦 厚木・三沢で12万リットル超
 【ジョン・ミッチェル特約通信員】在日米軍が2011年6月、厚木基地(神奈川県)と三沢基地(青森県)で放射性物質を含む汚染水12万リットル以上を下水道に流していたことが分かった。本紙が米軍の内部資料を入手した。
 汚染水は東日本大震災と東京電力福島第1原発事故後の「トモダチ作戦」に参加した軍用車両や装備品の除染で発生していた。
 米太平洋軍(当時)と在日米軍の内部討議資料によると、11年5月3日時点で「液体低レベル放射性廃棄物」が厚木に9万4635リットル(2万5千ガロン)、三沢に3万283リットル(8千ガロン)あった。
 本紙の取材に対し、在日米軍はこの時の保管量より多い量を翌月、厚木と三沢で投棄したことを認めた。同時に「投棄は日本政府の基準で安全と認められていた」と説明した。
 汚染水は「低レベル」と分類されているものの、実際の放射性物質の濃度は明らかでない。内部資料には、装備品の中に除染しきれないほど深刻に汚染された物があったと記されている。
 トモダチ作戦で出た固形や液体の「低レベル放射性廃棄物」は在日米軍基地6カ所で保管されていたことが公表されている。厚木と三沢のほかは普天間飛行場、横田基地(東京都)、横須賀基地(神奈川県)、佐世保基地(長崎県)。普天間では除染に使った布などの固形物がドラム缶に詰められていた。
 本紙の取材に、在日米軍は横田と横須賀では18年3月時点でも固形廃棄物の保管が続いていたことを明らかにした。横田の廃棄物は表面線量が日本政府が定める通常の被ばく限度、毎時0・23マイクロシーベルトを上回る2・1マイクロシーベルト、横須賀では下回る0・1マイクロシーベルトだった。横田にあった汚染水は東電が回収して廃棄したという。
ことば トモダチ作戦 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の後に米軍が実施した被災地支援活動。在沖米軍からもヘリや兵士が参加した。一方、原子力空母の元乗組員が放射線被ばくによる健康被害が出ているとして、東京電力などを相手に救済基金設立を求める訴えを米裁判所で起こしている。


沖縄県民投票の条例請求へ 辺野古移設、必要署名数上回る
 沖縄県名護市辺野古への米軍普天間飛行場(宜野湾市)移設の賛否を問う県民投票を求め、署名集めをしていた市民グループは30日、活動期間中に必要数を7万以上上回る数が集まったとして、各市町村の選挙管理委員会の審査後に翁長雄志知事に県民投票条例制定を直接請求する方針を示した。
 関係者によると、条例案は早ければ9月議会で審議され、県議会は移設反対派が過半数のため、賛成多数で可決される見通し。
 署名を集めていたのは、移設に反対する「『辺野古』県民投票の会」。5月23日に活動を開始し、2カ月間で必要とされる約2万3千筆以上の署名集めを目指していた。


京阪電車トラブル20人余手当て
30日朝、大阪と京都を結ぶ京阪線で、パンタグラフが変形しているのが見つかり、一時全線で運転を見合わせました。
この影響で、車両に残され体調不良を訴えた20人余りが病院で手当てを受けたほか、通勤や通学などの利用客、およそ27万人に影響が出ました。
30日午前8時前、大阪・寝屋川市にある京阪本線の萱島駅に停車していた7両編成の列車のパンタグラフの1つが変形しているのが見つかりました。
この影響で、京阪電鉄の本線と鴨東線、中之島線が、4時間近くにわたって全線で列車の運転を見合わせ、大阪の門真市駅と西三荘駅の間に3本の列車が立往生し、乗客が線路に降りて近くの駅に移動しました。
消防によりますと、エアコンが止まった車両に残された乗客など22人が体調不良を訴えて病院で手当てを受け、このうち2人は症状が重いということです。
京阪電鉄は、トラブルの原因を詳しく調べています。
通勤や通学の時間帯に起きたこのトラブルで京阪電鉄は全線であわせて115本が運休するなどしておよそ27万人に影響が出たということです。

杉田水脈のLGBT差別が悲しい

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Au Japon, un site Web permet de dénoncer le harcèlement en toute sécurité
Un chat illustré et vêtu de la robe pourpre d’un juge agite un minuscule marteau tout en réconfortant un autre chat qui pleure après avoir été maltraité : les images qui accueillent les visiteurs de Sorehara, un site japonais où on peut dénoncer anonymement le harcèlement et évacuer d’autres insatisfactions, sont attachantes.
≪ Vous n’avez pas à souffrir seul, demandez l’aide du chat qui cherche la justice ≫, peut-on y lire.
Sorehara, une abréviation de ≪ C’est du harcèlement ≫ en japonais, a été conçu par un étudiant de 21 ans. Comme plusieurs applications et sites Web nés du mouvement #moiaussi, il est destiné à aider les victimes d’abus à riposter en toute sécurité à leurs bourreaux.
Il permet aux utilisateurs d’envoyer des plaintes anonymes par courrier électronique, sans enregistrer la moindre information personnelle, et gagne en popularité au Japon, en dépit de certaines inquiétudes sur le potentiel de son utilisation abusive.
Le harcèlement au travail attire de plus en plus l’attention alors que le mouvement #moiaussi s’enracine lentement au Japon. Les allégations de harcèlement sexuel ont récemment détrôné des hauts fonctionnaires, des stars de la pop et des professeurs.
≪ Harcèlement par les odeurs ≫
Mais le site ne se concentre pas uniquement sur les comportements sexuels inappropriés. Sorehara bouscule la société japonaise en permettant aux utilisateurs d’exprimer électroniquement leur désapprobation à ceux qui les offensent de toutes sortes de façons, y compris parce qu’ils ont mangé trop d’ail, qu’ils portent un parfum déplaisant ou qu’ils empestent la fumée de cigarette.
Selon Tatsuki Yoshida, le jeune de 21 ans qui a développé Sorehara et fondé son entreprise en démarrage Quaerere l’année dernière, l’anonymat est essentiel pour que les utilisateurs se sentent en sécurité.
≪ Au Japon, les entreprises n’aiment pas gérer les problèmes de harcèlement : les personnes qui osent dénoncer un harcèlement sont généralement transférées dans un département différent ou reçoivent une augmentation de salaire, ou sont licenciées ≫, a-t-il récemment déclaré à l’Associated Press lors d’une entrevue à Fujisawa, au sud-ouest de Tokyo.
Un comportement inapproprié et des avances sexuelles non désirées, aussi répugnantes et dangereuses qu’elles puissent l’être, ne sont qu’une dimension d’un univers de plaintes que les gens pourraient avoir à propos de leurs collègues.
Ainsi, Sorehara offre aux utilisateurs diverses options, y compris le ≪ harcèlement par le pouvoir ≫, l’intimidation, le harcèlement à l’alcool, le harcèlement sexuel et même le ≪ harcèlement par les odeurs ≫.
Ensuite, l’utilisateur choisit le niveau de gravité, allant du simple ennui à une menace d’action en justice. Il fournit le courriel, le nom ou un surnom de la personne accusée de mauvaise conduite, mais pas son propre courriel ou nom. Le site de langue japonaise offre la possibilité de retarder l’envoi du message jusqu’à deux mois, afin de réduire la possibilité que l’accusateur soit identifié.
Les destinataires reçoivent un courriel les informant poliment de la plainte de harcèlement, leur demandant s’ils la reconnaissent et leur donnant un choix de réponses telles que : ≪ Je réfléchirai à mon comportement ≫ ou ≪ Je n’ai rien fait de mal ≫.
Une version anglaise a été publiée récemment et une version en coréen est en préparation.
#MoiAussi
L’ère #moiaussi a inspiré les entreprises, les écoles et les groupes de soutien à concevoir toutes sortes d’applications et d’autres formes de soutien en ligne pour les victimes de harcèlement sexuel et d’autres abus.
Certains — comme Protibadi au Bangladesh, HarassMap en Égypte et bSafe — utilisent la cartographie et la technologie GPS pour aider les gens à identifiant les endroits potentiellement dangereux ou pour informer les amis d’un utilisateur si la personne semble être en difficulté. Les assistants virtuels alimentés par l’intelligence artificielle — comme Spot, développé en Californie — automatisent les rapports de harcèlement. D’autres se concentrent sur le soutien et le conseil aux victimes. Rares sont ceux qui combinent anonymat et plaintes directes en ligne comme le fait Sorehara.
Certains s’inquiètent que cet anonymat puisse entraîner des abus parce que les affirmations ne peuvent être vérifiées, et parce que plusieurs Japonais ont tendance à considérer des problèmes aussi simples que l’odeur corporelle comme de graves transgressions sociales.
≪ Il y a une possibilité que la personne que vous accusez de harcèlement ne soit pas vraiment harcelante ≫, a déclaré Yoko Iwasaki de Cuore C Cub, une société de conseil en gestion d’entreprise à Tokyo qui se concentre sur le harcèlement et la diversité.
≪ Cette personne qui reçoit ce courriel de Sorehara peut se sentir très bizarre et attaquée. Envoyer ce genre de message peut aussi être du harcèlement ≫, a-t-elle dit.
Mais Hiroaki Morio, un professeur à l’Université de Kansai, croit qu’on ne doit pas prendre ce site Web trop au sérieux.
≪ Ils essayent de rendre le harcèlement plus facile à gérer ≫, a-t-il expliqué.
Bien que le harcèlement sexuel soit de plus en plus reconnu, la mentalité japonaise n’a pas beaucoup évolué. Comme la plupart des gens se sentent encore incapables de parler, des sites anonymes comme Sorehara peuvent aider, dit Mayumi Haruno, qui est devenue la première femme japonaise à intenter des poursuites pour harcèlement sexuel au travail après avoir été forcée de quitter son emploi dans les années 1980.
Elle a gagné 1,65 million de yens (15 000 $ US) en dommages-intérêts dans une poursuite qu’elle a déposée en 1989.
Anonymat
Les médias sociaux qui permettent l’anonymat, comme Line, Twitter et Mixi, sont populaires au Japon et en Corée du Sud, où Blind, une application anonyme destinée aux employés, a lancé un babillard électronique #moiaussi au début de l’année.
≪ Je pense que les gens ont encore peur de rendre les choses publiques parce qu’ils craignent le contrecoup, a expliqué Kyum Kim, le cofondateur de TeamBlind, qui a lancé l’application Blind en 2013 et qui possède des bureaux à San Francisco, Séoul et Tokyo. Je pense que c’est la culture actuelle au Japon et en Corée. ≫
Sorehara dit qu’il envoie environ 50 plaintes par jour. La plupart des personnes qui les reçoivent les acceptent ou au moins les reconnaissent, ce qui permet de conclure que la plupart des allégations sont bien fondées, a dit M. Yoshida.
Il explique que Sorehara vise davantage à ouvrir les voies de communication et à sensibiliser qu’à fournir un moyen officiel de signaler ou de résoudre les cas de harcèlement. M. Yoshida dit que les normes sociales acceptables diffèrent d’un individu et d’un endroit à un autre, alors il souhaite que Sorehara aide les gens à s’éduquer les uns les autres.
Plusieurs entreprises, dont une qui compte environ 200 employés, travaillent avec Sorehara pour utiliser le service à l’interne, et M. Yoshida dit qu’il collabore également avec des services de conseil.
≪ Je ne pense pas que les entreprises changent vraiment à l’interne, a-t-il dit. Mais elles ont peur pour leur image, alors au moins elles font plus attention. ≫
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杉田水脈のLGBT差別が悲しいです.この人は以前も問題発言をしていたと思います.世の中に差別意識を持つ人がゼロではないから,そのような発言がでてくるのはある意味差別社会の反映で仕方ありません.それに対して抗議の声が上がっているのに,この人は何も感じないのでしょうか?しかも国会議員です.自民党も何も対応していないです.問題ないと思っているのでしょうか?こんなに悲しいことはなかなかありません.

「LGBTは生産性がない」杉田水脈氏大炎上「ザワザワ感」の正体 これは日本社会の構造的問題だ
井戸 まさえ
杉田水脈炎上の「ザワザワ感」
SNSでこれでもかと流れてくる杉田水脈氏関連の「炎上」を見るたびに、「当然のこと」と思いながらも気分が滅入る。このザワザワ感はなんなのだろうか。
『新潮45』も全文読んだ。内容はこれまで彼女が書いたり、動画チャンネルで発言してきた内容をまとめて記しただけ。特に目新しいものはない。LGBTや慰安婦に関するこうした炎上想定の発信は彼女の「売り」なのだ。
今回の記事は話し言葉で書かれていて、初っぱなからまるで小学生に語るようだ。主張の根拠を示す有効なデータがあるわけでなし、説得力を持つ論理構成をしているわけでもなく、正直に言えば論壇誌であろう『新潮45』がこのレベルでの掲載をよく認めたなと思う。
その内容については常見陽平氏が詳細かつ丁寧に解説・批判をしており、筆者も同見解、同意見なので、ここで重複することはしないでおこう(「自民党杉田水脈衆議院議員の『新潮45』への寄稿は不適切発言の特盛である」)。
軽率で不見識、また差別的な言動を展開する杉田氏。この「炎上」により問題が可視化し、広く危機感を共有することができてよかったとも思う。
「‪杉田水脈の議員辞職を求める自民党本部前抗議‬」を始めとして、杉田氏の国会議員の資質を問う動きも出ている。
国権の最高機関にして唯一の立法機関である国会議員として話してふさわしいのか。責務を果たすに十分な能力や見識があるか。
杉田氏が問われるべきは今回のLGBTに関する言動だけではなく、「日本の秘められた恥」としてBBCが放送した伊藤詩織氏のドキュメンタリーの中で「女として落ち度があった」と指摘、ネット座談会などでも同様の批判を行なってきたこと等も含めてだ。
彼女が国会議員を辞職して全てがクリアされるというわけではないが、杉田氏がそして自民党がこうした声をどう受けとめるかは人権をどう捉えているかと直結する。
ただ、冒頭に書いたように筆者はこの「炎上」に戸惑いを感じている。
杉田氏を支持している訳でもなく、漫画家小林よしのり氏には「杉田水脈か、井戸まさえか」と杉田氏の対極に位置づけられりもしている。しかし、それなのに、なぜこの「炎上」に違和感を感じるのだろうか。
「ザワザワ」の源流はどこから発せられてくるものか。
杉田氏を「無視」してきた人々のマインド
これまでの杉田氏の言動に憤り、その見識に疑問を持つ人は多かった。
ただ、たとえそのことを指摘しても杉田氏が考えを変えることはないだろうし、批判すればむしろ杉田氏支持と思われるネトウヨから執拗な攻撃が来るのではないかとの懸念が、表立っての杉田批判を押さえて来た。
杉田氏を批判することで生まれる「コスト」を考えると、それは明らかに「無駄な行為」「空しい行為」。
「杉田氏の挑発とも思える過激な言動に対し、真面目に反応すると面倒な目に合うのでやめておこう」というのはリベラルサイドの中では暗黙の共通意識だったと思う。
だから、「無視」。仲間内では杉田氏の批判をすることはあっても、正面から相手にすることを避けてきた。
「相手にしない」「どんな言動があってもスルー」「存在自体を見ないことにする」。それが杉田氏、そして杉田氏を支える勢力への最も効果的な方策だと認識していたのだ。
しかし、この「無視」「相手にしない」という態度こそが、彼女を増幅させた要因でもあるのだ。
今回炎上になったことで「だめねえ」「おかしい」と杉田氏を批判している人々の中に、「実は杉田氏の論理展開をどう批判していいのか、答えあぐねていた」と言う人に少なからずいることも知った。
例えば、杉田氏は問題となった『新潮45』2018年8月号で、「多様性を受けいれて、様々な性的指向も認めよということになると、同性婚の容認だけにとどまらず、例えば兄弟婚を認めろ、親子婚を認めろ、それどころかペット婚や、機械と結婚させろという声も出てくるかもしれません」と記述している。
「いきなりそう言われたら……違和感を持っても、どう切り返していいかわからない」と言うのだ。
議論することを面倒だとスルーしてきた結果、一方でまっとうな批判力を鍛える機会を手放すことにもなっていたのかもしれない。
また、杉田氏の「生産性」発言に対して怒りを表した文章の中に「A県は知事もB市長もC市長も子どもがいないので少子化対策には圧がかけられないからよかった」といったような、杉田氏を批判しながらもまさに「生産性」議論に引き入れられていることすら気づかない内容も散見されて、問題の根深さを感じる。
「叩きやすくなった」杉田氏に対して、今まで声をあげて来なかった人々も一斉に批判をするようになったからこそ「炎上」が起ったのだが、批判は全うだし、もちろん賛同もする。
ただどこかで不健全感は拭えないのは、今に至るまで杉田氏を放置し、過激に走ることを止める機会があったにもかかわらず、それには及ばなかった、つまりは「叩きにくい」時にこそ対応することを諦めた結果であるという認識が欠けているのではないかという、焦りにも似た感覚である。
「炎上」が広がったワケ
さて、杉田氏の「炎上」が広がる要因にSNSや報道で流される杉田氏の写真がいくばくか関係しているのではないかと思うのは筆者だけだろうか。
たいてい本人サイドが掲載している写真と報道写真が「対」のように現れるが、そのふたつの様相があまりに違うのだ。
選挙に出る際、有権者が候補者と実際に出会う機会はそう多くない。だからこそ、通常政治家は自分の容貌を「盛る」。一番良い時の自分のイメージで見てもらいたいからだ。
杉田氏もいつも使っているのは初当選のころから使っているであろうブルーのスーツ姿の写真だ。最近開催の講演会のビラ等にも現在もこの写真を使用していることをみれば、何らかの思い入れを持った写真なのだろう。
ただ、今回の報道等で最近の写真が流れてくると、杉田氏が「見られたい」と思っている=イメージ戦略上の写真と現在流れてくる写真には乖離があることが可視化される。
最近の杉田氏は前髪を切っているが、掲載される写真は長い髪が顔にかかり「意地悪そう」という感想も頷けるものだ。
報道機関がわざわざそういう写真を選んでいるとは思わないが、颯爽たる杉田氏の写真と対比される中で、そのイメージが杉田氏の『新潮45』の言葉にリアリティを与えて行く。
イメージ戦略、髪といえばBBCの杉田氏のインタビューで話題になったことの一つに杉田氏の「巻き髪」だった。この日の撮影に備えて美容院に行ったか、自分でブローしたかはわからないが、彼女には明確に「撮られたい自分」があることは伝わってくる。
必死で掴んだ今の立ち位置、ウヨ業界でのミューズ・アイドルでいるためには「巻き髪」は必須アイテム、そのリバースにはこの国で「オンナであること」の呪縛にがんじがらめになっている杉田氏の姿も見え隠れする。
余談だが、杉田氏の行動を見る上では重要な存在がいる。
2012年日本維新の会公認で同期当選、同じ兵庫県選出の三木圭恵氏。そもそもタカ派の寵愛は杉田氏ではなく、三木氏にあったと言われている。
三木氏は2004年から三田市会議員をつとめ、2010年の参議院選挙で「たちあがれ日本」から立候補する等、保守ど真ん中での活動歴もある。
しかし、2014年、運命の分かれ道がくる。日本維新の会の分党だ。
当初は三木氏が当然「次世代の党」に行くと思われていたし、三木氏も入党届を出すが、ほんの2日で進路先を橋下徹氏が作る共同代表を新党へと変更する。そしてもともと維新だった杉田氏が「次世代の党」へと行くのだ。
この選択は憶測を呼んだ。保守の三木氏ではなく杉田氏が「たちあがれ」に行くというのは業界の中ではちょっとした驚きだったのだ。
三木氏はいつもフェミニンな雰囲気を漂わせている。いわゆる男の人が描く「三つ指ついて」のイメージに近い(ような気がする)。
杉田氏はライバルを超えるためにも、発言も、また見た目も過剰にしていく必要があったのかもしれない。
こうした背景を考えると、同情する必要は一切ないと思いながらも、それでも杉田氏が追い込まれて行く過程が垣間見える。
女性や子どもたちが直面する問題と長年向き合ってきた経験からすると、ちょっとしたすれ違いや嫉妬の気持ちから思わぬ方向に進み、負のループにハマるケースはそう珍しいことではない。
そう思うと、男性側の主張を代弁し続けるモモレンジャーとしての杉田氏に痛々しさを感じないでもない。
そう思ってしまう自分にも「ザワザワ」するのだが――。
内部からの杉田水脈評「遅れてきたバブル」
「杉田水脈をジェンダー視点で語るのは正しいようで、ちょっと違います」
こうした筆者の杉田水脈氏評に対して異なる見方が必要と指摘するは彼女と同じ政党にいたという男性政治家たちだ。
「彼女とは同じ政党だったので、言葉に注意したらという助言をしたことがありますが、全然理解してもらえませんでした」
「会議の席でも指摘したが、その後も変わらなかった」
複数人からこうした声がある一方で、杉田氏がその言動をさらに過激にしていくのは別の後ろ盾があったからだとの指摘もある。
「たちあがれ日本、日本維新の党、そして次世代の党の一部の人々の根底には、宗教的右翼思想があり、一般的な保守とは一線を画していました。軍隊用語がはびこり、反中嫌韓、日本万歳思考が当たり前。それさえ唱えていたらいい。それに疑問を持たなければとても居心地の良いところだと思います」
「いまどき、『閣下』という敬称が、侮蔑ではなく、敬いの言葉として飛び交う中で杉田水脈氏が政治家として誕生し、成長してきたことを忘れてはならないと思う」。ある党関係者はそう指摘する。
保守の特徴だと言われる「義理人情」であるとか「長幼の序」は全く見られない。勇ましく「日本万歳」を唱えた人間が主である政党の中で最も居心地の良い場所に座ったのが杉田氏だというのだ。
「タカ派男性議員の寵愛を受け、自分こそ救国の女戦士と勘違いしてしまい、周りのビジネス右翼とともに活動することで喝采を浴びる。例えて言うならば今まで脚光を浴びていなかった地下アイドルが、いきなり全国区のアイドルになれたことで自分に酔いしれたんでしょう」
神戸のお嬢様学校と言われる私立中・高を卒業し、鳥取大学に進む杉田氏。バブル当時の選択として都会で華やかな学生生活を送ることも可能だっただろうが、その後の西宮市役所勤務も含めて真面目さ地道さが伺える進路選択だ。
政治という場に飛び込むと、逆にそこでは極端なことを言えば言うほど、賞賛される世界だった。これまでの評価基準とは全く違うことに杉田氏は驚いたことだろう。
「彼女たちの特徴は『選民意識』が強いということ。こんな学歴や経歴で国会議員になれたんだから、逆に『自分は選ばれし優秀な人間だ』と勘違いしている。世の中を支配する側の人間だと本気で思い込んでいる。その最たるものが安倍総理なんだろうけど」
確かに、杉田氏世代は「受験戦争」といわれ、学歴が職歴と直結する時代。そのコンプレックスを跳ね返すために「政治家」を志向する人は松下政経塾でもいないわけではなかった。
選挙は自分の名前を書いてもらわなければ当選しない。究極の「自己承認」なのである。
ただ、杉田氏のように「比例単独候補」は名前を書いてもらうわけではない。当然ながら、彼女の承認は名簿順位を決める権限を持つ人。ある意味杉田氏にとっての有権者はたった一人。その人、もしくはその支持層に対してのアピールこそが自分の立場を与え、保護してくれる唯一の選挙活動なのである。
「要するに彼女たちは、ろくに勉強もせずに、根拠の薄い話を並べたて、集まってくる人間もそんな話に加わることが出来る程度の輩ばかりだから」
「選民意識」を支え、人々を繋ぐのは目に見えない「愛国」。「宗教的右翼思想」というのは、そういうことなのだろう。
「本来日本は、女性が大切にされ、世界で一番女性が輝いていた国だった」
「男女平等は、絶対に実現しえない反道徳の妄想」
「女性が輝けなくなったのは、冷戦後、男女共同参画の名の基、伝統や慣習を破壊するナンセンスな男女平等を目指してきたことに起因します。(中略)・・その結果、ドメスティックバイオレンスが蔓延し、離婚が増加。少子化や子どもの貧困の原因となっています」……
こうした発言を繰り返しながら、杉田氏は名を売り、仲間を増やし、さらに過激に自分を膨らまして行く。
まさに杉田氏は「遅れてきたバブル」を体感していたのかもしれない。
「ただ、彼女は井戸さんが指摘するような男社会の捨て駒ではない。単に宗教化した右翼的社会のマドンナ。その位置を自ら望んだわけですから、今の炎上状態に同情することもない。
真剣に思想から勉強した人間とは別の存在です。『右翼が馬鹿』というレッテルが貼られるのも、この連中を見ているとよくわかります。一般常識も礼節も分からず、論理的な思考よりも、勇ましい言葉の方を重んじてしまう」
なるほど、周囲から見れば同じ「右翼」だが、その内側では杉田氏の存在は厄介で迷惑なものだと捉えられてもいたのである。
「でも、杉田氏の様な存在は、リベラル、若しくは左翼的な集団でもいるのでは?人権や環境を唱えていれば、その集団でもてはやされている人が」
たしかに。私が杉田氏の「炎上」にワサワサするのは、批判している側にも同じ危険性があると感じているからに違いない。
「一般社会といかに乖離していようが、ある組織の中では神の様にもてはやされている人がいる。一部、一定数存在する階層に対して神対応することで、周囲が嫌悪感しか感じていないのに、比較優位に立ってしまう」
そして「自分はすごい」と勘違いする。周りも「あの人はすごい」と勘違いする。
「杉田水脈氏だけでなく、右翼業界だけでなく、今の日本社会には蔓延しているこの「勘違い」こそ、危惧しなければならないと思います」
杉田氏の誕生とその後の変化も見てきた人だからこその説得力がある。
自分たちの望むことだけを言う人を重用し、賞賛し、何を言っても肯定する――。
こうしたことの繰り返しは、実は、今杉田氏を批判している人々も含み、主義主張にかかわらず新たな「杉田水脈」を産み出す危険性を孕んでいるのだ。そのことに無自覚でいてはならないと思う。
先日、リベラル系のある講演会に行ったところ、まさに目の前で繰り広げられていたのはそんな光景だった。
政治的敵対者が発すれば「セクハラ」と問題になるだろうことが、軽いジョークとして受け入れられていく、むしろ喝采されているさまは衝撃だった。
実際、既にその芽が身近にあるからこその「ザワザワ感」なのかもしれない。
杉田氏が選挙ボランティアをした場所
実は杉田氏とは一度だけ話したことがある。
4〜5年前だと思う。宝塚市で行なわれた、ある会合で同じテーブルになったのだ。
杉田氏は筆者に対してこう話しかけてきた。
「私、井戸さんの選挙、お手伝いさせていただいたんですよ」
衝撃だった。
なぜならば、私は自分の選挙で杉田氏が手伝ったということを全く覚えていなかったからだ。
2009年の政権交代の選挙、ボランティアで手伝ってくれた人は多数いたが、そのほとんどについて私は把握していたはずだった。
私が気付かないぐらい杉田氏は目立たない存在だったのだろうか。
「井戸さんの選挙をみて、選挙に出ることを決意したんです」
ま、待って。本当に?
それは、リップサービスにしても重い言葉だった。
私の選挙を手伝った経験が何かしら杉田水脈氏の政治的キャリアに影響しているとするならば、今の杉田氏の行動は私には全く責任がないとは言えないかもしれない。
どの程度杉田氏がボランティアとして活動を手伝ってくれていたかはわからない。ただ、もし彼女の存在を知っていたならばもっと違うメッセージを伝えたのではないだろうかと思う。
この国には言論の自由があり、自分の主張をするのは構わない。ただ、だからといって十分な知識を得ないまま、自分の思い込み、妄想で発言し、誰かの尊厳を傷つける権利は誰にもない。
「そもそも世の中は生きづらく、理不尽なもの」。それは杉田氏の言う通りだ。
だからこそ、政治がある。政治家はそのために存在する。
それが理解できていないならば、国会は杉田氏の居場所ではない。
杉田氏だけでなく、同じような主張をする人々も同様だ。彼女の前には本来「炎上」しなければならない人々はたくさんいるのだ。ただ、それらの人々は杉田氏の影に隠れて見えて来ない。もしくは見えていても正当な批判にさらされない。
今回の騒動がどのような収束を見せるかはわからない。杉田氏が謝ろうが、議員辞職しようが確かなのはこれは杉田氏個人だけに帰着する問題ではないということだ。
「BBC番組『日本の秘められた恥』を批判する愛国女性の正義感」でも指摘したが、昭和の3分の1、そして平成をまるまる使い50年という月日が産み出した「杉田水脈(的女性)」の背景を私たちはもっと知らなければならない。
これまで大きな問題ともされてこなかったのに、2018年の今、なぜ「炎上」したのか。
杉田氏を批判するだけで問題は終わらない。終わらせてもならない。
これは日本社会の構造的問題という視点を持たなければ、右も左も関係なく、また「杉田水脈」は誕生しつづける。
「ザワザワ感」は収まらない。


『報道ステーション』から安倍政権批判が消えた理由! 杉田水脈問題も赤坂自民亭もスルーする異常事態
 最近、『報道ステーション』(テレビ朝日)がヘンだ──。そんな声が視聴者の間で巻き起こっている。『報ステ』といえば、忖度体質が支配するテレビ報道のなかで、安倍政権をきちんと批判ができる数少ない番組として支持を受けてきた番組。ところが、今月7月を境に、この番組から肝心の安倍政権批判が極端に少なくなってしまったのだ。
 典型が、いま大きな問題になっている杉田水脈のLGBT差別発言。テレビ各局の動きはもともと鈍かったが、それでも24日にTBSの『NEWS23』が取り上げたのを皮切りに、25日以降はフジテレビや日本テレビの番組ですらこの問題を批判的に取り上げ、同じテレ朝の『羽鳥慎一モーニングショー』も遅ればせではあるが26日にこの問題を取り上げた。
 ところが、『報ステ』はいまにいたるまでこの問題を取り上げていない。26日夜には公明党・山口那津男代表までが「いかがなものか」と批判コメントを出したが、そのことすら『報ステ』は一切取り上げなかった。自民党本部前で大規模な抗議デモが行われた27日にはさすがにやるだろうと思ったが、やはり完全スルーだった。 
 しかも、この異変は杉田水脈のLGBT差別発言だけではない。じつは「赤坂自民亭」問題でも対応は同じだった。当初、テレビの報道はほとんどが沈黙していたが、」キー局では10日になって『あさチャン!』『Nスタ』『NEWS23』といったTBSの番組が取り上げるようになり、他局のニュース番組やワイドショーにも広がっていった。
 だが、なぜか『報ステ』だけは頑なに「赤坂自民亭」問題を取り上げることはなく、1週間後の17日になってようやく紹介。それは、安倍首相が同日の参院内閣委員会に出席し、国会という公の場ではじめてこの問題について追及され、「いかなる事態にも対応できる万全の態勢で対応にあたってきた」と答弁したタイミングだった。
 別に安倍首相の公式コメントを待たずとも、初動の遅れを指摘する報道はできる。しかも、『報ステ』と同じテレ朝では、11日には『羽鳥慎一モーニングショー』でも「赤坂自民亭」問題を紹介していたし、さらに『報ステ』レギュラーコメンテーターの後藤謙次は10日付けの静岡新聞で『求められる「真摯な姿勢」』と題して「赤坂自民亭」問題を取り上げていた。つまり、『報ステ』は意図的にこの話題をピックアップしなかったのだ。
 ほかにも『報ステ』が政権批判を鈍らせたケースは枚挙にいとまがない。たとえば、朝日新聞が17日にスクープした、自民党・古屋圭司議員の事務所が政治資金収支報告書にパーティ券収入を過少記載していた問題。『NEWS23』や日本テレビ『NEWS ZERO』といった夜のニュース番組はその日のうちにこの疑惑を取り上げたが、『報ステ』は無視。翌18日に国会の動きを紹介するなかで取り上げるにとどまった。
 さらに、カジノ法案が参院本会議で強行採決された20日の放送では、コメンテーターとして出演したハフポスト日本版編集長の竹下隆一郎氏が「(今国会は)野党の追及が甘くて、なかなか議論が盛り上がらなかった」「インターネット上や20代の若者を取材していると、野党のみなさんが批判をすることにすごいアレルギーがある」などと語り、安倍政権の傲慢な国会運営には一切ふれることなく、問題点を野党批判にすり替えてまとめてしまったのだ。
 そして、このように政権批判につながる問題が影を潜める一方で『報ステ』が熱を入れて取り上げてきたのが、東京五輪やスポーツの話題だ。
政権批判に変わって、トップニュースは五輪、高校野球、プロ野球
 カジノ法案が参院予算委員会で強行採決された19日、『報ステ』は東京五輪の競技日程が決まったことを巨大なボードを用意してトップニュースとして報じ、富川悠太キャスターも「ワクワクしてくるでしょ? あと2年もあるのに!」と大はしゃぎ。懸念されている暑さ問題などについてもVTRで取り上げたが、それを受けてのスタジオでは一転、日本のメダル獲得が期待されている競技を事細かに紹介するという気の早さで、暑さ対策については最後にコメンテーターの後藤謙次が触れた程度で終了。時間にして約16分、東京五輪の話題に費やしたのだ。
 しかも、『報ステ』は24日も、またしても東京五輪の話題からスタート。「オリンピックまで2年」と題し、この日各地でおこなわれたカウントダウンイベントを紹介。スタジオでは五輪観戦のためのチケット入手方法をボードを使って解説し、「公式サイトへのID登録は10〜15分程度」「いま登録しておけば、事前に会場を視察できるツアーに応募できる」「登録するとおトク情報が送られてくる」などと説明するという懇切丁寧なもので、組織委員会か東京都の広報番組かと見紛うほど。とてもじゃないが報道番組とは思えない、いやワイドショーでもここまではやらないというレベルだった。この話題にかけた時間は、なんと約20分だ。
 カジノ法案の強行採決よりも東京五輪。その上、さんざん問題視されている暑さ問題も掘り下げもせず、東京五輪に向けた気運を高めることしか眼中にないような構成──。視聴者のほうが「あと2年もあるのに!」とツッコミたくなるほどの入れ込みようだった。
 さらに、25日の放送も異常だった。前述したように、この日は杉田水脈議員の問題が他局では報じられていたが、『報ステ』がトップで伝えたのは、夏の県大会で2年前まで10年連続初戦敗退だった三重県の白山高校が甲子園初出場を決めたというもの。その後も「涼しい町」として北海道釧路市から中継するというワイドショー的展開で進行。さらに国家戦略特区ではじまったオンライン診療をPRのように紹介する始末だった。
 そして、27日はなんと、トップが読売ジャイアンツ・山口俊選手のノーヒットノーラン。こんな程度のトピックを『報ステ』がトップで伝えるなんてこれまで記憶にない。政権批判をやめてしまったばかりか、『報ステ』はほとんどスポーツニュースと化してしまったのである。
原因は7月のプロデューサー交代、安倍首相べったりの早河会長の差し金か
 もちろん、この異変には理由があった。じつは今年7月から、『報ステ』のチーフプロデューサーが代わったのだ。
 新たにチーフプロデューサーに就任したのは、桐永洋氏。直前までは『グッド!モーニング』のチーフプロデューサーを務め、激戦区である朝の時間帯に視聴率を押し上げた立役者なのだという。しかし、この人事の裏には、政権批判潰しがあったのではないかといわれている。
「『報ステ』のチーフPといえば番組内から昇格することが多かったのに、今回は他番組からの抜擢。これは桐永さんが『グッド!モーニング』の数字を上げた功労賞というだけでなく、安倍政権に近い早河洋会長が、政権の意向を忖度して、批判色を弱めようとしたということでしょう。桐永さんは編成局の経験もあり、上層部のおぼえめでたい人物。早河会長の子飼いという指摘も一部にはあります」(テレビ朝日編成局関係者)
 これまで何度も指摘してきたように、テレ朝の早河会長は2013年より幻冬舎の見城徹社長の仲介をきっかけに安倍首相と会食を繰り返すようになり、それ以降、『報ステ』の安倍政権・原発批判路線からの転換を迫ってきたといわれている。実際、2014年におこなわれた『報ステ』10周年パーティでは、当時キャスターだった古舘伊知郎が「早河社長から好きなようにやってくれ。何の制約もないからと言われて始めたんですが、いざスタートしてみると制約だらけ。今では原発の“ゲ”も言えない」と挨拶で愚痴った。
 さらに、2015年に『報ステ』でコメンテーターを務めていた古賀茂明が「I am not ABE」発言をおこなって官邸が激怒した際には、早河会長の主導により古賀の降板と当時のチーフプロデューサーが更迭されるという事件も起こった。古舘の番組降板も、早河会長と安倍首相の関係が大きく影響を与えたことは間違いない。
露骨な政権批判報道潰しに永田町でも「官邸の意向か」の声が
 つまり、今回、桐永チーフプロデューサーの番組外からの抜擢は、こうした早河会長の安倍政権批判潰しの延長線上で起きたというのだ。『報ステ』が五輪押しで、スポーツニュースと化していることは前述したが、これも早河会長の意向ではないかといわれている。前出のテレビ朝日社員がこう話す。
「早河会長は、サッカー日本代表、世界水泳、フィギュアスケートなど、スポーツ放映権を獲得してきたのが最大の自慢で、東京五輪にも入れ上げてますから、いまの『報ステ』の五輪&スポーツ路線も早河会長の趣味が反映されているんじゃないでしょうか」
 しかし、いくら会長の意向だとはいえ、ここまで露骨な政権批判放棄はありえないだろう。実際、『報ステ』の変化は、永田町でも話題になっている。
「他社の政治部記者や政治家の間でも『報ステは一体どうしちゃったんだ。政権の意向が働いているとしか思えない』という声が上がっていますね。政治の動きはほとんど取り上げないうえ、たまに取り上げても、VTRではほとんど批判しない。いまは、コメンテーターの後藤さんが政権批判を語ってかろうじてバランスをとっていますが、このままいくと『後藤さんも外されるのでは』という予測も流れています」(キー局政治部記者)
 言うまでもなくジャーナリズムの使命は権力を監視することにあり、権力を恐れて批判の手を緩めるなどということは、ジャーナリズムの死を意味する。大本営発表を垂れ流す番組が溢れかえるなか、『報ステ』もその仲間入りを果たしてしまうのか──。同番組の動向には、今後も注視していかなければならない。


杉田水脈のLGBT差別批判デモ・抗議声明に対する自民党の不実な対応の一部始終! 本人も党も謝罪も処分もなし
 “LGBTは生産性がない”という性的マイノリティへの差別言辞を「新潮45」(新潮社)で発表し、大問題となっている自民党の杉田水脈衆院議員。27日には東京・永田町の自民党本部前に5000人(主催者発表)の人びとが集まり杉田議員の辞職を求めて抗議をおこなった。
 本サイトでもその抗議の模様を同日夜に配信した記事でお伝えし、そのなかで〈LGBT自治体議員連盟に所属する議員らが杉田議員に抗議する声明文を自民党本部に提出に出向いたが、なんと自民党は受け取りを拒否したという〉と記述した。これは、自民党の当初の対応で、最終的には自民党本部の警備員が声明文を受け取っており、正確ではなかった。実際、抗議声明文を届けた上川あや世田谷区議、石坂わたる中野区議も〈情報が錯綜している〉として、〈厳密にいえば不受理ではない〉(上川区議)、〈最終的には受け取ってもらいました〉(石坂区議)とツイートしている。
 だが、声明文の受け取りを一旦、拒否するという対応をおこなったことは事実であり、しかも、現状も警備員が預かったにすぎない。
 声明文をめぐる自民党の対応はいかなるものだったのか。抗議声明文を届けた複数の区議などへの取材をおこない、経緯を整理してみた。
 まず、LGBT自治体議連の議員らが、杉田議員の主張に抗議し〈責任ある公党として必要な処分を行う〉ことを要望する声明文を自民党総裁である安倍晋三氏宛てで作成。27日、前田邦博文京区議、石川大我豊島区議、前述の上川区議と石坂区議の4名で自民党本部に持参した。当日夕方には、すでに抗議声明文を渡すということは党本部に連絡していた。
 ところが、いざ区議4名が声明文を渡そうと自民党本部を訪れると、警備員が阻止して建物への立ち入りを拒否。門をくぐった場所で警備員は抗議声明文の受け取りを拒絶した。上川区議はこの経緯について、〈党に事前連絡を入れ、LGBT自治体議連の抗議声明を持参するも、当初の対応は「受け取らないよう上司に言われている」と党職員ならぬ警備員が述べるだけ。トコトン、バカにしている。〉ともツイートしていた。上川区議本人にはコンタクトをとれなかったが、抗議声明文を届けたひとりである石坂区議に確認したところ、事実関係は間違いないという。
 石坂区議らは、警備員から「上司から受け取らないよう言われている」と告げられたあと、その場で声明文を読み上げた。すると、最終的に警備員が声明文を受け取ったという。
 断っておくが、これはたんに警備員が預かっただけで、自民党が受け取ったわけでも受理したわけでもない。本サイトがやはり抗議声明文を届けたひとり、前田区議に確認したところ、「警備側は『自民党の職員に渡す』と約束しましたが、自民党本部が受理したわけではないです。警備側は、もし抗議文が無事に届いたかを確認したければ『月曜日に本部職員に電話でご確認ください』とも言っていました」という。石坂区議も、警備員から「(抗議声明文を自民党職員に)渡すのは週明けになるかもしれない」との旨をその場で告げられたという。
 27日の抗議では、ゲイやレズビアンであるLGBT当事者をはじめとして多くの人たちがスピーチに立ち、杉田議員の主張がいかにマイノリティを追い込むものなのかを訴えた。その声はきっと自民党本部にも届いていたはずだ。しかも、事前に抗議声明文を届けることは報告されていたのに、それでも自民党は職員が対応しなかった。そして、本部前の警備員に門前払いをさせようとして、一旦は受け取りを拒否した。しかも、最終的に抗議声明文を受け取ったとはいえ、それは警備員が預かっただけだった。はたして、これが政権与党のとるべき対応なのか。
杉田議員を自民党が守っているのは、バックに安倍首相がいるから
 いずれにしても、この間の自民党の対応は、批判に耳を傾ける姿勢さえないことを表している。
 自民党はいまだに杉田議員を処分することはおろか、公式な見解も公表していない。杉田議員の主張を、自民党は事実上、容認しているのだ。
 いや、それどころか、杉田議員自身が自民党の反応をこのように報告してみせた。
〈LGBTの理解促進を担当している先輩議員が「雑誌の記事を全部読んだら、きちんと理解しているし、党の立場も配慮して言葉も選んで書いている。言葉足らずで誤解される所はあるかもしれないけど問題ないから」と、仰ってくれました。自民党の懐の深さを感じます。〉(22日のツイート、現在は削除)
 しかも、杉田議員はこうもツイートしていた。
〈自民党に入って良かったなぁと思うこと。
「ネットで叩かれてるけど、大丈夫?」とか「間違ったこと言ってないんだから、胸張ってればいいよ」とか「杉田さんはそのままでいいからね」とか、大臣クラスの方を始め、先輩方が声をかけてくださること。〉(現在は削除)
 事実、総裁である安倍晋三に次ぐ自民党のナンバー2である二階俊博幹事長は、24日の会見で杉田議員の主張を「人それぞれ政治的立場、いろんな人生観、考えがある」と述べて擁護。差別言辞を「いろんな人生観」として容認したのだ。
 上川区議も指摘しているが、この対応は、これまでの自民党のLGBT差別発言をめぐる対応と比較しても、ありえないものだ。実際、竹下亘・自民党総務会長は「同性パートナーとの晩餐会出席には反対」発言で、「反省している、いわなきゃよかった」と事実上撤回し、「おかまを支援する必要はない」と発言した自民党の新潟県三条市議も「不適切」だと撤回した。
 ところが、杉田議員は、謝罪も撤回もせずに許されているばかりか、幹事長や大臣クラスにかばってもらっているのだ。これは明らかに、杉田議員のバックに安倍首相がいるからだろう。
 本サイトで何度も指摘しているように、杉田議員の差別的主張は自民党入党以前から繰り返されていたものであり、それを知った上で安倍首相は「杉田さんは素晴らしい!」と絶賛し、自民党に引き入れた。つまり、そのLGBT差別思想は安倍首相を筆頭にした自民党主流派の人権をないがしろにする思想と完全に地続きのものだ。そして、だからこそ、自民党は杉田議員を処分せず、守り続けているのではないか。
杉田議員の社会的弱者の排除の思想に「不安」を感じる人びとの声が
 しかし、自民党にどんな事情があるにせよ、杉田議員の発言は、「生産性」という基準で支援対象を決めるという、すべてのマイノリティや社会的弱者を排除しようという危険なものだ。
 前出の石坂区議は本サイトに対し、「全国の自治体でLGBTに関する陳述などが可決され、自民党会派も含む全会一致のものも出てきています。そんななかでの杉田議員の発言はとても残念です」と語る。実際、石坂議員のもとには、杉田議員の発言を受けて不安になったという人びとの声が届けられているという。
 自民党はいま、杉田議員の主張を容認する一方、沈黙することで嵐が過ぎ去るのを待っているのだろう。だが、与党が差別を煽る言辞に責任を取らないことを看過してしまえば、それは差別を認める社会になってしまう。このまま自民党が逃げることはけっして許されないし、許してはいけない。前出の前田区議はあらためてこう批判する。
「杉田議員の雑誌での発言は、数々の事実誤認に基づくものであり、本来ならば論評にすら値しないものですが、政治家として話されたご本人の立場を鑑みれば(差別や偏見を助長する)影響力は大きく、それを容認するかのような自民党の対応についても極めて遺憾です。LGBTをめぐる議論は長年なされてきたものであり、現在では、杉田議員のような発言は通用しないということを、ご認識していただきたいです」


杉田水脈議員の「差別発言」に抗議するデモに、なぜ5000人も集まったのか
セクシュアル・マイノリティ以外にも広がった連帯の輪 宇田川しい
7月27日、東京・永田町にある自由民主党本部前で大規模な抗議行動が行われた。
自民党の杉田水脈衆院議員が月刊誌「新潮45」誌上で、「LGBTは『生産性』がない」などとLGBTQに対する差別的な文章を寄稿したことに抗議し、議員辞職を求めるデモだ。LGBT法連合会の事務局は、約5000人が参加したと発表した。
抗議デモのきっかけは、ある個人のTwitterだった。このような大きなデモに発展した背景はなんだったのか。現場でのルポを踏まえて考える。
個人の呼びかけが、5000人規模のデモに
デモがスタートする30分前、午後6時30分に筆者が現場に到着した時、すでに多くの人々が集まり、警官隊によってできた規制線の中で整列していた。動員されている警察官の数もかなりのもので、警備当局が相当の人出を予想していたことが分かる。
予想通り、定刻にデモが始まった午後7時には参加者の数はいっきにふくれあがり、自民党本部前から伸びたデモの隊列は、角を曲がって衆議院第二議員会館の前あたりまで伸びていた。
これだけ多くの人が集まったデモだが、発端は個人によるTwitterでの呼びかけだった。
デモの数日前から、あるハッシュタグが盛んにツイートされはじめた。
「#0727杉田水脈の議員辞職を求める自民党本部前抗議」
このハッシュタグを作ったのが平野太一さんだ。自身もゲイ当事者である平野さんは、その動機についてこう語る。
「(杉田議員が差別発言している)動画を見て『これはない!』と憤った。抗議行動をするべきだし、やるなら早い方がいい。そんな気持ちでハッシュタグを作りました」
ハッシュタグを作ってデモを呼びかけた平野太一さん。
東京レインボープライドの参加表明
平野さんの呼びかけに多くの人々が賛同するとともに、LGBT自治体議員連盟やLGBT法連合会など様々な団体が参加を表明した。とくに大きな反響があったのは東京レインボープライド(TRP)が参加表明したことだった。
TRPは近年、ゴーデンウィークに10万人以上を動員する日本最大のLGBTQの祭典だが、これまで個別の政治的な事案に踏み込んだ声明を発表することはなかった。
東京レインボープライド共同代表の山縣真矢さんは、「TRPのスタンスは、これまでも、そしてこれからも、特定の政党に偏ることなく、各政党横並びでの関係づくりであることに変わりはありません」と前置きしながら、次のように語った。
「今回の杉田水脈議員の論考は、事実誤認も甚だしく、人権をないがしろにした酷いもので、また優生思想にもつながる看過できないものでした」
「『Pride』(プライド)という(LGBTQの権利獲得の)歴史的にも重みのある言葉を冠する団体として、ここで抗議の声をあげなければ、その存在価値を見失うのではないか。そんな怒りや危機感から、今回、このような形で抗議行動に参加することにしました」
さらに、こうコメントを続けた。
「約5000人が集まった歴史的な集会となりました。これで終わりではなく、さらに連帯し、日本のプライド運動の歴史を共に作っていきましょう」
LGBTQ当事者が感じた怒りと悲しみ
「Pride」をかけて、TRPが抗議の声を上げた。LGBTQをめぐっては、これまでにも様々な差別的発言が問題とされてきたが、今回の杉田議員の発言について、当事者たちが明らかにこれまでとは次元が違うものとして捉えていたことが分かる。
杉田議員が過去に出演したネット番組でもこうした差別発言を繰り返していたことが、web上で拡散されていったことも大きかった。
とくに、杉田議員がLGBTの子どもたちの自殺率が高いという問題について笑いながら話すシーンには、多くの当事者が激怒し、また胸を痛めた。
ハッシュタグを作った平野さんが「これはない」と憤ったのもこの動画だ。
また自民党が公式にコメントをせず、二階俊博幹事長が「人それぞれ政治的立場、いろんな人生観、考えがある」と、杉田議員の寄稿文を黙認する発言をしたことも当事者たちの怒りに拍車をかけた。
さらに杉田議員自身が、「LGBTの理解促進を担当している先輩議員が『雑誌の記事を全部読んだら、きちんと理解しているし、党の立場も配慮して言葉も選んで書いている。言葉足らずで誤解される所はあるかもしれないけど問題ないから』と、仰ってくれました。自民党の懐の深さを感じます 」とツイートしたことも物議をかもした(後に削除した)。
セクシュアル・マイノリティ以外にも広がった連帯の輪
そして、この問題に声を上げたのはセクシュアル・マイノリティ当事者だけではなかった。
「生産性」という尺度で人間の価値をはかる杉田議員の考えは優生思想にもつながる。子どもを持たない人、障がい者、要介護の人たち......。すべての社会的弱者を切り捨てるものだ。
このことから「LGBTQのみならず、すべての人の問題である」と考える非当事者は少なくなかった。
LGBTQとアライ(理解者)に限らず、このような発言が生まれる政治状況に危機感を感じた多くの人たちが集まり、5000人もの群衆となったのだ。
当事者たちが見せた真の連帯
明治大学教授でゲイを公表している鈴木賢さんは、デモの大きなうねりを見てスピーチでこう語った。
「今日は、日本の革命がはじまった日だ」
これまで「LGBTブーム」と言われながら、どこか「LGBT」という言葉が一人歩きしている感があったように思う。
レズビアン(L)、ゲイ(G)、バイセクシュアル(B)、トランスジェンダー(T)は、それぞれ違った存在であり、社会的立場も異なる。そのような人々が連帯してきた欧米での歴史的背景が「LGBT」という言葉にあるが、日本には言葉だけが移入され、その後ろにあるストーリーがちゃんと伝わっていない状況であったことは確かだ。
今回の抗議デモに、大きな怒りを共有した様々なセクシュアリティの人たちが個人の意思で集まったことは、実質的に日本のLGBTQが連帯した第一歩となったのではないか。
そして、LGBTQ当事者以外の多くの人々と連帯して差別問題に声を上げたことも大きい。このことは逆に、今後、彼らが他の社会的問題についても連帯しコミットしていく可能性を示唆している。
このデモは、日本のLGBTQをめぐる大きな転換点になったのではないだろうか。
以下に参加者のコメントを紹介する。
松中権さん(NPO法人グッド・エイジング・エールズ代表)
保毛尾田保毛男をめぐる問題では当事者団体として大きく動いたグッド・エイジング・エールズ。「政治的に中立」という原則に従って団体としては抗議に参加していないが、代表の松中さんは個人で参加していた。
「グッド・エイジング・エールズは、もともと社会とLGBTをつなぐポジティブな場を作ることを目指して活動してきました。しかし、2016年に自分の出身校である一橋大学でアウティング事件が起きたことにショックを受け、これまでのような活動だけでいいのか疑問に思えてきたのです。それ以来、政治的に主張したり、法制度を整えたりすることも大切だと考え、団体以外で個人の活動もしてきました」
「今日は、ここに来るかどうか正直、ギリギリまで迷っていました。抗議活動に壁を感じている自分がいたんです。でも、たんなる食わず嫌いではないかと思い直しました。一橋の事件を思い出して背中を押されたことも確かです。今、声を上げなければ失われていく命があるんです」
畑野とまとさん(トランスジェンダー活動家)
「杉田議員の辞職自体はどうでもいいと思っています。そんなことでは変わらない。杉田議員のような人権と義務をバーターと考えるような体質は、自民党そのものにあるのでは? そのような政党がまともに人権課題に取り組めるとは思いません」
「『ストーンウォール(の反乱)』(1969年にアメリカで起きた、同性愛者らが初めて警官に真っ向から立ち向かって暴動となった歴史的事件)以前、トランスジェンダーの問題もゲイやレズビアンの問題にしても、医療の問題として扱われてきました。ストーンウォール以後、人権問題という社会の問題として扱われるようになったのです。それに匹敵するような大転換が今日起きているのではないでしょうか」
カナイフユキさん(イラストレーター)
「今回、杉田議員の発言が明確な差別であり、それに抗議するべきだと感じた人、そして実際に自民党本部前まで足を運んだ人の数の多さを確認することができ、ゲイ当事者として心強く感じました。普段は政治の話をしない友人ともこの問題については話したりして、時代の潮目を感じました」
「ただ、LGBT当事者の中でも、自民党を擁護する立場や『自分は差別を感じずに暮らせているから関係ない』という考えから、抗議に反対する動きが少なからずあったのは気になりました。いかなる差別も容認してはならないと信じて、反差別のムーブメントを作っていくための力になれたらと思います」
大熊啓さん(ミュージシャン)
ストレートアライの大熊啓さんはこの日、「Singing for Our Lives」という曲に自作の和訳歌詞をつけ弾き語りした。
この曲は、1977年にアメリカで起きた、ゲイ解放運動家の市政委員が同僚によって射殺された「ハーヴェイ・ミルク殺害事件」を受けて、活動家のホーリー・ニアが作詞作曲したもの。
「自分はストレートですが、以前、LGBTに関する学習会に参加したことがあり当事者の人たちがつらい立場にあることを知りました。また今回の件はLGBTに留まらない問題だと思います。国の役に立つか立たないかで人の価値を決めるような政治を放っておいたら大変なことになります」
三橋順子さん(ジェンダー・セクシュアリティ史研究者)
「デモに参加するのは初めてです。生産性で人を計るということは、ナチスそのものの方向性で、これは見過ごせないと思いました。そう思った人が多いからこそこれだけの人が集まったのだと思います」
「今回の件で杉田議員と自民党についてしっかり批判することも大事ですが、これをきっかけにLGBTQの人たちがより連帯を深め、セクシュアル・マイノリティに関する法制化を進めるきっかけになればいいと思います」
小倉東さん(ブックカフェおかまると店主/ドラァグクイーン)
マーガレットの名で活躍する日本のドラァグクイーンの草分けとしても知られ、ゲイ雑誌『バディ』を創刊し、長年編集長を務めるなど、ゲイカルチャーに大きな影響を与えてきた小倉さん。このような抗議活動に足を運ぶのは初めてだという。
「70年代に政治的にアクティブなアメリカのゲイたちは輝いて見え、うらやましく眺めていました。80年代には、日本のゲイが政治化することはないのだろうと諦めの気持ちがありましたが、90年代に入ると、日本でもアクティビズムの動きが出はじめ、自分でも出版やドラァグクイーンとしてのパフォーマンスの仕事を通じて主張をしてきたつもりです」
「2010年代の今日、70年代に夢見ていたゲイの姿が現出したのだと思います。今日はそれを祝福しに来ました」(取材・文 宇田川しい 編集:笹川かおり)


ろくな少子化対策も論じずに「生産性」という言葉でLGBTの人権を毀損する杉田水脈議員は今すぐ辞職すべきだ
選挙ウォッチャーちだい
「LGBTは生産性がない」……。こんなことを堂々と発言してしまう劣悪な国会議員がいました。
 はっきり申し上げて、その感覚があまりに時代遅れすぎて、現代にまったくフィットしていないので、戦前ならともかく、平成ラストイヤーの国会議員としては相応しくありません。今すぐ議員を辞職した方がいいレベルです。
 杉田水脈さんが国会議員という立場で時代錯誤を極めた言論を撒き散らすのは社会衛生上、良くありません。悪いことは言わないので、とっとと議員を辞めていただければ幸いです。もうこれ以上、日本の恥を世界に晒すのは勘弁してください。
BBCのドキュメンタリー番組で人権無視の暴言が放送
 杉田水脈さんは、元TBS記者のジャーナリストにレイプされたと実名で訴えている伊藤詩織さんについて、BBCのドキュメンタリー番組に登場し、「レイプされた女性が悪い」という持論を展開しました。
 国会議員がこんな発言をしているため、世界中がビックリ仰天。まさに今、世界中で性暴力を撲滅するための取り組みが行われている中で、日本では「保守」を自称するネトウヨをこじらせた国会議員が「レイプされる女性が悪い」と言ってのけたのです。
 変態をこじらせた痴漢のオジサンが言うならともかく、同じ女性であり、なおかつ女性を守るべき立場の国会議員が、まるで変態をこじらせた痴漢のオジサンたちに媚びるかのごとく、平然と自己責任論を述べる美しい国・ニッポン。
 最近、ネット上を賑わせているのは、女性にばかり体当たりする変態オジサンや、次々とすれ違う女性の尻を触って通り過ぎる変態オジサンの動画です。これらの動画を頻繁に見かけるようになって、今さらながら、女性たちが日常的にクソみたいな男たちの被害を受けていたことを知りました。僕たちが知らないだけで、実はあらゆるところに性暴力があって、悲しんでいる女性がいるとするなら、それは今すぐに改善しなければなりません。そんなタイミングで女性の国会議員が「レイプされた女性が悪い」と言ってのける。この時点でだいぶ狂っているのですが、この狂った国会議員はこれをガチで正しいと思い込んでいるため、世界中にさらなる恥を晒すようになったのです。
「LGBTは生産性がない」というトンデモ発言
 杉田水脈さんは、月刊誌『新潮45』で、「LGBTは生産性がない」と言い切りました。杉田水脈さんのご主張を読まずして批判するのは申し訳ないと思ったので、きちんとお金をドブに捨てるつもりで同誌を買い、この記事を書いております。
 杉田水脈さんは「文章を切り取って印象操作している」と反論していますが、最初から最後まで読んでみて、「切り取っても酷いが、切り取らなければもっと酷かった」だということに気づかされましたので、改めて検証させてもらおうと思います。
 ネット上では「LGBTは生産性がない」という部分だけで議論されていますが、ちゃんと読むと、100倍酷い。こんな人間が国会議員をやっている日本がつくづく残念でなりません。
“例えば、子育て支援や子供ができないカップルへの不妊治療に税金を使うというのであれば、少子化対策のためにお金を使うという大義名分があります。しかし、LGBTのカップルのために税金を使うことに賛同を得られるものでしょうか。彼ら彼女らは子供を作らない、つまり「生産性」がないのです。そこに税金を投入することが果たしていいのかどうか。にもかかわらず、行政がLGBTに関する条例や要項を発表するたびにもてはやすマスコミがいるから、政治家が人気とり政策になると勘違いしてしまうのです。”(『新潮45』より)
 この文章を読めば分かるように、杉田水脈さんは「生産性」とは「子供を作ること」だとキッパリ断言していらっしゃいます。
 男女のカップルの不妊治療に税金を投入するのは「生産性がある」ことで、LGBTの支援には「生産性がない」と言うのです。しかも、政治家がLGBTの問題に取り組んでいるのはあくまで「人気取り」で、「勘違い」であるとまで言っているのです。こんなに酷い解釈があったでしょうか。性的マイノリティの日本最大のイベントである「東京レインボープライド2016」に登場したことを得意げに吹聴していた同じ自民党の先輩、稲田朋美議員を中傷するのも程々にしていただきたいところです。
 杉田水脈さんに言わせれば、LGBTの方々は障害者ではなく健常者なので、この人たちに税金を投入する必要はないとおっしゃっています。
 しかし、税金というのは必ずしも障害者や社会的弱者のためだけに使われているわけではありません。
 多くは健常者のために使われており、例えば、起業支援の助成金は、ざっくり言えば大金持ちを夢見ている何一つ不自由のない人たちへの税金投入とも言えます。時にはブルジョワな生活をしている人にも税金が投入され、起業がサポートされています。しかし、こうした人たちに税金が使われていても文句を言う人はあまりいません。日本の経済を回していくためにはベンチャー企業にも頑張ってもらいたいという人が多いからなのですが、税金が弱者のためだけに使われているというのは幻想です。図書館やコミュニティーバスを健常者が使ってはいけないわけでもないし、広く市民や国民のために使われる税金はたくさんあります。
 こんな基本的な理屈もわからない人物が恥も外聞もなく国会議員をやっているなんて、そりゃ日本の発展が伸び悩むわけです。杉田水脈さんの差別意識は、この一文にも垣間見えます。
“マスメディアが「多様性の時代だから、女性(男性)が女性(男性)を好きになっても当然」と報道することがいいことなのかどうか。普通に恋愛して結婚できる人まで、「これ(同性愛)でいいんだ」と、不幸な人を増やすことにつながりかねません。”
 いつから「同性愛」が「不幸」になったのでしょうか。ある人が本当に好きなパートナーと結ばれるのは、その相手がいかなる性の持ち主だとしても幸せなことのはずです。なぜ同性愛だと「不幸」なのでしょうか。
 世界中でLGBTを理解し、「同性愛が不幸ではない世界」を目指す取り組みが実行されている中で、「同性愛者は不幸」だと言い切り、税金を投入するのは「生産性がないからダメ」と言ってのけるのが、まさかの国会議員。「同性愛者を不幸にしているのはオマエだろ、バカタレ!」です。
 こんな人が国会議員を続けていていいのでしょうか。
LGBTを尊重するのに税金は必要なのか
 杉田水脈さんは「LGBTは生産性がないから税金を使うべきではない」とおっしゃっています。
 しかし、世の中に「LGBT補助金」があるわけでもなし、現状として、LGBTの方々に対して何らか税金を使うようなサービスは展開されていません。同性愛の結婚を認めたとしても、あるいは、同性愛に対する理解を深める教育をしたとしても、LGBTの権利を認めることには、ほとんどお金がかかりません。むしろ、お金をかけずに国民に生きやすい環境を提供し、人々を幸せにできる政策こそ「LGBTの権利を認める」ということなのです。
 例えば、ゲイのカップルがいたとして、彼らにどんな税金を投入するつもりなのでしょうか。男女のカップルと違って不妊治療にお金がかかることもありませんし、子育て支援に税金が使われることもありません。それどころか、彼らが働いて納めてくれた税金で、男女のカップルが不妊治療を受け、子育てにかかるお金を助成してもらうこともできるのです。こうなってくると、ゲイのカップルに感謝こそすれど、恨むことはないはずです。杉田水脈さんは「税金」を盾にLGBTの方々を批判しているのですが、金額的なエビデンスは一切持ち合わせておらず、ただ差別をしているだけです。
 BBCで世界デビューを果たすレベルの「恥さらし国会議員」には今すぐ辞めていただきたいと思いますが、杉田水脈さんは「比例・中国ブロック」の衆議院議員です。まさに今、豪雨災害で大変なことになっている中国地方の方々が「自民党」に投票した結果、杉田水脈さんという国会議員を生み出し、みんなが復旧に力を注いでいるタイミングで、こんな記事を書いているのです。これまでのレポートの中で、自民党の議員たちがどれだけ仕事をしていないのかを指摘してきましたが、杉田水脈さんは小選挙区で名前を書かれて当選したのではなく、支持政党を問われて「自民党」と書いた人が多かった結果、自動的に議員になった人です。
 そんな杉田さんはご自身のTwitterでこのようにツイートしています(※批判を受けて削除済み)。
“自民党に入って良かったなぁと思うこと。 「ネットで叩かれてるけど、大丈夫?」とか「間違ったこと言ってないんだから、胸張ってればいいよ」とか「杉田さんはそのままでいいからね」とか、大臣クラスの方を始め、先輩方が声をかけてくださること。 今回も他党の議員が私が雑誌に書いた記事を切り取り”“ネットに出したことで色々言われています。LGBTの理解促進を担当している先輩議員が「雑誌の記事を全部読んだら、きちんと理解しているし、党の立場も配慮して言葉も選んで書いている。言葉足らずで誤解される所はあるかもしれないけど問題ないから」と、仰ってくれました。自民党の懐の深さを感じます”
 この件に関しては、日頃から杉田水脈先生を支持しているいわゆる「ネトウヨ」と呼ばれる人でさえ、明らかに分が悪すぎるために沈黙を貫いているのに、杉田水脈先生によると、大臣クラスの自民党の議員が「間違ったことを言っていない」と励ましているというのです。
 つまり、この大炎上している杉田水脈さんの発言を擁護するどころか、「その通りだ」と賛同して、自分で発言していないだけで、ほとんど同じ思想をお持ちでいらっしゃるわけです。
 最悪じゃないですか、自民党。
 どこまで腐っているんですか。豪雨災害の対応でも最悪だと思っていましたけど、思想的な面でも強烈に腐っているじゃありませんか。
 西日本が豪雨災害に見舞われているタイミングで、LGBTに対する差別と偏見に満ちあふれた持論を展開し、炎上した末に「自民党の先生には励まされている。自民党は最高だ」と答えてしまう空前絶後の恥さらし議員・杉田水脈先生。ましてやLGBTの理解促進を担当している先輩議員から「雑誌の記事を全部読んだら、きちんと理解しているし、党の立場も配慮して言葉を選んで書いている。言葉足らずで誤解される所はあるかもしれないけど問題ない」との認識なのです。僕はすべてを読みましたけど、とてつもなく問題だらけでした。LGBTの理解推進をしていると表向き標榜している自民党の議員がそんなことを言っているのだとすると、この国のLGBTに対する理解は永久に進みません。
少子化の原因を個人の性指向に求めるトンデモ政治家
 杉田水脈先生は記事の中で、安易にLGBTを認めて、世の中がゲイやレズばっかりになってしまったらどうするんだとおっしゃっていますが、そんな心配は不要です。そもそもLGBTというのは「性的マイノリティ」と言われているように「マイノリティ」なので、少数派なのです。
 世の中の多くの人が同性愛に目覚めてしまい、子供を作らない世の中になったらどうしようということで「生産性がない」と言っているのですが、日本ではLGBTの権利が認められるずっと以前から少子化が始まっています。
 杉田水脈さんが言うところの「生産性」をなくしているのは、LGBTの権利を認める認めないの話ではなく、政治家の皆さんの無能っぷりです。
 少子化に何一つ対策らしい対策を打たなかったばかりか、国民の平均年収が下がっているのに消費税を上げ、共働き家庭を増やしたにもかかわらず保育園問題を放置し、国民が子供を作りづらい環境を作り上げたからです。その政治責任の一切を反省せずに「LGBTは生産性がない」と言い放つほどの腐ったメンタル。こんな劣悪な人間を国会議員にしていると、この国はどんどん生きにくい世の中にされてしまうのです。日本をより良い社会にするためには、まず杉田水脈さんのような人を国会議員にしないことでしょう。

大国町は遠い→映画・獄友/カオリンズ「おいらトラックの運転手だったんだ」

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Après des inondations meurtrières, le Japon balayé par une tempête tropicale
Après les inondations qui avait fait 220 morts il y a moins d'un mois, une nouvelle tempête, baptisée Jongdari, s'est abattue sur le Japon, blessant une vingtaine de personnes.
Une puissante tempête tropicale a touché dimanche le centre de Japon, moins d'un mois après des inondations catastrophiques.
Le typhon Jongdari, avec des vents allant jusqu'à 180 km/h, a touché le territoire japonais à Ise, dans la préfecture de Mie, à environ 1 h du matin dimanche (16 h GMT samedi), selon la chaîne de télévision nationale NHK.
Il a cependant été rétrogradé dans la foulée en tempête tropicale, mais l'état d'alerte demeurait dans de nombreuses provinces.
Les autorités ont exhorté des dizaines de milliers de personnes à évacuer avant que les précipitations ne s'intensifient. Les télévisions diffusaient des images de vagues énormes se brisant sur les rochers et les digues au sud-ouest de Tokyo, et d'arbres ballottés au gré des vents.
Dix-neuf blesses
Au moins 19 personnes ont été blessées dans six préfectures de l'archipel, selon la NHK.
Jongdari évoluait dimanche dans le Chugoku, la région occidentale où des pluies d'une ampleur exceptionnelle ont provoqué début juillet des inondations et des glissements de terrain qui ont fait environ 220 morts. Plus de 4 000 survivants y logent encore dans des abris provisoires et de nombreux habitants dans leurs maisons endommagées. Les autorités ont exhorté des dizaines de milliers de personnes à évacuer avant que les précipitations ne s'intensifient.
Ces inondations ont été le pire désastre provoqué par des intempéries qu'ait connu le Japon depuis des décennies.
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サンデーモーニング【台風12号動き▽自民総裁選▽オウム死刑▽МLB▽Jリーグ】
台風12号列島横断?豪雨被災地は厳戒へ▽自民総裁選の対抗馬は?▽オウム死刑に世界は▽プロ野球▽МLB▽Jリーグ▽女の闘いが▽風をよむ
一週間の見逃せないニュース&スポーツをサンデーモーニングならではの視点でお送りします!◎世界と日本の出来事を掘り下げるカバーストーリー▽ ◎おなじみ・スポーツ御意見番「喝!&あっぱれ」◎関口宏の「一週間」ニュース◎時代と社会の断面を切り取るコーナー「風をよむ」〜〜 関口宏 橋谷能理子 唐橋ユミ 伊藤友里 水野真裕美(TBSアナウンサー) 張本勲(他) 三枝成彰 ◇番組HP http://www.tbs.co.jp/sunday/
西野哲史  金富 隆

テレメンタリー 「生きる思い 〜絶望から立ち上がった13年〜」

2005年に起きたJR福知山線脱線事故で夫を亡くしたピアノ講師の原口佳代さん。直後からずっと支えてくれた母・淳子さんも事故から4年後、がんで亡くなった。
自殺も考えるほど、絶望の淵にあった彼女が今、前を向いて生きようとしている。何が彼女の心を変えたのか。
13年間でたどり着いた「生きる思い」を伝える。 三代澤康司(ABCテレビアナウンサー) 朝日放送テレビ

NNNドキュメント 彼女が見ていた景色〜山下弘子の生き方〜
今年3月、山下弘子さんが亡くなった。25歳だった。19歳の時に肝臓がんが見つかり、余命半年の宣告。再発転移を繰り返した。彼女はどんな状況でも「全てのことには意味がある」と力ある言葉を語った。生きることを決して諦めないその姿勢は多くの人に勇気を与えた。その「強い言葉」の裏にあった葛藤、そして、愛する人や家族の支え...4年間に渡って弘子さんを見つめてきた私たちは"彼女が見ていた景色"を探した。 土屋佑壱  制作/日本テレビ
NHKスペシャル「アインシュタイン 消えた“天才脳”を追え」
天才物理学者アインシュタイン。その脳は、死後解剖されたが、今どこにあるのか、詳しくは分かっていない。今回、世界各地で徹底追跡。たどり着いたのは、切断された100以上の脳片を持つ人物、解剖時に撮影された数百枚の写真、そしてアインシュタインの脳を手にしたことで数奇な人生を辿ることになった研究者たちの姿だった。さらに番組では、アインシュタインの脳を初めて3DCG化、知られざる天才脳の秘密に迫る。 加瀬亮
バリバラ「罪をくり返す障害者」
刑務所に服役している人の4人に1人に知的障害などの可能性があると言われ、その多くが万引きや無銭飲食など軽微な罪をくり返して、刑務所に戻ってきてしまうという。生きづらさを抱え、社会の中で居場所を持てなかった人たちには、どのような支援が必要なのだろうか。罪を繰り返してきた障害者がスタジオにも出演。再犯を防ぐために、なにが必要かを専門家やレギュラー出演者とともに考える。 田村裕, 山本シュウ,岡本真希, 玉木幸則, 伊豆丸剛史, 神戸浩,ベビ−・バギー
山田龍乃真 @watashihahudson
教育の無償化、国立大学の授業料無償化するだけで日本の若者の学力が世界トップクラスになる。受験でも必死で勉強するし、余計なバイトしなくていいから入学後も勉強するよ
Tad @CybershotTad
#サンデーモーニング 谷口真由美さん「杉田さんの話に怒りで震えた。当事者の方々は国会議員のこういった発言にどれだけ恐怖感を覚えたか。生産性の有る無しで分けて対立させるのはナンセンス極まりない。LGBTの話に関してはヘイト。今回の寄稿は人生観ではなく政策集。自民党が何も言わないのは問題」
但馬問屋 @wanpakutenshi
#サンモニ 青木理氏 生産性で人を選別するのは明らかに差別。相模原殺傷事件で、被告は障害者が無駄だと言っていた。これは同じ優生思想につながりかねない。かつて総理の周辺が彼女を非常に高く評価したということは、やはり政権の思想が通底しているんじゃないか。総裁選での投票の判断が問われる。

日曜日だからだらだらしていたいのですが頑張って大国町まで行くことにしました.映画・獄友上映会です.しかし大国町は遠いです.なんばのあたりを過ぎてもまだ.よく考えると新今宮近くなので仕方ありません.
映画は足利事件の菅家さん,布川事件の桜井さん・杉山さん,狭山事件の石川さん,袴田事件の袴田さんの何気ない日常で構成されていました.菅家さんの誠実さがわかり,また亡くなった杉山さんがどんな人だったかが少しわかりました.桜井さんは何度か講演を聞いており,今日も講演されました.「母ちゃん」のうたが大好きです.
上映後のライブで丸正事件の歌を聞きました.カオリンズが歌う「おいらトラックの運転手だったんだ」です.映画と同じくらい良かったです.

震災遺構の荒浜小 来館10万人達成し記念植樹
 東日本大震災の遺構として昨年4月から一般公開されている仙台市若林区の旧荒浜小の来館者が28日、10万人に達した。
 節目の来館者となったのは太白区の長町南小2年国沢ここみさん(7)、父健さん(48)、母和子さん(43)の家族3人。郡和子市長から記念品が贈られ、荒浜小の敷地内にコブシ1本を植樹した。
 昨年12月に札幌市から転入した一家は同日、荒浜小を初めて訪れた。ここみさんは「1階の天井や壁がぼろぼろで、怖いなと思った。植樹したコブシの花が(春に)咲くのを見に来たい」と話した。
 郡市長は「家族連れや修学旅行の小学生ら多くの人が足を運んでいる。多くの犠牲があったことを忘れず、次の世代に教訓を引き継ぐ拠点になってほしい」と語った。
 荒浜小は津波で4階建て校舎の1、2階が浸水。児童、教職員、地域住民ら計320人が屋上に避難し、救助された。2016年3月に閉校し、市が昨年4月30日から震災遺構として一般公開している。
 入館無料。午前10時〜午後4時(8月31日までは午後5時)。連絡先は管理事務所022(355)8517。


河北春秋
 丸々としたキチジを串に刺し、いろり火にかける。したたり落ちる脂。口に入れればふっくら、ほろり。気仙沼市の居酒屋「福よし」は、名物の焼き魚で知られる▼東日本大震災の津波で全壊。1年5カ月後、再建を果たした。新店は県道を挟み、被災前の店より30メートルほど気仙沼湾側に近い。「以前から海が見える所に店を作りたかったのさ。今しかないと思った」と店主の村上健一さん(69)。海にひるまぬ心意気である▼震災を経て痛感したことが一つ。「家族がそろってご飯を食べる。きょうのこと、あしたのことを話題にしてね。その繰り返しが一番の幸せだと気付いた」。家族が一つ所で過ごす機会の少ない昨今だからこそ、思い起こしてほしいと願う▼区画整理とかさ上げ工事のため、今月末で立ち退く。再開は早くて来夏。店には今、つかの間の別れを惜しむ客が詰め掛ける。東京、沖縄、米国からも。「新しい店はできても、おまえが死んだら駄目だって言われるよ」▼いろり端で、見知らぬ人同士の会話が弾む。そんな店が理想だ。「例えれば旅。自分と違う文化の人と出会い、自分を変えるチャンスでしょ」。都会の喧噪(けんそう)を離れ、時がゆったり流れる港町の片隅で、酒と魚と人生をかみしめる。そんな空間の復活が、今から待ち遠しい。

相馬野馬追が開幕 浪江で8年ぶり武者行列
 福島県相馬地方の伝統行事で国の重要無形民俗文化財「相馬野馬追」が28日、開幕した。東京電力福島第1原発事故に伴う避難指示が昨春、帰還困難区域を除いて解除された浪江町では8年ぶりに騎馬武者が町の本陣を出陣し、中心部で行列した。旧相馬中村藩五つの「郷(ごう)」全てから出陣となった。
 小雨が降る午前8時ごろ、浪江町を中心とする「標葉(しねは)郷」本陣に見立てた町中央公園に陣羽織姿の56騎が集結。ほら貝が響き渡る出陣式典後、町内の目抜き通りを騎馬行列した。沿道から酒や水が振る舞われた。
 避難指示解除後の町の居住人口は800人足らず。原発事故前の約2万1000人のにぎわいはなく、町中心部でも建物を取り壊した後の更地が目立つ。
 ことし6月に避難先から7年ぶりに町に帰還した境久美子さん(72)は騎馬武者一人一人に「ご苦労さま」と沿道から声を掛けた。「涙がこぼれる」と復活に目を潤ませた。
 騎馬隊の吉田百花さん(19)は震災前年の小学6年以来の出陣。「馬に乗った視線がちょっぴり高くなった。町の人の声が聞こえて勇気をもらえた」と喜んだ。
 29日は本祭り。南相馬市原町区の主会場、雲雀ケ原祭場地で甲冑(かっちゅう)競馬や神旗争奪戦がある。30日は同市小高区で神事「野馬懸(かけ)」がある。


古里・福島へ応援ソング届け 京都の音楽家、3日公演
 京都を拠点に活動するシンガー・ソングライター「Yammy*(ヤミー)」さん(41)が、ソロ活動10周年の記念コンサートを8月3日に京都市内で開く。東日本大震災に遭ったふるさと福島県に贈った応援ソングで代表曲の「君のもとへ」などを予定する。伸びやかでパワフルな声で、聴く人たちに「元気と笑顔を届けたい」という。
 Yammy*さんは同県白河市出身。同志社大を休学し、米国の音楽専門学校で2年間学んだ。帰国後は京都のライブハウスで音楽活動を始め、歌手SAKURAさんのコーラスなどを経て2008年からソロ活動を開始。上田正樹さんやロックバンドSHOGUNらとセッション、レコーディングにも参加した。
 11年3月、衣装を買いに出掛けた京都・河原町の大型スクリーンに、押し寄せる津波や大規模火災の映像が流れ、ふるさとの被害を知った。家族と数日間連絡が取れず、もんもんとする中、ふと「故郷は山や田んぼに囲まれ、星がきれいだった。テレビで悲惨な映像をずっと見ていたら、かえって自然豊かな風景が自分の中によみがえってきた」という。京都のミュージシャンの協力も得て、1週間で音源を完成させた。
 「届け君のもとへ 愛を乗せて きっときっと 力になる」とつづった「君のもとへ」は、福島のラジオ局が震災直後の特集番組で使用、県内にファンが広がった。年3〜4回訪問してライブを行うほか、震災翌年からこの局で週1回の冠番組もスタート。京都市の自宅で収録しており、先日は祇園祭を紹介した。
 新たな反響もある。SNS(会員制交流サイト)で曲を知った熊本県水俣市の住民から請われ、6月の音楽祭で小中高校生と合唱した。Yammy*さんは「聴く人がそれぞれの故郷を重ね、曲を縁につながりが広がることがうれしい。お客さんと近い距離で、これからも笑顔を届けていけたら」と意欲を語る。
 コンサートでは「君のもとへ」のほか、5月に発売した6枚目のアルバム「太陽」など10年間の楽曲を歌い、ピアノやドラムなどでミュージシャン14人も出演する。午後6時半から京都市上京区の府民ホールアルティ。チケット5千円。問い合わせはYammy*さんのホームページから。


筆洗
 西から昇ったおひさまが東へ沈む−。「天才バカボン」の主題歌で放送開始は一九七一年なので、今でもすらすらと歌詞が出てくるという世代は六十歳近いか。八月二日は赤塚不二夫さんの祥月命日で没後十年という▼あの歌のおかげで、太陽はどちらから昇るかを学んだという当時の子どももいるのではないか。バカボンのパパはいつもでたらめなので歌とは正反対に覚えればよい。だから正解は東という具合▼東にあった台風が西へと進む。こっちの方は笑いごとではなく、身構える。夏場の台風は西から東へと進路を取るものだが、へそ曲がりな台風12号が異例のルートで東から西へと進む▼南の上空に反時計回りの空気の渦があり、その影響によって西寄りのルートを進んだとみられているが、見たこともない台風の進路図が不気味である。先の西日本豪雨の被災地に向かっているのも気掛かりで、どこまでも底意地の悪い台風である。異例な進路に予想もつかぬ被害が心配である▼それにしても異例やら異常という言葉をよく耳にした、この七月である。西日本豪雨に始まって、全国的な猛暑、そしてこの西も東も分からぬ台風。「西から昇ったおひさま」ほどではないにせよ、これだけの異常、異例が続けば何事ならんと心も落ち着かぬ▼同じ赤塚作品でも「シェー」ではなく「これでいいのだ」の普通の夏の空が恋しい。

水害多発列島  避難にもっと注力すべき
 怖くなるくらいの大量の雨が広範囲に、長時間にわたって降り続いた西日本豪雨。平成最悪の犠牲者を出し、住民避難が続いているというのに、今度は台風12号の列島直撃だ。
 毎年のように激しい豪雨が各地を襲っている。「災害環境は新たなステージに入った」と河田恵昭関西大社会安全研究センター長が警告していた通りだ。
 これまで経験したことのない事態に、どう対応するのか。一から現状を見直し、新たなステージに合わせて発想や対策を変える必要があろう。
 堤防などハード面の整備を進めるにしても、それに頼って安心するのはかえって危険だ。これからは避難がより重要となる。意識を高め、どう避難に導くか。人命に関わるだけに、もっと注力したい。
 気象庁は「大雨特別警報を出す可能性がある」と1日早く予告している。危機感を示す異例の発表だったが、自治体など受け手にどう伝わったか。避難勧告・指示を出す市町の中には混乱も見られた。
 平成の大合併で自治体は広域化する一方で、職員は削減されてきた。マンパワーの不足で情報が滞り、広くなった圏域に目が届かないことも少なくない。
 もはや一自治体では大規模災害の対応は難しいとの声も出ている。国土交通省の調査によると、インフラ管理や災害対応にあたる技術職員が5人未満の町は6割、村は9割に上る。深刻な事態だ。
 内閣府の「水害対応の手引き」には、市町村の実施すべき項目が盛りだくさんだ。一方で、停電や電話不通に加えて「職員が参集できず」「マンパワー不足」といった実態も書かれている。
 西日本豪雨では、今春に制度化された「対口(たいこう)支援」の初運用として、被災市町村のパートナー自治体が職員を派遣している。国交省の「緊急災害対策派遣隊(TEC―FORCE)」も活動している。
 これらは発災後の活動だが、人命を含めて被害の最小化をはかるには、発災前から支援に乗りだしていいはずだ。規模の小さな市町では、大量の収集・伝達、避難勧告・指示などに追われており、専門的な支援や助言が求められているのでは。
 府県、関西広域連合、国などで機動的な支援組織を常設し、市町をふだんからサポートしてはどうか。全国知事会は「防災省」創設を緊急提言し、一元的な復旧・復興だけでなく事前対策を担うことも含めた。
 地域に防災行政は十分浸透しているのか。ハザードマップを作成しても、職員の手が足りず住民に説明されない事例も少なくない。
 支援組織の専門家が地域に入り、防災・減災を担う人材を育てる必要がある。今回の豪雨では、高齢者のパートナーを事前に決めていて避難できた団地の取り組みなど、参考になる事例も見られる。
 いざ、という時では遅い。平素から支援の手も借りて、自らの命を守り、大事な人を守る行動を考え、身に付けておく。この水害多発列島で暮らす上で欠かせないことだ。


西日本豪雨・防災省の必要性 地方の危機感に応えよ
 災害対応を一元的に担う「防災省」の創設を求める声が、地方から強まっている。全国知事会が、政府への緊急提言としてまとめた。今回の西日本豪雨などの大規模災害に直面し、対応してきた地方の切実な声だと言える。政府は、真剣に耳を傾ける必要がある。
 防災の責任が、一義的には地方自治体にあるのは言うまでもない。それでも知事会が防災省創設の必要性を訴えるのは、地元の自治体だけでは手に負えないような大規模災害が、毎年のように起きている現状に危機感を強めているからだ。
 4年前に起きた広島土砂災害の後も、長野、岐阜県境の御嶽山の噴火や、鬼怒川が氾濫した関東・東北水害、熊本地震などが甚大な被害をもたらした。会長の上田清司埼玉県知事は「日本は災害列島化している」と抜本的な対策を求めている。
 提言書には「巨大災害で甚大な被害が及べば地域が消滅しかねない」との文言も盛り込まれた。西日本豪雨では、呉市安浦町などで集落が土砂に埋もれ、再生が危ぶまれている地区がある。今後予想される南海トラフ巨大地震などを考えれば、地方の危機感はもっともだろう。
 今回の豪雨では、法整備があいまいなため、復旧支援に自治体間で格差が起きている現実がある。住宅敷地内に流れ込んだ土砂の撤去の問題だ。災害救助法とその施行令では、住居や周辺の土砂は自治体が除去すると定めているが、明確な線引きはない。
 そのせいで敷地内の土砂は自治体が運び出していたり、個人で運び出さなければならなかったりと、対応が分かれている。同じ県内の被災地なのに、住む場所によって受けられる支援が違えば住民は納得がいくまい。
 自然災害が招いた事態が想定を超え、自治体が難しい判断を迫られる場合もある。事前対策から復旧復興までワンストップで受け止める機関があれば、柔軟な対応も検討できよう。
 防災省や防災庁の必要性は1995年の阪神・淡路大震災の頃から、繰り返し議論されてきた。創設を求める声が消えないのは、一連の災害対応が複数の府省庁にまたがって複雑で、スピード感に欠けるからだ。
 それなのに、政府は創設に消極的な姿勢を崩していない。安倍政権は3年前、危機管理組織の在り方に関する副大臣会合で「新機関を直ちに設置する必要はない」と結論づけた。菅義偉官房長官も会見で、国と自治体が「適切な役割分担の下で早期復興に取り組むことが大切」と否定的だ。自治体側との温度差を感じずにはいられない。
 創設の論議は、東日本大震災後に設立された復興庁とも絡んでいる。政府は2020年度末での廃止を既に決めている。その後継として、大震災の教訓を受け継ぎ、防災力の強化を図るために創設を求める意見もある。検討すべきではないか。
 9月の自民党総裁選でも論議を深めてほしい。立候補する意向を事実上表明した石破茂元幹事長が、かねて創設に意欲を示している。ただ、政争の具にしてはなるまい。総裁選が終われば、議論の結果を政策として具体的に生かしてもらいたい。
 政府は、自治体側の危機意識をしっかり受け止め、地方のニーズに応えなければならない。


災害弱者対策 「西日本」教訓にしたい
 死者224人、いまだ13人の行方が分かっていない西日本豪雨は、災害弱者をどう守ればいいのかという課題を改めて突きつけた。近年の相次ぐ大規模自然災害は従来の常識が通じないレベルである。西日本豪雨を教訓とし、次の災害に備えなければならない。
 今回の豪雨では犠牲者の多くを高齢者が占めている。広範囲で浸水した岡山県倉敷市真備町地区では、犠牲者のほとんどが自宅1階で見つかった。1人暮らしや体の不自由な高齢者が目立ったという。上階に逃げる「垂直移動」ができていれば助かったケースも多かったとみられている。
 自然災害と向き合う上でまず考えたいのは、こうした自力避難の難しい高齢者をどうやって救うかだ。
 2014年施行の改正災害対策基本法は、高齢者や障害者ら「避難行動要支援者」の名簿作成を市町村に義務付けた。秋田県によると、昨年6月時点で県内の全25市町村が名簿の作成を終えている。関係条例を整備するなどして地元消防機関や自主防災組織などへ名簿を事前提供してもいる。
 一方で改正法が策定を求める要支援者の避難経路・場所などを明記した「個別計画」については、18市町村が策定済みまたは策定中だが、7市町村は未着手という状況だ。関係機関が災害弱者の情報を共有する態勢はほぼ出来上がっている。あとは高齢者らを的確に避難支援できるかどうかだ。有事に備え、個別計画の策定を急いでほしい。
 西日本豪雨では、住民に情報が伝わらず避難行動に影響したとの指摘もある。地元住民の間では「スマートフォンを持たない高齢者は避難情報を把握できなかったのではないか」との見方も出ている。情報伝達の問題点についても検証が必要だ。
 命が助かった後の対応についても考えておきたい。西日本豪雨では当初、一般の避難所での生活が難しい高齢者や障害者らを受け入れる目的で自治体が事前指定する「福祉避難所」の利用が進まなかった。16年の熊本地震の際、一般避難者が福祉避難所に殺到したことから自治体が周知に消極的だったことが一因とみられる。
 本県の福祉避難所(3月末)は、能代市、小坂町、五城目町、井川町を除く21市町村に、高齢者・障害者施設や公民館など計306カ所ある。災害時、必要な人が利用できないことがないよう県や市町村は、日頃から地域の福祉避難所の役割や意義について周知してほしい。
 避難生活が長引くと、健康状態の悪化や認知症の進行などが懸念される。東日本大震災では震災後1年で、被災地沿岸部の要介護認定者数が7・1%増加したとの調査結果もある。きめ細かな生活ニーズの把握や、関係機関の連携強化など、「被災後」を見据えた課題も整理しておきたい。


自然災害新時代 「二重被災」の脅威 念頭に
 わが国が世界で指折りの「自然災害大国」だということは多くの人が認識している。地震、津波、台風、豪雨、洪水や土砂崩れ、豪雪、火山噴火など数え上げれば切りがない。
 今年の場合も、2月上旬の福井豪雪で交通網が寸断され県民の生活を直撃。6月中旬には大阪府北部で最大震度6弱の地震が発生した。その恐怖も冷めやらぬうち、7月上旬には西日本を中心に豪雨が急襲、15府県で死者220人(警察庁まとめ)を超える惨事となった。
 痛々しい爪痕が残る中、今度は被災地や日本各地は最高気温35度を超える猛暑日に見舞われた。熱中症で搬送される患者が相次ぎ亡くなる人も急増した。炎熱のような暑さは「もはや災害」に等しい。日本は酷暑を含めた備えを迫られる災害新時代を迎えたといえそうだ。
 ■災害リスク高い日本■
 世界の主要都市に関し、自然災害のリスクを指数化したデータがある。地形・地盤などの立地条件と地震、津波、高潮、洪水、土砂の五つの災害誘因による最大被害値を算定し、防災科学技術研究所が2013年にまとめたものだ。
 トップは東京圏で443。2位が大阪圏の278。東京圏は地震のリスクが過半数を占め、大阪圏は地震と津波・高潮がほぼ同じ割合。ともに洪水・土砂リスクはやや低かった。
 次いで地震、火山帯に位置するインドネシア・ジャカルタの131、山地が近いフィリピン・マニラの115が続いた。ちなみに米国ロサンゼルス81、中国上海33、英国ロンドン18だった。日本の災害リスクが群を抜いて高いと教えられ、ゾッとする思いである。
 ■酷暑で熱中症命取り■
 これに加え近年、地球温暖化の影響で異常な高温が続いている。今夏の記録的な猛暑に気象庁は「命の危険がある暑さ。災害と認識している」と表明。熱中症の危険はますます高く、体温調節機能が弱い高齢者や子どもには命取りにもなる。
 今月16〜22日の1週間で緊急搬送された熱中症患者は2万2647人で過去最多。死者は28府県で65人を数え、1週間で昨年の総数を上回ったという。
 炎天下での運動や学校行事、肉体労働などは避ける。また水分や塩分の補給、こまめな休憩を心がけるなどの注意点が連日報道された。ただ高齢化が進む中で最も注意を要するのは、夜間も含め住宅内で発症するケース。発見が遅れがちになり、高齢者に対する地域の見守りも重要になる。
 ■住民と行政が一体で■
 今年は1948年の福井地震からちょうど70周年に当たる。地震1カ月後に九頭竜川洪水も発生したため、県内では被災経験の風化防止と「複合災害」に備える啓発が熱心に行われた。
 その同じ時期に、大阪府北部地震や西日本豪雨を目の当たりにした。そこへもって猛暑による熱中症災害である。改めて恐怖心を覚えた人も多いはず。
 全国知事会議が「防災省」の設置を求める緊急提言を採択したほど、日本の自然災害は恒常化している。対策はもはや単独でなく、常に二重被害を想定することが重要になる。
 行政機関は防災体制や手順、行動計画の見直し、情報の的確な伝達法、避難所施設の再点検などが求められる。一方で住民一人一人、地域同士で早めの避難やお互いの声かけ・支え合いなどで命を守る。要は「自助」「共助」「公助」の三位一体で立ち向かうことが要諦と肝に銘じたい。


被災者の健康 命を守る細やかなケアを
 西日本豪雨は岡山、広島県などに甚大な家屋被害をもたらし、いまも被災者が避難所に身を寄せている。発生から3週間が過ぎ、長期化する避難生活で命と健康を守るためのケアが大きな課題となっている。
 岡山県内の家屋被害は岡山、倉敷、総社、高梁市や矢掛町など広範囲で発生し、全壊と床上浸水は計8千棟を超えた。避難所にはなお約2500人がとどまり、台風12号の到来で増加も見込まれる。
 被災者は心身ともに疲労がたまっていることだろう。東日本大震災や熊本地震といった過去の災害では避難生活が長引くにつれ、災害関連死の発生が問題となった。行政や医療関係者は避難者にきめ細かなケアを提供できるよう、体制を築く必要がある。
 懸念材料の一つは、医療機関の被災である。岡山県によると、浸水や土砂崩れなどによって病院、診療所は倉敷、高梁、新見市の15施設が診療を停止した。
 中でも倉敷市真備町地区は11施設と被害が集中し、地区の医療体制が大きく損なわれている。水道や電気といったインフラの回復に伴って一部施設が診療を再開しつつあるものの、レントゲンや超音波診断装置といった医療機器の多くが水没で失われ、医療体制は依然として厳しい。
 国や自治体、医師会などは、被災した医療機関と連携して診療再開を急ぐとともに、全面的な復旧に向け、人材確保やハード面の支援に努めてもらいたい。県は真備町地区を対象に、避難所と医療機関を結んで通院を支援するバスの運行をスタートさせている。利用者のニーズを聞き、路線や便数を充実させることも求められよう。
 これまで猛暑が続き、被災地では泥水が乾いて土ぼこりが舞い、衛生環境が悪化した。真備町地区では結膜炎患者が多く報告されるなど、感染症も発生した。
 避難所で診察や健康状態のチェックに当たる医療チームは被災者から丁寧に体調を聞き取り、健康状態の悪化を防いでもらいたい。
 わが身を守る健康管理も大切である。水分、塩分の補給や休息を心掛けて熱中症を予防し、手洗い、うがいを励行して食中毒や感染症から身を守りたい。避難生活では体を動かしにくく、エコノミークラス症候群や高齢者らの身体機能の低下も懸念される。適度な運動を心掛けることが必要となる。
 被災した住まいにとどまる「在宅避難者」や、提供の始まったみなし仮設住宅の被災者をどう支援していくかも重要だ。過去の災害でも支援や情報が届きにくく、孤立化が指摘されてきた。倉敷市は健康状態を調査するため、真備町地区で保健師らによる全戸訪問を始めた。浸水被害を受けた他の自治体でも同様の調査を行っている。支援から取り残される人がないよう努めてほしい。


[西日本豪雨 ダム放流] 情報伝達の検証が必要
 ダム放流の操作は適切だったのか、住民への情報提供の方法に問題はなかったか。再発防止に向けた徹底的な検証が必要だ。
 西日本豪雨では、愛媛県の肱川(ひじかわ)上流にある野村ダム(西予市)と鹿野川ダム(大洲市)で安全とされる基準を大幅に超える放流が行われた。大洲市と西予市では大規模な浸水被害が起きるなどして、住民計9人が亡くなった。
 ダムを管理する国土交通省は「操作はマニュアル通り行い、適切だった」と主張する。だが、住民からは放流の警報や行政からの避難指示が「聞こえなかった」など不満の声が上がる。
 いくら規定通りに対応しても、住民に情報が届かなければ何の役にも立たない。国交省は情報提供のあり方を巡り、有識者や行政を交えた検証の会合を設置した。命を守るために何が必要か、見直しを急いでもらいたい。
 国交省四国地方整備局によると貯水位がピークに達した7日午前、ダムがあふれるのを防ぐため、上流の野村ダムから最大毎秒約1800トン、中流の鹿野川ダムから基準の約6倍に当たる最大毎秒約3700トンが放流された。整備局は「想像を超える雨量だった」と操作の妥当性を説明する。
 だが、放流警報や避難指示が適切に出されたかは疑問が残る。
 鹿野川ダムの管理者と大洲市は、放流の2時間半前からやりとりをしていた。しかし、浸水の恐れがあるとして、市が避難指示を出したのは、放流のわずか5分前だった。
 さらに、大雨の中で屋外スピーカーや防災無線からの警報や避難指示が聞こえず、聞こえても予想される浸水の程度が分からなかったという住民は多い。
 西予市は、消防隊などに一軒一軒回ることを指示。犠牲者が出ている一方で、直接促されて避難した住民もいた。避難の必要性が伝われば、もっと救えた命があったのではと思うと残念だ。
 鹿児島県内では2006年7月の県北部豪雨で鶴田ダムが満水状態になり、流入量とほぼ同じ量を放流した。今回の西日本豪雨と同様に、下流のさつま町などで大規模な浸水被害が出た。
 鶴田ダムはその後、治水機能を強化する再開発工事を行うとともに、住民も参加する検討会を設置して、治水や減災についての意見交換を続けている。
 行政や住民がダムの役割や能力に関心を持つことも重要だ。万一に備え、危機感を共有したい。


毎日新聞調査 西日本豪雨、政府対応68%が不十分
 28、29両日に実施した毎日新聞の全国世論調査で、西日本豪雨に対する政府の対応について尋ねたところ、「十分ではない」と答えた人が68%に上り、「十分だ」の20%を大きく上回った。
調査の方法
 7月28、29日の2日間、コンピューターで無作為に数字を組み合わせて作った固定電話と携帯電話の番号に調査員が電話をかけるRDS法で調査した。固定では、福島第1原発事故で帰還困難区域などに指定されている市町村の電話番号を除いた。固定は18歳以上の有権者のいる814世帯から518人の回答を得た。回答率62%。携帯は18歳以上につながった番号672件から531人の回答を得た。回答率79%。


【台風12号】豪雨被災地で避難ふたたび…被災者の疲労色濃く
  台風12号の影響で、西日本豪雨の被災地では29日、住民らが避難所に身を寄せ、自治体が一時警戒を強めた。大きな被害はなく、雨脚が弱まると、関係者は胸をなで下ろした。ただ、豪雨による大きな爪痕の残る中、追い打ちをかけるような台風の襲来に、被災者には疲労の色が濃く出ている。
 早朝から呼び掛け
 豪雨で土砂災害による甚大な被害が出た広島県の災害対策本部には、午前5時に担当職員全員が集合した。県は早めの避難を住民に呼びかけるよう自治体に指示。29日のピーク時には492カ所に6458人が避難し、約千人ほどに減少していた避難者が一気に約5千人以上増えた。
 このうち、豪雨の避難所となっている広島市安芸区の市立矢野南小では、この日午前11時時点で、前日夜のほぼ倍にあたる約110世帯約300人が避難。グラウンドには避難者がマイカーを駐車し、管理する男性は「これ以上車が増えると、グラウンドに入りきれない」と困惑した様子だった。
 豪雨で大規模な土砂崩れが起きた同県坂町(さかちょう)では29日午前9時半、町内のほぼ全域にあたる約4800世帯1万人以上に対し、土砂に警戒する避難指示が発令されたが、午後に解除された。
 同県危機管理課の桑原伸夫参事は「被災直後ということもあり、早めの避難の意識が高まっていた」と話した。
 土砂災害恐れ
 岡山県内は、豪雨で河川が氾濫した倉敷市真備(まび)町で避難指示が出ているほか、笠岡市や吉備中央町などに避難勧告を出した。
 このうち、倉敷市では午前6時すぎ、高齢者や体の不自由な住民らに避難を求める「避難準備・高齢者等避難開始」を発表。伊東香織(かおり)市長が防災無線で「土砂災害の恐れがある」と呼び掛けた。
 また、真備町では浸水のため防災無線の半数以上が壊れて使用できず、広報車で避難を求めた。市消防局が消防車で巡回し、自力で避難できない高齢者らを避難所に送った。市の担当者は「多くの人が早めに避難できてよかった。今後は豪雨の復興作業を進める」としている。
 一方、相次ぐ災害に同町の避難者らは疲労困憊(ひろうこんぱい)だ。今後の生活への不安ものぞく。市立薗(その)小に避難する安藤三十士(みとし)さん(79)=同町箭田=は台風を見越して、28日中に自宅の網戸やトタン板を外した。「今回の雨で自宅が浸食されていたらと思うと途方もない気持ち。自然の猛威が続くと無力感に襲われる」と嘆息した。
 同町川辺の会社員、新谷昌典さん(39)は60代の両親と避難所生活を続ける。「風が強いので家を見に行くか迷った。みんな心労がたまり、早く前を向きたいが、なかなか難しい」と疲れた表情を見せた。
 倉敷市に隣接する総社市も増設した避難所30カ所を閉鎖した。台風対策で避難所が開設された市立神在(じんざい)小では、29日午前9時ごろに最大83人が避難。弁当やお茶が配られたが、午後0時半には全ての避難者が帰宅した。市の担当者は「結果的に空振りだったかもしれないが、被害がなくて良かった」と胸をなで下ろした。


南三陸町社協が「みんな食堂」開催 食卓囲み地域交流
 南三陸町社会福祉協議会は7月、地域住民を対象に夕食の場を定期的に設ける活動「みんな食堂」を始めた。4月に同町志津川に開所した高齢者生活支援施設「結の里」の活用策として、運営する町社協が昨年から検討会や試行を重ねて開催にこぎ着けた。子どもから高齢者まで幅広く参加を呼び掛け、食を通じて住民同士の交流につなげていく。
 初回は13日に結の里であり、近隣の災害公営住宅の高齢者や親子連れなど約40人が参加した。4グループに分かれて夏野菜を使ったカレーライスを作り、会話をしながら食事を楽しんだ。
 災害公営住宅で1人暮らしの無職菅原幸子さん(85)は「1人の生活だと鍋いっぱいにカレーを作る機会がない。作る量が多いと味がしっかり出るし、何よりもみんなで食べる夕食はおいしい」と笑顔を見せた。
 検討会は昨年4月に始まり、住民らが結の里での活動内容を話し合ってきた。10月には「ミニ食堂」と銘打った郷土料理作りの試行イベントを行うなどして準備を進めてきた。実行委員長の大山たつ子さん(66)は「1人暮らしの人から夕食を食べるのが寂しいという声を聞いたのが活動のきっかけ。みんな食堂が気軽に参加できる場になればいい」と期待する。
 町社協地域福祉係の高橋吏佳係長は「今後も結の里の活動に住民が主体的に関われるように支援していきたい」と話す。
 みんな食堂は8月と1月を除く月1回開催し、参加費は1人300円。次回は9月19日の予定で、お月見をテーマにした料理を作る。連絡先は結の里0226(29)6452。


花巻・童話村で賢治の世界がオブジェに
 花巻市の宮沢賢治童話村で、賢治の作品世界をイメージしたライトアップが行われている。「銀河鉄道の夜」や「どんぐりと山猫」をモチーフにしたオブジェ70基が輝き、周囲が幻想的な雰囲気に包まれている。10月7日まで。
 賢治生誕120周年を記念して2016年に始まり、今年で3年目。会員制交流サイト(SNS)で話題になり、昨年は2万3300人が来場した。市内の幼稚園に通う高橋紗季子ちゃん(6)は「いろんな色に光ってきれい。ダイヤの形が一番きらきらだった」と話した。
 点灯は毎週金−日曜の午後6時半〜9時。期間中は童話村にある「賢治の学校」の開館を午後7時まで延長する。


ダムの水流 光鮮やかカラフルな夜 西和賀・錦秋湖
 岩手県西和賀町の錦秋湖(湯田ダム)に夏場だけ出現する貯砂ダムが28日、ライトアップされた。29日も行われる。
 幅123メートル、高さ17.5メートルの貯砂ダムは、洪水に備えて湯田ダムの水位を下げる7〜9月に一部が姿を現す。午後6時に鮮やかな光が放流水を照らした。
 北上市の地方公務員及川昌規さん(47)は「初めて見た。夕日が照らす豊かな自然とダムの造形美を楽しめた」と満足した様子だった。
 29日も午後6〜8時に点灯する。隣接する川尻総合公園では午前11時から関連イベントが開かれる。


NPOの学生ら、東北学院大工学部の跡地利用案を街頭調査
 若者の政治参加促進に取り組むNPO法人ドットジェイピー(東京)の宮城支部が28日、多賀城市のJR仙石線多賀城駅前で、同市中心部からの移転が決まっている東北学院大工学部の跡地活用法について若者らに調査した。29日告示の多賀城市長選(8月5日投開票)に関心を持ってもらい、投票率アップにつなげる狙いがある。
 宮城支部のメンバー7人が若い世代を中心に駅の利用客らに声を掛け、大学が移転した後の土地をどう使ってほしいか尋ねた。アイデアはボードに書いてもらい、写真に収めた。
 提案されたのは図書館分館、映画館、野球場、病院などさまざま。衣料品店と記入した同市の中学1年小関雪乃さん(12)と塩釜市の中学3年遠藤琴乃さん(14)は「仙台に行くことが多いので地元にも欲しい」と話した。
 写真は多賀城市市民活動サポートセンターに8月5日まで掲示する。宮城支部広報の東北福祉大3年中野亜美(つぐみ)さん(21)は「身近な問題を通じ、若者に政治と地域社会のつながりを感じてほしい」と話した。
 多賀城市長選の投票率は2014年の前回(38.62%)が過去最低で、20代が最も低かった。


夏の仙台 すずめ舞う きょうまで祭り
 仙台市宮城野区の宮城野通を会場とした「夏まつり仙台すずめ踊り」(実行委員会主催)が28日、始まった。台風12号の影響で時折雨がぱらついたが、特設ステージや路上で演舞が繰り広げられた。29日まで。
 祭連(まづら)と呼ばれる14団体約450人が参加。全長200メートルの通りを、法被姿に扇子を手にしたすずめたちがおはやしに合わせて踊り歩いた。祭連「テクノ・マインド創」の門伝武敏さん(36)と馬籠大輝さん(29)は「大声援を受けて踊った。あすもすずめ踊りでJR仙台駅東口を盛り上げたい」と話した。
 特設ステージでは、太鼓や津軽三味線の演奏、東北ゴールデンエンジェルスによるチアリーディングが披露された。
 29日は午前10時20分スタート。65団体約2000人が参加する。伊達武将隊の演舞や阿波おどりもある。


山形大パワハラ処分/減給1万円 問題軽視を露呈
 大学は加害者側に毅然とした態度を示すことも、人格を踏みにじられた被害者側に寄り添うこともしないまま、幕引きを図る考えのようだ。
 山形大xEV飯豊研究センター(山形県飯豊町)のパワーハラスメント(パワハラ)問題で、同大がセンター長の50代男性教授を1日分給与半減(減給額1万円)の処分とした。これまでに行った減給処分で最も軽く、学生や保護者から批判を浴びている。
 多くの人が、大学は深刻な実態から目を背け、成長が期待される蓄電分野で「看板研究者」とされるセンター長を擁護していると受け止めているからだ。小山清人学長が自らの責任を明らかにしなかったことにも、厳しい目が向けられている。
 同大総務部によると、センター長の処分事由は2016年4月〜17年2月、職員計4人に(1)「ボケが!!」「役立たず」などと記した書き置きを机に残した(2)来客の面前で「偏差値40」「小学生以下」などと侮辱した(3)事務連絡メールで「無能で非常識なお馬鹿(ばか)さんへ」と記した−など計7件のパワハラ行為。これにより、大学の名誉と信用が傷つけられたとしている。
 懲戒処分に当たっての事実認定は、学内に設置された特別対策委員会の調査結果をほぼ踏襲した内容だ。にもかかわらず、激しい批判を招いているのは、疑惑発覚当初からパワハラの存在を否定し、確認を怠ってきた大学の対応が関係者に根深い不信感を植え付けたためでもある。
 特別対策委の調査結果にも疑問は残る。河北新報社の取材に対し、複数の関係者は、被害を受けた有期雇用の職員が精神的な不調から、不本意な形で職場を去ったと証言している。
 しかし、大学はパワハラと退職について「有期雇用の契約に従ってということ。(パワハラとは)直接関係ないと認識している」(小山学長)との立場を崩していない。
 大学内のハラスメント問題に詳しい広島大ハラスメント相談室の横山美栄子教授(社会学)によると、被害者が心身に不調を来したり、退職せざるを得なくなった場合は、より重い処分となるのが一般的だという。特別対策委が踏み込んだ事実認定を避けたことが影響した可能性もある。
 大学には、処分を検討するに当たって、軽い減給で済むように学内規程の適用条項を恣意的に選択していた疑いも浮上している。事実だとすれば言語同断だ。
 最先端のリチウムイオン電池研究開発拠点で起きた今回のパワハラ事案は、企業の社会的責任(CSR)が重視される中、産業界の注目も集めている。飯豊研究センターが今後、いかに優れた研究成果を世に送り出したとしても、このままでは研究者も学生も地域社会も、その成果を心から誇ることはできまい。そのことが、残念でならない。


文科省汚職の拡大 根深い大学との癒着構造
 文部科学省の局長級幹部がまたも東京地検特捜部に汚職で逮捕された。異例の事態となっている。
 収賄容疑で逮捕されたのは、同省前国際統括官だ。宇宙航空研究開発機構(JAXA)に理事で出向していた2015年から17年にかけて、贈賄容疑で再逮捕された医療コンサルティング会社の元役員から、銀座の高級クラブなどで140万円相当の接待を受けたという。
 東京医科大の100周年記念事業の講演に、JAXA所属で医師の宇宙飛行士を派遣するなど便宜を図った見返りとされる。
 まるで人材派遣業のように宇宙飛行士を大学に派遣し、接待を受けていたとは悪質だ。事実であれば、公務員としての規範意識を著しく欠いた行為だ。
 同省では私立大支援事業を巡り、東京医大に便宜を図った見返りに息子を「裏口入学」させたとして、前科学技術・学術政策局長が受託収賄罪で起訴されたばかりだ。
 しかも、元役員にこの前局長を紹介したのが、今回逮捕された前国際統括官とみられている。
 官僚と民間業者を仲介する「ブローカー」のような存在には、公務員であれば警戒するのが当然だ。局長級の幹部が自ら親しく付き合うばかりか、同僚に平気で紹介するような体質があったのではないか。
 一連の汚職は、文科省と利害関係にある大学が舞台になっているのが特徴だ。同省は、私立大などに私学助成金を、国立大には運営費交付金を出すなど、補助金配分を含めた大学行政の大きな権限がある。
 文科省は「専門家の審査で公平に配分している」というが、相次ぐ汚職の判明で信頼性は揺らいでいる。
 権限を持つ文科省と、それにおもねる大学との癒着やゆがんだ関係が事件の背景にあるのではないか。昨年発覚した大学などへの違法な「天下り」問題も、根は同じだろう。
 林芳正文科相は、職員の服務規律や公募型補助金事業の選定について内部調査することを表明した。中堅職員らの有志は、事務次官に組織改革を求める異例の申し入れをした。
 捜査当局の全容解明とともに、文科省自身が汚職を生んだ背景や大学との関係を含めて、厳しく検証することが欠かせない。


文科省汚職が他省に飛び火か 渦中のコンサルがパイプ自慢
 文科省の汚職事件が他省に飛び火するのではないかと、霞が関は戦々恐々だ。
 短期間に省内トップ10に入る高級幹部が2人も逮捕される前代未聞の不祥事で大揺れの文科省。26日に収賄容疑で逮捕されたのは、文科省前国際統括官の川端和明容疑者(57)だ。宇宙航空研究開発機構(JAXA)に出向中の2016年、東京医科大の創立100周年記念イベントに宇宙飛行士を派遣した見返りなどで、医療コンサルティング業者から飲食や風俗など約140万円相当の接待を受けていた疑いがある。東京地検特捜部は27日、JAXAを家宅捜索した。 
 東京医科大をめぐっては、すでに前局長の佐野太被告(59)が、私大支援事業の選定で便宜を図る見返りに息子を不正に入学させた受託収賄の疑いで逮捕・起訴されている。
 この2つの事件には、同一人物が関わっている。佐野被告とともに受託収賄幇助罪で逮捕・起訴された医療コンサル会社元役員の谷口浩司被告(47)だ。
「収賄幇助に続き、川端容疑者に対する贈賄容疑でも再逮捕された谷口被告は、霞が関の幹部官僚と民間業者をつなぐ“ブローカー”のような仕事をしていた。ずいぶん金回りが良く、銀座の高級クラブや高級風俗などで官僚を接待して籠絡し、口利きの窓口になっていました。それが成功した際には、紹介料などの名目で民間業者側から多額の謝礼を受け取っていたようです」(捜査事情通)
■「厚労省には太いパイプがある」
 川端容疑者や佐野被告とは家族ぐるみの付き合いをしていたというが、他にも谷口被告の“お世話”になった官僚は大勢いるとみられる。
「特捜部は谷口被告から押収した資料を解析して、調べを進めているはずです。谷口被告は日頃から『文科省と厚労省には太いパイプがある』と周囲に自慢していたそうで、芋づる式に汚職官僚が摘発される可能性があります」(全国紙社会部記者)
 医療コンサルを名乗っていたことから分かるように、どちらかというと厚労省の幹部の方が谷口被告とズブズブだったという見方もある。厚労省内では、業者との付き合いがやたらと多い幹部職員に疑いの目が向けられるなど、浮足立っているという。
「ただ、一介の医療コンサルが局長クラスの幹部といきなり会えるはずがない。そのため、谷口被告と幹部官僚の間を取り持った政治家の存在にも特捜部は注目しています。具体的には、与党の厚労族議員や、医師資格を持つ野党議員の名前などが挙がっています」(前出の全国紙社会部記者)
 裏口入学と140万円の接待という文科省の汚職は、現職幹部がいきなり逮捕される案件にしてはチンケな気もしてしまうが、特捜部の本命は厚労省か、あるいはバッジなのか。枕を高くして寝られない人がたくさんいそうだ。


死刑制度 情報公開し議論深化を
 死刑は国家が人の生命を奪う「究極の刑罰」だ。国民にはその内容をつぶさに知る権利がある。
 一連のオウム真理教事件で、死刑が確定していた13人全員の執行が終わった。
 死者29人、負傷者6千人以上を出した結果の重大性に照らせば、「死刑はやむを得ない」と受け止める国民は少なくないだろう。
 だが、法務省が死刑執行の事実を公表するようになってから、同じ月に複数回執行したのは初めてで、13人もの「一斉執行」も前代未聞のことだ。
 異例ずくめなのに、詳しい説明が一切なく、国民が蚊帳の外に置かれた状態は好ましくない。
 政府の秘密主義は死刑制度に対する監視や検証を阻み、国民の議論を深める妨げにもなる。
 今回の執行を機に、制度の十分な情報公開を改めて求めたい。
 法務省は1998年から執行の事実を公表しているが、開示するのは死刑囚の氏名や犯罪内容、執行施設にとどまっている。
 上川陽子法相は今回、「なぜ、この時期の執行か」「執行を7人と6人に分けたが、基準は何か」などの疑問には答えなかった。
 情報公開に、あまりに後ろ向きではないか。検討し、判断する材料が乏しいことが、死刑制度を巡る国民的な議論が必ずしも高まらない要因と言えよう。
 政府は昨年、長年の慣習に反して、再審請求中だった死刑囚への執行を再開した。是非の議論がある中で、犯行当時少年だった死刑囚へも執行された。
 ある程度抑制的だった姿勢に変化が兆している。運用がなし崩しに変わるのは容認できない。
 政府は世論の支持を死刑制度維持の大きな理由に挙げる。
 確かに内閣府の最新の世論調査によると、死刑制度を容認する人は80%を占めている。
 だが、仮釈放のない終身刑を導入した場合を問うと、死刑を「廃止しない方がよい」は51%、「廃止する方がよい」は37%となり、賛否の差は縮まる。
 死刑廃止の世界的な流れが世論に影響している側面もあろう。政府は、さまざまな意見をくみ取る努力を怠ってはならない。
 来年で制度導入から10年となる裁判員裁判では、市民が「死刑か、無期懲役か」といった厳しい判断を迫られることがある。
 国民に重い負担を求めながら、死刑の情報は出し渋る。こうした対応を政府が続けるなら、無責任のそしりを免れまい。


受動喫煙防止法/「例外」なくす道筋を示せ
 他人のたばこの煙を吸わされる受動喫煙をなくすための改正健康増進法が成立した。多くの人が集まる建物内を罰則付きで原則禁煙とする。東京五輪・パラリンピック開幕前の2020年4月に全面施行する。
 ただし、最も受動喫煙の機会が多い飲食店は、例外規定により全体の55%で喫煙が認められるという。これでは「ザル法」のそしりは免れない。今回の改正を足がかりに、さらに厳しい規制に踏み込むべきだ。
 改正法では、学校や病院、保育所、行政機関の屋内は完全禁煙となる。飲食店や職場も原則禁煙だが、煙が外に漏れない喫煙専用室があれば吸える。
 焦点だった飲食店の扱いは、客席面積が100平方メートル以下の既存店を規制から外す経過措置を設け、店頭に「喫煙可」などと表示すれば喫煙を認める。屋内完全禁煙が世界標準の今、海外から訪れる多くの人がその緩さに驚くのではないか。
 国は当初例外なく禁煙とする方針だったが、たばこ産業や飲食業界に配慮する自民党の反対で例外が広がった。国会では規制強化を訴えるがん患者の参考人に自民党議員が心ないやじを浴びせる場面もあった。国民の健康を守る視点から真摯(しんし)な議論がなされたのか疑問が残る。
 最近人気の加熱式たばこは受動喫煙の影響が不明との理由でより緩い規制とした。有害性が否定できない以上は同様に規制するのが法の趣旨ではないか。
 受動喫煙が原因の死者は年1万5千人に上る。徹底的な防止策は待ったなしだ。政府は飲食店や職場の取り組みを厳しく監視するとともに、経過措置の早期解除など例外をなくす道筋を明確に示すべきだ。
 国に先立ち、従業員のいる飲食店を原則禁煙とする条例を定めた東京都では84%の店でたばこが吸えなくなる。大阪府や千葉市も国より厳しい規制を検討している。13年に罰則付きの受動喫煙防止条例を施行した兵庫県では、実効性を高めるための見直し論議が進む。
 全面禁煙にした外食チェーンでは、子ども連れなど新たな客層をつかむ契機になった例もある。自治体や飲食店の取り組みとも連携し、受動喫煙のない社会を実現しなければならない。


相模原事件2年 対話の歩みを止めまい
 相模原市の知的障害者施設「津久井やまゆり園」入所者殺傷事件から2年。何か変わっただろうか。
 「もう事件は忘れられた。『共生社会』という言葉は飛び交うが、実質的には何も変わっていない」「相変わらず休む間もなく介助に追われている」。本県の障害者や家族から、前向きな言葉は聞こえてこない。
 殺人罪などで起訴された元職員の被告は、2度目の精神鑑定中で、8月にも終了予定。裁判員裁判の初公判は来年になる見通しだ。
 被告は今なお「意思疎通ができない人間を安楽死させるべきだ」「社会からいなくなった方が良いと気づいた」といった発言を繰り返しているという。生きるに値する命と値しない命を選別する優生思想は、変わっていない。
 19人が犠牲になった戦後最悪とされる事件にもかかわらず、なぜ変わらないのか。この2年で、少なくとも、変わらない理由は明らかになった。すなわち、社会の根底に横たわる優生思想が、どれほど根深いかということだ。
 今年1月、旧優生保護法下で知的障害を理由に不妊手術を強制された女性が、国に損害賠償を求めて初提訴。障害者を「なくてもよい命」と見なした旧法下の、深刻な障害者差別の実態が広く知られるようになった。
 国策として命を選別してきた歴史の克服は、容易ではない。今月には、自民党の杉田水脈衆院議員が月刊誌への寄稿で、性的少数者のカップルについて「『生産性』がない」などとし、行政の支援を疑問視する持論を展開。優生思想が今なお根強い現れだ。
 この現実は、一朝一夕には変わるまい。変えていくためには、障害者と家族、支援者らが一般市民と地道に対話を重ねていく道しかない。
 注目される取り組みが「意思決定支援」。やまゆり園の建て替えに向け、神奈川県が昨年9月から、仮移転先で暮らす入所者120人超を対象に進めている。
 言葉での意思疎通が困難でも、支援チームが表情やしぐさから本人の意思をくみ取り、有識者を交えた検討会議で生活の場を決めていく。
 行き先が決まった人は少ない。だが、時間がかかっても対話を重ね、丁寧に意思をくみ取ってほしい。「意思疎通ができない障害者は殺してもいい」という被告の主張には、何ら根拠はない。
 各地で事件を語り継ぎ、対話する取り組みも続けてほしい。29日午後1時から盛岡市総合福祉センターで、第3回「やまゆり園」事件を考える対話の集いが開かれる。「共生」を言葉だけで終わらせない一歩になってほしい。諦めては何も変わらない。


村上春樹氏 寄稿 胸の中の鈍いおもり 事件終わっていない オウム13人死刑執行
 オウム真理教の元幹部ら13人の死刑が今月執行されたのを受け、作家の村上春樹さん(69)が毎日新聞に文章を寄せた。1995年の地下鉄サリン事件に衝撃を受けた村上さんは、被害者や遺族へのインタビューを著作にまとめ、裁判の傍聴を重ねるなど、深い関心を寄せ続けてきた。「胸の中の鈍いおもり」と題する寄稿で、刑の執行への複雑な思い、裁判での印象、残された課題について率直につづっている。
死刑の持つ意味
 七月二十六日に、七月六日に続いて二度目の死刑執行が一斉におこなわれ、これで死刑判決を受けた元オウム真理教信者の十三人、すべてが処刑されたことになる。実にあっという間のできごとだった。
 一般的なことをいえば、僕は死刑制度そのものに反対する立場をとっている。人を殺すのは重い罪だし、当然その罪は償われなくてはならない。しかし人が人を殺すのと、体制=制度が人を殺すのとでは、その意味あいは根本的に異なってくるはずだ。そして死が究極の償いの形であるという考え方は、世界的な視野から見て、もはやコンセンサスでなくなりつつある。また冤罪(えんざい)事件の数の驚くべき多さは、現今の司法システムが過ちを犯す可能性を−−技術的にせよ原理的にせよ−−排除しきれないことを示している。そういう意味では死刑は、文字通り致死的な危険性を含んだ制度であると言ってもいいだろう。
 しかしその一方で、「アンダーグラウンド」という本を書く過程で、丸一年かけて地下鉄サリン・ガスの被害者や、亡くなられた方の遺族をインタビューし、その人々の味わわれた悲しみや苦しみ、感じておられる怒りを実際に目の前にしてきた僕としては、「私は死刑制度には反対です」とは、少なくともこの件に関しては、簡単には公言できないでいる。「この犯人はとても赦(ゆる)すことができない。一刻も早く死刑を執行してほしい」という一部遺族の気持ちは、痛いほど伝わってくる。その事件に遭遇することによってとても多くの人々が−−多少の差こそあれ−−人生の進路を変えられてしまったのだ。有形無形、様々(さまざま)な意味合いにおいてもう元には戻れないと感じておられる方も少なからずおられるはずだ。
 僕は自分の書いた本を読み直して泣いたりするようなことはまずないが、この「アンダーグラウンド」という本だけは、必要があって読み返すたびに、いくつかの箇所で思わず涙が溢(あふ)れ出てきてしまう。そのインタビューをしていたときの空気が、そこにあった気配や物音や息づかいが、自分の中にありありと蘇(よみがえ)ってきて、息が詰まってしまうのだ。たとえセンチメンタルだと言われようと、僕は本を(小説を)書く人間として、そういう自然な気持ちを押さえ込んでしまいたくないし、できることならそれを少しでも多く読者に伝えたいと思う。また僕自身も、この一冊の本を書くことを通して、自分の中で何かが確かに変化したという感触を持っている。
遺族感情 どこまで反映
 ただ、遺族感情というのはなかなかむずかしい問題だ。たとえば妻と子供を殺された夫が証言台に立って、「この犯人が憎くてたまらない。一度の死刑じゃ足りない。何度でも死刑にしてほしい」と涙ながらに訴えたとする。裁判員の判断はおそらく死刑判決の方向にいくらか傾くだろう。それに反して、同じ夫が「この犯人は自分の手で絞め殺してやりたいくらい憎い。憎くてたまらない。しかし私はもうこれ以上人が死ぬのを目にしたくはない。だから死刑判決は避けてほしい」と訴えたとすれば、裁判員はおそらく死刑判決ではない方向にいくらか傾くだろう。そのように「遺族感情」で一人の人間の命が左右されるというのは、果たして公正なことだろうか? 僕としてはその部分がどうしても割り切れないでいる。みなさんはどのようにお考えになるだろう?
葛藤 秘められたまま
 僕は「アンダーグラウンド」を出版したあと、東京地裁と東京高裁に通って地下鉄サリン・ガス事件関連の裁判を傍聴することにした。仕事の関係で旅行に出ることも多く、もちろんすべての法廷には通えなかったが、東京にいるときは時間の許す限り傍聴した。とくに林泰男(元死刑囚)の裁判には関心があったので、そちらを主にフォローした。僕が林泰男の裁判に関心を持ったのは、彼がサリン・ガスを散布した日比谷線(中目黒行き)の車両がもっとも多数の被害者を出し、そのうちの八人が命を落とされたからだ。僕がインタビューした被害者も、その車両に乗っていた人が圧倒的に多かった。彼は他の実行犯たちが、サリン・ガス溶液の入った二つのビニール袋を、尖(とが)らせた傘の先で突いたのに対し、自分から進んでビニール袋を三つに増やしてもらい、それを突いた。そのことも被害者の多さに繋(つな)がっていると言われる。その林泰男というのはいったいどういう人物なのだろう? どのようにしてそんな重大な犯罪を犯すに至ったのだろう? 僕としてはそれを自分の目で見届けたかった。伝聞なんかではない第一次情報として知りたかった。
 結果として、林泰男はかなり複雑な感情を抱えた人間だという印象を僕は持った。今ここで「彼はこういう人間だ」とはっきり割り切ることは、とてもできそうにない。彼の裁判には何度も足を運んだが、被告席に座った彼が何を考え、何を感じているか、その本当の気持ちを見極めることはむずかしかった。どちらかといえば、自分にとって大事なものは殻の中に収め、人目には晒(さら)さないという態度を静かに保っているように見えた。長い逃亡生活中に身につけたガードの強さみたいなものも、そこにはあったかもしれない。相反するいくつかの感情を、うまく統合しきれないまま、捌(さば)ききれないまま自分の中に抱え込んでいるような印象も受けた。ただ自らの行為を悔やみ、審理の進行に対して終始協力的であったとは聞いている。
 昔の友人や知人の証言を総合すると、本来は前向きで、真面目な考え方をする素直な青年であったようだ。弱い部分や、心の傷を抱えてはいたが、自らを律しようという意志もそれなりに強かった。多くの人々が彼に対して好感を抱いていたようだ。しかしそのような真摯(しんし)で前向きの姿勢をうまく活用できる状況に、自分の身を置くことがむずかしかったらしい。それはこの裁判で裁かれた多くの元オウム真理教信者について、共通して言えることでもあるのだが……。そして「修行」という名の新しい文脈が、彼らの充(み)たされざる思いを手際よく有効に、そして結局はきわめて邪悪に、すくい上げていくことになった。
 林泰男の裁判に関して、僕がよく覚えているのは、法廷にいつも必ず彼のお母さんが見えていたことだ。誰かが「あれが林の母親だよ」と教えてくれた。小柄な女性で、よく僕の前の傍聴席に座っておられた。裁判のあいだじゅう、ほとんどぴくりともせず、たぶん被告席の息子の方をじっと見ておられたのだと思う。彼女の姿が法廷に見当たらなかったのは、判決言い渡しの当日だけだった。おそらく息子に極刑の判決が下りることを覚悟し、それを実際に耳にすることに耐えられなかったのだろう。まだお元気でおられるのか、今回の死刑執行の報を耳にしてどのように感じておられるのか、それを思うと胸が痛む。
木村判決 一筋の光明
 林泰男の裁判に関して、もうひとつ印象に深く残っているのは、担当裁判官であった木村烈氏がとても公正に、丁寧に審理を運営しておられたことだ。最初から「実行犯は死刑、運転手役は無期」というガイドラインが暗黙のうちに定められている状況で(林郁夫=受刑者・無期懲役確定=という例外はあったものの)、審理を進めていくのにはいろんな困難が伴ったと思うのだが、傍聴しながら「この人になら死刑判決を出されても、仕方ないと諦められるのではないか」と感じてしまうことさえあった。
 正直に申し上げて、地裁にあっても高裁にあっても、唖然(あぜん)とさせられたり、鼻白んだりする光景がときとして見受けられた。弁護士にしても検事にしても裁判官にしても、「この人は世間的常識がいささか欠落しているのではないか」と驚かされるような人物を見かけることもあった。「こんな裁判にかけられて裁かれるのなら、罪なんて絶対におかせない」と妙に実感したりもした。しかし林泰男の裁判における木村裁判長の判断に関する限り、納得できない箇所はほとんど見受けられなかった。判決文も要を得て、静謐(せいひつ)な人の情に溢れたものだった。
 「およそ師を誤るほど不幸なことはなく、この意味において、林被告もまた、不幸かつ不運であったと言える。(中略)林被告のために酌むべき事情を最大限に考慮しても、極刑をもって臨むほかない」
 気持ちがしっかりと伝わってくる優れた判決文だったと思う。それは希望の余地というものがほとんど存在しないこの長い裁判を通して、最後に辛うじて差し込んできた微(かす)かな光明のようなものだったかもしれない。
十三の死 踏まえ考える
 それでも死刑判決を生まれて初めて、実際に法廷で耳にして、それからの数日はうまく現実生活に戻っていくことができなかった。胸に何かひとつ、鈍いおもりが入っているような気がしたものだ。裁判長の口から死刑が宣告されたその瞬間から既に、死は法廷の中に姿を現していた。
 そして今、オウム事件関連の死刑囚、十三人全員の死刑が執行されたとの報を受けて、やはり同じように胸の中のおもりの存在を感じている。表現する言葉をうまく見つけることのできない重い沈黙が、僕の中にある。あの法廷に現れた死は、遂(つい)にその取り分をとっていったのだ。
 十三人の集団処刑(とあえて呼びたい)が正しい決断であったのかどうか、白か黒かをここで断ずることはできそうにない。あまりに多くの人々の顔が脳裏に浮かんでくるし、あまりに多くの人々の思いがあたりにまだ漂っている。ただひとつ今の僕に言えるのは、今回の死刑執行によって、オウム関連の事件が終結したわけではないということだ。もしそこに「これを事件の幕引きにしよう」という何かしらの意図が働いていたとしたら、あるいはこれを好機ととらえて死刑という制度をより恒常的なものにしようという思惑があったとしたら、それは間違ったことであり、そのような戦略の存在は決して許されるべきではない。
 オウム関連の事件に関して、我々には−−そしてもちろん僕自身にも−−そこから学びとらなくてはならない案件がまだたくさんあるし、十三人の死によってそのアクセスの扉が閉じられたわけではない。我々は彼らの死を踏まえ、その今は亡き生命の重みを感じながら、「不幸かつ不運」の意味をもう一度深く考えなおしてみるべきだろう。
 ■人物略歴 むらかみ・はるき 
 1949年生まれ。79年に小説「風の歌を聴け」でデビューし、数多くの長短編を発表。80年代半ばからは作品が海外で翻訳され、国内外で幅広い支持を受けている。主な作品に「ノルウェイの森」「1Q84」「騎士団長殺し」など。社会的な関心も高く、97年には地下鉄サリン事件の被害者らへのインタビューをまとめた証言集「アンダーグラウンド」を刊行した。


地位協定改定を要求 全知事の総意受け止めよ
 全国知事会が日米地位協定の抜本改定を含む「米軍基地負担に関する提言」を全会一致で採択した。全国知事会が日米地位協定の改定を提言するのは初めてだ。画期的な動きであり、採択を機に地位協定改定の実現につなげたい。
 提言がまとめられたのは、2016年7月に翁長雄志知事の要望で設置した「全国知事会米軍基地負担に関する研究会」が出発点だ。研究会は12人の知事で構成し、2年間で6回の会合を開催した。
 日米地位協定を専門とする研究者から意見聴取したほか、外務省日米地位協定室長から政府の立場を聞き、イタリアとドイツの地位協定について現地調査した沖縄県からも意見を聞いた。
 こうした調査研究を進めた目的について、知事会は「在日米軍基地に係る基地負担の状況を基地などの所在の有無にかかわらず広く理解し、都道府県の共通理解を深めること」を挙げている。極めて妥当性がある。
 琉球新報が研究会設置前の16年6月に実施した沖縄以外の46都道府県知事へのアンケートでは、在沖海兵隊について「受け入れる」と答えた知事はゼロだった。45都道府県知事は「外交・防衛は国の専権事項」だとして回答すらしなかった。沖縄の基地問題が全国的な議論になっていないことを如実に示していた。
 ところが今回の提言は全会一致で採択された。提言では研究会によって「現状や改善すべき課題を確認できた」として「米軍基地は防衛に関する事項であることは十分認識しつつも、各自治体の生活に直結する重要な問題であることから、国民の理解が必要だ」との認識を示し、日米地位協定の抜本的な改定などを求めた。
 これまで米軍基地を抱える15都道府県でつくる「渉外知事会」が日米地位協定の改定を求めてきた。全国知事会は基地のない府県が多数含まれている。その知事会で今回の提言がまとめられたことは、2年間で米軍基地負担についての共通認識が格段に深まったことを意味する。研究会の取り組みを高く評価したい。
 日米地位協定は1960年に締結されてから、一度も改定されたことがない。日本政府が改定交渉を提起したこともない。あまりにもいびつではないか。
 そのことで米軍関係者の事件・事故の中には刑事責任を問うことができず、住民が危険を訴える訓練も止めることができない。基地内で環境汚染が発覚しても、米軍に立ち入りを拒否される。日米地位協定が住民生活を脅かしている元凶となっている。
 米軍が駐留しているドイツやイタリアでは、受け入れ国が基地の管理権を確保したり、自国の法律を米軍に適用したりしている。日米地位協定はあまりにも不平等だ。日本政府は全国知事の総意を重く受け止め、抜本的な改定に本腰を入れる必要がある。


[日米地位協定改定]国民の声と受け止めよ
 住民を代表する全国知事会の心強い提言である。
 札幌市で開かれた全国知事会議で、日米地位協定の抜本的な見直しを盛り込んだ「米軍基地負担に関する提言」が全会一致で採択された。
 米軍基地のない自治体を含む全47都道府県の知事会が地位協定改定を含む提言をまとめるのは初めてである。
 地位協定は米軍に特権的な地位を与えている。改定は米軍基地が集中する沖縄の問題と矮(わい)小(しょう)化されがちだったことを考えれば知事会が提言した意義は大きい。「国民の声」といっていいだろう。
 提言の内容はこうである。
 (1)米軍機の低空飛行の訓練ルートや時期の事前提供(2)地位協定を抜本的に見直し、航空法や環境法令など国内法を原則として米軍にも適用。事件・事故時の自治体職員の迅速かつ円滑な立ち入りの保障などを明記(3)米軍人らによる事件・事故に対し、実効的な防止策を提示。航空機騒音規制措置は住民の実質的な負担軽減が図られるよう運用し、検証(4)施設ごとに必要性や使用状況などを点検し、整理・縮小・返還を促進−。
 沖縄側の訴えが理解を得た形だが、提言が全会一致で採択された背景にはオスプレイなど米軍機の訓練飛行が「全国展開」され、日本列島に張り巡らされた低空飛行ルートが可視化されたことがある。米軍基地の有無にかかわらず、騒音被害や事故の懸念が高まっているのだ。
 地位協定改定は知事会の総意である。政府はこれに応えなければならない。
■    ■
 沖縄では、「憲法・国内法」の法体系が「安保・地位協定」によって大きな制約を受け、捜査権や自治権が制限されているのが現実だ。
 今年6月、米軍キャンプ・シュワブに隣接する名護市数久田の農作業小屋の窓ガラスが割れ、銃弾が発見された。県警は鑑定した銃弾と同型で未使用の銃弾の提供や、立ち入り調査の意向を米側に伝えているが、実現していない。
 基地内の環境汚染はブラックボックスだ。燃料流出事故は実際の発生件数に比べ通報が極端に少ない。ドイツのように緊急時に通告なしで立ち入りもできない。「環境補足協定」が調査受け入れ義務を明記していないからだ。
 県は昨年、17年ぶりに地位協定の改定案を策定し、日米両政府に提出している。
 県の改定案は条文ごとに示しており、それに比べると知事会の提言は物足りなさが残るのも事実である。
■    ■
 知事会は日米安保は重要との立場である。それでも米軍基地が住民の安心・安全を脅かし、自治体に過大な負担を強いていると指摘せざるを得ない。その観点から研究会を続行し、知事会として具体的な改定案を提示してほしい。
 沖縄に全国の米軍専用施設面積の7割が集中。跡地利用の経済効果が基地経済を大きく上回り、さらなる返還が求められることも書き込まれた。「フェイクニュース」を断つ意味でも重要である。
 「行動する知事会」がキャッチフレーズとして掲げられた。知事会は政府に対し言葉通りの姿勢をみせてほしい。


オスプレイ三沢飛来 住民への丁寧な説明必要
 米空軍の輸送機CV22オスプレイが、横田基地(東京都福生市など)から三沢基地に相次いで飛来した。三沢市民は冷静に飛来を受け止めるが、目的不明のまま、なし崩し的に飛来が続くことを懸念する声もある。
 オスプレイが注目を集めるのは、事故やトラブルが相次いでいるためだ。2016年12月に米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)所属の海兵隊用MV22が同県名護市沖で不時着して大破。17年8月にはオーストラリア東部沖で墜落した。
 空軍用CV22の横田基地配備を巡り、米軍は今年4月、19年10月〜20年9月としていた当初計画を、突然、今夏に前倒しすると発表。首都圏では反発が広がった。他方、日本政府は陸上自衛隊にオスプレイを導入する計画で、佐賀空港を配備先としているが、地元の合意形成は難航が予想される。
 敬遠される機体だからこそ、配備先はもちろん、飛来する地域住民への丁寧な説明が必要ではないか。説明責任は運用する米軍にあるが、日本政府にも主体的に事態に向き合う姿勢を求めたい。
 MV22は昨夏、北海道での日米合同訓練に参加するため、三沢基地に飛来したが、CV22の三沢飛来は今回が初めて。今月17、24日と2機ずつが着陸し、約1時間半後に飛び立った。
 共産党の上十三地区委員会、三沢市委員会はオスプレイを「欠陥機」として、2度にわたり、米軍三沢基地司令官宛てに抗議文を提出した。三沢市は突然の飛来で対応に苦慮。すぐに離陸したこともあり、市民への周知などは見送られた。
 昨年のMV22飛来時、市は安全運用の徹底などを米軍側に要請した。これはオーストラリアでの事故直後でもあり、日米合同訓練参加という特殊な訓練に合わせた飛来だったことによる対応だ。今回の飛来は市への連絡が直前で目的も分からない。今後、同様な飛来があった際の対応は「検討課題」とする。
 CV22は既に運用が始まっており、三沢への飛来はその一環との見方もあり、今後も姿を見せる可能性が高い。福生市や周辺の東京都八王子市などはオスプレイが横田基地で離着陸するたびにホームページで市民に情報を提供している。オスプレイに不安を抱く住民はいる。突然の飛来に対応するのは難しいだろうが、三沢市でも市民への周知の在り方を模索するべきだ。
 同市は基地との共存共栄を掲げ、良好な関係構築に努めてきた。オスプレイが信頼関係にひびを入れてはならない。


NHK過労死記者母の慟哭「大好きな仕事で亡くなるなんて…」
両親とも、娘の「過労死」をいまも受け入れられない。政治の動きは2人の気持ちをさらに逆なでする。若者を中心にこれだけ“犠牲者”が続出しているのに、6月29日、頑張って働く労働者を死に追いやるような働き方改革関連法案が成立してしまったからだ。
「働き方改革」として、法案を総理自らが旗を振って進めたことに対する怒りも収まらない。大好きな仕事によって、未来を奪われた娘の無念を晴らすために、過労死根絶を目指して両親は今日も発言を続ける――。
佐戸家のリビングダイニングに面した広めの和室で、’13年に過労のため31歳で急逝したNHK記者・佐戸未和さんはにこやかな笑顔を浮かべていた。親しい友人とハワイ旅行した際、撮影されたその遺影の脇には、お骨も安置されていた。
「お墓は作ったのですが……。寂しく真っ暗なところに未和1人おくなんて、そんな気持ちになれません。私か家内が死んだとき、一緒に連れていくことにしています」
父・守さん(67)は、ポツリと言った。母・恵美子さん(68)も続けてこう語る。
「戒名はつけませんでした。未和は遠くになんか行っていないし。私達の心の中にずっと生きているし、いつも一緒です」
’05年4月、NHKに入局した未和さんは、恵美子さんいわく「みんなから愛されて、いつのまにか人の中心にいるタイプ」。新人研修の集合写真でも、桜の木の下で仲間が一列に立つ真ん中で、1人、ゴロンと横たわり、ピースサインで笑っていた。
5月に配属された初任地は、鹿児島放送局だった。事故や事件、台風などの災害現場にも足を運び、いじめ問題にも切り込んだ。
「社会的弱者に寄り添う未和らしい取材もありました。鹿児島のパナソニック関連工場閉鎖のとき、解雇された側に立ったレポートは印象に残っています」(守さん)
頑張り屋の彼女は、鹿児島弁も使いながら取材先に食い込み、記者として評価されるようになった。鹿児島で5年勤務した後、首都圏放送センターに異動になり、未和さんは都庁クラブに配属された。
’13年1月、アルジェリアでイスラム系武装集団による人質拘束事件が起き、未和さんは、犠牲になった日本企業・日揮の取材でトイレにも行けない状況が続いた。
「膀胱炎になっても病院に行けないというので、心配していました」(恵美子さん)
6月には都知事選、続く7月には参議院選があり、未和さんは取材に忙殺される日々が続いた。7月21日に参議院選の取材を終え、23日には、横浜放送局へ異動する彼女の歓送会が開かれた。亡くなったのは、歓送会から帰宅した後とされている。直接の死因は、うっ血性心不全だった。
第一発見者は未和さんの婚約者だった。未和さんと連絡が取れず、心配になって、マンションに駆けつけたときには、すでに死後1日半近くがたっていた。
「熱暑の真夏に、1日半も部屋に放置されて、肌の色は変わってしまっていました。若いと余計に体も膨らんでしまうそうです。あのかわいい未和が、変わり果てた姿で……」(恵美子さん)
29日に通夜、30日に告別式が営まれ、のべ1,000人が参列した。だが、葬儀が終わっても、家族には釈然としない思いだけが残った。恵美子さんは、未和さんの病歴や薬を調べた。父・守さん(67)は、NHKから娘の勤務表を取り寄せた。
「愕然としました。これは何だ! と、怒りが湧いてきました」(守さん)
それは、長年メーカーで、管理職として働いてきた守さんにとって、信じがたい勤務表だった。未和さんは、5月末から最後の出勤日となった7月22日まで、休日はほとんどなく、都議選の6月、参院選の7月は勤務時間が10〜25時という日が何度も記載されていた。
「記者の勤務時間はすべて自己申告で、1日15時間以上は申告できないそうです。未和は、ほとんどの日で15時間ピッタリ。実際は、それ以上、働いていたのではないかと疑問に思いました」(守さん)
守さんは、NHKにパソコンや携帯電話の記録、タクシーの利用状況の提出を求めた。複数の資料を照らし合わせて浮かび上がってきたのは、未和さんの過酷な労働状況だ。
勤務時間が連日10〜25時となっているのに、朝6時台に自宅から都庁までタクシーに乗っていたり。携帯メールの受信記録では、深夜2時、3時にも、選挙の候補者の情報が寄せられていたという。
調べるうちに真夏の炎天下、候補者や政党の演説に同行し、街頭調査や出口調査、局内での夜間の票読み会議、番組での選挙レポートと、未和さんの奮闘ぶりも見えてきた。
「1月に膀胱炎を患っていたからでしょうか。連日35度を超す猛暑のなか、未和は余分な水分をとろうとせず、薄いスイカでしのいでいたそうです」(恵美子さん)
選挙戦での綿密な取材が評価され、葬儀の日付で未和さんに、報道局長特賞が贈られたが、娘の過重労働が明らかになるにつれ、両親のNHKに対する不信は募った。
「殉職のような扱いで、腹が立ちます。『他社に先んじて、当確を打ち出した』ことが称されていますが、数分、数秒、早く結果を出すことに、どれほどの意味があるのでしょう。こんなもののために未和は死んだのかと思うと、本当にやりきれません」(恵美子さん)
両親が執念でたどった未和さんの足跡を一目見た弁護士は、「これは過労死の疑いが非常に強いです」と、即答。未和さんの死から10カ月後の’14年5月、過労死と認定された。
労災認定の過労死ラインは80時間とされている。しかし、未和さんの直近1カ月の残業時間は、認定されただけで159時間。両親が調べた結果では、209時間にも上っていた。過労死認定はでたものの、両親には何の達成感もなく喪失感と苦しみのほうがはるかに大きかった。
恵美子さんは、それから3年ほど、精神のバランスを崩し、長期の療養と入退院を繰り返している。
「子が先に逝く悲しみは、食べたい、飲みたい、生きたいといった“したい”欲望すべてを奪います。ベランダから飛び降りようと何度も思いました。気づけば独り言をブツブツ言っています。自分が壊れていくのがわかりました」(恵美子さん)
’17年3月、ようやく症状が落ち着いて退院すると、恵美子さんは過労死遺族も参加するシンポジウムに足を運ぶようになった。
「家に閉じこもりきりでは、気がめいるばかりですから」(恵美子さん)
’15年12月、電通の高橋まつりさん(享年24)が自殺し、’16年に過労死認定されてから、過労死は大きな社会問題になっていた。しかし、NHKは、電通事件は大きく報じても、自局の未和さんのことには触れもしない。労働問題専門の解説委員さえ未和さんの過労死の事実を知らなかった。
「局内で未和の過労死は周知されていなかったんです。それは未和の命が軽く見られているということじゃないでしょうか」(恵美子さん)
昨年の命日にはNHKから直前になっても連絡がなかった。「このままでは未和の過労死がNHKの中で風化してしまう」。両親の危機感はつのり、守さんは報道センター長に局内での周知を要求した。
その後NHKと両親の間で何度か話し合いがもたれ、10月4日の『ニュースウォッチ9』での公表につながった。番組最後のたった2分の報道だった。
6月には、上田良一会長が謝罪したが、それで、両親が納得できたわけではない。13日に、夫妻も記者会見に臨み、NHK側が番組で「遺族側の意向で公表を控えた」とした説明に、異論を唱えた。
とはいえ、昨年12月、NHKが発表した「NHKグループ働き方改革」に、守さんはひとつの成果を感じていた。
「会長自ら先頭に立ち、働き方改革を進めたことは、前進だと思っています。未和の死が背景にあると思います」(守さん)


過労死NHK記者両親の怒り「安倍総理、娘はいまも泣いています」
残業200時間超……’13年7月に過労のため31歳で急逝したNHK記者・佐戸未和さん。今国会での“過労死促進法案”成立に、両親は再び怒りと悲痛の叫び声をあげる――。
「大事な娘を先に失った親の気持ちがわかりますか。未和の誕生日の6月26日、命日の7月24日が近くなると、特に悲しくなります。私はいまでもお薬を飲まないと眠れません。無理にでも眠って、ようやく見る夢のなかでも、私はやはり悲しんでいて、悲しい気持ちのまま朝が来る。そうしてまた、つらい一日が始まるんです」
つらい気持ちのまま、母・恵美子さん(68)は先月まで、国会に連日通っていた。安倍首相が最重要法案と位置付けた働き方改革関連法案の審議を見つめるためだ。
「1カ月だったら休日出勤も含めて100時間の残業上限なんてとんでもない。80時間だって、それ以下でも亡くなる方はいるんです。過労死遺族は、抗議の気持ちを伝えるために通い続けましたが、国会議員の先生方は、遺族が傍聴していることを知りながら、答弁中に頻繁に出入りしたり、スマホを見たり、居眠りしたりと真剣さがなく、怒りでいっぱいになりました」(恵美子さん)
6月29日、賛成多数で働き方改革関連法は成立した。いまも悲しみに暮れる母親らが見守るなか、過労死促進の可能性がある法案が通ってしまった。
結婚も決まっていた。新たな人生のスタートを前に、未和さんは胸をときめかせていたはずだ。すぐそこに見えていた輝くばかりの彼女の未来。それを、無残に断ち切った過重労働による過労死。
’05年4月、NHKに入局した未和さん。5月に配属された初任地は、鹿児島放送局だった。鹿児島で5年勤務した後、首都圏放送センターに異動になり、未和さんは都庁クラブに配属された。
’13年、6月に都知事選、続く7月には参議院選があり、未和さんは取材に忙殺される日々が続いた。7月21日に参議院選の取材を終え、23日には、横浜放送局へ異動する彼女の歓送会が開かれた。亡くなったのは、歓送会から帰宅した後とされている。直接の死因は、うっ血性心不全だった。
29日に通夜、30日に告別式が営まれ、のべ1,000人が参列した。だが、葬儀が終わっても、家族には釈然としない思いだけが残った。恵美子さんは、未和さんの病歴や薬を調べた。父・守さん(67)は、NHKから娘の勤務表を取り寄せた。
「愕然としました。これは何だ! と、怒りが湧いてきました」(守さん)
それは、長年メーカーで、管理職として働いてきた守さんにとって、信じがたい勤務表だった。上司が部下一人一人の残業時間をチェックし、深夜勤務や休日出勤には常に注意を払い、社員の労働時間の管理をきちんとする、それが普通ではないのか。
ところが、未和さんは、5月末から最後の出勤日となった7月22日まで、休日はほとんどなく、都議選の6月、参院選の7月は勤務時間が10〜25時という日が何度も記載されていた。
「記者の勤務時間はすべて自己申告で、1日15時間以上は申告できないそうです。未和は、ほとんどの日で15時間ピッタリ。実際は、それ以上、働いていたのではないかと疑問に思いました」(守さん)
守さんは、NHKにパソコンや携帯電話の記録、タクシーの利用状況の提出を求めた。複数の資料を照らし合わせて浮かび上がってきたのは、未和さんの過酷な労働状況だ。
勤務時間が連日10〜25時となっているのに、朝6時台に自宅から都庁までタクシーに乗っていたり。携帯メールの受信記録では、深夜2時、3時にも、選挙の候補者の情報が寄せられていたという。
「主人は夜になると、提出された資料を何度も見返しながら、涙を流していたんです」(恵美子さん)
調べるうちに真夏の炎天下、候補者や政党の演説に同行し、街頭調査や出口調査、局内での夜間の票読み会議、番組での選挙レポートと、未和さんの奮闘ぶりも見えてきた。
「1月に膀胱炎を患っていたからでしょうか。連日35度を超す猛暑のなか、未和は余分な水分をとろうとせず、薄いスイカでしのいでいたそうです」(恵美子さん)
選挙戦での綿密な取材が評価され、葬儀の日付で未和さんに、報道局長特賞が贈られたが、娘の過重労働が明らかになるにつれ、両親のNHKに対する不信は募った。
「殉職のような扱いで、腹が立ちます。『他社に先んじて、当確を打ち出した』ことが称されていますが、数分、数秒、早く結果を出すことに、どれほどの意味があるのでしょう。こんなもののために未和は死んだのかと思うと、本当にやりきれません」(恵美子さん)
両親が執念でたどった未和さんの足跡を一目見た弁護士は、「これは過労死の疑いが非常に強いです」と、即答。未和さんの死から10カ月後の’14年5月、過労死と認定された。
労災認定の過労死ラインは80時間とされている。しかし、未和さんの直近1カ月の残業時間は、認定されただけで159時間。両親が調べた結果では、209時間にも上っていた。過労死認定はでたものの、両親には何の達成感もなく喪失感と苦しみのほうがはるかに大きかった。
今年1月から、過労死遺族たちと国会にほぼ毎日、傍聴に通い「働き方改革関連法案」の行方を見守ってきた恵美子さんはこう話す。
「労働者側ではなく、企業側に都合のいい法案が通ってしまったのは残念です」(恵美子さん)
年収約1,000万円以上の専門職は、労働時間の規制を外すという「高度プロフェッショナル制度(高プロ)」。年収上限が将来的には下がり、過重労働を増長させるとの指摘が識者からある。しかし、議論もほとんどないまま衆参両議院であっさりと通過、成立したのだ。
「寝る時間もなく働くと、人は死ぬ。過労で、ある日突然死ぬんです。仕事は、人が幸せに生きるためのものなのに、それで人が死ぬなんて。遺族の沈黙は、次の犠牲につながります。未和は過労死根絶の人柱になったのだと思い、労働者の働き方が本当に変わるまで訴え続けていきます」(恵美子さん)


「余命宣告」悩ましい解釈 医師から「1年」、それから5年 久留米の患者が会社、財産手放し困惑
 「余命1年もないと医師に宣告されながら、5年たっても生きています」。難治性血液がんの成人T細胞白血病(ATL)と診断された男性から、特命取材班に悲痛な声が届いた。死を受け入れ、仕事や財産などの整理も済ませたという。「何も手元に残していない。どう生きていけば…」。そもそも余命宣告とは−。
 声を寄せてくれたのは、福岡県久留米市の笠井駿さん(71)。自宅を訪ねると、日記帳をめくりながら経過を説明してくれた。
 2013年1月、顔と上半身に紅斑が現れた。同県内の病院に検査入院し、ATLと診断された。体内にウイルスHTLV1があることは知っていたという。
 ATLは主に母乳を介して感染するHTLV1が原因。保有して必ず発症するわけではないが、発症すると免疫機能が低下したり、リンパ節が腫れたりする。根治が難しく、「発症後の平均生存期間は半年から1年と短い」という研究成果もある。
 笠井さんは「医師から『次の誕生日は120パーセント迎えられない』と説明を受けた」と言う。取引先にあいさつして回り、経営する設計企画事務所を閉じた。財産は売却したり、子どもに譲ったりしたほか、親族には別れの手紙を書いた。ホスピスにも一時入所した。
 診断から5年。体に痛みがあり通院しているものの、「死」が訪れる気配は感じていない。抗がん剤治療の影響で歩行が難しくなり、車の運転もできなくなった。生きていることは喜ばしいことだが、「ATLというのは誤診だったのでは。納得できない」と憤る。
 笠井さんによると、双方の代理人弁護士がやりとりした書面の中で病院側は「次の誕生日は120パーセント迎えられない」との発言を否定。「診断に誤りはなく、治療が奏功して症状が改善した」などと説明しているという。病院側は本紙取材に「コメントを控えさせてもらう」とした。
        ■
 九州大の萩原明人教授(医療コミュニケーション学)は「医師が『120パーセント』という言葉で説明することは一般的に考えにくい」としつつ、「いさかいの原因は、医師の説明と患者の理解に食い違いがあったのではないか」と推察する。
 一般的に、余命について医師は、同じ病の患者の平均的な生存期間である「生存期間中央値」や、診断を受けて5年後や10年後に生存する患者の比率を示す「5年生存率」「10年生存率」を説明する場合が多いという。過去の多くの患者から計算された平均的なデータにすぎないが、「個人差があることを考えずに受け取られる恐れがある。医師は工夫が必要だ」という。
 患者の心理状態も影響する。「どんな患者でも動揺する。医師の説明を、自分が理解しやすいように観的に解釈する場合もあるし、悲観的に捉えて頭に刷り込むこともある」
        ■
 トラブルを避けるには、医師の説明を若い人も交えた複数人で聞くことが有効とされる。病院の相談窓口や、同じ病気を患う患者団体で悩みを打ち明けることも患者の負担を和らげる。
患者が主治医以外の医師から意見を聞くセカンドオピニオンもあり、「財産整理など、大きな決断をする前には第三者の意見を求めた方がいいかもしれない」と萩原教授。終末期医療に詳しく、在宅ケアに取り組む「にのさかクリニック」(福岡市)の二ノ坂保喜院長は「信頼関係は当然必要だが、医師の言うことはあてにならないと思うくらいでいい」と言う。
 HTLV1撲滅を目指すNPO法人スマイルリボン(鹿児島市)の菅付加代子代表は「患者は医師の説明をうやむやにせず、最終的には自分で判断しないといけない。患者自身も賢くなる必要がある」と話している。

ピーチに間に合わない/新幹線でだらだら

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Japon : un puissant typhon progresse vers la région dévastée par les récentes intempéries
Les autorités ont appelé à des évacuations préventives avant son arrivée prévue en soirée ou dimanche.
Un puissant typhon progressait rapidement ce samedi vers l’ouest du Japon, déjà durement touché début juillet par des intempéries catastrophiques. Les autorités ont appelé à des évacuations préventives avant l’arrivée du typhon prévue en soirée ou dimanche.
Le typhon Jongdari, avec des vents de plus de 180 km/h, avance vers Honshu, la principale île de l’archipel nippon, a annoncé samedi l’agence météorologique japonaise.
Des images de télévision montraient de hautes vagues s’écrasant déjà sur les rochers sur la côte à Shimoda, au sud-ouest de Tokyo, et des arbres secoués par le vent et la pluie.
Évacuations de precaution
Jongdari devrait atteindre le Chugoku, la région occidentale où des pluies d’une ampleur exceptionnelle ont provoqué début juillet des inondations et des glissements de terrain qui ont fait environ 220 morts.
Avant l’arrivée du typhon, les autorités ont averti la population du risque de pluies torrentielles, de glissements de terrain, de vents très violents et de grosses vagues. Elles ont appelé à des évacuations de précaution.
≪ Nous voulons que les gens, spécialement dans les régions frappées par les pluies début juillet, soient très attentifs aux conseils d’évacuation ≫, a déclaré à la presse une responsable de l’agence météorologique, Minako Sakurai.
Les autorités de Shobara, dans la préfecture d’Hiroshima (ouest), ont ordonné l’évacuation de quelque 36 400 résidents par précaution. A Kure, également dans la préfecture d'Hiroshima, environ 6 380 habitants ont reçu l'ordre d'évacuer, selon des médias japonais.
Plus de 370 vols intérieurs supprimés
Plus de 410 vols intérieurs ont été supprimés jusqu’à présent en raison de l’arrivée du typhon et les liaisons par ferry entre Tokyo et les îles voisines ont été suspendues en raison des hautes vagues, selon des informations des médias japonais.
Les inondations dans le Chugoku ont été le pire désastre provoqué par des intempéries qu’ait connu le Japon depuis des décennies, et de nombreux habitants des zones affectées vivent toujours dans des abris ou dans des maisons endommagées.
Les autorités se montrent dorénavant particulièrement prudentes car nombre d’habitants étaient alors restés bloqués faute d’avoir suivi les ordres d’évacuation, émis tardivement selon des critiques.
フランス語
フランス語の勉強?
内田樹 @levinassien
党は杉田議員にいかなる処罰も与えないというのが僕の予測です(外れて欲しいけど)。首相の意向に添う言動には「必ず」報奨を与え、意に反する言動は「必ず」処罰を以て報いるという「安倍マイレージシステム」の驚異的な安定性が政権の求心力を支えているからです。
布施祐仁 @yujinfuse
これだけ大きな問題になっても自民党総裁として何も動かないのであれば、指導力が問われるし、安倍首相自身の認識が問われる。何も動かないし言わないところをみると、杉田議員の発言に内心同意しているか、大した問題ではないと思っているのだろう。そうじゃないとしたら、全く無能なリーダーだ。
日本の科学と技術 @scitechjp
ベネッセがつくったCEESのトップに、文科省出身の人間がいるのが不自然に感じる。公教育に対する国民の信頼を裏切る行為じゃないのか?G-TECの中身や採点の現状を見たら、センター試験のかわりになるとは到底思えない。
想田和弘 @KazuhiroSoda
自民党の改憲案を読んできちんと分析すれば、杉田議員の考え=自民党の考えであることが分かると思います。だから首相も幹事長も杉田発言を否定できない。今の自民党は、要はそういう党なんです。
異邦人 @Beriozka1917
国が教育機関に五輪期間中の授業や試験を控えるよう「通知」を出しているあたり、自由意志を建前としてタダボラへの事実上の強制動員を掛けようとしているのは明白だし、これは戦時中の特攻隊における「志願」の実態と似ている。参加せざるを得ない環境を作り上げて「自由意志」という日本的意地汚さ。
高橋 幸美 @yuki843003
終わった
まつり
ごめんね
かたきうちできなかった
何も変わらなかった
#電通 も
法律も国も
働く人の意識も
雇用契約書にサインしたら何されても文句言えない
死ぬまで働くんだ
社員より利益が大切なんだ
国も法律も守ってくれない
これが日本の職場なんだよ
これでも法治国家なんだよ
#高橋まつり

NHKスペシャル「ニッポン“精子力”クライシス」
男性の精子に危機が!?卵子と受精して、妊娠を成功させる力が衰えているのだ。欧米人の精子の数は40年で半減。日本は欧州4か国と比較しても最低レベルだった。検査をすると「動きが悪い」「DNAが傷ついている」などと指摘される人も。子供を望むカップルだけの問題ではない。精子の状態が悪いと、不妊だけではなく健康のリスクがあるという指摘もある。何が原因なのか?どうすれば改善できるのか?ポイントを徹底解説! YOU,徳井義実,鈴木おさむ,獨協医科大学医師…岡田弘, 武田真一, 小倉久寛

昼ご飯をゆっくり食べて中央駅によって空港行きのバスの切符を買ってふと気がつきました.間に合わない.25分前までにチェックインしないといけないのですが,うっかりしていました.しかたないので新幹線で行くことにします.チケットショップには新大阪までの切符がなくて残念.
九州新幹線はだらだら.新水俣には停まらなかったけどそんな感じです.博多で乗り換えついでにお土産を買いました.せっかくなので?広島でも乗り換えてお土産を買いました.
無事大阪に帰ってきたけれどクタクタ.

千キロ縦断リレー 南三陸町到着
震災からの復興を後押しし、再来年に迫った東京オリンピック・パラリンピックを盛り上げようと被災地と東京までをたすきでつなぐ、「1000キロ縦断リレー」のランナーたちが、28日、岩手県から宮城県内に入り、夕方、南三陸町に到着しました。
このリレーは青森から東京まで1300キロ余りの道のりをランニングや自転車でたすきをつないで走るものです。
28日はおよそ60人のランナーが参加して岩手県陸前高田市から南三陸町までの75キロあまりのコースに挑みました。
ゴール手前付近では時折、強い風が吹くコンディションでしたが、参加者たちが元気よくゴール地点のさんさん商店街に到着すると、集まった人たちから大きな拍手が送られていました。
ランナーの1人でアテネオリンピック・アーチェリーの銀メダリスト、山本博さんは、「震災からの復興がまだ道半ばだと思います。このイベントをきっかけに震災のことをもう一度考えてもらいたい」と話していました。
また、家族3人で参加した千葉県の44歳の男性は「被災地の今の姿を見ることができ良かったです。震災の記憶を風化させないよう、この目で見たことを他の人たちに伝えたい」と話していました。
ランナーたちは、29日は南三陸町から松島町まで走る予定で、東京には来月7日にゴールする予定です。


河北春秋
 夏のにぎわいが砂浜に戻った。東日本大震災と福島第1原発事故を挟み、8年ぶりの海開きをした相馬市の原釜尾浜海水浴場。親子連れや高校生らが水しぶきを上げ、イカを焼く海の家には行列。待ちかねた人々の歓声が「風評」の懸念など吹き飛ばした▼震災後の浜は寂しかった。活気ある漁村や港は津波で壊され、美しい松林も根こそぎ流された。45キロ南にある原発事故の影響で漁業者はほそぼそとした試験操業を強いられ、復旧した旅館街も観光客の不在で苦境が続いた▼「客を呼び戻そうと一丸になった」と海産物店主の小野芳征さん(59)。旅館主たちと合同で海の幸の季節料理を競作、発信してきた。「海開きで中通りや宮城県の客も目立ち、宿泊客が増えた」。旬のミズダコが土産によく売れている▼福島県では、いわき市の三つの浜に続く海水浴場復活。被災3県では震災の年の海開きが久慈市の1カ所だった。各地の努力で海のがれきが片付き、安全な環境も回復し、今年は24カ所になった。被災地の子どもの笑顔が何よりもうれしい▼相馬市などでは28日から、伝統行事の相馬野馬追が催される。騎馬武者たちが出陣し市内を練り歩く同日、浜の旅館街は見物客の予約も加わり、どこも満室だそうだ。にぎわいの夏が毎年続いてほしい。

<東京五輪>復興ホストタウンに気仙沼など3市町 岩手、宮城、福島各県の計19市町村に
 2020年東京五輪・パラリンピックに向け、鈴木俊一五輪相は27日の閣議後記者会見で、東日本大震災の被災地を対象にした「復興『ありがとう』ホストタウン」に、新たに岩手県山田町、宮城県気仙沼市、福島県喜多方市を選んだと発表した。参加自治体は岩手、宮城、福島各県の19市町村となった。
 山田町は震災後に支援を受けたオランダの選手の応援ツアーを企画。気仙沼市はインドネシアの子どもや選手団を招待し、交流会などを開催する。
 喜多方市は米国のウィルソンビル市と姉妹都市で、米国を応援するパブリックビューイングを実施する。


地場産ホヤをブランド化、復興後押し みやぎ生協が商品2種販売
 東京電力福島第1原発事故後、禁輸措置などで販路が失われた宮城県産ホヤの消費拡大にみやぎ生協(仙台市)が尽力している。新たにブランド商品を開発して通年提供することで、水産業の復興を後押ししている。
 商品は「むきホヤ」(100グラム)と「ホヤ酢」(120グラム)の2種類。産直ブランド「めぐみ野」として扱う。むきホヤは6月下旬から同生協全店舗、ホヤ酢は今月上旬から東北6県の共同購入(宅配)で販売し、計約6600個を売り上げた。
 石巻市谷川、寄磯の両地区と女川町竹浦地区で養殖されたホヤを水揚げ当日にむき身にし、パック詰めした。殻付きホヤの購入に抵抗があった顧客のニーズに応えている。
 新寺店(若林区)の大友亮店長は「殻付きホヤに近い食感と味わいで、生産者の支援に貢献できる」と話す。価格(税抜き)はむきホヤ298円、ホヤ酢398円。


海風浴びて楽天応援 宮城・南三陸の海水浴場でPV
 プロ野球の東北楽天−ソフトバンク戦(福岡市・ヤフオクドーム)のパブリックビューイング(PV)が27日夜、宮城県南三陸町志津川の人工海水浴場「サンオーレそではま」で実施された。
 町民ら約150人が海風を浴びながら、砂浜の近くに設置された約170インチの大型ビジョンで試合を楽しんだ。0−3の五回に東北楽天が5点を奪う猛攻で逆転すると、会場は盛り上がった。
 先発した塩見貴洋投手のファンという同町歌津の会社員阿部淳さん(33)は「球場で応援するような雰囲気を味わうことができた」と喜んだ。
 楽天野球団が海水浴場でPVを開催するのは今回が初めて。地域連携部の松野秀三副部長は「南三陸の夏の風物詩になるようなイベントにしていきたい」と語った。


<東松島市>私立高の誘致へ推進チーム設置 市長が方針
 宮城県東松島市の渥美巌市長は27日、東京の学校法人タイケン学園が市内に計画する全日制の私立高に関し、8月1日付で庁内に誘致推進チームを発足させる方針を明らかにした。
 副市長2人と部長級、課長級各6人の計14人で構成。経済効果の調査や関係機関、団体などとの調整を行う。リーダーを務める加藤慶太副市長は「知恵を出してスピード感を持って取り組みたい」と述べた。
 私立高誘致を巡り、立地予定の小野地区の住民団体が誘致を求める請願を市議会に提出。市議会は27日の臨時会で同請願を審査する特別委員会を設置した。
 渥美市長は「タイケン学園の誘致は創造的復興につながる。実現に向けて進めていきたい」と話す。
 計画では、鳴瀬未来中の旧校舎と移転予定の鳴瀬桜華小の現校舎を校舎や生徒寮として利活用する。タイケン学園は9月末までに県に認可申請する見通し。


ドローン使い密漁監視 岩手・大槌で実証試験
 ドローン(小型無人機)を使った密漁監視システムの実証試験が、岩手県大槌町で進められている。情報収集力や抑止力に優れ、遠隔監視で漁業者の安全も確保できる。実用化は最終段階に差し掛かっており、8月中旬には製品の発表を予定している。
 ドローンスクール運営などを手掛けるセベック、ICT(情報通信技術)サービスのミツイワ、NTTコムウェア(いずれも東京)の3社が共同開発する。新おおつち漁協の協力で試験を重ねてきた。
 ドローンには夜間でも撮影できる赤外線カメラを搭載。海に潜った密漁者が吐き出して海面に放出された呼気も感知できる。
 AI(人工知能)技術で映像を瞬時に解析し、不審船や不審者を発見した場合は漁協や警察に自動でメールで通報する仕組みだ。設定した複数のルートをランダムに自動飛行し、監視エリアの特定を防ぐ。
 漁協の担当者向けに操縦やシステム利用の研修プログラムも用意するという。
 海上保安庁によると、2017年度に摘発した密漁は2629件。東日本大震災で監視船を流失した新おおつち漁協では現在、漁師らが人海戦術で見回りしており、限られた範囲しか監視できないのが実情だ。
 大槌町出身の小豆嶋(しょうずしま)和洋セベック社長は「密漁監視を省力化し、燃料費なども大幅に削減可能。養殖棚の見回りや海難救助にも応用できる。新技術による『スマート漁業』を提案したい」と話す。


<山形大パワハラ>センター長の減給1万円、山形大が適用理由示さず 職員組合要求書に回答
 山形大が職員へのパワーハラスメント(パワハラ)を理由に同大xEV飯豊研究センター(山形県飯豊町)のセンター長を1日分給与半減(減給額約1万円)とした処分が軽過ぎるとして、同大職員組合が処分決定の根拠などを求めた要求書に27日、小山清人学長が回答した。より重い「職場の上下関係に基づく影響力を用いた行為(停職以上)」の条項を適用しなかった理由には触れなかった。
 減給処分の根拠となる具体的な規定や条項についての質問に対し、大学側は回答書で、今回のパワハラは学内規程のうち「被害者側の意に反し、繰り返し行われた行為(減給以上)」の条項に当たるという趣旨の見解を示した。
 組合の仁科辰夫執行委員長は河北新報社の取材に「一つ一つのパワハラの事実が規定とどう対応するか回答しておらず、あまりにひどい。規程の恣意(しい)的な運用が疑われる」と話した。
 組合は週明けにも回答に対する正式な意見表明をする方針。


減給たった1万円 山形大“パワハラ処分”の信じられない軽さ
 甘すぎるんじゃないのか。山形大の研究施設「xEV飯豊研究センター」のパワハラ問題で、大学側が23日に発表した加害者である50代のセンター長(教授)の処分内容に批判が噴出している。
 この問題は、2016年4月〜17年2月、センター長が職員4人に対して「偏差値40」「小学生以下」などの暴言を浴びせたり、不適切なメールを送信したりしていたことが発覚。大学の調査で、一連の言動がハラスメントに認定された。ところが、発表された処分内容はナント! 「1日分給与半減(減給額約1万円)」というから仰天だ。
 同大の矢作総務部長は「減給額は労働基準法が定める上限で、法律と就業規程に基づき、適正に処分しました」と説明するが、駐車違反の反則金並みの「1万円」なんて痛くもかゆくもないだろうし、パワハラ再発防止につながるとは到底、思えない。ちなみに、16年度の山形大教授(平均年齢55・9歳)の年間給与額は約720万〜約1370万円だ。
「(さすがに)解雇はないものの、停職3カ月かと思っていたが、その予想を超える処分だった。あまりにもひどすぎる数字です。大学側に加害者を守らざるを得ない何らかの意図があるのではと疑わざるを得ません」(山形大学職員組合執行委員長の仁科辰夫氏)
 あちこちの大学でパワハラがなくならないワケだ。


<20億円寄付>青森県中央病院にも 青森市と同じ昨年末 本人の意向で詳細明かされず
 青森県は27日、県立中央病院(青森市)に昨年末、20億円の寄付があったと発表した。個人名義か法人名義かを含め、寄付者の強い要望があって詳細は明らかにされていない。青森市にも同時期に市内の個人から20億円の寄付が寄せられており、さまざまな臆測を呼びそうだ。
 県病院局によると、寄付の申し出があったのは昨年11〜12月ごろで、12月28日に20億円が振り込まれた。その際「病院の医療の充実、発展に使ってほしい」との意向が伝えられたという。
 寄付金の使途について同局は「施設の整備や医療機器の購入、人材育成などが考えられるが、今後検討する」と説明した。
 青森市に寄付金20億円が振り込まれたのも昨年末。小野寺晃彦市長が当人から直接「市民の短命の返上に役立てて」との要望を受け、市はスポーツ施設の建設を決めた。
 吉田茂昭県病院事業管理者は「県民の命をしっかり守るため、有効に活用させていただく」との談話を発表した。


都賀川水難10年/教訓風化させず伝えたい
 神戸市灘区の都賀川で、子どもら5人が亡くなる水難事故が起きて10年がたった。現場では追悼行事が行われ、子どもへの安全学習や訓練など都市河川の増水時の恐ろしさを伝える取り組みが続いている。
 それでも危険に対する意識が年月とともに薄れていることは否めない。再び犠牲者を出さないため、風化を防いで教訓をしっかりと伝えていきたい。
 事故は2008年7月28日に起こった。突然の大雨で、川の水位がわずか10分で1・3メートルも上昇し、逃げ遅れた5人が流されて亡くなった。
 上流の鶴甲地区では10分間の雨量が24ミリと一気に雨が降った。雨は住宅街に整備された排水路網の雨水幹線を通って都賀川へ流れ込んだ。都市化がもたらした急速な水量の増加が、事故原因の一つになった。
 兵庫県は事故後、大雨や洪水の注意報が出れば、回転灯が作動して危険を知らせる「増水警報システム」を設置した。しかし、その意味を正しく理解している人は少ないのが実情だ。
 事故後も急な大雨によって短時間に50センチ以上の急激な水位の上昇が、10回以上起きている。普段は川辺を散策したり、水遊びを楽しんだりする子ども連れが多い。注意していなければ、逃げ遅れる可能性がある。
 同様のシステムは、神戸・阪神間の河川に100カ所以上導入されている。効果を上げるには、回転灯への理解を広げる努力が欠かせない。
 近年は都市部でゲリラ豪雨が多発する。「西日本豪雨」のような記録的な集中豪雨による被害も目立っている。その要因として、地球温暖化の影響が指摘されている。
 対策として科学技術を駆使した予測が重要度を増している。ゲリラ豪雨に備えるため、国は高性能の気象レーダーを整備した。スーパーコンピューター「京(けい)」を使ったシミュレーションの開発にも取り組んでいる。だが、発生前の正確な予測はまだ難しいという。
 「防災意識を高めることしか命を救う道はない」
 10年前、急流に遭いながら救助された男性が述べた言葉だ。これを胸に刻み、地道な努力を継続していきたい。


観光への影響 風評被害の拡大を防ごう
 西日本豪雨から3週間がたち、岡山、広島県内の被災地では懸命の復旧や支援活動が続いている。
 一方で、被災を免れた観光地では宿泊キャンセルなどが相次ぎ、飲食店の客足も遠のいている。風評被害が心配される。被災地の支援のためにも地元経済が元気でいることが何より大事だ。官民挙げて払拭(ふっしょく)に努めたい。
 岡山県によると、豪雨が発生した6日から18日までの間、県内宿泊施設の予約キャンセルは推計で10万人、宿泊料の減収額は10億円になるという。倉敷市美観地区の人通りが減り、市内7文化施設の入場者は前年同期比でほぼ半減、岡山市の後楽園も約40%減となった。県北の温泉地でも予約や日帰り客が減るなど、主要観光地が軒並み打撃を受けている。
 甚大な浸水被害を受けた倉敷市真備町地区のニュースが全国的に報道され、「観光地も被災した」と誤解されていることもあろう。被災した県への観光を遠慮する自粛ムードも影響したとみられる。ホテルなどでの会議や宴会のキャンセル・延期も目立っているという。
 広島県も豪雨以降の宿泊施設のキャンセルが約12万件あり、土産代などを含めた観光への影響額は約45億円に上るとの推計を明らかにした。鞆の浦(福山市)や宮島(廿日市市)などの観光地にも影を落としている。
 夏休みに入り、観光や関連産業は本来かき入れ時だ。イメージ回復を急ぎ、風評被害がこれ以上拡大しないよう手を尽くしたい。誤解を解くためには主要な施設などは平常通り営業していることをホームページやSNS(会員制交流サイト)を活用し、積極的に情報発信することが効果的だろう。
 被災した県での観光に心苦しさを感じる人がいるかもしれないが、観光地や被災地以外がにぎわうことも復興への手助けになる。
 東日本大震災や熊本地震でも、県外からの観光客の激減という風評被害に直面した。大震災では、その年の夏に東北の代表的な祭りを集結させた「東北六魂祭」を開くなどのキャンペーンを展開。熊本地震の際も復興支援として、宿泊料金が最大7割引きになる旅行商品「ふっこう割」が国の補助で発行され、観光の回復につながった。
 岡山、広島両県は瀬戸内海沿岸や山陰などの自治体とも連携し、1人でも多くの観光客を呼び戻す施策を展開してもらいたい。影響がインバウンド(海外からの誘客)にも出ないよう、国外旅行会社へのPRも強化したい。
 ただ、高速道路網は復旧したとはいえ、JRは岡山と山陰を結ぶ津山、伯備線や四国の予讃線、広島県内の山陽線などがまだ全面復旧していない。周遊観光やビジネスで中四国の結節点の強みを見せる岡山県にとっては、交通網の完全復旧も急がれる。


豪雨被災地、二次災害の恐れ 土砂撤去、避難呼び掛け
 台風12号の接近を受け、西日本豪雨の被災地では28日、土砂や流木が堆積している河川が増水すれば二次災害が起きる恐れがあるとして、緊急の防災対策を展開した。早めの避難を呼び掛ける自治体も出ている。
 山の斜面などで土砂崩れが多く発生した広島県坂町の総頭川では、国土交通省中国地方整備局が複数のショベルカーを展開させ、すくい上げた土砂を川岸に積み上げた。車や流木が見つかると、水の流れをせき止める恐れがあるとして優先して撤去。国交省職員は「台風が来る前に水の流れを確保したい」と話した。


森友問題と財務省人事 ゆがんだままの「政と官」
 ゆがんだ「政と官」の関係をどう正常化していくかが問われているのに、その答えになっていない。
 麻生太郎財務相は、森友学園関連の文書改ざん問題を起こした財務省の新しい幹部人事を発表した。セクハラ問題もあり、事務方トップの事務次官と国税庁長官が3カ月以上不在という異例の事態が続いていた。
 麻生氏は財務省の組織改革も発表した。民間出身者を起用し、法令順守を強化するという。人事と併せ不祥事に区切りをつけたいのだろう。
 だが組織をいくらいじっても、根源的な問題は何も解決しない。
 そもそも官僚が改ざんに手を染めたのは、森友への国有地売却を巡り安倍晋三首相の妻昭恵氏の関与を隠そうとしたことだと考えられる。
 背景には、政治主導の名の下、首相官邸が内閣人事局を通じ官僚人事を支配している政権構造がある。
 選挙で選ばれた政治家が官僚を制御する政治主導は民主主義にとって重要だ。ただ、まっとうに機能するには、専門的見地を生かし「国民全体の奉仕者」という立場から進言する官僚の役割を、政治家がきちんとわきまえることが前提である。
 安倍政権は官邸への権力集中を極端に進めた。官僚が立場を踏み外して、政権におもねる状況を生み出した。公文書改ざんも官僚の過剰な防衛意識が働いたためとみておかしくない。なのに首相は改ざんの責任を官僚に押しつけてしまった。
 加計学園の問題も構図は同じだ。経済産業省が次官級の柳瀬唯夫経産審議官を退任させた人事である。
 柳瀬氏は首相秘書官時代に加計関係者と面会しており、首相の関与があったかという疑惑のかぎを握る。
 世耕弘成経産相は加計問題の影響を否定し、「世代交代」を理由に挙げた。だが後任の入省年次は柳瀬氏と同じだ。世耕氏の説明と矛盾する。今後も火種になりそうな人物を遠ざけたとみられても仕方がない。
 森友・加計問題について、首相は「行政のトップとしてうみを出し切る」と明言している。だが麻生氏は財務相に居座り、首相も辞めさせようとはしない。加計問題は首相が納得できる説明をしようとしない。
 政治が責任を明確にしない限り、「政と官」のいびつな関係を生み出す構造は変わらない。


特区申請前「今ごろ遅い」 内閣府幹部が京産大批判
 国家戦略特区を活用した「加計(かけ)学園」の獣医学部開設を巡り、学園と競合した京都産業大の大槻公一元教授(76)=三月に退職=が本紙の取材に応じ、二〇一六年一月、内閣府幹部に特区の申請を相談した際、「今ごろ持ってくるなんて遅い」と批判されたと証言した。この幹部は学園には当初から「国家戦略特区で突破口を開きたい」と強力支援を表明しており、「加計ありき」の疑いを裏付ける証言の一つとして注目される。 (池田悌一)
 京産大は一九八〇年代から獣医学部開設につながるライフサイエンス(生命科学)研究を本格化。二〇〇六年には鳥インフルエンザ研究で世界的権威の大槻氏を招き、学部開設に向けた準備を進めていた。
 国家戦略特区制度は安倍政権が一三年に創設。愛媛県と今治市が一五年六月、加計学園グループを念頭に獣医学部の新設を申請していた。大槻氏と京都府の担当者らは翌一六年一月、内閣府で特区を取り仕切っていた藤原豊・地方創生推進室次長(当時)と面会したが、藤原氏から「今治はずっと前から努力している。あなた方、今ごろ持ってくるなんて遅いんじゃないか」と批判されたという。
 内閣府は特区の申請期限を設けていないが、加計学園の学部開設が既定路線であるかのような発言だった。だが、大槻氏は「加計学園より提案時期が遅いのは事実。中身で勝負すればいい」と受け止め、京産大と京都府も特区を申請した。
 しかし同年十一月、安倍首相が議長の特区諮問会議は、獣医学部の新設エリアは他に獣医学部が「広域的に存在しない地域」に限定した。京産大は大阪府立大に獣医師養成学部があるため、事実上排除された。
 さらに内閣府と文部科学省は一七年一月、獣医学部の新設は「一八年四月に開設する一校に限り」認めると共同告示したため、京産大は断念に追い込まれた。
 愛媛県の文書によると、藤原氏は学園や県の幹部らに「総理官邸から聞いている。かなりチャンスがあると思ってよい」と伝え、申請書類に何を書けばよいかアドバイス。柳瀬唯夫首相秘書官(当時)も「本件は首相案件。藤原次長のヒアリングを受ける形で進めてほしい」と助言するなど、学園厚遇が際立っている。
 大槻氏は「当時も『うちの計画がふたをされた』と思ったが、なぜ外されたのか分からなかった。学園の加計孝太郎理事長と安倍首相が旧友なのは獣医師界でよく知られていたが、友達だけ面倒見るとは夢にも思っていなかった」と憤る。
 「愛媛県文書を見ると、藤原氏の対応には明らかに差がある。京産大は首相案件じゃなかったから外されたんですね。ようやく符合した。国がえこひいきしていたとすれば、あってはならないことだ」
 本紙は内閣府に藤原氏の発言の確認を求めたが、期限までに回答はなかった。


[文科省また汚職] 解体的出直しが必要だ
 文部科学省の前国際統括官、川端和明容疑者が収賄の疑いで東京地検特捜部に逮捕された。
 出向していた宇宙航空研究開発機構(JAXA)で理事だった2015年から17年にかけ、コンサルタント会社の業務に便宜を図った謝礼として同社元役員から約140万円相当の飲食接待を受けた疑いが持たれている。
 文科省では、私大支援事業を巡って東京医科大に便宜を図る謝礼に息子を不正に合格させてもらったとして、前科学技術・学術政策局長の佐野太被告が受託収賄罪で24日に起訴されたばかりだ。
 昨年は組織的天下りが発覚し、文科行政への信頼を著しく傷つけた。今度は、中枢幹部が相次いで逮捕される異常事態である。
 信頼は地に落ちた。文科省は汚職を生んだ背景を洗い出し、解体的出直しが必要だ。
 調べによると、川端容疑者は元役員から頼まれ、東京医科大で16年に開かれた式典への宇宙飛行士の出席に関わったとみられる。そのためだけだったかは不明だが、元役員からの飲食接待は10回以上に及んだという。
 元役員は、私大支援事業を巡る汚職事件で在宅起訴された東京医科大の前理事長と佐野被告との会食の場を設けるなどしたとして、受託収賄ほう助の罪で起訴されている。
 省を担う幹部職員が、二つの汚職事件を巡って同じ人物とつながっていたことになる。
 気になるのは、川端容疑者と佐野被告が共に旧科学技術庁の出身で、それぞれ「エース」と評されるエリート官僚だったことだ。
 宇宙開発など科学技術分野の事業予算額は大きく、巨額の金が動く。そこに利権を見込んで、業者が接近するのだろうか。
 01年の省庁再編で旧文部省と旧科学技術庁が一緒になった文科省である。構造的な問題がないか検証する必要があろう。
 こうした中、中堅幹部や若手職員らが早急な改革を訴え、事務次官らに異例の文書を提出した。
 文書は「一人一人の職員が透明性や公平性を意識して、職務に取り組むことでしか信頼回復の糸口は見いだせない」と強調している。度重なる不祥事に対する職員らの危機感は深刻である。
 林芳正文科相は、私学支援事業を巡る汚職事件を受けて予定していた第三者委員会設置を延期した。時期尚早と言うが、再発防止へ主導力が見えないのは残念だ。
 手をこまねいていては信頼回復は遠のくばかりだろう。組織のうみを出し切り、文科行政の再出発を期してもらいたい。


辺野古埋め立て工事 知事選を待った方がよい
 米軍普天間飛行場の移設問題は再び国と沖縄県の法廷闘争に発展する見通しとなった。
 沖縄県の翁長雄志知事が名護市辺野古沿岸部の埋め立て承認を撤回すると表明したからだ。
 国側は埋め立て海域を囲う護岸工事を進めており、実際に埋め立てるための土砂の投入を8月17日にも始めると県側に通知している。
 撤回によっていったん工事は止まるが、国側は裁判所に撤回の執行停止を申し立てるなどの対抗措置をとる構えで、撤回の効力は一時的なものになりそうだ。
 そもそも埋め立て承認は仲井真弘多前知事が2013年に行ったものだ。14年の知事選で仲井真氏を破った翁長氏が承認を取り消したが、16年の最高裁判決で承認取り消しは違法とされた経緯がある。
 撤回が裁判で認められる勝算があるとはいえず、県庁内にも消極論がくすぶっていた。それでも翁長氏が撤回に踏み切る決断をしたことは、11月の知事選を前に移設反対派の置かれた苦しい状況を物語る。
 政府は土砂投入によって埋め立ての既成事実化を進め、移設阻止を掲げる翁長氏を支持してきた側のあきらめムードを誘いたいのだろう。
 翁長氏自身が健康不安を抱え、移設反対派の知事選候補が定まらない中、土砂投入の開始を遅らせることで求心力を保つ狙いもあるようだ。
 知事選前に工事を再開するかどうか、国側も難しい判断を迫られる。強引に進めれば県民の反発を招き、自民、公明両党の支援する候補に不利に働くかもしれない。
 普天間飛行場の危険性は誰の目にも明らかなのに、辺野古への移設をめぐって国と県の関係がここまでこじれた原因は安倍政権の強権的な姿勢にあるといわなければならない。
 4年前の知事選で示された民意と向き合うどころか、移設反対派を抑えつけ、県との対立をエスカレートさせてきた。今年2月の名護市長選では現職を落選させるため、補助金を使って住民の分断をあおった。
 こうした政権側の姿勢を翁長氏は「傍若無人」と批判している。
 分断と対立をできる限りなくすのが政府の務めではないか。そのためには知事選の結果を待ったうえで土砂投入の是非を判断した方がよい。


辺野古承認撤回 工事阻止への重い決断
 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設を巡り、翁長雄志(おながたけし)知事はきのう、前知事による辺野古沿岸部の埋め立て承認を撤回すると表明した。
 対象の海域に軟弱地盤が存在していることが新たに判明したことなどが理由だ。
 政府はこれまで移設反対の地元の声を退け、力ずくで基地建設を推し進めてきた。「あらゆる手段で阻止する」と公言してきた翁長知事としてはやむを得ない決断だったのだろう。
 政府は重く受け止めるべきだ。
 基地建設のプロセスをいったん止め、県側と真摯(しんし)に話し合いを進めながら解決の道を探らなければならない。
 辺野古沿岸部の埋め立ては2013年12月、当時の仲井真弘多(なかいまひろかず)知事が承認した。
 翌年11月の知事選では、新基地建設の阻止を掲げた翁長氏が当選し、この承認は法的瑕疵(かし)があるとして取り消した。政府はこれを違法だとして提訴し、16年12月に県の敗訴が確定した。
 県は憲法が保障する地方自治の侵害だと訴えていたが、最高裁判決は手続きに論点が絞られ、辺野古移設の是非にも触れなかった。
 辺野古沿岸部の海底の岩礁破砕を巡り県知事の許可が必要かどうかを国と争った別の訴訟でも、3月の那覇地裁判決は、実質的な中身に入らないまま、県が求めた工事差し止めを認めなかった。
 埋め立て承認の撤回は、沖縄の現状に背を向けた判決が続く中で、翁長氏が取り得る数少ないカードの一つだったと言える。
 沖縄では11月の知事選を前に、辺野古移設の是非を問う県民投票を求める6万筆を超す署名が集まっている。
 地元の反対がこれほど強い中で、政府は早ければ来月17日から辺野古沿岸部に土砂を投入する方針を示している。そうなれば原状回復は困難になる。対立はさらに深まるだろう。
 安倍晋三首相は1月の施政方針演説で「沖縄の方々の気持ちに寄り添う」と言っていたはずだ。政府は承認撤回を不服とし、再び法廷闘争に持ち込む考えも示している。これが寄り添う姿勢なのか。
 そもそも「基地のたらい回し」とも言える辺野古移設ありきの対応に問題がある。
 政府は沖縄の声にしっかりと耳を傾けた上で、米軍基地集中の解消や日米地位協定の改定などについて米側とも話し合い、解決策を見いだすべきだ。


埋め立て撤回表明 新基地建設断念求める
 翁長雄志知事が辺野古埋め立て承認の撤回を表明した。新基地建設を強行してきた政府はさまざまな対抗措置を準備しているとみられ、再び司法の場での争いになると予想される。政府がやるべきことは、長年基地の過重負担に苦しんでいる沖縄の状況を是正することである。知事が民意を背に決断したことを尊重し、辺野古新基地建設を断念すべきだ。
 2014年知事選で勝利した翁長知事は、仲井真弘多前知事による辺野古埋め立て承認を取り消した。代執行訴訟や和解、国地方係争処理委員会(係争委)の審査などを経て、最後は国が提起した不作為の違法確認訴訟で県が敗訴した。知事が「取り消し」を取り消したため、承認の効力が復活し現在に至っている。
 承認に違法性がある場合に承認時にさかのぼって効力を失わせる「取り消し」に対し、承認後に生じた違法行為を根拠にする「撤回」は、その時点で効力を失わせる。いずれも公有水面埋立法で定められた知事の権限であり、事業者である国は埋め立ての法的根拠を失う。国の姿勢が変わらなければ、事業者の言い分を聞く聴聞を経て、知事は撤回を行うことになる。
 国と県が裁判で繰り返し争うのは正常な姿ではない。政府の一方的な姿勢が県を訴訟に追い込んできた。岩礁破砕を巡っても、政府が県の許可を一方的に不要と主張し強行した。県は差し止め訴訟を起こし、現在も係争中だ。
 15年の承認取り消し後の代執行訴訟では、裁判所が勧告した和解が成立した。しかしすぐに国が是正指示を出したため県は係争委に審査を求めた。係争委委員長は法的判断を回避した上で「国と沖縄県は真摯(しんし)に協議し、双方がそれぞれ納得できる結果を導き出す努力をすることが、問題解決に向けての最善の道である」と述べた。しかし、ほとんど協議せず国は新たな提訴に踏み切る。裁判所や係争委の意向を国は無視した。
 そもそも国土の0・6%にすぎない沖縄県に全国の米軍専用施設面積の約70%が集中していることが問題の根本だ。基地の過重負担を強いながら、基地縮小を求める県民大多数の民意を無視し、貴重な自然を破壊する工事を強行する。このようなことが沖縄以外でできるだろうか。
 辺野古に新基地を建設することについて自民党の石破茂元幹事長でさえ「ベストでもベターでもない。ワーストではないという言い方しかできない」と述べた。ワーストでない所なら沖縄以外にいくらでもあるはずだ。普天間飛行場の代替施設がどうしても必要と言うなら、沖縄以外に求めるべきである。他県には決して振りかざさない強権を沖縄には突き付ける。二重基準であり、差別そのものだ。
 知事の決断を多くの県民が支持している。その民意に向き合うよう改めて政府に求める。建設強行に未来はない。


[辺野古撤回手続き]正当性を内外に訴えよ
 法廷で再び国と争うことになる重い決断であるが、国は勝訴を見越して平然としている。
 本来問われるべきは、問答無用の姿勢で工事を強行し、知事をここまで追い詰めた国の行政の公正・公平性であり、あまりにも理不尽な基地の恒久的押しつけである。
 負担軽減と言いながらその自覚すらないことに深い危惧の念を覚える。
 翁長雄志知事は27日会見し、前知事が行った辺野古沿岸部の埋め立て承認を撤回するため、事業者である沖縄防衛局への聴聞手続きに入ることを明らかにした。
 「撤回」は、埋め立て承認後に違反行為が確認されたり、公益を損なうような問題が浮上したときに、承認の効力を失わせるものである。
 「撤回」のハードルは高い。それ相当の理由づけが必要だ。県庁内部では、技術的な理由から土木建築部などが「撤回」に二の足を踏み、意見集約が遅れた。
 辺野古現地で反対行動を展開する市民からは「撤回」を求める悲鳴にも似た声が日に日に高まっていた。知事不信さえ広がりつつあった。
■    ■
 国は6月の段階で県に対し、8月17日から土砂を投入する、と通知している。その先に控えているのは11月18日の知事選だ。
 知事の決断は、埋め立て予定地への土砂投入が迫る中、時間的にも、支援団体との関係においても、県庁内の調整という点でも、ぎりぎりのタイミングだった。
 記者会見で翁長知事は「撤回」の理由として、埋め立て承認の際に交わされた留意事項に反して工事が進められていることを挙げた。
 事業全体の実施設計も環境保全策も示さないまま、事前協議をせずに工事を進め、県の再三の中止申し入れにも応じてこなかった。
 大浦湾側に倒壊の危険性がある軟弱地盤が存在すること、新基地建設後、周辺の建物が米国防総省の高さ制限に抵触することなども、埋め立て承認後に明らかになった問題点だ。
■    ■
 個々の問題に対する国と県の見解は、ことごとく異なっている。
 国が「撤回」の効力停止を求め、裁判に訴えるのは確実である。その場合、「撤回」が妥当かどうか、その理由が大きな争点になるだろう。
 翁長知事の埋め立て承認「取り消し」は2016年12月、最高裁によって違法だと見なされ、県側の敗訴が確定した。「撤回」を巡る訴訟も楽観論は禁物だ。
 米軍基地を巡る行政事件だけに、なおさら、厳しいものになるのは確実である。
 沖縄県はどこに展望を見いだすべきなのか。
 県が埋め立て承認を「撤回」した場合、国と県のどちらの主張に「正当性」があるかという「正当性」を巡る議論が一気に高まるはずだ。
 国は、普天間飛行場の早期返還のためと言い、負担軽減を確実に進める、と言う。「最高裁判決に従って」とも強調するようになった。
 菅義偉官房長官の定例会見で国の言い分は連日のように茶の間に流れ、ネットで拡散される。
■    ■
 国の主張する「正当性」が日本全体を覆うようになれば、沖縄の言い分はかき消され、「安全保障は国の専権事項」だという言葉だけが基地受け入れの論理として定着することになる。
 「国の専権事項」というお決まりの言葉を使って、普天間飛行場の代替施設を九州に持って行かないのはなぜなのか。
 日米地位協定が優先される結果、情報開示は不十分で、事故が起きても基地内への立ち入り調査ができず、飛行制限に関する約束事も抜け穴だらけ。沖縄の現実は受忍限度を超えている。
 「『沖縄県民のこころを一つにする政治』を力の限り実現したい」と翁長知事は言う(『戦う民意』)。知事の苦悩に満ちた決断を冷笑するような日本の政治状況は危うい。
 沖縄の主張の「正当性」を幅広く内外に発信していくことが今ほど切実に求められているときはない。


辺野古承認の撤回表明 強行する国の責任重い
 沖縄県の翁長雄志(おなが・たけし)知事はきのう、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設を巡り、前知事による辺野古沿岸部の埋め立て承認の撤回に向けて手続きに入ると表明した。撤回は、承認後の情勢の変化を理由に許認可などの行政処分を取り消しできる法的措置である。移設反対の立場を取る翁長県政にとって、残された「最後の一手」といえよう。
 政府は8月17日にも本格的な埋め立て工事に着手すると、既に県に通知している。辺野古海域への土砂投入が始まれば、原状回復は困難になる。翁長知事は「あらゆる方法を駆使して、新基地はつくらせないとの公約実現に全力で取り組む」と強調した。12月の任期満了が迫る中、不退転の決意で阻止しようとしているのだろう
 ▽民意に耳傾けよ
 県をここまで追い込んだのは、国のなりふり構わぬ姿勢にほかなるまい。菅義偉官房長官はきのうも「移設工事を進める考え方に変わりがない」と述べた。その上で、2016年に県が敗訴した最高裁判決を挙げ、「判決の趣旨に従い、国と県の双方で互いに協力し、誠実に対応し、埋め立て工事を進めていくことが求められる」などと説明した。
 「誠実に」というならば、しゃにむに工事を進めるべきではなかろう。いったん立ち止まって県との協議を再開するなど、地元の民意にも耳を傾けるべきではないか。
 沖縄には今も在日米軍専用施設の70・3%が集中している。戦後も米軍の軍事作戦に協力させられただけでなく、基地がある故の事件や事故は絶えない。住民は常に危険と隣り合わせにあるといってもいい。第2次大戦時の沖縄戦同様、「捨て石」にされ続けているのが現実だ。
 翁長知事は承認撤回を表明した会見の冒頭で、朝鮮半島の非核化と緊張緩和に向けた米朝の努力が続けられていることに触れた。その上で「20年以上も前に決定された辺野古新基地計画を見直すことなく強引に推し進める日本政府の姿勢は容認できるものではない」と政府の姿勢を批判した。正論だろう。
 そもそも普天間返還について日米両政府が合意した当時、構想されたのは撤去可能な海上施設だった。今計画が進む恒久的な新基地とは異なるではないか。「平和を求める大きな流れから取り残されているのではないか」との指摘もうなずける。外交や安全保障政策は、情勢に合わせ更新すべきである。
 ▽環境面でも問題
 政府が辺野古移設の大義名分として強調する「普天間飛行場の危険性除去」についても疑義を唱えた。昨年6月、稲田朋美防衛相(当時)は国会答弁で、米側との調整が整わなければ普天間は返還されないと述べている。「返還のための辺野古建設という理由が成り立たなくなった」という翁長知事の言い分はもっともだ。
 埋め立て工事は、安全性や環境保全の面から見ても問題が大きい。海域に生息するジュゴンやサンゴへの影響も問題視され続けている。県は、撤回の理由として、沖縄防衛局が環境保全策を示さずに着工したことや、地質調査で辺野古の地盤が極めて軟弱であると判明したことを挙げた。これまで工事中止の行政指導もしてきたが、同局は「問題ない」との一点張りで従わなかったという。
 ▽県民投票も視野
 一方、沖縄では、辺野古の海の埋め立ての是非を問う県民投票の実施が、現実味を帯びてきた。県民投票条例制定を直接請求するために市民有志が23日まで集めた署名は、法定必要数を大きく上回る7万7千筆に上っている。翁長知事は会見で「政府もこれだけ多くの県民が署名を行った重みにしっかり向き合ってほしい」と訴えた。
 しかし国は撤回の無効化を求め、直ちに取り消し訴訟の提起など、法的措置で対抗する構えである。今国に求められているのは、対立を先鋭化することではあるまい。最後の一手で抵抗せざるを得ない沖縄の民意をくみ取る姿勢こそ必要である。


[辺野古撤回へ] 政府は沖縄の声を聞け
 沖縄県の翁長雄志知事はきのう、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への県内移設計画を巡り、前知事による辺野古沿岸部の埋め立て承認の撤回に向け、手続きを始めると表明した。
 環境保全対策を示さずに工事に着手するなど、承認の条件となる事業者の義務に違反しているというのが、その理由である。
 撤回により国の工事は一時中断し、早ければ8月17日にも予定される辺野古沖での土砂投入が遅れる可能性がある。
 国は撤回の無効化を求め、直ちに取り消し訴訟の提起など法的措置で対抗するのは必至だ。
 辺野古移設を巡る国と県の対立は続き、対話すら見通せない。政府に求められるのは、沖縄県の訴えを真摯(しんし)に聞く姿勢である。
 移設を巡っては2013年、仲井真弘多前知事が予定地の埋め立てを承認したものの、計画阻止を掲げて当選した翁長知事が15年10月に取り消した経緯がある。
 16年12月に最高裁が取り消し処分は違法と結論付けたため、政府は工事を再開した。
 今回の撤回は、行政処分そのものの違法性を理由とする「取り消し」とは違い、承認後の事情の変化を理由に許認可などの行政処分を取り消す措置だ。
 翁長知事にとっては、土砂投入を阻止するための「最後のカード」を切ったといえる。11月の知事選を前に、県民世論を喚起する狙いもあるに違いない。
 菅義偉官房長官は会見で「移設工事を進めるという考え方に変わりはない」と述べ、移設計画を堅持する方針を示した。
 沖縄県が1972年に本土復帰してから46年。復帰当時、衆院は速やかに米軍基地の整理縮小を進めるべきだと決議した。
 しかし、今も国土面積の約0.6%しかない県土に在日米軍専用施設の約70%が集中する。
 基地建設は、日本を取り巻く安全保障環境を理由に進められてきた。だが、北朝鮮は非核化の意思を表明し、朝鮮半島の平和と安定に向けた関係各国の協議が続く。日本と中国の間も関係改善へと動きだしている。
 今後の情勢を楽観視することはできないが、政府と与野党が議論すべきなのは、変化の兆しがある北東アジア情勢に対応する安保政策ではないか。
 その中で、在日米軍の在り方や沖縄の米軍基地の整理縮小も再検討すべきだ。思考停止のように既定路線を突っ走るべきではない。
 政府が、かたくなな姿勢を見直す。そこから沖縄とともに考える未来が開かれるはずだ。


辺野古承認撤回 移設は「唯一の解決策」ではない
 沖縄県の翁長雄志知事は、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設を巡り、前知事による辺野古沿岸部の埋め立て承認の撤回に向け、手続きを開始する意向を表明した。これに対し政府は、法的措置で「撤回の無効化」を図り、引き続き工事を進める構えだ。
 工事は、土砂投入の工程が目前に控えている。埋め立ててしまえば、自然環境を元に戻すことは困難だ。承認撤回は、移設阻止に向けた県の最終的な手段といえる。この切実な訴えに向き合おうとしない政府の態度には憤りを禁じ得ない。
 東アジアでは、史上初の米朝首脳会談が行われるなど安全保障環境が大きく変化している。平和体制の構築へ、基地の必要性を含めて安保政策の見直しを米国と協議することこそが「沖縄の基地負担軽減」を掲げる政府の責務だ。
 臨時会見で翁長知事は「あらゆる手法を駆使し、新基地は造らせないとの公約の実現に向け全力で取り組む」と決意した。2014年の知事就任以降、埋め立て承認取り消しや、工事の差し止めを巡る法廷闘争で県の敗訴が続く。それでも抵抗を続けるのは、県内に在日米軍専用施設の7割が集中し、負担と危険が一向に解消しないことへの抗議にほかならない。
 だが、菅義偉官房長官は「移設工事を進めるという考え方に変わりない」と、従来の方針を繰り返した。さらに「(移設を巡る)16年の最高裁判決の趣旨に従い、国と県が互いに協力して埋め立て工事を進めることが求められる」と述べた。県の意見を十分くみ取らないまま、県の敗訴を引き合いに、工事を強行しようとする姿勢は看過できない。
 承認撤回への対抗策として防衛省沖縄防衛局は、処分取り消しの行政訴訟を起こす考え。効力を即時に停止させる「執行停止」を同時に申し立てることも想定される。だがこうした「敵対措置」では、県との溝をさらに深めるだけだ。政府がすべきことは、県と真摯に向き合い、対話による「政治的解決」に粘り強く取り組むことだ。
 辺野古への移設が決まってから約20年たち、基地の必要性も改めて見直す時期に来ている。6月には、トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が会談を行い、朝鮮半島の完全な非核化が約束され、将来的な在韓米軍撤退の可能性にまで言及した。武力によらない平和体制の維持を進めようとする中辺野古への基地移設は東アジアの安定に逆行することにもなりかねない。
 住民にとって、沖縄の美しい海が失われることへの危機感は強い。海域に生息するジュゴンやサンゴなど、環境への懸念の指摘に対しても、政府は不誠実な対応をとってきた。辺野古移設は、「唯一の解決策」ではない。今、立ち止まらなければ、将来に大きな禍根を残すことになると政府は認識すべきだ。


杉田議員の暴論/なぜ自民は不問に付すか
 国民の選良と呼ばれる人の人権意識がこの程度かと驚かされる。自民党の杉田水脈(みお)衆院議員が月刊誌に寄稿した内容だ。
 性的少数者(LGBT)のカップルは子どもをつくらない、つまり生産性がない。そうした人たちの支援に税金を使うことに賛同が得られるのか−。
 問題提起のつもりなのだろう。しかし暴論としか言いようがない。偏見に苦しむ人たちに思いを寄せる感性がうかがえない。子どもを産まなければ支援は不要との考えは、LGBTだけでなく多くの人を傷つける。
 自民の二階俊博党幹事長が「いろんな人生観、政治的立場がある」と、不問に付す姿勢であることも理解に苦しむ。
 杉田氏は2012年に、兵庫6区で日本維新の会から立候補して比例で復活当選した。前回衆院選は自民党の中国ブロックの比例単独で当選した。政党票のみで議席を得た以上、誤った言動は党がチェックし、厳正に対処するべきではないか。
 寄稿の中で杉田氏は、LGBTのうち性同一性障害には医療行為の充実などの必要性にも言及する。他方で、同性愛などの性的嗜好(しこう)まで認めると「歯止めが利かなくなる」とした。
 欧米では同性婚を合法化する国が増えている。安倍政権の「1億総活躍プラン」もLGBTへの理解を促し、多様性を受け入れる環境整備が明記された。携帯電話各社が家族割引を同性パートナーにも認めるなど、企業の動きも進み始めた。
 「常識を見失っていく社会は秩序がなくなる」とした杉田氏の意見は個人の尊厳を踏みにじり、世界の潮流にも逆行する。
 2年前の7月、神奈川県の障害者施設で入所者19人が殺害された事件を思い起こす。元施設職員の容疑者は「障害者は不幸だから」と動機を供述した。
 独善的な価値観を持ち、不要とみなす存在は排除しようとする。偏狭な考えは、憎悪や差別をあおり、社会を分断する。
 偏見を正し、多様な人が共生できる社会をつくるのが、与野党を超えた政治家の責務だ。
 一方、杉田氏に危害を加える内容のメールが届いたという。今回の寄稿との関連は不明だが、暴力で対抗するという考えならば絶対に賛同できない。


自民・杉田議員「LGBT生産性ない」発言に4000人が猛抗議
 自民党の杉田水脈衆院議員がLGBT(性的少数者)のカップルは「『生産性』がない」との見解を月刊誌に寄稿したことに反発して27日夜、地方議員や市民らが自民党本部前で抗議集会を開いた。
 約4000人(主催者発表)の参加者は性の多様性を意味するレインボーカラーの旗やプラカードを手に「差別をやめろ!」と抗議。さらに「人権無視する議員はいらない」と杉田議員の議員辞職を訴えた。
 集会には性同一性障害を公表している上川あや世田谷区議らLGBT自治体議員連盟のメンバーも参加。杉田議員の寄稿は「根強い差別や偏見を助長するものであり、決して許されない」とする抗議声明を発表、党本部の警備員に手渡した。


杉田水脈議員の辞職を求める抗議運動に約5000人。「人権無視する議員はいらない」と声が上がった
自民党本部へ持っていった声明文は、警備員が受け取った Shino Tanaka
自民党の杉田水脈衆院議員が、月刊誌で性的少数者(LGBTなど)に対し「生産性がない」などといった差別的な文章を寄稿した問題をめぐり、7月27日、杉田議員の辞職を求める抗議活動が自民党本部前で行われた。LGBT法連合会の事務局は、抗議には約5000人が参加したと発表した。
今回の抗議活動には、LGBTについて国内で最大級のイベントを主催する「東京レインボープライド」も加わった。東京レインボープライドは、「特定の政党に偏ることなく、各政党横並びでの関係づくりに努めて」いるといい、こうした抗議活動などに参加することは珍しかった。
しかし今回は「『Pride』という歴史的にも重みのある言葉を冠する団体であるならば、ここで抗議の声をあげなければ、その存在価値を見失うのではないか。そんな怒りや危機感から、今回、このような形で抗議行動をすることにしました」と共同代表の山縣真矢さんは言う。
参加者は、午後7時の開始から、杉田議員に対し「人権無視する議員は辞めろ」「差別をするな」などと一斉にコール。また、性的少数者の当事者団体や、LGBT自治体議員連盟の議員などがマイクを握り、リレートークをした。
トークでは、LGBT法連合会・共同代表である原ミナ汰さんが「向けられる暴言は、顔に唾を吐かれていることに等しい。私はいつかはやむだろうと、黙ってその唾を何度も拭ってきた。だけど、暴言はボディーブローなんです。だんだん効いてくる。だから、こうやって唾を吐きかけてくる人に、『やめてください!』と言いに行かないといけないんだ」「敬意を払ってほしい」と訴えた。
また、連合会の山下昴さんは、杉田議員の寄稿文にある「LGBTだからといって、実際そんなに差別されているものでしょうか」という文言について抗議をした。
「20代の当事者の立場から話したい。異性を好きになることが当たり前だと思いこまされていた僕は、(同性を好きだということは)人に言っちゃいけないことだと、心を閉ざすようになった。友達にも家族にも、仮面を被り、自分を偽り、壁を一つ隔てたようななかで、孤独感に苛まれるようになった。自分は自分のままで生きていけるのか。僕のこの苦しみを分かってくれる人はいるのか。あの言葉に、絶望と怒りを覚えた」
そしてLGBTなどの子どもたちに対して「私たちは、こんな思いを子どもたちにさせていいのか。差別はいまだ、根強くあります。差別に悩み苦しむ人がいると、分かってきた段階だ。それをあたかも差別はないなどと発言する。そんなことを政治家がやってのける。それを許す社会であっては絶対にならない。一人一人の苦しみを受け止めて、1日でも早くこの差別をなくすための責任を果たして。私たちは自民党を見ています」と声を枯らした。
LGBT自治体議員連盟の声明文を自民党本部へ
この抗議活動では、人権擁護のための条例制定や施策の推進などに取り組む、LGBT自治体議員連盟も参加。議員らは安倍晋三総裁に宛てた抗議声明を渡すために、自民党本部へ向かった。
だが、自民党本部への立ち入りを拒否されたため、警備員に託したという。
声明文では、杉田議員の寄稿文について「事実誤認と偏見に基づいて」いると抗議。全国の地方議員が党派を超えて支援や制度設計を始め、LGBTに関する請願・陳情が可決される動きが出ている中での発言は、「自治体の動きを否定するばかりでなく、根強いLGBTへの差別や偏見を助長するとともに、子どもを産まない人、産めない人、障がいや病気などによって経済的な自立が難しい人をも否定するもの」で、「決して許されるものではありません」とした。
杉田議員の寄稿文とは
杉田議員は「新潮45」8月号に、「『LGBT』支援の度が過ぎる」と題した文章を寄稿。LGBTのカップルに対し「彼ら彼女らは子供を作らない、つまり『生産性』がないのです」などと記し、「税金を投入することがいいのかどうか」と主張。事実誤認の指摘や、差別的だという批判が相次ぎ、物議を醸している。


自民・杉田議員 「生産性ない」はナチの優生思想 識者ら批判 海外メディアも報道
 人の価値を「生産性」で語ることが、はたして許されるのか。自民党の杉田水脈(すぎた・みお)衆院議員(比例中国ブロック)が、月刊誌への寄稿で、性的少数者(LGBTなど)を「子どもを作らない、つまり生産性がない」とおとしめた問題。国会議員が性的少数者への差別意識をむき出しにしたことが波紋を広げ、自民党本部前で市民らが杉田氏の議員辞職を求め抗議する事態に発展した。海外メディアも競ってこの問題を報じ、その中で複数のメディアが「生産性がない」の部分を強調している。「生産性」の観点から人を選別するのは、優生思想ではないのか。杉田氏の「生産性がない」という表現を、識者たちとともに掘り下げて考えてみたい。
海外メディアが引用符で強調
 杉田氏の寄稿は「『LGBT』支援の度が過ぎる」(「新潮45」8月号)。その中で「なぜ男と女、二つの性だけではいけないのか」「多様性を受けいれて、様々な性的指向も認めよということになると、同性婚の容認だけにとどまらず、例えば兄弟婚を認めろ、親子婚を認めろ、それどころかペット婚や、機械と結婚させろという声も出てくるかもしれない」などと独自の見解を展開した。全体として性的少数者蔑視に貫かれている。
 この寄稿がネット上で批判を浴びる中、自民党の二階俊博幹事長は7月24日の記者会見で、杉田氏の「生産性がない」という主張について「右から左まで各方面の人が集まって自民党は成り立っている。別に大きな驚きを持っているわけではない」と述べ、問題視しない姿勢を示した。これがさらに批判を呼び、27日に党本部前であった抗議集会に主催者発表で4000人が集まった。
 海外メディアも関心を寄せている。カタールの衛星テレビ局アルジャジーラの運営するオンラインニュースメディア「AJ+」は24日、英語版の公式ツイッターに杉田氏の写真をあしらい、
<日本の立法府の議員が、子供を「生産」しないLGBTは社会福祉を受けるに値しないと考えている>
と投稿した。<……not“producing”children>と「生産」の部分を強調。過去に問題視された杉田氏の発言を紹介する動画も添え、4600件以上もリツイート(拡散)されている。
 一方、英国のインディペンデントは26日、ニュースサイト上で<日本の政治家がLGBTの人々を「非生産的」と呼んで批判を浴びている。同性愛の関係を容認する社会は潜在的な崩壊の危険性がある、と杉田氏は主張している>と報じた。やはり、引用符で‘unproductive’(非生産的)を強調している。このほか、米CNNテレビなども報じている。
 杉田氏は安倍晋三首相の出身派閥である細田派に所属し、国会でも右派的な発言を繰り返してきた。海外メディアでその発言が問題視されるのは、今回が初めてではない。6月に英国公共放送BBCのドキュメンタリー番組でインタビューを受けた杉田氏は、性暴力被害を訴えたフリージャーナリストの伊藤詩織さんについて「女として落ち度があった」と述べ、批判を浴びている。
大学構内にも抗議の貼り紙
 日本でも、杉田氏の「生産性がない」に対する批判が噴出している。
 京都大学では最近、名物だった学生の立て看板が撤去されニュースになったが、大学キャンパスの石垣に
 <杉田水脈議員の優生思想的発言に抗議する。人は「生産性」のために生きているのではない>
と大書した抗議の貼り紙が登場した。その写真がツイッターに投稿され、3000件以上も拡散している。
 ネット上では、
 <「生産性」のあるなしで人間の価値を判断し、差別するのは、人の能力に優劣をつける「優生思想」に基づいてユダヤ人や障害者、同性愛者などを大量に虐殺したり収容所に送ったりしたナチスの蛮行と「地続き」です>
 <国民を生産性の有無で分別し、後者を抑圧するのはナチスの優性思想と同じことではないか>
など、杉田氏の主張とナチスドイツの優生思想との類似性を指摘する批判が目立つ。杉田氏の問題を巡る毎日新聞25日朝刊社説の一部を引いた<特定の少数者や弱者の人権を侵害するヘイトスピーチの類いであり、ナチスの優生思想にもつながりかねない>という指摘も、多数拡散されている。
 一方、7月26日で相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」での殺傷事件から丸2年が経過したことを踏まえ、「障害者は生産性がない」などと語ったとされる植松聖被告と杉田氏を比較するツイッターの投稿も少なくない。
 <植松(聖被告)の優生思想と(杉田水脈氏の)「生産性がない」は地続きである>
 <(杉田氏の「生産性がない」は)「役に立たない非国民は排除する」という意味の発言だよ。それは相模原事件の被告の考えと同じだよ>
                   ◇
 改めて問いたい。人の価値を「生産性」で語ることが許されるのか。歴史学者や障害者福祉の専門家ら4人に意見を聞いた。
「生産性ない」はナチと全く同じ
 歴史学者で成城大名誉教授の木畑和子さんの話
 LGBTの人たちについて「生産性がない」と断じた杉田水脈氏の主張には、驚かされた。彼らを問題視する姿勢が、ナチと全く同じだからだ。
 ナチ時代のドイツでは「健全な民族共同体」をつくるために出産奨励策が実践された。そして、子を「生産」しない男子同性愛者はこの政策に反するとして約10万人が逮捕され、その約半数が刑務所や強制収容所に収監された。こうしたナチの政策の背景には、ドイツの世界支配のために強健な兵士の大量育成が不可欠だったという理由があった。
 出産奨励に際しては、20世紀初めに欧米で成立した優生学のもとで遺伝的に「劣等」とされた障害者たちの出生を防止する断種法が作られ、出産抑制政策も同時に実行された。その犠牲者数は約40万人に上る。
 優生学自体は各国で社会改良の重要な手段と考えられ、自由主義者から保守主義者まできわめて幅広い人びとに支持されていた。しかし、実際に断種法が成立したのは、ナチ・ドイツ以外では、アメリカ合衆国の多くの州と北欧などいくつかの国だけであり、また断種手術をこれほどの規模でおこなったのはナチだけであった。
 また、杉田氏のLGBTに対する税負担を巡る議論は、ナチ体制が成立するきっかけとなった大恐慌の時代から、障害者を対象とする福祉政策の経済的負担を軽減する目的で断種政策が模索されていたことを想起させる。
 ナチ時代になると、きわめて安易な診断基準のもとで精神障害者とされた人びとに、強制的断種不妊手術が行われていった。その際、「不幸な子ども」が生まれないように、と人びとの同情心や不安を利用したキャンペーンも積極的に展開された。
 ナチ時代に人の「生産性」の有無という考え方は、療養施設などに収容されていた障害者たちを「労働可能」な患者かどうかで選別する政策にも表れた。労働ができず「生産性がない」とされた患者たちは、開戦後秘密裏に始まった「安楽死」政策の犠牲となった。その犠牲者数はドイツ占領地区も含めるとおよそ30万人となる。
 今日では優生思想と「安楽死」やホロコーストを直接的に結びつける研究者は少ない。とはいえ、ナチの優生思想は人権を全く無視したものであり、「安楽死」への道を開いたといえよう。
 ドイツは戦後、ナチによる戦争犯罪を厳しく追及してきたが、医師たちが深く関わった断種手術や「安楽死」の問題は長くタブーとされてきた。医師たちの一部やジャーナリストによってそれに光が当てられたのは、80年代前半からであり、そんなに昔のことではない。しかしその後、このナチ犯罪の過酷さに対する関心が非常に高まり、「過去」との取り組みが積極的におこなわれるようになった。
 そのようなドイツでも最近、反移民を旗印に差別発言を繰りかえす極右政党「ドイツのための選択肢」(AfD)が国会で野党第1党になった。世界的に自国第一主義や排外主義が強まる中、日本も例外ではなく、「生産性がない」といった差別的発言にはいっそう敏感になる必要がある。【聞き手・井上英介】
■きばた・かずこ 70歳。成城大文芸学部ヨーロッパ文化学科教授を4年前に退職し、現職。専攻はドイツ現代史で、ナチズムと医学を巡る論文多数。著書に「ユダヤ人児童の亡命と東ドイツへの帰還:キンダートランスポートの群像」(ミネルヴァ書房)など。ウォルター・ラカー「ホロコースト大事典」(柏書房)の翻訳に従事した。
他者を「不要」と決めつける暴力
 政治学者で東京工業大教授の中島岳志さんの話
 性的少数者に対する杉田水脈氏の「生産性がない」「不幸」という言葉は、勝手な価値判断で他者を「不要なもの」と決めつける暴力的な発想が透けて見える。私はこれに接して石原慎太郎氏が東京都知事だった2001年に暴言を吐き、批判を浴びたケースを想起した。
 石原氏は女性誌のインタビューで「女性が生殖能力を失っても生きているというのは無駄で罪」「男は80、90歳でも生殖能力があるが、女は閉経してしまったら子供を産む能力はない。そんな人間が生きているのは地球にとってあしき弊害」などと述べた。
 石原氏は後年、インタビューで脳梗塞(こうそく)の後遺症による悩みを打ち明け、自身に迫る肉体的な衰えにおびえ、繰り返し「怖い」と語った。「不要なもの」とみなしてきた存在に自らがなろうとし、自身の思想に自らが殺されているように見えた。人は誰もが少数者や弱者になり得る。誰かを「不要」と断じることは、未来の自分を殺すことでもあるのだ。
 しかし、石原氏のような存在に「ざまあみろ」という言葉を投げては、暴力的な発想を加速させるだろう。僕らの社会は、彼らも救いながら、自己責任論の悪循環を避けていかなければならない。
 杉田氏が政権与党の国会議員だという点も看過できない。杉田氏は、家父長的な家族観に強いこだわりを持つ右派団体「日本会議」に近い人物だ。今回の発言は杉田氏個人の発想というより、日本会議の発想に連なるものだろう。この日本会議のイデオロギーに近い安倍晋三首相が、杉田氏を選んで立候補させたということを忘れてはならない。安倍首相も潜在的に杉田氏と同じ発想を持っている可能性がある。
 前近代の社会は個人の性的指向におおらかだった。一方、労働力の確保と管理を重視する近代国家が誕生すると、「産まない性」は指導・矯正の対象とされ、同性愛は「特殊な存在」として排除された。「夫婦の健全な性のあり方」が規定され、それ以外の性がタブー視されるようになったのは近代国家の人口政策が要因だ。杉田氏の「生産性がない」という発言を極右勢力に限った極端な考え方だと片付けてしまえば、本質を見失うだろう。【聞き手・宇多川はるか】
■なかじま・たけし 43歳。北海道大准教授を経て東京工業大教授。専門は近代日本政治思想など。気鋭の論客として知られる。「中村屋のボース」で大佛次郎論壇賞受賞。他にも「秋葉原事件」「『リベラル保守』宣言」など多数。
相模原殺傷事件の被告と重なる
 障害者通所施設の運営に長年関わってきた日浦美智江さんの話
 杉田水脈氏の「生産性がない」という言葉が引っかかっていた。性的少数者はもちろんのこと、障害がある人やその家族が大勢傷ついたに違いない。何ということを言うのかと思う。だが、杉田氏の主張を肯定する人も一定数いるのだろう。自分たちの考える枠や基準でしか人を認めようとしない感覚が社会を覆っていると感じる。
 杉田氏の言葉に、やまゆり園事件の植松聖被告を想起した。2人の言葉に同じものを感じる。植松被告は知的障害者を「心失者」と呼び、殺害を肯定していると報じられた。人の心を勝手な基準で「ない」と決めつけた。杉田氏の主張もまた、自分の狭い枠に当てはまらない相手を、否定しているのではないだろうか。
 私は重症の心身障害を持つ大人や子供と関わる中で「命ある限り人には心はある」と確信している。植松被告が「心失」と言うからには、「心」は「失う」前にもともとあったのだろう。心を失わせた、奪ったのは誰なのか−−と私は問いたい。
 重症の心身障害を持つ人たちは、生活の全てを他人に委ねざるを得ない。それでも、地域の中で喜怒哀楽を表しながら近隣の住人たちと交流を重ね、人と人とを結んでくれた。経済的な生産活動だけではない「働き」をたくさんしてくれた。
 私自身、そんな人たちとの人間関係の中で、自分の未熟さや想像力の乏しさを自覚することができた。言葉が話せなくても、私が笑うとケラケラッと笑う女性は、一緒に暮らす中で、障害を持つ人も同じ世界に生きているということを私に気付かせてくれた。その時、彼女にいとおしさを感じた。
 自分と考えが異なっている人、想像を超えた生き方をする人と出会い、交わることは、生きる楽しみを与えてくれるのではないか。そういう関係の積み重ねが人の世界を豊かにするのだと思う。
 自分の狭い枠に当てはまらない相手を否定し、他者を心の中で殺すような社会では、豊かに生きていけない。異なる価値観を持って異なる生き方をする他者と交わり、生を実り多きものにするような社会を願っている。【聞き手・宇多川はるか】
■ひうら・みちえ 80歳。1986年、重度心身障害児・者の通所施設「朋」を全国に先駆けて横浜市に開き、最重度とされる障害があっても地域活動に参加しながら社会生活を送る取り組みが注目された。これを題材に2002年にドキュメンタリー映画が作られ、04年には障害者福祉に尽力した人に贈られる「糸賀一雄記念賞」を受賞した。
「優生保護の犯罪」と表裏の関係
 「優生手術に対する謝罪を求める会」世話人で、立命館大生存学研究センター客員研究員の利光恵子さんの話
 杉田水脈氏は寄稿で、子どもを産む可能性がないとして、性的少数者のカップルへの行政支援に反対し、子を産まないことを否定するところまで踏み込んでいる。こんな発言をする国会議員が存在していることに、大きな驚きと憤りを禁じ得ない。
 戦時中の「産めよ増やせよ」のごとく、子を産まない人は国家の役に立たないという思想の持ち主なのか。杉田氏の発言は性的少数者を差別し、傷つけるにとどまらない。子を産めない人をおとしめ、子をもうけない性行為や子を産まないという生き方の選択を排除するものだ。
 世界では「性と生殖に関する健康・権利」(リプロダクティブ・ヘルス/ライツ)という考え方が登場している。1995年に日本政府も参加して北京で開かれた国連世界女性会議の「北京宣言」に盛り込まれた。内閣府も現在、推進している。
 「性と生殖の権利」について言えば、差別や強制、暴力を受けることなく出産するかしないかを自由に決められる権利を指す。人口政策と結びつけ避妊や中絶の権利を制約することに反対している。
 子を産み育てる権利だけでなく、産まない選択も尊重する。生殖だけでなく、あらゆる「性」を認める。そこには「性的な指向」も含まれている。杉田氏はこの権利を理解せず、人に「生殖」の義務だけを負わそうとしている。
 私は、日本で戦後も続いてきた旧優生保護法下の強制不妊手術問題について取り組んでいる。今年に入って被害者から訴訟が提起され、実態が明らかになってきた。
 この問題は、差別意識に基づいて障害者から産む選択を暴力的に奪った国家の犯罪で、子を産まない性的少数者を攻撃する杉田氏の主張とは一見かみ合わないように見える。だが、性と生殖に関する個人の自己決定権を侵害している点で共通し、コインの裏表の関係にある。
 敗戦後の食糧難や人口増を背景に、国は旧優生保護法で障害者を減らして人口の「質」を高めようとし、「どんな子を誰がどんな形で産むか」を管理しようとした。いま、その人権侵害の歴史を掘り起こし、罪と向き合うことを通じて、障害者を含むすべての人の性と生殖の権利を守るために考え、行動すべき時だ。それに逆行する今回の杉田氏の発言は許し難いものだと感じている。【聞き手・日下部元美】
■としみつ・けいこ 64歳。薬剤師として働くかたわら1990年ごろから旧優生保護法下の強制不妊手術問題に取り組み、「優生思想を問うネットワーク」などのグループで活動。2016年に「戦後日本における女性障害者への強制的な不妊手術」を出版。「グループ生殖医療と差別」会員。


LGBT当事者ら「価値を決めるな」 杉田議員発言で抗議
 子どもをつくらない性的少数者(LGBT)は「『生産性』がない」とする文章を自民党の杉田水脈(みお)衆院議員が月刊誌に寄稿したことを巡り、東京・永田町の党本部前で27日、当事者や市民らが抗議の声を上げた。
 抗議行動には、当事者団体の全国組織「LGBT法連合会」などが賛同。同連合会の森谷佑未事務局次長(23)は「公人の差別発言は問題。性的指向や性自認に関する差別をなくすためには法整備が必要だ」と訴える。
 参加者は、LGBTの社会運動の象徴である6色のレインボーフラッグなどを手に、「他人の価値を勝手に決めるな」とシュプレヒコールを上げた。
 同性パートナーと参加した松木宣子さんは「自民党もLGBT施策に取り組んでいると聞いていたのでショックだった」と話す。「差別と偏見をあおる国会議員はいらない」と書かれたプラカードを掲げた編集者の川名真理さん(54)は「誰かの存在意義を、別の誰かが決めることはできない」と憤った。 (藤川大樹)


抗議 杉田議員辞職を 自民党前、LGBTなど5000人
 自民党の杉田水脈(みお)衆院議員(比例中国ブロック)が月刊誌への寄稿でLGBTなど性的少数者について「子どもを作らない、つまり生産性がない」などと主張した問題で、当事者や支援者らが27日、東京都千代田区の自民党本部前で杉田氏の辞職を求める抗議活動をした。参加者は性の多様性を意味するレインボーカラーの旗やプラカードを手に「差別をするな」「人権無視する議員はいらない」と訴えた。
 午後7時からの抗議行動には主催者発表で約5000人が参加し、次々にマイクを握って訴えた。支援活動を長年続ける原ミナ汰さんは「差別的な暴言は顔に唾を吐かれるのに等しい。今までは唾を吐かれても、いつかやむと思って黙ってきたが、暴言はボディーブローのように効いてくる。やめてくださいと言わないといけない」とアピールした。
 レズビアンの増原裕子さん(40)は「杉田氏の寄稿はヘイトスピーチで、本当にひどい。発言を容認する自民党の姿勢にも失望した」。当事者の子どもや若者を支援している団体の代表を務める遠藤まめたさん(31)は「寄稿で当事者の子どもや若者がショックを受けており、非常に憤りを感じた」と話した。
 ゲイであることを公表している明治大の鈴木賢教授は「日本は同性カップルに何の法的保障もなく、いないことにされている。国民を生産性の有無で分別する差別主義者に議員の資格はない。私たちはもう黙らない」と力を込めた。発生から2年がたった相模原市の障害者施設殺傷事件などに触れてマイノリティーへの差別を指摘した登壇者も多く「苦しむ声に向き合ってほしい。私たちは生きていていい」などと訴えた。
 抗議活動は北海道や福岡県の自民党支部前でも行われた。当事者を支援しているNPO北海道レインボー・リソースセンターL-Portの工藤久美子代表(43)は「当事者にとって、殺されるようなレベルの暴言。『死にたい気持ちになっている』『夜に一人でいられなくなった』という相談が増えた。何人死ねば分かるんだろうという気持ちだ」と憤った。
 杉田氏は「新潮45」8月号の「『LGBT』支援の度が過ぎる」と題した寄稿で、「生産性のない」LGBTのカップルに「税金を投入することがいいのかどうか」と主張。不正確な内容を盛り込みながら、差別的な持論を展開した。【藤沢美由紀、源馬のぞみ】


日弁連 「障害者差別解消法に国会も対象に」意見書公表
 日本弁護士連合会は、障害者差別解消法に国会も適用の対象とする規定を速やかに設けるよう求める意見書を公表した。2016年5月の国会審議で、筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者の参考人招致が「質疑に時間がかかる」などとして実現しなかった問題が発生し、日弁連が対応を協議していた。
 同法は16年4月施行。内閣の行政機関や地方自治体に障害者への「合理的配慮」などを義務付ける一方、国会や裁判所については「三権分立の観点から自律的に必要な措置を講じることとすることが適当」として適用対象外とされている。
 これに対し、意見書は「国会の自律的措置に任せていたのでは、差別を根絶することが困難」と指摘。「国会における差別禁止を明記する法的手当てが必要」と訴えている。
 さらに「障害のある人もない人も共に被選挙権が実質的に保障され、議員活動が保障されるよう国会議員に対する差別禁止が法令上規定されるべきだ」との見解も示した。意見書は17日付で衆参両院議長に提出された。
 日弁連は13年、「裁判所の合理的配慮義務」の規定を民事訴訟法に設けることなどを求める意見書も公表したが、立法化には至っていない。【武本光政】


自転車の事故 潜む危険を理解しよう
 自転車は手軽な乗り物だが、事故は起き続けている。利用法を誤ると人を傷つける凶器にもなる。便利さにばかり目を向けず、潜む危険をしっかり理解して安全に快適に利用したい。
 まず申し上げたいのは、自転車は道路交通法上は「軽車両」、つまり車の仲間だ。決して歩行者の延長にある乗り物ではない。
 その思いを強くしたのは元大学生が起こした事故の裁判である。
 検察によると、被告の元大学生は両手を自転車のハンドルに添え右手に飲み物、左手にスマートフォンを持ち、左耳にイヤホンをしていた。少なくとも五〜六秒はスマホを見て脇見運転をしていたという。高齢者と衝突し二日後に死亡させてしまった。元大学生は重過失致死罪に問われ検察は禁錮二年を求刑した。
 自転車の速度は一般的に時速十五キロ程度といわれる。仮にそうだとすると二十メートル近く前を見ないで移動していたことになる。事故を起こせば自分だけでなく相手方も死傷させる乗り物だということを再認識してほしい。
 自転車が関係する事故は減少傾向だが、それでも二〇一七年には九万件を超えている。自転車の通行区分は車道の左側だ。信号や標識を守り夜間はライトを点灯する。携帯電話やイヤホンの使用、二人乗り、傘差し運転は違反行為になる。安全運転を心掛けることは自動車運転と同じである。
 自転車の事故でも五千万円を超えるような高額な損害賠償を認める判決が度々出ている。自転車向けの保険は種類が増えた。こうした知識の周知も進めたい。
 事故防止には車と歩行者と通行する空間を分けることだ。自転車の活用が盛んなスウェーデンのストックホルムでは三者を分離した通行帯を設けている。ヘルメット姿の自転車利用者が快適に走っている。
 最近は東京都内を自転車で巡る外国人観光客が増えた。道の狭い日本でも、見直せるところはあるはずだし、見直すべきである。自転車レーンは少しずつ増えてきている。


国のJR支援 抜本改革には不十分だ
 経営難で路線見直しを進めるJR北海道に対し、石井啓一国土交通相はきのう、2019、20年度の2年間で400億円台の財政支援を行うと表明した。
 これまで「地域の問題」として距離を置いてきた国が支援に転じたことは前進と言えよう。
 とはいえ、2年という短期の枠組みでは、資金が枯渇しているJRの抜本改革は困難だ。
 国は早期に21年度以降の支援態勢を明確にし、道や沿線自治体とともに長期的な視点で地方の鉄路を支えていくべきだ。
 JRは、単独では維持困難とする13区間中8区間について存続に向けた支援を国に求めている。
 今回の財政支援では、路線維持のための経費を地元自治体と折半するほか、青函トンネルの維持管理や、快速エアポート増強といった増収策などにもお金を出す。
 一方でJRと道が求めていた30年度までの長期支援は見送った。
 財政支援の根拠となる国鉄清算事業団債務等処理法は20年度で期限切れを迎え、21年度以降の支援継続は法改正が前提となる。
 その前に、JRが経営改善の成果を示し国民を納得させる―というのが見送りの理由だ。
 国はJR会社法に基づく監督命令を出し、経営改善の進展を厳しくチェックしていくという。
 JRが支援にこたえて経営努力をすべきなのは当然だ。
 だが、改正案の審議が見込まれる20年の通常国会までの2年足らずで目に見える成果を求めることが、現実的と言えるだろうか。
 経営効率を重視するあまり、赤字路線が切り捨てられる事態は何としても避けるべきだ。
 現在のJRは慢性的に資金が不足し、細切れの支援で経営が上向く状況にはない。
 国鉄時代から使い続ける古い車両の置き換えさえ満足に進まず、地方路線を走る約160両の更新は手つかずのままだ。
 新製車両の投入は安全、サービス両面の向上につながるが、設計から完成まで数年かかる。
 こうした長期的な資金の裏付け抜きには実行できない計画こそ、国が下支えする必要がある。
 そもそも、JRが資金難に陥った責任の一端は国にあることを忘れてはならない。
 国鉄分割民営化の際に導入した経営安定基金の運用益は、低金利の影響で当初想定を大きく下回った。民営化31年間の制度疲労を正すには、それに見合うだけの腰を据えた関与が求められる。


外国人労働拡大  共生へ議論を深めたい
 政府が、新たな在留資格の創設による外国人労働者の受け入れ拡大策の検討を始めた。
 原則として認めてこなかった単純労働に事実上、門戸を開くもので、高度な専門人材に限っていた受け入れ政策を転換させる。
 一定の技能と日本語能力を持つと判断した人に最長5年間の在留を認める方向だ。中小企業や介護、農業など人手不足が深刻な業種での受け入れが想定されている。
 少子高齢化に伴う労働力不足が背景にあり、産業界の切迫した要望も踏まえ、安倍晋三首相が関係閣僚会議で指示した。
 これまで外国人の受け皿となってきた技能実習制度は、低賃金や給与の不払いなどが社会問題化している。劣悪な労働環境や差別的処遇も見られるが、国は実態調査や検証作業をしていない。
 現行制度を維持した上で新資格をつくるなら、国は現行制度の総括を、きちんと行う必要がある。
 今回の受け入れ拡大について政府は「移民政策とは異なる」と強調している。確かに新資格の滞在期間は原則5年で帰国を前提とし、家族帯同も認めていない。
 しかし専門分野の試験に合格すれば期間が撤廃され、家族帯同も認められる可能性がある。将来的な定住の容認も検討しており、そうなれば移民との境界は一段と曖昧になる。
 本当に必要な制度なら、新資格創設が移民とどう違うのか政府は真正面から国民的論議を喚起し、明確に説明すべきだ。
 外国人の受け入れには医療や社会保障、教育、治安など社会コストが増える。不況になれば排除するようなことは許されず、外国人労働者自身の人権が守られるよう丁寧な制度設計を求めたい。
 気になるのは働く外国人の生活を守る視点が欠けていることだ。
 実習制度と同様、家族帯同を認めていないが、5年間も家族と離れて暮らすのは酷な話だ。実習生から新資格へ切り替えた場合、10年間は別居生活を強いられる。人道上も問題だ。
 日本で働く外国人労働者は過去最多の約128万人に上る。新資格は来年4月に運用を始める予定で、数十万人規模の受け入れが見込まれる。
 日本社会はもはや外国人の支えなしに成り立たない状況となっている。現実を見据え、働く外国人が地域に溶け込める共生社会の構築を急がねばならない。
 外国人労働者の受け入れ拡大は国の在り方を問う政策転換だけに冷静に議論を深めたい。


相模原事件2年  社会に潜む差別を絶て
 相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で19人が犠牲になった殺傷事件から2年がたった。
 「障害者はいなくなればいい」と語った植松聖被告の差別的な主張は私たちに衝撃を与えた。
 だが、障害者など社会的弱者・少数者に対するゆがんだ差別意識は、いまだに社会に根強く潜んでいるのではないか。
 どう乗り越えていくのか、重い課題が突き付けられたままだ。
 事件は、全国の障害者に大きな不安を与えた。共同通信が6〜7月に障害者216人から回答を得た調査では、事件によって心や体に不調を訴えた人が3割にのぼり、不眠や外出への恐怖感を訴える人もいた。「病気がうつる」「国の税金を使っている」などと言われた経験を持つなど、差別や偏見に苦しむ姿もうかがえる。
 障害者を普通の人とは異なる存在として見下す社会の意識は、今に始まったことではない。
 今年に入り、旧優生保護法下で知的障害がある人たちへの強制的な不妊手術が各地で行われていた問題が次々と報じられた。障害者を社会から排除する考え方が連綿と続いてきたことを意味する。
 この非人道的な措置について国の謝罪は行われておらず、救済策が政治の場でようやく検討され始めた段階だ。相模原事件を生み出した背景には、障害者に関するこうした社会全体の感度の鈍さがあったように思える。
 最近、自民党の杉田水脈衆院議員が性的少数者(LGBT)カップルに関し「子どもをつくらない」「『生産性』がない」と月刊誌に寄稿し、批判を浴びた。
 「障害者は不幸をつくることしかできない」「生きる価値がない」とした植松被告の主張と底流でつながっていないだろうか。
 このような問題が繰り返されていては、社会的弱者・少数者は堂々と生きられない。世の中にはますます閉塞(へいそく)感が漂うだろう。
 23日に行われた神奈川県主催の追悼式では、亡くなった人たちのエピソードが読み上げられたが、氏名は伏せられたままだった。ネットなどで攻撃されるのを懸念する家族が多いことを物語る。
 事件を繰り返さないためには、犯行に至った動機を解明し、その過程や対応を社会全体で共有することが重要だ。それには刑事責任を追及する裁判では限界がある。
 県などを中心に、専門家の協力も得て調査・検証を行う組織をつくれないか。事件を風化させず、語り伝えていく知恵が必要だ。


最低賃金 持続的に引き上げてこそ
 厚生労働相の諮問機関、中央最低賃金審議会が、2018年度の地域別最低賃金の「目安」を答申した。
 全国平均で時給を前年度から26円(3%)引き上げ、平均874円にする。これを受けて各地方審議会が地域の実情を踏まえ、近く都道府県ごとに実際の引き上げ額を決める。
 最賃は、企業が働き手に支払わなければならない最低限の賃金だ。引き上げはパートやアルバイトなど非正規で働く人の賃金底上げに欠かせない。
 26円の上げ幅は過去最大だが、先進国水準の「全国平均時給千円」にはまだ遠い。持続的な引き上げと同時に、就労形態間や地域間の格差是正も進めたい。中小・零細企業が賃上げを継続できる環境整備も必要だ。
 今年の中央最賃審議会では、来年までに時給800円以下の地域をなくすべきだとする労働側と、中小企業労働者の全国平均賃金上昇率(1・4%)を踏まえての検討を求める経営側の主張が対立した。
 その結果、深刻な人手不足を背景に政府が昨年の「働き方改革実行計画」で掲げた3%程度の引き上げ目標に沿って決着した。官主導だが3年連続の3%相当の引き上げを評価したい。
 17年度の厚生労働省の調査では、民間企業で最低賃金の近傍で働く人は全体の4・9%、小規模事業所に限れば11・8%いる。これらの人たちの賃金引き上げは火急の課題である。
 そこで着目すべきは最賃の水準の低さだ。最賃が全国平均の874円になり、フルタイムで働いても、年収は180万円ほどだ。これで安定した生活に足る金額とは言い難い。
 地域間の格差も問題である。現在、審議会は所得や物価などをもとに都道府県をA〜Dの4ランクに分け、目安額を示している。今回も上げ幅は東京を含むAが27円、福岡などのCは25円、残りの九州6県などが入るDは23円となった。
 現在の最賃が最も高い東京(958円)と九州6県(737円)の差は時給で221円もある。目安通り改定されれば差はさらに拡大する。「同一労働同一賃金」を掲げ、地方創生をうたうなら、ランク制の再検討も必要ではないか。
 最賃アップの継続には経営体力の弱い中小・零細企業への適切な支援も必要だ。
 18年度の税制改正では、中小企業の賃上げ支援のため減税措置が拡充された。うまく活用したい。その上で国は、人件費上昇を販売価格に転嫁できるよう企業の取引条件の改善支援や、大企業が中小企業に過度な値下げを要求する不公正取引の監視なども怠ってはならない。


空白の66時間に「秘密会合」が発覚 被災者から批判高まる
「空白の66時間」の一部が明らかになった。
 西日本豪雨により188万人に避難勧告が出され、すでに多数の死者が出ていた6日の晩。安倍首相が総裁選の地盤固めのために、無派閥議員と「極秘会合」を開いていたことが発覚し、「被災者より総裁選か」と批判が噴出し始めている。24日放送の日本テレビ系のニュース番組「news every.」が「極秘会談」をスクープした。
 7月6日の首相動静は、安倍首相が午後8時まで公邸で規制改革推進会議のメンバーと会食したという内容で終わっている。しかし番組では、首相のいる公邸に無派閥議員を乗せた車が入っていく様子を捉えていた。さらに別カメラは、菅官房長官の車からある人物が公邸に入る様子を写している。映像が暗いためハッキリしないが菅長官と考えるのが自然だろう。菅長官が安倍首相と無派閥議員の間を取り持って、総裁選への協力を要請していた可能性がある。「news every.」は「無派閥議員の“とりこみ”」と報じている。
 しかし、安倍首相は前日の5日に「赤坂自民亭」と称する酒宴で酒盛りし、批判されたばかりだ。その次の日に、また総裁選のために動いていたとしたら、被災者が怒るのも当然だ。
 さすがに、ツイッター上では「いくらなんでも酷い」「アベらしいといえばアベらしい、自分のことしか頭にない」「西日本豪雨災害で犠牲者が増えていってるなか、安倍総理は総裁選にむけて、自身の3選のために黙々と動いていたのです。こんな安倍総理に3選を望みますか?」といった投稿が殺到している。
 いったい6日夜、何をやっていたのか、安倍自民党は明らかにすべきだ。


昭和と同じ…国会は一度狂えばどこまでも狂う人の集まりだ
 酷暑が人の命を脅かし続けている。そんな中、我らはうな丼でもホルモン焼きでも冷やし中華でも何でも食らい、無頼の徒たちの昭和史の映画撮影準備に追われている。資料を調べてると、いつの時代も、人は生き残ろうとするか諦めてしまうか、どっちかだと気づいた。
 73年前の7月末も、さぞかしクソ暑かったことだろう。沖縄では6月の末、日本軍は兵も弾も尽き果て、島の住民も巻き込み、米軍に壊滅させられた。それでも日本は本土決戦のために戦争はやめなかった。絶句してしまうが「2000万人特攻をして米軍に和平交渉をしかけたら、日本は全面降伏せずに済む」という、気の狂ったことを平然と言う将官がいたらしいが、いったい、どこまで国民の命を奪い、どんな国を残すつもりでいたのか想像もつかない。
 連合軍の本土侵攻が迫った6月22日「義勇兵役法」を公布し、徴兵を拡大した。これにもゾッとさせられる。15歳から60歳の男、17歳から40歳の女に戦闘を仕向け、17歳未満の少年まで召集した。先の沖縄玉砕戦で14歳から17歳の少年は“鉄血勤皇隊”に入れられ、多くが戦死していたので、この兵役法も当然のことで、「一億玉砕」の法律だった。国会議員どもが制定した。「国会」は一度狂えば、どこまでも狂う人の集まりだ。これは今も言える。豪雨災害の復旧策もままならないのに、デタラメなカジノ法を通した。ふざけた話だ。
 狂っていた昭和の夏。当時の国民のそれぞれの気持ちはどうだったか、必死で生き残ろうとしたか、疲れて諦めたのか。老い果てる最後の戦争体験者に教えてもらいたいのはそこだ。今の10代の若者にそんな好奇心があるかは疑問だが、自分の曽祖父や曽祖母に今からでも聞き取るのが平成世代の最後の仕事かもだ。
 合点がいかないのは73年前の7月27日、つまり本日、米英中から降伏勧告「ポツダム宣言」を受けた翌日、日本の新聞社が書き立てた、まるで酔っぱらいが書いたような見出しだ。「笑止、何が降伏条件だ! 米英よ自惚れるな! 聖戦あるのみ!」と。当時の鈴木首相も「そんな宣言は重要でない。今は黙殺して戦争に邁進する」と記者会見したら、世界中に、「日本は宣言を拒絶した」と報じられてしまった。
 首相以下、戦争指導者の面々は本当はどう思っていたんだか。「もう終結させよう。和平交渉だ」となんで皆で声を上げなかったのか。軍部の玉砕戦の執着に気おされたとしても、なんで、国民、政治家、学者、文学者、ジャーナリストは最後の原爆の悲劇を回避できなかったのか、生き残ろうとしたのか諦めたのか。政府はアメリカの原爆の悪だくみをほんとに知らなかったのか。ポツダム「拒絶」の日に、改めて疑問が湧いてくる。


石破の思いは自民の劣化を食い止めるか
 ★自民党の劣化に自分たちは気づかないのか、それとも目先の利益を求めるあまり、勝ち馬に乗りたいだけなのか。森友・加計学園疑惑の時もそうだ。常識的に見て首相夫人が名誉職として冠を与えられることはあるだろう。だが、それは出来上がった「もの」に対しての「称号」である。これから作ろうとする学校の名誉校長を引き受ければ、それに関係する土地取引、学校設立の動きに名誉校長の名前がついて回り、官僚の忖度(そんたく)が始まることを想像できないのか、知らないふりをしていたのか。 ★そしてそれをたしなめたり、首相の名前に傷がつくと注意する首相側近も官僚もいなかったとすれば確信犯と思うほかない。安倍政権は一連のモリ・カケ疑惑で民主主義の根幹を破壊し、政治家のみならず、官僚にもうそをつき通すようにして、公文書改ざんにまで手を染めさせた。それでも安倍の3選を党内の大半が支持し始めるのは、気づかないのではなく、知っていながら目先の利益を求めた結果だろう。その目先の利益とは何か。党や政府の役職欲しさか。だが官房、財務、国交、幹事長は指定席だから譲れない。それ以外から選べということだ。次の内閣改造は劣化の象徴になるだろう。 ★このありさまを元幹事長・石破茂はあきれて「全ての人に公正な政策や条件づくりに努めているかが問われる総裁選でなければならない。間違っても同じ党の同志をさげすむ党であってはならない。一部の人たちのために自民党はあるのではない。すべての国民に対し自民党はある。謙虚で誠実で正直な自民党、私たちはそれを作っていかなければならない」とけん制した。劣化は食い止められるのか。

原発の「再稼働阻止」には小泉元首相の力が欠かせな
 日本の政治は今、権力者、とりわけ首相は何でもできるという空気がある。その風潮を作ったのが小泉元首相だ。それまでの自民党は幅広い主張を認める政党だった。しかし、小泉氏は、郵政民営化に反対する自民党議員を公認せず、その議員の選挙区に「刺客」の候補を送り込んだ。以降、日本の政治では、権力を持つ者が何をしても許される空気が蔓延し、今の安倍政権へとつながっている。こうした政治背景を生み出した小泉氏の責任は重い。
 一方で、今の小泉氏は脱原発に力を注いでいる。朝日新聞は、小泉氏が「来夏の参院選では『原発ゼロ』が争点になるよう、野党共闘への期待感を表明した。自民党の首相経験者としては異例の主張だ」と報じた。
 脱原発をめぐる小泉氏の主な発言は次の通りだ。
▽私が「原発ゼロ」と言った時に、直ちにゼロなんて無理だと言われたが、2013年9月から15年9月の2年間は、全くゼロだった。
▽(推進を求める勢力が)強いんだな。原子力産業の裾野は広い。原発1基造るだけで今、1兆円かかる。それにつながる企業がたくさんある。労組も押さえているから、野党もはっきり言えない。
 日本は地震国であり、現在の原発は大規模地震には耐えられない。日本より事故の危険のはるかに少ないドイツは原発ゼロに踏み切った。ドイツは自然エネルギーへの新たな投資や、雇用機会の創造、費用面などを勘案して、脱原発が国益にかなうと考えたのである。
 しかし、今の日本では、国全体の利益を考えるのではなく、自分たちの利益だけを優先する勢力が政財界のあちこちで目立っている。安倍政権も原発再稼働に向けて着々と動いている。国会で反対派が多数を占めない限り、国益に大きく反する原発の再稼働は進むだろう。原発利権を狙う勢力は、再稼働に反対する個々の力よりも圧倒的に強いため、再稼働の反対を主張する力の結集が不可欠だ。革新的な意見を持つ反原発の人々の声はなかなか自民党支持者の耳に届きにくいが、そこにこそ小泉氏が果たすべき役割がある。


三反園・鹿児島県知事 就任2年 「脱原発」トーンダウン
 「脱原発」を掲げて2016年7月の鹿児島県知事選で初当選した三反園訓(みたぞのさとし)知事は28日、就任から2年を迎えた。就任直後こそ九州電力に川内(せんだい)原発(同県薩摩川内市)の即時停止を要請するなどしたが、わずか半年後には稼働継続を容認。1期目の折り返しを迎えても「脱原発」への姿勢はトーンダウンしたままで、県民からは厳しい視線が向けられている。
 「会う必要がある内容があり、公務が空いていればお会いする」。27日に鹿児島県庁であった定例記者会見で、6月末に就任した九電の池辺和弘社長と面会していない理由を問われると、三反園知事は表情を硬くした。
 九電では社長が代替わりすると原発立地自治体の首長らと顔合わせするのが慣例だが、両者の面会はまだない。玄海原発がある佐賀県の山口祥義知事は池辺社長と面会しただけに、関係者は「原発政策のスタンスをはっきりさせずに逃げているのでは」といぶかる。
 就任直後の16年8月には当時の九電の瓜生道明社長(現会長)と面会。「熊本地震で県民の不安が高まった」として川内原発の一時停止を厳しく迫った。しかし、九電に拒否されると一転。昨年2月には川内原発1号機の運転継続を容認した。
 原発の運転期間は原則40年とされるが、電力会社の申請が認められれば最長で20年延長できる。川内原発1、2号機はいずれも運転開始から30年を経過。九電が延長申請すれば三反園知事の対応が注目される。しかし、三反園知事は27日の会見で「再生可能エネルギーを推進し、原発に頼らない社会をつくるのが私の脱原発です」と述べるにとどめた。
 2年前の知事選で三反園知事を支援した県民からは「明らかな変節。『脱原発』は選挙のための方便だったとしか思えない。最後まで公約を守るべきだ」との声も聞こえる。【田中韻】

昼寝/薬の指令/別のスーパー→チヂミ/finish!

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Japon : un puissant typhon se dirige vers la région sinistrée de l'ouest
Jongdari, 12ème typhon de la saison en Asie, devrait toucher l'île principale de l'archipel, Honshu, samedi soir
Un puissant typhon se dirige vers la région de l'ouest du Japon déjà durement touchée au début du mois par des pluies torrentielles, inondations et glissements de terrain mortels, a averti vendredi l'agence météorologique japonaise.
Changement de trajectoire.
Le cyclone Jongdari, le 12ème de la saison en Asie, devrait toucher l'île principale de l'archipel, Honshu, samedi soir. Vendredi après midi, il se trouvait à un millier de kilomètres de Tokyo et à 200 kilomètres de l'île Chichijima mais, au lieu de continuer dans une direction nord-est, il devrait par la suite braquer vers le nord-ouest et aller frapper le centre et l'ouest du pays ce week-end.
Mise en garde.
Les experts météorologiques mettent en garde contre les pluies torrentielles, glissements de terrain, vents violents et hautes vagues, et demandent aux habitants d'évacuer en amont. Une large partie de l'ouest avait en effet été touchée début juillet par de terribles inondations et coulées de boue qui ont tué quelque 220 personnes, le plus grave désastre d'origine météorologique depuis 1982.
"Évacuer plus tôt". "Certaines personnes n'ont pas évacué lors des récents épisodes de pluies torrentielles parce qu'elles pensaient pouvoir s'en sortir. Nous incitons les habitants à suivre les avertissements et à évacuer plus tôt", a insisté auprès un responsable de l'agence. "Ce seront les pluies les pluies violentes depuis le sinistre du début du mois et les habitants doivent être en état d'alerte", a insisté Ryuta Kurora, un prévisionniste de cette même agence lors d'une conférence de presse. Le risque est cette fois d'autant plus grand que le terrain est extrêmement fragilisé.
フランス語
フランス語の勉強?
鮫島浩 @SamejimaH
死刑執行国はW杯決勝T進出16カ国のうち日本だけ。OECD35カ国で死刑制度が残るのは日米韓だけ。米国は半数近い州が廃停止、韓国は97年から停止。日本は世界から見て野蛮な国なのだ。上川陽子法相が涙ぐんですむ話ではない。彼女は法務省で高く評価されているとか。ぞっとする。
立川談四楼 @Dgoutokuji
日テレがスクープだ。赤坂自民亭の翌6日夜、西日本に大雨特別警報が発令される中、安倍さんが無派閥議員を極秘で公邸に招き、総裁選3選への囲い込みを図っていたことが発覚したのだ。もちろん取り持ったのは菅官房長官で、菅さんの「首相動静に出てない人とは会ってない」との嘘も同時に発覚したのだ。
本の虫 @hiro_akasaka
朝日27日朝刊に驚きの記事が載っていました。
内閣情報調査室が、安倍首相のために石破氏の非公式発言まですべて収集していたとのこと。国の機関が首相個人の利益のために動くのは歪です。自民党の憲法草案を見ても、基本的人権を形式し、あれだけ「公」を重視していたのに、公私混同も甚だしい。

岩上安身 @iwakamiyasumi
イスラエルのナチス化が止まらないと思っていたら、安倍自民党のナチス化も止まらない。首相が情報機関まで私物化。RT @hiro_akasaka: 朝日27日朝刊に驚きの記事が載っていました。
内閣情報調査室が、安倍首相のために石破氏の非公式発言まですべて収集していたとのこと。
あみろ美(育児ツイート多めのはずが反安倍 @amiromii
かつての東京オリンピックの時は、大学生の通訳などのアルバイトに制服が与えられ、お給料も普通のバイト以上だったと、通訳者の方のインタビューで読みました。2020ではボランティアのタダ働きで、しかも大学や専門学校に、授業を休講にする事まで通知するとは…学徒動員と言われるわけだ😳

部屋で仕事していましたが眠いので昼寝.
昨日のそうめん食べて眠くなった?
さて夕方ちゃんと薬を飲むようメールで指令がありました.
その後別のスーパーに呼び出し.なんだかよくわかりません.ニラなどを買って今日の晩ごはんはチヂミです.食後頑張ってfinish!できました.

海の恵み実感 南三陸の小学生、定置網漁を体験
 宮城県南三陸町は26日、町内の小学生を対象に志津川湾で定置網漁体験や藻場観察のイベントを開いた。
 志津川小や入谷小など4校から4〜6年生計12人が参加。志津川の荒砥漁港から漁師と船で湾内に向かい、定置網に掛かったスズキやアイナメを手持ちの網ですくい上げた。取った魚の魚拓にも挑戦した。
 志津川小6年の千葉倫佳さん(12)は「トビウオは思ったよりもひれが大きかった。いろいろな魚が見られて楽しかった」と海の恵みを実感した。
 町は今年、志津川湾の藻場のラムサール条約登録を目指している。児童たちは船上から、寒流と暖流の影響で多様な海藻や海草が生息する藻場の観察もした。
 イベントは、町で来年2月に国内のラムサール条約登録地の子どもを集めて開かれる交流イベント「KODOMOラムサール」のプレ企画として実施された。


災害と個人情報/過剰な秘匿は弊害を招く
 西日本豪雨で被災した自治体の間で、死者や安否不明者の氏名公表を巡る対応が分かれた。「個人情報の保護」を理由に公表を控える動きが目立ち、公表する場合の線引きもまちまちで、現場では混乱が広がる。
 個人情報保護法は原則、本人の同意なく名前などを伝えることを禁じている。だがこれには例外があり、「人命、身体、財産の保護のために必要な場合」には公表が認められる。安否確認などに役立てるためだ。
 実際、今回も氏名を公表したかどうかで、自治体の確認作業の進展に大きな違いが出た。
 例外規定は活用しなければ意味がない。個人情報の過剰な秘匿は弊害を招きかねないことを、肝に銘じるべきだ。
 不明者の公表に踏み切ったのは岡山県だ。多くの犠牲者が出た倉敷市真備(まび)町地区などで、行方の分からない40人以上の氏名や年齢などを明らかにした。その結果、生存情報が寄せられ、安否確認が一気に進んだ。
 岡山県と並び甚大な被害が出た広島県の対応は、これと対照的だ。不明者は災害に巻き込まれた可能性が高いとみなして氏名を公表しなかった。広島市は4年前の土砂災害で不明者の氏名を公表したが、今回は県の判断に合わせたという。
 ただ、広島市長は「前回の経験を踏まえると、公表した方がプラス」と語っている。県との方針のすり合わせが必要だ。
 一方、岡山県は当初、亡くなった人の氏名を伏せていた。広島県は遺族への引き渡しなどが終わった段階で明らかにし、両県の判断の違いが際立った。
 尼崎JR脱線事故でも、肉親の行方を捜す家族の問い合わせに一部の病院が答えず、批判を浴びた。同意を得る余裕がなかったとはいえ、本末転倒というしかない。緊急事態には安否確認を優先すべきだろう。
 過去、大災害や事件・事故のたびに同様の問題が繰り返されてきた。混乱を避けるためには関係機関が公表に関する判断基準を設けておく必要がある。
 今回、政府は自治体の基準づくりを支援する意向を示した。個人情報の公表を有効な手段とする指針を、全国のモデルとして示してもらいたい。


西日本豪雨 孤立集落 命綱の山道、炎天下の往復 東広島
 西日本豪雨の発生から27日で3週間。土砂崩れなどで12人が死亡し、1人が行方不明となった広島県東広島市では現在も道路が寸断され、孤立状態の集落がある。山間の同市河内(こうち)町にある大和原、野々原両地区。高齢者が多いが、集落から出るには足場の悪い山道を歩かねばならず、炎天下の往復に住民は疲労感を募らせている。【池田一生、小西雄介】
 計12世帯26人が暮らす両地区周辺では6日夜の豪雨で川沿いの県道が少なくとも4カ所が崩落し、集落が孤立した。住民らは古い山道の草を刈り、重機で岩を移して、丸3日かけて約2.5キロの迂回(うかい)路を整備した。
 「あの岩が落ちてきたら怖い」。記者が取材した25日、山道を行き来した住民は不安そうに言った。山肌に2メートルはある大きな岩が見える。道幅は約1〜2メートル。沢を渡り、急斜面を登る険しい道だ。
 倒木をくぐりながら、一輪車を押す男性がいた。大和原地区で金属加工業を営む坪見博文さん(78)。取引先に納入する約20キロの金属部品を積み、この日は山道を3往復したという。食料などは自衛隊などが届けてくれるが、それ以外は自分で運ぶしかない。「天災なので仕方がないが、いつまでこんな生活が続くのか」
 同地区で農業を営む中務清治さん(69)も豪雨以来、農業用の機械に必要なガソリン40リットルを一輪車に積み、1日おきに行き来している。「休憩しながら往復2時間半かかった日もある。体力的にはとてもつらいが、ガソリンが無いと稲がだめになる」と話す。
 猛暑と山道の往復による住民の体力消耗は激しい。市などによると、18日夕方には野々原地区の男性(63)が自宅で片付けをした後、市内の避難先へ迂回路を通って戻る途中に熱中症の症状で搬送され、死亡したという。
 県によると、三原市につながる両集落の東側の崩落箇所は8月中旬にも通行可能となる見込み。ただ、東広島市街に通じる西側はめどが立っていない。
 河内町内の自治組織の副会長で大和原地区に住む坪見忠美さん(74)によると、両地区は一時停電したが現在は復旧し、水道も使える。しかし、台風シーズンを迎え、不安は尽きない。「山道さえ使えなくなるのでは」と話し、早期の道路復旧を訴えた。


西日本豪雨 孤立集落解消せず 4052人が避難所生活
 西日本豪雨は、最初に大雨特別警報が出されてから27日で3週間となった。毎日新聞の集計では、同日午後7時現在、15府県で220人が死亡し、3県で12人が行方不明のままだ。高速道路の通行止めは2路線2区間に減少、国が管理する主要な国道の不通区間も解消した。一方、それ以外の国道で14府県の計27区間、26の道府県・政令市が管理する道路の計389区間が通行止めのまま。長期にわたり地域間の移動に支障が出ている被災地も多く、孤立集落は解消していない。
 通行止めの主な原因は土砂崩れや路肩の崩壊など。橋が落ちたり、落石が起きたりしている区間もある。大規模な工事が必要な区間もあり、解消にはなお相当の時間を要する。土砂災害は31道府県で1384カ所に上り、7府県で431世帯の孤立が続いている。
 避難指示は大規模に浸水した岡山県倉敷市真備(まび)町地区を中心に、11府県の2万3855人に発令され、10府県の4052人が207の避難所に避難している。
 農林水産業関連の被害は36道府県の1695億8000万円に膨らんだ。【土田暁彦、竹田迅岐】


西日本豪雨 真備決壊は「越水」原因か 堤防の外側削る
 岡山県倉敷市真備(まび)町地区に甚大な浸水被害を引き起こした小田川の堤防決壊について、国土交通省の調査委員会は27日、川が増水して堤防の高さを越える「越水」が引き金である可能性が高いことを明らかにした。激しい水流が堤防の外側を削って堤防の強度が弱まり、決壊を招いたとみられる。
 真備町地区では、高梁川に注ぐ小田川や、その支流の計4河川8カ所が決壊した。調査委によると、住民が洪水時に撮影した映像で、川の水が堤防の外側を削る様子が一部の決壊場所で確認できた。
 一方、川底や堤防の内側がコンクリートで覆われているのに決壊した箇所もあり、内側から堤防が壊れる「浸食破壊」の可能性が低いことも越水が原因とする判断理由になったという。
 今回の豪雨では、河川の本流の水位が上がり、支流の流れをせき止める「バックウオーター現象」が起きた可能性も指摘されている。調査委の前野詩朗委員長(岡山大教授)は「複合的な要因で決壊した可能性があり、さらに検討したい」と話している。【高橋祐貴】


土砂災害対策 「危険な国土」の再認識を
 国土交通省の集計によれば、西日本豪雨を含む7月の土砂災害(25日現在)は全国で1300件を超え、死者は100人に達した。確認作業が進めば、被害は拡大する可能性がある。
 私たちは昨夏の九州豪雨でも土砂災害の脅威を経験した。大分県中津市耶馬渓町では今春、大雨など目に見える予兆はないのに大規模な山崩れが起きた。
 「数十年に1度」とされる豪雨は毎年のように起きるようになった。教訓に学び、対策を早急に強化しなければならない。
 日本で土砂災害対策が本格化したのは、土砂災害防止法が制定された2000年以降である。前年の梅雨に広島県で300件を超える土砂崩れが起きたのが契機となった。
 山の傾斜地など同法に基づく土砂災害警戒区域の指定対象は全国で実に約67万カ所に上る。このうち九州は約14万カ所だ。日本の国土がいかに山あいに面しているか。言い換えれば、「危険と隣り合わせ」であるかを示す数字である。
 警戒区域に指定されると、市町村のハザード(被害予測)マップに記載され、避難計画作りが始まる。特に危険な地域では住居移転の補助などを受けられる。こうしたソフト面の対策をまず急ぎたい。耶馬渓の崩落現場は昨年3月に警戒区域へ指定されたばかりだった。
 近年の豪雨は海面水温の上昇に起因するとみられ、地球温暖化の影響が指摘される。自然環境の変化に比べ、法整備などの対応は遅過ぎたといえよう。
 西日本豪雨で土砂崩れと関連して目立ったのは、ため池の決壊だ。広島県ではグラウンドが崩落してすぐ下にあるため池が壊れ、流された女児が死亡した。福岡県筑前町では小学校の上流にある農業用ため池が決壊して、土砂を巻き込みながら雨水が校舎に流入した。
 ため池は貯水に役立つ半面、豪雨にはもろい。全国約20万カ所のうち約7割で老朽化が進んでいるという。要注意だ。
 住宅地への土砂流出を防ぐ砂防ダムも広島県で決壊した。砂防ダムは登山道沿いの渓流などに全国で6万基以上もある。点検を急ぐ必要がある。
 同時に九州豪雨で経験した山間部から出る流木の恐ろしさを忘れずにいたい。
 油断してはならないのは、土砂災害は都市部でも起きるという点だ。例えば福岡市の中心部でも丘陵地近くには警戒区域が指定されている。氾濫の恐れがある河川などとともに周囲に危険箇所はないか、ハザードマップなどで十分な確認が必要だ。
 夏場の天候は急変しやすい。台風や竜巻にも十分警戒し、身の安全を守りたい。


空白の66時間に「秘密会合」が発覚 被災者から批判高まる
「空白の66時間」の一部が明らかになった。
 西日本豪雨により188万人に避難勧告が出され、すでに多数の死者が出ていた6日の晩。安倍首相が総裁選の地盤固めのために、無派閥議員と「極秘会合」を開いていたことが発覚し、「被災者より総裁選か」と批判が噴出し始めている。24日放送の日本テレビ系のニュース番組「news every.」が「極秘会談」をスクープした。
 7月6日の首相動静は、安倍首相が午後8時まで公邸で規制改革推進会議のメンバーと会食したという内容で終わっている。しかし番組では、首相のいる公邸に無派閥議員を乗せた車が入っていく様子を捉えていた。さらに別カメラは、菅官房長官の車からある人物が公邸に入る様子を写している。映像が暗いためハッキリしないが菅長官と考えるのが自然だろう。菅長官が安倍首相と無派閥議員の間を取り持って、総裁選への協力を要請していた可能性がある。「news every.」は「無派閥議員の“とりこみ”」と報じている。
 しかし、安倍首相は前日の5日に「赤坂自民亭」と称する酒宴で酒盛りし、批判されたばかりだ。その次の日に、また総裁選のために動いていたとしたら、被災者が怒るのも当然だ。
 さすがに、ツイッター上では「いくらなんでも酷い」「アベらしいといえばアベらしい、自分のことしか頭にない」「西日本豪雨災害で犠牲者が増えていってるなか、安倍総理は総裁選にむけて、自身の3選のために黙々と動いていたのです。こんな安倍総理に3選を望みますか?」といった投稿が殺到している。
 いったい6日夜、何をやっていたのか、安倍自民党は明らかにすべきだ。


[相模原事件2年]私たちは何を学んだか
 相模原市の知的障がい者施設「津久井やまゆり園」で入所者19人が殺害され、26人(うち職員2人)が負傷した事件から2年がたった。事件は大量殺人の被告が同施設の元職員だったこと、犯行の理由として「障がい者は生きていても仕方がない」と述べたことから衝撃を与えた。
 被告は逮捕直後から現在も変わらず、障がい者は社会にいない方がいいとして「あれしか方法はなかった」と犯行を正当化し続けている。根底にあるのは「障がい者は社会のお荷物」という考え方で、「優生思想」にも通じる。
 事件前に被告が措置入院していたこと、犯行の理由としてこれらの考え方を挙げていることから、被告は現在2度目の精神鑑定中。ただ被告の主張は、決してまれな考え方ではない。
 共同通信が今年6〜7月に実施したアンケートでは、事件にあった元入所者やその家族、遺族が事件後「(障がいがあるから)病気がうつる」「国の税金を使っている」との発言を受けていたことが分かった。一つ一つの発言に、被告と同じく障がい者を排除する思考が見て取れる。
 神奈川県で開かれた追悼式で黒岩祐治知事は、被害者19人の氏名を伏せてエピソードを読み上げた。式後に「名前を言ってしのびたい気持ちはあったが、現時点では機が熟していない」とした知事の言葉に、障がい者が実名報道されない社会の現状がある。
 それは、障がい者を個人として見ない社会であり、障がい者の権利を奪う社会だ。
■    ■
 149人の障がい者が居住する大規模施設で起き、多くの入所者が犠牲になった事件は、障がい者を地域から切り離し、1カ所に集めておこうとする社会の課題も示した。
 1981年の国際障害者年を機に、誰もが地域で普通に暮らす「ノーマライゼーション」の理念が知られるようになったが、日本では以降も入所施設が増加。国際的には障がい者の「地域移行」が進む中、著しく遅れをとっている。
 事件を受け神奈川県は、現地に大規模施設を再建する当初の計画を撤回し、今年5月から、同園を2カ所に分け整備。入所者の地域での生活も推進するという。
 一方で、かつての同園のような入所施設は現在も全国に約3千カ所ある。
 事件直前の2016年4月には「障害者差別解消法」が施行されたが、こうした状況を見れば、同法の実現は、はるか遠いと言わざるを得ない。
■    ■
 私たちが直面する超高齢化社会は、誰もが障がい者になる社会でもある。障がい者を差別し、施設に隔離する社会を放置すれば、いずれわが身に及ぶ。そう思えば、なぜ事件が起きたか、一人一人が自分のこととして考える必要があるのではないか。
 事件後、元入所者の中には実名を出す人や、地域での生活を実践している人もいる。彼らに寄り添い、支援する一人になる。二度と同じ事件を起こさないために、求められるのは、障がいのある人もない人も本当の意味で共に生きる社会の実現だ。


相模原殺傷2年 差別のない社会築くには
 相模原市の知的障害者施設、津久井やまゆり園で起きた殺傷事件から26日で2年になった。
 「障害者は生きていてもしょうがない」。殺人罪などで起訴された元職員の植松聖被告は身勝手な主張を繰り返し、社会に衝撃を与えた。
 改めて事件に向き合い、障害の有無にかかわらず、誰もが守られ、尊重される社会の構築を目指したい。
 相模原事件は入所者19人が殺害され、26人が重軽傷を負うという凄惨なものだった。
 共同通信が全国の障害者を対象に実施したアンケートでは、回答者の3割が事件について考えた際、心身に不調などを感じた経験があった。
 看過できないのは、事件後の障害者を巡る社会の変化に対する回答である。
 「自身や家族が実際に差別的な言動を受けた」「差別されたくないと思って(自分から)障害や事件のことを口にしにくくなった」。このような選択肢を選ぶ人があった。
 戦後最悪といわれる事件が、障害のある当事者に与えた衝撃がどのように大きなものだったか。深刻な事態といえよう。
 この23日には、神奈川県主催の追悼式が開かれた。だが昨年と同様、犠牲者19人の名前は伏せられたままだった。
 被害者であるにもかかわらず、2年たっても障害者に対する偏見を恐れ、匿名を望まざるを得ない遺族がいる。そうした現実があることを受け止めなければならない。
 26日に施設前で献花した黒岩祐治知事は、「植松被告のような考えは自分の中にないのか。一人一人が向き合っていかなければならない」と語った。
 差別意識は個人の内面に宿るとの指摘だ。重い言葉として、かみしめたい。
 被告の考えは独善的だが、障害者を無用の存在とみなし、排除しようとする発想は、優生思想との関連が指摘されている。
 旧優生保護法の下で、障害者が不妊手術を強制された問題が注目を集めている。
 「不良な子孫の出生防止」を掲げる法の下、多くの障害者が子どもを持つ権利を奪われた。社会が後押しをした側面のあったことを忘れてはならない。
 共生できる社会をつくるために必要なのが、障害のある当事者の意見を生かすことだ。
 やまゆり園の建て替えも、地域で障害者との共生を目指している。小規模施設を分散して整備する。グループホームでの生活を希望する場合は、地域への移行も支援する。
 当初、神奈川県は大規模施設の建て替えを計画していたが、障害者団体などから異論が出て、撤回した。
 地域の中で暮らしたいと思うのは人間として当然のことだ。
 差別や偏見を生まないためには、幼少時から障害のある人と触れ合っていくことが重要だという指摘もある。
 命を大切にし、多様性を認める。安全な社会の基本をいかに築いていくかが問われている。


[相模原殺傷2年] 事件と向き合い続ける
 障害者への差別と偏見が生んだ悲劇が突きつけたものは何か。事件に向き合い、問い続けなければならない。
 相模原市の知的障害者施設「津久井やまゆり園」で入所者19人が殺害され、26人が重軽傷を負った事件から昨日で2年がたった。
 元職員による凶行は社会に計り知れない衝撃を与え、犠牲者遺族の悲しみは今も深い。
 異様なのは、殺人罪などで起訴された元職員の被告が事件前から「障害者は不幸をつくる」などと話し、犯行を自己正当化していることである。
 こうした独善的な思想はどこから生まれたのか。裁判員裁判の初公判は来年になる見通しだ。審理を通じて真相を解明し、再発防止につなげてほしい。
 元職員は2012年12月から約3年間、現場の施設に勤務した。おととし2月には襲撃予告の手紙を衆院議長公邸に持参。職員の少ない夜間を狙って結束バンドで縛ると記述し、事件はほぼその通りに実行された。
 起訴前の精神鑑定によると、元職員は自分を特別な存在と思い込む自己愛性パーソナリティー障害と診断され、弁護側の請求で2度目の精神鑑定が行われている。
 昨年11月以降の共同通信の接見取材にも、身勝手な持論に終始している。
 施設で働き始めた当初は「入所者が楽しく過ごせるよう協力したい」との気持ちだった。しかし、次第に「障害者は生きていくのに金がかかる」と考えるようになったという。
 意思疎通が困難な障害者への殺意を抱くようになったのは「社会からいなくなった方が良いと気付いたから」と主張している。
 なぜこうした考えになるのか。有識者は、旧優生保護法下での強制不妊手術問題でも分かるように、社会の根っこには障害者を排除する優生思想が横たわっていると指摘する。
 そうした価値観が元職員に浸透し、極端な形で噴出したのではないかとの見方だ。
 インターネット上では元職員の主張や言動を擁護するような書き込みもあり、障害者排除とも見て取れる考えはなくならない。
 事件後、遺族の要望を理由に神奈川県警は犠牲者を匿名で発表した。障害のある身内の存在を周囲に明かせず、匿名を望まざるを得ない家族の心境は理解できる。
 一方、誰が巻き込まれたかも分からず、被害者の数だけで報道される違和感もある。このままでは事件が風化してしまうと危惧する声にも耳を傾けたい。


<JR東>仙台港と松島直通列車 9月運行 車両「みのり」使用
 JR東日本仙台支社は26日、クルーズ船の乗客向けに仙台港と松島を直通する特別列車の運行計画を発表した。郵船クルーズ(横浜市)の客船「飛鳥II」が寄港する9月14、26の両日に運行し、陸羽東線の観光列車「リゾートみのり」の車両を使う。14日は乗船客以外も乗車できる旅行商品の発売も検討する。
 仙台臨海鉄道(仙台市宮城野区)の陸前山王−仙台埠頭間(5.8キロ)に乗り入れる。仙台港発着の飛鳥IIが函館港から帰港する14日、特別列車は午前10時に仙台埠頭駅を出発し、陸前山王駅からJR東北線に入り、11時20分松島駅着。復路は午後3時20分発、3時50分仙台駅に着く。
 26日は、横浜港発着で本州を1周する飛鳥IIが仙台港に立ち寄る。特別列車は午前9時45分仙台埠頭駅発で、10時半松島駅着。復路は午後3時に出発し、3時45分仙台埠頭駅に戻る。
 定員は各104人。仙台埠頭駅に仮設の乗降施設を整備する。JR東が仙台港に乗り入れるのは1997年の国際ゆめ交流博覧会以来。
 坂井究支社長は「クルーズ船の需要は全国で伸びている。今回はトライアルとして実施し、今後の検討に生かしたい」と話した。


<山形大パワハラ>懲戒規程、恣意的運用か 調査反映なら停職以上
 山形大が職員へのパワーハラスメント(パワハラ)を理由に同大xEV飯豊研究センター(山形県飯豊町)のセンター長を1日分給与半減(減給額約1万円)とした処分の決定に当たり、学内規程で本来適用すべき条項(停職以上)より軽い処分となる条項(減給以上)を選択していたことが26日、分かった。事案を調査した特別対策委員会の事実認定と食い違い、規程の恣意(しい)的な運用が疑われる。
 同大の懲戒処分に関する学内規程はパワハラについての定めがないため、セクシュアルハラスメント(セクハラ)の規定を準用するとしている。
 処分対象となる行為や処分の重さを挙げた「懲戒処分の標準例」で、セクハラは(ア)職場の上下関係に基づく影響力を用いた行為は懲戒解雇、諭旨解雇または停職(イ)被害者側の意に反し、繰り返し行われた行為は停職、出勤停止または減給−と定めている。
 学内調査を担った特別対策委は報告書で「責任者の地位を背景に職員に精神的苦痛を与え、職場環境を悪化させた」と指摘。標準例の(ア)の適用が自然なはずだが、同大は(イ)に基づいて減給1万円の処分を決めていた。
 同大の矢作清総務部長は河北新報社の取材に「役員会で一つ一つの事実を確認し、標準例の(ア)ではなく、(イ)の適用が妥当と判断された」と話した。判断の根拠は説明しなかった。
 同大は今回の処分決定に当たり、特別対策委の事実認定をほぼ踏襲。処分事由は、センター長が2016年4月〜17年2月、職員4人に(1)「ボケが!!」「役立たず」などと記した書き置きをした(2)来客の面前で「偏差値40」「小学生以下」と侮辱した(3)事務連絡メールに「無能で非常識なお馬鹿(ばか)さんへ」と記した−など計7件のパワハラ行為をし、大学の名誉と信用を傷つけたとしていた。
◎「処分軽過ぎる」学長に説明要求/職員組合
 山形大が同大xEV飯豊研究センター(山形県飯豊町)のセンター長を減給約1万円とした処分は軽過ぎるとして、同大職員組合は26日までに、小山清人学長宛てに処分決定の根拠などについて説明を求める要求書を提出した。
 要求書では(1)減給1万円の処分の根拠となる具体的な規定や条項(2)被害者への謝罪、賠償の進め方(3)パワハラが起きた原因をどう分析しているか−の3点を質問した。大学側は近く回答するとしている。
◎山形大の懲戒処分の標準例(抜粋)
【セクシュアル・ハラスメント等】
<ア>暴行もしくは脅迫を用いてわいせつな行為をし、又は職場における上司・部下等の関係に基づく影響力を用いることにより強いて性的関係を結び、もしくはわいせつな行為をした職員は懲戒解雇、諭旨解雇又は停職とする。
<イ>相手の意に反し、わいせつな言辞、(中略)身体的接触、つきまとい等の性的な言動を繰り返した職員は停職、出勤停止又は減給とする。
<ウ><エ>省略 
<オ>アカデミック・ハラスメント、パワーハラスメント及びその他のハラスメントについてはアからエまでの基準を準用し(中略)処分を決定する。


<地上イージス>深まる溝 深まらぬ議論 秋田県・市議会に再説明
 陸上自衛隊新屋演習場(秋田市)を候補地とする地上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」を巡り、防衛省は23、24の両日、秋田県議会と秋田市議会に2度目の説明を行った。6月14日の前回よりも資料こそ充実させたものの、質問と食い違う答弁が続き、内容も「検討していく」と具体性を欠く表現が多かった。同省は「丁寧に説明する」と繰り返すが、議論は深まらないままだ。
 「質問の意図を理解できましたか」。24日の市議会全員協議会。かみ合わない答弁をする岡真臣(まさみ)防衛政策局次長に、見かねた小林一夫議長が繰り返し声掛けする場面があった。
 会派「そうせい」の宇佐見康人市議は冒頭、「配備を受け入れるべきだとの声も多数ある」としながら「理解を示す人も(防衛省の)進め方に不満を抱いている」と苦言を呈した。
 宇佐見市議は「地元理解を得たとどう判断するのか」などと質問したが、答弁は抽象的な言い回しに終始し、説得力はなかった。「不信感を持つのは、こうしたやりとりで聞いたことに答えていないと感じるためではないか」と批判した。
 23日の県議会全員協議会でも、「次の世代につなぐ会」の沼谷純県議が「(新屋演習場に)何を置くかも未定。スケジュールもテロ対策も金額も未定。それでは何を納得すればいいのか」と迫った。
 岡次長の答弁はここでも歯切れを欠き、「決定していない部分が多々あるが、今後の検討状況に応じて説明していきたい」と述べるにとどまった。
 一方で前回5ページだった資料は、今回は46ページと大幅に増えた。北朝鮮の核交渉の経緯や弾道ミサイルの発射動向、日本の弾道ミサイル防衛体制、今後の現地調査の内容などが盛り込まれた。
 終了後、岡次長は報道陣に「理解が深まったかというよりは、丁寧な説明を繰り返す努力が重要だと改めて感じた」と述べた。
 2度目の説明会で「疑問が深まった」と振り返る沼谷県議。「聞きたいことに答えず、配備の必要性など説明したいところだけ詳しく話している」と防衛省の姿勢を批判する。
 28日には6月17日に続き秋田市での2度目の住民説明会がある。市議の一人は「(24日の全員協議会は)はぐらかす答弁で誠意が見えなかった。ただ既成事実を積み重ねているようだ」と述べ、説明の場でまた同じことが繰り返されかねないと警戒する。


最低賃金引き上げ/地域間格差の拡大どう防ぐ
 2018年度の地域別最低賃金の引き上げ幅が、これまで最大だった16、17年度の25円を上回る平均26円で決着した。時給の目安額は同874円となる。
 厚生労働相の諮問機関、中央最低賃金審議会の小委員会が労使間の意見の隔たりを調整し、3年連続で年3%アップを達成した形だ。少しずつでも個々の労働者の生活の向上につながるはずである。
 それでも時給は900円に満たない。安倍政権が昨年3月に掲げた目標「年率3%引き上げを続けて、平均1000円にする」には遠い。
 増え続ける非正規労働者の待遇改善は、先ごろ成立した働き方改革関連法の柱の一つでもある。時給874円では週5日働いたとしても年収200万円に届かず、ワーキングプア層を脱しきれない。
 最低限度の生活に見合う水準とは言えまい。引き続き、着実な底上げが求められる。
 東北地方は、目安額を各県の経済実態を踏まえて決めたランク分け(A〜D)で常に下位に置かれる。Cランクの宮城は引き上げ額が25円。他の5県は最低のDで23円にとどまった。東京などが入るAは27円で時給1000円に迫る。まだ700円台の東北との格差は広がる一方だ。
 総務省の17年の調査では、希望しても正社員の働き口がない人の割合を示す「不本意非正規」が、宮城以外の5県で16%前後と高水準だった。やむなく非正規労働に携わり全国最低クラスの賃金にあえぐ就業実態のままでは、賃金の高い大都市圏への労働力流出を加速させてしまう。
 労働側は今回、地域格差是正に向け、Dランク16県の35円増を求めたが、経営側は中小・零細企業の賃金上昇率(1.4%)を踏まえるよう主張。結局政府が求める3%増の線で折り合う形となった。
 中小企業の経営は依然、不安定要素を抱える。経費に占める賃金比率が高く「価格転嫁も難しい」と漏らす経営者は少なくない。人手不足感から引き上げに同調せざるを得ないのが実態だろう。賃金不払いなど法令順守に背いたり人員削減で経営縮小に追い込まれたりしたら本末転倒だ。
 政権主導の賃上げであるなら、無理なく取り組めるよう国の支援策強化は欠かせない。中小企業の生産性向上につながる手厚い助成金制度の充実が一層求められよう。
 そもそも「官製賃上げ」への疑問は当初から労使双方にあった。事実上、政権の意向で賃金が左右される構造を温存すれば、ただでさえいびつな制度をさらにゆがめかねない。決定プロセスの在り方自体も検討し直すべき時だ。
 きのう厚労相に目安額が答申され、都道府県の地方審議会は10月をめどに金額を改定する。最低賃金は労働者の生活の土台であることに変わりない。地域企業の持続的経営とのバランスを見極め、適切な着地点を定めてほしい。


最低賃金改定 格差是正へまだ足りぬ
 二〇一八年度の最低賃金の引き上げ幅は時給二十六円となる。大幅引き上げとなった一昨年度、昨年度を上回ったが、手放しでは喜べない。額に汗して働いて生活できる額にはほど遠いままだ。
 フランスは時給千三百円、英国千百七十円、ドイツ千百六十円。米国は八百十円だが州により千円を超える。各国の最低賃金額である。
 それに比べると厚生労働省の審議会が示した目安は全国平均で八百七十四円だ。二十六円引き上げられるといっても日本の労働者は依然として低い最低賃金で働いている。
 年収にすると二百万円にも満たない額である。働く人の四割を占める非正規労働者は二千百三十三万人に達した。最低賃金に近い賃金で働く人にとってはとても安心して暮らせる額ではない。
 最低賃金は、企業が払う賃金の最低額で働く人すべてに適用される。改定は労使が参加する審議会で議論され、非正規労働者の“春闘”といえる。
 安倍政権は昨年三月にまとめた「働き方改革実行計画」で3%程度の引き上げ目標を掲げた。改定はそれに沿って決着した。率は三年連続の3%程度のアップだ。
 確かに引き上げは着実に進む。だが、政府は以前から全国平均千円を目標に掲げているが届かない。欧州とはさらに差がある。
 格差は都市と地方との間にもある。最高額の東京と最低額の沖縄などとの差は今より四円広がる。都市部では千円に迫るが、十九県がなお時給七百円台にとどまる。
 政府は「働き方改革」で非正規労働者の「同一労働同一賃金」の実現を掲げる。最低賃金アップは実現へ重要な労働条件のはずだ。
 非正規の正社員化への取り組みを進めながら、最低賃金の底上げへさらなる努力をすべきだ。今回の引き上げを安倍政権の実績にするのは早計だろう。
 六月に成立した「働き方」関連法では非正規の待遇改善が盛り込まれた。企業の対応は急務だ。人件費を抑えることより、商品価格や賃金を上げられる生産性の向上に取り組んでほしい。
 審議会の議論では経営側から、「生産性向上に向けた政府の支援策は不十分だ」との注文がついた。政府は積極的に税制優遇や設備投資などへの支援、後継者難の事業者への支援をすべきだ。
 最低賃金で保証すべきは、だれでもどこでも普通に働いて暮らせる社会の実現だということを忘れないでほしい。


余録 今日では血で血を洗う復讐の連鎖のたとえにされる…
 今日では血で血を洗う復(ふく)讐(しゅう)の連鎖のたとえにされる「目には目を」である。古代バビロニアのハムラビ法典が掲げる法理だが、そもそもが目をくりぬくような残虐な身体刑を連想させてイメージがよくない▲だが実はこの条文、刑罰は被害に見合ったものでなければならない−−つまり事件を終わらせて復讐を防ぐのが本意だという。多くの部族の共存する王国にあって、悪事で破られた平和と秩序を回復するための「目には目を」であった▲犯した罪科にふさわしい刑罰が下されれば、世界は元のバランスを取り戻すというのが因果応報(いんがおうほう)の物語だろう。そんな自然な応報感情からすれば、いくつ命があっても償いきれない無差別大量殺人がなされたオウム真理教事件だった▲新たに死刑囚6人の刑が執行され、これで死刑囚13人を含め一連の事件で有罪となった190人全員の刑が執行された。法の裁きが終わったとしても、被害者の生命はもちろん、事件で破壊された世界がこれで回復したわけではない▲荒唐無稽(こうとうむけい)な教義が若者を拘束し、大量破壊兵器を自作・使用するという事件は、犯罪である以上に社会の深刻な病理を示していよう。この社会の内から生まれた不気味な暴力は先進国社会の無差別テロの時代を先取りする形となった▲法による応報の物語は終わろうと、「目には目を」では元に戻せない現代文明の病根である。憎悪や暴力の誘惑、若者の心の渇き、権威への盲従など、「終わりなきオウム」と向き合わねばならない21世紀だ。

オウムの死刑 制度の在り方の論議も
 オウム真理教事件の死刑囚六人の刑が執行され、事件の死刑執行はすべて終わった。だが、日弁連などは死刑制度の廃止を求める声明を出している。不透明な制度の在り方などの論議は必要である。
 七月だけでオウム事件の幹部ら十三人が処刑されたことに異様さを感じる人も多かろう。これほどの人数の死刑執行がなされたことがないからだ。法務相によっては宗教観などから執行命令書に署名しない人もいた。ある同省幹部が「平成の事件は平成のうちに」と語ったと伝えられる。
 来年の天皇陛下の退位を念頭に置いた発言だろうが、それにしてもなぜオウム死刑囚に限っての一斉処刑なのかの答えにはならない。前回は元代表の麻原彰晃元死刑囚やサリン製造役が中心で、今回は林泰男死刑囚ら地下鉄サリン事件の散布役が中心だった。
 法務省は一連の執行順序についての理由をほとんど説明しないでいる。不透明だといわざるを得ない。「執行は当然」という遺族の方々の心情はもっともである。それでも心神喪失が疑われたり、再審申し立てやその準備の段階にある場合はどう判断しているのか、それを国民に説明しない姿勢には疑問を持つ。
 死刑は国家権力の最大の行使でもあるからだ。一〇年の千葉景子法相時代は報道機関に刑場の公開をしたこともあるが、それ以降はそんな雰囲気も消えてしまった。
 近代刑事法は「あだ討ち」を否定し、犯罪への応報と更生をめざしている。かつ死刑囚の冤罪(えんざい)が明らかになった事例もある。
 世界百四十二カ国は死刑の廃止・停止であり、欧州連合(EU)に加盟するには、死刑廃止国であるのが条件になっている。OECD加盟国でも、死刑制度があるのは日本と韓国・米国だけだ。でも韓国はずっと執行がない事実上の廃止国である。米国も十九州が廃止、四州が停止を宣言している。つまり、死刑を忠実に実行しているのは日本だけなのだ。
 誤った司法判断なら取り返しの付かない究極の刑罰であり、究極の人権を奪う刑罰でもある。内閣府の世論調査では「死刑もやむを得ない」が八割だが、うち四割は「状況が変われば将来的には死刑を廃止してもよい」。終身刑の導入なら「死刑を廃止する方がよい」が四割である。
 国連からは死刑廃止の勧告を何度も受け続けている。もっと国際的な批判を真面目に受け止めた方がよかろう。


オウム死刑囚、刑執行終える 究極の権力行使、説明を
 死刑執行は本人にも当日まで告知されないなど極秘裏に準備が進む。執行後に法務省が公表するのは氏名と犯罪内容、執行場所のみで、選定理由すら明かされない。その姿勢はひと月で計13人という前例のない「大量執行」でも徹底された。
 異例だったのは人数に限らない。共犯の死刑囚は同日に執行される例が多いとされてきたが、13人の同日執行は拘置所の態勢などから難しく、7人と6人に分けざるを得なかった。だが、結果として今回の6人に「事前告知」をしたに等しい状況となった。
 執行を回避する傾向にあった再審請求中の死刑囚への対応も変化している。法務省は昨年、複数回目の再審請求中だった3人に執行した。死刑囚の8割が再審請求中という現状に同省幹部は「執行逃れで請求を繰り返す例も多い」と危機感を示すが、13人の一部は初の再審請求中だった。
 2度の記者会見でこうした点を問われた上川陽子法相は「執行を待つ者の心情を害する恐れがある」(6日)などとして説明を控えた。だが、制度運用のあり方を含めた議論を深めるためにも、情報の公開範囲を再考すべきではないか。
 死刑制度は世論の高い支持があるが、今回の連続執行は国家による究極の権力行使であることを改めて印象づけた。また、重要な役割を担った教団元幹部が事件を語る機会も失われた。平成最悪の事件が風化することがないよう、次世代に引き継ぐ努力が求められる。【和田武士】


オウム死刑執行  懸念される事件の風化
 地下鉄、松本両サリン事件などオウム真理教による事件に関わったとして、殺人などの罪に問われ、死刑が確定した教団元幹部ら6人の刑が執行された。
 松本智津夫元死刑囚(教祖名・麻原彰晃)を含む7人の刑は今月6日に執行されており、教団による一連の事件で死刑が確定した13人全員の執行が終わった。
 事件は世界を震撼(しんかん)させた。判決で認定された死者は計27人。起訴後の死亡者などを含めた犠牲者は29人に上り、国は6500人以上の被害者を確認している。
 だが、教団が数々の凶行に手を染めた背景が、裁判で完全に明らかになったとは言い難い。死刑執行によって、教団幹部たちが真相を語る機会は永久に失われたことになる。
 武装化し、テロまで企てた教団に、医師などのエリートを含め多くの若者が身を投じたのはなぜなのか。
 謎や疑問が解消されないまま、適切な再発防止策を確立することは困難だろう。
 地下鉄サリン事件で夫を亡くした高橋シズヱさんは「執行はされても、後遺症を抱える人や遺族の被害は続いている」と語った。
 多大な犠牲を払って得た教訓を、次の世代へ継承しなくてはならない。だが、教訓と言えるはっきりしたものがつかめたといえるだろうか。
 国には今後、服役している元信者の証言を得るなどして、検証に取り組んでほしい。これで終わりとすれば、事件は風化する一方にならないか心配だ。
 国際的に死刑廃止の流れがある中、短期間に13人もの死刑を執行したのは極めて異例である。今回の執行を節目に、死刑存廃の議論の行方も注目される。
 法務省は死刑制度を存続させる根拠に国民世論の支持や、被害者、遺族の思いを掲げている。今回の執行は未曽有の事件に強い姿勢を示したといえる。
 だが、先進国には世論の支持にもかかわらず廃止した国もある。
 6日の執行は各国や人権団体が批判し、欧州連合(EU)などが「死刑廃止を視野に入れた執行停止の導入を(日本に)呼び掛ける」とする声明を出した。批判をどう受け止めたのだろう。
 死刑制度を巡る情報が十分開示されていないことも問題だ。制度の賛否とは違う次元の問題として、国民一人一人が制度に向き合い、議論を深める時期に来ているのではないか。


オウム全死刑執行 テロ犯罪を防ぐ教訓に
 地下鉄、松本両サリン事件などオウム真理教による事件に関わった教団元幹部ら6死刑囚の刑がきのう執行された。法務省は、松本智津夫元死刑囚=教祖名麻原彰晃=らオウム事件での死刑確定者全員の刑執行を終えた。
 松本元死刑囚が首謀した坂本堤弁護士一家3人殺害事件(1989年)、松本サリン事件(94年)、地下鉄サリン事件(95年)など世界を震撼させた一連の事件では29人が死亡し、6500人以上が重軽症を負った。裁判で教団関係者13人の死刑、6人の無期懲役が確定。今回の死刑執行で刑事手続き上は大きな区切りとなる。
 ただ、これで終わりにしてはならない。なぜこのような凶悪犯罪が起きたのか。多くの普通の若者が凶行に手を染めてしまった原因は何だったのか。裁判では核心部分の真相を究明できなかった。組織的テロ事件の未然防止に向けた教訓にするためにも、国には不断の検証が求められる。
 さらに、松本元死刑囚を教祖とあがめる後継団体が活動を続けるなど、国民の不安や恐れが解消されたとは言えない。警察当局は、住民の安全のため万全の態勢で対応してほしい。
 被害者家族らの間には、早期の死刑執行を望む声と、教団幹部らが真相を語るよう手を尽くすべきだとする声が交錯していた。遺族にとって死刑執行が心の区切りになったとすればそれは喜ばしいことだ。一方で犯行に深く関わった教団幹部たちが真相を語る機会が失われ、全容解明の道は険しくなったことも事実だ。
 一連の裁判は今年1月に終結したばかりだが、なぜこれほど急いで刑を執行しなければならなかったのか。教団関係者より先に刑が確定した死刑囚は30人以上おり、飛び越して執行したことは公平性を欠かないのか。こうした疑問に対し、法務省は丁寧に説明する必要がある。
 法務省内では、2019年は天皇陛下の退位と新天皇の即位に伴う皇室行事、20年には東京五輪・パラリンピックが開催されることを踏まえ、死刑執行は「18年中しかない」との意見が大勢を占めたとされる。だが、21年以降という選択肢もあったのではないか。
 今回の死刑執行に伴い、死刑制度の在り方も改めて問われている。国内世論が死刑容認に傾いたのはオウム事件の存在が大きかった。一方で15年に政府の世論調査で「終身刑を導入した場合の死刑制度の是非」について初めて質問したところ、死刑容認派は80%から51%に減少した。死刑制度の存廃について議論する好機と捉えたい。
 今なすべきことは、未曽有の凶悪事件の記憶を風化させないことだろう。事件から得た教訓を次世代に語り継ぐことも不可欠だ。それが今後、同じようなテロ事件の再発を防ぐことにつながる。


オウム死刑執行 政府に説明を求める
 ひと月足らずの間にオウム真理教の死刑囚13人全員に刑が執行された。同時期にこれほど多く死刑が執行されるのは極めて異例である。にもかかわらず、政府が具体的な経緯を何も説明しないのは納得がいかない。
 なぜこの時期なのか。6日に同時執行した7人と、きのうの6人をどういう理由で分けたのか。3週間近く間を空けたのはなぜか。分からないことばかりだ。
 上川陽子法相はきのうの記者会見で「慎重な検討を重ねて執行を命令した」と述べるにとどまった。6日の会見でも「個々の執行判断に関わることは差し控える」と回答を避けている。
 教団を率いた松本智津夫(教祖名・麻原彰晃)元死刑囚は精神に変調を来した可能性が指摘されていた。心神喪失の状態であれば、刑の執行は停止される。執行できるとどうやって判断したのか。政府は根拠を明確に示すべきだ。
 再審を請求していた元死刑囚もいた。4人は1回目の請求だったという。上川氏は、再審事由がないと認めた場合は執行を命じると述べているが、裁判所の判断が出ていないのに、政府がなぜ、事由がないと断じられるのか。
 かたくなな秘密主義は、手続きの公正さに疑義を抱かせる。かつて執行の事実さえ伏せていた時期を経て、事後に名前を公表するようにはなったが、執行に至る経緯は依然、覆い隠されている。
 地下鉄サリン事件をはじめオウムによる一連の事件は多くの死傷者を出した。死刑が定められた現行法の下では、免れる理由を見いだせない重大な犯罪である。
 ただ、死刑は国家が人の命を奪う究極の刑罰だ。今回の大量執行には国際社会からも厳しい目が向けられている。そのことも踏まえ、死刑制度について、あらためて議論を深める契機にしたい。
 国連は1989年に死刑廃止条約を採択した。事実上の廃止を含め140以上の国が死刑をなくしている。先進国で残しているのは日本と米国の一部の州だけだ。
 日本でも、政府が存続の理由としてきた「国民の大多数の支持」に変化の兆しがある。内閣府の世論調査では、終身刑が導入されれば廃止して構わないと答えた人が4割近くに上った。
 裁判員に選ばれれば、誰もが死刑に向き合う可能性がある。制度のあり方や存廃について、広く社会で議論することが欠かせない。情報公開はその土台である。オウム事件の死刑執行について、政府は口を閉ざしてはならない。


オウム全死刑囚、刑執行 若者に教訓を伝え続けよ
 坂本堤弁護士一家殺害事件や地下鉄、松本両サリン事件など一連のオウム真理教事件で死刑が確定していた13人全員の刑が執行された。社会を震撼(しんかん)させた未曽有の事件は事実上、刑事手続きが終わった。だが「これでオウム事件は終わった」としてはならない。
 事件を知らない若い世代には、オウムに引き寄せられた死刑囚や信者らと同じように、疎外感や閉塞(へいそく)感を抱えている人が少なくない。凶行に走らせる土壌はいまなお払しょくされたとは言い難い。事件を繰り返し検証し、教訓を伝え続けなければならない。
 一連の事件の犠牲者は29人、負傷者は6千人以上に上る。入信前に犯罪とは無縁だった若者たちがなぜ、こんな狂気にとりつかれたのか。首謀者の松本智津夫元死刑囚は無論、幹部であり実行役だった12人の刑執行により、闇に葬られた形となった。
 松本元死刑囚は宗教上の師を意味する「グル」と呼ばれ、その指示は絶対的なものだった。理不尽な命令にも従うことが修行とされた。裁判で弁護側はマインドコントロールで抵抗できなかったと主張したが、マインドコントロールにより責任能力が限定されたとは認められなかった。
 むしろサリン散布を巡り林(現姓小池)泰男死刑囚=26日刑執行=が「断ればリンチで殺される」などと供述したように、教団の軍隊化に起因するとの指摘もある。とはいえ、元幹部らの証言からは事件の全体像を理解することはできない。社会の現実に違和感を持ち入信した若者たちの思いがねじ曲げられていった過程は未解明な部分が多い。
 社会への鬱屈(うっくつ)とした思いから若者が反社会的な行動に走る構図は、東京・秋葉原や神奈川・相模原市の障害者施設で起きた殺傷事件とも共通しているのではないか。最近では会員制交流サイト(SNS)が居場所や不満のはけ口になり、サイトを通じて過激な思想に感化され、暴走する恐れもある。
 国はそうした若者の救済、受け皿作りを主導する必要がある。だが、今回の刑執行では「平成の事件は平成のうちに区切りを付ける」の大方針のもと、ふたをしてしまおうとの姿勢が如実に伝わる。
 上川陽子法相は「命を奪われた被害者やご遺族、一命を取り留めた方々の恐怖、苦しみ、悲しみは想像を絶する」と述べた。世論や遺族・被害者の思いを前面に、死刑制度の存続を改めて示したといえる。わずか20日間で13人の刑執行は異例であり、国際的に死刑廃止の流れが進む中、内外で批判が高まっている。
 問題なのは、判決から執行に至るまでの過程がほとんど明らかにされていないことだ。死刑の廃止か、容認か、どちらかの立場を取るにしても、国民が十分な情報に基づいて議論を深められるよう、環境を整える必要がある。さらに、オウム事件の公判記録を早急に公文書館に移管するなど、研究者らの活用に資するよう配慮すべきだ。


オウム6人死刑執行/検証と継承が必要だ
 坂本堤弁護士一家殺害事件や地下鉄、松本両サリン事件など一連のオウム真理教事件で死刑が確定した教団元幹部ら6人の刑が執行された。「麻原彰晃」の教祖名で知られ「首謀者」とされた松本智津夫元死刑囚ら7人の刑は今月6日に執行された。それから、わずか20日。再び同時執行が行われ、死刑確定者13人全員の執行が終わった。
 上川陽子法相は記者会見で「命を奪われた被害者やご遺族、一命を取り留めた方々の恐怖、苦しみ、悲しみは想像を絶する」と述べた。死刑廃止は国際的な潮流となっており、先の同時執行に内外で批判が高まる中、世論や遺族・被害者の思いを前面に掲げ、死刑制度を存続させる姿勢を改めて示したといえよう。
 短期間で13人もの死刑が執行される異例の展開によって未曽有の凶行を繰り返し、社会を震撼(しんかん)させた事件の刑事手続きは大きな区切りを迎えた。しかし国が確認している6500人以上にも上る被害者の救済は道半ばだ。いまだに多くの人が後遺症に悩まされ、教団の後継団体が約束した賠償金も支払われない。
 さらに遺族も含め高齢化が進む。遺族の一人は「執行はされても被害は続いている」と語った。今なお続く被害から目をそらさず、捜査や裁判を通じて十分解明されたとは言い難い事件の検証と教訓の継承に社会を挙げて取り組んでいくことが求められる。
 法務省は一連の死刑執行について順番の理由を明らかにしていないが、関与した事件の数や教団内での地位などを考慮したとみられている。6日に執行された7人は首謀者である教祖の松本元死刑囚のほか、国家を模した省庁制を導入していた教団内で大臣や長官を名乗っていた。この中にはサリンの製造役もいた。
 今回の執行の対象となった6人は主に実行役。教団内の地位はそれほど高くなかったとされ、地下鉄事件で見ると林泰男や豊田亨ら4死刑囚はサリンの散布役だった。もう一人、元幹部の林郁夫受刑者もサリンをまいたが、自白して事件の真相解明に協力したことから無期懲役となった。
 このように事件における役割分担はほぼ分かっている。ただ入信前に犯罪とは無縁だった若者たちがなぜ凶行に走ったのかは依然として闇に包まれている。松本元死刑囚の指示は絶対で、理不尽な要求に従うことも修行とされ、林死刑囚もサリン散布を巡り「断ればリンチで殺されると思った」などと供述した。
 裁判で弁護側はマインドコントロールで抵抗できなかったと訴えた。ほかに同様の主張をした死刑囚もいたが、マインドコントロールにより責任能力が限定されたとは認められなかった。とはいえ、社会の現実に何らかの違和感を覚え、入信した若者たちの思考がゆがめられていった過程には未解明の部分が多い。
 教団は三つの団体に分かれ、活動を続けている。公安調査庁などは、いずれも松本元死刑囚の影響下にあるとみているが、新たに一定数の信者を獲得しているようだ。
 社会が向き合わなければならない「なぜ」が、この事件には残っている。その風化が懸念され「23年もたつと、現実に起こったことだと想像できなくなっているのが恐怖だ」と話す遺族もいる。重い教訓として胸に刻みたい。


オウム全死刑囚執行 未曽有のテロ 風化は許されない
 地下鉄、松本両サリン事件などオウム真理教による一連の事件で、死刑が確定した13人全員の刑が執行された。国家の転覆まで狙うという未曽有の凶行となった事件の刑事手続きが事実上、終わった。
 松本智津夫元死刑囚ら幹部7人の死刑を執行した6日から20日後、6人の刑が執行された。短期間に死刑囚全員の刑が執行されたことで、事件自体を過去のものとする風潮が社会に生まれるのを強く危惧する。6500人を超える被害者にとって事件が終わることはなく、いつまでも続く。記憶の継承と事件の検証により無差別テロを根絶することは、社会の責務であることを肝に銘じたい。
 死刑執行を公表するようになった1998年11月以降、同じ月に複数回執行したのは初めてとなる。しかし、今回の執行の時期について、6日と同様に上川陽子法相は「個々の死刑執行の判断に関わる事柄であり、答えは差し控える」と理由を明らかにしなかった。先進国の多くが死刑を廃止している中で公権力が人命を奪うことについて、上川法相には説明責任がある。
 内閣府が3年前に公表した世論調査で死刑制度を容認する人は80%だったが、終身刑を導入した場合という条件が付くと、容認は51%に減った。死刑制度とどう向き合うのかについて、世論も難しい判断を迫られている。上川法相は存廃を検討する考えはないと言明しているが、情報を最大限公開して存廃に関して議論することは不可欠だ。
 被害者や遺族にとって事件の被害は今も続いていることを、社会全体で改めて共有したい。遺族の喪失感は消えず、真相究明への願いはかなえられていない。重い後遺症に悩まされている人や、心的外傷後ストレス障害(PTSD)に苦しむ人が数多くいる。公的に被害者らを手厚く支援する仕組みを充実させることが必要だ。
 犯行に深く関わった教団幹部らが、真相を語る機会が永久に失われた損失は確かに大きい。しかし、まだ全てを話していない元信者は残っている。膨大な事件の裁判記録もある。これらを公文書として保存し、テロ、カルトの研究者やジャーナリストが活用し、検証できるようにすることを国に求めたい。
 松本元死刑囚の影響下にあるとされる後継団体の主流派「アレフ」と、元幹部上祐史浩氏が設立した「ひかりの輪」、アレフから分派した新団体の三つに1600人以上の信者がいる。これら信者の動向を注視する必要がある。松本元死刑囚の遺体を巡っては、四女と三女らそれぞれが引き取りを求めるなどした。さらなる混乱が生じ活動が先鋭化する懸念もあり、警戒を怠ることはできない。
 今もオウムの事件が突き付けた課題を克服できずにいる。疎外感を受けた若者が引き起こす事件は後を絶たない。二度とオウムを生み出さないよう社会全体で考え続けねばならない。


[死刑制度] 情報公開し存廃議論を
 オウム真理教による一連の事件で死刑が確定した13人全員の刑が執行され、日本の死刑制度の在り方が内外で波紋を広げている。
 「その時がきた」「仕方ない」とする声がある一方で、日本弁護士連合会は「重大な人権侵害」と抗議した。
 欧州各国は「極刑に強く明確に反対する」とし「死刑廃止を視野に入れた執行停止の導入を呼び掛ける」などとする声明を出した。
 国際的に死刑廃止の潮流がある中、国内には容認論と廃止論がある。いずれの立場を取るにしても、国民が十分な情報と理解に基づいて議論を深められるような環境を整える必要がある。
 国際人権団体アムネスティ・インターナショナルによると、昨年末時点で死刑廃止国は106カ国に上り、1997年を最後に執行していない韓国など、制度はあっても10年以上執行のない事実上の廃止国も増えている。
 そんな中で上川陽子法相は、6日に松本智津夫元死刑囚ら7人、昨日6人の執行を命じた。短期間で極めて異例の人数である。
 記者会見で上川法相は「慎重な判断を重ねた」と強調したが、執行に至った経過はほとんど明らかにしていない。
 なぜ今の時期なのか。先に刑が確定した死刑囚がいるのに飛び越えて執行したのはなぜか。「訴訟能力がない」との指摘もあった松本元死刑囚の執行時の精神状態はどうだったか。疑問は多々ある。
 とりわけ松本元死刑囚は96年に始まった裁判の途中から意味不明の発言を繰り返し、やがて一言も発しなくなった。判決が確定した後は、家族も面会できなくなる異例の経過をたどった。
 上川法相は「医師の診療を受けさせるなど慎重な配慮がなされている」と一般論を述べたが、松本元死刑囚の精神状態をどのように判定したのか。適正手続きの観点からも詳しく説明すべきだろう。
 内閣府が2015年に公表した世論調査で死刑制度を容認する人は80%を超えたが、終身刑を導入した場合の是非を質問すると死刑容認派は51%に減った。
 死刑は国家が国民の命を奪う「究極の刑罰」である。冤罪(えんざい)の被害者に刑を執行してしまえば取り返しがつかない。終身刑の導入も検討してはどうか。
 今回の執行を機に死刑の存廃論議が高まることを期待したい。
 裁判員裁判で一般市民が死刑と向き合う機会はこれからも増えていく。究極の判断を迫る以上、死刑囚の処遇や執行に至る法務当局内の議論など、幅広い情報公開が不可欠である。


司法取引初適用/国民の信用を得る制度に
 6月にスタートした司法取引が初めて適用された。
 タイの発電所建設に絡む外国公務員への贈賄事件で、東京地検特捜部と大手発電機メーカー「三菱日立パワーシステムズ」との間で成立した。
 特捜部は元取締役ら3人を在宅起訴した。捜査協力した法人は、司法取引の合意内容に基づき不起訴処分とした。
 外国を舞台にした贈賄事件は発覚しにくく、摘発の端緒になったと評価する声もある。企業による不正の自己申告が、健全なビジネス環境整備につながるという指摘も出ている。
 一方で、今回のケースは社員が企業の幹部を告発するという想定とは逆の構図となった。「組織犯罪で上層部を訴追するという本来の趣旨から外れる」という批判的な意見も根強い。
 制度が適切に運用されたのかという懸念に対して、検察は客観証拠による裏付けを十分に行い、公判で明らかにすべきだ。
 司法取引は、容疑者や被告が共犯者らの犯罪について、捜査・公判に協力する見返りに、起訴を見送ってもらったり、求刑を軽くしてもらったりする。今回のような財政経済犯罪や薬物・銃器犯罪が対象となる。
 起訴状によると、2015年2月、タイに資材を荷揚げする際、同社の元取締役らは現地の公務員から許可条件に違反すると指摘された。黙認してもらうなどの便宜を受けるため、現金1100万バーツ(約3900万円)を渡したとされる。
 三菱日立パワーシステムズは、15年3月に内部告発で不正を把握し、調査後に東京地検へ報告していた。
 法人が有罪になれば、国際的なプロジェクトへの参加や、国際金融機関からの融資が困難になる恐れがある。司法取引を選んだ会社の判断は不祥事対応の新たな選択肢となるとされる。
 しかし賄賂額は高額で、会社の事業遂行のためであり、個人の犯罪とするのは違和感が拭えない。組織性の強い犯罪で会社を守るために運用されるなら国民の信用は得られず、不正が隠蔽(いんぺい)される可能性がある。
 企業にとってコンプライアンスの向上は当然だ。海外でのビジネスで、社員を犯罪から守る仕組みが求められる。


開示請求漏えい 野田氏の責任は免れぬ
 野田聖子総務相に関わり朝日新聞が金融庁に行った情報開示請求の内容が、開示前に野田氏側に漏えいしていた。金融庁は職員を処分する方向で検討している。
 請求されたのは、仮想通貨取引に関する規制について、野田事務所の秘書が1月に仮想通貨関連会社の関係者を同席させ、金融庁から説明を受けた際の面談記録だ。
 この会社は当時、資金決済法に抵触する無登録営業の疑いで金融庁の調査を受けていた。直接の利害関係者を説明に同席させたことは、金融庁に対するけん制や圧力と取られかねない。
 また、請求の漏えいは情報公開制度の根幹を揺るがす。担当閣僚である野田氏の責任は免れまい。
 野田氏は面談について「仮想通貨交換業に関する法制度や規制の仕組みを説明してもらった」と述べ、圧力との指摘は「当たらない」と否定。会社からの献金や自身の出資・投資もないと言う。
 しかし、圧力かどうかは相手側の受け止めの問題だ。単なる制度の説明に、自身の「友人」という関係者を同席させる理由はない。
 こうしたケースは不透明な「口利き政治」の温床になりかねないと、再三指摘されてきた。
 森友・加計問題で問われているのは、首相を忖度(そんたく)したとの疑念を抱かせた行政の公正性や透明性である。野田氏の認識は甘い。
 開示請求の漏えいも、地方議会の政務活動費に対する請求などで何度も問題になってきた。
 国民の知る権利を保障する制度で請求者に不当な圧力がかからないよう、情報が保護されなければならないのは当然である。
 だから、総務省は2年前に「請求者の情報が公になれば、開示請求の萎縮や制度への信頼性の低下につながるおそれもある」と注意を促す文書を自治体に出した。
 金融庁は開示決定通知書などを総務省側に渡した。請求者名は隠されたが、朝日の社名を口頭で伝えた。明らかに不適切な対応だ。
 本来は金融庁を厳しく注意すべき立場の野田氏は、そうしなかったばかりか、メディアとの懇親の場で漏えい内容を話題にした。閣僚としての資質が問われよう。
 野党は国会の閉会中審査を要求している。野田事務所の対応が、金融庁側に漏えいを行わせた原因ではないか―。そんな疑問も含め、真相究明が急務だ。
 野田氏は自民党総裁選出馬に意欲を示している。当然のことながら、まずは自身の問題で説明責任を果たすことが先決である。


情報公開漏洩  総務相の甘い問題意識
 情報公開制度の根幹を揺るがす深刻な問題だ。
 野田聖子総務相に関する情報公開請求を朝日新聞が金融庁に対して行ったところ、金融庁は開示決定前に開示請求の内容や請求者の所属を野田氏に伝えていた。
 野田氏はこの事実を複数の記者との懇親会で話題にもしていた。
 情報公開制度は、行政機関の運営を市民が検証するために欠かせない制度だ。請求者や請求内容が漏れることがあれば、請求することへの萎縮を招きかねない。
 2016年に、富山市などの議会事務局が、市会議員の政務活動費に関する情報公開の請求者を議員に漏らしていたことが明らかになり、総務省は全国の自治体に注意を促した。
 しかし今回、野田氏は「特段の問題意識を持つことなく話題にした」と述べている。制度を所管する大臣としての自覚のなさに驚くほかない。責任は重大だ。
 野田氏の責任はこの問題の発端についても問われよう。
 朝日新聞が金融庁に対して行った情報公開請求は、野田氏の事務所と同庁の担当者の面会記録についてだった。
 面会は野田氏の事務所で行われた。金融庁から無登録営業の疑いで調査を受けていた仮想通貨関連会社の関係者も同席し、金融庁の担当者に仮想通貨の販売規制について説明をさせていた。
 野田氏は、関係者を自身の友人と認めたうえで、「金融庁への圧力には当たらない」と説明している。しかし、なぜ現職閣僚の秘書が同席しなければならないのか。口利きとも受け取られかねない、極めて不自然な経緯だ。
 圧力になったからこそ、金融庁の担当者は総務省に情報開示決定書などを渡したのではないか。
 安倍晋三政権下で官僚が力のある政治家に忖度(そんたく)して行動する問題が森友・加計問題を通じて浮かび上がったが、同じ構図が透けて見える。
 菅義偉官房長官は金融庁の対応を不適切と批判し、金融庁は職員の処分を検討している。政治家の責任を問わず、官僚の処分で済ますとしたら、森友・加計問題と共通する。
 金融庁は「開示請求があったことを伝えることは問題がない」としているが、これも情報公開制度をゆがめかねない認識だ。
 野田氏は自民党総裁選への立候補を公言してきたが、このままでは安倍首相との違いを打ち出せないのではないか。


【LGBT差別】自民公約の真意を疑う
 〈性的指向・性自認に関する広く正しい理解の増進を目的とした議員立法の制定〉〈多様性を受け入れていく社会の実現〉。昨年衆院選で大勝した自民党の公約にそうある。
 大いに具体化してほしいが、同党の杉田水脈(みお)衆院議員(比例中国ブロック)が月刊誌「新潮45」への寄稿で、性的少数者(LGBT)に対する行政支援が「度が過ぎる」と非難した。公約に反し、社会の多様性を否定したと同じだ。
 寄稿では「LGBTのカップルのために税金を使うことに賛同が得られるのか。彼ら彼女らは子どもをつくらない、つまり『生産性』がない」などと持論を記した。あからさまな差別、排除の考え方で、優生思想さえ想起させる。非常識と言うほかない。
 そもそも、LGBTの存在を「生産性」に絡めて疑問視する思考が強引で、理解に苦しむ。
 「同性婚を認めれば、兄弟婚や親子婚、ペット婚や機械と結婚させろという声も出てくるかもしれない」「歯止めがきかなくなる」とも主張する。飛躍が過ぎ、多様性の議論とは懸け離れる。それこそ「度が過ぎる」だろう。
 LGBTへの差別や偏見をなくし、世の中をより多彩に、より豊かにしていく。共生社会へ高まる要請であり、国際的なコンセンサスであることはもはや言わずもがなだ。そのために政治や行政、民間が知恵を出し合い、共に手を携えていく時代である。
 同性愛カップルを夫婦と同等に認める制度を東京都渋谷区が2015年に導入以来、全国の自治体に広がっている。LGBTを支援する企業も出始めている。イメージアップにつながるからだ。
 電通の15年の調査では、全国で13人に1人がLGBTと推察される。どれほど多くの性的少数者が息苦しい人生を強いられてきたことか。人の痛みに対する杉田氏の認識を疑わざるを得ない。
 五輪憲章も「性的指向による差別」を禁じ、20年東京大会は「多様性と調和」をビジョンに掲げる。性的少数者の権利保護は世界の共通認識だ。そうした国内外の情勢も踏まえ、自民党も選挙公約に書き込んだのではないか。
 野党などの批判も受け付けない様子の杉田氏は議員や党人の資質、資格が問われるところだが、同党の二階幹事長は「人生観もいろいろある」と静観する。杉田氏の主張を容認したとも受け止められ、党公約の真意がただされよう。
 自民党内には伝統的な家族観へのこだわりが根強く残る。二階氏も含め時代錯誤的な発言で反発を招くケースが多い。保守層の支持を狙って意図的に発しているのではないかとの指摘もある。
 「1強」の安倍政権下で暴言や失言が止まらない。どういう混乱を起こし、どれほど人を傷つけるのかへの想像力を欠く。「数の力」のおごり、緩みが透ける。


杉田水脈と自民党のLGBT差別に5000人が自民党本部前で怒りのデモ!自民党は抗議声明を受け取り拒否
「杉田水脈は議員を辞めろ」「他人の価値を勝手にはかるな」「私の価値は私が決める」「This is pride!」
 怒りのレインボーフラッグが、東京・永田町の自民党本部前にたなびいた。〈LGBTのカップルのために税金を使うことに賛同が得られるものでしょうか。彼ら彼女らは子供を作らない、つまり「生産性」がない〉と雑誌で主張している杉田水脈衆院議員の辞職を求める抗議行動が、本日19時より自民党本部前でおこなわれたのだ。
 しかも、参加者数は、自民党本部前抗議としては過去最大規模の5000人を超えた。抗議者は時間を経るごとに膨れあがり、自民党本部を取り囲むような勢いで拡大し、本部前の歩道だけではなく参議院議員会館にまで列が延びた。一方、警察もかなりの数の警官を投入し、参加者を迂回させるなどの過剰警備をしいた。
 杉田議員の差別的主張については、国内のみならず海外メディアのCNNやBCC、アルジャジーラなどが報道。さらにLGBTメディアである英「PinkNews」や豪「OUTInPerth」も杉田議員の主張を取り上げており、国際問題に発展しているが、本日の抗議には特定非営利活動法人「東京レインボープライド」も参加。Twitter公式アカウントでは参加の呼びかけがおこなわれた。
 しかし、当の自民党は杉田議員に対してなんらお咎めなしで、いまだに公式な見解すら示していない。その上、LGBT自治体議員連盟に所属する議員らが杉田議員に抗議する声明文を自民党本部に提出に出向いたが、なんと自民党は受け取りを拒否したという。
 この期に及んで、この態度……。杉田議員の発言や自民党の姿勢に怒りの声があがるのは、あまりにも当然のことだろう。杉田議員は〈全文を読んでから批判していただきたい〉と述べていたが、今回、問題になっている「LGBTは生産性がない」という主張のほかにも、杉田議員は〈LGBTだからといって、実際そんなに差別されているものでしょうか〉などとも記述していた。
 LGBT差別はない──。この主張もまた「差別」のひとつではないか。日本の法制度では異性婚は認められて同性婚は認められていない。その一点だけでも明確な差別があると断言できるが、安倍首相も「現行憲法の下では、同性カップルの婚姻の成立を認めることは想定されていない」などと国会で答弁。憲法14条の「法の下の平等」を考えれば同性婚を認めないことこそ憲法に反するとしか思えないが、安倍首相は普段は「現行憲法はGHQの押し付けられたもの」「みっともない憲法」などと批判して改憲を叫ぶのに、こんなときだけ現行憲法をもち出して同性婚の容認を拒否するのだ。
 さらに、自民党は同性パートナーシップ制度にさえ「慎重な議論が必要」といって後ろ向きな姿勢を見せている。ようするに、異性愛以外の性的指向を認める気がまったくないのだ。
 こうした法整備の遅れは社会の意識にも影響を与えている。実際、ゲイをお笑いのネタにするなどの差別、性別違和に対する無理解などが蔓延っている。現に、先日もお茶の水女子大学のトランスジェンダー受け入れのニュースに対し、杉田議員とも仲の良い作家の百田尚樹は〈よーし、今から受験勉強に挑戦して、2020年にお茶の水女子大学に入学を目指すぞ!〉と嘲笑するというあからさまな差別ツイートをおこなったばかりだ。
 しかも、杉田議員自身、2015年にチャンネル桜の番組に出演し、「LGBT支援論者の狙いは何?」というテーマで醜い差別発言をおこなっている。
 たとえば杉田は、同性パートナーシップ制度について「残念ながら渋谷区で可決されてしまいました」などと語り、今回問題となっている主張と同様にLGBT支援は不要だと強調。それは、「LGBTの知識を学校教育で教えるべきかどうか」と意見を求められたときのエピソードを語った際に飛び出した。杉田は「当然そんなものは必要ありません」と答えたというが、杉田は笑いながら、こうつづけた。
「(相手に)なんと言われたかというとですね、『同性愛の子どもは、普通に正常に恋愛できる子どもに比べて自殺率が6倍高いんだ』と。『それでも貴方は必要ないと言うんですか!』みたいなことを言われまして(笑)」
 性的マイノリティの自殺率が高いことは国内外で指摘されている深刻な問題だが、その事実こそがこの社会にある差別の根深さを物語っている。とてもじゃないが、笑いながらできるような話ではけっしてない。だが、杉田はその後も、こんなことを言い出す。
「思春期のころって、ほんとうにいろいろあるんですね。私も女子校で育ちましたから、周りがもう女性ばっかりなんですね。じゃあ、ちょっとかっこいい女の子がいたらラブレター書いたりとかね。(中略)でも、年を取っていくと普通に男性と恋愛できて、結婚もできて、母親になってってしていくわけです。その多感な思春期の時期に『いや、女性が女性を好きになるのはおかしくないですよ』『男性が男性を好きになるのはおかしくないですよ』『もっとみなさん堂々と胸を張って、そんな縮こまらずに、同性愛の人も胸を張ってましょう』という教育をしたら、どうなりますか(笑)? ちゃんと正常に戻っていける部分を戻っていけなくなってしまいますよね」
 思春期LGBT教育をおこなえば「正常」に「戻れなくなる」──。杉田議員は今回問題となっている寄稿文でも〈「常識」や「普通であること」を見失っていく社会は「秩序」がなくなり、いずれ崩壊していくことにもなりかねません〉などと書いているが、杉田が当たり前のように振りかざすこの異性愛中心主義の考え方こそがLGBT当事者を苦しめ、高い自殺率の引き金となっている。にもかかわらず、それが「普通」「常識」と言って憚らず、LGBT教育が不要であることの根拠にするのだ。
 ようするに、「LGBT差別はない」と主張する杉田こそが、一貫して差別をおこない、煽動してきた張本人なのである。しかも、現在の杉田の立場は、自民党所属の衆院議員という国会議員だ。為政者がこのような認識を喧伝することは到底看過できるものではなく、自民党本部前で抗議がおこなわれるのは当たり前の話だ。
 だが、今回の抗議行動をめぐっては、「LGBTの政治利用だ」「LGBTを排除するなと言いながら杉田議員を排除するのか」といった批判もネットで散見された。そこには、LGBT当事者の意見もあった。
 しかし、国会議員がマイノリティを攻撃するような差別言辞を公に発表したとき、黙ったままではそれを容認してしまうことになる。当事者であろうがなかろうが、このような議員に辞職を求め、差別を許さないと声を上げていくことで社会を変えていくしかないし、事実、そうやって社会は変わってきた歴史がある。
 しかも、杉田議員の「生産性」で公的支援の対象か否かを判断する考え方は、LGBTや子どもの有無にかぎらず、さまざまな理由から働くことができない人や高齢者、障がいをもつ人などにも当てはまる、誰もが当事者の問題だ。
 事実、杉田議員の問題を取り上げた同じ自民党の小野田紀美参院議員は、こんなトンデモな主張を展開している。
〈憲法で定められた国民の義務は『勤労、納税、教育を受けさせること』。義務を果たしていれば権利を主張して良いと思うし、どんな生き方をしようとどんな考えを持とうと、それが犯罪でなければ個人の自由だと私は思っています〉
 中学公民からやり直せとしか言いようがないが、憲法で保障された人権は生まれながらにして誰もがもつものであり、義務を果たした結果に与えられるようなものでは断じてない。しかし、これを問題視し、基本的人権を制限しようというのが自民党の方針なのだ。実際、生活保護バッシングの急先鋒となった片山さつき参院議員は〈国民が権利は天から付与される、義務は果たさなくていいと思ってしまうような天賦人権論をとるのは止めよう、というのが私たちの基本的考え方です〉とツイートしている。
 働いて納税する人間にしか人権はない。「生産性」のない人間に支援は必要ない。安倍政権でどんどんと広がっていくこうした自民党の主張の恐ろしさに対して、自民党本部前に人びとは詰めかけて「NO」を突きつけたのだ。
 問題は自民党の対応だ。杉田議員は安倍首相が「素晴らしい」と大絶賛して自民党に引き入れた経緯を考えると、党としての見解も出さずに無視しつづけるのだろうが、もはや国際問題にまで発展しているのだ。杉田議員の主張はもちろんのこと、与党として責任を果たさないという問題ももっとクローズアップされるべきだろう。


杉田水脈問題はLGBT差別だけではない! 背景にある安倍首相の復古的国家観、女性蔑視、歴史修正主義
「LGBTのカップルのために税金を使うことに賛同が得られるものでしょうか。彼ら彼女らは子供を作らない、つまり『生産性』がない」なる雑誌での発言で批判が集中している、自民党の杉田水脈衆院議員。今回はめずらしくテレビなどでも取り上げられており、リベラルなスタンスの人に限らない、様々な層の論客や文化人も批判の声をあげている。
 しかし、今回の問題の本質はLGBTへの差別扇動に限ったことではない。そこにマイノリティ・弱者への差別思想が通底していることは言うまでもないが、このドス黒い思想の淵源には、間違いなく安倍自民党全体を覆う戦前的価値観への復古願望がある。
 そもそも杉田の差別発言は、いまに始まったことではない。
 たとえば杉田は、次世代の党時代の2014年、国会で「男女平等は、絶対に実現しえない反道徳の妄想です」と暴言を吐き、「週刊プレイボーイ」(集英社)でのインタビューでも日本に男女差別は「ない」と断言。また、2016年に「保育園落ちた日本死ね」ブログが話題になった際には、Twitterに〈「保育園落ちた」ということは「あなたよりも必要度の高い人がいた」というだけのこと。言い換えれば「あなたは必要度が低いので自分で何とかしなさい」ということなのです〉と投稿した。
 さらに、同年の産経新聞での連載では、〈旧ソ連崩壊後、弱体化したと思われていたコミンテルンは息を吹き返しつつあります〉として〈これまでも、夫婦別姓、ジェンダーフリー、LGBT支援−などの考えを広め、日本の一番コアな部分である「家族」を崩壊させようと仕掛けてきました。今回の保育所問題もその一環ではないでしょうか〉などという、トンデモとしか言いようがないコミンテルン陰謀論を主張していた。
 杉田の女性蔑視は明らかだが、最近も、ジャーナリスト・山口敬之氏からの準強姦被害を訴えている伊藤詩織さんに対し、絶句するような発言をしている。
 今年6月、BBCが公開した詩織さんの事件を中心にしたドキュメンタリーに出演した杉田は、「彼女の場合はあきらかに、女としても落ち度がありますよね」「社会に生きていたら(男性からのセクハラは)山ほどありますよ」「伊藤詩織さんが記者会見を行なって、ああいう嘘の主張をしたがためにですね、山口さんや山口さんの家族には、死ねとかいうような誹謗中傷のメールとか電話とかが殺到したわけですよ。だから私はこういうのは男性側のほうが本当にひどい被害を被っているんじゃないかなというふうに思っています」などと言い放ったのである。
 つまり、準強姦を訴える女性に対し、「女として落ち度がある」「社会に生きていたら山ほどある」などと言って責めたてながら、「こういうのは男性側のほうが本当にひどい被害を被っている」などと主張したのだ。
 おそらく、ここまで読んだ読者は、杉田水脈なる政治家がなぜこれほどまでおぞましい女性・性的マイノリティへの誹謗中傷や差別扇動を繰り返すのか、理解に苦しんでいることだろう。しかし、杉田議員のファナティックな主張をほぐすと、そこに一本のラインが存在することに気がつく。
 それは、戦前の家父長的家制度の復活に対する、並ならぬシンパシーだ。
杉田水脈のLGBT差別・女性蔑視発言は、すべて安倍首相のコピー
 周知の通り、明治時代につくられた家制度は、男性戸主に家庭内での大きな支配権限を付与し、女性や子ども、また性的マイノリティに対する差別を制度化したが、これは“すべては天皇の赤子たる臣民である”という天皇を頂点にした「家族国家」を形成するためものだった。国家神道の強制との両輪で進められたこの疑似家族的国家観は、国民を一丸とした戦争へと動員し、未曾有の犠牲者を出しながら、この国を敗戦へと導いた。
 家制度は戦後、憲法24条のもとで廃止された。しかしその後も、こうした戦前的価値観は自民党右派を中心に脈々と生き続け、しかもここ十数年で安倍首相とその周辺、とくに日本会議による復古的バックラッシュが一気にエスカレートしている。
 たとえば2007年、日本会議国会議員懇談会による「新憲法制定促進委員会準備会」が発表した「新憲法大綱案」では、現行の憲法24条が否定され、〈祖先を敬い、夫婦・親子・兄弟が助け合って幸福な家庭をつくり、これを子孫に継承していくという、わが国古来の美風としての家族の価値は、これを国家による保護・支援の対象とすべきことを明記する〉と謳われている。
 古屋圭司や萩生田光一、稲田朋美、加藤勝信といった安倍晋三シンパによってつくられたこの大綱案は、安倍首相の意向がもっとも如実に反映されているとみられており、そこでは戦前・戦中への憧憬がダダ漏れになっている。介護や介助、生活の困窮などを「家族」というユニットに押し付けているのはもちろん、ここで〈わが国古来の美風としての家族〉とされているものは、明治の家父長的家制度の元で構築された「家族観」にほかならない。裏を返せば、その「家族観」にそぐわない人々は「国家による保護・支援の対象」から除外すると宣言しているのだ。
 また、自民党が2012年に発表した憲法改正草案では、現行憲法24条に〈家族は、社会の基礎的単位として、尊重される〉〈家族は、互いに助け合わなければならない〉という条文が加えられている。安倍自身、党内議論の初期から「わが国がやるべきことは別姓導入でなく家族制度の立て直しだ」と語っていたとされるが(朝日新聞出版「AERA」06年11月13日号)、その安倍が“夫婦別姓は家族を解体する”として批判した雑誌での発言を振り返ってみる。
「夫婦別姓は家族の解体を意味します。家族の解体が最終目標であって、家族から解放されなければ人間として自由になれないという、左翼的かつ共産主義のドグマ(教義)。これは日教組が教育現場で実行していることです」(ワック「WiLL」2010年7月号)
 杉田水脈による数々の女性蔑視・LGBTヘイトの発言が、その内容や論理構造にいたるまで、こうした安倍晋三を中心とする極右・自民党ががなりたててきた主張のコピーであることは明らかだろう。
杉田水脈LGBT差別発言と安倍自民党の歴史修正主義は同根!
 繰り返すが、戦後に否定された家制度が代表する男性中心主義的かつ国家主義的な家族観にとっては、「性役割」なる虚妄を強く固定する必要がある。ゆえに、その復古的家族観にそぐわない人々の排除を扇動するのだ。
 実は、その大日本帝国へ憧憬は、杉田が血道をあげている慰安婦問題などの戦中日本の戦争犯罪の否定(歴史修正主義)にも通じるものだ。たとえば杉田は、河添恵子との対談本『「歴史戦」はオンナの闘い』(PHP研究所)のなかで、慰安婦像について「慰安婦像を何個立ててもそこが爆発されるとなったら、もうそれ以上、建てようと思わない。立つたびに一つひとつ爆破すればいい」などと言い“爆破テロ”まで煽っている。
 そんな杉田を安倍首相が自民党へスカウトした事実も含め、とても正気の沙汰とは思えないが、つまるところ、杉田や安倍のようなリビジョニストから見れば、とりわけ慰安婦問題は、自分たちがかき消したい帝国主義の国家犯罪を明るみにするものであり、かつ、抑圧すべき「女性の権利」の改善運動と結びついたものとして攻撃対象となっているのである。
 すべては、民主主義に漸進する社会を、戦前・戦中日本のような支配構造に立ち戻らせようとする思想の延長線上にある。
 LGBTヘイトは、ナチスの優生思想を彷彿とさせる極めて悪質なものであり、いささかたりとも容認できるものではない。もちろん、杉田発言の荒唐無稽さには唖然とする。議員辞職が当然だろう。だが、同時にこの問題を、杉田水脈というどうかしているとしか思えない政治家の暴言とみなし、杉田を批判するだけでは不十分なのだ。
 杉田への批判の大きさを見て、稲田朋美やバリバリ安倍応援団である有本香や上念司らも「自分はちがう」とばかりに杉田に批判的な発言をしているが、彼らも杉田とまったくの同根であることを忘れてはならない。彼らは表面的にLGBT差別発言だけを批判しているが、自分たちが日頃喧伝している歴史修正主義や中韓差別、反民主主義思想はすべて今回の杉田発言と同一線上にあるものだ。
 言っておくが、杉田の「LGBTに税金を使うことに賛同は得られない。生産性がない」という発言は、単なるいち跳ねっ返りの暴言などではなく、現実に安倍首相が推し進めてきた政治にほかならない。「在日に税金を使うことに賛同は得られない」「生活保護に税金を使うことに賛同は得られない」「老人に税金を使うことに賛同は得られない」「病人に税金を使うことに賛同は得られない」……そうやって実際にすでに多くのマイノリティや社会的弱者が切り捨てられてきた。次に排除されるのは、LGBTのみでなく、マイノリティのみでなく、すべての個人の権利と自由だ。
 繰り返すが杉田の差別発言は、まさしく安倍首相の政治のもとで発現した、反民主主義、反人権のグロテスクな国民支配欲求そのものなのである。背景にある安倍政権の復古的国家観、女性蔑視や歴史修正主義との関連に目を向け追及しないかぎり、この流れを止めることはできないだろう。


「いま見解を述べないで、何がLGBT議連だと思います」 元首相補佐官が声を上げた理由
LGBT議連幹事の一人で、元首相補佐官の寺田学衆議院議員が7月26日、杉田水脈議員寄稿をめぐりBuzzFeed Newsの取材にこたえた。
Saori Ibuki伊吹早織 BuzzFeed News Reporter, Japan Kota Hatachi籏智 広太 BuzzFeed News Reporter, Japan
自民党の杉田水脈・衆議院議員が月刊誌「新潮45」への寄稿で、「(LGBTは)生産性がない」ため、税金を使って支援するべきではないと主張したことを受け、批判の声が高まっている。
超党派の国会議員約20人でつくる「LGBTに関する課題を考える議員連盟」(LGBT議連)の幹事で、民主党時代に首相補佐官を務めた寺田学・衆議院議員(無所属)も、異議を唱えた一人だ。
人間のあり方を「国家の視線」で判断
寺田議員は2003年に当時最年少で衆議院議員に初当選し、5期目。民主党政権で首相補佐官を務めた。民進党や希望の党を経て、今年4月に希望の党の解散とともに、無所属になった。
「杉田さんの記事を読むと、彼女が決めつけた一つのあり方からはみ出ている人間を『不幸な人間』や『普通じゃない』と呼んだり、多様であることが社会を乱す要因であると言っていたり、国会議員がそうした考えを公に表明したことが信じられませんでした」
「国にとって役に立っているかどうかを、子供を授かる授からないで判断すること自体おかしいですが、それ以前に、人間が生活を営む上でどうあるべきかということを国家の視線だけで判断している」
「しかも、それを国の運営を預かる国会議員がということが、恐ろしくもありました」
7月26日にBuzzFeed Newsの取材に応じた寺田議員は、問題の寄稿をそう評す。
「いま見解を述べないで、何がLGBT議連だ」
「LGBTだからといって、実際そんなに差別されているのか」「彼ら彼女は子供を作らない、つまり『生産性』がないのです」「同性愛でいいんだ、と不幸な人を増やす」ーー。
そう論じた杉田議員に対して、当事者団体のLGBT法連合会は23日、「当事者の人権を侵害するだけでなく、現実に存在する『性の多様性』を無視し、国会議員としての資質に疑問を抱かざるを得ない」と訴える抗議声明を発表。
野党からの批判も強まる一方、2015年の設立以来、性的マイノリティの課題に取り組んできたLGBT議連からは、公式な見解が示されていない。
寺田議員によると、23日の時点で「LGBT議連としての公式見解を示すべきだ」と議連の幹部に訴えたものの、26日現在まで、主だった動きには繋がっていないという。
自身のTwitterには「超党派のLGBT議連の一人として、議連の見解を示すべきと幹部に訴えてますが未だに動かず。いま見解を述べないで、何がLGBT議連だと思います」と厳しい意見を投稿した。
なぜ個々の議員や政党だけではなく、議連としての見解を示すことが重要なのか。
寺田議員は党派性を超えた意見を表明できる議連だからこそ、杉田議員との立場の違いを明確にするべきだと話す。
「政党間のせめぎ合いを抜きに、色んな党の人間が一つの共通の価値観を持って活動するのが超党派の議連です」
「特定の党を批判する目的ではなく、ある意味普遍的な意見として、政党の影を消した形で意見を出す意味は大きい。そもそも、そういう目的のために作られたのが、この議連のはずですから」
「杉田さんのような考えを内心で持つことは自由ですが、国会議員の公的な発言である以上、国会として、我々が目指す国の形は杉田さんの考え方に沿ってはいないことを示すべきだと思います」
「目指すのは人それぞれのあり方をできる限り包摂し、多様性を認めて、それぞれが生きやすい世の中。実現手段は各政党で違うかもしれないですが、根底にあるのはそういうものだと、はっきり示すことが重要です」
馳浩会長らはコメントせず
BuzzFeed Newsは7月23日、LGBT議連の会長を務める自民党の馳浩・衆議院議員に書面で取材を申し込んだが、コメントできないとの回答があった。
事務局長の公明党・谷合正明参議院議員は25日、Twitterに「ある自民党議員の『生産性』がないとの誌上での発言は、LGBTだけでなく、共助社会・共生社会を構築する上で相容れない」と投稿。
だが、西日本豪雨で被災した地元・岡山県に帰任していることもあり、取材には応じなかった。
顧問を務める無所属の細野豪志衆議院議員からは26日現在、回答が得られていない。


金融庁だけじゃない 安倍政権“開示請求潰し”は日常茶飯事
 朝日新聞が金融庁に開示請求した資料や情報について、同庁が事前に請求対象者の野田聖子総務相の事務所に漏らしていた問題。同庁は担当者を処分して幕引きを図るつもりだが、この「開示請求潰し」問題の根は深い。日刊ゲンダイも以前、政治資金の使途について総務省に開示請求したところ、情報が漏れた上、開示を先延ばしされるなどの“妨害”を受けた覚えがあるからだ。安倍政権では、都合の悪い情報は政官で示し合わせ、隠蔽するのが常套手段になりつつある。
 きのう(25日)行われた立憲民主党のヒアリングで、金融庁は「不適切だった」と謝罪したが、反省しているのは野田事務所に開示請求者が「朝日新聞」と伝えたことのみ。情報公開法を所管する総務省の担当者は「開示請求が寄せられた事実を(野田事務所に)伝達したことについては問題ない」との見解を示していたから呆れるばかりだ。
 役所側から開示請求の事実が伝えられれば、政治家サイドは「いつ」「誰が」「何の目的で」と問い詰めるに決まっている。それを役所側が突っぱねられるワケがない。ヒラメ官僚ばかりの今の安倍政権下であれば、なおさらだ。
 過去にも開示情報を漏らしたケースがあったかについて、金融庁は「昨年はなかったが、それ以前は記録がなく分からない」とトボケていたが、とても信じられない。モリカケ疑惑や陸自日報問題などで明らかになったように、今の官僚は国民に平気でウソをつくからだ。
■菅官房長官は過去に日刊ゲンダイを“妨害”
 そして、考えられるのは「開示情報の漏洩」が金融庁にとどまらず、他の省庁でも日常的に行われている疑いだ。実際、日刊ゲンダイも過去に総務省に開示請求した内容が、対象者である国会議員の事務所に漏れていた可能性があった。経緯はざっとこんな感じだ。
 日刊ゲンダイは14年10月21日に安倍政権の主要閣僚の少額領収書について開示請求。ところが、開示はズルズルと先延ばしされ、結局、開示されたのは半年も過ぎた翌15年4月23日だった。
 その後、「週刊文春」が下村文科相(当時)の大臣秘書官がまとめた14年10月23日付の日報を入手し、17年7月20日号で詳細を報道したのだが、そこには〈菅官房長官 大臣秘書官〉からの指示として〈一昨日、マスコミから総務省に開示請求が入りました。総務省より、少額領収書の開示要求がきます。それが届いたら、20日までの期日を30日まで必ず延長してください〉〈ばれたら面倒なので、この連絡は厳秘!〉と記してあったという。
 菅官房長官はこの事実経緯を否定したが、日刊ゲンダイの開示請求を受けた総務官僚が、政治家サイドに情報をダダ漏れさせていた疑いは極めて濃厚だ。つまり、開示請求の情報漏洩は、あらゆる省庁で横行している可能性が高いのだ。「政治資金オンブズマン」共同代表の上脇博之神戸学院大教授はこう言う。
「開示請求は、情報公開法に基づく国民の権利です。請求者の情報が対象者に知られるとなると、請求者は圧力などを恐れ萎縮することになる。これは国民の権利の制約であり、民主主義の根幹をなす『情報公開』をないがしろにするものです。私もこれまで、嫌がらせのような申請書の補正要求を受けたことがあります。官僚の忖度か、政治家の指示かは分かりませんが、請求者の情報漏出は恒常的に行われているのではないか。そう疑われても仕方ありません」
 金融庁の職員を処分してオシマイじゃない。


公文書管理強化 単なるポーズにするな
 財務省による学校法人「森友学園」を巡る決裁文書改ざんや、防衛省・自衛隊の派遣部隊日報隠蔽(いんぺい)問題を受けて、政府は公文書管理の在り方を見直し、再発防止策をまとめた。
 内閣府の独立公文書管理監の権限を拡大し、各府省庁に対する監視体制を強化。決裁後文書の修正は禁止し、改ざんなど悪質な事案には免職を含む重い処分を行う方針も打ち出した。
 形式的には確かに「強化」と言えるかもしれない。しかし、その効果がどれだけ高まるかは不透明だ。公文書に対する政府、役所の意識に疑問があるからだ。
 このところの動きを見ると、公文書をできるだけ保管しようというより、むしろ恣意(しい)的な選択や作成の限定に向かっているような姿勢を感じる。
 公文書の意義に対する強い自覚が改めて問われている。公文書は誰のためにあるのか。それは国民のためであって役人のためではない。公文書管理法が定めるように「国民共有の知的資源」であることを改めて肝に銘じたい。
 ただ、意識は逆行しているように思える。学校法人「加(か)計(け)学園」を巡る問題では、府省庁間で「言った、言わない」の論議となり、これを踏まえた昨年のガイドライン見直し作業では、可能な限り相手方の発言を確認する仕組みも盛り込まれた。
 しかしそれは、記載内容を制限する副作用をもたらしかねない。役人の判断次第で当該省庁、あるいは時の権力に不都合なことが割愛されては本末転倒だ。
 政策決定過程を公文書にしっかり記すことが担当者の使命。それにも増して重要なのは政治家の姿勢だ。財務省の文書改ざんは政権への忖度(そんたく)が招いたと指摘される。安倍晋三首相の「危機感を持って再発防止に全力を尽くす」の言葉が単なるポーズであってはなるまい。
 今年も終戦の日が近づいてきた。あの終戦に伴い、役人や軍人が公文書を大量焼却した行為は、重い教訓として残る。公文書を「自分たちのもの」と考える体質により、戦争責任が隠蔽され、歴史検証に空白が生じた。
 また、公文書を作って残す重要性に対する意識の乏しさは、東日本大震災の際、原発事故対応に関する議事録の未作成という事態にも垣間見えた。
 公文書管理は、このような過去を踏まえなければならない。そのために必要な一つは外部のチェックだが、仕組みがない。内閣府の体制強化といっても、政府内部の監視で十分に機能するかは疑問だ。独立した第三者機関の設置を検討すべきだろう。


LGBT差別 自民の姿勢が疑われる
 差別を扇動する、悪質なヘイトスピーチというほかない。
 自民党の杉田水脈(みお)衆院議員が、月刊誌で、LGBTなど性的少数者は「子供を作らない、つまり『生産性』がない」と主張し、行政による支援に疑問を呈した。
 一方的な尺度を振りかざして特定の集団を差別するのは、優生思想と変わらない。
 独身者や子を持たない夫婦なども侮辱する暴論で、福祉行政の否定にも等しい。党内からも批判が出たのは当然だ。
 ところが、二階俊博幹事長は、党の立場は違うとしながらも「人それぞれ、政治的立場はもとより人生観もいろいろ」と述べた。
 その「人それぞれ」を否定しているのが杉田氏ではないか。
 自民党は一昨年の参院選からLGBT理解を増進する議員立法の制定を公約に掲げている。
 杉田氏は昨春出版した著書でも同様の偏見を示した。こんな人物を、その後の衆院選の比例代表で当選させた党の責任は重大だ。
 杉田氏は、少子化対策となる子育て支援などと対比する形で、行政のLGBT支援を批判した。
 しかし、少子化対策と性的少数者の人権擁護は全く別の問題だ。
 まして、人を「生産性」という言葉で選別する発想は、相模原市の知的障害者殺傷事件や、ナチスドイツによる障害者らの安楽死政策にも通じる危険性を持つ。
 国民は平等な施策を求める権利があり、国はそれを保障する義務がある。
 学校への攻撃も悪質だ。性的少数者はいじめの標的となりやすく自殺率も高いため、文部科学省が現場に配慮を求めている。
 だが、杉田氏は、性自認に即した制服やトイレの使用を挙げ、混乱を招く、などと批判した。
 現実に苦しんでいる子どもへの想像力を欠いている。
 国連は、性的指向や性自認を理由とする暴力や差別は命にかかわるとして加盟国に対応を求めた。
 国際的な潮流や公約にもかかわらず、自民党内では不見識な発言が後を絶たない。
 竹下亘総務会長は昨年、宮中晩さん会を巡り「日本国の伝統には合わない」と国賓の同性パートナーの出席に反対した。杉田氏によれば、今回も先輩議員から励ましを受けたという。
 札幌市がパートナーシップ宣誓制度を設けたのをはじめ、性的少数者に当たり前の権利を保障する動きが全国で広がっている。この流れを止めてはならない。


LGBTへの差別 自民党は容認するのか
 性的少数者(LGBT)のカップルに関し「生産性がない」と断じる、差別と偏見に満ちた見解が自民党国会議員から出た。看過できない。自民党の二階俊博幹事長が「人それぞれ政治的立場、いろんな人生観がある」と、全く問題にしていないことにも驚く。これが公党の見解なのだろうか。
 自民党の杉田水脈(みお)衆院議員(比例中国ブロック)が月刊誌「新潮45」への「『LGBT』へ支援の度が過ぎる」と題した寄稿で、同性カップルに関して持論を展開した。
 「LGBTのカップルのために税金を使うことに賛同が得られるものでしょうか。彼ら彼女らは子供を作らない、つまり『生産性』がないのです」とし、行政が支援策を取ることを批判した。
 「生産性」という経済的なものさしだけで人を切って捨てる。ナチス・ドイツが優生思想に基づき障がい者や働けない人を「価値なき」者として殺害したT4作戦を思い起こさせる。
 杉田氏は、日本はLGBTの人たちへの迫害の歴史や差別はなかったという。本当にそうか。
 各種の調査で、LGBTの人たちが学校でのいじめや職場での差別を訴えている。だからこそ多くの人がLGBTであることを公にできず、生きづらさに苦しむ人が声を上げられなかった。
 杉田氏は、さまざまな性的指向を認めれば「ペット婚や、機械と結婚させろという声も出てくるかもしれません」と主張する。まともな感覚とは思えない。
 国連はLGBTへの差別や暴力の解消を求めている。日本社会でも積極的な取り組みが始まっているのに、政権与党の国会議員が逆に差別を助長する見解を示した。国際的にも批判されるだろう。
 しかし、自民党では認識が違うようだ。二階幹事長は杉田氏の寄稿について「党は右から左まで各方面の人が集まって成り立っている。人それぞれ、政治的立場はもとより人生観もいろいろある」と、静観する姿勢を示した。自民党はLGBTへの差別を事実上、容認しているように映る。
 自民党内には伝統的家族観が根強く、二階氏自身、6月に「子どもを産まない方が幸せじゃないかと勝手なことを考える人がいる」と述べ、世論の反発を招いた。
 杉田氏も自身のツィッターに「先輩議員から『間違ったことを言っていないから、胸を張っていれば良い』と声を掛けられた」「自民党の懐の深さを感じます」と書き込み、党内の意見を紹介している。
 自民党は2016年に「性的指向、性自認の多様な在り方を受け止め合う社会を目指す」との基本方針を公表したが、形骸化していると言わざるを得ない。
 少数者の人権を尊重し、異なる価値観の人々を受け入れる多様性ある社会を目指すのが国会の役割だ。一議員の問題で済まされない。


人権の尊重は人生観ではない
 ★自民党衆院議員・杉田水脈(みお)が月刊誌にLGBT(性的少数者)のカップルへの行政支援について、「彼ら彼女らは子どもをつくらない、つまり『生産性』がない」と断じた問題。杉田はそもそも子供をもうけることを「生産性」とし、ナチスの優生思想に近い差別的価値観を披露した。ところが杉田は党内では「間違ったことは言っていない」と励まされたと、批判に反論した。 ★自民党の憲法の改憲草案、第24条には「家族は社会の自然かつ基礎的な単位として尊重される。家族は互いに助け合わなければならない」とあり、家族単位の価値観以外には否定的だ。一方、党が下野していた10年綱領には、以下のように書かれている。「我々が守り続けてきた自由(リベラリズム)とは市場原理主義でもなく、無原則な政府介入是認主義でもない。ましてや利己主義を放任する文化でもない。自立した個人の義務と創意工夫、自由な選択、他への尊重と寛容、共助の精神からなる自由であることを再確認したい。従って、我々は全国民の努力により生み出された国民総生産を、与党のみの独善的判断で国民生活に再配分し、結果として国民の自立心を損なう社会主義的政策は採らない。これと併せて、政治主導という言葉で意に反する意見を無視し、与党のみの判断を他に独裁的に押し付ける国家社会主義的統治とも断固対峙(たいじ)しなければならない」。これを読む限り、杉田どころか、安倍政権の政策すべても党の綱領違反ではないか。 ★この問題で党幹事長・二階俊博は「人それぞれ政治的立場はもとより、いろんな人生観もある」と杉田発言を容認した。だが人権の尊重は人生観ではない。基本的人権は確か、まだ我が国の法律に残っていたはずだが。人権に思いが至らず、順法精神のない政府や党に未来はない。二階の謝罪、杉田の議員辞職を要求したい。

後任は誰でもいい 国民は全力を挙げて安倍3選を阻止せよ
 とんでもない暑さの中、とんでもない首相が3選に向け、自民党総裁選に出馬の意欲を示している。国会は閉幕したが、モリカケ疑惑の解明は手つかずのまま。忖度行政を生み出し、ついには財務省の公文書改ざん、廃棄に発展した。
 こんな内閣はかつてない。その責任の中心にいるのが、安倍首相だ。自民党はこのような総裁を絶対に3選させてはいけない。今こそ自己批判し、政権与党として自浄能力を発揮すべきだ。
■後任はもはや誰でもいい
 岸田文雄政調会長は、総裁選不出馬を表明したが、3選を阻止するなら、ポスト安倍は石破茂元幹事長でも、野田聖子総務相でもいい。もはや誰でも構わないほど、安倍政権は堕落している。
 激甚災害に指定された西日本豪雨が発生しても、総裁選対策目当てで「赤坂自民亭」で宴会を繰り広げていた光景は、政権の腐敗を象徴している。飲み会には安倍首相と小野寺五典防衛相も参加。彼らに大雨や河川の氾濫、土砂崩れについての報告はなかったのか。この政権の無責任ぶりが、よく表れている。
 国会運営も「数の力」に物を言わせて、やりたい放題だ。安倍首相は豪雨災害復旧よりもカジノ法案成立を優先。復旧の陣頭指揮に立つべき石井啓一国交相をカジノ解禁のための審議に張りつかせ、最後は採決強行だ。信じられない対応であり、このような状況を生み出したのも安倍首相なのである。とことん許しがたい。
 アベノミクスの5年間も総括が必要だ。異次元緩和のスタート直前、125兆円ほどだった日銀の国債保有残高は、直近で約460兆円に膨らんでいる。軽く3・5倍以上も増えてしまった。
 国債を発行しても、黒田日銀がジャンジャン購入すれば、財政規律が緩むのは当然の帰結だ。安倍首相はプライマリーバランスの黒字化目標を5年も先送りしたが、異次元緩和継続と安倍首相続投のセットで、目標を再び延期しかねない。
 財政健全化も災害対応も先送りのクセに、カジノは急いで解禁させる。その背景には米国言いなりの政権の姿が透けて見える。自民党議員はこんな政権の継続を心の底から望んでいるのか。今の野党の状況だと、自民党政権が続くのは、やむを得ない。だからこそ、党を挙げて猛省すべきなのである。
 今回の総裁選は地方票の重みが増し、国会議員票と同数が配分される。地方議員には、だらしない国会議員に代わり、党に反省をうながす投票行動を取って欲しい。それを後押しするのも世論次第だ。国民も全力を挙げて、この政権にストップをかけるべきだ。


枝野幸男代表の内閣不信任決議案演説をNHKはなぜ流さない
「(中略)安倍総理と、クソとミソを一緒にしないでいただきたい」(立憲民主党代表・枝野幸男)
 これは20日に衆院本会議で行われた内閣不信任決議案の賛成討論での、枝野代表の発言。
 マジで、この日のエダノンの、3時間近い熱が込められた演説はかっこよかった。
 もちろん、あたしは彼の訴えは見る気でいたが、見る前からすでに見ていた人びとに「感動するから見たほうがいいよ」と連絡をいただいたくらいだ。
 てか、見る前にネットメディアの「リテラ」の記事を読んだんだよね。
【枝野幸男が2時間45分怒りのフィリバスター! 自民議員のヤジも「安倍首相のようなクソと一緒にするな」と一蹴】という。
 まさか〜ん。本当にエダノン、安倍さんのことウンコと言った?
 疑いながら話題のエダノンの演説を聞いてみた。期待していたのとはちょっとニュアンスが違ったが、リテラの記事、ほんとだったわ。
 エダノンが、国会で聞かれたことに正面から答えず、聞かれてもいないことをダラダラしゃべる安倍首相の姿勢を批判したとき、自民党議員から、「おまえもダラダラしゃべるな」と言ったヤジが入った。すると、すかさずエダノンは、
「私は安倍内閣がいかに不信任に値するかということを発言する機会を得てここで発言している」
 と説明した。そして、ウンコと一緒にすんな……いいや、クソとミソを一緒にすんな、と言った冒頭の言葉を述べたのだった。
 それにしても、エダノンのこの演説で、安倍政権のいかがわしさが、よく分かった。NHKはどうしてこういう重要なものを流さないのかね?
 自民党や公明党の安倍友じゃない人たちは、なぜ立ち上がらない?
 ウン〇の近くに寄りすぎて、鼻がバカになり、その異臭にも気付かなくなるっていうやつか?


東京五輪・パラ 「授業避けて」国通知、ボランティア促す
 スポーツ庁と文部科学省は26日、2020年東京五輪・パラリンピックの期間中にボランティアに参加しやすいように全国の大学と高等専門学校に授業や試験期間を繰り上げるなど柔軟な対応を求める通知を出した。
 多くの大学は7〜8月が試験期間となる。通知では学生がボランティアをすることへの意義を説き、大会期間中は授業や試験を避けることを促した。授業開始時期の繰り上げや祝日の授業実施は学則などに基づき、学校の判断で特例措置を講じることができる。
 首都大学東京は昨夏、期末試験を大会前に終了させるなどして大会期間中に原則、授業や試験を行わないことを決めている。国士舘大も26日、同様の方針を発表した。【田原和宏】


命守る取り組みを
編集委員 高瀬 法義
 文部科学省は今年4月、学校教室内の望ましい温度基準の上限を従来の30度から28度に約50年ぶりに改定した。年々夏の気温が高くなっていることを受けた措置だが、基準達成には教室のエアコン設置が不可欠だ。気象庁が「災害級」とする今夏の猛暑の中、その設置率に注目が集まっている。
 文科省の調査によると、平成29年4月現在、県内の小中学校普通教室のエアコン設置率はわずか7・4%と全国順位で下位低迷。近畿の他府県と比べても、京都府84%▽滋賀県82・8%▽大阪府77・3%▽兵庫県58・8%▽和歌山県44・5%―で最下位に甘んじている。保健室や図書館などの特別教室を含めても18・4%と、2割にも満たないの現状だ。
 普通教室の設置率は東京都の99・9%がトップ。次いで香川県97・7%が続き、両都県の子どもたちは、ほぼ確実にクーラーの効いた教室で授業を受けられる。設置率上位の自治体と本県との教室環境に関する格差は、見過ごすことはできない。
 なぜ、エアコン設置は進まないのか。最も大きな理由は財政面だ。公立学校の場合、公平性の観点から多くの学校に一斉に設置することが望まれ、膨大な財源が必要となる。また、設置後のランニングコストも大きな負担となる。もう一つ理由として考えられるのは、大人の意識の問題。今もって「子どもに我慢を覚えさせることも必要」との「精神論」も根強く残る。エアコン設置の必要性を認めながらも、校舎耐震化などに予算が優先されてきたのではないか。
 しかし、奈良市の平均気温は50年前と比べ約1度近くも上昇。最高気温が35度を超える「猛暑日」も増えており、確実に気候が変動している。
 今月20日に日本救急医学会が「熱中症予防に関する緊急提言」で記したように、身長が低い子どもたちは地面からの放射熱の影響を受けやすく、近年の暑さは校舎の耐震性と同様、子どもたちの命に関わる問題といえる。子どもたちが熱中症で倒れるのは、虚弱になったわけでも、精神的に弱いわけでもない。
 荒井正吾知事は先日の記者会見でエアコンの設置を進めるため市町村への財政支援を検討を示唆。県立高校についても、改築を予定している2校を除き、再来年度までに設置を完了する計画の前倒しも検討するという。県内の市町村でも、さまざまな動きがでてきた。子どもたちの命を守る取り組みを急がないといけない。


沖縄県 翁長知事、辺野古埋め立て承認を撤回
 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への県内移設計画を巡り、沖縄県の翁長雄志(おなが・たけし)知事は27日、那覇市の県庁で記者会見し、前知事による埋め立て承認を撤回すると表明した。政府は8月17日にも辺野古沿岸部の埋め立て予定海域に土砂を投入すると県に通知しており、翁長知事は自然環境の原状回復が難しくなる土砂投入の前に工事を止めたい考え。これに対し、政府は撤回の効力を一時的に失わせる執行停止を裁判所に求めるなど法的措置で対抗する構えだ。
 埋め立て承認の効力を失わせるには、承認前の審査に法的な問題があった場合の「取り消し」と、承認後の事業者の違反などを理由とする「撤回」の二つの方法がある。翁長知事は2015年10月に承認を取り消したが、16年12月に取り消し処分を違法とする最高裁判決が確定している。
 翁長知事は埋め立て承認を撤回する理由として、埋め立て予定海域の一部で当初想定されていなかった軟弱な地盤の存在が確認されたのに防衛省沖縄防衛局が協議に応じていないことや、希少なサンゴ類などの環境保全策が不十分なまま工事を強行していることなどが、承認時の留意事項に違反している、と説明した。
 翁長知事は会見で「留意事項違反などが認められるにもかかわらず、埋め立て承認の効力を存続させるのは公益に適合せず、撤回に向けた手続きを実施する必要があるとの結論に至った」と説明。そのうえで「20年以上も前に決定された辺野古新基地建設を見直すことなく、強引に推し進めようとする政府の姿勢は到底容認できない。今後もあらゆる手法を駆使し、辺野古に新基地は造らせないという公約実現に向けて全力で取り組む」と強調した。
 一方、撤回には事業主体の沖縄防衛局から弁明を聞く「聴聞」の手続きが必要で、県は近く聴聞の実施を通知する。手続き全体の完了は約3週間かかるとされ、正式な撤回は土砂投入前の8月中旬となる見通し。撤回で移設工事は法的根拠がなくなって一時止まるが、政府は直ちに撤回の効力を失わせる執行停止などの対抗措置を取る方針。政府側の主張が認められれば、工事は数週間から数カ月で再開する可能性がある。
 政府は17年4月に辺野古沿岸部の埋め立てに向けた護岸工事に着手。移設反対派からは早期の承認撤回を求める声が上がっていたが、撤回を移設阻止の「最後のカード」とする翁長知事は、「必ずやる」としながらも慎重な姿勢を取り続けてきた。だが、政府が今月19日に一部海域を護岸で囲い、本格的な埋め立てを始める環境を整えたことから、翁長知事は撤回に踏み切ることを決断した。【遠藤孝康、佐野格】


済州4・3事件から70年 大阪への慰霊碑建立目指し募金活動
【済州聯合ニュース】朝鮮半島の南側だけでの総選挙実施は南北分断を固定化するとして反対した民衆の一部が済州島で武装蜂起し、軍や警察が多くの島民を虐殺した1948年の「済州島4・3事件」から70年を迎え、在日本済州4・3事件犠牲者遺族会などが大阪市天王寺区の統国寺への犠牲者慰霊碑建立を推進する。
 遺族会などでつくる在日本済州4・3犠牲者慰霊碑建立実行委員会は27日、韓国南部の済州島で記者会見し、建立計画を説明するとともに、建立費用350万円を集めるため募金活動を行うと明らかにした。統国寺は在日コリアンの寺で、慰霊碑建立の敷地を提供する。
 大阪には日本帝国主義の時代から1950年代にかけ、多くの済州島民が移住した。4・3事件で被害に遭った在日コリアン1世やその子孫も多く居住している。
 大阪に暮らす済州島出身者らは、事件50周年の1998年から犠牲者の慰霊祭を毎年開いており、真相究明にも取り組んできた。
 遺族会の呉光現(オ・グァンヒョン)会長は「大阪は済州と密接な歴史的関係がある。日本でも事件を記憶し、平和と人権の大切さを思い起こさせるため、慰霊碑の建立を目指している」と述べた。

死刑執行に反対/表紙が届く/スーパーで20分待たされ

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Japon. Les six ex-membres de la secte Aum ont été exécutés
Les médias nationaux japonais ont annoncé ce jeudi matin l'exécution des six autres ex-membres de la secte Aum, responsable de l'attentat au gaz sarin dans le métro de Tokyo en 1995. Début juillet, l'ex-gourou ainsi que six membres du culte avaient été mis à mort.
Six ex-membres de la secte Aum Vérité Suprême, responsable de l'attentat au gaz sarin dans le métro de Tokyo en 1995, ont été exécutés jeudi matin, s'ajoutant aux sept déjà pendus au début du mois, selon les médias japonais. Leurs noms sont Yasuo Hayashi, Kazuaki Okazaki, Masato Yokoyama, Satoru Hashimoto, Toru Toyoda et Kenichi Hirose.
Le ministère de la Justice, contacté par l'AFP, n'a pas confirmé dans l'immédiat, mais une conférence de presse de la ministre, Yoko Kamikawa, est prévue plus tard dans la journée, selon la chaîne publique NHK. Avec les exécutions de jeudi martin, tous les 13 ex-membres de la secte Aum condamnés à la peine capitale il y a plusieurs années ont ainsi été exécutés, dont le gourou Shoko Asahara (de son vrai nom Chizuo Matsumoto), exécuté au début du mois.
Le 6 juillet dernier, l'ex-gourou Shoko Asahara avait été le premier des 13 condamnés à être exécuté. Six autres complices impliqués dans l’attentat ont suivi, le même jour. La probabilité d’exécution des ex-membres de la secte Aum condamnés s’était récemment renforcée avec le déplacement de plusieurs d’entre eux, dans différentes villes de l'archipel. Des spéculations laissaient entendre qu’ils pourraient être pendus avant la fin de l’ère Heisei, soit avant l’abdication de l’Empereur Akihito, prévue en avril 2019.
Première peine capitale prononcée en 1999
Quelque 190 autres membres de la secte avaient également été condamnés à diverses sentences. La première peine capitale pour l'attentat de 1995 a été prononcée en septembre 1999. En décembre 1999, la secte Aum, qui a accueilli jusqu'à 10 000 fidèles, a reconnu pour la première fois officiellement sa responsabilité dans l'attentat contre le métro de Tokyo. Shoko Asahara avait vu sa sentence confirmée en 2006 et a attendu jusqu'au 6 juillet dernier.
L'attentat au sarin avait tué 13 personnes et en avait intoxiqué 6 300 autres. Aum est tenue au total pour responsable du décès de 29 personnes et de 6 500 blessés. Il y a trois semaines, lors de la précédente série d'exécutions de fidèles de cette secte, la ministre de la Justice avait dit avoir pris ≪ après une prudente réflexion la décision de signer l'ordre d'exécution ≫ de ces sept condamnés, estimant que ≪ des actes d'une telle gravité, sans précédent au Japon, ne doivent plus jamais se produire ≫.
Il a fallu 23 ans depuis l'attentat pour que cette sanction soit exécutée, malheureusement, les parents de mon mari, tué dans l'attentat, sont décédés avant ≫, avait alors déploré devant la presse Shizue Takahashi, l'épouse d'un employé du métro mort dans l'attentat et présidente d'une association de victimes. La loi japonaise précise que les condamnés à la peine capitale doivent être exécutés dans les six mois suivant la confirmation de leur sentence, mais dans la pratique ils restent souvent des années dans l'antichambre de la mort.
Crainte qu'il ne ≪ soit vénéré ≫
D'autres, comme l'avocat Masaki Kito, estiment que l'exécution du gourou et de ses disciples ne met pas fin à un attentat où demeurent de nombreuses zones d'ombre. ≪ Il est regrettable qu'ils aient été exécutés sans avoir parlé davantage ≫. Certains craignent en outre que la pendaison d'Asahara fasse de lui un martyr. ≪ Des craintes existent qu'il soit vénéré comme un dieu, je pense que nous devons rester vigilants ≫, met en garde Minoru Kariya, fils de Kiyoshi Kariya enlevé et tué par la secte Aum en 1995.
Les attaques menées par Aum étaient injustifiables et les responsables méritent d'être punis. Cependant, la peine de mort n'est jamais la solution ≫, a commenté Hiroka Shoji, chercheur sur l'Asie de l'Est au sein de l'organisation de défense des droits humains Amnesty International. L'organisme déplore depuis toujours que le Japon continue de pratiquer la peine de mort ≪ en disant que les exécutions sont inévitables parce que le public l'exige ≫, les sondages montrant en effet que le public soutient ce type de sentence.
Japanese politician under fire for calling LGBT community 'unproductive'
By Bani Sapra, CNN
A Japanese politician has come under fire for questioning whether LGBT taxpayers should receive equal welfare benefits to the rest of Japan.
Lower House member Mio Sugita called gay couples "unproductive" and wondered whether it was "appropriate to spend taxpayer money on them" in a magazine article published last Wednesday.
フランス語
フランス語の勉強?
内田樹 @levinassien
暑さを嫌って海外のトップアスリートが体調を配慮して参加を控えると、日本がメダルラッシュになるので日本国民大喜び・・・という展開まで考えてこの時期の開催にしたのか。組織委員会もしたたかですね。いや〜、ここまでの策は僕も思いつきませんでした。😅

闇のapj @apj
オリンピックボラ徴用のために大学スケジュール短縮せよって事実なの?文科省はこれまでさんざん15回確保しろ休んだらかならず補講するか課題を出すなどしてフォローせよ,って言いまくってきてるわけで,ボランティアごときで減らしていいんならこれまでのは何だったのよ。
M. Morise (忍者系研究者) @m_morise
大学側にボランティア促すってことは,本来ならば対価を払って協力を要請するべき業務の人件費を,大学に押し付けたってことです.学生からすれば,授業料払っているのに講義を受けられず,さらにボランティアへの動員要因にもされる形なので,散々ですね.
蓮池透‏ @1955Toru
1ヶ月で13人もの死刑執行。「極めて異例」ではなく「極めて異常」だ。
冨永 格(たぬちん) @tanutinn
モーニングショーで杉田発言。高木美保さん「多様性とは反対側の、差別を助長する表現。多数派におもねる政治が無意識のうちに根づいている」玉川徹さん「私も高木さんも子がいないが、生産性がないのか。国家のために国民があるという考え方が透けて見える。そういう党でいいのか、自民党は」
有田芳生 @aritayoshifu
まともな法務大臣は死刑執行を決断する前に該当者の裁判資料(会議室いっぱいになる)を読み込んだうえで判断をくだす。法務官僚からそう聞いた。13人ゆえ13室の資料を、党務、政務の合間に検討できるはずがない。「赤坂自民亭の女将」にオーナー(首相)から決行への間接的指示があったのだろう。
岸政彦 @sociologbook
会社も採用試験とか面接を普通に平日の昼間にやってるし(そのせいで授業に出られない)、ボランティアのために授業ずらせって平気で言ってくるし。教員の研究時間はどんどん削られるし。文科省の偉いやつは自分の息子を医学部に裏口入学させてるし。大学ってほんと何だろう。
本の虫 @hiro_akasaka
LGBTは子供を作らず生産性がない、税金を使うべきではないと雑誌に寄稿し、猛烈な批判を受けている自民党の杉田水脈議員。
NHKニュース9見ていてビックリ!
やまゆり園で19人を殺害した植松聖被告の「障害者は生産性がなく生きている価値がない。そこに税金が回されている」という主張と極めて近い。


またもオウム関連で死刑です.オウムだから死刑でいいなんて言うことは絶対にありません.オウムの考え等は私には理解できないし,サリンをまいて多くの人に恐怖を与えたことは許せることではありません.でもそれは死刑を認める根拠にはなりません.死刑執行に強く反対します.
出勤していない日ですが一応メールチェック.すると,表紙のデザイン案が届いていたとのメール.ちょっと安心しました.
夕方,スーパーに来て♪というメールがあっていくとなんと20分待たされてしまいました.もっともスーパーのなかでぶらぶらしていろいろ見ていたから楽しかったけれども.

デスク日誌 転ばぬ先の油
 ガソリンが高い。23日現在、東北のレギュラー1リットルの平均価格は151円40銭。県別では山形の153円80銭が6県で最高値だった。山形市内のガソリンスタンドの表示板には、血圧だとしたら治療が必要なレベルの数字が目立つ。
 東日本大震災直前も価格が上がり、東北は平均145円70銭だった。当時、節約のため、買い控えのほか、半分や一定の金額分を給油する動きが広がった。
 震災では目や耳を疑うことが次々と起きたが、ガソリン不足もまさかの出来事だった。一般車両の給油が制限されたことに加え、ガソリンを確保して安心したいという心理も働き、スタンドへの車列が延びた。
 被災時、自動車は便利な道具になる。電気、ガスが止まっても、カーラジオで情報が得られるし、暖房、照明も確保できる。ただし車中泊の場合は、運動やマッサージなど静脈血栓塞栓(そくせん)症(エコノミークラス症候群)の予防が欠かせない。
 電気自動車は別にして、各種機能が使えるのは燃料が入っていてこそ。残量計が半分になったらすぐ満タン。震災で身についた習慣を、ガソリンが高騰する今も続けている。(山形総局副総局長 須藤宣毅)


<模索する史都・多賀城市長選>(下)まちづくりの鍵/空き地増 活用策検討を
 東日本大震災で被災した住宅地などの現地再建を進めた多賀城市は、他の自治体に比べて復興が進んでいるとされる。ハード事業の終了が見えてきたが、生活環境などを巡り一部の市民から不満の声が上がる。復興後を見据えた産業や文化の振興、少子高齢化対策など新たなまちづくりの視点も必要になっている。任期満了に伴う市長選(29日告示、8月5日投票)を前に、課題を探った。(多賀城支局・高橋秀俊)
<南門復元を計画>
 多賀城市では2024年、多賀城創建1300年を迎える。節目の年を見据え、市は国特別史跡多賀城跡の南門復元を計画している。
 市の試算では、復元にかかる費用は約15億円に上る。関連施設を含む全体の事業費は53億円。うち37億円が市の負担となる。財源確保が難問になり、市は整備時期を明示していない。
 まちづくりの方向性を巡り、市民の間には、多様な意見がある。
 特産品として古代米の生産と商品開発に取り組む加藤真祟さん(36)は「地場産業と連携した新商品に可能性を感じている。史跡が充実すれば、より多くの人が集まるようになり、商機が広がる」と期待する。
 「史跡整備に力を入れ過ぎている」。274戸ある市内最大の災害公営住宅、市営鶴ケ谷住宅自治会で副会長を務める駒林幸雄さん(81)は、こう語る。
 「災害公営住宅は高齢者が多く、福祉に力を入れてほしい。市の施策は他自治体の後追いが多く、先進事例にも取り組んでもらいたい」と駒林さんは訴える。
 多賀城市には東北学院大工学部や陸上自衛隊多賀城駐屯地があり、企業の社宅も多い。市によると、住民基本台帳に基づく人口移動率は毎年13%強で、16、17年は宮城県内自治体で最も高い。地元意識が薄く「暮らしやすさ」を求める市民が多いのは確かだ。
<人材育成が必要>
 東北学院大工学部は23年、仙台市に移転する予定。大学生や院生約2000人が市外に移る見通しで、市中心部にある約15ヘクタールの大学跡地の活用が課題になる。
 関係者によると、東日本大震災後、市内では住宅地や南部の工業地帯に、空き地が目立つようになったという。
 第5次市総合計画の審議会会長を務めた東北学院大教養学部の柳井雅也教授(経済地理学)は「税収減を懸念しているが、市の対策が見えない。大学跡地を含む空き地の活用策が必要で、新たなまちづくりにもつながる」と語る。
 都市部でも人口減の時代を迎えることを踏まえ、柳井教授は力を入れるべき施策として人材育成を挙げる。「首長の任期中に成果が出にくい取り組みだが、ソーシャルビジネスやコミュニティービジネスに関わる起業家育成をサポートしてはどうか」と提案する。


NIE全国大会 岩手から生きる力発信
 「東日本大震災の混乱の中、どんな気持ちで新聞を出し続けたんだろう。強い気持ちと弱い気持ち。どちらも考えてみよう」
 被災地の新聞発行をテーマにした、盛岡市・松園小5年生の道徳の授業。中嶋一良教諭の問いかけに、子どもたちが考え、話し合う。意見発表では次々に手が挙がる。
 「正確な情報で命を救うという強い気持ちがあった」
 「記者の人たちも本当は逃げたかったかもしれない」
 「新聞を出すことが、被災した人に『諦めない』という気持ちも伝えたのでは」
 発表を聞きながら、震災発生後の日々が思い起こされる。一面のがれきを前に、無力感にとらわれたこともあった。だが、釜石市の避難所で被災者たちが、寒さに耐えつつ一心不乱に本紙を読む姿に、報道の意義、新聞の役割を再認識させられた。
 なぜ、子どもたちはこんなに積極的に発言できるのか。そこには、新聞活用の積み重ねがある。記事をスクラップして感想を書いたり、本紙「声」欄への投稿に取り組むことで、社会を多面的に捉える目を培い、文章力を磨き、自分の意見を堂々と言えるようになったという。あらためて、NIE(教育に新聞を)の可能性を感じる。
 きょうから2日間、第23回NIE全国大会が盛岡市と大槌町で開かれる。震災後、被災3県では初めての開催で、スローガンは「新聞と歩む 復興、未来へ」。記念講演や座談会、松園小や大槌学園の公開授業などが行われる。
 豪雨など各地で自然災害が頻発する中、大震災の教訓を継承し、子どもたちが主体的に学び、考え、判断する「生きる力」をはぐくむ教育はどうあるべきか。原点を再確認し、共に考える好機だ。
 相次ぐいじめ自殺などを受け、教育は今、大きく変わっている。学習指導要領の改定に伴い、4月から小学校の道徳が教科化。「正しさ」の押し付けではなく、「考え、議論する道徳」を実践するため、学校現場の模索が続く。
 メディア環境も変化。小学生もスマートフォンを持つ時代になったが、ネット上では虚偽情報や、社会的弱者を一方的に排撃する書き込みがあふれる。情報を上手に使いこなす教育の推進も急務だ。
 最も大切にしたいのは、子どもたちが多様な意見、価値観に学びながら、自由に考える環境を整えていくこと。そのため、新聞は格好の教材だ。大会を機に、子どもたちが日常的に新聞に触れる機会が広がることを願う。
 正しさを押し付け合うことなく、弱さに共感しつつ真の強さに学ぶ。NIEの先に、互いを尊重し、共に生きる社会を見いだしたい。


河北春秋
 長崎市東部の山川河内(さんぜんごうち)地区は山に囲まれた集落だ。人口約130人の村に150年以上前から続く風習がある。「念仏講まんじゅう」。毎月14日にまんじゅうを全戸に配る▼きっかけは1860年の土砂災害。30人以上の犠牲者を供養し、災害を後世に伝えようと始められ、親から子へと受け継がれてきた。約300人の死者・行方不明者が出た1982年の長崎豪雨の際には自主避難し、全員が無事だった▼気象予報士の弓木春奈さんは自著『気象災害から身を守る大切なことわざ』で「災害が多く発生する場所には必ず先人の知恵が残る」と述べる。東日本大震災後、過去の津波被害の石碑が見直されたのはその好例だ▼西日本豪雨の被災地にも石碑は多い。砂防ダムが決壊し、15人余が死亡した広島県坂町小屋浦地区には1907年の水害の碑が立つ。川の氾濫で50人以上の死者が出た岡山県倉敷市真備町地区にも76年の台風による水害を伝える碑がある▼災害はいつどこで起きるか分からない。弓木さんは「少しでも危険を感じたらすぐに避難する必要がある。空振りに終わっても『避難の練習になった』と思えばいい」と訴える。他人任せにしない。自分の身は自分で守る。いつの時代も基本は同じだ。先人の知恵はそのことを教えてくれる。

「災害弱者」/早期避難へ備えを確実に
 西日本豪雨で亡くなった人の7割は60歳以上だ。4千棟超が浸水した岡山県倉敷市真備町地区では9割に上る。
 同地区の犠牲者の大半は、家の1階や平屋など屋内で見つかった。1人暮らしや足の不自由な人も多く、2階や屋上に逃げる「垂直避難」ができなかった可能性がある。
 自力で避難が難しい高齢者や障害者ら「災害弱者」をどう守るか。高齢化が進む中で災害多発時代を迎えた日本社会に、突き付けられた課題である。
 重要なのは、早めの避難だ。自治体が避難を促す情報は3段階あり、最初に高齢者などに向け「避難準備・高齢者等避難開始」を出す。倉敷市が真備町地区に発令したのは堤防決壊の前日、6日午前11時半だった。
 ただこの段階では家にとどまる人が多かった。平時から「避難準備−」の意味が市民に十分伝えられていたか疑問が残る。
 避難勧告、避難指示の発令は6日午後10時から翌日午前1時半にかけてだった。携帯電話などのエリアメールに加え、町内の防災無線でも伝達した。
 しかし夜間の避難は危険を伴う。携帯がない高齢者世帯には指示が伝わらず、防災無線の音声も豪雨でかき消された。住民の避難行動を可能にする情報伝達のあり方を検討すべきだ。
 ケアが必要な災害弱者を受け入れる福祉避難所の利用が低調な点も気にかかる。
 自治体が福祉施設などを事前に避難所に指定する制度で、阪神・淡路大震災を教訓に導入された。しかし、一般の避難者が殺到しないよう周知を控えていることもあり、数十人の利用にとどまっている。
 避難の長期化による体調悪化を防ぐためにも、関係機関が連携してきめ細かなニーズの把握に努めてほしい。
 各市町には、避難に支援が必要な人の名簿作成が義務づけられている。地域の自主防災組織と共有して訓練に生かすなど備えを急ぎたい。名簿の定期的な更新はもちろん、名簿になくても支援を求める人たちへ
の目配りも不可欠だ。
 緊急時の声かけや避難の手助けで命を守るために、普段から地域で支え合うことも心掛けたい。


西日本豪雨、避難所で警告される「性被害」
 西日本豪雨の被災地で設けられた避難所では、場所によっては白い布の簡易間仕切りや段ボールでプライバシーが確保できるようになった。しかし女性たちは、「とてもではないが、ここでは着替えられない」と口を揃えるのだ。
 ならば更衣室で着替えては、と更衣室に目をやれば、扉に、〈性犯罪の防止!〉との赤字。薄着で歩き回ることを避け、複数で行動せよ、と添えられている。
 ここは岡山県倉敷市立薗(その)小学校。甚大な被害が出た真備(まび)町にあり、いまなお、300名近くが身を寄せる避難所だ。
「このビラは、うちが自主的に貼ったものです」
 と、小学校の教頭が語る。
「なにか犯罪があったわけではありません。が、東日本大震災や熊本地震で性犯罪が発生したことは知っておりますので、注意喚起が必要と考えて作りました」
 各地が土砂崩れや洪水に襲われてから1週間、7月12日ごろに作ったという。
「同じころ、体育館の周囲に防犯カメラも設置しました。怪しい車や不審者の出入りがないかチェックできるようにしてあります」
 血も涙もない火事場泥棒もいる。決して大げさではない。同じ真備町の吉備路クリーンセンターのホワイトボードにも、
〈避難所・避難先では女性や子どもを狙った性被害・性暴力、DVなどが発生するリスクが高まります〉
 そう警告する市役所作成のチラシ。〈性的な嫌がらせやいたずらなど尊厳を傷つける行為も犯罪です〉〈被害をうけたら相談を!〉とも書かれていた。ここに避難している20代女性に聞くと、
「オレンジ色の服でレスキュー隊の格好をした男に襲われたという噂を耳にしました。SNSにも、レイプ事件が起きたなんて投稿があるし、本当に怖いです」
 事件の報にはまだ触れていないが、防災担当の内閣府関係者は憂いを隠さない。
「先の熊本地震では、地震が起きた2016年度だけで、強制的な性交や盗撮などが約10件に上りました。避難所で寝ていた10代の女の子をボランティアの少年が襲った、ショッキングな事案もある。ただ、被害者が申告しなかったり、避難所の管理者が通報しないケースも多く、避難所での性被害は全容がなかなか掴みにくいのが実情なのです」
 どの避難所でも、首にタオルを巻き、白いTシャツに汗を滲ませた女性が見受けられた。彼女たちは、傷んだ自宅を片づけ、土砂をかき出す作業などをして避難所に戻ってくるのだ。着替えるのは、風呂と親族宅へ行ったときだけである。
 酷暑の避難所で過ごす労苦に加え、性被害の闇にも怯えねばならないとは……。


赤坂自民亭だけじゃなかった! 安倍首相が豪雨真っ最中6日夜も災害無視し、自民議員と総裁選対策の極秘会合
 やはり安倍首相は豪雨災害への対応をあえて無視していた──。その証拠ともいえる新事実が発覚し、ネット上では再び怒りが噴き上がっている。
 新事実というのは、24日放送の『news every.』(日本テレビ)が伝えた今月6日の安倍首相の行動だ。首相動静では、この日は公邸で18時49分から規制改革推進会議の大田弘子議長や議長代理のフューチャー会長・金丸恭文氏、梶山弘志規制改革担当相らと会食し、20時4分に終了。安倍首相は公邸泊だった。
 だが、同番組によれば、じつはこの日の夜、自民党の無派閥議員が乗った車が公邸に入っていく様子が確認されたという。その上、そこには菅義偉官房長官の車もあり、公邸では「菅長官が自らとりもった、安倍首相と無派閥議員の極秘会合」(番組ナレーションより)がおこなわれたというのだ。無論、この極秘会合の目的は、総裁選3選に向けた、無派閥議員の囲い込みである。
 つまり、安倍首相は公邸で災害対応のために公邸に宿泊したのかと思いきや、実際は総裁選に向けた極秘の会合を開くために公邸にとどまっていただけだったのだ。現に、災害対応に当たるならば翌日も公邸に宿泊しているはずだが、翌7日朝は官邸でたった15分だけ関係閣僚会議に出席すると、さっさと私邸に帰っている。
 6日といえば、午後から広島県内では土砂崩れがさまざまな場所で発生し、17時10分には福岡県と佐賀県、長崎県に大雨特別警報が発令。気象庁は「これまでに経験したことのないような大雨」「重大な危険が差し迫った異常事態」「土砂崩れや浸水による重大な災害がすでに発生していてもおかしくない状況」と呼びかけていた。その後もこの夜のうちに広島県、岡山県、鳥取県、京都府、兵庫県に大雨特別警報が出ている。
 しかも、安倍首相はこうした情報を知らなかったわけではけっしてない。事実、この6日の午後、安倍首相は7・8日に総裁選のための地方行脚として予定していた鹿児島・宮崎県への訪問を〈現地での捜索活動などに悪影響を与えてはいけないと判断〉(時事通信より)して取り止めたことを公表しているのだ。
 ようするに、「捜索活動」がおこなわれる深刻な事態であることを理解していながら、自分は公邸で総裁選のための極秘の選挙運動に勤しんでいたのである。
 ご存じの通り、この極秘会合の前日にあたる5日夜には、安倍首相は例の「赤坂自民亭」に人気の日本酒・獺祭を持参して参加。西村康稔内閣官房副長官の〈笑笑 いいなあ自民党〉というツイートや、左藤章衆院議員がテレビの取材に答えた「酒飲んでワァー」という台詞が象徴しているように、内輪で和気あいあいと酒盛りに興じていた。
 もちろん、安倍首相がわざわざこの宴会に出席したのも、総裁選を睨んでのこと。実際、「週刊ポスト」(小学館)8月3日号では、安倍首相が若手議員に対して「全国どこにでも行くから、演説会や懇親会をセットしてくれ」と売り込んでいたことが暴露されている。
 西日本豪雨での死者は200人を超え、1982年の長崎大水害に次ぐ被害が出るという平成で最悪の事態となった。「安倍首相の初動がもっと迅速であれば、救えた命はもっとあったのではないか」という声はずっと起こってきたが、まさか6日夜という特別警報が発令されているなかでも総裁選のことしか考えていなかったとは──。もはやこれは、私利私欲でしか行動しない総理の無責任さがもたらした“人災”だと言うべきだろう。


相模原事件2年 意識の底の差別見据え
 追悼式の祭壇に遺影はなく、19色の折り紙で作ったやまゆりの花が供えられた。事件で亡くなった19人は、いまだに1人も名前が公表されていない。
 相模原の障害者施設「津久井やまゆり園」で入所者が殺傷された事件から2年になる。障害者への根深い差別を浮かび上がらせた事件に、この間、社会は正面から向き合ってきただろうか。
 むしろ時間とともに忘れられ、奪われた命をひとくくりに数でしか語れないまま、事件は風化しようとしていないか。あらためて問い直さなければならない。
 障害者は不幸をつくることしかできない。だから抹殺する―。逮捕、起訴された元職員の男が殺意を向けたのは、やまゆり園の入所者だけではない。
 障害がある人の多くがそう受けとめたからこそだろう。事件後、当事者として自ら障害者が置かれた状況を変えていこうと声を上げ、行動を起こしている。
 一つは、やまゆり園の建て替えをめぐってだ。神奈川県は、現地に大規模施設を再建する当初の計画を撤回した。障害者団体から「再び地域社会から隔離される」と強い批判が出たためだ。
 練り直した構想では、小規模な施設を分散して造るとともに、入所者本人の意思を踏まえ、少人数のグループホームなどで暮らす地域移行を支援する。再建を望む多くの家族とは溝がなおあるが、グループホームを選択肢と捉える家族も出てきているという。
 地域で暮らすことは、人間として当たり前の権利である。社会に届きにくかった当事者の声に目が向くようになった意味は大きい。それが家族の考え方とぶつかるならなおさら、丁寧に議論を積み重ねることが欠かせない。
 元職員の男を突き動かしたのは、障害者を社会に無益な存在と見なして排除する優生思想である。それは、戦後半世紀近くにわたって存続した旧優生保護法とも根でつながっている。
 旧法の下、多くの障害者らが不妊手術を強いられた実態の掘り起こしが、ここにきて進んでいる。優生政策を推し進めた国や自治体の責任とともに、それを許し、ときに後押しした社会のあり方もまた問われなければならない。
 事件は、おぞましい怪物が起こした特異な犯罪ではない。私たち自身の意識の底に差別は潜んでいる。そのことを見据え、すべての命は存在するだけで価値があると言い切れる社会にしていくために何をすべきかを考えたい。


相模原事件2年 差別を容認しない社会へ
 相模原市の知的障害者施設「津久井やまゆり園」の事件から2年になる。
 入所者19人が殺害され、職員2人を含む26人が負傷した。殺人罪などで起訴されたのは施設の元職員だった。「障害者は生きていても仕方がない」といった被告の身勝手な主張は、社会に大きな衝撃を与えた。
 被告は施設職員として障害者の身近で接しながら、なぜ差別意識を膨らませたのか。これから始まる公判で犯行に至る経緯を探り、事件の真相を明らかにしてもらいたい。
 被告の主張は独善的で、許されるものではない。ただ、事件後、被告の言葉に共感を示すような書き込みがインターネット上にあったことも忘れてはなるまい。
 共同通信が昨年、全国の知的障害者家族に行ったアンケートでは7割近くが事件後に「障害者を取り巻く環境が悪化したと感じた」と答えた。具体的には「ネットなど匿名の世界で中傷が相次いだ」との回答が31%で最多だった。
 23日に行われた神奈川県主催の追悼式は昨年同様、犠牲者19人全員の氏名を伏せて営まれた。黒岩祐治知事は式で一人一人の名前を呼んで弔いたいとの意向を持っていたが、遺族の一部から理解を得られなかったという。
 遺族が今なお、差別や偏見を恐れて沈黙せざるを得ない社会の現状に目を向けなければならない。根深い差別や偏見をいかにして払拭(ふっしょく)していくか。事件が示した、社会への重い問い掛けでもあろう。
 神奈川県はやまゆり園の建て替えに着手した。地域で障害者との共生を目指す障害者総合支援法の理念を重視し、小規模施設を分散して整備するほか、家庭的なグループホームも増やし、入所者の選択肢を広げる。障害者本人の意向を丁寧に確認し、意思決定できるように支援するという。今後の障害者福祉のモデルとなるか、注目される。
 被告が精神障害治療の措置入院から退院後に事件を起こしたことから、措置入院のあり方も注目された。政府は、退院後の支援に警察が関与する精神保健福祉法改正案を国会に提出したが、昨年の衆院解散で廃案になった。法案には「治安目的の監視だ」と精神障害者の当事者や家族らが強く反発していた。社会復帰につながる支援のあり方について、さらに丁寧に議論を進める必要があるだろう。
 先の追悼式で知事は犠牲者それぞれのエピソードを紹介した。「小学生と二人三脚をがんばったあなた」「お母さまからすてきな水着をもらって喜んでいたあなた」「お祭りの屋台が大好きだったあなた」…。犠牲になった19人は個性あふれる人たちだった。
 障害のある人もない人も命の重みに変わりはない。私たちが目指すのは多様な個性が共に生きる社会である。犠牲者と遺族の無念さを忘れず、差別を容認しないという意識をあらためて共有したい。


相模原殺傷2年 職員ら「悔しかったろう」「忘れないで」
 相模原市の障害者施設で起きた殺傷事件から2年の26日、現場の「津久井やまゆり園」の前に設けられた献花台には、職員や園の利用者が折り紙で折ったユリの花や千羽鶴などが供えられた。
 相模原市の垂水京子さん(61)は知的障害がある次男の亮太さん(29)と献花台を訪れた。亮太さんは事件の約1週間前にも園を短期利用していた。京子さんは「もしかしたら自分の息子だったかもしれないと思うと身につまされる。亡くなられた方は本当に悔しかっただろう」と語り、声を詰まらせた。
 入倉かおる園長は「利用者一人一人の声に精いっぱい耳を傾けることが残された私たちの役目」と、手を合わせた。入所者家族会の大月和真会長(68)は「19人は今も僕たちを見ているはず。早く平穏になってほしいが、事件を忘れてほしくはない」と語った。【国本愛】


東京五輪まで2年 酷暑への対策、抜本的に
 東京五輪の開幕まで2年を切った。心配された競技場の建設は順調らしいが、別の不安が影を落としている。暑さである。
 西日本豪雨の被災地をはじめ日本各地が連日、猛暑に見舞われている。先日は東京都内で40度を超えた。熱中症で救急搬送される人が相次ぎ、死者を出す事態となっている。
 「命に危険があるような暑さで一つの災害」だとして、気象庁も国民に認識を改めるよう促したほどである。2年後、同じ「災害」級の暑さに見舞われた場合、五輪を無事開催できるのだろうか。
 組織委員会は暑さを考慮し、招致段階の計画から競技日程などを変更した。例えばマラソンは30分早めて午前7時のスタートに。競歩は午前6時に、開始時刻を前倒しした。都はコースに特殊舗装を施し、路面温度を8〜10度抑えるという。
 併せて求められるのは、選手のほか観客や大会に関わる人の「命を守る」対策である。
 観客向けの対策として、入場を待つ列にテントや大型冷風機を設置する。さらに行列は「蛇腹状」ではなく、1列にすることで風通しをよくする。
 また応急処置に当たる「医事ボランティア」を観客千人に1人の割合で配置する。一般のボランティアには、屋外での活動時間に上限を設定するという。
 きめ細かな工夫ではあるが、これで事足りるとは思えない。工事が進む競技場が公開された時には気温が40度を超えたとも伝えられるからだ。
 会場に観客を入れる際に、手荷物検査の待ち時間は「最長20分」が目標というが、テロ対策に十分な時間だろうか。
 先日のセレモニーで、組織委の森喜朗会長は「2年後にこの暑さがあってもしっかり頑張りたい」と述べていた。精神論ではなく、危機感を持って抜本的対策を考えてもらわねば困る。
 海外メディアもここに来て、「選手や観客が熱中症など危険な状態になりかねない」と懸念を示し始めた。夏の開催を疑問視する論調まである。
 開催時期については国際オリンピック委員会(IOC)に責任があると言わざるを得ない。夏場に開くのは、米国の放送局の意向に配慮しているためという。放映権料やスポンサーが絡み、時期設定は開催地の自由にならない。このような運営を続けていては今後、五輪の開催自体を難しくするだろう。IOCは姿勢を改めるべきだ。
 選手や観客が生命の危険にさらされては、「平和の祭典」という理念に反する。開催国日本もスポーツの裾野を広げるといった目的を実現できまい。
 招致時に掲げた「復興五輪」の姿が見えてこないのも気に掛かる。先日、東日本大震災の被災地をつなぐリレーが青森をスタートしたものの、五輪と被災地復興をどれほどの国民が結び付けて意識しているだろうか。招致時の原点に戻る必要があるのではないか。
 期間中、広島と長崎が被爆75年を迎えることも忘れてはならない。被爆国で「平和の祭典」を開く意義は、核兵器禁止条約ができた今、一層大きいはず。核廃絶の願いを広く共有できないか。その方策も探りたい。
 2年と迫った五輪を、安全に開催し、理念を実現するために練り直すべきことは多い。


岩手県次期総合計画/理念ににじむ反骨と挑戦
 岩手県政の長期展望を明らかにする次期総合計画(2019〜28年度)の素案が発表された。自治体運営の最上位に位置付けられながら「役人の頭の体操」などとやゆされることも多い総合計画にあって、素案は異色の理念を提示してみせた。
 次期総計が問い掛けるのは「幸福とは何か」だ。「物質的な豊かさ」や「経済的尺度」で目指すべき将来像を明示してきた旧来の手法とは一線を画し、「心の豊かさ」や「地域や人のつながり」を大切にして県民一人一人の幸福度を高めていくとした。
 一見、捉えどころのない観念論のようだが、穏やかな言葉遣いの裏に隠された反骨と挑戦を見逃してはならない。
 素案は、国の重要施策である地方創生を「期待された効果が表れていない」と否定。大企業が潤えば中小企業や家計にも恩恵が滴り落ちるというトリクルダウン理論など安倍政権の成長戦略に総じて反意を表した。
 総計の策定責任者である達増拓也知事の政治的スタンスとの関連を指摘する向きもあろう。だが、単なる「政権への当て付け」と受け取るのは早計だろう。
 資源に限りがあることを踏まえて近年、国と国、地域と地域の成長競争より域内の経済循環を重視すべきだという主張が台頭している。定常型社会理論という。
 提唱者の広井良典京都大教授(公共政策)は「国内総生産が増えれば幸せになれるという考えに基づいて経済の拡大を追求した結果、人、物、財の東京一極集中を招いた」と指摘。「中央集権と成長型社会は表裏を成す」と見抜いた。
 戦後日本に価値観の転換を迫った東日本大震災の被災県が新たな針路を模索するのは、むしろ当然だろう。県主導で押し進める再生可能エネルギー開発は、その一例だ。
 岩手県は広大な県土と豊かな自然環境に着目し、震災発生の前から水力や風力による自前の電源開発に取り組んできた。今年1月にも、公営では国内最大級の高森高原風力発電所(一戸町)が営業運転を開始している。
 ただ、次期総計が掲げる理念は「幸福を守り育てる」と甚だ抽象的で、これを唐突に提示された県民や議会の間には困惑が広がっている。
 県内各地で開催した県民説明会では、理念を是としつつも「具体策は新味に乏しく、過去の総計との違いが分からなくなる」と辛口の感想が相次いだ。指摘はもっともで、県には理念を具体的な形にする努力を求めたい。
 総計が成案となるには県議会の議決を経なければならない。議員からは既に「そもそも行政が『幸福』を定義していいのか」など多くの疑問が投げ掛けられている。
 次期総計を審査する特別委員会を設置した県議会には、県民の理解が深まるよう議論を尽くしてほしい。


柳瀬氏の退任 加計疑惑にフタなのか
 経済産業省の柳瀬唯夫経済産業審議官が退任する人事は何を意味するのか。後任が同期入省なのに「世代交代」という説明には無理がある。加計学園問題の疑惑にフタをするのが狙いではないのか。
 安倍昭恵首相夫人付きの政府職員、谷査恵子氏が突然、イタリア大使館勤務となった異例の人事を想起する人も少なくないだろう。
 森友学園への国有地売却をめぐって財務省へ問い合わせた谷氏は疑惑の鍵を握る人物だった。昭恵氏を守り通した論功に加え、海外勤務となれば疑惑の追及や取材から遠ざけられる狙いがあったとの見方は否定できまい。
 森友問題で虚偽の国会答弁をするなど政権擁護に徹した佐川宣寿(のぶひさ)氏も国税庁長官に栄転させた政権である。しかし、佐川氏の場合、政権の論理は国民感情とあまりにかけ離れて厳しい批判を浴びた。さらに国会の証人喚問も回避できず、政権にとって少なからずダメージとなった。
 そこで柳瀬氏である。加計学園関係者と官邸で三回面会し、国会で追及された。栄転させれば批判を招くのは火を見るよりも明らかだ。留任させたら野党の証人喚問要求がいつ高まるかもわからない。退任させ民間人になれば、官僚よりも証人喚問のハードルは高くなる。仮に海外に移れば、なお好都合だ−疑えば、そうなる。
 こんな不埒(ふらち)な考えを抱いてしまうのも、安倍政権がまるでトカゲの尻尾切りのように官僚らの人事を都合よく差配してきたからだ。うそをついてでも政権を擁護すれば厚遇し、良心に従って公僕としての仕事を全うしても政権にとって不利になるのなら徹底的に冷遇するのである。
 官僚の幹部人事を官邸が実質的に決める内閣人事局制度を悪い方向に使っているのである。政治家が官僚を使いこなすのは一概に悪いことではないが、有能な官僚が政権の顔色ばかり窺(うかが)い、忖度(そんたく)し、公平であるべき行政が歪め(ゆが)られている現状は明らかに異常である。
 国会で首相の背後にいる秘書官が身を乗り出して野党の質問者にやじを飛ばす異様な光景が、こうした荒涼たる政と官の関係を物語っている。
 柳瀬氏の経済産業審議官は事務次官に次ぐポストだ。通商政策を担い、米国第一主義を掲げるトランプ政権と粘り強く交渉しなければならない要職である。
 このタイミングで退任させるのはなぜか、「疑惑にフタ」という疑惑が残る。


最賃引き上げ 待遇改善へ議論深めて
 厚生労働省の中央最低賃金審議会が2018年度の地域別最低賃金(時給)の目安を決めた。
 全国平均の上げ幅は26円で874円、北海道は25円引き上げて835円とした。
 目安額を時給で示し始めた02年度以降で最大の上げ幅だが、この通り決着しても、道内は年収換算で約170万円にとどまる。
 年収200万円が分かれ目とされるワーキングプア層を減らしていくことが大切だ。
 日本の最低賃金は依然、他の先進国に見劣りし、特に非正規労働者の待遇改善が急務である。
 賃上げによる景気浮揚を目指し、政府は最低賃金を毎年3%程度引き上げ、20年ごろまでに千円にする方針を掲げている。
 ただ、3年連続の年率3%相当の引き上げが、中小零細企業を圧迫しているのも事実だ。
 こうした企業への経営支援策も併せて拡充する必要がある。
 道地方最低賃金審議会で本格的な議論が始まる。労使双方で議論を深め、働く人が安心して暮らせるよう接点を見いだしてほしい。
 非正規労働者は過去最多を更新し続け、約4割を占める。最低賃金水準で暮らす人も多く、子どもの貧困の一因ともなっている。
 賃上げの流れを継続させなければならないが、経営余力の乏しい中小零細企業も少なくない。
 昨年の最低賃金引き上げ前、道商工会議所連合会が行った調査によると、回答企業の半数超が引き上げ幅を「妥当」としつつも、4分の1は経営に「マイナスの影響の方が大きい」と答えている。
 賃上げに努力する中小企業に、税や社会保険料の負担軽減を検討するなど、実効性のある支援策が求められる。
 問題は、大企業が中小企業に不利な取引を強いる「下請けいじめ」が横行していることだ。
 公正取引委員会から指導を受けた企業数は、17年度はこれまでで最も多い6752件に上った。
 政府は、不当な取引に対する監視を強め、中小企業が賃上げしやすい環境整備を急ぐべきだ。
 都道府県別で最高の東京都は985円で千円目前だが、なお19県が700円台にある。最低額の県との差も10年前の139円から225円に広がった。
 引き上げ目安も、最高ランクの東京都などは27円、最低の沖縄県などは23円で4円の開きがある。
 これでは東京一極集中が加速し、地方はますます疲弊する。地域間の格差是正も課題だ。


水道民営化、アメリカでは実際に何が起きたか
<日本の水道民営化議論は、地方自治体が設備維持コストに耐えられないという状況から出てきたが、先行したアメリカの例を見れば、経済合理性のなかで維持コストが利用者に転嫁されることは明らか>
水道の民営化という議論が進んでいます。この民営化を含む「水道法改正案」がすでに2017年に立案され、2018年7月22日に閉会した国会でも審議されました。この国会では成立しなかったのですが、秋の臨時国会で再び審議される見通しだと言われています。
アメリカはこの水道民営化が世界でも先行した地域です。17〜18世紀の開拓時代には、それぞれの入植地や市町村が水道を建設していたのですが、19世紀の後半から民営化の動きが進んだからです。
同時に広域化も進みましたが、そんな中から全米最大の「民営水道会社」であるアメリカン・ウォーター(AW)が出てきました。AWは水道と電気供給の企業として1880年代に設立され、その後1947年に水道専業に改組、現在は全米50州のうち46州に加えて、カナダのオンタリオ州でもビジネスを展開しています。
アメリカで水道民営化が進んだ事情は特殊です。広大な国土に、分散した形で入植が始まった経緯があり、バラバラに水道が建設されたのですが、個々の経営は零細でした。ですから入植後100年以上が経過して、設備の更新を進める必要が生まれたときには、市町村には負担が重かったのです。
一方で、アメリカの市町村というのは完全独立採算制で収支の透明性が要求されるため、納税者の意識は高かったのです。そこで、「民営化による広域化」か「個々の市町村による公営事業として設備投資の継続」かというと、後者はムリであって、必然的に民営化による広域化が選択されていったのでした。
もちろん大都市など規模の大きい自治体では公営も残りました。また、民営化されたとはいえ、水道というのは文字通りのライフラインですから州や市町村は水質管理や安定供給に関する監督権は有しており、とりあえず100年以上の民営化の歴史において水道供給の大破綻という事態は起きていません。
例えば、2014年にミシガン州のフリントで水道水の鉛汚染が問題になりました。これは自動車産業が繁栄していた時代の延長で「公共水道」のまま運営してきた一方で、周辺都市が準民営化に走った中で取り残されたための問題と言えます。仮の話ですが、もっと経済が回っていた時代に民営化していたら、万事うまく行っていたに違いありません。(ちなみに、このフリントの問題はまだ解決していません)
では、アメリカで水道民営化は成功しているのかというと、そう簡単な話ではありません。実際に民営化水道を経験してみると、企業によって様々な問題があることがわかります。
例えば、私の住むニュージャージー州の中部は、以前は「エリザベス・ウォーター社(EWC)」というのが水道を供給していました。ところが、取水しているラリタン川という河川が豪雨のために氾濫し、その泥水が浄水場に溢れるという事故が起きたのです。その処理費用の重さに耐えられなくなったEWCは、この地域の事業をAWに売却しました。
さすが全米最大の企業だけあって、AWによって浄水場の洪水対策は整備されましたし、定期的な水道本管の清掃作業なども行われるようになりました。では、良いことばかりかというと、そうではありませんでした。問題は、料金が高くなったことです。EWCからAWに移行したことで、水道料金は40%ぐらい跳ね上がったのを記憶しています。
また、AWは加入者との契約を変更してきました。EWCのときは、水道本管から各家庭への引き込み線までは、仮に損傷があった場合の修理は無償でした。ところが、AWになったら、各家庭の引き込み線の所有権は各家庭にあるとして、破損したら自己責任ということになりました。
その自己責任というのが問題で、仮に破損した場合に近所の配管工を呼んで修理していいのかというと、これが約款で禁止されているのです。どういうことかというと、本管に接続する部分の工事は、AWの指定業者しか認めないというのです。
では、その料金はというと、例えば1件1万ドル(110万円相当)という高額なものとなり、また呼んでもすぐに配管工は来ないという話もあります。どうすればいいのかというと、AWは「配管保険」というのを売っていて、「自己責任の引き込み線部分の損傷をカバー」という触れ込みで、かなりの保険料を取るのです。
実際に配管の事故を経験した人の話では、「AWの配管保険に入っていると、破裂しても無料でカバーされるだけでなく、修理も優先される」のだそうで、そうなると仕方なく保険に入らざるを得ないことになります。
別にAWが悪質なのではありません。民営化というのはそういうものです。水道事業というライフラインについて、その維持コストの全てが民間の経済合理性で回っていく、その中で転嫁できるコストは利用者に転嫁するというのが民営化です。
一方で、今回の日本の民営化議論というのは、人口縮小で需要が収縮する中で、巨大な設備更新コストには、脆弱な地方自治体の財政では耐えられないという危機的な状況の中で出てきたものです。ですからアメリカでまがりなりにも成功しているということは、比較にならないと思います。
日本の場合に懸念されるのは、民営化によってコストが顕在化し、それによって水道事業の破綻が早期化するという問題です。結果として、否応なしにコンパクトシティ化が進むということもあるかもしれませんが、国土のある部分について、最優先のライフラインである水道供給が破綻していけば統治の崩壊につながります。
となると、民営化しつつ相当部分の補助を公費で実施するという形になるのかもしれませんが、その場合は業者との癒着が起きないように監視体制が重要になります。その一方で、広域化を進めて効率を追求するというのは必要なことであり、現在の制度がこのまま維持できるとは思えません。
心配なのは、今回の西日本豪雨のような大災害で、水道インフラが破壊された場合です。民営の場合、リターンの期待できない修復コストの負担はしないかもしれません。では脆弱な各地方自治体の財政にその能力があるのかというと、これもないわけです。
この水道民営化法案ですが、大変に重要な問題であり、審議を尽くす必要があります。また決定後に「ご存知ですか?」などと告知をするのではなく、審議へ向けて賛否の議論を盛り上げていく必要があります。とにかく、実施可能な範囲での実務的な議論にしていかねばなりません。


日本の科学研究力 「選択と集中」が招く低迷
 日本の科学研究力の低迷を示すデータが相次いで発表されている。このままでは、政府が掲げる「科学技術立国」も幻と化すのではないか。
 今年の科学技術白書によれば、2013〜15年に発表された日本発の論文数の国際シェアは4位、質の高さの目安となる被引用数が多い論文のシェアは9位だった。03〜05年はそれぞれ2位と4位だったが、中国や欧州勢に抜き去られた。
 この間、日本の科学技術関係予算はほぼ横ばいだが、米国や中国、英独などは大きく伸ばしている。
 英科学誌ネイチャーは昨年、「科学界のエリートとしての日本の地位が脅かされている」と警告した。
 厳しい財政状況の中、国立大学の基盤的経費である国の運営費交付金は、04年の法人化後に1500億円近く減った。若手研究者の職探しも難しく、不安定な身分を嫌う学生が博士課程に進まなくなっている。
 こうした中、政府が力を入れてきたのが、分野を選択して短期的に集中投資し、社会にイノベーションを起こす戦略だ。特に内閣府が主導する大型研究プロジェクトが目立つ。
 「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」では、14年度から5年間で自動運転技術など11課題に約1580億円を投じたが、目立った成果は出ていない。内閣府の他のプロジェクトも同様だ。
 そもそも「選択と集中」がイノベーションにつながるとは限らない。どんな研究や発想が画期的な成果をもたらすかを予測することは難しいからだ。
 だからこそ、幅広い分野の基礎研究に資金を投入し、長期的に研究の芽をはぐくんでいく必要がある。
 日本の科学技術関係予算は英仏などに比べまだ多い。予算の過度な選択と集中が、多様な研究の土台を揺るがし、若手研究者の意欲を低下させてはいないだろうか。
 政府が6月に閣議決定した統合イノベーション戦略では、文部科学省の科学研究費補助金(科研費)を若手に重点配分する方針などを打ち出した。方向性は理解できるが、科研費の採択審査では、短期的な成果にとらわれない評価が必要だ。
 将来を担う若手が活躍しやすい環境を確保しない限り、日本の研究力の低迷は続くだろう。


関学大、単位不足は試合出場禁止 スポーツと学業両立促進
 関西学院大(兵庫県西宮市)は25日、体育会運動部に所属する学生を対象に、取得単位数などが規定に満たなければ対外試合などへの出場を禁止する制度を設けると発表した。スポーツ庁などによると、同様の制度は早稲田大(東京)が導入しているが、全国でも珍しいという。ともすると学業より部活動が優先されがちな学生スポーツ界に一石を投じる取り組みとして注目されそうだ。(大盛周平)
 全国制覇の実績があるアメリカンフットボール部やサッカー部など全42部が対象で、来年春の新入生から適用。自主的に部員の学業成績に応じて試合への出場可否を決めている部もあるが、全学で統一基準を設ける。学生個人とも入学時に合意書を交わすという。
 新制度では、4年に4〜8回、取得単位数に応じて「出場資格あり」「条件付き出場資格あり」「出場資格なし」の判定文書が各部の部長や学生本人に届く。「資格なし」なら練習試合を含む対外試合に半年間は出場禁止となり、国際大会の日本代表に選ばれても出られない。「条件付き」の場合、論文の書き方などを学ぶ支援プログラム受講で出場資格が復活する。
 出場禁止となるのは、1年終了時に20単位以下、2年終了時に41単位以下の場合など。これは、4年間で取得しなければならない124単位を2年間留年して取るペースというが、体育会に所属する在校生に当てはめると3%が「出場資格なし」になるという。
 東京都内で村田治学長とともに会見に臨んだ冨田宏治副学長は「プロスポーツを目指すような学生でも、大学で学ぶ以上は最低限の学業を習得してほしい。学業との両立は本学体育会のモットーであり、いたずらに機会を奪う意図はない」と説明した。
 大学スポーツを巡っては、学業との両立支援を重視する全米大学体育協会(NCAA)の取り組みにならった「日本版NCAA」設立の動きがスポーツ庁で進む。同庁は「設立準備委員会で検討が始まっており、関学大の制度も参考にしたい」としている。
■「文武両道」県内他大学では−甲南大学期ごとに面談
 「文武両道」のアピールも狙い、取得単位数に応じて運動部の活動に一定の制限を加える制度導入に踏み出す関西学院大。学業とスポーツ活動の両立支援の面で日本は米国などに遅れているとされ、文部科学省は関学大の決断を「学業の重要性がきちんと認識されている」と歓迎する。
 兵庫県内の大学も両立支援を模索している。60人程度のスポーツ推薦制度がある甲南大(神戸市東灘区)は、同制度で入学して成績の芳しくない学生に学期ごとに面談を実施。「勉強に身が入らない」などの声もあるという。今後、面談の対象を体育会に所属する学生全体に広げる方針で、担当者は「指導者とも情報を共有し、授業参加を促したい」とする。
 神戸学院大(本部・同市中央区)の担当者は「体育会の学生は『礼儀が正しい』などと企業から評判はいいが、学生の本分はあくまで学業」と言い切る。公式戦などで授業を欠席する場合、出席扱いとして考慮されるケースもあるが、硬式野球部に所属する男子学生は「監督やコーチからは『授業が優先だ』と口酸っぱく言われる」と話す。
 一方、神戸大(同市灘区)は「スポーツ推薦の制度自体がなく、課外活動を理由にした単位認定の特例もない。部活動は基本的に学生の責任と捉えている」としている。(井上 駿)


東京医大「裏口入学」問題 文科省前局長に“密談音声”報道
「もう、あと5点、10点欲しかったね」――。東京医科大の「裏口入学」問題で、東京地検特捜部が受託収賄罪で起訴した文科省前科学技術・学術政策局長の佐野太被告と、同幇助罪で起訴した元医療コンサルティング会社役員の谷口浩司被告、贈賄罪で在宅起訴した臼井正彦東京医科大前理事長らの密談を録音した音声データをJNNがスクープ報道した。
 報道によると、昨年5月に都内の飲食店で交わされた会話だという。音声データには、前年度の入試で不合格となった息子について、佐野被告が〈本当に申し訳ございません。よろしくお願いします〉と言うと、臼井が〈まあ、来年は絶対大丈夫だと思いますが、もう、あと5点、10点欲しかったね〉などと答える場面が録音されていた。
 また、〈先生、2つお願いがありまして、1点は、私の名前を絶対にその人に言わないでください〉などと頼む佐野被告に対して、臼井が〈分かりました。今も佐野さんの名前は、一回も出していませんから〉と口裏合わせを了承する様子もあった。
 さらに、文科省が補助金を出す「私立大学研究ブランディング事業」について、臼井が「ですから、ブランディングの方も、ぜひ」と語気を強めると、佐野被告が〈一番の殺し文句はですね。これで、新しい学問領域を作ります。じゃあ、この件は承りましたので〉と答え、〈予約入学〉などと口にする場面もあった。


総務相に情報漏洩 公開制度の根幹揺るがす
 野田聖子総務相の事務所に絡む情報公開請求を受け、金融庁が、開示請求した報道機関名を含む情報を総務相側に漏洩(ろうえい)していたことが明らかになった。
 開示請求者の情報が漏れると分かれば、権力者側からの報復といった不都合を恐れて公開請求を見合わせるケースが少なからず出てくる。情報公開制度の意義を根底から揺るがしかねない。金融庁は「望ましくない行為で、深く反省している」とコメントしたが、わびて済む問題ではない。
 情報公開制度を所管するのは総務省だ。そのトップである野田氏は情報を伝えられた際、何の問題意識も抱かなかった。それどころか、この情報を記者との懇親会で話題にしている。不見識も甚だしい。
 同様の事例が2016年に地方で相次いだ。政務活動費の情報公開請求をした報道機関名などを議会事務局が議員に伝えていたのである。
 不適切な運用が度重なったため、総務省は「請求者の情報が公になれば、開示請求の萎縮や情報公開制度への信頼性の低下につながる恐れがある」として、個人情報の適切な取り扱いを求める通知を全国の自治体と議会に出した。
 野田氏はこの通知の存在さえ知らなかったと見える。資質以前の問題だ。
 各会派代表者会議で、開示請求をした報道機関名を口頭で説明した金沢市議会では、管理監督責任を問われ、議会事務局長が戒告、総務課長が訓告の処分を受けた。
 今回の件で、関係職員に相応の処分がなければ、地方に対して示しがつかない。
 野田氏の事務所秘書が今年1月、仮想通貨の販売規制について金融庁に説明させたことが発端だ。その席に、無登録営業の疑いで金融庁の調査を受けていた仮想通貨関連会社の関係者を同伴していた。閣僚の権威をかさに着て、圧力をかけたようにも映る。適切な対応だったとは思えない。
 この時の記録を朝日新聞が開示請求したところ、金融庁が情報を漏らした。担当職員は金融庁の内部調査に「閣僚が関わっているので情報共有した方がよいと思った」と説明したという。国会担当審議官ら幹部も了承していた。
 野田氏は自民党総裁候補にも名前が挙がる有力政治家だ。事前に情報を伝えることで点数稼ぎをしたかったのかもしれない。ここでも「忖度(そんたく)」が働いた。
 今回の件は、野田氏が記者との懇親会で言及していなければ、明るみに出なかった可能性がある。たまたま表沙汰になっただけで、実際は氷山の一角ではないのか。
 金融庁の情報を当然のように受け取った野田氏の反応、「情報の共有」を理由に挙げた金融庁担当者の説明から、そんな疑念が湧き上がる。
 情報公開法には請求者のプライバシーを保護する規定がない。法改正等で開示請求者に関する情報漏洩を禁止し、再発防止を徹底すべきだ。


自民党のLGBTをめぐる発言について
立憲民主党 SOGI(性的指向、性自認)に関するPT 座長 西村智奈美 衆議院議員
 杉田水脈衆議院議員(自由民主党所属)が『新潮45』(2018年8月号)の「『LGBT」支援の度が過ぎる」において、LGBTの人々が、子どもを持つことがないと指し、「生産性がない」ため、税金を投入する必要がないと論じている。
 子どもを産むか否かで差別することは、憲法が尊重する基本的人権、自己決定権を否定する思想であり看過できない。差別を禁じた憲法を遵守すべき国会議員が、自ら差別との自覚をもてないまま発言したことに驚きを禁じ得ない。直ちに発言の撤回と謝罪を求める。
 あわせて、自民党の二階幹事長は、今月24日の記者会見において、「人それぞれ政治的立場、いろんな人生観、考えがある」と述べた。政党として、さまざまな考え方を容認することは当然のことながら、幹事長という立場にありながら、差別への無理解、無自覚を露わにした所属国会議員を問題なしとする言動は、差別そのものを公党の幹事長が容認したととれ、社会的影響も鑑み、許されるものではない。あわせて、撤回と謝罪を求める。
 LGBTの方々が直面している生きづらさに寄り添い、その困難を解決するために力を尽くすことが政治の役割である。立憲民主党は、LGBT差別解消法の実現に向け、立法化を進めており、次の臨時国会でLGBTの方々への差別解消につながる法律を成立させるために全力を挙げる決意である。
 立憲民主党は、あらゆる差別に対して断固として闘う。性的指向や性自認などによって差別されない社会を推進する。


[LGBT差別寄稿]許しがたい排除の論理
 当事者の心を深く傷つけ、誤解と偏見に満ちたおぞましい主張だ。
 「『LGBT』支援の度が過ぎる」とのタイトルで自民党の杉田水脈衆院議員(比例中国ブロック)が、月刊誌に寄せた文章に批判が集まっている。
 寄稿したのは今月発売の月刊誌「新潮45」。杉田氏は性的少数者(LGBT)のカップルに対し、こう持論を展開した。
 「LGBTのカップルのために税金を使うことに賛同が得られるものでしょうか。彼ら彼女らは子供を作らない、つまり『生産性』がないのです。そこに税金を投入することが果たしていいのかどうか」
 全国の自治体で同性カップルを公認する制度など行政支援が進んでいることに、疑問を呈したかったようだ。
 しかし全てのカップルにとって、子どもを持つかどうかは、それぞれの生き方の問題である。国がとやかく言うことではない。
 そら恐ろしいと思ったのは、「生産性」という物差しで、人間をより分け、人権侵害を正当化していく論法である。
 この発言に対し、作家の乙武洋匡氏が「国家にとってどれだけ有益かという観点から優劣がつけられる社会になれば、次に排除されるのは『私』かもしれない」とツイートした。
 入所者19人が犠牲になった相模原障がい者施設殺傷事件の被告が持っていた「優生思想」とつながるものを感じている人は少なくない。
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 杉田氏は「LGBTだからといって、実際そんなに差別されているものでしょうか」とも主張する。同性婚を認めれば「兄弟婚を認めろ、親子婚を認めろ、それどころかペット婚や、機械と結婚させろという声も出てくるかもしれません」ともつづる。
 内閣府が昨年10月に実施した世論調査で、性的指向に関する人権問題として、2人に1人が「差別的な言動」を挙げた。
 職場で不当な扱いを受けたり、学校でいじめの対象になるなどの差別は後を絶たず、杉田氏の認識は明らかに誤っている。
 加えて当事者らが侮蔑的と感じる文章からは、差別に苦しみ、差別と闘ってきた人たちへの配慮も敬意も感じられない。
 重い職責に見合った見識や品性がないのだから、政治家失格である。
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 この寄稿に関して自民党の二階俊博幹事長は「人それぞれ、政治的立場はもとより人生観もいろいろある」と述べ、静観の姿勢を示した。
 昨年の衆院選の党公約で「性的指向・性自認に関する広く正しい理解の増進」を掲げたことを忘れたわけではあるまい。
 政治的立場がどうあれ、差別を助長するような発言は許されない。多様な生き方の尊重は世界的な流れであり、そのための解決策提示が政治の仕事である。
 党として処分を科さないというのなら、暴論に同調したと受け止めるだけだ。


LGBT批判 自民・杉田議員がノンポリから極右になるまで
 トンデモない政治家がいたものだ。“大炎上中”の自民党の杉田水脈衆院議員(51)。
 杉田氏は、月刊誌「新潮45」8月号に寄稿した「『LGBT』支援の度が過ぎる」と題した論文の中で、LGBTのカップルを「生産性がない」と批判。世間から猛バッシングを浴び、殺害予告が出される事態となっている。いったい、どんな人物なのか。
「杉田さんは兵庫県出身。鳥取大農学部を卒業後、積水ハウス木造や兵庫県西宮市職員を経て、2012年の衆院選で日本維新の会から出馬。小選挙区(兵庫6区)で敗れるも、比例近畿ブロックで復活し、初当選しています。その後、維新の分党に伴い、14年に、石原慎太郎が率いた次世代の党(現・日本のこころ)に参加し、国対副委員長などを歴任。同年12月の衆院選で落選したが、昨年10月の衆院選に自民から中国ブロックの比例単独で出馬して当選。安倍首相は杉田さんを『素晴らしい』と絶賛し、自民から出馬させたようです」(永田町関係者)
 “魔の3回生”など、安倍首相の子飼い議員にはロクなのがいない。杉田氏の言動も問題だらけだ。
 英BBCが6月に公開した伊藤詩織さんの準強姦事件のドキュメンタリー番組に登場した杉田氏は、詩織さんを「女性として落ち度がある」と、スジ違いの持論を展開。昨年12月には、自身のツイッター上に、日本について、<男性ばかりが国を治めていたのに400年間、戦争をしていない>などと投稿し、その独特な歴史観は世間を驚愕させた。
 日清戦争も第2次世界大戦もなかったことにしているらしい。ただ、議員になったばかりの頃はノンポリだったという。
「杉田さんは、ジャーナリストの桜井よしこ氏や自民の稲田朋美元防衛相に憧れています。どちらも安倍首相とのつながりが深く、タカ派で知られている。しかし、市役所を辞めて議員になったばかりの頃の杉田さんは、タカ派でもなんでもなく、行政改革に熱心に取り組むような人だった。次世代の党に参加してから右寄りになり過ぎた。特に人柄が悪いわけでもなく、勉強熱心なのですが、言っていいことと悪いことの区別がつかなくなっているのでしょう」(与党関係者)
 杉田氏の好きな言葉は、「過去と人は変えられない。自分と未来は変えられる」。トンデモ議員から脱却できるか、少しは考えたらどうか。


自民党 「多様な性」に理解足りぬ
 多様な性の在り方に対する社会の理解が徐々に進みつつあるというのに、最大与党の国会議員が偏狭な考えから抜け出せない。性的少数者(LGBT)への無理解もうかがえる。非難が広がったのは当然である。
 「LGBTのカップルのために税金を使うことに賛同が得られるのか。彼ら彼女らは子どもをつくらない、つまり『生産性』がない」「なぜ男と女、二つの性だけではいけないのか」
 自民党の杉田水脈(みお)衆院議員(比例中国ブロック)が月刊誌「新潮45」への寄稿で、こんな主張を展開した。
 子どもをつくるかどうか。そのことを「生産性」に置き換える感覚は極めて危うい。そこに一人一人の生き方や個性を尊重しようとの意思や、人権意識は感じられない。
 かつて女性を「産む機械」に例えた厚生労働相が猛烈な批判を浴びた。杉田氏も、人間の性を子どもをつくるための機能としか見ていないのか。
 杉田氏の考え方について、劣悪な遺伝的素質を排除するとした「優生思想」に重ねて批判する声も出ている。
 ナチス時代のドイツでは優生思想を背景に、障害者らを迫害した。人間の価値を、国にとって都合がいいか、役に立つかだけで計った結果である。
 理解に苦しむのは、批判に対する杉田氏の開き直りとしか思えない反応だ。
 自身のツイッターに「先輩議員から『間違ったことを言ってないから、胸を張っていれば良い』と声を掛けられた」「自民党の懐の深さを感じます」などと書き込んだ。
 自らの正当性ばかり主張する杉田氏の態度が、LGBTや社会的弱者への新たな差別につながることを危惧する。
 自民党の姿勢にも強い違和感がある。二階俊博幹事長は「人それぞれ、政治的立場はもとより人生観もいろいろある」と述べたが、あまりにも軽く見すぎだろう。
 自民党は「性的志向、性自認の多様な在り方を受け止め合う社会を目指す」との基本方針を2年前に公表している。
 多様な性の在り方を尊重する社会を本気で目指すなら、杉田氏の主張を不問に付すようなことはできないはずだ。
 家族観を巡っては、他の自民党国会議員の最近の発言も物議を醸してきた。
 二階氏自身、6月に開かれた講演で「このごろ、子どもを産まない方が幸せじゃないかと勝手なことを考える人がいる」などと語った。
 5月には萩生田光一幹事長代行が「『男女共同参画社会』だとか格好いいことを言っても、子どもにとっては迷惑」「どう考えてもママがいい」と講演で訴えた。
 党幹部から多様さへの理解不足がにじむ発言が相次ぐ。これでは「1億総活躍」や「女性活躍」に確かな芯も通るまい。
 安倍晋三首相は党総裁として足元の意識改革にも、もっと力を入れなければならない。


「原発ゼロで統一を」小泉元首相“野党応援”で参院選激変も
 いま頃、安倍自民党は困惑しているはずだ。小泉純一郎元首相(76)が、来年夏の参院選で野党候補を応援する可能性が出てきたからだ。自民党の総理経験者が野党候補を応援したら前代未聞の事態。選挙情勢も激変するはずだ。
 2014年の都知事選で細川護熙元首相を全面応援して以来、「選挙には関わらない」と明言している小泉元首相。ところが、24日、朝日新聞のインタビューで、来夏の参院選について「野党は1人区には協力して統一候補を出す。そして『原発ゼロ』を争点にすると勝つ可能性がある」と踏み込んだ。
 今月15日の小沢一郎自由党共同代表との“サシ飲み”でも、野党一本化について語っている。
 しかも、原発再稼働を進める安倍首相を強く批判しはじめている。朝日のインタビューで「処分場もないのに再稼働すれば核のごみがまた増える。憤慨している」と怒り心頭だった。
 野党4党は、小泉元首相が顧問を務める「原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟」(原自連)に呼応し、「原発ゼロ基本法案」を国会に提出している。「原発ゼロ」を実現させるために、野党統一候補を当選させようと小泉元首相が動いてもおかしくない。政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏が言う。
「野党が原発ゼロを鮮明にして一本化ができれば、小泉元首相はできるかぎりの“応援”をするはずです。野党も、選挙の顔になる小泉さんの支援は是が非でもほしいでしょう。小泉さんの存在は、野党が小異を捨ててまとまる求心力にもなるはず。前回16年の参院選では、32ある1人区で野党共闘が実現し、野党統一候補が11勝しました。小泉さんの応援があれば、保守層も取り込んで、野党で20勝超もあり得ます。選挙全体でも与野党接戦になります」
 今年6月の新潟県知事選の告示日前日、小泉元首相は脱原発を訴えた野党統一候補とガッチリ握手。実質的な選挙応援だった。野党共闘と小泉人気は、安倍1強に風穴をあける可能性がある。


原子力協定の延長◆核燃サイクルの国策見直せ◆
 1988年7月に発効した日米原子力協定が30年の「満期」を迎え、自動延長された。これからは一方が通告すれば6カ月後に協定は終了する。今後はより不安定になる。そのため日本側には期間更新を求める声もあったが、改定交渉は行われなかった。55年に最初の協定が結ばれて以来、米国は日本の原子力政策の後ろ盾となり続け、中曽根康弘首相とレーガン大統領が蜜月関係にあった時代に現協定がまとまった。
米国が与えた「特権」
 最大の特徴は、米国の規制権の及ぶ原発使用済み燃料を日本が再処理し、抽出したプルトニウムを利用することを認めた点だ。米国が規制できるのは、米国産の濃縮ウランを使った燃料や、米国の提供した原発から取り出された燃料だ。資源小国の日本は半世紀以上、使用済み燃料からプルトニウムを取り出し、ウランとの混合酸化物(MOX)燃料にして利用する核燃サイクルを国策としてきた。
 茨城県東海村に再処理施設を建設し、核燃サイクルの基盤整備を進めた。だが74年、インドがプルトニウムを生成し核実験をすると、米国は商用再処理を国際的に規制する核不拡散政策の強化に乗り出した。カーター政権は77年、東海村での再処理事業の再考を求めたが、厳しい交渉を経て稼働が認められた。これを「国難」とみた日本は親日的なレーガン政権と交渉、再処理を認めさせた。
 再処理は軍事転用できる技術だ。それを米国が許したのは被爆体験を持つ日本を信頼したからに他ならない。米国の理解の下、再処理を続ける非核保有国は日本以外になく「特権」とも呼べる。安倍政権はその死守を目的に自動延長を選んだが、この特権が日本の市民に高いツケをもたらし、国際的な核秩序と東アジアの安全保障環境を静かに揺さぶっている。
外国との緊張要因に
 日本が核兵器約6千発に相当する約47トンのプルトニウムを保有するからだ。東京電力福島第1原発事故を受け、その使い道は極めて不透明になった。脱原発世論が支配的な中、プルトニウムを大量消費するはずだった高速増殖炉もんじゅ(福井県)は廃炉となり、MOX燃料を使う原発の再稼働も低調だからだ。
 また、日本のプルトニウム保有は諸外国との緊張要因になる。中国は政治的思惑もあってか、日本たたきの材料とし、自身も商業再処理を計画している。さらに国際社会が北朝鮮の完全非核化を追求する中、日本がプルトニウムをため込むのは北朝鮮に不用意な口実を与えかねない。
 「プルトニウム問題は核不拡散のリーダー国である日本の信頼を損なっている」。最近来日したカントリーマン前米国務次官補はこう警告し、経済的に採算の合わない核燃サイクルの包括的な再検証を日本に求めた。政府は経済性と安全保障の観点から国策を全面的に見直すべきだ。


公文書管理 全ての保存に向けた抜本改革を
 森友学園問題を巡る財務省の決裁文書改ざんや自衛隊日報の隠蔽(いんぺい)など、公文書管理に関する相次ぐ不祥事を受けた政府の再発防止策が決まった。内閣府や各省庁に公文書を管理するポストや組織を設けて体制を強化するとともに、悪質なケースには免職を含む重い処分を科すことなどが柱となる。
 だが公文書の定義の明確化や保存期間の見直しには触れておらず、この1年ほどで地に落ちた公文書管理への信頼を回復させるにはまったく物足りない。
 国の政策や事業は国民のためのもので、その経緯を記録し公開することが、行政の透明性を高めて、健全な民主主義を支える。全ての政治家や官僚はそれを改めて肝に銘じるとともに、政府は行政判断にかかわるあらゆる文書を保存する抜本的な体制づくりを進めねばならない。欧米諸国と比べ立ち遅れた現状の改革は急務だ。
 再発防止策の目玉は、内閣府の「独立公文書管理監」を格上げし、各省庁の公文書管理をチェックさせることだ。司令塔の配置により、省庁横断的に管理状況を常時監視し、点検することで不正防止を狙う。
 ただ、ポスト設置をもって改ざんを防止する保証とはならない。管理監はもともと、特定秘密保護法の運用を監視するために設置されたもので、秘密法と公文書の二つの分野を掛け持ちすることになる。職務や管理の方法も異なり、ただでさえ膨大とされる秘密法関連の文書・データに加え、公文書まで管理やチェックするのは困難だ。
 さらに、独立性にも疑問符が付く。管理監は内閣府の長である首相の部下という位置付けとなる。森友問題の決裁文書改ざんでは、安倍晋三首相の夫人にまつわる記述が削除された。人事も予算も首相に握られた状況で、同様の事態が発生した場合に是正措置を求めるのは容易ではあるまい。
 公文書についての一連の問題では、首相の「1強体制」が長期化して官僚の人事も左右する中、政権に対する忖度(そんたく)や過度の組織防衛が不正を助長したことは否定できない。こうした状況で公正公平にチェックするには独立性の担保は不可欠であり、公文書管理を専門とする別組織を立ち上げるべきだ。
 また、加計学園を巡る文部科学省の文書のように、保存や公開を免れるために、本来残すべき文書を「個人メモ」として扱っていた問題は手つかずのままだ。今回、監視体制や処分を厳しくしたことで、文書作成や情報の記載内容に官僚がさらに慎重になる懸念があり、看過できない。
 メールなどの電子文書が自動廃棄されている状況も据え置かれた。公文書管理法を改正し、職務上作成した文書は、メールやメモ、備忘録も含めて公文書であると定義し直さねばならない。その上で全てを保存し、一定期間後には公開する仕組みをつくることが必要だ。


【請求内容漏えい】情報公開の根幹を損なう
 情報公開制度を所管し、適切な運用に取り組まなければならない総務省のトップが、公開請求を巡る情報の漏えいに関わっていたことが分かった。
 民主主義に欠かせない要素として定着した情報公開制度だが、その根幹を大きく損ないかねない深刻な問題といってよい。
 情報の漏えいは、野田総務相の事務所関係者が仮想通貨関連会社の関係者を伴って金融庁の担当者と面談し、仮想通貨販売規制について説明を受けた問題を巡って起きた。
 5月初め、朝日新聞の記者がこの面談記録を金融庁に情報公開請求。同庁が開示決定する前の同月23日、同庁の情報公開担当者が総務省の職員に、開示決定通知書などを手渡していた。その際、朝日新聞が公開請求したことも伝えたという。
 この情報は同日中に野田氏に報告されたが、それにとどまらない。野田氏は5月下旬に開かれた記者との懇親会の席で情報公開請求の内容を漏らした。
 情報公開法は請求者のプライバシーを保護する規定を設けていない。だが、2016年に地方議員の不正受給を巡って、政務活動費の情報公開を請求した人の氏名などが、議員側に伝えられて大きな問題となったことがある。
 その際、総務省は個人情報の適切な取り扱いを要請する通知を全国の自治体と議会に出している。請求者の個人情報を第三者に提供するのは不適切な運用であり、開示請求の萎縮や制度の信頼性の低下につながる恐れがある、との指摘は当然といってよい。
 野田氏が総務相に就任する前の話ではあっても、知らなかったでは済まされない。本来なら公開を請求した人と請求された側しか知らない情報を職員から聞いたとき、疑問を覚えなかったのだろうか。
 記者会見で野田氏は、特段の問題意識を持つことなく、記者との懇親会で話題にしたと述べた。反省を口にしたものの、これでは資質を問われても仕方あるまい。
 金融庁の対応に問題があることはいうまでもない。内部調査に対し、総務省側に情報を伝えた職員は「閣僚が関わっているので、情報を共有した方がよいと思った」と説明しているという。
 政権への影響を懸念して配慮したのだろう。加計、森友学園問題などと同じような、官僚による忖度(そんたく)といってもよい。菅官房長官は記者会見で否定したが、各府省庁で同様の漏えい行為が常態化しているのではないかとの疑問さえある。
 再発を防ぐための取り組みが欠かせない。情報公開制度の趣旨について、各府省庁で改めて徹底する必要がある。情報公開法にこの種の情報漏えいの防止規定を設けることを検討してもよいだろう。
 公文書をはじめ、行政機関が保有する情報の公開は民主主義を支える基盤だ。それを損ねる行為を見逃すわけにはいかない。


障害者芸人ホーキング青山「やまゆり園事件」を斬る
事件の衝撃を大きくしたものは
 2016年7月26日の「やまゆり園事件」からもう2年が経つ。神奈川県相模原市にあった知的障害者福祉施設「やまゆり園」の入所者19人が殺害され、職員や入所者27人が重軽傷を負ったこの事件は、いまだに多くの関心を集めている。
 20日には、発生直後から定期的に植松聖被告の手記を掲載していた月刊誌「創」編集部がその手記などを収録した書籍『開けられたパンドラの箱』を刊行した。
 事件や事故が起きたあとに原因や背景を探り、その防止策を考えるのは言うまでもなく重要なことだ。「やまゆり園事件」ほどの事件ともなれば、様々な議論の対象となるのは当然だろう。
 もっとも、一人の障害者として見た場合、この事件に関する議論にずっと違和感を覚えていた、と語るのはホーキング青山さん(44)。生まれたときから手足が不自由なホーキングさんは、車イスの「障害者芸人」として20年以上活動している。
 そのホーキングさんは、著書『考える障害者』で、「『やまゆり園事件』を考える」として、1章丸ごと事件についての考えを述べている。ホーキングさんは、訪問介護事業所のオーナーでもあることから、そちらの立場からもこの事件について思うところがあるという。
 ホーキングさんは、この事件の衝撃を大きくしたのは人数や犯行声明の特異さに加えて、被告が介護職員だったという面があるだろう、と述べている。
「『障害者=聖人君子』とよく似ているが、『介護者(介護職員)=善意の人』あるいは『介護や福祉の世界で働く人=人格者』というイメージが世間にはある。看護師さんあたりに対しても似たようなイメージがあるだろう。『白衣の天使』というやつだ。
 でもここが難しいところだ。実際に介護関係で働く人は一般の人よりも皆障害者に理解はあるだろう。しかしだからといって皆が皆、世間で思い描いているしょうな天使のように優しく、またマザー・テレサのように無私で自己犠牲も厭わない、そんな人達ばかりでは決してない」(『考える障害者』より)
 実際に仕事として介護にかかわってみると、必ずしも高い理想を掲げて働いている人よりも、「仕事」の一種として割り切っている人のほうが長続きするという面もあるのだという。ともあれ、こうしたイメージと殺人者とのギャップの大きさが衝撃を大きくした、というのがホーキングさんの見方である。
被告はおそろしく極端な人
 そのうえで、事件についてもう少しシンプルに見た方がいいのでは、とホーキングさんは綴っている。その真意を本人の言葉で語ってもらおう。
「発生の直後から、障害者施設という特別な場所で起きた事件、というようにあまり考えない方が良いのではないか、少なくともその場所や被害者の『特異性』にばかり注目する必要があるのか、という点は冷静に考えてもいいんじゃないか、と私は思っていました。
 いったん障害者うんぬんということをおいてみると、あの被告は、不満があって自分から会社を辞めたのに、数か月してから再びその会社に舞い戻って、会社のお客さんを殺した男、ということになります。
 ちょっと考えればわかりますが、勤めていた会社がどんなにひどいところでも、辞めたら普通はそれきりで、お客さんを皆殺しにしようなんて思わないでしょう。どんなにその会社やお客さんが嫌いでも、縁を切るために辞めたんだから、その人たちを殺す必要なんかない。
 それなのに被告は、辞めたあとも不満を抱え続けて、衆議院議長に手紙を書き、そして犯行に及んでいます。
 おそろしく極端に変わった人か、なんらかの病を抱えた可能性のある人だ、ということを大前提にしたほうがいいのではないでしょうか。
 本にも書きましたが、介護にかかわる人は聖人でも悪人でもなく、ほとんどは普通の人達です。
『介護職には差別感情がある』とか『介護職員の不満がたまっている』というようなナーバスな声をあげる障害者もいたのですが、それはちょっとピントが外れている気がします。ここまで極端な人をベースに考えなくてもいいんじゃないでしょうか。
 同様に『日本社会のヘイトを容認する風潮が背景にある』といった意見も目にしましたが、これもピント外れというか、自分の言いたいことに事件を利用しているような感じがしました」(ホーキングさん)
お前が殺していいわけない
 植松被告は、衆議院議長にあてた手紙の中で、犯行の動機として、「保護者の疲れきった表情」「職員の生気の欠けた瞳」を挙げ、こういう障害者を活かしておくことは「税金の無駄遣い」だ、といった主張を述べている。
 これに対して、事件直後、報道では「被害者はしゃべることはなかなか難しかったけれども、笑顔が素晴らしかった」といった情緒的な報道がよく紹介されていた。一見、普通の人と違う障害者にも、周囲を幸せにする力はある、それがわからない被告は酷い奴だ、という論理である。しかし、これに対してもホーキングさんは疑問を呈する。
「じゃあ笑顔を見せない、偏屈な障害者はどうなるのか。保護者や職員を疲れさせる障害者はどうなのか。そういう人なら殺していいのか。
 そんなもんじゃないでしょう。
 たとえ家族や職員に迷惑をかけ、また税金を使ってもらうことになっても、生まれてきた以上は生きたい――これが私も含めて、ほとんどの障害者の気持ちのはずです。
 もちろん、際限なく税金をつぎ込むことはできるはずもないし、あらゆる負担を強いることもできません。そんなことはわかっています。『俺たちは生きたい。だから何とかしろ』と居直るほど、皆図太くも強くもありません。
 でも、だからといって『殺してもいい』というのはあまりに短絡的すぎます。
 この世には障害者ではなくても世間に迷惑をかけている人はいっぱいいます。でも、そんんな奴だから『殺していい』『死んでもいい』とは普通は言いません。なぜ障害者だけ、いきなり他人に生き死にのことを言われなきゃいけないんだよ! と私は思います。
 繰り返しますが、被告はかなり頭が規格外の人です。こういう人の言うことを真に受けて、障害者の『生きる意味』を論じること、それ自体が何かおかしいのではないでしょうか。どこか相手の術中にはまっているというか。
 もちろん社会が障害者にどれだけ人的、金銭的コストを費やすべきか、という重い問題は存在し続けていますし、考え続ける必要があるでしょう。
 でも、あの被告に対しては四の五の言わず、『お前が勝手に他人を殺していいわけないだろう。バカ野郎』でいいんじゃないでしょうか」(ホーキングさん)
 被告の動機を知ること、背景を知ることは重要だろうが、それがシンプルな理解を妨げることもあるのだろう。「勝手に人を殺していいわけないだろう、バカ野郎」で十分な時もあるのかもしれない。
 手記の出版については、賛否両論あるようだ。事件の真相を知る材料となる、という考え方もあれば、「こんなやつに発表の場を与えていいのか」という考え方もある。ホーキングさんは、改めてこう強調した。
「『考える障害者』では、植松被告について『あんなヘンな奴の言うことを真面目に聞いてどうする!』と書いたら、かなり多くの人から賛同されました。医者や研究者が、彼の言い分を分析することは意味があると思うし、大切なことなんでしょう。でも、あいつの言い分を『わかる』とか言いだす普通の人がどんどん出てきたら怖いですよね。『心の闇』なんて、あんまりうかつに踏み込んで、深掘りしたら、えらい目に遭いますよ。個人的には、あんなやつの手記を読む暇があるなら、俺のライブに来い、と言いたいですね。」


4倍増6000億円に イージス・アショア費用はどこまで膨れる
 北朝鮮情勢の変化や巨額の導入費用などを巡り、世論が反発を強める陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の調査が先送りされた。防衛省は25日、現地調査を担う業者を選定する一般競争入札の延期を発表。開札予定日を8月2日から9月12日に変更した。
 配備予定先の自治体首長らが延期を求めたのに対して、小野寺防衛相は前日まで「現時点で延期はしない」と突っぱねていたのだが、一転させた。ナゼなのか。
■地元反発で調査延期
 防衛省は2023年度中に陸上自衛隊新屋演習場(秋田市)と陸自むつみ演習場(山口県萩市)に配備を計画。現地調査は地質や水質などを調べるのが目的で、6月21日に入札が公告された。
 軍事ジャーナリストの世良光弘氏はこう言う。
「大型装備品の配備に関する現地調査を繰り延べするケースは珍しい。強行突破して地元のさらなる反発を招き、辺野古問題のようになるのを避けたいという政権の思惑が見え隠れします。とりわけ新屋演習場は市街地に近いことから、イージス・アショアの配備によって有事に標的とされるリスクを懸念する声が地元で高まっています」
 膨張する一方の費用にも不信が高まっている。小野寺氏は昨年8月、1隻約1700億円のイージス艦を引き合いに「割安感があり、お得」と説明。昨年11月には「一般的な見積もり」と一言入れて「1つ大体800億円ではないか」と国会答弁していた。それが、2基で2500億円前後とも6000億円以上とも報じられている。当初の4倍近くまで膨らんでいるのだ。
「1基800億円というのは、ミサイル発射システムや最新鋭レーダーといった主要装置の概算で、ミサイルや弾薬庫などの実際の運用に必要な装備や施設は含まれません。欧州で配備されているイージス・アショアにならい、1基あたり24発のミサイルを格納するとなれば、1発約40億円のSM3ブロック2Aの想定で1920億円。予備弾などを含めれば6000億円は現実的な数字と言えます」(世良光弘氏=前出)
 米国から突き上げられ、コソコソ購入するような巨額装備が本当に必要なのか。西日本豪雨の被災地支援に回せという声が強まるのは当然だ。


オウム死刑執行 高橋シズヱさん「面会したい人もいた」
 地下鉄サリン事件で夫を亡くした高橋シズヱさん(71)は26日午前、東京・霞が関の司法記者クラブで記者会見した。張り詰めた表情で「組織的に共謀したのだから死刑はやむを得ない」としつつ「今回は麻原(元死刑囚)がいない分、(執行された)一人一人にいろんな思いを抱いた。面会したい人もいたので動揺した」。複雑な思いものぞかせた。
 高橋さんは同日午前9時35分、法務省から執行の連絡を受けた。地下鉄サリン事件に関わった4人の死刑囚は実名、関与しなかった2人は匿名で伝えられたという。「もっと死刑の情報を公開していかないと、(死刑の存廃など)議論がしようがない」と法務省への要望も言い添えた。
 オウム死刑囚全員の執行が終わったことについては「刑事司法は終わりかもしれないが、(サリンの)後遺症を抱えたり、遺族でいまだに事件に触れられなかったりする人もいる。被害は続いている」と訴えた。【川名壮志】


オウム真理教事件の死刑囚への刑執行について(談話)
社会民主党幹事長 吉川はじめ
1.本日、法務省は、オウム真理教事件で死刑が確定した6人の刑を執行し公表した。地下鉄サリン事件、松本サリン事件、坂本堤弁護士一家殺害事件などオウム真理教による数々の重大事件は決して許されず、犠牲となり亡くなられた方に哀悼の意を改めて表するとともに、すべての被害者とそのご家族にお見舞いを申し上げる。一方で今月6日の松本智津夫元死刑囚ら7人に続き、短期間に元教団幹部である全死刑囚の刑を執行したことは、裁判で未解明のまま残された事件の真の動機や背景を究明する機会の喪失につながりかねず、再発防止の観点から強い懸念を抱かざるを得ない。
2.1984年に滋賀県で起きた「日野町事件」で、無期懲役判決が確定し服役中に死亡した元受刑者について、7月11日に大津地裁が再審決定を出した。死刑・無期懲役判決が確定した事件で受刑者の死亡後に再審が認められたのは戦後初であり、冤罪の罪深さを改めて示す決定となった。死刑は執行後に冤罪が判明しても取り返しがつかない。政府および法務大臣は今回の再審決定を契機として、死刑制度に関して存廃や死刑に代わる措置など刑罰のあり方について検討を行うとともに、国会においても徹底した議論を行い、その間は死刑の執行を停止すべきである。社民党は今後も、死刑制度の見直しに全力を挙げて取り組む。


前代未聞 さらに6人に死刑執行
今朝、オウム真理教元幹部6人に、死刑が執行された。これで、オウム真理教の一連の事件で死刑が確定した13人全員が処刑されたことになる。彼らは、1995年の地下鉄サリン事件ほか多数の凶悪事件のいずれかに関わった。地下鉄サリン事件では、13人の死者と数千人の重軽傷者を出した。
短期間で13人という大量執行は、近年類を見ない。1年間で10人以上が執行されるのは、2008年以来である。10年ぶりである。さらに、同じ月に2回以上の処刑を行うのは、極めてまれなことだ。
執行されたのは、宮前(岡崎)一明さん、横山真人さん、端本悟さん、小池(林)泰男さん、豊田亨さん、広瀬健一さん、の6人だ。うち4人が再審請求中であった。
信者たちが、なぜカリスマ教祖に命じられるままに犯行に及んだのか。報復で彼らの命を奪っても、真相解明にはつながらないし、日本社会が安全になるわけでもない。
日本の当局は今こそ、死刑の執行を全面的に停止し、死刑の廃止に向けて、十分な情報にもとづく国内議論を進めるべきである。
アムネスティは、犯罪の性格や犯罪者の特質、執行方法にかかわらず、いかなる死刑にも反対する。アムネスティは、過去40年以上にわたり、終始一貫して死刑の廃止に取り組んでいる。
※「敬称」について アムネスティ日本は、現在、ニュースリリースや公式声明などで使用する敬称を、原則として「さん」に統一しています。また、人権擁護団体として、人間はすべて平等であるという原則に基づいて活動しており、死刑確定者とその他の人々を差別しない、差別してはならない、という立場に立っています。そのため、死刑確定者や執行された人の敬称も原則として「さん」を使用しています。


上川法務大臣による大量死刑執行に強く抗議する
NPO法人監獄人権センター
日本冤罪・死刑情報センター
本日、上川陽子法務大臣の命令により、オウム真理教の元幹部である岡崎(旧姓宮前)一明氏(名古屋拘置所)、横山真人氏(名古屋拘置所)、端本悟氏(東京拘置所)、小池(旧姓林)泰男氏(仙台拘置支所)、豊田亨氏(東京拘置所)、広瀬健一氏(東京拘置所)の合計6名の死刑確定者に対する死刑が執行された。監獄人権センターは、あらゆる死刑の執行に反対するものであるが、とりわけ、今回の執行により法務省は3週間足らずの間に合計13名もの多数者に死刑を執行したものであり、その前例をみない問題の重大性をここに告発する。
7月6日にオウム真理教元幹部7名に対する死刑が執行されて以降、世界中から執行を非難し、かつ、新たな執行を行わないよう求める多くの声が、日本政府に寄せられてきた。当センターも、世界死刑廃止連盟(WCADP)、国際人権連盟(FIDH)等の国例人権団体と連携し、残る6名の元オウム真理教幹部死刑確定者に対する執行が行われないよう、働きかけを強めてきた。そのなかでも強調してきたように、本日執行された6名のうち横山真人氏、小池泰男氏、豊田亨氏、広瀬健一氏の4名は、再審請求中であった。再審請求中の執行は、係属中の事件について司法判断を受ける死刑確定者の権利と、判断を行う裁判所の権限をともに否定するものである。国連の自由権規約委員会をはじめとする条約機関も、日本政府に対し、再審請求中の執行を行わないよう繰り返し勧告してきた。さらに、本年3月、国連人権高等弁務官事務所の報道官は、オウム真理教事件の死刑確定者13人について、再審請求中にもかかわらず死刑が執行された場合は、死刑に直面する者の権利保護を定めた国連基準に違反するとの認識を示していた。
また、再審請求以外の文脈においても、国内の各方面から死刑の執行を行わないよう求める声が広がっていた。研究者や弁護士らでつくる「日本脱カルト協会」や、オウム真理教の元信者の家族(事件の被害者を含む)による団体などから、今後、同種事件の再発防止のためにも、事件関係者による真相究明を追求すべきであり、とりわけ松本智津夫死刑確定者を除く12人については、死刑の執行を執行しないよう訴えていた。
今回の執行により、上川陽子法務大臣は、前回の法相在任中(2014年10月〜2015年10月)を含め、計16人の執行を命じたことになる。1993年に執行が再開されて以降、一人の法務大臣による死刑執行命令数としては、鳩山邦夫法務大臣の13名を超え最多となった。上川大臣は常日頃、「誰一人取り残さない社会」を実現すると公言しながら、2019年に予定されている即位の礼、2020年の東京オリンピック・パラリンピックと、国連犯罪防止刑事司法会議(京都コングレス)を前に、オウム真理教関連確定者全員の大量処刑を敢行したのである。
韓国では19977年12月30日に23人が同時に死刑執行されたのを最後に、死刑の執行が停止されて現在に至っている。我々は、政府・法務省に対して、国際社会に背を向け続け死刑執行を繰り返す異常な行為を直ちにやめ、今回の死刑執行を最後として、死刑の執行の停止と死刑廃止に向けた具体的な検討を直ちに開始するよう強く求める。


オウム元幹部らの死刑執行を受け、EUが死刑廃止を訴える共同声明
「いかなる状況下での極刑の使用にも強くまた明白に反対」 錦光山 雅子 Masako Kinkozan
地下鉄サリン事件などに関わった、オウム真理教の元幹部6人の死刑囚の刑が7月26日に執行されたのを受け、駐日欧州連合(EU)代表部、EU加盟国の駐日大使、アイスランド、ノルウェー、スイスの駐日大使は、死刑廃止を訴える共同声明を発表した。
声明では、事件の被害者や家族に「心からの同情を表し、苦悩を共有し、加害者が誰であれ、またいかなる理由であれ、テロ行為を断じて非難する」とした上で、死刑については「いかなる状況下での極刑の使用にも強くまた明白に反対し、その全世界での廃止を目指している」と言及。日本政府に対し、死刑を廃止することを視野に入れた死刑の執行停止の導入を呼びかけた。
EUは、加盟の条件として死刑廃止を掲げており、すでに28カ国が死刑を廃止している。
6日に麻原彰晃(本名・松本智津夫)元死刑囚ら7人が刑を執行された際にも連名で声明を出していた。
声明の全文は次の通り。
7月26日、6人の死刑が、日本の当局により執行された。刑が執行されたのは1995年に東京の地下鉄で実行された、サリンによるテロ攻撃の犯人であることが判明したオウム真理教のメンバーであった。
われわれの7月6日の声明で示したように、EU、その加盟国、アイスランド、ノルウェーおよびスイスは、同事件が、日本そして日本国民にとってとりわけ辛く特殊な事件であることを認識している。われわれは、心からの同情を表し、犠牲者とその家族の苦悩を共有し、加害者が誰であれ、またいかなる理由であれ、テロ行為を断じて非難する。
しかしながら、本件の重大性にかかわらず、EUとその加盟国、アイスランド、ノルウェーおよびスイスは、いかなる状況下での極刑の使用にも強くまた明白に反対し、その全世界での廃止を目指している。死刑は残忍で冷酷であり、犯罪抑止効果がない。
さらに、どの司法制度でも避けられない、過誤は、極刑の場合は不可逆である。日本において死刑が執行されなかった2012年3月までの20カ月を思い起こし、われわれは、日本政府に対し、死刑を廃止することを視野に入れたモラトリアム(執行停止)の導入を呼びかける。
われわれは、友人であり同じ考えを持ち、価値や原則を共有する日本を含めた、全世界における死刑廃止を引き続き積極的に追い求める。われわれはそれを、建設的な精神を持って、また国連人権理事会の普遍的・定期的レビュー(UPR)の枠組みにおける勧告に則って行う。


日弁連会長「死刑廃止求める」
オウム真理教の一連の事件で死刑が確定していた6人の死刑が執行されました。
日弁連=日本弁護士連合会の菊地裕太郎会長は「死刑は憲法で保障された生命権に対する人権侵害を行う刑罰であり、国際法上の問題であることに政府は目を向ける必要がある。きょうの死刑執行に強く抗議するとともに、全ての死刑執行を直ちに停止したうえで、2020年までに死刑制度を廃止するよう求める」という声明を出しました。


死刑執行に強く抗議し、直ちに死刑執行を停止し、2020年までに死刑制度の廃止を目指すことを求める会長声明
本日、東京拘置所において3名、名古屋拘置所において2名、仙台拘置支所において1名の合計6名に対して死刑が執行された。その中には再審請求中であるものも含まれている。執行の事実及び人数の公表を行うようになった1998年11月以降では、本年7月6日の7名に対する死刑執行に続く大量の執行である。昨年8月就任以降、上川陽子法務大臣による3回目の執行であり、第2次安倍内閣14回目の死刑執行で、合わせて34名になる。
当連合会は、2016年10月7日、第59回人権擁護大会において、「死刑制度の廃止を含む刑罰制度全体の改革を求める宣言」を採択し、日本政府に対し、日本において国連犯罪防止刑事司法会議(コングレス)が開催される2020年までに死刑制度の廃止を目指すべきであることなどを求めてきた。
犯罪により奪われた命は二度と戻ってこない。このような犯罪は決して許されるものではなく、犯罪により身内の方を亡くされた遺族の方が厳罰を望む心情は十分に理解できる。悲惨な体験をした犯罪被害者・遺族に対する十分な支援を行うことは、社会全体の責務である。
一方で、刑罰制度は、犯罪への応報にとどまらず、社会復帰の達成など再犯の防止に役立ち、社会全体の安全に資するものであることが必要であり、死刑制度を含む刑罰制度全体を見直す必要がある。この刑罰制度全体の改革を考えるに当たっては、とりわけ、死刑制度が、基本的人権の核をなす生命に対する権利(国際人権(自由権)規約第6条)を国が剥奪する制度であることに留意すべきである。
1980年代に再審無罪が確定した4件の死刑事件は、誤判・えん罪の危険性が具体的・現実的であることを私たちに認識させるものであった。当連合会が再審を支援している死刑事件である袴田事件もえん罪の疑いがあり、現在再審に向けた手続が続いているところである。死刑に直面している者に対しては、死刑が執行されるまでその全ての刑事手続の段階において十分な弁護権、防御権が保障されるべきであり、再審請求中の死刑確定者に対する死刑の執行はこの観点からも問題の残るものである。
内閣府が2014年11月に実施した世論調査で、「死刑もやむを得ない」とした80.3%の回答者への追加質問では、そのうち40.5%が「状況が変われば将来的には死刑を廃止してもよい」と回答している。また、死刑制度の存廃について終身刑が導入された場合は、「死刑を廃止する方がよい」という回答も全回答者の37.7%に上っている。死刑についての情報が十分に与えられ、死刑の代替刑も加味すれば、国民の多数の世論に死刑存置の根拠を求めていた状況が変わる可能性がある。
2017年12月現在、法律上及び事実上の死刑廃止国は、世界の中で3分の2以上を占めている。また、OECD加盟国のうち死刑を存置しているのは、日本・韓国・米国の3か国であるが、このうち、死刑を国家として統一して執行しているのは、日本だけという状況にある。
国際社会においては死刑廃止に向かうのが潮流である。死刑制度を残し、現実的に死刑を執行している国は、少数になってきている。国連の自由権規約委員会、拷問禁止委員会及び人権理事会は、死刑の執行を繰り返している日本に対し、死刑執行を停止し、死刑廃止を前向きに検討するべきであるとの勧告を出し続けている。
更に日本は、本年7月17日にEU及びEU加盟国との間で、戦略的パートナーシップ(SPA)を締結しており、その目的及び一般原則には「共通の価値及び原則(特に、民主主義、法の支配、人権及び基本的自由)の促進に共同で貢献すること」が掲げられている。EUは死刑制度に明白に反対しており、その廃止を求めている。死刑執行を続けるならば、EU及びEU加盟国は、日本との間で人権及び基本的自由という価値や原則の共有に懸念を抱くことになりかねない。実際に、本年7月6日の死刑執行後直ちに、EU代表部と加盟国駐日大使らの連名、ドイツ人権政策委員、駐日フランス大使等が、それぞれ死刑廃止を呼びかける声明等を公表している。
2020年に開催されるオリンピック・パラリンピック及びコングレスに向けて多数の国家、国民の注目が日本に集まってきている中、死刑を執行することが、日本に対する国際評価に影響することも考慮すべきである。
死刑は憲法上保障された生命権に対する人権侵害を行う刑罰であり、国際法上の問題であることに政府は目を向ける必要がある。当連合会は、本日の死刑執行に対し強く抗議するとともに、改めて死刑を廃止するまで全ての死刑執行を直ちに停止した上で、2020年までに死刑制度を廃止するよう求める次第である。
日本弁護士連合会       会長 菊地 裕太郎 


東京地検の取り調べ中に死亡のネパール人、遺族が検察官ら告訴
小島寛明 [ジャーナリスト]
東京地方検察庁で2017年3月、取り調べを受けていたネパール人のアルジュン・バハドゥル・シンさん(当時39)が意識を失い、病院への搬送後に死亡する事案があり、アルジュンさんの妻が2018年7月26日、取り調べをしていた氏名不詳の検察官らを、業務上過失致死の疑いで警視庁新宿署に告訴した。
アルジュンさんは、手錠や捕縄などの「戒具」で拘束されていたが、取り調べ中に戒具を外した直後、急に意識を失ったという。法医学を専門とする鑑定医の鑑定結果は、手足を強く拘束すると筋肉が壊死を起こし、カリウムなどの身体には毒となる成分が生じるが、拘束を不用意に解いたため、毒となる成分が一気に全身に回って死亡したとしている。
アルジュンさんの死因は、大規模な災害が発生した際に、がれきの下敷きになり、身体が長時間圧迫されていた人に生じる「クラッシュ症候群」と類似する。クラッシュ症候群が疑われる人をがれきの中から救助する際には、医師らが立ち会い、可能な限りはやく人工透析をする必要があるとされる。
こうしたことから告訴状は、戒具を取り外す前に医師に相談するなど、検察官らが必要な措置を取っていれば、アルジュンさんの死亡は回避できたと指摘している。
所持品は22円と手帳だけ
関係者によると、アルジュンさんは6年ほど前に来日し、おもにネパール料理店で料理人として働いていたという。2017年2月上旬まで、埼玉県内のネパール料理のレストランで働いていたが、職を失ったとみられる。
その後、職を求めて転々としたが、仕事が決まらず、新宿や新大久保周辺の路上で生活していたという。ネパールから料理人を目指して来日する人が増えたことで、ネパール料理の料理人は供給過剰になっていたとも言われている。
2017年3月13日午後、東京・新大久保の店を訪れたアルジュンさんが、おもちゃのおカネで商品を買おうとしたため、店側が警察に通報。警察が所持品などを調べたところ、他人名義のクレジットカードが見つかったため、新宿署に連行された。当時の所持品は、22円と手帳だけだったという。
このカードについては紛失届が出ていたため、14日未明にアルジュンさんは占有離脱物横領の疑いで警察に逮捕された。
15日朝、留置施設ではふとんを自分で片付けるルールだったが、アルジュンさんがふとんを廊下に投げるなどしたため、留置管理担当の署員らが制止し、午前6時51分ごろ、保護室内で手錠をしたうえで、両足首と両ひざを拘束した。この際、アルジュンさんが暴れたため、金網にこめかみをぶつけ、傷ができたという。
その後も拘束を継続したまま、検察庁に送致。同日午前10時45分ごろから、検察官の取り調べが始まったが、アルジュンさんは検察官の机をたたくなどしたという。検察官の指示で手錠を片方だけ外し、その他の戒具の使用は継続したという。
白目をむいてぐったり
その直後から、イスの上で、白目をむくようにして後方にのけぞり、ぐったりとした。午前11時ごろ、119番通報し、戒具をすべて外した。病院に搬送されたが、午後2時47分に死亡した。
警察が実施した司法解剖では、死因は外から力が加わったことによる多発性外傷とされた。警察側は、新宿署内で起きた事件として捜査し、アルジュンさんの死亡から約1年後の2018年2月24日に被疑者不詳のまま、送検した。検察は、同年3月14日に不起訴処分とした。
手足の強い拘束が原因と鑑定
アルジュンさんの遺体は司法解剖後に冷蔵保管されていた。支援者や弁護士らの要請で、法医学の専門医が2017年5月28日に遺体の状況を確認した。遺族側の鑑定結果は、アルジュンさんの筋肉内の酵素の数値が異常に高かった点に注目した。仮に暴力を受けた打撲などがあったとしても、酵素の数値の異常な上昇は起きないと指摘している。
一方で、遺族側の鑑定結果は、左右の手足を拘束して強く圧迫していると、筋肉が壊死を起こし、カリウムが発生する。血液中のカリウムの濃度が高くなったため、血液が心臓に流れ込んだ際に心停止を引き起こしたと鑑定した。
「専門家に相談せず、不用意に緊縛を解除したことから、壊死した筋肉から大量のカリウムが血中に流れ出し、それが心臓に作用して、突然死を招いたと考えるのが合理的である」と指摘している。
アルジュンさんは、2016年5月からネパールに一時的に帰国していた。同年11月下旬に日本に再来日したが、およそ4カ月後に検察庁で急死した。
再び日本にやって来た際には、ネパールから家族を呼び寄せることも考えていたという。


東京五輪「成功要素なし」と指摘 米スポーツ経済学者
 五輪と経済の関係に詳しい米スミス大のスポーツ経済学者、アンドルー・ジンバリスト氏が26日、日本外国特派員協会で記者会見し、2020年東京五輪について「成功する要素が見当たらない」と指摘した。24年夏季五輪のボストン招致に反対する市民団体のアドバイザーを務めるなど大規模スポーツイベントが開催都市にもたらす経済効果を疑問視する論者として知られる。
 同氏は英オックスフォード大の研究を引用し、1960年以降の全ての五輪が予算をオーバーしており、特に76年以降の夏季五輪では平均252%の大幅な費用超過だったことを提示した。

磯・天文館・駅ビックカメラ→歩いてクタクタ/晩はパエリア

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svo61

Japon Non, la ville d'Iga n'a pas besoin d'apprentis ninjas
Une ville japonaise croule sous les candidatures après une fake news affirmant qu'elle recherche des combattants pour attirer les touristes.

La ville japonaise d'Iga a démenti mercredi être à la recherche d'apprentis ninjas, ces fameux combattants nippons, après avoir été submergée de candidatures découlant d'une ≪fake news≫ circulant sur internet. Bien que souffrant d'une baisse de population, à l'instar de nombreuses localités régionales nippones, Iga (ouest) n'est pas en mal de ninjas.
Le quiproquo découle de la diffusion d'un reportage sur la radio américaine NPR expliquant qu'Iga, qui tente d'attirer les touristes en vantant son passé de cité des ninjas, avait du mal à trouver du personnel pour le nouveau musée qu'elle veut leur consacrer, y compris des artistes capables de réaliser les prouesses de ces fins tacticiens du combat.
≪Fausse information≫, répond la municipalité, qui s'est fendue d'un communiqué en plusieurs langues démentant catégoriquement non seulement un plan de recrutement de futurs ninjas mais aussi les salaires mirobolants présentés sur internet.
Au moins 115 individus de 14 nationalités différentes avaient déjà postulé, emballés par cette fausse annonce qui a fait comprendre au maire d'Iga que le mot ≪ninja≫ avait à lui seul déjà beaucoup de pouvoir. (afp/nxp)
フランス語
フランス語の勉強?
伊地知紀子 @chejusaran
昨夜都内の大学に勤める友人によると、文科省は各大学に、2020年東京オリンピックへの学生ボランティア供出用に年間スケジュール(授業開講も含めて)の変更要請しているとのこと。すでに嬉々として応じている大学があるらしい。都内だけかもしれないが、何を目指しているのか、大学は自問してほしい。
盛田隆二 @product1954
◆BBC、アルジャジーラに続き、CNNも大きく報じた
杉田水脈議員は「LGBTは非生産的。税金を使うのは適切ではない」と雑誌に寄稿し、批判を招いたこと。安倍首相の出身派閥に属していること。さらに彼女のヘイト発言も過去に遡って批判している。日本のメディアは範とすべし!
想田和弘@KazuhiroSoda
それにしても、涼しい秋ではなく灼熱の真夏にオリンピックを行わなくてはならない理由が、「秋だと米大リーグなどスポーツイベントが目白押しで、テレビ放映権を買った米テレビ局NBCが放送枠を確保しにくいから」というのは現代社会の転倒ぶりを象徴しすぎているな。何かがおかしいよ。

1日券で磯まで出かけました.要するに海です.でも水着は持ってこなかったので足だけ.気持ちいいです.でも砂浜は熱い.ガマンして歩きました.
今度は天文館.いきなりあのお店に行ってみました.なんと6ちゃんがありました.ちょっと悩んで買うことにしました.ランチはグルメ通りでステーキ.テーブルに塩コショウだけでなくワカモトとかあってビックリですが確かに食べ過ぎてしまいますね.
中央駅のビックカメラに行って買い物をして,気になる書店まで移動.歩いてすぐかと思いきや結構あってクタクタ.晩はパエリアでおいしかったです.

<気仙沼向洋高>「仮」の学びやに感謝、別れ 校舎閉校式
 東日本大震災の津波で被災し、気仙沼市九条の仮設校舎で授業を続けてきた気仙沼向洋高(生徒354人)で24日、校舎の閉校式があった。宮城県内の高校のうち仮設校舎で全授業を行っていたのは、同校が最後。生徒たちは夏期休暇後、同市長磯牧通の新校舎に学びの場を移す。
 体育館であった閉校式で佐藤浩校長は「愛着ができた校舎での生活も今日が最後。校舎、地域への感謝を胸に刻んでほしい」とあいさつ。3年で生徒会長の鈴木勇汰さん(17)が「数々の思い出ができた校舎で過ごした日々を忘れず、新しい校舎で勉強や部活に励みたい」と誓った。
 式終了後、生徒たちは校舎周辺の住民に別れと感謝を伝えるためのあいさつ回りをし、道路の清掃活動も行った。
 同市波路上にあった旧校舎は最上階の4階まで浸水。生徒たちは2011年11月から、約8キロ離れた気仙沼高第2グラウンドに建てられたプレハブの仮設校舎で学んできた。旧校舎は市が震災遺構として保存する。新校舎での授業は8月24日に始まる。


<気仙沼向洋高>仮設校舎閉校式 プレハブの苦労思い出に
 気仙沼向洋高の仮設校舎の閉校式があった24日、生徒たちは不便さを感じながらも青春の一ページを刻んだ学びやとの別れを惜しみ、世話になった地域住民に感謝の思いを伝えた。
 6年8カ月に及んだプレハブ仮設校舎での学び。授業を受けた生徒は計1150人、仮設校舎だけで学校生活を送った生徒は計577人に上る。
 生徒たちは苦労を重ねてきた。3年の前田悠寿(ゆうじ)さん(17)は「壁が薄く、隣の授業が聞こえてきた。黒板にチョークで書く音もうるさかった」と語る。夏は暑く、冬は寒い。壁や机にカビが発生することもしばしばあったという。
 大半の運動部は、他校や公共の施設などを借りて活動してきた。約3キロ離れた気仙沼西高(気仙沼高と統合)のグラウンドで練習を重ねた野球部3年の千葉凜平さん(18)は「移動は大変だった。みんなで励まし合って頑張ることができた」と振り返る。
 閉校式後、生徒たちは校舎周辺の約250戸を訪ね、実習で作ったサンマの缶詰を配った。「九条地区の皆さまが温かく迎えてくれたことは絶対に忘れません」とメッセージを添えた。
 学校から70メートル離れた場所に自宅と事務所がある行政書士の熊谷功さん(74)は同校の卒業生。登下校時にあいさつをしてくれる後輩たちを頼もしく思ってきた。「生徒たちが地域を明るくしてくれた。新校舎で羽ばたく姿を期待したい」とエールを送った。
 新校舎での授業は8月24日に始まる。2年の白幡有菜さん(16)は「文化祭に来て、盛り上げてくれたりした地域の方々には本当にお世話になった。仮設校舎の生活は快適ではなかったけど、この場所を離れるのは寂しい」と話した。


津波から無傷で生還 奇跡の馬元気な姿再び 馬術場再開し7年4ヵ月ぶり
 仙台市若林区の海岸公園馬術場で、東日本大震災の津波から無傷で生還した馬2頭が元気な姿を見せている。被災後は奈良県の乗馬クラブなどにいたが、今月8日の馬術場再開に合わせて7年4カ月ぶりに戻ってきた。管理責任者の木幡良彦さん(53)は「復興のシンボル。多くの市民と触れ合ってほしい」と願う。
 帰ってきたのはキャンディ(15歳)とフォレスト(22歳)。震災前と同じく初心者向けの乗馬体験、子どもを乗せる引き馬として活躍している。
 2011年3月11日、10メートルを超える津波が厩舎(きゅうしゃ)、管理棟などを破壊した。スタッフと利用客は間一髪で内陸部へ逃れたが、厩舎に残した馬54頭の生存は絶望的とみられた。
 翌12日、木幡さんは若林区下飯田の仙台東部道路西側で1頭の馬を発見。顔や特徴的な金色のたてがみから、すぐにキャンディと分かった。「無事だったのか」と思わず抱き寄せた。
 木幡さんは、津波で体が浮いたキャンディは2、3キロ先の東部道路まで流されたと推測する。道路の下をくぐり抜け、がれきで負傷することもなく奇跡的に生還した。
 フォレストは13日に厩舎近くで発見された。「津波が引くまで、ずっと浮いていたのかもしれない」と木幡さんはみる。スタッフ総出で周辺1、2キロの範囲を捜索し、2頭を含む計35頭を救い出した。
 津波で犠牲になったのは19頭。大量の流木や土砂に埋もれて身動きが取れなくなったり、ひづめの幅より狭い柵の間に足が挟まれたりしたケースがあった。
 馬術場を指定管理する「乗馬クラブクレイン」(大阪府)は、震災で死んだ全ての馬の「哀悼の碑」を場内に建立し、仙台市に寄付した。
 木幡さんは「生死を分けたのは『運』としか言いようがない。生き残った35頭は奇跡の馬。その象徴がキャンディとフォレストだ。ぜひ馬術場に遊びに来て、触れたり乗ったりしてほしい」と語った。
 開園は午前9時〜午後5時。火曜定休。連絡先は022(349)5038。


転換期の被災地経済/ポスト復興へ柔軟な支援を
 東日本大震災の発生から7年が過ぎ、東北の被災地経済が転換期に入っている。復興需要はほぼ収束し、小康状態が続いていた企業倒産は増加に転じた。ポスト復興をどう乗り切るか。被災地の企業は正念場に立っている。
 東北の上場企業の2018年2、3月期決算は明暗が分かれた。製造業は好調な輸出を背景に堅調、小売業も持ち直しの兆しを見せた。一方、被災地経済をけん引してきた建設業は復興事業がピークアウトし、次期予想で減収や減益を見込む企業が相次いだ。
 東京商工リサーチ東北支社がまとめた17年度の企業倒産状況(負債額1000万円以上)によると、倒産件数は前年度比1.2%増の334件。300件台という12年度から続く記録的な低水準は維持したものの、2年連続で前年を上回った。
 東北支社は「復興需要の収束や人手不足で経営環境は変化している。特に中小企業は影響を受けやすい。倒産が緩やかに増加する不安がある」と警鐘を鳴らす。
 企業の休廃業・解散も目立つ。帝国データバンク仙台支店の調べでは東北6県の17年度の件数は1674件で、倒産の5倍に上った。386件で最多だった福島県は倒産の約7倍。建設業が3分の1を占め、東京電力福島第1原発事故に伴う除染作業の縮小が影響したとみられる。
 仙台市を除く被災地はいま、本格的な人口減少局面にある。需要の先細り感は強く、新規投資に二の足を踏む中小・零細企業は多い。加えて人手不足は改善の見通しが立たない。業界内の競争は激烈で、賃金上昇圧力が企業の体力を奪っている。
 震災前から被災地は高齢化と人口減で需要が減退し、地域経済は縮小の一途をたどっていた。復興特需という特殊要因が企業を生きながらえさせたことは否めない。中小企業への返済猶予など手厚い金融支援もまた、カンフル剤になってきた。
 6月にあった宮城県内の被災企業の株主総会では、株主が復興需要や補助金頼みの経営を批判し、経営者の認識をただす場面があった。被災地に漂う行き詰まり感は、企業の持続戦略と政策の限界の表れとも言える。
 ポスト復興を見据えた産業政策と経営戦略の再構築は喫緊の課題だ。産業構造の転換、新産業の創出といった中長期的なテーマは既に語られている。いま必要なのは、需要減と人手不足に対応する労働生産性の向上や事業承継の促進といった、企業が個別に抱える難題に柔軟に対応した政策支援だろう。
 好調が続く国内景気は踊り場にあるとの指摘がある。後退局面に入れば最初に影響を受けるのは地方であり、体力の乏しい被災地だ。自助には限界がある。経済を含む復興政策に死角はないか。早急な検証と実行が求められる。


<西日本豪雨>職員派遣早期復旧に貢献 仙台市長 支援「対応スムーズ」
 郡和子仙台市長は24日の定例記者会見で、西日本豪雨で被災した岡山県総社市、愛媛県宇和島市、広島県海田町への職員派遣に関し「東日本大震災の経験で導き出した知見を伝えるのは責務の一つ。被災地の早期復旧に一定程度貢献できたと評価している」と述べた。
 市は3月に策定した災害時応援計画に基づき応援本部を設置。罹災(りさい)証明発行や災害ごみ処理の支援で24日までに計68人、延べ307人を派遣した。
 郡市長は「先遣隊の派遣や被災地の支援ニーズ把握、応援職員の人選をスムーズに進められた」と語り、応援態勢を素早く築けたとの認識を示した。
 総務省の応援職員確保システムで、支援先を決めた対口支援(カウンターパート)方式に対し「被害が広範で遠方からの支援も必要だった。道筋を作ってもらったのはいいことだ」と評価した。
 20日に成立したカジノを含む統合型リゾート施設(IR)整備法に関連し、市内へのIR誘致は「庁内では議論していない」と述べた。ギャンブル依存症への対応や住民の合意形成などについて「十分だったのか」と疑問を呈した。


記録的猛暑  「災害」レベルの対応を
 災害と認識している−。気象庁の異例の警告と言ってもよいだろう。このところの猛暑である。
 23日に埼玉県熊谷市で国内最高の41・1度を観測した。
 7月中旬(11〜20日)の平均気温は平年に比べ、関東甲信で4・1度、近畿で3・4度高くなっている。統計を取り始めた1961年以降では最も暑い10日間だ。
 記録更新はこれだけではない。
 総務省消防庁によると、16〜22日の1週間に熱中症による全国の救急搬送者は約2万2千人にのぼり、集計を始めた2008年以降では最多となった。このうち死亡したのは65人で、昨年(5〜9月)の48人を1週間で上回った。
 気が重くなるのは、この暑さがさらに続きそうなことだ。気象庁は「命の危険がある暑さ」と言っている。厳重な警戒が必要だ。
 日常生活にも影響が出ている。観測史上初の40度超えした東京都内では、夏休みに小学校の屋外プールの使用中止を決めた自治体もある。高温の中での運動と、登下校の安全を考えたという。
 工場の従業員に氷やスポーツ飲料を支給したり、猛暑を理由にした在宅勤務を認める企業もある。
 京都では祇園祭の花傘巡行が暑さを考慮して取りやめになり、高校野球の地区大会も気温のピーク時を避け、試合開始を遅らせた。
 もはや異常事態である。当たり前と思っている習慣も状況に応じて見直し、体調を崩す人が出ないよう万全の配慮をしてほしい。
 この猛暑は、日本上空に太平洋高気圧とチベット高気圧が居座って雲ができにくく、直射日光が地表を熱しているためという。
 異常な高温が続いているのは日本だけではない。7月に入り、米国カリフォルニア州で52度、ロサンゼルス郊外で48・9度に達したほか、アルジェリアのサハラ砂漠では51・3度を観測した。
 北欧の北極圏でも30度超えを記録し、スウェーデンでは約50カ所で森林火災が報じられている。
 世界気象機関(WMO)は、個別の異常気象がすべて気候変動の結果とはいえないとしながらも「温室効果ガスの濃度上昇による長期的な傾向に合致している」と述べている。だとすれば、夏の猛暑はこれからも続く可能性がある。
 暑さ対策を念頭に、まちづくりを見直す時期ではないか。特に市街地では、路面温度を抑制する舗装や、日差しを和らげる街路樹を大幅に増やしてはどうだろう。
 猛暑を「災害」と言うなら、地震や台風に準じた備えが必要だ。


西日本豪雨・避難情報 行動につながる伝達を
 政府はきのう、西日本豪雨を激甚災害に指定することを閣議決定した。被災自治体の復旧事業への国の補助率を通常より引き上げる。被災者が一刻も早く元の生活に戻るためにも、土砂で寸断した道路などインフラの復旧作業は急務である。
 同様に急がねばならないのが災害時の情報伝達についての検証だ。台風が来れば、地盤の緩んだ被災地では少しの雨でも土砂崩れや河川の氾濫、ため池の決壊が懸念される。国や自治体はインフラ復旧と併せ、情報を住民の命を守る行動にどうつなげるか知恵を絞る必要がある。
 西日本豪雨で、最も多くの犠牲者が出た広島県では、亡くなった人の6割以上が自宅や敷地内で被災していたことが判明した。避難の準備をしていた際に土砂崩れや浸水に遭って命を落としたようだ。自宅以外でも、避難の途中に巻き込まれ、犠牲になった人が少なくない。広島では4年前の土砂災害でも避難情報の伝達が課題に挙がった。教訓は生かされたのだろうか。
 近年、国内では多数の犠牲者が出る豪雨災害が相次いでいる。警報や避難勧告などの情報は、結果的に空振りになってもできるだけ早めに―との意識は高まっている。ただ余裕を持って発信されたとしても、それがきちんと住民に届いていたのか。もし届いていたとしても命を奪うような差し迫った危険がどれほど伝わっていたのか。きちんと検証すべきだ。
 大規模浸水した倉敷市真備町では「避難指示を伝える防災無線が複数のスピーカーで流れ、音が重なり聞き取れなかった」との声も上がる。ほかの被災地でも、無線が聞こえなかった、気付かなかったという住民の声が多数報じられている。スマートフォンなどを持たない高齢者は緊急情報などを把握できていなかった可能性も指摘される。
 沼田川の氾濫で広域浸水した三原市本郷町では、上流にある広島県営の二つのダムで放流量を増やしていた。県から市へ事前連絡はあったが、住民には伝わらなかったようだ。愛媛県の肱川(ひじかわ)のダム放流でも、浸水被害で犠牲者が出た大洲市が住民に避難指示を出したのは、放流の5分前という。伝達に不備があったとすれば看過できない。
 国は、避難勧告や指示の判断基準となるガイドラインを見直す方針という。だが見直すだけでは意味がない。「伝えた」と「伝わった」は違う。防災無線、ラジオ、テレビ、インターネットといった多様な媒体を駆使し、情報を受け取る住民の視点に立った伝達方法を考えなくてはならない。
 昨年の九州北部の豪雨で甚大な被害が出た福岡県朝倉市では気象や河川水位など複数の災害情報を、モニターに一覧表示できる最新鋭のシステムを導入した。リアルタイムで建物ごとの危険度まで分かる。高齢者や妊婦ら支援を必要とする人がいる家を地図上に表示し、市が直接電話して避難誘導することも可能という。こうしたシステムを全国で共有できないだろうか。
 被災地では、気象庁が「災害」と表現する猛暑が続く中、今も行方不明者の捜索や大量の土砂を取り除く作業が続いている。政府は、このような災害がほかでも起き得ることを念頭に、情報伝達の精度を上げる対策に力を注ぐべきである。


新たな災害として備えを/熱中症対策
 日本列島で続く記録的な猛暑は、気象庁が「命の危険がある暑さ。災害と認識している」と表明する水準に達した。未体験の暑さは、高齢者や子どもなど、体温調節機能が弱い「熱中症弱者」にはまさに命取りとなる。厳重な警戒が必要だ。
 長期的には地球温暖化の影響で、異常な高温の増加が予想されている。その上日本は世界でも例のないスピードで高齢化が進む。今年の猛暑を一過性の異常気象と受け止めるのではなく、深刻な健康被害をもたらす新たな災害と捉え、社会の継続的な備えを強化すべき時期に来ている。
 気象庁によると、連日の暑さは、日本上空に重なるように張り出した太平洋高気圧とチベット高気圧が居座っていることによる。内陸部ではフェーン現象も加わり、23日には埼玉県熊谷市で41.1度と国内最高気温を記録した。この暑さは、少なくとも8月上旬まで広い範囲で続くと同庁はみる。県内も、25日ごろから最高気温が30度以上の日が続くとみられている。
 熱中症の救急搬送数も記録的だ。総務省消防庁によると今月16〜22日の1週間に全国で過去最多の2万2647人(速報値)が搬送された。死者は28府県で65人。昨年の死者数を1週間で上回った。
 本県は、死者こそ出ていないものの、同期間の救急搬送数64人のうち高齢者が34人。発生場所別では30人が住居内だった。また、2017年6〜9月の救急搬送数でも、341人のうち7月だけで277人と突出し、しかもその半数以上が高齢者だった。
 一方、救急搬送されるのは熱中症患者の一部だ。日本救急医学会がかつて、全国の医療機関の診療報酬明細書を分析したところ、夏季4カ月間の熱中症による救急搬送者数が約5万9千人だった2013年には、約40万人が熱中症関連の症状で受診していたことが明らかになった。今年の患者数がこれを大きく上回ることは確実だろう。
 高齢者は全身に占める水分の割合が低く脱水になりやすい上、暑さや喉の渇きを自覚しにくく、体に熱をため込みやすい。自ら予防する力に限界がある熱中症弱者の発症を防ぐには、周囲の見守り力が問われている。1人暮らしの高齢者が増え、高齢世帯の孤立化も加速する中での熱中症の増加は、社会が抱える弱点を私たちに突き付けているとも言える。


猛暑災害 犠牲者出さないために
 記録的な猛暑が日本列島を覆っている。熱中症で死亡する例が後を絶たない。
 気象庁は高気温に関する異例の記者会見を開き、「命の危険がある暑さ。災害と認識している」と表明した。8月上旬まで猛暑が続く見通しとなっている。
 異常な暑さは、人命に関わる深刻な自然災害に当たると受け止めていく必要がある。学校、職場、地域など、あらゆる場面の活動で暑さ対策の発想を災害対応に切り替え、犠牲者を出さないよう本腰を入れたい。
 総務省消防庁がまとめた速報値によると、22日までの1週間に熱中症で搬送された人は全国で2万2647人。2008年の統計開始以来、最多となった。うち65人が死亡した。県内では425人が運ばれ、3人が亡くなった。
 学校での活動中に熱中症になるケースが相次いでいる。愛知県豊田市では、校外学習から戻った小学1年の男児が熱中症の中でも重い熱射病で死亡した。宮城県名取市では、小学校の校庭で人文字の航空撮影を終えた児童が相次いで救急搬送された。
 子どもは体温調節機能が未発達で大人より熱中症になりやすい。前例が通用しない気象条件と考えて、学校行事には中止も含めた慎重な対応が求められる。中学や高校の部活動なども同様だ。
 開幕まで2年となった2020年東京五輪は、猛暑への懸念が深まっている。競技時間の前倒しや涼む場所の整備といった対策が挙がっている。十分かどうか。生命に関わる状況下で競技はできない。入念な検討が必要だ。
 7月中旬の平均気温は関東甲信地方で平年より4・1度高く、1961年の統計開始以来、最高だった。埼玉県熊谷市では最高気温が41・1度を記録し、国内最高を5年ぶりに更新した。
 気象庁によると、今年の暑さは、偏西風が平年より北のコースをとったため、太平洋高気圧とチベット高気圧が日本付近に重なって張り出したことが理由という。
 猛暑は今年に限らない。長期的な地球温暖化と関係があるとの見方が有力だ。環境省などが今年2月に出したレポートは、日本の平均気温は最悪の場合、今世紀末には20世紀末と比べ3・4〜5・4度上昇すると予測している。猛暑日も増えるとみている。
 温暖化は、水蒸気量の増加を通じ大雨の多発をもたらすとの指摘もある。7月は西日本豪雨にも見舞われた。気候変動がもたらす深刻な影響を再認識すべきだ。


猛暑列島  “災害”ととらえ対策練れ
 「一つの災害と認識している」。日本列島で続いている猛烈な暑さについて、気象庁はこう警鐘を鳴らす。熱中症の疑いで救急搬送される人が相次ぎ、多くの死者も出る深刻な事態となっている。暑さはさらに続く見通しだ。一人一人が体調管理に努めて乗り切りたい。
 日本の上空では太平洋高気圧と、中国大陸から張り出したチベット高気圧が居座ってきた。ダブル高気圧にすっぽり覆われた形で、高気圧からの下降気流や直射日光で気温が上昇した。
 23日には埼玉県熊谷市で、国内最高気温を更新する41・1度を観測。東京都内も初めて40度超えとなった。24日も多くの地点で最高気温が35度以上の「猛暑日」となり、岡山市では38度を超えた。
 総務省消防庁が公表した速報値によると、16〜22日の1週間に熱中症の疑いで救急搬送されたのは、全国で2万2647人に上る。集計を開始した2008年以降では最多で、60人以上が死亡した。
 熱中症は、暑さで体温を調節する機能が働かなくなって起きる。重症になれば意識障害などをもたらし、死に至ることもある。防止策としては炎天下での運動を避け、こまめに水分や塩分を補給する。エアコンの活用も有効だ。
 目につくのが、高齢者が亡くなるケースである。体温調節機能が低下し、暑さやのどの渇きを感じにくいから本人が知らない間に重症化することもある。体を冷やすことへの抵抗感や、エアコンを節約するなどの節電意識が悲劇をもたらしたとすれば残念なことだ。
 炎天下でも作業せざるを得ない西日本豪雨の被災地も心配だ。頑張ろうとする意識が熱中症を引き起こしやすい。被災者もボランティアも無理をせず、休憩をきちんと取りながら作業を進めてほしい。
 今月中旬には愛知県豊田市の小学校で、校外学習から戻った1年生の男児が熱中症の中でも最も症状が重い熱射病で死亡した。身長の低い子どもは路面からの照り返しの影響を受けやすく、体温調節も十分でない。大人が細かく注意を払い、異変を見逃さないことが重要だ。
 夏場の屋外活動や部活動などがある学校現場では、これまでにない危機感を持って対策に取り組む必要がある。小中学校などへのエアコン設置促進が望まれる。
 異常気象が、もはや“まれ”でなく、“常態化”している現状では、こうした気象のリスクに対応する柔軟なライフスタイルの見直しが求められよう。
 異常気象の背景にある地球温暖化への対処も欠かせない。国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告書では、21世紀末には熱波や洪水などが世界を脅かす主要リスクになるとされている。温室効果ガスの排出削減へ向けた取り組みも進め、命を守る備えにしたい。


熱中症対策/新たな災害と捉え備えを
 日本列島で続く記録的な猛暑は、気象庁が「命の危険がある暑さ。災害と認識している」と表明する水準に達した。未体験の暑さは、高齢者や子どもなど、体温調節機能が弱い「熱中症弱者」にはまさに命取りとなる。厳重な警戒が必要だ。
 長期的には地球温暖化の影響で、異常な高温の増加が予想されている。その上日本は世界でも例のないスピードで高齢化が進んでいる。今年の猛暑を一過性の異常気象と受け止めるのではなく、深刻な健康被害をもたらす新たな災害と捉え、継続的な備えを強化すべき時期に来ている。
 気象庁によると、連日の暑さは、日本上空に重なるように張り出した太平洋高気圧とチベット高気圧が居座っていることによる。晴天が続いて強い日差しが照り付けたことに加え、2層構造になった高気圧からの下降気流が地表付近の空気を圧迫し高温をもたらした。
 内陸部ではフェーン現象も加わり、23日には埼玉県熊谷市で41.1度と国内最高気温を記録し、5年前に高知県四万十市で観測された41.0度を上回った。東京でも観測史上初の40度超えとなった。この暑さは、少なくとも8月上旬まで広い範囲で続くと同庁はみる。
 熱中症による救急搬送数も記録的だ。総務省消防庁によると、今月16〜22日の1週間に全国で過去最多の2万2647人(速報値)が搬送された。死者は28府県で65人。昨年の死者数を1週間で上回った。
 救急搬送されるのは熱中症患者の一部だ。日本救急医学会がかつて、全国の医療機関の診療報酬明細書を分析したところ、夏季4カ月間の熱中症による救急搬送者数が約5万9千人だった2013年には、約40万人が熱中症関連の症状で受診していたことが明らかになった。専門家はこの時点で既に「災害と呼ぶべき規模だ」と指摘していたが、今年の患者数がこれを大きく上回ることは確実だろう。
 炎天下での肉体労働や学校の集団行事、スポーツなどが危険なことはかなり知られてきた。熱中症への注意が呼び掛けられているときには活動を中止する、比較的涼しい時間帯に変更するなどの柔軟な対応が必要だ。また大人よりも身長が低い幼児は、地面から反射される熱の影響を受けやすいことも意識したい。
 高齢化が進む日本で特に注意を要するのは、住宅内での発症だ。高齢者では住宅での発症が半数を超えるという。
 高齢者は全身に占める水分の割合が低く脱水になりやすい上、暑さや喉の渇きを自覚しにくく、体に熱をため込みやすい。また、持病があることも多いため、日常生活の中で徐々に熱中症が進行し、周囲の人が異変に気付いたときには既に症状が悪化していることも多い。都市部では夜も気温が低下しにくいため、夜間も熱中症のリスクがあることを知っておきたい。
 熱中症は、高温を避け、水分と塩分をこまめに取ることなどで予防可能だが、自ら予防する力に限界がある熱中症弱者の発症を防ぐには周囲の見守り力が問われる。1人暮らしの高齢者が増え、高齢世帯の孤立化も加速している。地域や社会で効果的な予防策を考え、高温時の暮らし方を見直していく必要がある。


東京五輪開幕まで2年 “酷暑マラソン”に不参加続出の懸念
 日本列島はこの夏、「命に危険が及ぶ暑さ」が続いている。東京都心で5年ぶりに38度を超えた昨23日は青梅で40.8度。都内で40度以上を観測したのは初である。埼玉・熊谷ではついに、国内観測史上最高の41.1度に達した。各地で熱中症による死亡者が相次ぐ異常な事態である。
 BBCやワシントンポスト、ロイター通信などが、この殺人的な暑さを海外に伝え、きょうでちょうど2年後に迫った東京五輪(7月24日〜8月9日)を目指すアスリートたちが恐怖心を抱き始めている。想像を絶する暑さに関する情報をインターネットなどで収集しているそうだが、それも当然だろう。
 例えば、マラソンや競歩、トライアスロンなどの屋外競技の選手にとって、気温30度以上、湿度80%前後でのレースは命懸けといっても過言ではない。日本陸連強化委員長や専務理事、副会長を歴任した澤木啓祐氏(順大大学院スポーツ健康科学研究科特任教授)は、本紙にこう語っていた。
「リオ五輪を見ていて、8月の東京でマラソンや50キロ競歩をやったらどうなるのかということを考えました。死者は出なくても体へのダメージが大きく、競技生活に支障を来すことはあるかもしれない。例えば1995年8月の福岡ユニバーシアード大会のマラソンは気温29度、湿度90%、無風という条件で行われ、完走率は男子55%、女子70%でした。この結果、次のユニバーシアード大会から、ハーフマラソンに種目変更がなされた。95年の大会で病院に担ぎ込まれた選手は2リットルの点滴を受けて1日入院。退院後に聞いたのですが、レース中は湿度が非常に高く、体表の水分がまったく蒸発しないと言ってました」
 18日にスイスのローザンヌで開催された国際オリンピック委員会理事会で承認された五輪の競技日程は、男女マラソンのスタート時間を午前7時30分から7時に、競歩の男子50キロも午前7時30分から6時に変更された。
 が、男女マラソンがスタートする午前7時の東京都心の気温は30度を超える日がザラ。昨23日も6時40分の時点で30.6度あった。猛暑の現状を知った海外選手が、「メダルよりも命が大事」と不参加を表明することは十分に考えられる。
■「競技生活に支障をきたす」
 04年東京国際女子マラソン2位などの実績を持ち、07年世界陸上大阪大会6位の嶋原清子氏(現SWACスペシャルアドバイザー)も昨年、本紙のインタビューでこんな意見を述べていた。
「東京五輪ですから、世界の人に東京を知ってもらう良い機会です。でも、一番大事なことは選手の体です。秋以降の賞金レースが頭にある外国選手は厳しい夏の東京で健康を害することを懸念し、来てくれない可能性もある。そうなるとレースのレベルは下がります」 
 嶋原氏が言うように、海外選手の最大の狙いは賞金だ。例えば、夏季五輪直後の9月に開催されるベルリンマラソンの優勝賞金は7万ユーロ(約910万円)。世界記録更新なら5万ユーロ(約650万円)のボーナスが出る。1月に行われるドバイマラソンの優勝者は20万ドル(約2220万円)、世界記録で25万ドル(約2775万円)。世界最高峰シリーズ「ワールド・マラソン・メジャーズ」(東京、ボストン、ロンドン、ベルリン、シカゴ、ニューヨークシティー、五輪および世界陸上)の総合優勝者は50万ドル(約5550万円)を手にする。
 東京五輪でメダルを取れば一流ランナーなら契約スポンサーからボーナスも出るが、それで体を壊してしまえば競技人生はおしまいだ。「危険な東京五輪は回避して、秋からのレースに備える」という選手が続出しても不思議ではないのだ。
■「死人が出るかもしれない」
 酷暑の中でレースをする危険性に加えて、日本のマラソン界の今後を危惧するのはスポーツライターの武田薫氏だ。
「陸連関係者の間でも死人が出るかもしれないという声があるほど。例えばケニアの選手は具合が悪くなれば、その時点でレースを棄権するでしょう。けれども、日本の選手はそうはいかない。沿道は日の丸だらけ。頑張れ、頑張れという大声援の中、走るのをやめるわけにはおそらくいかないでしょう。91年9月に行われた世界陸上東京大会のマラソンは6時スタートでしたが、それでもレース後の選手たちはゲッソリしていた。レース自体が危険を伴ううえに、そもそもマラソンは夏の競技ではない。東京五輪の優勝タイムは2時間15分前後と予想されていますが、現在、2時間切りが注目されている競技です。陸連もマラソンが本来、夏の競技でないことは百も承知している。実際、世界陸上の83年ヘルシンキ大会、87年ローマ大会には当時、脂の乗っていた瀬古利彦も中山竹通も派遣していませんから。夏場のマラソンでは本来の力を出せるはずがないと分かっていたからです。なのに東京だからといって、目標を五輪に置くことはマラソン界の動きに逆行している。東京五輪が終わった後の日本のマラソンが心配です。場所も時間も決まった以上、その危険性やマラソン界の今後の問題点をいまから議論しておくべきだと思いますね」
 いずれにしても、東京五輪のマラソンは別の意味でかつてない注目を浴びるレースになる。


西日本豪雨 災害ごみ処理難航 長期化必須、広域対応も
 西日本豪雨で生じた大量の災害ごみは被災自治体の処理能力を超えており、問題解決の長期化は避けられない見通しとなっている。路上や学校、公園に山積みになったままの地域もあり、環境省も全容を把握できていない。2年かけて県外で処理した2016年4月の熊本地震などと同様に、環境省は自治体の枠を超えた広域処理を検討する。
 岡山県倉敷市真備町地区では、地区の27%にあたる約12平方キロが浸水し、泥水につかった家具や家電、生活用品、異臭を放つ生ごみなど、あらゆるごみが空き地や道路脇に積み上げられた。総量は7万〜10万トンと推定され、同市の伊東香織市長は記者会見で「市全体の1年分の家庭ごみに匹敵する」と表現した。
 市内や他自治体からごみ収集車計約70台が集まり、自衛隊も重機とダンプカー計約150台を投入。幹線道路の脇に積まれたごみは地区内6カ所の「1次仮置き場」に運び込まれた。このうち4カ所は学校の校庭。市や環境省は同市内の公園などを2次仮置き場とし、搬入を進めるが、全量を移す時期のめどは立っていない。
 災害ごみの処理を巡っては、大量の災害廃棄物(がれき)が生じた11年3月の東日本大震災でも問題になった。環境省は14年、想定する災害ごみの発生量や仮置き場候補地などを盛り込んだ「災害廃棄物処理計画」を作るよう全国の自治体に求めたが、全国の市区町村の計画策定率は昨年3月末現在で24%にとどまる。倉敷市は計画を策定していたものの、仮置き場については具体的に定めておらず、被災後に対応に追われた。
 災害ごみは、東日本大震災(約3100万トン)では東京都や大阪府などで3年かけて処理し、熊本地震(約300万トン)でも他県の協力を得て2年かかった。今回も数百万トンに及ぶとみられ、被災自治体だけでは解決は困難。自治体をまたいで最終的な処理場所を探す必要があり、環境省職員が岡山、広島、愛媛の各県に入り、県や市町村などに助言している。環境省は「他自治体との調整や、ごみ収集車の追加投入などで、できるだけ早くごみを処理したい」としている。【山口知】


西日本豪雨 災害ごみ量 広島県全体で約200万トン
 広島県は25日、西日本豪雨による廃家財や流木など災害ごみの量が県全体で約200万トンに上るとの推計を明らかにした。4年前の広島土砂災害時(約53万トン)の約4倍で、処理費用は約430億円が見込まれるという。
 県によると、市町別では大規模な土砂崩れが起きた呉市が最も多く、約72万トンで全体の37.2%を占めた。続いて坂町約31万トン(同16.2%)、広島市約24万トン(同12.3%)、東広島市約20万トン(同10.6%)−−の順で、3市1町で約76%を占めた。県はごみを仮置き場に一時保管後、来年12月までに広島港などに埋め立てたり焼却したりして県内で処分を終える方針。【東久保逸夫】


西日本豪雨 手話でも助けたい ろうあ連盟、ボランティア
 西日本豪雨で甚大な被害を受けた広島県で、耳が聞こえず手話で会話する聴覚障害者を、同じ障害がある人が支援する活動が始まった。県ろうあ連盟が運営するボランティアセンターが参加希望者を募り、被災者宅に出向いて片付けなどをしている。言葉の壁で支援が及んでいない被災者に、「聞こえなくても聞こえても、何かしたい気持ちは同じ」との思いが届き始めた。
 自宅が床上浸水に見舞われた坂町坂西の生田(おいた)照彦さん(70)方に24日、県内からボランティアの女性3人が集まった。互いに耳が聞こえない。「一度使ったタオルは消毒液の中に戻さないで」。手話での説明に、手のひらで胸をなで下ろす動作で「わかった」と答えた。
 この日、初めてボランティアに参加した宮本明三(あけみ)さん(49)は「何かしたかったけど、逆に邪魔になってしまうと、今まで踏み出せなかった」と明かす。「やってみると、作業は本当に少しずつしか進まない」と汗を拭った。
 豪雨の夜、生田さんは雨の音が聞こえなかった。携帯電話にメールで入る避難情報を気にかけてはいたが、7日午前5時ごろ、気がつくと自宅前の道路は川のようになっていた。近くに住む兄に避難を促され、膝まである水の中、妻功(のり)子さん(68)を支えながら高台の保育所まで歩いた。
 水が引いた9日、見にいくと、45年暮らした家が80センチほどの土砂に埋まっていた。「もうだめや」。避難所では会話ができるのは夫婦2人きり。生活支援情報を伝える防災無線は聞こえない。そんな中、連盟から派遣された手話通訳者が頼りになった。「きれいにすれば、気分も変わるかもしれん」と家の片付けを始めることにした。
 県ろうあ連盟によると、連盟の会員は県内に約700人おり、そのうち坂町と三原市で計3世帯が浸水被害に遭った。豪雨被害の実態が明らかになるのと同時に、会員から「ボランティアをしたい」とメールが届くように。だが、一般のボランティアセンターでは言葉の壁がある。連盟は18日からソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)でボランティアの希望者を募り、手話通訳者も同行させて現場に送ることにした。
 24日、手話で会話しながら片付け作業を進める坂町の生田さん宅。ボランティアが床下を消毒する間に生田さんは庭の土砂をかき出していた。同行した手話通訳者が、一度は土をかぶったアジサイから緑の芽が出ているのを見つけて指さすと、生田さんの顔がほころんだ。「もう捨てようと思ったけど、元気やね。慌てず、頑張ろうと思う」
 週末の21、22の両日には、坂町の別の被災者宅に県内外から計53人の聴覚障害者や手話ができる人が集まった。連盟の横村恭子さん(60)は「困ったことがあったら障害の有無にかかわらず助け合うのが当たり前」と支援の思いを強くする。今後は、相手の障害のあるなしにかかわらずボランティアを派遣し、支援の輪を広げていく。【蒲原明佳】


<山形大パワハラ>減給1万円 学生 保護者「軽すぎ」「前例になる」懸念の声
 山形大xEV飯豊研究センター(山形県飯豊町)のパワーハラスメント問題で、同大が加害側のセンター長の50代男性教授を1日分給与半減(減給額約1万円)とした処分について24日、学生、保護者から「軽すぎる」「再発防止にならない」と批判が相次ぎ、専門家には「久しぶりに聞いた」と驚きが広がった。パワハラでの懲戒処分は同大初となるだけに「前例となっていいのか」と疑問視する声もあった。
 「処分が軽く、同じことが繰り返されかねない」と心配するのは、人文社会科学部1年の男子学生(20)。工学部2年の女子学生(19)は「ハラスメント事案全般で、大学は極力隠そうとしている印象がある。父からも被害に遭ったら黙っていないで相談するよう言われている」と話した。
 センターは、成長分野のリチウムイオン電池の研究開発拠点。工学部1年男子学生の50代の父親は「大学は、研究をリードしてきたセンター長を手放したくないのでは」と推測した。
 「1日分給与半減の処分は最近、聞いたことがない」。広島大ハラスメント相談室の横山美栄子教授(社会学)は首をかしげ、「被害者が退職や心身の不調を訴えるまでになった場合はもっと重い処分となるのが普通。大学が踏み込んだ事実認定を行っていない印象だ」と話した。
 教職員間のパワハラによる懲戒処分は、教員から学生、大学院生へのアカデミックハラスメント(アカハラ)やセクシュアルハラスメント(セクハラ)に比べかなり少ない。
 同大では一昨年までの過去10年間で女子学生に肩をもませたり、性的な発言をしたりしたセクハラ行為などを理由に男性教員計5人を減給10分の1(3カ月)〜停職6カ月としている。
 複数のパワハラ訴訟を受任した経験がある長沼拓弁護士(仙台弁護士会)は「人格権の侵害という点でパワハラはセクハラと同じ類型」と説明。「今回の処分が前例になる影響も国立大学として考慮すべきだ」と指摘した。


君が代判決 強制の発想の冷たさ
 卒業式で君が代を歌わなかったから定年後に再雇用されない。その不当を訴えた元教諭の裁判は一、二審は勝訴でも、最高裁で負けた。良心か職かを迫る。そんな強制の発想に冷たさを覚える。
 もともと一九九九年の国旗国歌法の成立時には、当時の小渕恵三首相が「新たに義務を課すものではない」と述べた。野中広務官房長官も「むしろ静かに理解されていく環境が大切だ」と。さまざまな思いへの理解と寛容があったのではないだろうか。
 だが、実際には異なった。東京では教育長が二〇〇三年に「校長の職務命令に従わない場合は服務上の責任を問われる」と通達を出した。強制の始まりである。
 入学式や卒業式は儀式であり、式典としての秩序や雰囲気が求められるのは十分に理解する。一方で国旗国歌に対し、「戦時中の軍国主義のシンボルだ」と考える人々がいることも事実である。教室には在日朝鮮人や中国人もいて、教師として歌えない人もいる。数多くの教員が処分された。
 憲法が保障する思想・良心の自由との対立である。強制の職務命令は違憲でないのか。しかし、この問題は一一年に最高裁で「合憲」だと決着している。間接的に思想・良心の自由を制約するが、法令上の国歌の位置付けと公務員の職務を比較衡量すれば正当である。そんな理由だった。
 仮にその判断を前提にしても、重すぎる処分には断固として反対する。最高裁も一二年に「減給以上の処分には慎重な考慮が必要だ」と指摘した。思想信条での不利益だから当然である。
 今回の原告二十二人は〇七〜〇九年に定年で再雇用を求めたが拒否された。現在の希望者全員が再雇用される制度の前だった。
 その点から最高裁は「希望者を原則として採用する定めがない。任命権者の裁量に委ねられる」とあっさり訴えを退けた。
 失望する。一、二審判決では「勤務成績など多種多様な要素を全く考慮せず、都教委は裁量権の逸脱、乱用をした」とした。その方が納得がいく。
 再雇用は生活に重くかかわる。君が代がすべてなのか。良心と職とをてんびんにかける冷酷な選別である。日の丸・君が代は自発的に敬愛の対象となるのが望ましいと思う。
 自然さが不可欠なのだ。高圧的な姿勢で押しつければ、君が代はややもすると「裏声」で歌われてしまう。


沖縄県民投票 あなたならどう投票?
 沖縄県名護市辺野古への米軍普天間飛行場(宜野湾市)移設の是非を問う県民投票が早ければ年内にも行われる公算だ。沖縄に新基地が必要なのか、全国民が「わがこと」として考える機会にしたい。
 翁長雄志知事に県民投票条例制定を直接請求するため市民有志が始めた署名集めは二十三日まで行われ、二十二日時点で必要数の三倍に迫る約六万六千筆に達した。
 沖縄で県民投票が実施されれば一九九六年以来。前回は「日米地位協定の見直しと米軍基地の整理縮小」を争点とし、投票者の九割が賛成した。今回は、新基地建設のための辺野古の海の埋め立てについてのみ賛否を問う。
 新基地を巡る沖縄の民意は、二〇一四年知事選で建設阻止を掲げた翁長氏が当選したのをはじめ直後の衆院選の県内四小選挙区、一六年の参院選県選挙区で反対派が勝ち明確に示されたはずだった。
 しかし、政府は現地の反対運動を排除し、一七年四月から護岸工事を強行している。来月中旬には土砂投入を始める構えだ。
 政府側には、幅広い政策や人柄を選ぶ選挙で新基地賛否の民意は測れない、との言い分がある。前知事による埋め立て承認は違法だったとして承認の「取り消し」に打って出た翁長氏と政府との訴訟も「民意がいかなるものかは明らかではない」などの判断により最高裁で知事側敗訴が確定した。
 翁長氏は近く、環境保全などの条件を国が守らないとして、取り消しより重い承認の「撤回」に踏み切る方針で、再び政府との法廷闘争が予想される。県民投票に法的拘束力はないとはいえ、埋め立て反対が多数を占めた場合、政府は「(普天間の移設先は)辺野古が唯一」との主張を貫けるのか。
 沖縄では十一月に知事選も行われる。翁長氏は再選出馬への態度を保留しているが、対抗馬擁立を目指す自民党などは、推薦候補が勝利した二月の名護市長選の再現を目指して新基地の是非を争点から外そうとするかもしれない。その場合でも、県民投票で辺野古移設の是非が問われることになる。
 朝鮮半島情勢の変化で日米安保の意義が問い直されている。なぜ沖縄に基地が集中しているのか、今後も必要なのかは国民全体で考えねばならない問題だ。安保の現状維持を前提とするのなら、今回の県民投票の結果次第で、普天間の国外・県外移設を本格的に検討することも必要となる。そんな覚悟を持って推移を見守りたい。


辺野古問う県民投票 6万5千人の署名は重い
 名護市辺野古の新基地建設の是非を問う県民投票が実施される公算が大きくなった。「辺野古」県民投票の会が、2カ月の期限内に法定数を上回る6万5926人(22日午後9時現在)の署名を集めたからだ。
 6万5千を超える署名には重みがある。翁長雄志知事や県議会はその点を十分に踏まえ、県民投票条例の制定に取り組んでもらいたい。
 県民投票を実施するには投票の目的、投票者の資格などを定めた条例を制定しなければならない。県知事か議員が条例案を提案する以外に、住民が署名を集めて直接、知事に求める方法がある。
 今回は、学生、弁護士、企業経営者らさまざまな立場の住民有志でつくる「辺野古」県民投票の会が5月23日から署名活動に乗り出した。
 県民投票条例の制定を請求するには有権者の50分の1に当たる約2万3千人分の署名が必要だ。周到な準備を経て実施した1996年の県民投票に比べると、見切り発車の感もあった。
 結果的に、動員力のある政党や団体が当初から積極的に取り組んだわけでもないのに、有権者の6%近くが署名している。「辺野古」県民投票の会が目標に掲げた11万5千人には届かなかったが、県民投票の実現を望む声が決して小さくはないことを示した。
 県民投票の会は今後、各市町村選管に署名簿を提出する。不備がなければ条例制定を請求することになる。知事は請求から20日以内に県議会を招集し、条例案や関連予算案を提出する必要がある。県議会で多数を占める与党会派は県民投票を支持しており、条例は可決される見通しだ。
 ただ、条例が制定されたとしても実際に実施されるかどうかは不透明な要素が残る。辺野古への新基地建設を推進する安倍政権に近い首長が協力しない可能性もあるからだ。県が市町村に投開票事務を強制することはできない。
 県民投票は、米軍基地の整理縮小の是非を問うた96年以来、行われていない。今回は辺野古への新基地建設に対する民意を初めて全県的に問うものだ。
 住民投票には代表民主制の短所を補う機能がある。法的拘束力がないとはいえ、基地建設に賛成する側、反対する側の双方にとって、県民の意向を直接確認する意味は大きいはずだ。手続きが順調に進めば、遅くとも来年4月ごろには県民投票が行われる。条例が制定されたあかつきには、全市町村が協力する態勢を取ってほしい。
 96年の県民投票は投票率が59・53%で、米軍基地の整理縮小などへの賛成は89・09%だった。
 実施される以上は、できるだけ多くの人が意思を示すことが大切だ。辺野古の埋め立て承認を撤回する知事判断の正当性にとどまらず、沖縄の基地問題の行方を大きく左右する機会になる。


ビキニ訴訟/被ばく船員の救済を急げ
 米国が太平洋・ビキニ環礁で行った水爆実験により日本漁船が相次いで被ばくしたのは1954年のことだ。
 漁船のうち、静岡県焼津市のマグロ漁船「第五福竜丸」の元船員らには、米国から見舞金が支払われた。死者が出て大問題になったためである。
 だが、800隻を超える他の漁船については、国は2014年まで検査結果を公表せず、放置してきた経緯がある。
 そのため同じ海域で操業していた元漁船員と遺族らが国に損害賠償を求める訴訟を高知地裁に起こしたが、地裁は先日訴えを退けた。時間がたって既に請求権が失われているという理由だ。しゃくし定規の判決という印象が拭えない。
 確かに損害賠償の請求権が消滅する除斥期間は20年と定められている。一方、国は「第五福竜丸」以外については被ばくの事実を開示せず、公表したのは60年もたってからだった。
 原告側は「国が事実を隠したため補償が請求できなかった」として賠償権存続を主張した。これに対して、地裁は「意図的に隠蔽(いんぺい)したとは断言できない」と国に有利な見方を示した。
 元船員は高齢で、多くはがんや白血病などに苦しみ、亡くなった人もいる。広島、長崎の被爆者のための被爆者援護法から除外され、「労災認定」に代わる船員保険も適用されない。
 初めて司法救済を求めた訴えの重みを考えれば、柔軟な法解釈をすべきではなかったか。
 裁判所も被害が長く放置された理不尽さを看過できなかったのだろう。判決は原告ほぼ全員の被ばくの事実を認めた。
 その上で被ばく調査の資料が政府内でずさんに管理されていた可能性に言及し、「国が米核実験の問題を狭く限定して沈静化させようとした意図がうかがえる」とも指摘した。
 さらに「救済の必要性は改めて検討されるべき」「立法や行政での検討を期待する」と、司法の場以外の対応を促した。
 旧優生保護法下の強制不妊手術問題では、議員立法による被害救済策が超党派で議論されている。広島、長崎に続く「第三の被ばく」とされるビキニ被ばくの被害回復にも、国会や政府は真剣に向き合うべきだ。


熱中症への備え 北海道も油断できない
 道外では猛暑が続き、熱中症による救急搬送が増え、亡くなる人も出ている。気象庁は「命の危険があり、災害と認識している」と警鐘を鳴らす。
 近年、夏の異常な暑さが常態化しつつある。道内は比較的過ごしやすいとはいえ、油断は禁物だ。
 そもそも暑さに不慣れな道民が少なくない。一人一人が熱中症に対する正しい知識を身につけ、予防を心掛けてもらいたい。
 今週は全道的に高温の地域が多くなると予想されている。フェーン現象で気温が急上昇する恐れもあり、警戒が欠かせない。
 自治体や気象台は、きめ細かな情報提供に努める必要がある。
 消防庁によると、今月16〜22日、道内で搬送された人は183人に上り、昨年同期に比べて6割超増えている。
 熱中症は、高温多湿の環境下で体内の水分や塩分のバランスが崩れて、体温の調節が困難になり、熱がこもって起きる。
 めまいや体のだるさ、手足のしびれ、吐き気などを生じ、重症化すると、意識障害やけいれんを招く。最悪の場合は死に至る。
 のどが渇かなくても、こまめに水分や塩分を補給し、外出する際は、涼しい衣服を身に着け、日傘や帽子で直射日光を避けたい。
 北斗、滝川両市などの高校では先週、体育祭で生徒が熱中症とみられる症状を訴えて搬送された。
 対策に不備はないか、全学校で入念な点検が求められる。
 高齢者には特段の配慮が必要だ。年をとると、体温の調節機能が低下し、暑さやのどの渇きを感じにくくなる。
 独居の高齢者を中心に、隣近所や町内会での見守りが重要だ。
 熱中症の発生場所としては、住居が最も多い。
 道内の住居は気密性が高くて熱がこもりやすく、クーラーの設置率も低い。窓を開け扇風機を回して風通しを良くしたり、冷房のある公共施設などで過ごすといった工夫をしたい。
 乳幼児は、暑さや体調不良を訴えられない上、背も低く、ベビーカーに乗ることで地面の熱の影響を受けやすい。
 車内に子どもを残すのは極めて危険だ。気温が23度でも車内は50度近くになるとのデータもあり、重大な事故につながる。
 環境省が、地域別に熱中症の危険度を示す「暑さ指数」を発信するなど、役立つサイトもある。
 さまざまな情報を取り入れ、熱中症の事故を防ぎたい。


[猛暑と熱中症]侮らず「災害」の認識を
 東日本や西日本を中心に日本列島を猛暑が襲っている。日本上空に二つの高気圧が居座って雲ができにくく、直射日光が照りつけているためである。猛暑の期間が長いことが今年の特徴だ。
 23日には埼玉県熊谷市で41・1度を観測、国内最高気温を更新した。東京都内でも観測史上初めて40度を超えた。気象庁が「命の危険がある暑さ。災害と認識している」と最大級の表現で熱中症予防を呼び掛けた。
 熱中症で搬送される人も最多を記録している。
 総務省消防庁の発表によると、熱中症のため16〜22日の1週間に全国で2万2647人(速報値)が搬送された。集計を始めた2008年以降で最多である。死亡者は28府県で65人に上った。昨年の死者数を1週間で上回った。
 西日本豪雨で大きな被害を受けた広島県でも5人の犠牲者が出た。愛知県では校外学習から戻った1年男児(6)が意識不明となり、病院で死亡した。命の危険を伴う猛暑であることを肝に銘じたい。
 熱中症は、気温や湿度の高い場所で作業や運動をして体内の水分や塩分のバランスが崩れ、体温調整ができなくなって起きる。発汗機能が衰えているお年寄りや体温調整が未発達の子どもは「熱中症弱者」である。
 列島の猛暑は8月上旬まで続きそうだ。炎天下の運動は控え、室内ではエアコンを使う。水分や塩分をこまめに補給するなど万全を期してほしい。特に西日本豪雨からの復旧を急ぐ被災地では猛暑の中での作業に注意が必要だ。
■    ■
 県内で熱中症で搬送された人は44人で、全国で最も少なかった。ただし油断してはならない。
 沖縄気象台は24日も、予想最高気温が33度を超え、熱中症の危険が高いとして沖縄本島と八重山地方に高温注意情報を出している。
 県内の熱中症の発症で特徴的なのは10代が最も多く、働き盛りの20〜50代も目立つことだ。発生場所は建設・工事現場がトップで、運動場も少なくない。スポーツ指導者や現場責任者には、暑い時間帯を避けてスケジュールを調整したり、適度な休憩を入れたりするなど熱中症対策を徹底してほしい。
 体育館や自宅など室内でも発症することを忘れてはならない。1人暮らしの高齢者はエアコンを使わない人が多い。周囲の人が見守り、声掛けすることが重要である。
■    ■
 県内の学校のエアコン設置状況は県教育庁によると、17年4月現在、公立小中学校が74・3%、県立高校が84・9%。いずれも全国平均を上回っているが、地域によってばらつきがあるのが実情で、早急な対応が求められる。
 防衛省は16年度から制度を改正し、米軍と自衛隊基地の騒音対策として実施していた小中高校や幼稚園などに対するエアコン維持費の助成を一部打ち切っている。騒音で窓を閉じざるを得ない教育環境は正常ではなく、維持費の助成を復活してもらいたい。
 エアコンは教育現場に必須の設備である。国は全学校施設に設置補助を急ぐべきだ。


進む人口減 持続可能な社会へ知恵を
 人口減少が一段と進んでいる現実を示すデータがまた発表された。今年1月1日現在の住民基本台帳に基づく総務省の人口動態調査である。
 人口減少と少子高齢化の深刻な同時進行も改めて裏付けられた。取り組むべき多くの難題が待ち構えているが、悲観しすぎるのも禁物だろう。
 人口減少や高齢化に歯止めをかけるのが簡単ではないとすれば、それをある程度前提にしながら、持続可能な社会を構築する知恵と決断が求められよう。
 国内の日本人は1億2520万9603人で、前年に比べて37万人余り減った。9年連続の減少で、減少幅は過去最大を更新した。出生数は過去最少の94万8396人で、100万人割れは2年連続となった。
 減少や最少のオンパレードである。増えたのは65歳以上の高齢者の割合を示す高齢化率で0・49ポイント増の27・66%に達した。
 人口減少と少子高齢化で何が困難になるか。経済力が落ち、税収が減る。医療や介護など社会保障費が膨らむ。国力低下を憂える声もある。
 大都市と地方の不均衡も深刻だ。都道府県別にみると、九州7県を含む41道府県で前年に続き人口が減った。増えたのは東京、沖縄、埼玉、千葉、神奈川、愛知の6都県だけである。
 東京圏(東京、埼玉、千葉、神奈川)は計3544万人で、全人口の28・31%を占めた。前年比0・15ポイント増と、東京一極集中は加速している。
 その東京都にしても、国立社会保障・人口問題研究所の将来推計人口によると、2035年までには人口減に転じる見通しだ。九州の一極集中都市として人口増が続く福岡市も35〜40年の間にピークを迎えるという。
 大都市でも人口減少や高齢化は避けられない時代である。それでも安倍晋三首相は「50年後も人口1億人を維持する」と語る。高度成長期までは人口増や経済成長が国力に直結した。その体験が首相にも私たち国民にも染み付いているのだろう。
 だから人口減少や高齢化を過度に恐れるのかもしれない。だが自民党の杉田水脈(みお)衆院議員のように「子どもをつくらない」人たちを「生産性がない」と短絡して主張すれば人権問題だ。
 むしろ人口減少や高齢化を前提に組み込んだ社会の在り方を模索する選択もあるのではないか。豊かさや幸福度は国内総生産(GDP)などの経済指標だけでは一律に測れない。
 人口減少と高齢化にどう向き合っていくか。どうすれば持続可能な社会をつくれるか。国はもちろん、各自治体や地域もそれぞれの歴史や特徴を生かして知恵を絞りたい。


杉田水脈のような議員は大勢いる “弱者排除”蔓延の戦慄
 こんな主張を容認するようでは、自民党はヘイト政党として国際社会から白眼視されても仕方ない。
 自民党の杉田水脈衆院議員の寄稿文に批判が殺到している。問題になっているのは、18日に発売された「新潮45」(8月号)に掲載されている「『LGBT』支援の度が過ぎる」というタイトルの論考。杉田の主張は、L=レズビアン、G=ゲイ、B=バイセクシュアル、T=トランスジェンダーなど性的マイノリティーに対する差別感情ムキ出しで、こう書かれている。
<LGBTのカップルのために税金を使うことに賛同が得られるものでしょうか。彼ら彼女らは子供を作らない、つまり「生産性」がないのです。そこに税金を投入することが果たしていいのかどうか>
 子どもをつくらない国民のために使う税金などないというのだ。信じがたい発想である。同じことを、子どもがいない安倍首相夫妻に対しても言えるのか。あの夫妻がどれだけの税金を浪費してきたと思っているのだ。
 杉田は「支援の度が過ぎる」というが、“LGBT助成金”みたいなものがあるわけでもない。性的マイノリティーも普通に生きている有権者であり、納税者であることに変わりはなく、特段、優遇されているわけではない。
 そもそも、生産性という視点で選別されるのは、家畜や機械の類いである。人間に対して、しかも国会議員が国民を生産性という尺度で切り捨てる。こんなことが許されるのか。障害や人種を理由に大量虐殺に及んだナチスの「優生思想」そのものではないか。
■障害者施設の殺傷事件に通じる危険な思想
「杉田議員の主張は、2年前に相模原で起きた障害者施設での殺傷事件に通じます。犯人は『障害者は役に立たない』『生きている価値がない』と決めつけて、入所者19人を殺害した。偏見と思い込みの暴論です。子どもを産むことを『生産性』という言葉で表していることも、おぞましい。国民は子どもをつくる機械ではないのです。それに、同性婚を認めた国ではLGBTと出生率に何の関係もないことが統計からも明らかになっている。社会的弱者やマイノリティーに手を差し伸べるべき政治家が、率先してヘイトをまき散らしているのだから話にならない。議員辞職ものの差別発言ですよ。自民党としてもケジメをつけるべきですが、おとがめなしで終わりそうで、そういう人権意識のない政党が国政を担っていることに危機感を覚えます」(高千穂大教授・五野井郁夫氏=国際政治学)
 二階幹事長は24日の会見で、「多様性を受け入れる社会の実現を図ることが大事」と正論を言いながら、「自民党は右から左まで各方面の人が集まって成り立っている」「いろんな人生観、考えがある」と、杉田の主張を事実上容認した。
 二階自身も、6月に都内で開かれた講演会で「子どもを産まないほうが幸せじゃないかと勝手なことを考える人がいる」と言って大問題になったくらいだから、人権は右、左の問題ではなく、ヘイトと人生観は別の話だということも分からないのかもしれない。二階に限らず、今の自民党は、上から下まで狂った優生思想に毒されている。杉田は寄稿文が炎上した後、自身のツイッターにこんな投稿をしていた(現在は削除)。
<LGBTの理解促進を担当している先輩議員が「雑誌の記事を全部読んだら、きちんと理解しているし、党の立場も配慮して言葉も選んで書いている。言葉足らずで誤解される所はあるかもしれないけど問題ないから」と、仰ってくれました。自民党の懐の深さを感じます>
<「ネットで叩かれてるけど、大丈夫?」とか「間違ったこと言ってないんだから、胸張ってればいいよ」とか「杉田さんはそのままでいいからね」とか、大臣クラスの方を始め、先輩方が声をかけてくださる>
 このツイートが事実なら、杉田の主張は安倍自民のホンネなのだろう。
自分たちの失策を棚に上げて弱者を叩く選民意識
 思えば、第2次安倍政権の発足当初から、イヤな兆候はあった。トリクルダウンというヒエラルキー理論に立脚したアベノミクスは結局、富裕層を儲けさせただけで、庶民は負担増を押し付けられただけだ。そういう失策を恥じるどころか、経済的な弱者を叩く風潮。片山さつき参院議員らによる生活保護バッシングも横行した。
「自分だけが儲かればいいという利益至上主義、弱肉強食の新自由主義が蔓延して、人の価値を生産性や経済効率性で捉えるようになってしまった。本来は弱者も安心して生活できるようにするのが政治の役割なのに、セーフティーネットをどんどん外してきたのが安倍政権の5年半です。杉田議員が言う『生産性』の理論で、高齢者や弱者に税金を使う気はないと、福祉や社会保障費を削ってきた。新自由主義を突き詰めれば、弱者は邪魔者扱いされ、マイノリティーを差別し排除する全体主義になる。権力者が思い描くスタンダードから外れた人が生きづらい世の中になっています」(政治ジャーナリスト・山田厚俊氏)
 芥川賞作家の平野啓一郎氏も、日刊ゲンダイのインタビューでこう話していた。
<今は経済的苦境にある人は見捨てられるだけでなく、批判される。社会保障という面で国に「迷惑をかけている存在」だと、糾弾の対象になってきている>
<社会的風潮そのものが新自由主義から全体主義へと変わりつつある危惧を覚えます>
■沖縄差別も根底は同じ差別意識
 安倍政権下で、自民党議員による弱者や女性への暴言、偏見は枚挙にいとまがない。
 がん患者は「働かなくていい」とヤジを飛ばした大西英男衆院議員。衆院厚労委の参考人として招聘したがん患者に「いい加減にしろ!」と執拗にヤジを浴びせた穴見陽一衆院議員。「子どもは3人以上、産み育ててほしい」と発言した加藤寛治衆院議員。「子どもを4人以上産んだ女性を表彰する」と言い出した山東昭子参院議員、天皇・皇后主催の晩さん会に国賓が同性パートナーを伴って出席することに反対だと嫌悪感を示した竹下亘総務会長、高齢者の終末医療を「政府のお金でやってもらっていると思うと、ますます寝覚めが悪い。さっさと死ねるようにしてもらわないと」と言い放った麻生財務相……。
 選民意識なのか、ナチスばりの優生思想なのか。古い価値観を押し付け、弱者を差別し、国民は黙ってお上の方針に従えという態度。政府の方針と違う意見は力ずくでも排除する。これが安倍政権の国民に対する向き合い方だ。
 強引に推し進める沖縄・高江の米軍オスプレイ離着陸用ヘリパッド建設でも、機動隊員が抗議活動の住民に「土人」と罵声を浴びせた。当時の鶴保庸介沖縄担当相は、これを「差別と断じることは到底できない」と吐いてのけた。 
「現場や国民に思いを馳せることなく、自分たちの方針を上から押し付けるのが安倍政権のやり方です。『女性活躍』と口では言いますが、ひと皮むけば、女性は子どもを産んで家庭を守るべきだと考えている。税収を増やしたいというような生産性の問題で、女性も働いて納税しろと言っているだけです。多様性を認めるなんて口先ばかりで、本音では戦前の家父長制と富国強兵を理想としているのでしょう。杉田議員の暴論も新自由主義のなれの果てであり、弱者を排除する全体主義がこの国を覆っている。国民は、いつ自分が攻撃対象にされるか分からない。恐ろしい社会です」(山田厚俊氏=前出)
 そういえば、次から次とスローガンだけはブチ上げてきた安倍が「生産性革命」とか言っていた時もあった。この政権が言う「生産性革命」「人づくり革命」とは、どういうことなのか。狂った政権に家畜や奴隷のように扱われるのはゴメンだ。


再審請求
 まさに「死者に鞭(むち)打つ」である。1984年の「日野町事件」で大津地裁が11日に示した再審決定に対し検察が即時抗告をした▼再審請求中に75歳で亡くなった阪原弘さんは取り調べで脅され、殴られ、自供した−。大津地裁は新たに開示された証拠を基に、こう断定した。検察は抗告審でどう覆すのか▼逮捕や有罪の決め手は自供だけ。それも任意の取り調べ段階だ。阪原さんは逮捕後、否認を貫いた。有罪確定判決となった95年の一審判決ですら「自白は信用できないが…」と書いている▼再審請求審で開示された捜査側資料では、奇妙な経緯も判明した。滋賀県警は一度取った逮捕状を執行していなかった。異例のことだ。弁護団は「初めから自白頼みで、捜査が甘かった証拠ではないか」と指摘する▼それにしても、再審の扉は重すぎないか。最高裁は「疑わしきは被告人の利益に」という刑事裁判の原則が、再審にも適用されるとの判断を示している。なのに、検察の抗告で再審の開始決定は度々覆る▼検察の抗告が認められていない国も少なくない。ジャーナリストの江川紹子さんは、再審を開くかどうかの審議に市民が関わるべき、と指摘している。再審の裁判員裁判である。開かれた刑事司法を目指すなら、いま最も必要な制度の一つではないか。

公文書管理  弥縫策では再発防げぬ
 森友学園を巡る財務省の決裁文書改ざんなどを受け、政府は公文書管理の在り方を見直す再発防止策をまとめた。
 決裁済み文書の事後修正を認めず、改ざんに懲戒免職などの厳しい措置で臨む方針を打ち出した。一定の効果が見込めるとはいえ、弥縫(びほう)策との印象は否めない。安倍晋三政権は一連の不祥事の幕引きを図りたいのだろうが、これでは抑止効果に疑問符が付く。
 公文書に関わる不正の監視強化のため、内閣府の独立公文書管理監の権限を拡大し、各府省庁にも公文書監理官室を置く。ただ特定秘密を扱う管理監が一般文書の不正監視も兼ねる形では片手間となりはしないか。
 さらに公文書担当幹部らへの研修を今夏から実施し、公文書管理への取り組み状況を人事評価にも反映する。変更履歴が残る電子決裁への移行も加速させる。
 公文書管理の適正化で国民の信頼回復を図るというが、外部のチェックが入らない仕組みでは効果を疑問視せざるを得ない。
 加えて公文書の定義を広げる公文書管理法改正に踏み込まなかった。各府省庁とも保存や公開の対象になる行政文書の範囲を狭く捉える傾向が強い。メールの扱いも含め、恣意(しい)的な運用ができないように制度を改めるべきだ。
 刑事罰の導入を見送っては官僚らの責任が曖昧になりかねない。財務省の改ざんでは大阪地検が関与した官僚らを不起訴としたが、改ざん文書により国会を冒瀆(ぼうとく)した悪質な行為は許されまい。刑事罰新設の議論を求めたい。
 2011年に施行された公文書管理法は、公文書を「健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源」と位置付け、適正な管理・保存を求めてきた。
 公文書は政策決定や歴史的事実の記録であり、国民全員のものでもある。適正に管理、保存、公開されてこそ、国民が権力の行使をチェックできる。だが財務省による国有地売却交渉記録の改ざんばかりか、獣医学部新設に関する政府の内部文書発覚や自衛隊の日報隠蔽(いんぺい)といった公文書管理のずさんさが露呈する不祥事が相次いだ。
 不都合な文書は極力隠し、廃棄した方が無難という考えは国民への裏切りである。一連の不祥事の背景には政権への忖度(そんたく)があったことも否めず、それを招いた政治家の責任は重い。政府は民主主義の根幹を揺るがす重大事と受け止め、専門家の知恵も借りて抜本的な公文管理改革を急ぐべきだ。


財務省文書改ざん 福田元首相「トップリーダーの責任」
「公務員、初任者研修が重要」インタビューで強調
 福田康夫元首相(82)は毎日新聞のインタビューに応じ、財務省の決裁文書改ざんなどについて、安倍晋三首相を念頭に「トップリーダーには全体的な責任がある」と述べ、事実関係の究明徹底と再発防止に向け指導力を発揮するよう求めた。また、公文書管理を巡って政府が20日に発表した再発防止策の検討段階で、公務員に対して初任者時から研修を徹底するよう政府に注文したと明らかにした。
 2009年成立の公文書管理法の制定を主導した福田氏は、公文書として記録を残す意義について「国を客観的に判断できる材料になる。民主主義とは国民が真実を知ることだ」と強調。そのうえで、改ざんについて「書いたものは取り消すことはできない。改ざんは国家公務員法に抵触する犯罪だと考えるべきだ」と批判し、首相を念頭に「上に立つ人は『全く関係ない』ではすまない」と指摘した。
 政府の再発防止策に関しては、初任者を対象に、公務員の中立性などを教育する研修を徹底する必要性を強調。財務省の福田淳一前事務次官のセクハラ問題なども踏まえ「役所でも偉くなると権力者になってくる。一般国民とは違うという特権意識を持つようになっているのではないか」と幹部職員の意識改革も必要との認識を示した。
 一方、野党などが求めた公文書管理法改正による罰則規定の新設については、職員の萎縮を懸念し「罰則を意識し文書そのものができなくなることを恐れた方がいい」と慎重な姿勢を示した。省庁横断で公文書管理をチェックする独立公文書管理監を中心に、適切な公文書作成を促すことへの期待感を示した。【野間口陽】


介護保険料 支え合いを保つために
 65歳以上の人が払う介護保険料が上がり続けている。この春から3年間の月額は全国平均5869円で、負担が350円余り増えた。
 2000年に介護保険制度が始まった時の保険料は3千円に満たなかった。介護を受ける高齢者が急激に増えるとともに、負担も2倍を超えたことになる。
 団塊の世代が全て75歳以上になる25年以降も、高齢者の数は増え続ける。厚生労働省はおよそ20年後、保険料は平均9200円まで上がるとの推計を示した。
 保険料は介護サービスの量などにより地域差が著しい。岩手でも最低の奥州市、金ケ崎町5200円に対し、最高の西和賀町は8100円と大きな開きがある。
 やがて月1万円を超える自治体も出てくるだろう。保険料は原則として年金から天引きされるため、高齢者世帯の家計は厳しくなる。
 介護保険は40〜64歳、65歳以上の人がそれぞれ払う保険料と税金で運営する。給付額は10兆円を超えて当初の3倍になり、制度そのものの存続が危ぶまれている。
 家族に任せていた介護を社会全体で支え合う。制度の理念は色あせていない。身近な問題だけに、望ましいサービスと負担の在り方に住民の関心を再び高めたい。
 費用の膨張に歯止めをかけようと、従来も対策が行われてきた。軽度者への給付が財政を圧迫したため、要支援1、2の人向けのサービスは昨年度までに介護保険から市町村事業に移された。
 ヘルパーを使いすぎるとの批判も根強く、政府は今秋からサービス回数に基準を設ける。制度の見直しは「給付抑制」という形で進む。
 家政婦代わりの利用はなくすべきだが、軽度でもサービスが欠かせない場合は多い。認知症で1人暮らしの人は投薬にも訪問が必要で、「抑制」には限界がある。
 そうなると負担増の議論になりがちだ。一律1割だった自己負担は既に一定の所得があると2割になり、8月から高所得者は3割に上がる。財務省は2割負担を原則とするよう求めている。
 ある程度の負担増はやむを得ないとしても、その前にすべきことはないか。上がり続ける保険料だが、自治体によっては下げた所もある。金ケ崎町は本県で唯一、今春から月200円下げた。
 長野県御代田町は、住民を巻き込んだ介護予防の取り組みで知られる。要介護認定率が低くなり、保険料を月550円引き下げている。
 「予防」に力を入れることで元気な高齢者を増やす。支え合いを保つために、先進的な自治体を参考にして、できることから取り組みたい。


安倍首相の誤算…岸田氏が出馬断念で「アンチ票一本化」も
 案の定、自民党の岸田文雄政調会長(60)が総裁選への出馬を断念した。これで9月に行われる総裁選は、安倍晋三首相VS石破茂の一騎打ちになる可能性が高くなった。岸田氏が“安倍支持”を表明したことで、首相周辺は「総裁3選は確実」とニンマリしている。しかし、本当に“安倍3選”は確実なのか。岸田氏断念によって、むしろ総裁選は波乱が起きてもおかしくない状況になったのではないか。
■自民党員の中にも「安倍さんはもういいよ」の雰囲気
 24日記者会見を開き、総裁選に立候補をしないことを表明した岸田氏。表向き、断念した理由を「安倍首相を中心に政治課題への取り組みを進めることが日本の安定にとって重要と判断した」としているが、本当は出馬しても2位になれないことがハッキリしたからだ。
「総裁選は最大、安倍晋三、岸田文雄、石破茂、野田聖子の4氏の争いになると予想されていました。もし、総裁選に手を挙げるとしたら、岸田さんに課せられたノルマは、最低でも2位になることでした。なにしろ、岸田さんが率いる名門派閥“宏池会”は、議員数48人を抱える第4派閥です。20人しかいない弱小派閥を率いる石破さんに負けるわけにはいかない。石破さんに負けたら、政治的な影響力を失ってしまう。でも、どうシミュレーションしても、石破さんに勝てそうにない。それどころか、党員票は、野田聖子さんにも負けて4位になりかねなかった。世論調査では毎回、野田さんに負けていますからね。党員投票で最下位になったら、国民に不人気な政治家のレッテルを貼られてしまう。出馬したくても手を挙げられなかったのが実情です」(岸田派事情通)
 なにがなんでも出馬を諦めさせ、岸田派から“安倍支持”を取りつけようとしていた首相周辺は大喜びだ。最大派閥の細田派(94人)、第2派閥の麻生派(59人)、第4派閥の岸田派、第5派閥の二階派(44人)を結集し、石破氏にトリプルスコアの差をつけて圧勝するつもりだ。 
 しかし、岸田氏断念が裏目に出る可能性が囁かれている。
「秋の総裁選は、安倍首相と石破茂氏の戦いになるはずです。スキャンダルが噴出した野田聖子さんは、出馬できないでしょう。一騎打ちになったら、なにが起きるか。“反安倍票”が石破さんに集中することになります。自民党内に“アンチ安倍”は、潜在的に3分の2はいる。少なくても、地方を中心に自民党員の中に『もう安倍さんはいいよ』『あと3年も続くのか』という雰囲気が広がっています。地方にはアベノミクスの恩恵もありませんからね。党員票は、6対4で石破さんの方が多くなるかも知れない。その時、国会議員が党員の声に反して安倍首相を3選させられるのか。やはり、岸田さんにも立候補してもらって“反安倍票”を分散した方が良かったのではないか」(自民党関係者)
 岸田氏が出馬を断念したことで、宏池会の実質的オーナーである古賀誠元幹事長が派閥議員を“石破支持”でまとめる可能性も出ている。
 古賀氏の安倍嫌いは有名だ。
 安倍首相VS石破氏の一騎打ちとなったら、あっと驚く展開になるかも知れない。


「日本人は不憫」…北の機関紙が赤坂自民亭を猛口撃のワケ
 南北首脳会談以降、日朝首脳会談に意欲を見せる安倍首相をせせら笑うかのように、北朝鮮がアベ批判を続けている。23日は西日本豪雨を巡る後手後手対応を非難。〈退廃的な安倍政権の統治下で生きなければならない日本人の立場が実に不憫だ〉とまで冷笑される始末だ。
 朝鮮労働党機関紙「労働新聞」(23日付)は「再び露呈した安倍政権の反人民的正体」と題した論評を掲載。俎上に載せたのは、赤坂自民亭だった。平成に入って最悪の被害をもたらした西日本豪雨の最中、安倍首相をはじめとする政権中枢の面々が赤坂自民亭と称する酒盛りでドンチャン騒ぎしていたアレである。
 論評は〈昔から火災は始末できても、水害は始末できないという。それほど洪水による被害はとてつもないものである〉と指摘。モリカケ問題で国民不信が高まる現状を繰り返し、こう糾弾した。
〈暴雨が降っているとき、被害地域住民が受けた苦痛は考えずに飲み会を開いたことで、安倍首相一味は大変腐敗し、反人民的な政権であるということを再び赤裸々に露呈した。私利私欲にだけ明るい政治家たちが政治をする日本社会に一体、未来があるのだろうか〉
 その通りではあるが、「人権無視」の北朝鮮にここまでコキ下ろされるとは……。北の言論は金正恩朝鮮労働党委員長の許しなく動かない。一体どんなもくろみなのか。
 朝鮮半島情勢に詳しい国際ジャーナリストの太刀川正樹氏は言う。
「北朝鮮にとって安倍首相は最低最悪の政治家です。小泉訪朝時に拉致問題を認めて謝罪した金正日総書記の顔に泥を塗り、拉致被害者を戻さなかったばかりか、北朝鮮を国難と呼んで事あるごとに政権浮揚に利用してきた。安倍首相が3選を狙う自民党総裁選が本格化する中、反安倍キャンペーンを張って延命を阻む狙いでしょう。北朝鮮には5454部隊と呼ばれる専門組織があり、1日3交代で日本のテレビをチェックし、世論を分析しています。その動きを読んで、ますます攻勢を強めていくのは必至です」
 安倍首相は一昨年の国連総会一般討論演説で、北朝鮮をこう指弾していた。
「人権を蹂躙し、権力に対する抑制と均衡が何ひとつ働かない国、国民の困窮を一顧だにせず、軍備増強に邁進する国だ」
 まさにブーメラン。北朝鮮に言われるまでもなく、鉄槌を下す時だ。


エネルギー政策は支離滅裂で…カジノが成長戦略の安倍政権
 先週で通常国会が閉会した。しかし、これほど議会制民主主義の劣化をあらわにした国会はなかった。
 モリカケ疑惑は、決定的な証拠が次々に出てきたのに、昭恵夫人、加計孝太郎氏らの証人喚問は拒否され、安倍政権は虚偽答弁に終始した。誰が見ても事件の中心は安倍夫妻なのに、安倍首相は「膿を出す」と言い続けているのだからどうかしている。
 会期末は、豪雨が西日本を襲っていたのに、安倍首相は被災地を放置し、40人の自民党議員と酒宴を楽しんでいた。犠牲者は200人を超えたが、被災地救援よりも、カジノ法案の成立を優先したのだから常軌を逸している。おまけに、十分な審議なしに自分たちに都合の良いように選挙制度を変えてしまった。
 一方、大手メディアはほとんど報じないが、野党4党が提出した「原発ゼロ法案」は、ほとんど審議されなかった。野党も国民の代表だ。野党の共同提案を審議しないのは議会制民主主義の否定にも等しい。
 しかも、安倍内閣が7月3日に閣議決定した新たな「エネルギー基本計画」は支離滅裂だ。経産省は、2030年の電源構成について、約30基もの原発を稼働させて原発比率を20〜22%にするとしている。原発の新設なしには不可能な数字だ。40年で原発を廃炉するルールを守るとすると、すべての原発を60年稼働させねばならないことになる。
 再生可能エネルギーについても、ドイツは50%以上、フランスも40%としているのに、日本は目標を最大24%としている。そのうち、すでにある水力9%が含まれている。「主力電源」と言いながら、やる気がないのだ。既存の電力会社の地域独占を残し、少しでも多く原発を再稼働させようと考えていることは明白だ。
 世界中で再生可能エネルギーが急速に伸び、IoTによるグリッドシステム開発を競い合っている。エネルギーをどうするかは国家戦略の中核であり、成長戦略のコアになるテーマだ。
 なのに、安倍政権は、カジノを成長戦略の柱に位置づけているのだ。原発建設同様、外国ではカジノが次々に破綻している。完全に後ろ向きなのだ。
 いずれ日本は、見るも無残なガラパゴス状況に陥ってしまうだろう。


“食べ放題”はご飯やめん類、スープで客の胃袋を膨らませる
「食べ放題」「飲み放題」という惹句は、とても魅力的です。90分、120分といった時間制でも、好きなモノを好きなだけ食べられるビュッフェやバイキング形式は、ネット検索してもあまたのバリエーションが見つかります。
 旅行会社の国内ツアーでは、「海鮮&3種のカニ食べ放題」などが定番人気ですし、街には「焼き肉」「寿司」「スイーツ」「野菜総菜」「しゃぶしゃぶ」といった限定メニューでの食べ放題から、全品メニューが食べ放題・飲み放題の店も多く見かけます。
 変わりダネでは、男女の出会い目的の相席居酒屋なども「食べ飲み放題」形式で、男性30分1500円の課金制、女性が無料となっています。
 飲食店の原材料費は30%前後に抑えるというのが定石ですが、こうした「食べ飲み放題」の店では、原価率が5割を超える食材も多く、お客サイドにとってはコスパがかなりオトクといえます。
 とりわけ、一流シティーホテルのランチビュッフェなどは、顧客誘引の宣伝効果も兼ねているため、高級食材がふんだんに使われ、最高のコスパの良さと言っていいでしょう。
「食べ飲み放題」の店側のメリットは、いくつかあります。お客が直接並んだ料理を取りにいく形式が多いため、ホールスタッフの人件費が抑えられること。一括大量調理で効率が上がり、時間制で確実な客席回転が見込めること。原材料の大量発注で仕入れ価格が抑えられることなどです。
 また、目玉となる肉やカニ、野菜、スイーツなどは原価が比較的かさむものですが、お客はそれらだけを食べ続けるわけではありません。
 原価の低いパスタや麺類、ご飯、カレー、焼きそば、チャーハンなどの炭水化物メニューを増やしたり、スープやデザート類でお客の胃袋を膨らませれば、食べ放題といっても限度があります。
 飲み放題でも同じこと。ビールの原価は中ジョッキ1杯160円前後と税金分だけ高いですが、ビールだけを飲み続ける客ばかりではありません。酎ハイやサワー類を飲めば、こちらの原価は20〜40円と格安です。
 ソフトドリンクに至っては、1杯20円程度で済み、コーヒー、紅茶に砂糖やミルクを加えても25円程度。一番高い果実ジュースでもせいぜい30円ぐらいです。「食べ飲み放題」といっても、お客の胃袋コントロールは店側主導なので元を取るのは容易ではありません。(マネーコンサルタント・神樹兵輔)


アメフット 日大、悪質タックル「内田前監督に責任ある」
チーム改善報告書で認める
 日本大が関東学生アメリカンフットボール連盟に提出したチーム改善報告書で、悪質タックルは内田正人前監督(62)に責任があると認めていたことが24日、関係者への取材で明らかになった。5月6日の関西学院大との定期戦以降、日大が責任の所在を明確にしたのは初めて。これまで日大は「選手の受け止め方との乖離(かいり)」などと曖昧にしていた。
 日大が設置した第三者委員会(委員長、勝丸充啓弁護士)は6月29日に公表した中間報告書で悪質タックルをした選手に内田氏が「やらなきゃ意味ないよ」と指示したと認定した。これを受けて作成された日大の改善報告書は、第三者委の事実認定を「真実として尊重する」と内田氏の責任を認めた。そのうえで悪質タックルが起きた原因として、内田氏による勝利至上主義や、内田氏を含めた指導者らのルール順守や暴力への批判に対する意識が鈍かったことなどを挙げた。
 また、内田氏が大学常務理事の要職を兼任して強大な権力を握っていたことから、具体的な再発防止策として、大学運営を担う常務理事や学長らの運動部の部長や監督、コーチなどの兼職を認めないことを盛り込んだ。
 日大は17日、関東学連に改善報告書を提出すると同時に監督候補として立命館大元コーチの橋詰功氏(54)を報告した。関東学連は報告書の公表を認めていないが、要望のあった1部リーグ15校の監督会に対し、24日に内容を示した。【田原和宏、村上正】


ゲイ暴露「一橋大アウティング事件」で証人尋問 大学の責任めぐり遺族ら6人が証言
同級生からゲイであることを暴露(アウティング)された一橋大の法科大学院生(当時25)の転落死をめぐり、遺族が大学側の相談対応の不備などを訴えている「一橋大アウティング事件」の証人尋問が7月25日、東京地裁で開かれた。
学生の父親は、裁判を起こした理由について、事件の経緯を尋ねたのに、大学から回答を拒まれたからだと説明。「何の返答もなく、隠蔽するようなことをされた。腹わたが煮え繰り返る」と不信感を語った。
この日、証言したのは、大学側から学生が被害を相談した教授、ハラスメント相談室長、学校医。遺族側から学生の父・母・妹の合計6人。ただし、学生ともっとも密にやり取りしていた相談室の専門相談員は、事件後に退職しており、証人として呼べなかったようだ。
●個人情報保護で、連携がうまくいかなかった?
裁判で、遺族側は、専門相談員がアウティング被害に悩む学生に対し、同性愛者であることに悩んでいるかのような対応をとったことを問題視している。加えて、ゲイの学生に対し、性同一性障害の治療で有名なメンタルクリニックをすすめており、性的指向と性自認を混同していたのではないかと指摘している。
この点について、相談員に請われて、このクリニックを紹介した校医は、「個人情報の関係で、セクシャリティによる悩みとしか聞いていなかった」と語った。
一方で、性的指向の問題だったとしても「精神医学の対象ではない」ものの、通常のクリニックに比べれば、「手厚く対応してくれる」と思っていたそうだ。
●亡くなった翌日「ショックなことを申し上げます。息子さんは同性愛者でした」
一方、遺族側は、事件後の大学の対応について証言した。
父親は、学生が亡くなった翌日、大学側との面談の中で「ショックなことを申し上げます。息子さんは同性愛者でした」と言われ、「(息子が亡くなったのに)何を言っているのだろう」と憤慨したという。
学生がハラスメント相談室に行っていたことは知っていたため、相談内容を教えてほしいと伝えたが、「守秘義務」を理由に拒まれたとも語った。
後日、学生の遺品から相談内容の写しが出てきたので、大学側に説明を求めたがやはり回答は得られなかった。
49日を過ぎて、改めて説明を求めたところ、大学側が報告に来ることになったが、「弁護士を同席させる」と伝えたところ、予定はキャンセルになり、以来、大学からの連絡は途絶えた。
「息子のことを知りたかったが、大学側に拒否されて、裁判するしかなかった」(父親)
●「同性愛ではなく、アウティングを苦にしていた」
母親は、学生の死後、彼が高校時代にも同級生の男性生徒に告白し、断られていたことを知った。しかし、その相手とは亡くなる直前まで一緒に遊ぶなど、親しい関係が継続していたという。「同性愛を苦にしていたのなら、高校のときに自殺していた」(母親)
学生の妹も「兄は同性愛を苦にしていたのではなく、アウティングを苦にしていた」と述べた。
大学側は、遺族側に対し、反対尋問を行わなかった。裁判の次回期日は10月末で、最終準備書面を提出する。終結は間近だ。


林眞須美死刑囚「四面楚歌の日々、自分に負けず」 和歌山カレー事件20年、長男に手紙
1998年7月、和歌山市園部で夏祭りのカレーの鍋に猛毒のヒ素が混入され、4人が死亡、63人が負傷した「和歌山カレー事件」は25日で発生から20年になる。その節目を前に、再審(裁判のやり直し)を求め続けている林眞須美死刑囚(57)が長男(30)に手紙を出し、改めて無実を訴えていたことがわかった。
母からの手紙を息子はどう受け止めたのだろうか。(ルポライター・片岡健)
●「離されて、20年目の夏です」
林死刑囚が収容先の大阪拘置所から7月19日消印で長男に発信した封書には、差出人の名前や住所が一切書かれていない。
長男によると、「母は、自分からの手紙だということが配達の人などにわからないように、と思っているようです」。そんな林死刑囚の手紙は普段、逮捕前の楽しかった思い出や近況のとりとめもない話が綴られ、事件への言及はないという。
だが、今回は違った(以下、〈〉内は引用。断りがない限りは原文ママ)。
〈離されて、20年目の夏です〉
そんな書き出しで始まる便せん7枚の手紙は、事件から20年の節目の時期だということを強く意識した内容となっていた。
〈20年の日々、4人の子供や健治パパ1人1人にとり、大変な時間、日々を1人1人が、大変厳しい試練に耐え乗り越えてきました。
愛しい愛しい愛しい4人の子供の成長に力強いパワーをもらい、日本中、いや世界中にての報道にも負けず「死刑」宣告にても3畳1間室四方セメント壁室の厳正独居室四面楚歌の日々にても、自分に負けず、すごしてこれました〉
死刑囚は通常、親族や弁護人、教誨師らごく一部の者以外との面会や手紙のやりとりを許されないが、林死刑囚も例外ではない。独房でほとんど誰とも話せない孤独な日々を強いられてきた中、4人の子供や夫の健治さん(73)ら家族の存在を心の支えにしてきたことが窺える。
●カレー事件は「やってない。やる意味がない」
今も和歌山で暮らす長男は年に1回、大阪拘置所まで林死刑囚の面会に訪ねている。これまでも母の無実を信じていたが、先月21日に面会した際に改めてカレー事件について、「本当にやってないの?」と問いかけてみたという。
「母はその時、眉間にシワを寄せ、『まだそんなことを聞くの?』というようなイラっとした表情になりました。しかし、僕のことをまっすぐ見て、『やってない。やる意味がない』と言っていました」
林死刑囚は、保険金目的で夫の健治さんや知人の男性にヒ素を飲ませたという容疑でも有罪とされている。それについても、「確かに保険金詐欺はやっていたし、反省している。でも、人にヒ素は飲ませていない。私がやっていないことまで、やったことにされている」と訴えたという。
そんな面会中のやりとりもあったからか、手紙には、裁判の争点への言及もあった。
〈私が鍋の回りをウロウロして、道路の方を気にしていた、クマのように、鍋のフタをあけては、白い湯気が上がり、のけぞり、首に巻いたタオルで顔を拭い、タオルを口に当てていた。鍋のフタの段ボールのようなものを手にして地面を引きずっていた。白いTシャツだった。
このようなことは全くありません。6月に3回目の手術をしており、イスにすわってました〉
これは、園部の住民の1人が裁判で、「林死刑囚が、カレーの調理場所だった民家のガレージでカレーの鍋のフタをあけるなどの不審な行動をしていた」と証言していることへの言及だ。
林死刑囚は裁判で、「その人が見たのは、私がカレーの鍋の見張り番をしていた時、一緒にいた次女が鍋のフタをあけ、カレーの味見をしたところだ」と主張していたのだが、そのことを改めて長男に訴えたようだ。
長男はこの手紙を読み、改めて母の無実の訴えを受け入れられたという。
「事件当日のことを振り返ると、母が着ていたTシャツの色は、確かに白ではなく黒でした。それに、当時の母は(筆者注・保険金詐欺をするために)足にすごいヤケドをしていて、立っていられず、すぐに座っていました。手紙に書いてあったことは、自分の当時の記憶と合致するものでした」
●「気の休める時間はありません」
手紙には、〈6/21面会で、これ歌うの時間切れでした。歌うつもりでした。××(筆者注・長男の名前)へ愛をこめてネ!〉と安室奈美恵のヒット曲「Hero」の歌詞も綴られていた。
〈君だけのためのヒーロー いつもそばにいるよ どんな日もそばにいるよ〉〈どこまでも全て君のために走る 永遠に輝やくあの星のように〉などと実際の歌詞とは微妙に違うところもあるが、末尾には〈ママより 眞須美〉と綴られ、子供への思いをあふれさせている。
「事件の時に僕は小5でしたが、それまで一緒に過ごしていた母のイメージは、世間で思われている凶悪犯のイメージとは一致しないんです。昔の記憶をたどっても、幸せだったことしか思い出せないですからね」(長男)
20年前、事件で亡くなった4人の中には子供も2人いた。長男が面会した際、「早く死刑執行を」と願う被害者遺族たちへの思いを聞いたところ、林死刑囚は「子供を持つ母親として、事件で子供が亡くなった人が犯人の死刑を望む気持ちはわかる。でも、それを私に向けられても困る」と語っていたという。
一方、手紙には、死刑への恐怖も率直に綴られていた。
〈「死刑」が確定したら、再審請求中でも、法務大臣が執行を命じれば、私も、ここ大阪拘置所で殺されてしまいます。「いつ、殺されるかもしれない」という思いは、46時中、頭、体、心につきまとい、襲ってくる毎日です。気の休める時間はありません。「私は犯人ではないのに国に殺される理由はありません」〉
林死刑囚は昨年3月、和歌山地裁に再審請求を棄却されたが、現在は大阪高裁に即時抗告中だ。手紙の末尾では、裁判で検察側の主張に沿う証言をした人物の名前を複数挙げ、こう訴えている。
〈真実を歪めて隠しとおすのですが? 「死刑」ですヨ! 亡くなられた方のためにも真実をお話下さい〉
事件から20年が過ぎた今も無罪を勝ち取り、子供たちのもとに帰ることを諦めていないのは間違いない。
【ライタープロフィール】 片岡健:1971年生まれ。全国各地で新旧様々な事件を取材している。編著に「絶望の牢獄から無実を叫ぶ ―冤罪死刑囚八人の書画集―」(鹿砦社)。広島市在住。


死刑制度の世論調査「回答する選択肢を見直すべき」、日弁連が意見書「時代変わった」
日本弁護士連合会(日弁連)は7月25日に開いた定例会見で、死刑制度に関する政府世論調査について、意見書をまとめ明らかにした。法務省など関係機関に説明していくという。
政府は近年では5年に1回のペースで、調査機関を使って死刑制度に対する国民の認識を調査している。直近の2014年度調査(日本国籍を有する満20歳以上の3000人が対象)では、死刑制度の存廃について「死刑は廃止すべきである」と答えた人の割合が9.7%で、「死刑もやむを得ない」は80.3%だった。
●国民の認識、より正確に把握を
国民の認識をより正確に把握するため、日弁連は意見書で、回答する選択肢を見直すよう指摘。「死刑は廃止すべきである」「どちらかと言えば、死刑は廃止すべきである」「どちらとも言えない」「どちらかと言えば、死刑は残すべきである」「死刑は残すべきである」の5つから選べるようにすべきだとした。
死刑廃止を可能にするような条件や手続きに関する質問も追加すべきと主張。さらに、死刑が凶悪犯罪を抑止する効果があるか検証するため、一定の期間は試験的に死刑を取りやめ、それにより凶悪犯罪が増えるか見極めた上で存廃を決めるという方法への賛否も質問すべきだとした。
日弁連の資料によると、死刑制度に関する調査の回収率は長期的に低下傾向にある。1956年度の初回調査で84.5%だったものの、2014年度調査では60.9%にとどまった。また、死刑廃止国は1956年当時は8カ国だったが、2016年12月末時点では141カ国(事実上の廃止国を含む)だという。
日弁連は意見書で、「時代は変わった。主質問の構成を踏襲する必然性はない。死刑に関する多種多様な国民の意識をより正確に把握するためにはどのような質問構成がふさわしいのかを考える必要がある」と訴えた。


トップレス抗議の権利団体「FEMEN」創設メンバーが死亡、自殺か 仏パリ
トップレスによる抗議行動で知られるウクライナの女性権利団体「FEMEN」の創設メンバー、オクサナ・シャチコ(Oksana Shachko)さん(31)が23日、亡命先の仏パリのアパートで死亡しているのが見つかった。同団体が発表した。遺体の傍らには遺書があったという。
 FEMENは2008年にフェミニスト活動家4人がウクライナで結成した女性権利団体。「私は来た、私は脱いだ、私は勝利した」のスローガンの下、胸をあらわにした活動で性差別に抗議し、瞬く間に世界の注目を浴びた。その後、抗議の矛先を権威主義や人種差別に向けるようになり、特にロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領やフランスの極右政党、国民戦線(FN)を標的とするようになった。
 しかし近年、グループは内輪もめやメンバーに対する法的措置などに苦慮していた。
 2011年にFEMENは、強権的なベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ(Alexander Lukashenko)大統領をからかうトップレス抗議を行った後、亡くなったシャチコさんら女性メンバー3人が治安当局の職員らに「誘拐」され、森の中で全裸になるよう強要されたと主張。当局職員らは3人に石油をかけ、火をつけるぞと脅し、髪を切ったという。
 また、シャチコさんはプーチン大統領のウクライナ訪問の際にも、正体不明の襲撃者によって拉致されたという。FEMENの弁護士によると、シャチコさんはこの時、ひどく殴られ、短期間入院した。
 シャチコさんは2013年にフランスへ亡命。以降、グループを離れ、アーティストとして活動していた。

コー終了/web報告/余裕もって関空へ

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Japon : la chaleur a fait 80 morts et conduit 35.000 personnes à l'hôpital
Le Japon est en proie à des températures étouffantes depuis plusieurs jours. La majorité des décès concernent les personnes âgées, mais des enfants figurent aussi parmi les victimes.
L'étouffante vague de chaleur humide qui s'est abattue sur le Japon a tué 80 personnes et conduit quelque 35.000 autres à l'hôpital en trois semaines, selon les données officielles publiées mardi.
"Des chaleurs sans précédent". La semaine passée, où les températures ont largement excédé 35 degrés à l'ombre en maints endroits, a été la plus meurtrière, avec 65 victimes recensées, selon l'Agence de gestion des incendies et désastres. Quinze morts avaient été déplorés les deux semaines précédentes. Avec entre 35 et près de 40° Celsius à l'ombre et une hygrométrie de plus de 80%, plusieurs villes japonaises affichent une combinaison mortelle, car elle affaiblit les défenses naturelles. "Nous observons des chaleurs sans précédent en plusieurs régions", a expliqué un responsable de l'Agence de météorologie, Motoaki Takekawa, lors d'une conférence de presse lundi soir. Cette vague de chaleur "est fatale et nous estimons que c'est une catastrophe naturelle", a-t-il ajouté.
Des enfants parmi les victims. La majorité des décès concernent les personnes âgées, mais des enfants figurent aussi parmi les victimes, dont un garçon de six ans qui a succombé à un coup de chaleur après des activités à l'extérieur et alors que la salle de classe n'était pas climatisée. "Des mesures d'urgence sont nécessaires pour protéger les enfants", a déclaré mardi matin le porte-parole du gouvernement, Yoshihide Suga, lors d'un point de presse régulier.
Plus de 40 degrés. Des températures inédites ont été atteintes à travers le pays, notamment dans la ville de Kumagaya (préfecture de Saitama), au nord de Tokyo, qui a battu le record national lundi avec un thermomètre affichant 41,1 degrés Celsius. La localité d'Ome, dans la préfecture de Tokyo, subissait une chaleur de 40,3°C, une première à l'intérieur de la métropole qui n'avait jamais connu de température supérieure à 40 degrés Celsius. D'après l'Agence de météorologie, les températures de 35°C ou plus pourraient durer jusqu'à début août, malgré quelques jours de répit prévus prochainement.
Des inquiétudes pour les JO. L'Agence de gestion des catastrophes a exhorté les personnes à utiliser les climatiseurs (installés dans la plupart des logements), à boire de l'eau et à prendre des pauses régulières au travail. Les habitants des régions de l'ouest ravagées par les pluies torrentielles au début du mois sont particulièrement mis en garde, eux qui s'escriment à tenter de nettoyer leurs maisons et alentour. Les records de températures atteints cette année ravivent les inquiétudes pour les jeux Olympiques de 2020 qui auront lieu à Tokyo en plein cœur de l'été, du 24 juillet au 9 août.
フランス語
フランス語の勉強?
内田樹 @levinassien
五輪組織委員会は時給0円で5000人の薬剤師がボランティアで集まると本気で思っているのでしょうか。その分の人件費をゼロ査定して五輪の財務計画を組んでいるんでしょうか?東京五輪どれほどの負債を未来の世代に残して終わることになるのか、想像するだけで怖いです。😟
YoJung Chen @YoJungChen
フランス大統領付警護官は警察を装って市民に暴行したのに大統領府はその二重犯罪を内部処分で穏便に済まそうとして、警察、司法、国会を巻き込む大政治問題に発展。
同じ最高権力者の知人の犯罪(強姦)容疑を最高権力が握りつぶしても、警察も司法も国会もマスコミも黙り込んだ侭の国もある様だが…

乙武 洋匡@h_ototake
「生産性がない」と他者に烙印を押す方がいる。みずから選んだ境遇でもないのに、そんな烙印を押された人々の悔しさ、やるせなさはどれほどだろう。そうした人々の生きづらさに寄り添い、苦しみの声を丹念に拾い、少しでもその生きづらさが解消されるよう活動するのが政治家の責務ではないだろうか。

ついにコー終了.とはいえweb報告をしなくてはなりません.昨日まで見ていたのは関係ないところで実際はちょっとというか結構面倒なのでした.早く帰りたいけどかなり時間をかけて頑張りました.
梅田で仕事して余裕もって関空へ行くことが出来ました.
鹿児島空港には少し遅れて着いて,そのためバスに乗り遅れてしまいました.結局お酒飲むことになったけど…

気仙沼向洋高 仮設校舎にお別れ
東日本大震災で被災したあと仮設の校舎で授業を続けてきた気仙沼市の気仙沼向洋高校の生徒たちが、新校舎に移転するのを前に、これまでの学びやに別れを告げました。
沿岸部にあった気仙沼向洋高校は震災の津波で校舎が使えなくなり、生徒たちは別の高校のグラウンドに設置されたプレハブの仮設校舎で7年間授業を続けてきました。
今月、新しい校舎が完成し、夏の間に移転することになったことから24日、仮設校舎を閉じる「閉校舎式」が行われました。
式には在校生や教職員、およそ400人が参加し、生徒会長の鈴木勇汰さんが「入学前は仮設の校舎に不安もありましたが、この校舎でさまざまな思い出ができありがとうございました」と感謝を述べました。
仮設校舎ではこの7年間で1100人あまりの生徒が学んだということで、全校生徒で校歌を歌い仮設の学びやに別れを告げました。
式のあと、生徒たちは地域の人たちの家を1軒1軒回りながら自分たちで作ったサンマの缶詰を配り、7年間お世話になった感謝を伝えていました。
近所に住む夫婦は「孫たちがいなくなるみたいで、さびしいですね」と話していました。
高校2年生の女子生徒は「仮設校舎には思い出がいっぱいあってさみしいですが新校舎でも頑張りたいです」と話していました。
地域へのお礼を終えた生徒たちは再度、体育館に集まり、佐藤浩校長が「新しい校舎でまたみなさんの姿を見るのを楽しみにしています」と話していました。
新しい校舎は被災した校舎よりおよそ1キロ内陸に建てられていて、生徒たちは来月24日に新校舎に初登校するということです。


遺体から生前の似顔絵、震災時は身元特定に効果発揮も…少ない「本番」 宮城県警、技術伝承に力
 宮城県警は、損傷や腐敗が激しい遺体の骨格などから生前の似顔絵を作成する「復顔法」の技術講習会を開いた。東日本大震災後の2012年から県内の警察官を対象に毎年開催し、今年で7回目。復顔法は身元特定に有効だが発揮する機会は少なく、技術水準の維持が課題となっている。
 震災発生から7年4カ月目の今月11日に開かれた今年の講習会。震災後に遺体の復顔のほとんどを担った県警鑑識技能伝承官の安倍秀一さん(68)が講師を務め、3月に県内の川岸で頭を下に向けた状態で発見された遺体をスライドに映し出した。
 「腐敗が進み、唇の合わせ目や眼窩(がんか)が上に引っ張られている。元々の顔のパーツの位置をよく推測して描く必要がある事例だ」
 講習会に毎年参加している警察官8人に安倍さんが説明した。顔の膨張具合は時間の経過とともに変わるため、解剖の前後や複数の角度から写真を撮ることなども助言した。
 安倍さんは「写真1枚から復顔を強いられる場合もある。遺体が置かれた状態や服のサイズ、歯の治療痕などあらゆるものが手掛かりになる」と話す。
 県警は12年5月以降、震災で亡くなった身元不明者99人の似顔絵をホームページや新聞で公開し、うち24人の特定に結び付いた。県警鑑識課は「事件や事故でも復顔法は効果的だ。顔の印象が分かるかどうかで捜査のしやすさは全然違う」と強調する。
 ただ、復顔が必要となる事件や事故などは毎年数件程度にとどまる。件数を重ねれば技術は磨かれ質の高さが保てるが、「本番」の少なさを講習会で補っているのが現状だ。
 受講した県警察学校の小山貴史警部補(42)は「万が一の際に少しでも早く遺体をご家族に返せるよう、年に1度の講習で感覚を取り戻し、復顔技術のレベルを維持したい」と語った。


石巻市の在宅被災者向け新制度 補助申請、1割に満たず
 東日本大震災の在宅被災者向けに、石巻市が本年度導入した家屋の小規模補修補助金制度の申請が低迷している。事前相談の受け付け開始から3カ月が過ぎ、申請世帯は計画の1割に満たない。支援団体は「被災者のニーズに合っているのか疑問だ」と指摘する。
 制度は津波浸水区域で全壊か大規模半壊と判定された家屋が対象。被災者生活再建支援金の加算支援金を受給し、市の住宅再建事業補助金が未利用であることが条件。100万円以下の補修工事に対し50万円を上限に補助する。災害救助法に基づく応急修理制度の未利用世帯は最大76万円。
 市生活再建支援課によると19日現在、相談に訪れた世帯数は823。うち申請に至ったのは179世帯で、市が計画した2800世帯の約6%にとどまる。
 相談者のうち、約80世帯はより補助額の上限が高い住宅再建事業補助金を申請した。他の相談者が全員申請したとしても、計画の3割程度にしか届かない。
 制度新設に当たり、市は本年度一般会計当初予算に14億7800万円を計上。対象となる可能性がある世帯にダイレクトメール(DM)を送った。
 同課の三浦義彦課長は「業者との打ち合わせなどに時間がかかっているケースもある。連絡がない被災者には訪問したり再度DMを送るなどの対応をしたい」と周知に全力を挙げる。
 石巻市を拠点に在宅被災者を支援する「チーム王冠」の伊藤健哉代表理事は「被災者の7割が高齢者で、障害者や要介護者ら自分の状況をうまく整理できていない被災者もいる」と指摘。「訪問活動をし、個々の被災状況を的確に把握して対応する『伴走型の支援』をしなければ制度は利用できない」と注文を付ける。


国境超え農家にエール 米・日系3世タナカさんら被災地支援
 東日本大震災の被災地の農業を応援しようと、米カリフォルニア州で農場を経営する日系3世のグレン・タナカさん(61)が被災3県の農家らに支援金を贈るプロジェクトを続けている。タナカさんらは18日に山元町を訪れ、震災後に同町で新規就農した内藤靖人さん(32)に650万円を届けた。
 タナカさんは祖父が広島県出身。震災で多くの農家が被災したことに心を痛めて仲間の日系人らと2011年から毎年、自身の農場でチャリティーイベントを開いている。
 6月中旬にあった8回目のイベントには約2000人が参加し、広大な農園を歩いて新鮮な野菜や果物を食べた。園内には震災を伝えるパネルや被災地の物販コーナーも設置されたという。
 プロジェクトは昨年までにイベントの入場料など約4000万円を集め、農家14人や農業を学ぶ岩手大の学生らに贈ってきた。
 タナカさんらは日本の知人を通じて内藤さんの起業精神や被災地活性化への思いを知り、支援を決定。今年から5年で計約2500万円を贈る。
 内藤さんは埼玉県出身。11年にボランティアで山元町に入った。町民との交流を通じて山元への思いが強まり、13年、新規就農者として移住。本年度、町が沿岸部に整備した農地など計約5ヘクタールでニンニクやマコモを作付けする。
 内藤さんは23年度までに就農希望者約10人を雇用した上で、独り立ちを支援する計画をタナカさん側に示している。支援金は新規雇用者の賃金や農機具購入などに充てられる予定。
 18日に町役場で支援金の贈呈式があり、タナカさんは「若い就農者を町に連れてくるという内藤さんの計画に参加できてうれしい」と激励。内藤さんは「米国から山元のことを思っていただき、心強く感じた」と感激した面持ちで話した。


東北観光機構とJR北海道「東北へ教育旅行」連携
 東北観光推進機構とJR北海道が、東北地方への教育旅行の誘致で連携している。北海道は最大の旅客供給地だったが東日本大震災で激減し、回復は道半ば。震災後、札幌市教委が航空機利用を解禁したことで首都圏に向かう学校も増えている。需要を呼び戻したい機構と鉄路利用を増やしたいJR北の狙いが合致した。
 機構とJR北は2020年度の修学旅行誘致に向けて、札幌、函館、苫小牧、室蘭の4市で今月9〜12日、学校や旅行会社の担当者を対象にした説明会を合同で開いた。
 機構は岩手や宮城の震災被災地での防災学習の内容や、農山漁村での体験メニューを紹介。JR北は北海道新幹線による旅程短縮の効果や、指定列車を使用した場合の運賃割引制度などを説明し、受け入れ側と送り出す側の双方で東北訪問のメリットをPRした。
 道央や道南の中学校を中心に、北海道は東北にとって、最大の教育旅行の客筋だ。全国修学旅行研究協会(東京)によると、09年度に東北を旅先にした道内の公立中学は、調査した650校のうち386校。弘前市や岩手県平泉町などが人気だった。
 震災後の11年度は9校に減少。16年度は417校中160校で、順調に回復しているが、震災前の水準には戻っていない。
 14年度には札幌市教委が中学の修学旅行で航空機の利用を解禁。目的地を首都圏に変更する学校が増え、16年度は全体の3割に当たる約30校に上った。
 一時は鉄道利用が減少したものの、JR北は北海道新幹線の開業効果で対抗する。同社の担当者は「日程の短縮に加え、宮城や福島まで足を延ばすことも容易になった。新幹線利用への関心は高まっている」と話す。道内や首都圏を訪れていた道北や道東の学校が、北海道新幹線で東北を訪れたケースもあるという。
 平日に大型の予約を確保できる修学旅行は、宿泊施設にとっても貴重な市場だ。特に復興需要が落ち着いた被災地で関心が高まっている。機構の担当者は「震災の教訓を生かした防災学習は東北ならではの教育素材。震災前の水準よりさらに伸ばしたい」と語った。


豪華客船が石巻に続々寄港 観光復興の弾みに
 石巻市の石巻港に「大型客船の夏」が到来する。豪華客船「ダイヤモンド・プリンセス」(定員約2700人、11万5875トン)=英国船籍=が28日に初寄港するのを皮切りに、9月までに他船を含む3隻が計5回来港。市は東日本大震災からの観光復興に向け、受け皿づくりに力を入れる。
 ダイヤモンド・プリンセスは9月5日、同18日と合わせ計3回寄港する。今月28日の乗船客は日本人が7割なのに対し、9月の2回は外国人が8割を占める。
 いずれも前日に横浜港を出港し、石巻港には翌日午前9時半ごろに到着する。市は同港で歓迎イベントを企画。鏡開きをして地酒を振る舞ったり、記念品を配ったりする。
 8月9日には過去最大となるクルーズ船「MSCスプレンディダ」(定員3247人、13万7936トン)=パナマ船籍=が来港。9月29日は「にっぽん丸」(同524人、2万2472トン)が入港する。
 市は訪日外国人旅行者(インバウンド)の拡大へ態勢づくりを進める。ダイヤモンド・プリセンス寄港の際は、スマートフォンから手軽にインターネットを利用できるSIMカードを横浜港で無料配布する。石巻港には公衆無線LAN「Wi−Fi(ワイファイ)」を設置。多言語表記の看板を設け、外国人対応の職員を配置する。
 課題は乗船客のつなぎ留めだ。現状では半数以上が寄港後、石巻以外の観光地に向かう。大型客船の場合、約半数が夕方まで松島や平泉(岩手県)などを訪問。あとの半数は石巻市内の観光拠点「いしのまき元気いちば」で買い物をする程度という。
 市河川港湾室の遠藤一成室長は「リピーターの獲得を見据え、どう石巻の観光を乗船客にPRしていくかが課題になる」と話す。
 受け入れ態勢の充実に向け、市は今月5日、ダイヤモンド・プリンセスを運航する「プリンセス・クルーズ」(米国)日本事務所の猪股富士雄営業部長による講演会を企画した。
 猪股氏は寄港地に求めることとしてバスの安全な導線やトイレの確保、にぎわいを提示。「インフラとにぎわいがうまく融合すれば素晴らしい寄港地になる」と環境整備を促した。


<西日本豪雨>宮城からも続々とボランティア 猛暑の中、汗だくで作業
 西日本豪雨で大きな被害を受けた岡山県総社市に、宮城県からボランティアが続々と駆け付けている。気温が連日35度を超える猛暑の中、汗だくで被災家屋の掃除などを手伝う。「東日本大震災で受けた支援の恩返しがしたい」。抱く思いは一つだ。(報道部・横川琴実)
 高梁川支流の氾濫による浸水被害に見舞われた総社市下原地区。23日午前、家財が搬出され、がらんとした民家で、多賀城市八幡の無職大場万太郎さん(80)が丁寧に床を拭いていた。
 隣接する倉敷市では最高気温35.2度を観測し、「こんな暑さは経験したことがない」と驚く。熱中症対策の20分おきの水分補給を欠かさず、したたり落ちる汗を拭いながら、黙々と雑巾がけを続けた。
 今月11日に車で総社市へ向かい、13日からボランティアに参加。車で寝泊まりしながら、被災した家具の搬出や掃除などを手伝う。
 7年4カ月前、震災直後の被災地に全国から寄せられた支援を忘れない。「岡山で少しでもお返しができればいい」と大場さん。新潟県中越地震や熊本地震で、1カ月半もボランティアを続けた経験があり、「今回もしばらく滞在する」という。
 総社市の片岡聡一市長がツイッターで呼び掛けたこともあり、同市にはこれまで延べ9000人以上のボランティアが訪れた。多くは西日本からだが、宮城や東北も少なくないという。
 南三陸町社会福祉協議会職員の高橋吏佳さん(46)は22、23日の両日、同僚2人と総社市に入り、被災民家の庭掃除や支援物資の仕分け作業などに当たった。
 震災時の感謝を伝えたくて参加したという高橋さんは「災害の種類は異なるが、苦しくても助け合って耐えた震災直後の記憶がよみがえった」と語った。
 総社市社協の佐野裕二事務局長は「多くのボランティアに助けてもらい、家具の搬出や泥のかき出しは9割以上が終わった。大変ありがたい」と感謝した。


<西日本豪雨>宮城県災害廃棄物処理支援チーム 震災の経験基に助言
 西日本豪雨の浸水被害で発生した災害廃棄物の処理を後押しするため、宮城県から派遣された支援チームが岡山県内で活動している。東日本大震災の経験を基に、混乱が続く現場で助言や支援を続ける。(報道部・樋渡慎弥)
 支援チームは21日、廃棄物1次仮置き場のごみ処理施設吉備路クリーンセンター(総社市)を訪れた。高さ5メートル以上に重ねられた畳を前に、リーダーの笹出陽康さん(58)は「あれでは高すぎる」と話した。
 大量の畳は内部の微生物が出すメタンガスで自然発火する恐れがある。2011年8〜9月、仙台市や名取市などで災害廃棄物の自然発火が相次いだからこそ分かる経験則だ。「3メートル以下にするように伝えよう」とメモを取った。
 職員5人が岡山県庁に入ったのは17日。廃棄物処理を担う循環型社会推進課は仮置き場の選定や搬出方法などの調整で混乱していた。16年3月に大規模災害を想定した「災害廃棄物処理計画」を作っていたが、機能しなかった。
 支援チームは災害廃棄物の総量を約50万〜60万トンと推計し、今後の処理の指針となる「基本方針」の策定作業を支援。市町村事務の廃棄物処理を県に委託できる枠組みも提案し、方針に盛り込んだ。
 豪雨発生から2週間が経過した。岡山県内の廃棄物処理は「何をどうしたらいいか分からない状況」(岡山県循環型社会推進課の国重良樹課長)から、ようやく本格化しつつある。
 22日には宮城県から新たに職員4人が岡山県庁に到着した。当面の間、8日間交代で支援チームの派遣を継続する見通しだ。笹出さんは「局面が変われば問題も変化する。どんな要請にも応えられる体制で支援を続ける」と語った。


西日本豪雨と異常気象 あらゆる面から備えを
 西日本豪雨では平成最悪の犠牲者を出してしまった。被災地で懸命な救出、復旧活動が続く中、東北から西日本の広い範囲で高温注意情報が出る猛暑に見舞われた。猛烈な豪雨が広範囲で続き、多くの観測地点で40度前後を記録するなど、最近の気象は明らかに異常だ。
 一つ一つの気象現象は豪雨をもたらす「線状降水帯」や、日本上空に居座る二つの高気圧の影響などで説明できるが、異常気象がこうも頻発すると、地球温暖化による気候変動が既に顕在化したと言わざるを得ない。
 個々の気象現象はスーパーコンピューターでも正確に予測しにくい複雑な仕組みで起きるが、豪雨につながる海水温上昇や大気中水蒸気量の増加の要因は温暖化でしか説明できない。
 異常気象はもはや異常と言えないほど日常化している。これからも頻発するだろう。国や自治体の防災対策、住民の避難体制から、洪水や熱中症などに対する個々の安全確保策に至るまで、あらゆる面から危険な異常気象に備えなければならない。
 異常気象は日本だけでなく世界中で頻発している。気象庁資料「世界の年ごとの異常気象2017年」は、昨年の平均気温はユーラシア大陸東部など広範囲で平年より非常に高かったと指摘。昨年12月に200人以上の死者が出たフィリピンでの台風被害など25の異常気象を例示している。
 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第5次評価報告書は、今後極端な高温が増えることは確実で、熱帯や中緯度地域で大雨の頻度が増すなどと予測している。世界の気象の現実はその予測通りになっている。
 日本では6月に気候変動適応法が成立した。第1条では「地球温暖化その他の気候変動に起因して生活、社会、経済に影響が生じている」と明示した。
 西日本豪雨で川が決壊した岡山県倉敷市真備(まび)町地区では洪水ハザードマップがありながら住民の避難誘導に十分生かされなかった。これは一例で、防災上の反省点は多い。
 豪雨は都市部のゲリラ豪雨を含めて全国どこでも起きる。堤防の一律強化は容易ではないが、河川やため池の治水対策、施設の耐水策や避難情報の出し方の再検討、個々人の生活上の対策など、喫緊の課題は多い。
 もちろん国にも私たち個人にも、気候変動を何とか食い止めるためのあらゆる努力が求められる。今回の豪雨や連日の猛暑は、私たちが命に関わる極めて危険な状態にあることへの警告と受け止めるべきだ。


<瑞巌寺寄席>春風亭昇太さん高座「歌丸師匠がホントに来たら・・・」
 ◇…宮城県松島町の瑞巌寺の本堂で21日夜にあった「瑞巌寺寄席」。1年余り前から数々開かれてきた「平成の大修理」落慶記念行事が大団円を迎えた。
 ◇…昨年6月の第1弾は今月2日に他界した落語家の桂歌丸さんの落語会。「締めくくりの時も来たいね」と、当初は今回の出演話が進んでいた。
 ◇…「本来なら歌丸師匠も来る予定でしたが」とは高座に上がった春風亭昇太さん。「でも今ホントに来たら怖いけど」との一言に観客約300人は大爆笑。逸話も披露し、故人の分まで会場を沸かせた。(塩釜)


<山形大アカハラ自殺>第三者調査委の報告書、信用性が争点
 山形大工学部(米沢市)の男子学生が自殺したのは助教によるアカデミックハラスメント(アカハラ)が原因だとして、遺族が大学と助教に計約1億1900万円の損害賠償を求めた訴訟は25日、第1回口頭弁論から1年となる。アカハラと自殺との因果関係を認めた第三者調査委員会による調査結果の信用性が最大の争点となっている。
 遺族側は昨年5月、自殺の法的責任は大学と助教にあるとして山形地裁に提訴。第三者調査委の報告書を証拠として提出した。
 報告書は、助教の機嫌を損ねると叱責(しっせき)や人格を否定するような発言を浴びせられる危険があると感じながら、研究室で長い時間を共にしていたことから「延々と続くストレス」が自殺の原因になった可能性を強く指摘していた。
 これについて、大学側は「そのまま大学の判断とはならない」「因果関係を認定することまではできない」などと反論。根拠として2016年10月にアカハラ問題で助教を停職1カ月とした際の懲戒処分書を提出した。
 懲戒処分書は調査委から報告書を受理した後、大学が役員会の審議を経て作成。「(自殺の2日前に)助教から厳しい叱責を受け、将来を悲観して自殺を選択した可能性が高いと推察される」と結論付けた。
 大学側は訴訟で、懲戒処分書からも「ハラスメント行為以上の詳細な事実関係は不明」と説明。「調査委の調査報告書を併せて検討しても、因果関係を認定できない」と主張した。
 一方、遺族側は懲戒処分を決めるに当たり、大学は理事と総務部長が助教や学部長ら教員数人を聴取しただけで「(事実認定の)相当部分を調査委の報告書に頼っている」と強調。
 調査委は外部有識者4人で構成され、聞き取りの対象も両親や研究室の学生ら広く関係者を網羅しているとして、その判断は「信用性がある」と訴えている。次回の弁論準備手続きは8月28日。
[山形大アカハラ自殺問題]工学部の4年生だった男子学生が2015年11月、指導教員だった40代の男性助教を「恨んでいる」とのメモをスマートフォンに残して自殺。16年6月、第三者調査委員会は助教によるアカハラと自殺との因果関係を認める報告書を作成した。報告書によると、両親から相談を受けた複数の教員が、相談内容を学内のハラスメント担当者に伝えなかったことなど、大学のずさんな対応も明らかになっている。


<山形大アカハラ自殺>第三者調査委の報告書、分かれる専門家の評価
 最大の争点となっている第三者調査委の報告書は訴訟でどの程度、重視されるべきなのか。大学や企業の相次ぐ不祥事でその役割が重みを増す中、専門家の間でも証拠としての評価は分かれている。
 「調査委が黒といえば、大学も黒と認めざるを得ないというものではない」と指摘するのは、大分県弁護士会所属の麻生昭一弁護士。2015年2月に大分大経済学部の男子学生が自殺した問題で、元講師によるアカハラが自殺の原因になったと認定した調査委の委員長を務めた。
 調査委の報告書について麻生氏は「あくまで専門的見地からの意見の一つ。法的拘束力はなく、裁判所は独自に判断するのが妥当」と説明する。
 一方、職場のハラスメント問題に関する著書がある仙台弁護士会所属の神坪浩喜弁護士は「一般的にアカハラと自殺との因果関係の立証はハードルが高いが、調査委が明確に認めていて客観性も保たれていればかなり有力な証拠となる」とみる。外部有識者4人で構成された調査委についても「大学から離れた人が調査する方が、信用性は高いと言える」と話した。
 NPO法人「アカデミック・ハラスメントをなくすネットワーク」(大阪市)の御輿(おごし)久美子代表理事は「調査結果の内容にかかわらず、裁判になると争う大学が多いが、学生や地域の信頼は低下しかねない」と強調。山形大が懲戒処分書で、因果関係に踏み込まなかった点については「ハラスメント加害者が処分を不服として訴訟に発展するリスクを想定し、毅然(きぜん)とした対応を取れなかった可能性がある」と分析する。


<山形大パワハラ>センター長減給1万円 最も軽い処分額
 山形大xEV飯豊研究センター(山形県飯豊町)のセンター長による職員へのパワハラ問題で、同大は23日、センター長の50代男性教授を1日分給与半減の懲戒処分にしたと発表した。これまでの減給処分では最も軽く、減給額は約1万円とみられる。同大職員組合は「あり得ない軽さだ」と処分決定の根拠を疑問視し、近く質問書を提出する。
 同大総務部によると、処分の理由は2016年4月〜17年2月、職員4人に対して(1)「ボケが!!」「役立たず」などと記した書き置きを机に残した(2)外部の人の前で「偏差値40」「小学生以下」などと侮辱した(3)事務連絡メールで「無能で非常識なお馬鹿(ばか)さんへ」と記した−など7件のパワハラ行為。処分の重さは、過去の事例も参考に役員会で決めたという。
 処分事由は「教員として品格と適格性を欠くハラスメント行為とそれらの行為により本学の名誉と信用を傷つけたため」とされ、職員の名誉と人格を傷つけたことは明記されなかった。
 職員組合の仁科辰夫執行委員長は「あり得ないほど軽い処分で到底、受け入れられない。処分決定の根拠について質問書を早期に出す」と強調した。
 同大の矢作清総務部長は「減給幅は労働基準法が定める上限。法律と学内規程に基づき、適正に処分した」と説明した。
 しかし、労基法は減給について、1日分給与からの減額は2分の1までと定める一方で、月額給与からの減額上限は10分の1と規定。同大は月額給与からの減給を選択しなかった理由を説明していない。
 同大は過去のハラスメント事案で、学生に肩をもませたり、性的な発言をしたりした男性教員計5人を減給10分の1(3カ月)から停職6カ月の処分としている。


十和田市役所に高橋弘希さんの芥川賞祝う垂れ幕
 十和田市生まれの作家高橋弘希さんの「送り火」が第159回芥川賞に決まったのを受け、十和田市は23日、市役所庁舎に受賞を祝う垂れ幕を掲げた。
 「祝」の文字に続けて高橋さんの氏名などを書いた垂れ幕は縦12メートル、横0.9メートル。垂れ幕をセットした装置を市職員が操作し、数分で設置を終えた。
 作業を見守った小山田久市長は「これからも大きく活躍してくれることを期待したい」と語り、市として高橋さんをたたえる方法を検討する考えを示した。


盛岡農高生が白石食品とスイカパンを共同開発
 滝沢市特産のスイカにちなんだ菓子パンを、盛岡農高(滝沢市)とパン製造の白石食品工業(盛岡市)が共同開発した。期間と地域を限定して販売している。
 表面はホウレンソウの色素を使った緑色のビスケット生地に、ココアでしま模様を描いてスイカそっくりにデザイン。中身のパン生地にはスイカ果汁の粉末を練り込み、チョコチップで種を表現した。
 1個183円。地元の「イオンスーパーセンター盛岡渋民店」で8月24日まで販売し、2000個の売り上げを目指す。
 販売初日の21日には、開発に参加した食品科学科3年のパン研究班10人が試食販売を実施。川又楓(かえで)さん(17)は「きれいな色を出すため、いろいろな野菜の色素で試した。滝沢市のスイカが全国に広まるきっかけになったらうれしい」と話した。


一度きり東京五輪 マラソン酷暑対策に血税100億円投入の愚
 2020年東京五輪の開幕まで、24日でちょうど、あと2年。日本列島は観測史上最悪の灼熱地獄に襲われている。うだるような暑さの中で競技を強行すれば、選手や観客から死人が出てもおかしくない。国と都は威信をかけて酷暑対策に乗り出しているが、たった一度きりの“スポーツの祭典”の暑さ回避策につぎ込まれる血税は、ベラボーな額に上りそうなのだ。
 23日は東京・青梅市で40.8度を記録し、観測史上初めて都内で40度超え。都心(千代田区北の丸公園)の最高気温も39度に達した。この過酷な状況で、全力を出し切る屋外競技のアスリートの心境をおもんぱかれば、五輪開催はどう考えたって無謀である。
 特に心配なのが男女マラソンだ。五輪組織委はスタート時刻を30分繰り上げ、午前7時としたが、まさに“焼け石に水”。23日午前7時の都心の気温は31.3度と、ゆうに30度を超え、レース終盤を迎える午前9時には32.7度に達した。よりによって、ゴールの新国立競技場まで残り5キロは上り坂が続き、今から専門家の間では「五輪史上、最も過酷なコース」との声が上がる。
■舗装費用1mあたり37万5000円
 都や国はマラソンコースの車道を特殊な舗装に切り替え、路面温度の上昇を抑えるというが、浪費される血税の額は半端じゃない。
「16年8月末に各種舗装を施した『青山通り』を瀬古利彦元選手らに試走してもらった結果、『遮熱性舗装』の評価が高いと判断。コースに施すことにしました。アスファルトに、熱を反射する塗料を塗る工法で、路面温度の上昇を抑えます。費用は1平方メートル当たり2万〜3万円を要します」(国交省道路局国道・技術課)
 選手が走る車道は約21キロ(往復で約42キロ)。内訳は国道5キロ、都道13キロ、残りは区道などだ。うち国道15号「中央通り」の「日本橋3丁目」周辺560メートルの4車線は昨年度に舗装済み。工事期間は周辺調整や資材の手配も含めて11カ月、費用は2億1000万円に上った。 1メートル当たり37万5000円。マラソンコース21キロを舗装すると、単純計算で約79億円、今年度の都の道路舗装費(約76億円)を上回る血税がつぎ込まれることになるが、さらなる上振れリスクもつきまとう。都心の国道を管理する東京国道事務所の担当者が言う。
「日本橋3丁目周辺は、アスファルトの表面5センチを削り、新たに5センチのアスファルト舗装を施し、路面に遮熱性塗料を塗りました。路面を平らにしてから塗料を塗布するためで、アスファルトのデコボコなど傷み具合によっては、さらに深く削る必要がある。その分、コストは高くつきます」
 マラソンコースは5月末に正式決定されたばかり。既に遮熱性舗装を施してあるのは、国道の約1キロと都道の約8キロだけ。残りは「今年度中に発注を終わらせる」(東京国道事務所)、「再来年には終わらせる」(東京都道路管理部保全課)と説明するが、タイトな工期もコストの上昇要因だ。それやこれやで、マラソンコースの酷暑対策に消える血税は100億円近くに達するのではないか。
 このクソ暑い中、同じコースを走るマラソン大会は二度と行われないだろう。遮熱性舗装で真夏の都心の気温が劇的に緩和されれば文句はないが、それこそ再び“焼け石に水”だ。一回限りの五輪の暑さ対策に100億円もの血税を費やすのは、愚の骨頂である。


河北春秋
 大暑は夏の盛りを表す季語だ。<念力のゆるめば死ぬる大暑かな>は村上鬼城の名句。命を脅かす暑さを表現する。<兎も片耳垂るる大暑かな>はきょう24日が命日の芥川龍之介の句。神経質そうな彼のイメージと違う愛らしい作品だ▼二つの句が詠まれたのは約100年前。地球温暖化やヒートアイランド現象で日本の都市部の平均気温は100年で2〜3度上がったとされるが、真夏の太陽に苦しめられるのは今も昔も変わらない▼とはいえ、今年は特に暑い。二十四節気の大暑の昨日は東北で気温が下がった地域もあった。一方で埼玉県熊谷市で41.1度と国内最高を更新するなど全国で猛暑が続く。西日本豪雨の被災地では暑さが復旧作業を妨げる。2年後に迫った東京五輪では暑さ対策が課題になっている▼深刻なのが熱中症。連日、多くの死者が出ている。厚生労働省によると、熱中症による死者は2010年に1731人を記録して以降、毎年500人以上に上る。8割は65歳以上の高齢者。熱中症は死者が多い自然災害の一つと言われるのもうなずける▼ただ、他の災害と違うのは注意すれば防げること。暑い場所を避け、小まめに水分補給する。発症したら首や脇を冷やし、重症時は助けを呼ぶ。決して念力や気力に頼ってはいけない。

記録的猛暑/災害と捉え命守る対策を
 まだ7月というのに、猛暑が続く。多くの人が熱中症で倒れ、死者も出ている。過去には死者が千人を超えた年もある。命を守るためには、もはや災害レベルの危機感を持ち、対応するべきだろう。
 きのうは、埼玉県熊谷市で最高気温が41・1度と観測史上最高を記録した。東京都青梅市でも40度を超えた。
 熱帯夜で寝苦しい日が続いている。室内でも熱中症は起きる。こまめに水分を補給し、冷房をためらわずに使ってほしい。
 日本救急医学会は、今年の暑さを「未体験のゾーン」として、初の緊急提言に踏み切った。高齢者と子ども、持病のある人は特に注意が必要としている。気温などが一定値を超えれば、学校の運動や課外活動も中止を求めている。
 環境省の「暑さ指数」も活用したい。気温や湿度から熱中症の起きやすさを計算し、ホームページで公表している。外出を避けたり運動を中止したり、あるいは水分や塩分を補給する参考にしてもらいたい。
 死に至る深刻な事例も後を絶たない。愛知県では、校外学習から戻った小学1年の男児が死亡した。兵庫県佐用町でも草刈りをしていた85歳の男性が亡くなった。
 厚生労働省の統計では、北日本や東日本で平均気温が高くなった2010年には、1731人が熱中症で死亡した。最高気温が40度を超えた13年も千人以上が亡くなっている。
 個人の体調管理は欠かせない。だが死者数を見れば、異常な猛暑には社会全体で対処するべきではないか。
 学校へのエアコン整備は、自治体によって大きな差が出ている。兵庫県内では神戸市など14市が全小中学校に設置済みだが、財政面から姫路市など19市町が検討中という。子どもの健康を考え、学習環境を整えるため早期の導入が必要だろう。
 猛暑対策で在宅勤務を取り入れた企業もある。ITなどを活用すれば、暑い中通勤しなくても自宅で仕事ができる。働く人の命と健康を守る観点から、国も導入を支援してもらいたい。
 「熱中症は防げる」−。このことを念頭に、あらゆる対策に取り組んでいきたい。


熱中症対策 命に関わる「災害」と捉え対策を
 きのう埼玉県・熊谷で41.1度の国内最高気温を観測した。
 日本列島が記録的な暑さに見舞われている。16日からの1週間に熱中症で病院に運ばれた人が全国で少なくとも2万1千人に上り、うち65人が死亡した。県内でも2人が犠牲となった。こまめに水分補給し、休憩を取る自衛策は不可欠だが、経験のない暑さを前に従来の常識だけでは命を守れない。猛暑は「災害」と捉え、社会全体で危機感を共有して新たな「防災対策」を講じなければならない。
 きのう全国927観測点のうち224地点が35度以上に達した。気温35度は気象庁が公表する5段階の「暑さ指数」で最高の「危険」レベルだ。
 特に高齢者と子どもへの警戒を怠ってはならない。搬送患者の半数は60歳以上であり、高齢者の1人暮らしだと周囲が異変に気づかないことが多い。日ごろから、地域で声を掛け合うなど、手当てが遅れたり暑さ情報から取り残されたりする人がいないよう、見守り体制の充実を図る必要がある。
 一方、子どもの場合は、汗をつくる器官が発達しておらず体温調整能力が十分ではない。身長も低く地面の熱や照り返しの影響を受けやすい。愛知県では、小1男児が校外学習から戻った後に意識を失い、搬送先の病院で死亡した。幼ければ体調悪化をうまく伝えられないこともあり、学校や周囲の大人が注意を傾けることが欠かせない。
 命に関わる危うい状況下で、「子どもは暑さを我慢して頑張れ」といった従来の考えは通用しない。長時間滞在する学校でエアコンの設置が進んでいないのは心配だ。全国の公立小中学校のうち、昨年4月時点でエアコンが設置されている教室は41%にとどまる。県内はわずか13%。松山市が昨秋、全中学校で設置を完了したが、全県的な対策の遅れは否めない。
 設置費や電気代の負担が大きいことが要因だが、隣県の香川の設置率は92%、東京は84%に達している。教育環境の公平性の観点からも現状は看過できない。国は設置費の3分の1を補助しているが、子どもの命を守るためにも国が責任を持って設置を推進するよう求めたい。
 気温35度は気象庁が「運動は原則中止」と定めるレベル。祭りや音楽、スポーツイベントの主催者は危機意識を高めることが重要だ。できるだけ気温が上昇する昼間を避け、特に高温の日は中止や延期をためらってはいけない。
 夏の高校野球選手権京都大会は、既に試合をナイターで実施した。選手や応援する観客らの健康に配慮した現実的な対応であり、評価できる。
 日本では暑さを理由に仕事を中断したり、予定を先送りしたりすることを避ける社会の風潮が根強いが、もはやそれは許されない。一人一人が津波や豪雨と同様に、「避難」や対処の遅れが命取りになる、との認識を持つことが肝要だ。


公文書 再発防止策 対症療法では信頼戻らぬ
 森友学園の国有地売却を巡る財務省の決裁文書改ざんという前代未聞の不祥事や交渉記録の廃棄、自衛隊日報隠蔽(いんぺい)問題を受け、政府がまとめた再発防止策には、監視強化や悪質事案への重い処分などが盛り込まれた。一方で公文書管理法の改正や外部のチェック体制導入には踏み込まなかった。抜本改革には程遠く、対症療法にとどまったとの印象が拭えない。
 再発防止策の柱としては▽各府省庁の公文書担当幹部や新規採用職員への研修▽公文書管理への取り組み状況を職員の人事評価に反映▽改ざんなど悪質な事案には免職を含む重い処分を人事院で検討―を挙げており、一定の効果は期待できるだろう。
 だが、監視体制の強化策にある▽内閣府で特定秘密保護法の運用状況を点検する独立公文書管理監を局長級に格上げし、事務局として「公文書監察室(仮称)」を設置▽各府省庁に「公文書監理官室(同)」を新設し、トップに審議官級の「公文書監理官(同)」を据える―には疑問符が付く。身内の監視ではやはり限界があろう。
 公文書などに精通する識者からは、会計検査院のような、政府から独立した第三者機関を設置すべきだとの指摘がなされている。各府省庁の監察室には国立公文書館などから専門知識のある職員を派遣する方針も示されているが、ここは同館の権限や機能の見直しも検討すべきではないか。
 苦渋がにじむのが決裁文書の修正禁止を盛り込んだことだ。変更をする場合は決裁を取り直すと書かざるを得ない辺りに、官僚が守るべき基本中の基本の逸脱に手を染めた財務省の罪深さが改めて思い知らされる。電子決裁システムへの移行を加速化させる方針も出されたが、予算を伴うことにも留意する必要がある。
 懸念されるのは公文書をどう定義するかに踏み込まなかった点だ。公文書管理法は「職員が組織的に用いるもの」としている。このため、政策決定過程を検証する上で重要な文書であっても、職員の「個人的メモ」として作られれば公文書として扱われなかった。定義を広げる法改正は欠かせない。メールも公文書として扱うよう検討すべきだ。
 野党は罰則規定を設ける公文書管理法の改正案を提出したが、厳しくすることで官僚が文書を残さなくなる恐れも指摘される。都合の悪い文書は初めから作らないといった風潮がまん延するのは本末転倒だろう。
 改ざん問題では、1年以上にわたって国会がだまされた経緯がある。「国権の最高機関」の権威、行政監視機能が侵された重大な事案だ。民主主義の土台が大きく損なわれた。
 安倍晋三首相は防止策をまとめた閣僚会議で「失われた信頼を取り戻すのは至難だが、成し遂げなければならない」と述べた。だが、自身が一連の問題に真正面から向き合ってきたといえるだろうか。政治家が誰一人責任を取らないままでは、官僚の意識改革は進むはずもない。


[公文書管理改革] 抜本策になるか疑問だ
 学校法人「森友学園」を巡る財務省の決裁文書改ざんや、防衛省・自衛隊の派遣部隊の日報隠蔽(いんぺい)問題を受け、政府は公文書管理の在り方を見直し、再発を防止する対策をまとめた。
 防止策には、各府省庁の文書管理に対する内閣府の監視権限の強化や、改ざんなど悪質な事案には免職を含む懲戒処分を行う方針などを盛り込んだ。
 これらは適正な文書管理に一定の効果があるだろう。だが、抜本的な対策になるか甚だ疑問だ。
 防止策は監視体制の強化策として、内閣府の独立公文書管理監を局長級に格上げし、事務局として設置する「公文書監察室(仮称)」は各府省庁を常時監視する。各府省庁にも「公文書監理官室(仮称)」を新設する。
 各府省庁の公文書担当幹部らへの研修は今夏から実施する。公文書管理状況を職員の人事評価に反映させるほか、公文書の保存や廃棄など行う電子決裁システムへの移行も加速させる。
 だが、こうした防止策には外部のチェック体制がなく、政府内部の監視が機能するかという点で課題が残る。
 しかも、保存すべき公文書の定義の見直しなど公文書管理法の改正には踏み込んでおらず、不十分と言わざるを得ない。
 公文書管理法は対象文書を「職員が組織的に用いるもの」と定義する。このため、政策決定過程の検証上、重要な文書が職員の「個人的メモ」として作られれば公文書として扱われないことになる。
 公文書の定義を広げなくては、国民が政策決定過程を点検することはできない。法改正は不可欠だ。
 立憲民主党など野党が提出した、公文書改ざんに対する罰則規定を公文書管理法に新設する案は見送りとなった。罰則規定により官僚が文書を残さなくなる懸念が指摘されるが、文書改ざんという不祥事の重大性を考えると、実効性ある規定を策定すべきだろう。
 制度の見直しに加え求められるのは、政治家の意識改革だ。
 財務省が改ざんした文書により、「国権の最高機関」である国会は1年にわたり欺かれていた。にもかかわらず、国会や内閣が厳しく対処し、政治家が責任を取る姿勢を示したとは到底言えない。
 公文書は公文書管理法により「健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源」と位置づけられ、国民への説明責任を果たすのに欠かせないものだ。
 法の趣旨を踏まえ、改ざんなどは議会制民主主義の土台を揺るがす重大な事態だと政治家は再認識し、官僚を指導すべきである。


公文書管理制度 再発防止は名ばかりだ
 政府は財務省の決裁文書改ざんなど一連の不祥事を受け、公文書の改ざんや隠蔽(いんぺい)の再発防止策を決めた。
 公務員の意識改革に向けた研修強化や事後修正の原則禁止などを盛り込んだ。だが、「抜け道の主因」とされた公文書の定義などは明確化しなかった。
 森友・加計(かけ)問題や防衛省による日報隠蔽での焦点は、時の政権への忖度(そんたく)があったのかどうかだ。この再発防止策では、忖度による文書廃棄や改ざんの余地を残す。
 政権の影響を受けない独立した公文書管理の監視機関が必要だ。
 安倍晋三首相はかねて法改正に言及してきた。今回の内容は運用の是正など小手先にすぎない。安倍政権が再発防止の名を借りて、幕引きを図ったようにも見える。
 公務員が業務上関わるすべての文書を公文書とすることを前提に、組織も抜本的に見直すべきだ。
 公文書管理法では公文書を「行政機関の職員が組織的に用いるもの」と規定している。
 これを逆手に取り、今回の問題では重要な文書やメールを「個人メモ」「手控え」とするなど、都合の悪い文書を廃棄する口実ともなっていた。
 昨年改正された公文書管理のガイドラインも問題だ。外部との交渉記録は相手方の確認を取ることを求めている。これでは互いに都合の悪い記述は極力省こうとする意識が働きかねない。
 再発防止策はそうした点に踏み込んでいない。
 特定秘密を監視する内閣府の独立公文書管理監の権限を広げ、省庁のチェック体制を強化するというが、管理監は法律上、首相の下に置かれ、独立した権限はない。
 決裁文書の改ざんや組織的廃棄など悪質な事案については「免職も含む懲戒処分」で臨む方針が明記された。刑事罰を科すかどうかも課題だろう。
 罰則だけを強化すれば、公務員が重要文書を作らなくなる弊害も指摘されている。恣意(しい)的な管理を認めない仕組みが欠かせない。
 国立公文書館の職員は約190人で、文書管理の専門家(アーキビスト)に限れば30人しかいない。膨大な文書をチェックするには少なすぎる。専門職の育成も急がねばならない。
 公文書は主権者である国民のものであり、政策の決定や執行の過程を歴史の検証に委ねるために作成、保存される。
 民主主義の根幹を支えるためには、弥縫(びほう)策は許されない。


公文書不正 「身内の監視」で大丈夫か
 小手先の弥縫(びほう)策で再発を防げるとは思えない。公文書管理を巡って相次ぐ不正を政府は本当に反省しているのか。そんな疑念すら浮かぶ。
 政府は全閣僚による会議で再発防止策を決めた。内閣府の独立公文書管理監の権限を拡大して府省庁を常時監視する▽決裁後文書の修正を禁止し、変更する場合は決裁を取り直す▽人事院の懲戒処分指針を改定し、改ざんなど悪質な事案は免職を含む厳しい処分を科す−というのが主な内容だ。
 これで再発防止策は万全と考えているなら甘い。第三者の意見も聞いて練り直すべきだ。
 安倍晋三政権を巡る疑惑には公文書のでたらめな扱いが絡む。獣医学部新設の加計(かけ)学園問題では「存在しない」とした「総理のご意向」などとする文書が文部科学省内で見つかった。
 国有地売却の森友学園問題では、経緯を示す決裁文書から首相の妻昭恵氏らの名前が消されるなど改ざんされ、交渉記録が廃棄された。防衛省はイラク派遣部隊が現地の緊迫した情勢を報告した日報を隠蔽(いんぺい)した。
 再発防止策を決めた会議で首相は「職員一人一人がコンプライアンス(法令順守)意識を高めることが重要」と訓示した。果たして問題はそれだけか。
 改ざんや隠蔽、廃棄はなぜ起きたか。政権にとって都合の悪い文書を最初からなかったことにしよう−。そんな意図からではなかったか。官僚が権力に忖度(そんたく)したのか、政治家側から何らかの働き掛けがあったのか。
 肝心の動機や背景は先の国会審議でも未解明だった。そんな状況での再発防止策であることに留意する必要がある。
 不正が発覚した際、府省庁は「職員のメモ」「手控え」「備忘録」などと言い逃れをもくろんだ。保存期間1年未満の文書は担当部署の判断で廃棄できるとする各府省庁の規則が廃棄の根拠として乱用された。
 何が公文書なのか。その定義や保存期間を明確化する公文書管理法の改正に取り組まずに、再発防止などとは言えまい。
 公務員が業務で作った文書はメールも含めて、メモ、手控え、備忘録を問わず公文書として扱うのが基本だ。保存期間1年未満の設定は原則禁止にすべきである。
 監視機能にも懸念がある。独立公文書管理監や府省庁に新設する「公文書監理官室」(仮称)など、政府内部の監視だけで大丈夫か。特定秘密保護法施行に伴って設置された独立公文書管理監だが、いわば本業の特定秘密の監視ですら役割を十分に果たしてきたとは言い難い。
 政権から独立し、専門性も備えた監視の仕組みが必要だ。


「LGBT生産性ない」放言 杉田水脈議員を擁護した議員は誰
 安倍チルドレンがまたも暴言で炎上だ。
 自民党の杉田水脈衆院議員(比例中国ブロック)が月刊誌「新潮45」8月号への寄稿で、性的少数者(LGBT)について「彼ら彼女らは子供を作らない、つまり『生産性』がない」「LGBTのカップルのために税金を使うことに賛同が得られるものでしょうか」と主張。ネット上などで「ナチスの優生思想と同じ」「独身者や子供がいない夫婦にも税金を使うなということか」などといった批判を浴びている。
 杉田議員は22日、自身のツイッターで先輩議員から「間違ったことは言っていない。胸をはってればいい」と擁護する声をかけられたと反論。「自民党の懐の深さを感じる」と投稿した。毎日新聞が擁護した議員名を聞いたところ、杉田議員側は「期限内での返答は難しい」と回答したという。
 杉田議員は安倍首相の出身派閥の細田派に所属する2回生。先月も英BBCの番組で、アベ友の山口敬之氏にレイプされたとして訴えているジャーナリストの伊藤詩織さんについて「女として落ち度があった」と発言した“前科”も。まさか、擁護したのは安倍首相か?


東京医大「裏口入学」事件 疑われた自民議員が直撃に反論
 東京医科大学の「裏口入学」問題が拡大している。息子を不正入学させてもらった文科省前局長が東京地検特捜部に逮捕されたが、「裏口入学」の恩恵にあずかっていたのは、前局長の息子だけではなかった。特捜部が掴んだ同大の「裏口入学リスト」には、官僚のみならず政治家の親族の名前があるともっぱらだ。永田町では具体的な氏名が飛び交い始めている。
 22日の読売新聞によると、東京医大が今年2月に実施した1次試験で、複数の受験生の試験結果が後から「加点」されていた形跡があった。特捜部は受託収賄容疑で逮捕した文科省前局長の佐野太容疑者(59)の息子を含む複数の受験生に対する不正を確認したという。その「複数の受験生」に、ある自民党国会議員の親族が含まれている可能性があるという話が流れている。
「佐野前局長の逮捕後、永田町では自民党のA議員の名前が話題になっています。A議員の子供が東京医大の入試で“ゲタ”を履かせてもらったようだというのです」(永田町関係者)
 怪情報が飛び交うのが永田町の常だけに、どこまで本当か分からない。もし、与党議員の親族が裏口入学させてもらったとしたら大問題。真偽のほどはどうなのか。A議員の事務所に問い合わせると、いかにも迷惑そうな様子で本人が電話取材に応じた。
「子供が東京医大に入学したのは事実。しかし、現在、特捜部が捜査している『不正入学』とは全く無関係です。子供は、高校時代の成績を基にした『特別枠』の選考試験を受け、入学を果たした。今回の事件では1次試験で『加点』があったとされていますが、『特別枠』での選考は1次試験を経るものではありません。だから、そもそも不正入学の対象ではあり得ませんよ」
 A議員の複数の親族が東京医大の関係者だという。それが疑われる理由のひとつになっているのかもしれない。
「それじゃあ、うちの子にはどこの大学を受けさせればよかったんですか。そんなことを言ったら、あらゆる推薦、選考入試が『裏口』になってしまいますよ。東京医大の内部も主流派と反主流派で分かれていると聞きます。現体制を苦々しく思う人物もいるでしょうから、あらぬウワサが出てきているんじゃないですか。以前も別のメディアから同じような取材を受けましたが、子供の入試は間違いなく正当に行われたものと認識しています」
 終始うんざりした様子のA議員だった。
■特捜部の狙いは…
 以前から裏口入学リストには、大物政治家の名前が記されているとのウワサがあった。
 特捜部の狙いも“議員バッジ”とささやかれている。
「特捜部は、今回の事件について『三流省庁の局長程度では終わらせない』とやる気満々になっているといいます。“政治家案件”といわれたスパコン開発会社『ペジーコンピューティング』の補助金不正受給事件も、捜査が中途半端な形で終わっていますからね」(司法関係者)
 裏口入学は複数年にわたって行われていたという。今後、次々と政治家の名前が挙がってもおかしくない。


支持率下がる 政権に厳しい国民の目
 通常国会の閉会を機に行われた報道各社の世論調査で、内閣支持率が下がった。「カジノ法」などを強引に成立させた安倍内閣に対する不信感の表れだろう。政権は重く受け止めるべきである。
 通常国会の閉会を受けて、政局の焦点は九月の自民党総裁選に移った。しかし、連続三選を目指す安倍晋三総裁(首相)には手厳しい結果だったに違いない。
 共同通信社が二十一、二十二両日実施した全国電話世論調査によると、内閣支持率は43・4%で六月十六、十七両日の前回調査から1・5ポイント下落した。
 報道各社が同時期に行った世論調査の内閣支持率を見ると、産経新聞が2・5ポイント、日本経済新聞が7ポイントのそれぞれ下落。読売新聞は前月の調査と同じだったが、二カ月連続の上昇から一転、上げ止まった。国民が再び安倍政権に厳しい目を向け始めたのではないか。
 要因の一つは、カジノ解禁を含む統合型リゾート施設(IR)整備法や「働き方」関連法、参院定数を六増やす改正公職選挙法など国民の反対が根強い法律を強引に成立させた政権の横暴にある。
 共同通信の世論調査ではこれらの法律に、いずれも「反対」「評価しない」「問題だ」との否定的な答えが半数を超える。国民に背を向け「数の力」で押し通す国会運営を厳しく反省すべきだろう。
 もう一つの要因が、森友、加計学園をめぐる問題だ。次期国会でも追及すべきだとの答えは45・7%、追及する必要はないは49・3%とほぼ拮抗(きっこう)するが、公平、公正であるべき行政判断が首相の影響力で歪(ゆが)められたのか否か、真相は依然、明らかになっていない。
 首相自身も二十日の記者会見で「首相の立場が周囲に与えうる影響を常に意識し、慎重な上にも慎重に政権運営に当たらなければならない」と自らの強い影響力を認めた。ならば国会での解明に積極的に協力すべきではなかったか。
 与党も首相に遠慮せず、国会に与えられた国政調査という崇高な使命を果たさなければならない。
 内閣支持率が40%台にとどまるのは安倍氏に代わる首相候補が見当たらないことと無縁でない。内閣支持理由で最も多いのは「ほかに適当な人がいない」だ。
 安倍首相の陣営は総裁三選に自信を深めるが、政治の現状に対する危機感が自民党内で語られなければ、安倍政権の横暴に歯止めはかけられまい。自民党総裁選をその契機とすべきだ。果敢な挑戦者の出現に期待したい。


安倍3選を許すのか 歴史の分岐点になる最も長くて暑い夏
 通常国会が閉会し、安倍首相は長い長い夏休みに入った。すでに政界では、秋の総裁選で安倍が“3選”を果たすことが既定路線になっている。
 それにしても、ここまで政権の腐敗、堕落、劣化があらわになった国会は、かつてなかったのではないか。内閣不信任案の趣旨説明をした枝野幸男立憲民主党代表が「この国会は憲政史上最悪の国会になってしまった」と指摘した通りだ。
 本来、安倍内閣は「公文書」の改ざんが発覚した3月に総辞職するのが当然だった。改ざんを強制されたノンキャリは自殺までしているのだ。すべて、森友疑惑から安倍夫妻を守るためだった。さらに、加計疑惑では、加計サイドと総理秘書官が首相官邸で謀議をしていたことが発覚。予想通り、最初から“加計ありき”だったことが証明された。モリカケの2つだけでも退陣は当たり前だろう。
 ところが、責任は下へ下へと押しつけられ、安倍は「ウミを出し切る」と拳を振り上げているのだから、ふざけるにも程がある。
 しかも、わざわざ国会を1カ月も延長しながら、やったことは過労死を増やす「高プロ制度法」、参院の定数を増やす「改正公職選挙法」、「カジノ法」の強行成立だから話にならない。どれもこれも、国民が反対した法律ばかりだ。いったい、誰のために政治をしているのか。
 極めつきは、200人以上が犠牲となった「西日本豪雨」への対応である。
「さすがに野党も、西日本豪雨の被害は尋常じゃないと分かったのでしょう。すぐに『被災地最優先でやるべきだ』と申し入れています。ところが、安倍自民党はカジノ法案の成立を優先させ、災害対応の先頭に立つべき石井国交相を委員会に張りつけた。石井大臣は、広島を流れる川の氾濫を“昼のニュースで知った”と答弁しています。それでも安倍首相は『対応は万全だ』と言い張っている。あまりにも国民をバカにしています」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)
 立憲民主党の辻元清美議員が「毎日、不信任を出しても足りないくらいだ」と指摘していた。思わず口から出たのだろう。
「事実」を突きつけられても「事実」と認めない異常
 今回、安倍がどんな男なのかよく分かったのが、不信任案を突きつけられた時の態度だ。
 枝野が「災害対応の初動の遅れを指摘されても、カジノ法案や恣意的な選挙制度の改悪を優先させた。その一点をもっても不信任に値すると考えます」と、まっとうに政権を批判しても、相手を冷笑するようにケラケラと笑っていた。
 もはや、どんな正当な批判も、この男には通じない。ぬかに釘だ。野党の批判など屁とも思っていないのだろう。
 最悪なのは、国民の中に「無力感」や「諦め」「深い徒労感」が広がっていることだ。何しろ、どんなに「事実」を突きつけても、安倍は「事実」と認めない。モリカケ疑惑で決定的な証拠が次々に出てきても自分の非を認めない。普通の神経なら、とっくに退陣しているのに、居直り、居座り続けている。要するに常識が通じないのだ。
 しかも、議論も成り立たない。たとえば、6月27日の党首討論だ。安倍は質問には答えず、長々と自分の言いたいことをまくし立てた揚げ句、時間が過ぎても一方的にしゃべり続けていた。
 これでは、マジメに政治を考えている国民ほど「徒労感」に襲われてしまうだろう。批判することに疲れてしまう。と同時に、安倍がデタラメな答弁をしても、国民は「ああ、またか」と慣らされてしまった。政治評論家の本澤二郎氏が言う。
「安倍首相は、どんなに批判をされても暖簾に腕押しです。だから、日本社会に“何を言っても無駄だ”という無力感が広がっているのは確かでしょう。でも、それでは安倍首相の術中にはまるだけです。恐らく、安倍首相は、このまま9月の総裁選まで何もせず、国民が“モリカケ疑惑”や“豪雨対応”について忘れることを待つつもりでしょう。好都合なことに、大手メディアの報道が“猛暑一色”になっているとニンマリしているはずです」
 安倍周辺は、余計なことをしなければ、総裁3選は堅いと計算しているという。しかし、いま日本は「貿易戦争」など、目の前に難題が山積している。総裁選が終わる9月まで放置していたら、取り返しのつかないことになるのではないか。
■「西日本豪雨」の被災者は「安倍ノー」の声をあげろ
 すでに安倍は、細田派、麻生派、二階派など主要派閥から支持を取りつけ、党内の半分以上の支持を固めたという。しかし、このまま“安倍3選”を許したら、この国はオシマイだ。
 何十回、総辞職してもおかしくないデタラメ内閣が、あと3年も続くなど、あり得ない。少なくても「西日本豪雨」の被災者は、声を上げなければおかしい。安倍は、十数万人に避難勧告と避難指示が出ていたのにもかかわらず、被災地を見捨てて、「赤坂自民亭」と称する酒宴に参加して酒盛りを続けていたのだ。しかも、甚大な被害が判明した後でも、「人命」より「カジノ」を優先している。
 それでも、被災者が沈黙し、反乱しないようでは、この国に未来はない。
 評論家の佐高信氏はこう言う。
「安倍首相は、打っても打っても、倒れない。だから、国民の中に“徒労感”が広がっているかもしれない。でも、安倍政権は決して盤石ではありません。相手も必死に立っているのが実情です。薄皮一枚、ブチ破れば、必ず倒れる。すでに、自民党の船田元議員が法案に反対して採決を棄権するなど、綻びが見えています。安倍1強と言われながら、世論調査では“支持しない”が“支持する”を上回る状態が5カ月続いている。何かきっかけがあれば、自民党議員も自民党員も離れると思う。たとえば、公明党が“安倍3選ノー”となったら、自民党議員は雪崩を打つでしょう。公明票がなければ、自民党議員は選挙で勝てませんからね」
 安倍が3選されるかどうかで、この国は大きく変わる。
 もし、3選されたら、ますます弱者を切り捨てる政治が横行するだろう。「西日本豪雨」への対応を見れば明らかだ。被災地は地方の過疎地であり、犠牲者はほとんど高齢者だった。地方も、高齢者も、アベノミクスを進める安倍政権がないがしろにしてきたものだ。
 国民が「徒労感」と「無力感」に襲われて「諦め」たら、安倍の思うつぼだ。安倍3選を許すのかどうか、この夏は歴史の分岐点になるだろう。もっとも長くて暑い夏になると考えた方がいい。


安倍3選なら現実味 衆参同日&国民投票“トリプル選”の暴挙
 やはり、諦めていなかった。秋の総裁選で3選を決めたら、安倍首相はいよいよ憲法改正に突き進むつもりだ。
「自民党の憲法改正案を速やかに国会に提出できるよう、取りまとめを加速すべきだ」
 通常国会の事実上の閉幕を受けて、20日夜に会見を開いた安倍首相は、封印してきた憲法改正への意欲をあらわにした。
 総裁選への出馬については「セミしぐれを聞きながら考えたい」とはぐらかしたが、「憲法改正は立党以来の党是で、自民党の長年の悲願だ。候補者が誰になるにせよ、大きな争点となる」とも言っていた。自分が出るかどうかは明言しないのに、勝手に改憲を総裁選の争点に設定したのだ。
「改憲が総裁選の争点というのは、かなり踏み込んだ発言です。来年7月の参院選で、憲法改正の発議に必要な3分の2議席を失う可能性がある。それまでに必ず自分が改憲の発議までやるという意思表明でしょう。そのためにも総裁選では圧勝する必要がある。改憲の発議は、天皇陛下退位の関係で4〜5月は避け、できれば来年3月までにと考えているはずです。遅くとも通常国会終盤の6月には発議にこぎ着ける。自民党内には、安倍首相が総裁選で3選を決めたら、秋の臨時国会で議論を前に進め、一気呵成で年内発議という強気の意見もあります。来年3月までに発議にこぎ着ければ、7月に衆参同日選と国民投票のトリプル選挙の可能性も出てきました」(政治ジャーナリストの泉宏氏)
 国民的議論も始まっていないのに、いきなり1年後に改憲の国民投票なんて無理筋だが、何でもアリの政権だから、力ずくでやりかねない。参院の定数6増だって、会期末近くになって急に出てきたと思ったら、ロクに議論もないうちに決まってしまった。
 本来、改憲案は憲法審査会での議論を経て発議される。それは与野党合意が原則だ。この通常国会ではモリカケ疑惑が紛糾して支持率が下がったこともあり、改憲の審議は入り口で止まったまま。臨時国会でも野党側は審議入りに抵抗するだろう。
 それで、安倍首相周辺からは「憲法審査会なんてスッ飛ばして、自民党案を国会に提出してしまえばいい」という強硬論まで出始めている。今月17日には、安倍首相に近い議員たちが議員提出による改憲を目指す超党派の勉強会を立ち上げた。
 ズルしてでも数の力で通してしまえという態度は傲慢極まりないし、憲法を冒涜している。やはり、安倍3選なんて絶対ダメだ。


安倍官邸が画策 カジノ設置の隠れた“本命”は沖縄と東京
 カジノ実施法が成立し、「3カ所」となっている設置場所を巡って、自治体の争奪戦がますます過熱しそうだ。
 誘致活動に力が入っているのは、大阪、長崎、和歌山、北海道とされるが、官邸の“本命”は「沖縄」と「東京」だという。
「沖縄というのは政治的な目的があってのことです。かつてカジノ誘致を検討してきた沖縄県ですが、今の翁長知事は誘致に反対で、現在は手を挙げていません。しかし、沖縄では今秋に県知事選を控えている。政府与党は必勝態勢で臨む方針で、米軍普天間基地の辺野古移設を進めるためにも、何としても勝ちたい。そのために、経済振興のカードとしてカジノを沖縄に持っていくと、内々に手形を切るのではないか」(官邸事情通)
 今年11月に予定される沖縄県知事選に向け、自民県連はすでに候補者を絞り込んで、佐喜真淳宜野湾市長に立候補を要請済み。佐喜真は近く、受諾表明するとみられている。膵臓がんの切除手術をした現職の翁長知事も再選出馬の方向とされるが、安倍官邸は「あらゆる手を使って勝ちにいく」といい、そのひとつがカジノというわけだ。
 東京もカジノについて小池都知事は「慎重に検討する」としていて、積極的に誘致しているわけではない。だが、カジノ業者にとって費用対効果を考えれば、訪日外国人と日本人のいずれも人口が圧倒的に多い首都圏は外せない。国際会議場などとセットにして「成長戦略の柱」と位置付けているのだから、東京に設置するのがベストだというのである。
「都議会自民党と冷え切った関係の小池都知事は、最近、自民党本部や官邸に助けを求めてスリ寄っている。官邸が東京でカジノをやりたいと言えば、うなずくと思います。東京都は石原都知事時代から『お台場カジノ』を想定して土地を保有していますし、2020年五輪の跡地利用もできます。お台場にある安倍応援団のフジテレビもカジノ誘致を望んでいるといいます」(自民党関係者)
 しかし、設置場所を奪い合うほど、カジノにバラ色の未来が広がっているのかどうか。アジアのカジノは飽和状態との見方もある。10年後には巨大な不良債権になっているんじゃないか。


「カジノ解禁」法成立 賭博大国の道、なぜ進む
 カジノを賭博罪の適用対象から外し、国内で初めて解禁することを柱とした統合型リゾート施設(IR)整備法が成立した。2020年代半ば以降、当面3カ所を上限にIRが開業する見通しとなった。
 だが、依存症対策は十分なのか。政府が言うほどの経済効果は期待できるのか。国民の不安や疑問は拭い去れてはいない。
 政府は、カジノを稼ぎ頭に国際会議場や展示場、ホテル、劇場などを一体的に運営するIRを思い描いている。世界から観光客を呼び込むことで、税収増や雇用創出など地域振興にもつなげられるとして、「成長戦略の柱」と位置付けている。
 現実離れした想定と言わざるを得ない。IR誘致に積極的な北海道、大阪、和歌山といった道府県の試算では、カジノ客の7〜8割は日本人とみているという。カジノを目当てに海外から日本に来るのか疑わしいということだろう。
 実際、昨年秋に公表された、日本政策投資銀行などの訪日外国人旅行者の意向調査では、IRができたら行きたいとの答えは60%に達したが、カジノに行きたい人はわずか7%だった。
 これでは、海外の富裕層に日本でお金を落としてもらうのは夢物語で終わりそうだ。詳細な経済効果の試算を示すよう、政府は国会論議で再三求められたが、最後まで答えなかった。効果の乏しさは、国も気が付いているのではないか。
 急がれるのは依存症対策だ。国会審議で抜け穴の多さが露呈した。例えば日本人には週3回の入場規制を設けたが、1回の入場で24時間以内は自由に出入りできるという。日付をまたげば、実質的に週6日通える。これでは規制とはいえまい。
 カジノ事業者が入場者に金を貸し付けできることも問題だ。2カ月間は利息は付かないが、それを過ぎると年14・6%の遅延損害金が発生するという。
 しかもカジノ事業者は貸金業法の対象外となる。社会問題になった多重債務者の救済のため導入された、年収の3分の1を超す貸し付けを原則禁じる「総量規制」を守らなくていい。
 カジノ事業者は債権を譲渡することもできるという。暴力団をはじめ反社会的集団につけ込む隙を与えないか懸念される。
 政府は今後、国際会議場やホテルの規模、カジノゲームの種類などを決める。331項目にも上るのは細部の詰めを欠く法律だった証しだろう。国会審議を経ない政省令などで決められるが、政府は理由や経緯を国民にきちんと説明すべきである。
 共同通信社が21、22日に実施した世論調査では、IR整備法反対は64・8%に上り、賛成の27・6%を大きく上回った。国民が依然不安や抵抗感を根強く持っていることは間違いない。それを解消する責任が国や、誘致を目指す自治体にあることを忘れてはならない。
 競馬などの公営ギャンブルや、パチンコなどの市場は30兆円規模で世界有数という。依存症が疑われる人は、約320万人に上るとの推計もある。
 さらにカジノが加われば、賭博大国の道まっしぐらではないか。解禁して、ばら色の未来が開けるのか。カジノ頼みの地域振興・経済成長で果たしていいのか。あらためて問い直さなければならない。


NHK番組で印象操作か?カジノ誘致世論でおかしな円グラフ
 毎週金曜夜に近畿圏で放送され、各地の社会問題から芸能、文化、スポーツまで幅広く扱う、NHK「かんさい熱視線」。20日に放送された「関西にカジノ!?〜IRの光と影〜」の回において、世論調査の結果を表した円グラフが明らかにおかしいとの声が上がっている。
 IR誘致について「賛成17%」「反対42%」「どちらともいえない34%」「無回答7%」。しかし、放映された円グラフは、どう見ても34%の「どちらともいえない」の方が、42%の「反対」よりも面積が広いのだ(写真=ツイッターから)。まるでNHKがカジノ誘致に反対している人を少なく見せようとしたと受け取られかねない。
 実際にツイッター上では、「『反対』が42%で『どちらとも言えない』は、それより少ないハズなんですが」「まったくヒドイ! 印象操作」と指摘する投稿がいくつも上がっている。
 同番組では、4年前にも「出家詐欺」を扱った番組で“やらせ”が発覚し、BPOから「重大な放送倫理違反があった」と指摘された“前科”もある。
 円グラフを作成した経緯について、NHK広報部に質問書を送ったところ、次のように返答してきた。
「円グラフでは数字は正しく表記していましたが、作成時にミスがあり面積に誤りがありました。翌日の再放送で円グラフを修正して放送したことに加え、番組ホームページで訂正を掲載。今後、このようなことがないようにチェックを徹底していきます」
 日頃から政権寄りの報道をしていなければ、「印象操作」を疑われずに済むのに……。


補助金もらう立場にいながら…加計学園が愛媛県の要求無視
 血税を使っているという自覚はあるのか――。
 愛媛県今治市に獣医学部を新設した加計学園のことである。補助金をもらう立場にいながら、県の要求をガン無視しているのだ。
 愛媛県の中村時広知事は19日の会見で、県議会で加計側に説明責任を求める決議が出されたことについて、「(説明責任を果たすのは)当たり前のこと」とくぎを刺した上で、こう続けた。
「大きな災害の中で、財源のやりくりなども、これからいろいろと大変になる。そういう中で、学園に対するお金も貴重なお金。(説明を求めるのは)県議会での全会一致の決議という重い決議なので、受け止めていただけるものと信じている」
 ところが、学園側は、加計孝太郎理事長が先月19日に30分足らずの会見を開いてから、ずーっとダンマリなのだ。
 加計に支出される約93億円の補助金のうち、県は約31億円を負担する。一方で、西日本豪雨による県内の農林水産関連の被害額は、23日の時点で約433億円に上り、“台所事情”は厳しさを増している。
 学園に改めて公の場で説明する気があるか問い合わせたが、期日までに回答はなかった。被災者をバカにするにも程がある。


通常国会閉幕 立法府の役割はどこへ
 通常国会が閉幕した。安倍政権が最重要課題と位置付けていた働き方改革関連法をはじめ、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)整備法、参院の定数を増やす改正公選法などが成立した。日本の将来に大きく関わる法律にもかかわらず、議論が尽くされないままに、与党が「数の力」で押し切ってしまった。これが国権の最高機関である立法府のあるべき姿であろうか。言論の府としての存在意義が問われる。
 国会最終盤の焦点となったIR整備法は、こんなに急いで成立させなければならなかったのか。特にギャンブル依存症対策の詳細な仕組みをはじめ331項目が国会審議の不要な政省令などに委ねられている。このためカジノの具体的な在り方まで踏み込めず、議論はすれ違いに終わってしまった。
 西日本豪雨の被災地で不明者の捜索などが懸命に続けられている中で、担当の石井啓一国土交通相が審議に張り付いたことは被災者や国民にどう映っただろうか。理解を得られたとは到底思えない。
 参院の定数を6増やす改正公選法の審議も同様である。自民党の提案はあまりに唐突だった。自民党による合区選挙区の現職議員の救済目的があからさまであり、党利党略以外の何物でもない。民主主義の根幹をなす選挙制度の改正は与野党の幅広い合意が不可欠である。にもかかわらず与党が野党との合意点を見いだす努力を放棄し、強引に成立させてしまった。
 今国会の看板でもあった働き方改革関連法は、一部の専門職を労働時間の規制から外す高度プロフェッショナル制度(高プロ)が盛り込まれた。不適切なデータが表面化し、裁量労働制の対象拡大が削除されたが、高プロに対して長時間労働を招くのではといった懸念は払拭(ふっしょく)されないままだった。
 一方で、森友・加計(かけ)学園を巡る一連の問題はいまだ真相解明には程遠い。なぜ森友学園に格安で国有地を払い下げたのか、なぜ財務省は公文書を改ざんしたのか。加計学園の獣医学部新設のプロセスに安倍晋三首相は本当に関与していないのか。問題に幕を引いてはならない。閉会中審査を利用して解明すべきである。
 追及する野党側にも問題があった。野党の第1会派が衆院で立憲民主党、参院で国民民主党とねじれ、足並みが乱れてしまった。野党の対応がばらばらで、「安倍1強」に対抗するには残念ながら力不足だった。
 政府にとって触れられたくない問題は答弁をはぐらかし、与党は十分な審議がなされなくとも時間切れとして「数の力」で押し切る。長期政権のおごりと与党の傲慢(ごうまん)さばかりが目立った半年間だった。こんな国会運営がまかり通っていいはずがない。議会制民主主義は深刻な危機に直面していると指摘せざるを得ない。


水道事業見直し 水に理解を深める好機
 先の通常国会で、水道事業の運営を見直す水道法改正案は今月初めに衆院を通過、参院に送られたものの成立が見送られた。西日本豪雨の発生と重なり、対策が急を要する中で、他の重要法案の審議時間を確保するためだ。
 その結果、参院議員定数を6増する改正公選法や、カジノ解禁を含む統合型リゾート施設(IR)整備法の成立が優先されたことには釈然としない印象が残る。
 公選法改正は自民党の党利党略優先との批判を引きずるものの、来年に参院選を控え「1票の格差」や「合区」問題に対応せざるを得ない必要そのものは認められよう。だがカジノ法案は、水道事業の見直しを上回る緊急性が認められるだろうか。
 内閣法制局のサイトにある水道法改正案の提出理由には「…水道施設の老朽化等に対応し、水道の基盤の強化を図るため…」と、その目的が記される。折しも西日本豪雨に伴って11府県で約27万戸が断水したのは、老朽水道管の破断が主因とされる。
 先月半ばには、大阪府北部地震による断水や漏水が随所で発生。与党は「水道管の老朽化対策は緊急課題」として法案の早期成立を目指した。こうした経緯に照らせば、その先送りとカジノ優先が国民生活に向き合った判断とは認め難いものがある。
 高度成長期に普及が進んだ水道は、管路などの老朽化に伴う漏水や破損事故が各地で発生。一方、運営する市町村などの事業者は人口減による収入源や人員不足で設備更新もままならない。県内の現場からも「抜本改革が不可欠」との声が聞こえる。
 政府の改正案は、課題克服へ水道事業の広域化と民営化を目指す内容。具体的には、水道施設の所有権は自治体に残したまま、運営権を民間に売却する「コンセッション」方式を導入するという。
 メリットは民間の技術や資金力を生かすことで運営の効率化が期待できること。片や本来的に営利を目的とする民間企業が、水資源の管理という極めて公共性の高い事業になじむかどうかという懸念もある。衆院では、国民の命を支える水の安全・安心や安定供給に確証がないとして、野党6党が反対した。
 水道事業の民営化率が高い欧州では、パリ市などで再び公営化する動きもある。合理性や採算性だけで民営化の是非を判断するのは早計。先送りで法案を吟味する時間ができたことを、与野党とも無駄にするべきではない。
 改正案は秋にも予定される次期国会で改めて成立を目指すことになる。空気と並び、われわれの命綱である水に理解を深める好機。国会の議論に関心を高めたい。


国を挙げた外国人観光客誘致の明暗
 ★確かカジノ導入も、ばくちの合法化の議論よりも外国人観光客を増やすための材料のような理屈もあったような気がする。17年の1年間で日本を訪れた外国人旅行者の人数は過去最多の2869万900人で今年はそれを更新する勢いだ。来年はラグビーワールドカップ、20年は東京オリンピック(五輪)で政府は訪日客4000万人、消費額8兆円の目標を掲げてさらなる訪日外国人向けのPRにいそしむだろう。消費増への期待が高いのだろうが、既に一時の爆買いも落ち着きを見せ、大量流入に対するきめ細やかさや、訪日外国人の嗜好(しこう)も多様化している。 ★1つは全国の観光地の情報が訪日観光客にいきわたっていて、日本人でも知らないような観光地に限らず魅力や絶景、味覚を楽しむものが増えた。一方、都市部には事実上の移民ともいえる在留外国人があふれかえる。都内のコンビニや中華料理屋では店員の日本人を探すほうが難しい。在留外国人は約300万人といわれるが、実態はもっと多いのではないか。 ★1992年に開かれたスペインのバルセロナ五輪。スペイン政府はそれ以降、観光客の誘致を続け、今では世界屈指の観光都市になった。ところが住民は自らの生活に不自由を感じたのか「観光客は帰れ」というモードだという。オランダ・アムステルダムも観光に力を入れたものの、住民からは「都市と観光はなじまない」と都市に観光客が流入することで都市機能が失われ、都市としての魅力がなくなることへの懸念が広がっているという。政府が数字の目標を掲げたことで、官民挙げて支援をして多くの訪日客が訪れるだろう。そこでは本当の日本の魅力を知ってもらいたい。日本はもうこりごりなどと思われないようにするには目標数値など掲げないほうがいい。

[日米原子力協定] 核燃サイクル見直しを
 日本に原発の使用済み核燃料を再処理してプルトニウムを取り出し再利用することなどを認めた日米原子力協定が、30年の「満期」を迎え自動延長された。
 今後は一方が通告すれば6カ月後に協定は終了し、日本は再処理ができなくなる。
 再処理で取り出したプルトニウムをウランとの混合酸化物(MOX)燃料にして再利用する核燃料サイクル事業は、日本の原子力政策の根幹となってきた。
 その基盤である協定が極めて不安定な状態になった。これを機に政府は再処理からの撤退を含め、原子力政策を抜本的に見直す必要がある。
 1955年に最初の協定が結ばれて以来、米国は日本の原子力政策の後ろ盾となってきた。プルトニウムは核兵器に転用できる物質だが、非核保有国の日本が特例的に再処理を認められてきたのはこの協定があったからだ。
 だが、核燃サイクルの中核となる高速増殖炉の開発がなかなか進まず、原型炉もんじゅの廃炉で完全に頓挫。その代わりにと打ち出した、通常の原発でMOX燃料を燃やすプルサーマル発電も原発再稼働が進まず、停滞している。
 その結果、日本が国内外に保有するプルトニウムは核兵器6000発分に相当する約47トンに膨れ上がった。青森県六カ所村の再処理工場が稼働すればさらに増えるのは間違いない。
 使い道の見通しが立たないプルトニウムをため込むばかりでは、日本が核兵器保有を目指していると誤解されても仕方あるまい。
 米朝首脳会談が実現し、国際社会が北朝鮮の完全非核化を求める中、日本の余剰プルトニウムが北朝鮮に不用意な口実を与えるような事態は避けたい。
 政府は新しいエネルギー基本計画で、プルトニウムについて「削減に取り組む」と初めて明記した。ただ、米国側で高まる保有量増大への懸念に配慮して急きょ盛り込んだ経緯があり、具体的な削減策があるわけではない。
 唯一の消費策と言えるMOX燃料にしても、稼働可能な対応炉は現在3基しかなく、年間1.5トン程度しか消費できない。
 おまけにMOX燃料は、ウラン燃料より8倍も高価で米国は既に利用推進を断念しているという。
 こうした現状で日本が再処理を続け、核燃サイクル政策を維持することに内外の理解が得られるだろうか。
 日本の核燃サイクル政策は既に行き詰まっている。経済性と安全保障の観点から、政府には国策転換の決断が求められる。


くりぃむ上田が赤坂自民亭に続き安倍首相を痛烈批判!「特定秘密保護法以降、ひとつも丁寧に説明してもらった覚えない」
 カジノ法案や高プロなど悪法の数々が強行採決された“最悪の国会”が閉幕したが、安倍首相は会見で「我が国が次の時代に向かって大きな一歩を踏み出した、そういう国会になったと考えている」などとワケわからない総括をした。豪雨災害のなか、お友達の利権のためにカジノ法案の審議を強行し、国民の生活を置き去りにした政権の問題は、閉会後も一層追及されねばならないのは言をまたない。
 そんななか、本サイトでは先日、くりぃむしちゅーの上田晋也が14日放送の『上田晋也のサタデージャーナル』(TBS)のなかで、例の赤坂自民亭の一件を強く批判したことを紹介した(http://lite-ra.com/2018/07/post-4140.html)。
 マスメディアが弱腰のなか、「えひめ丸の事故のとき、森喜朗首相がゴルフやってて退陣まで追い込まれたじゃないですか。僕はまったく同レベルの話だと思う」とまで踏み込んだ上田の発言は大きな共感を呼んだ一方、ネット上ではまたぞろ安倍シンパのネトウヨたちが〈上田晋也は反日左翼〉〈上田晋也も極左マスゴミの操り人形に成り下がったな〉などと攻撃を仕掛ける事態となっている。
 あきらかな政治の国民軽視に対して苦言を呈しただけで「反日極左」呼ばわりする頭の悪さは毎度のことだが、しかし、人気商売のタレントにとってはときに命取りになりかねない。実際、ネトウヨの批判や電凸(放送局などへ電話クレーム攻撃)によって、どんどん政治的発言を封じ込められてきた芸能人を本サイトはごまんと見てきた。
 そんなことから、くりぃむ上田も、ネトウヨからの攻撃を受けて、政権に対するまっとうな批判のトーンが弱まってしまうのではないか。そんな懸念を抱いていたのだ。
  しかし、それは杞憂に終わった。21日放送の同番組でも上田は恐れることなく、赤坂自民亭の問題に対する批判を繰り返し述べたのだ。それだけでなく、政権による乱暴な国会運営を正面から批判、さらに与党が強行成立させた議員定数増の改正公職選挙法についても、実に当を得た指摘をしたのである。
 まず、番組では最初のVTRのなかで、赤坂自民亭について麻生太郎財務相が「いろいろな話をするという意味では極めて有効な手段の一つだと」「いいことだと思ってますから」「ああいう(批判的な)話で取られたのははなはだ残念ね」と擁護したことを紹介。スタジオトークにうつると、すぐに上田がこう切り込んだのだ。
「先週ね、この番組でも赤坂自民亭ね、あのタイミングでああいう会合をやるとはなんぞやと、大いに怒りましたけど。麻生さんがね『非常に有意義な会合だ』と。いや、そういうことを言ってるんじゃないんですよ。あのタイミングでやること(が問題)。ああいう(気象庁の)発表もあってね」
 まさに上田の言う通りだ。何度でも繰り返すが、事実、5日14時の時点で、気象庁は「記録的な大雨となるおそれ」と大雨では異例の緊急会見を開き、17時台には「厳重な警戒」を呼びかけ、十数万人に避難指示や勧告が出されていた。にもかかわらず、安倍首相ら政権幹部は内輪の酒盛りで騒いでいたのだ。政府としてなすべき対応をなおざりにしていたのは明らかであり、それを「有意義な会合」などと言うのはスリカエにもほどがある。
 しかも、上田はその前の週の放送で赤坂自民亭に対する怒りを表明したことを自ら持ち出した上で、もう一度、その問題点を指摘したのだ。ネットで「反日極左」などと言われようが、おかしいことはおかしいと言い続けるという、上田の決意表明のようにも思えてくるではないか。
くりぃむ上田「特定秘密保護法以降、1個も丁寧に説明していただいた覚えはない」
 実際、上田はその後も政権や法案の問題点について鋭い指摘を連発。たとえば参議院の議員定数を6増加する公選法改正案についても、「あれだけね、(安倍首相は)力強く『定数削減をします!』と言っておきながら、ねえ、人口は減っている、消費税は上がる、国民一人一人の負担は増えるにもかかわらず、定数を6も増やすというのは」と真っ向から疑義を呈したのだ。
 これは、安倍が野党時代の2012年党首討論で「私たちの選挙公約においてですね、定数の削減と選挙制度の改正を行なっていく、こう約束しています。いまこの場で、そのことをしっかりとやっていく! 約束しますよ!」と大見得をきり、首相に返り咲いてからも「身を切る改革」と連呼していたことを念頭に置いた発言だ。ようは「身を切る」とアピールしておきながら、実際には国民の負担を増やす安倍首相のアベコベと嘘を、上田は端的に指摘しているのである。
 さらに上田は、話題を振られたゲストのミッツ・マングローブが、定数6増は一票の格差を是正するためという面もあるとコメントしたこと対しても即座に反論。「でも他に方法があるわけでしょ、(定数を)6増やさなくても。一票の格差を是正するためには」とつっこんだ。
 これもその通りで、番組でもジャーナリストの龍崎孝氏が解説していたように、定数6増のうち4増にあたる比例区で、合区で候補者を立てられない県から優先して当選させる「特別枠」をつくる改正案は、実際のところ司法が指摘している一票の格差を解消するものではなかった。結局は、議員を増やしたいだけのお手盛りの法案なのである。
 しかも、上田がすごかったのは、これで話を終わりにしなかったことだ。上田は改正公選法のような合理的説明のつかない法案を、次々に強行成立させ続けている安倍首相の態度を、こう強く批判したのだ。
「なんて言うんでしょうね、あの特定秘密保護法案のときですかね、(法案を)強引に通して、『ちょっと私も説明不足でした』と安倍総理がね、『今後、真摯に丁寧に説明していきたい』とおっしゃいましたけど。あれ以降、1個も丁寧に説明していただいた覚えはないんですけどね。どの法案もただ強引に通して、今回も党利党略で拙速に決められた感が非常にあるんですが」
 振り返ってみれば、特定秘密保護法にしても安保法制にしても共謀罪にしても、有権者の多くが反対しているなか、安倍首相は「国民に丁寧に説明し続ける」と強弁を重ねながら数の力で強行成立させていった。そして、一度法案を通してしまえば知らん顔して、その「丁寧な説明」とやらを続けた試しはない。ようするに、国会会期中のみ殊勝なことを言っているだけで、あとはやりたい放題というわけだ。その意味でも、上田の批判は極めて筋が通ったものと言う他ない。
 本サイトでは、上田が赤坂自民亭を痛烈に批判した14日放送回を紹介する記事の中で、これまで目立って政権批判をしてこなかった上田が、ここまで怒りの声をあげたのは、安倍首相の暴挙のあまりの酷さゆえではないかと指摘した。だが、特定秘密保護法のころから安倍首相の二枚舌を見抜いていたということは、もしかすると、上田は今になって政権の問題点を指摘するようになったというよりも、ずっと前から、そのヤバさに気がついていたのではないか。そんな風にも思えてくるのだ。
 いずれにしても、“権力のウォッチドッグ”であることを放棄した現在のテレビ界では、安倍応援団コメンテーターばかりが重宝され、日和見のお笑い芸人やタレントがワイドショーや情報番組を仕切っている。そのなかにおいて、上田のようなスタンスは貴重だ。くりぃむ上田には、ぜひ、安倍政権の横暴や怠慢を徹底批判する気骨をこれからも発揮し続けてもらいたい。(編集部)


あした元気になあれ 座席、倒していいですか=小国綾子
 あなたは新幹線で座席を倒す前に「倒していいですか」と後ろの人に断りますか? そんなことを片っ端から聞いて回っている。
 発端は実業家、堀江貴文さんのツイッター。新幹線で「席を倒していいですか?」と聞かれ、<ウゼェ。勝手に倒せや。そうやって何でもかんでも保険かけようとすんなボケ>と不快感を表すツイートをしたのが賛否両論を呼んだのだ。それを報じた記事のコメント欄を読んで、びっくり。「(断ってから倒すのが)日本人として当然のマナーだろ」なんて声まで。
 実は私、これまで一度も声を掛けたことがない。相手を驚かせないようゆっくり倒すだけ。逆に、断りなく座席を倒されても平気。だから断りなく座席を倒されるのが不快な人もいるとは知らなかったのだ。ああ、ごめんなさい。
 友人知人に聞いて回って、さらに驚いた。意見は見事に真っ二つ! 「声を掛ける派」は「当然のマナー」「そうしてもらえないと自分も不快」というし、「声を掛けない派」は「リクライニング設計の座席なのに許可いる?」。何、この暗くて深いミゾ。
 「リクライニング問題」は日本特有ではない。特に、狭い飛行機では深刻なようで「座席を倒す時のエチケット」を説く英文サイトは山ほどある。米国の質問掲示板サイトでは「事前の声掛け」や「倒す角度」をめぐる論争も。
 JR東海にも聞いてみたが、特にルールを決めているわけじゃないそうだ。座席を倒す際は「後ろの席のお客様のご様子に留意して……」あたりが公式見解。
 たかが座席されど座席。どうしたもんかとネット検索していたら、こんな助言を見つけ、笑ってしまった。「声を掛けてもらわないと不快な人もいれば、逆に声を掛けられるのが不快な人もいる。相手を邪魔しないよう、口ぱくで座席を指さしながら倒す旨を伝えるといい」だって。うーん。
 この手の話は、何がマナーか、という「正しさ論争」をしても、平行線をたどるだけ。むしろ「私の常識は誰かの非常識」ぐらいに理解し、互いの感じ方の違いを受け入れ、ほどほどで折り合いをつけるのが平和なんじゃないかな。
 そんなわけで私は今度、新幹線に乗ったら、後ろの人に笑顔で会釈しつつ、ジワリジワリと座席を倒すってのを試してみるつもり。皆さんはどうしていますか?(統合デジタル取材センター)

梅田のネットカフェが被災/熊谷で41.1℃

ブログネタ
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Japon: à Fukushima, les plages réouvertes au public, 7 ans après le séisme
Pour la première fois depuis l'accident nucléaire de Fukushima, il y a plus de sept ans, une plage proche de la centrale accueille des baigneurs avec l'espoir que cela contribuera à changer l'image de la région. Deux autres plages dévastées par le séisme et le tsunami géants, du 11 mars 2011, ont rouvert au moment où le Japon subit une vague de chaleur meurtrière avec des températures records.

Avec notre correspondant à Tokyo, Frédéric Charles
Pour la première fois, des rivages situés entre 30 et 40 kilomètres de la centrale de Fukushima accueillent des baigneurs et des surfeurs. Les contrôles de qualité de l'eau n'ont pas détecté de contamination radioactive depuis plusieurs années, assure un responsable de la plage de la ville de Soma. Pourtant, plus de sept ans après l'accident de la centrale de Fukushima, Tepco, son opérateur, peine toujours à empêcher les fuites d'eau radioactives vers le Pacifique.
La plage de la ville de Soma rouvre au moment où le Japon subit une vague de chaleur qualifée de ≪ grand danger pour la santé ≫ par l'Agence de la météorologie. Elle a déjà coûté la vie à une trentaine de personnes. La température à Tokyo a franchi les 40 degrés à l'ombre avec un taux d'humidité de 80 %, du jamais vu depuis le début des statistiques météorologiques, il y a 130 ans.
Contre l'avis d'experts, les organisateurs des Jeux olympiques de Tokyo de 2020 estiment pouvoir limiter les risques pour la santé des athlètes. Les jeux auront lieu du 24 juillet au 9 août 2020.
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プロフェッショナル 仕事の流儀「遺品と心を、整理する〜遺品整理士・横尾将臣」

いま注目を集める遺品整理のプロが登場!故人の部屋に残された遺品を片づけるという新しい仕事に密着。ものだけでなく悲しみに暮れる遺族の心も整理する、驚きの手法とは?
核家族化が進むいま、年間3万人と言われる孤独死。突然の死と遺品を前に遺族は途方に暮れる。そんな時に救いとなるのが、遺品整理のプロだ。大阪に拠点を置く横尾将臣は、受注数、成約率でトップの一人。遺品だけでなく遺族の心も整理する現場に密着。5月、独居の70代男性が孤独死したと息子から依頼が来た。亡くなるまでの20年間、父子は親子関係を絶っていた。空白の時間を埋めながら整理する、難しい現場が始まったー。 遺品整理士…横尾将臣, 橋本さとし,貫地谷しほり

はるみ @harumi19762015
杉田水脈の件、毎日以外の紙媒体や地上波メディアは報じてないの?
大泣きした地方議員や秘書をハゲ呼ばわりした国会議員は死ぬほど追い込んだくせに。

徳永みちお @tokunagamichio
国民の6割〜7割近くが反対していたカジノ法案と改正公職選挙法は、自民党が強行採決するまでメディアは国民世論(民意)を無視していたくせに、強行採決後は「国民の6割〜7割近くが反対していた、もっと議論を尽くすべきだった。野党の追及が甘かった」と「責任逃れ報道」と「後の祭り報道」。汚ねーぞ!

暑いのでネットカフェでアイスクリーム食べながら涼もうなんていい加減な考えでネットカフェへ.梅田の割と好きなネットカフェですが,なんとマンガはありません.壁にひびが入っているだけでなく安全性に問題があるのでしょうか?ビニールシートがかけられていました.ネットはできるのでアイスをほおばりながらひと時を過ごしましたが,なんだかなぁという感じです.地震があったのは6月18日なので1か月以上たっているのでショックを隠し切れません.
暑いです.熊谷では41.1℃だったそうです.熱中症にならないように気を付けないとね.

<水曜日郵便局>寄せられた手紙3000通 先着200人に「ささやかな贈り物」
 宮城県東松島市宮戸の旧鮫ケ浦漁港にある架空の郵便局「鮫ケ浦水曜日郵便局」に寄せられた手紙が3000通を超えたのを受け、事務局は25日〜8月1日消印の手紙の送り主のうち、先着200人に記念品を贈る。
 記念品は宮戸地区に関連する「ささやかな贈り物」。具体的な中身は公表せず、事務局の担当者は「届いたときのお楽しみにしてほしい」と話す。
 水曜日郵便局は昨年12月に開設され、手紙はこれまで約3200通が寄せられた。水曜日の物語をつづった手紙を同局に送ると、見知らぬ誰かの手紙が届くプロジェクトで、12月5日の閉局日まで5000通を目標とする。
 宛先は〒981−0394東松島市宮戸字観音山5番地その先 鮫ケ浦水曜日郵便局。
 連絡先は水曜日郵便局事務局03(5579)2724。


耳が聞こえないパン職人・羽生さん、塩釜にカフェ 「復興へ諦めない姿見せたい」
 東日本大震災の津波被害からの復旧が遅れている塩釜市・浦戸諸島の人々の力になりたいと、耳が聞こえないパン職人の羽生(はにゅう)裕二さん(34)=仙台市太白区=が塩釜市海岸通でカフェを営んでいる。店の売りは、島の花などを原料にしたパンや菓子。羽生さんは「障害があっても諦めなければできる」と故郷・愛媛の風景に似た島々を思いながら店を切り盛りする。
 カフェ「花薫る喫茶処 蕾(つぼみ)」は今年4月に開店。当初はカウンター6席で、8月にも1テーブル4席を追加する。店内の会話の大半は筆談でやりとりする。
 飲み物のほか、花やハーブが原料の自家製酵母で作る無添加パンや菓子が計約10種類あり、うち数種類をスイーツやランチとして日替わりで提供する。原料に島民が育てた野々島のラベンダー、寒風沢(さぶさわ)島のオリーブ、桂島のつばき油、朴島の菜の花を使う。
 羽生さんは愛媛県西条市出身。生まれた時から耳が聞こえない。両親も同じで「音のない世界が普通」という。2010年12月、結婚を機に愛媛から仙台市に移住。12年から市内のパン屋で修業した後、開業につなげるため塩釜市の障害者就労支援施設で働いた。
 震災から6年後、休日に訪れた浦戸諸島で衝撃を受けた。復旧工事が進まず、島民が暮らしの不便を強いられていた。「本土と歴然とした格差がある」。島の復興推進と社会的弱者の雇用創出を目指し、17年春に「浦戸の花物語プロジェクト」を始め、現在はカフェを活動拠点にしている。
 インターネットのクラウドファンディングで資金を調達し、島の原料を生かした商品開発の設備導入などに充てた。店の経営が軌道に乗れば障害者らを雇う方針。「故郷を思わせる浦戸諸島のことを知ってもらうきっかけもつくりたい」と意欲的だ。
 来店客には障害のある家族を気に掛け、羽生さんに相談する人もいる。「そういう人たちの力になれる店にしたい。障害を理由に諦めなければやりたいことができる」と力を込める。
 店は午前11時〜午後5時。月曜定休。臨時休業もあり、会員制交流サイト(SNS)で確認が必要。


<リボーンアート・フェスティバル>若者を呼び込め SNS活用やワンコインメニュー開発を提案
 宮城県石巻市で2019年夏に開かれるアートと音楽、食の総合祭「リボーンアート・フェスティバル(RAF)」に向け、同市の石巻専修大は20日、石巻高やRAF事務局と連携し、地元の若者の関心を高めるプロジェクトを始動させた。
 市内で初のミーティングがあり、20人が参加した。同大の学生が「地元の高校生・大学生を一人でも多くRAFに呼び込もう大作戦」と題して発表。地元の若者へのアンケートや会員制交流サイト(SNS)での情報発信、ワンコインで食べられるメニューの開発などを提案した。
 発表後、大学生と高校生がグループに分かれて議論し、高校生からは「地元の高校や大学のバンドを出演させてはどうか」などの意見が出た。
 プロジェクトは同大の「高大産」連携事業として経営学科の庄子真岐准教授のゼミ生が手掛ける。4年の石山竜汰さん(21)は「高校生の意見は新鮮だった。企画に取り入れていきたい」と語った。
 一般社団法人「リボーンアート・フェスティバル」の松村豪太代表理事は「地元の人がRAFを知らないことが問題。若い人に積極的に地元について自慢してほしい」と呼び掛けた。
 RAFは今年8月4日〜9月2日、石巻市でプレイベントを開催する。


<西日本豪雨>仙台市職員、岡山・総社市で復旧後押し 震災経験生かし罹災証明やがれき処理に尽力
 西日本豪雨で甚大な被害を受けた岡山県総社市で、仙台市の現地応援本部が復旧を強力に後押ししている。罹災(りさい)証明の発行や災害がれきの処理の分野などで、東日本大震災の復旧業務を担った市職員が経験を基にアドバイス。本部は全国から職員を派遣した支援自治体の中心となっている。(報道部・横川琴実)
 午前8時と午後6時に開かれる総社市の災害対策本部会議。片岡聡一市長ら幹部職員らと並び、仙台市の現地応援本部長が同席する。22日は若生明智(あきのり)・危機対策調整担当課長(59)が出席し、支援状況を報告した。
 仙台市が最も頼りにされているのが罹災証明の発行業務。総社市に申請書類のひな型を提供し、人員配置の方法などを助言した。
 総社市建築住宅課の林琢也係長(44)は「罹災証明の発行は何から手を付ければいいか分からなかった。ほとんど仙台市に『おんぶに抱っこ』のような状態だった」と説明する。
 仙台市は市災害時応援計画に基づき、17日に現地応援本部を設置。22日までに危機管理室や環境局の職員ら延べ30人を派遣している。
 災害廃棄物の分別推進も支援した。当初、ごみはほとんど分別されていなかったが、ごみの種類を大きく表記した看板の設置を提案した。
 22日まで派遣された仙台市廃棄物企画課の菅沢拓哉主任(42)は「建設業者との連携も進み、状況はかなり変わったと言われた」と語る。
 総社市には仙台や新潟など7市区町が応援に入っている。総社市は仙台市の助言を受け、応援する自治体の連絡調整に当たる組織を設置。仙台市の現地応援本部長が、他市区町との連絡調整を担当している。新潟市職員は「仙台市が先頭に立ってくれたおかげで、連携がスムーズに進んだ」と評価する。
 片岡市長は「将来が見通せない中、震災という修羅場を経験した仙台市が応援に入ってくれたことは大変心強い。マンパワー、ノウハウは大変役に立っている」と話す。


<西日本豪雨>ごみの山、舞う砂ぼこり・・・「日常が全てなくなった」倉敷・真備町ルポ
 西日本豪雨の大雨特別警報の発令から2週間たった岡山県倉敷市真備町地区を歩いた。乾いた泥と舞う土ぼこりで白くなった町には、家々から運び出された廃棄物がうずたかく積み上がっていた。(報道部・樋渡慎弥)
 夏の日差しが注ぎ始めた21日午前7時半。地区を通る国道486号沿いで、災害派遣の自衛隊員らが重機に乗り込み、廃棄物の処理作業を始めていた。
 廃棄物の高さは3〜4メートルで、崩れる恐れもありそうだ。清掃車に次々と廃棄物を投げ入れる隊員らの傍らを、土ぼこりを防ぐために四国から派遣された散水車が行き交った。
 国道につながる真備町川辺の道沿いは、住民らが運び出した廃棄物で埋まっていた。延長100メートル以上、高さ約2メートル。住居の柱や扉、断熱材などが目立つ。
 真備町地区では1200ヘクタールが浸水し、約4600世帯が被災した。岡山県内で発生した災害廃棄物のほとんどが集中しているとみられるが、全体量さえ把握できていない。処理は緒に就いたばかりだ。
 気温は30度を優に超えた。ホースで水をまき、敷地の泥を流していた会社員近田光夫さん(62)。自宅は2階まで浸水した。約40年前に入った住宅メーカーの先輩の言葉を思い出したという。
 担当が真備町地区に決まると、先輩から「覚悟しておけよ」と声を掛けられた。入社前に地区は浸水被害に遭い、顧客の家にボートで飲み水や食料を運んだ経験を聞かされたという。
 「被害に遭ってその一言がまざまざとよみがえった。まさか本当に浸水してしまうとは」と苦笑した。
 ボランティアの到着を待つ無職五藤勝博さん(76)も、約50年前に建てた自宅が2階まで水に漬かった。1階は土の壁が崩れ、残った竹の骨組みの間から夏の日光が漏れていた。
 32枚の畳をはじめ、4人の孫が泊まりに来るたびに使っていた夏冬用の布団10組が全て駄目になった。自宅に住めず、市内にアパートを借りた。そばにいた妻の静代さん(70)は「箸すら買い足した。日常が全てなくなった」と嘆いた。
 20日夜に真備町地区を訪れた際、どの住宅も玄関や居間、2階の窓を開け放っていた。内部から家具類の一切が消えた家々が、暗闇に浮かび上がっていた。


豪雨から2週間  住まいの確保に全力を
 西日本の広い範囲で大雨特別警報が出されてから2週間が過ぎた。死者は全国14府県で220人を超え、行方不明者の捜索は現在も続いている。
 猛暑の中、各地で浸水被害を受けた住宅の後片付けが進められている。それと同時に、被災者の当面の住宅確保と再建の深刻さが浮かび上がっている。
 洪水や土砂崩れなどの被害を受けた家屋は3万4000棟を超え、全壊や半壊は5千以上に上るとみられている。
 広島県や岡山県では、行政が民間の賃貸住宅を借り上げて被災者に提供する「みなし仮設住宅」の受け付けが始まった。住宅が全半壊し自力で住居を確保できない人が対象で、家賃は無料になる。
 問題は、物件が被災地やその周辺には少ないことだ。広島県や岡山県は約3千戸を用意した。しかし多くは都市部にある。
 「みなし仮設のアパートに入れば、子どもが転校を迫られる」「遠くから家の復旧に通うのは厳しい」「借り上げだけでなく、仮設住宅も造ってほしい」−。被災地ではこうした要望が聞かれる。
 今回の豪雨災害では、大量の土砂が流れ込んで埋まった家屋も多い。国はこれらの家屋が全半壊と判定されなくても、自治体独自の判断で仮設住宅に入居できるとの判断を示した。被災者のすまい確保では、こうした行政の柔軟な対応が重要だ。
 避難所での生活が長引きそうな被災者のケアも重要だ。現在、約4600人が避難所で過ごしている。酷暑の中、体調不良を訴える人は多い。衛生面やプラバシー確保でさらなる対策が欠かせない。
 避難所ではなく、親戚や知人の家、車の中や被災した自宅で過ごしている人も少なくない。ペットがいる、心や体の障害が気になる、などが理由で避難所に身を寄せられないという。
 災害弱者の対応は、過去の災害でも重要な課題になってきた。行政は、専門的な知見を持つNPOなどとともに取り組んでほしい。
 住宅を再建する被災者には、被災者生活再建支援法が適用される。水害で全壊の場合は最大300万円の公費が支給される。
 だが、床上1メートル未満の浸水などは半壊となり支援の対象外だ。今回、被災地では大人の腰付近まで土砂に埋まった家屋が目立つ。長時間浸水した家も多い。外見は半壊でも建て直しが必要となろう。法改正でなくても、制度の運用で支援を広げられないだろうか。


西日本豪雨・地場産業の被害 細やかな対応で再生を
> 西日本豪雨は、地場産業にも大きな被害をもたらした。
 土砂崩れや浸水による被災で、休業に追い込まれた工場や店舗が相次いだ。いまだに再開できない事業所は多い。道路や鉄道といった交通網や水道などのライフラインが寸断されたため、幅広い業種の物流、生産面に深刻な影響を及ぼした。
 豪雨による被害が、これほど広い範囲の企業活動に打撃を与えたケースはかつてなかったのではないか。大規模な水害リスクにどう備えていたのか。被災した企業は、災害時の事業継続計画(BCP)などを含めて検証する必要がある。
 豪雨の発生から2週間余りたち、復旧に向けた動きも出始めた。自動車メーカーのマツダは、一時止めていた広島市南区の本社工場で、被災前の昼夜2交代制の操業をきょうから再開する。断水が解消した地域でも操業を再開する工場や、通常営業に戻す店舗が目立つ。
 山陽自動車道に続き、国道2号も全線で通行可能になった。九州と関西を結ぶ東西物流は少しは改善されそうだ。ただ、広島呉道路をはじめ、通行止め区間の残る道路は多い。JRが担う鉄道輸送の復旧もまだ長引く見通しだ。地場産業を支える物流ネットワークが復活するにはまだ時間がかかりそうだ。
 被害が大きかった広島、岡山、愛媛県では被災企業がそれぞれ数百社に上るとみられる。実態把握を急ぎ、地域や業種、個別企業の事情に応じた細やかな対応が行政には求められる。
 中小企業や小規模事業者にとって当面の課題は、事業を継続するための資金となる。事業が停止した状態が長引けば、取引先を失いかねない。自助努力に加え、公的支援も欠かせまい。
 政府は24日に予定する激甚災害の指定を受け、中小企業を対象に債務の返済猶予などの支援策に乗り出す。自治体も低金利で貸し付ける緊急融資や利子補給などに取り組む。
 当面の資金繰りに加え、業績改善に向けた支援にも力を入れたい。災害の影響が長引き、売り上げが落ち込んだままでは、倒産や廃業に追い込まれかねない。広島県が政府に要望しているのが、中小企業の復旧を公費で支援する「グループ補助金」制度の適用だ。
 被災した複数の企業がグループをつくり設備などの資金の支援を受ける仕組みである。東日本大震災が発生した2011年に創設され、熊本地震の際にも一定の成果を上げたという。被災企業は事業継続に向けた課題を明確にし、早期に正常化できるよう踏み出してほしい。
 日を追うごとに拡大している農林漁業関連の被害も深刻だ。農林水産省によると、10日の時点で約70億円だった被害額が、20日には約770億円まで膨らんだ。まだ被害を確認できていない場所も多く、全容把握に至っていない。
 土砂崩れや浸水被害を受けた田畑の復旧には相当な時間と労力を要しそうだ。政府は資金面を中心に当面の支援策をまとめているが、広島県内などには小規模農家が多く、ただでさえ人手が足りない。生産意欲を失わないよう、息の長い相談・支援を続けていく必要があろう。
 地域の経済基盤を支える地場産業が再生しないままでは、復旧、復興もままならない。


災害弱者対策 福祉避難所の積極活用を
 西日本豪雨は高齢者や障害者ら災害弱者の存在を改めて浮き彫りにした。犠牲者の多くは高齢者で、命は助かっても厳しい避難生活を余儀なくされている人が少なくない。
 高齢化が進む中、国は介護が必要になっても住み慣れた地域で暮らし続ける「地域包括ケア」を推進している。災害時も取り残すことなく、支援する取り組みが必要だ。
 広範囲で浸水した倉敷市真備町地区では、犠牲者の多くが住宅の1階や平屋などの屋内で見つかった。1人暮らしで体が不自由な高齢者は、2階や屋上などに避難できなかった可能性がある。
 スマートフォンなどを持たないため、避難指示の情報が十分伝わらず、逃げ遅れたとの指摘もある。国や自治体は今後、情報の伝え方について検証すべきである。
 災害弱者対策は避難生活でも大きな課題となっている。厚生労働省のまとめでは、特別養護老人ホームなど高齢者施設は今回、12府県の230施設が床上浸水などの被害を受け、うち岡山、広島県などの31施設の利用者630人余が19日現在も他の施設などに避難している。
 障害児・者施設も9府県の63施設で被害があり、岡山、広島県の3施設の約40人が避難している。十分な支援に努めてもらいたい。
 さらに案じられるのは、自宅で介護や障害福祉のサービスを受けていた人たちだ。
 避難所の中には高齢者らのスペースを設けるなど配慮している施設もあるが、それも限界があろう。避難生活のストレスで認知症などの症状が進んだり、やむを得ず被災した自宅に戻って孤立したりしている懸念も拭えない。
 こうした一般の避難所で生活が難しい人向けに設けられるのが福祉避難所だ。自治体が高齢者、障害者施設などと事前に協定を結んでいる。
 岡山県内では今回、岡山、倉敷など8市の施設が実際に避難者を受け入れた。被害が大きい倉敷市では22日現在、11施設があり、30人が避難している。
 福祉避難所は阪神大震災を機に必要性が指摘され、制度化された。ところが、2016年の熊本地震では、一般の避難者も福祉避難所に殺到した例があり、存在を積極的に知らせず、保健師らが現場で対象者を判断している自治体が多い。これが利用の進まない一因とされる。
 自治体は巡回で対象者を把握できるとしているが、専門家は「保健師の数は限られる」と周知を求めている。関係機関が連携を強め、きめ細かく被災者のニーズを把握し、積極的に活用してほしい。
 福祉避難所に指定されている老人ホームなどでは職員も被災し、人手不足に陥った施設もある。そもそも介護の現場は慢性的な人手不足に悩んでおり、介護関係のボランティアの受け入れ拡大を求める声もある。災害弱者を守るには広域の連携も大切だろう。


相模原殺傷事件2年を前に追悼式 壇上に19色のやまゆり
 相模原市の知的障害者施設「津久井やまゆり園」で入所者19人が殺害されるなどした事件から26日で2年となるのを前に、同市の相模女子大学グリーンホールで23日、神奈川県主催の追悼式が開かれた。壇上には施設利用者が19色の折り紙で作ったやまゆりの花が供えられ、遺族や職員ら約600人が出席。「あなた方のことは決して忘れない」と犠牲者を悼んだ。
 追悼の辞で家族会の大月和真会長は「事件に屈しないという強い気持ちで毎日暮らしている」とこの2年間を振り返り、入倉かおる園長は「守ってあげられなかった悔恨を胸に、心の中のあなたに語り掛けている」と述べた。


河北抄
 「番ぶら」という言葉があった。昭和30年代から50年代、用もないのに、仙台で一番の繁華街・東一番丁通を若者がぶらぶら歩いて過ごすのを称した。今では全く聞かなくなった。
 火曜日の夕刊に連載中の『仙台・あの日 昭和の一葉』。NPO法人「20世紀アーカイブ仙台」の協力で、そんな時代の人と風景を秘蔵写真で紹介している。
 姉さんかぶりで買い物をするモンペをはいた女性。夕暮れ時、広瀬川に架かる橋を渡るおかっぱ頭の少女−。宮城県北の町で暮らした少年時代、モンペ姿の女の人はまだまだいた。とうに亡くなった祖母の面影とも重なって懐かしい。
 おかっぱ頭の女の子の写真が載った時には、幼なじみの顔が思わず脳裏をよぎって、胸がキュンとなってしまった。昭和に生まれ育った中年男にとって、甘いノスタルジーに浸れる連載だ。
 戦災復興、高度成長、100万都市へと坂道を駆け上がった仙台。「歳月の移ろいに今を重ね、新しい仙台の古里像を見つけてほしい」とアーカイブ仙台は言っている。火曜日の夕刊が楽しみだ。


武勇表現、色鮮やか ねぷた絵師の制作急ピッチ
 青森県弘前市で8月1〜7日に開かれる「弘前ねぷたまつり」が近づき、出陣するねぷたの制作を手掛ける絵師らが、急ピッチで作業を進めている。
 同市の絵師山内崇嵩(しゅうこう)さん(54)は祭りで運行する2団体3台分を担当。17日の色付けでは数種類の筆を使い分けながら、新作「三国志 関羽と黄忠 一騎打ちの図」が描かれた縦約5メートル、横約6.5メートルの和紙を赤や緑など10色で鮮やかに染め上げていった。
 新作は、長沙(ちょうさ)の戦いで、騎乗で黄忠と戦う関羽が自身と互角に渡り合う相手の武勇を認め、落馬した黄忠を討ち取らずに見逃した場面を表現した。
 山内さんは「明かりで照らしたときに、2頭の馬のたてがみがきれいに浮かび上がるよう、色合いを調整した。多くの人に見てもらいたい」と話した。


夏本番「ギャルみこし」大阪 天神祭を前に
 大阪・天神祭を前に、女性80人が担ぐ恒例の「ギャルみこし」が23日、大阪市北区の街を練り歩き、華やかな髪形と法被姿で「わっしょい、わっしょい」とにぎやかに声を響かせた。
 80人は149人の応募者から選ばれた15〜30歳の女性。今年は西日本豪雨の影響で面接審査が中止となり、書類選考のみとなった。体力自慢の女性らを選んだという。担ぐみこしは2基で、重さはそれぞれ約200キロある。
 地元商店会が主催し、今年で38回目。ルートは天神祭が開かれる大阪天満宮や天神橋筋商店街など約4キロ。


君が代訴訟 疑問拭えぬ最高裁判決
 教育現場が萎縮しないか気がかりだ。
 学校の式典で君が代を斉唱する際に起立せず、それを理由に再雇用されなかった東京都立高校の元教諭22人が都に損害賠償を求めた訴訟で、最高裁が元教諭側敗訴の判決を言い渡した。
 再雇用を拒否したのは都教委の裁量権の逸脱・乱用に当たるとして賠償を命じた一、二審判決に比べ、強い疑問が拭えない。
 戦争の記憶などと相まって、君が代や日の丸についてはさまざまな考え方があろう。
 大切なのは異なる意見を認め合うことであり、斉唱や起立を強制したり、処分の対象にすることではないはずだ。
 教育行政も判決を司法のお墨付きと受け止めず、現場の多様性を尊重してもらいたい。
 元教諭は卒業式や入学式で日の丸に向かって起立し、君が代を斉唱するよう求めた学校長の職務命令に従わず、2004〜08年に戒告や減給の懲戒処分を受けた。
 その後、定年退職に伴って再雇用を申請したが、処分を理由に認められなかった。
 最高裁は「職務命令違反は式典の秩序や雰囲気を一定程度損なう。再雇用すれば、元教諭らが同様の違反行為に及ぶ恐れがある」と、都の対応を容認した。
 しかし、「内心の自由」は憲法が保障する権利である。思想や信条に基づく行為に不利益を課す場合、相当の理由や慎重さが求められるのは当然だ。
 一、二審判決がそうした原則を考慮し、「式の進行を妨害したわけではなく、職務命令違反を不当に重く扱うべきではない」と判断したことこそ妥当だろう。
 今回の判決は事の本質から目を背けているのではないか。
 忘れてならないのは、最高裁が過去の同種裁判で積み上げてきた慎重な判断である。
 職務命令は思想、良心の自由を保障する憲法に反するとは言えないとしながらも、間接的な制約と認め、処分は抑制的であるべきだとの考えも示している。
 行政の行き過ぎにクギを刺す狙いがうかがえる。
 今回の判決は従来の枠組みから大きく後退している。
 君が代や日の丸を巡る問題で、教育現場が息苦しくなるようなことがあってはならない。
 子どもたちに多様な価値観が共存する意義を教える。そうした教育を推進するためにも、行政には柔軟な対応が求められよう。


日米原子力協定/これ以上「夢」を追っても
 現在の日本の原発政策を支える日米原子力協定が、30年間の期限を迎え自動延長された。
 原発が「夢のエネルギー」とされたのは、使用済み燃料からウランやプルトニウムを抽出して再利用する核燃料サイクルの実現を見込んでいたからだ。米国は協定で、日本にだけ核燃サイクルの研究開発を認めた。
 しかし重大なトラブルが続き、サイクルはいまだ実現していない。日本が国内外に保有するプルトニウムは約47トンに達する。核兵器に換算すれば6千発分となり、核保有国以外では突出した量だ。
 見果てぬ「夢」のために核兵器の原料となるプルトニウムを蓄えている実態を、国際社会がいつまでも黙認するとは考えにくい。政府は協定延長を現状維持のお墨付きとせず、核燃サイクルを抜本的に見直すべきだ。
 政府は核燃サイクルの中核に、プルトニウムを大量に消費できる高速増殖炉「もんじゅ」を据えていた。しかし商業運転に至らないまま廃炉が決まった。既存の原発では使用量が限られ、再稼動自体も進んでいない。
 政府は新たな高速増殖炉の研究をフランスと進めているが、フランス側は開発費の高騰を理由に大幅な計画縮小を検討しているようだ。「夢」をこれ以上追い求めても、成算はどれだけあるのか。
 自動延長に伴い、今後は日米のいずれかが通告すれば原子力協定が終わることになった。核燃サイクルの命運は事実上、米国が握ったと言っていい。
 核拡散を許さない米国は、日本のプルトニウムに厳しい視線を向けている。流出して核のテロなどに悪用される懸念を抱くのも当然だろう。
 原子力委員会は再処理による発生量を抑えるなど、プルトニウム削減に向けた指針を示す方針だが、実態が大きく変わるとは考えにくい。
 核廃絶に本気で取り組むのなら、政府はまず核燃サイクルを中止する姿勢を明確に示さねばならない。その上で、プルトニウムを少しずつでも減らす具体策を打ち出す必要がある。
 他国から政策変更を求められる事態に陥る前に、自ら原子力政策を見直す。それが被爆国としての日本の責務である。


核のゴミ最終処分 問われる国の覚悟
 「国が前面に立って解決に取り組む」―。原発から出る核のゴミの最終処分地選定を巡り、2014年に国がエネルギー基本計画に盛り込んだ文言だ。今年7月に改定された新しい基本計画にも同様の決意が記されているが、現時点で国の危機感や積極性は感じられない。
 今月、処分地選定を進める原子力発電環境整備機構(NUMO)が、昨年7月に公表された科学的特性マップに関する「対話型全国説明会」を青森市で開いた。一般を対象とする説明会は青森県内では初めてだったが、処分地選定の先が見えない現状に、参加者からは「認識が甘い」「真剣に考えているのか」といった批判が相次いだ。
 県内には六ケ所村に、核のゴミである高レベル放射性廃棄物の一時貯蔵施設があり、原発がある他の道県と状況が異なる。安全協定では30〜50年間貯蔵し、その後は県外に搬出することになっている。
 国は4年前の基本計画で処分地問題の解決に強い決意を示したが、地層処分に適しているかどうか全国を色分けした科学的特性マップを作製した以外に、目立った動きはない。さらに意見交換会などで謝礼を約束して学生を動員する問題が発覚するなど、地層処分に対する国民の信頼は揺らいでおり、県民が不信感を募らせるのも当然だ。
 今回青森で開かれた説明会は、グループに分かれた対話型質疑を除けば、これまで経済産業省が自治体関係者を対象に行ってきた説明会とほぼ同じ内容。NUMO側は「広く、国民に地層処分への理解を深めることが目的」「青森県を最終処分地にはしない」などと繰り返すばかりで、今後の具体的なスケジュールは示さなかった。
 「国が前面に立つ」という姿勢はどこに行ったのか。国は今後、全国で展開する地域ごとの対話型説明会を重ねる中で、自発的に手を挙げてくれる自治体を待つ基本スタンスだが、07年に高知県東洋町がいったん応募し、取り下げて以来、他の自治体から動きはない。地層処分の適地などを記した全国マップを作ったのであれば、次の具体的なアクションを起こすべきではないか。
 国から自治体側に候補地の可能性を探る調査などを申し込めば、地元住民との摩擦は避けられないだろう。当然、強い反発も予想される。処分地の押し付けは論外であり、国は膨大なエネルギーをつぎ込んで、住民に説明し、了解してもらわなければならない。問われているのは国の覚悟だ。


日米原子力協定延長 「破綻」の核燃料サイクル撤退を
 日本の原子力政策の基盤である日米原子力協定が、発効から30年の期限を迎え、自動延長された。原発の使用済み核燃料を再処理してプルトニウムを取り出し、再利用することなどを認めるもので、政策の柱である核燃料サイクル事業をこのまま続けていくことが可能となる。
 核兵器に転用できるプルトニウムについて、日本は平和利用を前提に、非核保有国の中で唯一、利用が例外的に認められている。だが、核燃サイクルが事実上破綻し、国内外にある約47邸核兵器約6千発分に相当するプルトニウムの消費のめどは立っていない。再処理方針を維持し、プルトニウムをこれ以上増やすことは容認できない。国は政策の失敗を認め、核燃サイクル事業から撤退すべきだ。
 核燃サイクルは、資源の乏しい日本で、核燃料を再利用して自前のエネルギーとすることが本来の目的だった。しかし、消費した以上のプルトニウムを生み出す「夢の原子炉」の高速増殖炉原型炉もんじゅは、相次ぐトラブルや東京電力福島第1原発事故を受けて廃炉となった。
 国は、取り出したプルトニウムとウランの混合酸化物(MOX)燃料を普通の原発で燃やすプルサーマルでプルトニウムを減らす考え。だが、再稼働した5原発9基のうち、プルサーマルができるのは四国電力伊方原発3号機など4基にとどまる。MOX燃料は、核分裂反応を抑える制御棒の効きが悪くなるなど、安全性にも懸念がある。
 消費のめどが立たない中、2021年度の完成を目指す青森県六ケ所村の再処理工場が稼働すれば、年間最大8鼎離廛襯肇縫Ε爐取り出され、さらに増える恐れがある。内閣府原子力委員会は、取り出すプルトニウムをプルサーマルで使う量に制限することなどを盛り込んだ新たな指針の検討を進めているがまずは再処理方針を撤回し、政策転換へ歩みだすべきだ。
 そもそも再処理工場はトラブルなどで完成が何度も延期されており、計画通り稼働できるか不透明。工場の使用済み核燃料プールはほぼ満杯で、工場へ搬出できない全国の原発では、使用済み核燃料がたまり続け、新たな貯蔵施設の設置を余儀なくされている。高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分地も決まらないまま。八方ふさがりの現状に目を背けず、今ある使用済み核燃料や核のごみの安全な処分に取り組むことこそが国の責任だ。
 協定は期限がなくなり、今後米国からの通告で一方的に破棄され、再処理ができなくなることも想定される。日本のプルトニウムの扱いに、米国をはじめ国際社会の目は一層厳しくなっていると再認識すべきだ。
 司法判断で運転が差し止められている伊方原発3号機も、明らかに破綻した政策に基づくプルサーマルをこのまま続けていいのか。国や電力会社とともに県など立地自治体も再考しなければならない。


再生可能エネルギーが日本で「主力電源」になり得ない理由
金子 勝:立教大学大学院特任教授・慶應義塾大学名誉教授 
 太陽光や風力などの再生可能エネルギー(再エネ)を「主力電源」にすることを初めて明記した政府の「第5次エネルギー基本計画」は、ひどい欠陥品と言わざるを得ない。
 再エネを「主力電源」にすると言いながら、普及のための具体策はなく、電源に占める比率の目標は低いままだ。一方で「可能な限り原発依存度を低減する」としながら原発は「重要なベースロード電源」だとする。記述は矛盾やゴマカシで満ちていて、これはとても計画とは呼べるものではない。
 これでは世界的な再エネへのシフトというエネルギー転換に日本はますます遅れをとっていくことが懸念される。なぜこうした「無計画」になったのか。それには理由がある。
原発維持の論理矛盾 「依存低減」なのに「ベース電源」
 誰でもわかる論理矛盾から見てみよう。
 まず基本計画は、再生可能エネルギーの普及にかじを切り、原発は「可能な限り依存度を低減する」としながら、「重要なベースロード電源」と位置づけて再稼働を推進するとした。
 基本計画が想定するように、2030年度の原発比率を20〜22%とするなら、約30基も原発を稼働させなければならない。だがそれは、極めて非現実的で、安全無視を前提としなければ達成できない。
 現在、新規制基準の下で再稼働したのは9基で、今後、17基(建設中の3基も含む)がそれに続くというが、現在ある原発を40年で廃炉することを前提とすれば、2030年に動かせるのは全部で18基(建設中を含めたとしても21基)だ。
 しかも、その中には東海地震の震源地に近い浜岡原発3号機、中越沖地震で被災した柏崎刈羽原発4、6、7号機、東日本大震災で被災した女川原発2、3号機なども含まれている。
 それを考えると、結局、2030年時点で30基を動かすには、すべての原発を60年稼働することを前提にしなければならない。経産省・資源エネ庁が福島第1原発事故を真剣に反省しているとは、とうてい思えない。
原発を多く動かす計画で「高コスト」露呈を隠す
「可能な限り原発依存度を低減する」としながら、なぜ、かくも多数の原発を動かすことを前提としなければいけないのか。
「原子力ムラ」の圧力が存在することは容易に想像できるが、論理的にも、そうしないと原発の存立根拠がなくなるからだ。
 現状のモデルプラント方式による原発コストの計算では、福島第1原発の事故処理・賠償費用は「社会的費用」としてコストに乗せられ、最終的には電力料金として国民が負担している。
 動かす原発の基数が少ないと、これが原発1基当たりの発電コストに反映され、原発の発電コストが高くなってしまう。それでは原発が「安いエネルギー」でないことがわかってしまうわけだ。
 他方で、福島第1原発の事故処理費用は、2016年12月9日に、経産省「東京電力改革・1F問題委員会」が11兆円から約22兆円に倍増したと発表せざるを得なくなっている。
 原発の発電コストを低く見せるには、どうしても原発を多く動かさないといけないのだ。
 では、基本計画で原発の新設を記述できなかったのはなぜか。もちろん、住民の反対が根強いことがあるが、それだけではない。
 基本計画は、原発を「運転コストが低廉で変動も少なく、運転時には温室効果ガスの排出もないことから、安全性の確保を大前提に、長期的なエネルギー需給構造の安定性に寄与する重要なベースロード電源である」と述べている。
 ここで注意が必要なのは原発のコストに関して「運転コスト」に記述が限定されている点だ。
 福島第1原発事故以降、原発の新設コストは、世界では少なくとも1基1兆円を上回るようになっているのに、これまで日本では同4400億円としてきた。いま や倍以上の差がある。
 原発の新設を口にしたとたん、原発の発電コストが他のエネルギーより高いことが表面化してしまうからだ。
 このことは、この間、経産省・資源エネルギー庁が進めてきた原発輸出がことごとく失敗している事実について一言も触れていないことと裏表だ。
 世界で原発は「ベースロード電源」どころか過去のエネルギーになりつつある現実を認めたくないからだろう。
やめるにやめられない核燃料サイクル事業
 コストのことでは、さらに隠された「不都合な真実」がある。
 原発はよく「トイレのないマンション」にたとえられるが、基本計画における核燃料サイクルのうそは放置できないところまできている。
 これまで使用済み核燃料を再処理しリサイクルする核燃料政策は事実上、破綻したまま、再処理はイギリス・フランスに依存してきた。そのため、日本が国内外に抱えるプルトニウムの量は原爆6000発分の約47トンに増えてしまった。
 そのことがアメリカから核不拡散という点から問題視された。本来なら核燃料サイクル政策の失敗を認め、政策を断念すべきなのだ。
 ところが、基本計画は「保有量の削減に取り組む」とし、使用済み核燃料から取り出したプルトニウムを再利用する核燃料サイクルを「推進」する方針を継続した。
 だが、問題はプルトニウムの量だけではない。核燃料サイクル政策には膨大な税金や電気料金がつぎ込まれてきた。それは原発コストに含まれていない。この史上最大規模の“無駄遣い”のお金で、本来ならどれ だけの人間が救われたかを考えるべきだ。
 高速増殖炉「もんじゅ」はこれまで1兆円以上を費やしたにもかかわらず、2度の事故を起こしたあげく、稼働しないまま2016年末に廃炉が決定した。廃炉費用にさらに1兆円かかるという。
 2010年に日本原燃が有価証券報告書の公表を止めたために、正確な数値を出しにくいが、六ケ所再処理工場は、1989年の建設申請時に7600億円だった建設費が2.9兆円に膨らんだにもかかわらず、いまだに稼働していない。その間にも人件費や維持費3兆円近くを使っている。
 もんじゅと六ケ所再処理工場で、八ッ場ダム十数個分の税金や電気料金をドブに捨てているのである。もし核燃料サイクル政策をやめれば、これらの8兆円近い無駄遣いが露呈する。
 それだけではない。使用済み核燃料は、電力会社にとって、「原料」となる「資産」から膨大な費用のかかる「経費」や「負債」になり、原発は超高コストなエネルギーであることが露見する。
「安い」「ベースロード電源」といううそが白日の下にさらされてしまうのだ。
再エネの普及を妨げる壁 世界はエネルギー転換進む
 一方で、基本計画は、世界の流れに抗しきれず、地球温暖化対策のパリ協定発効を受けて、再生可能エネルギーの「主力電源」化をめざす方針を初めて打ち出さざるを得なくなった。
 実際、再エネのコスト低下はめざましい。米国エネルギー省によれば、2013年末に太陽光の発電コストが11.2米セント/kWh(約11円/kWh)になり、米国の電力料金の平均価格12米セント/kWhを下回った。
 2017年10月に発表された、サウジアラビアの北部サカーカに建設予定の300MW太陽光発電所の8件の入札結果では、2〜3円/kWhという驚異的な価格低下が起きている。発電能力だけを見れば、世界では2015年末に風力発電が原子力を上回った。
 いままで経産省・資源エネ庁は、再エネは高いと普及に力を入れてこなかったが、そのことが世界から日本が取り残される結果をもたらしているのだ。
 小規模分散型エネルギーの時代は、地域の住民に広く投資機会を提供する。もはや大手電力会社が地域独占の上にあぐらをかき、利益を吸い上げる時代は終わりを告げようとしている。
 だが、基本計画を読んでも、政府は本気で再エネを普及させる気があるとは思えない。
 政府は30年度の電源構成に占める比率を「22〜24%」にする目標を掲げているが、ドイツは2030年に50%以上、フランスは2030年に40%、スペインは2020年に40%、イギリスは2020年に31%にする目標を掲げている。諸外国に比べて、日本の目標は著しく低い。
 しかも日本の場合、目標に掲げる再エネの比率の半分の約8.8〜9.2%はすでに存在する一般水力発電が含まれている。
 それを除くと、2030年時点では、太陽光は7%、風力は1.7%、バイオマスは3.7〜4.6%の比率にすぎないのだ。
 完全に、世界のエネルギー転換から取り残されます、と公言しているようなものだ。
原発優先の電力会社 送電線の開放「20%未満」
 では、なぜ日本で再エネの普及が遅れているのか、そしてなぜ政府は本気で普及させるつもりがないのか。
 基本計画は、再エネが普及しない原因を「発電コストの海外比での高止まりや系統制約等の課題がある」、あるいは「天候次第という間欠性の問題ゆえに火力・揚水等を用いて調整が必要」などの理由を挙げている。
 再エネが、なぜ海外と比べてコストが高いのか。理由は簡単だ。再エネは普及すればするほど、コストが低減する「規模の経済」が働く。それは、電卓や液晶テレビの価格低下と似ている。
 つまりコストが高いのは、経産省と電力会社が原発にこだわり、再エネの普及に本腰を入れていないからだけの話なのだ。
 基本計画は、再エネを決まった価格で電力会社が買い取る固定価格買い取り制度(FIT)を「2020年度末までの間に抜本的な見直しを行う」としているが、これは問題のすり替えだ。
 まるで発電事業者のコスト削減努力が足りないから買い取り価格が高くなり、電力会社が積極的に買わないかのように原因をすり替えている。
 本当の原因は、基本計画もあげている「系統制約等の課題」なのだ。
 再エネの発電量が増えても電気を需要家まで届けるには、送配電網の能力が伴わないと、普及しようがない。
 実際、日本では、大手電力会社が基幹送電線の空き容量がないことを理由に、再エネの発電事業者の接続を拒否する事例が相次いでいる。また再エネ事業者に法外な「送電線の工事負担金」を要求する事例も多い。それが再エネの普及を妨げているのである。
 だが、本当に基幹送電線に「空き容量」はないのだろうか。
 2018年1月29日付の朝日新聞デジタルによれば、京都大学大学院経済学研究科特任教授の安田陽氏と山家公雄氏の試算では、基幹送電線の利用率は19.4%と20%未満であり、10%未満のものもあることが明らかにされている。
 地域分散ネットワーク型の送配電網の構築が不十分であり、ピーク時に対応したバックアップ用の予備回線が必要なことを考慮しても、この利用率は低すぎる。
 電気事業連合会の勝野哲会長は17年11月の会見で、送電線に余裕があるのに再エネが接続できない状況を指摘されると、「原子力はベースロード(基幹)電源として優先して活用する」と言っている。
 再エネの普及を妨げているのは、電力会社が不良債権化している原発の再稼働を最優先しているためなのである。
 この問題に対しても、基本計画は、「系統の空き容量を柔軟に活用する『日本版コネクト&マネージ』を具体化し、早期に実現する」と書いているだけだ。つまり「具体性」のある解決策は提示していない。
「電力大改革」が不可欠 発送電の所有権分離を
 日本のエネルギー転換が決定的に遅れているすべての問題は、現行の中途半端な「電力改革」のあり方に行き着く。原発依存から抜け出せず、再エネが普及しない問題の根本原因もここにある。
 現在、2020年4月の発送電分離に向けて、2段階の「改革」を実施されてきたが、2つの根本的欠陥を抱えている。
 ひとつは、2015年4月に設立された電力広域的運営機関、2015年9月に設立した電力取引監視等委員会(2016年4月に電力・ガス取引監視等委員会に改称)の独立性の問題だ。
 いまひとつは、2016年4月に実施される発送電分離「改革」が法的分離にとどまる点だ。
 法的分離とは、いまの電力会社の経営形態を、持ち株会社方式にして、持ち株会社の傘下に発電会社と送配電会社を置く方式のことだ。これに対して、発電会社と送配電会社を完全に分離する方式を所有権分離という。
 では、なぜ発送電分離が法的分離にとどまったのか。
 もし本格的な所有権分離を行えば、原発という不良債権を抱えた発電会社は経営が立ち行かなくなるとともに、電力の地域独占が崩れるからだ。
 逆に言えば、法的分離にとどまれば、持ち株会社は傘下の発電会社が潰れないようにし、地域独占を守るために、発電会社の不良債権化した原発で発電されたエネルギーを優先的に買うように経営することが可能になる。
 これでは再エネは普及せず、ますますエネルギー転換から立ち遅れてしまう。
 発送電を所有権分離の方式でやるべきなのだ。
 つぎに、電力広域的運営機関と電力・ガス取引監視等委員会の中立性を高めるために、国会の承認を必要とする独立機関にすべきである。
 発送電の所有権分離によって独立性を増した送電会社に関して、これらの独立機関が、再エネを優先的に接続するように促すのである。
 本当に再エネを「主力電源」化し、世界的なエネルギー転換への遅れを取り戻すには、既得権益中の既得権益である「原子力ムラ」を解体する電力大改革が必須なのだ。


脇雅史氏が自民批判「政党さえ勝てばいいでは国が終わる」
「1票の格差」是正に向けた参院選挙制度改革をめぐる自民党提出の公職選挙法改正案が18日、衆院で可決、成立した。「埼玉選挙区の定数2増」「比例代表定数4増」「比例名簿に特定枠を設ける」という自民党案に対し、参考人として出席した9日の参院政治倫理確立・選挙制度特別委員会(倫選特委)で「選挙制度は国民のためにある。自民党のためではない」とバッサリ切り捨てたのが、元自民党参院幹事長・脇雅史氏だ。2013〜14年に与野党でつくる参院選挙制度協議会の座長を務め、22府県の選挙区を11に再編する独自案を示した参院選挙制度の“専門家”の目に古巣の改正案はどう映ったのか。
■抜本策を作るという法律を作らない自民党
  ―――まずは参院選の「1票の格差」問題をどう見ていますか。
「1票の格差」問題については、以前から国会で問題視する声が出ていたけれども、あまり本気で対応してきませんでした。ところが、2012年10月、最高裁が10年の参院選の「1票の格差」を「違憲状態」と判断した。これを受け、さすがに制度を変えないといけないという空気が国会で強まったわけですが、次の参院選(13年7月)までは8〜9カ月しかなかったため、抜本改革は無理だろう、と。そこで当面の是正策として「4増4減」という、ほんのちょっとの格差是正をした。そして改正公選法の付則で、16年の参院選までには「制度の抜本的な見直し」「結論を得る」と明記したのです。つまり、国会にとって参院選挙制度の抜本的改革は「責務」となったわけです。
  ――国会は「1票の格差」是正に必ず取り組まなければならないとなったわけですね。
 そうです。ところが自民党は相変わらず、「そんな必要はない」「最高裁なんか関係ない」という姿勢でした。しかし、15年の法改正に向けて公明党や当時の民主党が10カ所の「合区」を提案すると、このままだと「10合区案」が成立するかもしれないと慌てたのでしょう。自民党は少数野党と組んで現行の「2合区10増10減」という案を出して押し切ってしまった。筆頭与党のリーダーシップを発揮したわけではありません。自分たちにとって都合の悪い案が出てきたので、場当たり的に対応したに過ぎません。そして、抜本的な見直しについては先送りして、付則の「結論を得る」に「必ず」を付け加えただけ。倫選特委でも指摘しましたが、抜本的な解決策を出す、という法律を自ら作っておきながら、それを守らなかったのです。まったくひどい話で、私から見れば(自民党議員は)国会議員の資格がないと思いますね。
  ――参院選挙制度協議会の座長時代、改革に後ろ向きな参院自民党を「死んだも同然」と批判していました。
 自分たちで作った法律を守らないことに対する罪の意識もなければ、恥とも感じていない。だから、まともに生きてる人間ではないだろうという意味を込めて言ったのですが、それでも生きているのだから、ゾンビです。ゾンビになってよりひどいことをやっている。
  ――今回の自民党案のことですね。
 ドサクサ紛れで作った現行法は付則に「制度の抜本的見直し」が明記されていて、それ自体が抜本策ではないと認めているわけですが、(前回の法改正の時と)今回は少し状況が変わりました。昨年9月に最高裁が(合区が導入された)16年7月の参院選を「合憲」と判断したためです。要するに、ドサクサの現行法が「合憲」になったわけで、そうであれば今、慌てて法律を変える必要はありません。変えるのであれば、どう抜本改革に取り組むのかという国の基本的な理念、考え方を国民に示した上で行うべきです。
  ――しかし、今回の自民党案はそうではない。
 提案理由で行政監視のために比例代表を増やす、などとありましたが、国会議員を4人増やせば、今よりも行政監視の機能が高まると言いたいのでしょうか。人数を増やさなくても行政監視は与党がきちんと対応すれば済む話です。例えば森友問題で国会答弁に立った佐川宣寿理財局長(当時)に対し、与党議員が「いい加減な答弁をするな」と厳しく迫った場面がありましたか。皆、官邸の顔色をうかがい、追及するどころか「何もしていませんよね」と同意を求める追従発言ばかりでした。与党がしっかりしていれば、ああいうふざけた答弁にならなかったはず。今の与党議員に本気で行政を監視する気があるとは到底、思えません。
国権の最高機関である立法府がムチャクチャに
  ――地域代表が大事だとも自民党は説明しています。
 好き勝手言っているとしか思えません。大体、国会議員が地域代表だけでよいはずがない。その(選挙区の)地域のことだけ考えるなんて本質的に考えておかしいでしょう。国会議員は国のために尽くすのです。地域で抱えている問題があれば、全国共通の問題として引き上げて解決しなければならない。自分の地域さえ良くなればいいということではないのです。
  ――あらためて抜本改革に程遠い内容だと強く感じたわけですね。
 自民党が国家や国民のためになると真剣に考えた上で提案したのであれば理解できますが、何らスジが通っていない。そもそも「抜本改革」と言いながら、一方では、安倍首相が6月の党首討論で(自民党案は)「臨時的措置」と説明しているのです。全く整合性が取れていません。法律を作る立法府が、そんないい加減なことで許されるのか。もうムチャクチャです。
  ――世論や野党の批判を無視して改正法成立を急いだ自民党の本音はどこにあると思いますか。
 来年の参院選を乗り切るため。合区の「島根・鳥取」「徳島・高知」で立候補できない現職の救済策以外の何物でもないでしょう。本来は候補者調整すれば済む話なのに、それをしないし、できない。そのために比例を用意します、しかも順番をつけて特定枠も設けますと。とんでもない発想です。自分の政党さえ勝てばいい。多数議席を持ってるからいいという考え方では、国が終わってしまいます。この方法だと、例えば自民党に対する世論批判が全国で高まり、選挙区で自民党候補が全滅しても、特定枠の候補者だけは必ず当選することになる。選挙というのは民意を反映するために行うのであって、民意によらない結果が出ることになるのです。一体、何のための法改正なのか。国民はもっと怒らなくてはいけないと思います。
■責任が「ある」と「取る」を勘違いしている安倍政権
  ――小選挙区で落選しながら比例復活する衆院議員と同じですね。
 衆院の重複立候補は、小選挙区制を導入する際の臨時措置だったはずですが、まだ続いている。小選挙区、比例の並立立候補を禁止し、それぞれの選挙をきちんと通った議員が当選していれば、国会の姿も今とは違っていたかもしれません。しかし、現実は(比例復活の)ゾンビ議員を許している。こんなバカな制度をいつまで続けているかと思いますね。今の国会議員は与野党問わず、国民にとってどんな選挙制度がいいのかということを本気で考えていない。自分たちにとって使い勝手がいい互助会制度と考えているのではないか。今ほど国会議員の質が悪くなったことは過去に例がないと思います。
  ――確かに今の安倍政権下では国会議員の劣化が目立ちます。
 その安倍首相自身が物事の意味をきちんと理解した上で発言していない。言葉を大事にしていないとも言えますね。衆議院の選挙制度についても、かつて安倍首相は「合憲になると思う」と発言していました。本当に合憲になるのかと問われると、3回も「合憲になる」と言ったのです。ところが、その直後に裁判所で「違憲判決」が出ました。ふつうは、こういう理由で合憲と思っていたが、結果として間違えたのだから責任を取る、というのが当然でしょう。しかし、一言もありませんでした。彼は責任は私にありますとよく言うが、責任が「ある」と「取る」の意味はまったく違います。ところが、彼は責任があると言った途端、なぜか責任を取ったと勘違いしている。国権の最高機関である立法府がそんな格好でむちゃくちゃやってるから、日本全体の道徳観念が衰えるのも当然かもしれません。(聞き手=本紙・遠山嘉之)
▽わき・まさし 1945年、東京都生まれ。東大工学部卒。建設省道路局国道第二課課長、同河川局河川計画課課長、近畿地方建設局局長などを経て、98年の参院選に自民党から比例代表で出馬して初当選。党参院幹事長、国対委員長、参院政治倫理審査会会長などを歴任した。2015年、参院選挙制度改革をめぐり自民会派を離脱。16年参院選には出馬せず引退(当選3回)。


安倍政権にYESかNOか、党員に問う
 ★国会会期末の22日、岡山県の災害視察をした立憲民主党代表・枝野幸男が訴えた。「本腰を入れた対応をさらに進めていかないと、被災者の生活の立て直しは簡単なものではないと受け止めた。県なども思い切って専決で補正予算を組んだが、裏付けとなる財源がないと、安心して思い切った支援態勢がつくれない。できるだけ早く、(国で)補正予算を組む段取りに入り、臨時国会を召集して、成立させるプロセスに入らなければならない」。 ★同日、首相・安倍晋三も声を上げた。「なりわいの再建は待ったなしだ。多くの農林漁業者、中小・小規模事業者が事業再開への気力を失いかねない、厳しい現実がある。1日でも早く手を打たなければならない」。18年度予算の予備費など約4000億円を活用し、生活再建に向けた対策パッケージを早急に取りまとめるよう非常災害対策本部に指示し、あくまで予算内で処理する考えを示した。 ★復興復旧も大切だが、自民党は9月の党総裁選に突入した印象が強い。元幹事長・石破茂は21日、出馬表明は「しかるべき時期に判断する」とし、党政調会長・岸田文雄は同日、「適切な時期に判断する。首相の表明の時期も勘案すべきことの1つではないか」と、来月下旬以降を示唆した。とはいえ石破は「人口が減る状況にあって、地方の人々に経済の好転を実感してもらうかだ」とし、「地方創生」のあり方が最大の争点になるとの考えを示した。 ★首相は20日の会見で「憲法改正は立党以来の党是であり、自民党の長年の悲願。候補者が誰になるにせよ、次の総裁選においては、当然、候補者が自分の考え方を披歴する大きな争点になると考えます」と、憲法改正論議の争点化を望んだ。しかし本当の争点は、こんな政権運営をしている自民党自身が、この政権を正しいのかを問うものではないのか。これでいいと思うのなら、総裁選自体の意味が分からなくなる。党員もマヒしているのか。

政治資金から「利息」 自民・穴見議員のトンデモ“錬金術”
 受動喫煙対策を巡る国会審議中、参考人として出席した肺がん患者の発言中に暴言ヤジを飛ばした自民党“魔の3回生”穴見陽一衆院議員(48)。日刊ゲンダイは、6月22日発売号で「穴見議員 政治資金“還流”疑惑浮上」と報じた。
 穴見氏が代表の資金管理団体の収支報告書(14〜16年分)を調べたところ、団体が穴見氏から借金し、その返済とは別に「利息」を穴見氏本人に支出したという不可解なカネの動きがあったからだ。穴見事務所は日刊ゲンダイの質問に「法定の記載事項以上の詳細に関しては回答していない」と、ダンマリを決め込んだ。
 そこで日刊ゲンダイは6月末、穴見氏の地元・大分県の選挙管理委員会に対し、資金管理団体と政党支部の収支報告書に添付された領収書コピーの開示を請求。今月17日に開示された領収書コピーを見ると、さらに不可解な事実が浮かび上がった。
 例えば、14年5月9日付の「利息」受領の領収書。宛名に支出者である資金管理団体の名称があり、金額は10万円の記載。受け取り側には「会社名:穴見陽一」と記され、本人の自宅住所が記されている。資金管理団体は14〜16年に各40万〜44万5000円、政党支部は14年に58万円、15年に45万円を「借入利息」などとして穴見氏本人に支出。38枚もの領収書は全て同じ形式で印字されている。
「穴見陽一」という個人名を会社名にして、何十枚も領収書を出して自分の資金管理団体から利益をもらうなんて、どう考えてもおかしい。まるで“錬金術”だ。改めて穴見事務所に問い合わせたが、返答はなかった。
「利息の支払先が会社法人とは思えない穴見氏本人になっているとは、不可解です。そもそも、資金管理団体や政党支部が、借金しなければ資金繰りに困る状態ならば、利息など支払うこと自体がおかしい。原資の一部に税金が含まれる可能性もあるので、法的瑕疵がなくとも控えるべきでしょう。少なくとも、利息を議員本人に支出した理由は説明すべきです」(政治資金に詳しい神戸学院大教授・上脇博之氏)
 さすがは“魔の3回生”である。


MFエジルがドイツ代表引退 トルコ系、人種差別を理由に
 【ベルリン共同】サッカーのドイツ代表MFメスト・エジル(アーセナル)が22日、代表引退を表明した。29歳のエジルはトルコ系。ワールドカップ(W杯)ロシア大会前にトルコのエルドアン大統領と一緒に写真を撮ったことで、ドイツ国内で批判を受けていた。
 エジルは長文の声明を自身の公式ツイッターで公開し、エルドアン大統領との写真には政治的意図はなかったと説明。一方で、移民としてドイツ社会に受け入れられていないとの心境をつづり「人種差別は受け入れられない。これ以上ドイツ代表のユニホームを着たいとは思わない」とした。
 エジルは、14年のW杯ブラジル大会優勝に貢献した。


受動喫煙防止 法改正てこに意識改革を
 たばこを吸わない人が、その煙を吸うことで健康被害を受ける。望まない受動喫煙の防止に向けて着実な環境整備を進めるとともに、社会の意識変革にもつなげたい。
 受動喫煙対策の強化を狙った改正健康増進法が成立し、東京五輪・パラリンピック開催前の2020年4月に全面施行される。多くの人が集まる建物内を罰則付きで原則禁煙とする初めての法律だ。
 計画ではまず病院や学校、保育園、行政機関が、来年夏をめどに屋内完全禁煙となる。20年4月からは飲食店や職場、ホテルのロビー、船、鉄道などが原則禁煙になる。
 受動喫煙のリスクが叫ばれる中、病気の人や子供たちをたばこの害から守るのは極めて当たり前のことだ。
 非喫煙者の被害を防ぐ観点から、不特定多数の人が集まる場所でルールを設けることも欠かせない。
 一方で、改正法の内容については「規制は骨抜き」との強い批判がある。例外規定が存在するためだ。
 資本金が5千万円以下で客席面積が100平方メートル以下の既存飲食店は「例外」扱いとなり、店頭に「喫煙可」などと表示すれば経過措置として店内での喫煙を認める。
 加熱式たばこも規制の対象だが、健康への影響が明らかでないとして紙巻きたばこに比べて緩くなった。加熱式専用の喫煙室を設けて分煙すれば、飲食しながらの喫煙が可能だ。
 例外規定により、飲食店の55%で喫煙が認められるとの試算もある。対策の実効性を見極めながら、規制の在り方を見直していく必要もあろう。
 ただし、十分でない面があるとはいえ、法改正が実現した意義は小さくないはずだ。
 20年の五輪開催を控える東京都では6月、国よりも厳しい独自の受動喫煙防止条例が成立している。
 都の条例成立に続いて国の法律も改正され、他の自治体でも条例によって規制を導入する動きがこれから拡大していくことが予想される。
 飲食店の禁煙など身近な場で受動喫煙対策が広がれば、リスクを認識する人が増え、社会全体の理解と意識改革が一層進むことも期待できる。
 記憶に新しいのは、6月の衆院厚生労働委員会に参考人として出席し受動喫煙の被害実態を訴えた肺がん患者に、自民党の穴見陽一議員が「いいかげんにしろ」と暴言を吐き、批判を浴びたことだ。
 国会議員にあるまじき発言であり非難されるのは当然だ。同時に穴見氏への批判は、非喫煙者や受動喫煙被害者に思いの至らない喫煙者にとって重要な教訓を含んでいるともいえる。
 受動喫煙の被害を懸念する人を無視するような喫煙者側の身勝手は許されないことを、改めて肝に銘じなければならない。
 たばこの害を防ぎ、命と健康を守る。そのための社会的機運をさらに高めたい。


国会閉幕 行政監視を果たさぬ惨状
 通常国会が幕を閉じた。22日の会期末を前に与党は先週末、野党6党派が提出した内閣不信任決議案を否決しカジノを含む統合型リゾート施設(IR)整備法案を参院本会議で可決、成立させている。
 今回も多くの法案が審議の深まりを欠き、疑問を残したまま成立した。森友、加計学園問題をはじめ、政権の不祥事や疑惑の解明はうやむやに終わっている。
 三権分立の下、行政をチェックすることが求められるのに責任を果たしていない。国会の惨状に各党は危機感を持つべきだ。
<参院定数増の横暴>
 政権が最重要と位置付けた働き方改革関連法案などを巡り与党は野党の反対を押し切り、採決の強行を繰り返した。ここ数年、国会のたびに見せられる光景だ。
 とりわけ乱暴だったのは、参院の定数を6増やす公選法改正である。比例代表で定数を4増やすとともに、当選する順番をあらかじめ決める「拘束名簿式」の特定枠を設けられるようにする。6月に自民党が唐突に提案した。
 2016年の参院選で導入した合区選挙区の「鳥取・島根」「徳島・高知」で選挙区に擁立できない候補を特定枠に載せ、救済しようという狙いがある。あからさまな党利党略の法案だった。「1票の格差」の是正に向けた抜本改革とは懸け離れている。
 参院の定数増はこれまで、沖縄の本土復帰に向けて選挙区を新設した例しかない。公明党や野党が対案を出したにもかかわらず、自民は10時間ほどの審議で決着させた。与野党の幅広い合意をつくる努力は最初から放棄した形だ。
 多数党が自らに都合よく選挙制度を変えるようでは、民主主義の土台が崩れる。
<軽視される立法府>
 カジノ法など成立した法律には不透明さが残っている。IRについて政府が政省令で定めるルールは331項目に上る。国際会議場やホテルの規模、カジノゲームの種類、カジノ業者が金銭を貸し付けられる「富裕層」の定義などはこれから決める。
 働き方改革も同様だ。一部の専門職を労働時間規制の対象から外す高度プロフェッショナル制度の導入要件など約60項目を省令で定める。国会で厚生労働相は「労働政策審議会で議論して決めていただく」と質問をかわした。
 制度の詳細が分からないのでは論議の深めようがない。肝心な点が国会の関与なしに決められることになる。政府の裁量の余地が広い法律の在り方は問題だ。
 森友、加計問題は依然、真相がはっきりしない。森友を巡って財務省の決裁文書改ざんが発覚するなど、国会を軽んじる政府の姿勢も浮かび上がらせた。
 財務省の調査によると、改ざんは理財局長だった佐川宣寿前国税庁長官が方向性を決定付けた。国会審議が紛糾するのを回避するために行ったという。改ざんとともに、森友側との交渉記録の廃棄も進めていた。官僚が国会を欺く前代未聞の不祥事である。
 佐川氏は局長当時、交渉記録を廃棄済みと述べていた。なぜ事実と異なる答弁をしたのか。改ざんを巡る証人喚問では「刑事訴追の恐れ」を理由に核心部分は答えなかった。「うみを出し切る」とした安倍晋三首相は公文書管理の在り方に論点をすり替えている。
 加計問題での柳瀬唯夫元首相秘書官の答弁も不誠実だ。獣医学部を巡り関係者と「記憶の限りでは会っていない」としていたのに参考人招致で学園側との面会を認めた。過去の答弁は県や市の職員との面会しか聞かれなかったためと開き直りのような釈明をした。
 森友、加計ともに問われているのは公平、公正であるべき行政がゆがめられたのではないかという点だ。相次ぐ不祥事には、国民全体の奉仕者としての責務を忘れた官僚組織の劣化が垣間見える。
<改革は待ったなし>
 首相「1強」の政治状況が続いている。加計問題では「総理のご意向」などと記した文書が残されていた。
 14年に内閣人事局が発足し、中央省庁の幹部人事を官邸が決める仕組みになった。首相周辺の意を酌んで動く傾向が省庁で強まっている可能性も考えられる。
 官邸主導が強まる中、行政を監視する国会の役割は重みを増している。政府の方針を追認するばかりでは存在意義を問われる。国会改革は待ったなしの課題だ。
 会期末近くに動きがあった。小泉進次郎自民党筆頭副幹事長らによる超党派の「平成のうちに衆院改革実現会議」は党首討論の2週間に1回の定例開催などを盛った提言をまとめた。立憲民主党は党首討論を2時間程度に延長するといった提言を決定している。
 かみ合わない質疑で時間だけを積み上げ「審議は尽くされた」と採決に踏み切る国会運営、不祥事の追及に時間を取られて政策論議が深まらない現状など問い直す点は多い。このありさまを有権者は記憶にとどめるべきだ。


公文書管理見直し/政治家の意識改革を
 財務省による学校法人「森友学園」を巡る決裁文書の改ざんや、防衛省・自衛隊の派遣部隊の日報隠蔽(いんぺい)問題を受けて、政府は公文書管理の在り方を見直し、再発を防止する対策をまとめた。
 各府省庁の文書管理に対する内閣府の監視権限の強化や電子決裁システム移行の加速化などが柱だ。改ざんのような悪質な事案には免職を含む懲戒処分を行うよう人事院で検討することも盛り込んでおり、適正な文書管理に向けて一定の効果はあるだろう。
 だがいずれも対症療法であり、保存すべき公文書の定義の見直しなど公文書管理法の改正には踏み込まなかった。外部のチェックが入らない仕組みで抜本的な対策となるのかは疑問だ。
 今回の事案を受けて、何よりも求められるのは、政治家の側の意識改革だろう。財務省の文書改ざんは、政権への官僚の忖度(そんたく)が招いたのではないか。日報隠蔽では防衛相の指導力不足が指摘される。そして提出された文書の改ざんで侵されたのは「国権の最高機関」である国会の権威であり、行政監視の権能だ。
 安倍晋三首相は再発防止策をまとめた閣僚会議で「危機感を持って再発防止に全力を尽くす」と述べた。だが一連の事案に対して国会や内閣が本当に厳しく対処し、政治家がきちんと責任を取る姿勢を示しただろうか。
 公文書管理法は、公文書を「健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源」と位置付け、国民主権の理念」に基づき「現在および将来の国民に説明する責務」を全うするために適正に管理・保存するよう定めている。改ざんなどは議会制民主主義の土台を揺るがす重大な事態であることを政治家の側が再確認し、官僚を指導すべきだ。
 政府の再発防止策は、公文書に関する法令順守のための改革として、職員研修の強化、人事制度、体制強化などを列挙。内閣府で特定秘密保護法の運用状況を点検する独立公文書管理監を局長級に格上げし、事務局として「公文書監察室(仮称)」を設置。常時監視の体制とし、各府省庁にも「公文書管理官室(仮称)」を新設する。
 研修は各府省庁の公文書担当幹部や、新規採用職員にも実施。公文書の管理状況を職員の人事評価に反映させ、昇進や給与に影響させる。
 しかし課題は多い。一つ目は政府内部の監視で本当に機能するのかという点だ。識者の多くは、会計検査院のように独立した第三者機関を設置すべきだと指摘する。大幅な人員を充てるのが難しければ、国立公文書館の権限・機能の改編も検討すべきだ。
 二つ目は公文書の定義だ。公文書管理法は対象とする文書を「職員が組織的に用いるもの」とし「組織共用」に限定している。このため政策決定過程の検証上重要な文書が職員の「個人的メモ」として作られれば公文書として扱われなかった。公文書の定義を広げる法改正は不可欠だ。
 立憲民主党など野党は、公文書改ざんに対する罰則規定を新設する改正案を提出している。ただ罰則規定によって官僚が文書を残さなくなる懸念も指摘される。政府の再発防止策は懲戒処分を明示する方向で人事院で検討するとした。実効性のある処分指針の策定を急ぐよう求めたい。


公文書管理見直し 政治家こそ意識改革を
 財務省による学校法人「森友学園」を巡る決裁文書の改ざんや、防衛省・自衛隊の派遣部隊の日報隠蔽(いんぺい)問題を受けて、政府は公文書管理の在り方を見直し、再発を防止する対策をまとめた。
 各府省庁の文書管理に対する内閣府の監視権限の強化や、電子決裁システムへの移行の加速化などが柱だ。改ざんのような悪質な事案には免職を含む懲戒処分を行うよう人事院で検討することも盛り込んでおり、適正な文書管理に向けて一定の効果はあるだろう。
 だがいずれも対症療法であり、保存すべき公文書の定義の見直しなど公文書管理法の改正には踏み込まなかった。外部のチェックが入らない仕組みで抜本的な対策となるのかは疑問だ。
 今回の事案を受けて、何よりも求められるのは、政治家の側の意識改革だろう。財務省の文書改ざんは、政権への官僚の忖度(そんたく)が招いたのではないか。日報隠蔽では防衛相の指導力不足が指摘される。そして提出された文書の改ざんで侵されたのは「国権の最高機関」である国会の権威であり、行政監視の権能だ。
 安倍晋三首相は再発防止策をまとめた閣僚会議で「危機感を持って再発防止に全力を尽くす」と述べた。だが一連の事案に対して国会や内閣が本当に厳しく対処し、政治家がきちんと責任を取る姿勢を示しただろうか。
 公文書管理法は、公文書を「健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源」と位置付け、「国民主権の理念」に基づき「現在および将来の国民に説明する責務」を全うするために適正に管理・保存するよう定めている。改ざんなどは議会制民主主義の土台を揺るがす重大な事態であることを政治家の側が再確認し、官僚を指導すべきだ。
 政府の再発防止策は、公文書に関する法令順守のための改革として、職員研修の強化、人事制度、体制強化などを列挙。内閣府で特定秘密保護法の運用状況を点検する独立公文書管理監を局長級に格上げし、事務局として「公文書監察室(仮称)」を設置。常時監視の体制とし、各府省庁にも「公文書管理官室(仮称)」を新設する。
 研修は各府省庁の公文書担当幹部や、新規採用職員にも実施。公文書の管理状況を職員の人事評価に反映させ、昇進や給与に影響させる。
 しかし課題は多い。一つ目は政府内部の監視で本当に機能するのかという点だ。識者の多くは、会計検査院のように政府から独立した第三者機関を設置すべきだと指摘する。行政改革の観点から大幅な人員を充てるのが難しければ、国立公文書館の権限・機能の改編も検討すべきではないか。
 二つ目は公文書の定義だ。公文書管理法は対象とする文書を「職員が組織的に用いるもの」と定義、「組織共用」に限定している。このため政策決定過程の検証上重要な文書が、職員の「個人的メモ」として作られれば公文書として扱われなかった。公文書の定義を広げる法改正は不可欠だ。
 立憲民主党など野党は、公文書改ざんに対する罰則規定を新設する公文書管理法の改正案を提出している。ただ罰則規定によって官僚が文書を残さなくなる懸念も指摘される。政府の再発防止策は懲戒処分を明示する方向で人事院で検討するとした。実効性のある処分指針の策定を急ぐよう求めたい。(共同通信・川上高志)


杉田水脈議員のLGBT差別発言は自民党公認! 安倍首相は差別発言まき散らす杉田を「素晴らしい!」と絶賛
 自民党・杉田水脈衆院議員が大きな批判を集めている。問題は、現在発売中の「新潮45」(新潮社)8月号に寄稿した『「LGBT」支援の度が過ぎる』という文章が発端となって起こった。
 杉田議員は文章のなかで〈子育て支援や子供ができないカップルへの不妊治療に税金を使うというのであれば、少子化対策のためにお金を使うという大義名分があります〉とした上で、LGBTにこう言及するのだ。
〈LGBTのカップルのために税金を使うことに賛同が得られるものでしょうか。彼ら彼女たちは子供を作らない、つまり「生産性」がないのです。そこに税金を投入することが果たしていいのかどうか〉
 子どもをつくらない=生産性がないから税金を投入するのは問題。──この主張は、明確にLGBTに対する差別だ。
 あらためて言うまでもなく、憲法では〈すべて国民は、個人として尊重される〉と謳われている。この国に生きるすべての人は独立した個人であり、どんなセクシュアリティをもっていても、あらゆる人が基本的人権を有する者として社会的保障や支援を受ける権利があり、性的指向や性自認によって差別することはけっして許されない。にもかかわらず、子どもをつくらないことを「「生産性」がない」などと言い、為政者が税金を投入することに疑義を呈するというのは、完全に差別を助長するものだ。
 そして、この「生産性」という言葉は子どもの有無にかぎらず、杉田議員の文脈では、さまざまな理由から働くことができない人や障がいをもつ人などにも当てはまるだろう。こういった主張の行き着く先は「弱者に権利を与えるな」「国の役に立たない者に生きる価値はない」という極論であり、相模原事件のようなジェノサイドをも煽動しかねない。そんな危険性を大いに孕むものだ。
 このような杉田議員の主張に批判が高まるのは当たり前の話であり、もっとメディアも問題視して当然だと思うが、だが、そんななかで杉田議員は、さらにとんでもないことを言い出したのだ。
〈自民党に入って良かったなぁと思うこと。
「ネットで叩かれてるけど、大丈夫?」とか「間違ったこと言ってないんだから、胸張ってればいいよ」とか「杉田さんはそのままでいいからね」とか、大臣クラスの方を始め、先輩方が声をかけてくださること。〉
〈LGBTの理解促進を担当している先輩議員が「雑誌の記事を全部読んだら、きちんと理解しているし、党の立場も配慮して言葉も選んで書いている。言葉足らずで誤解される所はあるかもしれないけど問題ないから」と、仰ってくれました。自民党の懐の深さを感じます。〉(22日のツイート、現在は削除)
 つまり、杉田議員のLGBT差別は、「自民党公認」だと言うのである。自民党は一昨年の参院選の公約でも〈社会全体が多様性を受け入れていく環境を目指します〉などと表向きはLGBTフレンドリーを装っていたが、このような差別発言を容認するとは、一体どういうことなのか。
 しかも、杉田議員によれば、批判が起こってネット上で炎上しても「間違ったこと言ってないんだから、胸張ってればいいよ」などと〈大臣クラスの方〉がフォローまでおこなっているというのである。
 だが、それも当然なのだろう。というのも、杉田議員を自民党に引き入れた張本人は、安倍晋三首相だからだ。
安倍首相は、LGBT差別、女性差別発言を繰り返す杉田水脈を「素晴らしい!」とスカウト
 そもそも杉田議員は、極右政党・日本のこころの所属議員だった2014年10月に国会で「男女平等は、絶対に実現しえない反道徳の妄想です」と暴言を吐き、「週刊プレイボーイ」(集英社)でのインタビューでは、日本に男女差別は「ない」と断言。「あるとすれば、それは日本の伝統のなかで培われた男性としての役割、女性としての役割の違いでしょう」「(基本的人権が守られている上に)そこにさらに女性の権利、子供の権利を言い募ると、それは特権と化してしまう」との驚くべき前近代的主張を展開したことで大きな非難を浴びたことがある。
 じつは、LGBTにかんしても、2015年3月27日付けのブログに「LGBT支援策が必要でない理由〜私の考え」というタイトルで投稿。そこで〈生産性のあるものと無いものを同列に扱うには無理があります。これも差別ではなく区別です〉と今回と同様の主張をおこなっている。このなかでも、杉田議員はやはり〈「女性の権利を」とか「LGBTの人たちの権利が」とかというのは、それぞれ、「女性の特権」「LGBTの特権」を認めろ!という主張になります〉と述べ、支援不要論を説いている。
 このように、杉田議員のLGBT・女性差別発言はいまにはじまった話ではなく、もはや杉田議員の“得意芸”になっていた。そこに惹かれたのが、ほかならぬ安倍首相だ。
 杉田議員は昨年の衆院選で自民党から出馬し比例で当選を果たしたが、その舞台裏について、櫻井よしこがネット番組『言論テレビ』のなかでこう語っていた。
「安倍さんがやっぱりね、『杉田さんは素晴らしい!』って言うので、萩生田(光一・自民党幹事長代行)さんが一生懸命になってお誘いして、もうちゃんと話をして、(杉田氏は)『自民党、このしっかりした政党から出たい』と」
 極右思想はもちろんのこと、今回のような女性や性的少数者に対する差別発言を繰り出すことを看板にする杉田議員を、安倍首相は「素晴らしい!」と称賛して、自民党に引き入れたのである。これは、総理という立場では口にできない“本音”を、杉田議員には広めてほしいという役割を期待してのことだろう。
LGBT差別は自民党公認!竹下総務会長、松野文科相、地方議員までがLGBT差別発言を連発
 現に、今回のような差別発言は杉田議員だけではなく、自民党から飛び出しつづけている。
 たとえば、2015年3月に開かれた自民党の「家族の絆を守る特命委員会」の会合では、渋谷区の同性パートナーシップ条例に対して疑義が呈されただけでなく、複数の議員が同性愛について「考えるだけでぞっとする」などと発言し、しかも場内には笑いが起きたという(朝日新聞2016年11月20日付)。
 また、昨年には、自民党の竹下亘総務会長が「(国賓の)パートナーが同性だった場合、私は(出席に)反対だ。日本国の伝統には合わないと思う」と講演会で発言し、問題化。さらに松野博一文科相(当時)も、学習指導要領で異性愛を当然とするような記述があったことに批判が集まった際、「LGBTに対する科学的な知見が確立していない」などと述べて、学習指導要領でLGBTを扱うことを拒否した。
 そして、象徴的なのが、自民党の新潟県三条支部長を務める西川重則・三条市議の発言だろう。2016年、西川市議は、市の制作委託するオネエキャラのローカルFM局番組パーソナリティに対し、「おかまと聞いている」とした上、その番組に対して支払われている制作委託料286万円に関し「社会常識からして、正常な形でない人を支援する必要はないのではないか」などと発言。すぐさま問題となったが、発言を撤回した際、西川市議はこう述べたのだ。
「自民党公認で選挙をしている私としては、党の『男は男らしく、女は女らしく』という伝統的な家族観を広める立場にある」
 これこそが自民党、そして安倍首相の偽らざる指針なのであって、この「伝統的家族観」からはみ出る同性カップルや女性の権利向上などは認めるわけにはいかない。だからこそ、女性という立場からズバズバとそうした本音を「代弁」してくれる杉田議員や稲田朋美議員といった人物を、取り立てて安倍首相は贔屓にしてきたのだ。
 安倍首相のお墨付きを得ている杉田議員は、いくらネットで炎上しても、これからも今回のような差別発言を繰り返すのは間違いない。だが、これはLGBTにだけ向けられた刃ではない。杉田氏をはじめとする自民党議員の主張の根本にある「個人よりも国家」「弱者の権利は認めない」という考え方は、あらゆる人びとの自由と権利を脅かすものなのだから。(編集部)


自民党は杉田水脈氏をなぜ処分しないか たび重なるLGBTヘイトを受けて
 先週発売された『新潮45』(新潮社)に、自民党の杉田水脈議員が「LGBT」支援の度が過ぎるという論考を発表した。<LGBTのカップルのために税金を使うことについて賛同が得られるものでしょうか(中略)彼ら彼女らは子供を作らない、つまり『生産性』がないのです><なぜ男と女、二つの性ではいけないのでしょうか>。彼女は過去にも学校でLGBTを教える必要はないと語るYouTubeの動画内(チャンネル桜)で、同性愛者の自殺率が高いことを笑いながら話している。
 そんな彼女にはリベラル系論者はもちろん、同じように炎上芸の目立つ足立康史議員(維新)でさえ「一緒の価値観とは思われたくない」とドン引きしているのだが、気になるのは自民党の反応だ。自民党が衆議院の比例中国ブロックで杉田氏を抜擢しなければ、彼女は現在国会議員にはなっていない。もともと弱者いじめが芸だった杉田氏本人より、それを知って抜擢した自民党の方が組織として大丈夫なのか心配になるのである。
 さっそく自民党の性的指向・性自認に関する特命委員会アドバイザーの繁内幸治氏に聞いてみた。アドバイザーはあくまでも特命委員会から求められたときにだけ応じて助言する仕事と前置きしつつも繁内氏は「個人的に杉田氏の論評には非常に違和感がある」とコメント。
 そもそも自民党は現在LGBTに関する理解増進法を作るべく動いており、杉田氏の言動は現在の自民党のタテマエ上の方針とも異なる。暴論で水を差す杉田氏の行為は自民党にとってマイナスだ。自民党は杉田氏を叱り、彼女から差別というおもちゃを取り上げなくてはいけない。
 しかし、その気配はなかったようだ。杉田氏は22日夜にツイッターで以下のような投稿をしている(※現在、ツイートは削除されている)。
<自民党に入って良かったなぁと思うこと。「ネットで叩かれてるけど、大丈夫?」とか「間違ったこと言ってないんだから、胸張ってればいいよ」とか「杉田さんはそのままでいいからね」とか、大臣クラスの方を始め、先輩方が声をかけてくださること。今回も他党の議員が私が雑誌に書いた記事を切り取りネットに出したことで色々言われています。LGBTの理解促進を担当している先輩議員が「雑誌の記事を全部読んだら、きちんと理解しているし、党の立場も配慮して言葉も選んで書いている。言葉足らずで誤解される所はあるかもしれないけど問題ないから」と、仰ってくれました。自民党の懐の深さを感じます>
 杉田氏は「自民党なんて信じてはいけない、自民党の理解促進はからっぽである」と主張しているのだ。自分ひとりで燃えていればいいものを、結果として自民党を巻き込んだネガティブキャンペーンを展開しているのである。
 現在、LGBTに関する法整備の議論は水面下で活発になっているそうだ。法律を作るのにはたくさんの人の尽力と時間が必要だが、身内の一年生議員を叱るのは法律がなくたってすぐ出来る。逆にいえば、それもできないようでは、いったい自民党が目指す理解促進とは何なのか、自民党が考える差別とは何なのかという話になる。たとえ法律ができても、ここで杉田氏を処分しなかったのであれば、そういう政党として人々は自民党を記憶するだろう。それとも自民党の理解促進とは、表向きでは21世紀の先進国のふりをして、裏ではヘイトスピーチでガス抜きさせるような、恥ずべきものなのだろうか。


〈時代の正体〉イスラエル企業が対テロ見本市 川崎市許可に市民反発「平和の理念に反する」
【時代の正体取材班=石橋 学】川崎市中原区のスポーツ施設「市とどろきアリーナ」で8月29、30の両日、イスラエル企業によるテロ対策・サイバーセキュリティー製品の展示会が開催される。2020年の東京五輪・パラリンピックを控えニーズが高まる日本市場への参入を図るもの。主催者は武器の展示などはしないとしているが、市民団体からは「本質は軍事産業。会場の貸し出しは平和都市を宣言する市の理念に反する」と疑問の声が上がる。
 「ISDEF Japan」は防衛・安全保障分野の国際見本市を主にイスラエル国内で開催してきたISDEF社が主催する。同社は日本初開催となる今回の目的を「特に東京五輪に向け、国土安全保障とサイバーセキュリティー、安全の分野における最新の技術と機器の普及に注力する」と説明。公式サイトでは、過去に開催した見本市で銃器を展示し、軍人が実演する様子を動画で紹介しているが、「軍隊による武器の展示・デモンストレーションは行わない。防衛博覧会でも武器のイベントでもない」と強調する。
 これに対し、市民団体「川崎でのイスラエル軍事エキスポに反対する会」は「テロ・サイバー攻撃対策の装備であっても殺傷・抑圧を目的とする軍事システムの一角をなすもの。青少年や地域住民が利用するスポーツ施設での展示は極めて異常」と批判。1982年の核兵器廃絶平和都市宣言など市が掲げる理念に反するとし、使用許可の取り消しを求めている。
 17日にはコナミスポーツクラブ、東急コミュニティー、川崎フロンターレ、市スポーツ協会でつくるアリーナの指定管理者と中原区に公開質問状を提出。許可に至った過程などについて、23日までの回答を求めている。
 神奈川新聞の取材に対し、区地域振興課は「金属探知機や監視システムなど、大きなスポーツイベントのセキュリティーに関する催しと聞いている。施設の管理運営上支障を来す内容の場合を除き、許可が原則」と説明。主催者には武器の展示はできないと伝え、無人機ドローンの飛行も断ったという。一方、出展企業と展示の詳細については「未確定と聞いており、現時点では把握できていない」としている。
武器見本市の常態化に危機感
 市民の不安の背景には、「安全保障」「テロ対策」の名の下、国内外の軍需企業が参加する見本市が公然化、常態化している現実がある。イスラエルが抱える深刻な問題について十分認識、検討された上で公共施設の貸し出しを許可したのか−。市民団体の公開質問状は「武器」に対する抵抗感が薄らぐ風潮への危機感を映し出す。
 安倍政権が憲法9条を具現化した武器輸出三原則を撤廃し、「防衛装備品」の積極輸出方針に転じたのは2014年。翌15年にはパシフィコ横浜(横浜市西区)で国内初の武器商談会が開かれた。公開質問状を提出した「川崎でのイスラエル軍事エキスポに反対する会」のメンバーで、市民団体「武器輸出反対ネットワーク」代表でもある杉原浩司さんは「日常の風景に『武器』が溶け込んでいけば、戦争につながるものを遠ざけるという戦後日本が維持してきた『非戦』の力がそがれていく」と警鐘を鳴らす。
 なかでも、周辺諸国との紛争とパレスチナ人への武力弾圧の問題を抱えるイスラエルとの関係拡大を主導する政府の姿勢は、たがの外れぶりを象徴する。5月にイスラエルのネタニヤフ首相と会談した安倍晋三首相は防衛やサイバー、経済分野で緊密に連携することで一致。第2次安倍政権発足後、日本からの投資額は11億円から1300億円と約120倍に、進出企業も25社から70社と約3倍に膨らんだ。
 「命と引き替えに開発、製造されてきた血なまぐさい『武器』が五輪を口実に堂々と展示される。それが今回の展示会の本質。とりわけ川崎市がなぜ、との思いが強い」。核兵器廃絶平和都市宣言を行い、多文化共生を掲げる市が、その舞台として所有施設を提供する錯誤はどれだけ認識されているだろう、と杉原さんは危惧する。「イスラエルは戦争犯罪を繰り返し、核武装国でもある。スポーツ振興と文化向上というアリーナの設置目的はもちろん、あらゆる市の理念に反している。このまま許可されればあしき前例となり、後世に禍根を残す」


内閣支持率が軒並み急落 驕れる安倍政権に国民の怒り爆発
 カジノ、参院定数増、災害対応で、浮かれ安倍内閣に国民の怒りが爆発だ! 先週末に行われた報道機関による各種世論調査で、安倍内閣への批判が広がっていることが分かった。
 日本経済新聞が20〜22日に行った世論調査で、安倍内閣の支持率が前回6月調査の52%から7ポイント下落して45%に、不支持率は5ポイント上昇して47%となり、2カ月ぶりに不支持が支持を上回った。
 西日本豪雨による大災害が発生している最中に強行採決された「カジノ法」について「賛成」が27%に対し、「反対」は60%に上った。同様に強行採決された「参院定数6増法」についても「賛成」28%、「反対」56%と、反対が過半数を占めた。さらに「西日本豪雨への政府の対応」については「評価しない」が46%で、「評価する」の39%を上回った。
 気象庁が豪雨への対応を呼びかけているのに、安倍首相や小野寺防衛相らが議員宿舎で宴会を開いていたことや、災害対策担当の石井国交相を国会に張り付けて「カジノ法」を強行採決したことが影響したのは明らかだ。
 共同通信の調査でも「カジノ法」について「反対」が64.8%で、「賛成」は27.6%。「参院定数増」でも「問題だ」が55.6%で、「問題ない」は27.6%だった。
 読売新聞の調査でも両法への評価は同様で、安倍内閣が強行採決したことに対して、59%が「適切ではない」と答えた。
 驕れる安倍は久しからず、だ。

OCでクタクタ/Anさんから連絡/チェーン交換

ブログネタ
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安倍やめろ170621

Japon : la vague de chaleur qui sévit depuis début juillet a fait au moins quinze morts
Le thermomètre affiche plus de 40 °C dans de nombreuses villes. Plus de 10 000 personnes ont été hospitalisées.

La canicule a fait au moins quinze morts au Japon durant les deux premières semaines de juillet tandis que 12 000 personnes ont été hospitalisées, selon des chiffres officiels publiés dimanche 22 juillet au moment où le thermomètre affichait près de 40 degrés Celsius dans de nombreuses villes.
Douze personnes ont péri dans la semaine achevée le 15 juillet, pour plus de 9 900 hospitalisations, trois personnes sont mortes la semaine précédente, pour 2 700 hospitalisations, selon l’agence de gestion des catastrophes. Mais l’heure n’était pas au rafraîchissement. D’après l’agence Kyodo News, au moins onze personnes sont mortes durant la seule journée de samedi, pour la plupart des personnes âgées.
Risques élevés de coups de chaleur
L’agence météorologique a annoncé que les températures dépassaient dimanche après-midi 35 degrés en 233 points de l’archipel. A Gugo, dans le centre du Japon, il faisait 39,8 degrés et dans plusieurs quartiers de Tokyo, le thermomètre dépassait 37 degrés. L’agence a lancé une alerte aux fortes chaleurs pour la plupart des régions de la principale île de l’archipel. ≪ Les risques de coups de chaleur sont particulièrement élevés ≫, a-t-elle dit, appelant les gens à boire beaucoup et se servir de la climatisation.
Le ministère de l’éducation a demandé aux écoles de renoncer aux activités en extérieur pendant les fortes chaleurs. Un garçon de 6 ans est mort la semaine dernière d’un coup de chaleur lors d’une sortie scolaire.
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初耳学【スキャンダル日本史★夏の行列グルメ★注目CM美少女テレビ初登場】
林修が断言!賢い子のノートは汚い★スイーツ&とうもろこし夏の3時間待ちグルメ★元パリコレモデルが芸能人御用達の○○料理人に★ブレイク確実!あのCM美少女が初登場 林修(予備校講師) 大政絢 青柳美扇 アンミカ 澤部佑(ハライチ) 高畑淳子 田村淳 出口夏希 中島健人(Sexy Zone) 船越英一郎 市川紗椰 伊藤壮吾 酒井美紀 銀シャリ(鰻和弘・橋本直)
白熱教室
★「勉強できる子のノートほど汚い」…数多くの答案用紙を採点してきた林先生が日頃から実感している説を、実際の答案と進学先を例に挙げて検証!「ノートはきれいに書きなさい」は意味がない!?本当の意味と目指すべきノートとは?
スキャンダル日本史
明治時代に東京中が騒然…待合茶屋の美人女将スキャンダル。世間の好奇な目にさらされ、普通に働くことすらままならなかった彼女がとった驚きの行動とは?
他にも…
●ハリウッド女優もご贔屓“インスタ映え”アイスクリーム&早朝から大行列!とうもろこしなど、“真夏に食べたい行列グルメ”! ●銀シャリが紹介!「ミシュランガイド東京」二年連続掲載された元イタリアンシェフが作る絶品ラーメン
東京メトロの新駅
●“鉄道マニア”市川紗椰ד鉄オタ高校生”伊藤壮吾が、2020年に誕生する新駅に潜入!東京メトロ路線図にない“幻の駅”に関する林先生出題とは?
幻想的パフォーマンス
スタジオには、話題のサンドアーティスト・伊藤花りんさん登場。砂で絵を描きながらひとつのストーリーを展開する幻想的なサンドアートのパフォーマンスを披露する。 番組HP http://www.mbs.jp/mimi/ ツイッター @hatsumimigaku https://twitter.com/hatsumimigakuハッシュタグ「#初耳学」 フェイスブックhttps://www.facebook.com/hatsumimigaku 公式Instagram @hatsumimigaku https://www.instagram.com/hatsumimigaku/ 公式LINEスタンプはこちら! ★スタンプ→初耳学で検索 https://store.line.me/stickershop/product/1284267/ja
■□■初耳ネタ受付中!!■□■ 番組では世の中でまだあまり知られていない情報やとっておきの知恵などを募集中!!あなたの知識を「初耳学」に認定されてみませんか? ↓↓ 応募はこちら (・ω☆)キラリ http://www.mbs.jp/mimi/
◎この番組は…物知りな人が「知らなかった!」と思わず唸る雑学…それが「初耳学」。番組では日本全国1億3000万人から、これぞという初耳学候補の情報を大募集。そのなかから厳選したネタを、賢人代表・林先生に出題する。林先生が「知らなかった!」と申告したら出題者の勝利。物知りの林先生も知らなかった珠玉の情報はVTRで解説、知っていた場合VTRはお蔵入りとなり、出題されたネタは林先生が自ら“生授業”で解説する。


日曜なのに朝9時過ぎに出勤してOCです.ただ座っているだけですがクタクタ.
途中Anさんから連絡があったことはよかったですけど.
帰ろうとして自転車のチェーンがダメになってました.先週も自転車修理だったのに・・・
天満でチェーン交換してもらいました.待ち時間はネットカフェで一服.明日仕事大丈夫かな?

8年ぶり 笑顔の波 石巻・渡波で海開き
 東日本大震災で甚大な津波被害を受けた宮城県石巻市の渡波海水浴場が21日、8年ぶりに海開きをした。最高気温が今季最高の33.5度に達する中、復活した砂浜に家族連れや若者らの歓声が響いた。
 地元の松原町行政区の阿部和夫区長(71)は「震災後の惨状を見て、再び海開きができるとは想像できなかった。海と共に育っただけに感無量だ」と話した。
 渡波海水浴場は津波で海岸堤防が全壊し、住宅地を含む背後地の一帯は壊滅状態となった。堤防は今年6月に復旧。砂浜が流失したため、遊泳場所を石巻漁港寄りに移した。


波打ち際に笑い声戻る 相馬・原釜尾浜海水浴場で海開き 震災後初
 相馬市の原釜尾浜海水浴場が21日、海開きした。東日本大震災と東京電力福島第1原発事故で運営を見合わせていたビーチに、子どもや若者の歓声が8年ぶりに戻った。開設は8月19日まで。
 初日は地元の若者らが実行委員会をつくり「浜まつり」を開催。海水浴客がスイカ割りや水上バイク遊覧、ステージショーなどを楽しんだ。
 家族4人で訪れた市内の会社員大沢徹さん(34)は「海水や砂浜は震災前よりきれい。がれきだらけだった浜辺をよく復活させられたと感心する」と話した。
 羽柴和洋実行委員長は「クリーンで安全な浜辺なので、多くの子どもたちに来てほしい」と期待した。
 同海水浴場は震災前、宮城県南からも含めて毎年3万5000〜5万5000人が訪れた。震災後は津波で壊れた防潮堤を整備し、海中のがれきを除去。水質や浜辺の空間放射線量が原発事故前の水準に戻ったことから再開が決まった。
 福島県内の海水浴場再開はいわき市の3カ所に続いて4カ所目。第1原発の30キロ圏内は閉鎖が続く。


<東京五輪>「ありがとう」ホストタウン 被災3県の申請伸び悩み
 岩手、宮城、福島3県の沿岸部で被災した42市町村のうち、これまでに受け入れを表明したのは岩手5市村、宮城5市町、福島3市村の計13市町村にとどまっている。
 河北新報社が2月に実施したアンケートでは10市町村が「申請した」と回答し、その後新たに名乗りを上げたのは石巻、名取、田村3市のみ。「申請しない」は20市町村、「検討中」は9市町村となっている。
 検討中の9市町村はいずれも本格化している復興事業との兼ね合いに加え、担当職員や財源確保の難しさを指摘する。岩手県田野畑村の担当者は「諸外国とのパイプも、語学能力のある職員もいない。庁内の雰囲気は消極的になってきている」と明かす。
 ホストタウンには事業費の半額が国から交付されるが、事業規模が大きくなれば自治体負担も増える。気仙沼市の担当者は「子どもたちのためにも参加したいのだが」と前置きした上で「復興は道半ばで財源も人員も余裕がない。現状では諸外国の方々を招くのは難しい」と説明する。
 福島県川内村は「ホストタウンの理念は理解しているが、住民帰還に伴うコミュニティー再生を優先して進めなければならない。現時点では何も具体化していない」との考えを示す。


河北春秋
 秋田新幹線はJR秋田駅を出発する時は進行方向と逆に座席がセットされている。最初に停車する大曲駅まで、座席の乗客は背後から流れる車窓の景色を眺める。大曲で進行は反対となり、座席の逆向きも解消する▼秋田−大曲間は奥羽線、大曲−盛岡間は田沢湖線の両在来線の線路を使う秋田新幹線ならではのスイッチバック。この一点をもってしても、個性的な新幹線だ▼ただし、スイッチバックは1997年の秋田新幹線開業に伴い導入した方式ではない。盛岡駅で東北新幹線に接続する役目を担って96年まで盛岡−秋田間を走った特急たざわが、まさに同じ走り方をしていた▼秋田鉄道新聞編集長を務めた田宮利雄さんが97年に刊行した『「こまち」出発進行!! 開業までの秋田新幹線小史』(あきたさきがけブック)は「東北新幹線開業後、首都圏への連絡ルートとして田沢湖線のウエートがとみに高まった」と書く。そうして誕生して21年になる秋田新幹線の岩手、秋田の県境に今、新ルートの整備が検討されている▼県境区間のスピードアップや防災面の向上が期待される。特急たざわ、新幹線へと歴史を重ね、秋田の鉄道高速交通網の構築に貢献してきた田沢湖線。スイッチバックの伝統は維持したまま、次なる扉を開こうとしている。

御巣鷹で「次世代に」誓う 同級生や児童ら慰霊登山
 1985年8月の日航ジャンボ機墜落事故の犠牲者とゆかりのある人々が21日、墜落現場となった群馬県上野村の御巣鷹の尾根に登り「失った520人の命を次世代に伝える」ことを誓った。
 慰霊登山は、遺族でつくる「8・12連絡会」の事務局長で、次男健君=当時(9)=を亡くした美谷島邦子さん(71)らが計画。健君の同級生や、事故当時に遺族の待機場所となった群馬県藤岡市の小学校の児童ら計80人近くが参加した。
 参加者は急勾配の登山道を進んで標高約1540メートルの現場に到着。機体が衝突して大きく削られた形跡が残る遠くの稜線を見つめ、慰霊碑前でシャボン玉を飛ばした。


西日本豪雨の災害ごみ 復旧へ広域支援の強化を
 西日本を襲った豪雨で、大量に排出された災害ごみが復旧の妨げとなっている。被災自治体の通常の処理能力を超えており、道路脇などに残されている。
 猛暑が続く中、処理が遅れれば悪臭など衛生面の問題も拡大しかねない。政府は自衛隊員の増派などの措置をとっているが、自治体間の広域連携などを並行して強化し、迅速な処理につなげてほしい。
 岡山県倉敷市真備町地区では、高梁川の支流で堤防が決壊し、地区の約3割が水没した。被災した家屋などの片付けが進むにつれ、泥水につかった家具や家電などの災害ごみが支流に沿って走る国道沿いなどに大量に置かれるようになった。
 自衛隊員らが撤去作業を進め、地区内の中学校などに設けられた仮置き場に運び込んでいる。他の自治体から収集運搬車両も派遣された。
 倉敷市によれば同地区の災害ごみの推定発生量は7万〜10万トンと膨大だ。学校の仮置き場から別の場所への運び出しも始まったが、仮置き場の解消にはまだ時間がかかる。
 その他の被災地の多くも、災害ごみの処理が課題となっている。
 水分を含んだ災害ごみには、腐敗しやすいものがある。早急な作業が求められる。一方で、作業時には感染症や熱中症への警戒が必要だ。
 政府は、環境省が窓口となって自治体をまたいだ災害ごみの広域処理を進める考えだ。民間の処理施設などの協力も仰ぎ、こうした問題への対処を着実に進めてもらいたい。
 災害ごみの処理は撤去だけでは終わらず、分別した上で焼却や埋め立て、再資源化をする。その際には、自治体に対する政府の柔軟な財政措置も欠かせない。
 政府は2014年、東日本大震災を教訓に、災害ごみの発生量や収集運搬方法、仮置き場、近隣自治体との連携などを盛り込んだ「災害廃棄物処理計画」の策定を自治体に求めた。しかし、策定済みの市区町村は16年度末で24%にとどまる。今回の被災地の多くも未策定で、対応が遅れたケースもあったようだ。
 災害ごみの処理は、被災後の住民の生活を左右する問題だ。規模の小さな自治体が単独で処理計画を策定するのは難しい面もある。政府が積極的に策定を支援すべきだ。


「心配性バイアス」 早期避難に生かせないか
 この身に危険が迫っていても「自分だけは大丈夫」と思い込むのが人間の心理。名付けて「正常性バイアス」という。
 200人を大きく超える犠牲者を出し、いまも多くの人々が苦しむ西日本豪雨でも、この正常性バイアスが被害を拡大させたのではないかとされる。
 気象庁の特別警報や自治体の避難勧告、避難指示が出たのに「大丈夫だろう」と逃げなかったり避難が遅れたりした人が多かったために、助かるはずの命も奪われたとの指摘である。
 誰もが陥る傾向だからどうしようもない、との無力感にとらわれてはいけない。人には正常性バイアスとは正反対の「心配性(しんぱいしょう)バイアス」と呼べる傾向もあるのを知っておきたい。
 ■大切な人を気遣う心■
 この造語を考え出したのは、京都大防災研究所の矢守克也教授。面白いのは、心理学の専門家でありながら、心理学由来の「正常性バイアス」という用語による説明を「怪しい」と懐疑的に見ていることだ。
 「自分だけは…」と思い込む傾向が人にあるのは小学生でも知っている。それなら、大げさな用語で説明した気分になっている間に防災・減災の具体策を考えようと述べている。
 だから「心配性バイアス」も別に難しいものではない。例えば、わが子のこととなると交通事故に遭わないか、学校の防犯対策は大丈夫かと普段から気をもんだりする。危険な兆候があればなおさらである。
 「たいしたことはなさそう」と思うのも人なら、自分以外の大切な存在を心配するのも人。前者より後者に働きかけて防災・減災に役立てようというのが矢守教授の考えである。
 ■安心して逃げられる■
 すでにある実例として挙げられるのが、いわゆる「釜石の奇跡」である。
 2011年3月11日の東日本大震災でのことだ。岩手県釜石市内の小中学校に登校していた児童生徒の全員が、津波の被害を免れて無事だった。子どもたちは地震の直後、先生の指示を待たずに避難を始め「津波が来るぞ」などと周りに知らせながら逃げた。
 これを可能にしたのが「津波てんでんこ」。津波の恐れがあればまず各自が逃げよ、という教えである。子どもたちはその教えをふまえた防災訓練を受けていた。
 残念なことに「てんでんこ」は「自分勝手な行動」と誤解されがちだ。だが実際、子どもたちは乳児のベビーカーを押し、高齢者の手を引きながら避難している。矢守教授によれば、てんでんこは「互いが互いを大切に思う『心配性バイアス』を巧みに組み合わせて、わが事意識を高めたもの」である。
 てんでんこが徹底されていれば、避難に消極的な人にもこう呼び掛けられる。「子どもたちは絶対に逃げてくれます。保護者の皆さんも避難を。そうでないと、子どもたちも安心して逃げられません」
 ■被害は減らせる■
 災害は自然現象だから発生を止められない。しかし、被害は一人一人が最悪の事態を想定して行動すれば減らせる。
 西日本豪雨では、河川の氾濫や浸水、土砂災害の多くがハザードマップ(危険予測地図)の想定内だった。それなのに避難指示が深夜、未明だったことなどで多くの人が自宅や周辺で濁流にのまれた。
 情報発信や伝達の手段、タイミングは適切だったのか、国や自治体の対応はもちろん問われなければならない。だが、被害を抑える最大のカギは臨機応変の国民の行動に違いない。心配性バイアスのような知見も取り入れた対策を、国や自治体に求めたい。


河川の治水対策 豪雨災害から命守るには
 西日本豪雨では河川で堤防の決壊や水位の上昇による氾濫が相次ぎ、各地に甚大な被害をもたらした。改めて治水対策が大きな課題として突き付けられている。
 中でも河川の決壊は倉敷市真備町地区の小田川、岡山市東区の砂川など岡山県で10河川、広島県でも10河川と両県に被害の95%が集中した。
 小田川は本流の高梁川との合流点の上流で決壊した。真備町地区の約3割、1200ヘクタールが浸水し、逃げ遅れた高齢者ら51人の命を奪った。以前から高梁川の水位が上がると小田川の水が流れにくくなって逆流し、洪水を招きやすいとされていた。小田川につながる支流も含め、地区内での決壊は8カ所に上っている。
 河川法は管理者に治水対策などをまとめた河川整備計画の策定を義務付けている。小田川では国土交通省が2010年に計画を作り、戦後最大級の被害を出した1972年の豪雨を想定した治水対策を盛り込んでいる。これに基づき、高梁川との合流点を下流へ付け替える工事が今秋にも始まる予定だった。
 付け替え後は小田川の水位を大きく下げる効果が見込まれている。今回の豪雨を受け、国交省は調査委員会を設け、決壊のメカニズムの分析と再発防止策の検討を始めた。結論次第で工事計画の見直しも必要になろう。二度と浸水被害を出さないよう、検証してもらいたい。
 近年は地球温暖化が原因とみられる異常気象が相次いでいる。気象庁によると、1時間に50ミリ以上の大雨の降る頻度は近年、70〜80年代の1・3倍に増加した。昨年の九州北部豪雨や14年の広島土砂災害など、毎年のように大規模災害が発生している。
 堤防対策などハード面の整備だけでは100%の安全とは言えない。早期の避難指示などソフト面の取り組みを強めることが肝心だ。
 被害の大きい小田川北側では、倉敷市の避難指示は最初の決壊が支流で確認される4分前だった。市は増水の早さが想定外で、対応には問題がなかったとする。しかし、未明の避難は体の不自由な高齢者には難しく、家にとどまっていた人が犠牲になった。
 このことを教訓に、河川の監視と避難指示の在り方の見直しも必要だろう。地域住民も、浸水区域などを示した「洪水ハザードマップ」などを確認しておくことが重要だ。
 ダムも同様である。愛媛県の肱川水系の2ダムでは緊急放流が行われ、下流が氾濫して9人の犠牲者が出た。対応に問題がなかったか、国は有識者委員会で検証を始めた。緊急放流は、岡山県の高梁川水系・河本ダムでも行われた。肱川水系では屋外スピーカーで警報を発したが、住民には聞こえにくかったなどの声が上がっている。
 災害は常に起こりうることを念頭に、国や自治体、地域住民が連携して対策を練っていきたい。


災害時の情報伝達/検証し早期避難目指せ
 多くの犠牲を出した西日本豪雨の現場では、まだ安否不明者の捜索が続き、住宅被害のほか、農地、鉄道などの復旧も長期化が懸念されている。被害拡大の一因となった避難情報の伝達、周知の課題を考えておきたい。
 予想降雨量が災害に直結するレベルであることは早くから明らかだった。気象庁は5日午後には台風以外では異例の緊急会見を開き、関係省庁にも警戒を呼び掛けた。ただ、それが国民にどれだけ深刻に受け止められていたか。政権は「初動対応は万全だった」と正当化するばかりでなく、情報発信の在り方について謙虚に検証するべきだ。
 特に発信のタイミングと手段は妥当、十分だったか。対象地域を決める基準や言葉遣いも専門家の知恵を借りて見直してほしい。放送やインターネット、携帯端末など伝達手段は多様だが、そうしたメディアになじみのない人もいる。自分では逃げられない独居高齢者や要介護者にどう伝えるか。地域の共助、見守りが果たす役割も重視した制度設計が望ましい。
 今回の豪雨では、事態が広域で急速に進んだ。ただ河川の氾濫、浸水、土砂災害の多くはハザードマップ(危険予測地図)の想定内だった。しかし避難指示が深夜、未明だったことなどで多くの人が、自宅や周辺で濁流にのまれ、想定が生かされなかった。
 ハザードマップは、浸水の恐れがあるほぼ全ての市町村で作成済みだが、農水省のデータで、決壊などで被害の出る恐れがある全国1万カ所以上の「防災重点ため池」は、約35%しかハザードマップが公表されていないことも分かった。危険箇所が強調されれば地価に影響するとの懸念があるという。しかし長期的にはむしろ、安全な町並みをつくる手掛かりになるのではないか。
 マップは、浸水域が一目で分かることは大前提だが、どんな状況なら、どの経路で逃げるのかも、地域ごとに住民を交えて検討し、反映したい。作成の指針や避難所の環境改善、危険箇所の改修などで、国の一層の支援も不可欠だろう。
 避難準備・高齢者等避難開始、避難勧告、避難指示(緊急)、特別警報などの区分と用語の見直しを求める声も一考に値する。ただ最終的に身を守るのは一人一人の瞬時の判断だ。どう名付けたとしても、受け止める側の意識が伴わなければ実効性は薄い。
 自然の力は人知をやすやすと超え、どれだけ予測、予報の精度が向上しても不測の事態があり得る。避難に手助けが必要な人たちのことを忘れてはならないが、それは、地域住民に早期避難の意識が徹底すれば、おのずと解決策が見いだせるはずだ。
 遠回りでも、防災教育を一層充実させることも必要だ。
 豪雨災害のほか、地震や津波、火山噴火にも共通して言えることだが、地域で過去に起きた災害には教訓がたくさんある。将来も起きる可能性があるそうした災害の実相を、大人も子どもと共に学び、自分で危険を感じ取る力を養いたい。
 「いざというとき」が来る前に、場合によっては行政の呼び掛けに先立って「念のために逃げよう」と言い合えること、それが災害に強い社会につながる。


西日本豪雨 漂流ごみ被害拡大 旅客船や漁船に影響
 西日本豪雨により海に流れ込んだ大量の流木などの漂流ごみの影響で、旅客船や漁船が出港できないなどの被害が広範囲で続いている。国土交通省は8日以降、漂流ごみの回収を進めており、中国、四国、九州地方整備局によると、21日までに流木や木くずなど計3503立方メートルを回収した。年間回収量の7割を超える量だが、「現在も川からの流入は続いており、まだ先は見えない状況」という。
 中国地方整備局では、海洋環境整備船3隻が広島湾内で流木388本を含む913立方メートルの漂流ごみを回収。破損したカキの養殖いかだやサッカーボールなどもあった。広島湾を管轄する第6管区海上保安本部は、ガスボンベや流されてしまった船舶などの情報を「海の安全情報」として無線やメールで流し、注意を呼びかけている。これまでに流した情報は169件に上る。
 海上保安庁第5〜9管区海上保安本部によると、豪雨後、九州−近畿地方では船舶と漂流ごみの接触などの被害報告はないが、第6管区海上保安本部は「安全情報を確認し、特に夜の航海は注意してほしい」と呼びかけている。
 船のスクリューが流木などを巻き込み、航行に影響するケースも出ている。広島湾で高速船を運航する「しまなみ海運」(広島県三原市)では、スクリューに漂流ごみを巻き込み1隻が故障。漂流ごみの多い航路で、夜間の往復1便を19日まで欠航した。津エアポートライン(津市)でも伊勢湾内に流木が漂流しているため、津と中部国際空港(愛知県常滑市)を結ぶ夜間便を18日まで運休した。
 漁業でも網を使用する漁を中心に被害が出ている。愛媛県大洲市では肱川(ひじかわ)上流が氾濫した影響で沿岸に大量の流木が流れ込み、底引き網が破れた。島根県では定置網に大量のごみが引っかかる被害が出ている。岡山県でも漁船のスクリューにごみが絡まり、エンジンの冷却水取り入れ口が詰まる被害が報告された。
 高知県南国市の十市漁協では、特産のシラス漁に向かう船が出港しづらい状況が続く。浜や漁港内にも漂流ごみが滞留し、7隻ある所属船のうち2、3隻しか出漁できていない。
 広島市漁協によると、クロダイやカレイなどの網漁の漁船が出せない状況が続く。同漁協の谷迫淳二さん(46)は「ほとんどの船が出せておらず、早く撤去してほしい」と訴えている。
 海に沈む「海底ごみ」にも注意が必要となる。中国地方整備局によると、沿岸部の海底には、冷蔵庫などの大型生活家電やコンテナなどが沈んでいるという。担当者は「漂流物は潮目がはっきりしていれば分かりやすいが、海中のごみは見えづらく、気付かぬうちに船体の底が傷つく可能性がある」と注意を呼びかける。【松本光樹】


猛暑の列島 「命を守る」行動と対策を
 異常な猛暑が日本列島を襲っている。最高気温が40度を超えたところもある。命に危険が及ぶ暑さだ。熱中症など健康被害への備えをさらに徹底したい。
 西日本と東日本では7月下旬まで35度以上の猛暑日が続く地域があるとみられる。
 消防庁によると、熱中症の疑いで今月15日までの1週間に全国で1万人近くが救急搬送された。前週の3倍以上に及ぶ数字だ。その後も搬送者は続出し、九州でも死者が確認された。
 愛知県では17日午前、高温注意情報が出ていたのに、校外学習が実施され、小1児童が熱中症で死亡した。学校側の甘い判断が厳しく問われよう。
 教室内の対策も急がねばならない。九州全体の小中学校の冷房設置率は4割台にとどまっている。
 近年では2010年夏の猛暑が記憶に新しい。鹿児島市では最低気温が25度以上の熱帯夜が51日間も続いた。熱中症で死亡した人は全国で1700人を超えた。今夏は、その猛暑に近くなる可能性もある。
 今月起きた西日本豪雨での避難者は全国で4千人以上に上る。熊本地震や九州豪雨、大阪府北部地震などの被災地でも、なお避難生活が続く。
 臨時の避難所や仮設住宅での過酷な暮らしに猛暑が追い打ちをかけている。被災者のストレスや疲労を可能な限り軽減することが急務だ。
 最も警戒が必要なのは災害関連死である。避難後に死亡した人の死因に災害との因果関係が認められたものを指す。長引く避難生活や復旧作業の疲労で持病が悪化するケースなどだ。
 熊本地震で災害関連死と認定された人は200人を超す。直接死の50人を大きく上回っている。九州豪雨では1人が災害関連死と認められた。将来を悲観した自殺や孤独死の悲劇も、周囲の支えで何とか防ぎたい。
 猛暑の中では、脱水症状や食中毒、感染症などが大敵だ。小まめな水分補給や、風通しがいい場所での体温調整を図りたい。外から支援に入った人たちも無理は禁物である。
 台風や竜巻への警戒も怠れない。豪雨被災地では流れ出た土砂や倒木による傷痕が今も生々しい。二次災害などのケースも想定して対応したい。
 避難が長期化すればストレスに加え、生活再建への不安も高まる。生活の土台を奪われた被災者のニーズは刻々と変化する。きめ細かく把握し、避難生活の質を少しでも改善したい。
 障害者や妊婦、乳幼児も含め、ケアが必要な人への目配りが一段と大切になる。自身の安全を確保しつつ、何よりも「命を守る」行動を心掛けたい。


熱中症対策 「人ごと」とは思わずに
 日本は一部地域で気温が40度を超すような酷暑列島となり、熱中症に陥る人が続出、死者も出ている。
 梅雨明けした本県も、盛岡で真夏日が連日予想されるなど暑さに覆われている。対策を怠らないようにしたい。
 これまで発症経験がないために「自分は大丈夫」と油断すると危険が生じかねない。「人ごと」と思わずに対処することが肝要だ。
 熱中症は、温度や湿度が高いために体内の水分や塩分などのバランスが崩れて体温調節ができなくなり、体に熱がこもって起きる。高齢者は喉の渇きや暑さを感じにくく、気温の上昇や脱水症状に気づかずに発症する場合もある。
 外で遊ぶ子どもも十分な注意が必要だ。背が低い子ほど地表の反射熱を浴びやすい。夏休み期間、親は注意を呼びかけたい。
 愛知県で先ごろ小学1年生が亡くなったのは痛恨だった。熱中症の中で最も重い熱射病と診断された。炎天下の校外学習。時間を短縮したとはいえ、小さな体には過酷だったに違いない。重い教訓となった。
 もちろん室内も要注意。本県の学校でも対策が迫られている。冷房の設置率は全国平均を大きく下回る。盛岡市の小中学校では扇風機の導入が進められているが、やっと半数を超えた程度という。
 北国とはいえ暑さは年々厳しさを増している。設備充実は重要な課題だろう。また、部活動やスポーツ大会でも対策の強化が求められる。
 熱中症は西日本豪雨の被災地にも広がる。避難所のような屋内でも熱がこもりやすい場所では症状が出る恐れがある。「人が多すぎてクーラーが効かない」という声も聞かれた。心身の疲労が重なっているだけに懸念は強い。
 復旧作業も注意が必要だ。被災者だけでなくボランティアにも発症する人が相次いでいる。猛暑下での作業の大変さは本県でも東日本大震災の復旧で多くの人が体験し、認識している。無理は禁物。休憩を十分に取る必要がある。
 熱中症予防の基本は水分の補給。食事をしっかり取って体力をつけることも重要だ。外出時は日傘や帽子の着用を心掛けたい。
 頭痛やめまいなどの症状のある人がいたら応急処置を要する。日陰など涼しい場所で、冷えたペットボトルなどを体に当てる。体表近くに太い血管がある首、わき、太ももの付け根などが効果的だ。救急車を要請するときも、到着前から冷やし始める。
 消防庁の調べによると、本県では昨年、5月から9月にかけて463人が救急搬送されている。命と健康を守るために、基本的な知識を身に付け、対策を徹底したい。


日米原子力協定延長/早急にプルトニウム削減を
 日米原子力協定が今月17日に自動延長された。1988年改定の現協定は、日本に対し特例的に使用済み核燃料の再処理を認めたが、製品であるプルトニウムの利用が進まず余剰が深刻化している。
 延長によって引き続き再処理を行うことは可能になったものの、プルトニウムをさらにため込むような事態になれば、国際社会から厳しい目を向けられるのは必至。使う当てもなく保有する分については、早急に処分策を講じることが必要だ。
 余剰は核燃料サイクルの破綻に他ならない。プルトニウム利用を目指してきたサイクル政策を断念することも急務になっている。
 日本は2016年末時点で約47トンのプルトニウムを保有している。うち37トンは英仏に再処理を委託して取り出した分で、両国に保管中。残り10トンは国内で保管している。
 問題はその使い道。プルトニウムは本来、高速増殖炉の核燃料に利用する計画だったが、原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)の廃炉でその道は閉ざされた。
 ウランと混ぜて国内の原子力発電所で使う「プルサーマル」も考えられるが、東京電力福島第1原発事故によって多くの原発が長期停止に陥り、大量消費の見通しは立っていない。
 ウランと同様に核爆弾の原材料にもあるプルトニウムは国際的に厳しく監視される物質。いつまでも保管するのは困難で、いずれ大幅な削減を求められる可能性が高い。
 日米原子力協定は、日本の原子力開発と深く関わっている。1968年に結ばれ、米国から提供された大量の濃縮ウランが国内の原子力発電を支えてきた。
 ただウランを扱うだけに、厳しい規制が伴った。その範囲は原子炉内の核反応でウランが変化するプルトニウムなどにも及び、再処理して取り出すことはその都度、米国の同意が不可欠だった。
 個別に同意を得なくとも再処理できるよう改めたのが、88年に結んだ現在の協定。改定によって、青森県六ケ所村の再処理工場を中心とした自前の核燃料サイクル実現に乗り出した経緯がある。
 だが、プルトニウム利用の本命の高速増殖炉はもんじゅの事故や不祥事で開発が遅れに遅れ、余剰はずっと前から指摘されていた。
 プルトニウム余剰をもたらしたそもそもの原因は、ほころびが明確になっても核燃料サイクル政策を掲げ続けた無作為だと言っていい。この期に及んで、再処理工場の運転を制限するといった案が出ているようだが、その程度では解消できないだろう。
 長年のずさんな原子力政策が、後始末に苦慮するほどのプルトニウムをもたらしてしまったが、それでも必ず削減に取り組まなければならない。日本の国際的な信用にも関わってくるからだ。


週のはじめに考える 国会の耐えられない軽さ
 きょう閉会する通常国会。私たち有権者の思いは届いていたのでしょうか。政府の言いなりでは国権の最高機関としての役割を果たしたとは言えません。
 荒涼たる言論風景に、暗澹(あんたん)たる思いを禁じ得ません。百八十二日間の会期を終えた通常国会です。
 安倍晋三首相が成立を優先した働き方関連法に限らず、政府の身勝手や暴走を止められず、立法、行政監視機能を十分に発揮できなかった国会でもありました。立法府の危機と言ってもいい。
◆著しい立法機能低下
 まずは立法機能の低下です。
 国会の第一の役割は法律をつくることです。内閣には予算案や法案の提出権が認められてはいますが、国会で可決されなければ効力がありません。憲法は国会を「国の唯一の立法機関」と定めます。
 同時に日本は、国会議員から行政府の長である首相を選ぶ議院内閣制です。衆院で第一党の党首が首相を務めるのが慣例です。
 つまり、首相は与党内では「上司」に当たり、「部下」である党所属議員は従わざるを得ない構造上の問題が生じます。通常国会ではこの弊害が顕著になりました。例えば、首相が最重要法案と位置付けた働き方関連法です。
 年収の高い専門職を労働時間の規制から外す「高度プロフェッショナル制度」創設がなぜ必要なのか、政府は説得力のある説明に努めたとは言えません。制度の必要性把握のために厚生労働省が行った専門職からの聴取のずさんさも明らかになりました。
 本来なら、成立しないはずの法律ですが、与党は野党の反対を押し切って成立させたのです。
 共同通信社が五月に行った世論調査では、働き方関連法を通常国会で成立させる「必要はない」との答えは68・4%に達する一方、「成立させるべきだ」は20・3%でした。これはあくまで世論調査ですが、与党議員は政府と国民のどちらを向いていたのでしょう。
◆行政監視も果たせず
 カジノを含む統合型リゾート施設(IR)整備法も同様です。
 刑法が禁じる賭博を一部合法化する危険性やギャンブル依存症患者が増える恐れが指摘され、報道各社の世論調査でも成立させる必要はないとの答えが多数でしたが政権側は成立を強行しました。
 国民の生命や暮らしを守るために必要な法律なら、反対があっても国民への説得努力を重ねた上で成立させる必要があることは認めますが、新たな法律の必要性を示す「立法事実」がないにもかかわらず、政府提出法案を唯々諾々と追認するだけで、本当に国民のために働いたと言えるでしょうか。
 国会のもう一つの重要な役割は行政監視です。政府がきちんと仕事をしているか、不正や無駄はないかを国政調査権を使って調べる仕事ですが、国会がその役割を十分果たしているとは言えません。
 例えば、森友、加計両学園をめぐる問題です。公平・公正であるべき行政判断が、首相の直接、間接の影響力で歪(ゆが)められたか否かが問われています。許認可や税金の使い道にも関わります。
 森友問題では財務省による公文書改ざんが明らかになり、佐川宣寿前国税庁長官による国会での偽証の疑いも指摘されています。
 加計問題では首相と加計孝太郎理事長との面会や「獣医学部新設は総理案件になっている」との首相秘書官の発言を愛媛県文書が記す一方、学園側は県側に虚偽説明をしたとしています。
 国会には事実を解明する責任があるはずですが、特に与党側は、首相や官邸に遠慮しているのか、解明に消極的です。行政監視の責任を放棄して、行政府への配慮を優先させるとは何ごとか。立法府が行政府に従っては、三権分立の原則にも反する主権者たる国民への背信行為です。国会にそうした問題意識はないのでしょうか。
 首相官邸への権力集中は平成の政治改革が目指したことですが、衆院への小選挙区制の導入や政党助成制度で、選挙での公認や政治資金の配分などの政治権力が首相周辺に過度に集まりました。与党議員が首相官邸にものが言えなくなった結果、国会の立法機能や行政監視機能が低下したのです。
◆立法府再生に着手を
 「存在の耐えられない軽さ」という小説があります。チェコ出身の作家ミラン・クンデラの作品です。一九六〇年代後半の「プラハの春」とその後の弾圧の時代を背景に、男女三人の錯綜(さくそう)する人間関係を描き、映画化もされました。
 国会の現状を見ると、ついこの題名が浮かんでしまいます。最高機関とは名ばかりで、国会の存在も軽くなってしまった、と。
 しかし、そうした状況が続いていいはずはない。国会がいったん幕を閉じても、立法府再生に向けた議論に直ちに着手すべきです。与野党双方に奮起を促します。


通常国会閉幕 言論の府の深刻な危機だ
 通常国会がきょう、閉会する。
 会期中、森友学園問題を巡る財務省の公文書改ざんや、加計(かけ)学園問題で愛媛県が出した文書をはじめ、「森友・加計」の重大な新事実が次々と発覚した。
 だが安倍晋三首相や閣僚、与党幹部は真相究明に後ろ向きのまま幕引きを図るとともに、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)整備法など問題の多い法案を数の力で次々と通していった。
 昨年の通常国会を思い起こす。安倍政権は、森友・加計問題の解明を求める国民の声に耳を傾けず、「共謀罪」法の参院委員会採決を省略する「中間報告」という禁じ手を使って成立させた。
 今国会は、まるでその再現だ。
 国権の最高機関である国会の地盤沈下が止まらない。議論なき国会のままでは、もはや言論の府とは言えないのではないか。
 議会制民主主義の深刻な危機だと言っても過言ではあるまい。
■「数のおごり」極まる
 典型的な例の一つが、参院の定数を6増する自民党提出の改正公選法である。先週、実質審議が衆参で計5日間という駆け込み採決で成立した。
 合区により選挙区に出馬できない現職を比例代表の「特定枠」で救う―。自民党の露骨な党利党略に反発した野党は、伊達忠一参院議長にあっせん案の取りまとめを求めたが、伊達氏は拒否した。
 幅広い合意が必要な選挙のルール作りまで数の力に物言わせることを、行司役が許した形だ。野党が議長不信任案を提出し「参院の権威を著しく失墜させる」と批判したのは当然だろう。
 熟議なき国会は政権の目玉だった働き方改革関連法にも通じる。
 関連法には、一部専門職を労働時間規制から外す高度プロフェッショナル制度(高プロ)が含まれる。働く者の命と健康を守る働き方改革本来の目的と相反する。
 不適切な実態調査が判明した裁量労働制が法案提出前に削除された後も、データのミスが次々と判明したが、政府は粗雑な答弁を繰り返すばかりだった。
 カジノ解禁と併せ、国会は将来にわたる国民の不安や懸念を取り除くことができなかった。
■森友・加計幕引けぬ
 行政府に対する監視機能は、立法府の重要な使命である。
 行政の公正性や透明性がゆがめられた疑念が、拭えないどころか一層深まった森友・加計問題の解明こそ、国会の出番のはずだ。
 森友学園に対する国有地の8億円の値引きや、加計学園の獣医学部新設を国家戦略特区に認定した一連の過程は適正だったのか。
 真相究明には、森友学園が開校を予定した小学校の名誉校長を務めた安倍首相夫人の昭恵氏、加計学園の加計孝太郎理事長が国会で真実を語ることが欠かせない。
 なのに、与党は野党の証人喚問の要求を拒否した。憲法が定める国会の国政調査権を放棄したと言われてもやむを得まい。
 首相も、身内と「腹心の友」ならなおのこと、疑念を晴らすよう促すのが務めのはずだ。
 そうしないどころか、愛媛県文書に記載された加計氏と首相の面会は作り話だったという学園側の説明に、首相は不快感すら示さなかった。理解に苦しむ。
 森友問題を巡る財務省の公文書改ざんは、主権者である国民に対する重大な背信行為だった。
 だが監督責任者の麻生太郎財務相はその座にとどまり、前財務次官のセクハラ問題も含め一向に政治責任を取ろうとしない。
 改ざん当時の理財局長だった佐川宣寿(のぶひさ)氏に対する野党の再喚問要求も、たなざらしにされた。
 こんな対応が続く限り、森友・加計問題に決して幕は引けない。
■野党も反省が必要だ
 首相の答弁は「ご飯論法」とやゆされた論点そらしや長広舌、居直りといった不誠実な姿勢に終始した。自ら口にする「行政府の長の責任」さえ果たしていない。
 ただ、首相の開き直りを許す野党も反省が必要だ。
 細かな事実を積み重ね、論理立てて執拗(しつよう)に政府答弁の矛盾を突いていく。また、独自の調査によって隠れた疑惑を掘り起こす。
 野党議員が備えるべき「質問力」と「調査力」を磨く必要がある。そう指摘せざるを得ないような甘い質疑が少なくなかった。
 働き方改革関連法やIR整備法の参院採決では、付帯決議を条件に採決には応じる国民民主党と、徹底抗戦の構えの立憲民主党との間で足並みも乱れた。
 安倍1強政治の下で、ただでさえ多弱と呼ばれる野党の対応がバラバラでは、緊張感のある国会は望むべくもない。
 安倍内閣の支持率が回復傾向にあるのは、野党に対する国民の期待が高まらないことの裏返しだ。態勢の立て直しが急務である。


国会閉会  立法府の存在意義再考を
 1月から始まった通常国会の会期が、きょうで終了する。
 いったい、国会は言論の府なのか。そんな思いを抱かせるような光景が繰り返された。
 国民の関心が高かった森友・加計疑惑の解明は、真相に迫れないまま時間切れとなった。だが、釈明の答弁に立った関係者の不誠実な態度にうんざりさせられた人は少なくなかろう。
 とりわけ、過去の発言を覆すような文書や証言が次々に出ても、はぐらかしや言い逃れで審議時間を食いつぶした政治家たちの答弁にはため息が出た。
 問いに対しては誠実に答える−。私たちが当たり前としてきた対話の基本すら放棄したかのような姿勢は、権力を握る者の傲慢(ごうまん)さを印象づけた。
 与党の国会運営も強引さが目立った。働き方改革、カジノ、参院定数6増などの重要法案が詰め切れない多くの論点を残して成立した。委員会で採決を強行して数の力で押し切る「いつもの手法」だったといえる。
 国会は議論の場ではなく、単なる追認機関にすぎなくなっている。そんな様相がますます色濃くなってきた。政治不信を通り越し、立法府の存在意義が問われる事態である。
 今国会で象徴的だったのは、安倍晋三首相と枝野幸男立憲民主党代表が党首討論について、ともに「歴史的使命は終わった」と語ったことだ。
 党首討論は、首相の権限強化など政治主導を確立する改革の一環で導入された。いまの「安倍1強」も、その改革の一つの帰結といえる。両氏が現在の党首討論の役割を否定的にとらえたことは、「1強」の下での党首討論が形骸化しているのを認めたようなものではないか。
 森友・加計疑惑も、強すぎる首相とその周辺者の威を借りたりおもねろうとしたりした民間人や官僚の存在が背景にあったと思われる。財務省の文書改ざんや自衛隊の日報問題も同根だろう。
 突出した権限を持つ首相の存在は与党内の異論を封じ込め、弱体化した野党との実力差を拡大させる。その結果、内閣に対する国会の監視機能が働かなくなり、立法府が行政府に従属するかのような状況を招いた。
 ただ、与野党から立法府の仕組みを見直す動きも出てきた。
 自民党の小泉進次郎衆院議員ら若手有志がまとめた提言は、首相主導の重要性を認めつつ、行政を巡る疑惑解明のための特別調査会の設置や国政調査権発動を支援するスタッフの大幅増員を求めた。森友・加計疑惑が念頭にあるのは明らかだ。
 枝野氏率いる立民は、与党が法案の事前審査を行っているため国会審議での修正が難しく、数の力で原案を可決させることが多いとして、事前審査制度を改めて柔軟に修正できる環境を整えるよう与党に求めた。
 こうした動きは抜本的改革とは言い難いが、首相の権限強化に比べて遅れていた国会の機能充実への一歩にはなろう。与野党全体で機運を共有し、実りある改革につなげてほしい。
 権力を握る者の説明責任も重要だ。森友・加計疑惑の解明は今後も続けられねばならない。


通常国会閉幕 政治の機能不全、深刻だ
 通常国会が事実上閉幕した。182日間の会期中には、民主政治の根幹を揺るがす事態が次々と発覚した。安倍晋三首相は、閉幕の記者会見で「国民の信頼を損なったことについて行政のトップとしておわびする」とあらためて陳謝したが、いずれの問題も解決には程遠い。
 行政を巡っては、働き方改革の議論で不適切なデータに基づいた厚生労働省の調査が判明し、法案から裁量労働制の対象拡大が削除された。防衛省では当初は存在しないとされた自衛隊イラク派遣の日報が見つかった。さらに森友学園への国有地売却では、財務省による決裁文書改ざんが発覚し、「最強官庁」は地に落ちた。
 共通するのは、国会の議論が軽んじられていることである。会期中の審議時間の多くをこれらの不祥事に費やしながら、新規法案の成立率は9割を超す。各法案の審議がいかに短かったかが分かる。省庁の間で、少々都合の悪いことがあっても目をつぶって官邸の不興を買わないように、という空気が漂っているのではないか。
 議論の基になるデータや資料が事実と異なれば、行政府の監視という立法府の役割は果たせない。三権分立が揺るぎかねない由々しき事態だ。
 政治責任の曖昧さも際立った。麻生太郎財務相が、改ざんを主導した佐川宣寿前理財局長やセクハラ発言をした福田淳一前事務次官を擁護し続けたのは覚悟があってのことではなかったのか。改ざんの処分では佐川氏を停職3カ月相当とする一方、自らは大臣給与1年分の返納にとどめ、あぜんとさせられた。
 安倍首相も同様だ。自身や周辺の関与が疑われた森友、加計学園問題で、野党が要求した夫人の昭恵氏や「腹心の友」加計孝太郎理事長の証人喚問に絶対に応じようとしなかった。首相がいかに強弁しても、このままでは疑惑は晴らせまい。
 延長国会では、西日本豪雨の被害が深刻化する中、カジノを解禁する統合型リゾート施設(IR)整備法案の審議に大半を費やした。選挙制度の変更は政党間で一致点を探るべきなのに、党利党略を優先して参院定数6増案を成立させた。長期政権のおごりに他ならない。
 野党にも問題がある。森友、加計学園問題では何度も集中審議が開かれたが、攻め手を欠いていた。既視感のある論戦にうんざりした有権者も多かろう。18日間の欠席戦術も奏功したとは言えず、貴重な時間を浪費した責任は重い。
 何より、徹底抗戦の立憲民主党と「対決より解決」を掲げる国民民主党の足並みがそろわない。かつての民主党のように、二大政党制で政権交代を目指すというような明確なビジョンを示せなければ、国民の支持は得られまい。
 一方で危機感を抱く若手が国会改革の提言をまとめ、超党派の会議が発足した。だが大掛かりな改革だけが政治に信頼を取り戻す道ではなかろう。
 西日本豪雨の被害は甚大である。復旧や生活再建には国の迅速な対応が欠かせない。被災者生活再建支援法を改正し、被災世帯への支援金の引き上げや対象の拡大を野党は求めている。閉会中審査や臨時国会を開き、国民目線でどのような支援が必要か徹底して議論すべきだ。


国会閉会 安倍1強が議会政治をゆがめた
 通常国会がきょう閉会する。熟議を尽くし、幅広い合意形成を図るという議会本来の姿とは程遠く、安倍晋三首相の「1強体制」のひずみが際立った半年間となった。
 政府・与党は、働き方改革関連法や参院定数6増の改正公選法、カジノ解禁を含む統合型リゾート施設(IR)整備法といった批判の多い法律を次々と成立させた。一方、加計・森友両学園を巡る問題では新たな疑惑が生じたにもかかわらず、関係者の招致や野党の審議要求に応じなかった。首相が進める法案は数の力で押し通し、首相やごく近しい人物の関与が疑われる問題の解明は封印する。かつてこれほど強引な国会運営があっただろうか。議会政治は大きくゆがめられ、もはや危機的状況と言わざるを得ない。政府・与党の責任は重大だ。
 安倍政権は、今国会を「働き方改革国会」と位置付けていたが、その柱となる働き方改革法で、裁量労働制のデータ不備が発覚。裁量労働制の対象拡大は削除したが、高度プロフェッショナル制度(高プロ)では「過労死を助長する」との遺族らの悲痛な思いに耳を貸すことなく成立に踏み切った。
 自民党が他党の異論を振り切り提出した改正公選法は、比例への特定枠を新設しており、合区の自民現職を救済しようとする意図が明白だ。IR法に関しても、ギャンブル依存症の増加や治安の悪化など、国民の拒否感に対して十分に応えられたのか疑問が尽きない。
 いずれの法も、人々の生命や民主主義、社会の在り方に関わり大きな影響がある。にもかかわらず、問題点を指摘する声を無視し、改正公選法とIR法に至っては、わずかな審議時間で成立を強行した。政府・与党の手法には憤りしか覚えない。
 国会最終盤には、西日本豪雨が発生した。被災地で懸命の復旧活動が続き、野党は災害対応を理由に審議先延ばしを求めたが、政府・与党は法成立に突き進んだ。豪雨の危険が迫っていた夜に、首相ら自民党議員が飲み会を開いていたことも明らかになっている。政治の役割とは何なのか、いま一度足元を見つめ直してもらいたい。
 首相自ら「徹底的にうみを出し切る」と繰り返したはずの、加計・森友問題では、加計学園の加計孝太郎理事長や首相夫人の昭恵氏らの証人喚問が行われることはついになかった。
 愛媛県や財務省の文書には、加計氏や昭恵氏についての記述があり、疑惑解明に喚問は不可欠だ。しかし首相は真正面から向き合おうとせず、制度や組織の問題にすり替え続け、与党は民間人であることなどを理由に喚問を拒否し続けた。加計・森友問題は、政治への忖度(そんたく)から行政がゆがめられたのではないかという重大な疑惑である。各種世論調査で真相究明を望む声は依然多数を占める。幕引きを許しては、国会の存在意義さえ問われかねないと認識すべきだ。


【通常国会閉幕】機能不全の「言論の府」
 32日間にわたって会期が延長された通常国会がきょう閉幕する。
 立て続けに再燃した安倍政権の不祥事は、何ら解明が進まなかった。不備が多く指摘される重要法案も議論が尽くされないまま、数の力で採決が強行された。
 原因は安倍首相、あるいは安倍政権の説明姿勢にある。質問に真正面から答えず、論点をそらし、はぐらかす。異論には耳を傾けない。その結果、時間は浪費され、時間切れで強引な決着が繰り返されている。
 国会を軽視する政権の体質は官僚にも波及しているようだ。国会では不誠実な答弁が相次ぎ、「ない」としていた文書が次々に出てきた。民主主義の根幹を揺るがす事態だ。
 森友学園への国有地売却問題では、財務官僚が国会でうそを重ね、決裁文書まで改ざんしていたことが明らかになった。
 財務省は内部調査に基づき関係者を処分して幕引きを図った。だが、肝心の動機について、麻生財務相は「それが分かれば苦労せんのですよ」と言い放った。
 これでは真相解明は進まない。問題の核心は、安倍首相夫妻の影響や官僚側の忖度(そんたく)の有無であり、政治が私物化されていたかどうかだ。
 幕引きを許してはならないのは、加計学園の獣医学部新設問題も同じである。安倍首相の腹心の友が理事長を務める加計学園ありきだったのか。疑惑は何も晴れていない。
 この問題でも元首相秘書官が「記憶にない」と繰り返してきた愛媛県職員らとの面会について、国会答弁を覆す文書が次々に見つかった。
 共通するのは、政権に都合が悪いことは隠す体質である。全体の奉仕者であるはずの官僚の顔が、国民ではなく、首相官邸に向いている。6年近く権力を振るう「1強政治」の弊害を色濃く映し出している。
 その官僚に責任を押し付け、政治責任を取らない政権の体質もあらわになった。特に財務事務次官のセクハラ問題も抱えた麻生財務相は引責辞任を拒み続け、その言動は国民感覚とのずれを印象づけた。
 政権の説明姿勢の欠如は重要法案の審議にも及んだ。国民の納得を欠いたまま社会は変わっていく。
 安倍首相が今国会の看板に掲げた働き方改革関連法では、厚生労働省の不適切データが明らかになった。高度プロフェッショナル制度は、長時間労働を助長する懸念を残したままだ。
 カジノを含む統合型リゾート施設(IR)整備法も議論は尽くされていない。ギャンブル依存症対策や地域経済効果への疑問が膨らむ中、与党などが強引に押し切った。
 行政府を監視する国会の重要な役割を果たせない責任は、野党の非力にもあろう。だがその前に、安倍政権の下では疑問にまともに答えない、不誠実な権力の姿勢が議論の空洞化を招いている。
 「言論の府」である国会が機能不全に陥っている。その自覚と改善する意思を与野党に求める。


公文書管理 身内機関の監視では
 政権の都合に合わせて公文書を管理するため情報開示に消極的な政府機関にわざと担当させるのか―。そんな疑いさえわいてくる。
 森友学園を巡る決裁文書改ざんなどを受けた政府の再発防止策である。独立公文書管理監の権限、スタッフを拡充して、各府省庁の運用に目を光らせるようにする。
 管理監は特定秘密保護法の運用を監視するために、内閣府に4年前に設置された。事務局の情報保全監察室を持つ。
 管理監は今度の見直しで局長級に格上げされる。事務局として公文書監察室(仮称)を新設し、各府省庁に公文書管理官室(同)を置く。管理監はこれからは秘密法と公文書、二つの分野を掛け持ちすることになる。
 問題が多い。秘密法も公文書も毎年膨大な書類、データが発生する。管理の仕方も違う。本来なら別組織とすべきだ。
 加えて、公文書管理のお目付け役としての適格性だ。初代管理監も2代目の今の管理監も、ともに元検事である。検事は法務大臣の下で働く行政官だ。独立が保障される裁判官とは違う。政府に厳しい目を向け時に是正を求めて、国民への説明責任を果たす仕事を務めることができるのか。
 秘密法の運用をチェックする国会の機関、衆院情報監視審査会の3月の報告書を思い出す。管理監への注文として、▽自らの関心に従って「主導的」に動く▽検証・監察の流れを審査会に報告する―ことを求めている。管理監が政府のいいなりで、国会に十分な情報を上げていないのではないかとの疑心暗鬼がにじむ。
 実際、管理監が先日公表した2017年度の活動報告は、政府による過去1年間の秘密指定、解除の全てを「適正」とした。是正を求めたのは、防衛装備庁が特定秘密を含まない書類に誤って「特定秘密」と表示したケースなど、形式的なミスの3件だけだった。
 公文書の運用監視は本来なら政府から独立した第三者機関によって行うべきだ。具体的には、有識者がメンバーになっている公文書管理委員会を拡充し、その下に文書管理の専門家「アーキビスト」を置いて各府省庁に配置することが考えられる。
 政府が今回決めた仕組みは公文書の適正管理につながるとは思えない。公文書を「国民共有の知的資源」とし、「現在と将来の国民に説明する責務が全うされるようにする」とうたう公文書管理法に沿って検討し直すべきだ。


君が代「再雇用拒否」判決 行政の裁量広げすぎでは
 入学式などで起立して君が代を歌わなかったことが、退職後の再雇用を拒まれる理由になるのか。
 東京都立高校の元教諭22人が都に損害賠償を求めていた訴訟で、最高裁が1、2審判決を覆し、原告側の訴えを退けた。
 判決は、原告らの行為が、式典の秩序や雰囲気を一定程度損ない、式典に参列する生徒への影響が伴うことは否定し難いと指摘した。
 その上でこう述べた。
 当時の再雇用制度は、採用を希望する者を原則として採用しなければならない法令の定めはなかった。勤務成績の評価は任命権者の裁量に委ねられており、不採用は著しく合理性を欠くとは言えない−−。
 だが、これでは、採用側の裁量を広く解釈しすぎていないか。
 東京都は2003年、式典での国歌斉唱を教職員に求める通達を出し、拒否者を相次ぎ懲戒処分にした。原告らも、職務命令違反で戒告などの処分を受けた人たちだ。
 君が代斉唱をめぐる処分の可否については決着がついている。最高裁は12年、「戒告より重い減給以上の処分を選択するには、慎重な考慮が必要だ」との判断を示した。この時は停職や減給の処分が一部取り消された。懲戒権者の処分に「行き過ぎ」がないよう一定の線引きをした。
 さらに最高裁は別の判決で「君が代の起立・斉唱行為には、思想・良心の自由に対する間接的な制約になる面がある」とも述べている。
 再雇用は定年後の人生設計を左右する。9割超が再雇用されていた実態もあった。規律違反と不採用という結果の均衡が取れているのか。今回の最高裁判決には疑問が残る。
 日の丸・君が代との向き合い方は人それぞれだ。戦前の軍国主義と結びつける人もいれば、国旗・国歌として自然に受け入れる人もいる。ただし、一方の考え方を力で抑え込めば、最高裁が指摘したように、憲法が保障する思想・良心の自由に抵触しかねない。
 国旗・国歌法が成立したのは1999年だ。当時の小渕恵三首相は国会で、「国旗掲揚や国歌斉唱の義務づけは考えていない」と答弁し、個々人に強制しないと強調した。
 その精神は今後も尊重すべきであり、行政の慎重な対応が必要だ。


カジノ法成立 国民不幸にして金儲けか
 カジノ解禁を含む統合型リゾート施設(IR)整備法が国会で可決、成立した。カジノを刑法の賭博罪の対象から除外する同法を根拠に、政府は2020年代半ばにも民間によるカジノ開業を目指す。IR整備法といっても実際は賭博合法化法だ。賭博を認める法律がなぜ必要なのか。強い疑問が残る。
 ギャンブル依存症の拡大や治安悪化が懸念され、国民の不安は根強い。6月の共同通信の世論調査では69%が「今国会で成立させる必要はない」と回答している。カジノ解禁への理解は進んでいない。それにもかかわらず、あまりにも拙速に成立させた。世論軽視の強行と言わざるを得ない。
 政府は昨年3月、ギャンブル依存症の実態把握のための成人2200人を対象にした初の面接調査の結果を発表した。回答した993人のうち生涯で依存症の経験が疑われる人は2・7%だった。
 一方、各国のギャンブル依存症が疑われる人の割合は、調査対象数や調査方法にばらつきがあるものの、米国や韓国など11カ国と香港では0・2〜2・4%だった。
 つまり日本はギャンブル依存症の割合が各国と比べても高い水準にある。国内で依存症経験が疑われる人は320万人に上るとの推計もある。そこにカジノを解禁すれば、依存症の割合がさらに高まるのは目に見えている。
 法案では依存症対策として、日本人のカジノ入場にマイナンバーカードを使った本人確認を義務付け、週3回、月10回という上限を設定している。
 安易な利用を減らそうと入場料6千円を徴収するほか、国が事業者を厳しく監督する免許制度も導入するとしている。しかし年間120日まで入場できる仕組みで依存症の歯止めになるのか。極めて疑問だ。
 政府はカジノを含むIRによる観光立国をアピールする。しかし訪日外国人客は過去6年間で4・6倍と急拡大している。カジノに頼る必要などない。むしろカジノ客の7〜8割は日本人が占めるとの民間や自治体の推計もある。
 安倍晋三首相は「IRが日本全体の経済成長につながる」と主張する。しかし政府は「現時点では経済効果額の試算はできない」と説明する。数字の裏付けのない経済効果をアピールされても、判断のしようがない。
 政府は賭博を刑法で処罰してきた根拠に立ち返るべきだ。最高裁の判例では賭博について「国民をして怠惰浪費の弊風を生ぜしめ健康で文化的な社会の基礎を成す勤労の美風を害する」などと示している。
 カジノ合法化の法律を成立させるべきではなかった。政府は国民を不幸にさらしてでも金儲けを優先させようというのか。そうでないというのなら、早期に廃止すべきだ。


[カジノ法成立] 世論を軽視した強行だ
 カジノが本当に成長戦略の柱となり得るのか、ギャンブル依存症対策は十分なのか。
 国民が抱く多くの不安や疑問を解消しないまま、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)整備法が成立した。世論を軽視した強行と言わざるを得ない。
 IR整備法は、カジノを賭博法の適用対象から外し、解禁するものだ。IRは全国3カ所を上限に整備する。
 国民の大きな懸念の一つは、推計約320万人とされるギャンブル依存症が拡大するのではないかということだ。
 政府は日本人の入場を「週3回、月10回」に制限する規定などを設け「世界最高水準のカジノ規制」とアピールする。
 だが、採決間近の審議で、1回の入場で24時間滞在できる「抜け道」が判明した。日付をまたげば週6回通うことが可能だ。
 これでは依存症対策として、とても効果的とは言えまい。
 カジノ業者から入場者への金銭の貸し付けを認める規定にも問題が多い。
 野党側は「依存症を助長する恐れがある」と批判した。だが、法案担当の石井啓一国土交通相は「対象は富裕層に限定し、顧客ごとに限度額も定める」と主張し、修正することはなかった。
 しかし、この「富裕層」の定義を含めた貸し付け業務の詳細や、依存症の危険度を左右するカジノゲームの種類など331項目に及ぶルールは、国会審議を必要としない政省令などで決める。
 中身が不透明なまま成立を急いだのは、事業者の利益を優先するためと疑われても仕方あるまい。政省令の策定は、国民に見える形で慎重に進めるべきだ。
 法成立を受け、IR誘致を表明する自治体の活動が今後、本格化しよう。
 自治体は公募で選んだカジノ事業者と共同で計画を策定する。申請を受けた国が審査し、整備区域を認める流れだ。
 安倍晋三首相は国会で「雇用や地域振興に効果が見込める。観光立国の原動力にもなる」と繰り返し強調した。
 一方で、整備地域が未定との理由で、政府は経済効果の詳細な試算を最後まで示さなかった。
 治安悪化などの弊害も懸念されており、住民の理解を得て合意形成が図れるかも課題だ。
 自分たちが住む地域の魅力を海外からの観光客に知ってもらう手段としてカジノが最適なのか。誘致を考える自治体は、計画を丁寧に説明するとともに、住民の意見に耳を傾けてもらいたい。


今年の東京医大入試、前局長の息子以外でも不正
 文部科学省の私立大学支援事業を巡る汚職事件に絡み、東京医科大学(東京)が今年2月に実施した入試の1次試験で、複数の受験生の試験結果のデータが改ざんされ、点数が加点されていたことが関係者の話でわかった。東京地検特捜部は、大学のパソコンなどを「デジタル・フォレンジック(DF)」で解析。受託収賄容疑で逮捕された同省前局長・佐野太容疑者(59)の息子を含む複数の受験生に対する不正を確認した。
 特捜部は、加点対象となった受験生の名前と加点される点数が記載されたメモも入手。DFの解析結果とメモの記載内容は一致しており、特捜部は、同大が支援事業の対象に選定されるよう便宜を図ってもらった見返りに、臼井正彦前理事長(77)と鈴木衛前学長(69)が、佐野容疑者の息子を不正に合格させたことを裏付ける証拠とみている。
 2人は特捜部の任意の事情聴取に不正を認めており、特捜部は近く、佐野容疑者を受託収賄罪で起訴するとともに、2人も贈賄罪で在宅起訴する見通し。関係者によると、佐野容疑者の息子が受験した同大医学科の一般入試では、数学・理科・英語のマークシート方式(数学の一部を除く)で1次試験を実施。合格ラインに達した受験生が小論文などの2次に進み、両方の試験結果を合算して合否が決まった。1次の採点は同大が委託する外部業者が行い、試験結果を電子データで同大に戻していた。


[受動喫煙防止法]見直しが必要な内容だ
 受動喫煙対策を強化する改正健康増進法が成立した。多くの人が集まる建物内を罰則付きで原則禁煙とする法律ができるのは初めてだ。
 これまでの受動喫煙対策は努力義務にすぎず、罰則もなかったことを考えると、改正法は一歩前進ではある。しかし内容は不十分と言わざるを得ない。
 改正法は2020年の東京五輪・パラリンピックに向け、段階的に施行する。
 来年夏をめどに病院、学校、行政機関、保育園が屋内完全禁煙となる。20年4月からは、他人のたばこの煙を吸うことが多い場所とされる飲食店、職場、ホテルのロビーなどが原則禁煙となる。
 法改正を巡っては、例外的に喫煙できる飲食店の範囲が焦点になった。
 厚生労働省が17年にまとめた当初案は、店舗面積30平方メートル以下のバーやスナックに限っていた。しかし自民党の「たばこ議員連盟」などの反対で、資本金5千万円以下で客席面積100平方メートル以下に緩和。既存飲食店は経過措置として例外扱いされ、入り口に「喫煙可」などと表示すれば喫煙できるようになった。
 厚労省は新規の飲食店は規模に関係なく原則禁煙とすることから、喫煙できる飲食店は減っていくと説明するが、経過措置の期限は決まっておらず、見立て通りに進むかどうか不透明である。
 改正法で経過措置の対象となる飲食店は全体の55%と推計され、半分以上の飲食店が喫煙できる。原則と例外が逆転しており、実効性に疑問を投げ掛ける数字である。
■    ■
 政府が罰則付きの改正法にかじを切ったのは、東京五輪・パラリンピック開催がきっっかけである。
 国際オリンピック委員会(IOC)と世界保健機関(WHO)は10年に「たばこのない五輪」を推進することで合意。少なくとも08年以降の夏季、冬季の全ての開催地は罰則付きの受動喫煙防止対策が講じられてきた。
 五輪開催地となる東京都では6月、面積にかかわらず従業員を雇う飲食店は原則禁煙とする条例が成立した。
 都内の飲食店の84%が規制対象となる見通しだ。国より厳しい内容である。
 ただし国と都の対策が進んだとしてもWHOが基準とする八つの公共の場所の「屋内全面禁煙」の評価は4段階の最低から1ランク上がるにすぎない。「屋内全面禁煙」は世界の潮流である。改正法は例外規定で骨抜きにされており、早急な見直しが必要だ。
■    ■
 たばこの煙には発がん性物質が含まれ、がんや心筋梗塞、脳卒中などの原因となっていることが科学的にも証明されている。
 受動喫煙による国内の推計死者数は年間1万5千人とのデータがあり、交通事故による死者数の4倍に相当する。
 受動喫煙は喫煙者のマナーなどの問題ではなく、他人のたばこの煙を吸わされる人の命と健康を脅かす問題だと認識しなければならない。
 一人一人が受動喫煙を防止する意識を高めることも重要だ。この機会に県でも条例に向けた議論を進めてほしい。


無策の安倍首相を尻目に…本田圭佑「電撃訪朝」急浮上
 サッカーの本田圭佑の朝鮮学校サプライズ訪問には驚いた。拉致問題解決に向け、日朝首脳会談に意欲を見せながら、事態を1ミリも動かせない安倍首相を尻目に、民間交流に意気込みがあるようだ。関係者の間では電撃訪朝プランも浮上している。
■朝鮮学校サプライズ訪問に続き
 19日に本田が訪れたのは、神奈川朝鮮学園。名古屋グランパス時代のチームメートだった安英学から訪問を打診されて快諾。体育館に集められた横浜朝鮮初級学校と神奈川朝鮮中高級学校の児童や生徒たちは本田来訪を知らず、本田が現れると怒涛のような歓声が上がったという。安英学と対談した本田は、「夢を持つこと。夢を忘れないこと。夢を諦めないこと」と激励したそうだ。
 本田は11年ぶりに行われた4月下旬の南北首脳会談を受け、「素晴らしく、歴史的な第一歩。多くの韓国人と北朝鮮の友人達よ。本当におめでとう!そして乾杯!!」と祝福ツイート。それを読んだ安英学が声をかけたという。
「韓国、北朝鮮両国の出身者と交遊がある本田は70年を超える朝鮮半島分断の歴史に胸を痛め、南北統一問題に関心を持っているようです。サプライズ訪問は安英学の求めに応じたものですが、朝鮮総連の意向もくんだものでしょう。本人が応じるかどうかは別ですが、本田の電撃訪朝プランも温められているようです」(日朝関係筋)
 国交のない北朝鮮とスポーツを通じて交流する元スポーツマンは珍しくない。
 バスケ好きの金正恩委員長からアプローチされた元NBA選手のデニス・ロッドマンはこれまで5回訪朝。参院議員のバッジを着けてから北朝鮮に通うようになったアントニオ猪木は32回も訪朝している。
 なぜこのタイミングなのか。金正恩の対日不信は根深いといわれている。拉致問題をめぐり、金正日総書記が小泉首相に拉致を認めて謝罪したにもかかわらず、国交正常化は頓挫。安倍首相は“拉致の安倍”の金看板で首相まで上り詰め、政権浮揚に北朝鮮をたびたび利用してきた。その一方、核・ミサイル開発を理由に独自制裁を強化。総連幹部の日本への再入国禁止対象を拡大した。
「安倍首相は日朝対話再開の可能性に言及していますが、口先だけの“やってる感”は否めません。本田が北朝鮮と交流を重ねていることが世間に知れ渡れば、拉致問題の解決を求める世論が〈安倍首相は何をやっているんだ!〉と声を上げるのは避けられないでしょう。民間外交の積極展開で安倍首相を追い込んでやろうという意図も見え隠れします」(前出の日朝関係筋)
 本田は米俳優ウィル・スミス氏と組み、米国の新興企業に投資する1億ドル(約113億円)のベンチャーファンドを共同設立。西日本豪雨の被災地に毎月10万円を1年間寄付するという。
 社会貢献意識が強く、人脈も行動力もある本田が動いたら、安倍政権に激震が走るのは間違いない。


[女性自認学生] 受け入れは自然な流れ
 お茶の水女子大は、戸籍上は男性でも自身の性別が女性と認識しているトランスジェンダーの学生を2020年4月から受け入れる方針を発表した。
 自治体による性的少数者(LGBT)のカップル認定など、多様な性のあり方を尊重する社会が少しずつ広がる中、教育現場として自然な流れといえよう。
 出願資格をどうやって確認するかは今後の課題とし、必要な施設整備などの準備に今年から着手する。
 個々の状況に応じた対応に努めると同時に、周囲の学生も含めて、安心して学業に取り組めるような環境づくりが必要だ。
 お茶の水女子大はこれまで「女子」としていた入試の出願資格を「戸籍または性自認が女子」と改める。会見した室伏きみ子学長は「多様性を包摂する社会の対応として当然と考えた」と説明した。
 文部科学省によると、国内の女子大で受け入れを決めたのは初という。女子教育の普及や女性の社会的地位向上に尽くしてきた名門大が、性的少数者の受け入れの先頭に立つ意義は大きい。
 日本女子大や津田塾大、奈良女子大など複数の女子大でも受け入れの検討が始まっており、流れは拡大していきそうだ。
 大学では、共学の早稲田大が17年4月に性的少数者の学生のサポートセンターを立ち上げるなど、支援体制の整備が進んでいる。
 一方、女子大では受験資格自体が壁となり、支援の検討が後手に回ってきた面は否めない。
 いまだ偏見にさらされることの多いLGBTの正しい知識を身につけるためにも、同じ学校で当事者と触れる機会は大切だ。多様な価値観を受容する学校づくりにつなげてもらいたい。
 同性愛のレズビアンとゲイ、両性愛のバイセクシュアル、生まれつきの性に違和感を抱くトランスジェンダーの頭文字を取ったLGBTという言葉は、日本社会に浸透してきている。
 自治体では東京都渋谷区や福岡市などで、LGBTのカップルを結婚に相当するパートナーとして公認する制度が始まった。だが、法的拘束力はなく、政府は合法化に慎重姿勢を維持している。
 国連の人権担当者は先月、日本の性的少数者が置かれている状況について「先進7カ国(G7)の中で、法的にも社会的にも後れを取っている」と指摘した。
 性的少数者にどう向き合うかは、基本的人権の尊重に関わる問題でもある。排除や差別ではなく、互いに認め合う社会のあり方を一緒に考えたい。


「ミヤネ屋」の安倍応援団コメンテーター・野村修也弁護士が弁護士会から懲戒処分! 同じ案件で橋下徹にも懲戒請求
『情報ライブ ミヤネ屋』(読売テレビ)などへの出演でも知られる野村修也弁護士が、17日、所属する第二東京弁護士会から業務停止1カ月の懲戒処分を受けた。
 野村弁護士といえば、コメンテーターとして出演しているワイドショーや情報番組では大阪維新の会や安倍政権を擁護・応援する主張が目立つが、これまで金融庁顧問や総務省顧問、厚労省顧問、司法試験考査委員、福島原発事故調査委員会委員など数々の政府機関の公職に就任。2012年1月から同年4月にかけては当時の橋下徹大阪市長の任命で大阪市の特別顧問を務めていた。
 野村氏は大阪市特別顧問時代の2012年2月、市職員に対し労働組合に関するアンケート調査を実施。橋下市長らは表向き「市職員による不祥事の究明」などと建前を並べたが、実際には関係者から「思想調査だ」「労組つぶし」という批判の声があがり、内容や調査方法が思想信条の自由を侵害しているなどとして、野村氏に対する懲戒請求がなされていた。
 今回、第二東京弁護士会は、野村氏が責任者として行なったアンケートの複数の項目について、職員の政治活動の自由や団結権、プライバシー権などの基本的人権を侵害したと認定。弁護士の「品位を失うべき非行」にあたるとして業務停止1カ月の懲戒処分を下した。
 野村氏は日弁連に不服を申し立てるとしている。また、19日にはTwitterにも反論を投稿。〈私が調査した大阪市役所の職員による不正行為の実態については、大阪市のHPに掲載中の報告書をご覧下さい。なお、指摘した問題点は直ちに大阪市自身の手で改善され、市役所内部に新たな規律が設けられるとともに、不当な便宜供与等に対する無駄な税金の支出が解消されました〉と主張した。
 しかし、野村氏に対する懲戒処分は、客観的に見ても極めて妥当なものだ。そもそも、野村氏がどれだけ「成果」をアピールしようが、すでに明らかになっているアンケート調査の違法性はいささかも減じない。むしろ、この問題が6年前に起きたことを考えれば、懲戒処分は遅きに失したと言うべきだろう。
 念のため経緯を振り返っておこう。問題のアンケート調査は、橋下市長の指示で野村氏が仕切る第三者調査チームが行ったもので、教員をのぞく市の職員約3万4千人全員が対象とされた。当時、流出したアンケート書類がネット上にアップされたのだが、そこには「橋下徹」との大きな署名つきで〈任意の調査ではありません。市長の業務命令として、全職員に真実を正確に回答していただくことを求めます〉〈正確な回答がなされない場合には処分の対象になります〉などと記されていた。
 質問は、大阪市の労働条件に関する組合活動への参加したことがあるか、組合幹部は職場で優遇されていると思うか、組合に加入しないことによる不利益はどのようなものがあると思うか、などの22項目。また電話やファクス等による密告まで呼びかけられていた。
 言うまでもなく、労働組合への支配介入は労働組合法違反の不当労働行為であり、憲法で保障されている団結権等の侵害だ。政治的思想について告白を強制するのは思想及び良心の自由の侵害にあたる。また、こうした憲法違反のアンケートを強制し、組合員をあぶり出しながら、さらに回答しない場合は処分すると恫喝する行為も労組法違反の不利益取扱である。極めて悪質な「思想調査」以外のなにものでもない。
 実際、橋下市長と野村氏によるアンケート調査に対しては、日弁連が即座の調査中止を求める会長声明を出し、大阪府労働委員会や中央労働委員会も不当労働行為と認定。裁判所も違法の判断をくだしている。たとえば、市職員とOB合わせて59名が大阪市を相手取り損害賠償を求めた裁判では、一審、二審ともにアンケートの一部を「職員の団結権やプライバシーを侵害し違法」と認定した(2016年に市側が上告せず高裁判決が確定)。
懲戒理由になった思想調査の責任者、橋下徹・元大阪市長にも懲戒請求
 つまるところ、法曹界や労働界の勧告のみならず、司法判断を鑑みても、野村氏への懲戒処分は当然としか言いようがないのだが、もうひとつ、忘れてはならないのは、橋下元市長の責任だ。
 前述の通り、アンケート調査を指示したのは当時の橋下市長であり、「正確な回答がなされない場合には処分の対象になる」と恫喝した書面にも橋下氏の自筆サインが付されていた。市行政の長として違法な業務命令を下していた責任者なのである。
 橋下氏は現在までに、野村弁護士の懲戒処分についてメディアでコメントをしていない。一方で、Twitterでは、前述の野村氏の反論ツイートや、〈弁護士会の「品位」って何だ?〉などと処分を批判した吉村洋文大阪市長のツイートをリツイートしているのだが、実は、橋下氏に対しても、市長時代のアンケート調査の問題に関連した懲戒請求がなされている。
「懲戒請求があると、まず弁護士会内の綱紀委員会が調査をして、そこで審査すべきと判断されれば、懲戒委員会に回されて結論が下されます。橋下氏についてはアンケート調査をめぐる言動の違法性や弁護士職務基本規定に反しているとの指摘があり、2013年10月に懲戒請求が申し立てられていました。昨年11月には綱紀委員会の議決を経て、懲戒委員会へかけられています。野村氏への処分の程度を考慮すれば、橋下氏に対しても数カ月のうちになんらかの処分が下される可能性がある」(全国紙司法担当記者)
 実際、今年1月2日にはNHKが〈アンケート調査が不当労働行為とされたのに橋下氏が決定に従わず、「市の公務員は何百人もクビですよ」などと発言したとして、弁護士会が懲戒処分を検討する方針を決めた〉と報道。大阪弁護士会が「弁護士としての品位を失う行為だ」として処分を検討する方針を決めたことが関係者への取材で分かった、と伝えている。
 橋下氏が所属する大阪弁護士会は、本サイトの取材に対し「原則としてこちらからは懲戒請求の有無は公開しておりせん」としつつ、「所属弁護士に業務停止以上の重たい処分を下した場合には発表いたします」(委員会部担当者)と回答した。
維新タブー? NHKが野村弁護士の懲戒を全国ニュースでボツに
 いずれにしても、大阪市特別顧問であった野村弁護士への業務停止処分が公表されたいま、橋下元市長に関してもそう遠くない時期、何らかの発表があってもおかしくないが、そんななかで気になるのはマスコミの動向だ。
 本サイトでは何度も指摘しているように、マスコミの一部ではいまだに“維新タブー”とも呼ぶべき橋下氏らに対する忖度が存在する。事実、野村氏についても、今回の処分を事前にキャッチしたスクープが潰されかけていた。
 NHKは今年6月7日、野村氏に関して懲戒委員会で処分の検討が始まったことを大阪ローカルで報道していた。事実上、懲戒処分が下されることをすっぱ抜いたスクープだったが、しかし、全国的にはほとんど知られることはなかった。なぜか。
「野村弁護士に対する懲戒処分検討のスクープは大阪放送局によるもの。NHKでは地方の報道は一度、東京の『ネットワーク』と呼ばれる部署に集められ、ここで全国放送するかどうかが判断されるのですが、くだんのスクープは大阪側から全国放送のオファーがあったにもかかわらず、不可解にも東京側が撥ねてしまった。表向き『弁護士の懲戒処分はよほどのことがないかぎりニュースにしない』などと理由づけしたようですが、野村弁護士はメディアにも頻繁に登場し、数多くの公職を歴任してきた公人。普通の弁護士とはわけがちがう。首をかしげざるをえません」(NHK関係者)
 政治的な睨みの厳しい東京で、NHK上層部による何らかの圧力や忖度が働いたとしか思えないが、いずれにせよ、野村氏の懲戒処分発表によって、数カ月のうちに橋下氏へも業務停止以上の処分が出るのではと推測する関係者は少なくない。マスメディアは問題の本質をしっかりと伝えられるのだろうか。その行方にも注目したいところだ。(編集部)

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La chaleur, drame du quotidien au Japon et enjeu des JO de Tokyo
L’archipel nippon subit une vague de chaleur inédite ; 10 000 personnes ont été hospitalisées et 30 ont déjà succombé aux fortes températures.
Il fait terriblement chaud au Japon. L’Archipel s’est réveillé ce week-end sur la promesse de nouvelles journées de températures record, avec plus de 38 °C attendus dans plusieurs régions, notamment à Kyoto (Ouest) qui n’a jamais connu pareille touffeur depuis le début des statistiques météorologiques en 1880.
La présence de deux systèmes de hautes pressions couvrant la quasi-totalité du pays fait de ce mois de juillet l’un des plus torrides de l’histoire : à 35 °C en moyenne depuis le 9 juillet, les températures dépassent les normales de 10 °C. La vague de chaleur, qualifiée par l’agence de météorologie de ≪ grand danger pour la santé ≫, pourrait durer jusqu’à la fin du mois.
Plus de 10 000 personnes ont déjà été hospitalisées et trente ont déjà succombé. Le ministère de l’éducation rappelle que les coups de chaleur peuvent survenir même quand la température oscille entre 25 °C et 30 °C. Le risque dépend aussi du taux d’humidité, qui exacerbe la chaleur ressentie. D’après le site spécialisé Accuweather, la température devait atteindre 34 °C à Tokyo samedi avec un ressenti à 40 °C. Le taux d’humidité devrait lui s’établir autour de 65 %.
Les autorités répètent à l’envi l’importance d’utiliser les climatiseurs et de s’hydrater, ainsi que d’éviter de sortir et de pratiquer des activités en extérieur. Les écoles doivent prendre des mesures pour protéger les enfants. Un écolier de 6 ans du département d’Aichi (Centre) est mort le 17 juillet après avoir participé à des activités en plein air. Huit autres, scolarisés à Shimonoseki dans l’ouest du pays, ont dû recevoir des soins le 18 à cause d’insolations.
Inquiétude pour les JO de 2020
La situation est particulièrement pénible pour les 4 400 personnes évacuées, fatiguées et stressées, à la suite des inondations et glissements de terrain qui ont fait 218 morts et douze disparus début juillet dans l’ouest du pays. L’intense chaleur perturbe même le travail des militaires des forces d’autodéfense, des secouristes et des volontaires déployés pour dégager les décombres des zones sinistrées.
La gravité du phénomène a ravivé les débats sur l’organisation des Jeux olympiques (JO) de Tokyo, programmés du 24 juillet au 9 août 2020. Annoncé le 19 juillet par le Comité international olympique (CIO), le calendrier des épreuves a voulu en tenir compte, fixant le départ des marathons à 7 heures du matin et celui du 50 km marche à 6 heures.
Les choix opérés ont été accueillis avec prudence par la Fédération japonaise d’athlétisme. Toshihiko Seko, le responsable de la section marathon et qui a participé aux JO de 1984 et de 1988, préférerait des départs des épreuves encore plus tôt pour 2020. ≪ Il s’agira de courses à risques. Nous attendons du comité d’organisation qu’il installe le plus de brumisateurs possible et aménage un maximum de zones d’ombre sur le parcours pour que tous les coureurs puissent finir l’épreuve ≫, a-t-il déclaré au quotidien Japan Times.
En 2007, 30 % des 85 coureurs du marathon d’Osaka (Ouest) avaient abandonné à cause de la chaleur. L’épreuve courue alors que le thermomètre affichait plus de 30 °C, avait pourtant commencé à 7 heures.
Nous sommes conscients que nous devons nous préparer à la chaleur extrême ≫, a reconnu le 12 juillet John Coates, responsable du CIO chargé du suivi de la préparation des JO, expliquant que le Japon n’était pas le ≪ premier pays à accueillir les épreuves sous une chaleur extrême. C’est une conséquence naturelle de l’organisation des JO en juillet et en août.
Protéger les athlètes et le public
Malgré ces déclarations rassurantes, la chaleur représente un casse-tête pour les organisateurs, qui veulent éviter tout problème avec les athlètes comme avec le public. Ils prévoient l’installation d’≪ abris ≫ ventilés et la mise en place d’un dispositif de suivi en temps réel du risque thermique sur chaque site.
Des produits réduisant de plusieurs degrés la chaleur dégagée par le goudron devraient être utilisés et le gouvernement va multiplier les plantations d’arbres le long des parcours des courses de fond. Les organisateurs de Tokyo 2020 vont également établir des directives sur la gestion des épreuves en cas de températures extrêmes.
Lors d’une visite organisée le 18 juillet du Stade national, qui accueillera les cérémonies d’ouverture et de clôture ainsi que les épreuves d’athlétisme, Keiji Kato, du Conseil japonais des sports (JSC) a expliqué que la conception du toit pouvant partiellement recouvrir le stade permettait d’améliorer la circulation de l’air et de maintenir une certaine fraîcheur pour les spectateurs. Le thermomètre affichait 43 °C ce jour-là.
フランス語
フランス語の勉強?
SWITCHインタビュー 達人達(たち)「フランソワ・オゾン×池松壮亮」
“今、気になる俳優”池松壮亮が、フランス映画祭2018のために来日した映画監督、フランソワ・オゾンと対談。互いの人生から映画監督と俳優のあり方まで語り合った。
女性の繊細な心理描写などに定評のあるオゾン監督。池松が、演出について尋ねると「身体はうそをつけない、だから私は俳優の身体に真実を語らせる」と話した。一方池松も演技が「うそ」にならないよう心がけていることなどを語る。さらに、カメラの前で俳優はいかに振る舞うべきか、監督は何をすべきか、そしてフランス映画、日本映画の将来まで、静かな男たちが熱い映画論を交わした。 映画監督…フランソワ・オゾン,俳優…池松壮亮, 吉田羊,六角精児

ETV特集「私は産みたかった〜旧優生保護法の下で〜」
“不良な子孫の出生を防止”するため障害者への強制不妊手術を認めていた旧優生保護法▽優れた命と劣った命を分ける“優生思想”の広がり▽人生を翻弄された人々はいま…
もしも、16歳に戻れるなら…自分でも知らないうちに子供を産むことができなくなった70代の女性は、悔しさと共に人生を振り返る。“不良な子孫の出生を防止”するため障害者に不妊手術を強制していた旧優生保護法。その数は16000人以上とされる。背景にあったのは、優れた命と劣った命を選別する“優生思想”。戦後日本で、なぜ優生思想は広がったのか。旧優生保護法を契機に、障害者の命をめぐる知られざる歴史に迫る。 劇団態変主宰・芸術監督…金滿里, ayako_HaLo,守本奈実

和歌山カレー事件再審請求弁護団報告(和歌山カレー事件を考える人々の集い)
和歌山カレー事件から20年 林眞須美さんは、獄中から無実を訴え続けています!!
・第1部 お話:森 達也さん(映画監督)
・第2部 弁護団報告:和歌山カレー事件再審請求と民事訴訟の「いま そして これから パート検
挨 拶:鈴木邦男さん(林眞須美さんを支援する会代表)
資料代800円/事前申込不要


昼過ぎから大阪弁護士会館で林眞須美さんを支援する集会.早速と思って出かけたのですが会館近くで財布忘れていることに気がつきました.知り合いがいたら借りる・・・と思いましたが来ていないとダメなので財布を取りに戻ります.暑いですが仕方ないです.
講演の森さんのお話は面白かったです.反原発やオウムの話から入って刑事司法の在り方にまで話が及びます.マスコミの水かけたというのでネガティブなイメージがある林さんですが,無実なのには変わりありません.新たに和歌山カレー事件で林さんの無実を紹介する本が出版されたとのことです.保険金詐欺をしていたことと殺人は結び付きません.証拠もなしにいい加減な印象操作はよくないですね.鈴木邦男さんとのトークもなかなか.そして圧巻は健治さん登場.車いすですが元気のようです.
そういえば森さんはネットで林眞須美さんのことをもっと知らせるように工夫したほうがいいって主張していました.そうですね.

石巻の海水浴場 8年ぶり海開き
東日本大震災で被災した石巻市の渡波海水浴場が、21日、8年ぶりに再開し、地元住民などでにぎわいました。
石巻市の渡波海水浴場は、市の中心部から最も近い海水浴場で、震災前は年間およそ8000人が訪れていましたが、津波で砂浜の一部が流されたほか周辺で防潮堤の工事を進めるため、震災後は閉鎖されていました。
しかし、防潮堤の工事が完了し、海底のがれきも撤去されて安全性が確認されたことから、21日、8年ぶりに海開きが行われました。
海開きには石巻市の亀山紘市長や多くの地元住民が集まり、安全を祈願する神事を行いました。
午前10時になると、夏休みに入った地元の子どもたちなどが訪れて、海水をかけあったり砂遊びをしたりし、海水浴場にはにぎやかな声が広がりました。
地元の中学3年生の男子生徒は、「小さいころから遊んでいた場所が遊べなくなり、がっかりしていました。きょうの海開きで震災の後、何かひっかかっていたものが取れたような気がします。いろんな地域の人にも来て欲しいし、自分もたくさんの人を誘って来たいと思います」と話していました。
渡波海水浴場は来月12日まで午前10時から午後3時までオープンし、石巻市では、期間中に震災前と同じ8000人ほどが訪れることを見込んでいるということです。


豪雨災害対策/ダム、堤防の強化を急ぎたい
 洪水や土砂災害などで甚大な被害が広がった西日本豪雨は、豪雨災害の恐ろしさをまざまざと見せつける一方、防災の遅れを痛感させた。上流のダムのかさ上げ、河川の堤防の強化など、ハード面の対策を急がなければならない。
 西日本豪雨などによる被害額は、農林水産業関連だけで768億円に上った。被害額は今後も膨らむ見込みで、その他のさまざまな被害を合わせれば、どれほど巨額になるか分からない。
 豪雨災害はさまざまな治水対策によって相当程度、被害を軽減できる。被害が発生してからの人命を含めた巨額の損失を考えれば、事前の防災対策という公共事業をためらうべきでない。急激な気候変動に対する防災対策の進展の速度は遅れている。
 まずは、河川の堤防の強化を早急に実施すべきだ。堤防の多くは、川側がコンクリートでも、裏法面(のりめん)と呼ばれる住宅地側は土でできている。堤防からあふれる越流によって土の側がえぐられ、これが決壊の大きな原因となる。
 広範囲の降雨と雨量の増大のため、洪水の継続時間が長くなり、堤防の決壊の危険性は各地で増すばかりだ。堤防の上面のアスファルト化などを含む堤防の補強は、喫緊の課題だろう。
 場所によっては既存のダムのかさ上げも必要だ。ダムの構造上、少しのかさ上げでも貯水量は大きく増える。西日本豪雨の際も事前放流で水位を下げて雨に備えたが、愛媛県のダムでは容量が足りず、緊急避難的に放流する措置を取らざるを得なかった。
 ダムの構造体は鉄筋を使わないコンクリート製であるため、鉄筋の腐食による劣化がないのが特色で、強度は自然石と同等と言われる。既設ダムのかさ上げには技術的に何ら問題はなく、安価な費用で済む有効な洪水対策だ。
 豪雨に備えて多目的ダムの水位を下げ、予測が外れた場合、今度は渇水という問題に直面する。効果的な事前放流を行うためには、降雨量やダムへの水の流入量に関する気象予測の精度を上げる努力も必要になる。
 日本の河川はほとんどが急流で治水のためのダムが有効であったにもかかわらず、かつて、自然破壊の象徴とみられた時期があった。森林による「緑のダム」の効果が実際の貯水能力以上に喧伝(けんでん)され、ダムの洪水調節機能が軽視された。
 公共事業の総額は1990年代の終盤をピークに下がり続け、旧民主党政権時代には激減した。「コンクリートから人へ」という情緒的な政治スローガンによって、ダムだけでなく公共事業全般が悪玉にされた。
 事業仕分けなどで公共工事が遅れ、災害の被害を増やしたとすれば、残念と言うほかはない。防災のための社会基盤の整備は決して無駄ではなく、将来に残す資産である。


災害時の情報伝達 早期避難実現へ検証を
 多くの犠牲を出した西日本豪雨の現場では、いまだに安否不明者の捜索が続き、住宅被害のほか、農地、鉄道などの復旧も長期化が懸念される。被害拡大の一因となった避難情報の伝達、周知の課題を考えておきたい。
 予想降雨量が災害に直結するレベルであることは早くから明らかだった。気象庁は5日午後には台風以外では異例の緊急会見を開き、関係省庁にも警戒を呼び掛けた。ただ、それが国民にどれだけ深刻に受け止められていたか。政権は「初動対応は万全だった」と正当化するばかりでなく、情報発信の在り方について謙虚に検証するべきだ。
 特に発信のタイミングと手段は妥当、十分だったか。対象地域を決める基準や言葉遣いについても専門家の知恵を借りて見直してほしい。放送やインターネット、携帯端末など伝達手段は多様だが、そうしたメディアになじみのない人もいる。自分では逃げられない独居高齢者や要介護者にどう伝えるか。地域の共助、見守りが果たす役割も重視した制度設計が望ましい。
 今回の豪雨では事態が広域で、急速に進んだ。ただ、河川の氾濫、浸水、土砂災害の多くはハザードマップ(危険予測地図)の想定内だった。それなのに、避難指示が深夜、未明だったことなどで多くの人が、自宅や周辺で濁流にのまれた。想定が生かされなかった。
 ハザードマップは、浸水の恐れがあるほぼ全ての市町村で作成済みではあるが、農水省のデータで、決壊などで被害の出る恐れがある全国1万カ所以上の「防災重点ため池」は、約35%しかハザードマップが公表されていないことも分かった。危険箇所が強調されれば地価に影響するとの懸念があるという。しかし、長期的にはむしろ、安全な町並みをつくる手掛かりになるのではないか。
 マップは、その意味するところを住民が実感するため、浸水域が一目で分かることは大前提として、どんな状況なら、どの経路で逃げるか。地域ごとに、住民を交えて検討し、反映したい。作成の指針や避難所の環境改善、危険箇所の改修などで、国の一層の支援も不可欠だろう。
 避難準備・高齢者等避難開始、避難勧告、避難指示(緊急)、特別警報などの区分と用語について見直しを求める声も一考に値する。ただ、最終的に身を守るのは一人一人の瞬時の判断だ。どう名付けたとしても、受け止める側の意識が伴わなければ実効性は薄い。
 自然の力は人知をやすやすと超え、どれだけ予測、予報の精度が向上しても不測の事態があり得る。避難に手助けが必要な人たちのことを忘れてはならないが、それは、地域住民に早期避難の意識が徹底すれば、おのずと解決策が見いだせるはずだ。
 遠回りでも、防災教育を一層充実させることも必要だ。
 豪雨災害のほか、地震や津波、火山噴火にも共通して言えることだが、地域で過去に起きた災害には、教訓がたくさんある。将来も起きる可能性があるそうした災害の実相を、大人も子どもとともに学び、自分で危険を感じ取る力を養いたい。
 「いざというとき」が来る前に、場合によっては行政の呼び掛けに先立って「念のために逃げよう」と言い合えること、それが災害に強い社会につながる。(共同通信・由藤庸二郎)


西日本豪雨 思い出のピアノもハンマーで 倉敷・真備
 西日本豪雨で大規模な浸水被害を受けた岡山県倉敷市真備町地区。小田川の支流、真谷(まだに)川の堤防が決壊した真備町服部地区は、今も田畑に水が残ったままで、壊れた農機具などが放置されていた。
 同地区の民家では21日も、猛暑の中、住民らが後片付けに追われていた。週末を利用し、実家の片付けに来たという愛知県長久手市の男性(44)は「豪雨の時、家にいた両親は近くの公共施設に避難しましたが、そこも危ないということで結局、岡山市内まで逃げて無事でした」と話す。「真谷川があふれたという情報は当初全然なかったのですが、2階まで水が来たようで、姉が使っていたピアノが横倒しになっていて驚きました」
 その思い出のピアノも処分せざるを得ず、仕方なくハンマーで壊して屋外へ。岡山市内からボランティアに駆けつけた会社員の中井英明さん(48)は「惨状を見て胸が痛みます。微力ですが、少しでもお手伝いができれば」と、水浸しになった家具や衣類などを搬出していた。【内林克行】


心躍る さぁ夏休み 宮城県内公立小中学校で終業式や全校集会
 宮城県内のほとんどの公立小中学校は20日、夏休み前最後の登校日を迎え、終業式や全校集会を開いた。子どもたちは待ちに待った夏休みに心を躍らせた。
 3学期制の南三陸町志津川小(児童190人)では体育館で終業式があった。斉藤明校長が「夏休みならではの活動に積極的に取り組み、元気に楽しく過ごしてほしい」と呼び掛けた。
 1年の佐藤勇河君(7)が児童を代表し、1学期の思い出を発表。「音読の練習は長い文章もあったけど、毎日頑張った。二重丸をもらってうれしかった」と笑顔で振り返った。
 3年の教室では、児童27人が担任の首藤大知教諭から通知表を受け取った。高橋夢葉さん(8)は「夏休みはプールでクロールの息継ぎを練習し、25メートルを泳げるようになりたい」と意気込みを語った。
 この日終業式をしたのは、小学校214校、中学校108校。仙台市など2学期制の小学校159校と中学校90校は全校集会などを開いた。夏休みは8月26日までの学校が多い。


<東北甲子園物語>試合前挨拶は仙台発祥 「野球は健全なスポーツ」とアピール
 全国高校野球選手権が100回大会を迎える。甲子園で約1世紀にわたり繰り広げられてきた球児たちの熱戦。その舞台裏にある東北ゆかりの秘話を紹介する。(野仲敏勝)
  ◇
 甲子園でおなじみの試合前あいさつ。両校ナインが本塁を挟んで整列し、一礼するすがすがしい光景だ。この慣習の発祥は仙台にあるという。
 仙台市泉区の野球史家、伊藤正浩さん(46)によると、1911(明治44)年11月、旧制二高(現東北大)が仙台市内で主催した東北6県中学野球大会で始まった。「野球は健全なスポーツ」とアピールするため、二高生が発案した。
 きっかけは同年8月、当時の新聞に「野球は学生に悪影響」とする「野球害毒論」が発表され、論争が起きたことだ。「健全さを示すため、武士道精神にのっとり、礼に始まるスタイルを生み出した」と伊藤さん。
 この方式は好評を博し、同年12月に京都で開かれた旧制高校の全国大会でも、二高の提案で実施された。4年後の15(大正4)年に大阪・豊中球場で始まった全国中学野球大会(現在の夏の甲子園)でも採用された。
 伊藤さんは「米国発祥のベースボールに日本人の精神性が付与され、真の意味で野球となった。現代の球児にも先人の思いを知ってほしい」と話す。
 初めて試合前挨拶を行った東北6県中学野球大会は、現在の片平公園(青葉区、当時は二高グラウンド)で開かれた。


国会あす閉会 政権の横暴が極まった
 通常国会があす閉会する。与党は延長会期中、国民への影響が懸念される「悪法」の成立を強行する一方、森友、加計問題の解明にはふたをしてしまった。安倍政権の横暴が極まったのではないか。
 あす会期末を迎える通常国会はきのう事実上閉会した。実質的な最終日、与党が成立を図ったのがカジノを中核とする統合型リゾート施設(IR)整備法案だった。
 そもそも刑法が禁じる賭博を一部合法化する危険性や、ギャンブル依存症患者を増やす恐れがある法案だ。地域振興や外国人の集客に本当に役立つのか、審議を通じても疑問は解消されない。法案成立後に政令などで決める事項が約三百三十項目にも上る。そんな法案を成立させていいのか。
 延長国会の期間中、西日本を豪雨が襲い、二百人以上が亡くなった。猛暑の中、多くの被災者が生活再建を急ぐ。避難生活を余儀なくされている方は依然多い。
 生活再建や復旧、復興に向けた策を練り、法の不備を補い、予算を確保することこそが、国会が優先すべき課題ではなかったか。
 しかし、会期末の限られた時間は安倍政権が優先した「カジノ法案」の審議に費やされ、寸断された道路や鉄道、堤防が決壊した河川を所管する石井啓一国土交通相が答弁に追われた。災害対策より賭博か、との批判が出て当然だ。
 西日本豪雨では、気象庁が厳重警戒を呼び掛けた五日夜、自民党議員が「赤坂自民亭」と題する宴会を開き、安倍晋三首相や小野寺五典防衛相らが参加していた。
 豪雨発生時から緊張感を持って災害対応に当たっていたのか、疑問を抱かせる振る舞いだ。
 与党は延長国会で参院議員定数を六増やし、比例代表の一部に優先的に当選できる「特定枠」を導入する改正公職選挙法も成立させた。法律が求める抜本改革に程遠く、「合区」対象選挙区で公認漏れした自民党現職議員の救済策にほかならない。こんな制度をつくり、恥じることはないのか。
 森友学園をめぐる問題では財務省の公文書改ざんが明らかになり、佐川宣寿前国税庁長官による国会での偽証も指摘されている。加計学園は愛媛県に嘘(うそ)をついたと主張する。国民の多くが疑念を抱くのに、与党はなぜ事実を解明しないのか。政治権力を集める首相や官邸への配慮なのか。
 国会で多数を占めれば、何をやっても許される。政権がそんな考えで国会を運営したとしたら、国民を愚弄(ぐろう)するにも程がある。


通常国会が事実上閉会 骨太の議論は乏しかった
 安倍晋三首相が「働き方改革国会」と銘打って臨んだ通常国会がきのう事実上、閉会した。
 働き方改革関連法は、厚生労働省による労働時間調査のデータに問題が見つかってつまずいたものの、国会提出前に裁量労働制の対象拡大部分を削除して成立にこぎ着け、首相の体面は何とか保たれた。
 そのほかにも、受動喫煙対策を強化する改正健康増進法や、成人年齢を18歳に引き下げる改正民法など、国民生活に密接な法律が成立した。
 にもかかわらず、活発な議論が行われた印象がないのは、安倍政権のもとで深まった与野党対立の結果だろう。野党の反対を与党の数の力で押し切る強引な国会運営が目立ったことは否めない。
 統合型リゾート(IR)実施法を拙速な審議で成立させる必要があったのか。カジノ解禁という賛否の分かれる論点が含まれるだけに、国民の理解を得る熟議がなされなかったことは残念でならない。
 野党が多弱化している今なら無理も通せると与党は高をくくっているように見える。そんなおごりが鮮明に表れたのが参院選の「合区救済」を目的とした改正公職選挙法だ。
 かつて「国会の華」といわれた首相出席の予算委員会審議は不祥事追及の場となった。政権側は不誠実な答弁を繰り返し、不毛なやり取りが聴く者をうんざりさせた。
 森友、加計問題は行政府が立法府にうそをつき続けた、平成史に残る不祥事だ。安倍首相周辺や妻昭恵氏の関与が疑われているのに、関係者の証人喚問などに及び腰の姿勢をとり続けた与党の責任は重い。
 首相は国会閉会によって乗り切ったと考えているのかもしれないが、9月の自民党総裁選で3選を果たしてもみそぎにはならない。国会は特別委員会を設置し、真相解明と政治責任の追及を続けるべきだ。
 国会の役割は立法と行政監視だけではない。人口減少問題や朝鮮半島情勢などの大きな課題を与野党が論じ合い、国民と政治認識を共有すべきなのにそれが機能していない。
 首相と立憲民主党の枝野幸男代表が「党首討論の歴史的使命は終わった」と言い放った場面は象徴的だった。骨太の議論ができる国会に立て直さなければならない。


通常国会閉幕/民主主義支える土台が崩れた
 これほど国民との距離が離れた国会があっただろうか。
 通常国会が事実上閉幕した。反対の根強い法案が、疑問を解消せぬまま与党の「数の力」で可決、成立した。安倍政権で幾度も見た光景である。
 だがこの国会では、これまでより特異と言えることが次々と起きた。官僚が公文書を隠し、虚偽の答弁を繰り返し、あろうことか決裁文書の改ざんにまで手を染めた。そして“疑惑”の核心部分はあいまいにされ、政治家は誰も責任を取らない。
 まるで民主主義の土台が掘り崩されたかのようである。強い危機感を抱かざるを得ない。
      ◇
 半年にわたる国会論戦で、安倍晋三首相をはじめ政府側は、疑問には答えず、論点をずらしながら押し切った。
 例えば看板政策の「働き方改革法案」だ。首相は「70年ぶりの大改革」と自賛したが、法案の根拠となるデータはずさんなものが使われていた。専門性の高い仕事を時間でなく成果で評価する「高度プロフェッショナル制度」には、過労死が増えるという声が大きかった。
 統合型リゾート施設整備法案、いわゆるカジノ法案も、ギャンブル依存症への懸念が拭えないままだった。とりわけ問題なのは、業者が入場客へ金銭を貸し付けることを認めていることだ。これではカジノで借金漬けとなりかねない。
議論は空疎なまま
 問題があれば国民の不安を取り除くように修正を重ねていくのが、議会政治である。しかし議論がかみ合わなくても一定の審議時間を経過すれば、採決に持ち込む。選挙結果による議席の数だけで押し進めていくのなら、国会は何のためにあるのか。言論の府の議論は「空疎」でしかなかった。
 法案審議以上に注目を集めたのが、「森友・加計(かけ)」学園の問題だった。安倍首相や夫人の関与が疑われるような内部文書が次々と明らかになった。ここでも正面から答えず、ごまかす場面が目に付いた。
 参考人招致で柳瀬唯夫元首相秘書官は、以前に加計学園側と会ったと言わなかったことを非難された。柳瀬氏は「今治市職員と会ったかと聞かれた。質問に一つ一つ答え、全体が見えなくなった」とした。丁寧に答えすぎたと言わんばかりだった。
 これが批判を浴びた「ご飯論法」である。つまり、朝ご飯を尋ねられた際、「なぜパンを食べたと言わなかった」と問われると、「パンの質問はなかったから」と答えたようなものだ。
 誠実さに欠けるこうした手法は、首相も繰り返し使った。いったい国民への説明責任をどのように考えているのか。
 さらに驚くべきは、官僚が国会の場で平気でうそをつき、公文書を改ざんしていたことだ。佐川宣寿前国税庁長官は、財務省と森友学園との交渉記録は破棄して残ってないと断言した。実際は決裁文書を改ざんし、都合の悪い部分を削除していた。
 財務省は調査の結果、佐川氏らを処分したが、肝心の改ざん理由は分からないままだった。
 公文書は「健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源」と公文書管理法に定義されている。改ざんは民主政治を踏みにじる行為にほかならない。
 日報隠しが発覚した陸上自衛隊では、再び隠蔽(いんぺい)体質があらわになった。イラク派遣部隊の日報が見つかっていながら大臣に1年間報告されず、国会にも「不存在」としていた。文民統制が危機にひんしている。
 あきれるのは、国権の最高機関である国会がこれほど愚弄(ぐろう)されているのに、与党が怒りを見せないことだ。それどころか、自民の都合だけで参院定数を6増する公選法改正案を強引に成立させた。
■国民とずれている
 西日本豪雨で政府が警戒を強めていた最中、首相が自民党議員との酒宴に参加したことも批判を集めた。政治不信が一層広がりかねない。
 責任の一端は野党にもある。
 国会の最終盤、カジノ法案の付帯決議で、立憲民主党と国民民主党の対応が分かれた。
 議席数で遠く及ばないのに連携できないようでは、与党ペースを崩すことはできない。来年の統一地方選と参院選に向け、態勢の再構築が求められる。
 国会が閉幕すると、首相の意識は3選を目指す秋の党総裁選に向かうのだろう。
 「安倍1強」は、党内の不協和音を抑えてきたが、国民とのずれが鮮明になるにつれ、異論も聞こえてくるようになった。
 国民の多数は、政府がごり押しした政策に賛成していない。「もりかけ」問題も、首相らの説明にも納得していない。
 内閣支持率は底を打ったとはいえ、不支持が急増した。その最大の理由は「首相が信頼できない」である。
 国民の声をしっかり聞いて根本的に姿勢を見直さなければ、民意との距離はますます遠くなるばかりだ。悲願の3選戦略も、自身が思い描くように運ぶという保証はない。


ばくちと災害対策を同時に議論とは
 ★結局与党は今まで許されなかったばくちを中身はこれからだがやらせて欲しいと、国民の反対を押し切って進めたということになる。16年12月13日の参院内閣委員会で自由党共同代表・山本太郎は「私たちを食べさせてくれてるのは、国を回せているのは税金ですよ。誰の声を聴いて政治をやるんですか。国民の中にカジノ・賭場を開いてくれって声、どれぐらいありました?」と問うても政府から明確な回答はない。国交相・石井啓一の答弁はそっけなく「私としては山本議員の要請に、真摯(しんし)に対応してきた」と繰り返した。 ★「誰の声を聴いて政治をやるのか」に応えられない閣僚を初めて見た。ましてギャンブル依存症への懸念も大きい。山本は続ける。反対派の医師は「推進派はギャンブル依存症が本人の人生ばかりか家庭をも破壊してしまうほど深刻な病であることを理解していない。そもそも医療で最も重要な課題の1つとなっているのは病気を予防することである。人々が病気にならない政策を実行するのが国をはじめとする行政機関のすべきことであり、我々専門家の仕事である。この法案に賛成する皆さんにお聞きしたい。依存症を作り出さない最大の予防策とは何でしょうか」と問い、「何の必要性があって今国会でカジノを通す必要があるんだ。国会の要請ではなく官邸の命令じゃないか」と指摘した。 ★19日にも山本は同委員会でカジノ法と災害対策でもそっけない対応をする石井にいら立ちを見せた。党の手柄や内閣の手柄を優先し打ち出したい石井の薄っぺらな対応に対して山本の怒りは「本気を出して欲しい」。ばくちと災害対策を同時に議論し、両方に応える石井の答弁は議会史に残る“滑稽な様子”と記しておきたい。

通常国会閉幕 「国権の最高機関」なのか
 延長を含め182日間と約半年に及んだ通常国会があす閉幕する。存在感の低下が指摘されて久しい国会だが、これほど空虚な国会も近年珍しかった。
 憲法が規定する「国権の最高機関」の名が泣く体たらくだ。少数意見も尊重して徹底的に議論を尽くし、よりよい結論を導く言論の府はどこへ行ったのか。国会改革は待ったなしだ。
 事実上の会期末だったきのうの参院本会議で自民、公明の与党と日本維新の会の賛成多数で可決、成立したカジノを含む統合型リゾート施設(IR)整備法の審議が今国会を象徴した。
 IRとは分かりにくい名称だが、要は刑法が禁ずる賭博罪の適用対象からカジノを除外する法律だ。カジノ解禁でさまざまな影響が懸念されている。
 ギャンブル依存症の拡大▽犯罪資金の流入や暴力団の介入▽入場客への金銭貸し付けをカジノ事業者に認めること▽国会審議の対象にならず政令などで決める内容が331項目もあること−などだ。
 共同通信社の世論調査でも、整備法について「通常国会で成立させる必要はない」との回答は69・0%に達した。
 ところが政府は曖昧な答弁に終始し、国会審議は全く深まらなかった。最後は与党が「数の力」で押し切った。
 西日本豪雨で200人以上が亡くなっているのに、国土交通相は災害対応に専念せずIR法案審議で国会に張り付いた。
 延長国会では、働き方改革関連法も参院定数6増の改正公選法もほぼ同じ経緯をたどった。
 野党の質問に正面から答えようとしない安倍晋三首相や加藤勝信厚生労働相の姿勢を、法政大の上西充子教授が「ご飯論法」とツイッターに投稿して話題になった。
 「朝ごはんは食べたか」と聞かれた際に、パンは食べたが、ご飯は食べていないので「食べなかった」と答えた−ということだ。言葉が命とされる政治家がこんな話法を使って恥ずかしくないのか。
 私たちは延長国会の課題として、森友・加計(かけ)学園問題など「政権に絡む疑惑の解明を優先すべきだ」と指摘した。
 「信なくば立たず」の格言通り、政治と行政への信頼を取り戻さないと、どんなに立派な政策であっても、国民の理解は得られないと考えるからだ。
 しかし疑惑の解明はまたも、うやむやになった。政府と与党は「追及から逃れた」とほっとしているかもしれないが、そうだとすれば勘違いも甚だしい。
 相次ぐ問題の先送りで、政治や行政に対する国民の不信はもちろん、怒りまで蓄積されたと受け止めるべきだろう。


[通常国会閉幕]まん延する数のおごり
 「官邸1強」とも呼ばれる権限の集中、衆参両院とも3分の2を超える与党勢力、小党分立でまとまりを欠いた非力な野党…。
 この三つがそろったとき国会はどういうことになるか。それを露骨な形で示したのが第196通常国会だった。
 国会が本来果たすべき「少数意見の尊重」も「政権の監視」も、「熟議」による合意形成も、すべて数の力に押しつぶされてしまった。
 国会そのものが専制的な政治にのみ込まれ、その舞台になってしまったのだ。
 カジノを含む統合型リゾート施設(IR)整備法は20日夜、参院本会議で自民、公明両党などの賛成多数により可決、成立した。
 自民党が提出した参院選挙制度改革に関する改正公職選挙法は18日の衆院本会議で可決、成立しており、22日に会期末を迎える国会は、事実上20日で閉幕したことになる。
 IR整備法はカジノを賭博罪の適用対象からはずし合法化するもので、当面、全国3カ所を上限に整備する。
 ギャンブル依存症対策や治安対策に関する議論は深まらず、国民の不安はまったく解消されていない。
 政府が期待する税収を生み出すためには、相当数の人が相当の額をギャンブルに投じなければならない。ギャンブル漬けの人が増え、借金問題が深刻化するおそれがある。
 西日本豪雨の災害対応に全力投球しなければならない国土交通省の大臣が、カジノ法案を通すために国会にくぎ付けになる−健全な「常識」が働かない現状は危うい。
■    ■
 選挙制度は民主主義の土台であり、主権者である国民の意思が適切に反映されるような内容でなければならない。 憲法改正による「合区」解消をもくろんできた自民党は、国会終盤になって唐突に独自案を持ち出した。
 成立した改正公選法は、有権者を置き去りにしたつぎはぎだらけの内容で、複雑な制度をいっそう分かりにくくしてしまった。 
 比例代表の定数を4増(3年ごとの改選では2増)し、各党の名簿に従って当選者を決める「特定枠」を設けたことが大きな特徴だ。
 「鳥取・島根」「徳島・高知」の合区で、公認からもれた現職議員を「特定枠」で救済する狙いがある。
 抜本改革にはほど遠い、究極の党利党略改革である。
 今国会は、「官邸1強」政治の弊害がさまざまな形で露呈した国会でもあった。
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 森友・加計学園問題に象徴されるように、与党は安倍晋三首相に火の粉が降りかかるのを防ぐため、国民が求める疑惑解明には終始、消極的だった。
 公文書の改ざん問題やセクハラ問題が表面化しても、麻生太郎財務相は、その職にとどまり続けた。森友・加計問題がこのまま尻すぼみになれば、官僚の忖度(そんたく)はますます強まるだろう。
 国会は行政権力の暴走やおごりをチェックする役割を担っている。国会の本来の機能を取り戻すことが急務である。そのためにはまず自民党が変わらなければならない。


通常国会閉幕 審議空洞化が止まらない
 通常国会は22日の会期末を待たずに事実上、閉幕した。今国会はまさに「スキャンダル国会」だった。森友学園への国有地売却と決裁文書の改ざん、加計学園の獣医学部新設を巡る疑惑や前財務事務次官のセクハラ発言問題など不祥事が続発。野党の反発で国会は長期間空転した。
 その影響で法案審議日程は窮屈となり、政府、与党は会期を大幅延長し、働き方改革関連法やカジノを含む統合型リゾート施設(IR)整備法などをどうにか成立させた。だが、森友・加計学園の疑惑は今もくすぶったまま。働き方改革関連法やIR整備法も審議が尽くされたとは言えないのが実情だ。
 与野党の対立ばかりが目立ち、議論が一向に深まらなかった責任は安倍晋三首相、麻生太郎副総理兼財務相ら政権側の国会軽視姿勢にある。
 首相は議論に真正面から向き合わず、触れられたくない問題では論点をずらして長広舌を振るう場面が幾度も見られた。
 麻生財務相は決裁文書改ざんについて、財務省の組織ぐるみを否定。「白を黒にするような悪質なものではない」などと開き直った。また「セクハラ罪という罪名はない」とした発言が国会で追及されたが、反省の色はなかった。
 異論に耳を傾けようとせず、最後は「数の力」で押し切るという巨大与党のおごりが露呈したと言える。政権の姿勢がこんなでは、国会論戦は意味を失い、審議の空洞化は止まらない。選挙結果で全てが決まるなら、議会制民主主義は成り立たないだろう。
 森友学園を巡っては、大阪地検が財務省幹部らを不起訴処分にし、財務省も調査報告を公表済みだ。だが、国有地の大幅な値引き売却がなぜ行われたか、森友学園に肩入れしていた安倍首相夫人への配慮があったのではないかなどの疑問は氷解していない。
 加計学園疑惑でも、首相と学園理事長との面会に関し、首相の説明と愛媛県の記録文書の食い違いが表面化している。
 政権からは、世論調査で落ち込んでいた内閣支持率が持ち直し始めたのを受けて「世論も森友・加計学園問題に飽きたのだろう」との声も漏れるが、疑惑の幕引きを許してはならない。
 野党側では、安倍政権への対立姿勢を鮮明にする立憲民主党と、「対決よりも解決」を掲げる国民民主党の足並みの乱れが顕在化した。政権を脅かす野党がなければ、国会は緊張感を失う。国会活性化には野党陣営の再構築も急務だ。


国会会期末 道理がかすむ1強政治
 会期が約1カ月延長された今通常国会は、法案への国民理解を置き去りに、与野党の怒号が飛び交う中で手続きが進み事実上閉幕した。
 参院定数を6増やす公選法改正の審議時間は、衆参合わせても10時間に満たない。カジノを含む統合型リゾート施設(IR)整備法も、ギャンブル依存症の増加や治安悪化などの懸念は棚上げ状態。各マスコミの世論調査では、今国会での成立を望まない国民が大多数を占める。
 特に最終盤は西日本豪雨の発生と重なり、対応が急を要する中で法案成立にこだわる政府、与党の姿勢が疑問視された。気象庁が「記録的な大雨」を警告する異例の会見を行った5日夜、安倍晋三首相ら政権首脳も交じって宴会に興じていたことも、野党の政権批判に輪を掛けた。
 翌6日にはオウム真理教の元代表ら7人の死刑執行を控え、後継団体などの動きに警戒を徹底する必要もあった。国民生活の安全が脅かされるタイミングでの宴会に、「1強」の緩みや緊張感の欠如を指摘されても仕方あるまい。
 この状況で成立を急いだ改正公選法は、参院議員1人当たりの人口が最多の埼玉選挙区の定数を2増して1票の格差を是正するにとどまらず、比例代表も4増やして「特定枠」を新設する内容だ。
 現在の比例代表は、候補者個人の得票順に当選が決まる非拘束名簿式だが、特定枠は票数に関係なく名簿最上位に位置づける拘束名簿式。しかも対象者は選挙運動が認められない。運動して得票が少数にとどまれば、上位当選の正当性が失われるからだろう。
 つまり選挙によらず当選が約束されることになる。定数増が4ということからして、眼目は前回参院選で鳥取と島根、徳島と高知で導入された「合区」で公認されない自民現職の救済策に他ならない。
 特定枠の数に制限はなく、使い方次第では民主的な選挙が成り立たなくなる懸念すらある。野党の批判は当然だ。
 だが野党は連携もままならない。衆院野党第1会派の立憲民主党は政権と対決色を強めるが、延長国会の主戦場となった参院で野党筆頭の国民民主党は原則、審議拒否はしない方針。カジノ法案でも、慎重な運用へ付帯決議を付けるのを条件に委員会採決に応じるなど、溝が深まっている印象がある。
 森友、加計学園問題など一連の疑惑や政権不祥事に国民の目は依然厳しいが、国会で解明が進んでいるとは言い難い。その主因は誠実さを欠く政権の対応にあるにせよ、追及の足並みがそろわない野党側の問題も大きい。
 無理が通って道理がかすむ1強政治の弊害は、一方で多弱政治の結果でもある。


通常国会閉会へ 独善と内向きが際立った
 政権や与党には、国民の思いを真摯(しんし)に受け止める気がないのではないか。強い危惧が残る。
 通常国会が20日、事実上閉会した。1カ月超の延長を含む半年間にわたる会期を通じて際立ったのは、政府・与党の独善と内向き姿勢だろう。
 審議は、最後の最後まで荒れ模様だった。最終盤の焦点となったカジノを含む統合型リゾート施設(IR)整備法は20日夜の参院本会議で、自民、公明両与党などの賛成多数で可決、成立した。
 国民の懸念を背景に野党はギャンブル依存症対策や経済効果など疑問をただしたが解消されぬまま、与党が押し切った。
 IR整備法を巡っては、来年の統一地方選、参院選への影響を避けたい公明党が早期成立を望んでいた。
 カジノ解禁について安倍晋三首相は雇用や地域振興などのメリットを強調した。だが、国民不安より優先しなければならないとは思えない。
 平成最悪となった西日本豪雨の被害に苦しむ被災者にも、違和感があるはずだ。
 政権、与党の自己都合が目立ち、異論に耳を傾ける態度がうかがえない。これでは国民との距離は開くばかりだ。
 首相が最重要と位置付けた働き方改革関連法、自民党が主導した参院定数を6増する改正公選法も、野党が猛反発する中で与党は成立に突き進んだ。
 首相や与党が成立にこだわったこれら三つの法律に共通するのは、「なぜいま」の疑問が拭えないことだ。
 働き方改革法では、「過労死が増える」との懸念が絶えない高度プロフェッショナル制度の導入がセットにされた。誰のため、何のための改革か。参院議員を増やす改正公選法は、身内救済の意図があからさまだ。
 政府、与党は多くの国民にとって必要性、緊急性の乏しい法律を、会期を延長してまで成立させた。その熱意とは裏腹に、森友、加計問題を巡る野党の審議要求には冷淡だった。
 加計学園の愛媛県今治市での獣医学部新設を巡り、野党が求めていた加計孝太郎理事長の証人喚問は、結局たなざらしのままだった。
 森友学園問題に関する財務省の決裁文書改ざんを巡り、証人喚問で佐川宣寿前国税庁長官に偽証があったとして野党が議院証言法違反容疑で告発するよう求めたが、与党は消極姿勢に終始した。
 森友、加計問題については国民の疑念が解消されたわけではない。いずれも、行政の公正性や公平性に疑念を招かせるものだ。国会が閉じたからといって幕引きにはできない。
 会期中、自衛隊の日報隠蔽(いんぺい)や前財務次官のセクハラとほかにも不祥事が相次いだ。
 これらの問題は政策論議の時間を奪った。にもかかわらず、首相は「働き方改革国会と銘打ち、70年ぶりの大改革を成し遂げることができた」と成果を誇った。こうした姿勢こそ、独りよがりの象徴に見える。


通常国会閉幕 「1強」の劣化が目に余る
 改ざん、ねつ造、虚偽、隠蔽(いんぺい)…こんな言葉が飛び交った通常国会が事実上、閉幕した。ごまかし、はぐらかし答弁が横行し、世論調査などで反対の声が大半を占めていても、政府・与党は耳を貸すことなく、数の力で法案を成立させていった。これが「言論の府」と称される立法府なのか。
 安倍晋三首相の「1強」の下で与党は無論、官僚まで劣化が目に余る事態となった。財務省の文書改ざんでは、与党議員もこの1年余り、だまされていたことをもっと重く受け止めるべきだ。不祥事にしろ法案にしろ、政府は説明責任を果たしたといえるのか。それを容認した与党の罪も重いといわざるを得ない。
 森友学園問題で発覚した文書改ざん。決裁文書の改ざんという民主主義の根幹を崩す、あってはならない事態なのに、内部調査で処分を済まし、動機を問われた麻生太郎副総理兼財務相は「それが分かれば苦労しない」と開き直る始末。
 加計学園問題では、首相の「腹心の友」が理事長を務める学園に対して、国家戦略特区への申請を官邸が主導していたことを示す文書が愛媛県から出された。そこには首相と理事長の面会がきっかけとなった経緯も記されていたが、学園事務局長のうそ発言で解明はストップしたままだ。
 二つの問題に、首相は真正面から向き合おうともせず、与党も関係者の国会招致を拒み続けている。加計学園の理事長は会見で「お待ちしています」と言っているではないか。政治や行政の公平性に対する国民の不信を増幅させる重大な事案でありながら、核心部分は今なお、解明されていない。
 首相が「働き方改革国会」と評した中で、ねつ造まがいのデータが発覚し、裁量労働制の対象拡大は削除に追い込まれた。一方で高度プロフェッショナル制度(高プロ)の創設では、ずさんなヒアリングが判明しながら、なりふり構わず押し切った格好だ。
 「おごり」の最たるものが参院定数6増の成立だろう。合区選挙区の現職議員を救済する目的であり、首相でさえ「臨時的な措置」と答弁。「抜本改革だ」と強弁する自民党議員の姿には、党利党略むき出しとの批判は免れない。
 カジノを含む統合型リゾート(IR)整備法も、国民の7割が今国会での成立に慎重姿勢を示している中で強行突破。西日本豪雨対応の先頭に立つべき石井啓一国土交通相が審議に張り付いた。参院定数増もそうだが、ブレーキ役となるべき公明党が、政権や自民党に体よく利用されているかのような構図が透ける。
 国会審議が不要な政省令などに委ねている項目がIR法では約330、働き方改革関連法でも60以上ある。これでは国会軽視といわれても仕方がない。
 昨年の通常国会は「共謀罪」法を、委員会の中間報告という禁じ手で採決を強行し閉幕。「森友、加計隠し」と揶揄(やゆ)された。まずは閉会中審査で両問題の解明を図るべきだ。


通常国会閉幕へ 熟議を欠いた「言論の府」
 熟議への誠意も、西日本豪雨の対応への熱意も感じさせないまま、相変わらず巨大与党の強引さが目立つ国会だったと言えよう。
 カジノ解禁を含む統合型リゾート施設(IR)整備法がきのうの参院本会議で可決、成立し、半年間にわたった第196通常国会が事実上閉幕した。
 カジノに反対する立憲民主など野党6党派は衆院に内閣不信任決議案を提出し、最後の抵抗を見せたが、否決された。今国会では問題点の多い法律が数の力で次々と成立した。野党の力不足もあるとはいえ、国民への丁寧な説明を軽視したかのような政府・与党のやり方は、国会への不信を増すだけだ。
 中でも西日本豪雨により深刻な浸水被害や土砂災害が続発し、被災者支援と復旧に全力を挙げなくてはならない時期にIR法案の審議に傾注したことは、甚大な被害が出た被災地としては極めて残念でならない。
 野党は災害対応を優先するため国会審議を中断する「政治休戦」を求めた。なぜ、それよりもIR法の成立を急ぐ必要があるのか。政府や政治家の姿勢を被災者や国民はどう見ただろう。
 民間によるカジノ解禁はもともと、疑問点が多かった。政府は外国人旅行客の増加をにらみ、観光立国の原動力になると強調するが、誘致する自治体の方は客の7〜8割が日本人と想定している。
 心配されるギャンブル依存症に対しては、日本人の入場を最大「週3回、月10回」とする規定を設けた。だが1回の入場で24時間滞在でき、日付をまたげば週6日カジノに通うことも可能になる。富裕層に限定するとはいえ、カジノ業者に入場客への金銭貸し付けも認めた。
 こうした数々の懸念から、世論調査でも国民の理解は進んでいない。地域振興の経済効果も未知数だ。それを衆参40時間あまりの審議で成立させたのはいかにも拙速だ。今国会では継続審議にし、さらに議論を尽くすべきだった。
 これ以外にも安倍政権は、最重要法案と位置づけた働き方改革関連法を、高収入の一部専門職を労働時間規制の対象外とする高度プロフェッショナル制度への懸念が拭えないまま成立させた。
 参院の議員定数を6増やす公職選挙法改正は、合区によって選挙区から出馬できない議員の救済が目的とされ、抜本改革を先送りした自民党の「ご都合主義」と批判されても仕方ないものだ。
 陸上自衛隊のイラク派遣日報問題や学校法人・森友学園に関する文書改ざん、加計学園の獣医学部問題などが国会論戦の多くを占めたのも異例である。ここまで不祥事や疑惑が噴出しても、安倍晋三首相の政治責任はうやむやのままだ。これも「1強」体制だからだろう。
 熟議を求める国民の声を決して侮ってはならない。


通常国会閉幕/存在意義が問われている
 通常国会が事実上閉幕した。182日間から浮かび上がってきたのは、改ざん、虚偽、隠蔽(いんぺい)に、はぐらかし答弁…。不備があったり、世論調査などで慎重・反対論が多くても、政府、与党が決めた法案を数の力で通していく。これが「言論の府」の実像でいいのだろうか。
 言うまでもなく、立法府の主要な役割の一つが行政府の監視だ。ところが、政府は国会を欺き、国会は政府に十分な説明をさせることもできないまま機能不全が進行した。三権分立が揺らぎ、国権の最高機関の存在意義が喪失しかねない危機と言えよう。
 振り返れば、歴史に禍根を残す出来事が続出した。森友学園問題では、財務省の公文書改ざんという民主主義を脅かす極めて重大な事態が発覚。加計学園問題でも、安倍晋三首相の「腹心の友」が理事長を務める学園に対して、首相秘書官らが国家戦略特区の申請前に”指導”していたことを示す文書が愛媛県から見つかった。政治や行政の公平・公正・信頼性に明らかな疑義が生じたのである。
 しかし安倍首相は「丁寧な説明」を繰り返すものの、野党の追及に真正面から向き合おうとしない。与党も関係者の国会招致を拒み、疑惑は払拭(ふっしょく)されるどころか膨らんだ。あってはならない公文書改ざんでも、監督する政治家は責任を取らなかった。
 森友学園になぜ破格の値引きで国有地を売却したのか、公文書を改ざんした理由は何なのか、加計ありきではなかったのか、など問題の核心部分は依然として解明されていない。
 長期政権の「おごり」も際立つ。民主主義の土台である選挙制度を巡っては、自民党が合区選挙区の現職議員の救済目的が明らかな党利党略むき出しの参院定数6増案を強引に成立させた。
 共同通信の世論調査で7割近くが今国会の成立に慎重論を示していたカジノを含む統合型リゾート(IR)整備法の成立も強行突破。担当の石井啓一国土交通相は西日本豪雨の対応の陣頭指揮を執るべき場面で、IR法の審議に張り付いた。ギャンブル依存症対策の詳細な仕組みをはじめ331項目が、国会審議の不要な政省令などに委ねている以上、疑問解消のために十分論議を尽くす必要があった。
 この国会の看板でもあった働き方改革関連法は、不適切データが表面化し、裁量労働制の対象拡大は削除に追い込まれた。高度プロフェッショナル制度の創設でも、ずさんなヒアリングが判明したが、押し切った。
 こうした中、自民党の小泉進次郎筆頭副幹事長らが国会改革の提言をまとめ、超党派の会議も発足した。党首討論の頻度を増やして定例化、スキャンダル解明は特別調査会、法案・政策審議は各委員会と”車線”を分けることなどが柱だ。
 検討に値する内容だが、どんなに制度をいじっても、政府に真摯(しんし)に説明する気がなければ、また与党がそれを許すならば、何も変わらない。政府に説明責任を果たさせるのが改革の大前提。与党議員もこの1年余り、だまされていたのである。まず与野党が閉会中審査を利用して森友、加計両問題の解明を実践すべきだろう。国会の存在意義が問われている。


[通常国会閉幕] 政権の不誠実さ際立つ
 通常国会は22日までの会期を残し事実上閉幕した。
 32日間の延長を含めて182日間の会期中、重要法案がめじろ押しだった一方で、森友・加計学園問題や、公文書改ざんなどの不祥事が相次いだ。
 安倍晋三首相は「うみを出し切る」と言ったが、はぐらかし答弁に終始。野党の主張に耳を傾けず、政府・与党が決めた法案を数の力で強引に押し切った。不誠実な姿勢が際立ち、長期政権のおごりと言わざるを得ない。
 これに対し、国会は政府に十分な説明をさせることができなかった。行政府を監視する国会の重要な役割を果たせず、その存在意義が揺らいでいる。
 森友学園問題で発覚した財務省の公文書改ざんは、民主主義の根幹を脅かす極めて重大な不祥事である。
 加計学園問題でも、安倍首相の「腹心の友」が理事長を務める学園関係者らと首相秘書官が面会し、「本件は、首相案件」と話したことが愛媛県の文書に記されていた。政治や行政の公平・公正・信頼性に疑義を生じさせる事態に違いない。
 それなのに、首相は野党の追及に真正面から向き合おうとせず、与党は関係者の国会招致に消極姿勢をとり続けた。文書改ざんについても、監督する立場の政治家は責任をとっていない。
 森友学園になぜ破格の値引きで国有地を売却したのか、公文書を改ざんした理由は何か、「加計ありき」ではなかったのか。さまざまな疑念が晴れないままでの幕引きは許されまい。閉会中審査を利用して解明すべきだろう。
 安倍首相が今国会の目玉に据えた働き方改革関連法は、厚生労働省の不適切データ問題が表面化し、裁量労働制の適用拡大は削除に追い込まれた。高度プロフェッショナル制度の創設でも、ずさんなヒアリングが明らかになったが押し切った。
 自民党の党利党略むき出しで参院定数6増とする改正公選法や、共同通信の世論調査で7割近くが今国会での成立に消極的だったカジノを含む統合型リゾート施設(IR)整備法も会期末が迫る中、性急な強行突破で成立させた。
 とりわけIR法はギャンブル依存症対策の詳細など331項目を、国会審議が不要な政省令に委ねている。疑問を解消するために議論を尽くすべきだった。
 安倍政権が長期化する中、行政府が国会を軽んじるような事態が続いている。国権の最高機関としての機能を果たせるよう、思い切った国会改革が求められる。


政府の公文書管理改革 形式の整備では不十分だ
 森友学園を巡る財務省の決裁文書改ざん事件などを受け、政府が再発防止策をまとめた。
 求められているのは、あらゆる文書を公文書として、きちんと保存する体制を作った上で、二度と改ざんを起こさせないようにすることだ。
 これに対し政府が示したのは、電子決裁システムへの移行で改ざんした際は痕跡が残るようにすることと、内閣府や各省庁に公文書管理を監視するポストや組織を設け、管理体制や研修を強化する対応だ。
 だが、省庁が恣意(しい)的に公文書の範囲を決めている現状では、内容の乏しい文書だけが残され、電子決裁を進めても効果がない。
 監視ポストを設けても膨大な量の公文書をチェックするのは難しく改ざんを防止する保証にはならない。
 文書改ざんなど悪質な行為には、免職など重い懲戒処分を科すという。人事制度を厳しくすることで一定の抑止効果はあるかもしれない。
 だが一方で、公文書管理法の改正や刑事罰の新設は見送った。財務省の決裁文書改ざんでは大阪地検が佐川宣寿前国税庁長官を不起訴とした。改ざん文書で1年間国会を欺いた重大さを考えれば、刑事罰の適用について引き続き議論すべきだ。
 これらの点を考えると安倍政権は形式的な対策で問題の幕引きを図ろうとしていると思わざるを得ない。
 残された課題には、メールなどの電子的な文書の扱いもある。
 政府内では、情報共有や連絡にメールが使われる。行政文書になりうるが、大半が廃棄されている。
 今回の防止策では、省庁で共有するメールの選別・保存の支援などにとどまっている。米国の多くの政府機関では、幹部が送受信するメールは全て自動的に保存される仕組みになっている。メール保存のルール作りに本腰を入れるべきだ。
 官僚が正確な記録を残して公開することで、国民は行政機関の仕事を点検できる。民主主義の根幹であり、公文書管理法の理念でもある。
 制度や人事で官僚を締め付けても法の精神の実現には限界がある。
 意識改革とともに、業務上作った文書はすべて公文書とする。省庁の裁量で決めているメールや文書の保存期間も見直す。そうした本質に迫る改善策に踏み込むべきだ。


カジノ法成立
 刑法で禁じている賭博を行うカジノを、なぜ、いま解禁しなければならないのか。
 その根本的な疑問がまったく解消されていない。
 にもかかわらず、与党は主要野党が求めた十分な審議時間確保に応じることなく、西日本の豪雨災害対策に当たるべき石井啓一国土交通相を国会に張り付けてまで、強引に押し切った。
 カジノを中心とする統合型リゾート施設(IR)整備法がきのうの参院本会議で自民党、公明党、日本維新の会などの賛成により可決、成立した。
 安倍晋三首相によると、IRは外国人観光客を呼び込む成長戦略の目玉なのだそうだ。
 だが、カジノの入場客の大半は日本人になるとみられる。思うような経済効果は上げられまい。
 「世界最高水準」と胸を張るカジノ規制も、実効性に疑問符がつく。ギャンブル依存症増加の不安は消えない。
 そもそも賭博のもうけを経済活性化や地域振興に利用する発想が不健全だ。
 このままカジノ解禁に踏み切れば、日本の将来に大きな禍根を残すことになる。
■不十分な依存症対策
 これまで指摘してきた通り、依存症対策として法律に盛り込まれた日本人向けのカジノ規制は、あまりに不十分だ。
 参院の審議では、それがあらためて浮き彫りになった。
 入場回数は週3回、月10回までに制限される。しかし、政府は答弁で、24時間営業のカジノに最大72時間も居続けることが可能となると認めた。
 これでは入り浸りを許容するようなものだ。有効な対策にはなり得ない。
 衆院に引き続き大きな論点になったのが、カジノ事業者が客に賭け金を貸せる制度である。
 賭けを取り仕切る胴元が資金提供できる仕組みは、客を借金漬けにする恐れがあるため、競馬や競輪といった公営ギャンブルでは認められていない。
 負けを取り戻そうとのめり込み、借金地獄に陥って生活を崩壊させかねないばかりか、依存症の危険性が増す。
 この貸金制度の詳細をはじめ、カジノ面積の上限といった根幹に関わる内容を含む331項目が、国会審議を経ずに政令などで事後に定められることも問題だ。
 規制がなし崩しに緩められる可能性は否定できない。
 政府は賭博を合法化する要件として「目的の公益性」「(公益性にかなう)収益の扱い」など8項目を挙げる。
 確かに収益の3割は国と自治体に入るが、残りの7割は設置・運営する民間事業者が得る。これに「公益性」があるだろうか。
 逆に、暴力団などの反社会的勢力を引きつけるのではないか。そうした心配の声があることも忘れるわけにいかない。
■成長戦略とは言えぬ
 政府は2030年に訪日外国人客を6千万人、訪日客による宿泊などの旅行消費額を15兆円まで増やす目標を掲げ、その誘客の柱にカジノを据える。
 しかし、政府のもくろみは安易で楽観的に過ぎる。
 道内で誘致に名乗りを上げる苫小牧市、釧路市、後志管内留寿都村を対象に道が行った試算では、来場者の約8〜9割が日本人になるとはじき出した。
 誘致への期待が高い大阪府の試算でも、約7割が日本人と予想している。
 アジアにはシンガポールや中国、韓国などにカジノがあり、既に飽和状態と言われている。たとえ、日本にカジノが開設されても、思惑通りに外国人を呼び込めるとは限らない。
 政府はIRの外国人客の割合や経済効果を明らかにせず、疑問に正面から答えようとしなかった。
 まっとうな成長戦略とは到底言えない。
北海道に似合うのか
 法の成立を受け、道は誘致の是非を判断するため、専門家懇談会を月内にも設置する方針だ。
 法律ではIRの設置箇所は全国3カ所と定められ、大阪府や長崎県などが誘致に手を挙げる。
 高橋はるみ知事は態度を明確にしておらず、誘致自治体や道議会の一部からは早期の判断を求める声も出ている。
 だからといって、知事は決断を急ぐのではなく、くれぐれも慎重に対処すべきだ。
 依存症などの影響は、カジノの地元自治体だけにとどまらず、道内全体に及ぶ。知事は道民の安全と平穏な生活を守る大きな責任があることを忘れてはならない。
 専門家懇談会では、カジノ誘致の負の側面を徹底的に検証する必要がある。


カジノ法成立  負の側面に冷静な目を
 カジノ解禁を柱とする統合型リゾート施設(IR)整備法案が、衆院本会議で与党などの賛成多数で可決、成立した。
 刑法が禁じる賭博を合法化し、ギャンブルで観光や経済の振興を図ろうという法である。それ自体がまっとうな成長戦略とは言い難い内容だが、とりわけギャンブル依存症拡大への懸念などを払拭(ふっしょく)しないまま、数の力で強引に成立させた政府・与党の責任は重い。
 今後、政府は規制機関「カジノ管理委員会」を設置し、国会での審議が不要となる政令、省令、委員会規則で331項目にも及ぶ詳細なルールを定める。だが国会の監視が届かなくなるからといって白紙委任されたわけではない。目指すものが野党の言う「人の不幸を食い物にして成り立つ経済」でないというなら、国民が納得のいく実効性のある規制にすべきだ。
 法案をめぐる国会審議で最も問題にされてきたのは、ギャンブル依存症対策である。
 IR整備法は日本人客の入場を「週3回、28日間で10回」に制限する規定を設けており、安倍晋三首相は「世界最高水準の規制」としているが、早くもほころびが目立っている。
 採決間近の審議で、1回の入場で24時間滞在できることが判明したからだ。これだと日付をまたげば1回の入場で2日間カジノを楽しめ、最大で週6日、28日間で20日間の滞在が可能になる。依存症の防止どころではない。
 加えて胴元であるカジノの民間事業者に入場客への金銭貸し付けを認める規定もある。競馬など既存の公営ギャンブルでは認められていない制度だ。一定の預託金を事業者に納めた客に、貸し付けることができる。
 政府は対象を富裕層に限定し顧客の返済能力に応じて限度額を決めるというが、富裕層の定義が不明であり、ギャンブルで負けた分をギャンブルで取り返そうとする心理をあおりかねない。そうなればまさに依存症の助長だろう。
 安倍首相は「世界中から観光客を集める」としているが、韓国では依存症患者が増える一方で、外国人観光客からの売り上げは増えていないという。
 現在、北海道や大阪府など複数の自治体がIRの誘致を目指しているが、カジノ設置の負の側面にも冷静な目を向けてほしい。カジノがなくても昨年は過去最高の2800万人を超える外国人観光客が日本を訪れた。賭博に依存しない観光振興の道はあるはずだ。


政官財が利権狙い…カジノ管理委は新たな天下り組織になる
 安倍政権が西日本豪雨災害の被災者そっちのけで国会審議を強行した「カジノ法案」が20日、参院本会議で自民党や公明党などの賛成多数で可決、成立した。あらためて政府が旗振り役となって国民にバクチを推奨する意味がまったく分からないが、ハッキリしていることは、この先、強大な権力とカネを牛耳る新たな「天下り組織」がつくられ、血税が投じられる可能性があることだ。
 カジノ事業は、施設の管理運営はもちろん、関連機器の製造など、幅広い分野で高い透明性の確保が求められる。マネロン対策などを行う警察庁や法務省、観光振興を担う観光庁など、関係するとみられる役所は幅広い。法案では、カジノ施設関係者を規制するための「カジノ管理委員会」を内閣府の外局に新設する、としている。
 この委員会が、カジノ事業免許の審査や違反行為時の免許取り消しといった行政処分の権限を持ち、事業者の監督などを行うわけだ。しかし、国家公安委員会や原子力規制委員会など、こうした委員会で度々、問題視されるのが、天下りと多額の交付金(税金)投入の問題だろう。何せ、数兆円規模のカネが動くとされるカジノ事業だ。利権を狙っているのは民間事業者だけじゃなく、政治家や官僚の中にもゴロゴロいるだろう。
 カジノ管理委員会の委員長や委員は衆参両院の同意を得て、総理大臣が任命するとなっているが、今の政権であれば任命権者は希代のペテン師である安倍首相。とてもじゃないが、マトモな人選になるはずがない。そうなれば政官財が一体となって、カネも権力もやりたい放題だ。ジャーナリストの若林亜紀氏はこう言う。
「カジノ管理委員会をわざわざ外局でつくる必要はないでしょう。カジノ法案を成立させ、運用していくには官僚の協力は不可欠。そのためにつくられる『天下り団体』と言ってもいい。カジノは利権の裾野が広く、将来、『カジノ振興センター』などの名称で関連の天下り団体ができる可能性もあります」
 国民もよ〜く監視する必要がある。


ビキニ被ばく  それでも国の責任重い
 1954年、太平洋・ビキニ環礁での米国による水爆実験の周辺海域にいたのは、第五福竜丸だけではない。
 高知県の元漁船員と遺族ら45人が、国に総額約6500万円の賠償を求めたが、高知地裁は判決で請求を棄却した。
 「被ばくを認めてほしい」という切実な願いを受け止め、被ばくを認定したのは評価できよう。
 しかし一方で、国は被ばくを隠すために支援や調査を放置したとは言えない、として賠償責任を否定したのは大いに疑問だ。
 長い間、被ばくの有無をうやむやにされ、不安を抱えてきた原告は納得していない。被ばくとの関連が疑われる白血病やがんに苦しみ、亡くなった元船員もいる。
 第五福竜丸以外の漁船も被ばくした事実や調査結果を、国は隠し続けたと原告は主張している。判決は退けたが、国の対応をふり返ると疑念は拭えない。
 80年代以降に国会質問や情報開示請求がなされ、国は「文書を保有していない」などと回答していた。ようやく2014年に当時の調査結果を開示したところ、水爆実験の周辺海域に漁船延べ556隻がいたことが記載されていた。それは元船員らの聞き取り調査を続ける元高校教諭の請求によるものだ。
 判決は、国は文書の所管部署がさまざまで継続的な放置ではないとした。さらに損賠請求の期間を過ぎているとした。しかし、訴えようにも長く調査結果は明らかにされていなかった。国の姿勢は問われてしかるべきではないか。
 そもそも、ビキニ水爆をめぐり日米の政治決着があったことを忘れてはならない。
 広島、長崎の原爆投下に続き、第五福竜丸が放射能の「死の灰」を浴びた衝撃は大きい。機関長の久保山愛吉さんが死亡し、国内に原水爆禁止運動が広まるなかで、米国が「見舞金」として日本側に7億2千万円を支払っていた。
 久保山さんの死因を含め、水爆実験による被害調査は、米国への配慮から不十分だったと言われる。
 当時、周辺海域に千隻以上の漁船がいたと見られるのに、第五福竜丸を除いて船員らの追跡調査はなく、隠された存在のようになった。国の責任は重い。
 一審の判決が出たからといって、これで決着ではない。水爆実験による被害の全容は今も分かっていない。国は歴史の真実に向き合うべく、調査し直すべきではないだろうか。


ビキニ訴訟で請求棄却 それでも国は救済急げ
 長きにわたり顧みられなかった核被害者の救済をいつまで放置し続けるのか。米国による1954年の太平洋・ビキニ環礁での水爆実験で、周辺海域にいた漁船の元船員や遺族ら45人が日本政府に国家賠償を求めた訴訟の判決で、高知地裁は原告の訴えを全面的に退けた。
 「解決済みの問題」との姿勢を貫く国の主張に沿った判決だ。被曝(ひばく)による被害自体が「なかった」ことにされかねない。到底承服できない。
 ビキニ水爆実験で被害を受けたのは、静岡県の第五福竜丸だけではない。この時期に周辺海域で操業していた日本漁船は約千隻に上る。「死の灰」は広範囲に降り注ぎ、汚染された魚の廃棄を余儀なくされた。
 今回の訴訟では、それらの漁船の被害に関する調査結果を、日本政府が長年隠して開示しなかったため、米国への賠償請求の機会を奪われたとして、元船員1人当たり200万円の慰謝料を求めていた。
 当時、「死の灰」を浴びた第五福竜丸は日本中に大きな衝撃を与えた。無線長が死亡し、原水爆禁止運動のうねりを起こした。だが、問題は間もなく埋没してしまう。その背景に反米、反核感情を抑える「政治決着」があったのは間違いない。
 日本政府は、米国の法的責任を問わないまま「見舞金」として200万ドル(当時で7億2千万円)を受け取り、幕引きを図った。第五福竜丸元乗組員の継続調査以外は封印し、他の漁船の船員らの被害は放置した。
 漁船や船員の被曝線量に関する検査資料も「見つからない」と言い続けていたが、元船員を支援する市民団体が粘り強く請求した結果、2014年になって延べ556隻分の資料公開にようやく応じた。12隻に一定量の被曝が認められた。水爆実験から60年たっていた。あまりにも遅過ぎて不誠実だ。原告らが「意図的に隠していた」と非難するのも無理はなかろう。
 地裁はきのうの判決で「元乗組員のうち1人を除いて被曝した事実は認められる」としながらも「国が資料を意図的に隠したとは断言できない」との判断を示した。さらに「国家賠償を請求できる20年の期間も超え、救済は困難」と結論付けた。
 原告らが求めていたのは国の責任を明らかにし、第五福竜丸以外の被害者の救済を実現することだ。国がなぜ長年にわたり情報開示しなかったのかさえ分からないままでは、到底納得できまい。
 被曝の事実があっても病気との因果関係を立証するのは難しい。裁判と並行して、原告の元船員ら11人は「労災認定」に当たる船員保険の適用を求めて集団申請していたが、昨年末に全国保険協会から不承認とされた。健康に影響が出るほどの被曝は確認できないとの理由だ。
 ただ元船員への直接の聞き取りはなかったという。元船員らが訴える被害の実態をしっかり踏まえた判断とは言い難い。
 周辺海域で被曝した元船員は全国に埋もれている可能性が高い。水爆実験から60年以上が過ぎ、いずれも高齢だ。被曝の事実を知らずに亡くなった人も多いはずだ。国は長く被害実態の把握を怠り追跡調査さえしなかった。その「不作為」の責任は重い。司法判断とは別に、一刻も早く救済に乗り出すべきだ。


ビキニ被ばく 救済の道を閉ざすな
 核実験による元漁船員たちの被ばく被害を政府は長く隠し、放置してきた。その重い責任に正面から向き合おうとしない、納得できない司法判断だ。
 1954年に米国が太平洋のビキニ環礁で水爆実験をした際、周辺海域で操業していた高知県の元漁船員と遺族ら45人が国に賠償を求めた裁判である。高知地裁が請求を退ける判決を出した。
 原告側は、日本政府が米国の法的責任を問わずに政治決着させ、漁船の検査記録を長い間開示しなかったことで、米国への賠償請求の機会を奪われたと訴えていた。判決は、国が意図的に記録を隠したとは断言できないなどとして賠償責任を否定した。
 判決は一方で、水爆実験による原告らの被ばくを認定している。それでいて政府の責任に目をつむり、救済の道を閉ざすのは、司法の責務を果たしていない。
 ビキニの水爆実験は、「死の灰」と呼ばれる放射性降下物を広範囲に降らせた。静岡のマグロ漁船「第五福竜丸」は、乗組員23人が被ばくし、無線長の久保山愛吉さんが半年後に亡くなっている。
 ほかにも日本の漁船およそ550隻が周辺海域に入ったとされる。けれども、第五福竜丸の陰に隠れて、多くの漁船員の被害が置き去りにされてきた。偏見や差別を恐れ、被ばくしたことを語れない人もいたようだ。
 日米両政府は55年、米国が200万ドル(当時で7億2千万円)の「見舞金」を払うことで合意した。漁業の損害補償に充てられたほか、第五福竜丸の乗組員に分配されたが、そのほかの漁船員に補償は何もなされていない。健康状態の追跡調査も行われなかった。
 被害を掘り起こしたのは、高知の元高校教諭らによる地道な調査だ。30年に及ぶ聞き取りで、多くの元漁船員が、被ばくと関連が疑われるがんや白血病に苦しんでいることが分かった。歯を調べ、広島の原爆を爆心から1・6キロで浴びたのに相当する被ばくがあったとする研究者の分析もある。
 地裁判決は、長く省みられなかった元乗組員の救済の必要性はあらためて検討されるべきだと付言した。救済、援護の手だてを何も講じてこなかった政府が責任を免れるわけではない。
 被ばくした元漁船員はいずれも高齢だ。亡くなった人も少なくない。司法判断とは別に、救済を急がなくてはならない。高知のほか各地にいる人たちの健康状態や死因を調べ、被害の全容を把握することが欠かせない。


【ビキニ訴訟】司法は本質に迫ったのか
 1954年に米国が太平洋のビキニ環礁で実施した水爆実験を巡る重い事実に、司法はどこまで向き合ったのだろうか。
 当時、周辺海域で操業していた県内外の元漁船員らが、被ばく線量などを記した文書を開示しなかったのは違法だとして国に損害賠償を求めた訴