フランス語の勉強?

août 2018

お腹がゴロゴロ/ロッカーの整理/時間がなくて印刷半分

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七夕サンモール商店街180806

Japon: dans un hôtel déshumanisé, des dinosaures en guise de réceptionnistes
Dans cet hôtel de la banlieue de Tokyo, l'ambiance est de prime abord étrangement calme: personne pour souhaiter la bienvenue quand on franchit la porte, puis quand le visiteur approche, le voilà accueilli par une voix grave et métallique.
Deux dinosaures qui semblent tout droit sortis de Jurassic Park, coiffés d'un képi de bagagiste, s'animent soudain, avertis par le détecteur de mouvements, et invitent le client à s'enregistrer sur un écran tactile.
L'interaction est très limitée et l'objectif surtout ludique dans l'établissement opportunément nommé Henn na, littéralement "bizarre", où les poissons de l'aquarium sont aussi... des robots, enfin plutôt des gadgets articulés bardés de petites lumières clignotantes.
"Nous ne voulons pas d'un hôtel où simplement dormir, nous souhaitons divertir", assure le gérant Yukio Nagai.
Situé dans la préfecture de Chiba, près de Tokyo Disneyland, pour environ 130 euros la nuit, l'hôtel attire de nombreuses familles avec enfants, en quête de divertissement, même après la fermeture du parc.
"Mon fils est vraiment content. Il y a un robot en forme d'oeuf dans notre chambre et il joue beaucoup avec", témoigne Chigusa Hosoi, touriste japonaise venue avec son petit garcon de trois ans.
Le premier Henn na Hotel, reconnu par le Guinness des records comme le premier hôtel géré par des robots au monde, a ouvert en 2015 à côté d'un parc d'attractions de Nagasaki, dans le sud-ouest du Japon.
Aujourd'hui, on en compte huit, tous gérés par l'agence de voyage HIS qui prévoit d'en ouvrir cinq autres dans l'année.
Mais tous ne sont pas aussi excentriques que celui de Chiba. Dans les quatre hôtels situés au coeur de Tokyo, dont la clientèle est majoritairement composée d'hommes d'affaires, les dinosaures à l'accueil sont remplacés par de jolies humanoides.
Pour Yukio Nagai, les robots, en plus d'être divertissants, représentent une aide non négligeable alors que le Japon fait face à une pénurie de main d'oeuvre.
"Il est difficile de trouver du personnel hôtelier", explique le responsable. "Normalement, pour gérer un hôtel de 100 chambres comme le nôtre, il faut 30 à 40 personnes. Ici, nous n'avons que sept à huit employés", vante-t-il fièrement.
Des robots réceptionnistes aux robots aspirateurs en passant par le robot concierge dans la chambre, les machines parviennent à combler en partie les désirs des clients.
Leurs capacités d'adaptation limitées irritent cependant quelques visiteurs, reconnaît M. Nagai. "Il y a des choses que seuls les êtres humains peuvent faire, par exemple répondre à des situations inattendues ou à des questions compliquées", dit-il.
Visiblement, même le simple processus d'enregistrement à l'arrivée pose des problèmes, si l'on en croit les commentaires d'internautes. "Un vrai bordel", peste un client sur le site de réservation d'hôtels en ligne, Booking.com.
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フランス語の勉強?
阿部公彦 @jumping5555
さて、東大の民間試験。話し合いの決着までもう少しです。現状、民間試験導入に賛成の教員はほぼゼロ。また、英語関係教員の意見を結集した「答申をしっかり反映させようぜ〜!」との声明も出ました。上層部への応援です。これで活用となったら、よほど「不思議な力学」が働いた証拠だね。
KIT Speakee Project @KITspeakee
「不思議な力学」が働く余地などないはず。現時点でも,多くの国立大学が2020年度からの民間試験利用の判断を先延ばしにしている。新英語入試制度の危うさを認識し,東大の英断に期待しているからだ。日本の教育史に残る(公教育の将来を左右する)重大な判断。ここで東大の功績を残していただきたい。
ここで東大がNOを突きつければダイナミズムは一気に逆転し,メディアは入試問題だけでなく,公正を欠く公教育の民営化,官民の癒着(天下りや政治献金問題),文科省・大学入試センターの無責任態勢などを報じやすくなる。ここで立ち止まらなければ,あとはなし崩し。「さすが東大」と思わせてほしい


お腹がゴロゴロしてなんか変です.トイレが近くてう〜んん.
今日はロッカーの整理を頑張りました.かなり処分できたと思います.
夜,カイトの印刷.ですが時間がなくて印刷半分で止めました.明日頑張らなくては.

初秋の便り ノリの種付け本格開始 震災前の8割生産見込む 石巻・渡波
 宮城県石巻市渡波で30日、初秋の風物詩、ノリの種付けが本格的に始まった。
 宮城県漁協石巻湾支所の生産者ら約60人が万石浦鮮かき工場の敷地内で作業した。網を巻き付けた直径2.2メートルの水車10台を用意。胞子の入ったプールに網を浸し、回転させて種を付けた。
 9月10日ごろまで約3万枚の網に種付けし、同20日ごろに松島湾に移して育苗。10月に石巻湾に移入して成育させ、11月上旬の収穫開始を目指す。
 丹野一雄支所運営委員長(70)は「暑い日が続いたが、ようやく気温が落ち着いて例年通り作業ができそうだ。台風の発生が多く心配だが、おいしいノリを作りたい」と話した。
 同支所は東日本大震災前の2009年に約7200万枚のノリを生産。震災で落ち込んだが、昨年は震災前の8割に当たる約5700万枚まで回復した。今年も同程度の生産を見込む。


河北春秋
 30カ国で展覧会を開き、世界の70以上の美術館に作品が収蔵されている現代美術家宮島達男さん(61)=東北芸術工科大客員教授=。東日本大震災の被災地で取り組む作品がある。プールにLEDの数字が点滅する装置を多数浮かべた『時の海−東北』だ▼数字は9から1までカウントダウンを繰り返す。数字が点滅する時間は「生」、暗闇になる0の時間は「死」。生死を繰り返す仏教の輪廻(りんね)転生、震災犠牲者の「永遠の命の光」を表現した▼昨年、牡鹿半島であった「リボーンアート・フェスティバル」でLED装置300個を使って展示。最終的に3000個にし、太平洋を望む場所に設置する計画だ。LED一個一個のカウントダウンの速度を設定するのは被災者ら。先日、仙台市で好きな数字を選んで速度を設定する催しがあった▼震災後、宮島さんは石巻市で泥かきのボランティアをした。この時、印象に残ったのが海を恨む人がいないこと。鎮魂し、記憶を伝え、未来へ希望をつなげるため海に思いをはせた作品を作ろうと決意した▼10月に東京・森美術館で始まる「カタストロフと美術のちから展」に出品し制作資金を募る。「東北が今どんな状況か見てもらう契機にしたい」。世界の人々に呼び掛け、「東北応援団」をつくるつもりだ。

<福島第1>トリチウム水、海洋放出大半が反対 福島・富岡で初の公聴会
 東京電力福島第1原発の敷地内にたまり続けている放射性物質トリチウムを含む水の処分方法を巡り、政府の小委員会が国民の意見を聞く初の公聴会が30日、福島県富岡町であった。原子力規制委員会が「唯一の方法」とする海洋放出に、登壇者の大半が反対した。
 公聴会は町文化交流センターであり、約100人が傍聴。公募に応じた県内外の14人が意見を述べた。海洋放出には13人が反対や慎重な姿勢を示した。
 福島県漁連の野崎哲会長(64)は「国民的な議論を経ていない現状では強く反対する」と断言。「試験操業で地道に積み上げてきた安心感をないがしろにし、県漁業に致命的な打撃を与える。まさに『築城10年、落城1日』だ」と訴えた。
 ただ一人、海洋放出を容認した大阪大招聘(しょうへい)教員の大槻宗司さん(70)は風評被害対策として、「放射性物質濃度をサンプル測定から全量測定に変え、結果を公開すべきだ」と提案した。
 汚染水を浄化する多核種除去設備(ALPS)で、トリチウム以外の放射性物質も除去しきれず、ヨウ素129などが残っている問題も取り上げられた。
 富岡町からいわき市に避難する司法書士渡辺和則さん(44)は「トリチウム以外は含んでいないという前提で考えていた」と強調。「(2016年11月の)小委員会初会合で説明していた」との国側の言い分に釈然としない様子だった。
 原子力規制委の更田豊志委員長がトリチウム以外も希釈すれば海洋放出を認める考えを示していることに、発言者から「そもそもALPSなど要らないことになる」と批判が出た。
 小委員会委員長の山本一良名古屋大名誉教授は取材に「意見を重く受け止め、検討を続ける」と説明。トリチウム以外の放射性物質に関しては「残っているものは確実に取るべきだと思う」と、ALPSでの再処理の必要性に言及した。
 公聴会は31日、郡山市と東京都で行われ、それぞれ14人、16人が意見を述べる。


<福島第1>トリチウム水公聴会に批判続出「なぜ平日に」「広く聴取を」陸上保管継続求める声も
 東京電力福島第1原発の敷地内で保管している放射性物質トリチウムを含む水の処分方法を巡り、福島県富岡町で30日にあった初の公聴会では、意見聴取や合意形成の在り方に対する不満や注文が相次いだ。陸上での保管継続が選択肢にないことにも批判が出た。
 「なぜ土、日にやらないのか」。同県新地町の漁師小野春雄さん(66)は木曜午前という開催の設定にかみついた。
 「漁師は午前は仕事。平日の午前では、来たくても来ることができない」と強調。海洋放出の影響を最も受ける現場への配慮を欠いた対応だと憤りをあらわにした。
 公聴会は公募に応じた参加者が5分以内で意見を述べ、委員の質問に答える形式。委員への質問や傍聴者の発言機会は設けられていない。
 同県楢葉町の政党役員佐藤龍彦さん(66)は「若干名の意見を聞く形式的な公聴会は取りやめ、各市町村や行政単位の説明会で、広く意見を聴取すべきだ」と指摘。いわき市議の佐藤和良さん(64)は「双方向型の公開討論会を実施すべきだ。欧米のように長期間の公聴会を積み上げて決めるべき問題」と述べた。
 いわき市の弁護士菅波香織さん(42)は「第三者機関が運営し、いろんな立場の人が話し合う場を設けるのも一つのアイデアではないか」と提案した。
 国の作業部会が2016年に評価結果をまとめた処分方法は「海洋放出」「水素に変化させての大気放出」「蒸発」「地層注入」「地下埋設」の5通り。
 公聴会では、大型タンクを新たに設けるなどして陸上保管を継続し、処理技術の開発を見極めるよう求める意見も複数あった。
 いわき市の市民団体筆頭代表の伊東達也さん(76)は「トリチウムの危険性について十分説明されていない。海洋放出が最も安上がりとしているが、被害額は最も大きくなる可能性がある。大型タンクでの保管も検討対象にすべきだ」と語った。


<福島第1事故>宮城産ホヤ補償 20年末で終了 県漁協と東電、大筋合意
 東京電力福島第1原発事故に伴う韓国の禁輸措置で供給過剰となっている宮城県産の養殖ホヤを巡り、東電が生産者への補償を2020年末で終了する見通しとなったことが30日、分かった。
 県漁協と東電が同日までに、逸失利益分の補償を段階的に廃止する方向で大筋合意した。19年は現行の枠組みを維持し、20年に補償額を現在の半分に削減。21年以降は補償しない。
 世界貿易機関(WTO)の紛争処理小委員会が韓国の禁輸措置を不当と認めて是正勧告を出すなど、輸出再開に向けた機運の高まりが背景にあるとみられる。
 県漁協幹部は「反対する漁業者もいたが、早期輸出再開を望む声は多い。補償が長期に及んだ影響は大きく、終了するまでに生産体制を整えたい」と話した。
 東電は14、15年の国内販売価格の下落分を補填(ほてん)したほか、県漁協が供給過剰分を焼却した16、17年は処分に伴う減収分を補償した。今年は16、17年の水揚げ実績を基に各漁業者の生産規模を算定し、全体で約6900トン分を上限に逸失利益を補償対象としている。
 韓国は原発事故前、県産養殖ホヤの約7割を消費していたが、事故を理由に禁輸措置を発動。養殖ホヤは供給過剰となり、16年は約1万3000トンの水揚げのうち約7600トン、17年は約1万1700トンのうち約6900トンを処分した。
 今年は初の生産調整を実施し、出荷サイズに換算して約1500トン分に相当する若いホヤを4月までに処分した。


<台風10号豪雨2年>「楽ん楽ん」の悲劇繰り返さぬ 高齢者施設、安全確保へ試行錯誤続く
 「楽ん楽ん」の悲劇の後も、全国各地では大規模自然災害が相次ぐ。「悲しみを繰り返してはならない」と高齢者施設の試行錯誤が続いている。
 「運転手さん、避難経路はルート1でお願いします」。岩手県久慈市のNPO法人「ファミリーサポートおひさま」が運営するグループホーム「ひだまり」で21日、大雨による河川の増水を想定した避難訓練があった。
 施設は久慈川の北約200メートルに立地する。防災体制などを盛り込んだ「避難確保計画」は6年前に策定済みだが、「楽ん楽ん」では避難のタイミングを逸したことで人的被害が発生している。自分たちも避難の開始基準が曖昧だったとして早速、計画の見直しに着手した。
 理事長の村田美幸さん(48)は「岩泉で被害が出るまで油断があった」と打ち明ける。
 新計画では避難の開始を「避難準備・高齢者等避難開始」発令時点か久慈川の上流域にある観測所の水位が3メートルを超えた時点のどちらかとした。施設周辺の道路は冠水しやすいため、市指定避難所までの経路も1本から3本に増やした。
 計画を見直した後の15日、大雨が市一帯を襲った。久慈川は想定していた上流ではなく下流で水位が上昇。避難の判断に迷いが生じた上、下流に向かう避難経路を使えば立ち往生してしまう危険性があった。
 災害や福祉の専門家から助言を得て改定した計画だったが、それでも新たな課題が浮上する。村田さんは「雨の降り方で逃げるタイミングをもっと早くし、避難場所も変える必要がある」と実感。今後も計画の見直しと避難訓練を続けていくという。


<台風10号豪雨2年>9人犠牲「楽ん楽ん」 跡地で職員が献花、冥福祈る
 岩手県岩泉町の高齢者グループホーム「楽(ら)ん楽(ら)ん」で入所者9人が犠牲になった2016年の台風10号豪雨から2年となった30日、グループホームを運営していた社団医療法人「緑川(りょくせん)会」は、施設の跡地に献花台を設けて職員約60人が冥福を祈った。
 佐藤弘明常務理事は「2年たっても、申し訳ないという気持ちは変わらない」と語った。被災当時、施設にとどまって唯一生き残った女性所長が昨年末に退職したことを明らかにした。
 豪雨災害を教訓に、緑川会が運営する介護老人保健施設(岩泉町)では年2回の避難訓練を実施している。今後は毎年数人ずつ、職員に防災士の資格を取得させるという。
 「楽ん楽ん」の被害を巡っては、亡くなった入所者6人の遺族が、緑川会に計1億1145万円の損害賠償を求める訴訟を起こしており、慰霊碑の建立計画も宙に浮いたままだ。
 佐藤常務理事は「遺族側弁護士から『説明に納得していない』と言われており、話し合いの場が持てない。何年たったとしても手を合わせる場所を作りたい」と話した。


<台風10号豪雨2年>宮古署、今も行方不明の65歳男性を捜索「発見につながる何か見つけたい」
 岩手県警宮古署は30日、台風10号豪雨で行方不明になっている宮古市小国、沢田和利さん=当時(65)=の手掛かりを求め、市内を流れる小国川周辺を捜索した。
 捜査員7人が豪雨災害の犠牲者に黙とうした後、沢田さんの車が見つかった「深戸下の橋」の下流域約1.7キロに展開した。川底を確認したり、河川敷の雑草をかき分けたりして遺留品などを捜した。
 沢田さんは、豪雨災害に巻き込まれたとみられる最後の不明者。大坂克久地域課長は「発見につながる何かを見つけたい。家族の気持ちに寄り添い、今後も捜索を続けたい」と話した。


<台風10号豪雨2年>岩手県、洪水時のみ作動する新型水位計設置 県内の河川に順次配置、監視強化
 岩手県は30日、台風10号豪雨で氾濫した岩泉町の小本(おもと)川に、洪水発生時のみ作動する「危機管理型水位計」を設置した。県内250河川に計約300台を順次設置し、監視を強化する。
 今回設置したのは、9人が犠牲になった高齢者グループホーム「楽ん楽ん」の跡地近くに架かる「ふれあい橋」。水位が75センチに達すると自動で観測を開始し、10分ごとにデータを送信する。
 観測した水位情報は国土交通省と自治体が共同運営するウェブサイトで、9月上旬から誰でも閲覧できるようになる。
 県河川課の杣(そま)亨総括課長は「生活圏に隣接するほぼ全ての県管理河川で監視態勢が整う。データを迅速な避難行動に役立ててほしい」と話した。
 危機管理型水位計の開発は、台風10号豪雨などを教訓に国交省が主導した。本体価格は1台100万円以下で、水位を常時観測する従来型(約1000万円)に比べて初期費用を大幅に抑制できる。東北では本年度、6県に約1000台が設置される予定だ。


<台風10号豪雨2年>災害に強い町、誓う 岩手・岩泉で慰霊式
 岩手県内だけで関連死を含め26人が犠牲となり、今も1人が行方不明になっている2016年の台風10号豪雨から30日で2年を迎えた。24人が亡くなった岩手県岩泉町では町主催の追悼慰霊式が営まれ、犠牲者の冥福を祈った。
 町民会館での慰霊式には、遺族20人をはじめ280人が参列。中居健一町長は「自然のすさまじい力で多くを失ったが、これからも自然と共存し、町民一丸で災害に屈しない強い町をつくる」と復興を誓った。
 町にある高齢者グループホーム「楽(ら)ん楽(ら)ん」では入所者9人が犠牲になった。兄繁喜さん=当時(77)=を亡くした町職員千葉利光さん(61)は「あっという間の2年だった。全国の施設は楽ん楽んの教訓を生かしてほしい」と話した。
 台風10号は、観測史上初めて東北の太平洋岸に直接上陸した。岩手県では河川の氾濫で沿岸部を中心に4550戸が被災し、今も144世帯が仮設住宅に入居している。県の被害総額は1428億7000万円で、大雨災害では過去最大。
 北海道でも2人が死亡、2人が行方不明になっている。


被災と子どもたち 心のケアに対策強めたい
 西日本豪雨から間もなく2カ月。大きな被害を受けた岡山県内では多くの小中学校で9月3日に2学期の始業式がある。学校の再開は日常生活を取り戻す一歩だが、自宅の被災を機に転校する子もおり、子どもたちの心労も大きくなる。心のケアに関わる対策を強化したい。
 岡山県内では公立の小中学校約50校で浸水や土砂流入などの被害があった。広範囲が浸水した倉敷市真備町地区(小中8校)など、1学期の終業式を行えないまま夏休みに入ったところもあった。同県内で自宅が被災した小中学生は公立校だけでも1700人程度いるとみられ、真備町地区が8割を占める。
 被災直後から県内で進められたのが夏休み中の子どもたちの居場所づくりだった。被災した自宅の片付けなどに追われる保護者のニーズが高かったのに加え、東日本大震災や熊本地震など過去の災害での教訓でもあった。避難生活の中でも、素直な感情を表して遊べる居場所を設けることは子どもたちのストレス軽減に有効と指摘されている。
 真備町地区では放課後児童クラブ(学童保育)も被災したことから、倉敷市内のほかの学童保育が連携して受け入れた。それまで学童保育を利用していなかった子どもの利用も目立ったという。各避難所でも遊びや学習のためのスペースが設けられた。ほかの地域でも地域住民や民間団体が居場所を提供し、県も県立大(総社市)に一時預かり所を開設した。
 多くのボランティアの協力もあり、居場所づくりは一定の成果をあげたといえるだろう。被災した児童を受け入れた、倉敷市内の学童保育の支援員によると、児童はふとした時に避難生活の不便さを打ち明けながらも、のびのびと遊ぶ姿がみられたという。
 夏休みが終わり、学校が再開する9月からは新たな段階を迎える。真備町地区では小中4校の早期復旧が難しく、当面は地区から離れた学校の空き教室などにバスで通うことになる。通学先が変わることに加え、親しい子ども同士でも自宅の被災の程度は異なり、転校する子もいる。これまで以上につらい思いを心の中にため込む可能性もある。
 強いストレスを長く抱えたり、行動に変化がみられたりする場合はカウンセリングが有効で、状況によっては専門機関へつなぐ必要もある。子どもたちは自分の言葉でSOSを発するのが難しい。周囲の大人ができるだけ早く変化に気づくことが大切だ。
 岡山県はスクールカウンセラーの増員など心のケアに関する予算措置を講じた。倉敷市は真備町地区のスクールカウンセラーを増やして全校に各2人を配置。夏休み中から家庭や避難所を訪問し、保護者や教員への支援もしている。被災を免れた地域でも被災地からの転校生を受け入れるケースがある。各地で丁寧に子どもたちを見守りたい。


熊本地震で被災した益城幼稚園に通園バス 女性団体が贈呈
 益城町木山の益城幼稚園に30日、新日本婦人の会(中央本部・東京)から新しい通園バスが贈られた。2学期が始まった同日から運行を開始。園児たちは「きれい」「かっこいい」と大満足だった。
 前のバスは25年間走行。買い替えの検討中に熊本地震が起きたため、園舎の復旧などが優先されてきた。事情を知った同会が募金などを通じ、買い替え費用約700万円を集めた。
 園庭で贈呈式があり、同会の笠井貴美代会長(64)が「たくさんの人が応援していることを忘れないで」とあいさつ。園児たちはお礼としてバスの絵や手作りの首飾りを同会の会員に渡した。
 ピカピカのバスを前に早道康介ちゃん(4)は「うれしい」、藤本理子ちゃん(4)も「早く乗りたい」と目を輝かせた。津田美保園長(55)は「いつまた故障するかという不安もあったので、ありがたい」と胸をなで下ろしていた。(立石真一)


東北、北陸で大雨 住民孤立、新幹線見合わせ
 前線の影響で東北と北陸では31日、断続的に非常に激しい雨が降った。前線は9月1日にかけて東日本や西日本に南下し、西日本の日本海側でも大雨になる見通し。気象庁は土砂災害や浸水への警戒を呼び掛けた。
 山形県戸沢村では31日、土砂崩れで村道がふさがり、一時は2世帯5人が孤立。JR東日本は、山形新幹線の新庄―山形間の上下線で終日運転を見合わせると発表。
 山形県最上町では同日午前、最上小国川が氾濫し、つり橋が崩落。石川県七尾市でも大雨で熊木川が氾濫した。
 気象庁によると、31日午前、石川県輪島市で1時間に77・0ミリ、山形県金山町で56・0ミリの激しい雨が降った。


福島の日本酒、米へ攻勢 NYのワイン店に専用コーナー
 米ニューヨーク中心部にあるワインショップ2店舗に、福島県産日本酒の専用コーナーが設けられた。県が5月、販路拡大に向けて両店舗と開設で合意していた。当面は来年3月まで設置される。
 県県産品振興戦略課によると、開設は8月25日。ほまれ酒造(喜多方市)や大七酒造(二本松市)など六つの蔵の21銘柄を扱う。「日本一の酒 福島」を英語表記したパネルも設置した。
 初日は1店舗で試飲会もあり、約130人が来店した。注文も含めて100本程度を販売するなど、反応は上々だったという。
 県は今秋、ニューヨークに県産日本酒を販売するアンテナ店「ふくしまの酒チャレンジショップ(仮称)」を開設する。県産品振興戦略課の担当者は「小規模の蔵元の酒も取り扱い、海外輸出を支援していきたい」と話す。


【智恵子没後80年】さらに魅力発信を
 今年は二本松市出身の洋画家・高村智恵子の没後八十年に当たる。詩人で彫刻家の夫高村光太郎が詠んだ「智恵子抄」の朗読大会をはじめ各種記念事業が市内で企画されている。智恵子が表現した芸術、文化の世界に改めて思いを巡らせ、魅力を県内外にさらに発信する機会としたい。
 智恵子は一九三八(昭和十三)年に五十二歳で亡くなった。病気療養中、千数百点に上る紙絵を残した。愛と芸術に生きた先駆的な女性と評価され、多くの人々を魅了している。
 朗読大会は全国から参加者を募り、十一月十八日に開かれる。夫妻への思いを込めたスピーチと詩の朗読を通じて二人の世界を感じてもらう。十月には智恵子に関する知識を問う「智恵子検定」や、智恵子抄を題材にしたスケッチ展示が行われる。十二月にはカフェを予定している。市内で販売されている智恵子にちなんだ菓子を味わいながら、二人の人生を語り合う。多くのファンが訪れる場となろう。
 紙絵や油絵が並ぶ記念館と生家は一九九二(平成四)年四月に開館した。一九九五年度には約八万三千人が訪れたが、減少傾向が続き、二〇一七年度は約一万六千人だった。展示物配置の刷新や生家を使った各種企画など来場者増を図る対応が待たれる。すぐ近くの鞍石山には「樹下の二人」の詩碑があり、「あれが阿多多羅山[あたたらやま]、あの光るのが阿武隈川…」を実感できる光景が広がる。記念館と生家を見た後、立ち寄れば、詩の世界をより身近に感じられる。整備されている遊歩道をもっと活用する手だてを探る必要がある。見学者の満足度向上を図り、観光ルートとして一層の売り込みに力を入れてほしい。
 九月九日からは福島現代美術ビエンナーレが「重陽の芸術祭」として二本松市で開幕する。切り絵や絵画の斬新な作品が市内に飾られる。生家も会場となる。新進気鋭の女性作家も多く出品する。若手女性作家を対象に智恵子の名前を冠した賞を創設する考えが実行委員から示されている。どう継続していくかなど課題はあるだろうが、実現へ向け検討してもらいたい。芸術家としての智恵子の魅力を広く訴える契機になる。
 二本松市は、おいしい日本酒、多彩な菓子、霞ケ城や二本松少年隊といった歴史、「ほんとの空」が広がる安達太良山、伝統の祭りなど観光資源に恵まれる。さらに誘客を目指すために全国的な知名度を誇る智恵子抄を生かしてほしい。(吉田雄一)


障害者雇用不正 実態解明し再発防止図れ
 到底許されるものではない。中央省庁の障害者雇用水増し問題を巡り、国の33行政機関のうち27機関で不正算入が判明した。
 昨年雇用したと発表していた約6900人のうち、国のガイドラインに反して不正算入していたのは3460人に上るという。
 2・49%としていた雇用率は1・19%に半減し、法定雇用率を大きく下回ることになる。障害者への差別を禁じ、就労機会を広げるのを目的にした障害者雇用率制度をないがしろにするものだ。
 中央省庁のずさんさにあきれ返る。障害者らから、怒りや落胆の声が上がったのは当然だろう。
 制度を所管する加藤勝信厚生労働相は「故意か誤解に基づくものなのか今の段階で判断するのは困難だ」と述べたが、このような水増しはいつから始まり、なぜ放置されてきたのか、解明しなければならない。
 原因究明は、弁護士ら第三者による検証チームに委ねられるが、チェック体制の構築も求められよう。
 今回の問題では、国税庁と国土交通省、法務省の3省庁だけで全体の6割に当たる約2160人の水増しが分かった。障害者手帳の確認を原則とする厚労省のガイドラインを、担当者らが理解しないまま運用していたようだ。
 不正算入は地方自治体にも広がっている。37府県でも雇用数の不適切な算定があったことが判明。多くの自治体では自己申告や面談結果などを基に、担当者らが判断していたが、認識の甘さやプライバシーへの配慮から手帳の提示を求めづらく強制できなかったなどの理由が目立った。
 徳島県教委でも、水増しが明らかになっている。
 こうした状況を受け、厚労省は全国調査に乗り出すとしたが、制度について理解してもらう取り組みを強化する必要がある。
 拡大解釈などを招く要因となったガイドラインや通知の在り方も、十分に見直すべきだろう。
 障害者雇用促進法によって一定割合以上の障害者を雇うように義務付けられた企業の多くは、就労機会の拡大に向けて努力を重ねている。
 企業は法定雇用率を下回れば納付金を徴収されるが、国や自治体は「率先して雇用する立場」との考えから納付制度はなく、チェックを受けることもない。
 こうした点が、認識の甘さとともに、ずさんな運用につながったのではなかろうか。「共生社会」は名ばかりであり、数値目標を達成するだけに腐心していたとみられても仕方あるまい。
 政府は、再発防止に向けた緊急対策を10月に取りまとめる。国家公務員の採用に障害者枠を新たに設けることを検討するが、単なる数合わせに済ませてはならない。障害者雇用を推進する立場にあることを、しっかりと自覚してもらいたい。


パラリンピック開く資格すらない
★ご記憶の方も多いだろう。駆け出しの記者の頃は日比谷公園前の合同庁舎のエレベーターには障がい者のエレベーターガールがいた。その時の感想は政府の中央官庁が率先して障がい者雇用を守り推進するという断固たる覚悟だった。中央省庁による障がい者雇用の水増し問題は国の33の行政機関のうち、障害者手帳などの証明書類を確認せずに職員を雇用率に算入していたのは、昨年6月時点で27機関の計3460人に上る。★障害者手帳を持っている人か医師の診断書で障害が認められた人に限られるが、各省庁は厚労省による制度の周知が不徹底だったとか、「個人情報ということで手帳を確認しづらかった」と姑息(こそく)な言い訳で自らの不作為を肯定化している。だがこれらの対応は我が国の障がい者の雇用のチャンスを妨げ障がい者への理解に目を背けたに他ならない。この国は2年後にパラリンピックを主催する。障がい者スポーツと障がい者雇用は一体だ。彼らは仕事をしながらパラリンピックを目指す。その彼らから雇用を奪い、大臣の言い訳と陳謝で事が済むと思っているのか。公文書を改ざんすることも昔からやっていたとうそぶく中央官庁の腐り具合はパラリンピックを開く資格すらない。★09年。第173回国会における首相・鳩山由紀夫は所信表明演説で「『人と人が支え合い、役に立ち合う『新しい公共』の概念』、あるいは『人を支えるという役割を、『官』と言われる人たちだけが担うのではなく、教育や子育て、街づくり、防犯や防災、医療や福祉などに地域でかかわっておられる方々1人1人にも参加していただき、それを社会全体として応援しようという新しい価値観』ということになる」と訴えた。その時にはまだ官がここまで堕落しているとは思っていなかった国民も、今、鳩山の指摘に理解を示すのではないか。公の崩壊が止まらない。

あきれた障害者雇用水増し問題 背景に潜む差別の意識
 中央省庁の障害者雇用水増し問題には、あきれ返る。国の33行政機関を対象とした政府の再調査結果によると、8割にあたる27機関で計3460人の水増しが判明。これまで雇用していると言い張った障害者約6900人のうち、水増しは実に半数に上り、平均雇用率は従来の2・49%から1・19%に半減した。
 国や地方自治体、企業などには従業員の一定割合(法定雇用率)以上の障害者を雇用する義務がある。昨年の法定雇用率は2・3%。32の行政機関が法定雇用率を満たしていたはずが、水増し分を差し引けば、たった6機関にとどまる。
 厚労省が定めたガイドラインでは、雇用率に算入できるのは原則、障害者手帳を交付された人か、医師の診断書で障害が認められた人に限られる。しかし、障害者雇用の旗振り役である中央省庁の大半が率先してガイドラインを無視。40年以上にわたって、手帳交付に至らない軽度の障害者を合算し、水増しが常態化していたのだ。
 国の行政をつかさどる中央省庁が、法で定められたルールを守れないとは言語道断だ。水増しの理由について、麻生財務相は「(ガイドラインの)解釈の仕方が違っていた」と弁明したが、にわかには信じがたい。法定雇用率をしっかり守ると、障害者にどう働いてもらうべきか、職場の扱いが難しくなる。そんな雇用差別に結びつく意識が、中央省庁にはびこってはいなかったのか。
 いずれにしろ、障害者雇用の水増しがここまで常態化していれば、民間企業を指導する説得力を失う。このところ、公文書の改ざん、隠蔽、捏造、破棄が相次ぎ、上へ上へとヘーコラへつらう忖度行動も蔓延。中央省庁内の目を覆うような実態が、どんどん表面化し、日本の行政府への信頼は地に落ちたも同然だ。
 今こそ行政府のあり方や中央官庁そのものを見直し、出発点から立て直すしかない。それこそが内閣を挙げての大仕事にすべきだが、その大役を任せるのに最もふさわしくないのが、安倍首相なのである。
 忖度の蔓延は内閣人事局の創設以降、安倍政権が常軌を逸した人事権を乱用したことが元凶だ。公文書の改ざんなどは言うまでもなく、安倍夫妻が中心にいるモリカケ疑惑に端を発する。
 行政府を腐敗させた張本人が、モリカケ疑惑を幕の後ろに隠したまま、勇壮な桜島をバックに自民党総裁選への出馬を表明。「薩長同盟」を訴え、すっかり維新の英傑気取りで、やりたい放題なのである。
 これ以上、かような人物を行政府の長に就かせるのは危うい。総裁選で一騎打ちに挑む石破元幹事長がベストとは決して思わないが、少なくとも安倍首相には即刻、お引き取り願いたい。


石破茂は愛妻家 安倍晋三・昭恵は“仮面夫婦説”は本当か
鈴木 慶大法学部に入った石破は、第2外国語(ドイツ語)の授業で妻・佳子と出会います。第一印象は「こんなにきれいな人がこの世にいるのか!」だったそうで、「高根の花だった」と回想しています。
野上 森友問題で安倍の妻・昭恵は日本中の注目を集め、メディアにさまざまな形で取り上げられましたが、石破の奥さんのことはあまり知られていませんね。
鈴木 石破は学期末試験の前に、出題を予想する「ヤマかけ講座」を開いていました。そこに彼女がやってきた。しかも、その時に石破のヤマが見事に当たったそうなんです。彼女から「ありがとう」とお礼を言われ、付かず離れずの関係が始まった。その後も、彼女に気に入られたい一心で必死に勉強したそうです。石破は「慶応の他の同級生と違って、高級車があるわけでもないし、ナンパのテクニックもない自分は勉強しか武器がなかった」と話していました。
野上 真っ赤なアルファロメオを乗り回していた安倍とは正反対の学生生活ですね。安倍が森永製菓の社長令嬢だった昭恵と知り合ったのは84年、父・晋太郎の外務大臣秘書官を務めていた時代になります。当時、電通勤めの昭恵との初デートをセットしたのは安倍の友人でした。ところが、昭恵が待ち合わせ時間に30分も遅刻してきたため、安倍は「第一印象は良くなかった」と振り返っています。後に昭恵も「政治家の家は大変そうだから気乗りしなかった」と語っていますが、3年間の交際を経て、87年6月に華燭の典を挙げました。同年5月に兄・寛信もウシオ電機会長令嬢と挙式していますが、名門・名家の家柄だと、結婚相手も自分で選べないのでしょう。古参秘書は「一種の政略結婚だった」と述懐しています。石破の結婚までの経緯は?
鈴木 三井銀行に就職が決まっていた石破は、慶大卒業式の日に「結婚を前提に付き合ってほしい」と佳子に告白します。生まれて初めての恋の告白でしたが、木っ端みじんにフラれた。転機は石破が24歳の時、自治大臣に就任したばかりの父・二朗が病に倒れ、81年に亡くなったことでした。その葬儀に、音信不通だった佳子から弔電が届いたのです。これを機に再び連絡を取り合うようになりました。
野上 夫婦そろって慶応卒というのも、エスカレーターで成蹊と聖心の安倍夫婦とは対照的ですね。
鈴木 父の死後、田中角栄に「政治家になれ!」と言われた時のエピソードもふるっています。角栄から結婚について聞かれた石破が「同級生の彼女がいる」と話すと、角栄は「その同級生はどこに勤めているんだ?」と。佳子は当時、丸紅に勤めていたんですよ。ロッキード事件の関係で、角栄にとっては耳にするのも嫌な会社です。案の定、「俺に恨みでもあるのか!」と激高するのですが、そこで奇跡が起きた。実は佳子の両親が新潟出身なんですね。それを伝えると、角栄も「新潟か。それならいい」と収まったそうです。鳥取の地元でも、佳子の評判はすこぶるいいですよ。石破も「自分が政治家を続けられるのは妻のおかげ」と公言している。本当に愛妻家ですね。安倍夫婦は仮面夫婦とも言われていますが、実際のところ、どうなんですか?
野上 そう見る向きもありますね。ファーストレディーが居酒屋を経営するなんて前代未聞ですし、「家庭内野党」と公言して夫の安倍がやることに異を唱えるなど、破天荒なのは間違いない。苦労知らずの似た者夫婦なのかもしれません。(敬称略)
▽野上忠興 1940年東京生まれ。64年早大政経学部卒。共同通信社で72年より政治部、自民党福田派・安倍派(清和政策研究会)の番記者を長く務めた。自民党キャップ、政治部次長、整理部長、静岡支局長などを歴任後、2000年に退職。安倍晋三首相のウォッチャーでもあり、15年11月発売の著書「安倍晋三 沈黙の仮面 その血脈と生い立ちの秘密」(小学館)が話題。他に「気骨 安倍晋三のDNA」(講談社)など。
▽鈴木哲夫 1958年福岡県生まれ。早大卒。テレビ西日本報道部、フジテレビ政治部、日本BS放送報道局長などを経て13年からフリーに。25年にわたる永田町の取材活動で与野党問わず広い人脈を持つ。著書に「政党が操る選挙報道」(集英社新書)、「安倍政権のメディア支配」(イースト新書)など多数。またテレビ・ラジオでコメンテーターとしても活躍。


大チョンボ安倍政権 “お忍び日朝会談”1カ月でバレるお粗末
 28日付の米紙ワシントン・ポスト(WP=電子版)は米国に内緒で、7月に日朝当局者がベトナムで極秘会談を行ったと報じた。拉致問題について話し合ったとみられる。首相も外相も一向に金正恩委員長に会えないことに焦った安倍政権が仕掛けたお忍び会談だが、“寝耳に水”の米国はカンカンだ。
 菅義偉官房長官は29日の会見で「報道された事案にいちいち政府がコメントするのは控えたい」と語り、極秘会談を否定しなかった。 WPによると、日本側は内閣情報調査室トップの北村滋内閣情報官、北は金聖恵統一戦線部統一戦線策略室長が参加した。
 統一戦線部は“北版CIA”ともいえる工作機関。6月の米朝首脳会談も、統一戦線部が事前交渉に奔走し実現した。金聖恵氏は実務責任者だ。4月の南北会談、6月の米朝会談にも随行している。北の最高学府「金日成総合大学」出身の50代のエリート官僚で、金正恩の妹・金与正の側近とされ、権力基盤もしっかりしているという。日本相手にそれなりの責任者が対応した格好だ。
■秘密工作のプロ中のプロがあっさりと
「日本政府高官は、拉致問題の交渉のためにはトランプ政権だけに頼るわけにはいかないと認識している」とWPは伝えている。安倍首相は「拉致問題は日朝間で解決しなければならない」と言っているから、そのための一手だったのだろうが、国際ジャーナリストの太刀川正樹氏がこう言う。
「3月から6月までに、中国・習近平国家主席、韓国・文在寅大統領、ロシア・ラブロフ外相、米トランプ大統領が金正恩委員長と会談しました。6カ国協議の構成国でトップや外相が正恩に会えていないのは日本だけ。安倍政権内には焦りがあった。とはいえ、外務省も官邸も北とのパイプがない。そこで、7月に安倍首相側近の北村氏が、苦し紛れの“直談判”に乗り込んだのでしょう」 極秘会談について日本が事前に米国に伝えなかったとして、米政府高官が不快感をむき出しにしたとも報じられている。元韓国国防省北朝鮮情報分析官で拓殖大主任研究員の高永抻瓩言う。
「外交交渉において、密談や密約は必要不可欠なことです。日本政府が米国に通知しないで北と高官会議を開くのだって、交渉手法としてはあってもいい。ただし、密談、密約の類いは、数十年経過して情報公開などでやっと明らかになるのが通常です。極秘会談後、わずか1カ月そこらでオープンになるとは、なんともお粗末だと思います」
 北村情報官は、官邸の“アイヒマン”と呼ばれている。東大法卒業後の1980年、警察庁に入庁。公安畑を歩み、95年には海外工作員などによる諜報活動の捜査などを行う外事課に配属され、2010年には外事情報部長に就いた。秘密工作のプロ中のプロが、あっさり密談をリークされたわけである。どうやら、安倍政権に拉致解決はムリなようだ。


「正直、公正」が個人攻撃? どんだけ首相はおっかないの
「人を批判するものではなく、変えることはございません」(石破茂自民党元幹事長)
 28日付の日刊スポーツによると、石破さんは27日、国会内で開いた政権公約発表の会見で、そう言って自民党総裁選に向けた「正直、公正、石破茂」というキャッチフレーズは変更しないと明言したとか。
 その2日前、25日には、自民党内から「正直、公正」ってのは安倍首相への当てつけみたいだ、そういう批判の声が上がって、変更もあり得ると、石破さんは言ってたんだよ。
 なにしろ、石破さんを支持する参院竹下派の吉田博美参院幹事長までが、
「個人的な攻撃には違和感がある」
 とか言って石破さんを牽制しおった。どんだけ、安倍さんておっかないの。
 でもさ、自民党内で「正直、公正」が安倍さんへの個人攻撃だと声が上がったのなら、つまり、安倍さんが嘘つきで、仲間ばっかりえこ贔屓する不公平な男だってこと、党内認識として一致してるわけでしょう?
 一般人より襟を立てて生きなきゃならない政治家にとって、「正直、公正」は常識だっていう常識くらい、分かって政治家を目指してくれよ。
 分かってないのか、分からないフリをしているのか?
 それって自分も嘘つきで不公平でいてもいいと思っていることの暴露だな。それでも、国民は黙って従えといってるようなもの。腐敗臭漂っておる。
 いやぁ、しかし、たまげたわい。まさか「正直、公正」という、政治家として最低限そうであるべきシンプルな言葉が、ジャブとして決まってしまうとは。
 もうこうなったら、
「正直、公正、暴力団との付き合いもなく、暴力団のように人を脅したりもしない、ポツダム宣言もつまびらかに読んでいて、エンゲル係数の意味も当然知ってる、そして嫁は常識人の、石破茂」
 とまでいってしまえ。


総裁選の報道めぐり 自民党「公平・公正」要求の支離滅裂
 “圧力バカ”を絵に描いたような話だ。自民党が総裁選の扱いについて、新聞・通信各社に「公平・公正な報道」を求める文書を配布した。その注文の仕方は非常に細かい。
 総裁選管理委員会の野田毅委員長名で配った文書は、記事内容や写真の掲載面積にいたるまで「必ず各候補者を平等・公平に」扱うように要求。各候補のインタビューの掲載日が異なる場合は、別の候補の名前も書けとまで注文を付けた。
 配布は28日で前日と当日に読売、日経、共同通信、産経が世論調査の結果を発表。いずれも「次の総裁にふさわしい人」で、石破元幹事長の支持率が安倍首相を猛追し、差は全て1桁台だ。安倍応援団の大新聞でも「僅差」の結果に、またも周辺が圧勝戦略を描く安倍首相に忖度。石破猛追は報じ方のせいだとの難クセで、圧力文書を突きつけたのは想像に難くない。
 4年前の総選挙でも、自民党は安倍首相の意向をくみ、放送局に関連番組のゲストやテーマ選び、街の声の扱い方など詳細に項目を挙げ「公正な報道」を求める文書を送りつけた。当時も「前代未聞の報道圧力」と批判されたが、懲りていない。
 そもそも「公平・公正」を求めるほど、この総裁選で安倍首相は報道に値する行動を取っているのか。石破氏が連日のように記者会見を重ねる一方、安倍首相は“逃げ恥”作戦を徹底。石破氏が求めた政策テーマごとの討論会を拒み、記者会見を含め質問に答える形式を極力避け続けている。
■「器が小さすぎる」
 最優先の地方行脚も「講演は当たり障りのない話だけの“独演会”」(ある地方の党員)で、中身ゼロ。地方議員の要望に珍しく耳を傾けると、「ピンと来ないのか、『そうだよね』と漏らす程度の反応」(自民党関係者)というありさまだ。
「安倍さんは総裁候補以前に一国の首相です。一挙手一投足がメディアに注目されるのは当然。討論から逃げ、露出を控え、考えもロクに伝えずに『公平・公正』な扱いだけを求めるのは器が小さ過ぎます。トランプ米大統領に『真珠湾攻撃を忘れないぞ』と伝えられたとする米紙報道も、総裁選中のロシア訪問も、大きく扱えば不平等なのでしょうか。支離滅裂な政治介入を突き返すべきなのに、メディアの批判報道は少ない。だから、自民党にナメられるのです」(法大名誉教授・須藤春夫氏=メディア論)
 へそで茶を沸かす圧力文書は日刊ゲンダイには届いていないが、当然これまで通りの姿勢で総裁選を報じさせてもらう。


総裁選報道 自民の要請は筋が違う
 自民党が総裁選挙に関連して、「公平・公正な報道」を求める文書を新聞・通信各社に送った。
 公平・公正は報道各社の自主的な判断により確保されるべきものだ。政党が要請するのは筋が違う。文書は直ちに撤回すべきだ。
 総裁選管理委の野田毅委員長名で送った。取材は規制しないと断った上で、インタビューや取材記事、写真の内容、掲載面積などに関し「必ず各候補者を平等・公平に扱ってくださるようお願いいたします」と記している。
 自民は2014年の衆院選の際在京テレビ各局に対し、選挙報道では「中立公平」にするよう求める文書を出している。その直前には民放テレビに出演した安倍晋三首相が、アベノミクスに批判的な街の声が番組の中で多く紹介されたことについて、「選んでますね」「おかしいじゃないですか」とかみついた経緯がある。
 今回も、首相の意向が働いていると思われても仕方ない。
 選挙報道の公平・公正については、報道機関の自主、自律を尊重する司法判断が定着している。代表例が1983年に行われた東京都知事選を巡る判決だ。
 12人の立候補者のうち有力2氏の動向を重点的に伝えたテレビ報道は不公平で違法、とする候補者の一人の訴えを、東京高裁は退けた。テレビ局には放送法により番組編集の自由が保障されている、との理由だった。
 総裁選は自民党の選挙である。公選法は適用されない。その一方、事実上次の首相を選ぶ選挙であり、国民にとって重要な意味を持つ。新聞やテレビが国民の関心に沿って自由に報道するのは当然のことだ。それぞれの判断でニュースの扱いに軽重を付けたり、一方の主張を批判的に報じたりしても問題は生じない。
 これまでのところ、石破茂元幹事長が候補者同士の論戦の機会を多くするよう求めるのに対し、安倍首相の側は消極的なままだ。
 首相は討論会については党選管の判断に委ねる姿勢に終始した。その結果2回とすることが決まっている。首相は論戦を避けようとしている、という趣旨の石破氏の批判に、首相は説得力ある反論ができていない。
 首相はロシア極東ウラジオストクで開く会議に出席するため、選挙期間中に日本を5日間留守にする。首相の外遊は当然ニュースになる。論戦から逃れて自分に注目させる一石二鳥狙いの外交日程ではないかと勘繰りたくもなる。


追及者が不審事故 安倍首相“#ケチって火炎瓶”が世界に拡散
 国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団(RSF)」が28日付で〈日本は、首相とヤクザの関係を調査するジャーナリストの不審な転落事故を捜査しなければならない〉との声明を出した。過去の山口県下関市長選を巡る安倍事務所の“火炎瓶騒動”を取材するジャーナリスト・山岡俊介氏が遭った不審な転落事故について、当局による捜査を要請。安倍首相の過去の重大疑惑は、いよいよ世界の知るところとなった。
 火炎瓶騒動とは、1999年の市長選で、安倍事務所が支援候補を当選させるため、暴力団に対立候補の中傷ビラまきを依頼し、500万円の報酬を300万円に値切ったため、自宅に火炎瓶を投げ込まれたとされる事件だ。国会でも指摘され、「#ケチって火炎瓶」のツイートが話題を呼び大炎上している。
 この事件を長年追及する山岡氏は8月7日夜9時ごろ、東京・新宿アルタから地下鉄駅に通じる階段上から転落。肩を骨折し、額を7針縫う全治1カ月の大ケガを負った。山岡氏に当時の状況を聞いた。
「後ろから押された感覚はありませんが、当時、私は酔っていたわけでも、体調が悪かったわけでもありません。体力には自信がある方ですから、普通なら踏ん張ったり何かにつかまろうとするはず。ところが、救急車を呼んでくれた方によると、前転するように上から下まで真っ逆さまに転げ落ちたといいます。私は過去に脅迫状を自宅に送り付けられたこともありますから、今回の一件も何かしらの力が働いたと疑わざるを得ません」
 RSFは声明で〈(山岡氏が)取材していた対象を考慮すると、このような不自然な転落は本格的な捜査に値するが、現在行われていない〉と指摘。〈日本のジャーナリストは、安倍首相が12年に政権を取って以来、自分たちに対する不信と敵意の雰囲気があると不満を抱いている〉と、安倍政権の報道に対する姿勢まで批判している。世界に拡散しつつある「#ケチって火炎瓶」疑惑。このまま放置していいのか。
「『報道の自由度ランキング』を年1回、公表するRSFは、第2次安倍政権の発足以降、日本のランク急落を憂慮しているのでしょう。十数年前の事件とはいえ、安倍首相はキチンと釈明しなければ、国際社会に不信感を与えるだけです」(高千穂大教授の五野井郁夫氏=国際政治学)
 総裁選前だからと、ダンマリは許されまい。


沖縄知事選の構図固まる 「辺野古」の膠着に道筋を
 沖縄県知事選(9月13日告示、30日投開票)の構図が固まった。
 知事在任中に死去した翁長雄志(おながたけし)氏の後継候補として自由党の玉城(たまき)デニー衆院議員が出馬を表明した。安倍政権の支援する佐喜真淳(さきまあつし)前宜野湾市長と事実上の一騎打ちとなる。
 最大の争点は2014年の前回と同様、米軍普天間飛行場を名護市辺野古へ移設する計画の是非だ。
 沖縄知事選は長らく保守系と革新系の対決構図が続いてきたが、前回は翁長氏が「辺野古新基地反対」を唱えて保守系の一部と革新系を結びつけることに成功し、「オール沖縄」態勢を構築して当選した。
 国による手厚い沖縄振興策と引き換えに翁長氏の前任知事が受け入れた辺野古移設だが、県民は「ノー」の審判を下した。
 しかし、安倍政権はその民意と向き合うことなく、辺野古沿岸部の埋め立て工事を強行してきた。この4年間、国の方針に反対しても仕方ないというあきらめムードが広がるのを待っていたようにも見える。
 その結果、今年に入って名護、石垣、沖縄の3市長選で翁長氏の支援した候補の敗退が続き、辺野古反対の一点で結集していたオール沖縄態勢のほころびがあらわになった。
 裏返せば、辺野古をめぐり県民の分断が進んだことになる。玉城、佐喜真両氏はそれぞれ出馬表明で「分断」に言及した。その原因を玉城氏は国に、佐喜真氏は翁長県政に求めたが、分断を解消する必要性は共有されているのではないか。
 翁長氏の生前最後の記者会見が辺野古埋め立て承認の撤回表明だった。県はきょう撤回に踏み切る構えで、これにより国はいったん埋め立て工事を止めざるを得なくなる。
 ただ国は、撤回がなくても、知事選が終わるまで埋め立て海域への土砂投入を見送る姿勢を見せていた。
 「国対沖縄」の構図を際立たせることでオール沖縄態勢を再構築し、翁長氏の弔い合戦と位置づけたいのが玉城氏側だ。辺野古問題から関心をそらし、従来型の「保守対革新」の構図に持ち込みたい佐喜真氏側とのせめぎ合いが激しくなっている。
 日米政府間の普天間返還合意から22年が過ぎた。いずれが勝つにせよ、膠着(こうちゃく)状態の打開へ道筋をつける知事選になることを願う。


沖縄県知事選 辺野古の是非を語れ
 沖縄県知事選は、九月三十日の投票まで一カ月を切った。国政の与野党それぞれが推す候補が激突する構図。翁長雄志知事が最期まで問い掛けた辺野古新基地の是非を正面から論争してほしい。
 翁長氏を支えた「オール沖縄」勢力が擁立する自由党幹事長の玉城(たまき)デニー衆院議員(沖縄3区)は二十九日、立候補を表明し、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設について「翁長知事の遺志を引き継ぎ、新基地建設阻止を貫徹する」と明言した。
 これに対し、自民、公明両党などの支援を受け既に出馬表明した佐喜真淳(さきまあつし)前宜野湾市長は「街のど真ん中にある(普天間)飛行場を一刻も早く返すことが(政策の)原点」と語り、辺野古の賛否を明らかにしていない。前回の自主投票から佐喜真氏推薦に回る公明党との政策協定でも触れなかった。
 賛否の分かれる問題について語ろうとしないのは、二月の名護市長選で、基地反対派の現職を破った自公陣営の戦術と同じだ。
 これにならって「争点隠し」を得策と考えているのだとすれば、あまりにも無責任ではないか。
 沖縄県知事は、公有水面埋立法に基づき、辺野古新基地建設に伴う沿岸埋め立ての認可権を持つ。
 仲井真弘多(なかいまひろかず)前知事が二〇一三年に埋め立てを承認したが、翁長氏は死去前、国の工事の進め方に不備があるとして承認の「撤回」を表明。県はきょうにも決定する。
 誰が知事に就いても直面せざるを得ない問題であり、玉城氏は撤回を「全面的に支持」する意向を表している。佐喜真氏も対応を明らかにするのは当然だろう。
 県政には、経済活性化や子どもの貧困対策など、基地以外の課題が多いのも事実だ。だが政府は、これらを後押しする沖縄関係予算を知事の辺野古への賛否によって加減してきた。翁長県政では削減を続け、安倍晋三首相は翁長氏とまともに会おうともしなかった。
 理不尽なやり方で県民の中に対立と分断を持ち込んでいるのは政府側であり、これに従うのか、敢然と声を上げるかは、沖縄のみならず日本の民主主義と地方自治の根幹に関わる問題だ。
 辺野古新基地建設地では、軟弱な海底地盤や極めて危険な活断層の存在も判明した。日本周辺の安全保障情勢も変化する中、移設計画自体、抜本的な見直しが必要な段階に来ているのではないか。
 沖縄の矛盾を巡る真摯(しんし)な論争を抜きに、沖縄の未来は開けない。


知事選すでに前哨戦 候補者の主張が聞きたい
 9月30日投開票の県知事選挙は、県政与党などが擁立する衆院議員の玉城デニー氏(58)が正式に出馬を表明した。自民などが推す前宜野湾市長の佐喜真淳氏(54)が先に立候補を表明しており、第8代の沖縄県知事を決める前哨戦が始まった。
 現職の知事の急逝に伴い任期満了を待たない異例の選挙だが、県民の将来を左右する極めて重要な選挙であることは間違いない。
 有権者は候補者の人柄をよく吟味し、政策の実現性、先見性、ひいては指導力もしっかり見極め、貴重な1票を投じたい。候補者は公開討論会や紙上座談会を含め、あらゆる機会を利用して積極的に互いの政策を戦わせ、有権者に判断材料を提供してほしい。
 今選挙は4年前に続き、米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古への新基地建設問題が最大の争点になる。前回知事選は辺野古新基地建設反対を訴えた翁長雄志氏が圧勝した。翁長知事は前知事が承認した辺野古の海の埋め立てを取り消し、国との法廷闘争となったが、最高裁で県の敗訴が確定した。国は近く土砂を投入し埋め立てを本格化させる方針だ。対して県は埋め立て承認を撤回する方針で対立している。
 一方で、前知事が辺野古の埋め立てを承認した際に政府が約束した、普天間飛行場の「5年以内の運用停止」の期限も2019年2月に迫るが、政府は具体的な動きを見せていない。17年12月には普天間飛行場に隣接する普天間第二小学校にヘリの窓が落ちる事故が起きた。普天間の危険除去は喫緊の課題だ。
 第5次となる沖縄振興計画は次期知事の任期中に期限切れを迎える。日本復帰50年の節目に、沖縄の将来像をどう描くか。候補者の口から聞きたい。
 子どもの貧困対策や全国一高い失業率の解消も課題だ。活況を呈する県内経済を県民生活の向上に取り込んでいく策も求められている。
 投票に当たって、判断基準になるのは候補者の言葉だ。
 辺野古新基地建設に関して玉城氏は「翁長知事は『あらゆる手段を尽くして辺野古新基地建設を止める』と言っていた。私も受け継いでいく」と述べた。佐喜真氏は考えを明示せず「普天間飛行場をどうやって、誰が、どういう形で返還を実現できるのかを県民に問いたい」と述べた。
 辺野古問題を含め、まだまだ候補者の考えは見えていない。主張の違いを明確にし、県民に訴えていく必要がある。ポスト振興計画や経済政策なども考えを知りたい。
 マックス・ウェーバーは著作「職業としての政治」で「どんな事態に直面しても『にもかかわらず』と言い切る自信のある人間。そういう人間だけが政治への『天職』を持つ」とした。沖縄のさまざまな課題に対して自身の主張を堂々と論じ、有権者に示してほしい。


携帯電話料金 値下げ議論は不可避だ
 携帯電話の料金問題が急浮上している。菅義偉官房長官が値下げを促す発言を行った。国の口出しは慎むべきだが、公共の電波に関することでもある。料金のほかにも課題は山積し改革は急務だ。
 菅官房長官は、携帯大手三社の通信料金について「四割程度下げる余地がある」と述べた。
 政府高官が個別の製品の値段について言及するのは本来の経済ルールに反する。料金設定は事業者の自由が原則で政府の口先介入には「民業圧迫」との批判も出よう。ただ携帯料金をめぐる消費者の不信感があるのも事実だ。
 国内の通信市場はNTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクの三社がほぼ独占。菅官房長官は、日本の料金が経済協力開発機構(OECD)加盟国平均の二倍であると指摘し、さらに市場独占を念頭に公正な競争原理が働くよう促した。
 携帯料金の国際比較は難しい。サービス体系や事業者のあり方のほか生活水準そのものがまちまちだからだ。だが日本では消費者が、異様なほど複雑な料金体系に不満を抱き、料金水準にも疑問を抱いているはずだ。ようやく改善が図られる他社への乗り換えを抑制する「四年縛り」など、誠実とは言い難い販売手法も消費者の不信に拍車をかけた。一方、三社は今年三月期の連結純利益が合計二兆円を超え、売上高に対する営業利益率も14〜20%とほぼ2〜3%で推移する主要産業平均よりかなり高く、もうけすぎ批判さえ出ている。
 三社側からは、基地局の維持や、車の自動運転などに利用できる「5G」という次世代の技術への投資などで今後、多額の費用がかかるとの反論も出よう。また官房長官発言自体が政権浮揚を狙ったとの見方もできる。
 しかし固定電話が激減する中、携帯は唯一の「電話」になりつつある。生活に欠かせない機器で災害時には命を守る手段だ。それゆえに携帯事業者は公共の電波を使用している。その機器の料金が家計の負担になっているのなら改善するのは当然だ。
 情報通信審議会(総務相の諮問機関)では携帯電話のあり方について議論が二十三日スタートした。そこでは料金引き下げはもちろん、販売手法や市場の寡占化などさまざまな課題を消費者の立場で議論する必要がある。同時に三社は議論を通じ、「携帯電話は公共のためにある」ことを再認識すべきだ。


島根原発3号機/30キロ圏の同意得るべきだ
 中国電力が、建設中の島根原発3号機の稼働に向けた審査を原子力規制委員会に申請した。審査にパスしても、実際に動かすには立地自治体の島根県と松江市の同意が必要になる。
 一方で事故時の避難計画策定が必要な半径30キロ圏には、ほかにも鳥取県米子市や境港市など5市があるが、同意を求める対象になっていない。
 原発の安全性に向ける視線は厳しくなっている。稼働への意向を聞かれないまま自治体は事故対策を練らねばならず、どれだけ住民の理解や協力が得られるだろうか。
 東海第2原発(茨城県東海村)の再稼働申請では、設置者の日本原電が同意対象を30キロ圏の自治体に拡大した。鳥取県知事は経済産業省に、周辺自治体も同意対象に含めるよう求めた。
 原発稼働の判断には、避難リスクを抱えるすべての自治体の意向を反映させるべきだ。
 2006年に本工事が始まった島根原発3号機はすでに9割方完成しているが、東日本大震災の福島原発事故を受け稼働のめどが立たなくなっていた。
 「既設原発」とみなした旧民主党政権の判断を踏襲し、新設には該当しないというのが政府の見解だが、国民から見れば新しい原発と考えるのが自然だ。
 原発新増設に関して政府は明確な方針を示していない。3号機が稼働すれば新増設への機運を高める契機になると、電力業界は期待をかけている。
 中国電力は3号機の稼働理由に、老朽火力発電所の置き換えによる経済性などを挙げている。だが地元自治体の首長の中には「具体性に欠けている」と納得していない声もある。
 過酷事故が起これば、風向き次第で周辺自治体も立地自治体と同等かそれ以上の被害を受ける恐れがある。30キロ圏の住民は県境を越えて岡山市や広島市まで避難を強いられる。
 太陽光発電など再生可能エネルギーもある中で、多大な被害を度外視して実現を目指す。その理由をどう説明するのか。
 原発が動けば、最終処分のめどが立たない核のゴミが増える。そうした問題も無視できない。十分な情報を提供し、反対の声にも耳を傾けるのが、国や電力会社の責務だ。


デスク日誌 「米内は嫌い」
 社会面に、と思った原稿を、総合面のデスクに持っていかれた。今月14日付の朝刊3面に載った米内光政(盛岡市出身、1880〜1948年)の証言録。
 米内は太平洋戦争終結時の海軍大臣。終戦工作に関わり、「良識派」といわれた。しかし、終戦に至る内幕を米調査団に証言した中に、兵や国民の犠牲に触れた言葉はなかった。記事にコメントした歴史学者は「天皇制維持のため、国民の犠牲もいとわなかった当時の戦争指導者の無責任さ」を指摘した。
 「山本五十六も米内光政も嫌いです」。旧海軍を代表する戦闘機乗りの一人で、特攻隊の生き残りでもある角田和男さん(1918〜2013年)の言葉を思い出す。02年春、茨城・霞ケ浦の北岸にあるお宅に伺った際、旧海軍のカリスマ2人を痛烈に批判した。
 「米内さんは昭和天皇の信任が厚かった。開戦の非、戦争継続の非を命懸けで説けば、あんなにも人が死なずに済んだはずです」
 世を見渡せば、罪なき人々を泣かせる事象が今もあちこちで起きている。組織防衛が先で、責任の所在はあいまい。われわれは、もっと怒るべきなのだ。(整理部次長 野村哲郎)


ハーバード大が差別と認定 米司法省、アジア系入学で
 【ワシントン共同】米ハーバード大が入学選考でアジア系米国人に他の人種より厳しい基準を設けていたのは違法な人種差別として学生らの団体が訴えている訴訟で、米司法省は30日、学生団体の主張を支持し、大学側が差別したと認定する見解を発表した。
 司法省は、ハーバード大がアジア系を差別したことを示す説得力のある証拠を学生団体は示したが、大学側は違法な差別ではないことを証明できなかったとしている。
 セッションズ司法長官は声明で「全ての米国人は人種を理由に入学を拒否されてはならない。ハーバード大は人種差別のない入学選考を行う責任がある」と非難。


熱中症で死亡か 病院の対応、徹底究明を
 患者の命を預かる責任の重みを十分に自覚していたのだろうか。
 岐阜市の病院で、高齢の入院患者5人が相次いで死亡した。酷暑が続いていたにもかかわらず、エアコンが故障した病室で療養していたという。
 病院側は死亡との因果関係を否定するが、警察は熱中症の疑いもあるとみて、当時の状況や管理体制を調べている。
 今年の夏の暑さは「災害並み」と言われる本州で、エアコンが効かない病室は極めて危険だ。
 体温の調節機能が衰えている高齢者については、なおさら手厚いケアが不可欠である。
 警察や関係機関は捜査や調査を尽くして、原因や背景の究明に努めてもらいたい。
 病院のエアコンは20日に壊れたという。修理に1カ月かかると言われて放置し、26日から28日にかけて患者が死亡した。
 岐阜市では20日以降、最高気温が30度以上の真夏日が続き、「病室の暑さは外とほとんど変わらなかった」と話す見舞客もいる。
 エアコンの壊れた病室には扇風機を置いていたというが、涼しい病室への速やかな移動や、他の医療機関への一時的な転院などが考慮されてしかるべきだった。
 高齢者は暑さを感じにくく、熱中症になりやすい。全国で4月下旬から8月下旬までに熱中症で救急搬送された約9万人のうち、半数近くが65歳以上であることを忘れてはならない。
 事実関係の解明は始まったばかりなのに、院長は「病院の管理体制に問題はなかった」と主張している。加えて「暖かい部屋がいい人もいる」といった発言からは、緊張感がうかがえない。
 5人の患者が立て続けに死亡した重大性や、家族の無念をどう受け止めているのだろうか。
 異常な事態にもかかわらず、警察や自治体に届けなかった対応も理解に苦しむ。
 保健所は病院に対して、エアコン代替機の設置や患者に転院を促すこと、新患の受け入れの自重などを要請した。
 こうした機関への通報や連絡が早めになされ、外部の人間が関与して適切な指導が行われていれば、これほどの死者を出さずに済んだ可能性もある。
 エアコンは故障に限らず、不意の停電でも止まる。室内の温度管理に気をつけている医療機関や老人ホームであっても、危機管理対策を万全にしておきたい。本州より冷涼な道内も油断は禁物だ。


スポーツ不祥事 自浄の努力が欠かせない
 高潔にして健全、そして公明正大であることは、スポーツに絶対に欠かせないはずだ。にもかかわらず、なぜ、これほど無残な不祥事が続くのか。
 最近の例で言えば、ジャカルタ・アジア大会に参加していたバスケットボール男子日本代表の4選手が、買春行為で代表認定を取り消された。
 買春という行為自体が許されない上に、国費を投じて派遣された国際大会のさなかである。選手団の公式ウエアを着たまま夜の歓楽街に繰り出したというから、あきれるほかない。
 本来、健全性を保つべき各種競技団体や指導者側のコンプライアンス(法令・社会規範順守)の欠如も目に余る。
 助成金流用や不正判定疑惑で揺れる日本ボクシング連盟は、過去に暴力団員と交際があった会長を含め、理事全員が辞任届を提出した。9月の臨時総会で新理事を選任する方針だ。
 急ぐべきは、第三者委員会による疑惑の全容解明である。独断専横が指摘された前会長の体制が抱えていた問題点をあぶり出した上で、組織の立て直しに進むことが望ましい。
 全日本剣道連盟では、居合道の段位と称号の審査で受験者が合格目的で審査員らに現金を渡す不正が慣例化していたという。人格を磨き道徳心を高める武道の精神を汚す行為である。
 日本大アメリカンフットボール部の監督とコーチは、選手に危険タックルを指示したとして除名処分を受けた。日本レスリング協会は、前強化本部長によるパワハラを認め、被害者である五輪4連覇の伊調馨選手に正式に謝罪した。ここにきて日本体操協会では、まだ詳細は不明だが、有力選手を巻き込んだトラブルが表面化している。
 背景には、行き過ぎた勝利至上主義に加え、指導者と選手の間の絶対的な上下関係、競技団体のガバナンス(統治機能)の甘さといった、旧弊なスポーツ文化があるとみるべきだろう。
 こうした事態を受け、スポーツ庁の鈴木大地長官は、競技団体に対する指導の在り方を見直す可能性に言及している。競技団体の健全化やガバナンス改善は、スポーツ庁の役割だ。国際大会への選手団派遣や選手強化に国民の税金を投入しているという現実もある。
 とはいえ、行政の介入は必要最小限が原則である、まずは、競技団体や運動部、大学当局などが、主体的に自浄の努力に取り組むことこそ肝要だ。閉鎖的運営を打破するには、理事などへの外部人材登用も広げたい。
 東京五輪・パラリンピックの開催は2年後に迫る。スポーツ界は、世界から厳しい視線が注がれていると自覚すべきだ。


防衛白書 脅威一辺倒でいいのか
 2018年版の防衛白書がまとまった。北朝鮮の核・ミサイルの脅威を前面に打ち出したことが際立つ。巨費を投じて進める防衛力強化の理由を裏付けようとする狙いが透ける。
 この1年間の朝鮮半島情勢を「これまでにない重大かつ差し迫った脅威」と明記した。「新たな段階の脅威」とした昨年版の白書より一段と表現を強め、危機感を強調した形だ。
 6月の米朝首脳会談で、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長がトランプ大統領に「完全な非核化」を文書で約束した意義は大きいと評価した。一方で、その後も「脅威についての基本的な認識に変化はない」とした。
 米朝による非核化交渉は進展が見られず、日本をほぼ射程に収める中距離弾道ミサイルも実戦配備されたままである。ただ北朝鮮は今年に入り、これまで繰り返してきたミサイル発射と核実験を自制している。
 緊張が和らいでいる面は確かにある。その影響にはほとんど言及せずに、ことさら脅威をあおる言い回しには強い違和感を覚える。
 背景には、北朝鮮の「脅威」への備えを急ぐためとして、防衛装備の強化を進める狙いがあるのは間違いなかろう。
 とりわけ山口、秋田両県が配備候補地に挙がっている地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の導入をスムーズに進めたいとの思惑がにじむ。
 米国と約束し、来年度予算に関連費の一部を計上する予定でいる。ところが、当初想定では800億円だった1基当たりの本体取得費は1340億円に高騰し、2基で2680億円になる。30年間の維持費など含めると4664億円まで膨れる。
 これほど巨額な費用を投じることが本当に必要なのか、疑問が拭えない。候補地の住民から「朝鮮半島情勢が変わったのに必要があるのか」と反対意見が出るのも当然だろう。
 安全保障政策の転換に前のめりな安倍晋三首相の下、防衛費は年々増え続けている。来年度予算の概算要求も過去最大の5兆3千億円になる見通しだ。
 年末に見直す防衛力整備の指針「防衛計画の大綱」を巡り、有識者の議論も始まった。5年間の防衛装備品などを示す「中期防衛力整備計画(中期防)」も決まる。今後も防衛費を増やそうとする中、脅威の評価を変えれば、朝鮮半島情勢を理由にした防衛力強化に水を差しかねないと考えたのだろうか。
 北朝鮮の脅威と並んで、白書では軍備増強を続ける中国についても強い警戒感を表している。東シナ海や南シナ海への進出について、力を背景にした現状変更など高圧的な対応を継続していると指摘した。
 尖閣諸島を含む南西諸島を防衛する備えとして、今年3月に新設した陸上自衛隊の離島防衛専門部隊「水陸機動団」にも言及している。
 だが、防衛費を増やし続けて防衛装備の増強で対抗していくにはおのずと限界がある。安全保障には、冷静に情勢を把握し、柔軟に対応する外交力も欠かせない。
 順調とはいえないものの、米朝の対話局面は続いている。緊張緩和に向けた対話が後戻りしないよう、日本は非軍事的なアプローチで地道に働き掛けを続けていくべきである。


「杉田氏は謝罪会見を」署名提出 LGBTへの表現問題で自民に
 自民党の杉田水脈衆院議員が月刊誌の寄稿で性的少数者(LGBT)を「『生産性』がない」と表現した問題で、当事者や親族ら5人が31日、東京・永田町の自民党本部を訪れ、杉田議員に謝罪会見を開かせるよう求める署名約2万6千筆を提出した。
 署名はインターネット上で約1カ月前から集めていた。杉田議員の態度が変わらなければ党から除名することや、差別を許さない法律の制定も求めている。
 署名を提出後、当事者の母親(66)は「杉田議員の発言は忘れられないし、忘れてはいけない。渡した自民党の職員に『2万6千人の重みを感じてください』と伝えた」と話した。


【県立大の蔵書】県民の「なぜ」に答えよ
 舞台は尾県政がうたう「知の拠点」である。判断を下したのは、本にこだわりがあるべき研究者の組織だ。なぜこんなことが起きるのか。解せないことはいまだに多い。
 高知県立大学が、永国寺キャンパスの図書館が昨春新設される際、約3万8千冊の図書や雑誌を焼却していた問題が波紋を広げている。高知新聞報道への反響も大きい。
 新しい図書館は、旧館の蔵書全てを収蔵する能力がなかった。それを理由に焼却された蔵書の中には、戦前戦中の本、古書店でも入手が難しい絶版本、価値が高い辞典や図鑑類なども多く含まれていた。県立大には1冊しかない図書も6659冊が燃やされた。
 狭い館内に置けないのならば、処分自体はやむを得ない面もあっただろう。ただ、県立大の蔵書は県費で購入された県民の財産である。
 図書館の司書らは処分候補リストを作成、全教員に打診し、引き取りを促すなど入念に作業してはいる。しかし、そこから外れた本を県内の別の図書館に譲渡し、学生や県民に引き取りを求めて、再び活用する発想がなかったのは残念だ。
 焼却という結論に至るまでに、深い議論が行われた形跡が見えない点も気になる。
 一部の教職員は焼却への疑問が少なからずあり、学生や県民への提供を求める意見を述べている。しかし提案は結局受け流され、継続的な議論にはならなかったという。
 大学の図書館を束ねる責任者が繰り返す「(学生に)ただであげちゃうの?」「大学のはんこを押した本が外部に出回るのはよろしくない」という説明には、困惑するばかりである。
 県は、高知市のオーテピア高知図書館が開館する直前に、県図書館振興計画をまとめている。
 計画策定時のデータでは、県内では公立図書館が10町村でないほか、蔵書数、書籍購入費に充てる資料費で全国平均を上回ったのは高知市などわずかだった。
 住民に図書サービスを十分に提供できていない市町村からは「くれたら良かったのに」という率直な声も出ている。県内の図書行政にちぐはぐさを感じざるを得ない。
 尾県政が設立した県公立大学法人で、同じ法人下にある高知工科大との距離感にも驚く。
 県立大側は、法人は同じでも大学は別々として工科大に本を持って行く発想がなく、相談もしなかった。一方の工科大側は焼却処分に「あり得ない」と絶句している。
 県公立大学法人の理事長は、図書館行政にも深く関わってきた県の元教育長だ。調整し、改善する余地はあるだろう。
 なぜ、こんなことになるのか。県民は疑問が解消できていないに違いない。県立大は問題発覚の直後、公式サイトに学長名でおわびのコメントを発表したのみである。
 県立大は早急に背景を検証し、県民の疑問に答えるべきだ。


「りぼん」のフェミニズムマンガ『さよならミニスカート』が話題! 主人公はファンに切りつけられた元アイドル
「りぼん」(集英社)2018年9月号から始まった牧野あおいによる新連載『さよならミニスカート』が話題を呼んでいる。まだ、1話がはじまったばかりだが、ツイッターにはこんな声が広がっているのだ。
〈さよならミニスカートをちらっと読んだけど面白かった‥す、すごい、、、りぼん、、、〉
〈1話の時点で自分自身の価値とは何なのかに示唆を与えてくる凄さに感嘆した。しかもこれをりぼんで連載するという大胆さ。応援していきます〉
 読者だけではない。「りぼん」編集部の意気込みも尋常ではない。『さよならミニスカート』の連載を始めるにあたり、「りぼん」の相田聡一編集長はホームページ上にこんな紹介文を載せた。
〈このまんがに関しては、何があろうと、読者のみなさんに面白さが伝わるまで、連載をし続けていきます。それくらいの覚悟を示せるまんがと出会ってしまったのです。〉
 さっそく1話を読んでみたが、たしかにすごかった。まず、驚いたのは少女マンガの王道である「りぼん」連載作品としては、これまで読んだことのないフェミニズム的視点を含んだ内容だったことだ。
 主人公は高校1年生の神山仁那。神山は髪を男のようにも見えるショートカットで、制服もスカートではなく、スラックスを着ている(現在、制服を採用している学校で、女子はスカートかスラックスどちらも着用化とする学校が増えており、この学校もそうだと思われる)。見た目はほとんど男の子で周囲の生徒からは変わり者として見られているが、彼女には隠された過去があった。
 彼女は半年前まで「地球最後のミニスカートアイドル」というキャッチフレーズで人気の5人組アイドルグループ・PURE CLUBで不動のセンターポジションを張るメンバー雨宮花恋として活動していたが、握手会の最中にファンから刃物で切りつけられ、おそらくはそれが原因でグループを離れたという過去をもっているのだ。
 このあたり、2014年に起きた入山杏奈と川栄李奈のAKB48握手会傷害事件や、昨年に欅坂46の平手友梨奈を狙って起きた傷害未遂事件を想起せずにはいられないが、神山がスラックスをはき、髪を短くしているのは、この体験がきっかけのようだ。元アイドルという正体を隠すため、さらに事件がトラウマになり、社会が一方的に求めてきた性的な存在としての「女性」のあり方に嫌悪を感じているようにも思われる。
 一方、物語のなかで神山と180度真逆の存在として描かれるのが、クラスメイトの長栖美玖。彼女は色白でスタイルも抜群。そのプロポーションを活かしたオシャレを楽しむためスカートもミニ丈で学校に通っている。女子内でのスクールカーストは最上位で、男子からも憧れの存在である。
 そんな長栖にとって毎日ズボンを履いている神山のファッションは理解不能で、あるとき「どうしてスカート履かないの? 神山さんって実はスタイルいいよね!? もったいないよ」と話しかける。これに対して、「自分にはそれ以外無いってこと?」と皮肉を返す神山。
 ところが、そんなときに長栖が変質者に襲われるという事件が起きる。太ももを触られるという“程度で済んだ”と教師は説明するが、それでも痴漢被害を受けたという事実は変わらない。
 しかし、クラスの男子の口から飛び出した言葉は、ありえないくらい無神経なものだった。
第1話では性的被害にあった女子が受ける理不尽な視線への批判が…
「いやーあんな短いスカート触りたくもなるだろ」
「結局さぁー男に媚び売るために履いてんだろ? スカートなんかさー 説得力無ェんだよ そんなの触られて当たり前」
 これを聞いて神山は激怒。男子のうちのひとりに詰め寄り、ネクタイを引っ張り上げながら、憤怒に燃えた冷たい表情でこう言い放つ。
「スカートはあんたらみたいな男のために履いてんじゃねえよ」
 ところが、被害者である長栖は、まったく逆の行動をとる。男子生徒の手を握りながら「ホントに恐かったんだからぁ〜っ 今度そういう事言ったらおこるよっ」と笑顔で語りかけ、周囲にも努めて明るい表情で「もーっみんな大げさっ! たかが太ももだよぉ!?」と愛想を振りまいたのだ。
 そして、対照的な二人を見ていた男子からは「さっすが美玖ちゃん優しーっ どっかの男女さんとは大違いっスわ やっぱモテるのはあーいう子だよなーっ」という声が上がる。
 このシーンは、日本の女性がいま、おかれている状況を象徴しているといっていいだろう。セクハラや痴漢などにあった女性は被害者であるはずなのに、その被害を告発すると、とたんに日頃のおこないや服装をあげつらわれ、「そんな格好をしているからだ」「そんな夜に出かけるからだ」など攻撃を受ける。そして、セクハラや痴漢を受け流して、やり過ごすことのできる女性が「できる女」「性格のいい子」としてもてはやされる。
 しかし、受け流している女性たちもけっして「たいしたことがない」と思っているわけではない。同じ怒りが渦巻いているにも関わらず、男社会のなかで生きていくにあたり、男の論理を内面化してしまったにすぎない。ある意味、ストレートに怒りを告発できる女性よりも、心の奥底ではもっと深く傷ついているケースもある。
 ところが、現実には、女性のなかで “男を告発する女”と“男に媚びる女” に二分化、“女と女の戦い”に矮小化され、分断と対立だけがどんどん進んでいっている。
『さよならミニスカート』はたった1話で、そうした女性の生きづらさをみごとに表現したのだ。
「りぼん」編集長は「このまんがに無関係な女子はいない」と
 しかも、このマンガは、フェミニズム的な価値観を啓蒙するだけ、というような単純な作品ではない。
 前述したように、主人公の神山は、アイドルグループのセンターをつとめていたが、握手会の最中にファンから切りつけられるという過去をもっている。しかし、第1話では、その「アイドル」を、たんに男の性的欲望のはけ口ではなく、むしろ女性を性的抑圧から自由にする存在でもあることを示唆している。
 つまり、『さよならミニスカート』は、「男社会の論理に踊らされていることに気づく」だけのストーリーでなく、まさに「女子のなかで無理やり進行させられている分断」を乗り越える物語ではないのか、そういう予感がするのだ。
 前出の「りぼん」相田編集長はホームページ上にこんな言葉も載せていた。
〈このまんがに、無関心な女子はいても、無関係な女子はいない。今こそ、読んでください。今こそ、すべての女子に捧げたい〉
 これからどのようなかたちで物語が展開されていくのか。注目の連載である。


EU、夏時間廃止の方針=市民調査で84%希望−欧州委、加盟各国に提案
 【ブリュッセル時事】欧州連合(EU)欧州委員会は31日、EUが採用している現行の夏時間制度の廃止をEU加盟各国と欧州議会に提案すると発表した。欧州委が実施したEU市民への意見調査で、約460万件の回答のうち、夏時間の廃止希望が84%に上ったことを踏まえた。
 ユンケル欧州委員長は同日、ドイツの公共放送ZDFに対し、「何百万人もの市民がもう時間を変更したくないと言っており、欧州委は彼らの言う通りにする」と語った。
 EUは現在、3月の最終日曜日に時計を1時間進め、10月の最終日曜日に元に戻す制度の実施を加盟28カ国に義務付けている。
 欧州委が31日公表した調査結果(速報)では、84%が廃止を要望。76%が夏時間制度による年2回の時間変更を「非常に悪い」あるいは「悪い」経験だと回答した。廃止を希望する具体的な理由としては、健康への悪影響や交通事故の増加、省エネ効果がないことなどを挙げた。
 調査結果や欧州委の判断は、2020年の東京五輪・パラリンピックの暑さ対策として夏時間導入を検討している安倍政権の議論にも影響を与えそうだ。


狭山事件 再審求め弁護団が新たな鑑定結果を提出
55年前、埼玉県狭山市で女子高校生が殺害された「狭山事件」で無期懲役が確定し、再審・裁判のやり直しを求めている男性の弁護団が、有罪の有力な証拠の1つとされた万年筆は事件とは関係がないとする専門家の鑑定結果を裁判所に提出しました。
55年前の昭和38年、埼玉県狭山市で、女子高校生が殺害された「狭山事件」で無期懲役が確定し、仮釈放された石川一雄さん(79)は無実を訴えて、再審・裁判のやり直しを求めています。
狭山事件の裁判では、石川さんの自白に基づき、自宅から見つかった万年筆が、被害者が持っていたものと同じタイプだったことが有罪の有力な証拠の1つとされました。
弁護団は万年筆で文字が書かれた紙がおととし、検察から証拠開示されたため、インクの成分の鑑定を専門家に依頼したところ、被害者が事件の直前に学校で書いた文字からは金属の「クロム」という成分が検出されたものの、石川さんの自宅で見つかった万年筆で書かれた文字からは検出されなかったということです。
この万年筆をめぐって弁護団は被害者の万年筆のインクとは色が異なるとする鑑定書もおととし、提出しています。
弁護団は、有力な証拠とされた万年筆は事件とは関係ないことが、改めて明らかになったとして、30日、再審について審理している東京高等裁判所に鑑定結果を提出しました。
弁護団は「今回の鑑定結果は有罪判決を突き崩す決定的な新証拠だ。1日も早く、再審を開始すべきだ」と話しています。石川さんの再審の訴えはこれまでに2回、退けられています。

フクシュたくさん印刷でも半分/パワー宮どうなってる?

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Le passé trouble des liens entre scientifiques et militaires japonais ressurgit
Un chercheur diplômé en 1945 a-t-il utilisé des cobayes humains pour ses travaux ? La question réveille une histoire longtemps taboue.
L’université japonaise de Kyoto va devoir répondre en septembre à une question délicate. Outre qu’elle ravive un douloureux passé, elle touche au sujet toujours sensible des relations entre science et défense. Le 31 janvier 1945, quand elle était encore l’université impériale de Tokyo, l’institution a accordé un doctorat à un chercheur pour une thèse titrée Sur la capacité de la puce du chien à agir comme vecteur de la peste.
Or le chercheur en question était un médecin militaire appartenant à l’unité 731, de sinistre mémoire pour avoir mené dans les années 1930 et 1940 des expériences létales sur des milliers de civils – dont des femmes et des enfants – chinois, coréens ou encore mongols ainsi que sur des prisonniers de guerre, avec pour but de développer des armes chimiques et bactériologiques.
Cobayes humains
La question est de savoir si l’auteur de la thèse a utilisé des cobayes humains dans ses travaux. Pour Katsuo Nishiyama, professeur émérite de médecine préventive à l’Université de Shiga (Ouest), auteur de Senso to Igaku (Guerre et médecine, Bunrikaku, non traduit, 2014) et créateur en janvier de l’association ayant déposé la demande de révision, c’est une évidence.
La thèse signale que, dans une expérience, des singes ≪ ayant développé des symptômes se plaignent de maux de tête, de forte fièvre et d’une perte d’appétit 6 à 8 jours après la mise en place ≫ de puces infectées. Le texte ajoute qu’un singe ≪ présentait plus de 39 degrés de fièvre pendant cinq jours consécutifs. Il est mort six jours après l’apparition de la maladie ≫.
Pour M. Nishiyama et son association, outre que les singes se plaignent rarement de maux de tête, il est avéré que, dans leurs publications scientifiques, les chercheurs de l’unité 731 dissimulaient le recours à des cobayes humains en parlant de ≪ singes de Mandchourie ≫.
フランス語
フランス語の勉強?
とみ @meow164
元SPEEDの今井絵理子が選挙中に政策の話を振られたときに「今は選挙中なのでごめんなさい」と逃げたときはぶったまげたけど、今は安倍晋三が石破茂との政策論戦から逃げている。どちらもまともに政策について語る能力もないのだろう。このバカ親分にしてこのバカ子分だったんだな。
金子勝@masaru_kaneko
【悪夢の核燃料サイクル】もんじゅの燃料取り出しが始まった。1兆円もかけて、とうとう運転できないまま廃炉に向かう。2人の自殺者を出しがら、結局,誰も失敗の責任をとらず。しかもナトリウムは爆発しやすく廃炉作業も困難でまた1兆円が飛ぶ。このカネは一体誰のものなのか。
Koichi Kawakami @koichi_kawakami
シンガポールは国家資本主義体制の独裁国家で、研究プロジェクトはトップダウンで決まります。この記事の国立シンガポール大学は優秀な学生が集まる名門校ですが、入学時に、政治批判しない、と署名させられます(学生からききました)。観光に訪れるには良い国と思います。

フクシュたくさん印刷しました.すごく時間がかかりました.でもまだ半分です.うーん.
張り紙が出ていたのでYaさんが心配そうに「パワー宮どうなってる?」でもわたしもわかりません.

南三陸が災害公営家賃を方針示す
東日本大震災で大きな被害を受けた南三陸町は、本来なら入居6年目以降に引き上げられる災害公営住宅の家賃について、低所得の高齢者世帯は据え置く一方、それ以外の世帯は予定通り引き上げる方針を明らかにしました。
震災の被災者が入居する災害公営住宅の家賃は所得の低い世帯に対して抑えられていますが、入居6年目からは段階的に引き上げられ、11年目からは通常の公営住宅と同じ水準になります。
これについて南三陸町の佐藤仁町長は29日の記者会見で、「町としては本当に困っている人を助ける方針にする」として、生活保護費以下の年金受給世帯の家賃を据え置く一方、それ以外の世帯は従来通り入居6年目から引き上げる方針を明らかにしました。
南三陸町によりますと、家賃の引き上げは再来年4月に一部の世帯で始まるということで、町は「据え置きの対象とした世帯以外にも本当に困っている世帯はないか今後、確認を進め、対策を考えていきたい」としています。


<在宅被災者自宅補修補助>石巻市、未利用3000世帯調査 申請増へ制度再周知
 石巻市が東日本大震災の在宅被災者向けに本年度導入した家屋の小規模補修補助金制度について、市が未利用の約3000世帯を対象とした訪問調査を9月に始めることが29日、分かった。申請数が市の計画の1割に満たない状況を踏まえた。制度の再周知を図りながら被災家屋の実態を把握し、利用世帯の増加につなげたい考え。
 市生活再建支援課によると22日現在、窓口での事前相談は884件。うち申請に至ったのは208件で、市が本年度の利用を見込んだ2800世帯の約7%にとどまる。
 市は制度対象となる可能性がある世帯数を約4000と想定。現状では約3000世帯が相談に訪れていないことになる。
 9月以降、自立生活支援員20人体制で約3カ月かけて戸別訪問。家屋の外観を目視で確認するほか、世帯主の同意を得て室内をチェックする。補修の意思や予定の有無を尋ねるほか、健康面を含む心配事を聞き取る方針。
 市生活再建支援課は「被災者の困り事などを可能な限り聞いていきたい。修繕箇所を直していない人がいれば相談してほしい」と呼び掛ける。
 同制度を巡り、市民からは「地震の影響で壊れた箇所を直そうとしたが、震災との関連が認められないとの理由で却下されたケースが複数ある」などの不満が出ている。
 石巻市を拠点に在宅被災者を支援する「チーム王冠」の伊藤健哉代表理事は「聞き取りをする支援員が在宅被災の知識をきちんと持っていないと問題の本質を見落とし、中途半端な調査結果になってしまう危険がある」と指摘する。
[小規模補修補助金制度]津波浸水区域で全壊か大規模半壊と判定された家屋が対象。国の被災者生活再建支援制度の加算支援金(補修の場合、最大100万円)を受給し、市の住宅再建事業補助金(同)が未交付であることが条件。100万円以下の補修工事に対し50万円を上限に補助する。災害救助法に基づく応急修理制度の未利用世帯は最大76万円。


<モニュメント問題>福島市の判断「拙速」 専門家ら批判
 福島市が展示したモニュメント「サン・チャイルド」は、わずか1カ月足らずで撤去方針が決まった。東京電力福島第1原発事故に着想を得た作品を巡る市の判断には、設置も撤去も「拙速」との指摘が出ている。福島県ゆかりの研究者3人に29日、意見を聞いた。
<問題点は不透明性>
 「作品への賛否は今回の問題の本質ではない」。いわき市出身の開沼博立命館大准教授(社会学)は「ポイントは不透明性にある」とみる。
 防護服姿の高さ6.2メートルの子どもの立像は、線量計を模した胸の表示「000」が、「線量ゼロでないと安全でないように見える」などとインターネット上で批判を浴びた。
 開沼氏は「作品の設置プロセスが分からず、特定の意図を押し付けられたと感じた人がいた」と分析。「被災地は注目され、さまざまな考えが集まる。意思決定には細心の注意が必要。除染土の仮置き場設置も関係者が協議し、ぎりぎりの地点で合意してきた。市はそこから学ばなかったのか」と首をかしげた。
<トラウマの引き金>
 福島の子どもの心のケアに関わる内山登紀夫大正大教授(児童精神医学)は「巨大で視覚的な刺激が強く、子どもに限らず原発事故のトラウマ(心的外傷)を思い出す引き金になる。公共の場所から撤去する判断は妥当」と話す。
 「ホロコースト(ユダヤ人大量虐殺)のトラウマが今も消えない人もいる。原発事故から7年は決して長くない」と強調。モニュメントがJR福島駅近くの子ども向け教育文化複合施設の入り口に設置されたことに触れ「見たくない人が見ずに済む環境設定を心掛けるべきだった」と語る。
<丁寧な手続き必要>
 サン・チャイルドは2012年の芸術祭「福島現代美術ビエンナーレ」で県内初展示された。
 芸術祭に携わる渡辺晃一福島大教授(絵画・現代美術)は「撤去の際も丁寧な手続きが必要だった。設置施設の来場者に対するアンケートだけで十分だったのか」と疑問を呈する。
 問題を提起するアートの特徴に言及。批判された表示「000」について「子どもになぜ線量ゼロがあり得ないのかを教育したり、福島が受けた被害を伝えたりするきっかけになり得たのに…」と惜しんだ。


<トリチウム水>海洋放出の賛否が焦点 きょうから公聴会
 東京電力福島第1原発の敷地内にたまり続けている放射性物質トリチウムを含む水の処分方法を巡り、政府の小委員会が国民の意見を聞く初の公聴会が30、31日、福島県内2カ所と東京都の計3会場で開かれる。原子力規制委員会が「唯一の方法」とする「海洋放出」に対する賛否が最大の焦点となる。
 国の作業部会が2016年6月に評価結果をまとめた処分方法は、「海洋放出」「水素に変化させての大気放出」「蒸発」「地層注入」「地下埋設」の5通り。公聴会では44人・団体から意見を聞く予定だ。
 7月まで9回の小委員会の会合では「(どの処分方法でも)安全性に問題はないことを意識的に発信すべきだ」「風評被害を最小化することが重要」といった意見が出された。一方で「タンクで保管する現状が最もリスクが低い」との声もあったという。
 海洋放出については、規制委の更田豊志委員長が「現実的に唯一の方法」と述べ、東電に早期決断を求めてきた。
 これに対し、福島県漁連の野崎哲会長は28日、取材に「(国民の理解が進んでいない)現状で放出すれば風評被害が必ず起きる。環境中に出すことそのものに反対」と強調した。
 野崎会長は30日の公聴会で発言する予定で「国民的な議論を経ないと駄目だと、言おうと思う」と説明。処分方法の決定について「誰が責任を持つのか、所在をはっきりさせてほしい」と求めた。
 公聴会は節目になるものの、一気に処分方法の決定には進まない見込みだ。
 「聞きっぱなしにはしない、と委員から念を押されている」と政府関係者。公聴会の意見を基に、小委員会でさらに議論を続ける方向という。確かにタンクは20年度までの増設の見通しが示されており、時間的猶予は残っている。
 行方はどうなるのか。県漁連などが反対を貫く中、海洋放出が政治決断される可能性がある。そうした事態が迫った場合、内堀雅雄知事の対応が注目される。
 経済産業省幹部は「県民や各種団体の思いを伝えてほしい」と国とのパイプ役を期待。東電関係者は「県が事務局を務める廃炉関係の県民会議で議論を方向付けることになるのではないか。知事は前面には立たないだろう」と推測する。
 内堀知事は20日の定例記者会見で「国や東電に対しては環境や風評への影響などについて、しっかりと議論を進めて丁寧に説明し、慎重に対応していくことを求めたい」と語り、従来通り、海洋放出の賛否に踏み込むことはなかった。
[トリチウム水]トリチウム(三重水素)は水素の放射性同位元素。半減期は約12年で弱いベータ線を出す。生体への影響は放射性セシウムの約1000分の1。東京電力福島第1原発で使用する多核種除去設備(ALPS)でも取り除けず、トリチウムを含む水を敷地内でタンクに保管している。保管量は8月16日現在、約92万立方メートル。タンク建設は2020年度に容量137万立方メートルに達した時点で限界になるとされる。


<台風10号豪雨2年>岩手・岩泉 復旧率4割 人手や資材不足続く
 台風10号豪雨で最も大きな被害を受けた岩手県岩泉町は随所に豪雨の爪痕を残しつつ、復興作業も加速する。町復興課は「全体の復旧率は4割ほど」と見積もり、2020年度までに全復旧事業を終える方針だ。
 町の被害額は17年度末現在で330億円に上る。住宅被害は全壊453戸、大規模半壊236戸、半壊255戸。13世帯243人が仮設住宅での暮らしを続けている。
 災害公営住宅66戸と住宅移転用宅地15区画は、9月中には全地区で工事に着手する。公営住宅は岩泉地区上町団地12戸を皮切りに19年2月から順次入居可能となる見込みだ。
 河川に沿って立ち並ぶ家々が利用する「生活橋」は190カ所のうち73カ所が流失。再建には計5億円以上の費用が見込まれる。町は1000万円を上限に9割を補助する制度を設けており、3カ所で整備を終えた。
 約180ヘクタールが被災した農地も約174ヘクタールで作付けが可能になった。
 町復興課の佐々木真課長は「人手や資材の不足は続くが、県と連携して作業を急ぎたい」と語る。岩泉中野仮設団地に住む佐々木エミさん(76)は「気付いたら2年がたっていたという感じ。早く町にかつてのにぎわいが戻ってほしい」と話した。


<台風10号豪雨2年>岩手仮設暮らし なお144世帯
 岩手県内に甚大な被害をもたらした2016年の台風10号豪雨から、30日で2年がたった。被災地では今なお、144世帯が仮設住宅での暮らしを強いられている。大規模氾濫した河川の復旧工事は遅れ気味だ。
<被害状況>
 岩泉町で21人、久慈市で1人が犠牲になり、宮古市では今も1人が行方不明になっている。岩泉町と田野畑村では、今年5月までに亡くなった計4人が関連死と認定された。
 被害額は土木施設関連約440億円、農林水産業関係約336億円など。総額は1428億6972万円に上る。
<住宅再建>
 住宅被害は17市町村で計4550戸。内訳は全壊478戸、大規模半壊534戸、半壊1943戸など。
 宮古、久慈、岩泉、普代、野田の5市町村で今月1日現在、144世帯が仮設住宅に入居している。岩泉町では本年度中に災害公営住宅の引き渡しが始まる。
<復旧工事>
 復旧工事は道路、河川、港湾など計1891カ所に上る。岩泉町の国道455号や県道は片側交互通行の箇所が残るものの、大半で復旧。岩泉町内では一部県道で通行止めが続く。
 河川は小本(おもと)川や安家(あっか)川の761カ所で復旧工事が続いている。6月末現在、工事の発注率は94.3%に達したが、完成率は37.5%にとどまる。
 県砂防災害課は「被災箇所が限られた地域に集中しているため、業者不足で工事が進まない」と説明。20年度の工事完了を目指す。
<産業再生>
 サケふ化場10カ所は全て復旧工事を終え、本年度から本格稼働している。被災農地221ヘクタールは5月末時点で211ヘクタールが復旧済み。残る10ヘクタールも本年度中に復旧する見込みだ。


<金足農>秋田市民 水道使用量、攻守交代時や試合後急増
 全国高校野球選手権大会で快進撃を続けた金足農(秋田市)の試合があった日に、秋田市内の家庭の水道使用量が通常より大幅に増減する現象が起こっていたことが、市上下水道局の調査で分かった。
 試合を実況中継するテレビにくぎ付けになるあまり、トイレに行くタイミングなどがグラウンド整備中や試合終了後と重なったとみられる。金足農ナインへの市民の熱い思いが意外なところで実証された形だ。
 大阪桐蔭(北大阪)との決勝戦があった21日は、秋田市の最高気温が35.5度の猛暑日だった。やはり34.6度と猛暑日に迫った8日と水道使用量を比べてみると、その現象が端的に浮かび上がる。
 市上下水道局によると、21日は水道使用量が毎時3000立方メートル前後と8日を下回って推移したが、試合中は攻守交代時に急増する傾向が続いた。閉会式終了後の午後5時6分から約10分間は、毎時6300立方メートルまで急上昇した。
 18日の準々決勝の近江(滋賀)戦の試合中は、気温が似通う6月24日を下回ったまま横ばい傾向が続いた。九回裏に逆転サヨナラの2点スクイズを決めた午後6時前は毎時約3000立方メートルまで下がり、6時すぎには毎時6500立方メートルまで一気に増えた。
 20日の準決勝の日大三(西東京)戦は五回裏終了後のグラウンド整備中に使用量が大幅に増えるなど、金足農ナインがプレーしていない時間帯に水道の利用が集中した。
 市上下水道局の担当者は「一般的に大きなスポーツイベントなどの際に同様の傾向が見られるが、秋田市内では前例がない。市民が金足農に熱い視線を送った証拠ではないか」とみる。


<甲子園準V 金農飛躍の源泉>(下)支え/共に歩んだ地元「誇り」
<受け継ぐDNA>
 秋田市最北部にあるJR奥羽線追分駅を出て、線路沿いに徒歩10分。全国高校野球選手権大会で準優勝した金足農高が見えてくる。校門の右手にグラウンドが広がり、バックネットの土台に野球部の代名詞「雑草軍団」の4文字が刻まれている。
 地元出身者だけでチームをつくり、雑草のようにたくましく、粘り強い戦いで強豪を倒す−。夏の甲子園初出場で準決勝まで進んだ1984年、呼び名は全国に知れ渡った。
 それから34年。歴代ナインが受け継いできたDNAを象徴する4文字にも年季が入っている。
<新聞自作し応援>
 追分駅周辺の商店は長年、野球に打ち込む生徒たちを温かく見守ってきた。
 「祝準優勝」「激闘感謝」「雑草軍団」
 決勝戦から数日後、追分駅の改札を出ると、駅前のクリーニング店のガラス戸に偉業をたたえる大きな張り紙が見えた。「筆を握る手に思わず力が入った」。店主の藤原正三さん(66)が顔をほころばせた。
 「金足農とは運命共同体」と言う藤原さん。父親が営む商店に、パンや菓子を買いに選手らが連日立ち寄った。チームの遠征日には「汽車に駆け込む姿を激励の言葉とともに見送るのが日常だった」と懐かしむ。
 80年代に入り、甲子園出場を後押ししようと商店主らを集め応援団を結成。学生時代に打ち込んだ柔道着を身に着け、声援の音頭を取った。毎年、夏の秋田県大会前には選手や学校関係者に意気込みを取材し、自作の新聞を地域に配って応援の輪を広げてきた。
 この夏は秋田と甲子園を往復し、決勝まで全試合に駆け付けた。「試合を重ねるたびに選手はたくましくなった。自分の応援が少しでも力になったのならうれしい」と喜びをかみしめる。
<新たな1ページ>
 「地元出身者が中心のナインは、いつの時代もおらが街の誇りだった」。甲子園の準決勝でPL学園(大阪)に敗れた34年前の夏、商店会関係者ら約300人の応援団の中にいた畑沢稔さん(83)が回顧する。
 金農OBの商店会長として野球部関係者と縁が深く、県大会や甲子園に何度も足を運んだ。今大会は商店会で作った応援手拭いを生徒や住民に託し、テレビの前で声援を送った。
 後輩たちは見事に秋田県勢として1世紀ぶりに決勝進出を果たした。畑沢さんは「選手の努力を見守ってきた地元住民として、これほどうれしいことはない」と目頭を押さえた。
 大切にするアルバムには34年前の甲子園で躍動する選手や声を張り上げる商店主らを収めた写真が挟んである。擦り切れて色あせた一枚一枚が、雑草軍団と共に歩んできた証しだ。
 先輩たちのベスト4を超え、全国制覇に手が届きかけた今年の夏。「新しい写真を加えられる日が来るなんて思いもしなかった」。畑沢さんが空白だったアルバムのページを見詰めた。


子どもの暑さ対策/学校にエアコン設置を急げ
 夏休みが終わり、小中学校に子どもたちが戻った。今年は記録的な暑さが続き、全国で熱中症とみられる被害が相次いだ。8月も終わりとあって東北の暑さはだいぶ落ち着いたが、子どもの暑さ対策には万全を期したい。
 熱中症とみられる死者は26日までに全国で155人に上り、約8万9300人が病院に搬送されている。愛知県豊田市では7月、校外学習からエアコンのない教室に戻った小学1年生の男児が熱中症で死亡するなど、子どもの被害も目立っている。
 気象庁が「災害級」の危険な暑さと表現したほどだ。熱中症対策としてエアコンの積極的な活用が必要だが、教室にエアコンが設置されている学校は多くはない。
 文部科学省によると、東北6県の小中学校では、普通教室のエアコン設置率が福島で65.1%と最も高く、全国平均49.6%を超える。他は山形17.4%、宮城4.1%、青森2.9%、秋田1.8%、岩手1.1%と低率だ。全国的には東京都が設置率99.9%と極めて高く、地域間の格差が大きい。
 同じ県内でも、宮城県の場合、色麻町や東松島市などが高率なのに対し、富谷市や岩沼市、塩釜市などは0%、仙台市が1.6%など、市町村で開きがあり、不公平感は拭えない。子どもの健康と命を守ることを考えれば、財政事情だけで片付けていい問題ではないだろう。
 設置率が低い自治体からは遅れている理由として、校舎の耐震化などへの予算の重点配分が挙がっている。「夏に暑いのは当たり前」という認識の自治体もあるという。
 猛暑は、台風のような物理的な破壊を伴うわけではないが、気象庁が指摘するように災害と捉えるべきだろう。政府や自治体は熱中症への注意喚起だけでなく、部活動なども含め子どもへの対策を真剣に検討する必要がある。
 文科省は猛暑で教室にエアコン設置を求める声が高まったのを受け、2019年度予算の概算要求にエアコン設置など公立学校の施設整備費として2414億円を盛り込む方針を決めた。本年度の予算額681億円と比べて3.5倍の大幅増となる。
 小中学校のエアコン整備については、国の「学校施設環境改善交付金」で設置費用の3分の1が補助される。文科省はエアコン設置を推進はするが、補助割合はそのままで上げる予定はないという。
 仙台市の郡和子市長は今月の定例記者会見で、市立小中学校へのエアコン設置は市民の要望が多いとした一方、市内全ての普通教室などに設置した場合、約100億円かかるとの見通しを示した。
 個々の自治体の努力に期待するだけでは財政的に限界もある。国が責任を持って補助率を上げるなどして、全国の学校にエアコンの整備を進めるべきではないか。


猛暑を乗り切るために 夏季休暇の取得推進を
 今年の夏は記録的な猛暑が続いた。猛暑には経済効果もあるが、「命に関わる暑さ」は問題だ。炎天下で働く人たちも多く、対症療法の「熱中症対策」だけでは済まなくなっている。また、7、8月で15個の台風が発生し、東から西へ“逆走”した台風12号など異常気象の度合いは年々強まっている。命を守る意味でも、官民連携で夏季休暇の取得や在宅勤務など夏場の柔軟な働き方を推進したい。
 今年はお盆の8月13〜15日が、月〜水曜の平日だった。そのため、暦通り、お盆に仕事をした人も多いだろう。必要な仕事がほとんどだとは思うが、中には「他の日でもできる仕事だった」とか、「休んでも問題なかった」という人もいたのではないか。
 お盆が平日の場合、4、5年前までは、2、3日間の夏季休暇が一般的だった。しかし、2016年に、8月11日が「山の日」の祝日になってから変化が現れた。今年はお盆前後の土日を合わせ、8月11〜19日の最長9日間を夏休みとする企業が佐賀県内でも出てきた。
 酷暑の中で無理をして働くより、休みを取って英気を養う方がプラスになると考えてのことだろうし、「働き方改革」も、その流れを後押ししている。
 また、インターネットの普及や機械化により、必ずしも人手が必要でなくなってきた。酷暑の8月に、社会全体で休日取得を進めても、大きな問題は生じないと考える。各企業、職場で8月11〜15日を夏季休暇として定着させてはどうだろうか。制度化された夏季休暇に個人の年休をプラスすれば、欧州並みの夏季休暇が実現できる。
 勤勉な国民性もあるが、日本人は有給休暇の消化が少ない。「休むことへの後ろめたさ」や、「仕事量が多くて休めない」「休んだら、後でしわ寄せが出る」という人もいるだろう。しかし、今は「休まずに長時間働く」より、「短時間で成果を出す働き方」が求められている。仕事の「属人化」ではなく仕事の「シェア」など仕事のやり方はもちろん、「仕事量」より仕事の「質」や「成果」を重視した評価制度など、抜本的な「働き方改革」が必要である。
 その推進役としてまず、国、県、市町、地域産業のけん引役を担う金融機関に、8月11〜15日の夏季休暇を先行実施してほしい。5連休が無理ならせめて8月15日だけでも休日にしよう。「平和祈念日」など法改正で祝日になるのが理想だが、それができなくても、官公庁や金融機関が15日を休みにすれば、他も追随しやすい。年末・年始休暇と同じ考え方であり、多少の不便さは享受しなければならない。
 異常気象が今年だけで終わる可能性は小さく、来年以降も猛暑の夏が続くだろう。2020年の東京五輪・パラリンピックがきっかけとなり、サマータイムの導入も本格的に検討され始めた。ただ、サマータイムには課題も多く、むしろ、お盆を中心にした休日取得の流れをつくり、その上で時差出勤や在宅勤務など天候に応じた勤務形態を推進すべきと考える。各企業は、可能な限り、夏季休暇を制度化していこう。福利厚生の充実は、採用面でも役に立つはずだ。(中島義彦)


入院患者死亡 熱中症対策を講じたか
 命を守るための病院の内部で何が起きていたのか。
 「Y&M 藤掛第一病院」(岐阜市)で、入院していた80代の患者5人が死亡した。熱中症が原因だった可能性がある。
 5人がいた部屋を含め、3、4階の少なくとも10部屋のエアコンが20日に故障していた。業者に修理を依頼したものの、約1カ月かかるとの説明を受けたため、病室に扇風機を置いていたという。
 病院の対応が熱中症を招いたとしたら責任は重大だ。岐阜県警は業務上過失致死の容疑を視野に捜査を開始。28日夜には病院を捜索した。死因など事実経過を早急に明らかにしてほしい。
 対応には疑問が多い。
 病院側は「エアコンの故障が死亡につながったとは考えていない」と説明。死亡した患者らは「いつ容体が急変してもおかしくない症状だった」としている。
 納得できないのは、重い症状の患者をエアコンが効かない病室に置いたままにしたことである。
 死亡した患者のうち何人かは、重症の心不全や多臓器不全だった。重い肺の病気にかかっている患者もいたという。
 熱中症は、体内の水分や塩分などのバランスが崩れ、体温調節機能が低下して生じる。健康な高齢者でもエアコンがなくて室内で熱中症になり、死亡するケースが全国で相次いでいる。症状が重ければ、なおさら注意が必要だ。
 5人のうち4人は26日夜から27日午前にかけ死亡している。岐阜地方気象台によると、26日の岐阜市の最高気温は36・2度だった。
 同病院は老人医療を専門としている。それならば熱中症の危険性は熟知していたはずだ。発生を予見して、可能な限り対応することが求められていた。
 それなのに、エアコンが故障した各病室に置かれていた扇風機は1台だけだった。エアコンが効く病室に移すか、転院などの対応を取ることはできなかったのか。患者の容体観察は十分だったのか。病院の対応が問われる。5人の死亡を県警に通報しなかったのも疑問である。
 同病院には、急性期医療を終えても、病院での療養が継続的に必要な慢性期の高齢者が入院している。退院がかなわず、亡くなる患者も多いという。
 病院はホームページで「患者の快適性を追求して日々改善して運営している」とPRしている。言葉に反して患者の尊厳を侵していたとしたら、遺族は納得できないだろう。


病院で熱中症か 命の軽視 疑念拭えず
 岐阜市の病院で、熱中症の疑いで高齢の入院患者五人が死亡した。酷暑が続く中での惨事で、故障したエアコンが修理されなかったためともみられる。弱者の犠牲を見過ごすわけにはいかない。
 現場は、老人医療が専門の「Y&M藤掛第一病院」。五十人ほどが入院していた。このうち、八十代の男女五人が二十六〜二十八日に相次いで死亡した。岐阜県警は熱中症にかかった可能性があるとみて、業務上過失致死の容疑を視野に捜査している。
 藤掛陽生院長によると、二十日からエアコンが故障し、業者に修理を依頼。「一カ月かかる」と言われたため、病院は扇風機を置き一部の患者をエアコンの効く病室に移した。しかし、死亡した五人のうち四人は、エアコンの止まった病室に残っていた。院長は「問題があったとは考えていない」と病院の責任を否定している。
 岐阜市では二十六日の最高気温は三六・二度。夜間も三〇度近い状態が続き、湿度も70%近かった。猛暑日の連続でお年寄りらの体力が低下し、エアコンなしでは熱中症にかかりやすい体調だったとみられる。効果的な対応策なしでは、とても一カ月待てる状態ではなかったのではないか。
 専門家によると「湿度が高いと扇風機は湿気を含んだ生暖かい風しか送れず、効果は限定的だ。エアコンが望ましい」という。
 家庭用のエアコン使用への意識は今夏「暑いときだけ」から「暑ければ一晩中」に変わった。「部屋を冷やす」「水分をとる」が浸透。それでも、総務省消防庁によると、四月三十日から八月二十六日までに熱中症で救急搬送された人は全国で九万人に迫り、半数近くが六十五歳以上の高齢者だ。
 この病院の患者の大半は、高齢で健康状態の良くない人たち。ましてやこの夏の暑さである。家族らは、病院を信頼して入院させている。エアコンの故障が長引き、熱中症を誘発したとなれば、裏切られた思いが募るのではないか。
 病院側は、医師会や行政に相談してでも修理を急いでもらえなかったか。その上で、患者全員を一時的にでも院内でエアコンの故障を免れた部屋に、あるいは冷房のある他の病院へ移すことはできなかったか。実際、市保健所の二十八日の立ち入り検査ではそうした対処が指示されている。
 高温多湿の怖さを、ひいては尊い命を預かっていることの怖さを病院側が感じていたか、疑問が拭えない。


沖縄知事選/正面から辺野古の議論を
 翁長(おなが)雄志(たけし)知事の死去に伴い9月30日に投開票される沖縄県知事選に、玉城(たまき)デニー自由党幹事長が立候補を正式表明した。
 玉城氏は、県政与党会派や国政の野党4会派から支援を受ける。政権与党の自民と公明はすでに前宜野湾市長の佐喜真淳(さきまあつし)氏の擁立を決めており、事実上、一騎打ちの構図が固まった。
 最大の争点は、米軍普天間基地(宜野湾市)の移設計画に伴い国が進める名護市辺野古沖の基地建設への賛否である。
 翁長氏は建設に伴う埋め立ての承認取り消しを掲げ、国と法廷闘争を重ねたが最高裁で敗れた。承認撤回を表明したものの、決定する前に亡くなった。
 政府は「辺野古が唯一の解決策」との立場から一歩も踏みだそうとしていない。国と地方の関係は対等であり、国策といえども民意を無視したごり押しは許されない。沖縄の負担軽減を唱えるなら、選挙戦で示される民意に真正面から向きあう必要がある。
 辺野古移設について、玉城氏は「翁長氏の遺志を引き継ぎ阻止を貫徹する」と明言した。対して佐喜真氏は普天間返還を求めるものの、移設の賛否には言及していない。自民、公明の側には20日の自民党総裁選もにらんで、辺野古を争点から切り離し、安倍政権への批判を抑えようとの思惑もあるのだろう。
 しかし知事に就けば辺野古埋め立てに関する権限を持つ以上、立場を明確にしなければならない。ならば有権者の前で、堂々と議論を展開すべきだ。
 1999年に当時の稲嶺恵一知事が移設を容認した際、固定化を避けるため使用期限付きなどの条件を付けたが、現行計画は恒久施設だ。安全保障を取り巻く環境も変わっている。
 2014年の前回知事選では、自民党沖縄県連の幹事長まで務めた翁長氏が辺野古反対を掲げて立候補し、野党や市民団体、経済人も含めた「オール沖縄」の支援を受けた。
 なぜ沖縄だけ過剰な基地負担を強いられなければならないのか。こうした疑問や憤りを、政治的立場を超えて多くの県民が抱いている証しだ。
 選挙戦は本格化する。沖縄の思いを国民全体がわが事と受け止める機会としたい。


沖縄県知事選 辺野古 正面から論戦を
 きのう、自由党幹事長の玉城デニー衆院議員(沖縄3区)が来月の沖縄県知事選に、急逝した翁長雄志(おながたけし)知事の後継として立候補すると表明した。
 政権与党の推薦を受けて、すでに出馬表明している前宜野湾市長の佐喜真淳(さきまあつし)氏との事実上の一騎打ちになる見通しだ。
 翁長氏は保守、革新の枠を超えた「オール沖縄」の立場で米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設に反対してきた。
 安倍晋三政権は「辺野古移設が唯一の解決策」とし、県との対立は長期化している。
 辺野古移設は全国が注目する問題である。
 玉城、佐喜真両氏は移設の是非をしっかりと争点に掲げ、正面から議論を戦わせてほしい。
 玉城氏は記者会見で「翁長氏の遺志を引き継ぎ、新基地建設阻止を貫徹する」と表明した。
 支援体制を巡っては、すでに立憲民主党や国民民主党、共産党など野党5党派が協力する考えを明らかにしている。
 しかしこの4年間、県と国の対立が激化する中で、翁長氏の主要支持母体「オール沖縄会議」から脱会する動きもある。
 自民党沖縄県連の重鎮だった翁長氏は保守勢力から一定の支持を得たが、自由党の玉城氏の陣営が「オール沖縄」体制をどう維持するかも焦点になりそうだ。
 翁長氏が生前、玉城氏を「後継候補」の1人に指名していたとの情報が示され、玉城氏擁立の流れが加速した。ただ、人選の過程が不透明だとの指摘もあり、経緯をきちんと説明する必要があろう。
 一方、佐喜真氏は普天間飛行場の危険性を除去する必要性を訴えるとともに、政権とのパイプを生かした振興策に力を入れる考えを示している。
 ところが辺野古移設の是非について詳しくは言及していない。
 辺野古沿岸部の埋め立て承認に関し「撤回もあり得る」との考えも示した。辺野古問題の争点化を避ける狙いがあるとみられる。
 推薦を受ける自公両党の基本方針と食い違っており、何とも分かりづらい。
 公明党は本部が辺野古移設に同調する一方、県本部は県外移設を求めている。党としての政策の一貫性が問われよう。
 県は、辺野古沿岸部の埋め立て承認を近く撤回する方針だ。
 玉城、佐喜真両氏には撤回後の対応についても見解を示してもらいたい。


[玉城氏が出馬表明]埋め立ての是非を問え
 自由党幹事長で衆院議員の玉城デニー氏(58)が、急逝した翁長雄志前知事の後継として知事選への立候補を正式に表明した。
 安倍政権が支援し自民、公明両党が推す前宜野湾市長の佐喜真淳氏(54)は既に出馬を表明しており、両氏を軸にした争いになりそうだ。
 9月30日の投開票日まで1カ月余りという超短期決戦である。
 那覇市内で記者会見した玉城氏は、争点となる米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設について「翁長氏の遺志を引き継ぎ、新基地建設阻止を貫徹する」と語った。
 翁長氏後継を決める「調整会議」の当初の人選絞り込みでは、玉城氏の名前は浮上していない。翁長氏が生前、後継として名を挙げた音声の存在が明らかになってからの急展開である。
 出遅れ感は否めない。選挙を戦うための組織づくりも、政策の擦り合わせもこれからだ。
 翁長氏は知事選の主役と監督を兼ねる存在だった。翁長氏のいない知事選をどのように戦っていくのか。「オール沖縄」陣営の中には、玉城氏でまとまったことへの安堵(あんど)感も漂っているが、選挙運動に関しては佐喜真陣営が二歩も三歩もリードしている。
 翁長知事を誕生させた「オール沖縄」勢力は、今年に入ってからも名護、石垣、沖縄市長選で連敗。その輪から抜ける企業さえ出てきている。
 寄り合い所帯の「オール沖縄」の結束を維持することが最大の課題であり、ここで負けたら「オール沖縄」の再構築は不可能となる。
■    ■
 新基地建設を巡り県と政府の対立が深まる中での知事選は、翁長氏を支援した「オール沖縄」勢力対安倍政権の様相を強めている。
 何が何でも辺野古埋め立てを進めたい政権は、勝利を収めた名護市長選の手法を持ち込み、自民、公明、維新3党による協力体制を築き上げる。
 前回、自主投票だった公明が佐喜真氏推薦に回ったのは大きな変化である。政府・与党幹部が次々と訪れるなど総力戦の構えだ。
 辺野古を争点から外し、国とのパイプを強調して、予算で揺さぶりをかけ、企業や団体への締め付けを強める。名護市長選にも増してこの手法が徹底されそうだ。
 ただ政府・自民党の中には「弔い合戦」になった場合の懸念も強く、翁長氏の死去によって不確定要素や流動的要素が強まったのは確かだ。
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 佐喜真氏は宜野湾市長に再選した際、地元の問題として「普天間の固定化ノー」を訴えながら、辺野古移設の是非については態度を明らかにしなかった。知事選ではこんな争点ぼかしは許されない。
 政府が今回の選挙を最重要視しているのは、新基地建設問題を抱えているからだ。にもかかわらず、埋め立ての是非を争点から外し、問題を避けようとするのは、説明責任の回避と言わざるを得ない。
 「辺野古が唯一」と繰り返す安倍政権の全面支援を受ける以上、正面からきちんと語り、論じる必要がある。


沖縄県知事選  「移設」の是非を明確に
 知事選ではあるが、国の政策の是非が問われる選挙となろう。
 沖縄県知事選(9月30日投開票)で、今月8日に死去した翁長雄志前知事の後継者として自由党の玉城デニー衆院議員が野党5党派の支援を受ける形で立候補を正式に表明した。前宜野湾市長の佐喜真淳氏も自民、公明両党の推薦を得て出馬表明している。
 佐喜真、玉城両氏の事実上の一騎打ちとなる見通しだ。
 最大の争点は、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設問題だ。だが、玉城氏が移設阻止を「貫徹する」との立場を示したのに対し、佐喜真氏は公明との政策協定でも移設の是非には触れなかった。
 争点化しないことが戦術なのかもしれない。だが、沖縄にとって最も重要な移設問題への立場を示さないことは、移設を容認する人も含めた有権者の判断材料を奪うことにならないだろうか。
 2月の名護市長選でも、自民などが推して当選した市長は移設問題を争点から外し、公開討論の呼びかけにも応じなかった。
 知事選も同じような方法で争点をぼかすのなら、不誠実のそしりを免れまい。
 玉城氏も、移設に反対する主張の先にどのような地域づくりのビジョンを描くのか、具体的に語る必要がある。
 辺野古を巡っては、翁長氏が表明した海の埋め立て承認撤回を実施するかどうかの局面にある。
 選挙で問われるのは辺野古問題だけではないが、移設に関する見解と対応策を明確にし、骨太の議論を戦わせるべきではないか。
 今知事選には、安倍晋三政権の思惑が色濃く投影されている。
 自民党は今年の運動方針に「沖縄県知事選に勝利し、県政奪還を実現する」と明記した。名護市長選のほか、自衛隊部隊配備計画が争点になった3月の石垣市長選でも支援した候補者を当選させた。
 辺野古移設は安全保障政策の根幹に関わる問題だけに、国政政党の対立構図が反映されやすい。だが、基地問題は本来、沖縄との対話を重ねながら、国政の場で十分論じられなければならない。
 それが沖縄では、地域行政の担い手を選ぶ首長選に、国論を二分する安全保障に関する重い判断を担わせている。
 選挙で決着をつけようとしても、十分な議論がなければ対立と分断が残るだけだ。佐喜真、玉城両氏はその点をよく認識し、実りある政策論議につなげてほしい。


【日米地位協定】知事会の改定提言は重い
 全国知事会が、沖縄県など米軍基地を抱える自治体の負担を軽減するため、日米地位協定の抜本的見直しを求める提言を初めてまとめ、政府に提出した。
 在日米軍に特権的な地位を与え、さまざまな問題を招いている協定について、全国知事会として見直しを求めた意味は大きい。政府は重く受け止める必要がある。
 日米地位協定は、1952年に旧安保条約と同時に発効した日米行政協定が前身だ。60年の安保条約改定に合わせて地位協定に改めたが、以来一度も改定されていない。
 協定によって、日本の国内法は米軍に適用されず、日本側による基地内への立ち入り権、訓練や演習に関する規制権限もない。犯罪を起こした米軍人らの裁判についても米側に優先権がある。
 その結果として、基地周辺の住民は航空機の騒音、米軍人らによる事件や事故、環境問題などによって安全・安心を脅かされている。基地が集中する沖縄県の現状をみれば明らかだ。
 米軍ヘリの墜落、女性暴行殺人事件など重大な問題が起きると、協定の改定を求める世論は高まった。だが、日米両政府は極めて消極的で、補足協定の締結などによる運用の改善にとどまっている。
 基地問題を巡っては、米軍基地や関連施設を抱える15都道府県でつくる「渉外知事会」が地位協定の改定などを求めてきた。基地の有無にかかわらず、全都道府県で共有しようと働き掛けたのは沖縄県だ。
 先日亡くなった同県の翁長雄志知事は「基地問題は一都道府県の問題ではなく、日本の民主主義と地方自治が問われている」と提起。全国知事会として研究会を設けて議論を重ね、今回の提言に至った。
 背景にあるのは輸送機オスプレイの配備の拡大や、日米合意による本土側での訓練の増大だ。米軍機の訓練ルートが通り、過去に墜落事故も起きた高知県は危険性などを経験している。
 基地はなくても、事故や騒音などの恐れは強まり、住民の暮らしが脅かされかねない。日米安保体制の重要性は認めるにせよ、事実上の「治外法権」を放置しておくわけにはいかないとの意思表示といえる。
 提言は、地位協定を抜本的に見直し、航空法や環境法令など国内法の適用、事件・事故時の立ち入りなどを明記するほか、訓練ルートや時期の事前情報の提供、事件・事故の防止策などを求めている。
 日本と同じように米軍基地のあるドイツやイタリアでは、米軍の事故に対する世論を踏まえて地位協定が改定された。訓練などに国内法が適用され、基地への立ち入り権なども保障されている。
 在日米軍に特権的な法的地位を与えているため、日米地位協定は「憲法より上にある」とも指摘される。全国知事会の総意である提言を重く受け止め、政府は抜本的な見直しに向けて一歩を踏み出すべきだ。


自民が総裁選報道で要請 介入の前に公平な選挙を
 自民党が9月の党総裁選について新聞・通信各社に「公平・公正な報道」を求める文書を配った。具体的に細かく注文をつける驚くような内容だ。直ちに撤回すべきである。
 党総裁選管理委員会の野田毅委員長名で配布した文書は、候補者のインタビューや取材記事、写真の掲載に関して、内容や掲載面積など「必ず各候補者を平等・公平に」扱うよう要請。各候補者のインタビューの掲載日が異なる場合には別の候補者の名も載せろとまで書いてある。
 2014年の衆院選の際、自民党は安倍晋三首相の意向を踏まえ、放送局に対して関連番組のゲストやテーマ選び、街の声の扱い方など詳細に項目を挙げて公正な報道を求める文書を出したことがあった。
 当時も前代未聞の報道圧力だと批判を浴びたが、公職選挙法の対象外である政党の代表選びで、一体、何を根拠に自民党は「公平・公正」を求めているのだろうか。
 無論、首相選びとなる総裁選は国民全体にとって重要だ。だがそれはメディアが自律的に報じるもので、政党が注文をつける理由はない。
 今回の総裁選では、石破茂元幹事長が求めていた政策テーマごとの討論会は見送られた。安倍氏は記者会見を含め質問に答える形式は極力避けたい考えと見られる。見送りはその意向を受けてのことであり、選挙戦の運営自体が安倍氏に有利で不平等ではないかとの疑問は拭えない。
 そんな中、安倍政治に批判的な石破氏は既に連日のように記者会見を続け、それが報じられている。こうした報道が不平等だと言うのか。だとすれば石破氏の言動やメディア露出を封じるのが狙いなのだろうか。
 しかも安倍氏は現職の首相だ。総裁選の期間中、安倍氏は首相としてロシアを訪問する予定となっている。では、これを大きく報じるのは不平等とはならないのか。
 安倍氏はこれまでも自分に理解を示す新聞やテレビを選別してインタビューなどに応じる一方、批判的なメディアは敵視する姿勢をむき出しにしてきた。にもかかわらず、新聞報道には平等を求めるのは明らかに矛盾している。
 これでは国民の理解も進まない。介入するよりも、党自らが討論会などの回数を増やすのが先である。


総裁選でも争点に! 安倍首相“赤坂自民亭”が豪雨被害を拡大させたとのデータが! ダムを事前放流しておけば…
 今月23日夜、徳島県に上陸した台風20号に対して安倍首相は、西日本暴雨の時とは別人のような対応をした。上陸前の23日に非常災害対策本部を開いて厳重な警戒の徹底を指示したのだ。
 西日本豪雨の際、気象庁が記録的豪雨の予報(警告)を出した7月5日の夜に安倍首相は「赤坂自民亭」の宴会に参加、翌6日には参院でカジノ法案を審議入りさせて石井啓一国交大臣を張り付かせ、非常災害対策本部が設置されたのは気象庁の警告から2日以上経った8日8時。「豪雨災害より総裁選優先」「初動の遅れが被害拡大を招いた」と批判されたが、それに比べて今回は、上陸前の23日に非常災害対策本部を開いて厳重な警戒の徹底を指示したわけだ。
 しかし、そんなことは当然であり、これで西日本豪雨時の「初動の遅れ(犯罪的職務怠慢)」が免責されるわけではない。未だに安倍首相は、西日本豪雨の対応について「政府一丸となって災害発生以来、全力で取り組んできた」と非を認めず、初動遅れと被害拡大の関連性を否定している。だが、その後の筆者の現地取材、検証でも、そんな言い訳は大嘘だったことが明らかになったからだ。
●「豪雨被害は安倍首相の“赤坂自民亭”初動遅れによる人災」と被災者が!
 ダムの緊急放水後に床上浸水の被害を受けた岡山・広島・愛媛の被災者は、次のような“人災説”をそろって口にしていた。
「ダムの緊急放水があまりに急で、一気に水位が上がって車を高台に移動する時間すらなかった。もっと早めに緩やかに放流をしていれば、ピーク(最大)放水量は半分ぐらいで済んで、こんな大きな被害は出なかったはずだ。なぜ安倍首相は5日夜の赤坂自民亭への出席をキャンセル、すぐに非常災害本部を設置して『ダム事前放水(貯水率低減)』を指示しなかったのか!」
 W杯サッカーにたとえれば、監督が大会屈指の強敵との対戦前日に作戦会議を開かずに、監督再任の鍵を握る面々との飲み会を優先、コーチもフォローしなかった結果、選手の実力を十分に発揮できずにオウンゴールを連発、惨敗をしたようなものだ。「こんなダメ監督(安倍首相)とコーチ(石井大臣)は交代させろ!」という声が出て当然だ。
“A級戦犯コンビ”の安倍首相と石井国交大臣の初動遅れ=犯罪的職務怠慢が被害拡大を招いたことは、岡山・広島・愛媛の「ダム放水量の推移(データ)」を見ると、一目瞭然だ。いずれの県でも「事前放流をしてダムを出来るだけ空に近づける操作をせず、記録的豪雨でダムがすぐに満杯状態となり、決壊を避けるために一気に緊急放水をした」という共通点があったのだ。
 野党も、安倍首相の初動遅れ、職務怠慢による人災に注目している。全国初の流域治水条例をつくった嘉田由紀子・前滋賀県知事、河川工学者の今本博健・京都大学名誉教授と大熊孝・新潟大学名誉教授は8月7日、堤防決壊で死者51名の被害を出した岡山県倉敷市真備町地区を訪れ、国交省岡山河川事務所や岡山県の担当者から説明を受けたが、ここに国民民主党の柚木道義衆院議員(その後22日に離党し現在は無所属)、立憲民主党の高井崇志衆院議員と山崎誠衆院議員も同行。下流域(真備町地区など)の洪水被害を招いた可能性のあるダムの緊急放水について、嘉田氏が国交省の担当者をこう問い質した。
「河川法52条では、河川管理者(国交省)は洪水の恐れがあるときは、ダム設置者(岡山県や中国電力)に対して、必要な措置をとることを指示することができるはず。なぜ今回、やらなかったのですか?」
豪雨最中のダム緊急放水が被害を拡大! 国交省はダムの事前放流を指示せず
 実は、真備町地区に接する高梁川上流のダムで緊急放流をしたのは、県管理の「河本ダム」(高梁市)や中国電力管理の「新成羽川ダム」(同)などだが、なかでも高梁川水系で最大の新成羽川ダムは河本ダムに比べて貯水量が約7倍で、緊急放水量も3倍弱となっていた(視察参加の山崎議員の入手データより)。しかし、国交省の担当者に「豪雨に備えて新成羽川ダムを空に近づける『事前放流』を中国電力に指示したのか」と聞くと、「していません」と回答。河川法52条を行使して洪水を避ける措置をしていないことが明らかになった。
 高井議員もブログで〈どうやらこの規定は『伝家の宝刀』なっており、なかなか抜くことができない、つまり『空文』(規定はあっても使われない条文)になっているようです〉と指摘、また嘉田氏は石破茂・元地方創生大臣が政策提言をする「防災省創設」の必要性を強調、「首相直系の防災省があれば、記録的豪雨の予報が出たのを受けて、ダム管理者に事前放流を指示できただろう」という具体的なメリット(現体制との差異)を語っている。
「初動遅れ(犯罪的職務怠慢、河川法52条違反)による人災説」の可能性がさらに高まった。安倍首相は赤坂自民亭の宴会をキャンセルし、即座に非常災害対策本部を立ち上げ、ダム管理の最高責任者の石井国交大臣らと河川法52条に基づいて「ダム事前放流」の指示を出していれば、これほど多くの犠牲者を出さずに済んだはずなのだ。総裁選対応やカジノ法案審議を優先した“A級戦犯コンビ”が、気象庁が警告を出した7月5日14時から2日半も無為無策の時間をすごした結果、被害拡大を招いたことは、ダム下流域の被災者の実感やダム緊急放水の推移(データ)から明らかなのだ。
安倍首相は広島被災地視察でも、総裁選優先し被災者は二の次だった!
 しかし初動遅れの影響を認めようとしない安倍首相は、1カ月後の8月5日の広島被災地視察でも「総裁選優先・被災者二の次」の対応をしていた。羽田空港を自衛隊機で午前11時に出る“超社長出勤”の安倍首相は、13時前に広島空港に到着、バスで被災地を回ったが、まだ日差しが強い17時5分に海沿いの豪華リゾートホテル「グランドプリンスホテル広島」に引き上げた。現地視察は約4時間で、移動時間を除くと2時間足らず(98分)だった。そして同夜、このホテルに岸田文雄政調会長が駆け付け、夜景の見える22階の高級レストラン「ステーキ&シーフード ボストン」で安倍首相と会食をした。赤坂自民亭ならぬ“広島自民亭”で総裁選対策に精を出したのは間違いないだろう。
 しかも視察2日前の8月3日、石井国交大臣が「野呂川ダム」(広島県呉市安浦町)でルール違反の大量放流があったとして、県と国交省で検証する方針を明らかにしている。安倍首相は当然、ダム下流域の被災者と面談し、「ルール違反のダム放水で被害が出た可能性があり、申し訳ありません。『人災』の結論が出たら国家賠償をします」などと説明すると思ったが、安倍首相は最後の視察地の呉市吉浦町から10キロ先の野呂川ダムを訪れず、まだまだ視察な可能な17時すぎに“広島自民亭”のあるホテルに駆け込んだのだ。
 なお8月9日に野呂川ダムを検証する初回会合が開かれたが、配布資料にあるダム放水量の推移(データ)を見ても、先の新成羽川ダムと同様、事前放流が不十分であったことを示していた。
 今回の西日本豪雨災害で、「国民の生命・財産を守る」が口癖の安倍首相の化けの皮が剥がれた。危機管理能力は皆無に等しく、自らの初動遅れが被害拡大を招いたことにも無自覚で、とにかく最高権力者のポストに居座り続けることしか頭にないということだ。と同時に、総裁選の構図も浮き彫りになっていく。「“犯罪的職務怠慢”でも開き直る安倍首相VS豪雨災害を受けて防災省創設を提案する石破茂氏」というものだ。
 どちらが国民の生命財産を守る重責を担う資質を有するのかは、西日本豪雨災害への対応に目を向けると、すぐに答えが出てくると思うのだが。


追悼さくらさん 朗らかに描いた「日常」
 「ちびまる子ちゃん」のさくらももこさんが亡くなった。スポーツ根性ものや空想科学ものが人気だった漫画界に、何げない日常の朗らかな笑いを取り入れ、広く共感を呼んだ。早すぎる死を悼む。
 昭和が終わるころ。若い女性の間で、あるギャグ漫画が話題になった。「私たちの小学生の頃、そのままだよ」。一九八六(昭和六十一)年に「りぼん」で連載の始まった「ちびまる子ちゃん」だ。
 九〇(平成二)年にテレビでアニメの放送が始まると、さくらさんが作詞したテーマ曲「おどるポンポコリン」は街の至るところで流れ、はやりに疎いおじさんさえもカラオケで「♪ピーヒャラ、ピーヒャラ」とご機嫌で歌った。
 「まるちゃん」の特徴は、逆説的だが、どこにでもいそうな少女であること。「基本的にはまじめだけれど、面倒くさがりだったりする、普通の女の子」とさくらさんが語った通りの小学生だ。
 漫画は時代を映す。家庭を顧みずに働く「モーレツ社員」が活躍した高度経済成長期は、「巨人の星」「アタックNo・1」など、厳しい特訓をへて勝利を得るスポーツ根性ものが全盛だった。
 国民がほどほどに豊かな一億総中流社会が来ると、人々の視線は次に来る時代、つまり未来へと向かった。将来の科学技術をベースにした「宇宙戦艦ヤマト」や「ドラえもん」が人気を集めた。
 スポーツの天才、空想の科学。あるいは少女漫画の定番「キラキラ目」。そんな題材とはかけ離れた少女のささやかな日常を描き、「エッセー漫画」という新ジャンルを切り開いたさくらさん。たとえば、おなかが痛くて医者にかかる−それだけのことがこの人の手にかかると、名人の落語にも似た掌編になった。バブル経済が崩壊して人々が生き惑う平成の時代、多くの読者に支持された。
 日々の生活が生む笑いを描いただけに、人々から笑顔を奪った東日本大震災には胸を痛めた。二〇一一年三月十八日、本紙で掲載した四コマ「ちびまる子ちゃん」には、花に託した復興への願いがにじむ。稀代(きたい)の漫画家が伝えたかった思いをかみしめ、まるちゃんのような笑顔で故人を送りたい。


小池都知事の追悼文見送り 既成事実化は許されない
 関東大震災に伴って起きた朝鮮人虐殺の犠牲者を慰霊するため、毎年9月1日に開かれる追悼式典に、小池百合子東京都知事が、今年も追悼文を送らないという。
 今月10日の記者会見で「全ての犠牲者に哀悼の意を表している。個別の形での追悼文送付は控える」と、昨年と同じ理由を説明した。
 大震災時「朝鮮人が暴動を起こした」などとするデマを住民らが信じ、多数の朝鮮人らが虐殺された。追悼式は、日朝協会などが主催して開いている。
 追悼文を送らない小池氏の姿勢は民族差別を背景にした虐殺に懐疑的な見方をしているように見える。
 しかし、政府の中央防災会議も虐殺の犠牲者数を、震災死者10万5000人の「1〜数%に上る」という推計を報告書に記している。数々の証言集もある歴史的事実だ。
 しかも、地震という自然災害で亡くなることと、人の手による虐殺で命を奪われることは、根本的にその「死」の性質が異なる。
 それを「全ての犠牲者」という表現でひとまとめにすることは、この事件に対して距離を置きたがっていると見られても仕方がない。
 小池氏は昨年、虐殺について「さまざまな見方がある。歴史家がひもとくもの」とも述べている。
 だが、なぜ個別の追悼文を控えるのか、虐殺に対する自身の認識は語っていない。今年も同様だ。
 日朝協会など主催者らは今月、都庁を訪れ、小池氏の追悼文送付を求める約8600筆の署名を渡した。
 小池氏がこれを拒み、知事としての追悼文を出さないことを既成事実化するのは許されない。
 知事からの追悼文は、市民とともに事件を振り返り、二度と惨劇を起こさないよう誓う意味がある。
 災害発生の非常時には、不安な心理を背景にしたデマが流れやすい。東日本大震災時、被災地で「外国人犯罪が横行している」とのデマが広まった。2年前、東北学院大が仙台市民に調査したところ、8割以上が「それを信じた」と回答している。
 95年前の惨劇を過去のことと切り離すべきではない。だからこそ毎年過去を確認し、不幸な歴史を繰り返さぬ決意を示すことが必要だ。それが行政トップである知事の役割だ。


障害者雇用不正 「共生社会」掛け声だけか
 この数字には、あきれるほかない。不正の実態は思った以上に深刻だった。「共生」をうたった障害者基本法は空文化し、安倍晋三政権が掲げる「1億総活躍社会」も掛け声だけに終わっていないか。政府には改めて猛省と原因の究明、再発防止の徹底を求めたい。
 中央省庁による障害者雇用の水増し問題で、政府は不正が33機関中27機関に及び、昨年雇用したとされる約6900人のうち、3460人が水増し算入されていた、と発表した。
 簡単に言えば、中央省庁の8割で不正が行われ、実際に雇用された障害者は公表された数字の半数以下、法定基準(公表当時は2・3%)を上回っていたという雇用率「2・49%」も、実際は「1・19%」で、大うそだった−という構図である。
 省庁別では、水増し数が国税庁で千人超、国土交通省や法務省で500人超などと、実際の雇用率が法定基準を大きく下回り1%未満の機関も多かった。
 政府は原因について「故意か誤解に基づくものか、今の段階で判断するのは困難」(加藤勝信厚生労働相)としている。
 しかし、これまでの報道では「障害者手帳を持つ人」と「指定医の診断で障害が認められた人」に限定された国の雇用ガイドラインを、大きく逸脱した運用が次々に浮かんでいる。
 「健康診断結果を基に本人に確認せずに算入した」(国交省)「本人が書いた健康状態や病名を基に判断した」(法務省)といった事例だ。これらの中には、障害者手帳を持たない糖尿病やがんの人を含めたケースもあるようだ。多くの省庁が長年、ノルマ達成のために、ガイドラインを意図的に拡大解釈していた疑いが強い。
 政府は問題の検証作業とともに、障害者の新たな雇用枠を早急に設けるべきだ。
 気掛かりなのは、障害者を「共に社会で働く仲間」として尊重する意識が、霞が関で欠落していないか、という点だ。国の障害者施策の基本理念を確認しておきたい。
 「全ての国民が障害の有無によって分け隔てられることなく相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現」
 障害者基本法の第1条で規定され、今年の障害者白書でも「職業を通じた社会参加が重要」と強調されている。安倍政権の「1億総活躍社会」も、これを包含したスローガンである。
 2年後には東京五輪・パラリンピックが控える。そこでは、日本が国際社会に向かって平和の尊さや「共生社会」の素晴らしさを発信する役割を担う。その使命も見据え、政府全体として意識改革を進めるべきだ。


障害者雇用水増し問題 働く機会奪った罪は重い
 中央省庁が障害者雇用数を水増ししていた問題で、昨年だけでも行政機関の8割となる27機関で3460人にも上っていた。法令無視は制度開始の1960年から横行していたとされる。膨大な数の障害者の働く機会を奪った罪は重いと言わざるを得ない。
 水増しは多くの地方自治体でも次々と発覚。県内では鯖江市や県警、新たに福井市でも判明した。相次ぐ発覚にいまだ全容はつかめないままで、故意に数字を操作したのか、法令解釈の誤りなのかも判然としない。政府は第三者の検証チームに原因究明を委ねるとしたが、国会は閉会中審査で真相解明に当たるべきだ。
 身体障害者雇用促進法は60年に制定され、76年に民間企業に雇用が義務付けられた。その後、対象に知的障害が加えられ、今年4月には精神障害にも拡大。法定雇用率は徐々に引き上げられ、現在は国や地方自治体で2・5%、企業で2・2%だ。雇用率に算入できる障害者は厚生労働省のガイドラインでは、各障害者手帳で確認するのが原則で、例外として指定医による診断書も認められている。
 政府の調査結果によると、昨年雇用していたと発表した約6900人のうち半数が水増しで、雇用率は法定を大きく下回る1・19%だった。この数字に障害者から怒りや不満の声が上がったのは当然だ。雇用率達成にまじめに取り組み、未達成時には納付金を納めるなどしてきた企業にすれば、冷水を浴びせられたとの思いだろう。
 手帳の確認を怠っただけでなく「視力が弱い」「糖尿病」といった職員を障害者として算入していたことが判明。さらには、健康診断など申告のあった資料を基に、本人に確認もせずに算入していた例もあったという。歴代の担当者らにこうした手法が受け継がれてきたとみられる。厚労省のガイドラインの分かりにくさを指摘する声もあるが、法令順守を第一とする公務員の弁とは思えない。
 障害者雇用促進法は、働く喜びを通じ、障害のある人の自立を支えることを理念に掲げる。範を示すべき「官」の背信は、障害者の萎縮、民間企業の雇用意欲減退にもつながりかねない。水増しは国税庁1022人、法務省539人に上った。国民の納税、人権意識への影響も懸念される。
 政府は今年中に雇用率に満たない人数を雇用するとしているが、これこそ実態を軽視するものだ。障害者一人一人に向き合った職場環境やフォロー体制などが整わない状態では、職場への定着が困難なことを理解していないのではないか。
 安倍晋三首相が表に出てこないのも不自然だ。財務省の文書改ざんなどでは「行政の長として責任を痛感している」などと弁明した。今回は安倍政権に起因するものではないと、ほおかむりするつもりなのか。4年前の厚労省所管の独立行政法人で水増しが発覚した際に省庁を含めた調査を行っていれば、との指摘がある。その時の行政の長は誰だったのか。


防衛白書  脅威強調だけでいいか
 2018年版防衛白書が公表された。6月の米朝首脳会談後も北朝鮮の核・ミサイルの脅威は変わらず続いていると警戒感を示している。
 共同声明で非核化の意思が示されたことに「意義は大きい」と評価しながらも、「これまでにない重大かつ差し迫った脅威」と明記した。昨年の白書より表現が強まっている。
 たしかに北朝鮮の非核化の動きは進んでおらず、脅威がなくなったわけではない。しかし、ことさら強調するのは緊張緩和の流れに水を差すようでもあり、強い違和感を覚える。
 背景にあるのは、政府が23年度の運用開始を目指す地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」ではないか。
 北朝鮮の核・ミサイルの脅威に対応するため導入が決まったが、1基あたりの取得経費が当初の約800億円から約1340億円と大きく膨らみ、費用対効果などから疑問の声が上がっている。
 導入を円滑に進めるための脅威の強調だとすれば、本末転倒と言わざるをえない。
 米朝会談後に菅義偉官房長官は「安全保障上の厳しい状況は緩和された」と会見で述べた。
 日本海でのイージス艦の常時配置などをやめ、住民避難訓練は中止となった。そうした対応とも明らかに矛盾する。
 しかし政府は、白書を踏まえミサイル防衛を強化する構えだ。
 小野寺五典防衛相は「方向性を国民に知ってもらう必要がある」と白書の意義を強調するが、これで理解が得られるだろうか。
 一方で、十分とは言えないのが南スーダンやイラクの日報問題についての記述だ。文民統制(シビリアンコントロール)の在り方が批判されたが、昨年の白書では触れられなかった。
 今年は巻末に項目を設けているが、経緯や再発防止の取り組みについて大まかな説明にとどまっている。同じく文民統制が問われた幹部自衛官による国会議員への暴言問題には触れていない。
 防衛費(当初予算ベース)は安倍政権下で13年度に増加に転じており、19年度予算の概算要求額も過去最大となる見込みだ。防衛に関する国民への説明責任はより重くなっている。
 文民統制の徹底についてもきちんと示すべきだろう。脅威をあおる内容ばかりが目立つ白書では、その役割は果たせていないのではないか。


防衛白書 装備増強への布石なのか
 2018年版防衛白書が閣議で報告された。昨年7月から今年6月までの周辺各国の動きをまとめた中で、北朝鮮の脅威を過去最大と捉えている点が一番のポイントだ。
 6月の米朝首脳会談の共同声明では北朝鮮の非核化の意思が示された。この点に関しては「意義は大きい」と評価した。
 にもかかわらず、北朝鮮の核・ミサイルを巡る現状を「これまでにない重大かつ差し迫った脅威」とし、前年版より表現を強め、危機を強調した。
 懸念するのは、装備増強の思惑が指摘されていることだ。
 防衛省は弾道ミサイル防衛として、巨額費用を投じる地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」導入計画を進めているからだ。
 今月末には過去最大とみられる防衛費を計上する19年度予算の概算要求を控えている。年末には新たな防衛計画大綱を決定する予定だ。
 北朝鮮への言及には、脅威を訴えるものが目立つ。
 昨年中に核実験や弾道ミサイル発射を繰り返したことについては、「地域および国際社会の平和と安全を著しく損なう」と非難した。
 日本をほぼ射程に収める中距離弾道ミサイル「ノドン」数百発が実戦配備されていると指摘し、「脅威についての基本的な認識に変化はない」との見解を示した。
 さらに核兵器の小型化を実現した可能性があるとし、開発が進み米国への戦略的抑止力を確保したと過信すれば挑発が重大化する恐れもあるとした。
 昨年は北朝鮮が軍事的挑発を繰り返し、不安が高まった。米朝首脳会談が開かれたとはいえ、北朝鮮の非核化を巡る交渉は停滞している。警戒を緩めてはならないのは確かだろう。
 ただし、米朝対話は継続中だ。白書は、防衛費の増大や新装備拡大の補強材料ではないはずだ。先行きを見据え、冷静に情勢を伝えるものであってほしい。国民の信頼を得るためにも不可欠だろう。
 白書は、中国について、日本周辺での活動を一方的にエスカレートさせ、「日本を含む地域・国際社会の安全保障上の強い懸念」と指摘した。
 ロシアに関しては、北方領土で軍事活動活発化の傾向があり、動向を注視すると記載した。
 総体として「わが国を取り巻く安全保障環境は一層厳しさを増している」と結論付けた。
 一方、米朝対話が続く中、安倍晋三首相は日朝協議の可能性を探る。日中関係も改善し、日ロ首脳は良好関係を維持する。
 こうした外交の変化の中で防衛政策はどうあるべきかを考えなければならない。増強ありきで予算の膨張が続けば、国民生活にしわ寄せが及びかねない。
 白書では南スーダンPKO日報問題やイラク日報問題について「再発防止策を徹底し、信頼回復に全力を注ぐ」とした。相次ぐ不祥事に国民からの厳しい視線が注がれた。約束をきちんと守ってもらいたい。


名張毒ぶどう酒事件 弁護団が裁判官忌避申し立て
 57年前の「名張毒ぶどう酒事件」で、名古屋高裁が再審請求を棄却したことに対し異議を申し立てていた弁護団が、29日、担当の裁判官をはずすよう求める申し立てを行いました。
 1961年、三重県名張市でぶどう酒を飲んだ女性5人が死亡した「名張毒ぶどう酒事件」。
 奥西勝元死刑囚が3年前に病死し、親族らが10回目の再審請求を行ったものの棄却され、弁護団が、異議を申し立てていました。
 弁護団は、29日、異議の申し立てを審理する名古屋高裁の3人の裁判官について、「対応に問題がある」などとして手続きからはずすよう求める申し立てを行いました。


経産省「発言記録残すな」文書の背景に安倍官邸の意向! やっぱり安倍首相にモリカケの反省は一切なかった
「反省すべきは真摯に反省する」「公文書管理の適正を確保するため、必要な見直しを政府をあげて徹底的に実施する」という安倍首相の掛け声は、やっぱり嘘だった──。政府は今年4月に行政文書の管理に関するガイドラインを改正したが、経産省ではそれに合わせ、政治家をはじめ省内外の人物との打ち合わせの記録を「個別の発言まで記録する必要はない」などと指示するなど、“議事録は不要”とする内部文書を作成していたことを、きょうの毎日新聞朝刊がスクープしたのだ。
 記事によれば、この内部文書は「公文書管理について」と題されたA4判6ページのもので、日付けは今年の3月27日。改正ガイドラインでは、〈政策立案や事務及び事業の実施の方針等に影響を及ぼす打合せ等の記録については、文書を作成するものとする〉と定められているが、それについて経産省の内部文書では「『いつ、誰と、何の打ち合わせ』(をした)かが分かればよく、議事録のように、個別の発言まで記録する必要はない」と説明されているという。
 また、この文書を使用した経産省内部の会議では、「(これから言うことは)メモを取らないように」「誰が何と言ったか分からないように、議事録は残してはいけない」などと指示されたと出席した職員が証言。この文書自体、改正ガイドラインで1年以上の保存が定められた公文書であるはずだが、なんと〈問題の文書の表紙に、その保存期間を会議当日の「平成30年3月27日まで」と指定し、即日廃棄扱いにしている〉というのだから、開いた口が塞がらない。
 つまり、安倍首相は森友・加計問題などを受けて行政文書の管理に関するガイドラインの改正を打ち出し「公文書管理の質を高める」と宣言したが、その実態は、隠蔽をより強化して行政文書のブラックボックス化を加速させる取り組みとなっていたのだ。
 もともと改正ガイドラインは、保存期間を1年未満とする文書を「明白な誤りなど客観的な正確性の観点から利用に適さなくなった文書」と定め、恣意的な解釈によって破棄される危険性を孕んでいた。また、課長級の文書管理者による確認や、外部との打ち合わせ等では可能な限り相手方に発言内容を確認することを定めるなど、都合の悪い文書が残されにくくなるのではないかと懸念されてきたが、まさかここまで悪質な運用を強いて、ガイドラインを根本から骨抜きにしていたとは……。
 しかも重要なのは、これが経産省の方針であるという点だ。
 安倍首相の安倍首相の最側近である今井尚哉首相秘書官を筆頭に、佐伯耕三首相秘書官、長谷川栄一首相補佐官といった側近たちは皆、経産省出身。経産大臣の世耕弘成は「安倍政権のゲッべルス」とも呼ばれる安倍首相の完全な子飼い議員であり、いまや経産省は「官邸の下請け」となっている。
 そうした状態にある経産省がガイドライン改正に合わせて「政治家の発言は残すな」と指示していたということは、これこそが「官邸」の方針であることはあきらかだろう。
 事実、毎日新聞によれば、この内部文書が作成されたと同時期に、経産省幹部が課長級職員たちに対し、「官房副長官以上のレクチャー(説明)では議事録を作成しないように」と指示したという。
 ようするに、たとえば加計学園の獣医学部新設について、萩生田光一官房副長官が「官邸は絶対やると言っている」「総理は『平成30年4月開学』とおしりを切っていた」などと発言したことを記録していた文書のようなものを、ガイドライン改正と合わせて「これからは作成するな」と現場の官僚に圧力をかけていたのである。
 無論、こうした公文書を骨抜きにする指針をひそかに打ち出しているのは経産省だけにとどまらない可能性は高い。
石破の「面会記録の保管義務化」提案に安倍首相が「モリカケ蒸し返すのか」と激怒
 そもそも、森友の公文書改ざんは佐川宣寿・元理財局長の一存で実行できるようなものではない上、佐川氏の答弁が強気なものに変わったのは安倍首相の「私や妻がかかわっていたら総理も国会議員も辞める」という昨年2月17日の答弁以後のこと。公文書の改ざんが官邸の指示、なかでも今井首相秘書官からの指示によって引き起こされた疑いは極めて濃厚だ。
 いや、それ以前に、加計問題では「総理のご意向」文書を菅義偉官房長官は「出所不明の怪文書」と宣い、再調査で文科省から文書が出てきても政府は「個人メモ」と言い張った。公文書改ざんが発覚した森友問題でも、麻生太郎財務相は第三者委員会による調査を拒否。こんな体たらくで安倍首相は「政府をあげた抜本的な見直し」などと胸を張る呼ぶのだから、信用しろと言うほうがおかしい。
 しかも、総裁選では、「正直、公正」をキャッチコピーにした石破茂・元幹事長に党内から「安倍首相への個人攻撃だ」という批判が起こったとされるが、対して安倍首相が掲げたキャッチコピーは「責任、実行」。だが、いまなお森友・加計問題は国民から疑惑の目を向けられているにもかかわらず、総選挙に際して打ち出した「5つの決意」では公文書管理の徹底には一言もふれずじまいだ。
 さらに、石破氏は森友・加計問題を受けて「いつ、どこで、誰が、誰に会ったかという記録は明確でなければならない」「(面会記録の)保管は義務化」というごく当然の見直し策を出しているが、そうした石破氏の政策に安倍首相は「森友・加計学園問題を蒸し返そうとしていることに腸が煮えくり返っている」(「週刊ポスト」9月7日号/小学館)という。蒸し返すも何も疑惑はひとつも解明されていないのに、安倍首相はもう終わった話だというのである。
 反省する態度さえ皆無の人物が公文書管理を徹底できるとは到底考えられない。むしろ、自分の関与や官邸の暗躍を表沙汰にしないよう、ガイドライン改正を逆に公文書管理を骨抜きにする機会にしようと目論んでも、何ら不思議はないのだ。
 ある意味、今回の“議事録不要”問題は、安倍首相の総裁選キャッチコピーが「責任(を逃れ)、(民主主義の破壊を)実行」する宣言であることを裏付けたと言える。ともかく、経産省の方針への官邸の指示をはじめ、問題の実態解明が求められるだろう。


経産省 折衝記録「発言要らぬ」 内部文書、指針骨抜き
 政治家ら省内外の人物と折衝した際に作成する公文書について「議事録のように個別の発言まで記録する必要はない」などと記載した経済産業省の内部文書を毎日新聞が入手した。文書は複数の会議で使用され、出席した職員は「誰が何と言ったか分からないよう、議事録を残してはいけないと指示を受けた」と証言した。森友・加計学園の問題などを受け改正された「行政文書の管理に関するガイドライン」は打ち合わせの際、記録を作成するよう定めているが、骨抜きにしかねない実態が判明した。
 文書は3月27日付の「公文書管理について」。A4判6ページで、同日開催された、経産省(中小企業庁など外局を含む)の筆頭課長補佐級職員約20人が出席する「政策企画委員会」で「事務連絡資料」として配布された。ガイドライン改正を受け、公文書管理を担当する「情報システム厚生課」が作成。今後の運用方針などがまとめられている。
 ガイドラインが新たに「政策立案や事務及び事業の実施方針等に影響を及ぼす打ち合わせ等の記録については文書を作成する」と定めたことを引用したうえで、作成する「記録」について「『いつ、誰と、何の打ち合わせ』(をした)かが分かればよく、議事録のように、個別の発言まで記録する必要はない」と説明している。さらに、ガイドラインは意思決定など検証に必要な文書について1年以上保存するよう定めているが、問題の文書の表紙に、その保存期間を会議当日の「平成30年3月27日まで」と指定し、即日廃棄扱いにしている。
 同課は取材に対し、「(指摘のような)文書を配布した記憶はある」としたうえで「必要な時に議事録を作り、そうでない時は必ずしも作る必要はないという意味であり、ガイドラインに反しない。(当日廃棄については)議論のための資料で、その場でしか使用しないためだ」と主張した。
 しかし、経産省職員によると文書は別の会議でも使用された。この会議に出席した職員は「文書を示され、『(これから言うことは)メモを取らないように』と前置きがあったうえで『誰が何と言ったか分からないように、議事録は残してはいけない』と指示された」と証言した。さらに、経産省のある課で課員全員に文書が配布されたことを明かした上で「討議用の資料ではなく、文書管理強化に関する省内の周知文書。重要な文書であり廃棄すべきではない」と話した。
 公文書管理全般を所管する内閣府の公文書管理課は、取材に対し「必要な場合は議事録を残し、そうでないなら残す必要はないという意味なら、経産省の文書の記載に問題はない。ただすべての議事録を残さない方針なら問題。(文書の保存期間については)ケース・バイ・ケースだ」としている。【小林直、向畑泰司】
解説 事実検証を妨げ 行政の問題封印
 経産省の内部文書や、議事録作成を妨げる省内の指示は、公文書への信頼を大きく損なう。
 ガイドライン改正につながった、森友・加計学園問題は、行政側に残された文書が発覚の引き金になった。加計学園の獣医学部新設を巡っては昨年5月に見つかった文部科学省の「メモ」に、早期開設について内閣府幹部が「総理のご意向」と発言したとの記載があった。森友学園への土地売却を巡っては、元理事長の籠池泰典被告=詐欺罪などで起訴=が安倍晋三首相の妻昭恵氏らの名前を挙げ、値下げを迫る記録が財務省から見つかった。
 当時、今回の経産省のような運用がなされていれば、二つの問題が明らかにならなかった可能性が高い。どんな発言があったのか、検証できないからだ。
 安倍首相は3月の参院予算委で、「ガイドラインを改正し公文書管理の質を高める取り組みを行った」と強調した。しかし、実態はかけ離れており、行政のブラックボックス化が進んでいるのではないか。【杉本修作】


経産省議事録不要 「国民向いていない」身内から批判
 経済産業省内で「議事録不要」を呼び掛ける文書が配布されていた。誰がどんな発言をしたのか−−。核心部分が公文書から消えようとしている。文書が配布された会議とは別の場でも、政治家とのやり取りを残さないよう指示があったといい、省ぐるみの様相を呈する。公文書隠しとも言える動きは他省にもあり、異常な実態が浮かび上がる。【小林直、向畑泰司、田中龍士】
 「官房副長官以上のレクチャー(説明)では議事録を作成しないように」。関係者によると今年3月下旬、経産省の課長級職員が出席する会議の場で幹部が指示した。行政文書(公文書)の管理に関するガイドラインの改正を受け、問題の文書が作成され、別の課長補佐級会議で配布されたのと、同じ時期だ。指示は口頭だった。出席者は取材に対し「官邸に行ったらメモを取るなという意味だと理解した」と話した。
 個別の発言まで記録する必要はない−−。問題の文書について、作成した情報システム厚生課は「必ずしも全部(議事録を)作る必要はないですよという意味。『作らないルールになっている』と受け取った職員がいたら、うまく伝わっていなかったということ」と説明する。
 「その説明はおかしい」。文書を受け取った経産省職員は怒る。会議ではっきりと不作成を指示されたからだ。「官僚は業務慣行として、政治家が何を言ったか、正確に記録してきた。『議事録を残すな』という指示はそれをやめろ、という意味。強力な圧力だと感じる」と話す。そのうえで「わざわざ文書を作り『発言まで記録する必要がない』と記載し、取材を受けても問題だと感じない、情報システム厚生課の感覚自体がおかしい。国民の方を向いていない証拠だ」と嘆いた。
 他の省はどうなっているのか。環境省関係者によると、最近表紙に「私的メモ」などと書かれた文書が増えた。情報公開の対象となる文書は法律上「組織的に用いるもの」などと定義されており、私的な文書であれば公開の対象外になる。
 しかし、環境省では会議で配布する文書さえ個人文書扱いしているケースがあるという。同省関係者は「最近政治家の絡む案件で、表紙に『個人メモ』と書かれた文書を見た。異常な状態が霞が関に広がっているのではないか」と指摘した。
           ◇
 経産省の文書は即日廃棄扱いだった。本当に捨てられたのか。情報システム厚生課は29日、取材に対し「確認中」と回答した。【小林直、向畑泰司、田中龍士】
適正管理に逆行 
 公文書管理に詳しい早川和宏・東洋大教授(行政法)の話 公文書管理法は、行政の事務や事業を後日、検証できることを要求している。詳細な記録の必要がないとの認識が広まり記録が残されなければ、少なくとも今までより情報量が減少する。法の趣旨に反し、公文書管理の適正化を求める昨今の取り組みにも逆行しており問題だ。また、新たな運用方法が記された文書を即日廃棄すると、運用の根拠が確認できなくなり不適切だ。
 【ことば】行政文書の管理に関するガイドライン 公文書管理法に基づき文書作成・保存のルールを定めた政府の指針。ガイドラインに従って各省庁が規則を定めている。森友・加計学園の問題などでずさんな文書管理が批判されたことを受け昨年12月に改正。文書を作成する対象を明確化したが、正確性の確保などが強調され、識者らは「慎重になることで、文書がこれまでより作られなくなるのではないか」と指摘している。


早大セクハラ騒動、別教授の「口止め」認める ネットの怪文書も話題に
世間を騒がせている、早稲田大大学院のセクハラ問題。渦中の文芸評論家・渡部直己氏(66)は、当時教え子だった20代の女性に対しセクハラをしたとして、7月に同大教授を解任された。
この件について、女性が被害を相談した別の男性教授から「口止めされた」という女性側の申し立てに対して、大学の調査委員会が「口止めを受けていると感じる発言があった」と認めたことがわかった。
名門大学で起こった事件について、ネット上ではさまざまな声があがっている。
■「外では言わないほうがいい」と口封じ
修士課程に在籍していた女性は、同コースの教授だった渡部氏からセクハラを受けていたという。渡部氏は被害者の女性に「俺の女になれ」と迫るなど、深刻なセクハラ行為を行なっていたことが確認されている。
産経ニュースによると、男性教授が女性から相談を受けたのは昨年4月。
その際、男性教授は「面倒なことに巻き込まれるのは嫌だな」と発言した上、女性の言動について「隙がある」などとコメント。被害について「外では言わないほうがいい」と、事実上の「口封じ」とも言える対応を行なったという。
■「怪文書」も話題に
またこの件について、「はてな匿名ダイアリー」に「早稲田大学現代文芸コースのセクシャルハラスメント報告書がひどい」と題された投稿が行なわれた。
このブログ記事で重要なポイントを抜粋すると、「加害者は、渡部一人ではない」ということで、渡部と同じコースに所属する水谷八也教授と、渡部氏の弟子である市川真人准教授が名指しで批判されている。
「渡部によるセクシャルハラスメントに悩んでいた被害者は、友人同席のもと、当時現代文芸コースの主任を務めていた水谷と三人で面会を行った。また、精神的に落ち込んでいた被害者に代わり、友人は水谷と二人で二回目の面会も行った。
被害者及び友人の申立書によると、水谷は『この件を口外しないでほしい』『口外すると現代文芸コースの存続に関わる問題に繋がるから』『被害者自身にも隙があり、渡部が勘違いしてしまうのもうなずける』といった趣旨の発言をしているにも関わらず、水谷本人が否定していることだけを根拠に、報告書では被害者及び友人の主張を認定していない」(「はてな匿名ダイアリー」より)
ツイッター上では「怪文書」などと評されているこのブログ。
しかし、匿名投稿とはいえ、この騒動の発端となったプレジデントオンラインの報道と合致する部分は多く、現役早大生たちの身の安全などを考えると、しっかりと説明責任を果たしていく必要があるだろう。
■元ゼミ生が語る水谷氏の人柄
しらべぇ取材班は、水谷氏のゼミにかつて在籍していたという男性との接触に成功。今回の件や教授の人柄について、話を聞いた。
−−今回の事件を聞いてどう思いました?
「正直、事実だとするとかなり残念ですね。水谷先生は結構クセのある人で、ゼミ生からの人気もばらついていましたね…授業は面白かったんですが」
−−水谷氏はどんな人物ですか?
「よく言えば研究者肌、悪く言えば社会性に欠けた人物だと思います」
■ゼミ生に対しても壁
−−と言いますと?
「基本的に人との交流を望みません。例えば、うちは戯曲(舞台の脚本)を研究したり、実際に書いたりのゼミだったので、ゼミで赤坂の劇場に芝居を観に行ったことがあるんです。
普通のゼミだと終わってからみんなで飲みに行ったりするもんじゃないですか。でも、水谷先生は一人そそくさと帰っちゃう。ゼミ生に対しても、壁があるんですよね。
とは言え、それは個人の性格なので別にいいんですが…正直、人の心の痛みについて想像できない人なんだという印象もあります」
■元ゼミ生が語るトンデモ体験談
−−人の心の痛みが想像できないエピソードとは?
「僕は生まれつきアトピー性皮膚炎で、肌が赤くなったり、荒れたりしやすいんです。今はかなり良くなっていますが、ゼミ生時代は結構赤くて…
それである日、水谷先生に『どうせならアトピーを題材にした作品を書いたら?  繊細すぎて肌が汚くなって差別を受けてる人の話』と、笑いながら言われたことがあります。その頃、自分は真剣に悩んでいたし、笑いながら『題材にしたら?』と言うことでは確実になかった」
−−水谷氏は、あなたがアトピーで悩んでいたことを知っていた?
「それはわかりません。アトピーがコンプレックスだと明確に伝えたことはないですから。でも、人の容姿について否定的な発言すること自体が、そもそも適切ではないと思います。
本当にショックで、その日は普通に家に帰って泣いたんです。でも、当時は学内ハラスメントに対する認知度も高まってなかったし、学生が訴えてどうにかなるものでもなかったので、我慢するしかありませんでした」
■泣き寝入りするしかなかったあの頃
−−正直、今だとかなりの問題発言だと思います。
「でも、本人はどうせ覚えてないんですよ。人の気持ちがわからない人は、自覚なく人を傷つける。だから後で問題になっても『記憶にない』『そういう意図はなかった』と言う。言い逃れに聞こえるけど、本人的には言い逃れてるつもりはないんだと思います。なぜなら、そもそも傷つけた自覚がないんだから。
今回の件は、ゼミの卒業生として事実であってほしくない案件です。でも、事実だったとしても、僕は正直納得ですね」
■現役学生へのアドバイス
−−現役学生に対してアドバイスなどあれば教えてください。
「研究者としての実績、知名度と人間性はまったく関係ありません。むしろ、大学という閉ざされた機関ではハラスメントは起こりやすいと認識すべきでしょう。
身を守るために録音機器を常に用意したり、言われたことを記録するなど、気になったことがあればすぐ防御することをオススメします。あと、録音機器は常に用意しておくべき。2人でゼミ室にいるときなど、目撃者・証言者がいないですから。
ちなみにこれは余談ですが、大学は文部科学省の認可事業であり、国から毎年多くの補助金が出ています。ゆえに、ハラスメントに声をあげていくことは大学の運営にも数億円単位で影響を与える場合もあることをお伝えしておきます」
■説明責任は果たされるのか?
日本大学の悪質タックル事件、東京医科大の入試騒動など、大学への信頼が揺らいでいる昨今。
匿名の投稿とはいえ、早稲田大学は無視できないはずだ。一刻もはやく説明責任を果たし、場合によっては関わった教員・職員の懲戒解雇など、適正な処分を与えていく必要があるだろう。(文/しらべぇ編集部・尾道えぐ美)


年間600万円がタダに NY大学医学部「授業料無償化」の衝撃
 ニューヨーク大学医学部が、授業料を完全無償にすると発表しました。
 一部の優秀な学生に与えられる奨学金でもなければ、経済的に厳しい環境にある学生へのサポートでもありません。これから入学する学生約100人、そして在学中の学生約400人全員の授業料が免除されるのです。ニューヨーク大学医学部の授業料は年間約600万円ですから、その驚きが分かると思います。
 全米の医学部トップ10位以内にランキングされている大学として、無償化は初めての試み。踏み切った背景には、今後ますます深刻になると予測される医師不足があります。「高過ぎる授業料こそが、優秀な学生が医師になるのを妨げている」と、大学側は説明しています。
 たとえばアメリカの医学部の学生の4人に3人は、授業料をローンを組んで支払うために、多額の借金を抱えて卒業します。その平均額は2000万円とも報告されています。
「こうした負債を恐れて、学生が医学部を敬遠する傾向にある。その中にはがんの治療法を発見できる者が含まれているかもしれない。最高の能力を持った学生に入学してもらうために、無償化に踏み切った」
 ラファエル・リベラ医学部長はこうコメントしています。
 高額な授業料は医師になる学生の数を減らすだけでなく、卒業後の借金返済のために、報酬が少ない小児科医や内科医のなり手が減る傾向も懸念されています。これらが少しでも改善されることを、大学側は期待しているのです。
 アメリカでは医学部に限らず、大学授業料の高騰は社会問題となっており、公立の大学を中心に無償化に踏み切るところが少しずつ出てきています。
 そして今回のニューヨーク大学の英断に刺激されて、他のトップクラスの大学医学部も同じように無償化を打ち出すのではないかという推測もされています。


ロヒンギャ難民1年 人道危機解消へ国際的な連携を
ミャンマーのイスラム教徒少数民族のロヒンギャが迫害を受け、およそ70万人が隣国バングラデシュに逃れ難民化して1年となった。ミャンマー政府とバングラデシュ政府は昨年11月に難民の早期帰還で合意したものの、実現のめどは立たないままだ。国際社会による支援は、必要額の3分の1にとどまっており、難民たちは劣悪な環境下に追いやられている。深刻な人道危機を一日も早く解消しなければならない。
 ミャンマーは人口5100万人余りのうち9割近くを仏教徒が占め、イスラム教徒ロヒンギャは100万人にとどまる。ミャンマーの法律上、ロヒンギャは不法移民として扱われ、国籍や市民権を持てぬまま迫害されてきた。
 昨年8月、武装勢力の掃討に乗り出した軍が、武装していないロヒンギャたちも攻撃。無差別発砲や女性暴行、集落焼き打ちなどによって、多くがミャンマーから追われた。政府と軍、宗教界までが一体となってロヒンギャを弾圧する構図は「民族浄化の教科書的な例」(国連)と非難されたのも当然だ。
 難民キャンプでは、厳しい環境下での生活を余儀なくされている。雨期が到来し、人々は土砂崩れや洪水の危険におびえながら暮らしている。配給は米と豆、油に限られ、栄養不足で病気がちになる子どもが相次ぐ。衛生状態も悪化する一方だ。ストレスを募らせた難民がイスラム過激派組織から勧誘される可能性も指摘されている。問題の長期化は、地域の安定にとって大きな不安材料になっていると言っても過言ではない。
 帰還への障害の一つが、ロヒンギャに対する再度の迫害や根強い差別への懸念だ。ミャンマー政府は、まずは迫害の事実を認めて謝罪し、難民らの不信感の払拭(ふっしょく)に努めねばならない。
 しかし、ミャンマーの実質上の最高指導者アウン・サン・スー・チー国家顧問兼外相は帰還に後ろ向きなばかりか、解決に向けた具体策を講じようとしない。かつての「民主化運動の象徴」の変質ぶりに失望を禁じ得ない。軍や国内世論に配慮せねば、深刻な政情不安を招きかねないことは想像に難くない。だが最も大切なのは、危機にある人々の生命を守り、安定した生活を保証することだ。
 国連人権理事会が設置したロヒンギャ問題についての調査団は、軍幹部らの捜査と訴追を求めるとともに、スー・チー氏を「政権トップの地位を、状況悪化を食い止めるために行使しなかった」と批判した。こうした声に真摯(しんし)に耳を傾け、解決に向けた指導力を発揮すべきだ。
 国際社会も新たな居住先の整備など、安心して帰還できる環境づくりへの連携を強める必要がある。日本は、ミャンマーへの表だった批判は控え、国際機関を通して難民への財政支援を行っている。人権を尊重する真の民主国家となるための働き掛けにも取り組まねばならない。


安倍応援団は大慌て 政策「石破ビジョン」予想外の高評価
「これはヤバイ」――と安倍応援団が慌てている。石破茂氏が発表した政策「日本創生戦略―石破ビジョン」に対する評価が予想外に高いからだ。専門家が「アベノミクス」と比較したら、「石破ビジョン」に軍配が上がる可能性が高い。なんとしても政策論争は避けようと、安倍応援団は策をめぐらしているという。
 石破茂氏が27日に発表した総裁選の公約「石破ビジョン」は、<地方創生の実現><人を幸福にする福祉社会の実現>など5項目からなるもの。
 経済政策の柱は、<中小企業と地方の成長力の引き上げ>と<社会保障制度改革>の2つだ。会見では「大企業だけでなく、中小企業や地方経済の潜在力を可能な限り伸ばし、経済成長の中心とする」「国民が信頼できる社会保障制度を確立し、安定的な消費を喚起する」と訴えた。
■アベノミクスの失敗も解説
 さらに、「アベノミクスの不都合な政策目標?」と題した資料も配り、数値を示して安倍首相の看板政策である「成長戦略」や「地方創生」が目標未達の「失敗」に終わったと解説。例えば、潜在成長率が1%前後で低迷しているのは「成長戦略の失敗」と丁寧に説明。
 アベノミクスについては「異次元緩和というカンフル剤が効果を上げたが、いつまでも続くわけではない」と、出口戦略の必要性を強調。「都合のいい数字ばかり強調するのは良いことではない」と、安倍首相が「493兆円から551兆円に増えた」と胸を張るGDPについても、増加分のうち32兆円は統計の見直しによるカサ上げが要因だと喝破してみせた。
「石破ビジョン」について、経済評論家の斎藤満氏はこう言う。
「まだ、具体的な手法が分からないので評価は難しい。でも、日本経済に対する基本認識と目指す方向は正しいと思います。アベノミクスは、大都会と大企業と富裕層を潤せば、トリクルダウンが起きて、地方も中小企業も貧困層も豊かになると訴えていましたが、まったくの間違いでした。石破ビジョンのように、地方と中小企業を直接、豊かにする考えは間違っていない。社会保障を充実させることで国民の将来不安を解消し、消費を活発にする考えも悪くない。アベノミクスに対する評価は、まさにその通りです」
 アベノミクスが失敗に終わっていることもあって、安倍応援団は「石破ビジョン」への評価が高まることに危機感を持っているという。自民党関係者がこう言う。
「まず、石破ビジョンに注目が集まらないように政策論争の機会を少しでも減らすつもりのようです。さらに、NHKを筆頭とする安倍シンパのメディアに、『石破ビジョンは実現性が低い』『安倍内閣の閣僚だったのにアベノミクスを批判するのはおかしい』などと、巧妙にケチをつけてもらう方針のようです。さらに、石破ビジョンをパクって違いをなくしてしまうことも考えているようです。すでに、安倍陣営がまとめたビラには<強靱な地方を創り上げる><全ての世代が安心できる社会保障改革>などと、石破ビジョンをパクったような政策が並んでいます」
 大手メディアは、逃げ続ける安倍首相に「政策論争をすべきだ」と、プレッシャーをかけるべきだ。


若者が払う移民問題のツケ
★政府は単純労働での就労を認めるなど、新たな在留資格の創設を盛り込んだ外国人労働者の受け入れをするため、法務省の入国管理局を格上げし、来年4月に外局の「入国在留管理庁」(仮称)を設置する。新聞が28日に一斉に伝えたが、そこに移民という言葉は一言も出てこない。★国連経済社会局は「国際移民の正式な法的定義はないが、多くの専門家は移住の理由や法的地位に関係なく、定住国を変更した人々を国際移民とみなしている。3カ月から12カ月間の移動を短期的または一時的移住、1年以上にわたる居住国の変更を長期的または恒久移住と呼んで、区別するのが一般的」としている。17年末時点の在留外国人数は約256万人。OECD(経済協力開発機構)の15年の外国人移住者統計で、日本の外国人の数は前年比約5万5000人増の約39万人。韓国を抜き、ドイツ、米国、英国に次ぎ4位になった。既に移民大国と言っていい。★人口減少と少子高齢化での労働力不足は深刻だ。観光客以外で1年以上住んでいれば移民なのだが、日本政府はそれを認めない。外国人労働者に頼らなければ、もはや日本経済は回らない。現在日本で働く外国人のほとんどが、「外国人技能実習生」や週28時間までアルバイトが認められる「留学生」という制度を利用しての出稼ぎだ。管理できなくなるのは時間の問題だ。★同じ日、読売新聞の1面には、自衛官の定年延長が固まったという記事が出た。自衛官は過酷な任務を伴う特別職国家公務員で、60歳定年の一般職とは別体系の「若年定年制」を強いているが、延長される。これも人手不足の余波だろう。だが、この2つのニュースを並べて見ていると、その先には外国人の自衛官受け入れや若年層の自衛官の義務化、つまり徴兵のために必要な外国人労働力の活用という言葉が透けて見える。移民問題の議論を避けてきたツケは、若者が払うことになるのだろうか。

タクシー運転手〜約束は海を越えて〜で光州/フランス映画は難しい

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Japon: La ville de Fukushima retire la statue d'un enfant en combinaison anti-radiations
Exit ≪ Sun child ≫. Face aux critiques, Fukushima a décidé de retirer la statue d’un enfant revêtu d’une combinaison de protection contre la radioactivité. ≪ Il m’est apparu impossible de continuer à exposer une statue censée être ≪ un symbole de reconstruction ≫ alors que les citoyens sont divisés à son propos ≫, a expliqué le maire Hiroshi Kohata dans un communiqué, tout en s’excusant si cette statue a pu ≪ blesser les sentiments de certains ≫.
≪ Sun child ≫ porte un casque dans une main, signifiant que l’air est désormais sain, et un soleil dans l’autre, symbole d’espoir. Sur son torse, un écran affiche ≪ 000 ≫ pour souligner l’absence de radiations. Mais cette oeuvre haute de plus de six mètres, placée début août près de la gare de la tristement célèbre ville japonaise, sera ≪ enlevée dès que possible ≫.
L'artiste a dit ≪ regretter ≫ la décision de retirer la statue
Fukushima est le chef-lieu de la préfecture éponyme, qui abrite la centrale dévastée par un tsunami le 11 mars 2011. L’accident nucléaire, le pire depuis Tchernobyl en avril 1986, a entraîné l’évacuation de centaines de milliers d’habitants. Et sept ans après, les agriculteurs sont encore confrontés à la suspicion des consommateurs même si leurs produits sont soumis à de stricts contrôles de radioactivité.
Alors si tôt ≪ Sun child ≫ dévoilé, des internautes ont jugé que la statue, ≪ sinistre ≫, n’aidait pas à restaurer la réputation de Fukushima. L’artiste Kenji Yanobe a, lui, expliqué avoir voulu transmettre un message positif en créant cet enfant aux grands yeux tournés vers le ciel. Sur son site internet, il a dit ≪ regretter ≫ la décision de retirer la statue, mais ne plus vouloir que son travail soit source de polémique.
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タクシー運転手 約束は海を越えて
1980年5月。韓国現代史上、最大の悲劇となった光州事件――
あの日、真実を追い求めたひとりのドイツ人記者と彼を乗せたタクシー運転手がいた。
ソウルのタクシー運転手マンソプは「通行禁止時間までに光州に行ったら大金を支払う」という言葉につられ、ドイツ人記者ピーターを乗せて英語も分からぬまま一路、光州を目指す。何としてもタクシー代を受け取りたいマンソプは機転を利かせて検問を切り抜け、時間ぎりぎりで光州に入る。“危険だからソウルに戻ろう”というマンソプの言葉に耳を貸さず、ピーターは大学生のジェシクとファン運転手の助けを借り、撮影を始める。しかし状況は徐々に悪化。マンソプは1人で留守番させている11歳の娘が気になり、ますます焦るのだが…。

キイス @niehidoom
ヒカリ座でタクシー運転手。何者でもないただの中年男を主人公に据え、主人公とシンクロする観客ごと光州事件の地獄に突き放す演出は高知戦に通底する臨場感で、地獄の道行を-100から+100までの演技の幅をフル動員するソン・ガンホがグイグイ引っ張ってく大傑作でした。ユ・ヘジンの古い顔も最高
バナナの皮 @banana_no_kawa
色んな体操選手が宮川紗江選手の記事をリツイートしてること。高須院長のツイートを白井健三がリツイートしてること。齊藤優佑選手の「大人の権力争いに選手を巻き込むのは絶対にしてはいけない」「選手はみんな味方だよ」発言。これ答え出てるよね。体操協会が何と言おうが、私は選手の発言を信じる。

水曜日は1100円で映画が見れる日♪最近忙しくて全然映画館に行けてないので2本見に行きました.
まずは昼過ぎにタクシー運転手〜約束は海を越えて〜.光州事件のことをコミカルにそしてシリアスに扱った作品.韓国で大ヒットというのも納得.
夕方はフランス映画.映画館を間違えて慌てて移動してギリギリ間に合いました.フランソワ・オゾンの2重螺旋の恋人.よくわかりませんでした.

経験生かし心のケア 仙台市教委が岡山へ教職員派遣
 西日本豪雨で被災した岡山県総社市の学校再開支援や児童生徒の心のケアに当たるため、仙台市教委は30日から10日間、現地の小中学校などに教職員3人を派遣する。28日に市役所で出発式があり、佐々木洋教育長が東日本大震災の経験を発揮することを期待した。
 総務省の対口支援(カウンターパート)方式で支援先となった総社市の要請を受けた。派遣されるのは学校教育部の佐藤淳一参事、教育相談課の遠藤雅範指導主事、高砂中(宮城野区)の遠藤智美養護教諭。学校の夏休み明けの31日から、被災した小中学校を中心に回る。
 3人はそれぞれ震災当時、避難所運営や子どもの心のケアに携わるなど、豊富な経験を持っている。出発式で佐々木教育長は「子どもたちが再び笑顔で学校に通えるよう、温かく励ましてほしい」と訓示した。
 佐藤参事は津波で甚大な被害を受けた石巻市雄勝中校長として、学校の移転再開などに奔走した。取材に「子どもの心のケアが最重要課題だが、学校再開に向けて教職員も不安を抱えていると思う。私たちの経験とノウハウを少しでも役立てたい」と語った。


災害公営住宅の家賃軽減を 宮城・塩釜の考える会、市に署名簿提出
 宮城県塩釜市の「災害公営住宅家賃問題を考える会」は28日、入居6年目からの段階的な引き上げが迫る災害公営住宅の家賃の軽減を求める要望書と被災者ら389人分の署名を市に提出した。
 市内の災害公営住宅は来春以降、順次6年目を迎える。要望書は(1)国に「特別家賃低減事業」の交付期間(10年)の撤廃を働き掛け、引き上げを行わない(2)基準月収を超えた世帯に割り増し家賃を強要しない−ことなどを求める内容。
 考える会のメンバーが市役所を訪れ、松浦誠世話人が「ぜひ入居者の心を真摯(しんし)に受け止めて(家賃補助を)延長してほしい」と述べた。内形繁夫副市長は「重みを受け止めたい。近隣の2市3町で協議しており、しっかり対応したい」と答え、12月ごろまでに一定の方針を出す見通しを示した。
 考える会は市内9地区の災害公営住宅の入居者(約380世帯)を対象に、署名活動を1カ月間実施した。


温泉が出た! 観光復興に弾み
東日本大震災の津波で大きな被害を受けた名取市閖上地区で、観光の復興に向けて続けてきた温泉の掘削が成功したと、市が発表しました。
交流人口の増加につながるとして、名取市は2年後のオープンを目指すことにしています。
これは名取市の山田司郎市長が、29日に開かれた記者会見で明らかにしました。
温泉の掘削は、震災前に閖上地区にあった1周4キロのサイクリングコースを備えた観光宿泊施設「サイクルスポーツセンター」の再建事業として続けられていました。
施設は震災前、競技団体や市民など年間5万人以上が利用していましたが、市はより集客力のある施設に再建しようと、クラウドファンディングを募って去年8月から温泉の掘削を続けてきました。
市によりますと、温泉はことし3月に地下およそ1100メートルから湧き出てきて、5月から県が指定する分析機関で検査した結果、アルカリ性で、乾燥肌や冷え性、疲労回復などの効能が期待できることが分かったということです。
市は「名取ゆりあげ温泉」と名付け、入浴施設のほか宿泊室、自転車コースを備えた新たな観光施設として、2年後の秋のオープンを目指しています。
山田市長は、「私も実際に源泉に触れたが、つるつるとして美肌の湯になるのではないかと感じた。人が集まるような施設にして、地元の海産物の朝市などとも連携して、交流人口の増加を図りたい」と話していました。
名取市の「サイクルスポーツセンター」は昭和50年にオープンし、1周4キロの自転車コースや宿泊室、それにレストランを備え、震災前は自転車の競技団体のほか、一般の市民も自転車の練習やサイクリングに利用していました。
また、家庭用の自転車で行う8時間耐久レースなど、さまざまなイベントも開かれ、市によりますと、年間5万人以上が利用していたということです。
東日本大震災で浸水し、直後に取り壊されましたが、市は閖上地区の観光を担う拠点の一つとして再建することを決め、2年後のオープンを目指しています。
「サイクルスポーツセンター」の再建にあたっては、インターネットを通じて、かつての利用者などから1100万円以上の寄付が寄せられ、事業を後押ししました。
市が再建資金の一部について、「クラウドファンディング」と呼ばれる手法でインターネットで協力を呼びかけたところ、およそ5か月で280余りの個人や団体から寄付が寄せられ、目標金額の1000万円を超す、1100万円余りが集まりました。
寄付した人の中には、応援メッセージとしてかつて利用した時の思い出などを寄せる人も多く、ネット上には、「子どものころ、初めて自転車に乗れるようになったのがサイクルスポーツセンターでした。再び閖上海浜がレクリエーションの場になりますように応援しています」とか、「ずっと乗りたいと思っていたタンデム自転車に、娘とふたりで乗ることができた思い出の場所です。復活を心待ちにしています」、「今は名取を離れて生活していますが、閖上地域のみなさんがまた新たな1歩を踏み出せるように応援しています」などの声が紹介されています。
市は施設がオープンしたあと、寄付した人に入浴券を配る予定で、山田市長は、「全国のみなさまにお礼を申し上げたい。施設がオープンしたら、復興を果たした閖上に来ていただきたい」と話しています。
名取市の元競輪選手、星進一さん(55)は、現役時代に練習でサイクルスポーツセンターを利用していたほか、市民とともに自転車を楽しむイベントなどにも参加していました。
星さんは、「震災で施設がなくなり、さみしく感じていたので、温泉が出たと聞いてとてもうれしいです。競技者にとっても練習の後に疲れを癒やせることは魅力で、多くの人が来てくれそうです。かつてのにぎわいを取り戻してほしいです」と話していました。


<原発事故避難者集団訴訟>「手順従わず炉心溶融」専門家が証言
 東京電力福島第1原発事故で宮城県などに避難した福島県浜通りの住民が東電と国に損害賠償を求めた訴訟で、日本原子力研究開発機構の元研究者で社会技術安全システム研究所(茨城県ひたちなか市)の田辺文也所長の証人尋問が28日、仙台地裁であった。田辺氏は「東電が手順通りに対応せず炉心溶融が起こり、事故が深刻化した」と証言した。
 津波で原子炉の冷却機能が失われた同原発2、3号機に関し、東電は2011年10月に原子力安全・保安院(当時)に報告書を提出。想定事象に対応する「事象ベース」と、炉心損傷時の「シビアアクシデント」の各手順書のみを使ったと明記している。
 田辺氏は、東電が原因不明の原子炉の状態に対応する「徴候(ちょうこう)ベース手順書」を参照しなかった点を問題視。同手順書に従わず、原発内の現地対策本部が格納容器のベントを優先させた結果、「原子炉を減圧し(原子炉水位の異常低下時に行う)低圧注水に切り替えるタイミングが遅れた」と強調した。
 訴えでは、福島県から避難を余儀なくされた93人が原発事故で古里を失い、精神的苦痛を受けたとして、慰謝料など計39億2460万円の支払いを求めている。


<モニュメント問題>福島市長が早期撤去の方針表明 「賛否割れ、復興の象徴としての設置継続困難」
 福島市が恒久展示したモニュメント「サン・チャイルド」に対する批判がインターネット上で相次いだ問題で、木幡浩市長は28日、早期に撤去する方針を表明した。市役所で記者会見し、「賛否が分かれる作品を(東京電力福島第1原発事故からの)復興の象徴として設置し続けることは困難と判断した」と述べた。
 サン・チャイルドは防護服のヘルメットを外した子どもの立像。線量計を模した胸の表示「000」が「線量ゼロでないと安全でないと見える」などと批判されていた。
 木幡市長は「心を痛めたり不快な思いをされたりした方々には深くおわびする」「設置に当たり合意形成のプロセスを欠いたことは反省している」と陳謝。市長給与を減額する条例改正案を市議会9月定例会に提出する考えを示した。
 市は設置したJR福島駅近くの教育文化複合施設「こむこむ」で18〜27日に実施したアンケート結果を公表。回答110件の内訳は設置継続22件、移設・撤去75件、その他13件だった。木幡市長は「いろいろな人の意見も聞き、大勢の把握に努めた」と話した。
 モニュメントは近く解体し、市が保管する。その後の取り扱いは未定。
 木幡市長は「移設するなら、見たくない人は見られない場所がいい。市に美術館などはなく、市としての移設・展示は困難」と説明。サン・チャイルドの10分の1模型を展示中の福島県立美術館(福島市)への移設は「要請があれば可能と思うが、時間がかかる。まず撤去し、さまざまな検討をする」と述べた。
 サン・チャイルドは、現代美術作家ヤノベケンジさんが原発事故後の2011年10月に初公開し、一般財団法人ふくしま未来研究会(同市)を通じて市に寄贈した。今月3日に除幕式があったばかりだった。


大ぶりサンマ銀の輝き 宮城・気仙沼で初水揚げ
 宮城県気仙沼市の気仙沼漁港に28日、県内のトップを切りサンマが初水揚げされた。銀色に輝く秋の味覚を仕入れようと、魚市場は仲買人で活気を帯びた。
 初入港したのは長崎県雲仙市の第3太喜丸(199トン)。土砂降りの雨の中、午前5時過ぎから北海道根室沖で捕れた約66トンを水揚げした。130〜160グラムの中型が6割を占め、入札価格は1キロ当たり351〜500円だった。
 全国的に歴史的不漁だった昨年、気仙沼市魚市場の水揚げは9667トンと初めて1万トンを割った。地元の「海の市サンマまつり」は中止になり、東京都内の「目黒のさんま祭」には前年の冷凍サンマを提供した。
 水産庁は今年のサンマ漁獲量が昨年を上回ると予測している。太喜丸の井上太喜漁労長(34)は「昨年よりも大ぶりなサイズが多く、漁場でも大きな群れがあった。今年は期待できる」と話した。


秋の味覚が躍る夏 宮城・女川でサンマ初水揚げ
 宮城県女川町の女川魚市場に28日、今季初めてサンマが水揚げされた。記録が残る2009年以降、8月の水揚げは初めて。例年より早い秋の味覚の到来に、全国有数のサンマの水揚げを誇る市場は活気づいた。
 気仙沼市の第8千代丸(199トン)が北海道沖合で漁獲した約58トンを水揚げした。浅野正二漁労長(56)は「大きさも良く、漁場が増えればもっと取れるようになる」と期待する。
 初水揚げされたサンマは120〜140グラムの中型が中心で、1キロ当たり300〜450円で取引された。歴史的な大不漁となった昨年よりもやや安かった。地元の飲食店や鮮魚店などに並ぶという。
 女川魚市場の加藤実社長は「今年は魚体も大きく、脂乗りもいい。約1万トンだった昨年の倍は水揚げしたい」と話した。


放射光施設の経済効果は?
物質の構造や性質を原子レベルで分析できる「放射光施設」と呼ばれる実験施設が、仙台市の東北大学に建設されることが決まりましたが、その経済効果は10年間で1兆9000億円あまりになることが、東北経済連合会の調査で明らかになりました。
「放射光施設」は高いエネルギーをもつ光を物質にあててその構造や性質を原子レベルで観察、分析できる実験施設で、国は先月、仙台市の東北大学に建設する方針を決めました。
これを受けて東北経済連合会が、その経済効果を調べたところ、医療や情報通信、それに食品などの分野で技術開発が進むことによって新たな市場が生まれ、国内の生産額を10年間で1兆6200億円あまり押し上げる効果があると推計しています。
さらに宮城県では、施設の建設や、関連産業の誘致が進むことなどで新たに1万9000人あまりの雇用が生まれ、10年間で2800億円近くの経済効果を生むとしていて、国内の生産額を押し上げる分とあわせて10年間で1兆9000億円あまりの経済効果があると推計しています。
調査の結果について、東北経済連合会は、「実験施設が整備されることで企業や研究所が宮城県に集まるようになり、地域のインフラ整備が進む効果も期待できる」と話しています。


デスク日誌 感動 金農
 夏の甲子園で金足農が秋田県勢として1世紀ぶりの準優勝に輝いた。もともと高校野球熱が高い秋田が、沸きに沸いた。「金農ハンパねえ!!」「最高!!」…。JR秋田駅の改札口前に設けられた応援ボードは書き込みで埋め尽くされた。
 一つ一つのメッセージが心に響く。朝から夜中まで、通り掛かった人の多くが立ち止まってボードに見入り、写真に収めていく。
 決勝戦翌日にナインが秋田に戻り熱烈な出迎えを受けてから3日たった25日夕、秋田駅からJR奥羽線に乗って追分駅に向かった。金足農の最寄り駅だ。
 駅前にある商店の2枚並びのガラス戸に、準優勝をたたえる大きな張り紙があった。縦書きで右側の戸には朱色で「感動」、左側にはスクールカラーの紫色で「金農」と書かれていた。
 筆で手書きした1文字60センチ四方もある大文字だ。金農ナインの獅子奮迅の活躍がどれほど地元を勇気づけたかが伝わってきた。
 地域に根差し愛されている学校だと改めて感じた。全国の頂点に迫った感慨と学校を包み込む温かなまなざしへのうれしさが入り交じり、幸せをお裾分けしてもらった気分になった。(秋田総局長 松田博英)


河北春秋
 お盆休み、懐かしい同級生と集った方も多かろう。狭い田舎から飛び出したい、と念じた10代から人生を重ねると、いつしか古里が自分の血肉になっていたと気付く。作家にとっては創造の根っこになるのだろう▼青森県出身で芥川賞に決まった高橋弘希さん。受賞作『送り火』に津軽の景色と暮らし、送り火の祭りを濃密に描き、そこで起こる若者の暴力事件を幻想的な物語に包んだ。執筆に詰まった時、少年期の「記憶の津軽」を思い出した途端に筆が進んだという▼漫画家さくらももこさんの『ちびまる子ちゃん』には、富士山が見える古里、静岡県の旧清水市(現静岡市)の風景がある。自身をモデルに小学3年の女の子と家族、同級生の日々を滑稽に、しみじみと描き、アニメが大ヒット。国民的と評される人気のさなか、53歳で逝った▼八百屋の父は「超呑気(のんき)」、母は「心配性で怒りんぼう」、祖父は「ズルくてイジワルで怠け者」−。自著『もものかんづめ』の家族評は辛口だ。が、さくらさんは小さな出来事にも笑いを見つけ、誰でも日常を愛すべき物語に変えられると漫画で伝えた▼静岡の友人によると、地元名物は昔「お茶、次郎長、サッカー」だったが、「ちびまる子」が加わった。永遠に終わらぬ古里の物語に生き続けるのだろう。

政府の障害者雇用率調査 義務果たす計画を早急に
 国の行政機関の8割が障害者手帳を持っていない人を障害者雇用率に算入し、その数は計3460人に上ることを政府が公表した。
 昨年のまとめでは、国の行政機関で雇用している障害者は約6900人とされている。その半数がうそだったことになる。制度の根幹を揺るがす深刻な事態だ。
 厚生労働省のガイドラインでは、雇用率に算入できるのは障害者手帳を持っている人か指定医の診断書のある人だけだ。企業や省庁は障害者雇用数を厚労省に報告する際、手帳を確認することが定められている。
 「ガイドラインの解釈の仕方が違っていた」「手帳を確認する必要性を認識していなかった」などと各省庁の大臣らはコメントするが、そうした言い訳は素直に受け取れない。
 地方自治体でも障害者雇用の水増しがあることが報道で明らかになっている。その中には手帳を持っていないことを知りながら虚偽報告していた例もある。国の行政機関の8割が解釈や認識の違いだけで恒常的な水増しをしていたとするのは不自然だ。詳しく検証すべきである。
 省庁の雇用率は、水増し分を差し引くと平均1・19%になり、法律で義務づけられた2・5%を大幅に下回る。1%未満の省庁は半数以上ある。国税庁に至っては1000人を超える水増しが行われてきた。
 公的機関や企業で働くことを希望しながら、よい仕事に就けていない障害者は多い。中央省庁の水増しの分だけ、就労からはじき出された障害者がいるということだ。
 政府は加藤勝信厚労相を議長に省庁の官房長らで構成する連絡会議を設けて対策を検討するという。だが、新たに3500人もの障害者を雇用するのは容易ではない。官邸主導で具体的な行程を定めた行動計画をすみやかに策定すべきだ。
 障害者差別解消法では障害者が働きやすくなるための合理的配慮が公的機関に義務づけられている。民間企業は努力義務にとどまっているが、優れた合理的配慮をしている企業は多い。各省庁は民間を参考にして真剣に取り組むべきである。
 もともと中央省庁は民間企業に範を垂れるべき存在として雇用率も高く設定されている。これ以上の背信や怠慢は許されない。


障害者「水増し」 解明なくして信頼なし
 政府が公表した中央省庁の障害者雇用の実態には、あらためてあきれる。障害者の働く場を奪う暴挙と言わざるを得ない。共生社会の実現へ向け、実態の解明と再発防止を徹底すべきだ。
 最初に指摘しておきたい。
 中央省庁の障害者雇用の数字水増しは単なる算定ルールの認識不足ではない。障害者を働く仲間と見ていないということだ。差別ではないか。
 調査結果によると中央省庁の八割で、計三千四百六十人が不正に算入されていた。昨年雇用していたとした障害者の半数に上る。障害者雇用促進法で求められる雇用率を大幅に下回った。雇用をリードする厚生労働省もわずかながらあった。省庁ぐるみと受け取られかねない不正である。
 民間には法定雇用率に達しないと納付金を求めるのに、行政機関が報告だけで済むのは雇用の旗振り役として責任を果たしているとの前提があったからだろう。それだけに不正を放置した責任は重い。猛省すべきだ。
 なぜ不正が行われたのか。厚労省のガイドラインでは、身体障害者手帳などを持つ人などが対象だが、多くがそれに従っていなかった。ガイドラインの理解不足などという理由は通用しない。そもそも障害者を働く仲間と見ていれば、ガイドラインを確認し適材適所の雇用を考えたのではないか。
 不正が故意かどうか加藤勝信厚労相は「今、把握することは困難だ」と述べた。水増しの経緯や詳しい実態は依然、不明だ。政府には地方自治体も含め真相を究明する責任がある。
 野党各党は国会の閉会中審査を求めている。行政機関全体の不正でしかも長年続けられてきたからには、政府任せにせず国会もチェック機能を果たしてほしい。
 この問題を取り上げた本欄(八月十八日付)で大分県杵築(きつき)市の永松悟市長から聞いた話を紹介した。永松市長は精密機器メーカーの下請け企業で働く二人の知的障害者のことも紹介してくれた。
 −二人は新入社員の教育係を務める。多くの失敗を経験しているからこそ、新人が失敗しても丁寧に繰り返し教えてくれるのだそうだ。現場の管理職も必要な人材だと断言しているという。
 障害者だけでなく育児・介護中の人、高齢者など誰もが能力を生かしやりがいを感じられる職場にできるはずだ。政府は不正の再発防止は当然、その環境整備こそが重要課題だと肝に銘じるべきだ。


障害者雇用調査/働く機会奪う背信行為だ
 「障害者雇用支援月間」である9月を前に、行政機関のあまりに罪深い背信行為が改めて明らかになった。
 政府は、中央省庁など国の33行政機関のうち8割の27機関が障害者雇用数を水増ししていたとする調査結果を公表した。
 昨年、国は計約6900人の障害者を雇用していると発表していた。ところが、これは厚生労働省のガイドラインを都合よく解釈して積み上げた数字で、半数近い3460人は障害者雇用の対象外だった。
 国や地方自治体に義務づけられた障害者の「法定雇用率」は、当時2・3%(今年4月から2・5%)だった。厚労省は「行政機関は2・49%を達成した」と誇っていたが、実際は1・19%にすぎなかった。
 共生社会の推進役となるべき国が障害者の働く機会を奪っていたことに、強い憤りを感じる。差別がまかり通っていた事実は深刻といわざるを得ない。
 水増しは恒常化していたとの指摘がある。各省庁は判で押したように「故意ではない」と釈明するが、納得しがたい。過去にさかのぼって調べ、なぜ長期間続いたのかを明らかにし、厳しく責任が問われるべきだ。
 自治体の調査も急がれる。これまでに25県と5政令都市で不正が明らかになった。兵庫県内では県教育委員会がガイドラインの定める障害者手帳の確認を怠り、自己申告に任せていた。
 ガイドラインの徹底が再発防止の第一歩となるが、民間企業と同様に、行政機関も定期的なチェックを受ける必要がある。法定雇用率を満たさない企業には、事実上の罰金が科せられる。行政にはより厳しい罰則があってもおかしくない。
 政府は障害者の雇用を急ぐという。しかし、行政の現場には障害者に能力を発揮してもらうノウハウに乏しいところも少なくない。障害に対する理解を深める研修など、職場へのきめ細かな支援も求められる。
 毎年、障害者雇用支援月間には障害者の職場定着や登用に実績を上げた企業が表彰される。障害者の自立的な生活を後押しするのが制度の理念だ。その実現のため、拙速な数合わせに終わらせないよう、まずは民間の実践例に学んではどうか。


障害者雇用不正 「共生」への姿勢を疑う
 障害者雇用促進法が定める障害者の雇用割合(法定雇用率)を中央省庁が水増ししていた問題で、政府が調査結果を公表した。
 昨年雇用した障害者数を約6900人と発表していたが、不正に算入していた人数は、全体の半数の3460人に上る。
 2・49%の雇用率は1・19%に半減した。33行政機関の8割に当たる27機関が水増しを行い、17機関は0%台にまで落ち込んだ。
 多くの障害者の働く機会を国が奪ったのも同然だ。
 加藤勝信厚生労働相は「故意か誤解に基づくものか今の段階で判断するのは困難」と述べたが、無責任な言い訳に聞こえる。
 「共生社会」の理念に向き合う政府の姿勢自体が疑われても仕方あるまい。
 政府は、第三者の検証チームを設置し、10月中に再発防止策と、法定雇用率の達成に向けた取り組みをまとめるという。
 障害者や民間企業の信頼回復を図るためにも、不正が横行した背景を徹底的に解明し、当事者の責任を厳しく問うべきだ。
 厚労省の指針は、身体障害者手帳や知的障害者の療育手帳、精神障害者保健福祉手帳を持つ人や、知事が指定した医師の診断書のある人などを雇用率に算入できるとしている。
 この条件を満たしていない人も含めたことについて、指針の理解不足との声が上がっているが、認識が甘すぎる。
 民間を指導する立場にありながら、これほど多くの中央省庁がルールを無視していた実態の深刻さに変わりはない。
 雇用率を単なる数値目標とみなし、体裁を取り繕って済まそうとしたのではないか。
 雇用率を達成した上で、障害者が働きやすい環境を整えるためにどんな施策が必要か、民間と協力して工夫を重ねるのが、行政に求められる姿勢だろう。
 一連の不正を受け、障害者からは「差別があるのでは」と不信の声が上がるのも当然だ。障害者団体など当事者の声に真摯(しんし)に耳を傾け、実効性のある対策を早急に打ち出す必要がある。
 野党は、衆参厚生労働委員会の閉会中審査を求めている。
 障害者を支援する制度の根幹が揺らいでおり、国会も実態解明に乗りだすべきだ。
 気になるのは、水増しが地方自治体にも広がっていることだ。各自治体は、不備はないかチェックを急いでもらいたい。


民間なら罰金1.7億円 障害者水増し“死者”も算入の悪質実態
 国の33行政機関の約8割にあたる27機関で、実際には障害者ではない職員3460人が障害者として水増し算入されていた問題で、中には、過去に死亡した職員を障害者として算入していたケースもあったというから悪質もここに極まれりだ。
 29日の毎日新聞によると、ある省の幹部は「水増しは(障害者雇用促進法が定める)法定雇用率を満たすためだった。死者を参入した以外にも、強度近視の職員を参入したり、健常者の管理職が自分も障害者に含めるよう指示したケースもあった」と証言したという。
 ほかにも「糖尿病」「緑内障」「腎臓がん」「左耳が聞こえない」など、単なる病気でしかない職員を障害者としてカウントしていた。
 民間企業は、毎年6月1日時点で障害者雇用数の報告を求められ、雇用率が達成できなければ、不足者1人につき月額5万円の“罰金”を取られる。民間企業でこんな不正を行えば、企業名を公表され、担当者は当然クビだ。
 27行政機関全体で3460人だから、毎月1億7300万円、年間20億7600万円にのぼる。過去にさかのぼれば、どれだけの“罰金”が累積しているか分からない。下っ端役人のクビだけではすまない事態だ。


障害者雇用半減  不正の背景に迫るべき
 中央省庁が雇用する障害者数を水増ししていた問題で、政府の調査結果が、きのうの関係閣僚会議で報告された。
 昨年雇用したと発表していた約6900人のうち、国のガイドラインに従わず、不正に算入された水増し分は3460人に上る。
 法定雇用率(当時2・3%)を上回る2・49%を達成したと公表していたが、実際は半分以下の1・19%だった。あまりにも、ひどすぎる実態である。
 33ある国の行政機関のうち、8割を超える27の機関で不正が見つかった。実際の雇用率が、0%台に落ち込んだところも多い。
 財務省の文書改ざんなどの不祥事に続き、またもや公的機関への信頼が失墜したといえよう。
 国、自治体、企業などには、一定割合以上の障害者を雇うことが、法で義務付けられているのを、改めて思い起こしたい。国は旗振り役でもある。
 対象者となるかどうかは、原則として障害者手帳で確認しなければならないとガイドラインに定められているが、水増し分は医師の診断書などをもとに障害者数に算入された。チェック機能が、まったく働いていなかったようだ。
 水増し行為は、中央省庁にとどまらず、今月27日までに29府県と7政令指定都市に広がっていたと分かった。滋賀県と県教育委員会も、不適切な算入があったと発表した。
 政府は、中央省庁の幹部らで、秋の臨時国会までに再発防止策をまとめるが、自治体を対象にした全国調査も行う方針だ。
 この際、不正の全容を明らかにして、対策を急ぐべきだろう。
 所管官庁の厚生労働省によると、今年5月に財務省からあった算定方法についての問い合わせを端緒に、問題が発覚した。省庁の一部からは「算定に関する理解不足が原因で、故意ではない」との声も上がっているという。
 しかし省庁には、長時間労働や突発事故の対応などで、自分たちの職場は障害者に適さないとの見方もあり、そうした意識が障害者雇用を軽んじ、安易な水増し行為に及んだともみられる。対策を講じるに当たっては、不正の背景にも迫ってもらいたい。
 法定雇用数を達成できなかった場合、民間企業には納付金の徴収や、企業名の公表などのペナルティーがある。今回の件では、障害者の就労の機会が奪われた可能性もあることを重く受け止め、公的機関でも厳正な対処が必要だ。


障害者雇用水増し調査 国は根本的に姿勢正せ
 こんなことをして、良心が痛まなかったのだろうか。政府がきのう公表した調査で、中央省庁の8割が障害者の雇用率を不正に水増ししていたことが明らかになった。民間の事業者には厳しい指導をしながら身内には甘い「お役所」の姿勢が、浮き彫りになったと言えよう。
 昨年、厚生労働省のガイドラインに反して障害者手帳などを確認せず、雇用率に算入した数は全体のほぼ半数に当たる3460人に上る。実際の雇用率は公表の2・49%の半分にも満たない1・19%になるという。
 障害のある人が働く機会を広げ、自立を支えるのが障害者雇用促進法の理念である。率先して範を示すべき政府が、自らの実態を隠して帳尻を合わせていたことになる。
 障害者雇用率の達成が義務付けられた40年余り前から、こうした運用は常態化していたようだ。本来就業できるはずだった障害者から働く機会を奪った背信行為とも言える。長年放置してきた責任は重い。真剣に障害者雇用の拡大に取り組む気があったのかと疑いたくなる。
 調査によると、国の33行政機関のうち公表より雇用率が下がるのは27機関に上る。うち17機関では雇用率が0%台まで落ち込む。実際の障害者の雇用数が最も大きく減るのは国税庁で千人以上。国土交通省、法務省でも500人以上が不正に加えられていたことが分かった。
 厚労省のガイドラインでは、原則障害者手帳を持つ人を雇用率に算入するよう求めている。ところが実際には「健康診断で異常を指摘された」といった自己申告でカウントするなど担当者が勝手な解釈で算入していたらしい。各省庁は「故意の操作ではない」などと説明している。しかし不正を認識しながら「暗黙の了解」として、省庁全体で目をつぶってきたことが、本当になかったのだろうか。
 同様の水増しは地方でも次々と明らかになっている。菅義偉官房長官は全国の地方公共団体にも調査を指示したが、既に29府県7政令市で不適切な算入が判明した。中国新聞の取材では広島県教委や島根県・県教委などで自己申告を基に数えるなど、ガイドラインに沿わない運用が確認された。調査が進めばさらに広がるだろう。
 障害者の就労機会を保障するという法制度の目的を十分に理解して達成しようとしていれば、こうした運用が常態化することはなかったはずだ。
 日本障害者協議会の理事が「ガイドラインの理解不足や拡大解釈といった理由は通用しない」と批判するのも当然だ。当事者から「深い差別があぶり出された」との声も聞こえる。社会が障害者雇用に消極的であることの表れではないか。
 政府はきのう加藤勝信厚労相をトップとする関係府省庁の連絡会議を開き、再発防止の議論を始めた。秋の臨時国会までに対策を取りまとめるという。だがまずは、不正な算入が長年見過ごされた原因の早急な究明が求められる。その上で水増しによって働く機会を奪われた障害者の雇用を急ぐべきだ。
 政府は法の理念にいま一度立ち返る必要がある。法定雇用率を達成するための数字合わせに終わらず、障害のある人が働きやすい環境をどう整えていくのか考えるのが先である。


障害者雇用 水増しは背信行為だ
 障害者雇用促進法で義務付けられている障害者の雇用割合を国の省庁のほとんどが水増ししていたことが、厚生労働省の調査で分かった。水増しは多くの地方自治体でも発覚している。模範にならなくてはならない公的機関のずさんな対応にはあきれるばかりだ。
 国や自治体に障害者の一定割合以上の雇用を求める制度ができたのは1960年だ。法定雇用率は段階的に引き上げられ、現在2・5%(今年3月までは2・3%)。厚労省は昨年6月時点で、国は約6900人の障害者を雇い、平均雇用率は2・49%で達成しているとしていた。
 だが、調査ではなんとそのうち半数の3460人が対象外だったというから驚く。雇用率も1・19%にすぎない。調査は昨年分だけだが、水増しが長年にわたって常態化していたことは間違いないだろう。
 厚労省は雇用率に算入できる障害者は、原則として障害者手帳を持っている人や医師の診断書がある人と指針で定めている。ところが、各省庁や自治体は、指針はあくまで原則だと拡大解釈し、該当しない軽度の人まで勝手に含めていた。
 障害者の法定雇用率は76年から民間企業にも義務付けられた。現在2・2%(同2・0%)だが、達成していない場合は厳しい指導を受ける。従業員100人超の企業では未達成の人数に応じて納付金が課せられ、悪質な場合は企業名を公表されることもある。
 国や自治体にこうした罰則がないのは、旗振り役として率先して取り組むことが当然視されているからだ。民間より高い雇用率が設けられているのも同じ理由だが、今回の事態は信頼を裏切る行為だと言わざるを得ない。
 厚労省の責任も重い。4年前に所管の独立行政法人で法定雇用率の虚偽報告が分かった際、他の独立行政法人に対しては適正な運用を行っているかを確認したものの、各省庁や自治体については調べなかった。
 障害者雇用促進法の理念は、障害があるかどうかにかかわらず、希望や能力に応じて働ける「共生社会」の実現だ。障害者の活躍の場を広げることは、誰にとっても安全で安心な働きやすい職場環境への改善につながる。
 政府は今後、第三者による検証や自治体への調査も実施し、再発防止策などを検討するという。障害者の法定雇用率はさらに引き上げられる予定だ。改めて法の理念をかみ締め、徹底してもらいたい。


障害者雇用水増し あまりにひどい実態だ
 政府は中央省庁で障害者雇用の水増しが3460人に上るとする調査結果を公表した。昨年雇用したとする約6900人の半数が国のガイドラインに反して不正に算入されていたという信じ難い実態が明るみに出た。国の33行政機関の8割に当たる27機関で不正が行われていたというから驚く。国民を愚弄(ぐろう)する行為であり、行政への信頼は地に落ちたと言わざるを得ない。
 障害者雇用促進法に基づく雇用率制度は、行政機関や企業に一定割合以上の障害者を雇うよう義務付けている。中央省庁の昨年の雇用率は2・49%だったと公表されていた。しかし実態は、知事が指定した医師以外の診断書を基に対象外の人をカウントするなど極めてずさんなものだった。
 実際の雇用率は1・19%に落ち込み、当時の法定雇用率2・3%を大きく下回る結果となった。障害者団体関係者が「ここまでひどかったとは」と憤慨するのは当然だ。日本の障害福祉の歴史に大きな汚点を残すものであり、関係閣僚の謝罪で済む問題ではない。
 省庁の算定の誤りについては「故意か誤解に基づくものなのか、現段階での把握は困難」としている。水増しは身体障害者の雇用が義務付けられた1976年当初から行われていたとみられる。厚生労働省作製のガイドラインを参照すれば該当者かどうか容易に把握できるだけに、誤解だったという言い訳が通用するはずはない。
 詳しい実態を明らかにしない限り国民の不信感は増幅するばかりだ。政府は、各省庁の障害者の雇用率を法定目標値まで引き上げることはもちろん、なぜ不正が常態化してしまったかなど全容を解明し、速やかに説明する必要がある。
 社会の一員として活躍することを目指して努力している障害者たちへの背任行為でもある。不正行為により、本来は就業できるはずだった多くの障害者の働く機会が奪われていたことになる。率先して雇用を進めるべき国が犯した罪はあまりにも重い。
 現在、国の行政機関だけでなく、多くの県や市町村などの地方自治体でこうした水増しが行われていたことが表面化している。秋田県でも手帳や指定医の診断書を確認しないまま障害者雇用数に計上していた。手帳の有無は本人の申告に基づいたという。現在、本年度雇用している障害者73人(知事部局)全員について算入該当者かどうか調査している。
 障害者の雇用を義務付ける民間企業についても、障害者の雇用状況を報告書として提出させる仕組みだ。障害者雇用に該当するかどうかを確認する作業は行政、企業任せというのが実態といえる。雇用制度の仕組み自体に大きな欠陥があることは明らかであり、不正が起きないよう適正に運用させるため抜本的な見直しが求められる。


障害者雇用水増し 国の「差別」徹底解明を
 国が率先して障害者を差別してきたと言うほかない、深刻な事態だ。中央省庁の障害者雇用水増し問題で28日、政府が調査結果を公表。昨年6月時点で雇用していた約6900人のうち、水増しは半数以上の3460人に上った。
 千人以上を水増ししていた国税庁をはじめ、国の33行政機関のうち27機関で不正。当初公表していた雇用率は2・49%だったが、実際は1・19%で、当時の法定雇用率2・3%を大きく下回った。
 国は率先して障害者を雇用し、民間企業に雇用を働きかける立場。厚生労働省のガイドラインでは、原則として障害者手帳を持つ人を雇用率に算入するよう求め、例外は都道府県知事が指定した医師らが作成した身体障害の診断書など一部に限られる。
 だが、手帳の確認をせず雇用率に算入するなど、実態は極めてずさんだった。背景には拘束時間の長さや国会対応など、突発的な仕事が多い特性があったとされる。
 水増しは、1976年に身体障害者の雇用が義務化された当初から40年以上にわたり繰り返されてきた。雇用されるはずの多くの障害者の夢を奪い、真面目に雇用増に取り組んできた民間企業の努力を裏切り続けた国の罪は重い。一連の経緯の徹底検証を抜きに、地に落ちた信頼回復はあり得ない。
 水増しは採用担当部門だけの問題か、上層部の関与はあったのか。厚労相は「算定の誤りが故意か誤解に基づくものなのか、現段階での把握は困難」と述べたが、そもそも厚労省は何をしていたのか。2014年に独立行政法人「労働者健康福祉機構」が雇用率を偽って国に報告していたことが発覚した時点で、各省庁を調査していれば、水増しをチェックできたはずだ。
 雇用率水増しに限らず、障害者雇用施策全般にわたる検証も必要だ。業務中に介助が必要だったり、自力での通勤が困難な障害者に対し、配慮できていたのか、怠っていたのかも調べる必要がある。
 中央省庁に端を発した水増し問題は、地方にも波及。各地の自治体で、障害者手帳や診断書を確認せずに雇用率に算入していたことが次々に明らかになっている。
 国は再発防止に向けたチェック機能の強化、法定雇用率の速やかな達成のため、厚労相を議長に、省庁の官房長らで構成する連絡会議を設置し、10月をめどに対策を取りまとめる方針を示した。だが、内輪の会議で取りまとめる対策に、どれだけの実効性があるか疑問だ。
 障害当事者を交えた協議の場を設け、再発防止策を講じるべきだ。障害者を抜きに、障害者のことを決める愚を繰り返してはならない。


障害者数水増し 活躍の場奪った罪は重い
 あまりのずさんさに、改めてあきれるばかりである。
 ごまかしによって、障害者の雇用の機会を奪った罪は極めて重い。再発防止に向け、さらに詳しい経緯や実態の解明を急がなければならない。
 中央省庁が雇用する障害者数を水増ししていた問題で、政府が調査結果を公表した。
 昨年雇用したと発表した約6900人のうち3460人が、国のガイドラインに反して不正に算入されていた。2・49%としていた雇用率は1・19%と半減した。
 不正を行っていたのは、国の行政機関の8割に当たる27機関に上る。障害者雇用の旗振り役であるはずの行政機関がそろって、その自覚を欠いていたと言っていい。
 安倍晋三首相が掲げる「1億総活躍社会」とは到底相いれない、足元の省庁の重大な失態といえる。
 今回公表されたのは、昨年の数字だ。水増しは長年にわたって続けられてきたことが判明している。これまでに働く機会を奪われた障害者の数は、一体どれほどになるのか。
 雇用の水増しは中央省庁にとどまらず、全国の自治体でも発覚している。
 本県でも湯沢町で障害者手帳などを確認せず、職員の障害の程度を勝手に判断して雇用率に算入していた不適切な対応が、新潟日報社の取材で分かった。
 水増し問題を受け、障害者団体からは「対象でない人を都合のいいように障害者としてカウントし、結果として本来雇われるべき人の権利を奪った」などと、障害者軽視を憤る声が上がっている。
 政府をはじめ行政機関全体が真摯(しんし)に受け止め、反省を深く胸に刻んで改善に取り組んでもらいたい。それなくして信頼の回復はあり得ない。
 疑問が拭えないのは、なぜ中央、地方を問わず行政機関で、似たようなやり方の不正が行われてきたかだ。
 障害者雇用促進法は、働く人のうち一定割合以上を障害者とするよう義務付けている。対象は原則として、障害者手帳を持つ人らである。厚生労働省は制度を周知するため、ガイドラインを作っていた。
 基準の確認は、それほど難しい作業であるとは思えない。むしろ省庁や自治体は、法律やルールを順守することに対して敏感な組織のはずだ。「なぜ」の疑念が募る。
 政府は雇用水増し問題を巡る関係閣僚会議の下に、中央省庁幹部でつくる連絡会議や弁護士ら第三者による検証チームを設置し、問題の検証などに当たることにしている。
 10月までに、再発防止策や障害者の雇用確保策を取りまとめる方針だ。
 障害者雇用をけん引すべき省庁や自治体の不正は、障害者や関係者に大きなショックを与えた。不正の根本的な原因はどこにあるのかを徹底的に調査し、実効性を伴った対策を構築するよう求める。


障害者雇用水増し/真相究明し再発防止策を
 中央省庁が法律で義務付けられた障害者の雇用割合(法定雇用率)を偽っていた問題で、国税庁や国土交通省など国の行政機関の8割、27機関で雇用水増しが行われていたとの調査結果を政府が公表した。昨年時点で雇っているとされた約6900人のうち3460人は水増しで、実際の雇用率は法定を下回る1.19%だった。
 働く喜びを通じ、障害のある人の自立を支えるのが障害者雇用促進法の理念だ。「経済社会を構成する労働者の一員として、職業生活で能力を発揮する機会」の実現をうたうが、率先して範を示すべき「官」の背信に、条文がむなしく響く。
 雇用水増しは地方自治体でも発覚が相次ぎ、全容はつかめていない。意図的に数字を操作したのか、法令解釈の誤りなのかも判然としない。政府は第三者の検証チームで調べる方針だが、役所任せにせず、国会での閉会中審査で真相究明に当たるべきだ。
 水増しの陰で働く機会を失った障害者は怒りで言葉もないに違いない。雇用率達成に努めてきた民間企業にすれば、冷や水を浴びせられた思いだろう。国の不祥事が民間の雇用意欲をそぐことにつながってはならない。
 1960年に身体障害者雇用促進法が制定。76年、事業主に雇用が義務付けられた。対象は知的障害に広がり、今年4月には精神障害が加わった。法定雇用率も徐々に引き上げられ、現在は国や地方自治体で2.5%、民間企業で2.2%だ。
 雇用率に算入できる障害者は、厚生労働省のガイドラインでは、身体障害者手帳、知的障害者の療育手帳、精神障害者保健福祉手帳で確認することが原則で、例外的に指定医による診断書も認めている。だが手帳所持の確認を怠っただけでなく、「視力が弱い」などの場合でも算入していたケースが判明している。
 一部の省庁からは「厚労省のガイドラインが分かりにくい」との言い訳が漏れ聞こえ、誤った拡大解釈がまかり通っていたようだが、法令に基づいて業務を執行する公務員の弁とは思えない。一方で、雇用政策をつかさどる厚労省が他省庁を詳しく調査した形跡も見られない。「お上」同士のなれ合い意識はなかったか。障害者団体が「根底に差別意識があったのでは」と疑うのも当然だ。
 民間企業の場合、雇用率に届かないと1人当たり原則月5万円を納付する決まりがあるが、中央省庁にはこうした仕組みはない。省庁の雇用実態をチェックし、不正にはペナルティーを科す仕組みを整えるべきだ。
 そもそも法定雇用率の制度は現状のままでよいのか。例えば難病患者らは手帳の取得が難しく、制度の枠から外れてしまう不備が指摘される。同様の制度を持つドイツでは5%、フランスは6%と日本より高い目標を掲げている。
 宅配便事業の生みの親でヤマト運輸会長を務めた故小倉昌男さんは、障害者福祉にも尽力した。生前、政府の会議に呼ばれ「障害者は能力が劣ると経営者は思いがちだが、実際に雇ってみると、社員に思いやりが生まれ、本業にもいい影響が出た」と語っていた。障害者雇用の理念に立ち返り、真相の究明と再発防止策の確立が急がれる。


障害者雇用水増し 働く機会奪った国の責任は重い
 中央省庁の障害者雇用水増し問題で、政府が、国の行政機関の8割に当たる27行政機関で3460人を不正に雇用率に算入していたとの調査結果を公表した。2.49%としていた雇用率は1.19%に大幅に減り、観光庁など17行政機関では0%台に落ち込んだ。
 これほど大規模な不正算入が常態化していたことにがくぜんとする。算入対象外の人を加えることで、本来働けるはずだった障害者の雇用機会を奪った国の責任は極めて重い。地方自治体でも水増しは少なくとも愛媛県など29府県と7政令指定都市で発覚している。実態解明を急ぐとともに、障害にかかわらず希望や能力に応じて働ける場所を確保する「共生社会」の理念に立ち返り、制度を一から見直さなければならない。
 不正算入は、原則として必要な障害者手帳の確認をしていなかったり、指定医ではない医師が作成した診断書を基にしたりと、厚生労働省のガイドラインに反した手法で行われていた。制度の理解不足を原因に挙げる省庁が多いが、釈然としない。障害者手帳の取得要件に該当しない「視力が弱い」といった職員を算入していた例もあった。法定雇用率を達成するための故意の操作や、粉飾の疑いは拭えない。
 加藤勝信厚労相は、「故意か理解不足によるものか、今回の調査では判断しきれない」として、弁護士ら第三者による検証チームなどを設けることを表明した。なぜ、これほど多くの省庁で不正が行われたのか。経緯や背景を含めて原因究明が急務だ。法定雇用率を達成できなかった一定規模以上の民間企業のみに課せられていた「納付金」を、国や自治体に導入することも検討が必要だろう。各省庁の報告に対するチェック機関の設置も欠かせない。
 障害者が働く環境についても改めて点検したい。厚労省は、職場で雇用主や上司から虐待された障害者が、2017年度は597事業所で1308人に上り、13年度以降、最多となったとの結果をまとめた。虐待の種類別では、最低賃金を下回る時給で働かせるなどの経済的虐待が千人を超えて最も多く、暴言などの心理的虐待が続いた。これでは障害者の働く意欲をそいでしまう。
 また、企業間では障害者の採用競争が激しさを増し、健常者と同様にパソコンの事務作業ができる車いすの障害者が取り合いとなるなど、障害種別の雇用に偏りが出ているとの指摘がある。数値目標達成ありきの弊害を、政府は認識すべきだ。
 重要なのは、障害の特性に応じて力を発揮することができる環境の整備だ。公務員の場合、障害者だからこそ、弱者に寄り添った町づくりなどにアイデアを出すこともできよう。いまだに根強い障害者に対する先入観を取り除き、誰もが活躍できる社会をつくることが、真の目的であることを再確認したい。


【障害者雇用不正】「理解不足」は通用しない
 障害者を軽視したずさんな実態にあきれる。あきれるばかりではなく、障害のある当事者や民間企業は怒りが大きいに違いない。
 中央省庁が雇用する障害者の数を水増ししていた問題で、政府が調査結果を公表した。
 昨年6月時点の雇用を発表していた約6900人のうち、不正に算入していた人数は半数を超える3460人に上った。2・49%としていた障害者雇用率も、実際は1・19%と法定雇用率(当時2・3%)を大幅に下回った。
 水増ししていたのは国の行政機関の8割に上る。障害者雇用率制度を所管する厚生労働省から法務省、会計検査院などにも広がり、問題の根深さをうかがわせる。
 障害者団体の役員は「国は多くの障害者の雇用の機会を奪い、人生を左右してしまった可能性がある」と言う。憤りは当然である。
 長年にわたって水増しが行われてきた背景には、政府内には不正はないという認識でチェック機能を設けなかった身内への甘さがある。
 各省庁は毎年6月の雇用者数を厚労省に報告する義務はある。だが、報告内容の真偽を確認する仕組みがないというずさんさだった。
 厚労省のガイドラインでは、制度の対象者は障害者手帳での確認が原則で、指定医の診断書や意見書で確認できる場合もある。ところが、指定医以外の無効な診断書が使われたり、健康診断で異常が見つかった職員を障害者と見なしたりしたケースが既に分かっている。
 各省庁は、「意図的な不正ではない。法令解釈の誤りが原因」という釈明を繰り返している。発覚が広がった高知県など地方自治体でも「水増しの意図は全くなかった」と同じような説明が行われている。
 しかし、法制度の趣旨に基づき、率先して範を示すべき公務職場である。制度の理解不足という言い訳は通用するものではあるまい。
 国は制度の理念について、事業主向けの資料で「障害者がごく普通に地域で暮らし、地域の一員として共に生活できる共生社会の実現」を掲げている。民間企業には納付金や企業名公表という罰則もちらつかせ、雇用を促してきた。
 民間企業の法定雇用率は今年4月から2・2%に拡充された。各企業にとってもよい人材を確保し、適材適所に配置するための努力や工夫が求められている。
 高知県内の中小企業も、単独では希望者が集まらず、ハローワークの合同面接会で数十人を面接して雇用している。それでも雇用者の勤務時間が不足する場合などは、1人不足するごとに月5万円の罰金を厳しく科せられてきたという。
 失墜した「旗振り役」の信用を取り戻すのは容易ではない。
 国は民間に示してきた理念を自らに突き付け、原点に戻るしかあるまい。水増しの経緯や実態を徹底して検証し、チェック機能の強化と真の雇用率達成を急ぐべきだ。


[障害者水増し] なぜ放置し続けたのか
 障害者雇用の水増し問題で、中央省庁が昨年雇用したと発表していた約6900人のうち、国のガイドラインに反して不正に算入されていた人数が3460人に上ることがわかった。
 きのう開かれた関係閣僚会議で報告された。半数以上が不適切な計上であったことに、あらためてがくぜんとする。
 政府は問題の検証やチェック機能の強化のため、中央省庁の官房長ら幹部で構成する連絡会議を開催。弁護士ら第三者による検証チームも設置する。
 なぜこのようなずさんな運用が放置されてきたのか。信頼回復のためには、実態解明と責任の所在を明らかにすることが欠かせない。早急に雇用率に満たない人数を雇用する努力をするべきだ。
 厚生労働省は昨年6月1日時点の障害者の雇用状況について国の33行政機関全体で、当時の法定雇用率2.3%を上回る2.49%と発表していた。
 しかし、実際は大幅に低い1.19%だった。障害者の支援団体などから「ここまでひどいとは」と憤りの声が上がるのも当然だ。
 不正算入があったのは8割に当たる27機関。最多は、1000人を超える国税庁で、17の機関で実際の雇用率が0%台まで落ち込んだ。
 障害者雇用促進法は、働く人のうち一定割合以上を障害者とすることを義務付けている。
 厚労省は制度を周知するためガイドラインを作成し、原則として障害者手帳を持つ人を雇用率に算入するよう求めてきた。
 だが、実態は指定医以外の診断書などを基に算入していた。ガイドラインに沿って運用すればあり得ない事態だ。身勝手な解釈だったといわれても仕方あるまい。
 加藤勝信厚労相は原因について「故意か誤解に基づくものなのか今の段階で判断するのは困難だ」と述べた。40年以上も不正を正せなかった厚労省の責任は重い。
 障害者雇用水増しの大きな問題点は、本来就業できるはずだった多くの障害者の労働機会を奪った可能性が高いことだ。
 日本障害者協議会は「法を順守しなければならない行政による国民への背信行為だ」と非難する声明を出した。
 水増し問題は地方自治体にも拡大しており、政府による実態調査の結果が待たれる。行政による不正が民間企業に悪影響を及ぼしかねないという点でも、罪が深いと言わざるを得ない。
 国は、障害者の自立的な生活を後押しするという制度の原点に立ち返り、労働、雇用政策の改善に取り組んでもらいたい。


防衛白書 地上イージスありきだ
 今年の防衛白書は、北朝鮮の脅威は米朝首脳会談後も変わらないと記した。脅威をことさら強調することで、安倍政権が推し進めている地上イージス導入を正当化しようとしているのではないか。
 六月のシンガポールでの米朝首脳会談後、菅義偉官房長官が「日本にいつミサイルが向かってくるか分からない、安全保障上の極めて厳しい状況はかつてより緩和された」と述べた政府の公式見解と明らかに矛盾する。
 二〇一八年版防衛白書がきのう閣議に報告された。特に注目すべきは、北朝鮮に関する記述である。
 昨年の白書で、北朝鮮が発射した弾道ミサイルを「大陸間弾道ミサイル(ICBM)級」と分析した上で「新たな段階の脅威になっている」としていた認識を、今年は「これまでにない重大かつ差し迫った脅威」とさらに強めた。
 米朝首脳会談後、非核化実現に向けた動きは停滞しているとはいえ、かつては敵意をあらわにしていた米朝首脳同士が、完全な非核化に向けた意思を文書の形で、明確に約束した意義は大きい。
 だからこそ日本政府も会談後、ミサイル飛来の可能性は低いと判断して迎撃部隊を撤収し、住民避難訓練も中止したのではないか。
 にもかかわらず白書はなぜ「米朝首脳会談後も北朝鮮の核・ミサイルの脅威についての基本的認識に変化はない」と強弁したのか。
 それは、脅威を認めなければ、地上配備型迎撃システム(イージス・アショア)を導入する根拠を失うからにほかならない。
 政府は米国から購入する地上イージスシステム二基を秋田、山口両県の陸上自衛隊演習場に配備して日本全土をカバーする計画で、地元との調整に入っている。
 しかし、導入経費は三十年間の維持・運営費を合わせて二基で約四千六百六十四億円。ミサイル発射装置や用地取得費を含めればさらに膨れ上がる。強力な電磁波による健康被害も心配され、攻撃対象になる可能性も否定できない。緊張緩和の流れの中、白書の説明はとても納得できるものではない。
 地元の懸念を顧みず、地上イージス導入を急ぐ背景に、日本など同盟国に対して米国製武器の購入と軍事費の増額を求めるトランプ米政権への配慮があるとしたら見過ごせない。
 高額の防衛装備品を購入するために、地域情勢を政府に都合よく変えることなど許されない。情勢認識を正し、地上イージスは導入を見合わせるべきである。


防衛白書 文民統制、徹底欠かせぬ
 自衛隊に対する国民の信頼は、文民統制(シビリアンコントロール)が徹底されてこそ得られる。
 しかし防衛省・自衛隊にその意識は乏しい。きのう公表された今年の防衛白書は、それを反映した内容だった。
 昨年以降、文民統制を揺るがす事案が次々発覚した。陸上自衛隊の海外派遣を巡る日報の隠蔽(いんぺい)や、幹部自衛官による国会議員への暴言である。
 白書ではその反省が十分に触れられていない。日報問題は末尾に約4ページ記載しただけで、暴言自衛官の記述はまったくない。
 文民統制への懸念を生じさせた背景の分析と改善策をしっかり説明するのが白書のあるべき姿ではないのか。これでは失った信頼を取り戻す気があるのか疑わしい。
 防衛省・自衛隊は文民統制をどう徹底するのか、明確な形で国民に提示しなければならない。
 防衛省は南スーダンとイラクに派遣した部隊の日報について、当初存在しないと説明していたが、後に見つかったり、データが消されたりしていたことが判明した。
 白書では再発防止策として、日報の保存期間を10年と定め、情報公開査察官の新設によるチェック機能の強化などを列挙した。だが、職員の意識向上といった抽象的な項目も少なくない。
 安倍晋三政権は2015年に防衛省設置法を改正し「制服組」と、「背広組」と呼ばれる内部部局の官僚を対等に位置付けた。
 この制服組の権限強化で組織のチェック機能が低下していないか、改めて検証する必要があろう。
 白書はまた北朝鮮の核・ミサイル問題に関し「これまでにない重大かつ差し迫った脅威」と昨年より表現を強めた。
 その上で地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」導入の必要性を強調している。
 しかし、北朝鮮問題はこの1年間で大きく動いた。米朝は首脳会談で北朝鮮の非核化で合意した。一方で、核開発は継続しているという情報もあり、状況を断定するのは難しいのが実態だ。
 にもかかわらず「危機」を強調するのはイージス・アショア導入ありきの言い分と見られても仕方ない。
 白書では中国の海洋進出も詳述し、防衛力強化の必要性を指摘した。しかし、防衛省に最優先で求められるのは襟を正すことだ。
 自衛隊の最高指揮官である首相は、そのための指導力が問われている。


防衛白書 ご都合主義の危機強調
 装備増強を正当化しようという狙いが見て取れる。
 2018年版防衛白書は、北朝鮮の核・ミサイルの脅威を強調した。危機感をあおることで防衛力の強化を図るやり方は認められない。
 「わが国を取り巻く安全保障環境は一層厳しさを増している」と指摘した。北朝鮮の弾道ミサイル発射などについて「これまでにない重大かつ差し迫った脅威」と記している。17年版の「新たな段階の脅威」より表現を強めた。
 米朝首脳会談で北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が非核化に向けた意思を「明確に約束した意義は大きい」とする一方、日本のほぼ全域を射程に収めるミサイルを数百発保有するなどとして「脅威についての基本的な認識に変化はない」としている。
 背景に、地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」があるのは間違いない。北朝鮮の「差し迫った脅威」に対し、防衛能力を向上させる必要があるとして昨年12月に導入を決めた。
 小野寺五典防衛相は先月、取得費が1基当たり約1340億円になると発表した。当初の約800億円から大きく膨らんでいる。さらに土地造成費や建物の建設費などが加わる。
 搭載が予定される日米共同開発の改良型迎撃ミサイルは迎撃実験の失敗が続いた。必要不可欠な装備か、費用に見合った効果を望めるのか、疑問が拭えない。
 米朝会談後の対応は、ちぐはぐさもある。ミサイル発射に備えるイージス艦の日本海での常時展開をやめ、中四国や北海道の陸上自衛隊駐屯地に展開した地対空誘導弾パトリオット(PAC3)部隊を撤収させた。脅威を強調するのは、ご都合主義ではないか。
 安保政策の転換を進める安倍晋三首相の下、防衛費は年々増えている。19年度予算の概算要求も過去最大となる見込みだ。年末までには新たな防衛力整備の指針「防衛計画の大綱」と、5年間の装備品などを示す「中期防衛力整備計画(中期防)」も決まる。
 敵の射程圏外から反撃できる長距離巡航ミサイルの関連費用が予算計上され、戦闘機が発着できる空母を持つ構想もある。戦後、基本方針としてきた「専守防衛」がますます揺らぐ。野放図に拡大を続けるわけにはいかない。
 安全保障は外交と防衛の両輪で成り立つ。防衛力ばかりが突出してはバランスを欠く。軍拡競争も助長しかねない。対話による事態打開にもっと力を注ぐべきだ。


総裁選めぐり自民党がマスコミにまた圧力文書! 「安倍と石破を同じ分量で出せ」と迫り、石破の露出を潰す卑怯作戦
 一体、何様のつもりだ。なんと、自民党の総裁選管理委員会が昨日、新聞・通信各社に対し、総裁選での「公平・公正な報道」を求める文書を配布したのだ。
 言っておくが、総裁選は一党の代表を決める選挙であり、公職選挙法は適用されない。むしろ総裁選報道で懸念されるのは、自民党だけをクローズアップすることが国政選挙の“事前運動”になりかねないことで、現に過去には総裁選のテレビ報道について「野党の動向も報道すべき」「各政党を公平に」という声があがってきた。
 だが、今回の自民党が求めた「公平・公正な報道」とは、そうしたことではない。実際、毎日新聞の記事によれば、自民党側は〈テレビ局には個別の出演交渉の際に同趣旨の要請をしている〉〈インタビューを含む記事、写真の掲載面積などについて「必ず各候補者を平等・公平に扱ってくださるようお願いいたします」と求めている〉という。
 ようするに、これは安倍首相の対抗馬である石破茂・元幹事長単独のメディア露出を潰すため、新聞・テレビに圧力をかけているのだ。
 これまでの安倍首相のメディア出演といえば、読売新聞や産経新聞、日本テレビ、フジテレビといった御用メディアに登場し、鋭い指摘や疑問が投げかけられない状況で自分の主張を一方的に垂れ流してきた。それが今回の総裁選では出馬表明を引っ張り倒し、さらには告示後には外交日程を入れることで公開討論や演説会の回数も減らさせた。すべて石破氏との論戦から逃げるためだ。
●自民党がテレビ・新聞の総裁選報道に不当介入!「公平・公正」圧力
 党内の代表選とはいえ、今回の総裁選は実質的に次期総理大臣の座を競う選挙だ。しかも、安倍首相は出馬表明で昨年の総選挙の結果をもち出し、「国民のみなさまの負託に応えていくことは私の責任」と述べた。だが、その総選挙後に森友公文書改ざんや加計学園の「首相案件」文書といった大きな疑惑が出てきたのだ。そうであるかぎり、現職の安倍首相は国民の疑問に答え、対抗馬の石破氏と討論して方針を説明する義務がある。
 にもかかわらず、そうした場をもつことなく党内の会合にばかり出席し、国民に向かっては「新たな国づくりを進めていく」などという中身のない薄っぺらな出馬表明しかしていない。そればかりか、立候補者として安倍首相の政策を批判する石破氏を口封じしようと言うのだから、恥知らずにも程がある。
 そもそもこの総裁選では、約6年にわたる安倍首相の政権運営や政策などについてあらためて広く検証される必要があるのは当然の話だが、この調子だと、そうした当たり前の検証さえ「石破氏を利する報道だ」などと不当な横やりを入れてくる可能性は高いだろう。
 しかも、最大の問題は、メディアに圧力をかけて石破氏が主張する場を潰そうという、そのやり口だ。
 ご存じの通り、安倍首相は2014年の総選挙前に出演した『NEWS23』(TBS)での街頭インタビューに対して「厳しい意見を意図的に選んでいる」と陰謀論まがいの主張をまくし立て、その2日後、在京テレビキー局の編成局長、報道局長宛てに〈公平中立、公正な報道〉を要求する文書を送りつけた。「自民党に批判的な報道をするな」と圧力をかけたのだ。
 実際、この脅しは効果てきめんで、その後、選挙以外でも安倍政権に対する批判はどんどんと影を潜めていった。こうした状況に、国連特別報告者であるデイヴィッド・ケイ氏(米・カリフォルニア大学教授)は「政府による『中立性』と『公平性』への絶え間ない圧力が、高いレベルの自己検閲を生み出しているように見えます」(「国際連合広報センター」ウェブサイト2016年4月19日付より)と警鐘を鳴らしている。
6年も政権に居座り続け、一切の批判も検証も許さない安倍首相の異常
 そして今回、公職選挙法も適用されない党代表選挙で、相手候補の露出を抑え込むために、放送法があるテレビだけではなく新聞にまで、なんの根拠もない不当な圧力をかけた。──もしこれでメディア側が露出しない安倍首相に合わせるかたちで石破氏の主張を取り上げないようなことになれば、約6年にも及ぶ安倍政権に対する批判や検証が一切封じ込められることになりかねない。
 それは、安倍首相が3選を果たした場合の近い将来を先取りするものだ。すでに安倍陣営は石破氏に対し支持者を含めて「党内で干す」ことをちらつかせているが、社会の公器であるメディアを恫喝によって言いなりにする選挙となれば、今後、安倍首相に楯突いて総裁選に出馬しようという議員はいなくなるだろう。このままでは3選どころか、安倍首相の体力が尽きるまで総裁の座に居座りつづけることになってもおかしくはない。
 さらに、こうやってメディアに圧力をかけ、批判的な報道を封じたかたちで、憲法改正の国民投票を迎えることは容易に想像できる。
 権力を笠に着て、自分の欲望のためにはどんな汚い手でも平気で繰り出す安倍首相。こんな人物を総理大臣にのさばらせていていいわけがないだろう。


SNSで大拡散 安倍首相「#ケチって火炎瓶」で総裁選窮地に
 安倍首相が総裁選への出馬を正式表明。それを伝える26日の産経新聞政治面に「だから安倍晋三政権は強い」という新刊広告がデカデカと載っていた。著者は同紙政治部の阿比留瑠比編集委員。安倍の総裁選出馬に合わせたかのようなタイミングだ。
 今月に入り、内閣官房参与の谷口智彦氏が書いた「安倍晋三の真実」、「月刊Hanada」の特別特集「安倍総理と日本を変える」など、安倍礼賛本が次々と出版され、本屋の店頭に平積みされている。
 6年前の総裁選直前もそうだった。12年8月に安倍首相と親しい文芸評論家の小川榮太郎氏の著書「約束の日 安倍晋三試論」が出版され、新聞広告や電車の中吊り広告で大々的に宣伝されていた。
「こういう時期にヨイショ本の刊行が相次ぎ、広告がバンバン打たれるのは、党員・党友に向けたあからさまな選挙活動と見られても仕方ない。総裁選は公選法の適用外とはいえ、特定候補の選挙活動に加担する新聞社の姿勢には疑問を感じますが、幹部が首相と頻繁にゴルフや食事を共にしている大メディアは、完全にコントロール下に置かれているということでしょう」(政治ジャーナリスト・山田厚俊氏)
■SNSの拡散は止められない
 もっとも、麻生財務相が「新聞を読まない世代は全部自民党(支持)」と言っていたくらいだから、新聞広告を使って「安倍スゴイ」をアピールしたところで、効果は限定的かもしれない。それに、既存のメディアはコントロールできても、SNSの拡散を止めることは不可能だ。
 総裁選を機に、安倍首相の古傷が蒸し返され、ツイッター上ではお祭り騒ぎになっている。99年の下関市長選で、安倍事務所が暴力団に対立候補の中傷ビラまきを依頼して選挙妨害、500万円の報酬を300万円に値切ったため、自宅に火炎瓶を投げ込まれたとされる事件だ。
 今年7月17日の参院内閣委で、自由党の山本太郎共同代表もこの事件について“暴力団との関わり”を追及。火炎瓶を投げ込まれたことは、公判記録もある揺るぎない事実だ。「#ケチって火炎瓶」のハッシュタグも誕生し、SNS上で大流行している。
 安倍首相が出馬表明した直後の26日夜も、「#ケチって火炎瓶」の一斉ツイートが行われ、トレンド入りしていた。党員・党友の目にも飛び込んでいるはずだ。火炎瓶は消火できても、ネットの炎上はなかなか鎮火しそうにない。


携帯電話料金  見直しは利用者第一で
 利用者第一の視点で論議すべきではないか。
 野田聖子総務相は、携帯電話やインターネットに関する規制や政策を包括的に見直すよう、情報通信審議会に諮問した。
 格安スマートフォンを含めた携帯電話市場の競争を促し、値下げなど利便性の向上を図ろうという狙いがある。
 審議会は来年12月に最終答申をまとめる予定だ。それを受け、総務省は電気通信事業法の改正を検討することにしている。
 総務省はこれまで格安スマホ事業者の市場参入を後押ししてきたが、そのシェアは約1割という。
 要因は、NTTドコモなど大手3社が市場の9割を占め、価格競争が起きにくいことにある。
 日本の携帯電話は3社の寡占で外国に比べ、料金が高止まりしたままとされる。総務省は2015年に引き下げを求め、各社は割安プランを導入したが、業界全体では大きな値下げに至っていない。
 携帯電話は今や1人1台超の時代となり、生活に欠かせない機器だ。ただスマホの急速な普及で家計負担は増している。総務省の調査では昨年の世帯当たりの通信料は年10万円を初めて超えた。
 菅義偉官房長官が先ごろ、「4割程度下げる余地がある」と発言したことで、政府として大幅な値下げを促す可能性も指摘される。
 とはいえ通信料金は自由化されており、政府に強制力はない。
 大手3社は値下げに消極的だ。
 毎年、基地局の維持などに数千億円の設備投資をしており、今後は次世代通信規格「5G」への投資も控える。
 だが各社とも高い利益を上げているのは確かで、利用者にもっと還元できないか改めて検討すべきだ。別々に行っているインフラ整備の共同化などで投資を抑えれば値下げに回す余地もあろう。
 自らの企業活動が強い公共性を帯びていることを自覚してほしい。来年は楽天が市場参入する。健全な価格競争を期待したい。
 料金の見直しでは利用者の利便性の観点を重視し、サービスの多様化が進むよう方向性を探るべきだ。政府は競争環境を整え、寡占の是正に取り組むことが求められる。
 中古端末の利用促進や格安スマホ業者の振興策、スマホの使える回線を制限する「SIMロック」の在り方も検討課題だ。
 新規参入を促すため、格安業者が大手に支払う接続料を見直すなど、関係する制度の透明化を一層図る必要がある。


枝野の「薩長同盟」批判は間違ってない、安倍首相の薩長びいきのほうが異常だ! 賊軍差別の影響は現在にも…
 26日に自民党総裁選への出馬表明をした安倍首相。本サイトでもお伝えしたように、鹿児島でNHK大河ドラマ『西郷どん』を意識したお寒いシロモノだったが、つくづく呆れるのはこの宰相の“薩長史観プロパガンダ”だ。
 安倍首相はこの出馬表明の直前、党の会合で「ちょうど今晩のNHK大河ドラマ『西郷どん』(のテーマ)は『薩長同盟』だ。しっかり薩長で力を合わせ、新たな時代を切り開いていきたい」と講演していたという。
 周知の通り、安倍首相は長州藩の末裔であり、晋三の“晋”の字が長州藩士・高杉晋作に由来するというのは有名な話。本人も幾度となく“長州の血統”を誇示しながら明治政府を礼賛してきたが、それにしても、総裁選に『西郷どん』を利用したうえで「薩長で力を合わせ、新たな時代を切り拓いていきたい」って、薩長を中心とした討幕側が幕府側を蹂躙した日本の近代史を知っていれば、そんなことを軽々しく口にはできないはずだ。一国の首相として恥ずかしすぎるだろう。
 当然、すぐさま反発の声が上がった。たとえば立憲民主党の枝野幸男代表は27日、安倍首相の「薩長で切り拓く」発言についてこう指摘したのだ。
「わが党には鹿児島選出もいる一方で、(薩長と対峙した)福島の人間も、奥羽越列藩同盟の地域だった人間もいる。わが国を分断するような、国全体のリーダーとしては間違った言い方だ」
 内戦に勝って「官軍」と呼ばれた長州の末裔が「薩長で新たな時代を切り開く」と宣言すれば、大勢の戦死者を出した会津ら幕府側の存在を完全にネグることになるのだから、当然の批判だろう。
 ところが、こう批判した枝野代表に対して、ネット右翼や安倍応援団メディアは猛バッシング。たとえば夕刊フジは〈あきれるような低レベルの攻撃〉と枝野氏をなじり、〈これは、NHK大河ドラマ「西郷どん」を意識しながら、幕末に国家の危機に目覚めて手を組んだ長州と薩摩のように、現代の世界やアジアの危機に日本人も目覚めて、協力してほしいという思いを込めたとみられる〉なる安倍首相擁護を展開した。
●安倍首相が礼賛する薩長は、残虐行為で国家転覆を果たしたテロリスト集団
 まったく、お話にならないとはこのことだ。だいたい「幕末に国家の危機に目覚めて手を組んだ長州と薩摩」なるイメージ自体が“薩長史観”そのものだろう。言っておくが、これは明治政府が自分たちの正当性を主張するためにつくりあげたフィクションにほかならない。
 いい機会だから説明しておくが、そもそも明治維新は「薩長を中心とした維新志士たちが、守旧派の幕府側に権利を奪われていた庶民を解放し、日本を西洋諸国と並び立つ近代国家へと導いた」という認識で語られがちだが、事実に即して言えば、薩長とは国家転覆(暴力革命)を成功させたテロリスト集団なのである。
 実際、幕府要人(大老井伊直弼など)の暗殺はもちろん、幕府に協力的とみた商人に対しても略奪や放火などの犯罪を尽くし、さらに戊辰戦争で江戸に攻め入った際にはときに面白半分で庶民まで斬殺していた。これは当時の記録からも明らかになっている。そして、明治新政府以降も薩長ら「官軍」は会津ら「賊軍」を差別し続けた。あの靖国神社がいい例だろう。
 周知の通り、靖国神社の起源は、戊辰戦争での戦没者を弔うために建立された東京招魂社であり、この時に合祀されたのは「官軍」側の戦死者だけだ。西郷隆盛もまた、西南戦争で新政府に刃向かって「賊軍」とされたがゆえに祀られていない。
 もっとも、靖国神社が大好きな安倍首相が、この事実を知らないはずがないだろう。それでも、長州出身の総理大臣が「薩長で新しい時代を切り拓いていきたい」と抵抗感なく嘯いてしまえるのは、まさに安倍首相が国民を「敵」と「味方」に峻別する政治をしているからではないのか。その意味でも枝野氏の「日本を分断するような間違った言い方」という指摘はまったく正しいと言うほかないだろう。
安倍首相は1月の施政方針演説でも薩長礼賛、賊軍差別をなかったことに
 今回だけのことではない。安倍首相による今年1月の施政方針演説を思い出してほしい。安倍首相は冒頭から「150年前、明治という時代が始まったその瞬間を、山川健次郎は、政府軍と戦う白虎隊の一員として迎えました」と、会津藩出身で東京帝国大学の総長を務めた山川健次郎を持ち出し、こう述べた。
「しかし、明治政府は、国の未来のために、彼の能力を活かし、活躍のチャンスを開きました」
「官軍」側の安倍首相が、わざわざ「賊軍」の山川健次郎を持ち出して「明治政府は賊軍の人間にもチャンスを与えてやった」と極めて上から目線で演説をぶったのである。
 印象操作も甚だしい。たしかに、山川は戊辰戦争後、長州藩士・奥平謙輔のもとに身元を預けられ(ちなみに奥平謙輔はのちに萩の乱の首謀者の一人として斬首された)、国費でアメリカへ留学、名門イェール大学で学んだ帰国後は、科学者として研究や後進育成に励んだ。だが、“明治政府は賊軍を受け入れてやった”と言わんばかりの安倍首相の主張は明らかに欺瞞だ。少なくとも、山川ら会津が薩長らから受けた仕打ちを考えれば、そんなことは口が裂けても言えないはずだろう。
 薩長を中心とした討幕軍と明治新政府軍が、実のところ残忍なテロ集団であったことは前述した。そして、戊辰戦争において熾烈を極めたのが、「最大最悪の戦闘」と語り継がれる会津戦争だ。
 なかでも鶴ヶ城では会津藩の非戦闘員を含めた多数が約1カ月間に及ぶ籠城戦を展開。当時10代だった山川も家族とともにこの籠城戦に参加した。新政府軍からの苛烈な攻撃と食料や医療品の困窮で、城内は壮絶な状況となった。山川も編集に携わった史書『會津戊辰戰史』にはこのように記されている。
〈(前略)戦酣(たけなわ)なるに及び病室は殆んど立錐の地なきに至り、手断ち足砕けたる者、満身糜爛したる者、雑然として呻吟す、然れども皆切歯扼腕敵と戦はんとするのを状を為さざる者なし、而して西軍の砲撃益々劇烈なるに及びては、榴弾は病室又は婦人室に破裂して全身を粉砕さられ、肉塊飛散して四壁に血痕を留むる者あり、その悲惨悽愴の光景名状すべからず。〉(引用者の判断で旧字体を新字体に改めた)
 壁に肉片までが飛び散っているとは、まさに惨烈と言わざるをえないが、新政府軍は城内から逃れてくる兵士や民間人を捕まえ、場内の様子を聞き出しており、その危機的状況を知りながら交渉を閉ざして、砲弾を撃ち続けた。そして、会津が降伏した後も、新政府軍は「賊軍」の遺体の埋葬を禁じ、一種の見せしめとして放置した。城下には、会津人の朽ち果てた亡骸が散乱していたという。
 しかし、会津にはさらに過酷な運命が待っていた。新政府軍の戦後処理は、会津藩領を没収し、ほぼ全員を青森の下北半島へ流刑に処すというものだった。不毛の地で寒さや貧窮にあえぎ、子どもや老人が次々と亡くなったという。その後の薩長閥中心の明治でも、会津は辛酸を舐めさせられつづけた。
原発の立地は賊軍地域に集中! 現代もなお色濃く残る賊軍差別の影響
 言うまでもなく、明治政府の中心は薩長閥が占め、一般的に「賊軍」出身者に対する差別的扱いがあったという。近代史家・作家の半藤一利氏によれば、「賊軍」とされた藩は明治になってから経済的に貧窮しており、旧士族の子弟の多くは学費のいらない軍学校や師範学校へ行った。しかし、その軍学校を出て軍人になってからも苦労したようだ。
 たとえば健次郎の兄である山川浩は戊辰戦争後に陸軍軍人になったが、大佐から少将に昇進した際には長州閥の山県有朋が「山川は会津ではないか」と不満をあらわにし、以降、「会津人は少将までしか出世させない」という不文律ができたともいわれる。
 いまだ会津若松で長州や薩摩に対してわだかまりがあると感じる人々がいるというのも頷ける話だ。
 また、「賊軍」に対する差別は廃藩置県にも表れているとされる。半藤氏は「東洋経済オンライン」のインタビュー(2018年1月27日配信)で、宮武外骨の『府藩県制史』を紹介しながら、県名と県庁所在地名が違う17の県のうち「賊軍」とされた藩が14あることなどを例に、県庁所在地を旧藩の中心都市から別にされたり、県名を変えさせられるという「賊軍」地方への差別・ハラスメントを指摘。そのうえでこうも述べている。
〈また、公共投資で差別された面もあります。だから、賊軍と呼ばれ朝敵藩になった県は、どこも開発が遅れたのだと思います。
 いまも原子力発電所が賊軍地域だけに集中しているなどといわれますが、関係あるかもしれません。〉
 実際、現在国内にある17カ所54機の原発のうち、13カ所46機が「賊軍」とされた地域にあるという。この事実について検証した「SAPIO」(小学館)17年9月号の記事では、柏崎刈谷原発が位置する新潟県柏崎市役所防災・原子力課の担当者が「明治維新政府の首脳の地元(官軍地域)が発展して、他は開発から取り残されたと考えられなくはない」などとコメントしている。
 いずれにせよ、こうした「官軍」による「賊軍」差別は、明治政府による「正史」の形成によって正当化されてきた。そしてこの歴史観は、明治から戦前にかけての天皇絶対主義、万邦無比の国体思想と混ざり合いながら、グロテスクに“味方”と“敵”を峻別したのだ。
 こうして歴史を紐解けば、「薩長で力を合わせ、新たな時代を切り拓いていきたい」という安倍首相の言葉の軽さが浮き彫りになる。また、施政方針演説で山川健次郎だけを都合よく持ち出し、「明治政府は、国の未来のために、彼の能力を活かし、活躍のチャンスを開きました」と嘯くペテンも明らかだ。何度でも繰り返すが、「長州の血」を誇る安倍首相が嘯く薩長同盟の礼賛は、まさしく国民を敵と味方に峻別し分断する政治的志向の表れとしか言いようがない。


選択を迫られる秋 アベ政権が目指すおぞましい4つの近未来
 アベ政権が目指す近未来の日本が、この夏、ハッキリと全貌を現した。おぞまし過ぎて悲しくなるが、無知は罪なので、あえて書く。当面のゴールが2020年、東京五輪と新憲法の施行のセットに設定されているのは自明として――。
 ̄卆吋廛祖觜饉腟繊事実上の宗主国たる米国の世界戦略の一翼を担うと同時に、軍事力を用心棒とするインフラシステム輸出の国策で外需の開拓・獲得を急ぐ。「強い日本を」と叫ぶアベ政権が10月23日に開く“明治150年”記念式典は、富国強兵・殖産興業の再現宣言の場になるはずだ。
階級社会の徹底。明治礼賛キャンペーンが称揚するのは大日本帝国のアジア侵略だけではない。アベが幾度も演説で引いてきた福沢諭吉の実像は社会ダーウィニズム(優生思想の源流)信奉者に他ならず、長州士族の世襲による藩閥支配を当然視し、百姓町人をブタ呼ばわりさえしていた(筆者の近刊「『明治礼賛』の正体」、岩波ブックレット参照)。アベ自身も15年8月に地元で、明治50年も100年も150年も、節目の年の総理は常に山口県≒長州出身だと発言している(順に寺内正毅、佐藤栄作、アベ)。
0豌総動員体制。“一億総活躍”や“働き方改革”の実態は周知の通りだ。アベ政権にとって国民など己らの野心を満たすための道具でしかない。五輪絡みでは、就職や進学のエサで釣るブラックボランティアに続いて、サマータイムの導入まで検討され始めた。海外では残業の増加や健康被害が報告されており、日本でもそれで断念した経緯がある(1952年)にもかかわらず、だ。
ぅ瓮妊アをフル活用したアベ絶対王朝の確立。サッカーW杯、100回目の甲子園と続いて、一般紙のスポーツ・娯楽新聞化はほぼ果たされた。もはやモリカケ問題など影も形もない。アベ政権の意向とメディア側の金儲け優先が一致した結果だ。権力にオネダリして消費税の軽減税率をゲットした営利企業にまっとうな言論は望めない。いざ憲法改正国民投票となった場合、テレビも新聞も権力側の主張一色に染まるのだろう。いちいち書名は挙げないが、総裁選を控えた最近はアベの個人崇拝を促すヨイショ本も乱発されている。それらの石破茂批判を眺めると、私たちが求められているのは隷従だけなのだとわかってくる。
 いかがだろう。私たちは人間らしく生きたいのか、ただ支配されるだけの人生を望むのか。選択を迫られる秋である。


<問う論じる 改憲の行方>(4完)9条 世界に誇れる考え/芸人 松元ヒロさん
 9月の自民党総裁選は、9条を中心に憲法改正の在り方が争点に浮上している。創作の現場から憲法の今について発言する人々に論議の問題点を聞いた。
 −約20年前から憲法を人間に見立てた一人芝居「憲法くん」を演じている。
<次々と上演依頼>
 「1997年の日本国憲法施行50周年記念のイベントが初演だった。憲法についてコントで分かりやすく伝えてほしいというので、擬人化してみたら面白いんじゃないかと思いついた」
 「『こんにちは、憲法くんです』とあいさつしたり、憲法改正を求める声があることを『リストラされそうなんです』と表現したり。堅苦しくならず、できるだけ分かりやすく台本を作った。一度演じたコントを二度三度と繰り返し上演する機会は少ない。『憲法くん』はなぜか評判がよく、全国各地から上演依頼が来るようになった」
 −コントでは憲法前文をそらんじている。
 「ちょうど台本を考えていた時に、憲法特集のテレビ番組で役者さんが前文を朗読しているのを見た。目で読むと難しく感じるが、音で聴くと意味がよくのみ込める。前文にこそ憲法の魂がこもっているんじゃないかと思い、暗唱して『憲法くん』が訴えかけるスタイルにした」
 −演じ続けて憲法に対する認識は変わったか。
<国民が権力縛る>
 「当初は憲法の何たるかもよく分からず演じていた。ただの法律の親玉ぐらいだと思っていた。一般の法律は刑罰で国民を縛るが、憲法は国民が国や権力を縛るものだ。そこが決定的に違う」
 −自民党が主導する改憲論議の現状をどう見る。
 「冗談じゃない。縛られる側の立場の人が改正を主張するのはおかしい。時代に合わなくなっていると改正の必要性を主張しているが、現実を理想に近づける努力こそが必要。変えるべきなのは、憲法の趣旨に合わない政府だ」
<平和考える時期>
 −3月に改憲4項目が示された。
 「9条に自衛隊を明記することが盛り込まれた。戦争ができる国になってしまうのではないかという危機感が一番強い。平和とは何か、幸せとは何か、破滅の方向に向かわないようにするには何が必要か、一人一人が考えることが必要な時期を迎えている」
 「米国やコスタリカでも『憲法くん』を演じた。9条の条文を読み上げると、聴衆から日本にはこんなに素晴らしい憲法があるのかという反応がある。9条は理想論でも机上の空論でもなく、世界に誇れる考え方だ。自信を持って世界に示すべきだ」
 −今後の活動は。
 「上演を始めた頃は、自分も周りの人々も憲法が改正されることはないと思っていた。昔から常に改憲論はあるが、まさか(改正は)ないだろうと。それがこの20年で現実味を帯びてきたと感じる。人にはそれぞれ役割があり、自分は面白おかしく伝えるのが役目。世界中で『憲法くん』をアピールしたい」(聞き手は東京支社・山形聡子)


持ち家81%の回答から「生活満足」
★今年6〜7月に内閣府が18歳以上の男女に対して行った「国民生活に関する世論調査」によると、現在の生活に「満足している」と答えた人は74・7%と、昨年に比べて0・8ポイント上昇した一方、「不満だ」と答えた人は24・3%と、0・7ポイント減少した。つまり国民は、自身の生活にほぼ満足しているという結果だ。それを裏付けるように、調査を開始した1957年(昭32)以来、最も高い数字という。★少し現実離れした結果に戸惑う。また、「生活はこれから先、どうなっていくと思うか」の問いに「良くなっていく」が9・8%、「同じようなもの」が64・4%、「悪くなっていく」が23・7%と、将来への期待も膨らんでいない。表層的に見れば満足度の高い結果だが、よく読むと、回答者の住まいは持ち家が81・7%、雇用形態も役員が5・8%、正規の職員・従業員が58・3%、非正規の職員・従業員(契約社員、労働者派遣事業所の派遣社員を含む)が35・6%と、サンプルは実体経済というより、少々裕福な印象を持つ。★「月刊日本」9月号で、自民党元幹事長・石破茂はこう言っている。「現在の日本には、平均年収186万円の人たちが929万人もいます。いったい年収186万円でどうやって結婚し、どうやって子供をつくるのか。この中には就職氷河期を経験した人たちもたくさんいます。彼らはすでに40代にさしかかっています。いまはご両親と同居しているから何とかやっていけていますが、ご両親が亡くなったらどうするのか。ここに目を向けないで、何が政治だと言われても仕方がない」。野党議員からはもう何度も指摘されていることだが、初めて自民党の中の声として出てきた。この議論は総裁選では封印されてしまうのか。

国連でロヒンギャ支援訴え 危機1年、親善大使女優ら
 【ニューヨーク共同】国連安全保障理事会は28日、イスラム教徒の少数民族ロヒンギャが迫害され、難民となって国外へ逃れる危機が始まって約1年が経過したミャンマー情勢を協議した。グテレス事務総長や国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)親善大使の女優ケイト・ブランシェットさんらが、ロヒンギャへの支援を訴えた。
 グテレス氏は、ロヒンギャが自発的かつ安全に帰還できる条件はまだ整わないと指摘。迫害の責任追及やロヒンギャ差別の解消が欠かせないとし、「この危機を永遠に継続させてはならない」と呼び掛けた。


ロヒンギャ難民 一日も早く帰還の道筋を
 ミャンマーのイスラム教徒少数民族ロヒンギャとミャンマー治安部隊の衝突が昨年8月下旬に起こってから1年が過ぎた。隣国バングラデシュに逃れた70万人を超えるロヒンギャ難民は、今も命の危険にさらされる状況に置かれたままだ。
 ミャンマー政府がロヒンギャを国民と認めていないため、難民には国籍がない。それが帰還を阻んでいる。国際社会は難民の支援を強化するとともに、ミャンマー政府の説得に力を注ぐべきだ。
 長く軍事政権が続いたミャンマーで2016年にアウン・サン・スー・チー氏が率いる国民民主連盟(NLD)の政権が成立し、民主化の途上にある。当初からロヒンギャ問題は難問とみられていた。ロヒンギャ迫害は宗教や言葉の違いによる差別だけではなく、歴史的背景があるからだ。
 18世紀以前からイスラム教徒は仏教徒と共存していたとみられる。19世紀にインドを植民地支配していた英国との戦争の結果、英国領インドの一部になる。そこへインド東部ベンガル地方から多くのイスラム教徒が入り、定住した。英国はイスラム教徒と仏教徒を反目させる分割統治を進めた。その反発からミャンマー人のナショナリズムがロヒンギャ敵視につながり、独立後に受け継がれている。
 ミャンマーには135の民族が住む。しかし、ミャンマー政府はロヒンギャを英国との戦争以後に入ってきたとして「不法移民」として扱っている。12年には仏教徒による襲撃事件をきっかけにロヒンギャの移動を禁じて隔離し、劣悪な環境に追いやった。そして昨年の衝突が起きたのである。
 東南アジア諸国連合(ASEAN)外相会議は、2日に発表した声明でロヒンギャ問題について「避難民の安全、確実で遅滞のない自発的な帰還」「対立の根本的な原因を解決する必要性」を強調した。内政不干渉を原則としたASEANとしては踏み込んだものだった。
 こうした国際世論を受けて、ミャンマー政府はロヒンギャ迫害を調べる独立調査委員会を設置した。4人のうち2人が外国人で、議長はフィリピンのマナロ元外務副大臣が務め、日本の大島賢三・元国連大使も委員だ。
 複雑な歴史と根深い差別の中で、根本的解決は容易ではない。まずは、危機的状況が続く難民の生活と命を守ることである。そして、ミャンマー国内で人権が保障されるようにすることが必要だ。一日も早く帰還への道筋を付けなければならない。
 日本政府は国際機関を通して難民への財政支援をしている。しかし、それだけでは不十分である。日本は軍事政権時代にも多大な経済援助をしてきた。ミャンマーを投資先として見るだけではなく、人権を尊重する民主国家となるよう促すことも日本の重要な責務である。


さくらももこさん死去
 突然の訃報にショックを受けた方も多いだろう。国民的人気漫画「ちびまる子ちゃん」の作者、さくらももこさんが53歳で亡くなった▼ショックと言えば「顔に縦線」である。まる子が落胆したり、びっくりしたりするときにおでこや目の下に出てくる縦線。昔からある漫画表現だが、さくらさんの描くまる子の表情はとくに印象的だった▼昭和50年頃の地方都市、3世代同居の家族の何でもない日常のやりとりが面白かった。だれにでもありそうな子ども時代の話。それが多くの人に愛されたのは目のつけどころが抜群に良かったからに違いない▼学校の場面ではクラスで目立つ子どもだけでなく、地味な子も欠かせないキャラクターだった。いろいろな友達に囲まれていた子どもの頃を思い出し、笑いながらちょっと切なくなった人もいたのではないか▼一方で詞を手掛けたテレビ主題歌「おどるポンポコリン」はバブル時代を象徴するような楽しさだった。死去は早すぎるが、平成最後の夏の巡り合わせのようでもある▼人前に出ることは少なかったさくらさんだが、1992年に京都でトークイベントがあった。漫画雑誌に入賞して好きなことをして生きていけると分かり「18歳からだったの。それが今でも持続してるんだよね」。まる子そのものだった。

お赤飯/ハガキ落として/お寺の会費/久しぶりの妙

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Japon : l'énigme de la disparition de Tiphaine Véron
La Française de 36 ans a disparu à Nikko, à quelque 150 kilomètres au nord-ouest de Tokyo, le 29 juillet. Sa famille, arrivée sur place le 3 août pour aider les enquêteurs, est repartie ce dimanche avec plus de questions que de réponses.
Sibylle Véron jette un regard interrogateur et triste sur le paysage montagneux de Nikko, ville du nord-est du Japon où sa sœur a disparu le 29 juillet. Forcée de repartir en France, elle a ≪l'impression de l'abandonner à son sort≫. ≪On ne sait absolument pas ce qui a pu arriver à Tiphaine. Quand on est arrivés, on s'est dit qu'on allait repartir avec elle au bout de deux jours, qu'on allait la retrouver, dans un hôpital de la région, mais non, rien≫, se désole-t-elle. ≪On tourne en rond. On n'a pas de voiture, pas le permis qu'il faut.≫ ≪Désespérées≫, elle et sa famille repartent ce dimanche ≪à contrecœur≫, confie-t-elle au Figaro. ≪On va rentrer en France, reprendre nos vies, mais on se sent complètement impuissants.≫
Arrivés le 3 août, après avoir appris sa disparition, Sibylle et ses frères, Damien et Stanislas, ont pourtant remué ciel et terre, littéralement, pour retrouver leur sœur. ≪On a quadrillé la zone, la forêt, les sentiers, on s'est rendus dans tous les temples où elle aurait pu aller, pour essayer de comprendre. On s'est renseignés sur la pluviométrie, on est allés voir les barrages≫, énumère-t-elle.
Partout sur les murs, dans les commerces, sur les vitrines des restaurants de Nikko, une cité très touristique réputée pour ses sanctuaires et temples, est placardé un avis de recherche en japonais et en anglais. ≪On a aussi fait beaucoup de porte-à-porte, pour sensibiliser les gens. Peut-être qu'un jour quelqu'un va se souvenir de quelque chose≫, espère-t-elle, soulignant l'incroyable sollicitude des Japonais et de la communauté française sur place à leur égard: ≪On a reçu de l'argent, certaines personnes nous ont hébergé gratuitement...≫
De son côté, la police a mobilisé chiens, hélicoptère, et drone. Une battue avec 80 policiers a été organisée, une montagne fouillée, des rivières sondées... Sans résultat. ≪Même des alpinistes professionnels sont venus participer aux recherches dans les chemins de montagne≫, précise Sibylle. Plusieurs témoignages sont parvenus à la police mais sans offrir de piste fiable. Il y a chaque année des dizaines de milliers de disparitions au Japon, mais dans la majeure partie des cas on retrouve rapidement les personnes.
≪C'est comme si elle s'était volatilisée≫
Tiphaine Véron, 36 ans et qui vit à Poitiers dans l'ouest de la France, n'a plus été vue depuis le matin du 29 juillet, quand elle a quitté son hôtel où elle devait en tout passer deux nuits. ≪Soyez prudente≫, lui avait alors lancé par politesse le gérant, celui-là même qui, ne l'ayant pas vue revenir, a prévenu la police le lendemain. A l'entrée de cet établissement modeste, figure l'affiche avec deux photos de la Française. Alentour, la nature est belle et invite aux balades, mais celles-ci peuvent rapidement devenir dangereuses avec un sol glissant, surtout après la pluie, comme c'était le cas le 29 juillet.
≪Est-ce que Tiphaine est tombée dans l'eau, s'est perdue dans la forêt, a été enlevée, agressée, on ne sait rien≫, explique Sibylle , perplexe. Tiphaine est épileptique, et même si elle avait sur elle des médicaments, elle a pu être victime d'une crise. Mais ≪il n'y a rien≫, c'est comme si elle s'était ≪volatilisée≫. ≪La piste accidentelle, on ne peut pas l'écarter, mais c'est tout de même bizarre qu'aucun objet n'ait été retrouvé≫, affirme Sibylle au Figaro. Seule certitude, Tiphaine n'a pas disparu dans un typhon, comme cela a pu être évoqué. Renseignements pris, ≪il avait cessé de pleuvoir quand elle a quitté son hôtel≫, affirme Sibylle. Selon sa famille, Tiphaine pouvait en revanche se montrer très confiante dans un pays réputé très sûr, ≪pour lequel elle a eu un coup de foudre, où elle se sentait bien. Elle a pu être abordée par un Japonais sans se méfier.≫
Des panneaux de mise en garde en japonais
Piste accidentelle ou criminelle, ≪les deux sont possibles mais de plus en plus je pencherais pour la seconde hypothèse≫, juge Taihei Ogawa, ex-inspecteur de police, auteur de plusieurs ouvrages sur le travail d'enquête. ≪Malheureusement il y a aussi au Japon des personnes mal intentionnées. Même s'il y a en proportion ici moins de délits que dans nombre d'autres pays, il n'y en a pas zéro≫, avertit l'ancien policier.
Aux abords du petit et désert sanctuaire Takino, l'un des lieux peu connus que Tiphaine avait prévu de visiter le dimanche 29 (selon le plan détaillé qu'elle avait établi et qui a été retrouvé dans ses effets personnels à l'hôtel), figurent des panneaux en japonais: ≪Faites attention, il y a ici quelqu'un qui approche les femmes≫ et un autre faisant état de ≪fréquents≫ incidents. ≪Ce genre de mise en garde, c'est quand même une coincidence intrigante. C'est extrêmement rare au Japon≫, insiste Taihei Ogawa, qui estime que l'hypothèse de l'enlèvement doit être sérieusement étudiée.
L'enquête se poursuivra jusqu'à ce que soit retrouvée Tiphaine Véron, a assuré vendredi à l'AFP une source policière de Nikko. ≪Nous ne pouvons évidemment pas dire tout ce que nous entreprenons, mais, même si ce n'est pas visible comme des battues avec des dizaines de personnes ou des recherches avec un hélicoptère, tout ce que nous pouvons faire, nous le faisons et nous continuerons≫, a assuré cet interlocuteur. Il se peut que cela prenne beaucoup de temps, compte tenu du peu d'éléments disponibles, a-t-il néanmoins reconnu.
Un téléphone silencieux et des caméras muettes
Selon lui, les enquêteurs ne disposent pas à ce jour d'informations nouvelles dont ils pourraient faire état publiquement, ≪mais continuent à investiguer sur les deux pistes, accidentelle et criminelle≫. Les renseignements donnés par les proches de Tiphaine tendent à exclure la fugue ou une action volontaire, souligne-t-il. Sa famille se dit certaine qu'elle n'a pas pu disparaître volontairement, alors qu'elle avait préparé depuis six mois ce voyage de trois semaines dans l'archipel et se réjouissait de le partager via Internet avec ses proches.
Le fait qu'il s'agisse d'une touriste étrangère complique cependant la situation, ≪par exemple pour recueillir auprès des opérateurs de télécommunications les informations relatives à son téléphone portable≫, précise la même source. Ce que confirme Sibylle au Figaro. ≪Les opérateurs en France et au Japon se renvoient la balle au nom de la protection des données, et un opérateur japonais ne peut pas techniquement localiser un téléphone étranger grâce aux antennes relais.≫ Les données de géolocalisation fournies par Google n'ont rien donné et une réquisition est en cours auprès de Facebook. Pas mieux pour les caméras de surveillance. ≪La police a fait un énorme travail de visionnage, explique Sibylle. On retrace assez bien son parcours de samedi jusqu'à l'hôtel, puis plus rien.≫
≪On n'a pas d'autre choix que de faire confiance à la police≫, conclut Sibylle au moment de quitter le Japon. ≪Je pense qu'ils sont mobilisés. On va revenir de toute manière. Il est possible que la police locale collabore avec une entreprise privée spécialisée dans le dragage de rivières, auquel cas Damien reviendra.≫ En attendant, la famille de Tiphaine Véron continuera de suivre l'enquête à distance, par l'intermédiaire d'un interprète et de l'ambassade de France. Ils ont aussi décidé de faire appel à un avocat sur place. Les proches de Tiphaine comptent aussi sur la puissance des réseaux sociaux pour qu'émergent un jour peut-être, un indice, un témoignage.
フランス語
フランス語の勉強?
琉球新報@ryukyushimpo
天気はよくありませんが、「安室ちゃんスクリーン」が完成しました。琉球新報本社ビルの正面に巨大な安室ちゃんがにっこり。1階で開催している展示会では安室ちゃんの上映約35分(全6曲)の映像を見ることができます。大きな安室ちゃんと展示会をぜひご覧ください。#ありがとう安室ちゃん
枝野幸男@edanoyukio0531
安倍総理の薩長同盟発言を単なるリップサービスと言う方がいます。私は、大学で東北地方に行き、また、たまたま妻の母親が会津出身ということで、いまだに語り継がれている戊辰戦争への思いというものを大人になって知りました。
多くの皆さんに、特に「保守」を自認される方には、奥羽越列藩同盟などの側から見た戊辰戦争や明治維新の歴史にも関心を持っていただきたいと思います。


おめでたくもないのにお赤飯.稲庭うどんと.ちょっと不思議です.ランチ食べながらハガキ書きました.さて切手を買って・・・と思ったらハガキがありません.どこかにハガキ落としてしまったみたい.ちょっと恥ずかしいことも書いているから必死になって探しました.無事発見してホッとしました.
お寺の会費が未納になっていた催促状?が出てきました.慌てて郵便局に行って1万円.ゴメンナサイ.
夕方は久しぶりの妙.プルンとした寒天状のお菓子がおいしかったです.

<福島県>富岡、浪江、葛尾、飯舘の仮設住宅20年3月末終了
 福島県は27日、東京電力福島第1原発事故の被災者らに無償提供している仮設住宅(借り上げ型を含む)のうち、富岡町や浪江町など4町村向けについて2020年3月末で終了する方針を明らかにした。帰還困難区域からの避難者も対象で、同区域に関しては初の終了時期明示となる。
 大半が帰還困難区域の大熊、双葉両町は全域避難が続き、役場機能が地元に戻っていないことなどから、終了時期は「今後検討する」とした。
 20年3月末で終了するのは他に葛尾、飯舘両村の帰還困難区域からの避難者。対象は4町村向け合わせて3298戸。災害公営住宅の完成など住民の帰還環境が整ってきたとして、地元自治体と協議して決めた。
 帰還困難区域を除く葛尾、飯舘両村と、南相馬市、川俣町、川内村の旧避難区域からの避難者向け2389戸は1年前の19年3月末で終え、特段の理由がない限り延長しない。
 帰還困難区域を除く富岡、浪江両町と飯舘村、川俣町山木屋地区は17年春、ほぼ同時に避難指示が解除されたが、終了時期が20年3月末と19年3月末に分かれる形となった。
 県の無償提供は、自主避難者向けが17年3月で終了。避難指示が15年9月に解除された楢葉町が今年3月で終わっている。
 内堀雅雄知事は27日の定例記者会見で「今後の生活再建の見通しを早い段階から立ててもらうため」と時期を明示した理由を説明。避難者の住まい確保に向けて「国や避難元の自治体と連携してしっかり取り組む」と述べた。
 郡山市内にある富岡町の仮設住宅で暮らす無職佐藤礼司さん(82)は「いつまでもお世話になるわけにはいかない」と話す。自宅は帰還困難区域にあるため「戻りたいが戻れない。子どもたちも郡山におり、市内で引っ越すつもり。不安はない」と語った。


映画「寝ても覚めても」浜口監督、ロケ地・閖上朝市の仲間に感謝 公開前に訪問
 9月1日に全国公開される恋愛映画「寝ても覚めても」の浜口竜介監督(39)が27日、ロケ地の一つとなった名取市閖上を訪れ、製作に協力したゆりあげ港朝市協同組合の桜井広行代表理事(64)と懇談した。
 うり二つの顔を持つ2人の男性と恋をしたため選択を迫られる女性の物語。昨年8月、主役の東出昌大さん、唐田えりかさんがボランティアとして海産物の販売を手伝い、桜井さんらと並んで打ち上げに参加する場面が撮られた。
 浜口監督は「俳優やスタッフが朝市の仲間として歓待してもらい、ロケを楽しんだ」と感謝した。映画は今年5月のカンヌ国際映画祭でコンペティション部門に出品され、桜井さんは「朝市のシーンがカンヌで映されたのは夢みたい」と喜んだ。
 浜口監督は東日本大震災の被災者に取材したドキュメンタリー3部作や、演技経験のない女性4人を起用した5時間超の長編「ハッピーアワー」を製作し、国際的に活躍する。
 県内では仙台市のMOVIX仙台など3カ所で公開される。


女川港でサンマ初水揚げ
全国有数のサンマの水揚げを誇る女川港で、サンマの水揚げが28日から始まりました。
去年は記録的な不漁でしたが、ことしは好調だということです。
女川町の女川魚市場では、28日午前7時に北海道の沖合からサンマ58トンを積んだ漁船が到着し、漁業者が大きな網でサンマをすくい上げていきました。
女川港では、去年は水揚げ量が9500トンと記録的な不漁となりましたが、ことしは北海道沖の水温が漁に適した環境となり、28日の水揚げは震災前に並んだということです。
水揚げの時期も去年よりも3週間ほど早まり、この10年で最も早くなりました。
価格も求めやすくなり、28日の競りでも、1キロあたり300円から380円と去年より100円ほど安く取り引きされていました。
水産庁が行った資源調査では、ことしのサンマの量は去年の2.4倍になると予測されています。
女川魚市場の加藤實社長は、「ことしは水揚げは順調で、サンマの身が大きく脂ののりもよい、おいしいものとなっている。サンマが揚がれば女川全体が活気づくので、復興に向けて進んでいきたい」と話していました。


アジアの有識者が被災地訪問
インド洋大津波の被害に遭ったインドネシアなどの有識者が、東日本大震災の経験やその後の対策から学ぼうと宮城県の被災地を訪れています。
被災地を訪れているのは、22万人が犠牲となったインド洋大津波の被害を受けたインドネシアやタイなどの有識者3人です。
一行は、東日本大震災の教訓を国の災害対策などに生かそうと、東北大学の案内で26日から各地の被災地を訪れていて、28日は石巻市の大川小学校を訪れました。
大川小学校では、津波で当時、小学6年生の娘を亡くした語り部の佐藤敏郎さんが、「震災前は学校のグラウンドを子どもたちが走り回るなど、日常的な当たり前の暮らしが存在していた」と説明しました。
そして、「学校の裏手にある高台に避難することができれば、子どもたちを助けることができた」と語り、学校での防災のあり方を議論していく必要性を強く訴えました。
3人は男性の話に真剣に耳を傾け、時折、苦しそうにうつむいたり、涙を流す様子もみられました。
3人は31日まで被災地を訪れ、津波に備えた防災教育に力を入れている亘理町の小学校や沿岸部に整備された防潮堤などを視察するということです。
【視察した有識者は】
被災地を訪問している有識者3人のうち、イナ・ニシュリナさんは、インド洋大津波で大きな被害が出たインドネシアのアチェ州の出身です。
同じ経験を繰り返したくないと、イナさんは防災に関する記事やリポートを発表するかたわら、学校での津波避難訓練の実施や、避難経路を示した看板の設置を支援するなどの活動を続けています。
しかしそれでも、インドネシアでは「防災は神頼み」という考え方の人も多く、現地ではなかなか防災の取り組みが浸透していないといいます。
イナさんは、「大川小学校を訪れることで、犠牲を減らすために必要なのは事前の対策だということをあらためて強く感じた。自分の国でも多くの人に伝えて、未来の対策につなげていきたい」と話していました。


さくらももこさん、熊本地震の被災者支援
 15日死去した漫画家さくらももこさんは、「ちびまる子ちゃん」を通して熊本地震の被災者を支援してきた。
 2016年4月の地震発生直後には、ちばてつやさんらが呼び掛けた「くまモン頑張れ絵」運動に参加。ちびまる子ちゃんとくまモンを重ねたイラストに「熊本のみなさんも大分のみなさんも 九州の皆さん まだ大変だけど がんばって!! どうか無事で!!」とメッセージを添えてインターネットで公開、ACジャパン(旧公共広告機構)のCMでも放映された。
 今年2月には、さくらさんが描き下ろしたちびまる子ちゃんのイラストと、益城町の広安小児童が描いた花をコラージュした「復興のぼり旗」2枚が完成し、住民らに披露された。(富田一哉)


<地上イージス>秋田県知事「住民には心理的でなく物理的負担だ」懸念改めて伝える
 秋田県の佐竹敬久知事は27日、陸上自衛隊新屋演習場が配備候補地となっているイージス・アショアの説明に訪れた防衛省側に「周辺には学校や福祉施設がある。(住民にとっては)心理的ではなく、物理的な負担だ」と懸念を改めて伝えた。防衛省が実施する地質や測量、電波環境の現地調査については、住宅地との間に保安距離を確保できるかどうか調べることを条件に容認する姿勢を示した。
 新屋演習場は住宅密集地に隣接し、学校も近い。佐竹知事は「この場所で恒久的なミサイル基地(を整備するの)はない」と語気を強めた。
 現地調査で適地かどうかを調べるとする防衛省側の説明に対し「それは防衛省の都合。住民にとっての適地、不適地ではない」と強調し、十分な保安距離の確保を求めた。
 新屋演習場が不適となった場合に備え、県内や周辺の国有地についても検討する姿勢を示したことに関しては「調査範囲を広げて文句の出ない場所で進めた方が早い」と述べた。
 防衛省側は説明で、来年度は造成工事に着手しない方針も明らかにした。佐竹知事は「(現状のまま)工事を強行することになったら反対運動になる」とくぎを刺した。
 同日午後には穂積志秋田市長への説明があった。穂積市長は「調査前に他に適地がないか調べるべきではないか」と求めたが、議論は平行線に終わった。
 防衛省の説明後、穂積市長は報道各社に「防衛省は最後まで譲らなかった。われわれの思いとは違う」と同省の姿勢を批判した。


仙台市が総社市に教職員を派遣
仙台市は、西日本豪雨で大きな被害を受けた岡山県総社市の小中学校で、夏休みが明けた児童や生徒の心のケアを支援するため、教職員3人を派遣することになり、28日、出発式が行われました。
仙台市と岡山県総社市は、東日本大震災では親を亡くした仙台市の子どもたちを総社市が支援し、先月の西日本豪雨では仙台市が総社市に職員を派遣し、支援を行っています。
こうした中、仙台市は総社市の要請を受け、被災した市内の小中学校で、夏休みが明けた児童や生徒の心のケアを支援するため、学校現場で東日本大震災を経験した教職員あわせて3人を30日から来月8日まで派遣することになり、28日、出発式が行われました。
この中で、仙台市の佐々木洋教育長は、「東日本大震災の知識と経験を大いに発揮して、子どもたちを温かく励ましてほしい」と述べました。
派遣される仙台市学校教育部の佐藤淳一参事は、「子どもたちが大変だった夏休みをどう過ごしてきて、どんな気持ちでいるかを把握し、1人1人のケアを考えたい」と話していました。


台湾 「福島」の食品解禁の賛否問う 住民投票実施へ
国民党が署名集め 投票は11月24日の統一地方選と同日へ
 【台北・福岡静哉】台湾が東京電力福島第1原発事故の発生直後から続けている福島など5県産食品の輸入停止措置について、解禁に反対する最大野党・国民党は27日、解禁の賛否を問う住民投票の実施に必要な約28万人分を大きく上回る約47万人分の署名を集めたと発表した。これで住民投票が11月に実施される見通しとなった。中央選挙管理委員会による署名簿の審査などを経て、投票は11月24日の統一地方選と同日になる見通し。
 台湾は福島、茨城、栃木、千葉、群馬の5県産食品を禁輸しており、日台間の最大の懸案となってきた。住民投票の成立要件は投票率25%以上で、統一地方選と同日実施なら成立の公算が大きい。解禁反対が多数を占めれば民進党の蔡英文政権にとって解禁は極めて困難となり、日台関係に大きな悪影響を及ぼすことは必至だ。
 背景には政治的な対立がある。統一地方選の結果は2020年の総統選に影響することが多いため、国民党は統一地方選勝利に向け、蔡政権に対する攻撃を強めている。蔡政権が輸入解禁を前向きに検討していることから、国民党は5県産食品を「核食」(原発事故で汚染された食品の意味)などと呼んで、食品の安全問題に敏感な市民の不安をあおり、政権批判に使ってきた。
 住民投票を主導する国民党のカク龍斌(りゅうひん)副主席は27日、党本部で開いた記者会見で「『核災地区(原発事故被災地)』の食品はいらない!」などと改めて訴えた。民進党関係者は「食品問題が政争に利用されている」と嘆く。
 日本は科学的な根拠に基づき安全性が担保されていると再三にわたり台湾に解禁を働き掛けてきた。だが支持率が低迷する蔡政権は、一部の強い反発を招きかねない解禁に踏み切れない状態が続いている。
 福島県などの食品を巡っては台湾のほか、中国、韓国など計8カ国・地域が輸入停止措置を続けている。


1.17希望の灯り 消える 神戸、台風20号の影響で
 神戸市中央区の東遊園地内にある阪神大震災の慰霊と復興を祈るシンボル「1.17希望の灯(あか)り」のガス灯の火が、23〜24日に最接近した台風20号の影響で消えていたことが28日、明らかになった。同日午前、神戸市が業者を呼んで修理し、再点火した。
 希望の灯りは阪神大震災から5年の2000年1月17日にともされた。市によると、強風などで火が消えた場合、安全のためガスが自動停止する仕組みになっており、昨年9月の台風18号の際にも消えたが、すぐに再点火した。
 台風20号が最接近した直後の24日午前、火が消えているのを市職員が確認。電気系統の基板が雨水につかったため、再点火できなかった。
 市は「心配をかけて申し訳ない。鎮魂の思いは変わらないが、同じことが起こらないように対策を考えていきたい」としている。【目野創】


河北春秋
 煙を上げる桜島が「インスタ映え」するとの計算も働いたのだろうか。安倍晋三首相が自民党総裁選への立候補を表明する舞台に選んだのは鹿児島県(薩摩)。首相の地元、山口県(長州)との「薩長同盟」が明治維新の契機となったことにちなんだらしい▼「薩摩と長州で力を合わせ、新たな時代を切り開きたい」と首相。薩長を中心にした新政府軍に一方的に攻め入られ、悲劇に見舞われた東北では、今年が明治維新150年というより、戊辰戦争150年との意識が根強い。明治維新を美化する発言に違和感を持つ人が少なくない▼首相は東日本大震災後にあった5回の国政選挙のうち4回、福島県で第一声に臨み、残り1回も公示日に遊説に訪れた。ただ、首相が福島の復興に取り組む姿勢を積極的にアピールする割には、復興が進んでいないと感じる被災者が多いのが実情だ▼大事なのは具体的に何をするか。森友、加計問題で首相は「丁寧に説明する」と言葉では謙虚な姿勢を示したが、解決に向け具体的行動は取っていない。これでは疑惑は払拭(ふっしょく)されない▼東北の復興に何が大切か。首相との一騎打ちが濃厚の石破茂元幹事長も具体的な青写真を示してほしい。一国の首相を決める総裁選が単なるパフォーマンスの応酬になってはならない。

活力なき総裁選/討論の場増やし対立軸示せ
 国のリーダー選びという重みとは裏腹に、論戦が熱気を帯びる気配が感じられない。投票権を持つ党員・党友だけでなく、国民の関心を呼び起こす政権論議が必要だ。
 自民党総裁選は9月7日告示、20日投開票と決まった。既に立候補を表明した石破茂元幹事長(61)に続き、安倍晋三首相(63)=党総裁=が26日、正式に立候補を表明し、両氏の一騎打ちとなる構図が固まった。
 投票まで1カ月を切ったが、国民的な関心はいまひとつだ。首相が「数の力」で党所属国会議員の約7割の支持を固め、優勢とみられていることが大きな要因だろう。
 何よりも両氏が直接、論戦を交わす場が望まれる。自民党に注文しておきたい。事実上の首相選びだ。基本的な政治姿勢や政権ビジョンについて、両氏が徹底討論する場を数多く設けるべきだ。主張の対立軸を国民に発信することは与党の責任である。
 石破氏は今月10日に出馬を表明し、「正直で公正、そして謙虚な政治をつくりたい」と打ち出した。念頭にあるのは、安倍政権で相次いだ不祥事だ。石破氏への支持は、自分の派閥と竹下派の参院側だけ。国会議員票では首相に大きく水をあけられている。
 地方票に支持を広げて活路を見いだそうと、政策テーマ別の討論会開催を求める。森友、加計学園問題に対する安倍政権の姿勢を問い、「1強」批判を巻き起こす狙いだ。
 対する首相は、出身派閥の細田派をはじめ党内5派の支持を受けて圧勝を狙う。立候補表明は当初、通常国会閉会後とみられていたが、西日本豪雨などの影響でずれ込んだという。立候補準備を着々と進めながらも対抗勢力の動向を見極め、ぎりぎりまで表明しない「後出しじゃんけん」にも映り、短期決戦に持ち込む戦略がにじむ。
 首相は憲法改正の機運を再び高めることを狙い、改憲を総裁選の争点に据えるとみられる。自身が提起した9条への自衛隊明記案を秋の臨時国会に提出する意向を示した。
 石破氏は「スケジュールありきだ」と批判。戦力不保持を規定した2項を削除する持論を展開する。緊急性が高い改憲テーマとしては、参院選挙区の合区解消と緊急事態条項の新設を挙げる。
 改憲をはじめ、多様な政策で主張を戦わせるのが選挙戦だ。首相陣営内に討論に消極的な意見があるのは、党員・党友をないがしろにする行為だ。国民の前で正々堂々と討論することが政権を担おうとする政治家の責任である。
 過去の総裁選では党青年局や日本記者クラブ主催の討論会など数回の場が設けられた。首相は告示後の9月11〜13日、ロシアを訪れるため選挙期間は事実上、短縮となる。
 政策討論の機会が減るとしたら、閉塞(へいそく)感に覆われた活力なき自民党の姿が浮き彫りになるだけである。


首相立候補表明/国民の前で骨太の議論を
 安倍晋三首相が自民党総裁選への立候補を正式に表明した。石破茂元幹事長との一騎打ちの構図が固まった。
 与党第1党のトップに選ばれることは、すなわち次の内閣総理大臣に就任するということだ。内外に課題が山積している中、国のリーダーとしての考えをはっきりと示す必要がある。
 争点は、6年間の安倍政権の実績と政治姿勢だ。
 首相はこれまで「地方創生」「女性活躍」「1億総活躍」「働き方改革」などを重要政策として打ち出してきた。だがいずれも成果に乏しく、看板の掛け替えに終わった感が否めない。
 中でもアベノミクスは最重要テーマである。確かに株価は上がり、失業率は下がっている。しかし潤うのは大企業や一部の富裕層ばかりで、中小企業や地方には実感がほとんどない。今後もアベノミクスを継続するのか、違う経済政策を打ち出すかが、論点となる。
 人口減が加速する地方は、政治への期待が強い。共同通信社が実施した自民党の都道府県連幹事長アンケートでは、地方の景気回復を重視する政策への注文が相次いだ。
 今回の総裁選から、地方票が国会議員票と同数に引き上げられた。国会議員票の7割を首相が固めたとされ、地方票の行方が焦点となっているだけに、具体的な政策が今後の流れを左右する可能性がある。
 憲法改正も争点に浮上している。首相は今月、「改憲は党是であり、全ての党員の悲願だ」と、9条への自衛隊明記などの改憲案を秋の臨時国会へ提出するよう促した。石破氏は、9条改正は「緊急性がない」として、参院選の「合区」の解消などを優先する考えだ。
 ただ、最新の世論調査では、次期国会での改憲案提出への反対が半数を占め、賛成を上回った。国民は、必ずしも改憲を望んでいるわけではない。その意思を受け止めるべきだ。
 直接対決で世論の喚起に活路を求める石破氏は、政策テーマ別の討論会を求めているが、首相陣営は消極的という。首相は立候補表明で、「骨太の議論をしていきたい」と述べた。ならば、国民の前で堂々と骨太の議論を繰り広げてもらいたい。


安倍3選なら反主流派生まれる火種
★自民党総裁選挙の情報戦も多勢に無勢で、首相・安倍晋三陣営の情報コントロールにメディアもまんまと乗っている状況だ。既に議員票405票のうち330票まで安倍陣営は固めたとし、石破陣営は50票に届かない情勢という。これを見せられた地方の自民党員はバンドワゴン効果(勝ち馬効果)が働いて地滑り的に安倍に流れるという算段だ。★元幹事長・石破茂が掲げた「正直、公正」に個人攻撃だと難癖をつけた参院幹事長・吉田博美の言う「相手を攻撃するというような個人的なことでの攻撃ということについて嫌悪感を感じている」は出来の悪い模範解答のようなもの。「反安倍では支持できない」を演出したものだが、石破の出馬会見が野党の政権批判のようだったことを拡散させている。だが先の国会での首相とその周辺のしてきたことを吉田が認めてむきになった自爆のようなものだが、この吉田発言に賛同したという形で石破支持が首相派に寝返る口実にした。衆院議長からも先の国会対応の総括を求められている中で勝てば官軍ということなのだろうか。★一方、安倍に冷や飯を食わされているベテラン・中堅議員も一部に安倍への反発を募らせる。「例の『反対派は干される』発言は彼らに火をつけた格好になる。今は安倍陣営対石破本人の戦いだが今後公然と石破支持を打ち出す議員が出てくるのではないか。その裾野は広いが、石破がこの路線で戦い続けることが条件だ」(ベテラン衆院議員)。堂々と干されてやると宣言する議員が生まれるということは、安倍1強のオール主流体制から反主流派が生まれることを意味する。これは今までの安倍政権にはなかった現象。安倍3選後、ひとたび何か起これば「干された側」は厳しい政権批判を展開するだろう。その芽を生むことが3選に付随する火種になる。

自民党総裁選 改憲ありきの議論危うい
 安倍晋三首相が自民党総裁選(9月7日告示、同20日投開票)への出馬を表明し、総裁連続3選・首相続投を目指す姿勢を明確にした。これで先に立候補を表明した石破茂元幹事長と一騎打ちになる構図が固まり、両氏による論戦が事実上、スタートした。
 「日本は大きな歴史の転換点を迎える。今こそ日本の明日を切り開く時だ」
 首相は26日、訪問先の鹿児島県での出馬表明で、こう語った。来年の皇位継承や2年後の東京五輪を見据えつつ、憲法改正を目指す意欲を強くにじませた言葉だった。
 そこで改めて問いたい。なぜ今、改憲を急ぐ必要があるのか。国政の現状に鑑みれば「立憲」の精神そのものが大きく揺らいでいないか。
 一連の森友学園問題などでは、憲法が「全体の奉仕者」と定める官僚が公文書の改ざんや隠蔽(いんぺい)に走り、国権の最高機関である国会を欺こうとした。その国会は「自民一党支配」によって責任追及を進められず、機能不全に陥っている実態が露呈した。
 文部科学省幹部の汚職や中央省庁の障害者雇用率を巡る不正など、さらに続く不祥事も見据えれば、今は国政の立て直しこそが急務である。
 にもかかわらず、首相は改憲に執着し、9条に自衛隊の存在を明記する改憲案を秋の臨時国会に提出したい、との意向を示している。
 これに対し、共同通信社の直近の世論調査では反対が49%に達し、賛成(36・7%)を上回った。背景には、安倍政権が独善的な憲法解釈の変更で、安全保障政策の転換に踏み切ったことなどへの不信感が横たわるとみられる。
 一方、9条の中で自衛隊を「戦力」と位置づける改憲を持論とする石破氏は、その考えを封印し、緊急事態条項の新設や参院選挙区の「合区」解消に向けた改憲を唱える。
 これらについても、現行法で対応が可能との反論がくすぶるなど、議論が深まっているとは言い難い。
 石破氏が「正直、公正」のスローガンを掲げたことに対し、党内で「首相への個人攻撃だ」と批判する声が上がった。それも残念だ。首相の政治姿勢が問われるのはむしろ当然の流れではないか。
 政治家が憲法と向き合い、国民とともに国政の在り方を論じ合うことは重要だ。ただ、そこでは国民主権を柱とした憲法の精神が生かされているか、国の姿を真摯(しんし)に見つめることが肝要だろう。「改憲ありき」の議論では危うい。


石破茂「正直、公正」が安倍首相の個人攻撃という噴飯! 安倍独裁化で首相批判が完全タブーのディストピア
 9月20日に投開票の自民党総裁選。今月26日に出馬宣言を行った安倍首相と、すでに立候補を表明していた石破茂元幹事長との一騎打ちとなる模様だが、そんななか、石破陣営の選挙戦略に対する自民党内の反応が実に噴飯ものだ。
 周知の通り、森友・加計問題などに対する安倍首相の対応に批判的な石破氏は、今回の総裁選を「正直、公正」とのキャッチフレーズで戦うと宣言してきたわけだが、25日、ネット番組のなかで突如このフレーズを封印・変更することを示唆。番組終了後、記者団に対しても「別に人を批判するつもりはまったくない。そういうふうにとらえる方がいるなら、変えることだってあるだろう」と語ったという。
 しかし昨日、石破氏は昨選挙公約を公開した記者会見で「正直、公正」のフレーズを堅持すると表明。最後まで安倍首相を党内から批判する立場として総裁選に臨む方針を固めたのだ。
 当然だろう。おかしいのは、石破氏が「正直、公正」の撤回を示唆する原因となった、自民党の状況のほうだ。
 すでに多数のメディアが指摘しているように、石破氏が一度はキャチコピーを取り下げるポーズをとったのは、党内から「安倍首相への個人攻撃だ」なる批判を受けてのことだとみられている。実際、参院では石破氏を支持するとしている竹下派の吉田博美参院幹事長も「相手への個人的なことでの攻撃は非常に嫌悪感がある」などと述べていた。
 だが、ちょっと待ってほしい。そもそも「正直、公正」って、別に政治家として当たり前の志だろう。それを自民党は「安倍首相への個人攻撃」になると騒いでいるのだから、コレ、裏を返せば、安倍首相は「正直、公正」ではなく「嘘つき、不正」と自民党が認めてしまったということではないのか(笑)。
 まあ、そう考えると石破氏が下げる素ぶりを見せたのも、この倒錯的な党内に苦言を呈するメッセージのような気もしなくもないが、どちらかというと、世論の反応を見ての判断というところが大きいのだろう。
 というのも、石破氏の「正直、公正」撤回示唆発言を受けて、Twitter上には「#石破氏の新キャッチフレーズ」なるハッシュタグが登場。これがいわゆる大喜利状態となり、こんな盛り上がりを見せていたからだ。
「憲法違反はしません!」
「お友だちを優遇しません」
「国民を“こんな人達”と呼びません!」
「強行採決を繰り返しません」
「災害時に宴会はしません」
「自分のフェイスブックへの差別的書き込みを放置しません」
「ネトウヨ作家をNHK経営委員にしません」
「ヤクザに汚れ仕事は依頼しません!!」
「公文書は改竄せずに保存しておきます!」
「聞かれたことに答えます」
「約束を守ります」
「自由と民主主義」
 わざわざ解説するのも野暮だろうが、つまり「石破氏の新キャッチフレーズ」の体裁をとりながら、安倍首相に総理大臣としての、いや、そもそも政治家としての資質が皆無であるということを、人々が思い思いに皮肉ったわけである。
 振り返るまでもなく、安倍首相はこの間、森友・加計問題だけでなく、財務省の公文書改ざん問題や防衛省の自衛隊日報問題などの不祥事や、安保法制をはじめとする政府法案などでの国会答弁で、さんざんウソやごまかしを重ね、果ては国民の疑問に答えずに逆ギレを繰り返しながら遁走を続けるという、おおよそ先進国政府のトップとは思えない無茶苦茶なことをやってきた。
安倍独裁化がすすむ自民党、安倍首相に対する批判が完全タブーに!
 ゆえに、Twitterで流行した「#石破氏の新キャッチコピー」は、そうした愕然とせざるを得ない政治状況に対して、人々が明確に「NO」をつきつけたことのあらわれであり、言い換えれば、石破氏を素朴に応援するムーブメントではなくて、挙げられたコピーの集合体こそ、まさしく“安倍首相と代わってもらいたい首相像”だと言っていいだろう。
 だからこそ、一度は党内からの批判に屈し、安倍首相との対決姿勢をトーンダウンさせようとした石破氏が、この尋常ならざる世論のうねりを目の当たりにして「正直、公正」に立ち戻った。そういうふうに思えてくるのだ。そして、その意味では「#石破氏の新しいキャッチコピー」のハッシュタグは、単なるネットの大喜利を超えて、一種の社会運動となったと評価するべきなのかもしれない。
 しかし、それにしても呆れるのは、すっかり安倍独裁状態と化した自民党だ。
 すでに一線から身を退いた自民党の長老たちに言わせれば、以前の自民党はタカ派とハト派を抱える事情と派閥間の権力争いとが重なるなかで、党内からも時の首相を公然と批判する声があがり、その批判を受けて首相側も妥協点を探る議論を行なっていたという。
 しかし、いまや状況はまったく異なる。繰り返すが、「正直、公正」という当たり前のことを掲げる石破氏が、自民党内から「安倍首相への個人攻撃だ!」と血祭りにあげられているという事実が示すのは、もはや、党内は安倍シンパのロボット議員ばかりとなっていて、首相に対する批判が完全にタブー化しているということに他ならない。いやはや、いったいどこの独裁政権の話なのか。
 思えば、これまでも政権周辺や安倍応援団は、政権のスキャンダルが浮上したり、法案の危険性や行政の問題行為が発覚したりして、国民から批判の声が上がるたびに「安倍さんへの人格攻撃だ!」などと散々がなりたててきたし、安倍首相もまた抗議のコールをあげた有権者に対して「こんな人たちに負けるわけにはいかないんですよ!」と暴言を放っている。
自由と民主主義を求めただけで、首相への個人攻撃と弾圧されるディトピア
 無理やり「批判者のほうが悪いのだ」とする印象操作と同時に、安倍政権に対する批判を封殺しようという弾圧行為だ。石破氏に対する自民党内からの「個人攻撃だ」とのバッシングも、まさに同じ狙いにほかならない。はっきり言うが、石破がどうこう以前の話で、こんな連中が政権与党であること自体がありえないのである。
 このままではマスコミや市民が「ウソで国民をごまかす政治はやめろ」「えこひいきのない公正な政治を求める」と、民主主義国家としてごく当然ことを言っただけで、誰もが「安倍首相への個人攻撃」なるレッテルを貼られ、政権から弾圧されてしまう。
 実際、例の「#石破氏の新しいキャッチコピー」のムーブメントのなかにはこんなツイートまで見られた。
〈自由、民主主義、寛容、報道の自由、地方分権、開かれた政治、国民第一、弱者にやさしい政治、格差是正、公金の適正支出、討論・対話重視、誠実、三権分立、権力を私物化しない…
 ダメだ。何を言っても安倍への個人攻撃になってしまう。〉
 アイロニックではあるが、安倍政権下の日本の状況を端的に言い当てているだろう。冗談ではなく、こんなディストピアめいた状況が、安倍首相のもとで現実化しているのである。
 何度でも繰り返す。安倍首相の“対抗馬”に求められていることは、この国が民主主義国家を標榜する以上、どれも当たり前のことでしかない。「正直、公正」もまた、国民が政治に求めてごく当然のことである。だが、安倍首相とそのシンパたちはこうした声に絶対に耳を貸さない。だとしたら、もう「個人攻撃」で結構である。わたしたちは今後いっそう、安倍政権に対する批判の声を大きくしていかねばならない。


石破茂の政策がアンチ安倍でキレキレ! 改憲より日米地位協定見直し、LGBT差別解消、東京と平壌に連絡事務所を
 ようやく自民党総裁選への正式な出馬表明をおこなった安倍首相だが、そこで述べた「骨太の議論をしていきたい」という発言に注目が集まっている。
 対抗馬の石破茂・元幹事長との論戦を避けるために出馬表明を引っ張り、公開討論や街頭演説の回数を減らすなどの“逃げ工作”をはかる人間が、「骨太の議論をしたい」などと言い出す……。それだけでも噴飯ものだが、しかも安倍首相は、党員・党友などに宛てて決意文と政策ビラを送っていたのだという。
 石破氏は昨日、政策発表会見を開いて「石破ビジョン」を公表し、ネットでも中継されるなど広く国民に対しても説明をおこなった。にもかかわらず、本来は国民に方針を示す必要・責任がより強くある現職総理は、国民より前に党内に政策を発表する──国民軽視もここに極まれりだろう。
 しかも、その「政策ビラ」に書かれている「5つの決意」の中身もすごい。何の成果も出していないのに「地球儀を俯瞰する外交の更なる展開」を謳ったり、多くの国民の賛同を得られていない「憲法改正」を打ち出して「新たな時代を切り開く」と勝手に決意するという政策のほかにも、「戦後最大のGDP600兆円を実現」「希望出生率1.8の実現」「訪日観光客4000万人を実現」などと書いているのだ。
 そもそもGDPについては安倍政権による“かさ上げ”疑惑がある上、「名目GDPが50兆円増加」と言いながら個人消費は一向に伸びず、実質賃金も低迷。結局、大企業しかアベノミクスの恩恵を受けていないのに、GDP600兆円を目指して何になるのか。さらに、待機児童や女性の雇用環境改善もおざなりにしている上、産まない・産めない女性の人権をも無視した杉田水脈議員の「生産性」発言や加藤寛治議員の「3人以上子どもを産め」発言の責任をとらせないでいて希望出生率を上げようとは、安倍政権が「女は産む機械」としか見ていない何よりもの証拠だ。また、訪日観光客を増やそうというのなら、まずは訪日観光客トップ2である韓国や中国に対する自民党議員のヘイト発言や敵愾心を煽る言動を諫めるべきだろう。
 このように、威勢のいい言葉や数字を並べるばかりで中身がスカスカな安倍首相の政策。他方、石破氏が発表した「石破ビジョン」は、そうした安倍首相の政策は何を隠しているのかを暴く、強烈なダメ出しになっていた。
 たとえば、石破氏は格差是正などに重点を置いた経済財政運営や「真の地方創生」の実現に向けた政策を公表したが、なかでも目を引いたのは「政治・行政の信頼回復100日プラン」なるものだ。
 森友・加計問題で失った政治・行政への信頼を取り戻す──。しかも、石破氏は昨日の会見で、こう断言したのだ。
「政治・行政の信頼回復は、まず官邸の信頼回復であります」
 そして石破氏は、内閣人事局の運営方針の見直しを提言。「官邸主導の政策推進プロセスの透明化」のほか、利害に関わる者と官邸の接触に明確なルールを設けるとし、「いつ、どこで、誰が、誰に会ったかという記録は明確でなければならない」「(面会記録の)保管は義務化」と打ち出したのである。
 本来ならば安倍首相こそが明言すべきルールだが、安倍首相の政策ビラには森友・加計問題による国民の政治・行政不信への言及は一切なし。完全に「終わったこと」にしてしまっている。つまり、何の反省もしていないのだ。このままでは政治の私物化が繰り返されることは目に見えているだろう。
「憲法改正より日米地位協定見直し」「東京と平壌に連絡事務所を」
 また、石破氏は会見のなかで、LGBTへの差別解消のための法案についても、「法律をつくることは必要」「差別をなくすということ、権利の侵害を除去するとともに活躍の場をさらに広げていくために、実効性のある法律であってほしい」と発言をおこなった。
 先の通常国会では、野党4党が「LGBT差別解消法案」を提出したが、その一方で自民党の「性的指向・性自認に関する特命委員会」は「差別解消法案」ではなく「理解増進法案」を検討。しかしそれさえも党内の反発によって国会提出にはいたっていない。そんななかでの石破氏の発言は大きな意味をもつだろう。逆に言えば、杉田発言を受けて性的少数者に対する提言を盛り込むこともなく、挙げ句、総選挙のための山口県連との会合では安倍首相と杉田議員が同席していたというほど。「生産性」発言の何が問題か、いまだに安倍首相はまったく理解していないのである。
 さらに石破氏の政策で驚かされたのは、日米地位協定の改定に踏み込んだことだろう。
 石破氏は憲法改正について「スケジュール観ありきとは考えていない」「国民の深い理解を得ることが重要」としたが、一方、外交・安全保障政策に話題が及ぶと、アメリカ国内の自衛隊常設訓練場の創設を目指すと発言。そのためには日米地位協定の策定が必要だとし、こう述べたのだ。
「(日米は)お互いに対等でなければならない」
「在日米軍とのあいだには日本は家主、米軍はゲストという関係は十分構築可能なもの」
 憲法改正より日米地位協定の見直しを──。無論、石破氏の安全保障の考え方は自衛隊の役割を拡大させる危険なものではあるが、在日米軍に特権的な地位を与える現在の不平等な地位協定の改定を打ち出したことは、対米従属で思考停止、沖縄に負担を強いてばかりの安倍首相とはまったく対照的だ。
 このほかにも、石破氏は北朝鮮に絡んで「拉致問題、核ミサイル問題は圧力だけですべて解決する問題ではない」と切り込み、東京と平壌に連絡事務所を設けることで「北朝鮮の主張を公的に検証する仕組みをつくる」と提言。「拉致問題の全面的解決がなければ何も進展しないというものからは脱却しなければならない」と、安倍首相の怠慢を見事に暴いたのだ。
 石破氏の政策ビジョンは手放しで賛同できるものではないが、それでも、その中身は安倍首相の「不都合な真実」を暴露するものであることは間違いない。しかも、石破氏は昨日の会見でアベノミクスを検証した資料を配付。そこではGDPかさ上げ問題など安倍首相の嘘・まやかしにも踏み込んでいる。
 少なくとも石破氏は、どんな記者からの質問にも意味の通じる日本語でていねいに返答しており、ここが安倍首相と大きく違う点であることは一目瞭然。果たして、安倍首相の政策に真っ向勝負を挑む石破氏との公開討論会で、安倍首相はどんな醜態を晒すことになるのか。楽しみなところだ。


携帯電話料金 家計負担への配慮必要
 総務省が携帯電話料金の引き下げ策の検討を情報通信審議会に諮問した。菅義偉官房長官が先週、「4割程度下げる余地がある」と発言したことで、大幅な値下げを促す可能性も指摘される。
 日本の携帯電話はNTTドコモなど大手3社の寡占で、外国に比べ料金が高いとの批判が根強い。
 大手3社の営業利益は日本企業の上位10位に入り、その合計額は3兆2千億円に達する。
 携帯電話は1人1台超の時代となり、生活に欠かせぬ機器だが、スマートフォンの急速な普及で通信費の家計負担は増している。
 大手は利益優先に走るのではなく、社会的責任を自覚し、自主的に適正な料金水準を探るべきだ。
 総務省の調査によると、2017年の世帯あたりの携帯通信料は年10万円を超え、10年前より35%増えた。世界6都市の比較では、東京のスマホ料金はロンドンやパリの1・5倍となっている。
 3社が高い利益をあげていることに、利用者から「儲(もう)けすぎ」との批判もある。利益を顧客にもっと還元できないか、改めて点検すべきだろう。
 ただ3社は値下げに消極的だ。
 各社は利益の中から毎年数千億円の設備投資を行っている。基地局更新や、20年の商用化を見込む次世代通信規格(5G)に多額の費用がかかり、通信料金を下げれば品質が保てないとしている。
 通信網や品質の維持、次世代通信への対応は欠かせない。だが各社が別々に行っているインフラ整備を共同化するなど、投資を抑えて値下げに回す余地はあろう。
 複雑な料金体系や顧客を不当に囲い込む契約方法に加え、端末代を大きく割り引いた分を通信料金で回収する事業プランなど、大手に共通する問題点も少なくない。
 来年10月にはIT大手の楽天が「第4の携帯会社」として新規参入する。サービスの質を落とさずに値下げにつながるなら歓迎したい。
 気がかりなのは、民間が決める料金に政府が口出しすることだ。菅氏はきのうの記者会見で「料金が不透明で諸外国と比べても高い」と問題視したが、携帯料金は自由化され政府に強制力はない。
 3年前にも、安倍晋三首相から指示を受けた総務省が各社に値下げを要請した経緯がある。
 政府がすべきは競争環境を整え、寡占を是正することだろう。格安スマホ業者が大手に払う回線使用料を引き下げ新規参入を促すなど、できることはあるはずだ。


パラリンピック バリアフリーを心にも
 二〇二〇年東京パラリンピックの開幕まであと二年を切った。世界中から大勢の障害者が集う祭典は、誰もが暮らしやすい「共生社会」を目指してバリアフリーを一層加速する機会でもある。
 今月行われた車いすラグビーの世界選手権で、日本代表が初優勝した。快挙の背景に、関心の高まりがある。国内大会「ジャパンパラ競技大会」を例に取ると、車いすラグビーの観客は二〇一四年度はわずか五百人。それが一七年度は約三千八百人、一八年度は約八千五百人と急増した。二年後へ向けた弾みだ。
 そもそもパラリンピックは、英国での第二次世界大戦の負傷者のリハビリが源流である。日本では一九六四年東京大会を機に、施設などで一生を過ごすことの多かった重度障害者の生活が変化した。欧米選手のように職に就き、家庭を持ち、旅行を楽しむ。それを社会で後押ししようと、さまざまな法律が整備されてきた。
 しかし、半世紀以上たっても環境が整ったとは言い難い。昨年度の国の調査では、週一日以上スポーツをした人の割合は健常者約50%、障害者約20%。内容も散歩や軽い体操にとどまる人が多い。スポーツ施設の受け入れはもちろん、交通機関や立ち寄る飲食店、トイレなど、バリアフリーを点から線、面へと日ごろから広げておく必要がある。
 何より不可欠なのは、支える人の存在だ。電動車いすで多くの国を訪ねた東京家政大学非常勤講師の小島直子さん(49)によると、日本の大都市のバリアフリーは欧米に比べても進んでいる。が、「恥ずかしいところもある」という。
 駅のホームのエレベーターに「車いすやベビーカーの方優先」の表示がある。それでも、先に乗り込む乗客が多い。海外で経験するような、人々のさりげない手助けや温かさを感じることが少ないそうだ。
 雇用を巡る省庁のデータ水増しなど障害者軽視・差別のニュースが絶えないが、その芽は私たち一人一人の心に潜んでいるのかもしれない。「でも変われるはず。パラリンピックがきっかけになれば」と小島さんは願う。
 第一歩は目を向けることではないか。競技観戦もその一つだが、電車の中で白杖(はくじょう)を持った視覚障害者、足腰の弱いお年寄りが立っているのを見かけることがある。もし私たちが座っていたら…。スマホから目を離し、イヤホンを外して、できることがあるはずだ。


障害者雇用水増し「ここまでひどいとは」 支援団体 憤り、批判
 障害者雇用の水増し問題を巡り、政府が二十八日に公表した調査結果で、実際の雇用者数が半数以下だったことが明らかになった。「ここまでひどいとは…」「あきれた」。障害者を軽視した実態が露呈し、関係閣僚がこぞって謝罪する一方、支援団体のメンバーらからは憤りや批判の声が相次いだ。
 知的障害者や家族でつくる「全国手をつなぐ育成会連合会」で統括を務める田中正博さん(57)は「本来対象でない人を都合のいいように障害者としてカウントしており、結果的に本来雇われるべき人の権利を奪った。障害者が軽視されていることが改めて分かった」と憤る。
 雇用以外でも、障害者に関するさまざまな制度で不正が横行している恐れがあるとの見方を示し「行政は今回の問題を猛省し、本来の趣旨に沿った運用がなされているかの確認を進めてほしい」と訴えた。
 「あきれているというのが率直な感想だ」。障害者の地域生活を支援するNPO法人「上福岡障害者支援センター21」(埼玉県ふじみ野市)の有山博代表理事(68)が語気を強めた。水増しを一〜二割程度と予想していたため「約半数はとても多い印象」を受けたという。
 有山さんは「政府は民間には『雇え』と迫っておいて、自分たちはいいかげんなことをやっている。制度への理解不足という釈明は通らない」ときっぱり批判した。
 NPO法人「障害者の職場参加をすすめる会」(埼玉県越谷市)の山下浩志事務局長は、法定雇用率を定めた障害者雇用促進法について「もともとザル法だと言われていた」と指摘。旗振り役の政府にも厳しい目を向けていたが「ここまでひどいと思わなかった。制度の原点に戻れと言いたい」と注文を付けた。


昭和天皇侍従の日記 歴史を問い返す大切さ
 昭和天皇に1974年から約15年間仕えた故小林忍侍従の日記が見つかった。特に目を引くのは、1987年4月7日の記述である。
 「仕事を楽にして細く長く生きても仕方がない。辛(つら)いことをみたりきいたりすることが多くなるばかり。兄弟など近親者の不幸にあい、戦争責任のことをいわれるなど」
 この2カ月前、弟宮の高松宮が亡くなった。また、この年の1月、戦時中の側近だった木戸幸一元内大臣の日記の未公刊部分を明かす資料集が刊行された。木戸日記には、天皇が51年9月のサンフランシスコ講和条約調印時、戦争責任をとる形で退位も考えていたと記されていた。
 こうした状況と小林日記の記述から、天皇が晩年まで戦争責任問題を気にしていた様子がうかがえる。
 当時の富田朝彦宮内庁長官や卜部(うらべ)亮吾侍従の日記に小林侍従からの伝聞は記されていたが、今回は天皇の嘆きを直接聞いた本人の記録だ。
 法的な戦争責任は、日本を占領した連合国による東京裁判が、戦争指導者25人を有罪認定した。「勝者による裁き」との批判はあったが、日本は政治決着として受け入れ、独立を回復し、国際社会に復帰した。
 昭和天皇が戦争の多大な犠牲に道義的責任を感じていたことは、長年の研究で明らかになっている。
 一方で、法的責任を政治的に乗り越えた戦後日本再出発の微妙な成り立ちに、昭和天皇は人一倍敏感にならざるを得なかったのだろう。靖国参拝中止もその表れとみられる。
 小林日記の記述の翌88年4月28日、富田長官は手帳に、昭和天皇が参拝をやめた理由として、A級戦犯合祀(ごうし)に強い不快感を述べていたメモを書き残している。昭和天皇が亡くなった翌年の小林日記にも、靖国問題についての長い記述が見える。
 今の天皇陛下は、戦争への反省や戦没者慰霊に心を砕き、昭和天皇が切望しながら戦後訪問できなかった沖縄に思いを寄せ、靖国参拝を控えてきた。昭和天皇の強い心情を受けとめていたからであろう。
 国民にとっても、戦争責任の問題は今なお論点として残り続ける。
 間もなく平成の終わりを迎えるに当たり、こうした資料が出てくる度に、私たち自身が歴史を問い返すことの大切さをかみしめたい。


自民改憲案反対5割 9条生かす発想が大切だ
 安倍晋三首相が秋の臨時国会に自民党改憲案の提出を目指す意向を示したことに対して国民は批判的だ。共同通信社が実施した全国電話世論調査によると、反対が49・0%と、賛成の36・7%を大きく上回った。
 首相は26日、9月20日投開票の自民党総裁選への立候補を正式に表明し、憲法改正の在り方を巡って石破茂元幹事長と論戦を交わす構えだ。
 9条を巡り首相は、戦力不保持と交戦権の否定を定めた1、2項を残し、別立ての9条2を新設して自衛隊保持を明記することを主張する。これに対し、石破氏は戦力不保持などを定めた2項を削除し、自衛隊を「戦力」と位置付ける全面改正が持論。一方で「9条は国民の理解を得て世に問うべきものだ」とも述べ、9条改憲は国民的議論どころか、理解すら得られていないという認識だ。世論調査の数字はそれを裏付けている。
 昨年5月3日に首相の提案を受けた自民党の憲法改正推進本部は今年3月、首相とほぼ同じ案を取りまとめた。共同通信の世論調査では、この案への反対が賛成を大きく上回る傾向が続いている。首相はこうした世論をどう受け止めているのだろうか。
 自衛隊保持の明記は憲法の平和主義の理念を具現化した9条の1、2項を空文化させると、憲法学者は指摘している。前文の決意も含めて日本国憲法の平和主義は単に自国の安全を他国に守ってもらうという消極的なものではない。平和構想を提示したり、国際的な紛争・対立の緩和に向けて提言したりして、平和を実現するために積極的な行動を起こすことを求めている。
 ところが、安倍政権はそれに逆行する行動を取り続けている。憲法解釈による集団的自衛権の行使容認や安保法制、「圧力と制裁」一辺倒の北朝鮮非核化、6年連続の防衛費拡大など枚挙にいとまがない。
 自民党改憲案は、国家権力の暴走を防ぐために憲法で国家を縛り付けるという考え方、いわゆる立憲主義に反する内容も目立つ。「全て国民は、この憲法を尊重しなければならない」と国民に憲法を守ることを強いる点などだ。
 日本国憲法の改定には国会議員3分の2以上の賛成と国民投票で過半数の賛成を得る必要がある。他国と比べても変えにくい仕組みだ。憲法制定権を持つ国民の意思を尊重する国民主権の考えが根底にある。主権者である国民の間から改憲に反対する意見が多くある以上、秋の国会で改憲を発議するのは暴走と言わざるを得ない。
 そもそも9条を変える必要は全くない。むしろ9条を生かす発想こそが大切である。防衛費を増やし、軍備を増強することで武力行使の「抑止」が働くとする「平和」は、日本国憲法が求める「平和」ではない。積極的な外交で紛争の火種を取り除き、なるべく軍備を減らせる環境をつくることを求めているのである。


夏のあやまち
 五輪の暑さ対策にサマータイム(夏時間)が検討されている。ちょうど40年前の夏、大ヒットした歌がサーカスの「Mr・サマータイム」▼ただし、こちらの意味は「夏の日」か。往年の歌謡曲が再び脚光を浴びているそうだが、1978年の夏はほかにも「飛んでイスタンブール」「東京ららばい」など都会的な曲がめじろ押しだった▼最近出た本「昭和歌謡出る単1008語」は、流行歌でおなじみだった言葉を面白く解説している。サ行の「サマータイム」には「『あやまちの関係』に溺れ、後悔する人が頻出する」とある▼サーカスの歌もそんな内容だったが、実はフランスの原曲の歌詞はまったく違う。ひと夏の出会いの幸運を歌い上げ、後悔のかけらもない。日本でカバーする際、女性が主人公の「不倫」の歌になった。ちょっとしたずれが時代を感じさせる▼サマータイム制度も、本家の欧州では健康への悪影響などから廃止論が盛んになっている。今になっての検討に、ずれを感じる人もいるのではないか。世論調査では反対が大勢のようだ▼自民党は議員連盟で話し合うというが、あやまちを後悔することのないようにしてほしい。猛暑は続くものの、8月ももう終わる。「あれは遠い 夏の日のまぼろし」−。歌のように立ち消えるだろうか。

米大統領、議員追悼行事に欠席 死去のマケイン氏、最後まで苦言
 【ワシントン共同】25日死去したマケイン米上院議員の関係者は27日、トランプ大統領が首都ワシントンで31日に行われる追悼行事を欠席すると明らかにした。米メディアが伝えた。トランプ氏をたびたび批判していたマケイン氏は生前に記した「国家へのお別れのメッセージ」で名指しは避けながらもトランプ氏に苦言を呈していた。
 マケイン氏に反発していたトランプ氏は25日にツイッターで短く弔意を示しただけで、ホワイトハウスは追悼のための半旗を27日午前に早々とやめた。しかし各界から批判が高まり、トランプ氏は27日午後になって半旗を埋葬まで掲げるよう指示した。


日米地位協定 抜本改定、地方の総意だ
 全国知事会が、日米地位協定の抜本的な見直しを日米両政府に提言した。全知事が一致し、在日米軍に特権的な地位を与える協定を改めるよう求めたのは初めてのことだ。両政府は重く受け止めなければならない。
 米軍人・軍属による事件や事故が起きても立ち入り調査ができず、借地である基地の環境汚染も国内法を順守させられない現状を問題視した提言である。安全保障のためとはいえ、住民の暮らしを守る自治体の首長として「治外法権」は放置できないという意思の表れだろう。
 知事会はこの問題で研究会を設け、2年近く議論を続けてきた。他国の地位協定を現地調査し、沖縄の実情も踏まえ、まとめた。地位協定の改定はこれまで、米軍基地や関連施設を抱える15都道府県による渉外知事会が求めていた。基地のない府県も含めて「総意」となり、格段に重みが増したのではないか。
 全会一致でまとまったのは、今月死去した翁長雄志(おながたけし)沖縄県知事の功績が大きい。「基地問題は一都道府県の問題ではない。地方自治が問われている」という訴えが研究会の設置につながり、議論もリードしていた。翁長氏が注いだ情熱を、知事会が引き継ぐ番である。
 もう一つ、知事たちの背中を押したのが、輸送機オスプレイの訓練拡大だろう。共同通信社の昨年末の全国知事アンケートによると、2012年に普天間飛行場(沖縄県)に24機が配備されて以降、少なくとも広島や山口など30都道県で飛来が確認された。10月には横田基地(東京都)にも5機が配備される。
 事故を懸念し、自治体がいくら飛行自粛を求めても、地位協定に基づく航空特例法で米軍機には自由な飛行がほぼ認められている。これでは基地の有無にかかわらず、住民の安全を守ることはできまい。
 さらに知事会の提言では、米軍機の低空飛行訓練のルートや時期について速やかに事前に情報提供することを求めた。
 中国地方でも低空飛行訓練が繰り返されている。岩国基地への空母艦載機移転に伴い、騒音被害が増えた地域もある。岩国市、山口県、基地などでつくる岩国日米協議会は「盆の13〜16日は飛ばないようにする」と確認しているが、現実には形骸化し、今年は計110回の騒音を測定した。市が毎年要請する飛行自粛は無視されている格好だ。由々しき事態である。
 日米地位協定は、1960年の締結から一度も改定されていない。米軍ヘリ墜落などによる環境汚染や、米軍属の男による女性暴行殺害事件によって改定を求める世論は一時強まったが、補足協定の締結にとどまった。改定に後ろ向きな日米両政府の姿勢は明らかと言えよう。
 同じように米国と地位協定を結んだドイツやイタリアは、改定を実現している。米軍の訓練にも自国法を適用し、基地への立ち入り権限を持つ。それに比べ日本はあまりにも「不平等」で、地位協定が法律より上にあるかのようだ。協定の実施に伴う刑事特別法は米軍施設への侵入を禁じ、基地反対運動の参加者にも適用される現状がある。
 日本政府は、地方の声を背に一刻も早く米国に改定を提起すべきではないか。9月の自民党総裁選でも、中身の濃い論戦を聞かせてもらいたい。


さくらももこさん 逝く「ちびまる子ちゃん」作者、53歳 国民的キャラ残し…(スポニチ)
 小学生の女の子の日常をほのぼのと描いた代表作「ちびまる子ちゃん」で知られる漫画家さくらももこさんが15日午後8時29分、乳がんのため死去した。53歳。静岡市出身。本名は非公表。葬儀・告別式は近親者で行った。日曜の夜を象徴する国民的アニメとなった、フジテレビ「ちびまる子ちゃん」は放送を継続する。
 突然の訃報だった。アニメ「ちびまる子ちゃん」で、お茶の間を楽しませてきたさくらさんだが、自らの体は病魔におかされていた。まる子の姉の声を担当した声優で、2016年5月に亡くなった水谷優子さん(享年51)と同じ乳がんだった。
 アニメのエンディングテーマ「走れ正直者」を歌うなど、作品と縁の深い西城秀樹さんが亡くなった今年5月には、ブログに追悼コメントを寄せた。「とても楽しいテーマ曲になりました。私たちの世代にとって秀樹さんは本当にスターでした」とその死を惜しんだが、この頃には闘病生活を送っていたとみられる。ブログの最後の書き込みは7月2日で、サッカーW杯で決勝トーナメントに進んだ日本を「頑張ってほしい」と応援していた。
 漫画家になることを夢見て、漫画家になれたことを楽しみ続けた人生だった。少女漫画誌「りぼん」(集英社)に恋愛漫画を投稿し続けたものの、評価を得られなかった高校時代。憧れを現実へと変えたのは、高校3年の夏だった。
 「わたしの好きな言葉」という課題作文で“季節を表す言葉”について書き、採点者に「現代の清少納言だ」と絶賛された。エッセーと漫画の融合を思いついた瞬間だった。
 すぐに実体験を基にした作品を投稿し見事入選。静岡英和女学院短期大学(現静岡英和学院大短期大学部)に進学し、1984年に「教えてやるんだありがたく思え!」で漫画家デビューした。
 86年から「りぼん」で始まった「ちびまる子ちゃん」の主人公「さくらももこ(まる子)」は自身の姿。少女時代を過ごした静岡県の旧清水市(静岡市清水区)を舞台とし、小学3年生だった昭和50年前後を描いた。何気ない日常に、さくらさん一流の皮肉を嫌みなく織り交ぜた世界観は、昭和のノスタルジーと相まって多くの人の共感を呼んだ。
 漫画家で漫画評論家いしかわじゅん氏は「ほのぼのした日々の中に、スパイスのように皮肉が効いていた。他の登場人物もネガティブな面があり、これまでにない少女漫画だった」と評した。
 92年、スポニチ本紙のインタビューに「今の私が何を面白いと思っているかが、漫画の中に組み込まれて表現されている」と話した。自身の思いを漫画にし続けたが、闘病のつらさや苦しみは描かなかった。16年から「グランドジャンプ」(集英社)で始めた「ちびしかくちゃん」は何度も休載を挟み、闘病しながら描いてきたとみられる。
 「サザエさん」とともに日曜夜のアニメとして愛されてきた「ちびまる子ちゃん」。フジテレビによると、放送は今後も継続する。
 ◆さくらももこ 本名非公表。1965年(昭40)5月8日生まれ、静岡県清水市(現静岡市)出身。84年漫画家デビューし、86年雑誌りぼんに「ちびまる子ちゃん」連載開始。エッセイスト、作詞家としても多数の作品を発表した。89年に元編集担当者と結婚し1男をもうけたが、98年に離婚。03年にイラストレーターの男性と再婚した。


CBC 視覚障害者を端の席に 不適切対応を謝罪
 CBCテレビ(名古屋市中区)と市が共催したコンサートで、同市南区の視覚障害者の女性(77)が購入していた席とは別の席に座らされ、歩行できるのに車いすで移動させられていたことが27日、関係者への取材で分かった。CBCは「不適切な対応だった」とホームページで謝罪した。
 CBC事業部や市障害企画課、この女性によると、7月5日に日本特殊陶業市民会館(名古屋市中区)であった「プラハ放送交響楽団」のコンサートで、女性は4階の中央席を購入していたが、対応した会場スタッフが女性を車いすに座らせたうえ、同じ階の端の席に誘導した。女性は開演前に本来の席への移動を申し出たが、スタッフは「5000円を追加で支払えば車いす用の席がある」と返答。結局、女性は4階の端の席でコンサートを聴いたという。
 CBCは「当日は雨が降っており足元が悪いため、けがをされないよう車いすを勧めた。(端の席に誘導したのは)中央席に行くには段差があったため」と説明。これに対し、女性は「自分が歩けることや、中央の席で聴きたいことを何度も伝えた。音楽を聴くことは生きがいで、こんなことになり悔しい」と話した。CBCは「配慮が足りなかった」、市は「女性との意思疎通に問題があった。今後、同じことがないようにしたい」としている。【高井瞳】


人気のフランス環境相が突如辞任 マクロン氏に打撃
 【パリ共同】フランスのユロ環境相(63)は28日、政府の環境政策の推進が不十分だとしてラジオの生番組で辞任を表明した。環境活動家で国民に人気のユロ氏の辞任は、経済政策などを巡り支持率が低下したマクロン大統領へさらなる打撃となりそうだ。マクロン氏やフィリップ首相に予告しておらず、政権に大きな衝撃が走った。
 ユロ氏は公共ラジオのインタビューに対し「もう自分にうそをつきたくない。私が政権にいることで、環境問題への対応が優れているとの錯覚を生じさせたくない」として辞任を明言。予告なしの表明については「事前に伝えれば思いとどまるよう説得されただろう」と説明した。


みやぞん完走直後から続々 24時間TVに相次いだ揶揄と疑問
「1時間以上遅れてますとか言いつつ、残り何キロなのかも分からない、本当に100キロ走ってるのかも分からない。それなのにエンディングにきっかり間に合うようにゴールってどういうことですか?」
 日本テレビ夏の特番「24時間テレビ」の恒例企画チャリティーマラソンで、お笑いタレントみやぞん(33)が計161.55キロものトライアスロンを完走し、それがニュースとして伝えられた直後のこと。武道館のステージで「感動した」と涙ながらに叫ぶ出演者、いつもの「サライ」大合唱のエンディングといういつもの演出がなされたが、視聴者の反応はステージとは対照的だった。ネットでは冒頭のような書き込みに続き、「感動をあおりたてる、偽善番組」と揶揄するコメントに賛同者が殺到していた。
 今回は日テレがチャリティーランナーはみやぞんと発表し、五輪競技の約3倍の距離に挑ませたことに「何の意味がある?」との疑問の声があがり、番組自体への不快感を書き込んだり、「もうやらなくていい」といった内容のコメントも目立った。
「40回目となった昨年は、身体障害者を登場させて、ことさら感動をあおる演出に対し、障害者やその関係者から批判があがりました。にもかかわらず今回も足や目の不自由な子どもたちを出演させて、同様の企画を繰り返していた。さらに、熱中症で倒れてもおかしくない過酷な環境でタレントを走らせて、倒れるかどうかのあこぎな見せ物にした。露悪ですね」
 同業のマスコミ関係者からも、そんな声が相次いでいた。
■露骨な視聴率狙い
 一部週刊誌によると、今回の企画で日テレからみやぞんの所属事務所に支払われるギャラは2000万円。準備期間から万が一、完走後に膝などを壊したりして仕事に支障をきたした場合の補償も込みの値段だという。
「日テレは先月、月間視聴率で56カ月連続3冠王を達成し、在京民放の新記録と報じられるなど絶好調にも見えますが、そうではない。民放は全局で広告収入が前年度比でマイナスに転じ、日テレも肝心の視聴率が頭打ちで陰りが隠せなくなってきている。若者を中心としたテレビ離れにあらがう術もないというのが実情。みやぞんのトライアスロン企画では、発表直後から非難ごうごうでしたけど、話題づくりになるならば批判を集めてもいいというような炎上商法に近い感じでしたね」(日テレ関係者)
 制作サイドからすると、スポーツはその模様を中継するだけで事足りるうえ、視聴率を稼ぎやすいコンテンツだという。チャリティーマラソンで毎年、ニッポン、ニッポンとあおるW杯や五輪のようにはやし立てているのは、そうやってお茶の間の注目や共感を集めれば、さらに高視聴率が狙えるという下心もあるという。「愛は地球を救う」のスローガンが空疎に響くばかりだ。


政治家と官僚は尾畠春男流の“対価を求めない生き方”に学べ
 藤沢周平さんが愛した店として、練馬区大泉学園の鰻屋さんがNHKの「サラメシ」で紹介されていた。藤沢さん、鰻がお好みかと思ったら、国産の大ぶりのもも肉をじっくり、醤油強め、さっぱりした味付けの「とり重」が定番だったという。来客には「鰻重」でもてなし、自分はいつも「とり重」だったと店主が語る。藤沢文学に登場する市井の人たち、下級武士たちは、彼のこうした人柄から生まれてきたのだと思った。その藤沢さんの口癖は「普通が一番」だった。
 そんな普通の人、尾畠春夫さん(78)に学ぶことは多い。この夏の暑い盛りに一服の清涼剤のような出来事が、「2歳の理稀ちゃん無事発見」だった。山口県周防大島町で3日間行方不明になっていた藤本理稀ちゃんが、ボランティアで山に入っていた大分県日出町の尾畠さんによって発見された。彼については、大マスコミも週刊誌もさまざまな角度から報じているが、多くの人が感銘を受けたのは、彼の口から発せられる普通の人の普通のことばだった。
 発見された直後、家族がお礼をしようとすると「そういうものは受け取らんことにしてるんです」と断る尾畠さん。汗みずくなのを見かねて風呂を勧めると、「いやそういうことは、してもらわんのです」とサッサと引き揚げた。彼の“ボランティア道”は、対価を求めたり、品物を受け取ったり、飲み食いさせてもらうようなことは絶対しない。困っている人に、少しでも負担をかけないことだ。「たまに水ぐらいよばれる(頂戴する)ことがあるかもしれん」と大分弁で語っていたが、とにかく徹底して対価を求めないのがよい。彼にすればそれは実に「普通」のことなのだ。
 それに引き換え、日本の「普通」でない優秀な人たちの何という体たらくなことか。文部科学省の前局長佐野太被告が、自分の息子の裏口入学の見返りに、東京医大への補助を拠出する。ボクシング連盟の山根明会長の言いなりになることで、その行き着く先には人事と助成金がある。
 書き出すとキリがない「普通」でない人たちは、見返りに金や地位や保身を求める。あれほど社会の耳目を集めた森友・加計問題も、安倍首相のお友だちであることの見返りに、特別な許認可を得た。財務官僚たちは首相やその夫人のために公文書を改ざんしたり、廃棄したりやりたい放題。それを摘発すべき検察も自己保身と将来の栄進を見越してなのか事件にしない。
 しかしこうした事件や出来事は、次々に起きる新しい出来事に取って代わられる。自民党や公明党の党員、支持者ですら「おかしい」と疑念を持ち続けた森友・加計疑惑は、いまやすっかり忘れ去られようとしている。そして渦中の人物、安倍首相の3選が、当然のごとく語られ、寄らば大樹の陰とばかり、国会議員も党員たちも支持に回ろうとしている。それはなぜか? 行き着く先は、首相が議員たちにちらつかせている人事や権限などの対価、つまりエサがあるからだ。そこには政治家としての理念も矜持(きょうじ)もない。
「普通」の人、尾畠さんの行為がすがすがしいのは、学歴のある、権威のある人たちが、いつも見返りだけを求めて甘味に群がる蟻のようで、「普通」でないからに他ならない。


「都立大」変更で血税10億円…石原元知事“思いつき”の罪
「何のために名前を変えたのか」とあきれてしまう。首都大学東京が2020年から「東京都立大学」に名称を戻すことが決まった。小池都知事が24日に発表した。
 小池都知事は7月の時点で「都立の大学であると分かりやすく発信するため、『東京都立大』もひとつの考え方」と発言。首都大学は学長名で「(名称変更は)本学が更なる発展を遂げる機会ともなり得ると前向きに捉えています」とのコメントを発表している。都知事も大学側も昔の名前に戻ることは既定路線だった。
 首都大学は05年に東京都立大学が他の3大学と統合した際に、当時の石原慎太郎知事が名前を公募して命名された。
「石原氏は東京から日本を改革し、世界に発信するという考えで改名を指示。都営大江戸線を命名したときのように、その場の勢いで号令をかけたのです。首都大学の初代理事長の高橋宏氏は石原氏らが設立した『犯罪被害者の会を支援するフォーラム』の事務局長。身内を就任させたことになります」(都政関係者)
 実は公募で一番多かったのは「東京都立大学」で64%だった。東京都はこの結果を無視し、石原氏の意向でなし崩し的に首都大学東京に決定した。
■在校生もOBも大迷惑
「名前を変えた当時から評判が悪かった」とは大学通信ゼネラルマネジャーの安田賢治氏。こう続ける。
「『首都大学東京』は呼びにくい上に、頭に『東京』の文字がついてないので、どこの大学なのかピンとこない。地方の受験生の親は私大なのか公立なのか分かりません。都立大学駅があるのに、なぜ名前を変えるのかとの不満も出た。石原さんは少し奇をてらいすぎましたね」
 大学ジャーナリストの石渡嶺司氏によると、専門学校と間違われたり、学生が就活の面接で「首都大学って何?」と質問されるケースもあったという。
「首都大学に変更したとき、人文学部と法学部を統合して『都市教養学部』にするなど、何を勉強する学部なのか分かりにくくなった。名称を元に戻すのはいいことです。ただ、学生証や看板、書類などをつくり変えなければならないので余計なお金がかかります。少なく見積もっても10億円以上にのぼるでしょう」(石渡嶺司氏)
 在学生もOBも迷惑を被ったうえに、血税10億円以上の出費とは。思いつきで大学名を変えた石原氏の罪は重い。


祇園祭の綾傘鉾、米デビューへ 京都の山鉾初の海外展示
 日本三大祭りの一つ、祇園祭の前祭(さきまつり)で巡行する綾傘鉾(京都市下京区綾小路通室町西入ル)が9月に米国オレゴン州のポートランド市で披露されることが、27日までに分かった。祇園祭の山や鉾の本体が海を渡って公開されるのは初めてで、現地の日本庭園で行われる京都文化の紹介イベントで展示される。長刀鉾(同区四条通烏丸東入ル)の囃子(はやし)方も参加して、「コンチキチン」の音色とともに、京都の伝統的な祭り文化を海外で発信する。
 ポートランドにある日本庭園は、ポートランド市と札幌市との姉妹都市提携記念事業で作られた。約2万2千平方メートルあり、日本の庭園文化の紹介とともに日米文化交流イベントを開いてきた。今年は「京都イヤー」と位置づけ、9月15、16日に長刀鉾の祇園囃子を披露し、海外搬送に適したサイズの綾傘鉾を招待して11月上旬まで本体を神面などとともに展示することになった。
 綾傘鉾は5人が現地へ出向く。解体した傘鉾をすでに米国へ空輸済みで、ポートランド日本庭園で組み立てて展示する。約20人の囃子方を送り込む長刀鉾は会場でお囃子を披露し、来場者に鉦(かね)や太鼓の演奏も体験してもらう。
 綾傘鉾保存会の寺田進理事長(69)は「小さな傘鉾ではあるが、米国でしっかりと京都の文化を伝えられるよう期待したい」と力を込める。長刀鉾による囃子の披露は2014年に米国ボストンで行ったのに続き、海外では2回目。囃子方の石和達也代表(66)は「祇園祭に興味を持ってもらう入り口として聞いてもらい、将来的に京都で見てもらいたい」と話している。

保健室から電話/印刷したらスゴイ量/図書遅れて返却

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貴乃花180804

Sony va commercialiser son chien robot Aibo aux États-Unis
Andy
Après plusieurs mois d’attente et d’incertitude, Aibo, le chien robot de Sony sera enfin lancé aux États-Unis. À l’origine, le petit chien robot ne devait être commercialisé qu’au Japon, mais l’entreprise a décidé de tenter sa chance auprès des consommateurs américains.
La bonne nouvelle a été annoncée le 23 août 2018 par le géant du high-tech lors d’un petit point de presse à New York.
Le gadget sera commercialisé au pays de l’Oncle Sam en septembre 2018. Une exposition grand public est prévue au Sony Square à Manhattan au mois d’octobre, le 14 plus précisément. Si vous comptez vous acheter un Aibo, vous devrez sûrement faire des économies dès maintenant.
Il faut compter 2 899 dollars pour vous procurer ce petit chien tout blanc et adorable.
Concentré de technologie
Le nouvel Aibo de Sony est une véritable pépite technologique. Il est composé de 4 000 pièces, de 22 actionneurs et d’une paire d’yeux à écran OLED. Il est également doté de l’intelligence artificielle, la même qui équipe les voitures autonomes. Le petit chien robot intègre aussi plusieurs caméras et capteurs sophistiqués qui lui permettent de cartographier la maison et pouvoir s’y déplacer librement. Vous pourrez ainsi compter sur lui pour se diriger tout seul vers sa station de recharge.
Le gadget est également capable de mémoriser et reconnaitre près d’une centaine de visages. De cette manière, chaque chien robot est doté d’une ≪ personnalité ≫ différente qui va évoluer à mesure qu’il interagit avec ses maîtres. ≪ Deux robots compagnons d’Aibo ne sont pas identiques. ≫ avait déclaré la société nippone lors du point de presse de jeudi.
Beaucoup trop cher ?
Au Japon, le chien de Sony était commercialisé à 1 800 dollars, avec plus de 20 000 exemplaires écoulés. Aux États-Unis, le robot sera livré avec une station de recharge, une balle de jeu et un os-airbone. L’heureux propriétaire du petit robot profitera également d’un abonnement de trois ans au service AI Cloud, indispensable pour forger le caractère du petit robot domestique.
Il reste à savoir si le succès sera au rendez-vous auprès des américains. Bien que le gadget ait vraiment tout pour plaire, son prix exorbitant pourrait freiner l’enthousiasme de certains consommateurs. Un peu moins de 3 000 dollars pour un robot aussi mignon soit-il représente un investissement conséquent.
フランス語
フランス語の勉強?
YAF @yagainstfascism
テレ朝。「正直・公正」という石破氏のキャッチフレーズ。使い続けることになった訳ですが、石破派幹部は「正直、公正と書かれて『個人攻撃、安倍批判だ』と反応が出ることは、安倍さんが正直、公正じゃないと思っているからだ」と。笑 石破派の人も、テレ朝スタッフも楽しそう。笑
ちびまる子ちゃん【公式】 @tweet_maruko
「ちびまる子ちゃん」の原作者であり、幅広い執筆活動の他、多方面でご活躍されました、さくらももこさんが2018年8月15日ご逝去されました。
生前のご貢献に深く感謝申し上げるとともに、謹んでご冥福をお祈り申し上げます。
2018年8月27日 日本アニメーション株式会社


保健室から電話がかかってきました.そうです.R関係のため簡単な面談をしなくてはいけないのでした.わたしが忘れていたことをどうしてわかったのでしょう?
さてB5で印刷したらスゴイ量になってしまいました.封筒に入りきらず大きな箱1つ分.送ってもらうことにします.
延滞していた図書ですが遅れて返却しました.

大ぶりサンマ 炭火2000匹堪能 名取・閖上
 東日本大震災で被災した宮城県名取市閖上地区のゆりあげ港朝市で26日、恒例の「さんま祭り」(同朝市協同組合主催)が開かれた。
 約2000人分の生サンマを用意し、1人1匹ずつ無料で配った。来場者は計約70メートルにわたって並べた炭火焼きの網の上に載せ、焼き上がった身を頬張った。
 祭りは1985年に始まり33回目。津波で壊滅的被害を受けた2011年も場所を移して実施された名物行事で、会場には午前5時台からサンマの配布を待つ長い行列ができた。
 組合の桜井広行理事長は「サンマは昨年より大ぶりで脂がのっている。炭火焼きのおいしさを味わってほしい」と話した。


ファン涙…のち笑顔 南三陸での楽天2軍戦、雨天中止 さんさん商店街で選手と触れ合い
 宮城県南三陸町歌津の平成の森しおかぜ球場で26日に行われる予定だったプロ野球イースタン・リーグ公式戦東北楽天−千葉ロッテ(河北新報社、楽天野球団など主催)は雨天中止となった。東北楽天の選手たちは同町志津川の南三陸さんさん商店街に出向き、ファンとの触れ合いを楽しんだ。
 同町で東北楽天の2軍戦が行われるのは年に1回。開場前から、約1000人が入場口に並んだ。午前10時15分に中止決定の放送が球場に流れると、ファンからため息が漏れた。
 昨年初めて訪れたという登米市の団体職員阿部貴宏さん(29)は「今年も観戦を楽しみにしていたので、とても残念だ」と話した。
 東北楽天の選手たちは入場口に並び、訪れたファンら一人一人とハイタッチをして見送った。ファンサービスの一環で、その後はユニホーム姿のまま南三陸さんさん商店街に立ち寄った。写真撮影やサインの求めに応じたり、店で買い物をしたりして町民らと交流を深めた。
 大崎市のパート従業員千葉真理子さん(46)は「応援する選手からユニホームにサインをもらうことができた。選手と触れ合う機会があるのはうれしい」と笑顔を見せた。
 中止試合の振り替え開催はない。前売り券は購入先で払い戻す。


復興願い 伝統つなぐ 8年ぶり例大祭 氏子ら七十五膳献供 福島・楢葉北田天満宮
 福島県楢葉町の北田天満宮で26日、8月の例大祭があった。東京電力福島第1原発事故後の中断が続いていた。氏子たちが地元の農作物を供える七十五膳献供の神事を8年ぶりに行い、自然の恵みに感謝し、地域の復興を願った。
 住民らがナスやキュウリ、カボチャなど75点ほどを持ち寄った。白装束姿の氏子総代12人が、社務所から社殿まで約30メートルを手渡しで運んで奉納した。
 東日本大震災で損壊した社殿などの修繕が昨年夏までにほぼ完了。原発事故で避難した町民の帰町が進んだこともあり、例大祭が復活した。前日は宵祭りとして盆踊りが8年ぶりに境内であった。
 ただ、野菜の栽培を再開した世帯は少ない。氏子総代総理の山内忠良さん(80)は「久しぶりで手順を思い出しながら進めた。まだ以前のようにいかないが、伝統を子や孫の代につなぎたい」と話した。
 北田天満宮は天神岬スポーツ公園に隣接。菅原道真を祭る「学問の神様」として知られる。


河北春秋
 戊辰戦争の契機となった1867年12月25日の江戸薩摩藩邸焼き討ち事件。騒乱を繰り返し、幕府を挑発する薩摩藩の藩邸に市中取り締まりの庄内藩兵が火を付けた。会津藩砲兵隊の渋谷源蔵(1839〜1909年)は年明け元日、賀正に登城した若松城で事を知った▼「城中歓喜がやみませんでした」。40年ほど後の1906年、68歳の時に著した書物『雪冤(せつえん)一弁』や自伝で、渋谷はそう振り返る。戊辰戦争体験者の記録はリアルだ。ペリー来航、禁門の変、開城…。歴史の節目で揺れる心のひだも知ることができる▼渋谷が書き残した理由について、福島県立博物館の主任学芸員阿部綾子さんは「戊辰戦争の理非を正したかったのです」と言う。明治政府にこび、真実を伝えない書物の多さに渋谷は黙っていられなかったようだ▼歴史は多くの見方がある。各藩の事情が絡む戊辰戦争もそうだ。会津はなぜ朝敵になり、いわれなき戦いに巻き込まれたのか−。無名に近い一藩士が抱え続けた疑問だった▼そんな渋谷がキャラクター「源ちゃん」となって案内する企画展「戊辰戦争150年」が9月1日、県立博物館で始まる。展示物に関する渋谷の著書の記述を現代語にして会場の随所で解説する。源ちゃんを追えば、当時を追体験できるはずだ。

女川再稼働、審査大詰め 東北電、申請から4年8ヵ月 来春「合格」の可能性
 東北電力女川原発2号機(宮城県女川町、石巻市)の原子力規制委員会による審査が終盤に入った。再稼働を目指す東北電は今年7月に新たなスケジュールを示し、来年1月中に全ての審査を終えたい方針を掲げる。審査申請から4年8カ月がたち、再稼働の第一関門となる「合格」に向けて大詰めを迎えた。
 審査会合は5月以降、週1、2回のペースで開かれている。東北電は11月には大半の説明を終了させたい考え。規制委は新規制基準への適合性を認める「審査書案」をまとめ、事実上の合格は来年春ごろの可能性が出ている。
 東北電の原田宏哉社長は7月の記者会見で「審査終了とともに2020年度に安全対策工事を完了させ、できるだけ早く再稼働したい」と表明。同社幹部は「審査長期化の影響で工事を3度延期したが、終盤なので(延期は)もうない」と自信を見せる。
 ただ、審査は女川固有の課題が残る。他原発より最大想定の津波(海抜23.1メートル)が高く、水路によって津波が敷地内部にあふれるのを防ぐ防潮壁について規制委は「特異な構造」と疑問視。「(内部火災対応などの)宿題がいっぱい残されている」と指摘した。
 規制委の更田豊志委員長は今月の記者会見で、東北電の来年1月の審査終了方針を聞かれ「内部溢水(いっすい)対策など議論がこれからの部分もある。見通しを話すにはまだ早い」と語るにとどめた。
 実際の再稼働への道のりはさらに長い。規制委が審査書をまとめ、設計方針などを定めた「設置変更」の許可が出た後も、設備の詳細設計を示した「工事計画」や「保安規定」の認可を得なければならない。地元の宮城県と女川町、石巻市の議会、首長の同意も必要だ。
 原発再稼働と地元同意を巡る状況も刻々と変化している。
 日本原子力発電は3月、東海第2原発(茨城県東海村)再稼働の事前了解権の対象に、水戸市など周辺5市も加える全国初の安全協定を結んだ。宮城県の住民団体も対象拡大を女川町や石巻市に申し入れており、再稼働手続きに影響を与える可能性もある。
[メモ]原子力規制委員会の審査に合格(事実上の合格も含む)したのは新規制基準施行後、8原発15基。うち2原発3基が事故を起こした東京電力福島第1原発と同じ沸騰水型炉(BWR)で、合格までに要した審査会合数は東電柏崎刈羽6、7号機(新潟県)が151回、日本原子力発電東海第2(茨城県)は97回。女川2号機は2013年12月の申請以降、これまで129回に上る。


原発賠償金据え置き/被害救済の備えを怠っている
 原子力災害が起きた際の損害賠償の仕組みを議論してきた政府の専門部会が、賠償額の引き上げを見送る最終案をまとめた。
 東京電力福島第1原発事故の後、引き上げの必要性が指摘されたにもかかわらず、国と電力各社の間で調整がつかなかったという。民間保険契約による1原発の賠償額の上限は結局、1200億円で変わらないことになる。
 それ以上の経済的損失が賠償されないわけではないが、福島第1原発事故では8兆円もの賠償費用が見込まれており、いかにも低額。
 ひとたび重大事故が起きれば、想像を絶する被害額になるのは明らかなのに、備えは全く不十分なまま。原発事故の教訓を受け止めず、現実に被害を受けることになる国民にも向き合っていない。
 原発事故などで受けた損害の賠償は、原子力損害賠償法と原子力損害賠償補償契約法の二本立てになっている。電力各社はまず原賠法で民間との保険契約を義務付けられ、さらに国と補償契約を結び、保険では支払われないケースに備えている。
 保険による賠償の上限額は原子力施設の種類や規模で異なるが、通常の原発や再処理工場は最も高い1200億円になっている。
 賠償額は1962年に50億円でスタートし、80年に100億円、90年に300億円、2000年に600億円へと引き上げられ、福島第1原発事故の前年の10年に現在の額になった。
 被災者救済の観点からすれば当然、電力各社が自前で備える保険の規模は大きければ大きい方が望ましい。未曽有の被害が現実になったことを考えれば、今回は当然、かなりの引き上げが決められるべきだった。
 賠償額については別の問題もある。1200億円は原発1カ所の額であり、原子炉の数は関係ない。そのため、原子炉7基の東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)も3基の東北電力女川原発(宮城県女川町、石巻市)も、同じ1200億円になっている。
 常識的に考えれば、賠償額は原発ごとでなく、原子炉ごとに設定されるべきではないだろうか。
 原賠法では電力各社の責任は「無限・無過失」であり、その点は今後も変わらない見通し。保険で支払われる額を超えても賠償責任を負うが、それでもできるだけ保険による支払い能力を充実させておかなければならない。
 国は福島第1原発事故の後始末の費用として、賠償と廃炉、除染で合計22兆円が必要と見込んでいる。額はさらに膨らみ、70兆円に達するという民間の試算もある。
 その現実を前にしてもなお、原子力災害の賠償金を据え置くのは理解し難い。被害回復への備えは原発再稼働より優先されるべきなのに、置き去りにされている。


西日本豪雨の被災小中で授業再開 「友達に会えてうれしい」
 西日本豪雨の被災直後から前倒しで夏休みに入るなどした広島県、愛媛県の小学校や中学校が27日、相次ぎ授業を再開した。「友達に会えてうれしい」。運動場に土砂が残るところもあるが、笑顔で登校する様子が見られた。
 体育館などが被災した広島県坂町の町立坂小は、9月の始業式を前に再開。被災直後の7月上旬から夏休みになったため、1学期の授業の不足分を補う。午前7時半ごろから児童が保護者とともに登校。運動場が土砂の仮置き場となっており、粉じんを吸わないようマスク姿も目立った。
 愛媛県では西予市、大洲市、宇和島市の小中16校が、始業式を行ったり授業を再開したりした。


「首都水没」著者が提言…行政の指示より前に自主避難を
 異常気象が続く今夏、豪雨や台風が西日本各地につめあとを残しているが、もし東京で河川の氾濫が起きれば、東京23区は4割のエリアが水没。首都機能は完全に麻痺する。「首都水没」(文春新書)の著者で、都庁職員として都市防災を手掛けた専門家、リバーフロント研究所・技術参与の土屋信行氏が水害の危険性を緊急提言する。荒川の堤防が決壊したそのとき、北千住駅の浸水予想は実に7.25メートルに達するという。
■荒川氾濫で62兆円の損失を想定
  ――今夏、荒川の河川敷で行われた「足立の花火」を見物してきました。打ち上げ場所と客席がとても近く、ダイナミックで素晴らしい花火大会でした。そこでふと思ったのは、「こんな大きな川が氾濫するものだろうか?」という疑問です。なにしろ、北千住側の高さ10メートルの堤防から対岸の小菅側の10メートルの堤防まで優に400メートルの距離がある。とてもあふれるようには思えませんでした。
 河川安全の基準の範囲内で雨が降ってくれればいいのですが、自然の雨はそうはなってくれません。想定外のことが起こるから、それに対し準備しなくてはいけないのです。台風の月別の発生頻度は9月をピークに10月、11月初旬に突出し、一般的には北上してくるものでしたが、近年は太平洋側地域で海水温27度以上のゾーンが広がっています。より日本に近いエリアで台風が発生しやすく、発生した台風にエネルギーを供給しながら勢力を高めてしまう。日本はすでに亜熱帯化しており、「過去に起きていないことが起きている」と考えるべきです。実際、西日本豪雨では、積乱雲が連なって猛烈な雨を降らせる「線状降水帯」が多発しました。東京にこれが起こらないとは言えません。
  ――内閣府想定では、72時間雨量が550ミリを超えると荒川が氾濫します(西日本豪雨の72時間雨量は最大1319ミリ)。その場合、土木学会は約62兆円の被害を想定しています。
 大きな金額と感じるでしょうが、これには地下の被害が算入されていません。日本人の性と言っていいですが、公共交通機関で働く人は最後まで人員を輸送しようと頑張ります。勤勉な鉄道マンの性ですが、あふれた水は地下鉄構内になだれ込み、直結した百貨店や地下街を水没させます。地下からの脱出がどれくらいかかるのかシミュレーションはありません。健康な人は逃げられるでしょうが、車椅子の人やお年寄りもいる。堤防の決壊から3時間で大手町駅、約4時間で東京駅、約7時間で銀座駅まで浸水する。机上の訓練ではダメで、実際にやってみないといけません。2012年10月29日の夜、ハリケーン「サンディ」がニューヨークを直撃しました(死者43人=編集注)。このとき、ニューヨーク都市交通公社(MTA)は、前日の夕方までにすべての地下鉄とバスの運行を中止しました。そのため、地下鉄内での人的被害はゼロでした。
  ――NYが参考にしたのが、台湾・台北市を襲った01年9月の台風16号だったようですね。
 地下鉄が約12キロにわたって水没し、完全復旧までに3カ月を要しました。台湾がすごいのは、これを全世界に公開したこと。台湾を参考にしたニューヨークはハリケーンの前日に地下車両や機器類を移動させ、被害を最小限にとどめました。東京では、地下鉄の運行を止める権限は、東京メトロの管理者にあります。ただ、地下鉄を止めることによる経済被害は計り知れず、果たして重大な決定を企業判断で下せるものか。事前に取り決めがあった方がいいと思います。もちろん、台北市への視察は日本からも行っています。
   ――今まさに想定外のことが起ころうとしていますが、過去の日本人は上げ舟といって、岐阜、愛知、三重の木曽川水域の家では、軒先に脱出用の小舟をつるしていました。現在の人は、危機感が薄いようにも感じます。
 一番大事なのは、洪水の災害情報を共有することです。私の両親は昭和22(1947)年のカスリーン台風を体験しています。私が生まれたのは埼玉県の栗橋町(現・久喜市)。まさに利根川右岸堤防が決壊した場所でした。父は当時内務省に勤めていて、河川改修を担当していました。その時点で私はまだ生まれていませんが、近所には昔の五人組のような連携があって、水防団の一員として母親も他家の2人の子供をあずかったそうです。たまたま7〜8メートルの盛り土があって、河川工事用の砂利や材木のストックヤード(一時保管所)がスーパー堤防の役割をしたため、幸いにも近所で死者は出ませんでした。
  ――昔の人は「あすは我が身」という意識が高かったのですね。
 私がまだ幼い頃、お月さまが出ていない日の夜中、母親に「起きろ!」と叩き起こされたものです。東西南北も分からないような真っ暗闇の中、玄関まで感覚で歩いていき、父と母、姉、自分の靴の位置がわかるようにしつけられた。母親の施す避難訓練でした。現在、避難情報は自治体のおのおのの長が発しますが、これが判断の乱れる要因です。行政に言われる前に自主避難する。それも明るいうちに行うのが大事です。
■台風に高潮が加わると江東区で最大水深10メートル
  ――カスリーン台風規模の台風が来て荒川が決壊すれば、墨田、江東、足立、葛飾、江戸川の江東5区で、人口255万人のうち最大178万人が避難しなくてはいけません。スーパー堤防の建設で防ぐこともできそうですが、民主党政権時の事業仕分けで廃止されました。さすがに総額100兆円と聞くと、今の貧乏な日本では手が出ません。
 スーパー堤防は国交省が1980年代に整備を始め、首都圏、近畿圏の6河川で873キロ造る計画でしたが、現在はとくに氾濫危険の高い120キロに計画が縮小されています。私の試算では、これなら全体で7兆円、関東だけなら5兆円の予算で済みます。日本人は何かあると、復旧・復興ばかりに目がいきますが、本来は事前の防災や減災対策の方が重要。もし荒川が決壊すれば、62兆円の被害が出るのです。しかも、日本の中枢である首都機能が麻痺すれば、経済・政治に混乱が起こるし、もっと大事なのは世界の信用を失うことです。海外の人は自分たちの首都さえ守れないのか……と思うでしょう。一方、ハリケーン上陸の前日に公共交通機関を止めたニューヨークは、住民や観光客の安全を必ず守ると世界に宣言したようなものです。
  ――意外に軽視されていますが、高潮被害も怖い。高潮とは台風など発達した低気圧により、海面が吸い上げられて異常に高くなる現象ですが、海水が流入する墨田区や江東区などの一部では、最大水深10メートルにもなる。水泳の高飛び込み競技のプールですら基準が水深5メートル程度ですから、かなりの深さになります。
 明治期以降、東京は地盤沈下に合わせて堤防の高さを変えてきました。しかし、東京都の今年3月の予測では、墨田、葛飾、江戸川の3区で9割以上が浸水し、千代田、新宿、港なども含め17区に浸水が想定されます。浸水の想定区域は約212平方キロ、この区域内の昼間人口は約395万人、水深は最大約10メートルに達します。水深10メートルというのは、10メートルの津波が襲ってくるのと一緒。西日本豪雨などの雨と違って、海の水は無尽蔵に流入してきます。また満潮は1日2回ですから、そのたびに入ってくるのです。過去になかったから安全だろうと思ってはいけません。 (聞き手=本紙・加藤広栄)
▽つちや・のぶゆき 1950年埼玉県生まれ。工学博士。75年東京都に入り、建設局区画整理部移転工事課長、道路建設部街路課長などを歴任し、03年から江戸川区土木部長。11年江戸川区環境推進事業団理事。13年から現職。


理系高校生、大学と一貫教育 科学界担う卵、優先育成
 文部科学省が、理数系科目の得意な高校生を地域の中核的な大学に積極的に受け入れる入学枠を設けるなど、高校と大学で一貫した専門的な教育を行う新制度を始める方針を決めたことが27日、分かった。研究費不足などで「科学技術立国」の地盤沈下が指摘される中、日本の科学界を担う研究者の卵を育成することを目指す。
 初年度は全国から参加校を募り、モデルケース1カ所を選ぶことを想定。その後は大都市圏に偏らないよう配慮しながら、数年かけて数カ所に拡大する方針。関連予算を2019年度概算要求に盛り込む。
 将来は優秀な生徒が高校卒業前に大学に入る「飛び入学」につながる可能性もある。


安倍氏が総裁選出馬表明 「負の遺産」清算の展望は
 安倍晋三首相がきのう、9月の自民党総裁選への出馬を正式に表明した。これにより、既に立候補を決めている石破茂元幹事長との論戦が実質的に始まることになる。
 総裁選が選挙戦となるのは、安倍首相が返り咲いた2012年秋以来だ。今回はその後の約6年を自民党として初めて総括する場となる。
 現状では首相が優位な情勢は変わっていないようだ。3選されれば21年秋まで、第1次安倍内閣と合わせれば戦前・戦後通じて最長の「10年政権」となる可能性が出てくる。
 それだけに首相はあと3年、どう政策を仕上げていくのか、具体案を提示していく必要がある。同時に3年後、どう政権を引き継いでいくのかという点にも首相は大きな責任を負っていると言っていい。
アベノミクスのひずみ
 そんな重要な総裁選でありながら、出馬表明がほとんど言いっぱなしに終わったのは残念だ。
 首相は「(次世代に)誇りある日本を引き渡すために、かじ取りを担う」等々と言葉を並べたが、具体的な中身はなかった。
 そもそも訪問先の鹿児島県を表明の場に選ぶ異例の手法をとったのは地方重視の姿勢をアピールする狙いからだったと思われる。
 国会議員票とともに、党員票でも圧勝しないと、その後の政権運営が厳しくなると首相は考えているのだろう。だが、こうした演出優先の姿がどれだけ国民の心に響き、3選への理解を深めたか疑問だ。
 「地方創生」「女性活躍」「1億総活躍」「働き方改革」……。首相は毎年のように新しいキャッチフレーズを生み出してきたが、首相自身が認めるようにいずれも「道半ば」だ。実際には一つ一つ、きちんと成果を検証することなく、目先だけを変えてきたのではなかったか。
 中でも行き詰まりを見せているのは第2次政権発足直後から鳴り物入りで進めてきたアベノミクスだ。
 確かに、日銀の「異次元の金融緩和」によって円安が進み、恩恵を受けた輸出産業を中心に株価は上昇した。雇用は増え、企業収益は全般的に向上するなど、いくつもの経済指標が好転したのは間違いない。
 しかし日銀は金融緩和を続けるとともに、巨額な上場投資信託(ETF)を買い入れて株価を支え、国債を大量に購入して結果的に政府の財政出動を後押ししてきた。そうした方法が市場をゆがめているという懸念は一段と強まっている。
 当初2年程度で達成すると言っていた2%の物価上昇目標も達成されないままだ。デフレ脱却を大義名分に導入された「劇薬」は、今や効果より副作用の方が心配されている。
 肝心の個人消費は思い通りに上向かない。多くの国民が今も景気回復を実感しているとは言い難い。とりわけ地方経済には効果は限定的で、地方の不満は強い。
 そして消費増税を2度先送りしながら、予算は膨張し、将来世代への借金のつけ回しは増えるばかりだ。
石破氏との討論重ねよ
 問題は安倍首相がこうしたマイナス面に目を向けないことだ。
 首相が非を認めようとしないのは経済政策に限ったことではない。だが修正もせずに、また「道半ば」を繰り返して3年が過ぎれば、迷惑を被るのは次の政権であり、国民だ。
 首相交代後、経済政策が急激に変われば市場は大混乱するかもしれない。さらに20年の東京五輪・パラリンピック後には日本全体の景気が後退局面を迎えるとの見方もある。
 ひずみは次の政権に引き継がれる可能性がある。これらの「負の遺産」を清算する展望を首相は持っているのか。それがなく「後は野となれ山となれ」では困るということだ。
 経済政策について、石破氏は金融緩和の出口戦略を模索して金融引き締めに転じる一方、財政再建を重視する考えを示している。論戦は国民にとっても意味あるものとなる。
 無論、争点は経済だけではない。強引さばかりが目立つ首相の国会運営や、森友学園問題等々にみる行政のゆがみ、憲法改正、外交・安保など課題は多い。石破氏がテーマごとの公開討論会を求めるのは当然だ。
 にもかかわらず、安倍首相側は討論には消極的で、この日の出馬表明と同様、総裁選期間中も候補者が一方的に考えを述べる街頭演説を中心にしたい意向だという。
 「10年政権」を目指す首相だ。まさか堂々と論戦するのは自分に不利だと考えているわけではあるまい。


自民党総裁選 改憲前のめりが心配だ
 安倍晋三総裁(首相)がきのう立候補を正式に表明した九月の自民党総裁選。石破茂元幹事長との一騎打ちとなる見通しだが、内外の課題が山積する中、憲法改正にはやる安倍氏の姿勢が心配だ。
 連続三選を目指す安倍氏が、総裁選への立候補の表明場所に選んだのは視察先の鹿児島県だった。
 六年前の総裁選では決選投票の議員票で石破氏を破ったものの、第一回投票の党員・党友票は石破氏より少なかった。連続三選を確実にするため、地方重視の姿勢を示そうとしたのだろう。
 自民党という一政党内の手続きだが、事実上の首相選びだ。総裁選で何が議論され、政策の方向性がどう決まるのか、一有権者としても関心を持たざるを得ない。
 気掛かりなのは、議員票の七割を固め、連続三選の可能性が高いとされる安倍氏が憲法九条の改正に前のめりになっていることだ。
 安倍氏は昨年五月、戦争放棄の一項と戦力不保持の二項を維持したまま、自衛隊の存在を明記する九条改憲案を提唱。今月十二日の講演では「いつまでも議論だけを続けるわけにはいかない」として自民党改憲案の秋の臨時国会への提出を目指す意向を示した。
 石破氏は、改憲案提出を急ぐ安倍氏の姿勢を批判しつつも、九条二項を削除して、自衛隊を軍隊と明記すべし、との立場に立つ。
 石破氏の主張よりも安倍氏の九条改憲案の方が穏健に見えなくもないが、自衛隊の存在が憲法に明記されれば、戦力不保持の二項が死文化するとの指摘や、自衛隊運用の歯止めが弱まり、活動範囲が拡大しかねないとの懸念もある。
 安倍氏が力を入れる自衛隊明記を含め▽教育の無償化・充実強化▽緊急事態対応▽参院の合区解消−という自民党の改憲四項目はいずれも、改憲をしなければ対応できないという緊急性には乏しい。
 共同通信社が実施した最新の全国電話世論調査によると、安倍氏が秋の臨時国会に自民党改憲案の提出を目指す意向を示したことについて「反対」との答えは49・0%で、「賛成」の36・7%を上回った。こうした国民の慎重論は顧みられることはないのか。
 不公平、不公正が疑われる行政判断や公文書の改ざん、隠蔽(いんぺい)が相次いだ行政への信頼回復の方がよほど喫緊の課題だ。少子高齢化への対応など直面する問題も山積している。活発な政策論争は歓迎したいが、九条改憲を巡る議論が過熱し、国民にとって肝心の課題が置き去りにされてはならない。


首相出馬表明 政権の検証欠かせない
 安倍晋三首相がきのう、「あと3年、日本のかじ取りを担う決意だ」と述べ、来月7日告示の自民党総裁選に連続3選を目指して出馬する意向を正式に表明した。
 出馬に意欲を示していた野田聖子総務相は推薦人を確保できず断念する方向で、首相と石破茂元幹事長の一騎打ちとなりそうだ。
 議員票で優位に立つ首相は3選され総裁任期3年を手にすれば、第2次内閣以降9年に及ぶ歴代最長の長期政権が視野に入る。国民も無関心ではいられない。
 総裁選を国民に向けて開かれた論戦にするのは政権与党の責務だろう。そのために欠かせないのは、6年近くにわたる首相の政権運営に対する検証と評価である。
 注目したいのは経済政策だ。石破氏は先週、アベノミクスと一線を画し、地方創生を公約の柱に据えると表明した。
 大都市や大企業の経済成長の果実を地方に波及させるという現政権の考えは採らず、「地方や中小企業が果実を生み出す」と言う。
 掘り下げてほしい論点である。
 異例の大規模金融緩和は銀行経営を圧迫するなど深刻な副作用をもたらす一方、低所得層まで幅広い国民が景気回復を実感するにはいまだ至っていない。
 この現状を首相はどう認識しているのか。自画自賛ではない客観的な評価が求められよう。
 忘れてならないのは「森友・加計」問題だ。長期政権の弊害が官僚による首相への「忖度(そんたく)」を生んだと指摘され、森友問題では決裁文書の改ざんという前代未聞の不祥事につながった。
 一時大きく下落した内閣支持率は、週末の共同通信の世論調査でもなお支持と不支持が拮抗(きっこう)した。
 事は政権の信頼性に関わる。首相が真相究明を怠り、総裁選に勝てば決着済みにできると考えているなら見当違いも甚だしい。
 北朝鮮の非核化は不透明で、米中貿易摩擦は世界経済に深刻な影響を及ぼしかねない。トランプ米政権への追随ばかりが目立つ外交政策も是非を論じてもらいたい。
 実のある政策論争のためには候補者同士が議論する場を多く設ける必要がある。石破氏はテーマごとの討論会開催を求めているが、首相側は政権批判の機会を増やすのを嫌ってか消極的なようだ。
 首相はきのう「歴史の大きな転換点を迎える中、どのような国造りをしていくかが争点だ。骨太の議論をしていきたい」と述べている。ならば、批判を恐れずに受けて立つのが筋ではないか。


安倍氏出馬表明  政策論議の機会増やせ
 自民党総裁選(9月7日告示、20日投開票)に安倍晋三首相(党総裁)が連続3選を目指し立候補を正式に表明した。石破茂元幹事長との一騎打ちとなりそうだ。
 事実上の首相選びだ。約5年半の長期政権を担当してきた安倍氏は今後3年間のしっかりした内政、外交政策を示さなくてはならない。
 森友・加計問題や財務省決裁文書改ざん問題など政権不祥事で政治不信を招いた。この総括と対策が何よりも不可欠だ。
 鹿児島県で記者団に出馬表明した安倍氏が強調したのが「新たな国造り」だ。「どう進めていくか骨太の議論をしたい」と述べ、総裁選の争点とする考えを示した。
 その一つに憲法改正があるのは言うまでもない。戦力不保持の9条2項を残したまま、自衛隊を明記する改憲に「大きな責任を持つ」と主張している。
 石破氏は9条改正の優先順位は低い、としている。
 改憲を党是ともする自民党の総裁選で主要テーマには違いない。だが、次の総裁にどんな政策を期待するか聞いた共同通信世論調査では、社会保障や医療・福祉、経済政策、少子化対策が上位に並び、改憲への関心はそう高くない。
 改憲に議論が集中し、国民生活に根差した政策課題や安倍政治の検証という重要な論点がかすんでは困る。国造り論議では幅広く政策課題をぶつけてほしい。
 「正直、公正」な政治姿勢を石破氏は対立軸に据え、首相批判を強めてきたが、安倍氏はどう答えるのか。党や政権の在り方についても徹底した議論を求めたい。
 安倍氏の鹿児島での出馬表明は地方重視の姿勢を示したものだ。国会議員票は大半を早々と固め、優位に立つ。2012年総裁選で石破氏に地方票で負けた経緯もあり、地方行脚を本格化させて地方票でも大勝を狙う戦略といえる。
 今回3選を果たせば安倍氏は首相在職期間が通算で歴代最長となることも視野に入る。
 党内では既に選挙後の内閣改造や党役員人事に関心を示す空気もある。だが、6年ぶりの本格的な政策論争の機会を単なる権力闘争の舞台にしてはならない。
 気になるのは、石破氏陣営が公開討論を求めているのに対し、安倍氏陣営は消極的という。
 「骨太の議論がしたい」との考えは両氏共通だろう。選挙中は討論会や演説会など論戦の場を増やすべきだ。開かれた論争を通じ、日本の向かうべき針路を党員だけでなく、国民に示す必要がある。


自民党総裁選 6年間の検証欠かせぬ
> 9月の自民党総裁選に、安倍晋三首相がきのう、正式に名乗りを上げた。既に立候補表明している石破茂元幹事長との一騎打ちになる公算が大きい。
 9月7日の告示で、20日に投開票される。党員・党友による地方票405票と国会議員票405票の合計810票を争う。
 前回の2015年は、首相が無投票で再選を果たしたため、6年ぶりの選挙戦になる。党の総裁選びだが、実質的には次の国政のリーダーを決める選挙だ。日本の将来像を示し、全ての国民に開かれた政策論争を強く望む。
 最大の争点は6年間の「安倍政治」の評価である。まず政権運営の在り方が問われる。数の力を背景にした強引な国会運営は目に余った。反対意見の根強い法案を次々に成立させた。
 政権の不祥事が相次ぐ状況も問われよう。森友・加計学園問題では公正・公平であるべき行政判断が首相の影響でゆがめられたのではないかとの疑念が生じた。関連公文書の改ざんや、陸上自衛隊の日報隠蔽(いんぺい)、働き方改革を巡る不適切なデータ処理などが次々と明るみに出た。
 総裁選では、一連の不祥事を引き起こした原因がどこにあったのか、しっかりした議論が欠かせない。
 石破氏は総裁選のキャッチフレーズに「正直、公正」を掲げる。森友・加計問題で批判が高まった首相の不誠実な対応を念頭に置いているのは間違いない。政治姿勢の違いを対立軸に据え、首相に対する批判票の受け皿になる戦略なのだろう。
 ところが、党内からは「個人的なことで攻撃するのは嫌悪感がある」といった批判が出ている。石破氏が問うているのは、公人としての首相の政治姿勢である。にもかかわらず、批判や異論を封じるような動きが党内で強まるのはいかがなものか。長く続く「安倍1強」政治の功罪も検証しなければならない。
 党内では、7派閥のうち5派閥が早々と首相の支持を決めた。国会議員票は首相の圧倒的優位が揺るぎそうもない。ただ、せっかくの政策論争の機会を、単なる「消化試合」にしてはなるまい。
 鍵を握るのは地方票である。過去には結果を左右したこともある。今回から国会議員票と同数になり重みを増した。首相がきのう立候補表明の場に選んだのは鹿児島県だった。地方重視の姿勢をアピールし、地方票を取り込みたい思惑がにじむ。
 石破氏も地方対策を公約の中心に据える。首相による地方創生の取り組みについて「勢いは失われた」と言い切る。「大都市や大企業の経済成長の果実を波及させる考え方はとらない」とし、地方や中小企業の成長を重視する考えを示した。アベノミクスの見直しも求める。
 首相はきのうの立候補表明で「日本の国造りをどう進めていくか骨太の議論をしたい」と述べた。その言葉通りなら堂々と議論を受けて立つべきである。
 ふに落ちないのは、首相が秋の臨時国会に憲法改正案提出を目指すと訴え、再び改憲スケジュールを持ち出したことだ。焦点を改憲に当て、石破氏が設けた争点を避ける狙いがあるのではないか。重要なテーマだが、国会での議論も尽くされていない。総裁選の争点がかすむことがあってはならない。


首相と総裁選 論戦に正面から向き合え
 最大与党のトップの座を争うことは、首相の地位を争うこととイコールである。内向きを排し、国民のための堂々たる論戦を展開してもらいたい。
 安倍晋三首相が26日、自民党総裁選(9月7日告示、20日投開票)に立候補することを正式に表明した。
 石破茂元幹事長は首相に先だって出馬を表明しており、両氏の一騎打ちの構図が固まった。総裁選は2012年以来、6年ぶりの選挙戦となる。
 首相は視察先の鹿児島県内で記者団に、昨年の衆院選で得た国民の負託に応える責任があると強調した。その上で「あと3年、日本のかじ取りを担う決意だ」と述べた。
 当選すれば連続3選となる総裁選に向け、首相は強い意欲をにじませ、支持固めのための布石も着々と打ってきた。出馬は既定路線だ。
 首相は、総裁選の争点は国造りをどう進めるかだとし、骨太の議論を交わす考えを示した。
 だが、問われるのは「これから」ばかりではない。「これまで」の首相の政治姿勢や政権の在り方も重要な争点だ。それをきちんと認識してほしい。
 「1強」と称される首相の政権運営が5年半以上に及ぶ中、森友、加計学園問題をはじめ長期政権の弊害と見える不祥事が相次いで表面化した。
 石破氏は立候補表明に当たり「正直、公正」を掲げて政治の信頼回復を唱え、首相への対決姿勢を鮮明にした。さらに「徹底的な議論」も要望した。
 一方、首相は石破氏がテーマごとの討論会を求めていることには「党選挙管理委員会で今までと同じようにルールを決め、しっかりと論戦を戦わせるべきだ」と述べるにとどまった。
 心配なのは、十分な議論の機会が確保されるかどうかだ。
 先ごろ党内で討論会や街頭演説の日程が議論された際は、機会を限定する案が示された。選挙期間中に首相がロシア訪問を予定しているためだ。
 首相は国会議員票の7割を固めたとされ、対する石破氏は議論を通して党員・党友による地方票に訴える戦略を描く。
 こうした中、優位に立つ首相サイドには石破氏の批判を警戒し、討論を避けたい思惑があるとの見方も出ている。
 首相と石破氏の直接的な討論は、永田町から遠い地方の自民党支持者だけでなく、国民の関心も高いはずである。首相は論戦に積極的に応じるべきだ。
 自民党も環境づくりに努めてほしい。国民に開かれた議論を行い、よりよい政治を実現する責務があることを忘れてもらっては困る。
 強い懸念が拭えないのは、首相が総裁選を憲法改正への弾みにしたいとの意向を示していることだ。首相は9条への自衛隊明記に強くこだわるが、国民の疑問は根強い。
 政権党とはいえ、一党の総裁選に勝利することによって異論を封じ、改憲のお墨付きを得ようと考えているのだとしたら極めて無理筋だ。


自民党総裁選/安倍政治の検証が不可欠
 安倍晋三首相が9月の自民党総裁選への立候補を表明、石破茂・元幹事長との一騎打ちという決戦の構図が固まった。一つの政党の党首選挙、投票できるのは自民党国会議員と党員・党友に限られているとはいえ、事実上の首相選びである。党員以外の国民にもよく見える候補者同士のオープンな討論の場を数多く設定してもらいたい。
 総裁選の最大の争点は、一言で表せば「安倍政治」への評価だ。森友、加計両学園問題や自衛隊の日報隠蔽(いんぺい)によって、政治や行政の公平・公正さに大きな疑義が生じ、信頼が揺らいだ。異論に耳を傾けず、数の力で法案を成立させていく強引な国会運営は、民主主義に肝心な合意形成の努力を怠っている。5年8カ月の長期政権のゆがみが表面化しているのだ。
 首相に挑む石破氏が「政治・行政の信頼回復100日プラン」を打ち出したのは、安倍政治に異を唱えたといえよう。これに対し、安倍首相は秋の臨時国会に党の憲法改正案提出を目指すと訴え、再び改憲スケジュールを持ち出すなど、「新たな国造り」を争点に据える意向だ。
 もちろん、憲法を含め、内政、外交などの政策課題を巡って論戦することも必要だろう。しかし、今後の針路に目を向ける前に、ここまでの安倍政権を検証する作業は欠かせない。森友、加計問題も、国会を欺いてまで隠そうとした真相が、依然として未解明のままでは、幕引きさせるわけにはいかないのである。
 政策面でも総括する絶好の機会だ。異次元の金融緩和で確かに各種経済指標は好転したが、財政再建の道は明らかに後退した。長期の大規模緩和の”副作用”も懸念され、アベノミクス三本の矢の一つである成長戦略も実を結んでいるとは言い難い。国民が望む持続可能な社会保障制度を構築したのか。看板に掲げた地方創生は進んでいるのか。国際協調に背を向けるトランプ米大統領の登場や朝鮮半島情勢の激変で「地球儀俯瞰(ふかん)外交」や安全保障政策はこのままでいいのか。検証のテーマは多岐にわたる。
 自民党総裁選の歴史をたどると、現職の首相(総裁)が敗北したのは1978年の福田赳夫氏だけ。99年、2003年には、当時の小渕恵三首相、小泉純一郎首相に対立候補が挑んだものの大敗しており、現職の「壁」は厚い。
 6年ぶりの選挙となるが、多くの派閥が早々と安倍首相の3選を支持。首相は国会議員の7割を固めたとされ、圧倒的に優位に立つ。だが、総裁候補の政見や政策を吟味もせずに1強にすり寄る光景は、自民党の活力の喪失を映し出しているのではないか。
 総裁選は自民党の衆参両院議員405人と、100万人余りの党員・党友の投票を405票に換算した合わせて810票で争われる。久しぶりに1票を投じる党員らに、そして国民に、丁々発止の討論の舞台をつくることは、開かれた政党の責務だ。
 非力な野党に乗じて国会の熟議は消え、自民党内も冷遇を恐れ、物言わぬ集団と化しつつある。そこに一石を投じた論客の石破氏に対して、安倍首相も「骨太の議論」を口にするなら逃げずに堂々と討論を受けてほしい。それが歴代最長の在任記録をうかがう宰相の度量でもある。


出馬表明を生中継 “安倍チャンネル”と化したNHKの過剰演出
 いやはや、異常な連携プレーだ。NHKが26日、視察先の鹿児島・垂水市での安倍首相の自民党総裁選への出馬表明を生中継。午後3時45分から緊急番組を組む熱の入れように、安倍首相も視聴者が恥ずかしくなるほどの露骨なカメラ目線で応じた。
 勇壮な桜島をバックに、安倍首相が「子供や孫たちに美しい伝統あるふるさとを引き渡していく」と仰々しく決意を語る。NHKは石破元幹事長の出馬表明も生中継してはいるが、それと大きく違ったのは、やたらと作り込まれた映像だ。
 スタジオには“安倍首相べったり”の政治部の岩田明子記者が陣取る鉄壁の布陣である。彼女は「鹿児島での出馬表明は地方創生を重視する姿勢を打ち出すため」「今年は明治維新から150年。明治維新ゆかりの地、鹿児島を(出馬表明の)発信の地とすることで“新しい国づくり”への意欲を示す狙いもあったのかと思う」などと解説。安倍首相の出馬表明が5分足らずだっただけに、言い足りない部分をしっかりフォローし、政権のスポークスマンとしての役目を十分に理解しているかのようだった。
 NHKは安倍首相の出馬表明映像を再び流すため、午後4時に開始予定だった「オリンピックコンサート」の放送を2分遅らせる徹底ぶり。オリンピックよりも現職首相の出馬表明を優先し、今や「皆様」ではなく、「アベ様」のNHKに成り果てている。
「安倍首相の出馬はすでに織り込み済みで、緊急性は全くありません。その証拠に、どの民放も出馬表明を生中継しませんでした。通常のニュースの枠で報じれば十分です。首相が表明の場に鹿児島を選んだのも地方重視を打ち出す狙いがミエミエで、NHKの用意周到な生中継の演出は、地方票を欲しがる安倍陣営の選挙運動の片棒を担ぐようなものです。それこそ政権側がメディアへの恫喝のネタに使ってきた放送法4条の『政治的公平』に反しています」(法大名誉教授・須藤春夫氏=メディア論) 
 NHKの不気味なまでの“安倍チャンネル化”は、鳥肌が立つほどである。


何から何まで前代未聞 自民党総裁選の不気味さと異様さ<1>
「正直、公正」を争点に据えられた異常、それを撤回させた横暴、引き下がったヘタレ
「あと3年、自民党総裁、首相として日本の舵取りを担う決意だ」――。安倍首相は26日、訪問先の鹿児島県垂水市で記者のぶら下がり取材に応じ、9月の党総裁選(7日告示、20日投開票)への立候補を正式に表明した。総裁選は、石破茂元幹事長との一騎打ちとなる見込み。すでに党内では安倍陣営による石破の言論封じ込めや、支持がはっきりしない国会議員らに人事をチラつかせて支持を迫る前代未聞の選挙戦の様相を呈している。
 今回の総裁選は2012年来、6年ぶりだが、早くも安倍VS石破のバトルは始まっている。石破が出馬会見で掲げた「正直で公正な政治」というキャッチフレーズに対し、党内から「個人攻撃はヤメロ」という批判の声が広がっているのだ。
 石破としては、いまだに世論の不信感が強い「森友・加計問題」を意識し、一種の「アネクドート」(ロシアの政治的なジョーク、風刺)で安倍の政治姿勢を批判したのだろう。これに対して、石破支持を決めた参院竹下派から「個人的なことでの攻撃には非常に嫌悪感を覚える」「首相に対する個人攻撃は控えるべきだ」とケチがついたのだから驚きだ。
 そもそも、小学校の学級委員選挙のようなキャッチフレーズが総裁選の“争点”に据えられたこと自体、異常と言わざるを得ない上、別に石破は安倍を名指しして“口撃”したワケじゃない。それなのになぜ、個人攻撃につながるのか。
 政治評論家の小林吉弥氏はこう言う。
「石破さんは公党が目指すべき政治の在り方として『正直・公正』と、当たり前のことを言っただけ。個人攻撃という批判は的外れです。批判の理由は恐らく、総裁選で石破さんが『正直・公正』を口にするほど、国民のモリカケ不信感がくすぶり続け、来年の統一地方選、参院選にも影響が出かねないと考えているから。特に参院側がピリピリしているのもそのためだと思います」
 石破も石破で「個人攻撃じゃない」と突っぱねればいいのに、「(キャッチフレーズを)変えることがあるかも」なんてアッサリと白旗を揚げるそぶりを見せているからだらしない。おとなしく引き下がれば「ヘタレ」呼ばわりされて政治生命もオシマイになりかねない。
プーチン、習近平、エルドアン…「掟破り」の独裁者と安倍の共通項
 自民党総裁はもともと2期6年だったのに、昨年3月、安倍の意向を受け3期9年に変更された。この“掟破り”は、世界の名だたる「独裁者」の発想と酷似している。
 ロシアのプーチン大統領は「連続3選」を禁じる憲法の規定に従い、2期終了後の08年、「首相」に転身。自身に忠実なメドベージェフ現首相を大統領に据え、12年に大統領に返り咲いた。任期切れの24年には再度の「首相」転身か、3選を可能とするよう憲法を改正すると囁かれている。
 中国も今年3月の全国人民代表大会で承認された憲法改正で、「2期まで」とされた国家主席の任期規定を撤廃。習近平国家主席が永続的にトップに居座れるようになった。トルコでは昨年4月、大統領の権限拡大のための憲法改正の是非を問う国民投票が実施され、賛成51%の僅差で承認された。現職のエルドアン大統領は司法にまで影響力を持ち、強固な権力を握るに至ったのだ。
「プーチン大統領に習国家主席、エルドアン大統領は任期延長や権限拡大を実現し、強権を振るっています。安倍さんはそんな彼らを羨望のまなざしで見ているのでしょう。もともと党則になかった総裁3選を可能にしたわけですから、総裁4選や『任期撤廃』だってルールを変えれば出来てしまう。最終目標は、トランプ大統領の子分で終わるのではなく、列強のリーダーの一角に名を連ねること。それは戦後レジームからの脱却にもなり得ます。安倍さんはそんな願望を持ち続けているのでしょう」(元経産官僚の古賀茂明氏)
 民主主義はいよいよ存亡の危機にさらされる。


何から何まで前代未聞 自民党総裁選の不気味さと異様さ<2>
現首相のくせに圧勝にシャカリキになるのはなぜなのか
「相手候補を壊滅させるくらいの圧勝しかない」。現時点で細田派(94人)や麻生派(59人)、岸田派(48人)、二階派(44人)などの主要派閥の支持を得ている安倍は国会議員票の7〜8割を押さえたとされ、周辺議員の間では、こんな強気の発言がバンバン飛び交っているという。
 さらに安倍が今、掘り起こしに力を入れているのは地方票だ。12年の総裁選では、地方票300票のうち、石破が165票、安倍は87票しか取れず、36都道府県で石破に負けた。これがよっぽどトラウマになったのか分からないが、今春から「私と会いたい人がいたら誰とだって会う」と言って首相官邸や公邸で地方議員や党支持団体との会合を積極的に重ね、石破の“牙城”の切り崩しに躍起になっていた。
 総裁選は現職が圧倒的に有利なのは言うまでもない。知名度は高く、絶大な権力とカネを握っているからだ。「すでにゲームオーバー」と報じている新聞・テレビもある中で、なぜ、安倍は「圧勝」にシャカリキになっているのか。立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)はこう言う。
「安倍さんは3選しても次はない。ということは、終わりが見えているから求心力を失う。つまり、レームダック化するわけです。改憲を何が何でも成し遂げたいと考えている安倍首相にとって、(国民投票のためには)世論の支持を集めなければならないから、何としても強大な権力を維持したいと考えているはずです。それには総裁選で圧倒的多数の票を得る必要がある。そのためになりふり構わない戦いをしているのでしょう」
 国会議員票を固めたといっても、民意を反映しているのは、やはり地方票。地方で過半数以上の支持を得なければ、世論は安倍に不信任を突き付けたのも同然なのだ。
後出し出馬表明が象徴する安倍陣営のセコさと卑劣、後ろ暗さ
 総裁3選に意欲マンマンだったにもかかわらず、後出しジャンケンのように出馬表明した安倍。ここに安倍の政治姿勢のセコさと卑劣さ、後ろ暗さが表れている。
 総裁選の選挙期間は9月20日の投開票日を除くと13日間。しかし、地方票の投票が19日に締め切られることや、11〜13日は安倍がロシア・ウラジオストクで開かれる国際会議に出席するため、実質的な選挙期間は1週間ほどしかない。このため、10日に出馬表明した石破は公開討論の開催を度々、安倍に呼びかけてきたが、陣営は「まだ出馬表明していない」との理由で“拒否”し、政策論争を避けてきたのだ。安倍の出馬表明直前に示された選挙日程によると、公開討論会の予定も日本記者クラブなどの2回だけ。テレビ出演も石破とは同席せず、単独出演を考えているというから逃げ回るにもホドがある。現職総理でありながら、正々堂々と政策論争する気はハナからないのだ。
 その一方で、裏ではヤクザ顔負けのドーカツで石破潰しを画策。安倍支持を表明しない国会議員に対して「傷がつきますよ」と脅したり、来夏の参院選で改選を迎える参院議員に「潮目が変わるかも」とスカシたり。人事で徹底的に干すとドヤし上げている。一部報道によると、安倍陣営は地方組織に対しても講演会などに「石破を呼ぶな」と圧力をかけて潰しているというから異常だ。
「(安倍陣営の)強引な手法がまかり通り、皆が唯々諾々と従っているのは、かつての『三角大福』(三木武夫、田中角栄、大平正芳、福田赳夫)のような有力な政治家が党内にいないという人材難の証しであり、『とりあえず安倍さん以外、他にいない』というだけのこと。国のトップリーダーを選ぶ重要な選挙だというのに、これでは国民が冷めているのもムリはありません」(小林吉弥氏=前出)
 時事通信の世論調査で、6カ月連続で不支持率が支持率を上回る「アベ政治」。安倍陣営も、そんな国民の怒りを知って後ろめたさを感じているからこそ、わざと中身のない総裁選にしたいのだ。


何から何まで前代未聞 自民党総裁選の不気味さと異様さ<3>
石破はどれだけ取れば、生き残れるのか、干されるのか。干されて離党が最善の道
 国会議員票で安倍が7〜8割を押さえたため、石破の頼みの綱は地方票だ。党員の中にはモリカケ問題などでの安倍の不誠実な対応に違和感を抱いている人も少なくない。国会議員のように「雪崩を打って安倍」とはならない可能性が高い。
「今度の総裁選は、国会議員票405票、地方票405票、合計810票で争われます。首相は国会議員票で300票以上取るのは当然のこと、地方票でも3分の2以上の270〜300票獲得が目標です。裏を返せば、石破さんが地方票で4割近く(150票前後)取れば、安倍首相は真っ青になるでしょう」(自民党関係者)
 安倍が地方議員を官邸や公邸に招いて接待攻勢をかけたり、地方組織に石破の集会を開かないようドーカツをかける中、それでも石破が地方票で4割に達すれば、「次」の芽も残る。だが、安倍が地方票でも7〜8割取る圧勝になれば、石破は干されるどころか、政治生命まで潰されてしまいかねない。
 政治評論家の森田実氏はこう言う。
「石破さんは『正直』『公正』という政治家としての生き方の“本質”を問題提起して立ち上がった。戦いに敗れて干されるぐらいなら、自民党を飛び出し、野党のリーダーになって、国会を立て直す道を選ぶべきではないですか。日本の政治全体を考え、断固として行動すべきです。かつて加藤紘一元幹事長が、当時の森喜朗首相に対する野党の不信任案への賛成を断念し、結局、それを機に事実上失脚しました。石破さんには、あの二の舞いにならないで欲しい」
 石破は決断できるのか。
安倍が「やる」と言っていることは全部口だけ
 安倍は出馬表明で、見事なまでに空疎な言葉を並べた。
「日本は大きな歴史の転換点を迎える。今こそ日本のあすを切り開く時だ」「平成のその先の時代に向けて、新たな国づくりを進める先頭に立つ決意だ」「歴史の大きな転換点を迎える中にあって、どのような国づくりをしていくかが争点だ」などと仰々しいセリフを連発。鹿児島という場所柄、維新の英傑気取りだったが、中身はスカスカ。「国づくり」の具体策は何ひとつ言っていない。
 これまでも「秋の臨時国会で憲法改正案提出を目指す」「私の手で拉致問題を解決する」と豪語してきたが、威勢のいいのは口先だけ。いずれも夢想の域を出ない。
「臨時国会の改憲案提出を連立を組む公明党が認めるわけはないし、拉致解決も常に“やるやる詐欺”で安倍首相は北朝鮮に全く相手にされていません。この時期に『改憲』と『拉致』を強調するのは、自分の支持基盤である右派の党員へのアピールに過ぎない。決意だけが空回りし、具体性に欠けた言葉は、政権継続のみが自己目的化していることの表れ。あと3年、ひたすら権力の座にしがみつきたいだけなのです」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)
 安倍が「やる」と言っていることは全てが絵空事。権力亡者の素顔を隠すための煙幕である。


何から何まで前代未聞 自民党総裁選の不気味さと異様さ<4>
全国民が唖然としたアベ様自民党の異様さと今後の政局
 安倍政権の支持率は4割だ。しかも不支持率の方が高い。それなのに、事実上の首相を決める自民党総裁選で、自民党国会議員の7、8割が早々に安倍支持に流れる光景は、世論と乖離し過ぎて異様だ。「アベ様に歯向かう者は許さない」とばかりに出馬を断念させたり、政策論争さえ封印しようとする自民党には、全国民が唖然としている。たとえ安倍が3選したとしても、世論の支持は下がることはあれ、戻ることはないだろう。
 来年は12年に一度やってくる統一地方選と参院選が重なる選挙イヤー。だから参院竹下派は安倍ではなく石破支持を決めたのだ。つまり、来年の選挙で国民が安倍政権にお灸を据えるだろうことを見越した対応である。
「国会議員の大半が安倍支持なのに、実は同じくその大半が、『安倍首相のままで来年の参院選はもつのか』という不安を抱いている。自民党はおかしな政党です。霞が関は公文書を改ざんし、障害者雇用の水増しまで出てきた。それでも安倍政権は何もなかったかのように、詭弁の政治を続けるのでしょうか。国民の怒りは参院選に向かうことになり、自民党は痛い目に遭うでしょう」(政治ジャーナリスト・角谷浩一氏)
 青木幹雄元参院議員会長、小泉純一郎元首相、古賀誠元幹事長、山崎拓元副総裁らOBが、安倍3選後の政局に何らかの仕掛けを考えているという話もある。安倍は参院選を乗り越えられるのか。
 本人が望んでも、永久政権どころか3年すらもたないんじゃないか。
恐らく前代未聞の腐臭を放つ組閣名簿の下馬評
 総裁選はまだ告示もされていないのに、早くも自民党内は「人事話」で盛り上がっているというからどうかしている。安倍3選を見越して囁かれる閣僚人事案からは、露骨な論功行賞と“お友達”優遇がにじみ出ている。
「いち早く安倍3選支持を明確にした二階幹事長と、無派閥議員を取りまとめる菅官房長官は留任が濃厚です。財務省の決裁文書改ざんで批判の矢面に立った麻生財務相も留任か、世論の手前、閣内に残すのが難しければ、党副総裁との観測が流れている。一方、支持表明が遅れた岸田派は、現在の閣僚4ポストのうち複数が召し上げられるとみられています」(自民党関係者)
 さらに〈官房長官・下村博文、経産大臣・甘利明、総務大臣・小渕優子〉といった仰天の閣僚名簿案まで流れているのだ。利害関係者から50万円を受け取り、大臣室でのツーショット写真まで明るみに出た甘利に、文科相時代に“政治とカネ”でヤリ玉に挙がった下村と、スキャンダルで表舞台を去った人物の名前が挙がるのは、安倍がお友達の“復帰”を熱望しているからだ。甘利は早速27日朝、首相官邸を訪れ、政策提言書を提出する猛アピールだ。
「3選直後は、レームダック化を避けるため、総裁選での論功行賞に配慮したおとなしめの改造人事を行うかもしれません。ただ、安倍さんは最終的に『任期撤廃』まで狙っている可能性がある。恫喝と懐柔を使い分け、人事で求心力を高め、党内基盤が固まったところで、“お友達”登用に打って出ることも考えられる。結局、これまでの5年8カ月と変わらず、好き勝手な人事で1強体制を強固にしようとするのだと思います」(古賀茂明氏=前出)
 全てがご都合主義の閣僚人事。安倍自民の視線の先に、国民は不在だ。
野党はこのよにもバカげた総裁選を利用しなければ大バカだ
 ポストと自己保身のため、一斉にアベ様に忠誠を誓う自民党議員。やる前から結果が見えている世にもバカげた総裁選に、心ある有権者はアキれ、お灸を据えたくてウズウズし始めている。
 野党にとっては一大チャンス到来なのに、反安倍票や自民党批判票の受け皿をいまだつくり切れていないのは情けない限りである。
 立憲民主党は現状の野党第1党の地位の維持にきゅうきゅうとしているように見えるし、国民民主党は国民の誰も関心を示していない党代表選でシャカリキ。立憲と国民の間には、昨秋の衆院選で分裂した際のしこりが依然残ってもいる。共産党とは共闘できないという、選挙を考えれば非現実的な主張を続ける野党議員もいまだ少なくない。
 これでは自公は高笑いである。
「自民党総裁選の投票日の10日後が、沖縄県知事選の投票日です。オール野党で戦う態勢をつくって、辺野古新基地建設に反対した翁長知事の後継者を全力で支援して、勝ちにいくべきです。安倍首相が3選したとしても、沖縄で自公候補が負ければ、政権にとっては大打撃となります」(角谷浩一氏=前出)
 そして来年の参院選が「天王山」だ。2007年の参院選で当時の民主党が勝利し、衆参でねじれを起こしたことが、09年の政権交代につながった。野党がその気になれば、同じことが再現できる。
「来年の参院選で自公が過半数を割るようなことがあれば、07年同様、安倍首相は退陣に追い込まれる可能性がある。野党が連携して候補者調整すれば、大勝できるのです。来年の参院選は政治の転換点になるのではないか」(森田実氏=前出)
 この一大チャンスを利用できなければ野党は大バカだ。政権を取りにいく気があるのかどうか、野党の本気度が問われている。


安倍政権5年8カ月 首相の手腕、何点? 識者に聞く
 自民党総裁選は、安倍晋三首相の26日の出馬表明を受け、6年ぶりの選挙戦になることが決まった。2012年に石破茂元幹事長に勝利し、無投票だった15年をまたいで5年8カ月の長期政権を築いた安倍首相を識者らはどう評価するのか。総裁選を前に、その手腕を採点してもらった。
 12年12月に政権奪還した安倍首相は「アベノミクス」を掲げ、大胆な金融緩和政策などによって株高を実現し、有効求人倍率などの指標を好転させた。一方で、安全保障関連法の整備は憲法解釈変更も含めて強硬に進め、今年の通常国会でも働き方改革関連法などを強引な採決で成立させた。森友、加計学園を巡る問題では昨年来、「お友達優遇」などと厳しい批判を浴びた。
 こうした手法を問題視する旧自治省出身で元総務相の片山善博・早稲田大大学院教授(政治学)は100点満点で20点を付けた。「安倍政権下で官僚が萎縮し、事なかれ主義に陥ってしまった」と厳しい。「日銀の独立性が失われ、かつては重みのあった内閣法制局の言葉も信頼されなくなった。国民に信頼される要素が、政治や行政の現場からどんどん失われている」と話した。
 精神科医の香山リカさんも15点と辛口評価。「問題が起きても『国民が忘れてくれる』という態度で閣僚や官僚が責任を取らない。政権批判をすれば、(政権支持者らからインターネット上などで)『非国民』『反日』などと、かつては使われなかった言葉で攻撃されるようになってしまった。良い面を考慮してもあまりある悪影響が社会に起きている」と懸念した。
 これに対し、子育て問題解決に取り組むNPO法人「フローレンス」代表理事の駒崎弘樹さんは70点の高評価。「女性の就労が経済成長につながるとして保育政策に力を入れてきた点は評価できる。待機児童解消も進めている」と話す。ただ、性的少数者(LGBTなど)を「生産性がない」とした杉田水脈衆院議員の発言などを例に、「人権や女性活躍から距離のある発言が与党から出ていることは残念」とした。
 世代・トレンド評論家の牛窪恵さんは50点と採点。「若い世代の就職率が上向き、若者の気持ちに余裕が芽生え、希望を持てるようになった」と評価。一方で、「社会保障への将来不安に抜本的な対策を取らず、長期政権なのに成長戦略として大胆な経済政策が取られていない」とした。首相が意欲を燃やす憲法改正にも「改正の先にどのような国を目指すかという理念が見えない」と語った。
 総裁選にはどのような論戦が望まれるだろうか。片山さんは「安倍政権のガバナンス(組織統治)能力の検証。首相への信頼度も争点」とし、駒崎さんは「人口減少社会で、現実的かつ未来に希望を持てるビジョンについての議論を期待したい」と述べた。【杉本修作】


安倍首相が『西郷どん』を利用してNHKとコラボの総裁選出馬表明! 浅薄な明治礼賛と茶番の改憲隠しも
 またも安倍首相がとんだ茶番を打った。昨日、視察で訪れていた鹿児島県で「あと3年、自由民主党総裁として、内閣総理大臣として、日本のかじ取りを担う決意であります」と述べて正式に自民党総裁選への出馬を表明した件だ。
 そもそも安倍首相は、7月の豪雨災害の最中に「赤坂自民亭」に参加したり、無派閥議員を首相公邸に集めた“極秘会合”をおこなうなど、災害対応そっちのけで総裁選に向けた根回しに全力をあげてきた。なのに、正式な出馬表明を引っ張り倒してきたのは、対抗馬である石破茂・元幹事長との討論から逃げるためだと言われてきた。挙げ句、その出馬表明も東京ではなく地方を選択。これも、記者が大勢集める東京で不都合な質問が飛んでくることを避けたとしか考えられない。
 そんななか、鹿児島を選んだのには理由がある。鹿児島は石原派(近未来政治研究会)の森山裕国対委員長のお膝元だからだ。
 石原派は最高顧問である山崎拓・元副総裁が反安倍・石破氏支持を打ち出していたが、これを安倍首相支持に転換させるのに尽力したのが森山国対委員長だったという。実際、今回の安倍首相の鹿児島視察には森山国対委員長も同行、森山国対委員長の国政報告会にも安倍首相が出席した。
 さらに、露骨だったのは、出馬表明する安倍首相の背景に、鹿児島を象徴する桜島がドーンと映し出されたことだろう。現在放送中のNHK大河ドラマ『西郷どん』を意識していたことはミエミエで、その上、同夜に放送された回は「薩長同盟」が締結されるというストーリーだった。
 もちろん、安倍首相もこのことを織り込み済み。安倍首相は鹿児島での会合で、「ちょうど今晩のNHK大河ドラマ『西郷どん』(のテーマ)は『薩長同盟』だ。しっかり薩長で力を合わせ、新たな時代を切り開いていきたい」(産経ニュースより)と講演していた。
 まさか、この「薩長同盟」回の放送にあわせて出馬表明したとは思えないが、『西郷どん』人気を利用しようとしたことは間違いなく、事実、安倍首相は今年の年頭所感でも〈本年は、明治維新から150年の節目の年です〉と打ち出し、明治時代の日本を手放しで称賛、なんと明治の精神をこれからのモデルにしようと国民に呼びかけている。ようするに、『西郷どん』人気に便乗し、「明治=大日本帝国を取り戻す」という戦前回帰志向を“改革に邁進するリーダー”に置き換えて印象づけようとしたのだろう。
 こうした安倍首相の姑息な目論見に対しては、作家の島田雅彦氏も〈西郷どんにあやかるつもりなら、政争に敗れ、下野し、日本最後の内戦を引き起こし、自決という結末になります〉と的確なツッコミをツイートしていたが、ともかく、美化された明治維新プロパガンダを総裁選でもおこなうとは、まったく呆れてものが言えない。
 だが、この出馬表明が「茶番」だった理由は、これだけではない。その出馬理由もまた、ツッコミどころ満載の大嘘ばかりだったからだ。
「『日本を取り戻す』。この志のもと、党一丸となってこの5年8カ月、内政、外交に全力を尽くして参りました」
「誰にも働く場所がある、まっとうな経済を取り戻し、外交においては日本の大きな存在感を取り戻すことができました」
「(2020年には)東京五輪・パラリンピックが開催されます。まさに日本は大きな歴史の転換点を迎える。いまこそ日本の明日を切り開くときです。平成のその先の時代に向けて、新たな国づくりを進めていく。その先頭に立つ決意であります」
「誰にも働く場所がある」「外交で大きな存在感」、嘘だらけの出馬表明
「日本を取り戻すために全力を尽くした」って、その実態は「アメリカへの従属、お友だちへの優遇に尽力した」ではないか。だいたい、この約6年間に安倍首相がやったことといえば、権力にものを言わせてメディアや官僚を掌握し、安保法制や共謀罪、カジノ法など国民の多くが説明不足を理由に反対するなかで強行採決を連発したり公文書改ざんや自衛隊日報を隠蔽したり、国民への背信行為ばかり。
 しかも、「誰にも働く場所がある、まっとうな経済」などと言うが、有効求人倍率の上昇は生産年齢人口が激減しているのだから当然の話だ。それどころか、非正規雇用は増加の一途を辿り、実質賃金は低迷する一方で、現実は「格差と貧困を拡大させる経済」「大企業と富裕層のための経済」ではないか。
 笑わせるのは「外交」だ。「日本の大きな存在感を取り戻すことができた」などと言うが、トランプとプーチンからは金をむしられてばかりの言いなり状態。北朝鮮問題も日朝首脳会談の開催は目処が立たず、拉致被害者の帰国にはほど遠い。「存在感」などゼロに等しいのが実態だ。
 それが、約6年も総理大臣をやっておいて「新たな国づくりを進めていく」などと言い出すとは……。逆に言えば、約6年間の「無能さ」を認めているようなものだろう。
 しかし、この総裁選出馬表明のなかでもっとも注目すべきは、憲法改正についてだ。じつは安倍首相、出馬表明では一度も改憲にふれていないのである。
 安倍首相は今月12日、地元・山口県下関市でおこなわれた長州「正論」懇話会での講演で、「自民党としての憲法改正案を次の国会に提出できるよう、取りまとめを加速すべきだ」と述べ、秋の臨時国会に憲法改正案を提出する考えを示したばかり。これはあきらかに、「9条については国民の深い議論が必要」と慎重な姿勢を見せている石破氏を意識しての発言だった。なのに一転、安倍首相は出馬表明で改憲には一言もふれなかったのだ。
麻生派に「来年夏前に改憲の国民投票を」と提案させる茶番
 だが、もちろん安倍首相は改憲を引っ込めたわけではない。
 事実、本日おこなわれた自民党福井県連の会合で、安倍首相は「憲法改正に取り組むときが来ました」、「違憲論争に終止符を打とうではありませんか」と講演している。
 NHKの生放送で流れた出馬表明では憲法のケすら口にしなかったのに、翌日には改憲を自己アピールに使う──。共同通信社が25・26日に実施した世論調査でも、秋の臨時国会で改憲案を提出したいという安倍首相の意向は「反対」が49%にのぼる一方「賛成」が36.7%にとどまっているが、ようするに、安倍首相は国民向けには「新しい国づくり」などのフレーズで改憲を隠し、自民党内部では改憲を総裁選の争点にするというお得意の“二枚舌”を使っているのだ。
 さらに注意すべきは、本日午前におこなわれた自民党麻生派の議員らと面談だ。そこでは、麻生派顧問の甘利明・元経済再生担当相が〈来年夏の参院選前に憲法改正の国民投票を実施する〉などの政策提言書を手渡している。これに対し、安倍首相は「基本的な考え方は全く同じだ」と応じたという(時事通信より)。
 2020年に憲法改正するというのは、安倍首相が昨年の憲法記念日に打ち出したプランであり、「東京五輪開催の年に自分が歴史に名を残す」という私的欲望に基づいたものだ。そのためには、なんとしても来年の夏までに国民投票を実施する必要がある。だが、改憲を急げば、石破氏をはじめ、国民からも「自分の悲願のために改憲をするのか」「急ぐ必要はない」という批判があがるのは目に見えている。つまり、“党内から要望を受けた”という既成事実をつくることで、そうした批判をシャットアウトしようとしているのである。
 まったく姑息にも程があるが、正式に出馬表明をした今後、総裁選で安倍首相は手段を選ばない卑怯な手をあれこれ繰り出すことは必至だ。その言動に、国民は注意を向けていく必要があるだろう。


下着の色を問う「理不尽校則」が跋扈するワケ 保護者意見の忖度か、合理的な理由はあるか
大塚 玲子 : 編集者、ライター、ジャーナリスト
『ブラック校則 理不尽な苦しみの現実』――8月上旬、こんな本が発売された。なぜいま校則なのか? 昔と比べたら、いまは大して厳しくないのでは? 30年ほど前、校内暴力の余韻が残る中学校でバリバリの管理教育を受けた筆者も、初めは正直そんな印象を抱いていた。
だが本書を読めば、この間日本中の学校に浸透してきた“気味の悪い何か”に気がつくだろう。
たとえば、もともと髪が茶色い生徒に対して、黒く染めることを強要する。生まれつき髪色が黒と異なる証拠として「地毛証明書」の提出を命じる。下着の色を「白のみ」と定め、別の色を着用していないか、女子生徒に対してまで男性教諭がチェックをする。
校則違反だからといって、かつてのような体罰は加えないものの、昔とは質の異なる細かいルールが増えたうえ、チェックも執拗になっており、“理不尽な管理”がむしろ強化されているのだ。
なぜ、ブラック校則が広がったのか? 保護者や教員、そのほかの大人たちは、状況をどう変えていけばいいのか? 本の編者である評論家の荻上チキさんと、名古屋大学准教授の内田良さんに話を聞かせてもらった。
管理主義は昔の話、ではなかった
――この本が生まれたのは、2017年に大阪の女子高生が起こした「黒染め強要裁判」(生まれつき茶髪の生徒が府立高校で髪の黒染めを強要され、精神的被害を受けたとして学校側を提訴)がきっかけだそうですね。最初にこの裁判の話を知ったとき、どんな印象を持ちましたか?
荻上チキ(以下、荻上):まず「こんなひどい事例が、まだあるのか」という驚きです。さらにその後の調査で、府立高校の9割、東京都立の全日制高校の6割、近畿圏の7割で「地毛証明書」を求める指導が行われていることがわかって、また驚きました(大阪府、朝日新聞、産経新聞による調査)。「まだやっているのか」というだけでなく、昔以上に管理が加速していたんですね。その実態を見て、「いま何が起きているんだろう?」と思いました。
内田良(以下、内田):僕は、学校が人権侵害をやっているところに素朴なショックを受けましたね。教育問題の最大の課題は、「学校にいかに外部の風を取り入れるか」というところで、僕はその問題について頑張って発信してきたのですが、なのにまだ「地毛証明書」なんていう人権侵害、あるいは差別にかかわるようなことをやっていたので。
荻上:校則の問題は、30〜40代の私たちが子どもの頃から存在しています。問題事例を次世代に残さないようにするのは前世代の役割だと思うので、プロジェクトを立ち上げて調査を行い、それが今回の本の出版につながったわけです。
ブラック化の背景にあるさまざまなニーズ
――細かな規制による管理が進んだ背景として、内田さんは「学校現場では、ベネフィットをリスクよりも優先してしまう」という問題を指摘されていますが、これはどのような?
内田:僕はこれまで柔道事故、組み体操事故、部活動の過熱などについて取り上げてきました。これらも校則も、「教育的にいいものだ」ということで学校側がやっているわけですよね。だから問題が見えなくなってしまうところがある。
日常生活では、「ベネフィットが大きいからやろう」とか「リスクが大きいからやめよう」などと、ベネフィットとリスクをてんびんにかけて考えたり判断したりしますが、教育の現場では活動全般がベネフィットです。その結果、明らかに人権侵害であるというリスクを軽視して、問題のある校則や指導を行ってしまう。
――チキさんは、どんな背景があると考えられますか?
荻上:いま校則による縛りが増える背景には、学校のさまざまなニーズがあります。教員の数が少なく、個別の指導が難しいため、トラブルが起きるとその対処に多くのコストがかかってしまう。そのコストを避けるために、画一的な教育手段を求め、そのニーズが校則というものを強固にしていく流れになっているんだろうと思います。
それから、少子化が進んで学校選択制の動きも広がるなか、学校が「うちの生徒たちは、こんなにしつけが行き届いていますよ」ということを世間にアピールする流れも生まれています。「うちの生徒はみんな校則を守っていますよ」とか「見てください、みんな髪の毛が黒でしょ」といったことを学校のセールスポイントにする。先生は一人ひとりを取りこぼすことなくしっかり見ていますよ、というアピールになっているんですね。
――それは感じます。先日たまたま私が昔通っていた高校に行ったんです。当時は自由な校風が人気だったのですが、すっかり変わってしまって、「いまは、ちゃんと生徒指導しています」というふうに先生がアピールしていました。元の校風を気に入っていた私はがっかりしたんですが、高校は「指導の強化が保護者アピールになる」と思っているんですね。
「学校化した保護者」の存在もある
内田:ただ一方で、細かい校則指導に賛同する保護者も結構います。学校的価値観に染まった、「学校化」した保護者たちが。その人たちが「乱れのない身だしなみ」みたいなものを求めてくることを想定して、学校が校則を厳しくしていくという側面もあるのが悩ましいところで。
――管理の強化を好む保護者もいるのは知っていますが、私みたいに逆の考えの保護者もそれなりにいます。それなのに、多くの場合、採用されるのは管理強化を支持する側の声です。結局は、学校側の判断ですよね?
内田:組み体操も部活動もそうですね。危険な側面のある組み体操や、練習日数が多いなど激化する部活動について「嫌だ」と言う保護者も人数としては結構いますが、どちらかというとその声は小さいと思います。
荻上:私の知り合いに(管理強化を)「やって」っていう人はいないよ(笑)。
内田:それは、チキさんの周囲の人だから(笑)。全体としては「どんどん管理して」「組み体操も部活もどんどんやって」という保護者のほうが多いんだと思いますよ。
――そういう面もあるかもしれません。一方、以前、部活の活動日が多すぎるということを受けて、休養日を設けたある教育委員会に、反対するクレームの件数を尋ねたら「1件」だと。
荻上:賛成する人と反対する人、それぞれどれくらいいるかは、調査すればいいんです。
――おっしゃる通りですね。あとはやはり、声が届かないほうの保護者がもっと声をあげる必要がある、ということでしょうか。ただ、学校はPTAや保護者が校則に口を挟むことを嫌がる傾向が強いです。どうしたらいいでしょうか?
内田:まず学校がもっと自浄作用を働かせなきゃいけない。それでもダメなときには、学校外部、つまり保護者や地域住民の声が必要になります。ただし先生たちは「よかれ」と思って校則を運用している可能性が高いので、保護者・地域住民のみなさんには、あまりケンカ腰で学校に乗り込まないでほしいと思います。
そうすればクレームが出てきたところで、ちゃんと話を聞いて熟議していけると思います。モンスターペアレントということにもならないと思うんです。学校の風通しをよくしていくことが、校則に限らず、重要な課題ですよね。
荻上:モンスターペアレントだと思われてもいいと思うんだけれどなぁ。いまはクレーマーとかモンスターとか、異議申し立てをすることはいけないことだ、みたいな風潮があるけれど、そこを変えないと、子どもも保護者も学校に異論を言うことができない。だから保護者はむしろ、率先してクレーマーになったほうがいいと思うんですけどね。
そもそも社会運動って、めんどくさいと思われなければ成立しないんですよ。ボイコットとかストライキとかデモとか、意図的にコンフリクト(紛争)を起こして、「これは無視できない」という状況にするものですから。めんどくさいと思われなきゃ、勝てないんですよ。
――なるほど、保護者はむしろ、めんどくさくあるべきなんですね。
先生も保護者も理不尽には「ノー」を
――これから理不尽な校則を変えていくために、おふたりはどんなことが必要だと思われますか?
荻上:私は世論を喚起するのが仕事なので、「校則によって苦しんでいる子がいる」ということに対する問題意識を多くの人にもってもらうことも重要だと思っています。組み体操や部活動、2分の1成人式なども同様ですが、問題の状況をメディアの報道という形で押し上げて世論を作っていく。こうしたことを通じて、保護者などの当事者意識を変えていく。そうすると、省庁として動こうとか、政治家も国会で質問しよう、といった形で事態が動いていきます。
文科省には「さすがに、これは」というような校則をリスト化して通達を出してほしいですね。たとえば「下着の色をチェックする指導をやめる」とか。あとは「校庭を何周させるというのをペナルティにしてはいけない」といったNG例を明示する。これはすでに体罰のほうで通知が出されているのですが。
――それは、PTAについてもぜひやってほしいです。「本人の意思確認をせず会員にしない」とか「勝手に会費を引き落とさない」とか「仕事を強制しない」とか……。あとは、先生たちの業務を減らすことも、校則に限らず、いろんな学校の問題を改善する前提として必要でしょうか。
内田:そうですね。先生たちが忙しすぎると、子どもが何か苦しみを訴えても、そこで十分に向き合えないことになります。校則を違反した子どもたちに対しても同様です。先生たちに余裕がないと、より逸脱しないように、ルールを厳しくしていくことになりやすいので。
荻上:教員を増やし、担任の先生が1人で30〜40人の子どもを見る、みたいな状況を変えて、常に担任が2人という状況をつくるとか、いろいろ改善する方法はありますね。
内田:本当は「私も、こういう校則はいかんと思う」っていう先生たちだって中にはいるので、そういう声を学校の内部からも上げていってほしいな、というのも思いますね。管理の方向に突っ走る先生たちもいますけれど、そう考えない先生たちだって結構いますから。
――保護者も先生も、理不尽だと感じたら声をあげていく必要と責任がある、ということですね。おふたりとも、お話をありがとうございました。


『24時間テレビ』でヒロミがリフォーム“子ども食堂”の放送されなかった顔! 実はホームレス支援も素晴らしい
 25日から26日夜にかけて放送された、毎年恒例の『24時間テレビ「愛は地球を救う」』(日本テレビ)。屋外での運動は危険だと気象庁がアナウンスしているなか、お笑い芸人のみやぞんが24時間どころか30時間かけてトライアスロン・100劵泪薀愁鵑鬚笋蕕気譴襪覆鼻∈Gも様々な恒例企画が展開された。
 そのひとつが、タレントのヒロミと滝沢秀明が24時間かけてリフォームするという、「ヒロミの24時間リフォーム〜亡き妻の夢!子ども食堂を大改造〜」という企画。
 ヒロミらがリフォームしたのは、東京都豊島区の「要町あさやけ子ども食堂」。店主の山田和夫さんは、5年前から自宅を開放し、月に2回子どもたちに100円で食事を提供している。築50年の建物でいろいろガタがきているということで、ヒロミらの手によってダイニングとキッチンがリフォームされ、25日17時ごろには完成した姿がお披露目、店主の山田さんと近所の子どもたちが喜ぶ様子が放送された。
 一方で、なぜか24時間テレビではあまりクローズアップされなかったが、ヒロミらがリフォームしたこの「あさやけ子ども食堂」にはもうひとつの顔がある。
●『24時間テレビ』がスルーした、山田さんのホームレス支援
 それは「池袋あさやけベーカリー」という一風変わったパン屋さんで、そこはホームレス支援の場だ。
 山田さんの妻の和子さんは2009年にすい臓がんで亡くなったのだが、亡くなる2、3週間ほどまえ、山田さんにこんなお願いをしたという。
「パンを焼いてくれない?」「あなたが焼けるレシピを考えたの」
そう言って、1枚のレシピを遺して亡くなった。和子さんは生前、自宅でパン屋を営んでいたが、路上生活をしている人たちのために、支援団体を通して、無料でパンを配る活動をしていた。しかしすい臓がんになり体調が悪化するなど、ホームレス支援のパン作りができなくなったことを気にかけていたのだという。
 定年したばかりで妻を失い生きる気力を失いかけていた山田さんだが、妻のレシピを頼りに、妻の遺したオーブンでパン作りを始め、支援団体を通してホームレスの人たちにパンを提供するようになる。しかし、1年ほど経った2011年8月、転機が訪れる。
 山田さんの著書『妻が遺した1枚のレシピ』(青志社)によると、この年の3月に起きた東日本大震災以降、パンを焼かなくなっていた和夫さんのもとに、ホームレス支援団体「てのはし」から電話がかかってきたのだという。
「パンを焼いてください。お手伝いしますから。パンを焼くお手伝いをしたい人がたくさんいるんです」 
 震災以降気分が落ち込みパンを焼く気持ちを失っていた山田さんだったが、誰か手伝いに来てくれるならまたパン作りができるかもしれないと申し出を受け入れる。ところが当日、団体スタッフとともに手伝いに山田さん宅を訪れた人たちは、山田さんの予想とは様子が違った。
〈手伝いたいというから、多少はパンのことを知っている人たちなのかと思っていたら、パンの知識は全くない。話しかけても目も合わず、ほとんど返事をしない人もいる。そうかと思うと、ずっと話し続ける人もいた〉(以下、ヤマカッコ内は『妻が遺した1枚のレシピ』より)
 実は、彼らは元ホームレスの人たちで、連絡をくれた「てのはし」や国際NGO「世界の医療団」などの団体の支援を受け、生活を立て直した人たちだったのだ。
元ホームレスの人たちを自宅に迎え入れ、一緒にパンを作る
 それまでもホームレスの人のためにパンを作っていたとはいえ、山田さんも、彼らの存在をすんなり受け入れられたわけではない。そのときの戸惑いをこう明かしている。
〈パンがどこかで少しでも誰かの助けになればいいとは思っていても、ホームレスと呼ばれる人たちについてあまり関心はなかった。ホームレスになってしまうのは、サラ金に追われている人や、ただ働きたくない怠け者なんじゃないか、どこかそんなとんでもない思い込みもあった。サラリーマン時代には、池袋駅で見かけても、何となく関わりあいを避けるようにして見ていないふりをして通り過ぎるようなところがあった〉
〈「今日は支援者が付き添ってくれているけど、彼らだけで来られると困るなあ。何かあったら、支援者が収拾してくれるんだろうか」
 問題を抱えている人たちだけにいろいろ心配になって、緊張していた〉
 怠け者なんじゃないか。自己責任なんじゃないか。多くの人が持ちがちな認識だろう。しかし、山田さんと活動をともにする「てのはし」や「世界の医療団」といった団体でつくる「東京プロジェクト」の紹介パンフレットによると、ホームレス状態にある人のなかには、様々な精神障がいがあると推定されるケースが約6割、知的障がいや発達障がいがあると推定されるケースが約3〜4割あるという。実際は、雇用状況の悪化や社会保障制度の不十分さから、社会で居場所を失い、様々な生きづらさを抱え、ホームレス状態に至っているのだ。
 山田さんも週に1度パン作りをともにするなかで、しだいに、自分とは全然別世界の人間だと思っていたホームレスの人たちが自分と変わらないひとりの人間だと思うようになっていく。
〈元ホームレスで心に障がいのある人たちと、冗談を言い合ってパンを焼く。
 最初のうちは自分がそんなふうになれるとは昔の私からして想像できなかった〉
〈彼らにとって、わが家でパンを焼く手伝いが、社会に復帰するためのステップにつながれば幸いである。
 社会から長く離れていた人や心に障がいがある人が、突然何も知らないところに一人で飛び込んで仕事をするのはかなり難しいことである。周りの目も気になるだろうし、初日の僕のような反応をする人もたくさんいる。安心できる場所で、サポートしてくれる人が付き添って仕事をしながら、人との接し方や仕事の仕方を少しずつ練習し、生活のリズムやコミュニケーションや、自信を取り戻していく〉
 彼らとの交流を通して、山田さんの偏見は取り払われ、価値観がどんどん新しく塗り替えられていったという。そうして元ホームレスの人たちとパンを作り、ホームレスの人たちに夜回りで配布するという「あさやけベーカリー」の活動と並行して、2013年からは子どもたちのために「あさやけ子ども食堂」も始める。
「生産性」と対極にある「あさやけベーカリー」のホームレス支援
 以前本サイトでも報じたが、渋谷区がLGBTフレンドリーな施策を講じる一方でホームレスを排除するような施策をとるなど、ホームレスや貧困者は多様性を尊重するダイバーシティ政策からも疎外されているケースが往往にしてある。その背景のひとつには、マーケティングに結びつくかどうか、利益を生むかどうかという視点があるだろう。ようは「生産性」だ。
 しかし山田さんの「あさやけベーカリー」は、「生産性」や「効率」とは対極にある。
〈一般的には、誰が何を担当するか分担をはっきりと決めたほうが、作業がスムーズに進むと思うが、あさやけベーカリーではあえて担当は決めていない。そのときにいるメンバーで、やりたい人ができることだけをする。だから、大きな責任がかからない。
 その日になって「行きたくないなあ」と思えば来なくてもいいし、遅刻しても構わないし、早退してもいい。そのゆるやかな感じの中で、自分の意志で来るかどうかを決められるところもうまくいっている秘訣だと思っている〉
〈パンのことだけを考えると、もっと難しいパンに挑戦し、販売の機会を増やして彼らの収入を増やすという手もあるかもしれない。しかし、販売用のパンとなると、ある程度の技術がある人じゃないと務まらない。そうなると、彼らもストレスになってしまうし、メンバーがどうしても固定化されてしまい、新しい人を受け入れる余裕がなくなり、本来目指している活動とは少し違ったものになってしまう〉
 そこでは〈支援者も当事者も、みんなフラットな関係〉だ。
〈あさやけベーカリーのみんなにとっても、僕にとっても、自分の居場所があるというのは大事なことで、それに加えて自分の存在が誰かの助けになっているという実感が、何よりも自分を支えてくれた〉
 ホームレスをはじめ疎外された人々をコミュニティがどう包摂していくか。どうすれば彼らが居場所や役割をもてるか。貧困は自己責任だという考えが跋扈している今の日本社会で、その課題に向き合い続ける山田さんの活動から学べることは非常に多い。
 だからこそ、『24時間テレビ』でも、ホームレス支援についてももっと掘り下げてくれたらとよかったと思うのだが……。
 ちなみに山田さんと活動をともにしている「世界の医療団」ツイッターアカウントによると、今回の『24時間テレビ』でのリフォーム企画について、「パン焼きメンバーも、リフォーム後のお宅でパンを焼くのを今か今かと楽しみにしています」という。
 もともとヒロミのリフォーム企画をやっている『有吉ゼミ』(日本テレビ)でもいいから、ぜひ続編を放送してもらいたい。


橋下氏、有田氏を訴えた名誉毀損訴訟で敗訴…初適用の「危険の引き受けの法理」とは?
前大阪市長の橋下徹氏が、有田芳生参院議員から名誉を傷つけられ、精神的な苦痛を受けたとして、慰謝料を求めていた訴訟で、大阪地裁は8月8日、橋下氏側の請求を棄却する判決を言い渡した。有田氏側の代理人をつとめた神原元弁護士によると、「危険の引き受けの法理」とよばれる考え方が、名誉毀損の分野で適用された初めての判決だという。はたして、どのような考え方なのだろうか。
●有田氏「1回だけ出演して降板させられた腹いせではないかと思う」とツイート
判決によると、橋下氏は2017年7月、プレジデントオンラインで、「有田芳生の人権面は偽物だ」と題して寄稿。「こいつだけはほんと許せないね」「有田は自分が嫌いな相手(僕)の出自が公になることは面白く、自分の所属する党の代表の、ちょっとした戸籍情報が開示されることはプライバシー侵害になり、人権問題にもなるから許されないと言うんだ。典型的なダブルスタンダード!」とつづった。
この寄稿をめぐって、有田氏は同月、「『ザ・ワイド』(編集部注:日本テレビ系列のワイドショー番組・2007年9月放送終了)に1回だけ出演して降板させられた腹いせではないかと思えてしまう」とツイッター上に投稿した。橋下氏は同年8月、この投稿によって、能力に関して否定的な印象を与え、社会的評価を低下させられたとして、提訴していた。
大阪地裁の吉岡茂之裁判長は、有田氏のツイートは、橋下氏の社会的評価を低下させたとしながらも、(1)「ザ・ワイド」はすでに放送終了している、(2)ツイートがきっかけで、橋下氏への講演依頼が顕著に減少した事実は見当たらない、(3)ツイートは、意見ないし論評の域を逸脱するものではなく、人身攻撃に及ぶような内容が含まれていない――などとして名誉毀損の程度は限定的にとどまるとした。
吉岡裁判長はそのうえで、さらに「危険の引き受けの法理」を適用した。
●「危険の引き受けの法理」は、スポーツ分野で適用されたケースがあった
それでは「危険の引き受けの法理」はどういうものだろうか。大阪地裁は判決の中で、次のように述べている。
「インターネット上やテレビ番組等不特定多数の者が見聞することが可能な環境において、自分と政治的意見や信条を異にする相手方を非難するに当たり、ときに相手を蔑み、感情的又は挑発的な言辞を用いる表現手法は、これに接する不特定多数の者に対して、自己の意見等の正当性を強く印象付ける一定の効果が得られることは否定できない。
しかし、反面、非難された相手方をして意見や論評の枠を超えた悪感情を抱かせるおそれがあることもまた見やすい道理である。そうであれば、表現者が上記の表現手法をもって相手方を非難する場合には、一定の程度で、相手方から逆に名誉棄損や侮辱に当たるような表現による反論を被る危険性を自ら引き受けているというべきである」
要するに、違法行為による損害を受ける危険をみずから引き受けて行動した人は、それによる損害の賠償をもとめることができない、というものだ。神原弁護士によると、これまで刑事事件のほか、ダイビングやスキーなど、スポーツ分野の民事事件で適用されたケースはあったという。
●橋下氏は、判決を不服として控訴している
有田氏が「1回だけ出演して降板させられた〜」と投稿するまで、次のような経緯があったとされている。
・有田氏は2012年10月、橋下氏の出自に関するルポ(佐野眞一氏によるもの)が掲載された「週刊朝日」について「すこぶる面白い」と投稿した。
・橋下氏はこの投稿を受けて、ツイッター上で、有田氏について「こういう自称インテリが一番たちが悪い」「税金でいったいどれくらいの歳費が払われているか。もう嫌になっちゃうよ」と投稿した。
・橋下氏は2017年1月、「日本では有田芳生参議院議員なんて、僕の出自を差別的に記事にした週刊朝日について『面白い!』と大はしゃぎ、それで自称人権派だって。笑わせてくれるよな。最低な奴」と投稿した。
このような経緯を受けて、大阪地裁は「橋下氏はインターネットで、有田氏を非難するにあたり、蔑み、感情的または挑発的な言辞を数年間にわたって繰り返し用いてきたというものというほかはないから、一定の限度で、有田氏から名誉を棄損されるような表現で反論される危険性を引き受けていたものといわねばならない」とした。
だが、「危険の引き受けの法理」の適用をめぐっては、弁護士からも、権力者や差別主義者などに「悪用されるのではないか」と危惧する声も見られる。神原弁護士は「(判決は)誰から罵られていいとまでいっているわけではない」として、その影響が限定的なものにとどまるという認識を示している。橋下氏側は、判決を不服として控訴している。


橋下徹前市長への賠償認めず 名誉毀損訴訟、「挑発に反論」
 ツイッターの投稿で名誉を傷つけられたとして、橋下徹前大阪市長が有田芳生参院議員に500万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、大阪地裁は27日までに請求を棄却した。橋下氏が挑発的な投稿を繰り返し、反論を受ける状況を招いたとして、有田氏の賠償責任を否定した。橋下氏は控訴した。
 判決によると、2人は2012年ごろ、週刊誌記事を巡りネット上で応酬。17年には別の問題を巡り橋下氏が「(議員を)辞職しろ」と発言した。有田氏は同年、自身がレギュラー出演していた情報番組を、橋下氏が1回出演しただけで降板させられた腹いせではないかと投稿し、橋下氏がこの投稿に対し提訴した。

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A Nikko, l'énigme de la disparition d'une Française
Sibylle Véron jette un regard interrogateur et triste sur le paysage montagneux de Nikko, ville du nord-est du Japon où sa soeur a disparu le 29 juillet. Forcée de repartir en France, elle a "l'impression de l'abandonner à son sort".
"On ne sait absolument pas ce qui a pu arriver à Tiphaine. Quand on est arrivé (après avoir appris sa disparition), on s'est dit qu'on allait repartir avec elle au bout de deux jours, qu'on allait la retrouver, dans un hôpital de la région, mais non, rien", se désole-t-elle.
Partout sur les murs, dans les commerces, sur les vitrines des restaurants de Nikko, une cité très touristique réputée pour ses sanctuaires et temples, est placardé un avis de recherche en japonais et en anglais.
Il y a chaque année des dizaines de milliers de disparitions au Japon, mais dans la majeure partie des cas on retrouve rapidement les personnes.
Tiphaine, 36 ans et qui vit à Poitiers dans l'ouest de la France, n'a plus été vue depuis le matin du 29 juillet, quand elle a quitté son hôtel où elle devait en tout passer deux nuits. "Soyez prudente", lui a alors lancé par politesse le gérant, celui-là même qui, ne l'ayant pas vue revenir, a prévenu la police le lendemain.
"Complètement impuissants"
A l'entrée de cet établissement modeste, figure l'affiche avec deux photos de la Française. Mais le réceptionniste renvoie poliment les journalistes: "nous ne répondons pas aux médias, il s'agit d'une affaire privée au sujet d'une cliente".
Des étrangers se promènent ici et là, certains sortent un peu des sentiers battus, mais le cas de Tiphaine, qui était seule, les rend parfois plus prudents. "Je suis allée courir mais je suis restée très près des zones habitées à cause de ce fait divers", confie une étrangère de passage.
Alentour, la nature est belle, magnifique même, avec ses monts couverts d'arbres, la rivière qui bruisse, les sanctuaires rouges accessibles par des chemins escarpés. La balade est agréable, mais elle peut être dangereuse: outre la présence de serpents, on a vite fait de buter, de glisser, surtout après la pluie, comme c'était le cas le 29 juillet.
"Est-ce que Tiphaine est tombée dans l'eau, s'est perdue dans la forêt, a été enlevée, agressée, on ne sait rien. On va rentrer en France, reprendre nos vies, mais on se sent complètement impuissant. On a l'impression de l'abandonner à son sort", dit Sibylle, venue à Nikko avec son frère Damien et leur mère.
"La police travaille mais on est tenu à l'écart de l'enquête, au Japon la police est très très vigilante. Le dialogue avec une famille française, ça peut être compliqué", souligne-t-elle à l'issue d'un long entretien avec les enquêteurs, tout en saluant leur professionnalisme et la sollicitude des habitants à leur égard.
"Coincidence intrigante"

Piste accidentelle ou criminelle ? "Les deux sont possibles mais de plus en plus je pencherais pour la seconde hypothèse", juge Taihei Ogawa, ex-inspecteur de police, auteur de plusieurs ouvrages sur le travail d'enquête.
Aux abords du petit et désert sanctuaire Takino, l'un des lieux peu connus que Tiphaine avait prévu de visiter le dimanche 29 (selon le plan qu'elle avait établi et qui a été retrouvé dans ses effets personnels à l'hôtel), figurent des panneaux en japonais: "faites attention, il y a ici quelqu'un qui approche les femmes" et un autre faisant état de "fréquents" incidents.
"Ce genre de mise en garde, c'est quand même une coincidence intrigante. C'est extrêmement rare au Japon", insiste M. Ogawa, qui estime que l'hypothèse de l'enlèvement doit être sérieusement étudiée.
Selon sa famille, Tiphaine pouvait se montrer très confiante dans un pays réputé très sûr, "pour lequel elle a eu un coup de foudre, où elle se sentait bien".
"Elle a pu être abordée par un Japonais sans se méfier. Malheureusement il y a aussi au Japon des personnes mal intentionnées. Même s'il y a en proportion ici moins de délits que dans nombre d'autres pays, il n'y en a pas zéro", avertit l'ancien policier.
フランス語
フランス語の勉強?
ETV特集「隠されたトラウマ〜精神障害兵士8000人の記録〜」
戦時中、精神障害兵士が送られた国府台陸軍病院。約8000人のカルテから日本兵のトラウマがあきらかになった。発病した中国の戦場を取材。戦後の家族の姿を追う。
日中戦争から太平洋戦争の時代、精神障害兵士が送られた国府台陸軍病院。密かに保管された約8000人の「病床日誌(カルテ)」が研究者よって分析され、日本兵の戦時トラウマの全貌が明らかになった。戦場の衝撃に加え、精神主義による制裁や住民への加害の罪悪感が発病要因につながっていたことが判明した。番組では発病地の多い中国河北省で治安戦の実態を取材。戦後も社会復帰を阻まれた兵士の姿をカルテをもとに追跡する。 佐野史郎, 中條誠子

明日へ つなげよう 証言記録▽岩手県山田町 地元スーパー 復活への150日
津波と火災で家屋の4割近くが全壊した岩手県山田町。地元の老舗スーパー「びはん」は、震災翌日からガレキに埋まっていた食料品を無料で提供。採算度外視で青空販売を始め、支援物資が届かない町民の命綱となった。三代目店長の間瀬慶蔵さんは、再起不能と思われた店の再建を宣言。その熱意が同業スーパーや地元建設業者を動かし、震災後わずか150日でスーパーは再開。困難を乗り越えた間瀬さんを支え続けたある思いとは… 柴田祐規子
明日へ1min.「おいで、東北」君に見せたい東北がある〜夏 秋田・三種町編〜
「君に見せたい東北がある」番組特設サイトに旅プラン掲載中!見る、食べる、体感する楽しみがいっぱいの秋田・三種町へ、「おいで、東北」。
東北各地を舞台に、地元を愛する男性が方言をまじえながら、おすすめのスポットをご案内!今回は秋田県三種町編。町を知り尽くしたお寺の副住職がご紹介!まずは生産量日本一のじゅんさいのツルプリの食感を楽しもう!夕日の名所でもある釜谷浜ではプロの彫刻家が作ったサンドクラフトの数々が目を楽しませてくれる!見る、食べる、体感する楽しみがいっぱいの三種町へ「おいで、東北」。番組特設サイトに旅プラン掲載中! 君に見せたい東北がある地元案内人…渡邊栄心

NNNドキュメント 孤独をなくしたい 進め、分身ロボット
ロボット開発者・吉藤オリィが生み出した不思議なロボット「オリヒメ」。人と人とをつなぐ"分身ロボット"だ。病気で学校に行けない孤独な子どもがベッドの上からオリヒメを使い授業を受けたり友達と話したりできる。吉藤はさらに自由に動き回れる「新型オリヒメ」を作り始めた。それは交通事故で寝たきり生活を送る親友の願いに応えるため。その願いとは『いつか自由に動いて働きたい』密着2年、孤独の解消に挑む男を追った。 本郷奏多  日本テレビ
ガリレオX 日本の海に沈むUボートを探せ
2018年6月若狭湾に沈むUボートが発見された。
Uボートは第一次、第ニ次世界大戦で「海の狼」と恐れられたドイツの潜水艦だ。
なぜドイツの潜水艦が日本で沈んでいるのか?
海底深く沈む潜水艦をどうやって見つけるのか?
この調査は海中ロボット開発のパイオニア九州工業大学の浦 環先生が海中探査のエキスパートを集め挑んだ。さらにその全ての様子は超高速インターネット衛星「きずな」を使い生放送された。
この全国40万人が見守る前代未聞の潜水艦探査を追った。
若狭湾に沈むドイツの潜水艦
第一次、第ニ次世界大戦で恐れられたドイツの潜水艦「Uボート」。それがドイツから遠く離れた日本の海、それも京都府と福井県に挟まれた若狭湾の海底に沈んでいると言われている。その理由は先の大戦後、ソビエトに日本海軍の潜水艦技術が渡らないようにしたためだとされている。
2018年6月、長年にわたり水中探査ロボットの研究に携わってきた九州工業大学の浦 環先生指揮のもと、若狭湾の海底に沈む潜水艦を探査するプロジェクトが行われた。
Uボートは若狭湾のどこに沈んでいるのか?
若狭湾に沈むUボートはドイツから日本に運ばれた後に呂500と名前を変えた。
この呂500が沈んでいると考えられる場所の候補は4箇所あるという。
一つ目はアメリカ軍の資料に残された若狭湾の中央、二つ目は40年前に若狭湾に沈んでいることが確認された潜水艦「伊121と呂68」の付近、三つ目は浦島礁と呼ばれる丹後半島北東の漁礁、そして四つ目が今回最有力と考えられている「シンヤマ」と呼ばれる漁礁。
呂500は一体どこに沈んでいるのか。
潜水艦探査の様子を生放送
今回のプロジェクトを指揮する浦 環先生は水中探査ロボットを使った海底火山の詳細な地形データの収集や海底に住む生物の調査などで高い評価を得ている人物だ。
その浦先生が今回の調査で挑戦する新たな取り組みの一つが、調査風景をインターネットを使って生放送するという試みだ。
海の上から映像と音声をリアルタイムで放送する方法として利用されたのは、人工衛星「きずな」と「ニコニコ生放送」だ。必要な機材の船への積み込みも完了した。
海底に反応あり
いよいよ若狭湾に沈むと言われる潜水艦 呂500の調査が始まった。
1日目、最有力候補の「シンヤマ」付近の海底に早速反応があった。がしかし海中探査ロボットにトラブルが発生。思うような調査ができないままの帰港となった。
2日目、調査スケジュールの都合上「シンヤマ」付近にあった反応の詳細な調査は保留にし、40年前に確認された伊121と呂68の調査に向かう。
すると、その調査で思わぬ発見がもたらされた。

まちけん参上!〜あなたの街のおもしろ検定〜「大阪市・弁天町駅界わい」
銀シャリ司会のクイズバラエティー!毎回、学生がある街を調査し「まちかど検定=まちけん」を出題します。今回は、大阪市の弁天町駅界わいをアインシュタインが巡る。
最初の出題者は「弁天町の天童よしみ」。昭和の初めにこの地に存在した、当時としては画期的な巨大施設とは?次の出題者は「弁天町のブルース・リー」。実は、アインシュタイン稲田と、過去に因縁が!アームレスリング道場を運営する彼が、その道に入った意外なきっかけとは?最後の出題者は、大型バイクを乗り回す75歳の宝石店主。彼の驚きの“オシャレ”に、スタジオ騒然。これって“アリ”ですか? 銀シャリ,アインシュタイン,西畑大吾,向井康二,高橋恭平,篠原信一,福本愛菜,オオヌキタクト

NHKスペシャル「ねぶた2018 父と娘の挑戦」
北国の一瞬の夏を彩る「青森ねぶた祭」。勇壮華麗なねぶたを作る「ねぶた師」たちは、賞の獲得を目指し、毎年、鎬を削る。注目は、去年、最高賞を受賞した史上初の女性ねぶた師、北村麻子(35)。今年は葛飾北斎をテーマに連覇に挑む。立ちはだかるのが、師匠にして父、そして名人の称号を持つ北村隆(70)。伝統を進化させようと新たなねぶた作りに挑む親子。競い合い支え合う父と娘の一年を見つめた。 宮崎あおい
バリバラ「障害者はテレビを救う」
夏のバリバラ企画!今年は「視聴者としての障害者」がテーマ。「テレビが楽しめない、わからない」の声に応え、誰も置き去りにしないテレビの未来像について考える。
今年もやります!夏のバリバラ企画!今年は「視聴者としての障害者」がテーマ!目が見えなくてもテレビを見たい!耳が聞こえなくても音楽番組を楽しみたい!なにより深刻な“知的障害者がテレビわからない問題”どうする!?テレビには字幕のほかに解説放送や手話放送もあるけれど、普及は一向に進まず、障害者からは「テレビ番組から置き去りにされている!」との声が。誰も置き去りにしないテレビの未来像について考える。 関根勤,すみれ,チャラン・ポ・ランタン, 山本シュウ,大西瞳, 玉木幸則,岡本真希, 神戸浩

NHKバリバラ@nhk_baribara
聞こえない人にとって、もっとも自然に使えることばは実は日本語と文法が違う“手話”。だからTVの字幕はわかりづらいし、ずっと見ていると疲れる。さらに子供にとっては字幕のスピードが速すぎてついていけない。そうなんだ、、、😞 #バリバラ
武田砂鉄 @takedasatetsu
政治家がわざわざ「正直、公正」を宣言する光景に驚いたが、それを言ったら「反発が党内に根強い」ので封印するのだという。「万引き防止」のポスターを貼ったら、店員みんなで「剥がせ」と怒っている状態。異様。
Erika Toh (藤えりか) @erika_asahi
マケイン氏追悼でCNNも何度か流している映像。2008年米大統領選で女性に「オバマはアラブ人とあった、信用できない」と言われ「いいえ、彼は品行方正な家庭人で市民。基本的な問題で私とたまたま意見が違うだけです」とマケイン氏。少し前まで当たり前に感じた光景だなぁとトランプ時代の今、遠い目。
なかのとおる @handainakano
マケインについての報道を見ていると、思想信条や立場とかとは関係なく、立派な政治家というのがありえるという気がします。いまの日本の政治状況とは真逆なような気がしてしまいますが。
KAMEI Nobutaka @jinrui_nikki
名古屋国際音楽祭で、こんな事件があったとかです。
視覚障害の来場者を、本人が事前予約した席に案内せず、望んでもいないのに車いすに乗せ、後方の隅の席に座ることを強要した。
主催者CBCは差別解消法を知らないと答え、差別相談センターは名古屋市に丸投げ、名古屋市は情報の公開を拒んでいる
「事前予約した席に座らせない」というだけで、普通に考えて契約違反で代金返還を求めていいと思いますが。 その席に案内しない理由が、「自分で歩くと言っている視覚障害者を主催者側がむりやり車いすに乗せた上で、段差があるから連れていかない」って、何重にも支離滅裂な対応。特別扱いの強要です

有田和生 @ka1206
日本は光州事件が起きた韓国の時代を今追体験しているのではないか?
モリカケ然り、#ケチって火炎瓶 然り、国の腐敗が情報の「統制」で国民の目に触れなくなっている。
「タクシー運転手」で描かれたような勇気あるジャーナリストは出てこないのだろうか?


日曜だけど出勤.昨日いいところまでできたPLUSを頑張るためです.それとこの間ずっと放置していたレシートとpdfも少しだけ整理.やはりクタクタ.でもPLUSはほぼ完成で満足感があります.レシートはまだ残っているのもあるのでそれは次回.

<東日本大震災>集団移転の街誕生祝う「桜塚サマーフェス」 新住民が交流イベント
 東日本大震災の被災者の集団移転先として整備した山元町桜塚地区の新市街地で25日、まちびらきイベント「桜塚サマーフェス」があった。
 住民や地区内にある高齢者施設の利用者ら約100人が参加。斎藤俊夫町長も出席し、住民とくす玉を割って新しい街の誕生を祝った。
 住民による出店が並び、大勢が交流を楽しんだ。桜塚自治会会長の鈴木勝雄さん(71)は「違う集落から集まっているので、住民同士でまだ顔が分からない状態が続いている。こうしたイベントを通じて、つながりを強めたい」と話した。
 同地区の災害公営住宅と宅地は2017年3月に完成した。入居者の生活が安定する一方で、コミュニティーの形成が課題となり、住民同士の交流を進めようと、桜塚自治会がイベントを企画した。


陸前高田の松原再生 雑草との闘い 求む草刈り助っ人 苗木、枯死する恐れも
 東日本大震災の津波で流失した陸前高田市の名勝「高田松原」を再生させようと植樹したマツの苗木が、猛烈な勢いで伸びる雑草の脅威にさらされている。苗木の生育を阻害しかねない事態に、関係者は除草に追われる。マツの背丈が十分に成長するまで数年以上、地道に草刈りを続ける必要があるという。
 苗木が隠れてしまうほどの雑草に覆われた植樹林で19日、地元のNPO法人「高田松原を守る会」のメンバーがボランティアと草刈り作業に汗を流した。
 苗木に傷を付けないよう慎重に鎌を振るう作業が、7月から毎週のように続いている。守る会副理事長の小山芳弘さん(71)は「ここまでひどい状態になるとは思わなかった」と想定外の光景を嘆いた。
 高田松原は津波で約7万本のマツ林が消滅した。松原をよみがえらせようと岩手県は2017〜19年度、守る会と分担して海岸部約8ヘクタールに約4万本の苗木を植える計画を進めている。
 ところが今夏、海岸部ではヨモギなどが大量に繁殖した。造成のために投入した土に交じっていたり、飛ばされてきたりした種が芽を出し、一気に成長したとみられる。
 県大船渡農林振興センターは「雑草は苗木を風から守る利点もあるが、現状では樹勢を弱めかねない」と困惑する。光合成ができずに苗木が枯死する恐れもあるという。
 県は本年度、草刈り費用約60万円を計上して業者に除草作業を発注した。「刈っても根や種が残ってしまい、また草が生えてくる。こまめに刈り取るしかない」と守る会は長期戦を覚悟する。
 守る会による除草作業は9月まで続く予定。美しい松林を復活させたいと、草刈りボランティアを募っている。連絡先は小山さん080(5570)4128。


ソフトボールで新たな一歩 山元・高瀬仮設住宅用地のグラウンド復旧「日常戻ってきた」
 東日本大震災により仮設住宅用地となった宮城県山元町高瀬の町民グラウンドが復旧し、こけら落としとなる「第18回東北シニアソフトボール親善交流宮城山元大会」が25日、始まった。26日まで同グラウンドを主会場に熱戦を繰り広げる。被災者が約6年間避難生活を送った場所が元通りになり、関係者は「日常が戻ってきた」と喜んでいる。
 青森、秋田、宮城、山形、福島各県の14チーム約300人が参加。試合開始に先立ち開会式があり、山元町ソフトボール協会会長の嶋田博美さん(68)がグラウンドが復旧した経緯を振り返り「町民は落ち着いた生活に戻ってきている。多くの支援に感謝したい」とあいさつした。
 参加者の中には、同グラウンドの仮設住宅で生活した人もいる。山元クラブの引地孝一さん(68)は沿岸部の自宅が津波で全壊し入居した。現在は亘理町で再建した自宅に住んでいるが「山元町民という意識が強いので本当にうれしい」と笑顔を見せた。
 同グラウンドは震災前、野球やソフトボールなどを行う多目的運動場として使われていた。約180戸の仮設住宅が建ち、2011年5月に入居を開始。17年9月に最後の1戸が退去した。
 プレハブ住宅を撤去し、グラウンドに舗装したアスファルトをはがして整地する復旧作業を進めてきた。


名取・被災図書館の代替施設 どんぐり図書室ありがとう お別れイベントに400人集う
 東日本大震災で被災した旧名取市図書館の代替施設「どんぐり・アンみんなの図書室」と「どんぐり子ども図書室」が今月いっぱいで利用を終えることになり、現地で25日、お別れイベント「ありがとう、どんぐり図書室」が開かれた。図書館の機能は12月19日、JR名取駅前にオープンする新館に移る。
 市民ら約400人が参加。被災の状況や震災後の行事の様子などを写したスライドショーがあった。古くなって貸し出しに適さない「除籍本」など約1000冊を無償で配るリサイクルコーナーもあり、にぎわった。
 柴崎悦子館長は「カナダ政府や日本ユニセフ協会などの寄付で建物ができ、多くのボランティアが本を搬入して息を吹き込んでくれた。感謝の気持ちを忘れず、新館オープンに向けて準備を頑張る」と話した。
 旧図書館は、震災の揺れで壁が崩れるなどして解体。移動図書館用バスなどを使った暫定運営を経て、2013年1月に旧市図書館敷地内で、両図書室の利用が始まった。


中華で岩手を元気に 避難所で母亡くした及川さん、花巻に新店舗「地元食材生かし復興応援」
 東日本大震災から間もなく母を亡くした及川龍治さん(42)=陸前高田市出身=が、一念発起して花巻市の吹張町商店街に中国料理店「神龍(シェンロン)」をオープンさせた。「地元の食材を使った創作料理で、復興に奮闘する岩手を応援したい」と意気込んでいる。
 オープンは今月8日。初日は花巻市の自宅で採れたナスを調理したマーボーナス、県産小麦の麺を使った冷やし中華など定食4品で客をもてなした。
 及川さんは陸前高田市内の高校を卒業後、東京の高級ホテルや神奈川県箱根町の会員制ホテルで上海、北京など中国四大料理を幅広く学んだ。
 陸前高田は津波で深刻な打撃を受けた。実家に住んでいた母松田忍さん=当時(68)=は2011年10月に避難所で倒れ、間もなく亡くなった。及川さんは被災、避難のストレスが影響したと考えている。
 震災では多くの同級生も犠牲になった。「岩手のために自分ができることをしたい」と帰郷を決意し、妻恵美さん(41)の実家がある花巻市に出店した。
 「ブランド豚『白金豚』のチャーシューや三陸ウニのチャーハンを提供したい」と張り切る及川さん。食材の鮮度を重視し、仕入れた食材を使い切るよう心掛ける。メニューは当日決めるという。
 「花巻は中心部の空洞化が進み、商店街もシャッター通りになりつつある。本格的な中国料理で人を呼び寄せ、にぎわいを取り戻したい」と話す。
 営業は午前11時〜午後9時。日曜定休。連絡先は神龍0198(41)4649。


<南三陸さんさん商店街>新たなモアイが仲間入り 気軽に触って、インスタ映えも
 ◇…東日本大震災の復興支援でチリ政府から贈られたモアイ像が立つ宮城県南三陸町の南三陸さんさん商店街に、新たなモアイ像がお目見えした。
 ◇…その名は最愛(もあい)像。愛と絆の象徴にしようと、町内外からの寄付金を基に造られた。高さ1.8メートルの樹脂製で、企画した南三陸モアイファミリー代表の柳井謙一さん(34)は「気軽に触ることができ、インスタ映えもするはず」と話す。
 ◇…最愛像の前には紅白のひもをつるし、さい銭箱も置かれた。商店街を訪れる人に御利益を、という願いも込められている。(南三陸)


きょう南三陸でイースタン楽天戦 選手と球児笑顔の交流
 宮城県南三陸町で26日に行われるプロ野球イースタン・リーグ公式戦東北楽天−千葉ロッテ(河北新報社、楽天野球団など主催)を前に、両チームの監督や選手と野球に打ち込む地元の子どもたちの交流会が25日、同町の南三陸プラザであった。
 楽天イーグルス南三陸町応援協議会が主催し、町内の野球チームに所属する小学生ら約130人が参加。選手と写真撮影をしたり、色紙にサインを書いてもらったりして親睦を深めた。
 「ホームランを打つこつは」という子どもの質問に、東北楽天の岩見雅紀選手は「練習から全てホームランを狙うこと」と答えた。
 南三陸町野球クラブの西城光瑛君(10)=志津川小5年=は「選手は試合後で疲れているのに笑顔で接してくれた。僕も将来はプロ野球選手になりたい」と目を輝かせた。
 試合は、同町歌津の平成の森しおかぜ球場で、正午に始まる。


実は観光の「お得意さま」 気仙沼誘客 仙台圏に脈 官民組織、重点的にPR
 東日本大震災後、観光客数の減少にあえぐ気仙沼市が、仙台圏からの誘客に力を入れ始めた。市内を訪れる観光客数を調べたところ、仙台市からの来客が圧倒的に多いことが分かった。PR用のパンフレットを作り、仙台市や富谷市で活用するなど売り込みを図っている。
 気仙沼市の観光振興を担う官民組織「気仙沼観光推進機構」は今夏、観光PRのパンフレット「気仙沼さ来てけらいんBOOK 2018夏」を作った。
 夏のグルメや体験イベントを告知するA4判7ページを5万7000部発行。うち3万5000部を仙台市や富谷市の住宅に配った。表紙には「仙台のみなさまへ みなさまのお越しを心からお待ちしています」などと記した。
 仙台市内であったイベントでも積極的に配り、気仙沼出身の店主がいる仙台市内の居酒屋に置くなどPRしている。
 気仙沼市の2017年の観光客数は145万6000人で、東日本大震災前の10年(約254万人)の6割弱。主力産業でもある観光業の振興は、市の大きな課題の一つだ。 市は16、17年に同市魚市場前の「海の市」で、市外の観光客2400人から聞き取り調査を行った。日帰り客の18%、宿泊者の13%が仙台市在住だった。居住自治体の2位以下を大きく引き離し「数字的にも仙台圏をターゲットにする必要性を裏付けた」(市観光課)という。
 気仙沼市が仙台圏を重視する背景には、三陸沿岸道路の延伸もある。18年度内に一部区間(2キロ)を除いて仙台港北−気仙沼中央インターチェンジ間がつながり、車による両区間の通行時間は1時間半を切る。
 市観光課は「仙台から日帰りで来る観光客はますます増えるだろう。仙台圏に向けた積極的な情報発信は不可欠だ」とみている。


デスク日誌 学長会見
 「うまく説明するのは難しい」。数学上の未解決問題について聞いたわけでもないのに、そんな答えしか返ってこない。本来なら疑問の余地なく、粛々と処理されるべき問題なのに…。
 山形大が月1、2回開く小山清人学長の定例会見では度々、記者の質問が宙に浮く。8月上旬は大学が職員へのパワハラを理由に、同大xEV飯豊研究センターのセンター長を約1万円の減給処分とした根拠について、質問が相次いだ。
 同大のハラスメントに関する懲戒規程は(1)職場の上下関係に基づく影響力を用いた行為は停職以上(2)被害者の意に反し、繰り返し行った行為は停職、出勤停止または減給−と定める。大学は今回、(1)でなく(2)を適用し、減給の中でも最も軽い1日分給与半減とした。
 (1)を適用しない理由を問われると、「パワハラという言葉に上下関係が含まれるため」と小山学長。意味不明な回答に記者たちが困惑していても、「うまく説明するのは難しい」で終わってしまう。まさに記者泣かせのお手本である。
 会見の様子は河北新報オンラインニュースから動画でご覧いただけます。興味のある方はぜひ。(山形総局長 昆野勝栄)


みなとや買収 店づくりの個性忘れずに
 独特の品ぞろえで根強い人気のある八戸市のスーパー「みなとや」が、むつ市に本社を置く同業の「マエダ」に買収される。他業態を含め激しい競争が続く八戸市内で、将来的に単独での生き残りは難しいとの判断に傾いたのだろう。
 市内では以前からオーバーストア(店舗過剰)が指摘されてきた。「ユニバース」や「よこまち」など地元資本に、中央資本の食品スーパーも加わり、しのぎを削る。近年はドラッグストアやホームセンターも食品部門を強化しており、業態の垣根を越えた競争が激化していた。
 マエダにとっては未出店だった同市内への進出。みなとやの9店舗を加えることで、青森県内では最大となる計41店の店舗網を築くことになる。規模の大きさが利益率に直結する業界でもあり、両社にとってのスケールメリットは大きい。仕入れ価格の低減などを通じて競争力の向上を図るという。
 青森県内を見渡すと、ユニバースとマエダに、「カブセンター」などを運営する紅屋商事を加えた“三つどもえ”の構図が固まったように見える。マエダの八戸進出によって、店舗網の拡大を通じた3強の覇権争いが加速するのではなかろうか。
 それにしても、今回のような合併・買収(M&A)のニュースに接するたびに思うことがある。小売業界に限らず、企業というものはどこまでも規模と利益を追求する遺伝子が組み込まれているのだろうか。際限なき欲求の行き着く先が寡占だとすれば、逆に消費者の利益を損なう状況にも陥りかねない。
 世界に目を転じると、インターネット通販のアマゾンなど圧倒的なスケールを誇る一握りの企業による「富と知」の寡占に懸念が強まっている。アマゾンが進出した業界で次々と既存企業の淘汰(とうた)が進む“アマゾン・エフェクト”。その波はいずれ、北奥羽地方にも及ぶはずだ。
 今回の買収とアマゾン・エフェクトを同列には語れまい。だが、根底には資本主義の宿命とでも言うべき規模への欲求が横たわっているのは確かだ。そういう意味では、小さくとも個性的なみなとやが大手資本にのみ込まれる構図には、一抹の寂しさを感じざるを得ない。
 「食」は地域を形作る重要なファクターであり、食品スーパーもその担い手の一つだ。同社のオリジナル商品や地場商材が多くのファンを獲得してきたのを忘れてほしくない。スケールメリットを追求するあまりに、他店と横並びの画一的な店づくりに陥らないことを願う。


原発4社提携 延命策なら見過ごせぬ
 東京電力ホールディングスと中部電力、日立製作所、東芝の4社が原発事業の提携に向けて協議を始めた。まずは原発の保守管理などでの協力を想定している。
 東日本大震災後の規制強化で安全対策費が高騰し、1社で事業を担うのは難しくなっている。4社が組んで維持費削減などを図り、事業を維持する狙いがある。
 気がかりなのは、原発新設を視野に入れていることだ。4社が新設の受け皿となるなら、原発延命策とみられても仕方ない。
 取り組むべきは、老朽化した原発の廃炉だ。廃炉作業をどう進めるかは大きな課題であり、ノウハウを確立する必要がある。
 東電と中部電の原発は福島第1原発と同じ沸騰水型(BWR)で、1基も再稼働していない。日立と東芝はBWRを建設してきた。
 東電は福島第1原発で廃炉作業を行っており、福島第2原発の廃炉検討方針を表明した。中部電は浜岡原発の2基の廃炉作業中だ。
 再稼働が見込めない原発の廃炉は今後も続く見通しで、廃炉技術の開発や人材確保が急務だ。そのために手を組むのは理解できる。
 ただ、東電は建設が中断する東通原発(青森県)について、共同事業体を設立して運営する方針を示している。他電力に参加を呼びかけるが協議は難航しており、提携に期待をかけているとされる。
 国のエネルギー基本計画は原発について「依存度を可能な限り低減する」としている。再稼働にすら根強い反発がある中で、新設への広い理解は得られまい。
 原子炉メーカー側も、提携内容について慎重な検討が必要だ。
 日立は英国での新設計画に東電などの出資を仰ぎたい考えだ。
 だが安全規制強化で総事業費が高騰し、建設工事の中核から米建設大手が外れるなどリスクが高まっている。自社でリスクを背負いきれないからといって、他社を巻き込むのでは筋が通らない。
 東芝は米原発事業の失敗で経営危機に陥り、国内の廃炉事業を今後の柱に位置づけたはずだ。にもかかわらず新設を進めるのか。
 4社の提携は国内の原発事業の再編につながる可能性もある。
 国内原発はBWRのほか、関西電力や北海道電力などの加圧水型(PWR)がある。提携次第ではPWR勢も人ごとではあるまい。
 業界再編が必要との声は政府内からも漏れる。急ぐべきは原発事業の維持よりも廃炉に道筋をつけることだ。優先順位を間違えてはならない。


原発事故の賠償  リスクの放置は無責任だ
 日本には原発を動かす条件も環境も整っていない。そう考えざるを得ない。
 政府は原発事故に備えた原子力損害賠償法に基づく賠償金を現行の1200億円に据え置く方針を決めた。
 東京電力福島第1原発の事故の賠償金は、今年7月時点で8兆円を超えている。同法で定めた民間保険や政府補償による賠償上限を引き上げる必要性は以前から指摘されていた。
 政府の専門委員会は当然、引き上げで同意する方向だった。しかし、電力会社と政府の双方が引き上げに後ろ向きで、結果的に見送りとなった。
 万が一への備えが不十分なまま、原発の再稼働が進んでいくことになる。「原発のコスト」などの著書で知られる龍谷大の大島堅一教授(環境経済学)は「無保険で車を運転しているような状態」と指摘する。
 原賠法は、民間保険と政府補償契約で賠償額を充当する仕組みで、賠償額の増額は電力会社の負担になる。
 電力会社は電気代値上げにつながるとして難色を示し、賠償額を増やすなら国が手当てしてほしいと要求した。電力自由化で競争が激化しているうえ、原発再稼働のための安全対策に費用がかかっているためという。
 原発の運転にお金がかかるから、万が一の事故に備えた賠償金を十分用意できない、というわけだ。それなら原発から撤退すればよい。税金をあてにするなど、論外ではないか。
 国も世論の反発を恐れ、財政出動による政府補償の増額を拒んだ。
 電力会社が十分な補償を用意して原発を運転しているかどうかを監督するのが、本来の国の役割ではないのか。「再稼働ありき」だから電力会社の言い分を聞くしかない、というなら極めて無責任である。
 「原発は比較的安価なエネルギー」。国と電力会社はこう繰り返しているが、万が一の事故に十分に備えれば、割が合わないのは明らかだ。
 今月10日、中国電力が建設中の島根原発3号機の新規稼働に向けて原子力委員会に審査を申請した。
 2011年の東日本大震災当時に建設中だった原発が審査を申請するのは2例目になる。
 島根3号機は、事故を起こした福島第1原発と同じ沸騰水型原子炉(改良型)である。
 中国電が3号機の稼働を目指す背景には、電力自由化による競争の激化がある。中国地方には新電力や関西電力が進出している。関電のように原発を再稼働させ、火力発電向け燃料負担を軽減し、増益を狙いたいというわけだ。
 こうした経営方針は、関電や九州電力、四国電力にも共通する。電力会社の表面的な経営改善のために、本来負うべきリスクへの対応が放置されたまま再稼働が進んでいる。
 米国のニューヨーク州は昨年、原発1基の廃止を決めた。都心部から80キロ圏内にあり、事故時の避難や補償が不可能だからだ。福島の教訓を生かした判断である。本来、日本がとるべき道ではないだろうか。


「原発の大義名分、全部うそ」 小泉元首相、佐賀市で講演
 「原発ゼロ」を訴えている小泉純一郎元首相が25日、佐賀市で講演し、「原発事故を自然エネルギー大国に変わるチャンスに」と呼び掛けた。脱原発運動に絡んで、原発立地県である佐賀で講演するのは初めて。
 小泉氏は「在任中は原発は安全でコストが安く、クリーンだという経済産業省の話を信じてしまった」と悔やみながら、「原発推進の大義名分は全部うそ」と言い切った。
 1兆円以上の税金を投じながら開発に失敗した高速増殖原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)を例に「原発のコストにはそういう費用は入っていない。しかもひとたび事故を起こせば大変なことになる」と強調。1970年代のオイルショックなどを挙げて「ピンチをチャンスにしてきた国。自然エネルギー大国になるチャンスがきたと思って原発をやめるべきだ」と訴えた。
 講演を聞いた西松浦郡有田町の男性(69)は「電力会社への手厳しい批判に、本気度を感じた」と感想。佐賀市の女性(67)は昨年4月の山口祥義知事の玄海原発(東松浦郡玄海町)の再稼働同意に触れて「知事の考えがよく分からなかった。小泉さんのように自分の意思をはっきり言える人に知事になってほしい」と話していた。
 講演会は県保険医協会(藤戸好典会長)が主催し、約900人が詰め掛けた。小泉氏は「原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟」の顧問を務める。


日本橋の首都高を地下化 景観と費用のバランスを
 過剰なコストをかけずに「青空」を取り戻す工夫が必要だ。
 東京都中央区にある「日本橋」の上を走る首都高速道路の地下化の概要が決まった。
 現在の高架を撤去し、橋周辺の1・2キロを地下トンネルにする。2020年の東京五輪・パラリンピック後に着工し、完成には10〜20年かかる見通しという。
 日本橋は、江戸幕府開府と同時に造られ、東海道や中山道といった五街道の起点となった。現在の石造りの橋は1911年に造られ、国の重要文化財になっている。
 首都高は、64年の東京五輪開催に間に合わせるため、緊急的に建設された。前年に日本橋にかぶさる形で開通している。用地買収のコストを抑えるために川の上に造ったり、多層構造が採用されたりした。
 当時は高度成長期で、交通網の整備が急ピッチで進められていた。都市景観や文化継承といった面が二の次になっていたことは否めない。
 高速道を地下化し周辺の景観を回復するという計画は理解できる。
 ただし、コストが問題だ。
 総事業費は約3200億円になるという。首都高会社が2400億円を、都と区、日本橋周辺の再開発を担う民間事業者が、残りの額を負担することになる。
 当初は5000億円ほどかかるともされていたが、既存の高速トンネルの利用などで工事費を圧縮した。
 だが、付近を走る地下鉄の路線を避けるなど難工事が予想される。都心部の渋滞解消のため、近くの高速高架を改修する計画もあるが、その費用は含まれていない。
 事業費の膨張を防ぐための、さらなるアイデアが必要だ。
 日本橋周辺の水のある景観を、再開発でどのように整備していくのかも具体的に説明すべきだ。
 米国・ボストンは市内の高速道を地下化して地上部に公園を設けるなど、都市機能を再生させている。
 むやみな高層化を避けるなど、十分に配慮したい。景観回復による経済効果が大きければ、400億円とされる民間業者の費用負担額の見直しも考えるべきではないか。
 利便性と都市景観の調和をどう考えていくのか。首都高の整備を、そのきっかけと捉えたい。


ゲノム編集生物の規制 新技術はなおさら慎重に
 新技術のゲノム編集を使って遺伝子改変した動植物や微生物をどう規制していくか。生物多様性保護の観点から議論した環境省の有識者検討会が原案を大筋でまとめた。
 ゲノム編集生物の一部を従来の規制対象からはずす一方、情報の届け出を求める方針だ。
 親委員会にかけて今年度中に最終結論を出すというが、検討会の開催はわずか2回。生態系への影響のリスクをきちんと評価したとはいえず、市民にも情報は伝わっていない。新しい技術であることを思えば、より丁寧で慎重な議論が必要だ。
 ゲノム編集は従来の遺伝子組み換えに比べ簡便で精度が高いことが特徴だ。生物のDNAを狙った位置で切断でき、その結果、特定の遺伝子を壊した生物ができる。研究レベルでは筋肉量の多いマダイや収量の多いイネなどがこの手法で作られている。一方、ここに望みの外来遺伝子を組み込むこともできる。
 現在、遺伝子組み換え生物は生物多様性を守る「カルタヘナ法」で規制されている。検討会はこの法律に照らしてゲノム編集技術を整理し、外来の遺伝子を入れた生物を従来通り規制対象とする一方、遺伝子を壊しただけの生物を規制の対象外とする方針を示した。
 遺伝子が壊れたことによる新種は自然界にもある、という理屈だ。
 研究者や産業界にとっては、規制に対応する費用や手間がかからず、歓迎する声はあるだろう。この分野の国際競争を意識する政府の意図も反映されている。
 だが、カルタヘナ法はゲノム編集登場以前の法律で、この範囲だけで考えるのは限界がある。壊された遺伝子によっては思いもよらない生物ができないか。自然界では淘汰(とうた)されるような生物を増やしてしまわないか。狙いとは別の遺伝子を壊した場合の影響はどうか。
 環境省が示す大枠に従うだけでなく、関係省庁や学会などでもっと議論を深めてほしい。
 ゲノム編集生物をどう規制するかは国によっても判断が分かれる。その違いの背景を分析する必要もあるだろう。
 食品としての規制については厚生労働省が今後検討する。あくまで安全性を重視した議論が必要だ。


週のはじめに考える 「単純化」という妖怪
 一匹の妖怪が世界を徘徊(はいかい)している−「単純化」という妖怪が。恐れ多いのですが、まずはマルクスとエンゲルスの有名な一文をまねて本稿を始めます。
 ここで「妖怪」になぞらえたのは、大衆迎合主義と訳されることの多い、いわゆるポピュリズム。そして、そのこころは、「単純化」だと思うのです。
 例えば欧州。英国の欧州連合(EU)離脱決定をはじめ、イタリアやオーストリアなど多くの国で、ポピュリズム的、ないしは、それと通じる極右の勢力が主として移民排斥などを主張に掲げて大きく力を伸長しています。
◆ポピュリズムの権化
 そして、地球儀を少し回して大西洋の西を眺めれば、嫌でもポピュリズムの権化のような人物が目に入ります。トランプ米大統領。
 評価できる言動というものが思い浮かばないのですが、メディアに痛いところをつかれると「偽ニュース」と断じ、事実に基づかない主張と上品とは言い難い言葉で攻撃するのが常です。ついには、「国民の敵」扱いされ、全米約三百五十紙が社説で一斉に反論したのもむべなるかなです。
 政策も、とにかく「?」だらけ。わけても最近、世界を動揺させているのは「貿易戦争」でしょうか。日本など同盟国も対象にしたアルミ・鉄鋼の追加関税を手始めに、中国には大規模な制裁関税を仕掛け、その報復も相まって、世界経済の先行きに暗雲が漂い始めています。
 商売人ですから、もしや、最初に過大な要求をぶつけて後の取引を有利に運ぶ「ドア・イン・ザ・フェース」と呼ばれるセールス手法のつもりでしょうか。でも、何にせよリスクが大きすぎます。
 中国による知的財産権の侵害は目に余るものがあるし、その覇権主義的な姿勢も脅威になりつつある。そういう主張は主張として分かるのですが、だからって、ストレートに制裁関税とは、いささか子供じみていないでしょうか。
 ここまで相互依存が進んだ世界で、短兵急に保護主義的な方向に進むことによるマイナスが小さいわけがありません。
 ことほど左様、中国への対処法に限らず、世の中の難問とは、複雑微妙。こういう面もあればああいう面もある、こうすれば喜ぶ人もいるが困る人もいる、あちらたてればこちらがたたず。ゆえに難問なのであって、ある一面だけを取り出して、それをどうにかすれば問題が解決するかのように人々に思い込ませるのは、大いなる欺罔(ぎもう)というほかないでしょう。
◆「分かりやすさ」で誘惑
 輸入の多い国に高関税を課せば自国経済のプラスになるかのように、移民を遮断すれば雇用不安は解消するかのように、自国第一主義は最終的に自国のためになるかのように言う、という類いです。
 ポピュリズムの核心とは、こうした「単純化」でしょう。大衆迎合というより、政治の側が甘言で大衆を誘惑しているとみる方が適当かもしれません。
 比較的新興の政治勢力が体現するポピュリズムが、なぜ欧米で力を持ったのか。要因は、既存政治の無策や落ち度にあります。行き過ぎたグローバリズムや市場至上主義を反省も修正もできず、その結果、生じた格差など社会の問題を拡大するままにしたのですから。しかし、政治手法として見れば、単純化の恐るべき効用、すかっとする「分かりやすさ」も大きい気がします。
 中国戦国時代、斉(せい)の王の妃(きさき)が、誰にも解けなかった「連環の玉」を槌(つち)でたたき割った<解環>の故事や、誰にもほどけぬ結び目を、アレキサンダー大王が剣でばっさり切った<ゴルディウスの結び目>の故事を思い出します。
 無論、現実世界の「連環の玉」や結び目−難問は、そんなふうに、すかっと一刀両断できるものではない。知恵を絞り、試行錯誤を繰り返して、どうにか解きほぐしていくほかないのです。
 単純化といえば、もう一つ。米朝会談後、北朝鮮の姿勢変化を受け、トランプ氏が在韓米軍について語った発言も思い起こします。
 「巨額の金がかかるから、できるだけ早く軍を撤退させたい」
◆対立は損、平和は得
 核廃棄で合意、といってもゆるゆるの約束にすぎず、撤退論はわが国安全保障上の大問題…。それは、その通りかもしれません。
 しかし、脅威さえ消えれば軍も武器も要らぬ、とはもっともな理屈。脅威や対立があるから防衛という名の戦争準備が必要なのであって、大金もかかる。だから対立を次々解消していけば、軍も武器も世界から消えていくはず…。
 トランプ氏の意図とは別に、一種のシンプルな平和論と読めないでしょうか。そして、こういう「単純化」なら世界にどんどん広がってほしいと思うのですが。


陸上イージス 「費用対効果」の再検討を
 大きな買い物をするときは、本当に必要か、値段が高過ぎないか、吟味して決めるのが庶民の常識というものだ。国民の税金を使うとなれば、なおさら慎重さが必要ではないか。
 防衛省は先月末、米国から購入する予定の地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の1基当たり取得経費が、当初説明の約800億円から増え、約1340億円になると発表した。約7割もの大幅増である。
 イージス・アショアとは、イージス艦搭載の迎撃ミサイルシステムを陸上配備型にしたものだ。日本に向かう弾道ミサイルを高性能レーダーで捉え、迎撃ミサイルで撃ち落とす。山口県萩市・阿武町と秋田市の2カ所を配備候補地に選定している。
 2基購入となるので、合計は約2680億円となる。さらに教育訓練や30年間の維持運用の経費などが約1985億円に上るとの試算も示した。機器を格納する建物の整備費も必要になるという。最終的には全部でいったい、いくらになるのか。
 これだけ費用が膨張しているのに、防衛省は「わが国の防衛に重要な装備」(小野寺五典防衛相)として、予定通り導入する方針を崩していない。
 イージス・アショアについて、政府は昨年12月、北朝鮮の核・ミサイル開発の脅威を理由にして導入を決めた。この導入理由も揺らいでいる。
 6月の米朝首脳会談で、朝鮮半島の緊張は当面緩和された。北朝鮮は今年に入って核実験やミサイル発射を行っていない。日本政府もこれを受けて、北朝鮮ミサイル対応の地対空誘導弾パトリオット(PAC3)を配置先から撤収している。
 小野寺防衛相は「北朝鮮の脅威は変わっていない。核やミサイル廃棄の動きはない」と説明する。しかし、今後の米朝協議の行方を見る前に、「脅威は不変」と判断して導入に踏み切るのは早計ではないのか。
 脅威が将来にわたってゼロでない限り最大限の備えが必要、という原則を採るなら、防衛費はいくらあっても足りない。
 政府の念頭には中国のミサイルへの対応もあるとされるが、それならそうと説明すべきだ。
 昨年11月に来日したトランプ米大統領は安倍晋三首相との会談後、記者会見でミサイル防衛に触れ「日本は(米国から装備を)大量に買うべきだ」と露骨に要求した。政府は米国の高額な防衛装備を購入することで、トランプ政権と良好な関係を保とうとしているのではないか。
 繰り返すが、購入費用は国民の税金である。「費用対効果」の再検討と、国民を納得させる説明が絶対に必要だ。それ抜きで導入は認められない。


[障がい者雇用]第三者委で徹底調査を
 中央省庁が雇用する障がい者数を水増ししていた問題は、地方自治体にも拡大するばかりである。県内でも県教育委員会と県病院事業局で障害者手帳などを確認しないまま雇用者数に算入していたことが分かった。
 中央省庁や自治体は率先して障がい者が個々の能力を発揮できるよう働きやすい環境を整えなければならないのに、逆に働く機会を奪っていたのである。障がい者団体が強く非難するのは当然だ。
 県教委は自己申告に基づき雇用数に計上していた。県病院事業局は採用後に障がいを負った職員について同じく自己申告で算入していた。
 いずれも「水増しの意図はない」とする一方で、「疑義を持たれてもしょうがない」(県病院事業局)と不適切な算入であることを認めた。今後は国のガイドライン(指針)に従って障害者手帳の確認をしていく方針という。
 厚生労働省のまとめによると、2017年6月現在、今回疑義が出た県教委の障がい者雇用率は2・26%で平均2・23%を上回り、県病院事業局も3・10%で平均2・54%を大きく超えている。
 今回発覚した不適切な算入によって実態が反映されていなかった可能性がある。
 県教委も県病院事業局もいつから、なぜ不適切な算入を続けたのか、経緯を含め、県民が納得できる説明をする責任がある。
 県内企業は障がい者雇用に積極的である。雇用率2・43%は平均の1・97%を上回り全国6位である。中央省庁や自治体の不正は企業に対する裏切りでもあるのだ。
■    ■
 中央省庁の水増しは共同通信の調べで11府省庁に上る。
 国のガイドラインに反し、障害者手帳などを確認せずに雇用数に算入していた人数は3千人台に膨らみそうだ。中央省庁は約6900人を雇用していたと発表しており、大量に偽っていたことになる。
 障がいのある人も活躍できる共生社会の旗振り役を担う中央省庁の不正である。弁解の余地はない。
 国の33行政機関の昨年の障がい者雇用率は2・49%で当時の法定雇用率を上回ったと発表していたが、水増し分を除くと複数の機関で実際の雇用率が0%台になる。驚くほかない。
 障害者雇用促進法では、民間企業が3年に1度、障がい者数の算定根拠となる障害者手帳などの点検を受けるのに対し、中央省庁や自治体はその仕組みがない。常態化した要因とみられるが、不正が許される理由にはならない。
■    ■
 雇用率制度をつくった政府自身がルールを破って長年水増しの不正を続けていることをみれば、障がい者雇用を本気になって促進する気があるのか疑わざるを得ない。
 政府は都道府県を対象に全国調査に乗り出す方針だ。だが、これだけでは不十分である。信頼回復には当事者である障がい者団体などを含む第三者委員会を立ち上げて徹底的に調査する必要がある。
 その上で、政府は障がい者雇用に真(しん)摯(し)に取り組む姿勢を示すためにも、再発防止策を早急に提示する義務がある。


介護セクハラ 現場の切実さ見据えねば
 このまま被害を放置しておけば、介護の現場そのものが揺らぎかねない。
 介護に従事する人の尊厳を守るためにも、早急に対策を講じる必要がある。
 介護現場で働く人が利用者や家族から受けるセクハラやパワハラなどの問題で、厚生労働省は被害実態を調査し、本年度中に事業者向けの対策マニュアルを作成する。
 訪問介護や施設介護などに携わる人でつくる労働組合「日本介護クラフトユニオン」の調査では、セクハラを受けた経験があるとの回答は3割、パワハラは7割にも上った。
 女性が多い職場であり、深刻な状況だ。現場の実情を適切に把握し、安心して働ける職場環境の整備を進めてほしい。
 介護現場の人手不足対策は、現状でも喫緊の課題だ。ハラスメント問題によって、人材確保がより難しくなるのであれば影響は大きい。
 調査によると、セクハラは「不必要に体に触れる」「性的冗談を繰り返す」が多く、「性的関係を要求する」もあった。
 一方、パワハラでは「攻撃的態度で大声を出す」「サービスを強要」のほか、身体的暴力という回答もあった。
 ハラスメントの被害を受けても、相談しなかった人は約2割いた。「相談しても解決しないと思った」「認知症に伴う症状だから」などの理由からだ。
 あきらめを抱いている介護職員も多く、事業所も守り切れていない現状が浮かぶ。
 被害が表に出にくかったのは訪問介護や有料老人ホームなど、利用者と1対1の「密室」で起きる傾向があるためだ。
 中でも訪問介護は、女性が1人で利用者の自宅に行く場合がある。今も不安を抱えながら働いている人はいるだろう。
 労組側は利用者や家族から被害を受けた場合、サービスの提供を拒めるような法律の整備を求めている。
 被害防止のため、2人体制で訪問介護ができるよう、国の補助などを要望してもいる。国はきちんと応えてほしい。
 介護業界が利用者に対し、ハラスメントは重大な人権侵害だというメッセージをきちんと伝えることや、自治体などによる啓発も不可欠だ。
 高齢者の場合、認知症に伴う症状によってセクハラ的な言動をしたり、孤独感から問題行動を起こしたりすることがある。
 認知症などの適切なケアを行うことで、問題行動が改善するケースもある。介護職員を孤立させないことが重要だ。
 厚労省は、団塊の世代が全員75歳以上になる2025年度に、介護職員が全国で約33万7千人不足する恐れがあるとの推計を出している。
 住み慣れた自宅で最期を迎えたいと思っても、医療や介護サービスを支えてくれる人材がいなければ不可能だ。
 介護現場のハラスメント対策は、将来への備えでもある。社会全体で問題意識を共有し、根絶への取り組みを進めたい。


利益率は平均の2倍…携帯3社はどれほど大儲けしているのか
 日本の携帯会社は、そんなに大儲けしているのか。菅義偉官房長官の「携帯料金は4割程度の値下げ余地がある」発言が波紋を広げている。
「菅官房長官は、携帯会社について公共電波を利用しており、過度な利益を上げるべきではないとも指摘しています。携帯会社の決算を見る限り、かなりの利益を上げているのは確かですが……」(市場関係者)
 そこで東証1部企業(2018年3月期)を対象に、稼ぎの多い会社を調べてみた。本業の儲けを示す営業利益のトップは、トヨタ自動車で2兆3999億円。2位はNTT(1兆6428億円)で、何と3位にランクインしたのは携帯大手の一角を占めるソフトバンクグループ(1兆3038億円)だった。NTTドコモは6位(9733億円)、「au」のKDDIは7位(9628億円)と大手3社はそろってトップ10にランクイン。金額そのものでは膨大な利益を上げていた。
 利益率はどうか。参考になるのは、売上額に対して、どのぐらいの儲けがあるかだ(営業利益率)。東証1部(3月期決算)の平均は7.6%(みずほ証券調べ)。トヨタ自動車は8.2%だった。
 携帯3社は、ソフトバンクグループが14・2%、NTTドコモが20・4%、KDDIが19・1%と、東証1部平均の2〜3倍だ。
「携帯会社は利益率が高くても、その分、設備投資が膨大です。今後は『5G』と呼ばれる通信速度の速いサービスに対応しなくてはなりません。日本政策投資銀行の調査によると、携帯(通信)会社の17年度設備投資は合計で2兆1313億円に達しています。この数字を見ると、単純に儲け過ぎだと批判するのは難しいかもしれません」(ちばぎん証券アナリストの安藤富士男氏)
 トヨタを含む自動車各車の設備投資の合計は1兆2902億円にとどまる。公共サービスという意味で通信と比較されることの多い電力は5715億円だ。
「携帯料金の値下げは2割程度で落ち着くのではないか。市場の読みは、そんなところです」(証券アナリスト)
 さて、どうなるか。


河北春秋
 演出家の宮本亜門さんは高校時代、上下グレーの服装をした。「価値のない人は目立ってはいけない」との思いがあったからだ。人間関係に悩み、自殺を試み、不登校になった▼1年間引きこもったが、精神科医に丁寧に話を聞いてもらい、自分を取り戻した。「引きこもった経験は僕にとっての勲章。音楽を聴き、本を読み、泣きまくり、感動しまくったあの引きこもりは必要不可欠だった」と振り返る(『宮本亜門のバタアシ人生』)▼東北では週明けから授業を再開する小中学校が多い。心配なのは夏休み明けに学校に行きづらいと感じる子どもが少なくないこと。内閣府が3年前に発表した過去42年のデータでは、18歳以下の子どもが自殺した日は夏休み明けの初日が突出して多い▼子どもの自殺を防ごうと、不登校の子と親らが交流する催しが全国約100カ所で一斉にあった。不登校の子の割合が全国一の宮城では約50人が参加。企画した女性は「学校に行けないぐらいで死ぬ必要はない。選択肢はいくらでもある。自分らしく生きることが大切」と語った▼宮本さんは著書にこう記した。「楽しいだけの一生もなければ、つらいだけの一生もない。同じ状態は続かない。1回限りの人生を楽しもう」。メッセージが子どもたちに届くといい。

東京五輪“総動員”体制に早大生がパロディサイトで痛烈皮肉! 西日本新聞も五輪の同調圧力を真っ向批判!
 一体、誰のためのオリンピックなのか──。2020年開催の東京五輪に対し、疑問の声が噴出している。極暑対策として「打ち水」やサマータイム導入を打ち出したかと思えば、大会期間中はネット通販を控えろだの、銀メダルの原材料が足りないから回収を強化しろだの、ボランティアを集めるために大学・高専の授業や試験期間を繰り上げろだのと、「五輪開催のために国民は犠牲を払え」と押し付けてばかり。「これは戦時体制に慣らすための予行演習なのでは?」と思わずにいられない。
 実際、最近は早稲田大学2年生の学生が作成したという「東京五輪学生ボランティア応援団」なるサイトが話題を呼んでいる。
 このサイトでは、さんざん〈1兆円以上もの予算を提示しながらボランティアにはたとえスキルがあろうが無かろうがびた一文出さない組織委の倹約精神〉や〈戦中の金属供出を彷彿とさせる都市鉱山からのメダル製作〉、〈どう考えても耐え難いであろう酷暑に対して打ち水で挑もうとする竹槍根性〉、〈問題は山積しているというのに未だにやりがいや絆や感動などといった聞こえのいい言葉に簡単に騙されてしまう国民〉などと問題点を指摘した上で、〈これらの要素が揃えば、美しい国・日本は世界に誇る自己犠牲の精神をもって最高の五輪を実現できるに違いない〉〈皆さん、この素晴らしい我が国の、威信を懸けた祭典のためにぜひ身を賭して貢献しようではありませんか! 東京五輪、万歳! 日本、万歳!〉と、まったく見事に東京五輪に向けた動きが戦時下そっくりのかたちであることを見抜き、盛大に皮肉っている。
 少しずつ人びとが感じはじめている、「これでいいのか?」という東京五輪への疑問、違和感。しかし、その一方でなぜかメディアは問題点を真正面からは取り上げず、盛り上げムードの醸成に力を入れるばかりだ。
 だが、そうしたなかで、東京五輪に疑義を呈した新聞がある。
●椎名林檎「国民全員が組織委員会」にNOを突き付けた西日本新聞の勇気
 それは、8月5日付けの西日本新聞に掲載された、永田健・論説副委員長によるコラム。文章は、冒頭から〈今回のコラムは大多数の読者から賛同を得ようなどと大それたことは考えていない〉と断った上で、こうつづくのだ。
〈東京五輪の開催まで2年に迫った。競技会場が予定される各地で「あと2年」のイベントが開かれ、テレビもしきりに「待ち遠しいですね」と呼び掛ける。
 私はといえば、全然待ち遠しくない(個人の感想です)〉
 東京五輪が「全然待ち遠しくない」──。永田論説副委員長の「個人の感想」とはいえ、新聞やテレビといったメディアでお祭りムードに水を差すような意見を打ち出すことは異例中の異例、いや、はじめてのことではないだろうか。
 しかも、この西日本新聞のコラムは、他の新聞・テレビが踏み込まない問題も指摘する。
〈私が東京五輪で懸念するのは、「暑さ」よりも「熱さ」の方だ。国民こぞって五輪を盛り上げましょう、という「熱さ」。開催期間前後、社会が五輪一色になる「熱さ」である〉
〈さらに心配なのは、その「熱さ」が「日本人なら五輪に協力して当然。何しろ国民的行事なのだから」という「圧力」に転じることだ。日本社会に根強い同調圧力が一層強まりそうだ〉
 そして、このコラムは、〈五輪の式典演出に関わる人気ミュージシャンが昨年、インタビューで五輪反対論に触れ〉たことを紹介し、そのミュージシャンの「もう国内で争ってる場合ではありませんし」「いっそ、国民全員が組織委員会。そう考えるのが、和を重んじる日本らしい」という言葉を引用している。この人気ミュージシャンとは、言わずもがな椎名林檎のことだ。
 東京五輪に反対する意見や懐疑的な声を「もう決まったこと」「和を乱すな」と言って封じ込める──。そうした流れに、このコラムは〈「国民全員が組織委員会」…。それはちょっとご辞退申し上げたい〉とはっきりNOを突きつけるのである。
東京五輪を一切批判せず五輪協力への同調圧力装置と化す新聞・テレビ
 新聞やテレビが会場問題やサマータイム導入問題などには疑義を呈することはあっても、このような東京五輪に対する「自国開催は誇らしいこと、喜ぶのは当然」「国民的行事なのだから協力は当たり前」などという「同調圧力」に、社の意見を執筆する論説委員が疑問を投げかけるなどということはほとんどないだろう。なぜなら、新聞・テレビこそが「2020年が待ち遠しい!」という社会の空気をつくり出し、異論を排除しているからだ。
 現に、テレビではこうした論調はまったく見ないし、新聞も読売や産経はもちろんのこと、朝日や毎日でさえ個別の問題を批判的に取り上げることにも及び腰で、ましてや西日本新聞のように「東京五輪が待ち遠しくない」などと踏み込むことはしない。せいぜいインタビューで識者などが熱狂ムードに釘を刺す程度だ。
 なぜ、リベラルな新聞までもが“国策”である東京五輪にまんまと乗っかっているのか──。その答えは簡単だ。大手新聞5社は、東京五輪のスポンサーに名を連ねているからである。
 これまで、五輪のスポンサーは読売新聞1社が独占契約をおこなう交渉がつづいていたが、そのオフィシャルパートナー契約は少なくとも50億円といわれ、読売単独では巨額すぎた。そのため日本新聞協会がスポンサー契約をする案が浮上したが、計130社が加盟する協会では足並みが揃うことはなかった。そこで新聞各社が個別契約することになり、2016年1月に「オフィシャルパートナー」として朝日新聞、日本経済新聞、毎日新聞、読売新聞東京本社の4社が契約を締結。今年1月に「オフィシャルサポーター」として産経新聞社、北海道新聞社が新たに契約した。
 言論・メディア企業各社が東京五輪のスポンサーになることで、五輪の不祥事や問題点をきちんと報じることができるのか。そうした懸念は当然のことだが、実際、大会組織委が報道に“圧力”をかけようとしたこともある。
森喜朗が五輪不祥事を報道した東京新聞に「スポンサーから外せ」と圧力
 大会組織委は朝日、日経、毎日、読売の4社と契約した後、中日新聞、北海道新聞、西日本新聞などのブロック紙と交渉を進めてきたが、そうした最中に中日新聞東京本社が発行する東京新聞は新国立競技場の建設問題をはじめとして五輪絡みの不祥事を追及。そのことに大会組織委会長の森喜朗が立腹し、契約交渉のなかで「東京新聞を外せ」と圧力をかけたのだ。
 この問題を取り上げた「週刊新潮」(新潮社)2016年4月14日号によると、森会長はこんな横やりを入れてきたという。
「今年2月、そろそろ正式に契約を結ぶという段になって、森さんは電通を通じてこんなことを言ってきたのです。“中日新聞社のうち東京新聞は国立競技場問題などを批判的に書いてケシカラン。組織委としては、五輪に批判的な東京新聞は外して、中日新聞とだけ契約したい”と」(「週刊新潮」より中日新聞関係者のコメント)
 しかも、森会長だけでなく大会組織委の武藤敏郎事務総長も「スポンサーが五輪を批判するのはおかしい」と発言したといい、こうした露骨な圧力を受けたことで中日新聞はスポンサーから撤退したと見られている。だが、これは中日新聞に限った話ではない。森会長や武藤事務総長の言動を見れば、スポンサーとなった新聞社はこのような大会組織委からの圧力に晒されているということが十分に考えられるからだ。
 五輪を大義名分にして国民に強いる“自己犠牲の精神”は、戦時体制をつくり上げた国家総動員の再来だ。にもかかわらず、新聞社が大会スポンサーに成り下がって“盛り上げ役”となり、その問題の根深さ、危険性に警鐘を鳴らして正面から批判できないのならば、戦争に加担した負の歴史と同じことを繰り返しているようなものだろう。


スポーツ界不祥事 危機意識共有し出直しを
 「出場するだけでなく、活躍しないといけない。初戦で大敗したら、その競技は生き残れるか。プレッシャーは大きい」。2020年東京五輪について、日本オリンピック委員会(JOC)で選手強化を担当する福井烈・常務理事(日本テニス協会専務理事)がかつて講演で戦力向上への思いを語っていた。
 強化に向けた政府の本年度予算は100億円近くに達している。五輪後に減額される可能性を考えれば、晴れ舞台で活躍して広く応援されるようにならなければ、という訴えである。
 そんな危機意識とかけ離れた行動を繰り返していては、応援が広がるまい。相次ぐスポーツ界の不祥事である。今度はアジア大会のバスケットボール選手による買春行為が明らかになった。
 4人の選手が試合を終えた深夜、選手村を出て食事をした後、不適切な行為に及んだ。日本選手団の公式ウエアで歓楽街を訪れたという。
 日本代表としての自覚を明らかに欠く行為であり、選手団から事実上追放されたのは当然だ。日本バスケットボール協会は処分を検討するというが、監督責任も問われる。
 スポーツ界の不祥事は今年だけでも、カヌー選手によるライバルの飲み物への禁止薬物混入や、日本レスリング協会強化本部長のパワーハラスメント、日本ボクシング連盟の助成金流用と会長の反社会勢力との交際が発覚した。五輪種目ではないが、日本大アメリカンフットボール部の悪質な反則指示や居合道の昇段を巡る現金授受もあった。
 五輪を前にしたコンプライアンス(法令順守)強化の動きが不正の告発を後押ししたとされるが、根底にはまだまだ旧態依然とした体質があるのではないか。競技には優れていても社会常識を欠く選手、度を超えた組織内の上下関係といった問題だ。
 スポーツ庁の鈴木大地長官はバスケットボール選手の不祥事を受け、限定的だった同庁の競技団体に対する指導を見直す可能性を示した。
 選手強化を公金に頼るとは言え、本来は国の介入は慎むべきだ。それを理解しているであろう選手出身の鈴木長官が厳しい姿勢を示したことに問題の深刻さが表れている。
 信頼回復の動きもある。バドミントンの桃田賢斗選手だ。違法賭博をしたことが2年前に分かって出場停止になり、メダル候補だったリオデジャネイロ五輪を逃した。
 その後、子どもらの教室など地域貢献活動にも参加し、復帰を果たした。今月の世界選手権はシングルスで日本男子として初優勝し、東京五輪での活躍に期待が膨らむ。
 個々の選手が自覚を高めるのはもちろん、各競技団体、さらにJOCが選手教育などで果たすべき役割は大きい。まずは危機意識を共有して、出直しを図らねばならない。国民の信頼をこれ以上損ねることは許されない。


スポーツ界不祥事 うみを出し切り古い体質改めよ
 スポーツ界の不祥事は底なしの様相を呈している。居合道の昇段審査で、審査員らに受験者から多額の現金が渡る不正が明らかになった。体操の女子日本代表候補のコーチに暴力行為があったとして無期限の登録抹消処分となったかと思えば、アジア大会のバスケットボール代表選手による買春も発覚した。
 まだレスリングのパワーハラスメントやアメリカンフットボールの悪質タックル、ボクシングの不正採点なども記憶に新しい。もはやスポーツ界のコンプライアンス(法令順守)とガバナンス(組織統治)は、機能していないと言わざるを得ない。
 東京五輪・パラリンピックが2年後に迫る中、旧態依然なスポーツ界の状況が改善されないままでは、巨額の財政支出や国民負担は到底理解されないと肝に銘じるべきだ。チェック機能強化など、五輪の旗を振るスポーツ庁や日本オリンピック委員会(JOC)は、強い覚悟で改革を推し進めねばならない。
 一連の不祥事では、全日本剣道連盟が、居合道の昇段審査で審査員に現金を渡す行為が慣例化していたことを認めた。精神を尊ぶ武道でさえ腐敗していた事実に、困惑と落胆を覚える。
 バスケットの買春は論外だ。法に触れるだけではない。1970年代から80年代に東南アジアへの日本人男性の「買春ツアー」が国際問題となり、関係国の女性たちから「日本人男性の買春行為は日本全体の責任」と厳しく批判された。こうした歴史すら理解していない選手が代表として選ばれていることは恥ずかしい限りであり、追放も当然だ。
 繰り返される暴力やパワハラしかり、不祥事の根底にはスポーツ界の古い体質がある。競技に打ち込むあまり、社会常識を著しく欠いた選手や指導者がおり、指導者を絶対視する上意下達の意識も強い。こうした土壌が独善・独裁的な指導や組織運営を招き、選手らに物を言えない状況を強いている。
 表面化していない不祥事はまだあると考えられる。スポーツ界は自主的にうみを出し切る必要がある。すでに発覚した団体もトップ辞任などで済まさず、外部人材の積極的な登用や選手・指導者へのモラル教育の徹底といった抜本的改革に取り組まねばならない。
 改革は一義的には競技団体の責任であるが、スポーツ界全体のコンプライアンス強化のためには、行政による環境整備は欠かせない。現在は各競技団体任せの不祥事対応について、スポーツ庁はJOCと連携し、組織横断的に対応できる仕組みづくりを検討している。情報の共有や解決支援が目的だが、幅広い調査や指導に加え、選手の相談機能を強化し、駆け込み寺の役割を持たせるべきだ。
 競技力向上には今年だけで100億円近い公金が投入されている。それに見合う国民の信頼を取り戻すために行政、競技団体は知恵を絞らねばならない。


地方大学・産業創生交付金/島根大の役割が大きい
 地方大学と地域産業の振興をセットにした計画を島根県が策定し、国の交付金支給に向けて申請した。島根大学と日立金属安来工場を中心とする産学官連携を図り、先端金属素材の拠点を目指す。
 東京一極集中が進む中で島根大の研究力を高め、地元の産業振興と併せ若者にとって魅力のある雇用機会を増やす狙い。島根県の計画が認められれば、県内で取り組まれてきた産学官連携事業としては最大規模となる。
 地方創生の一環で、10年の計画期間のうち交付金を含め、本年度から5年計画で総事業費60億円を見込む。
 研究開発などを支援する交付金獲得を巡って地方同士を競わせようとする国の意図が透けるが、地域貢献を掲げる島根大にとって特色を打ち出すチャンスとなる。大学の研究成果が地域に還元され、高度な専門技術を持った人材育成にも結び付けてほしい。
 日立金属安来工場がある安来市とその周辺には特殊鋼関連企業が集積し、そのクラスター(企業群)の中から航空機エンジン主要部材の共同受注組織として地元中小企業7社によるSUSANOOを立ち上げている。
 この産業の強みに島根大の研究力を通じて磨きをかけ、若者にとって魅力のある企業の育成に生かしていかなければならない。
 島根大では超耐熱合金研究の世界的な権威であるオックスフォード大学のロジャー・リード教授を所長に迎えて先端素材共同研究所を設置。民間企業の技術者らも交えて共同研究を進めるとともに、総合理工学部や大学院も金属工学に特化して再編する。松江工業高等専門学校とも人材育成で連携する。
 金属材料を評価する研究に島根大の強みがあり、研究成果を今後成長が見込まれる航空機向け部材やモーター関連産業に生かす。特に共同受注活動などを通じて技術水準を高めているSUSANOOとの連携を強めてほしい。
 この事業によって関連産業の生産額を5年間で550億円、雇用を550人増やす目標だが、どうすれば達成できるか具体的な道筋を示さなければならない。それが認定の条件ともなっている。
 地方大学の改革や地域経済振興の波及効果、雇用創出効果などが審査基準となり、本年度全国で10件程度の認定が見込まれている。応募自治体数は明らかにされていないが、国に相談した自治体数は30以上に上るという。
 自治体同士の競争となりそうだが、肝は島根大の魅力向上によって若者を増やし卒業後も地元に残ってもらうため、企業の受け入れ態勢を充実させることだ。人材育成と地元定着を軸とする大学と企業の協力関係が問われる。
 このタイプの連携事業では推進主体を明確にしておかなければ、掛け声倒れになりかねない。県が音頭を取るにしても島根大の役割は大きく、少子化が進む中で大学の競争力を高めなければならない。
 国立大学に対する運営交付金は毎年のように減額され、選ばれた研究に配分する競争的資金も有名大学に偏りがちだ。財務面からも地方大学の危機感は強まっている。
 競争的資金で島根大は苦戦しており、独自研究により地元産業界のニーズに応えることで存在感を示してほしい。


【子どもの命】多様に生きられる場所を
 子どもたちが長い夏休みを過ごす8月も終わりが近づき、2学期が始まる。思いを新たに新学期に臨む児童や生徒ばかりではない。気持ちがふさぎ、行き場が見えなくなっている子どもたちがいることに目を向けなければならない。
 夏休み明け前後に、自ら命を絶つ子どもが急増する傾向が明らかになっている。政府の自殺総合対策推進センターの分析では、子どもの自殺者数は年間を通し9月1日が突出して多く、8月下旬がピークになるという。
 進学や就職など進路の選択が迫られる世代にとって、長い休暇の終わりが「大きなプレッシャーや精神的動揺」を生じやすくさせているという。引きこもりや不登校の子どもたちにはなお一層の重苦しさになるのだろう。
 君たちがどうにもつらくて、どうしても気持ちと体が学校に向かわないなら、行かなくてもいい。進学より、就職より、何より優先して選ばなければならないのは「生きる」という進路だ。今は暗いトンネルの中でも、その先に必ずたどり着ける出口がある。
 学校や社会、地域、私たち大人は、その「生きる」ことの意味や未来を子どもたちに示し、伝え切れていない。むしろ、社会や大人たちの側にこそある閉塞(へいそく)感や疲弊が、子どもたちを押しつぶしているのではないか。
 内閣府が2015年版自殺対策白書で、過去約40年間の分析から、18歳以下の自殺者数が9月1日に突出して多いというデータを公表。春休みや5月の連休が明けた後も多く、今年公表した新たな分析では、夏休み後半から自殺が急増する傾向が改めて浮かんだ。小学生では11月30日の自殺者数が最も多いというデータも明らかになった。
 子どもの自殺がなぜ特定の時期に急激に増えるのか。兆候はなかったか。最悪の選択を踏みとどまらせる機会を見落としたのではないか。データを裏付ける実態を詳細に調べ、自殺を防ぐ手だてを探り出さなければならない。
 「9月1日」データの衝撃をきっかけにした、子どもたちをいじめや自殺から守る民間組織の活動も広がっている。電話や無料通信アプリLINE(ライン)による相談窓口や触れ合う場を設け、「命を守って」と寄り添う。
 小さな胸に抱え込んだ苦悩の要因や深さはそれぞれ違う。心のありようもさまざまだ。行き場を失い、迷う子どもたちに差し伸べる救いの手は多いほどいい。行政の支援、地域との連携も広げたい。
 不登校の児童らを長年支援してきたNPO法人の代表は、夏休み明けにかけての子どもの自殺急増を「一度レールを外れてしまうと生きにくい日本社会の縮図」と説く。学校ではなくても、別の道で努力すれば必ず未来が開ける―。そんな個性と多様性が尊重される「居場所」を子どもたちは渇望している。


東京医大の女性差別入試、弁護団の電話窓口で55人が相談。メールでは現在も受付中 受験料の返還を求める声が多かったという
東京医科大学の不正入試を受け、得点を不利に操作されていた女子や多浪の男子受験生に対し、被害弁護団が8月25日、無料の電話相談を受け付けた。窓口には午後1時から4時で55件の相談が寄せられた。
受験料を返して
相談窓口は、4回線を使って行われた。午後1時の開始から、回線がかかってくる電話に追い付かず、常に電話が鳴り続く状態だったため、話し中でつながらなかったものもあるという。 受付ができた55件の内訳は、受験をした女性や多浪で受験した男性、保護者だったという。
弁護団によると、電話では、「受験料を返してほしい」というものや成績の開示を望む声が多数だった。今後、弁護団は相談者との面談などを通じて、大学側に受験料の返還や得点開示を求めていく方針だ。
メール相談は今後も継続、返信に数日
電話相談と同時に、弁護団はメール(igakubu.sabetsu@gmail.com)での相談も受け付けている。電話は8月25日のみだったが、メールは今後も窓口として受け付けている。
メールによる相談はすでに多数寄せられており、対応する弁護士の数に限りがあるため、返信に数日かかることがあるという。
Shino Tanaka ハフポスト日本版ニュースエディター。  関心分野は医療、介護、性について、選択的夫婦別姓、動物など。あとアニメとマンガが好きです。かじっているのはサトウキビです。shino.tanaka@huffpost.com


『報道特集』と『ETV特集』が特集! 戦前・戦中の特高警察による言論弾圧と安倍政権のやり口の共通点
 昨日、TBS『報道特集』が放送した特集企画「消えた村のしんぶん」が反響を呼んでいる。戦前・戦中に各町村の青年団が自主発行していた「時報」と呼ばれるミニコミ新聞と、それが特高警察によって発禁処分や休刊が相次いでいった経緯を、丹念な取材と調査によって伝えたこの特集は、現在の安倍政権下で起きている問題を想起せざるを得ないものだった。
 番組が中心的にとりあげたのは、長野県の旧・滋野村にて自主的に刊行されていた「滋野時報」。地元青年団の手によって1927年に創刊。月に一回、村民に無料で配布され、欠かせぬ情報源として愛されていたという。
 日々の生活情報だけでなく、政治についても紙上で自由闊達な議論が交わされた。たとえば創刊初期の記事では、地方の人々が自立と民主主義を希求する力強い文がしたためられている(以下「滋野時報」より、旧字体等は引用者の判断で改めた)。
「我等昭和の民はよろしく村政に携はって今迄為政者の感の有った政治を捨てて絶対的の村民のための為政であらしむべく村当局否大きくは国政までも注視すべきだ」
「二十日の投票日には一人残らず投票所へ押しかけ農民の真の代表者と目すべき候補者に全的信頼を以て投票すべきである」
 ところが、この時報は次第に言論弾圧にさらされていく。特高警察が青年団と時報を監視していたのだ。当時の長野県特高課がまとめた資料には「村自治機干紙ナルモ思想容疑記事多シ」「左翼分子ノ策動」「誤解スル青年ヲ生ズ」などと記されており、「滋野時報」創刊の2年後には、青年団の研究大会へ向かう代表の一部を特高が事前に拘束、次第に時報に対する押収や記事差し止め、そして発禁処分が科せられていった。
『報道特集』によれば、1931年の満州事変以降、満州に関する記事は掲載してはならないとする通牒が出され、これに反発した「滋野時報」は当局から2度、配布前に押収された。1932年1月の号では、「時報を尖鋭化とか、赤いとかの名において押収するのはあまりの重壓である」「人類幸福の為め一斉支那より手を引け」と抗議を記した。だが、この記事を最後に「滋野時報」は発禁が相次ぎ、これ以降は何度か発行された記録はあってもほとんど現存しないという。
 番組の取材でひとつだけ見つかった1939年1月の号。「滋野時報」の論調はすっかり変わり、「御国のために出来るだけ務めたい、働きたいという心持で一杯である」などと戦争を支持する記事ばかりとなってしまっていた。他の地域の時報からは、こんな子どもによる記述も見つかったという。
「私の父さんがいきているなら今ごろは敵の兵隊いをころして、てがらをたてて、いたかもしれません。兵隊さん支那の兵隊のくびをとってきて下さい」(「神川」(時報)1937年11月)
 1938年より政府は全国の新聞の統廃合を進め、1940年には「滋野時報」も廃刊となったという。特高警察の資料には、「自発的廃刊ヲ慫慂ス」とあった。「滋野時報」を発行した青年団長をいとこにもつ高橋隆巳さん(89歳)は、番組の取材に当時を振り返ってこう語っていた。
「新聞がないからね、(世の中が)どうなったのか全然わからなかった。『見ざる』『聞かざる』というような状況に陥っちゃっていたから」
 スタジオでは取材をした湯本和寛記者が、1938年からの新聞の統廃合も当初はそれを命じる法律がなかったため世の中の状況を説き、忖度させることによって自主的な廃刊を求めるという手法をとったと解説していた。安倍政権がマスコミに対して陰に陽に圧力をかけて萎縮させている現状を踏まえても、これは決して約70年前の「遠い出来事」ではないだろう。
『ETV特集』が詳細なデータで明らかにした治安維持法の恣意的な運用
 この『報道特集』の企画「消えた村のしんぶん」が特徴的だったのは、地方の新聞に対する弾圧に、特高が具体的な役割を担っていたことを当時の資料から浮かび上がらせたことだ。
 実は、NHKもこの夏、同じく特高警察による戦前・戦中の言論弾圧を扱っていた。「ETV特集」で放送した『自由はこうして奪われた〜治安維持法 10万人の記録〜』(8月18日放送)で、こちらは、治安維持法の変遷を詳細なデータで辿りつつその実態を明らかにしている。
 1925年に成立した治安維持法は、当初、共産主義の取り締まりを念頭においていたが、28年の緊急勅令による法改正では厳罰化とともに「結社の目的遂行の為にする行為」いわゆる目的遂行罪が規定された。これによって共産主義者でなくとも、当局が恣意的拡大解釈によって社会主義運動等に協力したと認定すれば、事実上、誰であろうとも罪に問うことができようになり、自由主義や反戦思想までもその標的とされた。
 ETV特集『自由はこうして奪われた』は、膨大な政府資料をもとに1925年からの治安維持法による検挙者のデータを抽出。それによれば、1945年10月にGHQの命令で廃止されるまで、把握でき る限り国内で延べ6万8332人、朝鮮や台湾などの植民地で3万3322人、合計10万人を超えていた。
 国内の検挙者数は1928年に前年の約10倍となるなど、1933年にかけて急増。これは、前述したように、目的遂行罪の規定が盛り込まれたことにより、共産主義者でない一般人を取り締まれるようになったからだ。データを検証すると、1931年からはそれまで東京や大阪が中心だった検挙が地方でも増えており、とりわけ、検挙の増加が著しかったのが長野県だった。
 番組では、長野で600人以上の教職員らが治安維持法で逮捕された1933年の2.4事件も取り上げられた。検挙された教師・立澤千尋さん(当時26歳)は、共産党との関わりがまったくなかったにもかかわらず、仲間の教師に誘われて組合主催の研究会に参加し、本を読んだことを理由に逮捕された。立澤さんは1日後に釈放されたが、検挙が問題となって学校から追われることになった。
 実は、番組によると、2.4事件で検挙された人のなかには、もともと治安維持法が対象としていた共産党員はゼロ。また、データでも1929〜33年の5年間で検挙された人のなかに、共産党員は3.4パーセントしかいなかったという。いかに当局が恣意的な認定で一般の市民を取り締まったかがわかるが、番組では当時、特高警察が目的遂行罪を「至れり尽くせりのこの重要法令」と評価していたことを紹介している(松華堂『特高法令の新研究』より)。
治安維持法の運用実態が物語る共謀罪=組織犯罪処罰法の恐ろしさ
 そもそも治安維持法は当初から条文が曖昧で、当時の帝国議会でも懸念の声があがっていたが、これを拡大解釈して運用した結果、その解釈に都合がよいように法改正を繰り返していった。
 この経緯を聞いて、想起されるのは、昨年、安倍政権が成立を強行した共謀罪こと改正組織犯罪処罰法だ。
 思い出してもらいたいが、国会審議のなか当時の金田勝年法相は、それまで処罰対象を「組織的犯罪集団」に限るとしていたのを一変させ、「組織的犯罪集団の構成員ではないが、組織的犯罪集団と関わり合いがある周辺者」ということで「処罰されることもありうる」と答弁(2017年6月1日参院法務委員会)。まさに治安維持法の拡大運用を決定づけた目的遂行罪と同じしくみだが、金田法相はこの答弁をした翌日の衆院法務委員会で、治安維持法の認識について「当時、適法に制定された」「刑の執行により生じた損害を賠償すべき理由はなく、謝罪及び実態調査の必要もない」と開き直りさえ見せていた。
 共謀罪が「平成の治安維持法」と呼ばれている理由はまさにこの適用の恣意性が重要なのだが、こうした“法案を一度制定してしまえば適法”と開き直る法務大臣答弁や、国内だけでなく国連の特別報告者からも強い懸念が示されたなかで成立を押し切った安倍首相の姿勢からは、戦前の言論弾圧や恣意的逮捕への反省はまったく感じられない。いや、それどころか、戦前の特高警察に倣い、まさに法の濫用によって人々の言論を封じ込めようとしているとしか思えないだろう。
 実際、共謀罪の成立には、警察庁などの当局からの強い要請があったと言われているが、いまや“安倍官邸の謀略機関”となっている内閣情報調査室(内調)のトップ・北村滋内閣情報官は、警察関係者向けに出版された『講座警察法』(立花書房)第三巻のなかで、戦前・戦中の特高警察や、弾圧体制を生んだ治安維持法に代表される法体系を高く評価している(過去記事参照http://lite-ra.com/2016/09/post-2553.html)。
安倍首相と、特高賛美の内調トップ・北村滋が企てる警察国家化
 政府の方針や危険法案を批判するメディアに対して圧力をかけ、忖度させようとしている安倍首相。その手足となって、対抗勢力へのネガティブキャンペーンにまで暗躍しているとされる北村情報官率いる内調。安倍応援団が「反日左翼」の大号令をかけて総攻撃している状況。そのなかで政府が、特定秘密保護法、改正盗聴法、共謀罪などの法を道具として“警察国家化”に邁進していることは、この国がかつておこなった言論弾圧の歴史を着実に辿っているように思えてならない。
〈治安維持法は、まぎれもなく戦前日本の負の遺産の典型のひとつである。しかし、その治安維持法も十分にその悪性が分析され理解されないまま、急速に忘却のかなたへと葬り去られようとしている。それが現代の世相である。〉
〈もともと法制度というものは、近代法の原則のしからしめるところ、単に公権力組織に権力を授与するばかりではなくて、授与した権力に制限を課するものでもあるという性質を持つ。ところが、戦前日本国にあっては、法制度なるものは、権力をしばるという目的には一向にはたらかず、「それゆけ、ドンドン」とばかり力を藉すほうの側ばかりにはたらいてきた。本書は、近代法の原則を欠いた「法の化物」物語でもあるだろう。〉
 表現の自由の大家である憲法学者、故・奥平康弘東京大学名誉教授の『治安維持法小史』からの引用だ。安倍政権の現在にこそ警鐘として響く。人々の言論や思想信条、集会、結社、通信の自由を脅かす法が問題になるたびに、冷笑系の連中が「いまの政府が戦前みたいなことをやるはずがない」とうそぶくが、そんな保証などどこにもないことを歴史から学ぶべきだろう。

PLUSある程度できて/スーパーでサイフ忘れて

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Japon : le pays balayé par un typhon
Des vents suffisamment violents pour coucher au sol une éolienne de plusieurs tonnes ont touché le sud-ouest du Japon. Sur un pont, des rafales de vent de plus 200 km/h ont renversé des poids lourds. Dans la nuit de jeudi 23 à vendredi 24 août, les vents violents et les fortes pluies n'ont pas cessé. Ce déclenchement soudain a pris de court les habitants : "Pour rentrer chez moi, je suis obligée de traverser le pont, mais avec ce vent, c'est impossible", témoigne une habitante.
Le 20e typhon de la saison
Dans les aéroports, 300 vols ont été annulés. Par précaution, des habitants ont été mis à l'abri. Jeudi 23 août, la mer se montrait déjà menaçante. Finalement, les dégâts sont essentiellement matériels. Vendredi 24 août, 45 000 foyers étaient privés d'électricité, mais aucune victime n'a pour l'instant été recensée. Cependant, trois personnes sont portées disparues. En Asie, ce typhon est le 20e de la saison.
Un typhon a touché le sud-ouest du Japon. Malgré des vents à plus de 200km/h, aucune victime n'a été recensée.
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金剛地武志 @kongochi
石原慎太郎のエゴで講じられた施策が次々と頓挫し、反故にされ元に戻される様は、希望であり良き前例となる。私達はこれから安倍晋三のやった事を全て、同様に、元に戻さなければならないのだから。 #ケチって火炎瓶
菱山南帆子 @nahokohishiyama
自民党加藤議員の「子ども3人産め」発言に抗議するなんて当たり前ですけど!
自民党県議の女性が共産党と一緒に加藤発言に抗議をして何が悪いんですか!
女性差別を許さないことに党派とか関係ない!
加藤氏発言抗議で自民県連が女性県議を注意 役職再任しない方針

歴史秘話ヒストリア「縄文1万年の美と祈り」
ミステリアスな縄文の美、その意味するところは長く謎だったが、近年、「再生」の願いが込められていたという説が出ている。縄文の土器土偶に秘められたメッセージに迫る。
7月3日(火)から9月2日(日)まで、東京国立博物館平成館で開催される特別展「縄文」。国宝の土偶・土器6点が一堂に会する初めての試みだ。不思議なパワーに溢れる縄文の美、その意味するところは長らく謎とされてきた。ところが近年、縄文人たちがそこに「再生」の願いを込めていたのではないか、という説が出ている。円形、縄目、ヘビ、妊婦、そしてあふれる涙…縄文人がそのアートに秘めた、壮大な暗号を解き明かす! 井上あさひ


昨日は残念でしたが今日は頑張ってパワポ準備.ファイル名はPLUS.完成ではありませんがある程度できて一安心.
しかし.夜スーパーに買い物に行ったとき職場にサイフ忘れてしまったのに気がつき,おしい時間なのに職場に.疲れました.

新校舎 地域と歩む 気仙沼向洋高入校式
 東日本大震災の津波で被災した気仙沼向洋高の新校舎が気仙沼市長磯牧通に完成し、24日に授業が始まった。同市九条の仮設校舎から移った353人の生徒が新たな一歩を踏み出した。
 体育館で新校舎への入校式があり、生徒、地域住民らが校舎完成を祝った。生徒会長で産業経済科3年の鈴木勇汰さん(17)は「ようやく自分たちの学びやができた。地域との交流も深めていきたい。新校舎から卒業できることがうれしい」とあいさつした。
 新校舎は旧校舎から内陸側へ約1.5キロ移転した。航海技術や無線、ダイビング、溶接などを学ぶ実習室のほか、仮設校舎にはなかった食堂を備えた。
 同市波路上にあった旧校舎は最上階の4階まで浸水。約8キロ離れた気仙沼高第2グラウンドを借り、2011年11月からプレハブ仮設校舎で学んできた。旧校舎は市が震災遺構として保存する。


<聖火リレー>宮城 被災沿岸15市町中心に
 2020年東京五輪の聖火リレーで、宮城県は24日、全35市町村で構成する会議を県庁で開き、東日本大震災の津波で大きな被害を受けた沿岸15市町を通過させる方針を示した。来月3日にルートを検討する実行委員会を発足させ、年内にルートの概要を決定する。(29面に関連記事)
 県の担当者が「復興五輪」の理念を体現するため、沿岸部を中心に回る方向性を説明した。「現時点で時間の制約から内陸部を含めるのは難しい」と理解を求めた。
 大会組織委員会が県に配分した日程は20年6月20〜22日。県は3日間で18市町村程度の通過を見込む。1日当たり6市町村を通り、約80人が200〜300メートルずつ走る想定。聖火は岩手県から入り、静岡県に引き渡す。
 出席した22市町村の担当者のうち、内陸部の出席者からは「何らかの形で携わりたい」(白石市)、「ルートが外れることが分かり、気持ちが落ち込む」(蔵王町)などの意見が出た。
 実行委は県、沿岸15市町、県警、消防などの関係者ら約30人で構成。12月にルートの概要をまとめ、来年3月までに詳細を決める。


<聖火リレー>福島 ルート年内取りまとめ
 2020年東京五輪で、福島県内の聖火リレーのルートを検討する実行委員会の初会合が24日、県庁であり、大まかなルートを年内に取りまとめる方針などを確認した。
 内堀雅雄知事や県町村会長の遠藤栄作鏡石町長ら7人が出席。今後、各組織の課長クラスによる幹事会がたたき台を作り、11月下旬と12月下旬の実行委で、スタートと通過する市町村を決める。
 詳細なルートとランナーの選定方法は来年1月以降に決定。報告を受けた大会組織委員会が来年夏にも、国内全体のルートを公表する。その後、県の実行委がランナー公募などの手続きに入る。
 会合後、内堀知事は「(東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の)被災地の現状を発信するとともに、県内のバランスを重視した復興五輪にふさわしいルートを選定する。できるだけ多くの地域、県民に参加してもらえるように協議を重ねたい」と語った。会合は冒頭を除いて非公開で、今後もルートに関する協議は公開されない見通し。
 福島県は国内の聖火リレー全体のスタート地点となり、20年3月26〜28日の3日間で県内を回る。


相次ぐ台風 身を守る手だてを確実に
 強い台風20号が23日、勢いを保ったまま四国に上陸し、中国地方や近畿地方などを北上した。猛烈な風雨が各地に爪痕を残したが、懸念された西日本豪雨の被災地への新たな被害はなかったようだ。
 今回の被害は近畿地方で目立った。和歌山県では新宮市を流れる熊野川が氾濫したほか、強風にあおられて転倒して負傷する人も相次いだ。
 明石海峡大橋では強い風でトラックなど計5台が横転、3人が病院に搬送された。兵庫県淡路市の北淡震災記念公園では、高さ約60メートルの発電用風車が倒れた。台風の威力のすさまじさがうかがえる。
 このほか、西日本を中心に鉄道の運休や航空機の欠航、冠水による道路の通行止め、停電なども発生した。影響は台風本体から離れた場所でも見られた。静岡県では、数軒の家の屋根が竜巻と思われる突風で飛ばされた。
 台風の接近に人一倍神経をとがらせたのは、西日本豪雨の被災地だろう。強い風雨に見舞われれば、懸命に取り組んできた復旧作業も台無しになりかねない。
 甚大な洪水被害を被った倉敷市真備町地区では、被災家屋周辺などに土のうを積むなどして備えた。台風の通過は東から西へ“逆走”した先月の12号に次ぐものである。被災者は「さらなる被害がないように」と、不安な一夜を明かしたことだろう。心配された目立った被害がなかったのは何よりだ。
 だが、台風は去っても油断はできない。洪水被害はじめ度重なる降雨によって地盤が緩んだ所では、土砂災害などが起きるリスクがある。引き続き注意を払いたい。
 それにしても、台風発生の多さは目を引く。気象庁によると、8月のこの時点で「20号」になったのは過去2位のペースという。12〜16日には、観測史上初めて台風が5日間連続で発生した。
 東からの貿易風とインド洋からの南西の風が西太平洋に集まり、台風のもととなる反時計回りの渦ができやすくなっているためという。
 台風に限らず災害から身を守るには、いかにスムーズに避難できるかにかかる。西日本豪雨の教訓からか、今回は早めに避難情報を出す自治体が多かったという。住民は情報をもとに切迫感をもって対応してほしい。
 問題は避難情報に、どれだけ住民の背中を押す信頼性を持たせることができるかだろう。避難所を例にとっても、岡山市のハザードマップ(危険予測地図)で浸水が想定されるのに、「浸水しない」などと誤って表示したケースがあることが分かった。他の自治体でも、本当に安全なのかと思うものを目にする。
 高齢者や障害者らへの目配りや、住民への周知徹底などハザードマップにも課題は多い。今回は大きな被害がなかったものの、災害への備えを常に再点検し、命を守る手だてを見詰め直したい。


食料自給率 基礎体力が落ちていく
 異常気象が世界の農地をいためつけている。疲弊し、減少する田畑、老いていく生産者。「食料安保」の必要性が高まる一方で、自給力は一向に上がらない。攻めの農業一辺倒で、いいのだろうか。
 昨年度のカロリー換算の食料自給率が、二年連続して38%にとどまった。
 国民に必要なカロリー(熱量)を国産の食料でどれだけ賄うことができるかを示す指標である。
 政府は二〇二五年度までに、45%に引き上げる目標を掲げているが、ほど遠い。
 カロリーベースの自給率は、国際指標とはいえず、あまり意味がない、農業生産額に換算すれば、主要先進国の中でも高レベル−という声もある。しかし、その生産額ベースでも、65%と2ポイント減っている。輸入が途絶えた場合の供給能力を熱量で表す食料自給力指標も、耕地面積の減少が響いて、伸び悩む。
 カロリーベースの自給率は一昨年度、六年ぶりに下落し39%を割り込んだ。“農業王国”北海道で台風の被害が相次いだことによる一時的な現象だとみられていた。だが北海道の生産が回復しても自給率は上がってこなかった。
 そこで不安視されるのが、日本農業の基礎体力。農家と農地の減少に伴う、食料生産基盤自体の弱体化の進行だ。
 今政府の農業政策は、「成長戦略」の一環としての輸出重視に強く傾いているようだ。
 「担い手」と呼ばれる若手中核農家のもとに農地を集約し、「生産性」を高めて、開放された国際市場における競争に勝ち抜こうという「攻めの農業」政策だ。
 しかし、担い手集中にも限度というものがある。
 毎年秋、中日農業賞の審査で各地を回る。受賞の対象になるような、生産力の高い担い手たちの口からも「ふるさとの田畑を守りたい。でももう限界だ」という悲鳴が漏れてくる。
 異常気象の深刻化に伴う管理の手間が、農家の疲弊に拍車をかける。夏場の除草一つをとっても想像以上の重労働。頻発する台風への備えもある。「命懸けだ」と、若手の農家も真顔で語る。
 担い手集中、攻め一辺倒では農家や農地、ひいては農業そのものの持続可能性が保てない。
 例えば、耕地面積の四割を占める狭隘(きょうあい)な中山間地の農業を、どうすれば守っていけるのか−。
 攻守のバランスがほどよくとれた農政へ、軌道修正が急がれる。


子どもたちへ 先人の旅と人生に学ぶ
 新学期シーズンが来た。子どもたちが自ら命を絶つ悲劇の相次ぐ時期。しかし、教室や学校だけが世界のすべてではない。ちょうど二百年前に生まれ、広い世界を目指した先人の生き方を紹介する。
 子どもたちの環境は厳しい。下着の色まで指示する「ブラック校則」、複雑な上下関係の「スクールカースト」、暴力やネットのいじめ…。なのに「我慢して登校しろ」と言われたら、どうすればいいのかと悩む子もいるだろう。
 だからといって、自分の道を閉ざすことはない。一八一八年に今の三重県松阪市で生まれた探検家の松浦武四郎は、そんな教訓を残してくれた偉人の一人だ。その名前と人生は、今月あった北海道の命名百五十年目の式典にちなんで盛んに報じられたから、ご存じの人も多いだろう。
 幼くして僧侶を志すが、父に許されない。やがて旅への憧れを募らせ、十六歳で「中国かインドに行く」と親類に手紙を書き、江戸に家出する。一度は連れ戻されるが、初志を貫き、翌年から全国を訪ね歩く。特に、当時は未開の地だった蝦夷地(北海道)を六度も訪れ、その命名にも貢献した。
 幕府や明治政府にも仕えたが、あっさり辞めた。発端は、北海道で見たアイヌ民族への厳しい迫害だ。先祖伝来の土地を奪われ、奴隷のように働かされている惨状を訴え、アイヌの救済を強く説いたが、取り上げられない。悪行に加担するよりは自分の信念を大切にする、という選択だったのだ。
 人が生まれた場所や身分に縛られて暮らす時代。強い者が弱い者を支配するのが当然だった時代。旅に生きた松浦の視線は、同時代のそんな狭さを通り越し、人が互いに認め合い、自由に生きる天地へと向いていたのではないか。
 その生涯にひかれる人は多く、今年は松浦が主役の小説『がいなもん』(河治和香作)も出た。題名は、三重県の一部などで「すごい人」という意味の方言だ。
 松浦をはじめ、広い世界を目指して大きく成長した先人は多い。今いる場所は狭く苦しくても、時間がたてば自分も周囲も変わる。自分の悩みは小さかったと知る時もあれば、救いの手が来る時もあるだろう。
 学校がどうしてもいやなら「行かない」という選択肢もある。家出は勧めないが、居場所のない子は図書館に行き『がいなもん』を読んではどうか。新しい人生を切り開く知恵と力を「すごい人」から学べるかもしれない。


部活動指導員  役割と位置付け明確に
 多忙な教員の負担軽減だけを目的にするなら、中途半端な存在になってしまいかねない。
 文部科学省が、全国の公立中学校に配置する「部活動指導員」を大幅に増員する方針を決めた。
 来年度政府予算の概算要求に1万2千人を配置する経費13億円を盛り込むという。本年度予算の5億円(4500人)の倍以上だ。
 部活動指導員は、昨年度の学校教育法施行規則改正で学校職員に位置づけられた。クラブの顧問を務めることや、大会など校外への引率もできるようになった。
 外部の指導員を学校に迎えることは、クラブ活動の運営や指導に新たな視点を提供してくれることだろう。指導員の増員を「教員の働き方改革」にとどまらせず、クラブ活動のあり方を考え直す契機とするような工夫を求めたい。
 中教審特別部会は昨年12月、教員の長時間労働の一因になっているクラブ活動の指導について「必ずしも教員が担う必要はない」とする中間報告を出した。
 それをふまえるように、京滋を含めた各地の学校で指導員が活動を始めている。配置された学校では、顧問教諭の時間外勤務が短縮されるなどの効果がみられ、歓迎する声が少なくないという。
 とはいえ、指導員の立場は微妙だ。想定されている職務は、試合などの引率のほか、用具・施設の管理、保護者への連絡、指導計画の作成など幅広い。定期的に研修を受ける必要もある。
 その一方で、待遇は良いとはいえない。京都市の場合、給与は高くても月5万円半ば程度で、指導員だけでは生活できない。放課後の時間帯に学校に来る勤務形態のため、学校の非常勤講師が務める事例が多いといい、将来のなり手不足が懸念されている。
 教員の補助者なのか、クラブ運営の責任者か、位置づけもあいまいだ。今のままでは、学校の下請け役になってしまいかねない。
 大幅増員に合わせ、指導員の役割をもっと明確にする必要があるのではないか。
 学校のクラブ活動を巡っては、行き過ぎた練習や、生徒数の減少で学校単位の活動が難しくなるなどの問題が指摘されている。将来的には学校や学年の枠を超えた地域主体のクラブに移行するなど、多様なあり方が議論されている。
 部活動指導員の存在も、そうした長期的な議論の中に位置づけてはどうだろうか。競技の指導にたけた人材は、きっと大きな存在感を示してくれるに違いない。


教室へのエアコン設置 快適な環境づくり急げ
 今夏は「命に関わる危険な暑さ」をもたらす熱波が、日本列島を襲っている。最高気温が35度を超す猛暑日も珍しくない。対策として、エアコンを積極的に利用するように何度も呼び掛けられている。
 ところが、全国の公立学校の教室の多くにはエアコンが設置されていない。室内でさえ熱中症になる危険があるのだから、普通に学校生活を送っていても体調を崩す恐れがある。
 このままでは、保護者は安心して子どもを学校に通わせられまい。早急に設置を進めることが必要だ。
 文部科学省は3年に1度、公立学校のエアコン設置状況を調べている。最新の昨年4月時点では、小中学校の普通教室で平均設置率は49・6%にとどまった。中国5県はいずれも平均を下回っている。最高は広島の45・2%。島根27・4%、岡山26・0%、鳥取23・6%と続き、最低は山口の17・6%だった。
 全国で見ると、さらにばらつきがある。東京都99・9%、香川県97・7%に対し、静岡県7・9%、愛媛県5・9%となっている。財政事情だけでは片付けられない。
 なぜ自治体間でこんなに差が生じるのか。設置率が低い自治体は、遅れている理由として、校舎の耐震化やトイレの洋式化への予算の重点配分などを挙げている。しかし先行する自治体の中には「要は優先順位の問題」との声がある。首長や担当部署の問題意識が、格差につながっているとも言えよう。
 文科省は4月、学校環境衛生基準の一部を見直した。学習に望ましい室温の範囲が半世紀ぶりに変わり、最高は30度以下から28度以下に引き下げた。家庭へのエアコン普及率が9割を超すことなどを受けての見直しで、教室にもエアコンが必要だと国が言っているのに等しい。
 設置率4・0%だった福山市は今夏、2021年までに100%を目指す方針を固めた。小中学校の20校で、6月下旬〜9月末の授業期間に室温を調べたところ、今年ほど暑くなかった昨年でさえ30度を超えた日が平均11日あったという。
 福山市は、全ての普通教室にエアコンを設置した場合、約49億円かかると試算している。そこで設計や維持補修も含めて一括で民間に任せる社会資本整備(PFI)方式を軸に検討し、市の財政負担を軽減するという。多額の投資に二の足を踏んでいる人口規模の比較的大きな自治体には参考になるはずだ。
 エアコン設置時の国の補助割合を上げることも必要だろう。現行の3分の1から拡大すべきではないか。文科省は19年度の概算要求で、エアコン設置の補助を含む公立学校の施設整備費を大幅に増額する方針だが、補助率を上げるつもりはないようだ。それでは設置を促す上で中途半端でしかない。
 暑い中では、授業に集中できない子どもが出てきてしまう。エアコン設置は、学力向上にも効果を発揮する。一刻も早い実現を目指すべきである。
 学校は、災害時の避難所にもなる。西日本豪雨では、家を追われた上に、避難所の暑さに苦しむ住民が目立った。優先順位を考えるなら、避難勧告が頻繁に出る地域こそ真っ先に、体育館を含めた校内へのエアコン設置の検討が求められる。


元侍従の日記 次代につなぐべき記憶
 昭和天皇の侍従を務めた故小林忍氏の日記は、昭和天皇の晩年が自らの戦争責任を巡る苦悩とともにあったことを印象づける。これが平成最後の「夏」に世に出た意味を思わずにはいられない。
 日記は現皇太子を「浩宮さん」と書き、昭和天皇の病状に関して「案外持ちこたえ新嘗祭までは大丈夫という予想も出ている」とか「兪今度こそはという時期にきている」といった記述も見える。物おじを感じさせない書きっぷりは、その内容が真実であることの証左だろう。
 昭和天皇の発言として「仕事を楽にして細く長く生きても仕方がない。辛いことをみたりきいたりすることが多くなるばかり。兄弟など近親者の不幸にあい、戦争責任のことをいわれる」と記されているのは、1987年4月7日の欄。この年の2月に、弟の高松宮を亡くしている。
 具体的に、どんな形で戦争責任の問題を考えておられたのか分からない。だが敗戦を挟み、現人神と称される絶対的な存在から国民の象徴へと立場が変わる中で、弟との死別というつらい出来事に積年の思いが胸を突き上げただろうことは想像に難くない。
 小林氏の侍従就任は74年。翌75年は戦後30年の節目に当たり、昭和天皇は9月に初めて米国を訪れている。帰国後は、日本国内での初の記者会見に臨まれた。
 この際、被爆地広島の放送記者に「戦争終結に当たり、原爆投下の事実をどう受け止めるか」と問われ「やむを得ない」と語ったことが波紋を広げた。11月24日の日記には「御訪米、御帰国後の記者会見等に対する世評を大変お気になさっており−」とある。
 79年には、戦後占領下に昭和天皇が、側近を通じ「米国が沖縄の軍事占領を継続することを希望する」と占領国側に伝えていたことが、米公文書で判明。「沖縄を切り捨てた」との批判を受けた。
 戦争末期、激しい地上戦に襲われた沖縄への昭和天皇の思いが特別だったのは、そうした経緯もあってのことだろう。訪米に当たり、事前に沖縄に行くことを強く望んでいたという。だが後にも先にも願いはかなわなかった。
 第2次安倍政権下の2013年4月28日に催された「主権回復の日」式典に、沖縄は強く反発した。来年は元号が変わり、戦争の記憶はますます遠くなって行く。
 国家の意思を体現する立場で開戦詔書に署名している以上、時の天皇に戦争責任がないとは言えまい。民主主義国家日本が次に戦争をするとすれば、それは政治が権力行使の根拠とする国民の意思に帰結する。昭和が遠くなるからこそ、「記憶」を次代につなぐ努力は重みを増す。


プルトニウム削減指針 詳細な道筋を示せ
 日本が保有するプルトニウムの削減に向けた新しい指針を原子力委員会が決めた。日本は核兵器約6千発分に相当する47・3トンを国内外に保有している。日本の大量保有に対する国際社会の懸念を受けての措置だ。
 新指針は2003年の指針と比べて保有量の削減を明記したのが特徴で、21年度完成予定の再処理工場(六ケ所村)で製造する量を「適切な運転に必要な水準まで減少させる」とした。
 だが、削減の数値目標や削減のための具体的な工程表は示していない。具体策は電力会社任せと読める部分も多く、停滞している核燃サイクル事業を打開する政府の本気度は伝わらない。削減のための詳細な道筋を示さない指針に説得力はない。
 高速増殖原型炉もんじゅの廃炉が決まり、プルトニウムの削減は通常の原発でプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を燃やすプルサーマル頼みだ。再処理工場でのプルトニウム製造量は年間最大8トンにもなるため、指針は製造量をプルサーマルで使用する量に限定する。しかし、プルサーマル対象の原発が計画通り再稼働するめどは立っておらず、このままでは工場が完成しても大幅に稼働制限される可能性が高い。
 新指針は全保有量の8割近くを占める海外保管分を削減するために電力会社間の連携を促した。だが、電力各社は、原発の再稼働がままならない中で他社由来のMOX燃料を使う連携には消極的。保管国への有償譲渡の是非も検討すべき状況だ。
 日本の再処理を認めた日米原子力協定が30年の期限を終えて7月に自動延長された。今後は米国の一方的な通告で協定は終了できる。今のところ日本だけに核燃料サイクル事業を認めた協定を米政府がほごにする動きはない。だが、「自国主義」のトランプ大統領が何らかの意図をもって急に政策転換する可能性は捨て切れない。
 非核兵器保有国で唯一プルトニウム保有が認められている日本が保有量削減を宣言するのは核拡散防止上当然のこと。次に国際社会が求めるのは削減するための詳細な道筋だろう。
 高レベル放射性廃棄物の最終処分場の立地選定は進まず、高速炉開発の見通しも立たない。核燃料サイクル政策を巡る現状は極めて厳しい。現状を打破する政策判断は容易ではないが、もはや難題解決の先送りは許されない。政府は核燃料サイクルを基本とした日本の原子力政策が瀬戸際に立たされていることを強く自覚すべきだ。


雇用水増し 事の本質を見失わずに
 障害者雇用の水増しが、中央省庁や地方自治体で相次いで発覚している。
 長野県知事部局でも障害者手帳を持たない11人を、県警も1人を雇用数に含めていた。
 法定雇用率を満たさない企業からは納付金を徴収している。民間を指導する立場の行政が指針を守らず、制度の理解不足や思い込みがあったと言い訳している。お粗末と言うほかない。
 政府は近く全国調査を始め、10月に想定される臨時国会までに再発防止策をまとめるとしている。指針に従って雇用率に達すれば済む話ではあるまい。
 障害者雇用に関する厚生労働省の指針は、身体障害者手帳、知的障害者の療育手帳、精神障害者の保健福祉手帳を持つ人を雇用率に算定すると規定。指定された医師や産業医の診断書がある場合も例外として認めている。
 省庁も自治体も、職員の自己申告書だけで手帳を確認しなかったり、指定外の医師らの診断書を根拠にしたりと、適正に認定していなかった。
 国と地方を合わせると、水増しは1万人規模になるとみられており、その分、手帳を持つ人たちの雇用が奪われたことになる。障害者団体が「数値の問題を超えて障害者施策の根本が問われる」と憤るのは当然だ。
 雇用率を上回っているかどうかが事の本質ではない。
 障害の程度、薬の影響、体調の波は千差万別だ。個々の能力を生かせるよう、それぞれに見合った仕事を提供することが障害者雇用促進法の目的になっている。
 担ってもらう業務を十分に確保できないのなら、実情を民間と共有し、当事者らの意見を入れながら少しずつでも間口を広げていく必要がある。行政自体が数値目標ありきに偏るのでは、障害者雇用の拡大に努める企業をしらけさせてしまうだろう。
 出産や育児はもちろん、不慮の事故や病気で従来の働き方ができなくなる事態は、どの労働者にも起こり得る。安倍政権が働き方改革を唱えるなら、柔軟な職場環境の整備こそ欠かせない。
 政府は今後、これまでなかった省庁や自治体の雇用状況を点検する仕組みを設け、手帳を持つ人の雇用確保策を検討する。
 臨時国会までに抜本的な解決策を見いだせるとは思えない。これを機に、多様な人々が活躍できる社会づくり―の原点に返り、省庁も自治体も不断の改善を重ねていってもらいたい。


携帯電話料金 利用者最優先で見直しを
 携帯電話やスマートフォンは、もはや私たちの生活に欠かせないものとなっている。
 しかし高い料金は家計の大きな負担となり、料金プランも複雑で分かりにくい。
 納得できる料金体系やサービスになるよう、利用者第一の視点に立って論議してほしい。
 野田聖子総務相は、電話やインターネットに関する規制や政策を包括的に見直すよう、情報通信審議会に諮問した。
 格安スマホを含めた携帯電話市場の競争を促進し、値下げなど利便性の向上を図ろうという狙いがある。
 審議会は来年12月に最終答申をまとめる予定で、総務省はそれを受け電気通信事業法の改正を検討するという。
 日本の携帯電話料金は他の国と比べて高過ぎるといわれる。総務省はこれまで競争促進に向け、格安スマホ事業者の市場参入を後押ししてきたが、そのシェアはまだ1割ほどだ。
 要因として指摘されるのが、NTTドコモなど大手3社が市場の9割を占め、価格競争が起きにくいということだ。
 近年はスマホの高機能化が進み、端末の価格が高くなっている。このため大手3社は、スマホの端末代や通信費を割り引く条件として一定期間の契約を求める「2年縛り」といった契約手法を設けている。
 2年縛りは、2年間の継続契約を条件に基本料金を割り引くプランだ。月々の負担が軽くなる代わりに、途中解約すれば高額な違約金がかかる。
 利用者の囲い込みともいえ、他社携帯への乗り換えの壁になっている。利用者が事業者を自由に選べなければ、活発な競争は望めない。
 これらのプランに対し総務省は改善を求めた。各社は見直しを進めるが横並びで最小限にとどまっている感が拭えない。
 菅義偉官房長官は先日、携帯電話の通信料金は「4割程度下げる余地がある」と語った。事実上の3社体制で「競争が働いていない」ためだとし、新規参入促進や商慣行の改革で値下げにつなげる意欲を示した。
 値下げ幅「4割」の根拠は示さなかったが、3社の売上高に対する営業利益率が他産業より高い14〜20%に上ることなどが念頭にあるようだ。
 これに対して大手の関係者からは「基地局の維持や先端技術の開発に多額の費用がかかる」との声も聞かれた。
 経済活動の自由は尊重されるべきだ。料金は自主的な判断に委ねられるのが原則だろう。
 ただ携帯電話は災害時の情報収集などで重要な役割を担う。「公共の電波で過度な利益を上げるべきではない」という指摘に耳を傾ける必要もあろう。
 来年10月には楽天が自前の回線を持つ「第4の携帯会社」としてサービスを始める。楽天は、現在手掛けている格安スマホ事業と同程度の料金プランを打ち出す計画という。
 新たな競争の時代が利用者にどういう影響を及ぼすのか。注視したい。


菅の「携帯値下げ発言」の裏にあるもの
★森友・加計学園疑惑以来、防戦が多く、攻めの発言が少なかった官房長官・菅義偉が21日、札幌で講演。「携帯電話の料金は、今よりも4割程度下げる余地がある。あまりにも不透明で、他の国と比較すると高すぎるのではないか。事業で過度な利益を上げるものではなく、利益を利用者に還元しながら広げていくものだ」と話した。NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクグループの大手3社の株価が同日に下落するなど、大きな影響を及ぼした。★菅の存在感を示した格好だが、このあまりにも唐突で、消費者が飛びつく仕掛けの裏には、何が潜んでいるのか。自民党中堅議員が言う。「まだ総務大臣のつもりでいるのではないか。放送や通信に多大な影響力があるのは、菅が総務相時代につくった省内の影響力に他ならない。現職の総務相・野田聖子は、菅発言に翻弄(ほんろう)される。つまり1つは、総裁選で出馬予定の野田へのけん制。もう1つは、民間企業の価格設定に官房長官が4割値下げまで言及する“越権度”だ」。★確かに、なぜ官房長官がこんなことを言い出すのか。ベテラン議員が解説する。「まずは消費税対策だろう。4割とはいかなくとも、2割程度の値下げで、消費税増税後の増税感の回避が狙える。ただ、業界への相談やお願いではないところが、菅らしさだ。今、秋の内閣改造で副総理兼財務相・麻生太郎に、入閣せず閥務に専念せよという声が、麻生派内から強く出ている。そこで、総裁選出馬断念をした岸田文雄との財務相ポスト争いを始めたのではないか」。政治家の発言には必ず裏があるというものの、ここまでいろいろあると、発言の期待度とは裏腹に、しらけてくる。(敬称略)

アイヌ新法 差別の歴史に向き合い「共生」を
 政府は、主に北海道に住むアイヌ民族の生活向上を支援する新たな法案について、2019年1月召集の通常国会に提出する方向で調整に入った。国連が先住民族の自決権などを広く認めた「先住民の権利に関する宣言」を受け、国会で関連決議案を可決して10年。ようやく日本の法律にアイヌを「先住民族」と明記し、生活格差解消と文化振興支援を両輪として打ち出そうとしている。
 アイヌの人々は明治政府の同化政策で日本語を強要され、生活の基盤を奪われるなど著しい権利侵害によって貧窮を余儀なくされた。現行のアイヌ文化振興法は伝統文化の伝承や保護を目的とし、先住民族としての権利保障の点で不十分だ。新法は差別の歴史に真正面から向き合い、反省の上に立って共生への道筋を示さなければならない。
 政府はことしを「明治150年」として「文明開化」を称賛するが、アイヌの人々から見れば「侵略」と「支配」の歴史に他ならない。言語や文化を奪われただけでなく、土地は国有化されて開拓民に分配され、集落解体により移住を強制された。生活の基盤である森林は伐採され、狩猟や漁労を禁じられて生きるすべを失った。明らかな差別政策に対し、これまで政府からの補償はない。
 差別や無理解は、決して過去の話で済まされない。4年前には札幌市議がツイッターに「アイヌ民族なんて、もういない」と書き込んだ。「アイヌは優遇されている」などのヘイトスピーチは後を絶たず、北海道の昨年の生活実態調査では、面接した道内のアイヌの4人に1人が「差別を受けたことがある」と答えている。居住地域の平均を下回る大学進学率など、生活や教育の格差が影響しており、解消は急務だ。若い世代もアイヌであることに誇りを持って生きられるようにしたい。
 しかし、内閣府が今月発表したアイヌ政策に関する世論調査によると、こうした差別の歴史を知っていた人は全体の4割にすぎない。国民に歴史を正しく伝えなければ、支援政策への理解も得られまい。
 気掛かりなのは、アイヌ政策について政府が「観光振興」を強調する点だ。20年には東京五輪・パラリンピックに合わせて北海道にアイヌ文化振興の拠点施設を開館する。国内外に文化への理解を広めることは意義深いが、観光のために「利用」する視点では共生とは言い難い。
 かつての蝦夷地(えぞち)が北海道と命名されてから、今月で150年を迎えた。「名付け親」の探検家松浦武四郎は、自然への畏敬の念を持つアイヌ民族の素晴らしさを知り、共生を唱えた。
 日本は今なお経済成長に目を奪われて突き進み、そのひずみが随所に現れている。自然と共に暮らし、命を平等に大切にするアイヌの生き方には学ぶべき点が多い。新法を社会を見直す契機にし、多様な価値観の中に真の豊かさを見いだしたい。


オスプレイ配備受諾 唐突感は否めない
 佐賀県の山口祥義知事が、佐賀空港への自衛隊輸送機オスプレイ配備計画の受け入れを表明した。前知事時代の政府要請から4年1カ月を経て、県民の賛否が割れる配備計画は大きな節目を迎えた。知事は機体の安全性確認に続き、漁業者の国に対する不信感を払拭(ふっしょく)するための補償や漁業振興策で防衛相と合意しての表明となったが、3日前にコノシロ漁への影響は断定できないという調査結果に投網漁業者が反発したばかりで、多くの県民は唐突と受け止めたのではないか。駐屯地予定地の地権者である漁業者の理解が得られていない中での判断は、スケジュールありきの印象も拭えない。
 防衛省は2014年7月、佐賀空港にオスプレイ17機配備と、目達原駐屯地(神埼郡吉野ヶ里町)のヘリコプター50機を移駐する計画を佐賀県に要請した。山口知事は受諾会見で、国の安全保障には基本的に協力する立場であり、佐賀県としても「一定の負担をする必要がある」と主張した。オスプレイの安全性を含め「防衛省の説明に不合理な点がない」とし、反対する漁業者との信頼構築へ向け100億円の漁業振興基金創設などで「一定の形ができた」と判断の理由を説明した。
 合意した事項は、防衛省、佐賀県、県有明海漁協などの関係機関が参加して環境保全と補償を検討する協議会の設置や、自衛隊機の空港着陸料で5億円を20年間支払って計100億円の漁業振興基金(仮称)を創設すること、事故など重大事案に対応する両者のホットライン設置を盛り込んだ。
 驚いたのは100億円の基金である。突然出てきた。漁業者が要望した金額ではなく、県は防衛省と交渉で折り合った額として明確な算定根拠を示さなかった。財源となる県営空港の着陸料は県民の財産であり、本来は空港の維持管理に充てるはずだ。漁業者だけに使う「特定財源」化は、防衛省の管轄外の漁業振興策に使うための「秘策」かもしれないが、これまで表立った議論はなく、妥当性には疑問がある。
 県と防衛省は水面下で交渉を続けてきた。当の漁業者には1年前に県が聞き取りをしたものの、具体的な交渉は漁業者抜きで進められた。防衛省のコノシロ漁の追加調査もこれからで、仮に影響があれば飛行ルートや飛行時間帯の変更で対応するとした防衛相の発言に、知事が早々と理解を示したことに「筋書きがあったのでは」と不信感を募らせる漁業者もいる。
 知事は来週にも自ら漁協幹部らに説明し、自衛隊との共用を禁じた公害防止協定の覚書を見直す協議に入る。地権者の中でも用地売却の可否は分かれている。国防への協力と基金創設を理由に外堀を埋めた格好で判断を求められる漁業者側の重圧は想像に難くない。これが果たして「漁業者に寄り添う」進め方と言えるだろうか。
 急転直下の印象を与えた受け入れ表明は、年末の知事選や政府の来年度予算編成を意識した行動にも映る。当初の要請から取り下げられた米軍訓練移転も、政府は佐賀を含めた全国の自治体に協力を求めるとしており、将来像が明確になったとは言い難い。安全性に対する懸念も残る。県民の安全安心を担保するための問題点は本当に解消されたのか。説明はまだ尽くされていない。(辻村圭介)


オスプレイ受け入れ 佐賀県知事の裏切りと国の“札束作戦”
 地元住民の声など屁とも思っちゃいない。強権的な姿勢は沖縄の米軍普天間基地の名護市辺野古移設と同じ。これが安倍独裁政権の実相だ。
 佐賀空港(佐賀市)への陸自のオスプレイ配備計画をめぐり、小野寺防衛相と同県の山口知事が24日、県庁で会談。山口知事は、国がオスプレイの着陸料として20年間で計100億円を県に支払うことなどを条件に受け入れに合意した、と発表した。
「熟慮を重ねた結果、防衛省からの要請を受け入れる判断をした」。山口知事は記者会見で「苦渋の決断」のようなポーズを見せていたが、オスプレイ配備に反対していた地域住民は驚きを隠せない。「山口知事はなぜ受け入れたのか。全く理解できない」(佐賀空港へのオスプレイ等配備反対地域住民の会の古賀初次会長)と怒り心頭だ。
「そりゃあそうですよ。山口知事は15年1月の知事選で『オスプレイ配備は白紙』『佐賀のことは佐賀で決める』と言って反対住民からも支持を集め、当選したのです。それなのに徐々に政府寄りになり、結局、オスプレイもOKですからね。今年12月に知事選があるため、県議会最大会派の自民党と水面下で手を握ったのではないか、とささやかれています」(佐賀県政担当記者)
 国と県の合意では、着陸料を原資に「漁業振興基金(仮称)」など2基金を創設することも盛り込まれた。狙いはズバリ、オスプレイ受け入れに反対する県有明海漁協の揺さぶりだ。そもそも県と有明海漁協は佐賀空港建設時の90年3月に公害防止協定を締結。その覚書付属資料には〈県は佐賀空港を自衛隊と共用するような考えを持っていない〉と記載されているのだ。空港建設に土地を提供した多くの地主は、この「覚書」を信じて同意したワケで、陸自オスプレイの配備は協定に反する。にもかかわらず、山口知事は勝手に受け入れを決めてしまったのだから許し難い。地元の反対意見を無視して、「カネをやるから黙っていろ」と札束をチラつかせるやり方は沖縄の辺野古移設と同じだ。
「昨夏、県議会はオスプレイの受け入れを求める決議について、自民党などの賛成多数で可決しました。理由は『国防のため』で、地元は無視です。本当に腹立たしい。今の政府・与党は、数の力を背景に住民の声を聞かず、やりたい放題。これは民主主義政治ではない。独裁政治ですよ」(古賀初次会長)
 一刻も早く「アベ政治」を終わりにさせないと、国民生活はむちゃくちゃになる。


なぜ『24時間テレビ』が苦手なのか? 「感動ありきであざとい」「視聴率稼ぎ」100人に調査
 今年で40回目を迎える『24時間テレビ 愛は地球を救う』(日本テレビ系)。同番組は、芸能人によるチャリティーマラソンやオリジナルドラマ、障がい者のチャレンジ企画などを、24時間生放送で届けるチャリティー番組で、すっかり日本の夏の風物詩となっている。「これを見ないと夏が終わらない」という根強い支持者もいる一方で、不快感を抱いている視聴者も。そこで今回、「『24時間テレビ』が好きではない」という100人の男女に、苦手な点を聞いてみた。
障がい者は見世物ではない
 障がい者のドキュメンタリーやチャレンジについて、感動を誘う演出感が強すぎると苦手意識を抱いてしまう人は多い。
・「身体の不自由な人たちを見世物にして感動を誘おうとして、集金を募ろうとしている魂胆が気に食わないし、うんざりする」(20代/男性/無職)
・「障がい者のイメージがキレイすぎると感じます。健常者と同じくドロドロしていたり卑怯な部分もあるので、少し間違ったイメージが伝わるように感じます。障がいがあってもなくてもみんな変わりません」(40代/男性/正社員)
・「障がい者をエンターテインメントのために利用している感じがするから」(20代/女性/学生)
・「金儲け感と、愛と絆という言葉が気持ち悪く感じてしまう。障がい者をうまくさらけものにしている感じも気持ち悪い」(30代/男性/正社員)
・「その行動に対して、障がいを持っている人に無理をさせているように見えるところと、その人はできたかもしれないけど、同じような障がいでもほかの人にはできなかったら、その人に努力が足りないと思わせそうなところ」(40代/女性/専業主婦)
・「障がい者を『かわいそう』という視点で世間に発信しているところが苦手です。障がいを持ちながらも普通に生活している人もいるのに、それを大々的に取り上げることに違和感を覚えています」(20代/女性/学生)
本当にチャリティー精神でやってるの?
 企画内容などが、ただの番組都合に見えてしまうという厳しい声も。
・「ぱっと見感動する企画を考えていても、よく考えるとそれが本当に当事者にとって望ましいことなのか疑問だから」(20代/女性/学生)
・「障がいのある方や不幸な方の身の上に涙して、いいことをしているかのようですが、実は自分は幸せなんだと再確認しているだけの気がします」(40代/女性/専業主婦)
・「善意の押しつけというか、その日だけ、なんかいけしゃーしゃーと、私ボランティアしてま〜す!というムードが偽善以前のお笑い芸な感じがして、嫌悪感以外のなにものでもないです。もうエエ加減やめてほしい」(60代/男性/個人事業主)
・「『24時間テレビ』の時だけ、障がい者の方に寄り添っている感じがします。出演者の方々も本当に気持ちがこもっているのか疑問に思います」(40代/女性/専業主婦)
・「内容自体にマンネリ感が見られるのと、障がい者を食い物にしているところ。企画側と視聴者だけの、自己満足で終わってしまっているのが嫌。海外のチャリティー番組を見習った方が良いと思う」(20代/女性/無職)
感動の押し付け感が半端ない!?
 「視聴者を感動させよう」という狙いが見えすぎると、かえって白々しく感じてしまうよう。
・「感動させるために番組を作っているように感じる点です。感動したい人にとっては面白いかもしれませんが、シナリオありきの感動には違和感を覚えます」(40代/女性/個人事業主)
・「ドキュメンタリーを撮った結果に感動があるわけではなく、はじめから感動ありきで撮っている感じが、あざとく感じます」(40代/女性/専業主婦)
・「チャリティーという名の視聴率稼ぎ。感動を無理やり押し付けている」(40代/男性/個人事業主)
・「生放送のゴタゴタ感のわざとらしさと、視聴者に無理やり感動を押し付けている気がするから苦手です」(20代/女性/パート・アルバイト)
マラソンにはどんな意味がある?
 今年は、ANZEN漫才のみやぞんが、番組初となるトライアスロンに挑戦するとのこと。しかし、そもそもなぜ走る必要があるのか? と、疑問に感じている人は少なくない様子。
・「24時間マラソンが苦手です。マラソンが始まった数年はよかったのですが、最近は誰が走るのか思わせぶりな演出方法で、見ることができなくなりました」(50代/女性/パート・アルバイト)
・「アスリートでもない有名人に、真夏の過酷な環境でマラソンをさせているのが見ていてつらくなります。感動の押し売りという印象があり、毎年見ないことにしています」(40代/女性/個人事業主)
・「番組全てが嘘くさくて苦手です。マラソンも、余裕でゴールできるのに、エンディングに合わせてゴールして感動させたりするところが苦手です」(40代/女性/専業主婦)
・「間寛平さんが走った1回目はとても感動しましたが、24時間マラソンは飽きてきました。とても苦しそうな顔で走る映像を見るのが苦痛になり、チャンネルを変えてしまいます」(50代/女性/パート・アルバイト)
24時間やる意味とは?
 “24時間生放送”が、番組のウリの1つだが、その意味を見いだせないとの意見も。
・「放送時間が長いので、内容がどうしても間延びしてしまう感じなのが苦手です」(30代/男性/派遣社員)
・「内容にあまり興味を持てないところ。チャリティーをメインとしていますが、24時間やる意味があるのかずっと疑問でした」(20代/女性/正社員)
・「ネタがないのに、無駄にダラダラ長い点がどうしても好きになれない」(40代/男性/個人事業主)
・「眠らないことが必ずしも頑張っていることではないと思いますし、作り上げられた善行に気持ちが冷めます」(40代/女性/専業主婦)
正直、マンネリ感は否めない
 40年も続いているからこそ、アレンジや目新しさも必要なのかもしれない。
・「毎年同じような作りになっていて、番組に対する飽きを感じます。また、番組の趣旨が曖昧に感じられて、年々苦手になりました」(50代/男性/無職)
・「批判を受けている面があるのに、毎年同じことをやっているため。また、その理由を視聴者にきちんと説明しないため」(40代/女性/正社員)
・「毎年パーソナリティはジャニーズの持ち回り。テレビ番組としてつまらないと感じます。結果として寄付が集まり助かる人がいるのは良いことなのかなとは思いますが」(30代/男性/正社員)
出演者にギャラって必要?
 チャリティーを謳い、募金も募っているからこそ、“出演者に多額なギャラが払われている疑惑”に興ざめする人続出。
・「チャリティー番組なのだから出演者もノーギャラでやってほしいと思う」(30代/男性/個人事業主)
・「昼間はずーっと泣きを誘うような企画ばかりで、深夜はお笑い企画を入れたりするのが何だか気持ち悪い。チャリティーと言いながら、出演者にギャラが出ていると聞いたのもなんだかなぁという感じ」(30代/女性/個人事業主)
・「偽善者ぶって、タレントにギャラを支払っているところが気になる」(40代/男性/個人事業主)
見ているとつらくなる
 番組を通して、障がい者や被災地の人々などを知ると、悲しい気持ちになるという声も。
・「どうしても泣いてしまうので苦手です。それから、夏の終わりを感じて少しさみしい気持ちになります」(40代/女性/専業主婦)
・「悲しくて泣けるシーンが多いので、見ているのがつらくなってきてしまいます」(20代/男性/正社員)
・「障がい者のエピソードなどを見ると、かわいそうな気持ちになり泣いてしまうから」(30代/女性/専業主婦)
【アンケート概要】
■調査地域:全国
■調査対象:年齢不問・男女
■調査期間:2018年07月05日〜2018年07月19日
■有効回答数:100サンプル


酒も飲まず、貯金もゼロ…スーパーボランティア尾畠春夫さんの生き様 私が被災地に行く理由【後編】
週刊現代  齋藤 剛
山口県周防大島町で行方不明となっていた2歳男児を発見し、大きな注目を集めたスーパーボランティア・尾畠春夫さん。現在、広島県呉市でボランティア活動を続ける尾畠さんに、週刊現代の齋藤剛記者が「被災地に行く理由」と「家族の話」を訊いた――。
健康保険証は11年無使用
私は65歳から本格的にボランティア活動を開始して、最初は新潟の中越地震のときかな。災害があるとすぐ現地に向かいました。それこそ全国を回りましたね。
東日本大震災のときは、南三陸でがれきの中から思い出の写真などを見つけ、被災者に戻す「思い出探し隊」の一員として、約500日間ボランティア活動をしました。このとき、酒をやめました。それまで自分は浴びるほど飲むタイプでした。しかも、ストレートでしか飲まない。しかし、南三陸の光景を見て思うところがありました。
避難所のベイサイドアリーナには1800人もの避難者がいた。ぎゅうぎゅう詰めで身動きできない。にもかかわらず、誰も文句を言わない。同じ日本人でありながらこんな思いをしている人がいるんだと思った。酒なんか食らっている場合ではないと思ったんです。
それから7年5ヵ月一滴も飲んでいません。ただ、酒を断ったわけではありません。中断しているだけです。解禁するときは東北3県の仮設住宅がすべて取り除かれたときと決めています。そんな日が来ることを期待しています。
健康保険証は11年ほど使用していません。大きな病気は40歳の頃に腸捻転をやったことくらいかな。大分の自宅にいるときは毎日8劼曚疋献腑ングしています。健康の最大の秘訣はとにかく体にいいものを食べる。これに尽きる。
具体的に言うと、野草を集め、茹でて酢醤油で食べます。桑の葉がうまいですね。あと、たんぽぽもうまい。オオバコ、ドクダミ、ヨモギ……。どれも体にいい。こうした食生活は登山を始めた40歳の頃から続けていますが、誰かにおすすめしません。実際、家族でも食べているのは自分だけです。
いまの食生活ですか? 被災地に負担をかけることがないよう、別府市内のディスカウントストアで約2週間分の食料を買い込みました。ボランティア中の主食は、持ち運びに便利なパックご飯とインスタントラーメンです。ご飯は3パックで198円。ラーメンは5パックで158円です。
パックご飯は温めるとガス代がかかるのでそのまま食べます。おかずなんていりません。梅干しがあれば十分です。寝泊まりするのは軽ワゴン車の後部座席です。被災地のどんな環境でも寝られるようにするため、普段からゴザの上で寝ています。この車は13年間乗っていますね。走行距離は約20万辧8両磴靴燭海箸楼貪戮發覆ぁタフな相棒ですよ。
ボランティア活動中はお風呂にも入りませんし、シャワーも浴びません。大分に帰って温泉に入る。これは格別です。3時間も4時間も入ってしまいます。これはボランティアを終えた後の楽しみのひとつです。
日常生活はシンプルそのものです。テレビはNHKしか見ません。しかも、情報収集のため30分見るだけ。ただ、地元紙である大分合同新聞は定期購読しています。お気に入りはラジオ深夜便。懐かしの歌が好きですね。
カミさんは旅に出て5年帰ってこない
私は被災地に行ったら「暑い」とは絶対に言わない。もし自分が被災者であったならば、どう思うのか。ボランティアさせていただいているという立場を忘れてはいけません。
当然ですが、言動すべてに気をつける必要があります。赤い服を着ているのもこだわりです。背中には名前が大きく書いてあります。これには理由があり、被災している方は身元がわかるほうが安心するんです。
さらによく話すこと。黙っていると怖いでしょう。赤い服もそうですが、すべては安心感をもってもらうためです。
背中には大きく「尾畠春夫」の文字が
現在の貯金はゼロに等しいですね。年金は月約5万5000円。ここからボランティア活動費を捻出しています。私は商売人ですからカネには執着しています。それはいまも同じです。
ただし、ないものは追っても仕方ない。私は逃げるものは追いかけない主義です。そのときの状況に応じた生活をしているだけです。ここに来るだけでも往復で約1万円かかります。残りは4万円。それに合わせて生活するだけ。ない袖は振れぬ。これを心がけています。
家族の反応なんて気にしません。ただし、ボランティアに出かけるときは、自宅の玄関に『どこどこに行く』と息子と娘への伝言を残して出発しています。
カミさんは、いまは旅に出ている……。一人旅です。「自由にしたい」って。「旅に出たい」と言うから「はい、どうぞ」と。5年前に出かけて……まだ帰ってない。愛想を尽かされたらそれはそれで仕方ない。
そもそも、夫婦なんてもともと他人じゃから。ただ惚れて結婚した。憎いとかそんな気持ちはない。いまの家は妻とゆっくり老後を過ごすために購入したものです。カミさんも鍵を持っている。いつでも帰ってこられる状態にしてあります。
息子は公務員です。市役所に勤めています。自分とは真逆の人生を歩んでいる。「魚屋を継いだほうがいいかな」と聞かれたことがあります。そのとき、「お前には継がせないよ」と怒りました。
当たり前ですが、自分の人生は自分で歩むべき。私は子供に対してどうこうしろと言ったことはありません。国民の義務さえ果たしていれば何をしてもいい。
小さくても長持ちする。そんな生き方をしたい
娘はいろいろと心配してくれます。携帯電話を持つように何度も言われていますが、携帯電話にしろ、パソコンにしろ、そうしたものに振り回されたくない。カーナビも一度も使ったことがありません。
孫といえば、忘れられない思い出があります。店をやめて1年後くらいかな。あるとき、一番年上の孫が突然うちに来た。当時、孫は高校生でしたが、真剣な顔で「話があるんだ。じいちゃん、タバコをやめろ」と言うんです。
65歳を過ぎると体力が急激に落ちるから絶対にやめろって。自分はヘビースモーカーで、ピースを2箱吸っていました。これはうれしかった。孫の言うことは天の声だと思い、その場ですべて燃やしました。ちなみに、この孫は登山をしています。私の影響だそうです(笑)。これ以上うれしいことはないですよ。
来る人は拒まず。もっとも、マスコミはすぐいなくなるでしょう。私なんて一過性のもの。日本は熱しやすく冷めやすい。自分のことなんてすぐ忘れるでしょう。僕は花火の中では線香花火が好きなんです。小さくても長持ちする。そんな生き方をしたい。
いつかは沖縄で遺骨収集したいと思っています。ガマってわかりますか。沖縄にある自然の洞窟です。ここには相当な数の兵隊さんの骨が残っているようです。その捜索をしたい。本当は今年実行する予定で、道具など準備をしていました。ところが、災害が続発して断念しました。いまはこちらが優先です。ただ、来年の春にも実現したい。

ボランティア活動の現場では、経験豊かな尾畠さんの存在感はやはり大きい。暑さで具合を悪くしたスタッフを見つけると、すぐさま水を飲ませ、休ませる。積極的にコミュニケーションをとろうとしないメンバーがいると、笑顔で話しかける。
最後に尾畠さんと握手したが、握力は78歳のそれではなかった。そのバイタリティ、行動力には感服するしかなかった。


「いいね!」で勘違い 安倍総理がSNSで陥っているワナとは何か?
情報伝達・共有の手段として必須のアイテムになった感のあるSNS。当初は、“一般の人”が交友を広めるツールとして使われてきたが、今や国のトップが自分の思いを伝える場へと変わり、安倍晋三総理もTwitterやFacebookで情報を発信している。
総理が発信する情報に「いいね!」を押せる環境ができたことで、「国民と総理との距離が縮まった」という意見には一定の説得力があるが、SNSには“誰もが陥るワナ”があると指摘するのは、立憲民主党幹事長・福山哲郎と精神科医の斎藤環だ。7月13日に『フェイクの時代に隠されていること』を上梓した福山と斎藤は、同書の中でこのように語っている。
 * * *
斎藤:安倍総理だってTwitterやFacebookのアカウントを持っているわけですけれども、取り巻きに囲まれて、「皆が僕を承認してくれている」っていう気分になりやすい。一方通行で、批判は届かない仕組みになっている。諫言してくる相手はブロックしちゃえるので。あれは本当に対話にならないですよね。
「いいね!」にしてもリツイートにしても、本当は承認じゃなくて「そんなバカなこと言いやがって」っていうリツイートもあると思うんですけど、される側からしたら全部承認なんですよね。千もリツイートされたら、千人もの人に自分は支持されていると。本当は違うんだけれど、そう思い込みやすいという承認ツールなんですよね。
特にFacebookは、けっこう政治家を頑なにするんじゃないですかね。「僕の言っていることは正しい」みたいな感じに。何か発言すると追従者がいっぱい「いいね!」ボタンを押してくれたり、おべっか的な意見を書き込んだりするわけじゃないですか。
福山:Twitterは匿名の悪意のあるフォロワーによって荒れる傾向が強いですが、Facebookはファンの人が多い。数はTwitterほどではありませんが、Facebookのコミュニティで発信する方がはるかに気持ちが良くて楽なんです。
斎藤:そりゃそうですよ(笑)。
福山:Facebook上って、ほとんど応援していただいている方たちのコミュニティだから、そこで発言して「そうだ!」って来たら、他の多様な意見とか反対意見が来たとしても、そこで「そうか、それもあるね」って言った瞬間に、元々応援しているコミュニティから「お前、なんだよ。オレらを裏切るのか」って言われる。それで多様性を許容する意見とかは言えなくなるわけですよ。
斎藤:それがけっこう大きな問題な気がしますね。
福山:どんどん多様性から逆行した、このコミュニティ以外の声、自分を応援してくれる以外の声は、排除する方向に行かざるを得なくなるんですよね。このメンタリティは危ない。
斎藤:危ないです。Twitterとかは、ある種の透明性が担保になっている部分もあったと思うんですよ。下手なことを言うと直接突っ込まれちゃうわけじゃないですか。だから、いちおう公明正大にやっていますよというアピールとしてやるんだけど、でも実際は橋下徹さんみたいに、答えにくいところを突っ込まれると、黙っちゃって対話にならなかったりする。
一定の支持層ができちゃうと、逆にその意見に支配されてしまうというか、それと違うことを受け入れ難くなってしまうという面がある。「承認」って恐ろしいもので、必死でそれにしがみつこうとする人が多いわけですから。それを考えると、変なことを言って承認を引き揚げられるよりは、とりあえずこのコミュニティの皆の意見を尊重してやっていこうとしてもおかしくないです。厄介なのは、その支持者を見て、皆が自分を支持していると思えてきてしまうところですね。
福山:不思議なんですけど、FacebookもTwitterも身近にコミュニケーションが成立していて、「あぁ、自分を承認してくれている」と思ってしまっています。自分の直接の後援会は関係性は濃くてもそんなにしょっちゅうコミュニケーションするわけではありません。もちろんSNSの世界の方がよっぽど関係性が薄いのに、逆に安心してしまう。
斎藤:錯覚しちゃうんですよね、ネット空間の距離感って本当にわからなくて。
福山:ただ、広がりを持たすためには、すごいツールなんですね。その広がりが限界値に達したときに、その次の広がりがどこまで広がるかというのと、そのなかで自己完結した世界になるっていうのは、まだ私は見分けがつかないです。
斎藤 なんでもそうですけど、力を与えるツールであると同時に、力を押さえ込んでしまうものという諸刃の剣のような性質がありますよね。だから本当に動員力はすごいんですけど、逆に動員される人の意見に縛られてしまうことになりやすい。これは半ばは必然なので、その辺をどう上手に使い分けるか。これは今後SNSを利用した政治活動を考える上で大事なテーマかなと思います。
福山:それだけにオープン・ダイアローグは非常に重要なツールだと思いますね。これからたぶん、SNSによって、直接自分の意見を言いたいという欲求は間違いなく広がりますよね。デモに来ることによる意見表出というのは、一体感はあるけれども、やっぱり間接的です。
時代の流れとしてはやっぱり直接民主主義的に住民投票だ、国民投票だ、みたいに、自分たちにも意見を言わせてほしいという要求が間違いなく高まってくると思うんです。高まれば高まるほど、共有したプラットフォームがないと、一方的な情報だけで物事を動かすようなことが起こるので、それは社会としては危なくなります。そのプラットフォームをつくる工夫を、いろんな技術が進歩しているなかで政治家がどう開発していくか、私はこれはひとつの大きな課題だと思いますね。
斎藤:オープン・ダイアローグとの出会いで明らかになったことのひとつは、「直接会うことがすごく大きな意味を持つ」ということなんですよね。バーチャル上のやり取りだけだとまとまらないものが、会うことでなんとなくまとまることがあり得るということを、けっこう明らかにしているところがあります。そのプラットフォームのなかで、直接の対応をどううまく運用していくのが望ましいか。
たとえばSEALDsの若者たちは、SNSでつながって集まって、デモの現場でも会っていたわけですよね。そういうことがけっこう大事になってくると思うんです。ただ、デモはやっぱりひとつのパフォーマンスなので、ある程度意見が統一されてないと集団行動にならないじゃないですか。ユニゾン空間というか、同じ意見を皆で言うことでいっそう力を増す行為だと思うんですけど、もうちょっとポリフォニックなもの、いろんな多様な意見がせめぎ合っている状況を、これはこれでまた別に確保した方がいいんじゃないかな。
福山:おっしゃる通りで、たとえば国会や委員会での質疑を見たり、SNS上で私のイメージを受け止めている人で、なおかつ多様な意見の人がデモに来ているわけですね。その人たちの前で何かを喋るというのは、実は大きなプレッシャーなんです。だって来ている一万人の人がどんなイメージで私を見ているのかわからないなかで話すんですから。
ひょっとしたら「なんだ福山って、こんなものか」とか「もっとはっきり言ってもらえると思ったけど、やっぱり政治家だからいい加減で抽象的にしか言わねえな」とか、そりゃいろんな感想があるはずなんです。でも、それもひとつの新たなコミュニケーションなんですね。
斎藤:全然違和感が出てこないコミュニケーションって危険ですからね。オープン・ダイアローグの醍醐味は、「共感と違和感を交換する」ところにあるので、それがいい結果につながっている。共感だけでは治療はうまくいかないという実感もベースにある。だから政治への直接的な応用はなかなか難しいかもしれませんけれども、部分的にせよいろいろと取り込めるアイデアはあるんじゃないかと思います。もっとも相手もオープンじゃないと意味がないっていうのが大きな問題です。
 * * *
政治家のSNS利用に関しては、なにぶん歴史が浅いため、簡単に功罪を語るのは難しいが、国民の信託を得て国のトップが立った人間が、SNSで取り巻きに囲まれ、承認欲求を満たす構図はいかにも間抜けだ。
同書ではこのほか、忖度がなぜ暴走したのか、真実よりもフェイクが氾濫する理由、最悪の法改正案、増え続けるひきこもり、続く貧困と差別など、「政治の現場」と「精神科医療の現場」の視点から、この時代の裏で起こっていた事を解説している。


『バイキング』で坂上忍、土田晃之が杉田水脈を徹底批判!「びっくりするほどひどい」「ただのバカ」、自民党の責任も追及
 本サイトで何度も取り上げてきた自民党・杉田水脈衆院議員のLGBT差別問題。しかし騒動勃発以降、杉田議員本人は公の場で一切説明、釈明することなく逃げ続けている。親分の安倍首相同様、“このまま時間が経てば愚民どもはすぐに忘れてしまう”という国民を愚弄しきった逃げ切り作戦なのだろうが、そんななか、意外な番組が杉田議員の「LGBTは生産性がない」発言を大きく取り上げた。それが24日放送の『バイキング』(フジテレビ)だ。
 番組では、杉田議員がジュネーブの国連人権差別撤廃委員会を傍聴したという22日発売の「週刊文春」(文藝春秋)報道を皮切りに、この問題を取り上げているのだが、いつものように賛否両論、両論併記かとおもいきや、杉田議員への非難の嵐だった。
 たとえば、コメンテーターの東国原英夫は杉田の発言をこう批判していた。
「言語道断だと思いますね。差別だとか侮蔑だとかをそういうものを増長しますね。個人的な見解ということらしいんですが、自民党さんによればですね、一応は指導したけれども。しかし個人的見解であれば、今回の寄稿にたいしてご自分の意見、政治家のご自分としての確固たるご意見があるのであれば、質疑応答だとかディベートだとか、そういったものに応じるべきだと僕は思っています」
「差別とか偏見とか、蔑視なんですよね。右とか左とかいうような思想的なものではないんです。根本的な、もう憲法違反と言っても過言ではないくらいの話なので」
 東国原とは思えないまともな指摘だが、続いて、元TBSアナウンサーの吉川美代子も杉田議員の主張のおかしさを真っ向から批判する。
「日本の国民として、人として生きていくことと、生産性は関係ないわけで。人として生活してきて、自分の人生をまっとうすることと、生産性を同じようなことで言っちゃったこともいけないと思いますし。ただこの人って昔から、過激なことを言って注目を浴びようと思っていて」
 単なる目立ちたがりとの指摘に、司会の坂上忍も「炎上商法おばさんとかなんですか?」「この人、僕と同じ年なんですよ、ホント嫌だ」と露骨に顔をしかめた。
 しかも、この日の『バイキング』が出色だったのは、今回のLGBT差別だけでなく、杉田の過去の発言も取り上げたことだ。
 周知のように、杉田議員は、これまでにも数々の性差別発言を撒き散らしてきた。たとえば2014年10月の国会では、「男女平等は、絶対に実現しえない反道徳の妄想です」との有名な暴言をはき、女子に対するあらゆる差別を撤廃することを基本理念とする国連の女子差別撤廃条約についても、〈重大な女性差別が存在しない日本には必要がない〉(「正論」2016年5月号/産経新聞社)などと主張。レイプやセクハラ事件でも、被害者の女性を責めるような差別発言を繰り返してきた。
 そんななか、番組では過去、杉田議員が待機児童問題について「待機しているのは預けたい親でしょ」などとツイートしたことを取り上げ、それに出演者たちが、一斉に批判の声を上げたのだ。
 たとえば、土田晃之がよほど腹に据えかねたのか、「ただのバカなんじゃないっすか」「こんだけ浅はかなうっすい内容なこと、よく公共の場で言えるな」と吐き捨てると、坂上も「そう思っちゃう」と同意。
 さらに、東国原は杉田が「幼児教育は洗脳、コミンテルンの陰謀」というトンデモ発言をしていたことも紹介して、杉田を徹底批判した。
「これに関しては野党の方々がね、待機児童があるんですよ、と。保育所落ちた日本死ねとありました。あれに対する野党憎し、野党に対抗するために無理やりつけたような論なんですね、これは。つまり、論理は破綻しているんですよ。無理やりくっつけた。これプラス、彼女は幼児教育は洗脳教育であると。共産主義のコミンテルンがやっている仕業であると。そういうことも発言している。耳を疑いますよ」
坂上忍が杉田水脈に「あんたを税金で養っているほうが生産性がない」
 また、今回の「新潮45」(新潮社)での文章についても、問題は「生産性」という部分だけではないと指摘する声も相次いだ。
 共同通信論説委員の柿崎明二氏は、「これ、あまり目立ってないんですけど、性的な多様性を認めていくと、ペット婚とか機械と結婚させろという声が出てくるって(書いている)。出てきてもそんなの議論の対象にはならないですよね。人間じゃないんだから。ぼくはハッキリ言って破綻していると思いますよね、思考が」と批判。
 一方、元衆議院議員で弁護士の横粂勝仁は、杉田の「LGBTへの支援が不要」という論理の詭弁、破綻を指摘した。
「あらゆることの認識がずれてまして。このLGBTに対する認識もそうですけれど、(LGBTに対する)その支援がいらないって言いますが、その支援っていうのがLGBTの方が何か特別な利益を得るような政策だったらまだしも、普通と同じように平等に、っていうところが本当に支援なのか。支援もないところに、支援が不要だってところが、ちょっとおかしいな。ずれてるなって感じがしますね」
 そして、柿崎氏からは政治家としての資質を問う本質的な発言も飛び出した。
「これLGBTの問題というよりも、政治はなにかという話なんです。政治は弱者とか少数者のためにあるんで。多数派だけでいいんだったら、AIでやればいいんです。そうじゃない少数派をどう統合して救うかというのが政治なわけですね。多数派も納得して。というのをまったくわかっていないので。そういう意味で政治家失格だと思いますね」
 司会の坂上忍も、こうした杉田議員の政治姿勢や言動については一貫して批判的で、コメンテーターの指摘にひとつひとつ大きく同意したうえ、自らも「寄稿を読んだんですけど、ひどい。びっくりするほどひどい」「この人は大丈夫ですか?」と辛辣にコメント。さらに、こう斬って捨てた。
「ぼくなんか、思ったのは、ぼく子どもいないでしょ、ってことは子どもだけでいえば、この人の理屈で言えば生産性がない、じゃあお前みたいなのに税をあてがう必要はないって言われているわけでしょ」
「おれの理屈でいえば、こんな議員の資質のかけらもないようなやつに、言われるんだったら、あんたを税金で養っているほうが、よっぽど生産性がないって」
自民党の責任も追及「杉田議員は比例名簿の一番」「政策も同じってこと」
 杉田水脈のLGBT差別については、テレビでもいくつかの番組は取り上げてきたが、多くが批判しているのは「生産性」の部分のみ。なかには、松本人志のように「(杉田の「新潮45」の文章の)前半部分は間違っていない」などと擁護する意見もあった。
 そんななかお昼のメジャーな番組で、杉田の過去の発言まで取り上げ、その思想や政治家としての資質まで踏み込んで批判したというのは、貴重と言っていいだろう。
 しかも、この日の『バイキング』は杉田議員を徹底批判しただけではなかった。その発言は単なる杉田個人の問題でなく、自民党にも責任があるというところまで踏み込んだのだ。たとえば、共同通信の柿崎氏は杉田が自民党の中国ブロックの比例単独1位だったことを強調して、こう語っていた。
「(杉田議員は)小選挙区制には出ていないで、比例代表の一番なんですよ。つまり何を言いたいかというと、ようは自民党とまったく政策の同じ人ですと、自民党が出している候補なんですね。それが自民党が出しているLGBTの政策とまったく真逆なんで。それを(杉田氏が)言うなら辞めて言わないとダメですね、自民党を。このままいるんだったら自民党は除名するかどっちかですね」
 また、この発言をうけて、東国原も「おっしゃる通りなんですね。(杉田議員は)党をあげて推薦した、あるいは公認したといってもいいんです。それに応じたってことは政策は同じですよ、ということ」と指摘した。
 東国原は安倍首相の名前こそ出さなかったが、杉田議員を「素晴らしい」と礼賛し、比例単独候補としては最上位の厚遇で自民党に引き入れたのが他ならぬ安倍首相であり、党を挙げて推していたと主張したのだ。
 また、『バイキング』は、杉田議員が7月22日に「間違ったこと言ってないんだから、胸張ってればいいよ」などと「大臣クラスの方」から声をかけられたとツイートした(現在は削除)ことも取り上げた。
 東国原が「大臣クラスの人が支持している。それは名前くらい出してほしいですよね。ということは自民党のなかにある一定数、この意見を支持する人たちが、集団がいるってことですよね。それをやっぱりつまびらかにしていただきたいと思いますね」と言えば、坂上も「大臣クラスの方ががんばれよって声をかけてくれるってことは、やっぱりそういう方々にアピールしてなんとか自分をいいポジションでっていう意図が見えるわけですよね」と分析。吉川美代子は背後にある自民党の構造的な体質にも言及した。
「自民党のおじさまたちのなかに、男が言うともちろん叩かれるけど、女が言ったことに対して、自民党の過激な女が言うならって。女に言わせておこうよ、みたいなところがあったのかと、勘ぐっちゃいますよね」
 さらに、東国原は杉田のこうした発言が、「官邸に対するアピールなんじゃないかと思っています」と指摘。自民党だけじゃなく、官邸との強いつながりを示唆した。
『バイキング』の奮闘の裏で、ほかのテレビ報道は…
 いずれにしても、『バイキング』がここまで踏み込んだ杉田批判、自民党批判をしたのは、「たいしたもの」と評価しなければならないだろう。
 しかし、『バイキング』が目立っているこの状況は、けっして歓迎すべきことではない。そもそも、今回の杉田発言は東国原が言っていたように、「右とか左とかいうような思想的なものではなく、差別とか偏見とか、蔑視。もう憲法違反と言っても過言ではないくらいの話」であり、むしろ、こうした批判は当然のことなのだ。
 ところが、前述したように、『報道ステーション』(テレビ朝日)などは自民党や安倍首相が対応するまで、ほとんどこの問題を取り上げようとせず、その後も、野党の動きや抗議行動を紹介するようなかたちでしか批判しない番組も少なくなかった。
 その結果、杉田議員は何の処分もされないまま逃げ切り、自民党も安倍首相も、自分の子飼いである杉田議員を平気でかばい続けている。安倍首相は赤坂にある行きつけの中国料理店「赤坂飯店」での会合で杉田議員と同席し「なんでみんな騒いでいるんだろうね」と発言したという。
 安倍政権の国民を舐めきった態度を許しているのは、まさにテレビをはじめとするメディアの責任なのである。

洗濯もう一度/パワポ保存できていなくてショック

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自民党は恥を知れ

Trois disparus au Japon après le passage du typhon Cimaron
Le typhon a déversé de fortes pluies dans l’ouest de l’archipel et a provoqué des retards dans les transports, mais sans faire de gros dégâts.
Le typhon Cimaron a déversé de fortes pluies dans l’ouest du Japon, vendredi 24 août, avant de repartir en mer et de se diriger vers Hokkaido, l’île du nord de l’archipel. Trois étudiants ont été emportés par les vagues sur une plage de Shizuoka (île de Honshu), a annoncé la chaîne de télévision publique NHK. Leurs sandales, sacs à dos, smartphones et portefeuilles ont été retrouvés sur la plage.
Malgré des retards importants dans les transports et quelques dégâts, la région semble avoir échappé aux ravages qui étaient redoutés. Les vents, qui ont atteint plus de 200 km/h sur un large rayon, ont été ressentis jusque dans la région pourtant éloignée de Tokyo toute la nuit et encore vendredi matin.
Les trains circulaient à peu près normalement dans la capitale et alentour, mais dans l’ouest de l’archipel, les compagnies ferroviaires et aériennes avaient décidé par précaution de suspendre de nombreuses liaisons.
Circonstances exceptionnelles
Dans cette région, où au vent se sont ajoutées des pluies diluviennes, les autorités locales avaient demandé à de nombreux foyers, notamment ceux de personnes âgées et invalides, de rejoindre pour la nuit des refuges aménagés dans des bâtiments publics.
Quelques toits ont été emportés, des rideaux de magasin arrachés et autres dégâts matériels constatés, mais pas de crues exceptionnelles ni coulées de boue ravageuses. En revanche, près de 45 000 foyers restaient encore, vendredi matin, privés d’électricité.
Le Japon subit tous les ans le passage de typhons parfois meurtriers mais, cette année, l’arrivée de ces perturbations s’inscrit dans un contexte exceptionnel qui incite, désormais, les autorités à prendre davantage de précautions. Il y a un mois et demi, des pluies records dans le Sud-Ouest ont provoqué des inondations inédites et des éboulements terribles qui ont tué quelque 220 personnes.
En juillet, une étouffante vague de chaleur humide s’est abattue ensuite sur le Japon, tuant plus de 119 personnes dans le mois, tandis que 49 000 autres ont dû être hospitalisées.
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昨日の大雨で取り込み忘れていた洗濯ものがびしゃびしゃに.もう一度洗濯しました.仕方ないですね.パワポ頑張ったのですが移動してチェックしてみると保存できていなくてショック.明日やり直しです.

気仙沼向洋高 新校舎が完成
東日本大震災で大きな被害をうけ、プレハブの仮設校舎で授業を続けてきた気仙沼市の気仙沼向洋高校は、震災からおよそ7年半たって新校舎がようやく完成し、24日、生徒たちが新校舎での生活をスタートさせました。
気仙沼市沿岸部の階上地区にある気仙沼向洋高校は、震災の津波で被災したため、内陸部のほかの高校のグランドを借りてプレハブの仮設校舎で授業を続けてきました。
東日本大震災からまもなく7年半となる中、被災した校舎より1キロほど内陸に新しい校舎がようやく完成し、24日、記念の式典が開かれました。
式には生徒や教職員、地域の人たちなど、およそ450人が出席し、生徒会長の鈴木勇汰さんが「新しい校舎でも地域の方々に感謝しながら勉強に励んでいきたい」と決意を述べました。
そして、生徒たちは校歌を歌って新しい校舎の完成を祝いました。
式のあとは、教職員や生徒が真新しい教室や設備を地域の人たちに紹介していました。
新校舎には、水産加工などの実習で使う機材も整い、震災前と同じような授業を行えるようになるということです。
高校3年生の女子生徒は「仮設の校舎より良い環境で実習できるのが楽しみです」と話していました。
階上地区の住民は、「若い子たちのにぎわいがまた戻ってきてうれしいです」と話していました。
佐藤浩校長は、「生徒たちには新しい環境で勉強に励み、地域を代表する人材に育ってほしい」と話していました。


避難者の思い出 油絵に 会津学鳳高・中美術部 大熊町民から聞き取り
 会津若松市の会津学鳳高・中の美術部員たちが、東京電力福島第1原発事故で市内に避難する福島県大熊町民の思い出を、油彩画にして贈る活動に取り組んでいる。市内の災害公営住宅「城北団地」で、住民が持参した写真を基に古里や家族の思い出を聞き取ることからスタート。完成は12月を予定する。
 初日の8日は、生徒16人が同団地の集会所を訪問。6グループに分かれ、集まった大熊町の住民10人に、かつての古里や原発事故当時の様子を聞いた。
 同町夫沢で農業を営んでいた池下昭さん(76)は約5センチ四方の小さなモノクロ写真を持ってきた。中学生の頃、男3人兄弟、母親らと自宅の庭で撮影した。
 池下さんは「自宅は帰還困難区域になった。避難先に持ってきた写真は少ないが、母親の農作業を手伝い、たこ揚げをして遊んだことが忘れられない」などと説明した。
 聞き取りは約1時間にわたった。高校3年渡辺梨花さん(17)は「たくさん教えてもらった。兄弟を育ててくれたお母さんに対する池下さんの思いを表現したい」と話した。
 生徒たちは約20センチ四方の油彩画を制作。同県三島町産のキリ材に漆を施したレリーフに埋め込み、アート作品に仕上げて、住民それぞれにプレゼントする。
 城北団地自治会長の北村哉信さん(57)は「若い人たちと交流できてうれしい。作品の完成を楽しみにわれわれも頑張りたい」と語った。


石巻市役所核店舗決まらず 公募2回不調 市中心部空洞化の危機
 石巻市役所1階の商業スペースが昨年5月のスーパー撤退以来、核テナント不在の状態が続く。JR石巻駅前の一等地にあるが、過去2回の公募はいずれも不調に終わった。周辺住民の利便性低下は免れず、客足の郊外流出に伴う中心部の空洞化を危惧する声が高まっている。
 商業スペースで営業しているパン店、接骨院など14店舗は、市役所の改修工事に伴い今月末で契約が終了する。商業フロアはいったん閉鎖され、来年1月以降に再開予定だ。
 市は周辺住民や駅利用者の使い勝手を考慮し、生鮮食料品や日用品を扱うスーパーの進出を期待。1階フロア全体(約4430平方メートル)の一括貸し出しも視野に入れる。関心を示す事業者に打診を続けるものの、現段階で誘致のめどは立っていない。
 昨年12月から今年1月にかけての公募型プロポーザルには1社が事前申し込みをしたが、最終的に辞退した。市は4月、興味を示した5社にヒアリングを実施。要望を取り入れて6〜7月に制限付一般競争入札で再公募したが、応募はなかった。
 中心部の集客力低下に地元商店は危機感を強める。市役所に近い立町大通り商店街振興組合の篠田一寿理事長は「地元で日用品が買えないと、集中して買い物ができる郊外の大型商業施設に行ってしまう」と焦りの色を深める。
 核テナントの消えた影響は商店街に徐々に現れているといい、「個人商店の力では限界がある。市には早くスーパーを誘致してほしい」と要望する。
 亀山紘市長は8日の定例記者会見で「(駅前周辺の)住民は買い物ができる場所が非常に限られている。1階にはできるだけ利便性の高い商業施設を誘致していきたい。諦めずに企業を募集していく」と述べた。
 昨年5月まで市役所1階にはスーパー「エスタ」が入居していた。東日本大震災の津波で被災し再開したが、周辺人口の減少で売り上げが伸びず閉店した。


河北抄
 78歳。この夏のニュースで話題になった「ヒーロー」の中で最年長だろう。山口県周防大島町で3日間行方不明になった男児の捜索に駆け付け、発見した大分県日出町の尾畠春夫さんだ。
 災害支援ボランティアとして全国を飛び回り、東日本大震災の津波で甚大な被害を受けた宮城県南三陸町でも被災世帯の写真捜しに加わった。「ボランティア仲間の精神的支柱だった」「周囲に背中で語る職人肌の人」。関係者の声が先日の本紙朝刊に載っていた。
 65歳で鮮魚店の仕事を退き、ボランティアは社会への恩返しという尾畠さん。活動費は自弁で、男児発見から休む間もなく西日本豪雨の被災地の広島県で汗を流した。その行動力に頭が下がる。
 ラテン語の「自由意思」が語源とされるボランティア。「自由に、気軽に始めることから」と背中を押された人も少なくないはず。尾畠さんと志を同じくする多くのボランティアが震災の被災地にいることの尊さも改めて教えてくれた。尾畠さんへ。復興の進んだ東北をぜひ見に来てくださいね。


外国人の視点 誘客生かす 観光協会職員に採用
 八戸地域の観光地域づくり推進法人(DMO)の設立に向けて訪日外国人客(インバウンド)誘致を強化しようと、設立準備委員会の一つの八戸観光コンベンション協会(八戸市)は、外国人職員を採用した。外国人の視点で八戸市周辺の観光の課題を探り、今後の戦略に生かす考えだ。
 採用されたのは今月初めまで3年間、市の国際交流員を務めた米国人のマシュー・ボラさん(27)。採用初日の20日夜、市中心部の「みろく横丁」の店を回り、外国人が増加しているかどうかや対応で困った点などを聞き取りした。
 今回の聞き取りを参考に、改善策をつくって実証実験を行い、効果があれば他の横町にも拡大することも想定。インバウンド受け入れ態勢を整える計画だ。
 マシューさんは「店の人たちは一生懸命に日本語、英語を使って外国人を歓迎していた」と感想を話し、今後の仕事について「八戸の素晴らしさを世界に紹介したい」と抱負を語った。
 八戸広域観光推進協議会(八戸市)がまとめた八戸圏域の外国人宿泊者は、2015年度が7755人、16年度が1万2699人、17年度が1万9185人と年々増加している。
 コンベンション協会の観光コーディネーターの木村聡さんは「全国的に海外旅行客は増えており、伸びしろはかなりある。八戸地域が攻めていけるよう準備を進めたい」と話した。
 八戸地域ではコンベンション協会と2団体が、来年4月1日の合併に合意。「はちのへDMO(仮称)」の発足を目指している。


<金足農準V>「日本一の応援に感謝」 協賛金2億円近くに
 第100回全国高校野球選手権大会で準優勝に輝いた金足農(秋田)の選手らは23日、この日新学期を迎えた秋田市金足追分の同校で甲子園報告会に臨んだ。生徒や地域住民が快挙をたたえ、全国各地から寄せられた協賛金が2億円近くに上ったことも伝えられた。金農ナインの快進撃がもたらした共鳴の輪の広がりに、一人一人が感謝の思いを新たにした。(5面に関連記事)
 同校駐車場であった報告会には在校生に加え、ナインを一目見ようと地元住民らが駆け付け、約1000人が割れんばかりの拍手で出迎えた。
 佐々木大夢(ひろむ)主将が渡辺勉校長に準優勝の盾を手渡すと、「よくやった」「お疲れさま」と歓声が飛び交った。
 「言葉にできない感動をもらった」と選手たちをねぎらった渡辺校長。決勝進出に伴い応援などにかかった費用が膨らむ中、21日時点で1億9000万円を超える協賛金が届いていることを明かし、善意を寄せてくれた全国の人々に向けてお礼の言葉を述べた。
 秋田に戻った前日に続き、佐々木主将が「日本一の応援をありがとうございました」と感謝の気持ちを伝えると、大きな拍手が上がった。吉田輝星(こうせい)投手も「力以上のものを出させてくれた応援のおかげです」と語った。
 中泉一豊監督は「日本一を目指して取り組んできた。粘り強く戦った結果が準優勝につながった」と目を細めた。全員で校歌を斉唱し、応援団が野球部に「頑張った!頑張った!野球部!」とエールを送った。
 報告会を終え、甲子園のベンチからチームを支え続けた2年生の関悠人投手は「先輩たちは大舞台の重圧にも負けず、野球を楽しんでいた。自分たちの代もやります」と力強く誓った。


河北春秋
 奄美大島(鹿児島県)には日本のゴーギャンと呼ばれる画家田中一村(いっそん)の美術館がある。入り口ではまばゆい光にアダンの実がオレンジ色に輝き、葉は陰影濃く揺れる。絵にはその明暗と、風の気配が確かにある▼来館者が記した「一村さんへの手紙」には老若男女、念願の思いがあふれる。「(直行便のある)鹿児島まで2度来たが台風に阻まれ、三度目の正直でようやく来られた。感無量」との文も▼気仙沼市のリアス・アーク美術館は、美術への関心を高めようと懸命だ。副館長の山内宏泰さん(47)は震災後、主催する絵画展に小中学生の応募が激減したことを危惧する。「前ばかり向いても真の復興は果たせない。物事を深く見詰める芸術的視点が必要なのに」▼考えた末、手持ちの収蔵品で企画展を開いた。これなら入館無料にできる。美術とは何かを伝える説明文とパンフレットに力を注いだ。風は見えるかと問い「風は見える。故に描くことも造形することもできる」と、心の目で事象を見る大切さを説いた▼地域にゆかりの深い画家の作品など約50点を展示、かつての気仙沼の風景を伝える。建物や道路の復興が進む古里の過去と未来、失ったものと希望。三陸の光と風と共に、当地で「見て」ほしい。企画展は26日までと残りわずか。

京都府内21万人超に避難勧告 台風20号、強風で転倒けが人も
 台風20号は23日夜、京都府内に接近し、24日午前0時現在、福知山、舞鶴、綾部、宮津の4市で計約21万4千人に避難勧告が発令され、向日市と久御山町を除く府内24市町村で、自主避難を含め少なくとも計1099人が避難した。
 府内全域に大雨、暴風警報が発表され、市町村は夜間の台風通過に伴い、早めの避難を呼び掛けた。西日本豪雨の被災地を中心に住民が避難所に詰めかけ、福知山市で288人、舞鶴市126人、綾部市118人、京都市でも25人が避難した。
 南丹市園部で23日午後11時24分に観測史上最大となる最大瞬間風速25・9メートルの強風が吹き、京都市でも午後10時54分に同24・4メートルを観測した。
 京田辺市消防本部によると、午後9時50分ごろ、宇治田原町内で女性(62)が強風にあおられて転倒し、右手首を負傷した。
 関西電力によると、午後11時までに京都市左京区などで延べ2880軒が停電した。京都地方気象台は25日午前0時までの24時間で最大200ミリの雨を予報し、24日午前中まで大雨や暴風への警戒が必要としている。


2才児発見、尾畠春夫さんが説くボランティアとしての心がけ
 山口県周防大島町で行方不明となった2才の男児、藤本理稀(よしき)ちゃんを発見した「カリスマボランティア」として一躍、時の人となった尾畠春夫さん(78才)。
 軽ワゴン車に食料や水、寝袋を積み込み、助ける側から一切、力を借りないことが信条だ。「自己完結するのが真のボランティアだ」と尾畠さんは語る。
「もちろん対価や物品、飲食、これらは一切いただきません。決して“してやる”ではなく、“させていただく”の気持ちで私は臨んでいます」(尾畠さん、注がなければ「」内以下同)
 決して経済的に恵まれているわけではない。
「私の収入は国民年金だけ。月に5万5000円です。お金がないなと思ったら、朝ご飯だけ食べて、昼と夜は食べない。それだけのことです」
 阪神・淡路大震災(1995年)をきっかけに、日本でもボランティアが浸透した。しかし、最近は「モンスターボランティア」という言葉がある。ベテランのボランティアが語る。
「中には“ボランティアすれば就活に有利だから”といってスニーカーにTシャツといった軽装でやって来て倒れる若者や、夜になって『私の宿はどこですか?』と聞く人もいます。人に感謝されやすい、目立つ仕事だけをやりたがって、汚れ仕事を嫌がる。仲間うちで盛り上がって、がれきを前に笑顔で記念写真を撮る人もいました」
 この7月中旬、西日本豪雨被災地の岡山県倉敷市にボランティアで訪れた高知県の町議が酒を飲んで、小学校の避難所に無理やり泊まり、自衛隊が仮設した風呂にも入浴するというトラブルもあった。
 女性セブン記者が「被災地には目に余るボランティアもいませんか?」と尋ねると、それまで笑顔で取材に応じていた尾畠さんが「私は人のことはあれこれ言わない。ノーコメント」と顔を曇らせた。「日本のボランティアの質の向上のため、どうか話してほしい」と食い下がると、尾畠さんは居住まいを正し、こう話した。
「東日本大震災の直後、私は避難所となっていたアリーナにいました。本来、1000人しか収容できないアリーナに1800人が避難していて、本当に満員だった。足も伸ばすことができず、女性は正座を強いられていた。そんな現場でやっと来た炊き出しに、数人のボランティアが並んで、食べていたんです。“あーっ”と思いました」
 100人分の炊き出しがあっても1人のボランティアが食べれば99人分に減る。避難所でも1人分の寝場所が減る。それに気づかない人がいた。
「それでも私は何も言いません。私も一介のボランティアだからです。もちろん、『どうしたらいいんでしょう』と聞かれれば答えますが…」
 トレードマークの赤いハチマキやツナギにも意味がある。
「地味な色では元気が出ませんし、山で捜索するときは目立った方がいい。あまり言いたくないですが、被災地ではどさくさに紛れてドロボウが出ることもある。だから、わざと目立つ服装をしています。私は怪しい人間じゃないぞ、とね」
 尾畠さんが被災者に接するときに大切にしていることがある。
「ボランティアは被災者に根堀り葉堀り聞かないことです。家が流されたかもしれないし、ご家族が亡くなったかもしれない。これからの生活に途方に暮れているかもしれない。自分が被災者だったら、あれこれ聞かれるのは嫌だなと思うんです。聞くことはたった1つ。『おけがはなかったですか?』。この一言だけです」
 もちろん、話を聞いてほしいという人がいれば、徹底的につきあう。
「東北の震災で、浮かない顔をしたかたがいて、もし悩んでいることがあれば話してくれませんかと言ったことがあります。聞くと、倒壊しそうな家の中に、“親の形見の琴”を残してきたそうです。とび職の経験を生かして、取ってきてあげたら、たいそう喜んでくれました」
 尾畠さんと一緒に活動をした経験がある南三陸町社会福祉協議会の三浦真悦さんの話。
「尾畠さんが特別なのは、“被災者の気持ちに寄り添える”こと。『思い出探し隊』では、誰が写っているかわからないような写真でも、“すべての写真1枚1枚に思い出がある”と、とても丁寧に集めて、汚れを落としていたのが印象的でした。尾畠さん、以前はお酒が大好きだったそうです。でも、『東北から仮設住宅がなくなるまで断酒する』と、今も気持ちを寄せてくれています」
「かけた情けは水に流せ、受けた恩は石に刻め」──それが尾畠さんの座右の銘だ。苦労を苦労とも思わないのは、若いときにつらさを乗り越えたゆえか。彼の精神から学ぶべきことは多い。


障害者雇用水増し/罪深い旗振り役のごまかし
 国土交通省や総務省などの省庁が40年以上にわたり、障害者雇用促進法で定められた障害者の法定雇用率を水増ししていた実態が判明した。障害者雇用を率先垂範する立場の行政機関の背信行為に憤りを禁じ得ない。
 民間企業は法定雇用率を下回った場合、納付金が求められる。他の規範となるべき中央省庁がこれでは、障害者や企業に示しがつくまい。
 しかも一部では制度の理解不足によるミスではなく、意図的に不正を行っていた疑いがある。行政の信頼を損なう裏切り行為で、制度への信頼も揺らぎかねない。
 障害者の法定雇用率は従業員が45.5人(短時間雇用者は0.5人と計算)以上の企業が2.2%なのに対し、雇用の旗振り役を担う国や自治体は2.5%と高く設定されている。ともに4月に0.2ポイント引き上げられ、さらに2020年度末まで0.1ポイント上乗せされる。
 国は障害者雇用の推進を掲げながら、一方で、雇用率の水増しという不正によって長い間、障害者の就労機会を奪ってきたことになる。各省庁は厳しく責任が問われよう。
 厚生労働省のガイドライン(指針)では、雇用率に算入できるのは障害者手帳を持っている人か、医師の診断書などで障害を認められた人に限っている。だが、各省庁は障害者手帳などを確認せず、障害の程度が軽い職員らを算入していた。
 ずさんな算定がまかり通った要因の一つは、チェック機能の欠如だろう。制度を所管する厚労省は真偽を確認しないまま、各省庁から報告を受けるにすぎなかった。徹底的な調査とともに、再発防止策を早急に検討するべきだ。
 省庁からは「拘束時間が長く、国会対応など突発的な仕事が多いため」などの言い訳が漏れる。責任逃れにすぎず、そうした発言自体、障害者雇用に後ろ向きな省庁の姿勢が透けて見える。
 水増しは地方自治体でも広く行われていた。東北では秋田、宮城、山形、福島の各県などが不適切な算定を認めた。多くの自治体で、指針に沿わない不正が常態化していたということだろう。
 こうした水増し問題への企業側の憤り、反発は大きい。障害者雇用で今後、企業の協力を得られにくくなるのではないかと心配だ。
 省庁に限らず、社会全体が障害者雇用について理解を深めることも大切となる。障害者の職場定着に向けた各種制度が用意されているが、十分に活用されているとは言えない。障害者自立支援法で市町村に設置が義務付けられている「自立支援協議会」も機能していない地域が多い。
 先進地の成功例は行政と企業、支援機関のネットワーク構築の重要性を教えている。雇用率の数値だけにとらわれず、障害者が能力と適性に応じて働き、自立した生活を送れる社会を目指したい。


障害者雇用水増し/徹底的に調査し全容解明を
 障害者への差別をなくし、就労機会の拡大を主導すべき立場にある公的機関による信じがたい行為であり、国民、障害者への裏切りというしかない。
 中央省庁や複数の地方自治体が雇用する障害者の数を水増ししていたことが明らかになった。障害者手帳を持たない職員を合算する手法が使われ、その規模は中央省庁だけで数千人に上るという。
 障害者雇用促進法は、障害者の就労の場を広げるために、国や地方自治体などに一定の割合の障害者を雇うよう義務付けている。今回の水増しは、法定の雇用率について、障害者が働きやすい環境づくりなどを通じて達成することを放棄し、数合わせを優先した不正行為である。徹底的に調査して全容解明を進めなければならない。
 厚生労働省は2006年4月作成のガイドライン(指針)で、原則として雇用の対象を身体、知的、精神の障害者手帳を持つ人らと明記している。しかし、多くの省庁はそれを無視し、障害者の範囲を都合良く拡大解釈した。「視力が弱い」「健康診断で異常を指摘された」などという職員を身体障害者とみなし、見せかけの雇用率を厚労省に報告していた。
 それらの報告を、障害の程度などを正確に反映したものなのかどうか検証できなかったことは制度の欠陥だ。長年の不正により、障害者が本来なら得られた働く機会を奪われた可能性がある。再発防止策を講じて、適正な障害者雇用の実現に努めなければならない。
 同法は民間企業にも適用されており、雇用率を達成できなかった企業は、実質的に罰則に近い形で不足分1人当たり月4〜5万円を国に納めている。公的機関についても報告を確実にチェックし、目標未達ならペナルティーを科すような機能を早急に整備したい。
 県と県教委も水増ししていたことが分かった。かつては、それぞれが指針に従い、障害者手帳を持つ職員数で雇用率を出していた。
 しかし、県教委は国から雇用率改善を勧告された12年度の翌年から、手帳の所持にかかわらず、障害の有無を自己申告してもらう職員アンケートの結果を雇用者数として算定する手法に切り替えた。県も雇用率を達成できなかった14年度の翌年から、県教委と同じ手法の採用を始めた。水増しの総数は延べ282人に及んでいる。
 担当者は「不正や虚偽の認識はなかった」などと釈明している。ではなぜ、指針に従う形での報告を続けなかったのか。法令を順守する公務員として正しい行動だったのか、よく考えてほしい。


障害者雇用水増し  “先導役”の甘すぎる認識
 中央省庁や地方自治体で、法律で定められた障害者の雇用を実際よりも水増ししていた事例が相次ぎ発覚している。障害者手帳の交付に至らない、障害の程度が軽い職員らを算入するといった手法が、1976年に身体障害者の雇用が義務化された当初から続いていたという。
 障害者雇用の先導役であるべき公的機関で、ずさんなやり方がまかり通り、その結果、働く意欲を持った障害者の雇用機会も奪ってきたことになる。障害者やその雇用に努力してきた民間企業に対する重大な背信行為である。
 障害者雇用促進法は、就職で不利な扱いを受けがちな障害者に活躍の場を広げる狙いで、企業や役所に対して一定割合以上の障害者雇用を義務付けている。国や自治体はその模範となるべく、企業よりも0・3ポイント高い2・5%(3月末まで2・3%)の法定雇用率が課されている。
 水増しは、本来必要な障害者手帳がないにもかかわらず、厚生労働省のガイドラインで指定されていない医師が作成した診断書など無効な文書を基にして障害者数に算入したり、健康診断で異常があった職員を障害者とみなしたりした事例も含まれる。
 国は昨年6月時点で、33行政機関で約6900人を雇用し、平均雇用率が2・49%としていた。だが、水増しは数千人規模に上る見通しで、実際の雇用率が1%に満たない省庁も少なくないという。
 ずさんな運用が見逃されてきた背景にあるのは、チェック体制の甘さだ。民間企業は3年に1度、障害者数を算定する根拠とした文書の点検を受けるが、中央省庁にそうした仕組みはない。
 法定雇用率が未達成の企業は納付金を徴収されている。厚労省は民間に厳しいルールを課しながら、身内である役所の水増しを見抜けない状況が続いてきたことになる。
 雇用率の水増しは、2014年にも独立行政法人・労働者健康福祉機構(現労働者健康安全機構)で発覚した。その際、厚労省は他の独立行政法人の運用実態は確認したというが、省庁について詳しく調べることはなかった。あまりに対応が甘すぎよう。
 同様の事例は地方自治体でも続々と判明している。岡山市教委は、障害者手帳や指定医らの診断書を確認しないまま教職員22人を計上していた。本人には伝えず、病気やけがで長期休職する際に提出された診断書などを基に障害者と判断していたという。
 各省庁や自治体は、水増しの有無や規模を早急に調査し明らかにしてもらいたい。その上で、実効性のあるチェック方法の導入など再発防止の手だてを講じる必要がある。
 昨年来、障害のある人が働く就労継続支援A型事業所の閉鎖が倉敷、高松市などで相次ぎ、多くの人が解雇されて社会問題にもなっている。障害者の雇用環境の在り方も改めて問われよう。


沖縄の基地負担 本土の知事も共感を
 沖縄県名護市辺野古への米軍新基地建設に関し市民団体が行った全国知事アンケートで、全知事の約四分の一が沖縄の基地負担は「過重」との認識を示した。痛みへの共感をさらに広げたい。
 アンケートは、基地負担を本土が分かちあおうと呼び掛ける学者や市民で作る「辺野古を止める!全国基地引き取り緊急連絡会」が沖縄県を除く四十六都道府県知事に郵送で行い、八月上旬までに三十九道府県から回答があった。
 「米軍基地の沖縄負担は過重か」の問いに、全国知事会長を務める上田清司埼玉県知事ら十二人が「過重」と回答。川勝平太静岡県知事は「限界の様相を呈している」と付記した。このほか、群馬、福岡、鹿児島県知事は、回答を選択しなかったものの、自由記述で「大きな負担をしていただいている」などの認識を表した。
 「(本土側でも)訓練受け入れなども含め平等に基地負担をした方が良いか」には大分、宮崎両県知事がそう思う、と踏み込んだ。そう思わない、とする達増拓也岩手県知事は「日本全体の負担軽減のため国外移設を」と訴えた。
 そのほかの大半の知事は「安全保障は国の専管事項でありコメントする立場にない」と、無回答や「どちらともいえない」と回答の選択を避ける傾向だったものの、沖縄に寄り添う姿勢の知事が増えているのも事実だ。
 同じ質問でないため単純に比較はできないが、同連絡会が昨年行った知事アンケート(四十二道府県が回答)では、沖縄の米軍基地について「縮小すべきだ」と答えた知事はわずか四人だった。
 背景には、八日に亡くなった翁長雄志沖縄県知事の呼び掛けで一昨年、全国知事会に「米軍基地負担に関する研究会」が設置されたことも影響しているだろう。その議論を踏まえ知事会は七月、日米地位協定の抜本改定などを求める提言を全会一致で決議している。
 これまで米軍基地問題に対しては、基地のある都道府県(現在は十五)で作る渉外知事会が主に対応してきたが「基地なし」県にも理解が広がっている。
 沖縄の米軍基地は、本土からの移転で偏在が顕著になった歴史もある。翁長氏はかねて「沖縄県にのみ負担を強いる日米安保体制は正常といえるのか。国民のすべてに問いかけたい」と述べてきた。
 私たちそれぞれが真摯(しんし)にその問いを受け止めれば、知事を、そして政府を動かす力になるはずだ。


在日米軍2世・玉城さんが沖縄県知事になるのは意義がある
「あなたの国(米国)の血が私には2分の1流れている。だから私の言うことは半分は聞いて頂く。残りの半分は日本政府に聞かせる」(玉城デニー衆議院議員)
 これは20日、玉城さんが「田中龍作ジャーナル」の単独インタビューで米国との向き合い方について尋ねられ、答えた言葉。
 お亡くなりになった翁長沖縄県知事は、亡くなる数日前、後継を誰にするのか録音テープを残していたみたいだ。2名の名が挙げられており、そのひとりが玉城さんだったわけ。
 記事によれば、〈玉城は米兵の父とウチナンチュの母との間に生まれた〉という。つまり、在日米軍2世ってこと。
 その玉城さんが新基地建設反対を掲げ沖縄県知事になるのは、意義があることだと思う。
 冒頭の発言の通り、この人は、米国にも日本政府にも、躊躇することなく、沖縄の民意を堂々と伝えるのだろう。
 日本政府は米国に何もいえないし、地方自治体の長は日本政府に何もいえない。民意を受け政治家になった者は、その民意を裏切ってはいけないってのに。民意より重いものがある政治家なんて、その存在に意味があるのかしらん?
 それにしても、沖縄の男はカッコイイな。
 今年の平和宣言で故・翁長氏はこう言ったんだよ。
「私だけは政治的に死んでも肉体的に滅んでも、沖縄を代表して言いたいことを言おうと思いました」
 さんざん政府に虐められてなお、最後にこの台詞を言えるのはすごい。あたしは翁長知事から、死してなお曲げられない正義というものを教えてもらった。
 沖縄はこの国の縮図だ。「私だけは」という翁長さんをひとりぼっちにしてはいけない。
 もちろん、その後継になるだろう人のことも。巨大な力に立ち向かうため、彼らに寄り添い支えなくては。
 自分のために政治家をやっているやつばかりだから、彼らは特別輝いて見える。


安倍自民が恐々 安室9.15ラストライブで語る“メッセージ”
 安倍首相が3選を狙う自民党総裁選(9月7日告示、20日投開票)の10日後に実施される沖縄県知事選(9月13日告示、30日投開票)。県民世論を無視し、米軍普天間基地の辺野古移設に突き進む安倍政権は、知事奪取に向け死に物狂いだ。迎え撃つ“翁長陣営”は自由党の玉城デニー衆院議員の擁立に動き、「オール沖縄」の再結集を急ぐ。そうした中、安倍自民がピリピリしているのが、国民的人気歌手の安室奈美恵の動向だ。
 9月16日に歌手活動を引退する安室は、存命中の翁長雄志知事から5月に県民栄誉賞を贈られた。翁長の急逝に接すると、追悼文を発表。その内容は真情あふれるものだった。
〈県民栄誉賞の授賞式でお会いした際には、お痩せになられた印象がありました。今思えばあの時も、体調が優れなかったにも関わらず、私を気遣ってくださり、優しい言葉をかけてくださいました。沖縄の事を考え、沖縄の為に尽くしてこられた翁長知事のご遺志がこの先も受け継がれ、これからも多くの人に愛される沖縄であることを願っております〉
 所属レコード会社に促されたわけではなく、安室サイドが自主的に発したものだという。
「ハッとさせられたのが、〈翁長知事のご遺志がこの先も受け継がれ〉というくだりです。安室さんが辺野古移設阻止に向けて闘った翁長知事の政治姿勢を支持しているのは明白でしょう。移設反対派にとって非常に心強いこの言葉をNHKはバッサリとカットして放送していた。それだけ、安室さんの発言には影響力があるということ。安倍政権に忖度したのでしょうが、沖縄で安室さんの追悼メッセージを知らない人間はいませんよ」(県議会関係者)
 その後も安室は積極的に動いている。沖縄県の観光ブランド戦略推進事業「Be.Okinawa」に無償協力。観光をはじめとする経済振興策を推し進めた翁長の遺志に寄り添うかのようである。
 引退前日の9月15日はラストライブが決定。普天間基地を抱える宜野湾市の沖縄コンベンションセンター展示棟(5000人収容)で開催される音楽ライブに出演し、反戦ソングでも知られるBEGINやMONGOL800が共演する。ともに同郷の仲間だ。
「安室さんは単独ライブでもほぼトークをしないほど口下手ですが、共演者との掛け合いの中で故郷へのさまざまな“思い”を口にする可能性は大きい。宜野湾市は自公が推薦する佐喜真淳前市長のお膝元です。知事選告示2日後にそのド真ん中で声を上げられたら影響は避けられない、と陣営は戦々恐々だといいます」(在沖メディア関係者)
 安倍自民は党本部職員を次々に送り込み、国政選挙並みの態勢で臨んでいるという。
 沖縄県政に詳しいジャーナリストの横田一氏が言う。
「安室さんがひと言発するだけでも、佐喜真陣営の票を切り崩すのは必至。ましてや、〈翁長知事に捧げる曲です〉とでも言及すれば、自公にとって破壊的な効果をもたらすでしょう」
「弔い合戦」はまさに総力戦の様相を帯びてきた。


沖縄知事選で自公推薦 佐喜真氏の本性はバリバリのタカ派
 沖縄県知事選(9月13日告示、30日投開票)に自民、公明両党の推薦を得て出馬する前宜野湾市長の佐喜真淳氏(54)。
 佐喜真氏は選挙戦の最大の争点である米軍普天間基地の名護市辺野古への移設について、いまだに明確な賛否を示していないが、過去の言動を見ると、その“本性”はよく分かる。
 佐喜真氏は1988年に千葉商科大学を卒業後、フランスに留学。旅行会社勤務を経て、2001年の宜野湾市議選で初当選。
 06年、市議2期目の途中で沖縄県議選に出馬して当選を果たすものの、やはり2期目の途中の12年に宜野湾市長選に立候補。辺野古移設に反対する元職の伊波洋一氏にわずか900票差で競り勝ち、市長に就任。16年に再選したが、14日、県知事選出馬のために市長を辞職した。
 バリバリのタカ派の顔が透けて見えるのは、10年9月、衆院第2議員会館で開催された日本会議主催の「これでいいのか日本!守れ尖閣諸島緊急集会」。
 当時、下野していた安倍首相や三好達日本会議会長(当時)などタカ派のメンメンがずらりと顔を揃える中、佐喜真氏は沖縄の代表として出席し、こう訴えていた。
「なぜ政府や国会議員は(尖閣の)現場に駆けつけないのか。現場の声を聞こうとしないのか」
 14年1月に宜野湾市民会館で開かれた「沖縄県祖国復帰42周年記念大会」では、閉会の辞を任された際に「日本人の誇り」を連呼。
 ちなみにこの大会では、30人ほどの園児が壇上で一斉に教育勅語を唱和する異様な光景が、ネットで話題となった。
 沖縄県民の多くが「NO」を突き付けている辺野古移設について、佐喜真氏はどう思っているのか。
 宜野湾市議会議長を務めた経験を持つ父の博氏を電話で直撃すると、こう答えた。
 ――息子さんが出馬する県知事選挙についてどう思うか。
 もう引退したのでそういうことはちょっと……。
 ――安倍政権が強行する辺野古移設については。
 勘弁してください。
 沖縄県民の賢明な判断を期待するばかりだ。


オスプレイ訓練 住民不安は置き去りか
 陸上自衛隊は、米海兵隊の輸送機オスプレイも使用して、9月に道内で行われる日米共同訓練の概要を発表した。
 今回は、前回の北海道大演習場(恵庭市など)に、上富良野演習場(上川管内上富良野町など)と矢臼別演習場(根室管内別海町など)を加え、3演習場を広域で飛行する訓練を行う。
 オスプレイは昨年8月、オーストラリア沖で3人が死亡する墜落事故を起こし、その後も国内で緊急着陸などのトラブルが続く。機体の安全性に対する疑問は払拭(ふっしょく)されていない。
 道民の不安を無視して飛行区域を拡大し、訓練を既成事実化することは認められない。
 訓練の目的として日米両政府が説明してきた「沖縄の負担軽減」にも疑問符がつく。
 オスプレイの訓練も基地も、国外で住民被害の恐れのない場所に移すべきだ。
 道内でのオスプレイ訓練は昨年8月に初めて行われ、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)に所属する機体のうち4機が飛来した。
 今年は訓練場所が一気に3カ所に広がり、給油や補給を行う拠点も、昨年の米軍三沢基地(青森県三沢市)から陸自帯広駐屯地(帯広市)に移される。
 広大な演習場があり「訓練適地」とされる道内で、訓練の恒常化を図る狙いがあるのだろう。
 米海兵隊が運用する機体は、重大事故の発生率が昨年9月末時点で、普天間飛行場に配備される前の約1・7倍に上昇している。
 演習場間を飛行するルートには市街地の上空が含まれることが想定され、事故が起きれば大惨事につながりかねない。
 昨年の道内訓練の期間中に行った宜野湾市の調査では、普天間飛行場の米軍機の発着回数や周辺の騒音などに変化はなかった。
 沖縄の負担軽減を口実に、オスプレイの活動範囲を広げるようなやり方は受け入れられない。
 オスプレイは、米空軍の5機が10月1日に横田基地(東京都福生市など)に配備されることが決まった。沖縄以外の在日米軍基地への配備は初めてで、日常的に首都圏の上空を飛ぶことになる。
 道内訓練も含め、いつどこを飛行するかといった詳細は明らかにされない。米軍の意のままに、危険な機体が日本国内を飛び回ることへの心配は尽きない。
 政府は、住民の懸念を米側に伝えたのか。現状は、米軍の言いなりとみられても仕方あるまい。


[バスケ選手が買春]代表の恥ずべき行為だ
 ジャカルタ・アジア大会のバスケットボール男子日本代表選手4人が、ジャカルタ市内で買春していた。
 4選手は公式ウエアを着用したまま午後10時から外出し飲食。午前0時ごろ現地の女性に声をかけられ、ホテルで性交渉した。女性1人あたり日本円に換算し約9千円を支払ったという。言語道断だ。
 ジャカルタ特別州の条例で買春行為は、禁錮刑または罰金刑に相当する。4選手は現地警察からの聴取は受けていないというが、違法行為は明らかだ。
 4選手は代表認定を取り消され帰国。記者会見で謝罪した。買春について「いけないこと」との認識はあったとうなだれたが、「浮かれた気持ちでそういう経緯に至った」と説明した。一人は「日本の国旗が描かれたTシャツを着てするべき行為ではなかったと深く反省しております」と頭を下げた。
 外国という場所での解放感で買春行為に走った安直な行動への後悔や、日本代表という立場にいながら買春に及んだ社会的影響の大きさに対する謝罪の言葉を繰り返した。
 一方で、買春行為そのものを反省したり、相手の女性たちについて言及したりすることはなかった。
 バスケ男子日本代表は残り8人で試合を続行。格下を相手に苦戦を強いられるなど、影響は大きい。日本バスケットボール協会は、第三者委員会を立ち上げて処分を決める方針で、協会の監督責任をはじめ4選手へ厳しい処分が下されるのは当然だ。
■    ■
 日本人男性の買春を巡っては1970年代から80年代にかけて、東南アジアへの「買春ツアー」が国際問題となった。85年の国連婦人の10年世界会議では、インドネシアやパキスタンの女性たちが「日本人男性の買春行為は日本全体の責任」と強く批判した。
 こうした「外圧」によって買春ツアーは表舞台から姿を消したが、実態はどうか。
 今回の買春は、これらの問題が決して過去のものではないことを示している。インドネシアの言葉を知らない選手たちに女性たちを紹介したのは、現地にいる日本人だった。
 多くの売春の背景には貧困や暴力がある。戦後まもなく施行された日本の売春防止法も、貧困のため売春する女性たちを保護し更生させる目的でできた経緯がある。
 東南アジアでは近年、子どもの被害も深刻で、買春はそこに加担する行為だ。欧米では数十年前から、最近はアジアの国々でも厳罰化が進む。
 日本では99年、児童買春が罰せられるようになったものの、成人に対する罰則はなく、買春対策は遅れていると言わざるを得ない。
■    ■
 バスケ男子日本代表にとってアジア大会は、東京五輪出場へのアピールの場だった。買春問題がフェアプレー精神をうたう五輪出場の資格獲得に、大きな足かせとなったのは間違いない。
 賭博やパワハラ、不正判定など相次ぐスポーツ界の不祥事を見れば、まずは足元を見直すべき時だ。


大丈夫なのか 東京五輪翼賛で醸成される“国家総動員体制”
 まるで戦時体制に向かっているようだ――。東京五輪組織委員会や環境省、東京都などが推進している「都市鉱山からつくる! みんなのメダルプロジェクト」。廃家電などを回収して集めた貴金属から金銀銅メダル約5000個を作る計画なのだが、現時点で銀だけが不足しているという。
 そこで、政府が問題を打開するために協力を呼びかけたのが、全国の小中学校だ。
「五輪選手団を迎える『ホストタウン』の自治体(約230)を対象に、内閣官房から小中学校での回収ボックス設置の協力を呼びかけました。ただ、回収増だけが目的ではなく、五輪機運を醸成するためでもあります。メダルプロジェクトを通じてリサイクル事業の大切さを知っていただけたらと思います」(環境省リサイクル推進室)
 金メダルは銀メダルの表面に金メッキを張って作られるため、必然的に銀の必要量が多くなるという。それにしても政府がわざわざ号令をかけるなんて、平成の「金属類回収令」だ。
 加えて、文科省とスポーツ庁は先月、大学生のボランティア参加を促すために、全国の大学に大会期間中の授業や試験を変更できる旨を通知。廃家電の「供出」呼びかけといい、過酷なタダ働きをさせられる「ボランティア」の募集といい、まるでスポーツの祭典を名目にした国家総動員じゃないか。スポーツジャーナリストの谷口源太郎氏がこう言う。
「大会組織委の森喜朗会長が東京五輪で目指しているのは、オールジャパン体制ですし、スポーツ精神を滅私奉公だと言ってはばかりません。こうした言動は、まさに国家総動員を象徴していると思います。政府がこのような精神に基づいて東京五輪の開催へと突き進んでいるので、ますます国家主義的な体制が強化されていくのではないでしょうか。放映権料を払ったマスコミなどは、五輪翼賛報道へと突っ走っています。五輪に反対すると『非国民だ!』と言われかねない風潮が醸成されていると思います」
 小池都知事も2016年の知事選前に五輪の経費について、「個人の資産もご協力をお願いするということを図っていきたい」などとトンデモ発言をしていた。
 一事が万事こんな調子だから、東京五輪を巡って、これから政府が国民に何を言い始めるか分かったもんじゃない。


公務員定年延長  官民格差広がらないか
 人事院は、国家公務員の定年を60歳から段階的に65歳まで引き上げるよう求める意見書を国会と内閣に提出した。
 少子高齢化で労働力確保が難しくなる中、意欲と能力のある高齢者が働ける環境をつくるのは官民共通の課題だ。
 しかし、定年延長を採用する民間企業はまだ2割に満たない。大半はいったん定年退職してから継続雇用する制度で対応している。
 こうした実態を踏まえなければならない。民間での定年延長導入の環境が整わないまま、国家公務員だけ先行すれば労働環境の官民格差が広がる恐れもある。
 不公平感を生じさせない方策が前提となる。民間企業の実態を丁寧に調査し、そのモデルとなるような仕組みを目指すべきだ。
 人事院が定年引き上げを求めた背景には、民間の再雇用に当たる再任用職員の増加がある。
 国家公務員は年金支給開始年齢の65歳引き上げに伴い、定年後の採用制度として希望者全員を再任用することが義務化されている。
 本年度の再任用は約1万3千人で、この5年で2倍に増えた。定員を安易に増やせないため再任用の65%は短時間勤務だ。
 給与の大幅減や地位低下によって不満が増し、行政サービスの低下を招きかねない、と人事院は指摘する。
 とはいえ定年後の給与減少は民間も同じだ。これらを理由に公務員だけ定年延長を急ぐことは国民の理解が得られまい。
 検討すべき課題は多い。
 人事院は、60歳超の給与はそれ以前の7割程度に減らすことを提言した。
 これに関し「5〜6割に減らしている企業はざら」(厚生労働省関係者)との声がある。働き方改革関連法で企業に義務付けた「同一労働同一賃金」と矛盾することはないのか。仕事の内容が変わらない場合、給与は減らさない方向で制度設計すべきだ。
 60歳に達した管理職を下位のポストに降格させる「役職定年制」の導入を求めたが、定年延長とは関係なく検討してほしい。
 総人件費の膨張を抑えるためには、50代の賃金カーブや退職金の水準の見直しも求められる。
 政府は来年の通常国会での関連法案提出を目指す。実現すれば民間や地方自治体にも波及しそうだ。人事院の意見を機に「人生100年時代」の働き方や定年制度の在り方について官民一体で議論を深める必要がある。


最低賃金 格差是正へ環境整備を
 2018年度の地域別最低賃金の改定額が47都道府県で出そろった。全国平均で1時間当たり26円引き上げ、874円になる。過去最大のアップである。
 最低賃金は、企業が働き手に少なくともこれだけは支払わねばならない法定の額で、毎年見直されている。パートやアルバイトなどの雇用形態を問わず働く人全てに適用される。
 不当に低い賃金から働く人を守るセーフティーネットとして重要な役割を担っている。とりわけ働く人の約4割、2133万人に上る非正規労働者の賃金底上げに欠かせない。
 厚生労働省の中央審議会が7月、都道府県ごとに27〜23円引き上げるよう目安を示し、各都道府県の審議会が改定額を議論してきた。10月にも改定される見通しだが、多くの問題が積み残しのままだ。
 日本の最低賃金は水準自体が低い。時給千円を上回る他の主要国に比べて大きく見劣りしている。改定後の時給874円で週40時間働いたとしても、年収は180万円ほどにしかならない。ワーキングプア(働く貧困層)とされる年収200万円にも届かない。
 生活を安定させる意味合いでは、とても十分な額とはいえまい。過去最大の引き上げ幅だといっても、手放しでは喜ぶわけにはいかない。
 深刻な人手不足で中小企業にも賃上げが広がっているが、最低賃金に近い賃金水準を余儀なくされている人も少なくない。厚労省の調べでは、労働者全体の1割を超える。増加傾向にあるというから心配だ。格差は一気に是正できないかもしれないが、こうした人たちの賃金の引き上げを急ぐ必要がある。
 政府は昨年まとめた働き方改革実行計画で、最低賃金の引き上げ目標を「3%程度」とした。中央審議会が示した目安はこれに沿ったものだ。「官製」の色合いは濃いものの、都道府県ごとの改定額は結果的に3年連続で3%相当の引き上げになる見通しだ。
 着実に引き上げを実現しているように見えるが、大都市圏と地方の格差が拡大し続けている点も見逃せない。
 中央審議会は、都道府県ごとに四つのランクに分けて目安額を示している。最高額の東京都が27円引き上げて985円になるのに対し、最低額の鹿児島県は目安額より1円だけ上積んだ24円増の761円にとどまる。開きは現在の221円から224円に広がる。
 このままだと格差は年々広がってしまう。地方から賃金の高い大都市部へ働き手がますます流出しかねない。日弁連や一部の自治体からは「地域間の賃金格差をなくし、全国一律にすべきだ」という意見も出ている。ランク制の見直しを含め、幅広く議論を進める必要がある。
 最低賃金を持続的に引き上げていくには、経営体力の弱い中小・零細企業への配慮も欠かせない。政府は減税措置や助成金などで賃上げを積極的に支援すべきだ。大企業が中小企業に過度な値下げを要求する不公正取引の監視も強めたい。「下請けいじめ」を排除し、中小企業の収益向上につなげてほしい。
 政府には目標を掲げるだけでなく、中小企業が賃上げできる環境整備を後押しする政策の拡充が求められる。


飲酒運転事故 「悲劇根絶」の誓い新たに
 福岡県が飲酒運転の撲滅推進条例を制定したのは2012年である。全国で初めて罰則を設けた条例として注目された。
 飲酒に甘いとされる地域性を「社会風土」と指弾し、県、警察、県民一体の意識改革運動を展開してきた。
 制定の契機は、福岡市職員が幼いきょうだい3人を死亡させた飲酒運転事故だ。その事故からあすで12年となる。
 あろうことか、子どもたちの命日を前にした今月半ば、福岡県職員の保健師(44)が飲酒運転の疑いで逮捕された。
 県の聴取によると、保健師は休日の午後、同僚3人と福岡市内の居酒屋に入った。3次会まで飲酒を続けた後、1人で乗用車を運転して帰宅中に自損事故を起こした。酒席は6時間以上に及んだ。呼気中のアルコール分は摘発基準値の約4倍に上った。3次会以降は、運転したことを含め記憶がないという。日頃、自宅では飲酒しないが、外で飲むと記憶を失うことがあったと話しているという。
 12年前の事故の教訓や県民運動を踏みにじるような言語道断の不祥事だ。県は懲戒免職とした。当然であろう。
 全国の飲酒運転死亡事故は、昨年は200件余で、3児死亡事故当時の3割にまで減った。ただ最近は減少幅が小さく、下げ止まりのような状態で、危機意識の薄れが懸念されている。
 飲酒運転をする人の特徴と問題点は大きく二つある。
 第一は、摘発者のうち約3割は、アルコール依存症の疑いがあることだ。依存症は精神疾患である。日常生活の最優先事項が飲酒となる。飲まなければ禁断症状が出る。福岡の条例が摘発者に依存症の診断を罰則付きで義務付けたのはそのためだ。
 第二は、摘発者の6割近くは再犯という点だ。酒を飲めば多くの人は気持ちが大きくなり、正常な判断ができなくなる。自分だけは事故を起こさないという独り善がりの自信を持つ人も少なくない。酩酊(めいてい)した保健師もそんな状況に陥ったのだろう。
 依存症の患者はもちろんのこと、少しでも飲酒の習慣がある人はもう一度、立ち止まって考える必要があろう。自分にとって適正な酒量はどれほどか。運転免許を持つ者の責務として、自覚する必要がある。
 先の保健師のように飲むと記憶を失うようなケースなどには、何らかの医学的フォローも必要だろう。手頃な値段になった市販のアルコール検知器も積極的に活用したい。
 飲酒運転は重大な結果をもたらす悪質な犯罪だ。絶対にさせないという取り組みが一層求められる。「悲劇は根絶する」と社会全体で改めて誓いたい。


酷暑の甲子園閉幕 選手保護へ改革進めよう
 881。全国高校野球選手権大会で準優勝した金足農(秋田)の吉田輝星(こうせい)投手が6試合で投じた球数である。災害級の酷暑に見舞われる中、若者が身体の酷使を強いられる大会の在り方は、再検討が急務ではないか。100回の節目を終えた今を機に、投手をはじめ選手保護のルール整備を加速する必要がある。
 大会中の暑さは、やはり厳しかった。西宮市に近い大阪市のデータは最高気温がすべて30度を超え、猛暑日は計7日間。マウンド上の体感温度は40度を超えるという。正午時点の暑さ指数(WBGT)を早見表で割り出すと、「厳重警戒」(激しい運動中止)の28度以上が12日間あり、うち2日間は「運動原則中止」の31度。大会本部発表の熱中症、日射病の疑いがあった人は計343人に上った。
 暑さ対策や負担軽減の新たな試みはあった。給水タイムが設定され、タイブレークも初適用された。だが複数の投手の脚がつるチームがあったり、球審が熱中症で途中交代したりと、十分だったとはいえない。タイブレーク適用試合で184球を投じた投手もいた。
 投手の負担軽減には、球数、投球回数、間隔などの制限の検討が避けられないだろう。金足農は大会4日目から登場、決勝までは14日間。プロの先発投手なら中5日の場合、登板は3試合で、合計でも400球を投げることはまずない日数だ。その間に吉田投手は881球を投げた。
 投球制限はWBCが導入しており、来月宮崎県で行われるU18アジア野球選手権大会も採用、珍しくはなくなってきた。県内関係者にも「1人に頼る時代ではない」との声がある。
 実際、福井県代表の敦賀気比は福井大会を5投手が継投、負担を最小限にして勝ち上がった。また本大会優勝の大阪桐蔭は、柿木蓮投手の6試合の投球回を計36回に抑えた。体調管理にしっかり取り組んでいたからこその優勝といえる。
 複数投手育成は強豪校でこそ可能で、投球制限はチーム格差が拡大する―そんな反対意見はあるだろう。ただ、1人に頼る野球に限界があることは今大会の結果が象徴している。野球に取り組む子どもが全国的に減っている今だからこそ、選手保護を浸透させたい。
 格差については、日程緩和を組み合わせれば一定の配慮ができる。一例だが、準決勝と決勝の間を1週間空けてしまえば、投手は良好なコンディションで試合に臨める。序盤の暑さ対策はドーム球場併用やナイター開催などが有効だ。日本高野連は従来のやり方にとらわれずあらゆる知恵を絞るべきだ。地方大会の改革も当然必要になるが、まず本大会の見直しを進めることで波及していくだろう。
 帽子のつばに「マウンドは俺の縄張り」と書き込んでいた吉田投手。しかし、決勝で途中降板したときは「もう投げられない」と仲間に告げた。一番、口にしたくなかった言葉のはずだ。881の数字を重く受け止め、改革の具体的前進を図るときである。


原賠法の見直し 事故に備えられぬ原発は撤退を
 原発の重大事故のリスクから目をそらす政府の姿勢に憤りを覚える。
 内閣府原子力委員会の専門部会が、原発事故に伴う賠償の仕組みを定めた原子力損害賠償法について、事前に備える賠償金(賠償措置額)を現行の最大1200億円で据え置く方針を示した。秋の臨時国会に原賠法改正案を提出する見通しだ。
 東京電力福島第1原発事故では、既に8兆円を超す巨額の賠償金が生じている。現行の賠償措置額で対応できないことは明らかにもかかわらず、見直さなかったのは看過できない。政府が賠償責任にさえも真摯(しんし)に向き合わず、原発周辺住民らの不安を置き去りにしたまま原発の再稼働を進めることは断じて容認できない。
 現行の原賠法では、過失の有無にかかわらず、電力会社が上限なく全ての賠償責任を負うと規定する。賠償措置額の1200億円までは民間保険や政府補償で支払い、それ以上は国が援助する仕組みだ。
 福島原発事故では、賠償措置額を大きく超え、国が一時的に資金を肩代わりして東電に長期返済させる仕組みをつくって急場をしのいだ。今回、現行の原賠法の骨格がほぼ見直されなかったため、新たに事故が起きた場合、福島と同様の対応をとることになる。だが、福島の賠償は東電1社で賄うのではなく、四国電力も含めた電力会社も負担している。電力自由化などで競争が激化する中、今後も互いに協力する仕組みが維持できる保証はない。
 賠償措置額が据え置かれたのは、事故のリスクを負いたくない電力会社と政府の妥協の産物だ。電力会社は、経営環境が変化し、原発の安全対策費などの投資が増える中、さらに負担を増やしたくない思惑があった。政府も、補償の増額は国民負担につながるため、世論の反発を恐れて消極的となった。両者とも、事故の反省が全くみられないばかりか、自己都合があからさまであり、無責任に過ぎる。
 電力会社が賠償責任を上限なく負う「無限責任」は維持された。専門部会の議論の中で電力業界は、一定額以上は国が責任を持つ「有限責任」に切り替えるよう強く主張していた。事業の予見可能性に支障が出るとの理由だったが、電力業界が有限責任を求めること自体、福島原発事故と同規模の賠償は不可能だと認めているに等しかった。事故の備えも十分にできないような原発事業からは撤退するのが筋だ。
 四電は、司法判断で停止中の伊方原発3号機の運転再開を急ぎたい考え。しかし、四電は東電に比べ経営規模が格段に小さく、福島原発のような事故が起きれば、最悪の場合、経営破綻に追い込まれて住民らに十分な賠償ができない懸念がある。県や周辺市町は、原発の安全性のみならず、賠償面からも原発の運転再開の是非を考え直す必要がある。


サマータイム◆悪影響と混乱招きかねない◆
 夏場だけ時計の針を1〜2時間早めるサマータイム制度について、政府・与党が導入を検討している。2020年東京五輪・パラリンピックの暑さ対策が狙いで、省エネルギーや消費拡大の効果も期待されている。しかし、社会や経済活動など国民生活への影響があり、切り替え時の混乱が懸念される。システム変更のコストも大きな問題だ。既に実施している欧米では「健康に良くない」「省エネの効果が乏しい」などの理由で見直しの動きが広がっている。別の方策を考えるべきだ。
難点あり過去に廃止
 大会組織委員会の森喜朗会長が先月下旬、導入のための法整備を首相に要望した。20年7月24日に開幕する東京五輪に合わせた時限措置として、日本標準時間を現在より2時間早める案が浮上。これにより、男女マラソンで午前7時に設定しているスタート時間が実質的に午前5時に前倒しすることができる。
 サマータイムは戦後の1948(昭和23)年から実施されたが、「労働過剰になる」「寝不足になる」などと評判が悪く、52(同27)年に廃止された。90年代以降も何度か導入しようとする動きがあったが実現していない。やはり多くの難点が指摘されたからだ。
 サマータイムに切り替わって時計を2時間早めても、1日の生活パターンが変わるわけではない。出勤や退社などの時間割はこれまで通りである。電車や航空機のダイヤも変更されない。早朝の涼しい時間帯に社会活動が始まることで電力使用量が減り、余暇活動が活発になって個人消費の伸びも期待されるというのだが、極めて疑わしい。これまでサマータイムで明確な省エネ効果が表れたという調査結果もない。
暑さ対策に知恵絞れ
 最大の問題は、コンピューターなどのシステム変更に多大の労力と費用を要することだ。五輪までの準備期間が2年しかないことを考えると、万全の対応ができず、切り替え時に多数のトラブルが発生する恐れがある。
 日程上でも、秋の臨時国会に関連法案を提出する必要があるとみられ、検討の時間は限られている。あまりに唐突な提案だと言わざるを得ない。
 日本睡眠学会は、慣れるまでに時間がかかり睡眠時間が減るという弊害を指摘。2000年代初頭には欧州連合(EU)全域で一斉実施する法律が施行されたが、現在、存廃の検討を本格化させている。健康への悪影響が主な理由だ。
 大会組織委員会が掲げている五輪の暑さ対策なら、競技の開始時間を2時間早めるだけでよい。それでもなお、全国民に負担を強いるサマータイムを導入しようとするのは理解できない。暑さ対策に知恵を絞るしかないが、国民生活に混乱をもたらす対策では本末転倒だ。政府内や経済界にも否定的な見方がある。慎重な検討を求めたい。


日清食品 カップ麺容器のプラスチックを生分解性に
 日清食品ホールディングス(HD)の安藤宏基社長は24日、現在は紙や発泡スチロールを使用しているカップ麺の容器などを、自然に分解される「生分解性プラスチック」に2〜3年後をめどに順次変更していく方針を明らかにした。プラスチックごみによる海洋汚染が深刻化しており、環境保護の取り組みを強化する。
 この日は日清食品の「チキンラーメン」誕生60年を記念する記者会見が東京都内で開かれ、安藤社長は今後の商品開発で「栄養」と「環境保全」を重視すると発表した。環境負荷を低減するため、「袋麺の袋やカップ麺のカップなどを生分解性の素材へ置きかえていく」という。
 生分解性プラスチックは微生物などにより自然に分解されるため、「紙よりも環境に優しい」(同社)。しかし生産量が少ないため価格が高く、現段階で容器を置きかえた場合、カップ麺1個あたり数十円の値上げが必要になるという。安藤社長は「全面置きかえたいが、問題は価格。生産数量が増えればそれだけ安くなるので、積極的に採用し、包材メーカーには早く安くしてもらいたい」と話した。
 プラスチックごみを減らす取り組みは外食産業で広がっており、米スターバックスや国内のファミレス大手・すかいらーくHDがプラスチック製ストローの廃止を表明している。【今村茜】


ローラのユニセフへの寄付を夕刊フジが「セレブ気取り」と攻撃!社会貢献の足を引っ張る産経メディアのゲス
 事務所独立トラブルにもめげず、バラエティ番組で見る機会は減ったもののモデルやCMの仕事で大活躍をしているローラ。
 そんなローラが、今月12日にインスタグラムで、「Unicef Summer Gala」というユニセフ(国連児童基金)のイベントのロゴをバックに撮った写真とともにこんな投稿をした。
〈今回UNICEFのイベントに参加しました。わたしはいま頭の中が子供達や動物の幸せと地球をまもることでいっぱいです。それと調べるほど許せないこともたくさんあり、悲しい気持ちになります。今回は自分ができる事として1000万円を寄付する事にしました。まだまだ足りないです。何をするために生きているか何をしないといけないか冷静に考えて自分の感情を信じて生きて行こうと思います。リスクがあっても嘘のない、人にとっても地球にとっても幸せが続くことに精一杯力を注いで頑張っていきたいです。〉
 ユニセフのイベントに参加したことと、1000万円の寄付をしたことを報告したのだ。
 ところが、これに対して、夕刊フジ(ZAKZAK)が信じられないような難癖をつけている。
8月23日にZAKZAKが配信した記事は「迷走するローラ、どこへ行く? ユニセフ1000万円寄付に「セレブ気取り」の声も」というタイトルのもの。タイトルからして、イチャモン臭がプンプンだが、中身の記事もひどい。
 まず最近のローラについて、「環境問題に発言」したり「社会貢献活動にも関心がある」ことを、「迷走中」「これまでのキャラとは一変」とくさしてみせる。
 そして上述のユニセフに関するインスタ投稿について、「芸能サイト編集者」のコメントとして、こんなふうに非難したのだ。
「もちろん称賛する声があるのですが、一方では“セレブ気取り”“ほかにやることがあるのでは”といった批判も上がっているのです」
「ハリウッド作品に出演するなど海外志向を強めているローラだけに、その活動も海外セレブを意識しているのは確か。海外のスターたちは、稼いだカネを社会貢献活動に費やすことが普通ですから、そういった行動に感化されているのでしょう」
 ようは、ローラのユニセフへの寄付はセレブ気取りの行為で、他にやるべきことがあるなどと文句を付け、最後には「いったい、どこに行ってしまうのだろう」と記事を締めくくるのだ。
 夕刊フジのほうこそ、いったい、何を言っているのか。ローラがインスタで「わたしはいま頭の中が子供達や動物の幸せと地球をまもることでいっぱい」と書いていたように、ユニセフに寄付することは説明するまでもなく、厳しい環境におかれた子どもたちのことを思ってのもの。感謝されたり褒められるならわかるが、「迷走」「どこに行ってしまうのか」などと苦言を呈されることではない。
 だいたい「セレブ気取り」などと言うが、仮にローラが海外の仕事をしていくなかで、ノブレス・オブリージュの意識が浸透している海外セレブの姿勢を見習ったとして、何が悪いのか。仮に海外セレブを真似してのファッションだったとしても、何もやらないよりはよっぽどいい。それとも、夕刊フジ(ZAKZAK)は自分の資産を肥やすことだけを考えて、社会貢献や富の再配分のことなど微塵も頭にない日本の富裕層のほうが真っ当だとでも思っているのだろうか。さすがフジサンケイグループと言いたくなる。
 しかも、そもそもローラの社会貢献に対する意識は、最近「海外セレブを意識」してというようなものではまったくない。もちろん「迷走」などではなく、むしろ強い意志に基づいたものだ。それも、バラエティ番組で「オッケー」とお茶の間を沸かせてブレイクするよりはるかに前から、もち続けている確固たる信念だ。
ローラが語る「家族8人でアパート暮らしの子供時代」
 それがよくわかるのが、「ViVi」(講談社)2016年1月号に掲載されたロングインタビューだ。このインタビューのなかで、ローラは自身が長年抱いてきた夢について語っている。
「事務所に入った時に社長さんに話した夢というか、最終的な目標があって――。お金がなくて勉強できない子供たちってまだ世界にたくさんいて、その気持ちは私もすごくよくわかる。自分が苦労してきた部分でもあって、私にとってはすごく現実的なことだから。そういう人たちの役に立ちたいの。ずっとその想いは変わってなくて、これからはもっと積極的にやっていきたい」
 貧しさのために勉強や進学の機会を絶たれる子どもたちの役に立ちたい──。もちろんローラは、ハリウッドのセレブ女優を気取って慈善事業を口にしはじめたわけではない。それは彼女自身が語っているように、生い立ちにかかわる問題でもある。
 ローラはバングラデシュ人の父と、日本人とロシア人の親をもつ母親とのあいだに日本で生まれた。ご存じの通り、父は2013年に詐欺容疑で国際指名手配され、翌年、警視庁に出頭し逮捕されたが、ローラにとって父は優しく、大好きな存在だったようだ。そしてローラは1歳でバングラデシュへ渡り、6歳で帰国するが、当時のことを前述のインタビューでこう述べている。
「6歳の時にベンガル語しか話せない状態で初めて日本に来て、言葉が何も分からないまま小学2年生として学校に入ったの。だから、会話はジェスチャーで乗り切る。そんな感じだったのを覚えてるけど、不思議なことにまったく嫌な思い出はなくて、コミュニケーションを取れなくてすごく大変だったという記憶がひとつもないの。楽しかった!という記憶だけ。毎日ザリガニを取ったり、ドジョウすくいをしたり、神社に行って遊んだとか、たまごっちやリカちゃん人形で遊んでたなとか――」
 ローラはこのインタビューでは語っていないが、じつはこの間に父と母が離婚、その後、父は中国人の女性を妻に迎えている。「女性自身」(光文社)の記事によれば、ローラと双子の弟、継母と父のあいだに生まれた双子、継母の両親という家族8人でアパートに暮らしていた時期もあった。ローラは働く父と継母に代わって、小さな双子のきょうだいにごはんを食べさせたり、オムツを変えたりとよく面倒を見ていたという。
自己責任論が横行するなか「手を差し伸べる」大切さを訴えるローラ
 突然、言葉が通じない教室に放り込まれ、一方で家族関係も複雑に。だが、そんな苦労を自らは語らない。きっとローラにとっては「楽しかった!という記憶だけ」なのかもしれない。ただひとつ、彼女はこんなことを話している。
「中学2年の時に、友達にすごく一生懸命説明したのに『ちょっと何を言ってるのか分からなかった』って言われたのがすごくショックで、そこからかなり頑張って中3の頃には普通に会話も出来てたと思う」(前述インタビュー、以下同)
 ローラが「転機」と語るのが、高校時代のアルバイトだ。
「高校生になって、家のことも支えなきゃと思ってアルバイトを始めたんだけど、それはひとつの転機だった気がする。人と接することがさらに好きになったの。老若男女、いろんな人がお店に来て、そういう人たちとかかわれることが楽しくて、そこから一気に大人になっていったのかな〜って」
 このときのアルバイトとは、地元のホームセンターのことだろう。実際、ローラは2013年のブログでホームセンターへ変装して出向き、同僚と再会したことを報告。「うれしくて、なみだがとまらなかった。みんなだいすき」と綴っている。
 そうして渋谷でスカウトされモデルの世界に飛び込み、一躍“タメ口キャラ”でブレイクしたのは周知の通りだが、いまもローラには“もっと勉強をしたかった”という思いが強いのかもしれない。事実、ローラは地道に英語の勉強をつづけてハリウッドデビューを射止めたが、学ぶことが自分の可能性を広げるということを、彼女は身をもって知っているのだろう。
 家庭が貧しいために勉強ができない、進学できないという子どもたちの存在は、なにも発展途上国だけの話ではない。日本では6人に1人が貧困といわれているにもかかわらず、国立大も授業料を大幅値上げしたり、奨学金返済の金利は異常に高いままだ。だが、社会では「貧しいことを理由に進学できないと言うのは努力が足りないから」「貧乏でも努力をすればのし上がれる」などと自己責任論をぶつ人は相変わらず多い。
 しかし、子どものころから苦労を背負い、努力によって道を切り拓いてきたローラは、そんなことは言わない。
「今こうして私がここに居られるのは、差し伸べてくれる手があったり、諦めないでいてくれた人たちがいたから――。私も誰かのそういう手になりたいし、そのことを諦めたりもしたくない」(同前)
寄付を冷笑し、「若い女はおバカでいろ」という日本の保守
 このようにデビュー当時から「貧しい子どもの役に立ちたい」という強い意志を抱いてきたローラが、ユニセフに寄付することは、まさにその思いの実践のひとつだろう。しかも、ここ数年、独立トラブルに見舞われ決して順風満帆とは言い難い環境にあったと思うが、そうしたなかでも自分のことだけでなく「貧しい子どもたちの役に立ちたい」という思いを忘れずに貫いていることは、賞賛されこそすれ、「セレブ気取り」だの「迷走」だの、苦言を呈されたりバカにされたりするようなことではまったくない。
 さらに言えば、ローラがこの間、行動を起こしてきたのは、貧困問題だけにとどまらない。災害時に被災地に炊き出しボランティアに行ったり、日本ではまだ意識の低いプラスチックゴミ問題についても早くから声をあげたりしている。ローラが、社会問題に広くアンテナを張り勉強していることは明らかだ。
 日本では寄付やボランティア行為を冷笑する声もいまだ少なくないし、それ以上に、そうした行為を公にしないことを美徳とし、公表すると「売名行為」「セレブ気取り」などと非難されがちだ。しかし、発信力のある著名人が寄付や慈善活動を公言することは、社会問題を広く社会に周知したり行動を喚起するのに大きな力となる。だからこそローラは、日本である程度ネガティブな反応が出ることもおそらくは承知の上で、それでもあえて発信しているのだろう。
 実際ローラは、件のインスタ投稿でこうも綴っていた。
〈リスクがあっても嘘のない、人にとっても地球にとっても幸せが続くことに精一杯力を注いで頑張っていきたいです〉
 ローラの真っ当な意志と行動に比べて、「若くてかわいい女子」はおバカで社会問題に関心をもったり行動を起こしたりするなという、夕刊フジの保守親父的ミソジニー丸出し記事の下劣さが一層際立つ。
 ネット上の反応を見ていると、今回は幸いなことに、夕刊フジの記事に焚きつけられてローラを非難する人よりも、ローラにイチャモンをつける夕刊フジのほうを批判する声のほうが大きい。これを機会に「貧しい子どもの役に立ちたい」「頭の中が子供達や動物の幸せと地球をまもることでいっぱい」というローラの強い思いが、広く社会に共有されて欲しい。


大学側「危険」に学生側反発、京大寮退去で対立
 築100年を超える京都大の学生寮「吉田寮」(京都市左京区)の老朽化対策を巡り、京大と入居する学生が対立している。大学側は「地震で倒壊の危険性がある」として、9月末までに退去するよう通告。学生側は「歴史的な価値のある建物が壊されかねない」と反発し、一部は退去に応じない構えをみせている。
 ◆築100年超
 「具体案を示してほしい」
 「今出せば混乱する」
 7月13日、京大吉田キャンパスで開かれた学生の代表者と大学幹部による話し合いで、両者の主張は平行線をたどった。学生側は改修か一部を建て替える案を提案。大学は回答しなかったが、「学生との合意がなくても、やるべきことはやる」と強調したという。
 吉田寮は京都帝国大時代の1913年(大正2年)に建てられ、60年代には学生運動の拠点に。木造2階建て(約3000平方メートル)で、120室の和室はいずれも相部屋だ。2015年に建てられた西側の新棟も含め、約200人が入居する。


スーパーボランティア・尾畠春夫さんが語った「壮絶なる我が人生」 私が被災地に行く理由【前編】
週刊現代  齋藤 剛
お盆休みに、一躍注目を集めたスーパーボランティア・尾畠春夫さん。山口県周防大島町で行方不明となっていた2歳男児を発見し、連日ニュースに登場していた姿は記憶に新しい。現在、広島県呉市でボランティア活動を続ける尾畠さんに、週刊現代の齋藤剛記者が「被災地に行く理由」と「家族の話」を訊いた。
自然に人が集まってくる
山口県周防大島町で行方不明となった藤本理稀ちゃん(2歳)を捜索開始から30分で発見して、「時の人」となった尾畠春夫さん(78歳)。
スーパーボランティアと呼ばれるようになった尾畠さんは休む間もなく西日本豪雨の被災地である広島県呉市の天応地区でボランティア活動をしている。8月20日(月)、本誌記者も尾畠さんを追って、現地に向かった。
ボランティアが活動する被災地域に向かうと、尾畠さんの姿はすぐに見つかった。真っ赤なつなぎに「絆」「朝は必ず来る」などと書かれたヘルメットをかぶり、汗を流していた。
尾畠さんの姿を見つけるや、住民や他のボランティアが駆け寄って写真撮影を求める。尾畠さんは「10枚ならいいよ」と冗談を交え笑顔で応じていた。実際、接すると実にチャーミングなおじいさんであった。
取材の旨を伝えると、「遠いところからごくろうさんです、おやっさん。まぁ座ってください」と応じながらも、「でもね、ただの変わったおっちゃんですよ。自分なんて取り上げたら売り上げが落ちるよ」と笑う。尾畠さんは成人した男性のことを「おやっさん」、女性のことを「ねえさん」と呼び、「来る者は拒まず、去る者は追わず」が信条だという。
作業を終えた17時すぎ、避難所になっている小学校の校庭の端にある尾畠さんの拠点で、話を聞いた。木陰スペースにシルバーの軽ワゴン車をとめ、そこで寝泊まりしているのだ。
ちなみに、ここは撮影スポットにもなっていた。尾畠さんが活動で不在している日中は、住民やボランティアが次々と訪れ、車の中を覗き込み、記念写真を撮っていた。
尾畠さんが一人で拠点に戻ってくると、年配の女性が現れて差し入れの焼きそばを渡す。
「今日もありがとうございました。私は体が悪くて作業ができない。本当に感謝しています」
こう頭を下げる女性に対し、尾畠さんは「あれ、今日は泊まりに来たの?」とジョークを交えながら軽妙にやりとりする。尾畠さんが言う。
「善意を断るわけにもいかないでしょう。金銭は一切受け取りませんが、差し入れであればありがたくいただきます。ただ、どうお返ししていいのか。これが悩みです」
ボランティア仲間、住民、そしてマスコミ。自然と人を引きつける人柄はどこからきたのだろうか。尾畠さんに自らの人生を振り返ってもらった。
戦後の荒廃や復興、バブルも、すべて見てきた
生まれは1939年。78歳と8ヵ月です。戦前に生まれ、戦争を経験し、戦後の荒廃や復興、そしてバブルも経験した。いまとなってはあの時代に生まれたことに感謝しております。芋とカボチャばかり食う時期もありましたが、それも良き思い出です。
大分県の国東(くにさき)半島で生まれて、幼少時に現在の杵築(きつき)市に引っ越し、そこで育ちました。父は下駄職人で、主に桐の下駄を作って販売していました。商売は順調ではなかった。ちょうど履き物がゴム製品に変わる頃で、下駄の販売は下降線でした。
母は主婦です。実は母についての記憶は多くはありません。というのも、母は41歳で亡くなってしまった。私が小学5年生のときです。母の死は自分の人生にも大きく影響しました。父はもとより酒好きな人間でしたが、妻が逝き、何人もの子供を抱え、下駄は売れないという厳しい現実から逃れるためか、ヤケ酒に走ってしまった。
そして、そんな父によって、自分は農家に奉公に出されることになります。自分は7人兄弟の4番目。ですが、兄弟のなかで自分だけが奉公に出されることになりました。父からの説明は「お前は大飯食らいだから」というものでしたが、納得できるわけがありません。
だから、両親に影響を受けた、なんて話がよくありますが、自分にかぎってはそんなものはありません。というのも、小学5年生で親元を離れ、それこそ毎日草刈りやら何やらで忙しかった。学校には行きたくてもまともに行けなかった状態です。
奉公に出されたのは、家が貧しくそれを助けるためでした。それはわかっていましたが、父を恨みました。なぜ兄弟のなかで俺だけが……。最初はものすごく悔しかった。
とはいえ、奉公に出された以上は腹をくくるしかない。世の中はなるようにしかなりません。「やるだけやってやろうじゃないか」と心を入れ替えたのです。
以来、奉公に出された家のおやっさんとねえさんを親だと思って何でも言うことを聞きました。すべては飯を食うためです。恨みの対象だった父ですが、いつしか感謝するようになりました。奉公の経験がいまの宝になっていますからね。後ろ向きで得をすることなんてありません。だから自分はプラス思考という言葉が大好きなんです。
帰るところなんてなかった
私は昭和30年に中学校を卒業すると、卒業式の翌日に別府にある魚屋の小僧になりました。自分の意志ではありません。働くことになったきっかけは姉の紹介です。
「働きに出たい」と相談すると、姉から「あんたは元気がいいから魚屋になりなさい」と言われたんです。自分にとって姉の言葉は親の次に重い。もとより姉のことを信用していたので、それに従いました。
SL汽車で別府駅に向かう際、父から青い10円札を3枚持たされました。「珍しく大盤振る舞いだな」と喜んだのも束の間、すぐに30円は片道切符代だとわかりました。特攻隊と一緒です(笑)。自分には帰るという選択肢はありませんでした。
ただし、それまでが極貧でしたからね。魚屋に就職し、食事にあらの煮つけが出たのを見て驚きました。それまで毎日芋とカボチャでしたからね。こんなうまいものがあるのかと衝撃を受けました。
別府の魚屋で3年間修業した後、山口県下関市の魚屋で3年間ふぐの勉強をしました。さらに兵庫県神戸市の魚屋で関西風の魚の切り方やコミュニケーション術を4年間学んだ。私は10年修業した後に魚屋を開業するつもりでした。
ところが当時、貯金はゼロに近かった。というのも、魚屋の給料は安く、開業資金をまったく準備できなかったんです。
そこで、開業資金を短期間で用意するために上京しました。お世話になったのは、大田区大森にあった鳶と土木の会社です。もちろん、コネなんてありませんから、そこの親父さんに「俺には夢があります。3年間働かせてください。その代わり、絶対に『NO』と言いません。どんな仕事でもやります」と直談判しました。
鳶や土木の仕事の経験は、いまのボランティア活動に役立っているかもしれませんね。ありがたいことに、会社から「このまま残って頭(かしら)になれ」と熱心に誘っていただきましたが、自分は決めたことは必ず実行するのが信条。これはいまも昔も変わりません。その意味では、面倒な男かもしれません。 
結局、昭和43年、大分に戻り、4月にかみさんと結婚。そして、その年の11月に自分の魚屋を持ちました。名前は『魚春』です。二文字をくっつけると鰆(さわら)。もちろん、自分が一番好きな魚です(笑)。
かけた情けは水に流せ。受けた恩は石に刻め
振り返ると、繁盛した時期もあれば閉店危機もありました。とりわけ窮地に陥ったのは、大分でPCB(水銀)が社会問題になったときでした。それこそ客足がピタッと止まりました。仕入れの量を通常の10分の1程度に減らしましたが、それでも売れなかった。
このとき、助けになったのは妻の存在でした。かみさんは料理上手で、ポテトサラダやコロッケ、キンピラなど総菜を店で販売するようになった。これで危機を乗り切った。妻がなければいまの自分はないでしょう。
妻との出会いは別府の小僧時代にさかのぼります。修行していた魚屋の向かいの貝専門店の娘でした。うちのかみさんは3学年下。中学1年生でした。当時は混浴の共同風呂があり、自分も彼女も気兼ねなく利用していましたが、風呂に行くのが恥ずかしくなったことを覚えています。当時から「いつかあの子と結婚したい」と意識していました。
別府の小僧時代の1ヵ月の給料は200円でしたが、100円は自由に使い、残りは貯金した。それもこれも彼女の所帯を持つためでした。
女房の支えもあり、商売は順調でしたが、65歳の誕生日に店を畳みました。15歳のときから『俺は50年働く。そして、65歳になったらやりたいことをしよう』と決めていたんです。
私にはいま48歳の息子と45歳の娘がいて、孫も5人います。息子は大学に行くこともできた。それもこれもお客さんが魚を買ってくれたから。皆さんが温かく手を差し伸べてくれたからこそ、いまの生活がある。それに気づきました。
いただいた恩をお返しするのは当たり前。それが人の仁義です。どのような形で恩を返そうかと考えたとき、第二の人生をボランティア活動にささげようと決意しました。「かけた情けは水に流せ。受けた恩は石に刻め」。好きな言葉です。ですから対価は一切求めません。


JR西 新幹線300キロ体感 トンネル内で座らせ研修
 JR西日本が新幹線のトンネル内に、通常業務では線路内に立ち入らない車両検査の社員を座らせ、最高時速300キロを間近で体感させる研修をしていることが、同社や関係者への取材で判明した。同社はボルト締め付けの確認などの重要性を学んでもらう目的だと説明するが、労働組合や専門家には効果を疑問視する声がある。【根本毅】
社員「怖かった」
 JR西によると、トンネル内には上りと下りの線路の間に幅約1メートル、深さ約1メートルの中央通路がある。研修は通路に数人がうずくまり、頭上の間近を通過する新幹線2〜3本の風圧を体感する。
 2015年に福岡県のトンネル内であった部品落下事故を受けて、車両検査を担う博多総合車両所と同広島支所が16年2月に始めた。今年7月末現在、小倉−博多間と広島−新岩国間で計24回実施し、車両検査の担当者約190人が体感した。
 50代のベテラン男性社員によると、研修は「300キロ/h近接体感研修」と呼ばれる。怖いと聞いていたため、上司に「行きたくない」と申し出たが、「順番なので」と認められなかった。当日は2班に分かれて順にトンネルに入り、ヘルメットと防護眼鏡を着けて通路内に座り、新幹線が近づくと頭を下げた。
 男性社員は上下3本をやり過ごしたが「風圧がものすごく、ドンと押さえつけられるようで怖かった。研修に何の意味があるのか」と言う。グループごとに議論し、感想を書いて研修は終了。別の日に研修を受けた同僚も「怖い」と話していたという。
 研修のきっかけとなった事故は、15年8月8日に発生。国の運輸安全委員会の報告書によると、新幹線2両目下部のアルミ合金製の板(幅71センチ、高さ62.5センチ)が落下して側壁や車体側面に当たり、衝撃で3両目の乗客が負傷した。ボルトの締め付けが不十分だった可能性が高く、検査時の確認不徹底も一因とされた。
 男性社員は「ボルトが緩かったらどうなるか、トンネル内で速度を体感せずとも理解できる。社員を危険にさらすのは問題だ」と訴え、別の社員も「見せしめのようだ」と憤る。
 JR西日本労働組合(JR西労、組合員約700人)は昨年5月以降、中止を申し入れているが、会社は応じていない。同様の研修はJR東海が15年度まで約5年間、一部社員を対象に実施していた。
 JR西は「中央通路での待機は、線路内に通常業務で立ち入る機会のある社員は経験している。車両関係の社員にも経験する機会を与え、作業の重要性を学んでもらうことが目的。安全には十分配慮している」と説明する。
方法として問題
 中村隆宏・関西大教授(ヒューマンエラー論)の話 労災防止のため疑似的に危険を体感させる安全教育は一般にあるが、トンネル内はリスクがゼロでなく、研修方法として問題がある。インパクトがある経験で人間は変わるという前提かもしれないが、そんなに簡単にヒューマンエラーはなくならない。トンネル内で体感することと、検査の重要性を実感することは、ステップが離れすぎている。間を埋める教育がないと意味がない。


総裁選前の失点を恐れ…閉会中審査から逃げ回る安倍首相
「空振りを恐れず、早めに避難措置を取るなど、できる限りの対策を講じてもらいたい」――。23日午前、ダブル台風(19号・20号)が列島に差し迫っていたころ、安倍首相が関係機関にハッパをかけた。西日本豪雨被災地の2次災害を防止するための訴えだが、一体どの口が言うのか。
 被災地復旧に向けた補正予算編成のための臨時国会をいまだ召集せず、「空振り」どころか、打席にすら立とうとしない。3選を目指す自民党総裁選を前に、安倍首相も参加した「赤坂自民亭」への追及を恐れるあまり、補正は棚上げ。ダブル台風への警戒指示は“やっている感”演出のパフォーマンスに過ぎない。
 安倍首相の失点回避は障害者雇用の水増し問題でも顕著だ。野党の閉会中審査開催の要請を、自民は突っぱねている。
「10を超える省庁で水増しがあり、所管の厚生労働委員会の審議だけでは収まらない。予算委開催まで求められると、審議の場に安倍首相が引きずり出される。総裁選直前に首相を国会で批判にさらすわけにはいかず、自民の国対は絶対、閉会中審査に応じようとしない」(野党国対関係者)
 28日には衆院厚労委の理事懇談会で、厚労省が各省庁の水増し問題の調査結果を報告する。与党はこれでケリをつける気だが、障害者雇用の水増しは40年以上に及ぶ行政の悪弊だ。それでも自民は安倍首相の失点回避のためなら、見過ごすのだ。
 一方で安倍は3選に尽力する“しもべ”に褒美を送る抜け目なさ。26日に鹿児島県内で県連会合に出席後、総裁選出馬を正式表明する予定だ。
「鹿児島での出馬宣言は、森山裕国対委員長の“お膝元”だから。森山さん所属の石原派は一時期、実質オーナーである山崎拓元副総裁主導で、石破元幹事長の推薦人に2、3人が名前を貸す構想があった。しかし、森山さんが『安倍支持でいくから貸さない』と固辞し、領袖の石原伸晃元幹事長が『安倍3選支持』を最終決断した経緯がある。国対委員長として、モリカケ問題でも政権を守ったこともあり、総理は森山さんに錦を飾らせたようです」(自民党石原派関係者)
 安倍の眼鏡にかなった森山は、総裁選後の人事で党3役を狙っているらしい。私利私欲にまみれた論功が、新たな安倍への忖度を生み出すのだろう。安倍の「逃げ恥」総裁選によって、ますます自民は単なる恥ずかしい集団となるばかりだ。

台風避けて4時前に帰宅/お菓子食べすぎで調子悪し

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Le Japon se prépare à l’arrivée d’un puissant typhon
Le typhon Cimaron risque de toucher la région ayant déjà subi de fortes inondations en juin dernier.
Le puissant typhon Cimaron se dirige ce jeudi vers l’ouest du Japon. Il fait craindre de fortes pluies et des glissements de terrain, en particulier dans la province d’Okayama, région fortement touchée par des inondations et coulées de boue massives qui ont fait plus de 200 morts en juillet dernier.
≪ Tenez-vous en alerte et prenez toutes les mesures nécessaires ≫, a lancé le Premier ministre japonais, Shinzo Abe, aux membres du gouvernement et à divers responsables officiels lors d’une réunion en préparation à l’arrivée du typhon.
Le chef du gouvernement japonais a également appelé les autorités locales à émettre des ordres d’évacuation, alors que le gouvernement a été critiqué pour sa gestion de crise lors des précédentes inondations meurtrières.
Cimaron se trouvait à la mi-journée de jeudi à environ 260 kilomètres du cap Ashizuri, sur l’île de Shikoku, accompagné de rafales de vent pouvant aller jusqu’à 260 kilomètres par heure. Il devrait toucher le territoire japonais dans la soirée, avant de se diriger vers le nord de l’Asie.
≪ Restez vigilants face aux risques de glissements de terrain, d’inondations, de bourrasques et hautes vagues ≫, a insisté l’agence de météorologie japonaise, précisant que certaines régions pourraient subir des précipitations de 800 mm en 24 heures.
Trafics ferroviaire et aérien perturbés
Dans les zones fragilisées par les inondations de juillet, plusieurs villes ont d’ores et déjà conseillé à leurs habitants de quitter leur logement par mesure de précaution. Dans la préfecture d’Okayama, des résidents empilaient des sacs de sable pour prévenir de nouvelles inondations, selon des images de télévision.
Le trafic ferroviaire est perturbé en certains endroits et plus de 100 vols ont été annulés, la plupart des vols intérieurs, ont rapporté les médias locaux. Le Japon est balayé chaque année par un peu moins de la moitié de la vingtaine de typhons qui naissent en Asie. Avant Cimaron, le typhon Soulik a apporté cette semaine de fortes pluies sur le sud-ouest de l’archipel.
De son côté, l’ambassade de France au Japon a appelé ses ressortissants à la vigilance.
フランス語
フランス語の勉強?
大阪市 東淀川区役所@kobushinominori
〖安全安心企画〗防災担当です。13時43分、大阪市内に暴風・波浪警報が発表されました。区役所では、台風接近に伴う情報連絡体制をとっています。区民の皆さまにおかれては、不要不急の外出を控え、今後の気象情報にご注意ください。
東淀川区情報連絡体制  電話番号06-4809-9820

柚木みちよし @yunoki_m
国民民主党へ離党届提出した直後に除籍されましたが、私に厳しく対する以前に、安倍政権与党に厳しく対峙してもらいたかった。完全に吹っ切れました。市民と野党の大結集に向け全てを賭して参ります。1日で19万アクティビティ2,400いいねの声に全力で応えて参ります。
異邦人 @Beriozka1917
何か対外的な責めを受けるべき不祥事を起こした訳でもない柚木議員の自発的な離党を認めず、極めて独裁的な「反党行為」なる理屈で除籍処分を下した国民民主党。正面から「与党の補完勢力」という本質を突かれて、さぞ耳が痛かったのだろう。この処分によって一層、国民民主党への信頼は低下した。
胡蝶蘭‏ @3SC5vunUPhy5Env
モーニングショー
携帯料金「4割下げる余地」菅長官 発言真意は?
玉川 徹氏
政府が民間の料金が高いとか安いとか言うような話はするべきではないんじゃないかと筋としてはそう思う。高いというのであれば、参入障壁とか公正な競争ができるように、そんな環境を整えることをやるべきじゃないのかな。

中野善夫 @tolle_et_lege
学術論文が減ったとか博士が減ったとか嘆いているが、「大学は学問を究めるところではない」などと言って、学生が卒業してすぐ役立つことを教えろと言ってきたのだから、新聞が批判したら政府は「ちゃんと学問を究めないところになってきた証拠であり、改革の成果である」ときちんと云うべきである。
ミケ猫ちよちゃん @CalicoCat_Chiyo
全盲の母が名古屋国際音楽祭で #障害者 差別を受けた。歩けるのに無理に車イス乗に乗せ前売で買った指定席でなく会場後ろの隅に強制的に終了まで座らされた。何度も指定席への移動訴えるが追加5000円で車椅子席に移動させると言われる主催の #名古屋 #CBC に不祥事の公表を繰返し求めるが拒否されてる
エサキ ユウキ @nicho_0909899
ちょっと理解できない。目が見えない人に車椅子になんの意味があるの???逆に自分の位置がわからなくなりそう。車椅子は足の悪い人に必要なものでしょう?目が見えない人に必要なのは会場の通路や御手洗などの位置を教える案内なのでは?
時間は戻らないけど、チケット代は返してもらうべきですね。

ナウゼりん @nauselin
想像ですけど、視覚障害者をエスコートする人員もノウハウもないので、車椅子に座らせておけば、どこにも移動できないしこりゃ便利、と思ったんじゃないですかね。
車椅子を体のよい拘束具に使っていたのでは。

バリバラ「バリバード!灼(しゃく)熱教室」
テーマは学校!さまざまな障害者と健常者が一緒のクラスで勉強し、どんな問題が起きるのか、どうすれば乗り切れるのかを検証。1日だけの「バリバード灼熱教室」開講!
「障害があると、お姉ちゃんと一緒の学校に行けないの?」番組に、ある家族の訴えが届いた。そこでバリバラでは、難病、脳性まひ、知的障害などさまざまな障害者と健常者が一緒のクラスで勉強すると、どんな問題が起きるのか、検証してみることに。国語の音読では「読めない!」「バカにされるから嫌!」音楽では「笛が吹けない!」体育では「縄跳びとか絶対無理!」と問題が続出。果たして無事に授業を終えることができるのか!? IVAN, 山本シュウ, 玉木幸則, 大橋グレース,岡本真希, 神戸浩


台風避けて4時前に帰宅しました.仕事はまだ残っていますが,そうも言ってられません.パワポを作らねばなりません.でもいざ帰ると,疲れがどっと出てきて何もすることができない感じです.
それになんだか無性にお菓子が食べたくなってきて,パクパク.
お菓子食べすぎで調子悪くなってしまいました.

<浜再生の道 検証・水産業復興特区>(上)誤算/雇用の大義経営を圧迫
 東日本大震災からの漁業再生の呼び水として宮城県が2013年に導入した水産業復興特区は、9月予定の漁業権一斉更新を前に次期の適用が見送られた。震災直後、県漁協の激しい反発を押し切って動きだした漁業の新しい形は浜の復興にどんな役割を果たしたのか。7年半の歩みとこれからを探る。(石巻総局・関根梢)

 津波の爪痕を残す荒涼とした浜で、ひときわ目立つ白い社屋がある。
 牡鹿半島北西部の石巻市桃浦にある「桃浦かき生産者合同会社(LLC)」。地元漁業者15人と仙台水産(仙台市)が12年、1年後の特区活用を前提に設立した。特区が適用された初の、そして唯一の企業だ。
 特区が描いた絵は希望に満ち、華々しかった。
<若者呼び込む>
 目標の設定期間は16年までの5年間。「年間生産額は震災前比50%増」「地元漁民15人の雇用とさらに約40人の雇用創出」。そして「持続的、安定的な産業形成によるコミュニティー再生」(県復興推進計画)。
 LLC設立後に加わった社員は11人。漁師の世界に初めて入った人もいる。県内の13〜16年の新規就業者は132人。一つの浜だけで11人を確保したことは、漁業新時代の息吹を感じさせた。
 「漁師に憧れがあった」「給料をもらいながら漁業ができる」
 県が3月に発表した特区の検証には、LLCに入社した新規就業者の声が並ぶ。企業人として漁業に携わるスタイルは就業のハードルを下げ、若者らから一定の支持を得た。
 光が差し込む一方、数字は現実の厳しさを物語る。
<生産伸び悩む>
 16年度のカキ生産量は95トンで、計画比の68%にとどまった。生産額は1億9268万円で、同64%。雇用は16年度、社員27人とパート14人の計41人。当初計画比15人のマイナスだ。
 生産額は、漁協所属の経営体が14年度に震災前水準まで回復したのに対し、桃浦地区は震災前に達しておらず、描かれた目標に比べると物足りなさが残る。
 16年度の純損失は3800万円に達した。17年度も370万円の赤字。要因は生産額の伸び悩みと、水揚げの多少にかかわらず固定された人件費だった。生業の維持という特区の大義名分が経営を圧迫する。
 県水産業振興課の担当者は「特区導入の目的を考慮すると、不漁だからといって人件費を抑制することはできない」と説明する。
 何より、津波で壊滅した地域のコミュニティー再生は完全な空振りだった。
 震災前、桃浦には74世帯185人が暮らした。今は18世帯30人。漁港周辺は災害危険区域に指定されている。新たな住民受け入れのハードルは高い。
 今年3月まで桃浦地区の行政区長を務めた甲谷強さん(89)は言う。
 「地元に住むLLC社員は10人足らず。特区を取り入れても何の変化もない。住宅関連の制度と連動しておらず、特区だけでは地域の再生は見通せない」
[水産業復興特区]漁業法を一部緩和し、地元漁業者だけでは復旧が困難な地域に企業の参入を促す制度。漁業法は漁業権の優先順位を規定し、競合があれば第1位の地元漁協に免許が付与される。特区では優先順位が撤廃され、漁業者主体の法人に県が直接免許を与える。政府方針として6月にまとめられた水産改革にも優先順位廃止が盛り込まれている。


<福島第1原発>処理水の放射性物質残留 ヨウ素129基準超え60回 17年度
 東京電力福島第1原発の多核種除去設備(ALPS)で汚染水の浄化後に残る放射性物質トリチウムを含む水に、他の放射性物質も除去しきれず残っている問題で、排水の法令基準(1リットル当たり9ベクレル)を超えるヨウ素129の検出が2017年度に約60回あったことが22日、分かった。18年度も既に10回を超え、同様のペースで起きている。
 ALPSの稼働日数が異なるため単純比較はできないが、15、16年度は基準超えが少なかった。原子力規制庁も実態を把握しており、フィルターの性能低下の可能性を指摘する。
 東電は既設、増設、高性能の各ALPSの処理水の放射性物質濃度を定期的に測定。17年度のヨウ素129の測定結果は1リットル当たり40ベクレル以上が9回あった。9月18日に採取した処理水は62.2ベクレルに上った。
 東電は、能力に問題はないとして「ALPSの運用継続による汚染水処理を優先している」などと説明。基準超えが続いても「敷地境界の空間放射線量の目標値(年間1ミリシーベルト未満)には影響がないように運用している」と強調する。
 原子力規制庁の担当者は「基準超えの頻度増加は把握している。フィルターの性能低下が原因なら、交換で回復できるのではないか。ただ汚染水の放射性物質濃度は低減されており、直ちに問題とは言えない」と話した。
 原子力規制委員会が認可した福島第1原発の実施計画では、ALPSの設置目的はトリチウム以外の放射性物質の濃度を基準値未満に下げることと明記している。


福島汚染水/残留物質の把握が先決だ
 東京電力福島第1原発の周囲には、浄化処理後も放射性物質「トリチウム」を除去し切れなかった汚染水が大量に保管されている。その量は92万トン、タンク680基分に達している。
 廃炉作業に向け、溶け落ちた核燃料(デブリ)の取り出し作業のスペース確保のため、タンクの撤去方針が決まっている。トリチウムは人体への影響が小さく、国際条約でも海へ流すことが認められており、政府の小委員会は海洋放出が最も経済的との結論を示した。
 ところがその水に、トリチウムと異なる放射性物質も含まれていたことが判明した。半減期が1570万年という長寿命の物質が、法令基準値を大幅に上回って検出される例もあった。
 水で薄めれば、果たして海洋放出は可能なのか。政府は今月末に処分方法についての公聴会を予定しているが、いったん議論を棚上げして残留物質の実態把握を急がねばならない。
 今回、トリチウム以外の残留物質が判明したのは、東電が2017年度に測定した浄化処理後の水だ。
 東電は14年度から多核種除去設備(ALPS)を導入して汚染水を浄化しているが、当初は性能が安定しないまま運転していた時期もあった。より高濃度の放射性物質が残留している可能性も否めない。
 驚くのは、東電が詳細な調査をしていない点だ。こうしたデータが判明した以上、タンクをすべて検査するとともに、ALPSの機能も厳しくチェックする必要がある。
 安倍晋三首相は5年前の東京五輪招致のスピーチで「事態はコントロールされている」と国際社会に断言した。実際は大量の汚染水対策に追われ、めどが立たない状況だ。
 福島県産食品への風評被害も収束していない。今も米国や中国、韓国など25カ国・地域が輸入規制措置を続けている。
 このまま汚染水処分の議論を進めれば、風評被害を加速させるだけでなく日本の国際的信用の低下にもつながりかねない。漁業者など地元の理解も得られないだろう。
 今後の廃炉作業を円滑に進めるためにも、政府と東電は処分策を丁寧に模索するべきだ。


気仙沼・大島の暮らし後世へ 神奈川大院生ら調査開始
 横浜市の神奈川大大学院歴史民俗資料学研究科の学生らが、宮城県気仙沼市大島の崎浜地区で島民のなりわいや信仰などの調査を始めた。今月6〜10日に島を訪れてフィールドワークを実施。約2年かけて島の風習などを本にまとめる計画だ。
 東日本大震災後、同大は島に残る漁業資料を収蔵するための図書館建設に協力した。復興支援でつながりができた島を今度は調査対象にした。
 島南部の崎浜地区を訪れたのは教授と学生計19人。地区内の民宿を拠点に「信仰」「衣食住」「生業」の3班に分かれ、民家や漁港で屋号や漁具を調査。墓を見て歩き、残っている古い漁場図も解読した。
 生業を調べるグループ6人は8日、海岸沿いを歩いて漁港にあった漁具を調べたり、ワカメの養殖業者から漁の時期や養殖の方法などを聞いたりした。
 台湾の少数民族の研究をしている中国人留学生で博士後期課程の李干さん(25)は「台湾では女性が漁に関わるのを禁止されている少数民族もあるが、この地区では女性も積極的に漁に関わっているのが興味深い」と話した。
 班ごとに今回調べた結果を精査し、必要があれば島を再度訪問して追加調査する。完成した本は島に寄贈する予定だ。
 博士後期課程の小野寺佑紀さん(27)=大島出身=は、震災後に大島中で非常勤講師を務めた当時から島の民俗調査をしてきた。小野寺さんは「震災から時間がたち、島の人も落ち着いて話ができるようになってきた。次の世代の人たちが、自分のルーツを知る際に参考になるような資料に仕上げたい」と話した。


甘み十分、蔵王ナシ「幸水」出荷スタート
 宮城県内一のナシ産地として知られる蔵王町で22日、わせの主力品種「幸水」の出荷が始まった。春先から気温が高く、生育は例年より1週間ほど早いという。
 初日は同町円田のみやぎ仙南農協蔵王地区梨選果場に約4トンが運び込まれた。農家の女性たちが1個ずつ選別機のレーンに載せ、光センサーで測定した甘さや大きさごとに箱詰めした。
 昨年は夏場に曇天や降雨が続き、約840トンの出荷にとどまったが、今年は例年並みの1000トンを見込む。同農協蔵王地区ナシ部会長の我妻茂さん(63)は「猛暑や雨の少ない日が続き、小玉傾向ながら糖度は高い。蔵王の甘いナシを味わってほしい」と話した。
 同町は農家約70戸が七十数ヘクタールでナシを栽培する。収穫は「豊水」「あきづき」など品種を替えながら10月末まで続き、町全体の生産量は平年並みの1500トンとなる見通し。
 9月8、9日、町ございんホール前である「みやぎ蔵王梨まつり」では幸水を中心に直売する。


3Dプリンター活用「ゲルクラゲ」開発中 本物のクラゲそっくり、可能性は無限大
 山形大工学部の古川英光教授(高分子材料)らの研究グループは、ごく軟らかな物質も自在に造形できる3Dゲルプリンターを活用し、本物のクラゲのように動いたり、光ったりするロボット「ゲルクラゲ」の開発を進めている。本物の飼育が難しい家庭向けなどに、癒やし系玩具として3年後の商品化を目指す。将来的には海洋探査用の「クラゲドローン」の実用化も視野に入れている。
 最新型のゲルクラゲはシリコン素材で直径約8センチ。モーターでゆったりと動き、手で触れると有機EL(エレクトロルミネッセンス)技術などにより、実物の約1000倍の明るさで緑色に発光する。
 シリコンの代わりに寒天やこんにゃく、ゼラチンなどを素材にした「食用ゲルクラゲ」の開発も検討中で、新しいB級グルメが誕生する可能性がある。
 海を浮遊するクラゲドローンは、海洋環境調査や津波到達時間の予測などに生かせる情報収集への活用を想定する。海水に溶ける環境に優しい素材で製造できる上、調査コストが大幅に抑えられるなどメリットが大きいという。
 古川教授は、わずかな力で崩れてしまうゲル素材も加工可能な3Dゲルプリンターを世界に先駆けて開発。医療・福祉器具の製造など幅広い用途が見込まれている。ゲルクラゲについて「癒やし効果があるので介護現場で活用できるかもしれない」と話している。
 最新型ゲルクラゲは30、31の両日、東京ビッグサイト(東京都江東区)で開かれる「JSTフェア2018−科学技術による未来の産業創造展」(科学技術振興機構主催)で披露される予定。


地震で心に影響 県職員の10%
熊本地震後の県職員の心の状態を調査したところ、10%にあたる450人余りに、うつやPTSD=心的外傷後ストレス障害の疑いがあることがわかりました。
熊本県は熊本地震が職員の心に及ぼした影響を明らかにするため、昨年度と今年度、教育委員会と警察などを除く全職員に対して調査を行い、今年度は全職員の88%にあたる4511人から回答を得ました。
調査は、阪神・淡路大震災をきっかけに作られたスクリーニング方式と呼ばれる12の質問で行われ、その結果、「うつ傾向及びPTSD傾向の疑い」が2.1%の93人、「うつ傾向の疑い」が6.1%の274人、「PTSD傾向の疑い」が1.9%の85人で、合わせて452人が、熊本地震により心に影響が出ていると判定されたということです。
昨年度の調査と比べて、心に影響が出ている職員の割合は1.4ポイント減った一方で、今年度の調査で、新たにうつやPTSDの疑いがあると判定された人が284人いたということです。
県の総務厚生課は「心に影響が出ている職員の数は減少しているが、自分で心をケアする方法や、医師による面談を周知するなどして、丁寧にサポートしていきたい」と話しています。


台風20号 山陽新幹線新大阪−広島 夕から運転取りやめ
 JR西日本は23日、台風20号の接近にともない、山陽新幹線の新大阪−広島駅間で夕方以降全列車の運転を取りやめると発表した。広島−博多駅間は、みずほ、さくら、こだまの運転を行うが、本数を減らすという。
 新大阪駅から博多駅方面は、のぞみ47号(博多行き・新大阪午後6時42分発)が、広島・博多方面の直通の最終列車となる。博多駅から新大阪駅方面は、のぞみ56号(東京行き・博多駅午後5時33分発)が、岡山・新大阪・東京方面の直通の最終列車となる。


デパート 閉店早めるところも
台風の影響で関西のデパートでは、23日、閉店を早める動きが出ています。
このうち「大丸松坂屋百貨店」は、▼午後3時半に大丸の神戸店、▼午後5時に梅田店を閉店することにしています。
また「近鉄百貨店」は、▼午後3時に草津店を閉店することにしています。
このほかのデパート各社も、今後の台風の動きなど状況を見て、閉店を早めるか検討しています。


大阪駅 帰宅急ぐ人目立つ
台風が近づいていることからJR大阪駅では、23日午後3時ごろから、帰宅を急ぐ人が目立ちました。
大阪駅近くのオフィスで働く30代の会社員の男性は、「会社からは、午後3時に退社するよう指示がありました。優先順位をつけて午前中に仕事を片づけました」と話していました。
また、別の30代の会社員の男性は、「ふだんは、何時に退社してもよいのですがきょうは、夜には家にいるよう指示があったので、まっすぐ帰ります」と話していました。
一方、群馬県から観光で訪れている大学生の女性は、「ツアーで来たので新幹線の乗車時刻を変えられず、早く帰ることができません。台風の影響が心配です」と話していました。
また、石川県金沢市に戻る予定だったという大学生の男性は、「特急が運休になり、帰れなくなってしまいました。ホテルを取ろうと思っていますが、想定していなかったので、困っています」と話していました。


大阪の百貨店、台風で繰り上げ5時閉店
台風20号が関西に接近しているため、大阪・梅田の各百貨店が17時に閉店することを発表した。
「阪急うめだ本店」「阪神梅田本店」「大丸梅田店」(大阪市北区)がすでに17時閉店の案内をおこなっているが、状況によって早まる可能性がある。
「あべのハルカス近鉄本店」(大阪市阿倍野区)は18時、「大阪高島屋」(大阪市中央区)をはじめ高島屋系列店は18時(洛西タカシマヤのみ18時半)、「大丸心斎橋店」(大阪市中央区)は18時。京都エリアでは、「ジェイアール京都伊勢丹」(京都市下京区)は16時、「大丸京都店」(京都市下京区)は18時と発表している。神戸はひと足早く、「そごう神戸店」「大丸神戸店」(神戸市中央区)ともに、15時半で閉店。また、大丸松坂屋系列は各店異なり、須磨店16時、芦屋店15時、高槻店16時半、山科店17時半となっている。
またJR西日本は、京阪神エリアでは「15時から運行本数を減らすとともに最終電車を20時頃に繰り上げ、以降の運転を取りやめる可能性があります」とJR大阪駅の案内板で掲示している。


伊の高架橋崩落  厳しい警告は日本にも
 43人が亡くなったイタリア北部ジェノバの高架橋崩落事故。あすで発生から10日になるが、欧米の国々はニュースで大きく伝えている。
 イタリアと同じ課題を抱え、恐れていたことが起きたと深刻に受け止めているからだ。もちろん、日本もよそごとではない。
 イタリア政府は、橋の点検や補修が不十分だったとして、管理会社の責任を追及する構えだ。崩落した高速道路の高架橋は1967年建設。同じ頃に多くの橋や道路が造られており、老朽化で崩落の危険があるのは3万カ所に上る。
 地元の専門家から高架橋の設計・構造の問題が指摘され、警告も出ていた。財源難があったにせよ、崩落を防げなかった責任は、問題を放置してきた政治や行政にもある。どの国でも同じことだ。
 「最後の警告」を、日本の国土交通省審議会が発している。2014年に出した「提言」の中で、「今すぐ本格的なメンテナンスにかじを切れ」と危機感をあらわにした。
 警告は以前から繰り返し出されていたのに、12年に起きた中央自動車道笹子トンネル天井板落下事故で9人が犠牲になった。
 笹子事故の損害賠償裁判で、一審判決は点検水準が低すぎると踏み込み、抜本的な強化を求めた。道路法改正や政・省令などで、点検方法を「遠望目視」から「近接目視」に改めるなど対策は取られたが、十分と言えるのか。
 全国約73万の橋のうち7割以上が市町村道にあり、建設から50年経過した橋は2割超、10年後には半数近くになる。すでに老朽化で通行規制になった橋が2500を超えている。
 さらに深刻なのは、橋の保全に携わる土木技師がいない町が約3割、村で約6割もあることだ。これを補うために、都道府県が点検・診断の発注事務を一括して実施している。活用数は増えているものの16年度で3割強にとどまる。
 橋の点検は16年度までの3年間で5割超を実施、危険性の高い橋の2割は撤去・廃止された。しかし、予防措置が必要とされた橋の修繕はほとんど進んでいない。
 高度成長から半世紀。道路や橋は老朽化に加えて、これまでにない災害に見舞われている。限られた財源の中で将来を見通し、生活に欠かせないインフラを選別し、直しながら守っていく。そのための予算と人材育成にもっと目を向ける必要がある。警告をしっかりと受け止めないといけない。


[障害者水増し] 政府は全容解明を急げ
 障害者雇用の水増し問題が底なしの様相を呈している。
 中央省庁が国のガイドライン(指針)に反して昨年の雇用者に算入していた人数は、各行政機関合わせて数千人規模に上ることがわかった。
 水増しは地方自治体にも広がり、静岡や島根、長崎など10県以上で指針が守られず、ずさんな運用が行われていた。
 一方で、事実関係について各省庁は、「精査中」を繰り返すばかりである。あまりに不誠実な対応と言わざるを得ない。
 政府は全容解明を急ぎ、再発防止策を講じるべきだ。野党は国会の閉会中審査を求めており、国会はしっかり役割を果たしてもらいたい。
 厚生労働省は国の33行政機関で昨年、計約6900人の障害者を雇用したと発表していた。平均雇用率は2.49%で、障害者雇用促進法に基づく法定雇用率(当時2.3%)を達成していた。
 だが、複数の政府関係者によると、一つの省庁だけで数百人を水増しして算入していた例が複数あったとみられる。実際の雇用率が0%台となる省庁も少なくないというから、あきれるほかない。
 地方自治体でも、中央省庁と同様に障害者手帳や指定医らの診断書を確認できない職員を雇用数に計上していたケースが相次いで発覚している。
 南日本新聞の取材では、鹿児島県内のすべての自治体は「水増しはない」と回答した。
 中央省庁も自治体も、率先して障害者雇用に取り組むべき立場である。意図的に水増しが行われていたとすれば許されない。
 不可解なのは、実態解明が遅々として進まないことである。
 野党が13府省庁に対して行ったヒアリングは、事実上のゼロ回答だった。口裏を合わせたかのようであり、野党から「(全省庁が)グルになっているのか」と非難の声が上がったのは当然だろう。
 ヒアリングには障害者団体の代表らも出席し、障害者の雇用がどの程度奪われたかを明らかにするよう求めた。早急に徹底した究明と検証が必要だ。
 中央省庁は長時間労働や突発事態への対応などが多く、障害者雇用に適さないことが水増しの要因とする見方もある。だが、身勝手な言い訳としか思えない。
 政府が決めた基準を基に、民間には障害者の雇用推進のため努力を続ける企業が少なくない。
 問われているのは、障害の有無にかかわらず希望や能力に応じて働ける「共生社会」の実現に対する国の本気度である。


【障害者雇用】共生へ調査と改善徹底を
 障害者雇用の水増し問題は、中央省庁だけでなく高知県など地方自治体にも広がり、底なしの様相を呈している。
 国は障害者雇用率制度の理念について、障害者がごく普通に地域で暮らし、地域の一員として共に生活できる共生社会の実現をうたう。
 40年以上も続いてきた水増しで、国や自治体はその理念と誠実に向き合ってきたかすら疑われている。責任の所在を明確にし、早急に改善されなければならない。
 中央省庁では、障害者雇用促進法に基づく法定雇用率を達成するための水増しが、財務省や経済産業省などでも行われていたことが分かった。疑いのある行政機関も含め、関与した省庁は拡大の一途にある。
 水増し分を除いた実際の雇用率は昨年、法定の2・3%(今年4月以降は2・5%)に対し、0%台になる省庁が複数あることも判明。障害者の雇用を数千人規模で偽っていたという。野党による「障害者の働く機会を国が奪った重大事態」という批判は的を射ている。
 厚生労働省のガイドラインでは、制度の対象者は障害者手帳で確認するのが原則である。例外的に、指定された医師の診断書や意見書で確認できる場合もある。
 しかし、中央省庁では指定外の医師が作成した無効な診断書が使われていたほか、視力が弱かったり、健康診断で異常が指摘されたりした職員を障害者と見なしたケースもあったという。
 省庁の一部は「理解不足が原因で故意ではない」と主張している。たとえ過失だとしても公務員として通用しない言い訳であり、意図的な不正を疑わざるを得ない状況だ。
 高知県でも、障害者手帳を確認していない職員を雇用率に算入していたことが明らかになった。
 手帳の有無を確認していない職員を除いた知事部局の法定雇用率は、2004〜17年度で17年度しか達成していなかった。担当課は、国のガイドラインが求めるプライバシー配慮の観点から、身体の状況や所属長の聞き取りを基に自己申告がなくても独自に判断していた。
 尾知事は水増しの意図を否定し、「(ガイドラインの)運用で詰めが甘かった」と反省している。
 ただ、さして労力を費やすとは思えない国や他県への確認を怠り、厳格に運用してこなかったのは、やはり公務職場としてずさんである。意図的な不正かどうかも含めて背景は徹底して究明すべきだ。
 高知県では1992年の完全週休2日制実施をはじめ、民間を先導する官の影響力は大きい。ましてや障害者雇用率は、条件に達しない企業に国が罰則を科す制度である。率先垂範すべき県庁の自覚を求める。
 高知労働局は、まず県の実態把握に努め、市町村の調査も検討しているという。障害の有無にかかわらず誰もが対等に安心して働ける「共生社会」の実現へ、再発防止を徹底しなければならない。


給油所過疎 生活インフラどう守る
 給油所過疎の問題を考える初のフォーラムが県などの主催で開催された。
 県内の給油所の数はこの10年間で3割減った。背景にはエコカー普及や少子高齢化によるガソリン需要の減少がある。流れを逆転させるのは難しい。
 給油所は冬場の灯油や農業機械の燃料を供給する役割も担っている。生活に欠かせないインフラである。減少に歯止めがかからないと、過疎地はますます暮らしにくくなってしまう。
 問題の深刻さに目を留めて、維持への知恵を絞りたい。
 資源エネルギー庁の調査では、全国のガソリン販売量はこの5年間で1割減った。向こう5年間でさらに1割減る見通しだ。
 経済産業省は給油所が3カ所以下の市町村を「給油所過疎地」と位置付けている。長野県内では3月末時点で、1カ所だけが木曽郡王滝村、下伊那郡平谷村など11村、2カ所が11町村、3カ所が9町村。計31町村が該当する。
 都道府県別では北海道に次いで2番目に多い。
 松本市、飯田市、伊那市などには、人が住む場所から最寄りの給油所まで15キロ以上離れた地域がある。平成合併前の枠組みで見ると過疎地はもっと増える。
 過疎地給油所の経営者を対象にしたアンケートで、事業の今後について1割が「廃業を考えている」、2割が「未定」と答えている。先行きは厳しい。
 フォーラムでは地域の工夫で維持している下伊那郡の三つのケースが紹介された。売木村では経営者の撤退表明を受けて、観光協会と村民有志が引き継いだ。今年春に観光協会が解散した後は有志の会単独で続けている。
 泰阜村では農協の撤退表明の後、村と農協の補助で設備を改修。村民180人の出資で社団法人を作り経営を引き継いだ。天龍村では運営会社が村の支援を受けて給油所を別の場所に造り直し、事業を続けている。
 経産省の資料には、日用品を宅配する「ご用聞き」事業を一緒に営む、計量器を付けたタンクローリーで巡回給油する、などの例が紹介されている。地域にあった工夫を考えたい。
 過疎地の給油所を維持するには全国一律の規制の見直しも必要ではないか。今は原則として地下タンクからの給油が義務付けられている。コンビニと兼業することもできない。安全に問題が生じない範囲内で、地域に合った柔軟な運用があってもいい。


夏の甲子園閉幕/選手を守る改革を進めたい
 第100回を迎えた全国高校野球選手権は、大阪桐蔭(北大阪)が史上初となる2度目の春夏連覇を果たし、閉幕した。東北初の大旗を目指した金足農(秋田)の戦いぶりも、大きな注目を集めた。
 大会は高校生の部活動を越え、地域挙げての応援など、全国的なイベントとして定着するまでになった。ただ、次のステップへ向け、選手の健康を守る改革が不可欠なことも明らかになった。
 記録的猛暑だった今大会、高野連は熱中症対策として、試合中でも大会本部の判断で給水タイムなどが取れるようになり、理学療法士が、観客席最前列でグラウンドの選手の様子をチェックした。応援団や観客向けにも、アルプススタンドに散水機を用意し、球場内外に大型扇風機やミスト扇風機を設置した。
 それでも、試合中に足がつる選手が続出。交代を余儀なくされるなどし、戦況を大きく左右することがあった。
 新たな試合方式も始まった。今季から、延長十二回終了後も同点の場合、走者を置いた状況から互いに攻め合う「タイブレーク方式」を甲子園でも導入。夏の大会で初めて実施された。
 タイブレークは2014年、日本高野連が全加盟校対象にアンケートを実施し、選手の健康管理上の方策として提示された選択肢の中で、半数近くが賛成したものだ。ほかの選択肢には投手の「投球数制限」「投球回数制限」もあったが、賛成はどちらも1割台にとどまった。複数投手の育成を迫られることになり、有力選手を集められる私立校がますます有利になる、などの声もあったという。
 タイブレーク導入で、「延長十五回で決着が付かず再試合」ということはなくなるが、レアケース。投球数や回数制限のように全試合に通用するわけではない。
 金足農の吉田輝星(こうせい)投手は甲子園6試合で881球を投じた。特に、3回戦から決勝まで、1日の休養日を挟んだものの、5日間で4試合というのはやはり過酷だ。決勝は疲労が明らかで、途中降板した。
 過去には、甲子園での投げすぎで故障し、投手生命を絶たれた選手の例もある。
 地方大会も含めて、最も暑い時間を避けての試合実施や、大会終盤の余裕を持った日程編成など、運営面も見直す形での改革は避けられないのではないか。
 投球数、回数制限も正面から議論する必要があり、指導者には複数投手育成の努力が求められるだろう。
 今大会、総入場者数は初めて100万人を超え、「炎天下での全力プレーが高校野球の魅力」というファンは多い。ただ、心から応援できるのも、選手が万全の体調で悔いを残さずにプレーできてこそ。大きな事故が起こってからでは遅い。変革にはさまざまな課題もあるが、関係者の早急な対応を期待したい。


デスク日誌 危険な夏
 この夏、テレビのお天気キャスターが繰り返し警告していた。「命に関わる危険な暑さです」
 7、8月はスポーツの大会がめじろ押しとなり、写真部は超書き入れ時を迎える。記者たちはカメラと大きな望遠レンズを抱え、あちこちへ出掛ける。
 インターハイが開かれた三重県は最高気温が連日の38度超え。担当したベテラン記者によると「熱でカメラのスイッチが癒着した」という。日焼けした彼の顔を見た某デスクは「松阪牛のカルビの焼き肉のような色」と失礼な一言。
 ついでに甲子園球場の名物カレーが頭に浮かんだ。甲子園大会に行った中堅記者は、あの褐色のカレーのような色に焼けたかも。山形市で中学野球の大会を撮り続けた若手記者も両腕を赤くして戻ってきた。
 炎天下の屋外で行うスポーツ取材はただでさえ過酷なのに、「命の危険」とまで言われると送り出す方は気が気でない。
 軽口をたたきつつも、胸中の不安は気温と共に高まる。無事帰った記者の顔を見ると、ほっとひと安心。涼しい職場で仕事するわが身に、これほど引け目を感じた夏の記憶もない。(写真部次長 門田勲)


総裁が党の正式な改憲草案を潰すというクーデターの狂騒
 9月の自民党総裁選に向けて、安倍晋三首相が改憲を争点にしたいと表明し、それに対抗馬の石破茂元幹事長は慎重な姿勢を示している。一見すると、安倍が強気の攻勢に出て、石破が受け身に回っているかのように見えるが、実は逆だ、とベテラン与党議員が次のように解説する。
「本来、争点でないものを争点であるかに仕立てて、勝ったフリをするというのは安倍の常套手段で、これもそのひとつ。安倍の案は、周知のように、第9条に自衛隊の存在を明記する第3項を付け加えるというもので、これを安倍は昨年5月に私案として一方的に発表し、後に自民党の改憲推進本部に文書としてまとめさせたものの、党としての機関決定に持ち込んではいない。それに対して、石破は戦力不保持と交戦権放棄を謳った第2項を削除する案だが、これは野党時代の2012年に同党が決定し発表した改憲草案に沿った主張。それを安倍の取り巻き連中が『どちらを党の方針とするか、決着をつける』などと言い回っているのは、筋がネジレている。総裁が私案を掲げて党の正式の草案を潰そうという話で、手続き的にデタラメな一種のクーデターということになる」
 本来なら、まずじっくりと党議を深めて、12年草案を取り下げるなり、大幅修正を加えるなりして、全党打って一丸、公明党の理解も取り付けた上で、改憲運動に突き進むということでなければおかしい。それを、党の草案をまるで石破の私案であるかに言って架空の争点を仕立てて勝ったフリをしようというのは余りに姑息で、国会と国民をバカにすることである。
「こんなやり方になるのは、安倍が焦っている証拠。実を言うと、彼には内閣の最長不倒記録を達成して、20年五輪に総理として列席するという以外にもう目標がない。改憲は確かに宿願ではあるが、仮に秋の臨時国会で審議が始まっても、発議は早くて来春の通常国会。ところが来年は改元の年で春から秋まで大事な行事がいろいろあるし、国民もいますぐに改憲しなくては困るなどと誰も思っていない。改憲を押し通すことなど、実際には不可能だと、安倍も自分で分かっているはずだ」とベテラン議員は言う。
 何とも迷惑千万な安倍の疑似改憲騒動である。


『報ステ』小川彩佳の降板原因は富川アナとの不仲でも嵐・櫻井との破局でもない! 本質はテレ朝の政権批判潰しだ
 本サイトが取り上げてきた『報道ステーション』(テレビ朝日)が“政権批判をしなくなった問題”は大きな話題になったが、ついに今週発売の「週刊文春」(文藝春秋)8月30日号でも、取り上げられた。
 本サイトでは、今年7月、安倍首相にべったりのテレ朝のドン・早河洋会長の意向で、『報ステ』のチーフプロデューサーが桐永洋氏に交代。以来、桐永チーフプロデューサーの方針で、政権批判や権力監視の報道がすっかり鳴りを潜め、当たり障りのないスポーツニュースなどをメインに扱うようになってしまったことをスクープしたが、今回、「週刊文春」は、その桐永氏(記事ではAプロデューサーとなっている)が7月に就任した際、こんな所信表明をしていたことをすっぱ抜いているのだ。
〈(今の報ステの)イメージは偏差値七十くらい。東大は入れるんじゃないかという感じ。偏差値五十の庶民が見た時に理解できないからチャンネルを変えちゃおうとなっちゃってる〉
 なんとも視聴者をバカにした発言だが、こんな人物が『報ステ』のチーフプロデューサーになり、いまの状況が生まれてしまったのである。
 また、「週刊文春」は政権批判や社会問題に取り組んできたスタッフが切られ始めている問題も伝えている。記事によると、これまで原発問題等を取り上げてきた制作会社の敏腕ディレクター(記事内ではB氏とされている)が、「7月半ば、報道局幹部から唐突に『Bさんの得意な(社会問題などの)分野はあまり取り上げなくなるから契約更新が難しい』などと告げられた」という。
 いずれも、本サイトのこれまでの報道を裏づける内容だが、しかしちょっと首をひねりたくなるのが、その「週刊文春」の記事全体の方向だ。これだけの内情を掴みながら、桐永チーフプロデューサーのことはなぜかほとんど棚上げされ、話が矮小化されてしまっているのだ。
 最たるものが、最近、発表されたサブキャスター・小川彩佳アナの『報ステ』降板の理由だ。そもそもこの記事、タイトルは「嵐 櫻井と破局 富川アナの『いびり』 小川アナが『もう限界…』」で、『報ステ』異変の舞台裏についてレポートしているのだが、小川アナの降板は司会の富川悠太アナウンサーとの確執が原因だというのである。
 記事によると、富川アナが小川アナに対して「インタビューが下手」などと攻撃。「反省会でも小川をネチネチ叱っている」「二人はいわば“冷戦状態”」で、小川アナが親しい知人に「私ももう限界なんですよね……」と漏らしていたという。
 また、記事では櫻井翔との破局で、小川アナの精神状態が不安定になっていたことも指摘。「四月から六月までの放送前に落ち込んでいることがよくありました。MCの打ち合わせの時の表情が暗く、『櫻井と別れたからでは』と現場で噂になったほど」なる報ステ関係者の話も掲載している。
 しかし、小川アナの番組降板の理由って、本当にそういう話なのか。テレビ朝日関係者に訊くと、こんな答えが返ってきた。
「富川さんと小川さんの“不仲”が降板の原因? それは絶対にないです(笑)。たしかに二人のウマが合わないという話は聞きますが、だからってそれが理由で番組を降りるなんてあり得ませんよ」
 小川アナが降板したのは、富川アナとの確執とか、櫻井との破局とかとは関係ない。『報ステ』を骨抜きにしたテレ朝上層部に、そのジャーナリスティックな姿勢が敬遠され、切られてしまった結果なのである。
安倍首相本人に厳しい質問を投げ、権力監視の必要性を語った小川彩佳
 周知のように小川アナは、東日本大震災の直後、古舘伊知郎がキャスターを務めていた2011年4月から出演しているが、単なる「添え物」的存在ではなかった。社会問題への強い関心とジャーナリスティックな視点をもち、取材にも積極的に出かけ、要所要所では的確なコメントを発していた。政権に不正や問題が起きると、臆することなく厳しい発言もしていた。
 たとえば、昨年2017年の総選挙前に安倍首相が『報ステ』に出演したとき。自分勝手な話を延々垂れ流す安倍首相に、富川アナ、後藤謙次がせめあぐねるなか、小川アナは「先日の国連での総理の演説を聞いていましても、対話ではなく圧力ですとか、トランプ大統領と歩調も口調もひとつにするような言葉が相次ぎました。逆に危機を煽ってしまうのではないか、危機を招いてしまうのではないかという不安を覚える方も多いと思いますが」と突っ込み、安倍首相を憮然とさせた。
 また、印象的だったのは、核兵器禁止条約をめぐる取材だ。ICANがノーベル賞を受賞した際には、オスロに赴き、授賞式で感動的なスピーチを披露した被爆者のサーロー節子氏に単独インタビュー。今年1月、来日したICANのメンバーに対して安倍首相が面会を拒否したときも、小川アナはベアトリス・フィン事務局長にインタビューを行い、こうした取材やレポートを通して、核兵器禁止条約に反対する安倍政権の姿勢を厳しく批判した。
 ほかにも、今年4月に発覚したテレ朝女性記者のセクハラ被害問題や、2016年のやまゆり園の障害者大量殺害事件でも、存在感を発揮し、一貫して弱者の立場に立った解説や取材を行っていた。
 こうしたスタンスはスタッフの指示やそのときの空気に流されたものではない。小川アナは、昨年2月、テレビ朝日の公式ブログで、メディアの使命についてこう綴っていた。
〈メディアが期待されていること…というのを私が語るのはとてもおこがましいのですが、ニュースを伝える、ということだけでなく、権力を監視する、埋れている事実を浮き彫りにする、そして時に、声をなかなかあげることができない人の立場に立ち、寄り添う、ということでもあるんじゃないかな、と個人的には思っています。〉
 また今年2月には、朝日新聞デジタルのインタビューでキャスターとしての姿勢について、こんなことも語っていた。
「原発問題の報道のときは非難もたくさんありました。しかし、古舘さんはぶれずにこだわり続けられた。言葉以外にも、表情で訴えていました。私は古舘さんの姿勢から、強い気持ちがあれば、言外に滲むものが必ずあり、それは視聴者にも伝わるということを気付かされました」
 このインタビューでは、取材へのこだわりも熱く語っていた。小川アナは以前、やりたいと思う取材に行かせてもらえないことが続き、思い悩んでいた。ところが、自分に「土台がない」からだということに気づき、アメリカ大統領選のとき、「スタッフの調査に加わり、『土台』を一緒に作ろう。本当の意味での『取材』をしなければならない」と思い立つ。そして、選挙参謀や支持者にインタビューをするために、「トランプの3万4千件のツイートすべてを読んだ」のだという。
「以来、少しずつ、やってみない? と言われることや、やってみたいと自信を持って言えることが増えました」
徳永有美アナの抜擢は“テレ朝のドン”早河会長の意向だった
 サラリーマン化する新聞やテレビの記者連中に聞かせてやりたい覚悟と言葉だが、しかしこのインタビューのわずか半年後、小川アナのジャーナリズムへの熱い思いは完全に踏みにじられてしまう。
 前述したようにチーフプロデューサーが桐永氏に変わって、政権批判や社会問題を扱うことさえ、ほとんどできなくなってしまったのだ。例の豪雨災害をめぐる安倍首相出席の飲み会「赤坂自民亭」の問題も、他局が報じても無視し、この問題が国会で追及されて安倍首相が答弁するとようやく取り上げたり、自民党・杉田水脈衆院議員のLGBTヘイト発言に対する抗議デモについても、スタッフが現地取材していたにもかかわらず放送したのは1週間も後になってから。
 小川アナも社会問題を取材する機会はぐんと減り、浴衣姿でスポーツ選手をインタビューするなどといった、バラエティのアナウンサーのような扱いを受けることになってしまった。
「富永アナは典型的なサラリーマン的性格なので、唯々諾々と従っていましたが、小川アナはこれまでのジャーナリズム路線を貫き、取材に行きたいということを訴えていたようなんです。ところが、桐永プロデューサーにはほとんど相手にされず、逆に、降板が決定してしまった」(テレビ朝日編成局社員)
 小川アナの降板は“テレ朝のドン”早河会長の意向でもあったと言われている。小川アナの後任には、ウッチャンナンチャンの内村光良の妻である徳永有美アナが抜擢されることが決まったが、くだんの「週刊文春」記事は、桐永チーフプロデューサー(記事ではA氏)が〈報ステ内で「徳永アナは早河さんの意向だった」と漏らしている〉と書いている。
「『週刊文春』は早河会長が昔から徳永アナのことを気に入っていて、略奪不倫婚で出禁になっていた徳永アナを復帰させたがっていたという話を書いていましたが、それだけではないでしょう。安倍首相べったりの早河会長はずっと、『報ステ』から政権批判色を薄めるチャンスをうかがっていて、子飼いの桐永氏をチーフプロデューサーに送り込んだ。ジャーナリスティックな視点のある小川アナを、社会問題なんて殆ど関心のない徳永アナに変えることで、さらにその路線を推し進められると考えたんじゃないでしょうか」(テレ朝政治部記者)
 しかも、テレ朝の看板番組を担当していた小川アナの異動先は、ネットテレビ・AbemaTVの『Abema Prime』のキャスター。周知のように、この番組はあのネトウヨアナウンサー・小松靖がキャスターを務める番組(小松は小川と交代して『ワイド!スクランブル』のキャスターに就任が決定)で、小籔千豊、竹田恒泰、上念司など、極右論客や保守派がしょっちゅう出演している。嫌がらせとしか思えない人事ではないか。
『報ステ』の視聴率は路線変更してもまったく上がっていない
 ただ、救いは小川本人がジャーナリズム、報道への意欲を失っていないことだ。ジャーナリストの田原総一朗が「週刊文春」の記事で、小川アナから連絡があって来週、小川アナと会う約束をしていることを明かしていたが、実際、本人は「自分の色をきちんと出したい、取材もしたい」と新たな報道番組を楽しみにしているらしく、そのために前向きに動いている。
 むしろ、悲惨なのは小川アナがいなくなったあとの『報ステ』だろう。じつは「視聴率アップのため」という大義名分で、政権批判をやめ、スポーツニュースを中心に「偏差値50」の番組づくりを始めた『報ステ』だが、その視聴率が一向に上がっていないのだ。
 それどころか、逆に、政権批判に踏み込んだ週のほうが視聴率が高いという現象も起きているらしい。たとえば、8月6日の放送では、小川アナが広島まで現地取材に出かけ、核兵器禁止条約への参加を拒絶し続けている安倍政権への疑問の声を放送。長崎の原爆記念日である9日の放送でも、被爆者団体が安倍首相の態度を強く批判する声を取り上げた。これは、ネットで『報ステ』の路線転換に批判が集まったことと、小川アナの強い希望があって実現したらしいが、「週刊文春」によると、この週の視聴率は好調だったという。
「『報道ステーション』の視聴者は、政治や社会問題を真面目に考えたいという人が多い。そういう人たちがどんどん番組離れをしているので、いくらスポーツやカルチャーニュースをやって視聴者に媚びても、視聴率が伸びないんですよ。このまま、この路線を続けていくと、どんどん視聴率が下がっていくんじゃないでしょうか」(テレビ関係者)
 しかし、早河会長とその子飼いの桐永チーフプロデューサーが牛耳っている限り、この路線は変わらない。10月には小川アナがいなくなり、社会問題や政権批判などを取材するスタッフもどんどん飛ばされていくだろう。一旦、ジャーナリズム路線を放棄してしまえば、それを取り戻すことはかなり難しい。テレ朝の看板だった『報道ステーション』が名実ともに終わる日はそう遠くないはずだ。
(編集部)


「携帯料金4割下げろ」菅官房長官の姑息な思惑と越権行為
「今よりも4割程度下げる余地がある」――。何やら怪しい思惑が透けて見える。21日、札幌市で開かれた講演で、菅官房長官が携帯電話料金の引き下げについて言及した件。「なかなかイイことを言うじゃないか」と喜んでいると、後で手痛いしっぺ返しを食らうことになる。
「この携帯電話の料金があまりにも不透明で、そして他の国と比較すると、高すぎるのではないか」「事業で過度な利益を上げるものではなく、利益を利用者に還元しながら広げていくものだ」
 菅長官は講演でこう踏み込んでいたが、2018年版の「情報通信白書」によると、1世帯当たりの移動電話通信料は年間約10万円だから、4割安くなれば4万円が浮く。ネット上では「ええぞ!もっと言うたれ!」「ガンバレ!」と歓迎する声が飛び交っているが、菅長官はなぜ、突然、携帯電話料金を取り上げたのか。
「来年10月の消費税2%アップが背景にあるのでしょう。消費が上向かない中、増税するばかりでは国民の反発は必至です。そこで、23日に総務省の情報通信審議会で携帯料金引き下げの議論が予定されているタイミングで携帯電話料金を取り上げ、国民にアピールしたかったに違いない。ただ下げられるといっても具体性に欠けるため、4割という数字を挙げたのでしょう」(総務省関係者)
 つまり、増税強行から国民の目をゴマかすための発言だったわけだ。
 しかし、この発言にはまだ問題がある。政権が民間企業の料金体系に「介入」したことだ。政府の電波政策に詳しい醍醐聰東大名誉教授がこう言う。
「料金の値下げは本来、民間会社が自主的に経営判断することです。公共の電波を使う通信分野は、国も一定関与しますが、管轄する総務省の頭ごなしに、官邸が『4割』という具体的な数値まで示して値下げに言及するのは越権行為です。安倍政権は、自主的な値下げではなく、官邸の意向に対して、業界が動くという形にしたいのでしょう」
 安倍政権の下では、民間の自立性がどんどん奪われていく。


自民党に失言続出、議員劣化が加速する根深い理由
2012年12月の政権発足以来、6年近くの長期政権となった安倍首相だが、足元の自民党では所属議員の失言が止まらない。安倍一強政治のなか、なぜ自民党議員の失言が相次ぐのか。その背景について、ジャーナリストの鈴木哲夫氏に聞いた。(取材・文/清談社)
失言議員続出の裏でささやかれる「質の低下」の原因
 今年5月、加藤寛治衆院議員が「(女性は)3人以上の子どもを産んでほしい」と発言、6月には穴見陽一衆院議員が国会で、がん患者団体の代表に「いいかげんにしろ!」と驚くべきヤジを飛ばした。さらに7月には、杉田水脈衆院議員が「LGBTは生産性がない」と月刊誌に寄稿。いずれも大きな批判を浴びた。
 まさに失言ラッシュだが、なぜこんな現象が起こるのか?鈴木氏によると、第一の要因として、現在の政界に緊張感がない点が挙げられるという。
「昨年の衆院選で、自民党は284議席を獲得して圧勝しています。そのため当面、衆院選はない。与党に対峙するはずの野党も、合流や再編の話はあるが、選挙は遠いので急ぐ必要には迫られていない。こうした政治状況もあり、与野党ともに緊張感がないから、議員たちの言葉や政治行動にも緩みが出てくるわけです」(鈴木氏、以下同)
 そして、もう1つの要因として、鈴木氏が警鐘を鳴らすのが政治家の質の低下だ。
「現行の小選挙区比例代表制度になってから20年以上がたちますが、制度に合わせて、必要とされる政治家像も変化しています。政治家の質が低下しているのは、選挙制度の影響も強いといえます」
 1994年、細川護煕内閣のもとで政治改革四法が成立し、それまでの中選挙区制から、小選挙区比例代表並立制へと変更された。
 以前の中選挙区時代は、ほとんどの選挙区の定数が3〜5。そのため各選挙区には、同一政党の候補者が乱立し、与党対野党という単純な構図ではなく、同じ選挙区内で自民党公認の候補者同士が激しく争うというのは当たり前だった。だが、選挙制度の変化により、選挙の風景は一変したという。
見栄えと経歴の良さで決まる!?候補者選びの眼力も低下
「中選挙区時代は各議員が、農水、建設といった特定分野のスペシャリストになり、切磋琢磨していました。しかも、投票総数の2割ほどの得票があれば当選できたので、専門性を高めやすかった。ですが1人しか当選しない小選挙区では、投票総数の過半数に達しないと当選できない。自民党の候補者でも、3〜4割前後の自民党支持層を固めただけでは当選が危ういわけです」
 その結果、各候補者たちは、より幅広い支持を得るため、自民党らしい先鋭的な政策ではなく、様々な有権者の支持の獲得を目的とした、あいまいな政策を主張するようになった。同様に政治家が専門分野を作る必要も低下していった。
 鈴木氏は、さらなる問題点として、自民党が実施する候補者の公募制度も原因の1つだと語る。
「自民党の公募には、統一されたルールがあるわけではなく、都道府県連により基準が異なります。明確なルールもないので、結局、論文や面接で候補者を決めるしかなく、どうしても見栄えと経歴の良さだけで決まってしまいがちです」
 つまり、政党側に候補者を選ぶ眼力がないというわけだ。また、中選挙区時代に比べて、自民党の公認候補者となるハードルは、低くなっているという。
「中選挙区時代は、新人候補者が自民党からの出馬を希望しても、公認を得ることは困難でした。選挙区に現職の議員がいたからです。そのため新人は、選挙区に議員を持たない派閥の支援を受けながら、保守系無所属の候補者として出馬し、現職議員の一角を崩して当選してから、ようやく追加公認を得て、自民党所属の議員になれた。まず有権者の審判が先にあったわけで、選挙区で揉まれてから国会に出てきたわけです」
「それに比べると現在は、公募に合格すると、最初から公認で立候補できますから、選挙区で苦労せずに党への風だけで当選した議員も多く、結果的に政治経験の浅い議員が増えてしまっています」
SNSで露呈する勉強不足や人間性の問題
 若手議員から、とんでもない失言が飛び出す背景にはこうした要因もあるようだ。ちなみに、前述の杉田水脈衆院議員は、選挙区選出ではなく、比例中国ブロックの単独候補での当選。永田町では「安倍首相の覚えがめでたいから、比例上位で優遇された」ともうわさされている。
 加えて、最近では政治家がSNSを通して発言する機会も増え、結果的に失言の増加につながるという皮肉な現象も起きている。
「SNSは有権者に気軽にメッセージを発することができる良い面もありますが、使い方次第では批判にさらされることも多い。特にツイッターが顕著ですが、限られた字数で、政策や政治課題についての意見を書くため、勉強不足が露呈するケースも多いのです」
 最近では、西村康稔官房副長官が7月上旬の西日本豪雨の際に、「赤坂自民亭」と称する飲み会の様子をSNSに投稿し、批判を浴びている。SNSは、失言だけでなく、政治家の人間性そのものを明らかにするツールでもあるといえよう。
 鈴木氏の話を総合すると、失言や問題行動が続く背景には、緊張感のない政界の状況、現行の選挙制度、公認候補を選定する仕組みなどが根深く影響しているようだ。有権者自身も、政治に対して無関心になるのではなく、強い関心を向けていかなければ、弛緩した政界の緊張感を高めることはできないだろう。


九州20ヵ所猛毒除草剤埋設 ベトナム戦争の枯れ葉剤成分
 今年で終結43年を迎えたベトナム戦争。米軍の枯れ葉剤作戦では散布地でがんや子どもの先天性障害が多発し、今も被害に苦しむ人がいる。この枯れ葉剤の主要成分となる除草剤が、福岡、佐賀県境のダム近くの山林に埋設されているという情報が、特命取材班に届いた。猛毒のダイオキシンを含むという。環境への影響はないのか。現地に向かった。
 「7月の西日本豪雨で、周囲に流出していないか、心配です」
 情報を提供してくれたのは、北九州市立大国際環境工学部職員、原田和明さん(58)=北九州市小倉北区=だ。大手化学メーカー出身で枯れ葉剤の研究をライフワークにし、6年前には著書「真相 日本の枯葉剤」も出している。
 一緒に福岡、佐賀県境にある埋設地に向かった。福岡県那珂川町から佐賀県吉野ケ里町に入り、坂本峠付近の林道を歩く。国有林の一角に突然、緑のフェンスで囲われた区域が現れた。傍らに看板が立つ。
 《立ち入り禁止 2・4・5−T剤を埋没してありますので囲い内の立ち入りや土石等の採取をしないで下さい》
 原田さんによると、2・4・5−T剤(245T)は、化学物質「2・4−D」と混合することで枯れ葉剤になる。不純物として含まれるダイオキシンには奇形を生じさせる強い毒性があるという。
 吉野ケ里町に埋設されている量は945キログラム。数メートル先には九州自然歩道の散策路があり、ウオーキング愛好家も通る。約1キロ北東には、水道用水の確保などを目的にした福岡県営五ケ山ダムが完成したばかりだ。
 「245Tが地中でどうなっているか。掘り返さないと分かりませんよ」。原田さんは警告する。
 なぜ、245Tが埋められたのか。調べてみると、埋設地はここだけではなかった。その数、九州だけで20カ所以上−。
    ◇      ◇
■くすぶる不安、専門家「漏出も」
 ベトナム戦争で米軍が使った枯れ葉剤の成分の一つで、全国の山林に埋められている除草剤「2・4・5−T剤」(245T)。国有林を管理する林野庁によると埋設地は一時、54カ所に上ったという。福岡県を除く九州6県21カ所を含む。なぜ、有害な化学薬品を地中に埋めることになったのか。担当者は言う。「毒性が疑われる前は農薬として使っていたんです」
 説明によると、林野庁は1960年代後半、スギなどの成長を阻む雑草を枯らすため、245Tを国有林に散布した。その後、奇形を生じさせる恐れがあるとして海外で問題になったため、71年4月に使用中止を決定。他の農薬の処分方法を参考に、同11月に地中に埋設するように全国の営林署に指示した。
 同庁に残る資料には、全国54カ所の埋設地が記されている。総量は固形状で約2万5千キログラム、液体状で約1830リットル。うち8カ所は「埋設地が民有地だった」などの理由で撤去したが、残る46カ所(九州5県19カ所)はそのままだ。
      ■
 もっとも、林野庁が245Tを使用・埋設した時期はベトナム戦争と重なる。枯れ葉剤研究を続ける北九州市立大職員の原田和明さんは別の見方を示す。「日本で造られた245Tが輸出され、米軍の枯れ葉剤に転用されていたのでは」
 原田さんが注目するのは、69年の衆院外務委員会の会議録だ。「国会の爆弾男」と称された楢崎弥之助・元衆院議員=福岡県選出=が、同県大牟田市の工場で造られる245Tを挙げ、「日本の工場で枯れ葉作戦に使われる化学兵器がつくられているんじゃないか」と追及している。政府側から明確な答弁はなかった。
 「ベトナム戦争で米軍が枯れ葉剤の使用を中止したことで、国策で製造していた245Tの在庫がだぶつき、国有林に埋めたのでしょう」と原田さんは言う。
 林野庁はベトナム戦争との関連について「記録がなくて分からない」という。
    ◇      ◇
 地中の245Tの安全性に問題はないのか。
 林野庁は廃棄に際し、除草剤の10倍程度に当たる量の土と混ぜ、セメントで固めてコンクリート塊にし、水源から離れた地中に1カ所300キログラム以内の分量で埋めるように通達を出した。
 実際には特命取材班が赴いた福岡、佐賀県境の同県吉野ケ里町も含め、通達の分量を上回るケースが目立つ。84年に問題化して再調査したが、環境への影響がないと確認したという。
 「通達に反する大量投棄は事実だが、245Tは長期間、安定状態にあり、誰かが掘り返さない限り地中で動く可能性は考えにくい」と担当者。同庁は年2回の定期点検や災害発生後の臨時点検をしており、吉野ケ里町の埋設地についても、7月の西日本豪雨の後に異常がないことを確認したという。
 ただ、点検は現地を目視するだけだ。地中のコンクリート塊について、岡山大の阪田憲次名誉教授(コンクリート工学)は「コンクリートは引っ張る力に弱く、水を通す性質がある。地中で亀裂が入ったり、土の中の有機物と化学変化を起こして劣化したりする可能性がある。雨水が染み込んで有害物質が周辺に出る恐れもある」と指摘する。
 地元にも不安はくすぶる。吉野ケ里町や、五ケ山ダム下流域の福岡市など周辺自治体は毎年、245Tの撤去を求める要望書を林野庁に出している。同市はダムや周辺河川の水質検査を続けており、異常はないというが、市担当者は「絶対に流出しないという確証はない」と漏らす。
 ダイオキシンに詳しい長山淳哉・元九州大准教授(環境科学)は「ダイオキシンの有害性は長年にわたって残り、分解する微生物も自然環境にほとんどいない。周囲に流出し、食物連鎖を通じて濃縮されれば、人間の健康被害につながりかねない。早急に地中を掘り起こし、調査するべきだ」としている。


世代を超えて伝わる格差を放置している現実 政策によって修正しないと、社会は不安定に
櫨 浩一 : ニッセイ基礎研究所 専務理事
努力しても何も差が生まれないのであれば誰も努力をしようとしなくなってしまうので、努力に応じた結果の差は必要だ。一方で自分の努力とは関係なく生まれたときに親から受け継いだ貧富の差が、どれだけ頑張っても消えないというのでは、努力のかいがない。祖先の資産格差が後々の世代にまで伝わっていくのは望ましくないだろう。
子供の幸福を願うのは世の親の常だが、子供が能力に恵まれるかどうかや、子供が経済的にどの程度成功するかは、運に大きく左右されるので親の思いがかなうとは限らない。親が子に残した資産に格差があったとしても、子から孫に残す資産には運の要素が大きく加わり、孫からひ孫へ、さらにその子孫へと資産が受け継がれていく間には、最初にあった資産格差はなくなってしまうように思える。しかし、運の働きは思ったよりも複雑だ。
政策で修正しないと相続した「格差」は残り続ける
ここでは、400人の子供(第ゼロ世代)がいて、そのうちAのグループの200人は平均よりも1億円少ない資産を親から受け継ぎ、Bのグループの200人は逆に平均よりも1億円多い資産を受け継いだと仮定しよう。第ゼロ世代が次の第1世代に資産を残すときに、受け継いだ資産を0.5億円減らす人から0.5億円増やす人まで、運次第(ランダム)で決まるとする。
さらに第1世代から第2世代へ資産が受け継がれるときも、同じように「0.5億円減らす」から「0.5億円増やす」まで運次第、というように第20世代まで行くとどうなるか。
第20世代が受け取った資産の分布はよく見掛ける山型のものになってしまい、最初にあった明確な格差は消えてなくなってしまう。
ところが、詳しく見ると話はもう少し複雑だ。親から受け取った資産が平均よりも1億円少なかったAグループの子孫と、平均よりも1億円多かったBグループの子孫を別々に示すと、第20世代でもこの2つの集団の受け取る資産には明らかに格差があることがわかる。
この例ではAグループの子孫が保有している資産の平均は何世代経っても全体の平均より約1億円少なく、Bグループの子孫が保有している資産の平均は、全体の平均よりも1億円多い。
それぞれの個人を見れば世代が下ると偶然の要素が強く働いて祖先の影響は小さくなっていくが、集団として見ると、いつまで経っても祖先の資産格差がそのまま残ってしまっているのである。個人では祖先の影響が見えなくなっていくのだから問題はないとするか、集団として影響が永久に残るのは問題だとするか、考え方が分かれるところだろう。
平均より少ない資産を受け継いだAグループの子孫と、平均よりも多い資産を受け継いだBグループの子孫の差がなくなるためには、ランダムな影響が働くだけでは不十分で、全体を平均値に引き寄せるような仕組みが必要だ。たとえば、親から相続する資産が平均よりも多い人たちには相続税を課して、逆に相続資産額が平均よりも少ない人たちには給付をするというような、全体を平均値に近づける仕組みである。このような力が働かないかぎり、個人の資産を増減させるようなランダムな力が働いても、Aグループの子孫とBグループの子孫という集団の差は縮小していかない。
運の要素が働けば時間が経つと平均の周辺に正規分布するようになって格差はなくなるはずだ、と考える人も少なくないだろう。だが、同じような運の影響でも、平均への回帰というメカニズムと、運・不運が積み重なるランダムウォークとではまったく異なる。たとえば幸運のおかげでたまたま100点満点が取れた学生は、次回以降の試験では普段の実力の近辺の点数しか取れず、再び幸運にも100点を取るということが起こる確率は小さい。これは「平均への回帰」という現象で、上で考えた子供に引き継ぐ資産に運の要素が加わるということとは大きく異なる。
財産所得は資産額に依存するので格差は拡大する
現実の経済では、勤労所得は個人の能力に依存するのでランダムになりやすいが、財産所得(利子、配当、地代など)は資産額に依存する。勤労所得と財産所得の合計では資産が多いほど所得水準は高くなる。次の世代に残せる資産額には、親から受け継いだ資産額にかかわらずランダムな影響が加わるわけではなく、親から受け継いだ資産が多いほどより多くの資産を子孫に残せる確率が高くなる。
ピケティは『21世紀の資本』で、r>g(資本収益率は経済成長率よりも高い)なので資産格差が拡大していってしまう、という主張をして注目された。ピケティの主張するr>gという関係が実際に成り立っているのかについては議論があるが、この関係が成り立っていなくても、親から受け継いだ資産の多いほうが有利であるということに変わりはない。Aグループの子孫の平均値と、Bグループの子孫の平均値の差は、前述の試算では一定の2億円だが、財産所得を考慮すれば、この差は世代を経るにつれて拡大していくはずである。
そもそも、最初の図のようにAグループとBグループの区別せずにまとめて見たとしても大きな問題がある。第ゼロ世代が受け取った資産は平均のプラス・マイナス1億円だったが、第20世代が受け取る資産は平均ゼロの人が最も多いものの、最大は平均を約4億円上回り、最小は平均を約4億円下回っていて、最大と最小の格差は拡大している。もっと世代が下っていくと山は低く広がっていくので格差は拡大していってしまう。
何代にもわたって不運が続いた人の子孫が、何代か幸運が続いた人の子孫と同じような生活ができるということは期待できなくなってしまうはずだ。身分制度がなく、職業選択の自由があったとしても、このような経済では資産を持たない人たちの不満が高まって、社会は不安定になってしまうのではないだろうか。
現実の経済の仕組みでは、累進性のある相続税や所得税が資産の格差を縮小するような働きを果たしてきた。しかし、格差問題を深刻にとらえる経済学者は、1980年ごろから先進諸国で、レーガノミクスやサッチャリズムといった思想の下、こうした効果を縮小するような政策が採られてきたことを問題視している。
日本では所得税の最高税率は1974年には75%だったが、2018年時点では45%となっている。これは、日本では税収に占める所得税や住民税などの直接税の比率が高く、間接税の比率が低いことから、直接税の比率を低下させて間接税の割合を高めるという、直間比率の是正が課題とされてきたためである。
格差の是正のためには直接税の見直しが必要だ
たとえば総務省の資料によれば、1985年度には国税と地方税を合わせた税収全体では直接税の比率が77.6%、間接税が22.4%だった。所得税や住民税の最高税率が引き下げられる一方で、1989年に税率3%の消費税が導入されて、1997年には5%に、2014年には8%に引き上げられた。これによって直接税の割合が低下し間接税の比率が上昇して、2016年度決算ベースでは、直接税が66.0%、間接税が34.0%の割合となっている。
国から地方への税源移譲が行われたこともあって、所得税の最高税率は2007年から37%にまで引き下げられていたが、その後は若干引き上げられている。相続税も最高税率は75%だったが、50%にまで引き下げられた後、現在は55%となっている。
高齢者に資産の保有が偏っているという世代間格差問題を是正するとか、景気対策になるとの理由で、教育費や住宅取得を目的とする親から子・孫への贈与に対して税負担を軽減してきたことは、最高税率の動きで見える以上に相続税の格差是正機能を縮小させている可能性があるだろう。格差問題に取り組むためには、直接税のあり方について再検討が必要であろう。
筆者が経済学を学び始めた40年ほど前には、労働者の貯蓄率より資産家の貯蓄率のほうがはるかに高く、労働者への所得分配率が低下すると消費需要の不足・貯蓄過剰となって経済は不振に陥るという話があったように記憶しているのだが、どこに書いてあったのか記憶は定かではない。
このような議論は、最近のマクロ経済学の教科書ではまったく見掛けないが、企業の貯蓄・投資行動が株価上昇を期待する株主の意向を受けたものであると考えれば、先進諸国で企業の資金(貯蓄)余剰が起こっていることも説明できるだろう。格差自体が問題であるだけではなく、マクロ経済の問題としても格差の影響を考察する必要があるのではないだろうか。

電話がかかってきて→セイセ/サド―/部屋借り?の電話

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Hanako Yasuda, trait d’union entre la cité royale et le Japon
Depuis trois ans, Hanako Yasuda travaille au sein de la cité royale. Avec passion, elle tisse le lien entre le Japon et la France.
Hanako Yasuda, ambassadrice de Touraine auprès des Japonais. Voici ce que cette jeune femme de 29 ans pourrait inscrire sur sa carte de visite, tant elle œuvre à la diffusion de Loches et de l’Indre-et-Loire dans son pays natal.
Depuis trois ans, à la saison, Hanako Yasuda travaille avec passion au sein de la cité royale. Elle fait découvrir le logis royal et le donjon aux touristes japonais. Et assure les visites en français le reste du temps grâce à sa parfaite maîtrise de notre langue et son amour pour l’histoire lochoise.
J’aimerais tellement promouvoir au maximum Loches auprès des Japonais. C’est mon rôle. Loches est une ville charmante. Ici, je m’éclate ! ≫, dit-elle avec un large sourire qui ne la quitte jamais. Les touristes japonais ne sont pas légion ici. Mais ceux qui viennent repartent enchantés, raconte Hanako Yasuda : ≪ Lorsqu’ils prennent des vacances [courtes, au Japon, NDLR], ils sont vraiment là pour se relaxer, découvrir la cité royale, le marché typique à la française le mercredi et le samedi… ≫. Et ils prennent leur temps, contrairement aux visites au pas de charge à Paris, Versailles ou Chambord. ≪ A chaque fois, ils me disent qu’ils adorent Loches ≫, poursuit la jeune femme.
En ce qui la concerne, son histoire d’amour avec la Touraine a commencé en 2004. Hanako Yasuda, qui a sa famille à Takarazuka près de la troisième ville du Japon, Osaka, intègre alors le lycée Konan, à Saint-Cyr-sur-Loire (*).
“ A mon tour d’aider ” En 2007, elle retourne au Japon pour faire des études de littérature française. La suite (lire ci-dessous) sera ponctuée de plusieurs allers-retours entre la France et le Japon. Elle s’installe pour de bon en Touraine en 2011.
Forte de plusieurs expériences, et notamment d’une formation dans le domaine du tourisme, elle rejoint l’équipe de la cité royale pour la première fois en 2016. ≪ Au début, quand je suis arrivée en France, beaucoup de personnes m’ont aidée, traduisant ce que je ne comprenais pas encore, se rappelle Hanako Yasuda. Je me suis dit : maintenant c’est à mon tour d’aider, de faire le lien entre le Japon et la France.
Ce lien, elle le tisse de bien des manières. En octobre 2017, elle a créé une micro-entreprise de traduction et interprétariat. Ainsi, quand elle n’est pas contractuelle à la cité royale de Loches, elle travaille pour la mairie et l’office de tourisme de Tours, où elle accompagne des touristes japonais.
A la demande d’un éditeur japonais, elle collabore à la rédaction d’un blog. Sur internet, elle décrit en japonais la vie quotidienne en France, le patrimoine tourangeau… Son dernier billet ? Sur les charmes de la cité royale de Loches, bien sur !
(*) Cet établissement, qui a fermé ses portes depuis, avait pour mission d’accueillir des enfants d’expatriés japonais.
à savoir
> Son parcours. A l’issue des années au lycée Konan de Saint-Cyr-sur-Loire, Hanako Yasuda retourne au Japon en 2007 pour faire quatre années d’études de littérature française. Des études qui, pendant un an, la ramèneront en France, à l’Université catholique d’Angers. Après ses études, elle trouve un travail au lycée Konan en 2011, une période qui se terminera en même temps que l’existence de l’établissement, en 2013. Toujours en Touraine, elle intègre une entreprise de consulting, suit des formations (français, anglais, tourisme), avant de faire un stage à la cité royale de Loches en 2016.
> Son blog. ≪ Expat, courrier japonais ≫ : https ://courrier.jp/expat/area/
france/tours/15/5567/
> Contact. Par mail : office.ys@yahoo.com
フランス語
フランス語の勉強?
エアペスグ@低浮上RT多め @Faptg
あ〜今さらムカついてきた
どう考えても吉田くんの熱投は美談ちゃうやろ。連投連投でこの夏1500超、甲子園だけでも800超。肩ぶっ壊れるで。決勝で途中で降りたけど遅すぎるやろ…そこは監督が大人の判断すべきやったわ。それか決勝以前の試合で。

蓮池透‏ @1955Toru
2002年9月17日、涙の記者会見をしている横田さんご夫妻の真後ろに立っていたのは小池百合子氏。
終了後、一度出て行った小池氏、戻って来て一言。「あったあ!バッグ」「私のバッグ、拉致されたかと思った」
あれ以来彼女のことは信用していない。

冨永 格(たぬちん) @tanutinn
「総裁選は党員や所属議員ら限られた人にしか投票権がない。一般人にも届くような討論会をしても仕方ない」と首相周辺。対する石破氏は「米国大統領はどんなに忙しくても討論に応じている。国民に向けて語ることを優先し、それが民主主義を支えてきた。日本もそうあるべきだ」

大阪に帰ってきました.電話がかかってきてセイセを早くしなさいと催促.自宅にも電話入れていたそうです.でもやっていないほうが悪いです.ごめんなさい.ただ後はデータをアップロードするだけです.
ほかにもサド―をしなくてはなりません.これは20日だと無理なので23日にして!とお願いしている手前遅れるわけにはいきません.でも意外とすんなりいきました.
部屋を借りたい?の電話がありました.でも違います.

解体進む仮設住宅/十分な配慮 最後の一人まで
 東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島3県で、計約5万3000戸が建設された応急仮設住宅の解体が進む。復興の進展とみるのは早計だろう。今なお6000人超がプレハブ仮設で暮らす現実を忘れてはならない。
 最大の津波被災地となった石巻市は今夏、夏祭り行事を復活させた地域が目立つ。仮設住宅団地の解体が進み、跡地が再び公園として利用されるケースが増えたからだ。
 同市は被災3県の自治体で最多の134団地7297戸の応急仮設住宅を整備した。1日現在の入居戸数は54団地409戸。ピーク時に1万6788人に上った入居者は825人(4.9%)になった。市は2018年度中に団地数を17に集約する方針だ。
 安倍晋三首相は2日、同市の仮設南境第7団地を視察。国の復興・創生期間が終わる20年度までに岩手、宮城両県の応急仮設住宅を解消させると表明した。震災から丸10年の東京五輪の年、計約3万6000戸が姿を消す。
 阪神大震災で応急仮設住宅がゼロになったのは発生から5年後だった。その倍の時間を要することが、東日本大震災の被災形態の多様性、特殊性を物語る。
 震災で全壊した家屋は約12万戸。想定される首都直下地震、南海トラフ巨大地震による被害は5〜20倍と予想される。発生直後に直面する住まいの対応は災害復旧の最重要テーマでもある。
 震災を機に、仮設住宅を巡る政策は大きく変わった。
 震災発生時、災害救助法が定める応急仮設住宅の建設コストの一般基準は1戸当たり約239万円だった。現実は風呂の追い炊き機能や防寒の工事の追加で約730万円(宮城県)に膨らんだ。
 国は昨年、建設費の上限を約551万円に引き上げたほか、面積要件を廃止。地域の実情に柔軟に対応できるよう設置基準を大幅に緩和した。
 6月に成立した改正災害救助法は、民間の賃貸住宅など「みなし仮設」の関連事務を都道府県が政令指定都市に事務委任することを可能にした。震災で膨大な事務作業が県に集中し、被災者の入居が遅れた反省を踏まえた。
 震災から間もなく7年半。震災を教訓とした次の災害への備えが厚みを増す一方、応急仮設住宅の入居者は7月31日現在、岩手、宮城、福島の3県で計6114人に上る。仮設住宅の解体と集約化は入居者の心身に疲弊をもたらす。隣人が、コミュニティーが失われ、取り残されていく過程は新たな被災とも言える。
 仮設住宅の解消は復興の到達点ではなく、プロセスにすぎない。時間がたつほどに被災者が抱える事情は個別化、複雑化している。国や自治体は「最後の一人」に歩調を合わせる姿勢を持ってほしい。取り組みの蓄積は、大災害からの人間の復興を果たす重要な解につながるはずだ。


「パワハラ教授」に甘すぎる処分を下した山形大学の不可解 減給処分、それもたったこれだけって…
田中 圭太郎 ジャーナリスト
山形大学×EV飯豊研究センターで、センター長の男性教授が職員に対してパワハラを繰り返していたと思われる問題は、今年1月に掲載した『学生がアカハラ受け自殺か…ある国立大学で起こった裁判の行方』(https://gendai.ismedia.jp/articles/-/54181)で触れた。
その後、事態は大きく動いた。山形大学ではパワハラの実態について調査する特別対策委員会が立ち上がり、その後第三者も加えて設立された調査委員会が、今年6月、センター長によるパワハラを認定したのだ。
これで一件落着、かと思いきや、その処分内容に、大学内部は揺れているという。パワハラに対する処分としては、あまりに軽すぎるのだ。根本的な問題はなにも解決していないうえ、喉元過ぎれば熱さを忘れるとでも言わんばかりの、軽すぎる処分。山形大学でなにが起こったのか。関係者に話を聞いた。
減給、約1万円
「平均賃金1日分の2分の1を減給」
これが、山形大学×EV飯豊研究センターのセンター長の教授に対して、山形大学が7月23日に決定した懲戒処分だ。持って回った言い方をしているが、減給される金額は、約1万円だ。パワハラが認定された教授の処分としては、あまりにも軽すぎるとして、大学の内外から驚きと批判の声が上がった。
まず、調査委員会は、センター長のパワハラを次のように明確に認定していた。
当該教員の行為は、責任者たる地位を背景として、その業務の適正な範囲を超えて、職員に精神的苦痛を与え又は職場環境を悪化させるものとして、パワーハラスメントに当たるものと認定した。
・取引先の前で、職員Aを「ジジイ」、職員Bを「偏差値40」と、他の職員を「おばさん」「馬鹿」「小学生以下」と呼び、職員の名誉を毀損又は職員を侮辱した行為
・職員Aを、平成29年2月頃に至る前から殊更無視した行為(中略)
・職員Aに、「誰が選んだこのコピーボケが‼︎遅くて使えん」と、事務担当に「マジックくらい買っとけ‼︎《役立たず》」と、威圧的で感情に走りすぎた貼り紙をした行為
(以下略)
これだけのパワハラが認定されて、なぜ減給約1万円なのか。
原因の一つは、山形大学の懲戒処分の基準には、パワハラについての規定がなく、セクハラの規定を準用することになっている。
それでもセクハラの規定(ア)には、職場による上司・部下等の関係に基づく影響力を用いた行為は、懲戒解雇、諭旨解雇または停職と定められている。今回のケースは、調査委員会の認定通りに考えれば、停職以上の処分になるはずだ。
ところが大学の処分理由は、「大学教員として著しく品格と適正を欠いたハラスメント行為」と、パワハラから単なるハラスメント行為にすり替わっていたのだ。その上で、「相手の意に反する行為を行った場合は停職、出勤停止又は減給」と定める規定(イ)を採用。その中でも、最も軽い減給、それも約1万円の減給という処分が選ばれたのだった。
8月2日に行われた定例記者会見で、小山清人学長は処分の根拠について問われたが、「うまく説明するのは難しい」と明言を避けた。(ア)を適用しなかった理由については、「パワハラの言葉自体に上下関係が含まれるため」と発言したと報じられている。
これに対して、パワハラ問題を追及してきた山形大学職員組合の仁科辰夫執行委員長は、「小山学長の発言と大学の処分は卑劣な行為」だと指摘する。
「学長は教授をパワハラで処分するわけにいかなかったことを、自ら白状しているようなものです。職員Aさんは、16年9月に被害を大学に相談したことで、不自然に雇い止めされています。4年間も働いていたにもかかわらず、です。パワハラも雇い止めもなかったことにしようという、卑劣で、姑息で、いかがわしい態度が如実に表れた処分です」
一目瞭然
そもそも大学は、パワハラを当初から隠し続けていた。去年2月に職員Aさんからパワハラの相談を受けた組合は、事案の重大性を考慮して、水面下で大学と交渉。去年3月には、工学部長と団体交渉して、例の貼り紙などの証拠資料を渡していた。この時すでに、Aさんの雇い止めは決まっていた。
その後、組合は2度にわたって、パワハラを把握しているのかどうかと、どのような対応をしているのかについて、学長宛てに質問書を出した。
すると、小山学長名での回答は2回とも、「個別の案件については、その存否も含めて回答いたしかねます」というもので、事実の解明に動こうとはしなかったという。Aさんの雇い止めについても、「法的手続きを適正にとっております」と、全く取り合う気がない態度だったようだ。
このため組合は、去年11月に記者会見して、パワハラの証拠となる貼り紙を公開した。
この貼り紙が全国紙やテレビなどで取り上げられたのは周知の通り。すると大学は、5日後にあわててキャンパス・ハラスメント防止委員会に、この件に関する特別対策委員会を立ち上げることを伝えた。
その際、小山学長は、「相談者(Aさん)はパワハラとは言わず、職場環境の改善をしてほしいということだった。改善されたと報告を受けていたので、組合の写真を見て、私自身、驚いている」と発言。しかし前述の通り、実際には貼り紙は去年3月の時点で大学に提出されていたものだ。組合が明らかにしなければ、大学はあくまで隠すつもりだったのだ。
調査委員会がパワハラと認めた内容以外にも、組合では多くの職員がパワハラ被害を受けたとみている。センター長の教授が女性職員にハサミを投げつけたという情報もあれば、退職する職員に対して、退職による損失を補填するよう脅し、高額な寄付金を納めるよう強要したことなども把握。今年3月末には2人の職員が「こんなところにはいられない」と退職したという。
謎だらけ
パワハラの舞台となった山形大学×EV飯豊研究センターは、成長分野であるリチウムイオン電池の研究開発拠点。センターは2016年に開設され、パワハラをしたと認定された教授が、開設当時からセンター長に就いている。
この教授は、機能性電解液の研究の第一人者と言われ、もともとは民間企業に勤務していた。2011年に退職して、工学部の教授に就任。工学部の関係者によると、「いつのまにかいた」感じで、最初は目立たなかったという。それが教授就任から数年で、山形大学×EV飯豊研究センターに抜擢されたのだ。
ある関係者によると、教授が山形大学で勤務するようになったのは、大学のある理事との個人的な関係がきっかけだと見られている。理事が別の大学に勤務している時、教授はその大学の院生だったそうだ。
ところで、このセンターは山形大学から飯豊町に開設を提案し、センター開設の総事業費15億円のうち7億円を町が負担した。共同研究には、企業も参画しているとみられる。山形大学の役員たちにとっては、当該の研究所長は、行政や企業から資金を引っ張れる力をもった人物だったのかもしれない。
それにしても、スタートしてわずか2年あまりで、複数のパワハラ事案が起きているのは、異常な事態と言える。この研究所にはセンター長以外に教授は不在で、他のキャンパスとは離れた場所にあるため、他の教員の目が届かない。パワハラが起きていることは、工学部の教員でも分からなかったという。
さらに奇妙なのは、この施設にはホームページなどが存在しないことだ。大学によると、外線電話もないという。センター自体がこの教授のための施設として、ある種異様な体制になっていたことは十分考えられる。
言うまでもないが、大学は研究と同時に、学生の教育を行う場でもある。弟子の研究者たちにパワハラをし、雇い止めするのは、大学として正常な姿とは言えないだろう。学内の関係者からは、こんな声も聞こえてくる。
「人材をパワハラで潰すなら、センターは大学の一機関ではなく、株式会社にでもすべきだろう」
訳が分からない
大学が教授のパワハラを黙殺しようとしていた形跡は、調査の際にも見られた。調査委員会がAさんに事情聴取をする前に、大学はAさんに次のような誓約書に署名させようとしていたのだ。
私は、キャンパス・ハラスメント防止委員会において設置された特別対策委員会の聞き取りを受けたこと及び聞き取りにより知り得た情報を他に一切漏らさないことを制約します。
山形大学長殿
これは「大学で起こったことを、一切漏らさないこと」を、強制するものではないだろうか。これではAさんは聴取の際のやりとりで起きたことを、弁護士や支援者にも相談できず、1人で対応しなければならなくなる。パワハラの被害者にこのような誓約書を書かせること自体、大学側に悪意があるととられても仕方がない。
結局Aさんはこれに署名せず、「関係者の名誉やプライバシー侵害をしないことを誓約する」という文言の誓約書を提出した。
その結果、調査は正常に行われ、調査委員会は教授のパワハラを認定した。しかし、冒頭で触れたように、大学はパワハラをハラスメントにすり替え、減給約1万円の処分を出した。パワハラ問題に対する山形大学の対応は、これで終わっている。
教授への軽すぎる処分は、過去の処分とも整合性を欠いている。山形大学は2013年に、女子学生にセクハラをした男性教授に対して、停職3か月の懲戒処分を出したことがある。この時も、先述の規定(イ)が適用されたが、停職処分が出ている。
今回の処分が発表されたあと、職員組合は大学に対して、恣意的に軽い処分にしたことを認めることや、Aさんに謝罪と補償を行うことなどを要求している。要求書7月24日と7月30日の2回にわたって提出したが、大学の回答は「役員会での審議内容などについては非公開となっており、ご回答いたしかねます」とゼロ回答だった。
この回答を受けて組合は再度、8月1日に声明を発表し、5項目の要求事項を大学に提出したが、大学からの回答はない。仁科執行委員長は「大学の処分自体が不正行為だ」と指摘している。
「規定を変えるわけではなく、調査委員会で認められたパワハラを、勝手に単なるハラスメントとして解釈を変えて処分をするのは不正行為です。学問とは、何が正しいかを学び、問うこと。学長をはじめとする役員会と加害者の教授は、自らの行為が大学に身を置くものとして相応しくないと認識すべきです」
組合によると、パワハラの被害者であるAさんは処分の内容を知って、「処分が軽すぎます。なぜあのような人物が大学に残れるのですか」と、加害者と大学に対して憤っているという。Aさん自身も謝罪と補償を求めているが、大学や教授からの連絡はない。
小山学長は、8月2日の会見で自身の処分について聞かれて、「今まで考えていなかった。役員と相談したい」と答えている。
当該教授にも大学にも一切の責任はないーー学長や役員らがそう考えているのであれば、山形大学は国立大学法人としての存在価値を、自ら否定していると言わざるを得ない。


金足農の健闘 農業にも元気をくれた
 金足農業高校(秋田)が第百回全国高校野球選手権で甲子園に旋風を起こした。決勝では大阪桐蔭高に敗れはしたが、その健闘は地元はもちろん、全国の農業関係者をも元気づけただろう。
 金足農の活躍は、社会現象と呼ぶにふさわしいものだった。
 選手たちはふだんは東京ドーム四個分の広大な同校の敷地で、スコップなどを手にして授業を受け、土にまみれながら野菜や、秋田県名産の米「あきたこまち」の作付けや畜産などに携わっている。それが甲子園という大舞台で横浜高、日大三高などの強豪校を下し、秋田県勢としては第一回大会以来となる決勝進出を果たした。百回目の記念大会に起こした、まさにミラクルが詰まった旋風だった。
 全員が県内の中学出身で素朴さあふれる金足農のプレーは、全国の農業高校や農業関係者を元気づけることにもなった。
 日本の農業専門高校は、一九九〇年代に存続の危機を迎えたことがあった。偏差値偏重の風潮に加え、多面的な施設が必要で生徒一人あたりの予算がかかることなどから、普通科の高校に変えるべきだという声が一部の国会議員らから上がった。普通科や工業科に比べ、農業専門校の志望者が少ないことも理由の一つだった。
 農業の衰退につながることから動きは食い止められたが、それでも国内の農業専門校は現在百十七校。全国農業高校長協会によれば十年前より二十三校減っており、関係者の頭を悩ませている。
 農業人口の減少も著しい。農林水産省によれば、二〇〇〇年に三百八十九万一千人だった農業就業人口は昨年に百八十一万六千人となり、高齢化などにより衰退の一途をたどっている。
 金足農の躍進は、このような明日への不安を抱える農業関係者にとって励ましとなったに違いない。実際、大会期間中は全国の農協や農家から「農業を志す若者の活躍は私たちの希望となっている」という声や、選手の滞在費などを補う寄付金、食べ物の差し入れが相次いだ。農業専門紙「日本農業新聞」も甲子園球場に初めて記者を派遣し、その活躍を連日のように一面で報じた。
 東北勢初の優勝こそ逃したが、金足農の健闘はパワハラや不正など不祥事が相次ぐ最近のスポーツ界にだけではなく、農業にも、暗くなりがちな世相にも明るい光を差し込ませたようだった。選手たちには大きな拍手を送りたい。


<金足農準V>9人の絆、大輪に 支え合い粘りの野球
 兵庫県西宮市の甲子園球場で21日に行われた第100回全国高校野球選手権大会の決勝で、金足農(秋田)は大阪桐蔭(北大阪)に2−13で敗れた。東北勢悲願の初優勝は果たせなかったが、秋田大会から選手交代なしの「9人野球」で甲子園決勝まで上り詰めた。抜群のチームワークで準優勝し、佐々木大夢(ひろむ)主将は「仲間たちにありがとうと伝えたい」。感謝の言葉で夏を締めくくった。
 9人の出会いは3年前にさかのぼる。
 みんな秋田市と近郊の町で軟式野球をしていた。大会などで顔見知りの仲。当時から吉田輝星(こうせい)投手の実力は抜きんでていた。
 「こいつとだったら甲子園に行ける」。斎藤璃玖(りく)選手はそう感じた。
 誰ともなく声を掛け合った。
 「金足農で野球をやらないか」
 吉田投手の父が金足農OBだったこともある。4番の打川和輝選手は秋田商に進むつもりだったが、吉田に呼び止められて翻意した。そこに佐々木主将や大友朝陽(あさひ)選手らも加わった。
 最初から一枚岩ではなかった。吉田投手が好投しても失策から負けることがあった。マウンドでいら立つ吉田投手に、他のナインが不満を持つこともあった。
 転機になったのは昨夏の秋田大会決勝だ。明桜に1−5で完敗して甲子園出場を逃した。2年生だった9人は学校に戻って素振りを始める。日が沈んでもスイングは続いた。
 その時、吉田投手は目標を立てている。
 「甲子園で優勝する」
 とてつもなく大きな目標に、9人の心が一つになった。厳しい冬の合宿も支え合って乗り越えた。
 準決勝までの粘り強い戦いぶりは、チームワークがなせる技だった。決勝も強豪を相手に最後まで諦めない姿を見せた。
 頂点にはあと一歩届かなかった。でも、佐々木主将の表情は満足感に満ちていた。「この9人だからこそ、ここまで戦えた」。大会100回目の夏、紫の旋風を巻き起こして球史に名を残した。(スポーツ部・今愛理香)


<金足農準V>勇姿に感動、1500人が声援 秋田でPV
 甲子園球場(兵庫県西宮市)で全国高校野球選手権大会の決勝戦が行われた21日、金足農(秋田)を応援するパブリックビューイング(PV)が秋田市中心部の「エリアなかいち」であり、1500人を超える人々が盛大な拍手と歓声で選手を鼓舞し続けた。「感動をありがとう」。初優勝の悲願は果たせなかったが、最後まで諦めずに白球に食らい付く選手たちの勇姿を目に焼き付けた。
 一回裏に先制を許すなど終始苦しい展開が続く中、劣勢をはね返そうと応援は熱を帯びていった。試合終了のサイレンが鳴ると「胸を張って帰ってきて」などとねぎらいの声を掛けた。
 金足農野球部のユニホームを着て応援した同校OBの男性会社員(29)は「選手は歴史的な偉業を達成してくれた」と誇らしげに話した。
 「やっぱり憧れの存在」と語るのは秋田市御野場中野球部の2年野田歩大さん(14)。「最後まで全力でプレーする姿に勇気をもらった」
 秋田市の大学生松本美代さん(21)は「ひと夏の感動が一生の思い出になった。選手たちに感謝を伝えたい」と涙を拭った。


<金足農準V>東北の悲願かなわず 高校野球の原点体現
 「金足農、準優勝おめでとう。高校野球のお手本のようなチームでした」。閉会式の講評で、日本高野連の八田英二会長が述べると、球場全体の拍手はしばらく鳴りやまなかった。平成最後となる大会で金足農が成し遂げた準優勝には大きな意義がある。
 公立農業校の快進撃は全国の高校野球ファンの胸を熱くした。地元秋田県の高校生だけで切磋琢磨(せっさたくま)し、絶対的なエースをナインが支える姿は高校野球の原点に映ったのだろう。
 昭和の時代に夏の甲子園で準優勝した東北の公立2校、三沢や磐城に重ね合わせて見る人も多かったはずだ。
 マウンドに立つ吉田の姿は三沢の太田をほうふつとさせた。強豪に敢然と立ち向かい、決勝の途中まで1人で力投した。時代は違うが、太田も吉田も冬場は雪のグラウンドを走り、下半身を鍛えてきた。
 「雑草軍団」は準々決勝の近江(滋賀)戦で逆転サヨナラの2点スクイズを見せるなどバント戦術にたけ、劣勢でも粘り強く戦い抜いた。その姿は猛練習で堅い守備を築き上げ、「小兵軍団」と称された磐城にも通じる点がある。
 決勝は大阪桐蔭に大敗した。それでも「高校野球のお手本」と評されたことに、金足農の中泉一豊監督は「うれしいですね。普段の学校生活の態度なども関わってくることなので」と表情を崩した。
 第100回の記念大会で東北勢悲願の優勝はならなかった。だが、次の時代、次の100回に向け、高校野球の在り方を示した金足農の準優勝は、それ以上の価値がある。
 表彰式で金足農に準優勝盾が贈られる瞬間、左翼から三塁スタンド上空に大きな虹のアーチが懸かった。甲子園の神様も健闘をたたえている。(スポーツ部・野仲敏勝)
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 第100回全国高校野球選手権大会最終日は21日、兵庫県西宮市の甲子園球場に4万5000人の観衆を集めて決勝が行われ、金足農(秋田)は大阪桐蔭(北大阪)に2−13で敗れ、春夏を通じた東北勢初の全国制覇はならなかった。大阪桐蔭は4年ぶり5度目の優勝で、史上初となる2度目の春夏連覇を達成した。
 ▽決勝
金足農 (秋 田)001000100=2
大阪桐蔭(北大阪)30036010×=13


<金足農準V>雑草軍団、心は折れず スタンドから感動の拍手
 「雑草軍団」が頂点を極めることはできなかった。第100回全国高校野球選手権大会の決勝で、金足農(秋田)は大阪桐蔭(北大阪)に敗れたものの、最後まで諦めないナインの姿にスタンドからは惜しみない拍手が送られた。
 金足農の一塁側応援席はチームカラーの紫色に染まった。生徒を含め全国から集まった応援団は約3000人に上り、30度を超す暑さの中で「金農(かなのう)頑張れ!」と声援を飛ばした。
 秋田高OBで、東北医科薬科大1年の成田傑さん(25)=仙台市青葉区=は同高吹奏楽部出身。奏者が足りないと聞いて、OB10人で駆け付けた。秋田中(現秋田高)が京都二中に敗れた第1回大会(1915年)以来となる秋田県勢の決勝戦に「忘れてきた優勝旗を秋田に」とトランペットを吹き鳴らした。
 試合は一回に3点を奪われるなど大阪桐蔭ペース。スタンドは「まだまだこれからだ」とナインの奮起を願った。敗戦が決まり、東北勢悲願の初優勝はかなわなかったものの、全力を尽くした選手に対して「ありがとう、よくやった」と球場全体から拍手が湧いた。
 金足農野球部の指揮を34年間にわたって執った元監督の嶋崎久美(ひさみ)さん(70)=秋田県五城目町=は「金足農初の準優勝という快挙。全力でプレーした選手たちを誇りに思う」と整列する選手の姿に目を細めた。
 公立農業校が見せた破竹の快進撃。金足農保護者会会長で吉田輝星(こうせい)投手の父正樹さん(42)は「誰も決勝まで来られるとは思っていなかった。選手たちにありがとう、息子にもよく頑張ったと伝えたい」と涙を浮かべてねぎらった。
[金足農高]秋田市金足追分にある秋田県立の農業高校。1928年に県立金足農業学校として創立し、ことし90周年を迎えた。男女共学で生徒518人(男263人、女255人)。生物資源、環境土木、食品流通、造園緑地、生活科学の5学科。県内外の企業と連携し、弁当やカレー、菓子パンなどの商品開発に力を入れている。甲子園大会には今回を含め夏6回、春3回出場。夏に初出場した84年の4強がこれまでの最高。著名な卒業生に豪風関(大相撲)、石山泰稚投手(プロ野球ヤクルト)ら。


<甲子園>「自分と重なる」吉田投手を評価 三沢OB太田さんが始球式
 21日の甲子園球場の決勝戦の始球式を、三沢(青森)OBの太田幸司さん(66)が務めた。東北勢の決勝進出と金足農の吉田輝星投手の快投を喜び、「49年前の自分をオーバーラップさせて見ている。結果はどう出るか分からないが、全力を出し尽くしてほしい」と期待した。
 太田さんは1969年夏、延長十八回引き分け再試合となった松山商(愛媛)との決勝戦と再試合を1人で投げ抜いた。「(準決勝まで1人で投げた)吉田君はギアの入れ方がいい。力を入れても制球が乱れない。久しぶりにバランスのいい投手が出てきたなという感じ」とたたえた。
 一緒に始球式を務めた松山商OBの井上明さん(67)も、吉田投手に注目した。「太田さんと姿がダブる。分業制の時代に逆行するようだが、ああいう良い投げ方をしていれば1人でも投げられる。下半身などを鍛えていることもあるのだろう」と驚いた様子だった。


河北春秋
 東北勢はなぜ甲子園で優勝できないか? そんなテーマを検証しようと、38年前、仙台市の出版社が『深紅の大優勝旗が白河の関を越えるとき』という本を出した。東北の野球人、プロ野球、政財界関係者ら約160人に取材。多くが「東北勢は5年で優勝できる」と答えた▼その中で1971年夏に準優勝した福島・磐城の投手を務めた田村隆寿さんの談話がある。桐蔭学園(神奈川)に唯一の失投を痛打され、0−1で惜敗した決勝を振り返り、「1球で負けたのではない。その前の過程にそれなりのことがあって狙い球を絞られた」と敗因を分析した▼東北悲願の全国制覇に挑んだ秋田・金足農の敗因は何だったか。大阪桐蔭(北大阪)との決勝。秋田大会から1人で投げ抜いてきた大黒柱の吉田輝星投手が力尽き、大敗を喫した。吉田投手に連投の疲れさえなければと悔やまれる▼それでも、数々の劇的なドラマを生んだ「雑草軍団」の勇姿は全国のファンの心をつかんだ。ユニホームを泥だらけにし、最後まで粘り強く戦う。まさに東北らしいチームだった▼深紅の大優勝旗の「白河の関越え」はまたもお預けになった。しかし金足農の躍進は東北の高校野球界に希望と勇気を与えた。楽しみは来年以降に取っておこう。チャンスはきっと訪れる。

金足農・吉田輝星を蝕む「登板過多」評論家も将来を危惧
「この投球数は、将来を考えれば決していいことではない」
 金足農(秋田)のエース吉田輝星についてこう言うのは、巨人、中大などプロアマ双方で指導者経験がある評論家の高橋善正氏だ。
 吉田は21日の決勝・大阪桐蔭戦で132球を投げ12失点、5回で無念の降板。秋田県勢では1915年の第1回大会以来、実に103年ぶりの決勝進出にチームを導いたものの、深紅の優勝旗には手が届かなかった。
 ドラフト1位候補にも挙げられる右腕は、今大会で計881球を投じた。地方大会の全5試合も完投しており、このベラボーな投球数を問題視する声が上がり始めているのだ。
■15人中3人
 1990年以降、夏の甲子園で活躍した投手の総投球数のデータを見ると、吉田はすでに上位に食い込んでいることがわかる(別表参照)。1大会で650球以上投げた投手15人の中で、プロでも目覚ましい活躍をしたのは、松坂大輔(現中日)と田中将大(現ヤンキース)、02年の新人王を獲得した正田樹くらい。高校時代の登板過多がたたってその後サッパリだったり、プロから見向きもされなかった投手がほとんどだ。
 ここまで9人で戦ってきた金足農は吉田以外に頼れる投手がいないとはいえ、本人は3回戦の横浜戦後に「朝、股関節が痛くて先発を辞退しようと思ったほど」と告白している。登板過多が股関節をむしばんでいることは想像に難くない。
 10年夏に783球を投げて春夏連覇を成し遂げた島袋洋奨(興南=現ソフトバンク)は卒業後、中大に進学。この島袋を1年時に監督として指導した前出の高橋氏はこう言う。
「島袋は高校時代、1週間に2〜3回は300球の投げ込みをしていた。大学1年時にすでに筋力はできていたし、スタミナもあった。本人の話では、中学の時に肘を痛めたことはあったが、高校時代にケガをしたことはないと。それでも入学時には左肩に軽い炎症があったため、連投は避けるなど起用法には極力、気を使いました。今の若い子たちは20歳あたりでちょうど大人の体になるという。高校生という成長過程での酷使は非常に負担が大きいのです」
 島袋は14年のドラフトでプロ入りするもここまで勝ち星がないのは、高校時代の投げ過ぎと無関係ではないだろう。
 高橋氏はさらに、吉田が股関節を痛めている点を危惧する。
「股関節は体で最も大きな関節で、立つ、歩くなどの運動をする上での要です。投手で言えば、股関節は肩、肘よりも重要といっていい。投手は、股関節を回転させながら投げる。下半身を支え、上半身を使うためのいわば“蝶番”の役割を果たす。股関節をうまく使うことによって下半身に粘りが出て、間が取れる。股関節が使えないと突っ立った状態で投げるしかない。股関節痛は、将来を考えると極めて危険といえます」
 甲子園で勝てば勝つほど、投げれば投げるほど肩肘は消耗する。おまけに投手にとって何より重要な股関節までおかしくしてしまえば、取り返しのつかないことになりかねない。
■投げざるを得ない状況
 準決勝後の吉田は、こう言って決勝戦に向けた決意を語った。
「ここで、終わりじゃない。東北の期待に応えられるように頑張りたい。東北と秋田の思いを背負って、絶対に優勝する。全力を出し切って、最後は笑って終わりたい」
 本人の意思というよりも、「東北」や「秋田」の「思い」であり「期待」が、その右腕に重くのしかかっている。だから「頑張る」というのだが、仮に心身が限界に達していたとしても、投げざるを得ない状況に追い込んだのはだれあろうテレビや新聞を含めたマスコミではないか。
 スポーツ紙は金足農で飼育している豚が4強入りを決めた18日に9匹の子豚を産んだのは吉兆だと1面で大騒ぎ。テレビのニュースやワイドショーは秋田の農家から「頑張ってほしい」というコメントを引き出したり、秋田のアンテナショップがバーゲンセールを始めた様子を中継したり……野球とは縁もゆかりもない話題を延々、垂れ流している。そうやって強引に金足農フィーバーを煽ることが、結果として吉田に異常な期待を背負わせているのではないか。
「吉田だって、本当はもう投げたくないかもしれない。けれども、親戚がどうしたとか、地元がこんなに盛り上がってるとか、野球以外のことまで騒がれ、投げざるを得ない状況になっているのですよ。マスコミの報道からは、子供の弱みにつけ込む大人のいやらしさを感じます。金足農で騒ぐのは単に売りたいからでしょう。なのに、それをごまかすために美談仕立てにする。その結果、吉田に過度の負担がかかるとすれば罪作りですよ」
 とは、野球ファンの作家・吉川潮氏。そしてこう続ける。
「マスコミは野球に関係ないことではなく、この暑さの中、甲子園で連投する危険や問題点を指摘すべき。夏の甲子園で多くの球数を投げた投手がその後、振るわない事例があるのだからなおさらです。例えば、WBCのように球数制限を設けるべきだとかね。本当の野球ファンは、吉田が甲子園で潰れるところを見たいわけじゃない。見たいのはこれからプロなどで活躍する姿です」
 秋田の県立高校が甲子園で、私学の野球名門校を次々になぎ倒して決勝戦へ。マスコミが飛び付きたくなるのは当然だが、くだらない騒ぎによって将来性豊かな球児が潰れてしまうとすれば「罪作り」だ。


100回目の「甲子園」 選手第一、今こそ改革を
 戦火による中断を乗り越え、迎えた100回目。全国高校野球選手権大会はきのう、大阪桐蔭が史上初となる2度目の春夏連覇を果たして幕を閉じた。節目にふさわしい記憶に残る大会になったのではないか。中国地方の広陵や下関国際、創志学園などをはじめ、出場した全56校に惜しみない拍手を送りたい。
 大阪桐蔭は「野球留学組」を含めた有望選手が隙のない投打で王者の底力を見せたと言えよう。一方で、全員が地元の秋田県出身で公立の金足農は「農業校フィーバー」を起こし、最後まで大会を盛り上げた。
 感動の余韻は続くが、立ち止まって考えねばならない課題がある。最大のものは投球過多だ。金足農の吉田輝星(こうせい)投手は途中降板した決勝まで6試合で881球を投げた。肩や肘への負担を心配せずにいられない。
 選手の健康管理の一環で、日本高野連は春の選抜高校野球大会からタイブレーク制を導入した。延長十三回以降は無死一、二塁で始まる。送りバントを含めた駆け引きは独特の緊張感を生んだものの、「試合の醍醐味(だいごみ)が失われる」との反対論も根強い。定着するには、もう少し時間がかかるかもしれない。
 本来は、1試合の投球数や投球イニングの制限を検討すべきだろう。ただ、そうすれば選手層の厚い強豪校が有利となり、大黒柱に頼るチームとの差が一層広がる恐れがある。改革を一気に進められない理由は、そこにもあるようだ。
 高野連は5月、次の100年を見据えて「高校野球200年構想」をまとめた。子どもの野球離れに危機感があるためだが、過酷な環境を改善しない限り競技人口の増加は望めまい。タイブレーク制に続き、さらなる改革を考える時である。
 熱中症対策も待ったなしだ。今夏は、最高気温が35度を超える日が続く。日本スポーツ協会の前身組織が1994年にまとめた指針では、35度以上は「運動は原則中止」としている。
 地方大会では、さまざまな工夫が見られた。京都は準々決勝の第3試合を午後4時開始にし、最も気温が高い時間帯を避けた。給水タイムを設けたり、ベンチに扇風機の持ち込みを認めたりする大会もあった。
 ところが、甲子園では例年と変わりなく試合が行われた。今回は雨による順延がなかったのだから、主催者は、休養日を臨時で増やすなど柔軟な運営を考えてもよかった。
 さらに言えば、真夏の開催にこだわらず、幅広い視点で日程を考え直してもいいのではないか。気象庁は今夏の暑さを「命の危険がある。災害と認識している」と警告していた。地球温暖化で厳しい夏が来年以降も続く可能性がある。事故が起きてからでは遅かろう。
 広島大会は、西日本豪雨の影響で開幕を10日遅らせた。選手宣誓した安芸南の田代統惟(とうい)前主将は、「甲子園」が100回続いてきた理由を考えるうち「それが野球だから」という言葉が浮かび、宣誓文に盛り込んだ。苦難を乗り越えた夢の舞台は、被災という逆境にもめげない気持ちを与えてくれたようだ。
 球児のはつらつとしたプレーは、スポーツの枠を超えて、国民に広く愛されている。101回目に向け、今から改革に乗り出すべきである。


金足農準優勝 素晴らしい戦いに感動
 第100回全国高校野球選手権記念大会の決勝で、本県代表の金足農は大阪桐蔭(北大阪)に敗れた。県勢として第1回大会で準優勝した秋田中(現秋田)以来、103年ぶりに決勝に進出。東北勢としても初の優勝に期待がかかったが、悲願はかなわなかった。しかし試合を重ねるごとに勢いを増し、強豪校を次々に打ち破る姿は多くの県民に力と感動を与えた。金足農の準優勝を喜びたい。
 人口減少、少子高齢化など本県を取り巻く環境は厳しさを増している。その中にあって、金足農の躍進は大きな明るいニュースであった。県内は金足農の話題にあふれ、野球に関心の薄かった県民をも巻き込んで大いに盛り上がった。高校野球、そしてスポーツの持つ力をあらためて実感した。
 選手全員が地元出身の公立の農業高校。決勝でこそマウンドを途中で降りたものの、それまで県大会から吉田輝星(こうせい)投手が1人で投げ抜き、先発メンバー9人で戦ってきた。バントで確実に得点圏に走者を送り、本塁を狙う。チーム一丸となって最後まで諦めずに粘り強く戦うスタイルが持ち味である。残念ながら大差となってしまったが、決勝でも伝統の「金農野球」は存分に発揮された。
 一方、他県を見渡せば私立の強豪校に優秀な選手が集まり、複数の投手による継投、攻撃重視のプレースタイルが主流となっている。それとは一線を画す「雑草軍団」が全国のファンの心を捉えたのはその諦めない姿、ひたむきさにあろう。
 県民、全国のファンに背中を押されたかのように、金足農の快進撃は続いた。甲子園常連の強豪校を相手に、逆転本塁打、逆転サヨナラ2ランスクイズなど、劇的な勝利も生まれた。日に日に甲子園の観客の声援や手拍子も大きくなっていった。全国の公立校、農業をはじめとする実業校の励みにもなったはずである。
 本県代表は長く夏の甲子園で勝てない時期があった。1998年から2010年まで13年連続で初戦で敗退した。このため、県教育委員会は11年から、県高校野球連盟、県野球協会などの団体と連携して「県高校野球強化事業」(16年からは「秋田型高校野球育成・強化プロジェクト」と改称)を推進している。
 全国優勝の経験がある元監督らをアドバイザーに委嘱、各校の監督を対象とした講習会の開催や学校訪問による指導など技術力の向上を図っている。高校入学以前に硬式球に慣れてもらおうと、中学3年生を対象とした硬式球を使った教室も開催している。県を挙げての取り組みが金足農の躍進につながった面はあるだろう。
 決勝で惜しくも敗れたとはいえ、準優勝は本県高校野球の歴史に残る快挙である。この夏、金足農から県民は本当に大きな元気をもらった。「ありがとう、金農」


金足農準V 東北球史に確かな足跡
 東北勢の優勝という悲願成就は持ち越された。しかし、金足農(秋田)の今大会の活躍は見事と言うほかない。第100回全国高校野球選手権大会で準優勝となった。
 東北勢はこれまで夏の第1回大会(1915年)の秋田中(現秋田)など夏8回、春3回の計11回、甲子園の決勝に臨んだが、跳ね返されてきた。夏の第55回大会(69年)の三沢(青森)は延長十八回0−0の末の再試合で涙をのんでいる。
 12度目となった挑戦もかなわなかったが、確かな足跡を刻んだ。
 決勝戦の相手の大阪桐蔭は複数の有力投手に加え好打者がそろい、ベンチ入りの選手もレベルが高かった。走攻守いずれも磨き抜かれ、現代の高校野球にあって理想的なチームと言える。史上初の2度目の春夏連覇という偉業達成にふさわしい、圧巻の戦力だった。
 対照的にレギュラー9人で勝ち上がってきた金足農。大黒柱の投手を軸に粘り強く戦ったが力尽きた。それでも、今大会のもう一方の主役となったチームの戦いぶりは、ファンの脳裏に深く刻まれた。
 優勝候補を接戦の末、次々と撃破。得意のバントを絡めた攻撃を仕掛け、効果的な本塁打が飛び出すなど、存分に力を発揮した。
 メンバーは全て地元秋田県出身。公立校、しかも甲子園では珍しい農業高。「雑草軍団」の魂で挑んだチームが大躍進を果たした。
 雪国のハンディを逆に生かした鍛錬のたまものだ。冬は雪上を走り込み、足腰を鍛えた。そうして培った体力と精神力が、大舞台での臆せぬプレーを生む原動力になった。
 悲願達成まであと一歩と迫ったナインを心からたたえたい。同校の健闘は、本県球児にも大きな励みとなったはずだ。いつの日か本県のチームが頂点に立つ日を心待ちにしたい。
 県勢が最も優勝に近づいたのは2009年春の花巻東だった。菊池雄星投手を擁し、県勢初の甲子園での決勝進出。栄冠をかけた戦いは、惜しくもあと一歩及ばなかった。同校は同年夏も準決勝まで進んでいる。
 最近は、花巻東、そして昨年甲子園春夏連続8強入りの盛岡大付をはじめとした私立が本県高校球界をけん引している。県勢の上位進出が当たり前のようになったのは、私立勢のレベルアップによるところが大きい。
 一方、公立勢は、夏は1994年の盛岡四を最後に遠ざかっている。私立強豪に比べて選手層が及ばないこともある。しかし、金足農の躍進には勇気づけられただろう。
 私立、公立各校による一層の切磋琢磨(せっさたくま)を期待したい。


100回目の夏閉幕 選手第一で新たな時代を
 第100回全国高校野球選手権大会は、大阪桐蔭(北大阪)が史上初めてとなる2度目の春夏連覇を達成して幕を閉じた。
 東北勢初の優勝はならなかったが、粘り強い戦いで決勝に駒を進めた金足農(秋田)も素晴らしかった。両チームの選手に拍手を送りたい。
 大阪桐蔭は投打に高い総合力を誇り、勝負どころでの集中力が光った。まさに大きな節目の大会の王者にふさわしい。
 決勝では大差をつけられたとはいえ、金足農は優勝候補を次々に破って勝ち進んだ。
 全員が秋田県出身で、仲間を信じ、はつらつとプレーする姿はすがすがしかった。
 近年は、全国各地から選手が集う私立高校の活躍が目立つ。同じ雪国の本県をはじめ、全国の公立、そして農業高校の球児たちに大きな刺激と勇気を与えたことだろう。
 100回となった今大会では、春夏を通じて初めてのタイブレークが適用された。
 タイブレークは、延長に入った場合の早期決着を促すため、十三回から無死一、二塁の状態で始める。今春の選抜大会から導入されたが、春は適用される試合がなかった。
 炎天下でゲームが行われることの多い夏の大会では、試合時間が長くなるほど選手の体力の消耗は激しさを増す。タイブレークの導入は評価できる。
 だが、改善が必要な点はまだある。金足農の吉田輝星投手は準決勝までの5試合で749球を投げ、決勝では疲労を隠せず速球に本来の伸びを欠いた。
 済美(愛媛)の山口直哉投手は、2回戦の星稜(石川)戦で延長十三回を1人で投げ抜き184球を投じた。大阪桐蔭に敗れた準決勝までの球数は、5試合で計600球を超えた。
 投げ過ぎは肩や肘などの故障につながりやすい。記念の大会を機に「選手第一」を一層進めるため、練習試合を含め球数制限なども検討してほしい。
 記録的な猛暑となった今夏は熱中症対策も取られたが、選手や審判員、観客にも熱中症の症状が見られるケースがあった。
 大会期間を延長するなどして、日中を避けて早朝やナイトゲームを増やすことも求められるのではないか。
 今大会も好試合が多かった。球児たちが全力で戦い、最後まで諦めない姿は見る者の心を打つ。本県の日本文理が2009年の決勝で最終回2死走者なしから5点を挙げ1点差に迫った試合はその象徴といえる。
 甲子園大会が、国民的スポーツ大会として親しまれてきた大きな理由だろう。ただ、選手の大きな負担の上に成り立つものであってはならない。
 高校の硬式野球部の部員数は少子化などもあり14年度をピークに減り続けている。近年は部活動の在り方も問われている。
 休日の確保はもちろん、科学的トレーニングを取り入れた練習の効率化に努め、選手ファーストの大会運営を進める。それがあってこそ、野球界や大会がさらに発展するはずだ。


夏の高校野球 秋田ゆかりの著名人 金足農祝福 佐々木希「かっこよがった」
第100回全国高校野球選手権記念大会・決勝 金足農2−13大阪桐蔭(2018年8月21日 甲子園)
 ▼佐々木希(秋田市出身)秋田人の誇りです。宝です。感動をありがとう!!!いや、ありがとうでは足りないくらい素敵なものを見させていただきました。しったげ、かっこよがった!!まんず、ゆっくり、休んでけれな。
 ▼柳葉敏郎(大仙市出身)いい夢を見させてもらいました。ありがとう、そしてお疲れさまでした。
 ▼藤あや子(角館町・現仙北市出身)暑い夏を吹き飛ばすくらいの大健闘に秋田県民として誇らしい気持ちでいっぱいです。いっぺ休んでけれなぁ。ありがどなぁ!
 ▼生駒里奈(由利本荘市出身)歴史的な決勝進出とたくさんの笑顔をくれてありがとうございます!間違いなく秋田のヒーローは、あなたたちです!!
 ▼石井浩郎参院議員(八郎潟町出身)今回の金足農業高校の活躍は、秋田県のみならず全国の高校野球ファンに大変な感動をもたらした。選手をはじめ、監督、学校関係者、保護者の皆さま方の健闘を心から称えたい。
 ▼グランジ大(金足農OB)秋田県民だけでなく東北を一つにした金足農業高校野球部を尊敬します。金足農業高校に入って本当に良かった。おじさんに暑い夏をありがとう。
 ▼高橋優(横手市出身)秋田県出身で本当に良かった。そう思わせてもらうのに十分過ぎる夏だった。準決勝まで、テレビの前で一緒に校歌を唄(うた)わせてもらえる時間が青春だった。
 ▼ねじ(金足農OBのお笑いコンビ)地元の人間からしたら優勝なんです!!おらがたもたいすていいきもづだ!!どどりねっけなづどごありがとー!!(僕たちもとてもうれしいです。最高の夏をありがとう) (スポニチ)


金足農「投手の玉砕」を賞賛する甲子園の病 いったい誰のための高校野球なのか?
広尾 晃 : ライター
第100回の夏の甲子園は、例年以上の盛り上がりの中、閉幕した。観客動員が101万人と史上最多を記録したのは、出場校が「56」と史上最多で、その分試合数も多かったから当然の話だが、大会の深まりとともに、超エリート私学の大阪桐蔭と、地方の公立農業校、金足農業の活躍が際立ち、両者が決勝で対戦したことで、最高潮を迎えた。
興行的には誠に喜ばしい結果になったが、今年ほど、甲子園の運営に厳しい目が注がれた大会もなかっただろう。
その契機となったのは「酷暑」だ。気象庁が「災害級」という異例の表現で警告を発したように、列島は連日、体温をはるかに超える異常高温となり熱中症に倒れる人が続出した。
高校野球中継のテレビ画面を囲む「高温注意情報」
大会を主催する朝日新聞をはじめとする大手メディアは、「不急不要の外出」をしないように呼びかけた。しかし、その一方で、炎天下で行われる甲子園を喧伝したのだ。NHKの高校野球中継では、「高温注意情報」と題して無用の外出を止め、熱中症対策を呼び掛けるテロップが、炎天下で球児が野球をする中継画像の周囲を囲んだ。これはシュールな絵柄ではなかったか。
大会後半には、酷暑も峠を越した。しかし大会期間中、多くの選手が足がつるなど熱中症の初期の症状を訴え、治療を受けた。熱中症で途中で交代したアンパイアも出た。ぎりぎりの状態での大会運営だったことは間違いないだろう。
それ以上に問題視されるのが、投手の「酷使」だ。
もともと、日本の高校野球は、世界のアマチュア野球の潮流から見れば、異様な存在である。
アメリカでは「ピッチ・スマート」という名前で年齢ごとの投球数と登板間隔を定めている。高校生に相当する17〜18歳では76球以上投げた投手は4日以上の登板間隔を開けなければならない。しかるに今年の夏の甲子園では、金足農業の吉田輝星(こうせい)は、8日の初戦から大会を通じて計881球を投げた。アメリカなど海外の指導者が聞けば、卒倒するような数字だ。
「甲子園至上主義」という悪弊
すでにアメリカなど海外メディアは、日本の高校野球の登板過多、投球過多には強い関心を持っている。2013年、済美の安樂智大(あんらく・ともひろ、現楽天)が、春の甲子園で決勝戦まで一人で772球を投げた時は、アメリカのジャーナリスト、ジェフ・パッサンが安樂や済美の上甲監督(当時)に取材し「甲子園至上主義」ともいうべき日本の高校野球の特殊性を世界に発信した。
日本からMLBに渡る投手に対するメディカルチェックが厳しいものになっているのも、ほとんどの投手が「甲子園の洗礼」を受けているからだ。
甲子園で多くの球数を投げた投手の将来は、明るいとはとても言えない。
12年前に「ハンカチ王子」との愛称で全国的な人気となった斎藤佑樹は今年30歳となり、進退をかけるマウンドが続いている。他の投手も一時的には全国的に注目されたが、松坂大輔を除いてプロで活躍した投手はいない。その松坂にしても、同世代屈指の投手と言われながら、200勝には遠く届かない。成功したと言い切れないのではないか。
2013年春に772球を投げた安樂も楽天で5勝10敗、防御率3.50とくすぶっている。
881球を投げた金足農業の吉田の前途も洋々とは言えないだろう。
高校生の世代で短期間に膨大な球数を投げれば、その後の野球人生に深刻な影響を与えるのは、疑問の余地がない。選手生活も短くなり、投手を続けられなくなる可能性さえある。
それが自明でありながら、日本の高校野球は毎年のように登板過多の投手を出している。そして多くの大手メディアは、これをもろ手を挙げて賞賛している。
確かに今年の金足農業のように、地方の公立農業高校が決勝まで駆け上がるのは、快事ではあろう。地方経済が縮小し、農業も高齢化が進む中、日ごろは家畜の世話をし、田畑で農作業を学ぶ高校生が大活躍すれば、地元の人々は大いに勇気づけられるだろう。
メディアの役割
しかし、それを報じる一方で、投手の酷使による健康被害について懸念を示すのが、健全なメディアではないのか。
テレビのワイドショーも連日、金足農業の活躍を取り上げた。試合に勝った日に高校で豚が9匹の子を産んだことまでにぎやかに報じたが、投球数に関する報道は極めて少なかったように思う。それどころか、ある野球評論家は決勝戦の前に「吉田君は投げ方がいいから、肩や肘に負担がかからないので大丈夫ですよ」と発言していた。これはきわめて無責任な意見だと思う。
8月20日に甲子園で行われた始球式に臨んだ桑田真澄氏は、金足農業の吉田に「僕も大阪大会で5連投した経験者として、もしも痛いところが出たらすぐに声を出してほしい」とアドバイスしたと報じられた。桑田氏は投手の酷使を懸念し、高校野球改革の必要性を訴えているが、その記事の扱いは極めて小さかった。
ネットでは、橋下徹氏をはじめ、投手の酷使、登板過多に対する懸念を表明し、甲子園の仕組みを改革すべきだという意見が数多く発表されている。しかしその多くは雑誌系メディアであり、新聞系のメディアはほとんどこれに触れていない。また論じているのは橋下氏など外部の有識者やフリーライターなどであり、大手新聞の記者で明確な意思表示をした人はほとんどいないのではないか。
まるで甲子園の投手の酷使や、球数制限について触れるのは、タブーであるかのようだ。
今年、甲子園の投手の酷使が例年以上に大きな話題になっているのには、ある新書の出版が与えた影響が大きい。『甲子園という病』(新潮新書)。センセーショナルなタイトルだ。著者の氏原英明氏は十数年にわたって高校野球に密着し、選手の技術からメンタルまできめ細かな取材を行ってきた。大阪桐蔭高校の西谷監督をはじめ、指導者や選手の信頼も厚い。
その氏原氏をして、甲子園は危機的な状況であり、トーナメント戦からリーグ戦への移行など、大胆な改革が必要だ、と書かしめたのだ。『甲子園という病』は、外部の有識者の懸念とは一線を画す切実な思いが込められた本だといえよう。
氏原氏は今大会も連日甲子園の記者席に詰めて、全試合を観戦し、選手、指導者のインタビューにも参加している。大会期間中に氏原氏に話を聞いた。
「私が高校生の投手の酷使に疑問を抱いたのは、2013年春の安樂投手の772球がきっかけでした。あのときは、日本のメディアも少しは取り上げましたが、夏に安樂投手が出てきたときには、もう球数の話はしなくなりました。今大会も、済美対星陵の試合で済美の山口投手が延長13回を1人で投げきり、184球を投げました。
この試合後のインタビューで、新聞などメディア系の記者は誰も球数について監督や選手に質問しませんでした。侍ジャパンU18メンバー発表の際に連投した金足農の吉田投手が入っていることを質問したのも私だけでした。フリーランスのライターがその質問をするとその答えを記者たちがメモをとる。そんな図式です。何を恐れているのか、何に忖度しているのか、と思います」(氏原氏)
『甲子園という病』は、アマゾンのスポーツジャンルで上位にランクされるなど、多くの人に読まれている。それだけ今の高校野球報道に不満を持ち、疑問を抱いている人が多いということではないかと思う。
大げさに言えば、これは「メディアの危機」でさえある。現場の誰もが認める「投手の投球過多」という深刻な問題を、そのまま伝えることができない新聞、テレビ。何かに忖度をして口を閉ざすメディアは、果たして信頼するに足るのか。
誰のため、何のための高校野球なのか
有力な高校の監督に話を聞くと、「私たちがいくら投手を大事に使おうと思っても、今の地方大会、高校野球の日程が変わらないのだから、どうしたって酷使せざるを得なくなっている。学校や監督の力だけでは、どうすることもできない」という意見がしばしば出てくる。このあたりが「病」といいたくなるような根の深さなのだと思う。
21日の甲子園閉会式で高野連の八田英二会長は「秋田大会からひとりでマウンドを守る吉田投手を他の選手が盛り立てる姿は目標に向かって全員が一丸となる高校野球のお手本のようなチームでした」と語った。
そこには、高校野球が直面している大きな問題に対する危機感はうかがえなかった。金足農業のように、1人の投手しか用意せず、過酷なトーナメント戦を玉砕戦法で戦う高校が今後も増えれば、高校野球への不信感はさらに高まるだろう。
いろいろなしがらみはあるだろうが、高野連、朝日新聞などのメディアは、誰のために、何のために高校野球を運営し、報道しているのかを改めて考えるべきだろう。記念すべき100回大会を、そのための起点にしてもらいたいものだ。(文中一部敬称略)


バスケ選手買春  代表の自覚なさ過ぎる
 きわめて軽率な行動で残念だ。
 インドネシアのジャカルタで開催されているアジア大会のバスケットボール男子日本代表選手4人が、ジャカルタ市内で買春行為に及んでいた。
 4選手は「競技を離れた場でも社会の模範となる行動を心がける」という規範に違反したとして、日本選手団から代表認定を取り消され、帰国した。
 4人のうち2人はBリーグの京都ハンナリーズと滋賀レイクスターズに所属している。
 日本バスケットボール協会の説明によると、4選手は16日にあったカタール戦後に選手村から日本選手団の公式ウエアを着て外出した。日本食店で食事や飲酒をした後、店の外で4〜5人の女性に話し掛けられ、近くのホテルに女性を伴って入った。4人は女性に1人約9千円を払ったという。
 記者会見で4選手は「国旗が書かれた服装でする行為ではなかった」などと反省の弁を述べ謝罪した。
 買春は違法行為である。外国で安易に関われば、人身売買組織などとのトラブルに巻き込まれる危険性もある。
 ましてや4人は代表選手として公費で派遣されていた。公式ウエアで歓楽街を訪れるとは、自覚と思慮を欠いていたと言わざるを得ない。猛省してほしい。
 スポーツ界では、2020年の東京五輪に向けてコンプライアンス(法令順守)の向上が最重要課題になっている。競技団体が選手の自覚を促す取り組みを続けているが、不祥事の絶えないのが実情だ。
 アジア大会では、日本選手団の山下泰裕団長が競技団体に規律ある行動の徹底を呼び掛けたばかりだった。バスケット協会は選手にしっかり伝えたのだろうか。
 スポーツ庁の鈴木大地長官は、国が競技団体に直接指導する必要性について言及した。
 競技団体は選手強化や助成金の窓口としての役割があるが、国に対しては「自治」を保っている。
 だが、東京五輪に向け公的資金が従来以上に投入される中、不祥事が続けば、国として放置できなくなろう。
 鈴木長官は「団体によっては、いい方向に向かわないこともある」と指摘した。
 スポーツは国に管理され強くなるものではない。選手出身でそれを理解している鈴木長官がこう言わざるを得ない事態に、競技団体は危機感を持つ必要がある。


障害者雇用不正 国民を欺く「偽りの達成」
 国民を欺く「偽りの達成」だったのか。またも行政機関の信頼を揺るがす不祥事である。
 総務省や国土交通省など中央省庁が、法律で義務付けられている障害者の雇用率を実際よりも水増しして公表してきたことが明らかになった。
 中央省庁といえば、障害の有無にかかわらず誰もが対等に安心して働ける社会の実現を目指す「旗振り役」である。障害者雇用を率先垂範し、民間企業を指導する権限と責任を持つ。
 その政府機関が実態と懸け離れた数字を公表し、法定雇用率を達成したように見せかけてきた。しかも、不正は1976年に身体障害者の雇用が義務化された当初から40年以上にも及ぶという。言語道断である。
 障害者雇用促進法は、企業や国、地方自治体に一定割合以上の障害者を雇用するよう義務付けている。達成できない企業は納付金を課せられ、企業名を公表されることもある。
 法定雇用率は今年4月1日から引き上げられ、国と自治体は2・5%、企業は2・2%となった。企業よりも国や自治体の率が高いのは、公的機関が模範を示すためとされる。
 昨年6月1日時点で、国の行政機関の平均雇用率は2・49%と、当時の法定雇用率(2・3%)を上回っていた。
 ところが、障害者数の算定方法に不正があったとされる。雇用率に算定できる障害者とは原則、障害者手帳を持つ人と、指定された医師の診断書がある人なのに、障害の程度が比較的軽く手帳を交付されていない職員などを合算していたという。
 公的機関は企業より高い法定雇用率を設定される一方、納付金の徴収など目標を達成できない場合の罰則規定はない。今回判明したのは、障害者雇用率制度がそもそも想定していない「官の不正」といえよう。それほど事態は深刻ということだ。
 四十数年もの長期間、重大な不正を見逃してきた政府の責任は重い。民間企業には厳しいくせに「身内には甘い」−と言われても仕方あるまい。
 一部の省庁からは「算定方法などの理解不足が原因で、故意の水増しではない」といった主張もあるという。
 およそ世間には通用しない言い訳だ。不当な差別を禁じ、障害者の雇用を促す法の趣旨を何と心得ているのだろうか。
 遅ればせながら厚生労働省は全省庁の調査に乗り出した。早急に実態を把握し、責任の所在をはっきりさせ、再発防止を徹底する必要がある。
 同様の水増しは自治体でも発覚するなど、問題は拡大の様相だ。閉会中審査などを通じ国会も究明へ動きだすべきである。


野党ヒアリング 「精査中」連発に怒り
 中央省庁が障害者の雇用者数を水増しした問題で、野党は二十一日、国会で十三府省庁の担当者からヒアリングを行った。各省庁の担当者は「状況を精査中」を連発し、詳しい説明を避けた。障害者団体の代表二人も出席して、議論を見守ったが、省庁の姿勢に「障害者雇用に取り組もうという姿勢を感じない」と批判。政府には任せられないとして、障害者を入れた第三者委員会を設置して、実態解明を進めるよう迫った。
 野党から障害者雇用を所管する厚労省に対して、水増しの疑いをいつ認識したのか、そのきっかけは▽なぜ、公表しなかったのか▽水増しの具体例と、その対象人数は▽調査結果はいつ公表するのか−など八項目の質問が出された。厚労省の回答は、制度に対する質問を除き「調査中」だった。
 ほかの十二省庁には水増しの実態を聞いたが、いずれも「精査中」だった。
 水増し問題は、障害者雇用を率先して進める立場の省庁が、雇用者数を水増しして、雇われるはずだった障害者の雇用を奪った、と批判されている。自らも視覚障害のある日本障害者協議会の代表藤井克徳(かつのり)さん(69)と、DPI(障害者インターナショナル)日本会議の事務局長で、下半身に障害があり車いす生活を送る佐藤聡さん(51)が駆け付けたのも、早く実態を把握したいからだ。
 ヒアリングの途中で、藤井さんは「障害者はあてにならない前提にしているのでは。差別があるのかなという気持ちを持たざるを得ない。改めてこの国の障害者雇用のもろさを投影した」と指摘。「障害者にとってどれだけ働く場が奪われたのか。障害者への背信行為をどう省庁は認識しているのか」と問いかけた。しかし、担当者から具体的な説明はなかった。
 佐藤さんは「障害者雇用促進法という国の作ったルールを自分たちが守っていない。本来、雇われるチャンスがあった人が働く場を閉ざされたことは重大な問題だ」と指摘。省庁の担当者に「障害者を含めて第三者委員会を設置して、実態把握を進めてほしい」と迫った。省庁の担当者から発言はなかった。 (妹尾聡太、坂田奈央)


「障害者雇用水増し」問題 厚労省の天下りに高額役員報酬
 障害者雇用の水増し問題を巡って21日、野党が厚労省など13府省庁にヒアリングした。水増しの有無について質問が飛んだが、いつもの「官僚答弁」で実態はウヤムヤ。さらに、静岡や島根など計10県の教育委員会なども水増しに手を染めていたことが発覚し、底が見えなくなってきた。
 雇ってもいないのに、国のルールに従って障害者を雇用している、と国も自治体も虚偽報告を続けていたのだから、とんでもない話だ。
 ヒアリングでは、各省庁とも示し合わせたように「精査中」と口を揃えていたが、関心を集めたのは、農水省と国交省が「6月20日に厚労省から『再点検』の依頼がきた」と発言したことだ。厚労省は早い時期から問題を把握しながら、“隠蔽”していた可能性がある。
「ちょうどあの頃、厚労省は裁量労働制の基となるデータの不備が発覚し、野党から責められていた。新たな問題を追及されることを恐れ、“隠蔽”したのではないかとみられています」(霞が関関係者)
 いずれにせよ、42年間も水増しを“放置”していたのだからフザケているが、問題発覚で改めて疑問視されているのが、厚労省所管の独立行政法人「高齢・障害・求職者雇用支援機構」の存在だ。
 従業員100人超の企業は、障害者雇用率2.2%の達成を義務付けられており、未達の場合、不足1人当たり月5万円の納付金を徴収される。機構は徴収業務と、多数の障害者を雇用する企業への調整金の支給業務を担っているが、徴収した“罰金”を右から左に流すだけなのに、役員報酬がヤケに高額なのだ。
 全8人の役員のうち、最高は理事長の年間約1780万円。ヒラの理事でも1000万円オーバーが複数いる。しかも、2人は厚労省出身だ。なぜ高額報酬を払う必要があるのか。機構に問い合わせたが「担当者が出払っており、返答できない」という。ジャーナリストの若林亜紀氏はこう言う。
「公式な経歴を見たところ、2人の役員は本省に籍を置いたまま機構に移る『現役出向』というもので、事実上の天下りです。退職するよりも本省での在籍期間が長くなる分、退職金の額も増えます。納付金の徴収業務は、厚労省の業務の一環で強制性が強いため、取りっぱぐれることはあまりありません。難解な業務ではありませんし、役員に高額報酬を支払う必要はないのではないか。障害者の方が生き生きと働ける環境づくりに使うべき納付金を、厚労省の役人が食いつぶしている格好です」
 厚労省は一体どこを向いて仕事しているのか。


サマータイム導入検討 効果疑問、別方策を考えよ
 2020年東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長が、サマータイム導入を安倍晋三首相に要望したのを受け、自民党が検討を行っている。しかし、必要になるとされるシステム変更のコストに比べ、暑さ対策としての効果は多くは見込めそうもない。五輪まで2年を切った。早々に結論を出し、別の方策を関係機関や国は本腰を入れて考えるべきだ。
 熱中症予防に向け環境省は、暑さ指数(WBGT)によるチェックを推奨している。五輪期間と同じ7月下旬〜8月上旬について、今年の東京の気温・湿度を日本生気象学会作成の早見表に単純に当てはめてみると、午前5、7、9時のWBGTは6割以上が28〜30度。日本スポーツ協会の指針が「厳重警戒」としている2番目に危険なレベルで、激しい運動や持久走は避けるよう求めている。
 5時でWBGT27度、9時で同30度の日が1回あるが、その他は5時と7、9時で大きな違いはない。朝方は湿度が高いためだ。マラソン競技は午前7時からだが、サマータイムによる1〜2時間の違いが効果を生むかは疑問である。それに午後の一部競技はより暑い時間帯になりかねない。
 サマータイムに慎重な意見があるのは、健康に悪影響を及ぼしかねないからだ。日本睡眠学会は生活リズムが崩れ、睡眠が短くなるとしており、心筋梗塞や脳血管障害などの疾患リスクも懸念されている。1時間時計を進めるサマータイムを実施している欧州連合(EU)が廃止を検討しているのも、健康影響が理由。それが仮に2時間となれば、弊害はさらに増す。
 コンピューターなどのシステム変更という難題もある。IT業界はただでさえ人手不足が深刻。元号対応も控えている。準備期間が限られる中で、万全の態勢を取るのは難しい。
 サマータイムのメリットとしては省エネ効果が指摘される。しかし、酷暑の中で冷房需要はかえって増える可能性がある。照明需要についても高緯度地域にあるEU諸国ほどの効果は期待できないのではないか。余暇活動が活発化し、経済効果があるというのも疑わしい。終業後の明るい時間が延びるのは確かだが、暑さの中でどれだけ有効活用できるだろうか。
 暑さ対策に、さまざまな選択肢を検討するのは悪いことではない。ただ、今年の場合、8月中旬以降の気象状況は少し良くなっている。同17日の東京は、最高気温が30・0度まで上がったが、WBGTは午前7時で22度、同9時で23度。協会指針では「注意」に危険度が下がっている。組織委は、日程再調整や、それが無理ならせめてマラソンなどの予備日設定を真剣に考えるべきではないか。
 組織委には、日本スポーツ協会も参加している。首相に要望する前に、サマータイムについて内部でどれだけ検討したのか。それともトップ周辺の独断だったのか。組織委自身が汗をかかずして、国民に負担を求めても理解は得られない。


スーパーボランティア尾畠氏 東京五輪で“政治利用”の懸念
 一躍時の人となった、「スーパーボランティア」こと尾畠春夫さん(78)。山口県で行方不明となっていた藤本理稀ちゃん(2)を発見して以来、英雄扱いだ。「ボランティアは人を頼ったり、物をもらったりしちゃいけない」「自己完結、自己責任」――。尾畠さんの言動が世の中から称賛されている一方で、政治利用されるのではとの懸念が出てきた。
 その心配の種が、人手不足が予想される東京五輪のボランティア募集。約11万人のボランティアを集めるため、東京都は約4000万円をかけ、人気女優の広瀬すずを起用した募集動画を制作。来月下旬からテレビCMとして放送する予定だ。また、全国の大学で説明会を開いており、ボランティア活動を紹介したチラシを30万部配布するという。文科省とスポーツ庁も先月、五輪期間中の授業や試験日程を変更できる旨を全国の大学に通知し、大学生のボランティア参加を暗に働きかけている。
 政府と都は「ボランティア募集」にはカネをかけるのに、有償でスタッフを雇う気などサラサラない。それゆえ、見返りを求めないボランティアの鑑と称賛される尾畠さんの言動に、“利用価値”を見いだしてもおかしくない。実際、一部の芸能人などが「尾畠さんに国民栄誉賞を!」と叫ぶ一方、ネット上では、<(組織委が)尾畠さんを無償奉仕の象徴的存在として祭り上げそう><(尾畠さんが)東京五輪のボランティア募集活動に利用されそう>などと不安視する声が出ている。
「ブラックボランティア」の著者で作家の本間龍氏がこう言う。
「例えば、尾畠さんが、全国で行われているボランティア募集の説明会などに引っ張り出されたとしたらおかしな話です。行政がそういう動きをしたら、全力で阻止しないといけません。そもそも、ボランティアは参加者が自発的に行うものなので、行政が懸命になって集めること自体、違和感を覚えます。尾畠さんの活躍は喜ばしい話題として報じられているので、まさか利用するなんてことはないでしょうが」
 リオ五輪の閉会式にマリオで登場したり、人気者とみるや国民栄誉賞を乱発したりする安倍首相のことだ。油断はできない。


幼児教育無償化のウラに…安倍政権の意地悪な“分断政策”が
 昨年の総選挙で安倍首相が目玉公約に掲げた幼児教育の無償化。来年10月スタートだが、実は認可外施設の専業主婦家庭は対象外だ。大半が無償なのに、教育費徴収を強いられる施設の関係者から悲鳴が上がっている。
 今年6月15日の閣議決定では<3歳から5歳までの全ての子供たちの幼稚園、保育所、認定こども園の費用を無償化する>とした上で<(それら)以外についても、保育の必要性があると認定された子供を対象として無償化する>とある。認可施設は全てなのに認可外は「保育の必要性」の条件があり、専業主婦は恩恵にあずかれない。
 これは不公平だ。それに安倍首相は、一切、条件を付けずに「全ての子供たちの幼稚園や保育所を無償化します」と表明したではないか(17年11月17日「所信表明演説」)。
 文科省に聞いた。
「『全ての子供に』というのは、認可施設について無償化するという意味です。それが大原則なのですが、議論の中で、認可施設に入れられない親もいることから、例外的に、認可外でも保育の必要性が認められたら、無償ということになった。質の確保の観点から、認可施策を進めていくのが国の方針です」(幼児教育課)
 埼玉県坂戸市の「ひかりの子幼児学園」は6年前、幼稚園設立を申請したが、県から「幼稚園は先細りで認可しない」と言われ、認可外で始めた。子供は生まれながらに自分で自分を育てる力が備わっていることを基本理念に幼児教育を実践し、地域や親の信頼を得てきた。現在、8割の親が専業主婦だ。郷家清子副園長がこう訴える。
「ひとつの園の中に無償の対象と対象外の子が混在し、難しく厳しい運営を余儀なくされます。約3万円の教育費は大きな負担で、この金額差は園選びを左右する。私どものような認可外は存続すら危ぶまれます。分け隔てなく全員平等に無償化の対象にしてください」
 認可外には劣悪な園もあり、国がケアするのはわかる。だが、認可施設が不足の中、認可外が受け皿になり、多種多様な幼児教育を展開しているのが現状だ。認可施設が原則だからといって、認可外の専業主婦を無償から排除するのは飛躍である。認可政策を軸に質を担保することと、全面無償化は両立するはずだ。
 認可外の全面無償にどれだけの財源が必要なのか――。文科省は「認可外の所管は厚労省」(幼児教育課)、厚労省は「試算するなら内閣府」(子ども家庭局総務課)とし、内閣府は「試算はしていない」(子ども・子育て本部)と答えた。おそらく微々たる額である。机上の試算すらせず、安倍政権は地域の幼児教育を分断しようとしている。こんな意地悪な政策は世論の力で撤回させるしかない。


アニメ映画 広島の被爆米兵描く 日系人監督の遺志を形に
「沈黙の艦隊」の人気漫画家かわぐちかいじさんデザイン
 「スノーマン」「風が吹くとき」などの名作で知られる世界的アニメーション監督で、日系米国人の故ジミー・ムラカミさん(2014年、80歳で死去)の遺志を継ぐアニメ映画が、被爆死した米兵捕虜の調査を40年以上続ける広島市の歴史研究家、森重昭さん(81)らの協力で製作されることになった。キャラクターデザインは、「沈黙の艦隊」で知られる人気漫画家、かわぐちかいじさん(70)が担当し、被爆75年にあたる20年夏の完成を目指す考えだ。【中澤雄大/統合デジタル取材センター】
 「私の最後の作品は、ヒロシマを舞台にしたものにしたいんだ」。04年の第10回広島国際アニメーションフェスティバルで審査委員長を務めたジミーさんは、周辺に胸の内を語っていた。1933年、日系1世と2世の両親の下に生まれ、ツールレーク日系人収容所で4年間過ごした経験から、戦争を憎む気持ちは人一倍強かったという。
 ジミーさんが森さんを訪ねたのは7年前のことだ。森さんが突き止めた、呉港沖で撃墜された米爆撃機の乗組員12人が爆心地に近い中国憲兵隊司令部で被爆死した事実を詳しく聞くためだった。森さんは「原爆犠牲者に国籍は関係ないと話しました。きちんと実態を描くことをアニメ化の条件にしました」と振り返る。
 脚本は仏カンヌ映画祭パルムドール受賞作「うなぎ」の冨川元文さん(69)が、森さんの著作を下敷きにして執筆。米兵捕虜と広島の看護女学生は心を通わせるようになるが、原爆が関係を引き裂く−−。題名の「ヒロシマ・夏の名残のバラ」は、アイルランド系と設定された米兵が祖国の民謡「The Last Rose of Summer」を口ずさみ、女学生と打ち解けるきっかけとなることから付けた。日本の唱歌「庭の千草」の原曲としても有名だ。
 地元・広島県尾道市出身のかわぐちさんは本作へ強い思いを込めて「代表作『沈黙の艦隊』では核戦争の抑止をテーマにしましたが、今回は戦時下での人間同士の絆、交流を描くことになります。今の時代、僕ら『団塊の世代』がこうして語り継いでいく責務があると思います。僕にとっても初めて描き下ろすアニメ映画であり、頑張りたい」と語る。
 ジミーさんと30年来の交流があり、構想を打診された宇田川東樹(とき)プロデューサー(70)は「ジミーさんの描きたかったものは戦争で殺された人々の鎮魂と強大な力にも屈しない人間愛。核兵器と放射能汚染を地球上からなくしたいと願っていた。世界への発信を目指したい」と話し、クラウドファンディングなどを活用して製作資金を広く募りたい考えだ。


ハイサイ、グスヨー、チューウカナビラ”は沖縄の強い意志
 8月11日、那覇は折からの台風の接近で強い雨が降っている。集まった人々は主催者発表で7万人。壇上に立つ弁士は、まずこの言葉を口にしてから話し始めた。
 このウチナーグチ(沖縄方言)で「みなさん、こんにちは。お元気ですか」を意味する言葉は、いつからか、政府に対峙するウチナンチューの強い思いを示す枕ことばになっている。
 その3日前に死去した翁長知事が那覇市長時代に市役所職員に使うよう奨励した言葉で、23年前の県民大会でも、この言葉の後、普天間基地を辺野古に移設するという政府の方針に反対する強い意志を示している。
 私と沖縄との関係を書いておきたい。沖縄は、社会人としての一歩をNHK記者として始めた地であり、米兵による少女暴行事件に端を発した県民の怒り、大田県政が政府と対峙する場面を間近で目撃してきた場でもある。
「俺たちはウチナンチューなのか、それとも日本人なのか?」
 そう自問自答する沖縄県庁の職員と酒を酌み交わして議論する日々だった。そのうちのひとりで翁長県政を支える幹部から今回、翁長知事の死を知らされ、すぐ沖縄に入った。
 私が沖縄を取材していた当時、翁長知事は自民党の県議だった。翁長氏も含めて、当時の自民党の若手県議ともよく議論した。上原賢一、儀間光男、西銘恒三郎といった面々だった。
 いずれも沖縄の明日を築くという熱い思いを持った政治家で、陽気に語り合い、飲み、歌った。その中にあって翁長氏は、物静かな印象が強い。みなから「タケシ」「タケシ」と呼ばれ信頼されていた。
 それだけに、3年前の県民大会で政府に対して反対の意志を強固に示した時は、自民党の受けた衝撃は大きかった。その晩、当時の飲み仲間で自民党幹部になっている政治家が語った言葉を覚えている。
「辺野古の基地建設に反対したタケシはひょっとして、機材の搬入口に座り込みをやらんかなぁ……そう懸念しているわけさ」
「機材の搬入を知事が体を張ってストップする……さすがに県警の機動隊も対応は難しいでしょうね」
「知事を機動隊が強引に動かしたら、これは大変なことになるわけさ」
 翁長知事の志半ばの死によって、ひとまず、彼のその懸念はなくなったことになる。しかし……。
 記憶をたどっているうちに、県民大会は終盤になった。雨脚は更に強まっている。皆、ずぶ濡れだ。しかし誰も帰らない。静かに、だが、強い意志を持ってそこにい続けている。それを見て、思わずにはいられなかった。翁長知事は自らの死によって、実は既に搬入口の座り込みを始めたのだ、と。それはもう、機動隊によっても動かすことはできない。
 さて、きょうから始まる私のコラムだが、コラムでの考え方などは次回に譲りたい。まずは、私のジャーナリストとしての原点である沖縄について書かせていただいた。
 そして、読者の皆さまへ私からも。
「ハイサイ、グスヨー、チューウカナビラ」


石破氏に総裁選勝算あり 地方票を4割取れば安倍首相マッ青
 自民党は21日開いた総裁選挙管理委員会と総務会で、「9月7日告示、20日投開票」の総裁選日程を決定。野田聖子総務相は推薦人集めに苦戦しており、安倍晋三首相VS石破茂元幹事長の一騎打ちの公算だ。石破氏は出馬表明済みのため、あとは来週にも、とされる安倍首相の正式表明を待つのみである。
 国会議員は7〜8割が安倍支持なので焦点は「地方票」だが、20日興味深い世論調査結果が出た。ANNが18、19日に行ったもので、「総裁選への出馬に意欲を示している3人」として、安倍首相、石破氏、野田氏に絞って「自民党総裁は誰がいいか」を聞いたところ、石破氏が42%とトップで、安倍首相は34%、野田氏は10%だったのだ。自民党支持層に限ると、安倍首相58%、石破氏31%、野田氏5%の順だが、一般有権者は明確に「安倍NO」だということが分かる。
 自民党のベテラン職員はこう話す。
「やはり、ですね。世論は安倍さんより石破さんを選んだ。つまり、『このまま安倍総裁で来夏の参院選を戦ったら、自民党は勝てない』ということを意味します。こうした空気に地方組織は敏感ですよ。国会議員は安倍支持で雪崩を打っているが、本当にそんな安倍圧勝ムードで、この先、自民党は大丈夫なのか? ということです」
■「地方はそんなに甘くない」
 安倍首相は20日も地方票集めに躍起。山梨県の別荘で夏休み中なのに、夕方に一時帰京して、党本部で地方組織向けのビデオメッセージを収録した後、都内のホテルで「日本会議」に関係する地方議員らが開いた会議にわざわざ出席した。
 安倍首相は地方票でも7〜8割の獲得を目指し、「石破氏の地方票は2割以下に抑えろ」と陣営にハッパをかけているというが、前出のベテラン職員は、「地方はそんなに甘くないでしょう。石破さんが地方票を4割取ったら、事実上、勝利ですよ」と総裁選後を展望していた。
 政治評論家の野上忠興氏もこうみる。
「参院選を考えれば、地方組織は安倍首相に少しお灸をすえておきたいと考えるでしょう。国会議員票でも地方票でも圧勝すれば、安倍首相はこれまで通りのやりたい放題を加速させるばかりで、世論の反発を招き、参院選で苦戦することになりますからね。安倍首相があれだけ地方議員と頻繁に会って締め付けている中で、石破さんが地方票を3割取るだけでも善戦ですし、4割取ったら大変。安倍首相はパニックに陥るでしょう。たとえ総裁選に勝利しても政権基盤の脆弱化は避けられず、レームダック化する」
 来月20日、安倍首相のマッ青な顔が見られるかもしれない。


石破氏改憲の正論 主権者国民の「知る権利」なら異論なし
 自民党総裁選に出馬を表明した石破茂代議士は、「先にスケジュールありき」の安倍首相の9条改憲論を批判して、さまざまな正論を述べている。その中で、2012年に自民党が党議決定した改憲草案21条の2「国政に関する国民に対する国の説明責任」に言及した。
 これは、為政者にとっては煩わしい条項なので今の自民党は無視しているが、国民主権を実効化する重要な手段である。
 国家権力は立法権(国会)、行政権(内閣)、司法権(最高裁)に分立され、それぞれ、ルールを作る、そのルールを全国一律に執行する、そのルールを個別事件に適用する……という役割分担になっている。
 それらの中で、国会(57条)と裁判(82条)は、憲法上、「公開」されることになっている。それは、「権力」の行使を主権者国民が直接監視するためである。ところが、行政府の仕事だけは、憲法上、公開とされていない。だから、情報公開法などを作っても、国は、「公正な行政の執行の障害になる」など、その正当性を主権者国民の側が検証できない理由を立てて、情報公開を拒む傾向にある。森友・加計事件に至っては、周知の通り、公文書を改竄(かいざん)までして事実を主権者国民から隠蔽する挙に出てしまった。
 だから、かねて、主権者国民の知る権利(表現の自由に内在する人権)に対応する国の行政情報公開「義務」を憲法典の中に明記すべきだという主張があり、自民党は、21条(表現の自由)の次に条文を新設して、「国政上の行為(その中で一番多いのは行政)につき、国が国民に説明する責任(情報公開の義務)」を明記したのである。
 これが憲法に新設されれば、モリ・カケ問題に関する安倍政権の対応などは明白に違憲になるであろう。つまり、学校や学部を新設する条件の整っていない法人が、首相と親しいという理由で行政から特別扱いされ、片方は8億円の国有地を事実上無償で入手し頓挫し、他方は100億円以上の公的助成を得て学部を新設してしまった。それに対して首相は「無関係」と言い張り説明を果たしていないが、国民の過半数はそれを信じてはいない。
「知る権利」は筋の良い改憲案である。


修士・博士 日本だけ減少…研究力衰退あらわ 7カ国調査
 人口当たりの修士・博士号取得者が近年、主要国で日本だけ減ったことが、文部科学省科学技術・学術政策研究所の調査で判明した。日本の研究論文の質や量の低下が問題になっているが、大学院に進む若者の数でも「独り負け」で、研究力の衰退を示す結果といえる。
 比較可能な日米英独仏中韓の7カ国で修士・博士号の人口100万人当たり取得者数を、2014〜17年度と08年度で比べた。
 その結果、最新の修士号の取得者数は、中国が08年度比1.55倍の350人▽フランスが1.27倍の1976人−−などで、日本以外で増加。日本だけが08年度比0.97倍の570人と微減だった。
 博士号も同じ傾向で、韓国は1.46倍の279人▽英国は1.23倍の353人−−などと増える中、日本だけが0.90倍の118人と減った。内訳が明らかでない中国を除く6カ国で自然科学で比較しても、日本だけが修士・博士号取得者は横ばい、または減少していた。
 研究所によると、日本の取得者は自然科学に偏るが、他国では特に修士で人文・社会科学の取得者が多く、全体の取得者数に影響しているという。
 日本の博士号取得者は、06年度をピークに減少に転じた。取得後も多くが雇用が不安定な任期付き研究員にならざるを得ず、敬遠されたことも背景にあるとみられている。【酒造唯】


京都の八ッ橋訴訟、聖護院側が争う姿勢 「創業元禄2年」巡り
 聖護院八ッ橋総本店(京都市左京区)が掲げる「創業元禄2(1689)年」は偽りだとして、井筒八ッ橋本舗(東山区)が広告の記載差し止めや損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が22日、京都地裁(牧賢二裁判長)で開かれた。聖護院側は請求棄却を求め、争う姿勢を示した。
 訴状によると、聖護院八ッ橋総本店はのれんに「創業元禄2年」を掲げ、商品説明書には「元禄2年、琴に似せた干菓子を『八ッ橋』と名付け、売り出した」と表示している。井筒側は、八ッ橋が元禄年間に存在したことを示す文献はなく、起源についての定説も存在しないと指摘。「京都で最初に八ッ橋を創作したと誤解を招く内容で、不正競争防止法に違反する」と主張している。
 聖護院側はこの日の弁論で答弁書を提出し、請求棄却を求めた。
 聖護院八ッ橋総本店の創業年を巡っては、京名菓八ッ橋工業協同組合(中京区)が昨年5月、表示の中止などを求めて京都簡裁に民事調停を申し立てたが、不成立となっている。


今市事件被告の母親「バイトの面接はすべて落ちてしまう」
 2005年12月、日光市(旧今市市)の小学1年生、吉田有希ちゃん(当時7)が殺害された事件で、今月3日、殺人罪に問われた勝又拓哉被告(36)の控訴審判決公判が開かれた。1審判決は破棄されたものの、無期懲役が言い渡された。
 昼前だというのに、雲ひとつない空から、容赦なく焼きつくような日差しが降り注いでくる。私は勝又被告の母親に会うため、都心から1時間ほど離れた場所にあるファミレスに向かった。控訴審判決公判を1週間ほど後に控えた7月末のことだった。
 勝又被告には無期懲役の判決が下されたが、私は、納得していない。というのは、逮捕直後の報道などから違和感を覚え、今から4年前に母親に直接取材して以降、勝又被告の生活ぶりを聞くたびに、彼が無実であるとの確信を強めていったからである。
 ひんやりとエアコンが効いたファミレスに入ると、奥まった席に母親の姿があった。
「あっ、こんにちは、久しぶりですね。お元気ですか?」
 笑みを浮かべ、私を迎えてくれた。
 彼女は現在、勝又被告が逮捕される前から暮らしていた場所にはいない。知人の家に身を寄せながら生活をしている。
「生活をしないといけないじゃないですか、アルバイトの応募に行くんですが、あの勝又さんですかと言われて、すべて面接に落ちてしまうんですよ。いくら弁護士の先生や、周りの方々が無実だって訴えてくれていても、地元では犯人扱いなんですよ」
 どのように生活をしているのだろうか。
「少しはあった貯金はもうないです。(勝又被告以外の)子どもたちが生活費をくれたり、友達が助けてくれているから、何とか生活していけている状態です。知人の中には拓哉が逮捕された後、離れていった人もいますけど、ありがたいです」
「無罪になる証拠がこんなにあるのに」
 ひとたび犯人として逮捕されたことのレッテルが、本人ばかりでなく、周りの親族たちを苦しめている。
 そもそも、この事件がなぜ冤罪だと私が確信するのか。まずは、勝又被告の自白を裏付ける証拠がまったくないという点だ。検察は、殺害現場を茨城県常陸大宮市の山林と特定した上で、勝又被告を起訴している。ところが、東京高裁において、殺害場所を「栃木県か茨城県内のその周辺」と、極めて曖昧な場所に訴因変更している。
 さらに、被害者の体からは勝又被告のDNAは検出されていないが、被害者の頭に貼りついていた粘着テープからは、第三者のDNAが検出されている。そのDNAが意味することは、真犯人の存在ではないか。ここまで無実の証拠があるのに、なぜ検察は勝又被告が犯人だと固執し、裁判官は無期懲役の判決を下せるのか。
 勝又被告の母親は、昼食を取りながら話し続けた。
 入店当初、周りの席は埋まっていなかったが、昼時でしかも夏休みということもあり、親子連れが周りのテーブルで昼食を楽しんでいる。
 そうした空気の中、母親は切々と訴え続けた。
「何でこんなに無罪になる証拠があるのに、有罪になるんですか? 日本はしっかりとした国なんじゃないんですか」
 返す言葉もなくうなずいていると、彼女は続けた。
「私と拓哉が外国人(台湾出身、09年に日本国籍を取得)だからだというのが理由なんじゃないですか。何年か前に無罪になったゴビンダさんだって、外国人だったでしょ」
 東電OL殺害事件の容疑者として逮捕され、無実が証明されたネパール人のゴビンダさんを例に挙げた。彼も別件逮捕によって勾留され、取り調べの中で犯人に仕立て上げられている。(ルポライター・八木澤高明)


『名探偵コナン ゼロの執行人』の公安礼賛がヒドい! 元公安担当記者・青木理が大ブレイクの“安室透”に絶句
「安室透ブーム」なるものをご存知だろうか。アニメ化もされている人気マンガ『名探偵コナン』(青山剛昌/小学館)のキャラクター・安室透。その人気が最近ブレイクし、一種の社会現象となっているのだ。
『名探偵コナン』シリーズといえば、主に小中学生を中心とした子ども向けマンガではあるが、安室透なるキャラは大人の女性にも絶大な人気を博している。8月9日発売の『女性セブン』(小学館)合併号では、巻頭でキムタクと並んで安室特集が組まれ、安室を主人公にしたスピンオフマンガ『ゼロの日常』(新井隆広/小学館)は発売から1週間足らずで60万部を突破。作者の地元である鳥取の空港には安室のオブジェまで立てられたという。少し前には、『ゼロの日常』の作者がイラストをツイッターに投稿したところ、そのイラストに安室と女性が一緒に収まっていたことを理由に「女性とのツーショット画像が流出」と騒ぎになって謝罪に追い込まれるという、どうでもよすぎる“炎上騒動”まで起きている。
 そして安室をフィーチャーした映画『名探偵コナン ゼロの執行人』も4月の公開以来大ヒット。いまなおロングラン上映が続きシリーズ最大のヒット、7月はじめには興行収入85億円を突破し上半期映画興行収入第1位となり、シリーズ初の「邦画年間第1位」まで視野に入っている。
 その安室なるキャラ、普段はコナンが居候する毛利小五郎の弟子の私立探偵であり、喫茶店ポアロの店員として生活しているが、実は警察庁警備局の秘密組織“ゼロ”に所属する「降谷零」が正体だという設定。ようは公安警察なのだが、これに女性ファンが熱狂しているのだ。
●「安室の女」「執行女子」と呼ばれるファン、応援上映の熱狂
 彼女たちは「安室の女」と呼ばれ、映画のヒットも牽引。安室を「100億の男」にする(=興行収入100億円を突破させる)ために繰り返し映画を鑑賞し、そうしたリピーターは「執行女子」とも呼ばれているらしい。
 なかでも彼女たちの心をつかんでいるのが、安室が映画終盤に口にするこんなセリフだという。「僕の恋人は、この国さ」――。
 このセリフを聞くだけでも、背中がぞわぞわしてくるが、いったいどんな映画なのか、都内で「応援上映」なるものがあるというので覗いてみた。上映中にペンライトを振ったり、掛け声をかけることができるというイベントで、すでに公開から数カ月経つというのに館内はほぼ満席。大半は女性だが、コスプレ姿のいかにも濃いファンから制服姿の女子高生、さらには20代、30代の仕事帰りと思しき女性まで幅広い層が訪れている。
 映画のストーリーは「東京サミット」を目前に控え、東京湾岸の埋立地に新しく完成したIR(カジノも備えた統合型リゾート)で原因不明の爆発が起きるものの、最終的にはコナンと安室が協力して真犯人を解明し、大規模テロも未然に防いで一件落着という、単純なもの。しかし、すごいのは、観客の熱気だ。
 観客の大半がリピーター=「執行女子」なのか、人気キャラが登場するたびに「コナン君っ!」「小五郎っ!」などと声援があがり、機動隊の装甲車が登場した際は「機動隊っ!」という意味不明の掛け声までが飛び交う。
 なかでも安室人気は確かに凄まじく、安室と思しき人物の足元が映っただけで「キャーーッ!」と大歓声。なかでもひときわ激しい歓声があがったのは、安室が「俺の、恋人は……この国さ」とタメにタメて例の決めゼリフを放ったときだった。安室のカラーだという黄色いペンライトが劇場中で振られ、まるでアイドルのコンサート……。
 いや、でもちょっと待ってほしい。アニメとはいえ安室の正体は公安。アイドルのように歓声を浴びせ、手放しでヒーロー視するような対象なのか。そもそも実際の公安は、こんなカッコいい代物ではなく、むしろ様々な危険性や問題点を指摘されている組織だ。それをここまで礼賛、するというのは、いくらなんでもやばいんじゃないのか。
青木理に『名探偵コナン』“安室透”を無理やり観させたら…
 そこで今回、本サイトは元共同通信の公安担当記者でジャーナリストの青木理氏に、嫌がるのを説得して無理やり『ゼロの執行人』を観てもらった。ちなみに、青木氏の著書『日本の公安警察』(講談社現代新書)は、安室透の公式ファンブックで参考文献にも挙げられている。
 鑑賞後、さっそく青木氏に話を聞くと、困惑しきった表情でこう口を開いた。
「子ども向けのアニメにいちいち目くじら立てたくないけど、あまりの公安礼賛に正直絶句しました(笑)。安室透だっけ? たしかに警察庁警備局には“ゼロ”のような秘密組織はありますが、中途半端にリアルっぽく見せているだけで、現実とはまったく違います。僕の本も含め、公安本や小説などを読み漁って、つぎはぎしたのでしょうが、根本的なことがわかっていない。まず、細かいことで言えば、サミット警備の現場を担うのは地元の都道府県警であって、都内なら警視庁の公安部や警備部。安室が所属するという警察庁はキャリア官僚ばかりですから、現場で捜査や警備に当たることはありません」
 映画では、その安室が縦横無尽に活躍し、人工衛星を警察庁に墜落させるというテロを間一髪のところで防ぐ筋立てになっている。実際の公安もこんなふうにテロを未然に防いだりしているのか。巷では「無用の長物」「金食い虫」「予算の無駄遣い」という悪口しか聞かないが……。
「実際に公安警察がテロを防いでいるかどうかはわかりません。彼ら自身、『未然に防いだテロは永遠に知られない』なんて自画自賛してるくらいですから(笑)。でも、現実にはほとんどないんじゃないですか。公安警察が大金星的にテロ集団を摘発した例として有名なのは、1970年代に連続企業爆破を起こした東アジア反日武装戦線ぐらい。一方、オウム真理教の一連の事件はまったくノーマークで防げなかった。1995年のオウム事件当時、僕は警視庁記者クラブで公安警察を担当していましたが、オウムについて公安警察は事前にまったく動いていませんでしたから」
 では、いったい公安は具体的に何をしてきたのか。映画の中では安室も盛んに「国のため」と言っていたが……。
「公安警察は、戦前・戦中の特高警察の流れを組む思想警察の性格が強い組織です。戦後は、長く続いた東西冷戦体制を背景とし、“反共”を最大の存在意義にして予算や組織を膨張させてきた。ようは共産党や新左翼セクトの監視活動に膨大な人と金を注ぎ込んできたわけです。対象組織の内部に『協力者』と呼ばれるスパイを作ったり、果ては組織ぐるみの違法盗聴や爆破工作にまで手を染めたこともあったほど。ところが、冷戦終結後も同じような活動を延々と続け、警察内でも公安警察の存在意義に疑問の声が出はじめた。もともと警察内で公安部門はエリート意識が強く、けた外れの人員と予算を独占していましたから」
 しかもオウム事件で無能ぶりをさらしたことで、「多額の予算を消費するだけで何の役にも立たない」という公安への風当たりはさらに強まった。存在理由を失った公安が膨大な予算と人員を死守するため、新たに目をつけたのが「テロ対策」だという。
「米国で起きた2001年の9.11事件に便乗し、翌年には国際テロ対策と称して警視庁公安部に外事3課を新設しました。鳴り物入りで200人以上の捜査員を配置しましたが、現実にはモスク(イスラム寺院)に出入りしているムスリム(イスラム教徒)をかたっぱしから追い回すだけ。挙句の果てには彼ら、彼女らの個人情報を満載した捜査資料をネット上に流出させる大失態を犯しています。ようするにこの十数年の公安警察は、組織と予算、権益を守るのに汲々としてきたのが実情でしょう」
公安・安室透を英雄視する『ゼロの執行人』に欠けている視点
 ようは公安が「国のため」「国を守る」などと言っているのは大嘘で、その実態は自分たち組織の予算や権益を守っているだけということなのだ。
 そう考えると、今回の『名探偵コナン ゼロの執行人』は、公安にとって「組織維持と拡大」の格好の宣伝映画になったともいえるだろう。安室の女性ファン=「安室の女」は興行収入を上げるために映画を観に行くことを、安室が公務員であることにちなんで「納税する」と言っているらしいが、ある意味、的を射た表現なのかもしれない。
 もうひとつ、安室は、作品中でも証拠の捏造、盗聴、でっち上げ逮捕……等々、違法捜査のオンパレードで“事件解決”にこぎつけるのだが、いささかの逡巡もなく「自ら行った違法作業のカタは自らつける」などと見得を切る。再び青木氏が苦笑して言う。
「ああいう違法捜査の描き方だけは実態に近いかも(笑)。警察官の手を払っただけで逮捕っていう場面が映画にも出てきたでしょう。実際に『転び公妨』って呼ばれる公安のお家芸があって、狙った人物を公安警察官が取り囲み、1人か2人がいきなり転んで『公務執行妨害だ!』といって逮捕してしまう。ただ、これも非常に気になったのは、映画の登場人物が『公安お得意の違法捜査』を半ば自慢げに語り、作品全体を通じても肯定的に描かれていたこと。ああいう違法捜査も『国を守るためならアリ』というニュアンスがプンプンと漂っていた」
 こうした描き方に、青木氏は大きな問題を感じたという。
「公安警察が仮に治安維持の任務に当たっているとしても、行き過ぎれば重大な人権侵害を引き起こす。テロは確かに怖いかもしれないけれど、国家の治安機関の暴走はテロよりはるかに怖い。実際に戦前・戦中の日本はそうだったし、今だって北朝鮮や中国を見れば分かるように、治安機関の力が強大な社会はロクなもんじゃない。いわば諸刃の剣である治安組織が内包する危険性、負の側面に触れないのは、いくら子ども向けのアニメとはいえ、表現作品としてどうなんだろうと思ってしまいますね」
 青木氏が言う通り、公安をここまで礼賛する映画も珍しい。そもそも日本には警察をヒーロー視するドラマや映画があふれかえっているとはいえ、たとえば『相棒』(テレビ朝日)などは公安の暗部をそれなりに描いてきた。『外事警察』(NHK)や『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』(フジテレビ系)といった公安を主役にしたドラマでも、「自分たちが守っているのは何か」「本当に国民を守っているのか」といった逡巡が多少なりとも描かれた。
「アニメや特撮ものだってそうでしょう。かつての『ウルトラマン』や『ゴジラ』にしても、最近では宮崎駿監督の一連の作品も、作中には反戦や人権、環境保護といった人類共通のヒューマニズム的な要素が通奏低音のように流れていた。だから世界的にも高く評価されたのでしょう。でも、今回のコナン映画の通奏低音は何ですか。国を守る? 愛国? 少し前に賛否両論を巻き起こした『シン・ゴジラ』だって、左右どちらの解釈もできるような多層性があり、これほど単純じゃなかった」(青木氏)
安倍応援団?『コナン』のカジノ推しとセガサミーの協力
 しかも『名探偵コナン』がここまで公安礼賛になっているのは、たまたま、安室という公安捜査官のキャラを出したらヒットしたから悪乗りした、というだけでもなさそうだ。
『名探偵コナン』シリーズのアニメ映画をみていると、どうも政権や権力機関のPRのにおいがちらつくのだ。たとえば、2013年に公開された映画『名探偵コナン 絶海の探偵』も防衛省と海上自衛隊が全面協力し、自衛隊の最新鋭イージス艦を登場させていた。
 そして、今回の『ゼロの執行人』も、物語で重要な舞台となっていたのは「東京サミットの会場」であるIR(統合型リゾート施設)、あのカジノ法で設置が認められたカジノ施設なのだ。物語の後半では、テロの危機から逃れる人びとをわざわざカジノに避難させ、クライマックスの舞台となるのもカジノ。
 この映画が公開されたのは4月半ばで、カジノ法は、成立どころか国会での審議入りすらしておらず、むしろ国民から厳しい批判を浴びていた。ところが、作品中ではすでにカジノが日本に存在するのを当たり前であるかのように華やかに描かれている。
 しかも、エンドロールでは、撮影協力者としてセガサミーの社名まで刻まれている。ご存知の通り、同社は安倍首相とは蜜月の関係にあり、政権がカジノ法をごり押し成立させたことを受け、その運営者になることも有力視されている。これははたして、たまたまなのだろうか。
 これまで述べてきた公安礼賛もそうだ。安倍政権は特定秘密保護法や盗聴法、共謀罪といった強力無比な“武器”を公安に次々投げ与え、その“恩”に報いるかのように公安は首相の政敵や政権批判者を監視する謀略機関化の色彩を強めている。そんななかで、いくらキャラクターが当たったからといって、ここまで露骨な公安礼賛の映画をつくるというのは、製作者側にそういう権力礼賛、安倍応援団的な志向があるとしか思えない。
 しかも、それ以上に気になるのは、こうした公安プロパガンダ・アニメが邦画興行収入1位を独走し、「僕の恋人は、この国さ」という決め台詞を口にする公安捜査官が社会現象まで引き起こすほど人気を博しているという事態だ。このバーチャルな熱狂が、現実の政治、警察国家化に反映されないという保証はどこにもない。


フランス人が8歳から"性教育"をする理由 16歳の息子の「初体験」で驚いた
EUで最も出生率が高い国、フランス。その要因はなにか。フランス在住ジャーナリストのプラド夏樹さんは「フランスでは子供に8歳から性教育を行います。また50〜60代の9割以上がセックスを楽しんでいます。日本とは社会における『性』の位置づけが大きく違うのです。この違いについて日本人は考えたほうがいい」という。現場からのリポートをお届けしよう――。
※本稿は、プラド夏樹『フランス人の性』(光文社新書)の一部を再編集したものです。
息子が事前に「初体験」をメールで知らせてきた
私がここ30年近く暮らしているフランスは、「性」にまつわる議論が盛んな国である。欧米各国の間では、「金の話は下品とされるが、セックスの話は堂々とする国(※1)」といわれるほどだ。
そんな国フランスで、私は、ここ数年間、フランス人はどのように「性」について考えているのかを日常生活の中で観察してきた。それだけではなく、外国人であることを大いに利用して、母国語だったら口にしづらい言葉を使って、セックスやそれにまつわることに関していろんな人々と話し合ってきた。
そのきっかけとなったのは、いわゆる日仏ハーフの息子の思春期と、それをめぐる家庭内でのゴタゴタだった。
どこの家庭にもあるであろう、平凡な出来事――息子の初体験である。それは、15、16歳のときだったらしい。なんで母親の私がこんなことを知っているかというと、息子が事前にメールで知らせてきたからである。
「心配しないで、コンドームするから」
とある週日の夜のことだった。夕食後、「これからディアンヌちゃんのうちに泊まりに行ってくる」と言い出した。中学生になってからというもの、週末、男友達の家に泊まりに行くということは頻繁になったが、それはあくまでも土曜日の夜、翌日は学校がないという条件下でのことだった。それに、女の子の家に泊まりに行くなんて、なんかおかしい。
しかし、外国人ママンである私が、日本の常識だけで物事をはかることはできない。いつも心のどこかに、「フランスではこういうこともあるのかも?」という思いがあり、とくに子どもの教育に関しては自信をもって断言できないことが多かった。そこで言った。
「ディアンヌちゃんのお母さんはそれでオーケーだと言ってるの? ちょっと、私が電話で聞いたほうがいいと思うわ。明日は学校もあるから早起きしなきゃいけないし。お母さんの携帯番号教えてもらってくれる?」
息子は携帯を取りに自分の部屋に行った。しばらくして、家の中がやけに静まっているのに気づいた。息子の部屋に行った。いない。
玄関に行ってみるとドアが開けっ放しだ。「逃げられた!」と思って通りまで走って出たが遅かった。もう家の前の通りにはいなかった。私が住んでいるのは坂が多いモンマルトルだ。私の足でメトロの駅まで走ったところで、最近、背丈が父親と同じくらいになった彼に追いつかないだろう。
「ずるい!」という怒りでカリカリして家に帰ると、携帯にショートメールが届いていた。
「ごめんね、ママン。でも、ディアンヌちゃんの家にお父さんとお母さんがいないのは今晩だけだから、どうしても行きたい。心配しないで、コンドームするから。明日はちゃんと学校行くね」
最後にニッコリ笑う絵文字がついていた。翌日、息子はいつもと同じ時間に、いつもと同じ表情で帰ってきた。
いったい何を話せばいいんだろう?
「ただいま」と言うなり冷蔵庫を開けて、ヨーグルトや牛乳、ジュースをテーブルの上に並べ、漫画を読みながら黙々と食べている。話しかけなきゃ、なんか会話しなきゃと思うが、なんと言っていいかわからない。
いくらなんでも「どうだった?」と聞くわけにはいかないだろう。「なんで勝手に行ったの? 話し合いを避けるのはずるい!」と責めるのも、「ごめんなさい」とショートメールで伝えてきている以上、可哀想。では、いったい何を話せばいいんだろう?
私はしかたなく、「今朝、学校行ったの?」と聞いた。なんか間の抜けた、情けない母親だなと自分で思いながら。
「マリーが生理が3日も遅れてるっていうんだけど」
次の事件は息子が16歳のときだった。
2年ほど前から悪さを繰り返すようになっていた。学校のみならず警察からもさんざん呼び出しを食らい、親を辟易させていたが、同じクラスのマリーちゃんと周囲が公認する恋人になってからはめっきり落ち着き、ちょっと一息つけるようになってきた。そんなころだった。
私が台所で夕食の用意をしているところへ、「ママン、ママン、大変!」と言いながらアパルトマンの階段を二段抜かしで上がって来た彼は、息を切らしたまま言った。
「マリーが生理が3日も遅れてるっていうんだけど、こういうのって普通なの?」
16歳で? でもここはフランスだからこういうこともあるんだろうか? なんだってこういう話はいつも私にふりかかってきて、どうしてパパに聞かないんだろう? それとも私の思い過ごしで、セックスしたかどうかとは関係なく、ただ生理が「遅れた」っていうことなんだろうか? こういうことって、親にこうも直球で聞いてくるものなの?
私はこんなこと、親とはとても話せる関係じゃなかった。どうしよう、なんて答えよう……。
真っ正面から息子と向き合って話し合うことを避けた
ここで早く答えないとナメられる。
私は、持っていた包丁が震えているのを気取られないように大きく息を吸って、答えた。
「3日? そんなのよくあるよ。それより、マリーちゃんのお母さん、助産師さんだったよね。私より詳しいはずだから、そっちに話したほうがいいんじゃない?」
責任回避。またしても、私は、真っ正面から息子と向き合って話し合うことを避けたのだ。
「それ、いつの話? あんたたちセックスするときに避妊するの忘れちゃったの? そうならどうにかしなくちゃいけない。お医者さんに行って、中絶ピルもらうとか。マリーちゃんのお母さんとは話し合えると思う?」と、冷静に話すこともできたはずだった。
このときの親としての挫折感が、本書を書く出発点となった。
「コウノトリが赤ちゃんを連れてきた」は通用しない
息子に何も性教育らしきことはしなかったのに、彼のほうはしっかり避妊を学んでおり、おまけに、親を相手に性的なことを話すことにまったく羞恥心を抱いていないらしい。そのことに気づいた私は、フランスの学校では、どのように性について教育しているかに興味をもち始めた。
そんなある日、フランス5(サンク)局のニュースで、ドルドーニュ地方の公立小学校の授業例が報道された。8歳の子どもたちのクラスである。
「ペニスから出てくる液体ってなーに?」という講師の問いに、「おしっこ!」と答える男の子がいるかと思えば、「精液!」と、恥ずかしがらずに堂々と答えている優等生っぽい女の子もいる。
生徒たちは極めて真面目な表情、ニヤニヤする子どもは一人もいない。男女の身体構造の違い、生殖の過程などをイラストを見ながら学び、そして子宮、精液、睾丸、射精といった単語を習う。「おちんちん」と言うのではなく「ペニス」と言い、「おっぱい」ではなく「乳房」。「赤ちゃんはキャベツから生まれる」や「コウノトリが赤ちゃんを連れてきた」などという子どもだましは皆無である。
「恋人もオーケーと言うならセックスしてもいい」
プランニング・ファミリアル(注)と呼ばれる非営利団体から派遣された講師は言う。
注:中絶を合法化する運動の元締めとして1956年に創立された非営利団体。当時はピルの密輸入や秘密裏の中絶手術など、非合法的活動も辞さなかった。現在は、避妊、中絶、レイプ、DV、セクハラ、強制結婚、アフリカ移民の慣習である性器切除、性病予防などについてのアドバイスを受けることができる。無料匿名での産婦人科医の診療、学校での性教育に講師を派遣する役目も負っている。
「たしかに私たち、大人にとっても言いにくい言葉があります。でも、どうして恥ずかしいのでしょう? 性は悪いこと、どこかでそんな偏見があって、それが羞恥心につながるのではないかしら? だからまず、根拠のない羞恥心を除く、そして、幼児語ではなくて、科学的に正しい単語で性について隠しごとをせずに話す。それが、男性も女性も同じ土俵に立って対等に性について話し合うことができるようになるための最初の一歩なんです」
さらに新鮮に感じたのは、「好きな人がいたらセックスしなくちゃいけないと思う?」と、講師が子どもたちに質問していることだ。
「義務っていうわけじゃないと思うけど……」
「大人になって、恋人もオーケーと言うならセックスしてもいい!」という可愛い返事が聞こえてくる。
私は1970年代後半に日本で、それもリベラルな校風の中学校で保健体育の一環として性教育を受けた世代だ。それでも精子と卵子が一緒になって子どもができるのはわかったが、肝心の「セックス」に関する説明がなかったため、なにかしら騙されたような感じがしたのを鮮明に憶えている。だからといって、家でセックスについて質問するなどとてもできる雰囲気ではなかった。
私にとって、このフランス流の性教育はショッキングだった。
「愛情生活と性に関する授業」の内容
2001年から教育法に導入され2003年から実施されているこの性教育だが、教育省学習指導要領によると正式な呼称は「愛情生活と性に関する授業」。そのターゲットはまず「愛情生活」なのだ。
特徴は子どもたちにどんどん話をさせる「生徒参加型」であることだ。羞恥心や罪悪感の除去、タブーなし、隠しごとなしの早期教育である。
幼年学校から小学校2年生(2歳〜8歳)……家庭での男女の役割や「らしさ」に疑問をもたせる
小学校3年生から中学校2年生(8歳〜13歳)……思春期の身体発達、生殖のしくみ
中学校3年(13歳から14歳)……避妊、中絶、性病予防
中学校4年生から高校1年生(14歳〜16歳)……性的他者、性差別、ポルノグラフィー
高校2年(16歳から17歳)……生殖医学、性的自認
本来ならば私生活の領域である「性」や「愛情生活」に、ここまで学校が踏みこむことが妥当なことだろうか? 各家庭なりの意向もあるだろう。それはどうなるのか?
日本の小学校で教員を務める私の友人は、「性に関しては、さまざまな考え方の親がいるから、バッシングが怖くて立ち入れない」と語る。
しかし、フランスには、日本以上に「さまざまな考え方の親」がいる。
約30パーセントの国民が、移民の祖父母か両親をもっている移民大国だ。
各家庭の性に対する感覚はおのずと民族性や文化、宗教性を反映し、千差万別となる。子どもが「今日、彼女が泊まりにくるんだけど、コンドームある?」と親に衒(てら)いもなく聞く家庭もあれば、宗教的理由で結婚前の男女のデートを禁止する家庭もあるのだ。
「うちでは性について早期教育はしない」はNG
1994年から2004年にかけて、教育省で性教育プログラムの立ち上げに尽力した教員、シャンタル・ピコ氏は、
「家庭だけでは不十分なんです。親の意思で、会ったこともない祖国の男性と強制的に結婚させられたり、衛生的にも問題がある方法で性器切除をされるアフリカ系の女の子もいるのですから。学校で、この国では性をどのように考えるか、なにが禁止されているか、という枠組みを教え、自分の身を自分で守れるように導かなければ、子どもたちには他に情報を得る場がないのです」
と語る(※2)。
教育省がこのような強気の立場に立つのは、移民を受け入れる以前から、雑多な民族の集まりであったという歴史があるからだ。現在も、地方語だけで、アルザス語、ブルトン語、コルシカ語、プロヴァンス語などがあり、20世紀初頭まで、国民の半分はフランス語を話せなかった。このことからわかるように、フランスは多民族の寄せ集め国家なのだ。
だからこそ、1881年、教育者ジュール・フェリーは、「出自いかんにかかわらずフランス共和国の子どもたち全員に、同じ教育を与えよう」と言い、良くも悪くも、国民を、言語や地方性、民族性、宗教性といったそれぞれの特殊性から引き離し、均等な国民を育てることを主旨とした義務教育の無償化を唱え、無宗教の公立学校システムがスタートした。
各家庭の教育方針の差があまりにも大きいからこそ、学校は、共和国で一緒に暮らすために皆に共通するルールを学ぶ場なのである。性教育もその例にもれず、家庭の方針いかんにかかわらず、社会ルールの一環として教育される。保護者が学校に出向いて、「うちでは性について早期教育はしない主義です!」などとねじ込むことはできないのである。
※1:https://www.theatlantic.com/international/archive/2017/10/the-weinstein-scandal-seen-from-france/543315/
※2:Causette #58, Gynnthic, juillet-Aout, 2015
プラド夏樹(ぷらど・なつき)ジャーナリスト
慶應大学文学部哲学科美学美術史専攻卒。1988年に渡仏後、ベルサイユ市音楽院にて教会音楽を学ぶ。現在、パリ市のサン・シャルル教会の主任オルガニストを勤めると同時に、フリージャーナリストとして活動。WEBRONZA、ハフポスト、共同通信デジタルEYE、日経ビジネスONLINEなどに寄稿。労働、教育、宗教、性、女性などに関する現地情報を歴史的、文化的背景を踏まえた視点から執筆している。

大江天主堂→崎津集落・海がエメラルドグリーン/フェリーで長島→出水

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えびのっ娘180819

Japon: Toujours aucune trace de Tiphaine Véron, la touriste française disparue
Malgré des recherches qui se poursuivent, aucun indice n’a été découvert au sujet de la Française Tiphaine Véron qui a disparu fin juillet dans le nord-est du Japon où elle se trouvait seule en vacances, selon sa famille.
Comme si elle s’était ≪ volatilisée ≫
≪ Il n’y a rien ≫, c’est comme si elle s’était ≪ volatilisée ≫, confie sa sœur cadette Sibylle, actuellement à Nikko avec son frère pour tenter de retrouver Tiphaine, 36 ans, qui séjournait dans cette localité célèbre pour ses temples et sanctuaires. ≪ Des policiers ont de nouveau cherché ce matin, près d’une rivière où l’eau est redescendue ≫, a-t-elle indiqué, mais en vain.
Sa sœur ≪ pense de plus en plus à la piste criminelle ≫
Depuis qu’a été signalée la disparition soudaine de Tiphaine, vue la dernière fois le 29 juillet lorsqu’elle quittait son hôtel pour aller se balader, les lieux où elle aurait pu se rendre ont été quadrillés. Chiens, hélicoptère, drone ont été mobilisés, sans résultat. ≪ Même des alpinistes professionnels sont venus participer aux recherches dans les chemins de montagne ≫, précise Sibylle.
Et de confier ≪ ne pas pouvoir écarter totalement la thèse de l’accident mais penser de plus en plus à la piste criminelle, sachant que Tiphaine est naive et se sentait en confiance au Japon ≫, un pays réputé pour la sécurité.
Epileptique, elle aurait pu faire une crise
Tiphaine Véron, qui habite à Poitiers, est épileptique et même si elle avait sur elle des médicaments, elle a pu être victime d’une crise, selon ses proches.
Plusieurs témoignages sont parvenus à la police mais sans offrir de piste fiable. Sa famille se dit certaine qu’elle n’a pas pu disparaître volontairement, alors qu’elle avait préparé depuis six mois ce voyage de trois semaines dans l’archipel et se réjouissait de le partager via internet avec ses proches. Elle avait atterri au Japon le 27 juillet et était arrivée à Nikko le 28, la veille de sa disparition.
フランス語
フランス語の勉強?
佐藤治彦@アカウントに来てくれてありがとう @SatoHaruhiko
この15年あまりの自民党出身の総理で誰が一番か?と言われれば躊躇無く私は福田康夫元首相をあげる。改革への姿勢、財政規律、格差対策、中国との関係、よりまともな政治、権力への執着心もなかった。上から目線なのが一部の国民には嫌われたが、私はまったく構わない。中身がまともなら。

朝ごはんを食べてから下田旅館街をぶらぶら.なんだか風情があります.足湯もあっていいですね.
とりあえず昨日行けなかった大江天主堂に向かいます.でもまずは五足の靴記念碑.5人の作家が歩いた紀行というそうで面白そうです.青い海がとてもきれいです.十三仏崎を通って10時過ぎに大江天主堂に.しかし暑すぎます.十字架のついたお墓があってビックリです.11時半くらいには崎津集落に着きました.崎津天主堂の中には畳が敷いてありました.海を見るとエメラルドグリーンでとてもきれい.初めてこんなきれいな海を見ました.
ランチは天草ちゃんぽん.12時半くらいですが,フェリーの時間が気になります.おじさんは大丈夫って.フェリー乗り場の牛深には2時くらいで少しだけ余裕があります.ぐるっと回ってみました.フェリーは鹿児島の長島に着きます.そこからバスで出水駅.九州新幹線でwifiが使えると思っていたら使えなくて残念ですが,熊本のネットカフェで一服しました.熊本駅は工事中で,トイレに行けず不便でした.今度来るときにはきれいになっているでしょう.
夕方食べたいと思っていた辛子レンコンにありつけて満足です.

青森ねぶた「項羽の馬投げ」勇壮に 東松島・あおい地区で夏祭り
 東松島市の防災集団移転団地あおい地区で18日、夏祭りが開かれ、青森ねぶたが登場した。家族連れなどが迫力のあるねぶたや勇壮なおはやしを楽しんだ。
 ねぶたは高さ3メートル、幅4.5メートルで、「項羽の馬投げ」が題材。青森市のNPO法人青森じゃわめぎ隊が地区のメイン通りを運行した。浴衣姿のハネトが太鼓や笛のねぶたばやしに合わせ、「ラッセラー、ラッセラー」と掛け声を響かせた。大勢の見物客がねぶたと写真撮影をしたり、ハネトと飛び跳ねたりした。
 同法人は2012年から夏祭りに参加し、今回で7回目。東松島市の主婦武田さおりさん(33)は「子どもたちがすごく楽しそうに踊っているので来てよかった。東日本大震災で生まれたこのつながりは、とてもありがたい」と話した。


金足農決勝進出/悲願の「白河の関越え」期待
 東北の球児たちが挑んできた深紅の大優勝旗まであと1勝に迫った。きょうの決勝に悲願の「白河の関越え」を期待したい。
 甲子園球場(兵庫県西宮市)で開催されている第100回全国高校野球選手権大会。秋田代表の金足農がきのう、準決勝で日大三(西東京)に2−1で勝利し、決勝へと駒を進めた。
 秋田県勢の決勝進出は第1回大会(1915年)の秋田中(現秋田)以来、実に103年ぶりだ。このときは京都二中(京都)に敗れて涙をのんでいる。100回という記念すべき今大会で、大旗をぜひつかみ取ってほしい。
 東北勢としては、仙台育英(宮城)や東北(同)、光星学院(青森、現八戸学院光星)などが夏に8回、春に3回の計11回、甲子園で頂点を懸けて戦ってきた。だが、いずれも惜敗を喫し優勝を逃している。12度目の今度こそとの思いは、東北に共通する願いでもある。
 今回の金足農の躍進を大会前、誰が想像しただろう。前評判は決して高いとは言えなかった。「雑草軍団」と称される粘り強さで、優勝候補の一角と目された横浜(南神奈川)など強豪校を相手に劇的な勝利を重ねてきた。
 金足農はエースの吉田輝星(こうせい)投手を軸にチームが一丸となった戦いぶりが印象的だ。吉田投手は甲子園で5試合を1人で投げ抜き、準決勝を除く4試合はいずれも2桁の奪三振を記録。攻撃は選手たちが「伝統であり一番の武器」と言うバントで好機を作り、得点に結びつけてきた。
 金足農は記録的な暑さとなった今夏、秋田大会から一度も選手交代をせず、3年生だけの「9人野球」で勝ち上がってきた。しかも、強豪校には他の都道府県からも優秀な選手が集まるのが当たり前の時代にあって、メンバーは全員が地元出身だ。県民が「秋田の誇り」と話しているのもうなずける。
 秋田県が2011年から取り組む「県高校野球プロジェクト」も後押しした。県教育委員会や高校野球関係者が一体となり、高校野球の技術力アップを図ってきた。
 秋田県勢は夏の甲子園大会で1998〜2010年に13年連続で初戦敗退と低迷。プロジェクトでは社会人チームの監督経験者らを招き、野球理論や練習法を学ぶ機会を提供してきた。金足農もプロジェクトに積極的に参加してきたというから、県を挙げての取り組みが奏功した面もあるに違いない。
 金足農は今大会で8強に勝ち残ったチームでは唯一の公立校だ。出場校では唯一の農業高校で、選手たちは普段は畜産実習などに汗を流す。他の公立校、実業校の球児たちにも励みになるはずだ。
 決勝の相手は2度目の春夏連覇を目指す大阪桐蔭(北大阪)。どちらが勝つにしろ、歴史に残る試合となる。


甲子園決勝進出 金農快進撃止まらない
 「金農旋風」が止まらない。第100回全国高校野球選手権記念大会の準決勝で金足農が日大三(西東京)を2―1で下し、初の決勝進出を決めた。
 県勢では1915年の第1回大会(当時は全国中等学校優勝野球大会)で秋田中(現秋田)が準優勝して以来、実に103年ぶりの決勝進出だ。本県高校球界が待ち望んでいた快挙であり、快進撃をたたえたい。
 日大三は夏の甲子園大会で2度の優勝経験を誇る関東有数の強豪校だ。準々決勝で劇的な逆転勝ちを収めるなど、前評判通りの戦いで勝ち上がってきた。打線には粘りがあり、準決勝も八、九回の追い上げには迫力があった。だが金足農の力は、それを上回った。
 安打や四球などで出た走者を送りバントで進め、着実に1点を狙うつなぐ野球は、この日も実を結んだ。吉田輝星(こうせい)投手は序盤から安定したピッチングで、5戦連続の完投。要所で直球や変化球がよく決まり、最少失点に抑えた。投打ががっちりとかみ合い、堂々たる戦いぶりだった。
 甲子園で試合を重ねるごとに力を増していくチームがある。今年の金足農には、そんな勢いがある。3回戦の終盤に飛び出した逆転3ランや準々決勝の逆転サヨナラ2ランスクイズは、最後まで決して諦めない金足農の粘り、底力を見せつけた。県大会で1本も出なかった本塁打がこの大舞台で3本出ていることも含め、選手たちが大観衆の前で思い切り活躍する姿は頼もしい限りである。
 決勝進出は本県高校球界にとって長年の悲願だった。秋田中の準優勝以降、ベスト4に進出したのは34年の秋田中、65年の秋田、84年の金足農、89年の経法大付と、これまで4度あった。だが、いずれも高い壁に阻まれてきた。今回金足農がその壁を乗り越えたことは、県内の球児たちを大いに勇気づけたに違いない。
 きょうの決勝の相手は、4年ぶり5度目の頂点を目指す大阪桐蔭(北大阪)。好投手を擁し、強打者がずらりと並ぶ、紛れもない優勝候補の筆頭だ。しかも優勝すれば、史上初の2度目の春夏連覇となる。初戦から強豪校に真っ向勝負を挑み、気迫あふれるプレーで次々破ってきた金足農にとって、これほど戦いがいのある相手もいないだろう。
 夏の甲子園大会で東北勢はこれまで、15年の秋田中をはじめ、69年の三沢(青森)、71年の磐城(福島)、89年の仙台育英(宮城)、2003年の東北(宮城)、11、12年の光星学院(青森)、15年の仙台育英と計8度決勝に駒を進めているが、優勝旗を持ち帰ることはできずにいる。
 金足農は東北勢では9度目の挑戦となる。県民の熱い期待を胸に、チーム一丸、全力プレーで東北初の頂点を目指してほしい。


県内広い範囲に「暴風警報」
非常に強い台風19号が九州南部や奄美地方に近づいています。
気象台は、午後2時11分に県内の広い範囲に「暴風警報」を発表しました。
暴風警報が出されたのは、薩摩川内市の甑島、枕崎市、指宿市、南さつま市、南九州市、東串良町、南大隅町、肝付町、西之表市、三島村、中種子町、南種子町、屋久島町です。
気象台は、厳重な警戒を呼びかけています。
今回の台風19号は、非常に強い勢力で奄美地方や種子島・屋久島地方に近づくとみられます。
奄美地方を中心に、最大瞬間風速60メートルと猛烈な風が吹くおそれがあるほか、猛烈な雨のおそれもあります。
夜間に風雨のピークとなるため、早めの避難や対策を進める必要があります。
気象庁によりますと、最大瞬間風速が60メートル以上に達すると、古い木造住宅やプレハブの建物が倒壊する危険性があるほか、多くの樹木や電柱が倒れたり、走行中のトラックが横転したりすることがあります。
5年前に台風24号が接近した際、50メートルを超える最大瞬間風速を観測した与論島では、電柱が倒れるなどの被害が出ました。
屋外での行動は極めて危険で、外出を控える必要があります。
風雨が強まる前に事前に避難場所を確認し、市町村からの避難に関する情報に注意するとともに、状況が悪化する前に避難することも大切です。
停電や断水が起きるおそれもあります。
携帯電話の充電のほか、懐中電灯やラジオ、非常用の食品や飲料水の準備、浴槽に水を張って生活用水を確保するといった備えも必要です。
また、台風が通過し、いったん風が弱まっても、吹き返しの猛烈な風のおそれがあります。
気象台は、安全が十分確認できるまで、不要な外出を控えるよう呼びかけています。


省庁の障害者雇用水増し 先導役がごまかす罪深さ
 国土交通省や総務省などの中央省庁が障害者の雇用割合を42年間にわたり水増ししていた。障害者の雇用と自立支援を促進すべき先導役の信じがたい背信行為だ。
 政府は省庁や外郭団体、地方自治体など公的機関の雇用率を徹底調査し、不正行為に対しては厳しく責任を問うべきである。
 障害者雇用促進法は民間企業や国・自治体に一定割合の障害者を雇用する義務を課している。国の機関は民間より高い2・5%(3月末まで2・3%)に設定されている。昨年6月時点で国の33行政機関は計約6900人の障害者を雇用し、平均雇用率は2・49%とされていた。
 雇用率に算入できるのは障害者手帳を持っている人か、医師の診断書で障害を認められた人に限られている。ところが、各省庁ではこれらに該当しない軽度の人も勝手に障害者として算入していたという。法定雇用率が制度化された1976年から恒常的に行われていたらしい。
 民間企業の場合、雇用率に達していないと労働局から厳しい指導を受け、従業員100人以上の企業は未達成分1人当たり月5万円の納付金が課される。改善しないと企業名が公表されるなどの制裁を受ける。
 省庁からは「拘束時間が長く、突発的な仕事が多いため」など理屈にならない言い訳が漏れるが、民間企業が聞いたらあきれるだろう。
 民間は職種を問わず、赤字でも障害者雇用は義務とされている。積極的に障害者を雇い、一般従業員のやる気を高め、業務の効率化につなげて成果を上げている企業も多い。
 長年にわたって見過ごしてきた厚生労働省の責任も大きい。
 2014年に同省所管の独立行政法人・労働者健康福祉機構(当時)が障害者雇用率を水増ししたことが発覚した際、同省は当時の幹部職員3人を刑事告発し、関与した他職員も減給や停職などの処分をした。
 このとき、同省は他の独立行政法人には不正がないか確認したが、省庁への調査はしなかった。同じ中央省庁として身内への甘さや遠慮があったのではないか。
 今回の水増しでも厚労省が調査に当たっているが、政治が率先して役割を果たすべきだ。国会の閉会中審査で全容解明に努めてはどうか。


障害者水増し/「旗振り役」が法を無視か
 中央省庁が法律で義務づけられている障害者の雇用割合を守らず、40年以上にわたって水増ししていたことが発覚した。
 障害者手帳を持たない対象外の職員を、大幅に障害者雇用数に算入していたという。「視力が弱い」「健康診断で異常を指摘された」といった職員も数に入れていた例もある。
 故意とすれば悪質であり、言語道断というしかない。
 これまでに農林水産、総務、国土交通の3省が不正の可能性を認めた。ほかの省庁でもまかり通っている疑いがある。
 さらに愛媛県や山形県でも不正が発覚している。厚生労働省は、省庁だけでなく全国の自治体についてもさかのぼって実態調査を行い、責任の所在を明らかにせねばならない。
 官僚任せにせず、閣僚ら政治がリーダーシップを発揮して是正を急ぐべきだ。
 障害のある人が、ない人と同様に能力と適性に応じて働き、地域で自立した生活を送る−。障害者の雇用対策が目指すのは、共生社会の実現である。
 その核となる障害者雇用促進法は、国、自治体、企業などに一定割合以上の障害者を雇うよう義務づけている。「法定雇用率」といい、今年4月1日から国と自治体が2・5%、企業は2・2%となった。
 国や自治体の法定雇用率が民間より高いのは、障害者雇用の旗振り役に位置づけられているからだ。企業に厳しく目標達成を求める国自身が、法の趣旨をないがしろにしていた事実にあぜんとするほかない。
 しかも、当の省庁からは耳を疑う発言が飛び出している。
 「国会対応など突発的な仕事が多く、障害者を採用できない」「目標値ばかり掲げる厚労省に問題がある」
 こうした言動は、国民には責任逃れとしか聞こえない。最初から守るつもりがなかったのかと疑念を持たれても仕方ない。
 企業が3年ごとに受ける雇用実態のチェックが中央省庁にはないのも問題だ。早急に点検する仕組みをつくる必要がある。
 財務省の公文書改ざんや防衛省・自衛隊の日報隠蔽(いんぺい)、文部科学省の汚職事件など、行政の不祥事が後を絶たない。信頼回復への道は遠のくばかりだ。


障害者の雇用 国が偽装とはあきれる
 障害者雇用の旗振り役である国が自ら不正を働いていたとは、あきれるほかない。
 農林水産省や国土交通省などの省庁が、長年にわたって障害者雇用促進法が定めた障害者の雇用割合(法定雇用率)を水増ししていた可能性があることを認めた。
 障害者手帳を持たない軽度の職員は本来対象外だが、法定雇用率の算定に含めていたようだ。
 雇用率が未達成の企業は、罰則に近い形で納付金や企業名の公表を求められる場合がある。
 なのに、模範となるべき国が偽装していたとすれば言語道断だ。
 政府は、不正の実態を徹底的に究明しなければならない。同時に全省庁による雇用率の厳守など信頼回復に全力を挙げるべきだ。
 障害者雇用促進法は1976年から、企業や国・自治体に一定割合以上の障害者を雇うよう義務付けている。
 国や自治体の雇用率は、民間に雇用を促す立場から、企業より0・3ポイント高い2・5%(3月までは2・3%)に設定されている。
 昨年は、国の33機関で約6900人の障害者を雇用し、平均雇用率は2・49%だった。
 ところが、雇用が義務化された当初から水増しが行われていた疑いがあり、実際の雇用率は1%未満の省庁が多いという。
 ずさんな運用で水増しがほぼ常態化していた要因の一つは、チェックする仕組みの欠如だ。
 中央省庁は厚生労働省に雇用状況を報告するにすぎない。
 雇用率を巡っては、2014年に厚労省所管の独立行政法人が水増しした問題が発覚した。念のため、厚労省が省庁にも調査対象を広げておけば、もっと早く実態を把握できたはずだ。
 このような事態を招いた以上、省庁からの報告内容を厳格に検証する必要がある。
 国会開会中に閣僚の答弁書を作るために長時間拘束されたり、突発的な事態に対処したりという事情が、省庁で障害者を雇用しにくくしているとの指摘もある。
 だが、企業もさまざまな事情を抱えながら、雇用を創出する努力を積み重ねている。省庁の怠慢と言わざるを得ない。
 政府は、障害に関係なく誰もが社会参加できる「共生社会」の実現を掲げる。水増しはこの方針に逆行するだけでなく、国が障害者の就業機会を奪うに等しい。
 障害者の雇用を広げようという社会の機運を後退させぬためにも、厳正な対応が求められる。


障害者雇用不正 当事者意識の欠如に驚く
 障害者雇用の旗振り役であるはずの中央省庁でなぜ長年、こんな不正がまかり通ってきたのか。障害者団体から怒りの声が上がったのも無理はない。早急に実態を把握し、全容を解明しなければならない。
 国土交通省や総務省などの中央省庁が、義務付けられている障害者の雇用割合を42年間にわたって水増ししていたことが明らかになった。
 国の雇用実態は公表した人数の半数を下回る可能性があるというから、あきれるばかりだ。
 国は障害に関係なく、希望や能力に応じて働ける「共生社会」の実現を目指している。
 模範となるべき省庁が自ら理念を軽んじていた。障害者のみならず、裏切られた思いを持つ国民は少なくあるまい。
 障害者雇用促進法は、国や自治体、企業に一定の割合以上の障害者を雇用するよう、義務付けている。
 原則として身体障害者手帳や精神障害者保健福祉手帳を持つ人、児童相談所などで知的障害者と判定された人が対象だ。
 国や自治体の法定雇用率は、企業より高い2・5%(今年3月まで2・3%)に設定されている。昨年6月時点で、国の33行政機関の平均雇用率は2・49%で、法定雇用率を上回るとされていた。
 ところが10近い主要省庁で、手帳交付に至らない職員などを合算することが、常態化していた。対象外の人数を除くと、実際の雇用率が1%未満になる省庁が多いとみられる。
 不正は1976年に身体障害者の雇用が義務化された当初から、恒常的に行われていた。
 雇用率の数字だけ、つじつまを合わせればいいという安易な姿勢がうかがえる。
 中央省庁によるずさんな数合わせの温床となったとみられるのが、企業に比べて甘過ぎるチェック体制だ。
 企業は目標を達成できない場合、ペナルティーとして納付金を徴収される。さらに企業名が公開されることもある。
 一方、各省庁は毎年6月時点の障害者雇用者数を厚生労働省に報告するが、内容の真偽を確認する仕組みはなかった。
 視力が弱かったり、健康診断で異常を指摘されたりした職員を、障害者数に算入したケースもあったという。
 水増し問題が物語るのは、障害者雇用を推進するという当事者意識の欠如だ。
 問題発覚後、障害者雇用を所管する厚労省と、水増しを行っていた省庁の間で責任の押し付け合いが始まっている。無責任さは目を覆うばかりだ。
 水増し問題は地方自治体にも波及している。愛媛、山形両県は、障害者雇用率を実際より多く算定する不適切な扱いがあったと明らかにした。自治体を含め適切な障害者雇用が行われているか、精査が必要だ。
 働く障害者は増えているが、法定雇用率を達成している企業は半数にとどまる。改めて「共生」の原点に立ち返り、障害者雇用を進めねばならない。


障害者雇用 水増し拡大 静岡、長崎、島根と埼玉県教委も
 障害者の法定雇用率が中央省庁で「水増し」されていた問題で、静岡、島根、長崎の3県と埼玉県教育委員会も21日、障害者手帳や指定医らの診断書を確認していない職員や教職員を雇用数に計上していたと発表した。長崎県は20年以上前から誤った算定方法を続けていた。山形県や愛媛県などでも同様の算定が確認されており、さらに広がる恐れがある。
 静岡県は今年度の障害者雇用率を算定する際、厚生労働省がガイドラインで定めていた身体障害者手帳の確認をせず、36人を雇用者として計上し厚労省に報告。県教委も同じ方法で92人を計上していた。これらを除き再計算すると、雇用率は県が2.61%から1.9%に、県教委は2.47%から1.79%に減り、いずれも法定雇用率(県2.5%、県教委2.4%)を下回った。
 ただ、静岡県は、手帳の確認は昨年度までの厚労省の通知には明記されていなかったといい、「確認が不十分で不適切だったが、故意の水増しではない」としている。
 長崎県も、手帳を持たない18人を診断書を確認しないまま雇用数に計上していた。18人を除くと、厚労省に報告した雇用率2.51%は2.06%に。20年以上前から同様の計上をしてきたといい、資料の残る2010年以降は法定雇用率を上回ると報告したが、実際は下回っていたという。
 島根県も手帳を確認しなかった122人を計上。再計算すると今年の雇用率は、知事部局が2.52%から1.11%、県教委が2.53%から0.93%へと半分以下となり、いずれも法定雇用率を下回った。
 埼玉県教委は、障害者枠で採用した教職員は手帳を確認したものの、採用後に障害者となった教職員は手帳を確認しなかった。厚労省に報告した6月1日現在の障害者雇用数492人のうち、手帳を確認したのは少なくとも122人。雇用率は問題発覚前の同月現在でも2.21%で、法定雇用率を下回っている。埼玉県は厚労省の指針通りに計上していたという。【島田信幸、加藤小夜、中川友希、根岸愛実】


公文書管理法 国民の知的資源にせよ
 公文書をあえて作成しない。そんな官僚の風潮に拍車をかけかねないのが、政府の改ざん再発防止策である。公文書の役目は「国民共有の知的資源」である。責任逃れを許さぬ透明性が必要だ。
 とにかく行政機関の文書については、でたらめがまかり通っている。学校法人「森友学園」問題での財務省の決裁文書ではおびただしい改ざんがあった。「加計学園」問題では、「総理のご意向」と書かれた文書は怪文書扱いされた。自衛隊では国連平和維持活動(PKO)での「戦闘」の文字のある日報を大臣に報告しなかった。隠蔽(いんぺい)である。
 大きな社会問題化したため、政府は再発防止策をまとめた。公文書の改ざんや組織的な破棄など悪質な例は、免職を含む懲戒処分を科す。決裁文書の事後修正は認めない。修正が必要な場合は、新たな決裁を取り直すことを明文化した。いずれも当然のことだ。
 また、職員研修をし、公文書管理への取り組みを人事評価に反映する。監視体制の強化としては内閣府の独立公文書管理監を局長級に格上げし、全府省庁の管理状況を常時監視させるともいう。各府省庁にも「公文書監理官」を新設し、同時に不正行為の通報窓口も担う−などという内容だ。
 だが、この防止策は効果的だろうか。大いに疑問を持つ。なぜなら、懲戒処分を恐れて、公務員はあえて公文書としない方向に走る恐れがあるからだ。「大事なことは口頭で」などという慣例ができるかもしれない。
 公文書とは公務員が職務上作成した文書をいう。また組織的に用い、行政機関が保有しているものでもある。ただ、公務員の判断により、組織的に用いても、私的メモ扱いの文書もある。法に照らせば、政策決定にかかわる私的メモはむろん行政文書にあたり、本来は原則公開すべきなのだ。
 しかし、行政機関は私的メモが「公式のものでない」と独善的な解釈をして廃棄も可能としている。何が公文書なのか、まず定義の徹底をすべきではないのか。
 そもそも公文書は行政機関の意思決定のプロセスを後に国民が検証できるようにする意義がある。公文書管理法も「現在及び将来の国民に説明する責務が全うされるようにする」ためと記す。民主主義の基盤なのだ。
 その精神を公務員が胸に刻まない限り、国民の存在を忘れ、文書隠しや公開拒否など論外の行動が横行する。


サマータイム 「五輪のため」という傲慢
 二〇二〇年東京五輪・パラリンピックの大会組織委員会が夏場に標準時を早めるサマータイムの導入を政府に要請した。暑さ対策が狙いというが、国民生活への深刻な影響をどれほど考慮したのか。
 夏の日照時間を有効に活用するのがサマータイムの本来の狙いである。欧米などでは七十カ国が採用しているが、欧州連合(EU)は今夏、加盟国の要請を受けて廃止の是非の検討を始めている。
 いったん採用しながら廃止した国も多い。ロシア、中国、インド、韓国、そして日本もだ。
 日本では戦後、連合国軍総司令部(GHQ)の指示で四シーズン導入したものの、労働者や主婦の過労につながり、国民生活の実情に合わないとして廃止された経緯がある。
 その後も経済界などの要望でたびたび検討された。しかし、節電などの省エネや余暇増大による経済効果よりも、生産性の低下やシステム変更に伴う負担など弊害の方が大きすぎると結論づけられてきた。
 経済性の議論以上に問題なのが国民の健康への影響だ。夏時間への切り替え時に睡眠や心臓などへの悪影響が深刻との研究結果が国内外の学会から出ている。
 今回の要請はいかにも唐突だ。大会組織委の森喜朗会長は、現在より二時間、時計の針を進める夏時間の導入を安倍晋三首相に要請。首相は、その是非を検討するよう自民党に指示した。
 だが大会まで二年に迫ったタイミングである。今夏の猛烈な暑さに驚き、慌てて思い付いたかの印象だ。「五輪のため、国家の一大事業のため国民は受け入れるべきだ」といった傲慢(ごうまん)さえ感じてしまう。
 暑さ対策ならば、マラソンなどの競技時間を涼しい時間帯に移せばいいだけのことだ。組織委が真にアスリートファースト(競技者優先)の精神に立つならば、開催時期を真夏からずらすのが筋だ。
 しかし、開催時期は招致段階から決まっており、ずらすつもりはない。その揚げ句、国全体の時間をずらすサマータイムの導入というのは、ご都合主義も甚だしい。
 もちろん、サマータイムには是非論がある。だが長所と短所、しっかりと測った調査も議論もなされた形跡はない。
 これほどに日常生活に密接なことを実行しようというのなら、国民大多数の賛同なしには成功のしようがないだろう。


米紙が一斉社説 権力監視の意義訴えた
 米国メディアの危機感が伝わってくる。
 全米の大小350を超える新聞が一斉に「記者は敵ではない」という趣旨の社説を掲載した。
 トランプ大統領が自身を批判するメディアを「国民の敵」と決めつけ、執拗(しつよう)に「フェイク(偽)ニュースだ」と攻撃を続けていることへの反論である。
 新聞によって内容に違いがあるが、いずれも言論の自由の必要性を強く訴え、国民の支持を呼びかけている。
 言論の自由が民主主義社会に不可欠であることは言うまでもない。メディアは国民に事実を伝え、権力を監視する。そうでなければ権力の暴走を許してしまう。
 トランプ氏は自身の正当化に腐心するのではなく、批判を真摯(しんし)に受け止め、政権運営に当たらねばならない。
 社説の掲載は東部ボストンの有力紙ボストン・グローブが呼びかけた。
 同紙は「われわれの自由は報道の自由に支えられている」と米独立宣言起草者の1人、ジェファーソンの言葉を紹介している。
 建国以来、米国で報道の自由がいかに大切なものと位置付けられてきたかがよく分かる。
 驚くのは、その社説で紹介されている最近の世論調査の数字である。共和党員の48%がトランプ氏の「メディアは国民の敵」との見方を支持しているというのだ。
 「うそも百回言えば真実になる」との例えもある。危うい兆候と言わざるを得ない。
 トランプ氏は今回の一斉社説に対しても「フェイクニュースのメディアは野党だ。われわれの偉大な国にとってとても良くない」などとツイッターで反論した。
 民主主義国のトップと思えぬ偏狭な発言だ。メディアや野党という批判勢力の存在しない独裁体制でも目指すつもりなのだろうか。
 米国でメディアを取り巻く状況は厳しさを増す。
 米東部では6月、地方紙の事務所に散弾銃を持った男が押し入り、編集者ら5人が死亡し、2人が負傷する事件が起きた。報道内容への不満が原因という。
 経営難で地方紙の廃刊が相次ぎ、行政を監視する目が届いていないとの指摘が聞かれる。
 日本でも麻生太郎財務相が「新聞読まない人は全部自民党(支持)だ」と述べるなど、政権からはメディアの役割に無理解な発言が相次ぐ。批判的な報道にも謙虚に耳を傾けるべきだ。


福島原発浄化水  「残留物」の徹底点検を
 政府や東京電力への不信感がまたしても増幅しかねない。
 福島第1原発で汚染水を浄化した後に残る放射性物質トリチウムを含んだ水に、法令基準を上回るヨウ素129など他の放射性物質が残留していることが分かった。
 政府は、トリチウムは人体への影響が小さいなどとして、希釈して海洋放出する処分を有力な選択肢としている。東電もこれまで「トリチウム以外は除去できている」と強調してきた。残留する放射性物質があるなら、海洋放出の前提に疑問符がついたことになる。
 希釈により残留する放射性物質も基準値以下に薄まるとみられるが、風評被害を懸念する地元漁業者は簡単に納得できないだろう。
 本当に害はないのか、安全性をどう担保するか。これまで以上に丁寧な説明が必要だ。
 東電によると、残留していたヨウ素129は半減期が約1570万年で、1リットル当たり最大62・2ベクレル(基準は同9ベクレル)検出された。
 福島第1原発では事故で溶け落ちた核燃料(デブリ)を冷やすための注水を続けており、デブリに触れた水が増加している。浄化水は現時点で約92万トン、タンクは約680基に達し、あと2〜3年で保管する敷地がなくなるという。
 トリチウムは他の原発では薄めて海に放出しているが、福島第1原発では風評被害を考慮してタンクに保管している。
 政府は、これらのタンクを撤去し、原発内にある使用済み核燃料を保管する設備やデブリ取り出しの作業エリアを設ける予定で、浄化水の海洋放出や地下埋設など五つの案からの絞り込みに向けた議論を続けている。月末には地元などで公聴会も開くというが、理解を得るのは簡単ではなかろう。
 大きな問題として、これまでトリチウム以外の放射性物質の存在がほとんど知らされていなかったことがある。トリチウム以外は除去できているはずの水に、なぜ放射性物質が残っていたのか。納得できる根拠を示してほしい。
 過去には、除去装置の性能が安定していなかった時期もあり、現在より放射性物質の濃度が高かった可能性もあるとみられる。しかし東電は、約680あるタンクごとの濃度は「調べていない」としている。風評被害を避けるには、徹底した点検が必要ではないか。
 地元の理解が得られないまま海洋放出などの処分を進めるべきではない。廃炉に向けた今後の作業を円滑に進めるためにも、誠意ある慎重な対応が不可欠だ。


福島原発の浄化汚染水 再除去など対応丁寧に
 福島第1原発で汚染水を浄化した水に、トリチウム以外にも複数の放射性物質が除去しきれないまま残留していることが分かった。「トリチウム以外は除去できている」と、東京電力は繰り返し強調していた。だが実際は、半減期が約1570万年のヨウ素129も残留。排水の法令基準値を上回っていたというから驚くほかない。
 たまり続けるトリチウム水について、政府や東電は海洋放出を含めた処分方法の議論を本格化させている。トリチウムは人体への影響は比較的小さいというが、他の放射性物質の残留が判明したからには議論はいったん留保せねばなるまい。
 風評被害を懸念する漁業関係者らにはもちろん、国民にも丁寧な説明が欠かせない。
 東電によると、2017年度に汚染水を多核種除去設備(ALPS)で浄化した後に測定したところ、残留が判明したという。検出されたヨウ素129は1リットル当たり最大62・2ベクレル。法令基準値は同9ベクレルであり、大きく上回るレベルである。
 他にも、基準値を下回るものの、半減期約370日のルテニウム106を最大92・5ベクレル、約21万1千年のテクネチウム99を最大59・0ベクレル検出したという。これほど放射性物質が残留していたことは、信頼を損ねる重大な事態と認識せねばならない。
 現在、約680基のタンクにトリチウム水約92万トンが保管されている。タンクごとの放射性物質濃度について東電は「調べていない」というが、早急な調査が求められる。
 常に基準値を下回るまで除去するには、ALPSを頻繁に停止させ、フィルターなどを交換する必要があるそうだ。
 東電は「稼働率を維持し、汚染水のリスクを効率的に低減させることを優先するのが現在の方針」と説明する。調査や再度の浄化を明言しないのは、不誠実と言わざるを得ない。
 東電や政府はトリチウム水の処分方法の検討を急いでいる。保管量が限界に近い上、敷地内にタンクが増え、廃炉作業に影響しかねないためとしている。
 溶け落ちた核燃料(デブリ)取り出しの作業スペースを確保するため、タンクを将来撤去する方針を政府の小委員会は先月了承した。今後、処分方法の絞り込みを加速させるようだ。今月末、福島と東京で開く公聴会もその一環だろうが、いたずらに急ぐことは許されない。
 基準値以下に薄めて海に放出することが有力視される。原子力規制委員会の更田豊志委員長は「唯一の方法」と言う。
 実際、他の原発ではトリチウム水を海洋放出している。希釈すれば残留している他の放射性物質も薄まるに違いないが、タンクごとの放射性物質の濃度が把握できていない現状では基準値以下になるかは分からない。
 それでなくとも福島原発の汚染水を処理した水を海洋放出するとなれば、風評被害を招く恐れがある。そこへ、放射性物質の残留という新事実が明るみに出た。漁業関係者のみならず、国民や国際社会の不信感が募るのは間違いあるまい。
 残留する放射性物質について東電は「フィルターを新しくすれば除去できる。処分方法が決まれば対応する」というが再浄化が先ではないか。処分方法はその上で慎重に検討すべきだ。


福島の汚染水 情報隠す愚を自覚せよ
 国民の意見を聞く公聴会を前に、見過ごせない事実が判明した。
 東京電力福島第1原発のタンクにたまる汚染水に、トリチウム以外の放射性物質が残っていた。一部の濃度は排水の法令基準値を上回っている。
 多核種除去設備(ALPS)により「トリチウム以外は除去できている」としてきた従来の東電の説明と食い違う。
 意図的に伏せていたのではないのか。これまでも東電は再三、都合の悪い情報を隠し、福島県民らの不信を強めてきた。その愚を自覚すべきだ。
 第1原発では山側から地下水が原子炉建屋地下に流れ込み、汚染水が増え続けている。東電はALPSでの処理後、貯水タンクで保管するものの、タンクの数は680基、貯蔵量で90万トン超に上っており、あと2、3年で限界を迎えるとみられている。
 処理後は人体への影響が小さいトリチウムだけが残るとされてきた。ところが、東電による昨年度の測定で、半減期が約1570万年のヨウ素129をはじめ複数の放射性物質が検出された。
 増加する汚染水が廃炉作業の妨げになるとし、政府は2013年から処分法を探ってきた。現在は小委員会が風評被害対策と合わせて検討している。
 政府も東電もトリチウムを希釈して海に放出する構えでいる。福島の漁業関係者はこれに反発。原発事故で操業停止に追い込まれ、苦心しながら試験操業を重ねてきただけに当然だ。
 汚染水処分に理解を求めるにしても、情報を全て開示して話し合うことが前提になる。処分法について東電は「政府の判断を待ちたい」と言を左右にするばかりか、680基のタンクごとに含まれる放射性物質の濃度も調べていないという。あまりに無責任だ。
 有識者らでつくる原子力市民委員会は、汚染水を長期保管し放射線量の低下を待って処分法を考えるべきだと提言する。専門家の見方もさまざまで、海洋放出ありきの道ならしは認められない。
 小委員会は今月30〜31日、福島県と東京都で処分法を巡る公聴会を開く。海洋放出の利点を示すだけでなく、残留する放射性物質への対処など課題を丁寧に説明しなければならない。
 第1原発では汚染水の増加を抑えるため、井戸で地下水をくみ上げて海に流す対策が続く。放流水に含まれる放射性物質や濃度に問題はないか、再度の精査と報告を東電に求める。


【原発賠償見直し】責任を放棄するに等しい
 原発事故に備えて電力会社が事前に用意する賠償資金(賠償措置額)について、政府は焦点だった引き上げを見送る方針を決めた。
 福島第1原発事故で発生した賠償金は既に8兆円を超えているが、原子力損害賠償法に基づく現行の措置額は最大1200億円だ。あまりに少なく、原子力委員会の専門部会で見直しを論議していた。
 専門家からも引き上げを求める声が相次いだが、専門部会の報告書案は「引き続き慎重な検討が必要」との表現にとどまった。
 政府や電力会社は原発の再稼働や新設を進めているが、このままでは過酷な事故に対応できないのは明らかだ。引き上げの見送りは責任放棄に等しく、決着に向け議論を急ぐよう求める。
 専門部会は2015年に設置された。福島第1原発事故は未曽有の被害となり、制度の見直しが必至と判断されたからだ。
 論議では、措置額引き上げと、電力会社の賠償責任に上限を設けない「無限責任」を維持するかどうかなどが焦点になった。無限責任については電力会社側が「有限責任」への変更を強く求めたが、報告書案は無限が「妥当」と結論付けた。
 当然である。有限になれば、限度を超えた分は国が税金を使って補償することになりかねない。電力会社の事故防止策がおろそかになる恐れもある。
 無限責任を実現するためにも措置額は重要だ。福島第1原発事故は現行制度でまかないきれない賠償額になった。政府は東電を事実上国有化し、東電が返済することを前提に資金を支援する制度を設けた。
 この時、国会が求めたのが措置額など賠償制度の見直しだった。引き上げの先送りは、福島事故の教訓を否定することにもならないか。
 措置額は電力会社が民間保険との契約や政府との補償契約によって実現している。引き上げれば保険料負担などが増えるため、電力会社側は国費投入を訴えてきた。
 政府はこれに最後まで応じず、折り合わなかった。賠償資金は電力会社が確保するのが筋だ。政府の姿勢は当然といえる。一方で、結論を見送ったことには政府の電力会社への配慮もにじむ。
 裏を返せば、原発は電力会社だけでは負いきれない高リスクの事業であることを示している。それでも責任をもってやる覚悟がないのなら、原発から撤退するしかない。
 政府は先月改定したエネルギー基本計画で原発の発電割合を20〜22%に据え置いた。政策として主要な電源に位置付ける以上、政府の責任も重い。
 報告書案は、福島事故の被災者への賠償金支払いに時間がかかったことを踏まえ、政府による仮払いの枠組みづくりも求めた。
 備えへの課題は多い。政府は論議の結果を踏まえた原賠法改正案を秋の臨時国会に提出する方針だ。国会にも強い覚悟が求められる。


[福島汚染水浄化] 残留状況丁寧に説明を
 東京電力福島第1原発の汚染水浄化後の水に、トリチウム以外の複数の放射性物質が除去しきれずに残っていることがわかった。
 一部の測定結果は排水の法令基準値を上回っており、放射性物質の量が半分になる半減期が約1570万年の長寿命のものも含まれていた。
 これまで東電は多核種除去設備(ALPS)で「トリチウム以外は除去できている」と繰り返し強調。国と東電はトリチウム水の海洋放出の意向を示してきた。
 トリチウム以外の放射性物質の存在については政府の小委員会でもほとんど議論されておらず、東電が国民に隠していたと疑われても仕方あるまい。
 今月末には浄化後の水の処分について国が福島県などで公聴会を開く。残留物質のデータや処分による環境への影響について、風評被害を懸念する地元漁業者をはじめ国民に丁寧に説明するべきだ。
 東電によると、2017年度に汚染水をALPSで浄化した後に測定した結果、半減期が約1570万年のヨウ素129が、法令基準値の1リットル当たり9ベクレルを超える最大62.2ベクレル検出された。ほかに、半減期約370日のルテニウム106、約21万1000年のテクネチウム99も含んでいた。
 第1原発ではトリチウム水がたまり続け、8月時点で約92万トンに上る。増え続ける水の処分が喫緊の課題であることは確かだ。
 政府の作業部会は海洋放出や地層注入など五つの選択肢を整理し、海洋放出や大気放出は社会的影響が続く期間が比較的短いなどの利点を示してきた。
 国内外の原子力施設で大量のトリチウムが排出されている実績を示したり、政府の小委員会が燃料デブリの取り出し作業スペースなどを確保するためトリチウム水のタンクを除去する必要性を明示したりと、海洋放出ありきの論議が進んできたと言わざるを得ない。
 海洋放出の場合、トリチウムの濃度が基準値の1リットル当たり6万ベクレルを下回るようにタンクの水を薄めて処分する方法が想定される。
 だが、信じがたいことに、東電は約680基のタンクごとの放射性物質の濃度を「調べていない」という。濃度がはっきりしなければ、たとえ薄めても、トリチウムを含む全ての放射性物質が基準値を下回るかどうかは分からない。これでは地元は安心できまい。
 東電は福島原発の過酷事故に始まり、放射性物質を含んだ雨水の垂れ流しなど、何度も地元を裏切る行為があった。廃炉に向けた作業は信頼の醸成が最優先であることを忘れてはならない。


沖縄世論 分析続ける自民
 ★沖縄県知事・翁長雄志の死去に伴い後継知事候補が取りざたされているが、沖縄県知事選(9月13日告示、同30日投開票)を前に動きがあった。自由党幹事長・玉城デニー衆院議員(沖縄3区)が出馬を検討しているという。背景には翁長が8日に死去する前、後継者として県内小売り・建設業大手「金秀グループ」会長・呉屋守将と玉城の名前を挙げた音声を残していたという。 ★県内野党である自民党は、翁長を押し上げ支えてきたオール沖縄が誰を後継者に据えるかにより、選挙の戦術も変わってくる。米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設の是非が再度、選挙の争点になることも考えられる。今月初め頃、自民党本部が後継候補の可能性がある副知事・謝花喜一郎と、自民党候補となった宜野湾市長・佐喜真淳、出馬表明していた元沖縄観光コンベンションビューロー会長・安里繁信(既に出馬撤回)で独自に世論調査。謝花が佐喜真を圧倒的にリードしていた。そんな県内世論を背景に、官邸も知事選終了まで、辺野古沿岸部への土砂投入を考えていないようだ。「これは公明党対策だろう。土砂投入を急ぐと、公明党の選挙協力が得られなくなるためだ」(地元関係者)。 ★加えて官邸は、翁長死去ショックで県民大会や辺野古撤回の盛り上がりが9月終わりの知事選まで続くのか、県民が冷静になるのか、分析をしている。「玉城は県内での人気は高く、知名度は抜群だが、迫力に欠ける。その弱点を含めて、自由党代表・小沢一郎が野党をまとめてどう形に据えてくるかだ。翁長の弔い選挙だけでなく、オール沖縄が場合によってはより強固になる場合があるし、来年の参院選を考えると、今年最大の選挙になるのではないか」(自民党関係者)。自民党総裁選どころではなくなってきた。

総裁選の争点に 石破氏の秘策は「加計問題」と「脱原発」
 自民党総裁選まで1カ月。安倍首相は19日もゴルフを満喫。記者団に「(調子は)安定しています」と余裕の表情を浮かべ、対抗馬の石破茂元幹事長のことなどまるで眼中にない様子だった。だが、石破氏周辺では安倍首相を震え上がらせる2つの秘策がささやかれている。ズバリ「加計問題」と「脱原発」だ。
「全く問題がないというなら、ふさわしい対応を取るべきだ」――。
 16日に放送されたBS日テレ「深層NEWS」に出演した石破氏。〈石破茂総裁選への決意 劣勢はね返す一手とは “包囲網”をどう破る〉と題した番組で、石破氏が「一手」として挙げたのが加計問題への対応だった。
 どうやら石破氏は、総裁選で加計問題を正面から取り上げるつもりらしい。世論調査では、今も森友問題や加計問題について「(安倍首相が)説明責任を果たしていない」との回答が約7割に上る。そこで石破氏は、自分が総理大臣になったら、野党が求める加計理事長の国会招致にも応じる、との考えを示したのだ。
「実は野党に限らず、逃げ回っている加計理事長に説明を求める自民党議員は少なくありません。皆、地元に帰ると、支持者から『加計理事長は説明すべきだ』と突き上げられていますからね。安倍さんの批判ではなく、国民が疑念を持つ問題の真相解明をしたい、ということであれば、党内の理解も得やすい。石破サイドは、地方票(党員・党友票)を集められると計算しているのでしょう」(自民党中堅国会議員)
 もう一つは「脱原発」だ。石破氏は27日発売の「週刊プレイボーイ」(集英社)で、元経産官僚の古賀茂明氏と対談し、日本のエネルギー政策や将来の原発の方向性について意見が一致したという。古賀氏自身がツイッターで、対談したことを明かしている。石破氏は出馬会見で「安心・安全を最大限に確保しながら、原発の割合を減らしていくことが必要」と話していた。原発もやはり世論の関心が高い政策だ。「脱原発」を打ち出すことができれば、国民の人気が高い小泉元首相、進次郎親子の応援を得られるのは間違いない。政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏がこう言う。
「石破さんはこれまで選挙応援で全国を行脚し、自民党に対する風当たりの強さ、世論の厳しさを肌感覚で感じています。恐らく、“加計疑惑の解明”も“脱原発”も有権者のリクエストが多いのでしょう。地方の切実な声を熟知しているからこそ、世論の関心が高い問題を集中的に取り上げ、地方の党員、議員の心理を動かしたいと考えているのだと思います」
 世論を喚起し、総裁選への注目が高まれば、安倍首相も石破氏との「公開討論」を無視できなくなる。果たして、石破氏は「モリカケ」「原発」を争点にできるか。[


石破茂が安倍応援団メディアを敢然と批判!「メディアと権力の一体化は怖い」「意見を言ったら出世できない構造が」
 安倍首相の総裁選に向けた運動が激化している。公務そっちのけで地方議員との面談に精を出し、休暇中も総理経験者らとのゴルフ・会食にフル回転。昨日には、山梨の別荘からわざわざ都内で開かれた日本会議地方議員連盟の結成10周年を記念したイベント「アジア地方議員フォーラム日本大会」に駆け付け、挨拶を済ませると再び別荘に戻っている。
 そうした“売り込み”活動の一方で激しさを増しているのが、対抗馬である石破茂・自民党元幹事長への“恫喝”だ。
 安倍陣営は「人事で徹底的に干す」と脅すことで石破派の切り崩しに必死で、本サイトでも伝えてきたように、政府機関である内閣情報調査室を私物化して動かし、石破氏の動向を調査。16日放送『報道ステーション』(テレビ朝日)によると、安倍陣営は地方での石破氏の講演会にまで「石破を呼ぶな」と圧力をかけては潰しているのだという。
 さらに、目に余るのは、御用メディアや安倍応援団たちの“石破バッシング”だ。たとえば、産経新聞は昨日朝刊1面で今月15日に笹川陽平・日本財団会長の別荘でおこなわれた森喜朗、小泉純一郎、麻生太郎という総理経験者たちと安倍首相の会食の“裏話”を掲載。会食時に細川護熙連立政権の話となり、離党者が相次いだことを森と小泉が振り返ったといい、記事はそのときの離党者のひとりが石破氏であると言及。その上で、麻生が呟いたという「そういう苦しい時こそ人間性がわかるんですよ」という言葉で締められている。
 差別的な暴言を吐きつづけている麻生に他人の「人間性」をとやかく言う資格などどこにもないのだが、そもそも安倍首相はここまで露骨な総裁選の運動を展開しておいて、いまだに出馬表明はしていない。これは石破氏との討論を避けるために逃げているとしか思えないが、そんな姑息な人間を棚に上げて、石破氏の「人間性」に問題があると暗に仄めかす記事を1面トップで掲載するのだから、産経はいいかげん「安倍日報」に名前を変えたほうがいいだろう。
 だが、このようなあからさまな嫌がらせを受けている石破氏は、積極的にメディアに出演。本日も、『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日)に出演し、安倍首相に対する批判をおこなったのだが、これがネット上で反響を呼んでいる。
 たとえば、前述した産経の報道について曜日レギュラーコメンテーターのジャーナリスト・青木理氏が触れ、「僕はある種、異様な記事だなと思った」と言うと、石破氏はこう述べた。
「メディアと権力って一定の距離を置いてきたはずなんですね。どちら寄りということはもちろんあるにしても、どちらかの代弁人ではなかったと思っている。私はメディアと権力が一体となっているときってすごく怖いと思っています。それは民主主義のためにはあってはいけないこと」
「メディアのなかでもたぶん、いろんな意見はあるんでしょう。ただ、いろんな意見を言ったらば、同じようにね、『君、出世させないよ』とか、そういうことがあるとすれば、メディアのなかでも同じような構造が起こりつつあるのかもしれないなと」
 石破氏が述べた「同じようにね」というのは、総裁選において安倍陣営が「人事で干す」と恫喝していることを指しているのだろう。つまり、安倍政権がメディアの報道に介入し忖度を強いてきたことは民主主義に反する行為であり、いまではその構造がメディア内部にも浸透してしまったのではないか。そう石破氏は指摘するのだ。
騙しの手口で改憲を急ぐ安倍首相に対し、改憲プロセスの重要性を語る石破茂
 さらに石破氏は、「日本の設計図そのものを変えていかないと国が次の時代に存続できない」「そのときに『政府の言っていることって信頼できるよね』と思ってもらえなかったら、設計図の書き換えなんてできない」と言及。森友の公文書改ざん問題しかり、政策論以前に安倍政権には信頼性がないということを突きつけたのだ。
 メディアと権力が一体化することは絶対にあってはならないこと、国民の信頼を裏切る政権に政策論はできない──。石破氏が言っていることは、ごくごく当たり前、基本のキの話でしかない。それは改憲の問題にしても同じだ。
 石破氏はよく知られているように改憲論者であり、交戦権の否認を謳う9条2項の削除を訴えている。こうした石破氏の主張は「戦争できる国づくり」の第一歩でしかないが、一方で安倍首相が訴えている「1・2項はそのまま、3項で自衛隊を明記する」という3項加憲案は、一見ソフトに見えてじつは2項の戦力の不保持と交戦権の否認を空文化しようとする危険なものだ。ようするに、安倍首相は2項削除では反発を受けて改憲ができないと踏み、3項加憲という国民に危険を悟らせない騙しの手口で自分の任期中の改憲を急ごうとしているだけなのだ。
 きょうの番組でも、安倍首相が秋の臨時国会でこの9条加憲案を提出する姿勢を見せていることについて石破氏は、9条改憲は「日本国憲法の3大原理・平和主義に関わること」だと強調した上で、改憲にいたるプロセスの重要性を語った。
「賛成・反対は別としてですよ、きちんと説明する義務があるんじゃないですか。その上で判断していただく義務があるんじゃないですか。努力もしないで『どうせ通らない』『どうせダメだ』『政治は結果だ』、私はやっちゃいけないことだと思っています。一生懸命説明して、それでも理解が得られなかったら、仕方がないですよ。その努力をしないままに『どうせわからないから』というやり方は、私はとらない」
石破茂が安倍首相「読売新聞読んでください」発言に激怒!そんなの議論じゃない
「去年の憲法記念日に総理がビデオメッセージで(9条3項加憲案を)おっしゃった。『どういうことですか』と訊いた人に、総理は『それは新聞読んでください』とおっしゃった。みんながその新聞読んでるわけじゃないんです。ほかの新聞読んでる人もいっぱいいるんです。そんな言い方ってありますか! 何度も何度も『総理は自分の言葉で説明してください』『新聞読んでくれじゃなくて自民党の議員の前で説明してください』とお願いしました。1度もやってくれない」
「議論というのは、Aはこう言い、Bはこう言い、Cはこう言う、その意見をたたかわせるのが議論です。みんなが言いっ放しで『はい、みなさん意見言いましたね。終わりましたね』と、それを議論とは言わない」
「みんながいろんな意見を言いました。意見が異なっています。じゃあ、そこで公論をかわす。『あなたのそこはおかしいでしょ』『いえ、おかしくないです』と、それが議論です。みんなが意見を開陳しましたというのは意見表明であって、議論とは言わないです」
 国民に改憲の内容や意味をしっかり説明する義務を果たし、それでも理解が得られないなら、議論を交わす。──石破氏が訴えていることは、やはり当たり前の話だ。だが、このごくごく当然の主張が「きちんと」しているように見えるのは、それだけ安倍政権による反知性、国民無視、強権的姿勢に慣らされてしまった結果だと言えるだろう。改憲の姿勢にしても、コメンテーターの玉川徹氏は「僕と考え方は違うのかもしれないけど、少なくとも石破さん、姑息じゃない」と言っていたが、まさにその通りで、安倍首相のように国民を騙そうとはしていない。
 いや、それどころか、石破氏が質問を受けて意見を答える、ただそれだけのことが、「会話が成立している」としてネット上では評価に繋がっている。質問をはぐらかしたり、意味のわからないたとえ話をはじめたり、訊かれていないことを答えたり、「まさに」「ですから」「いわば」というフレーズを空疎に繰り返すなど、中身のない“安倍論法”を聴かされつづけてきた側としては、会話が成り立っているというだけで「ずっとマシ」だと思えてしまうのだ。
石破茂「誰もここでものを言わなかったら民主主義はどうなるんですか」
 番組では、司会の羽鳥慎一が「たいへん厳しい状況だと言われていますが、それでも(総裁選に)出るというのは、どういうお気持ちなんですか?」と質問すると、石破氏は「出なきゃいけないからです」と即答。羽鳥が「なんでですか?」と畳みかけると、こう答えた。
「誰もここでものを言わなかったら、どうなるんですか? ほんと、どうなるんですか? 国民がそう思っていて、党内にもそういう意見があって、誰もそれを言わなかったら、民主主義ってどうなるんですか?」
 石破氏は「そういう」「それ」とぼかしているが、ここで石破氏が言っているのは「安倍首相のやり方はおかしい」ということだ。普通に考えれば、友だちへの優遇や公文書の改ざん、自衛隊日報の隠蔽などが発覚してもなお3選を目指していること自体が異常であって、この石破氏の危機感は極めて真っ当だろう。
 だが、問題は、この「安倍首相のやり方はおかしい」という当たり前の指摘、「安倍首相のままでいいのか」という危機感を、メディアは伝えようとしないということだ。きょうのこの『モーニングショー』にしても、石破氏を迎えたコーナーでは冒頭から「総裁選のキーマンは小泉進次郎・筆頭副幹事長」だとして、羽鳥と細川隆三・テレ朝政治部デスクが「最近、(進次氏と)連絡は取れているんですか?」などと何度も質問。言うまでもなく総裁選なのだから、重要なテーマは安倍首相の政策や政治姿勢に対する石破氏の意見なのに、番組は昨日出演した田崎史郎氏が主張した「(進次氏は)安倍総理支持」「何でも自分一人でやろうとする石破氏に総理が務まるのか支持にためらいがある」などという安倍陣営に寄った情報を石破氏にぶつけるなど、かなりの時間を進次氏の話題に費やしたのだ。
 石破氏による当たり前の主張が真っ当に見えてしまう原因は、こうしたメディアの安倍政権への忖度と、なんでも「政局」に置き換える報道にもあるのだろう。


石破茂はこのまま永田町から追放されるのかもしれない 残酷だが、これが政界の現実
波乱は起こるかもしれない。だが、このまま一騎打ちになるのだとすれば、安倍は「一強」に歯向かおうとするこの男を、完膚なきまでに潰したいと考えている。反乱者に待ち受ける代償とは何か?
「陰のドン」の余裕
8月1日午前10時、平河町・砂防会館。黒のクラウンから姿を見せた男の表情には、余裕が漂う。
――週刊現代ですが、石破さんへの支持は?
「えっ?いや、なんにも、なんにもそういうことはね……」
かすかに口元をほころばせた男は、総裁選に向け、本格的に動き出した。
青木幹雄、84歳。政界引退後もなお、毎週水曜日、砂防会館別館2階にある事務所への「出勤」を続けている。
麻雀卓のおかれた部屋で、自民党参院幹事長の吉田博美を通じて「指示」を出す。いわずと知れた、竹下派と自民党参議院の牘△離疋鶚瓩任△襦
'07年の参議院選挙で歴史的大敗を喫し、参議院議長の座を逃した。時は第1次安倍政権。自分の顔に泥を塗った安倍を、ドンは信用していない。
青木は、参議院のみならず竹下派全体で、石破支持に動こうとしている。石破にとって、今は青木の支援だけが頼りだ。
ちょうど同じ時間、本誌記者は、石破茂と議員会館で向き合っていた。
――安倍総理の3選が有力で、石破さんは劣勢だと報じられている。
「そうですね。でも自分を振り返っても、中選挙区時代は『劣勢』とか『落選』とさんざん言われていた。'90年の選挙は消費税の是非を問う総選挙でしたが、私は『消費税は絶対に必要だ』と言って出馬して、落選確実だと言われました。
でもトップ当選だった。選挙は、自分で努力しなきゃ駄目ですし、最後の最後までわからないんですよ」
――安倍総理の多数派工作を前に、石破さんだって、安倍さんに歯向かえば「干される」でしょう。
「『干してやる』とか『今ごろ遅い』とか、官邸や自民党の主流派幹部が言っているという。
私が知っている自民党は、同志に対してそんなことを決して言いませんでした。それじゃまるでパワハラです。選挙民が選んだ国会議員に対して、あまりにも傲慢で不遜だと思う」
――安倍政権に問題があると思う議員は多いが、みんな怖がっている。
「やはりみんな選挙区の期待があるから、取り立ててもらいたいでしょうし、選挙でも比例の上位に入りたいと思う。不遇を恐れれば萎縮するでしょう。自由闊達に、勇気をもって議論する風潮が、失われつつあると感じています」
石破の言うとおり、安倍はあの手この手で、石破包囲網を作り上げようとしている。安倍は側近議員にこう話している。
「石破が総裁選で3割以上の票を取ることは、なんとしても阻止したいんだ。8割から9割を自分がとって、二度と石破が立ち上がれないようにする。小泉(純一郎)さん流に言えば、『石破をぶっ潰す』だよ!」
石破と安倍の遺恨は、ちょうど11年前にはじまる。'07年8月、第1次安倍政権の末期に、真っ先に「安倍おろし」ののろしを上げたのが、石破茂だった。安倍は先の側近議員にこう漏らしている。
「参院選の大敗時に、石破が『辞めるべきだ』なんて言い出して、後ろから鉄砲を撃たれた。石破だけは絶対に許さない」
安倍は絶対に許さない
当時の自民党代議士会でも、安倍の目の前で石破はこう発言している。
「首相は『反省すべきは反省する』と言ったが、何を反省し何をどう改めるのか、はっきりさせるべきだ!」
結果的に、安倍は体調不良で総理の座を投げ出した。安倍にとって、石破は一貫して憎悪の対象だ。この1年間、モリカケ問題で石破が自分を批判し続けてきたことも、「後ろから鉄砲を撃つ」ことの再来なのだ。
「石破をぶっ潰す」ために、安倍はなりふり構わない。とりわけ、地方票対策だ。
'12年の総裁選では、地方票300票のうち、石破165票、安倍87票。36都道府県で石破に負けている。
そこで安倍は、4月20日の山口県議を皮切りに、8月1日の浜松市議にいたるまで、16都道府県の地方議員と連続で面会。さらに4月から大阪府、北海道、滋賀県、埼玉県と地方を月1回訪問、地方県連の幹部たちと直接相対している。
地方議員が宴会をやっていると聞けば、側近議員を訪問させ、酒を差し入れさせるなど、その行動は用意周到である。
石破派の代議士・後藤田正純は顔をしかめる。
「官邸の露骨な切り崩しはあるよね。6月24日に、無派閥の愛知治郎参議院議員(宮城県選出)のパーティーに石破さんと俺が出席したときも、その話を官邸が事前に聞きつけ、わざわざ10日ほど前に総理が自民党宮城県議団と官邸で面会したんだ」
石破とて、手をこまねいているわけではない。
――地方をまわっていての感触は?
「昨日も兵庫に行ったんですが、新幹線に乗っていても話しかけられることがとても多くなりました。なにかおかしいんじゃないか、っていう思いは国民の中にもあるんじゃないでしょうか」
とはいえ、地方票をどう制したとしても、議員票での闘いは、限りなく厳しい。細田・麻生・二階の3派に加え、岸田派も安倍支持を打ち出したからだ。
石破派は草刈り場に
そこで焦点は冒頭の青木幹雄になる。7月25日、青木は参院幹事長の吉田博美に「石破で行け」と指示した。約1週間後の31日に青木と会った派閥会長の竹下も、「安倍に歯止めを掛けるためにも、石破に闘わせたほうがいい」と命じられている。
「派閥内でも安倍シンパの茂木敏充や山口泰明は安倍にまわるが、拘束はしない。だが参議院のみならず竹下派の石破支持は堅い」(竹下派議員)
むろん、青木とて、現段階で石破が勝つとは本気では思っていない。
「青木さんは『本格的に動くのは、総裁選が終わってからだ』と言っています。来年の参院選では自民党の議席減は確実で、野党が統一候補を立ててきたら勝てない。
安倍が3選されても、『支持率が落ちれば、お前を替えるよ』というブラフをかけ続け、参議院竹下派の干し上げを牽制しているわけです」(自民党幹部)
ドンの動きは老獪だ。青木幹雄は岸田派のドン・古賀誠や、石原派のドン・山崎拓とも頻繁に接触している。竹下派に加えて、2派の一部が加われば、勢力図は変わる。
何より、石破に近い小泉進次郎が動くならば、可能性は出る。石破に進次郎のことを訊ねた。
――小泉進次郎さんとは政策的にも協調できるのではないか?
「当選1回の若手だった6年前の進次郎さんと、今の進次郎さんでは立場も違う。私が幹事長時代には青年局長として、どんな離島にも選挙応援に入ってくれた。
そういう積み重ねがあり、当選4回の筆頭副幹事長、中堅幹部になられた。その彼が今の自民党をどう思うのかということでしょう」
進次郎からの支持を待ちわびる声にも聞こえたが、その真意はわからなかった。小泉進次郎は、8月上旬からインドに外遊する。ここで「石破支持」を打ち出せば、状況は一気に変わる。安倍も、「怖いのは進次郎だな」と周囲に語っている。
だが、いま、本気で動きはじめている石破を、安倍は絶対に許さない。それは、安倍自身が衰え始めている自分の力を自覚しているからでもある。政権幹部はこう語る。
「総裁選後、石破についた連中は徹底的に干される。重要ポストは与えない、参議院ならば来年の選挙の第1次公認から外す、といったことだよ。人事は総裁選の論功行賞をもとに行う。そうしないと、安倍さん自身も求心力を保てないだろう」
石破の政治生命は、総裁選で負けるにしても『どれだけの差で負けるか』にかかっている。
地方票で8割をとるようなことがあれば、安倍にダメージを与え、「次の次」の有資格者だ。だが、地方票でも大きく水をあけられてしまえば――。
ある細田派議員は、「石破は安倍さんに『丸焼き』にされるだろう」と言う。
「総裁選後、石破の無役は当然だが、石破派そのものを徹底的に草刈り場にするね。
プライドの高い政策通が多いから、彼らを部会などでも若手議員の下につけて『冷遇』する。『石破派なんかにいてもどうにもならない、こっちに来い』と引き抜きを行えば、石破派は一人ずつ奪われ、派閥としての体をなさなくなる。
来年の参院選では石破派から新人擁立が困難になり、『石破はもう終わった人』というイメージが定着する。事実上の『永田町追放』だよ」
これが残酷な現実となるかどうか、残り1ヵ月半が見逃せない。(文中一部敬称略)


今年も唯一ゴルフ不参加…福田元首相はやっぱり“アベ嫌い”
 よほど安倍首相のことが嫌いなのだろう――。先週16日、森喜朗氏、小泉純一郎氏、麻生太郎氏の総理経験者3人とゴルフを楽しんだ安倍首相。政界関係者が「やっぱり」と納得したのが、総理経験者の福田康夫氏が参加しなかったことだ。<安倍・森・小泉・麻生>の4人は、昨年の夏休みも集まって会食しているが、その時も、福田氏だけ出席しなかった。
 福田元首相は安倍首相を完全に見限っているという。公然と“安倍批判”を始めたのは昨年夏からだ。共同通信のインタビューに応じ、<国家の破滅に近づいている>と痛烈に批判した。「国家の破滅」と口にするのは、よほどのことだ。
 その後も、会見などで何度となく安倍批判をしている。
「現役官僚や自民党議員から安倍政権の実態を伝えられているのでしょう。福田さんは『安倍政権のままでは国が壊れてしまう』と強い危機感を持っているようです。あまり知られていないが、福田さんと石破茂氏は親しい。総裁選に出馬した石破茂氏を側面支援する可能性もあります」(自民党関係者)
 安倍サイドが懸念しているのは、福田氏が皇太子妃・雅子さんの父親、小和田恆元国際司法裁判所所長と極めて親しいことだという。皇太子は来年、即位する。
 小和田恆氏と福田の2人をよく知る政治ジャーナリストの野上忠興氏は次のように言う。野上氏は、福田赳夫政権当時、官房長官番として2人を取材していた。
「康夫さんが福田赳夫首相の秘書官をしていた時、外務省から出向して同じ秘書官を務めていたのが小和田さんでした。年齢が近いこともあって2人はすぐに親しくなった。もう40年近い付き合いです。安倍首相からしたら、皇太子の近くに“反安倍”の康夫さんがいることは気がかりでしょうね」
 “安倍批判”をしている自民党の大物OBは、福田氏だけじゃない。ここまで先輩から強烈に批判されるのは異例だ。


買春4選手はアジア大会追放 アスリートは海外でハメを外す
 開催中のアジア大会(ジャカルタ)で発覚した、男子バスケットボール日本代表の4選手による現地での買春行為。カタール戦で初勝利を挙げた16日の夜に、日本代表公式ウエアを着て歓楽街に繰り出した揚げ句、“客引き”に紹介された飲食店で働く女性を連れ出し、ホテルでコトに及んだ。
 4人は代表認定を取り消され、アジア大会から“追放”。帰国した20日、東京都内で記者会見を開き、佐藤卓磨(23)は「バスケットボールの歴史に傷をつけるようなことをしてしまい、申し訳ない」と謝罪。橋本拓哉(23)は「チームの士気を下げてしまった」と頭を下げた。
 大会前、監督会議で日本選手団の山下泰裕団長が各競技団体を集め、行動規範の順守を口酸っぱく説いた直後だった。前回の仁川大会で日本の競泳選手がカメラを窃盗した事件があっただけに、クギを刺していたという山下団長は「過去の具体的な事例を引用しながら、日本代表の一員としての覚悟・誇りを意識付けてきたつもりだったが、選手に十分伝わっていなかった」とグッタリ。結局、2大会連続で日本選手が不名誉な形で名を残した。
 体力と好奇心だけは有り余っているアスリートが、監視の目が薄れる海外でハメを外す。よくある話で、山下団長が「過去の具体的な事例を引用しながら」と言うのだから、これまでも表に出ていない不祥事がゴマンとあるのだろう。
 プロの世界でも、2015年に侍ジャパンのメンバーだった巨人の坂本勇、中日の大野らが「プレミア12」の遠征先だった台湾のナイトクラブで乱痴気騒ぎ。現地の大手週刊誌(電子版)に動画付きで報じられ、世界に恥をさらした。
 16年にバドミントンの桃田と田児が都内の闇カジノに出入りしていた事件も、きっかけは海外遠征だった。問題発覚の5年前、田児が遠征先の海外でカジノ遊びを覚え、そこからバクチ狂いに。所属先の後輩である桃田と共に国内での違法賭博にも手を出すようになった。
 同じ16年には未成年スノーボード選手2人による大麻使用も発覚。これも米コロラド州での合宿期間中、パーティーで外国人に勧められて使用したものだった。
 今回のアジア大会で、いつまた不祥事が発覚しても不思議ではない。


「名古屋の商店街のパリ祭」超人気のワケ テーマは"ここでしか出会えない店"
名古屋駅から徒歩15分ほど。数年前までシャッター通りだった「円頓寺(えんどうじ)商店街」が奇跡の復活を遂げつつある。立役者は地元名古屋の建築家、市原正人氏。空き店舗の再生やアーケードの改修など、商店街の人たちと協力して、さまざまな手を打った。中でも2013年に初開催した「パリ祭」は新たな名物として根付いている。名古屋の商店街で、どうしてパリなのか。なぜそれが人気になったのか。「奇跡」の一端をお伝えしよう――。
※本稿は、山口あゆみ『名古屋円頓寺商店街の奇跡』(講談社+α新書)の第3章の一部を再編集したものです。
理由は「メンバーにパリ好きが何人かいたから」
円頓寺商店街には昭和31(1956)年に始まった「七夕まつり」があり、今も7月最終週に5日間行われる。この七夕まつりを大事にしながら、もうひとつ別な祭りを円頓寺商店街につくろう。市原たちはそう考えた。それが平成25(2013)年秋に初めて開催した「パリ祭」である。
「新しくイベントをやろうとしたときに、商店街の祭りとしてつくるなら、七夕まつりに匹敵するぐらい、みんなに愛されて、なおかつ続いていくお祭りにしたいと思いました。パリ祭というと、なんだかチャラい感じがしますが、そもそもフランスのパリ祭は7月14日の革命記念日に行われる大事なお祭りです。円頓寺は7月には七夕まつりがありますから、秋のパリ祭にしようと考えました」(市原正人氏)
なぜ、いきなりパリ? という疑問が浮かぶが、それは市原を含めメンバーにパリ好きが何人かいたから、というごく単純な理由だ。
ただし、好きだからこそ、何が本物なのかわかるし、恥ずかしくないものにしようと考える。好きこそものの上手なれ、である。
「徐々に充実させていくのではなく、1回目から『これ、本物だね』と思わせるお祭りにしたかったので、発案は2011年でしたが、そこから準備に1年半かけました」
「これぞ」という店にこちらから声をかけた
出店してもらう店は公募ではなく、「これぞ」という店にこちらから声をかけにいった。フレンチ雑貨店、ブロカント(アンティーク店)、フラワー・アレンジメントの店、バゲットが美味しい店など、名古屋市内だけでなく郊外まで広げて、まだそれほど知られていないけれどもセンスの良い店をピックアップして出店を依頼した。
ネームバリューのある店も含めて20店舗ほど集まったあとで、公募を行ったところ、「こういう店が一堂に揃うなんてすごい」と出店希望が殺到してあっという間に80店舗の枠がいっぱいになった。アーケードの真ん中にずらりと80の出店ブースが並ぶことになったのである。
「もうひとつ、本物を感じさせるために、フランスを代表する企業がそこに参加しているという絵があるといいのかなと考えて、お願いにいきました」
これはなかなか簡単にはいかなかった。
航空会社のエールフランスには、タブロイドの冊子に名前を載せさせてもらった。もちろん広告料などなしで、ただ載せさせてもらっただけである。そして、自動車メーカーのシトロエンには、会場に車を並べてもらうことになった。
あとは果たして人が来るか、である。これが最後に残った心配だった。
とにかくメディアで紹介してもらうしかないと考えたが、雑誌は掲載までにタイムラグがあるため、概要が決まったときにはすでに時間的に難しかった。狙うとすればテレビだ。
あたってみると、ちょうど10月の番組改編のタイミングで、新番組の初回の特集で取り上げてもらうことができた。
本物にこだわったことが人を呼ぶ
当日、ふたを開けてみると、心配は無用だった。予想をはるかに超えて七夕まつりをしのぐ人を集めた。
七夕まつりとは客層が違い、近隣というよりわざわざ遠くからおしゃれをしてきた人が多かった。女性が多く、またベレー帽率が半端なく高かった。そしてかなりの人が最初に、花とパンを買い、それを持っていろんなブースを覗き、大道芸や音楽のライヴを取り巻いた。七夕まつりではがんがん飲んで酔っ払っている人も多いが、パリ祭に来た人たちは上品に飲んで食べて楽しんでいる。今までの円頓寺商店街と縁のなかった人たちが多くやってきていた。
この日、商店街の店は自分たちの祭りだという意識は希薄で、積極的に参加するというより、通常営業しているという状態だったが、それぞれの店にも客が殺到した。
しかし、混乱はなかった。たくさんの客がいきなり来ても対応できるところが、長年七夕まつりの人出に慣れている商店街の実力だった。
『肉の丸小商会』ではメンチカツの注文数が史上最高だったそうである。
丸小の木俣和彦さんはこう話す。
「昔は遊びに来た若い人で賑わっていたんだけど、最近はほんとに寂しい状態になってた。ところがパリ祭では、若い女の子の行列ができてね。そのあとから、なぜかパリ祭じゃないときにも、若い子が店に来るようになった。そういう子と話をしていると、若返った気分がして嬉しいんだよ」
ほかのイベントにも出る場合、翌年の出店は断る
パリ祭の賑わいも話題を呼んだ。市原は振り返る。
「何人ぐらい来ましたか? と訊かれたけど、テーマパークじゃないし数えとらんし。とにかく幅八メートルの通りで人と人がすれ違えんような混雑でした。何人来たかより、ここでしか出会えない祭りとして続けていくことが大切なんだと思いましたね」
パリ祭は毎年すごくなってきているね、と言われるために、また商店街の人たちに「円頓寺商店街のパリ祭」が世の中に良いイメージを発信できていると感じてもらうためにも、本物にこだわって続けていくことが何より大事だった。
そこで市原たちは、出店者についてひとつのルールをつくった。
いろんなイベントに出店している店からの応募は断る。そして、今まで出店をオファーしていた店でも、ほかのイベントにも出ることになった場合、翌年のパリ祭への出店は断る、というルールである。そのことを伝えると「じゃあやっぱり、新しいほうは断ります」という店もあった。
年一回の祭りのために普通じゃない努力をしている
「これは脅しでも何でもなく、パリ祭でしか出会えない店がそこにある、というのを大事にしたいからです。花火大会の屋台だったら、どこにでも出ているクレープ屋さんがあってもいいと思いますが、パリ祭というかぎりは、パリに特化している店に出店してもらわないと、『今回はパリでもなかったよね』と言われて魅力を失うと思うんです。だからブースが空くようなことになっても、このルールをクリアできない店はお断りしているんです」
これは出店する側からするとなかなか厄介なルールである。
イベントに出るために店側は、ブースの造作やサービスの仕組み、什器の用意など一通り準備しなくてはならない。費用も手間もかかる。イベントに出るならばある程度出続けなければ効率が悪い。イベント主催者側にとっても、イベントに出慣れている店に出てもらえばフォローも必要なくさくさくと進むので、実は楽なのである。
パリ祭では、主催者、出店者双方が、年に一回の祭りのために普通じゃない努力をしている。そのことが来る人にも伝わっているのだ。
これはある種のブランディングだと言えよう。ただし、うたい文句によるブランディングではなく、手間暇かかるブランディングである。
持ち込み企画でイベントをやりたいというオファーが増えてきたことは、円頓寺商店街のブランド化が成功している証左であろう。
「ここでイベントをすると高感度で情報発信力のある層を集客できる」というイメージがついてきているのだ。
そこでこのオファーを積極的に受けて、アーケード使用料ほかサービスをパッケージにして商店街の臨時収入とすることにした。この収入は、アーケードの管理維持費に回ることになっている。
評判が評判を呼び、次々と新たなイベントのオファーが
平成28(2016)年には食品メーカーのカゴメがトマト祭「トマトマ」を行い、おおいに賑わった。従来のトマト祭は既存の店でカゴメ商品を使った料理を提供してもらうという形だったが、それでは店に来たお客さんにしか体験してもらえないので、外のスペースで試食や製品PRを行いたい、ついては、パリ祭で多くの女性客や飲食に感度の高い客を集める円頓寺商店街で、ということだった。
こうなると評判が評判を呼び、次々と新たなイベントのオファーが舞い込んでくる。持ち込まれるイベントの種類も、パリ祭を評価してくるだけに、平成29(2017)年は「NAGANO WINEフェスタ」であったりと質感の高いものが多い。まさに好循環が生まれている。
平成29(2017)年でパリ祭は5回目を迎えたが、人出はさらに増え、早い時期から問い合わせも来るようになった。そして、頼まなくても名古屋の秋の風物詩としてメディアで報道されるようにもなった。
商店街の老舗も、古くからの常連客から「もう、そろそろパリ祭の季節ね」とか、「今年はパリ祭いつ?」と訊かれたりするようになり、自分たちの祭りなんだという意識が高まった。
山口 あゆみ(やまぐち・あゆみ) フリーライター、編集者
1965年、横浜生まれ。日本航空機内誌『SKYWARD』の編集長を経て、現在は独立し、自社で雑誌、単行本の出版など活字媒体を制作するほか、さまざまな企業のブランディング・PR、会員向け事業でのコミュニケーション開発なども手掛ける。 共著に『エーゲ海の小さなホテル』(東京書籍)。22万部のベストセラーとなった『キリンビール高知支店の奇跡』(講談社+α新書)では取材・構成に携わった。


「同性愛を公表するために、ブログを書いたのではない」 ロバート キャンベルさんが伝えたいこと ロバート キャンベルさんのブログが大きな反響を呼んでいます。
生田綾 錦光山 雅子 Masako Kinkozan
自民党の杉田水脈衆院議員、谷川とむ衆院議員によるLGBTをめぐる寄稿や発言を、国文学研究資料館長のロバート・キャンベルさん(60)が、自身のブログで批判した。
キャンベルさんは、自らにも同性パートナーがいることを明らかにした上で、杉田氏らの論考の背景にある社会のありようをこう指摘した。
「LGBTが『周囲にいない』と答える日本人が多いのは、存在しない、ということではなく、安心して『いるよ』と言えない社会の仕組みに原因があります。(中略)ふつうに、『ここにいる』ことが言える社会になってほしいです」
このメッセージは大きな反響を呼び、Facebookで7500回以上「いいね」されている。あれから約1週間。いま思うことを、キャンベルさんに聞いた。
「公表」しても、普段の生活に何も変わりはなかった
8月12日にブログを公開して、同性愛を「公表」したことが新聞などで取り上げられてから、15日に20年近く住んでいる家の近所を散策しました。
朝のゴミ出しをした時には、近所に住んでいるおじさんに会いました。その方は新聞を熱心に読む人なので、おそらく私のニュースも知っていたと思います。落ち葉拾いをしていたので、防鳥ネットを開けてゴミ出しを手伝ったけれど、いつもと変わらない日常のあいさつをしてくれました。特別なことは何も言わなかった。
少しまわりの目を意識してしまったり、握手を求められたりはしましたが、自分の普段の生活に何も変わりはなかった。
特別なことは、何も起きませんでした。
ああ、こういうことなんだなぁ、と思いました。
性的指向や性自認というのは、「あの人はボーダー模様が好き」といったような、人となりを表す一つの要素というか、他者との繋がりあいにおいて「気づく」ことの一つに過ぎないのだな、と感じたんです。
「公表」によって、少し空気が軽くなったというか、フィルターが1枚剥がれた感覚はあります。私の本質や神経が「裸」になったようにまわりの人が感じ取ってくれて、人との接点の可能性が広がり、人と交流する上での「リーチ」が少しだけひらけた予感がします。
同性愛を公表することが、ブログを書く目的ではなかった
私があのブログを書いたのは、同性愛を公表することが目的ではありませんでした。
政治家批判というものでもありません。谷川とむ氏や杉田水脈氏が言っていることは間違っている。この機会を踊り場にして、話し合おうよ、と言いたかった。
最初に杉田氏の寄稿文を読んだ時は、真正面から反論しなければ、とは思いませんでした。国の政策の形成に関わる人が、誤った知識に基づきあのようなことを書くのはよくない。「正されるべき」とは考えましたが、正すのが私だ、とはあまり想定していなかった。
その後、同性婚などは「趣味みたいなもの」という谷川氏の誤った言説がメディアに取り上げられると、ネットという電子空間の中で乱反射していくようになりました。自民党はどう対応するか、など政治の話にも及びましたが、そこはさて置き、電子空間で繰り広げられている議論の中には、「(谷川氏や杉田氏の主張の)何が悪いのか」とする意見も目につきました。
杉田氏の論考が、環境要因でセクシュアリティが変わるとか、誤った理解や偏見を助長することに繋がっていた。そのことに危機感を持つようになりました。そこで、杉田氏の論考を改めて読み直したのです。
杉田水脈氏寄稿文に見た、2つの問題点
杉田氏の論考に関しては、「LGBTの人は子どもを産まない、つまり『生産性』がない」という部分が、主に問題視されているようです。
ですが、私は「日本はLGBTにとってそれほど暮らしにくい国ではなく、親に理解されないのが一番の悩みである」という部分に非常に違和感を感じています。
私は、性的指向というのは、その人が持っている「資質」だと考えています。にも関わらず、LGBTの人の中には、親からその基本的な資質をずっと否定されながら育ってきた人もいる。その環境で「親の期待に応えなければ」と思いながら生きてきた子どもたちに対して、「親さえ納得すれば大丈夫じゃないか」と言い放つのはとても残酷です。
なぜなら、その親が「納得」しないのは個の問題ではなく、その親が育ち生きてきた環境や社会の仕組みが影響しているからです。セクシュアリティや性自認が個人の幸せを決定づけるものである、という価値観が、育ってきた環境によってすり込まれている。それは個人で解決できるものではありません。
母親から「普通の子に産んであげられなくてごめんね」と何度も言われた、という話を知人から聞いたことがあります。杉田氏の論考は、そのようなことを後先見ずに誰にでも「言わせる」状況を作ってしまう、残酷なものだと思います。
また、 LGB(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル)の人を「不幸である」と断言している点も問題です。
杉田氏は女子校出身で、学校では先輩や後輩との「疑似恋愛」はあったが、卒業したら「普通に異性と恋愛して結婚していった」と書いています。そして、性の多様性やLGBT関連の報道が、「普通に恋愛して結婚できる人まで、『これ(同性愛)でいいんだ』と、不幸な人を増やすことにつながりかねません」と結んでいる。
「不幸である」と政治家が言ってしまうのは、とても残念なことだと思います。
杉田氏の寄稿文を読み、政治とは何か、ということを考えました。19世紀のイギリスで生まれた思想に、政治とは「最多数の最大幸福」をもたらすものである、という考えがあります。この思想に立って多くの政策が作られ、日本の政治も影響を受けています。
杉田氏は、LGBのようなある資質を持った人を「不幸である」と決めつけ、その人たちの存在が報道されることによって「不幸な人を増やす」と主張している。より多くの人の幸福を最大化することが政治の目的だとすると、杉田氏の主張は、LGBの人たちが最多数の幸福の最大化を阻んでいる、と意味しているとも受け取れる。これは、読んでいてぞっとする考えです。
政治家としての杉田氏の主張は別として、このような考えが世の中に出てしまうことを放置してはいけない、と思いました。私は、日本文学という日本の言語文化に関わり、今の世の中や文化の様々なあり方について、言論でもって伝えていくことを自分のアイデンティティーの一つとしているので、これには異を唱えるべきだと思ったんです。
性的指向や性自認は、その人のポテンシャル
ブログを書いたあと、マスコミは「キャンベル氏が同性愛を公表」と大きく取り上げました。
言論でのカミングアウトは、政治家の誤った主張を正すための前提として、自分の立場を明らかにする必要があり、そのために行ったことです。それが見出しになるとは思わなかったので、違和感はありました。
今も何となくムズムズするところはあります。ただ、当事者の方を含めて、女性や障がいを持った人など、たくさんの人からメッセージをもらいました。可視化されていない問題をどう人に伝えるか、問題解決を阻んでいる「遮断機」がどこにあるのか、それを考えることは、セクシュアリティの問題と密接に繋がっていると学ばされました。
公表したことに「勇気がある」とたくさんの方が言ってくれます。これは大変ありがたいことですが、私には幸福なことに理解をしてくれる家族がいて、社会的地位もあって、安定した収入もある。そういう意味では、カミングアウトをしても失うものは何もないんです。
勇気が必要なのは、10代、20代の若い世代です。これから就職を控えており、親から「いずれは結婚して孫の顔を見せる」ことを求められていて、苦しんでいる人たちです。
ブログでは、性的指向や性自認は「生を貫く芯のようなもの」と表現しました。私は、性的指向や性自認とは、その人の「ポテンシャル」だと思っています。そして、その人たちのポテンシャルは、文化や経済、当事者ではない人の人生を豊かにしてくれます。
ですが、今までは、セクシュアリティの問題は法律的にも社会的にも蓋をされてきました。そうした問題は「影」にあるもので、知られては生きていけないという考えが、僕らの親世代にはあった。
そういうこともあって、日本はLGBTの人たちを積極的に排除しませんし、攻撃もしません。しかし、排除しない代わりに、この問題をあまり深掘りしようとしない。目の前に見せてほしくない存在として扱い、言挙げをしない一面がありました。
結局、その人たちのポテンシャルを開花させない抑止力が日本社会の中に働いてしまっているんです。
私の発言はどうってことない。それを気づかせる起爆剤になればいい
今は、インターネットが発達したことで他者と繋がりやすくなり、他人の経験を簡単に「追体験」できるようになりました。特に若い人の間では、その追体験への興味やリテラシーが深まっている。
それなのに、「セクシュアリティ」の領域だけが動かずにとどまっているというか、たとえて言えば、池の中が「泥(なず)んでいる」状態が続いている感じがしています。
そんな状況で出てきた杉田氏の言論は心ないものではありますが、彼女の発言を発端として繰り広げられている議論は、それまで動かずに堆積していた池の底の腐葉土が攪拌(かくはん)され、大きなエネルギーを放出しているような状態とも言えます。
でも、そうした不透明な状態の中でも、もしかしたらここに蓮の花が咲くかもしれないというような、希望も感じています。
私の「公表」は、世間的にみると「意外性」がありました。ただ、そこでみんなが知っているキャンベルという人物と、これまで私が言ってきたことをつき合わせてみたとしても、「なんだ、どうってことないんだよね」となるんです。実際にそんな反応がありましたし、先ほど話したように、私を取り巻く日常は変わらなかった。
私の発言が、「どうってことないんだ」ということを気づかせる一つの起爆剤になればいい、と思っています。それによって、滞っている部分が流れるようになればいいかな、と。今はその流れができるチャンスが広がっていると思いますし、その意味では、私は杉田氏の発言を機に起きた現象をポジティブに受け止めています。
一方で、ではなぜみんなカミングアウトしないのか、とは絶対に言うべきではありません。それはアウティング(本人のセクシュアリティが第三者に暴露されること)につながってしまう。カミングアウトをせず、このままでいいという人もいます。
大事なことは、安全にカミングアウトできる人が、自らの意思で望んでカミングアウトした時に、その人が損をして、何かを失ってしまうようなことはなかった、という体験を可視化していくことです。
そうすれば、石が転がるように、ぽつんぽつんと自分のまわりにゲイの人、バイの人、トランスジェンダーの人が当たり前にいるようになるんだと思います。
「ここにいるよ」と言える社会になるために、必要なこと
あの人はきちんと家の前の落ち葉をはいて、いつも綺麗にしている。ゴミ出しもしっかりやってくれる。それと同時に、ゲイである。そうやって、「見える部分」と同じような気圧で、並列に人の性的指向や性自認が認識されるようになってほしいと思います。
そのためには、制度の調整も大事です。
同性愛者やトランスジェンダーの人たちが「ここにいる」と言えなくしてしまっている社会や制度の仕組みはなにか、どこに障壁があるのか、それぞれの側面から考えることが必要だと思います。理解を阻んでいる理由を一つひとつ棚卸し、エビデンスやデータを含め、その課題を考えるための材料を整えることが必要ではないでしょうか。
そして、その壁を取り除くことで、誰がどんな損失を被るのか。社会の仕組みの問題点を明らかにして、調整していくこと。同時に、職場や学校などの日常の中に、多様な価値観と「接続」する機会が増えるよう工夫することが必要です。
そうした取り組みを通じ、日常に当たり前にいるよね、と一人ひとりが感じ取れるようになったら、空気が変わっていくのではないか、と思っています。


東京医大・女性差別「努力をあざ笑う」弁護士57人が弁護団結成 得点開示や賠償請求も
東京医科大が女性と多浪の受験生の得点を不正に操作し、合格者数を抑えていた問題は大きな波紋を呼んでいる。この問題を受け、北海道から九州にわたる全国の弁護士が「医学部入試における女性差別対策弁護団」を8月21日に結成。同日、東京・霞が関の文部科学省内で会見し、被害者救済の力になりたいと語った。
●電話相談は8月25日午後1時から午後4時のみ
弁護団の共同代表は、角田由紀子弁護士と打越さく良弁護士が務める。8月21日時点で弁護団には57人の弁護士が加わった。まずは8月25日午後1時から午後4時まで限定でホットライン(044ー431ー3541)を開き、電話相談を受け付ける。「過去に受験した方、そのご家族など差別を受けたと感じている方はお気軽にお電話ください」と呼びかけている。
角田弁護士は会見で、「女子学生への許しがたい差別だ。このことには異論はないのではないか。この日本社会では女性差別が脈々と行われてきた。努力をあざ笑うかのように行われてきた」と述べた。
会見では、2次試験で落ちたという受験生(女性)の言葉が紹介された。受験生は「精神的ショックはとても大きい。いち早く、採点基準を社会に対して開示してほしい。他の医学部においても属性によって不当な差別がないのなら、同じく男女比や現役浪人比などを開示するよう強くのぞんでいる」などと話しているという。
●メール相談は随時受付
相談内容と当事者の希望に応じて、弁護団としては東京医大に対し成績の開示や受験料返還などを求めていく方針。さらに得点操作により不合格になったとわかった場合は、入学資格の付与や賠償金の請求なども検討する。
ホットラインは8月25日午後1時から午後4時までの限定だが、メールでの相談は随時受け付ける。得点調整は男性の多浪生に対しても行われていた。このため、男性からの相談も受け付ける。メールでの相談はigakubu.sabetsu@gmail.comまで。


室温汎用量子コンピュータ実現に前進、横国大が新手法
 横浜国立大学の小坂英男教授が率いる研究グループは2018年8月13日、室温の完全無磁場環境において操作エラーや環境ノイズに耐性を持ち、多量子操作ができる万能な量子ゲート操作に成功したと発表した。
 同大学によると、今回の成果は「世界で初めて」であり、室温で動作する汎用量子コンピュータや量子暗号通信などの実現へ貢献するとしている。
スピン量子ビットに偏光マイクロ波を印可し、量子ビットを操作
 汎用動作が可能な量子ゲート方式を採る量子コンピュータに期待が高まっているが、同方式の量子コンピュータでは操作エラーや環境ノイズに対するエラー耐性が課題として挙げられている。また、量子ビットの1候補として用いられる超伝導体はミリケルビン単位の極低温環境が必要であるため、室温で動作可能な量子コンピュータの実現を望む声も多い。
 そこで、エラー耐性を獲得するための量子ゲート操作手法や、量子ビットの候補となる量子系の探索などが活発に研究が続けられている。量子ビットの有力候補として、ダイヤモンド中の窒素空孔中心(NV中心)に存在する電子スピンと窒素核スピンに注目が集まるが、このスピン量子ビットは操作の正確さや保存時間の長さ、高密度集積性に利点があるとされている。
 これまでの研究で、スピン量子ビットに対してマイクロ波やレーザーを用いた量子操作法が考案され、量子情報を10秒以上保存できることが実証された。しかし、これらの量子操作法には原理上避けることができない操作エラーが含まれており、量子ビットに対する操作精度の向上に限界があったという。
スピン量子ビットに偏光マイクロ波を印可し、量子操作に成功
 本研究では磁場を完全に排除し、エネルギー差のない上向きと下向きのスピンを量子ビットとして用いた。エネルギー差がないため量子操作は困難になるが、操作エラーや環境ノイズに対する耐性が得られるという。
 同グループは、NV中心にあるエネルギー差のないスピン量子ビットに、2本の直交したワイヤーで構成されたアンテナから強度や位相を調整した偏光マイクロ波を印加して幾何学的に量子操作することを提案。この操作手法によって量子ゲート操作に成功した。同手法は「幾何学量子ビット」と名付けられ、課題であった操作エラーを排除することができ、精度限界を実質上なくしたとする。
 NV中心の電子スピンと核スピンは、完全な無磁場下においてエネルギー差のない上向きと下向きのスピンの準位と、これらより低いエネルギーを持つ補助準位で構成されるV型の準位構造を取る。幾何学量子ビットの状態は偏光の状態と1対1で対応するため、偏光マイクロ波を印加すると、その偏光に対応する量子状態(明状態)と補助準位との間で遷移が生じる。
 この遷移を1往復させると、経路によって決まる位相(幾何学位相)が明状態に付与され、この性質を利用することで量子ビット空間で任意の回転軸かつ任意の角度で量子状態の回転操作ができることを示した。
 このような幾何位相を利用した量子操作を幾何学的量子操作(ホロノミック量子操作)と呼び、操作が間接的であるために通常の量子ビット空間を直接操作する動的量子操作よりも操作エラーに対して耐性があるとする。
 ホロノミック量子操作は可視光を用いることも可能だとするが、本研究では電子スピンと核スピンのどちらも操作できるマイクロ波を用いてホロノミック量子操作を実装した。マイクロ波はスピンに対して直接作用を及ぼすため、全ての操作は基底状態内で完結する。室温でも安定なNV中心スピンの特性を最大限に生かすことができ、エネルギーの小さい電子スピン―核スピン間の相互作用を生かした量子もつれ操作も可能となった。
量子情報処理において必要な全ゲート操作を実現
 本手法を量子トモグラフィー法によって評価した結果、電子スピンと核スピンに対して高精度に量子ゲート操作できたことが分かった。さらに、電子スピン―核スピン間の量子もつれを操作する2量子ゲート操作を含め、量子情報処理において必要とされる全てのゲート操作が実現できることを確認した。また、操作精度の限界が実質上なくなることをシミュレーションによって証明した。
 同グループは今後、この技術をさらに高精度化し量子テレポーテーション転写や量子もつれ測定などの発展的な量子情報技術の実証、量子暗号通信や量子中継などの応用を進める予定だ。これにより、「超高感度なベクトル電磁場温度センシング、量子計測、量子シミュレーション、光―マイクロ波トランスデューサー、IoT(モノのインターネット)セキュリティデバイス」(同大学)などの開発が期待できるとする。

宇城の三角西港/天草五和 イルカ・ウォッチング/ヒトデは4-6月

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Jeux asiatiques : scandale de prostitution pour la délégation du Japon
Quatre basketteurs japonais soupçonnés d’avoir payé des prostituées à Jakarta pour des relations sexuelles ont été renvoyés des Jeux asiatiques qui se déroulent en Indonésie.
Quatre basketteurs de l'équipe nationale japonaise, engagée aux Jeux Asiatiques en Indonésie depuis ce week-end, ont été vus dans la nuit de mercredi à jeudi dans un quartier chaud de Jakarta portant des maillots de l’équipe nationale, a indiqué le Comité olympique japonais (COJ) lors d’une conférence de presse dans la capitale indonésienne, ce lundi, précisant que les quatre basketteurs avaient été priés de quitter le pays pour rentrer immédiatement au Japon.
≪J’éprouve simplement un sentiment de honte. Nous présentons nos plus sincères excuses et avons l’intention de donner à partir de maintenant des conseils détaillés aux athlètes≫, a déclaré le chef de la mission japonaise, Yasuhiro Yamashita.
≪Je voudrais présenter mes sincères excuses au public japonais, au COJ et à tous ceux qui soutiennent le basket pour cet incident déplorable. Nous allons décider de la sanction appropriée pour les quatre joueurs une fois que nous aurons eu connaissance de l’ensemble des faits. Nous devons nous appliquer davantage pour faire en sorte que ce genre de scandale ne se reproduise plus≫, a déclaré de son côté le président de la fédération japonaise de basket, Yuko Mitsuya, dans un communiqué.
Les basketteurs japonais avaient dîné en ville après avoir quitté le village des Jeux Asiatiques dans le centre de Jakarta et auraient été sollicités dans la rue par des racoleurs les incitant à se rendre dans un hôtel où se trouvaient des femmes, a ajouté M. Yamashita.
L’annonce du renvoi des quatre basketteurs -- Yuga Nagayoshi, Takuya Hashimoto, Takuma Sato et Keita Imamura -- est embarrassante pour le Japon qui avait déjà été contraint de renvoyer un nageur des précédents Jeux Asiatique en 2014 à Incheon, en Corée du Sud. Le nageur japonais Naoya Tomita avait alors été expulsé après s’être fait prendre, vidéo à l’appui, en train de voler l’appareil photo d’un journaliste.
≪Je suis profondément désolé pour notre attitude négligeante qui va porter le déshonneur non seulement sur le basket-ball mais aussi sur le peuple japonais≫, s’est excusé lundi Takuma Sato, l’un des joueurs incriminés, lors d’une conférence de presse avec ses trois coéquipiers à Tokyo. Costume et cravate noire, Yuga Nagayoshi a pour sa part reconnu avoir été ≪un peu en panique": ≪je ne peux même pas imaginer que je vais rejouer au basket-ball à l’avenir≫.
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M. Nakanishi @nakany
中国の某大学が求人活動に来たので話を聞いたのだが、一番良い枠(テニュア教員)で採用されると、給料約1100万円 + 移転手当約4000万円 + 研究始動費約7000万円に加え、配偶者の就職と子供の教育支援付き。応募者は40歳未満かつ3年以上の海外経験が必須とのこと。なかなか魅力的だわなこりゃ。
Paul🏳️‍🌈 @WallsCome
国費で派遣されているバスケの代表選手がアジア大会期間中にやらかして選手資格を失い帰国させられましたね。ところで、安倍側近の西村康稔内閣官房副長官、ベトナムで国費で同じことやらかしてんのに、何かお咎めを受けるどころか、寧ろ順調に出世してますね。この機会に蒸し返しておきましょうか。
ミケ猫ちよちゃん @CalicoCat_Chiyo
#名古屋国際音楽祭 で全盲の母が受けた #障害者差別 とその後の主催者側の誠意の無い対応。本人はもちろん家族も本当に嫌な気分になってしまう。主催者の #名古屋市 #CBCテレビ はこの障害者差別を公表しない。以下の記事にあるように人権感覚を疑います。

国道3号線からうきうきロードで宇土市.国道57号線に沿って西に向かいます.JR三角線と並行しています.9時過ぎに道の駅の宇土マリーナ おこしき館で小袖餅を買いました.いきなり団子も.自販機に小西行長のゆるキャラがありました.うとん行長しゃん.キリシタンだったそうです.10時前に三角西港.世界遺産だって.それに宮城県の野蒜築港,福井県の三国港とともに明治の三大築港というのでビックリ.
少し進むと天草1号橋ですぐに藍のあまくさ村.サンダルを買ってソフトクリームを食べてさらに西へ.愛の鐘の前で写真を撮ってもらい,天草四郎メモリアルホールはパスして道の駅上天草さんぱーるをぐるっと見ました.
天草有明タコ街道に来たときにはもう12時半.リップルランド.とりあえずお寿司屋さんで日替わりランチ.ヒトデのことを聞くと別のお寿司屋さんということでした.
2時半から イルカウォッチングで少し時間があるので本渡のほうに行って祇園橋を見て天草キリシタン館に立ち寄りました.
国道324号線を西に向かうと苓北(れいほく)町です.おっぱい岩があるとのことでしたが,干潮ではないので見ることができませんでした.富岡城の跡がありましたが,なかなか林芙美子文学碑の場所がわかりません.地元のおじさんに聞いてやっとわかりました.民家の前のようで家の中から「だれ?」と声が聞こえてきたので碑を見ています,と返事しました.日が暮れてきましたので389号線を南下して旅館に向かいます.すごく暗いです.だいぶ頑張って旅館についてさて晩ごはんと思って誓うの居酒屋に行こうとするとお休みとのことでした.仕方ないのでスーパーで果物やお刺身を買って食べました.ヤーというおさかなおいしかったです.

気仙沼←→宮崎 カツオ漁と震災支援がご縁、食と産業の交流深まる
 東日本大震災の復興支援を機につながった気仙沼市と宮崎県の住民団体が、地元の産業や食を互いの地域の子どもたちに知ってもらおうと連携を強めている。元々カツオ漁を通じて縁が深い両地域。給食への食材提供による「食育」や、遊び場への木材供給による「木育」を計画中だ。
 協力しているのは気仙沼市の水産会社などでつくる「気仙沼の魚を学校給食に普及させる会」と、地域で文化イベントを企画する宮崎県のNPO法人「宮崎文化本舗」(宮崎市)。
 今年2月下旬、宮崎文化本舗が宮崎県日南市の小学校で開いた食育授業に、普及させる会が協力した。
 普及させる会の臼井壮太朗代表(46)が日南市を訪ね、カツオ漁を通じた両地域のつながりや東日本大震災からの復興状況などを説明。気仙沼市に水揚げされたメカジキを使ったコロッケを給食に提供した。
 宮崎県のカツオ一本釣り船が気仙沼にカツオを水揚げする機会は多く、震災前からつながりは深かった。震災直後、宮崎本舗の石田達也代表理事(55)がボランティアとしてがれきの撤去活動などをしていた際、臼井代表と知り合った。
 その後、2012年に普及させる会が発足。15年に東京であった環境省主催の会合で石田代表理事と臼井代表が再会して意気投合し、子どもたちに気仙沼、宮崎に伝わる漁業や農業を知ってもらう仕掛けづくりをしようと約束した。臼井代表の日南市訪問は、連携事業の第1弾だった。
 7月下旬には臼井代表が仲介役となり、石田代表理事が気仙沼市役所を訪問した。石田代表理事は宮崎特産の飫肥(おび)杉を気仙沼の子どもたちに知ってもらおうと、杉で作った遊具を同市の公共施設に寄贈する考えを市に提案した。
 また、食を通じた地域間交流を深めるため、日南市の名物で宮崎に水揚げされた魚を使った加工品「魚うどん」を気仙沼市の給食で提供する計画も明かした。
 石田代表理事は「震災の風化を防ぐためにも宮崎の子どもたちに気仙沼のことを知ってもらうことは大事」と強調。臼井代表は「互いの地域に誇れる産業があることを次代を担う子どもたちに知ってもらいたい」と話している。


<西日本豪雨>被災地で活動した学生ら石巻で報告「震災の復興過程を伝えることが支援に」
 東日本大震災の経験を次世代に語り継ぐ活動を続ける大学生2人が19日、石巻市の震災伝承施設「つなぐ館」で、西日本豪雨の被災地で復旧支援に取り組んだ経験を報告した。 2人は、大川伝承の会メンバーで石巻市の永沼悠斗さん(23)と、女川1000年後の命を守る会で活動する仙台市の鈴木元哉さん(19)=女川町出身=。
 震災伝承活動の連携組織3.11メモリアルネットワークの「若者班」として今月8〜10日、愛媛県西予市へ出向き、現地で泥かきなどに汗を流した。
 永沼さんは、地元住民に自身の被災体験を語り、「先のことが想像できなかったが、話を聞いてイメージできるようになった」と声を掛けられたエピソードを紹介。「自分たちが歩んでいる復興過程を伝えることが、支援の一つになるのだと感じた」と力を込めた。
 鈴木さんは「自分の無力さを感じたが、震災を経験したからこそ被災者の気持ちを理解し、関係を築くことができた」と話した。
 報告会は3.11メモリアルネットワーク主催。関係者約20人が参加した。


広島土砂災害4年 危機感持ち備え確かに
 猛烈な雨に襲われて土砂崩れが相次ぎ、関連死を含め77人の犠牲者を出した広島土砂災害から、きょうで4年となる。広島市安佐南区の県営緑丘住宅ではきのう、追悼式典があった。被災者の生活支援や心のケア、防災対策の拡充が急がれる。
 多くの教訓をどう生かしてきたのか。先月の西日本豪雨で深刻な被害を受けた私たち自身がまずは問い直したい。
 災害はいつ、どこで起きるか分からない。つまり誰もが被災者になり得るのだ。実際、西日本豪雨では雨が広範囲で激しく降り、被害も広域に及んだ。
 豪雨や地震自体の発生は食い止められない。万一の際、いかに被害を少なくするか、「防災力」を高めることが必要だ。
 まずは、自分たちの住む地域や職場のある場所が防災上どんな特徴があるか把握しておきたい。土砂災害警戒区域(イエローゾーン)か、備えがより必要な土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)か、またはその近くか。知っていれば、起き得るリスクへの理解も深まるはずだ。
 自治体が避難勧告や避難指示をいかに早く出すかも重要である。土砂災害を教訓に、たとえ「空振り」になっても危険があれば躊躇(ちゅうちょ)なく出すことの必要性が広く浸透しつつある。ただ、今まで被害の少なかった自治体は切迫感が不足しがちだ。改めて徹底してもらいたい。
 いくら迅速に情報発信しても届かなければ効果はない。サイレンによる注意喚起でも、雨が激しく降っていたら聞こえないケースもある。今回の豪雨でも呉市天応地区の住民から「当日はサイレンの音が聞こえなかった」との声が漏れる。
 スマホに加え、防災無線やラジオの活用など多重的な情報伝達の仕組み作りを急ぎたい。日本語が十分理解できない外国人が地方でも増えている。自治体として対策を考えるべきだ。
 情報を受け取る私たちも、迅速に対応できるよう心積もりをすることが欠かせない。
 土砂災害で11人の犠牲者を出した安佐南区緑井7丁目の例が参考になる。今回の豪雨では、地元の民生委員らがいち早く住民に避難を呼び掛けた。電話や自宅訪問までした障害者や高齢者らの中には「直接声を掛けてもらって逃げる決心がついた」と話す女性もいた。地道な地域の支え合いを広げていきたい。
 自宅の周辺地域に「大雨注意報」が出たら準備を始め、「大雨警報」が出たら躊躇せずに避難する―。防災気象学が専門の佐藤丈晴岡山理科大准教授が勧める対応策である。分かりやすく、実践的ではないか。
 どの道を通りどこに避難するかなど、家庭や職場であらかじめ話し合うことが求められる。
 被害や危機感をどう継承するかも課題だ。広島県坂町の小屋浦地区は111年前にも大水害があり、44人が犠牲となった。石碑はあるが、教訓として住民に浸透しているとは言い難い。
 土砂災害では2016年春、住民グループによる復興交流館が安佐南区にできた。被災者の運営で継承につなげている。
 今週には台風が相次いで西日本に接近する。豪雨による被害をわがこととして捉え、備えを確実にしておきたい。地域住民が日頃から協力し合うようになれば、絆も深まり、防災力アップにもつながるはずだ。


原発賠償措置額 引き上げ見送りは無責任
 東京電力福島第1原発事故の教訓をまったく受け止めていないのではないか。
 原発の事故に備える「保険金」を引き上げずに再稼働を進める国と電力会社の姿勢は余りにも無責任に映る。
 原子力損害賠償法の見直しを議論してきた政府の専門部会が、保険や政府補償で賄う最大1200億円の賠償措置額の引き上げを見送る報告書案をまとめた。
 専門部会は引き上げの必要性を指摘したが、政府や電力会社の調整が付かなかった。
 政府は秋の臨時国会に賠償措置額を据え置いた改正法案を提出する方針だ。事故への備えが不十分なままで、原発再稼働だけが進むことになる。
 2019年末で原賠法で定められた賠償の政府補償契約の期間が終わるため、それまでに法改正が必要となっていた。
 原賠法は電力会社に最大1200億円の保険加入や同額の政府補償契約を義務付けし、超える場合は国が必要な援助を行うと規定した。
 福島第1原発事故では、賠償資金は原賠法の枠組みで賄えず、東電を事実上国有化し、国が資金援助する仕組みを窮余の策として整備した。賠償金は7月時点で8兆円超になる。
 事故が起きれば巨額賠償が必要となることが明確となった。このため専門家らから賠償措置額を引き上げるべきだとの意見が出ていた。
 専門部会も引き上げの必要性を再三指摘し、1月に出された報告書の素案では「引き続き検討」とし、調整を促していた。
 ところが、財政出動による世論の反発を恐れる国は政府補償の増額に難色を示した。
 電力業界も電力自由化の競争にさらされ、再稼働に必要な安全対策費がかさむ中、補償料の負担増を嫌った。
 両者の思惑が重なり、最終的に現状維持にとどまったのだ。
 国は原発の利用を今後も続けるのなら事故の備えにどれだけの負担が必要か、きちんと国民に説明しなければならない。
 電力会社も、万一に備える保険金を抑えつつ、事故が起きれば巨額な賠償を生じるリスクを抱えて原発を運転するのは健全経営とは言い難い。
 これでは無保険で車を運転しているようなものだとの指摘もあながち大げさではない。
 事故のつけはドライバーたる電力会社や、推進した政府ではなく、結局、国民に回されることになりはしないか。
 備えができないものは、やめるのが合理的な判断だ。
 報告書案では電力会社の賠償責任に上限を設けない「無限責任」を維持するとした。電力会社が過失の有無にかかわらず賠償責任を負う「無過失責任」も残すべきだとした。被害者保護の観点から当然といえよう。
 とはいえ、将来の事故のリスクから目をそらし、国民の不安を置き去りにしたままの原子力政策では決して理解は得られまい。賠償措置額の据え置きに強く再考を求めたい。


金足農応援 宮城でも
東北勢で唯一勝ち残った金足農業の選手たちを応援しようと、NHK仙台放送局の1階にある、280インチの大型モニター「4K8K定禅寺シアター」にも大勢の人が集まりました。
秋田県出身で東北大学に通う女子大学生は、「準決勝に進出したのが信じられない。秋田出身の友達がみんなで応援しているので盛り上がっている」と話していました。
また、仙台市内の男性は、「100回目の深紅の優勝旗を東北に持ってきてほしい」と話していました。
試合終盤は昼休みの時間と重なったこともあり、周辺で働く人など110人を超える人が集まり、金足農業の勝利が決まると、歓声や拍手で選手たちをたたえていました。
1回戦で浦和学院に敗れた仙台育英高校に通う3年生の女子生徒は、「手に汗握る試合だった。あすは仙台育英のぶんもがんばってくれると思う。東北初の優勝旗を待っている」と話していました。


八代と天草結ぶ新観光航路を検証
海外からのクルーズ船の観光客を増やそうと、熊本県の八代市と上天草市を結ぶ新たな観光航路の魅力について検証する事業が20日から始まりました。
この事業は、熊本市の観光マーケティング会社、「くまもとDMC」が、国や県などと連携して行っています。
今回はあいにく台風19号の接近の影響で、クルーズ船が八代港への寄港を中止したため、熊本県内に住む中国人やドイツ人フランス人など12人が参加しました。
テープカットのあと、参加者たちは用意されたチャーター船に乗り込み、八代港から上天草市の前島港までおよそ30分の船旅を楽しみました。
前島港に到着した一行は、港のそばにあるレストランで、天草の食材を使った料理を味わったり、土産物店で特産の真珠などを見たりして、観光を楽しんでいました。
八代市と上天草市を結ぶ観光船の運航は八代港へのクルーズ船の寄港日にあわせて、ことし11月まで毎月数回、実施され、実施日には1日に4往復が運航される予定です。
参加した、熊本市に住む50代の中国人女性は「これまで天草へは陸路でしか行ったことがなかったので、船での旅は新鮮でした。天草の美味しい食べ物を味わえてとても嬉しいです」と話していました。


【サマータイム】導入する必要があるのか
 2020年東京五輪・パラリンピックの暑さ対策として、安倍首相が自民党に対し、国全体の時間を夏の間だけ早めるサマータイム(夏時間)制度の導入の可否を検討するよう指示した。
 東京五輪・パラリンピック組織委員会の要請を踏まえた対応で、日本標準時間を現在より2時間早める案が浮上している。今夏のような猛暑への対策は重要だが、全国を巻き込むサマータイムの必要が果たしてあるのか。大きな疑問だ。
 日本でも、かつてサマータイムを実施していたことがある。1948年、電力不足を背景に連合国軍総司令部(GHQ)の指示で導入されたが、国民の間に労働時間が長くなったなどの不満が高まり、わずか4年で廃止となった。
 その後も導入の動きが何度かあった。理由の一つとして上げられたのが省エネによる地球温暖化対策だ。今回も組織委会長の森元首相は「政府が地球環境保護に取り組むという観点で進めてほしい」と求めた。
 ただし、2006年に全面実施した米国インディアナ州では家庭の電力消費が1〜4%増えた。照明用は減少したものの、冷暖房用が増加したためとみられ、日本でも省エネに逆行する可能性がある。
 コンピューターの対応なども課題となる。自治体や企業のシステム改修、鉄道や航空のダイヤ変更などには膨大な費用と時間がかかる。五輪本番まで既に2年を切る中、社会的な混乱を招きかねない。
 見逃せない問題は健康との関わりだ。過去の導入議論ではほとんど触れられなかったが、日本睡眠学会は08年、健康に悪影響を及ぼす恐れがあるとしてサマータイム制度に反対する声明を出している。
 同学会によると、夏時間への変更後、数日から2週間程度は睡眠時間の短縮や、眠りが浅くなるなど睡眠の質の低下、抑うつ気分や自殺の増加などが起こる恐れがあり、医療費の増加など経済的損失をもたらす可能性があるという。
 ほぼ全域でサマータイムを実施している欧州では、欧州連合(EU)が廃止の是非について本格的な検討を始めた。利益よりも不利益が大きいとして廃止を求める声があるためだ。ロシアは健康への悪影響などを理由に7年前に廃止している。
 こうした問題点や欧州の動きを踏まえるなら、五輪の暑さ対策といった理由で導入を軽々に認めるわけにはいかない。社会全体に大きな影響を及ぼすという意識があまりにも乏しいといわざるを得ない。
 むろん、選手らの体調に配慮した対応は不可欠だ。男女のマラソンは午前7時スタートだが、単純に2時間繰り上げて同5時にすればよいのではないか。それでも不十分なら、競技開始をさらに早めるなど工夫の余地はあるはずだ。
 大会組織委や安倍首相の姿勢は、五輪名目なら社会の負担増は許される、といったおごりの表れとみることもできるだろう。


サマータイム 拙速な判断許されない
 政府、与党は2020年東京五輪・パラリンピックの暑さ対策として、国全体の時間を夏の間だけ早めるサマータイム(夏時間)制度の導入の可否について検討に入った。大会組織委員会の森喜朗会長の要請を受けて、安倍晋三首相が指示していた。
 サマータイムは日照時間が長くなる夏季の時間を有効活用しようと標準時より時間を早める制度。早朝の涼しい時間帯に社会活動がスタートして、就寝時間も早まることで空調や照明で省エネ効果が期待される。余暇の時間が増えるとして消費拡大も見込まれている。09年の調査では欧米を中心に約70カ国が採用している。
 日本では戦後間もない1948年、電力不足のため連合国軍総司令部(GHQ)の指示で始まったが、労働過剰や寝不足になるなどとして評判が悪く、52年に廃止された。90年代以降には超党派議連などで法案提出を目指す動きがあったが実現していない。多くの難点が指摘されたことによる。
 関係者によると、2020年7月24日に開幕する東京五輪に合わせた時限措置として、夏季限定で標準時より2時間早める案が浮上している。東京五輪に合わせて実施するためには、日程上、この秋の臨時国会に関連法案を提出する必要があるとみられ、検討する時間はあまりに限られている。
 確かに近年、暑さは厳しさを増しており、今夏も熱中症が続出するなど記録的な暑さに見舞われた。組織委ではマラソンや競歩など屋外競技では選手や観客が熱中症になる恐れもあるとして、マラソン開始時間を午前7時に決めたが、これでも不安だとして苦慮した森氏が夏時間に飛びついた格好だ。
 五輪の暑さ対策を万全にするというのであれば、競技開始時間をさらに前倒しするなど、組織委内で調整するのが第一義的であろう。五輪対策の名の下に、社会生活全体にまで拡大するのには違和感があると言わざるを得ない。
 導入となれば、コンピューターシステムの変更に多大な労力と費用を要することになる。来年は5月1日の新天皇即位に伴う改元、10月には消費税率10%への引き上げが控えている。こうした状況の中で対応は可能だろうか。企業も相当の負担を強いられることになる。
 健康面への影響も懸念される。日本睡眠学会は慣れるまでに時間がかかり睡眠時間が減るという弊害を指摘している。夏時間を長年続けている欧州連合(EU)は、健康への悪影響などを理由に廃止を検討しているほどだ。
 導入の可否についてはメリット、デメリットを整理した上で、慎重に議論して判断することが求められる。導入は国民の理解と協力なくしてはあり得ない。拙速な判断は決して許されない。


サマータイム 導入の利点が見えづらい
 現状では導入の利点は見えづらく、弊害の方が大きいのではないかと懸念を抱かずにはいられない。
 夏場に日本の標準時間を早めるサマータイム(夏時間)制度の導入の可否について、安倍晋三首相が自民党に検討するよう指示した。2020年夏の東京五輪・パラリンピックに向け、大会組織委員会の森喜朗会長が首相に要望したのを受けたものである。
 今夏の酷暑もあり、2年後の東京五輪でもマラソンなどの屋外競技の暑さ対策が課題となっている。組織委は屋外競技の開始時間を早朝に設定しているが、まだ不十分との指摘があり、夏時間を対策の切り札と考えているようだ。マラソンは今のところ午前7時スタートの予定だが、時計を2時間早める夏時間を導入すれば、実質的に午前5時に前倒しされる。
 夏時間は夏と冬で日照時間の差が大きい地域で採用されることが多く、欧米を中心に約70カ国で導入されている。
 実は日本でも夏時間が導入されたことがある。戦後の電力不足を受け、連合国軍総司令部(GHQ)の指示で1948年から実施された。だが、労働時間が長くなったなどと国民の間で不満が高まり、4年で廃止された。その後も省エネ対策の一環として何度か検討されたが、導入は見送られてきた。
 これまでの議論や経緯をみると、夏時間のメリットとしては、明るい時間を有効に使うことで照明などの使用時間が短くでき、省エネや温室効果ガスを減らせることなどが挙げられている。終業後の余暇時間が増え、消費拡大も期待されている。
 一方、戦後の導入時に経験したように、労働時間が前倒しされるだけで残業が増えるとの懸念もある。日本睡眠学会などは標準時間を年2回、前後させることで体内時計が乱れ、睡眠不足が健康に悪影響を与えると警告している。
 夏時間の先進地、欧州では注目すべき動きがある。欧州連合(EU)の加盟各国は1970年代ごろまでに夏時間を採用したが、健康への悪影響が大きいことや、想定されたほどの省エネ効果が得られないとの指摘が出るようになり、EU欧州委員会が存廃の検討を始めている。
 自民党は近く議員連盟を発足させて夏時間の検討を始めるという。来年中に試験実施を始める案もあるようだが、準備期間が短すぎよう。最大の問題は企業のコンピューターシステムの設定変更に多大の労力と費用を要することだ。来年は5月の新天皇即位に伴う改元、10月の消費税率10%への引き上げへの対応もあり、企業の負担は大きい。
 そもそも五輪の暑さ対策のためというなら、国全体の時計の針を進めなくても、競技の開始時間を早めれば済むのではないか。夏時間は国民生活に大きな影響を及ぼす。政府、自民党には現実を踏まえた冷静な判断を求めたい。


サマータイム/悪影響が大き過ぎる
 夏場だけ時計の針を1〜2時間進めるサマータイム制度導入について安倍晋三首相の指示を受け自民党が検討に入った。2020年東京五輪・パラリンピックの暑さ対策が狙いで、省エネルギーや消費拡大の効果も期待される。しかし、システム変更のコストなど悪影響が大き過ぎる。別の方策を考えるべきだ。
 大会組織委員会の森喜朗会長が導入のための法整備を首相に要望した。組織委員会は、暑さを避けるために路上競技の時間を早朝に設定しており、さらに前倒しするのは難しいためと説明している。しかし、日程上、秋の臨時国会に関連法案を提出する必要があるとみられ、検討の時間は限られている。あまりに唐突な提案である。
 サマータイムは戦後の1948年から51年まで4シーズン実施されたが、寝不足になるとして評判が悪く、廃止された。近年は何度か導入しようとする動きがあったものの、実現していない。多くの難点が指摘されたからだ。
 勘違いされがちだが、時間がサマータイムに切り替わって時計を2時間早めても、一日の生活パターンが変わるわけではない。起床、出勤、退社、就寝などの時間割はこれまで通りである。電車や航空機のダイヤも変更されない。
 変わるのは日照時間が後ろに2時間ずれることだ。今は日の出が午前5時、日の入りが午後6時半なら、午前7時に起きる場合、日の入りまで11時間半。サマータイムでは時計の上で日の出が午前7時、日の入りが午後8時半だから、午前7時に起きてから日の入りまで13時間半になる。
 これにより照明や冷房などの電力使用量が減り、余暇活動が活発になってお金を使うようになるというのだが、極めて疑わしい。サマータイムで明確な省エネ効果が表れたという調査結果はない。終業後にスポーツをする人が大幅に増加するとは思えない。
 最大の問題は、コンピューターなどのシステム変更に多大の労力と費用を要することだ。五輪までの準備期間が2年しかないことを考えると、万全の対応ができず、切り替え時に多数のトラブルが発生する恐れがある。「五輪を狙ったサイバーテロになる」という冗談すら聞かれる。
 健康への影響も心配だ。日本睡眠学会は、慣れるまでに時間がかかり睡眠時間が減るという弊害を指摘している。サマータイムを長年続けている欧州連合(EU)は、健康への悪影響などを理由に廃止を検討している。
 大会組織委員会が掲げる五輪の暑さ対策なら、競技の開始時間を2時間早めるだけでよい。マラソンはスタートを午前7時から5時に繰り上げるだけ。こんな分かりやすい対策を退け、国民に負担を強いるサマータイムを導入しようとするのは理解できない。
 64年の東京五輪は涼しい10月10日の開会。そもそも五輪を猛暑の時期に開催することに無理がある。しかし、国際オリンピック委員会(IOC)が好ましい開催期間として「7月15日〜8月末」を設定した経緯があり、いまさら日程は変更できない。
 暑さ対策に知恵を絞るしかないが、国民生活に混乱をもたらす対策では本末転倒である。自民党には慎重な検討を求めたい。


サマータイム/国民に負担強いるだけだ
 猛暑が懸念される東京五輪・パラリンピックのために、全国にサマータイム(夏時間)を導入してほしい。組織委員会の森喜朗会長がそんな提案を安倍晋三首相に持ち掛け、自民党で検討することになった。
 マラソンや競歩選手の体調に配慮して、日本標準時間を夏季限定で2時間早めるという。
 サマータイムは1948年に日本でも採用されたことがある。労働の長時間化などで国民の反発を招き、52年に廃止されている。過去に学ぼうという意識はないのだろうか。あまりに乱暴な発想で理解に苦しむ。
 現代の日本に導入する場合、さまざまな問題点が指摘されている。選手の健康に配慮するなら、競技時間を早めればいいのではないか。森会長は速やかに提案を取り下げるべきだ。
 まず健康に及ぼす悪影響の懸念が極めて大きい。
 サマータイムのメリットとして、余暇増加と経済効果が挙げられる。2時間前倒しになれば退社が午後3時半や4時になる想定だ。しかし、終業時間に緩い日本の職場では残業が2時間長くなるだけとの声は多い。
 ただでさえ先進諸国で最短の日本人の睡眠時間が削られ、さまざまな病気を引き起こす要因となりかねない。生活のリズムを変えることは、高齢者や持病を抱える人の負担となる。
 またシステムの大規模改修が、全国の自治体や交通機関、流通など各方面で必要となる。社会全体でIT化が進んだ現在、導入するリスクの大きさはかつてとは比べものにならない。
 開幕まで2年弱ではとても時間が足りない。システム障害などで国民生活を混乱に巻き込む恐れがある、と批判の声が全国で上がっている。
 省エネ効果も疑問だ。朝から30度を超える日も珍しくない日本の夏では、逆に冷房使用時間が長くなって電力消費を増やすと指摘されている。
 サマータイムが定着している欧州連合(EU)でさえ、不利益が大きいとの声が強く、廃止が検討されている。
 五輪のため国民に負担を強いる案を安易に打ち出すようでは、組織委のマネジメント能力に疑問を持たざるを得ない。運営への不安は高まるばかりだ。


猛暑こそ太陽光発電 最高気温更新でも安定
 記録的な猛暑が続いたこの夏、冷房を使う機会が増える一方で、東京電力管内の電力需給は、深刻な逼迫(ひっぱく)に陥った日がまだないことが分かった。太陽光発電の発電量が増え、節電の浸透で電力消費自体も減っていることなどが要因だ。東電管内で稼働している原発はゼロでも猛暑の日を乗り切っており、「電力の安定供給には原発が不可欠」とする政府や電力業界の主張はその根拠が薄らいでいる。 (伊藤弘喜)
 電気の使用可能量(供給)に占める実際の使用量(需要)を示す「使用率」について、東電は安定的(93%未満)、やや厳しい(93〜95%未満)、厳しい(95%以上)、非常に厳しい(97%レベル)の四段階に区分する。一般的に暑い日ほど冷房が使われ使用率は上昇。97%を超えると停電の可能性も生じるとされる。
 だが、この夏の使用率は、埼玉県熊谷市の気温が四一・一度と国内最高記録を更新し、東京(千代田区)で史上三位の三九・〇度に達した七月二十三日でも92%と「安定的」だった。ほかの日をみても、94%となって「やや厳しい」となった七月二日以外は、すべて「安定的」だ。
 電力不足が避けられているのは、「気温が高い」との予報がある日に、東電が火力発電の発電量や他の電力会社から融通してもらう電力を増やしていることが要因になっている。さらに午前十時〜午後三時ごろに増える太陽光の発電量が、電気の使用がピークになる午後二時ごろと重なることも大きい。太陽光発電は、再生可能エネルギーで発電した電気をすべて電力会社が買い取る制度が二〇一二年に導入されてから増加。東電管内でも供給力の一割超を占めるようになっている。
 節電や省エネで、電力の消費量自体も減っている。七月二十三日には、東電管内の電力使用量が午後二〜三時に五千六百万キロワットと震災後最大を更新。それでも〇一年七月二十四日に記録した過去最大量よりも13%少なかった。
 事前に契約した企業への一時的な節電要請や、他の電力会社に電力を融通してもらう仕組みが整備されたことも、供給安定の要因に。日没以降も高温が予想された八月の一日と二日、東電は夕方にかけて大口顧客に節電を要請した。今年一月も厳しい寒さで暖房の利用が急増したが、電力会社間の融通によって電力不足は回避された。


貧困が生む健康格差 深刻さが知られていない
 所得が低かったり、非正規労働者だったりする人は、そうでない人より健康を害しやすい。いわゆる「健康格差」の問題が指摘されている。
 これを裏付けるデータの報告は相次いでいる。全日本民主医療機関連合会(民医連)が、生活習慣が原因といわれる「2型糖尿病」について2011〜12年に40歳以下の782人を調査したところ、年収200万円未満が6割近くを占めた。バランスのいい食事を取ることが少ないためとみられる。
 また、低所得層は高所得層に比べ、うつ状態の割合が5倍に上るという調査もある。経済的・社会的なストレスを抱えると心身の健康がむしばまれやすいとされる。
 経済的・社会的要因が健康状態まで左右する深刻な実態に、政府や自治体はもっと目を向けるべきだ。
 世界保健機関(WHO)は09年、加盟国に対し、健康格差是正に向けた取り組みを推進するよう勧告した。厚生労働省も12年、生活習慣病などを予防する13〜22年度の「国民健康づくり運動プラン」に、所得や地域差などを要因とする「健康格差の縮小」を初めて明記した。
 中でも子供の健康格差は深刻だ。東京都足立区は15年、区立小学校に在籍する全ての小学1年生5355人を対象に健康状態や家庭の状況を調査した。
 それによると、世帯収入が300万円未満など「生活困難」の条件に該当する家庭の子供は、虫歯が5本以上ある割合が、そうでない家庭の子供の約2倍に上った。麻疹・風疹の予防接種を受けていない割合も、生活困難世帯の子供が同様に約2倍だった。
 区の報告書は「子供の医療費が公費負担であることを踏まえると、経済的な理由だけでなく、保護者が子供の健康に関心があるか否か、そのための時間を確保できるかなどの要因も考えられる」と指摘する。
 健康格差対策は医療面だけでなく、雇用や社会保障、貧困家庭への支援など多岐にわたる。英国では首相官邸や各省庁から企業、ボランティア組織まで含め、社会全体でこれらに取り組んでいる。
 日本政府も子供の健康格差をはじめとして、実態把握をした上で総合的な対策を打ち出すべきだ。


全国学力テスト ゆがんだ競争が度を超している
 ついにここまできたかと暗たんたる思いがする。
 大阪市の吉村洋文市長は、小学6年と中学3年を対象とした全国学力テストの結果を教員の給与に反映させる方針を表明した。2018年度の成績が政令指定都市で最下位だったのを受け「結果に責任を負う制度」に改革するのだという。来年度、最下位から脱することができなければ、自らの夏の賞与も全額返上するとした。
 学力テストは何のためにするのか。国は「教育政策の成果や課題の検証、改善に役立てる」と目的を説明してきた。授業や教育環境の足りない点を知る一つの資料であり、改善への手段となるはずのテスト。だが、点数が独り歩きして、自治体間のいびつな競争を招き、その揚げ句、市長が給与を盾に教員に圧力をかけている。異常事態と言わざるを得ない。
 大阪市だけの問題ではない。全国平均正答率と下位の差はごくわずかしかないにもかかわらず、過去問題を解かせて特訓させるなどの現状に、教員からも問題視する声が上がっている。そもそも、テストの点数は学力の一部しか評価できない。点数だけで教育を評価し、児童生徒にじっくり向き合って可能性を引き出すべき教育本来の姿をゆがめては本末転倒だ。弊害の大きいテストの実施そのものを見直す時機が、とうに来ている。
 学力テストの歴史を顧みればこうした事態が起こり得ることは容易に想像できたはずだ。1960年代に行われていた際、点数の低い子をテスト当日に欠席させたり、教員が答えを教えたりするなど学校ぐるみの不正が横行した。その反省から中止されたことを思い出さなければならない。このままでは早晩同じ過ちが繰り返されかねない。
 一方、テスト後の分析を見ると、毎年どの教科も「知識の活用が苦手」との状況に変わりがない。教育改善のためのデータ収集が目的なら、もう学力テストの役割は終えている。国は、具体的な教育環境の改善にこそ早く本腰を入れるべきだ。
 例えば本年度の理科の分析結果を見ると、知識の活用力が育たないばかりか、理科嫌いの改善もされていない。現行学習指導要領は、小中学校の理科の授業時間を大幅拡充し、実験や自然体験を重視したはずだが、効果が表れていない。
 教育課程全体で授業が増え、多忙に拍車が掛かっていることも要因とみられる。実験で失敗したり、予想と違う結果が出たりしても、じっくり納得させ、好奇心を呼び起こすまでの余裕がなく、教科書の記述を示して終わるケースも珍しくないという。教育課程をスリム化し、現場に創意工夫するゆとりを持たせることも必要だ。
 文部科学省は、次期指導要領で児童生徒の主体的な学びを打ち出している。点数で計る学力観から脱却するためには、学力テストの取りやめも重要な一歩である。


教室にエアコン 子どもを猛暑から守れ
 猛暑のたびに熱中症の危険性がいわれる。命を守るための適切な室温調整は今や常識だ。だが、小中学校の教室のエアコン導入はまだ不十分で、自治体間の設置率の差も大きい。早急に改善したい。
 先月十七日、愛知県豊田市で、校外活動に参加した市立小学校一年生の男子児童が重い熱中症で死亡した。体調不良を訴え、学校に戻った男児が休息をとった教室にはエアコンはなかった。
 午前中だったが、市内の気温は既に三〇度を超えていた。
 この事故がきっかけになったといえよう。保護者や専門家から、学校の教室にエアコン設置を求める声が広まった。
 文部科学省の二〇一七年度の都道府県別調査では、全国の公立小中学校の普通教室のエアコン設置率は、平均で49・6%だった。
 北海道(0・3%)など涼しいとされる地域も含む値だが、実際に都道府県の格差は大きい。公立小中学校の設置者である市町村の設置率の差も同様だ。
 たとえば、男児の事故が起きた豊田市がある愛知県の設置率は全国平均を下回る35・7%。このうち当の豊田市の市立小中学校の設置率は、一部を除いてほぼ0%。
 愛知県に隣接する静岡県は相当低く7・9%。岐阜県は55・2%だが、“暑い町”としてよく知られ、今年も四〇度超えなど猛暑続きの多治見市は0%である。
 ただ豊田、多治見両市ともに、エアコン導入の方針や計画を今春までに既に決めている。
 設置率の高い自治体としては、たとえば東京都が99・9%。一〇年の猛暑を機に、国の補助金に上乗せして都が財政支援した。愛知県内でも名古屋市が一三〜一五年度にかけ、全校に配備した。
 気象庁が今年七月の天候を「異常気象」と総括し、あえて地球温暖化にも触れ、高温傾向などは今後も増えると警鐘を鳴らす中、設置率が半分に満たない状況は何とか改善しなければなるまい。
 教育現場の一部にはなお、部活動中に過度に走らせるなど高温の危険性を甘く見るケースもあるようだ。「我慢は美徳」という精神論は、この異常な猛暑の前ではナンセンスと言うほかない。そんな空気が空調整備の障害になっているなら、あらためたい。
 文科省はエアコン設置費の三分の一を補助しているが、自治体から引き上げの要望もある。やはり格差解消を進めるには、補助率アップなど現行制度の見直しに踏み切ることも必要ではないか。


障害者雇用 理念裏切る国の水増し
 中央省庁が長年にわたり、障害者の雇用割合を水増ししていたことが分かった。障害者手帳を持たない対象外の職員を算入する偽装を続けていたという。
 労働意欲を高める障害者、雇用に努める企業への裏切り行為だ。開いた口がふさがらない。
 厚生労働省が全省庁の調査を始めている。33の行政機関の多くが同じ手法を用いたのなら、共通の“手引”があった可能性も否定できない。各機関で誰が、どんな基準で障害認定をしていたのか。徹底解明を求める。
 働く人の一定割合を障害者とする「法定雇用率」の考え方は、1960年制定の身体障害者雇用促進法で採用された。76年に雇用が義務付けられた後、障害者雇用促進法に変わり、対象も知的障害、精神障害に広がった。
 法定雇用率は今年4月から、国と地方自治体が2・5%に、従業員45・5人(短時間雇用者は0・5人)以上の企業は2・2%に引き上げられている。
 国は76年の義務化当初から水増しを繰り返してきたとみられ、国土交通省、総務省などが事実関係を大筋で認めている。
 行政改革に伴って業務の外部委託が進み、障害者の仕事を確保しづらかった。国会対応をはじめ省庁には突発的な業務が多い―。そんな声が聞かれるものの、言い訳にはならない。
 子会社を設けたり、職場外で働く「テレワーク」を活用したりして、雇用増を図る企業や自治体が増えている。都内では、企業の主催で障害のある人を対象にした合同面接会も開かれている。
 薬の影響や体調の波が大きい人向けに、雇用率に算入できなくても、超短時間で働ける場を提供する企業がある。まだ不十分とはいえ、民間企業で働く障害者は昨年6月時点で50万近くに達し、労働者全体に占める割合も1・97%といずれも過去最多となった。
 国の行政機関で採用が広がらないなら、その事実を明らかにし、企業の取り組みに倣って改善の道を探るのが筋だろう。
 障害者雇用促進法は、障害者が労働者の一員として能力を発揮できる機会の確保を理念に掲げる。水増しからは、数値さえ満たせばいいと、政府自体が理念をないがしろにした姿勢が透ける。
 厚労省は調査結果を公表する方針でいる。政府は雇用率の数合わせをするのではなく、障害のある人が働く価値を見いだせる仕組みをいかにつくるか、原点に返らなければならない。


スポーツ界の不祥事 旧態依然の体質、改善を
 不祥事が相次ぐスポーツ界で、また新たに居合道での不正行為が発覚した。レスリングのパワーハラスメント、アメリカンフットボールの悪質タックル、ボクシングの不正疑惑に次ぐ不祥事だ。
 スポーツ界にはびこるうみを出し切り、絶対服従の古い体質を改善しなければならない。2020年の東京五輪に向けて、健全な組織づくりが急がれる。
 全日本剣道連盟は、居合道の昇段審査で、審査員らに現金を渡す行為が長年にわたり慣例化していたことを認めた。12年に受験者が審査員ら7人に計100万円を配っていたことや、16年に審査員に渡す約200万円を指導者に預けていたことを明らかにした。
 精神を尊ぶべき武道で悪弊が横行していたことは衝撃だ。他の競技にも広がってはいないか、スポーツ界は根深い問題を抱えている。
 レスリングでは、伊調馨選手に対して日本協会の栄和人強化本部長がパワハラ行為を繰り返していた。
 アメリカンフットボールでは、日本大の内田正人監督が選手に悪質な反則タックルを指示していた。
 ボクシングでは、日本連盟の山根明会長が助成金の流用や審判員への不正判定圧力、公式戦グローブの独占販売、暴力団組長との関係などの疑惑で批判を浴びた。
 いずれにも共通するのは、トップがリーダーシップをはき違えて独裁的に組織を運営し、強権支配で選手や関係者に物を言えない状況を強いている点だ。
 スポーツの世界では、指導者が絶対、上意下達という意識が強い。一連の不祥事が内部告発によって明るみに出たのは、その前近代的な体質に対する批判が高まっている証しと言えよう。
 鈴木大地スポーツ庁長官は「前々からあったこと。僕らも声を上げようという人が増えたのではないか」と語る。
 20年東京五輪を前に、スポーツ界の浄化作用の動きと見る有識者もいる。告発の連鎖で関心が高まっている今なら、声を上げることが改善につながるとの期待感だ。
 問題が表面化していない競技団体はまだあると思われる。五輪まで待たず、組織のうみは完全に出し切ってほしい。不祥事が発覚した団体も、トップが辞任すれば即解決とはいかない。内からの抜本的改革が不可欠だ。
 スポーツ界全体のコンプライアンス(法令順守)強化のためには、行政による環境整備も必要だ。
 不祥事などに対応できる第三者機関を、日本スポーツ振興センター(JSC)かスポーツ庁に設置することも検討していい。調査や指導に加え、選手の相談窓口や駆け込み寺の役割も持たせるべきだ。
 旧態依然の体質から早く脱却し、選手が自らの力を存分に発揮できるようにするのが競技団体の役割だ。大事なのは選手第一主義である。


[介護ハラスメント]現場の悲鳴が聞こえる
 訪問介護や看護の現場でのハラスメント被害を浮き彫りにする調査結果が相次いで公表された。女性が多い職場であり、特にセクハラ被害は深刻だ。
 介護業界で働く人たちでつくる労働組合「日本介護クラフトユニオン」の発表では、介護職員の7割以上が利用者やその家族からセクハラやパワハラを受けていた。
 セクハラでは「不必要に体に触れる」「性的冗談を繰り返す」などの回答が多く、犯罪に近い被害もあったという。
 全国訪問看護事業協会が実施した調査でも、回答者の約半数が訪問先で心身の暴力やセクハラを受けた経験があると答えていた。
 介護現場同様、「体を触られた」や「アダルトビデオを流された」といった訴えが目立つ。
 介護職員が自宅を訪ね、食事や入浴、排せつなどの介助をする訪問介護は、お年寄りの生活を支える大切なサービスだ。ただ仕事の内容上、利用者と二人きりになることが多く、被害に遭いやすい。
 自宅で最期まで暮らせるよう療養生活を支援する訪問看護師の役割も拡大しているが、常に密室のリスクを抱える。
 これまで被害が表に出にくかったのは「病気に伴う症状だから仕方がない」「相談しても変わらない」と泣き寝入りするケースが多かったからだろう。
 「#MeToo」運動の流れの中で顕在化してきた被害でもある。女性の人権を侵害するこれら言動は到底許されない。
■    ■
 男女雇用機会均等法は、職場におけるセクハラ対策を雇用主に義務づけている。均等法が規定する「職場」には、取引先の事務所や顧客の自宅も含まれる。
 声を上げられず我慢を強いられてきた状況にピリオドを打つためにも、業界全体で「セクハラは悪質な人権侵害だ」というメッセージを発信することが大切だ。利用者や家族への周知・啓発はもちろん、相談窓口の設置など体制づくりも不可欠である。
 この問題を巡って、厚生労働省は実態調査を実施し、本年度中に事業者向けの対策マニュアルを作成することを決めた。
 労組側は2人体制で訪問介護ができるよう国の補助などを要請しており、前向きに検討すべきである。介護保険制度の再構築も含め、実効性のある対策を求めたい。
■    ■
 団塊の世代が全員75歳以上になる2025年度には、全国で約34万人の介護職員不足が生じると推計される。
 一方、介護職員の離職率は、ここ数年16%台で推移し、他産業より高い状態が続く。セクハラなどの問題と定着率の悪さは無縁ではない。
 余生はできるだけ住み慣れたわが家でと思い描いている人は多いが、医療や介護サービスが行き届かなければ自宅には居続けられない。
 介護や看護といった尊い仕事へのやりがいを持続させるためにも、社会全体で問題に向き合い、現場で働く人の尊厳を全力で守る必要がある。


豊洲の安全宣言  継続的な監視欠かせぬ
 築地市場(東京都中央区)から移転する豊洲市場(江東区)について小池百合子東京都知事が「都民や市場関係者に、豊洲市場は安全であり、安心して利用していただけると伝えたい」と安全宣言した。農相の認可を受け、10月11日に開場する見通しだ。
 建物下の盛り土が行われず、有害物質の検出もあって、市場の移転は当初の予定から2年近くずれ込むことになった。信頼回復のためには、これからも安全性を確認する作業を欠かしてはならない。
 豊洲の敷地は東京ガスの工場跡地で、土壌汚染対策を検討した都の専門家会議は敷地全体で土壌を入れ替え、その上に盛り土をするよう提言していた。ところが、小池知事が2016年8月に移転延期を表明した直後、都が盛り土をせずに地下空間としていたことが発覚した。
 さらに問題となったのは、敷地内の地下水から飲み水の環境基準の100倍を超える有害物質ベンゼンが検出されたことだ。生鮮食品を扱う市場関係者から不安視する声が上がったのは当然といえよう。
 都は専門家会議の提言に基づいて昨年12月から、揮発性の有害物質の侵入を防ぐため、地下空間の床をコンクリートで覆い、換気設備を設けるなどの追加対策工事を進めてきた。先月には専門家会議が「安全性が確保されたことを確認した」との評価を公表し、これを受けて小池知事が宣言した形だ。
 しかし、会議座長の平田健正放送大和歌山学習センター所長がベンゼンの検出について「最終的には基準を下回ると信じているが、5年10年で考えていく必要がある」と指摘しているように、長期的な視点で豊洲の地下水や空気をしっかりと監視していくことがきわめて重要だ。
 豊洲市場へは築地市場と同様に全国各地から水産物や農産物が出荷され、国内外の観光客が多く訪れるスポットとしても注目されている。新たな風評被害を生み出さないために、監視結果は広く情報開示してほしい。
 移転の延期に伴い、築地跡地を通って都心と臨海部を結ぶ東京五輪のアクセス道路は工事が遅れ、このままでは混雑に拍車がかかる事態が懸念される。豊洲で整備予定の観光拠点「千客万来施設」は着工が20年の五輪後となった。小池知事はこれらの影響についても説明を尽くし、必要な対策を講じてもらいたい。


翁長氏が後継指名 玉城氏出馬でどうなる沖縄知事選の行方
 沖縄県知事選は大きく動くのか――。8日に亡くなった翁長雄志知事が死去前、後継候補を指名した音声テープを残していたことが分かった。指名されたのは自由党の玉城デニー衆院議員(沖縄3区)と、地元財界人の呉屋守将氏だ。
 県政与党や労組、企業などでつくる翁長陣営の「調整会議」は19日、2人のいずれかを知事候補として擁立する方針を固めた。最後は、玉城議員が出馬する可能性が高い。
 玉城氏は記者団に「(翁長氏の指名は)これ以上ない光栄だ」と語った。
「沖縄では『玉城議員出馬、呉屋氏支援』の構図が出来上がっているのでは、とみられています。玉城さんは自由党の小沢一郎共同代表とも相談している。2人とも長らく翁長知事を支えてきた。タイミングを見て“共闘”を表明する可能性があります」(在沖ジャーナリスト)
■「弔い選挙」様相がより鮮明に
 もともと地元ラジオのパーソナリティーだった玉城氏は、沖縄では保革を問わず幅広い支持を集めている。呉屋氏も沖縄経済界の重鎮。2人がタッグを組めば“オール沖縄”の体制が整う。
 玉城氏が出馬したら、知事選はどうなるのか。自公が推薦する佐喜真淳・宜野湾市長に勝てるのか。ジャーナリストの横田一氏はこう言う。
「翁長氏が遺言で指名した2人が動けば、自公が警戒する『弔い選挙』の様相はさらに色濃くなります。佐喜真陣営は、翁長氏の経済政策を批判する戦略を取るつもりでしたが、『死者にムチ打つ』ようなやり方を、特に公明党の支持層が嫌がっているようです。もともと沖縄公明党の支持層は米軍基地の新設に慎重ですから、強引な選挙戦略を取れば、公明票の一部がオール沖縄に流れる可能性もあるでしょう」
「9・30」の投開票日へ向けて、候補者選定のタイムリミットは着々と近づいている。もし、玉城氏、呉屋氏の2人が出馬を拒否すれば、オール沖縄は苦戦必至だ。


翁長知事の後継候補に玉城デニー議員! 一方、自民候補の佐喜真淳・前宜野湾市長は沖縄ヘイトの極右団体と関係
 翁長雄志知事の急逝を受け、9月30日の沖縄県知事選に向けて「オール沖縄」の後継候補が誰になるのか注目を集めてきたが、自由党幹事長である玉城デニー衆院議員が出馬する見通しが高まった。
 翁長知事は死去する数日前に、自身の後継者について玉城議員と「オール沖縄会議」前共同代表である金秀グループの呉屋守将会長の名を挙げていたといい、その音声も残っていると報道されている。さらに、翁長雄志後援会の国吉真太郎会長によると、翁長氏は玉城議員について「戦後沖縄の歴史を背負った政治家なので、今後沖縄を象徴する政治家になっていくのではないか」「デニーさんは立派な政治家だ」と語っていたという(琉球新報8月20日付)。そんななか、玉城議員は本日、「出馬の方向性を限りなく探る」と前向きな姿勢を示した。
 玉城議員の父は沖縄に駐留していた米兵で、伊江島出身の母の妊娠中にアメリカに帰国。母が渡米を断念したため、父の消息は知らないという。2002年にラジオパーソナリティから沖縄市議となり、2009年には国政へ進出。その後は「辺野古への基地移設反対」を訴え、2012年には消費増税に反対して民主党を離党、昨年の総選挙でも希望の党への不参加をいち早く表明し“ぶれない姿勢”を打ち出して当選を果たした。──強権的に辺野古新基地建設を推し進める安倍政権に対して公約を曲げることなく闘いつづけた翁長知事だったが、玉城議員のそうした“ぶれなさ”を評価し、沖縄を守りたいという遺志を託したのかもしれない。
 一方、自民党は宜野湾市長の佐喜真淳氏を擁立。今月14日に正式な出馬表明をおこなった際、佐喜真氏は辺野古新基地建設の是非については「政策発表の際に発表したい」と明言を避け、「対立や分断から無縁な沖縄を取り戻すために全身全霊をかける」と語った。
「対立や分断から無縁な沖縄」──。いやはや、まったくよく言ったものである。そもそも、佐喜真氏は明言を避けるが、氏が辺野古容認派であり、露骨な基地反対派いじめで沖縄分断をはかってきた安倍政権とベッタリの関係を築いていることは疑いようがない事実だ。
 実際、佐喜真氏は2012年の宜野湾市長選でも、まったく同じ詐欺的手口を使っていた。じつは佐喜真氏はこの選挙の公開討論で「県内移設は極めて厳しい。県外を求める」と発言し、当選後も「(辺野古移設は)民意が示されており、不可能」と言い、オスプレイ配備についても「政府に配備反対を訴えていく」と語っていた。
 それが2013年11月に菅義偉官房長官が「県外移設はあり得ない」「普天間が限りなく固定化する」と辺野古移設への恫喝を強め、沖縄自民党県連の議員たちに転向を迫るなか、佐喜真氏は首相官邸にまで出向いて「どのような形であれ返還を」などと発言。ついには辺野古移設を容認する姿勢を打ち出した。この佐喜真氏の言動については〈政府と気脈を通じていたとしか思えず〉〈辺野古移設に執心する政府のお先棒を担いだと批判されても釈明できまい〉と指摘されている(琉球新報2013年12月6日付)。
 しかも、このとき官邸が沖縄に辺野古を容認するよう圧力をかけていたのは国会議員や自民党県連に対してであり、首長である佐喜真氏には〈露骨な圧力はなかった〉(同前、琉球新報)。ようするに、佐喜真氏は圧力をかけられて辺野古容認へ転向したわけではなく、最初から出来レースで市民を騙した可能性が高い。
自公候補の佐喜真氏は極右イベントで沖縄ヘイトの論客と仲良く名前が
 そもそも佐喜真氏は、2012年の宜野湾市長選に立候補した時点ですでに沖縄県議としては唯一、「日本会議」のメンバーとして同会のHPでも紹介されるなど(しんぶん赤旗2012年1月21日付)、極右思想の持ち主だった。
 たとえば、2012年5月に宜野湾市でおこなわれた日本会議系のイベント「沖縄県祖国復帰40周年記念大会」にも市長として出席。しかも、佐喜真氏も出席した2014年に開かれた同42周年記念大会では、那覇市首里にある「わかめ保育園」の園児らが日の丸のワッペンを胸に付けた出で立ちで登場し、「教育勅語」を唱和。佐喜真氏は閉会の辞のなかで「日本人として、日本人として、誇りをもつ。まさにその一言に尽きると思います。この42周年を機に、日本人としての誇りをもたなければならない」と述べている。
 県民が捨て石にされ多大な犠牲を強いられた沖縄という場所で、園児に《一旦緩急アレハ義勇公ニ奉シ以テ天壤無窮ノ皇運ヲ扶翼スヘシ》と唱和させることのグロテスクさ。これに首長として疑問をもたないばかりか「日本人の誇り」を語る佐喜真氏。これだけでも氏がいかなる人物であるかがよくわかるが、さらに驚くのは、佐喜真氏が、沖縄へのヘイトスピーチを繰り出すネトウヨ・極右団体のイベントに参加しようとしていたことだ。
 そのイベントとは、2016年1月に宜野湾市民会館でおこなわれた「宜野湾と沖縄の未来を考えるシンポジウム「日本一早い桜祭り」」。このイベントを共催したのは極右団体「頑張れ日本!全国行動委員会」(以下、「頑日」)で、同団体のHPには、「頑日」の幹事長で「日本文化チャンネル桜」代表取締役社長の水島総氏や、あの『ニュース女子』沖縄ヘイト回でVTR出演したほか数々のデマを垂れ流しつづけている“沖縄ネトウヨ”の代表格・我那覇真子氏や手登根安則氏らが登壇予定者として発表されていた。
 が、なんとこの登壇予定者のなかに、佐喜真氏の名前が筆頭に挙げられていたのだ。
 これは、佐喜真氏がネトウヨのイベントに参加しようとしていたというだけの問題ではない。じつは同イベントの共催である「頑日」は、2013年1月にオスプレイの配備撤回を訴えて沖縄の市町村長や議員らが東京・銀座をデモ行進した際、「「オスプレイ配備反対」に見せかけた亡国集団パレード糾弾!抗議街宣行動」を実施。このとき、沖縄の市町村長らがデモ行進するなか、沿道では日の丸や旭日旗を掲げた者たちが「売国奴!」「琉球人は日本から出て行け!」「中国のスパイ!」などという罵声を浴びせていた。
 つまり、佐喜真氏はオスプレイ配備に反対して市長選に当選したはずが、オスプレイ配備反対デモを「売国奴」と攻撃する連中のイベントに参加しようとしていたのだ。結局、批判が集まったために参加を見送ったのか、イベント当日の模様を確認すると佐喜真氏の姿はなかった。だが、参加を予定していたことは、宜野湾市民に対する裏切り、沖縄県民への冒涜と言っていいはずだ。
米軍基地、オスプレイ配備に反対するふりをしながら安倍政権、ネトウヨと
 このようなネトウヨ政治家が沖縄県知事選に出馬、しかも自民党と公明党が全面的に支援するというのだから、県知事選は沖縄が瀬戸際に立つ選挙になることは間違いない。だが、最大の懸念は、ネトウヨ候補者の佐喜真氏が、一体、県知事選でどんな選挙活動を展開するのか、という点だ。
 佐喜真氏は前述した“沖縄デマ常習者”である手登根氏と懇談する様子が撮影されるなど、親しい仲であることが噂されているが、この手登根氏は今年の南城市長選や名護市長選でも、「オール沖縄」候補者や基地反対派のデマを喧伝して自公候補者をなりふり構わず応援してきた。今回の県知事選では、さらにこうしたデマが大量に出回ることは確実だろう。
 とくに今回、佐喜真氏と一騎打ちとなると見られる玉城デニー議員は、以前、当時国会議員だった現・東京都知事の小池百合子氏から「日本語読めるんですか? 分かるんですか?」と差別ヤジを飛ばされた経験もある。相手がネトウヨであることを考えれば、差別的なデマが飛び交う選挙戦になることも十分予想される。
 ともかく、「対立や分断から無縁な沖縄を取り戻す」と謳いながら、そのじつ、沖縄の対立と分断に加担し、官邸と歩調を合わせてきた佐喜真氏が県知事となれば、いよいよ安倍政権は沖縄を“植民地”扱いし、あらゆる負担を強いることは間違いない。
 実際、安倍政権はすでに沖縄県知事選に向け、県民の「対立や分断」をはかろうと露骨な作戦に出ている。翁長知事は亡くなる直前、辺野古埋め立て承認を撤回する手続きをとろうとしていたが、これに対して、政府が〈県が名護市辺野古の埋め立て承認を撤回した場合、工事の遅延損害金が1日約2000万円発生するとの見積もりをまとめ〉ていたことを、今朝の毎日新聞が報道したのだ。これは単純計算で100日間延期すれば20億円を請求するぞという脅しそのもので、県知事選を控えて県民の対立・分断を狙っての作戦であることは明白だ。
 県知事選は沖縄だけではなく、日本の民主主義の行く末を占う大きな分岐点となるだろう。


森達也氏が危惧 オウム以降の日本社会は「集団化」が加速
 1995(平成7)年のオウム真理教信者による「地下鉄サリン事件」から23年。今年7月、元教祖の麻原彰晃(本名松本智津夫、63=執行時)はじめ、死刑囚13人全員の刑が執行された。ドキュメンタリー映画「A」シリーズで信者たちの日常を追い続けた映画監督・森達也氏(62)に、「オウムを通じて見えた日本」について聞いた。
■官邸の「指示」ならそれだけ力が強くなった証拠
  ――麻原の口から何も聞けないまま、死刑が執行されました。
 最初の頃は雄弁にしゃべっていたけれど、裁判が進行するにつれて英語交じりの不規則な発言が増え、やがて口を閉ざし、弁護団と意思の疎通ができなくなった。1審判決の時は大小便たれ流し状態だった。最初は「詐病」を疑ったが、その後に関係者などから話を聞き、彼の心神が喪失状態にあったと確信しています。今も麻原は「詐病」だったと断言する人はたくさんいる。でも詐病であるからには動機、理由が必要です。裁判の遅延と死刑逃れですね。結果としてどちらも裏目に出ている。麻原法廷は1審だけで死刑が確定し、2審も3審も行われていません。最後の高橋克也の裁判が終わってすぐに、死刑囚の移送など処刑準備が進み始めた。もし僕が麻原なら、これは逆効果だと考えてとっくに「詐病やめます」って言ってますよ。
  ――執行のタイミングを含め、腑に落ちない人は多いと思う。
 執行や死刑囚の情報を開示しない理由として法務省は、死刑囚の命の尊厳を守るためなどと言ってきた。その法務省が、平成で起きた事件だから平成で終わらせるとのロジックを本気で言っているのなら、とても強い違和感がある。「在庫一掃セール」みたい。罪人とはいえ人の命です。上川法相は会見で「個々の事案で」との理由からほとんど質問に答えなかった。個々の事案であることは当たり前。答えられない理由になっていない。でもメディアはそれ以上の追及をしない。この機会を逃すと自民党総裁選後は新たな内閣だから、新任の法相では処刑できなくなる可能性がある。さらに今年後半から天皇の退位絡みでいろんな式典があり、再来年は東京五輪が開催される。逆算すれば、今しかないという判断だと思います。
  ――今回、死刑執行の情報を政府がメディアに流し、テレビが「ショー」のように扱った。
 少し前まで法務省は、誰を処刑したかすら発表しない密行主義でした。それがコペルニクス的に変わって、処刑情報の「大盤振る舞い」でしたね。法務省が単独でこれをやるとは思えない。一説には「官邸の指示」と言われていますが、そうであればよほど官邸の力が強くなったんだなと思う。支持率回復やある意味での目くらましだったとか、そんな説を唱える人が少なくない。そこまでやるだろうかと思いつつも、何らかの戦略が背景にあったのでは、との思いは払拭できません。
  ――麻原はこれだけ悪いヤツだから、処刑して見せしめにしてやろうと。
「戦争」と「死刑」は究極の「国家の暴力性の発動」であり、公権力の行使です。ならばメディアが監視しなければならない。でもその機能を大手メディアは果たしたのか。「極めて異例な処刑である」「なぜこの間隔で同じ月に13人も」という報道一色ですごく違和感があった。7人を処刑した時、すぐに6人もやるだろうと思った。理由は「同一事件の同罪者は同じように罰を受けなければいけない」という原理原則があるから。間隔が空いたら不平等になる。本来であれば一挙にやらないといけない。でも日本の拘置所の体制では13人同時処刑は物理的に不可能。だから2回に分けた。それは何の問題もない。一人も殺害していないのに処刑された横山真人も含めて、オウムに対しては罰が異常に重いことを問題視すべきだった。
  ――問題は同じ月に13人の処刑があったということではないと。
 本来なら間を置かずに処刑を行うべきなのに、処刑後に西日本の豪雨災害が起きて赤坂自民亭の問題が発覚した。安倍政権が国民から批判され、続けて処刑できないという判断で延びた。ならば自分たちの都合です。なぜメディアはこれを指摘しないのか。「こんな異例な処刑」って処刑そのものは異例じゃない。批判するならもっと前の段階で、20日間も間隔が空いたことを追及すべきです。
民衆は「号令」が欲しいから強い政治家を求める
  ――オウムとIS(イスラム国)に共通点は感じられますか?
 似て非なる部分はたくさんある。でも共に宗教で原理主義であり、宗教の一番危ない側面を露呈したという意味では共通している。どんな宗教も「死後の世界」を担保する。天国であり、浄土であり、輪廻転生であり、教義によって違うけれど「死んだら終わり」という宗教はない。人は自分が死ぬことを知ってしまったから、消えてしまうことが怖い。だから「宗教」という装置が必要になる。でも死と生を転換するわけですから、非常に危険です。今のこの人生がつまらなかったらリセットしようという発想に短絡する。自分の命を軽視するならば、他者の命も軽視できる。この人は周りに迷惑をかけて本人にとっても良くないからリセットしてあげようと本気で思う。これがポアです。決して悪ふざけでもなく、邪悪で凶暴でもない。宗教的に純粋すぎる。イスラム武装派の人たちが簡単に自爆テロができる理由は死後に天国に行けるからです。だからこそ、宗教は虐殺や戦争などと相性がいい。こうした宗教のリスクをもっと知るべきです。
  ――オウム事件以降、政治の面でも社会は変わったと考えますか。
 社会が「集団化」した。皆ひとりが怖くなって、連帯したくなった。連帯は「同質」であることが前提です。だから皆で「異質」なものを探して排除したくなる。異質であることの理由は何でもいい。その典型がヘイトスピーチ。同時に集団は、より強い連帯を求めて敵を探したくなる。集団で同調すると力が強くなる。一緒に行動したくなる。そうすると号令が欲しくなり、「強い政治家」を求め始める。米同時多発テロ以降、世界に広がった現象です。トランプにしてもプーチン、エルドアン、ドゥテルテや習近平にしても、かつてであれば独裁的な政治家として批判されていた指導者が高い支持率を持つようになった。安倍政権も同じ。外敵を探す為政者が支持される。だからこそ北朝鮮や中国に対して強気に振る舞う。
■国内の集団化が高まれば外敵を探して攻撃する
  ――オウムのときに起きた集団化が、日本で着々と進んでいるわけですね。
 政治は国民がどちらを向いているかで変わります。つまり市場原理。これはメディアも同じですが、国民の衝動や欲望に合わせる。国内の集団化が高まれば外敵を探して攻撃する。9・11以降のブッシュ政権が典型だけど、その意識は日本も同じ。だから北朝鮮に対して攻撃的になる。国難だと言って不安や恐怖をあおる。だから日本だけ浮いてしまう。最後は戦争ですよ。この構図が進めばね。安倍政権はそういう連中を利用しようとしている。都合がいいし、支持層だから。「モリカケ」でも何度も「もうこれでゲームオーバー」だとか言われたが、1年以上その状態が続いても終わらない。支持率が2割以下には下がらない。何があっても強硬に安倍政権を支持する人たちです。北朝鮮をやっつけろとか、アジアの安全保障よりも拉致問題解決が最優先だとか、そういう人たちと重なるんじゃないかな。
  ――そうした集団化を止めるためには、どうしたらいいでしょうか?
 リテラシーですね。メディアの情報に対しても、真実か虚偽かって二分化が進んだが、本来は二分できない。グラデーションがある。どこから見るかで変わる。ISだってもし僕が今、カメラで撮れば普通のおじさん、お兄ちゃんだと思いますよ。確かにISの組織自体は邪悪で凶暴です。でもだからといって、そこにいた人が全員邪悪かというと、そうではない。人間は単面的な存在ではないという意識を持ったうえで対処する。そうしたキャパシティーを持たないと、オウムによって始まった社会の善悪二分化がさらに進行する。その危惧をずっと持っています。(聞き手=佐賀旭/日刊ゲンダイ) 
▽もり・たつや 作家、明治大学特任教授。1956年広島県生まれ。立教大卒。テレビ番組制作会社などを経てフリー。98年映画「A」を公開。ベルリン映画祭に正式招待。11年「A3」で講談社ノンフィクション賞受賞。16年佐村河内守のゴーストライター問題を題材にした映画「FAKE」を公開。


権力VSメディア 日本の場合
 ★米国では大統領とメディアの対立が激化している。米トランプ大統領が政権の政策を支持しないメディアを「国民の敵」と呼び「フェイク(偽)ニュース」と呼ぶことに対して全米の350紙以上の新聞社が16日付社説で一斉に「ジャーナリストは敵ではない」と報道の自由を論説で訴えた。それに対抗するようにトランプは同日、「フェイクニュースを流すメディアは野党だ。偉大な国にとってとても悪いことだ。だが我々は勝利する」とツイートした。 ★口火を切ったボストン・グローブ紙の社説は「米国の偉大さは権力者に対して真実を語る自由な報道の役割によっている」「メディアを『人々の敵』と決めつけることは危険なことであり、アメリカ的ではない」とし、ニューヨーク・タイムズ紙は「新聞のない政府か政府のない新聞か、どちらかを選べといわれたら、迷わず後者をとる」と書いた。350紙の中には16年の大統領選挙でトランプを支持したメディアも参加した。 ★ところが米共和党支持者の51%がトランプの主張に同調していることが分かった。「メディアは国民の敵」だというのだ。一方、米上院議会は報道の自由が持つ「有権者に情報を与え、真実を暴き、権力を監視する死活的な役割」があり、「メディアは国民の敵ではない」と宣言する決議を満場一致で採択した。米国世論は異様な空気に包まれているといっていいだろう。 ★さて我が国はどうだろう。権力はメディアを敵と味方に分け、味方には情報を流し敵には教えない。メディアは自分の社だけが知らないのではないかと不安になり、多くが権力の顔色を見るようになる。どうやらそれでいいと思っている記者と、それは不健全だと思っている記者がいるようだが、メディアとして毅然(きぜん)と対峙(たいじ)しているとは言い難い。米メディアの状況は遠い話か、明日の我が身か。

甲子園決勝は本当に明日でいいのか。 金足農業・吉田輝星の投球数が……。
 過去に何度も見た光景だった。
 表現としては“末恐ろしいピッチャー”だ。
 秋田県大会からすべてのイニングを1人で投げぬいている金足農のエース・吉田輝星がまた、快投を見せた。
 準決勝の日大三戦では、2点を先行すると、そのアドバンテージを最大限に生かすピッチングを展開。ピンチに陥ってもしっかりと間を取り、走者のスタートを一歩ずつ遅らせ、打者に対しては変化球を低めにコントロールして、ギアを上げたストレートで強力打線を黙らせた。
 5試合連続完投勝利は見事というしかない。
 限界を超えていてもおかしくない心身の状態でありながら、それでも快投をみせる。
 しかし、吉田のような投手をみたのは過去に1度や2度ではない。
「投げないという選択肢はなかった」
 2006年の斎藤佑樹(早稲田実)しかり、2008年の戸狩聡希(常葉菊川)、2010年の島袋洋奨(興南)、2013年の高橋光成(前橋育英)……。筆者が取材現場に立つ以前では、松坂大輔(横浜)、本橋雅央(天理)、大野倫(沖縄水産)などもいた。
 彼らはどんな苦境であっても、最高のパフォーマンスを見せたものだった。
 連投を重ねた後でもストレートは最速に近い球速をマークし、変化球は低めに決まった。甲子園という舞台を前にして、彼らは出場を避けることはしなかったし、どこからそんな力が湧き出てくるのか、というピッチングをした。
「投げないという選択肢は僕の中にはなかったです。なぜって、なんでこの日まで練習したのか。優勝するためにやって来たんですからね」
 今から10数年前、そう語っていたのは天理の本橋さんだった。
 甲子園という舞台では、そう思わざるを得ないというのが球児の心理だろう。
 しかし……話を吉田に戻すと、投げすぎだ。
球数制限の障害は「不平等」。
 彼が今大会で投じた投球数は700球を超えた。秋田大会を含めると、おそらく1000球を超えているはずだ。たった1カ月余りでのこの投球数は限度を超えている。と同時に、登板間隔も試合を勝ちあがるたびに、短くなっている。17、8歳の高校生に課していいものではないだろう。
 球数制限などのルール化を推奨する声は多いが、日本高校野球連盟は二の足を踏んでいる。
 その理由は「不平等」が生じるからだ。
 日本高校野球連盟の竹中雅彦事務局長がタイブレークの導入を決めた際に、こんな話をしている。
「タイブレーク制度の導入は再試合の防止であって、投手の負担軽減のための次善策だと思っています。本腰を入れていくのであれば、投球回数制限、球数制限に踏み切ることが必要だなと思います。
 ただ、甲子園に出てくるような潤沢な部員数を誇る学校は一握りしかない。9人をそろえるのに必死な学校が多いんですね。そこにスポットをあてるべきだと思います。そういったチームのことを考えると、すぐに導入するのは難しい」
 確かに、球数制限は複数の投手を揃えることが難しい公立校には不利なのかもしれない。
 私学のように何人もの部員を抱えるキャパを有していないし、たとえたくさんの部員を獲得することができても、それを鍛え上げるだけの環境が整っている学校は少ない。高野連の言い分には一理あるのだ。
 しかし、では今の甲子園の日程は平等といえるのだろうか。
複数の投手を育てられない学校もある。
 決勝戦に進出した大阪桐蔭や、日大三、近江などのように複数投手を用意して戦いに挑むチームは増えている。高野連も複数投手制を推奨しており、公立校でも複数の投手を育てるべきだという意見は分かるが、全チームにそれが現実的だろうか。
 そもそも、高校野球の年間スケジュールが複数投手の育成を促す環境になっていない。
 周知のように、高校野球の多くの大会はトーナメント制で行われている。一発勝負ではない大会もあることはあるが、勝ったり負けたりを繰り返しながら成長していく、という状況ではない。
 負けられない試合が続けば、複数の投手を育てるのは容易ではない。
負けたら終わりでは、エースを下げづらい。
 金足農を例にとると、三塁手の打川和輝が2番手の投手を務め、続くのは1年生投手だったが、甲子園を前に1年生投手は体調を崩し、ベンチ入りを断念せざるを得ない状況だという。3年生部員はたった10人しかいない。
 そうなると、投手の負担を軽減する方法は、指導者の良識ある起用法か、日程しかない。
 今大会の吉田は1試合140球を超す投球をしたケースが続いたが、試合展開上、継投が難しかったのも事実だろう。
 地方大会から甲子園と、ずっと負けたら終わりのトーナメントを勝ち抜いてきたのだから「指揮官の良識」に訴えるのにも限界がある。
 済美の山口直哉が星稜戦で184球を投げた試合は、大量失点していたこともあって交代させるべきだと思ったが、基本的に投手交代を決断するのは簡単ではない。
 となると、考えるべきは日程しかないのだ。
「自分たちの戦ってきた形で挑みたい」
 球数制限を導入できないなら、できることは試合の間隔を空けることしかない。
 しかし、決勝戦は明日開催される。
 明日の結果は分からない。しかし、勝敗がどちらに転ぼうとも、明らかなのは、金足農の吉田には多大なる負担がかかるということだ。大阪桐蔭にしても、吉田ほどではないにしろ全5試合に登板し、準決勝戦で完投した柿木蓮がおそらく連投するはずだ。彼にも負担はある。
「勝つために吉田を登板させたいということではないんです。自分たちの今まで戦ってきた形で勝負に挑みたい。その結果として吉田1人の登板になっているだけなんです。吉田が打たれてダメだと判断されたり、投げている姿がどうもおかしいとなれば、監督はすぐに交代させると思います」
 金足農に帯同しているコーチの1人はそういっていた。
 エース吉田で勝負に行って勝ってきた。その結果の登板過多というわけだ。
土曜日の開催なら中4日が空くのだが……。
 過去の大投手たちも、どれほどの逆境でも投げてきた。
 おそらく吉田も、柿木も、明日の決勝戦では泣き言を1つも言わずマウンドに立つだろう。それが高校球児の心理だからだ。
 明日、決勝戦を開催するのは妥当なのか。
 登板過多や過密日程で、被害を受けるのはいつも“末恐ろしいピッチャー”たちなのだ。
 甲子園を本拠地とする阪神タイガースは、週末、ビジターの巨人戦に挑む。
 土曜日の開催なら、中4日が空くのだが……。

九州道SAめぐり/益城町→熊本空港/トマト焼酎のビン割れる/焼肉

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La saveur de l'été - Kakigori, le dessert tendance japonais qui arrive en France -
Chaque samedi, Marion Sauveur nous présente un produit, une application ou une tendance culinaire.
Et oui… une gourmandise qui nous vient tout droit du pays du soleil levant… très photogénique… qui fait fureur sur le réseau social Instagram… une sorte de granité… recouvert d’un sirop. Cette douceur répond au doux nom de : kaki gori. Et on peut le déguster depuis le début de l’été en France !
C’est un dessert traditionnel japonais… servi en été uniquement…
Il était au départ réservé à la noblesse japonaise…
en hiver, on allait dans la montagne découper un gros bloc de glace, que l’on conservait dans un trou creusé dans la terre… jusqu’en été !
Aujourd'hui, ce dessert glacé est servi partout au Japon : dans des salons de thé, dans des restaurants et même dans la rue…
A quoi ça ressemble ?
A un monticule glacé très colorée… composée de glace… pas de crème glacée… mais bien de morceaux de glaçons… qui ne sont pas pilés, ni mixés comme pour les granités... mais rasés, en copeaux les plus fins possibles… on croirait en fait de la neige…
Ce n’est pas fait à la main, mais avec une machine spéciale… une sorte de rasoir à glace…
J’aurais aimé que vous dégustiez le kaki gori… mais je n’ai pas pu vous en rapporter… parce que ça fond très vite, surtout avec la chaleur estivale.
Alors je me suis sacrifiée, je suis allée déguster le kaki gori, version Pierre Hermé. Il le propose décliné en 5 parfums à la carte du Palace le Royal Monceau : Fraise & Rose / Rose, Litchi, Framboise / Infiniment Fraise / Thé Match / Infiniment citron.
Et ce qui est très sympa, c’est comme au Japon… on peut voir comment est réalisé le kaki gori. La machine pour raser la glace est installée sur la terrasse de l’hôtel. Un bloc de glace d’une quinzaine de centimètres est placé dans la machine… et là, manuellement on vient râper la glace. Et là, il faut faire vite. Je vous l’ai dit ça fond !
La glace rasée est entassée dans une coupe… et arrosée d’un sirop coloré et agrémenté d’azukis, les haricots rouge ou de fruits…
J’ai dégusté la version Ispahan de Pierre Hermé rose, litchi et framboise… de couleur rose très girly ! En bouche, c’est très gourmand… tout repose sur les sirops... C’est très léger… rafraîchissant, pas trop sucré... et l’avantage, c’est que ce n’est pas trop calorique !
Où est-ce qu’on peut en déguster si on veut tester ?
A Paris… au Royal Monceau, dans le 8e arrondissement, les desserts de Pierre Hermé… pour 21 euros.
Mais aussi dans le 1er arrondissement Chez Toraya, l’une des plus anciennes pâtisseries japonaise… A partir de 9 euros vous pourrez découvrir le kaki gori au sirop de thé vert Matcha de Uji, au sirop de sucre avec coulis d'azuki rouges ou une version au sirop de fraise et lait concentré.
Mais aussi au Grand Café Tortoni, dans le Marais… aux fruits rouges, à l’ananas, à la coco ou à la mangue. C’est 6 euros la coupe.
On peut aussi trouver des kakigori à Montpellier et La Grande-Motte… chez Koori Japon. Il propose ces desserts à partir de 2 euros… en version arc-en-ciel.
Par Marion SAUVEUR
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吉野に車を取りに行って洗車をしてから鹿児島から九州道を北上です.SAめぐり?をすることにしました.最初は10時前に桜島SAです.「おじゃったもんぜ鹿児島」とあるけど上り路線だと違うね?なんて話しました.1時間くらい後に道の駅えびのに行ってみました.ここはえびのICから60分以内で退出可というのでした.ひらがな地名ってなんだかおもしろいです.12時前くらいに宮原SA.熊本県です.
益城町で高速を降りていくばい商店街へ.マーボーちゃんぽんをいただきました.テクノ商店街ではいきなり団子が売り切れていて残念.AEONで買い物をして熊本空港.wifiがあるのでPCをネットにつなげました.
さてそこから九州中央道→九州道で御船まで移動して,そこからさらに移動.ここも熊本市内??という感じの場所です.
車から降りるときにトマト焼酎のビンが割れてしまいました.
焼肉とビール.シャワー浴びてお休みです.

<再訪Miyagi1951>(3)旧野蒜駅前(東松島)海水浴客渡ったつり橋
 東松島市の旧国鉄仙石線野蒜駅前を、米軍医だったジョージ・バトラーさん(故人)が1951年に写した。
 つり橋が東名運河に架かり、駅と鳴瀬川河口の新町地区をつないだ。「余景の松原」と呼ばれた松林や海水浴場へ行く観光客もこの橋を渡った。
 元々は娯楽施設「長寿館」に向かう木製のけた橋だったが、49年のキティ台風で流され、つり橋に。西側に「不老橋」が59年に完成すると使用禁止となり、いつしかなくなった。
 写真には「冷菓」の看板を掛けた「まるみつ」、野蒜石を扱い運送業を兼ねていた「片倉石材店」、地域住民から親しまれた「たばこ屋さん」などが写る。
 片倉石材店の親類で石工だった笠松利平さん(86)は「野蒜駅で石を電車に積み、青森や秋田に運んだ」と思い起こす。
 地元有志でつくる野蒜築港ファンクラブの松川清子さん(67)は、両親が駅前で食堂を営んでいた。60年代、仙台からの海水浴客でにぎわった光景を懐かしむ。「次の電車が来ても、前の列車から降りた客がまだ橋を渡れずにいてホームがごった返した」
 東日本大震災で松林はなくなり、一面に雑草が生い茂る。海水浴場の再開時期は未定だ。駅は高台に移設され、旧駅舎は市震災復興伝承館として再開した。震災遺構を訪ねる人たちが絶えない。


仙台・荒浜で8年ぶり 宵の灯籠 思い出ともす
 東日本大震災の津波で甚大な被害を受けた仙台市若林区荒浜の貞山堀で18日、震災後初となる夜の灯籠流しがあった。祖先や津波犠牲者を供養する灯籠約200個が川面に浮かべられ、参加者がそれぞれの思いを抱えながら見詰めた。
 元住民や支援者でつくる実行委員会の主催。津波で地区の街路灯といった明かりが失われたため、昨年までは安全性を考慮して昼や夕方などの明るい時間に実施していた。
 周辺で震災遺構など拠点施設の整備が進み、防犯面の不安も改善されつつあることから、実行委が照明を用意し、8年ぶりに夜間の灯籠流しを復活させた。
 震災当時近所に住み、津波で友人夫婦を失った若林区の佐藤慶子さん(74)は「灯籠が流れる景色を見ると、亡き友人との楽しい思い出がよみがえってくる」と涙を浮かべた。
 実行委によると、震災前、荒浜地区には約800世帯2200人が生活しており、津波で約190人が犠牲になったという。


津波被害の荒浜で灯籠流し
東日本大震災の津波のあと住民が移転した、仙台市若林区の荒浜地区に18日夜、かつての住民などが集まり、お盆で迎えた霊を送る灯籠流しが行われました。
仙台市若林区の荒浜地区で行われた18日夜の灯籠流しには、震災のあと、内陸部に移って暮らしているかつての住民などが集まりました。
参加者が手作りした灯籠には、「あの日を忘れない」、「みんな幸せになれますように」などと書かれ、地区を流れる貞山堀の岸辺でボートに積み込まれたあと、みなもに浮かべられました。
荒浜地区は、津波でおよそ200人が犠牲になり、訪れた人たちは、霊を送るおよそ200丁の灯籠の明かりを、堀の土手や橋の上などから静かに見つめていました。
荒浜地区の灯籠流しは、津波で「災害危険区域」に指定されたあと、日没前に行われてきましたが、ことしは夜の灯籠流しが再開されました。
震災前、荒浜地区に住んでいて親戚を亡くした、佐藤豊さん(81)は、「亡くなった人にゆっくり休んでほしいという思いで灯籠を作りました。地元の人もたくさん来てくれてよかった」と話していました。


<あなたに伝えたい>同じ畜産の仕事挑戦したい
◎松本裕生さん(気仙沼市)から伸さんへ
 裕生さん 父が身に着けていた腕時計の針は、あの日の午後3時42分で止まったままです。20歳になったら、もらう約束をしていた時計でした。
 震災が起きた時は中学3年生。携帯電話に何度かけてもつながらなかったけど、大丈夫だと信じていました。数日後に国道沿いの駐車場で見つかり、最初は実感が湧きませんでした。
 真っすぐで優しく、家族思いの父でした。小学1年の頃、学校に行くため家を出ると、いつも2階の窓から手を振って見送ってくれました。野球が上手で、弟と3人でよくキャッチボールをして遊びました。
 家族の大黒柱でしたが、涙もろい面もあったようです。自分の結婚式の披露宴で男泣きしたことを最近、母から聞きました。
 父が農協の仕事で、夢中になったのが畜産です。家で牛の話題が上ると、楽しそうに話していました。高校卒業後、南三陸町の職員になりました。将来は父と同じ畜産関連の仕事に挑戦したいと思っています。
 人との出会いに恵まれていたんだね。仕事でお世話になったという人たちが、仏壇を拝みに家を訪れてくれます。時がたっても忘れないでいてくれるのはありがたいです。
 父が好きだったお酒は250ミリリットル缶の水割りウイスキーでした。一緒にお酒を飲みたかったし、大人の男同士で話もしたかった。父のようにどんな時も前向きに生きていくから、天国から安心して見守ってください。
◎真っすぐで優しく、家族思いの父
 松本伸さん=当時(42)= 気仙沼市本吉町津谷松尾で父と母、妻、長男裕生さん(22)と次男の6人暮らしだった。南三陸農協に勤めていた。東日本大震災の大きな揺れがあった後に勤務先の市内から車で自宅方面に向かう途中、津波に襲われたとみられる。


台風1