フランス語の勉強?

décembre 2018

年越しそばで行列/第九/伊勢海老・霧島

ブログネタ
フランス語 に参加中!
新宿2018-19‗181202

Japon. Garde à vue de Carlos Ghosn prolongée jusqu’au 11 janvier
L’ex-PDG de Nissan passera le Nouvel an en garde à vue, alors que le tribunal de Tokyo a décidé de prolonger sa garde à vue de dix jours supplémentaires.
Un tribunal de Tokyo a décidé lundi de prolonger de nouveau de 10 jours, jusqu’au 11 janvier, la garde à vue du PDG de Renault, Carlos Ghosn, après des soupçons d’abus de confiance, selon les médias japonais.
D'après la chaîne de TV NHK, l'agence Jiji et le quotidien Nikkei, le juge a accepté la requête du procureur qui estime avoir besoin de plus de temps pour décider ou non d'inculper M. Ghosn sur ces nouvelles charges.
L'ex-président de Nissan est détenu au Japon depuis le 19 novembre et déjà inculpé une première fois pour avoir minoré ses revenus sur 5 ans dans des documents remis aux autorités boursières japonaises.
De nouvelles charges contre Carlos Ghosn
La décision judiciaire de ce jour prolonge ainsi sur l'année prochaine la saga qui passionne le Japon et le monde des affaires depuis que ce titan du monde de l'automobile a été arrêté soudainement à Tokyo.
La décision de lundi ne signifie pas que l'ancien patron de Nissan sera automatiquement libéré le 11 janvier ou le jour suivant, le parquet pouvant en théorie relancer une garde à vue sur de nouvelles charges.
En outre, parallèlement, M. Ghosn est aussi en détention provisoire suite à la première inculpation, ce qui signifie qu'une libération ne peut avoir lieu qu'après la fin de toute garde à vue et sur acceptation par le tribunal d'une demande de mise en liberté sous caution.
14,5 milions d'euros de préjudice
Dans le troisième volet en cours de cette affaire, le parquet soupçonne Carlos Ghosn d'avoir ≪ failli à sa fonction de PDG et d'avoir causé un préjudice à Nissan ≫.
Concrètement, le bureau des procureurs lui reproche d'avoir fait couvrir par Nissan ≪ des pertes sur des investissements personnels ≫ au moment de la crise financière d'octobre 2008, ce qu'il nie selon les médias citant ses avocats. La somme incriminée s'élève à 1,85 milliard de yens (14,5 millions d'euros).
Pour résoudre ce problème financier, il aurait obtenu qu'un ami d'Arabie saoudite se porte garant et aurait effectué des virements d'un montant équivalent sur le compte de ce dernier depuis un compte d'une filiale de Nissan.
Ce type de délit est normalement prescrit au bout de 7 ans, mais la loi permet de suspendre le décompte lors des séjours à l'étranger, nombreux dans le cas de M. Ghosn qui passait seulement un tiers de son temps au Japon.
Alliance Renault-Nissan dans la tourmente
L'Américain Greg Kelly, administrateur de Nissan arrêté le 19 novembre au Japon en même temps que Carlos Ghosn, a en revanche été relaché la semaine passée sous caution, la raison pour laquelle M. Ghosn est désormais encore retenu ne le concernant pas.
Pendant ce temps, l'alliance Renault-Nissan est dans la tourmente. Les constructeurs japonais Nissan et Mitsubishi Motors ont déjà révoqué à l'unanimité M. Ghosn de la présidence de leur conseil d'administration, mais le groupe français Renault l'a maintenu jusqu'à présent à son poste, confiant ≪ à titre provisoire ≫ la direction exécutive à son numéro deux Thierry Bolloré.
にほんブログ村 外国語ブログ フランス語へ
フランス語の勉強?
歓喜が街にこだまする2018かごしま県民第九演奏会
今月16日に開かれた「かごしま県民第九演奏会」。今年はオーケストラと合唱団およそ400 人が出演。鹿児島の冬の風物詩となっている演奏会の模様をお送りする。
今年で34回目を迎える「かごしま県民第九演奏会」。今月16日に鹿児島市の宝山ホールで開かれた演奏会には、オーケストラと合唱団およそ400人が出演。一般公募の合唱団は秋から練習を重ね、公演に臨んだ。ウィーン在住、国内外のオーケストラで指揮を務める垣内悠希さんが初めてタクトを振る。番組ではベートーベンの交響曲第九番の演奏をノーカットで放送、平成最後の県民第九を彩る合唱団やソリストも紹介する。 MBC南日本放送

Hiroko Kado @HirokoKado
紅白のサザンみると、結局、平成30年の歌謡コンテンツで昭和のレベルを超えたやつはいなかったという強烈なメッセージが余韻として残された気する。。

年越しそばを買いに行くと行列.1時間半くらい待つかも,というので昨年と同じお店に.
昼過ぎから第九を聞きのでその前にお風呂.泡で楽しんで時間ギリギリになってしまいました.テレビでの第九だけど,やっぱりいいですね.
バスで移動して伊勢海老・霧島.種子島から送ってきた?らしいです.紅白はイマイチかな?サザンは嫌いじゃないけど.
夜頑張ってスープを少しいただきました.

<震災から8度目の大みそか>新時代 命尊び 光願う
 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故から8度目の大みそかを迎えた。復興庁によると28日現在、全国の避難者は5万3709人。震災7年9カ月余の現実を前に、避難先での苦難の歳月を思う。
 年の瀬の夕刻、仙台市若林区荒浜を歩いた。高層ビルの明かりが、津波被害で人々の息遣いが消えた荒浜地区の暗闇を際立たせる。
 3.11前とは違った国に生まれ変わったか。震災関連死3701人を含む計2万2132人の犠牲者が生きたかった時を刻む資格を有しているか。天国からの問いに「はい」と即答できないわが身がもどかしい。
 <原発の事故に八年夢消えて死んだ牛たち夢に出てきて>。23日付の河北歌壇に掲載された相馬市の清水義宏さん(62)の歌だ。原発事故で将来を悲観し、乳牛70頭を二束三文で手放したという。
 「元酪農家の多くが、牛の話題が出るとテレビを消す。心の復興はまだ先」と清水さん。当事者にとっては「あの震災」でも「あの事故」でもない。今も忘れられない現実が現在進行形で続いている。
 あすから2019年。かけがえのない命と忘れてはいけない現実に思いをはせたい。


<東日本大震災>石巻「お茶っこバス」在宅被災者つなぎ7年目 サロン巡回、車内で親睦
 東日本大震災で被災した自宅に住み続ける石巻地方の在宅被災者に交流の場を提供する「お茶っこバス」の活動が、7年目に入った。サロンに仕立てたバスで被災各地を巡回し、車内で親睦を深めてもらう取り組みで、開催は800回を超えた。震災前のコミュニティーが失われつつある被災地で、被災者同士をつなぎ留める役割を果たす。
 石巻市湊町2丁目の遊休地に今月上旬、お茶っこバスが回ってきた。近くに住む70〜90代の男女6人が乗り込み、コの字形に並べられた座席に座る。談話スペースのような車内でコーヒーなどを手に約2時間、世間話に花を咲かせた。
 バスは毎月1回訪れ、高齢者6〜8人が参加する。車内はサロンのような構造で、カラオケ設備も備える。津波で全壊した自宅を修繕して暮らす佐藤いち子さん(93)は「近所の人と顔を合わせて話す場所は、ここしかない。一番の楽しみだ」と話す。
 お茶っこバスは、石巻を拠点に在宅被災者の支援活動を続ける一般社団法人「チーム王冠」が市のコミュニティー支援関連の委託事業として2012年度に始めた。事業は14年度で終了。16年度に復興庁の「心の復興」事業に採択され、活動を再開した。
 バスは名取市の中古車販売業者から借り、これまで石巻を中心に東松島市や女川町など宮城県沿岸部の80カ所以上で開催した。
 湊町2丁目は震災で約4メートルの津波に見舞われた。200世帯近かった町内会の会員は約50世帯に激減。地区一帯は、建物が流失したり撤去されたりして空き地が目立つ。町内会や老人クラブは休止状態で、地域の支え合いが機能しづらい状況となっている。
 各地の参加者からは「町内会が崩壊し、自宅に引きこもる人が増えた。少しでもつながりを取り戻したい」「仮設住宅には集会場があって催しも開かれているが、在宅被災者にはない。バスが来るのが楽しみ」などの声が寄せられている。
 在宅被災者向けに始まったお茶っこバスには最近、災害公営住宅の入居者も顔を出すようになった。被災者同士の付き合いが生まれ、交流が広がっている。
 チーム王冠の伊藤健哉代表理事は「災害公営住宅の中だけのコミュニティーづくりもうまくいっていない場合が多い」と指摘。「お茶っこバスは在宅被災者と災害公営住宅の住民が『近所付き合い』できる場所として、新たな役割が出てきている」と話した。


津波で半枯れの「神木」七ヶ浜町湊浜・薬師堂のカヤ守り継ぐ 樹勢回復工事へ住民準備
 東日本大震災の津波で被災し、半分ほどが枯れた七ケ浜町湊浜地区の「薬師堂のカヤ」を救おうと、住民が動きだした。樹齢700年以上と推定される地区のシンボルを次世代に引き継ぐため、来年秋の回復工事に向けて準備を進める。いずれ寄付などの協力を広く呼び掛ける考えだ。
 カヤは湊浜薬師堂のそばに立ち、高さ約25メートル、幹回り4.7メートル。平安時代の高僧、慈覚大師円仁(794〜864年)が手植えをしたとの言い伝えがあるが、幹回りから樹齢は700〜800年と推定される。近くに円仁が作ったとされる磨崖仏(非公開)もある。
 薬師堂の神木として昔から湊浜の人々に大切にされてきた。仙台港建設に伴い1974〜76年に住民が内陸側に集団移転した後も、周辺の草取りをするなど住民の心のよりどころになってきた。
 2011年の震災の津波で付近は約2メートル浸水した。カヤが立つ場所はやや高く幹は無事だったが、地中に根が広がる一帯が冠水。樹木の右半分が白く枯れた状態になった。
 震災から7年9カ月が過ぎて被災住民の生活再建が一段落したことから、町内会組織の湊浜区がカヤの復活を目指すことにした。樹木医で元県職員の沼倉啓喜さん(仙台市)に診断を依頼したところ、土壌改良や枯れ枝の剪定(せんてい)、周辺整備などで樹勢の回復が可能と分かった。
 23日に湊浜区の役員らが沼倉さんと現地を訪れ、カヤの状態を確認した。沼倉さんは「内陸側の半分は健全に伸びている。新たな根を出させ、日光を十分当てれば今後も生育は可能だ」と説明。「幹の太さ、樹齢、これほどのものはない。ぜひ残しておきたい」と強調する。
 施工費は210万円。町の補助と住民だけでの資金調達は厳しいが、工事に適した時季に入る来年秋の着工に向けて準備中だ。
 江口龍市区長は「地区を見守り続け、津波に耐えたカヤの木。私たちの代で枯らすわけにはいかない。子や孫の代に引き継ぎたい」と話す。


河北春秋
 第2次世界大戦中、日本の寺から鐘の音が消えた。資源不足に陥り、あらゆる金属が回収された。お国のため、鐘や仏像はたすきをかけられて出征。武器に姿を変えた。梵鐘(ぼんしょう)の9割が失われたという。欧州でも教会の鐘を材料に大砲が作られた▼鐘から武器を作るという流れを逆転させ、武器から鐘を作る美術家がいる。イラク出身のクルド人、ヒワ・Kさん。東日本大震災などの大惨事をテーマに、東京・森美術館で来月20日まで開催中の「カタストロフと美術のちから展」に『鐘』という作品を展示する▼材料はイラクで起きた戦争で使われた武器の残骸。多くは欧州から中東に輸出された。武器を溶かし、イタリアの工房で鐘を制作。表面に過激派組織「イスラム国」(IS)に破壊されたメソポタミア文明の装飾を施した。金色に輝く鐘は、戦争と平和、破壊と再生を繰り返してきたイラクの歴史そのものに見える▼きょうは大みそか。除夜の鐘が鳴り響く。「平和が達成される」との願いを込めて名付けられた平成時代が終わろうとしている。平和のありがたさをかみしめて聞く方もおられよう▼一方で、地震や豪雨で大切な人を失った方、いまだに先を見通せない東日本大震災の被災者が少なくない。そんな方々にも希望の鐘の音が届くといい。

冷え込む被災地経済/中小零細企業対策に総力を
 東日本大震災の被災地で、地域経済の冷え込みが顕著になってきた。復興需要が衰え、再起を図る中小零細企業が息切れするケースが目立つ。震災から間もなく8年。被災地経済は転換点にある。
 沿岸部の基幹産業である水産加工業には停滞感が広がる。石巻市では11月以降、2社が倒産した。いずれも被災した中小企業を支援するグループ化補助金で工場を再建し、販路喪失と需要低迷で事業継続を断念した。うち1社は創業100年の老舗で、売り上げは震災前の30分の1まで落ち込んでいた。
 帝国データバンク仙台支店がまとめた法的整理による東北の11月の企業倒産件数(負債額1000万円以上)は38件で、前年比81%増。今年の累計は同月で昨年分を上回った。夏に倒産が増えるなど不安定な現象が表れている。
 東京商工リサーチ東北支社によると、宮城県内の本年度上期の倒産件数は震災後最多となった。同支社は「復興需要が一巡し、事業構造を転換できず倒産するケースが徐々に増えている」と危惧する。
 グループ化補助金は震災後に創設され、岩手、宮城、福島の被災3県では約1万の企業に約4600億円が交付された。東北経済産業局が10月に発表した交付先アンケートによると、売り上げが「震災前の水準以上まで回復」と答えた企業は46%。水産・食品加工は3割にとどまった。
 震災で既存の顧客を失い、事業再開後は人手不足、原材料費の高騰という外的要因が追い打ちを掛ける。再スタートを切った事業者で経営が順調なのは、「一部」と言わざるを得ない。
 加えて、無利子貸し付けなど金融支援を受けた企業は今、借入金の据え置き期間が終わり返済が本格化している。倒産件数の増加と軌を一にしていることが、事態の深刻さをうかがわせる。
 企業倒産は震災後、小康状態が続いた。底支えをしたのは復興需要であり、補助金だった。国や自治体の復興計画の進捗率(しんちょくりつ)は100%に近づく。災害公営住宅、防災集団移転事業、防潮堤といった巨大な公共事業は出口が見えてきた。復興需要は既に終わったと見た方がいいだろう。
 国内景気は来年1月まで回復が続けば、戦後最長を更新する。一方で中国経済の後退や米中貿易摩擦など、国内経済を支えてきた外需は減速リスクが増している。景気後退の影響は弱者から及ぶのは世の常だ。
 沿岸部では、地域経済が震災前の水準に戻ったと悲観する声が聞かれる。現状を見ると、既存の支援制度は多様化、複雑化する課題に対応し切れていないのではないか。資金需要が増す時期である。被災地経済の担い手である中小零細企業を持続させるためにも、金融、政策双方で官民の総力を挙げた対応が求められている。


<福島第1原発>デブリ取り出しへ重要工程 19年の廃炉作業
 東京電力福島第1原発の廃炉作業は2019年、溶け落ちた核燃料(デブリ)の取り出しに向けた二つの重要な工程に進む。デブリの状態を確かめる接触調査と、少量のサンプルの回収だ。順調に実施できれば、21年中を目標とする本格的な取り出し開始が見えてくる。
 1〜3号機のデブリの実態は、ほとんど分かっていない。燃料のウランと被覆材のジルコニウムがどんな割合で溶け合っているか、原子炉の構造材の鉄やコンクリート、核分裂反応を抑えるために投入したホウ酸とどんな化学反応をしたかが不明のためだ。
 接触調査はデブリの状態確認の第一歩として、19年2月に2号機で実施する。18年1月の調査で原子炉格納容器底部にデブリとみられる小石状や粘土状の堆積物があることが分かっており、つり下げ式の装置を挿入し、先端に付いた2本の「指」でデブリを動かす。
■飛散防止策も
 原子力損害賠償・廃炉等支援機構の山名元(はじむ)理事長は「簡単には砕けないような極めて硬いデブリも、砂状に崩れてつかめないほどもろいデブリもあり得る。事故当時の酸素や水蒸気の量なども影響するため予想は難しく、接触調査で確かめるしかない」と解説する。
 硬いデブリはレーザーなどで削ることになり、削りかすの飛散を抑える手だてが求められる。もろいデブリを効率的に集めるには、吸引など最適な方法を考える必要がある。接触調査の結果が、本格的な取り出しの方向性を左右する。
 一方、サンプル回収は19年度上期に1号機、下期に2号機で行う。
■水中に堆積物
 1号機は17年3月の調査で格納容器内部の水中に堆積物が見つかっている。東電は用途に応じた6種類のボート型装置を使い、内部調査とサンプル回収に挑む。ただ装置が回収する堆積物の表層は、放射線量などから溶けた炉内構造物の割合が多いとみられる。
 燃料由来のウランやプルトニウムを多く含むデブリが回収できそうな「本命」は2号機。接触調査と同じルートから最長約22メートルまで伸びるアーム型の装置を入れる。前回調査の映像に燃料集合体のハンドルが映っており、近くには溶けた核燃料があると推測される。
 19年度に回収予定のサンプル量は数グラム以下で、茨城県の専門機関で組成や構造を分析する。より安全かつ効率的に取り出す方法や、取り出し後の保管設備の設計にも生かせるという。
 東電は「これまではデブリの映像を見るだけだったので、詳しい性質が分からなかった。接触調査とサンプル回収は、廃炉作業で難易度の高いデブリ取り出しを進めるための重要なステップだ」と強調する。


貝毒深刻、三陸ホタテ危機 水揚げ「史上最悪」の昨年比6割に
 三陸産の養殖ホタテガイが危機にひんしている。岩手、宮城両県の生産海域は今季、長期にわたって国の基準を超えるまひ性貝毒が検出され、水揚げ量は不漁だった昨年の6割に低迷する。両県は出荷基準の緩和で打開を目指すが、原因不明のへい死が拡大するなど事態の改善には至っていない。
 宮城県産ホタテを生産する唐桑半島東部から女川・牡鹿半島東部の7海域は、4月下旬から10月下旬までほぼ全域で出荷の自主規制が続いた。県漁協によると、今季の水揚げ量は2556トン(11月末時点)。「史上最悪」と言われた昨季の6割程度となる見通しだ。
 岩手県は12海域のうち南部の最大7海域で出荷が自主規制された。このうち釜石湾海域(釜石市)では3月6日から解除されていない。県内の水揚げ量は前年同期比59%の999トン(11月末時点)にとどまる。
 昨年から深刻化している貝のへい死も追い打ちを掛けた。石巻市雄勝町でホタテ養殖を営む男性(69)は「解除を待つ間にどんどん貝が落下してしまった」と嘆く。来季に向け、11月上旬から12月中旬まで半成貝の耳つり作業をしたが、リスク回避のため例年より量を減らしたという。
 宮城県漁協と岩手県漁連は6〜7月、出荷規制基準の緩和を実施。一定の条件の下、貝毒が不検出だった貝柱について各県が認定した工場での加工、出荷を認めた。宮城の場合、4〜9月の水揚げ量約2100トンの大半が基準緩和後の出荷とみられる。
 貝毒の影響は水産加工業界にも及ぶ。貝柱の加工を担う宮城県内の認定工場は22カ所。基準緩和後、各社が一斉に出荷を始めた影響で価格が下落し、多くの加工業者が苦境を強いられた。ヤマナカ(石巻市)の高田慎司代表は「ホヤや輸出用カキの出荷時季と重なり、多忙を極めた」と振り返る。
 ホタテはここ数年、不漁に見舞われ「市場の常識が変わった」(高田代表)と言われる。貝毒が市場をさらに不安定にさせた。
 同社は今年、衛生管理の国際認証「HACCP(ハサップ)」を活かし、県産ホタテを米国や台湾に初めて輸出。海外販路の開拓を進める。高田代表は「貝毒の影響を含め、来季以降が気掛かりだ。他産地の動きを見ながら(戦略を)考えなければ」と話す。
 貝毒は、春から夏に増える有毒なプランクトンが二枚貝の体内に蓄積されて発生する。今季は有毒プランクトンが沖合から大量に流入した可能性が指摘されるが、原因は不明。


国会のこの1年 首相の下請けが強まった
 「国民の負託に十分に応える立法・行政監視活動を行ってきたか」−−。大島理森衆院議長が、こんな異例の談話を発表したのは通常国会終了後の今年7月末だった。
 森友学園問題で財務省が手を染めた決裁文書改ざんなどに対し、三権の長の一人が「民主主義の根幹を揺るがす問題」と言い切って政府に猛省を促す一方、それに国会がきちんと対応できなかった危機感を与野党議員に問いかけたものだった。
 だが談話が、その後生かされなかったのは、先の臨時国会で安倍晋三首相ら政府と与党の自民、公明が短い審議時間で強引に成立させた改正入管法を見れば明らかだ。
 結局、国会の空洞化が一段と進んだ1年だったと言うほかない。
内閣がいびつに突出
 森友学園問題が発覚したのは昨年2月。そして安倍首相や妻昭恵氏らの名が記された部分の削除等々、財務省が文書改ざんを認めたのは今年3月だった。この間、国会は偽りの文書を基に質疑が続き、昨秋の衆院選も行われたということだ。
 その後、財務省は改ざんに関する調査報告をまとめ、国会でも野党の追及が続いたものの、肝心の「なぜ値引きされたか」「なぜ改ざんしたか」の疑念は今も解明されない。
 麻生太郎財務相は国会と国民を欺いた改ざんの責任を取ることなく続投し、首相も「自分も妻も無関係」と言い続けるだけで説得力のある説明はない。憲法が記す衆参両院の国政調査権が、いかに弱いものかを知らしめてしまったと言ってもいい。
 国会を「国権の最高機関」と明記している憲法に貫かれているのは、立法、行政、司法が相互に抑制し合い、バランスを保つことで権力の乱用を防ぎ、国民の権利と自由を保障する三権分立の秩序と原則だ。
 ところが安倍首相の「1強体制」が続く中、内閣の力がいびつな形で突出し、国会はもはや内閣の下請け機関に成り下がっている。
 言うまでもなく、国会を軽視する安倍首相の責任が一番重い。だが議院内閣制の下、与党は内閣を支えると同時に、その内閣を厳しく監視・チェックするのも責務のはずだ。国民の代表という誇りを自民党議員は捨ててしまったのだろうか。
 9月の自民党総裁選で安倍首相は3選され、既に第2次安倍政権は7年目に入った。総裁選の党員票では石破茂氏が予想を上回る約45%を獲得し、地方の根強い不満を示した。にもかかわらず首相が批判を誠実に受け止める様子はなく、首相に物言わぬ自民党の空気も変わらない。
 自民党は国会で質問時間の配分を増やすよう要求しながら、外国人労働者受け入れを拡大する改正入管法の審議では会期中の成立を急ぎ、参院での与党の質問時間を一部放棄した。まるでつじつまが合わない。
「予備的調査」の活用を
 状況を変える方策はある。例えば1997年の衆院規則改正で設けた「予備的調査」の活用だ。40人以上の議員が要請すれば、府省に対して資料提出などの協力要求ができる。与党が同意しないと国政調査権に基づく証人喚問が実現しない現状を見れば野党にとっては有効な手段だ。
 最近用いられなくなったのは、拘束力に乏しく「刑事訴追を受けている事件」は見合わせる制限もあるからだという。今年3月の森友問題に関する佐川宣寿・元財務省理財局長の証人喚問でも突き当たった壁だ。
 しかし国会と司法の役割は違う。それを考えれば予備的調査は、規則を変更してでも、もっと柔軟に活用すべきではないか。調査を単なるパフォーマンスに終わらせないためにも、調査後は報告書を与野党でまとめて公表する作業も欠かせない。
 国会の議論を活性化させるためには、かつて小泉純一郎政権で検討された与党による事前審査の廃止も真剣に考える時だ。
 政府提出法案を事前に政府と与党が調整し、国会に出てきた時には修正することなく成立する。事前審査が、国会を単なる採決機関にしてしまう元凶と指摘されて久しい。
 非公開の調整より国会の場で政府をただした方が国民にも分かりやすい。自民党が国会での質問時間を増やしたいというのなら、なおさら事前審査はやめるべきではないか。
 自民党の小泉進次郎氏は財務省の文書改ざんを「平成の政治史に残る大きな事件」と語った。国会のふがいない対応も含め大事件と言うべきである。来春、平成が幕を下ろす前に各党で国会改革を実現させたい。


国政この1年 安倍1強のおごり顕著
 これまでにも増して、数が物を言う「安倍1強政治」が際立った1年だった。安倍晋三首相は「丁寧に説明を尽くす」と真摯(しんし)な対応を約束したが、強硬姿勢が目立ったのが実態だ。
 象徴的なのは、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設問題だ。移設反対を訴えた前知事・故翁長(おなが)雄志氏の遺志を継ぐ玉城デニー氏が、9月の知事選で与党の推す候補を大差で破った。政策転換を求めたのは当然だ。だが政府は意に介さず、中断していた工事を再開させ、選挙から2カ月半後の12月中旬には辺野古沿岸部への土砂投入に踏み切り、埋め立てを本格化させた。
 来年春の統一選、夏の参院選を前に移設の既成事実化を急ぎ、選挙への影響を軽減する狙いだろう。最も重視しなければならない民意をないがしろにする姿勢は到底理解を得られない。県は2月に県民投票を行うほか、埋め立てに使う土砂採取の規制強化などで対抗する構えだ。国が上から押しつけるやり方を続ければ、沖縄県民との対立が一層深まる。政府はいったん足を止め、軌道修正すべきだ。
 国会では1強ゆえのおごりが顕著に表れた。改正入管難民法を巡る審議はあまりにもおざなりだった。新たな在留資格を設け、幅広い業種で外国人を受け入れるという従来政策からの大転換にもかかわらず、制度設計は生煮え。議論する環境が整っていない段階で成立を急ぎ、採決を強行した。
 審議の過程で、外国人技能実習生の失踪が相次いでいる実態が浮き彫りになった。労働環境などをよく調べ、何が問題だったのか、受け入れ拡大には何が必要なのかを、時間をかけて検証すべきだった。人手不足に悩む経済界からの要請があったとはいえ、拙速審議の批判は免れない。
 働き方改革法案も同様だ。高収入の一部専門職を労働時間規制の対象から外す高度プロフェッショナル制度は過労死につながると批判を浴びたが、押し切った。カジノ解禁を含む統合型リゾート施設(IR)整備法案も、ギャンブル依存症対策への懸念や地域経済効果への疑問が解消されないままだった。
 安倍政権は衆参とも過半数を占める。安定した数があるからこそ野党の指摘をしっかり受け止め、修正すべき点は修正し、より適切な法案に仕上げなければならない。
 森友学園や加計(かけ)学園の問題も未解決だ。森友問題では財務省の決裁文書改ざんが明らかになり職員の処分が行われたが、森友側への国有地売却でなぜ大幅値引きが行われたのかは不明のまま。加計学園についても、首相の長年の友人である理事長が優遇されたとの疑念は払拭(ふっしょく)されていない。
 二つの問題は安倍政権に対する信頼を著しく低下させた。うやむやにしたままでは信頼は回復しない。


年の終わりに考える じわじわじわじわ
 「今年の漢字」は「災」でした。自然災害に、トランプ台風まで含めれば、世界も納得の一字かも。でも、ここでは「漸」を挙げてみたいのです。
 クリスマスまで一週間、ジングルベルに街が浮足立ったころでした。新たな防衛力整備の指針、いわゆる「防衛大綱」が閣議決定されたのは。いろいろ重いニュースも多かった一年も最終盤になって、またまた嘆息を禁じ得なかったのは、その中身です。
 ヘリ搭載型護衛艦の事実上の空母化、敵基地攻撃能力とみなされかねない長距離巡航ミサイルの配備などが盛り込まれました。改修した護衛艦には最新鋭ステルス機の搭載が想定されています。
◆戦争に近づく
 政府は、艦船には「戦闘機は常時搭載しない」から空母ではないといい、長距離巡航ミサイルもあくまで防衛のためだといいます。しかし、いずれも使い方によっては簡単に「攻撃型」に転じ得る。長く守ってきたわが国の原則、「専守防衛」が骨抜きにされていく印象が否めません。
 安倍政権は「専守防衛は逸脱しない。心配ない」と言いつつ、この国をまた少し、じわっと戦争に近づけたのではないか、と感じました。そして、思い起こせば、第二次安倍政権になってから、この「じわっ」が続いています。
 きなくさい情報が隠されてしまう面がある特定秘密保護法で、じわっ。過去の政権が「保持しているが行使できない」としてきた「集団的自衛権」を、閣議決定で「行使容認」し、じわっ。同盟国の戦争に加われるようにした安保関連法で、じわっ。反戦運動など市民の自由な行動を縛りかねない「共謀罪」法で、じわっ。そして、空母化や長距離巡航ミサイルで、また…。
 そのつど、「平和主義は堅持する。心配ない」と政権は言いながら、その実、原則を次々に変質させ、日本はじわじわじわじわと戦争へ近づいている−。そんな気がしてなりません。だから、「漸」の字が思い浮かんだのです。
 安倍晋三首相が念願とする九条に自衛隊を明記する改憲は、そのとりあえずの仕上げでしょうか。
 もし、政権が「平和主義も専守防衛の看板も下ろし、憲法九条を変え、戦争用の法整備もし、敵基地攻撃可能な軍備を強化して、いつでも戦争をできる国にします」と言ったら、どうでしょう。個々のことは「政権が『心配ない』と言うのだから」と許容した人も、考えを変えるかもしれません。
 いっぺんに大胆にことを進めるのではなく、漸進。まるで、歩哨の目を恐れる兵士の匍匐(ほふく)前進みたいに、じわじわ少しずつ…。
◆温暖化も人口減も
 この「じわじわ」というのは、本当に曲者(くせもの)です。
 話が桂馬筋に進むようですが、例えば地球温暖化。今月、温暖化防止の国際ルール・パリ協定の締約国会議で協定実施の指針が決まりましたが、世界が一枚岩で切迫感をもってこの問題に取り組む体制になったとは、言い難い。
 もし、いっぺんに五度も十度も平均気温が上がれば、さすがに「温暖化はでっち上げ」などという妄言も消えうせましょう。しかし、温暖化もじわじわ少しずつ進む。無論、まだそれで助かっているわけですが、ゆえに、真の脅威と実感しにくい面があるのは確かでしょう。
 わが国の人口減にも同じことが言える気がします。今から五十年足らず後、二〇六五年には現在より四千万人も減って八千万人台になると、ほかならぬ国が推計しているのに、まだ、政治は成長主義一辺倒。成長の限界の先、今より小ぶりな国として、それでも堂々、豊かに生き抜いていける道を模索する気概をほとんど感じません。人口も漸減、一挙にではなく、じわじわ少しずつ減っていくからでしょう。
 そういえば、私たちには、最悪のことはわが身には起こらないと考え、好ましくない兆候を過小評価する心の傾き、いわゆる「正常性バイアス」があるそうです。また、問題の当事者が多いほど、自分でなくても誰かがやるだろうと高をくくって行動しない、いわゆる「傍観者効果」も働くと、心理学は言います。
 どちらも「じわじわ」の眩惑(げんわく)力を助長しかねず、心しておきたいところです。
◆ゆで上げられないよう
 よく言われるたとえで恐縮ですが、カエルの話を思い出します。
 熱い湯にカエルを入れたら、すぐに飛び出すが、水に入れてじわじわ温度を上げていくと、そのままゆで上がってしまう−。
 来る年には、うれしい出来事も多く待っておりましょう。ただ、よくない方にじわじわ進むこともあるはず。“温度変化”に敏感でいたいものです。


[2018墓碑銘]戦後体験の意味を問う
 戦後沖縄のさまざまな苦難に向き合い、それぞれの場で大きな仕事を成し遂げた先輩たちが、この1年の間に幾人も、あの世に旅立った。
 上原当美子さん(享年90、以下敬称略)は、沖縄師範学校女子部の3年生だった17歳の時、ひめゆり学徒隊の一員として戦場に動員された。
 真っ暗な壕の中での、傷病兵の看護。患部はうじがわき、臭気が鼻をつく。負傷兵のうめき声は昼夜たえることがなかった。
 1945年6月17日、伊原の第一外科壕で至近弾がさく裂し、目の前で多くの学友を失った。戦後、ひめゆり平和祈念資料館の設立に関わり、語り部として活動した。
 大宜味村喜如嘉で生まれた福地曠昭(87)は、国民学校高等科卒業の年に沖縄戦に巻き込まれた。
 「3カ月の間、山奥に閉じ込められた。雨期のためか、ノミとシラミが異常発生していた」
 福地の戦後体験は波瀾(はらん)万丈である。本土渡航のためのパスポート交付を拒否され、CIC(米軍防諜(ぼうちょう)部隊)による不当な尋問を受けた。右翼活動家に襲撃され、太ももに重傷を負ったこともある。
 福地は祖国復帰協議会、沖縄人権協会、革新共闘会議など、さまざまな団体の要職につき大衆運動をけん引、10年続いた復帰前後の革新県政を支えた。
 釣りと酒が好きで、酔うと決まって沖縄の歌が飛び出した。庶民性と飾らない人柄は保守革新を超えて多くの人びとから愛された。生涯の著書は40冊を超える。
    ■    ■
 沖縄大学元学長の新崎盛暉(82)は、沖縄出身の両親のもと、東京で生まれた。
 対日講和条約が発効した52年4月28日、通っていた都立小山台高校の校長が全校の生徒教職員を集め、「今日、めでたく日本は独立しました。万歳を三唱しましょう」と呼び掛けた。
 新崎のこの時の「衝撃」は、後々までついて回り、晩年の「日本にとって沖縄とは何か」(岩波新書)という根源的な問いに行き着く。新崎はこの中で「構造的沖縄差別」という言葉を「対米従属的日米関係の矛盾を沖縄にしわ寄せすることによって、日米関係(日米同盟)を安定させる仕組み」と定義づけている。
 研究家でありながら、同時に市民運動に「伴走」し続けた生涯だった。
 知事の翁長雄志(67)は、膵臓(すいぞう)がんと闘いながら最後まで新基地建設反対の姿勢を貫き、8月8日、息絶えた。
    ■    ■
 壮絶な最期だった。
 2016年に刊行した「闘う民意」(角川書店)の中で翁長は、沖縄だけで日米両政府の強大な権力に立ち向かうことはできないとしつつ、こう指摘している。
 「勝てそうにないからといって、相手の理不尽な要求に膝を屈し、そのまま受け入れるのでしょうか」「これは人間の誇りと尊厳を賭けた闘いでもあるのです」
 翁長の魂の叫びが各国の言語に翻訳され、世界の人びとに読み継がれ、辺野古問題を巡る沖縄の現実が広く共有されることを期待したい。


混沌の時代 失った「背骨」取り戻そう
 昭和の時代、とりわけ戦後の約44年間は、日本社会の「背骨」がしっかりと形成されていった時代でした。
 戦後復興に始まり、高度経済成長が進んだ。それに伴い、政・官・財が一体となった日本独自の「戦後システム」が生まれた。
 平成はどうでしょう。
 バブル経済に浮かれていた序盤に、不意打ちのように「戦後最悪の不況」に突き落とされ、長引く国民生活の苦境は「失われた20年」と呼ばれました。
 実力以上に膨れ上がった経済の破綻は、日本人に価値観の修正さえ迫ったと言えるでしょう。さまざまな仕組みは、実態と齟齬(そご)をきたす制度疲労に見舞われました。
 社会は背骨を失い、混沌(こんとん)の迷路に入ってしまいました。
▼ゴーン事件が映す日本
 そのことを象徴する出来事の最たるものが、日産自動車会長だったカルロス・ゴーン容疑者が東京地検特捜部に逮捕された事件でしょう。日産自動車九州(福岡県苅田町)にも衝撃が走りました。
 自動車業界で世界トップクラスに成長していた日産は平成10年代に入った1990年代末、あっという間に経営危機に陥りました。
 当時、いわゆる「護送船団方式」で守られた山一証券など金融機関が続々と破綻し、失業率は戦後最悪を更新しました。日産は「成長神話」に基づく経営の判断ミスなどが続いたと指摘されます。
 仏ルノー社と提携した日産は、ゴーン容疑者の豪腕で経営がV字回復した後、両社の主導権争いが徐々に表面化しました。背景には、年功序列など日本型経営がことごとく否定されたことへの日産の巻き返しがあるとされます。
 事件では、もう一つ特筆すべきことがありました。日本で導入されたばかりの「司法取引」に基づく捜査です。他人の犯罪を明らかにする見返りに自らの刑の減軽を図る欧米に多い制度です。密告とも言える手法が日本人に違和感なく受け入れられるか、どうか。
 事件とは別に昨年来、ものづくりの誇りを忘れたかのように、製品の品質に関連する不正が大手製造業で相次いで発覚しました。新興国の台頭などへの焦りも要因でしょう。日本はいや応なく変化への対応を迫られています。
▼外国人迎える覚悟こそ
 さらに、少子高齢化の波が目に見える形で押し寄せました。経済の担い手が不足し、高齢層を支えきれなくなることを意味します。社会の構造が変わる事態です。
 今秋の臨時国会で、外国人労働者の受け入れを拡大する法改正が、拙速ながら成立しました。「移民」が支える国家はつくらない−そんな政府の基本姿勢を揺るがす時代に入ったのです。
 平成元(1989)年の入管難民法改正以降、日本で暮らす外国人は年々増え、263万人余に上ります。コンビニや工場などで働く風景は日常になりました。
 外国人労働者の実態に迫る本紙キャンペーン「新 移民時代」が始まったのは一昨年12月でした。
 きっかけは、福岡市にネパール人の若者が身を寄せて暮らす「国際通り」という一角がある、と記者が耳にしたことです。
 取材班によれば、遠くない将来、外国人を受け入れるかどうかでなく、日本に来てくれるかどうかが焦点になる、と言います。
 発展途上国の若者は先進国を目指し、世界各地で人材争奪戦が過熱しています。国際競争はものづくりの技術だけではないのです。
 彼らを「使い捨て」の労働力などと見るのは、不遜極まりない考えです。愛する家族がいて、生活をかけて働く生身の人間です。一緒に生きる覚悟がなければ日本は立ちゆかなくなるのです。
▼災害の活性期の教訓を
 自然災害の活性期と重なったとされる平成の顔も、改めて心に刻む必要があります。
 天皇陛下は今月、85歳の誕生日に際した記者会見で、この1年について「例年にも増して多かった災害のことは忘れられません」と述べられました。
 即位後初めて訪問された被災地は、長崎県の雲仙・普賢岳の噴火災害現場でした。その後も九州は地震、豪雨など数々の災害を経験しました。
 その中で、多くの市民が自発的に復旧・復興を支える動きが定着したのも平成の特徴です。大変革の時代に立ち向かう日本社会の「背骨」を取り戻すヒントの一つとしながら、教訓を来年以降に伝えていかなければなりません。


混迷の30年  多くの課題積み残したまま
 2018年が暮れる。そして平成時代が終わろうとしている。
 恒例の今年の漢字は「災」だったが、平成の30年間を漢字1文字で表すとしても、やはり「災」になるのではないか。
 阪神・淡路大震災や東日本大震災をはじめ、大きな災害が相次いだ。豪雨や台風、猛暑にも見舞われた今年は象徴的な1年だった。
 巨大地震の多発は私たちの社会観、人生観も変えたのではないか。「安心・安全」が叫ばれ、行政の予算は防災が最優先になった。ボランティアや助け合いの精神が広がったことも見逃せない。
 「災害に強く」道半ば
 だが、日本が災害に強くなったかと問われると心もとない。大阪の地震ではブロック塀の痛ましい事故が起き、身近に危険が残っていることを浮き彫りにした。
 平成最悪の犠牲者を出した西日本豪雨では、住民への避難情報の伝達が課題となり、地域に防災対策が十分浸透しているのかが改めて問われた。
 東京電力福島第1原発事故は発生から7年を経過したが、収束していない。帰還困難区域では避難指示が続いている。
 異常気象が予期せぬ災害を引き起こしている。パリ協定の共通ルールが決まり、温室効果ガス排出削減の取り組み強化が求められる。南海トラフ地震への備えも必要だ。多くの課題が新しい時代に持ち越される。
 「災」は「人災」でもある。
 平成の国内政治は「政治改革」のかけ声ととともに幕を開けた。それが選挙制度改革につながり、緊張感のある二大政党制を目指して小選挙区制が導入された。
 政権交代は何度かあったが、30年たって「政治が良くなった」と実感する有権者は果たしてどれくらいいるだろう。
 今年は安倍晋三自民党総裁が3選を果たした。通算の首相在任期間は歴代最長をうかがう。支持率は安定しているが「ほかに適当な人がいない」という消極的な理由が最多となっている。
 安倍氏は10月の臨時国会の所信表明で「長さゆえの慢心はないか。国民の懸念にもしっかりと向き合う」と述べた。
 だが働き方改革関連法や改正入管難民法など、十分な議論のないまま重要な法律が成立した。昨年から持ち越した森友・加計問題はうやむやになっている。
 公文書の改ざんなど民主国家ではあり得ないような問題も相次いだ。モラルの危機が社会にどんな悪影響を及ぼしているか心配だ。
 今日の政治状況をもたらした元凶に、選挙制度改革の「失敗」を挙げる声は多い。改革の原点を見つめ直すべきではないか。
 見えてこない将来図
 12年12月から続く景気拡大期間は、戦後最長も射程圏内に入る。だが賃上げは進まず、高度成長期のように多くの人が好況を実感することはなくなった。
 少子高齢化が進み、とりわけ地方の衰退は深刻だ。それなのに、描かれるべき日本の将来図がなかなか見えてこない。
 一方で世界は大きく変わった。
 よく言われるが、平成の始まりと冷戦時代の終焉(しゅうえん)がほぼ重なったのは不思議な歴史のあやを感じる。ベルリンの壁崩壊の映像に新時代への期待が膨らんだ。
 だが30年後の国際社会は予想もしない混迷の中にある。グローバル経済とインターネットに覆い尽くされ、格差と分断が広がり、その「反動」ともいえる大衆迎合主義(ポピュリズム)やナショナリズムが噴出した。
 特に今年は、米国と中国の覇権争いがいよいよ本格化した1年だった。トランプ米大統領の自国第一主義にほんろうされ、従来の多国間枠組みの多くは機能不全に陥っている。
 欧州連合(EU)をリードしたドイツのメルケル首相は退陣の見通しだ。フランスはデモに揺れ、英国のEU離脱は混乱を極める。うまくいっている国は一つもないとの印象だ。
 世界から注目集まる
 そんな中で日本の存在感はあまりにも小さかった。
 来年は20カ国・地域(G20)首脳会合が大阪で開かれる。初の議長国を務める日本に世界の注目が集まることになる。さらに20年に東京五輪・パラリンピック、25年に大阪万博が控える。
 平成時代を通して五輪での日本選手の活躍や、ノーベル賞の受賞が相次ぐなど明るい話もたくさんあったことを思い起こす。
 今年のノーベル医学生理学賞を受賞した本庶佑(ほんじょたすく)さんは、基礎研究の大切さを訴えた。次代につなげなくてはならない。
 気になるのは五輪や万博の開催を冷静に受け止める人が結構いることだ。そこに日本社会の成熟をみることはできないだろうか。
 今年はセクハラやパワハラが問題視されるニュースが多かった。性的少数者への理解も急速に進んでいるように見える。
 多様な個の尊重こそが社会を切り開く力になる―混迷の30年から次の一歩を踏み出すために、そのことを胸に刻みたい。


2018年回顧 諦め狙う国には屈しない
 沖縄は今年も激動の1年となった。
 一番の衝撃は翁長雄志知事の急逝だった。米軍普天間飛行場の移設に伴う辺野古新基地問題で、政府と真っ向から対峙(たいじ)し、県民世論を背景に建設反対を訴えてきた。信念の政治家を失い、県民の悲しみと喪失感は大きかった。
 翁長県政の3年8カ月間は、埋め立て承認の取り消しや政府との訴訟など、ウチナーンチュの誇りと尊厳を取り戻す闘いだった。国策で分断されず、沖縄が一つになることを訴えた翁長氏の言葉は重い。
 2カ月早まった知事選では、翁長氏の後継・玉城デニー氏が当選した。県民は過去最多得票の39万票余で再び新基地ノーの知事を選んだ。しかし、安倍政権は明確な民意を無視して、沖縄を抑えつけようと力ずくで襲いかかってきた。
 翁長知事の遺言となった埋め立て承認撤回に対して、国は私人になりすまし、市民救済のための行政不服審査制度を使って工事を再開した。さらに県に届け出た港とは違う民間桟橋から土砂を搬出するなど、法令を恣意(しい)的に解釈し、あくどい手法を重ねている。
 今月14日には、ついに辺野古への土砂投入を強行した。岩屋毅防衛相は辺野古移設は「国民のため」と明言した。沖縄を捨て石にして、国策の犠牲に追い込んだ沖縄戦を想起させる思考は許せない。
 土砂投入は既成事実を積み重ね、県民の諦めを狙うものだ。だが、投入区域の面積は全体の4%でしかない。大浦湾側の軟弱地盤は大規模な地盤改良と設計変更が必要で、新基地の完成は見通せない。
後戻りできない次元ではない。
 国の横暴にあらがう市民の動きも特筆される。9万筆以上の直接請求を受けた県民投票が来年2月24日に実施される。6市の参加が未定だが、自治体が投票する権利を奪うことはあってはならない。
 埋め立て中止を求める米ホワイトハウスへの請願署名の動きも急速に広がり、30日現在で17万筆を超えた。国際世論の後押しにも期待したい。
 基地重圧の一方で、社会現象となったのが県出身歌手・安室奈美恵さんの引退だ。9月の最終ライブには県内外から多くのファンが訪れ、経済効果をもたらした。
 歌手としての功績にとどまらず、自立した女性の生き方も多くの共感を呼んだ。「平成の歌姫」の存在は県民に自信と勇気を与えた。
 明るいニュースでは、プロ野球の山川穂高、多和田真三郎両選手の活躍、FC琉球のJ2昇格が来季に期待を抱かせる。宮古島のパーントゥのユネスコ無形文化遺産登録は地域に活力を生みだしそうだ。
 経済では、観光産業を筆頭に好調さが続いている。基地に依存しない沖縄の潜在力、可能性が広がっている。
 来年は国策に振り回されず、自力で沖縄の活路を見いだしていきたい。政府の強権が強まっても、諦めることなく道を切り開いていこう。


西日本豪雨の年に 「災」の時代を生き抜く力 今こそ
 今年の漢字「災」に象徴されるように、自然が牙をむいた試練の1年だった。
 平成最悪の水害となった西日本豪雨をはじめとして、大阪や北海道での地震、過去最多の猛烈な台風、災害級の猛暑…。相次ぐ「想定外」の事態に、各地が揺れた。
 世界に目を転じても、強大な熱帯低気圧や異常熱波、大洪水などが多数発生、至る所で甚大な被害をもたらした。今年1〜10月の世界平均気温は1850〜1900年の平均より約1度上昇し、過去4番目の高さ。地球温暖化の影響が、異常気象や自然の猛威という形となって示され始めた。その深刻な現実をまざまざと見せつけられた年だった。
 振り返れば、近年ゲリラ豪雨は常態化し、今年だけが特別なわけではないと気付く。災害はもはや起きて当然。「想定外」ではないと、根本から認識を改めるべき時機が来ている。命を守るために何をすべきか、重い課題に誰もが正面から向き合わなければ、安心は得られない。
 西日本豪雨から来月6日で半年がくる。200人を超える犠牲者を出し、住民の暮らしや農地に深い傷痕を残した。復興はまだ道半ばだ。
 混乱や被害を大きくした原因の一つに、水害への油断があったことは間違いない。ダムの運用の危うさも突きつけられた。被害を最小限にとどめる治水対策やダムの運用見直しはもちろん、最悪時を想定し「逃がす」「逃げる」ための実効性ある仕組みづくりを急がなければならない。
 自治体と関係機関の間、また住民への迅速で分かりやすい情報伝達は大前提となる。住民同士で避難呼び掛けや弱者支援の役割をあらかじめ決めていた集落が命を救った事実にも、学ぶ点は多い。県は市町や住民らへのアンケートを基に当時の検証を進めているが、最も肝心なことは、課題解決への具体策を練り、官民の連携を強化して実際に取り組みを始動させることだろう。リーダーシップと粘り強い調整力を求めたい。
 地域に寄り添う息の長い支援のためにも、行政や関係機関が住民の声に耳を傾け、より良い方策を共に探るネットワークは欠かせない。ボランティアらから、じかに接する中で感じた課題や解決のアイデアをすくい上げることも、次への一歩につながる。住民一人一人が防災や復興の担い手として参加し、役割を認められることは、地域の基盤を固める。明日起きてもおかしくない南海トラフ巨大地震への対応力も高めるに違いない。
 平成の30年は阪神大震災に東日本大震災、熊本地震と、まさに災害の時代だった。いくら科学が進歩しても命を守る特効薬がない限り、厳しい現実から謙虚に学び、一つ一つ着実に対策を積み重ねるほかない。試練の年を、改めて「災」の時代を生き抜くためのスタートラインにしなければならない。


[2018年回顧] 災害に震えた日本列島
 今年は、2019(平成31)年4月30日の天皇陛下の退位と5月1日の新天皇即位、元号改定を前に、「平成」という時代を振り返る節目となった。
 平成の30年で際立ったのは、1995(平成7)年の阪神大震災や、2011(同23)年の東日本大震災という未曽有の大震災に見舞われたことだ。
 「今年の漢字」に「災」が決まったように、18年も西日本豪雨や北海道地震など災害が頻発した。日本列島が震えた1年として記憶されるに違いない。
 「災害列島」に生きる国民一人一人がいつ試練に直面するか分からない。備えを怠らず、互いに助け合う心構えが求められる。
 政治不信が増幅した年でもあった。森友、加計学園問題は尾を引き、政権不祥事が続出した。
 重要法案や外交問題の建設的な議論が少なかったのは、数の力で押し通す安倍政権の責任が大きいと言わざるを得ない。
 明治維新150年の区切りに、先人の歩みに思いをはせ、行く末を占う年でもあった。
 国際社会は、「米国第一」を掲げるトランプ米政権の迷走で混迷の度を深めている。特筆すべきは史上初の米朝首脳会談が開かれたことだろう。
 朝鮮戦争後、敵対関係にあった両国が朝鮮半島の非核化に向けて歩み寄れるのか。東アジアの平和と安定を左右するだけに、交渉の行方から目が離せない。
■説明を尽くさぬ政府
 「あらゆる人にチャンスあふれる日本を与野党の枠を超えて作ろう」。安倍晋三首相は1月の施政方針演説で、国づくりへ超党派の協力を呼び掛けた。
 だが、国会は安倍政権と野党が激しく対立する舞台となり、歩み寄りはみられなかった。
 3月、森友学園への国有地売却に絡む財務省の決裁文書改ざんが表面化。統括していた佐川宣寿前国税庁長官の証人喚問が衆参両院で行われたが、証言を拒否されて疑惑解明には至らなかった。
 文書の書き換えに悩んだ近畿財務局職員が自殺するという取り返しの付かない悲劇も起きた。
 首相の友人が理事長で「特別扱い」が取り沙汰された加計学園の獣医学部新設問題も、真相究明には程遠い。
 自衛隊の日報隠蔽(いんぺい)や前財務次官のセクハラ問題も発覚した。
 説明を尽くさない政府側の姿勢と、野党側の追及不発が相まって、「言論の府」の在り方が問われた。各種世論調査から国民が納得していないことは明らかだ。
 官邸主導の「安倍1強」をチェックする国会の行政監視強化が急務である。
 安倍首相は憲法改正に前のめりな姿勢を示す。しかし、世論の多くは改憲を政策の優先課題に選んでおらず、機が熟しているとは言えまい。与野党の熟議が必要な重要テーマだけに、慎重な対応を求めたい。
 政府は、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設先である名護市辺野古沿岸部への土砂投入に踏み切り、移設問題は重大な局面を迎えた。
 移設に反対する多くの民意を背景に、沖縄県は話し合いでの決着を求めている。「沖縄の方々の気持ちに寄り添う」と繰り返し述べてきた安倍首相の言葉とは裏腹の強硬姿勢に、県民の反発は強まるばかりだ。
 沖縄に過重な基地負担を強いてきた、日本の安全保障政策の在り方が厳しく問われている。
■暮らし破壊する災害
 住民の生活を根こそぎ破壊する災害の怖さを思い知らされた。
 7月、西日本を襲った豪雨被害では大雨特別警報が近畿から九州まで広範囲に出され、広島や岡山、愛媛などに甚大な被害をもたらした。死者は鹿児島も含めて15府県200人以上に上った。
 台風の襲来も相次いだ。近畿地方を縦断した21号による高潮で関西空港は滑走路が水没して閉鎖に追い込まれ、旅客と物流に多大の打撃を与えた。
 9月には北海道で初めてとなる最大震度7の地震が発生。道内各地で土砂崩れや家屋倒壊などの被害が出た。全ての火力発電が停止し、95年の阪神大震災時を上回る道内の約295万戸全部が停電するブラックアウトも起きた。
 災害に際し、被害をいかに少なくし、命をどう守るか。
 鹿児島では桜島、霧島連山の新燃岳と硫黄山、屋久島・口永良部島などの火山活動が収まる気配はない。硫黄山の噴火は250年ぶり。噴火の影響で伊佐市と湧水町は2割の水田で稲作を中止した。
 明治維新から150年。NHK大河ドラマ「西郷どん」の放映が追い風となり、県内は観光ブームに沸いた。
 東京五輪・パラリンピックが開かれる2020年は、鹿児島国体もある。観光ブームを一過性に終わらせない工夫が欠かせない。
 日本は少子高齢化による人口減少が進む。今後、労働力の中核となる生産年齢人口はますます減っていく。このため、与党は来年4月からの外国人の就労拡大に向け入管難民法改正を強行した。
 「生煮え」との批判が強い法だけに将来に禍根を残すことがないよう、外国人との共生に向けた丁寧な議論や施策が求められる。


「共生」の行方 社会の在り方が問われた
 先日訪ねると、葉ボタンの鉢植えが玄関前に並び、一足早く正月らしい雰囲気だった。倉敷市真備町地区にある障害者の就労支援施設「まびの道」である。葉ボタンは管理を請け負っている病院などの花壇に植えたり、農協を通じて出荷したりする。
 7月の西日本豪雨では、この施設も浸水したが、1カ月足らずで再開にこぎ着けた。利用する障害者から望む声が多く上がったからだ。農作業や清掃作業などをしている23人は多くがこの地区に暮らし、仮設住宅から通っている人もいる。
 施設は働くための場だけではないと、酒賀(さが)範子所長は言う。「生活のパターンを整えたり、仲間と交流したり。仕事を通して得るものは多い」。障害者が地域で暮らすには大切なことだろう。
 2018年が暮れる。障害者をはじめ、社会での暮らしに難しさがある人とどう共生していくか。その在り方が問われた1年だった。
 驚かされたのは、8月に中央省庁で発覚した障害者雇用の水増し問題である。職員に占める障害者の割合を計算する際、対象外の人を加えて、法律で定められた雇用率を達成したように装っていた。不適切な計上は昨年6月時点で28機関の3700人に上り、退職者や死亡者を加えるなど信じ難いケースもあった。
 これを受け、政府は来年、約4千人を採用する計画をまとめた。このうち、2月に行われる障害者限定の国家公務員試験には8700人余が応募し、競争率は約13倍に上った。障害者雇用に消極的だった省庁の姿勢が改めて浮き彫りになったと言える。
 厚生労働省によるチェックの強化なども盛り込んだ障害者雇用促進法の改正案は来年の国会に提出する方針だ。失墜した行政への信頼を回復するには、実効性のある再発防止策が欠かせまい。
 既存の制度に加えて、新たな共生の仕組みをどうつくるかが問われたのは外国人労働者を巡る問題である。先の臨時国会で入管難民法が改正され、受け入れを単純労働分野に広げる特定技能1号、2号の在留資格を来年4月に新設することになった。
 技能実習生からの移行が多く見込まれているが、国会審議では過酷な労働環境が明らかになった。低賃金や長時間労働などによる失踪は今年上半期で4279人と、過去最多のペースに上っており、到底看過できる状況ではない。
 労働環境の改善とともに、日本語学習など暮らしの支援も重要だ。政府は先日、全国100カ所に生活相談に応じる一元的窓口を設置するなど総合的対応策をまとめたが、実現のための予算や人員の確保など課題は多い。
 少子高齢化で人手不足が深刻化する中、外国人も障害者も社会を担う一員として期待されることは言うまでもない。安心できる共生のかたちを示さねばならない。


馬脚現す安倍“ペテン外交” 北方領土も拉致問題も前進なし
 19年はいよいよ“外交の安倍”の化けの皮が剥がれる年になりそうだ。安倍は北方領土返還に総力を挙げる方針のようだが、1ミリも前進しない可能性が高い。
 ロシアとの平和条約交渉は年明けから本格化。1月下旬に安倍が訪ロし、25回目の日ロ首脳会談に臨む。1956年の日ソ共同宣言を基礎とするのがロシアの立場で、ここがミソだ。歯舞群島と色丹島を引き渡すとの明記があるが、主権には触れていない。筑波大教授の中村逸郎氏(ロシア政治)は言う。
「年末恒例の大記者会見でのプーチン大統領の発言が交渉姿勢のすべてを物語っています。平和条約は経済協力を引き出すまき餌に過ぎず、そもそも返還に応じる気はない。だから主権移譲が書かれていない共同宣言を持ち出し、交渉を複雑化させているのです」
 プーチン大統領は返還後の米軍基地配備に警戒感をあらわにしてきたが、大規模会見でも「日本がどの程度主権を持っているかわからない」と指摘。辺野古新基地建設の強行を挙げ、「知事が反対しているが、何もできない。人々が撤去を求めているのに基地は強化される」と言及した。
「在日米軍が撤退しない限り、条約締結はないとハードルを上げたのです。日米同盟の強化に動く安倍首相がこの難題を解決できるわけがない」(中村逸郎氏=前出)
 安倍が最重要課題に掲げる北朝鮮による拉致問題も進展しそうにない。金正恩朝鮮労働党委員長にガン無視され続け、面目丸潰れだ。北村滋内閣情報官を密使に使い、水面下交渉に躍起になっているが、まったく相手にされていない。
「北村氏のカウンターパートは本来、金正恩氏の側近の金英哲党副委員長です。彼が出てこないのは、メリットがないとの判断からです。北朝鮮は米中ロ韓しか視野に入っていないのです」(南北外交関係筋)
 安倍が人気取りに利用してきた“2大外交”は瓦解している。


東京五輪景気は前年に終わる “日本発”新金融危機の現実味
「新元号」元年は大不況となりそうだ。懸案材料が山積みなのだ。
 日米2国間の事実上のFTA交渉が早速、1月中旬から始まる。一国主義のトランプ大統領のターゲットは、対米黒字の8割を稼ぐ自動車分野だ。「最大100万台」とされる自動車輸出の数量規制を要求されたら、GDPが1〜2%吹っ飛び、為替条項をのまされれば、円高地獄。トランプに恫喝され、F35を105機も購入してしまう安倍のこと。貿易交渉でも骨の髄までしゃぶられそうだ。
 そこへもってきて、東京五輪景気もピークアウトを迎えるとみられている。シグマ・キャピタルの田代秀敏チーフエコノミストがこう言う。
「OECD加盟国の過去実績の平均では、五輪効果による好景気は開催前年に終わり、開催年からは反動不況に見舞われています。前回1964年の東京五輪時も、その年に不況に突入、翌65年は証券恐慌となり、山一証券などに日銀特融が発動され、大騒ぎでした」
 すでに米景気は後退局面に入りつつある。米連邦議会予算局の予測では、19年にさらに減速し、20年には実質GDP成長率が2%を割り込むとしているのだ。そして、成長率下落と反比例して上昇するのが長期金利だが、これがナント日本の地銀・信金を痛めつけることになるというから恐ろしい。
「超低金利で増殖した世界の“ゾンビ企業”が金利上昇によって、次々破綻するでしょう。そうした企業の社債を含む外国債券を大量に持っているのが日本の地銀・信金なのです。長引く異次元緩和で運用先に窮し、金融庁が不動産融資の引き締めを図る中、残る運用先はハイリスク・ハイリターンの外債ぐらいしかないためです。ゾンビ企業が破綻すれば、社債も暴落、地銀・信金は直撃を受ける。日本発の世界金融危機になりかねません」(田代秀敏氏=前出)
 新時代と浮かれてばかりはいられないのだ。

洗濯の後中華ランチ・小籠包→イオンで買い物

ブログネタ
フランス語 に参加中!
Fig_a_26

La chasse à la baleine au Japon en quelques dates clés
En décembre 2018, le Japon a décidé de se retirer de la Commission baleinière internationale afin de pouvoir reprendre, officiellement, la chasse à la baleine dans un cadre commercial. Retour sur l'histoire des baleiniers nippons.
Le 26 décembre 2018, le Japon annonçait son retrait de la Commission baleinière internationale dans le but de reprendre la chasse commerciale dès juillet 2019, défiant ouvertement les défenseurs des cétacés 30 ans après avoir mis fin officiellement à cette pratique. Voici quelques dates clés de la longue histoire de la chasse à la baleine par le Japon :
Une pratique qui remonte au 12e siècle
C'est au 12e siècle, selon l'Association japonaise de la chasse à la baleine, que les pêcheurs de l'archipel commencent à capturer ces animaux marins au harpon. Puis, au début du 17e siècle, la pratique s'organise réellement dans ce qui reste son lieu culte, la ville de Taiji (ouest), actuellement connue et très décriée à l'étranger comme un port de chasse aux dauphins. Ce tristement célèbre évènement se déroule tous les ans de septembre à mars dans la baie du port.
Une source de nourriture salutaire après la Seconde Guerre mondiale
En 1906, une base de chasse à la baleine à part entière est construite à Ayukawa (préfecture de Miyagi, nord-est), marquant le début de la chasse à la baleine moderne pour l'archipel. A l'issue de la Seconde guerre mondiale, le Japon est exsangue, il manque de nourriture et la chair de baleine est alors une salvatrice source de protéines. A l'apogée de la chasse, dans les années 1950, environ 2.000 baleines sont débarquées au port chaque année. En 1951, le Japon adhère à la Commission baleinière internationale (CBI), créée en 1946 pour conserver et gérer la population mondiale de baleines et de cétacés. Le Japon devient alors l'un des plus grands pays baleiniers au monde.
Années 80 : signature du moratoire et l'excuse des recherches scientifiques
En 1986, entre en vigueur un moratoire sur la pêche commerciale décidé au sein de la CBI, que signe le Japon. En 1988, prenant acte de ce texte, l'archipel cesse de chasser les petits rorquals et les cachalots dans les eaux côtières japonaises. Mais dans le même temps, il commence la "recherche scientifique" dans l'Antarctique en 1987 qu'il continue à ce jour, tuant des cétacés en exploitant une clause spéciale du moratoire qui autorise les recherches. Par ailleurs, la viande des spécimens pêchés "pour la science" est vendue pour être consommée.
Interventions des Nations Unies et de Sea Shepherd dans les années 2000
A partir de 2005, durant toutes leurs campagnes de chasse dans l'Antarctique, les baleiniers japonais sont harcelés par les navires de l'organisation Sea Shepherd qui finit cependant pas renoncer à suivre la flotte japonaise après 2017. En 2014, la Cour internationale de Justice (CIJ), plus haut tribunal des Nations Unies, ordonne au Japon de mettre fin à sa chasse régulière dans les eaux antarctiques, rejetant l'argument des recherches scientifiques. Le Japon annule sa campagne de l'hiver 2014-2015 dans l'Antarctique mais la reprend la saison suivante dans le cadre d'un nouveau programme qui, selon lui, répond aux critères scientifiques de la CBI. L'Union européenne et 12 autres pays condamnent cette attitude du Japon.
2018 : le Japon claque finalement la porte de la CBI
En septembre 2018, la CBI rejette la proposition du Japon de revoir la gestion des différents types de pêche au sein de la CBI, dans le but avoué de reprendre la chasse à la baleine dans un but commercial. La proposition du Japon est torpillée par 41 voix contre 27. Le gouvernement nippon menace alors de quitter l'instance internationale ce qu'il fera finalement quelques mois plus tard, le 26 décembre. Le pays s'abstiendra d'aller chasser "dans les eaux de l'Antarctique ou dans l'hémisphère sud", a indiqué le porte-parole du gouvernement, Yoshihide Suga, lors d'un point presse. La pêche sera "limitée aux eaux territoriales et à la zone économique exclusive", "en accord avec les quotas de prises calculés selon la méthode de la CBI afin de ne pas épuiser les ressources", a-t-il précisé sans donner de chiffres.
にほんブログ村 外国語ブログ フランス語へ
フランス語の勉強?
JNNネットワーク協議会賞受賞作品・おひさま家族〜色素性乾皮症を抱えて〜
SBS静岡放送
報道の日2018 世界が激変した30年〜平成のアメリカと日本
初証言キャロライン・ケネディ氏が明かす米大統領広島訪問の舞台裏▽“アメリカの空”にハイジャック機が侵入▽北朝鮮から記者奪還 助言した日本人▽関口宏・雨宮塔子ほか
“アメリカ1強”だった平成の30年間を日米のキーパーソンたちがカメラの前で証言。世界が激変…あの時いったい何があったのか?『平成のアメリカと日本』を独自の視点で検証。そして今、盤石に見えた“アメリカ1強”にほころびが…米中が貿易で衝突 新たな“冷戦時代”に日本は? 関口宏 雨宮塔子 皆川玲奈(TBSアナウンサー) 恵 俊彰 ホラン千秋 岡本行夫(外交評論家・元内閣官房参与) 中林美恵子(早稲田大学教授)

第60回 輝く!日本レコード大賞 5時間半の生放送・歴代受賞者も出演!
長きに渡り年末の国民的行事として視聴者に親しまれてきた「輝く!日本レコード大賞」。記念すべき60回目を迎える今年、2018年の音楽シーンの頂点に立つのは一体どの作品なのか? 12/30に日本レコード大賞・最優秀作品賞&最優秀新人賞が発表される!司会は安住紳一郎(TBSアナウンサー)と女優・土屋太鳳▼優秀作品賞 「アンビバレント」欅坂46/「いごっそ魂」三山ひろし/「Wake Me Up」TWICE/「サザンカ」SEKAI NO OWARI/「勝負の花道」氷川きよし/「シンクロニシティ」乃木坂46/「Teacher Teacher」AKB48/「Be Myself」三浦大知/「Bedtime Story」西野カナ/ 「U.S.A.」DA PUMP▼最優秀歌唱賞 MISIA▼新人賞 STU48/辰巳ゆうと/Chuning Candy/BiSH▼特別賞 小室哲哉/サザンオールスターズ/DA PUMP/米津玄師▼最優秀アルバム賞「BOOTLEG」米津玄師▼優秀アルバム賞 「EXITENTIALIST A XIE XIE」THE BEATNIKS/「オトノエ」和楽器バンド/「SHINOBU avec PIAF」大竹しのぶ/「初恋」宇多田ヒカル▼日本作曲家協会選奨 純烈▼作曲賞 丸谷マナブ「世界はあなたに笑いかけている」Little Glee Monster▼作詩賞 松井五郎「恋町カウンター」竹島宏/「さらせ冬の嵐」山内惠介▼編曲賞 久保田真悟(Jazzin'park)「もし君を許せたら」家入レオ▼企画賞 「I」JUJU 「愛を頑張って」和田アキ子 with BOYS AND MEN 研究生 「雨に濡れて二人」市川由紀乃&横山剣(クレイジーケンバンド) 「SINGER5」島津亜矢「スキマノハナタバ〜Love Song Selection〜」スキマスイッチ 「Doo Wop Nuggets」 山下達郎 「ブラザー」北島兄弟 「前川清大辞典」前川清▼功労賞 佐野博美 白根一男 松島アキラ ▼特別功労賞 井上堯之 小田裕一郎 樹木希林 西城秀樹 前田憲男 森岡賢一郎歴代大賞受賞者出演 Wink 北島三郎 ピンク・レディー 細川たかし 吉永小百合 安住紳一郎(TBSアナウンサー) 土屋太鳳 江藤愛・古谷有美(TBSアナウンサー) ジョン・カビラ ◇番組HP・・・http://www.tbs.co.jp/recordaward/ 番組Twitter・・・https://twitter.com/TBS_awards @TBS_awards
毛ば部とる子 @kaori_sakai
東京医大入試、国会議員が「依頼」 上位を超え補欠合格 ⇒女子差別どころか、ふつうに裏口もやってたんじゃないか。もう「試験」の意味そのものがないね。早くその「国会議員」の名前を出して。
なうちゃん(弱い自分を恥じないこと、弱い誰かを笑わないこと) @nauchan0626
やっぱり国会議員の「口利き」って、大学入試でも絶大な威力を発揮するっていう話は本当だったのですね。この国は何から何まで平等でないということを改めて知ってしまった年の瀬でした。
国会議員の「依頼」で看護学科に合格、29人飛び越え: 日本経済新聞

枝野幸男@edanoyukio0531
( ^o^)
今年は難しいと思っていたので良かった!乃木坂の皆さん、おめでとうございます。
そして、圧巻だったのはピンクレディー 私より5歳以上年上のはずなのに、あのパフォーマンスは感動
リアルタイムでは山口百恵さんファンだったので、ピンクレディーにはさほど関心ありませんでした。でも今日のレコ大のパフォーマンスを見て、40年たってもこれができるのは強いプロ意識。だからあれだけのブームを巻き起こしたんだと、今頃になって関心しています。

Ed Southall @solvemymaths
2019 is the smallest number that can be written in 6 ways as the sum of the squares of 3 primes:
72 + 112 + 432 = 2019
72 + 172 + 412 = 2019
132 + 132 + 412 = 2019
112 + 232 + 372 = 2019
172 + 192 + 372 = 2019
232 + 232 + 312 = 2019


日曜日で今日は仕事なしでのんびりです.少し遅めに洗濯をして出かけます.日曜日だしやっていないだろう・・・と思ったらやっぱり.しまっているお店が多いのですがどうにか中華ランチです.小籠包が出てくるのが遅かったのですが,美味しかったです.その後イオンで買い物しました.
報道の日もよかったですが,日本レコード大賞も◎.
夜頑張ってスープ飲んでイン.

年越しそば食べ健康な一年誓う 気仙沼・災害公営住宅の住民が交流
 気仙沼市の災害公営住宅「市営南郷住宅」で29日、住民が年越しそばを食べながら交流を深める催しがあった。参加したお年寄りらは平成最後となる一年を振り返り、食事や会話を楽しんだ。
 住民同士のつながりを強めようと、同住宅の南郷3区自治会が企画。住民やボランティアら約80人が集会所に集まり、一緒にそばを食べた。
 津波で市内の自宅が被災し、夫婦で同住宅に住む無職小野寺はやおさん(75)は「そばを食べながら楽しいおしゃべりができた。来年も1年間、健康で暮らしたい」と話した。
 南郷住宅は2015年1月に市内に初めてできた災害公営住宅。約160世帯が入居する。65歳以上の高齢者が6割近くを占め、1人暮らしも多い。
 自治会は花見や夏祭りを開くなどして、住民間の交流促進に力を入れている。藤原武寛会長(53)は「以前に比べてイベントに顔を出す住民の数が増えてきた。今後も楽しい企画を続けたい」と話した。


<おすばでまつり福興市>タコやアワビなど海の幸ずらり 宮城・南三陸
 宮城県南三陸町の志津川仮設魚市場で29日、年末恒例の物産市「おすばでまつり福興市」があり、年越しや正月用の食材を買い求める約2万5000人の客でにぎわった。
 町内外の33団体が出店。売り手たちが威勢のいい掛け声を響かせ、地元で取れたタコやカキ、アワビなどの海産物を2割ほど安値で販売した。仙台牛の牛汁やカキ汁もあり、来場者は寒風で冷えた体を温めた。
 家族で初めて訪れたという名取市の会社員千葉恵さん(30)は「おいしそうな海の幸がたくさん並んでいた。目当てのタコやアワビを買い、正月を迎える準備ができた」と話した。
 「おすばで」は三陸地方で酒のさかなを意味する言葉。まつりは年の瀬の風物詩になっている。


亡き人を思う「漂流ポスト」「風の電話」役割広がる 被災者以外にも救い
 東日本大震災で亡くなった人への思いを受け止める「漂流ポスト3.11」(陸前高田市)と「風の電話」(岩手県大槌町)が、役割を広げている。病気、事故、自殺、そして戦争。震災に限らず、目の前から消えた最愛の人に向かって便りをしたためたり、話し掛けたりする人々が絶えない。
 <私は震災にあった者ではありません。私も今の自分の苦しみ、淋(さび)しさ、悲しみを手紙にしてみようと。届くかどうか不安ですが書いてみました>
 <あれからもう10年も過ぎました。愛してるって言えばよかった。パパ、私がんばっているよ。あなたに感謝しながら一人元気に生きてます>
 漂流ポストは2014年3月にカフェに設置された。手紙はカフェ併設の小屋で公開されている。これまで匿名を含めて約500通を受け取り、定期的に供養している。消印は全国に広がっている。
 がんで夫を亡くした長井市のパート福盛広美さん(56)も16年10月、思い切って手紙を投函(とうかん)してみた。
 「たまった気持ちを吐き出せた」と福盛さん。ポストが縁で交流を重ねるようになった震災遺族から「『あなたの方がつらいわよ』と言われ、救われた気がした」と話す。
 ポストを管理する赤川勇治さん(69)は、予想外の人々からの手紙が多く、当初は戸惑いを覚えたという。今は「寂しさや悲しさは同じ。手紙を書くとき、ペン先に相手の顔が浮かび、自然と会話になる」と考えるようになった。
 <何をなさっていられる時だったのですか、静かにお茶を召し上がることがお好きでしたからそんな姿が目に浮かびます 火の中で苦しまれたのですか、一瞬で亡くなったのですか>
 73年前に広島市に投下された原爆で父を亡くした女性から手紙が届いたのは、つい最近のこと。流産や死産、生まれたばかりの子どもを亡くした経験を持つ親たちでつくるグループからも「手紙を出したい」と相談があった。
 「風の電話」には11年4月の設置以来、約3万人が訪れた。どこにもつながっていない受話器を握り締めて話し掛け、じっと耳を澄ます。海外から訪れる人もいる。
 設置者の佐々木格(いたる)さん(73)は「大切な人が、いつもそばで見守っていると感じることができる。喪失の事実を受け入れ、次のステップに行くきっかけとなる場所。まだまだ必要とされるはずだ」と語る。
 劣化が進んだ電話ボックスは今年、全国からの支援で新調された。今日も、亡き人との語らいを優しく、静かに包み込んでいる。



<雄勝の濡れ盃>杯とぐい飲み、英博物館に収蔵「デザイン一流の証し」
 石巻市雄勝町特産の雄勝石で作った杯「雄勝の濡(ぬ)れ盃(さかずき)」が、芸術とデザインを専門とする世界的に有名な英ロンドンのビクトリア・アンド・アルバート博物館のコレクションに加わった。2019年1月にも展示される。開発者らは「宮城発の工芸品が世界の一流品として認められた」と喜ぶ。
 収蔵されたのは雄勝石を精密技術で削った平たい杯(直径10センチ)と深底のぐい飲み(同5センチ)の2種類。滑らかな質感で、水に触れると器が灰色から漆黒に趣を変える。保冷性に優れ、冷酒に適しているとされる。
 企画・開発に携わった堀切川一男東北大大学院教授(摩擦学)、機械部品加工のキョーユー(宮城県美里町)、工芸品販売のこけしのしまぬき(仙台市)、雄勝硯生産販売協同組合(石巻市)の4者が杯1組を寄贈。博物館と11月7日付で贈与証書、著作権合意書を取り交わした。
 宮城県のビジネスアドバイザーの英国人が4月、知人の博物館主任学芸員に杯を紹介。「精密な切削・研磨技術で作られた現代的なデザイン」「類を見ない黒い石の外観で、耐久性が高い」「東日本大震災で被災した雄勝町の復興支援で誕生した」などと説明した。
 6月に現物を送付し、7月、博物館が収蔵の意向を示したため必要な手続きを進めた。
 「雄勝の濡れ盃」は堀切川教授や大崎市の官民NPOなどが復興支援を目的に発案。16年に作られ、同年に仙台市であった先進7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議の歓迎会で披露された。
 「宮城の産学官連携で生まれた製品を世界中から来る来場者に見てほしい」とキョーユーの畑中得実社長(69)。企画、販売を担うこけしのしまぬきの島貫昭彦社長(61)は「海外の方が石を素材にした杯に興味を持ち、被災地で誕生した物語まで知ってもらえればうれしい」と期待する。
[ビクトリア・アンド・アルバート博物館]芸術とデザインを専門分野とする博物館で、約5000年前から現在までの世界中の創作品230万点以上を収蔵。陶磁器、家具、衣装類、宝石、絵画などコレクションは多岐にわたり、質と内容で世界随一と評される。日本関連の収蔵品も数万点ある。1852年開館。通称V&A。


河北春秋
 福島県会津地方では、よそ者が三度泣かされるという。雪の多さと閉鎖的な気風に泣き、生活に慣れると会津人の温かさに触れて再び泣く。そして会津を去る際、人々の情の深さを忘れられずに涙を流す▼「会津の三泣き」と呼ばれる。今それを実感するのは、東京電力福島第1原発事故で会津若松市に避難している大熊町民。来春、町の一部で避難指示解除が見込まれ、ようやく帰還への一歩を踏み出す▼その節目を前に、避難町民の語り部グループ「おおくま町物語伝承の会」は、受け入れてくれた会津若松市に感謝を込めて、市内で紙芝居や踊りなどを披露した。会津愛に満ちた舞台は原発事故で古里を追われた理不尽さも重なり、多くの観客が目を潤ませた▼「避難先のホテルで体の不自由な私を助けてもらった」「ご近所の農家からジャガイモを頂いた」「負けるな大熊のスローガンを掲げ、盆踊りをしていただいた」。パンフレットには避難町民100人に聞いた感謝のエピソードが並ぶ。加えて会津の見どころ、おいしい物も紹介する▼「風評被害が続く中で、会津の良さをPRするのも自分たちにできる恩返し」と、伝承の会代表の橘秀人さん(69)。東京公演は来年1月24日。会津公演とはちょっと違った思いで、メンバーは舞台に立つ。

原発この1年 政府は再生エネへの潮流直視を
 東京電力福島第1原発事故から7年9カ月が過ぎた。四国電力伊方原発3号機は、広島高裁が運転停止を認めた前決定を取り消して10月に再稼働。ほかの裁判所でも、運転を容認する決定が続いた。人権の最後のとりでとなるべき司法が、原発のリスクに正面から向き合わず、政府に追随して新たな安全神話をつくり出す憂慮すべき1年となった。
 一方で、巨額の安全対策費により採算が取れず、伊方2号機など全国の原発で廃炉が相次いだほか、政府が旗を振る原発輸出も凍結の動きが加速した。太陽光などの再生可能エネルギーは、時季によって供給の主力となるまで普及拡大し、原発の必要性は大きく揺らいでいる。政府は脱原発への潮目を見誤ることなく一日も早く政策転換し、将来世代へこれ以上ツケを回さないことが最大の責務だ。
 伊方3号機を巡っては、広島高裁が約1年前、九州の阿蘇カルデラの巨大噴火の危険性を指摘し、期限付きで運転停止を認めた。だが、四電の異議を受けた今年9月の決定では、巨大噴火の発生頻度が低く、リスクを容認する「社会通念」があるとして決定を覆した。
 愛媛新聞が今年実施した県民世論調査では、原発の安全性について計約88%が「不安」「やや不安」と答えており、福島原発事故後からほぼ変化はない。火山に限らず、住民が原発のリスクを容認する「社会通念」があるとは到底考えられない。高松高裁の決定では、自治体による住民の避難計画の不備を指摘したものの、判断材料とはしなかった。司法は、二度と事故を起こさないという原点に戻り、住民の不安に向き合うべきだ。
 原発での重大事故に備える改正原子力損害賠償法は、抜本的に見直さないまま先の臨時国会で可決、成立した。既に8兆円を超える賠償金が発生している福島原発事故を踏まえれば、最大1200億円で据え置いた賠償金で足りるはずがない。電力会社と国の責任の所在も曖昧なままで、原発の運転を認めるのは無責任に過ぎる。
 一方で、潮流は脱原発へと変わり始めている。巨額の安全対策費が重荷となり、福島原発事故後、6原発9基の廃炉が決まった。原子力産業の存続を目的に進めていた原発輸出は、三菱重工業や日立製作所が、海外での建設計画を凍結する方針を示した。世界的に再生エネへの転換が進み、原発が競争力を失っていることは明らかだ。
 再生エネは、固定価格買い取り制度を追い風に増え続け、四電管内では今春、発電量が需要を超えた時間帯があった。九州では秋に太陽光の出力制御が実施された。太陽光への偏りや景観など環境への配慮といった課題を乗り越えながら、普及拡大の流れを止めない対策が不可欠だ。それには何よりも政府が脱原発を明確に掲げ、再生エネの「主力電源化」に向けた工程を示さなければならない。


沖縄市町村に直接交付金 根拠法なき恣意的配分だ
 米軍普天間飛行場の辺野古移設をめぐって政府と沖縄県が対立する中、政府が県を介さず市町村に直接渡すことのできる新たな交付金30億円を来年度予算案に計上した。
 従来の沖縄振興一括交付金は国から県に支出し、県がその3割を市町村に配分してきた。2014年度の1759億円をピークに来年度は1093億円まで減っている。
 県が要望していたのは一括交付金の増額であって、新交付金については寝耳に水だった。8月の概算要求になかったものが突然、関係者への説明もなく予算案に盛り込まれた。
 9月の知事選で辺野古移設に反対する玉城デニー氏が当選したことと無縁ではないだろう。市町村に対する県の影響力をそぐ狙いがあるのではないかと県側は警戒している。
 そもそも一括交付金制度は民主党政権時代、自治体側が使い道を選べる自由度を広げ、地方分権を進める目的で導入されたものだ。安倍政権に代わって、全国を対象とした制度は13年度に廃止された。
 沖縄のみに残されたのは基地負担などの特殊事情を考慮したからだ。沖縄振興特別措置法に基づき、県のつくる事業計画を国が支援する仕組みになっており、市町村への直接交付は想定されていない。
 政府は新交付金について「一括交付金を補完するもの」と説明している。しかし、その裏付けとなる法律はない。特措法に基づく一括交付金とは全くの別物なのに、あたかもその一環のように見せかけ、国が恣意(しい)的に配分できる予算の確保を図ったように思えてならない。
 県は来年2月に辺野古埋め立ての是非を問う県民投票を予定しており、投票の実施には県内市町村の協力が必要になる。ただ、一部に協力を拒否する動きもあり、そうした市町村に優先的に配分するようなことを政府は考えていたりしないか。
 政府の政策に賛成するかどうかで補助金の配分を決めてよいのなら、与党系の首長がいる自治体ばかりを優遇できることになる。
 国費の地方への配分は公平・公正でなければならない。特定の自治体に配分するには適正な法手続きが必要になる。そんな民主主義国家として当たり前の原則を安倍政権は軽んじているように見える。


沖縄の苦悩/本土が「寄り添う」ために
 今年は米軍の基地負担にあえぐ沖縄県にとって、大きな節目となった。普天間基地の負担軽減策として、12月に名護市辺野古沖で新基地建設のための埋め立て工事が始まったのだ。
 9月には翁長(おなが)雄志(たけし)前知事の急死を受け、辺野古反対の遺志を引き継いだ玉城デニー氏が知事選史上最多の得票で当選している。沖縄の民意は変わらない。
 しかし安倍政権は「沖縄に寄り添う」と述べる一方で、新基地が「負担軽減の唯一の解決策」と繰り返すばかりだ。玉城知事との会談が物別れに終わるやいなや、着工に踏み切った。
 一度施策を決めれば、民意を尊重する必要はない−。そうした政権運営に、民主主義の国として危うさを感じる。
 埋め立ての開始直前、来年2月24日の県民投票まで工事の停止を米トランプ大統領に求める請願署名が、ホワイトハウスのウェブサイトで始まった。日系4世の呼びかけに芸能人らも応じて関心を集めている。
 署名数は10万を超え、米政府は何らかの回答をしなければならない。実際に工事が止まるかは不透明だが、強引な姿勢に抗議したい意志が内外に広がっているのは確かだ。
 一方で政府が沖縄に対して貫く強硬姿勢が、国内世論の分断を招いている。さらに安倍政権の支持層の一部には、沖縄への批判すら高まっている。
 看過できないのは、国策に地方が異議を唱えることを問題視する声が聞かれる点だ。そうした考えは、国と地方を対等・協力関係と定めた地方分権一括法に反する。
 1999年に当時の知事が新基地建設に同意した際、固定化を避けるため使用期限などの条件を付けた。政府は閣議決定したが、後に取り消し、現在の計画は当初より規模が拡大されている。期限も盛り込まれていない。そうした経緯を忘れてはならない。
 国内の他地域で政府が地元との合意を覆して政策を強行すれば容認されないだろう。沖縄への対応に、偏見と差別がないといいきれるのか。
 わが事に引き寄せて考えることも、本土から沖縄に「寄り添う」ための一歩となる。


回顧2018 多様性認め寛容な社会を
 道内初の震度7を観測した胆振東部地震をはじめ、今年は数々の自然災害が日本列島を襲った。
 1993年の北海道南西沖地震、95年の阪神大震災、2011年の東日本大震災。振り返れば、地震と津波だけでも、これらの大災害が「平成」の間に起きている。
 平成最後の年末を締めくくる「今年の漢字」には「災」が選ばれた。無理もなかろう。
 多難な時代こそ、熟議の政治が求められる。なのに、安倍晋三政権の国会を軽んじる姿勢はむしろ強まっている。重要な法案を数の力に物を言わせ、押し通す乱暴な手法が常態化してしまった。
 海外に目を転じれば、今年もトランプ米大統領の場当たり的な言動に世界が振り回された。国際秩序の守り手たるべき超大国の指導者本人が、先行きを読めなくする波乱要因になっている。
 国内、外で分断と混迷が深まった1年と言えよう。
■防災の盲点をなくす
 9月6日未明に発生した胆振東部地震による大規模な土砂崩れなどで41人が犠牲となり、多数の負傷者が出た。加えて、道内全域が停電する前代未聞のブラックアウトが道民を不安に陥れた。
 積雪で交通や移動が制限される厳冬期に起きたらどうなるか、と懸念する人も多いだろう。
 決して杞憂(きゆう)ではない。
 実際、札幌市は、震度7の直下型地震に見舞われた場合、2時間以内に救助できなければ6千人余りが凍死し、避難者は20万人を超えると予想している。
 異常気象により、台風や豪雨も過去の常識や経験がそのまま通用しなくなっている。
 情報伝達、避難路の確認など防災態勢について、行政でも家庭でも入念に点検し、盲点をなくしていく努力が欠かせない。
 光明は、阪神大震災以来、被災地に駆けつけるボランティアの活動が定着したことだ。胆振東部地震の復旧も後押してくれた。
 道内の約半分の電力を供給していた北海道電力苫東厚真火力発電所が地震で停止したために起きたブラックアウトは、電源一極集中のもろさを突きつけた。
 苫東厚真火発や泊原発といった大型電源への依存を続ける北電の姿勢は、時代に逆行する。
 地産地消の分散型電源である再生可能エネルギーの普及は地域振興にもつながる。北電にも積極的な導入への協力を求めたい。
■審議の形骸化極まる
 安倍政権は今年も、問題の多い数々の法案を強引に成立させた。安倍1強の下で、こうした横暴が繰り返されるうちに、国会審議の形骸化も極まった感がある。
 政府・与党は、野党と合意を形成する努力を最初から放棄したかのようだ。端的に表れたのが、外国人労働者の受け入れを拡大する改正入管難民法である。
 社会の姿を大きく変える政策転換であるにもかかわらず、根幹部分が政省令に丸投げされ、短い審議でも問題が噴出した。
 特に、新制度とつながる技能実習生の人権侵害状況は深刻だ。
 3年間で69人の実習生が自殺などで死亡した事例について、首相は「今初めて聞いたので答えようがない」と耳を疑う発言をした。
 外国人を「労働力」ではなく、共に暮らす隣人として気遣う感覚があまりに希薄ではないか。
 米軍普天間飛行場の移設問題で、政府が名護市辺野古の沿岸部へ土砂投入を強行したのも、沖縄県民の思いを踏みにじる暴挙だ。
 米中間選挙で与党共和党が下院の過半数を失ったが、トランプ大統領の態度は変わらないどころか一層かたくなになった。
 異論に全く耳を貸さず、マティス国防長官ら意見の合わない閣僚を次々に交代させるのは危険な兆候と言わざるを得ない。
 史上初の米朝首脳会談を実現させたものの、北朝鮮の非核化には進展がない。独善的な外交は、中国との貿易摩擦をはじめ、国際情勢を揺るがしている。
■じっと耳を傾けたい
 天皇陛下は最後の記者会見で「平成が戦争のない時代として終わろうとしていることに心から安堵(あんど)している」と振り返り、戦争の犠牲者、災害の被災者や障害者に寄せてきた思いを語った。
 会見が共感を呼んだのは、戦地や被災地で陛下が相手の言葉にじっと耳を傾ける真摯(しんし)で穏やかな姿が思い出されたからだろう。
 自力では避難もままならない災害弱者、目の前の美しい海が埋められるのを怒りを持って見つめる沖縄県民、同じ社会で過酷な労働を強いられる外国人―。
 私たちは、こうした人たちの声を聞き、伝える努力を続けたい。不条理な出来事をわが身にふりかかったこととしてとらえたい。
 それが多様性を認める寛容な社会につながると信じるからだ。


【2018回顧(下)】災いを福へと転じたい
 年末恒例の「今年の漢字」に選ばれたのは「災」だった。記録的な豪雨や台風、地震、「災害レベル」といわれた猛暑など、多くの人が納得するに違いない。
 7月に発生した西日本豪雨は、高知県を含む府県で200人以上が犠牲となり、「平成最悪」の気象災害となった。梅雨前線に沿って各地で同時多発の大雨が降り、河川氾濫や土砂崩れを引き起こした。
 自然の猛威とはいえ、多くの教訓を残したのは確かだ。気象庁や自治体が警報や避難情報などを次々に出したものの、切迫した状況が住民に十分に伝わらず、情報発信のタイミングも問題となった。
 国は行政の防災気象情報の出し方を改めるが、住民の避難につながってこそ意味がある。住民の側も地域の実情をしっかりと把握し、状況に応じて自分で判断し行動する力を身に付けたい。
 強い地震も相次いだ。6月に震度6弱の大阪府北部地震、9月には震度7の北海道地震が起きた。
 大阪府北部地震では小学校のブロック塀が倒れ、登校中の児童が亡くなった。全国各地で違法状態が長く放置されてきた現状に驚きと怒りを禁じ得ない。
 北海道地震は多くの犠牲者を出すとともに、道内全域で一斉に停電するブラックアウトを引き起こした。電力依存を高める市民生活を直撃したが、再発防止は北海道に限った問題ではないだろう。
 地震関連では、建築物などの揺れを抑制する免震・制振装置の検査データの改ざんが発覚。装置は高知県内をはじめ、全国の施設に納入されていた。他の製造業でもさまざまな不正が明らかになり、日本のものづくりに対する信頼がさらに揺らいだ1年でもある。
 女子や浪人生を不利に扱っていた大学医学部の不適切入試、中央省庁や自治体の障害者雇用の水増しなども明らかになった。公正や適正といった基本的な規範意識が一段と鈍麻しているのではないか。
 暗いニュースが多い中、韓国・平昌(ピョンチャン)で開かれた冬季五輪・パラリンピックで日本選手が活躍した。2年後に迫った東京での夏季大会の成功につなげたい。
 科学では免疫学の第一人者である本庶佑(ほんじょたすく)・京都大特別教授がノーベル医学生理学賞を受けた。地道な基礎研究を積み重ね、がん新薬の誕生へと導いた。基礎研究の重要性を説き続ける姿は、日本の教育のありようをも問い掛けている。
 世界に目を向けると、南北首脳会談や初の米朝首脳会談が開かれ、朝鮮半島の緊張緩和に光が見えたものの、国際社会のきなくささは消えていない。分断と不寛容さによってきしみが広がる中で、協調や融和をどう取り戻していくのか。
 災いを転じて福となすのは、むろん簡単ではない。教訓や課題を丁寧にすくい上げ、乗り越えることによって、この国と世界を覆う重苦しい空気を打ち払いたい。


憲法への岐路 空回りの改憲 民意に向き合う政治こそ
 宿願の実現へ、安倍晋三首相が一段と踏み込んだ姿勢を見せながら、改憲の論議は広がらないまま1年が終わる。自民党は、自衛隊の明記をはじめ4項目の条文案をまとめたものの、国会には提示できなかった。
 改憲は国会が発議し、国民投票で決める。国民が権利を実行するために、国会には改憲を議論する義務がある―。1月の参院予算委員会での安倍首相の答弁だ。
 「義務」という強い言葉を持ち出して、政府の長である首相が国会に号令をかけるような発言である。自民党総裁と首相という立場の線引きを踏み越え、改憲を主導するかの姿勢は、その後も目についた。自衛隊の観閲式でも改憲への決意を述べている。
 そもそも安倍首相の主張は根拠を欠く。憲法は、首相や閣僚、国会議員が憲法を尊重し擁護する義務を負うことを定めている。改憲の議論を国会に義務づけるような条文はどこにもない。
 改憲の手続きについては、国会に発議を委ねる一方、内閣の権限には何も触れていない。本来、首相が関与する余地はないということだ。改憲を主張することは妨げられないにしても、国会への介入は避けなければならない。
<ないがしろにし続け>
 首相の座に再び就いて6年。安倍政権は、憲法をないがしろにし続けてきたと言って過言でない。平和主義を変質させたことはその最たるものだ。
 歴代政権が認めてこなかった集団的自衛権の行使を、憲法解釈を強引に変えて容認し、安全保障法制を成立させた。今年改定した防衛大綱の下では、事実上の空母も配備し、任務、装備ともに専守防衛からの逸脱が進む。
 9条だけではない。沖縄では新たな米軍基地の建設が民意を顧みずに強行され、民主主義と地方自治が踏みつけられている。抗議する人たちを実力で排除し、逮捕者も相次ぐ状況は、政治的な意見の表明を封じるに等しい。
 昨年施行された共謀罪法は、幅広い犯罪について、合意するだけで処罰を可能にした。公権力の刑罰権に縛りをかける人権保障の骨組みが揺らいでいる。
 憲法に基づく野党からの臨時国会の召集要求をたなざらしにすることも繰り返された。国会の議論を軽んじ、数を頼んで押し切る独善的な姿勢も強まるばかりだ。
<首相の情念が際立つ>
 自民党の改憲条文案は、首相の意に沿って事を急ぐ間に合わせのものでしかない。党内でも議論は尽くされていない。国会に提示するのはもともと無理がある。
 自衛隊の明記について安倍首相は、任務や権限は何も変わるわけではないと説明する。けれども、安保法制で自衛隊の任務、活動は既に大きく拡大している。
 さらに、条文案の「必要な自衛の措置をとる」との文言は、必要最小限度の実力組織という制約を取り払い、集団的自衛権の全面的な行使を認めるようにも解釈し得る。戦力の不保持を定める9条2項が意味を失いかねない。
 他の改憲3項目は、緊急事態、参院選の合区解消、教育の充実である。どれも憲法を改める理由は見いだせない。災害への対処は現行法で可能だ。緊急事態を憲法で定める必要はない。合区解消も定数是正や法改正で対応できる。
 衆参両院の憲法審査会は今年、実質的な審議ができなかった。与野党の合意を重視してきた慣例に反する自民党の強引な姿勢に、野党は反発を強めている。連立与党の公明党も距離を置く。
 それでも安倍首相は「2020年に新しい憲法を施行したい気持ちに変わりはない」と重ねて表明している。かねて現憲法を「みっともない」などと語ってきた首相の情念が際立って見える。
<主権者の意思を示す>
 それは、国民が政治に求めるものとは懸け離れている。世論調査でも、力を入れてほしい政策の第一に挙がるのは、社会保障や景気・雇用である。期限を区切って改憲を目指す首相の方針に反対する人は半数を超す。改憲は優先すべき政治課題ではない。
 来年は天皇の代替わりを挟んで統一地方選と参院選がある。時間をかけて憲法を議論できる状況にはない。国や社会の根幹に関わる事柄を国会で十分話し合いもせず前に進めるわけにいかない。
 国民投票法にも不備が目立つ。一つは運動資金に制限がないことだ。広告宣伝などで資金力に勝る側が有利になり、公正さを保てない恐れがある。改憲を発議する前提が整っていない。
 憲法は、主権者である国民が国会や政府、司法、地方自治のあり方を定めたものだ。掲げられた理念、原則に立って、民意と人権を重んじる政治こそが求められる。それがおろそかにされ、改憲が無理押しされないか。年明け後も政権の姿勢を厳しく見つめ、主権者として意思を示したい。


がん患者  終末期の苦痛和らげたい
 今年も残りわずか。この1年に、鬼籍に入った方の顔が思い浮かぶ時期である。
 多くの人が記憶しているのは、9月に亡くなった俳優の樹木希林さんではないか。
 お茶の間の人気者であり、円熟した演技で高い評価を受けたこともあるが、乳がんを告知され、その後、全身に転移したことを明らかにしていたのも、強い印象を残したようだ。
 がんについて、本紙掲載のインタビュー記事で「生活の質を下げない治療法を探すのは大変です」「痛みを耐えて死ぬのは嫌」「いつの間にか消えてるのが理想でね」などと述べ、共感を得ていた。
 最終的にどのような心境で亡くなられたのか、できれば知りたいと誰しも思う。
 がんと闘い、亡くなる直前の患者に対して、自らの病状を客観的に語れというのは、酷だろう。終末期医療に関する調査が難しい、といわれるゆえんでもある。
 しかし、日本人の死因の第1位は、がんである。患者の療養生活や苦痛について、知っておくことは重要だ。
 国立がん研究センターが、厚生労働省の委託を受け、初めて全国規模の調査に着手し、先日公表した。貴重な資料として、参考にしたい。
 調査の対象となったのは、患者本人ではなく遺族である。寄り添っていた家族の視点を通して判断する手法が採られ、1600人余りが回答した。
 亡くなる前の1カ月、「穏やかな気持ちで過ごせた」という人は53%に上る。半数以上は楽にしておられたのかと思うと、ほっとする面もある。
 だがその半面、約4割の方が痛みや吐き気、呼吸困難などの苦痛を抱えていたことも、分かった。
 亡くなる1週間前の時点になると、痛みが「ひどい」「とてもひどい」とした人が、3割近くもいた。ある程度、予想されていたとはいえ、患者の苦痛が日々増していく様子が、はっきりとうかがえる。
 調査結果をもとに、同センターは報告書で「人生の最終段階にある患者のうち3〜4割程度の方々が、苦痛や気持ちのつらさを抱えており、治療や緩和ケアの対策が必要と示唆された」とした。
 緩和ケアは、病気に伴う患者の心や体の痛みを和らげる措置で、がん対策の分野で充実を望む声が高まっている。
 がんの診療に当たる医療機関では、基本的な緩和ケアの体制が整っているべきだが、そうではないケースもあるという。
 調査をきっかけに、厚労省が対策の実施を加速させるよう求めたい。
 今回は、介護した家族の中で患者との死別後、うつ症状の現れた人の割合が、一般の有症率より高いことも明らかになった。併せてケア実施を検討していかねばならない。
 来年、同センターは心疾患、肺炎、脳血管疾患、腎不全を含めた約5万人の遺族を対象に調査を行う。都道府県別の実態も把握する意向だ。地域におけるがん治療の改善に、つながることを期待したい。


働く外国人の支援/実現の道筋が見えない
 外国人労働者の就労を大幅に拡大する新制度を巡り、政府は運用全般にわたる基本方針と、受け入れ見込みの人数など業種ごとの分野別運用方針を閣議決定するとともに、外国人との共生に向けた総合的対応策を関係閣僚会議で決定した。先の国会で改正入管難民法の成立後に示すとしていた制度設計の詳細が省令案も含めて出そろった。
 基本方針で新たな在留資格の「特定技能」により来日する外国人が大都市に集中しないように必要な措置を講じるよう努めるとうたい、運用方針で制度開始から5年で最大34万5千人余りを受け入れるとした。対応策には生活や雇用、社会保障、日本語教育などの支援策を盛り込んだ。
 しかし大都市集中を防ぐ仕組みは示されておらず、自治体から懸念の声も漏れる。受け入れ見込み数も11月に出した数字と同じで積算根拠は曖昧なままだ。対応策は126項目あり、大きな柱である外国人支援の施策は行政の多言語対応や日本語教育など多岐にわたるが、人員や予算の手当てはこれからというものが多く、実現への具体的な道筋が見えてこない。
 改正法成立を最優先して野党から「生煮え」の批判を浴び、慌てて施策をかき集めた感が拭えない。安倍晋三首相は「外国人との共生社会実現を図る」と強調したが、そのためには数々の施策について、より丁寧に議論を尽くす必要がある。
 特定技能は一定の技能を必要とする業務に就く1号と、熟練した技能を要する業務に携わる2号があり、2019年4月の新制度導入当初、介護や農業など14業種への受け入れは1号が中心。基本方針によると、日常会話と業務に必要な日本語能力を条件とし、在留期間は最長5年で家族を伴うことは認めないが、同一業種や業務内容が似ていれば転職を認める。
 ただ最低賃金は都道府県で異なり、働く外国人は賃金の高い都市部に流れることが予想される。都市偏在を防ぐといっても賃金格差を埋められるのか、より良い条件を求めて転職する自由をどう制限するのか、など懸念は残る。
 また総合的対応策は「外国人を社会の一員として受け入れていくという視点」から、都道府県や政令市、外国人の多い市町村に多言語による行政・生活情報の提供や相談を行う一元的な窓口を設けるのをはじめ、災害情報や110番の多言語対応、日本語教育の充実などを列挙した。
 うち情報提供の多言語化や日本語学習支援などは、総務省が06年にまとめた多文化共生推進プランにも盛り込まれ、各自治体に計画・指針の策定が求められた。ところが今年4月時点の策定状況を見ると、都道府県や政令市でほぼ100%だったが、政令市を除く市では67%、町が26%、村は13%。今回もどこまで浸透するかは見通せない。
 忘れてはならないのが、外国人技能実習制度の検証だ。長時間労働や低賃金など問題が後を絶たず、12〜18年上半期に失踪した実習生は計3万2647人。また昨年、労災で5人が死亡するなど639人が死傷した。3年の実習を終えた実習生は無試験で1号の資格を得る仕組みで、新制度導入当初の1号の大半を占めるとみられる。実習制度の検証と改善なしに新制度を導入すべきではない。


7年ぶり株価前年割れ アベノミクスの限界か
 金融市場から辛口のメッセージが発せられているのだろう。2018年の東京株式市場は、日経平均株価の終値が7年ぶりに下落に転じた。安倍晋三首相が政権に復帰した12年末以降では初めての前年割れとなる。
 何とか2万円台は維持したものの、1割強の下げ幅はリーマン・ショックがあった08年以来の大きさになる。大胆な金融政策などをてこに上昇を続けてきた「アベノミクス相場」の潮目が変わったのは確かだろう。
 背景には、欧米での金融引き締めや米国と中国の貿易摩擦といった海外発の要因もあるが、それだけではなさそうだ。6年間の上昇相場を支えたとされる海外の投資家が日本株から手を引き始めているという。
 外国人投資家による18年の日本株の売越額は5兆6千億円にも達し、ブラックマンデーのあった1987年以来の水準になった。その裏で買い支えたのは日銀である。異次元緩和の一環で6兆円超の上場投資信託(ETF)を買い入れて防戦した。
 海外の投資家が期待をかけていたのは、金融緩和・財政出動・成長戦略の3本の矢からなるアベノミクスによる日本経済の底上げだった。
 日銀の大規模な金融緩和策は低金利と円安環境を生みだし、企業業績の好転と株高をもたらした。世界的な好況にも後押しされた面はあるが、第2次安倍政権の発足とともに始まった景気回復局面は戦後最長の6年1カ月に並んだとされる。
 一方で、成長率は低く、賃金もなかなか上がらない。「2年で2%」を目指した物価上昇率も達成できず、デフレを脱したとは言い難い。民間活力を引き出す成長戦略につながるような、踏み込んだ構造改革も思うように進んでいない。何より豊かさの実感が乏しい。
 金融緩和と財政出動頼みが際立つアベノミクスの限界が意識され、外国人投資家の期待感が急速にしぼんでいるのは間違いない。世界的な景気減速の懸念が強まる中で、日本株離れが加速したのではなかろうか。
 株価が急落した年の瀬の混乱は収まったわけではなく、相場の先行きにも不透明感が漂う。貿易を巡る米中協議が不調に終われば、摩擦が再び再燃する。英国の欧州連合(EU)離脱問題も見通せない。いずれも当事国のみならず世界経済に影響を及ぼし、金融市場を揺るがす。
 しかし株安が長引いて景気が反転しても、政府・日銀の打つ手は限られる。副作用の大きいマイナス金利政策を続ける日銀が、これ以上の追加緩和を講じるのは難しい。政府も来年の消費増税をにらんで大規模な景気対策を予定しており、さらなる大盤振る舞いの余地は乏しい。それでもあらゆるリスクを想定し、備える必要がある。
 為替相場の動きも目が離せない。米国の利上げのペースが鈍化すれば、円高に振れやすくなる。年明けに始まる日米貿易交渉で、米国は競争的な通貨切り下げを阻む「為替条項」を日本に求める方針でいる。日銀の異次元緩和が結果的に円安へ誘導しているとして問題視される恐れもある。
 アベノミクスの肝だった「株高」と「円安」が変調をきたし始めている。そのサインを重く受け止め、金融、財政政策の点検と見直しを急ぐべきだ。


[墓碑銘] 信念学び受け継ぎたい
 今年もさまざまな分野の時代の証人たちが鬼籍に入った。昭和から平成にかけて日本の社会に警鐘を鳴らし続けてきた人々だ。
 国民に数々のメッセージを発信し、示唆も与えてきた。功績を振り返り、その信念を受け止めて継承していきたい。
 作家の石牟礼道子さんは代表作「苦海浄土」で水俣病の現実や患者の苦しみを描いた。原因企業チッソとの交渉に参加するなど患者への支援にも深く関わった。
 「水俣病が発生し、人間の絆がずたずたになった」と非人間的な社会に傾斜していく現状を嘆いた。水俣病の公害認定から半世紀たつが、救済を求める声は今もやまない。金銭では解決できない公害の罪深さを心に刻みたい。
 終わりが見えないのは沖縄の「戦後」も同じだ。米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設阻止を訴えた前知事の翁長雄志さんは国と最期まで闘った。
 菅義偉官房長官に「上から目線の言葉を使えば使うほど、県民の心は離れ、怒りは増幅する」と計画見直しを要求する姿は鬼気迫るものがあった。沖縄現代史研究の第一人者だった新崎盛暉さんも沖縄に米軍基地が集中する日米安保条約のありようを指弾した。
 だが、国は沖縄の民意を無視し辺野古の埋め立て工事を本格化させている。「沖縄の心に寄り添う」(安倍晋三首相)との言葉とは裏腹な政府の姿勢に、国民の政治不信は高まるばかりだ。
 自民党幹事長など務めた野中広務さんは障害者施設を運営し、弱者へのまなざしを持つ政治家だった。引退後も集団的自衛権の行使容認などを念頭に「危険で偏った政治」と安倍政権を批判した。
 俳人の金子兜太さんは新しい俳句の道を切り開くとともに、戦争で非業の死を遂げた仲間に報いたいとの一心で平和運動にも尽力し、社会の右傾化を憂えた。
 「安倍1強」政治の危うさを指摘する「ハト派」の影が薄くなり右傾化が進むのは、政治家の多くが戦後生まれになったことと無縁ではあるまい。戦争を語り継ぐ大切さを改めて喚起したい。
 女優樹木希林さんや漫画家さくらももこさんは大切な宝物を残してくれた。樹木さんはがんと闘いながら最期まで女優の道を貫いた生き方が共感を呼び、年を重ねること、死と向き合うことの意味を身をもって教えてくれた。
 さくらさんの代表作「ちびまる子ちゃん」は1970年代の茶の間の風景や社会風俗を描き、大人だけでなく平成の子どもたちからの人気も集めた。これからも時代を超えて愛されるに違いない。


東京医大入試 政治家が口利きか
東京医科大学の不正入試問題で、第三者委員会は過去の入試で政治家の口利きによる不正が行われていた可能性を新たに指摘しました。
また、大学は、来年4月に入学する追加合格者に予備校の受講料金などの費用を初めて補償する方針を明らかにしました。
東京医科大学は、過去に不正入試が行われていたことを認めるとともに、去年とことしの不正入試で不合格とされた受験生のうち44人を追加合格とし、来年4月の入学を認めることを明らかにしています。
大学の第三者委員会は29日夜、公表した報告書の中で、政治家の口利きによる不正が行われていた可能性を新たに指摘しました。
具体的には、医学部医学科で国会議員などから受験生に関する依頼があったとみられることや、小論文の問題が漏えいされた疑いがあったとしています。
さらに、医学部看護学科では、臼井正彦前理事長が、国会議員からの依頼に基づいて特定の受験生を補欠合格させたとしています。
これらの国会議員の名前はいずれも明らかにされていません。
このほか、第三者委員会は、おととしまでの4年間の不正入試で、新たに100人規模の不合格者が出ていた可能性があることも明らかにしました。
一方、大学は、来年4月に入学する追加合格者に対して、本来負担する必要がなかった予備校の受講料金などの費用を補償するなどとした方針を初めて明らかにしました。
来月下旬以降、学内に相談窓口を設置し、来年の4月1日から、個別に協議を始めることにしています。


フランス抗議デモ、年末も休まず 規模縮小も7週連続
 フランスでマクロン政権に抗議する黄色いベスト運動の一斉デモが29日、7週連続で行われた。全国で約3万8600人が参加した前週22日からさらに規模は縮小するとみられるが、年末の休暇時期も運動継続の意思を示した。
 フランスのメディアによると、パリでは南西部にあるニュース専門テレビBFMの放送局近くに数百人が集まり「フェイク(偽)ニュース」などと叫んだほか、シャンゼリゼ大通りにも約百人が集まった。マルセイユやボルドーなどでもデモが行われた。
 また運動側は、シャンゼリゼ大通りで31日夜に行われるカウントダウンイベントに合わせたデモを呼び掛けている。

今日も薬が効いて熟睡/みりん干/鍋2回目

ブログネタ
フランス語 に参加中!
Han16

Et si la reprise par le Japon de la chasse à la baleine était une "bonne nouvelle"?
Le Japon, comme il menaçait de le faire depuis des années, a annoncé cette semaine son retrait de la Commission baleinière internationale (CBI) dans le but de reprendre la chasse commerciale, mais cette décision pourrait paradoxalement apaiser les tensions sur le sujet.
Considérant la chasse à la baleine comme un héritage culturel, le Japon ne l'a jamais tout à fait abandonnée: il utilise en effet une faille du moratoire mis en place en 1986 par la CBI, qui autorise la pratique pour des recherches scientifiques.
Une provocation aux yeux de l'Australie et de la Nouvelle-Zélande, indignées par les expéditions nippones annuelles dans l'Antarctique dont les eaux constituent pour ces deux pays et pour les défenseurs des animaux un sanctuaire pour cétacés.
En charge de la conservation du milieu marin au sein du Fonds international pour la protection des animaux (IFAW), Patrick Ramage voit dans l'annonce de mercredi, qui peut être perçue au premier abord comme un acte de défiance, une "solution élégamment japonaise" à cette hypocrisie.
"Cela offre une porte de sortie acceptable à la chasse à la baleine en haute mer", estime-t-il. "Il est difficile d'y voir autre chose qu'une bonne nouvelle pour les baleines et la commission établie pour les suivre et les protéger".
Tokyo a assuré cette semaine qu'il s'abstiendrait d'aller chasser "dans les eaux de l'Antarctique ou dans l'hémisphère Sud", limitant sa pêche "aux eaux territoriales et à la zone économique exclusive", en accord avec les quotas de la CBI, "afin de ne pas épuiser les ressources".
Pour M. Ramage, la Commission --au sein de laquelle le Japon n'aura plus qu'un statut d'observateur-- pourra ainsi "aller au-delà d'un débat disproportionné et déformé sur la chasse à la baleine" et mieux se concentrer sur d'autres menaces, comme le changement climatique, la pollution plastique des océans ou les collisions avec les bateaux.
L'ONG Sea Shepherd, habituée à traquer les baleiniers, a elle aussi crié victoire après l'annonce japonaise, "ravie de voir la chasse prendre fin dans le sanctuaire baleinier antarctique".
- Une question de principe -
La chasse à la baleine constitue pour Tokyo un rare point de contentieux avec ses habituels alliés occidentaux.
Bien que la viande de baleine soit très peu consommée de nos jours dans le pays, le Japon y voit une question de principe pour la puissante industrie de la pêche et les villes portuaires comme Shimonoseki, d'où vient le Premier ministre conservateur Shinzo Abe.
Mais les baleiniers nippons doivent faire face, en plus de ceux posés par la CBI, à de sérieux obstacles.
Le Nisshin Maru, seul navire-usine baleinier encore en activité dans le monde, a 31 ans et doit être remplacé.
Le Japon a perdu en 2014 devant la Cour internationale de justice un procès intenté par l'Australie, qui rejette le caractère scientifique de ses expéditions.
Et la Convention internationale sur le commerce d'espèces sauvages menacées d'extinction (Cites) lui a adressé en octobre un avertissement pour ses cargaisons de rorquals boréals, attrapés en haute mer.
En ne chassant plus qu'au large de ses côtes à partir de juillet, le pays du Soleil levant devrait privilégier les petites baleines de Minke, parmi les rares cétacés à ne pas être considérés en danger d'extinction.
Basée à Cambridge (Royaume-Uni), la CBI a vu le jour au lendemain de la Seconde Guerre mondiale afin d'assurer un approvisionnement en nourriture à un Japon affamé, et, avec moins de succès, de contenir la prolifique et dévastatrice chasse à la baleine menée par l'Union soviétique.
A la suite du vote du moratoire de 1986 interdisant la pratique, Tokyo a tenté de s'entourer d'alliés au sein de la Commission --souvent des petits pays en voie de développement sans tradition baleinière-- mais a constamment échoué à fédérer la majorité des deux-tiers dont il avait besoin.
Enseignant à l'Institut universitaire technologique de l'Ontario, Peter Stoett a écrit un livre sur la CBI, l'un des premiers exemples de diplomatie environnementale internationale.
Le retrait du Japon marque inévitablement, selon lui, un coup d'arrêt pour l'organisation --au sein de laquelle siègent toujours la Norvège et l'Islande, autres pays baleiniers--, mais il considère qu'il pourrait lui permettre de réorienter ses priorités.
"Aussi triste que cela puisse sembler, la principale menace posée aujourd'hui aux cétacés ne vient pas des harpons", souligne-t-il. "Leur extinction pourrait se produire, mais parce que les océans seront trop chauds pour maintenir l'écosystème dont ils ont besoin".
にほんブログ村 外国語ブログ フランス語へ
フランス語の勉強?
小池 桟 @audrey_biralo
電磁波が目に見えるわけないんで、当然ですね。「証拠」と称する映像公開を無理強いした安倍晋三と一緒になってイキった報道はゴミです。80年前の追体験などしたくありません。
安倍晋三はバカだから「映像」が証拠になるとイキったのだろうけど、映像は同時に韓国側主張(自衛隊機接近等)を裏付けているでしょう。官邸が流したい情報だけをフックした報道機関のこうしたTw↓
https://twitter.com/asahi/status/1078612553658445826
https://twitter.com/nikkei/status/1078778693382746113 … は、本当にゴミですよ。

小野次郎 @onojiro
韓国駆逐艦レーダー照射事件。
防衛省公開映像を一目見て私は2001年暮れ奄美沖不審船事件の最終場面を思い出した。
映像は我が方言い分よりも、韓国側の緊迫した一発触発の状況が良く分かる。
北鮮船舶に作戦行動中の軍艦に訳もなく接近するのは極めて危険で不見識。

渡辺輝人 @nabeteru1Q78
今日は「VLSがあるダロー(ドヤッ」を何回見たか。何で今の日韓関係で、無警告でいきなり誘導ミサイルで撃墜する話になるんだ。しかも目視できる距離で戦闘態勢になってないと欺いていきなりみたいな。自衛隊機もレーダー照射後に再接近してる。撃墜されると思ったらしないだろう。
私はレーダー照射はあったと思ってるし、韓国政府の言い分が変遷してるのも知っている。しかし、何を隠したくて言い分を変えているのかは分からないし、いずれにせよ明らかにはならない。そして、日本政府が「説得的」な証拠を出すほど、こちらの見せたくないものが表に出るだけ。
ここまでして韓国政府は嘘つきだー、謝れーと宣伝しても、国内の右翼向けのパフォーマンスにしかならず、客観的には裁判のやり方を知らずに法廷で相手方を嘘つき、謝れと罵る当事者訴訟の人と変わらない。日韓関係は、自衛隊と韓国軍の関係も含めて悪化する。
そして、安倍首相が防衛省を押し切って映像公開に踏み切ったというイタイ話まで出てきた。現役の総理大臣が、緊迫した事態になった時、自衛隊の最高指揮官としての冷静さも見識も持ち合わせていないことは、前から知ってたが、改めて思い知らされた。

上西充子 @mu0283
合意形成を目指さない。説明しない。自説にこだわり、耳を貸さない。自分の側に非があるのではなく、相手に理解の姿勢がないかのように装う。開き直りを「毅然とした態度」のように装う。
すべて国会や記者会見で嫌という程見せられているもの。
それをIWC脱退という国際社会でも示し、批判と非難に。

疋田香澄(Hikita Kasumi) @ikasumi0
早野さん達の論文の件、それみたことか!というより、とても悲しくなってしまった。あの時どういう気持ちで子どもたちがガラスバッジをつけていたか、保護者がその数値に一喜一憂したか沢山の人から聞いてきたから。ガラスバッジに限らず、この七年半で多くの人が傷つき、疲れ、諦めていくのを見た。
本にも書いたのだけど、2012年福島の健康相談会で、物理学者の方達が「被曝の感受性に個体差があるわけないでしょう」と廊下で手を叩いて笑っていたことがあった。医師が「被曝の感受性には個体差があるのでできる範囲で気をつけることが大切」と講演したあとのことだった。
それを聞いて、私の隣にいた福島市のお母さんは、押し黙り涙を浮かべて持っていた紙(ホールボディの結果)をぎゅっと握りしめた。その後の講演で、物理学者の方は「安全だ」というのを繰り返していた。物理学者の方達は、「科学的知見からすると心配すること自体が愚か」だと思っていたのかもしれない
私はその時、この人達は科学と自分を同一化して、統治者(もしくは神)目線に立ってるんだなと思った。透明で中立な人間など存在しないのに。 私は、科学は社会と切り離せないと思う。感情論ではなく、数値の後ろには人の生活がある。とくに公害であれば、そこには加害ー被害の関係がある。
事故後、専門家や地域で力を持つ人々が、パターナリスティックな態度を示したと思う。パターナリズムとは、強い立場にある者が、弱い立場にある者の利益のためだとして、本人の意思にかかわらなく介入・干渉・支援することだ。今回の件も、それがバイアスとなり科学的態度を歪めてしまったのではないか
2011年ガラスバッジの結果が居住自治体の上位1.1%に入り、それをきっかけに保養に通いだした中学生がいる。彼が学校で放射線教育を受けたとき、外部から来た専門家は、すごく基本的なことか「事故前なら宇宙からの放射線などもあるから安全です」としか教えてくれなかった。
彼は「実際に自分たちの体にどういう影響があるか、最初に被曝したのはどう取り戻せるか」質問した。しかしその場でははぐらかされ「時間がないからメールアドレスを教えるからあとで話そう」と返された。しかし、専門家はメールアドレスを教えてくれず、彼は「この大人は信用できない」と思ったという
インタビュー時、私自身も子どもにそういう対応をしてしまうことある気がして反省した。 実際に自分たちの体にどういう影響があるか、最初に被曝した分をどう取り戻せるか。そういう子どもの切実な問いに、自分も含めて社会は真摯に向き合ってきたのだろうかと改めて思う。

世界ナゼそこに?日本人〜知られざる波瀾万丈伝〜2時間SP
オーストラリアで“日本のアレ"を披露し超有名人に!謎の女性ショウコの正体とは▽全米で大感謝!手術成功率99%の凄腕で5000人超の命を救う天才脳外科医
日本では無名なのにナゼか現地で超有名な日本人SP  ▽オーストラリアのTV番組で“日本のアレ"を披露し大ウケ一夜にして超有名人になった元警察官の49歳女性。この地に渡った驚きの理由とは?▽ある最新の技術で5000人超の命を救い、全米で感謝されている47歳の男性医師。99.9%無理だと言われた手術をも成功に導く奇跡のスゴ腕医師。死を宣告された衝撃の過去を乗り越え、多くの命を救った衝撃の治療法とは?  ユースケ・サンタマリア、新井恵理那 生稲晃子、清水尋也、東貴博、渡部陽一、大場美奈(SKE48)

ニッポン視察団!2018年No.1今夜決定!外国人がはるばる買いに来る日本の銘品25
日本人が意外と気づかない?「日本の銘品」が続々ランクイン! ▼京都の…化粧筆!奇跡の肌触り…沢口靖子も愛用する化粧筆には職人の工夫が詰まっていた! ▼北海道の…木彫りの熊が大人気?日本人の定番みやげが、なぜ今、外国人を引き付けるのか? ▼新潟の…錦鯉!実は世界的な産地…年に2回のオークションには世界中から人が!生きる芸術品に驚きの値段が! ▼熊本の…小代焼!知ってますか?オンリーワンの魅力「はるばる日本まで来て、買いたかったモノは何ですか?」 番組では丸1年がかりでニッポンの出口、全国各地の国際空港にスタッフを派遣し、出国直前の外国人を総力取材!その数2000人以上! すると…「やっぱり!」というモノから、「よく知ってるね〜」という意外な商品まで様々な回答が! 外国人客数が多い順でランキングを作成し、上位25品を大発表!1位は? 綾小路きみまろ年末川柳も…今年の笑い納めです! 爆笑問題(太田光・田中裕二) 綾小路きみまろ 井澤健太朗(テレビ朝日アナウンサー) 沢口靖子、児嶋一哉(アンジャッシュ)、関根麻里 ☆番組HP  http://www.tv-asahi.co.jp/shisatsudan/ この番組は、テレビ朝日が選んだ『青少年に見てもらいたい番組』です。

まだ風邪が治りません.しかたなく今日も薬.効いたかどうかわからないけど,眠くなって熟睡しました.東京ミニョンカドーとショコラdeこみかんなどのお菓子くらいしか,食べなかったので晩はみりん干です.昨日に続いて鍋2回目です.味噌味にするといってたけど豆乳鍋です.美味しいです.

復興支援軸に活動 「ハポン・ハセクラ後援会」仙台で発足
 支倉常長ら慶長遣欧使節団が立ち寄ったスペイン南部のコリア・デル・リオ市に住み、団員をルーツに持つ「ハポン(日本)」姓の人たちと交流を深める「ハポン・ハセクラ後援会」が仙台市に発足した。使節団の出発(1613年)から400年の時を超え、東日本大震災を契機に結ばれた縁。後援会は被災地支援を軸に活動を進める予定で、賛同するメンバーを募っている。
 後援会を設立したのは、会長に就いた白田正樹さん(68)=米ニューヨーク在住=と、被災した石巻市の小学校に本を贈るなどの活動に取り組む通訳の寺田美穂子さん(47)=仙台市青葉区=。事務局を置く仙台市内で20日に発足式を開いた。
 コリア・デル・リオ市には、団員と現地の人の間に生まれた子どもの子孫のハポン姓が約700人いるとされる。現地に「ハポン・ハセクラ協会」が組織され、震災発生後は追悼式や被災地に向けた募金活動などに当たってきた。
 白田さんはニューヨークで日系人中心の音楽グループ代表を務め、復興支援コンサートなどを開いてきた。ハセクラ協会と本格的に交流を始めたのは2013年。米国などで共同の支援活動を進めるうち「ハポン姓の存在を発信したい」との思いを強め、被災地支援を通じて知り合った寺田さんに声を掛けた。
 後援会の初めての事業として、19年3月に宮城県女川町のサッカーチーム「コバルトーレ女川」のジュニアユースチームをコリア・デル・リオ市に派遣。現地のサッカーチームとの交流大会「ハセクラ・カップ」を開催し、子ども同士の交流を深める。
 白田さんは近くニューヨークにも後援会組織を発足させる考え。「立場も国籍も異なる人が被災地支援をきっかけに結ばれている。多くの人たちにハポンさんの存在を知ってほしい」と話した。


港町の誇りまぶしく 大船渡・漁火イルミネーション
 水産都市の大船渡市で、サンマ船の集魚灯による「漁火(いさりび)イルミネーション」が、東日本大震災からの復興に取り組むまちを照らしている。来年1月6日まで。
 JR大船渡駅近くの市防災観光交流センター前では、陸に揚げた小型漁船が、集魚灯や加工した浮球からまばゆい光を夜空に放っている。市魚市場、JR盛駅など市内6カ所にも浮球の明かりが設置された。
 大船渡は今年、秋サケ漁などが不振で厳しい1年となった。イルミネーションは市民有志でつくる実行委員会が「海を近くに感じ、まちへの愛着や誇りを高めてほしい」と主催した。点灯は午後4時半〜10時。


河北春秋
 『不死鳥の如(ごと)く』。福島県飯舘村の農家、菅野宗夫さん(67)から先日もらった純米酒だ。初めて聞く銘柄なのは当然。「村で取れたコメを原料に、今春世に出たばかり」と言う。福島第1原発事故から再起した村の思いを込め、売り出そうとしている▼菅野さんは同村佐須の区長。原発事故以来、隣町の避難先から自宅に通い、農業再生に取り組んだ。首都圏の研究者やサラリーマンらのNPO法人「ふくしま再生の会」が現地で支援してきた。活動の柱が稲作の復活だった▼事故翌年の2012年から自宅の水田から放射性物質を除去し、稲を育てる実験を重ねた。「白米は安全と分かり、食用だけでなく酒もいけると考えた」と支援者の1人、東京大教授の溝口勝さん(58)=土壌学=▼飯舘発の酒造り計画は昨年始まった。県が奨励する酒米「夢の香」を試験栽培し、収穫後、喜多方市の酒蔵に醸造を委託。届いた500本の酒は「舌の奥までぴりっと染みる、今までにない辛口」という。村内の道の駅や、再開した商店で販売中だ▼菅野さんらは今年、栽培面積を3倍の40アールに広げ、水管理を遠隔操作する装置も使って酒米を育てた。「豊作だった。去年より品質がいい」と菅野さん。復興の酒として飲んでほしい、と2年目の酒が誕生する来春を待つ。

<18年魚市場水揚げ>気仙沼、女川サンマ大幅増、石巻はカツオ低調
 県内の主要4魚市場は28日、今年の業務を終了し、水揚げ実績が確定した。気仙沼と女川は、昨年記録的な不漁だったサンマの水揚げ量が大幅に増加。気仙沼は全体の水揚げ量、額とも前年を上回った。石巻は海流などの影響でカツオが低調。塩釜は漁場が形成されず、目標に届かなかった。
<石巻>
 石巻魚市場の水揚げ量は前年比5.4%減の10万6616トン、金額は11.5%減の184億3703万円だった。
 海流や海水温の影響でカツオの水揚げが振るわず、巻き網は海外が前年比85.7%減の257トン、生鮮は36.8%減の3912トン。春漁のコウナゴは70.6%減の722トンに低迷した。一方、養殖ギンザケは好調で15.7%増の4950トン、金額は13.0%増の31億4792万円だった。
 志摩喜代一専務は「今年は全体的に低調だった。来年は海況の変化や資源の増加に期待したい」と話す。
<気仙沼>
 気仙沼市魚市場の水揚げ量は前年比11.7%増の8万2494トンで、金額は5.3%増の198億4433万円だった。
 サンマは大不漁だった前年(9676トン)から大幅に回復。78.6%増の1万7280トンだった。一本釣りと巻き網を合わせた生鮮カツオは昨年とほぼ同水準の1万9106トンで、22年連続の日本一を達成した。
 魚市場を運営する気仙沼漁協の臼井靖参事は「サンマが回復したのが大きかった。来年は魚市場の新施設2棟の使用が始まる。関係者と協力し、水揚げの増加につなげたい」と話した。
<女川>
 女川魚市場の水揚げ量は前年比20.0%増の4万2744トン、金額は1.6%減の79億2813万円。
 主力のサンマは前年に比べ62.9%増の1万5504トン、金額は25.2%増の27億579万円に上った。11月後半以降は伸び悩み、目標の2万トンに届かなかった。養殖ギンザケは前年とほぼ同じ5448トン、32億7553万円。
 加藤実社長は「各魚種とも不漁で厳しい一年だった。サンマとギンザケの水揚げで前年並みの実績になった。来年は高度衛生管理型の市場として本格的に業務を行いたい」と話した。
<塩釜>
 塩釜市魚市場の水揚げ量は前年比20.9%減の1万7833トン、金額は9.5%減の97億1718万円となった。猛暑に伴う海水温の影響などで漁場が形成されず、水揚げは伸びなかった。
 主力のマグロは、はえ縄の水揚げ量が7.2%減の4728トンだったが、高値で取引され金額は6.4%増の41億9671万円。
 サバ・イワシは5031トンと13.9%減ったが、サバの国内需要の高まりで金額が25.2%増の5億9792万円だった。
 魚市場管理事務所の森収所長は「水揚げ額が目標に届かなかった。サバ需要は今後の好材料だ」と話した。


震災伝承施設 年末年始に開館
年末年始の休みで被災地を訪れた人たちにも東日本大震災の被害を知ってもらおうと、石巻市の沿岸近くに建てられた震災伝承施設が特別に開館されています。
石巻市南浜地区の「南浜つなぐ館」は震災による被害や教訓を後世に伝えようと3年前に開館した震災伝承施設です。
通常は週末のみの開館ですが、年末年始の休みで被災地を訪れた人や帰省した人のために28日から特別に開館しています。
ここでは震災前の石巻を復元した模型や被災した市内の様子をドローンカメラで撮影した映像で伝えるシアタールームが設けられています。
また、最新技術のVRで震災遺構として保存が決まっている「旧門脇小学校」と周辺の震災直後の様子に触れることができます。
施設を管理する「みらいサポート石巻」の中川政治専務理事は「この場所でしかもとの石巻の姿を知ることができないと話す人もいるので静かな時間をここで過ごしてもらえればと思います」と話していました。
特別開館は1月3日まで午前10時から午後3時まで行われます。


次世代の巨大加速器 国内誘致には課題が多い
 宇宙誕生直後の高エネルギー状態を作り出し、物理法則の解明を目指す次世代の巨大加速器「国際リニアコライダー(ILC)」の国内誘致に慎重な見解を日本学術会議がまとめ、文部科学省に伝えた。
 ILCは世界の物理学者らが国際協調で計画を進めている。建設費約8000億円、運営費は年間約400億円とされ、誘致国がその半額程度を負担することになる。
 学術会議は、想定される科学的成果が巨額の費用負担に十分見合うか疑問があると指摘。建設時や運転時の安全性や、海外との費用分担が不明確な点も懸念材料だとした。
 学術会議は日本の科学者を代表する機関であり、指摘はうなずける。政府は近く誘致の是非を決めるが、見解を重く受け止めるべきだ。
 ILCは、地下約100メートルに長さ20キロのトンネルを掘り、その中で電子などを衝突させる装置だ。質量の源とされるヒッグス粒子の性質を詳しく調べ、宇宙の謎に迫るという。
 ILC計画に学術的意義があることは確かだ。成果が上がれば、ホスト国日本の評価も高まるだろう。
 一方で、巨額の予算がILCに集中投資されると、他の研究分野の予算にしわ寄せが及ぶ恐れがある。
 日本の研究者らは2013年、国内の建設候補地を北上山地(岩手・宮城両県)に一本化した。
 誘致推進側には、東日本大震災からの復興名目など、通常の科学技術予算とは別枠で建設費を賄うことを求める意見もある。地元には経済波及効果を期待する声も根強い。
 だが、学術会議の議論では、別枠であっても国民の税金が原資となることに変わりはなく、経済波及効果も限定的だとされた。ILCに導入予定の機器には開発のめどが立っていないものもあり、計画が予定通り進むかも実は不透明だという。
 こうした点を踏まえれば、ILCの国内誘致を進めるには、課題が多いと言わざるを得ない。
 近年、日本の研究力の低下が指摘されている。ILCの誘致は、日本の科学界を活性化するという意見もある。だが、ビッグプロジェクト頼みでは、問題の根本的な解決にはつながらない。科学技術の振興を図るなら、多様な研究分野に、バランスよく資金を割り振るべきだ。


東北大、共通テストで英語の民間検定活用せず
◎入試センター長・長浜副理事に聞く
 2020年度に導入される「大学入学共通テスト」で、東北大は国立大学協会のガイドラインとは一線を画し、英語の民間検定試験の結果を出願要件とせず、国語の記述式問題を合否判定に原則として使わないとする基本方針を決めた。東北の7国立大の方針は表の通りで、多くの大学がガイドラインに沿う。独自の選択をした理由を、東北大入試センター長の長浜裕幸副理事に聞いた。(聞き手は報道部・上村千春)
 −今回の基本方針を決めた理由は。
 「国立大学協会のガイドラインに沿って1年近く議論した結果だ。英語は、文部科学省が作成した各民間試験の対照表に基づいて共通テストの得点に加点することになっているが、これを使うのは現状では非常に難しい。本学も英語の『読む・聞く・書く・話す』の4技能は重視している。従来の試験でも、本学の新入生がかなり高いレベルの英語能力を有することが分かっている」
 「東北地方は首都圏に比べ英会話学校が少なく、民間試験受験の機会も限られる。家庭の経済格差が懸念される。入試は公平公正が大原則なのに、ミスが起きた場合の責任の所在など不明確な部分が多い。少なくとも20年度は今回決めた基本方針でいく。大学入試改革は慎重に進めるべきだという問題提起でもある」
 −国語の記述式問題も合否判定に使わない。
 「5段階の評価を点数化して加点できるが、他の問題の配点に比べ大ざっぱで、やはり入試に使うのは不合理だ。2次試験で記述式問題に相当する内容はこれまでも課しており、思考力・表現力は十分測れる」
 −20年度実施の入試の詳細はいつ発表するか。
 「今年11月にあった共通テストの試行調査の結果や、高校へのアンケートを踏まえてさらに検討を重ね、決まり次第発表したい。21年度の方針も並行して検討していく」
 −共通テストを受ける最初の世代となる高校1年生はどう勉強したらいいか。
 「東北大は一般入試、アドミッション・オフィス(AO)入試とも学力を重視する。従来通り高校で教わることを一生懸命勉強してほしい」


地震と水害/災害大国の自覚を基本に
 地震、台風、豪雨−さまざまな災害に日本各地が襲われた。被害が相次いだために業者が不足し、今も家屋の修復が進んでいない地域もある。
 毎年のように起こる大地震や気候変動などに伴う異常気象は今後も続くと見るべきだ。浮かび上がった問題点を地域で再点検し減災につなげたい。
 6月、大阪府北部で震度6弱を観測した地震は、交通まひなど都市型災害の特徴をあらわにした。朝のラッシュ時で鉄道をあきらめた人々が車を利用し、緊急車両や鉄道復旧に向かった車が渋滞に巻き込まれる事態を引き起こした。
 混乱拡大の大きな要因は人の流れだ。それを最小限にするために事業所を休止するなど災害モードのルールが必要だ。社会全体で動きを切り替える仕組みをどうつくるのか。大都市に課題が突き付けられている。
 7月の西日本豪雨では200人以上の死者が出た。被害が大きかった広島や岡山では避難の在り方があらためて問われた。
 避難勧告・指示のタイミングの遅れや洪水や土石流といった歴史の教訓が生かせていないことが浮き彫りとなった。それぞれの土地の特性や起こりうる危険を自治体と住民が共有して対策を進めたい。
 大阪や兵庫で猛威を振るった9月の台風21号は、沿岸地域の高潮と暴風への備えが十分でないことを示した。関西空港は滑走路や施設が水没し、流された1隻のタンカーによって連絡橋が破損し、孤立した。産業と人口の密集地域で、大きな被害につながりやすいことを認識して検証する必要がある。
 震度7を記録した地震で北海道は全域が停電する「ブラックアウト」に見まわれた。
 原発や石炭火力など、大規模発電所に依存する一極集中型の電力運用に問題の本質がある。それは東日本大震災の教訓でもある。自然エネルギーを生かした分散型電源による地域づくりが復興には欠かせない。
 地域の防災力向上には、自然災害大国に暮らす自覚を基に、地道に被害要因を取り除いていくことが不可欠だ。こうした災害の経験を兵庫でも生かして、必ず起こる南海トラフ地震に備えなければならない。


沖縄県民投票 全有権者参加の道探れ
 辺野古新基地の是非を問う沖縄県民投票を巡り、一部の市が意義を疑問視し実施を拒否・保留する事態となっている。県、市は協議を重ね全有権者参加の道を探ってほしい。分断と対立は無意味だ。
 県民投票は県民有志が約九万三千筆の有効署名を集め県に請求。県議会が条例案を可決し来年二月二十四日に行う。辺野古埋め立てを賛成、反対の二者択一で問う。
 県が経費を負担し四十一市町村に投開票を委ねる。ただ十二月議会で、米軍普天間飛行場を抱える宜野湾市など七市町が実施経費を含む予算案を否決した。
 予算は義務的経費であり、議会が否決しても市町村長が執行できる。だが、宜野湾、宮古島両市の市長は議会判断を尊重し投開票を行わない意向を示した。与那国町長は否決された予算を執行する考え。残り四市は流動的だ。
 六市には県内の約35%に当たる有権者がいる。これらの市で投票が行われないとしたら県民投票の意義は大きく損なわれる。
 新基地の是非だけでは、返還対象の普天間飛行場の扱いについて県民の意見が反映されないとの宜野湾市などの反対理由も分かる。
 しかし、知事選や国政選挙で繰り返し示された新基地反対の民意を無視し政府は今月から、埋め立ての土砂投入を強行している。
 十月の就任後、玉城デニー知事は工事を中止した上で普天間の危険性除去を含む沖縄の基地の在り方について政府に話し合いを申し入れてきた。県民の意思を確認するため、あらためて民意を問う意義は大きい。
 県民投票条例は投開票を市町村の義務としている。県は必要に応じ反対派の市長に勧告、是正要求をするが、同時に投票の狙いを粘り強く説明する必要がある。市長側も、直接民主主義の意義などを考慮し慎重に最終判断すべきだ。
 二〇一九年度の沖縄関係予算編成で、政府は使途に県の裁量権が大きい一括交付金を大幅に減額する一方、市町村に直接交付できる費用を新設した。基地建設に従順な市町村を、県を飛び越え「一本釣り」するつもりなのかと疑う。県民投票を巡る対立まで沖縄分断策に利用されるとしたら、残念極まりない。
 辺野古埋め立てについては、県民投票の実施まで中止を求める米大統領あて嘆願サイトへの署名がきのう現在十七万筆に迫るなど世界が注目する。基地負担軽減に沖縄が一丸となって対応することに、私たちも支援を惜しむまい。


ローラ“政治的発言”でCM降板は? スポンサー各社に聞いた
 タレントのローラ(28)が18日、自身のインスタグラムで「米軍基地の辺野古移設反対」の署名を呼び掛けた「政治的発言」が波紋を呼んでいる。最近はCM以外ではあまり見かけないローラだが、ネット上では「CMが打ち切りになるかも」と不安の声が上がっている。
 実際に、23日放送の「サンデー・ジャポン」(TBS系)でローラの投稿を巡り、テリー伊藤が「この程度の発言でCM降ろす会社って何なの?」と発言すると、多数の番組スポンサーである高須クリニック・高須克弥院長が「僕なら降ろします」とツイッターを更新した。
 ニホンモニターによると、2018年のローラはCM起用12社で女性タレント3位だ。CM降板、政治的発言について所属事務所に聞いてみると、「降板の話はありません。発言した理由などについてはお答えしかねます」との回答。スポンサーにもローラの発言が今後のCM起用に影響するのか聞いてみると……。
「CMのタレント契約後のローラさんの独自の発言、発信なので、当社が回答する立場ではありません。現時点ではCMは継続予定で、降板などは考えていません。今後の対応については、世間やローラさんの動向を見て社内で協議する予定です」(ユニ・チャーム広報担当者)
「契約後のローラさんの発言なのでコメントする立場にありません。現時点では、契約を見直す予定はなく、継続予定です。降板の話などは聞いていません」(ライオン広報担当者)
「弊社としては(ローラさんの政治的発言は)問題ないと思っています。現状の契約を今後も履行します」(DMM.com広報担当者)
「CM起用変更の予定はありません」(サントリー広報担当者)
■芸能人の政治的発言がタブーの時代は古い
 いずれのスポンサーも“問題なし”のスタンスだが、当然といえば当然だろう。政治的発言を極端に控える日本の芸能界の風潮の方がおかしい。アメリカでは11月の中間選挙前に歌手のテイラー・スウィフトが“反トランプ”を表明し話題になった。
 2年前の大統領選後には、女優のジェニファー・ローレンスが「腐敗した政治体制」とトランプを批判。ただ、日本でも今回のローラの発言を女優・高木美保、お笑い芸人・カンニング竹山が擁護した。少しずつ流れが変わりつつあるのかもしれない。
 国際ジャーナリストの堀田佳男氏が言う。
「ローラさんの意見は貴重だと思います。しかし、日本は保守的な社会。アメリカのように潮流が急には変わらないでしょう。ローラさんが政治的な発言をして受け入れられたとしても、リベラルな発言をする芸能人は急には増えないと思います。ただし、悪い流れではないので、少しずつ芸能人も自由にモノが言える環境になるのではないでしょうか」
 芸能人の政治的発言が“タブー”の時代はもう古いのかもしれない。


【2018回顧(上)】民主主義の根幹揺らいだ
 民意が軽視され、国会がないがしろにされた。民主主義の根幹が揺らいだ1年ではなかったか。
 安倍政権は、経済や外交などの成果より先に問われるべきものがあろう。主権者である国民、あるいは国民の代表で構成する国会と向き合う誠実さ、謙虚さである。
 昨年来の学校法人「森友学園」への国有地売却と、「加計学園」の獣医学部新設を巡る疑惑は、今年も解明が進まなかった。
 疑惑の核心は、安倍首相や昭恵首相夫人の関与や官僚の忖度(そんたく)で行政がゆがめられたかどうかだ。しかし追及を強弁でかわし、真相の究明に消極的な首相の姿勢もあり、うやむやのままになっている。
 首相が連続3選を果たした9月の自民党総裁選を受けた世論調査では、これまでの首相の説明に「納得していない」とする回答が76・8%に上っている。
 森友問題で、財務省は決裁文書改ざんや交渉記録の廃棄、「虚偽答弁」を問われた。加計問題では、元首相秘書官が記憶にないとした愛媛県職員らとの面会について、国会答弁を覆す文書を県が公表した。
 いずれも国会の権威をおとしめる行為である。全体の奉仕者である官僚が国民に顔を向けず、政権に不都合な事実をひた隠す。1強政治が生み出した弊害だろう。
 政府が国会で「ない」とした文書は、陸上自衛隊イラク派遣部隊の日報問題でも次々に出てきた。
 国会の審議自体も惨状といえるほどの劣化を示した。
 離合集散を繰り返し、存在の軽さが否めない野党にも責任の一端はあろう。だが、説明と熟議を尽くさず、数の力で採決の強行を繰り返す政権与党のおごりこそ改めてもらわなければならない。
 通常国会ではギャンブル依存症対策に懸念を残したままカジノを解禁する統合型リゾート施設(IR)整備法や、長時間労働を助長しかねない働き方改革関連法が成立した。
 臨時国会で審議された改正入管難民法では、政府は野党の多くの質問に「検討中」と答え、法の成立後に政省令で定める形をとった。行政の裁量に白紙委任を求めるような手法は、国会の軽視も甚だしい。
 問答無用ともいえる安倍政権の強引な手法は、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設問題が象徴している。
 9月の知事選では、新基地建設反対を訴えた玉城デニー氏が当選。2014年に続いて沖縄県民は「辺野古ノー」の民意を示した。ところが政権は聞く耳を持たず、年末になって土砂投入を始めた。
 民意が届かない政治とは何か。国と地方の関係はどうあるべきか。沖縄は問い掛けている。
 「1強」は、第2次安倍政権が発足して以降の衆参両院選挙で私たち国民が現出させた政治の姿である。一方で、私たちは常に、民主主義とは何かを真剣に考える努力を惜しむべきではない。


「脱退」で歴史ひもとけば
 国際捕鯨委員会(IWC)から脱退と聞いて、戦前の古いニュース映像が思い浮んだ。満州国を認めない国際連盟の臨時総会から、首席代表の松岡洋右(ようすけ)が退場する、あの有名な場面▼実際は、当の松岡自身は国際協調論者というのが最近の定説らしい。強硬派の外相に<一曲折に引きかかりて遂(つい)に脱退に至るが如きは>日本のためにならない、と電報で進言している(加藤陽子著「満州事変から日中戦争へ」)▼このあたりが分かれ道か。軍部の声が強まり、協調外交の時に結んだ列強との軍縮条約は次々と廃棄され、ご存じの通りの結末に至る▼ところで、根強い反捕鯨論に「引きかかりて」脱退とは、頭に血が上ったか。「捕鯨産業の秩序ある発展」というIWCの目的から外れているというのなら、居残って何度でも主張したらいい。南極海で捕鯨をやめ、排他的経済水域(EEZ)での操業をめざすなら、脱退しなくても議論できたはず▼戦後の日本は国際協調主義を掲げ、安倍晋三首相も繰り返し口にしている。パリ協定やイラン核合意などから離脱し「自国第一」に突き進むトランプ米大統領に感化されたのか▼自国の主張が通らなくても、<物は八分目にてこらえるがよし>と松岡は電報で訴えている。さて来年、一体どんな世界になるのだろうか。

原子力施設、巨額の廃止費用 「負の遺産」責任は重い
 原子力に関する研究や技術開発を行う国立研究開発法人「日本原子力研究開発機構」が、廃炉や廃棄物処理にかかる費用の全体像を初めて明らかにした。
 機構が青森、茨城、福井、岡山の4県に保有する原子力関連の79施設を廃止した場合、かかる費用を試算すると約1兆9千億円にも上るという。既に廃炉に向けた作業が始まった高速増殖原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)などを含めた金額である。
 試算の公表は、昨年の原子炉等規制法改正で義務付けられたのを受けたものだ。しかしあまりにも巨額で、廃止の難しさを示すために明らかにしたのではないかと勘繰りたくなる。
 この額には、廃止までの維持費や老朽化対策費は含まれておらず、費用は一層膨らむに違いない。さらに廃止作業には最長70年かかる。先行きの見通しのないまま原子力を推進し、放射性廃棄物の処分など「負の遺産」を生んだ責任を、政府は重く受け止めなくてはならない。
 まず問題になるのは、これだけの廃止費用をどう工面するかだ。機構が積み立てているのは一部のみだという。年間収入は1700億円ほどにとどまるため、長期間かけて国に予算を要求することになる。国の交付金による運営だから、結局は将来にわたり国民の負担になる。
 機構によると、79施設の半数以上は今後10年間で廃止する方針が決まっている。それ以外は利用を続けるというが、続ければ今度は維持費が膨らむ。
 今回の試算で特に額が大きいのは、約7700億円の茨城県東海村の東海再処理施設や、約1500億円のもんじゅなどだ。しかし盛り込まれている費目は、除染を含めた施設の「解体費」▽放射性廃棄物をドラム缶に詰めるなどの準備作業でかかる「処理費」▽実際に処分場に埋設する「処分費」―だけだという。
 当面の廃液処理に伴う維持費などを加えると、東海再処理施設は約1兆円、もんじゅは維持費を含め約3750億円にも上る。高速炉や再処理施設の廃止はこれまでに経験がなく、放射性廃棄物の処分先も決まっていない。専門家から「不確定要素が大きすぎる」「1兆9千億円の試算も最低限の額であてにならない」といった批判の声が上がるのも当然だろう。
 ウラン鉱石の採掘やウラン濃縮技術を開発した岡山県鏡野町の人形峠環境技術センターは、多くの低レベル放射性廃棄物や劣化ウランを保管しているそうだ。ウランの国産化を目指したものの結局は輸入に頼ることになり、主な役割を終えた。無用な開発で廃棄物を生んだ例といえよう。機構ではほかにも、もんじゅのように事故やトラブル隠しが相次ぎ、成果を出したとはいえない施設が多い。
 最も大きな問題はこうした課題を抱えながら、政府が核燃料サイクル政策を、手放そうとしていないことではないか。
 原発の使用済み核燃料を再処理して取り出したプルトニウムはたまり続け、国際社会から軍事転用を疑う厳しい目が向けられている。にもかかわらず、青森県六ケ所村の再処理工場稼働を諦めず、もんじゅの後継炉開発も模索する政府の姿勢は理解できない。ここらで60年余りの原子力政策を総括し、核燃料サイクルを白紙に戻すべきだ。


[原子力機構試算] 国民負担丁寧な説明を
 日本原子力研究開発機構は茨城、福井など4県に保有する原子力関連79施設の廃止に約70年、約1兆9000億円がかかるとの試算を公表した。
 試算には廃止までの維持費や老朽化対策費などは含まれておらず、実際の費用はさらに膨らむ可能性が高い。国の交付金で運営されており、巨額のつけを負担するのは国民である。
 機構は日本の原子力開発を推進してきたが、老朽化する施設の廃止費用や放射性廃棄物処理の課題については先送りしてきた。
 国の原子力利用政策の「負の遺産」を国民に回すものであり、政府による機構の運営の検証と丁寧な説明が欠かせない。
 機構によると、79施設のうち半数以上は今後10年間で廃止する方針が決まっており、それ以外は利用を続ける。
 金額では原発の使用済み燃料からプルトニウムを取り出す東海再処理施設(茨城県、廃止中)が約7700億円と最大。高速増殖原型炉もんじゅは約1500億円と見込んだ。
 費用には除染を含めた施設の「解体費」、放射性廃棄物をドラム缶に詰めるなどの準備作業でかかる「処理費」や処分場に埋設する「処分費」しか盛り込まれていない。
 東海再処理施設は、当面の廃液処理に伴う維持費を合算すると約1兆円。もんじゅは維持費を含めた政府試算で約3750億円とされる。放射性廃棄物の処分地も未定のままで、先行きには不透明な部分が多い。
 機構の前身は日本原子力研究所と核燃料サイクル開発機構だ。原子力分野の基礎研究のほか、使用済み燃料の再処理、高速炉の開発で国の核燃料サイクル政策の確立を目指してきた。
 だが、トラブル続きでほとんど運転実績のないまま2016年に廃炉が決まった「もんじゅ」をはじめ、ずさんな運営による問題も相次いでいる。
 11月には機構が原子力科学研究所(茨城県東海村)で保管している低レベル放射性廃棄物が入ったドラム缶4万〜5万本の一部が腐食している実態が報告された。
 機構は50年以上かけて点検する計画を原子力規制委員会に示した。これに対し、委員から「50年もかかるのでは点検しないのと一緒」と、期間短縮を求める声が上がったのは当然である。
 国は核燃サイクル政策を維持する方針だが、今求められているのは政策の根本的な見直しだ。まずは放射性廃棄物や施設の処分を着実に進めなければならない。


<死刑を考える>(下)〜飯塚事件より〜
 「私はまだ死刑確定の新参者。時間はあるから、慌てなくてもいいですよ」
 二〇〇八年九月、暑さが残る福岡拘置所。その日の死刑囚はいつもより明るかった。面会室のアクリル板越しに、弁護人らに見せたA4判の紙。確定順に死刑囚の名前が並ぶ中、自身の名前は後ろの方に記されていた。
 再審請求の準備を焦る弁護人をなだめるように、「私はやってないから、必ず罪は晴れます」。しかし、この面会から三十九日後、久間三千年(くまみちとし)死刑囚の刑は想定外の早さで執行された。七十歳だった。
 一九九二年二月、福岡県飯塚市で登校中の女児二人=いずれも当時(7つ)=が誘拐され、殺害された通称「飯塚事件」。直接的な証拠がない中、久間元死刑囚は事件から二年七カ月後に逮捕された。「一切やっていない」。ただの一度も自白しなかった。
 だが、被害者の遺留品が見つかった山間部では、車で通りがかった男性が路肩に止まった車と男を目撃していた。タイヤのホイールキャップのラインや、窓ガラスの色つきフィルム、後輪のダブルタイヤ…。すれ違ったわずか数秒で十数個の特徴を言い当てた。証言はいずれも久間元死刑囚の車を指していた。
 一審福岡地裁は「犯人であることは合理的な疑いを超えて認定できる」と死刑を言い渡した。当時は画期的とされたものの、精度が低く、後に足利事件などの冤罪(えんざい)につながった旧式のDNA型鑑定も判決を支えた。〇六年十月、刑は最高裁で確定した。
 飯塚市から約二十キロ離れた現場の山間部は、狭い国道が山を縫うように走る。記者が車で現場を通ったが、カーブに次ぐカーブで前方から目が離せない。仮に不審な車が止まっていたとしても、細かく観察できる自信はなかった。
 「取り返しがつかんなと思った」。一審から弁護人を務める岩田務弁護士(73)が、執行の日を振り返る。
 当時、死刑は確定から執行まで五、六年かかるのが一般的で、約二年で執行されるのは予想外だった。DNA型鑑定に誤りがあることを示そうと、再審請求に必要な新証拠を探している最中だった。
 結局、再審請求は刑の執行から一年後の〇九年に申し立てた。福岡地裁、福岡高裁とも再審開始を認めず、弁護団は今年二月、最高裁に特別抗告している。
 久間元死刑囚の刑が執行されてから今年で十年。女児たちの通った小学校は今春、廃校になった。女児の捜索に加わった近所の男性(82)は「結局、何があったのかは誰にも分からん」。久間元死刑囚の妻は事件後も引っ越すことなく、今も当時の家で暮らす。
 <真実有れば、自信を持って闘えるのが強み><冤罪を雪(そそ)ぐことができずに残りの生涯を屈辱に苦しんで生きることになったら、その方が辛(つら)いのです>
 久間元死刑囚が妻に宛てた手紙からは、自身の疑いを晴らしたい思いがにじむ。久間元死刑囚がこの言葉を妻に直接伝える機会は、もう訪れない。 (この連載は、奥村圭吾、蜘手美鶴が担当しました)


玉川徹が『モーニングショー』で「ネトウヨの正体」を追及!「なんで私のことを反日、パヨクというのか」
 27日に放送された『羽鳥慎一モーニングショー』で、テレビ朝日社員の玉川徹氏のコーナー「そもそも総研」が話題になっている。というのも、普段、ネット右翼から目の敵にされている玉川氏自らが、「そもそもネトウヨとはいったい何者なのだろうか?」とのテーマで取り上げたからだ。
 「私もネトウヨのかたからいっぱい言われているらしい」「反日だとかパヨクだとか」と話す玉川氏。まず、番組VTRでは、本サイトでもお伝えしたように(https://lite-ra.com/2018/05/post-4016.html)、「余命三年時事日記」なるネトウヨブログの扇動によっていわれのない懲戒請求を大量に受けた弁護士のひとり、北周士弁護士にインタビュー。現在、北弁護士は懲戒請求をした全員に損害賠償を求めた訴訟の提起、あるいは謝罪と和解を呼びかけている。
 北弁護士は、「懲戒請求者は一番若い人で40歳。一番上の人で70代」と把握していると話す。玉川氏は「僕のイメージだと、そういうふうなことをする、いわゆるネット右翼という人は、ある種若くて引きこもったり、そういう人だというイメージがあったんですけど」というが、北弁護士が会った人は、多くは50〜60代で、職業も会社経営者や医師など、それなりに社会的地位が高い人というのだ。
 さらに、玉川氏はネトウヨ雑誌「ジャパニズム」(青林堂)の元編集長で、自身も「かつてネトウヨだった」と自認する古谷経衡氏にもインタビューをした。古谷氏は以前から、ネトウヨは巷間思われている「若者の貧困層」という説に異を唱え、独自の調査で「実態は40代の富裕層が多い」などと主張してきた。
 玉川氏が「よく私も反日とかパヨクとか言われてるらしいんですけど、いったい(ネトウヨは)私のどこが反日だと思って(いるのか)。(自分は)日本のことを考えて話しているんですね」と尋ねると、古谷氏はこう語った。
「まずネット右翼と呼ばれる人たちがいわゆる反日、まあ左翼の変化形がパヨクなわけですけれども、それが敵認定するときの基準というのは、韓国と中国と朝日新聞、この3つ、これが嫌いかどうかです。単純にこれだけ。一個でも好きだったら反日。一個でも好きだったらパヨクです。それだけ。思想とかイズムはないんですよ」
 実のところ本サイトの編集部にも、ネトウヨの“捨てアド”からしょっちゅう頭の悪いメールが届くが、まあ、この古谷氏の分析はあたっていると言えるだろう。あえて具体的に紹介はしないが韓国・朝鮮人、中国人に対する差別語を用いた内容や、「朝日の別働隊」とか「お前ら反日を叩き潰してやる」というような中身のない中傷(?)がほとんどだからだ。
 また、番組では古谷氏の分析として、実際にはネトウヨの数は多くはないが、ネットで声が大きいことで、これを世論だと勘違いしたメディアが抗議を恐れ、自粛や忖度することの危険性が指摘された。そして、スタジオでは玉川氏が、「ネット右翼に過剰に反応しても意味はない」「テレビにしろメディアにしろ、それから講演とかね、そういうようなのもちょっと電話かかってくるかもしれないけど、大したことではないんで、そういうので恐れずちゃんとやりましょう、われわれは、という(自戒の)意味を込めて」と締めくくった。
 実際、ネトウヨたちの“電凸”と呼ばれる抗議等によって、リベラル系識者の講演会が中止に追い込まれたり、日本軍の戦争犯罪をめぐる映画上映会に圧力が掛けられたりという事例が、近年相次いでいる。だが、こうした下劣な行為に怯えて、メディアが伝えるべきことを伝えず、言論が萎縮してしまったら、それこそ連中の思う壺だろう。
ネトウヨの実態を検証するも、安倍政権やネトサポとの関係にはふれず
 いま、ネトウヨたちは「『そもそも総研』ネトウヨ特集は玉川氏の私怨」なる意味のわからないことをほざいているようだが、玉川氏の「過剰に反応しても意味はない」「恐れずやる」という結論は、メディア人としてはまっとうな宣言といえる。
 ただ、本サイトとしてはひとつ物足りなさを感じたのも事実だ。というのも、番組では、ネトウヨの個人的なプロフィールを探ることに注力されたが、その一方で、安倍政権との親和性についてはまったく触れられなかったからだ。
 本サイトでは何度もお伝えしているが、そもそも自民党は下野時に「自民党ネットサポーターズクラブ」(J-NSC、通称ネトサポ)なるネット有志の別働隊を組織。そのメンバーを自称するアカウントが政敵のネガティブキャンペーンを連呼すると同時に、中国・韓国へのヘイトを連発する傾向にあることを指摘してきた。ようは、自民党はネトウヨを組織化することで、ネット工作をしてきたわけである。
 また、それまでネット上でクダを巻いていたネトウヨたちが、現実の路上に出て、ヘイトスピーチやヘイトクライムを犯している事実も置き去りにされている。そして、在特会に代表されるそれらヘイト市民運動の関係者らが、片山さつき・地方創生相や、“生産性がない”発言の杉田水脈衆院議員や和田政宗自民広報副本部長など、安倍首相の覚えがめでたい政治家たちと昵懇であることも忘れてはならない。他にも在特会との関係が裁判所からも認定された稲田朋美元防衛相、在特会関係者とのツーショットが海外からも批判を浴びた山谷えり子・元国家公安委員長などあげていけばキリがない。つまり、安倍政権の政治家たちはずっと、ネトウヨからヘイト団体への連なる流れと一緒に歩んできたのである。
 そして、これは言うまでもないことだが、ネトウヨの大部分は安倍政権を支持している。番組では、古谷氏が2014年衆院選での次世代の党(その後「日本のこころを大切にする党」などへ移行し、政党としては消滅)への比例得票数から、ネトウヨの数はだいたい200万人ほどであると分析していたが、実際には、ネトウヨの全てが次世代の党に投票したわけではない。むしろ、安倍自民党に投票した者たちのほうが多いと考えるのが自然だろう。
 その意味では、『モーニングショー』は、ネトウヨのプロファイリングやその影響力の推測だけで終わらせるのではなく、逆に、現政権がいかにネトウヨに接近してきて、あるいは内閣自身がネトウヨ化しているかについても、きっちりと言及してほしかったところだ。
 いずれにせよ、たとえネトウヨが“ノイジーマイノリティ”だとしても、その言説が差別やデマを垂れ流すものであることに変わりはなく、過小評価すべきではない。そして、実態としていかに少数であろうが、ネットというひとつの空間においては、残念なことに「市民権」を得ており、政権との相乗効果で新聞・テレビなどの論調にも明らかに一定の影響を及ぼしている事実を受け止めなくてはならない。
 ネトウヨの言うことにいちいち耳を貸さなくてもよいが、無視すれば際限なく悪意は広がる。弁護士に対する大量の懲戒請求事案は、そのひとつの例ではなかったか。ネトウヨたちが徹底的に間違っていることを、しっかり示していくのがメディアの役割だろう。


フザケた政策説明ズラリ 自民作成“言い訳マニュアル”入手
 年末年始を地元で過ごす自民党議員が「例年になく憂鬱だ」とこぼしていた。臨時国会で、国民の反対が強い入管法改正や水道法改正を強引に成立させたことで、地元の有権者から突き上げを食らうのは必至だからだ。
「多くの議員から『地元でどう説明していいか分からない』『実は自分も内容を理解できない』という声が上がっていました。消費税増税の対策も複雑で分かりづらいという批判がある。そこで、有権者から特に厳しい意見が出そうな法改正などについて、政務調査室と広報本部が説明用の政策パンフレットを作成。所属議員に配布されました」(自民党関係者)
 日刊ゲンダイはこのパンフレットを入手。内容は出入国管理法改正、水道法改正、漁業法改正、消費増税対策の住宅購入支援と自動車関連の減税についての5項目で、A4サイズで計16枚のペーパーだ。Q&A方式の想定問答も書かれている。 
 最も分量が多いのが出入国管理法改正のQ&Aで、6ページに及ぶが、中身はお粗末きわまりない。例えば、「在留資格の創設は『事実上の移民解禁』では?」という問いへの模範解答はこうだ。
「安倍総理は国会審議の中で、『いわゆる移民政策を取ることは考えていない』と明言しています」
「安倍総理が言ったから」なんて、何の説明にもなっていない。
■子供だましが通用するはずなし
「将来、日本人の職が奪われてしまうのでは?」という不安には「国内の景気変動などで、外国人材の受け入れが必要でなくなった場合には、受け入れを一時的に停止する規定を設けています」と回答。安倍首相は国会審議で「雇用の調整弁ではない」と答弁していたはずだが……。法務省に問い合わせると「条文に受け入れ停止の規定はありますが、景気については書かれていません」(入国管理局総務課)とのことだった。
 水道法改正についても、「民間事業者に運営を任せると水道料金が高騰しないか?」「安全性に問題が生じないか?」などという問いには、すべて「厚生労働大臣が内容を確認した上で、許可する仕組みになっている」と説明。到底、納得できるものではない。
 驚くのは、自動車関連の減税を説明するペーパーに「(消費税が上がる)10月以降に買う方が断然トク」と書いてあることだ。「燃費基準達成、排気量996奸⊆嵶床然福弊波瓦)135.5万円の自動車の場合」を例に、購入時に納める税が1万7000円減り、自動車税が年間4500円減るとしているが、消費税2%アップによる負担額は約2万7000円だ。こんな子供だましが通用すると思っているのか。この程度の優遇策で来年10月まで買い控えられたら、自動車業者もたまらないだろう。
 苦し紛れの言い訳が並ぶパンフレットが、これらの政策のデタラメぶりを物語っている。


日本酒「憲法と人権」で一献 京都・佐々木酒造、大吟醸など3種
 京都弁護士会や佐々木酒造(京都市上京区)が共同企画したオリジナル日本酒「憲法と人権」が今冬も京都市内の酒店で販売されている。
 2005年に誕生し、毎年約千本を醸造する。後味のよい「大吟醸」、爽やかな味わいの「しぼりたて新酒」、程よい酸味の「吟醸あらばしり」の3種。四合瓶と一升瓶があり、約千〜5千円。
 京都弁護士協同組合は「憲法と人権を身近なものとして考えるきっかけに一献を傾けて」と話している。販売は中京区の酒店富屋本店075(231)0561。


辺野古問題も追加で…安倍首相を“内乱予備罪”で年明け告発
 元参院議員の平野貞夫氏らが安倍晋三首相に対して憲法破壊行為の「内乱予備罪」で最高検察庁に刑事告発した件は、その後「具体的犯罪事実が判然としない」として受理されなかったものの、内容を補充して11月に再提出し、さらに年内にも別の補充書を提出するという。東大の石川健治教授(憲法学)が憲法9条の解釈改憲で集団的自衛権を容認したことについて「憲法の論理的限界を突き破った閣議決定で法学的には上からの革命、クーデターだ」としていることなどを補充した。
 そして、年明けには新たな動きもありそうだ。平野氏は26日、ツイッターに「来たる1月には、『辺野古問題』での追加告発の決意を固めた」と発信。その理由をこう話す。
「米軍辺野古新基地建設は、民主主義の根本を破壊する行為です。具体的には、_縄の人々の基本的人権を著しく破壊憲法の根幹である地方自治を冒涜8の埋め立て承認撤回に対して、行政不服審査法を悪用=国家の論理を破壊、にあたります。さらに、日本という自然の美しい国の祖霊を冒涜する国土の破壊でもあります」
 1997年に沖縄の米軍用地の使用に関する特別措置法を改正した際、改正法成立の条件だった「自民党・新進党合意」には、「沖縄の基地の使用にかかる問題は、県民の意思をいかしながら……国が最終的に責任を負う仕組みを誠意をもって整備する」と書かれてある。平野氏は「政府はこれを忘れたとは言わせない」と言い、「当時の県民の意思は基地経済重視だったが、今は違う。過去3回の知事選結果で辺野古反対の民意は明らかだ」と強調する。
 前代未聞の現職首相に対する告発は、年明け、新局面を迎えることになる。


「荒田交番」の建設着々 2交番統合、2019年春から運用
 鹿児島中央警察署の「荒田交番」(仮称)の建設が鹿児島市下荒田3丁目で進んでいる。県警が2012年2月に発表した再編整備実施計画で、上荒田交番(荒田1丁目)と下荒田交番(与次郎1丁目)を統合することを盛り込んでいた。来春、運用を始める予定。
 同署によると、新交番の建設地はみずほ通り沿いで、鹿児島徳洲会病院の近く。上荒田、下荒田両交番の中間地点に位置し、両交番管轄区域の事件事故にすぐ対応できる場所として選定された。

セイムスで富士薬品→寝て過ごす/タッチパッドOFFで大変

ブログネタ
フランス語 に参加中!
Fig_a_24

Disparition de Tiphaine Véron au Japon : cinq mois après, sa famille compte sur l'envoi d'enquêteurs français
Sibylle et Damien, sœur et frère de Tiphaine Véron, sont revenus lundi 24 décembre d'un nouveau voyage au Japon. Ils révèlent que l'enquête n'a rien donné et espèrent maintenant l'envoi d'enquêteurs français sur place.
Samedi 29 décembre, cela fera cinq mois que la Poitevine Tiphaine Véron a disparu au Japon, dans la région de Nikko. En début de semaine, son frère Damien et sa soeur Sibylle sont revenus d'un nouveau voyage sur place, indique jeudi 27 décembre France Bleu Poitou.
L'enquête japonaise n'a pour l'instant rien donné, c'est le sentiment de Sibylle et Damien, sœur et frère de Tiphaine, qui sont revenus lundi 24 décembre d'un nouveau voyage au Japon. Ils sont restés une dizaine jours sur place. "Nous avons été reçus par les policiers. Ils ont accepté de faire un point sur l'enquête, de répondre à nos questions", a expliqué Sibylle Véron à France Bleu Poitou.
Les espoirs de la famille reposent sur les enquêteurs français

La famille espère toujours récupérer les données de géolocalisation du portable de Tiphaine. Damien Véron espérait aussi de nouveaux survols de la zone où a disparu sa sœur : "On nous avait parlé de survols en hélicoptère avant l'hiver, avant l'arrivée de la neige en janvier, mais ils n'ont pas fait de nouveaux survols pour Tiphaine. "
La famille de Tiphaine Véron attend maintenant l'envoi d'enquêteurs français au Japon, dans le cadre de l'enquête ouverte par le parquet de Poitiers. "On sait que la police judiciaire de Poitiers travaille très dur, un travail remarquable, a détaillé Damien à France Bleu Poitou. Mais étant donné que ça se passe au Japon, ils ne peuvent pas tout faire depuis la France. "
にほんブログ村 外国語ブログ フランス語へ
フランス語の勉強?
吉田弘幸 @y__hiroyuki
教育の色々な問題は,専門でない人が口も手を出すことに原因があるんじゃないかな。
きっと,学生時代に英語が苦手だった人が入試に民間試験を導入して,数学が苦手だった人がベクトルを高校数学から排除して,研究をしたことのない人が大学の研究費を削ってるんだよ。

内村直之‏ @Historyoflife
大学の現状、それに対する政府・文科省・財務省の見方、経済界、大学人の主張をまとめて読んで、どうにも袋小路になのが、脱力感をもよおす。2000年代のノーベル賞業績は80年代の科学技術立国論が盛んになる前のものが多い。政府が科学に手を突っ込むほど研究の勢いは下がる。短期主義のせいだろう。
佐藤 章 @bSM2TC2coIKWrlM
一体、日韓関係を泥沼化させて誰が得するんだ。はやる防衛当局をなだめて穏便な外交決着を図るのが真っ当な政治だが、安倍はまさに逆。拉致や核問題を抱えている朝鮮半島情勢を前に今は日韓が協力すべき局面。外交センスのなさを超えて安倍の異常な裏の意図を勘繰りたくなる。
小田嶋隆 @tako_ashi
IWC脱退にしても、レーダー照射の動画公開にしても、これまでなら現場の専門家の意見を尊重して判断していた案件を、官邸の独断で進めるケースが増えている気がする。
官僚支配から政治主導にシフトしたと見ることも可能なのだろうが、個人的には独裁化の進行を憂慮している。

非一般ニュースはアカウント凍結 @kininaru2014111
これが国際的な問題とは全然考えてない官邸が独断で決めたもの。すべては来年の選挙のため。アベの地元の山口県や幹事長・二階の地元である和歌山県は捕鯨の本場。票を獲得するためのものでしかない。和歌山では二階幹事長は「神様」と呼ばれている。下関は安倍宅「火炎瓶放火」で有名。
m TAKANO @mt3678mt
「移民はアメリカを汚す」FOXニュース司会者が発言、スポンサー24社失う。こういう差別発言にこういう反応が起きるアメリカ社会は、まだ健全さを保っている。同じようなことが日本の民放番組で起きた時、降りるスポンサーはあるだろうか。「移民はアメリカを汚す」FOXニュース司会者が発言、スポンサー24社失う


本格的にカゼみたいなので近くのセイムスに.テレビのCMでやっているのとかいろいろあってどれがいいのかわかりません.適当に富士薬品のものと浅田飴を買いました.10時過ぎに飲んだら眠くて布団に.気がつくとお昼.昼ご飯食べて股薬飲むとまた眠くなってもう一度布団.というわけで寝て過ごした一日でした.
ノートPCがなんか変な感じで間違ってタッチパッドOFFにしてしまいました.キーボードだけで作業する??ちょっと大変です.マウスを借りて危機を脱しました.

<東日本大震災>石巻復興の歩み、映像に 名古屋・椙山女学園大生、7年かけ記録
 東日本大震災の教訓を映像に記録する活動を、椙山(すぎやま)女学園大(名古屋市)の教員と学生が震災直後から続けている。舞台は津波の最大被災地となった石巻市。防災、減災への願いを込め、7年かけて撮影したDVDを今秋まとめた。震災10年目の2020年度に向けて活動を続け、復興の歩みを後世に語り継ぐ。
 DVDのタイトルは「東日本大震災・石巻市の復興記録」(31分)。津波で壊滅した門脇・南浜地区や旧北上川河口部の堤防整備、蛇田地区の防災集団移転団地の造成など13章で構成する。同じ地域の様子を発災から50日後、半年後、1年後など定期的に記録した。
 撮影活動は同大メディア情報学科の栃窪優二教授(64)の研究室が取り組む。11年4月〜18年7月、石巻を計29回訪れて取材した。被災地の現状を伝えることが復興支援や防災につながると願い、15人前後の学生が自費で参加した。
 これまで約5分間の短編映像を68本作り、動画投稿サイト「ユーチューブ」や研究室のホームページから全国に発信してきた。
 栃窪教授は宮城県内の地元放送局で、記者やディレクターを務めた経歴がある。今回は取材、撮影の中心となり、研究室の学生を指揮した。
 ナレーションは3年生4人が担当した。蟹江美央さん(20)は「二度と同じ悲劇を繰り返さないために、震災の映像記録を未来に伝えていく意義があると改めて感じた」と話す。
 DVDは今秋、市復興まちづくり情報交流館中央館などに寄贈。同館は10月末から上映展示している。研究室のホームページからも閲覧できる。
 栃窪教授らは市内の取材を続け、発生から10年目となる20年度に改めて記録DVDを作る。希望する施設などに無料で配ることを考えている。
 栃窪教授は「全国的には震災への関心は薄れているが、あれだけの被害を出した大災害を忘れてはいけない」と強調。「震災の教訓を未来に伝えることで、将来起こる災害での被害を少なくしたい」と決意する。


<揺らぐ原発城下町>宮城・女川からの報告(下)声なき声 震災を経て空気変わる
 約半世紀の間、東北電力女川原発と共存してきた宮城県女川町の針路が揺らいでいる。東日本大震災からの復興需要が衰える中、女川1号機の廃炉が決定。原子力規制委員会による再稼働審査は申請から5年となった。原発と復興が支えてきた地域経済と町財政はどこに向かうのか。原発城下町・女川の今を報告する。(石巻総局・関根梢)
 「町の財政は、女川原発1号機廃炉のショックを吸収できるのか」
 東日本大震災のポスト復興を描く宮城県女川町総合計画の審議会。3日の会合で町が示した財政の長期見通しに委員が反応した。
■ 膨張から縮小へ
 震災前に60億円台だった町の歳入規模は震災翌年の2012年度、約13年分の838億円まで膨張した。長期見通しでは国の復興期間が終わる21、22年度に89億円程度まで縮小、23年度以降は震災前の水準に戻ると算定した。
 町の貯金に当たる財政調整基金は10年後の28年度も117億円とほぼ現状を維持するとみる。ただ、廃炉に伴う減収や具体的な事業費は加味しておらず、町の担当者は「不確定要素が多く、危機感を持たなければならない」と警戒する。
■ 暗黙の了解形成
 「誰が首長になっても安定した町政運営を行える体制が必要だ」
 連続10期務め、原発誘致を推進した故木村主税(ちから)元町長の狙いは当たった。
 1号機の建設が本格化した1980年度以降、町には累計250億円超の電源3法交付金が入った。東北電力が納める固定資産税は17年度、約25億円に上った。
 原発マネーは総合体育館、町立病院などの公共施設をはじめ、保育所運営、ごみ収集といった生活密着のサービスにも及んだ。「合併せずに単独路線を貫けたのは原発のおかげ」。暗黙の了解が形成された。
 震災は町の空気を微妙に変えた。
 「声なき声が多数存在することが明らかになった。再稼働は困るという思いの人はたくさんいる」
 再稼働の是非を問う住民投票の条例制定を目指す市民団体「女川町署名活動実行委員会」は12日、町内で集めた署名簿を町選管に提出した。署名数は有権者の21.9%に達する1238筆。宮城県内の自治体で突出する高率に、町内の署名活動を率いた高野博町議は高揚感を隠さなかった。
■ 町民の意思表示
 「親戚が原発関連の仕事をしている」「原発と取引がある」。署名活動は立地自治体ならではの困難にも直面した。「再稼働に賛成だが、住民投票は必要」と応じる町民もいた。
 署名数の評価について、須田善明町長は14日の町議会定例会で「一定数の方々がそういう考えだということは言える」とかわしつつ、「エネルギー政策は全体と個別の視点がある。政治に関わるものは全体的な視野も持たねばならない」と慎重に語った。
 署名活動は原発に対する町民の意思表示だった。高野町議は「自分たちのことは自分たちで決める。その意識が定着すれば、町は変わる」と力を込めた。
 廃炉方針は原発と行政、経済の相互関係に不透明感を生んだ。復興を歩む女川の将来に原発はどう位置付けられるのか。原発城下町が今、揺れている。


河北抄
 けさ起きたら、雪がうっすらと辺りの景色を白く染めていた。雪国で育ったせいか、雪を見るとどこか心が弾む。通勤の途中、会社近くの公園で、子どもがうれしそうに雪の上に木の枝で絵を描いていた。その気持ちが分かる。
 「雪恋い」という言葉がある。石川県生まれの作家、故高田宏さんの造語だ。高田さんはこんな言葉を残している。雪国に生まれ育った人の多くが、雪国を離れても、いや雪国を離れればなおさら、雪へ向かう心を深くしている−。
 「雪恋い」の思いが募ったけさの仙台市は、最低気温が氷点下3.0度。この冬最も寒い朝となった。年末年始にかけて強い寒気が列島を覆うという。日本海側は大雪の恐れもある。帰省の足に影響が出ないか心配だ。
 きょうは仕事納め。一年の労をねぎらって、仙台の夜の街で一献という人もいるかもしれない。厳しい寒さと雪で滑りやすくなっている足元には、くれぐれも気を付けたい。
 夕刊もきょうで仕事を納め、あすから正月3日までお休み。良いお年を−。


余部鉄橋事故32年 遺族ら慰霊碑に冥福祈る 香美
 国鉄(現JR)山陰線の余部鉄橋(兵庫県香美町香住区余部)で、突風にあおられた回送列車が転落して6人が死亡した事故から、28日で32年となった。朝から雪が舞い、強い風が吹き付ける中、遺族らは現場の慰霊碑に静かに手を合わせ、亡き人の冥福を祈った。
 事故は1986(昭和61)年12月28日に発生。午後1時25分ごろ、回送列車の客車7両が転落し、約40メートル下にあったカニ加工工場を直撃した。工場で働いていた地元の女性従業員5人と車掌の足立明さん=当時(54)=が命を落とした。
 三十三回忌のこの日、妻の加代子さん=当時(38)=を亡くした同区余部の北村忠久さん(74)は、墓参りを済ませた後で慰霊碑を訪れた。当時7〜11歳だった子ども3人を男手一つで育て上げ、「孫と皆元気に過ごしているよ」と加代子さんに報告。「いつも守ってくれてありがとう。これからも見守り続けて」と碑を見つめて話した。
 発生時刻前後には、足立さんの遺族や、JR西日本労働組合の組合員ら17人も花を供え、黙とうをささげた。同労組は「悲惨な事故を繰り返さないために、会社組織のあり方や安全対策の検証を常に怠らずにいたい」と語った。
■助けられたことに感謝 救助された橋本喜代子さん
 余部鉄橋から落ちてきた列車で押しつぶされたカニ加工工場では当時、女性従業員8人が働いていた。香住区余部に暮らす橋本喜代子さん(92)は、車両の直撃を間一髪で免れ、救助された3人のうちの1人。「年の瀬になると、仲が良かった、亡くなった人たちの顔が目に浮かぶ」と振り返り、涙で頰をぬらした。
 加工工場の仕事納めだった事故当日は日曜で、地元の主婦ら従業員12人のうち8人が出勤した。二つの作業台に分かれて、カニの殻をむく身出し作業に当たっていたという。
 強風で揺れる窓を誰かが押さえるのが目に入ったという次の瞬間、工場が大破した衝撃で気を失った。
 「これでもう、正月ができんなぁ」。枕元の母親がつぶやいた一言で目を覚ました時は、病院のベッドで横になっていた。
 「私は崩れた屋根の下に倒れていて、助け出そうにもくぎが引っ掛かって大変だったようです」。救助された3人は、同じ作業台で働いていた橋本さんと、40代の女性たちだった。
 32年を経た今、地元で外出すればほかの2人と顔を会わす時があるが、事故の話はしたことがない。
 左手首を骨折し、右腕は肩より高く上げることもできなくなった橋本さん。首を打った後遺症で、今も両手の指先にしびれが残る。
 それでも、弱くなった足腰を奮い立たせて畑仕事に精を出す。「助けられ、長生きさせてもらい、ありがたい」。かみしめるようにつぶやいた。(金海隆至)


日本海側で大雪の恐れ 年末帰省ラッシュへの影響も
 気象庁は28日、強い冬型の気圧配置が30日ごろまで続くとして、北日本の日本海側と北陸を中心に大雪や吹雪による交通障害、高波に警戒を呼び掛けた。年末の帰省ラッシュへの影響が懸念される。東日本や西日本の日本海側の山地でも大雪の恐れがあり、東海や近畿の平地で積雪の可能性があるとしている。
 気象庁によると、上空にこの冬一番の寒気が流れ込んでいる。29日午前6時までの24時間に見込まれる降雪量は、多いところで北陸80センチ、東北70センチ、関東甲信60センチ、北海道50センチ、中国45センチ、東海、近畿40センチ。


日本版NCAA/大学スポーツ変革の契機だ
 大学スポーツ界を統括する「大学スポーツ協会(UNIVAS)」の設立に向けた動きが進んでいる。全米大学体育協会(NCAA)をお手本に、「日本版NCAA」ともいわれるこの組織は、一般社団法人として来春設立が決まったが、大学スポーツ全般の活性化、変革にどうつなげていくかが問われる。
 中学校には日本中学校体育連盟(日本中体連)、高校には全国高校体育連盟(全国高体連)という統括組織がある。UNIVAS設立を主導するスポーツ庁によると、大学にはこうした統括組織はない。あくまで「課外活動」としての位置づけで、学生主導による競技単位の組織、いわゆる「学連」などが中心。大学の関与もさまざまだ。
 米国は各大学に「体育局」があり、会計などは大学本体とは別の独立採算になっているという。プロ顔負けの施設を有する大学も少なくない。
 大学、競技を横断して統括するNCAAは、1910年から100年以上の歴史を持ち、全米大学2300校中、約1200校が参加。年間約1000億円の収入があるという。一方で、学生に学業との両立を求める共通ルールなどもある。
 日本では、2020年東京五輪・パラリンピック開催決定などを受け、大学スポーツの持つ潜在的な可能性が注目され、文部科学省が検討を進めてきた。日本大学アメリカンフットボール部の悪質反則問題などで、大学スポーツ界のコンプライアンス(規範順守)を問う声も高まり、統括組織設立への追い風となった面もあろう。
 UNIVASは理念として、大学スポーツ振興による「卓越した人材育成」「大学、ブランド強化」「競技力向上」を挙げ、地域・経済・社会への貢献に生かすことを目指す。大学や競技団体と連携し、企業、消費者などとをつなぐ役割を担う。
 具体的には成績管理などの「学業充実」、ハラスメントなどへの相談体制構築などの「安全安心・医科学」、スポンサー制度導入などの「事業・マーケティング」への取り組みを事業の柱としている。
 設立時、200大学、20組織の参加を目指し、来年1月に登録受け付けを始める。設立準備委員会には東北から既に東北大、山形大、東北福祉大、仙台大などが入る。
 もちろん、組織ができたからといって、一朝一夕にさまざまな課題が解決できるわけではない。初年度予算は約20億円という。UNIVASには、大学自治や各競技団体が築いてきた伝統を守りながらも、より学生が活動しやすい環境づくりなどに向けた地道な活動が求められる。
 地域や住民にとっても、各大学が持つスポーツ資源を、人材育成や競技力向上、活性化などの面でこれまで以上に生かすことができるような取り組みを期待したい。


不祥事続いたスポーツ界 権力かざす指導に決別を
 暴力やパワーハラスメントなどの不祥事がこれほどスポーツ界を覆った年があっただろうか。
 レスリング界では女子選手へのパワハラが発覚した。日本大アメリカンフットボール部員に悪質なタックルを強要したとされる指導は社会問題に発展した。
 女子体操ではコーチが暴力を振るう映像がSNSを中心に流れて衝撃を与えた。このコーチは、自身がかつて暴力指導を受けていた経験を明かしている。その指導に感謝の気持ちを持っていたとも語った。
 共通するのは、上下関係を背景として指導者が暴力や威圧的な言葉で選手を追い詰める手法だ。そういった指導が競技力を高め、精神的な成長も促すとの考え方は時代遅れも甚だしい。
 旧弊を改めようと、競技団体のガバナンス(組織統治)強化に向けてスポーツ庁は円卓会議を新設した。日本オリンピック委員会(JOC)、日本スポーツ協会など統括団体も加わっている。
 スポーツ庁は来春までに競技団体が守るべきルールを策定することも決めた。だが、旧態依然とした意識と決別するには競技団体幹部や指導者の意識改革が何より欠かせない。
 2013年、当時の女子日本代表監督による暴力やパワハラが発覚した柔道界は透明性の高い組織を目指し、出直しを図った。
 内部の力だけでは改革は難しいと外部有識者も交え、組織を刷新した。しかし、それだけでは地方や若年世代の指導現場まで目を行き届かせることはできない。
 柔道界はそのような負の部分を正直に表に出す試みを行っている。先月、大阪で行われた国際大会のプログラムには最近起きた事例を掲載し、関係者に警鐘を鳴らした。
 心理学を学んだり科学的な指導法を身につけたりして選手と一緒に考える指導者がいる。トップダウンでなく、選手に経験から学んで考えてもらおうとボトムアップの成長を志向する指導者も増えている。必要なのは選手第一の発想だ。
 こういった取り組みはスポーツ界全体で共有できるものだろう。競技団体自らが主体的に健全性を確保し、いかに信頼回復に努めるかが問われている。


大学法人統合 学生のメリット示して
 名古屋大と岐阜大が、全国で初めて大学運営法人の統合で基本合意した。他地域でも同様の協議が進む。経営効率化や教育研究機能の強化のためという。学生や受験生へのメリットも示してほしい。
 全国の国立大は二〇〇四年度から「文部科学省に縛られず、教育や研究が自ら考えやすくなるように」と同省の直轄から個別の法人運営に変わった。今回は名大と岐阜大を運営するそれぞれの法人を一つにまとめる。
 それが可能になる法改正が来春行われる予定。両大学は二〇年度に統合した新法人「東海国立大学機構」(仮称)を設立する考えだ。他地域では「静岡大と浜松医科大」「小樽商科大と帯広畜産大、北見工業大」「奈良教育大と奈良女子大」の三組が協議中という。
 名大と岐阜大によると、統合のメリットは、運営のむだを省くこと。事務管理部門や語学などの授業を共通化し、余裕のできた教職員や財源を専門的な研究と教育に振り向ける。共同研究が盛んになれば、産・官・学の連携がより進むとみている。
 規模も大きくなる。学生数は、名大一万五千八百人、岐阜大七千三百人。足すと、国立大では東京大、大阪大に次ぎ三番目に多い二万三千百人になる。名大は今春、予算面で集中支援される「指定国立大学法人」の一つに選ばれた。岐阜大との統合構想が選定の引き金になったという。
 両大学はメリットだけでなく、法人統合の課題も挙げた。「意思決定の遅れや二度手間につながらないか」「共通化で教職員の負担が増さないか」「新法人設立後の混乱と混沌(こんとん)はないか」−など。
 名大の松尾清一学長は「できるだけ排除する」と述べたが、具体策はこれからだ。岐阜大側には「規模の大きな名大に吸収されるのではないか」との懸念もある。岐阜大の森脇久隆学長は「少子化で地方大学を取り巻く環境は厳しくなる。統合で共同研究が増えれば、本学にはチャンスだ」と前向きに話すものの、学生や受験生、OBらに不安は残る。
 大学名や現在の学部、入学定員はそのまま。入試は今まで通り別々に行われる。学生や受験生には統合の利点がよく見えない。
 ノーベル賞研究者を何人も輩出した名大。地域に根ざした教育や研究を続ける岐阜大。“越県統合”の両大学は規模も学風も得意分野も異なる。改革のフロントランナーとして、学ぶ者へのメリットを分かりやすく示してほしい。


9条俳句掲載 表現はまだ梅雨空の中
 憲法九条を詠んだ俳句が公民館の月報に掲載されない−。この問題は司法判断を経て、やっと掲載になる。単なる市側の事なかれ主義だったのか。今も表現の自由は曇りの中にあるのではないか。
 <梅雨空に「九条守れ」の女性デモ>−。既にこんな俳句が世間で問題視される世の中になっていた。さいたま市の女性が二〇一四年に詠み、句会で優秀と認められた。慣例で月報「公民館だより」に掲載されるはずだった。
 ところが、公民館側は拒否。理由は「世論を二分する内容で、掲載は公民館の公平性、中立性を害する」だった。女性は裁判に持ち込み、東京高裁は「思想、信条を理由に不公正な取り扱いをし、女性の利益を侵害した」と市側に賠償を命じた。最高裁でも今月、慰謝料は減額されたが確定した。
 一四年とは政府が集団的自衛権の行使容認を閣議決定した年である。憲法学者から「違憲の疑い」が指摘された。誰もが危機を感じ、声を上げてよかった。その一人が俳人の故金子兜太氏だった。
 九条俳句問題は、金子氏らが選者となって、本紙の読者投稿「平和の俳句」(一五〜一七年)が始まるきっかけになった。三年間に十三万句以上も寄せられた。
 戦時中を知る金子氏は真っ先に「新興俳句弾圧事件」を思い出したという。例えば渡辺白泉の句が治安維持法違反になった。
 <戦争が廊下の奥に立つてゐ(い)た>
 この句と比べてみてほしい。九条俳句が排斥されるならば、現代もまるで暗黒時代と同様になってしまう。表現の自由が憲法で保障されているはずが、役所の「公平性、中立性」の言葉で踏みつぶされるのだから…。
 しかし、政治的中立性に幻惑され排除されるのは、九条俳句ばかりではない。護憲集会で公的な会場を貸さなかったり、行政主催の講演会で、護憲派ゲストを取り消したり…。不合理な動きだ。
 反原発や政権批判、米軍基地問題でもしかり。行政があまりに政治問題に神経質になっている。モデルのローラさんが沖縄の辺野古埋め立て反対の署名を呼び掛ける投稿をしただけで物議をかもす。なぜなのか。
 自由社会でありえない横暴さがまかり通っている。公権力は政権の意向を忖度(そんたく)しているのか。それこそが問題なのに…。「戦争が廊下の奥に立っている」時代にも等しい空気が何とも息苦しい。


茂木健一郎氏、CM降ろす発言の企業は「2流以下」
脳科学者の茂木健一郎氏(56)が、政治的発言をした芸能人を出演CM等から「降ろす」などと発言するスポンサーや企業を「2流以下」とこき下ろした。
茂木氏は27日、「政治的発言をしたタレントさんを干すってダサくないですか?(笑い)」と題した動画をYouTubeにアップ。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設工事中止を求める署名を呼び掛けたタレントのローラに対し、美容外科「高須クリニック」の高須克弥院長(73)が「僕なら(CMから)降ろす」とツイッターで発言したことを受け、「なんか日本だとタレントさんが政治的な発言をすると、番組を降ろされたり、スポンサーさんが『もう使わないぞ』って脅してみたり、なんなんですかねぇ?」と切り出した。
続けて茂木氏は、米ナイキが人種差別に抗議して賛否を呼んだアメリカンフットボール選手のコリン・キャパニックをCMに起用した例をあげ、「そういう社会に問題提起するような選手を使うことがナイキのブランド価値を上げた」と指摘。「ある程度、物議をかもしても、人類を前に進めるような提案をしててくださるような方はいいじゃないですか」と自身の考えを述べ、「それに対して、何なんですかね?日本の番組とかスポンサーって。『もしそういう政治的発言をすると降ろすぞ』みたいな。これ、ブランドとしては2流以下ですよね」と切り捨てた。


安倍政権/国民への説明責任どこへ
 第2次安倍政権が発足6年を迎えた。秋の自民党総裁選で3選された安倍晋三首相は、来年11月の時点で通算在職日数が歴代最長となる。
 「森友・加計(かけ)」学園問題の反省から、「丁寧」「謙虚」に政権運営に努めるとしていた。だが実際は、長期政権の弊害か、強引な手法ばかり目立った。
 問題なのは、国民に情報を十分に開示しないまま押し通そうとする姿勢だ。焦点となった改正入管難民法案は、データが不十分で、内容も生煮えだった。事実上の移民につながりかねない政策を単なる「外国人材の受け入れ」と主張し、本質的な議論をないがしろにしている。
 今年前半は、「もりかけ」問題がクローズアップされた。
 森友学園への国有地の売却では、財務省が決裁文書の書き換えに手を染め、行政への信頼を失墜させた。改ざんを主導したとされる佐川宣寿氏は国税庁長官を辞任したが、具体的な動機は明らかとなっていない。
 加計学園の獣医学部新設を巡る問題も疑念が募るばかりだ。首相が事前に知っていたとうかがえる愛媛県の文書が存在したが、渦中の加計孝太郎理事長の国会喚問は拒んでいる。このまま曖昧にしてはならない。
 今年は対決型の法案が多数審議された。いずれも政府の十分な説明がない上に、与党が数の力で押し切った。
 通常国会では、働き方改革法案の根拠となるデータがずさんなものと判明した。いわゆるカジノ法案も、ギャンブル依存症への懸念が拭えていない。臨時国会では、改正入管難民法案の中身が不十分なのに、審議時間は異例の短さだった。
 安倍政権で顕著なのが、言葉の言い換えだ。「武器輸出」を「防衛装備移転」とし、「空母」を「多用途運用護衛艦」とした。方針の転換を十分な議論もなく押し進め、表現でかわそうとする。国民に対する説明責任はどこへ行ったのか。
 最新の世論調査で、不支持が支持を再び上回ったのは、こうした姿勢に対する反感の表れと言える。来年は、統一地方選と参院選が予定される。国民を軽視し続ければ、そのつけを必ず支払うことになるだろう。


安倍政権7年目に/1強の弊害にも目を
 現在の安倍政権が7年目に入った。2012年12月末の政権復帰後、安倍政権は4回の衆参両院選挙を勝ち抜き、安定した政権運営を続けてきた。大規模金融緩和と財政出動によって景気浮揚では一定の成果を上げたとされるが、2%の物価上昇目標は、事実上断念に追い込まれるなどデフレ脱却による経済再生には至っていない。
 中央省庁の幹部人事の掌握によって安倍晋三首相ら官邸の「独裁」傾向が強まる中、財務省の決裁文書改ざんなど公文書を巡る未曽有の不祥事が相次ぐ。閣僚らの不十分な答弁で国会審議の空洞化も進み、改正入管難民法など国の在り方に関わる法案で採決強行が繰り返され、大島理森衆院議長が苦言を呈する事態に陥っている。
 「安倍1強」によってもたらされた弊害も大きいのではないか。安倍首相は20年の改正憲法の施行を目指すが、改憲に突き進む前に自らを省みる必要がある。
 この6年、目に見えて変化したのは政官の在り方だ。特に目立つのは官僚の倫理的な劣化だ。今年3月に発覚した学校法人「森友学園」問題を巡る財務省による決裁文書改ざんが象徴だ。昨年2月、森友学園に大阪府豊中市の国有地が8割超も値引きされて払い下げられていたことが報道などで発覚。この土地に開校予定の小学校の名誉校長に安倍昭恵首相夫人が就いていたことから昭恵氏の関与や財務省側の「忖度(そんたく)」が疑われた。
 払い下げを巡る経緯が国会でも厳しく追及される中、理財局幹部らは、売却交渉の経過を記した計14の決裁文書から昭恵氏に関する記述を消すなどした。改ざんに反対した近畿財務局職員の自殺という悲劇も招いた。
 公文書は行政手続きだけでなく国会審議の基本だ。改ざん行為は国会を軽視し空洞化させたことになる。その点では自衛隊日報隠蔽(いんぺい)問題も同じだ。通常国会閉幕に当たり大島議長が異例の所感を発表、決裁文書改ざんや日報隠蔽などを挙げて「民主主義の根幹を揺るがす問題だ。立法府の判断を誤らせる恐れがある」としたのは危機感の表れだ。
 さらに臨時国会では政府や与党による国会軽視も見られた。外国人労働者の受け入れを拡大する改正入管難民法は根幹部分が関係省庁の省令任せで、政府は細部を詰めようとする野党の質問に「検討中」を連発、野党が反発する中、採決を強行した。
 政権が重視する法案を強引に成立させようとする傾向は国政選挙を制するたびに強まった。13年参院選後は「知る権利」を侵害する恐れがある特定秘密保護法を、14年衆院選後には集団的自衛権の行使を可能にした安全保障関連法を、17年衆院選後には「働き方」改革関連法を成立させた。世論の反対を押し切った結果、政権支持か否かで国民の間に分断を生んでいる。
 翻って1強が及ばない外交では同盟国・米国のトランプ大統領に通商問題や防衛装備購入で翻弄(ほんろう)されている。「戦後外交の総決算」と銘打つロシアとの北方領土交渉や北朝鮮による拉致問題解決も結果は出せていない。
 安倍首相は政権6年に当たり、短命に終わった第1次政権の挫折が肥やしになったと言われるが、この6年間に生じた弊害にも目を向ける必要があろう。


沖縄県民投票 参加する権利は平等に
 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設について賛否を問う来年2月の沖縄県民投票が、一部自治体で実施されない可能性が出てきた。
 41市町村のうち7市町の議会が投開票を実施するための関連予算案を否決し、宜野湾、宮古島両市では首長が専決処分での予算執行もしない考えを示したからだ。
 辺野古移設について、県と市町村の判断が異なることはあろう。
 だからと言って、県条例に基づく投票の機会が居住地によって行使できない事態が生じていいのか。投票権に関わる判断は、より慎重であるべきだ。
 県も各市町村に対し、丁寧に協力を求める努力を尽くしてもらいたい。
 安倍晋三政権は辺野古沿岸部への土砂投入を強行するなど、その横暴ぶりは極まりない。
 県民投票は、頭ごなしに国の政策を押し付ける安倍政権に県民が直接意思を示す重要な場となる。
 その権利を行使するかどうかは有権者に委ねるのが民主主義のあるべき姿ではないか。
 県民投票条例の制定を巡っては、9万人を超える署名が集まり、今回予算案を否決した自治体の多くの住民も条例制定を請求したことを忘れてはなるまい。
 県議会では自民、公明両党が賛成、反対の2択では多様な民意をくみ取れないなどとして「やむを得ない」「どちらとも言えない」との回答も加え、4択とするよう求めたが否決された。
 一部の市町村からは、県民投票で移設反対が過半数となる可能性が高いことを踏まえ「普天間飛行場の返還が遠のく」といった懸念が示されている。
 県民投票の実施に向けてはさまざまな意見がある。こうした声に耳を傾けて意思決定しなければならないのは当然のことだ。
 だが、投票に反対しているのは政権と連携する保守系の首長や議員が多い。投票者を少なくして、県民投票の有効性を低めようとの思惑も透ける。政治的な駆け引きのための反対なら看過できない。
 関連予算案を議会で否決した与那国町は町長判断で投票を実施する見通しだ。一方、宜野湾市では投票権の侵害だとして損害賠償請求訴訟を起こす動きも出ている。
 そもそもこうした混乱や県民の分断を招いた原因は、安倍政権の強行姿勢にこそある。
 玉城デニー知事は米軍も加えた対話による解決策を探っている。国はその求めに応えるべきだ。


「不参加自治体あっても県民投票実施」 玉城知事が表明
 沖縄県の玉城(たまき)デニー知事=写真=は二十七日、県庁で記者団の取材に応じ、米軍普天間飛行場(宜野湾(ぎのわん)市)の名護市辺野古(へのこ)移設の賛否を問う県民投票について、一部自治体が不参加となっても予定通り来年二月二十四日に実施する考えを明らかにした。「条例の定めた通りに執行していきたい」と語った。
 県民投票をめぐっては、投開票事務に必要な予算を議会が認めなかったことなどを理由に、宮古島、宜野湾両市が不参加の意向を表明。玉城氏は「地域によって投票機会が奪われることがあってはならない」と述べ、全自治体に協力を求める方針を強調した。
◆ローラさんら発言「関心持つ機会に」
 玉城氏は、沖縄出身のタレントりゅうちぇるさん、お笑いコンビ「ウーマンラッシュアワー」の村本大輔さん、タレントのローラさんら芸能人や文化人の間で、埋め立てを県民投票まで止めるようトランプ米大統領に求める請願署名の動きが広がっていることには「参加するのは自由な自身の考えに基づくもので、どんな立場であれ参加する権利はある」と指摘した。
 署名に同調する動きについて「政治的であるかどうかは捉え方によるが、なぜそのような発言がなされなければならないか、関心を持っていただく意味で大切な機会になるのではないか」と語った。


IWCからの脱退 国際社会に背を向けるな
 国際社会と協調し共に発展していく道を粘り強く模索すべきだ。政府が国際捕鯨委員会(IWC)からの脱退を通告したのは、短慮で早計に過ぎると言わざるを得ない。
 日本が主要な国際機関から脱退したケースは戦後ほとんど例がない。これからは、他国に対して国際秩序の維持を主張しても、十分な説得力を持ち得ないのではないか。利害得失を冷静に検討すれば、脱退という結論にはならなかったはずだ。
 IWCは、クジラ資源の保存と捕鯨産業の秩序ある発展を目的として、国際捕鯨取締条約に基づき1948年に設立された国際機関だ。日本は51年から加盟していた。
 8月時点の加盟国は89カ国。このうち日本など41カ国が捕鯨支持国であるのに対し、反捕鯨国はオーストラリアなど48カ国に上る。
 こうした勢力構図の中で、反捕鯨国がクジラの保護一辺倒になり、捕鯨産業の秩序ある発展という所期の目的が弱まってきた側面は否めない。
 菅義偉官房長官は「鯨類に対する異なる意見や立場が共存する可能性すらないことが残念ながら明らかとなった」とコメントした。だからといって、脱退を正当化する十分な理由にはなり得ない。
 IWCが商業目的の捕鯨の一時停止を決定したのは82年。これを受け、日本は88年に商業捕鯨から撤退した。だが、異議申し立てや留保という手法を取ったノルウェーやアイスランドには、一時停止が適用されていない。
 日本も異議を申し立てたが、反捕鯨国である米国の圧力を受けて撤回した。米国の排他的経済水域(EEZ)で日本の漁船の操業を制限すると脅されたためだ。商業捕鯨がどうしても必要なら、なぜ圧力をはねのけて初志を貫徹しなかったのか。
 日本は9月のIWC総会に商業捕鯨の再開を提案したが否決された。業を煮やした有力与党議員らの声に押されて政府が脱退を決断した。
 重要な食料資源である鯨類は科学的根拠に基づき持続的に利用すべきであるというのが日本の主張だ。食文化の多様性を尊重すべきだとも訴え、商業捕鯨の再開を目指す。
 他方、鯨肉の国内消費量は低迷している。62年度に約23万トンだったのが、最近は年間5千トン前後にとどまる。かつては学校給食にも取り入れられる貴重な栄養源だったが、今や存在感は薄い。
 日本はIWCで多数派を形成しようと連携可能な国に加盟を働き掛けた経緯がある。脱退によって、これらの国を置き去りにすることになる。信用に関わりかねない。
 来年7月から約30年ぶりに商業捕鯨が再開されるが、再び国際訴訟を起こされる可能性も指摘されている。
 たとえ劣勢であっても、同じ土俵に踏みとどまって、正々堂々と主張し続ける方が賢明だった。脱退は国際社会に背を向けるに等しい。


原子力施設廃止  「負の遺産」の現実語れ
 日本原子力研究開発機構は、福井や茨城など4県に保有する79施設の廃止費用が約1兆9千億円に上るとの試算を公表した。
 施設廃止に向けた全体像が明らかになるのは初めてだ。完了するまでには最長70年かかるという。
 だが試算に盛り込まれた費目は解体費、処理費、処分費だけで最低限の金額といえる。廃止までの維持費や老朽化対策費は含んでおらず、額はさらに膨らみそうだ。
 原子力機構は国の交付金で運営されており、巨額の費用は国民負担となる。最終的に必要なコストや工程を含め、より実態を踏まえた全体像を示してほしい。
 文部科学省所管の国立研究開発法人であり、前身組織を含め1950年代から国の原子力政策の中核を担ってきた。
 今回の公表は、昨年の原子炉等規制法改正を受けてのものだ。原子力事業者は今年末までに廃止費用を示すよう義務づけられた。
 原子力機構は研究や技術開発を進める一方で、保有施設の老朽化対策や廃止といった後始末は置き去りにしてきた。「国策」とはいえ無責任だと言わざるをえない。
 東京電力福島第1原発事故で原子力推進の機運は一転したが、廃止費用と放射性廃棄物は将来世代に引き継がれる。今回公表した高速増殖原型炉もんじゅ(福井県)のようにトラブルが続出し、成果がほとんど出なかった施設もある。
 原子力機構は「負の遺産」の現実を国民に丁寧に説明すべきだ。
 廃止の対象は研究用の原子炉、核燃料製造に必要なウラン濃縮技術を開発した施設などだ。最も費用がかかるのは東海再処理施設(茨城県)で当面の維持費を含めると約1兆円。もんじゅは約3750億円に達する。
 原子力機構の年間収入は1700億円ほど。廃止費用は長期間かけて国に予算要求し、工面する。
 今後10年間で44施設を廃止する方針だが、先は見通せていない。ドラム缶入りの放射性廃棄物は高レベル約500本、低レベル約56万〜57万本を見込む。最終処分先は未定で、低レベルの一部ドラム缶が腐食していることが判明した。管理もずさんだった。
 原子力機構は高速炉の開発を続けているが、人員や予算に限りがある中、施設廃止に最優先で取り組む必要がある。処分場の確保など、機構だけでは解決できない課題も多い。着実に廃止を完了させるため国が前面に立ち、責任を持って対処すべきだ。


主力は外国人と10代 五輪ボラは応募者18万人でも不安山積
「やりがい搾取」と散々批判を受けてきた東京五輪ボランティア。大会組織委員会は8万人の募集に18万人の応募があったと豪語したが、その内実には不安が残る。
 応募者全体の37%を占めるのは、約7万人の外国人。開催国の言語が全くできないのであれば活動に支障をきたす。そのため、過去のリオ五輪やロンドン五輪では、外国人ボランティアの割合はわずか数%に過ぎない。
 26日行われた組織委の会見で、武藤敏郎事務総長も「外国籍で現実にボランティアとして活躍される方の割合は、はるかに少なくなる可能性は十分にある」と漏らした。
 日本人応募者にも不安がある。年齢層を見ると、最多は25%を占める10代の約3万人だ。現在の高3と高2は2020年7月からの五輪開催の頃には、進学や就職によって、ボランティアを辞退する可能性も十分に考えられる。
 さらに、ボランティアの活動内容別では人数が足りていない分野もある。大会関係者を会場や選手村へ送る「移動サポート」では、最大1万4000人のドライバー募集に対し応募は半分以下の6140人。スポンサーの日本郵政などに協力を要請するというが、記者からは「動員につながるのでは」との指摘も出た。
 武藤氏は「8万人という数字は1人が10日間活動した前提で人数をはじき出しております。仮に1人が20日間、あるいは30日間活動すれば、8万人の人数が少なくなります」と言い出す始末。ますます「やりがい搾取」を激化させる発想だ。
「過去のデータから実際に活動する外国人ボランティアは1割程度。生活環境が変わりやすい10代も実際に参加する可能性は低い。応募者18万人でも人手不足になるでしょう。少ない人数で何とかしようという発想が、まさにブラックボランティア。これで事故が起きたりしたら、労働問題に発展しかねません」(「ブラックボランティア」の著者で作家の本間龍氏)
 五輪の成功は前途多難だ。


専門家が警告 株価逆流で日経平均1万円割れの新元号元年に
 日経平均株価は26日、一時、約1年8カ月ぶりに1万9000円を割った。終値は、前週末比1010円下げた前日より171円高い1万9327円。27日は再び2万円を回復したが、持ち直しの気配は感じられない。日経平均の下落は米国株安のとばっちりなんて軽い話じゃない。世界同時株安だったブラッククリスマス(25日)に日経平均の下落率は5%で、米国ダウの2.9%より大きかった。日本株安の方が深刻なのだ。来年の「新元号元年」は、アベノミクスのツケが回り、日本経済はどの国よりも“土砂降り”になりそうだ。
 26日で政権発足後、丸6年を迎えた安倍首相は経団連の会合で「第1次内閣時代の反省の上に(金融緩和など)3本の矢を放ち、経済の好循環を力強く回転させた」と自画自賛した。確かに第2次以降の安倍政権下で株価は3倍となった。
 民主党政権時代(2009〜12年)、1ドル=80円台の円高の中、株価は8000円台に低迷していた。12年12月の第2次政権発足から約4カ月後、異次元金融緩和を開始。これまで100〜120円台の円安をキープしてきた。為替のマジックで輸出企業の収益は上がり、同時にGPIFや日銀が株を爆買いしたため、株価もうなぎ上り。今年10月には2万4270円と、平成バブル期以降、27年ぶりの高値を付けた。
 株価の面ではアベノミクスは結果を出したように見えるが、経済評論家の斎藤満氏はこう指摘する。
「安倍政権発足後は、米国や中国の景気が良かったため、円安を追い風に輸出企業は低価格で輸出できた。ところが、世界の景気が後退し、円高に向かいつつある今日、それでも国際競争に勝てる日本企業はほとんどありません。株高という見せかけの景気の上に、卓越した技術や魅力的な製品など実体が伴っていないからです。アベノミクスの6年間で、世界を席巻するような技術や製品が登場したでしょうか。むしろ、日本が得意とした半導体や液晶などどれも衰退していきました」
■「まさにアベノミクスのツケ」
 それでも、現在の世界同時株安が一過性なら救いがあるが、どうやら世界経済の鈍化は長期化するという。
「トランプ米大統領の法人税減税で浮いたお金は、投資に回らず、企業は自社株買いで株高を誘導していました。好調といわれた米国経済も見せかけの“バブル”だった一面もあったのです。中国、EUも景気は後退傾向。現在の株安は一時的とは考えにくい」(兜町関係者)
 景気後退に対して各国は打つ手がある。金利が高い中国や利上げを続けてきた米国は利下げができるし、今月で金融緩和を打ち止めたEUも、緩和を再開すれば景気を刺激できる。ところが、マイナス金利が続く日本は利下げの余地ナシ。また、異次元緩和で、金融機関の副作用は限界に来ている上、トランプの円高圧力で追加緩和もままならない。
「各国は有事に備えて金融引き締めをしてきたが、安倍政権はできなかった。まさにアベノミクスのツケです。これからの景気後退に対して、日本は打つ手がないため、市場に委ねるしかありません。円高の進行は避けられず、100円を切って90円台前半に向かうこともあり得ます。“強み”を育ててこなかった輸出企業はたちまち競争力を失い、収益を直撃します。日経平均のアベノミクス前の低水準に逆戻りは、あながち否定できません」(斎藤満氏)
 日経平均は3カ月足らずで5000円以上も下げた。この間、約23%の下落率は世界でもトップクラス。新元号元年は、株価1万円割れも絵空事じゃないのだ。


不要な勾留、認めない 容疑者早期釈放促す活動本格化 札幌弁護士会
 刑事事件で逮捕された容疑者の勾留を巡り、札幌弁護士会が検察官や裁判官に対し、早期の釈放を求める活動を本格化させている。7〜9月に52人の釈放を求めたところ、19人が釈放され在宅捜査に移行した。勾留は最大20日間に及び、失職や精神的苦痛などの不利益が指摘される。拘束が続く日産自動車の前会長カルロス・ゴーン被告の役員報酬を巡る事件では、欧米を中心に「人質司法」との批判も目立つ。弁護士会は「不要な勾留がある」として活動を強化する。
 最高裁によると、全国の裁判官が2017年、検察官による勾留請求を却下した割合は4・9%。1978〜07年は1%未満で、否認すると釈放しない「人質司法」への批判などから徐々に上昇した。最高裁が14年、京都市で痴漢をしたとされた男性の勾留請求で、証拠隠滅の恐れについて「現実的可能性は低い」として勾留を認めなかったことも流れを後押しした。
 一方、札幌地裁管内の07〜16年の却下率は0・4〜1・6%。17年は2489人の請求のうち、却下は73人で、却下率は2・9%だった。札幌弁護士会刑事弁護センターによると、勾留が長引くと、精神的苦痛に加え、会社員であれば解雇、自営業者であれば破産などのリスクが高まる。
■3カ月で19人
 札幌弁護士会は7月から、早期釈放を求める活動を初めて集中的に行い、勾留が不要と判断した52人の釈放を申し入れた。その際、「監督する家族がいるので逃亡の恐れがない」「主要な捜査が終わっており、証拠隠滅を図れない」など容疑者側の情報を地検や裁判所に提供。裁判官が勾留を認めた場合は準抗告で不服を申し立てた。
 刑事弁護センターの川上有委員長は「これまで弁護士側は、勾留が不要と判断されるだけの容疑者側の情報を検察官や裁判官に伝えられていなかった」と話す。
 9月末までに釈放された19人のうち、7人は準抗告を経ずに釈放され、10人は勾留決定後に準抗告が認められた。残る2人は、勾留開始後に弁護士による取り消し請求が認められた。容疑別では窃盗が最多の6件、傷害と道交法違反関連が各2件。強制わいせつ事件で否認した容疑者を巡っては、容疑者が被害者の連絡先を知らず、証拠隠滅ができないことなどを準抗告で主張し、釈放された。弁護士会は「積極的に活動すれば釈放につながることが証明された」とする。
 全国に先駆け10年から活動を行う埼玉弁護士会によると、さいたま地裁管内の却下率は当初の2〜3%台に対し、17年は5・1%。勾留請求されずに釈放される事案も増え、17年度は全容疑者の17・9%(札幌は1・3%)に上り、全国1位だった。同会の長沼正敏弁護士は「身体拘束に対する検察官らの意識改革にもつながった」と強調する。
■被害者の不安
 一方、札幌地検幹部は勾留の判断について「事案ごとに慎重に検討している」と話す。犯罪被害者支援に取り組む札幌の弁護士からは「被害者に再被害の不安が生じる」との声もある。
 龍谷大の石塚伸一・犯罪学研究センター長は「不要な勾留をなくす意識を根付かせるために、弁護士会が全体で取り組むことに意義がある」と指摘。「弁護士が準抗告の際に身元引受人を用意するなど、容疑者が再犯に及ばないための環境整備も重要だ」と話す。(松下文音)
<ことば>勾留 容疑者の身柄を強制的に拘束する刑事手続き。犯罪の疑いがあり、検察官が《1》定まった住所がない《2》証拠隠滅の恐れがある《3》逃亡の恐れがある―のいずれかに該当すると判断した場合、容疑者の捜査記録を添えて裁判所に請求する。裁判官は容疑者に直接質問して必要性を判断する。勾留期間は最大10日間で、さらに最大10日間延長できる。一般的に否認事件では認められやすいとされる。起訴されると、被告として、勾留が裁判まで続く場合もある。日産自動車の前会長カルロス・ゴーン被告らを巡る事件では、東京地裁が前代表取締役グレゴリー・ケリー被告の起訴後の保釈を認めたが、起訴前の釈放は認めず、勾留は37日間に及んだ。


粘るゴーンが仕掛ける“検察vs海外メディア”の国際ドロ仕合
 場外乱闘の様相を呈してきた――。
 25日、東京拘置所から保釈された日産自動車取締役のグレッグ・ケリー被告。
 弁護士を通じ、<無罪の判決を受け、私の名誉が回復されて、一刻も早く家族の元へ帰りたい>とコメントしたが、現在、茨城の病院で持病の治療を受けているという。
 夫の不遇にカンカンなのが、ケリー被告の妻・ドナ氏だ。ケリー被告が保釈される直前、2度にわたり、保釈を求めるビデオメッセージを公開。日本の司法制度に怒り心頭だった。
 夫の保釈が<私たち家族のクリスマスの願い>という彼女のメッセージが奏功したのか、カルロス・ゴーン容疑者の“懐刀”のケリー被告はクリスマス当日に保釈。この例に倣って、今度はゴーン容疑者の妻が保釈要求のメッセージを出しても不思議じゃない。
 日本の司法制度に反発する海外からの声を無視し、ゴーン容疑者を閉じ込めていたら、海外メディアと日本の検察との国境を超えた“ドロ仕合”になるのではないか。
 経済ジャーナリストの井上学氏がこう言う。
「すでに特捜部にとって分が悪い状況でしょう。ゴーン氏が自白せずに粘っているため、攻めあぐねているのではないか。特捜部のメンツを優先して、ゴーン氏を勾留しておけばおくほど、日本の『人質司法』が国内外から批判されます。いわば、海外世論を味方につけているゴーン氏の方が有利な立場にいるのです。自白を強いるという、検察側の日本人相手に通用してきた手法が通じないということでしょう」
 年明け1日にゴーン容疑者は勾留満期を迎える。東京地裁は10日間の勾留延長を認めるとされ、保釈は早くとも来月11日以降になる見通しだ。今後、シャバに出てきて、退院したケリー被告とともに外国人特派員協会などで“暴露会見”を開いたら、ドロ仕合にますます拍車が掛かるに違いない。
 ゴーン容疑者の粘りに検察は躍起になっているが、一方で、裁判所の態度は変わりつつある。
「ケリー氏の保釈が認められたのは、持病を抱えていたからだと考えられます。もし拘置所内で病状が悪化し亡くなったりしたら、米国との国際問題に発展しかねないので配慮したのでしょう」(井上学氏)
 日本の検察に「国際感覚」を期待してもムダか。


新作は環境汚染を風刺? バンクシー、英西部に壁画
 正体不明の路上芸術家バンクシーによる新作の壁画が英西部ウェールズに現れた。ブロック造りの車庫の外壁2面に描かれた絵は、片面だけ見ると雪の舞う中、少年が手を広げて遊んでいるように見えるが、別の面を見ると雪は実は舞い上がった焼却灰で、環境汚染への風刺とも取れる。BBC放送電子版が伝えた。
 壁画は鉄鋼業が盛んなポートタルボットに出現。バンクシーは写真共有アプリ「インスタグラム」で「季節のあいさつ」との言葉を添えて、壁画を自身の作品と認めた。地元男性が8月「灰で地元民が健康被害を受けていることを作品にして」と要請し、これに応えた形だ。


年賀状づくり
 出すのが精いっぱいで、つい型通りになりがちなのが年賀状。でもいつかこんな年賀状を作れたら、と思う人がいる。例えば作家の佐藤愛子さん。毎年孫娘と一緒に扮装(ふんそう)し、笑いを誘う演技をし、写真を撮る。それを20年続け、新年のあいさつにしてきた▼夫婦げんかやメイドカフェ、中には新年にはばかられるようなさらし首の場面もあり、最後の年は葬式で終わる。著書「孫と私の小さな歴史」には、69〜88歳の佐藤さんと1〜20歳の孫が繰り広げる抱腹絶倒の年賀状作成史が記されている▼もう一人、京都在住の美術家鈴鹿芳康さん。36〜55歳の間、毎年同じ場所と方向、配置で家族の肖像を撮影し、年賀状にした。いわば家族の定点観測記録だ▼通して見ると一人一人の変化が手に取るように分かり、家族の長い物語が浮かんでくる。「それぞれの成長に感謝し、年に1度、家族の新しい始まりを伝えたかった」というが、参考にしたくなる方法だ▼インターネットや会員制交流サイト(SNS)の普及で年賀状を出さない若い人が増えている。昨今は高齢者を中心に「年賀状じまい」も進み、昨年度の発行枚数はピーク時のほぼ6割とか▼それでも到着を楽しみに待つ人はまだまだ多い。今度こそ心に残る年賀状をと思いつつ、大みそかが今年も近づく。

入管法、これじゃ地方自治体奴隷法だ
★栃木県議・松井正一が4カ月後に迫った改正入管法についての不安をブログでつづっている。「入管法改正に関する『外国人受け入れ拡大に伴う問題点』は数多く考えられています。『都市部への人材偏在』は、最低賃金や居住環境等、社会インフラ不足の郊外部に不利な状況であり、政府案では『受け入れ状況を3か月ごとに公表し、業界団体と調整』と示していますが、実効性は疑問です。『生活相談をどうするのか』では、『自治体への通訳配置や外国語での行政情報提供』とのことですが、通訳人材の確保や予算、行政情報に対する多言語化予算等はどうするのか等疑問が数多くあります」。★同様の疑問は全国の自治体と同議会に共通する不安だろう。4月から始まるのに予算措置が追い付かない。その予算審議はこれから議会で行われるが、全くどういうものになるのかわからない。本来ならば政府が示して議会に問う入管法改正はろくな審議時間も持たず、示すプランも法務省からなく強行採決で決まった。それを政府は25日に閣議決定した。立憲民主党幹事長・福山哲郎は「外国人労働者や現場の自治体への支援もはっきりしない」とし、共産党書記局長・小池晃は「4月実施ありきで突き進んだ結果、異様な政策決定の形になった」といびつな議論を批判した。★政府は地方の人手不足解消が急務だからと施行を急いだが、その答えは「やりますやりますやってます」でしかない。地方のためなのに地方が不安を持つのならば、制度設計に間違いや準備期間が足りないのだろう。この入管法改正は外国人労働者をあたかも奴隷のように扱う奴隷法とまでやゆされたが、これでは同法は地方自治体奴隷法でもある。

時評
 フランスのマクロン政権に抗議する「黄色いベスト」運動の街頭デモが6週連続でフランス全土で行われた。参加者は4万人弱と大幅に減り、パリでは約2千人と、前週末からほぼ半減した。
 だが、政府が運動の発端となった燃料税引き上げの来年実施を見送り、最低賃金引き上げなどの家計支援策を発表したものの、反政府運動に発展した抗議デモが収束する見通しは立っていない。
 気掛かりな点が一つある。12月1日にパリや地方都市で県庁舎など複数の建物への放火や店舗の破壊、略奪行為など、これまでの伝統的なフランスの街頭デモでは見られなかった極端な暴力が横行したことだ。
 直後の世論調査では72%が運動を支持した一方で、パリの暴力に反対した人は85%に上った。治安当局は、平和的な市民のデモに極右や極左の過激派が便乗して警官隊との衝突を繰り返しているとみている。
 暴力の狙いが民主国家フランスの政治の混乱を拡大することなら、草の根の市民運動からの脱線だろう。参加者は暴力行為をやめ、妥協点を見いだすために政権側と対話する時だ。
 黄色いベスト運動は指導者も労働組合や政党などの組織も持たない草の根の市民運動だ。普通の市民がソーシャルメディアに投稿して結集し、抗議運動をする。参加者は交通が不便で自動車に頼らざるを得ない都市郊外や地方の住民が多く、女性やシングルマザーを含めIT技術者や労働者など職業もさまざまだ。
 燃料税や富裕層を優遇する税制、企業優先の経済政策の不公平さや、低収入の生活苦を訴える。政府の対応が不十分だという参加者は、減税など家計の購買力をさらに改善する措置を求めてデモを続けている。
 こうした動きへのマクロン政権の対応は後手に回り、フランス紙ジュルナル・デュ・ディマンシュの最近の世論調査では、マクロン大統領の支持率は23%に転落し、昨年5月の就任以来の最低を更新した。
 マクロン氏は抗議運動の参加者に、年明け早々にも政府と国民が対話するよう呼び掛けた。最近の世論調査でも約7割が運動への支持を示したことを大統領は念頭に置く必要がある。
 一方、長期化するデモによる経済への悪影響が懸念される中、政府と対話を図る時だと「休戦」を訴える運動の参加者も出はじめた。政権、市民の双方が対話の機会をつかむよう努力することを期待したい。


<死刑を考える>(中) 〜囚人とその家族〜
 十月二日発足の第四次安倍改造内閣の法相ポストに、オウム真理教元幹部十三人の死刑執行を命じた上川陽子氏の名前はなかった。後任の法相となったのが元検察官の山下貴司氏。就任後の記者会見で「死刑もやむを得ない」と述べていた。
 東京拘置所に収監中の伊藤玲雄(れお)死刑囚(44)は翌三日、こんな手紙をしたためている。<根っからの検事畑の人種で、どうにもならないのか。逆に、エリートとしての法や権力への節度が期待できるのか><死刑行政にどの程度影響があるのかも判断がつかない>−。
 あいさつもそこそこに、新法相の死刑へのスタンスを探る文言が並んでいた。手紙を受け取った大河内秀明弁護士(76)は「なんとか死刑を回避したい」という強い焦りを感じ取った。
 伊藤死刑囚は二〇〇四年に東京都内で起きた架空請求詐欺グループの仲間割れ事件で、四人を殺害したとして殺人罪などに問われ、一三年に死刑が確定した。
 度重なる手紙からは<一刻も早い再審請求を><危機感をもって捉えていかないと、取り返しがつかないことになる>と刑執行を何とか回避したい思いが透ける。一五年一月、請求していた恩赦も「不相当」に。今は、明日が最期かも、とおびえる生活を送る。
 大河内弁護士は「本人は『自分の意志が弱く及んでしまった犯行。筆舌に尽くせないような悔恨が残り、つぐなっても、つぐないきれない』と深く反省している。それでも生きたいという思いは消せないのだろう」と心情をおもんぱかる。
 だが、事件で息子を殺された東京都杉並区の無職山口斌郎(しげお)さん(75)は「命で罪を償うのは当然。生きているうちに執行してもらい、息子に報告したい」と切り捨てた。
 東京拘置所には、大河内弁護士が弁護人を務める死刑囚がもう一人いる。一九八八年、横浜市鶴見区で金融業の夫婦を殺害し、現金を奪ったとされる高橋和利死刑囚(84)。「死ぬのは怖くない。でも汚名を着せられたまま死ぬのは無念」が、支援者の岩生美鈴さん(58)らへの口癖だ。
 捜査段階で「ここで仮に認めても、やってないのなら裁判で無罪になる」と迫られ自白。公判では否認に転じ、今は再審請求審で争う。
 <面会ありがとう。遠かったでしょう><足や緑内障の具合はどう>。妻の京子さん(84)に宛てた手紙には、相手の身を案じる言葉ばかりが並ぶ。
 三十代で結婚。訳があって、京子さんのおい二人を家族同然に育て上げた。捨て犬を動物病院に連れて行ったこともあった。京子さんは「生き物の命を大切にする人。人を殺すような人間ではない」と信じる。
 事件後、京子さんの周りからは人がいなくなった。同じ趣味の友だちも、お金を貸してあげた知人も。隣家から「のぞいたでしょ」と言いがかりをつけられたこともあった。
 長年連れ添った夫と離れ離れになって三十年余り。「いつ執行があってもおかしくない」と覚悟しつつ、ふいに不安が強まることもある。「もしかしたら明日かも」と。


厚労省の勤労統計、ずさんな調査 対象企業の一部のみ抽出
 賃金や労働時間などの動向を調べ、厚生労働省が公表している「毎月勤労統計調査」について、従業員500人以上の事業所は全数を調査するルールだったにもかかわらず、一部のみ抽出するずさんなケースがあることが28日、分かった。
 勤労統計は、統計法で国の重要な「基幹統計」と位置付けられており、調査の信頼性が揺らぐ恐れがある。厚労省は、誤った手法で実施してきた経緯や期間を調べている。
 問題があったのは、東京都の事業所を対象にした調査。都内には500人以上の事業所が約1400あるが、一部のみを抽出して調べた。その結果、3分の1の500程度しか調べなかったという。


逃亡犯はなぜ西へ? 西は選択肢多い フランクな人柄逆手に潜伏
 今年は2つの大きな逃亡事件が世間を騒がせた。4月に平尾受刑者が、8月には樋田被告が逃走した。偶然にも2人が逃げた先は西。遡れば、2007年、リンゼイ・アン・ホーカーさん死体遺棄容疑で指名手配される中、約2年7か月逃げ続けた市橋達也受刑者(39)も最初に千葉から西の名古屋や福岡へ向かった。
 なぜ逃亡犯は西に向かうのか。少年鑑別所や刑務所等で約1万人の犯罪者を心理分析した犯罪心理学専門家の東京未来大学教授・出口保行氏(60)は「西には大阪を起点に広島、福岡がある。足を延ばせば名古屋、北陸にも逃げられる。逃亡犯にとって選択肢がたくさんあって動きやすい」と分析。逆に「東京は西に逃げられるが、東は仙台しかない。東京は袋小路」と指摘した。西日本の地理的特徴が、逃亡犯にとって好都合だという。
 また、逃亡するには「匿名性が高いことが重要」と出口氏は説明する。匿名性とは隠れやすさのこと。人の多い大都市であれば、人混みに紛れることができて、自然と匿名性は高くなる。いかに隠れるかが重要な逃亡ではもっとも大切な要素だ。反対に「人や情報、隠れる場所がない田舎に行くのは逃亡犯にとって自殺行為」だという。過疎地だと人間は目立ち、匿名性が低くなってしまう。
 西へ逃げる理由は、県民性も関係しているとの見方もある。県民性研究の第一人者で“県民性博士”の矢野新一氏(69)は「東と西はやっぱり違います。東は武士の文化で、西は商人の文化。東よりも西はフランクです」。実際にその土地の人間に溶け込むのに必要な目安について「東京は3代、大阪は1代」とする。西は新しいもの好きで開放的な文化が特徴なのだという。
 「県民性をよく表した面白い実験がある」と矢野氏。青森県と大阪府の中高年女性それぞれ20〜30人を青森県同士、大阪府同士で30分間、話をさせた。もちろん全員初対面。その結果、青森の人たちは全く話さない一方で、大阪の人たちは仲良く会話した。矢野氏は「大阪の人はフランクで詮索しない」と分析。逃亡犯はこの接しやすい土地柄を逆手に取るのだという。
 一方で矢野氏は、東京は県民性の観点からも逃亡するにふさわしくないと説明する。「よその人間に『東京なんて住む所じゃない』と言われると『おまえが勝手に来たんだろ』と東京人は怒る。東京はよそ者、他人に厳しい」。例えば、東京は営業マンが客先を回る時、約束の日以外に行くと怪しまれる。その一方で大阪は「よく来たね」と褒められるという。
 日本の厳しい警察の包囲網をかいくぐる逃走犯。今日もまた、西へ向かっているかもしれない。
 ◆樋田被告の事件経過 8月12日に大阪府富田林署から逃走。接見室の隔離用のアクリル板を蹴破ったとみられている。その後、四国に渡り、お遍路を装いながら四国を転々とした。本州に戻った際には自転車日本一周を装い、記念撮影にも応じるなどしていた。9月29日に山口県周南市の道の駅で窃盗容疑で現行犯逮捕された。
 ◆平尾受刑者の事件経過 4月8日に愛媛県松山刑務所大井造船作業場から脱走。広島県尾道市の向島の別荘などに潜伏した後、泳いで本州側へ渡り上陸。4月30日に広島駅の近くで逮捕された。捜査関係者によれば、同受刑者は福岡県に逃れる予定だった。9月28日に松山地裁で懲役4年の判決が言い渡された。
 ◆出口 保行(でぐち・やすゆき)1958年、神奈川県生まれ。60歳。東京学芸大学大学院修了後、国家公務員上級心理職として法務省入省。犯罪者を心理分析する資質鑑別に従事。法務省法務総合研究所室長研究官を退官後、現在は東京未来大学で学部長を務める。専門は犯罪心理学。テレビ出演も多数。
 ◆矢野 新一(やの・しんいち)1949年、東京都生まれ。69歳。専修大学経営学部卒業。株式会社ランチェスターシステムズに入社し、チーフコンサルタントとして活躍。独立し90年に株式社ナンバーワン戦略研究所を設立。県民性研究の第一人者で著作も20冊を超える。


安倍の虚言は今年もアクセル全開! 2018年、安倍首相がついた真っ赤な嘘とインチキを総まくり(前編)
 今年も、リテラ年末恒例・安倍首相による「大嘘」振り返り企画をお届けする季節がやってきた。毎年毎年カウントしきれないほどの嘘をつきつづける総理だが、2018年も虚言のアクセルは全開。今年も数々の疑惑をめぐる嘘はもちろん、あらゆる失政や失態について、あったことをなかったことに、なかったことをあったことに。誰の目にも明らかな嘘を平然と、まさに息をするように嘘をつきまくった安倍首相。
 そのため、今年は昨年よりも5本多い、よりぬきの15の嘘を振り返りたい。胃もたれ必至の嘘つき発言、まずは前編の8本をお届けしよう!
◎大嘘その1
「決して日本が蚊帳の外に置かれていることはありません」

4月29日付、産経新聞独占インタビュー
 北朝鮮の脅威を「国難」と呼び、Jアラートを鳴らしまくって国民に恐怖を植え付け、文在寅大統領と金正恩委員長の南北首脳会談実現が決定しても「圧力を最大限に高める」と吠えつづけた安倍首相。だが、「最大限の圧力」を国会で叫んだ数日後には“親愛なる”トランプ大統領も金委員長と首脳会談を開く意向を表明、平和的解決への流れが決定的に。つまり、日本だけがこの動きを知らず圧力をがなり立てていたという「蚊帳の外」だったことが判明して飛んだ赤っ恥をかいたのだが、安倍首相は御用メディアの産経で「蚊帳の外じゃない!」「日本が国際社会をリードしてきた成果」と主張。しかし、この「蚊帳の外」状態は、いまだに日朝首脳会談の道筋さえつけられていないことからもあきらか。にもかかわらず、ついには次のようなことまで言い出したのだ。
◎大嘘その2
「あの、拉致問題を解決できるのは安倍政権だけだと私が言ったことは、ございません」

9月14日、日本記者クラブでの総裁選討論会
 思わず耳を疑った。総裁選討論会で御用メディアである読売新聞の橋本五郎特別編集委員に「安倍晋三政権は一貫して拉致問題を解決できるのは安倍政権だけだと言われていた」「現状はどうなっているのか、見通しはあるのか」と問われた際の、安倍首相の返答だ。
 安倍首相といえば、これまで一時帰国した拉致被害者5人を“帰さなかったのは自分だ”という嘘を筆頭に、対拉致問題で数々のニセの武勇伝や逸話をでっち上げ、「拉致被害者を取り戻せるのは、これまで北朝鮮と渡り合ってきた安倍首相しかいない!」という空気をつくり出してきた張本人。今年4月に出席した「政府に今年中の全被害者救出を再度求める 国民大集会」でも、「すべての拉致被害者の即時帰国」について「安倍内閣においてこの問題を解決するという強い決意を持って、臨んでまいりたい」と高らかに宣言していた。
 ところがどっこい、拉致問題に進展が見られないことを突っ込まれると、「拉致問題を解決できるのは安倍政権だけだと私が言ったことはない」と言い出し、その上、「ご家族のみなさんがですね、そういう発言をされた方がおられることは承知をしておりますが」などと責任を逃れしたのである。
 さんざん拉致問題を政治利用した挙げ句、都合が悪くなると「自分は言ってないもん」。これで信用しろというほうがどうかしているだろう。
◎大嘘その3
「私は、明治時代に逆戻りしようと言ったことはまったくない」

1月29日、衆院予算委員会
 え? 今年の年頭所感で初っ端から〈本年は、明治維新から150年の節目の年です〉と“明治150年推し”を全開させ、明治時代の日本を手放しで称賛して明治の精神をこれからのモデルにしようと国民に提示したのは、誰でしたっけ? しかも、安倍首相は自民党総裁選への出馬を表明した際も、わざわざ鹿児島県で表明をおこない、その背景には鹿児島を象徴する桜島がドーン。この表明の直前には、会合で「ちょうど今晩のNHK大河ドラマ『西郷どん』(のテーマ)は『薩長同盟』だ。しっかり薩長で力を合わせ、新たな時代を切り開いていきたい」(産経ニュースより)と講演していたほどだ。
『西郷どん』人気に便乗し、「明治=大日本帝国を取り戻す」という戦前回帰志向を“改革に邁進するリーダー”に置き換えて印象づけたい──。この姑息な目論見には反吐が出るが、しかも安倍首相は「逆戻りしようと言ったことはない」と抗弁した際には、「いまのスタンダードで150年前のことを『上から目線で』で断罪することもいかがなものか」と発言。「歴史から反省を学ぶ」ことを放棄した人物を総理に据えているとは、恐怖以外の何ものでもない。
◎大嘘その4
「こういう(圧力の)話はよくある」→「(圧力は)いや、ほとんどないんです(笑)」

9月17日、『報道ステーション』出演時
 自民党総裁選では、対抗馬の石破茂氏が掲げた「正直、公正」というキャッチフレーズにさえ「安倍首相への個人攻撃だ」と噛み付くという狂犬ぶりを見せた安倍陣営。なかでも象徴的だったのは、現役閣僚だった石破派の斎藤健農水相(当時)が安倍首相を支持する国会議員から恫喝されたと暴露した一件だ。
 そして、各局の報道番組を石破氏とそろってハシゴして出演した際も圧力・恫喝問題についての質問がいくつか飛んだのだが、安倍首相はこの話題になると終始、落ち着かない様子で目をキョロキョロと泳がせた上、なんと圧力を正当化。橋本龍太郎と小泉純一郎が争った1995年総裁選のエピソードをもち出し、「私も小泉応援団だったんですが、そんときわれわれもですね、一度、けっこう圧力をかけられてねってことを結構、みんな言ったんですが」として「こういう(圧力の)話はよくある」と正当化したのだ。
 ところが、MCの富川悠太キャスターから「実際にそのときは(圧力が)あったんですね?」と訊かれると、安倍首相は「いや、ほとんどないんです(笑)。ないけど、我々もそう言ったほうが、いわば陣営かわいそうだなっていうことにもなりますし。ただ、実際にあったかもしれませんし、私にはまったくなかったな」などと発言。自分には圧力がなかったにもかかわらず「圧力を受けた」とウソを言いふらしていたと自ら暴露したのである。
 この宰相が“類い稀な嘘つき”であることは公然の事実だが、ひどいのは“自分たちも圧力をかけられたとウソをついて同情を誘ったことがある。だから斎藤もウソをついてるんじゃないか”と誘導していること。いやはや、まことに大した人間性である。
◎大嘘その5
「今後、ICANの事務局長からあらためて面会要請があった場合には、そのときの日程などを踏まえて検討したい」

1月30日、衆院予算委員会
 今年1月、ノーベル平和賞を受賞した国際NGO・核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)のベアトリス・フィン事務局長が来日した際、「日程の都合上できない」と面会を拒否した安倍首相。この対応にはネット上で「芸能人とは会食する時間はあるくせに」と批判が起こり、フィン事務局長の会見では「失望」という言葉も出た。
 だが、安倍首相の「今度は検討する」というのがその場しのぎの嘘であることは明白。実際、ICANのノーベル平和賞受賞が発表された後も、サーロー節子さんが被爆者としてはじめて授賞式でスピーチをおこなった後も、安倍首相は公式に祝福コメントを一切発しないまま。さらに、今年11月に来日したサーロー節子さんが面会を求めたにもかかわらず、安倍首相はまたも「日程の都合」(菅義偉官房長官の弁)で面会を拒否したのである。
 サーローさんは会見で「推測だがよほど忙しいか、意図的に私を避けたいかだ。違った意見を持った人にも会って語り続けるのが本当のリーダーシップではないか」と批判したが、まさにそのとおり。「唯一の戦争被爆国として核兵器のない世界の実現に向けて努力を重ねていく」と言いながら、核兵器禁止条約の批准を求める国連総会決議案に反対するという安倍首相の異常さ、二枚舌に、国民はもっと怒るべきだろう。
◎大嘘その6
「『非正規』という言葉を、この国から一掃してまいります」

1月22日、施政方針演説
 この言葉、じつは安倍首相は2016年6月の記者会見をはじめ、事ある毎に述べてきたが、一見すると格差是正に向けた大胆な改革というようにも映る。しかし、騙されてはいけないのは、安倍首相はけっして「非正規雇用をなくす」あるいは「正規と非正規の格差をなくす」と言っているわけではない、ということ。たんに「非正規」という言葉を使わない、というだけの話なのである。
 実際、安倍首相が今年の通常国会で成立させた「働き方改革関連法案」の「同一労働同一賃金の導入」では、正社員と非正規のあいだに不合理な待遇差を設けることを違法としているが、ガイドラインでは正社員と非正規の基本給などついて「実態に違いがなければ同一の、違いがあれば違いに応じた支給を求める」とするなど、正社員と非正規の賃金格差を容認するものとなっている。
 だいたい、「非正規という言葉をこの国から一掃する」という掛け声とは裏腹に、第二次安倍政権がはじまった2012年から16年までの4年間で非正規雇用者は207万人も増加。一方、この間の正規雇用者は22万人増加でしかなく、雇用者数の9割が非正規というのが実態だ。
 低賃金の非正規を増やしつづける一方、低所得者に打撃を与える消費税増税を決めた安倍首相。このままではさらに貧困は広がっていくだろう。
◎大嘘その7
「裁量労働制で働く方の労働時間の長さは、平均的な方で比べればですね、一般労働者よりも短いというデータもある」

1月29日、衆院予算委員会
「働き方改革関連法案」の目玉のひとつだった「裁量労働制の対象拡大」をめぐって、自信満々に言い放ったこの答弁。しかし、答弁から間もなくこのデータが恣意的に捏造されたものだったことが判明。それでも安倍首相は「(答弁前にデータが)正しいかどうか確認しろなんてことは、あり得ないんですよ」などと開き直るという醜態を晒したが、その後は加藤勝信厚労相が「なくなった」と説明していたデータの基となった調査票が厚労省本庁舎の地下倉庫から発見されるわ、さらにデータを精査すると異常な数値が相次いで見つかるわ、問題が雪だるま状態に。結局、法案から「裁量労働制の対象拡大」は削除される結果となった。
 だが、安倍首相は「裁量労働制の対象拡大」を諦めたわけではない。すでに厚労省の有識者会議が新たな調査票をまとめたが、これがまたも実態を把握できない設計になっているとして修正を求める声があがっている。問題を起こしても忖度をやめない姿勢には反吐が出るが、ともかくいまは安倍首相の嘘を未然の防ぐための監視が必要であることは間違いない。
◎大嘘その8
「明日の時代を切り拓くための全員野球内閣だ」

10月2日、内閣改造後の記者会見で
 失笑必至のネーミングもさることながら、発足1カ月も経たないうちにその実態が「(ほぼ)全員“不適格”内閣」であることが判明した第4次安倍改造内閣。なかでも、国税への100万円口利き疑惑のほか疑惑が湧き水のように吹き出した片山さつき地方創生担当相や、「質問通告なかった」「PC打たない」発言で一躍“無能大臣”として名を馳せた桜田義孝五輪・サイバーセキュリティー担当相に注目が集まったが、このほかにも閣僚の問題が続出。
 入閣後すぐに「教育勅語は普遍性をもっている部分がある」という発言が問題となった柴山昌彦文科相にもち上がったバスツアー利益供与・公選法違反疑惑に、茂木敏充経済再生相の日本リラクゼーション業協会との癒着疑惑、吉川貴盛農水相の太陽光発電所の新設をめぐる口利き疑惑、渡辺博道復興相の補助金受給企業からの寄付問題、平井卓也IT担当相の談合企業からの献金問題と、宮腰光寛沖縄北方担当相にいたっては談合企業からの献金問題にくわえ、酒に酔って議員宿舎内のほかの議員の部屋を“全裸でピンポンダッシュ”したという過去の醜態まであきらかになった。
 しかも、この内閣、差別主義者と歴史修正主義者だらけの「(ほぼ)全員ネトウヨ内閣」でもある(詳しくは過去記事参照→https://lite-ra.com/2018/10/post-4291.html)。稲田朋美元防衛相や杉田水脈議員のようなトンデモ極右・差別発言がいつ飛び出してもおかしくはなく、来年も先が思いやられるのである。


今年の安倍は嘘のミルフィーユ状態! 2018年・安倍首相がついた真っ赤な嘘とインチキ総まくり(後編)
リテラ年末恒例・安倍首相による「大嘘」振り返り企画。前編ではまず8つの嘘をお届けしたが、後編ではさらなる嘘・インチキを紹介したい。昨年の森友・加計問題に続き、今年もすごかったのが疑惑に関する嘘。公文書改ざんに「首相案件」問題、無能外交、そして「ケチって火炎瓶」など問題や疑惑が噴出し、そのたびにデタラメやインチキを重ね、嘘八百を並べ立てた。嘘に嘘を重ねる“嘘のミルフィーユ”状態の安倍首相の大嘘2018後編7本をご一読あれ!
◎大嘘その9
「国有地の払い下げか認可について、私や私の妻や事務所が関われば、責任をとると言うことを申し上げたわけでございます」

2月26日、衆院予算委員会
 昨年、安倍首相が国会で宣言した「私や妻が関係していたということになれば、私は総理大臣首相も国会議員も辞めるということは、はっきりと申し上げておきたい」という発言を忘れた人はいないだろう。ご存じの通り、昭恵氏付きの秘書だった谷査恵子氏は財務省に“口利きFAX”を送信、その後これらはすべて叶えられるという満額回答を引き出していた。つまり昭恵氏は「関係していた」のは明々白々で、さっさと総理も国会議員も辞めていただかなくてはならないのだが、それを安倍首相は「国有地の払い下げか認可に関わっていたらの話」だと主張しはじめたのである。
 しかも、だ。5月28日の参院予算委員会ではさらにこう答弁した。
「贈収賄ではまったくないってことは申し上げておきたい。そしてそういう、私は文脈のなかにおいて(自分や妻が)一切関わってないということを申し上げているわけでございます」
「関係していたら辞める」と言っていたのが、いつのまにか「金品の授受という意味で関わっていない」と後出しジャンケンで発言を修正してくるとは……。だが、この苦し紛れの姑息な答弁修正は、昭恵夫人のかかわりを安倍首相が認めていることの何よりの証明だろう。
◎大嘘その10
「(改ざん前文書が存在することは)11日に報告を受けた」

3月14日、参院予算委員会
 森友の決裁文書が改ざんされていた──今年3月2日に朝日新聞のスクープによって発覚した公文書改ざん問題。これは間違いなく戦後日本の歴史のなかでも類を見ない深刻かつ重大な国家犯罪であり、民主主義の根幹を揺るがす大問題だが、当初、安倍首相は「捜査に影響する」などと言い逃れ、麻生太郎財務相も「6日に調査結果を出す」と言いながら直前になって「捜査が終わらないと個別な調査がなかなかしにくい」と文書の開示を拒否する予防線を張る動きを見せていた。しかし、週末金曜日の9日になって近畿財務局で直接改ざんを命じられた職員の自殺が伝えられると、財務省は「書き換え」を認める方針を打ち出し、週明け月曜の12日に改ざん前文書の公表へといたった。
 そんななか、安倍首相は改ざん前文書が存在することを公表の前日である「11日に報告を受けた」と答弁したのだが、これが大嘘であることがすぐさまバレた。菅義偉官房長官が6日には安倍首相も「承知」していたと認めたのだ。
 そもそも、改ざんの事実を安倍首相が今年3月6日に知ったなどということもあり得ず、むしろ安倍官邸が改ざんを主導したとしか考えられないのだが、この「11日に知った」という答弁が嘘だと判明してからも、安倍首相は開き直って「事実関係を確認できるのは財務省だけ」「私たちがそれを乗り越えて確認できない」と強調したのである。
 普段は「強いリーダーシップを発揮する。これがトップである私の責任だ」などと言うくせに、不都合な問題では「事実の確認」さえできない。それが安倍総理の実態なのだ。
◎大嘘その11
「前川前次官ですらですね、京産大はすでに出していたんですが、そのことはまだ準備がまだ十分じゃないという認識の上に、熟度は十分ではないという認識の上に、加計学園しかなかったとおっしゃっていたわけであります」

5月14日、衆院予算委員会
 平気で嘘をつくだけではなく、自分が貶めてきた相手を都合よくもち出して正当化の材料に使うとは……。もちろん、前川喜平・元文科事務次官が京都産業大学よりも加計学園のほうが獣医学部新設計画の熟度が上だったと認めたことなど一度もなく、安倍首相のこの答弁のあとに前川氏が発表したコメントでも〈2016年10月17日の京産大の提案内容を知らされていない私が、加計学園の提案と京産大の提案とを比較考量することは不可能〉と反論。同時に、安倍首相が「前川前次官も含め、誰一人として私から国家戦略特区における獣医学部新設について何らの指示も受けていないことがすでに明らかになっている」と強弁しつづけていることに対しても〈私は加計学園の獣医学部の平成30年度新設が安倍首相自身の強い意向だという認識を持っていました〉とし、〈安倍首相が加計学園の獣医学部新設に自分が関与していないと主張するための材料として、私の名前に言及することは極めて心外であり、私の名前をこのように使わないでいただきたいと思います〉と釘を刺したのだった。
 だが、こうした反論を受けていながら、その後も安倍首相は何食わぬ顔で前川氏の名前を出して「私から指示を受けたり依頼を受けた人は一人もいない」と言いつづけている。ゲッベルスが言ったとされる、「たとえ嘘であっても100回聴かされれば真実と思い込むようになる」という言葉を地でゆく首相……恐ろしさしかない。
◎大嘘その12
「かつてですね、私がNHKに圧力をかけたという、まったくこれは捏造の報道をされたことがあります。そして朝日新聞は検証したんですが、私が圧力をかけたという事実を掴めることができなかったという検証だった。でも、彼らが間違ったとは一度も書かない。で、私に一度も謝らない」

2月13日、衆院予算委員会
 総理大臣がメディアを名指しして猛批判を繰り広げる下劣さに慣らされつつあるが、今年も安倍首相は国会で朝日新聞バッシングを展開。とくに聞き捨てならなかったのは、この発言だ。
 安倍首相がここでもち出したのは、いまから13年前の2005年に朝日が報じたNHK番組改変問題のこと。日本軍性奴隷制を裁く女性国際戦犯法廷を取り上げたETV特集『問われる戦時性暴力』の放送直前に内閣官房副長官だった安倍氏らが放送直前に政治的な圧力をかけ、その結果、番組が改変されたと2005年1月に朝日が報じた問題だ。当時、安倍氏は各局の番組に出演しては圧力をかけたという事実の否定と朝日批判を繰り返し、自民党は朝日への選挙広告の出稿もストップ。当初は強気な姿勢だった朝日も、同年9月に取材が不十分だったとする記者会見を開くにいたった。
 しかし、朝日が弱腰になっただけで、安倍氏が番組に圧力をかけたことは事実だ。現に、同番組の取材を受けた市民団体が NHKを訴えた裁判の控訴審判決では、裁判長が「制作に携わる者の方針を離れて、国会議員などの発言を必要以上に重く受け止め、その意図を忖度し、当たり障りのないよう番組を改変した」と指摘。さらに判決理由の要旨では「安倍氏は、いわゆる従軍慰安婦問題について持論を展開した後、NHKが求められている公正中立の立場で報道すべきではないかと指摘した」とされている。
 しかも、朝日は安倍氏らが圧力をかけたことを裏付ける証言を番組放送時のNHK放送総局長から得ていた。その中身を公表したジャーナリストの魚住昭氏のレポートによれば、放送総局長は安倍氏らとの面談について「脅しとは思った」「圧力とは感じる」と述べた上、安倍氏との面会時の様子を、こう証言している。
「先生はなかなか頭がいい。抽象的な言い方で人を攻めてきて、いやな奴だなあと思った要素があった。ストレートに言わない要素が一方であった。「勘ぐれ、お前」みたいな言い方をした部分もある」
「勘ぐれ」──。安倍首相が恫喝のために吐いたこの一言は、いわば「忖度しろ」と言っているのと同じだ。加計学園問題における「総理のご意向」という言葉が思い返されるようだが、安倍首相はこうやって昔から、直接的な指示ではなく「勘ぐれ」というような直接的ではない脅し文句によって、圧力をかけたり忖度を引き出してきたのではないのか。
 NHK番組改変問題は安倍首相が言うような「捏造の報道」などではけっしてなく、安倍首相が番組に介入し圧力をかけたことは紛れもない事実だ。「私に一度も謝らない」と言う前に、自分がついた数々の嘘について、まずは国民に謝るべきだろう。
◎大嘘その13
「これはむしろ私が関わりがあるということではまったくなくてですね、私は一切の関わりを断ってきたなかにおいて発生した事件であるわけであります」

7月17日、参院内閣委員会
 今年、ネット上で大きな話題となった“安倍ネタ”といえば、やはり「#ケチって火炎瓶」問題を忘れるわけにはいかない。
 ごく簡単に説明すると、1999年におこなわれた下関市長選をめぐり、安倍事務所が暴力団とも関係が深い前科8犯のブローカー・小山佐市氏に選挙妨害を依頼。その後、安倍事務所は男と交わした“見返り”の約束を破ったため、翌2000年に男は暴力団員を使って安倍邸を放火。その後、2003年に小山氏が逮捕された。
 それが今年、ジャーナリスト・山岡俊介氏が2月に出所したばかりの小山氏との接触に成功。安倍首相が選挙妨害に関与していた“決定的物証”を手に入れたため、ネット上では大きな話題となったのだ(詳しくは過去記事を参照→https://lite-ra.com/2018/07/post-4108.html、https://lite-ra.com/2018/07/post-4111.html)。
 そして、この問題を、“みなさまの鉄砲玉”こと山本太郎議員が国会で安倍首相に追及。すると、安倍首相は“恐喝されても屈しなかったから火炎瓶襲撃の被害に遭った。むしろ自分は被害者だ”と主張したのである。
 言い訳が「自分は被害者だ」とは、まるで森友問題で籠池泰典氏に対してとった態度を彷彿とさせるが、その主張の嘘まやかしもまったく同じだ。そもそも、小山氏は安倍事務所への恐喝については起訴猶予で釈放されている。また、仮にそれが恐喝まがいの要求だったとしても、問題なのはそれ自体ではなく、小山氏にそういう要求をさせた原因ではないか。小山氏が放火未遂に及んだのは、安倍事務所から依頼された選挙妨害を実行したのに、見返りの約束が果たされなかったからなのである。
 実際、これは裁判でも認められている“事実”だ。2007年に出た判決公判で福岡地裁小倉支部の野島秀夫裁判長(当時)は、「(小山被告は)事件の1年前に行われた下関市長選挙に関して安倍総理大臣側に協力したのに金銭の要求を拒絶された。この恨みを晴らすとともに、暴力に訴えて多額の金銭を得ようとつきあいがあった組長に犯行を依頼した」と述べているのだ。
 しかも、山岡氏の取材に応じた小山氏は、選挙妨害の詳細から見返りの約束の内容まで事細かに証言。見返りが実行されないことに業を煮やした小山氏サイドと安倍本人が直接面会して“秘密会談”をおこなったこと、さらには交渉内容を確認して署名捺印した記録文書を提示。そこには〈安倍晋三 秘書 竹田力〉というサインと捺印が入っている。──つまり、安倍事務所が依頼した違法な選挙妨害を口封じするために、安倍首相自身が小山の突きつけた要求に応じる約束をおこなっていたのだ。
「ケチって火炎瓶」とは言い得て妙だが、それにしても、反社会的勢力に通じた人間に選挙妨害を依頼する、そのダーティさにぞっとせずにはいられない。
◎大嘘その14
「今後とも県民のみなさまの気持ちに寄り添う」

10月12日、玉城デニー沖縄県知事との会談で
 こう言ってから、わずか約2カ月後の12月14日、政府は辺野古の海に土砂を投入した。対話を拒否しまくった翁長雄志・前知事時代とは違い、安倍首相は表向き「対話路線」を強調したものの、たんに「対話には応じた」という既成事実をつくっただけ。県知事選で「辺野古新基地建設反対」を掲げて与党推薦候補に約8万票もの差をつけて玉城氏が圧勝した選挙結果を一顧だにせず、「気持ちに寄り添う」どころか気持ちを踏みにじり、牙を剥いてみせたのだ。
 そもそも、安倍首相に「気持ちに寄り添う」つもりなどさらさらなかった。現に、今年1月5日に出演した櫻井よしこ率いるネトウヨ番組『櫻LIVE 新春スペシャル「安倍首相に華やかさくら組が迫る!」』出演時には、「(在沖米軍の)訓練はときとして迷惑になることもありますが、それを受け入れてくれる人がいて初めて、いざというときに対応できる」と発言。米軍の訓練が住民の生活に支障を与えているだけでなく命の危険さえ生じさせている事実が歴然と沖縄にはあるというのに、“いざというときのために我慢して受け入れろ”と安倍首相は投げつけているのだ。これは、本土決戦の時間稼ぎのために沖縄を捨て石にした、戦時中の発想そのものではないか。
 安倍首相はミエミエの嘘をつかず、はっきり国会でも「沖縄は我慢しろ」と言えばいい。そうすれば、いかに安倍首相が国民の命を軽視しているか、その正体が多くの人に伝わるだろう。
◎大嘘その15
「(森友と加計問題については昨年の総選挙で)国民のみなさまの審判を仰いだところ」

9月14日、日本記者クラブでの総裁選討論会で
 今年も山のように嘘を吐きつづけた安倍首相だが、もっとも仰け反ったのはコレだろう。昨年の解散発表時、安倍首相は森友・加計問題について「国民のみなさまに対してご説明もしながら選挙をおこなう」と明言したが、蓋を開けてみれば、選挙中は「街頭演説で説明するより国会で説明したい」と言い出し、選挙後は「国会において丁寧な説明を積み重ねて参りました」と開き直った。国民の審判など、ただの一度も仰いでないのだ。
 だいたい、森友学園の公文書改ざんが発覚したのも、加計学園問題で愛媛県から「首相案件」と記した文書が見つかったのも、今年に入ってからの話。なのに、全部ひっくるめて「昨年の総選挙で国民の審判を仰いで圧勝しましたけど何か?」と言わんばかりにふんぞり返ったのである。
 いま、永田町では、安倍首相が来年、衆参同時選挙に打って出るのではないかという噂が流れている。選挙で改憲のカの字も出さなくても、この男は「国民の負託に応える」などと言って一気に改憲へと突き進むだろう。選挙で止めなくては、嘘とデタラメでどこまでも暴走する。そのことをけっして忘れてはいけないだろう。
----------------------------------------------------------------
 今年、安倍首相がついた嘘はこれだけにかぎらないのだが、いかがだったろうか。
 だが、安倍首相は「稀代の嘘つき」であるだけでなく「知性や品性のなさ」、はっきり言うとバカ丸出しかつ人間性を疑わざるを得ない無神経さという問題がある。そして、今年もそうした発言が大量にあった。次の記事では、そうした「バカ丸出し&人格破綻」発言集をお送りしたいと思うので、ご期待いただきたい。

ガレット+クレープ/疲れて90分熟睡/カキ鍋/痛い?

ブログネタ
フランス語 に参加中!
Han14

Japon: 2 condamnés à mort exécutés à l'aube, 15 cette année
Deux condamnés à mort ont été pendus aujourd'hui au Japon, portant à 15 le nombre d'exécutions cette année après celles en juillet de 13 ex-membres de la secte Aum responsable de l'attentat mortel au gaz sarin en 1995 dans le métro de Tokyo. Ont été conduits à la potence Keizo Kawamura, 60 ans, et Hiroya Suemori, 67 ans, qui ont mortellement étranglé le patron d'une société d'investissement et un employé en 1988, a indiqué lors d'une conférence de presse le ministre de la Justice, Takashi Yamashita.
Depuis le retour au pouvoir de Shinzo Abe en décembre 2012, 36 prisonniers ont été pendus au total. Le Japon est, avec les Etats-Unis, le seul pays riche à pratiquer la peine capitale. Plus de 100 condamnés à mort sont en attente d'exécution dans les prisons nippones, dont environ la moitié depuis plus de dix ans, alors même que la loi précise que les condamnés à la sentence capitale doivent être exécutés six mois après confirmation de leur peine. En réalité, ils passent des années dans l'antichambre de la mort.
"Les exécutions au Japon sont secrètes et les prisonniers ne sont généralement avertis que quelques heures auparavant, mais pas toujours. Leurs familles, leurs avocats et le public ne sont informés qu'après", expliquait dans un récent rapport Amnesty International, qui proteste à chaque exécution. "Plusieurs détenus souffrant de handicaps mentaux et intellectuels ont également été exécutés ou restent dans le quartier des condamnés à mort", dénonçait aussi l'organisation.
Les deux pendaisons de ce jeudi sont les premières depuis l'exécution en juillet des 13 membres condamnés à mort de la secte Aum qui, outre l'attentat au gaz sarin dans le métro de Tokyo en 1995, avait perpétré d'autres crimes. Cette série de pendaisons (sept le 6 juillet et six le 26 juillet) avait suscité la stupeur auprès des abolitionnistes, de par le nombre et aussi du fait qu'une partie des condamnés attendaient encore un jugement concernant une demande de révision de procès.
Au Japon en revanche, le débat sur la peine capitale n'est pas très audible, le gouvernement arguant qu'il n'a pas lieu d'être puisque, selon les sondages, 80% de la population est pour. Toutefois, ces données mériteraient d'être nuancées, explique Mai Sato, chercheuse à l'Institut de recherche pour la politique criminelle à Londres, une telle majorité s'expliquant selon elle par l'omerta qui entoure le système. "D'un côté, le gouvernement dit qu'il faut garder la peine de mort parce que la grande majorité de l'opinion est pour, mais de l'autre, très peu d'informations sont données au public pour qu'il se forge un véritable avis, c'est contradictoire", souligne-t-elle.
にほんブログ村 外国語ブログ フランス語へ
フランス語の勉強?
🏕インドア派キャンパー📣ⒻⒸⓀⓁⒹⓅ🔥 @I_hate_camp

📢「維新が知事・大阪市長ダブル選挙に打って出るならば、わが党は『反維新』の共同をきずき、維新政治を打ち破るために総力をあげる」(日本共産党大阪府委員会)
維新政治打破へ総力
(都構想闘争では全国から党員を大阪へ派遣し、共産ならではの路地裏戦を繰り広げたんだよ。その時、公明党支持だというオッチャンから「今回はあなたたちを応援するしかない」と言われたのに驚いた。そうした党員の突き上げもあって最終的に公明も都構想反対に転じた)

駐日欧州連合代表部@EUinJapan
本日の #死刑 執行を受け、EUおよびEU加盟国大使とアイスランド、ノルウェー王国およびスイス大使は共同声明を発表した https://t.co/QblSv7cNmA
フランス大使館@ambafrancejp_jp
死刑囚2人の刑が今日執行されました。フランスはパートナーであるEU加盟国とともに、世界中の至る所で、死刑に反対しています。https://jp.ambafrance.org/article14027

近くに有名なガレットのお店があるということで2人で行ってみました.セットメニューではクレープもつくようです.焼きオムレツとラム+チョコレートのクレープにしました.ガレットは薄くて中のチーズが美味しいです.あんこがクレープにあうというのにも驚き.たくさん食べたのであれこれと買い物.というか見に行くだけで結構歩きました.
なので帰ってから2人とも疲れて90分熟睡してしまいました.
カキ鍋です.ポン酢は自作.美味しいです.
さて肝心の**ですが,なぜか痛いです.

宮城・女川町、家賃減免5年延長 災害公営住宅入居後15年までに
 東日本大震災の被災者が住む災害公営住宅の家賃について、宮城県女川町が独自の減免措置を5年延長し、入居後15年まで適用することが26日分かった。来年度の家賃から反映させ、生活再建を支援する。
 減免率50%の期間を入居後5年から8年に延長。9年目以降は減免率を2年ごとに10%ずつ減らし、15年目に10%とする。現行は6、7年目が40%、8、9年目が20%、10年目が10%だった。減免期間を延ばし、自己負担の増加を緩やかにする。
 対象は772世帯(11月末時点)で、被災者以外の一般入居者43世帯は除く。
 町の災害公営住宅は2014年3月に完成した「運動公園住宅」(200戸)を皮切りに、今年3月までに全859戸が整備された。低所得者を対象とした国の特別家賃低減事業が入居6年目から縮小することなどから、来年度以降の負担増が懸念されていた。


招福のタコ、うま味凝縮 宮城・南三陸29日「おすばでまつり福興市」
 南三陸町の志津川仮設魚市場で29日に開かれる年末恒例の「おすばでまつり福興市」に向け、名産のマダコの仕込み作業が本格化している。
 26日、同町志津川の水産加工会社ヤマウチは午前4時半に作業を開始。マダコを次々と釜に入れ、長年つぎ足して使っている煮汁で真っ赤にゆで上げた。作業に汗を流した社長の山内正文さん(69)は「志津川湾のタコはアワビなどの貝を餌にして育つので、抜群のうま味がある。多くの人に味わってもらいたい」と話す。
 おすばでまつりは町内外の34店がタコやアワビ、ナメタガレイなどの魚介類をはじめ、農産物や手作りのしめ縄を販売。購入品を発送できるブースもある。午前8時半〜午後1時半。


河北抄
 宮沢賢治の有名な詩を読んで多くの人が違和感を抱く一節がある。「一日ニ玄米四合ト味噌(みそ)ト少シノ野菜ヲタベ」。そんなに、ご飯食べられないって? そう、賢治の時代に比べ、1人当たりの米の消費量は4分の1ほどという。
 仙台市歴史民俗資料館で来年4月14日まで、特別展『コメどころ仙台』が開かれている。会場には手押し式除草機や脱穀機などの農具をはじめ、江戸時代の仙台藩の新田開発を示す文書、明治時代の地租改正測量で使われた杭(くい)、1960年代の米穀通帳などの実物資料60点、写真30点が並ぶ。
 日本人は、おいしい米をたくさん作ろうと努力を重ねてきた。しかし、生活様式の変化による米離れもあり「食管法や減反政策の廃止など農業を取り巻く環境は変わってきた」と畑井洋樹学芸員(46)は話す。「米作りの昔と今を知ることで、食について改めて考えるきっかけにしてほしい」とも語る。
 28日から年末年始休館に入り、来年1月5日再開。6日は体験学習「昔の農具をさわってみよう、調べよう」もある。


<東電強制起訴>旧経営陣3人に求刑禁錮5年 避難者「被害に見合わず」
 東京電力福島第1原発事故を巡って強制起訴された旧経営陣3人の公判で、26日に求刑されたのは禁錮5年。「被害と釣り合わない」。傍聴した原発事故の避難者らは複雑な心境を口にした。
 福島県葛尾村の農業栗城┐気鵝複沓検砲六故後、車いすの妻(70)と県内7カ所を転々とした末、同県三春町で避難生活を続ける。26日に初めて3人の公判を傍聴した。「一つの節目と思い、論告を聞きに来た。被告らは言葉遊びのような弁明をせず、求刑通りの判決を受けて罪を償うべきだ」
 求刑の5年は業務上過失致死傷罪の最高刑。事故被害者代理人の海渡雄一弁護士は終了後の記者会見で「法律家としては事案の重大さをしっかり反映した求刑だと思う」と指摘した。被害者感情に触れて「もっと重い刑を求める声もある。納得する人ばかりではないだろう」とも語った。


原発の輸出 現実受け止め政策見直せ
 安倍政権が成長戦略の柱に据える官民一体での原発輸出事業が、大幅な見直しを迫られそうだ。日立製作所が英国で進めている原発新設計画の凍結が取り沙汰され、他の国への新設事業も次々と暗礁に乗り上げている。
 英国における建設計画は、日立が日英両政府の支援を得て中西部のアングルシー島に2基の原発を建設し、2020年代前半の運転開始を目指していた。だが、総事業費が当初予想の1・5倍に当たる3兆円規模に膨らみ、出資企業の確保が困難になった。日立の中西宏明会長は、今の計画のままでは凍結が避けられないとの認識を示した。
 三菱重工業も、トルコ政府と進めていた原発の建設計画を断念する方向のようだ。既にベトナムやリトアニアなどでも、撤回や凍結といった計画の見直しに追い込まれた。インドとは17年に原子力協定が発効して原発輸出が可能になったが、具体化には至っていない。
 日本の原発輸出は旧民主党政権が、新興国を中心とした電力需要の拡大を見込んで掲げた。11年の東京電力福島第1原発事故以降、国内での新増設が困難になる中で、売り先を確保したい原発メーカーの思惑を受けて安倍政権も力を注いできた。原子力事業の関連技術や人材の継承を図ることも目的に挙げている。
 しかし、計画はことごとく実現を見ていない。原因には世界の反原発運動の高まりとともに、福島第1原発事故によって各国が安全基準を厳格化したことなどが挙げられよう。安全対策の強化で建設費が高騰し、立地国の財政を圧迫しかねない状況も生まれてきた。
 太陽光や風力といった再生可能エネルギーが、技術の向上や普及拡大に伴ってコストが下がってきたことも影響している。世界では主力電源を再生可能エネルギーにシフトする流れが強まっており、安くてクリーンな電源としてアピールしてきた原発の優位性は薄れつつある。
 東芝が米国での原発事業で失敗して巨額の損失を出し、経営危機に陥ったことは記憶に新しいところだ。原発への風当たりの厳しさや、潮流の変化を読み誤って拡大路線を突き進んだことが裏目に出たといえよう。
 ところが、菅義偉官房長官は「日本の原子力技術に対する期待の声はある」と、原発輸出を継続する姿勢をあらためて強調した。
 福島第1原発事故は甚大な被害をもたらし、その恐ろしさや復旧・復興の難しさをまざまざと見せつけられた。事故から30〜40年後とされる廃炉目標も先行きは不透明だ。足元に大きな懸念を残しながら、原発を「成長戦略」に位置付けて海外に売り込むことには大きな違和感を覚える。
 ここは政府もメーカーもいったん立ち止まり、厳しい現実をしっかり受け止め、方向転換を検討する時だろう。


個人被ばく線量論文、同意ないデータ使用か 東大が予備調査
 東京電力福島第1原発事故後に測定された福島県伊達市の住民の個人被ばく線量のデータを基に、早野龍五・東京大名誉教授らが英科学誌に発表した2本の論文について、東大は27日、「本人の同意のないデータが使われている」などとする住民からの申し立てを受けて予備調査を始めたことを明らかにした。
 個人線量は、同市が2011〜15年ごろ、「ガラスバッジ」と呼ばれる線量計を住民に配布して測定。論文では、市の人口の約9割にあたる約5万9000人分のデータを解析し、生涯にわたる被ばく量の予測などをしている。同市は約2万7000人分について本人の同意のないまま研究者に提供したとして、経緯を調べている。
 申立書では、論文の著者の一人が所属する福島県立医大の倫理委員会に研究計画書の承認申請を行う前の15年9月に早野氏が解析結果を公表していることも国の医学系研究の倫理指針に違反していると指摘。また、図の一部に不自然な点があり、「線量を過小評価するための捏造(ねつぞう)が疑われる」としている。
 早野氏は毎日新聞の取材に「適切なデータを伊達市から受け取ったという認識で対応していた」とメールで回答。「計算ミスがあり、線量を3分の1に過小評価していた」として出版社に修正を要請したという。【須田桃子】


<女川1号機廃炉>低レベル廃棄物6300トン発生 東北電公表、埋設処分先は決まらず
 東北電力は26日、女川原発1〜3号機(宮城県女川町、石巻市)と東通原発(青森県東通村)の廃炉作業方針をまとめた「廃止措置実施方針」を公表した。21日付で廃炉となった女川1号機(出力52万4000キロワット)は解体で生じる廃棄物総量を約31万トン、国の方針で埋設処分する低レベル放射性廃棄物を約6300トンと推定している。 女川1号機の方針によると、廃棄物発生量の内訳は表の通り。低レベル放射性廃棄物は放射能の強い順に「L1」から「L3」に3区分される。また汚染がわずかで放射性廃棄物として扱う必要がないクリアランス制度の対象が約1万3000トン、一般の産業廃棄物が約29万トン生じる見込み。
 低レベル放射性廃棄物の埋設処分先は東北電が責任を持って決めるが、場所は見つかっていない。具体的な廃炉工程は東北電が「廃止措置計画」にまとめ、2019年度中に原子力規制委員会に申請する。
 昨年4月の原子炉等規制法改正に伴い、原発事業者は円滑に廃炉にするため廃止措置実施方針の策定を義務付けられた。核燃料の管理や汚染物廃棄など16項目で方針を示し、東北電のホームページで公開している。方針は5年ごとに見直す。


災害公営猫屋敷 明け渡し提訴へ
気仙沼市の災害公営住宅で、すでに死亡した入居者の飼い猫が10匹以上残り500万円以上の損害が出ているとして、気仙沼市は27日、遺族に住宅の明け渡しを求める訴えを起こします。
市によりますとことし6月、気仙沼市唐桑町にある戸建ての災害公営住宅に住んでいた80代の女性が死亡しましたが、住宅にはその後も女性が飼っていた10匹以上の猫やテレビなどの荷物が残っていて、関東地方に住む50代の娘が時折来て猫に餌を与えているということです。
市は娘に建物の明け渡しを再三求めてきましたが、娘が応じないとして提訴に踏み切ることを決め、27日、仙台地方裁判所気仙沼支部に訴状を提出します。
近所からはにおいなどの苦情が寄せられているということで、市は裁判で娘に対し、建物の明け渡しとともに、修理にかかる500万円あまりの費用や未払いの賃料の支払いを求めることにしています。
市によりますと、東日本大震災で建てられた災害公営住宅を巡る裁判は初めてで、市は「話し合いによる解決を目指してきたが、提訴はやむをえないと判断した」としています。


津波浸水域での植樹体験発表
小中学生の総合学習や課外活動について発表する催しが仙台市で開かれ、子どもたちが震災の津波で大きな被害を受けた地区での植樹活動などについて体験を語りました。
仙台市教育委員会が青葉区の東二番丁小学校で開いた発表会には、小中学生20人あまりが参加しました。
このうち、東日本大震災の津波で大きな被害を受けた荒浜小学校が統合された七郷小学校の6年生の仲川陽菜さんと、4年生の諒さんのきょうだいは、荒浜地区での植樹活動に参加した時のことを写真などを使って発表しました。
陽菜さんは母親から「松林がなければ同じような津波が来たら自宅が被害をうけるかもしれない」と聞いたことをきっかけに、これまでに6度植樹に参加しているということで、「苗を植えながら20年後、30年後の荒浜を想像しました。きっとこの松や桜が力強く生い茂り、私たちの町を守ってくれると思いました」と話していました。
発表を終えたあと陽菜さんは「荒浜の復興のためにこれからも植樹活動に取り組んでいきたいです」と話していました。


<IWC脱退>石巻市長「反捕鯨国の理解得る努力を」
 近代捕鯨発祥の地で、国内有数の捕鯨基地があった石巻市の亀山紘市長は「大変な驚きだ。来年7月に30年ぶりに再開される商業捕鯨については、国際的な批判も予想される。(政府には)反捕鯨国の理解が得られる取り組みを期待したい」との談話を発表した。

機能不全のIWC/脱退はやむを得ない選択だ
 クジラ資源の管理を話し合う国際捕鯨委員会(IWC)からの脱退を政府が正式に表明した。IWCへの通知を経て来年6月30日に脱退し、日本は7月以降、商業捕鯨を約30年ぶりに再開する。
 脱退によって南極海で行ってきた調査捕鯨ができなくなる代わりに、日本の近海や排他的経済水域(EEZ)などで商業捕鯨を実施する。南極海での商業捕鯨は行わない方針だという。
 IWCは捕鯨支持国と反捕鯨国との激しい対立で深刻な機能不全に陥り、重要事項は何も決められない状態が続いていた。科学的な議論をしようにも、反捕鯨国の感情的な対応ばかりが目に付いた。
 脱退はやむを得ない選択ではないか。とはいえ、国際機関からの離脱に対し拒絶反応を示す見方も少なくない。脱退という政府の意思決定の過程が不透明で分かりにくかったのも一因だろう。
 今後の商業捕鯨の在り方を含め、南極海からの撤退の影響、反捕鯨国の批判、過激な行動も辞さない環境保護団体への対応など、政府の丁寧な説明を求めたい。商業捕鯨の再開に対し、かつて捕鯨で栄えて再開を望む地域では、期待ばかりでなく、不安も広がっているからだ。
 商業捕鯨を巡っては1982年にIWCが一時停止(モラトリアム)を採択。日本は88年に商業捕鯨から撤退し、再開に向けた調査捕鯨を南極海や北西太平洋で実施してきた。そうした調査によって、十分な資源量があり、一部の種類は増えすぎた弊害さえ判明している。
 クジラは食物連鎖の頂点に位置し、サンマやイワシなどの魚類を大量に捕食する。もともと資源量が豊富だったミンククジラやマッコウクジラなどは、大幅に個体数が増加し、世界のクジラ類が1年間に食べる魚介類は漁業による漁獲量の3〜6倍に上っているという試算がある。
 こうした科学的な根拠に基づく主張に対し、IWCの総会では、反捕鯨国の感情的な反発が強く議論にならなかった。しかも重要案件の決定は出席国の「4分の3以上」という規定があり、捕鯨支持国41カ国、反捕鯨国48カ国と拮抗(きっこう)し、何も決められない状況となっていた。
 9月の総会で議決要件を過半数に下げる提案を否決された段階で脱退は既定路線となったようだ。今後はIWCにオブザーバーで残りながら商業捕鯨をしているノルウェーやアイスランドなどの北大西洋海産哺乳動物委員会(NAMMCO)と連携する方向に向かうのではないか。
 商業捕鯨の停止によって鯨肉の需要は急速に減り、そうした中で、果たして捕鯨が経済的に成り立つのかという不安が漁業者に付きまとう。捕鯨の技術や食文化の伝承など捕鯨についてのさまざまな問題の解決策を包括的に議論していく必要がある。


IWC脱退表明 これで捕鯨を守れるか
 「IWCよ、さらば」−。自国の主張が入れられなければ席を蹴る。まるで戦前か、トランプ流。脱退は、捕鯨にとって、消費者にとって、日本と日本の外交にとって、メリットがあるのだろうか。
 これは本当に、捕鯨の持続可能性を守るための判断なのか。
 国際捕鯨委員会(IWC)は国際捕鯨取締条約に基づいて、一九四八年に設立された。
 クジラを保護し、捕鯨産業の秩序ある発展を図るのが目的で、日本は五一年に加盟した。
 もともとは、商業捕鯨を維持するための団体だったと言えるだろう。それが次第に、欧米を中心とする動物愛護の視点から、クジラの保護に重点が置かれるようになり、八二年、商業捕鯨の一時停止(モラトリアム)を決めた(ただし、イルカ類を含む小型鯨類は、IWCの管轄外)。
 このため、資源量や生態を調べる調査捕鯨の名目で、南極海と太平洋で年間約六百三十頭のクジラを捕っている。鯨肉が市場に出回っているのは、そのためだ。
 今年九月、ブラジルで開かれたIWCの総会で、商業捕鯨の一部再開を求める日本の提案が否決され、代表団から脱退を示唆する声が上がっていた。商業捕鯨を求める自民党議員連盟が、その背中を強く押しての脱退表明だ。
 いずれにしても、IWCからの脱退で、捕鯨産業の未来に光明が差すのだろうか。むしろ逆ではないのだろうか。
 国際海洋条約は、クジラの管理をIWCに委ねている。IWCを脱退すれば、たとえ公海であっても南極海や太平洋での調査捕鯨はできなくなる。
 さらに、反捕鯨国の批判は強まって、たとえ自国の排他的経済水域(EEZ)内でも、IWCが規制対象とするミンククジラなどの捕獲に対して法的措置をとられるリスクは高まるだろう。伝統的イルカ漁への風当たりも激しくなるに違いない。クジラの年間摂取量は一人当たり数十グラムという。タンパク源としての需要は低く、消費者の支持が高まるとも思えない。
 それより何より、日本がこれまで堅持してきた国際協調主義に大きな傷がつく。“トランプ流孤立主義”との批判も出始めている。
 野生生物の保護は国際的な潮流だ。これまで通り内側に踏みとどまって、「伝統的食文化の重要性」を粘り強く、柔軟に訴える−。捕鯨の持続可能性を維持する道は、今のところ、それしかない。


国際捕鯨委からの脱退 失うもののほうが大きい
 政府が国際捕鯨委員会(IWC)からの脱退を決めた。今後は日本の領海や排他的経済水域(EEZ)での商業捕鯨再開を目指すという。
 しかし脱退に伴い政府が得られると主張する利益より、失うものが大き過ぎる。誤った判断と考える。
 IWCで日本は長年、資源回復が確認できたとして商業捕鯨再開を求めてきた。だが、クジラを保護すべき野生動物と考える反捕鯨国との溝は深く、交渉は行き詰まっていた。
 IWCにとどまっても商業捕鯨再開のめどは立たない。そこで、脱退によって商業捕鯨の道を開くというのが政府の主張だ。しかし、脱退すれば解決するというわけではない。
 政府は来年7月から商業捕鯨を再開すると発表した。EEZではミンククジラなどを対象にするが、クジラは国連海洋法条約で国際機関を通じた管理が義務付けられている。
 政府はIWCへのオブザーバー参加で、条件を満たせるという解釈だが、反捕鯨国が反発を強めて国際司法裁判所に提訴し、条約違反が認定される懸念は拭えない。
 そもそも国内の鯨肉消費はピークだった1960年代の20分の1程度にとどまる。商業捕鯨を再開したとしても大規模な操業は望めない。
 国内には宮城、和歌山両県などの伝統的な沿岸小型捕鯨もある。従来捕獲してきたツチクジラやゴンドウクジラなどはIWCの対象外だが、同条約の規制は受ける。
 EEZでの捕鯨と同様、条約違反に問われる恐れも否めまい。脱退を契機にIWCの対象であるミンククジラの捕獲を始めれば、そのリスクが高まる可能性もある。
 守るべきは、鯨食を「食文化」としてはぐくみ、維持してきた沿岸捕鯨である。今回、沿岸捕鯨が盛んな地域を地盤とする自民党の国会議員らが強硬に脱退を主張する経緯があった。しかし、脱退で沿岸捕鯨も危うくなるようでは本末転倒だ。
 一方、クロマグロやサンマなどの水産資源保護を巡っては、日本は国際社会に協調を求める立場にある。脱退によって、そうした要請が説得力を失う心配もある。
 戦後、日本の外交は国際協調を基調としてきた。その日本が変節したと見られる恐れもある。IWC脱退による損失は計り知れない。


IWC脱退/ビジョンある決断なのか
 政府が国際捕鯨委員会(IWC)を脱退し、来年7月から約30年ぶりに商業捕鯨を再開すると、きのう表明した。
 捕鯨支持と反捕鯨の対立が激しいIWCは機能不全に陥っていると言われて久しい。捕鯨国が国際的な批判にさらされる中、アイスランドなど一時脱退したケースやカナダなど非加盟で捕鯨している例はある。
 ただ、これまで日本は国際協調を戦後外交の基本としてきた。主要な国際機関から脱退する例は戦後ほとんどない。
 伝統ある食文化や産業を守るためとはいえ、国際的な協議の場に背を向けることは日本の信用損失につながりかねない。
 与党議員の声を受けての大きな方針転換は、明確なビジョンがあっての決断だったのか。国としてデメリットの方が大きいとの不安も根強い。政府は国民に十分に説明し、理解を得なければならない。
 IWCは捕鯨国でつくる資源管理機関として1948年に設立された。だが、クジラを特別視して捕獲自体に反対する意見が強まり、秩序ある利用と管理という本来の機能が失われているとの批判もある。日本が資源増加のデータを示しても建設的な議論はできず、国際機関としての存在意義が問われていた。
 決断の契機となったのは、9月のIWC総会で日本の商業捕鯨再開の提案が否決されたことだ。だが、日本が離脱して目指す商業捕鯨再開も、いばらの道と言わざるを得ない。
 まずIWC加盟で可能だった南極海の調査捕鯨ができなくなる。商業捕鯨は日本近海や排他的経済水域(EEZ)で実施する方向だが、条約の定めで別の国際機関の設置などが必要となる。脱退が国際訴訟を誘発する可能性も否定できない。
 商業捕鯨撤退から30年経過して鯨肉消費は低迷し、国民の関心も高いとは言えない。需要拡大や産地活性化につながるかは未知数だ。
 政府は、脱退後もIWCへのデータ提供など国際的な資源管理に貢献する考えだ。海洋資源の持続的利用など、日本の主張への国際的な理解を効果的に広げたい。捕鯨支持国との連携を強化して、外交努力を尽くさねばならない。


IWC脱退表明 国際協調に背向けるな
 国会での議論もなく、唐突な印象が拭い切れない。
 政府はきのう、クジラ資源の管理を担う国際捕鯨委員会(IWC)を脱退し、来年7月から31年ぶりに商業捕鯨を再開すると表明した。この先どんな展望を描いているのだろう。
 戦後日本の外交は国際協調を重視してきたはずだ。主要な国際機関から脱退したケースはほとんどない。脱退を求める国内世論が強まっていたようにも見えず、鯨肉の国内消費量は限られている現状がある。なぜいま商業捕鯨にかじを切るのか。不可解な政治判断と言えよう。
 菅義偉官房長官は記者会見で「IWCはクジラを巡る異なる立場の共存が不可能」と脱退の理由を強調した。さらに、別の国際機関の設置など新たな枠組みづくりを将来的に検討する考えも示した。
 確かにIWCは捕鯨支持国と反捕鯨国が時に感情的に対立し、機能不全に陥っているとの指摘がある。だからと言って、日本が反捕鯨国と粘り強く向き合わなければ、さらに溝を深めるだけだろう。
 他国の理解が得られず、納得がいかないから組織を抜けるというのでは、環太平洋連携協定(TPP)やパリ協定を次々と離脱した米トランプ政権の手法と変わるまい。日本は、自国第一主義に傾く米国をいさめる立場だったはずだ。
 商業捕鯨を再開するといっても、道筋は見通せていない。物議を醸した南極海の操業は諦め、日本の領海や排他的経済水域(EEZ)で実施するつもりのようだが、果たして需要が見込めるだろうか。
 鯨肉は戦後の食糧難の時代には安価で貴重な栄養源で、ピークの1962年度には約23万トンが消費された。しかし食生活が多様で豊かになった上、捕鯨規制の影響などで値上がりし、最近は年5千トン前後にとどまる。調査捕鯨で得た肉を2011年に初めて入札販売した際には4分の3が売れ残ったという。
 下関市をはじめ捕鯨にゆかりのある全国各地では再開を歓迎する声が上がっている。だがやはり流通先の確保といった課題への不安も根強いようだ。しかも商業捕鯨になれば、調査捕鯨のように政府が補助金を出すことは難しくなり、市場価格がさらに上昇しかねない。食文化と主張するなら国内消費を増やす施策こそ、IWCの脱退より先に取り組むべきではないか。
 クジラの数は回復傾向にあるとの調査もある。IWCは南極海のクロミンククジラは51万頭と推定している。海の食物連鎖の頂点にいるクジラが増えすぎれば生態系が崩れ、他の漁獲量にも影響を及ぼすとも言われている。IWCの中で、科学的な分析に基づく冷静な議論を続けることが、それぞれの立場を超えて求められよう。
 さらに言えば、日本はマグロやサンマでは各国に資源管理への協力を求めている。IWCの脱退は、説得力を欠く行動と受け止められ、各国の乱獲に拍車を掛ける恐れがある。
 来年は大阪で20カ国・地域(G20)首脳会合、20年は東京五輪・パラリンピックと続く。唐突な脱退は友好ムードに影響を及ぼしかねない。これまで日本が国際社会で築いてきた信頼を損なわないためにも、IWCには踏みとどまるべきだ。


国際捕鯨委脱退 孤立招かぬ最大の努力を
 日本政府が、クジラの資源管理を行う国際捕鯨委員会(IWC)を脱退し、来夏から商業捕鯨を再開することを決めた。
 脱退後は、南極海と太平洋の公海上で行っている調査捕鯨を中止する一方、日本の領海と排他的経済水域(EEZ)で商業捕鯨を行うという。
 国際協調主義を掲げる日本が、国際機関から脱退するのは極めて異例の措置だ。IWCの本来の理念が変質し、過半数を占める反捕鯨国との対立も先鋭化する中、残留していても商業捕鯨の再開はおろか、今の調査捕鯨すら継続できない懸念がある−と見切ったようだ。
 確かにIWCは現在、機能不全状態にある。しかし脱退の代償もまた大きい。従来の方針を転換するのなら、政府は、日本の捕鯨や関連産業を今後どうするのか、脱退による国際社会での得失を含め国民に丁寧に説明する必要がある。
 IWCは、クジラの資源保護と持続的な利用を目的に1948年に発足し、現在、89カ国が加盟している。
 82年にはクジラの生息数回復のため、商業捕鯨のモラトリアム(一時停止)を決め、日本は88年に商業捕鯨から撤退し、前後してクジラの資源状況を調べる調査捕鯨を開始した。現在、南極海と北西太平洋でミンククジラなど年間約630頭を捕獲している。
 日本は、調査で資源の回復が確認された種類に限り、捕獲枠に基づく商業捕鯨再開を求めてきたが、オーストラリアや米国、欧州などの反捕鯨国が反対し、今秋のIWC総会では、商業捕鯨再開は「不要」とする宣言も採択されていた。
 世界的に水産物需要が高まる中、今や国際的な漁獲量管理は不可欠だ。科学的な資源調査データはその指針だ。それなのに感情的にクジラを食べる文化やデータに基づく捕獲にまで反対する反捕鯨国の対応は理解に苦しむ。クジラが大量の魚類を食べる食害も報告されている。
 よって脱退が理解できないわけではない。とはいえ脱退は国際社会における日本の針路として得策なのか。もっと多面的に議論する必要はなかったか。
 脱退すれば、南極海での調査捕鯨、データ蓄積も不可能になる。逆に科学的資源管理・利用への道を狭めはしないか。
 今後、高まるであろう反捕鯨国の圧力や反捕鯨団体の抗議にどう対処し、国際社会をどう説得してゆくのかも難題だ。外交への影響も考えられる。
 政府は脱退後、他の捕鯨国と一緒に新国際機関をつくることも検討しているという。国際社会に背を向けず、孤立を招かない最大限の努力を求めたい。


反捕鯨団体「勝利」宣言 日本の南極海撤退で
反捕鯨団体「シー・シェパード」は26日、日本政府が国際捕鯨委員会(IWC)側に脱退通告したことについて、日本は脱退に伴い加盟が条件となっている南極海での調査捕鯨ができなくなるため、歓迎する声明を出した。抗議活動の目的が実現したとして「勝利」を宣言した。
 シー・シェパードは南極海での捕鯨に反対し、2005年からこの海域で日本の調査捕鯨船への妨害活動を行った。声明では「南極海におけるクジラを巡る戦いが終わろうとしている」とし、今後は北極海で監視を強める必要性を強調した。


IWC脱退のキーマン 二階幹事長が地元で「神様」の笑止千万
「幹事長が地方の声を官邸に届けてくれた。神様みたいだ」――。
 古式捕鯨発祥の地をうたう和歌山・太地町の三軒一高町長は記者団に語った。26日、政府が国際捕鯨委員会(IWC)からの脱退を正式表明後、自民党本部であった捕鯨議員連盟の会合は異様な熱気に包まれた。
 約30年ぶりの商業捕鯨再開に踏み切ったキーマンに、政府関係者は「山口と和歌山の政権ツートップ」を挙げ、安倍首相と二階幹事長の関与を示唆。太地町を選挙区に抱える二階幹事長は、この日も三軒町長に「(捕鯨を)徹底的にやれ」とハッパをかけたというが、日本の国際機関からの脱退は極めて異例だ。戦前に孤立化を深めた国際連盟脱退すら想起させる。
 脱退によって、むしろ鯨の供給量が減るとの指摘もある。IWCに残るノルウェーやアイスランドからの輸入が途絶えるためだ。
 水産庁によると、年間消費量とほぼ同じ約3000トンの冷凍鯨肉が在庫に眠る。国際批判を招いてまで鯨を食べる必要があるのか。そこまでして、安倍首相や二階幹事長を喜ばせたいのか。


IWC脱退表明 あまりに拙速な決定だ
 政府はクジラの資源管理を担う国際捕鯨委員会(IWC)からの脱退を表明した。来年7月から30年ぶりに商業捕鯨を再開する可能性が高まった。しかし、脱退は、話し合いによる解決の道を一方的に放棄する行為であり、国際社会からの非難が一層高まることは必至だ。
 今年9月にブラジルで開かれたIWC総会で日本が出した商業捕鯨の再開提案が否決され、IWCに残って再開を実現するのは困難だと判断したという。菅義偉官房長官は「鯨類に対する異なる意見や立場が共存する可能性すらないことが明らかとなった」と理由を挙げた。日本の国際機関からの脱退は極めて異例だ。
 反捕鯨国の理解が得られないからと脱退するのでは、日本がこれまで積み上げてきた国際的な信用を自らおとしめることにならないか。自国の石炭産業保護のため地球温暖化対策の枠組み「パリ協定」からの脱退を表明した米国のトランプ政権とも重なる。国際協調に背を向ける自国第一主義的な行為が容認されるはずはない。
 とりわけ問題なのは、このような重大案件が国内でオープンな議論を経ないままに決定されたことだ。捕鯨基地として知られた和歌山県が地盤の二階俊博自民幹事長ら与党内の要望が強かったことが背景にあったとの指摘もある。政府与党の独断専行以外の何ものでもなく、拙速のそしりは免れない。
 IWCは1982年、商業捕鯨の一時停止を決定した。これを受け、日本は88年に商業捕鯨から撤退。その後は調査捕鯨を実施してきた。
 IWC加盟国のうち捕鯨支持国は日本など41カ国、反捕鯨国が48カ国。法的拘束力のある決定は総会で4分の3以上の賛成が必要なため、重要な意思決定ができない状態が恒常化。「そもそもクジラを殺すべきではない」とする反捕鯨国と捕鯨国の溝が埋まることはなかった。ただ、対立は今に始まった話ではない。なぜ今脱退しなければならないのか疑問だ。
 商業捕鯨を再開するのは、日本近海や日本の排他的経済水域(EEZ)に限定するとみられる。南極海の調査捕鯨は継続できず、北太平洋も見直しを迫られる状況で、捕獲できる量が増加するかは見通せない。さらに、日本の食文化の変化などから、再開しても大きな需要が生まれるか不透明だ。マイナス面の影響が大きい半面、得るものはあまりにも少ないと言わざるを得ない。
 この脱退がノルウェーなど他の捕鯨国の脱退を誘発する可能性もあり、捕鯨を巡る国際社会の対立が一層激化し、さまざまな外交政策に悪影響をもたらすことも懸念される。
 政府与党に求められるのは国民に丁寧に説明し、理解を得ることだ。理解が得られないようなら、脱退決定の見直しを含めて再考するべきである。


IWC脱退表明/利益少ない拙速な決定
 日本政府はクジラ資源の管理を担う国際捕鯨委員会(IWC)からの脱退を表明した。商業捕鯨の再開を目指すためとしているが、その見通しは不透明だ。その上、異例の国際機関からの脱退は、国際社会から協調軽視だとの批判を浴びる危険性が高く、得られるものは少ない。利害関係者による開かれた議論もなしに、このような重大な決定を行うことは拙速のそしりを免れない。
 IWCは1982年に商業捕鯨の一時停止を決定。日本はこの決定への異議申し立てを撤回して88年に商業捕鯨をやめ、再開に向けて科学的データを収集するため南極海や北西太平洋で調査捕鯨を続けてきた。
 IWCで日本はさまざまな形で商業捕鯨再開を提案したが認められず、今年9月の総会でも商業捕鯨再開提案が否決された。IWCに残ったままでは再開は絶望的だというのが政府の判断だ。
 脱退がもたらす変化は大きい。政府は日本がIWCの中で実施してきた南極海調査捕鯨を含めて南半球での捕鯨をやめ、日本の領海と排他的経済水域(EEZ)でのみ商業捕鯨を行うとした。
 日本も加盟する国連海洋法条約でクジラの管理は「国際機関を通じて活動する」とされており、IWC科学委員会へのオブザーバー参加、捕鯨国同士での新機関設置などを模索することになるが、国際的に認められるかどうかは不透明だ。
 北のミンククジラは南のミンククジラに比べて小さく、資源量も少ない。政府は「IWCで採択された方式で算出される捕獲枠の範囲内で行う」としており、枠は限定的なものとなる。「脱退と商業捕鯨の再開で安い鯨肉が大量に食べられるようになる」と考えるのは早計だ。日本人1人当たりの年間消費量が30〜50グラムと消費が低迷する中で、商業捕鯨が成り立つかどうかは分からない。
 得られるものが少ないのに対し、国際機関から脱退するデメリットは大きい。「法の支配」や「国際協調」を外交の基本路線としてきたこれまでの言動との矛盾は明白だ。自国の石炭産業保護のために地球温暖化防止のパリ協定からの脱退を表明した米国のトランプ政権になぞらえた批判も出そうだ。
 地域の漁業資源管理機関の中で、サンマやマグロなどの資源管理への協力を各国に求めてきた日本の説得力の低下を懸念する声もある。
 そもそも、南極海などの調査捕鯨を中止する代わりにEEZなどで小規模な商業捕鯨を行うという案は、膠着(こうちゃく)状態が続くIWCの中で、唯一といえる妥協策として長く議論されてきたものだ。脱退という強硬策ではなく、国際機関の中での合意を目指した努力を続けるべきだったろう。
 小さくなったとはいえ、依然として地域には捕鯨関連業者が存在する。一方で、日本の国際社会の中での評判に大きな影響を与える。このような重大な決定がオープンな討議を経ず、一部の政治家と官僚だけの議論の中でなされたことも大きな問題だ。
 拙速な決定をいったん棚上げしてでも、国際社会の中での日本の立ち位置、日本人と鯨肉食の将来、水産資源の持続的な利用と保護の関連など総合的で広い視野に立った国内議論を進めるべきだった。


【IWC脱退】国民の共感得られるのか
 日本が積み上げてきた国際協調の実績をなげうってまでして、商業捕鯨を再開するメリットがあるのだろうか。
 政府がクジラの資源管理を担う国際捕鯨委員会(IWC)を脱退し、来年7月から約30年ぶりに商業捕鯨を再開すると表明した。
 鯨食文化の尊重を世界に訴える構えだが、国内の鯨肉消費量は大幅に減っている。捕鯨への国民の関心も決して高いとは言えない中、脱退は拙速な決断と言わざるを得ない。
 クジラ資源の保存と捕鯨産業の発展を目的に設立されたIWCは1982年、商業捕鯨の一時停止を決定。日本も88年に商業捕鯨をやめたが、再開に向けて科学的データを収集するため南極海や北西太平洋で調査捕鯨を続けてきた。
 脱退にかじを切った理由について、政府はIWC内で捕鯨支持国と反捕鯨国の対立が先鋭化し、重要な意思決定ができない点を挙げる。確かに現在は反捕鯨国の数がやや上回っている。保護一辺倒の主張に押されて、捕鯨産業の発展を求める声は通りにくい。
 だからといって、国際協議の席を蹴るのが賢明だとは思えない。
 IWCはかつて、商業捕鯨の停止により南極海のミンククジラの資源が回復、毎年一定量を捕獲しても減らない水準であると認めていた。そうであるなら日本はIWC内にとどまり、これまで通り科学的調査に基づいて国際世論を説得する努力を続けるべきではなかったか。
 政府によると脱退後に行う商業捕鯨は、日本の領海と排他的経済水域(EEZ)に限定し、南極海・南半球では捕獲しないという。しかしこれもIWCが以前、「日本の沿岸捕鯨を条件付きで認める代わりに、南極海などでの調査捕鯨を段階的に縮小・廃止する」とした検討内容と似ている。
 脱退という強硬手段を取らなくても、解決の糸口は見つけられたのではないか。
 本県は今、カツオの資源保護に懸命に取り組んでいる。マグロやウナギといった水産資源の保護も喫緊の課題だ。IWC脱退という日本の振る舞いは、国際的な枠組みを軽視したとも受け取られかねない。それが捕鯨以外の分野の協議でも批判され、影響を与える可能性もゼロではないだろう。
 むろん捕鯨で生計を立てている漁業者はいる。商業捕鯨の再開が活性化に結び付く地域もあろう。一方で鯨肉の国内消費量は1962年度に約23万トンに上ったのが、最近は年5千トン前後で推移。価格が下がっても売れ行きは伸びず、大量の冷凍在庫も指摘されている。
 伝統の食文化と言えども、食卓での存在感は年々薄まってきている。それでも商業捕鯨を再開させるのであれば、そこには国民の共感や理解が欠かせない。
 再開後の需要の見通しはあるのか。国民への説明が不十分なままのIWC脱退を危惧する。


日本の「クジラIWC」脱退なぜ?安倍首相・二階幹事長の地元は捕鯨ビジネスの拠点
安倍内閣はIWC(国際捕鯨委員会)から日本は脱退をすると表明し、来年7月(2019年)から日本近海と日本のEEZ(排他的経済水域)で商業捕鯨を再開することになった。しかし、そもそもクジラ肉の需要は急減しており、商業捕鯨を再開してもビジネスとして成り立つかどうか疑問視されている。
国際協調主義を外交と基本としながら、なぜリスクを負いながら、成算のないIWC脱退に踏み切ったのか。IWC加盟国の過半数を占める反捕鯨国に理解を求めても、もはや説得は難しいと判断かららしいが、交渉にあたってきた外務省幹部は「脱退は政策判断を超えた政治判断だった」と話している。どういうことか。
沿岸捕鯨の盛んな和歌山・太地町を選挙区に持つのが自民党の二階俊博幹事長で、捕鯨船の拠点である下関は安倍首相の地元だ。首相・幹事長の地元の事情が優先したというわけである。
商業捕鯨再開してもクジラ肉需要はすでに急減
玉川徹(テレビ朝日解説委員)「そんな理由で国際機関を脱退したの?」
ゲストの政治ジャーナリストの田崎史郎氏は「二階さんの影響はあったかもしれないが、それでこうなったわけではありません。IWCは延べ22か国が脱退しているで、日本の態度をはっきり示そうという趣旨なんですよ」と自民党を擁護した。そういえば、きのう26日に、田崎氏は安倍首相と食事したりしてるんだよね。
 商業捕鯨を再開しても、はたして何頭のクジラが獲れるか不明で、IWCを脱退せずに調査捕鯨を続けていた方が多くのクジラ肉を確保できたかもしれないのだという。


「多くの国を無視」と日本批判=ブラジル、IWC脱退再考促す
 有力な反捕鯨国ブラジルの政府は26日、日本政府が国際捕鯨委員会(IWC)脱退と排他的経済水域(EEZ)での商業捕鯨再開方針を発表したことについて、「残念だ。多くの国の立場を無視した行為だ」と批判し、再考を求めた。
 ブラジル南部フロリアノポリスでは今年9月にIWC総会が開かれ、日本の商業捕鯨再開案が否決された。ブラジル環境省は声明で「フロリアノポリス宣言は商業捕鯨の一時停止(モラトリアム)維持の重要性などを再確認した」と強調。日本に対し、IWCの決定を順守するよう促した。


フランス政府、日本のIWC脱退に「遺憾」表明
 【パリ=三井美奈】フランス政府は27日の声明で、日本政府の国際捕鯨委員会(IWC)からの脱退表明に「遺憾」を表明した。
 声明は、生物多様性の保全に向けた国際社会の取り組みが進む中、日本の決定は「悪いシグナルを送る」と評価。一方で、鯨類保護の枠組みを強化するため、「日本と対話を続けることを望む」とした。


国会に説明なく、憲法軽視 IWC脱退 早大・水島朝穂教授
 日本政府のIWC脱退決定について、水島朝穂・早大法学学術院教授(憲法学)は、憲法の観点から問題点を指摘する。
  × × × 
 国際機関への加盟の根拠となる条約の締結について、憲法七三条は、事前もしくは事後の国会承認が必要としている。その趣旨からすれば、条約や国際機関からの脱退も国政の重大な変更であり、国会での議論抜きにはあり得ない。
 だが、安倍政権はIWCからの脱退について、野党や国民にきちんとした説明をしないまま、臨時国会閉会後に決めてしまった。
 国際機関からの脱退を内閣が勝手に行い、国会にも説明せず、記者会見もすぐに開かない。この「聞く耳を持たない」姿勢は一貫しており、安倍政権の「国会無視」「憲法軽視」の姿勢の到達点ともいえる。
 (憲法六六条が定める)内閣が国会に連帯して責任を負うという意味は、国民にきちっと説明するということだ。
 IWCからの一方的な脱退は、憲法九八条が掲げる「国際協調主義」を捨て去る最初の一歩になりかねないと警鐘を鳴らしたい。


揺らぐ国際協調主義 IWC脱退
 日本のIWC脱退通告は、国際舞台でこれまで日本が堅持してきた国際協調主義や国際ルールの順守といった基本方針との整合性に疑義が生じる懸念をはらむ。政府は対外的な説明に努めるが、今後の外交交渉に影響する恐れもある。 (大杉はるか)
 日本は多国間会議などで国際協調を重視する姿勢を貫いてきた。十一月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)では、貿易を巡る米中対立の激化で首脳宣言の採択が見送られる中、安倍晋三首相は多国間の枠組みでの自由貿易推進を呼び掛けた。
 中国による南シナ海への進出や、韓国最高裁の元徴用工訴訟判決などでは、日本は国際ルールの尊重を訴えて、相手国への抗議を繰り返している。だが、IWC脱退は、これまでの対応とは方向性が違うと国際的に受け取られかねない。
 これに対し外務省は、IWCにオブザーバーとして残る方針を明らかにした。担当者は記者団に「IWCに背を向けるのではない。法の支配や多国間主義の尊重は変わらない」と強調。脱退すれば国際機関を通じた鯨類の保存・研究を規定する国連海洋法条約に反するとの見方にも、オブザーバーとして出席を続けることで違反しないと反論する。
 日本政府としては、再開する商業捕鯨の新たな捕獲枠はIWCの算出方式に従うことや、南極海、南半球での捕獲は行わないなど、国際協調に配慮する姿勢を見せることで、関係各国に理解を求める考えだ。
 外務省幹部は「感情的な反発もあり得るが、説明を尽くす」と話す一方、「これで万事安心というつもりはない」と不安ものぞかせる。


火山津波  歴史見れば日本列島も
 決して、よそごとではない。
 インドネシアの津波である。地震は起きてないのに、不意打ちのように大きな波が、人や建物をのみ込んだ。
 火山の噴火が津波をもたらすとは、だれが想像しただろう。しかし、日本列島の歴史をふり返ると、何度か発生し、多くの人命が犠牲になっている。
 インドネシアとは火山国として同じ宿命を持つ。救助や復旧、今後の対策に向け、現地の事情を踏まえながら支援していきたい。
 これまでに400人以上の死亡が確認され、今なお行方不明者がいる。まず、がれきを撤去し救出を急ぎたい。重機が不足しているといい、なんとか手助けできないか。
 これだけ犠牲者が多くなったのは、何の前触れも警報もなく、避難できなかったからだ。
 火山島アナック・クラカタウが噴火し、島の半分が海に崩れ落ちる「山体崩壊」によって大波が発生したようだ。海峡で発生した津波は速く、力も強い、と専門家は指摘している。実際に津波は20分ほどで対岸に達し、5メートル以上の高さになった所もある。
 現地当局者は火山津波を予想していなかったと説明するが、6年前に米国とフランスの研究者が論文で可能性を指摘していた。19世紀には噴火による大津波で、推計3万人超が犠牲になった。
 科学者の知見に目を配り、歴史に学ぶ姿勢が、特に災害多発の国では求められよう。
 日本でも記録に残されている。江戸中期の1741年には北海道の渡島大島が噴火、津波で1467人が死亡、約50年後に長崎県の雲仙・普賢岳が火山性地震で山体崩壊し、津波が熊本にも及んで約1万5千人が犠牲になった。「島原大変肥後迷惑」と呼ばれて伝わっている。
 日本列島の活火山は111を数え、海岸近くや島にもある。噴火による山体崩壊や溶岩流出などで、どこでも津波は起こりうる、と専門家は注意を喚起している。津波だけでなく、内陸では河川をふさぎ大洪水を起こしたことが、歴史に残っている。
 気象庁は50火山で24時間体制で観測・監視を続けている。インドネシアの津波を受けて「難しい部分もあるが、迅速な警戒情報の発表に努めたい」としており、新たな課題と受け止めているようだ。
 災害は思わぬ形でもたらされることがある。胸に刻み、とっさに避難できるようにしておきたい。


大阪都構想でダブル選か 首長選挙の乱用に等しい
 知事や市長の地位を駆け引きの道具に使って、揺さぶりをかけるような政治手法は認められない。
 大阪市を廃止して東京23区のような特別区に再編する大阪都構想をめぐり、松井一郎・大阪府知事と吉村洋文・大阪市長が任期途中で辞職した上で、改めて来春の統一地方選で府市の「ダブル選」を実施する構えを見せている。
 2人が率いる地域政党・大阪維新の会は来夏の参院選に合わせて都構想の是非を問う住民投票の実施を目指している。維新だけでは府市両議会の過半数に足らず投票が実現できないため、ダブル選をちらつかせることで公明に同調を迫っている。
 統一選の府議選、市議選が迫ったため、維新側がしびれを切らし強硬措置に出た形だ。松井氏はきのう、昨年4月に維新と公明が交わした「今任期中で住民投票を実施する」とする合意書を記者会見で公表し、「約束がほごにされ続け、信頼関係がなくなった」と主張した。公明とは衆院選で選挙協力をしてきたが、一転、公明への批判を鮮明にした。
 だが、都構想については2015年5月の住民投票でいったん否決されている。これにより市長だった橋下徹氏は敗北を認め政界を引退した。なぜそれを再び持ちだそうとするのかが、はっきりしない。
 昨年から改めて始まった法定協議会では4分割の区割り案で協議が進むが、移行に伴うコストや経済効果などの認識で各会派は対立し構想案は固まっていない。
 にもかかわらず、松井氏らが強気に出ている背景には25年国際博覧会(万博)の大阪誘致の成功があるようだ。「府市一体となったからできた。これを制度にするのが都構想だ」と主張するが、万博開催とは切り分けて考えるべきだ。
 ダブル選を来春の統一選にすれば、大阪府議選、市議選も合わせて四つの選挙が重なることになる。松井氏らは注目度を高めることで府市両議会とも維新勢力で過半数確保を目指そうとするだろう。
 ただ、そもそも首長選は幅広い政策課題を検討し地域のかじ取り役を選ぶものであるはずだ。シングルイシュー(単一の争点)に対する民意を問うためのものではない。首長選挙の乱用と言わざるをえない。


辺野古で起きていること
 「紺碧(こんぺき)」を辞書で調べると「深みのある濃い青色」とある。言葉通りに青い海がブロックで仕切られ、赤土が放り込まれた。痛々しいとしか言いようがない▼安倍晋三政権は米軍基地建設のため沖縄県名護市・辺野古の海に土砂投入を始めた。岩屋毅防衛相は「不退転の決意」と強気だ。しかし現地を訪ねると、簡単には進みそうにない現実が見えてくる▼埋め立て海域に広く超軟弱地盤が見つかった。「マヨネーズ並み」に柔らかく、大がかりな地盤改良が必要になる。国は隠していたが、8年前に京都から移住した北上田毅さん(73)が情報公開請求で引き出した▼水深数十メートルの海底を、さらに地中数十メートル深くまで固めるのは容易ではない。国が掲げる5年以内は無理、建設資金も巨額になる。土木技術者の北上田さんはそう指摘する▼沖縄県が埋め立て承認を「撤回」した主要な理由も超軟弱地盤の発覚である。県は、費用が2兆4千億円以上に膨れると試算し、国との協議で示した。費用は国民の税金である。沖縄だけの問題ではない▼菅義偉官房長官は「全力で埋め立てる」と述べるが、本当に工事を進められるのか、国民負担はどこまで増えるのか、それは妥当なのか。説明すべきだろう。このままでは民主主義も埋め立てられてしまうのではないか。

辺野古土砂投入強行で追い込まれるのは安倍政権のほうだ! 広がる反対の声、軟弱地盤問題…新基地建設は不可能
「14日の土砂投入から1週間以上経ちましたが、日曜日を除いて毎日、埋め立て工事は続いています。運搬船の土砂を陸揚げした後、ダンプカーに積み替え、護岸に囲まれた埋め立てエリアに投入する作業を繰り返しているのです。ただし土砂投入が始まったのは全埋立面積の4%にすぎず、しかも新基地予定地南側の『辺野古側』。軟弱地盤が見つかった北東側の『大浦湾側』は手つかず状態なのです」
 こう話すのは、軟弱地盤問題を名護市議会で追及してきた東恩納琢磨市議(「じゅごんの里」代表)。大浦湾に生息する貴重なサンゴ群落を紹介する環境保護活動も長年続け、オリバー・ストーン監督を船で案内したときには地元紙に報道されたが、そんな東恩納氏が注目するのは、ホワイトハウスへの辺野古埋め立て停止要請が短期間で10万筆を超え、増え続けていることだ。
「ローラさんやりゅうちぇるさんをはじめ署名をした人たちに是非、サンゴ群落を見て回るグラスボートに乗って欲しい。大浦湾側で埋め立て工事が本格化し、いままでに例のない大規模な地盤改良工事が始まってしまうと、貴重なサンゴ群落が死滅するのは間違いないからです」
 安倍政権(首相)が沖縄の民意を無視して土砂投入に踏み切ったことで、辺野古新基地阻止を掲げる玉城デニー知事との倒すか倒されるのかのガチンコ勝負が始まった。翌15日付の朝日新聞は「辺野古、土砂投入を強行 政府の基地建設、後戻り困難に」と銘打った記事を出したが、こうした見方に対して玉城知事は「土砂投入が『もう後戻りできない』という状況になるとは決して思っていない」と反論する一方、「『辺野古が唯一』と言っている限り、デッドロック(行き詰まり状態)になる」という警告も何度も発してきていた。「後戻り困難」と報じられると、「引き返すことが難しい段階まで来た」という印象を受けるが、実際は「立往生必至の見切り発車」が正確だろう。
琉球新報の普久原均編集局長は「追い込まれていくのは安倍政権(首相)のほう」と見ていたのだ。
「今回、土砂投入が開始した埋め立てエリアの面積は全体の4%にすぎません。しかも工事が比較的容易な『辺野古側』から埋め立てを始めた。もう片方の『大浦湾側』は、マヨネーズにもたとえられるほどの軟弱地盤で大規模な地盤改良(強化)を行うことが不可欠で、知事が承認する設計変更が必要ですが、玉城知事は認めない考えです。途中で工事が行き詰ることは目に見えているのです。難工事でない地区から土砂投入を始めて県民の諦めを誘い、4年後の県知事選で設計変更を認める知事を誕生させるというのが前提。玉城知事も県民も諦めずに闘い続ければ、逆に追い込まれていくのは安倍政権のほうなのです」
 新基地建設予定地は米軍基地「キャンプ・シュワブ」が位置する岬を挟んで南側の「辺野古側」と北東側の「大浦湾側」にまたがり、両方を埋め立てないとV字型滑走路は完成しない。しかし大浦湾側で、マヨネーズとたとえられる軟弱地盤が見つかった。埋め立てには「ケーソン」と呼ばれるコンクリートの大きな箱を置いていき、その上に滑走路を造ることになるが、軟弱地盤の上には置くことができない。そのため、厚さ40メートルにも及ぶ軟弱地盤層を入れ替えて強固にする地盤改良工事なしには“欠陥基地”にしかならないのだ。当然、米軍の使用には耐えられないので代替施設として機能せず、工事ゴリ押しの安倍政権の錦の御旗である「普天間飛行場の危険除去」が実現することもない。普久原氏はこう続けた。
“官邸傀儡知事”が誕生しない限り、辺野古新基地建設は不可能
「だからこそ安倍政権は『辺野古新基地完成には設計変更を認める知事の誕生が不可欠』とわかっていたので9月の沖縄県知事選で総力戦を展開。小泉進次郎氏を3回現地入りさせるなどして、何としても佐喜真淳・前宜野湾市長を当選させようとしたのです」
 東恩納氏も同じ見方をしていた。
「地盤改良工事は水深40メートルのところに構造物(ケーソン)を立てるという前例のない大規模なものです。大浦湾の貴重なサンゴが破壊されてしまうのは確実。そんな工事を玉城知事が認めるはずがない。そこで、軟弱地盤ではない『辺野古側』から土砂投入を開始、4年後の県知事選で玉城知事交代を目論んでいるとしか考えられない。まさに場当り的な対応で、『これが法治国家なのか』と言いたくなりますが、土砂投入で県民は諦めるどころか、逆に反発が強まっています」
 現在の辺野古新基地計画が破綻状態にあることは、「工期の長い難易度の高い工事から着手する」という公共事業の常識と照らし合わせても明らかだ。たとえば、難工事のトンネル工事を伴う高速道路建設では、工期の短い平野部ではなく、工期の長いトンネル工事から始める。同じように辺野古新基地建設でも、軟弱地盤のある大浦湾側から難工事を始めていないとおかしい。辺野古側の埋め立ては後から始めても追いつくことが可能であるからだ。
『辺野古に基地はつくれない』(岩波書店)の著者のひとりである元土木技術者の北上田毅氏も11月27日、新基地問題の集会で次のような説明をした。
「工期の大幅な延長と巨額の費用をかけて地盤改良工事をすれば、技術的にはあるいは出来るかも知れません。問題は、その場所が貴重な自然が残っている大浦湾だということです。水深30メートルの海底から厚さ(高さ)40メートルの軟弱地盤を地盤改良する。それこそ、ヘドロのように泥が周辺に拡散するわけですから、いままでの当初の環境影響評価の全面的なやり直しが必要と言わざるを得ない。技術的に可能かどうかだけではなくて、環境への影響が大きな問題なのです」
玉城デニー知事「我々は絶対に諦めない。勝つことは諦めないこと」
 4年後の新知事誕生が前提とみえる安倍政権の見切り発車的な土砂投入に対し、玉城知事は逆に反発を強めている。翌日(15日)に「キャンプ・シュワブ」のゲート前に駆け付けた玉城知事は、座り込みを続ける人たちにこう訴えた。
「私たちは決して怯んだり、恐れたり、挫けたりしない。勝つことは難しいかも知れない。しかし我々は絶対に諦めない。勝つことは諦めないことです。みんなでその気持ちを一つにして頑張っていきましょう。うちなーのぐるーよ、負けてーないびらんど(沖縄の皆さん、負けてはいませんよ)」
「多様性の持つ力、沖縄の誇りある民主主義」と銘打ってニューヨーク大学で講演をした11月の早期訪米も、功を奏したようにみえる。先の東恩納氏は「ホワイトハウスへの嘆願署名を呼び掛けたのがハワイ在住の日系(沖縄県系)4世とありましたが、アメリカ人の海兵隊員が父親の玉城デニー知事に親しみを感じ、アメリカ市民を動かしたのだと思います」と捉えていた。
「アメリカにも新基地をつくりたい側と見直すべきと考える側の綱引きがあると思いますが、『沖縄の民意を無視していいのか』『これはアメリカの問題でもある。見直すべきだ』といった声が広まっていけば、日米両政府も無視できなくなるのではないか」(東恩納氏)
 ちなみにニューヨーク大学での知事講演に協力した島袋まりあ・同大准教授も玉城知事と同様、両親は日本人とアメリカ人。そしてホワイトハウス嘆願署名を呼び掛けたのも日系4世で、それに賛同したローラもバングラデシュ人の父と日本人とロシア人の親をもつ母親とのあいだに日本で生まれた。
 まさに「多様性の持つ力」が玉城知事の訴えに呼応、爆発的な共感のうねりを引き起こしながら、日米両政府を揺り動かし始めたようにみえるのだ。多民族国家アメリカを象徴する都市のニューヨークで「多様性の力」を訴えた玉城知事の狙いがズバリ的中したかたちなのだ。
「沖縄の多様性は私のような存在であり、米兵と結婚して渡ってきていまアメリカにいる女性たちであり、そして親から沖縄の魂を受け継いだ子どもたちであり、沖縄に触れてきた数多くの軍人・軍属なのです。私はこの多様性を誇るべき民主主義の力に是非変えて欲しいのです」
「あなたの国の政府に、アメリカの民主主義の誇りを沖縄にも届けるように要求して下さい。みんなが立ち上がれば変化が起こります。変化が早く大きく起きるほど状況は大きく早く変わります。日米両政府が辺野古の新基地建設を断念するまで、みんなで是非動いていこうではありませんか」
安倍政権は辺野古に代わる代替案をアメリカと再交渉せよ!
 辺野古新基地阻止に命をかけた翁長雄志前知事の“弔い合戦”は第二幕に突入した。亡くなる直前に病床で謝花喜一郎副知事に指示した「埋め立て承認撤回(軟弱地盤が最大の理由)」に対して安倍政権は、国民の権利・利益を守るための行政不服審査制度を乱用して埋め立て工事を再開、土砂投入へと踏み切った。玉城県政下では軟弱地盤問題でデッドロック(行き詰まり状態)になることを知りながら、玉城県政打倒を前提に見切り発車したといえるのだ。
「対話による辺野古に代わる代替案模索」を拒否され、喧嘩を売られたに等しい玉城知事は反転攻勢に出ていた。「工事期間は最短で13年、埋め立て工事費が最大で2兆5500億円かかる」という独自試算を発表した。全国民(納税者)に向けて「『辺野古が唯一』と繰り返すだけでアメリカとの再交渉(代替案模索)を怠る安倍政権は血税浪費の無能集団ではないか」というメッセージを発信したに等しいだろう。
 そこに、ホワイトハウス嘆願署名の爆発的な広がりという“援軍”も現れた。ローラやりゅうちぇるらの呼びかけをきっかけに辺野古問題への関心が高まり、「安倍政権が破壊しようとしている貴重なサンゴ群落を、大浦湾のグラスボートに乗って見てみよう」という体験派が増えても不思議ではない。と同時に安倍政権への疑問が広がり、「辺野古新基地建設を止めて美しい海やサンゴ群落を守るには、来夏の参院選で自民党を惨敗させ、安倍首相辞任に追い込むのが最短コース」という結論に行き着くことも十分に考えられる。
“弔い合戦”第二幕の冒頭は、「民意無視の国土破壊無法集団」と呼ばれてもおかしくない安倍政権の攻勢から始まったが、来年夏の参院選で返り討ちに合う可能性が出てきたようにみえる。
  9月の沖縄県知事選では、空手が得意で日本会議メンバーでもあったマッチョな佐喜真淳候補が女性票で玉城知事に大差をつけられて惨敗した。来夏の参院選でも、辺野古埋め立て停止署名に賛同した人たちが、新基地ゴリ押しの安倍政権に拒否反応を示せば、自民党大敗が現実味を帯びてくるのだ。「参院選で辺野古問題が大きな争点になって、第一次安倍政権の時と同じように自民党大敗、安倍首相辞任」という結果になるのか否かが注目される。(横田 一)


県民投票不参加 政治的思惑排して判断を
 米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の埋め立ての賛否を問う県民投票について、宜野湾市の松川正則市長が投票事務を行わない意向を明らかにした。市議会が関連予算を否決したことなどを理由に挙げている。不参加を表明した首長は下地敏彦宮古島市長に続いて2人目だ。
 民主主義の手続きによって選ばれた首長が、何故に民主主義の根幹である投票権を奪うのか。住民の口封じを図るのは、民主主義の自殺行為にほかならない。ぜひとも再考してほしい。
 松川市長は「市議会の意思は極めて重い。今後の市政運営を考えた場合、市議会との信頼関係は不可欠であり、その意に反して事務を実施することはいたしかねる」と説明した。それでいいのか。
 首長と議会は車の両輪であり、一方が誤った判断をした場合、他方が正すというのが望ましい在り方だ。やみくもに議会に同調する姿勢は住民本位とは言えない。
 松川市長は、条例案などに普天間飛行場の危険性の除去についての対処法が盛り込まれていないとして「投票結果によっては同飛行場の固定化につながる懸念が極めて強い」とも述べた。果たしてそうだろうか。
 市街地の真ん中にある普天間飛行場が危険であることは日米両政府の共通認識だ。2003年に同飛行場を視察した当時のラムズフェルド米国防長官が強い懸念を示したほどである。固定化させることは、協議の前提条件を土台から崩壊させる愚挙であり、断じてあってはならない。
 むしろ、「辺野古移設か、普天間固定化か」という乱暴な二者択一を受け入れることが、結果的に危険性の放置につながる。新基地建設の進捗(しんちょく)次第で普天間の返還が際限なく先送りされることを認めるに等しいからだ。
 投票したくてもできない人が出てくると公平性が損なわれる。有権者は、自らの投票権を放棄することまで首長や議員に判断を委ねてはいないはずだ。
 新基地建設は沖縄の将来を左右する重大案件である。埋め立ての賛否を問う意義は、いくら強調してもしすぎることはない。一方で、県民投票が一部地域を除く形で実施されれば、その意義が薄れるのも事実だ。県は全市町村で漏れなく実施できるようあらゆる手だてを講じるべきだ。
 戦後、米統治下にあった沖縄では1968年に現在の知事に当たる主席の公選が実施されるまで、全住民の代表を直接選ぶことさえ認められなかった。主席公選は自治権拡大闘争の最大の成果だ。
 当時、沖縄以上に民主主義のありがたさを知っている地域はなかっただろう。50年たって一部の首長、議会が住民の投票権を奪おうとしている。先人はどう見るか。
 事は民主主義の根本に関わる問題だ。政治的な思惑を排し、手続きを進めてほしい。


[県民投票不参加]住民の権利は奪えない
 米軍普天間飛行場を抱える宜野湾市の松川正則市長は、来年2月24日に予定されている県民投票への不参加を表明した。
 議会の判断に従って首長が不参加を表明したのは、下地敏彦・宮古島市長に続き2人目となる。
 投票事務に必要な補正予算案を26日までに可決したのは、34市町村。賛成少数で否決したのは宜野湾、宮古島両市を含め7市町。ここにきて県民投票の実施に暗雲が漂い始めているのは確かだ。
 否定派の中には「県民の意思は多様で、複雑だ。賛成と反対の2択に集約することはできない」という声が多い。 「県民投票条例には普天間飛行場問題の原点である危険性除去の明記がない」との指摘もある。
 分かってほしいのは、県民投票は、意識調査や世論調査とはそもそも性格が異なる、という点だ。
 辺野古・大浦湾を埋め立て普天間飛行場の代替施設を建設することは、将来世代をも拘束する極めて重大な政策である。
 同時に、普天間飛行場の危険性除去も先延ばしが許されない急を要する課題である。
 この二つの側面について議論を深め、異なる意見にも耳を傾け、さまざまな情報を冷静に吟味し、討議や学習を重ね、主体的な判断で1票を投じる−そうやって県民の意思を確認するのが、県民投票の目的である。
 首長が県民投票への不参加を決めた場合、憲法や地方自治法に照らして重大な疑問が生じる。
    ■    ■
 県民投票条例は、地方自治法に基づく住民の直接請求を受け、県が条例案を県議会に提出し、県議会の賛成多数で成立した。
 県民投票に必要な経費は県が負担、市町村は関連予算を「義務的な経費」として市町村に計上し、市町村が実際の投票事務を担う。
 議会が否決した予算案を長が再議に付すのは、議会の議決に異議がある場合だ。再議が県民向けの単なるポーズであってはならない。
 選挙権と、さまざまな参政権は、民主主義や地方自治を維持するのに欠かせない最も基本的な権利である。
 現職の議会議員は、県民投票を争点にした選挙で当選したわけではない。議員の反対でその地域の全有権者の投票権が行使できないという事態は、地方自治の基礎を土台から破壊するのに等しい。
 賛成反対だけでなく、白票も棄権も意思表示の一種である。そのような意思表示さえ不可能な「県民投票実施せず」の事態は避けるべきである。
    ■    ■
 県民投票に法的な拘束力はない。どのような結果になっても辺野古埋め立ての方針は変わらない、と政府はけん制する。
 「基地はもともと沖縄にあったんだから、本土が嫌と言っている以上、沖縄が引き受けるべきだ。その代償としてカネをもらえばいい」
 本土側に目立つそのような発想をどう考えるか。県民投票はそうした問題を真剣に考え、望ましい沖縄の将来像を考える機会でもある。


沖縄県民投票 意思示す機会を奪うな
 同じ県民なのに、住む地域によって投票に参加できない―。そんな事態が現実になってしまうのか。
 沖縄で来年2月24日に行われる県民投票である。投開票の事務に必要な予算案を否決する市や町が相次ぎ、投票を実施しないことを表明する市長も出てきた。
 名護市辺野古に新たな米軍基地を建設することへの賛否を問う。学生、弁護士らの市民団体が9万3千人近い有効署名を集めて県に条例制定を請求し、実現した。直接請求に必要な、有権者数の50分の1を大きく上回る。
 米軍普天間飛行場の移設先とされた辺野古への基地建設をめぐっては、これまで知事選や国政選挙で反対の民意が繰り返し示されてきた。それでも政府は工事を強行し続けている。
 ならば、県民の意思をより明確に表し、断念を迫る以外にない。重い基地負担を強いられてきた沖縄の人々の切実な思いが県民投票の形になった。その機会が、市町村長や議会の判断で奪われるのは理不尽と言うほかない。
 県民投票は、県が経費を負担するが、投開票の事務を担う各市町村が予算に計上し、議会の可決を経て執行する。ただし、議会で承認されない場合も、義務的経費として、地方自治法に基づき、首長の判断で執行できる。
 否決した市や町の議会は保守系の議員が多い。投票を実施しないことを表明した宮古島市と宜野湾市の市長はともに安倍政権寄りの立場だという。
 宮古島の市長は「国の専権事項を侵す形になる」と述べ、県民投票自体に疑問を示している。基地建設に反対し、県民投票を推進する玉城デニー知事に対する政治的な思惑も絡んでいるのだろう。
 県民に等しく保障されるべき投票の権利を不当に制限するのは、地方自治をゆがめる。否決した市や町にも直接請求の署名に加わった人は多い。住民の代表である首長、議員は、その重みも受けとめる必要がある。投開票事務を拒む判断は撤回すべきだ。
 政府は12月、辺野古の建設予定海域への土砂投入に踏み切った。県民投票を前に、埋め立てを既成事実化して諦めさせようとする。姑息(こそく)なやり方である。
 県民投票をめぐる分断と対立も、基地建設を力ずくで進める姿勢が生んだものだ。安倍政権の責任は重い。沖縄に負担と苦しみを強いるばかりの無理押しをいつまで続けるのか。本土の側からも声を上げたい。


<死刑を考える>(上) 〜オウム事件より〜
 今年七月、オウム真理教の死刑囚十三人全員の刑が執行された。世界で死刑廃止の流れが進む中、大量執行は国内外に大きな衝撃を与えた。だが、国内ではその後、死刑制度の存廃を巡る大きな議論にはつながっていない。このままでいいのか。関係者を訪ね歩き、考えた。
 数十年前の冬の朝、静まり返った東京拘置所の刑場。刑務官が、目隠しされた男の首に太いロープをかけた。幹部職員が手を上げたのを合図に、別室の刑務官三人が三つのレバーを同時に引く。「バーンッ」。男の体重を支えていた一メートル四方の踏み板がはじけるように開き、体が床下に消えた。
 落下の反動で、ロープが振り子のように大きく揺れる。執行に立ち会っていた元刑務官の野口善国弁護士は、両手でロープを固く握り、動きを止めた。床下をのぞくと、医務官が男の胸に聴診器を当てていた。
 野口弁護士は「心臓がドクン、ドクンと動いていた。今ならまだ助かると思った」と振り返る。人の命を奪った強盗殺人犯の最期。「正義の実現とはいえ、人が人を殺す現場だった」。その音と光景は、今も脳裏に焼き付いて離れない。
 「この日、この時が来ました。長い道のりだったけれど…」。オウム真理教元代表の麻原彰晃元死刑囚=執行時(63)、本名・松本智津夫=の刑が執行された今年七月六日、静岡県掛川市の小林房枝さん(76)が日記にこう記した。一九九四年六月の松本サリン事件で次男豊さん=当時(23)=を奪われた。
 一貫して求めてきた死刑。「何の罪もない息子が殺された。死刑で責任を取らせたいと願うのは、遺族として当然です。できることなら、刑場で執行のボタンを押したいくらいだった」と死刑存続を強く願う。
 同事件で長男の友視さん=当時(26)=を亡くした千葉県南房総市の伊藤洋子さん(78)も、早期の執行を望んできた。執行後は報道各社の取材に「一つの区切りがついた。ほっとした」と繰り返した。
 だが、月日が過ぎ、自分にそう言い聞かせたかっただけなのかもしれない、と思うようにもなった。「死刑で息子が生き返るわけではなく、悲しみや苦しみも全く消えなかった」と、別の思いも交錯する。
 八九年十一月の弁護士一家殺人事件で、同僚の坂本堤さん=当時(33)=を殺害された岡田尚弁護士はもともと、死刑反対の立場だった。しかし事件後、「安易に反対と言うのが正しいのか」と自問自答を繰り返すようになった。
 当時、検事から被害者側の関係者として取り調べを受けたことがある。供述調書に押印する段階で、「当然、(求めるのは)極刑でよろしいか」と問われ、返答に詰まった。考えた末、「厳罰で」と逃げた。
 「自分が人権派弁護士のファッションとして、死刑反対を唱えていただけだと感じ、ショックだった」。その後、死刑についての議論を避けるようになった。
 死刑制度への態度が固まるきっかけは、皮肉にも、同僚をあやめたオウム元幹部たちの大量執行だった。岡田弁護士は「国家が十三人もの命を奪い去った。目が覚めた。執行後も心は晴れない。やはり死刑は野蛮な行為だ」と語り、こう続ける。
 「事件で被害者の命が奪われたが、死刑も命を取るという意味では全く同じ。違うのは、その主体が国家だということです」


再審請求中「なぜ急いだ」 岡本死刑囚の弁護人
 元暴力団幹部岡本(旧姓河村)啓三死刑囚(60)の刑が執行された27日、弁護を担当した池田直樹弁護士は計画的な殺人ではなかったとして、昨年1月に再審請求をしていたと明らかにし「結論を待つ中で、なぜ急いだのか。裁判所の判断がおかしいと言い続けていたにもかかわらず残念だ」と話した。

山下法務大臣による死刑執行に抗議する
NPO法人監獄人権センター
本日、山下貴司法務大臣の命令により、岡本啓三(旧姓河村)氏、末森博也氏の2名に対して死刑が執行された。監獄人権センターは、この死刑執行に強く抗議する。
2018年ほど、日本の死刑制度、のみならず日本の刑事司法制度のあり方が、国際社会の注目を浴びた年はない。本年7月にはオウム真理教幹部ら13名に対する大量死刑執行が世界を震撼させた。11月のカルロス・ゴーン氏らの逮捕・勾留を契機に、「人質司法」と揶揄されてきた被疑者の身体拘束と取調べの在り方が、大きな批判を浴びている。そして本日、2名に対する死刑が執行され、本年の死刑執行は15名と、2008年以来の多数に上った。2名のうち岡本氏は再審請求中であったとも伝えられている。「刑の執行停止,再審事由の有無等について慎重に検討し,これらの事由等がないと認めた場合に初めて死刑執行命令を発することとしている」という法務省の説明とは裏腹に、2019年に予定されている即位の礼、2020年の東京オリンピック・パラリンピックと国連犯罪防止刑事司法会議(京都コングレス)を前にできるだけ多くの死刑を2018年中に執行すべく、15名の死刑を敢行したことは明らかである。
折しも12月17日、国連総会では、死刑執行モラトリアムに関する決議が、121か国という圧倒的多数の賛成により、可決された(反対35か国、棄権32か国)。初めて賛成票を投じた国の中には、本年10月に政府が死刑廃止の意思を表明したマレーシアが含まれている。本日の臨時記者会見において山下貴司法務大臣は、死刑制度が「わが国の刑事司法制度の根幹にかかわる重要な問題」であると繰り返し、今後も死刑制度を維持し、執行を継続していくという政府の強い意思を表明した。日本政府は、国際社会の声に一切耳を傾けず、対話すら拒否し、かたくなに死刑の執行を継続することこそが「正義の実現」であるとの誤った考えから、解き放たれねばならない。
我々は、度重なる死刑執行にも決して屈せず、国際社会と連帯し、今後も日本政府・法務省に対し、死刑の執行の停止と死刑廃止に向けた具体的な検討を直ちに開始するよう粘り強く求めていくことを決意する。


死刑執行に強く抗議する(談話)
社会民主党幹事長 吉川はじめ
1.本日、法務省は大阪拘置所で2人の死刑を執行し、死刑囚の氏名や犯罪事実を公表した。2013年、15年、17年に続く12月の執行であり、まるで年末の帳尻合わせのように駆け込み執行するのは言語道断である。今年の執行人数は計15人となり、1993年以降、最多だった2008年に並び、第2次安倍政権以降では15度目、実に36人目という異常な大量執行となる。人権に反するものとして死刑制度の存置に強い疑問を呈してきた社民党は、今回の死刑執行に強く抗議する。
2.国連人権理事会の対日審査で昨年11月、死刑廃止に関する勧告が30以上出されるなど、死刑制度のあり方を問う声が国内外から上がっている。1991年には国連の死刑廃止国際条約(自由権規約第二選択議定書)が発効し、2017年12月現在、142か国が法律上あるいは10年以上死刑を執行していない事実上の廃止国であり、うち106か国が全ての犯罪について死刑を廃止している。OECD加盟国のうち、死刑を国家として統一して執行しているのは、日本だけという状況にある。こうした死刑制度の廃止に向かう国際的な潮流を一顧だにせず、死刑執行を強行し続けることは許されない。
3.日弁連は、直ちに死刑執行を停止し、2020年までに死刑制度の廃止を目指すことを求めている。政府は、早急に国際人権基準に沿った法改正への道筋をつけるべきであり、死刑制度に関して、存廃や死刑に代わる措置など刑罰のあり方について国民的な議論が行われている間は、死刑の執行を停止すべきである。社民党は、死刑制度の見直しに引き続き全力で取り組む。


死刑執行に強く抗議し、直ちに死刑執行を停止し、2020年までに死刑制度の廃止を目指すことを求める会長声明
本日、大阪拘置所において2名の死刑が執行された。その中には再審請求中であるものも含まれている。本年7月6日には7名、同月26日には6名に対する死刑執行が行われており、1年間で合計15名という大量の死刑執行がなされたことになる。本年10月の就任以降、山下貴司法務大臣による初めての執行であり、第2次安倍内閣において、死刑の執行は15回目で、執行人数は合わせて36名となる。
当連合会は、2016年10月7日、第59回人権擁護大会において、「死刑制度の廃止を含む刑罰制度全体の改革を求める宣言」を採択し、日本政府に対し、日本において国連犯罪防止刑事司法会議(コングレス)が開催される2020年までに死刑制度の廃止を目指すべきであることなどを求めてきた。
犯罪により奪われた命は二度と戻ってこない。このような犯罪は決して許されるものではなく、犯罪により身内の方を亡くされた遺族の方が厳罰を望む心情は十分に理解できる。悲惨な体験をした犯罪被害者・遺族に対する十分な支援を行うことは、社会全体の責務である。
一方で、刑罰制度は、犯罪への応報にとどまらず、社会復帰の達成など再犯の防止に役立ち、社会全体の安全に資するものであることが必要であり、死刑制度を含む刑罰制度全体を見直す必要がある。この刑罰制度全体の改革を考えるに当たっては、とりわけ、死刑制度が、基本的人権の核をなす生命権(憲法第13条、国際人権(自由権)規約第6条)を国が剥奪する刑罰であることに、政府は目を向ける必要がある。
1980年代に再審無罪が確定した4件の死刑事件は、誤判・えん罪の危険性が具体的・現実的であることを私たちに認識させるものであった。当連合会が再審を支援している死刑事件である袴田事件もえん罪の疑いがあり、現在再審に向けた手続が続いているところである。死刑に直面している者に対しては、死刑が執行されるまでその全ての刑事手続の段階において十分な弁護権、防御権が保障されるべきであり、再審請求中の死刑確定者に対する死刑の執行はこの観点からも問題の残るものである。
内閣府が2014年11月に実施した世論調査で、「死刑もやむを得ない」とした80.3%の回答者への追加質問では、そのうち40.5%が「状況が変われば将来的には死刑を廃止してもよい」と回答している。また、死刑制度の存廃について終身刑が導入された場合は、「死刑を廃止する方がよい」という回答も全回答者の37.7%に上っている。死刑についての情報が十分に与えられ、死刑の代替刑も加味すれば、国民の多数の世論に死刑存置の根拠を求めていた状況が変わる可能性がある。
法律上及び事実上の死刑廃止国は、世界の中で3分の2以上を占めている(2017年12月現在)。また、OECD加盟国のうち死刑を存置しているのは、日本・韓国・米国の3か国であるが、このうち、死刑を国家として統一して執行しているのは、日本だけである。
国際社会の潮流は、死刑廃止に向かっている。本年12月17日、国連総会本会議において、史上最多の支持を得て死刑執行停止を求める決議案が可決された。死刑制度を残し、現実的に死刑を執行している国は、今や少数になっている。国連の自由権規約委員会、拷問禁止委員会及び人権理事会は、死刑の執行を繰り返している日本に対し、死刑執行を停止し、死刑廃止を前向きに検討するべきであるとの勧告を出し続けている。
さらに、EU及びEU加盟国との間で締結された戦略的パートナーシップ(SPA)の目的及び一般原則には「共通の価値及び原則(特に、民主主義、法の支配、人権及び基本的自由)の促進に共同で貢献すること」が掲げられている。日本が死刑執行を続けるならば、死刑制度に明白に反対し、その廃止を求めているEU及びEU加盟国は、人権及び基本的自由という価値や原則を日本と共有していると認識することに懸念を抱くであろう。本年7月の死刑執行後、EU代表部と加盟国駐日大使ら、ドイツ人権政策委員、駐日フランス大使等が相次いで死刑廃止を呼びかける声明等を公表したことは、その懸念を示唆したものといえる。
政府は、これらの国際社会からの死刑廃止を求めるメッセージに対し、死刑制度の廃止をもって応えるべきである。そうすることにより、日本に対する国際評価も高まり、2020年のオリンピック・パラリンピック及びコングレスの開催にふさわしい環境が整えられたと評価されるに違いない。
以上により、当連合会は、本日の死刑執行に対し強く抗議するとともに、改めて死刑を廃止するまで全ての死刑執行を直ちに停止した上で、2020年までに死刑制度を廃止するよう求める次第である。
日本弁護士連合会 会長 菊地 裕太郎


死刑執行に対する抗議声明
アムネスティ・インターナショナル日本は、本日、岡本啓三さん(旧姓河村)(60歳)と末森博也さん(67歳)の2人に対して死刑が執行されたことに対し、強く抗議する。

7月のオウム真理教元幹部ら13人の大量死刑執行から、わずか5カ月後のことである。この事態に、日本が大量処刑への道を歩み始めたのではないかと、アムネスティ・インターナショナル日本は、深い失望と懸念を表明する。
岡本啓三さんは、再審請求中の執行であったという。国家が国民の命を奪う死刑制度では、慎重な審理を尽くす必要がある。「国連の死刑に直面する者の権利を保障する保護規定」は、上訴中など手続き中の死刑の執行を禁止しており、再審請求中の死刑確定者の執行はこの規定に違反する。
公正な裁判のためには、再審の機会を保障しなければならない。それ故に再審請求中の死刑執行は上述のように国際法でも禁止されているが、現政権は2017年、1999年を最後に行っていなかった再審請求中の処刑を3人に対して行った。今年7月に処刑された者の中にも、数人が再審請求中だったとみられる。今回の執行で、命を軽視する政府の姿勢が浮き彫りになったかたちとなり、大きな懸念が残る。
従来と同様、今回の執行も事前の予告はなく突然行われた。人権の中でも最も基本的な権利である生きる権利を侵す死刑という制度は、人権を保障すべき現代の刑事司法にあっては、廃止すべき制度である。
国際社会では2017年末時点で、既に106カ国がすべての犯罪において死刑を廃止し、36カ国が事実上、死刑を廃止している。また、今年12月の国際連合総会では、死刑執行停止決議が過去最多の121カ国の賛成により可決されており、世界は今、死刑廃止に向けて大きく動いている。そんな中、7月の大量死刑執行に続く今回の2名の死刑執行は、日本政府が完全に世界の動きに逆らっているかのようにさえ見える。
日本政府が、人権の原則に立ち戻り、死刑執行を停止し、死刑廃止に向かうことを、アムネスティ・インターナショナル日本は、強く期待する。
アムネスティ・インターナショナル日本
※死刑執行抗議声明における「敬称」について アムネスティ日本は、現在、ニュースリリースや公式声明などで使用する敬称を、原則として「さん」に統一しています。また、人権擁護団体として、人間はす べて平等であるという原則に基づいて活動しており、死刑確定者とその他の人々を差別しない、差別してはならない、という立場に立っています。そのため、死刑確定者や執行された人の敬称も原則として「さん」を使用しています。


皇族の考えも退けた政府
★近現代史研究者・辻田真佐憲の指摘によれば16年10月から14回にわたって「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」が開かれたが、その中で保守系有識者の1人が「天皇は祈っているだけでよい」との趣旨の発言をしたという。伝え聞いた天皇陛下は「ヒアリングで批判をされたことがショックだった」(毎日新聞17年5月21日付)と、お心を吐露している。象徴としての「公務」を否定されたからだ。また同会議が譲位は一代限りの特別措置を前提に進められたことに対しても「一代限りでは自分のわがままと思われるのでよくない。制度化でなければならない」「自分の意志が曲げられるとは思っていなかった」(同紙)とも。★皇族の考えや発言はこれほどまでに、ほごにされるものなのか。秋篠宮さまは先月30日の会見で皇室行事の大嘗祭(だいじょうさい)について触れ「宗教色が強いものについて国費で賄うことが適当かどうかという時に私はやはり内廷会計で行うべきと思っている。宮内庁長官などにはかなり言っているが話を聞く耳を持たなかった」と発言した。そのプランとは収穫に感謝する毎年の新嘗(にいなめ)祭が行われている、国中の神々をまつる神殿である神嘉殿のことで「大嘗宮を建てず、宮中にある神嘉殿で執り行っても儀式の心が薄れることはないだろう」と提案したものの、先の代替わりの時に議論は尽くされたとして取り合わなかった。★21日、宮内庁は「大嘗祭」の費用が27億1900万円と、前回より4億7000万円増加すると発表した。皇居・東御苑に新造される大嘗宮の設営費関連だけで19億700万円かかる。国民の中にいたいと考える皇族に対して、政府は「公務より皇居で祈っていろ。節約などの口を出すな」ということだ。政府は国民同様、皇族の考えも退けた。

[奄美復帰65周年] 先人の島への思い胸に
 「私は 島を愛する 黒潮に洗い流された南太平洋のこの一点の島を」。伊仙町出身の詩人、故泉(いずみ)芳朗(ほうろう)は「島」と題した代表的な作品をこう書き出している。
 詩が発表されたのは、奄美群島が米軍政下にあった1949(昭和24)年。のちに奄美大島日本復帰協議会を結成し、議長となって復帰運動をリードしていく。
 米軍統治は46年2月から53年12月まで8年近くに及んだ。この間、泉は断食祈願も断行した。
 奄美復帰の父と呼ばれる彼を駆り立てたものは、人一倍の郷土愛だったに違いない。
 復帰して丸65年の節目となったおととい、名瀬小学校で記念の日の集いがあり、小中学生を含む約900人が先人をしのんだ。
 「今」を生きる者にとって大切なのは、自らの立ち位置を確かめ、未来を描くことである。それには、辛酸をなめた人々に思いをはせ、学ぶことが欠かせない。
 復帰後の歩みはどんなものだったか。それは何よりも「本土並み・格差是正」をスローガンに掲げ、まい進してきた歴史である。
 それを支えたのが、復帰翌年の54年に制定された奄美群島振興開発特別措置法(奄振法)だ。
 公共事業への国庫補助率などを優遇する5年間の時限立法で、延長・改正を繰り返してきた。これまでに投入された事業費は2兆円以上に上る。道路や港湾など社会資本整備が進む一方、所得は本土並みになっていない。
 県推計では、群島の1人当たり所得は2015年度204万4000円で、県民所得の85.7%、国民所得の66.8%にとどまる。
 人口減少も著しい。1955年以降、若者を中心に流出が続き、この60年間に9万5216人(46.4%)減った。2015年10月1日現在、11万147人で減少傾向は続いている。
 国土交通省は、奄振の現行法が18年度末に期限が切れるのを前に延長する方針を決め、19年度予算に234億1500万円を計上した。来年の通常国会に改正法案を提出する。
 法の目的である「自立的発展」に程遠い状況を踏まえれば、支援を続けることが不可欠だ。事業は亜熱帯の自然や農業、観光などに着目したソフト面に比重を移している。
 台風や豪雨など、自然災害に備えたハード面の整備とのバランスをうまく取る必要がある。
 奄美には今、内外から関心の目が注がれている。今年目指した世界自然遺産登録は見送られたが、20年の登録に向けて課題克服に全力を挙げたい。


田母神氏投稿で物議 韓国照射“火器管制レーダー”の安全性
 海上自衛隊の哨戒機が、韓国海軍の駆逐艦からレーダーの照射を受けた問題は、日韓双方で主張が食い違い、収拾がつかなくなっている。
 はたして、日韓どちらの言い分が正しいのか。いま話題となっているのが、第29代航空幕僚長だった田母神俊雄氏が投稿したツイッターだ。
 田母神氏は21日、「韓国艦艇が海自対潜哨戒機に火器管制レーダーを照射したことで日本政府が危険だということで韓国に抗議したという。全く危険ではない」と自身のツイッター上で政府に苦言を呈しているのだ。要するにレーダー照射は大したことじゃない、ということらしい。
 投稿の反響について田母神俊雄事務所に問い合わせると、ツイッターの投稿以降、事務所には「韓国の肩を持つのか」といったクレームが殺到し、対応に追われているという。
 軍事の専門家からすると、火器管制レーダーの照射は、「危険な行為ではない」ということなのか。軍事評論家の田岡俊次氏はこう説明する。
「火器管制用のレーダーの照射を受けても、相手の艦がミサイルを発射機に装填していないとか、垂直発射機のフタを開けていなければ『引き金を引く寸前』ではない。冷戦時代に米ソ海軍は互いに激しい嫌がらせをし、衝突も起きたから、1972年に米ソは海上事故防止協定を結び多くの危険な行為を禁止した。日本も93年に日露海上事故防止協定を結んだが、いずれも火器管制レーダーの照射を危険行為としていない。2013年に中国軍艦が日本の護衛艦に火器管制レーダー照射をした際も、当初海上自衛隊は問題にしていなかったが、日本にいる元米国外交官が、『米軍はレーダーで照射されれば直ちに攻撃する』と言い、日本では『そんな大変なことか』と騒ぎになった」
 どうやら、田母神氏のツイッターはそう間違ってはいないらしい。


被告1カ月ぶり保釈のケリー 日産&検察の“騙し討ち”に激怒
 日産自動車と東京地検はヒヤヒヤしているのではないか――。
 25日、東京拘置所から保釈された日産の前代表取締役グレッグ・ケリー被告。金融商品取引法違反容疑で電撃逮捕された先月19日から約1カ月ぶりにシャバに出てきたが、体調が優れず、そのまま入院してしまった。
 保釈の際に弁護人を通じ、「病気のため、苦しい拘置所生活を送ってきた」などと明かした。
「海外渡航禁止などの条件付きで保釈されました。ケリー氏は脊椎に持病があり、今月7日に米国で手術する予定でしたが、日産から社内会議への出席を求められて来日。日本に到着した直後、検察に身柄を拘束されました。拘置所内で病状が悪化したのか、腕や太もものしびれを訴えているといいます」(司法担当記者)
 もともと体調が優れなかったケリー被告は、日産からの来日要請に「テレビ会議でお願いしたい」と話していたが、日産は、「ゴーン会長の報酬に関する話し合いがしたい」と強く来日を働きかけたという。要するに、ケリー被告は日産と検察の“罠”にはめられてパクられた可能性があるのだ。
■おびき出されて逮捕された可能性
 ケリー被告は、自分を騙し討ちにした形の日産と検察に激怒しているはず。当然、これから反撃ののろしを上げるのは間違いない。元特捜検事で弁護士の郷原信郎氏が言う。
「日産と特捜部が共謀し、もともと来日する予定のなかったケリー氏をおびき出して逮捕したのだとすれば、不当な捜査権の行使にあたるでしょう。海外にいる犯罪者を逮捕する際、国内外の司法機関の協力を定めた国際司法共助に基づいて手続きを踏まなければなりませんから。日本の検察が海外から酷評されても仕方ないでしょう」
 ケリー被告の妻ドナ氏も、夫の“不遇”にカンカン。2本目のビデオメッセージを公開し、「夫の健康状態が心配」「医者によれば、すぐに脊椎疾患の手術を受けなければ、症状が一生残ってしまう可能性がある」などと、ケリー被告の保釈を訴えていた。
「不当な捜査に加え、勾留中に持病が悪化していたら、検察の責任が問われるのは必至です。ケリー氏が今後、国家賠償請求する可能性もあるでしょう」(郷原信郎氏)
 ケリー被告は、ゴーン容疑者の役員報酬を有価証券報告書に記載していなかったとして再逮捕されたが、「報告書への記載義務はなかった」などと一貫して容疑を否認している。
 いずれ、日産と検察による騙し討ちが問題視され始めるかもしれない。


検察OBは人を轢き殺し容疑を否認しても逮捕されないのか? ゴーンと対照的な“元特捜部長”への処分
 日産自動車のカルロス・ゴーン前会長をめぐる事件で、ゴーン前会長とともに逮捕されていたグレッグ・ケリー日産前代表取締役が25日深夜、保釈された。検察側は保釈を不服として準抗告していたが、東京地裁に退けられた。
 検察は、ゴーン前会長については特別背任容疑を持ち出して3度目の逮捕に踏みきり、保釈を阻止したが、ケリー前代表取締役にはそれができなかったというわけだ。
「容疑を否認したら逮捕して身柄拘束」という“人質司法”が常識となっている日本の司法にあって、これは異例のこと。ゴーン逮捕以来、国際社会から先進国ではあり得ない勾留を批判されているなか、裁判所が配慮したということだろう。
 ただし、このケースが突破口になって、日本の前近代的な司法が変わるのか、というと、そんなことはまったくないだろう。
 というのも、「容疑を否認したら逮捕して身柄拘束」という原則はこれまでも、相手によって恣意的に運用されてきたからだ。権力にたてついたり、告発したりした人間は、微罪でも長期勾留される一方、権力者、政治的な絡みがある相手、検察や警察といった身内に対しては、よほどのことがないかぎり逮捕しない。日本の司法はまさに「法の下の不平等」状態が横行しているのだ。
 最近も元検察幹部に対するありえない処遇が明らかになった。相手を死亡させる交通事故を起こし、容疑を否認したにもかかわらず、逮捕されないまま、10カ月後になってようやく書類送検されるという結果に終わったのだ。
 この元検察幹部とは、東京地検検事正、名古屋高検検事長などを歴任した石川達紘弁護士。しかも、石川氏はたんに検察幹部だったというだけではない。かの「ロッキード事件」の捜査に関わり、1989年に東京地検特捜部長に就任。以降、検察幹部として「東京佐川急便事件」で金丸信・自民党副総裁や、「ゼネコン汚職事件」で中村喜四郎元建設相の逮捕に関わったほか、野村証券などの「四大証券事件」では次々と社長、会長の身柄を取り、「大蔵省接待汚職」に至っては新井将敬衆院議員の逮捕許諾請求を国会の場でやってのけた(新井議員は直後に自殺)。事ほどさように「逮捕」にこだわり、名実ともに“特捜検察の鬼”の名をとどろかせた人物でもある。
 問題の事故は、東京都港区白金で2月に起きた。トヨタの高級車「レクサス」を運転していた石川氏は道路の路肩でいったん停車し、知人を乗せようとした際に急発進して暴走。歩道を歩いていた37歳の男性をはねて死亡させ、さらに道路脇の金物店に突っ込んで建物の柱やシャッターなどをめちゃくちゃに壊す大事故を起こした。警視庁担当記者の話。
「石川さんはギアをドライブにした状態で、パーキングブレーキをかけて停車しました。その状態のまま運転席から降りようとしてドアを開けたそのとき、バッグを落としたので拾おうとした際、誤って左足でアクセルを踏み込んだとみられていました。しかし、石川さんは頑として自分の過失を認めようとはしなかったんです」
 警視庁は、通常の交通死亡事故なら現場を所管する高輪警察署に任せるところだが、容疑のかかった相手が検察の大物OBだけに本庁が捜査に乗り出し、交通捜査課が担当した。
「交通捜査課が直接乗り出すケースといえば、大規模なバス事故をはじめ、交通事故を偽装した殺人事件などのように法令適用の難しい案件ばかり。特定の個人が起こし、隠し立てのできない事故現場がある今回の交通事故捜査に本庁が当たるようなことはまずあり得ないですね」(前出・警視庁担当記者)
100キロ超の暴走で人を轢き殺しても過失を認めなかった石川達紘元検事長
 これだけでもかなりの特別扱いだが、しかし、石川氏は調べに対して「アクセルを踏んだ認識はない」と事実関係を認めず、自動車運転処罰法違反(過失致死)と道路交通法違反の容疑を否認したという。
 もっとも、警視庁もさすがに事件を不問に伏すことはできず、「イベントデータレコーダー」と呼ばれる車両情報の記録装置を時間をかけて解析。その結果、ギアがドライブに入り、ブレーキ部品に摩擦で焼き付いた跡が残っていたことも判明したという。さらには、事件車両を検査し、システムの欠陥や異常がないことも確認した。こうした作業を積み重ねて、石川氏がブレーキのかかった車のアクセルを踏み続けて、100キロを超える速度を出せる状態にしたところで発進、暴走したことを立証。この12月にようやく書類送検にこぎつけたということらしい。
 ちなみに、警視庁は送検にあたり起訴を意味する「厳重処分」を求める意見書を東京地検に送っている。前出の警視庁担当記者は「本来なら逮捕できる案件だったんだぞ、という警察当局からのメッセージですね」と言う。
 しかし、現実には警視庁は10カ月の間、まったく逮捕しようとはせず、任意捜査に終始した。交通事故に詳しいジャーナリストは「これはきわめて異例のこと」と話す。
「交通事故でも、重大な事故や死亡事故を起こした場合は、日本の司法手続き上、逮捕するのが一般的です。実刑判決を受けると交通刑務所に収監されます。罪は決して軽くありません。実際、主婦が死亡事故を起こして逮捕、収監され、家庭崩壊するケースなどザラにあるんです」
 高齢者の場合には逮捕せず任意捜査が行われることもあるが、これは容疑を認め、かつ本人も重傷を負っていたというケースが多い。
「石川氏の場合も、事故で骨折など負傷していたようですが、容疑を否認しているわけですから、これまでの日本の警察のやり方なら、絶対に、逮捕は免れなかったと思います」(前出・ジャーナリスト)
 実際、2016年、集団登校中の児童の列に軽トラックごと突っ込み、小学1年生を死亡させた事故では87歳の運転男性が逮捕されるケースなどもあった。逮捕を否認していた石川氏が任意のまま捜査を受け、10カ月も経ったあとに“書類送検”というのはやはり不自然すぎる。
“逮捕見送り”と書かなかった新聞、過去には特捜検事の事故スルーも
 さらに問題視すべき点がある。前出の警視庁担当記者の話。
「死亡事故を起こして逮捕必至とみられていた高齢者が、怪我などで逮捕を見送られる場合、新聞各社は決まって続報を出して“逮捕見送り”と書いているんです。なのに石川さんの場合はそうした報道が一切ない。最初から元特捜部長の逮捕などあり得ないといわんばかりの扱いなのです」
 特捜検察の交通事故といえば、後に特捜部長に就任することになる検事が東名高速で横転事故を起こしたことがある。同乗者に怪我を負わせたため、業務上過失傷害容疑で略式起訴され、罰金刑を受けるほどの事故だったにもかかわらず、発生直後、一度も報道されることはなかった。大手紙の社会部デスクは「発生を把握していたのに書かなかった。忖度したといえば言い訳できない。警察も萎縮してしまい、事故発生時に正式な発表をしなかったと記憶している」と打ち明ける。
 誤解なきよう断っておくが、本サイトは「逮捕」を是認しているわけでもなんでもない。しかし、微罪や別件逮捕で延々拘束され続けている容疑者や被告が大量にいる一方で、貴い人命を奪いながら、事実関係を徹底否認し、逮捕を免れ続けた検察OBがいるというのは明らかにおかしいだろう。そして、そのことをマスコミは指摘しようともしない。
「日本には“法の下の平等”などない」というこの現実に国民はもっと怒るべきだろう。


玉川徹氏 ネトウヨを大特集「一体、私のどこが反日?」→専門家「玉川さんは反日です」
 27日放送のテレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」で、取材生活30年のテレビ朝日解説委員・玉川徹氏が「ネトウヨ」(ネット右翼)について特集した。
 その言動を巡り、ネット上で叩かれることも多い玉川氏は「私もネトウヨの方から『反日』とか『パヨク』とか言われている。気になっていました」とテーマを取り上げた理由を明かし、識者を自ら取材した。
 その結果、ネトウヨの年齢層は40〜50代、職業は会社経営者が多いとの分析が紹介された。
「モーニングショーをやっている時間帯は朝。これをリアルタイムに見て、リアルタイムにツイッターとかに上げているっていうことは一体、この人たちは何なんだろう? どういう職業なんだろう? 前から思っていた」
 そう問いかけた玉川氏に、元ネトウヨの文筆家・古谷経衝氏(36)は「なぜかというと、経営者の方です」と指摘。
 アンケート結果を引用し「一番多かったの職業は自営業者です。それも小規模零細。社員が10人ぐらいいる、あるいは親から引き継いだ会社の可能性もある。時間もお金もある。そういう方々が朝起きて『けしからん!』と書き込むのは極めて多い。引きこもりでも無職でもない。めちゃくちゃ富裕層です」と説明した。
 さらに玉川氏は「一体、私のどこが反日だと思って。日本のこと考えてしゃべってるんですね。そのへんはどうなんですか」とやや不満げに質問。
 古谷氏は「(ネトウヨが)敵認定する時の基準というのは、韓国と中国と朝日新聞、この3つ。これが嫌いかどうかです。単純にこれだけ。1個でも好きだったら反日、パヨクです。(韓国と)仲良くするなんていうのは論外。その時点で玉川さんは反日です。彼らからするとね」と答えた。
 ネトウヨは200万人いると推定され、数は少ないものの、書き込みの量が多いため、世論を動かすほどの影響力があることに懸念も示された。
 取材を終えた玉川氏は「主義もイズムもないとすれば、本物の右翼に失礼」と見解を示し「ネット右翼に過剰に反応しても意味はないでしょう。自戒を込めて」と結論。
「テレビにしろメディアにしろ、講演とか、電話がかかってくるかもしれないけど、たいしたことではないのでそういうので恐れずちゃんとやりましょう」と自身に言い聞かせるように話した。


生物・数学・物理は正答3割台 大学共通テスト試行 分量の多さや考察形式が影響か
大学入試センターは27日、現行のセンター試験に代わって2020年度から始まる「大学入学共通テスト」について、11月に実施した試行調査の結果(速報)を公表した。平均正答率は5割程度を目標にしたが、生物、数学1・A、物理は3割台だった。問題の分量の多さや実験結果を基に考察する出題形式が難易度を上げたとみられ、今後詳細な分析を進める。
共通テストはセンター試験と同様にマークシート式問題が大半だが、国語と数学で記述式問題が導入される。「覚えた知識」よりも「知識をいかに活用できるか」を重視するため、複数の資料から情報を読み取る問題が多いのが特徴という。
試行調査は2回目で高校3年生ら約6万8千人が参加。入試センターは目標の平均正答率を5割程度に設定し、1回目よりも問題の分量を減らすなどした。今回の結果速報はマークシート式問題のみ。記述式の結果などは3月末にまとめるとしている。
平均正答率が高かったのは地理B60.02%、世界史B59.24%、英語(リスニング)59.09%。低かったのは生物32.63%、数学1・A34.54%、物理38.86%。国語は46.92%だった。
数学は複数の資料や会話文を提示して考えさせる問題が多く、入試センターは「問題の意味を理解するのに苦労した」とみている。理科も実験や観察、調査の結果から答えを導く問題で正答率が低かった。普段の授業で実験などの経験が少ないことが影響している可能性があるという。
今後は問題の分量を減らしたり問題は順を追って問うようにしたり、解きやすくする工夫を検討する。ただ、共通テストは思考力などを重視する国の教育改革の一環でもあり、入試センターの大杉住子審議役は「改革の重要性と現実の学力との間でバランスをとり、良いテストにしていく」と話している。
共通テストでは英語の「読む・聞く・書く・話す」の4技能を評価するため、入試センターが認めた民間検定試験も導入する。受験生は民間試験を4〜12月の間、2回まで受けられる。英語は23年度まで従来型のマークシート式試験と併存し、24年度以降は民間試験に一本化する方向だ。

クロネコは今日/石巻焼きそば/おならがクサい/アップルジュース

ブログネタ
フランス語 に参加中!
築地市場こわさないで181201

Pourquoi le Japon tient tant à chasser la baleine
L'archipel a annoncé mercredi son retrait de la Commission baleinière internationale (CBI) dans le but de reprendre la pêche commerciale du mammifère.
Les critiques internationales n'ont pas tardé à se multiplier, le gouvernement australien se disant "extrêmement déçu" et exhortant le Japon à revoir sa position. Malgré les mises en garde de nombreux pays occidentaux, à commencer par l'Union européenne, le gouvernement nippon a annoncé, mercredi 26 décembre, son retrait de la Commission baleinière internationale (CBI) avec l'intention de reprendre officiellement la pêche commerciale du cétacé dès juillet prochain.
En réalité, le Japon n'a jamais vraiment cessé la chasse à la baleine. Le pays a officiellement mis fin à cette pratique il y a trente ans, mais il utilisait une faille du moratoire mis en place en 1986 qui autorise la chasse aux cétacés à des fins de recherches scientifiques. Pourquoi, malgré les vives protestations des associations et de la communauté internationale, l'archipel décide de relancer la pêche commerciale à la baleine ?
Parce que c'est un pan de son économie
Interdire la pêche à la baleine reviendrait à supprimer un pan entier de l'administration japonaise. L'agence de pêche dépend du ministère de l'Agriculture japonais et de subventions importantes, "5 milliards de yens [36 millions d'euros]", sont consacrées chaque année à cette activité, souligne Le Monde. Pour Greenpeace, c'est la principale raison qui pousse le Japon à continuer la pêche à la baleine. "Les seuls bénéficiaires du programme de chasse à la baleine sont une poignée de bureaucrates qui abusent de l'argent public pour poursuivre un programme de recherche inutile" affirme l'association écologiste dans un communiqué.
Une vidéo du quotidien Le Monde montre également que les "responsables politiques les plus influents" sont originaires de régions de pêche, comme le Premier ministre, Shinzo Abe, qui est issu de la province de Yamaguchi où se trouve "un important port de pêche baleinière". Ces derniers n'ont donc pas intérêt à ce que la chasse soit interdite.
Parce que l'opinion y reste attaché
Le Japon est le plus grand pays baleinier du monde avec la Norvège. En 2017, 596 spécimens ont été pêchés par l'archipel. Les Japonais sont particulièrement attachés à cette tradition comme le monte un sondage réalisé en 2014 par l'Asahi Shimbun, un quotidien japonais. Celui-ci révèle que 60% des Japonais soutiennent la chasse à la baleine. Même parmi ceux qui disent ne pas consommer de chair de l'animal, près de la moitié sont du même avis comme le souligne Le Figaro. Les Japonais, notamment la frange nationaliste, considèrent la pêche à la baleine comme une importante tradition nippone.
Cette pratique qui existe depuis le XIIe siècle au Japon, a connu son essor après la Seconde Guerre mondiale, puisque la viande de baleine était une source salvatrice de protéines animales pour les habitants du pays. A l'apogée de la chasse, dans les années 1950, environ 2 000 baleines sont débarquées au port chaque année. Le Monde précise qu'avant "1986, les Japonais en consommaient encore 2,3 kg par personne et par an". Aujourd'hui, les habitants n'en mangent que très peu, puisque leur consommation se limite à "quelques dizaines de grammes par habitant" précise le quotidien.
Parce que c'est devenu un enjeu diplomatique
Pour l'archipel, il s'agit également de ne pas plier devant la pression internationale. La chasse à la baleine est devenue un sujet de tensions entre le Japon et plusieurs pays, sur lequel le pays refuse de céder. Le 31 mars 2014, la Cour internationale de justice a ordonné au Japon de cesser de chasser toute pêche de baleine dans l'océan Antarctique, ce qui a été perçu par le gouvernement comme une "attaque culturelle, une sorte de préjugé sur la culture japonaise" indique Le Monde.
Le sommet de la Commission baleinière internationale, qui s'est tenue en septembre 2018 au Brésil, s'est ainsi révélé particulièrement tendu. Le Japon a tenté de faire passer un texte visant à autoriser la mise en place de quotas de pêche commerciale pour les espèces de baleines jugées en nombre suffisant. Mais cette proposition a été torpillée par les pays défenseurs de la baleine, l'Australie en tête, l'Union européenne et les Etats-Unis au nom de la survie de l'espèce. Le gouvernement nippon menace alors de quitter l'instance internationale. En réponse, plusieurs pays dont le Japon ont bloqué le lendemain un vote proposant la création "sanctuaire pour les baleines de 20 millions de kilomètres carrés dans l'Atlantique Sud" comme le précise Brut. Finalement mercredi 26 décembre, le Japon a annoncé son retrait de la CBI.
"Je crois que d'une certaine manière, c'est une question d'honneur" analyse pour France 24 l'historien spécialiste du Japon, Jean-Marie Bouissou. Il ajoute : "Personne n'a envie de se faire huer dans les médias, ni d'apparaître comme celui qui se met à genoux devant les étrangers. " Maintenir la chasse à la baleine, c'est donc aussi une manière de ne pas céder à ce que le gouvernement perçoit comme un diktat.
にほんブログ村 外国語ブログ フランス語へ
フランス語の勉強?
あの日 わたしは〜証言記録 東日本大震災〜「宮城県東松島市 齋藤茉弥乃さん
宮城県東松島市の小学生だった齋藤茉弥乃さんは、避難した中学校の体育館で津波に巻き込まれたが、授業で習った着衣泳を実践して助かった。今その体験を語り伝えている。
郷原信郎 @nobuogohara
ケリー氏の保釈許可決定に対して、検察は準抗告し、必死に抵抗したが、勾留延長請求却下と同様に、裁判所は、あっさり棄却。ゴーン氏再逮捕の特別背任にも重大な疑問があり⇒http://urx2.nu/ONIH 身柄拘束はそう長くは持たない。何とかゴーン氏の口を封じたい検察だが、ますます追い詰められている
こたつぬこ @sangituyama
公明党と維新の合意書。2の「慎重かつ丁寧な議論を尽くすことを前提に」の部分がキモですね。尽くさないかったからやらなかったと言い訳が立つようにしてある。

渡辺輝人 @nabeteru1Q78
公党がそう簡単に言質を取られるような覚え書きを作るわけがないと思っていたが、やっぱり、維新の側の言いがかりだった。
盛田隆二 @product1954
死者33名・負傷者34名を出した「ホテルニュージャパン火災」で業務上過失致死罪に問われた横井英樹社長は「禁錮3年」で、判決が甘すぎると国民は怒った。
今回、勝俣恒久氏ら東電元幹部3被告に「禁錮5年」求刑は、判例を踏まえたのだろうが、やはり信じられないくらい甘すぎる

はなまま @hanamama58
文春の記事で一番気持ち悪いのは広河氏の「僕は紛争地の取材などのストレスはセックスで発散してきた」。遅筆で有名な作家井上ひさし氏が書けない時、奥さんをサンドバックのように殴った話は有名で、時には編集者が「奥さん、もう2、3発殴られて下さい」と頼んだとか。そんな作品私は見たくもない。

朝トーストを食べてお昼は納豆と生卵.ちょっと芸がなさすぎ.
夕方,ピンポ〜ン.クロネコヤマトでした.1日間違えてたみたい.黒いバッグをお願いしました.
今日は石巻焼きそばです.冷蔵庫に入れていたのがカチンカチンに凍ってたので,少しもみもみ.そのため短く切れてしまったけど,美味しくいただきました.
しかし!油断していたら超クサいおなら爆弾を喰らってしまいました.
シャンパンみたいと思っていたら,スパークリングのオレンジジュース.酸味が聞いていておいしいフランスのオレンジジュースでした.
それにしても広河隆一の件はショック.間違いを認めて,誠実に被害者への対応に当たってほしいと思います.

津波田老の歴史資料館に 宮古住民要望「市事務所跡に整備を」
 宮古市田老総合事務所の移転、新築に伴って生じる跡地を活用し、津波の歴史を伝承する資料館整備を求める声が上がっている。「津波太郎」とも呼ばれるほど田老地区は、これまでに何度も甚大な被害に遭ってきた。地区住民は、多くの教訓を後世に残す必要があると強調する。
◎記憶頼りの伝承限界
 総合事務所の新庁舎は2020年3月の開所予定。田老地域協議会の津田重雄会長と田老地区復興まちづくり協議会の田中和七会長が11月、市役所を訪れて山本正徳市長に要望書を手渡した。
 津波の教訓を伝承し、避難場所の機能も併せ持つ複合施設の整備を求めたのに対し、山本市長は「資料をしっかり保管できる場所が必要だ」と応じた。
 田老地区は、明治三陸大津波(1896年)や昭和三陸津波(1933年)で壊滅的な被害があった津波の常襲地帯だ。旧田老町時代には「万里の長城」と呼ばれる防潮堤を整備。それでも2011年の東日本大震災で181人が犠牲になった。
 ハード面の整備には限界があり、不断の心構えが何より重要−。要望は、地区住民の思いを踏まえた。
 資料館での公開を求める対象の一つが田老一中の震災資料室に並ぶ展示物だ。震災発生当時の生徒たちの体験や、傷ついた古里の復興に夢を託した作文集が残っている。
 全国から寄せられた激励の品々に加え、過去の津波の歴史資料も展示。しかし、校舎内とあって誰もが自由に見学できる状況にはない。
 震災資料室を管理する用務員琴畑喜美雄さん(63)は「校内の震災体験者は私1人になってしまった。個人の記憶に頼った伝承は曲がり角にきており、資料を多くの方々に見てもらうことが大事だ」と話す。田中会長も「これまでの津波の歴史が分かる施設にしたい。自由に見てもらってこそ意味がある」と訴える。


<山元町小学校再編>16年に再建 二小の扱い焦点に
 山元町の4小学校を1校に再編する計画が進めば、東日本大震災の被災者が集団移転した、つばめの杜地区中心部に2年前に建った山下二小校舎の扱いが焦点の一つとなる。町教委によると、10年後の町の児童は300人前後で、現在の児童数が約100の二小を増改築できるかどうかなどが検討課題となる。
 二小は2016年8月に開校した。隣接する町子育て拠点と併せ、新市街地の目玉施設、地域再生の拠点と位置付けられている。
 二小は震災時に沿岸部の笠野地区にあり、津波で大きな被害を受けた。敷地が災害危険区域に指定され、16年度途中まで内陸部の山下小を間借りした。
 12年度の町教委の整備方針は二小の教育環境の回復を優先事項に掲げ、同小を16年度までに内陸部で再建するとしていた。
 復旧工事で再建された校舎は震災時とほぼ同規模で設計され、1学年1クラスで建築された。2階建てで延べ床面積約4690平方メートル。国からの災害復旧費約18億5000万円を建設費に投じた。
 菊池卓郎教育長は小学校再編の時期の目安を10年後としたことについて「中学校再編を終えた後に具体的な計画を進めるため」と説明。「二小の増改築も含め、さまざまなケースを比較検討していきたい」と語った。


<福島・被災地の伝統芸能>進む風化 つながり守る
◎継承の危機(中)出演機会
 「久しぶりで、膝ががくがく」「やっぱり、年には勝てないわ」
 南相馬市小高区に伝わる「村上の田植踊(たうえおどり)」。踊り終えた保存会の19人は控室のテントで、一息つきながら冗談を交わした。
<1年ぶり大舞台>
 福島県内の伝統芸能が集う「ふるさとの祭り」(県など主催)が11月10日、同県富岡町であった。19人にとっては昨年の祭り以来1年ぶりの大舞台だ。
 保存会の一人、志賀敏子さん(61)は現在の居住地の相馬市から駆けつけた。「踊りがなければ、みんなで集まる機会はない。やってて良かった」
 田植踊は小高区村上地区の住民が100年以上受け継いできた。赤と黒の留め袖を着た女性が唄に合わせ「ヨイヤサッサー」などの掛け声とともに踊る。前座には道化役が登場する。2015年3月に県の重要無形民俗文化財に指定された。
 小高区は東京電力福島第1原発事故で避難区域となった。海岸に面した村上地区は東日本大震災の被害も大きく、保存会約40人のうち会長を含む12人が津波の犠牲になった。奉納を続けてきた高台の貴布根神社も地震で本殿が倒壊した。
 翌12年10月の「ふるさとの祭り」(会場・郡山市)が復活の舞台となった。保存会は同年夏から準備を開始。避難先で練習を再開し、流失した衣装を新調したり、花がさなどの小物を手作りしたりした。
 その後は年に4〜5回、出演依頼が舞い込んだ。県外にも出掛け、13年6月には国立劇場の舞台を踏んだ。
<住民離れ離れに>
 しかし、ここ3年で被災地の伝統芸能を支える機運は急速にしぼんだ。声が掛かる頻度は年1、2回に減少。保存会メンバーは風化が進んでいるように感じている。
 村上地区は震災後、居住が認められない災害危険区域に指定された。原発事故に伴う小高区の避難指示は16年7月に解除されたが、地元での暮らし再建は望めない。保存会の活動は、離れ離れとなった住民たちが顔を合わせる貴重な機会になっている。
 県外に避難するメンバーは顔を見せなくなった。それでも、福島市に自宅を再建した保存会事務局の岡和田とき子さん(67)は「踊りは人々を結ぶよりどころ。みんなに会えるとほっとする」と衣装に袖を通せる喜びをかみしめる。
 浜通り地方は「やませ」による冷害に襲われ、田植え踊りや神楽が多く生まれたとされる。こうした伝統芸能は震災と原発事故を経て、五穀豊穣(ほうじょう)や無病息災を祈る以上に、地域と人々のつながりを守る意味合いが濃くなっている。
 復活の田植踊を披露した12年の「ふるさとの祭り」の会場には、津波に命を奪われた保存会メンバーの遺族の姿もあった。
 「みんな感激していた」と岡和田さん。年1回でも披露する機会がある限り、「元気なうちは踊り続けたい」と語る。


インドネシアで大惨事 日本にも津波や洪水を誘発する火山が
 地震でもないのに津波で人が流された――。インドネシアで370人超が死亡した津波災害にビックリした人もいるだろう。火山島アナク・クラカタウの噴火によって海底で地滑りが起き、津波が発生したとみられているが、まだ原因は特定できていない。
 立命館大学環太平洋文明研究センター教授の高橋学氏(災害リスクマネジメント)によると、火山噴火が引き起こす津波にはいくつかのパターンがあるという。地殻変動が原因、または地殻変動による海底の地滑りが原因のケース。あるいは噴火による山崩れで発生した土砂や火砕流のような火山噴出物が海に流れ込み、津波を発生させるケースだ。江戸時代の1792年に長崎で起きた地震では山崩れの土砂が有明海に流れ込んで対岸の熊本を津波が襲い、1万5000人が死亡した。
 日本には111の活火山がある。どの地域を警戒するべきか。高橋氏が言う。
「東日本では北海道の雌阿寒岳と十勝岳が噴火の可能性が高いと考えられます。どちらも内陸なので海への流入はありませんが、海底で地滑りを引き起こす危険性があります」
 雌阿寒岳は噴火警戒レベルが2から1に引き下げられたが、この数カ月、地震が増えているので噴火が心配だという。
 西日本では鹿児島県の口永良部島と桜島だ。口永良部島は3年前に新岳が爆発的な噴火を起こして大きなニュースになった。桜島は爆発的噴火が頻発し、その規模は大きくなっている。
 口永良部島が噴火した場合、鹿児島の南部を津波が直撃。桜島が噴火したら、鹿児島湾の全域が危険だという。
 火山噴火は津波のほかに河川の洪水も引き起こす。1985年、南米コロンビアのネバドデルルイス火山が噴火した際は周囲の雪が一瞬で溶けて土石流となり、下流の町を埋め尽くした。人口2万5000人のうち2万1000人が死亡する大参事となった。
 日本でも江戸時代に浅間山が噴火し、火山噴火物が利根川に流れ込んで洪水になったことがある。
「いま注意すべきなのは八甲田山と草津白根山です。雪が溶けて大洪水を引き起こしかねません。このほか十和田火山が噴火したら、十和田湖に火山噴出物が流れ込み、大洪水になる恐れがあります」(高橋学氏)
 火山噴火は津波だけでなく、洪水まで引き起こす。いざというときのために広範囲の被害を想定しておかなければならない。


外国人就労で方針/都市集中防止に具体性欠く
 年明け後の3カ月間で、外国人労働者の受け入れ拡大に向け態勢が整うのだろうか。
 改正入管難民法の成立を受け政府は、制度の方向性を定めた基本方針などを閣議決定した。急ごしらえの印象は拭えず、法律と同様に生煮えの域を出ない。1月の閉会中審査で徹底して議論すべきだ。
 懸念される「外国人の大都市圏への集中」については必要な措置を講じるとしたが、同一業務内での転職を認める以上、賃金の高い都市部に人が集まるのは避けられない。
 地域間格差をどう縮小するのか。説得力のある具体策は見当たらない。業界内の調整や地域ごとの連携強化にも限界がある。自治体に過度の負担を課すことなく国としての支援策を打ち出してほしい。
 技能実習生が劣悪な待遇で働かされていた実態を踏まえ、方針では「日本人と同等以上の報酬額を求める」とした。同一労働同一賃金の原則は当然だ。問題は悪質な雇用主や中間搾取するブローカーを排除することにある。
 2国間の「取り決め」をアジア9カ国と結び公正な就労を目指すというが、どこまで実効性があるかは不透明だ。送り出し国側での業者の暗躍には手が届かないという現実が存在するからだ。
 技能実習制度では、こうした問題が放置され、実習生の大量失踪や不慮の死亡につながった。事実上、実習制度を引き継ぐ新制度に積み残してはならない課題である。
 在留・雇用の管理強化について指針では法務、厚生労働両省の連携、情報共有を促した。法務省が新設する出入国在留管理庁は、入管手続きの際に業者の仲介などをチェックし、労働基準監督署が就労状況の指導を徹底する。その役割分担がようやく見えた。
 そもそも今回の問題では省庁間の連携を欠いていた。法改正する法務省が軸になるとしても、就労や職業紹介は厚労省の縄張り。当初から構想を主導したのは官邸である。政府が一体となり取り組むべきなのは言うまでもない。
 生活支援を中心とした総合的対応策では「共生社会の実現を目指す」とうたう。全国100カ所に一元的な相談窓口を設置。医療や福祉、教育の課題解消に当たる。日常のさまざまな公的サービスでは多言語化を推進するという。
 しかし、126項目に及ぶ施策は目標の羅列にすぎず、総務省が10年以上前にまとめ、自治体に計画策定を求めた指針に沿ったものだ。予算も、環境を整備する自治体への交付金として計20億円が見込まれているにとどまる。
 「外国人は人手不足の調節弁」という意識から依然抜け出せていないのではないか。共生社会の目標をなおざりにすれば、日本を目指した外国人からそっぽを向かれ、失望感を持って帰ってしまうことになる。国の信頼が問われる重大な局面にあることを政府は認識すべきだ。


就労外国人 政府の基本方針 安心して働ける環境こそ
 政府は、外国人労働者の受け入れ拡大に向けた基本方針を閣議決定した。併せて受け入れ14業種ごとの運用方針と、外国人労働者を支援するための総合的対応策も決めた。
 基本方針の策定義務は、改正入管法に盛り込まれており、遅ればせながら年内に示した形だ。
 基本方針は、深刻化する人手不足に対応するため、外国人を受け入れる必要性を強調する。中には、議論を呼ぶ項目が盛り込まれている。
 経済状況などが変化した場合、関係機関の協議によって特定の分野について受け入れを止めることも一つだ。14業種は、製造業からサービス業まで幅広い。景気から受ける影響はさまざまだ。政府は、労働者の送り出しが見込まれる9カ国と2国間協定を結ぶ予定だ。相手国との信頼関係を維持するためにも、情報の共有を密にする必要がある。
 新制度下での労働者の受け入れに当たっては、企業の姿勢が大事だ。景気に便乗して、解雇するなど差別的な処遇が認められないのは当然だ。政府は日本人と同じ待遇を企業に求め、法務省令に盛り込む方針だ。厳しく指導していく責任がある。
 特定技能の資格を持つ労働者が、賃金の高い東京など大都市に集中する恐れがあることも、基本方針は課題に挙げた。地方の人手不足解消という目的が果たせなくなるからだ。新制度は同一業種内の転職を認めており、転居に制限がない。
 基本方針には、新資格を得た外国人が大都市圏に過度に集中しないよう必要な措置を講じると書き込まれた。労働力に偏在があれば、業種ごとに企業や業界、官庁などで作る協議会で話し合うという。ただし、努力規定にとどめたのは、実効性がある対策が難しいからだろう。
 新制度の土台になるとみられている技能実習制度では、地方の零細企業が、低賃金での雇用に依存しているような例が問題になっている。
 まず、企業が低賃金体質を改めるのが先だ。地方自治体も、外国人が落ち着いて働ける生活環境の支援に力を入れる必要がある。
 突貫工事的に作成された基本方針は中身が薄く、法務省令の制定も年越しになった。海外の労働者に選ばれる国になるためにも、政府がその最終責任を負うべきだ。


外国人就労支援 自治体任せは許されぬ
 政府は、改正入管難民法に基づく外国人労働者の受け入れ拡大の基本方針などを閣議決定し、併せて生活支援を含む総合的対応策を関係閣僚会議で決めた。
 政府・与党は先の臨時国会で、詳細を政省令に委ねて改正法を強引に成立させた。中でも、外国人への支援策は、受け入れる自治体の関心が高いにもかかわらず、素通りされたと言えよう。
 総合的対応策は、126もの項目が雑然と列挙され、各省庁が持ち寄った政策の寄せ集めという印象が否めない。
 しかも、医療、福祉、教育など広範な分野にかかわる。
 財源の裏付けがはっきりしないものもあり、自治体が戸惑うのも当然だ。改正法施行までのわずか3カ月で準備できるか、危惧を覚えざるを得ない。
 基本方針などによれば、新在留資格の特定技能1号に関し、14業種を対象に5年間で最大34万5150人を受け入れ、人手不足が解消すれば停止する。
 相変わらず外国人を雇用の調整弁とみなしているようだ。「政府全体で共生社会の実現」との目標とも矛盾している。
 対応策には、一元的相談窓口の設置や行政サービスの多言語化などが並んでいる。
 全国100カ所に相談窓口を設けるというが、何を基準に場所を選定し、通訳などの人材をどう確保するのか。自治体に対応を丸投げしていいはずがない。
 日本語教育の施策も十分とは言い難い。夜間中学などを活用するというが、道内を含め、公立の夜間中学がない県も多い。
 外国人労働者が大都市圏に集中するのを避けるため、都道府県や地域、業種ごとの受け入れ状況を3カ月ごとに公表するという。
 最低賃金は、最高の東京都と最低の鹿児島県で224円の格差がある。東京一極集中に歯止めがかからぬ中、実効性が疑わしい。
 新在留資格に多くが移行する技能実習生の問題が置き去りにされていることも看過できない。
 法務省は、昨年までの8年間に事故や病気などで174人が死亡したことを明らかにした。
 自殺も含まれ、死亡の経緯が分からない実習生も少なくない。多くの失踪者も出ている。
 法務省は、実習生の労働実態に関する詳細な調査結果を来年3月までに公表する方針だが、それではあまりに遅い。少なくとも年明けの通常国会で審議できるように作業を急ぐべきだ。


外国人受け入れ/来春開始には無理がある
 来年4月から始まる外国人労働者の受け入れ拡大で、新制度の「骨格」となる基本方針と、受け入れ見込み数を盛り込んだ分野別運用方針が、閣議決定された。共生のための総合的対応策も関係閣僚会議で決まった。
 これでは順序が逆である。いずれも本来は入管法改正案とセットで国民に示し、国会で議論を尽くすべきものだ。
 しかも、ふたを開ければ政府が「素材」と称して国会に示した中身とほとんど変わらない。今もって“生煮え”なのだ。
 やって来るのは生身の人間である。人手不足が深刻とはいえ、「走りながら考える」ような拙速な導入は日本社会と外国人の双方に混乱を招きかねない。
 共生策の担い手となる地方の声を丁寧にすくい上げ、法律や制度について改めて来年の通常国会で審議する必要がある。
 受け入れ数の上限は、算定根拠が曖昧と批判された国会答弁と同じく、14業種に5年間で34万5千人とした。
 あらゆる手だてを尽くしてもなお不足する範囲で外国人を受け入れる。政府はそう説明してきた。しかし、各業界の人手不足をどう把握し、判断するかは関係省庁に委ねられ、基準すら固まっていない。恣意(しい)的な運用を招く恐れがある。
 さらに懸念されるのが、安い労働力に安易に依存して生産性向上や産業構造の変革が遅れることだ。日本人を含む労働者の処遇悪化につながらないよう、留意しなければならない。
 新しい在留資格は同業種内の転職を認めている。都市部の方が一般に賃金が高い。このため地方からより良い条件を求めて外国人労働者が移動することが予想される。大都市に集中し過ぎないように努めると明記したが、具体策は不透明だ。
 共生策は120以上を盛り込んだ。一元的な相談窓口の設置や日本語教育の充実など多岐にわたるが、財政措置が明確なものは少ない。何より人権への配慮が求められる。
 外国人の支援策はこれまで自治体任せだった。もう「丸投げ」は許されない。共生社会へ向けた仕組みづくりのためには時間が足りず、来春開始には明らかに無理がある。実施を急ぐべきではない。


肯定派と否定派で世論を二分 外国人労働者135万人の存在
 韓国の南端に位置する済州島に今年、中東のイエメンから難民が押し寄せた。1月から5月までに上陸したイエメン難民は500人超に上り、世論を動揺させた。多くがムスリムの彼らは、イスラム圏のマレーシアに長期滞在。滞在期間が切れると、クアラルンプールと済州島を結ぶ直行便に乗って次々に入国した。難民法を施行する韓国、中でも無査証地域の済州島行きを選んだとみられる。
 彼らはその後どうなったか。難民認定申請をした484人に対する審査が今月14日にすべて終了。法務部(法務省に相当)の済州出入国外国人庁によると、全3回の審査で難民認定したのはジャーナリスト出身の2人だけ。人道的配慮による滞在許可412人、不認定56人。申請取り下げや、出国したケースが14人だった。
 2015年にイエメンで内戦が勃発して以降、韓国にも難民が流入し、今年のケースを除いても全国で26人が難民認定されている。そのうち、済州島入りしたイエメン人は難民認定申請後、難民支援団体などが斡旋した漁業や養殖業、食堂などで職を得た。しかし、1次産業分野の作業が苦手な上、文化の違いから退職したり、解雇される事態が相次いだ。
 イスラム教の戒律で1日5回義務付けられた礼拝時間になると、業務中でも手を止めなければならない。それが原因で雇用主との摩擦も起きた。
 韓国で働く外国人労働者は135万人超と推計されている。難民はごく一部で、法務部によれば就業ビザ取得者が約102万人(8月末現在)。観光ビザで入国してオーバーステイしたり、就業ビザ切れの不法滞在者が約33万人。不法滞在者は昨年末から3割増に膨らんだ。
■就労期間は原則3年。満了後は必ず出国
 中小企業などが外国人を雇用するには、「外国人労働者の雇用等に関する法律」(外国人雇用法)を順守しなければならない。「雇用許可制」とも呼ばれる。韓国人労働者を採用できない不人気企業に対し、外国人の雇用を認める制度だ。
 外国人雇用法が04年に施行されたのを受け、07年に「産業研修生制度」が廃止された。韓国人の雇用機会を保障し、3K業種や中小企業などの人手不足を解消するとともに、外国人労働者の効率的な滞在管理が進められている。
 外国人労働者に許可される就労期間は原則3年。満了後は必ず出国しなければならない。
 労働関係法(賃金、労働時間、休日・休暇など)が韓国人と同様に適用され、「4大保険」と呼ばれる社会保険制度も利用できる。
 外国人労働者に対する世論は肯定派と否定派の間で揺れている。リアルメーターの世論調査によると、「外国人労働者は韓国経済に寄与する」との回答が59・2%の一方、「外国人労働者や難民の流入で犯罪発生率が上昇する」に49.5%が同意した。


外国人受け入れ  制度開始に不安が残る
 改正入管難民法に基づく外国人労働者受け入れ拡大に関する基本方針などが、閣議決定された。
 新たな在留資格を設けて受け入れ対象を単純労働分野にも拡大、来年4月から5年間で最大34万5150人を受け入れる内容だ。
 外国人が大都市圏に集中しないような措置を講じるとしているが、具体的にどんな方法をとるかは明確になっていない。
 基本方針と同時に決まった総合的対応策でも、外国人を地域にどう迎え入れるか具体策に乏しい。
 このまま4月の制度開始を迎えるには不安がある。課題を洗い出し、議論をやり直すべきだ。
 新制度では、報酬額について日本人と同等以上を求めている。安価な労働力として扱われるのを防ぐ点では当然のことだ。
 だが、都市と地方の賃金格差が存在する現状では、外国人が都市を目指す流れは避けられない。
 地方では最低賃金レベルで働く外国人技能実習生が、高齢化や、若者が都市へ流出して生じた人手不足を補ってきた実態がある。
 賃金格差は、日本人の労働者や若者を都市へ集中させる要因にもなっている。
 最低賃金の底上げなどの格差解消は、外国人労働者だけでなく雇用政策全体に関わる問題だ。政府が強いイニシアチブを発揮しなければ抜本解決にはつながらない。
 総合的対応策には、行政・生活情報の多言語化や日本語教育の充実、社会保険への加入促進などが盛り込まれたが、2006年に政府がまとめた「『生活者としての外国人』に関する総合的対応策」の内容をほぼ踏襲している。
 政府の外国人向けの政策がここ10年以上、あまり進歩していないことを示しているようなものだ。
 今回の対応策では、在留手続きや雇用、医療などの相談を受ける一元的窓口の全国100カ所への設置を国が支援するといい、来年度予算案などで財源を確保した。
 実際に外国人と直接関わるのは自治体や市民団体だ。財政面だけでなく、マンパワー不足など現場の悩みに踏み込んだ具体的なサポートがもっと必要なはずだ。
 改正入管難民法は、外国人受け入れの具体策を国会に十分示さないまま与党などが押しきって成立させた。実質的な審議は極めて不十分だった。この程度の基本方針や対応策なら、国会に示すことはできたはずではないか。
 衆院法務委員会は1月下旬にも閉会中審査を開くという。改めて徹底した議論を尽くすべきだ。


「外国人材」新方針 現場に丸投げ許されぬ
 改正入管難民法に基づき、外国人労働者の受け入れを拡大する新たな制度について、政府はきのう、運用の方針を閣議決定した。併せて共生のための「総合的対応策」も決めた。
 改正法では「特定技能1号」「同2号」という在留資格を新たに設ける。基本方針は、来年4月からの5年間に介護、建設、農業など14業種で上限34万5150人がこの資格を得ると見込む。その受け入れや共生に向けた生活支援策などを示したのが総合的対応策だ。
 先の国会で、政府が改正法の成立後に示すとしていた新たな制度の詳細である。
 しかし具体的な取り組みは、関係省庁や自治体などに委ねており、どう実効性を持たせるかが見えてこない。数の力で強引に改正法を成立させた揚げ句、出てきた方針や対応策がこれでは、やはり見切り発車に映る。
 総合的対応策を決めた関係閣僚会議で安倍晋三首相は「施策を着実に実行し、外国人が働いてみたい、住んでみたいと思える制度の運用に全力を尽くしてほしい」と述べた。だが体制が整わないまま新たな制度が始まれば、労働者も受け入れる自治体も混乱は必至だろう。
 受け入れの根幹となる総合的対応策は「政府全体で共生社会の実現を目指す」とうたう。全国約100カ所に11言語で行政や生活の相談に応じる一元的な窓口を設置することや、災害情報や110番の多言語対応、日本語教育の充実など126もの項目を列挙している。
 これらはどれも外国人労働者が日本で暮らしていく上で重要なことに違いない。しかし対応に当たる人員や予算は確保できるのか。道筋が見えない。
 そもそも基本方針からして実現性に疑問符が付く。新たな在留資格で来日する外国人が大都市に集中しないよう「必要な措置を講ずるよう努める」とする。だが集中を防ぐ仕組みが示されているわけではない。
 最低賃金は都道府県によって異なる。外国人労働者が賃金の高い都市部に流れる可能性もある。偏在を防ぐといってもそうした格差をどう埋めるのだろうか。方針では、同一業種や業務内容が似ていれば転職も認めている。よりよい条件を求めて転職する自由を、制限するのかといった疑問も残る。
 まず必要なのは、従来の外国人技能実習制度の検証ではないか。改正法では3年の実習を終えた技能実習生は無試験で「特定技能1号」の資格を得る仕組みになっている。そのため導入当初の「1号」の大半は実習生が占めるとみられるからだ。
 実習生を巡っては低賃金など劣悪な労働環境による問題が絶えず、2012年から18年上半期までに失踪した人は3万人を超す。また昨年は労災で600人以上が死傷した。こうした問題を調査し、改善した上で受け入れを考えるべきだ。
 政府は来年1月23日の衆院法務委の閉会中審査で方針について説明するという。総合的対応策で「社会の一員として受け入れる視点」を強調するのであれば、労働、教育、社会保障など関連する全ての法改正も含めて議論し直す必要があろう。
 人手不足を補う労働力としての「外国人材」受け入れありきで、後は自治体や地域の現場に丸投げするのは許されない。


外国人労働基本方針 抽象的な羅列 不安募るばかり
 政府は、改正入管難民法に基づく外国人労働者受け入れ拡大の新制度について、基本方針などを閣議決定した。先の国会において、政府与党はわずかな審議だけで法案を強行可決し、本来議論すべき法の根幹を成す運用方針や環境整備を、今になって出してきた。
 だがそれも、抽象的文言の羅列で、とりあえず体裁を整えた感が否めない。「政府全体で共生社会の実現を目指す」と強調するが、どんな仕組みを、誰が財源の責任を持って築くのか、肝心な道筋を示していない。これでは、働く外国人も、受け入れる自治体や住民も不安が拭えない。事実上移民に道を開く政策の大転換を、このようなお粗末な制度で支えることはできないと政府は自覚すべきだ。
 基本となる受け入れ人数は、「精査中」と断り続けた末、先月国会で提示したのと同じ「5年間で最大34万5150人」。根拠は相変わらずはっきりしない。「必要に応じて見直し、受け入れ停止を検討する」としており、東京五輪後など需要が減った際の都合の良い雇い止めを危惧する。「報酬額は日本人と同等以上を求める」としながら保証する仕組みが示されていないのも問題だ。人権を守る手だては最低限の国の責務であり、早急に打ち出すよう求めたい。
 人手不足は地方でも深刻さを増している。基本方針は「外国人が大都市圏に集中しないよう措置を講じるよう努める」とした。だが、具体措置は盛られず実効性は疑わしい。もとより地方は、条件の良い都会への若者の流出に悩んでおり、外国人だけを引き留めることには無理がある。地方の魅力をいかに向上させ、賃金格差を埋めるのか。現場任せでなく国が率先して知恵を絞り、支える必要がある。
 生活支援などを記した「総合的対応策」には、都道府県や政令指定都市など100カ所に地方公共団体が情報提供や相談を行う一元的窓口を設置することなど、126の施策を寄せ集めた。その多くは、2006年に総務省が外国人との共生推進に向けて全国の自治体に計画策定を求めた際の指針と同じ。財政基盤の弱い小規模な自治体を中心に、いまだ計画の策定もできていない現実を直視すべきだ。
 例えば生活の基盤である日本語の教育支援一つ取っても、既にある市民団体などによる日本語講座は善意と熱意で成り立っているのが現実で、人員確保のめどはない。外国人が各分野で力を発揮し、安心して暮らし、周囲に溶け込むことで地域に新しい風を吹き込むためには、言葉の壁の解消は極めて重要だ。企業や自治体任せではなく、国が公費を投入して研修制度を整えることが欠かせない。
 このまま来年4月の制度開始に突き進めば混乱は必至。実効性を担保する具体策を示し、国会の閉会中審査と来年の通常国会で論議を深めて幅広い合意を得るよう、政府に求める。制度導入は、その後の話である。


[外国人就労拡大] 共生への態勢整備図れ
 改正入管難民法に基づき外国人労働者の就労を大幅に拡大する新制度を巡り、政府は基本方針などを固め閣議決定した。
 特定技能1号、2号の在留資格を新設し、介護や農業など14業種を対象に制度開始から5年間で最大34万5150人を受け入れる。
 外国人に就労の場として選ばれるためには、外国人を単なる労働者と扱うのではなく、生活者としての人権を尊重して「共生社会」を築く必要がある。
 そのために欠かせないのが自治体や地域の支援だ。
 国は総合的対応策に行政・生活情報の提供や日本語教育の充実などを盛り込んだが、人員や財政面の手当てなど具体的な道筋は見えてこない。
 来年4月の法施行までに自治体などと調整を重ね、受け入れ態勢の整備を図ってほしい。
 総務省は2006年、外国人との共生推進に向け、情報提供の多言語化や日本語学習支援などの指針をつくり、全国の自治体に計画策定を求めた。
 だが、今年4月時点の策定状況は、都道府県や政令市はほぼ100%だったのに、政令市を除く市は67%、町26%、村13%だった。
 小規模自治体ほど策定率は低く、外国人を受け入れる素地は乏しいといえよう。今回の国の施策がどこまで浸透し、具体化されるか心もとない。
 自治体では、特定技能で来日する外国人が大都市に集中することを懸念する声も大きい。
 最低賃金は都道府県によって異なり、働く外国人は賃金の高い都市部に流れることが予想されるからだ。
 政府は基本方針で、外国人が大都市圏などに過度に集中しないよう努めることを明記した。だが、地方から都市へと流れる日本人労働者や若者の現状を見ても、実現は簡単ではない。
 いかに賃金格差を埋め、転職する自由をどう制限するのか課題が残る。
 外国人に日本人と同等以上の報酬額を支払うことも求められる。都合の良い安価な労働力という考え方は一掃すべきである。
 外国人技能実習制度の検証も怠ってはならない。
 長時間労働や最低賃金を下回る低賃金など問題は後を絶たない。12〜18年上半期に失踪した実習生は計3万2647人に上り、昨年は労災で5人が死亡するなど639人が死傷した。
 人権侵害ともいえる実習生への対応を放置したままで「外国人との共生」を説くのは詭弁(きべん)であろう。改善を急ぐべきだ。


安倍政権6年 これでは「専断政治」だ
 安倍晋三首相が2012年に政権復帰を果たしてから、きょうで6年を迎えた。
 近年まれな長期政権だが、その弊害とも批判される森友・加計問題を踏まえ、首相が口にしたのが「謙虚で丁寧」な政権運営だ。
 現実はどうか。意のままに権力を行使する、専断の政治とも呼ぶべき手法に拍車が掛かっている。
 驚くほどの短時間で成立した改正入管難民法、沖縄県の反対を踏みにじり土砂投入を強行した米軍普天間飛行場の辺野古移設問題、際限のない防衛力増強など、数え上げればきりがない。
 反対・少数意見と真摯(しんし)に向き合い、対話を通じて解決策を見いだす。首相は民主政治本来の在り方に今からでも立ち戻るべきだ。
 今月は特定秘密保護法の成立から5年に当たる。国民の知る権利を侵す悪法に続き、集団的自衛権の行使を認める安全保障法制、治安維持法の再来とも言われた「共謀罪」法が制定された。
 憲法の柱である民主主義と平和主義の土台を掘り崩す重大な政策転換が、野党や広範な国民世論の反対を無視する形で次々に強行されていった。
 その数の力は、衆院では2度にわたる大義に乏しい解散・総選挙によって保たれたものだ。
 小選挙区制の下で選挙の公認や人事、政策決定の権限が自民党総裁でもある首相に集中し、党は官邸の意向に従うばかりとなった。
 物言わぬ巨大与党と野党の非力が「専断政治」を助長し、国会の空洞化が深刻になっている。
 与党がその自覚を持ち本来のチェック機能を発揮し、野党は結束して政権と対峙(たいじ)する。立憲主義を軽んじる首相の下で急ぐべきは、改憲ではなく立法府の復権だ。
 看板政策も限界にきている。
 2度延期した末に来年10月の実施を決めた消費税増税に向け、政府は景気の腰折れを防ぐとして巨額のバラマキ予算を編成した。
 個人消費の好転につながっていないアベノミクスの行き詰まりを自ら認めたに等しい。
 日米同盟強化を進めてきた外交も、北朝鮮の非核化を巡る駆け引きや米中貿易摩擦のはざまで、日本の主体性が問われている。
 米トランプ政権との通商交渉が本格化すれば、局面はさらに険しさを増すだろう。
 懸念されるのはロシアとの平和条約交渉だ。政権の「遺産」づくりを焦り、北方四島返還を求める日本の原則をないがしろにするような姿勢は認められない。


101兆円予算案 納税者は裏切られた
 来年度の一般会計当初予算案は初めて百兆円を突破し、「消費税増税対策」に名を借りた膨張型となった。増税してバラまくという財政規律のなさである。これでは納税者の理解は到底得られまい。
 政府は景気の拡大期間が来年一月に戦後最長を超えると喧伝(けんでん)する。来年度の税収もバブル末期以来、二十九年ぶりに過去最大の約六二・五兆円と見込んでいる。
 景気は回復基調で、税収増を生かして財政再建に取り組む好機であった。だが、この政権は統一地方選や参院選を控え、公共事業の積み増しや防衛費増大など大盤振る舞いの予算を組んだ。
 この矛盾した横暴は、消費税増税を求められる国民の思いとは明らかに違うものだ。
 世論調査でも消費税増税対策の「ポイント還元」に対し、反対が賛成を上回る。安倍晋三首相の鶴の一声で決まったという5%ポイント還元は、中小小売店で軽減税率の対象をキャッシュレスで支払った場合、消費税は3%。今よりも大幅減税になる。
 2%還元となるコンビニもあり、この結果、3、5、6、8、10%と五種類もの消費税率が混在する可能性がある。
 さらに二〇二〇年の東京五輪までという期限が終われば、これまで例がない5%もの引き上げ幅となる。またぞろ期限の延長などの対策に迫られるのではないか。
 消費税増税による経済への影響は二兆円程度と見込むのに、その影響を乗り切るために二・三兆円もの巨額の対策を取る。
 野放図な歳出は並ぶ。公共事業費は前年度比15・6%伸び、リーマン・ショック前に近い七兆円規模の高水準だ。防衛関係費も五・三兆円超と五年連続で過去最大を更新する。米国から高額の防衛装備品を大量購入するためだ。
 予算規模こそ「大きな政府」だが、福祉に手厚いわけではない。消費税の軽減税率の財源確保のために社会保障費を削るという本末転倒のようなことが行われ、生活保護の引き下げも継続。格差や貧困が深刻化する中、帳尻合わせに福祉を後退させるのである。
 二五年には団塊世代がすべて七十五歳以上となり、医療や介護の費用が急増しかねない二〇二五年問題が控える。
 今回、消費税率を引き上げても国債残高は膨らむ。そんな財政運営では増税の先行きが見通せない。消費税収はすべて社会保障に充てるといった社会保障と税の一体改革の原点に立ち戻るべきだ。 一方で、実は銀行はマイナス金利をほとんど適用されていない。日銀の当座預金には基礎残高、マクロ加算残高、政策金利残高の3階層がある。このうち政策金利残高からは手数料(金利0.1%)を徴収することになっているが、日銀が基準を操作して適用されないようにしているのだ。
 国債離れが進んでいるのに、大手銀は当座預金残高を積み上げている。そして日銀はこの当座預金をテコにETFを買いまくり、株価をつり上げているのだ。日銀の含み益は7兆円ほどになる。天下の中央銀行が当座預金を増やし、株価をつり上げる独特の「信用創造」でバブル経営を行っている。こんなインチキ手法は株価下落局面では通用しない。
 すべては安倍政権が来夏の参院選を乗り切るため、大盤振る舞いを演出するためだ。このツケは結局、国民が払わされることになる。


政権と一体化 日銀のインチキ信用創造とバブル経営の顛末
 当初予算としては過去最大の約101.5兆円に上る2019年度予算案が閣議決定された。安倍首相は「経済再生と財政健全化を両立する予算だ」と大宣伝しているが、この予算案にはカラクリが隠されている。
 まず、税収は過去最高の62.5兆円を見込んでいるが、この間の景気はアベノミクスの成果ではなく、先端産業育成政策「中国製造2025」に乗った中国への設備備品の輸出好調が大きい。それが、米中貿易戦争のあおりで対中輸出が大きく落ち込むと、今年7〜9月期の実質GDPは年率換算で2.5%減のマイナス成長に陥った。米国のリセッション入りを示す兆候も表れている中で、大甘の税収見込みは相当に怪しい。
 つぎに、新規国債発行額が7年連続で縮減するともいっているが、これも一種の粉飾だ。日銀の「営業毎旬報告」(12日公表)によると、日銀は国債を約471兆円保有。これは購入価格で簿価だ。「日本銀行が保有する国債の銘柄別残高」(同日公表)は額面金額ベースで約459兆円。この差額の12兆円は何か。日銀がマイナス金利下で10年債未満の国債を額面よりも高値で引き受けることで生じたものだ。満期になれば、日銀の赤字となる。これによって、政府は国債の利払いから逃れ、日銀に赤字を付け替えることができる。
 一方で、実は銀行はマイナス金利をほとんど適用されていない。日銀の当座預金には基礎残高、マクロ加算残高、政策金利残高の3階層がある。このうち政策金利残高からは手数料(金利0.1%)を徴収することになっているが、日銀が基準を操作して適用されないようにしているのだ。
 国債離れが進んでいるのに、大手銀は当座預金残高を積み上げている。そして日銀はこの当座預金をテコにETFを買いまくり、株価をつり上げているのだ。日銀の含み益は7兆円ほどになる。天下の中央銀行が当座預金を増やし、株価をつり上げる独特の「信用創造」でバブル経営を行っている。こんなインチキ手法は株価下落局面では通用しない。
 すべては安倍政権が来夏の参院選を乗り切るため、大盤振る舞いを演出するためだ。このツケは結局、国民が払わされることになる。


「19世紀」的な身柄拘留か 盗聴・盗撮のアメリカ方式か
 逮捕されたファーウェイの孟晩舟CFOがすぐに釈放されたことは不思議ではない。前回書いた通り、詐欺や収賄のような知能犯罪、英語で言う「ホワイトクライム」での身柄の勾留というのは欧米では基本的にしないからだ。捜査当局は勾留を求めるが、裁判所が認めない。
 多くの場合、「ハウスアレスト(在宅逮捕)」という形になる。報道によると孟晩舟CFOはパスポートを剥奪され、足にGPSをつけられて家に帰されている。これも前回書いた通りで、欧米では通常の手続きだ。加えて、関係者との接触の禁止が求められる。
 ゴーン前日産会長も、欧米であれば同じ扱いを受ける。比較すれば、どちらが被疑者の人権に配慮しているかは明らかだ。「国の法制度の違い」と強弁したところで、批判は消えないだろう。
 ただし、ここにひとつ報じられていない事実がある。それを、前回触れたアメリカの事例で説明したい。
「あなた、FBIよ」
「なんだって」
「どうするの?」
「小切手をトイレに流せ」
「わかったわ」
(シャー ※トイレの流れる音)
「FBIだ、ドアを開けなさい」
 2010年、ワシントン郊外の自治体のトップが収賄と証拠隠滅で逮捕された。妻も証拠隠滅で逮捕された。これは当時、私が目にした検察の調書を記憶に基づいて再現したものだ。よく読むと、実に不思議な文章であることがわかる。例えば、(シャー ※トイレの流れる音)とは何だろう? 答えは、盗聴だ。アメリカでは裁判所の令状があれば盗聴は可能だ。同じ年に中国系アメリカ人がIT技術を中国の企業に売り渡したとして逮捕された事件では、そのやりとりがFBIの映像に捉えられていた。つまり、「盗撮」もある。
■米国で盗聴は捜査の常套手段
 トランプ大統領が追及されているロシア疑惑もその発端は盗聴だった。アメリカでは盗聴は捜査の常套手段であり、それに対する批判の声はあまり聞かれない。そもそも「盗み聴き」というニュアンスはない。電子的監視という理解だ。
 逮捕前にしてそうなのだから、当然、釈放後の被疑者は電子的監視の対象となる。これによって証拠隠滅や禁止された関係者との接触を阻止する。これについて元FBI捜査官のトーマス・リフトン氏は、「電子的監視の対象は、被疑者本人だけでなく周辺の関係者にも広げられる。その中にはジャーナリストも含まれる」と話している。
 当然、懸念はある。アメリカで人権問題に取り組む弁護士グループに取材したところ、「裁判所の令状の有無は、実際に訴追されないと明らかにならない。仮に、捜査当局が訴追を前提にしない捜査をした場合、盗聴は無限に可能だ。そうした乱用も疑われる」と話した。また、裁判所が安易に「盗聴」を認め過ぎるとも指摘した。
 この原稿を書いている最中、特捜部の勾留延長請求を裁判所が認めない決定をしたと報じられた。この決定で特捜部に衝撃が走っただろうことは、急きょ別の容疑(会社法違反)で再逮捕したことでわかる。是が非でも身柄を押さえておきたい特捜部の執念を感じるが、それは極めて異様なものに海外には映ることは間違いない。
 こうした、被疑者を長期間勾留して調べを続ける日本の捜査手法は、欧米から見れば「前時代的」に見える。「19世紀的」という批判も出ている。一方で、少なくともアメリカでは盗聴・盗撮が幅を利かす。私は日本のやり方が正しいとは思わない。では、盗聴の多用はどうか? それもまた考えないといけない。


保釈後にゴーン救出か? 特捜部が恐れる懐刀ケリーの反撃
 日産の前会長カルロス・ゴーン容疑者(64)が会社に私的損失を肩代わりさせていたとして、東京地検特捜部に特別背任容疑で逮捕された事件。新聞・テレビは連日、検察、日産からと思われるリーク情報をタレ流し、報道は「ゴーン真っ黒」一色だが、「特捜部VSゴーン」の勝負の行方はまだ分からない。キーマンのひとりとみられているのが、ゴーン容疑者の「懐刀」と呼ばれ、25日夜に保釈された前代表取締役グレッグ・ケリー被告(62)だ。
 ケリー被告は金融商品取引法(金商法)違反罪で起訴されたものの、ゴーン容疑者と違って特別背任容疑では逮捕されず、弁護人が東京地裁に保釈を請求。25日にも保釈される可能性がある。
「長い間、ゴーン氏の側近として仕事をこなし、ゴーン氏の権力を背景に社内をコントロールしてきた」「不正な金融取引の首謀者であったことが判明した」
 11月19日の日産の会見で、西川広人社長はケリー被告をこう酷評し、金商法違反の“実行役”と切り捨てていた。西川にとってはゴーン容疑者、ケリー被告を一度にパージできてシメシメと思って本音を漏らしたのだろうが、ケリー被告は怒り心頭に違いない。
「そりゃあそうでしょう。脊椎に持病を抱え、自宅のある米国で手術の準備までしていたのに、東京で取締役会を開くから出席してほしい、と頼まれて渋々来日したら、そのまま逮捕、東京拘置所の独房で長期勾留ですからね。しかも、有価証券の虚偽記載という『形式犯』容疑で2回も逮捕です。ケリー氏は弁護士資格を持つだけに、保釈されたら『不当逮捕』『日本の司法制度は人権無視』などと反撃に出るのは想像に難くありません」(司法ジャーナリスト)
 ケリー匹見の妻・ダナ氏も公表したビデオメッセージの中で、検察の過酷な取り調べに対する怒りを爆発。その一方で、ビル・ハガティ駐日大使やテネシー州選出のラマー・アレグザンダー、ボブ・コーカー両上院議員に加え、在日米国大使館、国務省などの支援に謝意を表していた。
 ケリーは2012年から代表取締役を務めるなど、ゴーン容疑者の信頼も厚かっただけに、今後、水面下で米国の政財界に「ゴーン救出」を働きかける可能性は十分ある。
「ゴーンの特別背任容疑について特捜部に詳述している人物とされるのが、オランダにある日産の子会社『ジーア』の取締役で、ケリー氏の部下でした。来日を呼び掛けたのも、この取締役だったとみられています。保釈されたケリーは自分を裏切った部下と日産に復讐するため、ゴーンと一緒に無罪を勝ち取るためにあらゆるコネクションを使い、裁判に備えるでしょう。公判前整理手続きで、検察側の証人がなかなか決まらない、なんて事態が起こり得るかもしれません」(前出の司法ジャーナリスト)
 東京地検の公判部担当は今からヒヤヒヤしているだろう。


“費用対効果”重視のトランプが辺野古に待ったをかける日
 沖縄に駐留する米海兵隊のための辺野古新基地建設。「辺野古が唯一」を繰り返す安倍政権は、沖縄の民意を無視し、埋め立て工事を強行している。そんな中、米軍の元高官が、「在沖米海兵隊に戦略的な必要性はなく、存在理由は米国の経済的負担軽減」だったことを証言した。辺野古基地は完成に最低でも13年、2.5兆円かかる。経済合理性を重視する“経営者”のトランプ大統領のこと。「待った」をかける可能性もあるんじゃないか。
 元米国陸軍大佐のローレンス・ウィルカーソン氏(73)が、琉球新報(23日付)のインタビューに登場。ブッシュ(息子)政権で、パウエル国務長官の首席補佐官を務めた人物だ。1990年代初頭、米海兵隊大学校の責任者として、冷戦終結に伴う米国内外の米軍基地再編・閉鎖の調査研究などを分析した。
 当時の分析によると、沖縄の海兵隊について日本政府が多額の駐留経費を支払っているため、「カリフォルニア州での費用より、米側の負担は50〜60%安く済んでいた」と指摘。加えて、沖縄の海兵隊員を米本土に戻しても駐留させる場所がなかったため、海兵隊幹部が兵士削減を恐れたという。つまり、沖縄の海兵隊は、米国の財政と軍幹部の都合で駐留しているに過ぎないということだ。
「とても重大な証言です。沖縄海兵隊の戦略的価値を強調して、辺野古基地を進める論拠にしてきた安倍政権の前提が崩れることになります」(元外交官の天木直人氏)
■海上滑走路を「ばかげている」とバッサリ
 さらに、インタビューでウィルカーソン氏はこう続ける。
「(抑止力は)もろ刃の剣だ。抑止力の一方で、米軍の駐留は中国の軍事費を拡大させ、より強力な敵にさせる」
「(朝鮮半島有事の在沖海兵隊の派遣は)戦闘が終わってからしか現地に到着しないだろう。60万人の韓国軍にとって微少な追加でしかなく、戦略的理由はない」
 戦略的必要性がない以上、辺野古基地は米国の財政上もむしろ重荷だ。ウィルカーソン氏も、多額の費用のかかる海上滑走路を「ばかげている」とバッサリだった。
「トランプ大統領は“費用対効果”で判断する人です。シリア派遣も、割に合わないから撤退を決めました。辺野古基地が戦略上意味がなく、コストばかりがかかる代物だと分かれば、これまでの経緯を無視して『辺野古やめた』と言い出す可能性は十分あります」(天木直人氏)
 米政府に辺野古工事の停止を求める署名は16万筆を超えた。聞く耳を持たない安倍首相よりもトランプ大統領の方が脈がありそうだ。


沖縄県が「使用を認められない」としている護岸から陸揚げ 辺野古埋め立て
 【辺野古問題取材班】米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設工事で26日、沖縄防衛局は米軍キャンプ・シュワブ沿岸の「K9」護岸からの土砂の陸揚げと、辺野古側埋め立て予定区域への土砂投入などを続けている。
 26日午前、米軍キャンプ・シュワブ沖では、埋め立て用の土砂を積んだ台船がK9護岸に接岸し、ダンプカーに土砂を移した。K9護岸からの陸揚げについて、県は、設計概要説明書の記載とは異なる状態で継続的に利用され、環境影響の変化が強く懸念されることから「使用を認められない」としている。
 K9護岸で土砂を積んだダンプカーはキャンプ・シュワブ内を通り、辺野古側の埋め立て区域に土砂を投入していた。
 一方、米軍キャンプ・シュワブゲート前では、午前と正午すぎの2回、砕石など埋め立て工事の資材を積んだダンプカーなどが基地内に計154台入った。雨が強くなる中、市民ら約70人が搬入を阻止するため座り込み、「美しい海を埋め立てるな」「違法工事はやめなさい」などと声を上げた。
 名護市安和の琉球セメント桟橋では、積み込みや搬出などの作業は確認されなかった。【琉球新報電子版】


<原子力施設 東北この1年>(上)女川1号機廃炉決定 コスト大きく採算合わず
 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故で、稼働や本格工事の停止・中止を余儀なくされた東北の原子力関連施設は今年、再稼働目標や操業開始時期の延期が相次いだ。
 東北電力は、震災で自動停止した女川原発1号機の廃炉を決めた。今後の廃炉作業に伴う地域への影響が懸念される。
 原発の使用済み核燃料から再処理で取り出すプルトニウムは新エネルギー基本計画で削減方針が打ち出され、核燃料サイクルの見通しは不透明さを増した。
 震災から7年9カ月が経過した各施設のこの1年を振り返る。
◎女川1号機廃炉決定/コスト大採算合わず 地域経済の影響不透明
 東北電力は10月25日、女川原発1号機(宮城県女川町、石巻市、52万4000キロワット)の廃炉を決めた。運転開始から35年目で新規制基準適合のためのコストが大きく、再稼働しても採算が合わないと判断した。同社にとって廃炉は初めて。解体作業の行方や、東日本大震災からの復興途上にある地域経済への影響など不透明な要素も多い。
 1号機は1984年6月に運転開始した沸騰水型軽水炉(BWR)。東日本大震災で自動停止したままだった。今月21日に国に発電事業変更届を出し、電気事業法上の廃炉となった。女川原発の総出力は2、3号機で計165万キロワット。
 同社によると、1号機の廃炉には30〜40年かかる見通し。解体引当金の見積額は419億円。毎年積み立ててきた引当金が見積額に123億円足りず、2028年11月まで10年間がかりで積み上げる。
 廃炉作業は一筋縄ではない。1号機の燃料プールには821体の使用済み核燃料を保管中。搬出先の日本原燃再処理工場(青森県六ケ所村)は未完成で、当面は留め置かれる見込み。解体による放射性廃棄物の発生量は不明で、ごみの処分先も決まっていない。
 東北電は廃炉作業の工程を示す「廃止措置計画」を19年度中に原子力規制委員会に申請する方針だ。
 電源3法交付金などを受け取る立地自治体の財政面の影響も大きい。廃炉に伴う減収規模が19年度以降の10年間で女川町は十数億円、石巻市は6億7300万円に上るとの試算を公表。宮城県も19年度は1億7000万円の減額が見込まれる。
◎プルトニウム削減に動き/政府 エネ基本計画で明記/原子力委 増えないよう指針/保有上限、削減目標示さず
 原発から出る使用済み核燃料の再処理で取り出すプルトニウムの利用を巡り、政府は7月3日閣議決定のエネルギー基本計画で「削減に取り組む」と初めて明記した。国の原子力委員会も同31日、プルトニウム保有量がこれ以上増えないよう管理する新指針を決めた。
 プルトニウム削減は、核不拡散の観点から懸念を強める米国への配慮との見方もある。約8キロで核兵器1発分の材料になるとされるプルトニウムを、日本は約47トン保有する。
 再処理の権利を日本に認めた日米原子力協定は30年間の期限を迎え、7月17日に自動延長された。今後は米国からの通告で一方的に破棄できる不安定な状況になった。
 原子力委の新指針は、日本原燃の再処理工場(青森県六ケ所村)で製造するプルトニウムを通常の原発で使う量だけ認可すると定めた。
 プルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を燃やすプルサーマル発電は停滞し、需要が急増する見通しは立たない。2021年度上半期の完成を見込む再処理工場、MOX燃料工場を含めた原燃の事業は不透明さを増している。
 電力会社が海外に保有するプルトニウムは、原発の再稼働状況に応じて各社で融通するよう促した。具体的な保有量の上限や削減目標は示されなかった。


被爆体験者訴訟 戦禍に向き合う姿勢こそ
 指定被爆地域から外れた場所で長崎原爆に遭遇した「被爆体験者」と呼ばれる人たちに今月、再び厳しい判決が下された。
 被爆者援護法に基づく被爆者だと認定するよう、長崎県と長崎市に被爆体験者が求めた第2陣訴訟の控訴審で、福岡高裁は原告一部勝訴の一審判決を取り消し、全員の請求を退けた。
 最高裁が昨年、第1陣訴訟で示した判決に沿う内容だ。1、2陣の原告計540人余が涙をのむ結果となった。2陣原告は先週、上告手続きをとった。
 平成も幕を閉じる。今なお先の大戦を巡る訴訟が続く意味を、改めて考えなければならないだろう。被爆者援護法は気高い前文を掲げている。
 〈原子爆弾という比類のない破壊兵器は、幾多の尊い生命を一瞬にして奪ったのみならず、一命をとりとめた被爆者にも、生涯いやすことのできない傷痕と後遺症を残した〉〈放射能に起因する健康被害が他の戦争被害とは異なる特殊の被害であることにかんがみ、国の責任において援護対策を講じる〉
 にもかかわらず、国は救済対象を狭く捉えようとした。それを司法が広げようとした。援護対策の歴史は、大きくはその繰り返しだった。
 重い扉を開けたとされるのは長崎原爆・松谷訴訟である。最高裁は2000年、被爆者の松谷英子さんに対する、国の原爆症認定申請却下処分を取り消した。国が認定条件として固執する被ばく線量の推定方式について「未解明な部分を含む」として機械的な適用を戒めた。
 それ以後、救済策は改善されてきた。長崎市などの要請で生まれた「体験者」制度も、その一つだ。医療費を原則自己負担せずに済む被爆者には当たらないが、精神疾患とその合併症に医療給付を行う仕組みだ。
 原爆症の認定を巡り政府の検討会は13年、こんな報告書をまとめた。〈行政認定が過度に厳格な運用となっているのに対し、司法判断は被爆者援護法を踏まえて救済の観点から総合的に考慮している。その隔たりを埋める努力が必要である〉
 元々、長崎の被爆地域の線引きに科学的根拠はない。「体験者」訴訟の原告の1人は国の指定地域から約1キロ離れた所で被爆し、肝炎や下血などの症状で入退院を繰り返してきた。福岡高裁判決は救済策拡大の流れに照らせば、違和感が残る。
 存命する被爆者15万人余の平均年齢は82歳という。「体験者」にとっても訴えは時間との闘いだ。行政の独自判断で救済策を厚くすることも可能だろう。何より大事なのは、国策の末に甚大な戦禍に遭った人々に、社会全体で寄り添う姿勢である。


河北春秋
 元自民党副総裁の金丸信氏は中曽根康弘元首相を嫌ったという。中曽根氏の政治姿勢が風見鶏のように変わったことが原因らしい。しかし、1982年の総裁選で、派閥の長である田中角栄元首相が中曽根氏擁立の意向を示すと一転。中曽根氏支援に回った▼「派閥は親分が右を向けと言えば、みんな右を向かなくてはいかん」。こう語った金丸氏は党幹事長などの要職に就き、中曽根氏の長期政権の後ろ盾になった▼安倍晋三首相にも自らが何でも従う“親分”がいるように見える。得意とする外交の基本は米国追随。米国が右を向けと言えば、右を向く。兵器購入を求められれば、言われるがままに了承。沖縄の基地問題では米国に強く主張することなく、代わりに県民に負担を強いる▼26日で第2次安倍内閣が発足して丸6年を迎えた。現在、歴代5位の長期政権。このまま続けば、来年11月に桂太郎を抜いて歴代1位になる。6年間で防衛費とともに増えたのが国の借金。なのに、来年の消費税増税に向け景気対策の大盤振る舞い。森友、加計問題で政治不信を募らせる国民も増えただろう。逆に減ったのは国会の審議時間か▼首相は悲願の憲法改正に向かって突き進む。「右」の方だけではなく、もう少し国民の方を向いてほしいのだが…。

フォトジャーナリスト広河隆一氏への #Metoo 性的被害を訴えた女性が語る、支配関係と業界改善の願い
週刊文春が報じた、広河隆一氏による複数の女性への性的暴行。「服従せざるを得ない関係だった」と一人の女性がBuzzFeed Newsに証言した。
Akiko Kobayashi 小林明子 BuzzFeed Features Editor, Japan
週刊文春が12月26日発売号で、著名フォトジャーナリスト広河隆一氏から性行為などを強要されたと複数の女性が告発した、と報じた。被害を受けたという女性の一人が、BuzzFeed Newsにその支配関係と業界構造について語った。
「性的関係をもったことはある」
広河氏は1943年生まれ。パレスチナ問題、チェルノブイリ原発事故、福島第一原発事故などを取材し、現地で子どもたちの支援活動もしている。
2004年3月にフォトジャーナリズム月刊誌「DAYS JAPAN」を創刊。数々の受賞歴もある。2018年11月、経営難と自身の体調、後継者不足を理由に、2019年2月をもって休刊し、発行会社を解散すると発表していた。
週刊文春によると、広河氏はフォトジャーナリストを目指してDAYS編集部に出入りしていた複数の女性に性的関係を迫っていた。中には大学生アルバイトもいた。
広河氏を尊敬していた女性たちは、指導を受けられなくなることや業界で力を持つ人物に睨まれることに不安を覚え、拒絶できなかったという。全裸の姿を撮影された女性もいた。
「セックスの最中は『これはしなきゃならないものだ』と自分に言い聞かせ"作業"としてこなしていましたが、一人になると、いろんな感情が込み上げてきました」
「ホテルへの誘いを断ったら弟子失格の烙印を押され、アドバイスをもらえなくなるんじゃないかと不安でした」
(当時、大学3年生だった女性)
週刊文春の取材に広河氏は、複数の女性たちと性的関係をもったことは「いろんな形であります」と認めている。
同時に「無理やりではなかった」とも話している。
「望まない人間を僕は無理やりホテルに連れていきません」
「(女性たちは)僕に魅力を感じたり憧れたりしたのであって、僕は職を利用したつもりはない」
女性たちは性的関係に同意していたのか。週刊文春の取材に証言した女性のうち一人が、背景にあった圧倒的な支配関係について、BuzzFeed Newsに語った。
ホテルの部屋に呼び出された
女性は大学生だった10年ほど前、DAYS編集部でアルバイトをすることになった。
「フォトジャーナリストになりたいという夢を持ちはじめた頃でした。狭い業界の中でも広河さんは雲の上の上のすごい人で、神様のようなイメージでした。そんな人のつくるすごい雑誌の編集部で働けることがうれしく、できるだけ多くのことを学びたいと意気込んでいました」
初めて編集部を訪れた日、帰り道で駅に向かっている途中、電話が鳴った。広河氏本人からだった。
「これが僕の携帯なので、これからもよろしくね」
手の届かないような人なのに面倒見がいいんだな、と感じたという。それから1カ月ほど経ってから、女性は撮影した写真を広河氏に見てもらう機会があった。
「写真が下手だから個人的に教えてあげるよ」
そう言われて、指導の場所として指定されたのは、東京・新宿の京王プラザホテルだった。
「カメラを持ってこいと言われたので、周辺の緑があるところで撮影するためにホテルで待ち合わせるのかなと思っていました」
ロビーに到着して電話をかけると、部屋に上がってくるように言われた。
「原稿が忙しいときはホテルにカンヅメになると聞いていたので、仕事場にしている部屋で待ち合わせなのかな、と思いました。尊敬していたし、当たり前のように信頼していたので、特に大きな疑問は持ちませんでした」
ドアを開けると、部屋はきれいに片付いていた。
「一言か二言しゃべったかもしれませんが、はいじゃあベッドに座って、という感じで、あっという間にキスをされて押し倒されました」
「最初はなんとか逃れられないものかと思っていたのですが、よしよしという感じで体を撫でられたときに、自分の心と体がフリーズしたような感覚になり、固まって動けなくなってしまいました」
やり過ごすしかない
女性がそんな状態になってしまったのには理由がある。
広河氏はDAYS編集部で、ささいなことで激昂し、理不尽にスタッフを怒鳴ったり罵倒したりすることが何度もあったという。
「そうなったらもう、刺激をしないように息をひそめ、嵐が過ぎ去るまでやり過ごすしかないというのがわかってきた頃でした。そのパワハラと同じことがセクシュアルな行為で起きてしまったのです」
性行為が終わると、広河氏は「これからモデルの子が来るからベッドをきれいにして」と女性に伝えた。モデルが部屋に着くと、「ストロボの使い方はこうやって」などと何事もなかったかのような態度で女性に写真を教えはじめた。
「何が起きたのか考えるすきを与えないというか、結果的に写真を教える約束は守った形になるわけですから、アリバイを作られたと感じました」
睨まれたら生きていけない
当時、広河氏をフォトジャーナリスト界の"神様"のような存在だと感じ、「見捨てられたくない」という思いが強かった、と女性は言う。
「フォトジャーナリストを目指す人にとって、学びの場所は限られています。広河氏は人脈が広く、有名人と知り合いであることを会話の端々ににじませていました。広河氏に睨まれて見捨てられたらこの業界で生きていけない、すべてが絶たれてしまう、という危機感がありました」
そんな中、ささいなことで突然、広河氏から「事務所を出ていけ!」と怒鳴られる出来事があった。
「写真で伝える仕事がしたかったのに、私の夢がすべて終わってしまう。最も業界で名が知られていて、最も人脈がある人に怒られてダメ出しされたらもうやっていけない、という強迫観念に近いような感覚になっていました」
絶望し、泣きながら歩いていたときに広河氏から電話がかかってきて、タクシーに同乗するように言われた。行き先は、新宿・歌舞伎町のホテル。
「こういうときは、体を重ねてわかりあうのが一番だから」というようなことを言われ、裸の写真も撮られた。
「こんなすごい人を怒らせたのが悪かったんだという罪悪感と、性行為をしてしまったことの嫌悪感。自分が何重にもダメだったんだ、という自責の念が頭の中をぐるぐるしていました」
その後、女性はDAYS編集部を離れる決断をした。深夜に編集部で広河氏と二人きりになった時、背後から抱きつかれて「挿れたい」と言われ、もう限界だと感じたからだ。
社員に電話で「理由は話せませんがもう明日から行けません」と伝えたとき、事情を察したような反応だったのが気にかかった。
「他にも被害に遭った人がいたのではないか、と思うようになりました。それでも、裸の写真を撮られてしまったことが怖くて、声をあげることはできませんでした」
声をあげるのに10年かかった
2017年秋、#Metooのムーブメントが世界で広がった。
日本でも、ジャーナリストの伊藤詩織さんやモデルのKaoRiさんの告発、さらに2018年4月に明らかになった財務省前事務次官による女性記者へのセクハラなど、報道や写真の業界でも証言が相次ぎ、BuzzFeed Japanでも報じてきた
女性は、広河氏から性行為を強要されていたという別の女性と連絡を取ることができた。
「ずっと自分のせいだと思っていたけれど、私だけではなかったのだとわかりました。10年の月日を経て、もう終わりにしよう、とようやく声をあげることができたんです」
BuzzFeed Newsは12月25日、性行為の事実関係や性的同意の認識など6項目の質問状を、広河氏にメールとFAXなどで送信。複数回にわたって広河氏の携帯の留守番電話に伝言を残しているが、12月26日朝の時点で返答はない。
週刊文春の取材に広河氏は、「(女性たちは)僕に魅力を感じたり憧れたりしていた」と答えているが、女性はその言葉にある意味、納得したという。
「フォトジャーナリストになりたいと希望して広河さんの元に集まるのは、若い女性が多いです。それはあくまで仕事の面での尊敬なのに、自分の魅力だと勘違いしているような素振りが当時からありました」
当時、女性が交際相手を紹介したとき、広河氏は女性の耳元で「彼、僕に嫉妬しているよね」とささやいたという。
さらに、フォトジャーナリズム業界そのものに重層的な構造の問題もあると指摘する。
「報道写真の世界は、ザ・男性社会。女性が生き抜いていく難しさが大前提としてあります。師弟関係が強いのでハラスメントが起きやすい土壌でもあります。怒鳴られたり罵声を浴びせられたりした経験が、一部の成功した人たちの間で美談になってしまい、傷ついた人たちの声があがってきません。精神論で暴力が覆い隠されるのです」
「なんとなく問題が起きていることは知っていても、広河さんの人脈や影響力に忖度して沈黙してきた周りの人たちが、結果的に彼のバリアとなり、加害意識を持ちにくくさせていたのではないでしょうか」
活動の陰にあった犠牲
パレスチナやチェルノブイリ、福島などで、広河氏の活動によって支えられ、救われた人はたくさんいる。しかし、その活動の意義が賞賛される陰に、身近な女性たちの犠牲があった。
「広河さんの活動の大義名分のために、つぶされてきた声があることを想像してほしいです。#MeTooが彼の活動をつぶすという批判もあるかもしれませんが、本当に意義がある活動なら、彼がやらなくても誰かが同じ活動をするはずです」
財務省前事務次官のセクハラ問題を機に発足した任意団体「メディアにおけるセクハラを考える会」の代表で大阪国際大学准教授の谷口真由美さんは12月26日未明、Facebook上で声明を発表した。一部を抜粋して紹介する。
人権派のフォトジャーナリストを標榜していた人が、身近にいる女性の存在、そして人権をあまりに軽んじてきたこと、「私に魅力があるから彼女たちがホテルまでついてきた」、それにより「同意があった」と主張するのは到底看過することができません。
私たちがこれまでメディア関係者の被害の聞き取りを進めてきた中で、メディアにおけるセクハラが、仕事の性質により、ホテルなどの密室を利用して、呼び出されたら行かなければならないという慣習を利用して行われていることが明らかになりました。それは広河氏がセクハラを行った状況と、見事に合致しています。
以上のことから、私たち「メディアにおけるセクハラを考える会」は、広河隆一氏の文春での応答は到底うけいれられるものではなく、また、被害者への二次被害がこれ以上拡大することのないよう、#MeToo を合言葉に、被害をひとりで飲み込んでいた人に、「あなたは一人じゃない」と寄り添い、連帯する言説を日本社会で広げていきたいと考えます。
広河氏の仕事に敬服していた方におかれましても、そのことと、被害告発を正面から受け止めることは、矛盾しないことを認め、共に立ってくださることを期待します。党利党派ではなく、ひとりの人権の、尊厳の側に、私たちは立ち続けます。
業界に絶望するのではなく
女性は、同じような経験をした人やフォトジャーナリストを目指す人に少しでも伝わればと、こう締めくくった。
「自分が悪かったといまだに思い込んでいる女性もいます。報道によって昔のことを思い出して動揺する人もいるかもしれません。そういう人たちには、心と体をゆっくり回復させてほしい。必ずしも声をあげる必要はないし、あなたは悪くない、と伝えたいです」
「能力が高く、熱意も人一倍あった女性たちが、ボキボキと夢を折られていきました。あんなことさえなければ、社会に大切なメッセージを伝える人になってくれていたはずだと思うと、悔しいし、許せません」
「ただ、広河氏の件によって、フォトジャーナリズムや写真の世界すべてが絶望的なものだとは思わないでほしい。私は学生時代、写真を通して人とつながる喜びを感じることができました。いまメディアや写真に携わる人たちは、若手が育たないとただ嘆くのではなく、安全に学べる場所を作ってほしい。だからこそ、ハラスメントはもう終わりにしたいのです」
BuzzFeed Japanは、性暴力に関する国内外の記事に「#metoo」のバッジをつけて発信し、必要な情報を提供し、ともに考え、つながりをサポートします。記事・過去記事はこちらにまとめています。
ご意見、情報提供はこちらまで。 japan-metoo@buzzfeed.com


不正入試で東京医大提訴へ 受験女性の弁護団方針
 東京医科大の医学部入試で女子を合格しにくくする不正が発覚した問題で、過去に受験し不合格となった女性たちを支援する弁護団が26日、東京都内で記者会見し、来春までに慰謝料などを求め大学を提訴する考えを明らかにした。
 弁護団によると、これまでに東京医大に対し、受験生1人当たり10万円の慰謝料や受験料の返還、得点操作がなかった場合の成績開示を求める集団請求を実施。40人の女性が参加し、請求額は計1300万円余りに上る。
 弁護団は今後、40人を中心に訴訟への参加意向を確認。東京医大からの回答も踏まえて、訴訟の内容を決める。
 40人のうち3人は、得点操作の影響で不合格となった可能性があると東京医大から連絡を受けているといい、弁護団は不当に不合格とされたことへの損害賠償も求めていく考えだ。


不正入試で東京医大提訴へ
 東京医科大の医学部入試で女子を合格しにくくする不正が発覚した問題で、過去に受験し不合格となった女性たちを支援する弁護団が26日、東京都内で記者会見し、来春までに慰謝料などを求め大学を提訴する考えを明らかにした。
 弁護団によると、これまでに東京医大に対し、受験生1人当たり10万円の慰謝料や受験料の返還、得点操作がなかった場合の成績開示を求める集団請求を実施。40人の女性が参加し、請求額は計1300万円余りに上る。
 弁護団は今後、40人を中心に訴訟への参加意向を確認。東京医大からの回答も踏まえて、訴訟の内容を決める。


韓国軍レーダー照射に田母神俊雄・元航空幕僚長が「危険じゃない」「大騒ぎしなくてよい」と発言しネトウヨがヒステリー
 日本海上で警戒・監視の任務にあたっていた海上自衛隊の哨戒機が、韓国海軍の駆逐艦から火器管制レーダーの照射を受けたとされる問題。日韓両政府の見解が正面から食い違うなか、ネット上ではネトウヨたちが「じゃあ戦争すっか」「反撃するしかないだろ」などと噴き上がっている。典型が高須クリニックの高須克弥院長だ。
〈先制攻撃て見なす。すぐにチャフ撒いて 反転攻撃してよし。〉(21日Twitter)
〈次回からは攻撃とみなして即座に撃沈すべきです。これは明確な攻撃であります。銃を取り出して自分に狙いを定められたら応射するのは正当防衛です。現行憲法でも何ら問題はないとおもいます。〉(22日)
 いやはや「即座に撃沈」って……言葉を失うとはこのことだ。もし、自衛隊が韓国軍を武力攻撃したら反撃されて戦闘状態となる。当然、自衛隊員にも死傷者がでる可能性が高いし、最悪の場合、それこそ戦争突入だ。本当に、この人は自分が何を言っているのかわかっているのだろうか。
 だいたい、高須院長やネトウヨたちは、さも韓国軍のレーダー照射=自衛隊への攻撃かのようにわめき散らしているが、韓国側は「北朝鮮の漁船探索のためにレーダーを使用したもので、哨戒機追跡の目的で使った事実はない」「低空飛行する哨戒機に対して、レーダーの横に付いている光学カメラを作動させた」などとして、火器管制レーダーの照射を否定。実際、このとき韓国軍の艦艇は遭難した北朝鮮の漁船を救助しており、乗組員3人と遺体1体を北朝鮮側に引き渡している。少なくとも、韓国軍に自衛隊機への“攻撃意図”があった可能性はゼロと言っていいだろう。
 もっとも、レーダーの照射の有無や態様については、日韓の両当局の見解が真っ向から対立している以上、オープンな真相究明を待たねばならない。しかし、韓国の艦艇によるレーダー照射が事実だとしても、これ、日本政府やネトウヨたちが血眼になって騒ぎ立てているような事態なのか。というのも、実は、あの元航空自衛隊最高幹部からも「大騒ぎしなくてよい」との指摘が出ているからだ。
 他ならぬ、元航空幕僚長の田母神俊雄氏のことである。周知の通り、田母神氏といえば、日頃から超タカ派の言説をぶちまけ、ネトウヨからも「閣下」「神」扱いされているお方。そんな田母神氏が、このレーダー照射事案のニュースを受けて、Twitterでこんな連投をしたのである。
〈韓国艦艇が海自対潜哨戒機に火器管制レーダーを照射したことで日本政府が危険だということで韓国に抗議したという。全く危険ではない。火器管制レーダーは近年フェーズドアレイ方式で常時ほぼ全周に電波を出し続けている。だから周辺にいる航空機などには電波照射が行われてしまう。〉(21日)
〈韓国艦艇は海自の対潜哨戒機だけを狙って電波照射したのではないと思う。周辺にほかの航空機がいればそれらも電波照射を受けている。しかしミサイルが発射されるには艦艇内の複数部署で同時に安全装置を外す必要がある。だから火器管制レーダーの電波照射が即危険だということにはならない。〉(同日)
 さらにツイートは〈平時は突然ミサイルが飛んでくることはないから大騒ぎしなくてよい〉(同日)、〈今回ぐらいのことは世界中の軍が日常的にやっていることであり、電波照射をしてもミサイルが直ちに飛んでいかないような安全装置もかけられている〉(23日)などと続く。
 ようするに、田母神氏によれば、火器管制レーダーの電波照射は常時行われているもので、かつ、常に周辺に電波を出し続けているので、今回の照射事案は偶然にも韓国軍艦艇の周辺にいた自衛隊の哨戒機にあたってしまっただけではないのか、というのだ。
冷静に「騒ぐ必要はない」という田母神にネトウヨが炎上攻撃
 念のため繰り返しておくが、一応、この人、腐っても航空自衛隊の元トップである。そのヤバすぎる政治信条や歴史認識にはいささかたりとも同意する部分はないが、軍事機器に関する知識はある程度正確なはずだ(でなければますますヤバい)。ところが、ネトウヨたちはこの“神”のツイートに猛反発、みるみるうちに炎上させてしまったのだ。
〈閣下の理屈ですと、公海上で海上自衛隊艦艇が訓練中で無い時にも韓国軍機へ対して火器管制レーダーを照射して良く、韓国側も抗議してこないということですよね?〉
〈ほぉ? 世界中の軍隊では日常的に他国の軍隊に火器管制レーダーを照射してると? その御言葉、しかと覚えておきます〉
〈ということは、日本もやっても構わないということ?いいんですよね?田母神さん?いいんですよね?いいんだ、そうか。ならどんどんやりましょう!〉
 はては〈本当の田母神さんですか〉〈田母神なんて北のスパイ〉などとニセモノ説や工作員説まで飛び出す始末。ちなみに、高須院長も田母神氏のツイートに関して、〈田母神先生のおっしゃることは理解できました。ではこちらも先制攻撃抑制訓練として自衛隊機にレーザーを照射している仮想敵の標的にミサイルを撃ってもいいのでしょうか?武力放棄しているとなめくさっている隣国を威嚇するだけでも効果があると思うのですが・・・〉と投稿している。
 この絡み方の“キモさ”にネトウヨの真髄を見た気がするが、いずれにせよ、本当に危機的なのは、いま世論が、こうした好戦的な流れに傾きつつあることだろう。
 いうまでもなく、論調を牽引しているのは日本政府だ。たとえば、防衛省が火器管制レーダーの照射を受けたと公表した21日、岩屋毅防衛相は「攻撃直前の行為。不測の事態を招きかねず極めて危険」と言明。前防衛相の小野寺五典・自民党安全保障調査会長も、25日の党の部会で「政府はもっと厳しく韓国に対応すべきだ。強い抗議を韓国にしていただきたい」などと鼻息を荒くしている。
過剰な安倍政権、日本政府の対応がさらに事態を困難にしている
 しかし、「そこまで騒ぎ立てることではない」と指摘する自衛隊OBは、前述の田母神氏だけではない。本サイトの取材に対して、元海上自衛官で軍事評論家の文谷数重氏はこう語る。
「日本政府は今回のレーダー照射に関して極めて強硬な反応を見せていますが、こうした対応それ自体が、外交的に見て誤りとしか言いようがありません。そもそも、火器管制用のレーダーというのも、おそらくは精密レーダー、距離や角度を測定するもので、ミサイル誘導用の電波を照射したわけでもなさそうです。いずれにせよ、今回の事案で一切の損害が生じていないように、照射されたとしても何も起きません。状況から敵意も認められませんし、脅威度も極めて低いでしょう」
 さらに、文谷氏はプラグマティックな立場から、日本政府が世論を煽ることのデメリットについて続ける。
「にもかかわらず、韓国側に烈火のごとく抗議して何を得られるというのでしょうか。日本政府も韓国政府も一切の利益を得ることはなく、それどころか両国の関係が悪化するだけです。ただでさえ、元徴用工や元慰安婦の問題で、日韓政府は請求権に関する外交的妥協点をあらためて模索せねばならぬ時期。そのなかで、日本政府が『韓国けしからん』という国民世論を煽ることは、政治だけでなく経済にも重大な悪影響を及ぼす以外にありません。本来であれば、両国当局が水面下で交渉し、見解の相違などについて解決すべきでした」
 文谷氏の指摘するように、今回の事案に対する日本政府の反応は、明らかに過剰としか言いようがない。安倍政権にとって、そこにメリットがあるとすれば、国民の意識を韓国に向かわせて、国内の相次ぐ不祥事などに関する批判をうやむやにし、政権浮揚のきっかけとすることぐらいだろう。
 だが、こうした偶発的なトラブルの発生を、色気を出した政治権力が利用することで、それこそ冒頭で触れた高須院長のように、「即座に撃沈すべき」などと戦争を煽る論調がはびこる。そして、いつのまにかこうしたファナティックな世論に押され、日韓関係は引き返せないところまで行く可能性もあるだろう。
 両国政府も含めて、いまのうちに、わたしたちが抑制的かつ冷静になり、好戦的な論調をなだめていかねば、本当に危険な対立状態に突入しかねない。無論、そうなってからでは遅すぎるのだ。


蒼井そらが妊娠発表で「AV女優の子どもはかわいそう」の中傷に反論! AV女優たちについて回る理不尽な差別
 12月11日に元AV女優で現在はタレントとして活動している蒼井そらが妊娠5カ月であることをオフィシャルブログで公表した。
 しかし、新たな命を報告するブログは〈AV女優が子供を作るなんて子どもがかわいそう。結婚発表をした時、そんな言葉を目にしました〉という不穏な言葉で始まっていた。
〈AV女優が子供を作るなんて子どもがかわいそう。
結婚発表をした時、そんな言葉を目にしました。
いや、発表する前から、そんな言葉を目にすることは多々あったかな。
確かに、普通に、常識的に、一般的に考えるとそうなのかもなと
そう言われるのは、まぁ分からない事ではないと私は思うのですが
そこで、考えたんですよ。
子どもの不幸のこと。
AV女優の親だと不幸なのか。
それと
AV女優の親じゃなければ幸せなのか。〉
 親の職業という子どもに選べないファクターによって、子どもの幸・不幸が決まるような社会がおかしいのであって、言うまでもないがどんな職業の人間も子どもをもつ自由がある。親の職業を理由に子どもがいじめられたり理不尽な扱いを受けることがあれば、悪いのは断じて親ではなく、いじめている側だ。そんな自明のことは、蒼井だって百も承知だろう。それでも蒼井がこんなことを書かずにいられないのは、それだけAV女優が子どもをもつことに対する攻撃や風当たりが強いからだ。
 本サイトでも以前取り上げたことがあるが(蒼井そらが結婚報告ブログで明かしたAV女優の経歴への「後ろめたさ」…紗倉まなもコラムでセカンドキャリアへの不安)、蒼井そらがAV女優に対する偏見や差別について言葉にしたのはこれが初めてではない。
 彼女は今年の1月2日にオフィシャルブログのなかでDJ NONと結婚したことを報告している。その結婚報告のブログのなかで、蒼井はDJ NONのことをこのように紹介していた。
〈彼はイケメンでもないし、お金も持っていないけど
アダルトをやっていたという事実や、
その他全てのことに対する私の不安を一気になくしてくれる人でした。
アダルトをやっていたことに後悔はないですが
世間の目に対する、後ろめたさがないわけでもない。
家族になるということは、そういう過去やこれからの未来で、
全ての受け入れが必要だと思っています。
だから、私を貰ってくれるなんて本当すげー奴だなって思います〉
 現在の日本は、結婚や出産という個人の人生に〈AV女優が子供を作るなんて子どもがかわいそう〉などという言葉をぶつける社会なのだということに絶望を感じるが、AV女優に対する差別的な眼差しを訴える人は現役のAV女優のなかにもいる。
 AV女優のみならず作家としても活動している紗倉まな氏は「週刊プレイボーイ」(集英社)2018年2月12日号に掲載された落合陽一氏との対談のなかで、こんな体験を語っている。
「一番イラッとすることは、何を言っても『肉便器』って言われることですね」
「以前言われたのは、『おまえいろいろ物事を多く語って、まるで文化人気取りだな』みたいな。『肉便器は黙って脱いでろ』って言われたことがあって」
 紗倉はこれまでに、AV女優を主人公にした『最低。』(KADOKAWA)、家族関係を題材にした『凹凸』(KADOKAWA)と、2作の小説を出版。文学関係者からも非常に評価が高く、『最低。』のほうは昨年11月に映画化もされている。エッセイで、家族問題や社会問題について語ることも少なくなく、昨年からはAbemaTVのニュース番組『AbemaPrime』でアンカーも務めている。
 先にあげた「まるで文化人気取りだな」「肉便器は黙って脱いでろ」なる暴言は、彼女のそういった活動を指してのものだと思われるが、あまりにひどすぎる最低な女性蔑視発言だ。
紗倉まな、川奈まり子も語っていたAV女優への差別と偏見
 しかし、紗倉はこんな暴力的な差別にも、屈することなく、毅然と対峙している。
 前掲対談のなかで紗倉は「AVをやってる人間が自我を出したりすると、興奮されにくくなるとか、こういう映画が出ると『どんな気持ちでAV見たらいいんだ』っていう声もありまして、確かにその心理もすごくよくわかります」と客観的な状況把握をしつつも、だからといって「肉便器は黙って脱いでろ」などという意見には一切与するつもりはないと語る。
「それでもAVの表現と書き物の表現はやっぱり譲れないところが強い軸として心の中にあって。編集者の方とも、『ギャルっぽい口調に直すのやめてください』とか、バトルになるくらい話し合っています。自分が妥協したくないことと、世間が求める商品価値ってものすごく差があるなと感じながら」
 紗倉が文章を書く仕事をしている理由のひとつに、「AV女優という職業に対する世間からの差別意識をなくしたい」という思いがある。
 事実、映画『最低。』の記者会見に原作者として出席した紗倉は、記者からの「この作品の一つの意図として、AV業界で働く人々へのスティグマ(偏見・負の烙印)をなくしたいという意図はありましたか?」との質問に、「もともとそういう気持ちはずっと思い続けて、いまもそういう仕事をしているということもあるので。ずっと偏見はなくなればいいなと思っていたんですけれども。ある種AV女優も普通の一人の女の子なので。年間1000人以上の方がAVデビューしていると言われてるんですけれども、それだけいるということは、やはりそれだけの女の子の普通の日常もあるということで、そこを描けたらいいなという思いで本は書かせていただきました」と答えている。
 AV女優への差別と偏見、そして、AV女優自身がスティグマを感じずにはいられない状況があることは、多くのAV女優(“元”か“現役”かは問わず)の生活に暗い影を落としている。
 元AV女優・官能小説家・怪奇作家の肩書きをもつ川奈まり子氏は、本サイトが2016年に行ったインタビューのなかで、AV女優が普段の生活で受ける偏見や差別について、自らの体験談も交えつつ、このように訴えていた。
「AV女優たちの一番の悩みはヘイトクライムです。住んでいるアパートを追い出されるとか、仕事をクビになるとか、職場でイジメに遭うとか。会社でAV女優だった過去がバレてレイプされそうになったという相談すら受けたことがあります。
 私もライターとして連載させてもらっている媒体から『川奈さんがAVに出ているなんて知りませんでした。今後の取引は中止させていただきます』と言われたり、編集部は大丈夫でもスポンサーからNGが入って仕事がなくなったりと職業差別を受けてきました」
蒼井そらが「AV女優の子どもはかわいそう」攻撃に毅然と反論
 結婚や妊娠という、個人の人生の転機のたびに、「AV女優への差別問題」について口を開かなくてはならない蒼井そらのことを思うと心苦しくなるが、それだけAV女優が背負わされるスティグマに問題意識を持っているということだろう。
「AV女優の子どもはかわいそう」という理不尽な言葉に、先述のブログで蒼井はこう反論する。
〈子どもが将来【絶対】にいじめにあう
そういう確率は高いと【思う】
絶対とか、考えれば分かる
みたいな話ってあなたの価値観だよねって。〉
〈「貧乏だと不幸。金持ちだと幸せ。」
この言葉を言ったらさ
人は「そんなことない」って言えると思うの。単純にね。
もちろんお金はあった方が良いけど
お金が無いから不幸せ、ということでは無いと考えるでしょ。〉
 お金持ちの親もいれば、貧しい親もいる。職業も様々だ。子どもが幸せかどうかは、親がどういう経済状態で、どういう職業かだけに左右されるものではない。
 そして、蒼井はこう宣言する。
〈元AV女優が子どもを産むことに人は意見するけど
どう考えても私、やっぱり子どもが欲しい。〉
〈生まれて来るんじゃなかったとか
産んでなんて頼んでねーしとか
親子の縁を切るとか
子どもに言われないように日々頑張るだけよ。〉
「AV女優の子どもはかわいそう」という言葉は、さも子どものことを思いやっているふうを装っているが、ただの差別だ。親の経済状態や職業によって、子どもが「かわいそう」「不幸」になるようなことはあってはいけない。それは親だけの問題でなく、社会全体の責任だ。
 彼女たちの人生を息苦しくさせる職業差別の問題について、社会はしっかり耳を傾ける必要がある。


IWC脱退へ 日本の国益に資するのか
 国際協調に背を向けた一国主義的な動きだと受け止められ、日本の国益を損なうことにならないか。
 脱退して得られるものと失うものとの開きはあまりにも大きいと感じざるを得ない。再考、熟慮を求めたい。
 政府は30年ぶりの商業捕鯨再開に向け、クジラの資源管理を担う国際捕鯨委員会(IWC)から脱退する方針を固めた。
 商業捕鯨は日本近海や日本の排他的経済水域(EEZ)内で行う方向で調整しており、26日に表明する見通しだ。
 日本は9月に開かれたIWC総会で商業捕鯨再開を提案したが、反捕鯨国を中心に賛成27、反対41の大差で否決された。IWCに残ったままでの再開は極めて難しくなっていた。
 局面を打開する必要があると判断したことが、脱退の理由だという。
 IWCはクジラ資源の保存と捕鯨産業の秩序ある発展を目的に設立された。当初は捕鯨国による資源管理機関だったが、反捕鯨国が増え1982年に商業捕鯨の一時停止が採択された。
 日本はこれまでも何度か脱退を検討しながら踏みとどまってきた経緯がある。しかし、国際協調を重視し、脱退に慎重論を唱えてきた外務省も、9月の総会後に容認に傾いた。
 かじを切ったのは、捕鯨関係者の要望を背景にした自民党有力者らの意向が大きい。
 古式捕鯨発祥の地とされる和歌山県選出の二階俊博幹事長は「断固とした態度で脱退だ」と強調した。
 捕鯨基地として知られた山口県下関市が地盤の安倍晋三首相も10月、商業捕鯨再開へあらゆる可能性を追求すると国会で答弁していた。
 伝統的な捕鯨地域からは技術の継承が途切れることを懸念する声があるのは確かだ。
 一方、日本で食糧難の時代に貴重な栄養源として重宝された鯨肉だが、食文化の変化などから、商業捕鯨が再開されても大きな需要は生まれず、新規参入も限られるとの見方が強い。
 こうした中で脱退することが日本にとって本当に必要な行動なのか。
 国際社会がどう受け止めるかも気にかかる。
 最大の分担金拠出国である日本が脱退すれば、IWCの存在感が低下し、自然保護の機運に水を差す懸念がある。
 地球温暖化対策のパリ協定から離脱を表明するなど、国際枠組みをないがしろにするトランプ米政権と同様に、日本も一国主義を歩むと目されて、国際社会の信用を損なうことになりかねない。
 海外の自然保護団体幹部は、日本のIWC脱退が他の国際条約や協定などにとっても非常に危険な先例となると指摘した。国際協調に反する一国主義まん延の引き金になると危ぶむ。
 国際協調を基軸としてきた日本が国際機関から脱退することは極めて異例だ。築き上げてきた信頼を失いかねない行動は避けなければならない。


IWCと日本 脱退すれば代償は大きい
 日本が国際捕鯨委員会(IWC)からの脱退をきょうにも表明する見通しとなった。日本の国際機関からの脱退は戦後ほとんど例がなく、極めて異例の事態だ。国際協調路線を歩むわが国への各国からの反発は避けられない。将来に禍根を残さないために再考すべきである。
 IWCはクジラ資源の保存と捕鯨産業の秩序ある発展を目指し、1948年に設立された。当初は捕鯨国が中心だったが、次第に反捕鯨国が増え、82年に商業捕鯨の一時停止が採択された。日本は88年に商業捕鯨をやめ、再開に向けての科学的データ収集目的で南極海などでの調査捕鯨を続けている。
 近年は捕鯨支持国と反捕鯨国が対立し、機能不全状態となっているのは確かだ。水産庁によると、41カ国の支持国に対し、反捕鯨国は48カ国に上る。今年9月の総会では日本が提案した一部鯨種の商業捕鯨再開とIWCの決定手続きの見直しが否決され、政府は脱退の可能性に言及していた。IWCに残ったままでの捕鯨再開はもはや絶望的と判断したのだろう。
 日本は科学調査の結果、ミンククジラなど一部の鯨種は資源状況は健全との立場だ。捕鯨や食文化でクジラに親しんできた歴史を考えれば、保護一辺倒の反捕鯨国に不信感が募るのも理解できる。
 だが、主張が通らないからといって国際的な枠組みから脱退するのはあまりに代償が大きすぎないか。
 約束事を軽視し、自国の利益にならないと判断すれば国際協調に背を向ける。そんなトランプ米大統領の「米国第一主義」と同様に受け止められることは決して得策ではなかろう。特に、反捕鯨国の多い欧州やオーストラリアなどの反発は強いとみられる。
 水産大国の日本が今後、クロマグロやサンマ、サバ、ニホンウナギなどの資源管理を巡る交渉において、国際的な合意への説得力を持ち得なくなる心配もある。
 政府内では、脱退を来年1月1日までに通知する方向で調整しているとみられる。商業捕鯨は6月30日以降に可能になるという。
 ただ再開したとしても、その先の戦略は不透明だ。南極海での調査捕鯨はIWC加盟が条件のためできなくなる。政府は日本近海や日本の排他的経済水域(EEZ)で実施する方針だが、クジラ管理は国連海洋法条約で「国際機関を通じて活動する」ことが必要で、IWC科学委員会へのオブザーバー参加などが検討されているという。
 しかも、62年度に約23万トンに上った鯨肉の国内消費はその後の捕鯨規制などが響き、最近は年5千トン前後と低迷している。商業捕鯨再開に見合うだけの消費が伸びるかどうかも分からない。
 拙速に走ってはならない。政府は脱退のリスクを含めて国民に丁寧に説明し、議論を深めてから行動すべきだ。


IWC(国際捕鯨委員会)からの脱退表明について(談話)
社会民主党幹事長 吉川はじめ
1.本日、政府は、IWC(国際捕鯨委員会)からの脱退を正式に表明した。今なぜIWCという国際組織から脱退しなければならないのか、十分な説明もないし、国内議論も不十分である。今後の確たる展望のないままの脱退は、大きな禍根を残す。政府は短慮を戒め、IWCの残留に努めるべきであり、強く再考を求める。衆参の農林水産委員会及び外務委員会での閉会中審査を行うべきである。
2.戦前の反省から、憲法は前文で、「いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる」として、日本は国際協調主義を基本的方針とした。自分の意見が通らないなら国際的な枠組みから抜けるというのは、アメリカのトランプ政権の手法と変わらず、「一国主義」との批判を招くことになる。1933年の国際連盟からの脱退が、結局は国際社会からの孤立化を深め、悲惨な戦争への道に至るきっかけとなったことを想起すべきである。
3.IWC協定加入時の国会では、従来の日本は、航海自由を理由として、無統制に漁場を荒しまわろうとする機会を失いたくないという自国専念の利己心があったが、漁業に関する国際条約を忠実に守るということをはっきり示すことによって、日本に対する諸外国の信用も高まる、といった議論が展開されていた。IWCからの脱退は、日本の対外的な信用を大きく損なうのではないか。
4.IWC脱退後の展望もはっきりとはしない。IWCを脱退すれば、日本は南極海や北西太平洋でこれまで行ってきた調査捕鯨はできなくなるし、IWCに残るノルウェーやアイスランドからの輸入もできなくなる。また政府は、来年7月から日本近海や排他的経済水域(EEZ)内での商業捕鯨を再開する方針だが、国連海洋法条約は捕鯨について「保存、管理および研究のために適当な国際機関を通じて活動する」ことを規定しており、同条約違反などで国際司法裁判所(ICJ)に訴えられる可能性もある。独自の国際機関の設立や、北大西洋海産哺乳動物委員会(NAMMCO)などへ加盟も取りざたされているが、可能性と現実性には疑問が残る。
5.地域に根付くクジラ類の伝統と食文化を残すことは、きわめて重要である。IWCの中で、日本の主張をしっかりと粘り強く訴え続けるべきである。急がば回れであり、十分な議論のないままの短慮は、日本にとって大きな損失と後悔をもたらすことを懸念する。


マイナンバーカード普及が進まぬ理由
★マイナンバーカードの普及率が伸び悩んでいる。別にカジノに入る時の身分証明書に使えるとうたわれてもほとんどの国民にはありがたさにつながらない。総務省は7月現在、日本住民の11・5%しか所持していないと発表した。16年の制度開始以来国民の信頼を得られているとは言い難い。免許証で事足りる、住基カードを持っているからなどの理由から不要と感じる人も多いだろう。住基カードは作成に数千円かかるがマイナンバーは無料でできる。それなのに普及しない。★総務省のホームページを見るとマイナンバーカードのICチップには地方税関係情報や年金給付関連情報などプライバシー性の高い個人情報は記録されないとある。一方で個人情報が満載なのでむやみにコピーなどしてはいけないとしながら、税申告などでコピーの提出を強要される。いずれにせよ、個人情報が詰まっているマイナンバーカードは簡単に人に見せたりコピーさせるものではなく、安易な情報の漏えいを防ぐよう再三の注意が記されている。★国税庁は14日、東京、大阪両国税局からデータ入力を委託されていた業者がマイナンバー法が禁じている別業者へ繁忙を理由に下請けに出していた。マイナンバーなど個人情報が含まれる約70万件の書類を流していたと発表した。国税庁は「納税者におわび申し上げる」としている。あれだけ情報の管理には気をつけろと国民に喚起しながら結局、国税庁が漏えいの元締めだったという話だ。下請けなど委託業者は法に基づき処分されるだろうが、国税庁のホームページを見ても国民にわびのひとつもない。それどころか役人はおとがめなしなのではないか。このちぐはぐな説明と対応に不要論を感じる人も多いだろう。誰も責任を取らない体質の好例だ。

安田さん「事実に基づき批判を」 シリアで拘束、シンポジウム出席
 内戦下のシリアで拘束され、3年4カ月ぶりに解放されたジャーナリストの安田純平さん(44)が26日、東京都内で開かれた、戦場取材の意義と自己責任論を考えるシンポジウムに出席した。自身へのバッシングについて「批判されるのは構わないが、事実関係だけはしっかりするべきだ。批判の根拠はデマが多い」と語った。
 シリアでの取材動機は「アサド政権はテロリストがいると言っていたが、犠牲になっているのは一般市民がほとんど。それぞれに人生のある人間だということを現場で見たかった」と明かした。
 シンポジウムは、雑誌「創」編集部や新聞労連などが主催した。


エスカレーター「歩かないで」 鉄道各社、習慣に反旗
エスカレーターは歩かず2列で――。2020年東京五輪・パラリンピックを前に鉄道会社がこんな呼びかけを本格化させている。大会期間中は身障者を含めて公共交通機関の大幅な利用増が見込まれ、転倒などの事故防止が目的だ。国内では長らく歩く人のために片側を空ける習慣が定着しており、乗客からは「急ぐときは歩きたい」と反発の声も上がる。
JR東日本は17日から東京駅で試験的に「歩かない」啓発活動を始めた。職員らが「歩かず左右2列に並んでご利用ください」と呼びかける。手すりや周囲の壁には「お急ぎの場合は階段をご利用ください」といったメッセージ。蛍光色のベストを着た警備員が巡回して注意喚起する。加えて、手すりにつかまって立ち止まる「正しい乗り方」を示す。
千葉県柏市の男性(78)は「普段は右側を空けて利用する。歩く客と体がぶつかり、危ない思いをしたこともある。『歩かず2列』が定着してほしい」と歓迎した。
エスカレーターの歴史に詳しい江戸川大の斗鬼正一教授(文化人類学)によると、国内で初めて片側を空けるように呼びかけたのは高度経済成長期の阪急梅田駅(大阪市)。都内でも1980年代には「片側を空けて急ぐ利用者に道を譲るのは良いマナー」との認識が広まったという。
斗鬼教授は「『速いことは良いこと』という経済効率優先の価値観があった。東京の街は同調圧力が強く、習慣は長く変わらなかった」と話す。
片側空けが世界で初めて行われたのは1940年代の英・ロンドンの地下鉄駅との説がある。その後、欧米各国をはじめアジアに広がった。現在、片側空けは世界的に共通の習慣になっているという。斗鬼教授は「多様性の大切さを掲げる2020年の東京五輪を機に、誰もが安心して使える新たなエスカレーター文化を発信する側になってほしい」という。
東京消防庁によると、2017年にエスカレーター事故で搬送された人は1396人に上り、発生場所は駅など「道路・交通施設」が63%を占めた。日本エレベーター協会(東京)の調査でも13〜14年に把握したエスカレーター事故1475件のうち「歩行してつまずき転倒」などの「乗り方不良」が原因の約6割に上る。
同協会の担当者は「エスカレーターの安全基準は立ち止まって利用することを前提にしている」と強調。歩行中に人や荷物と衝突したり、バランスを崩して転倒したりすれば大事故につながりかねない。「ケガや障害で一方の手しか使えない人にとって、片側を人が歩くのは不自由で危険」と訴える。
鉄道各社は多くの外国人や障害者が訪れる東京五輪を控え、歩行禁止の啓発活動に力を入れている。名古屋市交通局は04年からポスターを掲示。毎月10日に駅員が主要駅に立って呼びかける。JRや私鉄など全国の鉄道事業者51社や商業施設などは15年夏から共同で「みんなで手すりにつかまろう」キャンペーンに取り組んできた。
ただし、利用客からは反対意見も。横浜市の男性会社員(42)は「忙しいときは取引先への移動時間も限られる。急いでいるときは止まりたくない」。大学4年の女子学生(22)も「階段がないところもある。歩きたい人のことも考えて」と話した。同協会が17年度に行ったアンケート調査でも「歩行はやめた方がいい」と考える人が70%いる一方、83%が「歩行してしまうことがある」と答えた。
JR東日本の担当者は「賛否両論あるが、啓発を始めてから呼びかけや掲示に反応する人も増えている。今回の試行を踏まえ、今後、東京駅以外にも広げるかを判断したい」と話している。
■歩行禁止の場合の輸送効率は?
 岩手県立大の元田良孝名誉教授(交通工学)によると、エスカレーターの利用者全員が2列に並んで歩くと、輸送効率は全員が立ち止まった場合の1.5倍になる。1時間あたり4千人の輸送能力が6千人に上昇する計算だ。
 1列を静止レーン、もう一方を歩行レーンとした場合の効率はどうか。英・ロンドンの地下鉄で誰も歩かない場合と比較したところ、歩行なしの方が輸送量が30%上昇した。高低差が大きく長いエスカレーターでは歩こうとする人が少なく、乗客の密度が低くなり、こうした結果が出やすいという。
 日本エレベーター協会の担当者は「エスカレーターを歩く人にとっては到達時間の短縮になるが、エスカレーターに同時に乗れる人数は減る」と指摘。「特に朝のラッシュ時の駅で電車から降りた人を一気にさばく上では、両側に立つ方が効率が高まる」としている。

朝寒い/クロネコ来ない?/ガレット/ミニシャンパン

ブログネタ
フランス語 に参加中!
Hilton181129

Voyage au coeur des lanternes chinoises... dans le sud-ouest de la France
Gaillac (France) - En ce mois de décembre sous un ciel rose-orangé annonçant la tombée de la nuit, l'effervescence s'empare de Gaillac, petite commune du Sud-Ouest de la France qui, pour sa deuxième année, s'illumine de mille... lanternes chinoises.
Cette cité millénaire du Tarn, réputée pour son vin, a fait le pari l'année dernière d'organiser "le plus important événement chinois de France" en montant un festival enchanté fait de soie et de lumières.
Dès l'entrée dans le parc, le visiteur est immédiatement plongé dans un monde fantastique, où des dragons à écailles rouges et jaunes, des pandas, des fleurs de lotus et pivoines géantes semblent prendre vie au rythme de musiques traditionnelles.
La main tremblante, Simone, 90 ans, sort un vieux téléphone portable de son sac et immortalise le palais impérial, la pièce maîtresse du festival avec ses 25 m de haut et 75 m de long.
"Pour montrer à mes petits-enfants toutes ces merveilles d'un autre monde", dit la vieille dame, venue de Tarbes (Hautes-Pyrénées) avec des amies.
Cet "autre monde", c'est Zigong, une ville chinoise de la province du Sichuan, berceau du festival des lanternes.
"L'aventure a commencé en février 2017... ", raconte à l'AFP le maire Gaillac, Patrice Gausserand, avec un large sourire.
- Chercher le dragon -
C'est à cette date, au cours d'un voyage en Chine pour négocier une exposition du musée d'art de Pékin pour sa ville, que naît l'idée d'un jumelage entre Gaillac et une ville chinoise.
"C'est naturellement vers la province du Sichuan, jumelée à la région Occitanie, que je me suis tourné, et c'est à Zigong que je suis tombé ", se souvient M. Gausserand.
Faire voyager les lanternes de Zigong à Gaillac? "Un pari fou", reconnaît le maire de la petite commune de 18.000 ames.
"Fou", d'abord parce qu'il a fallu trouver des financements --en majeure partie des sponsors privés-- pour assurer toute la logistique du festival, explique M. Gausserand, soulignant que les autorités de Zigong se chargeaient, elles, du coût du matériel et du montage des lanternes.
Mais "fou" aussi, "car on n'avait aucune certitude d'attirer du monde", dit-il.
Les quelque 250.000 visiteurs de la première édition à l'hiver 2017-2018 ont été "une énorme surprise" et ont rapporté à la mairie un million d'euros.
Pour cette deuxième édition intitulée "Fééries de Chine" et axée sur la Route de la soie, "on s'attend à encore plus de monde, sachant qu'au 15 décembre 2018, on avait vendu près de trois fois plus de billets qu'à la même période l'année dernière", souligne le maire de Gaillac.
Bravant le froid, Vivien, 10 ans, et Noémie, 7 ans, sont là, eux, pour la deuxième année consécutive. A peine entrés dans le parc où se tient le festival sur plus de quatre hectares, ils se lancent à la recherche du dragon, talonnés de près par leurs parents amusés.
- Véritable manne touristique -
"Ce festival a créé un lien social fort entre les agents de la ville, les bénévoles, et les ouvriers chinois, 80 environ, qui sont venus à Gaillac monter les lanternes durant deux mois", affirme le maire.
En déambulant dans le centre de cette petite commune tarnaise, le visiteur se rend rapidement compte de l'importance de ce festival pour les habitants.
Sur les balcons privés, les vitrines des magasins, de coiffeurs, de bars, dans les supermarchés... la "chinese touch" avec ses lanternes rouges et ses dragons apparaît partout, éclipsant guirlandes et pères Noël.
Même la libraire à l'entrée de Gaillac a consacré toute sa vitrine aux oeuvres, romans, BD ou guides touristiques sur la Chine.
Car au-delà de l'aspect ludique du festival, cette arrivée massive de visiteurs bénéficie à l'ensemble des restaurateurs, hôteliers et commerçants de la ville et des alentours.
Pour Marion Duclot, directrice de cabinet du président de l'agglomération Gaillac Graulhet, le festival "agit sur l'image et l'attractivité " du territoire, créant une dynamique touristique et économique importante, notamment en cette période de l'année "habituellement creuse".
Les Gites de France du Tarn, partenaire du festival, ont vu leurs contrats plus que doubler en deux ans, "dans un département sans montagne, où l'hiver est généralement une saison morte".
"Pour la période allant du 1er décembre au 31 janvier, avant le festival, nous avions environ 230 contrats. Cette année, nous en sommes déjà à 585 (au 20 décembre) sur l'ensemble du département", indique à l'AFP Chantal Tichit, directrice du relais départemental (Tarn) de ce réseau d'hébergement chez l'habitant.
Pour Gaillac, il faut multiplier les chiffres par 3 ou 3,5, ajoute-t-elle.
Appuyée sur sa canne, mais les yeux écarquillés d'émerveillement, Simone en est certaine: "je reviendrai l'année prochaine avec mes petits-enfants".
にほんブログ村 外国語ブログ フランス語へ
フランス語の勉強?
あの日 わたしは〜証言記録 東日本大震災〜「福島県いわき市 小野輝男さん」
福島県いわき市の小野輝男さんは小名浜漁港近くで60年間、魚の干物店を営んできた。原発事故で苦しんだが、少しずつ漁が再開し、自慢の干物作りを復活させることができた。
戦後重大事件の新事実2018▼全日空ハイジャック&新幹線無差別殺傷事件
全日空ハイジャック事件「レインボーブリッジをくぐりたかった」▼三原山大噴火…1万人の全島避難!史上初の脱出作戦▼新幹線のぞみ殺傷事件▼広島脱獄囚23日間の逃走劇
2018年「東海道新幹線のぞみ無差別殺傷事故」  なぜ犯行に及んだのか?犯人の足跡を公開!現場では一体何があったのか?たった1人の決死の救出劇!乗客880人を守った英雄の素顔とは
1999年「全日空ハイジャック事件」
厳重警備の中、凶器を機内に持ち込んだ男!衝撃告白!「ジャンボ機を操縦したかった」地上219m!墜落寸前の機体を救えるか!?これまでテレビで明かされなかった! 独自取材で新証言  ◇番組HP http://www.tbs.co.jp/program/sengo-jiken_20181225.html


朝早いピーチで鹿児島空港へ.空港に着陸したとき2℃とアナウンスがあって確かに寒いです.
納豆となま卵のお昼ご飯のあと,クロネコヤマトがくるので・・・という連絡.でも時間になっても来ません.ピンポンの音聞き逃した?
晩ご飯は冷蔵庫にあったガレット.そしてミニシャンパン.

クリスマスイブを彩る復興花火 宮城・女川町
 女川町で24日夜、復興を願うおよそ3000発の花火が打ち上げられ、被災地のクリスマスイブを彩りました。
 まちの中心部で行なわれた女川町の花火大会。
 およそ3000発の大輪が夜空に咲きました。
 会場となった商店街には大勢の家族連れなどが訪れ、歓声を上げながら楽しんでいました。
 クリスマスイブを彩るこの打ち上げ花火。
 地元の観光協会などでつくる実行委員会が、JR女川駅前に商店街が開業した2015年以降、続けています。
 訪れた人たちは、冬の夜空を焦がす大輪に復興への願いを込めていました。


復興祝う神事に協力を 名取・熊野那智神社で20年ぶり「お浜降り」 CFで経費募る
 名取市内陸部の熊野那智神社が2019年5月、20年ぶりに神事「お浜降り」を執り行う。神社の由来にちなみ、沿岸部の閖上地区へみこしを運行する行事で、東日本大震災後に現地再建が進む閖上地区の「まちびらき」に合わせる。震災後に修復された「懸仏(かけぼとけ)」の収蔵庫建設費と共に、インターネットのクラウドファンディング(CF)で経費を募る。
 神社創建は719年。この3年前に閖上地区の漁師が海底からご神体を引き上げると、夜ごと内陸部の高舘山の方角が光を放つようになり、山上に祭ったことが起源とされる。お浜降りはご神体の里帰りのような神事だが、地域住民の高齢化などで1998年以降、行われていない。
 今回は創建1300年の節目で、復興達成宣言に向けた来年5月26日のまちびらき当日に実施。高舘山を早朝に出発し、市中心部の増田地区を経て閖上地区に向かう。
 以前は高舘地区の住民がみこしを担いでいたが、今回は復興を果たした市内の団結力を示すため各地区が協力する。みこしの修復費などで約300万円かかるとみられる。
 神社は併せて、国や宮城県の重要文化財に指定される懸仏155点の収蔵庫建設費も工面したい考え。仏の姿を表した金属板で神社の物置に掛けてあったが、震災の揺れで落下し、東北歴史博物館(多賀城市)などで修復された。耐火性のある収蔵庫を造って戻そうと計画するが、最大で6000万円が必要だという。
 井上幸太郎宮司は「お浜降りや懸仏は、地域にどれだけの歴史があるか知ってもらういいきっかけになる。協力をお願いしたい」と呼び掛ける。
 申し込みはCFサイト「レディーフォー」へ。目標は150万円で、神事開催費や収蔵庫建設費の一部に充てる。来年3月4日午後11時まで受け付ける。


<帰還困難区域>「昔の姿思い出して」福島・双葉、初発神社で氏子らしめ縄奉納
 東京電力福島第1原発事故に伴い全域避難が続く福島県双葉町の中心部にある初発神社に24日、新年を前に氏子らが新しいしめ縄を奉納した。東日本大震災の地震で傾いた社殿の修復も検討中で、氏子は「昔の姿を少しでも思い出してもらい、将来の帰町を考える人が増えればいい」と願った。
 長さ7メートル、太さ最大30センチのしめ縄2本を新調。氏子総代や地元行政区長らが県内の避難先から訪れ、社殿と鳥居に取り付けた。震災後の中断を経て、奉納が再開され4年目。
 社殿と鳥居は傾いたままで、ご神体もいわきに避難している。来年は社殿などを12年ごとに改修する式年遷座の年だが、実施は困難な状況。まずは修復を目指すが、帰還困難区域での作業は人件費なども割高になるため資金の確保が課題だという。
 しめ縄は氏子総代の栗田正さん(83)らが19、20日にいわきで編んだ。栗田さんは「昔の町の姿に戻るのは難しいが、神社はなくせない。しめ縄を作り続けたい」と話した。
 神社は帰還困難区域を住めるようにする特定復興再生拠点区域(復興拠点)の対象。町は2022年春ごろまでの拠点全域の避難指示解除を目指している。


<西日本豪雨>愛媛・宇和島の復興を観光で応援 伊達武将隊と巡るツアー参加者を募集
 仙台市の歴史姉妹都市で、7月の西日本豪雨で被災した愛媛県宇和島市の復興を観光面から応援するツアーが来年2月、愛媛県内で行われる。仙台市の観光PR集団伊達武将隊と一緒に現地を巡る参加者を募集している。
 2月22〜24日の2泊3日で、武将隊の伊達政宗ら3人が参加する。宇和島城や伊達博物館を訪れ、鯛(たい)めしなどの郷土料理を食べる。宇和島城では伊達武将隊が演舞を披露する。道後温泉散策(松山市)、瀬戸内海の潮流体験クルーズ(愛媛県今治市)もある。
 1人当たりの参加費は2人1室で8万4000円、1人1室で8万8000円。仙台空港発着。定員30人。仙台市が協力し、宮交観光サービスが企画した。申し込みは同社022(298)7765。


[火山原因の津波] 鹿児島湾も警戒が必要
 インドネシアのジャワ島とスマトラ島の間にあるスンダ海峡で22日夜、津波が発生し、これまでに300人近い死亡が確認された。行方不明者や負傷者も多数に上る。
 年末の休暇シーズンに当たり、ビーチで多くの観光客が被災したという。惨事に胸が痛む。新たな被害を出さないよう注意しながら、人命救助や被災者の手当てに全力を尽くしてほしい。
 気象当局はスンダ海峡にあるアナック・クラカタウ火山の噴火によって引き起こされたと確認した。火山噴火が原因のため、津波警報は作動しなかったという。
 津波は一般的に、地震によって海底の断層がずれ海水が大きく動くことで起きる。
 専門家からは、アナック・クラカタウ山は軟らかい地盤の上に固い地盤が載っているため滑りやすく、山体崩壊が起き、大量の土砂が海に流れ込んだ可能性が指摘されている。
 地震が発生していないにもかかわらず、津波が起きたことに驚く向きも多かろう。だが、海底の火山噴火によって津波が発生した例が過去にもあることを頭に入れておきたい。
 スンダ海峡にはかつて複数の火山の連なる島があり、1883年の大噴火では島の北側が水没。高さが最大40メートルともされる津波が発生し、推計3万人以上が犠牲になったことがある。
 インドネシア当局によると、アナック・クラカタウ山は6月以降噴火を繰り返し、今月22日にも噴火した。噴煙の高さは山頂から約300〜1500メートルまで達したという。
 日本国内では桜島(1780〜81年)、北海道の駒ケ岳(1640年)と渡島大島(1741年)などの例が知られている。
 鹿児島湾沿いでは特に、桜島噴火による津波への警戒を怠ってはならない。
 県地域防災計画によると、1779年に始まった桜島の安永噴火で80、81年は海底噴火などに伴う津波があり、81年の死者・行方不明者は15人を数えたという。
 こうした史実も踏まえ、県は桜島の海底噴火に伴い桜島・高免地区で最大で12.8メートル、対岸の鹿児島市で6.6メートル、姶良市で7.7メートルの津波が発生すると想定している。発生源が鹿児島湾内のため、陸地への津波の到達時間が極めて短いことも特徴である。
 鹿児島湾沿いに住居や職場がある人は、県のホームページなどで改めて予想される津波の大きさや到達時間を確認してほしい。
 インドネシアでの被害をわが事として捉え、教訓にしたい。


<18みやぎ回顧>(8)旧優生保護法国賠訴訟 人権尊重を社会に問う
 東日本大震災から8年目となった2018年、宮城県内では行政に対する信頼をゆるがせるミスやトラブルが相次ぎ、尊い人命が失われる事件や事故も後を絶たなかった。紙面を飾った主な出来事を、最前線で取材に当たった記者が振り返る。

 11月中旬、旧優生保護法国家賠償仙台訴訟の原告で、県内に住む飯塚淳子さん(70代、活動名)の自宅を訪ねた。居間には、小包大のガラスケースに入った和紙細工の「桜」が飾られていた。
 同東京訴訟の原告となった県出身の男性(75)=東京=からの贈り物だという。「何かお返しをしなきゃ」と思いを巡らす飯塚さんはいつになく、楽しそうに見えた。
 後日、男性に会う機会があり、和紙細工のことを尋ねた。昔から趣味で作っていて「最初は桜のつもりだったが、亡くなった妻に『梅にしか見えない』と言われて梅になった」という。「飯塚さんは『桜をもらった』と喜んでいましたよ」と伝えると、照れくさそうに笑った。
 梅も桜も、春を象徴する花だ。2人をはじめ理不尽な生を強いられた人たちにとって、訴訟が「冬の終わり」につながってほしいとの思いを和紙細工に重ねた。
 「人生を返してくれ」。取材の度、飯塚さんと男性は何度も口にした。2人は4日に発足した全国組織「優生手術被害者・家族の会」の代表に就いた。子を持つ体を永遠に奪われた絶望を分かり合える出会いは、お互いに救いだったろう。
 飯塚さんは旧法廃止翌年の1997年から被害を訴え、国に謝罪と補償を求めてきた。子を産めない体を敬遠され、3度の離婚を経験。屈辱的な手術を受けた日を思い出すと、今でも怒りで声が震える。
 10日に与野党が示した救済法案の基本方針で、おわびの主体は「国」でなく「われわれ」とされた。過ちは取り返しがつかないが、せめて手術を推進した国に明確に謝ってほしい−。飯塚さんらの切なる願いだ。
 仙台地裁への全国初の提訴から約1年。原告は現在、全国6地裁で計15人に上る。
 時代背景を理由に「今更なぜ訴訟を」といぶかる向きもあるが、悲痛な人生を歩んできた当事者の声に耳を傾けてほしい。問われているのは、基本的人権に私たちの社会がどう向き合うかだ。誰もが差別や偏見の加担者にも、被害者にもなり得る。(報道部・横山勲)
[メモ]旧優生保護法は1948年施行。96年に母体保護法に改定されるまで障害者らへの強制不妊・避妊手術を認めていた。今年1月、知的障害を理由に手術を強いられた宮城の60代女性が全国初の国家賠償訴訟を仙台地裁に起こし、飯塚さんも5月に提訴した。


河北抄
 イルミネーションの競演に華やぐ仙台市の繁華街。この冬、軒先に並ぶ77張りの白い提灯(ちょうちん)がその仲間入りをした。青葉区一番町の「魅知国定席(みちのくじょうせき)花座」。
 4月にオープンした定員40人の小ぶりな寄席だが、提灯の明かりがすっかり街に溶け込んでいる。「常連さんは60歳を超えるような方々でしょうか。知らず知らず暮らしが厳しくなっていく中で、心をパッと照らす大衆演芸に癒やしを求めているようです」。花座の代表を務める白津守康さん(57)が語る。
 寄席をのぞくと、年配の女性の姿も目立つ。滑稽話のオチに体を折り曲げて腹を抱え、人情話にはハンカチでそっと目の辺りを押さえる。
 旗揚げを陰で支えたのは、7月に亡くなった名誉館長の桂歌丸師匠。「厳しい状況だからこそ、笑いが欠かせない。東日本大震災の被災地を落語で元気づけたかった」という熱い思いだった。
 まるで、世話物の噺(はなし)を地で行くような歌丸師匠の人情味。師走の街にたたずむ提灯のぬくもりが、ほのぼのと人懐っこい師匠の笑顔に重なる。


総崩れの原発輸出 官邸・経産省の責任は重い
 安倍政権が「成長戦略」の柱に据える原発輸出事業が、総崩れの様相を呈している。
 東京電力福島第1原発の事故後、各国の安全基準が厳格化して建設コストが高騰したほか、反原発の意識も高まったことなどが原因だ。
 輸出事業は事実上、破綻したと言わざるを得ない。原発を巡る環境が激変したにもかかわらず、輸出の旗を振り続けた経済産業省と首相官邸の責任は重い。
 「もう限界だ」。日立製作所の中西宏明会長が、会長を務める経団連の定例記者会見で、日立の英国での原発新設計画について、継続は困難との認識を表明した。
成長戦略にはなりえず
 日立は政府と一体になって新設計画を進めてきた。英原発子会社を通じ、英中西部に原発2基を建設し、2020年代前半に運転開始するはずだった。
 しかし総事業費は安全対策費の増大で当初想定の2兆円から3兆円に膨らんだ。日立は、リスク分散のため大手電力会社などに出資を求めたが、採算性が悪化したために難航している。
 早期に利益を確保するため、英国政府に要請した電気の買い取り価格の引き上げも、欧州連合(EU)離脱を巡る英政界の混乱が手伝って行き詰まっている。
 事業を断念した場合、現地子会社に投資している日立の損失は約3000億円に達する見込みだ。
 安倍晋三首相とエルドアン大統領の親密な関係から始まったトルコへの輸出も暗礁に乗り上げている。
 三菱重工業などが、黒海沿岸に中型の原発4基を建設する計画は、耐震対策費などの増加で当初2・1兆円程度と見積もられていた総事業費が5兆円規模に増大した。
 両国政府による追加支援が不可欠になったが、トルコ政府と折り合えなかったとみられる。
 原発輸出は、安倍政権がアベノミクスの「成長戦略」の柱として、力を入れてきた。振り付けてきたのは経産省だ。
 同省は、原発を電源構成の柱のひとつと位置づけ、原子力産業の保護・育成を図ってきた。
 原発事故以降は、国内での原発新増設が見込めない中で、輸出によって原子力事業の規模を維持し、同時に関連技術や人材を継承するという思惑があった。
 しかし、原発事故を契機に、世界の潮流は変わっていた。
 安全対策を含めた原発の建設費が大幅に増大する一方で、太陽光発電などの再生可能エネルギーは、急速な普及拡大に伴ってコストを下げている。
 原発の相対的な価格競争力は低下している。もはや「安い電源」とは言えなくなっているのだ。
 国際エネルギー機関(IEA)によると、17年の全世界の原発新設投資は前年の3割にとどまった。世界的なエネルギー政策の流れは脱原発、再エネ重視に向かっている。
脱依存への転換が急務
 経産省の後押しを受けて米ウェスチングハウスを買収した東芝が、米国での原発事業に失敗し、巨額の負債を抱えたのは、こうした潮目を読み誤ったためと言えるだろう。
 原発輸出を巡っては12年に、リトアニアで日立の建設計画が国民投票で否決され、16年にはベトナムで、計画が白紙撤回された。
 インドとは、核不拡散の観点から不安視する声が出たにもかかわらず16年に、輸出を前提に日印原子力協定を結んだ。しかし、いまだに計画は具体化していない。原発輸出は、以前から行き詰まっていたと言わざるを得ない。
 そもそも、日本は史上最悪レベルの原発事故をひき起こし、数十年にわたる廃炉作業の道半ばにある。原発輸出を成長戦略の柱に据えることに対しては、国民の間からも根強い批判がある。
 そこで政府は、経済成長に伴って電力需要が急増する途上国に、低コストの電気を供給して貢献するという大義を掲げてきた。しかし、建設コストの高騰で、その大義も失われたわけだ。
 国内には、なお多数の原発が存在し、今後は廃炉作業も本格化する。優れた技術や人材は必要だろう。
 しかし、このまま原発輸出に執着していては展望は開けない。政府は、世界の潮流を見据え、速やかな脱原発に向けて原子力政策を抜本的に見直すべきだ。


高速炉開発 机上の空論政策転換待ったなし
 廃炉が決まった高速増殖炉原型炉もんじゅの後継機となる高速炉の開発について、経済産業省が、実用化の目標時期を従来の2050年ごろから先送りし、今世紀後半とする工程表をまとめた。
 原発から出る使用済み核燃料を再利用する核燃料サイクル政策の中核とされたもんじゅの廃炉で、政策の破綻は明らかだ。にもかかわらず、いつまでも高速炉開発に固執し、方針転換しない政府の姿勢には暗たんたる思いだ。工程表は具体性も実現性も乏しく、机上の空論と言わざるを得ない。問題の先延ばしを続けることは、将来世代への負担を増やすだけであり無責任に過ぎる。政府は一日も早く脱原発へかじを切り、放射性廃棄物の処分など残された難題に取り組まなければならない。
 高速炉は、高速中性子による核分裂反応でプルトニウムを効率的に燃やせる原子炉。工程表では、今後5年程度は、もんじゅと同じナトリウム冷却型だけでなく、重金属炉やガス炉といった幅広いタイプの技術開発を支援し、24年以降に採用可能な技術を絞り込むとしている。
 炉型も規模も示せない曖昧な工程表であり、全く容認できない。政府が高速炉開発から撤退できないのは、開発をやめればプルトニウム利用の見通しが一層不透明になり、使用済み核燃料からプルトニウムを取り出す青森県の再処理工場の建設を続ける根拠など、核燃料サイクル政策の整合性がとれなくなるからにほかならない。破綻した政策を取り繕うのはもうやめて、正面から向き合うべきだ。
 そもそももんじゅは、開発に1兆円以上かけたが、トラブルが続いて250日しか動かなかった。工程表では、さまざまな炉型で民間事業者による技術開発競争を促すとするが、ナトリウム型は、空気や水に触れると激しく燃えるナトリウムの取り扱いが難しく実現しなかった。ほかの炉型は海外でも開発の実績がほぼない。手を挙げる事業者がいるかどうか甚だ疑問だ。
 もんじゅの廃炉決定後に示された骨子案で、政府はフランスと実証炉「ASTRID(アストリッド)」の共同開発を進める方針だったが、ここにきてフランスが計画縮小を検討していることが分かった。東京電力福島第1原発事故を受けた安全対策費の増大や、再生可能エネルギーの普及で原発の競争力は弱まっている。世界で高速炉から手を引く動きが広がる中、日本も潮流を見誤ってはならない。
 政策を見直さないまま青森県で再処理を進めれば、行き場のないプルトニウムがさらに増える恐れが強まる。国内外には既に核兵器に転用可能なプルトニウムが約47トンある。核不拡散の観点からも日本の政策に国際社会から厳しい目が注がれていることを忘れてはならない。政府はこれ以上プルトニウムを増やさず、今ある使用済み核燃料の安全な処分に道筋をつけることこそ重要な責務だ。


高橋まつりさんの母親の手記全文
 まつりの幸せが全て奪われたクリスマスの日から3年が過ぎました。
 あの日までの24年間まつりの幸せが私の幸せでした。まつりと一緒に見る空の青、山の青、海の青、花の色、すべてが輝いていました。生まれる前から慈しみ育てた、自分の命より大切な娘に先立たれた悲しみと苦しみは言葉では言い表せません。まつりのいない今でもまつりのことばかり思い、まつりの名を呼んでいます。ちいさい頃から平凡な私を超え、自分の人生を自分で選び懸命に生きてきたまつり。電通での長時間労働とパワハラがなければ、今も元気で働き、好きな場所へ行き、美味しいものを食べ、大声で笑っていたはずです。いつものように「お母さん大好き」と言って抱きしめてくれたはずです。「どんなことがあっても大切な娘を守る」それができなかった私の苦しみは消えることはありません。
 電通は、まつりの生まれた年に社員の大嶋一郎さんが亡くなり「不幸な出来事が二度と起こらないよう努力します」と誓いました。しかしまつりの命が犠牲になりました。電通は再び労働環境の改革を誓いました。何十年も放置されていた大企業での取り組みは大規模なシステムの導入や業務の改善と適切な人員の配置、社員教育、かかる費用は膨大なものになるでしょう。不眠不休で命を犠牲にするビジネスモデルが異常で間違っていたと言う意識の改革が必要なのです。会社も社員も非常識な文化や成功体験を捨て改革の意識を共有して本気で取り組み、電通単体でだけでなく電通グループ全体で改善を行い、犠牲者を二度と出さないよう本気で取り組んでほしいと思います。
 昨年電通は労働基準法違反で罰金50万円の有罪判決を受けましたが、上司に関しては不起訴処分になりました。私は検察審査会に申し立てをしましたが、今年7月に不起訴相当が決定しました。他の管理職も同様な労務管理をしていてひとりだけ処分すると不公平になるからと言う理由がありました。サービス残業も深夜労働も労基法違反もみんながやっているから処分されないと言うのは納得できません。過労死を防止するためには労働基準法違反の罰則を強化する法律の改定が必要だと思います。
 働き方改革関連法が今年6月に成立し来年4月から施行されます。過労死、過労自殺を防止するには改革とは程遠いものだと思います。すべての業種職種で長時間労働やハラスメントをなくすような法改正や取り組みがなされることを望みます。人手不足や経済発展や国民的イベントが人の命を大切にしない理由として許されてはいけません。人の命は人件費と言うコストではありません。経営者や労働者、国民全ての人が意識を変えなければいけません。日本の社会全体で働く人の命と健康が守られることを望みます。まつりの死から働き方が変わった職場があると聞いています。世界がどんなに変わろうとまつりの苦しみは消える事はなく、まつりは人生をやり直す事はできませんが、まつりと同じ苦しみを持って生きる人をなくすため、過労死・過労自殺をなくすため、過労死等防止対策推進協議会委員としても微力ながら声を上げ続けていく決意です。


奄美復帰65年 琉球弧として共に発展を
 先の大戦後、米国統治下に置かれた奄美群島が1953年に日本へ復帰してから25日で65年の節目を迎えた。
 自治よりも米軍の運用が優先され、住民の人権がじゅうりんされた状況から脱しようと、復帰を目指した経験は沖縄と共通する。日本本土から切り離されたサンフランシスコ講和条約発効の日を、沖縄では「屈辱の日」と呼ぶように、奄美では「痛恨の日」と位置付けている。
 貧困や食糧難に耐えながら、住民の99%の署名を集め、断食で抗議するなど群島ぐるみの復帰運動は、住民が強大な米軍と対峙(たいじ)し、自治を獲得した貴重な歩みとして記憶にとどめなければならない。
 振り返ると、日本本土、奄美、沖縄がたどった歩みは分断の歴史である。奄美群島は1609年、琉球王国への薩摩侵攻により琉球から分割され、薩摩藩の支配下に置かれた。1879年の琉球併合(「琉球処分」)後は鹿児島県の一部となり、戦後は本土と切り離された。
 日本復帰後も沖縄在住の奄美出身者は「非琉球人」として外国人登録を義務付けられた。公職を追放され、参政権や財産取得権を奪われるなどの苦難を強いられた。
 元県教育長の津留健二さん(85)は高校時代に奄美群島で日本復帰を求める署名運動に参加し、琉球大の学生時代には沖縄の復帰運動に身を投じた。沖縄に母を呼び寄せる際には永住権取得に2年もかかり、大学卒業後は、琉球政府が設けた学校の教員になれなかった。
 津留さんは「戦争は奄美と沖縄を日本から切り離し、さらに奄美を沖縄から切り離した」と語る。こうした分断に伴う人々の苦しみを忘れてはならない。
 一方で、奄美と沖縄は苦難の歴史だけではなく、豊かな自然環境、唄・三線・踊りなどの伝統文化、ゆい(助け合い)の精神など共通の風土を有している。これら可能性に富む資源を今後に生かさない手はない。発展に向けて共に手を携えれば相乗効果も期待できるはずだ。
 奄美と沖縄は、日本復帰後の振興策で道路などのインフラ整備は進んだ。その一方で、島々から成るため物流コストがかかることや交通網の整備、過疎・高齢化、低所得、自治体の国への財政依存など共通の課題を多く抱えている。
 しかしお互い「2周遅れのトップランナー」と言われるように、飛躍のチャンスが見えてきた。入域観光客数は着実に増えている。11月に世界自然遺産への推薦が決まった「奄美大島・徳之島・沖縄島北部および西表島」の登録に向けた取り組みや観光ネットワークの形成、農林水産業の技術交流など連携して発展できる要素はいくらでもある。
 分断の歴史を乗り越え、新しい未来を切り開くためにも、同じ琉球弧として一体的に発展する構想や取り組みを一層推進する必要がある。


奄美日本復帰65年の集い
戦後、アメリカの統治下にあった奄美群島が日本に復帰して25日で65年になりました。
奄美市では地元の人たちが復帰運動の歴史と当時の苦労をしのびました。
25日は早朝から復帰運動の経験者や継承活動を行う団体のメンバーが復帰記念碑のある奄美市郊外のおがみ山に登り、復帰運動の中心を担った泉芳朗氏の銅像に献花しました。
奄美群島は終戦のあと、アメリカの統治下に置かれ、本土との行き来も禁止されました。
食糧も配給制度になり、慢性的な食糧不足に陥りました。
こうした中、泉氏らが中心となって復帰運動が興り、65年前に日本復帰が実現しました。
復帰運動の経験者らはこのあと名瀬小学校で開かれた集いに参加し、地元の小中学生らとともにこれまでの歴史を振り返りました。
このうち、89歳の奥山恒満さんは、当時は食料がなくソテツをかゆにして食べていたことや、密航で警察に拘束された経験などを語りました。
話を聞いた金久中学校2年生の喜村健太さんは「当たり前の生活に感謝し先人たちの思いを受け継いでいきたいです」と述べました。
最後は日本復帰の祝賀のために作られた歌、「朝はあけたり」を全員で合唱し、気持ちを1つにしていました。
復帰運動を経験した82歳の岡登美江さんは「復帰した日の喜びを再び感じました。最初の気持ちを忘れずに、歩ける間は活動を続けていきたいです」と話していました。


対日「FTA」  米に毅然とした対応を
 懸念されていた通りの展開だ。日本の対米貿易交渉は、戦略の練り直しが迫られている。
 米通商代表部(USTR)が対日貿易交渉に関し、為替操作の阻止や関税以外のサービス分野も対象に含める方針を発表した。包括的な自由貿易協定(FTA)を目指す姿勢が明確になった。
 農産品の市場拡大に向けた関税の削減や撤廃のほか通信や金融、自動車を巡る「非関税障壁」など22項目の協議事項が示された。新交渉は来年3月にも始まる。
 日本政府は包括交渉を否定し、交渉対象はモノに限定されるとして、目指す新協定を「物品貿易協定(TAG)」と呼んでいる。
 だが、そうした日本の立場は全く考慮されず、日本政府のもくろみは蹴散らされそうな状況だ。
 このうち為替操作の阻止については、日銀の大規模な金融緩和によって定着している円安ドル高まで影響を受けかねず、日本経済にとっては大きな痛手となろう。
 自動車に関して、米側は系列ごとに整備された日本のディーラー網などを「非関税障壁」と批判してきた。今回は日本車メーカーの投資拡大を念頭に、米国での雇用や生産の増加を求めた。
 米自動車業界などの強硬な意見が背景にある。対日貿易赤字は中国、メキシコに次ぐ規模で、その大半は自動車関連だからだ。
 今秋まで続いた北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉では、米国がメキシコ、カナダと2国間協議に持ち込んで譲歩を引き出し、関税ゼロで対米輸出できる乗用車の台数制限や為替条項を盛り込むことなどを盛り込んだ。
 多国間交渉と異なり、2国間は力関係が反映されやすい。日米関係は安全保障が絡むだけに、厳しい交渉となることは必至だ。
 日本は米の最新鋭戦闘機の大量調達を決めるなどの配慮もにじませているが、米側が軟化するとは思えない。むしろ、強い態度を示せば応じてくると理解されている面もあるのではないか。
 自由貿易の旗手を掲げる安倍晋三政権には、無理筋の要求に毅然(きぜん)と対応してもらいたい。その覚悟と手腕はあるだろうか。
 中国との「貿易戦争」など、米国の通商政策は力ずくが目立つ。自国に都合のよいルールを相手国に押しつけることで、競争力の弱さを補っているように見える。
 そうしたやり方は自由貿易を妨げるばかりか、長期的には国内産業の成長力を鈍らせる。結局は損をすることを米国は知るべきだ。


政権とメディアの独立性
★この1年、メディア独立性は保たれたのか。政権への忖度(そんたく)に拍車がかかったと感じる読者も多いことだろう。「共犯者たち」という韓国のドキュメンタリーが話題だ。約9年間にわたる李明博と朴槿恵政権の言論弾圧の実態を告発している。政権は国民の支持率を上げるため公共放送局KBSや公営放送局MBCに露骨な介入を開始。政権に批判的な経営陣は排除され政権に近い政治部系の幹部らが経営権を持つ。両局の労働組合はストライキで対抗するが検察に逮捕され解雇されていく。監督は12年にMBCを不当解雇された記者・チェ・スンホ。韓国のテレビ報道を骨抜きにした「主犯」とそれらに迎合した「共犯者たち」を追うものだ。★日本でも政治部はともかく社会部には気骨ある記者がいる。「自衛隊の闇組織 秘密部隊『別班』の正体」(講談社現代新書)の著者は共同通信編集委員・石井暁。歴代首相や防衛相も知らない防衛省内の秘密情報組織「陸上幕僚監部運用支援・情報部別班」とは何か。シビリアンコントロールに抵触しないのか、陸軍中野学校の流れを引く小平学校の心理戦防護課程を経て海外にまで拠点を置いていたのではないかと石井は取材を続ける。その動機は特定秘密保護法により都合の悪いことは秘密にできるという仕組みの危険さがあると石井は問うている。★検察は不起訴にしたものの、まだ謎の多い森友事件はもう終わったことなのか。元NHK大阪放送局司法キャップ・相沢冬樹が記者としての戦いをつづった「安倍官邸vsNHK」(文芸春秋)も読み応えある。相沢は他社との報道合戦よりも社内との闘いに苦悩する。東京の報道局長が政権に忖度してか報道させない、また特ダネも大阪だけの放送や骨抜きの原稿に書き直させられるなどが克明に記される。NHKは早速会見で「主要な部分において虚偽の記述が随所に見られるなど極めて遺憾」「報道局長の意向で報道内容を恣意(しい)的に歪(ゆが)めた事実はない」などと反応している。いずれも原稿にできなかった部分を書籍にして補完している。マスゴミかどうか、是非一読して判断して頂きたい。

河北春秋
 とても笑えなかった。桜田義孝五輪担当相の「自分でパソコンを打つことはない」という発言。素早く反応した米紙が、日本は高齢者の多くがパソコンを使っていないと指摘した。年老いた自分の両親がまさにそう▼総務省の情報通信白書によると、年代別のインターネット利用者は60代7割、70代5割、80代以上は2割。利用率が軒並み90%を突破し、ネットが生活のツールとなっている50代以下の各年代に比べ、確かに少ない▼その50代以下にネット接続時に何を使うか聞くと、スマホがパソコンを圧倒する。20、30代では保有率が90%を超え、既にスマホは情報通信手段のスタンダード▼市場調査業界は今、モニターがパソコン画面から回答する前提で作られたシステムを「スマホファースト」に転換する対応を急ぐ。新聞の全国世論調査も固定電話とスマホにかける併用方式が定着した▼11月の米中間選挙では、開票結果を翌朝の紙面に載せず「続きはネットで」と誘導した新聞があったという。スマホが普及すればするほど、日本でも十分あり得る話▼パソコンは使わない桜田氏だが「スマホは極めて便利なので毎日何回も使っている」。桜田氏より少し年上の両親も近々、携帯から機種変更するらしい。スマホファーストの足音が近づく。

新防衛大綱を見て思う…やっぱり「空母」の議論を避けるのは不自然だ 「あくまで防衛目的」とはいうけれど…
町田 徹  経済ジャーナリスト
SF小説の領域に…
先週火曜日(12月18日)、安倍内閣は新たな「防衛計画の大綱」と「中期防衛力整備計画」(中期防)を閣議決定した。その特色は、短い滑走で離陸して垂直に着陸できるアメリカ製の「F35B」戦闘機の購入を前提に、護衛艦「いずも」型2隻をこれまで自衛隊が保有していなかった「空母」に改装するほか、これまで防衛の対象ではなかった宇宙や、サイバー空間、電磁波を扱う電子戦でも戦える体制の整備を打ち出したことだ。
中国や北朝鮮、ロシアがサイバー攻撃を活発化したり、人工衛星の破壊力の向上に取り組んでいることを黙認できず、タブーだった分野やSF小説の領域にも踏み込む戦略を打ち出したことは、われわれ国民にとっても大きな“事件”と言わざるを得ないのではないだろうか。
そのコストは膨大で、国家予算の初の100兆円乗せの一因ともなった。その陰に、貿易赤字減らしに固執するトランプ米大統領への配慮の影が付き纏うのも事実だ。
筆者は防衛・安全保障についてはド素人の経済ジャーナリストだが、さすがに、今回の防衛大綱と中期防には無関心でいられない。本稿で読者とこの2つの重要文書を読み込み、その意味とコストを考えてみたい。
「統合機動防衛力」とはなにか
まずは、防衛計画の大綱と中期防の概略だ。防衛大綱は安全保障政策の基本方針で、概ね向こう10年間の防衛力や運用のあり方を示す。最初の大綱は、米ソ冷戦下の1976年に三木内閣が策定したもので、今回は5回目になる。
中期防は、防衛大綱に基づき、部隊の編成や、調達する装備のリスト、必要な経費などを定める5カ年計画だ。1985年に、中曽根内閣が策定したものが最初で、かつて防衛庁の内部資料だった「中期業務見積もり」を政府の計画に格上げした経緯がある。
これまでの代表的な大綱を列挙しておくと、1976年の大綱は、旧ソ連の侵攻を想定し、全国各地に自衛隊を満遍なく配備する「基盤的防衛力構想」を提唱。民主党政権下の2010年大綱は、中国を意識して南西諸島防衛を重視する「動的防衛力」を掲げた。前回2013年の大綱は安倍政権がまとめもので、北朝鮮も念頭に置き、陸海空の一体運用を意識した「統合機動防衛力」を打ち出したのが特色だった。
これらに対して、今回の大綱は、空母の保有や、宇宙、サイバー、電子戦の能力整備も打ち出したのが特殊だ。防衛省は、それらを総括して「多次元統合防衛力の強化」と呼んでいる。
日本を取り巻く国々の動向について、政府は大綱で次のような認識を明らかにしている。まず、米国は、同盟国やパートナーに対し、責任分担の増加を求めており、NATO(北大西洋条約機構)加盟国は国防費を増加させているという。
一方、中国については、「安全保障上の強い懸念、注視していく必要がある」と断定。軍事力を質・量の両面で広範かつ急速に強化させており、中でも相手の指揮系統の混乱を可能とするサイバー領域や電磁波領域、対衛星兵器の開発を始めとする宇宙領域など、新たな領域を重視していると強い危機感を表した。
リアルの世界でも、東シナ海を始めとする海空域において、軍事活動を拡大・活発化させており、特に「わが国領土の尖閣諸島周辺においては、断続的な領海侵入を行っている」ことや、「太平洋や日本海においても軍事活動を拡大・活発化させている」ことを指摘した。
中国外務省は、こうした防衛大綱に対し、担当者が即日記者会見し、「中国の脅威をあおる日本のやり方に強烈な不満と反対を表明する。日本にはすでに厳正な申し入れをした」と不満をあらわにした。
「見せ金」
大綱に話を戻すと、次が北朝鮮で、こちらも「重大かつ差し迫った脅威」と位置付けた。近年、弾道ミサイルの発射を行い、能力を急速に強化していて、核兵器の小型化・ 弾頭化を実現しているとみられる。また、サイバー領域でも、大規模な部隊を保持、軍事機密の窃取や他国の重要インフラへの攻撃能力を開発しているとみられる、と脅威を列挙している。
最後が、ロシアだ。「北方領土を含む極東においても軍事活動を活発化させる傾向があり、動向を注視していく必要がある」と結んでいる。
そのうえで、大綱は防衛の基本方針として、「日本国憲法の下、専守防衛に徹し、他国に脅威を与える軍事大国にならないとの基本方針に従い、文民統制を確保し、非核三原則を守ってきた。今後も、平和国家としての歩みを決して変えない」「核兵器の脅威を念頭に、日米同盟および安全保障協力を強化していく」「総合ミサイル防空を含む我が国自身の取組を強化する」などとする一方で、「同時に、長期的課題である核兵器のない世界の実現へ向けて、核軍縮・不拡散のための取組に積極的・ 能動的な役割を果たしていく」とバランスをとった。
そして、いわば今回の目玉である「多次元的防衛力」に移る。そこでは、「宇宙・サイバー・電磁波を含む全ての領域における能力を有機的に融合するクロス・ドメイン(領域横断)作戦で、平時から有事まで柔軟かつ戦略的な活動を可能とする」という方針を掲げた。
通称「お買い物リスト」の中期防の特色は、対日貿易赤字の削減を声高に叫ぶトランプ大統領への配慮から、米国製の防衛装備品がずらりと並んだことだ。
なかでも高額なのは、ロッキード・マーチン社製のレーダーなどに探知されにくい最新鋭ステルス戦闘機「F35」の追加購入だ。F35にはすでに国内配備しているA型と、前述の短い滑走で離陸し垂直着陸できるB型がある。
中期防の決定に合わせて、今回A、Bあわせて105機を追加で購入し、2011年に導入が承認されていた42機とあわせ、147機とする方針を決定した。ちなみに、F35は1機がおよそ100億円で、トータルは1兆円を超す計算だ。5年間の中期防期間の間には45機を購入することになっている。
F35以外にも、陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」が2基で2400億円超の予算を必要とする。さらに、ノースロップ・グラマン社製の早期警戒機「E2D」を9機、ボーイング社の新型空中給油機「KC46A」を4機、それぞれ購入する。いずれも1機200億円を超える高価な買い物だ。
こうした大盤振る舞いの結果、中期防は2019〜23年度の防衛費の総額を27兆4700億円になるとした。これは現行の中期防に比べて3兆円近い増額で、過去最大の規模である。
さらに、「見せ金」とでも言うべき予算枠を初めて作ったのも特色だ。中期防の5年間に契約が可能な「装備品取得枠」がそれで、規模は17兆1700億円に達する。政府は5年間で支払いきれない「後払い分」も含めて全体を管理するため、このリストを策定したと説明している。が、米国から、新たな防衛装備品をふんだんに買う意思があることを示す狙いが露骨だろう。
その背景にあるのが、対日貿易赤字を問題視する、トランプ政権への配慮だ。新たな貿易協定交渉を控えているものの、来年夏の参議院議員選挙の前に農業分野などでの譲歩は難しいという事情もあって、防衛装備品の購入拡大で赤字解消に協力する姿勢を示したいという、首相官邸の意向が強く働いたとされる。
やっぱり説明不足では
具体的な装備、部隊、装備に話を進めよう。
何といっても大きな話題になったのが、護衛艦「いずも」の事実上の空母化だ。ポイントは、短い滑走で離陸し、垂直に着陸できるアメリカ製のステルス戦闘機「F35B」が離発着できるように、甲板を強化する改修が決まったことにある。
これまで歴代の政権は国会で、他国に壊滅的な破壊をもたらす能力を持つ「攻撃型空母」は憲法上保有できない、と答弁してきた。このため、公明党が与党協議で過去の答弁との整合性を問題にする一幕があった。
結局のところ、政府は「あくまで防衛目的」と強調し、中期防にも、あえて「従来の政府見解には何らの変更もない」と明記してみせた。
さらに、常時戦闘機を搭載することはせず、太平洋の防空や警戒監視などで必要な場合に限定して、「空母」として運用するとし、いずも型の2隻は今後も「ヘリコプター搭載型護衛艦(DDH)」に分類し続けるという。
次が、宇宙、サイバー、電磁波を使った電子戦の能力向上だ。強化の背景には、あらゆるモノがネットワークでつながる現代戦においては、新領域を絡めた「ハイブリッド戦」が主流になっていることがあるとし、大綱はこうした領域で「優位性を獲得することが死活的に重要」と強調している。
そのうえで、宇宙分野では「専門部隊を航空自衛隊に新設する」とした。
サイバー領域では、2023年をメドに防衛相直轄の統合部隊を新たに作り、現状は150人程度のサイバー防衛隊を大幅に拡充、500人体制を目指す。
電子戦では、相手のレーダーや通信を電磁波で使えなくする能力を強化することがポイントで、統合幕僚監部と内部部局に専門部署を設け、陸自にも電磁波作戦部隊を置くという。
今回の大綱や中期防の見直しは、宇宙やサイバーを含む中国や北朝鮮の軍事力の強化・高度化に対応しようというものだ。経済学の分野でも、小さな政府を意味する夜警国家でさえ、国防が国家の重要な役割と位置付けられてきた現実を考えると、相手が強化している分野で対抗できる力を整備するのは必要な事なのだろう。
中国軍の東シナ海や日本海、太平洋と言った海洋への進出が露骨である以上、いずもの空母化にも、筆者は異を唱える意図は毛頭ない。
しかし、専守防衛という歯止めのせいか、敵基地の攻撃能力の保有を引き続き打ち出さないためか、その狙いはわからないが、あくまでもいずもを攻撃型空母と呼ばないというのはレトリックが過ぎるのではないか。
避けて通れない議論を避ければ、今後、あるべき防衛力の整備を追求する制約になるのではないかと気掛かりである。


防衛予算/拡大路線でいいのか
 2019年度当初予算案の防衛費は、米軍再編関係費などを含め5兆2574億円と過去最大を更新し、第2次安倍政権の発足以降、7年連続の増額となった。
 政府は先に決定した新たな防衛力整備の指針「防衛計画の大綱」に伴う19年度からの次期中期防衛力整備計画(中期防)で、今後5年間の防衛予算の総額を27兆4700億円程度と決めた。18年度まで5年間の中期防の24兆6700億円から3兆円近い増額で、これも過去最大となる。
 次期中期防で増大する防衛費の初年度となる19年度の予算案で特に目立つのは、高額の米国製防衛装備品の購入が並ぶことだ。装備品の調達ではローンによる分割払いという「後年度負担」の仕組みが使われ、ローン残高は膨れ上がっている。
 新たな防衛大綱は、日本を取り巻く安全保障環境が「格段に速いスピードで厳しさと不確実性を増している」と強調。19年度予算案でも宇宙、サイバーなどの新たな領域への対処や最新鋭の装備品の調達を盛り込んだ。しかし厳しい財政事情もある中、防衛費はこのような拡大路線のままでいいのか。予算案の国会審議では、厳しい精査と歯止めの議論が求められる。
 防衛省は19年度予算案で、ミサイル防衛のため秋田、山口両県に配備を計画している地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」2基の取得関連費1757億円や、6機の最新鋭ステルス戦闘機F35Aの取得費681億円など高額の米国製防衛装備品を並べた。
 これらの装備品は米国が示した見積金額や納期を日本が受け入れ、後で精算する「対外有償軍事援助(FMS)」の仕組みで購入される。FMSによる購入は近年、急激に増えており、14年度までは2千億円に満たなかったのが、19年度は約7千億円と過去最大となる見込みだ。
 トランプ米大統領は対日貿易赤字問題と絡めて、日米首脳会談などの度に米国製の防衛装備品の購入を迫り、安倍晋三首相もそれに応じる姿勢を示してきた。防衛省は「最新鋭の装備品を調達するため結果的にFMS購入が増えた」と説明するが、米国の言いなりになっているのではないか。
 例えば、イージス・アショアは当初1基当たり約800億円とされていたが約1200億円に膨れ上がった。これに加えて、さらに維持・運用費などが必要となる。
 F35戦闘機について政府は、防衛大綱で事実上「空母」化への改修を認めた海上自衛隊の護衛艦「いずも」への搭載が可能なF35Bも含め105機を追加購入、将来的には計147機体制とすることも決めた。追加の購入費用は1兆円を超える見通しだという。大盤振る舞いの余裕が日本の財政にあるだろうか。
 中期防では、徹底したコスト管理や効率的な調達などで、5年間の防衛予算を縮減し、25兆5千億円程度を「目途」にするとした。後年度負担を抑制するためとして、新たな装備品の購入などに充てる「物件費」の上限を初めて中期防に書き込み、17兆1700億円程度の「枠内」にすることも明記した。ただ縮減の目標はあくまでも「目途」でしかない。本当に実現できるのか。厳しい取り組みを求めたい。


防衛計画の大綱◆「専守防衛」の有名無実化だ◆
 安倍政権の軍備拡張路線が鮮明になった。閣議決定した新たな「防衛計画の大綱」と中期防衛力整備計画は宇宙、サイバー、電磁波といった新領域への対応を前面に打ち出し、憲法に沿った「専守防衛」を有名無実化する装備が並んだ。重大な問題をはらんでいる。
 F35B最新鋭ステルス戦闘機を想定し、短距離離陸と垂直着陸が可能な戦闘機を導入。これを艦上で離着陸させるために護衛艦「いずも」も改修する。この二つを一体運用すれば、自衛隊は外洋で他国への攻撃が可能になる。集団的自衛権の行使を認めた安保法制に続き、憲法改正を先取りした既成事実の積み重ねと映る。
他国の不信招く詭弁
 これまで政府は、憲法で認められる「自衛のための必要最小限度の範囲」を超えるとして「攻撃型空母」を保有しない方針を貫いてきた。岩屋毅防衛相は「航空機を時々の任務に応じて搭載するのは、決して攻撃型空母に当たらない」と説明。呼称は「空母」ではなく、従来の「多機能の護衛艦」とした。これは詭弁(きべん)ではないか。
 常に搭載しなくとも、自国を守るためだけに戦う専守防衛を超える能力であることに疑いの余地はない。敵の射程圏外から反撃できる長距離巡航ミサイルの導入も同じで、「敵基地攻撃能力」である。しかし、政府はその文言を盛り込んでいない。実態があるのに否定する姿勢は国民を欺くばかりか、他国からの不信を招く。
 大綱の基本概念に掲げた「多次元統合防衛力」にも疑問符が付く。陸海空に宇宙、サイバーといった新領域を加え、一体運用を目指すといい、安倍晋三首相は「陸海空という発想から完全に脱却し、従来とは抜本的に異なる速度で改革しなければならない」と力説した。
外交で埋める努力を
 だが、陸海空各自衛隊の定員や予算配分は硬直的だ。陸自の定員は15万人で、4万7千人近くの空自と4万5千人超の海自をしのぐ。予算配分も陸自4割強、海自と空自が各3割弱の比率は大きく変わらない見通しだ。
 海と空での抑止に比重が移っているのに、陸自にこれだけの要員と予算を配分する必要があるのか。陸海空各自衛隊の縦割りに切り込む抜本的な改革こそ不可欠だ。
 見逃せないのは、米政府の対外有償軍事援助(FMS)に基づく米国製装備品の大量購入だ。米側の提示額を日本が受け入れる仕組みで、最長10年に及ぶ分割払い。このまま米側の売り込みに呼応して買い続ければ自転車操業が加速し、社会保障をはじめ国家財政に重大な影響を及ぼすだろう。
 安倍政権では中国の軍事的な台頭に対応する必要性を説く声が強いが、その軍拡に合わせていれば日本の防衛費は際限がなくなる。軍事力の差は外交の力で埋めていくべきだ。専守防衛を逸脱せず、身の丈に合った防衛力を整備しない限り、日本は国防偏重のいびつな国家になりかねない。


ノーム・チョムスキー氏「恥ずべき行為」 土砂投入に海外識者ら日米批判
 【平安名純代・米国特約記者】名護市辺野古の新基地建設を巡り日本政府が14日に強行した埋め立て区域への土砂投入に、欧米の識者らから批判が相次いでいる。
 言語哲学者のノーム・チョムスキー氏(マサチューセッツ工科大言語学名誉教授)は土砂投入について「沖縄の人々や米国人にとって、暗澹(あんたん)とした瞬間だ。人々の圧倒的な反対にもかかわらず、基地建設を進めるという決断は恥ずべき行為だ。この世の中で必要とされている紛争の平和的解決の可能性を損なうものでもある」と述べた。
 米平和団体「ピースフル・スカイズ連合」のキャロル・ミラー会長は、「米国は米軍が民主主義と自由を守っていると米国民に伝えているが、普天間飛行場移設計画は、ペンタゴン(米国防総省)が他国でも民主主義を破壊していることを示している」と批判。「沖縄の基地は縮小し、沖縄の人々に返すべきだ。米軍基地が沖縄を占領する時代は終わった」と強調した。
 北アイルランド問題の平和的解決への取り組みでノーベル平和賞(1976年)を受賞したマイレッド・マグワイア氏は、工事を強行する日本政府について、「アジア太平洋地域の米軍の増強を支持する日本政府の姿勢を注視している。軍事化が進むと人々や環境が危険にさらされ、暴力的な紛争の可能性も高まる」と警鐘を鳴らした。


日本語教育 機会の保障欠かせない
 社会をともに担う存在として、日本に住む外国人の人権をどう守り、支えるか。外国人労働者の受け入れを拡大するにあたって、制度と態勢の不備があらためて浮き彫りになっている。その一つが日本語を学ぶ機会だ。
 日本で暮らす外国人は既に250万人余に上る。言葉が通じないために地域や職場に溶け込めず、孤立してしまうことも多い。
 日本語を学べる場は限られている。市町村や市民団体が運営する教室で地域の住民らがボランティアで教えている場合が大半だ。政策として受け入れを進めるなら、一定時間の学習機会を確保することが欠かせない。
 並んで重要なのは、学校での日本語教育だ。公立学校で日本語の指導を必要とする子どもはおよそ4万4千人に上る。その2割以上が指導を受けられずにいる。担当できる教員がいない、時間が取れない、といった理由である。
 指導自体も十分ではなく、教科の授業についていけない子どもが多い。高校受験の壁は厚く、進学しても中退する場合が目立つ。大学などへ進む割合も、高校生全体の平均を大きく下回っている。
 日本語の力が足りないために、学ぶことを諦めざるを得ない状況を見過ごすわけにいかない。教育を受ける権利は、国籍にかかわらず、すべての子どもに保障されなくてはならない。
 何より欠かせないのは、日本語の指導を学校教育に明確に位置づけることだ。専門の教員がいない現状も改める必要がある。
 専任で日本語を教える教員を独自に採用する自治体も出てきた。学校、地域の実情に応じて教員や補助者を置けるよう、国は財政面などで下支えする仕組みを設けるべきだ。それをせず、過重労働で疲弊する学校現場にさらに負担を強いても状況は改善しない。
 また、学校に通っていない学齢期の外国籍の子どもが大勢いると指摘されている。実態の把握を怠って、置き去りにすることがあってはならない。差別や排除は社会の分断につながる。
 日本語教育の基本法を議員立法で制定する動きがある。既に原案をまとめ、来年の国会で成立を目指している。国と自治体の責務を明確にすることは意義がある。
 外国人受け入れについての政府の総合対応策案は、題目を並べただけで具体性を欠く。日本語を学ぶことは、この社会で暮らしていく基盤をつくることだ。機会を保障する制度と態勢を整えることをおろそかにはできない。


あおり事故判決 悪質運転の根絶図らねば
 危険な悪質運転の根絶に社会全体が一層力を注ぐ。判決をその契機と捉えたい。
 高速道路で、あおり運転を受け、無理やり停車させられた夫婦が後続車に追突され死亡した事故の裁判員裁判で、横浜地裁は危険運転致死傷罪の成立を認め、被告の男に懲役18年の判決を言い渡した。
 最大の争点は、自動車運転処罰法に規定のない停車後の事故でも危険運転致死傷罪が適用されるかどうかだった。
 地裁は被告のあおり運転と夫婦の死亡には因果関係があると認定し、危険運転致死傷罪が成立すると判断した。
 事故はあおり運転が社会問題化するきっかけとなった。判決は、身近に潜むあおり運転の危険性に対する問題意識の高まりを反映したものといえる。
 判決によると、被告の男は昨年6月、神奈川県の高速道路で静岡市の萩山嘉久さん一家のワゴン車に妨害行為を繰り返し、追い越し車線上で停車させた。
 その後の大型トラックによる追突で萩山さんと妻友香さんを死亡させ、同乗の娘2人にけがをさせた。
 判決が重視したのは、4度の進路妨害を繰り返し、交通量の多い高速道路で停車させたあおり運転の悪質さだ。
 停車させたのもその後の暴行なども、駐車方法を注意されたことを逆恨みし、被害者の車を停車させ文句を言いたいとの一貫した意思による妨害行為の延長線上にあると位置付けた。
 裁判長は「死傷の結果は妨害運転によって現実化した」と述べた。
 刑事裁判には法に規定がない処罰は科せられないという罪刑法定主義の原則がある。現行法には強制停車の処罰規定が明確ではない。
 そうした中で、被告の一連の行為を検証した上で、危険運転を認定したものだ。
 判決は、停車は罪の実行行為であるとする検察側の主張を採用しなかった。法解釈を不必要に広げないようくぎを刺したといえる。
 判決後会見した裁判員の女性は「毎日葛藤していた。今でも気持ちの整理がつかない」と複雑な胸中を明かした。難しい判断だったことをうかがわせた。
 専門家からは罪刑法定主義の観点から判決に異論が出ている。法改正を求める意見もある。
 悪質な運転による悲惨な事故が起きるたび、危険運転を処罰する法の改正が繰り返されてきた。多くのドライバーや国民に密接に関わる問題だ。しっかりと対応を進めたい。
 取り締まり強化や法改正による厳罰化にとどまらず、根絶に向けた対策について幅広く検討していくことも求められよう。
 両親を亡くした17歳の長女は法廷への意見書で「悔しい」と悲痛な心情を吐露した。あおり運転の関心が高まり、減少している現状に「両親の死が無駄でなかったのはせめてもの救い」と記した。
 遺族の無念の思いを決して忘れてはならない。


哀れ都民ファ&国民民主…西東京市議選で救いがたい不人気
 来年は4月に統一地方選、夏に参院選が予定されているが、東京都の西東京市議選でそれを先取りするような選挙結果が出た。
 東京・練馬区に隣接し、池袋駅から電車で20分程度の西東京市は、都心で働くサラリーマンのベッドタウン。その時々で投票先を変える無党派層が多い地域だ。23日投開票だった市議選の投票率は36.84%(前回40.77%)で、過去最低を更新した。
 そんな中、注目だったのは、小池百合子都知事が事実上率いる地域政党「都民ファーストの会」の凋落ぶりと「国民民主党」の不人気ぶりである。
■5人落選の4人が関係者
 市議選は定数28に対し33人が出馬。つまり落選したのは5人だけなのだが、そのうちの4人が都民ファ関係者だったのである。しかも3人は現職だった。
「都民ファ公認の1人(現職)は、ポスターに小池都知事の顔写真を載せ、小池支援を前面に打ち出していましたがダメでした。無所属で出馬して落選した2人(現職と新人)は地元に2人いる都民ファ都議の支援を受けていました。国民民主党公認で出馬した1人(現職)も落選し、この候補も都民ファ都議の支援を受けていました」(地元関係者)
 都議選での大旋風から1年半。定数28の市議選でわずか1人の公認候補すら当選させられない都民ファは、もはや政党の体をなしていないし、哀れと言うしかない。
 玉木雄一郎代表が率いる国政政党の国民民主党も悲惨だ。国民公認で戦った候補も1人だけで、それすら当選させられなかった。ちなみに立憲民主党公認の2人はいずれも当選した。
「都民ファの看板は、通用しないどころか逆効果であることがハッキリしました。都議会にも衝撃が走っていて、早晩、都民ファは分裂するのではないか。既に、次期都議選を睨んで、自民党への移籍を希望する都民ファ都議も出てきています」(都政関係者)
 国政では、衆院で先週、無所属の会の6人が立憲会派に入会を決め、参院では25日にも、無所属の4人が新たに立憲に入党する見通し。衆参ともに立憲へ雪崩を打つ動きが止まらない。
 来年の選挙、小池と玉木にはつらい結果が待っていそうだ。


デスク日誌 埋まらぬ格差
 政治、経済面の記事に合わせて配信される写真の多くは記者会見するおじさん、またはその2ショットや集合写真。記事の登場人物が男性ばかりだからだ。
 翻って国際面。EU離脱を巡り窮地のテリーザ・メイ英首相や、今期限りの引退を表明したアンゲラ・メルケル独首相が連日登場、さらにメルケル氏の後継となる党首も女性だ。
 女王や女帝が君臨してきたお国柄のせい? いやいや韓国には大統領がいたし、ニュージーランド首相は出産して産休も取った。
 国のトップでなくても、ニッキー・ヘイリー米国連大使は国際社会に自国の立場を主張。彼女の後任も女性だ。米大統領報道官サラ・サンダース氏や、中国外務省の華春瑩(かしゅんえい)副報道局長は記者会見でおなじみ。北朝鮮の崔善姫(チェソンヒ)外務次官は対米交渉で動向が注目される。対外的な発信の場にいるだけで印象が強い。
 世界経済フォーラムの男女格差報告で、日本は今年もG7でどんけつ。河野太郎外相は9月、各国の女性外相らが集った会議に招かれ、安倍政権の女性活躍社会実現に向けた取り組みを紹介したという。ブラックジョークだろうか。 (整理部次長 阿久津康子)


「THE Wが面白くない」のは女芸人のせいじゃない! お笑い界とテレビの男尊女卑体質が女芸人を歪ませている
 12月10日に放送された『女芸人No.1決定戦 THE W』(日本テレビ)をめぐって各所で議論が紛糾している。
 たとえば、有吉弘行は16日放送『有吉弘行のSUNDAY NIGHT DREAMER』(JFN)のなかで、「『M-1グランプリ』の賞金1000万で、『THE W』の賞金1000万って、ちょっと釣り合ってないよ。賞金は100万にしなきゃだめだよ、マジで。来年からいい加減にしないと」と発言。お笑いコンテストとしていま最も権威とポピュラリティのある『M-1グランプリ』と賞金が同じなのはおかしいと主張した。
『THE W』に関しては、他にも批判的な意見が続出している。
 15日放送『土曜ワイドラジオTOKYOナイツのちゃきちゃき大放送』(TBSラジオ)で塙宣之(ナイツ)は、「“女性のこと”をネタにする人が多すぎる」「女性の『彼氏がいなくて……』という内容はバラエティ番組のひな壇でやって欲しい」「ネタはネタでちゃんとつくった方がいい」と、『THE W』を振り返った。
 有吉や塙のような同業者のプロの芸人のみならず、『THE W』に関しては一般視聴者からも低い評価が多く、SNSでも「『M-1』と違って笑えなかった」「女芸人は面白くない」といったコメントが大量に投稿されている。
 ネタの内容についての批判が出ること自体はいいことだ。日本の笑芸の発展のためにも、むしろ積極的に意見が交わされてしかるべきだろう。
 しかし、気になるのは、『THE W』をめぐる言説のなかに「ネタそのものへの評価」とはまったく違う「女性蔑視」の考えが垣間見えることだ。
 有吉の「釣り合ってないよ。賞金は100万にしなきゃだめだよ」という発言はその典型だろう。
 だいたい賞金の金額で、賞の価値をうんぬんすることがナンセンスだが(それをいうなら、芥川賞・直木賞の賞金は100万円、水嶋ヒロが受賞したポプラ社小説大賞の賞金は2000万円だ)、有吉の発言には加えて「所詮面白くない女芸人のコンテストに金なんてかけるな」という意識が透けて見える。
 しかし、ネットでは有吉の意見に同調する声も多く、賞金を10分の1にするどころか、「そもそも女性芸人だけのコンテストがいらない」「男性芸人だけのコンテストはないのに」と女性芸人のコンテストの存在意義そのものに疑義を呈する声まである。議員や会社役員などの一定数を女性に割り当てるクォータ制を「逆差別」などとする批判と同根のものだろう。
 タカ派オヤジ紙である夕刊フジ(12月22日)にいたっては、『THE W』批判に便乗して、「今の女性芸人で単独でしっかりと笑いがとれるタイプは少なく、中堅から若手では友近ぐらいでしょう。あとは集団芸のような形になってしまう。先日、大勢の女性芸人と明石家さんまが旅に出る特番が放送されましたが、あれもそれぞれにきちんと笑いを振り分けるさんまさんでないと成立しない内容でした」という演芸関係者のコメントを掲載。女芸人バッシングを展開していた。
 だが、本当に彼らの言うように「女芸人はおもしろくない」のだろうか?
 たしかに、『THE W』は面白くなかった。前回優勝者のゆりやんレトリィバァも含め、斬新なネタ、新しい笑いは見られず、「なんで本選に?」とクビをひねりたくなる芸人も少なくなかった。
 だが、それは「女芸人がもともと面白くない」ということを意味しているのではない。そのことを指摘していたのが、能町みねこ氏だった。
能町みねこは“時代遅れで保守的な日テレの男女観のせい”と
 能町氏は、「週刊文春」(文藝春秋)12月27日号の連載コラムで、『THE W』に出ていない女性芸人でおもしろい人はたくさんいるとし、『THE W』のネタの方向性には、日テレの志向も影響しているのではないかと指摘している。
〈女性芸人は、圧倒的多数である男性芸人に混じってネタをするため、ブス・モテない・おばさん……など、どうしても男性の視点を意識した自虐を挟み込みがちです。日テレはただでさえバラエティ番組での男女観が時代遅れで保守的なので、なおさらこの方向性が好まれそう。今回の決勝進出者にもこの傾向は強かったのですが、そういうのはもう陳腐だし、時代にも合っていません〉
 能町氏の言うように、日テレのお笑いや女性観は非常に保守的だ。『エンタの神様』など、わかりやすく単純な笑いが良しとされる空気が支配的なうえ、『zero』有働由美子キャスターのアイドル扱いや、『女が女に怒る夜』や、本日放送の『超踊る!さんま御殿』内の「激突モテ美女VS女芸人」というコーナーなど女性同士を争わせるという典型的なミソジニー企画を見てもわかるように、女性を結局、“色物”としか見ない傾向もある。
 そういう意味では、塙が言っていた「“女性のこと”をネタにする人が多すぎる」「女性の『彼氏がいなくて……』という内容はバラエティ番組のひな壇でやって欲しい」という批判は、むしろ日テレの意向だった可能性もあるだろう。
 だが、この「男性優位社会の価値観」押し付けが女芸人のお笑いを歪ませているという問題は、日テレだけではなく、お笑い全体に言えることでもある。
 俳優やミュージシャンなどに比べてみても、芸人は男女の活躍度の差が圧倒的に大きい。そして芸人の世界では、体育会的ホモソーシャルな人間関係がいまだ支配的だ。男尊女卑、弱者をいたぶるパワハラ体質からいまだ抜け出せない、前近代的価値観が根強い。
 芸人の世界における、女性の扱いは、“嫁”と“性のはけ口”と“女と認めない(「ブス」「おばさん」「女を捨てた芸人」など)”の3パターンで、そこには同じ人間同士という対等な関係は存在していない。
 しかも、お笑い界を支配するこうした「男性優位の価値観」は、人間関係やシステムだけの問題ではなく、「お笑い」そのものにも色濃く反映されている。
それは、飲み会や合コン、風俗遊びなどの場での人間関係が、仕事にも持ち込まれ、ダイレクトに結びついているからだ。
女芸人大挙出演の松本人志『ドキュメンタル』でも同じ構造が
 近年の地上波では、実験的なネタや芸人の作家性の強いネタが放送されることはほとんどなく、ひな壇トークなど、ホモソーシャルな人間関係をベースにしたお笑いばかりだ。お笑いやバラエティ番組だけでなく、ニュースを扱う情報番組までもお笑い芸人のMCやコメンテーターへの大量進出によりその文脈下で展開されている。
 そうした男性中心の人間関係のなかで、女性芸人が活躍の場を獲得してい行くことはきわめてハードルが高い。そして、女性芸人は自分たちがこの極端な男優位の社会でサバイブするために、男性目線を内面化していく。テレビで展開される女芸人による「女性ならではのネタ」が、あくまで旧来的な男女の性役割に基づいた「女性像」を前提に、それができないことを自虐するというものばかりになってしまっているのは、そのせいだろう。
 もうひとつ、男性芸人と同じように体を張って、喝采を浴びるというパターンもあるが、これも同じだ。「男性と同じことをしないと認めてもらえない」という女芸人の抑圧的状況が逆にあらわれているにすぎない。
 実際、こうした女芸人への抑圧構造がお笑いの隅から隅までいきわたっていることがよくわかったのが、『HITOSHI MATSUMOTO Presents ドキュメンタル』(Amazon Prime Video)だった。地上波よりも視聴率にとらわれることのないこの配信番組でも、まったく同じような事態が起きていた。
 本サイトでも何度か取り上げているが(https://lite-ra.com/2018/02/post-3817.html
)、『ドキュメンタル』は、全裸になるぐらいのことは当然として、時には直接的に性行為を連想させる模倣まで行うなど、「ホモソーシャルな笑い」の極地であり、能町みね子氏が『ドキュメンタル』の空間に女性芸人が入った際の「セクハラの危険性」を指摘したこともある。
 その『ドキュメンタル』のシーズン6が11月30日から配信されているのだが、今回は、藤本敏史(FUJIWARA)、陣内智則、真栄田賢(スリムクラブ)、大悟(千鳥)、村上ショージ、ジミー大西、黒沢かずこ(森三中)、近藤春菜(ハリセンボン)、友近、ゆりやんレトリィバァと、初めて4人も女性芸人が参加した。いままでは女性が誰もいない回が圧倒的に多く、いても1人だけの参加だったため、『ドキュメンタル』史上でもこれはかなり異例のことといっていい。
 松本人志は番組のなかで「今回は女子多め」「全員女子でも良かったけど、男子も入れてみた」と発言していたが、「ミソジニー的な笑い」との批判を意識し、今回は女性芸人を増やしたようにも思えた。
 ただ、最終的な結果は「女性の尊重」とは真逆のものだった。シーズン6の優勝者はゆりやんレトリィバァで、『ドキュメンタル』で初めて女性の優勝者が出たわけだが、そこでの笑いの取り方は、露出度が非常に高い水着を着用して乳首を露出させたり、挙げ句の果てには、上半身裸の力士姿で登場する、といったもの。まさに、前述した“男性芸人と同じように体を張って、恥をかなぐり捨てて喝采を浴びる”というパターンだったのである。
男社会の価値観から自立した女芸人のオルタナティブな笑いを
 改めて指摘しておくが、筆者は「女性だけのお笑い番組」や「コンテスト」を否定するつもりはない。むしろ、この男性優位のお笑いの状況を覆すためにも、あえて女性芸人のための場をつくるという試みは、非常に有意義なものだろう。
 しかし、その結果は、『THE W』や『ドキュメンタル』をみてもわかるように、女性芸人ならではの新しい笑いを表現するのではなく、女性芸人を「ホモソーシャルな笑い」の枠のなかに無理やり入れることにしかなっていない。
 これまで、女性芸人がまず活躍の場を手にするために、「ブス」「モテない」などの男性目線の自虐ネタを武器として使ってきたことは、やむを得ない部分があった。
 しかし、そうした男性中心社会に迎合したものとは別の文脈の、オルタナティブな笑いがそろそろ必要なのではないか。そして、新しいネタや文脈の開拓は、何も女性芸人だけに課される話でもない。男性芸人やテレビの製作者たちも取り組むべき課題だ。
 女芸人が男社会の目線から自立したお笑いを築いて活躍することは、お笑いだけの問題ではない。極右政治家の女性差別発言が“奔放”“おもしろい”とされる社会への有効なカウンターにもなるだろう。
(本田コッペ)

寝坊した/カバンが重い/ゆうパック届いた♪/関空着

ブログネタ
フランス語 に参加中!
曽木の滝‗伊佐181123

≪ Gilets jaunes ≫ : Éric Drouet, l’une des figures du mouvement, sera jugé le 5 juin
Le chauffeur routier de 33 ans avait été interpellé à Paris lors d’une manifestation non déclarée samedi, équipé d’une sorte de matraque.
Éric Drouet, l’un des initiateurs des ≪ gilets jaunes ≫ interpellé samedi 22 décembre lors de l’≪ Acte VI ≫ des manifestations à Paris, sera jugé le 5 juin prochain.
Dans l’attente de ce procès, il a été placé sous contrôle judiciaire avec interdiction de porter une arme, a indiqué une source judiciaire à l’AFP. Il n’est cependant pas interdit de se présenter à Paris contrairement à ce que le parquet de Paris avait demandé, a-t-on appris de même source et auprès de son avocat.
Il sera jugé pour ≪ port d’arme prohibé de catégorie D ≫, après avoir été retrouvé porteur d’une sorte de matraque, et pour ≪ participation à un groupement formé en vue de violences ou de dégradations ≫. Interpellé samedi après-midi, il a été présenté dimanche matin à un magistrat du parquet de Paris, qui lui a notifié qu’il serait jugé le 5 juin devant le tribunal correctionnel.
Manifestation non déclarée
Éric Drouet, 33 ans, un chauffeur routier de Melun (Seine-et-Marne), est une des voix qui pèsent dans la contestation qu’il définit lui-même comme ≪ populaire ≫ et ≪ totalement apolitique ≫. C’est lui qui sur sa page Facebook avait appelé les ≪ gilets jaunes ≫ à commencer leur mobilisation parisienne de samedi à Versailles, avant de changer de destination et de les inviter à se rendre sur la butte Montmartre. Les manifestants avaient ensuite déambulé dans plusieurs quartiers de la capitale. Éric Drouet a été arrêté samedi vers 14h15 rue Vignon, dans le quartier de la Madeleine, au milieu de quelques dizaines de manifestants.
M. Drouet a appelé à cette manifestation, sur les réseaux sociaux, il a donné un certain nombre de lieux de rendez-vous et il était présent sur ces lieux, donc c’est un organisateur, à ce titre-là c’est un délit d’organiser une manifestation non déclarée ≫, a déclaré samedi soir sur BFMTV le secrétaire d’État à l’Intérieur Laurent Nuñez. ≪ La justice tranchera pour savoir s’il y a bien eu délit ≫, sachant qu’≪ organiser une manifestation non déclarée, c’est un délit ≫, a-t-il ajouté. Cette charge n’a pas été retenue pour l’instant contre Eric Drouet par le parquet, mais l’enquête sur cet aspect se poursuit, a précisé la source judiciaire.
≪ Arrestation arbitraire ≫
Créée mi-octobre, la page Facebook d’Éric Drouet appelant au ≪ blocage national contre la hausse des carburants ≫ a été rapidement suivie par des dizaines de milliers de personnes, amorçant la mobilisation nationale du 17 novembre, l’≪ acte I ≫ des ≪ gilets jaunes ≫.
Dimanche soir, des ≪ gilets jaunes de la première heure ≫ dénoncent dans un communiqué ≪ l’agression brutale, l’arrestation arbitraire et injustifiée dont a été victime Éric Drouet ≫ et exigent du gouvernement ≪ l’abandon de toutes les charges injustifiées ≫ à son égard. Parmi les signataires, des figures emblématiques du mouvement comme Maxime Nicolle, alias ≪ Fly Rider ≫, Priscillia Ludosky ou Laëtitia Dewalle.
にほんブログ村 外国語ブログ フランス語へ
フランス語の勉強?
勝川 俊雄 @katukawa
IWCが分断対立構図なのは何十年も一貫しているので、今になって脱退をする理由はそこではないだろう。ICJでの敗訴と国内事情によって、デッドロック状態が維持できなくなったので撤退するということ。
ICJの判決を無視して調査捕鯨を継続すると、今後日本がICJを紛争解決の手段として利用しづらくなるので、調査捕鯨の停止は仕方が無いんじゃないかな。IWCの枠内でその方向に進むと、国際世論は歓迎するだろうけど、国内世論の理解は得られないと踏んだのか。
国内世論の納得を得るために、国益を損なう非合理的な方向に進むというのは、「いつか来た道」でありますね。
IWCという組織には、大した意味が無いので、わざわざ脱退して、他国から批判される必要は無いだろう。調査捕鯨を辞めるなら、拠出金を減らして、普通の加盟国になって、沿岸の小規模伝統捕鯨を細々と守っていくのが賢いやり方だと思う。
近海漁業や養殖業ですら外国人労働者だのみの国で、地球の反対側まで鯨をとりにいくビジネスが成り立つと思う?
調査捕鯨撤退という国際的に見たらポジティブなカードすら、自らのイメージを損なうような下手な切り方をしてしまうのが残念ですね。オリンピックにタイミングをあわせて、上手に切れば日本の国際イメージは爆上げだったろうに。
一般的に言うと、「対外的には良い格好をしつつ、やりたいことをやる」のが良い外交であり、「対外的に摩擦ばかり起こして、やりたいことができない」のはダメな外交だろう。捕鯨外交は一貫して後者であったが、国内での評価はかなり高い。興味深い現象である。

尾辻かな子 @otsujikanako
同じ人物が立候補すれば、残余の約半年の任期を終えて再選挙となる。橋下前市長の出直し選挙は約6億円の税金がかかった。ダブルで知事選挙となるとさらにかかる。税金の無駄遣いだ。
いわゆる都構想は2015年の住民投票で決着済み。「都」構想といいながら、都区制度の導入であり、名称は大阪都でなく府のまま、大阪市を消滅させるもの。もう一度大阪に分断を持ち込むための辞職か。
党利党略優先で市民を見ない政治は勘弁してほしい。

ふちがみ猛志(堺市議会議員・堺区) @T_Fuchigami
選挙を駆け引きの道具にせず、「都構想推進派で過半数を取れなかった」「都構想は否定された」という選挙結果を謙虚に受け止めてほしい。
平松邦夫 @hiramatsu_osaka
本気なのか。まるで駄々っ子。行政トップの責任感、使命感とかは感じられず、力任せのやり方が政治だという信念か。現市長は大阪市を潰すために首長になった人だから当然なんだろう。出直し選があった場合にもこの人たちを選ぶ人が一人でも多ければ益々大阪市の危機は近づくhttps://mainichi.jp/senkyo/articles/20181224/k00/00m/010/001000c
ぴよぴよ @purestorm98
当時の維新の代表さんが、住民投票「何度もやるものではない。1回限り。否決なら都構想断念」と言っていたことを鮮明に覚えているんだけど。
徹子の部屋 羽鳥慎一&玉川徹
〜注目度No.1“朝の名コンビ”が素顔を〜羽鳥慎一さん&玉川徹さんが今日のゲストです。
今“朝の顔”として熱い注目を集める名コンビ!『羽鳥慎一モーニングショー』の司会・羽鳥慎一さんとレギュラーコメンテーターをつとめる玉川徹さんが揃って登場。喋りの名手3人が繰り広げる丁々発止のトークショーをお楽しみください!
自在な発言で番組の予定調和を阻む“攻めの玉川”と、巧みな進行で交わす“守りの羽鳥”が絶妙のコンビネーションを生んでいる。玉川さんはテレビ朝日の社員として平成元年に入社。以来30年、情報番組に関わり取材を積んだベテラン。黒柳徹子に会いたい…という夢を叶えた今日、プライベートな素顔を公開する。一方、幼い娘のパパである羽鳥さん。娘がテレビで玉川さんを見つけると、ある反応を示すと明かしスタジオを沸かせる。 ☆『徹子の部屋』番組HP  http://www.tv-asahi.co.jp/tetsuko/


目が覚めるとなんと10時を過ぎていました.大寝坊です.仕方ないのですが,トーフやキャベツなどでお腹を満たして出勤です.実は今日の仕事は夕方なので,遅くてもセーフです.もちろん,すべき仕事はいろいろありますが.
夕方のキソキソを少し早めに終えて,いくつか要件を済ませ,梅田に向かいました.
荷物を詰め込むとカバンがものすごく重いです.
ゆうパック届いた♪というメールがあって安心.
終電の一本前で関空に着きました.

被災の畑で栽培のネギ 詰め放題大人気
 東日本大震災の津波で被災した畑で作った特産品「南三陸ねぎ」をPRです。宮城県気仙沼市の畑で開かれたネギの詰め放題イベントは、大勢の家族連れで賑わいました。
 宮城県気仙沼市波路上の畑で開かれたこのイベント。震災後の新たな特産として育てている「南三陸ねぎ」をPRしようと地元のJAが企画しました。約40アールのネギ畑には、大勢の親子連れが集まり、ネギを引き抜いては、1000円で詰め放題の30キロのコメ袋に隙間なく詰め込んでいました。
 塩害にも負けないネギ作りをと震災の後に栽培が始まった「南三陸ねぎ」の作付け面積は、2017年より9ヘクタール広がり23ヘクタールとなっています。


サザエさんとポケモン、宮城観光復興の助っ人に 来年度、県がキャンペーンに起用
 宮城県が2019年度の観光キャンペーンで、人気漫画「サザエさん」を起用することが23日、分かった。人気キャラクター「ポケットモンスター」とも連携する。ともに自治体の観光キャラクターとなるのは初めて。東日本大震災の復興支援として実現した。家族連れなど幅広い層の観光客取り込みを狙う。
 アニメ番組として国民的な人気を誇るサザエさんは、19年5〜9月の誘客を担当する。主人公サザエさんや弟カツオら磯野家が登場する動画を春、夏向けの2種類作る。アニメと同じ声優陣をそろえ、宮城県内の観光地や食、イベントなどをアピールする。
 19年10月〜20年3月は、ポケモンが観光キャラクターに就く。人気の「ラプラス」を中心に据え、動画を制作する。スマートフォン向けゲーム「ポケモンGO」と連動した誘客策も検討している。
 期間中、ポスターやガイドブックを用意し、首都圏などで誘客活動を展開する。気仙沼市唐桑、東松島市奥松島に開設された韓国版トレッキング「宮城オルレ」のコースで、サザエさん、ポケモンのキャラクターが参加するイベントも計画している。
 キャンペーンはサザエさんの著作権を管理する長谷川町子美術館(東京)と、任天堂などが出資するポケモン社(同)が県の呼び掛けに応じ、全面的に協力する。19年1月中旬には村井嘉浩知事、サザエさん一家が出席する記者会見が仙台市内で開かれる予定だ。
 県は第4期みやぎ観光戦略プラン(18〜20年度)で、20年の観光客数7000万人の目標を掲げる。人気アイドルグループ「Hey!Say!JUMP」とタイアップした18年度の通年観光キャンペーンに続く大型企画で、観光分野の復興に弾みをつけたい考え。
 宮城県内を訪れた観光客数は10年に6129万人を記録したが、震災が発生した11年は前年比3割減の4316万人に激減。17年は6229万人まで回復し、過去最多だった10年を上回った。


宮城県内各地の若き語り部が集結
 宮城県内の被災地で語り部として活動している若者たちが、22日に名取市に集いました。どんな思いで活動しているのか、未来に伝えていくにはどうすればよいのか、語り合いました。佐々木記者の報告です。 宮城県名取市閖上で開かれた催し「若者トーク」。県内各地で震災伝承に取り組む10代と20代、6人が集いました。その一人、東松島市の短大生、相澤朱音さんです。相澤さんは、高校時代から語り部の活動を続けています。
 石巻市長面地区出身の大学生、永沼悠斗さんです。自身の母校であり、弟が津波の犠牲になった大川小学校で語り部をしています。
 座談会では、こんな課題も投げかけられました。「今の小中学生は、震災を全く知らない。自分たちより若い世代に伝えるのが難しくなってくる。」「私は、保育科に通っているけど、幼児とかにどう伝えようかなと考えている途中なんですけど、難しいと思います。」
 永沼さんは、若者同士のネットワークを強めていきたいと語りました。
 互いの思いに触れ刺激し合った若者たち。活動を盛り上げるため、さらに交流を深めようと語り合っていました。


移住者用や災害公営住宅に…進む仮設住宅再利用 福島県、無償譲渡で促進
 東日本大震災の被災者や東京電力福島第1原発事故の避難者向けに建設された福島県内の仮設住宅を再利用する動きが広がっている。建物や資材の活用先は移住者向けの住宅や災害公営住宅、事務所、宿泊施設などさまざまで、建設コストの抑制や工期短縮効果に期待が集まる。
 奥会津地方にある福島県昭和村。平屋のしゃれた住宅が国道400号沿いに立つ。村が整備し、移住した3世帯が暮らす8月末完成の「移住定住促進住宅」(約200平方メートル)だ。
 窓やエアコン、流し台、給湯器、ガスコンロ、アコーディオンドア…。資材の多くが白河市にあった仮設住宅で使われていた。再利用の結果、整備費は約3000万円で済んだ。
 「村の財政は厳しく、新品でそろえる余裕はなかった。比較的安く建てられた」と村の担当者。居住する村観光協会職員の中田俊一さん(28)は「きれいで防寒対策も施されている。仮設住宅の再利用とは思えない」と驚く。
 福島県は2016年度、仮設住宅の無償譲渡を始めた。役目を終えた木造住宅の再利用を県のホームページで公募している。解体は基本的に申請者が行うが、自治体が移住者向け住宅を整備する場合、県が解体・運搬費などを支援する。
 譲渡実績は約220戸。NPO法人の事務所や従業員の休憩所、コテージ風の宿泊保養施設などに活用された。西日本豪雨の被災地・岡山県総社市に提供した56戸は、再び仮設住宅として被災者が暮らす。
 福島県飯舘村は20年度に整備する原発事故の避難者向け災害公営住宅(20戸)で、二本松市内の仮設住宅の資材を使う計画だ。担当者は「建設コストを抑えられ、工期を短縮できるのもいい」と言う。
 震災後に県内に建設された仮設住宅は約1万6000戸。うち約6000戸が撤去された。撤去は来年度以降にピークを迎え、県は部材の有効活用で廃棄物発生量を抑制したい考え。
 県建築住宅課の担当者は「国民の税金で整備した施設で、大切に使いたい。状態のいい材料は活用してもらえるよう、引き続き募集していく」と説明する。


被災文化財の再生 国の長期的支援を望む
 雪降りしきる盛岡市の県立博物館。裏手にある冷凍コンテナの中は、なおさら寒い。常時マイナス20度だ。
 津波で被災した古文書などに、かびが生えるのを防いで仮保管するための設備。久々に中に入ると、東日本大震災から7年9カ月たっても、大量の資料が山積みのまま再生の日を待っていた。痛々しい姿に、心まで冷え込む。
 被災文化財の再生には、大きく三つの段階がある。まずは、安全な場所への搬出。続いて、除菌・除泥・脱塩して劣化を防ぐ「安定化処理」。そして抜本修復だ。
 とりわけ甚大な被害を受けた陸前高田市では、市立博物館など4施設から約46万点ががれきの中から見つけ出され、県立博物館のコンテナなどに搬入。その後、東京国立博物館などの支援も得て安定化処理作業が進み、今年3月末現在で19万点が完了した。
 津波による被災文化財の再生は前例のない試み。試行錯誤が続いてきたが、今年は大きく前進した1年となった。作業のスピードアップが図られ、西洋紙にペン書きなど難易度が高い資料の再生に向けた取り組みも始まった。
 だが、コンテナが空っぽになる日は遠い。学術的価値の高い、陸前高田市出身の博物学者鳥羽源蔵の関連資料なども眠ったままだ。
 復興庁は今月、国が重点支援する「復興・創生期間」後も対応が必要な課題について公表。被災者の見守りや心のケア、コミュニティー形成などのソフト事業については、2020年度末の同期間終了後も一定期間続ける必要があるとした。
 文化財再生の取り組みが、期間内に終わらないのは確実だ。今後、安定化処理が順調なペースで進んだとして、20年度末までに終わるのは27万点程度にとどまる。なお19万点が残る。
 ソフト事業の中に、文化財の再生支援もしっかりと位置づけてほしい。修復を終えた博物館資料の展示会に集い、笑顔で語らう住民たちの心温まる情景からは、コミュニティー形成に際しての、文化財の役割の大きさを実感する。
 日本の文化財レスキューは阪神大震災から始まった。当時は国・県指定といった、いわゆる「お宝」が中心だったが、東日本では未指定の文化財も含め、救出する対象が拡大。その延長に、膨大な資料の再生作業が続いている。
 この地道な歩みが20年度末で断ち切られてしまえば、歴史文化の継承に基づく、より良い古里の復興は遠のく。
 東日本で確立された文化財再生技術を、来るべき南海トラフ地震津波などの被害想定地域に着実に継承するためにも、国には長期的視野からの支援を期待したい。


行方不明者捜索と警戒続く インドネシア津波
 【セラン(ジャワ島西部)共同】インドネシア・ジャワ島とスマトラ島の間にあるスンダ海峡で起きた津波で、捜索救助当局は24日、行方不明者28人の捜索を続けた。当局は25日まで同海峡付近で高波の恐れがあるとして、警戒を呼び掛けた。
 津波について、気象当局はスンダ海峡に浮かぶ火山の噴火による海底への土砂崩れが原因とみている。インドネシア火山地質災害対策局によると、火山は22日に噴火、噴煙の高さは山頂から約300〜1500メートルまで達し、火山活動が続いている。
 国家災害対策庁によると、被災したのはジャワ島西端バンテン州とスマトラ島南端ランプン州の沿岸部。


インドネシア津波、死者373人に
 インドネシアのスンダ海峡で発生した津波で、国家災害対策庁は24日、少なくとも373人の死亡を確認したと明らかにした。行方不明者は128人、負傷者は1459人に上った。

河北春秋
 漁師になる。宮城県南三陸町志津川中の卒業を前にした今春、須基友二(すもとゆうじ)さん(16)は決意した。「勉強は大嫌い。中途半端な気持ちで高校に行っても、中退して親に迷惑を掛ける。稼ぐ」。海の街。自然と漁師を選んだ。県北部船主協会(気仙沼市)によると、中学を出たての船員は今では珍しい▼4月から地元の近海マグロはえ縄船「第31幸栄丸」に乗る。日本近海でクロマグロのほか、メカジキ、ヨシキリザメを取る。1回の航海は約30日、休みは3日。初航海は「とにかく眠かった」という。寝る間も惜しんで続く投網作業が特につらかった▼意地がある。「仕事ができないやつと思われたくない」。縄が絡むなどのトラブルが起きると、ベテラン漁師は瞬時に対処する。何もできない自分は目を凝らし、技を盗む。将来は海技士の資格を取り、船長を目指す。家も建てたい▼今月、高校2年の姉(17)が修学旅行へ行った。ちょっぴり、うらやましい。だが「同年代の誰よりもお金の価値を知っている」と胸を張る。そんな次男を母美樹さん(39)は頼もしく思う▼クリスマスは海の上だ。給料の4割は家に入れているが、「戻ったら母に服でも買おうかな」と計画している。美樹さんの願いは一つ。「けがをせず元気で帰ること」。ケーキを用意して待つ。

冬の味覚こりっこり 南三陸・歌津で「あわび祭り」
 宮城県内有数のアワビの産地として知られる南三陸町歌津の商店街「南三陸ハマーレ歌津」で23日、「歌津あわび祭り」があった。
 アワビの特売会では、県漁協歌津支所が1箱(900グラム入り)1万円で売り出した。正月用や贈答品として買い求める客が朝早くから訪れ、用意した400箱が完売した。会場では地元産のホタテの焼き物やカキ汁の販売もあった。
 連休を利用して帰省した東京都台東区の主婦最知岩子さん(76)は「歌津のアワビは肉厚で、磯のいい香りがする。炊き込みご飯や刺し身にして古里の味覚を堪能したい」と笑顔で話した。


<全国高校駅伝>仙台育英「駅伝難しい」 全国制覇男女とも届かず
 京都市で23日にあった全国高校駅伝で、優勝が期待された仙台育英は男女とも頂点を逃した。2連覇に挑んだ女子は主力メンバー2人が欠場して3位に終わり、昨年3位の男子は11位に沈んだ。「これが駅伝の難しさ」。予想外の出来事が相次ぎ、同校の関係者は天を仰いだ。
 女子は主力メンバーが上り調子で京都入りし、2連覇に向けて万全だった。暗転したのは大会4日前。4区を走る予定だった昨年の優勝メンバーが脚の痛みを訴え、大会前日にアンカーの1年生も故障。全5区間のうち、3〜5区の走者を入れ替えざるを得なくなった。
 選手の多くが十分な試走をできないまま勝負に臨んだ。急なオーダー変更はチームに動揺を与え、釜石慶太監督は「3位は精いっぱいの成績だ」と連覇の難しさをかみしめた。
 予選タイムが全国1位だった男子も苦戦を強いられた。各校のエースが集う1区で、まさかの42位と大きく出遅れた。入賞も逃し、真名子(まなこ)圭(きよし)監督は「選手が気負ったとすれば、緊張をほぐしてやれなかった私の力不足」と一からの出直しを誓った。
 選手の父母らもレースを見守った。女子チーム主将の武田千捺選手(3年)の父秀幸さん(50)=尾花沢市=は「みんなでたすきをつなぐのが駅伝。選手たちは胸を張って、またチーム一丸で頑張ってもらいたい」と、選手一人一人の頑張りを思いやった。


週のはじめに考える 断頭台を捨てるまで
 二〇一八年は、十三人の死刑執行でオウム真理教の一連の事件に幕が引かれた年と記憶されることになるでしょう。死刑を見つめ直す時が来たのでは。
 時計の針を戻してみます。
 人権宣言の国であることを思えば意外な気もしますが、フランスは一九七〇年代、西ヨーロッパでは唯一、昔ながらの死刑制度を残す国になっていました。
 民主主義国家では例外的な死刑存置国となっている今の日本と似たような状況にあったといえるかもしれません。では、何がフランスを変えたのでしょう。
◆革命とともに生まれ
 人権宣言と同じように、その死刑制度は一七八九年に始まるフランス革命と深い関係があります。
 革命までは、フランスの死刑は平民には絞首刑、貴族階級に限って斬首刑が適用されていたようです。身分や貧富に関係なく、無用の苦痛を与えず名誉ある斬首刑を執行できるという断頭台、つまりギロチンが提案されたのは革命勃発後の議会でした。一七九二年以降、死刑はギロチンで執行されることになります。
 国王ルイ十六世も王妃マリー・アントワネットも、革命の指導者だったロベスピエールもダントンも、あるいは市井の犯罪者も、同じようにギロチンで首をはねられました。革命とともに生まれたギロチンは、結局、一九七七年まで使われ続けます。
 他方、死刑廃止を求める動きも革命勃発直後から現れています。議会に初めて死刑廃止の要求が出されたのは一七九一年のことでした。その後、数えきれぬほどの政治指導者や文化人が死刑廃止を求めて声を上げてきました。
 例えば「レ・ミゼラブル」のビクトル・ユゴー。あるいは「異邦人」のアルベール・カミュ。
 百九十年に及ぶ存廃論議に終止符を打って死刑が廃止されたのは一九八一年のことでした。
◆世論の過半は死刑賛成
 時の法相だったロベール・バダンテール弁護士の回想録「そして、死刑は廃止された」(藤田真利子訳、作品社)が、その経緯を教えてくれます。
 第二次大戦後、西欧諸国が相次いで死刑を廃止し、死刑廃止と犯罪発生率には関係がないことが明らかになってきました。それでもフランスでは、特に子どもが犠牲になる凶悪犯罪が起きるたびに死刑を求める世論が強まる、という状況が続いていました。
 つまり死刑廃止は、選挙に勝たねばならぬ政治家にとって、触れたくない課題だったわけです。
 八一年の大統領選は、最終的には中道右派の現職ジスカールデスタン氏に左派のミッテラン氏が挑む構図となりました。候補者は死刑への姿勢も問われることになります。直近の世論調査では、63%が死刑賛成でした。
 私的な場では死刑に嫌悪感を示していたジスカールデスタン氏でしたが、テレビ番組では「フランス国民を代表して統治するわけですから、国民の気持ちに逆らう権利はないものと考えます」。つまり、動くつもりはない、と。
 逆に、ミッテラン氏は「世論の過半は死刑に賛成ですが、私は良心に基づいて死刑に反対します」と、姿勢を鮮明にしたのです。
 当選したのはミッテラン氏でした。新大統領は、死刑廃止の論客として知られたバダンテール氏を法相に起用し、死刑廃止法案をまとめさせました。法案は大統領与党の左派議員のみならず、野党となった右派からも相当数の議員が賛成に回って可決された。こうしてフランスはギロチンを引退させたのです。
 日本では、一九八九年からしばらく死刑執行が途絶えた時期がありました。死刑をめぐる議論が深まる兆しも見えたのですが、九三年に執行が再開され、さらに、オウム真理教の一連の事件が起きて死刑廃止の機運は吹き飛んでしまいました。
 内閣府の世論調査で「死刑やむなし」は、九四年の74%からオウム事件後の九九年には79%に。直近の二〇一四年調査では80%でした。さて、今後はどう動くのか。
 国会に今月、死刑制度の是非を議論する超党派の議員連盟「日本の死刑制度の今後を考える議員の会」が誕生しました。休眠状態だった旧死刑廃止議連の再出発で、約五十人が参加するそうです。
◆政治的勇気が動かす
 かつてのフランスと事情は同じでしょう。世論調査の数字を見れば、決して選挙向きの課題ではありません。それでも、良心に基づいて死刑廃止を考えようというのであれば、その志を大いにたたえたいと思います。果たして死刑は何を守るのか。議論が深まることを期待します。
 「事態を動かしたものは政治的勇気だった」。バダンテール氏の言葉です。


報道この1年 責任と覚悟が問われた
 報道に携わる者の責任と覚悟がますます問われるようになった―。この1年を振り返っての感想だ。
 安倍晋三政権は相変わらず新聞やテレビ報道への介入を続けている。9月の自民党総裁選では選管委員長名で「公平・公正な報道」を要請する文書を新聞、通信各社に送った。記事や写真の内容、掲載面積などで「各候補者を平等・公平に」扱うよう求めている。
 報道の「公平・公正」は自民総裁選を含め、メディアが自分で判断することだ。要請は筋が違う。
   <政権からの介入>
 前々回、2014年の総選挙を思い出す。首相は民放テレビに出演し、番組で政権に批判的な声が多く紹介されたことに対して「選んでますね。おかしいじゃないですか」とかみついた。
 自民はその後、在京テレビ各社に対し、選挙報道を「中立公平」にするよう要請している。
 関連して、放送法見直し問題が今年、浮上したことも見過ごせない。4条の廃止論だ。
 放送事業者が守るべきこととして、政治的公平などを定めた条文である。廃止すれば電波を通じて一方的な主張を流すことも可能になるだろう。得をするのは、政権を握り資金力もある自民党だ。
 放送法は戦後改革の中で、戦争に協力した放送を政府の影響から引き離すために制定された。そのための政治的公平だ。廃止の動きにはこれからも注意が要る。
 9月の沖縄県知事選では当選した玉城デニー氏を中傷するネット情報が氾濫した。「当選したら沖縄が中国に徐々に浸食される」などの内容だった。フェイク(偽)ニュースである。
 地元の琉球新報と沖縄タイムスは「ファクトチェック」として、選挙期間中に紙面で間違いを丹念に指摘した。選挙報道はネットと地元紙の消耗戦の様相を帯びた。
 辺野古移設に反対し政府の無理押しを批判する沖縄の新聞に対し、安倍政権に近い側や保守系メディアからは攻撃的な言葉が投げ付けられ続けている。
 沖縄のメディア事情に詳しい山田健太専修大教授は近著で書いている。「いま沖縄は、日本の民主主義の試金石であるとともに、日本のジャーナリズムが試されている地だ」
 沖縄は日本社会の成熟度を映す鏡とも言えそうだ。沖縄に米軍基地を押しつけているのは日本政府である。私たち有権者には、自分事として見守り、発言して、是正を求める責任がある。
   <公共放送の在り方>
 NHKの受信料収入は18年度中間決算で過去最高になった。受信料制度を「合憲」とした最高裁判決が追い風になった。
 最高裁の判断をどう受け止めるか。国民、視聴者としては、合憲判決によりNHKの公共的性格はより強まった、と考えたい。
 判決は言っている。受信料制度は国民の知る権利に奉仕する公共放送を契約者の負担によって維持するためにある、と。
 大事なのはここだ。NHKは国民のものであり、政府のものではない。そのことを保証するために受信料制度はある。
 そう考えてくるとNHKの問題点がはっきり見えてくる。国民、視聴者との回路が弱く、政治の介入を招きやすいことだ。
 国民、視聴者の声を反映させる仕組みを考えたい。差し当たり会長の公募から始めたらどうか。
 出版界では新潮社の月刊誌「新潮45」の休刊が話題を呼んだ。
 自民党の杉田水脈衆院議員の寄稿「『LGBT』支援の度が過ぎる」を8月号に掲載、同性愛カップルを念頭に「子どもを作らない、つまり『生産性』がない」などとする内容が批判された。10月号では批判に対抗する形で「そんなにおかしいか『杉田水脈』論文」と題した特集を掲載し、火に油を注ぐ結果になった。
   <いきなり廃刊とは>
 新潮社は10月号について、社長名の文書で「偏見と認識不足に満ちた表現が見受けられた」とし、その4日後に休刊を表明した。事実上の廃刊だった。
 杉田論文が不適切なのは明らかだ。だからといって廃刊にすべきだという話にはならない。
 間違いがあったら誌面で修正し信頼回復に努めるべきだ。廃刊はその機会を閉ざしてしまった。新潮社の対応は表現の自由を担う企業として問題を残す。
 国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団」が各国の報道自由度ランキングを毎年発表している。日本は旧民主党政権の2010年に11位だったのが安倍政権になってから下がり続け、今年は67位。特定秘密保護法などメディア規制の立法が進んだのが原因だ。
 憲法は報道の自由を手厚く保護している。報道の自由がなければ国民は政府が何をしているか知ることができないからだ。
 迎える2019年。読者に寄り添いつつ真実を追求して、報道の責任を果たしていきたい。私たちはそう考えている。


膨張続く防衛費 対米配慮の度が過ぎる
 次から次へと「脅威」の目先を変え、防衛費を膨張させ続ける安倍晋三政権の姿勢は目に余る。
 政府の来年度予算案で、防衛費は前年度当初比1・3%増の5兆2574億円となり、5年連続で過去最高を更新した。
 先週閣議決定した防衛計画の大綱と中期防衛力整備計画(中期防)に基づき、攻撃性の高い装備を多数盛り込んだ。
 安倍政権は戦後堅持してきた専守防衛について、言葉では徹すると言いつつも、逸脱する政策を進めており、容認できない。
 さらに問題なのは、米国から購入する高額装備品の急増だ。
 自衛隊と米軍の運用一体化が進む中、防衛装備購入を巡る「対米従属」は度を超えている。
 通常国会では専守防衛のあり方を徹底的に議論すべきである。
 防衛費の主たる押し上げ要因は、対外有償軍事援助(FMS)と呼ばれる仕組みを通じ、米国の「言い値」に近い価格で輸入する装備品である。この5年で4倍近くに増え、7千億円を超えた。
 背景にはトランプ米政権からの対日貿易赤字削減要求があろう。
 年明けにも始まる貿易交渉で、圧力をかわしたい日本側の思惑も透けて見える。
 装備品の内容も問題が多い。
 新規契約で最も高額なのが、北朝鮮に対するミサイル防衛(MD)強化の柱である地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の取得費だ。関連経費を含めると1757億円に上る。
 運用によっては憲法の制約を超えた敵基地攻撃能力を有する恐れがあると指摘されている。配備予定地の秋田、山口両県で反発があることも忘れてはなるまい。
 FMSは複数年度に分けて支払うことが多く、予算の硬直化を招く一因となってきた。にもかかわらず、2020年度以降の新規の後年度負担は2兆円を超す。
 装備品の購入費約3千億円を、本年度第2次補正予算案に回していることも見過ごせない。
 こうした手法は常態化しており、単年度の当初予算額を少なく見せる小手先の操作ではないか。
 来年度予算案では新領域として宇宙、サイバー分野を強化し、前年度より約500億円増額した。
 また来年度以降、1兆円超をかけ、米国から新型ステルス戦闘機F35を105機、新規調達することも予定している。
 安倍政権に歯止めをかける役割は国会にこそある。与野党ともその責任を果たしてもらいたい。


19年度予算案 将来世代に負担強いるな
 防衛費が聖域のように膨張し続け、消費税増税対策や選挙イヤーをにらんだばらまき色が際立つ。その一方で、財政再建はまたも置き去りにされた。
 平成最後の予算編成も、「経済最優先」をうたった難題先送りとしか思えない。
 政府は2019年度当初予算案を閣議決定した。一般会計総額は101兆4564億円で、当初予算として初めて100兆円の大台を超えた。
 今回の特徴は、来年10月に消費税率10%への引き上げを控え、景気対策費として2兆円余を計上したことだ。
 増税による景気低迷を避ける対策をとることは重要だ。ただ中小店でのキャッシュレス決済時のポイント還元は増税幅を超えるものもあるなど、必要性や効果を疑問視する声もある。大盤振る舞いの感が拭えない。
 公共事業費が、18年度当初に比べ15・6%増と突出した伸びとなったことも同様だ。
 防災のためのインフラ強化の緊急対策費を盛ったためだが、来年の統一地方選や参院選を控え、建設業界などの与党支持層を厚遇する思惑が透ける。
 何よりも懸念するのは、防衛費が7年連続増の5兆2574億円となり、5年続けて過去最高を更新したことだ。
 海上自衛隊の護衛艦「いずも」の事実上の空母化に向けた研究費や、地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」取得費用の一部が盛り込まれた。
 専守防衛を逸脱する懸念が強い「いずも」空母化は、政府が先に決定した新たな防衛計画の大綱に、安倍晋三首相の強い意向で書き込まれたという。
 大綱内容に沿った今後5年間の具体的な装備調達を進める中期防衛力整備計画(中期防)には、いずも搭載を想定する最新鋭ステルス戦闘機F35など高額の米国製防衛装備品が並ぶ。
 5年間の予算総額は現行より2兆円以上多い27兆円を見込んでおり、右肩上がりの防衛費に歯止めがかかる見通しはない。
 国と地方の長期債務残高は、19年度末に計1122兆円に膨らむ見通しだ。
 政府は20年度を目指してきた基礎的財政収支の黒字化を25年度に延期した。その目標の達成さえも厳しさが増しては、国際的な信用を失いかねない。
 平成の30年で当初予算は1・5倍に膨らんだ。急速に少子高齢化が進み、医療や介護といった社会保障費が約3倍になったことが大きな要因だ。
 社会保障費は来年度予算案でも前年度より1兆円以上多い34兆円余と過去最大を更新した。高齢化が一層加速化する中で、社会保障費の伸びをどう抑えるのか。現実を見据え、抜本的な改革を行わなくてはならない。
 「新たな時代の子どもたちに、平成の財政運営をどう申し開くことができるだろうか」。有識者でつくる財政制度等審議会は11月の意見書にこう記した。
 将来世代に重い負担を強いてはならない。政治の責任として、年明けの通常国会で徹底した論戦を行うことを望む。


新防衛大綱 装備の必要性議論尽くせ
 政府は新たな防衛力整備の指針「防衛計画の大綱」と、具体的な装備調達を進める次期中期防衛力整備計画(中期防)を決めた。宇宙やサイバー空間という新たな戦場への対処に関し、基本概念に「多次元統合防衛力」を掲げ、陸海空の垣根を越えた防衛体制の構築を打ち出している。
 大綱の見直しは2013年以来だ。通例10年程度を見越して策定されるが、安全保障環境の変化を理由に前倒しで見直した。サイバー領域を含めた中国の軍事力強化や北朝鮮の核・ミサイル問題といった脅威が背景にある。
 ただ今回の新大綱・中期防は、海上自衛隊の「いずも」型護衛艦改修による事実上の空母化など、国是である専守防衛を逸脱する懸念のある重大な内容を含んでいる。安全保障政策の根幹に関わる問題であり、今後の国会審議で議論を尽くす必要がある。
 いずも型護衛艦の改修は、太平洋進出を見据える中国に対する抑止力の強化が狙いとみられる。太平洋上に航空基地が少ないため、戦闘機を搭載し遠洋で運用できるよう改修する。政府は改修について、戦闘機を常時搭載するのではなく、災害時の拠点など多用途に使う護衛艦だと説明しており、「攻撃型空母」には当たらないとの立場だ。
 憲法9条の下、政府は相手国を破壊するためだけの「攻撃的兵器」を保有することは、「自衛のための必要最小限度」の範囲を超えるとして認めていない。だが、「攻撃型」に転じることのできる事実上の空母化は、これまでの政府の見解との整合性が問われる。国民への丁寧な説明が欠かせない。
 サイバー空間で攻撃を受けた場合の「反撃能力」の保有も課題になる。新大綱などでは、大規模停電など国家や市民生活に損害を与える攻撃に対し、通信やレーダーを妨害して敵の攻撃を阻止する能力の獲得を目指している。
 だが、複雑化が進むサイバー攻撃は世界中のどこからでも実行可能で匿名性が高く、発信源を早期に特定することが困難とされる。攻撃主体が国または国に準ずる組織であることが要件となる自衛権の発動を巡る判断に関しては、法的な整理が進んでいないのが実情だ。
 防衛費の膨張も見過ごせない。中期防による今後5年間の防衛費は27兆4700億円程度と過去最大となった。地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」や、空母艦載を想定する最新鋭ステルス戦闘機F35など高額な新装備を購入する。
 これらは主に米国から購入し、多くは対外有償軍事援助(FMS)制度による契約だ。米国が示す納期や見積価格に従う必要があり、米国の「言い値」で買わされることになるため、予算の肥大化につながる。装備の必要性や、巨額の費用に見合う効果があるのかなど、厳密な精査が求められる。


2019年度予算案/財政再建が遠のいた
 政府は一般会計総額が過去最大の101兆4564億円となった2019年度予算案を閣議決定した。消費税増税対策費が2兆円超に積み上がり、社会保障費と防衛費も最高額を更新し歳出規模が膨張、財政再建からは遠く離れた姿になった。
 19年度は、企業の好業績が続き法人税の増収が見込めるほか、消費税増税も実施されることから、税収を過去最高の62兆4950億円と見積もり税外収入も上積みした。
 この税収見積もりは、実質国内総生産(GDP)成長率1.3%という政府の見通しをもとにして算出したものだ。日銀や民間シンクタンクの成長率見通しは軒並み1%を割り込んでいるが、政府は消費税増税対策や公共事業などの効果で、雇用・所得環境の改善が続くと強気だ。
 だが米中の「貿易戦争」、英国の欧州連合(EU)離脱の混乱などを考慮すれば、現在、好業績を続けている自動車など輸出企業の事業環境が悪化する恐れは警戒しなければならない。税収見通しの根拠は強固には見えない。
 歳出の3割は、税収などの基礎的収入で賄えず、その分、国債を発行して政策経費を調達する財政運営を長年続けてきた。その結果、19年度末の国債発行残高は14年分の税収に相当する897兆円に上る見込みだ。そんな中でも国債は順調に市場で消化され金利も低いが、これは日銀の大規模緩和の効果が大きい。
 日銀の金融政策が正常化に向かえば市場環境は大きく変わり金利が上がる。利払い費などが急騰して積み上がった借金が財政運営を圧迫する事態も想定される。そうなれば国債の信認も大きく揺らぐ。
 こうした事態は何としても回避しなければならない。少子高齢化の進展や安全保障環境の変化への対応が必要なことは論をまたないが、財政の立て直しも急務であることは間違いない。10%に税率を引き上げる消費税増税はそれに向けた第一歩にすぎない。
 19年度の国債発行額は18年度当初比で1兆円減額し、32兆6598億円としたが、踏み込みが足りないと言わざるを得ない。
 まず、借金が現状以上に増えないようにすることが先決だ。そのためには歳出を歳入の範囲内に抑える必要がある。その目安となるのが「基礎的財政収支」だ。政策経費を税収などの基本的収入でどこまで賄えているかを示す。これが赤字のうちは借金は増え続ける。政府は25年度の黒字を目標にしている。
 19年度の赤字額は9兆2千億円で、18年度からは1兆円減るが、世界的な景気減速が予想される中、今後も税収が増え続けるとは考えにくく、財政運営は綱渡りを強いられよう。約束通りに25年度に黒字化を達成できなければ、市場は日本政府の財政運営についてさらに疑念を深めるだろう。成長による歳入増を当てにした運営は危うい。歳出抑制に重点を置かなければならない。
 景気は拡大が続いており来月まで続けば戦後最長の74カ月となる。19年度予算案には公共事業費も含め景気下支え対策がふんだんに盛り込まれている。来年は統一地方選や参院選があり、状況によっては、与党から追加景気対策を求める圧力が強まる可能性があるが、補正予算は極力避けるべきだろう。


【税制改正大綱】負担の意味を明確にせよ
 将来世代へのつけ回しにどう歯止めをかけるのか。目先の対応に終始し、中長期的な視点が見えない。
 政府が2019年度の税制改正大綱を閣議決定した。自民、公明両党の決定に沿い、19年10月に控える消費税率10%への引き上げに備え、景気の刺激策を優先した内容だ。
 柱は、車の持ち主が納める自動車税の恒久的引き下げと、住宅ローン減税の3年延長になる。
 14年の8%への前回増税時は、駆け込み需要の反動減で消費が冷え込んだ。景気の腰折れを防ぐ手だては必要だろう。
 しかし、安倍政権の大盤振る舞いには増税前の統一地方選や参院選対策も透ける。世論の支持を集めやすいメニューが並び、財政再建がなおざりにされているのは気にかかる。
 例えば、自動車税の減収を賄う財源は、地方には国が穴埋めするが、国の持ち出し分を補う方策は示されていない。
 与党が円滑な実施を求めた軽減税率では、消費税率引き上げによる増収分、年5兆円超のうち1兆円が目減りする。政府・与党は社会保障関連の歳出削減などで穴埋めする方針だが、将来的に見込む税収増まで当て込んでいる。
 増税対策は、歳出面でもキャッシュレス決済でのポイント還元やプレミアム付き商品券などが手当てされる。19年度政府予算案は景気対策費が2兆円余りに上る。
 そもそも消費税の増税は、高齢化で費用が増大する社会保障を持続させ、借金依存の財政を立て直すことが目的だった。
 歳入増効果を相殺しかねない規模のばらまきとなれば、何のための国民負担増なのか分からなくなる。
 複雑になる一方の減税策、負担軽減策ばかりではなく、原点に戻ることが必要ではないか。
 将来的な社会保障政策と、負担とサービスの関係を明示する。財政赤字の規模や、子や孫の世代につけが回される構造も含めて、負担する意味を明確に説明しなければ、国民の安心は得られまい。
 大綱は、国民負担が重くなる中で所得再配分機能を強め、格差を是正するという本質的な議論がなされた形跡も見えづらい。
 軽減税率に伴う財源対策では、一時は株式の売却益や配当にかかる金融所得課税の引き上げが浮上した。日本の税率は20%と海外より低く、富裕層優遇との批判がある。だが、景気対策を総動員する政府方針に逆行するとして早々に沈んだ。
 関係業界の強い要請で、すんなり盛り込まれた自動車と住宅の減税策も恩恵を受ける人は限られる。
 消費税には所得が低い人ほど負担が重くなる逆進性がある。高価な耐久消費財の購入支援は富裕層の優遇につながる。逆進性を増幅することへの目配りを欠いてはいないか。
 税制は社会をあるべき姿に誘導する役割を持つ。将来への安心がなければ国民の消費拡大も見込めまい。大局観を持った議論を求める。


IWC脱退へ 展望のある選択なのか
 反捕鯨国との話し合いが行き詰まっていたとはいえ、これは展望のある選択なのか。
 政府は約30年ぶりの商業捕鯨再開に向け、国際捕鯨委員会(IWC)を脱退する方針を固めた。
 交渉の正念場だった9月のIWC総会で商業捕鯨の一部再開の提案を否決されたため、政策転換を決断したようだ。
 IWCでは、保護一辺倒の反捕鯨国とは科学的知見に基づく議論が困難だったことは事実だが、戦後、日本が国際機関を脱退した例はほとんどない。
 水産資源の管理は国際協調が欠かせない。今回の決定が、他の分野での協力の妨げにならないだろうか。政府が目指す商業捕鯨の姿も不明確だ。
 方針転換について、国民が納得できる説明を求めたい。
 IWCの規制の下、日本は南極海と北西太平洋沖合で調査捕鯨を実施してきた。このほか、網走を含む数カ所で、規制外の小型鯨類の沿岸捕鯨が行われている。
 日本は調査捕鯨を通じて資源量回復を主張してきたが、2014年に国際司法裁判所から南極海での調査差し止めを命じられた。
 さらに、今年10月にはワシントン条約の常設委員会で、北西太平洋の調査捕鯨の副産物である鯨肉の国内持ち込みが条約違反とみなされ、是正勧告を受けた。
 調査捕鯨を取り巻く状況は極めて厳しいと言えよう。
 このためIWC脱退後は、沿岸や日本の排他的経済水域(EEZ)での商業捕鯨を行うというが、克服すべき課題は多い。
 クジラは国連海洋法条約で、国際機関を通じた管理が義務付けられている。捕鯨国同士での新機関設置といった方法が挙げられているが、容易ではないだろう。
 地球温暖化対策で「パリ協定」離脱を決めた米国と同様、国際社会から注がれる視線が厳しさを増すのは避けられまい。
 マグロやサンマなどの資源管理では、日本は国際協調を求める立場だ。反捕鯨国の反発などによる悪影響が懸念される。
 国内の鯨肉消費量は激減し、既に大量の在庫を抱えている。現状では商業捕鯨に転換することのメリットは見えづらい。
 脱退方針の背景には、自民党からの強い圧力があったとされる。
 沿岸捕鯨をはじめとした関係者は、期待と併せて、不安も抱いているだろう。政府はできるだけ早く、脱退後の日本の捕鯨の全体像を示す必要がある。


IWC脱退  国際社会の信用損なう
 政府は国際捕鯨委員会(IWC)から脱退する方針だ。
 IWCでは日本やアイスランドなどの捕鯨国と米国やオーストラリアなどの反捕鯨国が激しく対立している。IWCにいても商業捕鯨の再開が見通せない
ためという。
 IWCの機能不全は否めないが、脱退すればすぐに商業捕鯨を再開できるわけではない。
 国際協調主義に反しているという国際的な反発を招くだけではないか。再考すべきだ。
 日本は1951年にIWCに加盟した。82年に鯨類の資源枯渇を理由に商業捕鯨の一時停止が決議され、日本も88年から中断した。一方、資源調査として北西太平洋と南極海で年間約630頭を捕獲している。
 今年9月、日本はIWC総会で商業捕鯨の再開を提案したが、大差で否決され、直後から「あらゆる選択肢を精査する」と脱退を示唆していた。
 日本の水産庁はIWCが「捕鯨産業の秩序ある発展」という設立目的を見失っているという批判を繰り返している。
 とはいえ、なぜ今、離脱しなければならないのか。国内議論もまったく不十分だ。
 脱退で南極海の調査捕鯨は不可能になる。政府は日本近海や排他的経済水域(EEZ)内での捕鯨を模索するが、国連海洋法条約に基づく国際合意の取り付けが必要で、簡単ではない。
 日本の調査捕鯨は「事実上の商業捕鯨」と批判され、国際司法裁判所は14年に「科学に値しない」と指摘した。9月のIWC総会で日本提案が捕鯨国からも支持を得なかったのは、批判に耳を傾けようとしない日本の姿勢への反発もあった。
 今回の判断の背景には「捕鯨は日本の伝統文化」とする自民党の捕鯨議員連盟の影響もある。古式捕鯨が伝わる和歌山県選出の二階俊博幹事長らが強い対応を求めた。
 だが、日本に伝わる捕鯨は沿岸に限られる。遠洋捕鯨まで伝統文化という主張が国際理解を得られるのか。
 日本では現在、一部地域を除き鯨肉をほとんど食べていない。捕鯨が産業として成立する見込みは乏しいのが現実だ。
 一方で、日本の国際機関からの離脱は極めて異例で、一国主義との批判を招くのは確実だ。IWC脱退がそのリスクに見合う選択とはとうてい思えない。


日本IWC脱退方針 これでは商業捕鯨の理解進まぬ
 政府がクジラの資源管理を担う国際捕鯨委員会(IWC)から脱退する方針を固めた。1988年に停止した商業捕鯨の再開に向け、かじを切る構えだ。
 IWCは反捕鯨国が過半数を占め、捕鯨容認国と対立が先鋭化しており、商業捕鯨への議論は一向に進まない状態に陥っている。だが、自国の主張が通らないからといって国際組織の枠組みに背を向ければ「ルール軽視」と反捕鯨国の反発を強めるだけだ。商業捕鯨を再開する是非について国民的な議論は深まっていない。政府は脱退を考え直すべきだ。
 日本の捕鯨を巡る国際包囲網は一段と狭まっている。9月のIWC総会で、日本は資源が豊富な一部のクジラに限って商業捕鯨再開を提案した。しかし反対多数で否決され、逆に商業捕鯨の停止維持の重要性を訴える宣言が採択された。
 また、10月にはワシントン条約の常設委員会に、北西太平洋の調査捕鯨で捕獲したイワシクジラの肉の日本国内への持ち込みが商業目的で条約違反に当たると判断されている。こうした状況下で、IWC脱退の正当性を訴えても理解を広げるのは容易ではない。
 何より懸念するのは「自国第一主義」が世界各国で台頭する中、日本までも同調する動きとして受け止められかねないことだ。自国を優先する流れが強まればさまざまな場面で多国間の合意を得ることが難しくなる。日本はサンマやマグロ、ウナギなどを巡り、漁獲規制や資源保護を訴える立場で利害関係国と議論している。しかし捕鯨で国際協調を乱したと映れば説得力を欠く。影響は水産分野にとどまらず、日本が旗を振る自由貿易圏づくりの多国間交渉にも影を落とすと自覚しなければならない。
 脱退してもすぐに商業捕鯨が再開できるわけではない。日本が批准する国連海洋法条約ではクジラは国際機関を通じて管理すると定められている。政府は「第2のIWC」となる新たな国際機関の設立を視野に入れるが、新機関への支持や参加が順調に広がるかは不透明だ。参加国が少なければ、新機関の正統性にも疑問符が付く。
 捕獲できる量が増えるかどうかも見通せない。脱退後はクジラ資源が豊富な南極海などで調査捕鯨ができなくなり、こうした海域の鯨肉が市場に出回らなくなる。代わりに日本近海や排他的経済水域(EEZ)での商業捕鯨再開が想定されるが、一定の水揚げがなければ、採算が取れないリスクがあることに目を向ける必要がある。
 国内の鯨肉需要は大幅に減っている。輸入自由化で安くなった牛肉などに市場は奪われ、食文化の変化で商業捕鯨を再開しても大きな需要が生まれるわけではない。国際的な信用を失う危険性がある上に、産業としても不透明では納得はいかない。再開後のビジョンが見えない中で、拙速な判断は許されない。


[IWC脱退へ] 世界の理解得られるか
 政府が国際捕鯨委員会(IWC)から脱退する方針を固めた。
 捕鯨支持と反捕鯨で激しく対立する今のIWCでは、内部で交渉を続けても商業捕鯨の再開は絶望的と判断したとみられる。
 戦後、日本は一貫して国際協調を重視する政策をとってきた。国際機関からの脱退は極めて異例の強硬策と言えよう。
 自由貿易圏づくりなどで多国間交渉を進める日本である。
 自国の主張が通らないからと席を蹴るのは、国際的枠組みを軽視している印象を与えはしないか。国際社会の理解を得られるのか懸念される。捕鯨以外の分野に影響を及ぼす可能性もある。
 今年9月のIWC総会で日本は商業捕鯨の一部再開を提案したが否決された。2014年総会での提案に続く否決で、厳しい立場になった政府関係者は「あらゆる選択肢を精査せざるを得ない」と脱退の可能性を示唆していた。
 発足当初は捕鯨国の資源管理機関だったIWCに反捕鯨国が加わり、対立が先鋭化していた。
 脱退方針はIWCの現状に見切りを付けたということだろう。
 将来的には捕鯨支持国を中心にクジラの資源管理を担う新たな国際機関の設立を視野に、商業捕鯨の再開を目指す考えのようだが、うまくいくだろうか。
 自然保護の機運が高まる中、日本の捕鯨政策は世界から厳しい目を向けられている。
 南極海での調査捕鯨は14年に国際司法裁判所で中止を命じられ、一時取りやめた。今年10月にはワシントン条約の常設委員会が、北西太平洋の調査捕鯨で捕獲したイワシクジラの肉の日本国内持ち込みを条約違反だと判断した。
 こうした状況で、日本の主張を国際社会に理解させるのは容易ではあるまい。新たな機関をつくっても、参加国が少ないと正統性に疑問符が付き、かえって窮地に追い込まれかねない。
 安倍政権幹部は「日本には捕鯨で生計を立てている漁業者もいる。簡単に終わらせるわけにはいかない」と強調する。
 ただ、国内の鯨肉消費は低迷している。1962年度に約23万トンあった消費量が捕鯨規制の影響もあり、最近は年5000トン前後で推移している。
 鯨食は日本伝統の食文化の一つとして継承すべきだとの声もある。だが、一定の需要を開拓して採算の取れる事業とするのは難しかろう。
 リスクを冒してまで商業捕鯨再開を急ぐ意味があるのか。政府は広く国民の理解を得る努力をしてほしい。短慮は禁物である。


大統領宛請願署名 米政府は工事中止指示を
 米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設の工事を県民投票まで止めるよう求めるホワイトハウスの請願サイトの署名が目標の10万筆を突破した。署名が始まった8日からわずか11日間で目標に達した。それだけ辺野古新基地建設に反対している人々が世界に数多く存在していることの証だ。
 署名はトランプ大統領宛の請願を募るインターネット署名だ。ホワイトハウスの請願サイト「We the People」で募っている。開始から30日以内に10万筆が集まれば、ホワイトハウスから請願に対する返答が60日以内に届く。市民の働き掛けが米政府中枢に直接届く極めて有効な仕組みだ。
 請願は「県民投票まで辺野古、大浦湾の埋め立てを止めてほしい」と題し、日本政府と米軍が沖縄の民意を無視していると指摘している。その上でトランプ大統領に「工事を中止させて米国が真の偉大な国であると示してほしい」と訴えている。至極まっとうな主張だ。
 発起人はハワイ在住県系4世で32歳のロバート梶原さんだ。辺野古の抗議活動にも何度も参加しており「自分なら沖縄と米国の間に橋を架けることができると思った」と動機を語る。沖縄の血を引く1人の若者の呼び掛けが世界中の人々に瞬く間に伝わった。
 署名は23日午後5時までの16日間で、15万9千筆を超えている。1月7日の期限までに20万筆を超えるのは確実な情勢だ。辺野古の美しい海を失いたくないとの思いが急速に広がっている。
 多くの著名人も署名している。米ロック界の重鎮ヴァン・ダイク・パークスさん、モデルのローラさん、県出身タレントのりゅうちぇるさんらが名を連ねている。歌手のうじきつよしさんは「かけがえなき沖縄の自然と人々を踏みにじる蛮行を、みんなでストップだ」と記し、署名を呼び掛けた。
 琉球新報社が実施した過去5年間の県内世論調査では、辺野古移設に反対と答えた人は7割〜8割に上っている。最も高かった2012年5月の調査は89%だった。
 共同通信社が今月中旬に実施した全国電話世論調査でも、辺野古移設を進める政府の姿勢を「支持しない」と回答したのは56・5%に上った。辺野古移設強行が沖縄だけでなく、日本の民意にも背いていることは明らかだ。
 それにもかかわらず、政府は14日に埋め立て予定区域への土砂投入を開始した。海中に次々と土砂が投入され、区域内の青い海が褐色に濁った。うじきさんが言うように、これを「蛮行」と呼ばずしてなんと呼ぼう。
 署名のうねりは日を追って増幅している。トランプ大統領は膨大な数に上る人々の思いを真剣に受け止めるべきだ。辺野古移設の工事中止を一刻も早く日本政府に指示してほしい。


北方領土交渉 「2島」「4島」議論を急げ
 北方領土を巡る日本とロシアの交渉が加速している。
 安倍晋三首相とプーチン大統領が11月に会談し、日ロ間の平和条約について、1956年の日ソ共同宣言を基礎にして締結交渉を加速させ、お互いの任期中に決着を目指すことで合意した。
 これは北方領土交渉について、日本側が大きく方針転換をしたことを意味する。同宣言は北方四島(歯舞(はぼまい)、色丹(しこたん)、国後(くなしり)、択捉(えとろふ))に関して「平和条約締結後に歯舞群島と色丹島を日本に引き渡す」と明記しているが、択捉、国後2島については全く触れていない。
 日本政府は公式には明言していないが、「色丹、歯舞の2島返還」を軸に、経済権益などを上乗せさせる「2島+α(プラスアルファ)」を目標に交渉する方針とみられる。「4島返還」にこだわってきた日本側が大幅な譲歩をしたことで、交渉が動きだした格好だ。
 これを受けて、日本では北方領土問題に関わってきた政治家や識者が「2島+α(アルファ)」論と「4島」論に分かれ、論争を始めている。
 安倍政権は早ければ来年6月に見込まれるプーチン氏来日に合わせ、北方領土交渉をまとめて平和条約締結にこぎ着けたい構えだ。しかし、国民の議論はこの急展開に付いていっていない。
 ここでまず「2島+α(アルファ)」論と「4島」論の主張を紹介して論点を整理し、議論の糧としたい。
 ●「現実的な解決策だ」
 「2島+α(アルファ)」での決着を訴える論者たちの主張をまとめると、おおむねこういうことになる。
 「これまでの交渉の経緯を見れば、ロシアによる4島返還は不可能に近い。現実的に可能性があるのは『2島+α(アルファ)』だけだ」
 「安倍首相、プーチン氏ともに政権基盤が強い。この2人が乗り出した今回の機会を逃せば、日ロ間の領土問題解決の道は閉ざされる。先延ばししても日本にとって条件は悪くなるばかりだ」
 「歯舞、色丹と国後、択捉の間に国境線を引き、歯舞と色丹を日本の領土とする。国後と択捉はロシア領土と認めた上で、経済活動や元島民の往来などで日本に特別の地位を認める制度(+α(アルファ))を作ればいい。元島民は高齢化しており、早く決着をつけるべきだ」
 「これからの日本の安全保障における最大の脅威は中国だ。ロシアと平和条約を締結することで関係を安定させれば、『対中国』に全力を注ぐことができる」
 ●「領土で譲歩は禁物」
 一方、「4島」論者たちの主張は、だいたいこんなふうにまとめることができる。
 「ソ連は日ソ中立条約を破って対日参戦し北方四島を不法に占拠した。4島の返還を要求するのは国際正義の実現をロシアに突き付ける意味がある。近い将来ロシアが4島返還に応じる可能性は小さいが、原則を曲げてはならない」
 「そもそも領土については絶対に譲歩すべきではない。日本とロシアとの交渉を国際社会は見ている。もし北方領土でロシアに譲歩すれば、島根県竹島や沖縄県尖閣諸島の問題で韓国や中国が自信を強める恐れがある」
 「歯舞と色丹では北方四島全体の面積のわずか7%だ。残る93%の国後と択捉を放棄するのは譲歩し過ぎで、元島民も納得しない」
 「ロシアの外交交渉術は油断ならず、したたかだ。歯舞や色丹の日本主権でさえ認めるかどうか分からない。『+α(アルファ)』どころか『2島マイナスα(アルファ)』になりかねない」
 ●説明し理解を求めよ
 「2島+α(アルファ)」論も「4島」論もそれぞれ理があり、弱点もある。要は国民がどちらを支持するかだ。面積なら「4島」の優位は明白だが、「2島+α(アルファ)」での早期決着にそれを上回るメリットがあるかどうか。その判断が鍵となる。
 押さえておきたいのは、2島を返還させた後に国後、択捉についても返還協議を続けるという「2島先行」論は、事実上交渉のテーブルに上っていないとみられることだ。日本政府が「2島+α(アルファ)」論に「国後、択捉にも望みがある」ような説明をするのなら、それはごまかしである可能性が高い。
 河野太郎外相が先日の記者会見で、日ロ交渉に関する記者の質問に答えず「次の質問どうぞ」と繰り返した。手の内を明かしたくない気持ちは分かるが、領土交渉に向かう方針さえ明らかにせず、後で結果だけ認めろという態度は、主権者である国民を軽んじていると言うほかない。
 安倍政権が早期の交渉妥結を目指すなら、年明けの通常国会で率直に方針を説明し、まず国民の理解を求めるべきである。


服役11回、刑務所に半世紀の男性「今、幸せです」 生き直しを支えるもの
服役11回、刑務所生活はおよそ50年――。どんな人相の人が出てくるのかと思えば、登場したのはむしろ気の弱そうな、小柄な老人だった。
福田九右衛門さん(87)は、人生の半分以上を刑務所で過ごした。軽度の知的障害があるものの、障害福祉サービスとつながったことはなかった。身元引受人はおらず、出所するたびホームレスになっては、刑務所に戻るため犯罪を繰り返した。
しかし、2016年に出所したときは違った。ホームレス支援のNPOが出迎えてくれたのだ。福田さんは現在、北九州市内の施設で暮らす。「僕は今、幸せです」――。もう刑務所には戻らないと誓っている。
NPO法人監獄人権センターは11月、出所後の福田さんに密着したテレビドキュメンタリー「生き直したい〜服役11回・更生の支え〜」の上映会を開いた。イベントには、福田さんもゲスト参加した。
●「重大犯罪の当事者を主人公にして良いのか」という反対も
福田さんは京都生まれ。父から虐待を受けることもあったといい、そんな父を困らせようと、22歳のとき放火したのが服役生活の始まりだった。父は自殺し、親類とは疎遠になった。
最後に服役したのは、2006年1月に起きた下関駅放火事件。深夜だったため、幸いにして死傷者は出なかったが、貴重な文化財でもあった駅舎が全焼し、被害額は5億円以上にもなったという。
番組ディレクターの長塚洋さんは、「重大犯罪の当事者を主人公にして良いのかという反対も多かったんです」と企画当時を振り返る。
それでも押し通したのは、「判決まで」で終わってしまう報道への問題意識からだった。
番組は高く評価され、テレビ朝日系列24社の自社制作番組から選ぶ「プログレス賞」(2018)の最優秀賞などを受賞した。
なお、下関駅放火事件は、福田さんが福岡刑務所を出所して8日後の出来事だった。福田さんは「刑務所に戻りたい」と万引きを繰り返すなど、この短期間に警察や区役所、福祉事務所など8つの公的機関と接触している。しかし、どこも対応できなかった。
だからといって放火が許されるわけではないが、第一報の「出所してすぐに放火」とは違う印象を受けるのもまた確かだ。事件は司法と福祉の連携不足など、多くの課題を浮き彫りにした。
●「今まで誰も引き受けんでね、寂しくて」
番組は、福田さんの出所シーンから始まる。出迎えたのはホームレス支援などに携わる東八幡キリスト教会(北九州市)の牧師・奥田知志さん、伴子さん夫妻。
「あなたは一人じゃない」「ずっと待っていましたよ」。関係者らも福田さんに声をかける。当時84歳が経験する、初めての温かい歓迎だ。
福田さんはしばらく教会で暮らした後、奥田さんが理事長を務める認定NPO法人「抱樸(ほうぼく)」の支援付住居施設「抱樸館北九州」で生活を始める。カメラはそんな福田さんに密着する。
「生き直したい〜服役11回・更生の支え〜」
教会のイベントやホームレス支援の炊き出し、デイ・サービスなど。さまざまな人とかかわる中で、福田さんに笑顔が増えていく。
2016年の夏には、全焼させた下関駅に謝罪に行った。「みんなに迷惑をおかけしました」。福田さんの言葉に駅長は「体に気を付けて頑張ってくださいね」と声をかけた。
先々を考え、教会の小さな納骨スペースも予約した。周りには同じように身寄りのない人たちも眠る。「安心した。無縁仏じゃ困る」。そうつぶやく福田さんに、奥田さんは語りかける。
「もう無縁やないわな。亡くなってからも(福田)九右衛門さんのことを覚えてくれてる人がずっとまだおるっちゅうことよ。出会った人がここに来て九右衛門さんの話をするわけ。もう無縁やないよ」
番組中、「もう火をつけないか」と尋ねられ、福田さんは「つけない」と答える。過去10回と何が違うのか。「今まで誰も引き受けんでね、寂しくて…。今寂しくない」――。
●「出会い」が支えに
この日、会場で番組を観た福田さんは、感想を聞かれて「照れくさい」と答えた。
会場に着いたときは、多くの人から「ようこそ」「会いたかった」と声をかけられたそうだ。福田さんに同行した奥田さんは、「刑務所で『ようこそ』なんて言われない」と笑いを誘いながら、「自分で自分には言えない言葉。他者性の極みのようなもの」だと話した。
奥田さんは言う。「人間が大元持っている問題はなくならないと思う。(福田さんに)火をつける可能性は残っている。あの時の状況が再来するとそうなりますよ。そのリスク以上に、もっと大事なものができたということ」
それは多くの人との出会い、つながりだ。「この人たちがあの日、駅にいたら大変なことになる。それが分かるのも出会いがあるから。だから、できるだけ一緒に(講演の)旅に出て、たくさんの人に会ってもらいたいと思う」
妻の伴子さんは、「引き受けが決まって、84年間を丸ごと一緒に生きてみるかと覚悟を決めた」と話した。
「(福田さんは)この2年間、日に日に人生を取り戻していて、とても明るく、楽しく生きている。出会いによって、そういう風に生きられる人はたくさんいると感じています」
●「太いロープではなく、たくさんの細い糸で」
福田さんには、奥田さん夫妻や施設関係者のほか、精神科医や保護観察官など、多くの専門家がかかわっている。しかし、出所から2年以上がたち、その役割は減っている。奥田さんは「日常に入ると質より量」だと言う。
「太いロープではなく、細い糸みたいなもの、何百本もの絡みの中で生きていくのが共生社会。資格がある人が集まって、『よっこらせ』とやっているわけじゃない。どれだけ多くの人の中で、ごまかしごまかし絡めていくか」
福田さんは、「刑務所の中に友だちはいた。外にはいなかった」と話す。しかし、今は多くの人に囲まれ、「幸せ」だという。現在87歳。「100歳まで生きる」と力強く語った。
イベント後、福田さんは会場の出口に立ち、参加者と握手を交わした。福田さんの前に並ぶ列はなかなか途切れなかった。
「生き直したい〜服役11回・更生の支え〜」は、12月下旬にテレビ朝日系で約1時間の完全版が放送される。テレビ朝日は12月29日午前4時50分から。


南青山「児童相談所排斥運動」で露呈した、根深い偏見と悲しき現実 今、虐待について知っておきたいこと
原田 隆之 筑波大学教授
悲惨な虐待事件が後を絶たない
今年3月、目黒区の5歳児船戸結愛(ゆあ)ちゃんが、両親から度重なる虐待を受け、「もうおねがい ゆるして」という悲痛な「反省文」を残して死亡した事件の後、社会は大きな悲しみと怒りに包まれた。
どうしてこの小さな命を守れなかったのかという悲しみ、そしてこれほどまでに少女を追い詰めた挙句、死に至らしめた親への怒り。わが国において、悲惨な虐待事件は後を絶たず、ここ何十年もの間、増加の一途をたどっている。
このニュースを受けて、誰もが児童相談所がもっと適切に支援ができなかったのか、親から子どもを一時的に離して保護するような手段が取れなかったのかなどと、歯がゆく思ったことだろう。
これは、直接的には児童相談所に対する批判であるが、同時に子どもを守る砦として、児童相談所に対するわれわれの期待が大きいことの表れでもある。
結愛ちゃんのケースでは、残念ながら最悪の結末を迎えてしまったが、児童相談所によって守られ、助けられた子どもたちは数多くいるはずである。
南青山で起きた児童相談所排斥運動
このように、児童相談所の役割の大きさには、誰もが一致して理解を示し、期待をする一方で、東京の港区南青山では、突如持ち上がった児童相談所建設問題に対して、「迷惑施設」として住民による反対運動が起こっている。
ニュースで報じられた住民の声は、もちろん賛成意見もあったが、狭量としか言いようのない反対意見が目立った。
たとえば、「南青山は自分でしっかりお金を稼いで住むべき場所」「いろいろな習い事をしている子どもが多く、学校のレベルが高い。施設の子が来れば、逆につらい気持ちになるのではないか」「不動産の価値が下がる。街の魅力が半減し、街の発展のブレーキとなる」などの意見があった。
くだらない「選民意識」で勝手に自分をレベルの高い特別な存在と思い込み、「レベルの低い人」を見下す姿勢には嫌悪感しかない。レベルが低いのは、一体どっちのほうだろう。
また、テレビのワイドショーでは、お笑い芸人の松嶋尚美が、住民の反対意見に理解を示し、「(近所に児童相談所ができたら)自分なら引越しするかもしれない」「親に暴行された子どもが、外に飛び出して暴力を振るったり、カツアゲをしたりするかもしれない」などと語った。
これらの意見には、児童相談所という施設に対する偏見や無知が満ち溢れている。
そもそも児童相談所とは?
児童相談所とは、児童福祉法に基づく施設であり、すべての都道府県および政令指定都市に1ヵ所以上設置されることになっている。
今年6月の法改正で、東京23区にも設置が可能となり、そのために今回の騒動となったわけである。
児童福祉法は、その第1条で、
すべて国民は、児童が心身ともに健やかに生まれ、且つ、育成されるよう努めなければならない。
すべて児童は、ひとしくその生活を保障され、愛護されなければならない。
と規定している。
つまり、子どもはすべて守られ愛される権利を有し、国民は子どもを守り育む義務がある。このことは、国民すべてがはっきりと自覚しておく必要がある。
したがって、児童相談所に反対する人々は、子どもの権利を脅かし、国民としての義務をないがしろにしているに等しい。
自分たちの税金でこんな施設を建てることは許さないと声高に叫ぶのであれば、その前に自分たちが国民としての義務を軽視していることに気づくべきである。
また彼らは、児童相談所は、虐待を受けた子どもたちの施設としてのみとらえているようであるが、それも間違っている。たしかに、虐待が大きな社会問題となっている今、児童相談所が虐待問題に対して果たす役割は大きい。
しかし、児童相談所の使命はそれだけではない。
児童の福祉に関する専門的知識が必要な事柄に対する業務を行うことがその目的であり、具体的には、養護相談(父母の死亡や離婚などによる養育困難、虐待)、保健相談(未熟児や虚弱児)、心身障害相談(身体障害、発達障害)、非行相談、育成相談(問題行動、不登校)など、幅広い相談を受けることが想定されており、虐待はその1つにすぎない。
そして、こうした問題に対処し、子どもの福祉の向上を目指して、相談や情報提供などの支援を行うほか、必要であれば一時保護、里親委託などを行うこともある。
また、一時保護所に保護された子どもたちは、基本的に短期間(原則2ヵ月)、施設のなかで生活するため、近隣の学校に転校することはない。
南青山に予定されている施設にも一時保護所は設置されるが、さらにシングルマザー(母子生活支援施設)やDV被害を受けた女性の保護施設(いわゆるシェルター)も設置される予定だという。
したがって、施設の建設に反対している人々は、こうした社会的弱者の保護や福祉にも反対し、その権利を蹂躙(じゅうりん)しようとしているのである。
虐待は連鎖するのか
一連の反対意見のなかで、特に私が看過できないと感じたのは、先に挙げた松嶋尚美の意見である。彼女は、暴力を受けて育った子どもは暴力的になると述べ、いわゆる「虐待の連鎖論」を展開した。
しかし、そこに明確な根拠があるわけではなく、「自分の子どもの学校でそんなことがあった」という自らの限られた体験やエピソードのみに頼っているのみであった。
彼女がそのような体験をしたことは事実だったかもしれないが、それでは「虐待を受けたが、暴力的ではない子ども」について、考えをめぐらしたことがあるのだろうか。
先述のように虐待は増加の一途をたどっており、児童相談所が対応した件数だけでも、平成27年度にはじめて10万件を超えたあと、平成29年度には13万件を超えている1。
だとすると、少年の粗暴非行も激増しているはずであるが、少年非行はここ10年間減少の一途である。粗暴非行も減少しており、非行の8割以上は窃盗などの軽微な犯罪である2。
さらに、非行や暴力に関するこれまでの研究データの集積を見ても、虐待と非行や暴力との関連は、非常に小さいことがわかっており、総体的にみて虐待は非行のリスク要因であるとはいえない3。
つまり、目に見える1つや2つのエピソードをもとに、テレビで軽々しく「虐待の連鎖論」を語っただけで、このようなデータが示す「事実」をまったく無視している。
もちろん、虐待は子どもに大きなダメージを与え、その発達や福祉を大きく阻害することは間違いない。また、暴力的な家庭で育った子どもが、親の言動を真似たり、その価値観を受け継いで暴力的になったりすることはあるだろう。
とはいえ、虐待を受けたとしても、それを乗り越えて克服する子どもが圧倒的に多い事実4、そしてそれは本人の努力や周囲の支援の賜物であるという事実を、まったく無視して無責任な偏見に満ちたコメントをするのは、軽率の誹りを免れない。子ども自身やその支援に取り組む人々の努力を踏みにじるような暴言である。
われわれのなかの「2つの顔」
虐待は一刻も早く根絶すべき、重要な社会問題である。とはいえ、それは一朝一夕で解決できるようなものではなく、不幸にも虐待を受ける子どもが増え続けているのは悲しい事実である。
だからこそ、虐待を受けた子どもの支援をすることが社会の責任である。そして、暴力の連鎖を断ち切って、子どもが健全で幸福な社会生活を送れるよう支援をする施設こそが、児童相談所にほかならない。それを否定し、嫌悪するのであれば、虐待や暴力に加担しているのと同じである。
おそらくは、反対運動をしている人々も、結愛ちゃんの事件のときは、みな悲しみ憤っただろうし、普段は善良な市民であるのだろう。
しかし、それは自分に火の粉が降りかからない限りにおいてであり、ニュースには涙を流しても、いざそれが自分の身の周りのこととなると、極端な偏見を顕わにしてまったく別の顔を見せる。
これは、多分彼らが特別な悪人だからではなく、われわれも同じような状況に置かれたとき、大なり小なりに同じような反応を見せるのかもしれない。
教育評論家の尾木直樹は、「児童相談所は少年院や鑑別所ではない」と今回の問題に対して怒りをあらわにしていたが、それでは少年院や鑑別所ならば、排斥してよいのだろうか。
彼もまた、特段の悪意もなく述べたのであろうが、そこにやはり「迷惑施設」を排斥する人々と同じ顔が、グラデーションをなして見え隠れしている。
われわれはよほど気を付けないと、知らず知らずのうちに、2つの顔を使い分けてしまうようだ。
一方、児童相談所の側も、国民への啓発活動や、地域住民から理解を得るための対話などに尽力する必要があるだろう。これまでも、さまざまな努力はなされているとは思う。また、プライバシーに配慮する必要上、オープンにできないことがたくさんあることも理解できる。
しかし、これだけ児童相談所への無理解や偏見が大きいことが明らかになった今、残念ながらこれまでの児童相談所の「PR活動」は、不十分だったと言わざるを得ない。
言うまでもなく、子どもの福祉や育成は、施設のなかだけで完結するものではなく、地域住民の理解や協力が必須である。
児童相談所の理念や重要性は、誰もが理解している。しかし、それだけでは「もう1つの顔」を納得させることはできない。【引用文献】
1 厚生労働省(2018)平成29年度児童虐待対応件数(速報値)
https://www.mhlw.go.jp/content/11901000/000348313.pdf
2 警視庁(2018)平成29年中 少年育成活動の概況(少年非行の状況)http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/about_mpd/jokyo_tokei/kakushu/hiko.files/hikou.pdf
3 Bonta & Andrews(2016)The Psychology of Criminal Conduct. Routledge. (原田隆之訳「犯罪行動の心理学」北大路書房)
4 原田隆之(2015)「入門 犯罪心理学」ちくま新書


日本共産党・志位和夫「安倍さんは戦後最悪の総理だ」
 日本共産党委員長・志位和夫氏(64)。国会で見せる冷静な口ぶりと同様に、淡々と安倍晋三総理(64)のことを語り始めた――。
「ひと言で言うと、戦後最悪の総理大臣だと思います。2014年に集団的自衛権行使容認の閣議決定を強行し、2015年9月19日に私たちが戦争法と呼んだ安保法制を強行・成立させました。
 歴代政府は半世紀以上にわたって、『憲法9条のもとでは集団的自衛権は行使できない』ということを憲法解釈として述べてきました。繰り返し、国会でもそう答弁してきました。
 これを1日にしてひっくり返してしまった。つまり、初めて『憲法などくそくらえ』という総理大臣が誕生したわけです。
 憲法というのは、国家権力を縛る、いわば『鎖』です。その『鎖』を平気で引きちぎる総理大臣が出てきた。こんなことをやった人はいない。戦後最悪と言わねばなりません」
 安倍総理とは、1993年初当選の同期で、当選回数も年齢も同じ。だからか、「関係は悪くない」という噂がある。その点を尋ねると、総理と加計学園の理事長との関係が頭に浮かんだのか……。
「特別の個人的な関係というのはいっさいありません。もちろん、ゴルフしたり、会食したりすることもないです(笑)」
 人間的には、総理をどう見ているのだろうか。「かなり辛口ですが」と断わったうえで、こう答えた。
「人間的にも、総理としての資質を欠いていると言うほかないですね。国会での立ち居振舞いを見ていても、著しく品位に欠けます。
 たとえば、閣僚席からヤジる。『早く質問しろよ』と。質問者に対して、恫喝するような発言、軽蔑するような発言も目立ちました。閣僚席からのヤジは、それひとつをとっても内閣総辞職に値するものですよ」
 志位氏が質問に立つと、総理からも自民党議員からもヤジがなく、静まる場合も少なくない。ある自民党の若手議員がその理由を話す。
「志位さんが質問に立つと、勉強になって、正直、感心させられる。だから、ヤジることができない」
 志位氏はどう感じているのか。
「私の質問に対しては、さすがに『早く質問しろよ』とは言わない。一見、神妙に答弁することが多いが、誠実に答えているかというと、そうはいえない。
 困ったことは、噓が平気なことです。たとえば、オリンピック招致の演説で、『(福島原発事故の)状況は完全にコントロールされている』と。
 その種の噓を平気で言う。ここでも総理としての資質を欠いている。そうした問題が集中して表われているのが、森友・加計疑惑に対する態度だと思います」
 2017年2月、森友問題で総理は「私や妻が関係していたということになれば、総理大臣も国会議員も辞める」と発言。その後、森友・加計問題では、官僚による文書の隠蔽、改竄など、前代未聞の事態が相次いだ。
「総理の答弁が真実なら、官僚が辻褄合わせの噓をつく必要はない。私は党首討論で、『噓の答弁に噓で辻褄を合わせる、そんな政治は終わりにすべきだ』と言いました」
 志位氏は書記局長時代から、細川護熙氏以降、13人の総理大臣と対峙してきた。うち7人の総理が自民党だが、印象的な人物が2人いるという。
「1人は橋本龍太郎さんです。1990年代後半、私が書記局長の時代に予算委員会で何度も論戦をやりましたが、おもしろかった。とにかく聞いたことに真正面から答える。
 ですから、立場が違うんだけど、論は嚙み合った。しかも、私は国会議員になりたてで、ちょっと強引な質問もあった。それでも質問に嚙み合わせて答えてくれる。先方も私との論戦を楽しんでいた感じもありました。
 論戦後に、当時、共産党の委員長だった不破さんとの党首会談に同席すると、『先日は、国会で志位さんにボコボコにやられちゃって』と、おどけて言うのです。
 若い者が相手でも、「早く質問しろよ」なんて言わないで、きちんと論には論で答えた。とても印象的です」
 68歳で亡くなった橋本氏に次いで挙げるのは、いまなお、言動が注目される小泉純一郎氏(76)だ。
「小泉さんとは、いろんな問題で対立が深かった。イラク戦争に構造改革……。だいたい全面的に対立していたが、交わるところがあった。
 日朝平壌宣言です。日本の戦後外交のなかで唯一といっていい快挙だと思っています。この宣言は、日朝問題解決の包括的方針を示したもので、いまだに宣言は生きている。
 小泉総理とは、北朝鮮に行く前にも後にも、党首会談をしましたが、『この点については大賛成だ。全面的に協力する』と表明しました。
 宣言を具体化するうえでいろいろ提案をお持ちしたが、この問題では私たちの提案にも耳を傾けてくれた。小泉さんとは、おもしろいことに、今、原発ゼロでも意見が一致している。いろいろと協力していきたいと思っています」
 2019年10月に予定される消費増税と、憲法改正を阻止する。これが目下の共産党の目標だ。最後に、その意気込みを志位氏の好きなクラシックの曲にたとえると? と強引な質問を……。
「私は、ショスタコーヴィチ(編集部注・ソ連時代の作曲家)が好きなんですね。15の交響曲のうち、最高峰は4番か8番。甲乙つけがたいのですが、スターリンの専制政治に対して、『不屈に闘う』というメッセージがこめられています。
 全体主義的な政治と闘うという意味で、ショスタコーヴィチの交響曲8番にします」
 志位氏の頭の中では、その楽曲が奏でられていることだろう。


内田家の墓に眠る希林さん「死んだ後は同居ね」 40年以上裕也と別居も冷めなかった夫婦愛
 今年は名作の数々を彩ってきた大女優らの訃報が相次いだ。樹木希林さん(享年75)は9月15日に亡くなった後も「万引き家族」「日日是好日」などの演技が評価され、映画賞を次々と受賞。告別式で長女の内田也哉子(42)、義理の息子の本木雅弘(53)らが語った夫・内田裕也(79)との深い愛情は、参列者をはじめ多くの人の心を打った。
 今年春に余命宣告を受けてから、自らの葬儀や遺影について決めるなど、終活を行っていた希林さん。現在は都内にある内田家の墓で眠っている。ファンも訪れているのか、比較的新しい花も供えられていた。裕也の先祖代々の家族墓で、希林さんは生前「死んだ後は同居ね」と笑っていた。女優の浅田美代子(62)と、自身の墓前で花見も行った。
 がんを患った希林さんは、体のことを考え、近年は撮影が慌ただしいテレビドラマから映画へかじを切っていた。最期の時が近づいても普段通りの生活を心掛け演技に集中し「万引き家族」「日日是好日」「モリのいる場所」はいずれも高い評価を受けた。「日日是好日」では呼吸音の荒さが画面を通しても聞こえるほどで、映画関係者は「文字通り命を削りながら作品を残した」と話した。
 告別式では内田家の人々が希林さんの思いを代弁した。也哉子が弔辞で、希林さんの書庫で見つけた裕也からの手紙を紹介した。結婚1年後の74年に書かれたもので「俺の夢とギャンブルで高価な代償を払わせていることは、よく自覚しています。本当に心から愛しています」。40年以上別居しながら離婚をしなかった2人。裕也には複雑な思いを抱いていた也哉子だが、母・希林さんが常に「“お父さんにはひとかけらの純なものがあるから”と言っていた」と明かした。
 本木も希林さんが入院中に「(裕也に)会いたい」と繰り返していたことや、荼毘(だび)に付された後に裕也が顎の骨を拾ってポケットに入れて持ち帰ったことなどを報道陣に伝えた。
 残された遺族2人が口にしたのは希林さんの功績や人柄ではなく、いかに希林さんが裕也を愛し、優しく見つめてきたかだった。その“おくりびと”としての在り方に多くの人が胸を打たれたのだった。


二重国籍禁止は違憲、在外日本人らが提訴 「時代にそぐわず」
日本人に生まれても、外国籍を取得すれば日本国籍を失うとする日本の国籍法の規定は憲法違反だとして、海外に住む日本人らが日本政府を相手取って訴えを起こしている。二重国籍になった時点でやむを得ず日本国籍を離脱した日本人は、100万人に上るとも推計される。原告らは、国籍法の規定は「時代遅れ」だとして、日本国籍保持の確認や制度の改正を求めている。
 白石由貴(Yuki Shiraishi)さん(34)は東京の空港の入国審査場を通過した時、情けなさに打ちひしがれたという。両親が日本人用のレーンを素早く通り抜けていった一方で、白石さん自身はスイスのパスポート(旅券)を目立たないようにしながら、外国人の列に並んでいたのだ。
 海外で生活する日本人には、白石さんのように、二重国籍になったために日本国籍を放棄することを余儀なくされた人が大勢いる。日本は、世界で50か国ほどにとどまる、二重国籍を認めていない国の一つだ。
 この問題が改めて注目されるきっかけになったのは、今年9月、女子テニスの大坂なおみ(Naomi Osaka)選手が全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2018)で優勝し、日本勢初の四大大会制覇という快挙を達成したことだ。21歳の大坂選手は、日本人の母とハイチ人の父の元に日本で生まれ、米国で育った。
 大坂選手は現在、日本と米国の二重国籍を持っている。日本政府が特例として黙認しない限り、どちらの国籍を選ぶかを22歳の誕生日までに決定しなくてはならない。
 白石さんは、制度の変更を求めて闘っている。時代に合わなくなっていると一部の専門家からも批判される二重国籍禁止規定の見直しを求めて、法務省を相手取って仲間たちとともに訴訟を起こしたのだ。
「理由なく拒否された」
 白石さんは国連(UN)と国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)に務める両親の元にスイスで生まれ、スイスで育った。16歳になる前、行政上の手続きが簡単になるということで、両親の勧めに従ってスイス国籍を取得した。この決断がどういう意味を持っていたのかを白石さんが知ることになったのは、6年後、日本に来た時のことだった。
 弁護士の父親から、日本のパスポートを返却するように言われたのだ。「父にとって、私が日本の法律に違反して、2つの国のパスポートを所持した状態でこそこそ生活するなどというのは、論外だったのです」
 白石さんはスイス総領事館を訪れ、自分の国から放り出されたような悲しい経験を説明した。「私は何の理由もなく拒否されている。そう気づきました。生まれた時には日本のパスポートがあり、両親が日本人で、まだ日本と固い絆で結ばれているというのに、私は自分の国と切り離されてしまったのです」
 一番つらかったのは、公式な手続きのために、自身の名前の漢字表記がアルファベットに変わってしまったことだったという。「事務的なことにすぎないと思い込もうとしたんですが、やっぱり傷つきました」と白石さん。
 白石さんは「私が同意していないのに国籍を取り上げられた」と語り、国籍法は「ばかげている」と憤る。「私は日本人であり、スイス人です。子供が片方の親だけでなく、両方の親から離れようとしないのと同じことです」と訴える。
 別の原告で、スイスのパスポートを選んだ後、日本国籍を失うことになった野川等(Hitoshi Nogawa)さん(75)も、国籍法は時代遅れだと厳しく批判する。「日本は約250年にわたって鎖国状態にあった。政治家たちは、日本人が海外で働くようになるとは想像できなかったのだろう」
 国籍法では、外国籍を持つ日本国民で規定の期限内に日本国籍の選択をしない人に対して、法相が書面で国籍の選択を催告できると定めている。しかし、実際にこのような催促がされたことは一度もない。
 この点が国籍法をますます訳の分からないものにしていると指摘するのは弁護団の冨増四季(Shiki Tomimasu)弁護士。「すべては本人の申告にかかっている。本人が二重国籍を持っていると認めない限り、政府はそのことに決して気づかない」
 日本政府は、1985〜2016年に90万人の二重国籍保持者がいたことを把握していると説明している。ただ、実際の人数はこれより少ないか多い可能性がある。
 アジアでは中国や韓国も二重国籍を認めていない。


財務省が「ブラック企業大賞」市民投票賞を受賞! セクハラだけじゃない、元職員が公文書改ざんを生んだブラック体質を告発
 昨日、「ブラック企業大賞2018」の授賞式がおこなわれ、三菱電機が大賞に選ばれた。
 三菱電機といえば、2017年度の売上高が4兆4311億円、営業利益は3186億円と過去最高を更新する一方、長時間労働が原因で5人の男性社員が精神障害や脳疾患を発症し、うち2人が過労自殺。5人は2014〜17年に労災認定されている。まさに大賞にふさわしい「ブラック」ぶりだ。
 今年のブラック企業大賞はほかにも、「裁量労働制」が違法適用されていた野村不動産や、第三者委員会の調査により凄絶なパワハラ実態が明るみに出たスルガ銀行、「事業場外みなし労働時間制度」の違法適用や長時間残業のほか、支店長が出す「有給チャンスクイズ」に正解しないと有給がもらえないなどのパワハラが発覚したジャパンビバレッジ東京など、9社がノミネート。
 しかし、なかでも注目を集めていたのは、ノミネートのなかに、あの「財務省」が入っていたこと。そして今回、一般投票で決まる「市民投票賞」に、財務省は見事(?)選ばれたのだ。
 財務省が今回、ブラック企業大賞にノミネートされた理由は、今年4月に発覚した、財務省の福田淳一事務次官(当時)によるテレビ朝日女性記者へのセクハラ問題だ。
 ブラック企業大賞HPに掲載されているノミネート理由によれば、問題が「週刊新潮」(新潮社)に報じられた際、財務省トップの麻生太郎財務相が〈被害女性に名乗りでるよう促す一方で、事務次官がはめられた可能性などにも言及〉したこと、さらに〈日本には「セクハラ罪という罪はない」と発言し、セクハラを軽視する態度を崩さなかった〉〈セクハラ行為を防止することが第一であるはずなのに、「男を番記者にすればいい」などと女性記者を排除するような発言もあった〉ことを指摘。こうまとめている。
〈こうした麻生大臣の言動は、セクハラが深刻な社会問題であることの認識を欠いていると指摘せざるを得ない〉
〈「女性活躍」を標榜する政府の中枢機関で起きたセクハラ事件に対して、その対応があまりにお粗末であったと言わざるを得ない。その悪影響は計り知れないほど大きい。そこで、民間企業ではないが特別にノミネートした〉
 福田事務次官のセクハラの中身も酷いものだったが、それだけではなく、問題に厳しく対処すべき大臣が自ら“ハニートラップ”説を唱え、「男に替えればいい」と公言する…。これは「お粗末」などというレベルではなく、副総理でもある麻生財務相による「セクハラくらいでガタガタ言うな」という、全女性に対する侮蔑としか言いようがない事件だ。
 今回、市民の投票によって、この事件が「ブラック」認定を受けたことは当然であるし、あらためて注目が集まったことの意味は大きいだろう。
 だが、財務省の「ブラック」問題は、セクハラ問題にかぎらない。なかでも忘れてはならないのは、財務省による森友問題の決裁文書の改ざんをめぐって、今年3月、近畿財務局の担当職員を自殺に追い込んだ一件だ。
 自殺した近畿財務局職員が遺したメモには、「決裁文書の調書の部分が詳しすぎると言われ上司に書き直させられた」「勝手にやったのではなく財務省からの指示があった」「このままでは自分1人の責任にされてしまう」「冷たい」などという言葉が綴られていたというが、一方、職員の自殺が報じられるや否や、麻生財務相は佐川宣寿・国税庁長官を辞任させただけ。その後の内部調査結果でも佐川氏にすべての責任を押し付けながら、「3カ月の停職処分相当」として退職金から相当分を差し引くという大甘な処分に終わった。
 直接、文書を改ざんするという“汚れ役”を命じられ、自らの意志に反した違法な作業を強要され、精神的にも肉体的にも追い詰められ、さらに改ざんが発覚すると財務省は近畿財務局に責任を押し付けようとした。こうして人ひとりの命を奪っておきながら、麻生財務相は何食わぬ顔で、いまだに大臣として居座りつづけているのである。
近畿財務局元職員が「何も変わっていない」「職場は真っ暗になってしまう
 しかも、だ。改ざん前の決裁文書には、籠池泰典前理事長が安倍昭恵氏と撮った写真を見せていたことが書き込まれていた。今月19日付の朝日新聞では、実名による証言をおこなった近畿財務局で国有財産の管理に携わった元職員4人は、これが不当な値引きにいたる端緒ではないかと見ている。
「公表された記録を読むと、財務局は当初、学園側からの要求もきちっと断っているのに、このころを境に押し込まれるようになったように見える。主客が逆転し、籠池さんの方が主人公というか、強くなってしまったようだ」(喜多徹信氏)
「この写真が出てくる事態になった時点で、本省と財務局は綿密に連絡を取り合って、学園の要求を蹴ってしまうのか、それとも最後までやり通すのかを決断したのではないか」(伊藤邦夫氏)
“総理夫人案件”として国有地が約8億円も値引きされ、疑惑が報じられると公文書を改ざんして問題を隠蔽する。その結果、ひとりの職員が死に追い込まれた──つまり、近畿財務局職員の自殺は、財務省だけの問題ではけっしてないのだ。
 森友問題にかんして実名で証言をおこなっている理由について、元職員はこう話している。
「公務員は馬鹿正直に文書を大切にする。それなのに国会で財務省は「(学園との交渉記録が)ない」などと言い切って驚いた。大きな犠牲も出ているのに、だれもまともに責任を取っていない。このままではいけないと思った」(田中朋芳氏)
「公文書の改ざんが発覚しても、上の人は知らん顔を決め込んで何も変わっていないように見える。この問題をないことにしてしまったら職場が真っ暗になってしまうんじゃないかと思った」(安田滋氏)
“ブラック”な組織を変え、健全な職場や労働環境をつくっていくには、実態の告発や外部からの指摘が重要になってくる。不名誉にも一般市民の投票で「ブラック企業大賞」に選ばれた財務省の問題は、まだ膿が出きった状態ではない。このままフェードアウトさせるわけにはいかない問題だ。


平成とともに「年賀状じまい」人付き合いもスリムに
 「平成最後となる本年をもちまして、年始のごあいさつを失礼させていただきます」−。来年の新天皇即位で元号が変わるのに合わせ、長年続けてきた年賀状のやりとりをやめる「年賀状じまい」をする高齢者が増えている。人生の終盤に向けて準備する「終活」が広まる中、次の時代は人付き合いもスリムにしたいとの思いがあるようだ。(広畑千春)
 「もう潮時やね」と話すのは、神戸市西区の元教員の男性(78)。2019年の年賀状で「これで最後」と伝え、20年からはごく親しい人に絞って出すことにしたという。
 現役時代は学校関係者や教え子らと200枚以上の年賀状をやりとりした。12月に入ると図柄を考え、休日は朝から家庭用簡易印刷機「プリントゴッコ」(2012年に事業終了)で印刷。和室はインクを乾かすため並べたはがきで埋まった。正月は届いた年賀状の枚数を家族で競争。ダントツの1位が誇らしかった。
 だが退職から20年が過ぎ、年賀状の枚数は年々減少。すでに亡くなった教え子もいる。「この年になるとつらい知らせも多い」と嘆く。
 同市長田区の女性(80)は、19年の年賀状は親しい人だけに出すことに決め、印刷済みのものを10枚だけ購入した。年賀状を出さないことは、特に知らせなかったという。「年賀状じまいは仲間うちでも話題で、数年前から考えていた。傘寿を迎え、平成も最後だし、良い機会かな」と話す。
   □   □
 メールや会員制交流サイト(SNS)の普及に伴い、来年の年賀状の当初発行枚数は前年比7・2%減の約24億枚に。過去最高だった03年度からほぼ半減した。印刷を請け負う神戸市内のプリントショップなどでは「平成最後」をPRするが、はがき料金が1枚62円に値上がりした影響もあってか注文は伸び悩む。
 代わりに目立つのが、ごく少数を送るため印刷済みの年賀はがきを買い求めるケース。「パレットプラザさんちか店」(神戸市中央区)の佐村誼(よしみ)店長(28)は「年賀状じまいのためと言って次々と買われる。これまでなかった光景」と話す。
 インターネット上には年賀状じまいの文面を紹介するサイトが並び、手紙の書き方講座などでも文面や出し方に関する相談が増えているという。一般社団法人「手紙文化振興協会」(東京都)代表理事のむらかみかずこさんは「儀礼的に誰もが当然出すものから、人付き合いのツールの一つに変わってきた。新しい年を機に、相手との関わりや自分の生き方を見つめ直してみては」と話す。


松本人志の上沼評「吉本ではない人で…」が持つ非常に重い意味
 お笑いコンビ「とろサーモン」久保田かずのぶ(39)と「スーパーマラドーナ」武智正剛(40)が、「M―1グランプリ2018」で審査員を務めた上沼恵美子(63)に“暴言”を吐いた騒動は、収まる気配がない。
 この問題について「ダウンタウン」松本人志(55)は、9日に放送された情報番組「ワイドナショー」(フジテレビ系)で「上沼さんという人がどれだけの人か、本当に分かっていない。勉強不足だし、勉強が不足しているということすら、勉強できていない」と2人を切って捨てた。
 さらに8日には、上沼が司会を務める大阪・読売テレビの「気になる情報のウラのウラ 上沼・高田のクギズケ!」の収録現場を訪れ、上沼と直接会ったことは当サイトでも既報した通りだ。
「吉本興業関係者は現場で『謝罪に来たわけではない』と言っていたが、松本さんも上沼さんに会ったら当然『ウチの後輩がご迷惑をおかけして、すいませんでした』くらいは言うでしょう。まあ『松本が謝罪に行った』となると大ごとになるので『謝罪ではない』といったのでしょうけど」(テレビ局関係者)
 また松本は「ワイドナショー」で、上沼のすごさについて「吉本ではない人で、女性目線で、僕より先輩で、当然尊敬できる人」と話した。
「松本さんが言った『吉本ではない人で』という言葉が非常に重い。特に大阪では吉本の力が絶大なので、吉本以外の事務所に所属していたら、なかなか売れっ子にはなりづらい。そうした中で多くの冠番組を持つ上沼さんは、今では『女帝』と呼ばれる存在にまでなった。それはホントにすごいこと」(同)
 上沼は中学卒業後、姉と組んだ漫才コンビ「海原千里・万里」として一世を風靡したが、22歳で結婚し芸能界を一時引退した。長男を出産した翌年、芸能界に復帰したが、漫才師の海原千里ではなく上沼恵美子として復帰した。
「復帰した時はまだ23歳だった。漫才師として実績のある海原千里ではなく、タレントの上沼恵美子として再出発したが、もちろん最初は、今のように番組の司会を任せられるような立場ではなかった。今では信じられないけど、初めはリポーターとしてロケに行ったりするような仕事もやっていた。そうした
ところから徐々にのし上がり、冠番組を持つほどに成長したんです」(同)
 大阪では吉本の所属でないと、番組出演のチャンスは簡単には巡ってこない。
「上沼さんの場合、自分の実力だけで番組から引っ張りダコになっていった。松本さんの言った『吉本ではない人で』という言葉は、そういった意味が込められているのでは」(同)
 上沼が、漫才師としてもタレントとしても超一流なのは間違いないだろう。


「写真を見て、目を疑った」大阪メトロの改装案に批判殺到、反対署名は1万3000人超 「何十年も使っている市民にとって、愛着は半端なものではない」
Kei Yoshikawa 吉川 慧
大阪の地下鉄を運営する「大阪メトロ」が12月20日、複数の駅を大規模に改装する計画を発表した。街を活性化させるため「新しい地下空間をつくる」としているが、改装案には不安の声が相次いでいる。
相次ぐ不評「悪趣味」「派手」
大阪メトロによると、対象は御堂筋線の9駅と中央線の6駅。300億円を投じて、2024年度までに順次改装する計画だ。
新たなデザインでは、それぞれの駅を個性的に彩るとしている。例えば、大阪城に近い「谷町四丁目駅」は金の茶室に見立てて内装を金色にしたり、心斎橋駅は、ホームに大画面の電子広告を設置するイメージ案が出ている。
ただ、12月22日に朝日新聞が大阪メトロの改装計画を報じると、「悪趣味」「派手」など不評の声が相次いだ。
昭和レトロな空間、親しまれる御堂筋線
大阪メトロの駅は、昭和期のレトロな香りを残している。
地下鉄御堂筋線は1933年、日本初の公営地下鉄として梅田〜心斎橋間が開通した。当時の様子について、「地下鉄50年のあゆみ」(大阪市交通事業振興公社)はこう記している。
アーチ式ホームにはシャンデリアが輝き(中略)エスカレーターもあって、市民はその豪華さに感嘆した
朝日新聞(2013年12月18日夕刊・大阪本社版)によると「心斎橋駅は恐らく60年以上前、梅田は四十数年前の改装時に、現在のシャンデリアが設置された」という。
長年親しまれたこうした景色がなくなる寂しさを募らせる声もでている。
「写真を見て、目を疑った」
署名サイトchange.orgでは「歴史ある大阪の地下鉄を未来に残してください!」という活動も始まった。12月24日午前10時現在、賛同者は13000人を超えた。
署名の呼びかけ文では、新たなデザイン案への不安が率直に記されていた。
写真を見て、目を疑いました。
私たちが慣れ親しんだ、あのレトロな、かわいらしい、落ち着きのある大阪の地下鉄の駅とは懸け離れた、安っぽい、派手な、悪趣味な、そして駅のある場所とはむしろつながりの薄いデザインの案が載っていたのです。
「貴重な建築、愛着は半端じゃない」
署名の呼びかけ人の一人である岸政彦・立命館大学教授は、BuzzFeed Newsの取材にこう語る。
「ここ10年ぐらい、大阪では急速に再開発が進み、阪急梅田駅のコンコースや大阪中央郵便局の旧局舎など昔から残っていた歴史的建造物が取り壊されてしまいました。大丸心斎橋店も、外壁は残しつつも建て替えとなりました。こうした動きを悲しく、切ない思いで見ていた中、あの大阪メトロの案が飛び込んできたわけです」
「(改装候補になった)御堂筋線の心斎橋駅は、とても象徴的な空間です。蛍光灯を用いたシャンデリアなど、大大阪のモダニズムをいまに残す非常に貴重な建築です。何十年も使っている市民にとっても、愛着は半端なものではありません」
こうした思いから、作家の柴崎友香さんらとともに署名を呼びかけることにした。
大阪メトロの改装案を厳しく批判する岸さんだが、「再開発自体に絶対反対というわけではありません」と強調する。
「財政悪化の影響もあり、収益をあげるために再開発をする必要があるのは理解できますし、個人としても賛成です」
「ただ、もう少しやり方があるでしょう。愛着を持って、慣れ親しんでいる大阪の姿を残しつつ、おしゃれに、きれいに、人が集まって、お金も儲かる施設にすることは十分可能だと思うのです」
これこそが、声を上げる必要性を感じた理由だった。
「大阪は、古くて良いものがたくさんある街」
岸さんは「大阪には、戦前の“大大阪”と呼ばれていた頃から蓄積された文化的な遺産があります」と魅力を語る。
change.orgに載せた呼びかけ文にも、こう記している。
大阪市民にとっては、地下鉄は日常の足です。どこへ行くにも、何をするにも地下鉄です。そして、ただそれだけではなく、何十年にもわたり愛され、親しまれてきた文化遺産であり、貴重な歴史遺産でもあります。
たしかに古びて、色あせてはきていますが、それはこの駅たちが大阪市民とともに重ねてきた年月の色であり、たくさんの──ほんとうにたくさんの大阪市民の、夢や希望、そして人生そのものを運んできた地下鉄だけがもつ、温かいぬくもりなのです。
モダンで、美しく、レトロでかわいらしい大阪の姿を残したい――。
岸さんは取材の最後、署名の呼びかけを通して伝えたいことをこう語った。
「大阪は、古くて良いものがたくさんある街なんです。近年の再開発で、その魅力が失われる例が増えつつあることを知ってもらうきっかけになればと思っています」


大阪知事・市長、辞職意向 都構想巡り 統一選とダブル選か
 来年11〜12月の任期満了に伴う大阪府知事と大阪市長のダブル選が、前倒しされ、来年4月の統一地方選と同日選となる公算が大きくなった。大阪市を廃止・再編する「大阪都構想」の住民投票の実施時期について、大阪維新の会(代表・松井一郎大阪府知事)と、府・市議会の過半数の鍵を握る公明党との調整がつかなかったため。松井知事と吉村洋文・大阪市長は、事態が動かないとみて、辞職に踏み切る方針を近く表明する模様だ。
 関係者によると、松井知事、吉村市長ら大阪維新の会と、公明府本部の複数の幹部らが今月21日に会談し、都構想の住民投票の実施時期について協議したが、物別れに終わった。松井知事らは府・市議選がある4月7日と同日選になるよう、知事・市長を辞職し、住民投票実施の是非を争点にする狙いがあるが、他会派からは強引な手法に反発が出るのは必至だ。
大阪都構想を巡る動き
 公選法の規定で、任期中に辞職し、出直し選で辞任知事・市長が再選された場合の任期は4年ではなく、残る任期だけになる。このため、ダブル選は松井知事、吉村市長の出直し選とは限らず、吉村市長の知事選出馬案など、別の候補になる可能性もあるという。
 維新は、住民投票の実施時期について、当初今秋を目指していたが、制度案を議論する法定協議会(法定協)の議論の進行が遅れて断念。さらに、統一選との同日実施も検討したが、日程的に極めて困難となり、来夏の参院選との同日を目指すことに転換し、公明に決断を迫っていた。
 会談で、参院選に集中したい公明側は「参院選での同日実施は認められない」とした上で、参院選終了後、任期満了に伴うダブル選までの間の実施を目指す案を打診。これに対し、現在の議会構成のうちに住民投票実施の確約を取り付けたい松井知事らは、参院選での同日実施を譲らず、決裂したという。
 維新は府市両議会で第1会派だが、過半数には届いていない。住民投票の実施には、都構想には反対だが、議論には応じるスタンスの公明の協力が不可欠だ。法定協は昨年6月、両会派の合意で再設置が決まり、公明が主張する「総合区制度」と合わせて協議が始まったが、議論の停滞で年度内の日程確定は困難になっていた。松井知事は今月5日の定例記者会見で、公明の法定協の対応を「ボールは公明にあるが、引き延ばし工作をして上手にごまかそうという雰囲気がありありだ」と責め立て、出直し選に踏み切る可能性を否定しなかった。
 仮に4月の知事・市長選で維新候補が勝利しても、府議・市議選で維新が単独で過半数を得られなければ、都構想は頓挫する。都構想を巡る両会派の駆け引きは大詰めを迎えた。


大阪市教委が政治忖度? 教科書採択区に都構想「援用」
 大阪市教育委員会が市立小学校で使用する教科書の採択地区について、来年度から「大阪都構想」の区割り案に沿った4区分割を検討していることが分かった。25日の教育委員会会議で議論する。同市の採択地区は現在、全市1区だが、市民や議会から複数区化の要望が出ていた。一方、実現が決まってもいない構想を援用する案に、市議からは「教委の政治への忖度(そんたく)では」との疑念も。政治と教育の距離を巡り議論となりそうだ。【林由紀子】
 教科書採択は原則4年に1度実施。小学校では2020年度に新学習指導要領が全面実施され、来年度は準拠の教科書が初採択される。大阪市では近年、教科書採択の住民アンケートで、組織的動員により特定の教科書会社を推す回答が水増しされた可能性が指摘されるなど不祥事が続いた。その結果、全市1区は利権や不正の温床になりかねない▽地域や学校現場の実態に合った採択が必要――との声が高まり、市教委が複数区化を検討していた。
 関係者によると、市教委の非公開協議では、教育委員から現状の全市1区を支持する声のほか、学力や地域性に基づいて分けてはどうか、との意見も出された。市を廃止し、現在の24区を4特別区に再編する「大阪都構想」の区割り案の援用についても検討。そこでは「政治的な色合いが強すぎるのでは」との懸念も聞かれたという。
 都構想の実現には、首長と議員で作る「法定協議会」(法定協)で設計図となる協定書案をまとめ、大阪府・市両議会で議決し、住民投票で過半数の賛成を得る必要がある。現状は賛否両論あり、実現するか不透明な段階だ。市教委事務局は、都構想の区割り案の援用について「特別区の先取りではない。法定協で議論中の区割り案は行政の素案。区ごとの学校数や交通の便からも教育的理屈が立つ」と政治的意図を否定した。
 吉村洋文市長は、全国学力・学習状況調査(学テ)の成績に応じて教員の手当を増減させる人事評価制度の検討を打ち出した今年8月の定例会見で、市教委のブロック化を提案。一つの教委では「エリアが広く、学校数も多すぎる」として、事務局を4分割し、責任の所在を明確にしたいとの考えを述べた。その際、吉村市長は「大都市制度の議論と結び付けるつもりはない」としながら「特別区の区割りも出している」と述べ、都構想の4区案をベースにするイメージを示唆していた。
 一方、市議会には、採択地区の変更が都構想の布石となることを危惧する声もある。ある市議は「政治が教育を振り回している」と批判。別の市議は「都構想と同じ区割りになるなら、市教委には明確な説明を求め、構想とは無関係だと念押しする」と話した。
 村上祐介・東京大大学院准教授(教育行政学)の話 教科書採択には政治的中立性が求められる。採択地区の区割りも政治とは一定の距離を置くべきで、なぜその区割りにするのか教育的な専門性に基づく根拠が必要だ。政治的に焦点となっている大阪都構想の区割りを用いれば、政争の具となりかねない。
不祥事相次ぎ、制度変更
 大阪市では2011年度まで市内24区を8区に分け、地区ごとに異なる教科書を採択してきた。しかし、市の包括外部監査で「全市1区にすれば学校現場の負担軽減につながる」との指摘を受けたほか、共通の教科書を使えば教材研究の成果を全市で共有でき、児童・生徒も転校による支障を受けないとの理由で、14年度から全市1区に変更した。
 ところが15年に教科書会社が検定中の教科書を市立小中学校の教員らに閲覧させ、謝礼を渡していた問題が発覚。16年には、市教委が中学の教科書採択で参考にしたアンケートに、保守色が強い育鵬社版を推す同一筆跡と疑われる回答が多数見つかり、大阪府内の不動産会社が関与した可能性があるとして、市議会で真相解明を求める陳情が採択された。
 この陳情を受けて発足した弁護士ら外部監察チームの調査報告書(17年3月)は、全市1区にすると「教科書発行者や印刷者にとって採択されるか否かは業績上大きな影響を及ぼし得る」と指摘。結果的に育鵬社版が採択されたが「アンケートの影響はなかった」と結論づけた。

あと46/年賀状印刷→投函/インドネシア津波

ブログネタ
フランス語 に参加中!
黒伊佐錦181123

Chasse à la baleine: Le Japon étudie son retrait de la CBI pour relancer la pêche commerciale
Le gouvernement japonais aimerait relancer la pêche à la baleine. Dans cette optique, il étudie la possibilité de sortir de la Commission baleinière internationale (CBI), instance de 89 pays membres et qui interdit la pêche commerciale des gros cétacés.
L’Agence des pêches et le ministère des Affaires étrangères ont indiqué qu’ils étudiaient ≪ toutes les options ≫. Pour l’heure, la position officielle n’a pas changé.
Premières tensions en septembre
Le Japon avait déjà menacé de sortir de la CBI le 15 septembre, quand la Commission avait refusé sa demande de reprendre la pêche commerciale. Le texte japonais rejeté visait à mettre en place une double voie au sein de la CBI pour faire coexister la préservation des espèces et la chasse commerciale. Cette dernière aurait été gérée par un ≪ comité de la chasse à la baleine durable ≫.
Les pays défenseurs des baleines, conduits par l’Australie, l’Union européenne et les Etats-Unis, ont torpillé le texte nippon, par 41 voix contre 27. Le vice-ministre japonais de la Pêche avait regretté ce résultat et menacé de sortir son pays de la Commission. La décision finale sera prise avant la fin de l’année.
Une consommation en berne
En cas de retrait, un nouveau front pourrait s’ouvrir entre les détracteurs et défenseurs de la pêche aux cétacés. Cette pratique est notamment considérée au Japon comme une importante tradition. Le pays s’abstiendrait d’aller chasser dans les eaux de l’Antarctique et se contenterait des mers à proximité de l’archipel.
Le Japon est signataire du moratoire sur la chasse à la baleine de 1986. Mais le pays utilise une faille du texte autorisant la chasse pour des recherches. La chair de baleine finit cependant sur les étals des poissonniers. Si elle a constitué un aliment salvateur très protéiné après la guerre, aujourd’hui très peu de Japonais mangent encore de la baleine.
にほんブログ村 外国語ブログ フランス語へ
フランス語の勉強?
半世紀かけて撮った人生 ついに放送 ETV特集「移住50年目の乗船名簿」
昭和43年南米に移住した人々のその後を10年毎に取材してきた元NHKディレクター相田洋(82)は今年、50年目の番組を制作。半世紀続く取材の裏にあるものとは。
50年前日本から南米に移住した人々が、どのような人生を歩んだのか10年ごとに取材する「乗船名簿シリーズ」を制作してきた元NHKディレクター相田洋(82)。今年も老体に鞭(むち)打ち「移住50年目の乗船名簿」を制作した。半世紀にわたる長期取材に相田を駆り立てたものとは?幼い頃の満州引き揚げ体験、海を渡った親族の存在…前代未聞・空前の大河ドキュメンタリー制作の背後に込められた知られざる思いを伝える。 相田洋,三宅民夫

ハートネットTV「B面談義 #6」
千原ジュニアがタジタジに?!「俺が一番、キャラ薄い?」「半生がドラマ化された」全盲の弁護士、「日本酒と呼吸器が欠かせない」NPO法人理事長など、とっても濃い〜コメンテーターが、エッジの効いたトークをする「B面談義」。今回は「月に行きたくない事情」、「ハロウィーンが嫌な訳」、「避難の必需品」について白熱トーク!思わず「へ〜っ!」と言いたくなること間違いなし。赤裸々な談義の世界にウェルカ〜ム! 弁護士…南和行,弁護士…大胡田誠,NPO法人理事長…海老原宏美,中嶋涼子,西村大樹,秘密のオト女, 千原ジュニア, 三ツ矢雄二
サイエンスZERO 日本人成立の謎。弥生人のDNA分析から意外な事実が判明
日本人はどのように成立したのか?遺伝子学や考古学、言語学などさまざまな研究分野の専門家がチームを結成、謎に迫るプロジェクトが動き出した。研究の柱は弥生人のDNA分析。舞台は、鳥取などで出土した人骨だ。40体に及ぶ弥生人のDNA分析は史上初めてのこと。弥生人はどこにルーツをもつ、どんな集団だったのか?縄文人からどのようにして、現代日本人になったのか?謎に包まれてきた弥生人を最新科学で解き明かす! 国立科学博物館 副館長…篠田謙一, 小島瑠璃子,森田洋平, 大嶋貴志
バリバラ「家族になろうよ〜知的障害者の子育て〜」
知的障害者の子育て第2弾!結婚・子育てをする知的障害者は少ないのが現状。そんななか、神奈川県にあるグループホームは6組の夫婦の出産・子育てを支援してきた。そのホームで8か月の男の子を育てる夫婦を密着取材。出産計画や金銭管理、食事作りなど、どんなサポートがあれば“家族になりたい”という夢をかなえられるのかを考える。宅配弁当やスマホ家計アプリを使った“頑張りすぎない”子育てテクニックも登場! 鈴木奈々, 山本シュウ, 玉木幸則, 岡本真希, 神戸浩,ベビー・バギー
山口二郎‏ @260yamaguchi
野田さんについては、いろいろ思うところはある。彼自身の言葉で、民主党政権崩壊についての自分の責任について語ってもらわないと、これからの政治における役割はないと思っている。安倍は自分との約束を守らなかったという怒りを前面に出してもらいたい
有田芳生 @aritayoshifu
野田佳彦さんが立憲民主党と会派を組む判断をされるなら、その選択に積極的な意味を与える機会にすることだと思う。山口さんがいうように政権崩壊のリアルかつ前向きな総括を行い、枝野執行部による第2次政権交代に結びつけることだ。原発ゼロ、辺野古新基地建設反対、来年の消費増税反対は原点だ。
Nobuyo Yagi 八木啓代 @nobuyoyagi
渋谷駅でローラが人魚姫になっているでかい広告見て、思った。ほんとに人魚姫なら当然そう思うであろうことを、彼女は言っただけなんだよなあ。それにしても本物感すごい。

あと25と思ってメール書いたら,あと46でしょ?と言われてしまいました.そうですね.まちがいでごめんね.
昨日準備した年賀状を印刷します.まず年賀状を買うところでいろいろ苦労しました,数時間かかってどうにか印刷できたので,門の前のポストに投函しました,
インドネシアで津波.地震ではないけど.ちょっと悲しいです.

<あなたに伝えたい>2人のようになる見守って
◎阿部成子さん(千葉県習志野市)から良孝さん、やよ子さんへ
 優しくて何を言われても笑う父。ほとんど町から出たことがなく、友人も少ない父を正直、「ダサい」と思っていました。祖母も優しくておおらかな人。口げんかはするけれど仲良し親子で、いつも2人でのんびりと畑をいじっていたのを覚えています。
 長女である私の通学や習い事の送迎は、いつも家にいる父の役目でした。軽トラックの中で何時間待たせただろう。母が仕事で遅い時はラーメンを作ってくれたり、習字道具を洗ってくれたり。さんざん甘えたけれど、全部当たり前だと思っていました。
 2人の死は覚悟していましたが、安置所で遺体と対面した時はわれを失いました。ひつぎから離れられず、漏れた言葉は「ごめんなさい」。伝えておけばよかったと後悔が募ります。
 おっとりとした2人だけれど実は我慢強い。自分が悪い立場に置かれても文句を言わずに生きてきたことを震災後、親戚から聞きました。ぐっとこらえて「何も言わない」のがプライドだったのですね。
 震災を機に町を離れた私の環境は一変しました。復興支援で海外留学を経験し、奨学金で進学もできました。今は首都圏の外語大で学び、震災前には考えられないほど世界が広がりました。
 震災で肉親を失わなければ、広い世界を知ることもなかったでしょう。複雑な思いはありますが、つらい体験を糧にして生きていきたい。2人のように、おうような人柄になれるよう見守ってほしいです。
◎我慢強い父と優しくおおらかな祖母
 父の阿部良孝さん=当時(58)=、祖母のやよ子さん=同(84)= 宮城県南三陸町戸倉の自宅で成子さん(22)は母を含め4人暮らしだった。良孝さんは農業に従事していた。2人とも自宅で津波に遭ったとみられる。やよ子さんは翌日、良孝さんは約2週間後に見つかった。


震災遺構・伝承施設 広く募集
国や東日本大震災で被災した自治体で作る組織は震災の記憶を伝える各地の施設をインターネットで紹介するなど伝承に取り組むことにしていて、震災遺構や伝承施設などを広く募集しています。
募集を行っているのは、国土交通省東北地方整備局と青森、岩手、宮城、福島の4県、それに仙台市でつくる震災伝承ネットワーク協議会です。
協議会は、震災の記憶を伝える各地の震災遺構や民間の建物、それに復興祈念公園といった伝承施設などをインターネットサイトでまとめて紹介したり、共通の標識を掲示したりして伝承に取り組むことにしていて、1次募集が今月3日に始まりました。
自薦、他薦は問いませんが、現場に標識を掲示できる施設の要件として、十分な広さの駐車場やトイレ、施設の案内員や電話での問い合わせ先を明記していることなどをあげているほか、他薦の際は、施設の管理者の合意が必要だとしています。
21日の時点で応募は3件にとどまっていて、事務局の国土交通省東北地方整備局は締め切りの来年1月末まで引き続き広く応募を呼びかけていくことにしています。
東北地方整備局は「各県と連携しながらさまざな場で広報を行い、公共や民間の伝承施設の掘り起こしに努めたい。応募の要件については柔軟に対応するので相談してほしい」と話しています。


現地再建 交流再び 災害住宅全戸完成の名取・閖上で顔合わせ会
 東日本大震災で被災し、現地再建が進む宮城県名取市閖上地区で22日、プレハブ仮設住宅などから戻った人たちを歓迎し、住民同士で顔を合わせる交流会が開かれた。閖上地区では災害公営住宅463戸が8日までに全戸完成するなどし、住民の転入が徐々に進む。
 閖上中央集会所であった会合に約70人が参加。復興支援を続ける浜松湖東高(浜松市)の協力による餅つきや演奏会で親睦を深めた。
 自力再建し、21日に引っ越しを終えた会社員荒川裕一さん(55)は「今まで内陸部の仮設住宅でやっていた餅つきが閖上ででき、うれしい。これからみんなと仲良く暮らしていきたい」と話した。


<女川町>総合計画策定へ公開討論 「若者戻る環境を」
 宮城県女川町は22日、2018年度に終了する復興計画の後継となる町総合計画(仮称、19〜28年度)の案について住民らと意見を交わす公開討論を町生涯学習センターホールで行い、町出身の若者2人が同世代へのアンケートを基に考案した提言を発表した。
 同町の放課後学校「女川向学館」スタッフの木村夏須美さん(20)と大学2年生の鈴木元哉さん(19)が、10代後半から20代前半の町出身の若者の声をネットアンケートで募り、町の将来像や課題について意見をまとめた。
 木村さんは「震災前にあったイベントを復活させてほしい。懐かしさは古里への思いを強くする」と提案。鈴木さんは「働き口の選択肢を増やすなど、若者が戻ってこられる環境を整えてほしい」と話した。
 計画の審議委員と須田善明町長を交えた討論では、今後のまちづくりなどについて意見を交わした。
 町は25日から町ホームページで計画案を公開し、19年1月8日までパブリックコメントを募る。町役場企画課でも閲覧できる。


22事業で復興発信 「三陸プロジェクト」運営計画決定 音楽や味覚、防災シンポ 来夏・岩手沿岸
 東日本大震災からの復興を内外へ発信し、風化防止や交流活性化を図ろうと岩手県などが主催する博覧会「三陸防災復興プロジェクト2019」の運営計画が19日、決定した。19年6月1日〜8月7日の68日間、沿岸13市町村で22の催しを繰り広げる。総事業費は4億6000万円を見込む。
 主要事業は表の通り。震災の教訓や地域防災について考えるシンポジウムを各地で開催。復興支援に取り組んできた指揮者佐渡裕さん、音楽家坂本龍一さんらを招いてのコンサートを開く。
 石巻市などで昨年開かれたリボーンアート・フェスティバルとも連携し、フェスティバル実行委員会が制作する宮沢賢治作品をベースにしたオペラを上演する。
 沿岸の飲食店では、国内外の著名シェフと地元料理人が三陸の食材を生かした創作メニューを提供する。19年3月23日に開通する三陸鉄道リアス線は、盛(大船渡市)−久慈(久慈市)間の163キロを夜通し走る特別列車を運行する。


修学旅行で募金 被災地へ義援金 塩釜高生が塩釜市に寄託
 塩釜高ビジネス科の2年生が21日、修学旅行先の神戸市で行った災害被災者のための募金活動で集まった義援金16万862円を、塩釜市に寄託した。
 同科の2年生76人は神戸市の街頭で5日、7月の西日本豪雨や9月の北海道地震の被災地を支援する募金活動を展開。同時に東日本大震災からの復興支援への感謝も伝えたという。
 寄託のため生徒を代表して渡辺南美さん(17)、黒沢繭子さん(17)、相沢千尋さん(17)が塩釜市役所を訪れ、佐藤昭市長に義援金を手渡した。
 佐藤市長は「皆さんの呼び掛けで、多くの人が被災地への思いを新たにしたと思う」とねぎらった。渡辺さんたちは「小学3年の時に震災を経験し、支援を受けた。恩返しがしたい」などと話した。


<東京五輪聖火リレー>「Jヴィレッジ」出発地点に 福島県実行委が調整
 2020年東京五輪の聖火リレーに関し、福島県の実行委員会が出発地点を東京電力福島第1原発事故の対応拠点だったサッカー施設「Jヴィレッジ」(楢葉町、広野町)とする方向で調整していることが22日、分かった。
 国内のリレー出発地点となる福島県は、8月下旬に実行委を設けて県内ルートの協議を開始。「復興五輪」という東京大会の趣旨を踏まえ、Jヴィレッジがスタート地点にふさわしいと判断したとみられる。今後、大会組織委員会などとも調整して正式に決める。
 Jヴィレッジは1997年に開設され、サッカー日本代表の合宿などに活用。原発事故後は東電が作業員の駐車場や社員の宿泊場所などに使った。芝の張り替えや建物改修を進め、今年7月に一部施設の運営を再開した。全面再開は19年4月の予定。
 聖火リレーは20年3月26日に福島県をスタートし、県内では3日間行われる。その後、約4カ月かけて全国を回る。正式なルートは19年夏に組織委が公表する。


<SDGs>推進自治体の東松島PR腐心 ゲームや市報特集で認知度向上へ
 貧困や教育、エネルギーなど17項目の課題解決に向けた取り組みを促す国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」を広めようと、東松島市が試行錯誤を重ねている。6月に「SDGs未来都市」に宮城県内で唯一選ばれたものの、なじみの薄い言葉や複雑な概念を伝えるのが難しく、市民の認知度は15.3%と低迷する。市の担当者は「市民にも関心を持ってほしい」とPRに腐心している。
 市は18日、SDGsの理解を深めるカードゲームの体験会を市コミュニティセンターで開いた。市民ら約40人が16チームに分かれて参加。「交通インフラ整備」「医療制度改革」など架空のプロジェクトを「お金」「時間」のカードを使って次々と達成した。
 各チームの行動は地球上の「経済」「環境」「社会」の3項目に影響を及ぼすとの想定で、達成内容によって各項目のメーターが上下する。この日の結果は経済22点、環境7点、社会9点。参加者からは「現実の世界と似ている」「世界がつながっていることを実感できた」と好評だった。
 SDGsは国連加盟国が共通の目標を設定し、協力して達成に取り組むことを明記する。東松島市はSDGsを推進する未来都市選定後、職員が17項目の目標を表す17色の胸章を着けたり、名刺にマークを入れたりして浸透に努める。
 パンフレットは2000部作成し、希望する団体に個別の説明会を実施。市報で特集を組むなどして市民の理解を促すが、7月の意識調査では「知らない」が78.6%で、「知っている」の5倍超に上った。
 市SDGs未来都市推進室の八木繁一室長は「SDGsを学ぶと、環境や社会など世界的な課題が国レベルの話ではなく、自分にも関わっていることに気付く。市民や企業が同じ方向で取り組むことが大事で、地道に広めていきたい」と意気込む。
[SDGs]「サスティナブル・ディベロップメント・ゴールズ」の略で、2015年9月の国連サミットで採択された。30年までに達成すべき17項目の目標と169のターゲットで構成する。全国29自治体が「SDGs未来都市」に選定され、東北では東松島市と仙北市、山形県飯豊町が選ばれた。来年1月25日、3市町による「東北SDGs未来都市サミット・シンポジウム」が東松島市で開かれる。


<三陸鉄道>レトロな雰囲気、洋風こたつ列車出発 岩手・南リアス線
 三陸鉄道南リアス線(盛−釜石間)で22日、冬季限定の「洋風こたつ列車」が運行を始めた。北リアス線(宮古−久慈間)で好評な「こたつ列車」に並ぶ観光列車として定着させ、利用者増につなげたい考えだ。
 南リアス線を走るレトロ車両(1両)の座席テーブルを、こたつのように改装。矢がすり着物にはかま姿の女性乗務員が接客し、郷土芸能の虎舞も登場する。
 事前予約で地元の食材を使った弁当やスイーツも味わえる。一番列車に乗った盛岡市の主婦桐野洋子さん(63)は「雰囲気が良くて、食事もおいしい」と、くつろいだ様子で語った。
 三陸鉄道は来年3月、釜石−宮古間が開通し、南北163キロがつながる。中村一郎社長は「開通に弾みをつけたい」と期待する。
 今季の運行は年末年始などを除き2月11日までの土日祝日計14日間で、1日1往復。乗車券に指定席券(300円)が必要。連絡先は三陸鉄道釜石駅0193(22)1616。


参院選共闘へ政策合意 福島・国民や立民など5者協 
 来年夏の参院選福島選挙区(改選数1)で、国民民主、立憲民主、社民各党県連と、旧民進党系無所属議員、連合福島の「5者協議会」は22日、福島市で会合を開き、憲法堅持など6項目の基本政策に合意した。
 基本政策は参院選での統一候補擁立を見据え、(1)格差のない社会の実現(2)復興・創生事業の推進(3)原子力に依存しないエネルギー政策の確立−などを明記。今後は、政策を基に候補者の選定を本格化させる。
 調印式には国民民主党の増子輝彦参院議員(福島選挙区)ら各党の県連代表と無所属の衆院議員玄葉光一郎氏(福島3区)、連合福島の今野泰会長が出席。今野会長は「参院選に向け、思いを一つにできた。しっかり戦い抜き勝利したい」と語り、玄葉氏は「できるだけ早く一致する候補者を選定したい」と強調した。
 福島選挙区は、自民党現職の森雅子氏(54)が立候補を予定。共産党新人で県委員会書記長の野口徹郎氏(42)も立候補を表明している。


インドネシア津波、死亡222人に…近くで噴火
 【ジャカルタ=一言剛之】インドネシア国家防災庁によると、22日午後9時半(日本時間22日午後11時半)頃、西部スマトラ島とジャワ島の間のスンダ海峡で津波が発生した。国家防災庁は23日、両島で計222人が死亡し、843人が負傷、28人が行方不明になったと発表した。近くの島にある火山が直前に噴火しており、火山活動に伴い海底で生じた地滑りなどによって津波が起きた可能性がある。
 発表では、両島で家屋などの建物が計550軒以上、被害を受けた。ジョコ大統領はツイッターで、行方不明者の捜索や負傷者の救助を政府機関に指示したことを明らかにした。
 ロイター通信は、カラ副大統領が記者会見で、「死者はさらに増える可能性がある」と述べたと報じた。在インドネシア日本大使館によると、津波による日本人の被害は確認されていない。


<医学部不正入試>迫る受験、2浪女性の胸中 仙台・進学校出身の3人に聞く
 女子や長期浪人生に対する実質減点といった医学部不正入試問題が明るみになり、医学部合格を目指す受験生たちの胸中は穏やかではない。来年1月19、20日に迫った大学入試センター試験を前に、仙台市内の進学校出身で2浪中の女性3人に思いを聞いた。
<「公平になると思えない」/泉区の女性(20)>
 「こんなに頑張っているのに、性別や浪人の回数で減点されるなんてひどい」
 医師である父親の影響を受け、将来は難病研究と臨床の両方に携わりたいと願う。「あと1回頑張ろう」と必死に挑んだ前年度の受験は、滑り止めも不合格だった。
 大学生になった同級生と自分を比較したり「もう後はない」と焦ったりし、ストレスは1浪目より大きい。それでも、夢を実現させるため勉強を続けてきた。
 「私大は何かの不正があるとのうわさも耳にするし、問題が表に出ても完全に公平になると思えない。男子より点数を稼がないと」と気を引き締める。
<「男子に何が負けてるの」/宮城野区の女性(20)>
 「『男子に何が負けているの』とむかついた。優秀な人を性別、浪人回数などで落とすのは命を預かる学問をする医学部としておかしい」
 父親が以前、事故に遭って意識不明の重体に。回復したのは懸命に尽くしてくれた医師のおかげと、自分も外科系を目指す。
 浪人中の2年間は自分を見つめ直す機会になった。「苦しんだ分、患者や家族の気持ちに寄り添える医師になりたい」と誓う。
<「将来の働き方を考えた」/青葉区の女性(20)>
 「不正入試問題で女性医師の働き方もクローズアップされ、キャリアの積み上げ方を考え始めた」
 小学生の時に母親の病気を診た医師との出会いが医学を志したきっかけだ。産婦人科など女性を生かせる診療科にも関心がある。
 女子への得点操作は、結婚や出産・育児で職場を離れる可能性があり、系列病院などでの医師不足を回避したいという意図の大学もあった。
 「出産・育児の経験が診療に役立つこともあるはず。女性医師が院内保育やパートなどの制度を活用していると知り、自分もそう働きたいと思った」と話す。
 目前の入試については「公正であってほしいが、自分との闘いが先。自己ベストが出せるようしっかり頑張る」と力を込めた。
[医学部不正入試問題]文部科学省の私大支援事業を巡り、同省前局長(受託収賄罪で起訴)が東京医科大に便宜を図る見返りに息子を合格させてもらったとする贈収賄事件をきっかけに発覚。東京医大は特定の受験生への不正な加点のほか、女子や長期浪人生を得点操作で実質減点していた。昭和大、神戸大、岩手医科大、金沢医科大、福岡大、順天堂大、北里大、日本大は文科省の調査で指摘を受け、不適切な入試があったと発表。聖マリアンナ医科大は指摘に対し反論している。


巨大IT企業の規制/経営透明化で弊害の是正を
 グーグルやアップルなど「プラットフォーマー」と呼ばれる国際的な巨大IT企業の規制強化に向け、公正取引委員会や関係省庁の動きが活発化している。
 圧倒的シェアを背景にした交渉力によって、国内市場での不公正な取引が指摘されている。プライバシー侵害の恐れもあり、実態を見極め明確な規律を構築すべきだ。
 対象は、頭文字から「GAFA」と言われるグーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン・コムの米IT4社を念頭に置く。いずれも情報技術やネット通販、会員制交流サイト(SNS)の拡大と共に急成長した。利用者のデータを活用したサービス提供で社会にあまねく浸透。膨大な利益を上げている。
 それぞれのビジネスモデルは革新的だが、問題は寡占化が進み、個人情報や市場そのものを囲い込む形になっている点だ。正当な競争が阻害されたり、経営力の違いから関係企業が不利な取引を迫られたりする恐れがある。
 プラットフォーマーの取引企業2千社を対象にした経済産業省の調査では、8割超が「新規顧客の機会獲得」を利点に挙げた半面、9割は「個別交渉が困難」と回答。「規約などの一方的変更で不利益を受けた」も8割を超えた。
 経営規模の幅を利かせて、国内の中小企業に弊害を生じさせているのだとしたら、規制強化は急がねばならない。
 日本のIT企業は電気通信事業法上の制約があり、国の規制を受けながら運営しているが、適用は国内事業者に実質的に限られている。巨大IT企業の取引は秘密保持契約でガードされ、事業内容は外からはうかがい知れない。開示の義務付けは必要だろう。
 公取委は1月から本格的な調査に入る。場合によっては独占禁止法に基づく強制調査権も行使して実態を把握し、法整備につなげる。
 さらに経産、総務両省は規制強化に向けた基本原則をまとめ、取引を監視する専門組織の必要性に踏み込んだ。
 政策立案や法執行を踏まえ法律、経済、システム工学など高い知見を総動員して対応する。プラットフォーマーの公正性確保に向け、政府の本気度をうかがわせる。
 フェイスブックは今年、8700万人分の個人情報が不正利用された。グーグルも流出の恐れが発覚したが、半年間公表しなかった。情報管理には万全を期すべきだ。
 欧州連合(EU)は管理の徹底を求める「一般データ保護規則」を施行。巨大IT企業に多額の制裁金を科す構えだ。英国は情報サービスの売り上げに税金をかける「デジタル課税」も検討している。
 もちろん政府機関の過度な関与は民間事業者の自由度をそぐことになる。独善性の排除、経営の透明化をまず基本に据えたい。国際社会と協調し、実効性のある規制の在り方を探ってほしい。


日本政府IWC脱退表明は逆効果 鯨肉大幅減という皮肉な未来
 世間の反対を押し切って国際捕鯨委員会(IWC)からの脱退を表明した日本政府。今後は沿岸での商業捕鯨を再開していくというが、脱退による影響は予想以上だ。
 水産庁が今年2月に公表した「平成28年度食料需給表」によると、鯨の国内生産量は3000トン、輸入量は1000トンだ。対して、国内消費は3000トンなので残りの1000トンは在庫として保存されている。要するに、いまでも鯨肉は十分足りているのだ。これ以上、漁獲量を増やしたところで、在庫が増えるだけなのではないか。
 日本政府は2010年に、IWCから日本の沿岸での商業捕鯨を認める妥協案も提示されたが、捕獲枠を巡って合意には至らなかった。日本に鯨肉を輸出するノルウェーはIWC加盟国だが、独自に捕鯨枠を設け、商業捕鯨を再開している。沿岸での商業捕鯨を再開するのにIWCを脱退する必要性もないのだ。
 なのに、なぜ国際的な反発を買ってまでIWCから脱退する必要があるのか。
 バカみたいなのは、IWCから脱退することで、かえって鯨肉の生産量が減る可能性があることだ。環境ジャーナリストの佐久間淳子氏はこう話す。
「商業捕鯨再開と聞くと、漁獲量が増えると思いますが、むしろその逆です。IWCからの脱退によって、日本は南極海や北西太平洋でおこなってきた調査捕鯨が国際法上できなくなり、さらにIWCに残るノルウェーやアイスランドからの輸入もできなくなります。鯨の供給量は大幅に減少するでしょう。どうして脱退という選択をしたのかワケがわからないです」
 今回の脱退は、自民党の二階幹事長が主導したらしいが、後から「こんなはずではなかった」と悔やむことになるのではないか。


[IWC脱退へ] 世界の理解得られるか
 政府が国際捕鯨委員会(IWC)から脱退する方針を固めた。
 捕鯨支持と反捕鯨で激しく対立する今のIWCでは、内部で交渉を続けても商業捕鯨の再開は絶望的と判断したとみられる。
 戦後、日本は一貫して国際協調を重視する政策をとってきた。国際機関からの脱退は極めて異例の強硬策と言えよう。
 自由貿易圏づくりなどで多国間交渉を進める日本である。
 自国の主張が通らないからと席を蹴るのは、国際的枠組みを軽視している印象を与えはしないか。国際社会の理解を得られるのか懸念される。捕鯨以外の分野に影響を及ぼす可能性もある。
 今年9月のIWC総会で日本は商業捕鯨の一部再開を提案したが否決された。2014年総会での提案に続く否決で、厳しい立場になった政府関係者は「あらゆる選択肢を精査せざるを得ない」と脱退の可能性を示唆していた。
 発足当初は捕鯨国の資源管理機関だったIWCに反捕鯨国が加わり、対立が先鋭化していた。
 脱退方針はIWCの現状に見切りを付けたということだろう。
 将来的には捕鯨支持国を中心にクジラの資源管理を担う新たな国際機関の設立を視野に、商業捕鯨の再開を目指す考えのようだが、うまくいくだろうか。
 自然保護の機運が高まる中、日本の捕鯨政策は世界から厳しい目を向けられている。
 南極海での調査捕鯨は14年に国際司法裁判所で中止を命じられ、一時取りやめた。今年10月にはワシントン条約の常設委員会が、北西太平洋の調査捕鯨で捕獲したイワシクジラの肉の日本国内持ち込みを条約違反だと判断した。
 こうした状況で、日本の主張を国際社会に理解させるのは容易ではあるまい。新たな機関をつくっても、参加国が少ないと正統性に疑問符が付き、かえって窮地に追い込まれかねない。
 安倍政権幹部は「日本には捕鯨で生計を立てている漁業者もいる。簡単に終わらせるわけにはいかない」と強調する。
 ただ、国内の鯨肉消費は低迷している。1962年度に約23万トンあった消費量が捕鯨規制の影響もあり、最近は年5000トン前後で推移している。
 鯨食は日本伝統の食文化の一つとして継承すべきだとの声もある。だが、一定の需要を開拓して採算の取れる事業とするのは難しかろう。
 リスクを冒してまで商業捕鯨再開を急ぐ意味があるのか。政府は広く国民の理解を得る努力をしてほしい。短慮は禁物である。


政府、25日にもIWC脱退決定
 政府は約30年ぶりの商業捕鯨の再開に向け、クジラ資源の管理を担う国際捕鯨委員会(IWC)からの脱退を早ければ25日にも決定し、その後表明する見通しだ。日本の国際機関脱退は戦後ほとんど例がなく極めて異例。国際社会から協調軽視との批判を浴びることは必至だ。
 政府内で脱退を決めた後、来年脱退するための期限に設定されている来月1日までにIWC側に通知する方向だ。この場合、脱退する来年6月30日以降に商業捕鯨が可能になる。
 商業捕鯨は日本近海や日本の排他的経済水域(EEZ)で実施する見通し。


原発輸出/撤退し産業構造を見直せ
 安倍政権の成長戦略で柱となる原子力発電所の海外輸出が、暗礁に乗り上げている。トルコと英国での建設計画が相次いで頓挫したのだ。
 すでにベトナムやリトアニアは日本企業の原発建設について撤回や凍結を決めた。原子力協定を締結したインドでも具体的な動きはない。
 福島原発事故を受けて安全対策が強化された結果、事業費が膨れ上がって採算が合わなくなった。事故が起これば膨大な被害が生じるリスクもある。もはや原発は、経済的なエネルギーと言えなくなった。
 それでも政府が輸出に力を入れるのは、国内の原発新増設が見通せない中で原子力産業を温存する狙いがある。
 しかし将来を見据えれば、重視すべきは各国で需要が高まる廃炉や廃棄物処理だ。政府は輸出から撤退し、原子力の産業構造を大胆に見直す政策へと転換する必要がある。
 トルコの計画は建設費が5兆円以上と当初の倍に膨らみ、政府と三菱重工業は断念を検討している。
 英国も3兆円規模となって出資企業の確保が困難になり、日立製作所は凍結する方向で調整に入った。英国民からは、福島事故が収束していないのに原発を輸出する日本の姿勢が批判を浴びている。日本の国民感情から見ても、うなずける。
 7月の段階で、日立は撤退時の損失を最大2700億円と試算していた。決断が遅れれば傷は広がる。中西宏明会長が経団連トップの座にあり、安倍晋三首相と親しいだけに容易に撤退できないとの見方もある。
 米原発大手の米ウェスチングハウスは赤字が膨らみ、買収した東芝を危機に陥れた。フランス大手のアレバ社も破綻した。安全対策費の増加で世界の原発産業は苦境に立つ。
 対照的に、日本は原発建設を国策として官民一体で突き進む構造から脱却できない。政府がエネルギー計画で原発を重要な「ベースロード電源」と位置づけるからだ。数字上は30基近くの再稼動が必要とされる。
 過酷事故から来年で8年。原発ありきの考え方を改め、時代が必要とする分野に技術や人材を集中させるべきだ。


【原発輸出の凍結】政府は現実を見るべきだ
 日立製作所が英国で進めていた原発建設計画を凍結する方向であることが分かった。採算面でリスクが高いと判断したとみられる。
 原発は東日本大震災以降、安全対策にかかる経費が膨らんでいる。重大事故が起きた場合のリスクもあまりに大きい。火力発電や水力発電などと比較して経済的な優位性は失われているといってよい。
 日立は世界的メーカーであり、原子炉製造の実績もある。その日立による凍結は、原発ビジネスの限界を物語るものだ。
 大震災の後、国内では原発の新増設が困難になり、日本のメーカーは海外に活路を見いだしてきた。安倍政権も原発輸出を成長戦略の柱に据え、強力に後押ししてきた。
 だが、早い段階でベトナムやリトアニアへの建設計画が頓挫。トルコで計画を進めていた三菱重工業も今月、断念する方向であることが明らかになっている。
 事実上の国策であるにもかかわらず、成功した案件は一つもないのが実態だ。政府はこの現実を直視すべきであろう。
 英国の新原発予定地は英国中西部アングルシー島にある。日立が英政府とともに2基の建設を計画し、建設と運営を日立が100%出資する事業会社が担う計画だった。
 2020年代前半の運転開始を目指していたが、安全対策の強化などで事業費が当初の1・5倍の3兆円規模に拡大。採算面の鍵となる電力買い取り価格についても英政府と折り合いが付いていなかった。
 日立はリスク回避のため、事業会社への出資企業も探していたが、確保できずにいた。撤退すれば最大2700億円の損失が生じるとみられるものの、これ以上先送りすれば、傷がさらに深くなるのは必至だ。苦渋の経営判断であろう。
 原子力を巡る日本の政策の頓挫は原発輸出にとどまらない。高速増殖原型炉もんじゅの廃炉決定を受け、日本が次の高速炉開発の柱に位置付ける次世代原子炉も暗礁に乗り上げている。
 フランスとの共同研究で進めているが、フランス政府は日本側に大幅縮小を打診した。実用化の「緊急性は低い」というのが理由だ。安価なウラン資源が豊富にある中、巨費を投じて高コストの高速炉を開発することに批判も少なくなかった。
 ところが、経済産業省の作業部会は今月、高速炉開発の工程表を取りまとめた。実用化の目標時期は従来の50年ごろから今世紀後半に先送りしたが、開発は継続する。もんじゅでさえ失敗したのに、その先を目指すとは理解に苦しむ。
 原発の使用済み燃料を再処理してプルトニウムを取り出し、それを高速炉などで使う核燃料サイクル構想から抜け出せないためだ。
 再生可能エネルギーの普及で国際社会の潮流は脱原発に向かいつつあるが、日本の原子力政策は明らかに逆行している。政治も決断を迫られているはずだ。


内閣支持率下落 「強引な政治」への警鐘だ
 一連の強引な政治手法や政権運営に対する有権者の警鐘と受け止めるべきではないか。
 報道各社の世論調査で、安倍晋三内閣の支持率が軒並み下落している。政権側は表向き冷静を装っているが、思い当たる節がないとは言わせない。
 最大の焦点だった改正入管難民法を巡り委員長職権による乱暴な委員会運営や採決強行の連発で荒れた先の臨時国会は、「数の力」を過信する1強政治の弊害が露骨に表面化した。
 自身の口利き疑惑についてまともに説明責任を果たせない地方創生担当相に、しどろもどろの答弁や釈明を繰り返す五輪担当相など、「閣僚の資質」も厳しく問われた。
 臨時国会の閉会後も収まらない。政府が強行した米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設先、名護市辺野古沿岸部への土砂投入開始は、沖縄の民意を無残に踏みにじった。
 専守防衛からの逸脱を懸念させる護衛艦の「空母」化や青天井かと思わせる防衛費の膨張に首をかしげる国民も少なくないだろう。
 共同通信社の全国電話世論調査(15、16両日実施)によると、内閣支持率は42・4%で、11月の前回調査から4・9ポイント落ち込んだ。不支持率は4・6ポイント増の44・1%となり、逆転した。不支持率が支持率を上回るのは今年5月以来という。
 外国人労働者の受け入れ拡大を目指す改正入管難民法の成立について「評価する」は24・8%にとどまったのに対し、「評価しない」は65・8%に達した。強引な国会運営はもとより、具体的な制度の設計と運用を法改正後の法務省令に委ねるなど、政府の準備不足や国会軽視とも受け取られかねない姿勢が疑問視されたのではないか。
 外国人労働者の受け入れ拡大の賛否を問うと、賛成が56・6%と反対の35・3%を大きく上回っており、政府の不手際が一段と際立つ結果になった。国民への説明や国会審議は十分だったのか。政府は猛省すべきだ。
 与党も安閑としている場合ではない。今回の調査で特筆されるのは、自民党の政党支持率が前回より6・6ポイントも減って38・6%になったことだ。依然高い水準ではあるが、落ち込み幅は大きい。公明党も1・5ポイント減の3・8%だった。
 内閣と与党の支持率下落とは一時的な現象なのか。それとも後で振り返って政治的な潮目となるかは予断を許さない。
 悲願の政権奪還を果たした第2次安倍政権は、26日で発足から6年となる。長期政権のおごりや緩みはないか。厳しく自己点検をして、謙虚な政権運営に努めるべきである。


[ハンセン病家族訴訟]被害に向き合う判断を
 お使いに行った雑貨屋で「あんたには売らん」と買い物を拒否された。
 同級生から「風上に行くな、菌がうつる」といじめに遭った。
 母親が元患者だと打ち明けると、理由も告げずに離婚を切り出された。 
 親がハンセン病だったことで、苦難の人生を歩んできた県内に住む家族の声である。時に隔離されている患者本人より過酷な差別もあったといい、胸をえぐられるような思いがした。
 ハンセン病の強制隔離政策を巡って、元患者の家族が国に謝罪と損害賠償を求めた訴訟が、熊本地裁で結審した。患者だけでなく配偶者や子どもらも差別と偏見にさらされたとする集団訴訟で、原告のうち4割が沖縄在住である。
 ハンセン病は戦後間もなく薬で治るようになったが、隔離政策は1996年の「らい予防法」廃止まで90年近く続いた。元患者らが国家賠償を求めた2001年の熊本地裁判決は、隔離を違憲と判断。国は元患者と和解し、各種の補償制度を整備した。しかし同様に被害を受けた家族へ目が向けられることはなかった。
 家族はなぜ、理不尽な仕打ちを受けなければならなかったのか。
 家の中が真っ白になるまで消毒されたり、子どもを「未感染児童」として療養所内の保育所に収容するなど、原告らの意見陳述で明らかになったのは、隔離政策の対象が家族にまで及んでいたということだ。
 隔離が助長した偏見によって学校や地域から排除され、結婚や就職などの場面で厳しい差別に直面したのである。
    ■    ■
 原告側は家族被害をもたらした国の責任を追及している。
 これに対し国は「家族は隔離政策の対象ではなく、国に偏見や差別を取り除く義務はなかった」と反論。仮に被害があったとしても、国と元患者の遺族らが和解した02年時点から3年以上経過し、民法の規定で賠償請求権は消滅したとしている。
 原告の中には、これまで誰にも話せなかった被害を心を奮い立たせて告白したという人も多い。
 「幼くして家族と引き離され、本当の意味での親子としての関係が築けなかった。あるべき家族の関係性が根本から奪われてしまった」など、その訴えは具体的で重い。
 国に差別排除の義務はなかったとの反論は、苦難を強いられた歴史から目を背けるものだ。
    ■    ■
 原告のほとんどは本名を明らかにしていない。原告番号で特定される匿名裁判を選ばざるを得なかったのは、いまだに被害が続いているからでもある。
 国が社会の偏見をなくす対策もとらずに、請求権の消滅を主張することは許されない。
 01年の熊本地裁判決は、「らい予防法」の改廃を怠った国の怠慢を指摘する画期的な内容だった。
 司法には再び深刻な人権侵害の歴史に向き合い、国の責任を明確にしてもらいたい。


河北春秋
 昭和最強の将棋棋士、大山康晴15世名人と作家の故井伏鱒二さんの家は隣同士だった。大山さんは勝負を家庭に持ち込まなかった。敗因を分析し、自分を納得させてから家に入った。ただ、井伏さんは深夜に帰宅する大山さんの足音で「勝ち負けが分かる気がした」という▼1972年、中原誠さん(現16世名人)に敗れ、13連覇中だった名人位を失った時はどんな足音が響いたのだろう。以後、大山さんは中原さんらに2冠を奪われ、50歳を目前に無冠になった。「タイトルを奪われるのが勝負師の宿命。一挙に失い、さばさばした」と振り返った(『大山康晴 人生に勝つ』)▼第31期竜王戦で永世7冠の羽生善治竜王(48)が敗れた。27年にわたってタイトルを保持した「平成最強の棋士」がついに無冠になった▼通算タイトル数は前人未到の100期を目前に足踏みし、99期のまま。最近は人工知能(AI)将棋ソフトを使って棋力を磨く若手に苦戦が続く。しかし、一時代の終わりと考えるのは早計だろう▼大山さんは50歳から再出発した。ゴルフ、中国将棋…。過去の栄光と決別しようと何でも試みた。気持ちを切り替え、新人のつもりで戦い、驚異的なペースで勝ち星を重ねた。「負けることも大事」と語る羽生さん。まだ終わってはいない。

明仁天皇“最後の誕生日会見”は明らかに安倍政権への牽制だった! 反戦を訴え、涙声で「沖縄に寄り添う」と宣言
 それは、まさに右傾化する日本と安倍政権に向けて天皇が発したメッセージだった──。本サイトでは昨日の記事で、天皇在位中最後の誕生日を迎えた明仁天皇が、安倍官邸のプレッシャーをはねのけて、戦争や沖縄への思いを国民に向けて語るのではないかと書いた。だが、きょう公開された記者会見の内容は予想以上だった。明らかに安倍政権の政策や態度を危惧し、強く牽制するような発言を繰り返したのだ。
 明仁天皇は、途中、何度も言葉をつまらせ、ときに涙声になりながら、自らが天皇として皇后とともに歩んできた道のりを振り返るかたちで、戦後の平和と反戦にかける思い、戦争の犠牲の大きさを正しく伝える姿勢、沖縄への気持ち、日本人だけでなく外国人への心遣い、そして日本国憲法における「象徴」の意味などについて語ったのだ。
 なかでも印象的だったのが、安倍政権による“いじめ”と言える状況が苛烈を極める沖縄への強い言及だ。
 周知の通り、先の沖縄知事選では、逝去した翁長雄志前知事の遺志を継ぎ、辺野古新基地建設に明確にNOを示した玉城デニー氏が当選した。だが、安倍政権はこの沖縄の“民意”を無視して辺野古の海への土砂投入を強行。しかも、「辺野古移設反対なら普天間基地の返還はない」という卑劣な二択を迫り、基地に反対する人々を恫喝している。
 そんな状況のなか、明仁天皇は「沖縄に心を寄せていく」ことを訴えた。1952年4月28日のサンフランシスコ講和条約の発効(本土の主権回復)から、沖縄の復帰までに、20年の歳月を要したことを振り返ったうえで、あらためて「沖縄は、先の大戦を含め実に長い苦難の歴史をたどってきました」と、本土から見捨てられてきた歴史を強調。「皇太子時代を含め、私は皇后と共に11回訪問を重ね、その歴史や文化を理解するよう努めてきました」と続けたあと、声を震わせ、会見場を見やりながら、こう力を込めた。
「沖縄の人々が耐え続けた犠牲に心を寄せていくとの私どもの思いは、これからも変わることはありません」
「心を寄せていく」ことを強調したのは、明らかにいまの日本政府による沖縄切り捨てを意識してのものだろう。「先の大戦を“含め”実に長い苦難の歴史」、「沖縄の人々が“耐え続けた”犠牲」という言い回しからも、それが本土に“捨て石”とされた沖縄戦のみを指すものではないことは明白だ。
 本サイトでも何度か紹介してきたように、もともと、明仁天皇の沖縄にかける思いは極めて強いものがある。現在も米軍基地の押し付けという「犠牲」を強い、県民の基地反対の意思を潰そうとしている安倍首相の姿がその目にどう映っているかは想像にかたくない。
 実際、2013年の4月28日、安倍首相の肝いりで行われた「主権回復・国際社会復帰を記念する式典」にあたっては、政府側の説明に対し「その当時、沖縄の主権はまだ回復されていません」と反論し、出席に難色を示していたという。また、皇太子時代の1975年に沖縄を初訪問したときには、火炎瓶を投げつけられるという事件が起きたが、事前に「何が起きても受けます」と覚悟を決めていた現在の明仁天皇は、その日の夜、こんな談話を公表した。
〈払われた多くの犠牲は、一時の行為や言葉によってあがなえるものでなく、人々が長い年月をかけてこれを記憶し、一人一人、深い内省の中にあって、この地に心を寄せ続けていくことをおいて考えられません〉
 在位中最後となった今年の訪問も含め、沖縄を11回訪れた明仁天皇。天皇としての最後の誕生日会見で、あらためて、「沖縄の人々が耐え続けた犠牲に心を寄せていくと宣言したことは、現在も政府が沖縄を虐げていることを深く憂慮する発言に他ならないだろう。
平和と反戦を語り「正しく伝えることが大切」と歴史修正主義の動きを戒め
 踏み込んだのは沖縄問題だけではない。会見では時間をかけて平和と反戦への思いを語ったのだが、そのなかには、安倍政権が扇動している歴史修正主義に釘を刺すくだりもあった。
 前述した沖縄への言及の直後、明仁天皇は「そうした中で平成の時代に入り、戦後50年、60年、70年の節目の年を迎えました。先の大戦で多くの人命が失われ、また、我が国の戦後の平和と繁栄が、このような多くの犠牲と国民のたゆみない努力によって築かれたものであることを忘れず……」と述べ、一層力を込めながらこう続けたのだ。
「……戦後生まれの人々にも、このことを正しく伝えていくことが大切であると思ってきました。平成が戦争のない時代として終わろうとしていることに、心から安堵しています」
 日本は戦後、戦争によって直接的に人を殺すことも殺されることもなく、平成の時代を終えようとしている。だが、それを継続していくには、戦争の加害と被害の記憶を継承するのみならず、「正しく伝えていくことが大切」と諭したのである。
 周知の通り、安倍首相は慰安婦問題や南京事件など戦時中の国家犯罪を打ち消そうとする動きを加速させ、歴史教育に対する介入を強めてきた。明仁天皇が、戦争の歴史を、単に「伝えていく」というのではなく、あえて一歩踏み込んで「“正しく”伝えていく」と形容したのは、こうした安倍首相による歴史修正へのカウンターとしか思えない。
外国人労働者問題についても言及、安倍政権と対照的な姿勢を
 来日する外国人に対する言及も目を引いた。誕生日会見の後半、明仁天皇は「今年、我が国から海外への移住が始まって150年を迎えました」と切り出した。これだけでも「明治維新150年」を打ち出す安倍政権とは対照的だが、天皇は続けて、日系の人たちが外国で助けを受けてきたことに触れながら「それぞれの社会の一員として活躍していることに思いを致しつつ、各国から我が国に来て仕事をする人々を、社会の一員として私ども皆が温かく迎えることができるよう願っています」と述べた。
 明仁天皇は、今年11月の美智子皇后との私的旅行のなかでも、静岡県の浜松市外国人学習支援センターを訪問し、外国人やボランティアたちと直接話す機会を設けた。こうした日本社会の一員として安心して暮らせるようにとの思いは、やはり、安倍政権が先日の国会で、外国人労働者を安価な労働力としか扱わず、人間としてのケアをまったく考慮しない入管法改正案を強行したことの対比として映る。
 いずれにしても、会見での言葉をひとつひとつ見ていくと、明仁天皇は淡々と平成30年のあゆみを振り返ったのではなく、戦争の歴史と近年の社会状況を強く意識し、覚悟をもって“最後の会見”に臨んだことがよくわかる。
 昨日の記事でも解説したように、踏み込んだ“護憲発言”を行なった2013年の誕生日会見以降、安倍官邸は宮内庁の締め付け、皇室へのプレッシャーを強化し、天皇・皇后のリベラルな発言を封じ込めようとしてきた。結果として、ここ数年の天皇誕生日の会見内容が、トーンダウンしていたことも事実だ。だが、そんななかにあって今回、天皇は“安倍政権への箴言”を敢然と繰り返したのである。それは何より、官邸からの圧力に抗してでも、人々に伝えねばならなかったからだろう。
日本国憲法下の「象徴」であることを強調したのも国家元首化への牽制
 実際、自身の退位については会見の序盤と最終盤で2回触れていたが、それもまた“天皇と立憲民主主義の関係”を確認することで、安倍首相や自民党、極右勢力が目論む「天皇の元首化」などの復古的改憲を暗に批判するものだった。
「私は即位以来、日本国憲法の下で象徴と位置付けられた天皇の望ましい在り方を求めながらその務めを行い、今日までを過ごしてきました。譲位の日を迎えるまで、引き続きその在り方を求めながら、日々の務めを行っていきたいと思います」
「天皇としての旅を終えようとしている今、私はこれまで、象徴としての私の立場を受け入れ、私を支え続けてくれた多くの国民に衷心より感謝するとともに、自らも国民の一人であった皇后が、私の人生の旅に加わり、60年という長い年月、皇室と国民の双方への献身を、真心を持って果たしてきたことを、心から労いたく思います」
 明仁天皇は、日本国憲法で位置付けられた「象徴」としての天皇を国民が「受け入れ」たことに謝意を表した。これは、象徴天皇が国民の同意が必要な存在であることを示唆したともいえるだろう。そして、この憲法にふさわしいあり方を皇后とともに模索し、今後も求め続けると宣言した。その天皇像が皇太子にも引き継がれるよう望んだ。最後はほとんど涙ながらだった。
 言い換えればこれは、“国民と憲法あってこその天皇”だと自戒することに他ならない。戦前日本において、国民は「天皇の赤子」とされた。政治権力は、皇室を逆らうことのない絶対的権威として戦争に利用した。「国民に衷心より感謝」した平成の天皇は、それとは真反対のメッセージを込めたのだった。
 いよいよ平成が終わる年がやってくる。退位に際した記者会見は行われないという。政治は日々不穏な色彩を濃くしている。明仁天皇のメッセージをどう受け止めるかは、わたしたちひとりひとりにかかっている。


『サンジャポ』でホリエモン、デーブ、西川史子がローラを「不勉強」「操られている」と攻撃! 不勉強はお前らだ
 辺野古の新基地建設工事の一時中止を求める署名を呼びかけたローラに対するバッシングが止まらないなか、本日放送の『サンデー・ジャポン』(TBS)でもこの問題が取り上げられた。だがやはりここでも、ローラへの批判が飛び出した。
『サンジャポ』では、最初の話題としてローラの署名問題を取り上げたが、まず口火を切ったのは、デーブ・スペクターだ。
 デーブは19日にTwitterで〈ローラのキャラ設定は迷走中〉と投稿していたのだが、デーブはまずローラのことを「どこに住んでいるのかわからない、何になりたいのかわからない。結局仕事はCMタレント」だとした上で、「リスクの高い発言はすべきかどうか」と指摘。こうつづけた。
「タレントが政治的発言をすべきかどうかという議論はありますけども、議論自体は古いと思うんですけども、ローラの立場を考えると必然性を感じない。そして辺野古の場合は、エコとか良いと思うんですよ。だけど、辺野古の場合は、じゃあ代案はどうなの、工事止めてそのあとどうするの、普天間の返還どうなるんですか、まったくないんですよ」
 その上、デーブは「ローラのインスタは英語が完璧すぎる」と言い出し、SNSでの発信においてローラが「チームを組んで」おり、それで「感化されている」可能性があると示唆。「アメリカで考え方が変わることはあるが、そこまで普通いかない」などと述べた。
「CMタレントがリスクの高い政治的発言をするのはよくない」って、まるで金勘定にしか興味がない芸能プロダクションの経営者のような発言だが、言うに事欠いてもち出したのが、「対案を出せ」「普天間は返還されなくていいのか」論と、“誰かに操られているに違いない”という陰謀論……。さながらケント・ギルバートの後を追うようなネトウヨ脳を開陳したのである。
 だが、こうしてローラを非難したのは、デーブだけではなかった。さらに輪を掛けてローラの行動を批判したのは、西川史子と堀江貴文だ。
 西川は、デーブと同様にこう主張した。
「沖縄の問題って環境問題だけではないですから、やっぱり普天間どうするの、これからどうするのっていう、そこの話まで考えて言っているんであればいいと思います。でも、ただ『沖縄の海をきれいに』ってそれは政治家だって誰だって思いますよ。みんな思うことですよ。だけどそうじゃなくて、こうしたらいいんじゃないですか? ってところまであるんだったら、やっぱり芸能人であろうが誰であろうが発言するのは自由だと思うんですよ」
 解決策がないなら発言するな──。しかも、この西川の意見にテリー伊藤が「辺野古の問題にかんして言ったことは勇気がある。そこが大事なわけで」と言うと、西川は「そんな勇気いらないですよ! おかしいですよ、それは!」と激昂。その後も「(ローラは)辺野古にかんして何も解決策言っていないですよ!」「辺野古の問題については、もっと勉強して、ちゃんと言うべきですよ!」と声を張り上げたのだ。
 これには爆笑問題の太田光が「(ローラが)勉強しているかしていないか、わからないよ」と突っ込んだが、西川はどうして決め付けるのだろう。たとえば、ローラはこれまでもプラスチックごみによる海洋汚染問題などについて発信をおこなってきたが、その投稿内容からはローラが関心をもってかなり情報を収集していることが伺える。
 そもそも“辺野古の海をきれいに”という呼びかけの、どこが不勉強だと言えるのか。新基地建設工事がおこなわれている辺野古沿岸域は、沖縄県の「自然環境の保全に関する指針」でもっとも厳正な保護をはかる区域とするランク1に指定されているエリアであり、そんな場所で環境破壊の工事を進めることに異議を唱えることは当然、正当性がある。
政府の言い分を鵜呑みにしてローラを攻撃するホリエモン、デーブ、西川史子こそ不勉強
 しかも、デーブや西川は「ローラは普天間をどうするのかを考えていない」などと言うが、本サイトの既報の通り(百田尚樹がローラを「牝ガエル」呼ばわり! 辺野古反対署名めぐり安倍応援団がデマと詐術だらけのローラ攻撃)、「辺野古反対なら普天間固定だ」というのは安倍政権が言いふらしている詐術にほかならず、政府は辺野古に新基地をつくったあとも普天間から基地をなくすとは約束すらしていない。現に、米政府は普天間返還に対して那覇空港の滑走路使用など8つの条件をつけており、昨年6月、当時の稲田朋美防衛相も「前提条件が整わなければ、(普天間)返還とはならない」と国会で答弁しているのである。
 さらに、政府は辺野古崎南側で土砂投入をはじめているが、当初、先に埋め立てを開始する予定だった大浦湾側には軟弱地盤があり、この改良工事をおこなわなければ基地は建設できない。実際、昨日には防衛省が大浦湾側の護岸工事を見送る方針であることが判明した。ようするに、地盤にかんする追加の調査結果もまだ出ていない上、設計変更が必至なのはあきらかな状態なのだが、こうした問題を無視して「対案出せ」「解決策がない」などと言うデーブや西川のほうこそ「不勉強」だ。
 しかし、このリアリストを気取りながら実際には「普天間ガー」という馬鹿のひとつ覚えしか言わない不勉強極まりないデーブや西川に、ホリエモンが追随。「政治的発言をするのは全然いいと思うんですよ。ただ、言った以上は、その発言に責任をもちましょうね、っていう話で、まあ影響力が結構あるじゃないですか。で、だいたい芸能人が言いがちなことなんですよ。簡単だから」などと発言。まるでローラやりゅうちぇるといった芸能人たちが今回、署名の呼びかけをおこなったのは“安易な発想”だと批判したのである。
 挙げ句、ホリエモンはこうも述べた。
「(ローラが)あの発言をすることによって、あの問題は膠着するんですよ。だから膠着させることが僕はベストだと絶対に思わないんで」
「辺野古は埋め立てたほうがいいと思っている派です」
 つまり、政府が強行する新基地建設の足を引っ張る発言をするな、とホリエモンは言うのだ。
 工事を進めることの正当な理由をひとつも挙げられないのに、“きれいな海を守りたい”という明確で正当性のある主張をおこなったローラに対して、「問題を膠着させるな」と言うとは……。ホリエモンはたんに政府の代弁者でしかない。
 まったく酷い主張と言うほかないが、しかし、番組ではこうした意見に反論も出た。
 たとえば、藤田ニコルは、「ローラさんがつぶやいてくれたきっかけで、私もその問題を知ることができましたし、ローラさんいろいろつぶやいているじゃないですか。それきっかけで知ることがめちゃくちゃあります、若い世代にとっては」と、ローラによる発信の意味の大きさについて言及した。
爆笑・太田光は「すべての表現は政治的メッセージを含んでいる」とローラを擁護
 さらに、藤田に対して杉村太蔵が「政治的発言をするときに、よく『若いくせに』『モデルのくせに』とか『タレントのくせに』とかさ、言う人いるじゃない。まったく気にする必要ないと思うよ」と言うと、藤田は「そうやって言われるから、何も言えないっていう状況」と本音を吐露。すると、杉村は「民主主義ってさ、いまあなたが思っていること、感じたこと、それを言う権利があるんだから!」と訴え、「『解決策がないなら言うな』なんてまったく(間違っている)」と吠えた。
 また、太田光も、ローラに対する「政治的発言をするな」というバッシングについて、こう指摘した。
「よく芸能人が政治的発言をするなって言うんだけど、とくに我々は時事ネタやってて『お笑いのくせに』とか言われるんだけど、すべての表現っていうのは政治的なメッセージ含んでいますよ」
 その上で太田は、ローラが身を置くファッション業界は、とりわけデザイナーの政治的メッセージがショーやコレクションで展開されていることを踏まえ、「その場所にローラがいて、ましてや世界的なファッション業界に打って出ようという意識があるなら、こういう意識をもつのは当たり前のこと」だと指摘。
 そして、テリー伊藤は、西川らの「不勉強」という非難に、こう反論した。
「西川さんは勉強不足って言うかもしれないけど、(ウーマンラッシュアワーの)村本(大輔)は最初に発言したときって勉強不足だった。彼自身もそう言っているわけね。でも、やることによって、どんどんどんどん彼なりのね、いろいろ考えているんだよ。だから、『勉強不足だから発言するな』っていうのは、すごく失礼な話ですよ! 誰しも勉強の途中なんだから」
 まさにテリーの言うとおりだろう。実際、前述したように、藤田ニコルはローラの投稿がきっかけで辺野古の問題を知ることができた。問題が広く共有化されたという意味だけでも、ローラの果たした役割は大きい。それを、「辺野古か普天間か」という安倍政権が勝手に設定した二項対立を振りかざして「不勉強」と罵り、「問題を膠着させるな」と政府の代弁で恫喝するだけのデーブや西川、ホリエモンは、ようするに影響力のあるローラを黙らせたいだけではないか。
 太田は最後に、ローラに対して政治的発言をするなと言う者たちについて「たんなるガヤだから、気にすることは全然ない」と述べてコーナーを締めたが、番組はローラを、いや、政府方針に刃向かう意見をなんとか貶めようとする「ガヤ」がいかに多いかをあぶり出す結果となった。しかし、繰り返すが、「辺野古か普天間か」は問題のすり替えに過ぎない。「不勉強」なのは誰なのかは、あきらかだろう。


京都で働ける…LINEの開発拠点に海外から応募殺到
 無料通信アプリを手がける「LINE」(ライン、東京)が京都市に設置した新たな開発拠点の採用に、外国人の応募が殺到した。応募者1千人中、約8割が海外からの申し込みだったという。なぜ、海外からの関心が集中したのか。背景には、世界でも高い知名度を誇る京都ならではの事情があるようだ。(浜川太一)
 京都市中心街に建つ雑居ビルの一室。しゃれたカフェのようなオフィス内では、私服姿の外国人技術者らが英語で会話を交わしながらパソコンに向かっていた。
 ライン京都オフィスは、人工知能(AI)などの先端技術を取り入れたサービスの開発を目指し、東京、福岡に次いで6月に同社が開設した国内3つ目の拠点。勤務する技術者ら19人のうち半数は外国人で、出身地もフランス、スイス、英国、米国、中国、台湾−と多様だ。
 「京都は国際的にも有名な場所。優秀な海外の技術者が日本で働くきっかけになると思った」。同社京都開発室の御代田亮平さん(35)は京都に進出した狙いをこう話す。
 実際、採用された技術者たちも京都という街にひかれて応募した人が多い。メキシコ出身のカルロス・ペレスギテレスさん(30)は「海外で働くのが夢で、中でも京都は魅力的だった」とし、「寺院が立ち並ぶ京都の街を歩いていると、いろいろなアイデアが浮かんでくる」と話す。台湾出身の陳(チェン)●(=日の下に立)(ユー)丞(チャン)さん(31)も、「古さと新しさを兼ね備えた街。挑戦には適した街だ」と笑顔を見せた。
 10月に米の有力旅行誌「コンデナスト・トラベラー」が発表した「魅力的な世界の大都市ランキング」(米国を除く)では、京都は首位の東京に次ぎ、2位にランクイン。寺社が立ち並ぶ伝統面に加え、近年は作家や芸術家が多く移り住んでいる新たな側面が評価された。
 学生数や研究機関の多さも、ラインが京都に進出した理由の一つだ。文部科学省の平成28年度調査によると、京都市(人口約147万人)の学生数は過去最多の約14万7千人。全国20政令指定都市中1位で、実に人口の1割が学生という環境だ。
 京都オフィスでは3年後、技術者100人体制を目指しているといい、御代田さんは、「優秀な学生も採用しながら、京都の街全体を実験台にして、さまざまな挑戦をしたい」と話した。

病院で薬をお願い/キャベツが安い/年賀状準備

ブログネタ
フランス語 に参加中!
箱崎神社 伊佐181123

Gilets jaunes, acte VI : près de 40000 manifestants et 220 interpellations
En fin d'après-midi, le ministère de l'Intérieur dénombrait 38 600 manifestants à travers le pays, contre 66 000 samedi dernier à la même heure.
A trois jours de Noël, l'≪acte VI≫ des gilets jaunes rassemblait samedi plusieurs dizaines de milliers de manifestants à travers le pays, en baisse par rapport au samedi précédent, avec des défilés épars, la poursuite de barrages routiers et quelques blocages aux frontières. En fin d’après-midi, le ministère de l’Intérieur dénombrait 38 600 manifestants à travers le pays, contre 66 000 samedi dernier à la même heure.
A Paris, pour ce sixième samedi consécutif de mobilisation, la préfecture dénombrait 2 000 manifestants peu avant 16 heures, contre près de 4 000 à son maximum samedi dernier selon une source policière. Peu avant 20 heures, on dénombrait 220 interpellations en France, dont 81 gardes à vue selon une source policière de l'AFP.
Parmi les gardés à vue figure un des porte-voix des gilets jaunes, Eric Drouet, 33 ans, chauffeur routier de Melun (Seine-et-Marne) qui avait contribué à lancer la mobilisation contre la hausse des carburants en novembre. C’est aussi lui qui avait appelé ce matin sur Facebook à se rassembler à Montmartre.
Peu avant midi, le petit cortège a été bloqué dans le quartier de l’Opéra par les forces dans le l’ordre, qui ont fait usage de gaz lacrymogènes. Un autre groupe d’environ 150 manifestants est parti de l’Opéra vers la place de la République. Et un autre marchait aussi depuis la Madeleine vers l’Opéra. Selon un photographe de Libération présent sur place, des manifestants ont été gazés rue de l’Arcade vers 13h30.
La situation est restée calme sur les Champs-Elysées, où contrairement aux derniers samedis, la circulation était normale et où seule une poignée de gilets jaunes s’est rassemblée dans la matinée. Cafés et restaurants ont dressé normalement leurs terrasses, la quasi-totalité des magasins otn exhibé leur vitrine, et seules quelques boutiques de luxe sont restées fermées.Les commerces parisiens, qui doivent accueillir de nombreux clients avant Noël, avaient été ≪invités à faire preuve de vigilance≫ par la préfecture de police. Quelques 800 gilets jaunes au total ont été dénombrés dans l’ensemble de la capitale, a indiqué vers midi la préfecture de police.
Situation calme également à Versailles, où plusieurs milliers de personnes s’étaient déclarées ≪intéressées≫ par une manifestation organisée entre autres par Éric Drouet, sur l’avenue de Paris, juste en face du château. Seule une soixantaine de gilets jaunes se trouvaient vers midi sur l’avenue, au milieu d’un important dispositif policier, selon l’AFP. Par crainte de débordements, le domaine et le château de Versailles, visités par des millions de personnes chaque année, avaient été fermés ≪de manière préventive≫.
Dixième mort
La situation contraste avec celle de la semaine dernière, où environ 69 000 membres des forces de l’ordre avaient été déployés en France, dont 8 000 à Paris, appuyées par des véhicules blindés de la gendarmerie. Ces véhicules blindés sont à nouveau mobilisés samedi, a fait savoir l’Intérieur. Ils sont ≪positionnés≫ en province, à Toulouse, Bordeaux et dans les Bouches-du-Rhône et ≪en alerte≫ à Paris.
Dans la nuit de vendredi à samedi, une dixième personne est décédée en marge du mouvement : un automobiliste est mort après avoir percuté un camion bloqué à un barrage filtrant de gilets jaunes, à l’entrée d’autoroute de Perpignan-sud, a indiqué à l’AFP le procureur de Perpignan, Jean-Jacques Fagni.
Des blocages aux frontiers
Plusieurs blocages aux frontières avec l’Espagne, l’Italie ou l’Allemagne ont été observés, après un appel en ce sens de certaines figures du mouvement. Des manifestations de gilets jaunes perturbent aussi le trafic routier. Des centaines de gilets jaunes sont rassemblés au péage du Boulou près de la frontière espagnole, a constaté l’AFP. ≪Le roi Macron donne des miettes aux gueux≫, pouvait-on lire sur des banderoles de manifestants. Selon Vinci, quelques entrées, sorties et barrières de péage sont encore fermées sur le réseau, notamment sur l’autoroute A7. Des manifestations sont encore en cours sur une vingtaine de points. Dans le sud-est, 200 manifestants ont bloqué la circulation sur l’autoroute au poste frontière de Vintimille (Alpes-Maritimes).
Tentative de blocage d'un centre commercial à Bordeaux
A Bordeaux, la mobilisation a rassemblé 2 600 personnes, selon la préfecture, contre 4 500 samedi dernier. Les forces de l’ordre ont fait usage de canons à eaux et de gaz lacrymogènes tandis que des manifestants lançaient projectiles, pétards et engins d’artifice. Des gilets jaunes ont tenté de bloquer un centre commercial couvert, jouant au chat et à la souris avec les vigiles, alors que des milliers de personnes faisaient leurs courses de Noël. Un pantin à l’effigie du président Emmanuel Macron a été décapité vendredi soir lors d’une manifestation de gilets jaunes à Angoulême, d’après la préfecture de Charente.
À 10 heures, une petite trentaine de gilets jaunes étaient réunis à Lyon, place Bellecour. A Marseille, une centaine se sont rassemblés samedi matin devant l’hôtel de ville, avec ≪Macron démission≫ comme slogan de ralliement. La manifestation principale dans les Bouches-du-Rhône pour cet acte VI était annoncée à Aix-en-Provence à partir de 14 heures. D’autres mobilisations sont prévues à Toulouse, Orléans, ou en Bretagne, notamment.
Quelque 80 gilets jaunes se sont rassemblés samedi midi devant la maison de Brigitte et d’Emmanuel Macron au Touquet, selon la préfecture du Pas-de-Calais. Les forces de l’ordre ont fait usage de gaz lacrymogènes contre des manifestants qui tentaient de forcer le dispositif policier. Environ mille gilets jaunes ont manifesté à Lille samedi après-midi, chantant la Marseillaise et scandant ≪Macron démission ! ≫. Ils étaient 500 à Nantes selon la préfecture, dans un calme ≪relatif≫. A Rennes, une importante opération escargot était en cours. A Bruxelles, une centaine de gilets jaunes ont manifesté.
Depuis le pic du 17 novembre et les 282 000 manifestants recensés, la mobilisation est en baisse. Ils étaient 166 000 gilets jaunes à manifester le 24 novembre, 136 000 les 1er et 8 décembre et 66 000 le 15 décembre. Et le ministère de l’Intérieur a décompté 3 680 gilets jaunes jeudi, soit l’étiage le plus bas depuis le début de ce mouvement né en réaction, à une hausse prévue des taxes sur les carburants - que le gouvernement a depuis annulée.
にほんブログ村 外国語ブログ フランス語へ
フランス語の勉強?
ろんぶ〜ん 「感動」の論文。感動のメカニズム&ネット中継で拍手伝えるマシン?
難しくて、とっつきにくい「論文」。しかし丁寧に読み解けば、そこには知的好奇心を刺激する「知の結晶」が輝いている。“ロンブー”淳と一緒に、論文の深き世界を味わう。
テーマは「感動」。2018年もあとわずか。ピョンチャン五輪での日本人選手の活躍、サッカーW杯など今年もさまざまな感動の名場面があった。今回紹介する論文は、われわれはいったいどうすれば感動するのか、そのメカニズムを解き明かした「心理学」の論文。そして感動を伝える手段として「拍手」に注目、ネット中継を通じて遠く離れた場所に感動の拍手を届ける「拍手マシン」を開発した「ロボット工学」の論文。その内容とは? ベッキー, ロボット開発会社経営…高橋征資,東洋大学教授…戸梶亜紀彦, 田村淳,中山果奈, 笑い飯…哲夫

週刊まるわかりニュース
スプレー缶120本で爆発・炎上その時現場で何が?直後から撮影続けた人証言&不動産会社社長を海彦が直撃▽津軽ストーブ列車で大人気商品!作っているのは…▽4K貴景勝 井上二郎, 渡辺蘭, 伊藤海彦,えがわさゆり
助けて!きわめびと「さらば!大掃除 片づけの習慣で毎日スッキリ!」
今回のテーマは、「片づけ」。年末の大掃除、気が重いですよね。でも、片づける習慣をつけると、毎日スッキリして、大掃除の手間をなくせます。きわめびとは、“かたづけ士”が肩書きの小松易さん。延べ2万人近くに片づけ術を伝授。その極意とは…▽処分するものを見分ける4つのステップ▽財布でできる整理術のトレーニング▽リバウンドしない物の置き方▽片づけの習慣をつけるチェックシート▽これで、部屋のキレイを保てます! 藤井隆,濱田マリ,小野塚康之, かたづけ士…小松易, 菱田盛之,木元美香
Nスペ5min.「アウラ 未知の部族 最後のひとり」
NHKスペシャルの魅力を5分間に凝縮した「Nスペ5min.」。今回は『アウラ 未知の部族 最後のひとり』のダイジェストをご紹介する。
ETV特集 アンコール「基地で働き 基地と闘う〜沖縄 上原康助の苦悩〜」
アメリカ統治下、米軍基地で働かざるを得なくなった沖縄の人たち。その労働環境は劣悪で、さまざまな差別を受け続けてきた。そうした労働者たちのリーダーとなったのが、のちに沖縄県選出議員として初の大臣ともなる、上原康助だ。去年8月になくなった上原の自宅からは、58冊の未公開ノートが見つかり、そこには、基地で働きながら、基地と闘った上原の心情が記されていた。上原の人生から、基地の島・沖縄の苦悩にせまる。 中條誠子

いろいろと雑用をしなくてはいけないです.とりあえず門真の図書館にCD返却して,西三荘の中華でランチ.京阪百貨店は年明けに行くことにします.
さて病院で薬をお願いしなくてはいけないのですが,窓口には受付終了.急患のみ受け付け,と有ります.診察はいいので薬だけほしいんですが・・・
キャベツが三玉110円!安いですね.買ってしまったのですが,そんなに食べることはできない気がします.
年賀状の準備をします.8月に考えていた案を元にちょっと準備してみました.明日もう一度検討します.

<いわぬまひつじ村1周年>人気スポットへ成長 住民手作り 被災者に好評
 東日本大震災で被災した岩沼市玉浦地区に市が整備したヒツジ牧場「いわぬまひつじ村」が、「開園」から1年を迎えた。住民らが一から造り上げた牧場は、今や年3万人を集める人気スポットに成長。1匹で1日約4キロを食べるヒツジが被災地での雑草繁茂を防ぎつつ、被災者の心の復興にも一役買っている。
 16日に現地で「村立1周年記念式典」があり、住民ら約150人が参加。中南米の子どものお祭りで用いられる、お菓子が詰まったくす玉「ピニャータ」を子どもたちが棒で割り、節目を祝った。
 子どもたちによるヒツジの名付けもあり、いずれもメスの3歳が「ホクロ」、4歳が「ことね」と決定。一足先に名付けられた「弥次郎兵衛」(オス、1歳)が食べた餌の番号に応じ、関係者にTシャツが贈られる場面もあった。
 市が公益社団法人青年海外協力協会(JOCA)に委託し、ヒツジの放牧を始めたのは2015年11月。当初は2匹だったが、他牧場から譲り受けるなどして28匹まで増えた。住民らが協力して牧柵なども整え、17年12月16日に、いわぬまひつじ村の「めぇ称」がお披露目された。
 18年4月には毎月第3日曜に市を開き、来場者を増やす仕掛けもスタート。住民らが地元野菜などを売る催しで、開催日は約1000人が訪れる。「集団移転先の災害公営住宅から外出するきっかけをくれる」と被災者にも好評で、JOCAによると、4月からの来客は19年3月までに3万人に達する見込みだ。
 JOCA岩沼事務所の原田勝成総括主任は「被災した荒れ地がよみがえって良かった。住民たちの手作りの村なので、さらに頻繁に使ってもらえるようになれば」と願う。


河北春秋
 「鯨を捕った船が港に帰ると、肉が家々に配られた。住民の仕事が捕鯨に連なっていた」。かつて三陸の捕鯨基地だった石巻市鮎川浜の人から聞いた。往時の人口が1万を超えた浜のにぎわいは、1987年の捕鯨禁止で途絶えた▼地元の鯨漁の歴史は江戸時代にさかのぼり、肉も伝統食だ。捕鯨禁止は国際捕鯨委員会(IWC)の決定。日本の大規模な南極海捕鯨が環境保護運動の強い欧米から非難の的にされ、禁止措置に沿岸の漁も巻き込まれた▼それから31年。政府は南極海と近海で数百頭の調査捕獲を続ける一方、持続可能な捕鯨の再開をIWC総会で求めてきた。支持する国も増えたが、禁止の壁は厚いままだ。ついに「日本、IWC脱退へ」とのニュースが流れた▼同じ沿岸捕鯨の歴史がある西日本の政治家らが脱退論を強め、政府は近海での再開案を検討中だと伝わる。やはり鮎川浜の捕鯨者たちも長年、伝統の漁の再開を訴えた。南極海が中心議題だったIWCの論争に声をかき消されながら▼鮎川浜は7年前、東日本大震災の津波で被災した。地元に残る住民は復興につながる捕鯨再開を願う。だが、町の繁栄を知る古参捕鯨者の多くは他界したり、他の町に移ったり。IWCの論争に翻弄(ほんろう)された人々に、朗報を伝えられる日はいつか。

IWC脱退方針「日本は海賊捕鯨国に」 シー・シェパード創設者
 反捕鯨団体「シー・シェパード」の創設者ポール・ワトソン容疑者=写真、ロイター・共同、国際手配中=は、日本政府の国際捕鯨委員会(IWC)脱退方針について「これで日本は『海賊捕鯨国』となった。これまでの調査捕鯨という口実をやめ、自らの違法な捕鯨活動を宣言した」と強く非難する声明を発表した。
 シー・シェパードは二〇〇五年から日本の調査捕鯨船への妨害活動を実施。ワトソン容疑者を巡っては、日本などの要請で国際刑事警察機構(ICPO)が国際手配している。
 ワトソン容疑者は、日本が国際司法裁判所で敗訴したにもかかわらず、一九八七年から「調査捕鯨」名目で「商業捕鯨」を続けてきたと批判した。
 日本のIWC脱退で「日本の資金になびいて日本の主張に同調してきた国々も脱退するだろう」と指摘。IWCも商業捕鯨を堂々と批判できるとした。


「おながわ冬のまつり」始まる
冬の女川を盛り上げようというまつりが女川町の商業施設で22日から始まり、新鮮な魚介類などを買い求める観光客などで賑わいました。
このまつりは、女川駅前の商業エリア「シーパルピア女川」が23日でオープン3周年になるのを記念して、町や観光協会などでつくる実行委員会が開きました。
初日の22日は開会セレモニーが開かれ、子どもから大人まで地元の人たち15人で結成された太鼓の演奏グループが力強いバチさばきを披露したほか、祝いの紅白の餅が配られました。
現在60あまりの店舗が営業する駅前の商業エリアでは、今が旬のスルメイカや生ガキなどの魚介類がふだんより2割ほど安く販売され、訪れた観光客が買い求めていました。
石巻市から訪れた女性は、「毎月買い物と観光に訪れていますが、賑わいを見ると、復興が進んでいるのが実感できます」と話していました。
女川町観光協会の阿部喜英会長は、「イベントを開くなどして、何度も訪れてくれるリピーターの人を増やしていき、活気ある女川にしていきたい」と話していました。
「おながわ冬のまつり」は今月25日まで開かれ、コンサートやカラオケ大会、それに花火の打ち上げなどが行われることになっています。


<地上イージス>秋田知事、不満爆発 唐突な提案も
 秋田はイージス・アショアの配備候補地にあまりにも軽く決められた−。佐竹敬久秋田県知事が21日、配備を巡る防衛省の一連の対応にため込んだ不満を、原田憲治防衛副大臣にぶつけた。まず国が秋田を軽視せず、重要な場所と捉え直すことが必要と主張。配備に伴う経済的な補償など唐突な提案を繰り広げた。
 佐竹知事が怒ったのは、6月に来県した防衛政務官(当時)の「現地に来て初めて(演習場が)住宅地に近いと分かった」という発言。「ただ広い演習場があったからと候補地に選んだのか」と改めて不快感を示した。
 「イージス・アショアは重要な防衛施設だからこそ(国には)秋田を守ってもらわないと」と主張。守る意識を高めるため防衛省の中枢を秋田に移転させてはと提案したり、「県全体の振興や発展も…」と補償を求めることをにおわせるような発言も飛び出た。
 会談後の記者会見で佐竹知事は安全対策が配備を考える上での前提としつつ、「もし配備となれば、経済的損失が生じる。迷惑施設を押し付ける、という発想では駄目だ。何らかの補償は必要だ」と自らの発言の趣旨を解説した。
 こうした知事の発言について、穂積志秋田市長は補償の検討は必要と理解を示しながらも、「配備に賛成と受け取られかねない。慎重に協議していかないといけない」とくぎを刺した。


東北電、女川1号機廃炉を決定 30〜40年で完了へ
 東北電力は21日、女川原発(宮城県女川町、石巻市)1号機の廃炉を正式決定し、発電事業の変更を経済産業相に届け出た。廃炉日は同日付となる。今後、施設の解体を始めるために廃止措置計画を作り、来年度中に原子力規制委員会に認可申請する予定。【本橋敦子】
 同日会見した稲葉健夫原子力部課長は、30〜40年で廃炉を完了する見通しを示した上で「地元自治体への分かりやすい情報提供に努める」と表明した。また、1号機の使用済み核燃料821体(約140トン)の処理については「(同原発敷地内の)使用済み核燃料プールを活用しながら将来的な検討を進めていきたい」と述べた。東北電によると、プールには約2000体の容量が残っており、10年程度貯蔵することが可能という。
 東北電は10月25日に1号機の廃炉を発表。運転開始から34年が経過し、追加しての安全対策工事が技術的に困難になったことなどを理由に判断した。
県、1.7億円減収見込み
 女川原発1号機の廃炉に伴い、県と立地する女川町、石巻市では減収が確実となった。それぞれ減収分を試算し、予定していた事業への影響が出ないよう対応を検討する。
 県は2019年度の減収を1億7000万円と見込む。発電量が消費量を上回り、他県に融通した量に応じて受け取る「電力移出県等交付金」は約1億円減。運転30年経過後の立地県などに交付される「立地地域共生交付金」も宙に浮き、「県道牡鹿半島公園線」(コバルトライン)の斜面崩落対策に見込んだ19年度7000万円、20年度6000万円がゼロとなる。
 女川町は19年度の減収を8000万円と試算。「電源立地地域対策交付金」が2億8000万円減るが、廃炉の緩和策として国から受け取る「廃炉交付金」は2億円。来年度から10年間で十数億円減収の見込みだが、小・中学校整備にあてる共生交付金10億8000万円は今年度内の交付が決定済みのため、影響はないという。
 石巻市は19年度1億3400万円減の見込み。立地対策交付金は5000万円減、国からの廃炉交付金が4000万円で、差し引き1000万円減。移出県等交付金は2000万円減。共生交付金は市立小中学校の老朽化対策や牡鹿病院の医療機器購入などに見込んだ計1億400万円がなくなる。10年間で6億7300万円減と試算している。【百武信幸】


返済不能の保証人も免除 「阪神・淡路」災害援護資金
 阪神・淡路大震災の被災者に国と自治体が貸し付けた「災害援護資金」の未返済分を巡り、内閣府は21日、返済義務を負っている保証人でも返済能力がないと認められれば債権を放棄する、との通知を兵庫県や神戸市などに出した。国は現行法で対応可能な債権放棄を相次いで決めており、未返済問題の解決に向けて動きを加速させている。
 今回の決定で返済免除の対象となるのは、借り主が生活保護受給者や破産者などのケースで、保証人も返済できない債権。これらのケースでは現在、保証人も生活保護受給者や破産者などであることが免除の条件となっている。内閣府によると、返済能力の判断基準は所得や資産、負債、生活費などから判定する県の計算式に基づく。
 返済の免除は従来、借り主が死亡または重度障害で、保証人も返済できない場合に限られていたが、国は2015年、自治体の判断で借り主や保証人が生活保護受給者や破産者、少額返済者の場合も免除対象にする方針を示した。
 ただ、返済能力の有無などの判断基準で国と県の見解が異なり、各自治体で対応に差が出ている。このため国は今年11月、借り主と保証人がともに生活保護を受けている場合の免除を決めたほか、今月には自己破産などのケースも含めた。
 未返済問題を巡っては、神戸市が昨年、全ての保証人に対する債権を放棄する独自の方針を決定。今後は同市が踏み込んだ保証人の扱いなどが焦点で、自民党は議員立法での解決も視野にワーキンググループを来年1月にも発足させる。(井関 徹、今福寛子、若林幹夫)
【災害援護資金】災害弔慰金法に基づき、全半壊世帯などに最大350万円を貸し付ける制度。国が3分の2、都道府県か政令市が残りを負担し、市町村が被災者に貸し付ける。返済期限は10年。阪神・淡路大震災では兵庫県内13市で計5万6422件、約1309億円が貸し付けられた。9月末時点で返済を終えた姫路、三木市を除き、11市で計3730件約53億円が未返済になっている。


初の100兆円予算案 借金漬けでも野放図とは
 1000兆円を超す借金を抱えているのに、いつまで野放図な財政運営を続けるのか。
 政府の来年度予算案は一般会計の総額が101兆円台と初めて100兆円の大台を突破した。来年10月の消費増税に備え、2兆円規模の手厚い景気対策を盛り込んだためだ。
 安倍政権の発足後、予算規模はこれで7年連続で最大となったが、今回は大盤振る舞いが際立つ。
 本来、消費増税の目的は、増える税収を借金返済に回し負担先送りに歯止めをかけるものだ。だが今回の増税分5兆円強は、安倍晋三首相が決めた教育無償化に充てるだけでなく景気対策で使い切ってしまう。
 新たに発行する国債は32兆円台と今年度から1兆円減るが、税金以外の収入をかき集めたことによるものだ。国債への依存度は3割超と依然借金漬けだ。景気対策につぎ込まなければ借金をもっと減らせた。
 対策の柱である買い物客へのポイント還元は最大5%と実質減税になる。商品券の発行対象は2400万人に上る。防災などのインフラ整備には1兆円超も計上した。
 景気への配慮は大切だ。だが、こうした対策は効果が疑問視されているものばかりだ。防災対策も、直接関係ない景気刺激の役割を担わせると非効率な事業が紛れ込む。規模を拡大するほど、つけ回しが増え、将来の消費を落ち込ませるだけだ。
 しかも政府は、現在の景気拡大期間が今月で戦後最長記録に並んだ可能性が高いとの認識を示した。ならば過度の対策は不要なはずだ。
 景気対策以外も歳出増は目白押しである。高齢化で増え続ける社会保障費は過去最大の34兆円台にも上った。地方に配るお金を増やし、自治体が自由に使える資金も最大に膨らんだ。来年の参院選や統一地方選目当てとみられても仕方がない。
 来年度は、政府が新たに作った財政健全化計画の初年度である。従来計画の見直しを余儀なくされたのは、当てにしたほど税収が伸びなかったからだ。今回は歳出抑制に本腰を入れる必要があった。まして増税で国民に新たな負担を求める以上、無駄をきっちり省くべきだった。
 首相が憲政史上最長の政権を担おうというのなら「国難」と呼ぶ高齢化を乗り切る財政を目指すべきだ。


政府予算案/見当たらない膨張の歯止め役
 歳出101兆円。史上初の100兆円台突破だ。
 きのう政府が閣議決定した2019年度予算案は、政策経費が前年から4・8%増えた。税収は62・5兆円と過去最高を見込むが、歳出拡大にとうてい届かず、32・7兆円の国債を新たに発行する。
 新規国債発行額は9年連続で減ったが、国と地方を合わせた長期債務の残高は1122兆円に膨れ上がる。
 次代へのツケが膨らみ続ける現状に、政治も国民も目を背けてはならない。

 歳出膨張の主因は、来年10月の消費税率10%引き上げを見据えた景気対策費だ。総額で2兆円を超える。防災対策など、消費税と直接関係のない事業も潜り込んでいる。
 安倍晋三首相自身、財政再建に前向きとはいいがたい。官邸が人事と政策運営を掌握し、各省庁は異議を唱えにくくなっている。与党内でも財政再建派の影が薄く、勢いづくのは歳出拡大を求める声ばかりだ。
 その結果、公平性や格差の縮小など、最も重視すべき原則を軽視したような対策が目立つ。
 増税分を上回るポイント還元は、クレジットカードなどを使う場合に限られる。高所得者でも、子育て中ならプレミアム付き商品券を買える。
 首相は増税による消費低迷を懸念して、これまで10%引き上げを2度先送りした。今回はポイント還元で、当初案以上のポイント上乗せを指示した。
 厳しい査定で憎まれ役を務めてきた財務省の存在感は、度重なる不祥事で薄れている。官邸主導の大盤振る舞いも、増税が実現できるなら目をつぶる−。それが本音なのだろう。
「ガイアツ」に押され
 社会保障費は前年度より1兆円増の約34兆円と過去最高を更新する。高齢化による自然増だけでも4768億円にのぼる。薬価引き下げや、高所得者の介護保険料負担増などで当初予想より約1200億円抑え込んだが、次年度以降も同じ手法が使えるとは限らない。
 来年は、政府が年金財政の健全性を点検する5年に1度の財政検証の年にあたる。これを機に、持続的な給付と負担のあり方を描き直すことが不可欠だ。
 防衛費も過去最高を更新した。現在の安倍政権が発足してから7年連続増となった。
 来年度以降の5年を見据えた新たな中期防衛計画では、現計画より2・8兆円多い27兆円超の予算投入を決めた。「過去最高」はしばらく続きそうだ。目立つのは巨額の米国製品の購入で、1機100億円超する最新鋭戦闘機F35を105機導入する方針を示した。
 トランプ米大統領は、日本が数多くのF35購入を約束したことに、「感謝したい」と述べている。首相は明言を避けているが、貿易赤字削減を求める米側の圧力に押され、手形を切ったのだろう。
 貿易黒字を減らすため、日本が10年間で430兆円の公共事業を約束した1990年の日米構造協議を思い起こす。その後の財政赤字拡大を招き、苦しむことになった経緯を忘れてはならない。
 これでは「ガイアツ」に財政が左右され、国の針路にも影響が出かねない。二の舞いとならぬようにするべきだ。
戦禍の反省はどこに
 税収で賄えない赤字を、国債発行で穴埋めする。もはや恒例と化した予算編成は本来、財政法で禁じられている。
 この法律は終戦の2年後に制定された。日銀に国債を引き受けさせて軍備増強にひた走り、国家財政を破綻させ、国民を戦禍に陥れた反省の上に立つ。財政面で、政府に一定の縛りを掛ける狙いがある。
 “禁じ手”を可能にしたのは、1966年に成立した1年限りの特例法だ。その後は毎年のように制定され、最近では数年分の赤字国債発行を一括して法制化している。
 むろん、景気低迷期に一定の財政出動は必要だろう。しかし安倍政権は、アベノミクスで景気が回復したと主張する一方で、国債頼みの財政拡大路線を改めようとしない。
 当面、税収の大幅増は望み薄だ。帳尻合わせの国債は、金融機関が国民の預金で買い支え、さらに日銀が金融緩和策として吸い上げている。人口減や高齢化で預金が減れば、こうした構図は崩れかねない。
 一方、予算膨張の歯止め役は永田町にも霞が関にも見当たらなくなった。
 社会保障費のみならず防衛費の増加にも国債を当て込むのなら、財政法はその主旨まで骨抜きとなる。戦禍の反省は過去のものとなってしまわないか。
 あとわずかで、2019年を迎える。年号が変わり、参院選と統一地方選が予定される政治決戦の年でもある。
 貴重な血税が公平に、有意義に活用されているか。後世の負担を増やしていないか。徴税者の監視が民主政治の原点であることを、改めて認識したい。


予算案100兆円突破 政権に危機感はあるのか
 安倍晋三首相は「経済再生と財政健全化を両立した」と力を込めた。果たして国債依存度がなお3割を超し、財政状況が先進国で最悪であるという現実を踏まえた上の言葉なのだろうか。
 政府はきのう、2019年度予算案を閣議決定した。一般会計総額は当初予算として過去最大の101兆4564億円で、初めて100兆円の大台を突破した。
 浮かび上がるのは、消費税増税を来年10月に控える中、政権の失速に直結しかねない景気の腰折れを何としても回避したいという、首相の強い意向である。
 増税に伴う景気対策費2兆280億円は、その象徴と言えよう。
 歳入面で新規国債発行額を前年度より約1兆円少ない32兆6600億円にとどめ、財政健全化にも目を配っていると言いたいのかもしれない。
 だがそれも、過去最高水準の62兆5千億円を見込んだ税収を確保できての話である。
 根拠は、来年度の実質成長率を1・3%と民間予測平均の2倍近く高く見積もった政府試算だ。実際の成長率が下振れすれば税収も減り、国債での穴埋めに追い込まれかねない。
 危機感のない大盤振る舞いは後世に重い負担を強いる。安倍政権は財政規律を締め直すべきだ。
■増税対策でばらまき
 増税前後の消費を平準化する狙いで講じる景気対策は、いずれも効果が疑わしい。
 柱となるポイント還元は、キャッシュレス決済によって中小店で買った客にポイントを付け、その費用を国が出す。
 還元額が青天井で、購入額が多い富裕層に有利な点は見過ごせない。所得が低いほど負担が重い消費税の逆進性を増幅する。
 還元率は2%と5%に分かれ、還元されない店も併存する。消費者の混乱は避けられまい。
 購入額以上の買い物ができるプレミアム付き商品券は消費喚起効果に乏しく、ばらまき色が濃い。
 どちらも需要の先食いに終わり、対策期間が終われば消費の反動減が起きる懸念が拭えない。
 政府は対策を「臨時・特別の措置」と位置付ける。だが効果が上がらなければ、さらなる財政出動を招く可能性も否定できない。
 景気対策費は、増税に伴う実質的な国民負担増である2兆円に匹敵する規模である。これでは何のための増税なのか分からない。
 社会保障費を皆でまかない、財政の持続性を確保するという増税の目的は脇に追いやられた。
■また補正を抜け穴に
 気になるのは、こうした景気対策ばかりではない。
 公共事業費は6兆9千億円と9300億円も増えた。
 老朽化したインフラの補修など必要な事業があるのは確かだ。ただ、これに乗じて要求が膨らんだのも事実だろう。無駄やばらまきの温床にならないか心配だ。
 安倍政権下で、まるで聖域化したかのように増え続ける防衛費も歳出を圧迫する。
 歳入では、預金保険機構が銀行破綻に備えて管理する利益剰余金8千億円を税外収入に計上した。
 国債発行減を狙った異例の措置だ。余ったのなら銀行が払う保険料を下げるか、預金者に還元すべきだ。なりふり構わず財源をひねり出したと言われても仕方ない。
 本予算と同時に閣議決定された18年度第2次補正予算案では、追加歳出が約3兆円にも上る。
 安倍政権では、本来、災害復旧など緊急の事業に充てるべき補正予算を、抜け穴のように使う手法が定着しつつある。財政規律はますます緩んでいる。
■社会保障の将来図を
 一般歳出の約半分を占める社会保障費は総額が膨らむ一方、暮らしに関わる負担増や給付減がじわりと進んでいる。
 政府は後期高齢者の病院窓口負担増や介護保険の利用者負担増などを検討しており、統一地方選や参院選が終わる来年以降、次々と実施される可能性もある。
 だれがどれだけ負担し、どんな社会保障制度にするのか―。しっかりした将来図を示すのは、政府の喫緊の課題のはずだ。
 なのに安倍政権は一貫して、金融緩和や財政・税制で企業活動を後押しするアベノミクスの推進を優先させてきた。
 その結果が、本年度末で880兆円に達する公債残高である。第2次安倍政権発足後、175兆円も増える計算だ。
 「経済成長なくして財政再建なし」と安倍首相は繰り返すが、成長頼みで事態が改善しないことはもはや明らかだろう。
 削るべき歳出を削った上で、大企業や富裕層などに応分の負担を求める。財政が維持不能になる前に、こうした抜本改革に着手しなければならない。


来年度予算案 新時代への展望が見えぬ
 「平成」最後に編成した新時代の幕開けを飾る予算だが、それにふさわしい内容とは言い難い。
 政府が2019年度予算案を閣議決定した。一般会計の総額は101兆4564億円で、当初予算として初めて100兆円の大台を突破した。
 歳出では来秋の消費税増税を名目に臨時で特別な経済対策を膨らませ、医療や介護など社会保障費や防衛費も過去最大に増額した。
 歳入では消費税増税を見込んで税収を62兆4950億円とし、預金保険機構の剰余金繰り入れなど異例な税外収入も加え、新規国債の発行は32兆6598億円と9年連続で減額した。
 歳出は増やすが新たな借金は減らす−。一見、積極財政と財政健全化を両立させたような形だが、歳入の3分の1を借金で賄う危うい構造は変わらない。景気安定が最優先とはいえ、消費税増税分を超える増税対策は無節操だ。国民の負担を伴う歳出改革も選挙を控え先送りされた。増税対策特化予算とでも言うべき野放図さに、新時代への展望はうかがえない。
 ●無節操な増税対策特化
 予算肥大化の最大要因は消費税率を10%に上げるのに伴い、過剰なまでの対策を行ったことだ。
 最も首をかしげるのがポイント還元である。「税率引き上げ前後の消費の変動をならす」ため、中小店舗でクレジットカードなど現金以外で買い物をした客に対し、ポイントを還元する措置に2798億円を予算化した。
 増税後の消費の落ち込みにどれだけ有効なのか疑問だ。そもそも現金しか使わない人には恩恵がない。複数の還元率が混在するので消費者も業者も戸惑いや不満が強い。導入するのなら、誰もが使いやすい制度でなくては困る。
 増税対策としてこれに加え、プレミアム商品券の発行のほか、防災・減災などインフラ整備にも1兆3475億円が計上された。税制面でも、食品などの税率を8%に据え置く軽減税率導入のほか、住宅や車の減税も実施予定だ。
 年度途中の秋に消費税率が上がるので、来年度に限れば国民の負担増は6千億円程度との見方もある一方、経済対策は2兆3千億円に上るようだ。これでは増税の副作用におびえた過剰反応予算措置ではないか。
 もう一つの焦点だった社会保障費は、過去最高の34兆587億円となった。概算要求時に6千億円と想定されていた高齢化に伴う自然増分を4768億円に圧縮した。ただ、幼児教育・保育の無償化や年金生活者への支援給付金など消費税増収分を使った施策が上乗せされ、総額は大幅増となった。
 防衛費も新たな「中期防衛力整備計画」に沿い、過去最大の5兆2574億円を計上した。米国製の高額装備品購入など対米配慮が目立つ。言いなりではいけない。
 気になるのは増税対策予算ばかりが目立ち、経済の成長や活性化に向けた予算の影が薄いことだ。未来を見据えた事業や政策にもっと光を当てるべきだ。
 予算計上された「空飛ぶクルマ」実現に向けた調査や諸研究、ロボットや人工知能を活用した農業の実証実験など未来につながる政策は、着実に実施してほしい。将来の学術研究を担う若手研究者への科学研究費助成事業も充実させたい。外国人材を受け入れ共生していく事業では、働く人の視点に立った環境整備こそ大切だ。
 ●補正一体で歳出改革を
 政府は、総額約2兆7097億円の本年度第2次補正予算案も決定した。安倍晋三政権では、補正予算編成が常態化している。第2次政権の発足以来、補正予算は計10回組まれ、歳出補正の総額は30兆2千億円に達する。当初予算では財政規律重視を装いつつ、補正を抜け穴にして歳出を肥大化させるまやかしが意図的に行われ、歳出改革や財政再建を遅らせている。補正予算も一体で歳出改革に取り組むことが不可欠だ。
 国と地方の長期債務残高は19年度末に最悪の1122兆円に達して財政は危機的状況だ。しかし、健全化議論はまたも先送りだ。
 政府は19年度から社会保障改革などを進めるための基盤固めを行うという。社会保障制度の持続可能性確保が景気を下支えし、持続的な経済成長を後押しするとも指摘している。それならなぜ、もっと早く取り掛からなかったのか。
 有識者でつくる財政制度等審議会の意見書は、平成の財政を失敗と指摘し「新たな時代の子供たちに、平成の財政運営をどう申し開くことができるだろうか」と記した。政治家も官僚も国民も、もう難題から逃げない覚悟が必要だ。


来年度予算案  将来世代への負担重い
 政府は2019年度予算案を閣議決定した。一般会計の総額は当初予算で初めて100兆円の大台に乗せた。
 消費増税を控え、景気対策費が膨らんだ。公共事業費の伸びは15・6%増と突出した。借金に当たる新規国債発行額は減らしたが、なお予算の3割超を頼る。国と地方の長期債務残高は19年度末に1122兆円へ積み上がる。
 財政再建への決意はうかがえず、難題は先送りされた形だ。将来世代の負担が一段と重くなる。節度を欠き、あまりにも無責任だと言わざるをえない。
 強気の財政支出を支えたのは、税収増だ。過去最大だった平成初期の水準を29年ぶりに上回った。だが一方で、歳出は当時の1・5倍に膨らんでいる。
 国債発行額は高止まりしている。資金繰りの悪化はバブル崩壊がきっかけだったが、その後の高齢化の進行などもあり、国債への依存が続いている。
 社会保障費は約3倍に伸びた。少しでも伸びを抑える具体策や国民負担を巡る議論が必要だが、素通りされてきた。
 さらに消費増税が景気対策の大盤振る舞いを呼び、「何のための増税か」と批判される事態だ。柱となる中小店でのポイント還元も、混乱が懸念されている。
 景気対策の側面が色濃い「国土強靱(きょうじん)化」により、公共事業費も大幅に増えた。第2次安倍政権発足後から7年連続の増額である。
 どこまで精査された内容なのか疑問が残る。来年の統一地方選や参院選を控え、商店街や建設業界といった与党支持層を厚遇する思惑が透ける。
 アベノミクスによる経済成長で税収を伸ばし、財政再建につなげる―。安倍首相はそう道筋を描いたが、政権の長期化に伴い危機感が薄れ、財政規律の緩みも進んでいるようにみえる。
 好調な税収がいつまで続くかは不透明だ。予算膨張に歯止めをかける仕組みが必要ではないか。
 場当たり的になりやすい単年度主義の予算編成や、なおざりにされがちな国会の決算審議の在り方など、見直すべき点は多い。
 有識者による財政制度等審議会は「新たな時代の子どもたちに、平成の財政運営をどう申し開くことができるだろうか」と意見書に記した。重く受け止めたい。
 予算案は年明けの通常国会に提出される。危機感を取り戻し、国の将来を見据えた真摯(しんし)な議論が求められる。


政府予算案 財政再建投げ出すのか
> 一般会計の総額101兆4564億円の2019年度予算案を政府が閣議決定した。18年度当初予算の97兆円を大きく上回る過去最大の規模である。
 財政健全化は待ったなしにもかかわらず、歳出は膨らみ続ける。当初予算で初となる100兆円の大台を一気に突破した。
 29年ぶりの過去最大の税収を見込むが、盤石とは言い難い。新たな借金に当たる新規国債発行額は32兆6598億円と高止まりし、19年度末の長期債務残高も1122兆円に積み上がっている。
 赤字体質から脱せないのに膨張し続ける予算は、財政再建を投げ出している表れではないか。そのツケを、平然と次の世代に回すつもりなのだろうか。
 膨張の要因はいくつもある。その一つが来年10月に予定する消費税増税をにらんだ景気対策費だろう。効果が疑問視される、キャッシュレス決済時のポイント還元やプレミアム商品券配布、住宅の購入支援などが盛り込まれた。統一地方選や参院選を来年に控え、「支持者厚遇」「ばらまき」と批判されるのも仕方あるまい。
 社会保障費は34兆587億円に上り、歳出の3分の1を占める。前年度当初より1兆円以上増えた。それでも、高齢化に伴う医療・介護に関する費用は、薬価引き下げや高所得者に介護保険料の負担増を求める「総報酬割」の拡大などで、4768億円の伸びに抑えたという。
 ただ廃止予定だった後期高齢者医療制度の特例を一部存続させるなど国民の負担増になる歳出改革は見送られた。これも選挙を意識してのことだろうか。
 膨らんだ分はどこかで削らなくてはならないはずだが、その努力は見当たらない。
 幼児教育・保育の無償化は消費税増税分を充てて進める。そもそも財政再建に充てるはずだったものだ。急いでやるべき政策か、ここでも疑問が湧く。
 6兆9千億円を超す公共事業費も気になる。前年度当初から9310億円の大幅増になっているからだ。防災のための「国土強靱(きょうじん)化」などに費やすという。今年は全国で大きな災害が相次ぎ、備えの重要性は誰も否定するまい。だが財源に限りがある以上、精査が必要だ。
 同じく「備え」だからと膨らみ続ける防衛費にも、同じことが言える。こちらも過去最高の5兆2574億円となった。高額装備品が押し上げている。
 海上自衛隊の護衛艦の事実上の空母化に伴う研究費(7千万円)や、地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」取得費の一部費用(1757億円)など、憲法に基づく大原則「専守防衛」との整合性が疑われる出費も多い。
 米政府の言い値で米国から装備品を購入する「対外有償軍事援助(FMS)」による調達に歯止めがかからず、契約ベースで7千億円を初めて突破した。
 こうした状況を放置し続ければ財政再建は遠のき、次代にしわ寄せがいくのは分かりきったことだ。まずはこれ以上借金を増やさないよう、政策に優先順位を付けて、歳出抑制に真剣に向き合うべきではないか。
 「歳出の膨張を無節操に許している」などの批判が早速上がるのも当然だろう。国民が納得できるよう、年明けの通常国会で厳しいチェックを求めたい。


来年度予算案 財政再建遠のくばかり
 政府は2019年度予算案を閣議決定した。一般会計の総額は101兆4564億円に上り、7年連続で過去最大を更新した。初めて当初予算で100兆円の大台を超え、安倍政権の予算膨張路線があらためて鮮明になった。
 人口減と少子高齢化が進む中、年金、医療、福祉などの社会保障費をいかに確保するかは予算編成の最優先課題だ。19年10月に消費税が8%から10%に引き上げられるのもそのためであり、政府には国民に増税の痛みを理解してもらう真摯(しんし)な姿勢が欠かせない。ところが、まるで予算はいくらでもありますと言わんばかりの大盤振る舞いだ。財政規律が緩む一方だと厳しく指摘せざるを得ない。
 安倍政権下で増加ぶりが目立つのは防衛費だ。19年度も5兆2574億円で7年連続増となった。次期中期防衛力整備計画(19〜23年度)で政府は海上自衛隊の護衛艦「いずも」の空母化をはじめ、防衛力増強を図る考えを鮮明にしている。だが、これではいたずらに周辺国の反発を招きかねないほか、社会保障など他の予算を圧迫することにつながる。日本にとっていま何が重要なのかを考慮し、速やかに軌道修正することが求められる。
 防衛費には本県と山口県が配備候補地に挙げられている地上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」2基の取得費用が盛り込まれている。地元住民から反対の声が上がる中での予算化は「配備ありき」の姿勢の表れではないか。到底理解を得られない。
 今回さらに予算の膨張を招いた要因に、手厚い消費増税対策が挙げられる。キャッシュレス決済のポイント還元に2千億円超を投じるなど、全体で2兆円を上回った。景気の腰折れを防ぐ対策が必要だとしても、当初2%だった還元率を安倍晋三首相の鶴の一声で一部5%にかさ上げ修正したのは、いかにもやり過ぎだ。19年春の統一地方選や夏の参院選を控えた選挙目当ての対策と受け取られても仕方がないだろう。
 一般会計で最も大きな割合を占める社会保障費は3・2%増の34兆円余りと過去最大。政府は継続雇用の年齢を引き上げる「全世代型社会保障改革」を掲げる一方で、国民の負担増を巡る議論は参院選後に先送りしたが、そんな余裕があるのか。将来を見据えた議論を早期に始めるべきだ。
 一般会計の3分の1を国債発行で賄う借金依存体質は依然として続く。国債の新規発行額を3・1%減の32兆円台に抑えたものの、国と地方の長期債務残高は19年度末に1122兆円に積み上がる見込みだというから深刻だ。
 財政再建を置き去りにした予算編成であることは明白だ。立て直しに全力を挙げなければ、将来へのツケは増すばかりである。


国の予算案 次世代の評価を恐れる
 来年10月の消費税増税で心配される景気の腰折れを、何としてでも防ぐ。安倍晋三首相の強いこだわりを感じさせる予算になった。
 政府が21日決めた2019年度予算案は、一般会計が初めて100兆円の大台を突破した。消費税10%への増税に備えた景気対策が2兆円を超えたことが大きい。
 対策の柱は、中小の店でクレジットカードなどを使って買い物した場合のポイント還元だ。増税は2%だが、5%のポイントが付くため事実上の減税になる。
 さらに国が支援して、所得の低い人や2歳児以下の子育て世帯向けにプレミアム付き商品券を発行する。2万円で手に入れると2万5千円分の買い物ができる。
 他にも、省エネや耐震性に優れた住宅の新築などに最大35万円分のポイントを付ける。税制でも、消費税上げの後に自動車や住宅を購入した場合に減税する。
 驚くばかりの大盤振る舞いと言えよう。景気を落ち込ませないため、できることは何でもやる。安倍首相の執念がにじみ出た印象だ。
 首相には苦い経験がある。4年前に消費税率を5%から8%に上げる直前、人々が駆け込みで物を買い、増税後は反動で消費が落ち込んだ。同じ失敗は繰り返さないとの決意とみられる。
 戦後最長に並ぶ景気拡大は、安倍政権が国民の支持をつなぎ止める生命線だ。過剰とも思える対策は、来年の統一地方選、参院選をにらむものに違いない。
 だが景気対策は限られた期間に買い物を促すため、終えた時の反動減は大きい。今回の予算案では公共事業も大幅に増やしたが、それが縮小する際の反動もある。
 何のために増税するのか、目的もかすんできた。本来は医療や介護の充実に使うはずが、首相が教育無償化にも充てると決めたことで、ますます分かりにくい。
 最大の懸念は、財政再建が遠のいたことだろう。安倍政権で確かに税収は増えたものの、社会保障費の伸びには追いつかない。今回も支出の3割を借金に頼る。
 平成の初めに赤字国債はゼロだったが、今や25兆円を発行する。国の借金残高は国内総生産(GDP)の2倍を超え、財政が破綻した終戦期の水準になった。
 戦後の日本政治は、国を傾かせる赤字国債の発行に強い抵抗感を持っていた。平成最後の予算編成では、その意識がすっかり薄れてしまったことをうかがわせる。
 増税の意味を覆い隠して、効果がはっきりしない景気対策が乱発される。今回の予算案を次の世代がどう見るか、評価を恐れるべきだろう。


政府予算案 付け回し続ける無責任
 政府の2019年度予算案は、一般会計の総額が101兆円台に膨らんだ。
 7年連続で過去最大になっている。当初予算で100兆円を超えたのは初めてだ。
 来年10月には消費税率10%への引き上げを予定している。国民に負担増を求めながら、財布のひもを締めようという姿勢は政府にうかがえない。平成最後となる予算編成も財政規律が緩みっぱなしの現状を映し出した。
 春の統一地方選、夏の参院選を控え、ばらまき色が濃い。目先ばかりを考え、将来世代に付け回しを続けるのは無責任だ。
<3割を借金に依存>
 税収は、過去最大だった1990年度決算を29年ぶりに上回ると見込む。預金保険機構の利益剰余金など税外収入も増やし、借金に当たる新規国債発行額は9年連続で減らしている。
 それでもなお、歳入の3割余を国債に依存する。借金頼みのやりくりは変わらない。
 国と地方の長期債務残高は積み上がる一方だ。19年度末に最悪の1122兆円となる。先進国で最悪水準の財政状況をどこまで深刻に捉えているのか。
 基礎的財政収支は9兆2千億円の赤字である。公共事業や社会保障といった政策に必要な経費を税収などの基本的な収入でどれくらい賄えているかを示す指標だ。政府は25年度に黒字化する目標を掲げている。達成するつもりがあるのか、本気度に疑問が募る。
 予算案と同時に閣議決定した税制改正大綱は消費税増税に備える景気対策が並んだ。自動車税を引き下げ、住宅ローン減税の期間を延長する。財政再建への配慮はここでも棚上げの格好である。
<何のための増税か>
 歳出が大きく増えた一因は増税に備えた対策費だ。2兆円余りを盛っている。
 柱となるキャッシュレス決済時のポイント還元は、19年10月から9カ月間実施する。小売りなどの中小店でクレジットカードなどを使うと、5%分がポイントで戻される。増税幅の2%を上回り、事実上の減税になる。
 コンビニなど大手系列のフランチャイズチェーンは還元率を2%とした。中小に扱われない本部直営店の実施分を企業が負担することになるためだ。還元率5%は安倍晋三首相が突然打ち出した。急ごしらえのずさんさが際立つ。
 現金以外での支払いができるかどうかなど店舗や消費者によって負担に違いが出る。公平さを欠く仕組みだ。飲食料品などを8%に据え置く軽減税率もあり、消費者には分かりにくい。
 9カ月間と期間を区切っているものの、本当にそれで終わりにできるのか。対策が切れれば、負担が一気に増すことになる。東京五輪後の景気の落ち込みも懸念される。引き続き対策を求める声が出てくる可能性がある。
 ポイント還元には、海外に比べて遅れているキャッシュレス決済を広げようという狙いがある。便乗の側面が否めない。増税に備えるとの名目で歳出が膨らむのでは何のための税率引き上げか、首をかしげたくなる。
 プレミアム付き商品券も盛られた。国が支援し、市区町村が低所得者や0〜2歳児の子育て世帯向けに発行する。最大2万5千円分を2万円で入手でき、増税から半年間、発行する自治体内の店で使える。消費喚起につながるか、効果ははっきりしない。
 増税対策のほかにも問題点は多い。防衛関係費は7年連続で増加し、過去最高を更新した。地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」取得費用の一部1700億円余など、高額の防衛装備品が並ぶ。安倍政権の増強路線が一段と鮮明になっている。
 米国からの購入で、米政府の提示額などを受け入れる対外有償軍事援助(FMS)による調達は契約ベースで過去最高になる。
<将来見据え議論を>
 社会保障費は、薬価引き下げなどで、高齢化に伴う伸びを概算要求段階の見込みから圧縮した。それでも過去最高だ。
 消費税率引き上げで得られる税収の大半は本来、借金の抑制など社会保障制度の安定化に使うはずだった。首相はこれを変更し、幼児教育無償化などに一部を回すことにした。全ての世代が安心できる制度へ改革を進めるとするものの、具体像は見えない。
 少子高齢化が進む中、持続可能な制度をどうつくっていくか。給付と負担の在り方について踏み込んだ議論が待ったなしだ。小手先で取り繕っても将来不安を拭うことはできない。
 第2次政権の発足から6年になる。国政選挙で勝利を重ね、政治基盤を固めてきた。抜本改革を先送りでは長期にわたり政権を委ねられた責任を果たしていない。
 野放図に歳出拡大を続けられない。来年の通常国会で、予算案に盛られた経費の妥当性を一つ一つ吟味するとともに、将来を見据えて議論を深める必要がある。


2019年度予算案 「つけ回し」も度が過ぎる
 「先人達や、新たな時代そして更にその先の時代の子供達に、平成時代の財政運営をどのように申し開くことができるのであろうか」。財政制度等審議会は平成30年間を総括した意見書にこう記している。
 将来世代へのつけ回しに警鐘を鳴らしたものだが、政府が閣議決定した2019年度予算案はこれを全く無視するかのような大盤振る舞いだ。一般会計の総額は101兆4564億円と7年連続過去最大で、当初予算で初めて100兆円の大台を突破した。
 歳入は10月の消費税増税もあり、18年度当初比5・8%増の62兆4950円を見込んでいる。過去の決算との比較では最高額となる。ただ、この見積もりは実質国内総生産(GDP)成長率1・3%という政府の見通しからはじき出されたもの。日銀や民間調査機関などは1%以下が大勢であり、政府の見通しは楽観的過ぎるだろう。
 米中の貿易戦争や英国のEU離脱など波乱含みの様相を呈し、足元の株式市場はニューヨークで2万3千ドルを割り込み、東京では2万円台を割る寸前まできている。円安株高にブレーキが掛かれば、好調な輸出業績が悪化、税収も見通しが立たなくなる恐れがある。
 歳出の3割が税収などで賄えない状況は相変わらずだ。新規国債発行額は9年連続で減らしたものの、32兆6598億円に上り、国と地方の債務残高は19年度末に1122兆円と膨大な額に積み上がる。
 前年度の補正予算案に、新年度に計上すべき主要事業を潜り込ませる「からくり」も常態化している。18年度2次補正は3兆351億円。防災対策など公共事業を柱とし、ここでも約1兆3千億円の建設国債発行を見込んでいる。
 景気拡大期間が来月まで続けば、02年2月〜08年2月を抜いて戦後最長の74カ月となる。増税で景気腰折れを招きたくない安倍晋三首相の思い入れから、19年度予算案には消費税対策がふんだんに盛り込まれた。
 キャッシュレス決済時のポイント還元5%は首相の肝いりだ。ただ、東京五輪・パラリンピックの直前の20年6月までの措置であり、五輪景気の収束に加え、ポイント還元がなくなれば大きな反動減となる懸念も拭えない。
 公共事業や防衛、農林漁業などの予算は軒並み増額された。景気対策に加え、米国などとの通商交渉を踏まえた側面もあるが、統一地方選や参院選を控え、与党の追加策圧力が強まる可能性もある。財政出動を膨らませ続ければ、25年度に先送りした基礎的財政収支の黒字化目標も危うくなる。どう抑制に動いていくのか、年明けの通常国会での論戦を注視したい。
 県内関連では、北陸新幹線金沢―敦賀間の地元負担を含めた事業費として2638億円を計上。23年春開業に向け着実に進める必要がある。敦賀―新大阪間ができてこそ費用対効果が見込める。ルート調査などを早急に進め、一刻も早く着工することを求めたい。


政府予算案 財政再建の覚悟見えない
 政府が2019年度予算案を閣議決定した。一般会計の総額は7年連続で過去最大となり、101兆4564億円と、当初予算では初めて100兆円を超えた。
 歳入の3割超は依然、借金頼みで、赤字体質は相変わらずだ。政府は5月、社会保障や公共事業といった政策経費を、税収など基本的な収入でどれだけ賄えるかを示す基礎的財政収支の黒字化目標を25年度まで5年間先送りした。今回の予算からも財政再建への強い覚悟はうかがえず、将来世代の負担がさらに重くなるとの懸念は尽きない。
 歳入は、19年10月の消費税増税の効果も見込み、税収は62兆4950億円と、過去最大だった1990年度決算を29年ぶりに上回った。国債発行への依存を大幅に減らす好機だったはずだが、消費税収の増加分を超えるとみられる景気対策費を盛り込んだ結果、歳出膨張を招いた。
 しかも、増税時の景気対策の柱であるキャッシュレス決済時のポイント還元などは複雑で分かりにくい。クレジットカードなどを持たず、恩恵を受けない家庭は多くある。
 歳出では、防衛費が過去最大となった。ミサイル防衛体制を強化するため、地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」取得費用の一部などを計上した。
 北朝鮮の核・ミサイル開発や海洋進出を強める中国の軍拡などで日本の安全保障環境が厳しいことは確かだが、巨額の出費に見合う効果があるのか精査が欠かせまい。防衛費の重点化、効率化を抜きに「聖域」扱いすることは許されない。
 「国土強靱化(きょうじんか)」には1兆3475億円を計上し、公共事業全体では6兆9099億円が投じられる。西日本豪雨で甚大な浸水被害が出た倉敷市真備町地区の小田川をはじめ再発防止対策を盛り込むなどした。北海道地震や相次いだ台風被害への対処を含め効果的な取り組みを求めたい。
 年金、医療などの社会保障費の増加は、幼児教育・保育の無償化の経費が加わったことも影響した。高齢化による伸びは概算要求の段階では6千億円を見込んでいたが、4768億円に抑えた。とはいえ、薬価の引き下げなどによる圧縮である。統一地方選や参院選を来年に控え、負担と給付を巡る抜本改革や、それに向けた国民的な議論は避けたと言わざるを得ない。
 予算全体を見渡して目につくのは、財政規律維持を図るための節度の乏しさである。だが、激しさを増す米中貿易摩擦や日米の通商問題の行方は不透明で、国内では深刻な人手不足も案じられている。予算の膨張を支えてきた税収の伸びは今後、鈍る恐れも考えておくべきだろう。
 無駄遣いをどう省き、財政を健全化していくのか。年明けの通常国会で政府は丁寧に説明し、国民の理解を得なければならない。野党も厳しく検証する姿勢が求められる。


19年度政府予算案 欠いた財政規律 将来不安拭えぬ
 政府は、一般会計総額が初めて100兆円を突破する2019年度予算案を閣議決定した。
 来年10月の消費税増税に伴う景気対策費に2兆円を計上したことが主因だ。しかし、対策にはキャッシュレス決済時のポイント還元制度といった効果に疑問符が付くものも多く、来年の統一地方選や参院選を意識したばらまきと言うほかない。
 増税は、財政健全化と高齢化で膨らむ社会保障費の確保のために、国民の負担の下に行うものであることを忘れてはならない。この予算案では効果が薄れるばかりか、超少子高齢化が加速する中で国民が抱く不安も解消されないままだ。先行きが見通せない状況では、国民の節約志向は変わらず、子どもを産み育てようとする土壌も育まれない。掛け声だけでなく、実行力を伴う予算として、財政再建と社会保障制度改革の青写真を示し、将来への責任を果たさなければならない。
 焦点となった社会保障費は、1兆円以上増加して34兆円台となった。幼児教育・保育の無償化の経費が加わったことが背景だが、高齢化による自然増も4768億円に上った。
 厚生労働省は、高齢者人口がピークになる40年度には、社会保障費が190兆円に達すると試算。膨張する社会保障費が財政を圧迫し、予算編成の自由度を妨げている面は否定しない。ただ、過去の政策の反省もないまま、これまで社会や国に貢献してきた高齢者の負担を増やしたり、本人の意欲にかかわらず生涯現役を迫ったりするような議論が浮上していることは受け入れ難い。制度改革を国民へのさらなる負担増に結びつけるのは、責任放棄に等しいと肝に銘じるべきだ。
 財政健全化には歳出抑制が前提だ。ところが、本来歯止めをかけるべき財務省が、安倍晋三首相周辺に増税を認めさせる代わりに歳出拡大を受け入れたため、まるで規律のない状態となっている。
 防衛費は過去最高の5兆2574億円。地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」取得費をはじめとする米国からの高額装備品購入が押し上げた。米朝首脳会談など国際情勢に変化の兆しが出ている中、従来通りの「東アジアの安全保障環境の厳しさ」を理由に聖域化することは看過できない。
 相次ぐ災害で、防災減災対策は急務だが、「国土強靱(きょうじん)化」には1兆円以上が投じられ、景気対策の側面が濃くなっている。無駄遣いがないかどうかのチェックが欠かせない。
 歳出の裏付けとなる歳入は、増税を反映し、過去最高の62兆4950億円を見込む。借り入れに当たる新規国債発行額は9年連続で減らしたが、32兆円を上回っており、依存体質は変わらない。高齢化で国の成長力が失われる現状で、税収の伸びは鈍化する可能性が高く、早急に財政規律を取り戻さなければ、健全化は遠のくばかりだ。


【19年度予算案】財政再建はどこへ行った
 政府が2019年度予算案を閣議決定した。一般会計総額は101兆4500億円と、当初予算では初めて100兆円を突破した。
 過去最大を更新するのは7年連続となる。消費税増税対策などを名目にして歳出を膨らませた結果だが、財政再建の不透明さも加わり、将来への不安は拭えそうにない。
 歳入では、税収は消費税増税の効果もあって前年度当初に比べ5・8%増の62兆4千億円を見込み、29年ぶりに過去最大を更新する。これに税外収入を合わせると、68兆7千億円となる。
 この収入で社会保障や公共事業など政策に必要な経費を賄うことが、健全財政への一歩のはずである。ところが、政策的経費は77兆9千億円に上り、基礎的財政収支は9兆2千億円の赤字だ。新規国債の発行額は9年連続で減るとはいえ、依然として歳入全体の3割を超える。
 基礎的財政収支の黒字化の目標時期について、政府は国際公約だった20年度を断念し、25年度とする新計画を6月に決めたばかりだ。税収増を追い風に、本来なら赤字を可能な限り縮小すべきときだが、そうはなっていない。
 景気の安定が重要課題であることは否定しないが、歳出は圧縮するどころか、膨張を続けている。財政健全化に向けた決意を疑われても仕方あるまい。
 社会保障費は34兆円余りにまで膨らんだ。高齢化による自然増を抑えたとはいえ、幼児教育・保育の無償化などが加わっている。給付や国民負担をどんな水準にするかといった論議を積み上げていかないと、将来への懸念は消えない。
 防衛費は5兆2500億円と、7年連続の増加だ。地上配備型のミサイル迎撃システム「イージス・アショア」をはじめ、高額装備品の取得費が押し上げたが、先に政府が決めた新たな「防衛計画の大綱」によって今後、さらに膨らんでいく可能性が大きい。
 憲法の専守防衛との整合性に問題はないか。軍拡競争に陥ってはいないか。いまこそ、しっかりとした議論が求められる。
 消費税増税による景気の変調を防ぐための対策は必要だろう。だが、2兆円もの規模と対策の中身には疑問符が付く。柱となるポイント還元は効果が不明な上、混乱を招く恐れさえある。
 公共事業費は景気対策を含め、6兆9千億円と前年度当初に比べ15・6%も増えている。災害の頻発を踏まえ、防災のためのインフラ強化などは不可欠だが、ハード面の整備には限界もあるだろう。
 来春の統一地方選や来夏の参院選に向けた、安倍政権による予算面からのてこ入れという側面もあるに違いない。
 来月始まる通常国会では、安倍首相をはじめ政府は説明を尽くさなければならない。野党もしっかりと検証してもらいたい。国会が果たすべき役割が問われる。


[新年度予算案] 財政立て直しは先送り
 平成最後の予算編成は財政再建から程遠いと言わざるを得ない。
 政府はきのう、2019年度予算案を閣議決定した。来年の通常国会に提出し、3月末までの成立を目指す。
 一般会計総額は101兆4564億円と7年連続過去最大で、当初予算で初めて100兆円の大台に乗った。
 来年10月の消費税増税を見据え、景気安定を最優先させて大盤振る舞いした結果である。財政立て直しが次の時代へ先送りされたことは残念でならない。
 国会では各事業が真に必要で、効果を引き出せるものか丁寧に審議してもらいたい。財政再建に道筋をつける必要もある。
 予算案で特徴的なのは、消費税増税対策費2兆円余りが盛り込まれた点だ。家計の痛みを和らげるため、キャッシュレス決済時のポイント還元など「実質減税」になる制度をつくった。だが、複雑さは否めず、景気変動を抑えられるかが焦点だ。
 年金給付費や医療給付費の伸びが大きい社会保障費と防衛費は過去最大となり、公共事業費は18年度当初から15.6%の大幅増となった。
 歳出増には、来年の統一地方選や参院選を控え与党支持層への対策の側面もあるに違いない。
 歳入は長期の景気拡大と消費税増税を受け、税収が過去最大だった1990年度決算を29年ぶりに上回ると見積もった。
 だが、米中の貿易戦争や高齢化の進展、2020年東京五輪後を見据えると、経済停滞で税収の伸びが鈍る恐れもある。
 にもかかわらず、歳入の3割超を借金で賄う従来の手法を続けた。19年度末の国債発行残高は29年前の5.4倍の897兆円に積み上り、国と地方を合わせた長期債務残高は1122兆円に上る見通しだ。
 政策経費を税収などの基本的収支でどこまで賄えているかを示す基礎的財政収支は、18年度より1兆円減ったものの9兆2000億円の赤字となった。政府が目指す25年度の黒字化達成には、歳出抑制に重点を置かなければならない。
 団塊の世代が全員75歳以上の後期高齢者になる25年が目前に迫っている。超高齢社会を見据え、社会保障費の伸びを抑える具体策や国民負担のあり方を巡って論議を重ねる必要がある。
 防衛費の膨張にも歯止めが欠かせない。
 増加する予算を圧縮して赤字体質から脱却しなくては、将来世代の負担が一層重くなることを忘れてはならない。


原発建設計画全滅でも…「外交の安倍」を刷り込むNHK報道
 日立製作所が英国で進めていた原発建設計画を凍結するそうだね。出資企業の確保が困難になり、見通しが立たなくなったらしい。
 原発の輸出を「国策」と位置付けて世界中をセールスして回ったのは安倍さんだ。英国だけでなくインド、トルコ、ベトナム、リトアニアなどにも売り込んでいる。それらはすべて頓挫した格好で、日本製の原発は一つとして売れなかった。営業マンとしても政治家としても能力がないと言わざるを得ない。
 ところが、そんな安倍さんを評価する人がいるのだから不思議だ。新聞各社の世論調査を見ても、支持率は4割もある。実際、地方を訪れたときにタクシーの運転手さんと世間話をすると、「安倍さんはよくやっている」「外交を頑張っている」と言われて驚くことが少なくない。
 世界中を飛び回りながら目標の一つも達成できない人が、なぜ、外交で評価されるのか。恐らくそれはNHKニュースのせいだ。安倍さんが外国の要人と会うたびに、2人でギュッと握手をして談笑する姿を放送する。G20のときも、真ん中近くに陣取って写真撮影する様子を流した。そんなシーンを繰り返し見ているうちに、とてもよくやっているように思うのかもしれない。
 ただ、これはだれが総理大臣になっても同じだ。外国の要人と握手し談笑するし、記念写真にも納まる。問題はその先で、どれだけ結果を出したのかが重要。そこをテレビが報じないから、それほど政治に関心がない人たちは、「よくやっている」と勘違いしてしまうのだろう。
 安倍さんは自分の売り方が非常にうまい。イメージづくりに長けているし、抜け目がない感じだ。でも、外交で成功したことは一つもない。トランプ大統領には貿易や武器購入をめぐり振り回され、プーチン大統領には領土問題で主導権を握られている。
 最近退職したばかりの元官僚に話を聞くと、みんな「安倍はノーだ」と言う。現役のときに安倍政権を支えた人ほど批判が辛辣だ。テレビ映像にだまされないインテリ層は、みな安倍さんを嫌っている。それが一番、安倍さんの実力を浮き彫りにしているように思う。


空自の新戦闘機「F35」は役立たずの“高額なおもちゃ”だ
 政府は航空自衛隊の主力戦闘機F15の後継に米国製ステルス戦闘機「F35」を105機購入する方針を固めた。42機は新たに導入する短距離離陸・垂直着陸型「F35B」で、「F35」は既に購入を決めている42機と合わせて計147機体制となる。価格は1機143億円、維持費は毎年10億円以上(30年運用)の「F35A」よりも高額とみられ、今後、兆円単位の税金が投じられることになる。
 日本の防衛に不可避であればやむを得ない。しかし、実態は「国家の高額なおもちゃ」である。確かに、中国やロシアが保有する戦闘機よりも性能は優れているだろうがそれだけでは戦う体制は整わない。
 米国の安全保障関連シンクタンク「ランド研究所」は2015年、「アジアにおける米軍基地に対する中国の攻撃」と題した極めて重要なリポートを発表した。内容は次の通りだ。
〈中国は軍事ハードウエアや運用能力において米国に後れを取っている〉
〈中国は自国本土周辺で効果的な軍事行動を行う際には、全面的に米国に追いつく必要はない〉
〈特に着目すべきは、米空軍基地を攻撃することによって米国の空軍作戦を阻止、低下させる能力を急速に高めていることである〉
〈中国は今日最も活発な大陸間弾道弾プログラムを有し、日本における米軍基地を攻撃しうる1200発のSRBM(短距離弾道ミサイル)と中距離弾道ミサイル、巡航ミサイルを有している〉
〈ミサイルの命中精度も向上している〉
〈台湾のケース(実際上は尖閣諸島と同じ)は嘉手納空軍基地への攻撃に焦点を当てた〉
〈2017年には、中国は嘉手納基地を16〜43日間閉鎖させることができる〉
〈ミサイル攻撃は米中の空軍優位性に重要な影響を与える。それは他戦闘分野にも影響を与える〉
 つまり、米軍ですら米軍基地の滑走路を攻撃されれば戦闘機は飛ばせない。空母も同じだ。
 それは当然、航空自衛隊にも該当する。1200発の短距離弾道ミサイルと中距離弾道ミサイル、巡航ミサイルを防ぐ手段はない。戦闘機の大量購入は国家の役に立たないのだ。
 日本は今、社会保障費や教育費などの予算が逼迫している。役に立たない戦闘機に多額の税金を投じている場合ではない。にもかかわらず、なぜ、購入するのかといえば、安倍首相がトランプ大統領にいい顔したいからだろう。


防衛大綱と予算増大 攻撃的兵器は許されない
 「専守防衛」を逸脱しているとしか思えない。
 新たな防衛力整備の指針「防衛計画の大綱」と、大綱内容に沿って具体的な装備調達を進める次期中期防衛力整備計画(中期防、2019〜23年度)のことだ。
 護衛艦「いずも」を改修し事実上の空母化に乗り出すという。看過できない。
 政府は、相手国に壊滅的な打撃を与える「攻撃的兵器」の保有を認めていない。憲法9条の下、「自衛のための必要最小限度」の範囲を超えるからだ。当然、攻撃型空母は保有できない。
 この点について政府は「戦闘機を常時搭載する使い方はしない。多機能・多用途の護衛艦として運用され、専守防衛の範囲内」(岩屋毅防衛相)と説明した。詭弁(きべん)にしか聞こえない。運用の仕方によっては「攻撃型」に転じる可能性を否定できないからだ。
 政府が「空母」の表現を避け、「多機能・多用途の護衛艦」と呼ぶのは、「全滅」を「玉砕」、「撤退」を「転進」と言い換えて情報を操作した大本営発表の手法を想起させる。
 今後5年間の防衛費は27兆4700億円程度で過去最大だ。地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」や最新鋭ステルス戦闘機F35など高額の新装備を購入することが出費を押し上げる。
 高額な武器のほとんどは「対外有償軍事援助」(FMS)を利用して米国から購入される。これは米国の見積額に基づく前払いが特徴だ。「言い値」で買わされているという批判が根強い。FMSによる装備品調達額は14年度まで2千億円未満だったが、19年度予算の概算要求では過去最大の6917億円(契約ベース)にまで膨らんだ。
 トランプ米大統領は11月末の日米首脳会談の際、記者団に対し「日本は『米国から数多くのF35を購入する』と約束してくれた。感謝を表したい」と述べ、水面下の協議の中身を暴露した。
 浮かび上がってくるのは、武器商人のようなトランプ氏の要求に唯々諾々と従い、米国製武器を大量に購入する日本政府の姿だ。購入する兵器を「防衛装備品」と政府が呼んでいるのも、ごまかし以外の何物でもない。
 そもそも、これほど多くの高額な武器を米国から購入する必要があるのか。
 北朝鮮と米国は非核化に向けて交渉中だし、日中関係も一時期に比べると改善している。防衛大綱が、中国、北朝鮮の軍事行動を指して「安全保障上の強い懸念」、「重大かつ差し迫った脅威」とそれぞれ指摘しているのは、「防衛装備品」の購入を正当化するためではないのか。
 防衛予算の不必要な拡大は財政を圧迫するだけでなく、周辺諸国に警戒感を抱かせる。メリットよりもデメリットの方が大きい。あらゆる兵器が無用の長物になるような国際社会を構築するために全力を挙げるべきだ。


暴発した内部告発 CEOは“自己保身”のために独裁者を切った
 日産自動車のカルロス・ゴーン独裁は、自身の逮捕であっけなく「崩壊」した。21日、ゴーンは特別背任の疑いで東京地検特捜部に再逮捕された。再逮捕がなければ、保釈の可能性があっただけに、日産の西川広人社長兼最高経営責任者(CEO)は、ゴーンの反撃におびえていたかもしれない。
 ゴーンが自らの独裁を盤石にするために引き上げたはずの西川広人社長。逮捕当日(11月19日)に開いた記者会見では、「不正はゴーンが主導した。長年にわたるゴーン統治の負の側面だ」と批判した。
 マスコミは「西川社長によるクーデター」と決めつけているが、不自然な点も多い。まずは内部告発のタイミングだ。今年夏にゴーンが取締役会で仏ルノーとの経営統合に意欲を見せたことがクーデターの引き金になったと報道された。それならば来年の株主総会直前のタイミングで告発し、混乱に乗じてポスト・ゴーン体制を固めるのがベストのはずだ。
 次に西川にはクーデターを起こす必然性がない。告発すればゴーンだけでなく、日産も法的責任を問われる。当然、社長の西川も無傷では済まない。そんなリスクを冒してまで西川がゴーンを切りにかかるだろうか?
 ゴーンが西川の更迭を検討したため、クーデターに踏み切ったとの報道もあった。だが、解任されたとしても副会長などそれなりのポストと待遇は得られるはずだ。成功しても得るものが少ないクーデターに、西川が踏み切るとは考えにくい。
 西川が義憤に駆られ、日産を守るために刺し違え覚悟でクーデターを起こした可能性もある。だとすれば、最初の会見で「ポスト・ゴーン体制が固まり次第、社長を辞任する」と表明するのが最良の「定跡」だろう。
 考えられるのは、社員の内部告発という「暴発」が引き金になった「駆け込みクーデター」である。「内部告発を止められない」と悟った西川が「共犯にされるのは御免」と、「暴発」に便乗したのではないか。つまり、西川は「自己保身」のためにゴーンを切ったということになる。そう考えれば、不可解な行動のつじつまは全て合う。
 こうした「自己保身」こそ、ゴーンが日産を腐食させた原点だ。ゴーンは「子飼いに裏切られた」のではない。まさに「自分の正統な後継者を育てた」のである。(経済ジャーナリスト・井上学)


安倍とプーチン本当の関係
★信頼関係があると言い続けた首相・安倍晋三とロシアのプーチン大統領。二十数回会談しても実は本質的な議論はなかったことがロシア政府から暴露されているが、その間、経済協力だけは幾重にも引き出され、都合のいいATMだったことだけが日露の歴史に残ったといっていい。ロシア外交のしたたかさは欧州では知られつくしているものの、ロシアに世界中が経済制裁をしている最中にも北方領土のことがあるからと強硬な制裁に参加しなかった判断も今となっては失敗といわざるを得ない。★秋以降、官邸は隠密裏にロシアとの領土問題の調整に励んできた。しかし、不調というより戦後掲げてきた四島返還すら諦め、2島返還に国民を無視して勝手にかじを切ったものの進展すらしていない。逆に国内で四島返還を諦めた説明などはおこなわず、外相・河野太郎に至っては北方領土はわが国固有の領土という言葉さえ口にしなくなった。国益というならばこれほど国益に反した政権もない。それでいて米国依存度は高く、兵器の法外な物量と金額は二つ返事で受け入れ、沖縄辺野古での新米軍基地建設には地元の反対を押し切り強引に進める。このちぐはぐな政策をプーチンに見透かされた。★20日、年末恒例の大規模記者会見でプーチンは日本と在日米軍の関係について「平和条約を結んだ後にどうなるのかは分からないが、この問題を抜きにして最終的な決定を下すことは非常に難しい」とし、北朝鮮からのミサイル攻撃を想定し日本が配備予定の陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」にも懸念を表明した。また辺野古への土砂投入が始まったことについて「日本の主権のレベルを疑ってしまう」と発言。つまり米国の不沈空母扱いに喜々とする日本外交を哂(わら)ったのだ。これが我が国の首相とプーチンとの関係だ。

安倍政権の急所突く プーチン「辺野古問題」に言及の衝撃
「日本は本当に主権国家なのか」――。
 ロシアのプーチン大統領から仰天発言が飛び出した。20日に開いた年末恒例の大規模記者会見で、北方領土を日本に返した場合に米軍基地が置かれる可能性について、「日本が決められるのか、日本がどの程度主権を持っているのか分からない」と指摘したのだ。
 驚いたのはその先で、基地問題で主権を行使できていない実例として、ナント、米軍普天間飛行場の辺野古移設についてこう言及した。
「知事が基地拡大に反対しているが、(日本政府は)何もできない。人々が撤去を求めているのに、基地は強化される。みんなが反対しているのに計画が進んでいる」
■北方領土交渉に暗雲
 ウクライナ南部のクリミアを併合したロシアに言われたくない気もするが、確かにプーチンの指摘は的を射ている。
「北方領土交渉を有利に進めたいプーチンの牽制ですが、日本は痛いところを突かれた。まさか辺野古を持ち出されるとは思っていなかったでしょうから、官邸も外務省も腰を抜かさんばかりの衝撃を受けたはずです。安倍首相は北方領土に米軍施設を置かないと言っていますが、プーチンは日本には決定権がないと切り込んだ。米国の言いなりで主権を行使できない日本とは、北方領土問題を含む平和条約の締結は難しいと突きつけたのです」(元外交官の天木直人氏)
 21日の会見でプーチン発言について聞かれた菅官房長官は「コメントは控える」と逃げた。情けないことに、日本政府は反論もできず、ダンマリを決め込んでいる。
「1月に日ロ首脳会談を控え、下手に反論してロシア側を刺激したくないのでしょう。北方領土問題を抱える一方で日米同盟は崩せず、立ち往生している。しかし、本当にトランプ大統領と世界一仲がいいのなら、『武器をたくさん買うのだから、辺野古基地建設はやめよう』と言えば済む話です。それで、北方領土には米軍基地を置かないと明言してもらえば、ロシアとの交渉も進められます。ロシア疑惑で急所を握られているトランプ大統領は乗ってくる可能性がある。それができないのなら、首相が誇る米ロ首脳との信頼関係はマヤカシということです」(天木直人氏)
 米国に何も言えず、ロシアにも足元を見られている現状では、“外交の安倍”が聞いて呆れる。年明け早々の訪ロが恥の上塗りにならなければいいが……。


土砂投入もまだ阻止できる 辺野古移設は死守してほしい
 年の瀬になんという事態だ。言語道断とはこれだ。沖縄の辺野古移設は絶対反対だという新しい知事が選ばれたばかりだったのに、沖縄県民の民意などあろうがなかろうが初めから無視し、とうとう先日、アベ政府は辺野古に土砂を投入しやがった。
 県民の多くはやるせないだろうが、本土の国民の怒りの声はロクに聞こえてこないままだ。安保条約のため、防衛を担う米軍のため、アベ首相と日本政府は沖縄の思いを切って捨てたのだ。もし、これが70年安保闘争の時代だったなら、沖縄で「コザ暴動」ならぬ「ヘノコ暴動」が起こって、米軍の車両や施設の焼き打ちだけでなくて、日本政府や防衛省の施設などに殴り込みデモがあったかもしれないぞ。
 オレもコザ(現沖縄市)の暴動当時は、アメリカや政府のよろず揉めごとには何でも絡んでいきたくなる、“夢多き”というか“血の気が多い”だけというか“あらゆる反乱に異議なし”の青春真っ盛りの高校3年生だったし、まさに暴動の起きた年末は、学校なんか無視して、何としても沖縄に行ってみたかった。当時はまだ返還前でアメリカ領だったため、パスポートが必要で簡単には「島」に渡れなかったが。
 でも、島に行けたなら、沖縄の若者たちと連帯し、泡盛という飲んだこともない酒を飲み、「安保の延長反対」でも「日本へ返還反対」でも「反米」でも名目は何でもいいから「造反有理」の下、思いっきり権力と闘ってみたかった。「過激派」なんて集団とは無縁に、左側だろうと右側だろうと考えは一つ“沖縄人の心にコミットして共闘する”というのが、当時のラジカルな若者の気分だったのも確かだ。
 オレは高校3年の1学期から受験だけの学業なんぞには興味もなくなっていて、学校に行かなくなっていたし、どこに本当の自分の居場所があるのか探しあぐねているところだった。何を意識して生きるべきか? 沖縄は本当に日本の国なのか? 沖縄が「琉球王国」だった1609年、薩摩の島津藩の軍勢に侵略され、独立国からどのように徳川の幕藩体制に組み込まれたのか? はたまた、同時に中国の明朝はそれまでの琉球の「冊封」(君と臣の)体制をどう持続させようとし、沖縄はその両属体制にどう臨んでいたか。沖縄人の心を勉強する日々だった。
 明治5年から、日本政府が「琉球処分」という、沖縄をなぶり殺しにするような強制併合で、鹿児島県に組み込まれてしまった時の、沖縄の人々の思いはどうだったか? 問答無用に土砂を海に投入させたアベ政府のあの能面のような官房長官の野郎は、果たしてどこまでこの島の歴史を学習してきたんだ。今の若者たちよ、沖縄の基地に関心はないのか。
 あの頃、沖縄行きの船に便乗してたなら、オレらは「沖縄共和国よ、独立しろ!」と暴動の最中に叫んでいたかも。まだまだ阻止できる。辺野古は死守してほしい。


520万人に投稿喚起 ローラがあけた“政治発言NG”への風穴
「美しい沖縄の埋め立てをみんなの声が集まれば止めることができるかもしれないの」――。
 ローラ(28)のインスタ投稿が波紋を広げている。ローラが言っているのは、ホワイトハウスの請願サイトで、トランプ大統領に辺野古の沿岸埋め立てを来年2月の県民投票実施まで一時中止するよう求めたもの。沖縄出身のりゅうちぇるやラサール石井も呼び掛けていたが、インスタのフォロワー数が520万人と、国内では渡辺直美に次ぐ人気者の呼び掛けに「Me Too」とばかりに電子投票が集まり、30日以内に10万というハードルを悠々クリア。米政府が内容を検討し、回答する展開になっている。
 女優の高木美保はテレビで「私は拍手喝采ですね」と賛同し、「有名人とか芸能人とかの政治的発言はタブーっていう、その発想を変える時代じゃないか。インターネットで世界とつながるなか、世界で日本だけが鎖国状態のような考え方でいていいのでしょうか」と語ったがまさに正論。ワイドショー芸能デスクはこう言う。
「ローラさんは熊本地震の被災地で炊き出しのボランティアを行ったり、ユニセフのイベントに参加し、1000万円の寄付をしたと報告したりしてきました。このところ増やしている海外での仕事を通じて、社会貢献を義務と考え、環境や慈善などさまざまな活動に寄与しているセレブに共鳴したところもあるのかも知れません。レディー・ガガ、ビヨンセ、テイラー・スウィフトらはリベラルな言動で知られ、政治的発言も辞さない。そうした姿勢がかっこよく、憧れていたところもあるのかも」
 一方、ネット上にはローラを批判する声も。
「このような意見はローラさんから一度も聞いたことがない。誰に吹き込まれたのか」「思い付きは困る」と真意を疑ったり、「また干されますよ」と仕事への影響を予測するような書き込みもあった。芸能プロ幹部が言う。
「沖縄の基地問題では、ゴリがその言動から仕事を干され、テレビから消えかけているとの噂が流れた。政治的発言を危惧する局関係者からマークされ、バラエティーのキャスティングから外されているんじゃないかと。CM出演の契約条項に、政治的な言動をしないとある場合もあるし、日本ではタレントがそうした言動をすると必ずといっていいほどバッシングされる。それで政治的発言は控える風潮がまかり通っているんです」
 しかしながら、最近はそうしたタブーを打ち破る動きもある。吉川晃司はその筆頭格で、「俺は現政権がでえっ嫌い」と反安倍を鮮明に打ち出し、反原発などのスタンスを取っている。坂本龍一も反原発の集会に参加したり、ベテランでは吉永小百合、仲代達矢らが以前から反核、反戦だ。スポーツ紙芸能デスクが言う。
「是枝裕和監督がカンヌで最高賞パルムドールを獲得した映画『万引き家族』は、生活保護へのバッシングに対する違和感から着想したそうです。作品を通じた、政権批判でもあるわけです。安倍首相は是枝監督のカンヌ受賞を黙殺しましたけど、政権批判をためらわない風潮が今の芸能界に生まれつつある」
 ローラがあけた“風穴”は思いのほか大きい。


松嶋尚美の“虐待を受けた子どもは暴力を振るう”は根拠のない差別だ! 坂上忍の松嶋擁護も排除を強化させるもの
 東京・南青山に建設が予定されている児童相談所(港区子ども家庭総合支援センター)をめぐって、港区と住民が対立している問題が紛糾している。
 この問題は10月にもワイドショーで盛んに扱われ、その際に本サイトでも紹介しているが(https://lite-ra.com/2018/10/post-4326.html)、12月14日と15日に行われた住民説明会でまたもや住民からひどい発言が飛び出したため、再度ワイドショーに取り上げられている。テレビで繰り返し流されているのは、住人たちのこんな発言だ。
「南青山は自分でしっかりお金を稼いで住むべき土地でもあると思いますし、青山のブランドイメージ、ビジョンをしっかり待って、守って、世界に発信して、日本でも素晴らしい土地にしていってほしい。土地の価値も下げないでいただきたいというふうに思っております」
「入所した子が一歩外に出ると、幸せな家族や着飾った人が歩いている。その場面をみたとき、子どもがギャップを感じないか心配」
 虐待に苦しんでいる子どもを救おうという気持ちなどまったくないうえ、むき出しの差別意識、自民党・杉田水脈衆院議員の“生産性”発言にも通じるグロテスクさには閉口する他ないのだが、ワイドショーのスタジオトークのなかでも信じがたい発言があった。
 12月19日放送『バイキング』(フジテレビ)がこの南青山の児童相談所問題を扱ったのだが、そこで、松嶋尚美がこのように発言したのだ。
「もしも自分のところに来るとなったときには、引っ越しする可能性もあります。たとえば、親に暴行されて“キーッ”となって外に飛び出した子が、暴力振るったり、カツアゲしたりするかもしれないなという変な心配がまずあったりもするし。(自分の)子どもも流されそうなタイプやし。たとえば、学校で頭をグリグリで殴る子がいたんですって。それは親がそうしているから、そこまで悪いこととは思わなくて、友だちにしてしまうとか。そういう面では悩むことは正直ある」
 ようするに松嶋は、「虐待被害者である子どもを排除しろ」と言っているのである。いったい何を言っているのだろうか。
 親から暴力を受ける環境にあるからこそ、その子どもを社会全体で守っていく必要があるのに、彼女が言っているのは「つらい境遇にある子どもを見捨て、自分たちのコミュニティから排除しようという」という考えであり、住民の「土地の価値も下げないでいただきたい」発言と同様、あまりにもひどい発言だ。
 松嶋は先の発言の後に「ちょっと最悪なことを言っていますけど、私」と付け加えており、自身の発言が倫理にもとるとの認識はあるようだが、その通り、公共の電波を通して家庭内暴力の被害者である子どもたちへの偏見・差別を煽る言動である。
 しかも松嶋の発言が悪質なのは、「虐待を受けた子どもは他人にも暴力を振るう」などと、あたかも排除する側に正当な根拠があるかのように語りながら、偏見・差別を撒き散らしたことだ。
 たしかに、「虐待を受けて育った子どもは自分の子どもも虐待するようになる」というのは巷間よく言われることではある。このような「虐待の連鎖」というのは学術的に証明されていることなのだろうか。
虐待の被害者が必ず加害者になるわけじゃない、必要なのは他者のサポート
『知っていますか? 子どもの虐待 一問一答』(解放出版社)のなかで臨床心理士の村本邦子氏はこのように解説している。
〈「虐待の連鎖」というのは、虐待の加害者のなかには、かつて虐待の被害者だった者が多いという事実を示しているだけだということです。その逆は、必ずしも正しくありません。つまり、虐待の被害者が、必ず虐待の加害者になるわけではないのです〉
「虐待の連鎖」というのは起こる可能性はある。しかし、虐待を受けた過去があるからといって必ずしも暴力を振るうようになるとは限らない。
 それは、「他者のサポートの必要性」を意味するデータでもある。
 本のなかで村本氏は、精神分析家のアリス・ミラーによる「共感してくれる他者を得て、子ども時代の真実をあるがままの姿で認め、その結果、自分の感情に起こることをしっかりと見る、それだけで、多くの悲劇が避けられるはずだ」との発言を紹介している。
 子ども時代のつらい記憶と向き合うことで、抑圧された感情を解放させることができるし、そうすることで「暴力」を介さない親子関係・人間関係のあり方を習得することができる。
 ただそれは、虐待を受けた過去をもつ人にとってはとてもつらい作業であり、ひとりの力ではとてもできる作業ではない。村本氏は前掲書のなかでこのように呼びかけている。
〈真実と向き合うのは、勇気のいる、とてもむずかしい作業です。友人でも、パートナーでも、カウンセラーでも、誰でもよいのですが、共感し、支えてくれる他者の存在がどうしても必要になってきます。信頼して、つながれる人びとをさがしましょう。それができれば、何もおそれる必要はありません〉
 つまり、虐待をなくすためには、親と子だけの問題に封じ込めず、社会が手を差しのべ、子どもだけでなく親をもサポートすることも必要なのだ。児童相談所は、虐待に苦しむ子どもにとっても、子どもとの向き合い方に悩んでいる親にとっても、有益なアドバイスとサポートが得られる場である。その存在は「虐待の連鎖」を断ち切るために大きな力を発揮する。
 しかし、松嶋のような差別的な考えのもとでコミュニティから爪弾きにするような扱いをすれば、「虐待の連鎖」は永遠に続いていくだろう。
偏見を松嶋に「気にする必要ない」とフォローした坂上忍の無自覚
 松嶋の発言は放送中から大炎上し、SNS上には批判的なコメントが大量に書き込まれた。松嶋本人がそれを知っていたのかどうかはわからないが、松嶋はCM中に自身の発言について気に病んでいたようで、その日の番組の最後にはMCの坂上忍が松嶋に対して「全然気にする必要ない。そんなものは。主婦の人たちの、ある一定の感情を代弁してくれたかたちにはなったし」とのフォローを入れる場面もあった。
 坂上の言うように、松嶋の発言はある種の人たちと同じ感情・意見ではあるだろう。しかし、それは誤解に基づいた偏見・差別であり、公共のメディアで垂れ流したり、ましてや正当な意見であるかのように代弁されるべきものではない。
 松嶋の発言は、虐待被害者を排除しようとする差別主義者たちに、排除する側にあたかも正当な理由があるとお墨付きを与える、きわめて悪質な発言だ。そして、本来、加害者である親への支援や、社会的介入の必要性を示すための論拠であるはずの「虐待の連鎖」という考えを、逆に被害者である子どもへの差別・排除を正当化するための根拠に転倒させてしまう、いかにも現在の日本の差別社会を象徴するような発言でもある(ちなみに松嶋に対して出自を持ち出して攻撃するような言説も散見されるが、出自と今回の発言とはなんの関係もなく、それも差別だということを強調しておきたい)。
 このように差別を正当な意見であるかのように扱う風潮こそが、差別を増殖させていることを松嶋と坂上は自覚するべきだろう。「気にする必要はない」などとフォローするのではなく、むしろ訂正と反省を表明するべきだった。
 現在、虐待相談対応件数は右肩上がりを続けていて、2017年には13万件を突破した。数字の増加自体は、かつては表面化していなかったものが問題意識の高まりによって、声をあげられるようになってきたためという面もあるだろう。しかし、児童相談所の数は足りていない。たとえば、現在、東京都内に児童相談所11カ所しかなく、対応しきれていない状況がある。
 児童相談所を増設することは急務であり、そのために必要なのは、偏見に基づいた劣情の発露でなく、冷静な視点の報道なのだ。


“平成最後の誕生日会見”で明仁天皇は何を語るのか? 安倍政権の圧力をはねのけ平和や沖縄への思いを語る可能性も
 来年4月末日をもって退位する明仁天皇が明日23日、天皇として最後の誕生日を迎える。そんなか、注目が集まっているのが、誕生日会見で天皇が何を語ったのか、だ。
 周知のように、恒例の誕生日に際した記者会見そのものはすでに行われており、明日の天皇誕生日当日に、新聞やテレビで一斉に解禁される。
 しかし、会見の中身に注目が注がれるのは、それが“平成最後の誕生日”だからというだけではない。明仁天皇が、第二次安倍政権発足以降、“戦争のできる国づくり”を進める政権に警鐘を鳴らしているとしか考えられない、踏み込んだ発言を行なってきたからだ。
 もともと、リベラルな考え方の持ち主と言われる明仁天皇だが、実は、平成2年以降の誕生日会見を振り返ってみると、記者から具体的に社会情勢や政治的な話題についての質問が飛んでも、一般論を短く話すか、一言か二言、憲法や平和、民主主義についてふれる程度だった。いうまでもなく、日本国憲法第4条で「天皇は、国政に関する権能を有しない」とあり、後述するように、それを明仁天皇自身も重々承知しているからだ。
 ところが、その明仁天皇の誕生日会見に“変化”が起きたのが、第二次政権の誕生から丸1年が経とうとしていた、2013年のことだった。前年の衆院選公約で「国防軍の明記」を盛り込んだ改憲案を掲げた安倍自民党は、政権を奪取し、その動きを本格化させていた。
 そんななか、傘寿を迎えた明仁天皇は、記者からその80年を振り返っての感想を尋ねられ、「やはり最も印象に残っているのは先の戦争のことです」と語り、こう続けたのである。
「戦後、連合国軍の占領下にあった日本は、平和と民主主義を、守るべき大切なものとして、日本国憲法を作り、様々な改革を行って、今日の日本を築きました。戦争で荒廃した国土を立て直し、かつ、改善していくために当時の我が国の人々の払った努力に対し、深い感謝の気持ちを抱いています。また、当時の知日派の米国人の協力も忘れてはならないことと思います」
 日本国憲法を「平和と民主主義を守るべき、大切なもの」と最大限に評価した、明確な“護憲発言”だ。
 しかも、明仁天皇はわざわざ憲法制定過程における「知日派の米国人の協力」に言及していた。これは、右派の言う「米国による押し付け憲法」なる批判を牽制したものとしか思えなかった。安倍首相は2012年に党のネット番組で「みっともない憲法ですよ、はっきり言って。それは、日本人が作ったんじゃないですからね」と日本国憲法を罵倒していたが、明仁天皇の誕生日会見での発言は、それと真っ向から対峙するものだったのだ。
 また、同じ2013年の誕生日会見のなかでは、記者から「皇室の活動と政治との関わりについての論議が多く見られましたが、陛下は皇室の立場と活動についてどのようにお考えか」という質問もあった。
 これに対して明仁天皇は「日本国憲法には『天皇は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行い、国政に関する権能を有しない』と規定されています。この条項を遵守することを念頭において、私は天皇としての活動を律しています」とした上で、「今後とも憲法を遵守する立場に立って、事に当たっていくつもりです」と述べているが、これは、安倍首相による「天皇の政治利用」に対するカウンターだともささやかれた。
安倍主導の「主権回復の日」に天皇は「沖縄の主権は回復されていない」
 実際、この年、明仁天皇は苦い経験をしている。2013年4月28日に行われた「主権回復・国際社会復帰を記念する式典」のことだ。4月28日は1952年にサンフランシスコ講和条約が発効し、本土がアメリカの占領から独立した日。第二次安倍政権はこの日を「主権回復の日」と位置付け、政府主催で初めて式典を開き、天皇と皇后を出席させた。
 式典は極めて復古的な、右翼色の強いものだった。当日、菅義偉官房長官が閉式の辞を述べ、天皇・皇后が退席しようとしたとき、突然、会場の出席者らが両手を挙げて「天皇陛下万歳!」と叫んだのである。安倍首相らも壇上でこれに続き、高らかに「天皇陛下万歳」を三唱。天皇と皇后は、足を止め、会場をちらりと見やり、わずかに会釈してから会場を去ったが、その表情は固まったままだった。
 実は、この式典の開催は、自民党が野党時代から公約にかかげるなど、安倍首相の強いこだわりがあった。しかし、天皇・皇后は事前段階から周辺に拒絶感を吐露していたといわれている。実際、2016年12月24日付の毎日新聞朝刊記事によれば、〈陛下は、式典への出席を求める政府側の事前説明に対し、「その当時、沖縄の主権はまだ回復されていません」と指摘されていた〉という。
 いずれにしても、明仁天皇が安倍首相による復古的プロパガンダへの政治利用と、その憲法軽視の姿勢に不快感をもっており、それが、誕生日会見での言葉にあらわれたとの見方が一般的だ。
 しかし、そうした明仁天皇の動きに対して、安倍官邸は宮内庁へのプレッシャー、締め付けを強めていく。たとえば翌2014年の4月、「正論」(産経新聞社)5月号に「憲法巡る両陛下のご発言公表への違和感」と題した文書が掲載された。〈両陛下のご発言が、安倍内閣が進めようとしている憲法改正への懸念の表明のように国民に受け止められかねない〉〈宮内庁のマネジメントはどうなっているのか〉と、明仁天皇の“護憲発言”を批判する内容だ。執筆したのは、安倍首相のブレーンのひとりと言われる八木秀次・麗沢大学教授だ。すなわち「改憲の邪魔をするな」という安倍側からの攻撃に他ならなかった。
 本サイトでもレポートしてきたように、こうした安倍首相に近い右派からの“天皇批判”は、その後、どんどんむき出しになっていった。その結果か、2014年の誕生日会見はトーンダウンしたものになったのだが、明仁天皇はただ黙っていたわけではない。
 たとえば、2015年には、安倍首相による戦後70年談話が公開された翌日の8月15日に行われた戦没者追悼記念式典で「さきの大戦に対する深い反省」を明言したのだ。明仁天皇が、戦没者追悼式典で戦争に対する「深い反省」を使ったのはこの年が初めてのことであり、憲法の平和主義を解釈改憲によって骨抜きにした安保法制関連法案に対する天皇からの「反論」ではないかとも取り沙汰された。以降、明仁天皇は同式典で「深い反省」の言葉を用い続けた。
安倍官邸の封じ込めプレッシャーのなか、天皇は何を語るのか
 しかし、安倍政権と皇室の対立が深くなるにつれ、官邸の“天皇封じ込め”は一層露骨になっていく。たとえば、2016年に天皇がビデオで直接国民に語りかけた「生前退位」をめぐる軋轢だ。
 そもそも、天皇側はこれ以前から、女性宮家の創設や「生前退位」について政府に検討を要請していた。にもかかわらず、官邸が無視をし続けた。そうした背景があって、天皇側から「生前退位の意向」をNHKにリーク、そして、明仁天皇自らの「おことば」公開という流れになったわけだが、これに対し、官邸は激怒。天皇の「おことば」表明後、風岡典之・宮内庁長官(当時)を事実上、更迭し、次長に子飼いの警察官僚・西村泰彦氏をあてて牽制するという報復人事に出たのである。
 しかも安倍政権は、国民世論におされてしぶしぶ「生前退位」だけは認める方向に転換したものの、その政府有識者会議やヒアリング対象者には、安倍首相直々の指名で“生前退位反対派”の日本会議系メンバーを複数送り込み、制度化を望む天皇の希望を無視して「一代限り」とした。さらに、この有識者会議のヒアリングでは、安倍首相が人選した平川祐弘・東京大学名誉教授が「ご自分で定義された天皇の役割、拡大された役割を絶対的条件にして、それを果たせないから退位したいというのは、ちょっとおかしいのではないか」と天皇を批判する始末だった。 
 こうした安倍政権の“報復”に、天皇はショックを受けたとも報じられているが、いずれにしても、官邸は皇室と宮内庁への圧力を強化し、天皇の発言を封じ込めようとしたのだ。事実、2016年と2017年の誕生日会見では、2013年のように憲法に関する踏み込んだ発言は完全に封印され、一年の動静を端的に振り返るかたちとなっていた。
 そうしたことから、明日発表される誕生日会見も“官邸に睨まれる発言”は出てこないだろうとの見通しが、この間、大勢を占めてきた。永田町では、「自らの天皇としての歩みを振り返りながら、国民に感謝の気持ちを述べるという内容に落ち着くのでは」との観測が主流だ。
 しかし、今回は、天皇として“最後の誕生日会見”だ。安倍官邸のプレッシャーをはねのけて、自分の本当の思い、危機感をはっきりと語るということも、十分に考えられるだろう。
 たとえば、安倍首相の改憲に向けた動きが本格化していることに危機感を覚え、戦争と平和憲法への思いを改めて強調するかもしれない。あるいは、前述したように、明仁天皇は沖縄に対して強い思いを抱いている。政府による“沖縄いじめ”が苛烈を極めるなか、沖縄について踏み込んだ発言をする可能性もある。
 いずれにせよ、明日にはすべての内容が公になる。慎重な言葉遣いのなかに、天皇がどんなメッセージと思いを込めたのか。結果を見届けたい。


壁に「部落の学校消えろ」落書き、口伝え、レッテル…出身者が語る被差別部落の姿
 勝手なイメージが一人歩きしている「部落」。部落という言葉について、詳しく知らない人も多い。いったい「部落」とは、どのような意味を持つのだろうか。
 SHELLYがMCを務める『Wの悲喜劇〜日本一過激なオンナのニュース』(AbemaTV/アベマTV※毎週土曜23時から放送中)では「部落ってナニ?」をテーマに、被差別部落出身のゲストが赤裸々に経験を語った。
 「部落」とは、部落の発祥や起源には諸説あるが、江戸時代以前の身分制度のもと「穢れている」など、排除されてきた人々が居住している場所(部落)をさす。「部落問題」は、その地域に居住する人々や、そこにルーツを持つ人々に対して、受けるべき権利が奪われてきた問題のことである。
 第二次世界大戦後、日本国憲法における「基本的人権の尊重」が宣言され、社会階級制度が消失した後も、多くの課題が残った。その後、1969年に「同和対策事業特別措置法」が制定。2016年に「部落差別解消推進法」が公布・施行された。
 大坂府出身で教育コーディネーターとして活動する武田緑さんの母親は部落出身であり、武田さん自身も大阪の部落で生まれ育った。武田さんによると「『血や死は穢れがうつる』と言われていた平安時代、死んだ動物の処理や、その処理にともなった皮で何かを作るなど、特殊な技能を持った人たちがいた。その人たちが住んだ地域が部落の発祥」だという。
 武田さんは「小さいときから(部落に対して)肯定的なアイデンティティを持てるような教育を受けてきた。あまりコンプレックスに思うことなく育った」と話す。武田さんによると、部落に住む人たちは、差別を受けてきた祖先のルーツも含めて、部落出身だということを自身のアイデンティティにしている人もいるという。
 「毎年学校の壁に『部落の学校消えろ』と落書きをされたことがあった」と子ども時代を振り返る武田さん。当時、落書きを見ても、武田さん自身は「しょうもないことをするやつめ」と傷つかなかったという。しかし、周りの友達の中には落書きの内容をダイレクトに受け止めてしまい「自分を否定されたように感じて泣いている子もいた」と話した。
 部落解放同盟大阪府連合会の青年部長として活動している藤本真帆さんは、自身の生まれ育った環境について「市営住宅だけが建っている地域や、と場(食肉加工場)が近い場所もある」と説明。周辺に住む人々からは「あそこは部落だからね」などの口伝えが続いており、部落に住む人もその周りに住む人も「部落」という意識を持っているという。
 一方で、部落の情報発信サイト「BURAKU HERITAGE」のメンバーである上川多実さんは「周りが部落だとレッテルを貼ることで、そこに引っ越したら自分もレッテルを貼られると思って住みたがらない人もいる」と話す。結果、外部から人が引っ越してこないため、家賃は下がる。
 上川さん自身は東京出身だが、両親は関西の部落出身者であり、東京で出会って結婚をしたという。上川さんは「学校で部落を肯定的に教えてもらったり、同じ環境の人にフォローしてもらったりなどはなかった」と振り返る。
 部落問題によって、現在もさまざまな差別を受けている地域を「被差別部落」という。全国に部落は存在する(北海道、沖縄は除く)。
 時代の流れによって風化してきたとはいえ、未だに差別が残る地域も存在する。番組に出演してくれたゲストたちは、なぜ顔を出して部落出身だと公表しているのだろうか。武田さんは「部落(出身)ですって言うと、相手に『部落って何?』と聞かれて、うまく説明できなかった。部落って聞かれたときに『この人やで』『場所はここだよ』っていう出会いをつくりたい」と胸の内を告白。武田さんは正しく歴史を伝え、交流を作る活動をしている。


「家系図や写真まで…」ネットの部落差別が消えない理由とは? YouTubeの“部落探訪”に「悪意がすごい」の声
 今、ネットに広がる悪質な部落差別が問題になっている。情報が一人歩きし、どのような意味を持つか深く知らない人も多い「部落」。「部落」とは、江戸時代以前の身分制度のもと「穢れている」など、排除されてきた人々が居住している場所(部落)をさす。「部落問題」は、その地域に居住する人々や、そこにルーツを持つ人々に対して、受けるべき権利を奪われてきた問題のことである。
 SHELLYがMCを務める『Wの悲喜劇〜日本一過激なオンナのニュース』(AbemaTV/アベマTV※毎週土曜23時から放送中)では「部落ってナニ?」をテーマに、被差別部落出身のゲストが赤裸々に経験を語った。
 ネットに広がる悪質な部落差別について、部落解放同盟大阪府連合会の青年部長として活動している藤本真帆さんは「ネットでは『ここに引っ越そうと思っているけど部落地域ですか?』などの質問が絶えない。アンサー回答の中には『そこは女性がレイプされるところだからやめておきなさい』などの書き込みもある」という。
 MCのSHELLYが「そこで女性がすごくレイプされているっていう事実はある?」と質問すると、部落で育った藤本さんは「まったくない。すくすく育ちました」とコメント。ネットの情報とは違い、実態は普通の地区と変わらないという。
 部落出身者が就職の際に「部落出身」と明かすと、企業から断られることもある。NPO暮らしづくりネットワーク北芝の職員である埋橋美帆さんは「企業が部落の地域が載っている本を手に入れて照らし合わせている時代もあった」と説明。しかし、今はその行為が法律違反となり、企業連合で「人権を勉強していこう」という動きに変わっているという。
 企業の意識が変わってきたとはいえ、絶版になった『部落地名総鑑』を復活させようと考えている人もいる。部落の情報発信サイト「BURAKU HERITAGE」のメンバーである上川多実さんも「親の名前や住所、電話番号が部落の関係者一覧リストに載せられた」と説明。一時期は無断で「家系図や写真までネットに掲載されていた」と胸の内を語った。現在も調べれば『部落地名総鑑』の内容はネットで見ることができてしまう。
 上川さんの話を聞いたSHELLYも「なぜ法律で取り締まれないの?」と驚き。教育コーディネーターとして活動する武田緑さんは「部落に限らず『差別をしてはいけない』っていう法律がない」と話す。2016年の「部落差別解消推進法」施行によって、人権擁護に関する法律が制定されたが、現在も差別が残っている。
 ハフポスト日本版ニュースエディターの田中志乃さんも「憲法で法の下の平等と明記されていても、その平等が守られていなかったからといって、罰せられることはない」と説明。
 前述の「部落差別解消推進法」も罰則はなく、あくまで「差別をなくす努力をしましょう」という法律だ。差別を取り締まることができず、ネット上で部落の個人情報を載せている人が「部落だから差別しろとは書いていない。情報を出しているだけ」と言い逃れしてしまえば、それ以上の追及はできない。
 ネットが普及した今、YouTubeにも「部落探訪」の動画が投稿されている。武田さんは「お洒落なコミュニティカフェのある地域が、すごくおどろおどろしいBGMで撮影されている」と説明。武田さんの話を聞いた藤本さんも「(部落とは)全く違う地域を紹介してることもある。悪意がすごい」と同意した。
 藤本さんによると、情報が一人歩きした結果、部落ではないゴミステーションのような場所を「部落です」と紹介している動画もあるという。藤本さんは、本来であれば、関係のない場所や人にまで部落差別が及ぶ可能性があると指摘。情報化社会の中で情報を正しく伝え、人権を守るための規則が、今求められている。


幻になった「京阪電車の梅田行き」 いまなお残るその痕跡
関西大手私鉄の多くは「キタ(梅田)」か「ミナミ(難波)」の繁華街にターミナルを設けていますが、京阪電鉄はどちらにも乗り入れていません。しかし、かつては梅田への乗り入れ計画があり、その痕跡が意外な場所に残っています。
現在の京阪線から1km以上離れた場所
 大阪市の中心部を一周する、JR西日本の大阪環状線。その桜ノ宮〜京橋間に「京阪電鉄乗越橋」があります。
 しかし、京阪電鉄の線路はここから約1.3kmも離れたところにあります。過去に京阪電鉄が運営していた廃止路線が、ここをくぐっていたという事実もありません。にもかかわらず、なぜJR線の橋りょうが「京阪電鉄」を名乗っているのでしょうか。
 京阪電鉄はかつて、「キタ」こと大阪の梅田に乗り入れようとしていたことがありました。この「京阪電鉄乗越橋」は梅田乗り入れ計画の名残です。
 京阪電鉄は明治末期の1910(明治43)年、大阪市内の天満橋にターミナルを置き、淀川の左岸(南東側)を通って京都に至る路線を完成させます。これが現在の京阪本線です。さらに同社は大阪〜京都間に「ライバル鉄道」が参入しにくいよう、淀川の右岸(北西側)を通る新線(新京阪線)も計画。先に開業した京阪本線の天満橋ターミナルを起点に北上し、淀川の右岸にわたって京都方面に向かうことが考えられました。
 鉄道省(現在の国土交通省)は1919(大正8)年、京阪電鉄に対して新京阪線の営業を許可しましたが、このころ、大阪(梅田)〜京橋〜天王寺間の国鉄城東線(現在の大阪環状線)を高架化する計画も浮上していました。そこで京阪電鉄は、新京阪線のターミナル予定地を天満橋から梅田に変更。ルートの一部は城東線の高架化が完了したあとに残る、地上線の敷地を使うことにしました。
 大阪の繁華街のひとつとして発展していた梅田に乗り入れれば、利用者も増えます。また、城東線の地上線敷地を購入できれば、一般の民家や商店を撤去して線路を建設するよりは安上がりというメリットもありました。
関東の地震が京阪の構想に影響
 まず1922(大正11)年4月までに、新京阪線の上新庄から梅田の少し手前にある葉村町(現在の大阪環状線・大阪〜天満間のほぼ中間)までを結ぶ梅田線と、京阪本線の森小路付近から天神橋(現在の天神橋筋六丁目駅付近)までを結ぶ城北線、さらに梅田線と城北線が交差する赤川で両線を接続する連絡線の営業が許可されました。
 同年10月には、京阪電鉄が新京阪線を運営する子会社「新京阪鉄道」を設立。京阪電鉄と新京阪鉄道が分担して、それらの路線を建設することになったのです。
 このうち梅田線のルートは、上新庄から南下して桜ノ宮付近で城東線の下をくぐり、地上線敷地につなげるルートで整備することに。そこで城東線の高架化工事では、京阪電鉄をまたぐための橋りょうも建設することされることになりました。
 しかし、梅田乗り入れプロジェクトは順調には進みませんでした。
 1923(大正12)年に関東大震災が発生すると国は財政難に陥り、城東線の高架化プロジェクトが凍結されました。城東線を高架化できなければ、京阪本線や新京阪線が梅田に乗り入れるための土地も確保できません。
 そこで新京阪鉄道は、現在の阪急京都線、阪急千里線の十三〜淡路〜千里山間を運営していた北大阪電気鉄道に目を付けます。同社は現在の阪急千里線・天神橋筋六丁目(天六)〜淡路間の建設を計画していましたが、新京阪鉄道はこの計画を譲り受けたうえで、淡路駅から新京阪線に合流するルートの新線計画を追加。梅田乗り入れのめどがつくまでは天六にターミナルを設け、天六〜淡路〜京都方面のルートで新京阪線を建設することにしたのです。
 1928(昭和3)年に入ると、城東線の高架化プロジェクトが再開。同年8月には梅田線の葉村町から現在の阪急百貨店うめだ本店付近までの区間も営業が許可され、ようやく梅田乗り入れのめどがたちました。11月には天六にターミナルを設けた新京阪線も開業します。
現在は湾岸方面への延伸構想が進行中
 しかし、昭和不況の影響を受けて京阪電鉄は経営難に陥り、新京阪鉄道の経営も芳しくありませんでした。1930(昭和5)年には、経営再建のため京阪電鉄と新京阪鉄道が合併。梅田乗り入れプロジェクトを推進する余裕はなくなっていました。
 また、京阪電鉄は1932(昭和7)年、京阪本線の蒲生駅を城東線の京橋駅近くに移転。城東線に乗り換えしやすくすることで、梅田へのアクセスルートを確保したのです。こうなると、京阪電鉄が自力で梅田に乗り入れる必要性も低くなります。
 いっぽう、城東線の高架化は工事が進み、京阪梅田線をまたぐための橋りょうは1932(昭和7)年に完成しました。京阪線をまたぐ橋ということで「京阪電鉄乗越橋」と名付けられましたが、肝心の京阪電鉄は戦時中の1942(昭和17)年、梅田乗り入れのための営業許可を国に返上。橋の下を京阪電車が通ることはありませんでした。
 こうして京阪電鉄の梅田乗り入れは幻に終わり、新京阪線も戦時中から戦後にかけての統合、分離を経て阪急電鉄の京都線に生まれ変わりました。ただ、1963(昭和38)年に京阪本線の天満橋〜淀屋橋間が延伸開業。2008(平成20)年には中之島線・天満橋〜中之島間も開業し、大阪の中心部への乗り入れを図っています。
 京阪電鉄は中之島線をさらに西へ延伸する構想も持っています。これは大阪湾の人工島「夢洲(ゆめしま)」へのアクセスを見据えたもの。夢洲は大阪万博(2025年開催予定)の会場になることが決まり、さらにはカジノを併設した統合型リゾート(IR)を整備する構想もあります。
 ただ、大阪万博の会場輸送は、大阪メトロ中央線を延伸して対応する方針がほぼ固まっています。京阪中之島線の延伸が実現するかどうかは、IR構想の進展次第ということになるでしょう。


なにわ筋線が始動 3300億円事業 関空近く
大阪市の都心部を南北に縦断する「なにわ筋線」が着工に向け、大きな節目を迎えた。政府が21日に閣議決定した2019年度予算案に関連経費を初めて盛り込み、31年春の開業に向け、事業が本格始動する。大阪市と関西国際空港とのアクセス性の向上につながる新線は、府市が統合型リゾート(IR)の誘致を目指す夢洲への鉄道延伸の追い風にもなる。
大阪駅北側の再開発エリア「うめきた2期地区」内の北梅田駅(仮称)とJR難波駅、南海の新今宮駅をそれぞれ結ぶ。途中に中之島、西本町、南海新難波の各新駅(駅名は仮称)ができる。路線延長は7.4キロで、ほとんどが地下を走る。
大阪府・市の第三セクターが施設をつくり、JR西日本と南海電気鉄道が営業する上下分離方式だ。昨年、関係者が整備について合意し、総事業費は3300億円。
国の補助事業として新規に認められた。地下高速鉄道ネットワークの充実(国費で約60億円)の予算の一部を、トンネルの設計などにあてる。今後、総事業費の23%にあたる約770億円を国が補助する見通し。
このほか大阪府・大阪市がそれぞれ590億円、南海が185億円、JR西日本が145億円を負担。残り1020億円をJRと南海が線路使用料として返済する。
国が新線を支援するのは、鉄道ネットワークの拡充効果が大きいからだ。関西空港へのアクセスであるJR阪和線、南海線と接続し、大阪駅に近い北梅田駅、東海道線支線を通り、新大阪駅、京都駅までつなぐ。
関空を発着するJRの特急「はるか」は大阪駅付近に停車駅はないが、なにわ筋線の開業後は北梅田駅を利用できる。関空―新大阪間の所要時間が43分程度と、おおむね8分短縮する。
新線は沿線開発にもインパクトを与える。24年に街開きする、うめきた2期の集客力が高まる。中之島駅は再生医療などの未来医療国際拠点の立地を予定する中之島4丁目と、リーガロイヤルホテル一帯の再開発が構想される中之島5丁目の中間に立地する。
今後の課題はJR西日本と南海が40年という長期にわたり線路使用料を払い続けられるかだ。路線が競合する大阪メトロの経営にも影響する可能性が高い。地下の難工事も予想される。同じ大阪市内のJR東西線では地下水の噴出事故があり、事業費が増大し、工期にも影響した。
 環状線ダイヤにゆとり 夢洲アクセス改善に期待
 なにわ筋線の開業は、JR大阪環状線の窮屈な運行ダイヤを緩和し、統合型リゾート(IR)の誘致や万博開催などで脚光を浴びる夢洲など大阪湾岸部へのアクセス鉄道建設にも追い風となる。
関西最大の集客施設、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)の最寄り駅、ユニバーサルシティ駅を通るJR桜島線(ゆめ咲線)は大阪駅と環状線経由で結ぶ直通列車もあるが、桜島線全体の3割程度。7割は西九条駅での乗り換えが必要で、待ち時間が長いケースも多い。
環状線のうち、関西国際空港などへ向かう列車がなにわ筋線へ移れば、環状線のダイヤは楽になる。大阪市幹部は「USJに行きやすくなるだけでなく、桜島駅止まりの線路を夢洲へ延ばせば大阪駅と夢洲が直結する」と、夢洲への桜島線延伸に期待する。現在のダイヤで計算すると、大阪―夢洲駅間は20分程度だ。
阪急電鉄は十三駅に地下駅を作り、南海のレール幅に合わせた狭軌の列車を作ってなにわ筋線に乗り入れる「なにわ筋連絡線」を計画する。なにわ筋線は、並行する地下鉄御堂筋線や四つ橋線の混雑緩和効果もあり、御堂筋線について市は17%の混雑緩和を見込む。(清水英徳)


「入学する学生に禁煙誓約書」追手門大、学生証と引き換えに
 追手門学院大(大阪府茨木市)は21日、来年4月以降に入学する学生に対して、大学敷地内とその周辺に加え、通学途中では喫煙しないことを義務づけると発表した。違反した場合は「状況に応じて注意や停学などの措置を取る」という。
 同大は来年4月、茨木市内に1年生約1900人が学ぶ新キャンパスを開設。「喫煙は生活習慣病の原因になり、周囲にも受動喫煙の健康被害をもたらす」として、新キャンパスを全面禁煙とする。さらに来春の新入生から、大学敷地内と周辺、通学途中の禁煙を書面で誓約させ、書面提出と引き換えに学生証を交付するという。
 20歳以上で喫煙の習慣があっても、誓約書を提出すれば入学は認める。既存のキャンパスでは2020年度から全面禁煙化の予定。
 東京薬科大など医療系の大学の一部でも禁煙の誓約書提出が導入されているが、文系の大学では異例という。追手門学院大は「学生を社会に送り出す機関として、在学中に禁煙習慣を身につける環境を整える必要があると考えた」と説明している。【鳥井真平】


九大ねこ部って? まじめに人間と動物の共生探る 年1回のシンポも
 九州大に「九州大学ねこ部」なるサークルがある。猫好き学生たちのゆるい集まりかと思いきや、野良猫対策から動物愛護や外来種問題に至るまで幅広く議論し、シンポジウムも開催。自分たちの活動を発信するためフリーペーパーを発行するなど、猫と動物を巡る問題に真剣に向き合う、いたってまじめなサークルだ。
 11月の夕方、週1回のミーティング場所となる福岡市西区の九大図書館の学習室を訪れると、部員10人がホワイトボードを前に意見を交わしていた。平昌五輪のフィギュアスケート金メダリスト、アリーナ・ザギトワ選手(ロシア)に贈られたことで話題になった秋田犬に触れ合える秋田県の施設が人気を呼ぶ一方、肝心の犬が体調不良になるケースが出ているというニュースが議論の発端だった。
 「おりの中だと犬もストレスがたまるよね」という声をきっかけに、動物園や人気の「猫カフェ」など、動物と触れ合える施設全般のあり方へと議論が発展する。「動物たちの出番を時間によるシフト制にすればいい」など、さまざまな意見が飛び出した。
 ねこ部は「猫を通して人と自然、動物との関係性や在り方について考える」をモットーに2014年5月に発足した。部員は現在約30人。新歓イベントで猫カフェや、猫の島として知られる相島(福岡県新宮町)を訪問する他は、猫をかわいがる場面はほとんどない。薬学部2年の伊藤孝輔さん(20)は「猫を飼って戯れているのかと思ったら、まじめなサークルでびっくりした」と苦笑する。
 部員たちは入部後、人が猫と暮らすようになった起源や猫の生態、正しい飼い方など、猫を巡る「基礎知識」を文献などから学ぶ。その後は、各自興味がある動物の問題について研究するが、テーマは野良猫対策の地域猫活動やノネコの生態系への影響、動物愛護先進国のドイツと日本の政策比較など幅広い。
 研究成果を発信するため、毎年10月には福岡県獣医師会などが開催する猫と人間との共生について考えるイベントに参加し、昨年からはねこ部としてもシンポジウムを年1回主催する。11月に福岡市で開いた2回目のシンポジウムでは、部員たちが▽外来種問題と生物多様性▽日本の動物政策▽実験動物の倫理――などの研究テーマを発表した。
 昨年からはフリーペーパー「ねこ部だより」を半年ごとに発行し、学内やシンポジウム会場などで配布。活動内容のほか、獣医師や愛護団体で活動する人のインタビューなども掲載しており、文学部2年の須佐菜月さん(19)は「人間と動物が共生するにはどうすればいいか考えてもらえるきっかけになればうれしい」と話す。【末永麻裕】

講習会?/自転車盗難だって/メールの返事が来たけど

ブログネタ
フランス語 に参加中!
湧水町秋祭り181123

Japon : Carlos Ghosn reste en prison et fait l'objet d'un troisième mandat d'arrêt
La veille, un tribunal de la capitale japonaise avait refusé de prolonger la détention du PDG de Renault, un coup de théâtre qui laissait envisager que Carlos Ghosn pourrait être rapidement libéré sous caution.
Nouveau rebondissement judiciaire : Carlos Ghosn a fait, vendredi 21 décembre, l'objet d'un troisième mandat d'arrêt au Japon sur des charges supplémentaires, anéantissant ses espoirs d'une libération immédiate. L'arrestation du PDG de l'alliance automobile Renault-Nissan-Mitsubishi Motors, le 19 novembre à Tokyo, avait fait l'effet d'un coup de tonnerre. Sa longue garde à vue avait ensuite étonné à l'étranger et le système judiciaire japonais s'était retrouvé sous le feu des critiques.
Les médias avaient annoncé qu'il resterait sous les verrous jusqu'à la fin de l'année, voire au-delà, mais le tribunal a désavoué jeudi le parquet, refusant d'étendre la garde à vue du dirigeant de 64 ans et rejetant ensuite l'appel des procureurs. Une libération sous caution semblait alors imminente, mais c'était compter sans sur la ténacité du parquet, furieux selon les médias japonais d'avoir été désavoué la veille.
Le bureau des procureurs a ainsi décidé d'arrêter de nouveau Carlos Ghosn, ce qui lui donne 48 heures supplémentaires pour l'interroger sur de nouvelles charges, d'abus de confiance cette fois. La durée de cette garde à vue peut néanmoins être encore étendue. Selon le parquet, Carlos Ghosn est soupçonné d'avoir "failli à sa fonction de PDG et d'avoir causé un préjudice à Nissan". Concrètement, le parquet lui reproche d'avoir "imputé sur les comptes de la société des pertes d'investissements personnels", ce que Ghosn nie, selon la chaîne publique NHK.
L'alliance Renault-Nissan dans la tourmente
Pour le moment, le Franco-libano-brésilien a été inculpé le 10 décembre pour avoir omis de déclarer aux autorités boursières environ 5 milliards de yens (38 millions d'euros) de revenus sur cinq années, de 2010 à 2015. Son bras droit Greg Kelly, arrêté en même temps que lui, a aussi été mis en examen. Les deux hommes sont également soupçonnés de minoration d'émoluments sur la période 2015-2018, pour un montant de 4 milliards de yens.
Pour Carlos Ghosn, qui séjourne actuellement dans une petite cellule d'un centre de détention de Tokyo, c'est une troisième étape qui s'ouvre sur le front judiciaire. Un imbroglio qui risque d'alimenter les critiques sur la justice nipponne.
Pendant ce temps, l'alliance Renault-Nissan est dans la tourmente. Les constructeurs japonais Nissan et Mitsubishi Motors ont déjà révoqué à l'unanimité Carlos Ghosn de la présidence de leurs conseils d'administration, mais le groupe français Renault l'a maintenu à son poste. De son côté, Nissan se prépare à une éventuelle libération de son ancien sauveur, qu'il accuse aujourd'hui de tous les maux, notamment d'avoir utilisé des résidences de luxe dans le monde entier aux frais de la compagnie.
にほんブログ村 外国語ブログ フランス語へ
フランス語の勉強?
おがたけいこ @Keikolein
批判されるべきは、政治的発言より、差別的発言だと思う。私は、この人がCMをやるような会社の商品やサービスは買わない。/ 松嶋尚美 南青山の児相問題に複雑な思い「自分の所に来るなら引っ越しの可能性ある」(東スポWeb) - Yahoo!ニュース https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181219-00000018-tospoweb-ent … @YahooNewsTopics
KAMEI Nobutaka @jinrui_nikki
はて、今なぜIWC離脱?という気がしていましたが、最も分かりやすかったのは、
・捕鯨の中心地である山口県は安倍首相の、和歌山県は二階自民党幹事長の地盤である
というニュース解説でした。
そうか、そういうことなんですか

こたつぬこ @sangituyama
辺野古基地見直し署名についてのローラさんの発言に強いリアクションがでたのは、彼女が有名なタレントだからというよりは、どこにどう影響するかわからないから。もっと有名な吉永小百合さんが同じことを言っても強いリアクションがでないのは、影響が及ぶ範囲がある程度わかるから。
リベラルな周波数はたとえワイドレンジでも、届く範囲はだいたい決まっている。ローラさんは違う周波数をもってるから動揺が広がったわけです。沖縄県知事選で自民党が安室奈美恵さんを勝手に恐れていたのと同じ。「若くて美人」だから攻撃されてるわけではない。彼女の能力が攻撃されてるんです。
だからローラさんを応援するとともに、彼女が発している言葉から学ぶことはたくさんあるはず。この界隈の人が届かないところに届く言葉をもっているわけですから。

マツ子・デラックス @omatsukodx
一言だけ言う。『ローラ、かっこいいよ』
有田芳生 @aritayoshifu
野田佳彦さんの立憲会派入りを枝野代表が肯定的に語っているので、わたしのような木っ端議員も語っていいだろう。支持をやめるというメールが殺到している。安倍政権を産んだ張本人という批判に同感だ。意気に感じていた思いが削がれそうだ。野田さんが本意ならまず辺野古に立ち反対を表明して欲しい。
但馬問屋 @wanpakutenshi
#NHK #NEWS7
東京地検、ゴーン前会長を再逮捕‼️
フランスでの反応は…
「元AFP通信の東京支局長が、日本の検察に与えられた絶大な権力は、成熟した民主主義というよりも、全体主義のものだとする厳しい批判を経済紙に投稿しました」
その通り、これが日本の現実ですね。

澤田愛子 @aiko33151709
日本検察は国民からも世界からも不信の目で見られている。安倍政権を庇護する一方で、弱者や外国人苛めがひどい。沖縄の山城氏は微罪で半年以上も拘束。重病持ちの彼に冬場、靴下の差し入れも認めなかった。安部批判に転じた籠池夫妻は起訴前なのに10か月も拘束。ゴーン氏への起訴前の人質拘束も続く。
布施祐仁 @yujinfuse
もう何が何でも身柄を離さないつもりか…。世界の民主主義国家の人々からは、IWCからの脱退とも相まって、日本は価値観を共有できない国だとどんどん思われていくだろうな。
清水 潔 @NOSUKE0607
再逮捕ってガクっとくるらしい。自供を強いられる取り調べを頑張り通しやっと釈放。手続き終わって背広着て、表に出る…、直前に次の令状出されてまた手錠ガチャリ。「何度でも聞くぞ。さあ吐いちまえ」→うんざりして自供。(もう何を言っても信じてくれないから裁判所に期待するがそこも仲間)
きっこ @kikko_no_blog
日本が国際捕鯨委員会から脱退する方針を固めたと報じられてるけど、このこと自体の賛否は置いといて、どうしてこんなに大事なことが国会の審議も通さずに安倍官邸の一存で勝手に決められて、後から「こうなりました」と国民に報告されるの?これじゃまるで「安倍独裁国家」じゃん。

マアタナの講習会?うーん?行くべきではないと思うのですが,考え込んでしまいました.
ランチを食べに行くときにオジサン2人と会いました.何か作業をしているので聞いてみると,自転車盗難があったんだって.
メールの返事が来たけど,なんか面倒になりそうなのでとりあえず放置.

被災地支援の千羽鶴に感謝の歌
被災地を応援したいと千羽鶴を贈ってくれた男性に、利府町の小学生が感謝の気持ちを伝えようとメッセージと歌をプレゼントすることになり、21日、収録作業を行ないました。
利府町の菅谷台小学校に今月10日、神奈川県藤沢市の飯島博さんからあわせて750羽ほどの千羽鶴が届きました。
飯島さんは目が不自由だということで、同封された手紙には「震災でみなさんが大変な思いをしたことに心を痛めています。私は目が見えませんが、心をこめて一生懸命折りました」と書かれています。
障害者福祉について学んでいる3年生の子どもたちが飯島さんにメッセージと歌を贈ることになり、21日、収録作業を行いました。
まず、代表の児童8人が「震災から7年がたちましたが、僕たちのことを忘れずに応援してもらい元気づけられました」と感謝の気持ちを伝えました。
そして、全員で音楽室に飾られた千羽鶴を見ながら「ありがとうの花」など2曲を歌いました。
収録に参加した3年生の齋藤南緒さんは「飯島さんに思いが届くように、気持ちを込めて歌いました」と話していました。
学校では収録したメッセージと歌をCDにして今月中に飯島さんの元へ届けたいとしています。


<大槌町旧役場>解体差し止め訴訟 判決は来月17日
 東日本大震災の津波で当時の町長や職員らが亡くなった岩手県大槌町旧役場庁舎の解体差し止めを求めた住民訴訟は20日、盛岡地裁で口頭弁論があり、結審した。判決は来年1月17日。町は1月中旬に庁舎本体の解体に着手する予定で、工事前に裁判所の判断が示される可能性が出てきた。
 裁判終了後、原告で住民団体「おおづちの未来と命を考える会」の高橋英悟代表は「判決を待たずに解体することは避けてほしい」と話した。平野公三町長は「予定通り1月中旬に工事を進める」との談話を出した。
 訴状によると、旧庁舎は震災遺構として後世に残す価値があり、十分な検討をせずに解体を決定したのは、公有財産の効率的運用を定めた地方財産法に違反するとしている。町は契約や手続きに違法性はないとして請求の棄却を求めた。


女川原発1号機が正式に廃炉
運転開始から30年あまりがたつ女川原子力発電所1号機について、東北電力は21日付けで正式に廃炉になったと発表しました。
女川原発は、東日本大震災で1号機から3号機までのすべてが地震や津波に襲われ、その後運転が停止したままです。
このうち1号機について、東北電力は運転開始から30年あまりがたち、安全のための設備を追加して設置するには技術的な制約があるなどとして、ことし10月廃炉の方針を決めました。
こうした中東北電力は、21日、電気事業法に基づく女川原発1号機の発電所としての届け出が21日付けで変更され、正式に廃炉になったと発表しました。
今後は、原子炉の解体や放射性廃棄物の処分方法などの工程を「廃止措置計画」としてまとめ、来年度中に原子力規制委員会に提出することにしています。
東北電力によりますと、廃炉の工事が完了するまでに30年から40年かかる見通しで、現時点でおよそ419億円の費用を見込んでいます。
東北電力は「地元自治体にしっかりと情報提供をしていき、安全確保を第一優先に廃止措置を進めていきたい」と話しています。
女川原子力発電所1号機が正式に廃炉になったことについて、村井知事は「廃炉にあたっては、東北電力に対して、作業を安全第一に実施すること、実施状況について情報提供し透明性の確保に努めること、電力の安定的な供給に支障が生じないように努めることを要請している。女川原発の運営にあたっては、今後とも安全性向上に向けて取り組んでいただきたい」とコメントを発表しました。


会津への感謝、舞台で 避難中の大熊の町民らが23日上演 戊辰の苦難や故郷への思い描く
 東京電力福島第1原発事故で全町避難する福島県大熊町の町民らが23日、避難先の会津若松市に感謝する舞台「大熊・会津まち物語コンサート 絵おと芝居」を同市で上演する。両市町の歴史、原発事故、避難生活…。紙芝居や踊りで「恩返し」の思いを伝える。来年1月には東京公演もあり、会津の良さを発信する。
 上演するのは「おおくま町物語伝承の会」。原発事故前に大熊町で活動していた日本舞踊団体メンバーを中心に、会津若松市に避難する町民らが昨年10月結成した。公演には中学生〜70代の約40人が参加する。
 制作は広島県の市民団体「まち物語制作委員会」が協力する。大熊町の日隠(ひがくれ)山の天狗(てんぐ)伝説、戊辰戦争に敗れた苦難を乗り越える会津若松市の歴史、原発建設当時から事故に至る大熊町民の思いなどを紙芝居に仕立て、民謡や踊り、語りを組み合わせた。
 会津若松市の災害公営住宅で暮らす鈴木清子さん(65)は「当初は右も左も分からず、多くの方に親切にしてもらった。踊りで感謝を伝えたい」と意気込む。
 東京公演は来年1月24日。舞台上演に加え展示会場も設け、会津の観光名所、大熊の今と住民の避難生活などをパネルで紹介する。会津の「見どころ」「おいしいもの」などは避難町民100人に募り選んだ。
 会津若松には現在、町民約800人が身を寄せる。伝承の会の橘秀人代表(69)は「会津若松に庁舎を置く町役場が来春、大熊に戻り、避難指示も一部で解除が見込まれる。事故から7年9カ月を振り返り、お世話になった感謝を目に見える形にしたい」と話す。
 会津公演は会津迎賓館で午後1時半開演。無料。東京公演は渋谷区の全労済ホールで午後7時開演。前売り一般2000円など有料。展示は無料で午前11時から。連絡先は橘代表090(5352)2576。


<暮れゆく平成>(2)避難住民 最後のXマス会(福島・飯舘村)/これからも集まろう
 「クリームははみ出すくらい塗っても大丈夫」「指に付いちゃった」。ケーキ作りは笑いに包まれた。
 福島県飯舘村の公民館で16日、クリスマス会があった。東京電力福島第1原発事故で隣の川俣町に避難する住民らの自治会「きつつきの会」が開催。小学生や高齢者約40人が手作りケーキやそばを頬張った。
 原発事故に伴う村の避難指示は昨年3月、一部を除いて解除された。避難先の自治会は来年3月末までの解散を予定する。今回が最後のクリスマス会だ。
 きつつきの会は2012年4月、会長の斎藤政行さん(72)ら6人が設立。会員は約300人に増え、旅行や行事を重ねてきた。
 会員には帰村者も村外に自宅を再建した人もいる。「みんな自分の孫のように子どもに接してくれる」。福島市から息子2人と参加した主婦高橋美幸さん(42)は、解散が残念で寂しくてしょうがない。
 「楽しい思い出がたくさん。終わりにはしたくない」。斎藤さんは「解散しても、また集まろう」と呼び掛けるつもりだ。

 2018年が幕を閉じようとしている。東日本大震災から8度目、平成最後となる年の瀬が迫る。東北の被災地の現状や人々の営みを見詰めた。


石巻 金華さば水揚げ最盛期
「金華さば」のブランド名で知られる、大型で脂ののったサバの水揚げが最盛期を迎え、石巻市の魚市場は活気にあふれていました。
「金華さば」は近海で獲れた大型のサバで、脂質がおよそ15パーセント以上の脂ののりのよいものを石巻魚市場などが平成22年からブランド化して売り出しています。
21日朝は、福島県から茨城県の沖合で漁を終えた巻き網漁船6隻が石巻漁港に入り、1360トンあまりを水揚げしました。
ことしは大型のサバが多いということで、21日朝、水揚げされたサバの中には800グラムを超えるものもあり、仲買人たちは鮮度や脂ののり具合などを確かめながら入札していました。
ことしは、大型で品質の良いサバが多く水揚げされていることや最近のサバの缶詰のブームもあり、市場の価格で1キロあたり150円から180円と去年より3割から5割ほど高値で取引されているということです。
石巻魚市場の須能邦雄社長は「ことしは脂の乗りもよく、美味しいサバがたくさん水揚げされています。ぜひたくさん食べてください」と話していました。
サバの水揚げは、来年3月頃まで続きます。


西日本豪雨で被災の広島へ 宮城から復興支援の「音」返し 「コダナリエ」会場でチャリティーイベント
 宮城県山元町小平で開催中のイルミネーションイベント「コダナリエ」で24日、西日本豪雨被災地の広島県福山市で行われるコンサートの映像を流すチャリティーイベントがある。同市の音楽家が東日本大震災被災地支援を続けていることに恩返ししようと、コダナリエ実行委員会が企画した。
 コンサートは「feel art cafe」。バイオリンやギター、しの笛などの若手演奏家約20人が年一回集まって多彩な楽曲を披露する。ジャンルや世代を超えて音楽を楽しもうと継続的に開かれてきた。
 もともとは7月8日に8回目が企画されていたが、豪雨で今月23日に延期された。福山市では2人が犠牲になり、約1240軒が床上浸水するなど大きな被害が出た。
 イベントに参加するミュージシャンの藤井淳さん(36)らは2012年から毎年3月、震災復興支援のチャリティーライブを福山市で開催し、チケットの売り上げを山元町の「おてら災害ボランティアセンター」に贈り続けている。
 24日の映像イベントは、コダナリエ実行委員で、藤井さんらと交流のある亘理町の飲食店店主森加奈恵さん(51)が中心となって企画した。
 森さんは「せっかくの絆。こちらからも応援したい」と話し、藤井さんは「遠く離れていても音楽でつながることができてうれしい」と語る。
 映像は編集し、午後5時〜6時15分、繰り返し放映する。地元ゴスペルグループによる合唱もある。入場無料で、会場で募金を呼び掛ける。
 コダナリエでは24日以外も、宮城県内外のアーティストが出演するチャリティーライブを開催している。詳細は、コダナリエのフェイスブックに掲載されている。


河北抄
 「『あなたの子は生き残って、私の子はなぜ死んだ』。言われるはずのない声が聞きたくなくて−」
 先ごろ訪れた那覇市の対馬丸記念館で展示パネルに目が留まった。わが子の生還を手放しで喜べない親の苦悩は、東日本大震災にも通じる。
 1944年8月、那覇を出港した疎開船対馬丸が鹿児島県悪石島沖で米軍の潜水艦に撃沈された。学童約780人を含む1500人近くが死亡したとされるが、詳細は今も分からない。
 97年に見つかった船体の引き揚げを政府は断念。代替案として2004年に開館したのが記念館だ。対馬丸とほぼ同じ大きさで建てられた。犠牲者の刻銘板や遺影、生存者の手記が並び、最後に亡き子どもたちが問い掛ける。
 「ときどきでいいのです どうかわたしたちのことを思いだしてください あなたは海へ行くことがありますか? 海へ行って海の水にさわりますか その水は、私たちの眠る悪石島の海へつながっているのです」。南の海にもたくさんの涙が溶け込んでいる。


<IWC脱退方針>捕鯨基地・石巻地方、歓迎と危惧「経済効果に期待」「国際的な理解を」
 約30年にわたって閉ざされてきた商業捕鯨に再開の兆しが表れた。国内有数の捕鯨基地として栄えた石巻地方では経済効果への期待が高まる一方、強硬にも映る政府判断を危惧する声も上がった。クジラを軸に東日本大震災からの復興を目指す地域もあり、「鯨の町」再興へ推移を見守る。
 石巻市鮎川浜は明治時代、国内最大の近代捕鯨基地があり「卵がなくてもクジラはある」と言われるほど、生活に浸透していた。
 同地区でクジラ料理を提供する「黄金寿司」の古内勝治さん(74)は「客はクジラが珍しいと喜んでくれるが、今は鯨肉の確保に苦労している。商業捕鯨が再開すれば、地元の雇用拡大など大きな経済効果が生まれる」と歓迎する。
 木の屋石巻水産(石巻市)は1957年の創業時からクジラ加工品を看板商品としてきた。木村優哉社長(34)は「商業捕鯨が可能になれば原料のクジラの仕入れ値も安定し、消費者も買いやすくなる。小売店からは商業的ではないクジラはPRしづらいという声もあり、その面でもプラスに働いてほしい」と望む。
 調査捕鯨やツチクジラの加工を手掛ける鮎川捕鯨(石巻市)の伊藤信之社長(55)は「(捕鯨産業が)どういう形になるか見通せない」と話しつつ「子々孫々までクジラを継承していくのがわれわれの使命。どんな形になっても続けていく覚悟だ」と力を込めた。
 鮎川浜地区には来年度、震災で全壊した「おしかホエールランド」が再建される。市牡鹿総合支所地域振興課は「施設のオープンと商業捕鯨の再開が重なれば、観光振興の追い風になる」と待望する。
 一方、国際社会からの批判を危惧する見方もある。
 石巻魚市場(石巻市)の須能邦雄社長(75)は「どういう戦略で脱退という結論に至ったのか。全体像が見えない」と懸念。日本の主張が聞き入れられなかった経緯を踏まえ「われわれはクジラを食べたいしクジラ産業を存続させたい。国際社会の理解を得ることが必要だ」と強調する。
 亀山紘石巻市長は「IWCの中で国際的に認められた上での再開が望ましい。脱退すれば国際的な批判も起きる。簡単に捕鯨再開を打ち出せるかどうか難しいのではないか」と話した。


IWC脱退 世界に背を向けるのか
 政府が国際捕鯨委員会(IWC)から脱退する方針を固めた。
 クジラ資源の保存と捕鯨産業の秩序ある発展を目指す国際機関である。捕鯨支持国と反捕鯨国の主張が平行線をたどっており、商業捕鯨の再開を目指す日本から見て、協議を続けても進展はないと判断したようだ。
 国際協調を掲げる日本が国際機関から脱退するのは、戦後ほとんど例がない。極めて異例となる。
 国際社会からの批判は避けられないだろう。主張が通らないからといって話し合いに背を向けてよいのか。考え直すべきだ。
 トランプ米大統領の「米国第一主義」が世界に混乱を招いている最中である。多国間協議を軽視する流れを助長しかねない。貿易交渉などへの影響も懸念される。
 IWCが商業捕鯨の一時停止を決めたのは1982年。日本は88年に撤退し、再開に向け、科学的データを収集するための調査捕鯨を南極海などで続けてきた。
 今年8月時点で、捕鯨支持国が日本やノルウェーなど41カ国、反捕鯨国がオーストラリアやブラジルなど48カ国と、勢力は二分。かみ合わない議論が続いてきた。
 資源増のデータを基に再開を訴える日本に対し、反捕鯨国は「そもそもクジラを殺すべきではない」との姿勢を崩していない。
 ブラジルで開かれた今年9月の総会で、日本は資源が豊富な一部鯨種の再開を提案したが、反捕鯨国の反対によって否決された。
 厳しい状況であり、打開は容易でない。一方、脱退しても、待っているのはいばらの道だ。
 IWC加盟が条件の南極海の調査捕鯨はできない。日本近海で再開しても、クジラ資源は国連海洋法条約が「国際機関を通じて管理する」と規定しており、何らかの国際的な対応が求められる。
 専門家の間には、日本の排他的経済水域内で再開する案なら多くの国から理解が得られるとの見方もある。日本も南極での捕鯨にこだわらないならば、歩み寄る余地はあるのではないか。
 鯨肉は戦後の食料難の時代に貴重なタンパク源とされ、1962年度には消費量が23万トンに上った。近年は5千トン前後にまで落ち込み、もはや「珍味」の扱いだ。
 鯨食文化は一部に残っているものの、商業捕鯨再開後に消費量が大幅に伸びるとは考えにくい。
 商業捕鯨は、国際的批判を覚悟してまで再開を勝ち取らねばならないものなのか。国民的議論が深まっているとはいえない。このまま突き進むことは許されない。


IWC脱退、代償大きく 国際非難は必至、捕鯨増も見通せず
政府が国際捕鯨委員会(IWC)からの脱退方針を固めた。IWCに残留しても商業捕鯨の再開に理解が得られないと判断し、捕鯨戦略を大きく転換する。
科学調査を含めいっさいの捕鯨を認めようとしない反捕鯨国が増え、議論が先に進まないいらだちは分かる。しかし、今なぜ、IWCという国際組織から脱退しなければならないのか。理解に苦しむ。「自分の意見が通らないなら国際的な枠組みから抜ける」というやり方は、米トランプ政権となんら変わらない振る舞いに映るだろう。
IWCを脱退し、日本が商業捕鯨の再開を強行すれば欧米やオセアニア諸国の反発は避けられない。日本が議長国となり、2019年に大阪で開く20カ国・地域(G20)首脳会議や20年に開催する東京五輪の運営にも影響しかねない。
日本に対するイメージは悪くなり、輸出拡大どころか、日本食品の不買運動などにつながる可能性さえ否定できない。
IWCを脱退すれば、これまで継続してきた南極海などでの調査捕鯨はできなくなる。失うものが多い判断と言わざるを得ない。
IWCを脱退することで政府がめざす日本の排他的経済水域(EEZ)内での商業捕鯨が、本当に国際的に認められるかどうかも疑問だ。
日本が締約する国連海洋法条約は捕鯨について「保存、管理および研究のために適当な国際機関を通じて活動する」ことを規定している。
地域に根付くクジラ類の食文化を残すことは重要だ。だが、商業捕鯨を再開し、捕獲数を増やしてもそれに見合うだけの国内需要があるかどうかも疑問だ。1960年代に年20万トンを超えた鯨肉消費量は今や5千トンほど。1万トン強の需要がある馬肉と比べても半分程度に減った。牛肉や豚肉が身近になり、消費者の選択肢が豊富になったからだ。
「持続可能な開発目標(SDGs)」などに取り組む企業が増える中で、流通大手が再び鯨肉製品を店頭に並べるようになるとは考えにくい。販売先確保がままならず、補助金頼みでは商業捕鯨再開といっても事業の持続可能性に疑問符が付く。
政府がIWCの脱退を決め、商業捕鯨を再開するというのであれば、こうした疑問について国民に分かりやすく説明してほしい。(編集委員 志田富雄)


IWC脱退に懸念=立憲、共産
 立憲民主党の枝野幸男代表は21日の記者会見で、政府が国際捕鯨委員会(IWC)から脱退する方針を固めたことについて「国際社会で孤立に向かうきっかけになりかねない」と懸念を示した。
 枝野氏は、調査捕鯨に対する極端な慎重意見に疑問を呈しつつも、政府はIWC脱退後の展望を示していないと指摘。その上で、「都合の悪いことは感情的に国際社会の協調から抜け出す国だと、他の分野でもレッテルを貼られると大きく国益を損なう」と述べた。
 共産党の小池晃書記局長も会見で「うまくいかないと国際機関から脱退するというトランプ米大統領のまねみたいなことはやめた方がいい」と批判した。


日本、商業捕鯨再開のためIWC脱退へ=日本報道
日本の複数メディアは20日、日本政府が商業捕鯨を再開するため国際捕鯨委員会(IWC)を脱退する方針を固めたと報じた。
NHKによると、日本政府は方針を自民党の関係議員に伝えた。脱退について政府の公式発表はされていない。
一部の鯨種が絶滅の危機に瀕したことを受けて、商業捕鯨は1986年、IWCによって禁止された。
日本は長年にわたり、クジラを捕獲し続けてきた。政府は「科学調査」のためとしているが、クジラ肉も一部販売されている。多くの自然保護主義者は、日本の調査捕鯨を批判してきた。
日本政府は脱退の理由として、一部の鯨種が生息数を回復していることを挙げると予測される。しかし、捕鯨活動は日本領海に限定する方向で検討しているもよう。
日本政府の当局者は、クジラ肉を食べるのは日本文化の一部だと話している。
日本では海岸地域の住民の多くが捕鯨を数世紀続けてきた。しかし、クジラ肉の消費が急増したのは、クジラが食肉の主要供給源となった第2次世界大戦終結後だけで、最近数十年間では消費量が急減している。
反応は
野生動物保護団体はこれまでにもIWC脱退の計画を批判してきた。
脱退方針が固められたと日本メディアは広く伝えているが、公式発表はまだない。
水産庁の諸貫秀樹氏はBBCに対し、あらゆる可能な選択肢を日本政府は検討しているが、「決定は下されていない」と話した。
匿名の政府関係者の話として、共同通信は来週にも公式表明がある可能性を伝えた。
日本政府は9月、商業捕鯨のための捕獲枠設定をIWCで提案したが、提案は否決された。
捕鯨禁止の現状は
クジラの生息数回復のため、IWC加盟国は1986年、商業捕鯨の一時停止(商業捕鯨モラトリアム)を決定した。
捕鯨支持国はこのモラトリアムを、持続可能な捕獲枠について各国が合意するまでの一時的な措置と受け止めていた。
しかし、モラトリアムはその後、ほぼ恒久的な禁止措置になった。一方で日本やノルウェー、アイスランドなどの捕鯨国は、捕鯨の慣行は自国文化の一部で、持続可能な方法で続けられるべきだと主張している。
現在、クジラの生息数は慎重に監視されている。多くの鯨種が依然として絶滅の危機に瀕しているが、日本が主に捕獲するミンククジラなど、絶滅の恐れがない種もある。
日本のIWC脱退は無条件で可能なのか
もし日本がIWC脱退を目指すなら、年末までに通知しなくてはならない。その場合、2019年6月30日に脱退が可能になる。
それでも日本は脱退後も、いくつかの国際法による制約を受ける。
国連海洋法条約は締結国に対し、クジラの保護に関する協力を「その保存、管理及び研究のために適当な国際機関を通じて」行うよう義務付けている。条文は具体的にどの国際機関を指すのかは示していない。
日本政府は、別の国際機関設立を試みる可能性がある。その場合、十分な数の加盟国を得ることが条件になる。もしくは、すでにある海洋資源管理の国際機関、北大西洋海産哺乳動物委員会(NAMMCO)に加盟する選択肢もある。
NAMMCOはIWCの小規模版のような、捕鯨支持国の集団だ。IWCにいら立ちを募らせたノルウェー、アイスランド、グリーンランド、フェロー諸島が発足させた。
そもそも日本は捕鯨を止めていないのでは
その通り。日本は過去30年間、捕鯨を続けている。ただし、IWCによる禁止措置の例外として許可された科学研究計画としての活動だ。
これについては、事実上の商業捕鯨を偽装した慣行だとの批判もある。
IWCが日本の調査捕鯨を例外としたことで、クジラは科学研究目的で捕獲可能になり、その後、消費用のクジラ肉販売も可能になった。
日本は毎年、約200頭から1200頭のクジラを捕獲してきた。どの鯨種が絶滅の危機にあり、どの種はそうでないのか、生息数を調査するのが目的と日本政府は主張している。
IWCはなぜ合意できなかったのか
商業捕鯨モラトリアムの撤回と、持続可能な捕獲枠に関する合意の維持を、日本政府は繰り返し試みてきた。
直近では、今年9月にブラジルで行われたIWC総会でも同様の提案をした。
日本は「持続的捕鯨委員会」の設立と「資源が豊富な鯨類資源/鯨種の」持続的な捕獲枠の設定などの対策を一括提案した。
提案は加盟国の投票で否決された。
そのため日本はもはやIWCの規則に制約されないよう、IWCを脱退するつもりではないかと、これまで取りざたされていた。
(英語記事 Japan 'to leave whaling commission to resume hunting'


幼保無償化の混乱/収束するも地域格差の恐れ
 消費税増税に合わせて来年10月に始まる幼児教育・保育の無償化を巡り、国と実務を担う市町村の交渉が迷走した末、やっと決着を見た。地方側は、無償化で新たに必要となる費用は全て国が負担すべきだと主張してきたが、国の強い要請に自らの負担をのんだ格好となった。
 一方で、地方側が無償化に難色を示していた認可外保育施設などについては、対象とする範囲を市町村の条例で定められるよう仕組みを検討する。国が地方側に譲歩した形だが、これでは住む場所によって利用者の費用負担に格差が生じる恐れがある。
 国が財政負担や仕組みを十分に検討をしないまま、無償化を推し進めたひずみがあらわになったと言っていい。関係者や保護者の中には、待機児童問題が解消されないままでの無償化に異議を唱える人も少なくない。保育を必要とする人がサービスを受けられるよう、まずは受け皿の整備を急ぐべきではないか。
 幼保無償化は、昨秋の衆院選を前に安倍晋三首相が突然打ち出した目玉政策だ。財政の健全化などに充てるはずだった消費税増税分を無償化へ振り分けることになった。
 無償化は、3〜5歳児が原則として全世帯、0〜2歳児は住民税非課税世帯に認可保育所や認定こども園の利用を無料とする。認可外保育施設や幼稚園については、上限を設けて補助する仕組みだ。
 政府は必要な費用を年8000億円と試算。消費税率が10%に引き上げられれば地方税収も増えるとして、市町村には4000億円を負担させるとした。
 だが、こうした負担割合を政府が地方に示したのは11月に入ってからだ。地方側が「負担割合の説明は一切なかった」「国が全額負担するべきだ」と反発し、混乱が広がったのは当然だろう。
 政府は再度、市町村負担を当初案より1000億円少ない3000億円とする案を提示し、地方側と合意にこぎ着けたが、「保育の質」の問題は依然として残る。
 国は無償化の対象に、保育士の数や施設面積で基準を満たさない無認可施設も含めていた。認可保育所を希望しながら入れず、やむを得ず子どもを預けている世帯に配慮しての施策だった。
 これに対し市町村は「基準を満たさない施設に公費投入はできない」と反対してきた。国と市町村は、条例で対象の範囲を定めることができるよう協議の場を設けて検討するという。
 保育の質とは無関係に無償化の対象とする国の方針には首をかしげざるを得ないが、認可外が無償化の対象から外れると待機児童のいる世帯ばかりが二重、三重の不利益を被ることになる。
 「無償化ありき」で事を急いだ混迷だろう。国は制度設計を根本的に練り直すべきではないか。


安倍首相、多くの沖縄県民の意志を無視するのはもう止めて
「(前略)これは本土の人もですね、(中略)ぜひ沖縄の方になんとか寄り添っていただきたいときょうは思いました」(TBS駒田健吾アナウンサー)
 これは14日放送した「NEWS23」での駒ちゃんの言葉。ネットサイト「リテラ」の【「NEWS23」駒田健吾アナの辺野古レポートに感動! 涙を浮かべて沖縄の苦しみと本土の無関心を訴え】という記事を見て、
(へぇ、駒ちゃん、どんなレポートしてきたんだろ)
 と思い、録画しておいた番組を見てみた。
 安倍政権が土砂投入を強行している、辺野古の特集をしていた。現地取材から帰ってきたばかりの駒ちゃんは番組内で、
「ほぼ反対派一色でした」
 と報告した。それから、少数である条件付き基地容認派の人が言っていた言葉を紹介した。
 その人は、「相手は日本政府であり、そしてその先にはアメリカ政府がある」と言っていた。しかし、子や孫の話になると涙を浮かべたらしい。
「(前略)なぜあの思い、涙を流さなければいけないのか、誰が流させているんだろうか」
 そして、駒ちゃんは自分も涙ぐんだ。
 あの思いとは、条件付き容認派の人の思いね。駒ちゃんの言うように、泣くほど厭なのだ、ほんとは。
 誰が泣かせてるって? 安倍さんだよ、安倍首相。もうやめてよ、多くの沖縄県民の意志を無視するのは。
 いいや、沖縄県民だけじゃない。このことについて、多くの国民が心を痛めている。沖縄県民と駒ちゃんを泣かせるな!
 あ、駒ちゃんと馴れ馴れしく呼んでいるのは、「金スマ」でずっとご一緒させていただいていたから。
 駒ちゃんは、正直で感情がすぐ顔に出る良いやつだ。そう思って「NEWS23」見てみ? 面白いから。悲しいニュースを読んでいるときは悲しい顔。安倍首相を番組に呼んだときは、訝しんでいる顔だった。


辺野古に土砂投入 民意も世論も「無視」か
 政府が沖縄県の米軍普天間飛行場(宜野湾市)の移設を目指す名護市辺野古で、この時期に土砂投入を開始したのには理由があるだろう。
 共同通信をはじめ、報道各社が今週初めに相次ぎ公表した世論調査結果では、共通して内閣支持率が低下して不支持の方が高くなった。
 自民党の支持率も横ばいから低下傾向。多くの論点を棚上げして改正入管難民法の成立を強行するなど、強引な国会運営が世論の反発を買っている様子がうかがえる。
 だからといって野党の支持率が目立って上昇しているわけでもない。いきおい世論調査への政府側の反応に、動じる気配は見受けられない。
 来年は春に統一地方選、夏には参院選がある。本紙記事は「(参院選まで間のある)臨時国会だからこそ突っ込んだ部分もある」との官邸関係者の言葉を伝えた。下落は織り込み済みというわけだ。辺野古への土砂投入開始も、そうした考え方の延長だろう。
 世論調査では、これもそろって政府の強硬姿勢に批判的な回答が多数を占めたが、政権が気にする様子はない。県は来年2月、埋め立ての賛否を問う県民投票を予定。結果次第で反対派が一層硬化する可能性があるだけに、「今がタイミング」との判断が働いたのは想像に難くない。
 もとより本筋は、市街地にあって米側も「世界一危険」と認める同飛行場の早期運用停止と返還にある。昨年12月には、隣接する小学校や保育園の敷地に部品が落下する事故が発生。その危険除去を願う県民世論は、辺野古移設への賛否の別にかかわらず一層高まったに違いない。
 2013年末に辺野古移設容認を表明した当時の仲井真弘多知事は、条件として19年2月を期限とする「5年以内の運用停止」を要請。政府も前向きに応じた。
 その仲井真氏を直後の知事選で破った故翁長雄志前知事の遺志を継ぎ、今秋選挙で与党支援候補に大差で勝利した玉城デニー知事が、選挙戦を通じて「まずは普天間の一日も早い運用停止」を求めたのは、仲井真知事当時の政府との「約束」が念頭にある。
 政府は来年2月の運用停止も、早ければ22年度としていた返還目標も、実現困難とする。辺野古移設計画の滞りが理由というが、このまま工事が進んだとしても、地盤改良の必要などを加味すると完成までに13年を要するとの沖縄県の試算もある。
 普天間の危険除去は、辺野古の問題とは切り離して議論を深めなければなるまい。米側も交えた対話が求められる時に、もはやその見通しも根拠も示さず「辺野古が唯一」と対立感情をあおるばかりの政府の姿勢には疑問が募る。


医学部不正入試 受験生の翻弄は許されぬ
 東京医科大に端を発した不正入試問題で、文部科学省は医学部を置く全国81大学への調査の最終報告を公表した。同校を含む9校が女子や浪人生を不利に扱ったり、卒業生の子を優遇したりするなど「不適切」な入試を実施、また1校にその疑いがあるとした。
 恣意(しい)的な合否判定で何の落ち度もない受験生たちの人生を翻弄(ほんろう)してきたことは犯罪といってもいいレベルのものではないか。10校以外にも不正がある可能性が指摘される。文科省は今回を最終報告と言わず、徹底調査すべきだ。
 自主公表を求めてきた文科省に対して、多くの大学側がためらってきたことも問題を拡大させている。来春の新入生を迎える入試シーズンに入っており、不利な扱いで不合格となった受験生の救済を合わせて公表する必要があるが、セットでの発表は一部の大学にとどまっている。
 救済策を取る大学では、来春の募集人員減は避けられず、志望者の混乱を招いている。疑いがあると指摘された1校は、文科省が第三者委員会を設置し検証するよう指導したが、拒んでいるという。今後、不正が見つかれば、再来年にしわ寄せがいくことになる。医学生らの団体は臨時の定員増などを求める1万5千人近い署名を文科省に提出しており、何らかの策が取られてしかるべきだ。
 一方、東京医大では、救済で希望者を追加合格にしたが、大学側が設けた「上限」により5人は2度目の不合格を言い渡される事態となった。本来なら来春の募集を中止してでも応じるべき筋のものだろう。
 女子を不利に扱ったことを認めたのが3校だけなのも不自然だ。文科省の調査では、女子の合格率が男子に比べて低い大学は8割近くあった。嵐が通り過ぎるのを待っているとしたら、教育機関にあるまじき姿勢と言わざるを得ない。
 不正を認めた大学の弁明にはあきれる。「女子の方がコミュニケーション能力が高い。男子を救う発想で補正した」(順天堂大)、「(卒業生の子は)確実に入学してくれる可能性が高い」(昭和大)、「大学の裁量の範囲で不適切ではないと考えた」(日本大)。社会常識では考えられない発言が相次いだ。
 一方、金沢医科大では北陸3県の高校出身者に加点していた。地方の医師不足解消にとの考えだったようだ。ならば正々堂々と募集要項に掲げるべきだった。内々にでは、やはり受験生への裏切りでしかない。
 付属病院などの過重労働をこなすためには男性医師が必要だから、卒業生の子だと高額の寄付が見込めるから、国家試験の合格率さえ高ければ何でも許されるから―そうした考えは大学側の都合にすぎず、早急に改めなければならない。
 文科省は来春の入試を注視する方針という。うみを出し切る一方で、厚生労働省などと連携して女性医師らが働きやすい環境をつくり出すことにも汗をかく必要がある。入り口だけの改善では済まされない。


ポイント還元と言われても…高齢者に配慮ゼロの増税対策
 来年度予算案の大臣折衝により、来年10月の消費税率10%への引き上げに伴う経済対策が固まった。増税前の駆け込み需要と反動減を防ぐため、2兆円もの税金を投じるわけだが、効果のほどには疑問符が付く。
 目立つのは自動車、住宅両業界への手厚さだ。大臣折衝に先立つ与党税制改正大綱でも、増税後の自動車減税と住宅ローン減税の控除期間延長を決定。計1670億円の減税となる見込みだが、さらに増税対策で「次世代住宅ポイント制度」に1300億円を、「すまい給付金」の拡充に785億円を計上する。
 両業界とも裾野が非常に広く、増税後の景気の落ち込みのマイナス効果を和らげたい気持ちは理解できる。ただ、既に自動車は各世帯に普及しており、住宅にしても、この制度を利用できるうちに前倒しして購入しようと思い立つ人は、ごくわずかだ。
 ましてや少子高齢化の時代だ。いくら負担が減っても高齢者が今から家を買うことはあり得ない。2798億円も費やす目玉政策のキャッシュレス決済によるポイント還元も、お年寄り視線がまるで欠けている。
 中小小売店で、クレジットカードなどで決済した買い物客に5%分のポイントを還元するというが、カードを所持する高齢者の数はそう多くはない。カードを持つ高齢者にとっても、ポイント制度はなじみが薄い。
 ポイントの使い方や商品との交換方法も、各カード会社によって異なる。せっかくポイントがたまっても、有効に活用する方法を問い合わせるのは面倒だし、対応するカード会社だって大変だ。増税後は大混乱が予想される。いっそ、ポイントよりも現金をよこせと言いたくなる。
 日用品に適用するはずの軽減税率の線引きも、高齢者にはチンプンカンプンだ。コンビニ弁当は持ち帰れば8%、イートインなら10%。そば・ピザは出前なら8%、店内は10%。エナジードリンクは8%、医薬部外品の栄養ドリンクは10%と、対象品目と対象外の商品が複雑すぎて、いちいち覚えていられない。
 家計の負担に配慮する目的なら、せっけんや洗剤、ティッシュやトイレットペーパー、歯ブラシにゴミ袋など、多くの日常必需品が軽減税率の対象外なのは、おかしい。電気、ガス、水道などの公共料金にも消費税率10%を適用するのは、もってのほかだ。
 小売店にしても、増税と軽減税率の導入に伴うレジなどの機材交換だけでも大変な負担だ。その上、来年は元号が改められる。さまざまなシステムの和暦表示の変換で煩雑な時期に、増税の対応まで重なればエンジニアには地獄の日々だ。
 つくづく安倍政権の国民への配慮の欠如を痛感させられる。


就労外国人 政府の生活支援策 主体性の乏しい寄せ集め
 外国人労働者を巡る政策は、出入国管理と社会統合政策が2本柱だ。前者を先行し、後者を後回しにしてきた安易な姿勢がそのまま示されたと言えよう。
 政府は、外国人材を受け入れるための総合的対応策をとりまとめた。生活支援策が中心になっている。
 改正入管法は、法務省令に内容を委ねられた部分が多く、国会で議論すべき材料が示されてこなかった。とりわけ、外国人労働者の生活支援策は法律の根幹であるべきだった。それが今回、遅れて出てきた。
 対応策は計126項目に上る。項目は大きく、医療や生活サービス、社会保障、日本語教育、雇用環境の整備などに分かれている。外国人労働者支援がいかに大きな政治テーマであるかがよく分かる。
泥縄対応の限界示した
 しかし、来年4月からの労働者受け入れありきを優先させ、体系立った政策になっていない。支援策の策定を後回しにした政府の泥縄対応の限界と準備不足が表れている。
 都道府県庁所在地など全国100カ所に「多文化共生総合相談ワンストップセンター」を設置する。約20億円の予算を充てるという。
 雇用や医療、福祉など外国人の幅広い悩み相談に対し、国の出先ではなく自治体が対応するプランは現実的だ。多言語での対応を掲げていることも理解できる。
 ただし、自治体が手を挙げれば設置が認められるのか、設置場所はどこを想定しているのかなど具体的な形が示されていないことに自治体からは懸念の声が出ている。
 多言語に対応するための人材確保策も容易ではないだろう。これまでのように自治体に対応を任せきりにすることは許されない。
 対応策の中で、とりわけ不安を抱かせるのは、日本語教育をめぐる施策の不十分さだ。
 日本人と外国人が円滑にコミュニケーションがとれる環境を作ることは、安定した暮らしを営むうえで不可欠な要素だ。災害大国である日本で安心して暮らすためにも必要だ。
 「特定技能」の在留資格を取得するためには、日常会話以上の日本語能力が求められる。そのための能力判定テストを人材受け入れのニーズが高い9カ国で実施すると対応策は記す。だが、送り出し国で試験をどうやって実施していくのか。そのシステムは説明されていない。
 受け入れ後の日本語の習得に関しても施策は不十分だ。放送大学やNHKの日本語教材、さらに夜間中学の活用などを羅列している。
 だが、既に自治体やNPOなどが取り組みを進めているものが多い。新鮮味に乏しい。
 「特定技能」の資格を取得する労働者は、相当の部分が現行の技能実習生から移行するとみられている。日本語教育にコストをかけずに済まそうとしているとすれば問題だ。一定時間の日本語講習を公的に保障する制度の導入を改めて求めたい。
共生策をもっと明確に
 全国に700校近くある日本語学校については、悪質な事業者が存在することを前提に管理の厳格化をうたっている。一方で、多くの外国人を迎え入れる以上、財政的支援によって教師の質を高めるなど後押ししていく方策を探ることも重要だ。
 126項目の生活支援策は、各省庁が出してきた政策の寄せ集めに過ぎず、十分に吟味されていない。ワンストップの相談窓口にしろ、日本語教育にしろ、どこが主体的に実施していくのかが不明確だ。
 外国人労働者との共生を実現しようとする決意も前面に出ていない。法務省が所管することの限界を示している。外国人を社会に統合させていく施策を担うのにふさわしい組織がやはり必要だ。
 増加し、滞在も長期化する外国人労働者に社会保障の手立てをどう講じていくかが今後大きな課題になる。長ければ10年にも及ぶ労働者の滞在期間のさらなる長期化も見据え、年金や医療などの制度を構築する必要がある。
 例えば「特定技能」の場合、転職した場合の保険証の切り替えなどが複雑になる。対応策を見てもこうした課題に対応し切れていない。企業の従業員が加入する健康保険の対象を海外に住む家族に適用するかどうかの法整備も次の国会に委ねられた。課題の早急な解決が必要だ。
 理念を明確にし実現するためにも、支援策を国会で議論し、立法化することを求める。


大量雇い止め 日系人は置き去りか
 シャープ亀山工場の日系外国人の大量雇い止めは、十年前のリーマン・ショックで起きた事態と重なる。政府は新たな外国人労働者の受け入れを急ぐあまり、日系人を置き去りにしてはならない。
 シャープ亀山工場では、スマートフォン部品の生産が今年に入って親会社の鴻海(ホンハイ)精密工業の中国拠点へ移った。このため三次下請け会社を通じ働いていた日系人が次々と仕事を失った。二千九百人にも及んだという。
 短期契約を繰り返す非正規雇用の雇い止めは、二〇〇八年のリーマン・ショックによる不況で社会問題になった。日本人だけでなく、多くの日系人が失業して住まいを追われ、帰国を余儀なくされる人たちも続出した。
 そもそも日系人は定住者である。一九九〇年に二世や三世の定住資格が認められて以降、南米から多くの人が全国のものづくりの街に仕事を求めてやってきた。職業に制限はなく、来年四月から人手不足のため新たに受け入れる外国人とは位置付けが異なる。
 南米からの定住者や永住者は計二十五万人ほど。正規雇用の職を得る人も増えているが、言葉の壁や子の教育など住み続ける上での課題はまだ多い。政府はリーマン後の〇九年、定住支援の取りまとめ組織を設けて共生に取り組む姿勢を示したが、具体策の多くを自治体任せにしてきた。今回の雇い止めでは、三重県が三重労働局から情報を受けながら放置する連携不足も明らかになり、問題発覚後に県は対策チームを立ち上げたばかり。十年たっても日系人が弱い立場にあることを示している。
 先の国会で成立した改正入管難民法は、人手が特に足りない産業分野で新たな在留資格「特定技能」を設け、外国人労働者を増やす目的がある。政府は、技能実習生の移行を含めアジア各地からの受け入れを想定し、正規雇用や日本人と同等の報酬など環境整備を急いでいる。日系人を含む外国人の受け入れ・共生を進める対応策は近くまとまるが、特定技能の労働者対策に偏らないか懸念が残る。
 三十年近く前に受け入れを拡大した日系人は、今も景気の波に左右されている。特定技能の受け入れとは分けて支援を考えるべきだ。既存の策で足りない面を検証し、より定住しやすい仕組みづくりを進めるべきだろう。この反省がなければ、新たな外国人労働者への対応も場当たり的となり、労働力の「調整弁」として依存する構図は変わらない。


“ルール無用”の防衛費拡大は国際法違反 有識者が緊急声明
 日本の学者や弁護士が安倍政権の“暴挙”にカンカンになっている。
 20日、青山学院大の申惠丰教授(国際人権法)と徳岡宏一朗弁護士が外国特派員協会で、防衛費の膨大な増加に抗議する声明を発表。米国から戦闘機などを“爆買い”する安倍政権に、教育費や社会保障費の充実を求めた。
 緊急声明の呼びかけ人は、憲法学者や経済学者、弁護士など18人。主に学者や弁護士で構成される賛同者は、233人(19日時点)に上っている。
 申教授らは、後年度負担による“分割ローン”払いでの兵器購入が憲法違反だと指摘。「毎会計年度の予算は国会の議決を経なければならないとしている財政民主主義の大原則(憲法86条)を空洞化する事態」だと批判した。
 安倍首相の“ルール無用”は憲法だけでなく、国際法にも及ぶという。
 申教授は、締約国に社会保障の充実を義務付けた「社会権規約」を日本が批准していることを踏まえ、生活保護費や年金受給額を引き下げている安倍政権が「社会権規約」に違反していると強調。さらに、同規約が教育の無償化や適切な奨学金制度の設立を定めていることにも言及し、「教育に対する日本の公的支出の貧弱さはこれらを守っていない」と語気を強めた。
 要するに、米国から兵器を“爆買い”して教育や福祉に予算を割かないのは、憲法と国際法違反なのだ。申教授に改めて聞いた。
「1機100億円を超える戦闘機を100機買ったり、護衛艦『いずも』の空母化を決めたり、安倍政権の政策は“タガ”が外れています。こういう予算の使い方は、憲法上も国際法上もおかしい。今後、一般の方の賛同を募り、防衛省などに直接働きかけることも考えています」
 国民は、無法者が「立法府の長」である現実をよーく分かっていた方がいい。


防衛費拡大…「戦時国債」になりかねない
★さまざまな覇権争いとその主導権を握るため、米中冷戦時代に突入かという世界の潮流に対して日本は前世代型の日中軍拡競争に突入しようとしている。政府は新しい「防衛計画の大綱(防衛大綱)」と中期防衛力整備計画(中期防)」を閣議決定した。「新しい防衛大綱と中期防には「いずも」型護衛艦に艦載機を乗せる事実上の空母化や防衛予算の増額が明記された。既に我が国の防衛思想に専守防衛はなく、中国を仮想的とした軍拡競争に突入しているといってよい。★18日、防衛相・岩屋毅は「護衛艦いずも」の空母化について「海自や空自から具体的なニーズや要請があったのではない。あくまで防衛政策上の観点からだ」とした。つまり防衛省サイドからの要求ではないと明言している。そもそも安倍内閣として2度にわたる大綱の策定を行うことが異例。防衛省は陸海空の装備が拡張、充実することはうれしい悲鳴かもしれないが、この軍拡に前向きかどうかはわからない。「空母にするよとか買ってくれるというから買ってもらうが、本来は自衛官たちの待遇改善、人材確保、それでなくともハイテク機の大量購入でメンテ要員が追い付かない」(防衛省関係者)。★防衛省が19年度予算編成で概算要求した防衛費は、過去最大の5兆2986億円(前年度当初予算比2・1%増)。防衛予算の要求額は7年連続で増額している。米トランプ大統領は「私が『巨額の貿易赤字は嫌だ』とシンゾーに言うと、日本がすごい量の防衛装備品を買ってくれることになったんだよ」と喜ぶ。当然、中国は「いわゆる中国脅威論をあおっている。強烈な不満と反対」を表明した。軍拡の余波に辺野古の米軍基地建設で、米軍を沖縄に引き留めるという思惑もあるだろう。この調子でいくとこれからの国債発行は「戦時国債」になりかねない。

原発輸出の頓挫 成長戦略にはなり得ぬ
 原発輸出が成長戦略になり得ないことはもう明らかだ。
 日立製作所が英国で進めている原発建設計画を凍結する方向となった。事業費が想定より膨らみ、出資する企業の確保が困難なためだ。年明けにも最終判断するが、現状では撤退する公算が大きい。
 日本の原発輸出を巡ってはベトナムやリトアニアでも計画撤回に追い込まれ、今月には三菱重工業がトルコでの事業を断念する見通しとなった。これにより官民挙げた輸出案件は全て行き詰まった。
 原発輸出は民主党政権が成長戦略の柱の一つに位置づけ、安倍晋三政権が加速させた。
 しかし、安全に対するコスト増や再生可能エネルギー拡大の流れの中で、ビジネスとして成立しないことはもはや疑いようがない。
 安倍政権は看板施策が事実上破綻したことを重く受け止め、原発産業の将来像と成長戦略を根本から見直すべきだ。
 日立は英原発子会社を通じ英中西部に原発2基を建設し、2020年代前半の稼働を目指していた。だが福島の事故を受け安全対策費が高騰、事業費は当初想定の1・5倍の3兆円規模に膨らんだ。
 リスクを分散するため電力会社などに出資を呼びかけたほか、売電価格を高く設定するよう英政府に求めたが、調整が難航した。
 リスクを抑えるめどが立たなければ、手を引かざるを得まい。米国の原発事業でリスクを見誤り、経営危機に陥った東芝と同じ轍(てつ)を踏んではならない。
 原発はビジネスとしての将来性が疑問視され、世界では企業の撤退が相次ぐ。17年の世界の原発新設投資は前年比で7割減った。
 理解できないのは、それでも原発輸出に固執する政府の姿勢だ。
 日立の輸出計画は政府が融資に保証をつけるなど強力な支援を約束しており、いわば「国策」だ。損失が出れば国民負担が生じかねず、国が高いリスクを肩代わりすることに理解は得られまい。
 そもそも、福島で事故を起こし、その原因も未解明なのに、海外に原発技術を売るのは無責任だ。
 国内での新増設が難しい中、海外展開で技術や人材を維持するのが政府の原発戦略だが、そうまでして維持すべきかは疑問である。
 国内では再稼働を見込めぬ老朽原発の廃炉が相次ぐ見通しだ。国や原発産業が取り組むべきは、そのための技術開発や人材確保を急ぎ、廃炉に道筋をつけることだ。
 政府は現実を直視し、原発輸出の旗を降ろすしかない。


原発輸出の頓挫 政策を根本から見直せ
 日立製作所が英国での原発建設計画を凍結する方向となった。東京電力福島第1原発事故の影響で安全対策の強化から事業費が巨額に膨らみ、資金確保と採算の見通しが立たなくなったためだ。
 安倍晋三首相が成長戦略の目玉の一つに掲げて推進してきた原発輸出だが、ほかの国への輸出計画は既に頓挫していた。これで全ての案件が暗礁に乗り上げることになる。
 世界的に強まっている原発への逆風が響いたのは間違いなかろう。政府は厳しい現実を重く受け止め、政策を根本から見直す必要がある。
 計画では、日立の子会社が英中西部で原発2基を建設し、2020年代前半の運転開始を目指している。ところが当初2兆円と見込んでいた事業費が3兆円にまで膨らみ、出資企業の確保がままならなくなった。採算の鍵を握る電力買い取り価格を巡る英政府との交渉も思ったように進んでいない。
 日立の中西宏明会長は今週、経団連会長としての会見で「もう限界だと英国政府に伝えた」ことを明らかにした。事業継続を望む英側に条件面での譲歩を迫ったようだが、現状のままでは撤退する公算が大きい。
 成長戦略としての原発輸出はもともと、旧民主党政権下で掲げられた。12年末に安倍首相が政権に返り咲くと、さらに積極的な姿勢を打ち出した。業界と歩調を合わせて、インドやトルコなどへのトップセールスにも取り組んだ。
 そこまで前のめりになったのは原発産業を支える思惑があったに違いない。福島の事故後、国内での原発の新増設に見通しが立たなくなり、苦境に立たされた業界は原発推進を維持する国々への輸出に活路を求めた。技術と人材を継承するため、政府も積極的に後押ししてきた。
 だが、民主党政権時代も含めて、実現したプロジェクトは皆無である。原発への視線が厳しさを増している上、巨額な事業費が立地国の財政を圧迫しているためだ。見通しが甘かったと言わざるを得ない。
 日本企業の受注が決まっていたリトアニアやベトナムでは計画が撤回され、今月には三菱重工業がトルコで進める計画を断念する方向と伝えられた。
 中西氏は、海外で見直しが相次ぐ原発事業について「民間の投資対象として難しくなった」と会見で指摘した。原発建設に伴うコストやリスクの増大によって、もはや民間主導では手に負えなくなっているのだろう。
 東芝は米国の原発建設の中止・中断で経営危機に陥り、海外の原発事業から撤退した。台頭する中国やロシアとの価格競争でも、日本は後れを取っているとされる。海外市場に依存する原発ビジネスが行き詰まっている。
 福島の事故の原因究明は道半ばで、廃炉作業も見通せない。老朽化する国内の原発も「廃炉の時代」を迎える。そうした廃炉を担う人材の育成と技術の確立こそ急務ではないか。
 脱原発と再生可能エネルギーへの転換は世界の潮流になりつつある。それに逆行するような政策に固執している場合ではない。原発を「重要なベースロード電源」と位置づけるエネルギー政策全般について見直す議論を始める時である。


NHKが“森友スクープ記者”告発本に卑劣攻撃! 圧力暴露を「虚偽」「ルール違反」とイチャモン恫喝、内部では口止め会議
 あの“森友スクープ記者”相澤冬樹氏が上梓した著書をめぐり、さっそく、古巣のNHKが“攻撃”を展開し始めた。
 本サイトでも“NHKの政権忖度人事”とお伝えしたように、相澤氏はNHKの記者として森友問題発覚当初から継続して取材にとりくみ、スクープを連発してきた敏腕記者。ところが今年5月の局内人事の内々示で、本人の「記者を続けたい」という希望を無視するかたちで考査部への異動を告げられ、8月にNHKを退社。現在は大阪日日新聞に転職し、記者活動を続けている。
 その相澤氏が、今月13日、森友問題をめぐるNHK内部の“圧力”などを暴露したノンフィクション本『安倍官邸vs.NHK 森友事件をスクープした私が辞めた理由』(文藝春秋)を出版したのだが、これに対して、NHKは19日の定例会見で、同書と相澤氏を公然と批判したのである。
 定例会見では、担当の編成局計画管理部長がNHKのコメントとして「主要な部分において虚偽の記述が随所に見られる上、未放送原稿を規則に反して持ち出し、加工した上で公表もしており、極めて遺憾である」と発表。さらに、「記者が守るべきルールを守っていないということを鑑み、必要に応じて対応を検討していく」としたのだ。
「必要に応じて対応を検討」などと言っているが、これは暗に訴訟をチラつかせた圧力としか言いようがない。しかも、NHKは相澤氏の著書のどの部分が「虚偽」と主張しているのかさえ明かしていないのだ。こんなことが許されるのか。
 本サイトは20日、すでに新聞等が報じている19日定例会見の内容について、あらためてNHKに問い合わせ、相澤氏の著書のいかなる具体的記述が「虚偽の記載」や「記者が守るべきルールを逸脱」にあたるのか、その理由も含めて質問した。しかし、同日夜、NHK広報部からファクスで送られてきた返答は〈取材や制作に関することにはお答えしていません〉の一点張りだった。
「虚偽の記述」などと公然と批判しながら、一切具体的なことを言おうとしないNHKの姿勢は、あきらかにおかしい。裏を返せば、相澤氏の著書には、NHKがここまで隠し通さねばならないような、核心をついた記述があるということではないのか。
 実際、同書では、相澤氏が「記者を外された」顛末以外にも、いびつとしか言いようがないNHK内部の圧力や軋轢が描かれている。
 たとえば、森友問題のNHKでの第一報をめぐる“2本の原稿”。これは2017年2月8日、木村真・豊中市議が売却された国有地の金額について情報公開請求をしたのに、開示されなかったことは不当であるとして記者会見したことを報じたもの。同書には、記者会見を取材した相澤記者による〈元の原稿〉と、これを当時の司法担当デスクが〈書き換えた原稿〉が紹介されている。
 実は、相澤記者の“元原稿”には、本文の早い段階で、問題の土地に建設中の小学校の名誉校長に安倍昭恵夫人が就任することが、地の文で記されていた。ところが、“デスクが書き換えた原稿”からは、昭恵氏に関する記述が本文の最後に追いやられ、しかも、木村市議の発言として、すなわちカッコつきに直されているのだ。これはどういうことなのか。相澤氏は同書でこう説明している。
〈現場のYデスクの判断で当たり障りのない原稿に書き換えたのである。Yデスクは私に言った。「この時点で昭恵夫人の名前をリードから出すのはちょっと……木村市議が語った言葉にすれば、差し支えないかと……」視聴者にわかりにくくなろうが構わない。というより、わかりにくくなった方がいい。まさに「忖度原稿」だ。〉(『安倍官邸vs.NHK』)
 行政のトップ・総理大臣の夫人である昭恵氏の名前こそ“トップバリュー”であることは、報道に身を置く者なら誰しもが理解できるはずだ。にもかかわらず、NHK内部ではそれを微妙に弱めようという動きがあったというのである。しかも、この“NHKの第一報”は不可解にも全国放送にまわされず、関西でストップされたのだ(結果、森友問題はその翌日の朝日新聞朝刊の報道で全国的に知られることになる)。
渾身スクープを飛ばした夜、局上層部から「将来はないと思え」と怒りの電話
 政権に対する忖度としか思えないが、さらに相澤氏は、局内上層部からの“圧力”を赤裸々に明かしている。たとえば、昨年7月26日の『NHKニュース7』で報じられた相澤記者のスクープ。これは、近畿財務局の担当者が森友側に、国有地の購入価格について「いくらまでなら支払えるか」と、購入可能な金額の上限を聞き出していた、という事実を伝える内容。それまで「森友側との事前交渉は一切なかった」と強弁してきた財務省のウソ、佐川理財局長(当時)の虚偽答弁を暴く特ダネで、すべての大手マスコミが後追いに走った。しかし、その渾身のスクープ当日の夜、NHK局内では──。
〈ところがその日の夜、異変が起きた。小池報道局長が大阪のA報道部長の携帯に直接電話してきたのだ。私はその時、たまたま大阪報道部のフロアで部長と一緒にいたので、すぐ横でそれを見ていた。報道局長の声は、私にも聞こえるほどの大きさだ。「私は聞いてない」「なぜ出したんだ」という怒りの声。〉(前掲書)
 この「小池報道局長」というのは、政治部出身で安倍官邸とも強いパイプを持つとされる小池英夫氏のこと。国会でも取り上げられたように、森友問題関連のニュースで現場に細かく指示を出しているのは周知のとおりで、局内ではその頭文字から「Kアラート」なる異名がついている。相澤氏の著書によれば、小池報道局長からの大阪の報道部長への“怒りの電話”は、いったん切れてもなんども繰り返しかけてきたという。
〈最後に電話を切ったA報道部長は、苦笑いしながら言った。
「あなたの将来はないと思え、と言われちゃいましたよ」
 その瞬間、私は、それは私のことだ、と悟った。翌年6月の次の人事異動で、何かあるに違いない……。〉(前掲書)
 さらに、8億円値引きの根拠としたゴミ撤去費用をめぐり、財務省理財局職員が森友側に「トラック何千台も使ってゴミを撤去したと言ってほしい」との“口裏合わせ”を求めていたことをすっぱ抜いた特ダネも、なかなか放送させてもらえなかったという。財務省がいかに“森友ありき”で行政を歪めたかを示す決定的なスクープのひとつで、今年4月の『ニュース7』で報じられたのだが、このときもあわや“見送り”になりかけていたというのだ。
 そもそも相澤記者は、このネタをまず、所属する大阪のデスクではなく、森友問題の取材で協力してきた東京社会部の「Xデスク」と相談。するとXデスクは「大阪のデスクに言ったらすぐに(小池)報道局長に伝わってしまう。そうなると、なんやかんやと介入されてネタを潰されてしまいます」という。そこで、Xデスクの上司である「K社会部長」が小池報道局長と駆け引きをしつつ、相澤氏は取材を続けることになった。
 その後、相澤記者は完全な裏取りを成し遂げ、あとは4月4日の『ニュース7』と、同日に森友問題の特集を予定していた『クローズアップ現代+』の放送を待つ段階だった。ところが、放送予定当日の夕方、Xデスクから「放送が出せないかもしれません」という焦りの電話がかかってきたのだというのだ。
『安倍官邸vs.NHK』をめぐり、“Kアラート”報道局長が会議で…
「民進党(当時)のO議員がなぜか永田町で『きょうNHKが森友の特ダネを出すから見ろ』と言って回っているらしいんですよ。そのことが政治部を通して報道局長に伝わって、局長が『野党に』情報が漏れていると激怒しているんです。今、(K)社会部長が懸命に説得していますから、ちょっと待ってください」
 結果として、放送開始10分前にXデスクから再び電話が入り、なんとか『ニュース7』で報じられた。しかし、これだけの特ダネにもかかわらず、トップではなく、なんと6番目の扱い。「東京で初夏日観測」という話題よりも後ろだった。それだけではない。その日の『クローズアップ現代+』には、結局、この特ダネは使われなかったのだ。相澤氏はXデスクから電話でこう告げられたという。
「クロ現にはこのネタは入りません。O議員が『ニュース7にもクロ現にも出る』と言っていたので、(小池)報道局長が『野党議員の言うままに放送できるか!』ということで、クロ現での放送は流れました」
 このように、相澤氏の著書には、不可解にスクープを弱められたり、上層部からの圧力が相次いだことが克明に記されている。
 しかし、前述のとおり、NHKは今回、同書に対して「虚偽の記述が随所に見られる」などと異例の攻撃を展開した一方、定例会見でも具体的な記述については一切触れず、本サイトの取材に対しても「お答えしていない」と突っぱねるだけだった。なぜなのか。NHK関係者が声をひそめる。
「どこが『虚偽』だなんて具体的に言えるわけがないんです。実は、相澤さんの本については、発売日の13日に報道局の編集会議で取りあげられていて、小池報道局長の『私の意向で報道内容が恣意的に歪められたことはない』という発言に続き、例の『虚偽の記述が随所に見られる』という発言があったんです。しかも発言したのは他ならぬ、本で、特ダネを出すために小池報道局長と駆け引きをした『K社会部長』とされている人。いまはその上の編集主幹というポストです。当然、相澤さんと一緒に仕事をし、苦楽をともにしてきた同僚は、小池報道局長からの圧力などを身をもって知っている。でも、組織の人間ですから……。上司から詰められて『はい、本の内容は事実です』とは口が裂けても言えない。編集主幹(元社会部長)の発言も、そう言わざるを得なかったんでしょう。会見で述べた計画管理部長のコメントはそれを繰り返しただけ。がんじがらめですよ」
 巨大組織の同調圧力──。そのNHKの内情こそが、政治権力を忖度した上層部を、現場が忖度するという“負の連鎖”を生んでいる。こうした体制から変わらなければ、政権にマイナスな報道はどんどん“自粛”されていくばかりだ。なにが「公共放送」か。NHKを辞めざるをえなかった一人の記者の話ではない。このままでは、わたしたちの「知る権利」は完全に闇に葬られてしまうだろう。


河北春秋
 <一戸建 手が出る土地は 熊も出る>。バブル景気時代の1990年、第一生命保険の企画「サラリーマン川柳」で詠まれた句である。3年後の出品作は<御取り引き バブルはじけて お引き取り>。川柳は世相を反映する▼アベノミクスで株価が上昇した近年はどうか。2014年の作品は<小遣いの 異次元緩和 未(いま)だなし>。サラリーマンの悲哀は変わらない▼茂木敏充経済再生担当相が12年12月から続く景気拡大期間が今月で73カ月に達し、00年代の戦後最長記録と並んだ可能性が高いと表明した。始まりはアベノミクスの開始とほぼ同じ。来月まで続けば最長になるが、実感がないサラリーマンが大半ではないか▼厚生労働省の調査によると、昨年の物価の影響を考慮した実質賃金は減った。社会保障の負担は増大。財布のひもは固い。そんな中、麻生太郎財務相は賃金が上がらない状況について「上がっていないと感じる人の感性の問題」と発言した。庶民感覚と無縁の人なのだろう▼アベノミクスを麻薬のモルヒネに例える有識者もいる。モルヒネは痛みを抑える一方、副作用が伴う。政治学者の中島岳志さんは「漢方薬で10年、15年かけて体質改善することが大切」と語る。モルヒネを使いすぎて感覚がまひしないか心配になる。

北朝鮮か? マスコミが安倍首相のPRに乗っかり“おじいさまの岸信介も北方領土2島返還と改憲に取り組み文書”と大報道!
 安倍首相にとって「悲願」たる改憲案提示と対露領土問題にかんし、あまりに露骨な行動に出た。19日に外務省が外交記録文書22冊を公開したが、メディアが大々的に報じたのは、こんなシロモノだったからだ。
「1960年、岸信介首相とアイゼンハワー米大統領との会談前資料に〈最近国内に歯舞、色丹プラスアルファをもって解決し、平和条約を締結すべきであるとの議論が一部にみられる〉と記述されていた」
「1957年、岸信介首相はアイゼンハワー大統領との会談を控え、憲法改正に向けて具体的な構想を抱いていた」
 つまり、安倍首相が「北方領土の4島一括返還」を断念して新たに振りかざしはじめた「2島プラスアルファ」論も、憲法改正も、「もともと日本政府にあった考え」だというのである。
 そもそも、1956年の「日ソ共同宣言」では平和条約締結後に北方4島のうち歯舞、色丹の2島引き渡しが明記されていたのだから、国内に2島先行返還論があったとしても不思議はない。また、強固な自主憲法制定論者だった岸信介が総理大臣就任で改憲の具体的な構想をもっていたのは当然の話だろう。
 ようするに、「だから何?」という話でしかないのだが、これをメディアは「新事実」と言わんばかりに報道。NHKにいたっては、『NHKニュース7』でわざわざ幼少の安倍晋三を抱きかかえる岸信介の映像を流し「こちらは幼いころの安倍総理大臣、そしてこちらは岸信介元総理大臣です」と紹介してから、岸信介の改憲構想を伝えるという、まるで北朝鮮国営放送のような露骨さだった。
 外交記録文書の公開によって、「2島プラスアルファ」「憲法改正」の正当性を国民にメディアを通して刷り込みたいという安倍政権の思惑がありありと伝わってくる。
 とくに、安倍政権は北方領土解決を“政権浮揚”のための最大課題と位置づけており、今回の外交記録文書の公開は、2島返還を進めるための世論の地ならしが目的と考えて間違いないだろう。
 対アメリカや対中国、対北朝鮮と失策ばかりの安倍首相にとって、外交でアピールできる手立てはもはやロシアとの領土問題しかない。こうしたなかで、安倍首相はこの「2島プラスアルファ」論を自身の「外交の手柄」にしようと必死なのだ。
 しかし、言っておくが、「2島プラスアルファ」論というのは、手柄にできるようなものではない。仮に実現したとしても、おそらくまったく割に合わない膨大な経済支援を約束させられるのは必至だが、それ以前に、実態は「0島返還」という、世紀の大失敗外交になる公算が高い。
 実際、11月の日露首脳会談後、安倍首相は「日ソ共同宣言が基礎」と強調し、歯舞、色丹の2島返還にプーチン大統領が前向きであるかのように印象付けようとしたが、対するプーチン大統領は11月の日露首脳会談の翌日には、さっそく2島について「宣言で、主権がどちらになるかは記されていない」と発言。主権を保持しつづける姿勢をすでに匂わせている。
 そして、最大の障壁は、2島の米軍駐留の問題だ。プーチン大統領は2島を返還したあとに日米安保条約などに基づいて米軍基地が設置されることを警戒。〈これまでの会談で、北方領土を日本に引き渡した場合にアメリカ軍の基地を置かないことを安倍総理大臣とトランプ大統領の間で公式な文書で合意し、確約するよう求めている〉という(「テレ朝news」11月14日)。そして、日本政府も文書での合意に「米国は同意しない」とみている(毎日新聞12月3日付)。
 安倍首相は「北方4島の非軍事化」といった口当たりのいい提案をしているが、安倍首相がトランプ大統領を相手に「基地を置くな」などと主張できるはずがあるまい。
 プーチンは辺野古問題もちだし「米軍基地を日本が決められるのか」
 しかも、ロシア国防省は択捉島と国後島に新たに軍人用の集合住宅計4棟を建設し、「択捉と国後では軍事施設や住宅、学校など200以上の新築や改修が計画されている」と発表したばかり。北方領土の軍事拠点化は進む一方で、安倍首相の提案を勘案している気配はまったくない。
 さらに、プーチン大統領は昨日おこなった年末会見で、辺野古の新基地建設に「知事が基地拡大に反対しているが、何もできない。人々が撤去を求めているのに、基地は強化される。みなが反対しているのに計画が進んでいる」と言及し、「(米軍基地は)日本が決められるのか、日本がこの問題でどの程度主権を持っているのか分からない」「平和条約の締結後に何が起こるのか。この質問への答えがないと、最終的な解決を受け入れることは難しい」と述べたのだ(朝日新聞デジタル20日付)。
 言論弾圧や人権侵害をやり放題のプーチンは、辺野古新基地建設の強行にどうこう言えるような人物ではないが、たしかなことは、領土問題にかんし、安倍首相は完全にプーチンに足元をみられているということだろう。
 打開策も解決策もないこのような状態で、2島返還など夢のまた夢──。一体、これのどこが「外交成果」「安倍首相の手柄」になるのか、さっぱり意味がわからないが、恐ろしいのはこのあと。なんと、安倍首相は「2島返還について国民に信を問う」と謳い、来年、衆参同時選挙を目論んでいると囁かれているのだ。
「最近の世論調査でもロシア国内で北方領土返還に反対するロシア人は7割を超えており、プーチンが2島返還に応じることはまずない。でも、さらなる経済協力を日本から引き出したいプーチンは、安倍首相に恩を売るため、進展しているフリはしてくれるはず。安倍首相にとっては改憲に向けて衆参で3分の2をがっちり固めるためにも、『領土問題を解決できるのは安倍首相しかいない』という空気を利用したがっている」(大手紙政治部記者)
 絵空事の領土返還を安倍官邸が振りまき、今後、さらに「安倍首相しかいない」というプロパガンダは強化されてゆくだろう。今回の外交文書の公開は、その一環でしかない。そして、メディアの無批判な報道を見ていると、衆参同時選挙に雪崩れ込むという噂に背筋が寒くなるのである。


よくぞ10年「橋下行革の焚書許さず」
 戦前のメーデーの写真があった。ジグザグデモの隊列だった。密集した隊列で道路を占拠して進むのは違法だから、この後、警察当局と衝突したはずだ。労働者と経営・権力側が本来、どのような関係であるのかを、その1枚が示していた。
 戦後、1979年のメーデーの写真は別世界のようだ。デモの先頭は大阪総評議長も務めた中江平次郎、その右に大阪府知事の岸昌、左に大阪市長の大島靖。みな、たすきをかけ、笑顔も見える。それから40年。今、労働運動はどこに歩み来ったのか。これからどこに向かうのか。写真を前に立ち止まり、考える。
 大阪市中央区の天満橋駅近くにある府立労働センター4階に、労働運動や社会運動の資料を大量に所蔵する図書館がある。大阪産業労働資料館、通称「エル・ライブラリー」。エルはLabor(労働)の頭文字。今年、開館10周年を迎えた。
 明治期からの資料を集めているのに開館10年とは、ずいぶん歴史の浅い図書館だと思われるかもしれない。一方で、開館のいきさつを知る人は「よくぞ10年続いた」という感慨を禁じ得ないはずだ。
 エル・ライブラリーの前身は、府労働情報総合プラザと大阪社会運動協会(社運協)資料室。プラザは2000年、府直営から社運協の運営委託となり、エル・ライブラリーの現館長、谷合佳代子さんが責任者として、社運協資料室と一体で運用してきた。訪れる人本位の運営を心がけ、受託から8年で利用者を4倍にしたが、橋下徹府知事の「行革」に吹き飛ばされる。08年8月、プラザは廃館、4万4千冊の蔵書を廃棄という計画が強行される。
 その嵐の中で、谷合さんは「焚書は許さない。資料は守る」と決意していた。蔵書を引き取って2カ月後、エル・ライブラリーとして再出発する。
 プラザは府から委託料と助成金を年間計2200万円受けていたが、ゼロに。谷合さんと館長補佐の千本沢子さんはサポート会員を募集して会費を集め、会員が持ち寄った古本や古道具も売る。大阪マラソンでは谷合さんが「エル・ライブラリー」と書いたTシャツを着て走り、PRした。自称「日本一貧乏な図書館」。だが、谷合さんと千本さんに暗さはみじんもない。
 既に「大阪社会労働運動史」全10巻の最終巻の編集に着手し、5年後の刊行を目指している。1981年から始まった遠大な企画が、40年をかけて締めくくりを迎える。最終巻は21世紀の20年を対象とする。これほど大部の地域社会運動史はほとんど例がない。1巻から立ち会ってきた谷合さんは「それ自体が一つの歴史です」と話す。
 10周年記念の会で第10巻の編集委員、玉井金五・愛知学院大教授がその意義について講演した。中で紹介された第1巻の序文。「複雑な運動の構成にかかわらず、それらの運動を貫く一本の赤い糸として、大阪の『現実主義』がある」。運動が複雑な構成を示したのは、戦前の大阪が、日本の中で最も急速に工業化や都市化が進み、そこに在日韓国朝鮮人、被差別部落、日雇い労働の問題などが輻輳していたことによる。
 記念の会での谷合さんの言葉が心に残った。
 「私たちの使命は有名・無名の人々の記録を残すことです。記録というのは一次資料、ここにしかないものです。そうした記録は『残す』という強い意志がなければ決して残らない。誰かが必ず残すと決意してシステムを作らないと、ほっといたら必ずなくなります。私たちはそうした記録を残し続ける決意で仕事を続けていきます。集めてきた大阪の社会運動のすべての記録、アーカイブズを未来に伝えていきたい」 (47NEWS編集部、共同通信編集委員佐々木央)


『東京オリ・パラのボランティア』都立高校生に強要!応募用紙配って「全員書いて出せ」
東京オリンピック・パラリンピックの都市ボランティアの応募がきょう21日(2018年12月)に締め切られた。おとといまでは目標の2万人に達していなかったが、なぜか19日になって2万8000人の増え、目標を大幅に超えた。
どんなカラクリがあったのか。「モーニングショー」が調べると、東京都教育委員会が10万枚の応募用紙を都立高校に配布し、半ば強制的に生徒たちに応募を強いた疑いが出てきた。SNSには「『とりあえず全員書いて出せ』って言われたんだけど、都立高校の闇でしょう」と書き込みがあり、東京都の都市ボランティア申し込み用紙が公開され、ネットで一気に拡散した。
都立高校の生徒たちは、「最初は『自由参加だよ』と言われたのに、あとになって、『みんな出してね』と強制的になってきた」「ノルマもあった」と話している。
締め切り前日に突然の目標達成
東京オリパラのボランティア活動は、競技場で直接運営に携わる大会ボランティアと東京都が募集して空港や駅で道案内などを行う都市ボランティアがある。大会ボランティアは目標の2倍に達する16万人の応募があったが、都市ボランティアは締め切り2週間前になっても目標に届かなかった。そこで締め切り日を延期して、東京都教育委員会が10万枚の応募用紙を都立高校の2、3年生を対象に配布したという。
東京都の元東京五輪招致担当課長だった鈴木知幸氏は「応募数がかなり少なく、しかも50歳以上に偏っていた可能性があります。夏場の炎天下での業務が予想されるので、若い高校生を確保したかったのではないか」と話す。
オリンピック時は大学受験の夏季講習シーズン
長嶋一茂(スポーツプロデューサー)「VTRを見る限り、強制力感は感じますよ。『全員出してね』は、イコールボランティアをやりなさいということだもの」
玉川徹(テレビ朝日解説委員)「(東京五輪招致を)本当は国民が求めていないのに、ムリヤリにやろうとしていた感じが最初からあったし、ボランティアにもなんとなくムリヤリ感を感じますよ。大会ボランティアに16万人の応募があったというが、4割は外国人というじゃないですか」
都立高校の2、3年生が対象ということは、オリンピックの時にはすでに卒業しているか、大学受験勉強の夏季特訓の時期じゃないのかな。直前になって辞退が相次ぐのは目に見えている。


特別背任容疑でゴーン再逮捕…特捜部“ムリ筋捜査”の自滅
 特捜部の“大ギャンブル”に勝算はあるのか──。東京地検特捜部が21日午前、日産前会長のゴーン容疑者を会社法違反(特別背任)の疑いで再逮捕に踏み切った。東京地裁は前日、役員報酬を巡る有価証券報告書の虚偽記載容疑について、地検が申請した勾留期間延長を却下。ゴーン容疑者は21日にも保釈される見通しだったが、地裁の異例中の異例な判断に“抗議”にする形で、特捜部は本丸のゴーン容疑者の特別背任に切りこんだ。
 再逮捕容疑は、2008年10月ごろ、投資で生じた約18億5000万円の損失を負担する義務を日産に負わせた疑い。ただ、拘留期間の延長について、地裁は「これ以上身柄を押さえる理由はない」と結論付けたはずだった。20日夜、「地裁の判断は事実上の捜査終了勧告でしょう」と語ったのは、元特捜検事の郷原信郎弁護士だ。こう続けた。
「これまで、国内の事件で検察がいかにムチャな要請をしても裁判所は大方、認めてきました。今回のような特捜案件で、裁判所が検察の要請を却下するなど、聞いたことがありません。検察にとっても衝撃だったでしょう。そもそも、有報の虚偽記載という同様の容疑なのに、なぜ2011年からの5年分と直近3年分に分けて逮捕する必要があったのか。直近3年分についての容疑を再逮捕用として、“リザーブ”していたのなら、不当な身柄拘束と見られても仕方ありません。そんな不合理な勾留継続を国際社会から批判されることを恐れ、地裁は却下したのではないでしょうか」
 そんな国際批判の高まりを尻目に、特捜部はゴーン容疑者の再逮捕に踏み切ったのだ。勝算ナシの見切り発車ならば、単なる暴走。メンツを守るために、ゴーン容疑者をひたすら拘置所に閉じ込めただけとなる。
「日産にとって財産上の不利益が生じたことを立証できないと、ゴーン氏を特別背任に問うのは難しい。これまでメディアに指摘されてきたカネの使途が、日産に大きな損害を与えたとは言い切れません」(郷原信郎氏)
 元“最強の捜査機関”は欧米を中心とした海外メディアから、さらなるバッシングを浴びるのは必至だ。「人質司法」への反感の高まりによって、日本が国際社会から孤立しかねない。


「松橋」無罪へ 証拠の全面開示を進めよ
 熊本県の松橋(まつばせ)事件で服役した宮田浩喜さん(85)について、確定した殺人罪の再審無罪が確実となった。
 検察側がきのう、有罪の立証を断念すると表明した。最高裁で確定した再審開始に向け、裁判所、弁護団と開いた協議で明らかにした。
 遅きに失したとはいえ、とかく無謬(むびゅう)性に固執するとされる検察の姿勢を、あえて「英断」として評価したい。その上で、無実を訴えた宮田さんの人権を踏みにじってきた国家権力の罪の重さを問いたい。
 刑事裁判の大原則は「疑わしきは被告人の利益に」という理念であることを、改めて確認する必要がある。審理では検察側に立証責任が負わされる。
 再審請求審では、宮田さんが凶器の小刀に巻いて使った後に「燃やした」としていたシャツの布片が現存していたことが、再審決定の大きな柱となった。弁護側の請求で熊本地検が開示した証拠約100点の中から見つかった。
 逮捕当初、犯行を認めた宮田さんの自白について、福岡高裁は「犯人ではないのに取り調べで追い詰められた可能性は十分にある」とも踏み込んだ。
 自白偏重の捜査は冤罪(えんざい)の温床にもなる。検察は有罪立証のため「ベスト・エビデンス」(最良証拠)という考えに基づき証拠を示す。証拠を絞ることで訴訟が円滑に進む利点があるからだ。一方で、検察が描いたストーリーに合わない証拠は伏せられる危険性もはらんでいる。
 そうした反省から、裁判員裁判などでは、被告側の求める証拠が一定の範囲内で開示されるようになった。松橋事件が教訓として突き付けているのは、もう一歩進めた全面開示の原則だろう。証拠は公共の財産であることを忘れてはならない。
 検察は最高検を頂点にした巨大組織である。起訴事件の有罪率は99%とされる。その自負からか、かつて大阪地検特捜部は証拠改ざん事件を引き起こし、国民の信用を失墜させた。
 冤罪の防止は、捜査当局だけではなく司法界全体の切実な課題であるはずだ。冤罪事件が起きれば、真犯人は自由の身のまま再犯に走る恐れさえある。社会正義に著しく反する。
 松橋事件は再審制度の在り方も問うている。宮田さんの有罪確定から既に30年近くが経過している。再審請求審で地裁、高裁が開始を決めても検察が抗告し最高裁に判断が委ねられた。
 再審開始の決定が出たら速やかに再審に移る原則の構築を改めて提案したい。有罪か無罪かは再審の場で決めることだ。審理を指揮する裁判所の姿勢が問われることは言うまでもない。


八坂神社「おけら酒」中止 京都、外国人客増で安全確保困難
 八坂神社(京都市東山区)で大みそかの「おけら詣り」の際に参拝者に提供してきた「おけら酒(しゅ)」が、今年は中止されることになった。理由は外国人観光客の急増。振る舞いを受けようと並ぶ人々が南楼門の外まで長蛇の列をつくるようになり、「参拝者の安全を確保できない」と中止を決めた。
 八坂神社では毎年、31日午後7時に除夜祭を行ったあと灯ろうに火をともし、神火の授与が始まる。おけら酒もその際に境内の一角で振る舞っていたが、3〜4年前から外国人を中心に観光客が増え始め、数百メートルの列が境内の外まで続く傾向が続いていたという。
 大みそかは神職らも多忙のため行列の見守りも難しく、また、一度杯を受けた人が再度列に並ぶなどマナー面でも問題が多いことから、今後のおけら酒の提供中止を決定した。祈祷を申し込んだ人が神事の後に「直会(なおらい)」として受ける神酒は例年通り続けるといい、同神社では「心静かに年越しの参拝をしてもらえたら」としている。


京都 東寺で「終い弘法」
京都にある弘法大師ゆかりの寺、東寺で、1年を締めくくることし最後の縁日、「終い弘法(しまいこうぼう)」が開かれ、正月用の飾りや食材などを買い求める人たちでにぎわいました。
世界遺産に登録されている京都市南区の東寺では、平安時代にこの寺を道場とした弘法大師の月命日にあたる毎月21日に縁日が開かれ、中でも1年を締めくくる12月の縁日は、「終い弘法」と呼ばれ、親しまれています。
1200余りの露店が並ぶ境内では威勢のいいかけ声が響き、買い物客はかずのこや餅、漬物といった正月用の食材を品定めしながら買い求めていました。
また、来年のえとのいのししの置物や松、しめ縄など、正月用の飾りも並べられ、境内は師走のにぎわいにあふれていました。
滋賀県の74歳の女性は、「正月用の花を買いました。正月は子どもたちと一緒に食事をするのが楽しみです」と話していました。
また、大阪府の81歳の男性は、「漬物を買いました。ことしは1月にひとつきほど入院しましたが、来年は、平凡で事なき年になるよう願っています」と話していました。

お線香買って悲しく/合格の報告/ゆうパック

ブログネタ
フランス語 に参加中!
Fig_a_25

Le Japon pourrait se retirer de la Commission baleinière internationale
Le gouvernement japonais étudie la possibilité de sortir de la Commission baleinière internationale (CBI) dans le but d'échapper à ses règles et de relancer la pêche commerciale à la baleine, a-t-on appris jeudi.
≪ Nous regardons toutes les options ≫, dont celle du retrait de la CBI, a déclaré à l'AFP Yuki Morita, un responsable de l'Agence des pêches.
≪ Rien n'est encore décidé, mais tout est étudié ≫, a confirmé un fonctionnaire du ministère des Affaires étrangères.
Les deux ont insisté sur le fait que la position officielle n'avait pour l'heure pas changé, tout en rappelant que le Japon avait menacé de sortir de la CBI dès septembre dernier, quand la Commission s'était opposée à sa demande de reprendre la pêche commerciale.
Le 15 septembre, la réunion de cette instance s'était achevée par le rejet du texte phare porté par le Japon, intitulé ≪ Le chemin à suivre ≫.
Il visait à mettre en place une double voie au sein de la CBI, instance de 89 pays membres, afin de faire coexister la préservation et la chasse commerciale des baleines. Cette dernière aurait été gérée par un ≪ comité de la chasse à la baleine durable ≫.
La proposition aurait aussi mis fin au moratoire sur cette activité mis en place en 1986.
Mais les pays défenseurs des baleines, conduits par l'Australie, l'Union européenne et les Etats-Unis, ont torpillé le texte nippon, par 41 voix contre 27.
Le vice-ministre japonais de la Pêche, Masaaki Taniai, avait alors vivement regretté le résultat du vote et brandi l'option ultime de quitter la CBI.
D'après l'agence de presse japonaise Kyodo, la décision de partir ou de rester sera officiellement prise avant la fin de l'année.
En cas de retrait, il faut s'attendre à coup sur à de vives critiques de l'étranger et un nouveau front entre les détracteurs et défenseurs de la pêche aux cétacés, que les Japonais, notamment la frange nationaliste, considèrent comme une importante tradition nippone.
Le pays s'abstiendrait cependant d'aller chasser dans les eaux de l'Antarctique. Il se contenterait d'attraper des baleines dans les mers à proximité de l'archipel, indique Kyodo.
Le Japon est signataire du moratoire sur la chasse à la baleine décidé en 1986 par la CBI, mais il utilise une faille du texte qui autorise la chasse aux cétacés pour des recherches. La chair de baleine finit cependant sur les étals des poissonniers.
S'il est exact qu'elle a constitué une salvatrice source de protéines dans les années de l'immédiat après-guerre, aujourd'hui, la plupart des Japonais disent ne pas en manger, ou très rarement.
にほんブログ村 外国語ブログ フランス語へ
フランス語の勉強?
冨永 格(たぬちん) @tanutinn
モーニングショーでローラ発言。高木美保さん「芸能人の政治的発言はタブーという考えはもう変えるべき。ネットで世界とつながる時代、日本だけ鎖国状態ではいられない。環境のためにも、生き方としても私は拍手喝采です」玉川徹さん「日本政府は聞く耳を持たないのだから米政府に働きかけるしかない」
iano @ianoianoianoo
いや、ほんとにローラの政治的発言なんてハリウッドスターならいつも言ってるような事だから。なんだったらアカデミー賞の授賞式でスピーチでもしちゃうから。それが政治的発言だとあーだこーだ言われるなんて、どんだけ幼稚な民主主義国家なの日本は。だいたい何で自然を守ろうが政治的発言やねん!!
池田清彦 @IkedaKiyohiko
徴用工問題でもゴーン問題でも、IWC脱退問題でも、台湾の輸入拒否問題でも、日本の唯我独尊が目だってきました。アメリカにだけは見捨てられまいと必死ですが、これでアメリカに見捨てられたら、国際社会から完全孤立だね。やけくそで戦争でも始めるつもりかな。日本滅亡へ一直線?
津田大介@tsuda
朝日新聞朝刊に、昨日予告されていた放射性廃棄物の最終処分場を誘致するため電力業界側から鹿児島県南大隅町長に800万円が渡っていた疑惑の記事が。一面ではなく社会面トップ。
KIT Speakee Project @KITspeakee
九州大学,これが大学の発表か。九大では論理を教えないのか。「認定試験の利用には,公平・公正の観点等から未解決な課題が多くある」 そのために「受けない」例外を認めながら,理由を明記させ,やむを得ない理由かを大学が判断する。未解決な課題が多くあるなら出願資格として利用すべきでない。
大学が大学であるために闘うことをやめて,こんな恥ずかしい文章を若い人たちに読ませるのか。九州大学の教職員の皆さん,本当にこれでよいのですか?中から声をあげていただきたい。
下手な作文は,国大協の基本方針・ガイドラインを踏み外さないための窮余の策。悪役覚悟の阪大の方がまだ大学らしいかも。再検討をお願いしたい。

小栗 夏生 @LgE71H4oQlyrW1g
「公平・更生の観点等から未解決な課題が多くある」にも関わらず、受験生に説明責任を転嫁して、それができないと不公平・不公正な制度で試験を行う、と堂々と宣言をする九州大学。
こんなのをばかげた開き直りを見ると、東京医大や順天堂がかわいく見えますね。

立川談四楼 @Dgoutokuji
数人の議員の立憲民主入りが取り沙汰されているが、立民に自民支持者が面白いことを言った。「杉田水脈と青山繁晴と和田政宗と小野田紀美あげるから、中村喜四郎と野田佳彦よこせよ、本当に」と。ブラックだなと笑った後で鋭いとも思った。立民入りする議員と自民党議員の本質を見事に突いているのだ。
玉木雄一郎@tamakiyuichiro
外務省機密文書「日米地位協定の考え方(増補版)」によれば、
「あらかじめ基地を設けない約束をすることは、安保条約・地位協定上問題があり認められない」
とされている。
今でもこの機密文書の内容が有効なら、安保条約・地位協定を改定しないと、北方領土の返還は難しいことになる。

森達也(映画監督・作家) @MoriTatsuyaInfo
5000トン以上の鯨肉が冷凍のまま備蓄されている。需要はほぼない。商業捕鯨を再開する理由は何か。捕鯨がナショナリズムのアイコンになっている。だから引けない。領土問題と同じだ。そもそも南氷洋捕鯨は明治以降に始まった。伝統でも文化でもない。
津田大介 @tsuda
脱退したところで得られるものは少なく失うものばかり大きい。同情してくれる他国もなく、単に自分で自分の首を絞めるだけ。今の日本政府が国際的に展開する「内向きの論理」の酷さを象徴するニュースだな。日経新聞にここまでボロクソに書かれてるとは思ってなかっただろう。https://www.nikkei.com/article/DGKKZO39204040Q8A221C1EA1000/

お線香を買いに行きました.お線香は仏壇で使うもの,つまり亡くなった両親のことを思い出してしまい悲しくなってしまいました.
帰りに丼池でランチ.チキンのディアボラ風.調べてみると悪魔風?diavoloはイタリア語みたいです.フレンチというよりはイタリアン的な香りがしたので,なるほど.泡を少しいただきました.
雨がパラパラという中少しだけ濡れて帰って,ドアをノックする音が.誰だろう?と思うと「合格しました」という報告でした.連絡がなかったのでダメかと思っていましたが無事合格でよかったです.
ゆうパックにいろいろ入れて送りました.

<暮れゆく平成>(1)復興進む内湾地区の夜景(宮城・気仙沼)/人戻り 水面に光再び
 2018年が幕を閉じようとしている。東日本大震災から8度目、平成最後となる年の瀬が迫る。東北の被災地の現状や人々の営みを見詰めた。
 震災前、宮城県気仙沼市随一の繁華街としてにぎわった内湾地区。津波で壊滅的な被害を受けた地域の復興が進み、かつてのような夜の光が戻りつつある。
 冷たい海風が吹きつける港町では、商業施設や災害公営住宅の明かり、ライトアップされた防潮堤の光が水面を照らし、きらびやかな雰囲気を醸し出している。
 今年11月、官民出資のまちづくり会社「気仙沼地域開発」が整備した観光集客施設「迎(ムカエル)」は地区に彩りを加えた。おしゃれなカフェやレストランがあり、若いカップルや観光客でにぎわう。
 地域開発は来年4月以降、飲食店などが集まる二つの商業施設を地区内に完成させる予定。同社の事業推進チーム統括マネージャー千葉裕樹さん(40)は「内湾に以前のような人の流れが戻ってきた。来年はさらににぎわいが増すだろう」と期待している。


<東日本大震災>宮城・名取駅前に複合ビル完成 歩行者デッキで駅に直結、被災図書館や公民館など入居
 東日本大震災で被災した宮城県名取市図書館や同市増田公民館が、スーパーなどと一体の複合ビルとしてJR名取駅前に再建され、現地で19日、完成を祝うセレモニーがあった。複合ビルはペデストリアンデッキで駅に直結しており、同市の新しいランドマークを一目見ようと大勢の市民らが詰め掛けた。
 複合ビルは図書館や公民館などがある5階建ての北棟と、54戸の住宅やスーパーなどが入る11階建ての南棟、駐車場棟から成り、延べ床面積は計約1万4630平方メートル。ペデストリアンデッキは駅2階から延び、図書館入り口に接続する。
 セレモニーでは、近くの同市増田保育所の園児らがくす玉を割るなどした。長さ約70メートルのペデストリアンデッキには開館を待つ数百人の市民が列をなした。
 山田司郎市長は「名取駅前は震災や少子高齢化の影響で、かつてのにぎわいが失われつつあった。名取の新しい顔として市民に親しまれ、活用されることを期待する」と述べた。
 旧図書館などは震災の揺れで壁が崩れるなどして解体。カナダ政府の寄付で造られた代替施設などで暫定運営が続けられていた。


河北抄
 師走も半ばを過ぎ、忘年会などで1年を振り返る機会が増えた。冬季五輪、サッカーW杯、米大リーグでの日本選手の大活躍、J1仙台の天皇杯準優勝…。話題はやはりスポーツが多い。
 世相を表す『今年の漢字』に選ばれたのは「災」だった。大阪府や北海道の地震、西日本豪雨、台風、災害級の猛暑にも見舞われた。災害列島に暮らしている現実を痛感させられた1年だった。
 来年は亥(い)年。亥年には関東大震災(1923年)をはじめ、阪神大震災(95年)など、大きな災害が発生している。死者・行方不明者が5000人を超えた伊勢湾台風(59年)もそうだ。東北では日本海中部地震(83年)がある。
 江戸時代には「亥の大変」と呼ばれた宝永地震(1707年)が南海トラフで起きている。もちろん、亥年と災害の関係に科学的な根拠など全くない。あくまで単なる偶然にすぎないが、ちょっと気にはなる。
 来年は穏やかに過ごせますように−。そう願いつつも、災害への十分な備えだけは、怠らないようにしておきたい。


仙台市の人口、山形県抜く 東北の仙台一極集中傾向強まる
 仙台市の推計人口が11月1日時点で108万9283となり、山形県の108万9161を上回ったことが19日、分かった。10月から仙台市は614人増え、山形県が645人減少したため逆転した。仙台市の人口は既に秋田県を上回っており、東北の仙台一極集中の傾向がさらに強まった。
 2018年の仙台市と山形県の月別推計人口はグラフの通り。15年の国勢調査人口に、毎月の住民基本台帳の異動を反映させ、推計人口を算出した。
 1月時点で山形県は仙台市より1万2071人多かったが、5月には差が5386人に縮まった。6月以降は仙台市が緩やかに増え、山形県は減少に歯止めがかからず、11月に仙台市が122人上回った。
 12月以降の推移は流動的だが、仙台市は将来人口推計で20年までは増加傾向が続き、その後は緩やかに減少すると予測する。山形県は人口減少が加速し、30年は95万、40年は83万に縮小すると推計する。
 山形以外の東北各県の人口は11月1日時点で青森126万2057、岩手123万9881、秋田97万9765、宮城(仙台市を除く)122万4160、福島186万1839。秋田は12年12月、仙台市の人口を初めて下回った。
 仙台市周辺の13市町村を含む仙台都市圏で見ると、推計人口は153万4294になる。宮城県全体の66.3%を占め、福島を除く東北4県を上回る。
 山形県の担当者は「仙台市と県境を接する地の利を生かし、仙台圏の市場を県内の活力に結び付ける施策を展開したい」と語った。
 仙台市政策企画課の松田智子課長は「若者を中心に仙台から首都圏への人口流出が続く限り、仙台一極集中は歓迎できない。ダム機能を果たし、東北各県に人材を返す役割が仙台に求められている」と強調した。


<ILC>誘致支持せず「政府は判断慎重に」 学術会議が最終回答
 岩手、宮城両県にまたがる北上山地が建設候補地の超大型加速器「国際リニアコライダー(ILC)」計画の意義を検討してきた日本学術会議は19日、所見を盛り込んだ最終的な回答を文部科学省に提出した。計画に関し「現状の内容や準備状況から判断して、誘致を支持するには至らない」と結論付けた。政府に対しては「誘致に関する判断は慎重になされるべきだ」との見解を示した。
 学術会議が計画推進に向け、予算面や技術面の懸念材料を明確に示した形。政府の誘致判断にどう影響するかが焦点となる。誘致を目指す研究者組織などは、宇宙誕生の謎を探る国際研究拠点となり東日本大震災からの復興加速にも役立つとして、政府への働き掛けを強める構えだ。
 回答は7355億〜8033億円と試算される総事業費の主要部分を日本が負担することについて「(想定される科学的成果に)十分見合うとの認識には達しなかった」と記した。
 加えて(1)国民に提案するには学術界の広い理解が必要でさらに議論が必要(2)国民の知的関心を喚起するが、経済的、技術的波及効果は不透明で限定的(3)国際的な経費分担や人材確保の見通しが不明−と指摘した。
 学術会議の検討委員会は11月、計画に慎重な姿勢を示す回答案を公表。推進する高エネルギー加速器研究機構(茨城県つくば市)などは「事実誤認や理解不足がある」と反論したが、内容は変わらなかった。
 検討委の家泰弘委員長は同日、文科省の磯谷桂介研究振興局長に回答を提出。家氏は取材に「計画の準備状況を検討し現時点で(誘致支持の)ゴーサインを出すには至らなかった。経費の適正な国際分担なしには進められない」と語った。
 ILCを巡っては2017年11月、研究者の国際将来加速器委員会(ICFA)が加速器全長を31キロから20キロに短縮する新計画案を決定。文科省は今年7月、学術会議に計画に関する審議を要請。政府は回答を誘致の可否判断の材料にするとの姿勢を示してきた。


<ILC>学術会議「誘致支持せず」 厳しい所見に関係者落胆「政府は前向きな決断を」
 超大型加速器「国際リニアコライダー(ILC)」の国内誘致に対する日本学術会議の所見は、計画を支持しないとする厳しい内容だった。計画の前進は、2019年3月を期限とする日本政府の判断にかかっている。建設候補地の北上山地を抱える岩手、宮城両県の関係者は「前向きな決断」を政府に求めた。
 「回答案とあまり変わらない内容で、正直がっかりした」。建設候補地となる一関市の勝部修市長は学術会議の所見に落胆した。達増拓也岩手県知事は河北新報社の取材に「科学者組織としてお金がかかる事業に慎重にならざるを得ないのだろう」と語った。村井嘉浩宮城県知事も「大変残念」との談話を出した。
 ただ今後は議論のステージが政府内に移るため、関係者は早くも気持ちを切り替えている。日本政府の意思表示の期限は、欧州の次期素粒子物理計画にILC計画を組み込むため年内とされたが、来年3月7日に延期された。
 達増、村井両知事は21日に上京し、自民党と内閣府、文部科学省で要望活動する。両知事は「(次の段階となる)国際協議に向け政府の前向きな判断を期待する」とコメントした。
 所見は、ILC計画のような実験施設の巨大化を前提とする研究スタイルは「いずれ限界に達する」と指摘した。東北ILC準備室長の鈴木厚人岩手県立大学長は「科学は巨大化といった限界の壁をそのたびに克服し、知見をつないできた」と言い切る。
 政府は年明け以降、判断を示すとみられる。東北ILC推進協議会の高橋宏明代表は「ILCは日本の科学技術立国や東北の発展につながる」、部品荷揚げ港と見込まれる気仙沼市の菅原茂市長も「全力で要望する」と訴えた。


<18みやぎ回顧>(3)だて正夢デビュー ブランド確立の道険しく
 東日本大震災から8年目となった2018年、宮城県内では行政に対する信頼をゆるがせるミスやトラブルが相次ぎ、尊い人命が失われる事件や事故も後を絶たなかった。紙面を飾った主な出来事を、最前線で取材に当たった記者が振り返る。
 トップの手応えとは裏腹に、生産と販売の現場は試行錯誤が続いた。
 ひとめぼれ以来となる県産米の大型品種「だて正夢」の本格販売が10月に始まった。村井嘉浩知事は今月17日の定例記者会見で「想定より非常に評判が良い」と胸を張ってみせた。
 「初陣」に立ちはだかったのは夏の猛暑だった。
 県などが10日に開いた2018年産水稲の作柄検討会。だて正夢の10アール当たり収量は、プレデビューの17年産をわずかに下回るとの調査結果が報告された。
 6月まで順調だった生育が、高温が続いた7月以降停滞した。「栄養が持たなかった」(県の担当者)のが理由という。
 県北の生産者は「天候に加え、(成長期に肥料を分け与える)追肥や刈り取りの時期などを見極める難しさもあり、手探りだった」と振り返った。
 それでも1等米比率(10月末現在)は県全体の92.9%を大きく上回る97.9%に達した。高品質を堅持した生産現場の奮闘には頭が下がる思いしかない。
 一方、県の販売戦略には疑問も残った。県が初めて打って出た高価格帯市場には、他産地のライバルがひしめく。県は「20、30代の若い女性」(農産環境課)をターゲットに定め、首都圏へのPRに注力した。
 動画投稿サイト「ユーチューブ」の活用は新たな試みの一つだった。若年層に人気の女性大食いユーチューバーがだて正夢約3キロを完食する内容だ。
 「たくさん食べてほしいとの思いを込めた」(村井知事)という動画は再生回数67万回を超えるが、開発者や生産者に対しての敬意は感じられなかった。
 「特別な日に食べてほしい」「他のコメに比べそんなに高くない」など知事発言も揺らいだ。プレミアム感を出しながら、消費者の手に取ってもらうことの難しさ。ブランド確立への道のりは平たんではない。
 県は19年産を18年産の倍の生産量にする見込みだ。「食卓の天下取り」を掲げ、米どころ復権を託されただて正夢。夢物語に終わらぬよう、販売戦略を見詰め直してはどうだろうか。(報道部・馬場崇)
[メモ]だて正夢は県古川農業試験場(大崎市)が開発。栽培管理を徹底するため県は生産者の登録制を導入。2018年産は生産者384人が301ヘクタールで栽培し、生産量は1500トン。19年産はそれぞれ作付面積600ヘクタール、生産量3000トンに拡大する。


東北弁で「新ロミオとジュリエット」 温泉街を舞台にした恋愛劇上演
 宮城県大崎市の古川学園中であった1、2年生による東北弁のシェークスピア劇。2年生は「新ロミオとジュリエット」を上演した。
 ライバルのホテルと旅館の従業員らがいがみ合い、勢力が二分された温泉街を舞台にした恋愛劇。マタギやダンスグループも登場するユニークな設定で、全員がそれぞれの持ち味を生かして1時間演じ切った。
 この後、立志式に臨んだ2年生。せりふ覚えに苦労しながら演劇と向き合った面々は、教師や保護者が見守る中、大人への階段をまた一歩上った。(大崎)


<女川原発1号機廃炉>10年で6億7300万円減収 石巻市税収試算
 宮城県石巻市は19日、東北電力女川原発1号機(女川町、石巻市)の廃炉に伴う税収への影響について、今後10年間で6億7300万円程度の減収を見込んでいることを明らかにした。2019年度分の減収は約1億3400万円となる見通し。
 市議会12月定例会の一般質問で示した。市によると、電源立地地域対策交付金のうち、年間で国からの直接交付分が約5000万円、県を通じた交付分が約2000万円減る見込み。
 運転開始から30年を過ぎた原発の立地県に交付される地域共生交付金について、市は16〜20年度の5年間で計6億1000万円を計画していたが、廃炉に伴い19、20年度の計2億800万円が不交付になる。
 一方、廃炉による自治体財政への影響を緩和する国の交付金として、今後10年間で計2億3500万円を見込んだ。


達増岩手県知事「明治維新は岩手で始まった」 独自の史観を披露 二戸で維新150周年記念講演
 明治維新150周年を記念して「明治維新は岩手で始まり岩手県人が完成させた」と銘打った講演会が19日、二戸市であった。地元の高校生ら約1000人が来場し、達増拓也知事が独自の史観を披露した。
 達増知事は二戸出身の盛岡藩士相馬大作(1789〜1822年)が1818年に二戸で私塾「兵聖閣(へいせいかく)」を開いた経緯を紹介。「明治維新は人と人とのつながりで成し遂げられた。相馬大作はそのネットワークを真っ先につくり出した」と評した。
 100年後の1918年、盛岡出身の「平民宰相」原敬(1856〜1921年)の首相就任で維新は完成したとの見解を披露し「原敬就任で立派な民主主義と国際協調が花開いた」と述べた。
 達増知事は「こういう見方をすれば維新は西南雄藩だけの偉業でなく、日本全体で実現させたと理解することができる。歴史を知って未来に生かし、主体性を大いに発揮してほしい」と呼び掛けた。


安住元財務相 立民会派入り表明
衆議院宮城5区選出で無所属の安住淳元財務大臣は20日、記者会見し、「来年の参議院選挙に向け野党に大きな柱をつくっていきたい」と述べ、年明けに立憲民主党の会派に入る考えを表明しました。
安住元財務大臣は20日、地元の石巻市で記者会見しました。
この中で、安住氏は、「今の日本政治のあり方や政権交代ができない野党の状況を見ると、安倍総理大臣に反対する人たちの受け皿を作ることができていない。このままでは来年の参議院選挙で国民に選択肢を与えられない」と述べました。
そのうえで、安住氏は、「年明けに無所属の会から立憲民主党の会派に合流し、自民党と2大勢力で競い合う均衡政治となるよう、野党に大きな柱を作りたい。宮城県内でも参議院選挙の野党チームを作り、ほかの県以上に連携を強めて仲間を増やしていきたい」と述べ、年明けに立憲民主党の会派に入る考えを表明しました。
安住氏は、現在の石巻市、旧牡鹿町出身の56歳。
平成8年から衆議院議員を8期務めていて、これまでに財務大臣や民進党の代表代行などを歴任し、旧民進党の出身者らでつくる衆議院の会派「無所属の会」に所属しています。


日本、IWC脱退方針 対立状態の打開困難 商業捕鯨再開目指す
反捕鯨国の対立が膠着状態
 政府が商業捕鯨の再開に向けて、国際捕鯨委員会(IWC)から脱退する方針を固めたことが19日、分かった。日本は9月に開かれたIWCの総会で、資源が豊富な一部鯨種の商業捕鯨の再開を提案したが否決された。日本など捕鯨支持国とオーストラリアなど反捕鯨国の対立が膠着(こうちゃく)状態となっていることから、IWC加盟のままでは商業捕鯨の再開は困難と判断したとみられる。脱退方針は年内にも表明する。
「あらゆる可能性を追求していく決意」
 9月の総会で日本は、ミンククジラなど一部の商業捕鯨の再開を提案した。捕獲枠や保護区の設定などの重要な決定に必要な賛成数を現在の4分の3以上から、一定の条件を満たせば過半数に引き下げる要件緩和案も合わせて示した。反捕鯨国が重視する保護区を設定しやすくなる仕組みも盛り込み、捕鯨支持国と反捕鯨国の対立によるIWCの機能不全を打開することも狙った。
 しかし、採決では賛成27、反対41で提案可決に必要な4分の3以上の同意を得られず否決され、手詰まり感は否めなかった。当時、農林水産副大臣として総会に出席した公明党の谷合正明参院議員は「あらゆる選択肢を精査せざるを得ない」として、IWCからの脱退の可能性を示唆。安倍晋三首相も先の臨時国会で「1日も早い商業捕鯨の再開のため、あらゆる可能性を追求していく決意」と述べていた。
網走沿岸海域でも調査捕鯨
 IWCは国際捕鯨取締条約に基づきクジラ資源の保存と捕鯨産業の秩序ある発展を目的に1948年に設立された国際機関で、日本は51年に加盟した。IWCは82年、商業捕鯨の一時停止を決定。日本はその後、87年から南極海で、94年からは北西太平洋で調査捕鯨を続けてきた。北西太平洋の調査捕鯨は2017年度から網走沿岸海域でも行われている。(小森美香)


IWC脱退“クジラの街”でも賛否の声
 政府は、商業捕鯨の再開に向け、鯨の資源管理を議論するIWC=国際捕鯨委員会から脱退する方針を固めたことが分かりました。日本が、国際機関から脱退するのは、極めて異例で、かつて、捕鯨基地として栄えた宮城県石巻市鮎川浜でも賛否の声が上がっています。
 IWCは、鯨の資源管理などについて話し合う機関で、日本は、1951年から加盟しています。2018年9月に開かれた総会で、日本は、商業捕鯨の再開を提案しましたが、否決され、今後も受け入れられる見通しが立たないことから、脱退の方針を固めたものとみられます。
 かつて、捕鯨基地として栄えた石巻市鮎川浜です。まちの悲願だった商業捕鯨の再開によって、クジラが水揚げされるようになれば、地元への経済効果は大きいと期待されていますが、IWCの脱退には、賛否が聞かれます。
 脱退後の商業捕鯨については、日本の排他的経済水域内で行うことを検討するとみられます。ただ、日本が国際機関から脱退するのは、極めて異例で、国際社会から批判を受ける可能性もあります。


オウム、死刑執行後も絶対的帰依 警察庁「回顧と展望」
 警察庁は20日、内外の治安情勢を分析した2018年(1〜11月)版「治安の回顧と展望」を発表した。教祖松本智津夫元死刑囚=執行時(63)=ら13人の刑が執行されたオウム真理教について、後継団体「アレフ」など主流派は松本元死刑囚への絶対的帰依を唱えており、組織の拡大と統制を図るとみられると指摘した。
 警備関連は19年6月に大阪市で20カ国・地域(G20)首脳会合が、9〜11月にラグビーワールドカップ(W杯)があり、20年東京五輪・パラリンピック開催まで2年を切ったことから、日本に対する国際テロやサイバー攻撃が懸念されるとして総力を挙げた対策の推進を訴えた。


不適切医大入試 医学界全体で差別なくせ
 医学部医学科を置く大学の9校に1校が、特定の受験生を優遇するなど不適切な措置を実施していた。不当な入試の横行に憤りを禁じ得ない。
 文部科学省が全国81校に実施した緊急調査の結果を発表した。不適切とされたのは、最初に問題が発覚した東京医科大のほか、順天堂大(東京)、福岡大など9校に上る。聖マリアンナ医科大(神奈川)も不適切な可能性が高いと指摘された。
 9校のうち東京医科大など3校で、男性に一律に加点するような「女性差別」が確認された。浪人生を不利に扱う措置は福岡大など6校が行っていた。
 各校は早急に、不当に不合格とされた受験生の救済や補償に誠実に取り組んでほしい。
 他にも国公立を含め10校以上で、面接評価に「保護者が同窓生」のコメントがあるなど、疑惑を招きかねない事案が見られたという。今回の発表で、医学部入試の不透明さが一掃されたとは言えまい。指摘を否定した聖マリ医大を含め全大学で改めて過去の入試を検証すべきだ。
 全国医学部長病院長会議は11月、性別や浪人回数で差を設ける入試を不適切とする一方、一定の条件で同窓生の子弟枠を容認する規範を示した。
 子弟枠が寄付金目当てに使われる懸念はないのか。医師の養成には公費が投じられる。特定の受験生を有利にする措置に国民の理解が得られるのか。さらに議論を深める必要があろう。
 不適切入試の背景には医療現場のさまざまなひずみがある。
 女性医師は結婚や出産に伴い離職しがちで、それが現場の医師不足を招く一因との指摘がある。仮に事実としても女性差別で解消を図るのは言語道断だ。
 厚生労働省の2014年のまとめでは、日本の女性医師の比率は、経済協力開発機構(OECD)の加盟国で最低である。現状を直視し、医療現場のワークライフバランスの是正など、女性医師が無理なく定着できる環境整備を急ぐべきだ。
 神戸大は地域特別枠で過疎地域の出身者に、金沢医科大は北陸3県の高校出身者らに加点していた。九州も医療過疎地を抱えており、地域医療体制を守りたいという意図は理解できるが、募集要項にない基準に基づく得点操作は明らかに不当だ。
 どんな人材を入学させるのか。大学には自治に基づく裁量がある。ただ、「公正かつ妥当な方法」で行われるべき入試が、医療現場の都合で内密に操作されていいはずがない。医学界全体で問題を重く受け止め、医療を志す受験生、現場の医師、信頼できる医療を望む国民の誰もが納得できる、適正な入試実現の努力を求めたい。


医学部入試調査  不正根絶への第一歩に
 医学部入試で不公平な合否判定がはびこっていた実態が浮き彫りになった。
 文部科学省が全国81大学への緊急調査の最終まとめを公表した。うち9大学が女子や浪人生らを不利に扱ったと認定し、他の1大学もその可能性が高いと指摘した。
 受験生の人生を翻弄(ほんろう)した大学の責任は重い。猛省を求めたい。入試不正を根絶し、信頼回復に向けた出発点にしてほしい。
 文科省によると、理由なく特定の受験生を合格にしたり、性別や年齢などで一律に差をつけたりする入試は不適切と判断した。
 疑惑の発端となった東京医科大は特定の受験生に加点し、女子や長期浪人生を得点操作で減点していた。女子の合格ラインを男子より上げていた順天堂大、卒業生の子どもを優遇した昭和大や日本大なども不適切とされた。
 医学部に限らず、公平性は入試に必須だ。多くの大学で女子や浪人生への差別などがひそかに行われていたとあれば、受験生は納得しないだろう。大学側の都合で落ち度のない若者に理不尽な思いをさせることは許されない。
 入試不正疑惑は一つの区切りを迎えたが、これで全てだろうか。
 医学界の「公然の秘密」に社会の厳しい目が注がれたことは意味があるとはいえ、不公正の一端が明らかになったにすぎない。文科省も大学名を公表した以外にも不適切と疑われかねない事案が10大学以上であったと認めている。
 入試の改善は大学自体の反省と自浄力なしに進まない。だが聖マリアンナ医科大のように不適切との疑いを指摘されても認めないならば正常化は期待薄だ。問題がある大学に対し、補助金や交付金の減額を検討する必要があろう。
 さらに差別で不合格となった受験生の救済を最優先すべきだ。追加合格の可能性を打診されながら定員枠を理由に入学を認められない人もいる。文科省は大学任せにせず救済に乗りだしてほしい。
 併せて公正な入試のルール作りを急ぎたい。誰もが納得できる透明で公平な入試の実現こそが混乱収拾と信頼回復への第一歩となる。
 入試不正の背景に、不規則な勤務が続く医療現場では男性の方が使いやすいという根強い考えがあるとされる。女性医師は結婚や出産で職場を離れるケースが多く、増えては困るというわけだが、身勝手な理屈ではないか。子育てしながら勤務を続けられるよう、労働環境の改善や医師の働き方の見直しを急ぐのが先決である。


医学部入試 公正な仕組みへ改革急げ
 多くの受験生を欺き、混乱させた責任は極めて重い。大学自らが公平・公正な入試への改革を急ぎ、信頼回復に努めなければならない。
 文部科学省は医学部医学科を置く全国81大学への緊急調査の最終結果を示し、9校で不適切な入試があったと認定した。
 女子や長期浪人生を実質減点するなどの差別や、卒業生の親族らの優遇が行われていた。
 優秀な女子や浪人してでも医師になりたいという熱意のある人間を、その属性だけで切り捨てることは、教育機関としての責務を放棄していると言わざるを得ない。
 ほかにも、聖マリアンナ医科大は男子や現役生を優遇した疑いがあったが、大学側が否定しているため「不適切な可能性が高い」とされた。
 合否判定への影響は確認できなかったものの、面接評価で「保護者が卒業生や教員」といったメモが残っていたケースなども10校以上で確認されている。
 聖マリアンナ大は、過去3年間の入試における調査書の平均点が、男子の方が女子より最大で2・6倍、現役生の方が長期浪人生より最大で15倍高かった。あまりに不自然だ。
 文科省は第三者委員会を設置し検証するよう指導したが、大学側は不適切入試を行っていないとしており、第三者委の設置予定もないという。
 明確な根拠を示さずただ否定するだけでは、社会の理解は得られまい。
 聖マリアンナ大をはじめ各大学は、きちんと検証した上で説明責任を果たすべきだ。
 不正を行っていた各大学の説明から浮かび上がったのは、大学や付属病院の経営判断最優先のような身勝手な理屈だ。
 女子は、結婚や出産を機に職場を離れる可能性があるから敬遠したい。医師国家試験の合格率確保も見据え、短期間で高い学力を習得した現役生らを多く獲得したい。そんな思いが透けて見える。
 象徴的なのは、入試で女子を不利に扱っていた順天堂大の「女子の方がコミュニケーション能力が高く、男子を救うためだった」という釈明だ。
 コミュニケーション能力は男女差より個人差の方が大きいだろう。「根拠がない」などと批判が集中したのは当然だ。
 私立大学が学風や歴史を踏まえて目指す医師像を打ち出し、入試を工夫するのであれば理解はできる。
 しかし、今回の不正は、それとは懸け離れている。透明性を欠く合否判定などは決して許されない。
 人口減や少子高齢化により、過疎地など地方での医師不足が深刻化している。
 社会のさまざまな要請に応える医師を育成するためには、学力だけではなく、一人一人の資質や能力を多面的に評価することが重要だろう。
 入試に求められる公平性の確保を大前提に、幅広い観点から検討して、見直しを進めることが必要だ。


防衛大綱・中期防 「専守」の縛りほどくな
 10年先を見通していたはずの防衛大綱が、5年前倒しで再び改定された。宇宙やサイバー空間といった「新たな領域」の脅威に対処する能力向上が死活問題だと、政府は説明している。中国の急速な軍事的台頭も念頭にあるのだろう。
 とはいえ次期中期防衛力整備計画(中期防)には、国是ともいえる「専守防衛」が有名無実となりかねない装備が並ぶ。いずれも護衛艦の「いずも」と呉市が母港の「かが」を改修し、戦闘機を載せて遠洋でも運用できるようにする。短距離で離陸し、垂直着陸する最新鋭ステルス戦闘機F35Bを18機新規導入する。事実上の空母となる2隻で離着陸が可能という。
 歴代の内閣は、大陸間弾道ミサイル(ICBM)や長距離戦略爆撃機と並び、攻撃型空母の保有を憲法違反と判断してきた。「自衛のための必要最小限度」の範囲を超えるからだ。今回の空母化が、その原則を踏み外す恐れはないのだろうか。
 「いずも」や「かが」が、現在搭載しているヘリコプターを戦闘機に積み替えれば、攻撃型空母とも変わらなくなる。
 改修後は、共同訓練などの際に米軍機が発着する想定もあるという。専守防衛に変わりはないと言いつつ、なし崩しに骨抜きにしてはならない。
 岩屋毅防衛相は「戦闘機を常時搭載するのではないから、攻撃型空母でない」とする。改修後も、中期防では「多機能の護衛艦」と位置付けている。
 与党間ではいったん、「多用途運用護衛艦」として合意したはずである。呼び名のずれは、議論の積み上げ不足をさらけ出していよう。先制攻撃向きのステルス機の選定も含め、防衛省内でさえ異論がくすぶっていると聞く。
 むしろ、政治主導のつじつま合わせといった感が強い。地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」をはじめ、武器を売り込むトランプ米大統領の歓心を買うように、安倍晋三首相が次々と買い入れる姿勢を続けるからである。
 11月末の首脳会談でもトランプ氏は、F35を日本が大量購入するとして「感謝する」と先手を打った。予算化すらまだなのに首相は否定もしなかった。実際、F35を105機買い入れる計画をおとといになって閣議了解している。費用は、それだけで計1兆円を超すという。
 今後5年間の防衛予算額は、過去最大の27兆4700億円に膨らむ。国の借金が1千兆円を超す中、とどまるところを知らない防衛費の膨張に、国民の理解が得られるだろうか。
 その点、民意に耳を貸さぬ政権の姿勢は思いやられる。先日も、米軍普天間飛行場の辺野古移設を「日米同盟のためではない。日本国民のためだ」とした岩屋防衛相が、地元沖縄から「日本国民に沖縄は入っていないのか」と反感を買った。
 「かが」の空母化で母港の呉市は軍事拠点として重みが増す。攻撃されるリスクを一層危ぶむ声も聞こえてくる。
 軍部が暴走した戦前昭和の反省から日本は平和国家の道を歩み、平成の世も戦火を交えずにきた。新たな防衛大綱と中期防は「専守防衛」の縛りをほどきかねない。国会審議を通じ、費用対効果も含め、なお慎重に見極めるべきである。


新防衛大綱 地上イージスの再考を
 政府は新たな防衛力整備の指針「防衛計画の大綱」と大綱の内容に沿って具体的な装備調達を示す中期防衛力整備計画(中期防)を閣議決定した。中期防には秋田市の陸上自衛隊新屋演習場への配備が計画されている迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」(地上イージス)の整備が明記された。防衛・安全保障は国の専管事項とはいえ、地元の意向をないがしろにして配備に突き進むことがあってはならない。
 中期防では2019年度から5年間の防衛予算の総額を過去最大の27兆4700億円程度とし、新規の高額装備品の導入などに充てられる。地上イージスのほか、最新鋭ステルス戦闘機F35Aなどは「対外有償軍事援助(FMS)」を利用して、米国から購入する。
 貿易赤字を減らしたいトランプ大統領の圧力が少なからず影響している。それにしても、あまりに米国追従が過ぎないか。地上イージスが「はじめに購入ありき」と指摘されても仕方ない。地上イージスが必要なのかを含め、大綱、中期防について国会で広く議論することが求められる。
 大綱は地上イージス配備の理由として挙げる北朝鮮情勢について、「核・ミサイル能力に本質的な変化は生じない」と警戒を維持している。また中国に対しては「軍事力の質・量を広範かつ急速に強化している」と強い懸念を示している。
 しかし近隣国の脅威に対抗するとして、防衛力を強化、拡充することは軍拡競争を招くことにもなりかねない。国際社会の理解は得られないだろう。外交努力こそが優先されるべきである。
 地上イージスの候補地となっている新屋演習場は住宅密集地、小中高校に近接していることをあらためて確認したい。こうした環境の中に配備することが妥当であろうか。仮に今行われている調査で住民生活に影響はないとの結果が出たとしても、「いつ攻撃されるか分からない」などの住民の不安は解消されるものではない。到底受け入れられない。
 沖縄県宜野湾市の米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設を巡って、安倍晋三首相は「沖縄の皆さんに寄り添って」と述べていた。しかし沖縄県の民意に応えることなく、辺野古への土砂投入に踏み切った。政府は地上イージスの配備について「地元理解を得ていることが前提」と話すが、辺野古のやり方を見ると疑念が残る。
 中期防には護衛艦「いずも」の事実上の空母化が盛り込まれた。わが国が守ってきた「専守防衛」からの逸脱は明白である。安倍政権の軍備拡張路線には危惧を抱かざるを得ない。
 日本の財政は膨大な借金を抱え、厳しさを増している。その中で防衛費が聖域ではないことを、安倍政権は肝に銘じるべきである。


[新防衛大綱] 専守防衛なし崩し懸念
 日本の安全保障政策の大きな転換点となりかねない内容である。憲法9条に基づく「専守防衛」の国是がなし崩しに失われることを強く懸念する。
 政府は、今後10年間の新たな防衛力整備の指針「防衛計画の大綱」と次期中期防衛力整備計画(中期防)を閣議決定した。
 事実上の空母保有に向けて海上自衛隊の護衛艦「いずも」を改修し、敵基地攻撃能力を有する長距離巡航ミサイルの整備を進める。いずれも運用次第で「攻撃型」に転じかねない。
 2013年に策定した前回の大綱から5年。中国の軍事的台頭など安全保障環境の変化はあるにしても、安倍政権の軍備拡張への動きはあまりに前のめりである。
 15年に成立した安保法制も、その前年の閣議決定で憲法解釈を変え、集団的自衛権の一部容認へ歩を進めた。国会論議を数の力で押し切る横暴ぶりだった。
 防衛大綱は国の方向性を示す重大な指針である。安全保障戦略の変更を既成事実として積み重ねるのではなく、国会で十分な説明と議論を尽くすべきだ。
■官邸主導で押し切る
 新たな大綱の基本概念は「多次元統合防衛力」である。
 宇宙やサイバーといった「新たな領域」について「利用が妨げられれば、国家・国民の安全に重大な影響が及ぶ」として、優先的に強化する方針を示している。だが、具体的な脅威が見えず、国民は理解しがたいのではないか。
 「いずも」と同型の「かが」の計2隻を改修し、空母化を図るのは、海洋進出を強める中国に対抗するためである。
 短距離離陸と垂直着陸が可能な最新鋭ステルス戦闘機F35Bの搭載を想定。戦闘機のジェットエンジンが発する高熱に耐えられるよう甲板を厚くする。
 憲法9条は「戦力の不保持」を規定しており、政府は相手国に壊滅的打撃を与えるような「攻撃的兵器」の保有について「自衛のための必要最小限度」の範囲を超えるとして認めていない。その例として「攻撃型空母」を挙げ、保有しない方針を貫いてきた。
 改修する「いずも」について政府は、戦闘機の常時搭載はせず、大規模災害時の拠点など多用途に使うと説明する。岩屋毅防衛相は「決して攻撃型空母にはあたらない」と主張するが、詭弁(きべん)としか言いようがあるまい。
 常に搭載していなくても、専守防衛を超える能力を持つことに違いはない。上陸部隊阻止の目的で導入する長距離巡航ミサイルも敵の射程圏外から反撃でき、「敵基地攻撃能力」であることは明らかだろう。
 実態を否定し、取り繕う政府の姿勢は国民だけでなく、海外からも疑念を招きかねない。
 改定に至る流れにも、不信感を抱かざるを得ない。
 今回の改定は、首相が取り仕切る国家安全保障会議(NSC)が初めて主導した。NSCは13年12月に創設され、首相と防衛相ら4人だけで国家安全戦略を議論する組織だ。
 最終的には政治が決めるとしても、実際に運用する現場の意見をくみ上げる努力が見られないのは極めて問題だ。防衛省内から「決めているのは首相と周辺のごく一部」と不満の声が上がるのも無理はない。
 安保法制からの安倍政権の一連の動きを見れば、官邸主導で「戦争をしない国」から「戦争に備える国」へ、日本の安全保障が変わってきているようにも見える。
 そう考えると、首相が「自衛隊の任務、権限には何ら変更を生じることはない」と言いながら、自衛隊を書き加えることに執心する憲法9条の改正についても、言葉通りに受け止めることは難しい。
■米国の言い値で購入
 膨張の一途をたどる防衛費も問題である。
 今後5年間の防衛費は27兆4700億円程度で過去最大となった。中でも見逃せないのは米政府の対外有償軍事援助(FMS)に基づく米国製装備品の大量購入だ。
 弾道ミサイル防衛システムや最新鋭戦闘機など高額装備品を次々と取得する。政府はF35を新たに105機調達する計画も閣議了解した。
 大綱と中期防は調達時期の適正な管理や経費の抑制にも触れてはいる。だが、FMSは米側の提示額を日本が受け入れる仕組みだ。契約の途中で米企業の都合で費用が跳ね上がったり、一方的な納入遅れが発生したりと、日本に不利な制度との批判は根強い。
 日米同盟は重要だが、トランプ政権の求めるままに購入を続ければ、国家財政へ重大な影響を及ぼすことになろう。
 15年の日米防衛協力の指針(ガイドライン)の改訂や、安保法制の施行を通して日米の役割分担は変質している。米国からの装備品購入で自衛隊と米軍の一体化が加速することにも危機感を覚える。
 少子高齢化が進み、社会保障制度の改革や厳しい財政状況の改善は待ったなしである。防衛費の「聖域」扱いは許されない。
 日本は、専守防衛を逸脱しない身の丈にあった国防を目指すべきだ。際限のない軍拡ではなく、外交で世界の緊張を解きほぐす努力こそが求められる。


<税を追う>防衛省、米兵器ローン急増 支払い延期要請1104億円
 防衛省が国内の防衛関連企業六十二社に二〇一九年度に納入される装備品代金の支払い延期を要請している問題で、要請総額が千百四億円に上ることが分かった。米国製の高額兵器の輸入拡大で、後年度負担と呼ばれる兵器ローンの返済が急増、一九年度予算で支出削減を迫られていた。企業の多くは要請に反発しており、最終的に支払いを延期できるのは数十億円程度にとどまるとみられる。 (「税を追う」取材班)
 立憲民主党の白真勲(はくしんくん)参院議員がこの問題に関する質問主意書を提出し、政府が十八日、要請総額を回答した。
 複数の関係者によると、防衛省は十一月二日と五日の二回に分け、航空機や艦船の部品を扱う国内のメーカーや商社六十二社を同省に呼んで説明会を開催。一九年度に納入される部品の契約を変更して追加発注をする代わりに、代金の支払いは追加分が納入される二一〜二三年度に一括して行うと提案した。企業の多くは「資金繰りに影響が出る」などと要請に応じていないとされる。
 この問題は十一月末に本紙報道で明らかになり、白氏が今月六日の参院外交防衛委員会で「支払いを待ってくれないと、予算がオーバーするのか」と追及。岩屋毅防衛相は「部品の調達量を追加するため」としながらも「過去にこのような事例はない」と異例の措置であることを認めた。
 岩屋防衛相は「もし(支払い延期が)可能になっても十億円ぐらいの金額ではないかと思っている」と答弁しており、最終的に数十億円程度にとどまる可能性が高い。防衛省は支払い延期に応じた企業に追加発注する部品代の総額を一九年度予算案に計上する。
 防衛省はこれまで、支払い延期要請の総額を明らかにしていなかったが、ある防衛関連商社の幹部は「数量や代金支払時期の変更は、大きな契約変更で内々でやる話ではない」と批判。今回、防衛省が一千億円を超す多額の支払い延期を求めていたことが明らかになり、兵器の輸入増大が防衛費を圧迫している実態があらためて浮き彫りになった。白氏は「米国製兵器の輸入で歳出が大幅に伸び、既存の装備品の大幅な支払い延期を求めるとは、本末転倒だ。新たな防衛大綱も米国製兵器の購入ありきになっていて、防衛省内で本当に必要なものを精査しているのか疑問だ。国会で説明を求めていきたい」と話している。


森友スクープの元記者激白「安倍官邸vs.NHK」に込めた覚悟
 日刊ゲンダイは今夏、NHKで森友事件のスクープを連発した記者が左遷され、退社したことを報じてきた。その当事者である相澤冬樹氏(現大阪日日新聞論説委員・記者)が13日、「安倍官邸vs.NHK」(文藝春秋)を上梓。NHKでの森友報道への圧力や社内攻防などが実名入りで生々しく記されている。
 ◇  ◇  ◇
 テレビニュースというのは事実を報道するものだと、かつて視聴者は黙っていても納得してくれました。しかし、最近は疑念を持たれている。NHKという組織を離れた立場なら舞台裏を書けると思い、プロ記者の取材への信用を取り戻すためにも、覚悟の上で踏み込んで書こうと決めました。
 NHKで森友学園に関して報じてきた1年半の間、過去に体験したことのないことが多々起きました。財務省がおかしなことをやっているというニュースを出そうとするとさまざまな圧力が掛かった。なぜそんな判断になるのか。安倍官邸の関与は、はっきりとは分かりませんが、何かがなければそんな判断にはなりません。
■最近のNHKは政治と「折り合う」ではなく「べったり寄り添う」
 森友報道では、学園と昭恵夫人の関係についての部分が原稿から削除された。「国有地の売却前に近畿財務局が学園側に支払える上限額を聞き出していた」「財務省が学園に『トラック何千台ものゴミを搬出した』という口裏合わせを求めていた」という特ダネも、なかなか放送させてもらえなかった。特ダネ放送後に、NHK報道部門トップの小池英夫報道局長が大阪放送局の報道部長に叱責電話を掛けてきたこともあったという。
 NHKが政治と「折り合う」必要があるのは放送法に縛られている以上ある程度は仕方がない。しかし、最近は折り合うではなく「べったり寄り添う」になってしまっていて、やり過ぎです。なぜそれが起きているのかということです。国民の信頼を失いますよね。視聴者の信頼を失ったら公共放送は成立しません。
 日刊ゲンダイで報じたように、考査部への異動の裏に官邸への忖度はあったのか。
 異動の内々示があった時は、大阪地検特捜部の捜査が継続中でした。その真っただ中に担当記者を代えるという判断は不自然で不可解。そのうえ内々示も異例でした。大阪の副局長まで同席し、わざわざ「これからは考査の仕事に専念してもらう」と言われたのです。「もう報道には手を出すな」という組織の意思表示だと感じました。そこまでして私に記者をさせたくないというのは、つまり、私に森友報道をさせたくないのだと受け止めました。
 9月に大阪日日新聞へ移籍。森友報道は今後も継続していく決意だ。
 みんなすぐに真相を求めたがりますが、当事者が話さない限り分からない。時間が必要なんです。私は、記者はしつこさが大事だと思っています。長い時間をかけて、しつこく取材するつもりです。森友事件では犠牲者が1人出ている。その重みを感じつつ、まずは、なぜ彼が死に追いやられたのか、という背景を明らかにしたい。(取材・文=小塚かおる/日刊ゲンダイ)


県民投票不参加表明 市民の権利尊重し再考を
 宮古島市の下地敏彦市長が、辺野古基地建設のための埋め立ての賛否を問う県民投票を同市では実施しないと表明した。宮古島市民は、地方自治法に基づく直接請求署名と県議会の議決によって実現した意思表示の権利を奪われることになる。市長は再考すべきである。
 宮古島市議会では、補正予算から県民投票実施のための予算を削除した修正案が賛成多数で可決され、再議に付されても同様の結果だった。
 表明に際して下地市長は「住民から選ばれた議員が判断したもので、大変重い」と述べ、市議会の判断を尊重する意向を示した。
 県民投票条例制定の直接請求で宮古島市の有権者の1割に近い4184人が署名した。県民投票に反対した議員はこの民意をくみ取って採決に臨んだのだろうか。市長は市議会の多数決より市民の権利を尊重して、地方自治法に従い専決処分で予算を執行しなければならないはずである。
 今回の県民投票条例は、賛否いずれかの多い方が有権者数の4分の1に達した時、知事はその結果を尊重しなければならないとしている。どちらがより多く、かつ4分の1に達するかが焦点となる。
 市町村議会で県民投票を巡る議論が続いてきた。二者択一ではなく「やむを得ない」「どちらとも言えない」を加えた4択にすべきという意見や「普天間飛行場の危険性除去が置き去りになる」などの批判がある。
 選択肢が多ければ投票率は上がるかもしれないが、あいまいな結果に終わりかねない。それでは住民投票をやる意義は薄れる。県民投票は県民が意思表示の権利を得るとともに、二者択一の真剣な議論をして判断しようという営みでもある。
 普天間が置き去りになるというのも筋違いだ。県民投票は「普天間固定化」か「辺野古移設」かの二者択一ではない。県は辺野古の工事は完成まで13年以上かかると試算しており、完成しても普天間の返還は約束されていない。これでは普天間の危険性は長期にわたって続く。普天間の固定化を許さず、運用を停止させ早期返還を実現することは県民挙げて取り組むべき緊急課題である。県民投票を実施しない理由にはならない。
 下地市長は記者団に「国全体に関わる問題を一地域で決定するというのは国の専権事項を侵す形になると思う」とも述べた。
 軍事については国の言いなりになるしかないと言うのであろうか。それがどのような結果をもたらすかは、現在は基地被害が目立たない宮古、八重山も含め、沖縄の近現代史が雄弁に物語っている。
 自分たちが再び軍事の犠牲にならないために、自らの未来について自らで判断したい。県民投票はその機会だ。県民投票の是非を論じるのではなく、県民投票を実施する中で真剣に議論すべきだ。


[県民投票「実施せず」]住民の投票権奪うのか
 新基地建設に伴う埋め立ての賛否を問う県民投票について、宮古島市の下地敏彦市長が実施しない考えを明らかにした。
 「議会の意思を尊重する」というのが理由だ。
 宮古島市議会は18日、県民投票に関する部分を削除した予算案を賛成多数で可決。下地市長が議決のやり直しを求めて「再議」となったが、同様に削除した修正案が賛成多数で可決された。その後、市長は不実施を表明した。
 県民投票は学生や弁護士ら市民有志が9万2848筆の署名を集め、県に条例制定を請求したものだ。署名は必要数である有権者の50分の1を大きく上回り、宮古島市でも有権者の1割近い4184筆が集まった。
 下地市長には寄せられた署名の重さと、条例や地方自治法に定める執行義務を再確認してもらいたい。
 「二元代表制」をとる地方自治体で、選挙によって選ばれた市長が、直接的に「政治責任」を負うのは住民だからだ。
 県議会で制定された県民投票条例13条は、投票資格者名簿の調製や投開票の実施を「市町村が処理すること」と定めている。
 地方自治法177条は、市町村の義務的経費を議会が否決した際、首長は再議に付し、再び否決された場合は、自ら予算を計上し「支出することができる」と規定している。
 住民の基本権である投票権が議会によって奪われることになれば、地方自治は大きく揺らぐ。
 下地市長には再考を求めたい。
    ■    ■
 市民の「意思表示する権利」を奪うとの指摘に対し、下地市長は「大多数の議員が反対したということは、市民の意見がそこに集約されている」と持論を展開した。論理に飛躍と決めつけがあり、合点できない。
 「辺野古移設に反対する知事の考え方は県民が広く支持している」とも語ったが、民意がないがしろにされているからこそ、県民投票が必要なのである。
 さらに「国の専権事項を侵すような形になる」との見解も明らかにした。基地建設など安全保障に関わる問題に、自治体や住民はどうこう言うべきではないとの考えなのだろうか。その発想もおかしい。
 自治体が住民の生活を守る立場から、国に過重負担の軽減と公平・公正な扱いを求めるのは当たり前のこと。
 全国の米軍専用施設の約7割が沖縄に集中しているだけになおさらである。
    ■    ■
 県民投票を巡っては、石垣市の中山義隆市長も議会で予算が否決された場合、実施しないことを明言している。宜野湾市議会もすでに反対の意見書を可決しており、実施が危ぶまれている。
 自民党の国会議員や県知事は「辺野古反対」の選挙公約を当選後に破り、名護市や宜野湾市の市長は選挙で辺野古の移設の是非を語らなかった。
 その上今度は自治体の首長が県民投票を拒否する。
 本当にそれでいいのだろうか。


玉川徹氏「ローラVS日本、米国」の構図の背景を指摘「日本政府は誰も聞く耳を持たない」
 20日放送のテレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」は、モデルのローラ(28)が18日にインスタグラムで、沖縄の米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設に関し、工事中止の嘆願書への署名を呼びかけた話題を特集した。
 署名はホワイトハウスへの嘆願書サイトで8日にスタート。30日以内に10万人集めると、米政府が内容を検討する決まりになっており、ローラの投稿後、2日で4万5000人の署名が集まり、目標の10万人を突破する反響となった。
 取材生活30年のテレビ朝日解説委員・玉川徹氏は、署名運動の背景を解説。「辺野古の問題で言うと、日本政府は聞く耳を持たないんですよ。沖縄の人たちがいろいろな選挙の結果として『ノー』と言っている。この前の選挙で選ばれた沖縄の代表である知事が『ダメだ』と言っているのに、言うこと聞かないでこうやってやっちゃう。日本政府はこの件に関しては誰の(発言も)聞く耳も持たない」と指摘した。
 そして「そうなった時、できることは何かと言ったら、アメリカ政府に働きかけるしかない」と署名活動の意義を強調。
「沖縄の玉城(デニー)知事だって、アメリカに行く。アメリカの国民に直接訴える、アメリカの政府に直接訴えるということでしか、結局動かない。アメリカが『やめる』って言ったら日本政府は『あーそうですか、やめましょうね』ってなるんですよ。別にないんだから、主体性なんか、この件に関して」と、政権が米国に追従する以上、他に策がないことを訴えた。
 玉川氏は「タレントさんのっていう問題だけじゃなくて、ホワイトハウスに働きかける形自体がなるほどなって思えるところはありますね」とローラを含めた署名活動に納得の表情を浮かべた。


原発輸出 政府は手を引くべきだ
 日立製作所が英国で進めている原発建設計画が、凍結の方向になった。事業費が膨張し、出資金が集まる見通しが立たないためだ。
 2011年の福島第1原発事故の影響で安全対策費がかさみ、新増設は国内に限らず海外も厳しい状況になっている。
 日本企業の原発輸出は、全て暗礁に乗り上げた形だ。三菱重工業がトルコで進めてきた原発建設計画も先日、断念の方向が決まった。ベトナムやリトアニアでも計画の撤回や凍結が相次いだ。
 安倍晋三政権は原発輸出を成長戦略の柱に据え、官民を挙げて推進してきた。菅義偉官房長官は「日本の原子力技術に対する期待の声はある」とし、日立の凍結方向が表面化した後も輸出への支援を続ける考えを示している。
 採算が見込めないのは確実だ。無理に進めると、国民に負担を強いる事態になりかねない。政府は手を引くべきだ。
 日立は12年、福島事故により国内の新設が見込めなくなったことを受け、英国の原発会社を買収。英中西部アングルシー島に2基を建設する計画に参画した。20年代前半の運転開始を見込んだ。
 事業費は当初の2兆円から3兆円に拡大。このうち英国側が2兆円を融資、残る1兆円を日立、日本の大手電力や政府系金融機関、英政府と地元企業の3者が出資する予定になった。
 だが採算性に疑問符が付く状況に大手電力は及び腰で、英国側との調整も進んでいなかった。
 発電した電力の買い取り価格も課題だ。事業費の回収には高水準が必要だが、英政府は電気料金を抑えたい。太陽光や風力など再生可能エネルギーとの競合もあり、価格引き上げは難しい状況だ。
 英国は、欧州連合(EU)離脱交渉に伴う混乱で将来を見据えた交渉が難しい。長引けば損失は拡大する。日立としては早く断念したいのが実情だろう。
 政府は、民主党政権のときから原発輸出を成長戦略に位置付けた。安倍政権はより積極姿勢を示し、トルコやインドへのトップセールスなどに力を入れてきた。
 コストの膨張に限らない。リトアニアでは国民投票で建設が否決されるなど、原発への逆風は国際的にも高まっている。
 東芝は、米原発子会社ウェスチングハウス・エレクトリックの経営破綻が本体をも揺るがし、海外の原発事業から徹底している。
 原発にしがみつく政策にもはや展望はない。世界の流れと現実を踏まえ、見切るべきだ。


原発輸出 再生エネ普及拡大へ政策転換を
 日立製作所が、英国での原発新設計画を凍結する方向で調整していることが分かった。三菱重工業もトルコでの原発新設を断念する方向で検討している。東京電力福島第1原発事故を受けて安全対策費が巨額となり、新設しても採算が取れないことが主な原因だ。政府が企業とともに海外で進める原発輸出の計画は全て実現しない見通しとなった。
 原発輸出は、安倍政権が成長戦略の一つに掲げているが、世界的に太陽光などの再生可能エネルギーが急速に普及拡大しており、原発は時代遅れのエネルギーとなりつつある。そもそも福島原発事故の原因究明も廃炉も道半ばの中、事故を起こした日本が原発を輸出するのは無責任と言わざるを得なかった。政府は、再生エネの普及拡大に向けたインフラ整備などへ、政策の転換を急ぐべきだ。
 日立と英政府が新設を計画していた原発2基は、事業費が当初の2兆円から3兆円規模に膨らんだ。英国と日立は6月に本格交渉入りで基本合意していたが、日本で出資金集めが難航しているほか、早期の投資回収のため英国に高い水準を求めていた電力の買い取り価格も、欧州連合(EU)離脱に伴う政局の混乱で膠着(こうちゃく)状態となっている。
 トルコの原発に関しては、建設費が当初の2倍以上の5兆円規模にまで拡大している。2012年にはリトアニアの国民投票で日立の建設計画が否決された。16年にはベトナムが計画を白紙撤回。事実上の核保有国であるインドとも原子力協定を締結したが、計画は具体化していない。
 政府には、国内で原発再稼働が進まない中、原発輸出によって技術や人材を維持し、原子力産業を守る思惑があった。だが福島原発事故を受け、各国で原発に厳しい安全性が求められるようになり、再生エネの普及拡大に伴う発電のコスト低下で原発の相対的な競争力は下がっている。安全性でも経済性でも原発は行き詰まっており、政府の見通しは甘すぎたと言える。
 にもかかわらず、世耕弘成経済産業相は「安全性の高い技術を世界に広める必要がある」と強調。菅義偉官房長官は「日本の原子力技術への期待の声はある」として、原発輸出政策を継続する考えを示している。いつまでも原発に固執する姿勢は看過できない。このままでは世界の潮流から取り残されると自覚すべきだ。
 日立は、送配電などの電力システム事業をスイスの重電プラント大手ABBから買収すると発表した。情報技術を活用し、出力が不安定な再生エネの効率的なネットワークづくりを手掛ける。既に企業では脱原発にかじを切る動きが加速しており、政府は再生エネに関するインフラの普及こそ後押しすべきだ。まずはエネルギー基本計画を抜本的に見直し、明確な脱原発の方針を示すことから始めなければならない。


玉川徹は「上から目線」なんかじゃない! 「ものまねグランプリ」神奈月のモーニングショー玉川いじりに反論
 18日夜放送の『ものまねグランプリ2018』(日本テレビ)で、ものまねタレントの神奈月が異色人物のものまねで優勝し、話題になっている。
 ネタは、DA PUMPの「U.S.A.」に乗せて、『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日)のレギュラーコメンテーターをいじるものだった。
長嶋一茂(のものまね)「いつも天気、外す人だ」
石原良純(のものまね)「なに言ってんだよ! おまえなんかさ、仕事サボってハワイ行ってんじゃねぇよ」
長嶋一茂(のものまね)「いや、でも本当にうざいのは……一緒に出てる玉川さん!」
 こんなかけあいのあと、「C’mon, baby 玉川 いつも上から目線」という替え歌が流れ、今度は玉川徹のものまねをして、こう叫ぶ。
「上から目線とか論点がズレてるとかいつも偉そうって言われてるんですけど、そもそも、オレ、局の社員」
 そう、優勝した神無月のネタは、テレ朝の社員コメンテーターである玉川徹氏のものまねがメインだったのだ。
 翌19日の『モーニングショー』ではさっそく、MCの羽鳥慎一や宇賀なつみアナが「出ました、上から目線」と玉川氏をいじり、普段、舌鋒鋭い玉川氏も「勘弁してください」と苦笑するしかなかった。
 しかし、本サイトとしては、玉川さんになりかわって、あのモノマネには反論をしたい。
 といっても、「玉川さんのモノマネをするな」とか無粋なことを言いたいわけではない。日本テレビのバラエティ番組で、テレビ朝日の番組の社員コメンテーターをものまねネタにするというのは異例だと思うが、玉川氏にはそれだけの存在感があるし、番組を観ればわかるように、いじりがいのあるキャラだと思う。
 ただ、「いつも上から目線」という表現はないだろう。玉川徹は断じて「上から目線」じゃない。むしろ逆だからだ。
 玉川氏といえば、『モーニングショー』の前身番組の時代から、「ちょっと待った!玉川総研」「そもそも総研」といった自身のコーナーで、庶民の視点から独自の取材で消えた年金問題や原発問題など、権力の問題点を追及してきた。
 さらにここ数年、『羽鳥慎一モーニングショー』にリニューアル以降はレギュラーコメンテーターとして毎日登場し、御用コメンテーターや忖度社員だらけの他のワイドショーでは絶対に見られない、真っ当な政権批判をおこなってきた。
 たとえば最近でも、今年7月、杉田水脈衆院議員の“LGBTは生産性がない”発言では、多くのメディアが杉田議員個人の失言という扱いだったなかで、玉川氏は自民党、安倍政権全体に共通する問題であることを指摘した。
「まず『子どもをつくらない人に生産性がない。そんな人に税金を使う必要はない』と言っているわけですよ。そうすると、私、子どもいません。生産性ない人間です。だから、これはLGBTだけの問題じゃないんですよ。夫婦で子どもができない人っていうのは、だいたい1割くらいがそうなんですね。1割は生産性がないのか。それだけじゃない。もっと深いと思うんです。国家のために国民があるんだという考え方がどうしても透けて見えるんですね。生産する、生産っておかしいんだけど、子どもをつくる、それで国家に貢献する、それが正しいことなんだ。だから、子どもをつくらない、国家に貢献しない、そういう人は国家は面倒を見るべきでないという考え方は、やっぱり根強くあるんですね、自民党のなかに。なんでそういうふうに言うかというと、自民党の憲法草案があって、そのなかに、人権っていうのは、いまの現行憲法はですよ、人権っていうのはみんな持っているんだ、はじめから、無条件に、という考え方なんです。自民党の憲法草案Q&Aを見るとですね、歴史とか伝統を踏まえた部分に関して、人権が発生する、条件付きなんです。ようするに、国家がこの人には人権があるべきだと認めた考えた人には人権があるという考え方なんです。共通するんです。だから、政治家がこの人たちは支援すべきでない、つまり人権がないというふうな考え方を取りがちなんです。だから、二階幹事長が否定しない。それから先輩の自民党議員が、『あれ間違ってないじゃない』って言ってたという話も含めて、『そういう党でいいんですか、自民党は』ということが問われてる」
田崎史郎、山口敬之ら御用コメンテーターにも果敢に反論
 玉川氏は「上から目線」どころか、あらゆる国民に人権があるということを説得力をもって語っていたのだ。
 しかも、玉川氏はこうした批判をその場の空気に乗っかって付和雷同的に口にしているわけではない。
 本サイトで繰り返し報じてきたとおり、ここ数年のテレビ朝日は、安倍政権の意向を忖度し、政権批判的な報道がどんどん排除されている。『モーニングショー』も例外ではなく、政権批判的なテーマを扱うことが少なくなり、扱ったとしてもアリバイ的に2〜3分で済ますことも多くなっている。
 しかし、そんななかでも玉川氏は、一切スタンスを変えることなく、短い時間のなかでも、真っ当で本質をついた政権批判を続けている。
 2017年夏の都議選投開票日翌日の放送で、『モーニングショー』は各局が報じていた安倍首相の「こんな人たち」発言の映像も流さなかったが、玉川氏は「映像にはなかったけど」と自分からこの話題を持ち出し批判した。
 また、森友・加計問題といったスキャンダルや共謀罪などの問題法案審議、選挙前後、海外首脳との会談といった政権の節目のタイミングでは、山口敬之氏や田崎史郎氏といった安倍応援団を解説者として出演させ、官邸の意向を代弁させるケースが多いのだが、彼らの詭弁やフェイクまがいの解説についても、玉川氏はきちんと反論し、問題点を突っ込み続けてきた。
 たとえば、安倍首相が大統領選当選直後のトランプ氏と会談した際には、安倍首相を絶賛する山口氏に対して「仲良くなりすぎるのもよくない」と皮肉交じりに反論したこともあったし、森友問題で総理夫人付き担当者が財務省にFAXを送っていた問題で「ゼロ回答なので問題ない」という政権の無茶苦茶な言い分を垂れ流す山口氏に徹底反論し、完全に論破したこともあった。
 さらに、安倍首相がヤジを恐れて演説場所を告知しないという前代未聞の“ステルス作戦”をとったことについて議論になったときには、「安倍首相に対するヤジはよくない」というイメージをつけようとする田崎氏に対し、玉川氏は国民の立場に立って、徹底的に反論した。
田崎「『安倍やめろ』っていうああいうやり方が正しいと思われてます?」
玉川「両方ともあっていいと思いますよ、僕は。あっていいと思います、ヤジも。だって国会でヤジ認めてるのに、一般の大衆ヤジ認めないなんておかしいじゃないですか」
田崎「だからこういう多くの人がこられてやるやり方が、正しいと思われてるの?」
玉川「いや、それは組織動員とかだったらどうかなと思うけど、一般の人でも安倍総理のやり方に対しておかしいと思ったら、目の前にいたら『おかしいじゃないか』っていうふうな人が出てくるのは自然だと思う」
玉川徹は「上から目線」ではない、庶民目線で権力批判している
 しかも、玉川氏がこうした舌鋒鋭い批判を繰り出すのは、相手が強者や権力者だったとき、弱者の立場に立って行政の問題点を指摘するときがほとんどで、芸能人の不倫など、バッシングに丸乗りして偉そうに説教をすることなど、まったくない。むしろ、ヒステリー的な論調を抑えている。
 たとえば、ベッキーの不倫騒動のときは、「だめだとわかっていても、走ってしまうのが恋愛だ」という意味の発言をして、スタジオでひやかされたこともあったし、小室哲哉の騒動のときも「不倫というのは極めて個人的なもの、当事者同士の問題で、他人がどうこういう話ではない」「たとえばこういう報道があるとスポンサーに対して、抗議の電話があるという話も聞くが、過剰反応する人が全く理解できない。人の話で何をそんな怒っているんだろうというのが感想で、僕らを含めたテレビのコメンテーターが視聴者におもねる姿勢を見せることが許せないみたいな空気を増幅させているのではないか」と語っていた。
 これのどこが「上から目線」だというのか。上から目線というのは、御用学者の三浦瑠麗氏が、権力者や富裕層・支配層を擁護、あるいは“神の視点”に立ってどっちもどっちと言って一般市民の愚かさを糾弾するような、そういう物言いのことだ。玉川氏は逆で、弱者の側、庶民の側に立ち、力の強い者、理不尽な権力者を批判しているだけなのだ。
 ところが、ネトウヨは、忖度に屈せず、安倍政権に対してダメなものはダメと言い続ける玉川氏の存在が我慢ならないようで、毎朝のように「偉そう」「上から目線」「頭おかしい」などと激しい攻撃を繰り広げてきた。
 いや、ネットだけではない。御用マスコミの間からも、玉川氏への攻撃が出てきている。2018年4月、財務省の福田淳一事務次官によるテレ朝女性記者へのセクハラ問題に関し、テレ朝の会見のなかで、読売新聞の記者が玉川氏の姿勢を批判する質問があった。
読売新聞記者の玉川批判にも毅然と反論
 しかし、このときも翌日の放送で、玉川氏は毅然と反論している。
玉川「読売新聞記者から、ようするに、私は会社の姿勢・立場を内外に伝えるべき立場なのに、みたいな質問があったらしいんですけど、誤解されていると思うんで」
羽鳥「会社の姿勢を内外に伝える社員でありコメンテーターという立場なのに、ちょっとスタンスが違うんじゃないの、そんな奔放な発言をしているのはどうなんでしょうかっていう質問があって」
玉川「私のミッションは、会社の立場や姿勢をここで伝えることがミッションじゃないんですよ。会社から与えられているミッションていうのは、個人として発言しなさいと。で、結果として、それが多様な視点を提供するようなかたちに番組がなりなさいというのがミッションなんですね。だから、私は会社の立場を代弁するために、ここに座っているんじゃないんです。だから、読売の記者の方、誤解されてるんで、違いますよ、そこはね」
羽鳥「社員ではあるけれども、会社の意見を言う立場ではないと」
玉川「違います、違います。それ、テレビ観てる方はみんなわかってると思いますよ。読売の方はたぶん番組観たことないんだと思うんですけど。たぶんネットなんかに上がったのを見て質問されたんだと思いますけど。まあ、番組観てから質問してくださいね」
 おそらく、今回、日テレの『ものまねグランプリ2018』で神無月が「うざい」「上から目線」という言葉で玉川氏をいじったのも、こうしたネットや御用マスコミの空気を反映したものだろう。
 もちろん、冒頭でも言ったように、玉川氏も言論人としてメディアに出ているのだから、バラエティなどでいじられるのは当然だし、たかだかモノマネ番組のネタのことを批判するのが野暮だということもわかっている。
 しかし、それでもやはり、玉川氏のことを「上から目線」という指摘はまちがっているということだけは言っておきたい。ジャーナリズムのあるべき姿勢をまっとうしている玉川氏が「うざい」とされるような、いまの日本のマスコミのほうがはるかに異常なのである。


「京大タテカン」今度はゲームに 撤去めぐる攻防、スマホで体感
 京都市の定める屋外広告物条例に違反するなどとして今年5月に規制された京都大の立て看板(タテカン)をモチーフにしたスマートフォン向けの無料ゲームが、SNSで注目を集めている。プレーヤーはタテカンを守る主人公を操作し撤去を巡る攻防を体験できる内容で、ツイッター上では「制作者のタテカン愛すごい」「普通にゲームとして面白い」と、11月の公開直後から早くも話題となっている。ゲームを開発したのは「夜更けのぼっち旅団」を名乗る団体。ちょっと危険な匂いのするネーミングセンスが、好奇心をかき立てる。「顔出しNG、匿名」を条件に、メンバーの代表という男性が京都新聞社の取材に応じた。果たして彼らの目的は−。
■記者もプレイ、武器を手に奮闘もタテカンは…
 「京大正門前が寂しかったので、タテカン防衛を楽しめるゲームを作りました。タテカン防衛したいけど、身近に守れる立て看がないあなたにぴったりのゲームとなっております」。インターネットで「タテカン防衛」と入力して検索すると、夜更けのぼっち旅団を名乗るツイッターアカウントのつぶやきがヒットした。ゲームのタイトルは「それはお前がやるんだよ」。すでに撤去されたが、以前に京大周辺に実在したタテカンにちなむ。
 取材に先立ち、記者も何度かプレイしてみた。スマートフォンの画面に表示されたスタートボタンを押すと、懐かしい感じのサウンドが流れ始める。ゲームの舞台は「京宮大学」。石垣の雰囲気や門の造り、背景の時計台やクスノキと思われる樹木など、東一条通から見た京大吉田キャンパスそのままだ。
 しばらくすると、タテカンを撤去しようとする「敵」が次々に襲いかかってきた。こちらも「武器」を手に懸命に戦うが多勢に無勢。激しい攻防の末、無念にもタテカンは撤去された。ゲーム・オーバー。
 簡単そうに見えて、やってみると結構難しい。プレイ時間に応じて得られる「当局ホイホイ」「倒れるタテカン」などのアイテムが攻略の鍵になっているようだ。
 キャラクターのデザインや背景も凝った作りで、完成度が高い。素人目で見ても相当な手間がかかっている。開発した夜更けのぼっち旅団とはいったい何者なのか。
■メンバー代表「撤去は見せしめ」「メディアに不信感」
 12月某日の夜。「顔出しNG、匿名」を条件に、夜更けのぼっち旅団の代表という男性が京都新聞社の取材に応じた。

<タテカンゲームを開発し、SNSで公開した目的を教えてください。>
 タテカン撤去から時間が経ち、学生の間でもタテカンがあったことが忘れられてきていると感じていた。あったものがなかったことになっていくのは、とても怖い。これまでにもゲームを自作したことがあったので、タテカンが並ぶ京大周辺の風景をゲームにして残したい、みんなに思い出してほしいと思って。現実のタテカンはなくなってしまったけれど、ここ(ゲーム)にあるよ、と。これまでタテカン問題に興味がなかった人たちにも、ゲームをきっかけにタテカンについて考えてもらえるとうれしい。
 「夜更けのぼっち旅団」には私のほか、現役の京大生が複数人、有志として関わっている。みんな、あんまり友達が多いタイプじゃないし、深夜に集まって活動することが多いので、「(ひとり)ぼっちが夜に集まっている」ということで、グループ名を「夜更けのぼっち旅団」に決めた。
<ツイッターで公開して以降、リツイートやお気に入り合わせて600件を超える人気です。ゲームではタテカンを撤去しようとする「敵」を武器で攻撃するなど一部過激ともいえる表現も含まれていますが、反響はありますか?>
 今のところ、ツイッターでは好意的な評価が多く、うれしく感じている。実際のタテカン撤去の現場に立ち会ったこともあるけれど、大学職員が数十人がかりで、有無を言わさず持ち去っていく。京大の「自由の学風」を象徴するタテカンを力ずくで撤去する様子は、圧政の象徴のように感じた。ゲームでも撤去の現場の空気を再現しようと、キャラクターの動きや登場する敵の数にかなりこだわった。現実には存在しないが、ゲームでは「自由」と書かれた看板も登場する。
 主人公が団体交渉を要求するという展開も一時考えたが、ちょっとゲームになりにくいので、やむなく武器で攻撃する形になった。もちろん、現実では(攻撃は)絶対だめですが…。
<京大は今年5月、京都市の屋外広告物条例に違反しているとしてタテカンを撤去し、掲示について新たな規制を設けました。京大に通う学生として、一連の「タテカン問題」をどのようにとらえていますか?>
 「タテカンは条例に違反している」「京大が京都市の指導に従った」と繰り返しニュースや新聞で報じられ、「行政の指導なら撤去されても仕方ないな」という雰囲気がつくられていったように感じた。タテカンに関する報道を見聞きするうちに、メディアに対して不信感を持つようになった。京大のタテカンは商業目的の広告とは異なり、屋外広告物条例の対象になり得るのかという疑問が今も残っている。タテカンは見せしめに使われたのではないかと思う。
 色々なタテカンが並んでいる光景は、学生の奔放さを認める京大の懐の深さを象徴していたと思う。昔に比べて稚拙なタテカンが多いという声もあるが、少なくとも「自由の学風」を象徴するという存在意義はあったし、自分自身、タテカンが並ぶ京大は学生がやりたいことを認めてくれる大学だと感じたから入学した。
 建て替えをめぐる京大吉田寮の問題とも通じるが、議論することなく京大自身が「自由の学風」をつぶしてしまうのは、大学と学生の双方の将来にとってプラスにならないと思う。
 タテカンゲームは遊びに過ぎないかもしれないが、遊びだからこそ伝えられることもある。タテカンに興味のある人もない人も、どんどん遊んでほしい。
■「自由の学風、もはや神話か」折田先生のひ孫も懸念
 京大の「自由の学風」の礎を築いたとされる旧制三高の初代校長・折田彦市のひ孫で、弁護士の折田泰宏さん(74)は「これまで続いたきたタテカンを、文化としてとらえるところに京大の良さ、京大らしさがあった。三高以来の『自由の学風』は、もはや神話になりつつあるのではないか」と憂う。京都市の屋外広告物条例を根拠とする規制については「私は法律家だけれども、法律をしゃくし定規に守るだけでは社会はどんどんつまらなくなる。行政には裁量権があり、条例があったとしてもケースバイケースで考え、対応することもできるはずだ」と疑問を呈する。
 一方で「京大のタテカンをなぜ守らなくてはならないのか、突き詰めた分析が足りていないように感じる。冷静に考えれば、これは表現の自由に関わる問題。たとえタテカンが大学の外になくなったとしても、学生一人ひとりがどんどん自由に発言や表現をしていけばいい。インターネットやSNSの利点を活かしたタテカンゲームも、表現の自由を考えるひとつの入り口として期待したい。三高の初代校長だった折田彦市はとにかく、学生を自由にした。もう一息、がんばってほしい」と話している。


私鉄は「梅田」なのに、なぜJRだけが「大阪」駅? 環状線の内側に巨大ターミナルがある不思議
小林 克己 : 旅行ライター
阪神電鉄の梅田駅。JR大阪駅と目と鼻の先にあるのになぜ大阪駅を名乗らないのか(編集部撮影)
JR大阪駅の周囲を見渡すと、私鉄や地下鉄の駅がいくつもある。面白いことにそれらの駅名は、大阪駅ではなくすべて「梅田」がつく駅名になっている。阪急と阪神、地下鉄御堂筋線は梅田駅で、地下鉄谷町線は東梅田駅、地下鉄四つ橋線は西梅田駅だ。
大阪について明るくない人から見れば、この駅名の違いが非常にわかりにくい。同じ場所にもかかわらず、なぜJRと私鉄(と地下鉄)で駅名が違うのだろうか。これはどうやら大阪に初めて鉄道ができたときにさかのぼる。
大阪駅が造られたのは、1874(明治7)年。日本初の鉄道が東京の新橋―横浜間で開通した2年後の大阪ー神戸間開通の時である。場所は現在の大阪駅より少し西寄りの中央郵便局辺りにあったという。当初、市の中心部の堂島辺りに敷設を計画していたが、付近の住民に火事が起こると猛反対されたため、やむなく町外れの田圃やあぜ道のある梅田に造られた。
これが大阪で初めて開設された駅だったが、実はその前に別の鉄道の敷設計画があった。1869(明治2)年にアメリカの商社が大阪―神戸間の敷設を申請し、「大阪駅」ではほぼ内定していたのである。しかし明治政府は、鉄道は政府がやるべき事業であるとして許可しなかったのだ。
その5年後、政府の手によって大阪―神戸間が開通して大阪駅ができた。だが当時の大阪の人々は、この駅を大阪駅と呼ばずにもっぱら「梅田駅」「梅田ステンショ」と呼ぶようになった。谷川彰英氏著『大阪「駅名」の謎』によると、当時の大阪の人々は、自分たちが民間で鉄道を敷こうとしたのを拒否され、政府が主導で鉄道を敷いたのが面白くなかったらしい。そこで政府に対する反発から、「大阪駅」の名前を拒否して、あえて地元で親しまれていた「梅田」の名で呼んだのだという。
「梅田」は政府への反発心?
その後、大阪駅一帯に乗り入れた鉄道は、ことごとく「梅田」を名乗った。大阪駅前に市電が通るようになったのは1908(明治41)年である。この時停留場の名前を市民に親しまれやすいように、わざと梅田停車場にした。その2年後には、阪急電鉄の前身である箕面有馬電気軌道が梅田駅を開設。さらに1914(大正3)年には阪神電鉄が乗り入れ、こちらも梅田駅を名乗った。その後は、前述のように大阪市営地下鉄の各路線が梅田、東梅田、西梅田と、次々と「梅田」を冠した駅を開設して現在に至っている。
一連の流れを読み解くと、明治の終わり頃、私鉄が次々と大阪の中心地に沿線を延ばそうとした際、各社は政府への反発心からか、「大阪駅」の名前を使うことに難色を示したのだろう。大阪駅の近くに残る梅田駅の駅名は、鉄道開通への地元の人々の思いが政府への反骨心となって表れたものだったのかもしれない。
関西は私鉄王国として知られている。大阪環状線をはじめ、神戸線や京都線のほか、東西線、学研都市線、大和路線などのJRの路線が敷かれているものの、それ以上に私鉄の勢力が強いからだ。
その構図がはっきり表れているのが大阪の都心部である。東京の私鉄のターミナル駅は、大半が山手線の駅とセットのような形になっていて、山手線の内側には入り込めていない。かろうじて内側にあるのは、京成電鉄の京成上野駅、西武鉄道の池袋駅、西武新宿駅などごくわずかだ。
ところが、大阪の都心部の路線図を見ると、南海電鉄の難波駅や阪神電鉄の梅田駅、京阪電鉄の中之島・淀屋橋駅、近畿日本鉄道の大阪上本町駅など、環状線の内側に私鉄各社のターミナル駅が存在する。
この違いは、大正期の行政による鉄道整備にある。東京の山手線が環状運転を始めたのは1925(大正14)年。大阪環状線が完成した1961(昭和36)年の36年前である。この当時、東京の山手線内では、すでに路面電車(のち統合、東京市電)が張り巡らされ、十分に市内交通の役割(のちに地下鉄が代替)を担っていた。そのため政府は、私鉄が市内へ延伸しようとしても認可を与えず、山手線の内側へ入ることをブロックしていたのだ。
関西はなぜ「私鉄王国」なのか?
長らく環状線がなかった大阪では、私鉄が国鉄の路線に阻まれることなく、都心部へと路線を延ばしていくことができた。大阪でも東京同様に、市内交通は大阪市が行うという市営モンロー主義があったが、東京のように山手線でブロックされていないため、国鉄路線という物理的な壁はなかったのである。
そしてその後、大阪環状線が完成し、都心部へ乗り入れていた私鉄は自然と環状線の内側にターミナル駅を持つ形になったというわけだ。
つまり、都心部への路線を国鉄より先行して敷くことができた私鉄が、国鉄より高い利便性を獲得し、強い勢力を持つようになったのである。


熊本の松橋事件、再審無罪へ 検察、殺人の立証断念
 熊本県松橋町(現宇城市)で1985年、男性=当時(59)=が刺殺された松橋事件で、殺人罪などで懲役13年が確定し、服役した宮田浩喜さん(85)の再審公判に向け、裁判所と検察、弁護団の3者協議が20日、熊本地裁で始まり、検察側は有罪立証を断念すると表明した。やり直しの裁判で宮田さんの殺人罪について無罪が確実となった。地裁は再審初公判を来年2月8日に開く方針。
 協議終了後に記者会見した弁護団によると、検察側は殺人罪について「有罪の立証も主張もしない。無罪求刑はしない」とした。

シードル買った/センメンセキ?+Itさん

ブログネタ
フランス語 に参加中!
Han15

Le "Masque & la Plume" est unanime : “Une Affaire de famille”, Palme d'Or à Cannes, est bouleversant !
Un film sur la famille sans angélisme, sans mièvrerie, sans bon sentiment... Découvrez la merveille du cinéaste japonais Hirokazu Kore-eda : “Une Affaire de famille”. Un immense cinéaste pour les critiques ciné du "Masque & la Plume", qui manie l'art du cadrage, de la musique et des lumières…
Le résumé du film de Hirokazu Kore-eda, par Jérôme Garcin
Palme d’Or et film Inter : Une Affaire de famille, du Japonais Hirokazu Kore-Eda, avec Lily Franky, Sakura Andô, May Matsuoka.
Les Shibata, une famille pauvre et asociale qui vit de petits larcins et s’entasse dans un espace réduit, recueillent dans la rue une petite fille de quatre ans, une enfant battue, qui ressemble à un oisillon tombé du nid et qu’ils ramènent chez eux. Chez eux, il y a donc le père voleur à la tire, la mère qui bosse à l’usine, un fils de 12 ans, une sœur aînée qui travaille dans un peep-show, une grand-mère bougonne qui touche une petite retraite. Une famille plutôt sympathique et joyeuse, pour un film tendre, dont on ne révélera pas la seconde partie, ou rien n’est si simple...
La deuxième partie renverse le film et lui donne une force incroyable, selon Sophie Avon
SA : C’est une belle Palme ! Ce qui est drôle c’est que selon Kore-eda, c’est le mot ≪ colère ≫ qui est à l’origine de ce film, alors que pour moi s'il y a bien un mot qui ne me vient pas en tête quand je vois ce film c’est ≪ colère ≫.
Dans la deuxième partie, il y a certes, quelque chose d’une révolte sourde qui court et qui est très belle, mais elle est précédée d'une première partie qui est un véritable hymne au bonheur.
Une famille faîte de bric et de broc et qui construit de manière très innocente, sans s’en rendre compte, ce point merveilleux qu'est la félicitée et la construction de cette famille.
C’est d’une beauté extraordinaire qui frise l’angélisme - toutefois il n'y a jamais d'angélisme chez Kore-eda car ses personnages sont extrêmement vrais, ils sont vivants, ils ne sont pas réduits à la pauvreté, à leur statut social, à leur qualité…
Mais la deuxième partie, sans en parler, renverse le film et lui donne une force incroyable. C’est intéressant car tout à coup les personnages, de par la situation, sont obligés de théoriser sur la fiction qu’ils ont vécue, et ils commentent eux-mêmes ce qu’ils ont fait, ce qu’ils ont été, et c’est très intéressant.
Kore-eda est un cinéaste immense et bouleversant, pour Xavier Leherpeur
XL : C’est une merveille, comme tout le cinéma de Kore-eda que j’aime depuis ses débuts et qui semble toujours creuser la thématique de la famille.
C’est un immense cinéaste car on a l’impression que son cinéma est très simple, que tout le monde pourrait le répliquer, et en fait quand on regarde la manière dont il construit un cadre avec plusieurs cadres à l’intérieur…
Le bon sentiment est coupé par le montage : là ou on pourrait tomber dans la mièvrerie, le bon sentiment est coupé, sans cynisme, avec une vraie lucidité. Et les personnages continuent à exister dans le hors-champs. C’est un cinéaste bouleversant et très lucide.
Et ce film est universel même s’il est terriblement nippon, il nous dit des choses sur la famille qui nous déculpabilise.
Un film gracieux, élégant, et surbversif, selon Pour Charlotte Lipinska
CL : C’est un film qui est totalement habité par la grâce, mais une grâce discrète, il n’y a rien de tape à l’œil, rien d’ostentatoire, le film est traversé d’une grande douceur, il y a un concentré de ses thèmes obsessionnels de manière magistrale. Et je voudrais noter l’élégance formelle du film, il y a un travail sur la musique, sur la lumière, qui est extrêmement précis car on traverse plusieurs saisons.
Et sans révéler cette deuxième partie du film, il se révèle beaucoup plus subversif qu’il n’en avait l’air et cette chronique douce-amère, familiale du premier temps, se révèle du poil à gratter qu’on n’avait pas vu venir, avec une émotion qui nous submerge. C’est une Palme du cœur mais c’est aussi une Palme de la raison car c’est un très grand film.
Pierre Murat a été frappé par la version subversive et alternative que le film donne de la famille !
PM : Du poil à gratter, il y en a toujours chez Kore-eda. Dans ce film, on voit que les liens de cette famille sont extrêmement troubles : leurs liens sont aussi fondés sur l’intérêt qu’ils ont de vivre ensemble. La tendresse les lie, mais aussi l’intérêt.
C'est une Palme tout à fait méritée mais il y a mieux.
にほんブログ村 外国語ブログ フランス語へ
フランス語の勉強?

とりあえずエノテカに行ってシードルを買いました.意外に安いです.
夕方例のクイズを再考していたら,センメンセキ?.ちょっと大変です.その後Itさんも.Itさんは全滅でした.

餃子の王将社長殺害事件から5年
「餃子の王将」を展開する会社の社長が京都市の本社前で拳銃で撃たれて殺害された事件は未解決のまま、19日で5年となりました。
現場では遺族が花を手向け、「犯人には早く捕まってほしい」と事件の解決を訴えました。
5年前の平成25年12月19日、京都市山科区にある「餃子の王将」を展開する会社の本社前で、当時の社長、大東隆行さん(72)が拳銃4発を撃たれて殺害されました。
現場では、19日午前6時すぎ、大東さんの次女の秋山真弓さん(47)が、花を手向け、黙とうをささげました。
秋山さんは、「ここには3日に1回は来ていますが、とてもつらいです。毎日、どうしてこんなことになってしまったのかと思われ、怒りがこみ上げてきます。犯人には早く捕まってほしい」と一日も早い事件の解決を訴えました。
警察は5年間で延べ16万5000人を動員して捜査を続けていますが、犯人の特定には至っていません。
19日は京都府警の垣内伸吾刑事部長らも黙とうをささげ、事件を風化させず解決を目指すことを改めて誓っていました。
現場近くのJR山科駅前では、警察官と会社の社員たちがティッシュを配って情報提供を呼びかけました。
山科警察署の捜査本部は、フリーダイヤル 0120−08−9110です。
【次女“犯人早く捕まってほしい”】
19日午前6時すぎに、花束を持って現場を訪れた、大東さんの次女の秋山真弓さん(47)は、「ここには3日に1回は来ていますが、とてもつらいです。父は優しい人でした。毎日、どうしてこんなことになってしまったのかと思われ、怒りがこみ上げてきます。社長を辞めてのんびり暮らそうというときで『有馬温泉に行こうな』というのが父と交わした最後の言葉でした。この5年は短かったです。犯人には早く捕まってほしいです」と涙を流しながら話しました。
【駅前で情報提供を呼びかけ】
現場近くにあるJR山科駅前では、19日朝、警察官と「餃子の王将」を展開する会社の社長や社員などが、通勤や通学途中の人たちにティッシュを配って情報提供を呼びかけました。
大東さんのあとの社長を務める渡辺直人さんは「大東前社長は私にとって親のような存在であり、全従業員にとっても父親のような存在で、王将の社長として尊敬できるすばらしい人でした。いろいろと苦労はありましたが、事件を通じて、王将は本当に多くの皆様に支えていただいたことを実感し、感謝の気持ちでいっぱいです。これからも捜査に全面的に協力をして解決をしてもらいたいです」と時折、涙も見せながら話していました。
また捜査本部がある山科警察署の上林康弘刑事課長は、「犯人の検挙に至っておらず大変悔しい思いをしております。現在も懸命に捜査を進めておりますので、皆様からの情報提供をよろしくお願いいたします」と呼びかけています。


阿部祐二氏が語る 誰もが“畠山鈴香”にならない保証はない
秋田児童連続殺人事件(平成18年)
 平成とはどういう時代だったのか。前回のオウム事件に続き、「秋田児童連続殺害事件」に注目してみた。過熱取材から劇場型犯罪とも呼ばれたが、犯人の畠山鈴香に最も食い込んでいたとされる阿部リポーターに当時を振り返ってもらった。
 事件は平成18年4月、秋田県山本郡藤里町の町営団地から10キロ離れた川で、畠山彩香さん(当時9歳)が水死体で発見されたことに始まる。捜査当局は水死として処理したが、直後に母親の鈴香(当時33歳)が「娘は殺された」と主張し、犯人捜しのビラ配りを始める。娘を亡くした母に世間の同情は集まったが、1カ月後に近所の米山豪憲君(当時7歳)が遺体で発見される。疑いの目が向けられたのは、不幸な母とみられていた鈴香だった。
 ――人口4000人ほどの青森県境の山あいの町で2人の児童が相次いで殺害された。畠山鈴香受刑者(無期懲役で服役中)の最初の印象はどうでしたか?
「『暗い』という印象を持ちました。口数が少なく、いつも『具合が悪い』と言っていた記憶があります。そのため、彼女の母親へ取材することが多かった。小さな町で奇怪な事件が相次ぐ。松本清張の小説ではないですが、陰鬱な背景が漂っていることにすぐに気付きました」
 ――取材合戦はどうでしたか?
「私はスタッフと共に近くのホテルに寝起きし、週末だけ帰京する生活が1カ月以上も続きました。着替えもそこそこに連日、鈴香受刑者と母親宅を行き来していた。確かに家族に一番食い込んでいたのは私で、県警が何か私から聞き出そうと挨拶に来るほどでした。取材合戦は過熱しましたが、他のメディアを出し抜こうという意識はなく、彼女の母親にも『他の記者に何をしゃべるかはそちらの自由ですよ』と話していました」
 ――不思議だったのは、当局が事件性なしとしたのに、鈴香受刑者があえて事件を蒸し返したこと。精神鑑定では、鈴香受刑者は事件直後に彩香ちゃん殺害の記憶を自ら抑圧し、橋の欄干から突き落としたことを覚えていないだろうとされました。
「公判の中でも幼少期の父親からの虐待や、中学・高校時代の壮絶ないじめ体験が明らかにされています。事件は貧困が招く孤立型の典型的な犯罪であり、現代社会を投影したものであると思っています。今でも児童虐待死などで市民にマイクを向けると、『ひどいですね』といった反応が返ってきます。しかし、それはたまたま近くに協力者がいて、金銭的にも恵まれているからであって、もし鈴香受刑者のように地域からさえも孤立していれば、我々は同じことをするかもしれません」
 ――他のメディアから阿部さんへの誹謗中傷もありました。
「私は何度も自宅へ足を運び、少しずつ信頼を得ていきました。ところが、中には私と鈴香受刑者が男女関係にあるのではと報じたメディアもありました。同じ報道機関に携わる者として残念ですが、当時は私が取材を独走しており、『何でアイツばかり』と嫉妬もあったはず。東京にいるデスクにドヤされ、取材できない理由を私に押し付けたい気持ちも分からないでもない。ですが、きちんと言っておきますが、私と鈴香受刑者との間に何かがあったなんてあり得ません。あるわけないでしょう」
▽あべ・ゆうじ 1958年、東京都生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。俳優兼リポーター。長女は2017年度ミス・ユニバース・ジャパンの阿部桃子。


NHK紅白なのに“特別枠”ばかり 平成最後はご都合主義の極み
 大みそかのNHK紅白歌合戦まで2週間を切った。今年は平成最後ということもあり、それにふさわしい大物歌手の出場が期待されたが、今のところサプライズは、紅白を卒業していた北島三郎(82)とサザンオールスターズの出演くらい。しかも、この2組は特別枠で、サザンが“大トリ”を務めると一部で報じられた。
 これについてネット上の掲示板では侃々諤々。そして、視聴者の多くが賛同したのが、以下の意見だ。
「特別枠が大トリって、紅組も白組も意味ないってNHK自ら言ってるようなもの」――。
 1951(昭和26)年のスタートから今年で69回目。出場歌手を「紅」と「白」に分け、男女対抗の「歌合戦」とする番組としては、もはや成立していないのである。
 今回の“大トリ”について、NHK関係者の「平成最後の紅白を締めくくるアーティストは紅組、白組という枠にこだわらず、日本を代表する存在として選んだ」といったコメントがスポーツ紙などに掲載されたが、これぞご都合主義の極みである。
■出場選考からして支離滅裂
 この数年、紅白は出場歌手の発表の後に必ずといっていいほど追加発表がある。このことに対しても「失礼だ」「最初に発表されるメンツが『前振り』になっている」といった指摘が相次いでいるが、どれも的を射た正論ではないか。
 そもそも近年の紅白は出場歌手の選考からして支離滅裂なのである。NHKは「1、今年の活躍」「2、世論の支持」「3、番組の企画・演出」と説明しているが、芸能プロ関係者はこう言う。
「たとえば、毎回当然のように出場が内定している五木ひろしさん。五木さんの出場に、3つの選考基準のどれかひとつでも該当するでしょうか。1の活躍といって、五木さんに今年を代表するようなヒット曲があったかどうか国民は知っていますし、2の世論の支持があるとでもいうのでしょうか。業界で五木さんは、紅白の『ワースト視聴率歌手』として知られています。それがどうして出場できるのか、NHKは視聴者から質問されても満足に答えられないでしょう」
 レコード会社幹部が話を継ぐ。
「特別枠というのは、大物が出てくれないからとNHK側が歌手にこびたのが始まりだと思います。それを乱発したため、アーティストの要望に応じて海外や別スタジオからの特別中継などが当たり前になってしまった。その結果、歌合戦のコンセプトはどんどん形骸化してしまった。単なる年忘れ歌謡祭なら、テレビ東京系の今年で51回目を数える『年忘れにっぽんの歌』のほうがよほどふさわしいですよ」
 核家族化に始まり、多チャンネル化、ネットの普及で“お茶の間”は消滅。多くの国民が口ずさむような流行歌は出にくくなった。
 平成最後の紅白歌合戦。サザンの歌唱は“耐用年数”を過ぎた紅白への挽歌になりそうだ。


河北春秋
 学生は肺を病み、借金に苦しみ、重い気分で街を歩いていた。ふと、レモンの美しさに引かれ、買い求める。それを本屋の本棚に置いて店を出た。10分後に大爆発をすることを夢想しながら…。梶井基次郎の小説『檸檬(れもん)』である▼レモンが爆発するとは誰も思わない。小説だから許される空想の世界である。しかし、想像を絶する爆発が現実に起きた。札幌市豊平区で発生し、負傷者42人を出した事故である▼不動産会社の従業員が消臭スプレー缶120本の廃棄処理後、湯沸かし器をつけた際に爆発した。室内に充満したガスに引火したとみられるが、驚くのは被害のすさまじさ。木造2階のビルは跡形もなく、木っ端みじん。爆風は100メートル先にも及び、多くの建物に被害が出た▼不幸中の幸いは死者がいなかったこと。建物の炎上は爆発の10分後で避難の時間があった。さらに2階の床が抜け落ちたことではしごが不要になり、素早く救助されたという▼スプレー缶による火災は全国で相次ぎ、死者もいる。噴射直後は火を近づけないなどの注意が欠かせない。廃棄方法は自治体によってまちまち。捨てる場合は使い切るか、風通しの良い屋外で完全にガスを抜くことが大事。皆さんの身の回りにある生活用品でもある。今回の事故を教訓にご注意を。

原発輸出戦略 現実の厳しさ受け止めよ
 安倍政権の強気な態度は、ずれているとしか思えない。厳しい現実を正面から受け止め、戦略を根本から見直すべきだ。
 日立製作所が進めていた英国での原発新設計画が、凍結の方向となった。日立の中西宏明会長は17日、経団連会長としての記者会見で「(今の枠組みでは)もう限界だと英政府に伝えた」と説明した。
 日立と英政府の計画は、英中西部アングルシー島で原発2基を建設し、2020年代前半の運転開始を目指すものだ。
 推進が困難になったのは、東京電力福島第1原発事故以降の安全対策の強化などで、事業費が当初の1・5倍の3兆円規模に膨らんだことが理由だ。
 日立は巨額の損失が出た場合のリスクを軽減するため、英原発事業会社の出資比率引き下げを目的に日本国内の電力会社などに出資を呼び掛けてきたものの、難航しているという。
 今月初めには、日本政府と三菱重工業がトルコで進めてきた原発建設計画が断念に向けた検討に入ったと伝えられた。
 こちらも福島第1原発事故の影響によって安全対策にかかるコストがかさみ、建設費が高騰したためだ。
 安倍政権は、官民の連携による原発輸出を成長戦略の柱に据えてきた。しかし、重要案件が相次いで暗礁に乗り上げる形となったことは、原発輸出という戦略そのものが行き詰まりを見せているに等しい。
 日本政府の原発輸出政策を巡っては、英国やトルコ以外に、ベトナムやリトアニアでも撤回や凍結といった計画の見直しが続いた。
 背景には、巨額の建設費が立地国の財政の圧迫につながることや、原発の安全への意識が高まっていることがある。
 にもかかわらず、菅義偉官房長官が17日の会見で「日本の原子力技術に対する期待の声はある」と原発の輸出を継続していく考えを示したことは、強弁としか聞こえない。
 注目したいのは、中西氏が原発事業について「民間の投資対象として難しくなった」と述べたことだ。
 米原発子会社の巨額損失計上に伴い、東芝の経営の屋台骨が揺らぐ事態となったことは記憶に新しい。再生可能エネルギー導入の流れが世界的に勢いを増してもいる。
 こうした中で、原発事業に対する投資効果を採算性の観点から慎重に見極める必要性はさらに高まっている。中西氏の発言は、企業経営者として当然の感覚といえる。
 元々、成長戦略としての原発輸出は福島原発事故前に旧民主党政権下で掲げられ、事故後も安倍政権が継承した。
 国内での原発の新増設が難しくなる中で、海外で売り先の確保を狙ったメーカー側の思惑も後押ししただけに、妥当性への疑問が拭えない。
 政権にはかたくなに原発輸出の看板にこだわり続けるのではなく、環境変化を見据え適切に対応することを求めたい。


[原発輸出] 成長戦略に無理がある
 安倍政権が成長戦略の目玉として、官民挙げて推進してきた原発輸出が暗礁に乗り上げている。
 日立製作所が英国での原発新設計画を凍結する方向で調整を進めていることが分かった。三菱重工業もトルコで進めていた計画を断念する方向で検討している。
 このほか、受注が決まっていたベトナムやリトアニアでも撤回や凍結が相次いでいる。
 安全対策などのコストがかさんで事業費が膨らみ採算が見込めないことや、国民投票で理解が得られなかったためだ。
 東京電力福島第1原発事故から7年半以上過ぎても、被災地は収束とは程遠いのが現状だ。そんな中、海外に原発を売り込む戦略に無理があったのではないか。
 原発に注がれる世界の目は厳しい。戦略を見直す必要がある。
 日立は、福島の原発事故を受け日本国内での原発新設が見込めなくなったため、2012年に英国の原発事業会社を買収。英中西部のアングルシー島に原発2基を建設する計画に参画した。
 20年代前半の運転開始を目指したが、事業費が当初予定の1.5倍の3兆円規模に膨らみ出資企業を確保するのが困難になった。
 三菱重工は13年、トルコ北部のシノップに原発4基を建設する計画を企業連合で受注した。事業費2兆円超と見込んだが、その後、安全対策コストが膨らんで5兆円規模になることが分かった。
 トルコは世界有数の地震国である。東日本大震災に伴う原発事故を考えれば、安全対策は当然だ。
 福島の事故後に策定された新規制基準によって、日本の原発は地震や津波などの対策が大幅に強化された。建物の耐震性確保などのために1基当たり1000億〜2000億円の追加費用がかかる。
 さらにテロ対策設備工事も必要で、九州電力川内原発では2基で計2200億円を費やした。
 こうした規制の下、国内で再稼働したのは5原発9基にとどまり、一方で廃炉が決まった原発は23基に上る。電力業界は新増設の必要性を訴えるが、脱原発依存を望む世論がとても許すまい。
 苦境に立たされた業界は海外市場に活路を求め、それを政府が後押しする格好で原発輸出に取り組んできた。ただ、建設費の高騰に加え反原発の動きが高まり、各国で向かい風を受けている。
 そもそも、国内で安全性について議論の分かれる原発を海外に売り込むのは無責任だろう。
 世界では主力電源を再生可能エネルギーへシフトする流れがある。原発にこだわりすぎて、世界の潮流に乗り遅れてはならない。


医学部入試 不当な選考これで全てか
 公平性が大前提である入試で、性別による差別や卒業生の親族らへの優遇が横行していたことに驚く。
 東京医科大で医学部の不正入試が発覚したのを受け、文部科学省が全国81大学を対象に行った緊急調査によると、9校が女子や浪人生を不利に扱うといった措置を取っていた。大学側は否定しているものの「不適切な可能性が高い」とされた聖マリアンナ医科大と合わせ、指摘を受けたのは10校に上る。
 調査では、女子や長期浪人生に6校が不利な判定をした。ほかに、複数の大学が卒業生の子らを優遇していた。両方行っていた大学もあった。国立大では神戸大が、地元の兵庫県出身者が受験できる「地域特別枠」で、募集要項に明記せずに、医師が少ない過疎地域の出身者に加点しており、不適切とされた。
 垣間見えるのは、入試に携わる関係者と世間とのずれだ。順天堂大は、女子の合格基準を厳しくした理由を「女子はコミュニケーション能力に優れていて面接の平均評価が高く、男子との差を補正するため」とした。それが入試の公平性を犠牲にする理由になるとは思えない。文科省は該当する私立大への助成金減額も検討するという。厳しい措置もやむを得まい。
 実態が明るみに出たことにより、不公平な行為に歯止めがかかることには意味があろう。とはいえ、これが全容なのかという疑問は拭えない。81校のうち、約8割の63校で過去6年間の女子の合格率が男子を下回っている。だが、調査では女子を不利に扱ったのは3校にとどまり、調査結果は氷山の一角にすぎないとの指摘もある。
 結果公表のタイミングも遅すぎたと言わざるを得ない。一部の大学は不当に不合格とした受験生を救済するために追加合格者を出し、その代わりに来年の募集人員を減らした。この時期の変更に受験生の混乱は避けられない。
 発端となった東京医科大は、昨年と今年の入試で本来は合格圏にいた人で今も入学を望む49人のうち、44人の入学を認めた。だが、5人の女子は再び不合格とされた。合格者の枠に限りがあるという理由だが、落ち度もなく不合格とされた受験生を再び切り捨てるのはあまりに酷だ。対応を再考すべきである。
 入試差別が生まれた背景には、女性医師は出産や育児で医療現場を離れがちになる現実がある。だからといって入試段階で門前払いするのは筋が通らない。
 厚生労働省は現在、医師の過酷な勤務環境を改善するための残業上限設定や、終業から始業までに一定の休息時間を設ける勤務間インターバルの在り方などを検討中だ。意欲ある医師が性別に関係なく働き続けられる環境を整えなければ、抜本的な問題解決にはつながるまい。大学や病院、行政が一体となって改革論議を進めてもらいたい。


日本から見えない、仏「黄色いベスト」デモの正しい見方
永田公彦:Nagata Global Partners代表パートナー、パリ第9大学非常勤講師
 フランスは、火山立国のようなものです。今回の一連のデモも、230年前から続く噴火活動の一環です。しかも、戦後に頻発した数々の大きなデモに比べ、比較的に小規模ということもあり、この1ヵ月間、社会全体も大きく混乱せず平穏を保っています。
 一方、今回の動きは、単なる階級闘争やマクロン政権叩きではなく、深い意味をもちます。これは、長年にわたる複数のプレート間にできた歪みが崩れて起きたものだからです。
 今後は、一部の市民によるデモから、多くの国民を巻き込んだ政治的議論に舞台を移してゆくでしょう。その最大の論点は、18世紀にジャン=ジャック・ルソーが民主主義の理想とした直接民主制の新バージョンも含めて、市民の力を取り戻そうとする機運が高まる可能性が大きいと筆者は見ています。
デモは社会変革の原動力
 市民による政治参加手法の1つであるデモや集会は、日本を含め、多くの民主主義国家で国民に与えられる権利であり公器です。そして、社会を変えるための原動力です。
 特にフランスでは、こうした考えが、大統領から子どもまで絶対的な価値観として共有されています。
 その背景には、歴史的な要因があります。今から230年前、それまで800年以上も続いた王政に、市民が反旗を翻し、街に繰り出し闘いました。フランス革命です。その結果、市民は、国王を処刑するとともに、自由・平等・博愛・人権・国民主権を勝ちとりました。それ以降、この国では、歴史の要所要所で、市民の声の大きなうねりが社会の変革に影響を与えてきたのです。
 また文化的な要因もあります。「カフェのカウンターは、庶民の国会」とバルザックの言葉が象徴するカフェ文化です。これは、国民誰もが、社会的立場(職業、階層、親子、人種…)を越えて、街角、レストラン、家庭などで政治を語る、そして主張を交わすことで社会が進化するという文化的価値観です。
 こうした歴史と文化が根づくフランスの人々は、デモへの参加に罪悪感をもちません。また、社会のルールに従い公的秩序を守る限りにおいて、デモ参加者を、特別視したり、蔑視したりすることはありません。逆に多くの場合、デモ行動そのものに寛容で理解を示します。
デモは日常茶飯事
 こうした歴史と文化から、フランスでは特定の主義主張をもつ人々がデモや集会をする光景は、年がら年中、また全国津々浦々で見られます。参加者は、大統領を含め政治家、警察、弁護士、農民、LGBT、医者、パイロット、バス運転手、鉄道員、教員、中高生、大学生などの社会的立場、階層、職業、年齢もさまざまな人々です。
 また、その目的もさまざまです。政府の政策や政治手続き等に対する反政府系デモ、社会的脅威に対し、問題提起や反発をする反社会系デモ(反テロ、反差別、反パワハラ等)、ある思想や価値観への理解や賛同を促す宣伝系デモ(LGBT、パックス〈同性または異性の成人2名の共同生活のための契約〉、喫煙権等)、特定の喜びや悲しみを共有しようとする共感型デモ(サッカーワールドカップ優勝、国民的英雄の死など)などです。
 これに加え、趣旨の異なる複数のデモが、同時期に並行してあることも見慣れた光景です。今回も、黄色のベストとは別に、高校生による教育改革反対デモ、市民による気象変動対策推進のためのデモ等が同時に行われています。
国民の98%が普段と変わらぬ生活
 日本では、今回の黄色いベスト運動により、フランスは大変なことになっていると感じる人も多いと思います。メディア映えする暴動シーンをはじめ、現場の状況や政府の対応を断片的に伝える報道が多いので、無理もありません。
 しかし、実態は大きく異なります。さまざまな情報を組み合わせて推定できる範囲ですが、国民の98%は、特に変わらぬ日常生活を送っていると思われます。残りの2%(110万人程度)は、デモ参加者、デモの影響で、一時閉鎖や事業悪化を招いた商業施設、飲食店、宿泊施設等の経営者と時短や勤務場所の変更を余儀なくされた従業員等です。
 また、社会全体も平穏で人々も冷静です。その理由は、前述したデモ慣れということ以外に、次の4つの理由があげられます。
 1つ目は、デモの時間と場所が限定的だからです。デモが集中するのは、11月17日から12月15日までの土曜日(5回)。場所も、警察が許可する一部の地域です(パリ及び一部地方都市の中心部と近郊)。
 2つ目には、交通マヒも限定的です。今回のデモには、交通機関のストライキが加わっていないため、ごく一部の地域で、多少の交通渋滞がある程度といわれます。
 3つ目は、デモに潜伏し活動する暴徒(破壊屋、非行集団)に対する社会的な監視と制裁です。毎週土曜日のデモも回を重ねるごとに警察の取り締まりも強化されています。また、デモ参加者も含め国民全体が、彼らの行動への批判と抗議を強めています。
 最後に、次に示すように、今回のデモが、比較的小さいものにとどまっているからです。
わりと小さい今回のデモ
 政治に対して国民が街頭で気軽に声をあげる国の政府は、楽ではありません。18世紀から歴代の政権は、さまざまなデモを通じ国民の怒りを受けてきました。こうしたデモの中には大規模なものも多くあります。次は、先の大戦後に起きた参加者100万人以上の大規模デモの一覧です。
 これを見ると、2つのことがわかります。1つは、大規模な反政府デモは、現マクロン政権以前の各大統領時代にも、繰り返し起きている。2つ目は、今回の黄色いベスト関連デモ参加者は、約78万人です(11月17日〜12月15日の土曜日計)。このように、経済的な打撃は比較的大きいとされるものの、参加人数と社会生活への影響面では、わりと小粒ということです。
劣等生と優等生が逆転して10年が経過
 下にあるとおり、ドイツ(黄線)は、95年から05年まで経済成長率でフランス(青線)の後塵を拝しました。低成長に加え、高失業率、経常収支赤字のトリプルパンチを受け、欧州の劣等生又は病人とまで言われていました。しかし、2003年、大胆な構造改革を断行しました(シュレーダー改革――労働市場の柔軟化、産業の新陳代謝を高め、法人税等の軽減などを通じ、企業が高い収益をあげられる環境を整え、雇用の増加を目指す)。これが主な要因となり、経済が浮揚し、劣等生から優等生となりました。
 一方、これとは逆にフランスは、88年に4.73%あった実質経済成長率が、その後下降し続け、93年には遂にマイナス成長になります。こうした背景の下、95年に年金等の社会保障費改革を皮切りに、歴代の政権が、経済浮揚とその財源確保のために国民にとって痛みとなる改革を繰り返します。
 しかし、その度に大規模なデモが発生し、政府側も改革案の撤回や変更を余儀なくされてきました。これが浮上のためのブレーキ要因となり、この10年、経済や財政面でドイツに離され続けています。そこで、リテラシーの高い人々を中心に多くの国民が、改革は待ったなしと認識するなか、抜本的な改革の必要性を訴え誕生したのがマクロン政権です。しかし今回も、黄色いベストという、小規模ながらも新しいタイプの市民運動の圧力に対し、同政権も改革案の一部譲歩を余儀なくされました。
黄色いベスト参加者の正体
 黄色いベストを着て今回の一連のデモに参加する人は、全有権者の2%未満と限定的です。
 ただし、デモには参加していないが、「黄色いベストへの所属意識を持つ人」の数は、全国で1000万人いるとの推定データもあります(ELABEによる緊急調査より)。これは、全有権者の20%にあたり、潜在的なデモ参加者数とも捉えられます。
 複数の専門家によると、暴徒は別として、デモに参加する人の多くは、貧困層(生活保護対象者や完全失業者など)よりも収入が高い低所得者層とみられています。最低賃金かそれより少し高い給与を得て、人により公的手当も受けるが、毎月の家計が苦しいという人々です。その多くは地方に住む白人系国民で、低学歴層の人たちといわれます。
 また先週末には、この黄色いベスト集団に新しい動きが見られました。それまでのデモは、リーダー(代表者)不在で組織化されていない個人の集合体でした。ところが、ここにきてフェイスブック等のSNSを通じ、大きく2つの組織が立ち上がりました。「黄色いベストの自由」と「フランスの怒り」です。
運動は新たな局面に発展
 黄色いベスト運動参加者の組織化は、フランス社会にとって4つの大きな意味があります。
 1つは、政府と参加者との直接対話の実現です。政府は、今回の一連のデモに対し、通達や交渉の窓口がありませんでした。今回の組織化により、話し合い相手(代表者)が特定でき効率的な対応ができるようになりました。
 2つ目は、デモから個別のテーブル交渉に話し合いの舞台を移せることです。これで、デモの鎮静化と同時に、秩序立った対応ができるようになります(現に、先週土曜日のパリ市内でのデモ参加者数は、それまでの4回のデモに比べて激減。その大きな理由の1つが、「黄色いベストの自由」が、パリ市内でのデモ参加を控えるように、全国の傘下メンバーに呼びかけたからといわれる)。
 3つ目は、2年前にマクロン自ら立ち上げた政党「共和国前進」が掲げた「既存の政党政治ではなく市民の力で国を変えよう」という理念と、今回できた2つの黄色いベスト運動組織の理念が一致していることです。現にマクロン氏も、彼らとのオープンな直接対話を提案しています。こうした機会を通じ、彼らを自陣営に取り込み、迫りくる極右や急進左派のポピュリズム政党への対抗軸を固める利点もあると思われます。
 代表民主制(国民が国会を通し間接的に政治参加)はもとより、直接民主制(国民が直接的に政治参加)のあるべき姿を、国民の間で広く議論できる環境が整ったことです。議論は、18世紀のジャン=ジャック・ルソーを皮切りに、これまで国内で、政治家や知識人の間で議論されてきたものに囚われるものではない。また、2015年に部分的に導入された制度や古くからスイス等が導入する制度に囚われない。そして、前述の黄色いジャケット市民団体「フランスの怒り」が提案するような、ネット技術も使い、新しい発想で議論しようというものです。
 このように、今回の黄色いベスト運動は、一連のデモをきっかけに、市民の手による将来の新しい政治と社会の体制づくりに向けたステージに移りつつあります。こうしたプロセスや議論の内容・結果は、EUや世界にも影響を及ぼす可能性もあり、今後の動きが注目されます。


見逃さない露 十分に外交敗北
★国会は閉会したものの、閣僚たちの不規則発言や傍若無人の振る舞いは続いている。なんといっても第4次安倍改造内閣の面々のお粗末さは特別だ。最近でも防衛相・岩屋毅が辺野古への移設は「日米同盟のためでなく日本国民のためだ」と発言したことに「日本国民の中に沖縄県民は入っているのか」と突っ込まれた。発言自体に瑕疵(かし)はないと感じるかもしれないが、辺野古への土砂強行投入についての会見での発言としては不用意としか言いようがない。沖縄に寄り添うという思いがないことのなせる業だろう。★五輪相・桜田義孝、地方創生相・片山さつきに至っては閣僚の前の段階だろう。法相・山下貴司の抜てきは結構だが地検特捜出身は攻めには強いが守りが弱く、逆切れかと思うほど野党の入管難民法改正案への質問にムキになっていた。自ら法案の出来が悪いことを承知していたのだろう。山下の名前は奴隷法強行の山下として歴史に残るだろう。★しかし特筆すべきは2人の太郎だろう。外相・河野太郎は史上最低の外相といえるが「次の質問どうぞ」と繰り返したことについて「反省している」とブログで謝罪した。書き込まれたのは外遊中だが、反省するぐらいなら最初からやるべきでない。相手側であるロシアに手の内を明かせないからと記者を無視したが、ロシアのラブロフは見逃さない。「ばかげた子どもの遊び『白黒を言わないで、はいもいいえも言わないで』が続いている」と論評した。これですでに十分外交敗北だ。★もう1人の太郎は副総理兼財務相、加えてデフレ脱却担当の肩書がつく麻生太郎。「景気『いざなぎ』超え戦後最長」と内閣府が発表したが14日の会見で賃金上昇ないというのは「感性」の問題と言い放った。今年は官僚の公文書改ざんがあったが、事実を無視し感性に乏しい閣僚は他にもいそうだ。

Xmasデートする未婚者は2割以下という現実 「街中カップルだらけ」と考えるのは誤解だ
荒川 和久 : ソロもんLABO・リーダー、独身研究家
あっという間に師走も半ば過ぎ。つくづく1年が経つのが早いものだ、と感じます。しかし、年末休みやお正月というお楽しみの前に、クリスマスがやってきます。
12月に入ると、街はきらびやかなイルミネーションに彩られ、テレビCMでもクリスマスキャンペーンが流れるなど、いやが上にもクリスマス気分が盛り上げられます。ですが、家族も恋人もいないソロモンたちにとって、クリスマスはあまり歓迎すべきイベントではありません。
不幸中の幸いなのは、今年のクリスマスイブが休日であるということです。イブが平日だといろいろ面倒です。彼女・彼氏もいなければ、何の予定もないのに、イブの夕方になると、いつもより早く会社から出た、なんて経験のあるソロモンも多いと思います。少なくとも、今年は、そんな見栄を張らなくて済みそうです。
カップルで過ごす人は少数派
昨年の12月24日には、東京・渋谷で「非モテ」を自称する人々が集まり、「クリスマス粉砕! 」などと叫びながら怒りのデモ行進をしたというニュースがありました。彼らは今年もデモをするのでしょうか?
とはいえ、もはやクリスマスをカップルで過ごす人たちの方が、むしろマイノリティーになっています。
2018年実施のソロもんラボ調査によれば、2017年クリスマスに「プレゼントを買った」というソロ男は、20代でもたった22%しかいません。既婚男女ですら25%程度です(子に対するプレゼントは除く)。
「デートやイベントなどをした」率はさらに下がり、20〜30代のソロ男女ともに2割を切ります。「自分や友達の誕生日のお祝いをした」率(約27%)よりも低く、たとえソロだとしても、みんな以前ほど「クリスマスまでにパートナーが欲しい」などと焦ってもいないし、「イブだから誰かとデートをしなきゃ」という強迫観念もありません。粛々と普段どおり過ごしているわけです。
そういうと、若者の草食化とまたご指摘を受けそうですが、この連載でも何度も書いているとおり、「彼氏・彼女のいる率」は、1980年代から大体3割しかいません。そうした「恋愛強者3割の法則」によれば、7割のソロ男女に相手はいないし、いないほうが当たり前なのです。
クリスマスデートは80年代から
そもそも、「クリスマスはカップルで過ごす」という文化、いわゆるクリスマスデート文化というのは、いつ頃から始まったのでしょうか?
諸説ありますが、私が考えるきっかけは、松任谷由実さんの「恋人がサンタクロース」です。この曲は、1980年12月に発売されたアルバム『SURF&SNOW』に収録されていたものですが、この曲の歌詞が画期的だったのは、「クリスマスとは、恋人である男性がプレゼントを持って女性の家に来る」ことを歌っているところです。
少なくとも1970年代まで、独身男女のクリスマスといえば、みんなでボウリングなどを楽しむグループクリスマスが定番でした。そんななか、ユーミンのこの曲は、「クリスマスは、カップルが2人きりで過ごす夜なのだ」という新しい提案だったと考えます。
とはいえ、アルバム収録曲のひとつでしたし、それほどすぐに世の中に浸透したわけではありません。翌1981年には、田中康夫氏の『なんとなく、クリスタル』(河出書房新社/新潮文庫)が出版され、本に描かれたカップルのデートの仕方が話題になり、同じ年には、空間プロデューサーの松井雅美氏が西麻布に「レッドシューズ」という店をオープンさせました。
この店は、その後のカフェバーブームの先駆けとなっています。世の中の好景気と相まって、男女のデートカルチャーがもてはやされ、商売としても注目され始めた頃でもありました。翌年1982年に、「恋人がサンタクロース」を松田聖子さんがカバーし、一気に「クリスマスはカップルで過ごすもの」という認知が広がります。
続く1983年、12月23日号の女性誌『anan(アンアン)』で、「クリスマス特集」が組まれることになります。「今夜こそ彼の心(ハート)をつかまえる! 」と題して、恋人たちのためのクリスマスの過ごし方をストーリー仕立てで紹介していました。
その内容というのが「クリスマスイブは素敵なレストランで過ごして、そのあとシティホテルで泊まり、ルームサービスで朝食を摂りたい」というものでした。
くしくもその年は、今の、東京ガーデンテラス紀尾井町のある場所に、赤坂プリンスホテルがオープンした年でもありました。赤プリと呼ばれ、クリスマスにはカップルの聖地となります。12月25日の朝のチェックアウト時間帯は、いろんな意味で地獄絵図のような混み具合だったといいます。
当時でも、赤プリの宿泊料は高額でした。それにもかかわらず、どう見ても20代前半と思しき若いカップルが、イブの夜に限っては、宿泊に加え、夜中にシャンパンをルームサービスで頼むという、そんな時代でした。
『アンアン』がクリスマスデートを広めた
まとめると、クリスマスデート文化は、1980年のユーミンの歌をきっかけとして、1981〜1982年に一部で流行し、1983年『アンアン』が記事を掲載した時点で全国的に波及、という流れでしょうか。クリスマスデート文化は『アンアン』が作ったという説も有力ですが、というより、1980年代の世の中の流れを『アンアン』が的確に捉え、広めたと考えるのが妥当でしょう。
ちなみに、クリスマスソングといえば、山下達郎さんの「クリスマス・イブ」を代表曲として挙げる人も多いかと思います。この曲がシングルとして発売されたのも実は1983年です。もともとは同じ年の夏に発売されたアルバム『Melodies』に収録されていたものです。
この曲を使用したJR東海のCMが放送されるのは、ずっと後の1988年。主演は