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février 2019

キソキソの打ち合わせ/TaさんにGマーク

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Japon : les avocats de Carlos Ghosn déposent une nouvelle demande de libération sous caution
Les avocats de Carlos Ghosn ont déposé une nouvelle demande de libération sous caution pour l'ancien PDG de l'alliance Renault-Nissan incarcéré depuis le 19 novembre pour des malversations financières présumées.
Les avocats de Carlos Ghosn ont annoncé jeudi avoir déposé une nouvelle demande de libération sous caution de l'ancien PDG de l'alliance automobile Renault-Nissan-Mitsubishi Motors.
Déjà deux demandes rejettées.
Carlos Ghosn, 64 ans, se trouve en détention à Tokyo depuis son arrestation le 19 novembre pour des malversations financières présumées. Il s'agit de la troisième requête de ce type, et de la première depuis que l'homme d'affaires franco-libano-brésilien a changé d'équipe de défense.
Il avait dans un premier temps choisi un ex-procureur, Motonari Otsuru. Mais face à l'attitude jugée passive de ce dernier et aux rejets de ses demandes de remise en liberté, Carlos Ghosn a décidé de faire appel à des vétérans du barreau, parmi lesquels Junichiro Hironaka, surnommé "l'innocenteur".
Un maintien en détention justifié ? "Les procureurs le gardent en détention parce qu'il n'avoue pas. Je voudrais que les gens se demandent si c'est approprié du point de vue des normes internationales", avait fustigé l'avocat la semaine dernière devant la presse. De son côté, le juge a mis en avant les risques de fuite et d'altération des preuves pour justifier le maintien en détention du magnat de l'automobile.
Plusieurs mises en examen. Carlos Ghosn, dont l'arrestation a secoué le monde des affaires, a été inculpé pour avoir minimisé, dans les rapports de Nissan remis aux autorités boursières, une partie de ses revenus pour un montant de 9,23 milliards de yens (74 millions d'euros) de 2010 à 2018. Il a également été mis en examen pour abus de confiance. Il risque jusqu'à 15 ans de prison. Lui se dit innocent et crie au "complot", assurant qu'on a voulu l'éliminer du jeu pour contrer son projet d'intégration des trois compagnies de l'alliance : Renault, Nissan et Mitsubishi Motors.
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軽部理人 @rihito_karube
トランプ氏の長年の側近で懐刀だったコーエン元顧問弁護士。議会証言でトランプ氏のことを「レイシスト」「ペテン師」などと発言。ロシア疑惑についても明確にトランプ氏の関与があったことを告白。今までのトランプ氏への逆風の中でも最大級のものになりそう
コーエン氏、トランプ氏を守ろうとする共和党議員に対して「あなた方が今やっていることを、私は10年間やってきた。私は10年間トランプ氏を守ってきた。私には警告しかできない。私のようにトランプ氏に盲目的に従えば従うほど、同じ末路をたどって苦しむだろう」 色々衝撃的過ぎて頭がついて来ない


キソキソの打ち合わせがありました.すっかり忘れていたのを偶然昨日思い出してしまったのでした.忘れていたままのほうがよかったかな?フィンランドに行ったことがあると女性が言っていました.
NiさんがTaさんにGマークでている!!とのことでちょっと安心です.

<震災8年>3.11追悼行事ピンチ 今年は平日、スタッフなど確保に苦慮
 東日本大震災から8年となる3月11日を前に、一部の追悼行事の主催者がスタッフなどの確保に苦慮している。過去2年は土日に重なったのに対し、今年は月曜日となるためだ。被災地では開催を週末に設定するケースもあるが、「特別な日に祈りをささげたい」と協力を呼び掛ける。
 危機感を募らせるのは盛岡市の「祈りの灯火(ともしび)」。市中心部に手作りの灯籠約1万個を並べ、犠牲者の冥福と復興を祈念する。毎年続け、規模を拡大してきた。
 「3.11」は2018年が日曜、17年が土曜になったこともあり、多くのボランティアが駆け付けてくれた。実行委員会は今年もスタッフを募集しているが応募はほとんどないという。
 灯籠の半分ほどは全国から届けられる。実行委は「最後は被災地の私たちの手で一つ一つに明かりをともしたい」と話す。
 石巻市南浜町の「がんばろう!石巻」看板前で灯籠を並べるなどする「3.11のつどい」。運営ボランティアを募っているが、実行委員長の黒沢健一さん(48)は「昨年より人員が減り、作業が大変になるかもしれない。週初めなので状況が読めない」と不安を口にする。
 被災自治体も影響を免れない。11日に追悼式を予定する宮城県南三陸町は、昨年の参列者は約950人。担当者は「今年は1割ほど減るだろう」と推測する。
 週末に比べ、平日はどうしてもスタッフ、参加者を募りにくい。震災の風化による関心の低下もある。それでも、発生日の開催に意義を見いだす声は少なくない。
 NPO法人石巻スポーツ振興サポートセンターは当日、石巻市中心部を歩く行事を予定する。昨年の参加者は約90人。センター事務局長の松村善行さん(75)は「参加者は3分の2以下になるのでは」と懸念しつつ、「開催を通じて復興状況の報告と感謝をしたいと考えている。参加者が少なくてもやりたい」と語る。
 仙台市旧荒浜小で追悼行事を続ける市民団体は、今年も午後3時15分に一斉に風船を飛ばす。団体代表の高山智行さん(36)は「3.11の民間主導の行事が減っているが、この日に訪れる人の思いを大切にしたい」と話す。
 対照的に、柔軟に日程を設定するケースも。宮城県山元町の徳本寺は例年、震災発生日に近い日曜に法要を営む。今年は10日。住職の早坂文明さん(68)は「皆さんが集まりやすいよう決めている」と説明した。

 盛岡市の「祈りの灯火」、石巻市の「3.11のつどい」のそれぞれの実行委員会はボランティアを募集している。灯火は岩手県内の企業関係者らと灯籠設置や点火、後片付けを行う。正午〜午後8時の間で参加可能な時間帯を選べる。3月9日まで受け付ける。つどいは当日の準備と設営、翌日の撤収作業。実行委の連絡先は灯火が070(6574)3493、つどいが0225(23)9638。


<震災8年>岩手・野田村と岩泉町、3.11式典見送りを決定
 東日本大震災の発生から8年となるのを前に、岩手県沿岸の野田村と岩泉町が、毎年3月11日に開催してきた震災犠牲者を追悼する式典の取りやめを決めた。津波による犠牲者が出た県内の被災自治体で、「3.11」式典を見送るのは初めて。「静かに追悼したい」と望む遺族もいるという。
 津波で38人が亡くなった野田村は午後1〜4時、十府ケ浦公園展望台にある大津波記念碑の前に献花台を設置する。地震発生の午後2時46分に合わせて小田祐士村長が現地で黙とうするが、式辞などは行わない。
 村総務課は「昨年3月11日に記念碑が完成し、いつでも誰でも追悼できるようになった。村主催の追悼行事から個人が自由に犠牲者をしのぶ形に移行したい」と説明した。
 7人が犠牲になった岩泉町も追悼式典の開催を見送る。やはり2時46分に防災行政無線でサイレンを鳴らし、町民に黙とうを促す。
 町総務課によると、町と住民代表でつくる追悼式典実行委員会で、数年前から震災7年を区切りにしようと話し合っていたという。


<震災8年>「震災の記憶を次世代につないでいきたい」元AKB岩田さん、東松島を訪問
 東日本大震災から8年を迎える被災地の今を学ぼうと、女性アイドルグループAKB48の元メンバーで女優の岩田華怜さん(20)=仙台市出身=が27日、東松島市野蒜地区を訪れた。被災地の実情について同世代の被災者らと語り合い、「災害の犠牲を少しでも減らすため先陣を切って発信していきたい」と話した。
 岩田さんは、河北新報社などが運営する若者向け通年講座「311『伝える/備える』次世代塾」を受講する地元大学生3人と共に市震災復興伝承館、旧野蒜駅などを巡った。現地で語り部活動をする東北福祉大2年志野ほのかさん(20)が案内役を務めた。
 志野さんが津波に襲われた旧野蒜小や、志野さんの祖父が犠牲となった自宅跡も訪問した。集団移転地「野蒜ケ丘」の野蒜市民センターで、震災伝承について語り合った。
 「沿岸被災地に来て初めて知ったことも多かった。同世代の語り部たちと一緒に考える機会ができてよかった」と感想を語った岩田さん。今後について「身を置いている演劇や舞台の世界で、いつか震災の記憶を作品にして次世代につないでいきたい」と力を込めた。
 岩田さんと次世代塾受講生の被災地訪問の様子は、仙台市が3月10日に開催する防災啓発イベントで報告される。


<震災8年>元AKB48岩田さんが東松島視察報告、来月10日・仙台防災未来フォーラム
 仙台市は3月10日、東日本大震災の伝承と防災啓発の在り方を市民と考える「仙台防災未来フォーラム2019」を青葉区の仙台国際センターで開催する。河北新報社は同フォーラムのセッションの一つとして、女優の岩田華怜さん(20)らを招いた「311伝え継ぐのはわたしたち〜次世代が担う震災伝承トークイベント」を主催する。
 セッションは若者による震災伝承の大切さを学ぶ通年講座「311『伝える/備える』次世代塾」と連動しており、311次世代塾運営協議会が共催する。
 岩田さんのほか石巻市出身のパーソナリティー本間秋彦さん(57)、1995年1月17日の阪神・淡路大震災当日に神戸市で生まれた語り部中村翼さん(24)、次世代塾の受講生らも参加する。
 本間さん、中村さんの講演のほか、岩田さんと受講生による東松島市視察報告、全員が参加してのトークセッションも予定する。
 フォーラムは午前9時半〜午後5時半。入場無料。仙台市や東北大、東北福祉大などもセッションを開催、企業や大学のプレゼンテーションもある。河北新報社によるセッションは既に申し込みを締め切った。


<東松島市>被災跡地の活用を模索 「空き地カルテ」今春にもHPで公開へ
 東松島市は、東日本大震災の防災集団移転促進事業で買い取った被災元地を有効活用するため、未利用地の情報をまとめた「空き地カルテ」を作成している。今春にも市のホームページで公開し、企業誘致などに生かしていく。
 対象は2000平方メートル以上の土地。震災による津波で甚大な被害を受けた野蒜地区を中心に約50カ所あり、形状や面積、価格、水道・電気の有無などを航空写真と共に掲載する。狭い土地のカルテも順次、準備する予定だ。
 復興庁の土地活用促進モデル調査事業の一環として実施する。一覧性を持たせ、事業用地を探す企業などに分かりやすく情報を提供する。
 市は震災後、集団移転に伴う元宅地など計171.5ヘクタールを買い取った。このうち128.9ヘクタール(75.2%)に奥松島運動公園などを整備する方針が決まったものの、残る42.6ヘクタール(24.8%)は未活用となっている。
 市復興都市計画課の森祐樹課長は「空き地を使って事業をするプレーヤーが必要だが、なかなか現れない。どんな土地があるかを分かりやすく紹介し、利活用を進めたい」と話す。


<再生の針路>外郭南門の復元に着手/多賀城市 菊地健次郎市長 宮城県内で9542人が亡くなり、1220人が行方不明になった東日本大震災から間もなく8年になる。国の復興・創生期間の終了まで残り2年。津波で被災した沿岸部の社会資本整備は仕上げの段階に入ったが、被災者のなりわいや生活の復興の進み具合は地域によって、ばらつきが大きい。沿岸自治体の首長に、復興の状況や課題などを聞いた。
◎震災8年 被災地の首長に聞く(6)
 −現在の復興の状況は。
<縦貫2市道整備>
 「事業は着々と進んでいる。2019年度当初予算の復興分は、17年度比で半減した18年度からさらに減り、同期比19.5%減の30億6580万円になった」
 「工業団地『さんみらい多賀城・復興団地』は立地協定を結んだ11事業者のうち8社が操業し、残る1区画も交渉中だ。団地内に設ける防災拠点の備蓄倉庫やイベントスペースも19年度末に完成する」
 −残る事業や課題は。
 「市域を南北に結ぶ二つの緊急避難・物流路の市道清水沢多賀城線(977メートル)と笠神八幡線(1520メートル)だ。総事業費は計131億円。進捗(しんちょく)率は昨年11月末現在で78%。20年度に完成する。清水沢多賀城線は、国道45号から東北歴史博物館や多賀城跡へのアクセスを飛躍的に向上させる」
 「下水道事業などで他自治体からの派遣職員に頼る状況が続く。西日本豪雨で被災した広島県呉市からの派遣は18年度途中で打ち切ったが、友好都市の天童市や福岡県太宰府市などから引き続き、8人を派遣してもらえそうだ」
 −復興のシンボル、多賀城外郭南門の復元事業が動きだす。
<創建1300年好機に>
 「国の補助を受けられる見通しが立ち、多賀城創建1300年に当たる24年までに完成させたい。地域活性化の好機であり、ガイダンス施設を充実して観光にも力を入れる。官民連携の事業推進体制を整え、多様なイベントも展開する。ただ、国の予算措置次第で先延ばしになる恐れがある」
 −復興関連事業の柱として市中心部に整備した市立図書館が入る多賀城駅北ビルA棟の利用が好調だ。
 「16年3月の開館以来、19年1月末で来館者は約430万人になった。各地から視察も多く『東北随一の文化交流拠点』として定着してきた。駅前から市役所脇を通り、近くにある市文化センターに至る歩道を整備中だ」
 −復興に向けた新たな展開は。
 「市内に四カ所ある災害公営住宅の家賃の減免措置を5年延長する。11月から段階的に値上げされるのに合わせ、市が独自に補助する」
 「市長室が入る市役所東庁舎は耐震不足のため、新たに北庁舎を建て、20年度完成を目指す。市民サービス向上ため郵便局併設も検討している」
 「復興のゴールが見えてきた今、副市長を交代させて若返りを図る。4月に就任予定の新しい副市長は現職より8歳年下になる」


福島原発デブリ調査 最難関へ一歩 着実に廃炉進めよ
 事故から間もなく8年。廃炉作業で最難関とされる溶け落ちた核燃料(デブリ)の取り出しに向け、ようやく一歩を踏み出したといえる。
 東京電力が、福島第1原発2号機で、デブリに触れる調査に初めて成功した。遠隔操作で小石状の堆積物を持ち上げることができたという。
 だが、今回の調査範囲は極めて狭く、デブリの性状や分布など、未解明な部分は依然として多い。30〜40年かかるとされる廃炉が、いばらの道であることに変わりはない。東電は得られた知見を積み重ねながら、安全を最優先に着実に作業を進めなければならない。
 調査は、底部にデブリがたまった原子炉格納容器の側面の貫通部からパイプ型の機器を挿入し、トングのような「指」で堆積物に接触した。6カ所のうち5カ所で数造梁腓さの小石状のものや、棒状の構造物が動くことを確認した。
 一方で、粘土状に見えた堆積物は持ち上げることができなかった。デブリは溶けた核燃料だけでなく、格納容器内の金属やコンクリートが混ざり、硬い塊になっているとみられる。外部に取り出すには、削ったり切断したりすることも想定しなければならず、作業の難しさが改めて突き付けられた。
 東電は結果を踏まえ、2019年度後半に少量のデブリを取り出すサンプリング調査を計画している。実物を調べることでいまだ解明していない事故の原因究明に役立つ可能性がある。専門家の意見を幅広く聞きながら、徹底した調査を求めたい。
 本格的な取り出しは21年の開始を目指している。安全に作業を進めるには、デブリがどの範囲にどのような性状で分布しているか、実態把握の精度を上げなければならない。また、放射線量が高く人が近づけないだけに、遠隔操作で運搬する装置やデブリを保管する専用容器の開発も急務だ。
 2号機は、炉心溶融(メルトダウン)が起きた1〜3号機の中で唯一、水素爆発を免れ、周辺の線量も比較的低かったため調査が先行した。一方、1、3号機はさらに困難な状況を抱えている。1号機のデブリは未確認で、調査はこれから。3号機は機器トラブルが相次ぎ、使用済み核燃料をプールから取り出す作業が遅れている。原子炉建屋の破損状態などもそれぞれ異なるため、今後、状況に合わせた取り出し計画を立てる必要に迫られる。
 3基で計約880鼎△襪反箏廚気譴襯妊屮蠅鮗茲蟒个靴晋紊匹Π靴Δも重い課題だ。福島県は、廃炉に伴う放射性廃棄物を最終的には県外に持ち出すよう求めている。処分場の選定に向けた候補地との交渉には、長い期間がかかることが予想される。国や東電は問題を先送りせず、責任を持って取り組み、廃棄物の処分を含めた廃炉の進み具合について、地元住民に説明を尽くさなければならない。


東北沖M7“90%”と南海トラフM8〜9“80%” どちらが危ない?
 こんなに確率が高いのか――。驚いた人が多かったのではないか。
 26日に政府の地震調査研究推進本部が発表した新たな地震確率。青森県東方沖から房総沖にかけての「日本海溝」沿いでの地震についてのものだが、岩手や宮城などの東北沖で今後30年以内のマグニチュード7(M7)級の発生率が「90%」だというのである。
 ただでさえ、M8〜9の南海トラフ地震の今後30年以内の発生率が「70〜80%」ということで警戒感が強まっている。これに東北沖、房総沖もということになると、太平洋岸はほとんど全て「高地震リスク地帯」ということになるが、今回の日本海溝と南海トラフでは、どちらが危ないのか? 立命館大学環太平洋文明研究センター教授の高橋学氏(災害リスクマネジメント)はこう言う。
「東北沖で今回、急激に確率が上がりましたが、地震発生に対する見解が変わったわけではありません。宮城沖では、平均37年周期でM7級が繰り返し起きています。2011年の東日本大震災から計算しても『30年以内のM7』というのは周期の枠内に入っていますから、実は驚くような話ではないのです。それに、東日本大震災の津波で被害を受けた地域には家を建てないようにしていますから、同規模の地震でも被害が小さく済む可能性が高いですしね」
 一方、「フィリピン海プレート」と「ユーラシアプレート」が接する海溝である南海トラフについては、今年に入って、前兆とみられる地震が次々発生している。
「1年前から静岡西部、三重南部、和歌山南部、紀伊水道、徳島南部などでプレート境界地震が続いています。いずれもM4、40キロの深さ。さらには、大分―四国―愛知で揺れを感じないほどゆっくり動く『スロースリップ地震』が観測されている。南海トラフの方が先に来るのではないかと思います。それに、静岡、名古屋、大阪など南海トラフ地震で影響を受けるエリアは地方都市で人口も多く、同規模の地震だとしても被害が甚大。土木学会は20年間の経済損失が最悪で1410兆円と試算しています」(高橋学氏)
 やはり南海トラフ地震の方が深刻なようだ。


東北沖の地震 改めて備えを見直そう
 政府の地震調査委員会が、東北沖から関東沖にかけての日本海溝沿いで起きる地震の発生予測を公表した。
 今後30年以内にマグニチュード(M)7〜7・5の大地震が起きる確率が宮城県沖で90%、福島県沖では50%など、軒並み高い値を示した。
 この海域では、東日本大震災を起こしたM9の超巨大地震が2011年に起きたばかりだ。
 平田直委員長は「大震災があったので、しばらくは大きな地震は起きない、とは考えないでほしい」と呼び掛けている。
 M9級ではなくても、M7〜8程度の大地震が発生すれば深刻な被害が出る恐れがある。津波の発生も予想される。
 避難や支援の態勢は整っているか、原発の安全対策は十分か。厳しい予測を受け止め、備えを見直していく必要がある。
 日本列島は地球の表面を覆う巨大なプレートの境界に位置しており、世界的にも地震が多い。境界の一つが日本海溝だ。
 地震は一般に、プレート境界の海溝型地震と陸域の活断層で起きる地震に分けられる。阪神大震災や昨年からの北海道の地震は活断層が原因だった。
 活断層が千年単位の間隔で地震を起こす一方、海溝型は、数十年から数百年という短い間隔で発生することが分かっている。
 日本海溝の地震予測の公表は11年11月以来。東日本大震災以降の地殻変動の状況など、新たな研究成果を反映させた。
 岩手県沖から茨城県沖が連動して東日本大震災が起きたM9級の地震が同じ場所で再び起きる可能性は、「ほぼ0%」とした。
 だが、宮城県沖といった一定の範囲で区切って検証すると、M7〜8の地震の可能性は高まる場所が目立つ結果になった。プレートにかかる圧力が、以前より地震が起きやすい方向に働いていることなどが要因という。
 M9級が東日本大震災の震源域以外の場所で起きる可能性は、「否定できない」としつつ、データ不足で確率や具体的な規模は不明との説明にとどまった。
 原発は万が一の危険にも備える必要がある。福島第1原発事故を踏まえれば、発生する可能性がある以上、積極的に伝えていくべきではないか。
 東日本大震災から間もなく8年。津波被害や原発災害からの復興に取り組む地域にとっては、一層の難題を突きつけられることにもなる。被災地の将来は、日本全体で考えていかねばならない。


<気仙沼大島大橋>カウントダウンボード設置、地元の機運高まる
 気仙沼市の大島と本土を結ぶ気仙沼大島大橋が開通する4月7日までの日数を刻むカウントダウンボードが、同市南町海岸の観光集客施設「迎(ムカエル)」に設けられている。開通に向けた地元の機運が高まっている。
 ボードは縦1.4メートル、横0.8メートル。1967年に県勢発展計画に架橋事業が盛り込まれてからの経過や県道大島浪板線の概要も記した。市などでつくる気仙沼大島架橋促進期成同盟会(会長・菅原茂市長)が今月21日に設置した。
 市職員が毎朝、残り日数を交換する。フェリー発着所と内湾地区を結ぶ通路にあり、通勤客らの目に触れる機会も多い。大島の浦の浜地区にある仮設トイレにもボードを設けた。
 大島在住の主婦小野寺恵子さん(63)は「市の中心部に買い物に来ても、常に船の時間を気にしていた。4月からは車で来られる。待ち遠しい」と話した。


<さくら野仙台破産2年>ビルの法的紛争が全て終結、再開発協議本格化か
 さくら野百貨店仙台店(仙台市青葉区)の運営会社エマルシェ(同)が自己破産した問題で、同店跡地のビルのオーナーらの間で行われていた複数の調停や訴訟が全て終結したことが27日、関係者への取材で分かった。2017年2月27日の自己破産申請から2年がたち、ビル解体や再開発に向けた協議が本格化する見通しだ。
 関係者によると、一部オーナーが別のオーナーらに原状回復費用などについて仙台簡裁に申し立てた調停が今月26日、条件面で折り合い、成立した。
 他にも建物取り壊しの同意を求める調停や未払い賃料の支払いを求める訴訟などがあったが、いずれも終息している。法的紛争が解決したことでオーナーらは3月以降、解体の方法や再開発の方向性など具体的な協議に入るとみられ、エマルシェの破産手続きも同月下旬に終わる見込み。
 仙台店は八つのビルで構成され、6オーナーが所有する。このうち匿名組合が出資するさくら野DEPT仙台合同会社(東京)が最大のオーナーで、同店跡地のビルと土地の約8割を所有。他は仙台店の前身の百貨店時代からのオーナーらが分割している。
 仙台店の建物は、マンション管理にも適用される区分所有法の対象となっており、原則として建物全体の解体は全オーナーの同意が必要となる。建設関係者らによると、建物は解体に1年以上、同規模の建物を新築するとさらに2〜3年程度かかると見積もられる。
 さくら野DEPTは解体と一体的な再開発を主張している。一方、他のオーナーにはJR仙台駅前に位置する一等地の権利の確保や主体的な再開発を狙い、さくら野DEPTが主導する解体に反発する声があるという。再開発に高い関心を示す大手デベロッパーの動向も今後の焦点となる。
 商店街関係者は「水面下で見えない動きが続いている。商圏活性化のためにもできるだけ早く合意を形成し、再開発につなげてほしい」と望んでいる。
[さくら野百貨店仙台店]前身の丸光は1946年創業。2001年に親会社のマイカルが破綻し、02年に民事再生手続きを経て再建。運営社名を「さくら野百貨店」とした後、10年に「エマルシェ」に変更した。06年に売上高約200億円を誇ったが、近年は業績が悪化。建物賃料の未払いも恒常化し、負債額約32億円を抱え、17年2月に破綻した。跡地前の「青葉通」の路線価は62年連続で東北トップとなっている。


河北春秋
 楽しみだった今年の米アカデミー賞授賞式。筆者も3回見た映画『ボヘミアン・ラプソディ』が主演男優賞などに選ばれた。英国のロックバンド「クイーン」の軌跡を追い、移民の子で同性愛者だったボーカリストの苦悩を描いた▼「私もエジプトから米国への移民」「(主人公と同様)自分は何者なのか模索してきた」。受賞あいさつで告白したのは主役を演じたラミ・マレックさん。社会の少数派が題材になったり、制作者になったりした作品の受賞が続いた▼「創造力と才能の自由を奪う国境も壁も(米国に)一切ない」。授賞式の進行役を務めた俳優らも発言した。無論、不法移民阻止を掲げてメキシコ国境に壁を築こうとするなど「移民嫌い」のトランプ大統領への反ばくだ▼「白人至上主義」と数年来アカデミー賞にも批判があった。映画は社会と世界の鏡だが、主演・助演賞の候補が全員白人という結果が2年続き、投票できる会員の大半も白人男性だった。改革で日本の映画人を含めた多様な会員が増え、今年の受賞者の顔ぶれはその成果といえた▼外国語映画賞の候補だった是枝裕和監督の『万引き家族』は惜しくも受賞ならず。だが、貧困や差別の現実から境を超えてつながる生き方は今、世界が模索するテーマ。視点の多様化は大歓迎だ。

子どもの貧困/包括的な支援策の拡充を
 子どもの貧困対策推進法が2014年1月の施行から5年がたった。取り組みを進めるため、超党派の議員連盟が法改正を検討している。開会中の通常国会に改正案を提出する予定だ。
 政府も推進法に基づく「子供の貧困対策大綱」の見直しに着手した。大綱は経済支援策の乏しさなどが指摘されており、より実効性のある施策が求められよう。
 子どもの将来が生まれ育った環境によって左右されることのない社会を実現する−。推進法がうたう基本理念の実現には現状はまだ遠い。現実を見つめ直し、子どもの貧困解消に向け、支援の拡充と格差是正に官民が力を注がなくてはならない。
 見直しの論点の一つとなっているのが、地方自治体による対策計画の策定だ。
 現行では大綱に基づき、都道府県は地域事情に応じた対策計画をつくる努力義務がある。全都道府県が策定済みだが、これを各市町村にも求める方向だという。
 実態に即したきめ細かな対策を講じるには、より身近な市町村の役割は大きい。都道府県との役割分担、連携などを明確にし、子どもや家族を包括的に支援する対策につなげてほしい。
 道半ばの取り組みを改善するため、現状を踏まえた幅広い議論を望みたい。
 例えば、大学・専門学校への進学率は17年4月時点で、生活保護世帯の子どもは35.3%で、全世帯73.0%の半分にも満たない。背景の一つには「世帯分離」の制度がある。子どもが大学に進めば、同居していても生計から切り離され、生活保護費が大きく減額される。そのため進学を断念せざるを得ないケースもあるという。
 教育の機会を奪いかねない制度や課題を洗い出し、見直しの検討が必要だろう。
 子どもの貧困問題に取り組む公益財団法人「あすのば」(東京都)が昨年公表した調査結果によれば、低所得世帯の高校1年生は3人に1人がアルバイトを体験。その使途は学費33%、生活費15%で、子どもが暮らしを支えている実態が浮かんだ。
 「あすのば」の小河光治代表理事は「法律も大綱も教育支援に比べ、親の就労や生活の支援が十分ではない」と指摘する。国はそうした声に耳を傾けるとともに、全国で実態を調査し、子どもの貧困に関する指標の設定や改善目標を定めるべきではないか。
 自己責任論がはびこる中で、子どもの貧困問題はともすれば親の責任ともされがちだ。しかし、背景にはさまざまな社会的な要因があり、社会全体の課題である。その認識を広く共有したい。
 推進法や大綱の見直しにより、将来にわたる貧困の連鎖を断ち切りたい。同時に、現在の子どもたちが置かれている貧困状態の改善につなげる必要がある。


統計不正の原因は 政府が解明を阻んでいる
 そもそも政府は統計不正問題を解明し、体制を改革する気があるのだろうか。そんな疑問が募る。
 厚生労働省の特別監察委員会はきのう、毎月勤労統計の不正調査問題に関する再調査結果を公表した。しかし組織的にも職員個人としても隠蔽(いんぺい)の意図は認められないと結論づけるなど、先月の調査とほとんど変わらない内容だった。
 それ以上に看過できないのは政府の統計を統括する総務省が、非常勤の学者である西村清彦統計委員長は多忙のため国会審議に協力できない意向だとの文書を勝手に作り、与野党に提示していたことだ。
 西村氏は昨年12月、毎月勤労統計の不正を指摘し、一連の問題が発覚するきっかけを作った。
 今回の文書に対し、西村氏は「そのような文書提出を指示していない」と否定し、石田真敏総務相も謝罪したが、厚労省だけでなく、総務省もこれ以上の国会追及を避けたかったのではないかと見られても仕方がない。なぜ官僚側が独走したのか。その検証も必要だ。
 統計不正問題の焦点は現在、中規模事業所の調査方法が変更されたことに首相官邸の意向が影響していたかどうかに移っている。
 サンプルとなる事業所を毎年一部入れ替える方式に変えたことで賃金の伸び率は上ぶれした。このため野党側はアベノミクスの成果をアピールするために恣意(しい)的に操作したのではないかと指摘している。
 この方式に関し監察委の報告は「統計学的にも十分な合理性がある」などと記すだけだった。経緯については担当者の説明を採用しているに過ぎず、十分な調査とは言えない。
 一連の問題で安倍晋三首相は「私が指示したわけではない」「私が関与していないのは明らかだ」との国会答弁を繰り返している。もっぱら行政側の責任だと言いたいようだ。
 仮に首相の直接関与がなかったとしても政策の土台である統計データがなぜ、これほど不透明な取り扱いをされてきたのか。全容の解明は首相ら政治の責任であり、それがなければ今後の対策も取れない。
 これではいくら監察委が「組織としての認識の甘さ、ガバナンスの欠如などを強く非難する」と報告書に記しても言葉だけに終わるだろう。


統計不正調査 やはり隠蔽の疑念残る
 毎月勤労統計の不正問題を調査していた特別監察委員会は、追加調査の結果を公表した。やはり組織的な隠蔽(いんぺい)は認定しなかった。監察委の独立性が疑問視されている。額面通りには受け取れない。
 追加調査でも疑問は残った。
 二〇〇四年から、全事業所を調査すべき東京都内の大企業を一部の抽出調査にしていた。減らしたデータの復元作業もしていなかった。ところが一八年一月から復元したため賃金がそれまでより高く算出された。
 誰がどんな動機で始めたのか、それが長年放置されたことはなぜか。厚生労働省に組織的隠蔽はなかったのか。なぜ、突然データを復元したのか。
 これらが知りたいことだが、前回の報告書から解明が前進した部分はほぼないと言っていい。
 この不正とは別に中規模事業所の調査手法を一八年一月に変えたことで賃金が上振れした。これはアベノミクスの成果を強調したい政権の関与があったと疑われている。この疑惑については検証すらしなかった。
 新たな疑問がある。
 追加報告書では、隠蔽行為を「違法行為を認識しながら意図的に隠そうとする行為」と定義、これに照らし隠蔽は認定しなかった。
 しかし、担当者が大企業が抽出調査だったことを知りながら有識者検討会の場で全数調査だと説明したり、別の担当者が抽出調査が不正だと認識していたため総務省に説明できなかった事実がある。
 監察委は今回、これらを事実と異なる説明として「虚偽申述」と新たに定義したが、不正を知っていて虚偽説明したことは隠蔽とどこが違うのか。監察委の明確な説明はなかった。前回報告書の結論を変えたくないための理屈づけとみられても仕方がない。
 そもそも樋口美雄委員長は、厚労省所管の外郭団体理事長だ。前回調査では厚労省職員が対象者を聴取していたり、報告書の原案も職員が作成するなど監察委の第三者性に疑問符がついている。
 日本弁護士連合会の第三者委員会ガイドラインは、第三者委は企業などから独立した委員のみで構成されると定める。厚労省から独立した人材に委員を入れ替えて再調査を行う必要がある。
 国会審議でも与党は原因究明に消極的だ。特別委員会を設け究明を続けることもできる。
 国会には行政監視の役割がある。その責任は与野党がともに果たすべきだ。


統計不正再調査/真摯さに欠け疑念深まる
 毎月勤労統計で長年にわたり不正な調査が行われていた問題で、厚生労働省の特別監察委員会は再調査結果をまとめたが、あらためて組織ぐるみの隠蔽(いんぺい)を否定した。
 1月下旬に公表された前回の調査から、ほとんど変わっていない結論だ。国民の多くは客観的で公正な調査がなされたと受け止めないのではないか。
 前回調査は厚労省職員が事情を聞き、報告書の原案を作って初会合から数日で公表するなど、中立性への疑問や拙速への批判が相次いだ。
 今回、厚労省は元検事らによる事務局を設けた。しかし調査期間は約1カ月しかなく、監査委のトップは依然として厚労省外郭団体の理事長が務めており、独立性に乏しい。
 第三者に委ね時間をかけて調査するなど、真摯(しんし)に真相を究明しようとする姿勢が見えず、疑念は深まるばかりである。
 今回の調査では59人を聴取し、統計担当課トップらの不正関与を認めた。一方で、局長級以上の幹部らによる隠蔽の指示はなかったとした。また幹部の多くが統計に無関心である点を指摘した。
 統計事務は専門知識が必要で、担当部署は職員の入れ替わりも少ないという。不正はそうした閉鎖性によるものであり、厚労省全体とは切り離された問題だ−。組織ぐるみを否定する理屈は、そう読み取れる。
 しかし統計は政策立案や評価の根底に関わる。省内にその重要性が共有されていなかったのなら、組織の体質に関わる問題と言えないか。
 勤労統計を巡っては調査サンプルの入れ替え方法について、有識者の議論を厚労省幹部が覆した。導入されたのは、賃金データが高めに出る可能性がある方法だった。元首相秘書官が指示したのではとの疑いが浮上している。
 今回の再調査は、この入れ替えが統計学的に合理性があるとした。しかし問題は、有識者の議論より元秘書官の意向を重視したか否かだ。
 統計軽視の体質が、政策に有利な方向へと数字を導く政権への忖度(そんたく)を生んでいたのなら、有権者への背信である。徹底的に検証すべきだ。


統計不正再調査 真相解明にはほど遠い
 毎月勤労統計の不正問題を巡り、厚生労働省の特別監察委員会が再調査結果の報告書を発表した。
 「事実と異なる虚偽の説明があった」と認定する一方、「隠す意図までは認められない」として、1月の報告書と同様、組織的な隠蔽(いんぺい)を改めて否定した。
 不正に関与した担当職員が問題を深刻にとらえず、その場しのぎの事務処理をした。統計の意義や重要性への理解不足が原因であり、怠慢だったとしても、悪意はなかったというのである。
 だから、隠蔽には該当しないという驚くべき論法だ。厚労省側の言い分をうのみにしたような内容で、真相解明からはほど遠い。
 国民の理解は到底得られまい。
 勤労統計は、従業員500人以上の事業所については全て調べることになっているが、厚労省は2004年から東京都分だけ3分の1の抽出調査を始めた。
 これが不正の発端で、総務省には全数調査を行っていると虚偽の説明をしていた。
 報告書は、虚偽説明に「担当課や室という組織としての判断があった」と認定している。
 17年度の冬、局長級の政策統括官が担当室長から不正の報告を受けた際、修正を指示したという。
 この修正指示を理由に、報告書は隠蔽を否定している。
 だが、指示は実行されず、18年末に発覚するまで不正は続いた。不正を認識しながら、それを放置し続けるのは、隠蔽と五十歩百歩ではないか。
 不正調査が始まった理由として、「都道府県の負担軽減」が挙げられていたが、追加調査でも、その動機は特定できなかった。
 昨年1月から、厚労省が本来の全数調査に近づけるよう不正データをひそかに補正した。
 この背景に、首相官邸の「圧力」があったかどうかが、国会で追及されている。
 監察委の第三者性も依然として疑問だ。再調査は弁護士による事務局が進めたが、委員長は、厚労省所管の独立行政法人の理事長が引き続き務めている。
 一連の調査から浮かび上がったのは、政策立案の基礎となるはずの基幹統計がないがしろにされているという危機的現状だ。
 政府・与党の姿勢には、決着を急ぐ意図が透けるが、これで幕引きにするわけにはいかない。
 衆院予算委員会での集中審議など通じ、与野党は、徹底的に究明する責務がある。


統計不正再調査 独立した機関で調べ直せ
 改めて調べ直してみましたが、やはり組織的な隠蔽(いんぺい)は認められませんでした−。そんな安直な結論で国民が納得すると本気で思っているのだろうか。
 毎月勤労統計の不正調査問題を再調査してきた、厚生労働省の特別監察委員会がきのう、追加報告書を公表した。
 焦点だった厚労省の組織的な関与や隠蔽について、今回の報告書はこんな論法を展開している。そもそも事務次官ら厚労省の幹部は不正を認識していなかった。だから隠蔽の指示はしていない。担当課(室)レベルでも不正が明らかにならないように綿密な打ち合わせや周到な準備をした形跡はなかった。したがって意図的に隠したとまでは認められない−。
 まるで、「身内によるお手盛り調査ではないか」「第三者委員会としての客観性や中立性に疑問がある」と批判された、前回の調査と報告書をなぞるような内容である。これでは一体何のための再調査だったのかと、厳しく指摘せざるを得ない。
 まず事務次官ら幹部が「知らなかった」こと自体を問題と認識すべきだ。組織をつかさどる幹部の責任問題である。長年不正がひそかに続いていたという事実を踏まえるなら、何らかの組織的な力学が作用したと疑うのが自然だろう。そこに調査のメスを入れるのが特別監察委の使命と役割であるはずなのに、なぜか素通りしてしまった。
 本来は全数調査すべき東京都の大規模事業所を、なぜ勝手に抽出調査へ変更したのか。不正の原点とも言える問題だ。追加報告書は「適切な復元処理がされる限り精度は確保できると(担当者が)考えていた」など三つの理由を挙げながら、どれが主な理由かは不明としている。
 その「適切な復元処理」がなされなかった理由も、当時の関係者の記憶が曖昧で資料も残っていないため「新たな事実は確認できなかった」という。
 不正の核心は謎のベールに包まれたままなのに、「組織的な隠蔽はなかった」という結論に行き着く。前回調査と同じだ。
 私たちは社説で、厚労省の外郭団体の理事長が委員長を務める特別監察委で、同じ委員の顔触れのまま第三者委員会としての再調査が可能なのか、と疑問を呈してきた。懸念は現実になったと言わざるを得ない。
 この問題はもはや、厚労省の手には負えないと判断すべきだ。統計不正は総務省をはじめ他の省庁にも波及している。厚労省だけの問題でもない。
 国民の信頼回復と再発防止を目指すなら、政府は強い権限を付与した独立性の高い機関を新たに設置して、徹底的な調査と検証に乗り出すべきである。


これも統計マジック?18年“本当の倒産”前年比11%増の衝撃
 まさか、こんなにヒドイとは……。市場関係者に動揺が広がっている。
 昨年(1〜12月)の“本当の倒産件数”が、2008年のリーマン・ショック直後の水準に達していたというのだ。
 倒産件数をカウントする際、一般的には「負債額1000万円以上」を対象とする。小規模な個人経営(個人事業主)を除くためだ。だが、それでは倒産の全体像がつかみにくい。
 そこで東京商工リサーチは“小規模倒産”といえる「2018年の負債1000万円未満倒産」調査に乗り出した。結果は521件で、前年比6・5%増だった。
 東京商工リサーチ情報本部長の友田信男氏がこう言う。
「負債1000万円以上の倒産は前年比2・0%減と、10年連続で前年を下回っています。ところが、負債1000万円未満に限ると増加でした。零細企業の倒産がジワリと広がっているのです」
 世の中から会社が消えていく……その理由は倒産とは限らない。休廃業や解散なども含まれる。東京商工リサーチによると、18年の「休廃業・解散」件数は4万6724件。これに負債額を区別しない「全倒産」をプラスすると、実に5万5480件に上る。何と前年比11・3%増だ。
「毎月勤労統計をはじめ統計偽装が問題になっていますが、倒産件数も統計の取り方によって、随分と変化するものだと驚きました。零細企業の経営悪化は、今後、中小・中堅へと広がっていくでしょう」(IMSアセットマネジメント代表・清水秀和氏)
 もうひとつ、懸念がある。現在は小売りやサービス業など消費に近い産業の倒産が増加傾向だが、別の業種に広がりそうだというのだ。
「大手メーカーの業績の下方修正が相次いでいます。そのシワ寄せは下請け業者の中小・零細企業に必ずきます。この先は製造業の業績不振が目立ってくるかもしれません」(友田信男氏)
 ニュースになりやすい「負債額1000万円以上の倒産」が増加に転じる日は着実に近づいている。


ウーマン村本も指摘 統計不正のグラグラ答弁許すTVの姿勢
 国会で炎上中の統計不正問題。毎月勤労統計の調査手法の変更経緯を巡る根本厚労相の答弁はグラグラだ。
 焦点は、2015年9月14日、厚労省担当者が調査手法変更を議論する検討会の座長に送ったメール。「委員以外の関係者から(調査対象事業所の)部分入れ替え方式で行うべきだとの意見が出た」との内容だが、根本厚労相は26日の会見で、「委員以外の関係者」について、「姉崎元厚労省統計情報部長と中江元首相秘書官、統計関係の有識者だった」と説明を一変させた。
 20日の「中江元秘書官だと思われる」との答弁からガラッと変えたのは、姉崎氏が22日の衆院予算委で、調査手法変更の検討について「私が決めて指示をした」という答弁内容との明らかなツジツマ合わせだ。
 もともと、調査手法について「現状の総入れ替えが妥当」との素案をまとめていた検討会は、このメールの直後に「部分入れ替え」も選択肢に含める形で結論を修正。17年には総務省の統計委が「部分入れ替え」を認可し、18年1月からの変更により、毎勤の賃金データが大幅に上振れしたのだ。
 素案修正の経緯に「官邸の意向」が働いたのではないかと追及されても、根本厚労相はグラグラ答弁でノラリクラリ否定し続けている。こんな状況がまかり通るのは、大手メディアにも責任がある。
 特にテレビ局は朝昼の情報番組で、ほとんど統計不正を取り上げない。お笑いコンビ・ウーマンラッシュアワーの村本大輔も、テレビの報道姿勢についてこう話していた。
「(視聴者は難解なことは)考えないで、楽に語れるものを求めているんですよ。遊びで語れるもの。苦しみたくないんですよ」「でも(中国や韓国の)ネガティブなニュースを聞いたら、安心できる人がいるんですよ」(21日のテレビ朝日系「モーニングショー」)
 つまり、統計不正のような難解なテーマを敬遠しがちな視聴者に、テレビもおもねっていると指摘。その上で、テレビは「真実を伝えるための道具じゃない」とぶった切った。メディアの情けない現状について、正鵠を射た発言だ。
「統計不正は国のあり方を揺るがし、国民生活にも直結する問題ですが、多くのテレビ報道は国会審議を後追いするだけ。『官邸の関与があったのでは』という問題意識が薄く、深掘りしないため、結果的に視聴者の理解も深まらない。村本氏の指摘はもっともです」(法大名誉教授の須藤春夫氏=メディア論)
 視聴者に安心を与えるだけのユルユル報道は、安倍官邸を喜ばせるだけだ。


統計不正再調査 焼き直しでは納得できぬ
 組織的判断に基づいたうその説明はあったが、意図的なものではないので、組織的隠蔽(いんぺい)には当たらない。結論はつまり、こういうことだ。
 まるで最初の報告書の焼き直しである。真相に切り込もうとの意欲も伝わらず、これで国民の納得が得られると考えているなら甘すぎる。
 毎月勤労統計を巡る不正問題で、厚生労働省の特別監察委員会が27日、再調査結果の追加報告書を公表した。
 幹部が不正を認識せず、指示もしていなかった上、担当課で準備した形跡などもうかがえなかったとして、組織的隠蔽について改めて否定した。
 一方、担当課の怠慢などによる不適切な取り扱いがあったことは認めた。
 総務省などに全数調査と虚偽の説明をしていたことについては担当課トップの判断の下で部下の協力を得て行われたものだとし、「課という組織としての判断」とした。
 1カ月前の先月下旬に示した最初の報告書でも、担当者の漫然とした仕事ぶりや幹部職員が放置したことが原因と指摘し、組織的隠蔽は否定していた。
 最初の調査は報告書の公表後に身内の職員による聞き取りが判明して「お手盛り」批判を浴び、やり直しに追い込まれた。
 再調査では弁護士による事務局が設けられたが、結局は前回踏襲の報告となった。体制を整えただけのアリバイづくりと見られても仕方あるまい。
 特別監察委の記者会見では元高裁長官の委員長代理が隠蔽に当たらない理由を説明し、「虚偽説明は隠蔽と同列か、それより重い」などと強調したが、違和感を覚えた。
 隠蔽否定の理屈を並べ立てる姿は、自らの判断を正当化しているように見えたからだ。
 監察委の樋口美雄委員長は厚労省から多額の交付金を受けている労働政策研究・研修機構の理事長だ。理事長の立場で出席した国会では、統計不正の答弁に応じていない。
 こうした人物がトップでは特別監察委の「第三者性」に限界があるのではないか。
 毎月勤労統計を巡る今回の追加報告書は、厚労省が2018年1月に調査方法を変更したことについて「利用者の分かりにくさを解消するため」とし、統計学的にも十分合理性があると記述している。
 変更後に賃金の伸び率が高水準となり、野党は「アベノミクス偽装」と指摘してきた。さらに、元首相秘書官ら「官邸の意向」が働いたのではないかと追及を続けている。
 報告書は、そうした野党の見方を否定した形になる。問題の沈静化を狙ったものか。
 衆院予算委員会の集中審議を翌日に控えての公表は、選挙準備を急ぐ政府、与党の思惑を受けたとの見方もある。
 事は国民が過少給付という実害を被り、政策の裏付けとなる国の統計への信頼を根底から揺るがした重大問題だ。中途半端な幕引きなど許されない。


勤労統計 監察委報告 前回調査なぞっただけか
 これでは「お手盛り」批判を浴びた先月の報告書の内容を上書きしただけではないか。「第三者性」を前面にしながら、どこまで切り込んだというのか。
 「毎月勤労統計」不正問題で、厚生労働省の特別監察委員会が再調査結果をまとめた報告書は、担当課レベルで綿密な打ち合わせや周到な準備の形跡がなかったことなどから組織的な隠蔽を改めて否定した。幹部は不正を認識せず隠蔽の指示をしていなかったとも認定。組織防衛の論理から、関与した職員らが前言を翻すはずもなく、前回調査をなぞっただけではないか。
 不正の発端となった2004年から始まった東京都分の全数調査から抽出調査への変更に関して、前回報告書は、都や対象事業所からの聴取がないまま「苦情」などを理由に挙げた。今回は聴取したものの、理由は「発見に至らなかった」としている。抽出調査の場合に必要な補正処理をしなかった点は、当時のシステム改修担当だった職員の死去で「新たな事実は確認できなかった」とした。15年前のこととはいえ、切り込み不足は否めない。
 不正に気付き修正できる機会が何度もあったことに触れている。だが、担当者が他の業務に忙殺されたり、影響は少ないといった認識が引き継がれたりしてきたことなどを指摘。担当課(室)の職員らが「虚偽の説明」を繰り返しながら「深刻な不正」だと捉えていなかったことから「意図的に隠したとまでは認められない」と結論付けた。
 これでは「担当者が上司への相談なく判断」「漫然と前例踏襲」とし「意図的までとは認められない」とした前回報告書の域を出ていない。「組織的隠蔽」を取り上げた上で否定したのも判然としない。野党議員からは「前よりもひどい」との声が上がっている。
 国会で「官邸の関与」が焦点となっている15年の有識者検討会にも触れている。これも、抽出調査を説明しなかったとの観点からの言及にとどまる。検討会で決まりかけていた調査手法が突然変更され、東京都の抽出調査分に対する補正処理もこっそり導入された。監察委としてこの間の経緯を検証すべきなのに、変更を「統計学的にも十分な合理性が認められる」と明記したのは解せない。
 政府、与党は今回の報告を幕引き材料にしたい思惑のようだが、検討会での変更はいかにも不自然だ。衆院予算委員会の公聴会で、上西充子法政大教授が「官邸主導で進められ、強引に検討会の結論がねじ曲げられた、とみるのが妥当」と述べたのも当然だろう。
 統計委員会の委員長が多忙を理由に国会審議への出席に応じない旨の文書を巡っては、総務省職員が無断で作成し配布していたことが判明した。統計を所管する省にあるまじき事態だ。政権や与党に加え、官僚までが国会の行政監視機能を減じようとしているとしか思えない。再発防止のためには原因の徹底解明しかない。揺らいだ統計への信頼回復はそこにしかない。


【勤労統計の不正】幕引きはまだ許されない
 毎月勤労統計の不正が発覚して2カ月になる。経緯を巡る検証や疑惑の追及が続いているが、疑問は一向に解消されない。
 きのうは厚生労働省の特別監察委員会が再調査の結果を公表した。組織的な隠蔽(いんぺい)を否定した点を含め、1月の報告書から調査が大きく進んだようにはみえず、多くの国民は到底納得できないだろう。
 監察委は、厚労省が2004年に始めた統計の不正について調査し、1月に報告書を公表。だが、関係者への聴取の約7割を厚労省職員が実施し、報告書原案も職員が作成したことが発覚したため、再調査に追い込まれた。
 中立性や信頼性に欠ける検証方法をいったんは受け入れた監察委による再調査だ。弁護士による事務局を設けたとはいえ、第三者性に対する疑義が拭えないことをまず指摘しておきたい。
 再調査報告書は、統計の調査方法の変更を巡り15年に開かれた有識者検討会で、当時の担当課長らが事実と異なる虚偽の説明をしたと認定。こうした組織としての独自の判断や怠慢による不正は到底容認できないとする。
 ただし、担当課の職員らが「統計数値上の問題はない」と捉え、「深刻な不正」などとは考えていなかったと指摘。意図的に隠したとまでは認められないとして、隠蔽行為を否定した。
 幹部を含む職員らに対する聴取が調査の柱の一つではあるだろう。だが、職員らの回答や説明が全てうのみにできるとは限らない。問題を小さく見せようとする意図などが働いていたなら、果たしてそれを見抜けたのか。
 報告書は、調査計画変更の際の手続きルールの明確化、外部チェック機能の強化、統計の基本知識の習得や意識改革の徹底など、再発防止策を提言している。重要ではあるが、不正を始めた原因や背景をはじめ、まだ多くの曖昧さが残っている。
 今回の報告で終了とはならない。真実に迫るため、職員のメールのやりとりを調べるなど、より幅広い調査が欠かせない。
 毎月勤労統計を巡っては、別の問題も指摘されている。18年に変更された中規模企業の抽出方法だ。
 従来は2〜3年ごとに対象企業を全て入れ替えていたが、一部を入れ替える方法に変えた。総入れ替えだと、賃金は総じて低く表れる傾向があり、併せて補正される過去分も低下するという。
 この入れ替え方法の見直しは、15年に当時の首相秘書官らが厚労省幹部と面会した際に「問題意識」を伝えたことによって、検討が始まったとされる。官邸の意向が働いていたのであれば、重大な問題だ。
 国会で野党が厳しい追及を続けているが、政府の説明は説得力に欠けるといわざるを得ない。まずは事実関係を徹底的に明らかにする必要がある。ここで幕を引けば、統計への信頼回復は望めない。


安倍首相が統計不正追及に「だから何だってんだ!」と逆ギレ野次! 「私は国家」とまた独裁発言もポロリ
「不適切な取り扱いや事実と異なる虚偽の説明をした」ことを認めつつ、「隠蔽は積極的に隠すこと」という“独自要件”によって「組織的隠蔽はない」とした特別監察委員会の追加報告書が、昨日公表された。この報告書では、やはりと言うべきか、肝心の官邸の関与については調査がおこなわれずじまい。再び「お手盛りだ」と批判が起こっている。
 いい加減な報告書の内容からは、さっさと統計不正問題の追及から逃げたいという安倍首相の本音が透けて見えるようだが、きょうの衆院予算委員会では、またも安倍首相が付け上がった姿勢を見せた。
 それは、2018年1月からの「毎月勤労統計」調査において産業構造や労働者数などの変化を統計に反映させるための「ベンチマーク更新」でさかのぼり補正をおこなわなかった問題について立憲民主党の長妻昭議員が追及をおこなっていた際のこと。この「ベンチマーク更新」にともなう補正を廃止したことは、2018年の賃金伸び率引き上げに大きくかかわっているのだが、厚労省の有識者検討会では補正をおこなうことで中間的整理案がまとめられていたにもかかわらず、補正を廃止してしまったのだ。
 この問題について、石田真敏総務相は話を誤魔化すような答弁に終始。だが、その答弁の不正確さを長妻議員が指摘している最中、こんな発言が飛び出したのだ。
「総理、いま変なヤジ飛ばされました?『だからなんだってんだ』と。いま聞こえましたよ」
 長妻議員の発言中の出来事でもあり、音声で安倍首相のヤジは確認できなかったが、安倍首相は2月18日の同委でも「選挙に5回勝ってる」とヤジを飛ばし、20日には根本匠厚労相に「いったん下がれ」と自席から指示をおこなうという“事件”まで起こしている御仁だ。
 その上、この長妻議員との質疑応答では、“消えた年金”問題の追及で開き直った無責任な態度をとったことに非難の声が飛んだ際、安倍首相は「席からヤジるのだけは、やめてもらえませんか?」「誠意をもってお答えしているんですから」と述べていた。「ヤジはやめろ」と言った本人が、そのすぐあとヤジを飛ばしたというのである。
 だいたい、この「ベンチマーク更新」にともなう補正を検討会のとりまとめを覆して廃止した問題は、前述したように2018年の賃金伸び率引き上げに大きくかかわる重大な問題だ。それを「だからなんだってんだ」と開き直るようなヤジを飛ばすとは……。
 いや、安倍首相がもっとも矮小化に必死になっているのは、首相秘書官が圧力をかけていたという事実があきらかにされてしまったことだ。
 2月22日に公表された、官邸による圧力を証明するメール。これは厚労省の有識者検討会で座長を務める中央大学・阿部正浩教授に対し、厚労省の手計高志統計情報部雇用・賃金福祉統計課長補佐(当時)が2015年9月に送ったもので、「官邸関係者に説明をしている段階」「委員以外の関係者(中江元哉首相秘書官)から部分入れ替え方式で行うべきとの意見が出てきた」といった文面が登場する衝撃的な内容だった。
 そもそも、中江前首相秘書官は参考人招致された国会で、同年3月に厚労省職員と面談した事実について「専門家の意見を聞くなど改善の可能性をについて問題意識を伝えた」「(検討会の)議論やその結果について報告を受けた記憶はない」と答弁してきた。それがどうだ。実際には検討会の報告を受けていた上、「部分入れ替え方式で行うべき」と明確に指示を出し、結果として「専門家の意見」を覆させていたのである。
安倍首相の指示でなく個人の判断で動いたと強弁する首相秘書官たち
 そして、有識者検討会にまでわざわざ介入し、度重なる圧力をかけるというこの行為は、中江氏が仕える安倍首相の意向がそこにはあったとしか考えられないものだ。
 もはや言い逃れはできない状態に追い込まれた、中江前首相秘書官と安倍首相。だが、驚くべきことに、中江前首相秘書官は25日の衆院予算委員会で公然とこう開き直ったのだ。
「総理秘書官は、担当する分野・政策について、各省庁から説明を聞いて議論することは常々ある。議論するなかで個人的な見解を伝えることも往々にある」
「総理の指示とか、他の秘書官の指示ということではなくて、私の単独の意思で申し上げた。もちろん公務の一貫です」
 圧力ではなく「個人的見解」であり、誰にも指示を受けていない「単独の意思」だ──。この中江前首相秘書官の主張は、あの釈明にそっくりではないか。そう、加計学園問題で「首相案件」と発言していたことが愛媛県文書で発覚した、柳瀬唯夫・元首相秘書官の答弁だ。
 実際、柳瀬元首相秘書官も、中江前首相秘書官とまったく同じように、当初は加計学園関係者や今治市、愛媛県職員と面談していた事実を「記憶にない」と国会で答弁、その後、愛媛県文書が出てきたことによってその事実を認めるも、「政府の外の方からアポイントがあれば極力お会いするようにしていた」「加計学園の件につきまして、総理に対して報告したことも、指示を受けたことも一切ありません」と言い張った。
 こんなバカな話があるだろうか。中江氏も柳瀬氏も、その業務は安倍首相の命を受けて政策の補佐や関係各所との調整を担うものだ。それなのに、このふたりは「安倍首相の指示はない」と強弁し、かたや柳瀬氏は誰彼構わず官邸に招いて親切丁寧にアドバイスをおこなったと言い募り、かたや中江氏も「個人的見解」「単独の意思」で統計調査の手法について何度も厚労省に介入していたと主張するのである。
 これが事実だというのならば、首相秘書官は、仕えている総理をすっ飛ばして特定の法人に肩入れするわ、政策に口を出すわのスタンドプレーを連発する異常な特権集団というほかない。無論、そんなわけがあるまい。質疑に立っていた立憲民主党の小川淳也議員は「2015年ごろから、国有地の処分、学校法人の認可、統計制度の変更、すべてにおいて本来、職務権限がないはずの総理秘書官が暗躍しているケースが目立つようになった」「不透明な介入や政治的影響力を、責任もない権限もない人たちが事実上行使することは大問題」と指摘した。
 だが、すると安倍首相は、さっそくこんな話をはじめたのだ。
「総理大臣秘書官というのは何の責任もない(なんて)そんなことありませんよ。総理大臣を支えるっていう、とっても大切な責任があるんですよ。その使命感のもとね、夜遅くまで働いてますよ。それがまったく責任がないかのごときの言動というのは驚くべき発言であって、民主党政権時代の秘書官ってみんなそんなつもりだったんですかね」
「私が国家です」また出た安倍首相の傲慢発言! 自民党では4選の動きも
 あまりにもわかりやすい首相秘書官の暗躍が次々と発覚していることを追及されているのに、十八番の民主党政権批判にすり替える──。みっともないにも程があるだろう。しかし、いくら話を誤魔化しても、この政権で官邸による官僚支配が進み、安倍首相に仕える首相秘書官たちが“お友だち優遇”や“アベノミクス偽装”に関与したことは、歴然とした事実だ。
 そして、こうした権力の濫用を象徴するような出来事が、きょうも起こった。長妻議員は「ギリシャも統計の問題が発端で経済危機が起こった。統計の問題を甘くみないほうがいい。扱いによっては国家の危機になりかねない、そういう認識はあるか」と問うと、安倍首相は長々と答弁するなかで、こう発言したのだ。
「いま、長妻議員はですね、国家の危機かどうか(と訊いた)。私が国家ですよ。総理大臣が国家の危機という、重大な発言を求めているわけでありますから、まず説明をするのが当然のことではないでしょうか」
「国家の代表として」とかほかにも言い方があるだろうに、よりにもよって「私が国家」って……。「私は総理大臣ですから、森羅万象すべて担当しておりますので」だの「我々の法律の説明はまったく正しいと思いますよ。私は総理大臣なんですから」だの、最高権力者として思い上がった安倍首相の発言は枚挙に暇がないが、こうした態度こそが力によって行政を歪め、「隠蔽、改ざん、偽装」を横行させたのではないか。
 しかも、ここにきて、安倍首相の自民党総裁4選に向けた動きまでが出てきた。
 2月10日に二階俊博幹事長がオフレコで安倍4選を希望するような発言をおこなった(日刊ゲンダイ2月12日付)ことを皮切りに、昨日には“ポスト安倍”として囁かれてきた加藤勝信総務会長も「国民から『さらに』という声がでてくればそういう状況は生まれるかも」と講演で発言。その上、昨晩おこなわれた二階幹事長と麻生太郎副総理の会談では、先日、安倍首相との同期会で林幹雄幹事長代理が「4選もある」と言ったという話に、麻生副総理は「おもしろいね」と言ったという(毎日新聞Web版2月28日付)。
 こうした動きに、当の安倍首相はきょうの国会で4選を否定せず、「自民党のことは自民党においてしっかり議論していくことなんだろうと思う」と述べたのである。
 現在、安倍首相の総裁任期は2021年までだが、またも党則を変えて2024年まで総理の座に居座るつもりなのか──。「私が国家」と付け上がる「隠蔽、改ざん、偽装」総理の暴走を思えば、まさに背筋が凍る恐怖のシナリオだろう。


辺野古めぐる新状況 「唯一」の固定観念を正せ
 米軍普天間飛行場の辺野古移設問題は、埋め立て反対が7割強を占めた県民投票を経て新たな状況に入った。これを受け安倍晋三首相と玉城デニー知事があすにも会談する。
 しかし、このまま互いの主張をぶつけ合うばかりでは、本土と沖縄の溝がさらに広がる深刻な状況に陥りかねない。この際、政府は「辺野古が唯一の選択肢」と有無を言わせない論理を改めるべきだ。
 現在の政府の主張では、移設先は辺野古しかないというのが軍事上の固定観念となっている。だが、どこに基地を置くかは軍事的要素だけで決まるものではない。候補地の歴史的・文化的背景や経済的な問題などさまざまな要素を考慮しなければならない。唯一の選択肢ということが現実にあろうはずがない。
 実際、沖縄に海兵隊を置くことが不可欠かどうかについては、米国内でも議論があった。中国の軍事的台頭や北朝鮮の核・ミサイル開発を受け、むしろ日本側が駐留の継続を求めてきた側面がある。
 普天間飛行場を本土に移そうとすれば激しい反対運動に直面することが予想され、政治的なハードルは高い。それを避ける意図が「唯一」という言葉の裏に見え隠れするから、政府に対する沖縄の不信感が増幅されてきたのではないか。
 県民投票では、普天間飛行場の危険性を最も知る宜野湾市でも反対票が66%を占めた。普天間の危険除去を最優先するという政府の主張が信用されていない証左だろう。埋め立て予定海域で軟弱地盤が見つかったことにより、技術的にも早期移設の見通しは立たなくなっている。
 戦後長らく米軍統治下に置かれ、本土にあった米軍基地の多くが沖縄に集約されてきた歴史がある。そこで生じた不平等が固定化されるのは耐えられないというのが県民投票に込められた沖縄の訴えではないか。
 米軍に多くの特権を認めた日米地位協定の見直しなど、沖縄の不利益をなくすために努力する姿勢が政府には求められている。
 首相は「県民投票の結果を真摯(しんし)に受け止める」と言いながら、工事を続行するのは矛盾している。
 まずは「唯一」の固定観念を正し、沖縄の不信感を解きほぐすところから始める必要がある。


[国には国の民主主義]そこまで言うんですか
 県民投票で示された民意を政府はどう考えているのだろうか。
 菅義偉官房長官は、名護市長選で政府・与党が推す候補が当選したとき、「選挙は結果がすべて」だと言った。
 けれども、知事選で辺野古反対の翁長雄志氏や玉城デニー氏が大差で当選したときは「結果がすべて」だとは一言も言わなかった。
 選挙にはいろいろな要素がある、と口を濁し、政府方針に影響がないことを強調するだけであった。これを二重基準と呼ぶべきか、ご都合主義と言うべきか。
 ならば、県民投票で辺野古埋め立てに対する反対票が投票総数の7割超に達した事実はどう評価するのか。
 岩屋毅防衛相は26日の記者会見で、「沖縄には沖縄の民主主義があり、しかし国には国の民主主義がある」と、あ然とするような民主主義観を披露した。
 「沖縄には沖縄の、国には国の民主主義がある」とは初めて聞く話である。戦後27年間、憲法が適用されなかった沖縄に、本土同様の民主主義がなかったのは確かだ。
 だが、今回の県民投票は、地方自治法に基づいて住民が必要な署名を集め、条例制定を県に直接請求し、県議会で成立した投票条例に基づいて行われたもの。住民投票は制度化された直接民主制の一形態である。
 投票結果が気に食わないからといって「沖縄には沖縄の、国には国の民主主義がある」と言うのは論理が飛躍しており、あまりにも乱暴だ。
    ■    ■
 岩屋防衛相は昨年12月、辺野古移設について、視察先の北海道で「日米同盟のためではない。日本国民のためだ」と記者団に大上段に語った。
 果たすべき説明責任を果たさず、「この紋所が見えないか」とすごんでいるような言い方である。
 「日本国民のため」であれば、なおさらのこと、米軍専用施設の約7割が集中する沖縄に建設すべきではない。
 政府は一地域に偏らない公正・公平な負担の実現をめざすべきである。
 岩屋防衛相は25日、県民投票結果を「一つの沖縄の民意」だと認めつつ、「普天間基地を返還してもらいたいということも、沖縄の皆さんの強い民意だ」と強調した。
 県議会は昨年2月、オスプレイなどの相次ぐ事故に抗議し、「普天間飛行場の即時運用停止」を全会一致で決議した。普天間返還が沖縄の民意であることは、言われるまでもない。
    ■    ■
 普天間飛行場返還に向けた当初の日米合意は、既存の基地内にヘリポートをつくる、というものだった。
 当時、橋本龍太郎首相は、沖縄の頭越しには進めない、とも強調していた。辺野古移設が固まった段階でも橋本氏は、撤去可能な海上基地にこだわった。それが後退に後退を重ね、当初案とは似ても似つかない新基地建設計画に変わったのである。
 軟弱地盤の改良工事によって工期は大幅に延び、経費も膨大な額に膨らむ。
 辺野古に固執すればするほど普天間返還は遅れる。


同性愛の暴露 尊厳傷つけぬ配慮を
 同級生に「同性愛者だ」と暴露され、心身に不調をきたし、校舎から転落死した−。遺族が大学側を相手にした訴訟は敗訴した。だが、もはや性的問題などでの差別や不当な暴露は許されぬ時代だ。
 LGBT(性的マイノリティー)への差別を禁ずる条例は、全国各地で広がりをみせている。二〇〇二年には堺市で全国で初めてつくられた。
 東京では一三年に文京区や多摩市で。同性カップルなどをパートナーとして公的に認める「パートナーシップ制度」は世田谷区や渋谷区でも生まれた。
 昨年には国立市で「女性と男性及び多様な性の平等参画を推進する条例」が施行された。性的指向(恋愛対象の性)などによる差別を禁じている。同時に他人が本人の意に反し暴露(アウティング)することも禁じる内容である。
 背景がある。国立市内の一橋大で一五年、法科大学院生が同級生に「おまえがゲイであることを隠しておくのムリだ」と、無料通信アプリ「LINE」のグループに実名入りで暴露された。学生は直後から心身不調に。二カ月後には授業中にパニック発作を起こし、学内の保健センターで休養後に六階の校舎から転落死した。
 遺族と同級生とは和解が成立したが、二十七日に東京地裁で大学に損害賠償を求めた訴訟の判決があった。大学がセクハラ対策を怠ったほか、ハラスメント相談室の担当者が学生と面談して状況を把握しているのに、適切な対応をしなかったとの遺族の主張だった。
 判決理由はこうだ。「安全配慮義務違反により、アウティングが発生したとはいえない」「(死の当日は)体調不良の可能性や認識は予見できても、自殺など本人も制御不能な行動に出る危険までは予見できない」と−。
 遺族敗訴でも、社会への大きな問題提起となったと考える。同性愛は本人のプライバシーの問題であり、勝手に他人に暴露される理由などありえない。暴露されれば、誰かに嫌悪されたり、差別されたりする恐怖を持つ恐れもあろう。いわれなき攻撃の対象となるかもしれない。
 だから、大学であれ、職場であれ、個人の尊厳を前提にとらえねばならない。守秘義務のある専門の相談窓口の設置なども必要であろう。アウティングは、セクシュアルハラスメントでもある。根絶を目指す必要があろう。何より深刻な人権問題であるという意識を共有したい。


異常な官房長官会見 政府の姿勢放置できない
 菅義偉官房長官が26日の記者会見で東京新聞の望月衣塑子(いそこ)記者から「この会見は何のための場だと思っているのか」と問われ「あなたに答える必要はありません」と述べた。質問自体を封じるこのような態度は、国民の知る権利を真っ向から否定するものだ。断じて認めるわけにはいかない。
 菅長官は、翌27日の会見で別の記者から発言の趣旨を問われ「国会や会見で『政府の見解、立場を答える場だ。意見や要請に答える場ではない』と言ってきた。(その答えを)繰り返す必要はないということだ」と述べた。これはすり替えである。
 官房長官会見での望月記者への質問制限について、東京新聞は20日付で経緯と見解を示す特集を掲載した。その中で、2017年秋以来9回も官邸から文書で申し入れを受けたことを明らかにした。臼田信行編集局長は「権力が認めた『事実』。それに基づく質問でなければ受け付けないというのなら、すでに取材規制です」と指摘した。望月記者の質問はこれを踏まえたものだ。
 26日午前の会見で望月記者は申し入れ文書を「今後は他のメディアにも送るつもりか」と質問した。菅長官は「事実と違う発言をした社のみだ」と答えた。午後の会見で望月記者は「わが社以外にも抗議文を出したことがあるのか。これからも抗議文を出し続けるのか」と畳み掛けた。
 これに菅長官は「この場所は記者の質問を受ける場であり、意見を申し入れる場所ではない」とはぐらかした。そこで望月記者は「会見は政府のためでもメディアのためでもなく、国民の知る権利に応えるためにあると思うが、長官はこの会見は何のための場だと思っているのか」とただしたのである。
 このやりとりから分かるのは次のことだ。官邸側は、質問に意見や要請が含まれると見なせば答えない。事実誤認と見なせば答えない。それが続けば文書を送って圧力をかけるということである。
 記者が事実認識を示した上で質問するのは普通のことだ。事実誤認だと思うなら、答える中で説明すればいい。それが説明責任を果たすということだ。事実認識を示すことを「意見」や「要請」だというのはこじつけであり、答えを拒む理由になり得ない。
 昨年12月、河野太郎外相が記者会見で質問に答えず「次の質問どうぞ」と繰り返した問題もあった。記者会見を政府の広報の場とのみ捉える傲慢(ごうまん)な政権の姿勢は一貫している。一記者、一新聞社の問題ではなくメディア全体の問題であり、国民にとって深刻な事態だ。
 国民の知る権利をないがしろにする政府の姿勢をこれ以上放置できない。誰のために取材・報道をするのかという原点を再確認し、異常な記者会見の現状を是正しなければならない。


矛盾だらけの不毛な会見、どう正す?
★26日午後の会見で官房長官・菅義偉は東京新聞の記者から「この会見は一体何のための場だと思っているのか」と問われ、「あなたに答える必要はない」と述べた。さすがに内閣記者会は巧妙に論評を避け、長官の機嫌を損ねないようにこのやりとりを記事化したが、この長官と記者の不毛なラリーとそれを傍観する内閣記者会にはさすがに閉口する。★思えば民主党政権時代、閣僚に「口だけ番長」と書いた社が締め出されたことがあったが、それを想起させるお粗末さだ。政権が記者の所属する東京新聞に苦情を告げると、同紙は「記者は国民の代表として質問に臨んでいる」と返した。国民の代表とは大きく出たものだが、記者の先には読者や国民がいることは間違いない。一方、長官の発言も国民に伝えるものだ。★元首相・佐藤栄作は1972年6月17日の退陣表明会見の冒頭、「僕は国民に直接話したい。新聞になると文字になると違うからね。偏向的な新聞は嫌いなんだ。大嫌いなんだ。直接国民に話したい。やり直そうよ。(記者は)帰って下さい」と発言し、そのまま総理室に引き揚げた。時代は違うものの、長官が国民に話したいが記者が邪魔だという理屈も、この会見を内閣記者会が主催していることも矛盾だらけだ。★双方の泥沼化を静観するだけでなく建設的な改善策を問う際、忘れてならないことがある。ひとつは民主主義では有権者への十分な情報が最重要だということ。そしてメディアは公正に偏る傾向がある。立場は2つだけとは限らない。公正さを装ってありもしない議論を報じてはならない。バランスは真実や理論や現実とは関係ない。忖度(そんたく)や顔色をうかがう必要もない。長官も記者も自らの言い分を通すのではなく、民主主義を守るために努力すべきなのではないか。双方とも国民へ情報を知らせる義務を果たして欲しい。

決裁文書改ざん発覚1年/不正慣れに陥るな
 財務省理財局を舞台にした決裁文書の改ざんという前代未聞の不祥事が表面化してから間もなく1年になる。
 学校法人「森友学園」への国有地格安払い下げを巡る決裁文書の改ざん疑惑を朝日新聞が報じたのは2018年3月2日。国会で追及が始まり、財務省は10日後、事実関係を認め、6月に公表された調査報告では当時の理財局長が改ざんを主導したと認定された。
 しかし、改ざんの動機について安倍晋三首相らに対する忖度(そんたく)や官邸サイドの指示や黙認、追認があったのではないかとの疑念に対する説得力のある説明はなかった。
 その意味で、この問題はいまだ解決していない。加えてその後、裁量労働制に関する不適切データ問題も発覚、現在は毎月勤労統計の不正問題が追及の的になっている。
 さかのぼれば、17年3月には陸上自衛隊の日報隠蔽(いんぺい)が発覚、同年6月には学校法人「加計学園」による獣医学部新設問題でも当初「怪文書」扱いされた文書が確認されるなど公的な文書、データを巡る不祥事が多発している。
 一つ一つは発覚時点では前代未聞のことだったが、これだけ続発すると、一般の国民はその詳細どころか何が起きたのかさえ全ては覚えきれなくなっている。「同じようなことが起きて関心がわかない」という声さえ聞く。
 国民が公的な文書やデータを巡る不祥事に慣れつつあるのなら極めて深刻だ。問題が取り沙汰されても世論調査で内閣支持率があまり低下しないのはその証左なのか。
 文書の隠蔽や改ざん、不正な統計処理などを行う官僚の体質に国民が慣れてしまったらどうなるのか。倫理は緩み、再発防止はおぼつかなくなり、政府に対する信頼は失われることになるだろう。
 安倍政権は最近、内閣支持率が影響を受けないためか積極的に真相を解明しようとしなくなっている。既に「慣れ−緩み−信頼喪失」という負のスパイラルが始まっているのではないか。
 ここで思い起こすべきなのは改ざんが表面化した5日後の昨年3月7日に、改ざんを強要された近畿財務局の職員が自ら命を絶ったことだ。
 改ざん疑惑報道後、財務省は調査中とするだけで事実関係を認めず、職員が自殺したことが9日に表沙汰になると、改ざん時の理財局長だった佐川宣寿国税庁長官が混乱の責任を取るとして辞任。財務省が公式に改ざんの事実を認めたのは職員の自殺の5日後だった。
 もとより自殺はあってはならないことだが、まっとうな倫理観を持っていながら公務に関連して不正を強いられた人間が自ら命を絶つまで追い込まれるという不条理が許されていいわけはない。
 当初、自殺が改ざんと直接関係あるのかはっきりしなかったが、麻生太郎副総理兼財務相が調査報告を公表した昨年6月4日の記者会見で「改ざんに関与したことに非常に責任を感じて、という形で身を絶たれた方がおられた」と明言した。
 手を染めさせられた人間が自殺するほどの悪事だったと認識すれば、われわれも慣れに抗することができるのではないか。いま一度、近畿財務局の職員の死を胸に刻み込み、その意味を問い続けることが重要だ。


コンビニ24時間営業 過剰な店負担の見直しを
 コンビニの24時間営業を巡って、大阪府のセブン―イレブン加盟店がチェーン本部と対立している。
 人手が足りず、2月に入って深夜営業を一部取りやめて営業時間を19時間に自主的に短縮した。これに対し、本部のセブン―イレブン・ジャパンから「24時間に戻さなければフランチャイズ(FC)契約を解除する」と通告され、応じない場合は違約金1700万円も請求されると店側は主張している。
 人手不足が深刻である。とりわけコンビニ業界は、過酷な深夜業務に加え、こなす仕事の多さから敬遠されがちだ。大阪の店も時給を引き上げて求人を出したが、アルバイト従業員を集めることができなかった。
 そのしわ寄せは店主が一手に引き受けるしかない実態が、今回の問題から浮かび上がる。ぎりぎりの過重労働によって「24時間年中無休」の利便性が支えられているとしたら、コンビニのビジネスモデルそのものを見つめ直さねばなるまい。
 時短営業に踏み切った店は典型的な家族経営だ。闘病中だった妻が昨年5月に亡くなり、店主は「この8カ月間で3日しか休みが取れていない」という。
 従業員の確保は、独立事業主である店主の責任になるが、営業時間を決める自由はない。話が本当なら、FC契約を守るために強いられた長時間労働ということになる。この店だけの問題ではなかろう。
 個々の事情に応じて営業時間を選択できるようにしてほしい―。店主の訴えは理解できる。ただ本部との話し合いは平行線をたどったままだ。
 今回、本部は「コンビニは社会インフラとして重要な役割を果たしている」とのコメントを出した。あくまでも24時間営業の再開にこだわる構えでいる。
 本部からすれば、商品の配送や店舗のメンテナンスなどは24時間営業を前提に構築している。深夜まで開いている身近な店舗の存在は消費者の支持も高いとみる。「いつでも開いている」という利便性と安心感はコンビニの生命線であり、にわかに営業時間を見直すことなど難しいのだろう。
 大手コンビニチェーンの場合、本部は売上高から商品原価を除いた粗利の一定割合を加盟店から受け取っている。深夜営業で店の負担が増えても、本部の収益は左右されない。
 商品が一つでも売れさえすればもうかるため、なかなか営業時間の見直しに踏み切れない要因になっている。
 外食産業では、24時間を含めた深夜営業を見直す動きが既に広がっている。宅配業界も配達時間を短縮し、人材確保につなげている。コンビニ業界でも、大手のファミリーマートが24時間営業の見直し「実験」に着手している。深夜営業を短縮し、店外に設ける自動販売機で商品を売ることなどを検討する。
 24時間営業にこだわっていては、いずれ事業が立ち行かなくなる危機感もあるのだろう。私たち消費者も、多少の不便さを受け入れなければならない。
 コンビニが「社会インフラ」というなら、それを支える重荷を加盟店の店主に押し付けるだけでは本部として無責任ではないか。犠牲を伴うような過剰なサービスを社会全体で見直すきっかけにすべきだ。


『モーニングショー』が「マリーモンド」を“反日ビジネス”と嫌韓フェイク報道! 元慰安婦・性暴力被害者支援ブランドを攻撃
 ワイドショーでは連日のように韓国バッシングネタが繰り返される暗澹たる状況が続いているが、そんななか、とんでもないフェイクニュースが垂れ流され、視聴者がBPO(放送倫理・番組向上機構)の審議入りを呼びかける事態となっている。
 問題となっているのは、2月27日放送の『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日)。
 この日の『モーニングショー』は「文大統領「親日を精算」三・一運動100周年で日韓関係さらに悪化も」と題し、三・一独立運動100周年の節目を直前に控えて、文在寅大統領の発言や、ソウル市議会で発議された公的機関における日本製品不買条例案などを解説した。
 そのなかで、「買い物で愛国心をあおる?“反日ビジネス”盛況」というコーナーがあり、独島化粧品、独島エビ味のカップラーメンといった、政治的メッセージの込められた商品を「反日ビジネス」と称して紹介していたのだが、そこにMARYMOND(以下、マリーモンド)の商品があったのだ。
 番組では、マリーモンドのスマホケースが掲載されたパネルを指しながら、司会の羽鳥慎一アナウンサーが「元慰安婦を支援するスマホケースが売られていると。この柄ですね、これが、木蓮、ナデシコだそうなんですけど、これが慰安婦を表現している。で、利益の一部を元慰安婦らに寄付をしている。いままで2億円ぐらい集まっているそうです」と紹介した。
 マリーモンドといえば、「原爆Tシャツ」騒動でBTSへのバッシングが吹き荒れた昨年11月に、TWICEのメンバーのダヒョンがプライベートでマリーモンドのTシャツを着ている姿がネット上に拡散され、ネトウヨ層から嫌がらせの材料にされたことでも記憶に新しい。
 それにしても、『モーニングショー』の報じ方は、見当違いも甚だしい。羽鳥アナの口から発せられたこの説明だけでも十分に「マリーモンドは“反日ビジネス”とは何の関係もない」という説明になっているが、マリーモンドというチャリティブランドの目的は、戦時下に起きた性暴力の苦しみといまでも対峙し続ける女性たちに寄り添い、彼女たちの生活をサポートすることにある。そしてそれは、いまを生きる女性たちの人権問題に向き合うことにもつながっていくことでもある。
 マリーモンドはジェンダーの問題に取り組むブランドだ。そうしたブランドのメッセージと「反日」は何の関連性もない。だから、マリーモンドは日本でのブランド展開もしているのだ。
 マリーモンドは昨年12月から日本でも商品の販売を始めているのだが、MARYMOND Japanのホームページにあるブランドの紹介文には、従軍慰安婦問題だけでなく、あらゆる性暴力問題の解決に向けてチャリティを行うと明記されている。
〈マリーモンドは韓国の若者たちが立ち上げた
ライフスタイルブランドです。
社会貢献するソーシャルビジネスとして
今、世界中の若者たちに愛されています。
売り上げの一部は、「慰安婦」被害者女性たちや
虐待被害児童への支援に寄付されています。
マリーモンドジャパンでご購入されると
売り上げは経費をのぞく全てが
性暴力問題解決のためのプロジェクトに使用されます〉
 マリーモンドの日本展開に携わった作家の北原みのり氏はニュースサイト「BUSINESS INSIDER JAPAN」の取材に対し、「日本への政治的な眼差しではなく、韓国内にある性差別や性暴力にしっかり向き合おうという姿勢です」と、マリーモンドの政治的な立ち位置を改めて確認したうえで、「日本社会はあまりにも女性がエンパワーメントされてないし、声を上げた性暴力被害者がバッシングにあっておとしめられているのを日常的に感じている人も多いと思う」と語っている。
マリーモンドのメッセージは「反日」ではなく性暴力被害者支援
 マリーモンドが伝えるメッセージは日本社会においても広く伝えられていくべきものだ。性暴力や性差別の問題は国境を超えた普遍的なイシューだからである。北原氏は前掲サイトのインタビューのなかでこんなことも語っている。
「男性にも考えて欲しいんです。『慰安婦』の問題は、国から『男の性なんてこんなもの』と烙印を押されているようなものですよね。それでいいの?と。日韓という国家間ではなく、男女問わず『個人の痛み』の物語だと受け止めて、それを花によって祝福し尊厳を回復する。そんなブランドメッセージを伝えていけたらいいですね」
実は『モーニングショー』のなかでも、不当な「反日ビジネス」扱いを問題視する場面はあった。水曜コメンテーターを務める「AERA」(朝日新聞出版)元編集長で「BUSINESS INSIDER JAPAN」編集長の浜田敬子氏が、番組のなかで、「マリーモンドは反日ビジネスとはちょっと違うと思います。これは(元従軍慰安婦の)おばあさんたちを支援しようというのと同時に、「#MeToo」とかもやっていて、日本にもお店が出ていて、デザインが可愛いから日本の女の子にも人気なんですよね」と、マリーモンドを「反日ビジネス」なる括りに入れようとする番組サイドに苦言を呈した。
 今回の『モーニングショー』のように誤った認識を撒き散らすことは、マリーモンドのみならず、「慰安婦問題」に関する誤った認識を日本社会に撒き散らすことでもある。浜田氏は続けてこのように語っている。
「逆に、一緒にくくることで、メディア側も『反日ビジネスがこんなに盛況』とステレオタイプになってしまうのかなと。マリーモンドのカバンを持っていた成田の空港のスタッフの女の子が日本人の人からすごく文句を言われるみたいなことがあって。そういうイメージをつけてはいけないと思うんですよね」
 浜田氏の指摘通り、今月には、韓国のチェジュ航空から成田空港での地上業務を請け負っているFMGという日本企業が、勤務中にマリーモンドの製品を使用しないよう命じていたことが明らかになっている。
 中央日報によれば、昨年11月に入社した韓国人のスタッフは、日本人のマネージャーから繰り返し指導を受けたという。その理由は、マリーモンドのエコバッグを持っていたからだった。結果的にそのスタッフはバッグの使用を控えざるを得なかったという。
メディアの嫌韓報道が生み出したネトウヨの“マリーモンド狩り”
 FMGはこのような対応にいたった契機として、マリーモンドの製品に関して「慰安婦支援のブランドではないか」との指摘が社外から入ったからと説明している。
 業務に支障をきたさない私物に対して会社側がこのような制限をかける権利があるかは甚だ疑問だが、おそらくネトウヨによるものであると思われる抗議に会社が過剰反応したのは、今回『モーニングショー』が撒き散らしたような誤った認識が社会に広まってしまっているからである。
 ちなみに、浜田氏の指摘を受けた羽鳥アナは、「はい。まあ、どう受け取るかということですけれども」と、話は右の耳から左の耳に抜けて行ったという空気全開で次の話題に進行させていた。浜田氏の話は理解できていなかったし、そもそも、理解する気もなかったということだろう。
 日韓関係が悪化していくなか、韓国バッシングの企画が日々メディアで垂れ流されている。
 そうした流れのなか、韓国叩き以外の意見はタブーと化した。韓国側に立つ意見はもちろん、「韓国側の意見にも耳を傾けるべき」といった穏当な意見すら炎上の的となってしまっていて、そういったコメントを発することは許されなくなっている。
 これは『モーニングショー』だけの問題ではない。ワイドナショーのほとんどすべてが韓国に対して感情的に憎悪をがなりたてる番組になってしまった。
 メディアは安倍政権の扇動に乗って、果てしなく「嫌韓」意識を煽り続けるが、大本営に迎合しひたすら戦意を高揚し続けた戦時中のメディアと何が違うのか。メディアに携わる人間はいい加減、自分たちがいかに危険で愚かなことをしているか、その重大な責任を自覚するべきだ。


「下着ではなくズボン」 ちら見え、自衛官募集ポスターに批判
 自衛隊の広報活動などを行う防衛省自衛隊滋賀地方協力本部(大津市京町3丁目)が作成した自衛官募集のポスターに批判が起こっている。女性キャラクターのスカートから下着様の着衣が見える描写があるためで、同本部は「下着ではなく問題ない」とするが、「セクハラではないか」などと声が上がっている。
 ポスターは、人気アニメの女性キャラクター3人が、ミニスカート姿で跳躍している様子を描き、「陸・海・空 自衛官募集!」などと書かれている。このうち2人のスカートに下着のような黒っぽい着衣が見えている。
 同本部の説明では、ポスターは若い世代にアピールするため、民間会社と提携して作成し、昨秋に公開した。県内の地方協力本部の地域事務所などに掲示しているほか、同本部のホームページにも掲載している。
 一方、2月ごろからツイッターなどネット上で「セクハラだ」「感覚が狂っている」などの批判が上がるようになった。同本部にも苦情が届いているという。
 京都新聞の取材に、同本部は「アニメの既存の図柄を使用している。指摘の着衣は、下着ではなくズボンだという設定で、適切な範囲だと考えている。多くの人から評価を得ている」と説明している。
 近年、全国の自衛隊地方協力本部で、架空の女性キャラを使った広報活動が広がっている。京都地方協力本部は、数年前から女性キャラを使った自衛官勧誘のポスターを作成したり、ホームページに女性キャラを登場させたりしている。徳島や岡山の地方協力本部ではオリジナルの女性キャラを作り、グッズも販売している。
■性的メッセージ含み問題
 大阪大の牟田和恵教授(ジェンダー論)の話 自衛隊が性的なメッセージを含んだ幼い女の子を使っているのが問題。表現の自由とは関係なく、公的な組織が国際的には児童ポルノとみなされ得るようなものを肯定することになる。ズボンとの主張には苦笑しかない。女性自衛官も募集しているはずだが、誰に向けてメッセージを発しているのか。かつて保守的な層は、女性の性的な姿などをまじめな場で扱うことに抵抗が強かったが、感覚がまひしているのではないか。


日本に生まれ育ったイラン国籍少年の強制送還 「無効」認めず 東京地裁
 日本で生まれ育ったイラン国籍の少年(16)が、父親の不法滞在(オーバーステイ)での逮捕を機に入国管理局に退去強制令書を出されたのは、社会通念に照らして著しく妥当性を欠くとして、国を相手取り無効確認などを求めた訴訟で、東京地裁は28日、原告側の訴えを退ける判決を言い渡した。少年側は「ペルシャ語を話せず、イスラム教徒でもない原告が、イラン社会に適応することは困難」と主張したが、清水知恵子裁判長は少年に責任がないことを認めつつ「客観的にみれば法秩序に違反する」と判断。原告の支援者は「少年の人権を踏みにじる判決」と批判した。
原告支援者「人権を踏みにじる判決」
 訴えていたのは神奈川県に住む高校2年でイラン国籍のガセミ・ファラハッドさん。仕事を求めて1990年代に来日したイラン人の父セイフォラさん(50)と日系ボリビア人の母リリアナさん(49)の長男として2002年に生まれた。
 セイフォラさんは08年5月にオーバーステイで逮捕され、翌09年1月、当時6歳だったファラハッドさんを含む家族3人に対し、入国管理局から退去強制令書が出された。取り消しを求めて東京地裁に提訴したが、10年に敗訴。その後、ファラハッドさんは在留許可はないが身柄拘束を受けない「仮放免」の状態で生活を続けてきた。
 18年1月、(1)小学校から一貫して日本の教育を受け、あいさつ程度のスペイン語以外は両親の母語を話せない(2)友人関係も含めて日本での生活になじみ、大学進学を希望している――として退去強制令書の無効を求め、改めて提訴した。しかし、清水裁判長は、訴えを認めれば「送還忌避を容認することになる」と退けた。
 セイフォラさんは昨年10月、3回目の仮放免となり、現在は一家3人で暮らしている。しかし、仮放免のため3人とも就労を禁止され、健康保険もなく、知人らの援助で生活している。
 原告側代理人の大橋毅弁護士は「当時6歳だった原告に責任がないとしながら、本人に強制退去という責任を負わせるのは論理が通らないのではないか」と批判した。【井田純】


「トランプは詐欺師、謀略家」元側近が議会で不正ブチまけ
 トランプ米大統領の10年来の腹心だった元顧問弁護士のマイケル・コーエン被告が27日、下院監視・政府改革委員会の公聴会で、トランプの不正を洗いざらいブチまけ、人格をコキ下ろした。
 この中でコーエンはトランプを「人種差別主義者で、詐欺師で、ずるい謀略家だ」と非難。その一例として、オバマ政権時代にトランプから「黒人が率いる国で『便所』ではないと言える国を挙げられるか」と尋ねられたことを明かした。
 ポルノ女優との不倫のもみ消し工作では、コーエンが自分の資金で口止め料を支払った後、トランプから分割で補填されたと証言。トランプや長男がコーエン宛てに振り出した小切手を証拠として提出した。
 また、長者番付を発表する経済誌フォーブスには資産を多く見せ、納税申告では少なく見せてきたことや、オークションでニセの入札者を使って自分の肖像画が高値で落札されるよう工作したことなども暴露した。
 2016年大統領選への出馬はトランプにとって「自分のブランドを高め、富と権力を得るためだった」と指摘。「忠誠を誓うべきでない人物に忠誠を誓い、自分の良心を無視してきたことに心が痛む」と語った。


関空連絡橋下り線半年ぶり再開
 昨年9月の台風21号でタンカーが衝突して破損した関西国際空港の連絡橋は27日深夜、修復していた下り3車線のうち、2車線の通行が約半年ぶりに再開した。完全復旧は4月上旬で、中央分離帯などの修復後に上下全6車線の通行が可能になる。
 事故では空港島へ向かう下り車線の橋桁2本(計187メートル)が破損。橋桁の修復中、下りの車は途中で中央分離帯を横切り、被害がなかった上り3車線の一部を対面通行していた。今回の利用再開で、上りは1車線、下りは2車線の通行になり、28日朝は下り線の大型バスや乗用車が料金所までスムーズに走っていた。
 西日本高速道路は、対面通行のために上り線に残る防護柵の撤去などの作業を続け、3月7日朝には上下各計2車線ずつの通行開始を目指す。【蒲原明佳】

カキフライの食前酒に梅酒!/ヒントの相談

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Japon: né à 268 grammes, le plus petit bébé du monde est hors de danger
Au Japon, le plus petit bébé au monde est désormais hors de danger. Cinq mois après sa naissance, les parents du petit garçon peuvent finalement le ramener à la maison. L'enfant pesait 268 grammes à la naissance et est aujourd'hui en bonne santé.
À travers le monde un bébé si petit à la naissance n'a quitté la maternité sain et sauf. Après 22 semaines, soit près de cinq mois de grossesses. Le bébé arrête de grandir. Les médecins décident donc de provoquer la naissance. Lorsqu'il est extrait du ventre de sa mère, le nourrisson tient dans la paume d'une main. Aujourd'hui, après cinq mois passé en néonatologie, il fait plus de dix fois son poids d'origine, soit 3 kilos et 200 grammes. Il est en bonne santé et se nourrit sans problème.
Un suivi rigoureux
"Je suis heureuse qu'il ait tant pris de poids, car franchement, je n'étais pas sûre qu'il survive", a déclaré sa mère dans un message transmis aux médias. Ce n'était pas gagné d'avance pour les médecins. Le taux de survie des nouveaux-nés de moins de 300 grammes est faible. Ce bébé a donc eu besoin d'une attention médicale particulière. Il sera encore suivi au moins quelques années.
De précédents cas de sortie de l'hôpital après plusieurs mois sans problème de santé de nourrissons garçons nés avec un poids de moins de 300 grammes avaient été enregistrés en Allemagne en 2009 (274 g) ainsi qu'au Japon en 2009 (297 g), 2011 (294 g) et 2015 (289 g), selon un registre international tenu par l'Université d'Iowa (Etats-Unis).
En Belgique, on compte 10.000 prématurés chaque année, ce qui représente 8% des naissances.
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ランチはカキフライ.なんと食前酒に梅酒!がつくというのでちょっとびっくり.カキフライは何もつけずに食べておいしかったです.
ヒントの相談しました.

<再生の針路>閖上のにぎわい 具現化/名取市 山田司郎市長
 宮城県内で9542人が亡くなり、1220人が行方不明になった東日本大震災から間もなく8年になる。国の復興・創生期間の終了まで残り2年。津波で被災した沿岸部の社会資本整備は仕上げの段階に入ったが、被災者のなりわいや生活の復興の進み具合は地域によって、ばらつきが大きい。沿岸自治体の首長に、復興の状況や課題などを聞いた。
◎震災8年 被災地の首長に聞く(5)
<655戸の整備完了>
 −昨年12月に閖上地区の災害公営住宅が完成した。
 「これで市内655戸の整備が全て完了し、住まいの再建は一定のめどが付いた。現在、1000人ほどが閖上地区に戻っており、新たに住宅を購入する転居者に費用を補助する定住促進策などもある。計画人口の2100人は達成できるだろう」
 −産業用地の造成と企業誘致も始まった。
 「産業が再生してこそ本当の復興。仙台空港のお膝元で、仙台東部道路の名取インターチェンジ(IC)にも近く仙台港まで20分。県道塩釜亘理線も通っており、交通アクセスの良さが閖上地区の売りだ。これらが評価され、今月、まず4社と立地協定を結んだ」
 −4社の進出エリアは1ヘクタールに満たない。募集予定の約15ヘクタールは埋まるのか。
 「名取ICまで信号がなく、3分で直結する市道が3月29日に開通する。災害時に内陸側への避難道路ともなる路線の完成で、さらに魅力が高まる。企業の感触はいいので、スピード感を持って閖上にふさわしい土地利用を進めたい」
 −商業施設建設やにぎわい再生も具現化してきた。
 「食品スーパーが来年オープンし、名取川堤防沿いにも商業施設が今年4月にできる。昨年8月には閖上漁港や広浦で舟運事業が始まり、サイクルスポーツセンターも温泉施設付きで再建される。現地再建したまちを持続可能にする責務がある。各施設・団体の連携を図る組織を立ち上げ、『オール閖上』でにぎわいを創出したい」
<小児科の立地を>
 −懸案だった医療福祉施設の進出はどうか。
 「公募の結果、特別養護老人ホームが来ることは方向性として決まった。子育て世代のため、さまざまな制度を駆使して小児科も立地させたい。同じ生活インフラという点で、金融機関の誘致にも取り組む」
 −災害公営住宅では、住民の高齢化という問題が顕在化している。
 「市内の災害公営住宅全体の高齢化率は1月末で45.7%。関係機関が連携して見守りを続けるが、マンションタイプはそもそもコミュニケーションの取りづらさがある。『鉄の扉』と呼ばれる問題で、呼び鈴を鳴らしても出てこない方をどうするか模索したい」
 −ほかに残る課題は。
 「広浦などに残る震災がれきの撤去だ。目にして、心を痛める方もいる。国や県にしゅんせつの必要があると要望していく」(聞き手は岩沼支局・桜田賢一)


復興五輪「浸透せず」 被災首長の半数回答、冷めた目も
 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故で被災した岩手、宮城、福島3県の42市町村長の半数が、2020年東京五輪・パラリンピックで掲げられた「復興五輪」の理念について、十分に浸透していないと感じていることが共同通信のアンケートで27日、分かった。五輪開幕が近づく中、自治体の担当者からは「被災地が置き去りだ」と冷めた声も上がる。
 理念を「浸透していない」と回答したのは宮城県南三陸町長など2人、「どちらかというと浸透していない」と答えたのは19人だった。
 背景について、南三陸町の担当者は「復興五輪という言葉だけが独り歩きして被災地は置いてけぼり」と批判した。


<震災8年>探査船「ちきゅう」見学中に被災 児童の体験を海洋機構職員が絵本に
 八戸市の八戸港で海洋研究開発機構(海洋機構)の地球深部探査船「ちきゅう」を見学中に東日本大震災に遭い、船内で一夜を過ごした児童らの体験を描いた絵本「津波の日の絆」が3月、出版される。文章を手掛けたのは船内に一緒にいた海洋機構技術主任の小俣珠乃さん(47)。「忘れられない物語を形にすることができた」と話す。
 同市中居林小の5年生48人は地震発生時、船内を見学中だった。児童らは船側の判断で船にとどまり、翌日、自衛隊のヘリコプターで救助された。直後に船を下りていたら津波に巻き込まれた可能性もあったという。
 絵本は構想から約3年で完成した。地震直後の様子や、「風になりたい」を歌って元気を出したエピソードなどを盛り込んだ。小俣さんは「静まり返って緊張した空気だったが、前向きな気持ちに変わった。児童が大人の心も動かし、雰囲気を変えてくれた」と振り返る。
 児童が中学卒業の際、海洋機構からお祝いの手紙が届いたという後日談も描いた。
 かつて海洋機構に勤め、現在は国立天文台アルマプロジェクト広報・デザイナーの田中利枝さん(41)が絵を担当した。「これ以上ない出来に仕上がった」と胸を張る。
 小俣さんと田中さんは25日、全小学校に行き渡るよう51冊を市に寄贈。26日には中居林小で出前授業も行った。小俣さんは「八戸の子どもたちがいたから絵本ができた。当時の出来事は心の中で生き続けており、読者の共感も得られると思う」と話す。
 出版元は冨山房インターナショナル(東京)。B5変型判48ページ。1800円(税抜き)。3月5日から各地の書店に並ぶ予定になっている。


<震災8年>志津川の津波忘れない 到達高示す標柱設置、防災意識向上目指す 南三陸町など
 東日本大震災の津波の記憶を後世に伝えるため、宮城県南三陸町や復興整備事業を町から受託するUR都市機構は26日、同町志津川の上の山緑地の入り口に、志津川地区を襲った津波の高さを示す標柱を設置した。
 設置作業には関係者ら約20人が参加。町内の住民団体「志津川地区まちづくり協議会」のメンバーが高さ2メートルの木製標柱に、平均津波高16.5メートルを示すパネルなどを取り付けた。
 津波被害を受けた志津川地区の中心市街地では復興土地区画整理事業が進む。対象地区約60ヘクタールは盛り土で約10メートルかさ上げされ、街並みは一変した。
 震災から間もなく8年を迎える。協議会の及川渉会長(37)は「時間の経過とともに震災の記憶が薄れる中、標柱が立ったことで思い返すきっかけになる」と語った。
 町は今後、同様の標柱を志津川小周辺や国道45号と町総合体育館周辺を結ぶ高台避難道路など3カ所に設置する。町復興推進課の男沢知樹課長は「標柱の設置は津波発生時に命を守るための取り組み。防災意識の向上につなげたい」と話した。


<震災8年>熱々たこ焼きにつらい体験切々 関西の僧侶、宮城で本場の味振る舞い傾聴活動
 関西地方の僧侶がたこ焼きを振る舞い、東日本大震災の被災者の声に耳を傾ける傾聴活動が26日、石巻市と宮城県女川町であり、被災者は本場の味で和みながら、つらい体験を打ち明けた。
 両市町を訪れたのは大阪市や奈良県などの融通念仏宗の住職ら5人。被災者宅6軒を訪問した。
 石巻市あゆみ野の今野孝子さん(78)宅には、本覚寺(大阪市)の大東良弘住職(48)ら3人が訪問。持参したたこ焼き器に生地を流し込み、タコや天かす、刻みネギを入れた後、ピンで器用に調理した。
 「さすが、大阪の人は上手だねえ」「大阪というだけで味が倍おいしく感じるでしょ」。軽妙な語り口で和やかな雰囲気になると、住職の一人が「8年たって気持ちはどうですか」と切り出した。
 今野さんは同市門脇の自宅が津波で全壊した。「落ち着いてきたら寂しさや恐怖がよみがえってくる」と心境を吐露し、当時の様子を生々しく語った。
 大東住職らは2013年に石巻地方で傾聴活動を始めた。たこ焼きを振る舞う取り組みは、同宗の青年会が福島県や熊本地震、西日本豪雨などの被災地で実践し、好評と聞いて取り入れた。今後も年1、2回、石巻地方で活動する予定。
 西方寺(大阪府松原市)の安岡良剛住職(46)は「被災者はストレスのはけ口を探していると感じた。話してくれて良かった。笑顔になってもらえるよう活動を続けたい」と話した。


<東日本大震災>大槌町長、職員の死亡状況調査延期を表明 遺族は猛反発
 東日本大震災の津波で職員多数が犠牲になった岩手県大槌町の平野公三町長は26日、先に表明していた職員個々の死亡状況調査の延期を明らかにした。調査は全ての職員遺族宅を訪ねて謝罪した後で実施するとしたが、面会した職員遺族は失望をあらわにした。
 平野町長は、職員遺族から「心静かに供養したい。静観を望む」との手紙が届いたと説明。「改めてデリケートな問題と認識した。遺族の思いを聞いて今後の在り方を検討したい」としており「決して調査しないわけではない」と述べた。
 平野町長が調査延期の論拠とした手紙には、3月11日に旧役場庁舎跡地で行う犠牲職員追悼式への参列と町長の訪問を拒否する文言はあったが、調査の是非には触れていなかった。
 長女を亡くした遺族は「旧庁舎を残してほしいと要望しても、町長は『公約だ』と言って解体した。調査実施を約束しておいて破るのは一貫性がないし、無責任だ」と批判した。
 夫が犠牲になった遺族は「肉親の最期を知りたいだけなのに、どうしてこうも時間がかかるのか。納得がいかない。もう来ません」と吐き捨てるように言って退席した。


<安住の灯>「復興曲線」過程を可視化 最適解探求する姿勢を
 東日本大震災、東京電力福島第1原発事故の被災地では、津波による損壊や避難に伴う住宅の移転用地、災害公営住宅など計約5万戸分の整備計画が進み、工事は最終盤に差し掛かった。仮設住宅を出た被災者は自宅建設の重い負担や、新たな地で暮らす不安を抱える。住まい再建策の現状と被災者生活再建支援法の概要、東北大の研究者が作成した「復興曲線」に基づく分析をまとめた。(「震災と住まい」取材班)
◎東北大災害科学国際研究所教授 村尾修氏
 震災後のまちが元に戻る過程で何が起きているのか、復興を比較するためには定量化の物差しが必要になる。被災者にとって住宅は重要で、可視化しやすい。事業ごとのデータを取り、復興曲線を作成した。
 岩手、宮城、福島3県の37市町村で、住宅再建に向けて防災集団移転促進事業、漁業集落防災機能強化事業、土地区画整理事業、災害公営住宅整備事業を実施した379地区を対象とし、年度ごとに完工地区数の推移を分析した。
 全体では、防災移転を採用した地区が85%を占め、漁業集落は主に岩手で実施された。防災移転、漁業集落は約3年で完工地区数の割合が半数に達したが、区画整理は2倍近い6年弱を要した。災害公営は地域差はあるが、おおむね4年となっている。
 防災移転は比較的小さなコミュニティーで移転するため合意形成がしやすく、土地が見つかれば早く着工できたようだ。漁業集落も同様と言える。ただ商業施設などは形成されないため、まちのにぎわいは少ない。新しい住民が今後入ってくる可能性の低さが懸念される。
 一方、区画整理は現地再建するため、更地にし、防潮堤やかさ上げなどの津波対策が必要になる。まちの歴史や住民の愛着、記憶が色濃く残っている場合が多く、それらを新しいまちにどう取り入れるかを決めるのは時間がかかったとみられる。インフラがしっかりし、商工業など多様性がある場所として住まいを再建できるが、完成を待てずに出て行った被災者もいる。
 災害公営住宅は、需給バランスが課題になっている。入りたくても入れなかったり、着工後のニーズに合わず空室が目立ったりするケースも多い。
 住まいやまちの復興を考えたとき、立場によって評価は変わる。自治体、被災者個人、地域住民としての個人、そして将来の住民。それぞれの立場を調和させながら、最適な解を見つけていく姿勢が重要になる。
 2015年の国連防災世界会議で採択された指針「仙台防災枠組」では、ビルド・バック・ベター(より良い復興)の原則が盛り込まれた。復興のデザインは物的環境だけでなく、人的活動を加えながら時間をかけて実現されるものだ。
 大震災から8年がたち、住まいとまちの形が見えてきた。当初描いた未来像とは異なる部分があるかもしれないが、これから自分たちのまちとしてどう育て、つくり続けるかを考えていかなければならない。
[被災者生活再建支援法]地震や洪水といった自然災害で、住宅損壊などの被害を受けた世帯に対する支援金の支給を定めた法律。1995年の阪神大震災を機に議員立法で制定された。
 住宅の被害程度と再建方法に応じて最大300万円を支給する。支援金の財源は47都道府県が拠出する基金を活用し、国が半額を補助。東日本大震災では国が5分の4を負担した。
 全壊、大規模半壊などに加え、長期避難や半壊でも居住に危険性があって解体した場合が対象で、基礎支援金の上限は100万円。他に住宅の建設、補修などの再建方式に応じ、最大200万円の加算支援金が被災者に支払われる。
 支援金を巡っては、全国で災害が多発しているため基金が減少。一方、被災者からは半壊など対象世帯の拡大や、住宅再建の十分な原資となるよう増額を求める声が上がっている。


<安住の灯>東北3県に整備される災害公営住宅と移転用の宅地 工事遅れ20年度完了も
 東日本大震災、東京電力福島第1原発事故の被災地では、津波による損壊や避難に伴う住宅の移転用地、災害公営住宅など計約5万戸分の整備計画が進み、工事は最終盤に差し掛かった。仮設住宅を出た被災者は自宅建設の重い負担や、新たな地で暮らす不安を抱える。住まい再建策の現状と被災者生活再建支援法の概要、東北大の研究者が作成した「復興曲線」に基づく分析をまとめた。(「震災と住まい」取材班)
 国土交通省が公表した「住まいの復興工程表」(2018年9月末現在)によると、震災に伴う津波などの被災者、原発避難者、帰還者向けとして岩手、宮城、福島3県に整備される災害公営住宅は計2万9743戸に上る。
 18年度末までに、岩手は5658戸の工事が終了する見通し。進捗(しんちょく)率は計画戸数の96.7%となる。宮城は計画の1万5823戸が完成する。福島は被災者(2807戸)、避難者(4767戸)の工事が終わり、帰還者は369戸の計画に対し、293戸が整う。
 市町村別の整備戸数は、石巻市が4456戸で最も多く、いわき市が3257戸。仙台市は3179戸、気仙沼市は2087戸などとなっている。
 民間住宅用などとして土地区画整理事業、防災集団移転促進事業、漁業集落防災機能強化事業で供給される宅地は、3県で計1万8233戸の予定。本年度末までに計画の97.7%に当たる1万7821戸の工事が終了する見込みだ。
 岩手は陸前高田市の120戸分が、かさ上げ工事の遅れなどで20年度までかかる。宮城は気仙沼市の36戸分と名取市の6戸分が19年度に完成がずれ込む。


<安住の灯>石巻・みなし退居後の人口移動 雄勝2割しか戻らず 半島部から転出顕著
 東日本大震災で最も被害が大きかった石巻市で、仮設住宅や災害公営住宅などへの入居に伴い、半島部から市中心部や内陸部への人口移動が顕著になっている。市内の他地区に転出し、民間賃貸などのみなし仮設に入居した世帯数の動向をみると、雄勝地区は2割弱、牡鹿地区は2割強しか退居後に戻っていない。
 国立研究開発法人建築研究所(茨城県つくば市)の米野史健上席研究員の論文を基に、石巻市内のみなし仮設を対象にした入退居時の地区間移動をまとめた結果は図の通り。雄勝から石巻への転出は70件で、戻りは9件のみだった。牡鹿から石巻も転出は62件で、逆の流れは10件となっている。
 市雄勝総合支所の及川剛地域振興課長は「地区内にほとんど避難所が設置できず、仮設住宅の供給数も少なかったため、初動段階で人口流出を招いた」と分析。「生活関連の施設が整った市中心部から特に若い世代が戻らず、世帯分離が起きた」と説明する。
 一方、マンションやアパート、災害公営住宅などが集積する市中心部に移り住む動きが際立っている。特に復興事業で住宅基盤の整備が進む蛇田地区には、沿岸部の広い範囲から世帯が流入している。
 気仙沼市も傾向は同様だ。中心部の気仙沼地区への転出は鹿折地区が129件、唐桑地区が16件で、退居時に戻った数はそれぞれ39件、9件となっている。
 米野氏は宮城、岩手両県でみなし仮設への入居に伴って他の市町村に転出した世帯が退居後、元の市町村に戻った割合は両県とも約4割にとどまるとの研究報告を既にまとめている。
 自治体内でも進む人口の偏在について、米野氏は「多くの賃貸物件が各区内にある仙台市を除き、みなし仮設の利用で市街地に移動する傾向は被災自治体に共通するとみられる」と指摘。「元の地区に戻る際は、仕事や地域コミュニティーとのつながりなどが要因になるのだろう」と話す。


復興庁後継に閣僚を 推進委見直し案に被災3県要望
 復興庁は26日の復興推進委員会で、東日本大震災からの「復興・創生期間」(2016〜20年度)の終了を見据えた復興基本方針の見直し案を示し、大筋で了承された。21年3月末で廃止となる復興庁の後継組織に関しては、具体的内容を盛り込まなかった。岩手、宮城、福島3県は引き続き閣僚が束ねる組織とするよう求めた。
 見直し案は後継組織について「創生期間後も対応が必要な事業を確実に実施できるよう、在り方を検討する」と示した。
 会合後、内堀雅雄福島県知事は「国が責任を持って復興を進めるには担当大臣の存在が重要。リーダーシップを発揮できる体制の確保を求めた」と話した。岩手、宮城両県も同様の考えを説明した。
 創生期間終了後の復興推進を巡り、地震と津波の被災地域では「政府全体の施策を活用し、持続可能な地域社会を創り上げる」と明記。一部のインフラ整備や被災者の心のケア、被災した子どもへの支援で対応が必要と指摘した。
 東京電力福島第1原発事故で被災した福島に関しては「復興・再生には中長期的な対応が必要。継続して国が前面に立つ」と強調。避難指示が解除された区域での買い物や教育、医療や介護など生活環境の整備に取り組む。
 政府は3月上旬にも基本方針の見直し案を閣議決定する。


宮城沖M7.9の確率20% 30年以内、「ほぼ0%」から上昇 地震調査委予測
 政府の地震調査委員会は26日、青森県東方沖−房総沖の日本海溝沿いの海域で、今後30年間にマグニチュード(M)7〜8の大地震が起きる可能性が高いとする予測を公表した。2011年3月の東日本大震災で発生した超巨大地震(M9)を受けた同年11月の長期評価を改定。M7.9程度の巨大地震の発生確率は、宮城県沖全域が11年版の「ほぼ0%」から「20%程度」に上昇した。
 委員長の平田直東大教授は「M7クラスの地震確率はどの海域でも非常に高い。浅い海域で起きた地震は津波が発生する。引き続き防災対策に力を注いでほしい」と警戒を呼び掛けた。
 予測は、東日本大震災と同じ場所でM9の超巨大地震が起きる確率を「ほぼ0%」とした。M7.9程度の巨大地震は宮城県沖全域が「20%程度」、青森県東方沖および岩手県沖北部は11年版と同じ「5〜30%」だった。
 巨大地震と比べ規模が小さいM7〜7.5は、青森県東方沖および岩手県沖北部が11年版の「90%程度」から「90%程度以上」、福島県沖は「10%程度」から「50%程度」にそれぞれ引き上げた。
 茨城県沖は「90%程度以上」を「80%程度」とした。11年版で対象外だった岩手県沖南部は「30%程度」、宮城県沖全域は「90%程度」と予測した。
 「宮城県沖地震」と呼ばれる陸に近い海域でM7.4前後の地震が起きる確率は、11年版の「不明」を「50%程度」に変更。05年8月16日に宮城県沖で発生した地震と震災の地震が、震源域に与えた影響を検討して算出した。
 海溝近くで断層がゆっくりとずれ、陸での揺れは小さくても大津波が襲う津波地震(M8.6〜9)は30%程度で変わらなかった。
 地震調査委は26%以上を確率が「高い」、3〜26%未満を「やや高い」と分類しており、今回は大半が「高い」との予測になった。
 調査委によると、震災後の震源域周辺は、「余効すべり」と呼ばれるゆっくりした地殻変動が続く領域と陸側と海側のプレート(岩板)が強くくっつく領域が隣り合っている。二つの領域の境界付近にひずみが蓄積し、地震が起きやすくなったと考えられ、各海域の実際の発生確率はさらに高い可能性がある。
[地震の長期評価]プレート境界の海溝や、活断層などで繰り返し起きると考えられる地震の規模や切迫度に関する予測。政府の地震調査委員会がまとめる。切迫度は「30年以内の発生確率」として規模や海域ごとに示すことが多い。過去の地震が根拠だが、不十分な情報しかないことも多く、確率の値には幅を持たせる。


<宮城沖地震>実際の確率、より高いとみた方がよい/東北大名誉教授・長谷川昭氏に聞く
 政府の地震調査委員会は26日、日本海溝沿いの地震活動の長期評価を公表した。同委員会委員の長谷川昭東北大名誉教授(地震学)に地震や津波発生のリスク、東日本大震災が及ぼした影響について解説してもらった。
 震災後、過去の津波堆積物の研究が進んだ。古い時代に発生した地震や津波の場所、規模が震災前より分かってきた。今回の長期評価にその研究成果が反映された。
 発生確率は、地震の発生間隔から導き出している。最後の地震から時間が経過するほどエネルギーがたまり、確率は高くなる。
 震災の震源域ではエネルギーが開放され、マグニチュード(M)9程度の震災級巨大地震はしばらく発生しないだろうが、他の予測震源域でエネルギーが全て開放されたかどうかは分からない。
 震災の巨大地震によって、周辺の地殻に大きな力が加わったとみている。力の変化や影響は発生確率に加味されておらず、実際の確率はより高いとみた方がよい。震災の余震としてM7〜8程度の地震が起きる可能性は十分にあり、警戒がなお必要だ。
 どの場所で地震が発生しても津波を伴う可能性はあり、震源が浅いほど津波発生のリスクは高い。1〜2メートルの津波が襲来すれば家屋は流される。震災より小さい地震だからといって油断してはならない。
 震災後、国は日本海溝沿いで海底地震と津波の観測網を整備してきた。東北大でも、衛星利用測位システム(GPS)を使い、地殻変動を観測している。
 これらのデータが蓄積されれば、地震の発生メカニズムの理解が進む。得られた情報を加味できれば、地震発生確率の精度をより高めることが可能になり、緊急地震速報や津波到達予測の正確さが増す。


<宮城沖地震確率上昇>防災意識の再強化必要 復興途上、高まる危機感
 政府の地震調査委員会が改定した日本海溝沿い地震の長期評価で、宮城県沖全域でマグニチュード(M)7.9程度の巨大地震が今後30年間に起きる確率は前回の「ほぼ0%」から「20%程度」に上昇した。想定される「宮城県沖地震」(M7.4前後)も「不明」から「50%程度」に定まり、危機感が高まった。東日本大震災から8年を前に、被災地では防災減災への意識と取り組みが改めて問われる。
 地震調査委によると、2011年11月の前回評価時は震災の全体像が分からず、震源域周辺に与えた影響は不明だった。最新の知見を踏まえて見直した結果、陸側と海側のプレート境界付近にひずみの蓄積が判明した。
 M7〜8級の地震は震災前より起きやすくなったと考えられ、今回予測した各海域の発生確率はさらに高い可能性があるという。
 委員長の平田直東大教授は「震災後、東北では大きな地震がしばらく来ないだろうと考えがちだが、M7クラスの地震は非常に高い確率で発生する。東北の太平洋沖は他の地域より確率が高い」と指摘。「8年前を思い出し、大きな被害が出ないように備えてほしい」と呼び掛けた。
 震災の津波被災地は復旧途上だけに、官民一体での対策は待ったなしだ。宮城県危機対策課の大津充課長補佐は「地震はいつ起きるか分からないことは震災で経験している。今後も県民への啓発活動と防災対策を着実に進めていく」と気を引き締めた。


東北大学が受験生のメンタルを折りにきてると話題に その入試内容とは…「通信技術が人々をより孤独にするか」というテーマでした。
Kei Yoshikawa 吉川 慧
国立・東北大学(仙台市)の英語の入試問題が、受験生に精神攻撃を与えにきていると話題になっています。
どんな問題だったのか?
注目されたのは、2月25日実施の東北大学(前期日程)の英語「大問III」。
問題文は、FacebookやTwitter、InstagramなどのSNSを例に挙げ、「通信技術が人々をより孤独にするか」というテーマについて賛成・反対の立場から学生がディベートをする……という内容でした。
この中で「通信技術は人を孤独にする」という立場の学生は、「CNNによると、10代の人々は1日に100回以上SNSをチェックし、スマホを毎日9時間使用している」とした上で、こんな意見を述べます。
「それは生きていると言えますか?もしくは、単なるスマホの奴隷ではないですか?」
そして、この学生はこう言い放つのです。
「私は、Twitter上に何千人ものフォロワーを持っている人々を知っていますが、その人々の周りには真の友達と呼べる人はほとんどいません」
こうした辛辣な言い回しに、Twitterでは「受験生に精神攻撃をして耐えられるものを選別する影の試練」「メンタル攻撃つらい」「東北大2019英語に圧倒的煽りを食らった」などの声がある一方、「パンチ効いてる」「腹抱えて笑ってる」「東北大の英語面白いね」などと評価する声もありました。
東北大の前身、国籍を超えた交流
今回の問題が出題された東北大学の前身「仙台医学専門学校」。明治時代には、『阿Q正伝』などで知られる中国の小説家・魯迅が籍を置きました。
ここで魯迅は、解剖学者の藤野厳九郎教授と出会います。藤野教授は魯迅のノートを始めから終わりまで丁寧に添削。これに魯迅は、感激したと書き残しています。
魯迅は藤野教授をはじめ様々な人との交流を重ねますが、やがて文学による中国近代化を志し、学校を去ることを決意します。
藤野教授は魯迅が仙台を去る直前に1枚の写真をプレゼント。それは藤野教授のポートレートで、裏面には「惜別」の文字が書かれていました。この写真は、魯迅にとって大きな励ましになったと言われています。
のちに魯迅は、仙台で過ごした頃を題材に小説『藤野先生』を著しました。かつて仙台の地では、国籍を超えた師弟の交流があったのでした。


河北抄
 まだ少ないとはいえ、仙台市内で本格的なベトナム料理を提供する店が出てきた。青葉区の「アンナム」もその一つ。米粉で作った麺類「フォー」など本場のメニューはとても口に合う。
 オーナーシェフの工藤真衣さん(44)=旧名グエンティ・ホンマイ=はホーチミン市生まれのベトナム人。25歳で静岡市の日本語学校に留学、2006年から同市内でベトナム料理店を営んだ。
 静岡の店に毎年2回、仙台市から通ってくれる人がいた。宮城野区の工藤祥子(さちこ)さん(70)。旅行でたまたま来店したのが縁で、訪れるたびに「おいしい」「頑張ってね」と声を掛けてくれた。
 東北を襲った東日本大震災。真衣さんは祥子さんの無事を祈り、何通も手紙を書いた。祥子さんから心のこもった返事があった。それから手紙のやりとりをするようになる。
 15歳で母親を亡くした真衣さん。「この人の娘になりたい」と16年10月、養女となって仙台に越してきた。新天地の仙台で店を開いて1年半。店内には母親となった祥子さんの手伝う姿もある。


しつけと体罰/「懲戒権」の見直しが必要だ
 「しつけ」と称した保護者の体罰、暴力が後を絶たない。仙台市で12歳の息子に暴行を加えたとして父親が傷害容疑で逮捕され、「しつけだった」と供述したという。千葉県野田市で小学4年の女児が死亡し、父親が逮捕された事件でも同様の供述をしている。
 しつけに体罰は必要なのか。虐待防止の観点から、子どもを懲らしめる民法の「懲戒権」を削除し、体罰のない社会を目指すべきだろう。
 相次ぐ児童虐待事件を受けて、政府与党は体罰禁止の法制化に向けて本格的な検討に入った。根本匠厚生労働相は「懲戒権との整理を含め、法務省と協議し検討したい」と法改正に言及した。
 民法は「監護及(およ)び教育に必要な範囲内で子を懲戒することができる」と、親権者に子どもへの懲戒権を認めている。明治時代の規定がほぼ変わらずに継承されてきた。
 この規定が体罰によるしつけを正当化しているとして、2011年の改正では削除を巡って議論があった。懲戒権は「子の利益のため」と定められたが、削除については「親がしつけもできなくなると誤解される」などの理由で見送られた経緯がある。
 懲戒権が残るのは「体罰は時に必要だ」という意識が社会に根強いためだろう。
 子どもを支援する公益社団法人「セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン」(東京都)が約2万人を対象に実施した意識調査では、大人の約6割が体罰を容認している。子育て中の親では、約7割が実際に体罰をした経験があった。
 しかし、体罰は恐怖心で子どもをコントロールする行為だ。虐待につながる恐れがあり、虐待そのものの場合もある。最近の研究では、子どもの脳の萎縮を招き、発達に深刻な影響を及ぼす恐れもあると分かってきた。
 体罰や暴力に頼らず、子どもと向き合う方策はいろいろある。子どもとの信頼関係が生まれるしつけ方法を親は学ぶべきだろう。
 新たな動きも出てきた。東京都が公表した虐待防止条例案には、体罰禁止の規定が盛り込まれた。成立すれば、都道府県では初となる。条例案では、肉体的または精神的な苦痛を与える保護者の行為を「子どもの品位を傷つける罰」とし、体罰とともに暴言なども禁じている。
 都民には戸惑いや反発もあるようだが、体罰禁止は世界的な潮流だ。
 体罰を法律で禁止する国は現在、スウェーデンやドイツなど50カ国超に上る。国連の子どもの権利委員会は今月、日本で虐待が高い頻度で報告されている事態に懸念を示し、体罰などの法的な禁止を勧告している。
 政府は、懲戒権の見直しや体罰禁止の法整備を急いでほしい。痛ましい虐待事件が起きるたびに「しつけだった」という親の言い訳を聞くのは、もうやめにしたい。


河北春秋
 日本の民主主義には欠陥がある。英国の研究所がそう指摘した。2017年の日本の民主主義指数は世界で23位。先進国の中では下位で、選挙の低投票率、女性議員の少なさが要因という。報道の自由、男女格差など他団体の調査でも日本に対する海外の目は厳しい▼民主主義とは何か。「辺野古」県民投票の会代表の元山仁士郎さん(27)はこう問い続けた。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設の賛否を問う県民投票の実施を求め、署名活動を展開。一部自治体が不参加を表明すると、抗議のハンストを5日間続けた▼元山さんら若者の活動が実り、県民投票は全市町村で実施された。結果は辺野古沿岸部の埋め立て反対が7割超。民意は明確に示されたが、政府は何事もなかったように工事を進める▼「沖縄の心に寄り添う」と言って、始めたのは海への土砂投入。今回も「真摯(しんし)に受け止める」と言って、聞き流すだけだろうか。そうだとすれば、やはり日本の民主主義には大きな欠陥があると言わざるを得ない▼「辺野古の埋め立てが必要かどうか、本土の人に考えてほしい」と元山さん。東北でも今後、何かの問題で住民投票があるかもしれない。その時、民意が全く無視されたら…。辺野古の問題は決して人ごとではない。

住民投票にはわが国の最高法である憲法上の拘束力がある
 在日米軍普天間飛行場の辺野古移設の是非を問う沖縄県民投票の結果は、「反対」が実に72%を超えた。
 それでも、安倍政権はそれを無視して移設工事を続行する構えを崩していない。その背景に「県民投票には法的拘束力がない」という認識と「安全保障は国の専権事項だ」という認識があることは確かである。
 しかし、県民投票には、わが国の最高法である憲法上の拘束力があることを忘れてはいないだろうか。
 憲法95条は「ひとつの地方自治体のみに適用される国の法律は、その自治体の住民投票で過半数の同意を得なければならない」(つまり、自治体住民には拒否権がある)と定めている。つまり、それが国策として必要だと国会が判断しても、その負担を一方的に負わされる特定の自治体の住民には拒否権があるという、極めて自然で当然な原則である。
 もちろん、辺野古への米軍基地の移設は形式上は「法律」ではない。それは、条約上の義務を履行しようとする内閣による「行政処分」である。しかし、それは形式論で、要するに、「国の都合で過剰な負担をひとつの地方自治体に押し付けてはならない」という規範が憲法95条の法意であり、それは、人間として自然で当然な普遍的常理に基づいている。
 アメリカ独立宣言を引用するまでもなく、国家も地方自治体も、そこに生活する個々の人間の幸福追求を支援するためのサービス機関にすぎない。そして、国家として一律に保障すべき行政事務と地域の特性に合わせたきめ細かな行政事務をそれぞれに提供するために、両者は役割を分担しているのである。
 そこで、改めて今回の問題を分析してみると次のようになろう。まず、わが国の安全保障を確実にするために日米安保条約が不可欠だという前提は争わないでおこう。しかし、だからといって、そのための負担を下から4番目に小さな県に7割以上も押し付けていていいはずはない。そこに住民が反発して当然である。だから、政府としては、憲法の趣旨に従って、「少なくとも県外への移設」を追求すべき憲法上の義務があるのだ。


「やっぱり若い世代」有働由美子は沖縄県民投票後に言った
 辺野古でのアメリカ軍基地の建設の賛否を問うた沖縄の県民投票は、反対が賛成を大きく上回った。投票日の前夜、那覇市内の居酒屋に友人、知人が集まった。沖縄県庁職員、沖縄の地元紙デスク、東京の大手メディアの記者など。泡盛を酌み交わしながら、県民投票について語り合った。
「投票率は50%超えるだろうか?」
「賛成が反対を上回ることはないだろうが、どのくらい差が開くか?」
 議論は、それぞれの立場を踏まえつつ自由に続いた。参加者の中で注目を浴びたのは2人の女性。1人は「news zero」のキャスターを務める有働由美子さん。前にも書いたがNHKの同期だったということで有働と書かせていただく。もう1人は徳森りまさん。31歳の若さで、ボランティアで玉城デニー知事を支える若者の1人だ。
 偶然だが、向き合うように座った2人の会話に必然的に皆が聞き耳をたてる。
「りまさんはどうして、玉城知事を支えるようになったの?」
「どうして翁長さんの後は玉城さんってなったの?」
 有働の素朴な質問が続く。
「もともと辺野古の建設に反対するおじーやおばーの世話をしていて、私が話しやすいからか、みんなが『りま、これやって』『あれやって』て言っているうちに……」
「私たち、若い人間の間では、翁長さんの後はデニーさんしかないって、それは最初からあった」
 りまさんが熱く語る。県民投票が実現したのには多くの若者の行動があったことは知られているが、玉城県政の誕生を後押ししたのも若者の力だったようだ。議論は日付が変わってしばらく続いた。
 翌日は投票日。参加者のうち本土から来た数人で辺野古の投票所と普天間の投票所をまわった。プライベートで沖縄に来たという有働は地味な普段着姿で参加。時折、「あの人、有働さんに似ているさねぇ……」という言葉が聞かれた。
 杖をついて訪れる年配の女性や18歳の若者が訪れていた。我々の調査でも「反対」が「賛成」を大きく上回った。ただ、「反対」「賛成」ではくくれない思いも感じた。「反対」の中にも、「政府と対立することは良くない」という意見があった。「賛成」の中に、「本当は、基地は造って欲しくないがやむを得ない」という意見も。また、夫がアメリカ軍人だという40代の主婦は、「反対です。新しい基地を造ってはいけない」と語った。
 終わった後、それぞれの結果を共有しながら皆で話し合った。なぜ本土では沖縄の基地問題への関心が高まらないのか?
「やっぱり本土と沖縄には距離があるということなのか?」
「差別じゃないけど、確かに本土は沖縄を区別している気はする」
「でも、北海道から沖縄までの距離の長さが日本の最大の魅力であることも間違いない」
「もし北海道にアメリカ軍が集中していたら? それでも本土は無関心?」
 有働が言った。
「やっぱり、りまさんら若い世代かな、新しい日本、新しい本土と沖縄の関係をつくるのは。私たちの世代は区別を真剣に議論しようとするけど、彼女の世代は、そもそも区別を感じていないように思う」
 なるほど。りまさんの熱弁を思い出した。では、我々は彼女ら若い力をどうサポートできるのか。それを考えるのは、実にすてきなことだと思う。


沖縄投票「無視」 民主主義を軽んじるな
 安倍政権にとり「真摯(しんし)に受け止める」は「無視する」と同義らしい。沖縄県民投票で、辺野古埋め立てに鮮明な反対の民意が示されても新基地工事は止まらない。それでも民主主義国といえるのか。
 安倍晋三首相は二十五日の衆院予算委員会で、前日の県民投票結果について「真摯に受け止め、基地負担の軽減に全力を尽くす」と述べた。だが、言葉とは裏腹に辺野古では埋め立てが続く。
 理由は「世界で最も危険な普天間飛行場の固定化は避けなければならない。これは地元との共通認識」(首相)。相変わらず外交・安全保障に関わる基地政策は、国が強引に進める姿勢だ。
 しかし、国の専管事項とされる外交・安保も、民主主義国では主権者である住民の生活環境を害さない限り、との条件が付けられよう。生活を犠牲にするような安保政策は民主的とはいえない。たとえ基地ができたとしても、地元の協力がなければ円滑な運用などできるはずがない。
 沖縄の人たちは知事選や国政選挙を通し、主権者として、沖縄への過重な負担となる新基地建設に繰り返し異議を表明してきた。
 本来なら、議会制民主主義によって立つ政権はその声に誠実に耳を傾けて是正を図らなければならないが、沖縄に限っては一顧だにしない。選挙による間接民主主義が機能しない「構造的差別」の下、直接民主主義で再度民意の在りかを示さなくてはならなくなったのが今回の県民投票だ。
 結果は、自民、公明両党が自主投票だったとはいえ、投票率は県内の最近の国政選挙並みに50%を超え、72%が反対だった。県内全市町村で反対多数だったことも民意を歴然と示している。首相は、辺野古埋め立てを前提とした普天間返還が「地元との共通認識」となお真顔で言えるのか。
 県民投票が持つ意味の重さは米メディアなども報道した。琉球新報と沖縄タイムスの両編集局長は本紙への寄稿で「日本が人権と民主主義をあまねく保障する国であるのか、県民投票が問いかけたのはそのこと」「沖縄は答えを出した。今度は日本政府、ひいては本土の人たちが答えを出す番」と、それぞれ訴えた。
 政権は埋め立てを直ちに中断し基地再編について米国と再協議すべきだ。本土の側も最大の関心を持って見守り、参院選などの判断材料にしなければならない。それこそが、機能不全に陥った日本の民主主義を再起させる道である。


デスク日誌 同胞
 外国人労働者の話題が出るたび、十数年も前の取材の記憶が頭をよぎる。割り切れない思いとともに。
 日本の経営者らとアジアの工場を視察した。日本の資本が入った工場だった。
 「従業員は会社の寮に入っています。寮で生活態度が悪いと給与に反映されます」。責任者は何の疑問も持たないふうで、淡々と説明した。
 「それって24時間、会社に監視されているのと同じでは」。記者の素朴な疑問は「監視ではない」と軽くいなされ、「外国人をどう管理するか」のノウハウが披露された。
 投宿先のホテルに戻り、経営者たちに疑問をぶつけると「相手は日本人ではない。違う基準で考えないと」と逆に諭されてしまった。組織を束ねる名の通った方々が「別の基準」を平然と口にしたことに、少なからずショックを受けた。
 「互いに同胞の精神を持って行動しなければならない」とうたう世界人権宣言が国連で採択されたのは1948年。同胞は同じ国民や民族といった意味。日本は今、外国人の助けがないと立ち行かなくなっている。71年の時は「同胞」の意識を育めているだろうか。 (整理部次長 八代洋伸)


親の体罰 禁止へ議論を深めたい
 千葉県野田市で小4女児が死亡した事件を含め、虐待した親が「しつけのつもりだった」と暴力を正当化する例が後を絶たない。
 しつけに名を借りた家庭内の暴力を根絶する必要がある。
 相次ぐ児童虐待を受け、政府は児童虐待防止法などを改正し、体罰の禁止を検討している。
 また、超党派の議員連盟などが、民法の「懲戒権」規定を削除するよう法相に申し入れた。
 親の懲戒権は、しばしば体罰の根拠とされ、虐待の多くは体罰が発端となっている。
 しつけのための体罰を容認する風潮は根強いが、暴力や恐怖にさらされた子どもは、心身に重大な傷を負う恐れがある。
 社会の意識を変えるためにも、体罰禁止へ議論を深めたい。
 懲戒権は明治から引き継がれ、民法は親権者が子を監護し教育する権利と義務を定めた上で、子を懲戒する権利を認めている。
 懲戒は必ずしも体罰を意味しないはずだが、一般的なしつけとして、たたくといった行為がなされてきた。
 加えて、懲戒権は、児童相談所に、虐待への介入をためらわせる一因ともなっている。
 2011年度の民法改正時に、懲戒権が虐待の温床になっているとする声が出たが、「しつけができなくなると誤解される」との懸念から削除は見送られた。
 代わりに「子の利益のため」との要件が追加されたものの、これを逸脱した事例が続いている。
 しつけの範囲はどこまでか、考え方は分かれよう。
 既に、学校教育法は、校長や教員による懲戒を認めながら、体罰については厳しく禁止している。
 海外では、スウェーデンやドイツなど50カ国以上が体罰を法律で禁じており、国連子どもの権利委員会は今年、日本に体罰の全面禁止の法制化などを勧告した。
 東京都は、保護者の体罰や暴言を禁じる初の条例案を都議会に提出した。
 改めて、しつけのあり方を社会全体で考えるときだ。
 体罰は、暴力で子どもを支配する行為と言えよう。
 児童虐待の加害者には、虐待の被害者であった人が少なくない。子どもはもちろん、虐待をやめられない親の支援も欠かせない。
 体罰禁止に対して慎重なのは、しつけに悩む子育て世代だという調査もある。親たちに、体罰に頼らないしつけについて学んでもらう取り組みも必要だ。


統計不正の審議  疑念膨らむ政府の説明
 首相官邸の意向を受け、賃金水準が上昇したかのように統計手法を操作したのではないか−。
 毎月勤労統計をめぐり、国会ではこうした追及が続いている。
 最大の焦点は、2018年に行われた中規模事業所の調査対象の入れ替えだ。
 従来は、2〜3年ごとに対象企業を総入れ替えしていたが、この年から一部入れ替え方式に変更された。
 一部入れ替え方式は、総入れ替えより賃金水準が上振れする傾向がある。全て入れ替えれば、競争力があり賃金が上昇している企業と、賃金が比較的低い新設事業所が置き換えられることがあり、入れ替え後の賃金は総じて低く表れる。
 実際、15年に実施された総入れ替えでは、現金給与総額などの増減率が過去にさかのぼっておおむね下方修正されている。
 疑問なのは、当時の首相秘書官と内閣参事官が厚生労働省幹部と面会し、「経済の実態を適切に表すために」とする「問題意識」を伝えた直後からこの方法を見直す方向で検討に入ったことだ。
 識者で構成する厚労省の検討会は総入れ替え方式を続ける報告書案を用意していた。しかし、面会日当日に厚労省から検討会座長に「委員以外の関係者から部分入れ替え方式で行うべきとの意見が出た」とメールが送られ、報告書案が書き換えられた。
 元首相秘書官は厚労省幹部との面会を「私個人の考えを話した。首相の指示ではない」と説明し、厚労省幹部は「報告書案の書き換えは首相秘書官との面会前に指示した」と答弁している。いずれの説明も極めて不自然だ。
 安倍晋三首相は「秘書官は自分の判断で動く」と関与を否定している。首相秘書官が首相の意向と無関係に動くとは、にわかに信じがたい。事実ならそれ自体が重大な問題である。
 首相周辺が首相の意向を先取りして「問題意識」を伝えたなら、森友・加計問題と同様に「忖度(そんたく)」で行政をゆがめたことになる。
 政策の根幹にかかわる統計は、調査手法を変更する際も、検証可能なプロセスを経る必要がある。説明責任を負わない首相秘書官の関与は、不透明さを増幅させる。
 ただ、国会審議は分かりにくい。政府・与党が関係官僚の参考人招致や資料公開を小出しにしているためだ。
 首相官邸の関与がないなら積極的に情報を開示できよう。統計不信を払拭(ふっしょく)する責任は政府にある。


ダウンロード規制拡大 法整備には議論足りぬ
 インターネット上で散見される漫画や雑誌の無断転載への対策が、そもそもの議論の出発点だったはずだ。それがなぜ個人の日常的なネット利用も規制しかねない内容に変質したのか。
 政府が近く今国会に提出する著作権法改正案である。無断転載と知りながら全ての著作物を対象に、パソコンやスマートフォンにデータを保存するダウンロードを違法とし、悪質なケースには刑事罰を科す。
 むろん著作権の侵害は許されない。漫画の被害は特定のサイトだけで数千億円に上るという見方もある。それを防ぐため映画や音楽に限っていた違法ダウンロードの規制を拡大するのはもっともである。
 問題は、規制の対象を著作物全般に広げたことだろう。個人のブログや会員制交流サイト(SNS)への投稿も著作物とみなす。これらに無断転載の文章や写真、イラストが含まれているのを知りながらダウンロードすれば違法になる。
 これには、漫画家たちでつくる日本マンガ学会も「創作の萎縮を招く懸念が非常に大きい」などと反対している。漫画家は、ネットに掲載された街並みやファッションを創作の参考資料として保存しておくことがあるという。それも制約されないか懸念しているようだ。
 一般市民にとってもネットは身近な存在だ。例えば、あるサイトで見つけた風景写真が気に入り、スマホに保存したとする。写真が無断転載されたものならサイト運営者はもちろん罪に問われるが、サイトに「著作権者の許可は取っていない」とただし書きがあれば、ダウンロードした人も違法性を追及されかねない。
 同じサイトからダウンロードを繰り返していれば、悪質な行為とみなされて2年以下の懲役や200万円以下の罰金を科せられる可能性もある。そんな心配をしなければならないとしたら、怖くてネットを利用できなくなるかもしれない。
 議論の出発点に立ち返り、新たに規制するのは、被害が深刻な漫画や雑誌の海賊版のダウンロードに限るべきではないか。
 たとえ法改正されても、その実効性を疑う指摘もある。海賊版のダウンロードや画像保存は違法だが、サイトを見るだけなら罪に問われない。ダウンロードしなければ、紙に印刷しても問題はなく、その紙を再びデータ化してもOKという。
 これでは抜け穴だらけで、被害が劇的に減るとは思えない。しかも海外での著作権侵害には法改正の効力は及ばず、各国の取り締まりに頼るしかない。
 政府は当初、海賊版対策として違法サイトへの接続を強制的に遮断する「ブロッキング」の法制化を進めようとしていた。しかし憲法が保障する「通信の秘密」を侵害するとの反発が広がり、断念した。代わりに検討したのがダウンロードの規制拡大だった。
 懸念や疑問が関係者から相次いだのに、文化審議会の小委員会での議論は3カ月ほどで打ち切られた。事務局の文化庁が主導し、結論ありきの議論だったのではないか疑念が拭えない。
 政府は、改正案の来年1月施行を目指すという。海賊版対策は待ったなしだが、著作物全てへの法規制拡大は度を越している。慎重に議論すべきである。


法曹の養成 「小手先改革」でいいのか
 大学の法学部入学から法科大学院修了までの課程を5年で終える「法曹コース」を設け、現行よりも若い年齢で司法試験に挑戦できるようにする−。
 政府がこんな仕組みの導入に向け、今国会に関連法改正案を提出する準備を進めている。法曹(裁判官、検察官、弁護士)資格を得るまでの経済的・時間的負担を軽減する狙いという。
 しかし、実態としては志願者の激減で撤退が相次ぐ法科大学院の延命を図る“小手先改革”の印象が否めない。司法試験への近道を設けることには、法科大学院本来の趣旨を骨抜きにする施策であり、法曹の質の低下を招きかねない、として懸念する声も広がっている。
 政府案によると、法曹コースは法学部3年、法科大学院2年を基本にした一貫コースで、一定の単位を取得するなど要件を満たせば大学院在学中の司法試験の受験を認める。これにより現行では大学入学後、司法試験合格まで最短でも約7年を要する期間が約5年に短縮される。学生の負担軽減策として、司法試験の論文試験科目を憲法などの基本法に限定し、専門法を除外することも検討している。
 2004年度にスタートした法科大学院は、社会人らを含む幅広い人材を集め、法律家に求められる教養や倫理にも重点を置いた法学教育を行うことが使命とされた。司法改革の目玉として全国に74校が誕生したが、司法試験合格率の低迷で約半数が撤退し、九州で19年度以降も学生を受け入れるのは九州大と福岡大だけとなっている。
 背景には、法科大学院を修了しなくても司法試験の受験資格が得られる予備試験の存在がある。大学に入る資力がない人などを想定した制度だが、大学生や院生に「合格への近道」として注目されるようになり、大学院修了者よりも予備試験通過者の方が司法試験の合格率が高いという現象が続いている。
 政府案は、そこに歯止めをかける狙いがあるが、予備試験自体の見直しは盛り込まれていない。そのため法学者の間では「本末転倒」(須網隆夫・早稲田大大学院法務研究科教授)と疑問視する声が多い。
 大学や大学院が予備校と化して専門法の教育がおろそかになるとの懸念や、導入への議論が文部科学省の審議会など一部でしか行われていない、として再考を求める声も出ている。
 司法改革を巡っては、法曹人口増大に見合う法律業務の需要が生まれず、弁護士の供給過剰や都市偏在が進んだ経緯があり全体的検証も必要だ。政府は幅広く関係者から意見を聞き、望ましい法曹の在り方について、さらに議論を尽くすべきだ。


「あなたに答える必要はない」菅長官が東京新聞記者を恫喝
 菅官房長官は26日午後の定例会見で、東京新聞の望月衣塑子記者から記者会見の意義を質問されたことに対し、「あなたに答える必要はない」と言い放った。
 この日午前の会見で、上村秀紀官邸報道室長が質問の途中で「質問は簡潔に」と繰り返して記者をせかすのは「質問妨害」にあたると指摘され、菅長官は「途中経緯ではなく、質問に移ってほしいということ」などと回答。これを受け午後の会見で、「この会見はいったい何のための場だと思っているのか」と望月記者が問いただしたのだ。
 昨年12月末に、首相官邸は望月記者の質問を「事実誤認」などとして、内閣記者会に対して「正確な事実を踏まえた質問」をするよう文書で申し入れ。以前から、菅長官の会見で望月記者の質問は、報道室長から制限されたり、菅長官からは恫喝めいた対応が続いていた。


デブリをつまみ何が分かったか 福島第一原発2号機の原子炉底部の調査
 東京電力は2月13日、福島第一原発2号機の原子炉格納容器の底部に、先端につまむ機構の付いた小さな装置を投入した。調査結果を詳報する。
 昨年(2018年)1月、小石状の物体や、溶けて固まったような物体が底部に大量にたまっている様子が撮影された。溶け落ちた核燃料(デブリ)とみられる。今回は、これらが動かせるのか、硬さはどうなのかを知るのが調査の目的だ。
 装置を下せる場所が限られ、調査できたのはホームベースほどの広さで、底部面積の2%ほど。  底部で調べた6カ所のうち5カ所は動かせることを確認。泥のように見えた物体は、装置の重みをかけても食い込まず、つまんでも動かなかった。 小石状は動かせ、のっぺりした形状のものは固着ー。こう推定されるが、現時点ではそれ以上のことは分からない。東電は今後、アーム式の調査装置も投入し、内部の放射線分布やレーザーによる測定などを予定する。
 調査はまだほんの入り口。デブリを取り出せたとしても、2号機だけで189〜390鼎反篦蠅気譴襦その行き先も決まっていない。(山川剛史)
ミニ解説/あらためてデブリ取り出しの困難さ実感
 今回の調査結果を一言でまとめると、石ころ状のものは動き、のっぺり泥状のものは硬く固まっている---ことです。
 それだけか?と問われれば、それだけですと答えるしかありません。ただ、はっきりしたのは、仮に溶け落ちた核燃料(デブリ)を取り出すとすれば、何種類かの装置を開発する必要がありそうだということです。
 かつて米スリーマイル島(TMI)原発事故では、デブリをドリルのようなもので少しづつ削り、その削りくずを水とともに吸い取る手法を取りました。
 福島第一2号機では、ほとんど水がたまっておらず、格納容器中は放射線の遮へいがありません。目視はできませんので、長期にわたりどう状況監視をするのか? 放射線に耐える特別なカメラが不可欠です。
 小石状のデブリは吸い取るとしても、のっぺり固まったものはどんな装置を使うのか? 装置を入れるため、どれだけの開口部を設け、安全性をどう保つのか? 開口部が大きくなるほど、飛躍的に遮へい構造が大きくなります。
 考えるべきことは無数にあります。
 また、これまでの調査である程度見えた部分は原子炉の下だけ。中枢である圧力容器がどう壊れているのかは全く分かっていません。当然デブリがあるため、こちらも除去しないと、「デブリ取り出し」は終わりません。
 そういう意味でも、スリーマイルとはケタ違いに難しい廃炉作業を迫られます。


小池都知事は“緑のたぬき” 築地跡地の公約違反に開き直り
 26日の都議会定例会本会議で、小池知事が旧築地市場の跡地について「豊洲市場との近接性を考えれば、築地に改めて卸売市場を整備することはない」と明言した。
 知事与党の最大会派「都民ファーストの会」(都F)の増子博樹幹事長の代表質問への答弁だ。小池知事は2017年6月に「食のテーマパーク機能を有する新たな市場にする」と表明。「市場業者が築地に復帰される際のお手伝いはさせていただく」とまで言い切って、移転慎重派に期待を抱かせた。
 そのかいもあって直後の都議選で、小池知事が代表に就任した都Fは圧勝したが、今年1月の築地跡地の再開発方針案では市場機能への言及は一切なし。自民や共産など知事野党は「公約をひっくり返した方針転換だ」と批判している。
 この件について、小池知事は先週22日の定例会見で「『テーマパーク』というのは、どこまでの何を言うのかは、それぞれお考えは違う」「業者の方がおられないと市場にもなりませんし」と珍妙な理屈でゴマカシ連発。26日の代表質問で、自民の吉原修幹事長に「知事は都民や市場業者との約束をほごにした」と厳しく批判されても、「基本方針の方向性は何ら変わっていない」と開き直る始末で、議場からも「都民への裏切りだ」と怒号が飛んだ。
 どう考えても、あからさまな公約違反にもシラを切り通す。平気で大胆に、堂々と嘘をつき、その非を認めない。これではまるで、都議選で都民をダマした“緑のたぬき”だ。


「会田誠さんらの講義で苦痛受けた」女性受講生が「セクハラ」で京都造形大を提訴
京都造形芸術大の東京キャンパスで公開講座を受けたところ、ゲスト講師から環境型セクハラにあって、精神的苦痛を受けたとして、受講していた女性が、大学を運営する学校法人「瓜生山学園」を相手取り、慰謝料など計約333万円の支払いをもとめる訴訟を東京地裁に起こした。提訴は2月22日付。
原告の大原直美さん(39)と代理人が2月27日、東京・霞が関の司法記者クラブで会見を開いた。大原さんは「講義内容が本当にひどいものだった」「セクハラを訴えたあとも、大学側の対応が、教育者としてあるまじき姿だった」「生徒を守ってくれないのは本当に残念だ」と心境を語った。
●会田誠さんの講義でショックを受けた。
代理人などによると、大原さんは2018年4月から6月にかけて、京都造形大・東京藝術学舎で開かれた社会人向け公開講座(全5回)を受講した。ヌードを通して、芸術作品の見方を身につけるという内容だった。大原さんは、第3回(2018年5月15日)のゲスト講師だった芸術家の会田誠さんの講義でショックを受けた。
講義は、涙を流した少女がレイプされた絵や、全裸の女性が排泄している絵、四肢を切断された女性が犬の格好をしている絵などをスクリーンに映し出すという内容で、会田さんはさらに「デッサンに来たモデルをズリネタにした」と笑いをとるなど、下ネタを話しつづけていたという。
大原さんは、会田さんのキャラクターや作風を知らなかったという。すぐに、大学のハラスメント窓口に苦情を申し立てたが、第5回(同年6月12日)のゲスト講師で、写真家の鷹野隆大さんの講義でも、勃起した男性の写真の投影などがあった。「講義を受けに来ただけなのに、どうしてこんな目に合うの?」
大原さんは、動悸や吐き気、不眠の症状がつづき、急性ストレス障害の診断を受けた。
●「作家の作品の是非ではなく、環境を作り出したことが問題だ」
大学側は同年7月、環境型セクハラについて、対策が不十分だったと認める内容の調査報告書をまとめたという。ところが、そのあとの話し合いで、示談にあたって、お互い関わり合いを持つことをやめる、という項目の要望があり、交渉が決裂。大原さんは同大通信教育部を卒業して、他の大学やカルチャースクールで美術モデルの仕事をしている。
代理人の宮腰直子弁護士は「大学は、セクハラ禁止のガイドラインをもうけており、公開講座を運営するにあたっても、セクハラ対策をすべきだった。作家の作品の是非や、セクハラ言動そのものでなく、そうした環境を作り出したことに問題があった」と述べた。講座の運営方法や告知の仕方、その後の対応について責任を追及していくとしている。
大学側は、弁護士ドットコムニュースに対して「訴状が届いていないので、コメントできない」とした。


「死ぬのがそんなに迷惑か?」という居直りこそが人の尊厳
 週刊誌や新聞にあふれる「終活」の文字。「『幸福な最期』迎える作法」(サンデー毎日)、「ボケたら、死んだら手続き地獄が待っている」(女性セブン)と、ご丁寧に“死に方”の解説までしてくれる。だが、腹が減ったらご飯を食べるし、時が来れば誰だって死ぬ。余計なお世話にも思える。
  ◇  ◇  ◇
「これで最後『終活年賀状』…感謝添えて区切り」(朝日新聞)――。
 こんな記事が最近多くの読者に読まれている。その背景には、年寄りは世間の邪魔にならないようにつつましく生き、死んだ後も家族に迷惑をかけてはいけないという現役世代の都合がある。
 そして「老害」批判もよく見かける。選挙にも行かないような若者が、高齢者を批判して留飲を下げる。クレーマーの多くは高齢者といった話もでっち上げの類いだ。
 映画館におけるクレーム数の年代別の割合は、一番多いのが40代で、30代、20代と続き、60代、70代以上は少数派。また、近ごろ暴力事件を起こす高齢者が増えているともいうが、これもほとんど根拠はない。
 日本民営鉄道協会(大手16社)の「鉄道係員に対する暴力行為の発生状況」(2017年度)を見ると、加害者のうち60代以上は23・3%。60歳以上の人口が4325万人(総人口の34%)だということを考えれば、むしろ少ない方だ。怒りを制御できずに見境がつかなくなるのはどの年代にも平均的にいる。
 もちろん、ボケたり病気になって家族に迷惑をかけることはできるだけ避けたいが、すでに死ぬほど働いてきて子供たちも大きくした。最低限の務めは果たしたはずだ。
 30年前に“濡れ落ち葉”と呼ばれた今の90代以上は、定年後に奥さんに毛嫌いされたが、その息子である団塊の世代やそれ以下の世代は楽しみ方をよく知っている。
 俳優の森本レオさん(76)がこう言う。
「先日の雨雪の日に河川敷でドラマの撮影をしてから鼻水が止まらないのですが、体の不調はそれくらいで、今の生活はやっぱり楽しい。何より、無理に仕事をしなくていいというのは気分的にラクです。今はリハビリ感覚で仕事をし、後は友人らと沖縄の離島なんかを旅しています。昔、大滝秀治さん(12年没、87歳)や長門裕之さん(11年没、77歳)に可愛がってもらいましたが、彼ら諸先輩は最後まで現役でした。僕はしょっちゅう将棋の相手をさせられていました」
 と言いながら、森本さんはなぜか楽しそう。だが、ひとつ懸念するのは「怖い先輩がいなくなった」ことだという。
「大滝秀治さんがまだ若手の頃、宇野重吉さんと映画『夜明け前』(1953年)で共演したことがあった。宇野さんを棒で叩くシーンがあったのですが、棒が体から50センチも離れてしまう。普段から怖い宇野さんがさらに怒り、大滝さんは余計に縮み上がった。大滝さんはその頃を思い出しながら、『だって、怖くて叩けないよ』と目を細めていたものです」
 しがらみを捨て、孤独を楽しむのも老後の責任を持った生き方になる。漫画家の弘兼憲史さん(71)は「プレジデント」誌で家族がいる不幸を説き、「嫌な親族より、気の合う他人を大切にすべき」と提言している。
「Familyの語源は一説にラテン語の『famulus』(奴隷)とされます。奴隷が殺しの果てに褒美として妻を与えられた。そんな意味なのに我々は、家族、夫婦、愛といった言葉の鎖に縛られ過ぎています。これからは孤独だって楽しむべきです」(森本氏)
 老人は「年金をもらい過ぎ」という批判もよく聞くが、明るい街灯も橋もすべて自分たちが納めた税金で造ったもの。若者たちはそれを勝手に使っているのだ。
■キャンピングカーの目的は孤独
 国内キャンピングカーの保有台数は10万台を突破した。「キャンピングカー白書2018」によると、2017年のユーザー内訳はトップが60代で4割、次が50代の3割となっている。
 ただし、近年はおもしろい傾向が出ている。軽自動車用キャンピングカーを製造販売する「トラベルハウス」(神戸市)の担当者がこう話す。
「あくまでメイン層は定年後の60代ですが、最近は50代の購入者が増えています。定年後を見据え、今から慣れておきたいという人が多い」
 インバウンド需要で宿泊代が高騰し、キャンピングカーの需要は高い。しかも、同社のような軽自動車タイプだと、自動車税や自賠責保険などの年間維持費も安い。車両を除いたハウス本体の価格は88万円からとリーズナブルなため、納車待ちの人気だという。
 そして、購入の目的が「孤独」だという。
「キャンピングカーといえば、定年後のご夫婦の楽しみというイメージが強いですが、今はワンちゃんと一緒に出かける男性も増えています。孤独を楽しみたいという人たちで、軽自動車キャンピングカーは一人旅には適度な広さなのかもしれません」(前出の担当者) 元気なうちは、夏は釧路、冬は由布院……と全国を駆け巡ってみたい。


志らく 車いす乗客拒否のバス運転手に苦言「自分の息子だったら絶対乗せてる」
 27日のTBS系「ひるおび!」は路線バスが車いすの乗客を乗車拒否した問題を取り上げた。
 22日に千葉・松戸新京成バスの男性運転手(50)が、乗車を待っていた車いすの男性に「あと30秒で発車するので無理です」と伝え、乗車を拒否した。車いすの乗車には手間と時間がかかるため、遅れを気にしたという。
 同社は26日、公式サイトを通じ「この度の不適切な対応により、ご利用のお客さまに多大なるご迷惑をおかけ致しましたことを深くお詫び申し上げます」と謝罪した。
 落語家の立川志らく(55)は「こないだも電車で急病人が出て、女子高生が緊急ボタンを押したら『会社に遅れるから押すなよ!』って怒ったバカなサラリーマンがいる。運転手さんも車いすの人が自分の息子だったら、親だったらって想像したら、絶対乗せてあげる。みんな心が狭く、ゆとりがない」と苦言を呈した。
 八代英輝弁護士(54)は「社会全体に寛容性が必要。自分の時間だけで、人のために時間を使うことにも寛容であるべき」と主張した。


尾畠春夫さん1100キロ徒歩帰郷を断念!「原因はわれわれテレビ人」玉川徹が猛省
スーパーボランティアと呼ばれる尾畠春夫さん(79)が、東京から自宅のある大分県まで1100キロを歩いて帰るという挑戦の旅を断念し、帰郷していた。「それには尾畠さんらしい理由がありました」と司会の羽鳥慎一が取り上げた。
尾畠さんは1月19日(2019年)にトレードマークの赤いハチマキ姿で東京を出発し、各地で人々と触れ合ってきた。宇賀なつみキャスターは「行く先々で『尾畠さんと話すと力をもらえる気がした』『穏やかになれた』という声が上がりました」
沿道に人だかりができ、握手やハグをする人が押しかけ、23日に浜松市に到達したところで旅を打ち切った。尾畠さんは大分の自宅で「人命にかかわるので中止した」と話した。
あまりにも人が集まり、交通事故の危険を感じたためだそうだ。車道に出て写真を撮る人までいた。「応援に来てくれた人には今後、何かしらの形で恩返しをしたい」という。
沿道にあまりに人集まり交通事故の危険
羽鳥「この人気は、こういう人は今いないからということなのですかねえ」
浜田敬子(「ビジネスインサイダージャパン」統括編集長)「優しさをリアルに肯定しあうことで輪が広がったのではないでしょうか」
玉川徹(テレビ朝日コメンテーター)「最後まで旅をしてほしかったな。人が増えすぎたのは、テレビでやったからで、テレビ人としてどうなのかなと思います。最後まで密着してから放送すればよかった」

Moさんが古本を/萱島から緊張/仲悪い?

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Japon : Rendez-vous maintenu entre Hayabusa2 et un lointain astéroïde
La sonde japonaise Hayabusa2 a réussi à se poser vendredi sur un lointain astéroïde, à plus de 300 millions de kilomètres de la Terre, un contact furtif qui a apparemment permis de collecter des poussières du sol de ce corps interstellaire susceptible de nous renseigner sur la formation de notre système solaire. Dans la salle de contrôle, les responsables de la mission sont apparus d'abord anxieux puis se sont mis à applaudir de joie quand la sonde a donné un signal positif, selon des images diffusées sur internet par l'Agence d'exploration spatiale japonaise (Jaxa) qui gère cette mission délicate avec une extrême prudence.
Comme prévu, Hayabusa2 ne s'est posée que quelques secondes, le temps de lancer un projectile (une sorte de balle) pour dégager des poussières et en prélever un échantillon. Une autre opération de prélèvement un peu différente est prévue dans plusieurs semaines.
"Nous sommes vraiment soulagés. Nous avons vraiment trouvé le temps long avant l'atterrissage. Cela s'est bien passé, nous sommes très contents", a dit ensuite un responsable de la mission lors d'une première conférence de presse.
Hayabusa "est revenue comme programmé à sa position orbitale autour de Ryugu et a envoyé de premières indications qui montrent que le contact avec l'astéroïde a bien eu lieu", a-t-il poursuivi.
Des photos de la surface de Ryugu prises par la sonde montrent des traces du bref contact entre les deux.
"Le tir (de la balle) a apparemment aussi réussi", a précisé un ingénieur de la mission. "On peut dire que c'est un succès", s'est-il félicité.
La sonde devait initialement se poser ailleurs en octobre dernier, mais il a fallu trouver un lieu pas trop accidenté afin de ne pas endommager ce fragile engin, ce qui a pris plus de temps que prévu. In fine, c'est un espace de seulement 6 mètres de diamètre qu'il a fallu viser.
La Jaxa doit encore analyser diverses données, mais "nous avons confirmé que la sonde s'est bien posée sur Ryugu et nous pensons que nous avons fait un travail parfait", s'est réjoui un autre membre de l'agence devant les médias.
La descente de Hayabusa2 vers l'astéroïde Ryugu avait commencé jeudi à 13H15 (04H15 GMT) avec retard. Mais la sonde est finalement entrée en contact avec l'astéroïde près d'une heure plus tôt qu'annoncé, en tout début de matinée au Japon.
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ネーミングバラエティー 日本人のおなまえっ!【レア名字の謎SP】
これまで紹介してきた「レア名字」を都道府県ごとに分類し、浮上したナゾを解明。富山県に食べ物の名前が多いのはなぜ?名字からご当地カルチャーの成り立ちが見える!
過去、おなまえ番組の威信をかけて紹介してきた200を越える「レア名字」。改めてそれらを都道府県ごとに分類、浮かび上がってきた謎を解明します。例えば、富山県。酢サマに味噌サマ、素麺サマと、食べ物の名前が多いのはなぜ?その理由を通して、ご当地カルチャーに迫る。ローカル文化の映し鏡とも言えるレア名字。都市化・グローバル化が進む現代、レア名字の数々から、日本各地の個性と豊かさを浮き彫りにします! 古舘伊知郎,赤木野々花, 澤部佑,宮崎美子,森岡浩, 坂下千里子,田中直樹,室井滋, 里村奈美

こたつぬこ @sangituyama
吉村市長が「大阪自民党と共産が組んでる!」とぎゃぎゃあ騒ぐのは、維新にとって恐るべき事態が進行しているからですよ。
残念でした!安倍官邸は助けてくれません。
関西以外からみると、維新はメディアと橋下がつくったポピュリズム政党にみえますが、それは片面でしかありません。それに加えて、自民を割った松井一派が足場を担い、かつ「与党ならなんでもいい」公明が寄り添うことで成立していたキメラ生物です。
4年前の大阪は民主党は壊滅していました。だから維新に対抗できるのは、維新シンパの安倍官邸に頭掴まれた自民と共産しかいなかった。自共とよろよろの公明+市民だけで都構想は否決に追い込んだものの、ダブル選では維新に大敗しました。
しかし現在は立憲民主が誕生し、維新に無党派が流れないための防波堤の役割を果たしています。これで自共が共闘し、公明が乗れば、前回ダブル選とは比べものにならない陣地が築かれます。大阪政治の様相は一変するでしょう。

阿部公彦 @jumping5555
英語民間試験問題、かなり気味の悪いことになってきました。複数の大学関係者によると、ある会議で、文科省の担当者が 「オフレコだけどね、入試政策に従わないと、運営交付金のこと、わかっていますね」と発言したそうです。担当者の名前も分かりますが、ここには書きません。
都内のある高校では「英語民間試験に反対するメッセージをSNSでしたら、契約更新しない」と教頭に圧力をかけられた教員も。結局、この方は辞めたそうです。また、私もある教育関係の会合で講演を依頼されたのですが、「文科省の政策に反対する人はだめだ」と横槍が入り中止に。
西日本のある大学では、専門の先生から反対意見があるにもかかわらず、詳細など知らない学長が「メンツにかけても英語民間試験を導入する」と言い張って強硬するとか。「メンツ」ですかあ???
ここまで議論を封じて導入を強硬するのは、民間試験導入にまったく正当性がないとわかっているからでしょう。こうして日本独特の全体主義が育まれる。これは政治家に力があるからではなく、周囲の「忖度の文化」が彼らをせっせと甘やかすから。
もう一つ。東大が民間試験の入試利用を選択肢の一つに入れた際、総長は「今の状態ではとても民間試験は入試には使えない」と林文科大臣に訴え、結果、「法令の整備」と「疑念を払拭するための協議会の開催」が約束されました。交換条件です。
しかし、未だに「法令の整備」はなし。「疑念払拭のための協議会」はこれまで2回開催されていますが、非公開の会議のため委員からは内容を聞くことができません。ただ、傍聴したある教育関係者によると、「まったく何も進んでいない」。
会議では、「利益相反」についての業者からの報告は「お話にならないレベル」とのこと。いくらでも漏洩がありうる状況。ちなみにこの人によると、大きな懸案である成績提供システムは「まず間に合わない」とも。民間テストの結果を、信頼できる形で集計するのは「無理」とのことです。
協議会メンバーのほぼすべての人が「民間試験は無理」と心の中では思っているとの意見もあります。とめられないのは某議員(柴山大臣じゃないですよ♪)がやめさせないから。でも、文科省にも聞く耳を持っている人はいます。声をあげれば届くし、いずれ効果を持つと信じます。


3月で退職になるMoさんが岩波の古本をあげるよ♪と言ってくれました.嬉しいです.
今日は寝屋川の萱島で一ノ蔵.お店には見たことない銘柄の日本酒のビンがたくさん.坂道解かないけど緊張しました.
Yaさんが,MoさんとDoさんが仲悪い?って

被災自治体の現状と課題 名取
東日本大震災の発生からまもなく8年。地震や津波で大きな被害を受けた沿岸の被災地、それぞれの今と残された課題を伝えるシリーズ、2回目は名取市です。
名取市は、仙台市の南に隣接し、人口およそ7万8000人。
市内には仙台空港があります。
東日本大震災の津波で大きな被害を受け、県によりますと、死者・行方不明者は950人。その多くは沿岸部の閖上地区で、人口およそ5700人の13%にあたる700人以上が犠牲になりました。
現在、人口はおよそ2600人と、震災前の半分以下に減少しました。
閖上地区は、住民の住まいについて、元の場所で原状復帰するか、高台に移転するかで意見の集約が難航しました。
結局、元の場所で原状復帰することになりましたが、その後の土地のかさ上げ工事にも時間がかかり、地域の整備は県内のほかの被災地より遅れています。
閖上地区は、いまも土地の造成工事が続いています。
こうしたなか、去年12月、閖上地区の災害公営住宅7棟が、ようやく、すべて完成しました。
生活面の整備も始まりました。
4月には、名取川に沿って飲食店や食料品店などが立ち並ぶ施設、「かわまちテラス閖上」が完成する予定で、市は、水辺をいかしたにぎわいの拠点にしたいとしています。
また、ことし5月には、震災を後生に伝えるため、「震災メモリアル公園」が整備されます。
東京ドームの4分の3ほどの大きさで、公園の中には日和山や、犠牲になった人たちの名前を刻んだ慰霊碑なども含まれます。
公園の周辺は産業用地にして企業を誘致し、雇用を生み出し、閖上地区に人を呼び込もうとしています。


津波到達高を伝える標柱
東日本大震災で大きな被害を受けた南三陸町に、震災当時、到達した津波の高さを示す標柱が設置されました。
これは、津波の脅威や被害の記憶を後世まで伝えようと、町と都市開発会社などが企画したもので、26日は南三陸町志津川の公園に地元住民など、30人が集まりました。
集まった住民たちは、作業員に教えてもらいながら、復興事業の高台造成工事で伐採した杉の木を使った柱に、津波の高さを示したプレートを丁寧にねじで止めていました。
標柱の高さは、震災当時、志津川地区に到達した津波の高さの平均である海抜16.5メートルを示していて、今後、地区の人通りが多い場所にもう3か所、設置される予定だということです。
参加した志津川地区の20代の女性は、「私たちの世代だけでなく、津波を知らない子どもたちにも、震災のことを考えるきっかけになってくれればいいと思います」と話していました。
南三陸町復興推進課の男澤知樹課長は、「柱の素材に木材を使用することで、いずれ木が朽ちたときに、そのときの世代の住民の手でもう一度設置し直すという作業を繰り返すことで、いつまでも記憶が語り継がれることを期待しています」と話していました。


河北抄
 いてつく心を抱えながら8度目の冬を過ごした人は少なくないだろう。本紙連載「安住の灯(ともしび)−震災列島に生きる」で東日本大震災の仮設暮らしの現実に触れ、そんな思いを強くした。
 再建した自宅に戻る願いがかなわなかった妻の遺影を室内に置く男性。人けがほぼ消えた団地で一人で暮らす女性。物がひしめくプレハブに住む4人家族は食卓も囲めない窮屈な日々を送っていた。
 岩手、宮城、福島3県でプレハブや民間賃貸といった仮設住宅に入居した被災者は最も多い時で約27万人に上る。阪神大震災は5年で仮設住宅が解消されたが、3県では昨年末現在で計1922戸の建設型仮設が残り、過酷な生活環境が続く。仮設から仮設への転居を強いられる人もいて「戦後の災害史で初めての事態」とみる研究者の指摘は重い。
 間もなく丸8年を迎える東北の被災地。来年の復興五輪の話題に注目が集まる中、決して忘れてはならない現実がある。住まい再建の出口を見つけ、安らぎの場を取り戻せるように。一日も早く「春」が来ることを願ってやまない。


<震災8年>雄勝法印神楽、津波被害から復活 新たな担い手の若者2人、保存会加入目指す
 宮城県石巻市雄勝町に伝わり、東日本大震災の津波被害から復活を遂げた国指定重要無形民俗文化財「雄勝法印神楽」を伝承しようと、地元出身の若者2人が保存会への加入を目指し、稽古に励んでいる。約600年以上続くといわれる神楽は地域復興のよりどころだ。入会の関門は3月3日の発表会。幼い頃から夢見た神楽師へ2人の挑戦が続く。
 地元の葉山神社にある神楽舞台の保管庫で22日夜、会社員の阿部泰久さん(25)=石巻市=と宮城県女川町職員の阿部庄太さん(20)=女川町=が衣装をまとい、刀を手に向き合った。
 太鼓のリズム、舞の所作、振り下ろす刀の角度。先輩神楽師の動きを目で追い、一つ一つの動きを確かめる。荒々しさも伴う雄勝法印神楽の稽古は体力を使う。2時間を超す指導に2人は汗をしたたらせた。
 「物心がつく前から神楽が好きだった。神楽は憧れの存在」という泰久さんは大須小時代、授業で神楽を学び、魅了された。
 大崎市の高校在学中に震災に見舞われ、古里の雄勝地区は壊滅的な被害を受けた。災害支援に尽力する自衛隊員に感銘を受け、卒業後は陸上自衛官として多賀城駐屯地に勤務した。
 神楽師になる夢は諦めきれなかった。震災から7年が過ぎた昨年7月、「自衛官をしながら練習するのは難しい」と考え、退官を決意。翌月に地元に帰り、保存会の門をたたいた。
 庄太さんも大須小の学校行事で神楽に触れ、興味を持った。曽祖父が神楽の師範だったと聞いたことがあり、親近感も強かった。町職員をしながら泰久さんと同じ頃、保存会への入会を志した。
 庄太さんは「春になると浜から神楽の音色が聞かれ、身近な存在だった。復興へと向かう古里で、生涯神楽を続けたい」と決意をにじませる。
 保存会の会員は今、20〜70代の約20人。津波で流失した面や衣装は復活を願う全国の支援などでそろえた。復興の象徴として活動の場は国立劇場(東京)やロシアなど世界に広がる。
 指導に当たる阿部良司郎(よしろう)さんは約半世紀、神楽と共に生きてきた。「祭りをやろうというエネルギーが地域をもり立てる。太鼓、笛、舞の三拍子がそろった一人前の神楽師になってほしい」と期待を込める。
 小学生の時に経験した子ども向けの神楽とは重みが違う。本物を演じられる喜びをかみしめ、2人は稽古に心血を注ぐ。


満開の桜を震災犠牲者に 宮城農高科学部生徒が追悼式へ開花調整「被災地に春届けたい」
 東日本大震災で被災した岩沼市玉浦地区で3月10日に行われる追悼行事に合わせ、桜の花を咲かせるプロジェクトが進められている。実施主体は同地区で桜の栽培を続けてきた宮城農高科学部の生徒たち。通常の開花時期には1カ月近く早いが、温度調節などの実験を重ねており、「追悼行事に鎮魂の花を添えたい」と意気込む。
 担当は科学部の生徒6人。桜には、その年の2月1日以降の最高気温の累積が600度を超えると開花する法則があるとされる。仙台近郊の開花時期はおおむね4月上旬のため、苗木を温める方法で開花を早める。
 実験場所は校内と追悼行事がある慰霊公園「千年希望の丘」の2カ所。(1)パネルヒーター入りのクリアケースの中で高さ約30センチのマメザクラと啓翁桜(けいおうざくら)を栽培(2)電熱マットの上に大鉢を置いて高さ約2メートルの塩害に強い品種など2種類を植栽−の二通りの方法を試す。
 このうち、千年希望の丘ではクリアケースの中の温度を20度に設定すると実験開始から10日で満開になることを確認。3月1日前後から同様の方法で加温すれば当日ごろに満開になる計算で、科学部は満開の桜を会場に展示できるよう調整を続ける。
 3月10日の追悼行事「希望の灯火(あかり)」は市が初めて実施する。風化防止を願って「明日は11日だ」と知らせる意味を込め、丘周辺に灯籠を置くなどして犠牲者を悼む。市側から科学部に当日に咲く桜などがないか打診があり、該当する品種はないものの、空洞化が進む被災地に春を届けようと実験を思い立った。
 科学部は震災後、名取市沿岸部にあった旧校舎で津波に耐えた桜の子孫を玉浦地区などに植える活動に当たってきた。1年加藤樹世歌(きよか)さん(16)は「まだ苦しんでいる方が少しでも笑顔になれるよう頑張りたい」と張り切る。


<縮小の先へ 被災地と人口減>第1部 なりわい・林業/浜の災禍 森をむしばむ
 人口が減る。地域を支える担い手が足りない。人口減少局面で起きた東日本大震災は、過疎化や少子高齢化を加速させた。震災から間もなく8年。縮む被災地の先に広がる風景は−。「生業(なりわい)」「生活」「インフラ」の三つをキーワードに、先鋭化する課題に向き合い、模索する姿を追った。 人口が減る。地域を支える担い手が足りない。人口減少局面で起きた東日本大震災は、過疎化や少子高齢化を加速させた。震災から間もなく8年。縮む被災地の先に広がる風景は−。「生業(なりわい)」「生活」「インフラ」の三つをキーワードに、先鋭化する課題に向き合い、模索する姿を追った。
 丸刈りにされ、むき出しになった山肌が広がる。浜の災禍は三陸の豊かな森も無縁ではなかった。
 東日本大震災後、釜石市と岩手県大槌町で被災した山主が木を全て切り、売り払うケースが続出した。住宅再建資金や生活費を工面するためだ。
<再造林せず放置>
 計200ヘクタール以上伐採されたが、費用がかかる再造林はせず、多くは放置されたまま。森林の保水力低下による自然災害や養殖業への影響を懸念する声もある。
 林野率が9割近い両市町を管内とする釜石地方森林組合の高橋幸男参事(54)は「林業がもうからず、森林を不良資産と感じている山主は多い。責めることはできない」と苦悩する。
 安い外国産材に押され、国内産の木材価格は低迷。スギ丸太1立方メートルの価格は1万3100円(2017年)で、ピーク時の約3分の1に落ち込んだ。
 震災と担い手の高齢化が追い打ちを掛け、林業の衰退が加速する。15年農林業センサスによると岩手、宮城、福島の被災3県の林業経営体数は計9073。10年比で42.8%も減った。減少率は全国平均を5.1ポイント上回る。
 組合は17年、国と県の補助に上乗せし、再造林する山主の負担を原則ゼロにする支援制度を設けた。林業スクールによる人材育成にも力を入れ、「持続可能な林業」へ模索を続ける。
 林野率が約8割の宮城県南三陸町で23日、首都圏からのツアー客を「南三陸杉」が生い茂る森に案内するイベントがあった。
 町内の林業「佐久」の佐藤太一専務(34)は「多様な動植物が共存するのが良い山。丁寧に間伐して手入れをすれば光や風が適度に入り、木質が高まる」と説明した。
 佐久など林業経営者らでつくる南三陸森林管理協議会は15年、環境に配慮した森林経営を促す国際機関・森林管理協議会(FSC)の認証を取得し、南三陸杉のブランド化を進める。
 ただ、認証を受けた森林は町全体の1割。一般の山主が所有する森林は小規模で各地に分散し、管理が難しい。多くが荒れ放題だ。
<担い手に集約化>
 全国に広がる森林の荒廃を食い止めようと、国は4月、「森林バンク」制度を始める。所有者が管理できない人工林を市町村が引き受け、意欲的な担い手に再委託する仕組みだ。財源は24年度に創設される新税「森林環境税」を充てる。
 佐藤専務は「小規模な森林を集約できる。管理を請け負うことでFSC認証林を拡大でき、雇用創出にもつながる」と意欲を示す。
 大槌町で間伐に取り組むNPO法人「吉里吉里国」の芳賀正彦理事長(71)は震災時、「海がなくなった」と気落ちする漁師たちを見て、「まだ森や山がある」と自らを鼓舞した。
 漁師ら山主の同意を得て、放置された山林から枯れ木や折れ曲がった木だけを切り出す。良質な木には手を付けず、成長を促す。
 芳賀理事長が覚悟を口にする。「樹齢50年のスギを100年まで育てれば高値が付く。地元で生きる子や孫たちが林業を収入源にできる下ごしらえをしたい。自分たちの代が捨て石になってもいい」
 山を守ることは、三陸の浜の生活と豊かな海を守ることでもある。


復興庁あと2年  実行力ある後継組織に
 東日本大震災の復興政策を担う復興庁が、2020年度末の設置期限まで約2年となった。
 同時に「復興・創生期間」の取り組みも終了する。ただ、被災地の復興はいまだ道半ばだ。引き続き財政的、人的な支援が必要なことは言うまでもない。
 後継組織について、同庁は先月まとめた復興基本方針の見直しに関する骨子案でも明確にしていない。しかし、共同通信が岩手、宮城、福島3県の被災42市町村長に行ったアンケートでは、9割の首長が後継組織の必要性を訴えた。
 震災から8年近くたっても、解決できていない多くの課題が残っていることを物語っている。
 これまでの復興政策のあり方を検証したうえで、被災地のニーズをふまえた取り組みを進めることができる組織体制について、政府はじっくり検討してほしい。
 アンケートでは、後継組織について重視する点として復興特別会計など独自財源の確保、復興特区制度の存続、担当大臣設置の継続が上位に並んだ。復興を進めるには財源と制度、政治力が不可欠という首長らの本音がうかがえる。
 被災地では堤防や住宅などの整備が進む一方、震災で加速した人口流出が深刻化している。
 42市町村のうち25市町村では、震災前と比べ10%以上も人口が減った。高齢化率が30%を超える自治体も目立つ。
 人口減や高齢化もふまえた新たな支援の枠組みを練り直さなくてはならない。後継組織を創設するなら、行政の縦割りを乗り越えるリーダーシップと現地の実情に対応できる柔軟さが必要だ。
 ただ、今の復興庁がそうした役割を果たしているとは言い難い。
 復興担当相は他省庁への勧告権を持つなど復興行政の「司令塔」役を期待されているのに、その権限を十分に発揮している印象は薄い。同庁の業務は交付金の配分や自治体との調整にとどまり、職員は各省庁からの出向、担当相も短期間で交代する例が多い。
 こうした体質を残したまま後継組織に移行しても、被災地の願いを実現できる体制にはなれまい。
 復興庁の骨子案は、21年度以降も被災者の心のケアなどに一定期間が必要だとしたうえで、東京電力福島第1原発事故の被災地では国が引き続き前面に立って支援する必要性を指摘している。
 原発事故では帰還困難区域での復興が緒に就いたばかりだ。被災地に寄り添い、強い実行力を発揮できる組織づくりが求められる。


M7級発生 宮城沖は90%程度
東北から関東の沖合いにかけての「日本海溝」沿いで今後30年以内に発生する地震の確率について、新たな評価がまとまりました。
政府の地震調査委員会は、東日本大震災をもたらしたような巨大地震の確率は「ほぼ0%」とした一方で、マグニチュード7クラスの大地震が発生する確率は最大で90%程度以上あるとして警戒を呼びかけています。
東北から関東の沖合いには、陸側のプレートの下に海側のプレートが沈み込んでいる「日本海溝」があり、この周辺では8年前に東日本大震災をもたらした巨大地震のように繰り返し地震が発生しています。
政府の地震調査委員会は、この「日本海溝」沿いで今後30年以内に地震が発生する確率について新たな評価を公表しました。
それによりますと、8年前と同じマグニチュード9クラスの巨大地震が発生する確率はほぼ0%とされている一方で、マグニチュード7から7.5程度の大地震が発生する確率は、いずれも高くなっています。
領域別に見ると、青森県東方沖及び岩手県沖北部で90%程度以上、宮城県沖で90%程度、茨城県沖で80%程度、福島県沖で50%程度、岩手県沖南部で30%程度などとされています。
「日本海溝」沿いの地震の発生確率の評価は、8年前、平成23年の東日本大震災をもたらした巨大地震の発生直後にも行われていました。
しかし、当時はメカニズムなどが十分にわかっておらず、宮城県沖での確率が「不明」とされるなど暫定的な内容にとどまっていました。
今回の地震調査委員会の評価は、巨大地震のあとに得られた地殻変動のデータや過去の地震による堆積物の調査結果など、この8年間の研究成果をもとに行われました。
確率が「不明」とされていた宮城県沖では、地震が発生する可能性がある領域を拡大したうえで、今後30年以内に発生するマグニチュード7から7.5程度の大地震の確率を90%程度としました。
この領域の一部では、地殻変動のデータからすでに次の地震の発生サイクルに入ったとみられ、震災前と比べて、地震活動が活発な状態が続いているということです。
地震調査委員会は「平成23年の地震から8年しかたっていないが、ここで大きな地震が起きる可能性は非常に高い」としています。
地震調査委員会の委員長で東京大学地震研究所の平田直教授は「東北ではもう大きな地震は起きないと考えがちだが、マグニチュード7クラスの地震はいつ起きてもおかしくなく、備えを進めてほしい」と話しています。


米で「辺野古移設にNO」 ニューヨーク、抗議デモ
 【ニューヨーク共同】米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設を巡る24日の県民投票を受け、辺野古移設に抗議するデモが25日、米ニューヨークの日本総領事館前で実施された。参加者は「県民投票の回答は『NO』。辺野古の米軍基地建設を止めろ」と英語で書いた横断幕を掲げ、移設への反対を訴えた。
 「投票結果を受け、政府が埋め立てをせめて当面止めるのではないかと期待したが、首相の態度は許せない」。名護市出身でニューヨーク近郊在住の会社員落合秀子さんは「政府は県の意思を真剣に受け止めるべきだ」と語気を強めた。


沖縄県民投票/深まる混迷 国が打開策示せ
 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設を巡って、沿岸部の埋め立ての是非を問う県民投票は開票の結果、反対が7割を超えた。投票率は過去の知事選や国政選挙と比べるとやや低調だったものの、一定の民意が示されたと言えよう。
 移設を進める国側は「これからもご理解いただけるように対話を続けたい」(安倍晋三首相)として、工事続行の姿勢を崩していない。結果として、今回の投票によって国と県の対立が従来以上に激化するのは必至だろう。
 そうした事態を何より憂慮せざるを得ない。移設を巡るこれまでの経緯はともかく、不毛な対立と深まる混迷を脱するには、投票結果を受けて国側が何らかの打開策を探る努力が不可欠だ。
 国と沖縄とのいがみ合いが続く中での埋め立て工事の続行は、将来に禍根を残すはずである。埋め立てを巡る法廷闘争も県との修復不能な分断を招きかねない。
 米軍普天間飛行場の移設そのものに関しては、これまでの各種の世論調査でも県民の多くは賛成している。あくまで緊急避難的な危険除去の移設という目的を考えれば、曲折を経た辺野古移設の判断は、全くの誤りであったとまでは言えないだろう。
 ただし、今回の県民投票の結果を重く見て、埋め立てを即時中止し、移設計画を白紙撤回する選択肢も政府は取り得るはずだ。既に辺野古沿岸部の埋め立てが一定程度進んではいるが、工事の中断は国側の決断次第とも言えるからである。
 今回の県民投票に法的拘束力はない。しかし、だからといって県民の意思を十分に政府が尊重しないままでは、将来の基地の運営にも支障を来す恐れがある。県側が今回の投票結果を基に、あくまで辺野古移設の全面的な撤回要求を貫徹している以上、そうした地元の民意を最大限に尊重するのは、政府の避けられない役割である。
 戦後長らく、全国の自治体の中で沖縄が突出して過剰な基地負担に苦しんできた事実は、多くの国民が子細に承知している。沖縄の声に耳を傾け、その主張に共感し、基地負担の軽減にこれまで以上に努力するのは、国民全体に課せられた義務でもある。
 他方、北東アジアの安全保障の状況を見据えれば、米軍基地の存在が厳然として必要とされているのは、間違いない。新たな冷戦が始まったといわれる米中の対立、核兵器の放棄の道筋が不透明さに包まれる北朝鮮情勢など、わが国の安全保障は危機にさらされている。
 国の安全保障の在り方、米軍基地の必要性、沖縄の負担軽減などに十分に目配りしつつも、こじれにこじれ、もつれにもつれた基地移設の糸を解きほぐすためには、県民の意向を斟酌(しんしゃく)する政府の真摯(しんし)な姿勢は欠かせない。


沖縄県民投票/今度は国が立ち止まる番だ
 米軍普天間飛行場の名護市辺野古沖移設を巡る県民投票は、「反対」が43万票を超え、有効投票総数の約72%を占めた。辺野古反対を掲げ、県知事選で過去最高となった玉城デニー知事の得票数をも上回っている。
 結果に法的拘束力はない。安倍晋三首相は知事と会談する意向を示す一方、工事強行の姿勢は変えていない。
 だが民意は明確に示された。これ以上の強行は県民の意思を踏みにじることになる。民主主義で許される行為なのか。
 政府は直ちに工事を中止するべきだ。
      ◇
 辺野古移設で普天間の危険性は除去される。これ以上先送りできない−。政府はそう主張してきた。
 しかし今回の投票では、普天間の地元・宜野湾市でも移設への反対が66・8%と多数を占めた。政府の論拠に現場でも疑問符がついたといえる。
 そもそも県内移設では沖縄全体の負担解消につながらない。辺野古が完成しても普天間が直ちに返還されない可能性が、日米合意文書に記されている。
 宜野湾の反対は、そうした問題点を県民が認識している証しだろう。
 面積では日本の0・6%にすぎない沖縄に、在日米軍専用施設の74%が集中する。その現状を安全保障の観点からやむなしとする声は、本土に根強い。
 普久原均・琉球新報編集局長は本紙への寄稿で、全く異なる米軍の見方を明らかにした。2006年に日米で在日米軍再編に合意する前、沖縄の海兵隊を九州や北海道に移すことを米軍が提案したというのだ。
 しかし政府は本土の反発を恐れ、検討しようとしなかったという。沖縄の声は軽視し、本土の反発は回避する。普久原氏はこれを「ダブルスタンダード」(二重基準)と表現する。そうした状況は、今も大きく変わっていない。
 12年に森本敏防衛相(当時)が、普天間の移設先は「軍事的には沖縄でなくてもいいが、政治的には最適だ」と述べたのも同じ理屈だろう。
 安全保障の負担を特定の地域に押しつけることに、多くの国民が疑問を持とうとしなかったことが、沖縄の苦悩を生みだした一因といえる。
憲法の条文踏まえ
 住民投票が強制力を持つ場合を示す憲法の条文がある。特定の地方公共団体に適用される法律の制定には住民の過半数の同意が必要とする95条の規定だ。
 住民の意思に基づく地方自治の「本旨」を守るための定めとされている。
 政府は、辺野古移設は法律でなく、「日米地位協定」に基づく施設提供との見解を示している。だが移設後は国内法が適用されず、自治体の行政権も及ばない。
 地方公共団体の運営に関する事項は法で定めるとした憲法92条を踏まえれば、基地建設にはその地域だけの特別法が不可欠であり、95条の住民投票で同意を得る必要がある−。憲法学者の木村草太首都大学東京教授はそう指摘する。
 95条の住民投票を経て制定された法律は、戦後の復興期に15本ある。兵庫県内では1950(昭和25)年に神戸国際港都建設法、翌51年に芦屋国際文化住宅都市建設法が公布された。
 ただいずれも都市計画に地域の特色を反映させて国も支援する趣旨だ。神戸と芦屋の住民投票では当時の新聞に「賛成の票が圧倒的」「輝く新生のスタート」などの文字が躍り、政府と対立する問題ではなかった。
 住民投票が実施されたのは、憲法施行から日が浅く、尊重する気風があったからだろう。
 それから60年余。反対への民意が明確になっても、政府は県の反対を無視し住民の意思も聞かずに工事を進める。
 安全保障は国の専権事項であり、地元の意向を考慮する必要はない。そうした考えは、憲法が掲げる地方分権や民主主義の理念に反する恐れがある。
地位協定も見直せ
 辺野古計画では新たな問題点も浮上した。予定海域の軟弱地盤が判明し、政府は想定外だった約7万7千本のくい打ち込みを計画している。
 県の試算では、地盤改良に伴う建設費は計画の「3500億円以上」から2・5兆円に膨み、工期は5年から13年に伸びる。だが野党の質問にも政府は明確に答えようとしない。
 事実上、計画は大きな壁に突き当たっている。もはや「唯一の解決策」と言える状況ではない。政府は今度こそ立ち止まらねばならない。
 沖縄に「寄り添う」というのなら、政府は基地を沖縄に集中させる必要性があるのか米国と真剣に議論すべきだ。同じ第2次世界大戦の敗戦国でもドイツやイタリアは駐留米軍に国内法を適用している。地位協定の見直しも急務といえる。
 なぜ、沖縄だけに過剰な負担を強いるのか。県民投票が示した課題を、本土に住む私たちも考える必要がある。


県民投票無視の政府 民意を矮小化するな
 果たして、この国は民主主義国家なのだろうか。「民主主義の皮をかぶった独裁国家」を疑いたくなる。
 辺野古新基地埋め立ての賛否を問う県民投票で、投票者の7割が「反対」の明確な意思を示した。しかし、政府は民意無視の姿勢を一向に変えようとはしていない。
 民主主義国家としてあり得ない対応だ。政府は埋め立て工事を即座に中止し、本当に米軍普天間飛行場の危険性除去につながる方策を提示し、米側と交渉すべきだ。日本の民主主義が問われている。
 一夜明けて、安倍晋三首相は「結果を真摯(しんし)に受け止める」と語ったものの「移設をこれ以上、先送りできない」と強行方針を変えなかった。
 これだけ反対が根強いのに、地元の意向を無視して一方的に建設を強行するのは、民主主義を押しつぶす行為だ。
 ロシアのプーチン大統領が昨年末、「地元知事が反対しいるのに整備が進んでいる」と指摘したように、今後、国際的な批判も浴びよう。
 県民は辺野古新基地について、2度の県知事選や国政選挙などで繰り返しノーを示してきた。今回は、新基地建設という一つの問題だけに絞った駄目押しの反対表明だ。
 県民投票の投票率は、昨年の県知事選の63・24%よりも低い52・48%だったにもかかわらず、反対票は玉城デニー知事の得票数39万票余を大きく上回る43万票余に上った。
 共同通信社の出口調査では、辺野古移設を推進する自民党の支持層でも、反対の48%が賛成の40%を上回った。保守層の中にも辺野古移設に反対が根強いことが分かる。
 ところが、県民投票の結果を矮小化(わいしょうか)する動きが政治家や一部報道に出てきている。「有権者の半分しか投票していない」「有権者全体では反対は37%止まりだ」などの批判だ。
 投票率の低下は全国的な課題だ。衆院選で見ると、2017年53・68%、14年52・66%と戦後2番目と最低を記録した。50%未満の府県はそれぞれ4県、8県だった。これらの選挙で選ばれた政治家の資格も否定するのだろうか。
 それよりも、人物を選ぶ選挙でもないのに、有権者の52%が投票所に足を運んだという事実は重い。政治に参加する意思のある県民だ。その7割が突き付けた反対の民意を過小評価すべきではない。
 県民投票を2度も実施した都道府県がどこにあろう。民意を踏みにじり、間接民主制の政治が機能不全に陥っているからこそ、直接民主主義に頼らざるを得なかったのだ。
 安倍政権は問題の本質をそらし、辺野古移設か普天間固定化かの二者択一論にすり替えることに躍起だ。県民の民意がはっきりした以上、工事を中止し、新基地建設とは切り離して、最優先で普天間飛行場の運用停止に向けて対米交渉へ行動を起こすべきだ。
 今度こそは民意に向き合い、本気で危険性除去に取り組むことを強く求める。


[県民投票の後で]「辺野古唯一」を見直せ
 名護市の辺野古新基地建設に「ノー」を明確に突き付けた県民投票から一夜明けた25日早朝。
 米軍キャンプ・シュワブゲート前では警察が新基地に反対する市民を排除する中、ダンプカーが次々とゲート内に入り、土砂の搬入を繰り返した。海上でも辺野古側の土砂投入と大浦湾側の護岸造成工事が続いた。
 沖縄の民意を無視し、力ずくで押しつぶそうという安倍政権の強行一辺倒の姿勢である。とうてい納得できない。
 民主国家であるならば民意が示された以上、ひとまず工事を中止すべきだ。
 玉城デニー知事は同日の県議会一般質問で安倍晋三首相に対し「埋め立てを認めない断固たる民意を受け止めてもらいたい。辺野古が唯一の方針を直ちに見直し、工事を中止してもらいたい」と求めた。県民投票の結果を踏まえた当然の要求である。
 玉城知事は今週にも予定している安倍首相との会談で、普天間飛行場の早期返還に向け対話に応じるよう強く求める考えだ。
 安倍首相は衆院予算委員会で「結果を真(しん)摯(し)に受け止め、基地負担の軽減に全力を尽くしていきたい」と答弁した。言葉とは裏腹に、辺野古の現場では強権を振るっており、県民を愚(ぐ)弄(ろう)するものだ。
 安倍首相は「もはや普天間返還の先送りは許されない」と、新基地建設を続行する考えも示した。
 辺野古にこだわり続けている結果、普天間の返還が遅れに遅れて先の見通しが立っていないのが現実ではないか。
    ■    ■
 信じられないのは沖縄基地負担軽減担当相を兼務する菅義偉官房長官である。
 「普天間飛行場の危険性除去、返還をどのようにするのか、知事から語られておらず、ぜひ考えを伺ってみたい」と述べた。
 そもそも普天間の危険性除去や返還で知事に代替案を出せというのがおかしい。政府の無為無策ぶりをさらけ出しているようなものだ。政府は「辺野古が唯一」の一点張り。それを見直す気がないのに、県に代替案を迫るのは暴論であり、どう喝である。
 仲井真弘多元知事と約束した普天間の5年以内運用停止も米側と交渉の形跡がないまま期限を迎え、県に責任転嫁している。仲井真氏は一時期「辺野古に固執するのではなく、もっと早く現実的に移設できる県外の場所を探すべきだ」と言っていた。なぜ県外では駄目なのか。説明責任をまったく果たしていない。
    ■    ■
 普天間返還は当初、既存の米軍基地内にヘリポートを新設することが条件だった。紆余(うよ)曲折を経て似ても似つかぬ新基地に変貌した。負担軽減に逆行するのは明らかだ。
 返還合意当時の橋本龍太郎首相は地元の頭越しには進めないことを大原則にしていた。米軍基地は人権や自治権を大きく制約し住民にさまざまな負担を強いる。自治体や県の同意なしにはできない。
 新基地建設問題は県民投票によって新しいステージに入った。政府は「辺野古唯一」の見直しを表明した上で、県との対話に臨むべきである。


沖縄県民7割超「移設反対」政界へ波紋
★沖縄県の県民投票の結果は、中央政界にもさまざまな波紋を投げかけた。15〜23日までの9日間に期日前投票を済ませた人は23万7450人で、投票資格者総数115万3591人の20・58%。産経新聞は「日数が異なるなど単純に比較はできないが、昨年9月の知事選(最終投票率63・24%)の期日前投票の割合は35・13%で、県民投票はこれを割り込んだ」と比較できない知事選挙の投票と比較して低調とした。★視点の差で相当にニュースの見え方が違って見える好例だ。投票結果はご存じの通りだがこの期日前投票に注目だ。この県民投票の性質は選挙戦ではないこと、対立する意見というより国に対しての県民の姿勢が問われたという意味では党派性やイデオロギーの対立ではなく、県民の生活圏での賛否が問われた。また原発の是非とは違い、既に長年居座る米軍基地への思いと新たな基地が増えるという争点というより政府の基地政策への疑問が問われた形になったのではないか。★支持政党別では「自民支持層の45%、公明支持層の55%、無党派層の79%が『反対』に入れていた(朝日新聞デジタル)」。公明党の支持母体、創価学会の半数以上が反対していることが分かるが、通常の選挙では同学会は期日前投票を促すことで有名だ。「対立する相手ではなく自分の心に沿ったため、その分、期日前投票が減ったのではないか。平和に敏感な創価学会員の素直な姿勢が出たのではないか」(沖縄政界関係者)。★ただ、この結果を永田町はどう受け止めるのか。首相・安倍晋三は基地政策の転換を考えないかも知れないが、この数字を突きつけられて統一地方選挙や参院選をどうしようというのか。政府与党は戦略の練り直しを余儀なくされる。

沖縄の県民投票 移設ありき許されない
 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設を巡る県民投票は、辺野古沿岸部の埋め立てに「反対」が72・2%に上った。政府はこの結果を重く受け止める必要がある。埋め立て工事を即刻取りやめ、沖縄県民の理解が得られるよう解決策を模索するべきだ。
 沖縄の民意は、「辺野古移設反対」を訴えた候補が当選した2014年、18年の知事選で明確になっているが、それでも安倍晋三首相は「基地問題だけが焦点ではなかった」と主張した。だからこそ「移設」に絞った今回の投票結果は重いはずだ。
 「反対」は43万票を超え、18年9月の知事選で当選した玉城デニー氏の得票数を大きく上回った。防衛政策は「国の専管事項」ではあるが、政策を進める上で民意を尊重するのが大前提であることは論をまたない。
 為政者が民意を顧みず権力を振るうことは民主主義に反する。憲法学者からは、政府の判断のみで進めてきた一連の状況は地方自治の基本原則を定めた憲法92条に抵触する疑いがあると指摘されている。
 この投票結果について安倍首相は「真摯(しんし)に受け止める」と述べたが、一方で沖縄の基地負担軽減は政府の大きな責任とし、「移設をこれ以上、先送りすることはできない」と理解を求めた。辺野古移設では負担軽減にはならないとする沖縄側の主張と大きく乖離(かいり)している。
 首相は「これまでも長年にわたって対話を続けてきたが、これからも全力で対話を続ける」とも述べた。「沖縄に寄り添う」と発言してきた安倍政権が本当に県民と向き合ってきたのか。確かに翁長(おなが)雄志前知事の面会要請に応じたが、互いの主張を述べる場にしかならず、政府側の実績づくりの感が否めない。
 反対票が投票資格者の4分の1を超えたことも大きな意味がある。結果は安倍首相とトランプ米大統領に通知される。玉城知事と会う見通しの安倍首相には「移設ありき」の姿勢を改め、移設中止を含めて真摯に対話に臨むことが求められる。
 同時に、米国にも投票結果の重視の姿勢が望まれる。基地問題を日本だけの課題とせず、米国国民も巻き込んだ議論に進展させることも重要ではないか。
 沖縄の問題は本県にとっても人ごとではない。政府が秋田市の陸上自衛隊新屋演習場を候補地としている迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」(地上イージス)配備計画も安全保障政策の一環であり、同様の構図だからだ。政府は「地域の理解を得ながら進める」としているが、実際は国の19年度予算案に購入費の一部1757億円が盛り込まれるなど、配備ありきの姿勢が際立つ。
 必要なのは辺野古移設をはじめ各種安全保障政策に対し、国民が当事者意識を持つことだ。それが、まっとうな政治を取り戻す第一歩となる。沖縄の県民投票をそのきっかけにしたい。


辺野古反対の民意 わが事として考えたい
 沖縄県民が、米軍普天間飛行場(宜野湾市)を名護市辺野古に移設するための海域埋め立てに反対の意思を明確にした県民投票の結果は、政府とともに本土住民も重く受け止めなければならない。
 投票結果に法的拘束力はなく、国は粛々と工事を続ける方針だ。こうした姿勢を支えているのは、基地問題を沖縄の問題に閉じ込めがちな本土側の意識ではないか。
 県民投票実現を主導した市民グループ代表の大学院生、元山仁士郎さんは「本土の人にこそ、考えてほしい。辺野古の埋め立てが、必要かどうか」と訴えている。
 今回の県民投票を、在日米軍専用施設の7割が集中する沖縄の歴史や現状に理解を深め、問題をわが事として考えるきっかけにしなければ、実質的に無視を決め込む政府と何ら変わるまい。
 県政野党の自民党は、当初から反対派有利とみて積極的な運動は控えたという。4月の衆院沖縄3区補選や夏の参院選への影響をにらめば、賛成を叫んで反対派を刺激するのは得策ではない。投票率が50%を割り込めば、県民投票の有効性が減退するとの読みもあったと報じられる。
 しかし投票率は50%を超えた。反対票は、有効投票総数の72%超を占める43万4千票余。県民投票条例が知事に結果尊重を求める基準となる投票資格者の4分の1(約28万8千票)はもとより、昨年知事選で移設反対を訴えて当選した玉城デニー氏の約39万6600票をも上回った。
 玉城知事は条例の規定に従い、早々に首相官邸や在日米大使館に結果を通知する方向という。政府側が従来の対応に終始することは、沖縄のみならず国民世論が許すまい。
 問題の根幹である普天間の返還で日米が合意したのは1996年にさかのぼる。移設計画が現在の形になった2006年から数えても、既に10年以上が経過。埋め立て予定海域では、広範囲でマヨネーズ状の軟弱地盤の存在が明らかになり、工期や工費の大幅な上振れが想定される。
 果たして辺野古は基地建設の適地なのかというそもそも論も浮上する中で、大目的である普天間の早期返還へ、それでも「辺野古移設が唯一の策」とする政府説明はいよいよ説得力に乏しい。
 知事選なら争点は多岐にわたるという建前で反対の民意をかわせるとしても、今回は問題を埋め立てへの賛否に絞った県民投票。基地建設は国の専管だが、そのための埋め立て承認は知事の権限だ。
 明白な民意を背に埋め立て工事の中止を求める玉城知事への政府対応は、国が地方をどう見ているかのバロメーターともなるだろう。注目しないわけにはいかない。


辺野古反対7割 政府は工事強行をやめよ
 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設を巡る県民投票は、辺野古沿岸部の埋め立て「反対」が72・2%と最多だった。
 辺野古移設にテーマを絞り、県民が初めて直接民意を示した投票で「反対」が7割を超えた意味は極めて重い。
 安倍晋三首相は「真摯(しんし)に受け止める」という言葉だけではなく、いったん工事を中止し、沖縄県側と協議すべきだ。
 地元の反対を無視して移設を進めることは民主主義国家として取るべき対応ではない。
 県民投票は昨年9月、市民グループが必要数の4倍に当たる約9万3千人の署名とともに県に直接請求したのを受け、翌月県議会で条例が制定された。
 一時は安倍政権と協調関係にある5市が2者択一に難色を示すなどして不参加を決めたが、県議会は「どちらでもない」という選択肢を加え、全市町村の実施にこぎつけた。紆余(うよ)曲折を経てようやく実現したものだ。
 しかし、菅義偉官房長官は投票告示日の記者会見で、結果にかかわらず移設工事を進める考えを示した。投票の意義を否定し、県民投票に冷や水を掛けたことに他ならない。
 告示後も自民党は賛成への呼び掛けを控え、静観する態度を取った。反対派を刺激せず、低投票率にとどめることで、県民投票の正当性を失わせようとの思惑からという。
 こうした中で投票率は住民投票の有効性を測る目安とされる50%を超えた。国に対し、地元の民意を明確に示したいという思いの表れといえる。
 投票総数の7割超、43万4千余に上った反対票は、昨年9月の知事選で玉城デニー知事が得た39万6千票を上回った。これに対し、「賛成」は19・1%にとどまり、「どちらでもない」は8・8%だった。
 さまざまな観点から有権者が投票する知事選より、単一争点で問う今回の県民投票の方がより直接的に民意を反映しているのは間違いない。その重みを決して軽んじてはならない。
 今回の結果には法的拘束力はないが、県民投票条例では、最多の得票が投票資格者の4分の1に達すれば、結果を安倍首相やトランプ大統領に通知すると定められている。
 玉城氏は結果を受け、工事の中止を強く求めた。
 危惧するのは、政権の姿勢が改まる気配が見えないことだ。
 首相は「移設をこれ以上先送りできない」と官邸で記者団に語り、「これからも基地負担軽減に向けて全力で取り組む」と強調した。
 首相の言う「真摯」には、沖縄県民の民意に向き合おうとの姿勢が全くうかがえない。岩屋毅防衛相は従来方針通り工事を行う意向を示した。行動が伴わなければ、県民の政権への不信感は払拭(ふっしょく)されまい。
 投票結果の背景には、在日米軍専用施設の7割が集中する沖縄の厳しい現実がある。私たち国民も「沖縄の心」をしっかり受け止めたい。


沖縄県民投票 移設ありきでなく対話を
 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設を巡る県民投票が行われ、辺野古沿岸部の埋め立てに「反対」が7割以上を占めた。玉城デニー知事には投票条例に基づき投票結果を尊重する義務が生じ、近く安倍晋三首相とトランプ米大統領に結果を伝達する。
 防衛や安全保障は国の専権事項であり、住民投票になじまないとの指摘もある。だが、選挙と違い、辺野古移設の一点のみに絞って県民が初めて示した民意である。投票の結果には政府を縛る法的な拘束力はないが、明確に示された意義は大きい。政府は重く受け止めるべきだ。
 首相は投票の結果を「真摯(しんし)に受け止める」とした一方で、普天間飛行場の固定化は避けなければならないとして「(移設を)これ以上、先送りすることはできない」と述べ、辺野古移設を進める考えを改めて示した。
 県民が示した反対の民意は、辺野古移設にとどまらず、こうした政府のかたくなな姿勢や、沖縄の過重な基地負担の現状などにも向けられていよう。
 普天間飛行場の返還は、1995年に沖縄県で起きた米兵による少女暴行事件をきっかけに、日米両政府が翌年、合意した。辺野古での計画は当初、暫定施設のはずで、沖縄県などは建設受け入れ条件として15年の使用期限を求めたが、米側の難色などで事実上、計画はストップした。
 2013年、当時の沖縄県知事が政府の申請した辺野古沿岸部埋め立てを承認したことで移設問題は動きだした。この際も、県は普天間飛行場の5年以内の運用停止などを求めたものの、いまだに果たされていない。
 沖縄の県民投票は1996年に米軍基地の整理・縮小と日米地位協定見直しの賛否が問われたのに続き2回目だ。この時も整理・縮小などへの賛成が圧倒的多数だった。
 にもかかわらず、在日米軍専用施設の約7割が今なお、沖縄県に集中している。こうした経緯を振り返れば、政府の対応に県民が不信感を募らせることは当然だろう。
 今回の県民投票でも、県側は辺野古反対の機運を高めることに努めた一方、政府が県民へ移設を推進する理由を説明する姿勢は乏しかった。
 首相はことあるごとに「沖縄県民の気持ちに寄り添う」と語る。それならば、県民投票で示された民意とも向き合わねばならない。
 埋め立て予定区域では軟弱地盤が見つかり、工事の長期化や工費増加が懸念されてもいる。
 首相は玉城知事と会談する方向だが、「普天間飛行場の危険性除去」の重要性を唱え、説得を強めるという。県と再び対話のテーブルに着くための、今が最後の機会ではないか。移設ありきではなく、沖縄の声に耳を傾けて、県民の理解が得られるよう説明を尽くすべきである。


沖縄県民投票で反対7割超/一度、立ち止まるべきだ
 沖縄県の米軍普天間飛行場の名護市辺野古沿岸部への移設計画を巡り、賛否を問う県民投票は「反対」が72.2%で、「賛成」「どちらでもない」を大きく上回った。
 県民投票に政府を縛る法的な拘束力はなく、安倍晋三首相は「結果を真摯(しんし)に受け止める」としながらも辺野古移設を計画通り進める考えを示した。だが、辺野古移設の1点に絞って県民の強い民意が示された意味を重く受け止めるべきだ。
 首相は宜野湾市の市街地にある普天間飛行場の危険性を除去するために辺野古移設を進めると強調する。しかし、辺野古の埋め立て予定海域では極めて軟弱な地盤が見つかっており、工事の完成時期も必要な費用も見通せないのが現状。政府は一度、立ち止まり、計画を見直すべきだ。沖縄の過重な基地負担の現状と歴史的経緯も踏まえ、県と実のある対話に臨むよう求めたい。
 投票結果では二つの点に注目したい。一つ目は、投票率が住民投票の有効性を測る目安とされる50%を超え、52.48%だった点だ。辺野古移設を容認する自民党県連などは県民投票の盛り上がりを警戒し、組織的な投票呼び掛けの運動を行わなかった。それでも過半数の人が投票に足を運んだ意義は大きい。
 二つ目は、反対票が県知事選で過去最多だった昨年9月の玉城デニー氏の得票約39万7千票を上回り、43万票を超えたことだ。過重な基地負担への県民の「ノー」の声の強さを示したと言える。
 県民投票は、知事に結果の尊重を義務付け、首相と米大統領に結果を通知すると定めたライン、投票資格者総数の4分の1も大きく超えた。
 政府は安全保障政策は国の専管事項だと強調する。だが、なぜその国策を巡って沖縄が県民投票を行う事態に至ったかを考えるべきだろう。
 沖縄の米軍基地は戦後、住民が住んでいた土地を強制的に奪って造られた。さらに「本土」の基地が縮小される中で沖縄への集中が進み、在日米軍専用施設の約70%が今、沖縄に置かれている。長年の積もった思いが県民投票には込められている。
 辺野古海域の軟弱地盤は深刻な問題だ。沖縄県は地盤の改良工事が必要で移設完了までに13年、2兆5千億円以上が必要と試算している。岩屋毅防衛相も工期の長期化と費用増大の可能性を認めるが、具体的な見通しを示していない。玉城知事が工事計画の変更を認めない方針であることも併せて考えれば、完成時期が見通せないのが現実ではないか。
 さらに辺野古移設が完了すれば普天間飛行場が必ず返還されるわけではない。2013年の日米合意では、滑走路が短い辺野古に代わる緊急時の民間施設の使用を米側は普天間返還の条件としており、その条件は整っていない。
 玉城知事は近く首相と会談し、工事の中止と、辺野古とは切り離した普天間飛行場の早期の閉鎖・返還を求める意向だ。だが、県民投票の翌日も辺野古の工事は続けられ、岩屋防衛相は新たな区域への埋め立て土砂の投入も計画通り進める考えを示した。
 民意を無視するような対応で対話が成り立つのか。「辺野古移設が唯一の解決策」という姿勢を再考するよう政府に求めたい。


沖縄県民投票 辺野古反対の民意 十分伝わった
 沖縄県民の揺るぎない民意に政府は、今度こそ正面から向き合わねばならない。沖縄米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設を巡る県民投票が投開票され、埋め立て「反対」の得票が7割を超えた。
 県民投票の結果に法的な拘束力はないが、争点を辺野古移設の1点に絞り、県内全域で実施した投票の意味は重い。これまでも知事選や、国政選挙などを通じて繰り返してきた「辺野古ノー」の意思を、今回は最大限明確にして示した。これ以上、沖縄の思いを無にしてはならない。政府は埋め立て工事をただちに中止し、知事と解決に向けた対話を始め、米国とも代替案の検討を進めるべきだ。
 投票は「賛成」「反対」「どちらでもない」の3択で問われた。条例では最多得票が投票資格者の4分の1に達した時、知事にその結果を尊重する義務を課し、首相や米大統領に通知すると定めている。反対は4分の1を大きく超えており、政府が力ずくで知事に翻意を促し、移設を進めることは重大な問題がある。
 政府はいま一度、沖縄に対する態度を省みるべきだ。結果にかかわらず移設を進める方針を表明し、県民を踏みにじる行為に出た。さらに圧倒的な反対の民意を突き付けられても、まともに向き合おうとしない。菅義偉官房長官に至っては「普天間返還(の道筋)について知事が語っていない」と、安保政策の責任を転嫁するような発言もあり、納得できない。地元の反発が強くなればなるほど、政府が重視する日米安保が機能しないことを認識する必要がある。
 そもそも辺野古移設が「唯一の解決策」としてきた政府の主張は大きく揺らいでいる。埋め立て予定海域にある軟弱地盤の改良工事に関し、想定以上の長期化が避けられない。地盤の改良を要する面積は65任望紊蝓∈修埜任瓩燭いを7万本以上も打ち込む必要がある。海面から軟弱地盤の底まで最大約90辰肪し、国内では施工実績がない深さで、専門家からも疑問の声が上がっている。
 政府は「一般的で実績が豊富な工法で地盤改良が可能」と説明するが、工期や費用の試算を公開しておらず、言葉通りに受け止められない。地盤改良工事を進めるには、県から計画変更の承認を受ける必要があるが、沖縄知事が、すんなりと承認することはあり得まい。
 埋め立て工事が長引けば普天間の返還も遠のく。政府は普天間の危険性を取り除くために移設の必要性を訴えてきたが、辺野古に固執すれば、かえって普天間の固定化を招くという矛盾を認めるべきだ。
 本土の国民も沖縄の苦渋をわが事として受け止めたい。容認し難い国策に対し、県民投票で民意を示してもなお無視されるとしたら、民主主義が葬られたのも同然だ。この国の在り方を左右する重大な局面にある。無関心ではいられない。


【沖縄「基地ノー」】政府は米国と仕切り直せ
 「基地ノー」を貫き、国の強権には屈しない。沖縄県民は揺るぎない意思を改めて示した。
 米軍普天間飛行場(宜野湾市)を名護市辺野古に移設する計画の是非を問うた沖縄の県民投票は「反対」が7割を超えた。投票条例が有効とする投票資格者の4分の1も大きく上回った。
 沖縄の基地問題は、民主主義や国と地方の関係の在りようを問うてきた。安倍首相は「県民投票の結果を真摯(しんし)に受け止める」と言うのなら、県民に誠実に向き合い直し、その言葉にふさわしい対応を取らなければならない。
 辺野古移設に限った初の県民投票は、市民グループが有権者の署名を集め、県に直接請求して実現した。安倍政権に近いとされる5市が不参加を表明したため、当初の賛否の選択肢に「どちらでもない」を加えて3択にしたことで、県全域の投票にこぎ着けた経緯がある。
 政権与党の自民党は反対派を勢いづかせまいと、静観を決め込み、投票率の低下を狙った。それでも、投票率は50%を超え、「どちらでもない」は1割に満たなかった。県民の側ではなく、政権に沿おうとした思惑を県民は退けた。
 凄惨(せいさん)を極めた地上戦が繰り広げられ、傷ついた島に在日米軍専用施設の7割が集中する。米軍機の事故は後を絶たず、県民の尊厳を踏みにじる米軍関係者の凶悪犯罪も相次ぐ。県民は繰り返し「基地は要らない」と訴えてきた。
 過去2回の県知事選でも基地反対の意思を明確に示した。その上になお、県民投票にまで踏み切らなければならなかった。今回の県民投票で半数近くの有権者が棄権したのもまた事実だ。国家権力が地方の民意をないがしろにし、住民を分断させてきた。その責任は重い。
 首相は県民投票結果を受けてもなお「移設をこれ以上、先送りはできない」と強硬な方針を変えていない。民主主義の国で、民意を排除するような強権的な振る舞いを容認するわけにはいかない。
 政権側は玉城知事との会談に再び応じる構えを見せはする。だが、これまでも面談を骨抜きにしながら、埋め立てを強行してきた。住民に無力感を植え付けるかのように、既成事実化を図ってきたのだ。見せかけの対話は許されない。
 埋め立て予定海域の軟弱地盤の改良のため、約7万7千本もの杭(くい)を海底深く打ち込まなければならない工事計画が発覚した。辺野古は適地なのか、という根本的な疑問が浮かぶ。県民投票の結果と合わせ、政府は米国と基地を巡る議論を仕切り直すべき時だ。
 米国の日系4世の青年が辺野古埋め立ての一時停止を求める署名を米政府に提出し、タレントのローラさんら日本の著名人たちも賛同の意を公表した。沖縄の基地の苦悩を共有し、解決の道を共に探り出していこうという呼び掛けだ。その問いは本土にこそ向けられている。


辺野古「反対」7割超◆民意厳粛に受け止め再考を◆
 沖縄県の米軍普天間飛行場(宜野湾市)の移設計画を巡り、名護市辺野古沿岸部の埋め立てへの賛否を問う県民投票が投開票された。「反対」の票が7割超の結果となった。県民投票に政府を縛る法的な拘束力はなく、政府は投票結果にかかわらず「辺野古移設が唯一の解決策」として計画通りに進めるとしている。だが共同通信の電話世論調査では86・3%の人が政府は投票結果を尊重すべきだと回答した。辺野古移設の一点に絞って県民の民意が示された意味を重く受け止めるべきだ。
政府の諦め誘う対応
 沖縄の過重な基地負担の現状と歴史的経緯、辺野古移設工事が抱える問題点などを考えれば移設工事をこのまま進めていいのか。政府は一度立ち止まり、県と対話するよう改めて求めたい。
 県民投票は当初「賛成」「反対」の2択だったが、「多様な民意を推し量れない」などと一部自治体が反対したため、「どちらでもない」を加えた3択で実施された。単純に割り切れない複雑な気持ちの受け皿をつくったと言える。反対票は、知事に結果の尊重を義務付け、首相と米大統領に結果を通知すると定めた基準の「投票資格者の4分の1」に達した。
 県民投票への政府、与党の対応は後ろ向きだった。菅義偉官房長官は告示日の記者会見で、投票結果にかかわらず辺野古移設を進めると明言。県民の「諦め」を誘う意図だろうか。移設を容認する自民党県連や、党本部と異なり移設に反対する公明党県本部は自主投票で臨んだ。投票運動が盛り上がらないことを狙った対応だろう。
 だが、なぜ沖縄で基地問題を巡って県民投票を行う事態に至ったのかを考えるべきだ。沖縄の米軍基地は戦後、住民が住んでいた土地を「銃剣とブルドーザー」で強制的に奪って造られたものだ。さらに「本土」の基地が反対運動に遭って縮小される中で、沖縄への集中が進んでいった。
軟弱地盤なども問題
 辺野古工事が抱える問題点も指摘したい。埋め立て予定海域では極めて軟弱な地盤が見つかっている。沖縄県は地盤改良工事のため完成までに13年、約2兆5千億円以上が必要と試算する。工期の長期化と費用増大の可能性があり、玉城デニー知事が工事計画の変更を認めない方針であることも併せれば、完成時期は見通せないのが現実ではないか。
 安倍晋三首相は市街地にある普天間飛行場の固定化を避けるために辺野古移設を進めると強調する。だが、2013年の日米合意では滑走路が短い辺野古に替わる緊急時の民間施設の使用が普天間返還の条件となっている。その条件が整っていないことを政府は認めている。辺野古の完成で普天間が必ず返還されるわけではない。
 安保政策は国の専管事項だとしても、県民の声に耳を傾けず、多くの問題を抱える移設計画を進めていいのか。再考を求めたい。


[沖縄県民投票] 次は国が行動する番だ
 辺野古移設に反対する沖縄県民の意思は明確に示された。次は国が結果を受け止め、行動する番である。まずは埋め立て工事をいったん止め、沖縄の民意と向き合うべきだ。
 米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設を巡る県民投票で、辺野古沿岸部の埋め立て「反対」が72.2%に上った。
 投票率は住民投票の有効性を測る目安とされる50%を超える52.48%。反対票は、投票条例で知事に結果の尊重を義務付け、首相と米大統領に結果を伝えると定めた投票資格者の4分の1を超えた。
 玉城デニー知事は3月1日にも上京し、首相官邸や在日米大使館に投票結果を通知する方向で検討に入った。
 だが、安倍晋三首相はあくまでも移設工事を進める方針だ。
 「県民投票の結果を真摯(しんし)に受け止める」と言いながら、普天間固定化を避けなければならないとして、「移設をこれ以上先送りすることはできない」と強調する。
 明らかな沖縄の意思に反して強硬に工事を進めれば、県民の政府への不信感が一層高まることは避けられない。
■知事選得票超す
 県民投票は「賛成」「反対」「どちらでもない」の3択で実施された。
 当初は2択だったが、「多様な民意を推し量れない」として一部自治体が反対し、「どちらでもない」を加えた。単純に割り切れない複雑な思いを受け止める受け皿をつくったといえる。
 それでも、「賛成」11万4933票、「どちらでもない」5万2682票に対して、「反対」は43万4273票だった。反対票は玉城氏が昨年9月の県知事選で獲得した39万6632票も超えた。
 移設先となる名護市では「反対」が73%で、全県をわずかに上回った。普天間飛行場がある宜野湾市でも「反対」が66.8%で、賛成の24.4%を大きく超えた。
 それぞれの市民が悩んだ上で出した重い答えである。
 沖縄ではこれまでの知事選や国政選挙でも辺野古移設反対を訴える候補者が当選を重ねてきた。
 しかし、国は、辺野古移設だけが争点ではないとの立場で、取り合ってこなかった。
 だが、今回は辺野古埋め立てに絞った民意である。民主的な方法で直接示された結果を安倍政権が無視すれば、国際社会に対しても説明がつかないのではないか。
 県民投票に対して、政府・与党の対応は後ろ向きだった。
 移設容認の自民党は、反対派を刺激しないように賛成の呼びかけを控え、静観した。党本部と異なり、移設に反対する公明党県本部も自主投票で臨んだ。参院選などの自民党との協力を見据えた動きとみられる。
 しかし、安倍政権は日ごろから「沖縄に寄り添い、丁寧に説明する」と言っていたはずだ。
 それならば、選挙期間中に辺野古移設が必要な理由を説くべきだったのではないか。あまりに不誠実な姿勢だと言わざるを得ない。
 安全保障政策が国の専管事項であるのは確かだ。だが、基地問題を巡って県民投票を行う事態にまで沖縄県民がなぜ追い込まれたのかを考えなければならない。
 沖縄の米軍基地は住民が住んでいた土地を強制的に収用されて造られた。本土の基地が反対運動に遭い、沖縄に移っていった経緯もある。
 その結果、戦後70年以上を経ても、在日米軍専用施設の約7割が沖縄に集中し、重い基地負担には出口が見えない。
 国は「普天間の固定化を避ける」ために辺野古移設を進めるというが、沖縄は「新たな基地はいらない」と主張しているのだ。国はいつまで意識のずれに気付かないふりをしているつもりなのか。
■国民全体の問題
 政府が進める辺野古沖の工事には問題点も浮上している。
 埋め立て予定地に軟弱地盤が見つかり、工事の長期化は避けられない様相だ。
 沖縄県によると、地盤改良工事のため、完成までに13年、工費は約2兆5500億円と試算する。
 岩屋毅防衛相も「地盤改良という新たな要素が加わったので、その分延びていく」と工期の長期化を認めた。
 完成時期は見通せず、政府の言い分である「一日も早い普天間の危険性除去」とも矛盾するのではないか。
 沖縄県にとっても、県民投票の結果が出たとはいえ、楽観できる状況ではない。
 県による埋め立て承認撤回は、国の対抗策が認められて効力が停止したままで、法廷闘争も負け続けている。県民投票には法的拘束力はなく、決定打に欠けるのが実態だ。
 署名を集めて県民投票条例制定を請求した市民グループの代表・元山仁士郎さんは27歳の大学院生だ。若い世代が問題意識を持って動きだしたことに注目したい。
 反対多数となった結果を受けて元山さんは、「本土の人にこそ、考えてほしい。辺野古の埋め立てが、必要かどうか」と訴えた。
 沖縄県民が出した「辺野古ノー」の結果は、国民全体がともに考えるべき問題として、私たちにも突きつけられている。


在京各紙は県民投票をどう伝えたか?
 【東京】沖縄県名護市辺野古の新基地建設に伴う埋め立ての賛否を問う県民投票で、反対が7割を超えたことについて、在京各紙は25日付朝刊1面に掲載し、中面でも関連記事を掲載するなど大きく扱った。「反対の県民の強い民意が示された」(朝日)と報じる新聞がある一方、「県民の参加は広がりを欠き、影響は限定的」(読売)との評価もあり、見方が分かれた。
 朝日、毎日、東京は1面トップで反対が7割を超えたことを報じた。朝日は出口調査の分析、社会面の有権者の声など計5面で報道した。2面では「辺野古移設 明確な『NO』」と意義付けたほか、「政権、結果無視の構え」との見出しで、工事を進める政府の姿勢を伝えた。
 毎日も計5面で伝えた。2面の解説記事で「次は本土が考える番」だと指摘した。第2社会面では投票結果をほごにしてきた政府の対応を説明した。東京は計6面で詳報。「新基地断念こそ唯一の道」と題した解説や、玉城デニー知事が民意を追い風に、政府との対決姿勢を強めるとの見通しを伝えた。
 読売は1面4番手など計3面で伝えた。全国世論調査で辺野古移設を進める政府方針に「賛成」が36%だった一方、沖縄の米軍基地が「役立つ」との回答が59%あったことも紹介した。
 産経は1面3番手のほか、計3面で伝えた。3面では「衆院補選、参院選に波及」との見方も伝えた。


ウーマン村本 辺野古賛成派を一蹴「負け惜しみを吐き捨てたあの頃を思い出した」
 お笑いコンビ「ウーマンラッシュアワー」の村本大輔(38)が26日、ツイッターを更新し、沖縄の辺野古埋め立て問題について言及した。
 24日に行われた辺野古への米軍基地移設の是非を問う県民投票は、反対派が7割を超える結果となった。
 著名人ではモデルのローラ(28)らとともに、反対の立場を取っていた村本は「国民は沖縄の県民投票の結果も2015年よしもと男前ランキング2位の僕の結果もちゃんと受け止めるべき」とツイートした。
 男前ランキングはともかく、県民投票は予想を上回る反響となり、反対派の勝利と受け止める声が圧倒的だ。
 しかし、一部からは「有効票の71・7%が反対だが、全有権者に対しては37・65%。これで単純に『辺野古埋め立て反対は民意だ』でいいのか?」(中山義隆石垣市長)と不満もくすぶる。 
 村本は「昔、コンパで女の子5人中4人がイケメン後輩をかっこいいと選んだ時に『地球全体の女の数で言うとたった4人な?』と負け惜しみを吐き捨てたあの頃を思い出した。負け惜しみで事実を捻じ曲げる声は無視して、勝ち続けよう、本土にも仲間が沢山いる」とつづり、民意を尊重するよう訴えた。
 県民投票には法的拘束力がなく、安倍晋三首相(64)は「真摯に受け止める」と話しつつも、日米同盟の決まり事として粛々と埋め立て工事を継続している。


小沢一郎氏 安倍首相を糾弾「もはや人間としてあり得ない」
 自由党の小沢一郎共同代表(76)が26日、公式ツイッターで安倍晋三首相(64)を厳しく糾弾した。
 小沢氏は「美しい海に打ち込まれる7万本もの杭は、同時に沖縄の人々の心にも打ち込まれることになる。人々が基地で苦しもうが、悲しもうが、総理には喉に刺さった魚の小骨程度のものなのか」とつづり、反対派が多数となった県民投票の結果を受けても辺野古埋め立てを継続する安倍首相を批判。
 さらに「かつての沖縄戦では19万人もの人々が犠牲となった。投票結果を黙殺する総理の姿勢は、もはや人間としてあり得ないもの」と太平洋戦争を引き合いに断罪した。
 小沢氏は安倍首相が25日、投票結果を巡り「真摯に受け止める」と話したことにも反発。
「総理は『真摯に受け止める』と言って、真摯に受け止めたためしがない」と言行不一致を指摘している。


勤労統計問題 政府答弁はふに落ちない
 国会論戦が続く毎月勤労統計は、調査方法の変更を巡り、検討経過の不自然さが浮かび上がっている。
 官邸の意向が影響してはいなかったか。政府は国会答弁で繰り返し否定するものの、疑念が消えない。
 従業員30〜499人の事業所を対象にした抽出調査の変更だ。従来は2〜3年ごとに調査対象を全て入れ替えていた。これを見直し2018年から一部を入れ替える方法に変えている。
 問題は、調査方法見直しに関する有識者検討会の議論が突然、方向転換していたことだ。15年8月の会合で「現在の総入れ替え方式が適当」と集約した。翌月の会合で報告書案を取りまとめる予定が一転、中間的整理案になり「引き続き検討する」とされた。
 当時、厚生労働省の担当者が検討会の座長に中間整理案としたい考えをメールで伝えていた。公開された文面には「委員以外の関係者と調整をしている中で、サンプルの入れ替え方法について、部分入れ替え方式で行うべきとの意見が出てきました」とある。
 同じ日に厚労省の統計情報部長が首相秘書官と面会し、「部分入れ替えという考えもあるのではないか」と提案されたという。検討会の報告書案が当日の午後10時半すぎ、整理案に書き換えられたことも確認されている。
 これらを踏まえれば、秘書官の提案を受けて方針転換したとみるのが自然ではないか。
 統計情報部長は秘書官と面会する前に書き換えを部下に指示していたと述べ、影響を否定する。秘書官は面会について「思い出せない」としている。偶然の一致とするにはタイミングが良すぎる。ふに落ちない説明だ。
 もともと入れ替え方法を巡っては、15年3月に秘書官が「問題意識」を伝えていた。厚労省は6月から検討会を開いている。
 中間整理の後、経済財政諮問会議で麻生太郎財務相が「具体的な改善方策を早急に検討」するよう求めるなど閣僚の発言が続き、変更に至っている。こうした経過も政権の意向をうかがわせる。
 勤労統計では産業や企業規模別の労働者数の割合を18年に更新した際、過去の数値とつなぎ合わせるためのデータ改定をしなかったことも明らかになっている。その影響で賃金伸び率は上振れした。
 統計の信頼立て直しに向け、建設的な議論を進めなくてはならない。まず必要なのは事実関係の解明だ。疑問点の一つ一つについて納得のいく説明を政府に求める。


ドナルド・キーンさん逝く
 生魚は苦手でしょう? 自称「ヘンな外人」にとって、これほど退屈な質問はなかった。刺し身は好物だったからだ▼米国との二重生活を送っていた30年以上前に著したエッセーで「恋しくなる食べ物は和食。前世は日本人だったのだろうか」と記している。ドナルド・キーンさんは二つの母国で生きた。その人生を決定づけたのは49セントの本だった▼学生時代、ニューヨークの書店で厚みの割に安価な「源氏物語」を購入。古典の愛と美の世界に揺さぶられ、のめり込む。日本文学の研究が縁で米海軍日本語学校へ。沖縄などで捕虜の通訳などを担当した▼終戦後は京都大に留学するなど、あくなき探究心で研究領域と人脈を広げた。日本人以上に繊細で温かい心の持ち主だったのだろう。「世の常(つね)なさ」と誠実に向き合い、日本文化の世界発信に尽力した▼永住の契機となった東日本大震災では日本人の立ち直る力を信じ、勇気を与え続けた。雅号は「鬼怒鳴門(キーンドナルド)」。時に「鬼」となり、日本の俗化や右傾化を憎んだ▼座右の銘も俳人の松尾芭蕉の紀行から。「つひに無能無芸にして只(ただ)此の一筋に繋(つなが)る」―この言葉通り、慎み深く日本人として逝った。東京の寺にある墓石には犬の絵「黄犬(キーン)」が描かれている。戌(いぬ)年生まれ。最期までワンダフルな生きざまだった。

ドナルド・キーンさん死去 日本に注いだ無限の愛情
 学術的に大きな足跡は、日本人と日本文化への深い愛があればこそだったのだろう。
 日本文学研究者で、古典から現代まで多くの日本文学を翻訳し、広く世界に紹介したドナルド・キーンさんが、96歳で亡くなった。
 米国生まれだが、東日本大震災後の2012年、日本国籍を取得した。震災で多くの外国人が日本を離れることを残念に思い、「大好きな日本に住み続けたい」というのが理由だった。多くの被災者を勇気づけたに違いない。
 「自ら選んだ母国で幸せな最後の時を迎えました」という養子のキーン誠己(せいき)さんの言葉が胸にしみる。
 日本文学との出合いは、日米開戦前夜の1940年に手にした「源氏物語」の英訳本だ。暗い世相にあって、「美」に彩られた世界観にみせられた。
 一方で、海軍で日本語の専門将校として従軍し、戦場を体験した。戦死した日本兵の日記を解読し、家族への思いや苦悩に触れた。
 キーンさんが戦後、草分けとなる日本研究の道を選び、日本文学を世界とつなげる懸け橋となったのは、そんな出合いがあったからだろう。日本が国際社会へ復帰するため、相互理解を深める手助けになった功績は計り知れない。
 また、高見順、伊藤整ら著名な作家の戦中日記を「時代の一級資料」として論じる09年出版の著書「日本人の戦争」も戦争体験なくしては生まれなかっただろう。過酷な戦場の体験から、近年の日本国憲法改正への動きに警鐘を鳴らしていた。
 古今の文学を通して日本人を考察する傍ら、劇場に通い、狂言を習った。能狂言や文楽、歌舞伎といった伝統芸能への造詣も深かった。
 それだけに、日本社会の中で伝統芸能の存在感が薄れていく現状を憂えていた。
 12年に当時の橋下徹・大阪市長が文楽協会への補助金凍結の方針を示した際には、憂慮を表明した。日本の教育で古典文学が軽視されているとの指摘も無視できない。
 アニメや漫画といったポップカルチャーだけでなく、日本が海外に誇れる文化はまだまだある。キーンさんが残した思いを、しっかり受け止めたい。


キーンさん逝く 「日本とは」問い続け
 二十四日に九十六歳で亡くなったドナルド・キーンさん。日本文学研究者と呼ばれたが、文学を通じて「日本とは何か、日本人とはどういう人々か」と、より深い問いを考え続けた生涯だった。
 「徒然草」や「おくの細道」など古典から、谷崎潤一郎や川端康成など同時代の作家まで、多くの作品を英訳したキーンさん。
 伝統的な日記文学が題材の「百代の過客」をはじめ、日本人の精神のありかたを探る研究書や評伝も数多く手がけた。母校の米コロンビア大で教授として後進たちも多く育て、日本の文学と文化を世界へと伝えた「恩人」だ。
 だがその道筋には、偏見との戦いがあった。欧米では明治以降、鹿鳴館で日本人が洋装して踊る姿などが伝えられ「猿まねの国」と侮蔑が広がった。第二次世界大戦で対日感情は悪化し、若き日のキーンさんは「そんな国に文学や文化があるのか」と言われた。
 逆に日本では「外国人に日本の文化が分かるのか」と疑問視もされた。十八歳の時に英訳で読み、日本文学との出会いとなった「源氏物語」の専門家から「原文で読まなければ良さは理解できない」と言われたことさえある。
 そうした声と戦い続けた。伝統文化をより深く知るために狂言を習って自ら舞台に立ち、補助金のカットで存亡の機に直面した文楽を擁護した。国内では近年「日本すごい」と持ち上げるブームが盛んだ。それとは裏腹に、伝統文化の真価を私たち自身が知らない、あるいは知ろうとしていないのではと反省させられる、鏡のような存在だったといえよう。
 戦勝国の出身ながら敗戦国を見下さず、その人々と文化に敬意を払った。かつて本紙のインタビューで「文化の大切な要素」として「隣の国、あるいは遠い国からものを借りること、そしてそれを自分なりに自分のものとすること」と述べている。考え方の違う国や人々の間に有形無形の「壁」をつくろうとする言動が力を増す中、壁を越えた人の結びつきを願い、信じる精神の表れだった。
 生涯を通じてこの国を愛した。東日本大震災の後には日本の国籍を取って、私たちを励ました。一人の日本人「鬼怒鳴門」(キーン・ドナルド)となると、本紙での連載などを通じて、改憲や原発の再稼働、東京五輪の開催に強く反対した。
 「日本の恩人」がこの国の行く末を危ぶんで残した言葉を、今こそかみしめたい。


河北春秋
 「鬼怒鳴門(きーんどなるど)」と号するほど日本を愛したドナルド・キーンさん。人生の仕事になった日本文学研究との機縁は18歳の時、故郷・米ニューヨークで偶然に買った『源氏物語』の英訳本。美に満ちた世界が、戦争の暗雲広がる現実を忘れさせたという▼大学の日本人教師から『方丈記』『徒然草』などを教わり、太平洋戦争が始まると海軍の語学学校で日本語を学んだ。通訳士官の任務で、沖縄など玉砕の島々の悲劇に触れ、平和への願いも終生語った▼日本文化を海外に伝える懸け橋となり、文化勲章も授与されたキーンさんが96歳で逝った。交流した三島由紀夫らの小説や『おくのほそ道』など名作の数々を英訳。母国でも浄瑠璃公演を行い、後進の「日本学」研究者を育てた▼日本国籍を2012年3月に取得した。契機は前年の東日本大震災。被災地の惨状を知って、敗戦直後の東京の廃虚を思い出したという。胸に浮かんだのが、親交があった作家高見順の日記▼空襲後の焼け跡で静かに耐える家族の姿に「こうした人々と共に生き、共に死にたいと思った」と、その日記の一節にある。キーンさんは東北の被災地で支え合う人々を重ね、同じ心境で永住を決意したという。「被災地が美しい街として再生することを信じています」。本紙に語った応援だ。

泊1、2号機 廃炉視野に検討着手を
 北海道電力泊原発が新規制基準に適合しているかどうかを審査中の原子力規制委員会は、1、2号機近くの断層について「活断層であることを否定できない」とする見解を示した。
 北電はこれまで敷地内に活断層は存在しないと主張してきたが、十分な根拠を示せていない。今後、規制委の判断を覆すだけの説得力あるデータを用意できるかどうか疑問と言わざるを得ない。
 ただでさえ道民の間には、泊原発再稼働に慎重な意見が多い。まして地震による過酷事故のリスクがある以上、再稼働方針そのものを考え直すのが筋だろう。
 北電が無理に再稼働を目指しても、安全対策に時間と経費がかさみ、経営にむしろマイナスに働く可能性がある。少なくとも1、2号機については廃炉も視野に今後のあり方を検討すべきだ。
 新基準では、12万〜13万年前よりも新しい時代に変位したことが認められる断層を活断層とみなし、原子炉などの重要施設を真上に設けることを禁じている。
 今回の断層は重要施設の直下を通っているわけではないが、活断層と認定されれば、想定される地震の揺れの大きさやそれに伴う安全対策などの前提条件も変わる。
 活断層のリスクは揺れの問題にとどまらない。地割れなど地形自体の変化をもたらしかねず、耐震性の強化では対応は困難だ。
 適合審査自体の長期化は避けられず、再稼働は一段と困難になったと言えよう。
 安全面はもちろんのこと、北電の経営という観点からも、1、2号機の再稼働は果たして合理的な判断だろうか。
 北電が泊原発に投じた安全対策費は3号機を含めすでに2千億円超に達しているが、さらなる大幅追加は避けられまい。
 原発の運転期間は原則40年に制限され、1号機は2029年、2号機は31年に期限を迎える。
 数年間かけて審査をクリアしたとしても、運転期間は短くなる。採算がかえって悪化する可能性もあり、廃炉も選択肢の一つとして考えるべき時期ではないか。
 1、2号機では今月、消火設備が凍結し使用不能となったことが発覚し、昨年末には、3号機で非常用発電機の不具合を長年放置していたことが明らかになった。
 泊原発では、こうした安全管理上のトラブルが相次いでいる。
 原発を扱う事業者の資質さえ疑われる事態である。道民の信頼を取り戻すことが先決だ。


安倍首相の“妄想”に露外相激怒 平和条約締結は決裂一直線
 どうやらカンカンのようだ――。安倍首相が「領土問題を解決して平和条約を締結する」と表明していることに、ロシアのラブロフ外相がブチ切れている。
 もはや“牽制”というレベルを超え、ほとんど安倍首相のことを“ウソつき”呼ばわりだ。
 ラブロフ外相は、ベトナムと中国の歴訪前に、両国メディアのインタビューに答え、24日にロシア外務省が公表した。
 安倍首相は6月に平和条約の枠組み合意を目指しているが、ラブロフ外相は「誰も一度も、枠組み案など見たことがない。日本側が何を考えているか、私には分からない」と一蹴。安倍首相が北方領土を含む平和条約締結問題に「必ず終止符を打つ」と意気込んでいることについて、こうこき下ろした。
「正直言って、その確信がどこから来ているのか分からない。プーチン大統領も私も、他の誰も、そうした発言につながる根拠は与えていない」
 要するに、「何も決まっていないのに、なに勝手なこと言ってんだ!」ということだ。
■「勝手に話を作るな」と言っているに等しい
 筑波大の中村逸郎教授(ロシア政治)が言う。
「ラブロフ外相は、これまでも4島の主権や北方領土という呼称について発言してきましたが、今回は質が違います。『勝手に話を作るな』と言っているに等しい。ロシア側が一切根拠を与えていないのに、平和条約締結について、確信に満ちて語る安倍首相の姿勢と人格を批判しているのです。安倍首相があまりにも話を盛り、しかも繰り返して口にするので、さすがに堪忍袋の緒が切れたのでしょう」
 さらにラブロフ外相は畳みかけた。
「日本は米国主導の反ロ的な国連決議には賛成するのに、ロシアの提案には反対か棄権ばかり」
「5月のトランプ大統領訪日時、ロシアとの平和条約もテーマだという。日本にそこまで独立性がないとは、(呆れて)何も言えない」
 中村教授が続ける。
「日本では、ラブロフ外相に“強硬論”を言わせて、最後はプーチン大統領がうまくまとめるという見方がありますが、違うと思います。日本人は自分たちに都合よく解釈しすぎです。2人のスタンスは同じでしょう」
 安倍首相は25日、ラブロフ発言について「いちいち反応するつもりはない」とダンマリ。国民は現実を直視した方がいい。


「統計委員長 国会に協力しない」 総務省、無断で文書作成
 総務省統計委員会の西村清彦委員長が多忙を理由に国会審議に協力しない意向を示したとする文書を、総務省職員が西村氏に無断で作成し、野党に示していたことが二十五日、明らかになった。西村氏は不快感を示し、石田真敏総務相は衆院予算委員会で陳謝した。
 文書は総務省が二十二日に衆院総務委の野党理事らに配布した。西村氏本人の弁として「統計委員長は非常勤の時間給のアルバイト公務員でしかなく、私は本務として研究教育、企業関連の取締役や顧問の仕事を抱えている」と説明。「これ以上、本務に支障をきたす形では協力できない」と国会審議への出席に応じない考えを示した。署名や日時は記していない。
 これに対し、西村氏は二十五日、総務省を通じて野党側に書面で「そのような『文書』を提出するように指示したことはない。極めて遺憾だ」と伝えた。国会審議については「重要性は強く認識している。研究教育等の本務に支障のない限りにおいて、国会には協力する」と強調した。西村氏は毎月勤労統計の問題を巡り、十二日以降三回、衆院予算委に出席していた。
 石田総務相は二十五日の同委で「不正確な文書が出回ったことは大変申し訳ない」と述べた。国民民主党の渡辺周氏は「西村氏が国会に出ない理由を総務省が捏造(ねつぞう)したのではないか」と追及。石田氏は「担当職員が西村氏とやりとりする過程のものだ」と釈明した。(木谷孝洋)


統計委員長の「国会出席拒否」文書は捏造と本人が証言! 安倍官邸に都合悪い答弁する委員長の出席阻止を画策か
 統計不正問題をめぐり、今度は総務省が信じがたい暴挙に出た。先週、総務省が、統計委員会の西村清彦委員長が国会に参考人として出席することを拒否すると記した文書を、勝手に捏造して野党に送っていたのだ。
 この“捏造文書”が提示されたのは、先週22日のこと。本日おこなわれた衆院総務委員会では西村統計委員長の出席が打診されていたのだが、原口一博・国民民主党国対委員長のTwitterによると、総務省大臣官房秘書課が同日16時38分、立憲民主党の高井崇志・総務委員会野党筆頭理事に対し、こんな文書を送ったというのだ。
〈統計委員会委員長は非常勤の時間給のアルバイト公務員でしかなく、私は本務として、学者としての研究教育、そしてその他企業関連の取締役や顧問の仕事をいくつも抱えて居ます。
 国会に対しては、本務を犠牲にして出来るだけ協力してきましたが、本務としての研究教育及びその他の企業関連の仕事に支障を来す自体に至っており、これ以上本務に支障をきたす形では協力出来ません〉
 文書には署名も日付も入っていないが、〈統計委員会委員長〉と書かれていることからも、たしかに西村統計委員長による国会審議を拒否する申し出としか受け取れないものだ。
 しかし、この文書はあきらかに不審な点が多い。そもそも西村統計委員長は、昨年12月13日に厚労省側から「毎月勤労統計」調査で従業員500人以上の事業所で全数調査がおこなわれていないことを伝えられ、その場で「全数でないのは法令違反ですよ」「これは大変なことですよ」と指摘。これが統計不正発覚のきっかけとなり、厚労省が統計不正を公表した際にはメディアの取材に堂々と応じ、厚労省とそのときどんなやりとりがあったかなど詳細を語っていた。
 統計の重要性を重く受け止めているように感じられてきた西村氏が、統計委員長として国会招致を拒否するとはにわかに信じがたい。だいたい、統計委員会委員長という立場を〈非常勤の時間給のアルバイト公務員でしかな〉いなどと言い放つとは、到底思えない。
 だが、やはりこの文書は西村氏によるものではなかった。昨日の衆院予算委員会で質疑に立った国民民主党・渡辺周議員によれば、昨日になって総務省大臣官房から、西村委員長による文書が別に届けられた。それは、〈2019年2月23日 西村清彦〉として名前と日付が入っているもので、こう書かれていた。
〈国政における国会審議の重要性は強く認識しております。しかし、同時に、私には研究教育等の本務がある事を認識していただきたいと思います。そのもとで、研究教育等の本務に支障のない限りにおいて、国会には協力する所存です。〉
 22日に総務省大臣官房秘書課が野党側に送りつけた文書とはまるで違い、国会に協力する旨が書かれている。その上、この文書はこうつづくのだ。
〈なお、国会周辺には私が提出した「文書」と称するものが回っているようですが、私はそのような「文書」を提出するように指示したことはありませんし、内容も提出を前提とした文書として明らかに不正確であり、ふさわしくありません。このような「文書」が国会にわたった経緯を私は知りませんが、極めて遺憾です。従って、本文書が私の初めての提出文書であることを明確にしたいと思います。〉
 つまり、22日に総務省が野党側に送った、国会に参考人として出席することを拒否する文書は、西村統計委員長が書いたものではない、総務省側がでっち上げた“捏造文書”だったのである。
安倍官邸に都合の悪い答弁をしていた西村統計委員長
 これについて、昨日の衆院予算委員会で石田真敏総務相は「当初の文書は統計委員会担当の職員が西村委員長とやりとりする過程のものであり、正式に提出されたものではない」「不正確なものが国会内に出回っていることにつきましては申し訳なく思っている」と答弁。早い話、やりとりを本人の確認も得ずに文書にし、挙げ句、「明らかに不正確」な内容をでっち上げ、国会の参考人招致を拒否するものとして総務省は野党に回答していたわけだ。
 公文書を改ざんした安倍政権のことを考えれば、「さもありなん」と思ってしまうが、こんな簡単にバレるような文書の捏造を平気でやってしまうとは、あまりにも腐敗しきっているとしか言いようがない。
 そして、この“捏造文書”問題によってあきらかになったことは、いかに安倍政権が焦り、政府も不都合な証言を封じ込めようと必死になっているという事実だろう。
 現に西村統計委員長は、「アベノミクス偽装」にかんする問題で、安倍政権にとって都合の悪い答弁をおこなっていた。
 2018年1月に「毎月勤労統計」の調査手法を変更した問題では、2015年に中江元哉首相秘書官(当時)が調査対象の「総入れ替え」を「部分入れ替え」にすべきと厚労省に圧力をかけ、それによって有識者による「毎月勤労統計の改善に関する検討会」(以下、検討会)の結論がねじ曲げられていたことが発覚したが、調査手法の変更では、同時にこんな“賃金伸び率を上振れさせるための偽装”がおこなわれていた。
 2018年の「毎月勤労統計」では、産業構造や労働者数などの変化を統計に反映させるための「ベンチマーク更新」という処理を6年ぶりにおこなったのだが、その際、「部分入れ替え」と「ベンチマーク更新」によるデータ変動を過去にさかのぼって反映する補正を廃止。結果、〈調査手法変更による給与の影響額〉は、「部分入れ替え」のほうが337円(0.1%)、「ベンチマーク更新」が967円(0.4%)となり、賃金伸び率は見事に上振れしたのだ(朝日新聞デジタル2月20日付)。
 しかも、この「ベンチマーク更新」による補正については、検討会の中間的整理でも〈ギャップの補正(三角修正方式)を行う〉という結論になっていた。にもかかわらず、なぜ補正を廃止したのか。18日の衆院予算委員会で立憲民主党の長妻昭議員がその理由を尋ねると、西村統計委員長はこう答弁したのである。
「(統計委員会は)十分な資料はないというかたちで、これはまだ事実上、ペンディングの状態になっているというふうに私は考えます」
 しかし、こうして明確に西村氏が「検討委員会ではペンディング状態になっている」と答弁したにもかかわらず、根本厚労相はその後も「統計委員会でオーソライズをされている」と言い張り、西村統計委員長の答弁と真っ向から食い違う展開となったのだ。
 基幹統計をチェックする統計委員会がペンディングにしていた問題を、厚労省と総務省は補正廃止で勝手に突き進んだ──。ここにも官邸からの“圧力”があったのかどうか気になるところだが、このように、国会審議で事実を述べた西村統計委員長を、総務省は“捏造文書”によって国会出席を阻止しようとしたのである。
 安倍官邸を忖度した総務省の暴走なのか、それとも「西村を呼ぶな」という鶴の一声があったのか──。ただひとつ間違いないことは、安倍政権下ではこうやって「改ざん・捏造・偽装」と「国会の冒涜」が繰り返されて、国民は騙されつづけるということ。この国は、安倍政権によって、非常に危険かつ異常な状態に晒されているのである。


安倍官邸の“望月衣塑子記者排除”をめぐり共同通信が忖度記事修正! 官邸記者クラブの癒着ぶりがあらためて露呈
 東京新聞・望月衣塑子記者から、辺野古埋め立ての土砂に赤土が混入している問題について追及され逆ギレした菅義偉官房長官が「定例記者会見排除文書」を官邸記者クラブに突きつける暴挙に出た一件。本サイトでも繰り返し報じてきたが、まだ余波が続いている。
 日本新聞労働組合連合(新聞労連)や日本ジャーナリスト会議から相次いだ抗議声明に続き、当の東京新聞が社説と特集記事を掲げ、反撃ののろしを上げた。
 なかでも社説は、報道機関の姿勢を内外に示すものだけに、東京新聞の姿勢が明確にみてとれるだろう。特集に先んじて2月19日付け朝刊に掲載された社説は「記者会見の質問 知る権利を守るために」と題し、冒頭から「権力側が、自らに都合の悪い質問をする記者を排除しようとするのなら、断じて看過することはできない」と安倍政権に“宣戦布告”。
 続けて「質問は本紙の取材、報道による事実関係に基づいたものであり、決して誤認ではない。もし、政府が事実誤認と考えるなら、会見の場で事実関係を提示し、否定すれば済むだけの話だ」と至極当然な指摘をしており、いかに官邸側が理不尽な言論弾圧をしているか、明確に突いている。
 望月記者が所属する報道機関が、官邸の圧力に屈しないで、会社を挙げて戦う姿勢を示したことに賛辞を贈りたい。記者を孤立させず、逆にこれを機に大手マスコミがタッグを組んで官邸に迫る絶好のチャンスになるはずだ。
 ところが、「やはり」というべきか。「記者クラブ」というギルド的な利権団体に漬かっていると、こうなるのだろう。マスコミ内部で“内ゲバ”につながりかねない新たな火種が生まれたのだ。
 なんと、“被害者”の望月記者が質問を行えば行うほど「クラブ側の知る権利が阻害される」という「全国紙記者」なる人物の声を垂れ流し、まるで官邸と一心同体のような言説を共同通信が発信したのだ。官邸クラブに所属する政治部記者が驚いた表情で語る。
「共同は、朝日新聞や毎日新聞と並び、リベラル派に位置づけられる報道機関ですし、東京新聞も加盟しています。それが官邸寄りの記事を出したものだから、記者クラブに衝撃が走りました」
 問題の記事は、2月18日の夕方に配信された。記事は、望月記者の質問を「事実誤認」と断じて「排除文書」を記者クラブに出した官邸の姿勢について「特定記者の排除を狙い、国民の知る権利を狭めるものだ」と批判する声を紹介。さらに、安倍政権に批判的な論陣を張る作家・平野啓一郎を登場させて「事実でない質問をした記者の排除が許されるなら、政府は都合の悪い問題は全て事実でないと言うだろう」と喝破。平野はさらに、望月記者が質問を始めると決まって官邸報道室の上村秀紀室長が「簡潔に」「結論を」と数秒ごとに遮る愚行に触れて「陰湿で見るに堪えない。正しい態度と胸を張れるのか」と痛烈に批判してみせたのだ。
 記事は、かくして官邸批判のトーンで進んでいく。ところが後半にさしかかったところで、驚くべき一文が差し込まれていた。そのまま引用しよう。
〈メディア側はどう受け止めたのか。官邸記者クラブのある全国紙記者は「望月さんが知る権利を行使すれば、クラブ側の知る権利が阻害される。官邸側が機嫌を損ね、取材に応じる機会が減っている」と困惑する〉
 新聞記事の行数にして「8行」。これが意味するところは明瞭だろう。望月記者の追及のせいで記者会見に質問制限が敷かれ、他社のクラブ員が質問する機会を奪われてしまうと言ってのけたのだ。「官邸側が機嫌を損ね」などと情けない言い草を紹介し、官邸にかしずく「番犬」さながらの声。東京新聞が会社を挙げて官邸に立ち向かうなか、冷や水を浴びせるような忌まわしき言説だ。そんな他の記者の声をそっくりそのまま共同が紹介したのだから、官邸クラブ内の混乱は想像に難くない。
官邸記者クラブの本音を垂れ流した共同通信が一転、異例の削除
 前出の政治部記者がこう続ける。
「正直なところ、望月記者を疎んじる他社の政治部記者は少なからずいる。しかしそれを、無批判にそのまま紹介してしまう共同の配信記事に各社唖然としてしまった」
 しかし、事態は意外な展開を見せた。問題の「8行」が5時間後に削除される事件が起きたのだ。
 はからずも、この緊迫の場面を、やはりリベラルな報道姿勢で知られる「神奈川新聞」が21日付け朝刊で暴露している。紹介しよう。
〈18日夜、わずかな異変が起きていた。新聞各紙の締め切り時間がじわじわと迫る午後9時57分、共同通信が、加盟各紙に配信した記事の一部を削除すると通知してきた〉
 こんな出だしで始まる記事は、18日午後4時13分に一度配信された記事に盛り込まれた問題の「8行」が、5時間44分後に削除されて配信され直したと明かす。
 そして、配信記事の末尾に掲載されていた削除理由に「全国紙記者の発言が官邸記者クラブの意見を代表していると誤読されないための削除です」と加盟紙しか知り得ない事情を暴露したのだ。この記事は共同の内部事情もこう暴露している。
〈顛末を知る共同通信の関係者によると、記事の配信後、内容を見た加盟社から電話が入り、記者クラブと官邸が癒着していると思われる恐れがあると指摘を受けた〉
 こう暴露した後、記事は官邸の記者会見は官邸記者クラブの主催なのだから、「本来会見を主導すべきは記者クラブ側であって、質問は可能な限りなされるべきであるし、官房長官も時間の許す限り応答することが求められる」と明快に述べた上で「誰かが権利を行使しようとしたとき、それによって自分の権利が毀損されるというのは、倒錯の思考であって根本的に間違っている」と共同の報道姿勢を激しく批判している。
 さらに神奈川新聞は共同の「8行削除」という処置についても、「削除するのではなく、論理の再構成や書きぶりの修正、再取材による補強」するべきだったと批判しているが、その通りだろう。
 上述の政治部記者も語っていたように、官邸記者クラブに望月記者を疎んじる記者がいるのは紛れもない事実だ。しかしそうした記者のコメントに批判的に検証を加えるのでなくコメントそのものを削除するという今回の共同の対応は、望月記者を排除したいと考える官邸記者がいるという核心的事実を、結果的に隠蔽するもの、そういわれても仕方ない。典型的な“臭いものに蓋”的対応だ。
 ちなみに神奈川新聞が、削除の経緯について共同通信を取材したところ、「編集活動のプロセスに関する詳細については回答を控えさせていただきます」としているという。加盟する地方紙が、中央メディアの共同通信相手に“反乱”を起こしたかのような印象だろう。
 共同が問題記事を配信した翌19日、冒頭に紹介したように、東京新聞が望月記者を擁護する社説を掲載した。社説は末尾をこう締めくくっている。
〈権力を監視し、政府が隠そうとする事実を明らかにするのは報道機関の使命だ。私たち自身、あらためて肝に銘じたい〉
 社説があえて「私たち」と同僚メディアに呼び掛けたスタイルなのが示唆的だ。「おい、共同通信、安倍政権に何を日和ってるんだ」とハッパを掛けているようにも思える。


メイ氏、離脱延期を初容認 EU・閣内の圧力に屈す
 メイ英首相は26日、EU離脱を巡って下院で演説し、3月29日に迫った離脱期日の短期的な延期を初めて容認する考えを示した。これまでは一貫して延期の可能性を否定していた。閣内やEUからも離脱延期を求める声が高まり、圧力に屈した形だ。
 メイ氏は、仮に延期したとしても1回のみで、最長でも「今年6月末まで」との考えを示した。
 3月12日までに採決するとしたEUとの修正合意案が下院で否決された場合、直後に「合意なき離脱」の是非について採決、それも否決されれば離脱延期について採決を行うとした。下院で合意案が承認される見通しは立っておらず、離脱延期の可能性が強まった。

時計が止まる/1年ぶりの喜連瓜破は遠い

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César 2019: Absent de la cérémonie, le cinéaste japonais Hirokazu Kore-Eda évoque un ≪petit couac≫
CINEMA Vendredi, personne n’est venu chercher la récompense remise à son film ≪ Une Affaire de famille ≫
Faute avouée à moitié pardonnée ? Le cinéaste japonais Hirokazu Kore-Eda a présenté ses ≪ excuses ≫ aux organisateurs des César pour le ≪ petit couac ≫ intervenu vendredi, personne n’étant venu chercher la récompense remise à son film Une Affaire de famille, dans un message transmis au Journal du dimanche.
Le réalisateur de ce film poignant, Palme d’or du dernier Festival de Cannes, qui met en scène une famille de voleurs au grand cœur dans le Japon contemporain, était déjà vendredi à Los Angeles, où il est en lice pour les Oscars remis ce dimanche.
≪ Il semblerait qu’un petit couac ait empêché le message de vous parvenir ≫
Lors de l’annonce de la remise du César du meilleur film étranger à Une Affaire de famille, personne n’était monté sur scène pour chercher la statuette, ce qui avait suscité un certain flottement. Le cinéaste japonais avait pourtant préparé une lettre à lire devant la salle en cas de victoire, rapporte le JDD.
≪ Il semblerait qu’un petit couac ait empêché le message de vous parvenir et que personne n’ait été présent dans la salle pour recevoir le prix à ma place. Au nom de toute l’équipe du film, je présente mes plus sincères excuses à l’Académie des César pour cette impolitesse ≫, écrit-il dans un texte transmis au journal dominical.
Hirokazu Kore-Eda, dont le prochain film réunira Catherine Deneuve et Juliette Binoche, remercie dans sa lettre le distributeur, Le Pacte, ≪ qui a accompagné la sortie française du film avec succès ≫. Le distributeur n’était pas joignable dimanche pour un commentaire.
Lors de la 91e cérémonie des Oscars, qui a lieu dimanche à Hollywood, Une affaire de famille faisait partie des cinq films nominés pour l’Oscar du meilleur film en langue étrangère.
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気が付くと時計が止まっていました.とりあえず手動で時間をあわせます.2回目です.
いろいろ雑用をすませているうちに5時.5時過ぎに電話して一ノ蔵 3.11未来へつなぐバトンをお願いしました.その後遅い時間ですが思い立って喜連瓜破まで出かけることにしました.1年ぶりです.深江橋あたりまでは何とかですが,巽のあたりが大変.平野あたりはどうだったかな?という感じですが1時間で着きました.遠いです.帰りは平野駅の手前で国道25号線に変更して北西方向へ.杭全で今里筋を北上.百済駅前とか舎利寺,そして猪飼野橋とかいう地名に味わい深いなぁなんて思いますが,やはり遠いです.蒲生のあたりに来ると普段よく見る風景で安心.最後の最後で少し迷ってしまいましたが,無事に帰りました.

被災自治体の現状と課題・山元町
東日本大震災の発生からまもなく8年。地震や津波で大きな被害を受けた沿岸の被災地、それぞれの今と残された課題をシリーズでお伝えします。1回目は山元町です。
宮城県内の沿岸部で最も南に位置する山元町。東日本大震災の津波で町の40%近くが浸水し、町を南北に走るJR常磐線の駅や線路も流されました。
県によりますと、死者・行方不明者は698人。
このため、町は、JR常磐線の2つの駅を内陸側に移して町の中心に位置づけ、周辺に新たな住宅地を整備して、沿岸部に点在していた集落を3か所に集約しました。
JR山下駅と坂元駅は3年前に再開し、移転事業はおととし2月に完了しました。
災害公営住宅と分譲住宅はあわせて740戸が整備されました。
ただ、復興計画の遅れなどから町を離れる人が相次ぎ、整備戸数は、当初の予定より220戸ほど減少しました。
町の人口は、およそ1万2000人。震災前に比べて、25%ほど減少しました。
とりわけ、子どもの人口減少が深刻で、町内の2つの中学校に通う生徒の数は、去年4月の時点で271人と、震災前に比べて30%以上減っています。
町は、5年後には震災前の半分ほどまで落ち込むと予想されるとして、2つある中学校は2年後に1校に、4つある小学校も10年後をめどに1校に再編することを決めました。
山元町は南北に11キロあり、子どもたちの通学の方法をどう確保するかが課題で、今後、検討することにしています。
山元町は、人口の減少を食い止めようと、町内に住宅を新築する人に最大で300万円を助成する制度を平成27年度から始めました。
これによって、町外から新たに143世帯が移り住みました。
また、子育て世代に対しても、ベビー用品を無料で貸し出したり、育児用品を購入できる2万4千円分のチケットを配布したりして、若い世代の呼び込みを図っています。


被災3県農地「営農再開可能」91% 18年度岩手は復旧工事完了、福島は66%
 東北農政局は、東日本大震災で津波被災し復旧を目指す岩手、宮城、福島3県の農地計1万8850ヘクタールのうち、本年度末までに91.5%の1万7250ヘクタールで営農再開が可能になるとの見通しを示した。岩手は本年度内、宮城は2019年度内にそれぞれ復旧工事が完了する見込みで、農政局は東京電力福島第1原発事故の影響が残る福島の営農再開に注力する。
 県別では宮城が17年度比170ヘクタール増の1万3640ヘクタールで、被災農地の99.5%で営農を再開または可能な状態となった。18年度は仙台市東部の大区画化圃場整備などが完了。19年度に残る70ヘクタールを手掛け、復旧工事を終える。
 岩手は最後まで残った陸前高田市などの農地50ヘクタールが18年度内に整備を終え、被災した570ヘクタールの工事が全て完了した。福島では、原発事故に伴う避難指示が解除された市町村などで新たに350ヘクタールが復旧。営農再開が可能なのは3040ヘクタールで、被災農地全体の66.5%にとどまる。
 19年度は南相馬や浪江など5市町の1280ヘクタールで整備を終える計画で、同年度末の復旧率は94.5%に達する見込み。双葉町などの避難指示区域にある250ヘクタールは見通しが立たず、20年度以降にずれ込む。
 被災した3県の農地は計2万530ヘクタールで、工業用地などに転用する1680ヘクタールを除いた農地で営農再開を目指している。
 鈴木良典局長は「営農再開に向けた基盤整備は、19年度中におおかた終わる見通しが立った。福島も避難指示解除が進んでおり、出荷制限解除に向けた実証栽培などの取り組みを後押ししたい」と話した。


河北抄
 競泳の池江璃花子選手(18)が自身の白血病を公表した数日前だったろうか。女優の八千草薫さん(88)も、がん闘病中であることを明かしていた。
 人生のどこで大病や災禍に見舞われるか予測できない。しかし苦境を越えて長生きさえすれば、次にどんな逆転人生が待っているか確かめることもできよう。
 八千草さんの近年の主演映画『くじけないで』がそう教えている。「90歳からの詩人」と言われた柴田トヨさん(栃木県出身)の半生を描いたドラマだ。
 長い浮き沈みの人生だった柴田さんは90歳すぎから詩作を始め、たちまちベストセラー詩人に。日常の喜びを素朴な言葉でつづった自分の詩が人々の心を癒やす力になる。そのことを初めて知った。
 つらい日々を送る震災被災者にも語り掛けた。∧でも生きていれば きっといい事はあります お願いです あなたの心だけは流されないで 不幸の津波には負けないで>(詩集『百歳』から)
 101歳まで生き、6年前亡くなった。今も天上から励ましていよう。「人生はいつだってこれから。くじけないで」と。


<とうほくドローンeye>気仙沼・面瀬川の防潮堤/工法工夫し岸辺覆う
 鋭角的なコンクリート製の構造物が、面瀬川の岸辺を覆っていた。白光りする表面を上空から眺めると、複雑な形をしている。
 気仙沼湾に接した河口から400メートルは断面が台形の「傾斜堤」だが、そこから先の570メートルは「垂直堤」。同じ川でも広く土地を使える場所と、そうできない場所で工法を変えた。
 東日本大震災からもうすぐ8年。津波から命を守る防潮堤の工事が進められてきた。被災各地の作業現場では自然環境にも気を配る。工事に当たる宮城県河川課の長谷川清人副参事(51)は「貴重な植物の移植もしました」と話す。
 830キロの海岸線を持つ宮城県の防潮堤の総延長は240キロに及ぶが、完成したのは昨年11月時点で半分にも満たない。面瀬川も復興のさなか。2020年度の完成を目指し、防潮堤の工事はしばらく続く。(写真部・佐々木浩明、庄子徳通)


消費税増税反対 宮城県内3市民団体、仙台で署名活動
 10月に予定されている消費税率10%への引き上げを中止させようと、県内の消費者や小売業者でつくる市民団体が23日、仙台市青葉区の中心商店街で署名活動を実施した。
 消費税率引き上げをやめさせるネットワーク宮城、消費税をなくす宮城の会、消費税廃止各会連絡会の3団体の約30人が街頭に立った。「お財布事情はまだ苦しくないですか」などと訴え、買い物客らに署名の記入を求めた。
 ネットワーク宮城の野崎和夫事務局長(56)は「収入は上がっておらず、増税すると暮らしに影響が出る。新年度予算が成立する前に政府に再考を促したい」と話した。全国からも反対の声を集め、来月中に国会に請願する予定。


「辺野古」反対が多数 もはや埋め立てはやめよ
 辺野古埋め立てへの反対票が多数を占めた。政府はただちに埋め立てをやめ、沖縄県と真摯(しんし)に解決策を話し合うべきだ。
 米軍普天間飛行場の辺野古移設をめぐり、埋め立ての是非を問う沖縄県民投票がきのう実施された。
 この問題の原点は、市街地に囲まれた普天間飛行場の危険除去にあるという政府の主張はその通りだ。しかし、在日米軍施設の7割が集中する沖縄県内に代替施設を引き取ってもらいたいのなら、県民の多くが納得することが条件となる。
 明らかに政府は県民の理解を得る努力を怠ってきた。2度にわたる知事選で「辺野古ノー」の民意が示されても聞く耳すら持たなかった。
 外交・安全保障は国の専権事項だから地方は口を挟むなという議論は間違っている。確かに政府が全国的な見地から責任を負う分野ではあるが、基地の立地に自治体が異議を申し立てる権利まで否定するのは暴論だ。住民の反感に囲まれた基地が円滑に運用できるはずがない。
 安倍政権は2013年当時の仲井真弘多(なかいまひろかず)知事による埋め立て承認を移設正当化の根拠としてきた。だが、仲井真氏は知事選で県外移設を公約して当選し、その後に変節したのであって、埋め立て承認は民主的な正当性を獲得していない。
 住民投票が政策決定の手段として万能なわけではない。投票率は5割強にとどまった。しかし、民主主義が十分機能しないため、沖縄は繰り返し意思表示をせざるを得なくなったと考えるべきだろう。
 その過程では県民同士が異なる意見にも関心を持ち、ともに沖縄の将来を考えることが重要だ。その意味で政権与党の自民、公明両党が自主投票の立場をとり、県民と話し合う役割を放棄したことは残念だ。
 政府は投票結果にかかわらず工事を続ける方針を示している。だが、たび重なる民意無視は民主主義を軽んじることにほかならない。
 しかも、埋め立て予定区域に広大な軟弱地盤が見つかり、そもそも辺野古に大規模な飛行場を建設する計画の実現可能性が揺らいでいる。
 もはや普天間の辺野古移設は政治的にも技術的にも極めて困難になった。政府にいま必要なのはこの現実を冷静に受け入れる判断力だ。


辺野古反対 沖縄の思い受け止めよ
 重ねて沖縄の揺るぎない民意が示された。民主主義と地方自治を守るのなら政府は県民投票結果を尊重し、工事を中止した上で県民との対話に臨むべきだ。国民全体で沖縄の選択を重く受け止めたい。
 県民投票結果に法的拘束力はない。だが、今後の事業展開に影響を与えないわけがない。
 政府は、結果によらず米軍普天間飛行場の移設を名目にした新基地建設を進める考えだ。判断の根底には「一九九九年に知事と名護市長の受け入れ同意を得て辺野古移設を閣議決定した」(菅義偉官房長官)との認識がある。
 しかし、当時の稲嶺恵一知事と岸本建男市長が表明した十五年の使用期限など条件付き容認案は二〇〇六年、日米が沿岸埋め立てによる恒久的な基地建設で合意し破棄された。一三年に仲井真弘多知事が下した埋め立て承認も、選挙を経ての決定ではなかった。
 その後二回の知事選で移設反対を掲げた知事が就任。今回は埋め立ての賛否に絞って問い、五割超の投票率で玉城デニー知事の獲得票を上回る反対票が投じられた。地元同意はもはや存在し得ない。
 技術的には、埋め立て海域に横たわる軟弱地盤の問題も大きい。
 約七万七千本もの砂杭(すなぐい)を打つ地盤改良は前例がない難工事が予想される。環境への影響も甚大であり、民意を代表する玉城氏は設計変更申請を認めないだろう。
 法廷闘争に持ち込んだとて政府が勝訴するとは限らない。翁長前県政時代の国と県との裁判は国側勝訴が確定したが、知事選などで示された民意を巡る裁判所の判断は賛否どちらともとれないというものだった。今度は状況が違う。
 民主主義国家としていま、政府がとるべきは、工事を棚上げし一票一票に託された県民の声に耳を傾けることだ。現計画にこだわるのなら納得してもらうまで必要性を説く。できなければ白紙に戻し、米側との議論をやり直す。
 今回、「賛成」「どちらでもない」に集まった票には普天間の危険性除去に対する思いがあろう。無論、「反対」を選んだ県民もその願いは同じはず。普天間返還はこの際、辺野古の問題と切り離して解決すべきだ。
 国策なら何でも地方は受忍せざるを得ないのか。選挙による民意表明が機能しない場合、住民は何ができるのか。混迷の末に行われた沖縄県民投票は、国民にも重い問いを突きつけた。私たちは政府対応を注視し、民意尊重の声を示してゆきたい。


沖縄県民投票 辺野古反対の民意重い
 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設について賛否を問う沖縄県民投票がきのう、投開票された。
 投票率は50%を超えた。「反対」は7割超を占め、昨年9月の知事選で移設反対を掲げ当選した玉城デニー氏の得票数も上回った。
 反対票の数は、玉城知事が投票結果を尊重し、安倍晋三首相とトランプ米大統領に通知することを条例で義務付けた投票資格者総数の4分の1も超えた。
 辺野古移設に絞って直接投票で示された結果は重い。
 国は「沖縄に寄り添う」と言いながら、過去2回の知事選で示された「移設反対」の多くの声を無視して工事を強行してきた。
 今回の結果は、県民が「移設ノー」の答えを鮮明に突きつけたと言える。
 国はただちに辺野古への土砂投入をやめ、県との対話を通じて新たな解決策を見いだすべきだ。
 県民投票を巡っては、保守系の首長らが賛否の2択に反対し一部自治体で投票実施が危ぶまれた。「どちらでもない」を加えた3択になったことで、明確な意思表示になりづらいとの指摘もあった。
 自民、公明両党が自主投票を決め街頭演説を控えたため、盛り上がりを欠くとの懸念も出ていた。
 そうした中、投票率が50%を超えたのは基地問題の解決を望む県民がいかに多いかを示している。
 反対票が、結果の尊重義務が生じる票数を上回り、玉城氏は政府や米国に抗議するための後ろ盾を得た形ともなった。
 玉城氏は今週、首相と会う。首相は投票結果を尊重し、移設再考へ動きだすべきである。
 今月14日に県民投票が告示された後も、国は辺野古沿岸部の埋め立てを続けてきた。
 菅義偉官房長官は先週、投票結果によらず工事を続行する方針を示しただけでなく、移設の代替案を県が示していないことを批判した。責任転嫁と言うほかない。
 こうした態度を続ければ国と沖縄の溝はさらに深まるだろう。
 米政府も県民投票の結果を重く受け止めてもらいたい。
 著名人らが埋め立て反対の署名を集めるなど、辺野古移設問題は国際的な広がりを見せている。
 「日本国内の問題」と静観するのではなく、辺野古以外の選択肢を考えてほしい。
 国の方針と地方の意向が食い違う政策課題は、沖縄の基地問題に限らない。県外の人々もわがこととして捉えるべき必要があろう。


県民投票で反対多数 埋め立て直ちに中止せよ
 名護市辺野古の新基地建設に伴う埋め立ての賛否を問う県民投票で、反対の民意が明確に示された。特定の基地建設を巡り、民主主義で定められた制度によって県民が自ら意思表示をしたのは初めてだ。2月24日は沖縄の歴史の中で特筆すべき日になった。
 法的拘束力がないにもかかわらず、有権者の過半数が投票し、43万人を超える人々が新基地建設にノーを突き付けた。この事実を政府が無視することは断じて許されない。
 政府はこの結果を尊重し、新基地建設工事を直ちに中止すべきだ。市街地の真ん中にある米軍普天間飛行場は、県内移設を伴わない全面返還に方針を転換し、米側と交渉してもらいたい。まずは県民投票の結果をありのままに米国に伝え、理解を求めることだ。
 地元が反対する場所に基地を置くのは米国にとっても得策ではない。沖縄側の意向をくみ取る方が賢明だ。
 県民投票をせざるを得ないところまで沖縄を追い込んだのは、米国追従の姿勢を崩さず、知事選の結果さえ顧みない安倍政権だ。その背後には、沖縄に基地を置くのは当たり前だと思い込んでいたり、あるいは無関心であったりする、多くの国民の存在がある。
 県民投票を機に、基地問題を自分の事として考える人が全国で増えたのなら、投票の意義はさらに高まる。
 普天間飛行場の返還が具体化したのは1995年の少女乱暴事件がきっかけだ。米軍基地の整理縮小を求める世論の高まりを受け、5〜7年で全面返還することを日米両政府が96年に合意した。
 当初示された条件は、普天間のヘリコプター部隊を、嘉手納飛行場など県内の既存の米軍基地内にヘリポートを建設し移転することだった。それが曲折を経て大規模な基地建設へと変容していった。
 23年前の県民投票で基地の整理縮小を求める強い意思が示された。だが今日、多くの県民の意向に反し、新たな米軍基地の建設が進められているのは由々しき事態だ。
 政府は辺野古移設が「唯一の解決策」と繰り返し述べているが、それは安倍政権にとっての解決策という意味しか持たない。新基地を建設したとしても普天間が返還される確証はない。「5年以内の運用停止」の約束をほごにしたように、さまざまな理由を付けて返還が先送りされる可能性が大きいからだ。
 さらに、建設工事の実現性も大きく揺らいでいる。予定地の軟弱地盤に対応し7万7千本のくいを打つ必要があるが、水深90メートルに達する大規模な地盤改良工事は世界的にも例がない。建設費は県が試算した2兆5500億円よりも、さらに膨らむ。
 沖縄の民意に反するばかりか、膨大な血税を浪費する荒唐無稽な工事と言わざるを得ない。玉城デニー知事は今回示された民意を足掛かりにして、断固たる決意で政府との交渉に臨んでほしい。


[辺野古「反対」7割超]計画断念し代替策探れ
 信念や確信、悩みや戸惑い。3択のどちらに投じられた票にも、それぞれの思いが込められているはずだ。
 県民投票の結果を厳粛に受け止めたい。今こそ「辺野古」を巡る対立と分断に終止符を打つ第一歩を踏み出す時である。
 普天間飛行場の代替施設として国が名護市辺野古に計画している米軍基地建設のための埋め立ての賛否を問う県民投票が24日、すべての市町村で実施された。
 投票率は52・48%。反対票は、賛成票と「どちらでもない」票を合わせた数を大幅に上回り、投票資格者の4分の1を超えた。
 新基地建設に反対する玉城デニー知事は、県民投票によって今後の政策推進の原動力を手に入れたことになる。
 反対票は、昨年の知事選で玉城知事が獲得した過去最多の得票を上回り、40万の大台に乗った。
 辺野古埋め立てについて、県民投票で沖縄の民意が明確に示されたのは、今度が初めてである。
 このことは安倍政権の強引な埋め立て政策が民意によって否定されたことを意味する。
 軟弱地盤の改良工事に伴う「工事の長期化」という点からも、県民投票で示された「明確な民意」という点からも、新基地建設計画は、もはや完全に破たんした。
 政府は直ちに工事を中止し、県と見直し協議に入るべきだ。
    ■    ■
 戦後、基地優先政策の下で自己決定権をないがしろにされてきた県民にとって、投票結果の持つ意味は大きい。
 米軍基地の整理縮小や日米地位協定見直しの賛否を問う1996年9月の県民投票は、労組が発案し主役を担う労組主導の運動だった。
 今回、署名活動を中心になって担ったのは、さまざまな立場の市民である。
 とりわけ対話を求める若い人たちの取り組みは、幅広い層の共感を呼んだ。
 昨年9月の県知事選で玉城知事を誕生させた「新しい政治」を求めるうねりは県民投票に引き継がれていたのである。
 政府の強引な土砂投入に対し、国内外から工事停止を求める声が相次いだ。
 ハワイ在住県系4世のロブ・カジワラさんが始めた米ホワイトハウスの請願サイトへの電子署名は、21万筆を超えた。
 県民投票に法的な拘束力はないが、だからといって、政府がこの結果を無視することは許されない。
 稲嶺恵一元知事も仲井真弘多元知事も、「軍民共用」「15年使用期限」、普天間飛行場の「5年以内の運用停止」などの条件を付して辺野古移設を認めた。
 だが、政府はいずれの条件も一方的にほごにし、説明責任すら果たしていない。
 地盤改良工事に伴って事業費が大幅に膨らむのは確実だ。工期の長期化も避けられなくなった。
 にもかかわらず、政府は工期も事業費もまだ明らかにしていない。
 県民投票に対して「静観」の姿勢を示した自民、公明支持層からも埋め立て「反対」の声が数多く示された。政府はこの事実を真剣に受け止めなければならない。
    ■    ■
 衆参で3分の2を超える議席にあぐらをかいて、上から目線で工事を強行することは許されない。
 政府は、埋め立て工事を強行することで「もう後戻りはできない」というあきらめの空気を広げようとしたが、県民感情を逆なでしただけで、期待していたほどの効果は生まなかった。
 沖縄戦後史への深い理解なくして辺野古問題の解決策を見いだすことはできない。
 安倍内閣の政権運営は安定している。トランプ米大統領との相性の良さは抜群だ。  安倍内閣が持つこの政治的資産は、辺野古問題を終わらせることにも、沖縄を犠牲にして米国への従属を深めることにも、いずれにも活用可能である。
 安倍首相の賢明な判断を求めたい。辺野古新基地建設計画を断念し、普天間の早期返還に向け、日米協議を開始すべきだ。


沖縄県民投票  「新基地ノー」が民意だ
 沖縄の民意は改めて「辺野古の新基地にノー」を示した。
 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設をめぐる沖縄県民投票が行われ、辺野古の海の埋め立てに「反対」が過半数を占めた。
 反対は投票資格者数の4分の1を上回り、玉城デニー知事は県民投票条例に基づいて、安倍晋三首相とトランプ米大統領に投票結果を通知する。
 投票結果に法的拘束力はないが、昨年9月の県知事選に続き、県民は明確な意思を示した。政府は辺野古沿岸部への土砂投入を続ける構えだが、これ以上民意を無視し続けるのは、民主主義国家として許されない。
 共同通信社の世論調査では約86%が「政府は県民投票結果を尊重すべき」と答えている。同社の出口調査では、自民党の支持層の48%が反対に投票している。
 基地建設の予定海域では、極めて軟弱な地盤の存在も明らかになった。工事を続けるには大規模な地盤改良工事が必要で、岩屋毅防衛相も工期の長期化を認めざるをえなくなっている。
 政府は「辺野古が唯一の選択肢」と繰り返すが、本当にそうなのか。政府が辺野古に固執すればするほど、普天間飛行場の返還が遅れることになりかねない。
 沖縄県の玉城デニー知事は工事の中止と話し合いを国に求めている。国は早急に応じるべきだ。
 県民投票は当初、「賛成」「反対」の2択制の予定だったが、安倍政権に近い宮古島市や宜野湾市など5市長が不参加を表明したため、投票条例改正で「どちらでもない」を加え3択制となった。
 辛うじて全県実施が実現したが、自民党は支持者に投票を控えるよう呼びかけた。5市は投票事務を行ったが、告示以後の啓発などには協力的ではなかった。住民投票の意義を低めようとする政党や首長の姿勢には疑問が残った。
 それでも、住民投票の有効性の指標とされる「投票率50%以上」をクリアした。県民の関心の高さを反映しているといえよう。
 沖縄県では1996年にも米軍基地に関して県民投票が行われた。都道府県単位の住民投票は沖縄県でしか行われていない。基地の沖縄への集中について、県民は十分なほど意思を表明してきた。
 今後問われるのは、事実上、基地を沖縄に押し付けてきた本土の姿勢だ。安全保障を含め負担のあり方を日本全体で具体的に考える機会にしたい。


沖縄県民投票 民意は明確に示された
 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設計画を巡る県民投票が投開票され、名護市辺野古沿岸部に新基地を造るための埋め立てに「反対」の意思表示が多数を占めた。
 投票した有権者一人一人が、これからの沖縄のことを真剣に考えたに違いない。投票結果に法的拘束力はない。だからといって明確に示された「辺野古ノー」の民意を政府がないがしろにすることは許されない。
 政府はいま一度立ち止まって、新基地建設工事を中止すべきではないか。沖縄の声に耳を傾け、あらためて対話を重ねていくことが求められている。
 沖縄県で県民投票が実施されたのは1996年に次いで2回目になる。前回も米軍基地が争点となり、投票者の9割が基地の整理縮小を求めた。
 それから20年余りたつが、在日米軍の専用施設の7割は沖縄に集中したままだ。安全保障政策上、在日米軍の存在が必要だとしても、なぜ沖縄だけが過重な基地負担を背負い続けなければならないのか。納得できる説明が可能とは思えない。
 辺野古での計画は当初、使用期限を設ける暫定施設のはずだったが、沿岸部を大規模に埋め立てる恒久的な基地に変わった。政府は「普天間の早期返還のための唯一の解決策」と繰り返すだけだ。基地負担を減らすために新たに巨大基地を造るという理屈では、沖縄の人々が反発するのも無理はなかろう。
 当時の知事が2013年末、埋め立て申請を認める前提として求めた「普天間の5年以内の運用停止」はどうなったのか。安倍晋三首相は「最大限努力する」と約束したが、守られていない。何の見通しのないまま今月、その期限を迎えた。
 国の安全保障政策である基地問題を巡って、なぜ2度も県民投票を行う事態に至ったのか、国民全体で考えなければならない。これ以上の基地負担は容認し難いという重い投票結果をしっかり受け止めるべきだ。
 埋め立てを予定する辺野古の海域で極めて軟弱な地盤が見つかっている。安倍首相も今年に入って、地盤改良のための設計変更が必要になることを国会答弁で認めている。
 地盤を固めるために、多数の砂ぐいを打ち込まなければならないという。沖縄県の試算では、完成までに13年かかり、工費は2兆5千億円以上に膨らむ。政府は「実績のある工法で施工は可能」というが、難工事になるのは間違いないだろう。
 工期も工費も大幅に膨らむのは避けられそうにない。何より周辺海域の環境に深刻な影響を与える恐れがある。
 玉城デニー知事は、政府から設計変更申請があっても認めない方針だ。県民投票条例では、示された民意を尊重する義務も課せられている。
 政府はしかし、県民投票に対して後ろ向きだ。菅義偉官房長官は、投票結果にかかわらず辺野古移設を進めると明言している。埋め立てを強行し、既成事実を積み重ねる狙いだろう。
 知事が設計変更を認めなければ、移設計画が頓挫する可能性もある。埋め立てには、国と県の信頼関係が欠かせない。政府に必要なのは県との話し合いだ。辺野古への新基地建設が本当に「唯一の解決策」なのか、計画を再考すべきである。


沖縄県民投票 示された揺るぎない民意
 「辺野古ノー」の民意に揺るぎはなかった。
 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設を巡る沖縄県民投票が24日、投開票された。辺野古移設のための埋め立てへの「反対」票が、「賛成」など他の選択肢を引き離して最多得票となった。
 「反対」の票数は全投票資格者数の4分の1を超えた。知事は、投票条例に従い結果を尊重して、「反対」を首相と米国大統領に通知することとなる。
 投票結果に法的拘束力はないが、辺野古移設に絞った投票でこれほど明確な結果が出た以上、安倍晋三政権は少なくとも工事を中断すべきである。
 昨年9月の知事選では、玉城(たまき)デニー氏が「県内移設では沖縄の負担軽減にならない」として、辺野古移設阻止を公約に掲げて当選した。ところが安倍政権は、知事選や国政選挙で幾度も示された民意を無視して移設を推し進め、昨年12月には辺野古への土砂投入に踏み切った。
 県民投票が近づく一方で、辺野古の青い海が埋め立てられていく光景が日常化することにより、県民の間に諦めの心理が広がっているとの観測があった。政権側も「どういう結果でも移設を進める」との姿勢を強調し、県民の投票意欲を低下させる戦術を取った。
 それでも投票率は50%を超え、「反対」が他の選択肢を圧した。「辺野古ノー」を諦めない意思の固さが示された。投票率も得票率も、民意の表明としては十分と言える。
 安全保障問題は政府の専管事項であり、住民投票のテーマとすべきでないとの意見もある。しかし、国策が地方の声を無視して進められる時、住民投票による「異議申し立て」の意思表示には大きな意味がある。
 辺野古移設を巡っては、埋め立て予定海域に存在する軟弱地盤の対策問題が浮上している。「マヨネーズ状」と表現されるほど軟弱な地盤を補強するため、7万本超のくいを打ち込む工法が検討されているという。
 政府は軟弱地盤の存在を知りながら公にしていなかった。工費も工期も過大になると分かれば、辺野古移設の根拠が揺らぐと恐れたからではないか。
 改めて「辺野古ノー」の民意が明確となり、加えて工法上の問題点も持ち上がっている。政府は「辺野古移設はすでに非現実的」と認識した上で、辺野古移設と切り離した普天間飛行場の早期閉鎖の実現へと政策を転換すべきではないか。これ以上の民意の無視は許されない。
 私たち本土の住民も、沖縄の基地負担の現状と投票結果を重く受け止め、いま一度、日本全体の問題として考えたい。


辺野古「反対」 民意の黙殺は許されない
 米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設を巡る沖縄の県民投票は埋め立てに「反対」が過半数を占めた。
 法的拘束力がないからといって政府は黙殺してはならない。
 「賛成」「反対」「どちらでもない」のいずれかを選ぶ方法で行われた。得票の最も多かった選択肢が投票資格者の4分の1に達したら、知事は結果を尊重しなければならず、首相や米大統領に通知することになっている。
 当初、賛否の二つだった選択肢は、一部自治体の不参加表明を受け「どちらでもない」が加えられた。民意をつかみにくい結果も心配されたものの、終わってみれば明快である。
 当然と言えば当然だ。2度の知事選をはじめ、各種選挙で反対の意思表示が繰り返されてきた。とはいえ、辺野古の一点に絞って示された意味は重い。
 県民投票に対し、政権側は冷ややかに対応してきた。自民党県連は、移設を巡る議論が盛り上がらないよう静観し、自主投票で臨んでいる。党本部が容認、県本部が反対と「ねじれ」を抱える公明党も自主投票とした。
 政府は、結果にかかわらず移設を進める方針だ。告示日の記者会見で菅義偉官房長官は「地方自治体が行うものであり、政府としてはコメントを差し控えたい」と突き放していた。「問題の原点は普天間の危険除去と返還だ」と従来の主張を繰り返している。
 埋め立て予定海域には軟弱地盤が存在する。改良工事により工費が膨らみ、工期も大幅に延びることが見込まれる。今回の県民投票で重要な判断材料だったのに、政府から詳しい説明はない。
 具体的な工期や工事内容について岩屋毅防衛相は22日の記者会見でも「今後、詳細な設計を行って明らかにしていく」と述べるにとどまった。肝心な点を曖昧にしたまま普天間の早期返還を主張しても、説得力を持たない。
 政府は投票結果を正面から受け止め、県と話し合うべきだ。沖縄の意向を踏まえ、米国側と交渉するのが本来の姿である。埋め立て工事を中止し、より多くの県民が納得できる基地負担軽減策を探ることが求められる。
 反対意見に耳を傾けず、一方的に国の方針を押し付ける―。そんなやり方を許せば、どの自治体でも同じことが起こり得る。沖縄にとどまらず、民主主義や地方自治の在り方に関わる問題である。国民全体で向き合い、政府に転換を迫っていきたい。


沖縄投票は圧倒的な辺野古NO この日を境に世界は変わる 上
すべてが見透かされ、水泡に帰した政権の姑息と薄汚さ、見苦しさ
 安倍政権は、もはや言い逃れのできない「辺野古ノー」の声を沖縄県民から突き付けられた。
 名護市辺野古の米軍新基地建設の是非を問う沖縄県民投票は24日、投開票が行われた。この問題の賛否に絞って、県民が直接民意を示すのは初めてのこと。その声は、反対票が7割超と圧倒的多数を占めた。
 投票率は52.48%と、昨年の県知事選を下回ったものの、反対票は昨年の知事選で玉城デニー知事が獲得した約39万票を超え、約43万票。優に投票資格者の4分の1(約29万票)に達し、玉城知事は結果を尊重し、安倍首相やトランプ米大統領に通知する。
 安倍政権が恐れていたのは、県民の「辺野古ノー」の意思がここまで明確になること。だから昨秋、県内の若者らが9万筆超の署名を集め、県民投票を実現させると、あの手、この手で投票潰しに躍起となったのだ。
 宮古島や宜野湾など息のかかった5市の首長に不参加を表明させ、投票の正当性を薄めさせようとしたが、参加を希望する市民らが住民訴訟を検討し始めた途端、5市は弱腰に。結局、選択肢に「どちらでもない」を加える案で妥協し、全41市町村での一斉実施が決まった。
 いざ告示したら、自民党県連は政権の意向をくみ、自主投票で静観。賛成票を求めれば反発を買って投票率が上がり、反対票が増えると警戒し、投票率が50%に届かなければ、県民投票の「説得力」が薄らぐとの計算もあった。
 そんな薄汚い魂胆を県民は見透かし、圧倒的な民意を政権に突き付けたのだ。
「安倍政権は『辺野古が唯一の解決策』と強弁するのなら、その根拠を堂々と県民に説明し賛成票を求めればいい。それができず、容認派に静観を押しつけ彼らを苦しい立場に追い込んだ。この政権はエゴのためなら、県内で板挟みの中、基地容認への説得に努力してきた身内すら切り捨てる。血も涙もない見苦しさには、恥を知れと言いたくなります」(沖縄国際大大学院教授・前泊博盛氏=日米安保論)
 安倍政権の姑息な企みは、圧倒的な民意の前に水泡に帰したのだ。
結果に法的拘束力はないというが23年ぶり県民投票の重大な意味
 安倍応援団の一部メディアは「県民投票に法的拘束力はない」「国の安保政策は住民投票になじまない」と報じて“予防線”を張っていたが、バカも休み休み言えだ。
 1996年以来、23年ぶり2度目の県民投票で「辺野古ノー」の圧倒的民意を示した政治的意義は、とてつもなく大きい。
 この民意を黙殺して安倍政権はこれまで通り、抵抗運動を強制排除できるのか。
 抵抗する側には「圧倒的な民意」という後ろ盾がハッキリ示されたのだ。力ずくで建設を進めようとする政権側には何もない。今回の投票結果は安倍政権が、ついに基地建設の大義を失ったことを意味する。
「民意の裏づけのない建設強行は、民主主義の否定、合理性のないハラスメント、さらには単なる暴力に成り下がるだけ。それでも民意を蹂躙して工事を進めれば、政権の存立基盤を自ら揺るがすことになる。安倍首相は『5回の国政選挙で国民に安定的な政治基盤をいただいた』『国民の皆さまから大きな支持をいただいた』と強調してきました。その『民意の支持』を、沖縄の民意蹂躙で否定してしまうことに気づかないのでしょうか」(聖学院大教授・石川裕一郎氏=憲法)
 県民投票の告示日に菅官房長官は「いかなる結果でも移設先は見直さない」と明言。安倍も20日にこの発言を「まさに政府の方針」と追認したが、やれるものなら、やってみろ。
 民意を蹂躙するほど、自己矛盾に苦しめられることになる。
「もし、示された民意と正反対の施策が進められてしまったとしても、(県民投票の)以前と以後では違う世界が待っていると思っている」――。
 第160回直木賞を受賞した作家の真藤順丈氏の言葉だ。
 受賞作は沖縄の戦後史を描いた「宝島」。21日の贈呈式のスピーチで県民投票に触れ、県民にエールを送った。
 真藤氏は、今後の安倍政権を取り巻く状況の変化をズバリ言い当てている。間違いなく、辺野古問題はきのうで一変。徐々に政権が追い込まれる姿が見えてきた。
「メディアの出口調査によると、今回の県民投票では自民支持層も5割近くが『反対票』に投じています。これだけハッキリ示された沖縄の民意に従わなければ、さすがに本土の人間もおかしいと感じ始める。海外メディアの反応も一変し、『日本は本当に民主主義の国なのか』と否定的な意見も満天下に広まっていく。民主主義を尊重するのか、それとも暴力的排除を貫くのか。今後の対応次第で、安倍政権は確実に自らのクビを絞めることになる。首相も県民投票を境に『世界が変わった』ことを理解すべきです」(石川裕一郎氏=前出)
 むろん、多くの国民も「違った世界の到来」を自覚すべきだ。


沖縄投票は圧倒的な辺野古NO この日を境に世界は変わる 中
全国民が知っている冷酷政権の「沖縄に寄り添う」という三百代言
 安倍は「沖縄の皆さんの心に寄り添う」と繰り返しながら、沖縄県民を散々、愚弄し痛めつけてきた。14年に「辺野古ノー」の民意を背負った故・翁長雄志前知事の当選後、4カ月以上も会談を拒否。翁長知事の在任中は辺野古を巡り法廷闘争を仕掛け、振興予算を計492億円も削って兵糧攻めも食らわせた。
 16年に反基地運動リーダーの山城博治氏を微罪で逮捕すると、5カ月も勾留。同年には抗議活動中の人に向かって、機動隊員が「土人」と侮蔑発言をしても、当時の鶴保庸介・沖縄北方担当相は「差別とは判断できない」とかばってみせた。
 安倍が本気で「寄り添う」のなら、いくら沖縄に頭を下げても足りないほどだが、たった一度も謝罪はなし。ついには「サンゴを移した」と平然とウソを吐き、民意無視の辺野古への土砂投入強行で得意顔だ。前出の前泊博盛氏が言う。
「辺野古問題に絞った県民投票実施まで県民を追い詰めたのは、安倍政権です。選挙で示した『辺野古ノー』の民意をことごとく無視。日米合意から23年経っても普天間移転が実現しない責任も『協力が得られない』と県民になすりつける。これがマトモな民主主義国の姿ですか。沖縄の基地問題は10人いるうち、たった1人で7人分のランドセルを背負わされた小学生と同じ。新たに、もう1人分まで追加しようとするから、『もう止めて』と悲鳴を上げても聞き入れてもらえず、なぜ背負うのかの説明すらない。まさに構造的イジメに対し、本土の人々は見て見ぬふりを繰り返すのか。民意無視の政権をまだ支持するのか。この国の民主主義そのものが今、問われているのです」
 安倍が言う「沖縄に寄り添う」は口先冷酷政権の三百代言だと、全国民はとうに知っている。ならば、あとは行動あるのみ。皆、沖縄の民意に「寄り添う」べきだ。
統計不正も相まって、これから火ダルマとしていくオレ様政権の今後
「選挙は基地問題だけの民意が示されるものではない」
 昨年9月の沖縄県知事選をはじめ、いずれも辺野古移設反対派が大勝した17年や14年の衆院選で、安倍政権が苦し紛れに多用してきた常套句だ。だが、今回の県民投票の争点はたったひとつ。辺野古移設に「イエス」か「ノー」の選択だ。
 それが明確に「ノー」の意思が示された今、安倍政権が何をどう言い訳しても全く通用しない。それでもなお、強引に辺野古移設を進めるのであれば、もはや近代民主主義国家の姿ではない。独裁国家と同じ発想だ。
 安倍政権は「どうせ何もできない」とタカをくくっているのかもしれないが、今年は選挙イヤーだ。4月には安倍3選後の最初の国政選挙となる「衆院沖縄3区補選」がある。県民が安倍暴政に正義の鉄槌を下すのは間違いないだろう。
 オレ様政権に「ノー」を突き付ける沖縄県民の怒りは、官邸の関与が明らかになりつつある統計不正問題と相まって、全国で行われる統一地方選や夏の参院選に向かっても大きなうねりとなって伝播していくのだ。政治アナリストの伊藤惇夫氏がこう言う。
「政権はあらかじめ『県民投票と移設工事は関係ない』などと言って県民の意向を封じ込めたつもりでしょうが、今回の結果が大々的に報道されることによって県民以外の国民もさすがに『こんな強引な政権でいいのか』との見方が増える。そうなると4月の沖縄補選、統一地方選、参院選にも影響が出る可能性は高いでしょう」
 安倍が連続在任日数が歴代2位の長期政権などと浮かれているのも今のうちだ。


沖縄投票は圧倒的な辺野古NO この日を境に世界は変わる 下
そもそも辺野古の埋め立てはもう不可能
 そもそも辺野古沖での基地建設は、あらゆる面から無理筋である。
 防衛省は「マヨネーズ並み」の軟弱地盤改良に、約7.7万本の「砂杭」を海水面から最大90メートルもの深さに打ち込む予定。使う砂の量は東京ドーム約5.25個分で、県内の砂利採掘量の数年分に相当する。地中深くに大量の杭を打てるのか、膨大な砂をどう調達するのか――。ほとんど何も示せず、将棋で言えば「詰んだ」も同然だ。
 加えて米国からも「辺野古不要論」が持ち上がっている。
 22日付の朝日新聞で、02〜05年に米国務長官の首席補佐官を務めたローレンス・ウィルカーソン氏が打ち明けた内容は衝撃的だ。
 冷戦終結後、米海兵隊本部が行った国内外の基地や構成の見直し作業で、在沖海兵隊は戦力規模が小さ過ぎるため、〈太平洋地域に前方展開させる戦略的価値はない〉と結論づけられたという。
 それでも沖縄駐留を続ける理由については、日本が駐留経費を負担しているため〈経費を節約できる〉との分析結果が出たと指摘。その上で、辺野古での基地建設について〈愚かな計画〉〈私が安倍晋三首相の立場にあれば、現計画に固執して沖縄の人々と敵対する手法は取らない〉とまで踏み込んだのだ。
「有事の際、普天間は約300機の米軍機を引き受けることが想定されますが、辺野古はキャパが普天間の約42%と狭過ぎて受け入れ不可能です。加えて滑走路が短過ぎ、オスプレイやヘリなどしか運用できない。この点は、日本の会計検査院よりも権限が強い米政府監査院が、これまで2度も米政府に『問題あり』と報告しています。とても使えるような基地ではなく、海兵隊も不満をもらしています」(軍事アナリスト・小川和久氏)
 どう見ても辺野古での基地建設は不可能だ。
民意を無視し、米国に媚びへつらうだけの政権が辿る道
 いまだかつて国内で施工例がない難工事に予想される費用は現時点で2兆円――。誰がどう考えても無理筋な工事をそれでも強行しようとする安倍政権は、メキシコ国境の壁造りに突き進む米国のトランプ政権と変わらない。
 大体、軟弱地盤の問題で、少なくとも工事期間は5〜10年はかかるとみられている。
 そうであれば、これまで政府が繰り返してきた「普天間基地の危険除去のためにも一刻も早い辺野古移設が必要」との説明は成り立たなくなる。にもかかわらず、相変わらず民意を一切無視し、米国に媚びへつらう姿勢が変わらないのが安倍政権だ。政治評論家の森田実氏はこう言う。
「アベ政治というのは結局、一種のトランプ化現象です。多くの民意を無視し、自分の好き勝手に何でも決める。しかし、過去の歴史を振り返ると、こういう傲慢な独裁政治は必ず行き詰まり、崩壊します。まずは、沖縄補選での与党敗北が予想されますが、日本国内で辺野古移設反対の世論が今以上に高まることで、米国議会でも異論が出てくるでしょう。そうなると、国内外から『日本政府は辺野古移設以外の方法をなぜ、検討しないのか』との議論が当然、出てきます。そうしたモヤモヤとした疑問や政府に対する怒りは、これからの選挙で民意となって確実に表れてくる。安倍政権が無視する民意が大きな塊となって反政権の動きへと向かうのです」
 米国隷従のポチ政権が今さら、「辺野古はムリ」と泣きつけるはずもない。この政権は国内世論と米国へのメンツとの「板挟み」状態に陥り、八方ふさがり。沖縄県民が突き付けた民意は、アベ政治の終わりの始まりを意味するのだ。


本土メディアの沖縄県民投票無視がヒドい! 読売は1面トップから外し「広がり欠く」「影響は限定的」と無理やり矮小化
 辺野古の新基地建設をめぐる県民投票から一夜明けた。驚いたのは“本土メディア”の報道姿勢だ。周知の通り投票者の7割以上、沖縄の全有権者でみても約4分の1が「反対」を投じ、明確に「辺野古に基地はいらない」と意思を示したにもかかわらず、“本土”のメディアはその民意を矮小化しまくっている。
 たとえば、本日の情報番組やワイドショーでは、テレビ朝日の『羽鳥慎一モーニングショー』こそスタジオトークを交えて報じたものの、『とくダネ!』(フジテレビ)、『ひるおび!』(TBS)はごくわずかストレートニュースで触れただけ。『情報ライブ ミヤネ屋』(読売テレビ)や『直撃LIVE!グッディ』(フジテレビ)は一秒も沖縄県民投票の結果を報じなかった。ちなみに、『グッディ』に至っては、例の南青山の児童相談所問題で反対派・賛成派の番組独自討論会企画に長尺を使ったにもかかわらず、だ。
 別に児童相談所問題をやるなとはいわないが、明らかに明日以降でも問題ない企画を優先させ、昨日の沖縄県民投票を完全にネグったのは、ちょっとどうかしているとしか思えないだろう。
 しかも、“本土メディア”は報じたら報じたで、選挙結果を過小評価するミスリードとしか思えないやり方をしている。たとえば、NHKの『おはよう日本』では、投票結果について「多数となった『反対』の意見が有権者の4分の1にあたる28万8000票余りを超えたことから、条例の規定により、沖縄県の玉城デニー知事は総理大臣と米大統領に結果を通知することになりました」と説明しただけで、「反対」の票が得票率で72.15%におよんだという数字には一言もふれなかった。
 また、昨日放送の『Mr.サンデー』(日本テレビ)では、意味のわからない両論併記的な報じ方に終始した。たとえば、沖縄知事選のニュースを受けたMCの宮根誠司は、これだけ明確に「基地反対」の民意が示されたのに、唐突に沖縄経済を持ち出して、こんな話を始めていた。
「それからもう一個考えなければいけないのは沖縄振興、沖縄の経済ですよね。僕も沖縄へ取材に行ったんですけど、沖縄の基地で働くための専門学校っていっぱいあるんですよね。やっぱりお給料いいんですよ。そのあたりもあって複雑だなって思っちゃうんですけどね」
 いつもの「沖縄は経済的に基地へ依存している」とかいうペテンである。たしかに、基地関連施設で働いている沖縄の人は少なくないが、「だから基地をなくすのは無理」という主張はとっくのとうに否定されている話だ。
 実際、沖縄県自身がホームページで〈沖縄経済における基地関連収入(軍用地料、軍雇用者所得、米軍等への財・サービスの提供)の割合は、復帰直後である昭和47年の15.5%から平成27年度は、5.3%となり、その比重は大幅に低下しています〉と公表している。また〈過重な米軍基地の存在は、道路整備や計画的な都市づくり、産業用地の確保等、地域の振興開発を図る上で大きな制約となっており、今後、米軍再編による大幅な兵力削減や相当規模の基地返還が進めば、基地経済への依存度はさらに低下していくものと考えています〉としており、住民に対する危険性はもちろんのこと、むしろ基地の存在自体が沖縄県の振興の弊害となっているのだ。
読売新聞1面トップは沖縄県民投票でなく「適量ですか 高齢者の薬」
 まったく呆れてものも言えないとはこのことだが、ところが『Mr.サンデー』では、続いてコメンテーターの木村太郎氏がこんなトンチンカンな解説をする始末だった。
「今回ね、投票率だと思うんですよ。今回ね、50.51(注:パーセント、番組放送時点での速報値)でしょ。知事選が60パーセント超えるんですよ、ここは。だからそれと比べるとずいぶん低かったな、っていうのはやはり積極的な棄権じゃなくて、やはり決めかねるというそういう民意もあったのが反映してるのかな。僕はこれ、YESかNOかでやったら絶対的多数の、(有権者総数の)115万の半分いっちゃうと思ったんですよ。そこまでいかなかったっていうのは、やっぱりいろんな意味で沖縄の抱えている苦しい問題があるんだろうなっていうことを想像させますね」
 もうツッコミどころが多すぎて困ってしまう。そもそも、今回の県民投票での43万4273票という反対票は、昨年の知事選で玉城デニー氏が獲得した39万6632票を大幅に上回っている。しかも、「賛成」「反対」「どちらでもない」という3つの選択肢が設けられたにもかかわらずだ。木村氏は「YESかNOかでやったら115万の半分いっちゃうと思ったけどいかなかった」などと述べているが、そもそも3択だし、だいたいどれだけ高い投票率を想定しているのか、ちょっと意味がわからない。繰り返すが、有効投票総数の72・15%が「反対」というのは圧倒的比率であり、それは反対票の実数を見ても同じなのだ。これがはっきりと示された「民意」と呼ばずしてなんと呼ぶのか。
 だが、こんな体たらくや矮小化報道をやっている“本土メディア”はテレビだけではない。全国紙も相当にヤバいとしか言いようがなかった。
 実際に今朝の朝刊を見てみると、当然、1面トップは沖縄県民投票の結果報道だと思いきや、なんと、トップにしたのは朝日と毎日だけ。代わりに入っていたのが、日経は「見えざる資産 成長の源に」なる見出しの速報性がまったく感じられない経済特集記事、産経は「海自観艦式 韓国招待せず」という十八番の韓国批判ネタ、そして読売にいたっては、なんと、こんな見出しの記事をトップに持ってきていたのだ。
「適量ですか 高齢者の薬」
 そう、健康記事である。これが1面トップ? そんなの生活面でやれよ、と誰もが突っ込んだと思うが、しかも読売は全国5紙で唯一、1面における沖縄県民投票の記事を最も小さな扱いにしていたのだ(あの産経ですら、天皇在位30年式典記事よりも「辺野古反対7割超」を大きく扱っているにもかかわらずである)。
 前から安倍応援団新聞の読売だが、これはもう、露骨すぎると言うしかないだろう。内容も相当ひどいものだ。3面には「投票率52% 広がり欠く」「『反対』最多 影響は限定的」なる見出しが躍る。記事内では「移設容認派」の自民党県連幹部の「反対多数は想定の範囲内だ。盛り上がりに欠け、県民の総意とは呼べない」なるコメントを掲載するなど、モロに政権側のプロパガンダを垂れ流した。
産経は社説で県民投票は「民主主義を履き違えたもの」と負け惜しみ
 さらに驚くのはこの前のページ、2面の「沖縄米軍基地『役立つ』59%」なる見出しの記事だ。一瞬、なんの話をしているのかわからないと思うが、実はコレ、読売が今月22〜24日に実施した全国調査の数字だという。しかも、この読売全国調査でも辺野古埋め立て工事を進める政府の方針に「反対が47%で、「賛成」(36%)を10ポイント以上も上回っている。にもかかわらず、〈沖縄のアメリカ軍基地は、日本の安全保障に役立っていると思いますか〉との設問に「役立っている」の回答が59%(「そうは思わない」30%、「答えない」11%)だったほうを大見出しに掲げるそのセンス……。
 ようするに読売は、沖縄の県民投票で7割以上が「反対」したところに、わざわざ自社の全国世論調査の「(米軍基地は)役立っている」の数字を強調して持ってきているのである。言い換えれば、「沖縄県民はつべこべ言わずに我慢しろ」と書きなぐっているに等しいだろう。ちなみに、読売は社説で沖縄県民投票に一切触れなかった。どこまで公権力の犬であれば気がすむのか。絶句するしかない。
 いや、社説といえば、産経新聞の「主張」も相当イカれている。なにせ、他紙が「沖縄県民投票 結果に真摯に向きあえ」(朝日)、「『辺野古』反対が多数 もはや埋め立てはやめよ」(毎日)と、示された有権者の意識から論じたのに対し、産経は、実に「国は移設を粘り強く説け」だった。
 産経が重ねる言葉は〈投票結果は極めて残念である〉〈移設推進を堅持しなければならない〉。読者たる市民の側ではなく、あくまで安倍政権側に立っていることをこれでもかと物語っているが、挙句、こんなことまで恥ずかしげもなく述べている。
〈投票結果について、いろいろな分析が行われるだろうが、今回の県民投票はその内容にかかわらず、民主主義を履き違えたものであるというほかない〉
 何をかいわんや。どうも記憶力が悪いようなので、本サイトが親切に振り返っておいてあげるが、2016年の宜野湾市長選で自民公明が推薦した佐喜真淳氏が再選した翌日、産経の社説「主張」はどうだったか。ちなみに、佐喜真陣営はこの選挙で「辺野古移設の是非」について徹底して意見しないことで争点を隠す作戦にでていたのだが、ともあれ産経はこんな勝どきをあげていたのである。
〈米軍普天間飛行場を抱える沖縄県宜野湾市長選で、与党が支援する現職の佐喜真淳氏が再選を果たした。佐喜真氏が普天間の危険性除去を主張し、名護市辺野古への移設を否定しなかったのに対し、対立候補は移設に反対していた。危険性除去には、辺野古移設がより現実的だという判断が示された結果といえよう〉
 ようは、産経の頭のなかでは「安倍政権の意向にそう投票結果だけが民主主義」なのだろう。本当に、どうかしているとしか思えない。
 いずれにしても、“本土メディア”の体たらく、矮小化報道が眼に余る。以前から沖縄の基地問題については、全国紙や全国放送は明らかに軽視する傾向があったが、今回の県民投票では“唯一の争点である新基地建設の是非”に明確なNOがあらわれた。安倍政権と同様、これまで無視してきた沖縄の声に、これ以上耳をふさぐことは決して許されない。沖縄報道はよりいっそう“メディアはいったい誰のほうを向いているのか”を測る指針となるだろう。


混迷の北方領土問題 木村汎氏が警戒する「1島マイナスα」
 安倍首相が「戦後外交の総決算」と意気込む北方領土問題は混迷を極めている。2016年5月に「新たなアプローチ」と称してロシアのプーチン大統領に経済協力を提案するも、状況は進展せず、昨年9月に「前提条件なしで平和条約締結」を押し込まれた。その結果、日ロ交渉の基礎は1956年の日ソ共同宣言まで後退。4島返還を目指してきた従来の政府方針の大転換を招いた。着地点は「2島プラスα」なのか、「2島ポッキリ」なのか。あるいはロシア研究の第一人者が警戒する「1島マイナスα」なのか。
  ――17日に日ロ外相会談が行われました。昨年12月の首脳会談で外相を平和条約締結の交渉責任者としてから2回目ですが、協議は平行線。ラブロフ外相は北方領土のロシア主権を含む第2次世界大戦の結果を認めるよう求める主張を曲げませんでした。
 平和条約締結交渉の年内進展はないでしょう。安倍首相は6月に大阪で開催されるG20首脳会議のタイミングで条約締結の大筋合意を狙っているようですが、じらし作戦を取るロシアは乗ってこない。そもそも、昨年11月のシンガポールでの首脳会談で56年宣言を基礎とする交渉に合意したのが大ポカだった。許されない大ポカです。
  ――4島返還を目指す政府方針から一転、歯舞群島と色丹島の2島引き渡しに議論は引き戻された。
 プーチン大統領が「前提条件なしで平和条約締結」と言いだした時に、安倍首相は「冗談が過ぎる、話にならない」とバーンと反論すべきでした。ところが、安倍首相は「平和条約締結」という言葉尻を利用し、日本側としては交渉を前進させたかのように56年宣言まで譲歩した。2島引き渡しでよしとするのであれば、60年前の鳩山一郎政権時代に平和条約は締結できたのです。当時の日本はソ連に対して非常に弱い立場だった。シベリアに約60万人が抑留され、常任理事国のソ連の反対で国連に加盟できず、日ソの経済力は雲泥の差でした。日本が一番苦しかった時代にさえのまなかった条件に立ち返るべきではないのです。
■「戦後1ミリも動かなかった」は嘘
  ――現在とは状況が違う。
 安倍首相は歴代首相が絶壁に爪を立てるような思いで積み重ねてきた苦労を一挙に台無しにしてしまった。ロシアは北方4島の帰属問題解決が日ロ交渉のテーマだと認めていた。細川護煕首相とエリツィン大統領による93年の東京宣言、森喜朗首相とプーチン大統領による01年のイルクーツク声明でハッキリしています。安倍首相は「北方領土問題は戦後1ミリも動かなかった」と言いますが、事実に反します。
  ――なぜ安倍首相は日本の主張を反映した東京宣言とイルクーツク声明に目をつぶるのでしょう?
「国際法で通用するのは両国議会が批准した56年宣言だけ」と主張するプーチン大統領の詭弁に反論せず、それをうのみにしたからです。現代の国際法の通説とは異なります。批准の有無は以前ほど重要視されていません。グローバル化が進んで世界の首脳は国内外で毎日のようにトップ会談に臨み、さまざまな文書に署名している。すべてを議会で批准するのは現実的に難しくなったためです。日本の例でいえば、沖縄返還につながった69年の佐藤=ニクソン共同声明も、中国との国交を正常化させた72年の日中共同声明も批准されていません。ロシアもソ連時代の75年に欧米諸国34カ国と調印したヘルシンキ宣言を批准していない。欧州諸国と国境不可侵で合意した非常に重要な協定にもかかわらず、です。安倍首相の国際法不勉強がプーチン大統領の詭弁を認める結果を招いた。
  ――安倍首相は「交渉の経過はつまびらかにできない」と逃げ、方針転換について説明しません。
 交渉中に細かな過程までオープンにするべきではありませんが、根本原則の変更を主権者である国民に何ら説明しないのは道理が通りません。安倍首相はシンガポール会談以降、「北方4島の帰属の問題」を「領土問題」とぼやかし、「固有の領土」を「主権を有する島々」と言い換えている。今月7日の北方領土返還要求全国大会でのスピーチでも、昨年まで「4島の帰属の問題」としていたのを「領土問題」とごまかした。
  ――時事通信の世論調査(8〜11日実施)では、日ロ交渉の主導権を握るのは「ロシア」との回答が70.0%を占めました。世論の懸念に耳を貸さず、なぜ安倍首相は突き進むのでしょうか。
 自己顕示欲でしょう。それに、間違った使命感。安倍首相は「私とプーチン大統領の手で必ず終止符を打つ」と述べますが、思い上がりでしょう。北方領土問題は日本が戦後70年以上、一貫して追求し続けてきた問題です。安倍首相の任期は残り2年半で、プーチン大統領は5年。持ち時間が短い方が交渉期限を区切るのは戦術的にも実に拙いやり方。相手によって当然、足元を見られます。
■禁じ手の「テタテ」で60年前にも河野農相が大失敗
  ――安倍首相はプーチン大統領との「個人的な信頼関係」をテコに交渉を加速させると前のめりで、通訳のみを同席させる一対一の会談(テタテ)を繰り返しています。
 国際法上の交渉研究ではテタテは禁じ手、タブーといわれています。60年前にも日本はテタテで大失敗した。鳩山政権時代の河野一郎農相がモスクワに乗り込み、通訳を連れずにブルガーニン首相とサシで会談したのですが、ロシア側の通訳のみを介した結果、平和条約交渉と漁業権交渉をリンクさせられてしまった。安倍首相が参勤交代のようにロシアに通うのもマイナス。相手の陣地の赴く「アウェー」交渉は「ホーム」に比べて不利になる。
  ――それでも官邸周辺からは「2島プラスα」という楽観論が聞こえてきます。
 論理的にあり得ません。このままいけば、「2島ポッキリ」か「2島マイナスα」です。56年宣言を基礎とすれば、平和条約締結後に2島が日本に引き渡される。その後のロシアは果たして「国後島と択捉島は協議次第で返しましょう」と言うでしょうか? 「α」は何を指すのでしょうか? 国後、択捉両島の共同経済開発です。資金や技術を提供するのは日本です。つまり、ロシア主権下で日本の持ち出し。「マイナスα」なのは明らかです。極論を言えば、「1島マイナスα」すらあり得るでしょう。
  ――1島ですか? 引き渡されるのは住民のいない歯舞群島だけだと?
 56年宣言は2島の引き渡し期限も明記していないとプーチン大統領は主張するでしょう。引き渡しは50年後かもしれないし、99年後かもしれない。移住促進策の成果もあり、色丹島には約3000人の住民が暮らし、返還反対運動を展開している。一方、岩礁の歯舞群島には国境警備隊が配備されているだけですから。
大幅譲歩は欧米や中韓との関係悪化を招く
 ――現時点で日本は平和条約を締結する必要性はどれほどあるのでしょうか。
 まったくありません。戦争状態を終結させ、外交関係を回復した56年宣言は、領土問題を除くと平和条約と遜色ない。平和条約をのどから手が出るほど欲しているのはロシアの方です。背景には大国化する中国へのコンプレックスや牽制、クリミア併合に端を発した国際社会による経済制裁を突破したいとの狙いがあります。
  ――日本にはマイナス作用に?
 領土問題で譲歩した平和条約締結は、尖閣諸島や竹島を巡る中国や韓国とのさらなる摩擦を誘因するでしょう。対米関係にも影を落としかねない。プーチン大統領が返還後の北方領土に在日米軍が展開する懸念を指摘すると、安倍首相は「在日米軍はロシアにとって敵対的なものではない」などと述べ、日米安保条約の適用外を示唆した。安保条約の適用範囲を勝手に伸び縮みさせる行動を米国が許すでしょうか。尖閣を狙う中国にも付け入られてしまう。欧州にも呆れられる。彼らはロシアの資源エネルギーに依存せねばならない苦しい状況ですら、国際正義の旗の下、制裁を実施している。翻ってロシアは中国を牽制し、日米関係にくさびを打ち込み、欧州を出し抜く好機と見なしている。
  ――ロシアにしかメリットがない。
 日本はロシアを突き放すべきです。安倍首相が「次期首相に後を継ぐ」とキッパリ伝えて時間軸を広げない限り、日本側には展望がない。誰が後継になるにせよ、ポスト安倍政権は苦労します。ここまで日本の要求水準を下げてしまったら、もう一度引き上げるのは至難の業でしょう。 (聞き手=坂本千晶/日刊ゲンダイ)
▽きむら・ひろし 1936年生まれ。京大法学部卒、米コロンビア大Ph.D.取得。北大スラブ研究センター、国際日本文化研究センター、拓大教授を経て現職。近著に3部作の完結編「プーチン 外交的考察」。「プーチンとロシア人」など著書多数。


コンビニ24時間営業 「便利さ」見直す時機が来ている
 便利ではあるが、本当に必要不可欠なのか。「全国どこでも24時間」のコンビニ営業を見つめ直す時機が来ている。
 大阪府内のセブン―イレブン加盟店が「人手不足で24時間は限界」と営業時間を短くしたところ、本部側から違約金約1700万円とフランチャイズ契約の解除を求められた。24時間営業を求める本部との対立が続いている。
 少子高齢化やサービス競争の激化を背景に、人手不足はコンビニ業界に限らず厳しさを増している。そのしわ寄せは現場で働く人の負担となり、重くのしかかる。折しも政府が働き方改革を推進しようとしている今、国や企業、消費者は共にもうけと「便利」を至上とする考えを改め、身の丈にあった暮らし方へとかじを切る必要がある。
 営業時間短縮に踏み切ったコンビニは典型的な家族経営だ。オーナーは、闘病中の妻が昨年5月末に亡くなってから「8カ月間で3日しか休みが取れていない」。昨年4月に学生アルバイトが大量に辞め、その後の従業員確保がうまくいかず、行き詰まったという。採用難が各地で深刻化している中、この店だけの問題ではなかろう。
 にもかかわらず本部が24時間を維持しようとする一因は、フランチャイズ経営の在り方にある。本部は、売上高から原価を除いた粗利益の一定割合を、加盟店から得るシステムとなっており、客の少ない深夜帯でも営業すれば収入につながる。
 だがその一方、アルバイトの賃金は加盟店側が支払わなければならない。アルバイトを入れれば採算が取れず、いなければオーナーが休む間なく働き続けなければならない厳しい状況を見過ごすことはできない。地域や経営実態に応じて加盟店が自由に判断できる仕組みを整えなければ、安心して働くこともできない。オーナーの権利や健康を守るため、企業任せでなく法整備を検討することも重要だ。
 関係者は「いつでも開いているという安心感がコンビニの強み」とする。買い物だけでなく送金など各種手続きにも対応する現在、確かに助かる人は少なくない。しかし、ヤフーが現在実施中のインターネット調査では24日時点で消費者の9割以上が「24時間営業は減らしてもかまわない」と回答している。少し不便になっても、意識の転換や生活のちょっとした工夫で過ごすことはできるはずだ。
 ファミリーレストラン業界では既に深夜の営業時間短縮に乗り出している。労働環境が改善され、人材確保につながっているという。宅配業界でも配達時間を短縮し、利用者の理解も広がっている。
 政府は人手不足解消へ外国人労働者の受け入れ拡大を進めるが、先進各国で同様の事態にある中、先行きは不透明だ。生産年齢人口の減少は明白。過剰なサービスを見直し、安心して働ける仕組みを整えることこそ、働き方改革の第一歩である。


【親の懲戒権】虐待の正当化はできない
 子どもに対する親の「懲戒権」がクローズアップされている。
 子どもが親に虐待される事件では、親が「しつけのつもりだった」と説明するケースが少なくない。そうした主張の正当化につながるものとして、民法が認める懲戒権が挙げられるからだ。
 千葉県野田市で小学4年の女児が死亡した事件を受けて、安倍首相は民法の見直しを検討する考えを示した。児童虐待防止法なども改正し、体罰禁止を盛り込む方向で調整している。
 どんな理由があっても、子どもの命を奪うような「懲戒」など許されるはずがない。相次ぐ悲劇から子どもを守るために懲戒権の民法からの削除を含めて、あらゆる手だてを講じたい。
 明治期の民法を源とする懲戒権を巡っては、親が必要な範囲内でその子を懲戒できる、となっていた。それが2011年の民法改正で、懲戒権の行使に当たっては「子の利益のために」なされる「監護及び教育に必要な範囲内」に限られる、と明示された。
 虐待防止に向けて一歩前進ではあったものの、「教育に必要な範囲内」なら暴力を認める余地は残された。野田市の女児死亡事件で逮捕された父親も、女児に冷水シャワーをかけたり長時間立たせたりした行為を「しつけのつもりで悪いと思っていない」と述べている。
 しつけと称した体罰が、虐待につながりやすいことを如実に示している。懲戒権が虐待の正当化に使われれば、児童相談所などが介入をためらう理由にもなろう。
 体罰は医学的に、子どもの脳の発達に深刻なダメージを及ぼすこともあるとされる。心と体のすこやかな成長に影響を与えることも、既に数多く指摘されている。
 国連の子どもの権利委員会は今月初め、日本で子どもへの虐待などが高い頻度で報告されていることを懸念し、政府に対策強化を求める勧告を出した。家庭を含むあらゆる状況下で、子どもへの体罰を法律で禁止するのが世界の潮流である。
 東京都が4月施行を目指す、子どもへの虐待防止条例案もその流れの一つだろう。都道府県では初めて、保護者による暴言などを含めた体罰の禁止を明記している。「虐待は社会全体で防がなくてはならない」という、強い姿勢の表れとして評価したい。
 一方で懲戒権の削除などに慎重な意見はある。「子どもへの『愛のムチ』は必要」「しつけもできなくなるのか」といった声も出てこよう。しかし肉体的、精神的に子どもを傷つけることの重大さを考えれば、やはり暴力は避けなければならない。
 むろん懲戒権を削除しても、親が子どもを叱ること自体が許されなくなるのではない。子どもにしても、叱られた理由に納得すれば従うものである。体罰によらない子育てやしつけはある。親はどこまでもそれを追求していきたい。


ドナルド・キーンは右派がもてはやす浅薄な「日本スゴイ」じゃない! 日本愛ゆえに改憲、原発、東京五輪を批判していた
 日本文学研究者のドナルド・キーン氏が24日、心不全で亡くなった。今回の訃報で多くのメディアがこぞってキーン氏の日本愛を報じている。「計り知れない日本への愛」「日本のことを考えない日はなかった」。
 キーン氏といえば、アメリカ・ニューヨークで生まれ、大学生のとき「源氏物語」に出会い日本文化に興味をもち、戦後、日本文学研究者として、谷崎潤一郎、三島由紀夫、川端康成といった作家たちとも交流をもち、古典から現代文学まで日本文学を広く世界に紹介してきたことで知られる。2008年には外国出身の学術研究家として初めて文化勲章を受けている。
 とりわけ近年キーン氏が注目されたのは、東日本大震災後に日本国籍を取得し、日本に永住すると表明したことだろう。
 原発事故をきっかけに日本を離れる外国人が多かったなか、逆に、日本に永住しようと決意するキーン氏の表明は多くのメディアに取り上げられ、アカデミックな分野に関心のない人にも彼の名は広く知られるところとなった。
とくに、右派メディアは、“日本スゴイ”の文脈に回収するかたちで、キーン氏のことを絶賛した。たとえば、「夕刊フジ」(産経新聞社)のニュースサイト「zakzak」(2015年3月17日付)は〈日本国籍を取得し、日本人を感動させた〉と。
 だが、キーン氏が発信したのは、決して右派が大はしゃぎするような“日本スゴイ”だけではなかった。むしろ真逆と言ってもいい発言もしてきた。
 瀬戸内寂聴氏との対談本『日本の美徳』(中央公論新社)のなかで、ドナルド・キーン氏は、このように語っている。
「日本の国籍を取得してからは、私は日本人としてきちんと意見を言わなくてはいけないと考えるようになったのです」
「日本人になったからには、これまで遠慮して言わなかった日本の悪口も、どしどし言うつもりです(笑)」(以下、特別な指摘がない限りすべて『日本の美徳』より引用)
 前述の通り、キーン氏は、2011年9月、東日本大震災を契機に日本国籍を取得して日本に永住すると公表。実際に2012年には日本国籍を取得している。
 2011年3月11日、キーン氏はニューヨークにいた。アメリカのテレビでも日本を襲った未曾有の災害の様子は盛んに報道されており、キーン氏も太平洋を隔てた遠い地からテレビにかじりついて情報収集していた。そのとき、キーン氏の心のなかに浮かんだ感情は「帰りたい」というものだったという。
『日本の美徳』のなかでキーン氏は「私は震災があったことで、日本国籍を取得しようと、ハッキリと心が決まりました。とにかく一日も早く、日本に「帰りたい」と思ったのです」と語る。
 キーン氏はそれまでもアメリカと日本を行き来する暮らしを送っていた。日本にも家があり、帰化についても以前から考えはあったのだが、3.11のときに抱いた感情が帰化を後押しした。
 しかし、日本国籍を取得したキーン氏の態度の置きどころは、“日本スゴイ”を喜び勇んで広める「愛国者」などではなく、前述の通り「これまで遠慮して言わなかった日本の悪口も、どしどし言うつもりです」というものだった。
 キーン氏は自分のことを「政治的な人間でもありません」と言うが、それでも原発再稼働に対する政府の動きには怒りを抱き、反対の署名運動にも参加したという。
キーン氏は東京五輪にも「非常に不愉快に感じています」と…
 そして、東北を置き去りにして押し進められる東京オリンピックに関する事業に対しても「はっきりいって、ひじょうに不愉快に感じています。なぜなら、まだ東北の被災者の方たちの生活は元通りではないし、復興も途中だからです」と語る。
 キーン氏は加えて東京オリンピックに関する安倍政権の欺瞞の数々を指摘する。「復興五輪」と銘打ち、「スポーツの力で被災地を元気にする」とオリンピックを招致したが、結果として起きたことは、オリンピックのための公共事業の増加により復興を阻害したことや、震災の風化を早めることだった。キーン氏は続けてこのように語っている。
「まるで終わってしまったことのようにするのは、間違いだと思います。オリンピックのためには、莫大なお金を使うことになるでしょう。なぜ東京なんでしょう。招致のプレゼンテーションのときには、「震災復興五輪」と、聞こえのいいことを言っていました。本当に震災復興五輪なら、なぜ仙台でやらないのか。東北ではまだ仮設住宅で暮らしている人たちもいるのに……」
 キーン氏は、太平洋戦争中、日本人捕虜への尋問や、各戦線で回収された文書の翻訳作業などにあたっていた。沖縄に上陸し、日本語を使って民間人に投降を促す任務にも従事している。その沖縄に向かう途上では特攻機が来襲し、九死に一生を得た経験もしているという(「歴史群像」11年12月号/学研プラス)。
 戦争を知っているからこそ、キーン氏は日本を再び戦争ができる国に戻そうとする動きにはとりわけ危機感を訴えていた。
 寂聴氏との対談のなかでキーン氏は「数年前、代議士の会で講演をしたことがありますが、そのときに本当に驚きました。ある方が、「これからの日本はもっとよくしなければなりません。言葉も旧仮名遣いに戻し、憲法も改正すべきです」と。私は、冗談かと思いました」との経験を語ったうえで、浅薄な改憲論に異論を唱える。
「日本人はときどき忘れてしまうようですが、太平洋戦争が終わってから、戦死した日本人は一人もいません。しかしその間、アメリカ人は戦争で大勢命を落としています。アメリカだけでなく、世界中のあちこちで、多くの人が戦争で死にました。それなのに、日本人は一人も戦死していない。そのことを、決して忘れてはいけないと思います」
ドナルド・キーン「日本人になったからには日本の悪口をどしどしいう」
 近年の閉塞した言論状況のなかでは、政権の方針に異議を唱えるような発言をすれば、「反日」や「日本が嫌いならこの国から出ていけ」といった言葉が浴びせられる。
 しかし、「日本人になったからには、これまで遠慮して言わなかった日本の悪口も、どしどし言うつもりです」と宣言したうえで、実際、日本の政治や社会でおかしなところを指摘するキーン氏の姿勢は真っ当なものだろう。
 自分の属している国であり社会だからこそ、おかしなところは指摘するし、権力に問題があれば批判する。それは、民主主義国家として当然の行為だ。批判内容の検証以前に批判するその態度そのものが批判されるような社会は民主主義が根付いているとはいえない。
 権力や時の体制に従順な奴隷根性を内面化し、権力を疑うことすらしない者が少なくない現在の日本社会において、キーン氏が発した「日本人になったからには、これまで遠慮して言わなかった日本の悪口も、どしどし言うつもりです」という主張は、この国に巣くう病のとても根源的なところを突いていると感じるのである。
 キーン氏の訃報に際してわたしたちが語るべきなのは、彼が日本を愛したということだけではない。本当の意味で「日本を愛する」とはどういうことか。問題点を省みず「日本スゴイ」とひたすら盲目的に礼賛することなのか、「日本人になったからには日本の悪口も、どしどし言う」ことなのか。キーン氏の発言から、あらためて考えるべきだろう。


チコちゃん、「ボーっと生きてる」ほうが体に良いんだって
 NHKの人気番組『チコちゃんに叱られる!』では、おかっぱ頭の女の子・チコちゃん(5さい)が、素朴なギモンに答えられない大人に、この一言を放ちます。「ボーっと生きてんじゃねーよ!」──しかし、チコちゃんは知りません。「なんでボーっと生きてちゃいけないの?」
 いつもは叱る側のチコちゃんだけど、この質問は「えっ!?」って思ったかな? 今回は、チコちゃんに訊かせていただきます。ボーっと生きてるって、悪いことなの?
「ボーっとしている時は脳が働いていない、注意力が欠けている、と思われるかもしれませんが、むしろボーっとするとメリットがあることが医学的に証明されているんですよ」
 解説してくださったのは、おくむらメモリークリニック院長の奥村歩さん(脳神経外科医)です。
「以前から、ボーっとしている時は、脳が機能していない状態だと考えられてきました。しかし、米ワシントン大学医学部のM.E.レイクル教授の研究で、“ボーっとしている時のほうが、集中している状態よりも脳の広範囲が活性化している”と発表されたのです」
 レイクル教授によれば、「読書をする」「計算をする」など、集中して活動している時の脳のエネルギー消費量に比べて、ボーっとしている時は、「前頭葉内側部」「後部帯状回」といった脳の部位の活動が高まり、約15倍ものエネルギーを消費しているというのです。
「それは『デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)』と呼ばれる脳の広い領域が活発に働いているからだと考えられています。それに基づいて、様々な疾患の予防・早期発見のための研究が進められています」(奥村さん)
◆記憶力アップ!
 ボーっとしてDMNが活性化する時、脳内では「記憶の整理・定着」が行なわれているんだって。
「脳を“図書館”に喩えると分かりやすいです。図書館に日々、新しい本が入荷されても、その本をどの棚に配置するかを整理する休館日がなければ、大量の本が整理されず、混乱する一方です。
 それは記憶も同じ。新しく覚えた情報や経験は、ボーっとしている時に整理されるので、思い出したい時に適切な記憶を引き出すことができるようになるのです。逆に、ボーっとする時間がないほど忙しく働いている人は、物事や人の名前が整理されず、記憶をうまく引き出せなくなって『物忘れ』を起こしやすくなってしまいます」(同前)
 さらに、「認知症」との関連の研究も進んでいます。
「アルツハイマー型認知症患者の脳では、DMNの中でも、脳の異なる領域同士を連携させる“ハブ機能”を持つ部分の萎縮が顕著であることが分かっていて、ボーっとして脳が活性化することで、認知症の予防になる可能性が指摘されています。
 2014年の米ハーバード大学医学大学院の研究で、軽度認知症患者を、通常の治療を行なうグループと、瞑想のようにボーっとする治療法を行なうグループの2つに分けて認知機能テストをしたところ、後者のほうがDMNが活性化し、好成績をおさめたんだよ」(同前)
 その瞑想治療法は「マインドフルネス」と呼ばれ、ボーっとする方法を医学的に研究して定義づけたもの。あのスティーブ・ジョブズも実践したといわれています。脳生理学者の有田秀穂さんが教えてくれました。
「ボーっとするといっても何か別のことを考えていたり、邪念が入ることもありますよね。マインドフルネスでは、僧侶が瞑想するように無心の状態を作ります。そうすることで、脳内に“幸せホルモン”と呼ばれるセロトニンという神経伝達物質が分泌されやすくなります。セロトニンが増えると、うつ病や不眠症の改善につながります」
 他にも、DMNが活性化すると、頭痛や腰痛などの慢性疼痛の改善が見られたというデータもあります。では、邪念が入らないようにして、効果的にボーっとするにはどうしたら良いでしょうか。
「座禅を組んで瞑想をしなくても、散歩やウォーキングなどのリズム運動をしたり、ガムを噛みながら目をつむって情報を遮断する、といっただけでも脳の活性化につながります」(同前)
◆「ずっとボーっと」はダメ
 ただし、ずっとボーっとしていればいいわけではありません。大切なのは、ボーっとする時間と集中する時間のメリハリをつけることだといいます。
「パソコンやスマホで常に情報を頭に入れたり、仕事でタスクに追われている現代人が、意識的にボーっとする時間を作るから健康に良いのです。DMNは加齢とともに活動が低下するという研究結果もあるので、定年後にずっとボーっとしていると認知症リスクを高める恐れもあります」(奥村さん)
 ボーっとしたほうが健康に良いのは(ドドン!)、脳が活性化しているから〜(※ただし、ボーっとしすぎに注意)! チコちゃんはこの問題、チコる(正解する)ことができたかな?


清和会政権は自民党沖縄史の汚点
★自民党史にはさまざまな出来事があった。党内抗争が激化した40日抗争、平成になってからは2度、政権から転落。社会党と連立を組むなど説明のつかない荒業で政権に復帰したことまであった。時代とともに党内の顔ぶれや相関図も変わった。元首相・小泉純一郎、元党副総裁・山崎拓、元幹事長・加藤紘一が組んだYKKは3人の頭文字だが、その目標は打倒経世会。田中派から連なる竹下派の各首相、竹下登、橋本龍太郎、小渕恵三らの支配を破ろうと作られた。★小渕以降、森喜朗、小泉、安倍晋三、福田康夫、つまり清和会が担ったことでYKKの役割は終わったが、昨今はその小泉が安倍政権批判を繰り返すのはいささか滑稽だ。内輪もめはともかくも、両派の政策で一番大きく差が出たのは沖縄政策ではないか。95年9月に起こった海兵隊員による少女暴行事件で沖縄世論は沸騰していた。橋本は首相として幾度も沖縄入りし、当時の沖縄県知事・大田昌秀と膝を詰めた。橋本・クリントンの日米首脳会談で橋本は事務方が用意していない「普天間」を口にして普天間返還が決まっていく。★そこで代替基地の議論が始まる。辺野古で決着直前に大田が反旗を翻す。その先はご案内の通りである。橋本の努力も参院選敗北で退陣を余儀なくされ、小渕は沖縄サミット開催で橋本の意思を継いだ。2000円札発行もこのころだ。しかし、その後の政権は沖縄に興味を示さず「普天間返還を決めたのに辺野古を認めない」、つまり「沖縄に問題あり」に議論がすり替わった。そして民主党政権の首相・鳩山由紀夫の着手は既に手に負える段階を超えていた。思えば鳩山も自民党時代、竹下派だった。安倍政権は「辺野古が唯一の解決策」「沖縄に寄り添う」というものの、その努力は橋本・小渕時代に比べれば皆無に等しい。自民党沖縄史中の清和会政権は汚点時代と言えよう。

政府・企業・マスコミあげての韓国元徴用工賠償判決非難/ヒント4

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Japon. Okinawa vote sur le projet controversé d'une base militaire américaine
Ce dimanche, les habitants des îles d'Okinawa, au sud du Japon, sont appelés à voter pour s'exprimer par référendum pour ou contre la construction sur leur littoral d'un site de remplacement d'une base militaire américaine controversée.
Les habitants de la région subtropicale d'Okinawa au Japon votaient dimanche par référendum pour ou contre la construction sur leur littoral d'un site de remplacement d'une base militaire américaine controversée. Ce vote, d'une grande importance symbolique quant à la perception de la présence militaire américaine dans ces îles situées à plus de 1500 km au sud-ouest de Tokyo, n'aura cependant pas valeur légale et laisse ouverte la question de l'effet de son résultat.
Les opposants au transfert de la base, dont le gouverneur d'Okinawa lui-même, Denny Tamaki, fils d'un Marine américain et d'une mère japonaise, sont majoritaires dans les sondages. La presse japonaise a annoncé un taux d'opposition au projet de 68%. Quelque 1,15 million d'électeurs sont appelés à se prononcer. Les bureaux de vote, qui ont ouvert tot dimanche, ferment à 20 h (11 h GMT).
La question posée est celle du transfert envisagé de la base du corps des Marines de Futenma depuis la partie densément peuplée d'Okinawa où elle se trouve vers un site isolé en partie gagné sur la mer. Les bulletins devaient initialement porter les mentions tranchées de ≪ oui ≫ ou ≪ non ≫, contrairement à la pratique fréquente au Japon consistant à pouvoir aussi dire ni oui ni non.
Mais plusieurs villes proches du gouvernement central ayant menacé de boycotter le scrutin si l'on n'introduisait pas cette option, une réponse ≪ ni l'un ni l'autre ≫ a été ajoutée. ≪ Il est important que les habitants d'Okinawa puissent exprimer leur volonté par un vote ≫, a commenté Jun Shimabukuro, professeur à l'Université Ryukyu d'Okinawa. ≪ Cela peut servir de test pour voir si la démocratie fonctionne au Japon ≫, a-t-il dit à l'AFP.
Opposition locale importante
Le référendum stipule que le gouverneur est appelé à ≪ respecter ≫ le résultat si celui-ci rassemble au moins un quart des inscrits, soit environ 290.000 voix. Le déplacement de Futenma vers la région de Nago, à 50 kilomètres, avait été décidé une première fois en 1996 alors que les Etats-Unis s'efforçaient de calmer la colère des habitants après le viol collectif d'une écolière par des militaires américains. Mais ce projet est depuis gelé.
Les habitants opposés à ce déménagement souhaitent que la base quitte totalement la région d'Okinawa, arguant qu'elle supporte une part disproportionnée du fardeau militaire américain. Okinawa totalise moins de 1% de la superficie totale du Japon mais héberge plus de la moitié des quelque 47.000 militaires américains stationnés dans le pays.
Pour les Etats-Unis, ces îles proches de Taïwan ont une importance stratégique en Asie. Et le gouvernement japonais de Shinzo Abe n'est pas enclin à envisager un changement. Les manifestations contre la base ont été quotidiennes à Okinawa depuis le début de la campagne pour le référendum mi-février.
Mais les travaux d'extension des terres se poursuivent néanmoins à Nago. ≪ Nous espérons que le référendum va doper notre lutte ≫, a déclaré à l'AFP vendredi un manifestant parmi une centaine qui tentaient d'empêcher l'accès des camions. ≪ Le gouvernement se moque d'Okinawa ≫.
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フランス語の勉強?
新たな天皇制の登場を許すな! ーナルヒトがアキヒトとヒロヒトから受け継ぐものは何か! 
―政府・企業・マスコミあげての韓国元徴用工賠償判決非難に答える―
講師:飛田雄一さん『神戸学生青年センター・館長』
集会の冒頭、講演の前に3人の方から発言を受けます(順不同)。
1)中国人強制連行・大阪国賠訴訟判決から
  ― 黒面(モーメン)さん
2)広島三菱徴用工被爆者・韓国・最高裁勝訴判決から
  ―市場淳子さん
3)NON!日本軍「慰安婦」「日韓合意」の闘いから
  ―方清子(パンチョンジャ)さん
(ひだ ゆういち)さんプロフィール/1950 年生まれ。関西学院大学講師。在日朝鮮運動史研究会関西支部代表、強制動員真相究明ネットワーク共同代表。著書多数。
資料代:500円
主催:天皇代替わりを問う集会実行委員会

Nobuyo Yagi 八木啓代 @nobuyoyagi
ちなみに今メキシコでは、「メキシコはベネズエラみたいな目に合あうか」というのが話題になっている。民主派の大統領を選んだからだ。利権を廃し、米国追従を止めようとしているからだ。明らかなのは、そしてもしベネズエラ後にメキシコがトラブったら、石田氏はまた狂喜して政権叩きをするのだろう。
なぜアメリカはベネズエラの政権を潰したいのか。それはアメリカの輸入している石油の1/4はベネズエラから来ているから。だからチャベス時代から、あらゆる手を尽くして政権潰しを図ってきた。しかも今、もう1/4の輸入先であるメキシコが左派政権になった。
この状態で、ベネズエラとメキシコが手を結べば、アメリカは石油の生命線を握られる。それがどんな手を使ってでもベネズエラを潰したい理由。そして、メキシコ人も運命を憂慮する理由。
で、あえて言っておくと、私はマドゥロ全面支持ではない。ただ、いまの経済破壊状況を作っているのは明らかに米国だし、選挙で選ばれたわけでもない人間が米国の後ろ盾で大統領を名乗り、国家の石油売買代金を個人口座に入れるのは異常。
これはパナマ侵攻直前と同じなんだけど、こんなことを当然のように許しては、国際秩序などあったものではないし、この状況で政権交代が起きれば、国民にとって不幸な状況が起きるのは明らか。だから、挑発をやめ、経済制裁をやめるべきというのが主張。
挑発や経済制裁や妨害行為をやめて、ベネズエラが正常化するなら、それは、経済混乱はマドゥロの失政ではないということになる。だから、米国も野党もやめられないどころかエスカレートさせているわけで、そのこと自体で、もう明らかだろう。流血を切望しているのはどっちなのか。
そういえば、90年ごろに「カストロ政権が倒れる」瞬間を取材して名前をあげようと、言葉もできないのに、ハバナをウロウロするフリー記者とかよくいたっけ。それで外国人のいるホテルの周りにたむろして、自称反政府運動家のたぐいのデマ情報で小遣い稼ぎするヒネテロのカモにされてた。
本当に弾圧のある国なら、「反体制派」がホテルの周りうろうろして、ほいほい英語で話しかけてきたりできるわけないんだが、そういう常識もないレベルの人でも、ジャーナリストを名乗れるからね。そういう意味では、誰でもできた(というか間抜けほど引っかかった)「キューバ反体制派の談話」(笑)
ちなみに、外国人記者の取材受け慣れてる有名な「反体制派」(それで食べてる)って何人もいて、取材も誰でもできた。その中でも有名だったヨアニ・サンチェスは、途中から、アメリカ大使館から金もらっていると自分で言ってた。そして、キューバ観光ブームになると、そういう人たちは消えた。
もちろん、前向きな意味で政権に批判的な人たちもいた。フィデルの長期独裁や官僚制度の問題をきちんと指摘し、改革は必要だと考えていた人たちね。でもそういう人たちは、米国の金は受け取らないし、ほいほい外国人記者に有る事無い事喋らない。
90年代の私の立ち位置は、どっちかというとそういう人たちに近かった。だから、カストロ政権全面支持ではなかったが、米国介入による政権転覆+米国利権の傀儡政権擁立の動きには絶対反対という立ち位置ね。それは今でも変わっていない。ベネズエラでもその立ち位置は同じ。

山崎 雅弘 @mas__yamazaki
不思議なのは、安倍首相は毎回「自分は知らなかった、下の者が勝手にやった、自分は全力で再発防止に取り組む、以上」と言うだけで、自分の命令もないのに勝手に暴走して自分が有利になるよう公文書を改竄したり統計でインチキする国家公務員を叱責も懲罰もせず、仏のような寛容さで擁護していること。
町山智浩 @TomoMachi
統計不正にしても、加計問題にしても、側近の一存で対処できるはずがない。側近の行動は総理の意向と受け取るのが普通だ。仮に側近の一存なら越権行為で、首相の監督責任が問われる。そうであるにもかかわらず、首相が逃げおおせてしまう状況が繰り返されている。
村田次郎 / Jiro Murata @jiromurata
僕はアメリカのポスドクの時に、授業料で苦労している後輩の日本人学生達を見かねて、視察に来た文部大臣に書状で直訴した事がある。ドクターから授業料を取るな、と。国際的には、逆に給与を支払う。全く逆である。人数少ないから収入に殆ど影響なし。
テレメンタリー 「はしりたい 〜難病A-Tと向き合う母子(おやこ)の絆〜」
平均寿命約26歳、治療法のない難病A-Tを患う、青森市の小山内龍弥君(11)。病気の症状は悪化の一途を辿り、歩行が困難となり、3年前に車椅子での生活となった。母親の美和子さん(37)はNPO法人を立ち上げ、県内だけでなく東京などで病気の周知活動を続けている。いつも一緒に過ごして来た二人だが、病状が進むにつれて夢や将来のことについて語らなくなった。それでも、病気に負けず、未来をみつめる親子のストーリーを描く。 水田わさび 青森朝日放送
サンデーモーニング
非核化の道筋見えず…米朝首脳会談を前に▽問われる官僚の姿勢▽日韓に解決の糸口は▽張さんキャンプ報告▽大坂まさかの敗退で▽J1開幕▽紀平は▽風をよむ
一週間の見逃せないニュース&スポーツをサンデーモーニングならではの視点でお送りします!◎世界と日本の出来事を掘り下げるカバーストーリー▽ ◎おなじみ・スポーツ御意見番「喝!&あっぱれ」◎関口宏の「一週間」ニュース◎時代と社会の断面を切り取るコーナー「風をよむ」〜〜 関口宏 橋谷能理子 唐橋ユミ 伊藤友里 水野真裕美(TBSアナウンサー) 張本勲(他) 三枝成彰 ◇番組HP http://www.tbs.co.jp/sunday/ 西野哲史 金富 隆

明日へ つなげよう選「暴走する原発に突入せよ〜事故拡大を防いだ下請け企業〜」
原子炉建屋の相次ぐ爆発で危機に陥った福島第一原発。東京電力社員の多くが被ばくし人手が不足するなか、自ら志願し現場に突入した下請け企業の技術者がいた。任務は、メルトダウンが進む原子炉内部の状況を見極めるのに欠かせない、水位計の中から僅かに残った正常な計器を見つけ出すこと。ガイガーカウンターが鳴り響く暗闇を全力で走り点検に成功、事故拡大を防いだ技術者たち。今初めて明かされる下請け企業のプロたちの証言。
みちのくモノがたり「“モッタイナイ”が織りなす宝〜盛岡 裂き織工房〜」
東北のキラリと光るモノづくりを伝える「みちのくモノがたり」▽盛岡名物“さんさ踊り”の浴衣がオシャレに復活!▽古布を再利用する東北の伝統工芸「南部裂き織」▽工房代表・石頭悦が見つけた究極の“モッタイナイ”▽才能を活かせ!工房を支えるのは障害のある若者たち▽苦い経験から生まれた石頭のモットー「技術力と商品力で勝負」▽全員で勝ち取った『グッドデザイン賞』▽これまでにない裂き織で目指す新たな目標とは?
明日へ1min.「おいで、東北」君に見せたい東北がある〜冬 青森・五所川原編〜
東北各地を舞台に、町を愛する男性が方言をまじえながら、おすすめのスポットをご案内!今回は青森・五所川原編。ふるさと大好き山田洋幹さんが五所川原を案内する。まずはストーブ列車に乗って一面の銀世界を楽しもう!シジミのうまみたっぷりのラーメンで体を温めたら、高さ23m、迫力満点のたちねぷたを見に行こう!見る、食べる、体感する楽しみがいっぱいの五所川原へ「おいで、東北」。番組特設サイトに旅プラン掲載中! 「君に見せたい東北がある」地元案内人…山田洋幹
バリバラ「テレビのバリアフリー」(2)
障害者の声からテレビに潜むバリアをあぶりだす企画。第2回は、知的障害者の「ニュースがわからない!」という声と向き合う。「難しい漢字が多い」「読むのが早くて聞きとれない」、さらに「政治のニュースがわからず選挙で困る」という深刻な問題も。前回に続き、NHKアナウンサーがわかりやすいニュース解説に挑戦!知的障害者にもわかる伝え方を考えると、“わかりづらくて実は困っていた”というあなたにも役に立つ!? 鈴木奈々, 山本シュウ,大西瞳, 玉木幸則, 伊藤雄彦, 神戸浩,ベビー・バギー
東北魂TV #194 爆笑ユニットコント
番組も早や8年目…今回は【もう一度見たい名作コント】 「ユトリ−チェン」・「知的戦略カードバトル イシマダクホート」他
“笑いで東北を、日本を元気に!"をテーマに、サンドウィッチマンやマギー審司、鳥居みゆきなど東北出身のお笑い芸人が"東北魂"として一挙集結。  他の番組では観ることのできない、爆笑のユニットコントやロケ企画を繰り広げる! 番組も早や8年目…今回はメンバーが選ぶ
もう一度見たい名作コント
!「ユトリ−チェン」・「知的戦略カードバトル イシマダクホート」・「鳥居みゆきの他人のネタをやってみるシリーズ」・「マギー・ポッターの秘密の部屋」・「シモ上彰の学べるちょいエロニュースショー」など、珠玉の作品をあらためて一挙放送!! サンドウィッチマン(伊達みきお・富澤たけし) マギー審司 狩野英孝 鳥居みゆき トミドコロ 谷口大二 構成/山内正之、柳しゅうへい、酒井義文、狩野孝彦  仲村孝明  有川崇  アルファグリッド

ドラマ“女川 いのちの坂道”メイキング
全編ドローンで描くドラマ「女川 いのちの坂道」震災で深刻な被害を受けた宮城県女川町。12歳で被災した咲が恋人翔太とたどる青春ロードムービー。その舞台裏に密着!
東日本大震災で甚大な被害に見舞われた宮城県女川町。卒業間際で被災した子供たちは「1000年後のいのちを守ろう」と、あの日津波が到達した場所に『いのちの石碑』を建てる活動を続けている。ドラマはその実話をもとに今年20歳になる若者たちの青春群像をロードムービータッチで描く。このドラマの見どころは異例の全カットドローン撮影。放送に先立ち、その舞台裏をメイキング映像も織り交ぜ、余すところなく伝える。 平祐奈,平埜生成


日曜ですが頑張っておでかけ.今日はそんなに遠くはないです.Anさんに会いました.郵送するって.「政府・企業・マスコミあげての韓国元徴用工賠償判決非難」に関してなるほど.丁寧な議論という見本みたいなお話でした.とても分かりやすかったです.
ヒント4を少し頑張りました.

震災教訓伝える語り部フォーラム
東日本大震災や阪神・淡路大震災の教訓を語り継ぐ活動を続けている人たちが意見を交わす「語り部フォーラム」が、南三陸町で開かれました。
フォーラムには、宮城県や兵庫県で、東日本大震災や阪神・淡路大震災の教訓を語り継ぐ活動を続けている人など、およそ400人が参加しました。
はじめに、語り部の活動を行っている地元の小学生の佐藤光莉さんと佐藤ひま里さんが、自分が覚えている震災当時の記憶や、震災を知らない世代にも語り継いでいくことの大切さを話しました。
この後、東日本大震災や阪神・淡路大震災で語り部活動を行っている人たちが登壇し、震災の教訓を風化させないために何が必要かについて話しあいました。
この中で語り部を行う人が高齢化している現状を踏まえ、今の20代から50代までの働き盛り世代にも活動に加わってもらい、継承していく必要があるなどといった意見が出されました。
来月オープンする気仙沼向洋高校の遺構で語り部活動を行う予定の「階上地区語り部の会」の熊谷心さんは「フォーラムの内容をみんなで共有し、今後の活動に生かしていきたいです」と話していました。


<縮小の先へ 被災地と人口減>第1部 なりわい・農業/情報技術やAIに活路
 人口が減る。地域を支える担い手が足りない。人口減少局面で起きた東日本大震災は、過疎化や少子高齢化を加速させた。震災から間もなく8年。縮む被災地の先に広がる風景は−。「生業(なりわい)」「生活」「インフラ」の三つをキーワードに、先鋭化する課題に向き合い、模索する姿を追った。
 湿度、二酸化炭素濃度、水の酸性度…。パソコンに表示されるのは、イチゴの栽培ハウスから届く重要な環境データだ。
<経験不足カバー>
 宮城県山元町の農業生産法人GRAは町内3棟、県外5棟のハウスのイチゴ生産をサポートしている。
 生産者はGRAが2016年に始めた「イチゴアカデミー」の卒業生。東日本大震災の津波被害を受けた山元町など産地の復興を担う新米農家たちだ。
 山元町で就農して1年目の高泉博幸さん(32)は、脱サラしてアカデミーで1年間学んだ。経験不足は否めず、GRAの支援を仰ぐ。
 病害虫発生の芽を摘んでもらったこともある。「夜に湿度90%が5時間続いている」。GRAの生産管理リーダー柴田修司さん(40)がカビが増殖する恐れを指摘し、換気を促してくれた。高泉さんは「常に見守ってくれて心強い」と感謝する。
 山元町ではイチゴ農家の大半が津波で被災した。18年産は面積約28ヘクタールで震災前の75%、収量は最新鋭ハウスの導入効果で約1270トンと92%まで回復した。ただ、農家は65戸で震災前の129戸から半減した。
 担い手をいかに育て、支援するか。雇用創出を目指し、11年に創業したGRAが掲げるのが「情報技術の活用」と「ノウハウの共有」だ。
 GRAは、町内の卒業生3戸が生産するイチゴの大半を買い取り販売する。仲間が増えれば、病害虫がどんな時に出るのか、出荷を需要のピークにどう合わせるのかなど、情報やノウハウをさらに蓄積できる。
 「データがあるから、経験ゼロでも参入できる。新規就農を支援し、仲間を増やしたい」。柴田さんが抱負を語る。
<作業効率アップ>
 東京電力福島第1原発事故の影響が続く福島県。担い手不足はより深刻だ。農林水産省の調査で、18年の販売農家人口は17万4600。10年の6割以下で東北で唯一、10万以上減った。
 「除染で農地の状態が悪化した。イノシシなどの獣害もあり、生産意欲が落ちた」。避難指示が17年3月末に町内の一部で解除された浪江町の職員が嘆く。
 ここでも注目されるのが最新技術。人工知能(AI)を活用した「スマート農業」が存在感を増す。
 16年7月にほぼ全域で避難指示が解除された南相馬市小高区で今月19日、タマネギ畑の耕運作業を視察した農業関係者から感嘆の声が上がった。
 視線の先にあるのは無人のトラクターだ。衛星利用測位システム(GPS)とセンサーを内蔵し、畑の端にたどり着くと正確に折り返した。農業生産法人・紅梅夢ファームが昨年導入し、リモコン操作で耕起や代かきをしている。
 法人は17年、小高区内の七つの営農組織が設立した。「農地を守る」を使命に、20年の作付面積目標を18年から倍増の100ヘクタールに設定し、将来は250ヘクタール規模を目指す。
 住民帰還の足取りは重く、従業員は大幅に増やせそうにない。それでも佐藤良一社長(65)は前を向く。
 「無人機の導入で作業効率は格段に増した。『機械なんかに任せられるか』と言う余裕はない。頼れるものは頼る」


<再生の針路>交流人口200万人目指す/石巻市 亀山紘市長
 宮城県内で9542人が亡くなり、1220人が行方不明になった東日本大震災から間もなく8年になる。国の復興・創生期間の終了まで残り2年。津波で被災した沿岸部の社会資本整備は仕上げの段階に入ったが、被災者のなりわいや生活の復興の進み具合は地域によって、ばらつきが大きい。沿岸自治体の首長に、復興の状況や課題などを聞いた。
◎震災8年 被災地の首長に聞く(2)
 −震災復興計画は残り2年となる。現状の評価は。
<地場産業を育成>
 「災害公営住宅の整備が3月に完了する。住まいの再建を最重要の課題として取り組んできた。ほっとしているのが実感だ。道路や橋、下水道の整備事業は遅れが出ている。着工後に工事が進まない道路や工事の止まっている橋などがあり、時間がかかっている」
 −被災者の心のケアにはどう向き合っていくか。
 「心の復興は10年で果たせない。復興期間後も継続して支援する必要がある。その意味でも(2020年度廃止の)復興庁の後継には大臣がいる組織が必要だ。国の被災者支援総合交付金は引き続き要求したい」
 −人口減で若者の流出や過疎化が深刻化している。
 「石巻らしさを残しながら新たな街づくりが必要だ。1次産業もICT(情報通信技術)や人工知能(AI)を使い、若者に夢を与えられるような産業にしていく必要がある」
 「半島沿岸部は拠点エリアを整備して終わりではなく、働く場をつくり、人を呼ばなければならない。鮎川、雄勝両地区を微細藻類科学の拠点とする構想や北上地区などの『北限のオリーブ』、好調なパプリカ栽培事業などを地場産業として広げていきたい」
 −市中心部のにぎわい創出が課題だ。
<拠点の連携課題>
 「年間200万人の交流人口を目指す。新設した防災センターや1月に着工した『ささえあいセンター』など、JR石巻駅前に公共施設を集積した。かわまち交流拠点エリアの『いしのまき元気いちば』は昨年の買い物客が40万人を超えた。あとはどう中心部を歩いてもらい、駅、かわまちエリア、石ノ森萬画館をつなげられるかだ」
 −大川小津波訴訟の上告審の判決への対応は。
 「どんな判決になっても、多くの犠牲者が出た自治体として学校防災や事前防災、防災教育に取り組まねばならない。最高裁の判断次第では(教訓を伝える)大川小旧校舎の震災遺構に対する取り組みも、ある程度踏み込まざるを得ない」
 −被災した住宅を完全に修繕できない在宅被災者も多くいる。
 「市の訪問調査で、不自由な状況で生活する市民の存在が明らかになってきている。在宅被災者のニーズは多様だ。一人一人に寄り添った対応をするため、現状をしっかり把握し、必要な政策を打ち出したい」(聞き手は石巻総局・氏家清志)


被災3県の津波情報図・震災版を作成 2管本部がHPで公開
 海上保安庁は、東日本大震災の津波断層モデルを使用した岩手、宮城、福島3県沿岸の津波防災情報図を作成し、第2管区海上保安本部のホームページ(HP)で21日に公開を始めた。船舶の津波避難計画の策定や、主要港湾の防災・減災に役立ててもらうのが狙い。
 津波防災情報図は(1)津波が押し寄せる際の速さや水位情報を記す「進入図」(2)津波が引く際の速さや水位低下、海底面の露出場所を示す「引潮(ひきしお)図」(3)ある地点の水位、流れの推移をグラフ化した「経時変化図」(4)動画化した「アニメーション」−の4点セット。
 震災後の測量結果を用いた最新の地形データと内閣府が公表した震災の津波断層モデルを使い、3県の12港と県ごとの広域沿岸海域の情報図を作成した。
 このうち大船渡、石巻、小名浜など8港と宮城、福島両県沿岸は公開中の宮城県沖地震(1978年)、三陸沖北部の地震(68年の十勝沖地震)、明治三陸地震(1896年)の3モデルに震災分を追加。大槌、山田(岩手県)、女川、気仙沼(宮城県)の4港と岩手県沿岸北部、南部は全4モデルを新たに作成した。
 2管本部海洋情報部は「震災によって海底の地形が変化した。船舶関係者から作成の要望もあった」と説明。佐々木幸男本部長は「希望があれば、学校への出前講座も検討したい」と話した。津波防災情報図は、HPトップ画面の「安全情報トップ」から「防災情報」に進むと閲覧できる。


今春閉校の気仙沼・水梨小で感謝込め、有終の鳥舞披露
 気仙沼市水梨小で23日、40年近く続く神楽の発表会があった。児童数の減少で4月に松岩小と統合、閉校するため伝統行事も今回が最後。子どもたちは集まった約80人の住民や卒業生らの前で、お世話になった学校や地域への感謝を込めた舞を披露した。
 体育館であった発表会に全校児童16人が参加。明治末期、一関市千厩町から地元の羽田地区に伝わったとされる「鳥舞」を踊った。
 赤い着物と緑のはかまを身に着け、ボール紙で作った鳥兜(とりかぶと)をかぶった子どもたちは約5分間にわたり、豊作や家内安全を願う踊りを披露。息の合った舞に会場から大きな拍手が送られた。
 6年尾形良太君(12)は「最後の発表会で練習の成果を存分に発揮できた」と満足げに話した。
 同校は地域学習の一環として地元の「羽田芸能保存会」の指導を受け、1980年から踊りの継承に取り組んできた。保存会の尾形幹男会長(71)は「心を一つに素晴らしい踊りを見せてくれた。この子たちは地域の宝だ」と感激していた。
 同校は52年開校。ピーク時の59年には200人が在籍した。統合後の学校で鳥舞が継承されるかどうかは決まっていない。
 6年荒木みうなさん(12)は「神楽の発表会が無くなってしまうのは寂しい。できれば統合先でも続けてほしい」と願った。


河北春秋
 三陸沿岸道路の宮城2区間が16日、開通した。気仙沼と仙台が高速道路で直接結ばれ、観光振興や経済活性化に期待がかかる。だが、気仙沼天文研究室代表の横川幹夫さん(63)は浮かない顔だ▼気仙沼市本吉町滝根の自宅は、大谷海岸インターチェンジ(IC)そばの丘の上。同IC以南が新たに開通後は、仙台方面から左カーブを上ってくる車のライトが、反射望遠鏡の入った庭のドームを照らす。「天体撮影に大いに支障が出る。ライトが上向きだとより深刻。残念です」▼彗星(すいせい)に魅了され50年。市役所を定年退職後、趣味に打ち込めると思っていたのに…。「安全を守れるなら、せめてライトを下向きに」と訴える▼星空の美しさを調べる全国調査で、気仙沼は上位の常連だった。横川さんは今も、ツアー客から星案内を頼まれる。4月7日に気仙沼大島大橋が開通する大島でも、星空観察を目玉にしようとする計画がある▼東日本大震災の日、市民会館副館長だった横川さんは避難者の対応に追われ、無数の流れ星が横切ったとされる夜空を見ていない。秋まで空を見る余裕はなかった。だから「ゆっくり星が見られる世であって」と切に願う。将来、大島大橋がライトアップされることになったら。「美しい星空のために、光はどうか下向きで」

<女川再稼動>宮城県内自治体、割れる反応 立地自治体は賛否を明らかにせず
 東北電力女川原発2号機(女川町、石巻市)の再稼働の是非を問う住民投票条例案を巡り、県内の自治体の反応が分かれている。立地自治体などは条例案への賛否を明らかにせず、一部の首長が賛意を示した。条例制定に消極的な知事意見に反発の声もあり、多くが県議会2月定例会の審議の行方を注視する。
 過去に産業廃棄物施設を巡る住民投票を実施した経緯がある白石市。山田裕一市長は「広く県民の意見を聞く機会があるのは良いこと。エネルギー政策は国策だからと地方が何も言えないのなら、分権時代に逆行する」と条例可決を望む一人だ。
 一方、立地自治体の女川町の須田善明町長と石巻市の亀山紘市長は「県議会が判断すること」と説明。東北電の大口株主でもある仙台市の郡和子市長も「県議会の判断であり、コメントは差し控える」と賛否を示さなかった。
 直接請求された約11万人の署名は、県内全域での関心の高さを裏付ける。賛否を言及していない加美町の猪股洋文町長も「県議は署名の重みを受け止める必要がある」と指摘する。
 ただ、首長の立場として「地域課題の解決に住民投票が多用されてしまう懸念がある」(県央の首長)ことも、賛否の言及を控える一因のようだ。
 条例案に付ける村井嘉浩知事の意見は、賛否のみの投票は多様な意思が反映できないと指摘した。
 24日投開票の沖縄県米軍基地移設の是非を問う住民投票のように「どちらでもない」との選択肢を求める声もある。県南の首長は「賛否を判断できない人の選択肢も必要。単純な賛否だと原発は怖いといった感情的な判断になってしまう」と推測する。
 これに対し、女川原発30キロ圏内に入る美里町の相沢清一町長は「『どちらでもない』があると、執行者の都合で結果を勝手に解釈できる。県民の意思表示をうやむやにしてはいけない」と2択を支持する。
 気仙沼市の菅原茂市長は、東京電力福島第1原発事故の汚染牧草などの対応で関連自治体が住民理解を得るのに苦慮する現状を指摘した上で、「汚染廃棄物も原発も理解が深まりにくい。投票を実施することになれば、県民に知ってもらう情報と時間を担保する難しさはある」と話す。


福島原発の廃炉 一歩前進も苦難は続く
 東京電力福島第1原発事故機の廃炉作業で、新たな一歩が刻まれた。
 2号機の原子炉格納容器内で溶け落ちた核燃料(デブリ)に触れて、硬さなど性状を確かめる初めての調査を実施。デブリの可能性がある小石状の堆積物を持ち上げることができたという。
 放射線量が極めて高く、人が近づくことができない原子炉格納容器に残されたデブリをどう取り出すかは、廃炉の中で最難関の作業だ。遠隔操作で進められるが、接触・移動ができたことは今後に光をともす。
 炉心溶融(メルトダウン)が起きた同原発1〜3号機のうち、内部調査が最も進んでいるのが2号機だ。2017年1月からのカメラなどによる調査で、格納容器内の様子を明らかにしてきた。
 デブリ取り出しの作業が2号機で先行する可能性が高まっている。今後、試験的に採取するなどして研究、対策が進められる。
 とはいえ今回の成果は、長い道のりの中の一歩でしかない。未知の作業に向けて技術の集積・開発が必要だ。関連産業は総力を注がなければならない。
 廃炉の課題は技術的な問題だけではない。デブリについては取り出した後、どこに保管するかは未定。使用済み核燃料の最終処分地が何も決まっていないのと同様、場所探しは至難だ。
 将来的な問題の一方、早急な解決が迫られているのは、汚染された地下水の浄化処理水の処分だ。原発敷地内に貯蔵タンクが林立し、構内の保管スペースが限界に近づいている。
 海洋放出が検討されているが、漁業者の反発は強い。放水に理解が得られるのか、別の方法を検討するのか。判断が問われる。
 廃炉費用も膨大だ。東電の経営再建を議論する経済産業省の有識者会議が16年、それまで見込んでいた額の4倍に当たる8兆円に膨らむとの試算を提示した。
 ただ、これで収まる保証はない。今回の2号機の調査範囲はごく一部でしかない。金属の構造物やコンクリートなどが溶けて混じったデブリは3機で約880トンに上るとの推計がある。
 廃炉作業は30〜40年かかるとされているが、デブリの状況によってはさらに長期化する可能性がある。そうなると費用はさらに膨らむことになろう。
 また、福島第1原発1〜4号機を除く商業用原子力関連69施設の廃止費用の見込みは現時点で4兆8千億円。試算困難な部分もあるため氷山の一角で、なお膨らむだろう。福島事故機と併せ廃炉費用が未来にズシリとのしかかる。


菅官房長官の記者会見 自由な質問を阻む異様さ
 菅義偉官房長官の記者会見に関して首相官邸側が「内閣記者会」(記者クラブ)に出した文書が国会でも取り上げられ始めた。東京新聞の特定の記者の質問が事実誤認であり、「問題行為」だとする文書である。
 政府は「記者の質問を制限する意図はない」との答弁書を閣議決定したが、かねて政権に批判的な立場から質問を続けているこの記者を苦々しく思っていたのは確かだろう。
 こうした文書を出すこと自体が自由な質問を阻み、批判的な記者の排除につながる恐れがある。まず官邸はそうした姿勢を改めるべきだ。
 記者会への文書は昨年末、出された。米軍普天間飛行場移設に伴う土砂投入をめぐる同紙記者の質問に対し、正確な事実を踏まえた質問をするよう申し入れたものだ。
 大きな問題点はここにある。仮に質問が事実でないのなら、その場で丁寧に正せば済む話だからだ。
 しかも官邸の認識を記者会も共有するよう求めている。狙いは報道全体への介入や規制にあると見られても仕方がない。記者会が「質問制限はできない」と伝えたのは当然だ。
 政府も認めている通り、官房長官の会見を主催しているのは記者会である。会見は政府の一方的な宣伝の場ではなく、記者側が政府の方針や見解をただすとともに、埋もれている事実を明らかにするためにある。
 東京新聞は先日、検証紙面を掲載し、そもそも記者の質問は事実誤認ではないと反論する一方、一昨年秋から同紙に対して計9回、同様の申し入れがあったことも公表した。
 改めて取材を重ね検証した点は評価したい。ただし申し入れの事実をもっと早くから自ら報じて提起すべきではなかったか。疑問が残る。
 同紙記者の質問を菅氏が「指摘は当たらない」の一言で片付け、官邸報道室長が「簡潔に」と質問を遮る場面が横行している。もはや質問と回答という関係が成立していない。無論責任は菅氏側にあるが、記者も本意ではなかろう。きちんとした回答を引き出す工夫も時には必要だ。
 記者会見でのやり取りには絶えず緊張感が必要だ。それが欠ければ官邸の増長を招くことになる。政権を厳しくチェックし、国民の知る権利にどう応えるか。その点にこそ報道機関は問題意識を共有したい。


週のはじめに考える 反対がある世界に賛成
 賛成、イエス。何か明るく前向きな感じがしますね。でも、それだけだと意見は一つ。反対やノーこそが、「それ以外」という別の選択肢をつくります。
 さて、最近、少し驚いたのは、例の統計不正の問題があったにもかかわらず安倍政権の支持率が上昇した、とのニュースでした。その調査結果に関する記事の中で、「自民党幹部」は要因をこう分析しています。
 「野党がふがいないから」
 何となく想が連なったのは、NHKの朝の連続ドラマ『まんぷく』でした。
◆『まんぷく』の鈴と野党
 ご覧になっていない方には申し訳ないのですが、あのチキンラーメンをつくった安藤百福と妻がモデルのお話です。ドラマでは、萬平と福子という夫婦が二人三脚で即席ラーメン開発を成し遂げていく姿が描かれています。
 あらゆる決断の場面で、萬平が「こうしたい」と言えば、福子は少し躊躇(ちゅうちょ)はしても、結局は「萬平さんのしたいようにしてください」と賛成します。しかし、福子の母鈴は、萬平・福子が「やる」と言えば「やめた方がいいわ」、「やめる」と言えば「何でやめるのよ」といった具合に、まあ、何でも反対する。
 ちょっと重なりませんか。萬平が自民党なら、福子は公明党、そして、鈴は、野党。
 そういえば、「何でも反対」って、野党批判の常套(じょうとう)句の一つでしたね。
 しかし、そもそも野党が与党に反対するのは当然でしょう。英語で言えば、the opposition=反対党なのですから、ひるむことはない。与党から「ふがいない」と言われてしまうのは、むしろ反対が手ぬるい、あるいは反対に工夫が足りないからではありますまいか。「何でも反対」でも、鈴は(演じる松坂慶子さんの力も大きいのですが)、とてもチャーミング。学ぶべきところがあるかもしれません。
◆権力が異論を軽視すれば
 もっとも、似てはいるが違うといえば、こっちの方が決定的。自民・公明の与党には、萬平・福子の柔軟さ、謙虚さを感じません。
 例えば、萬平が即席ラーメン開発の最初の課題、スープ作りで試作を家族に食べさせる場面。萬平の苦労も察してか、福子をはじめ、みなが口々に「おいしい」と言う中、鈴は一人敢然と「おいしくない」と言い放ちます。まさに、反対によって「それ以外」の選択肢を提出したわけです。
 すると萬平は、悔しそうにしつつも、そのノーを受け入れ、改良を続行、最終的によりおいしい完成品へとたどり着けたのでした。
 野党の反対や批判を容(い)れて、参考にしたり、主張を見直したりする。今の与党、安倍政権には、そういう懐の深さがない。首相は、野党の異論や追及に誠実に応じているとは到底言えず、国会での議論というプロセス自体さえ、軽くみている印象があります。
 萬平・福子が、異論を「聞く耳」を持ち、反対者(鈴)への敬意も決して忘れないのとは、むしろ対照的です。
 与党は衆参両院で多数を占め、いくら野党が反対しようと、確かに、最後は数の力で何でも決められる。現在は、自民党内にも有力な“野党”は見当たらず、ほぼ一強・安倍首相の思うように物事が決まっていく状態です。
 しかし、では反対には価値がないのでしょうか。
 そうでないことは、逆に、「反対のない世界」を想像してみれば明白です。政治体制で言えば、独裁や全体主義でしょうか。賛成一色の中、すべては権力者の思うがまま…。ノーが表明できて、反対者が存在できる民主主義のありがたさを思います。
 しかし、たとえ民主的に多数を得た権力でも、反対に価値を認めず「思うがまま」にことを進めるなら、「反対のない世界」との境界はどんどん曖昧になっていく。即(すなわ)ち、反対できるだけでは不十分。権力がそれに敬意を払ってはじめて民主主義なのです。
◆たった一人の「ノー」
 米中枢同時テロの直後、米議会は大統領に、ほぼフリーハンドで報復戦争を行う権限を与える決議を採択しました。相当乱暴な内容でしたが、上院は全員賛成。そして下院は賛成四二〇に、反対一。
 この唯一の反対票を投じたバーバラ・リー議員に、後年、ワシントンで会ったことがあります。
 「白紙小切手みたいな決議には賛成できなかった。まさか、反対が自分だけだとは思わなかった」と言っていました。世論の感情もたかぶる中、非愛国的だと脅されたこともあったそうです。
 でも、米国が危うく「反対のない世界」に陥るところを彼女の一票が救ったようにも思えます。こうしたノーを守り、敬意を払える社会でありたいものです。


親の体罰/大人の意識を変えるとき
 子どもへの暴力は「しつけ」ではない。正当化は許されない。大人の意識を変え、社会で広く共有するときではないか。
 相次ぐ児童虐待事件を受け、児童虐待防止法改正案などに親の体罰禁止規定を盛り込もうとする声が与野党から上がっている。東京都は全国初となる体罰禁止の条例案を審議中だ。
 しつけと体罰の線引きは難しい、との意見は根強い。日本の大人の約6割が「言っても聞かないときはたたくことも必要」などと、しつけのための体罰を容認しているという調査結果も報告されている。
 暴力を振るえば子どもはおとなしくなり、すぐに従うかもしれない。しかし、それは恐怖心や痛みで子どもの行動をコントロールすることであり、心や体に傷を負わせる。
 痛ましい虐待事件の多くは体罰がエスカレートしたものだ。千葉県野田市の小学4年女児が死亡した事件を含め、逮捕された親の大半は「しつけのつもりだった」と話している。
 もう犠牲者を出してはならない。しつけと称して暴力に頼るような子育てとは決別しよう。
 国は体罰を防ぐ法整備や親を孤立させないための支援、たたかない育児の啓発などに取り組んでほしい。
 世界を見れば、50カ国以上が子どもへの体罰を禁じている。1979年にいち早く法律で全面禁止したスウェーデンでは、60年代に親の9割が体罰をしていたが、2000年代には1割にまで減ったという。
 日本の民法は「懲戒権」を定めている。親が教育などのために必要な範囲で子どもを戒めることができる権利だが、以前から懲戒権の削除を求める意見がある。11年の民法改正の際も議論になったが、「必要なしつけすらできなくなると誤解される」と削除が見送られた。
 しつけのための体罰を容認する風潮と懲戒権の存在は無関係ではない。子どもの権利を守る観点からも、削除に向けてしっかり議論するのが望ましい。
 いじめに代表される子どもの暴力は大人から学んだもの−。相談窓口を運営するNPO法人チャイルドライン支援センターのスタッフはこう指摘する。大人が心に刻むべきである。


体罰としつけ  虐待生む「土壌」考えたい
 親による体罰を法律で禁止すべきか。千葉県野田市の小学4年、栗原心愛(みあ)さんが死亡した事件を受け、国が児童虐待防止法など関連法改正の検討を進めている。
 子どもを懲らしめる「懲戒権」規定を民法から削除するよう求める声も自民党内から出ている。東京都は既に全国で初めて体罰禁止を盛り込んだ条例案を都議会に提出した。議論を深め、社会の意識を変える契機としたい。
 心愛さんの事件で逮捕された父親は冷水シャワーをかけ続けたことを「しつけのつもりだった」と供述。東京都目黒区で昨年起きた5才女児虐待死を含め、過去の事件で逮捕された多くの保護者からも同じような言葉が聞かれた。
 民法は「子の利益のため」との前提付きで、親が監護や教育など必要な範囲で子を戒めることができると定めている。
 この懲戒権が「しつけ」と称する体罰の口実に使われてきた。虐待事件の大半は体罰がエスカレートしたとみられる。
 「たたくのもしつけ」という考えは根強い。国際NGO「セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン」が昨年発表した調査では日本の大人の6割近くが、しつけに伴う体罰を容認していた。
 こうした社会の風潮と、体罰容認の余地を残す懲戒権は深く関わっている。そこに虐待を生む「土壌」があるなら法規定のあり方も見直す必要がある。
 日本で虐待が高い頻度で報告されていることを懸念し、国連の子どもの権利委員会は今月、対策強化を政府に勧告した。こうした中、体罰禁止の法制化の動きが与党内で加速している。
 ただ課題もある。親による体罰を禁止すれば、子どもへのあらゆる有形力の行使が法律違反だと解釈されかねない。
 教育現場では学校教育法で禁止し、殴る蹴るのほか室内の閉じ込めなど体罰行為を通知で定めるが、保護者にとっては悩ましい。「必要なしつけすらできなくなってしまうのでは」との困惑の声も聞こえてきそうだ。
 それでも体罰を法律で禁止している国は54カ国に上る。世界で初めて禁じたスウェーデンでは法制化後に社会の意識が大きく変わり、体罰を容認する人の割合は1割に減ったという。
 大半の国は具体的な行為を定めていない。体罰に頼らないしつけに努めることや暴力根絶の理念を掲げるだけでも一定の歯止めになるのではないか。虐待防止へ国が強い姿勢を示すという意義は大きいだろう。
 体罰は子どもの心身の成長に悪影響を及ぼすとされる。何より大切なのは、たたかず、怒鳴らない子育てができるよう保護者への支援を強めることだ。
 こうした暴力の背景には経済的な困窮や夫婦関係の悪化、地域での孤立といった要因がある。児童相談所は体制充実と併せ、関係機関と連携して現場対応を着実に強化してほしい。
 暴力で子どもを従わせる行為はしつけではなく、支配だ。さまざまな理由で子どもを懲らしめたくなっても、一度立ち止まって考えるべきではないか。社会全体にその認識を広げていきたい。


[しつけと体罰] 子どもの人権守らねば
 政府、与党は「しつけ」と称した児童虐待事件が相次いでいることを受け、親による体罰を禁止する法改正を検討している。
 児童相談所の体制強化に向け、今国会に提出する児童福祉法と児童虐待防止法の改正案に禁止規定を盛り込めるかが焦点となる。
 昨年3月に東京都目黒区で両親から虐待された5歳女児が死亡する痛ましい事件があった。今年1月に千葉県野田市の小4女児が虐待死した事件では、親は「しつけのため」とする旨の供述をしている。
 しつけを口実にした体罰が虐待を招いている実態がうかがえる。
 児童虐待は、子どもの人格を無視した人権侵害にほかならない。悲劇を繰り返さないため、体罰禁止を法律に明記し、子どもの命と人権を最大限に守る必要がある。
 民法は「子の利益のため」との前提で、親が必要な範囲で子を戒めることができると「懲戒権」を認めている。ただ、戒めと体罰の境界はあいまいで、しつけ名目の体罰につながるとの指摘がある。
 安倍晋三首相は国会で「規定の在り方について法務省に検討させたい」との考えを示した。
 過去の民法改正の議論では、懲戒権を削除することで「必要なしつけすらできなくなると誤解される」と慎重な意見もあった。
 怒鳴ったり、暴力を振るったりすれば手っ取り早く子どもを従わせることができるだろう。だが、苦痛を与えて無理強いしても教育的効果があるとは思えない。
 こうした行為は、子どもの脳にダメージを与える上、自尊心を損なったり、感情のコントロールが苦手になり対人関係をうまく築けなくなったりする影響があると警告する専門家もいる。
 親はしつけのつもりでいても、子どもを傷つける場合もある。こうした行為がエスカレートして虐待につながりかねないことを肝に銘じなければならない。
 児童虐待防止法は、しつけに関して「親権の適切な行使に配慮」するよう義務づけている。
 学校教育法は教員に児童らへの懲戒を認めた上で「ただし、体罰を加えることはできない」と定めており、保護者にもしつけ名目の体罰が許されないことを、法律で明確化する効果はあるだろう。
 東京都は、保護者による子どもへの体罰の禁止などを盛り込んだ虐待防止条例案を都議会に提案する。条例案では、肉体的または精神的苦痛を与える保護者の行為を幅広く「子どもの品位を傷つける罰」と規定し禁じている。
 子どもの人権を尊重し、体罰に頼らないしつけが大事なことを社会が共有することが重要だ。


大津・中2自殺判決 いじめ根絶の決意 社会に
 2011年に大津市の中2男子生徒が自殺したのはいじめが原因だとして両親が損害賠償を求めた訴訟で、大津地裁は元同級生2人に請求のほぼ全額となる3750万円の支払いを命じた。いじめは重大な人権侵害であり、加害者が重い責任を負うことを示す判決となった。
 判決では、加害行為による孤立感や絶望感が自殺の原因だと認め、そうした心理状態に至れば自殺に及ぶのは予見可能だとした。遺族側が提出した多数の証拠を詳細に検討した上で結論を導き出しており、今後の被害者の救済拡大につながるものとしても評価したい。
 男子生徒の自殺後も深刻ないじめ被害は絶えない。判決は、加害者だけでなく、社会に対していじめ根絶への決意をあらためて求めたものともいえる。教育現場や家庭、地域が連携し、いじめを防ぎ、子どもたちの命を守る取り組みを推進する契機としなければならない。
 裁判で元同級生らは、加害行為の一部は認めながらも「遊びの延長で、いじめとは思わなかった」と主張。しかし判決は、「加害者らの行為は男子生徒に心理的負荷を与え、友人関係を上下関係に変容させて固定化して、精神的に追い詰めた」として退けた。いじめは、ハチの死骸を食べさせようとしたり、突然自宅を訪れて室内を荒らしたりするなど度を超しており、遊びで済まされないのは明白だ。
 いじめの加害者が、「遊び」や「いじり」だと釈明する例は少なくない。周囲の子どもたちや教職員、保護者も、そう思い込むことで感覚がまひし、深く傷ついている被害者の内面に思いが至らないのではないか。山口県周南市で16年に高2男子生徒が自殺した問題では、教職員までもがいじめに類する行為を行ったと認定されている。人権や命がかけがえのないものであるという当然のことについて、いま一度考える必要がある。
 大津市の中2自殺を巡る学校や大津市教育委員会の不適切な対応を教訓に13年、「いじめ防止対策推進法」が施行された。いじめを広く定義し、早く芽を摘み取るための調査や対応に乗り出すよう定めたものだが、13年度以降もいじめで自殺した児童生徒は全国で43人に上り、法が浸透したとは言い難い。
 昨年の総務省の抽出調査によると、24%の小中高校が法より狭くいじめを解釈し、「行為の継続」や「集団的」といった独自の基準を加えていたことが明らかになっている。これにより「下着を下げられた」などの事例がいじめの認知件数から漏れていたという。たとえささいと思われるケースでも放置すれば深刻な事態を招きかねない。自校でのいじめの件数を少なくしようとの意識があるなら許し難い。
 生徒の父親は判決後「いじめを苦に自殺する子がいなくなってほしい。それが息子の最後のメッセージだ」と訴えた。その実現を社会の責務としたい。


きょう県民投票 自身の思い1票に託そう
 米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古への新基地建設による埋め立ての賛否を問う県民投票がきょう24日、投票日を迎えた。辺野古移設の賛否を直接問う県民投票はこれが初めてだ。必ず投票所に足を運んで「賛成」「反対」「どちらでもない」の3択のいずれかに「○」を書いて投票してほしい。
 名護市の大浦湾は豊穣(ほうじょう)な海だ。浅瀬から水深60メートルの深場まで、重層的な地形が独自の生態系を育んでいる。
 大浦湾一帯で見られる生物は5334種で、うち262種が絶滅危惧種だ。沖縄防衛局の環境影響評価で確認されている。宝の海と呼ばれるゆえんだ。
 類いまれな生物多様性の海であり続けられたのには理由がある。マングローブ、岩礁、干潟、サンゴ礁、海藻藻場、深みの砂泥底、岩や死んだサンゴが積み重なったガレ場といった複雑な自然環境が連続して存在したためだ。
 2007年、沖縄リーフチェック研究会が大浦湾に大規模なアオサンゴ群落が存在していることを発見した。群落は長さ80メートル、幅27メートルの規模で、水深約1〜12メートルほどのなだらかな谷の形状に密集して広がっていた。
 アオサンゴの群落としては国立公園に編入された石垣市白保の大群落に次ぐ規模だという。アオサンゴは国際自然保護連合(IUCN)がレッドリストで絶滅危惧種に指定している。
 日本政府は現在、この大浦湾や辺野古海域に護岸を設置したり、土砂を投入したりして、新基地建設のための埋め立て工事を進めている。
 県民投票はこの海を新基地建設のために埋め立てることへの是非を問うものだ。沖縄の海は県民の財産だ。一人一人が自身の問題として捉え、自身の意思を投票で示してほしい。
 最も多く得票した選択肢が投票資格者総数の4分の1に達した場合、知事は投票結果を尊重しなければならないと条例で規定している。さらにその結果を知事が首相と米大統領に通知することも定めている。
 菅義偉官房長官は県民投票が告示された後の会見で「どういう結果であれ、辺野古移設の方針に変わりはないか」と問われ「基本的にそういう考えだ」と述べ、結果にかかわらず移設工事を進める考えを示した。
 県民投票には法的拘束力はない。しかし琉球新報社、沖縄タイムス社、共同通信社の3社合同で実施した県内全域の電話世論調査では、政府が県民投票の結果を「尊重すべきだ」との回答は86・3%に上った。日米両政府は県民投票の結果を尊重する必要がある。
 普天間飛行場の返還合意から23年がたった。県民の中には複雑な思いが交錯する。だからこそ辺野古移設の賛否を問う県民投票で、それぞれの思いを1票に託してほしい。


[きょう県民投票]沖縄の未来選び取ろう
 辺野古埋め立ての賛否を問う県民投票の日を迎えた。
 シングルイシュー(単一争点)の県民投票は、新基地建設という国策に対し民意を明らかにする画期的な機会である。
 「歴史の場」に足を運び、大事な1票を投じてほしい。 都道府県レベルの住民投票は、1996年9月に沖縄で実施されて以来2回目。「米軍基地の整理縮小と日米地位協定の見直し」という抽象的な内容を争点にした前回に対し、今回は辺野古埋め立ての賛否を問い掛けている。
 有権者は約115万人。「賛成」「反対」「どちらでもない」の選択肢のうち、いずれかが4分の1に達するかどうかが焦点だ。きょうの結果が基地政策の方向に大きな影響を与えるのは間違いない。
 改めて投票が持つ意義を確認したい。
 県民は新基地反対の意思を知事選などで再三示してきた。しかしそれでも県民投票に踏み切らざるを得なかったのは、政府がその声を無視し続けているからである。
 2016年9月、辺野古違法確認訴訟判決で福岡高裁那覇支部は「新基地建設に反対する民意に沿わないとしても、普天間飛行場その他の基地負担の軽減を求める民意に反するとはいえない」との判断を示した。あたかも二つの民意があるような言い方で新基地を容認したのだ。
 さらに知事選を含めここ何年かの選挙で国政与党が推す候補は、辺野古について語らない「争点はずし」の戦術を徹底している。
 県民投票はだからこそ必要なのである。
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 名護市辺野古の埋め立て予定区域を巡っては、「マヨネーズ並み」といわれる軟弱地盤の改良工事が広範囲にわたり、そのために打ち込む砂杭(すなぐい)が7万7千本に上るなど、想定外の事態も次々と明らかになっている。
 軟弱地盤の一部は水面下90メートルに及び、施工実績さえない。
 「完成まで13年、総事業費2兆5500億円」という県の試算を、政府は「大げさ」と批判するが、ならば工期や工費について明らかにすべきである。
 県の工事中止要請には一切聞く耳を持たず、説明責任を果たすことなく、県民投票を前にひたすら土砂を投入するという対応は、あまりに不誠実だ。
 県民投票は、安倍政権のこの強硬姿勢を問う選挙でもある。
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 賛否にかかわらず投票所に足を運んでと訴えながら、新基地建設反対県民投票連絡会の若者たちが、沖縄の過去と現在を結ぶ象徴的な場を歩いている。きのう朝、糸満市の魂魄(こんぱく)の塔を出発し、きょう夜、辺野古に到着する予定だ。
 政治学者の丸山真男は「家が住みいいかどうかを判断するのは建築技師ではなくて、その家に住む人間である」との比喩で、民主主義について語っている。
 沖縄の将来をどう描くかという意味では、とりわけ若い世代にとって重要な投票である。未来は私たちの手に委ねられている。


[辺野古軟弱地盤] 改良工事は非現実的だ
 政府が強引に進める事業は、ますます非現実的になっていると言わざるを得ない。
 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設を巡り、埋め立て工事の実態が明らかになりつつある。
 予定海域に存在する軟弱地盤は極めて深刻な状態で、改良工期が長期化することは避けられない。工費も、政府の当初の見積もりより大きく膨らむ見通しだ。
 軟弱地盤は沖縄県が以前から指摘してきた問題である。普天間の代替施設建設地に適さないとして、昨年8月に埋め立て承認を撤回した際の理由に挙げた。
 しかし、政府からこれまで県にきちんとした説明はなされていない。岩屋毅防衛相がおとといの記者会見で「地盤改良という新たな要素が加わったので、その分は延びていく」とようやく認めた形である。
 改良工事には県から計画変更の承認を受ける必要がある。政府は今春にも設計変更に着手する予定だが、移設に反対する県は変更申請を許可しない構えだ。
 政府は、現行計画の困難さを認め、工事を見直す必要がある。
 問題となっているのは、まだ土砂投入が始まっていない米軍キャンプ・シュワブ東の大浦湾側海底にある強度の低い地盤である。
 工法は県による辺野古の埋め立て承認撤回に絡み、防衛省が国土交通省に提出した書類に明記されている。外枠や中仕切りとなる護岸を造り内側を土砂で埋める。
 対象となる面積は65.4ヘクタール。鋼管を海底に打ち込み、内部に砂を流し込んだ後に鋼管を引き上げ、締め固めた砂のくいを7万6699本立てる。
 海面から軟弱地盤の底まで最大90メートルに達し、使う砂の量は東京ドーム約5.25個分に当たる約651万立方メートルという。
 地盤改良だけで数年を要する見通しで、これまで埋め立てにかかる期間は計5年としていたが、10年以上に延びる公算が大きい。
 工費にしても防衛省は「3500億円以上」としてきたが、県の試算では2兆5500億円に跳ね上がる見込みである。驚くような内容ばかりだ。政府は説明責任を果たす必要がある。
 政府は「一般的な工法だ」とするが、果たしてそうか。長い年月と多大な工費をかけるのには無理がある。普天間の一刻も早い危険性除去にも反する。
 沖縄県ではきょう、辺野古移設の賛否に絞って県民が直接審判を下す県民投票が行われる。法的拘束力はないが、示された民意に政府がどう対応するかが焦点だ。


県民投票で辺野古基地反対が圧倒! 安倍政権が妨害しても投票率5割以上、安倍応援団はぐうの音も出ず
 安倍政権に対し、県民がはっきりと「反対」の民意をつきつけた。本日おこなわれた辺野古新基地建設の賛否を問う県民投票は「反対」が多数となることが確定した。朝日新聞の出口調査では「反対」に投票した人は7割におよび、昨年、知事選で玉城デニー氏が獲得した過去最多の約39万票を超える可能性もあるという。
 県民投票条例では有権者の4分の1が選択した結果を知事が尊重し、総理大臣と米大統領に通知することが定められているが、今回は「反対」が4分の1を大きく超えるのは確実だ。この、沖縄が明確に示した民意を、安倍首相は無視することはできないだろう。
 しかも、注目しなければいけないのは、投票日のきょうは雨模様で出足が心配されるなか、この県民投票の投票率が50%を超えたことだ。選挙でもない、国の法律で定められているわけでもない住民投票で、50%を超えるというだけでも画期的だが、この県民投票をめぐっては、安倍政権および安倍自民党が、なんとかその結果を無効化させるため、投票率を下げさせようとさまざま卑劣な手段に出てきたからだ。
 今回、安倍自民党をはじめ、公明党、日本維新の会は県民投票を「自主投票」とし、自民、公明は公開討論会にも参加することなく「無視」を決め込んだ。これは日米地位協定の見直しと基地の整理縮小の賛否を問うた1996年の県民投票で、自民党県連が「棄権を呼びかける」としたことに批判が起こって方針の修正に追い込まれたことを念頭に置き、棄権呼びかけ運動ではなく、県民投票自体をまるでないことのように位置づけることで投票率を下げようとしたのだ。
 その一方、投票率を下げさせたい、「反対」票をなんとしても削りたい安倍政権が取ったのは、「辺野古か普天間か」という大嘘の喧伝と、ひたすら辺野古の工事を進めるという強権的な手段だった。
 そもそも、米政府は普天間返還に対して那覇空港の滑走路使用など8つの条件をつけており、2017年6月に当時の稲田朋美防衛相が「前提条件が整わなければ、(普天間)返還とはならない」と国会で答弁しているように、「辺野古に基地ができれば普天間は返還する」などという約束はなされていないのが現実だ。
 しかし、こうした事実を覆い隠し、安倍首相や菅義偉官房長官らは頻りに「普天間の危険除去のためには辺野古への移転しかない」などと言いつづけている。普天間基地近くの小学校や保育所に米軍機の窓枠や部品が落下するという重大事故が起こっても政府として米軍に強く対応を迫ることもしない安倍政権が、よくもまあ「普天間の危険除去」などと言えるものだと思うが、こうやって「辺野古に基地ができたら普天間返還」なる嘘を言いふらすことで、安倍政権は「反対」票を削り、さらには「容易に選択できない」苦悩を県民に押し付けてきた。
 さらに、政府は昨年12月14日から海への土砂投入を開始し、既成事実づくりに躍起。その上、安倍自民党は県民投票の全県実施を阻止することで無効化しようとまで画策した。「「辺野古」県民投票の会」代表の元山仁士郎氏が全権実施を求めてハンガーストライキしたことなどが実り、投票の選択肢を「賛成」「反対」の2択ではなく「どちらでもない」をくわえた3択で妥結したが、安倍自民党が一部自治体を県民投票不参加に持ち込んだことが少なからず「反対」票を削る結果になったことは間違いない。
 そして、何より大きかったのは、菅義偉官房長官の発言だろう。菅官房長官は今月14日の定例会見で、「どういう結果でも移設を進めるか」という質問に「基本的にはそういう考えだ」と明言。投票がおこなわれる前から、県民の意志表示は無視する、と宣言したのである。
安倍政権の“無視”作戦をアシストしたNHKをはじめとする大マスコミ
 その上、こうした安倍政権の姿勢をアシストしたのが、メディアだ。
 事実、前述した12月14日の土砂投入では、普段は沖縄問題を取り上げない「本土」メディアはその映像を大々的に報じ、NHKはライブ中継までおこなった。「もう引き戻せない」と諦めさせるための安倍政権のパフォーマンスに、メディアが丸乗りしたのだ。
 その一方、基地問題は日本全体の問題であるにもかかわらず、県民投票の話題はほとんど報じず。取り上げたとしても、「辺野古か普天間か」という安倍政権の嘘をそのまま伝える体たらくだった。
 いや、それどころか、県民投票が直前に迫った22日のNHK『ニュースウオッチ9』では、「選挙によって分断されてきた沖縄」をVTRで打ち出し、基地反対運動に参加してこともある若者が県民投票に行くかどうかで悩む様子や、普天間基地の近くに住む男性が“県民は二分される”として「棄権」を決断したという声をクローズアップし報道した。
 辺野古に基地ができても普天間が返還されるわけではないという事実を伝えることもせず、「サンゴは移植した」という安倍首相の虚偽発言をそのまま垂れ流し、挙げ句、投票日直前に「棄権」という選択肢を強調する──。こうした報道こそが、県民の分断に加担するものではないか。
 このように、政権と忖度メディアによる圧倒的な発信力によって、県民に苦悩を押し付け、分断し、投票の士気を下げる“妨害”活動をおこなってきた安倍政権。こうしたことを考えれば、有権者の50%を超える人びとが投票をおこない、その大半が「反対」票に投じたという結果は、極めて重要だ。
 安倍応援団メディアは「こんな低い投票率しかなかった」という攻撃をするために手ぐすねを引いていたようだが、ぐうの音も出ないとはこのことだろう。
辺野古の軟弱地盤工事は困難、工期13年以上、2兆5500億円の金額に
 だが、それでも安倍政権は、またも沖縄の民意を無視し、この無謀な新基地建設を進めると打ち出すだろう。そして、メディアも沖縄の住民だけの感情として矮小化してしまうかもしれない。
 しかし、今度こそそんな犯罪行為やデタラメを許してはならない。そもそも辺野古の新基地建設は、すでに物理的に暗礁に乗り上げている。大浦湾側の埋め立て予定地で見つかっている軟弱地盤について、政府は地盤に砂杭を打ち込む計画だというが、その数はなんと約7万7000本という途方もない数字だ。しかも、地盤改良はもっとも深い地点が水面下90メートルという世界的にも珍しい工事で、この深さに対応できる作業船は国内に存在すらしない。無論、莫大な工費となることは必至で、政府は当初2400億円としてきたが、沖縄県は2兆5500億円と試算。工事全体も13年かかるとしている。
 なおも工事を進めるという権力の暴走を見過ごすことは、沖縄だけではなく、すべての国民が同じように蹂躙されることを認めることになる。今回の「反対」の意思を、安倍首相はしっかり重く受け止めろ。そう全国から声をあげなければならない。投票によって明確に示された民意を蔑ろにすることは、けっして許されない。


「美ら海守る」覚悟示す 沖縄県民投票
 「反対多数確実」の速報を受け、那覇市の会場に集まった「『辺野古』県民投票の会」のメンバーたちは、拍手や握手をして喜びを分かち合った。
 会は9万2848人分の有効署名を集めて県民投票の実施を求めた。中心となった元山仁士郎代表(27)は反対が投票資格者の4分の1を超えたことを受け、声明を発表した。
 「私たちは、今回の県民投票は、一つの争点につき明確な県民の意思を表明した点で、この国の民主政治の歴史に新たな意義ある一歩を刻んだと確信している……安全保障政策を支える基盤は、基地の所在する地域の民意である。安全保障問題が国の専権事項であることを理由に沖縄の民意を踏みつぶすことがあってはならない」
 元山さんは昨年4月、「幼い頃から続く移設問題に決着をつけたい」と学生や弁護士らと県民投票の会を設立。一橋大大学院を休学し、ボランティアと署名活動を続け、昨年10月に県民投票条例の成立を実現させた。一時は地元の宜野湾など5市の市長が投票不参加を表明し、元山さんは水以外は口にせず座り込む「ハンガーストライキ」を実施。全県実施につながった。
 元山さんは「政府は普天間飛行場の危険除去のため真剣に別の選択肢を検討してほしい」と訴え、声明で本土の人たちにもメッセージを込めた。「これから問われるのは本土の人たち一人一人が沖縄の民意を踏まえ当事者意識を持ち、この国の安全保障及び普天間飛行場の県外・国外移転についての国民的議論を行うことである」
 辺野古移設反対の先頭に立つ玉城(たまき)デニー知事を支える県政与党や企業、団体でつくる「新基地建設反対県民投票連絡会」の那覇市の事務所でも、反対が投票資格者の4分の1超となり、幹部らがつないだ手を振り上げ「頑張ろう」と気勢を上げた。「圧倒的な反対。政府のやり方は許されない、不条理なことだと県民が表した」。共同代表で県内小売り・建設大手「金秀(かねひで)グループ」の呉屋守将(ごやもりまさ)会長はそう強調した。
 政府が辺野古沿岸部の美(ちゅ)ら海に土砂を投入する中、移設に反対する「オール沖縄」勢力は県民投票を「圧倒的な民意を示す闘い」と位置付け、24日の投票日も各地で最後まで反対運動を展開した。連絡会の関係者は「この結果なら政府も逃げられないだろう」と期待を込めた。
 一方、移設を容認する自民県連は告示直前に自主投票の方針を示し、賛成を求める人たちの動きも目立たなかった。ある県連幹部は「オール沖縄」をけん制するように言った。「県民の5割近くが投票に行かなかった。民意が示されたとは言えないだろう」【佐野格、宮城裕也、杣谷健太】


海賊版対策 拙速避け丁寧な議論を
 インターネットの海賊版サイト対策として、文化審議会の分科会が、著作権侵害を知りながらダウンロードすることを全面的に違法とする報告書をまとめた。
 これを受け、文化庁は今国会に著作権法改正案の提出を目指す。
 ネット上には合法、違法の著作物が混在しており、利用者が判別するのは容易ではない。
 広く網をかけることで、利用の萎縮や、法の恣意(しい)的な運用を招くといった疑念が拭えない。
 海賊版サイト対策は、利用の自由とのバランスをとりつつ、納得できる方法を探ることが大切だ。丁寧な議論を求めたい。
 報告書の柱は、違法ダウンロードの対象を、従来の音楽や映像から、漫画や小説などの「静止画」も含むあらゆる著作物に広げ、悪質な場合は刑事罰を科すことだ。
 海賊版サイトの横行は出版社や作家に経済的な打撃を与え、創作活動の停滞をもたらす恐れがある。悪質な著作権侵害を規制することに異論はない。
 問題は、スマートフォンなどに表示した画面を保存する行為も対象となる点だ。
 画面保存は、情報収集などのために日常的に行われている。海賊版対策でまとめて違法行為とすることには違和感を禁じ得ない。
 報告書は、刑事罰に問うのは海賊版サイトからのダウンロードや作品を丸ごとコピーするような事例に限定するよう求めている。
 適用条件を一層厳格に絞り込む必要がある。
 分科会はまた、利用者を海賊版サイトに誘導する行為についても刑事罰を科すよう提言した。
 海賊版サイト対策を巡っては、政府は当初、利用者がサイトに接続するのを接続業者が遮断する制度をつくろうとしたが、憲法の保障する「通信の秘密」を侵害するとの批判を受けて断念した。
 違法ダウンロードの対象を日常的な行為にまで広げ、刑事罰を科すことには、著作権者や著作権法の専門家からも疑問が出ている。
 分科会の議論も紛糾したが、3カ月ほどで審議は打ち切られた。あまりに乱暴ではないか。
 広告主に働きかけて海賊版サイトへの広告出稿を減らす、検索サイト業者と連携して海賊版サイトの利用を抑制するなど、本筋の対策も着実に進めてもらいたい。
 著作権の保護は不可欠だが、規制がすぎれば創作や市民活動の妨げとなる。政府には、デジタル時代の著作権について、国民の理解を深める努力が求められる。


企業の英国撤退 EU離脱、影響最小限に
 欧州連合(EU)からの「合意なき離脱」が現実味を増す中、企業の英国離れが加速している。
 ホンダは2021年に英国での自動車生産を終え、日産自動車は英国で予定した次期モデル製造を取りやめる。ソニーやパナソニックも欧州本社を英国から移す。
 裾野が広い自動車産業を中心に、英国の経済や雇用に打撃となろう。だが、ここに至った責任は、3月29日に予定される離脱が迫っても今後の方針を決められない英政府と議会にある。
 英国は離脱の混乱が自国の経済を衰退させかねない現実を重く受け止め、進出企業への悪影響を最小限にする策を講じるべきだ。
 メイ首相がEUと合意した協定案が1月に議会で否決され、その後も打開策が見えていない。
 激変緩和のための措置や移行期間もない離脱となれば、EUへの輸出に関税が発生し、通関手続きで物流や部品調達が滞る懸念がある。英国で取得した事業免許がEUで使えなくなる恐れもある。
 そうした不利益を回避しようとするのは、企業として合理的な判断と言える。
 ホンダは英国撤退について生産体制見直しの一環とし、離脱の影響を否定する。とはいえ、合意なき離脱でEUへの乗用車輸出に10%の関税がかかれば、低迷する欧州での販売は一段と厳しくなる。


過少給付の救済 「責任逃れ」は許されない
 毎月勤労統計の不正調査により過少給付が生じた問題で、厚生労働省は3月から雇用保険の現受給者に対する通知を皮切りに追加給付の作業を始める。
 給付対象者は、雇用・労災・船員の各保険などの現受給者と過去の受給者で延べ約2千万人超と推計され、追加給付の総額は約564億円に及ぶ。
 政府統計の信頼を根底から揺るがした上、何の瑕疵(かし)もない受給者に保険金の過少給付という「実害」をもたらした統計不正の罪深さを改めて思う。
 その責任は当然、厚労省をはじめ政府にある。あらゆる手段を尽くして迅速かつ公平に追加給付を実施すべきだ。「責任逃れ」は許されない。
 雇用・労災・船員の各保険制度や事業主向けの助成金は、毎月勤労統計調査で出る平均給与額などを基準にして給付額の上限や下限を算定している。
 ところが2004年以降、全数調査すべき東京都のデータがひそかに抽出調査へ改められ、大企業の標本数が減った。また、統計的処理として必要な復元をしていなかったため、賃金額が低めに出て、結果的に給付額の不足が生じてしまった。お粗末で無責任というほかない。
 厚労省が公表した追加給付の工程表によると、雇用・労災・船員の各保険で受給中の人にはおおむね3〜10月に開始時期の通知を始め、4月以降に順次、口座へ振り込む。受給済みの人には4〜11月に通知を始め、追加給付していくという。
 最大の問題は、延べ約1942万人と最も多い雇用保険で、受給申請書の保存期限が切れるなどして延べ1千万人以上の住所が不明となり、給付はおろか通知さえできないことだ。
 同省は、雇用保険システムに残る氏名や生年月日などの情報を住民基本台帳などと突き合わせて住所を割り出す方針だが、難航は必至といわれる。
 第1次安倍晋三政権下で起きた「年金記録問題」を思い出す。当時は「最後の1人まで」というのが合言葉だったが、国会答弁などを通じ現政権は周到にこうした表現を避けている。
 作業の難しさをうかがわせるが、既に設置済みの問い合わせ専用ダイヤルをはじめ相談態勢の拡充などを通じ、過少給付の解消に万全を期してほしい。
 理解に苦しむのは、追加給付に必要なシステム改修などの事務費約195億円を、労使が支払う保険料などを原資とする特別会計で負担する点だ。政府は「既定の事務費を節減して保険料の上昇につながらないようにする」としているが、なぜ政府の失態を労使の保険料で償う必要があるのか。引き続き政府に納得のいく説明を求めたい。


統計の正確性 国の礎として再認識を
 米国は建国以来、憲法の第1章第2条第3項で、法律で定める方法に従って人口の算定を実施することを定めている。
 国の現状が正確に分からなければ有効な政策は打ち出せない。人がどこに何人いて、どんな生活をしているのか。雇用や所得など経済活動の変化も重要な指標になる。正確な統計は国の礎だ。
 厚生労働省の毎月勤労統計などの不正問題は、「統計」や統計を基にした政策に対する信頼性を揺るがす事態に発展している。
 問題は大きく二つある。
 一つは統計が決められた手順に従って正確に作成されず、それを隠蔽(いんぺい)していたこと。もう一つは政府が都合のよい数値を出させていた可能性があること、である。
 全ての問題の事実経過と原因を明らかにしなければならない。その上で再発を防ぐ方法を考えることが必要だ。
<まず事実の解明を>
 勤労統計では従業員500人以上の企業は全て調べることになっていた。それに反し、厚労省は2004年から東京都内について抽出調査に勝手に変更して、3分の1程度しか調べておらず、必要な補正もしていなかった。
 その結果、統計を基に算出する保険制度の給付金額が低くなり、延べ約2015万人に過少支給が発生している。なぜ不正が始まり、長年にわたり発覚しなかったのか明らかになっていない。
 サンプル調査している従業員30〜499人の事業所の調査でも、不自然な点が見つかっている。
 調査対象は2〜3年ごとに総入れ替えしていた。これを18年1月から段階的に一部入れ替えるように見直した。その結果、賃金の伸び率が高くなった。
 疑念はその経緯にある。
 当時の首相秘書官が「問題意識」を厚労省幹部に伝えたことが契機となり、調査方法が変わった可能性がある。
 日銀による大規模金融緩和を中心としたアベノミクスは、海外の好景気と円安傾向に支えられ、企業業績の改善をもたらした。
 一方で従業員の給与水準は伸び悩み、国内の消費意欲が高まっていない。アベノミクスの行き詰まりという批判も大きい。
 統計で賃金が伸びたことが明確になれば「成果」とアピールできる。野党は「官邸の意向」に沿って、厚労省が調査方法を変更したと批判を強めている。
 政治が統計を軽視して、都合のいい数値を操ることは万が一にもあってはならない。政府は全ての経緯を明らかにして、納得できる説明をするべきである。
 統計は光のあて方で社会のさまざまな側面を映し出す。一面だけを取り出して、政策の成果をアピールする手段ではない。
 政府は毎月勤労統計で、野党が要求している18年の実質賃金の参考値公表に対し、消極的な姿勢を続けている。前年比マイナスになる可能性があるからだろう。
 あらゆる角度から多面的に分析してはじめて、国民の生活実態は浮かび上がる。未公表なら現在の給与水準が不明瞭になる。
 政府は働き方改革関連法案の審議でも裁量労働制の調査を詳細に検証せず、対象拡大の根拠にしようとした。政府は情報の使い方も改めなければならない。
 日本の統計は、諸外国に比べ正確性が高いという評価は専門家の間で根強かった。それなのに不正調査を受けて各府省庁が56ある基幹統計を点検した結果、約4割で不適切な処理が見つかった。
 背景に担当部局の予算や人員の削減を挙げる声は多い。
<削られる予算と人>
 08年度には257人の職員がいた厚労省の統計部局は、18年度には208人に減っている。04年度に12億4千万円だった予算も、約10年後に9億円台まで減った。
 訪問調査で行うことが定められていたのに郵送調査していた賃金構造基本統計。厚労省が18年度に全国の調査員の交通費として予算計上したのは約23万円しかなかった。1人が千を超える事業所を担当していた例も複数あった。
 予算と人員の削減が現場を疲弊させ、技能を奪っていないのか。
 長野県立大の田村秀教授は、各省庁にある統計部局を統合し、会計検査院と同じような専門的な独立した組織にすることを提唱する。職員を一括採用して専門性を高める。担当する統計も定期的に変更すれば、省庁や政府からも一定の距離を保てる。
 田村教授は「行政改革の流れの中で国や地方の統計部門の人員は不足し、技能も落ちている。データは政策の基になるという原点に立ち返る必要がある」と話す。
 長期間にわたって続いている統計は多い。必要性を検証し全体の規模を見直したり、デジタル技術を活用したりするなど時代に即した統計制度を再構築するべきだ。


昨年15人執行、死刑制度に高まる関心 オウム元幹部執行機に
 オウム真理教の元幹部らの死刑執行を機に、死刑制度への関心が高まっている。日弁連は、刑事司法に関する国連の国際会議が京都で開催される2020年までの廃止を目指しており、単位弁護士会で初めて廃止要求を決議した滋賀弁護士会に続く動きも全国で出始めた。国会議員や研究者ら関係者は「究極の刑罰」を巡る議論の活性化に期待を寄せている。
 18年は教団元幹部の死刑囚13人を含む計15人の刑が執行され、一時中断していた執行が再開された1993年以降では08年と並んで最多となった。12月には超党派の議員連盟が発足した。賛否それぞれの立場から幅広く議論を深め、制度のあり方について提言することを目指している。
 日弁連は16年の人権擁護大会で、20年までに死刑制度の廃止を求める宣言を採択した。冤罪(えんざい)のリスクなどを踏まえ、代替刑として判決時に仮釈放のない終身刑の導入を提言した。同年には刑事司法分野で国連最大となる犯罪防止刑事司法会議が京都市で開かれる。国連は廃止を勧告しているため、期限を定めた格好だ。
 滋賀弁護士会は人権擁護大会の直前、死刑廃止を求める決議を賛成多数で可決した。単位弁護士会としては全国初で、次いで宮崎県弁護士会が18年6月に同様の決議をまとめた。
 一方で否定的な見方もある。京都弁護士会は同年にプロジェクトチームを検討委員会に格上げし、勉強会などを企画している。ただ、12年に決議案が反対多数で否決された経緯もあり、再度の決議提案には至っていない。
 各弁護士会によると、「強制加入団体である弁護士会が個人の思想・信条に深く関わる問題について統一的な見解を出すべきではない」、「被害者や遺族の感情を考慮すると死刑は必要。被害者支援もやりにくくなる」といった意見があるという。
 滋賀弁護士会は、オウム真理教教祖の松本智津夫元死刑囚=教祖名麻原彰晃=の弁護人だった安田好弘弁護士を交えたシンポジウムを3月に予定する。今後も死刑の是非を問う情報発信に力を入れる考えだ。
 日弁連の「死刑廃止及び関連する刑罰制度改革実現本部」の副本部長を務める堀和幸弁護士(京都弁護士会)は「各弁護士会や国会への働きかけを強めるとともに、人権団体などと協力しながら一般市民も巻き込み、廃止に向けた議論を盛り上げていきたい」と話す。


自動運転 安全に徹した法整備図れ
 国内外で自動運転の技術開発競争が熱を帯びている。警察庁は2020年に計画されている日本での実用化に向け、自動運転に関する規定を初めて盛り込んだ道交法改正案を今国会に提出する。20年前半の施行を目指す。
 画期的な技術だが、事は生命に関わる問題でもある。公募で寄せられた意見なども踏まえ、安全で実効性のある法案に練り上げてほしい。
 自動運転は技術レベルによって段階が分かれる。ハンドル、アクセル、ブレーキ操作のいずれかが自動の「レベル1」から完全自動運転の「レベル5」までだ。
 警察庁が昨年末に公表した改正試案によると、今回の規定は区域や天候など一定の条件下ではシステムが全て操作し、条件から外れた時に人が対応する「レベル3」の走行が対象だ。当初は、渋滞中の高速道路など比較的操作が容易な場所での導入が想定されている。
 スムーズに交代できる状態なら、通常の車では禁じられている走行中のスマートフォン使用やテレビの視聴などが認められる。運転席から離れるような行為や睡眠、飲酒などは禁止だ。自動運転中でも安全運転の義務はドライバーが負うものであり、当然のことだろう。
 事故原因を調べるため、記録装置の搭載とデータの保存を義務付けている。
 自動運転は、人為ミスによる交通事故の減少につながる。完全自動化が実現すれば物流業界の人手不足解消になり、高齢化地域における交通手段の確保などへの貢献も期待できよう。車社会に変革と新たな可能性を開く技術革新である。
 そうした利点を生かすためにも、安全かつ安心できる法整備が必要である。
 だが、懸念される問題は多い。例えば自動運転から手動運転へ移行したとしても、スマホに熱中しているとき、とっさに適切な判断ができるかは疑問と言わざるを得ない。
 自動運転車が従来の車と一緒に走行する際、急な割り込みなどにどこまで対応できるのか、円滑な流れを阻害することはないのかなどの疑念も拭えない。
 事故時の責任問題もこれからだ。民事上の賠償責任はドライバーや車の所有者が負い、車両に欠陥があればメーカーの責任が問われるが、刑事上の責任は検討課題となっている。
 自動運転にはメーカーや警察庁のほか、国土交通省や法務省など関係する機関は多い。先行する米国勢らとの国際競争は加速する一方だが、到達した水準に沿って社会のルールや制度を丁寧に見直し、国民の理解を得ていくことが肝要だ。
 交通事故の無い、豊かで住みよい地域づくりこそ自動運転が目指すべきものと言えよう。根幹に据えるのは「安全第一」であることを忘れてはならない。


【はやぶさ2】宇宙探査への貢献大きい
 お土産の「玉手箱」に、太陽系や生命の起源を解く鍵が入っているのだとしたら、なんとも帰還が待ち遠しい。
 探査機はやぶさ2が、地球から3億4千万キロ離れた小惑星りゅうぐうへの着陸に成功した。宇宙航空研究開発機構(JAXA)によると、地表の試料も採取できている可能性が高いという。
 はやぶさ2は夏までにあと2回着陸を試み、岩石採取などを続ける。2020年末には試料を地球に持ち帰る予定だ。
 小惑星は「太陽系の化石」とも呼ばれる。岩石には太陽系が形成されたころの特徴や、生命に欠かせない水や有機物を含んでいる可能性があるという。
 学術的価値の高いミッションだ。搭載カメラの開発チームには高知大の研究者も参加している。より多くの試料を携え、帰還を成功させてほしい。
 日本の小惑星への探査機着陸と試料採取は、05年に小惑星イトカワに挑んだはやぶさ初号機以来となる。
 後継のはやぶさ2は14年末に打ち上げられ、18年6月にりゅうぐうに到着。当初は10月に着陸を試みる予定だったが、大幅に遅れていた。
 だが、それこそが今回の着陸成功の意義を物語る。
 りゅうぐうは予想以上に大きな岩で覆われた地形で、着陸すると機体を損傷する恐れがあった。JAXAは入念な分析や準備を続け、比較的平らな半径3メートルほどのエリアを見つけて着陸させた。
 宇宙探査は誤差も数キロ単位になる世界だ。半径3メートルの範囲に降り立つことは、かなり精度の高い技術が要求される。今回はそれを一発で成功させている。
 初号機は姿勢制御装置などが故障して一時は通信も途絶えていたが、10年に帰還に成功。微量ながらイトカワの試料を持ち帰った。
 その教訓も生かして臨んだはやぶさ2は、初号機が失敗した試料採取用の金属弾の発射にも成功した。制御技術を含め、日本の探査技術がさらに高くなった証しだ。
 宇宙の探査は米国やロシアが先行してきた。いまそこに中国が威信を懸けて加わろうとしている。
 宇宙関連予算が少ない日本は他国があまり手掛けてこなかった小惑星の探査で存在感を示してきた。それがいまや日本の強みになっている。今後、国際連携で取り組む月の探査などにも貢献できるはずだ。
 小惑星は生命起源の探究のほか、資源利用面でも注目されている。地球との衝突が懸念される小惑星もあり、日本の研究には今後も期待が大きい。今回の着陸に各国の研究者らから祝福のメッセージが相次いでいるのもその表れだろう。
 期待に応えるためには基礎研究分野を含む十分な研究体制が必要だ。そうでなければ持ち帰った試料の価値を引き出すこともできまい。政府には改めて科学分野への積極的な予算投入が求められる。


金子文子
 関東大震災後、皇太子(後の昭和天皇)暗殺を計画したとする大逆罪で、朝鮮人の朴烈と日本人の恋人金子文子が死刑判決を受けた。この事件を基に瀬戸内寂聴さんが47年前に刊行した小説「余白の春」が岩波現代文庫で復刊された▼震災では多くの在日朝鮮人が日本人の手で虐殺された。2人の連行は「保護」が名目だったが実際は反政府活動の弾圧で、起訴事実が次々追加された▼暗殺計画も現実的ではなかったが2人は積極的に認め、死へ突き進んだ。天皇の恩赦で無期懲役に減刑。文子は獄中で自殺した。寂聴さんは「死刑は文子の魂の生であった」「無期刑の生は魂の死であった」とした▼執筆時に寂聴さんは日韓の関係地を訪れ証言を集めた。両親に見捨てられ悲惨な幼少期を過ごした文子だが、女性が経済的に自立することが困難だった時代に社会と立ち向かい、内面を育んでいく▼今、韓国映画「金子文子と朴烈」(2017年製作)が京都シネマで公開中だ。信念を貫いた若い2人の生き方を、日本人の差別や暴力に対する強い怒りを背景に描く▼徴用工問題などを機に、日韓関係が悪化している。複雑な感情のもつれを解きほぐすには、日本人が過去のものとしている問題を韓国人が今もリアルに感じている現実を知ることが重要ではないか。

天皇在位30年式典の裏で安倍首相が皇太子取り込みを画策! 力ずくの圧力でも天皇・皇后を封じ込められず…
 政府主催の明仁天皇の在位30年式典がきょう、東京の国立劇場で開かれている。だが、その一方で、安倍首相が奇妙な行動に出た。22日の午後、元赤坂の東宮御所を訪れ、約30分間、皇太子と面会したのだ。
 総理大臣が天皇に国内外の情勢を報告することは「内奏」と呼ばれ、年に数回ほど行われているが、現役の首相が皇太子と一対一で面会をするのは異例のことで、政府は内容を明らかにしておらず、菅義偉官房長官も定例記者会見でノーコメントを貫いた。
 マスコミ各社は〈5月1日に新天皇に即位されることを踏まえた対応とみられる〉(毎日新聞)、〈皇位継承の流れを報告したとみられる〉(産経)などと伝えているが、実際、安倍首相の面会の目的が「代替わり」に関する説明だけだったはずがない。そこで話された内容は不明だが、少なくとも安倍首相にとっては、直々に皇太子と会って話すという行為自体に価値があったのだろう。宮内庁担当記者がこう解説する。
「周辺では元号関連の調整をしたのではないかとも見られているが、それだけなら側近間で終わるはず。わざわざ、皇太子と面会したのは、直接会うことで“取り込み”を図ったのではないでしょうか。周知の通り、安倍政権と今の天皇皇后両陛下の関係は良くない。安倍首相から見れば、皇太子の新天皇即位は皇室との関係を修復するまたとないタイミングですから」
 本サイトでも何度も指摘しているように、天皇と安倍首相の関係は非常に悪い。明仁天皇と美智子皇后は、安倍首相が推し進める改憲や歴史修正主義、“沖縄いじめ”に対して不快感を抱き、釘を刺しているとしか思えないメッセージを発してきた。一方、安倍政権は天皇の口をふさごうと、陰に陽にプレッシャーを与えてきた。
 対立のはじまりは、2013年4月28日に政府主催で初めて「主権回復・国際社会復帰を記念する式典」だった。安倍首相は天皇と皇后を出席させたが、このときも天皇・皇后は事前段階から周辺に拒絶感を吐露していたといわれている。実際、2016年12月24日付の毎日新聞朝刊記事によれば、〈陛下は、式典への出席を求める政府側の事前説明に対し、「その当時、沖縄の主権はまだ回復されていません」と指摘されていた〉という。
 そして2013年末、明仁天皇が誕生日に際した会見のなかで踏み込んだ“護憲発言”を行うと、翌2014年の「正論」(産経新聞社)5月号に「憲法巡る両陛下のご発言公表への違和感」と題した文書が掲載された。執筆したのは、安倍首相のブレーンのひとりと言われる八木秀次・麗澤大学教授。〈両陛下のご発言が、安倍内閣が進めようとしている憲法改正への懸念の表明のように国民に受け止められかねない〉〈宮内庁のマネジメントはどうなっているのか〉と明仁天皇の“護憲発言”を批判するもので、すなわち「改憲の邪魔をするな」という安倍側からの圧力に他ならなかった。
 また、「生前退位」に関しても、明仁天皇は少なくとも2015年の秋には宮内庁を通じて官邸に伝えていたとされる。主な窓口は当時の風岡典之宮内庁長官と杉田和博官房副長官。だが、官邸は難色を示した。翌年に控えていた参院選と改憲スケジュールへの影響、そして天皇の地位や権威が揺らぐのではないかとの懸念から、「生前退位」問題を棚上げにしてきたのだ。
 その結果、天皇側が出さざるをえなかったのが、2016年7月のNHKによる「生前退位の意向」のスクープと、その後の明仁天皇による「おことば」だったわけだが、これに官邸は激怒し風岡長官を事実上更迭。次長の山本信一郎氏を長官に繰り上げ、後任次長には警察官僚出身で内閣危機管理監だった西村泰彦氏を充てるという“報復人事”を行なっている。
皇太子は秋篠宮が問題提起した「大嘗祭への国費拠出批判」にコメント拒否
 その後も、「生前退位」をめぐる有識者会議では、安倍首相が送り込んだ日本会議系のメンバーが明仁天皇を公然と批判するなど、政権と天皇・皇后との溝はどんどん深まっていった。事実、昨年10月23日に行われた「明治150年」を記念する式典に、天皇・皇后の姿はなかった。この明治日本=大日本帝国を礼賛する政府主催式典は安倍首相の肝いり。前述の西村泰彦次長は「政府からお声がけがなかった」としているが、実際には、欠席には天皇と皇后の強い意向が背景にあったという見方が強い。
「安倍首相も当初は、陛下の周辺に様々なルートを使って働きかけてたいたようですが、最近は懐柔するのを完全に諦め、自由な発言を封じるような動きばかりしていた。毎日新聞のベテラン記者に月刊誌で暴露されていましたが、オフレコの席で天皇を批判するような言動をしていたという話もありました」(前出・宮内庁担当記者)
 そんな安倍首相がある時期から期待をかけ、しきりにアプローチしていたのが、皇太子だったという。今度はベテラン皇室ジャーナリストがこう分析する。
「皇太子殿下は波風を立てるのが嫌いな性格ですし、雅子妃は小和田恆元外務省事務次官の娘で、本人もエリート外交官で、政治的には安倍首相の考えに近い可能性がある。しかも、皇太子夫妻は天皇皇后両陛下と距離をとっていますから、安倍首相としては、皇太子夫妻なら取り入れると考えても不思議はない。2016年に外務省出身の小野田展丈氏を東宮大夫にしたのもその一環といわれていますし、ほかにも、別の外務省ルートを使って雅子妃にアプローチをしているという話もあります」
 もしかしたら、安倍首相のそうした目論見はすでに成功しつつあるのかもしれない。今月21日には、23日の皇太子の誕生日に際した記者会見が東宮御所で行われたが、そこで記者から「大嘗祭のあり方」について質問を受けた皇太子は、「今回政府が決定をした内容について、私がこの場で何か述べることは控えたいと思います」とコメントを避けた。昨年、秋篠宮が「宗教色が強いものを国費で賄うことが適当かどうか
「身の丈にあった儀式にすればよいと思う」と踏み込んだ発言を行ったのとは対照的だ。皇室ジャーナリストがさらに続ける。
「秋篠宮殿下の発言は天皇陛下の意向を代弁したものでした。皇太子殿下が立場上、明言できないのはわかりますが、婉曲的な表現さえなかったというのは、安倍政権のアプローチが効いているのかもしれません。いずれにしても、官邸は今後も、皇太子殿下への働きかけを強めていくでしょう。とくに雅子妃に狙いを定めてくる可能性が高い。もともと、雅子妃は結婚の際『皇室外交をしていただく』と説得されたといわれます。これから官邸が、そうした雅子妃の自己実現を材料にして、皇太子殿下をコントロールしようとするかもしれない。一方で、秋篠宮殿下は陛下の意志を継承しようとする。安倍政権がご兄弟の対立をつくりだす構図になるかもしれません」(前出・ベテラン皇室ジャーナリスト)
 いずれにしても、安倍首相は、平和主義や護憲の立場を示す明仁天皇の在位が終わり、新たな天皇を即位させるときに一気に動いてくるだろう。引き続き注視する必要がある。


二階謝罪が珍しく思える倫理観
★自民党二階派の3回生で準強制性交容疑で告訴された田畑毅の離党届が受理された。党党紀委員長で元参院副議長・山東昭子は「政治家の出処進退は自ら判断するのが基本だ」とし、党内にある「離党だけでいいのか」「除名すべき」という声を押し切った。すると元衆院議長・伊吹文明のように「問題にならないようにやらないと駄目だ。同じことをやるにしても」と意味深な発言をする議員もいる。こちらも元三権の長とは恐れ入る。★しかし、本人は雲隠れ、事態が流動的で何もわからないまま離党を認めた自民党に禍根は残るだろう。統一地方選挙を目前に毅然(きぜん)とした対応ができない自民党も情けないし、擁護論が党内外にあることも情けない。元党幹事長・石破茂の「女性の人権とか、女性活躍とか国を挙げてやろうとしているときに、国会議員、ましてや政権与党の議員が、本当にそうだとすれば、言ってることとやってること違うんじゃないって国民に思われるとすれば、実にまずい」「田畑は自民党の比例代表候補として議席を得ている」という発言の方が国民の認識に近い。★その中で二階派会長(一応離脱中)の党幹事長・二階俊博は同派の会合で「責任者として本当に申し訳なく思っている」と陳謝した。これは珍しい。同派議員の不祥事や問題発言、離党や議員辞職、週刊誌ダネになっている事案は数が多すぎてきりがないが、派閥の会長としてなのか党の幹事長としてなのかその指導者や幹部としての「責任がある」としたのである。当たり前のようだが、幹事長より党では偉い人が国会内で「私は知りませんよ。なんで私が責任を取らなければいけないのか」と連日連呼していることを鑑みれば何やら社会の常識が保たれている気になる。今の政府や自民党の倫理観はこのくらいという見本だ。

野球はいつから球児にとって「苦しいだけのスポーツ」になったのか 筒香嘉智が「勝利至上主義」を問う
筒香 嘉智 プロ野球選手
暴言を受ける子どもたち
―著書の『空に向かってかっ飛ばせ!』は、過剰なまでの「勝利至上主義」が蔓延する少年野球界に疑問を投げかける一冊です。この問題に、球界屈指のスラッガーである筒香さんが声を上げたことの意味は大きいと思います。
僕がずっと感じていたのは、理不尽な指導からひとりでも多くの子供たちを守りたい、ということでした。
スポーツ界における体罰やパワハラがこれだけ問題視されている現状でも、勝つことが最優先される少年野球の現場では、いまだに失敗をすれば怒鳴られたり、暴言を受ける子供たちがいると聞きます。怒られると、子供たちは委縮してしまいます。
「またエラーして怒鳴られるのか」「打てなくて叩かれるのか」……。一度そんなふうに思ってしまえば、よいプレーはなかなか生まれません。
もちろん、これまでの指導にもいいところはあったのでしょうが、変えるべき部分もたくさんある。どこを変えるべきか、僕の考えを多くの方々に知っていただきたいという願いがありました。
―'15年12月にドミニカのウインターリーグに参加されたこともきっかけになったそうですね。
現地の少年野球の練習を見に行くと、子供たちが目を輝かせながら野球をやっているんです。バッターは思い切りバットを振るし、ピッチャーは少しでも速いボールを投げようとする。ミスをしても怒られないから、失敗を続けながら新しいチャレンジをしているのです。
そういうドミニカの子供たちの様子を見て、果たして日本の野球少年たちは、こんなに楽しそうに野球をやれているのだろうか、と考えるようになりました。
―勝つことを優先するあまり、送りバントを多用させ、エースが肘を壊すまで投げさせる。本書では、日本の少年野球で当たり前に行われている行為に対して、強い懸念を示しています。
小さい頃から無理に投げ続けたせいで、肘や肩を痛めて手術する子供はかなりの数にのぼるはずです。
なかには「良い先生がいるんだからケガをしても治してくれる。だから、思い切りやれ」と指導するチームもあると聞いています。子供たちの将来を考えたらケガをさせないのがベストのはずなのに、これでは本末転倒です。
その点、アメリカではメジャーリーグ機構が年齢別に「このくらいまでなら投げさせても大丈夫」という球数のガイドラインをはっきりと提示している。日本の少年野球界も早く追いつかなければいけません。
―中学時代に所属していた名門少年野球チーム、堺ビッグボーイズの先進的な取り組みも紹介されています。
かつては、ビッグボーイズも他の多くのチームと同じようにスパルタ式の指導をしていました。でも、指導者として世界大会の舞台にも立ったチーム代表の瀬野竜之介さんが大改革に乗り出し、練習時間や内容を抜本的に見直したのです。
肉体が完成されていない小中学生の場合、過剰な運動で疲労が蓄積されるとダメージが大きい。子供たちの体力や個性に合わせて練習をカスタマイズするビッグボーイズの取り組みは、これからの日本の少年野球のモデルケースになるのではと感じています。
野球は本来、たのしいもの
僕自身の経験からしても共感する部分が非常に多いので、2年前からはビッグボーイズの小学生部門である「チーム・アグレシーボ」の野球体験会に参加させてもらっています。今年は1月の半ばに練習の体験会をやりました。約80人の幼児や小学生が保護者と参加してくれました。この輪がどんどん大きくなってほしいと願っています。
―本書には、筒香さんが野球をはじめてから、一流のバッターになるまでの歩みも書かれており、自伝としても読みごたえがあります。自らの経験について詳細に書かれた理由はなんですか。
最初は、僕自身のことを語ろうと思ったわけではありませんでした。でも、小学2年生からいままでずっと野球を続けてきた経験を通して感じたことを率直に伝えれば、読者の方に今の日本の少年野球の問題をより掘り下げて考えていただくことができるのではないかと思うようになりました。
―'15年のキャンプでバッティングに悩んでいた時、松井秀喜さんからアドバイスを受けるシーンは非常に印象的です。
僕は、逆方向に強い打球が打てるようになりたいと思いながら、周りからは「遠くに飛ばしたいなら前で打て」とずっと言われ続けてきました。
でも、キャンプの視察に来ていた松井さんにご相談すると、「誰になんと言われようとも、逆方向に意識を持って打つことは間違っていない。自分の思っていることをやり続けるべきだよ」と言っていただけた。
あの瞬間、自分の中の迷いが消えました。いまでは、逆方向にきっちりと打つ意識を持って練習に取り組んでいます。おかげで、変化球に対しても、泳がずに打てるようになりました。
あれは、試合中にとっさにやろうと思ってもできるものではありません。「意識的」に練習を積み重ねていくからこそ、いざ試合になった時に「無意識」に反応することができます。
指導者に言われるままにやるのではなく、自分の頭で考えて練習を積み重ねる。これは、本書のテーマにも通じることだと感じています。
野球は本来楽しいものです。苦しいものではありません。子供たちが心から野球を楽しめる環境を作るために、自分にできることを続けていきたい。そう思っています。(取材・文/鎮勝也)


評伝 海外「日本観」破った茶色い目の日本人 ドナルド・キーンさん死去
 キーンさんがまだ何者でもなかった時代の新聞記事が残っている。<“青い眼(め)の太郎冠者”留学の米人博士が狂言習う>。1954年2月18日付本紙(大阪)は物珍しさもあって、社会面で大きく扱った。日本文学研究のために京大大学院で学ぶ身だった青年が後に海外の固定した日本観を破り、日本文化の国際化にとって、かけがえのない働きをするとは、このとき誰が想像し得たろうか。
高名な文学者らと交流、ノーベル文学賞選考にも関わる
 「ワタシは実に運が良かったです」。お会いする度に控えめにこう語っていた。第二次大戦後、生涯をささげると決めた日本文学は当時、国際的にマイナーな存在であり、先達はほとんどいなかった。
 本格的に翻訳を始めた50年代以降、欧米の日本熱が高まるなど時代の要請も重なった。しかし言葉の裏に透けるあくなき探求心、たゆまぬ努力こそが多くの人のつながりを生み、幸運を招き寄せていった。文学史に記憶される高名な文人や学者、編集者らとの親交はその証左である。
 三島由紀夫事件から45年を迎えた2015年11月には、川端康成のノーベル文学賞事前選考に関わった話を興味深く聞いた。2人目の日本人として受賞することになる大江健三郎氏の海外翻訳のきっかけを作ったのも、他ならぬキーンさんである。フランス、中国など10の言語を操った天才が何かに導かれるように日本語を選んでくれたのは、私たちにとっても「幸運」だったとしか言いようがない。
3.11以前から日本永住を決意
 一点明確にしなければならないことがある。11年の東日本大震災を機に日本永住を決意したと、劇的に報じられたが、事実と異なる。親しい友人らの間では震災のずっと以前から「日本人になりたい」との思いは知られていた。たまたま時期が重なっただけなのだ。
 「ワタシの目は青くありません。茶色なんです」。両目を見開いたキーンさんが私をじっと見つめたのは、日本国籍取得を法務省に申請していた頃だ。
 「ずっと外国人と見られてきましたが、ワタシ、日本人です」。審査が遅々として進まない状況に珍しくいらだちを隠さなかった。日本文学国際化のパイオニアとしての自負がそう言わせたのかもしれない。
養子・誠己さんと幸せな日々
 生涯独身を貫いたが、晩年は養子に迎えた文楽三味線奏者の誠己(せいき)さんとの幸福な日々を過ごした。既に自宅隣の弘法大師ゆかりの寺に「キーン家の墓」を建ててある。「黄犬(キーン)」という言葉遊びで、黄色い犬の“家紋”が目印。最期までユーモアを忘れない人だった。【中澤雄大】


生理用品の一大革命を起こした27歳主婦をご存知ですか? 日本の女性たちの月経観と生活を変えた
田中 ひかる 歴史社会学者
前回(「女性の社会進出を促した一番の功労者は『生理用ナプキン』だった」)は、生理用ナプキンが登場する以前、日本の女性たちがどのように経血を処置してきたかを振り返った。今回は、女性たちの社会進出を支えた生理用ナプキンの元祖「アンネナプキン」のデビューと引退についてまとめた。
女のシモのものでメシを食う
アンネナプキンの産みの親となる坂井泰子は、1934(昭和9)年、現在の東京都文京区に生まれた。見合い結婚をし専業主婦となったが、次第に飽き足らなくなり、仕事をしたいと思うようになった。
そこで1960年に「株式会社発明サービスセンター」を設立し、発明家と企業を仲介する仕事をはじめた。
発明サービスセンターに寄せられた考案のなかに、生理用品として使われていた脱脂綿が水洗トイレに詰まらないようにするため、便器の排水溝に網を張るというものがあった。
当時、都会の企業や商業施設では、トイレの水洗化が急速に進んでいたが、女性たちがこれまで通り使用済みの脱脂綿を便器の中に捨ててしまうと、トイレはすぐに詰まってしまった。
坂井はこの考案からヒントを得て、トイレに流せる紙製の生理用品を開発し、販売しようと考えた。
その頃、彼女自身はアメリカ製の生理用品を使用していたが、日本人の体に合った便利で快適な生理用品があれば、女性たちはもっと活動的になれるのにという思いを以前から抱いていたのだ。
坂井は、生理用品会社を設立するための出資者を探したが、いずれも「女のシモのものでメシを食う」ことに抵抗を感じ、二の足を踏んだ。
そうしたなか、以前、電機製品の発明品を仲介するために訪れたことがあるミツミ電機社長の森部一だけは、「あなた方が社会に奉仕できる、貢献できるという観点からこの事業を始めるのなら応援しましょう」と資本金1億円とミツミ電機の敏腕宣伝マン渡紀彦を託してくれた。
森部は27歳の坂井を新会社の社長に任命した。会長に就任した森部も33歳の若さだった。
新会社のPR課長に抜擢された渡紀彦は、扱うものが生理用品だと知り、困惑した。
しかし、毎月1千万円の宣伝費が投じられることや、まだ会社名も商品名も決まっていないことにやり甲斐を感じ、アンネナプキンの劇的デビューへ向けて邁進することになる。
女性の生理についての知識が皆無だった渡は、女性用トイレに忍び込んで「汚物入れ」の中の使用済み脱脂綿を漁った。そしてその見た目にショックを受け、絶対に水洗トイレに流せる商品を作らなければならないと心に誓った。女性にとっては見慣れた光景でも、そのときの渡にとっては、目を背けたい光景だったのだろう。
実際に、完成したアンネナプキンは紙製だったので、水洗トイレに流すことができた。しかしその後、水に流せない素材のナプキンが主流となったため、今も女性たちは使用済みのナプキンを「汚物入れ(サニタリーボックス)」に捨てている。
前例がなかったため試行錯誤を繰り返した末、今日の生理用ナプキンの原形といえる「アンネナプキン」が完成した。
「40年間お待たせしました!」
『アンネの日記』からヒントを得て「アンネ」という名前を提案したのが坂井、清潔感のある「ナプキン」という言葉を使おうと考えたのが渡だった。
発売にあたって渡は、キャッチコピーに頭を悩ませた。社内はもちろん、新聞紙上でも募った結果、渡が「千万金に値する」と断じたコピーがあった。
「40年間お待たせしました!」
アメリカではすでに40年前に、ベルトに吸収体をつるすタイプの使い捨て生理用品が発売されていた。アメリカに遅れること40年、やっと日本の女性たちも快適な生理用品を手にすることができるというわけだ。
この後、アンネ社は数々の名作と言えるキャッチコピーを制作し、次々と「日本雑誌広告賞」を受賞するのだが、このデビュー作が最も有名である。
渡は、このキャッチコピーを使った広告を発売当日に一斉に出すという方針にこだわった。そのほうが効果的だと考えたのである。
ところが工場長から、生産ラインの不調のため発売予定日の10月1日までに生産が間に合わないとの連絡が入り、会長の森部は発売日の延期を決定した。しかし、渡には承服しがたかった。
前宣伝を一切やらないという方針にこだわった渡は、当初の発売予定日に合わせて、広告代理店や新聞社と契約を交わしてしまっていたのだ。すでに予定変更がきかないメディアもあった。
渡は森部に、「アンネを見殺しにする気ですか? 発売日を延期するなんて、自殺するに等しい!」と本音をぶつけている。
結局、発売日は延期され、せめて字面のよい日にということで、「11月11日」に決まった。
渡は、電車内の広告は11月11日に、新聞の一面広告は11月下旬に変更し、変更がきかない雑誌広告は「前宣伝」と見なすことにした。
渡の計画通りにはいかなかったものの、アンネナプキンは劇的なデビューを果たすことができた。
アンネナプキンの売れ行きはすさまじく、しばらくの間は品薄状態が続いた。
月経を「アンネ」と呼んだ女性たち
前回触れたように、日本では月経不浄視が根強く(日本だけではない。世界には今も月経小屋に隔離されている女性が大勢いる)、「月経」と口に出すことさえできず、「あれ」「お客さん」などと呼んでいた。
ところがアンネナプキンの普及により、月経を「アンネ」と呼ぶ女性が増えてきた。「アンネ」という呼び方を経て、いま私たちは月経のことをためらい「生理」と呼べるようになったのだ。
アンネナプキンの登場は、女性たちの月経観をも大きく変えたのである。
渡紀彦による広告戦略のもと、アンネ社の売上は、会社設立の翌年10億円、翌々年21億円と急成長を遂げた。
会長の森部は新工場を建設、アンネの商品を輸送するため、アンネ商運株式会社も設立した。
朝日新聞社の調査によると、発売直後の1961年12月、アンネナプキンを使用したことがある女性の割合は、全有経女性(月経がある女性)の2%。それが1972年には80%にまで伸びている。
アンネナプキンの登場が、それまで停滞していた生理用品市場を活性化させた結果、既存のメーカーや後続会社が類似品を続々と発売するようになり、それに対抗するため、アンネ社も商品増産に力を入れた。
しかし、ナプキンのポリエチレン個装だけは機械化されていなかったため、工場周辺の農家に下請けに出したところ、薬事法に抵触、1週間の製造業務停止処分となってしまった。
これが最初のつまずきだった。
その後もアンネ社は業界第1位のシェアを守っていたが、後続会社の一つ、ユニ・チャーム株式会社が徐々にアンネ社に迫っていた。そして、1972年にはユニ・チャームの売上高が32億円に達し、ついにアンネ社を抜き去った。
その頃、アンネ社ではすでに斜陽の兆しが見えていた。
1971年3月、ミツミ電機は対米輸出不振とカラーテレビの不買運動の影響を受けて、約7億円の大幅赤字を出し、森部は16ある子会社のうち、アンネ社をふくむ4社を手放すことを決定した。
ミツミ電機は、アンネ社の株式の65%を所有していたが、それを本州製紙株式会社(当時)、ライオン歯磨株式会社(当時)、東レ株式会社の3社にそれぞれ2:2:1の割合で売却した。
本州製紙と東レは、もともとアンネ社に原料を提供しており、ライオン歯磨は商品の流通ルートが重なることから、共同で経営に参加することになったのだ。
社長の坂井は代表権のない会長に棚上げされ、新社長は本州製紙から送り込まれることになった。
「アンネ」の名がつくナプキンは、1985年の「アンネ キャティナプキン」を最後に消え、坂井も1988年に会社を去った。
そして1993年1月、アンネ社はライオンに吸収合併された。
アンネナプキンもアンネ社もなくなったが…
ミツミ電機を離れたあとのアンネ社と坂井に関する雑誌記事は、揶揄的なものが多い。女性社長であったこと、扱っていた商品が生理用品であったことが理由である。
女性たちの生活を便利にしたいという一念から始めた仕事が、傾きかけた途端に、揶揄や嘲笑の的となった。
私が取材を始めた時点で、すでに会長の森部は亡くなっていた。元アンネ社の社員の方によれば、森部は銀行の指導でアンネ社の株を手放したことを悔やみ続けていたという。
また、それについて坂井は多くを語らなかったというが、まさか森部が株を手放すとは思っていなかったらしい。
渡紀彦は、アンネ社の宣伝で業界に名を馳せ、アンネ社がオーナーチェンジする前に、東急エージェンシーに引き抜かれ、顧問を2年ほど務めていた。
その後、独立して経営コンサルタント会社「ワタケン」を設立。
マーケティングや宣伝に関心のある若者たちを集めた「リードの会」も主宰していた。
最初から最後まで「リードの会」に所属していた方によれば、この会で渡がアンネ社について触れたことは、一度もなかったという。渡は、アンネ社が吸収合併される前に癌で他界した。
アンネ社を去ったあと、坂井は外部との接触を一切断った。その理由については、元社員の方々に尋ねてもわからなかった。
アンネ社が消えていく過程で複雑な思いをしたことが原因なのか。それとも、アンネのことは過去のことと割り切ったのか。
もともと、快適な生理用品を作りたいという思いからアンネ社を設立した坂井にとって、利益を上げたい、会社を所有し続けたいという執着はほとんどなかったという。
それが、潔い引退にも表れている。
アンネナプキンもアンネ社もなくなってしまったが、生理用ナプキンは今日も女性たちをサポートしている。
あまりに身近すぎて、普段は顧みられない存在でありながら、女性の人生を長きにわたって支え続ける必要不可欠なもの。それが生理用品なのだ。

象徴天皇制は教育でどう扱われているか!?/一ノ蔵3.11未来へつなぐバトン

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≪Les Funérailles des roses≫, belles épines
Adaptation libre d’≪Œdipe roi≫, le film hybride de l’avant-gardiste Matsumoto, qui ressort en version réstaurée, électrise et capte avec émoi la scène queer japonaise des années 60.
En réalisant son premier long métrage, les Funérailles des roses, en 1969 - après plus d’une décennie de courts métrages expérimentaux psyché-virtuoses, dont un premier qui porte sur les rêveries éclatées d’un gamin fou de vélo (Ginrin, 1955) -, le cinéaste d’avant-garde japonais Toshio Matsumoto met un point d’honneur à parachever sa croisade théorique du ≪néodocumentaire≫. Mise au propre en 1963 dans son manifeste Eizo No Hakken (≪la découverte de l’image≫), son approche subjective et hyper expressive de récits frappés de fiction, qu’il présente à l’écran de façon non linéaire, transcende le caractère strictement informatif prêté au genre documentaire. Matsumoto capte les traits d’un visage, ou les contours d’un pays, tout en s’attelant par le montage, éclats épileptiques, images subliminales et autres expérimentations visuelles, à révéler des états intérieurs.
Et c’est ce qu’il fait notamment avec Eddie, sensuel personnage homosexuel et travesti des Funérailles des roses, adaptation libre d’Œdipe roi. Le noir et blanc du film nous présente dans un grand et même geste électrique - fragmenté - une relation passionnelle depuis le bar tokyoïte où Eddie est serveuse, entre celle-ci et son patron, également trafiquant de drogue, ainsi que sa rivalité avec Léda, la favorite déchue. Un seul et même geste qui nous détaille à la fois les émois de la scène queer et contre-culturelle du Japon dans les années 60, avec son goût des drogues, du sexe, et ses flammèches de révoltes. Les pérégrinations d’Eddie sont entrecoupées de visions soudaines ou de bascules totales vers le plateau de tournage, identifié comme tel - comme lorsqu’à même le film, après une scène de sexe, on assiste soudain à une interview par le cinéaste de son acteur travesti (Shinnosuke Ikehata, alias Pîtâ) à qui il demande, entre autres considérations sur ses attirances et désirs : ≪Tu aimes les scènes d’amour ? ≫ Plus loin, d’autres fragments - caresses, baisers, étreintes comme tracées à la craie dans l’obscurité -, captés de très près, nous ramènent vers la fiction comme un courant chaud.
L’utilisation de la vitesse accélérée lorsqu’Eddie et Léda se battent redémontre à la fois la multiplicité des voies expressives et plastiques du film, et suggère sa possible influence sur d’autres œuvres à venir : les corps-à-corps speedés d’ Orange mécanique de Stanley Kubrick paraîtront lui faire écho, trois ans plus tard.
Les êtres avancent toujours masqués lorsqu’ils se confrontent l’un à l’autre […]. Et même lorsqu’ils tombent le masque, leur visage reflète rarement ce qu’ils sont. ≫ La harangue magnétophonique entendue lors d’une autre scène (dialogues empruntés à un autre film sublime de la Nouvelle Vague japonaise, le Visage d’un autre (1966) d’Hiroshi Teshigahara affleure comme une allégorie. Tels des visages à plusieurs épaisseurs (ou aux plusieurs sous-couches ?), les œuvres de Matsumoto sous les égratignures, les flashs, les coups de couteau, les transitions et raccords d’un film oscillant constamment entre les rives de sa fiction, tombent constamment le(s) masque(s) et déjouent ce que l’on pourrait attendre d’elles. De leurs circonvolutions inattendues à leurs possibles fins, elles restent vivement insaisissables, à jamais mouvantes et, plus que jamais, vivantes.
Jérémy Piette
Les funérailles des roses de Toshio Matsumoto avec Shinnosuke Ikehata (Pîtâ), Osamu Ogasawara… 1 h 44. Version restaurée en salles.
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教育研Cafe 象徴天皇制は教育でどう扱われているか!?
問題提起:‐歡天皇制と憲法 教育の中での天皇制 
参加費:500円
主催:子どもに「教育への権利」を!大阪教育研究会(090-3651-5876)
http://www.kinyobi.co.jp/event/20190215_002750.php


なんかしんどいのですが,頑張って谷町7まで行きました.
「象徴天皇制は教育でどう扱われているか!?」という学習会はなかなか刺激的でした.いろいろ考えていきます.将来的に天皇制廃止を目指して.
一ノ蔵3.11未来へつなぐバトンを受け取りに行きます.昨日電話したところですが,その日のうちに完売になってしまったそうです.4合瓶とはいえ2本は結構重いです.今日は飲まずに飾っておきます.

犠牲者追悼の絵灯ろう製作
名取市閖上地区で来月11日に行われる東日本大震災の追悼イベントで、会場にともされる絵灯ろうの製作作業が23日、名取市で行われました。
震災の津波で700人以上が犠牲になった名取市の閖上地区では、灯ろうに明かりをともして犠牲者を追悼するイベントが震災翌年から毎年行われ、一時は名取市役所に会場を移しましたが、ことしは4年ぶりに閖上地区に戻り、今年度開校した閖上小中学校で行われます。
23日は、およそ80人のボランティアが名取市内の大手家電メーカーの工場に集まり、イベントの会場にともされる絵灯ろうの製作作業を行いました。
灯ろうに貼る紙には全国の人たちから寄せられた「忘れない」というメッセージや子どもが手を取り合っている絵などが書かれていて、ボランティアの人たちが丁寧にのり付けしていました。
参加した男性は「初めて参加しましたがみなさんが書いてくれたものを一生懸命張りました」と話していました。
追悼イベントの実行委員会によりますと、来月11日には23日作られたものを含め、あわせておよそ3000基の灯ろうが閖上小中学校のグラウンドにともされることになっています。


10m超の津波襲った災害危険区域に寮、外国人実習生住まわせる 宮城・南三陸の水産加工会社
 東日本大震災の津波で被災し、宮城県南三陸町が災害危険区域に指定した同町歌津の泊浜地区で、地元の水産加工会社が外国人技能実習生を住まわせていたことが22日、分かった。町は災害発生時の安全面に問題があるとして、同社に対応を要請した。
 町によると、同社の実習生が住む2階建ての施設がある場所は震災で高さ10メートルを超す津波に襲われ、2012年10月に災害危険区域の指定を受けた。震災前は工場と住宅を兼ねた建物だったが、震災後に1階を工場、2階を実習生の寮にする施設に改装したとみられる。
 施設は泊漁港に面する海抜1メートルの場所に立ち、ベトナム人などの実習生約10人が暮らしていたもよう。災害危険区域は被災した建物を修繕して住むことはできるが、町の担当者は「実習生は自分で住む場所を選べない。日本語や津波の知識が乏しい外国人が暮らすのは問題がある」と話す。
 町は22日、同社に実習生を高台に引っ越しさせるなどの対応を取るように連絡し、改善を求めた。同社の従業員は「社長が不在なので、現時点の対応について話すことはできない」としている。


<縮小の先へ 被災地と人口減>第1部 なりわい・養殖/企業参入 消えぬ警戒感
 人口が減る。地域を支える担い手が足りない。人口減少局面で起きた東日本大震災は、過疎化や少子高齢化を加速させた。震災から間もなく8年。縮む被災地の先に広がる風景は−。「生業(なりわい)」「生活」「インフラ」の三つをキーワードに、先鋭化する課題に向き合い、模索する姿を追った。 人口が減る。地域を支える担い手が足りない。人口減少局面で起きた東日本大震災は、過疎化や少子高齢化を加速させた。震災から間もなく8年。縮む被災地の先に広がる風景は−。「生業(なりわい)」「生活」「インフラ」の三つをキーワードに、先鋭化する課題に向き合い、模索する姿を追った。
 乗り越えたはずの東日本大震災の先に、さらなる試練が待っていた。
<貝毒が追い打ち>
 釜石市尾崎白浜地区の養殖漁師蘭賀善継さん(71)にとってホタテの水揚げは、15日が最後となった。「残念だがどうにもならない」と悔しさをかみしめる。
 中学を卒業して貨物船などで働き、30代で帰郷。父親からホタテとワカメの養殖棚を受け継ぎ、新たにカキ養殖も始めた。津波で資材を失ったが、流失を免れた漁船を頼りに再起した。
 70歳を超えて体が悲鳴を上げた。釜石湾で貝毒が検出され、2年近くホタテの出荷を自主規制している。貝柱のみ加工用に出荷し急場をしのいできたが、浜値は半値近くに落ち込んだ。
 尾崎白浜地区のホタテ漁師は震災前、既に10人ほどにまで減っていた。震災後は新規就業も含めてわずか6人にとどまる。
 蘭賀さんはカキ養殖からも近く撤退する。「ワカメの養殖だけは、なんとか続けたい」と話すが、先行きは決して明るくない。
 農林水産省の漁業センサスに基づき、岩手、宮城両県の震災前(2008年)と震災後(13年)の養殖漁業者(経営体)数を比較すると、ワカメが36.8%、カキが61.8%、ホタテは72.6%も減少した。
 養殖漁業者の減少は当然、水揚げに影響する。農林水産統計によると、両県の生産量は震災前(07〜10年平均)と震災後(13〜16年平均)でワカメが78.1%、カキが35.1%、ホタテが53.5%にとどまる。
 空き漁場の増加が懸念される中、水産改革関連法が昨年12月に成立した。養殖漁業を成長産業に転換させるとして、漁業者や漁協への漁業権の優先付与を廃止し、民間企業の参入を促す。
 水産庁は「いきなり漁場を取り上げることはしない」と説明するが、利益の追求を第一とする企業漁業に漁業者の抵抗感は根強い。
 一方で岩手県内のある漁協幹部は「よく分からない企業の参入を防ぐためにも、地域に貢献してくれる業者との協力を考えてもいいのではないか」と漁場の将来に思いを巡らせる。
<若者就業後押し>
 沿岸被災地では、担い手確保の新たな動きも出ている。石巻市の一般社団法人「フィッシャーマン・ジャパン(FJ)」は15年、漁師になりたいが方法が分からない若者と人材確保に悩む漁業者のマッチング事業を始めた。
 研修を経て適性に応じた就業先を決める仕組みで、既に石巻市を中心に岩手、宮城両県で27人が新規就業を実現した。
 ノリ養殖業の千葉海産(石巻市)で働く磯島雄大さん(22)=岡山市出身=は、FJを通じて1年半前に就業した。昨年、2級小型船舶免許も取得した。
 社員として働き続けるか独立するかは未定だが、千葉海産は「仕事に魅力を感じてくれるなら、しっかり後押ししたい」と待望の若手漁師に期待を寄せる。
 FJ事務局の高橋由季さん(34)は「浜の受け入れ力をさらに高め、彼らが稼げるようにしていくことが大切だ」と語る。


<山田町NPO損賠訴訟>元代表に5680万円賠償命令、私的流用分だけを認定
 東日本大震災の緊急雇用創出事業費を目的外に支出したとして、岩手県山田町が業務を委託したNPO法人「大雪りばぁねっと。」(北海道旭川市)の元代表理事岡田栄悟受刑者(40)=業務上横領罪などで服役中=に約6億7000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、盛岡地裁は22日、岡田受刑者に約5680万円の支払いを命じた。
 地裁は、一般法人に対する規定をNPO法人に当てはめて支出の責任は岡田受刑者にあるとした山田町の主張は「(法の)前提を欠き、採用できない」と退け、明らかな私的流用分だけを損害に認定した。
 その上で、勤務実態のない岡田受刑者の親族ら3人への給与、指輪や高級スーツの購入費は目的外支出と認定。レンタカー代などは「事業との関連性が否定されるとはいえない」として請求を棄却した。
 山田町の佐藤信逸町長は「判決文の内容を精査し、今後の対応を判断したい」との談話を出した。
 大雪は2011年3月に町で支援活動を始め、5月に町から緊急雇用創出事業を受託した。だが事業費の使い込みや多額の使途不明金が相次いで発覚。業務上横領と破産法違反の罪で17年5月までに、岡田受刑者ら6人の実刑が確定した。


仲見世、開けシャッター 閑散とした釜石の観光名所にリノベ会社設立、カフェ計画し出店促す
 岩手県釜石市の観光名所、釜石大観音に向かう「仲見世通り」のにぎわいを取り戻そうと、移住者ら3人が合同会社「sofo(ソホ)」を設立した。空き店舗を改装して出店希望者に貸し出すリノベーションの手法で「観音さま」エリアの魅力向上を目指す。
 仲見世は1970年代、大観音を建立した宗教法人が整備した。20店以上が軒を連ねていたが、近年は閉店が相次ぎ、のれんを掲げる店が一時、一軒もない事態になった。
 代表社員の建築士宮崎達也さん(47)は、東日本大震災の復興支援で2012年に移住。統一された外観をとどめる仲見世を目にして「雰囲気が面白い。古いたたずまいを生かしてリノベーションすれば、観光客を呼べる」と思い立った。
 仲見世で市民有志とイベントを開き、18年5月には空き店舗を改修してシェアオフィスを開設した。今後、観光客が気軽に立ち寄れるカフェの整備などを進める計画だ。
 代表社員で地域おこし協力隊員の神脇隼人さん(30)は「人の流れを生み出して新規出店を促したい。魅力を秘めた仲見世が動きだす様子を想像すると、わくわくする」と語る。
 カフェの開業資金はインターネットのクラウドファンディングで募る。400万円を目標にウェブサイト「キャンプファイヤー」で協力を呼び掛けている。


デスク日誌 近いです
 今月17日の気仙沼市。ひどく渋滞していた。イオン気仙沼店のセールかなと思ったが、どうも違う。仙台や他県ナンバーが多い。
 前日に三陸沿岸道路の2区間が開通し、仙台と直接結ばれた効果かも。そうだ、仙台まで行ってみよう。
 気仙沼中央インターチェンジ(IC)へ続く国道45号は車列が続いていた。上り線を進むと、本吉津谷IC出口付近はかなりの混雑。驚いたのはその先だ。
 ICを降り、未開通区間2キロを通って次の小泉海岸ICまで、ほんの2、3分。感動した。これまでの未開通区間、大谷海岸−歌津IC間16キロは最低でも25分。しかもくねくね真っ暗。
 JR気仙沼線が開通した際、これで前谷地、小牛田で乗り換えなくて済むと思った時に似ている。信号がなく歩行者のいない高速道路で仙台とつながったのは、心理的に大きい。近くなりました。どうぞ気仙沼へ。南三陸へもぜひ。
 途中、三滝堂IC(登米市)隣接の道の駅へ。大混雑。総菜は大半が売り切れ。「登米のだし」の試飲ポットは、三つのうち二つが空だった。運営会社によると通常の日曜の倍近い売り上げだったそうだ。(気仙沼総局長 村上朋弘)


【復興まちづくり後押し!】三陸道2区間開通 仙台市〜気仙沼市結ばれ観光振興などに期待 東北整備局
 東北地方整備局が東日本大震災からの復興リーディングプロジェクトとして整備を進めていた三陸沿岸道路の歌津本吉道路「歌津IC〜小泉海岸IC」(10辧砲繁楜筏だ臂惰始(II期)「本吉津谷IC〜大谷海岸IC」(4辧砲16日に開通した。これにより、宮城県内の三陸沿岸道路は仙台市から気仙沼市まで直接結ばれ、観光振興や地域産業の活性化などの効果が期待される。
 今回開通したのは、歌津本吉道路が南三陸町字白山の歌津ICから気仙沼市本吉町卯名沢の小泉海岸ICまで。本吉気仙沼道路(II期)は同市本吉町津谷長根の本吉津谷ICから同市本吉町九多丸の大谷海岸ICまでの区間。
 両道路の整備により、津波浸水区域を回避でき、災害時にも緊急輸送路として機能する信頼性の高い高速ネットワークを形成するほか、地域の基幹産業である水産業・水産加工業の振興を支援。また、救急搬送時の安定性・速達性向上に寄与し、観光誘客の促進・広域観光の活性化も支援する。
 歌津本吉道路の歌津北ICと本吉気仙沼道路の本吉津谷IC付近でそれぞれ行われた開通式典には、延べ780人が出席した。冒頭、石井啓一国土交通相は「今回の開通は宮城県沿岸地域の復興まちづくりを力強く後押し、水産業を始めとする地域産業の振興や物流の輸送効率化などに大きく貢献する。今後も復興道路・復興支援道路の20年度までの全線開通を目指し、事業を推進していく」とあいさつした。
 この後、関係者によるテープカットやくす玉開きなどに続いてパレードが行われ、両区間の開通を盛大に祝った。


<双葉町>「戻りたい」10.8%で横ばい 戻らない理由「医療環境に不安」が最多 住民意向調査
 復興庁は22日、東京電力福島第1原発事故で甚大な被害に遭い、全町避難が続く福島県双葉町の住民意向調査結果を公表した。「戻りたい」と回答した割合は2017年10月の前回調査と比べ0.9ポイント減、「戻らない」は0.4ポイント増といずれも横ばいとなった。
 「戻りたい」は10.8%(前回11.7%)、「戻らない」は61.5%(61.1%)。「まだ判断がつかない」は25.6%で前回比0.5ポイント減だった。
 「まだ判断がつかない」と答えた人に帰還を判断するために必要なことを尋ねると、「医療・介護福祉施設の再開や新設」が56.7%で最多。「住宅の修繕や建て替えへの支援」が49.1%、「商業施設の再開や新設」が29.0%と続いた。
 戻らないと決めた人の理由は「避難先で自宅を購入するなど継続的に居住する予定」が54.5%、「医療環境に不安」が49.5%だった。
 町は20年春までに町北東部の避難指示解除準備区域と、JR双葉駅周辺の一部区域の避難指示解除を目指す。帰還困難区域に整備する特定復興再生拠点区域全域は、22年春までの解除を目標としている。
 調査は復興庁と県、町が共同で18年10〜11月に実施。回答率は48.0%。


また大地震 帰宅困難の対策も急務
 およそ半年前の恐怖がよみがえった道民も多かったろう。
 21日夜に胆振管内厚真町で震度6弱を観測した地震は、昨年9月に発生した胆振東部地震の一連の活動とみられている。
 大きな被害は確認されていないものの、きのうも交通網などへの影響が残った。今後、同規模の地震が起こる恐れもあり、油断なく備えたい。
 一般的な防災・減災の取り組みに加え、冬だけに厳重な寒さ対策が不可欠だ。
 このところ道内は気温が上昇しており、落雪や雪崩にも注意を払わなければならない。
 札幌市を中心に、帰宅困難者対策の重要性も改めて浮き彫りになった。市は経緯を検証して反省点を探り、対策を一層充実させる必要がある。
 厚真町などでは多数の人が仮設住宅で暮らす一方、復旧・復興の動きも加速していた。
 再び大地震に襲われた被災者のやり切れない気持ちは、察するに余りある。
 地震の予知は極めて困難とはいえ、専門家は活動のメカニズムに可能な限り迫り、事前の警告などにつなげてほしい。
 突然の大きな揺れや、それに伴う恐怖は、ストレスとなって健康を脅かす懸念がある。関係機関による、心身両面でのきめ細かなケアが欠かせない。
 今回、運行中のJRや空港で多くの人たちが足止めを食った。とりわけ札幌市では、帰宅困難者が駅周辺や繁華街にあふれた。
 札幌市はこうした事態に備えたガイドラインを策定しており、中央区の駅前通地下歩行空間や市民交流プラザを開放して困難者を受け入れた。
 市営地下鉄も緊急点検を終えると、未明から運行を再開した。災害時こそ、こうした臨機応変な対応が求められよう。
 札幌が直下型の大地震に見舞われた場合、今回よりもはるかに大きな混乱が予想される。
 東日本大震災の際、首都圏では徒歩や車などで家路を急ぐ人が相次ぎ、避難誘導や緊急車両の通行などに支障をきたした。
 これを教訓に、政府は、大災害時にはむやみに移動しないよう呼びかけている。
 企業は従業員の意向を踏まえ、帰宅を抑制するルールづくりなどに取り組むべきだろう。
 併せて、自治体には、外国人観光客を円滑に誘導する態勢の構築も急がれる。


北海道で震度6弱 引き続き警戒が必要だ
 北海道で21日夜、震度6弱の地震が発生した。北海道では昨年9月に震度7の地震を観測している。再び襲った大きな地震は住民を不安に陥れた。気象庁は今回の地震は昨年9月の地震の一連の活動で、当分続くとの見解を示している。揺れが強かった地域では家屋の倒壊や土砂崩れの恐れがあり、今後の地震活動、雨や雪に引き続き警戒が必要である。
 気象庁によると、今回の震源地は胆振(いぶり)地方中東部で、震源の深さは約33キロ。地震の規模はマグニチュード(M)5・8と推定される。厚真(あつま)町で震度6弱、安平(あびら)町、むかわ町で震度5強を観測した。
 震源は昨年の地震の震源から北に10キロの場所。昨年9月以降、震度1以上の地震が300回以上発生し、同10月には震度5弱を観測するなど、両方の震源を含む南北約30キロの領域で地震活動が継続している。いつまた大きな地震が起きるかわからない。北海道民はまだまだ不安を強いられることになるが、日ごろから「その時」に備えておくことが大切である。
 昨年9月の地震では、震度7を観測した厚真町を中心に42人が死亡し、約760人が重軽傷を負った。全域停電(ブラックアウト)や断水も発生し、住民生活への影響も甚大だった。
 今回は5人がけがを負ったものの、死亡者は現在のところいない。厚真町では雪崩が確認されたが、人的被害や巻き込まれた建物はなかった。断水が一部地域で続いているが、ライフラインへの影響は極めて限定的だった。大きな地震にもかかわらず、被害が小さかったことは幸いである。
 昨年の震度7を経験した厚真町の住民らからは不安の声が聞かれた。「9月の地震を思い出して震えが止まらなかった」「これまでの地震で建物が弱っている。倒壊するかもしれないとの恐怖から外に出た」など動揺した様子が見える。
 一方で、夜9時すぎの地震は、交通機関が大きく乱れたため、帰宅困難者を多く出した。緊急停車した列車の車内に閉じ込められた乗客がいたほか、札幌市が避難所として開放した「札幌駅前通地下歩行空間(チ・カ・ホ)」には家に帰れず、泊まるところのない人たちが身を寄せた。新千歳空港でも一夜を過ごした人たちがいた。避難所などでは市職員らが帰宅困難者に毛布を配布して対応したが、冬場のしかも夜の地震に対して、寒さ対策の重要性があらためて浮き彫りとなった。
 本県も北海道と同様に雪国であり、冬期間に地震が発生した場合には雪による被害の拡大が想定されている。今回の北海道の地震は決して人ごとではない。県では2014年度から真冬の大地震発生を想定して、「冬季防災訓練」を実施している。訓練などを通じて備えを万全にするとともに、県民の防災意識を高めたい。


原発デブリ調査 取り出しに向けた一歩だ
 炉心溶融(メルトダウン)が起きた東京電力福島第1原発で、溶け落ちた核燃料(デブリ)への初の接触調査を東電が行った。遠隔操作の装置を使って実際に触れ、性質などを確かめるもので、原子炉格納容器内のデブリとみられる堆積物をつかむことができたという。
 格納容器内の様子は、これまで映像でしか分からなかった。遠隔操作によってデブリを移動できると分かり、廃炉作業の中でも最難関とされるデブリ取り出しの実現に向けた一歩となりそうだ。
 作業には、開閉する2本の「指」を備えた装置を使った。2号機の格納容器の底にある堆積物に接触させ、数センチ大の小石状の物体などを動かしたり、持ち上げたりした。
 3基の原子炉で燃料が溶融するという事故は世界でも前例がない。デブリの回収も試行錯誤の作業を余儀なくされる。国と東電は1〜3号機のうち、どれからデブリ回収に着手するかを2019年度に決める。今回、接触調査にまで進めたことは一定の成果と言えるもので、作業は調査が先行した2号機から始まる可能性が高くなった。
 とはいえ、今回調べることができたのは格納容器内のほんの一部にすぎない。広い範囲にあるデブリの性状や位置関係はまだ分かっていない。接触できても動かせなかった堆積物もあったため、今後は遠隔操作によって削ったり切断したりできる装置の開発も必要となる。1〜3号機には推定で計約880トンのデブリがあるとみられており、極めて困難で息の長い作業となるのは必至だ。
 廃炉作業に横たわる難問はほかにもある。原子炉建屋の上部にあるプールから、使用済み燃料を取り出す作業である。炉心溶融を免れた4号機ではすでに取り出しを終えたものの、1〜3号機では計1500体以上が残されたままだ。強い放射線を出すため、廃炉作業を進める上で大きなリスクとなる。
 だが、遠隔操作で燃料を取り出すための装置にトラブルが相次ぎ、昨年秋に開始予定だった搬出作業には着手できていない。計画通りには進んでおらず、廃炉作業の困難さを示している。
 廃炉にかかる費用は、政府の試算では約8兆円とされている。当初想定した2兆円から大幅に膨らんだ。賠償なども含めた事故処理費用は当初想定した11兆円から21兆5千億円にまで増えている。費用は原則として東電が全額負担する計画だったが、東電1社では対応しきれないとして、国民も一部を電力料金として負担する形に変わった。
 30〜40年を要するとされる廃炉作業には、今後も想定外の事態が起きる懸念が拭えない。それに伴う新たな機器の開発などでさらに費用がかさむ可能性もある。国と東電は負担者である国民に対して丁寧に情報を開示し、説明を尽くしてもらいたい。


原発避難訴訟 「人災」直視し救済進めよ
 東日本大震災はまだ終わっていない。何の落ち度もなく肉親や家、古里を奪われ、今なお避難生活を送る人は全国で5万人超に上る。その厳しい現実を改めて私たちに突き付ける判決が、横浜地裁で言い渡された。
 東京電力福島第1原発事故で福島県から神奈川県に避難した住民ら175人が国と東電に損害賠償を求めた訴訟で、同地裁が2者の責任を認め、152人について計4億1963万円の支払いを命じた。
 同事故の避難を巡る集団訴訟で判決が下されたのは、8件目だ。いずれも東電の責任を認定したほか、国を被告にした6件の訴訟のうち5件で国の責任が断罪されたことになる。
 集団訴訟は福岡地裁(係争中)でも起こされ、九州で避難生活を送る人々も救済を求めている。国はそうした動きと一連の司法判断を真摯(しんし)に受け止め、被災者支援の拡充を図るべきだ。
 判決は、2011年3月11日の津波による事故について、予見は可能であり、電源施設の移設で被害は回避できたのに、国が権限を行使しなかったと認定した。また、原子力安全委員会などが同原発の津波対策を基準に適合するとした判断の過程に「看過しがたい過誤、欠落があった」と指摘した。
 その上で、国の指針などで定める損害額は「限度と認めることはできない」とし、避難指示区域外からの自主避難者についても慰謝料の支払いを命じた。
 ひと言で表すなら、事故は紛れもなく「人災」であり、被害の回復、賠償は不十分である、という結論である。
 この判断を受け、国に求められるのは自らの責任を直視し、避難者にとことん寄り添う姿勢ではないか。国がいたずらに裁判で争えば、被災者の苦しみはその分、増すことになる。
 避難者の支援策は3月末に大きな岐路を迎える。福島県による住宅の無償提供は帰還困難区域に限って継続(約5千世帯)され、避難指示解除区域の約2400世帯については打ち切られる。また、指示区域外からの避難者については避難先での住宅家賃補助が終了する。これに伴い、生活再建への新たな負担がのしかかる。
 大震災の発生から来月で8年になる。被災地の再生、復興はなお途上で、福島を中心とした避難者総数は今年1月10日現在で、なお5万2731人、避難先は47都道府県の1006市区町村に及んでいる。うち九州7県では1608人が暮らす。
 原発の再稼働が続く中、未曽有の惨事への記憶が風化していないか。「福島の教訓」を不断に見据え、九州からの支援も絶やすことなく続けていきたい。


自衛官募集と改憲 「空気が変わる」とは?
 自衛官募集への自治体の協力に関し、今月初旬の自民党大会で安倍晋三首相が発した言葉が波紋を広げている。
 いわく「都道府県の6割以上が新規隊員募集への協力を拒否している悲しい実態がある。この状況を変えよう。違憲論争に終止符を打とう」。
 その後の国会答弁では「拒否している」を「協力いただいていない」と言い換えているが、いずれ「隊員募集の円滑化のために憲法改正を」と聞き取れる。
 国会では憲法9条への自衛隊明記を主張する首相が、そのための新たな理由を持ち出したと受け止められている。これには与野党双方から「隊員募集と9条改正は直ちにつながらない」(公明党・北側一雄憲法調査会長)などと批判的な論評が相次ぐ。
 誰より戸惑っているのは自治体だろう。6割以上が非協力的とされたが、防衛省の調査を見ると、実態は9割以上が協力的と解釈できる。
 自衛隊法は97条で、法定受託事務として自治体が「自衛官募集事務の一部を行う」と規定。その施行令に防衛相は関連名簿の提出を「求めることができる」とあるが、義務ではなく、具体的判断は各自治体に委ねられている。
 防衛省は、市区町村に18歳と22歳の住民の氏名、住所などの提出を要請。2017年度は1741市区町村の約4割が名簿提出に応じ、そのほかも大半が住民基本台帳の閲覧などを認めている。この現状を「協力的でない」とする為政者の認識は甚だ疑問だ。
 自民党は首相発言を受け、所属国会議員に対して地元自治体に関連名簿提出を促すよう求める通達を出したが、共同通信の調べでは住民基本台帳法や独自の条例などとの整合性に気を配りつつ、最大限の協力に腐心する自治体の姿が浮かび上がる。
 市民生活の安全と安定へ、個人情報の厳格な管理は時代の要請と言えよう。対象が自衛隊であれ、現状で自治体に名簿提出を強要することには殊更慎重であるべきだ。
 自衛隊の担当部署に県内の状況を尋ねると「各自治体との関係があるので答えられない」とのことだった。個別の交渉では複雑なやり取りもあるに違いない。筋違いの改憲論を引き合いに自治体に強権をちらつかせる手法は、逆に募集業務の現場を困惑させることにならないか。
 安倍首相は国会答弁で、自治体の姿勢に関し「憲法への自衛隊明記で空気は大きく変わっていく」と言った。内閣府の調査では、国民の9割が自衛隊に良い印象を抱いている。自治体の対応は、そんな世情と無縁ではあるまい。
 改憲に絡め、どう「空気」を変えたいのか。情緒論では理解のしようがない。


辺野古沖に杭7.7万本 工期も工費も過大になる
 沖縄県民投票の対象となっている辺野古埋め立て工事の驚くべき実態が明らかになった。海底の軟弱地盤が予想以上に深刻で、地盤改良に膨大な時間と費用を要するという。
 軟弱地盤の存在は2015年のボーリング調査で判明しながら、政府は調査中を理由に詳細を公表してこなかった。玉城デニー知事が埋め立て承認を取り消したのに対抗する行政手続きの中で、ようやく地盤改良工事の検討データを県側に示した。
 米軍普天間飛行場の辺野古移設に伴う埋め立て面積は約160ヘクタールで、航空機の離着陸に耐えられる強固な地盤が必要になる。政府は辺野古南側の浅瀬部分から埋め立ての土砂投入を進めている。問題になっているのは水深が増す東側だ。
 県が明らかにした政府のデータによると、地盤改良を要する面積は65・4ヘクタールで、東側の埋め立て予定面積112ヘクタールの約6割を占める。
 そこに鋼管を使い7万6699本の砂の杭(くい)を打ち込む。必要な砂の量650・9万立方メートルは東京ドーム5・25杯分に当たる。沖縄県内の砂利採取量の数年分になる量を調達するめどが立っているとは思えない。
 そもそも技術的に可能なのだろうか。県が政府に提出した意見書によると、従来の工法では水深70メートルが限界であり、最深部が90メートルにもなる軟弱地盤での施工例はないとされる。
 政府は「一般的で施工実績が豊富な工法で対応が可能」と言うが、難工事になるのは間違いない。
 仮に技術的に可能だとしても工期が大幅に延びるのは避けられない。
 現行計画では滑走路や桟橋などの施設整備も含め完成は22年度以降とされている。もともと埋め立てだけで5年はかかる計画なので、これ自体がすでに破綻している。
 そこに大規模な地盤改良工事が加わる。環境アセスメントからやり直さなければならない。地盤改良に5年と見積もった県の試算では完成までに13年かかる。
 そうなれば、普天間飛行場の早期返還のためと言ってきた政府の主張の根拠が崩れかねない。
 2400億円とされてきた工費も2兆円以上に膨らむと県はみる。その全額を日本が負担する。
 技術的にも費用の面でも辺野古移設は非現実的になっている。


沖縄県民投票を妨害し続けた安倍政権! 沖縄県民にエールのホワイトハウス署名呼びかけ人にも入管で嫌がらせ
 明日に迫った、沖縄の辺野古基地建設の賛否を問う24日の県民投票。しかし、そんななかで、またも信じられないような事件が起こった。
 ローラやQUEENのブライアン・メイが署名・情報の拡散をおこない大きな話題を集めた、ホワイトハウスに新基地建設工事の一時停止を求める署名運動の発起人である日系4世のロバート・カジワラさんが19日に来日したのだが、その際、到着した関西国際空港で、なんと入国審査で別室に連れていかれ、約110分にもわたって“拘束”されたのだ。
 しかも、その間、カジワラさんは入国管理事務所の職員から、こんな尋問を受けたというのだ。
「辺野古へ行くのか」「日本に何をしに来たのか」
 カジワラさんは以前から「沖縄の若者の関心が低いと言われており、私も投票前に沖縄入りし、若者らに県民投票参加を働き掛けるつもりだ」と語っており、今回の来日目的は講演会への出席だ。実際、カジワラさんは職員にも「講演会のために来た」と説明したが、対して職員は「講演会で何を話すのか」「デモをするのか」と質問を浴びせたという(沖縄タイムス21日付)。
 その後、カジワラさんは知人に連絡し、そこから社民党の照屋寛徳・衆院議員に状況が伝えられ、照屋議員が入国管理局に対してカジワラさんの身元を保証、入国を許可されたというが、カジワラさんはこの入管の対応について〈日本にはこれまで何回も来てるけど、こんなことが起きたのははじめて〉とTwitterで発信。さらに、こう投稿した。
〈日本政府は、私をイベントに遅刻させるために東京への乗り継ぎ便を乗り損ねさせようとしていたと思う。そしておそらく、嫌がらせして私がまた日本に来る気を失せさせようともしていたんじゃないかな〉
 入国目的ははっきりしているのに足止めし、その上、入国審査とはまったく関係ないのに「辺野古へ行くのか」「デモをするのか」と尋問した──。まるで辺野古へ行くことやデモをすることが犯罪行為であるかのような物言いだが、当然ながら、辺野古へ行こうがデモに参加しようが、それらは入管が入国を拒む理由にならない。カジワラさんも指摘するように、これは日本政府、安倍政権による嫌がらせ、見せしめであることは明々白々だろう。
 しかも、カジワラさんの来日をめぐって起こった騒動は、これだけではない。22日、沖縄の名桜大学で市民らがカジワラさんを招き、学生たちとの交流会を開く予定だったが、名桜大が「大学の教育施設の利用は適切でない」として会場使用を不許可にしたのだ。
 ホワイトハウスに県民投票まで新基地建設工事の一時停止を求める請願運動をおこなったカジワラさんの訴えは、現在、21万筆を超える賛同を得ている。カジワラさんは請願運動をはじめた理由について、「米国が民主主義を重視する国だと示してほしいと思った」「昨年9月の沖縄県知事選で移設阻止を公約に掲げた玉城デニー氏が当選したのに、日本政府が移設工事を進めたことにも異議を唱えたかった」と述べているが、こうした主張は当然のもの。そんなカジワラさんとの交流会が、どうして「適切でない」という判断になるのか。
官邸ぐるみで沖縄県民投票を妨害し続けた安倍政権
 これは、「平和」「護憲」というメッセージ自体が「政治的」「危険思想」扱いをされる現状とそっくりだ。現に、そうしたなかで「憲法9条を守ろう」と集会を開こうとしただけで公共施設が「政治的な主張の集会には会場は貸せない」などと拒否する事例が次々に起こっているが、これと同様に、県民投票の実施を求めたり、新基地建設工事に疑義を呈するという、当然守られるべき市民の意志表示が「危険思想」だと見なされつつあるのだ。
 そして、そうした空気を醸成してきたのは、言うまでもなく安倍政権だ。辺野古に新基地をつくっても普天間飛行場は返還されないというのに「普天間の危険性を除去するため」と大嘘をつきつづけ、他方、基地に反対する市民を安倍応援団たちはこぞって「暴徒」扱いしてきた。
 その上、公正なプロセスを踏み、民主主義に則って実施される県民投票に対してまでも、安倍自民党は露骨な横やりを入れた。
 たとえば、自民党の宮崎政久衆院議員が沖縄の市議会議員らに〈県民投票の不適切さを訴えて、予算案を否決することに全力を尽くすべきである〉などと予算案を否決する呼びかけをおこなっていたことが発覚。一時は宜野湾市、沖縄市、うるま市、石垣市、宮古島市の5市が不参加を表明する事態に陥った。
 全県実施を求め元山仁士郎・県民投票の会代表がハンガーストライキしたことなどが実り、結果的に投票の選択肢を「賛成」「反対」の2択ではなく「どちらでもない」をくわえた3択で妥結、全県で実施されることとなったが、そこまで追い込まれることになった一部不参加問題の背景には官邸の暗躍があったとみられている。事実、宮崎議員が県民投票の予算否決の呼びかけに邁進していた最中の昨年12月10日、宮崎議員は松川正則・宜野湾市長と連れ立って首相官邸を訪れ、菅義偉官房長官と面談をおこなっていた(詳しくは既報参照→https://lite-ra.com/2019/01/post-4499.html)。
 陰に陽に県民を「分断」し、民主主義の原理原則である国民主権さえ否定しようとした安倍政権。しかも、菅官房長官は県民投票を控えた今月14日の定例会見で、「どういう結果でも移設を進めるか」という質問に「基本的にはそういう考えだ」と明言。投票がおこなわれる前から、県民の意志表示は無視する、と宣言したのだ。
 こうしたなかで起こったカジワラさんの入管“拘束”問題は、安倍政権の沖縄に対する強権性を象徴する事件と言えるだろう。
 その後、辺野古を訪れたカジワラさんは「日米政府は沖縄県民の意思を無視して工事を進めていることが(日本国外で)分かっている。辺野古の問題は国際問題。ウチナーンチュの人権を守るため、国連へ働き掛けていきたい」と語るなど、沖縄県民にエールを送った(琉球新報22日付)。
 県民無視の強権的な政府の姿勢に、24日の県民投票でははっきりと民意を叩きつけてほしいと願わずにはいられない。


沖縄の県民投票◆意識問われるのは「本土」だ◆
 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設を巡る県民投票が24日に迫った。辺野古沿岸部の埋め立てへの賛否について「賛成」「反対」「どちらでもない」の三つの選択肢で問うもので、県民投票の結果には政府を縛る法的な拘束力はない。しかし、辺野古移設に絞った沖縄の民意が明確に示される意義は大きい。
政府は結果尊重せよ
 だが、辺野古移設の是非を沖縄県民だけに問うのは妥当だろうか。辺野古移設は政府が進めている計画であり、日本の安全保障政策上の観点から抑止力の維持をその理由に挙げている。日本全体の安保政策であるならば、全国民が考えなければならない問題だ。問われるのは「本土」側の意識であり、国民一人一人が当事者としてその是非を考えたい。
 沖縄県では昨年9月の県知事選で、辺野古移設反対を掲げた玉城デニー氏が過去最多の得票数で当選した。「反対」の民意は既に明確になっていると言える。ただ知事選は地域振興や福祉政策なども争点となるため、辺野古移設に絞って民意を明確に示すべきだとして、市民グループが署名を集め、直接請求で県民投票が実現した。
 県民投票は、最も多い得票の選択肢が投票資格者の4分の1に達したときは、知事は結果を尊重するとともに首相と米大統領に速やかに通知すると定めている。政府が結果を厳粛に受け止めるべきなのは言うまでもない。だが、安倍晋三首相は20日、結果にかかわらず移設を進める考えを示した。
 沖縄では1995年の米兵による少女暴行事件を受けて、96年9月に日米地位協定の見直しと米軍基地の整理・縮小への賛否を問う県民投票が実施された。過半数が地位協定見直しと基地整理・縮小に「賛成」したが、今でも地位協定は改定されず、在日米軍専用施設の約70%が沖縄に集中している。
混乱や分断招く恐れ
 辺野古移設への反対を主張した故翁長雄志前知事や玉城知事を生んだ知事選の結果にもかかわらず、政府は移設工事を進めている。民意が顧みられない構図が続いている。玉城知事が「政府は丁寧に沖縄の民意に向き合うよう求めたい」と強調するのは当然だろう。
 普天間飛行場を抱える宜野湾の市長が当初、「結果によっては普天間飛行場の固定化につながる懸念が強い」と不参加を表明したのも理解できる。だが辺野古移設とは切り離して普天間返還を目指すのが玉城知事の考えだろう。知事は丁寧に説明してもらいたい。
 県民投票は、議員を通じた間接民主制では把握しきれない個別事案への意識を問う直接民主制の手法であり、間接民主制を補完するものだ。一方で、英国の欧州連合(EU)離脱を巡る国民投票のように、混乱や市民の分断を招く恐れも指摘される。だが沖縄県民が分断されるとすれば、その原因は誰がつくっているのか。本土の側の責任こそを自覚すべきだろう。


【辺野古軟弱地盤】工事を止め協議やり直せ
 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設を巡るあすの県民投票を前に、埋め立て予定海域の軟弱地盤の問題が大きく注目されている。
 政府が、地盤改良工事のために約7万7千本もの砂の杭(くい)を海底に打ち込む計画であることが分かった。軟弱層は最も深い場所で水深約30メートルの海底下約60メートルに及ぶという。
 専門家は世界的にも施工実績がない深さだと指摘する。大がかりな工事になれば、工期の長期化や経費の増大が避けられず、周辺海域の環境汚染も心配される。
 これまでの政府の説明と異なる上、移設が本当に普天間の「一日も早い返還」につながるのかも疑われよう。
 改めて政府の沖縄への姿勢が問われる。政府は直ちに工事を止め、最初から協議をやり直すべきだ。県民投票で民意が示されれば、なおさらである。
 問題の軟弱地盤は、埋め立て工事がまだ始まっていない予定海域東側の海底にある。専門家が以前から、地盤の特性を「マヨネーズのよう」だと問題視していた。
 沖縄県も影響の大きさを指摘してきたが、政府は事実上それを無視し昨年12月、予定海域南側の埋め立てを開始した。東側の大がかりな地盤改良工事の必要性を認めたのは先月のことだ。
 辺野古沖の滑走路整備などについて政府はこれまで、事業費3500億円以上、工期5年としてきた。地盤改良工事によって大幅な見直しが避けられないが、政府は明確にしていない。
 これに対し沖縄県は事業費は最大2兆5500億円、工期は13年になると独自試算している。衝撃的な数字といってよい。巨額の国費が投入される国民全体の問題だ。
 7万7千本の杭を打つために追加で必要になる砂の量は約650万立方メートルで、県内の年間砂利採取量の数年分に当たるという。これほどの量を確保するには県内から調達するにしても県外から持ち込むにしても、あまりに環境リスクが大きい。
 施工実績がない深さであることも課題だ。十分な改良ができなければ軍用機用の滑走路として耐えられるのか疑わしい。基地移設の根本的な問題になりかねない。
 政府は「一般的な工法で、相応の期間で改良工事を実施することは可能だ」(菅官房長官)とし、今春にも設計変更を県に申請する構えを見せている。工事をやめることなく重大な変更をするやり方に玉城知事らが猛反発するのは当然だ。
 埋め立てを急ぎ既成事実化させる狙いだと批判されても仕方がない。その姿勢は、菅氏が県民投票の結果にかかわらず工事を進める考えを示したことにも表れていよう。
 政府はまずは工事を中止し、新たな試算や工法をきちんと示すことだ。環境アセスメントのやり直しも求められる。その上で改めて県と協議し直すべきである。


「首相の意向反映は明白」統計調査方法変更で 立民 枝野代表
毎月勤労統計調査の調査方法の変更をめぐって立憲民主党の枝野代表は、当時の総理大臣秘書官を通じて安倍総理大臣の意向が反映されたことは明白だとして引き続き追及していく考えを示しました。
毎月勤労統計調査の調査方法の変更をめぐっては、厚生労働省の元幹部が平成27年9月に当時の総理大臣秘書官と面会していたものの、秘書官からの指示はなかったと説明しています。
立憲民主党の枝野代表は神奈川県小田原市で記者団に対し「総理大臣秘書官が『そんたくさせた』『圧力をかけた』ことが疑われる。もはや個人の問題ではなく、構造的な問題だ」と指摘しました。
そのうえで「秘書官が勝手なことをやるのを許すような政権なのか。私も官邸にいた経験があるが、そんなことはありえない。秘書官が動くときは、総理大臣の意向に基づいていることははっきりしている」と述べ、安倍総理大臣の意向が反映されたことは明白だとして、引き続き追及していく考えを示しました。


勤労統計と官邸 やはり圧力あったのか
 厚生労働省が毎月勤労統計の調査方法を変更した過程で、経済指標を良く見せたいとの首相官邸の「圧力」が、やはり働いたのではないか。そう考えざるを得ない。
 厚労省はきのう、2015年に統計担当の職員が、有識者検討会の座長を務めた阿部正浩中央大教授に送信したメールを公開した。
 このうち9月4日付の一通に、検討結果を「官邸関係者に説明している段階」と記載されていた。検討会が「中間的整理」を取りまとめる12日も前だ。官邸の関与を裏付ける新事実ではないか。
 公開は、職員の上司だった姉崎猛・元統計情報部長が参考人出席した衆院予算委員会の審議後だった。姉崎氏の説明も含め、野党側は圧力を否定してきた政府答弁が虚偽だったと猛反発している。
 政府は真実を説明すべきだ。
 姉崎氏は、当時の中江元哉首相秘書官と3月末に続き9月14日にも面会し、調査対象事業所の「総入れ替え」方式から、「部分入れ替え」への変更を検討するよう改めて促されたことは認めた。
 同じ日、当初は総入れ替え継続だった検討会の報告案が、部分入れ替えも含め「引き続き検討」と併記する内容に書き換えられた。
 だが姉崎氏は書き換えを部下に指示したのは面会前であり、指示は自身の判断で中江氏の意向と無関係だと強調した。結論を中江氏に伝えてはいないとも述べた。
 官邸への「事前説明」とは矛盾する上に、同じ14日に送られたメールは疑念をさらに膨らませる。
 「委員以外の関係者と調整をしている中で、部分入れ替え方式で行うべきだとの意見が出てきた」ため、取りまとめを「報告書」ではなく「中間的整理」に変更したいとの意向を伝えている。
 「関係者」は中江氏と思われると、根本匠厚労相も認めている。
 検討会の方向性について事前説明を受けた官邸が難色を示し、強引に変えさせた―。こう推測するのが自然な流れではないか。
 一方の当事者の中江氏は、9月の面会は「記憶がない」と曖昧な答弁を続け、一時「検討会の模様は一切聞いていなかった」と述べた。不自然な印象を否めない。
 検討会は阿部氏欠席のまま中間整理を了承し、その後は開かれないまま変更手続きが進んだ。
 科学的かつ公正に検討すべき統計手法の変更で、専門家の作業が途中でないがしろにされ、不透明な流れで決まっていった。森友・加計問題を思い起こさせる。ゆるがせにしてはならない話だ。


賃金偽装 厚労省キーマン「官邸の圧力」否定は矛盾だらけ
 官邸に忖度した答弁が大炎上――。毎月勤労統計の賃金カサ上げを巡る問題で、22日の衆院予算委員会に、厚労省の姉崎猛・元統計情報部長が初めて登場。中江元哉・前首相秘書官から、統計方法の「問題意識」を伝えられた人物だ。姉崎氏は「官邸の圧力」を全面否定したが、無理な言い訳はほころびだらけだった。
 最大のナゾは、厚労省の「毎月勤労統計の改善に関する検討会」(阿部正浩座長)の「報告書」が急変したことだ。2015年9月14日の14時1分の段階では「現在の総入れ替え方式で行うことが適当」だったのに、同日22時33分には「サンプルの入れ替え方法については引き続き検討する」と更新。賃金が高く出る部分入れ替え方式が急浮上した。
 実は、この日午後の早い時間に、中江氏が姉崎氏に会い、入れ替え方法を示唆している。中江氏の意向を受けて変更したように見えるが、姉崎氏は「(中江秘書官でなく)私が決めたんです」「11日か14日の朝に、変更を指示したが、担当が多忙で修正がギリギリになった」と苦しい弁明だった。
 さらに、同日、厚労省の担当者が阿部座長に「委員以外の関係者から『部分入れ替えを検討すべきだ』との意見があった」とメール。根本厚労相は20日、委員以外の関係者とは中江氏を指すという姉崎氏の証言を受けて答弁していたが、この日、姉崎氏は関係者は中江ではないとアッサリ覆した。姉崎氏は全てを「自分の責任」としてかぶる姿勢を見せたのだ。
■答弁と食い違うメールが次々発覚
 ところが、予算委終了後、厚労省が公表したメールから姉崎氏の主張と矛盾する記述が出てきて大騒ぎだ。
 15年9月14日の中江氏との面談の10日も前に、厚労省担当者が阿部座長に「検討会での検討結果は官邸関係者に説明している段階」とメール。さらに、8日のメールには、姉崎氏が部分入れ替えに消極的だったと思わせる記述もあった。姉崎氏自身が主導したとする主張と全くつじつまが合わないのだ。
「モリカケ同様、いったん問題が発覚すると、役人は官邸の顔色をうかがい、官邸に迷惑が掛からないようにします。姉崎氏も、ここで頑張ればいずれ報われると考え、官邸をかばおうと言い繕ったのでしょう」(政治評論家・山口朝雄氏)
 答弁と食い違うメールの登場で、来週の国会は大荒れになりそうだ。


官邸の暗躍と官僚の忖度…諸悪の起点は2015年になぜ集中
 毎月勤労統計の“アベノミクス偽装”は、国会に招致された関係者の発言で事実が明らかになればなるほど、安倍首相や首相秘書官らによって政策が歪められていった「森友・加計疑惑」と同じ構図に驚く。
 安倍官邸の暗躍と、それを受けた官僚の忖度――。別表で分かる通り、いずれも「2015年」に集中している。この年、国会は安保法制の審議一色。集団的自衛権の行使容認を含む法改悪を巡って大混乱だった。その裏で、うごめいていたということだが、なぜ15年なのか。
「14年12月の総選挙で自公が大勝し、15年はまさに長期政権の空気が出てきた頃。官僚が官邸への忠誠心を強めたのもこの頃です。12年の第2次安倍政権誕生直後に霞が関の役人が、『経産省内閣でしょ。長続きしないよ。経産省は2年で飽きる人たちだから』などと揶揄していたことを覚えています。しかし、13年に安倍首相の意向で内閣法制局長官が外務省OBになったり、14年には内閣人事局が発足。政権が官僚人事を掌握したのです」(野党関係者)
 そうした役人心理が15年の“忖度ラッシュ”となったのか。
 元経産官僚の古賀茂明氏がこう言う。
「内閣法制局長官は官僚の中でも最も公正中立を重視される役職で、官僚にとっては大臣と同等ぐらいの別格の存在なのです。通常は長い時間をかけて内部昇格させるのに、外務省から、それも自分の言うことを聞く人物を就けた。役人にとっては目が点の人事でした。6、7年にわたって1年交代の政権が続いていたので、安倍首相が14年総選挙で勝利した時、確かに役人は久々の本格政権を意識したと思います。こうして『安倍政権は怖い』となって、15年には霞が関全体が一気に政権になびいたのでしょう」
 安保法制が一種の“目くらまし”になった可能性もある。ジャーナリストの鈴木哲夫氏が言う。
「大きな対立構図がある時は世間もマスコミも野党もそれに集中する。その裏で重要政策を通していくのは政権の常套手段です」
 長期政権が生む腐敗そのものだ。


泥沼の統計不正問題 政府は逃げずに説明せよ
 連日、国会は統計不正問題で野党の厳しい追及が続いている。真相究明に後ろ向きな政府の姿勢のせいで解明が進まない。まるで泥沼にはまってしまっているかのようだ。
 次々と新たな問題が浮上する。経過を振り返ってみる。
 昨年末に毎月勤労統計の不正が明らかになった。賃金、労働時間、雇用の変化を迅速に把握するため毎月調査・公表しているのが毎月勤労統計である。
 従業員500人以上の大規模事業所は全数調査をすべきなのに、2004年から東京都内は3分の1程度の抽出にとどめるようになった。そのため全国の平均給与額が低くなり、失業給付などの過少給付が大量に発生した。追加給付のために予算案の閣議決定をやり直す事態になった。
 この問題を厚労省は特別監察委員会を設置して調査した。しかしすぐに、省幹部が聞き取りに立ち会っていたことが発覚し、報告書公表の3日後に再調査を決めるという醜態をさらした。
 勤労統計問題を受け、政府は56の基幹統計を総点検した。その結果、7省の22統計で不適切な処理が見つかった。
 その一つ、賃金構造基本統計では、訪問調査と定められているのに郵送で済ませ、その事実を隠蔽(いんぺい)していた。これも厚労省の不正である。
 毎月勤労統計を巡り目下、二つの大きな問題がある。
 一つは、04年になぜ全数調査から抽出調査に変えたかだ。調査を受ける企業の不満や、調査に当たる人員の不足が可能性として指摘されるが、いまだに明らかになっていない。18年に元に戻した経緯も定かではない。不正を認識しながら漫然と前例踏襲を続ける官僚機構の退廃ぶりは深刻だ。
 もう一つは、中規模事業所の調査対象の抽出方法を、なぜ18年1月に変えたのかである。それまで2、3年ごと総入れ替えをしていたのに、一部入れ替えに変更された。そうすることで、実質賃金を上振れさせていた。
 15年に厚労省の有識者検討会は「総入れ替え方式」継続でまとまっていたのに、当時の首相秘書官が厚労省幹部に「部分入れ替え」を提案し、その結果、結論がひっくり返されたというのである。
 野党側は、アベノミクスの成果とするために実質賃金の上昇率を膨らませるよう統計を操作したと疑い、「官邸の圧力によるアベノミクス偽装」と主張している。
 官房の意向を受けて官僚の忖度(そんたく)が働き、結果として行政がゆがめられたとすれば、未解決の森友学園・加計学園問題と同じ構図だ。
 問題が発覚すると素早く官僚を処分し、国会で説明を拒み追及を引き延ばす。政治家は責任を取らず、国民の関心が弱まるのを待つ。そんな政治・行政が続けば国全体が泥沼に没してしまう。うやむやにされないよう、一層監視を強めなければならない。


大津いじめ訴訟/悲劇招かぬ仕組みづくりを
 いじめで子どもの命を奪った重い賠償責任を、いじめた側は負わなければならない。そんな判決が出た。いじめは人を自殺に追い込む事態にもつながる。その重大さを改めて胸に刻み、いじめを許さない社会を目指したい。
 大津市で2011年に起きた中学2年の男子生徒=当時(13)=の自殺を巡り、大津地裁はいじめが原因だとして、元同級生2人に計約3750万円の支払いを命じた。
 元同級生側は「遊びのつもりだった」といじめを否定していたが、判決は、全校生徒アンケートなど約500点に上る証拠を丹念に分析し、いじめと認定して自殺との因果関係を認めた。
 その上で、一連のいじめ行為の積み重ねが男子生徒に孤独感、絶望感を形成させたと指摘し、「そのような心理状態に至った者が自殺におよぶのは一般に予見可能」との判断を示した。
 いじめ自殺を巡る損害賠償請求訴訟で加害者の責任を問うには、いじめと自殺の因果関係に加え、加害者側が自殺を予見できたとする立証まで求められる。原告側のハードルは高く、否定される判例が多かった。
 その点で今回の判決は画期的であり、いじめ被害の救済へ光を当てた判断とも言えるだろう。
 この事件では、教師がいじめを見て見ぬふりをしていた実態が明らかになるなど学校や市教育委員会の対応も厳しく問われた。
 その反省から13年施行されたいじめ防止対策推進法は、心身や財産への重い被害や長期欠席を「重大事態」とし、学校側に国や自治体への報告を義務付けた。事実関係の調査や被害者側への情報提供も定めている。
 しかし、法律ができてもいじめはなくならない。文部科学省の調査によると、全国の小中高などでのいじめ認知件数は17年度、約41万4000件で過去最多となった。13年度以降、いじめを理由にした自殺は後を絶たない。
 学校や教委の対応は遺族の情報開示の要求に対し積極的に応えず、隠蔽(いんぺい)体質があらわとなるケースも続いている。
 仙台市青葉区の中学2年の男子生徒が17年、いじめ被害を訴えて自ら命を絶った際、市教委は当初、いじめを認めず、重大事態とは捉えていなかった。
 16年に青森市の中学2年の女子生徒が、いじめを訴えて列車に飛び込み自殺した問題では、市教委は原因を「思春期うつ」として遺族の反発を買い、再調査で「いじめが原因」と認定した。
 こうした状況から、教員らに不適切な対応があれば懲戒処分の対象とし、学校に「いじめ対策主任」を置くという法改正が検討されている。
 学校や教育行政はいじめ対策の取り組みを徹底し、深刻な悲劇を招かぬ仕組みづくりに知恵を絞る必要がある。


河北春秋
 モモタロウにキビダンゴ。ウラシマにオトヒメ。名前を聞いただけで楽しくなってくる。小惑星りゅうぐうのクレーターや岩に付いた名前である。宇宙航空研究開発機構(JAXA)がりゅうぐうを世界に紹介するため、童話から名付けた▼きのう探査機はやぶさ2がりゅうぐうへの着陸に成功した。地球からの距離は3億4千万キロ。地球を8500周する計算になるらしい。直径900メートルの小惑星に着陸させるのは、日本からブラジルにある6センチの的を狙うような試みという▼昨年6月、上空に到着。同10月に着陸予定だったが、表面は岩だらけで着陸場所がないことが分かった。やっと見つけたのがわずか半径3メートルの場所。そこに着陸させるのは至難の業だったろう。地中の岩石も回収できたとみられる▼技術開発には会津大や東北大、山形大が携わり、福島県の部品加工会社や東京の町工場が大きな役割を果たした。日本の技術が結集して成し遂げた快挙と言える▼りゅうぐうには太陽系ができた46億年前の物質が残るとされる。惑星は水や炭素を含む岩石でできている。つまり人間など地球の生物の体を構成する物質と同じ。人類はどこから来たのか。謎をひもとく鍵になるかもしれない。子どもの夢も膨らむ。現代のおとぎ話を聞く思いがする。

はやぶさ2着陸/使命果たして無事帰還を
 宇宙航空研究開発機構(JAXA)が2014年12月に打ち上げた探査機「はやぶさ2」がきのう、地球から3億4千万キロ離れた小惑星「りゅうぐう」に着陸した。
 03年に打ち上げられた先代の「はやぶさ」はエンジン故障で一時行方不明になるなどの苦難を克服し、小惑星から岩石を持ち帰る世界初の快挙をなしとげた。はやぶさ2も、惑星表面からのサンプル採取にも成功したようだ。
 りゅうぐうには、太陽系や生命の起源に結び付く可能性がある水などを含む岩石が存在すると期待されている。はやぶさ2は今後も着陸を試み、来年には地球にサンプルを持ち帰る予定だ。宇宙の謎を探る使命を果たして、無事に帰還してほしい。
 着陸は当初、昨年10月の予定だった。しかし、りゅうぐうの事前情報が乏しく、はやぶさ2が実際に観測して判明したのは想定外の事態ばかりだった。
 中央部が膨らんだそろばん玉のような形状で、表面は大きな岩ばかり。100メートル四方を想定していた着陸場所も、実際は半径3メートルしかない。エンジンの制御方法を調整して着陸の精度を高めるなど、JAXAは3カ月かけ計画を練り直した。
 宇宙のかなたのりゅうぐうに、地球からの指示が届くまで約20分かかる。遠隔制御では着陸できず、はやぶさ2自らが目的地を判断し、機体を制御する方式になった。
 着陸成功をJAXA研究者は「完璧なミッション」とたたえた。孤軍奮闘する姿をわが子のように見つめていたのだろう。
 今回の調査には、多くの企業や大学が参画している。神戸大学も、装置開発やサンプルの分析に携わる。今回の着陸成功は、改めて日本の技術水準の高さを世界に示した。
 宇宙開発は各国がしのぎを削る分野だ。長年リードしてきた米国やロシアに加え、中国やインドも力を付けている。
 一方で、地球上の覇権争いが持ち込まれている。「宇宙軍」などと物騒なことばも聞こえてくるようになったが、国際社会全体のプラスに結び付く宇宙開発に各国が連携するべきだろう。その先導役に、日本がなってもらいたい。


はやぶさ2の着陸成功 宇宙探査の技術力示した
 探査機「はやぶさ2」が、小惑星リュウグウへの着陸に成功した。宇宙航空研究開発機構(JAXA)によれば、リュウグウの表面の試料を採取できたとみられる。
 日本の宇宙科学探査の技術力を世界に示した。今後は、リュウグウに金属の塊をぶつけて人工クレーターを作り、小惑星内部を露出させて試料を採取する予定もある。更なる成果が上がることを期待したい。
 リュウグウは直径約900メートルで、地球と火星の間で太陽を回る。試料を詳しく調べれば、地球の水や有機物は小惑星からもたらされたとの仮説を検証し、太陽系の成り立ちや生命の起源に迫ることができる。
 リュウグウの表面は無数の岩で覆われていた。はやぶさ2は機体を傷つけないよう岩を避け、半径3メートルの平らな領域を狙ってピンポイントで着陸した。その瞬間に地面に弾丸を発射し、舞い上がった岩石のかけらを採取する計画だったが、弾丸の発射信号が無事確認された。
 地球からの指示では迅速な対応ができないため、着陸最終段階は、搭載したカメラや高度計などを使い、完全な自動運転で実施された。
 こうした航行技術は、今後の宇宙探査でも大いに役立つはずだ。
 初代はやぶさは、姿勢制御装置やエンジンの故障などトラブルが相次いだ。弾丸発射にも失敗し、ごく微量の試料しか採れなかった。
 それに比べはやぶさ2は、今回の着陸を含め、目立ったトラブルがない。宇宙探査には想定外の困難が伴うものだが、初代の経験を生かし、知恵を絞った結果が、順調な運用につながっているのだろう。
 小惑星内部の試料採取は世界初の試みだ。表面に比べ風化が進んでおらず、太陽系誕生により近い状態の物質が残されていると見られる。ぜひとも成功させてほしい。
 火星の衛星からサンプルを持ち帰るJAXAの計画に、米国や欧州も参加を予定するなど、宇宙科学探査では国際協調が進んでいる。
 各国のコスト負担を減らしつつ、一国では難しいプロジェクトの実現を目指せるからだ。ただ、世界から実力を認められなければ、一緒にやろうとの声もかからない。はやぶさ2の成功をてこに、日本の存在感を高めてもらいたい。


はやぶさ2着陸 日本の技術力示す快挙
 日本の技術力の高さを示す快挙である。
 探査機はやぶさ2が小惑星りゅうぐうに着陸した。2005年に小惑星イトカワに着陸した初代はやぶさに続く成功となった。岩石試料を持ち帰れば、太陽系の起源に迫ることができると期待されている。
 20年末の地球帰還を目指す。初代は世界で初めて小惑星の砂を地球に届けた。うまくいけば、今回はより多くの有用な試料を持ち帰ることができる。太陽系の進化の研究が活性化しそうだ。
 りゅうぐうは地球と火星の公転軌道の近くを回る小惑星だ。大きさは半径約450メートル。現在は地球から3億4千万キロ離れている。
 それほど遠隔の小惑星で、狭い場所へのピンポイント着陸を成功させた意義は大きい。高い制御技術を実証したことは今後の宇宙探査につながる成果といえる。
 14年12月に打ち上げ、昨年6月に近くに到着。当初は10月に着陸する計画だった。だが、りゅうぐうの地表は多くの岩で覆われ、機体が当たれば損傷する危険性があることが判明。延期して着陸できる場所を慎重に探してきた。
 選んだのは半径3メートルの領域。精度の向上に取り組んだ。高度に繊細な制御が必要だった。
 はやぶさ2はトラブルに悩んだ初代の経験が生きた。通信機能や飛行中の姿勢調節装置を大幅に改善した。より有用な岩石を小惑星の地下から採取する新たな方法も開発した。困難を受け止め、地道に技術の改良を続けた。
 長野県内の関係者も、さまざまな役割を担っている。
 はやぶさ2が昨年9月にりゅうぐうに放出して地表の状況を調べた小型探査ロボットには、諏訪地方の中小製造業が作った電子基板や撮影用レンズが搭載された。
 交信には、佐久市のJAXA臼田宇宙空間観測所にあるパラボラアンテナを使っている。
 太陽系の謎の解明に挑む日本の探査機の出発は、今後も続く。
 宇宙のちりを観測する探査機が21年度に出発。22年度には木星の衛星を目指す探査機を、24年度には火星の衛星から試料を持ち帰る探査機を出発させる計画だ。
 順調に見える日本の宇宙探査も、00年前後には火星探査機の運用をトラブルで断念するなど苦難の時代が続いた。転機は、初代はやぶさの成功だった。
 宇宙探査はいま、長年リードした米国やロシアのほか中国やインドも力を入れている。技術力の長期的な継承、発展には何が必要か。この機会に改めて考えたい。


はやぶさ2 無事の帰還が待ち遠しい
 入念な準備で、最初の高い壁を乗り越えた。日本がこれまで培ってきた確かな技術と、プロジェクトに関わる人々の熱意のたまものに違いない。
 ただし、任務が済んだわけではない。この先も計画が順調に進んで機体が予定通り2020年に無事帰還し、太陽系誕生の謎解明に向けた研究が大きく前進してほしい。
 宇宙航空研究開発機構(JAXA)の探査機「はやぶさ2」が22日、地球から3億4千万キロ離れた小惑星「りゅうぐう」への着陸に成功した。
 着陸時には、岩石を砕いて試料として採取するための金属弾を発射した。試料は、はやぶさ2内部の容器に入った可能性が高いという。
 りゅうぐうには、生命の起源に関係する水や有機物を含む岩石が存在しているのではないかと期待されている。
 はやぶさ2のプロジェクトはこれまで世界的にも注目を集めてきたが、今回の着陸成功によって、関心はさらに高まったに違いない。
 改めて感心させられたのは、難度の高い着陸を成功させたスタッフの粘りである。
 当初の予定では最初の着陸は昨年10月で、場所は100メートル四方の領域を想定していた。ところが表面は大きな岩で覆われてでこぼこしており、再検討を迫られた。
 結局、着陸したのは想定より大幅に狭い半径約3メートルの領域となった。周囲には岩があり、まさにピンポイントだった。
 JAXAの記者会見で、成功の理由に「しつこい準備」を強調していたコメントが印象的だった。そこには、確固たる自負がにじんでいるように感じられたからだ。
 思いもよらない壁が立ちはだかる中、突破に向けてさまざまな知恵を絞り、プロジェクトを完遂に導く。
 思い出すのは「はやぶさ」初号機である。7年にわたり宇宙を60億キロも旅し、2010年に小惑星イトカワの微粒子を地球に持ち帰った。
 その道のりは平たんではなかった。イオンエンジンや姿勢制御装置のトラブルが相次ぎ、一時通信が途絶えて行方不明になったこともあった。
 だが、試練に見舞われても研究者たちはあきらめなかった。そのたびに知恵を出し合って克服し、計画より3年遅れたものの帰還にこぎ着けた。
 はやぶさ2のプロジェクトでも、そうした強靱(きょうじん)さ、柔軟さがしっかり受け継がれていることが分かる。心強い。
 初号機を巡っては、複数の映画作品ができるなど、宇宙研究という枠を超えた社会現象のようになった。
 数々の困難に挑んだ研究者の姿に勇気づけられた人が少なくなかったのだろう。はやぶさ2の着陸成功も同じような思いを抱かせたのではないか。
 宇宙技術分野で日本の存在感を示すと同時に、社会の閉塞(へいそく)感を打ち破る意味でも、計画が成功するよう願いたい。


はやぶさ2着陸 技術力、世界に示した快挙
 「完璧なミッション」「想定の中ではベスト」。探査機はやぶさ2の小惑星りゅうぐう着陸を受け、普段冷静な宇宙航空研究開発機構(JAXA)のプロジェクトメンバーが自賛の言葉を次々と口にした。それほどまでに、技術の完成度が示された快挙である。着陸の目的である表面の試料採取も成功している可能性が高く、日本の宇宙開発に新たな歴史が刻まれた。
 着陸は、プロジェクト内ではタッチダウンと呼ばれている。時間にしてごくわずかであり、接地という方が実際に近い。
 はやぶさ2は底面から筒状の装置が延びていて、接地とともに金属弾を発射する仕組み。舞い上がった岩の破片、砂ぼこりなどの試料を回収する。金属弾発射のコマンドは正常だったことが分かっており、後は、試料採取ができているかの確認が待たれる状況だ。
 着陸は、順調なら昨秋だった予定が遅れていた。りゅうぐう表面が予想以上に大きな岩で埋め尽くされていたためで、着陸領域は計画の「100メートル四方」から最終的に「半径3メートル」へと変更を余儀なくされた。
 そのため運用チームは着陸方法を根底から見直している。採用したのは、ターゲットマーカーと呼ばれる目標物を本体から落としておき、それを目印に着陸地点をピンポイントで設定する方法。当初計画にないやり方で、マーカーは別の使い方をするはずだった。
 決して簡単な変更ではない。落下したマーカーの位置をつかむには、本体を正確にコントロールして直上に導く必要がある。さらに地形を精密に把握していなければ、着陸地点を計算することもできない。これらの技術課題をチームは乗り越えた。
 着陸時には本体を意図的に5〜10度傾ける「ヒップアップ姿勢」も取り入れた。岩が多いとみられる方向の底面を高くして、接触しないようにした。
 こうしてみると今回の成功は、技術の高さ・完成度への自信を背景に、ミッションを柔軟に見直し、危機を回避した結果だ。
 太陽系の起源解明に迫るという科学的目標の成否は、試料が地球に到着した後の研究を待たねばならない。しかし、技術的にはこれで、日本の存在感は確たるものとなった。宇宙開発での国際協力が拡大していることからも、小惑星探査の技術力に世界の注目は高まるだろう。
 宇宙探査・開発は米国、ロシア、中国、インドなどが激しく先を争い、月の資源利用も競争が始まろうとしている。また、トランプ米大統領は19日、宇宙軍の創設指示書に署名した。このままだと、宇宙資源の乱開発や行き過ぎた軍事利用が現実化しかねない懸念があり、実効性ある国際ルール整備が急務だ。
 日本政府にはこの快挙を機に、宇宙の安定的な平和利用へ主導的役割を果たすよう、踏み出すことを望みたい。そうした取り組みのきっかけとなれば、はやぶさ2の成功はさらに価値を増すはずである。


[はやぶさ2着陸] 制御技術の高さ示した
 日本の遠隔操作技術の高さを示す快挙といえよう。
 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、探査機はやぶさ2が地球から3億4000万キロ離れた小惑星りゅうぐうへの着陸に成功したと発表した。
 2014年12月に種子島宇宙センター(南種子町)から打ち上げられ、4年余りの飛行を経て無事に着陸したことを喜びたい。
 りゅうぐう表面の岩石を砕き、試料を採取するための金属弾も発射した。試料は探査機内部の容器に入った可能性が高い。地球に持ち帰り、太陽系誕生の謎の解明を目指す。
 今回を含め最大3回の着陸を試みて、20年に地球に試料を持ち帰ることを目指している。総飛行距離は52億キロに及ぶ。無事に帰還する日を楽しみにしたい。
 はやぶさ2は当初、昨年10月に最初の着陸をする計画で、100メートル四方の平らな場所を目指すはずだった。だが、りゅうぐうの表面は想定以上に岩が多く、接触すれば機体が壊れる恐れがあった。そのため比較的大きな岩の少ない、半径3メートルという狭い範囲への着陸が求められた。
 短期間で着陸方法を練り直し、大幅に精度を向上させたことは、日本の技術への評価を高めるに違いない。
 小惑星は太陽系の「化石」に例えられ、46億年前に太陽系ができたころの物質をとどめているとされる。
 りゅうぐうは、03年に打ち上げられた初代はやぶさが微粒子を持ち帰った小惑星イトカワより原始的な炭素質だ。生物の体をつくるのに必要な有機物や水を含む鉱物が存在するとみられ、太陽系の成り立ちの解明につながる可能性がある。
 初代はやぶさは、小惑星まで往復できる技術実証を目的にした「実験機」だった。再三のトラブルに見舞われ、当初予定より3年遅い帰還となった。
 「実用機」のはやぶさ2は実験機の教訓から、イオンエンジンや姿勢制御装置などの改良を重ねた本格探査機である。その成功は国際協力による宇宙開発が進む中、日本の存在感を示すことになる。
 探査技術の向上によって将来、宇宙での資源開発につながることも期待される。
 はやぶさ2の総開発費は約290億円に上る。利益に直接結びつかない探査機開発を疑問視する向きもあろう。だが、科学の進歩には地道な研究や技術開発の積み重ねが不可欠だ。
 研究の成果を広く伝え、国民の理解を得る努力も欠かせない。


はやぶさ2着陸  宇宙研究に膨らむ期待
 日本の宇宙探査技術の高さを改めて示したといえよう。
 探査機はやぶさ2が、地球から3億4千万キロ離れた小惑星りゅうぐうへの着陸に成功したと宇宙航空研究開発機構(JAXA)が発表した。地表に金属弾を発射し、岩のかけらや舞い上がった砂ぼこりを回収する作業にも着手した。
 りゅうぐうは初代はやぶさが探査した小惑星イトカワに比べ、表面の岩石にアミノ酸のような有機物を多く含むと考えられている。
 採取した岩石からアミノ酸が見つかれば、太陽系の成り立ちや生命の起源解明に大きな手がかりとなる。任務を果たし、予定の2020年末に無事帰還してほしい。
 はやぶさ2は、14年12月に打ち上げられ、昨年6月にりゅうぐうに到着した。大きな岩で機体が傷つかないよう半径約3メートルの限られたエリアを選び、事前に落としたボールを目印に傾きながら降下する難度の高い着陸となった。
 探査の内容は盛りだくさんだ。
 高度500メートルから爆薬と銅板が入った装置を放出し、爆発で塊となった銅をぶつけて人工クレーターをつくり、表面だけでなく地下からも岩石を採取する。地下は宇宙からの放射線の影響を受けにくく、太陽系ができた46億年前から変質していない物質があると期待されているためだ。小型探査ロボットによる表面調査も行う。
 10年に初代はやぶさが持ち帰った微粒子からは、イトカワの母体となった天体が他の天体と衝突して破壊され、再び集積してイトカワになったとの分析も導き出されている。はやぶさ2が収集する試料にも期待が高まっている。
 ただ、計画通りの任務が実行できるかどうかは予断を許さない。
 人工クレーターをつくる際、爆発に巻き込まれないよう小惑星の裏側に避難するというが、緻密で周到な計算が必要になろう。
 音信途絶やエンジン停止などのトラブルが続いた初代はやぶさの教訓から、通信できるデータ量やエンジンなどを改良した。行きは順調だったが、帰着するまで関係者は気を抜くことはできまい。
 米航空宇宙局(NASA)も昨年12月、地球から1億2200万キロかなたの小惑星ベンヌに探査機を到着させた。20年以降に着陸、23年9月に帰還する。日本のチームとも協力し、岩石を交換して互いに調べることも予定している。
 宇宙研究分野の国際協力に、日本の優れた探査技術が貢献し、新たな発見が広がっていくことを期待したい。


[「はやぶさ2」着陸成功]太陽系の謎解明へ一歩
 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は22日午前7時29分、探査機「はやぶさ2」が小惑星「りゅうぐう」への着陸に成功したと発表した。
 機体の底からのびた筒状の装置を地表につけて金属弾を発射、砕いた岩のかけらや舞い上がる砂ぼこりを回収するのが最大の使命だ。
 JAXAが「完璧なミッション」と話すように、試料は探査機内部の容器に入ったとみられる。2005年に小惑星「イトカワ」から微粒子を採取した初号機はやぶさに続く快挙である。小惑星探査で世界をリードする技術力の高さをみせた。
 プロジェクトに関わった研究者や技術者をたたえたい。
 りゅうぐうは地球から3億4千万キロ離れ、火星との公転軌道の間にある幅900メートルの小さな惑星だ。そろばん玉のような形をしている。
 半径約3メートルの狭い場所に着陸した。地球からの指令が伝わるのに片道20分かかるため、最後は事前の送信に基づき、自動制御に切り替わった。あらかじめ地表に落としていたボールを目印に、機体を傾けて岩をよけながら降下するという難度の高い着陸を成功させたのである。
 小惑星は太陽系の「化石」にも例えられる。りゅうぐうが注目されるのは、太陽系ができた46億年前の痕跡をとどめる有機物や水が含まれているとみられるからだ。
 今後最大2回の着陸を試み、地下にある岩石試料の採取にチャレンジする。
 20年12月には試料を地球に持ち帰る予定だ。太陽系の起源や進化、生命誕生の謎を解明する大きな手掛かりとなる可能性を秘めている。研究成果が出ることを期待したい。
    ■    ■
 はやぶさ2は14年12月に種子島宇宙センター(鹿児島県)から打ち上げられた。
 太陽の周りを回りながら、18年6月にりゅうぐう付近に到着した。
 当初100メートル四方の平らな場所に着陸する計画だった。だが地表が多くの岩で覆われる困難な環境であることが判明した。機体が岩に当たれば、損傷する危険性があるため、昨年10月の着陸予定を延期していた。
 JAXAのチームは着陸地点の狭さを「甲子園球場からマウンドに変わったイメージだ」と例え、3カ月かけて着陸地点や誘導方法を練り直した。「しつこいほど議論して直前まで確認するしつこさ」が成功の原動力となった。
 はやぶさ2の着陸成功によって日本がリードする小惑星探査の分野が飛躍的な進歩を遂げることになりそうだ。
    ■    ■
 国際的関心も高い。
 米航空宇宙局(NASA)は着陸成功を祝福した。NASAの探査機も別の小惑星「ベンヌ」への着陸と岩石試料の採取を目指しており、23年に地球に帰還する予定だ。JAXAと小惑星の岩石を交換し、データを比較研究する考えである。
 今回のはやぶさ2の着陸技術はNASAから情報提供を求められるほどの高さである。科学立国日本の影が薄くなる中にあって、はやぶさ2の快挙で再び存在感を世界に示してほしい。


「万引き家族」に仏セザール賞 手違いで式典に関係者が出席せず、是枝監督おわび
 フランスのアカデミー賞に当たるセザール賞の第44回授賞式が22日、パリで行われ、是枝裕和監督の「万引き家族」が最優秀外国映画賞を受賞した。手違いで式典に関係者が誰も出席しておらず、是枝監督はツイッターでおわびを表明した。
 日本映画の同賞受賞は1981年に黒沢明監督の「影武者」が受賞して以来。
 是枝監督はアカデミー賞発表を前に米ロサンゼルスに滞在中で、ツイッターを通じてコメントを発表した。万引き家族は昨年、同じフランスのカンヌ国際映画祭で最高賞パルムドールを受賞。セザール賞受賞で「幸せな旅の締めくくりができた」と喜びを伝えた。


世界初アンドロイド観音が開眼法要 動き、語る仏像に進化、高台寺
 世界初のロボットの仏像、アンドロイド観音「マインダー」が完成し、京都市東山区の高台寺で23日お披露目された。高台寺の僧侶らが開眼法要を行った後、マインダーは般若心経の教えを説く初めての説法を行った。
 マインダーは、2017年9月から高台寺が大阪大学の小川浩平講師の協力を得て製作していた。高さ195センチ、幅90センチ、奥行き90センチ。顔や手の部分はシリコン製だが、大半の部分は人間の想像力を呼び起こすため、アルミニウム材がむき出しとなっている。
 この日は、高台寺の僧侶らが新たな観音菩薩(ぼさつ)像を寺に迎え入れるための法要を行った。さらに、マインダーが初めての法話を約25分間行った。般若心経の内容をテーマに、「空はすべて変化し続けるという意味」などと説いた。


“がん公表”も悪くないと教えてくれた入川保則さんの生き方
 競泳の池江璃花子選手(18)の白血病告白、タレントの堀ちえみ(52)の舌がん公表と続き大きな話題になっている。
 池江選手と同じ白血病を2度も克服した俳優の渡辺謙(59)は、いち早く自分のことをふまえて応援のメッセージを池江選手に送った。他にも多くの人がメッセージを明らかにする中、僕ら部外者は闘病で苦労を重ねるであろう方々に、ただただ快癒を祈ることしかできない。
 僕は、大病と闘う方々の話を耳にすると、必ず思い出す人がいる。俳優の故・入川保則さんだ。大物俳優とまではいわないが、悪役から人情味あふれる役まで、どんな役柄もこなす名脇役だった。その入川さん、2011年の1月に医師から「余命半年」と宣告された。所属事務所の社長から極秘でそのことを聞いた僕は、それを公表して記者会見することを勧めたものだ。社長が入川さんに記者会見することを話すと、本人は「それは無理」といったん断ったという。記者が集まるわけがないし、それじゃカッコつかないというのが理由だった。それでも会見を強行してみると、テレビやスポーツ紙の記者が集まり、当の入川さんは、しゃべりながらホッとしたんだそうだ。
 だが、余命宣告を公表したことで、闘病しながら映画を1本撮ろうじゃないかという話が湧き起こり、ゆかりの製作スタッフが集まった。もちろん入川さんの人柄もあるだろうが、故・松方弘樹さん、秋吉久美子、前川清といったビッグネーム、小倉一郎、窪塚俊介といった脇役仲間も手弁当状態で「ワンシーンでも共演したい」と集まったものだ。
 これには入川さん、大感激だったそうで、「うれしい」を連発した。その後もベッドサイドでの口述筆記も含めて、エッセーを1冊出版したのだ。1月の余命半年宣告から、その年のクリスマスイブに永眠されるまで入川さんは明るい表情で過ごしたそうだ。事務所の社長や身近な人たちも、穏やかな気持ちで寄り添うことができたという。
 大病を患った時には、芸能人はもちろん、そうではない人も、そのことを公表するかどうか非常に悩むものだそうだが、公にすることは悪くないと思う。「がんばれ」と応援する声も届くし、回復を祈る気持ちも伝わってくる。直接、病気に効果があるものではなくても、気持ちの上で前向きに歩むことに力を加えてくれるだろう。
 闘病生活はもちろん、つらく厳しいものではあるが、スポーツでも仕事でも最終的に復帰するために、前向きに明るい気持ちが持てることは重要だ。祈ることしかできない僕も、いつ病気になるかわからない。
 その時には、仲間に連絡し、みんなの気持ちを助けに闘病に向かおうと思うのだ。

はやぶさ2/ポモドーロソースと牛乳/やはりしんどい

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Japon: la sonde Hayabusa2 a réussi à se poser sur l'astéroïde Ryugu
Selon l’Agence d’exploration spatiale japonaise (Jaxa), la sonde Hayabusa2 aurait réussi à se poser brièvement, ce vendredi matin 22 février, sur l’astéroïde Ryugu. Sa mission, très complexe techniquement : y prélever de la poussière.
Cela fait plus de six mois que la sonde japonaise Hayabusa2 s'est mise en orbite autour de Ryugu, un astéroïde qu'on définit de type C, pour carboné. Ils sont intéressants car leur composition est proche de celle du système solaire primordial.
En plus de six mois, la sonde a donc pu le regarder sous toutes les coutures, mais elle a surtout permis à ses pilotes de choisir un site relativement sûr pour sa mission la plus périlleuse : se rapprocher au plus près de la surface de l'astéroïde, déployer une sorte de trompe et envoyer un projectile à très grande vitesse sur le sol. La sonde doit ensuite aspirer les poussières créées par le choc.
≪ Il semble que ce soit un succès ≫
Selon l’Agence d’exploration spatiale japonaise (Jaxa), qui gère cette mission, Hayabusa2 aurait apparemment réussi à se pose brièvement ce vendredi matin sur l’astéroïde. ≪ Il semble que ce soit un succès mais nous devons encore analyser diverses données que nous recevons progressivement avant de confirmer que tel est bien le cas ≫, a déclaré une porte-parole de la Jaxa à l'Agence France-Presse.
L'opération est complexe bien sûr et il faudra plusieurs jours pour acquérir la certitude que les échantillons au sol ont bien été collectés. Mais si son succès se confirme, ces poussières seront d'une valeur scientifique très importante.
Il faudra cependant attendre pour qu'elles soient mises à disposition dans les laboratoires sur Terre. Hayabusa2 rebroussera chemin en direction de notre planète à la fin de l'année et ce n'est que fin 2020 que ces fragments vieux de plusieurs milliards d'années seront à disposition des chercheurs, Ryugu étant situé à quelque 340 millions de kilomètres de la Terre. Une matière qui permettra alors de mieux comprendre la formation de notre système solaire.
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フランス語の勉強?

はやぶさ2がリュウグウに到着成功したみたいです.
ランチはポモドーロソース.久しぶりに牛乳をガブガブ飲みました.
やはりしんどいです.

亡き友のTシャツがお守りに 東松島の社会人ランナーがレースに持参
 東松島市職員の社会人ランナー相沢賢さん(34)は東日本大震災の津波で大切な仲間を失った。石巻高陸上競技部で1年後輩だった石巻市の千葉正章さん=当時(25)=。手元には大学時代に交換したTシャツが残る。「お守りみたいな存在」。亡き友との思い出を胸に刻み、競技を続ける。
 昨年11月に石巻市であった宮城県駅伝競走大会。相沢さんは所属する社会人チーム「石巻RC」で3区を任された。走る直前、かばんからTシャツを取り出して「頼むぞ」と願掛けした。順位を落とさずにたすきをつなぎ、チームの初優勝に貢献した。
 Tシャツは大学1年の夏、千葉さんのアパートに遊びに行った際にお互い頑張れるようにと交換した。震災後、大事なレースの会場に持ち歩いている。
 同市北上町十三浜の出身だった千葉さん。陸上は高校から本格的に始めた。誰からも慕われる明るい性格。相沢さんは「おだづもっこ(お調子者)だった」と懐かしむ。
 千葉さんは大学卒業後、地元に戻り、消防士になった。震災の日は夜勤明けの非番で、海沿いの実家にいた。遺体が見つかったのは約1カ月後のことだった。「仕事が落ち着いたら一緒に走ろう」。2人の約束は果たせなかった。
 震災翌日、相沢さんは千葉さんら3人でスノーボードを楽しむ予定だった。「スノボに備えて家で休まず、どこかに遊びに行っていたら…」。時間が戻らないのは分かっていても、そう思ってしまう。
 忘れられないレースがある。大学4年の引退試合。1浪して進学した相沢さんは東北福祉大、千葉さんは福島大でそれぞれ陸上競技部の主将を務めていた。
 種目は3000メートル障害。2人は序盤から競って別の選手を含む3人で激しい2位争いを展開した。結果は千葉さんが2位、相沢さんは4位。1秒以内の僅差だった。
 「表彰台に上がれなかったのは悔しかったが、互いにベストの走りができた」。高校時代の後輩との真剣勝負を楽しんだ。
 県駅伝競走大会も高校生の頃に千葉さんと一緒に走ったことがある。思い入れのある大会だ。「久しぶりに納得のいく走りができた」と相沢さん。遺品となったTシャツから力をもらい、今年も練習に打ち込む。


次の400年も見守って 被災した南相馬「泉の一葉マツ」後継苗木を植樹
 南相馬市の福島県指定天然記念物「泉の一葉マツ」の後継苗木の植樹式が21日、同市原町区泉の現地であった。東日本大震災の津波に見舞われたこともあって枯死が懸念されており、地元住民らは「後継樹が復興を見守ってほしい」と願った。
 一葉マツは樹齢400年のクロマツ。通常のクロマツの針葉が2本一対なのに対し、1本だけの葉が交じる。地元では伝説から「弁慶の腰掛けマツ」として親しまれてきた。震災で高さ約2メートルの津波に遭った上、松くい虫被害もあり、樹勢が急速に衰えている。
 市は陸前高田市の「奇跡の一本松」で増殖実績がある住友林業(東京)に協力を依頼。2013年暮れから育成に取り組んだ。松くい虫被害のないわずかな種子を採取。15年に発芽させたところ、7本のうち4本に一葉の特徴が出た。
 式では約70センチの苗木2本を、親木から50メートルほど離れた市有地に地元関係者らが植えた。泉行政区長の佐藤俊正さん(68)は「多くの市民を癒やすように、次の400年を背負って大きく育ってほしい」と話した。


<縮小の先へ 被災地と人口減>第1部 なりわい・水産加工業/人手不足で増産二の足
 復興を期す生産設備をフル稼働できないジレンマが、水産のまちを覆う。頼みの綱はアジアの労働力だ。
<生産能力は回復>
 「震災後は常に求人を出している。賃金は高めに設定しているつもりだが、反応が思わしくない」
 水産加工業水野食品(石巻市)の水野貴竣常務(46)の憂いは深い。
 主力商品は西京漬けなど漬け魚。東日本大震災の津波で工場が被災した。2011年11月に事業を再開し、生産能力は震災前と同規模にまで回復した。
 関東のスーパーを中心に受注を伸ばし、一部縮小した販路をカバーした。増産し、勢いに乗るシナリオを描くが、販売額は最盛期の6割程度にとどまる。原料高に加え、慢性的な人手不足が原因だ。
 震災前、約60人いた従業員は現在45人。ミャンマーからの技能実習生を中心とした外国人従業員が3分の1を占める。
 17年、外国人技能実習生の受け入れ期間が最長3年から5年に延長された。水野常務は「3年では技術を覚えた頃に帰ってしまうが、5年なら後輩を指導できるほどの戦力になる」と歓迎しつつ、将来への不安を拭い切れない。
 震災前、石巻市内の水産加工団地の実習生は中国人が多数を占めた。好調な中国経済を背景に人数は次第に減り、現在、主軸はベトナムやミャンマーなど東南アジア諸国に移った。
 水野常務は「中国同様、母国が経済成長を遂げたら人材確保が難しくなるのではないか」と危惧する。
<アジア人が戦力>
 水産加工が基幹産業の塩釜市でも、外国人が水産復興を支える。
 平日午後2時ごろのJR東塩釜駅。10〜30代のネパール人15人ほどがタクシーに分乗する光景は、今や日常となった。向かう先は冷凍食品や焼き魚・煮魚などを製造する極洋食品(塩釜市)の本社工場。震災後に新工場が完成し、製造ラインが増えた。
 ネパール人は日本語学校に通う学生だ。アルバイトとして7時間、煮魚のラインに就く。週28時間の制限があり、働けるのは週4日までだ。
 同工場の臼杵(うすき)和人総務課長(50)は「夜に働ける人材が集まらず、外国人の学生バイトを採用した」と言う。顔触れが毎年変わり、技能が安定しないが継続せざるを得ない。人手不足を補うため、技能実習生のベトナム人10人、中国人10人も雇用する。
 めんたいこなどを製造する味莱(みらい)(塩釜市)は12年に外国人技能実習生の受け入れに踏み切り、毎年10人前後を受け入れている。当初は中国人、15年以降はベトナム人だ。
 震災特需で残業が増え、日本人の離職者が相次いだ。谷口大輔工場長(33)は「当時は従業員が長続きせず、生産性が上がらなかった。意欲的な実習生を受け入れて良かった」と話す。
 塩釜市によると、市内で働く外国人技能実習生はベトナムや中国など5カ国計360人(昨年4〜6月)を数え、34社が受け入れている。
 水産のまちは今、「外国人技能実習生がいない状況は考えられない」(極洋食品の臼杵課長)局面に入っている。


<縮小の先へ 被災地と人口減>第1部 なりわい・水産加工業/人手不足で増産二の足
 人口が減る。地域を支える担い手が足りない。人口減少局面で起きた東日本大震災は、過疎化や少子高齢化を加速させた。震災から間もなく8年。縮む被災地の先に広がる風景は−。「生業(なりわい)」「生活」「インフラ」の三つをキーワードに、先鋭化する課題に向き合い、模索する姿を追った。 人口が減る。地域を支える担い手が足りない。人口減少局面で起きた東日本大震災は、過疎化や少子高齢化を加速させた。震災から間もなく8年。縮む被災地の先に広がる風景は−。「生業(なりわい)」「生活」「インフラ」の三つをキーワードに、先鋭化する課題に向き合い、模索する姿を追った。
 復興を期す生産設備をフル稼働できないジレンマが、水産のまちを覆う。頼みの綱はアジアの労働力だ。
<生産能力は回復>
 「震災後は常に求人を出している。賃金は高めに設定しているつもりだが、反応が思わしくない」
 水産加工業水野食品(石巻市)の水野貴竣常務(46)の憂いは深い。
 主力商品は西京漬けなど漬け魚。東日本大震災の津波で工場が被災した。2011年11月に事業を再開し、生産能力は震災前と同規模にまで回復した。
 関東のスーパーを中心に受注を伸ばし、一部縮小した販路をカバーした。増産し、勢いに乗るシナリオを描くが、販売額は最盛期の6割程度にとどまる。原料高に加え、慢性的な人手不足が原因だ。
 震災前、約60人いた従業員は現在45人。ミャンマーからの技能実習生を中心とした外国人従業員が3分の1を占める。
 17年、外国人技能実習生の受け入れ期間が最長3年から5年に延長された。水野常務は「3年では技術を覚えた頃に帰ってしまうが、5年なら後輩を指導できるほどの戦力になる」と歓迎しつつ、将来への不安を拭い切れない。
 震災前、石巻市内の水産加工団地の実習生は中国人が多数を占めた。好調な中国経済を背景に人数は次第に減り、現在、主軸はベトナムやミャンマーなど東南アジア諸国に移った。
 水野常務は「中国同様、母国が経済成長を遂げたら人材確保が難しくなるのではないか」と危惧する。
<アジア人が戦力>
 水産加工が基幹産業の塩釜市でも、外国人が水産復興を支える。
 平日午後2時ごろのJR東塩釜駅。10〜30代のネパール人15人ほどがタクシーに分乗する光景は、今や日常となった。向かう先は冷凍食品や焼き魚・煮魚などを製造する極洋食品(塩釜市)の本社工場。震災後に新工場が完成し、製造ラインが増えた。
 ネパール人は日本語学校に通う学生だ。アルバイトとして7時間、煮魚のラインに就く。週28時間の制限があり、働けるのは週4日までだ。
 同工場の臼杵(うすき)和人総務課長(50)は「夜に働ける人材が集まらず、外国人の学生バイトを採用した」と言う。顔触れが毎年変わり、技能が安定しないが継続せざるを得ない。人手不足を補うため、技能実習生のベトナム人10人、中国人10人も雇用する。
 めんたいこなどを製造する味莱(みらい)(塩釜市)は12年に外国人技能実習生の受け入れに踏み切り、毎年10人前後を受け入れている。当初は中国人、15年以降はベトナム人だ。
 震災特需で残業が増え、日本人の離職者が相次いだ。谷口大輔工場長(33)は「当時は従業員が長続きせず、生産性が上がらなかった。意欲的な実習生を受け入れて良かった」と話す。
 塩釜市によると、市内で働く外国人技能実習生はベトナムや中国など5カ国計360人(昨年4〜6月)を数え、34社が受け入れている。
 水産のまちは今、「外国人技能実習生がいない状況は考えられない」(極洋食品の臼杵課長)局面に入っている。


<女川再稼働>住民投票、間接民主制を補完 岡本三彦・東海大教授に聞く
 東北電力女川原発2号機(宮城県女川町、石巻市)の再稼働の是非を問う住民投票の条例案が21日、宮城県議会2月定例会に追加提出され、審議が始まった。住民投票は、地域における意思決定にどう活用されているのか。住民投票制度に詳しい東海大の岡本三彦教授に聞いた。(聞き手は報道部・高橋鉄男)
 −直接請求による住民投票は1996年、全国で初めて新潟県旧巻町(新潟市)で実現し、東北電力巻原発建設の是非が問われた。
 「住民がよく勉強して当事者意識を高めたことにも意義があった。原発という国策にストップをかける意味合いもあり、国は『一自治体の判断で決めていいのか』と反発した。今も引きずっているテーマだ」
 −その後、首長提案なども含めて住民投票が全国に広がった。
 「迷惑施設建設の是非や市町村合併の選択に使われた。近年は役場庁舎、図書館といった公共施設の建設の是非など身近な問題に用いられている」
 「しかし市町村合併を除けば、投票に至ったケースは巻町以降、全国でわずか約40件。東北では98年の白石市の産業廃棄物処分場建設を巡る投票しかない。議会は自身や支持政党、団体の考えと違う投票結果になるのを恐れ、請求の8割以上を否決している」
 −住民投票が、議会を通じた間接民主制を否定するといった批判も根強い。
 「投票結果に法的拘束力はなく、最終的な決定権は議会、首長にある。住民投票は間接民主制を補完するものと考えるべきだ。そもそも議員は有権者の政治参加を否定できない」
 −沖縄県の米軍基地移設を巡る住民投票の選択肢は、賛否と「どちらでもない」の3択になった。
 「私は反対だ。議会、首長の最終判断は賛否の2択になるのだから、住民投票も2択であるべきだ。『どちらでもない』選択肢ができること自体、議論が不十分な表れ。議会は熟議を通じて住民投票の可否を判断すべきで、時間があれば、条例案を継続協議としてもいい」
 −今後、住民投票を法制化すべきか。
 「制度的に未熟だが、法制化すれば成立要件が厳しくなる恐れがあり、今は経験を積み上げる時期ではないか。政治家の特権意識をなくす変革や、有権者が観客民主主義を脱することも求められる」
 「東日本大震災の復興事業はお任せ主義ではなく、住民合意のプロセスが重視された。この延長線上に今回の宮城の条例案があり、議員は住民と協力して政策決定につなげていく責務がある」
[住民投票]住民の投票によって政策などの可否を問う直接民主制の手法の一つ。憲法改正の国民投票や首長の罷免など投票結果が最終決定になるものと、住民投票条例に基づき実施され、結果に法的拘束力がないものの2通りある。後者の最終決定権は首長、議会にある。住民が署名を集めて直接請求した条例案が議会で可決されるか、常設された住民投票条例の要件を満たせば、投票が行われる。


<女川再稼働>住民投票条例案 県議会で論戦本格化
 東北電力女川原発2号機(女川町、石巻市)の再稼働の是非を問う住民投票条例案が県議会2月定例会に提出された21日、論戦が本格化した。与野党の3会派は代表質問で、条例案に付けた意見で賛否を明示しなかった村井嘉浩知事の考えをただし、村井知事は意見で表明した見解を繰り返した。
 住民投票の実現を求める市民団体の関係者らが約170人分の傍聴席を埋める中、議員58人の過半数を占める最大会派の自民党・県民会議(32人)の石川光次郎会長は条例案に対し、慎重な姿勢を鮮明にした。
 石川氏は条例案に盛り込まれた投票結果の尊重規定などを挙げ「地域の意見を吸い上げて議論する県議会で、予測できない制約が課せられることに強い危惧を抱く」と懸念。原子力政策は、国が最終的に責任を持って判断すべきだとした。
 旧民進党系会派の「みやぎ県民の声」(9人)の藤原範典会長は11万人を超える署名の重さを踏まえ「反対する理由は全くない」と強調。再質問時間約11分間を全て、住民投票の議論に充てた。
 再質問で「県民が意思を表示する機会がなくなっても構わないのか」と賛否を示すよう迫った藤原氏に対し、村井知事は「県議会が判断することだ」「県議会の議論に何らかの影響を与えることがあるのではと考えた」とかわした。
 共産党県議団(8人)の角野達也氏も賛成の立場を前面に打ち出した。「住民投票では県民の多様な意思が正しく反映できない」などと指摘した知事の意見に触れ「目の前に迫る再稼働に対し、県民がイエスかノーかを示すことが大切だ」と力を込めた。
 村井知事は、エネルギー問題や地域経済への影響など多角的な視点があるとして「二者択一の方式では課題がある」と答弁。「結論は賛否に行き着く」と粘った角野氏に、村井知事は「マルかバツで全て解決するものではない」と繰り返した。
 「運用上の課題などは議会で修正可能」との県側の答弁を受け、角野氏は修正案の提出を検討する考えも示した。


気仙沼 フカヒレ作りが最盛期
日本一のサメの水揚げ量を誇る気仙沼市で、フカヒレの天日干しが最盛期を迎えています。
z気仙沼では、サメが多く水揚げされることから、江戸時代の末ころからフカヒレ作りが盛んです。
乾燥して空気が冷たい冬の時期が、フカヒレ作りに最も適しています。
震災後、一時はサメの水揚げ量がおよそ4分の1ほどに落ち込みましたが、近年は水産施設の復興や漁業関係者伴の努力によって、震災前の水揚げ量に近づいてきています。
市内の水産加工会社では、敷地内にある干し場で、ヨシキリザメの尾びれおよそ7000枚を天日干ししていました。
およそ3か月ほどかけて乾燥させたフカヒレは、中華料理などの高級食材として、東京や仙台のレストランに出荷されるということです。
水産加工会社で35年働く戸羽悦郎さんは、「ことしは風が強く乾燥が進みやすい環境のため、味が凝縮され、身の締まったフカヒレが期待できる」と話していました。


気仙沼ー陸前高田 来月に開通
東日本大震災からの復興に向けて整備が進む三陸沿岸道路のうち、気仙沼市と岩手県陸前高田市を結ぶ区間が、来月21日に新たに開通することになりました。
三陸沿岸道路は、仙台市から青森県八戸市までの全長およそ360キロの自動車専用道路で国が震災からの復興に向けて再来年度までの全線開通をめざしています。
このうち、来月21日に、気仙沼市の唐桑小原木インターチェンジから、岩手県陸前高田市の陸前高田長部インターチェンジまでの3.5キロの区間が新たに開通することになりました。
これにより、気仙沼市と陸前高田市が三陸沿岸道路で結ばれることになります。
また、仙台市から陸前高田市までは、今回の開通で所要時間は5分ほど短縮され、片道およそ2時間半で行き来できるようになるということで、今後、全線開通に向けて物流のいっそうの効率化や観光振興への効果も期待されます。
気仙沼市の菅原茂市長は「今回の開通は三陸沿岸地域の発展に大きな力を与えてくれるものと思う」とコメントしています。


福島デブリ除去/先行きに光明は見えたが
 東京電力が、福島第1原発の炉心溶融で原子炉の格納容器内に溶け落ちた核燃料(デブリ)の接触調査を初めて行った。遠隔操作でデブリとみられる堆積物を持ち上げ、外部に取り出せるとの認識を示した。
 第1原発の廃炉作業で、デブリ取り出しは最難関とされる。東日本大震災から8年近くたっても、建屋周辺の放射線量は人が近づけないほど高く、デブリの分析や容器内の分布などの把握すら容易でないからだ。
 取り出せる可能性が出てきただけでも、先行きに光明が見えたといえる。
 ただ、今回調査したのは狭い範囲で、持ち上げられたのは一部にすぎない。溶岩状に硬く固着して動かせない堆積物も見つかった。廃炉作業を着実に進めるには、精密な調査と専用機器の開発を急がねばならない。
 調査では、パイプの先に2本の指をつけたような機器を2号機の格納容器から差し込み、堆積物を持ち上げた。今後は折りたたみ式のアームを開発し、デブリを取り出して分析する。
 国と東電の廃炉工程表では、2021年度にもデブリ取り出しに着手する。調査が先行する2号機から始まりそうだが、難題が山積している。
 デブリは1〜3号機にそれぞれ大量にあり、計約880トンと推計される。仮に2号機の作業が順調に進んでも、1、3号機では、得られた内部調査などの知見が応用できるかは見通せない。いずれも2号機と違って水素爆発を起こしており、建屋の損傷が激しいためだ。
 さらに1〜3号機の建屋上部のプールには、使用済み核燃料がそれぞれ数百体残っている。強い放射線を出し、作業のネックになるだけに、早く除去する必要がある。
 3基の原子炉で炉心溶融が起きた例は世界で初めてだ。政府と東電は廃炉完了まで30〜40年を見込むが、未知の領域が多いだけに、想定外のことが次々と起こることだろう。
 福島第1の廃炉を抜きにして福島の復興と再生を描くことは不可能だ。最後までやり遂げる責務が国と東電にはある。そのために原発の新増設や再稼動から廃炉や廃棄物処理へ、国策を大きく転換するべきだ。


生活保護費の過酷な「召し上げ」が福島市で頻発するナゾ
「わざとではないのに……」
収入認定で苦しい生活を強いられる
 福島市では近年、「不適切では」と疑念される生活保護の運用が相次いでいる。特に深刻なのは、生活保護費の収入認定(召し上げ)に関するものだ。「収入認定」を一言で説明すると、保護費を受け取りすぎないための精算である。
 生活保護で暮らすということは、言い方を変えれば、国が定めた「健康で文化的な最低限度」を上回る生活はできないということだ。現在の生活保護費で「健康で文化的」な生活が可能かどうかはさておき、保護費以外の収入がある場合は収入認定されるため、1ヵ月の生活費は増えない。老齢基礎年金が月あたり3万円ある低年金高齢者の場合、保護費は3万円差し引かれる。なお賃金の場合は、「働き損」にならないように、若干は手元に残ることとなっている。
 いわゆる「不正受給」の場合は、より厳しいルールが適用される。10万円を受け取りすぎていた場合、最大で1.4倍の14万を返還することになる。その際は「不正」に対するペナルティとはいえ、生活が「最低限度」を下回ることになる。
 近年の福島市では、不正ではないにもかかわらず、あるいは本人の不正ではないにもかかわらず、過酷な収入認定が行われて「最低限度」を下回る生活を強いられる事例、また収入認定すべきではないものを収入認定した事例が、複数確認されている。
 本連載では数回にわたって、2014年に努力によって給付型奨学金を獲得した女子高校生が、その奨学金を収入認定された事例と彼女のその後について紹介してきた。このような事例は、氷山のほんの一角だったようだ。
 2018年、法律家・研究者・支援者などのグループが、福島市と周辺の生活保護の運用について調査し、数多くの問題事例を把握した。数の上で目立つのは、収入認定に関するものだ。より深刻なのは、受け取り過ぎた保護費の精算の実態だ。
生活費の45%を召し上げて
「最低限度の生活」と言えるか
 保護費の天引き精算は、不正受給の場合でも本人の同意が必要だ。さらに天引きする金額にも、本人の生存や健康を損なわない配慮が求められる。厚労省が定める目安では、単身者で月々5000円が上限となっている。
 福島市では、兄弟が亡くなり、預金を相続した70代の高齢者が、不正受給とされた事例がある。相続した資産は福祉事務所に申告する必要があるが、その高齢者は申告していなかった。自分のために使ったのではなく、葬儀費などとしてその兄弟のために使ってしまったからである。
 本人が「兄弟のお金」と思っていても、相続した以上は本人の資産だ。福島市の立場からすると、「資産を得たことを申告せず、勝手に使った」ということになる。2018年秋までの厚労省ルールでは、この種の申告漏れは、意図や悪意の有無と無関係に不正受給扱いすることとなっていた。法的・制度的には、福島市への「ツッコミどころ」はない。問題は金額だ。
 その高齢者は、月々3万円を天引きで返還することとなった。約6万7000円の生活費から3万円を差し引かれ、1ヵ月あたりの生活費は3万7000円。生活費の45%が天引きされていることになる。
 もともと高齢者の保護費では、引き下げが最も進んでいる。2004年に比べると現在は25%程度の引き下げが行われており、その生活は、もはや「最低限度」ですらなくなっている。そこからさらに、3万円の天引きだ。本人は本当に理解できるように説明され、納得して同意したのだろうか。
 収入を申告していなかった子どもの責任を、現在は同居していない親が問われている事例もある。子どもが収入を得て、自分の口座に振り込みを受けており、そのことを福祉事務所には申告していなかった。
 世帯主の親は全く知らなかったのだが、福島市の調査で判明し、月あたり2万円を天引きで返還することとなった。その後、親は単身になり月々の保護費が減ったため、返還額も減らされている。しかし現在も、厚労省が目安とする「月5000円」を上回る金額だ。そもそも、親に返還させることは妥当なのだろうか。
 この他にも、福島市が親族の援助を強く求めた事例、医療費の給付範囲が不当に狭められている事例、本人が親族に「死ねば良かったのに」と言われている場面で同席していた福島市職員が同意した事例、酷暑の夏にエアコンを設置させないように心を折る目的と見られる言動、病気で後遺症があって働けないのに就労指導、もちろん申請時の「水際作戦」など――。明らかにされたものだけでも、驚く事例が目立つのだ。
 しばしば厚労省方針の“真逆”を行く福島市には、どんな背景があるのだろうか。
「3.11」で何が変わったのか
数値とグラフで検証する
 まず、歴史的背景から見てみよう。福島市のように、「城下町」と「農業」の2つがある地域で、封建的な風土が薄いことは考えづらい。そうだとすると、封建的な地域の自治体は「お上」になりがちだ。そこに生活保護への偏見が重なると、生活保護差別を当然とする雰囲気が、地域に根付きやすい。
 同様の背景があっても、変わる自治体はある。2017年、「保護なめんな」ジャンパーで物議を醸した小田原市は、直後、法律家や支援者たちの対話の申し入れに応じ、反省し、全庁的改革に取り組み、生活保護行政を大きく変貌させた。
 2017年以来、福島市には再三にわたり、同様の対話の申し入れが行われた。しかし、福島市は応じなかった。この背景は、何なのだろうか。「抑えが効かない」状態が発生した可能性、あるいは悪化した可能性だ。
 行政に対する「抑え」となる「人権擁護パワー」は、2011年の東日本大震災以降、減少している可能性がある。福島県内の弁護士数は、2011年以降わずかに増加している。同時期、「法テラス」の相談件数は2011年を境に2010年の7倍に増加し、現在も5倍程度で推移している。福島原発事故に対する賠償の打ち切りで、今後再び増加するかもしれない。相対的な弁護士不足が発生して継続しているということは、「人権擁護パワー」の不足があるということだ。行政への「抑え」は、効きにくくなるだろう。
 では、東日本大震災以前の福島市の生活保護行政は、どうだったのだろうか。当事者は「良くはなかった」と語る。たとえば震災直後の避難所で、差し入れのおにぎりを温めて食べようとしていたとき、福島市職員が「生活保護の人には冷たいまま渡すように」と指示したという。しかし、「もともと、厚労省方針にも逆行する保護費の苛酷な召し上げが多かった」という事実は、少なくとも確認されていない。
 生活保護行政の「情けなさ」の程度を直接示す指標は、申請時と打ち切り時を除くと、ほぼ存在しない。しかし、生活保護に関する審査請求が、ヒントになるかもしれない。自治体の決定が不当と感じられる場合、県や厚労省に対して審査請求を行うことができる。審査請求で決定が覆れば、不当であったことが公的に認められる。
 生活保護に関する審査請求で、決定が覆った事例のデータベースがある。これによれば、福島県は2010年以前も、日本全体に比べて件数が少ない。2011年以後は、さらに比率が減少している。
弁護士のニーズは2010年
と比べて5〜7倍へと急増
 このデータベースは、社会福祉学者の吉永純氏(花園大学教授)が作成した。多数の審査請求事例から記述ミスによるものなどを除外し、内容に意味のあるものだけが集められている。件数は、「生活保護に関して権利が確認された審査請求のうち最少の数」と見ることができる。
 いずれにしても件数が少ないため、これだけで何かを結論付けることは難しい。しかしながら、そもそもの弁護士不足が審査請求の少なさにつながっていた可能性と、2011年以後に状況が悪化した可能性は考えられる。審査請求で納得できる結果を得るためには、法律家などの協力が必要不可欠だからだ。
 視点を変えて、弁護士に注目してみよう。2010年の弁護士1人あたりの住民数・民事事件数をグラフ化すると、福島県はいずれも「全国最多」に近い。もともと「人権擁護パワー」は不足気味だったのだ。
 そして2011年を境に、弁護士に対するニーズは2010年の7倍に増加し、その後も5〜7倍で推移している。もともと不足気味だった「人権擁護パワー」が、東日本大震災でさらに不足し、行政への「抑え」の効かない状態が継続している可能性は大いに考えられる。
未曾有の災害の「未曾有の影響」は
これからが本番かもしれない
 東日本大震災は、地震・津波・原子力災害の組み合わせとなったが、被災状況は地域ごとに全く異なる。地震・津波・原子力災害の全てに襲われた地域があれば、「地震だけ」という地域もある。さらに被災の内容によっては、少なくとも数年間の生活が補償や賠償で成り立った。災害と生活保護へのニーズの関係が明瞭に見える地域は多くない。
 福島市にも、津波や原子力災害による直接の被災はなかった。それでも生活保護に目を凝らすと、東日本大震災の影響が浮かび上がる。
 昨夜、北海道を再び震度6の地震が襲った。災害が「貧」や「困」をもたらし、生活保護へのニーズを高めることは間違いない。だから、8回目の「3.11」を前に思い起こしたい。災害による「貧」と「困」の苦しみは、5年や10年で消え去るわけではないということを。(フリーランス・ライター みわよしこ)


外国人労働者/国主導で「共生策」実行を
 改正入管法の施行まで、あと1カ月余りとなった。
 4月以降、新しい在留資格を設け、外国人が単純労働にも就けるようにする。介護や建設、農漁業など14業種で5年間に最大34万5千人を受け入れ、熟練技能者には永住の道を開く。
 事実上の移民政策といえる。ところが、ここに至っても制度の具体像がはっきりしない。
 昨年、国会での法案審議が深まらないまま与党が数の力で押し切った。今年1月には衆参両院の法務委員会で閉会中審査が行われた。しかしそこでも政府の説明はあいまいだった。
 見切り発車というほかない。地方自治体に不安と不満が広がっているのは当然だ。
 やって来る労働者は、地域で暮らす生活者でもある。共生のための中長期的な施策が伴わなければ、地域社会に混乱を招きかねない。
 国は自治体任せにせず、先頭に立って課題解決に取り組み、「共生策」を実行しなければならない。それには外国人施策を総合的に担う新組織をつくるなど、手厚い体制が求められる。
 重要なのは、外国人労働者をきちんと処遇することだ。低賃金の外国人が増えれば日本人の雇用が圧迫され、若者の流出に拍車がかかる恐れがある。
 政府は新たな在留資格の外国人の雇用先に対して、日本人と同等以上の報酬や生活支援を求めている。だが、国や自治体がどう関わるかが明確でない。
 共同通信の全国アンケートでは、兵庫県を含む半数の自治体が外国人の処遇に「懸念がある」と答えた。都市部への集中を心配する意見も多い。こうした不安に国は応えるべきだ。
 役所の多言語対応をはじめ、日本語教育や子育て支援など、自治体が取り組むべき課題は多岐にわたる。人材確保が難しい自治体もあり、地域間格差を生まない工夫が欠かせない。
 「外国人住民が増えることを脅威ではなく、むしろ街づくりの好機ととらえるべきだ」。30年近く日系ブラジル人などの受け入れに取り組んできた静岡県浜松市の鈴木康友市長は語る。
 NPOなど民間団体とも連携して地域の多様性を尊重してきた「先進地」の経験を共有し、検証する仕組みも必要だろう。


学校とスマホ 問題点の検討を十分に
 文部科学省が、小中学校への携帯電話やスマートフォンの持ち込みを原則禁止した通知を10年ぶりに見直す方針を示した。
 児童生徒の安否確認や、災害時の緊急連絡手段の確保を目的に、緩和する方向で検討する。
 子どものスマホ所有率は年々上昇している。
 共働きが増える中、親子の連絡手段としても定着しつつあり、見直しはやむを得まい。
 情報機器を適切に使いこなす方法を身につけることは大切だ。
 半面、使い方によってはいじめの温床になるなど、多くの問題をはらんでいる。
 持ち込みのルールを含め、慎重に議論を重ねる必要がある。
 内閣府によると、スマホなどを所有する小学生は2017年度に55%、中学生は66%に上った。
 衛星利用測位システム(GPS)で現在地が分かるため、災害時はもちろん、放課後に学童クラブや塾などに向かう場合、利用できれば親の安心感は大きい。
 通学域が広く、冬季は荒天も多い道内では、道教委が通知の順守を求めながらも、運用を各教委や学校の判断に委ねている。
 文科省の見直し方針は、こうした現状を踏まえたものと言える。
 一方、スマホは高価で、紛失や盗難などの懸念が拭えない。
 家庭の教育方針や経済事情により、スマホを持たない子どもが疎外感を抱かないかも心配だ。
 安全のために持たせたはずが、登下校中の歩きスマホ、ゲーム依存、会員制交流サイト(SNS)でのいじめや性犯罪被害など、危険要因となる恐れもある。
 持ち込みを認めるなら、文科省は広く意見を聞き、ルールのガイドラインを示すべきだ。
 各教委や学校には、現場の取り組みや地域の実情に即して慎重に判断するよう求めたい。
 登校時間帯に起きた大阪北部地震を契機に、大阪府は新年度から学校へのスマホ持ち込みを認めることを決め、指針案を示した。
 校内ではかばんにしまい、登下校中も緊急時以外使わないなどとし、家庭での使用時間の目安などを定めたほか、保護者にも節度ある利用と管理を求めている。
 こうしたルールがどれだけ実効性を持つか、緊急時に本当にスマホが役に立つのか。検証すべき課題は多い。
 併せてスマホに頼らなくとも、登下校時の安全や、緊急時の連絡手段を確保できるような環境づくりにも努めなければならない。


日本高野連 時代に沿わぬ決定に驚く
 「選手第一」の先駆的な取り組みに、なぜ「待った」をかけるのか。時代の流れに沿わぬ決定に驚くばかりだ。
 新潟県高校野球連盟が春の大会での導入を決めた投手の球数制限について、日本高野連理事会が再考を求めた。
 県高野連が球数制限の導入を決めた大きな目的は、投げ過ぎによる選手の肘や肩の故障を予防することだ。
 1人の投球数を1試合100球までとするもので、各都道府県高野連が管轄する公式戦では初の試みとなるものだった。
 日本高野連が「再考」を求める理由として挙げるのは、部員が少ないチームが不利になることや、全国で足並みをそろえて検討すべきだということだ。
 球数を制限すれば1チームで複数の投手を育てる必要がある。部員数が20人以下の加盟校が全体の約4分の1を占める現状では、部員数が少ないチームは不利になるかもしれない。
 ただし、だからといって球数制限をしないことは、チーム事情を優先させ、選手保護が置き去りになりかねない。
 県高野連の球数制限導入には、選手の出場機会を増やすという目的もある。
 県内の公立校が導入を想定して多くの選手に投球練習をさせたところ、モチベーションが上がっているという。部員増など野球界の活性化につながる可能性もあろう。
 「全国一律」にも強い疑問を覚える。
 日本高野連は理事会で「投手の障害予防に関する有識者会議」の発足を決めた。専門家を交えて多角的に検討し、1年後をめどに答申を得たいという。
 県高野連は、球数制限の全国的な広がりに期待し、医学的な検証などを行う予定だった。
 県高野連が先行実施し、それに基づく具体的なデータが得られれば、有識者会議の貴重な検討資料になるはずだ。
 スポーツ庁の鈴木大地長官は球数制限に関し、「若い人の障害予防の観点から好ましい」と述べ、「一斉が望ましいが、いきなりは難しいだろう。新潟の勇気を応援したい」と支持する姿勢を示していた。
 米大リーグ・ドジャースの前田健太投手は「高校生は自分では(球数を)制限できない。大人が制限を設けてあげるということは大事なこと」と話す。
 全日本軟式野球連盟は今月、学童野球で投手の投球数を1日70球以内とする球数制限を、今年8月の全国大会から導入することを決めた。
 地方大会は1年の猶予期間を設け、来年以降は中学生などでも段階的に球数制限のガイドラインをつくる方針という。
 米国では18歳以下の投手を対象としたガイドラインで、1日の投球数は100球前後とし、次回登板までは4日間休養することや年間2、3カ月は投球練習をしないよう奨励している。
 日本高野連の県高野連への再考要請は、こうした動きに逆行するように映る。日本高野連こそ再考すべきだ。


河北春秋
 「高校野球は本来、部活動です。大人の勝利至上主義が一番の問題」。先日、プロ野球DeNAの筒香嘉智選手が外国特派員協会で講演し、高校野球の現状に警鐘を鳴らした。「ルールを決め、子どもたちの将来を守ろう」▼故障し挫折する球児が小中学生を含めて多いといい、必要を訴えたのが投手の球数制限。昨夏の甲子園大会では、酷暑続きのトーナメント試合での連投、投球過多にファンからも心配の声が上がった▼現場から改革の名乗りを上げたのが新潟県高野連。「1試合で投球は1人100球まで」の制限を今春の県大会で試験導入すると決めた。同県には少年野球から高校、大学、独立リーグまでの連携組織があり、全県的に議論しての結論だった▼ところが日本高野連がストップをかけた。新潟側に「再考」を求め、有識者会議で1年かけて答申してもらうという。「投球制限をすれば、投手が少ないチームが不利」「全国で足並みをそろえ検討したい」との言い分だ▼「やってみなければ分からない」「データを全国の議論に生かしてもらおう」。新潟の関係者のこんな話も読んだ。当事者たる球児たちが参加する実践より、まず有識者会議が先とは中央の役所の発想では。若者の体と将来を考えるなら、改革は一年でも早い方がいい。

球数制限は見送りも…“物言う主砲”DeNA筒香に高野連が恐々
 21日、ヤクルトとの練習試合に4番・DHで先発出場したDeNA筒香嘉智(27)。初回に実戦初安打となる右前打を放ち、「順調なので、このままいければ」と話した。
 筒香の主戦場はグラウンド外にもある。昨年から勝利至上主義の少年野球指導に対し、何度も問題提起してきた。昨年12月、新潟県高野連が今春の県大会で投手の球数を100球に制限する独自ルールの導入を決定。すると、今年1月の記者会見で「昨年も球数問題が出ていましたが、子供たちのためになっているのかという疑問があります。子供たちの将来を考えることが一番という思いを全員が持てば、そんなに難しい話ではないと思います」と賛同した。
 さる20日、日本高校野球連盟(以下、高野連)は理事会で新潟高野連への再考要請を決定。今回の導入は見送られたものの、4月に有識者会議を立ち上げる方針を固めた。筒香の言動を支持してきたスポーツ庁の鈴木大地長官は「半歩、一歩前進したという気がする」と言う一方で、「(新潟県)独自の取り組みということでいいのではないか」と腰の重い高野連をチクリ。筒香のあけた“風穴”は着実に大きくなりつつある。
 見送り決定に高野連の竹中雅彦事務局長は語気を強めて「認めないわけではない」と繰り返し、同時に「新潟が一石を投じた。未来の高校野球発展には避けて通れない。重く受け止めるべき」とも言った。今後も高野連が恐れるのは「物言う主砲」の痛烈な一撃か。


大津いじめ訴訟 認めた加害者の重い責任
 大津市の中学2年の男子生徒がいじめを苦に自殺した問題の訴訟で、大津地裁がいじめと自殺の因果関係を認め、元同級生2人にほぼ請求通りの計約3750万円の支払いを命じた。
 同種のいじめ訴訟で自殺との因果関係を明確に認め、賠償を命じるのは極めてまれである。今回の司法判断の意義を社会全体で重く受け止める必要があろう。
 男子生徒は2011年10月に自殺した。遺族が元同級生側と市に約7700万円の賠償を求めて提訴。その後、市の第三者委員会がいじめが自殺につながったと認定し、市は過失責任などを認めて和解した。元同級生側は「いじめでなく遊びの延長だった」として争っていた。
 判決によると、男子生徒と元同級生2人は最初は友人関係だったが、しだいに首を絞めたり弁当を隠したりする行動がエスカレートし、「いじる」「いじられる」という上下関係が固定化した。
 遊びの名の下に顔面の殴打や、ハチの死骸を食べさせようとすることもあり、生徒は強い孤立感と絶望感を抱いていたという。
 判決は、そうした行為と自殺との因果関係を認め、生徒を精神的に追い詰める行為を重ねた2人は自殺を予見できたと厳しく断じた。
 これまでのいじめ訴訟は、加害者側の予見可能性の立証が難しく、大きなハードルになっていた。大津地裁は自殺直後の全校アンケートなど約500点の証拠を分析し、いじめ被害の救済に光を当てたといえよう。
 大津市のいじめ問題は、学校や市教委の隠蔽(いんぺい)体質にも批判が集まり、13年のいじめ防止対策推進法施行のきっかけになった。
 だが、深刻ないじめ被害は後を絶たない。文部科学省の調査では、17年度の全国の小中高校などのいじめ認知件数は、過去最多の約41万4千件になった。13年度以降、いじめを理由に自殺した児童・生徒は計43人に上る。
 認知件数の増加は、学校側が積極的に状況把握しようとしているともとれるが、一方で4分の1の学校では「0件」と報告している。いじめに気づいていない、あるいは過小に判断しているケースがないか。学校や家庭、社会が小さな異変を見逃さないよう努めたい。
 重大事態に対する学校や行政の情報開示が後ろ向きだったり、原因究明の調査結果に遺族・家族が不信感を募らせたりするケースも目立つ。
 いじめ防止対策推進法は施行から5年がたち、超党派の国会議員が法改正を議論している。被害者の立場に寄り添うとともに、実効性を高めることが大切だ。
 被害生徒の父親は「息子だけの裁判ではない。何とか多くの命を救う裁判にしなければ」と訴訟に臨んできたという。いじめ根絶へ取り組みを強めていきたい。


[官房長官会見]質問封じは許されない
 首相官邸が報道室長名で、菅義偉官房長官の会見で特定の記者の質問を「事実誤認」とし、文書で内閣記者会に「問題意識の共有」を申し入れていた。記者会は「質問を制限することはできない」と伝えたほか、新聞社の労働組合でつくる「新聞労連」は「申し入れは国民の『知る権利』を狭めるもので、決して容認できない」との声明を発表した。申し入れは、記者が質問する権利を制限しようとする行為で、撤回すべきだ。
 事の発端は昨年12月26日の官房長官会見。東京新聞の望月衣塑子(いそこ)記者が、名護市辺野古の新基地建設で同14日から始まった土砂投入に関し「埋め立ての現場では今、赤土が広がっている。琉球セメントは県の調査を拒否し、沖縄防衛局が実態把握できていない」などと質問した。これに対し菅官房長官は「そんなことありません」と一言返しただけだった。
 官邸側が記者会に「沖縄防衛局は埋め立て材(土砂)が仕様書通りの材料と確認している」など望月記者の質問は事実誤認とする申し入れ書を提出したのは2日後だ。
 しかし実際には、土砂投入後「性状が確認できない土砂が投入されている恐れがある」として調査を求めた県に、防衛局は「(土砂は)確認した上で使用している」と回答し、立ち入り調査を拒否している。望月記者の質問が事実誤認との指摘は当たらない。
 官邸の申し入れは、気に入らない質問をする記者を排除し、それに対して記者会の同意を求めることに等しく、著しく不適切だ。
    ■    ■
 検証記事を掲載した東京新聞によると、菅官房長官の記者会見では約1年半にわたり、望月記者の質問を、会見の進行役である報道室長が何度も遮ったり、質問を制限したりする行為が繰り返されている。
 今回の申し入れが、こうした異様な会見の延長線上にあることは明らかだ。
 西村康稔官房副長官は申し入れについて「質問権や知る権利を制限する意図は全くないと官邸報道室長から報告を受けている」と釈明した。
 だが、望月記者は「文書は私や社への精神的圧力だ」と反論している。
 政府は自由党の山本太郎参院議員の質問主意書に対し「一方的に質問を制限できる立場になく、その意図もない」とする一方、「質問を簡潔にまとめたり、質問数を絞ったりするよう協力を求めることはある」との答弁書を閣議決定した。
 質問制限を事実上容認する回答で到底納得できない。
    ■    ■
 安倍晋三政権下では、河野太郎外相が、記者会見で日ロ平和条約交渉についての記者の質問を繰り返し無視する前代未聞の対応で批判を浴びたことも記憶に新しい。政権の中に、国民への説明責任を軽視する雰囲気がはびこっていないか。
 記者会見は事実確認をする場でもあり、報道機関の務めは権力を監視することだ。記者の質問に応じるのは、官邸や政治家の義務であるということを肝に銘じるべきだ。


県民投票という大げんか、政府に売るまで成長した 作家の大城立裕氏 結果は「本土意識に影響」
 名護市辺野古の新基地建設に伴う埋め立ての是非を問う県民投票について芥川賞作家の大城立裕氏(93)=那覇市=は「県民は歴史的な大成長を遂げたと感じる」との見方を示した。かつて日本へ「同化」しようともがいた時期もあった県民が「異化」に意識が変容し「政府に対し県民投票という大げんかを売るまで成長した」と語った。本土に対する劣等感から来る同化志向に対し独自のアイデンティティーを求めるのが「異化」だとし、日本政府による構造的差別を前に、辺野古での新基地建設への抵抗運動は「異化の爆発だ」と指摘した。
 大城氏が「同化と異化」という概念を初めて提起したのは1968年ごろ。当時は「祖国復帰一辺倒だった人たち」から「大城は何を言っているのか」と批判を受けたという。
 最も端的にその概念を言葉で示したのは、西銘順治元知事だったと指摘する。「沖縄の心とは、の問いに『やまとぅんちゅになりたくてもなりきれない心』と述べた。潜在的にはそう思っている人たちが当時たくさんいたと思う」
 文化や芸能面からは、80年代にウチナーグチでお笑いの舞台を展開した「笑築過激団」、歌手の喜納昌吉、照屋林賢らが脚光を浴びた。その後90年代に安室奈美恵が登場。2000年代の連続テレビドラマ「ちゅらさん」ブームで県民は沖縄の文化に自信を持ち「異化作用」が起きた。80年代を大城氏は「沖縄文化史のターニングポイントだった」と振り返る。
 一方で、政治的に「異化」が理解されるようになったのは、95年の米兵による少女乱暴事件を機に、いつまでたっても変わらない米軍基地の存在と被害が再認識されるようになってからという。同年、当時の大田昌秀知事が県民大会を、翌年には県民投票を実施した。基地の整理縮小や日米地位協定改定を求めた県民投票は約9割が賛成したが、いまだに実現していない。
 近年の急速な「異化作用」は、2014年の翁長雄志知事の誕生が大きいとみる。「イデオロギーよりアイデンティティー」という翁長氏の言葉は「異化」へのシフトに大きな影響を与えたとする。
 県民の意識は大きく変容していったが、政府の「辺野古が唯一の選択肢」とする姿勢は変わっていない。県外・国外に普天間の代替施設を検討さえしない政府に対し「構造的な沖縄差別がある」と確信を深めている。
 政府は24日の県民投票の結果にかかわらず、辺野古の新基地建設を進める考えを示している。しかし署名運動から県民投票を実現した県民の動きと、投票結果は「少なくとも本土の人たちに潜在意識として影響は与えると思う」と期待する。
 薩摩の侵攻、琉球処分、戦前の皇民化教育、米統治下からの日本復帰など、本土の間で同化と異化に揺れてきた県民。「大成長」を遂げた県民の今後に大城氏は注目している。(知花亜美)
    ◇    ◇
 大城 立裕(おおしろ・たつひろ) 1925年、中城村生まれ。作家。67年に「カクテル・パーティー」で県出身作家として初の芥川賞受賞。93年「日の果てから」で平林たい子文学賞。2015年「レールの向こう」で川端康成文学賞。19年井上靖記念文化賞。著書に「小説 琉球処分」「普天間よ」「あなた」など多数。


平和賞推薦 あまりに軽率な行動だ
 トランプ米大統領は会見で、安倍晋三首相からノーベル平和賞に推薦されたと明かした。安倍首相は明言を避けたものの、複数の政府関係者が昨年、ノーベル賞委員会に推薦の書簡を送ったことを認めた。
 排外的な政策で国内外から批判を浴びているトランプ氏を平和賞に推薦したことには耳を疑う。トランプ氏を支持する米国の共和党関係者ならまだしも、日本の首相がなぜ、こんなことまでしなければならないのか。米政府から推薦を求められ、応じたという。自身の立場をよく考えてほしい。これでは、ご機嫌取りとやゆされても仕方がない。
 国会で野党議員から批判を受けた安倍首相は「北朝鮮の核・ミサイル問題の解決へ果断に対応し、歴史的な米朝首脳会談を行った」とトランプ氏を持ち上げて反論したが、軽率な判断だとのそしりは免れない。少なくとも北朝鮮が核・ミサイル開発を放棄して非核化に進むことがはっきり見えてからでなければ、評価などできないはずだ。
 トランプ氏は昨年6月に北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長に会い、史上初となる米朝首脳会談を実現させたが、実際は政治ショーの色合いが濃く、非核化に向けた大きな進展は見られなかった。その後も両国の交渉は膠着(こうちゃく)状態が続く。北朝鮮は現在保有する核・ミサイルの申告も拒んでおり、本当に非核化する意思があるのか疑念を抱かざるを得ない。
 問われるのが、自国民向けアピールにしか目が向かないトランプ氏の姿勢だ。27、28の両日にはベトナムで2回目の米朝首脳会談が開かれる。工程表の策定など非核化に向けた具体的な進展が望まれるが、トランプ氏はすでに「核実験がない限り、急がない」と明言した。ハードルを一気に下げた形だ。これでは北朝鮮の思うつぼであり、肝心の非核化は遠のくばかりだ。
 日本の首相がトランプ氏をノーベル平和賞に値する人物と高く評価したことが、国際社会にどう受け止められるのかも気掛かりだ。
 平和賞は国際的な平和活動や軍縮、貧困、環境問題への対策など人類の平和に貢献した人物や団体に贈られる。だがトランプ氏は大統領就任以来、地球温暖化防止の国際的な枠組み「パリ協定」からの離脱を表明したり、中距離核戦力(INF)廃棄条約の破棄を通告したりと、どう見ても平和賞にはそぐわない印象だ。
 人権意識の低さも指摘され、移民排斥を目的にメキシコとの国境に壁を建設する政策に固執するなど、混乱を招いている。
 安倍首相はこれまで何度もトランプ氏と会談を重ね、蜜月関係にあるとされる。トップ同士の信頼を深めて日米両国の結び付きを強めることは大切だが、一線を引いた冷静な判断が必要だ。今回の平和賞推薦のような安易な行動は慎むべきである。


統計不正で新たに「官邸関係者」明記の圧力メールが発覚! 安倍首相「いったん戻れ」の理由はこれだったのか
圧力があった──そのことを証明する、決定的な証拠が出てきた。
 それは、「毎月勤労統計の改善に関する検討会」(以下、検討会)で座長を務める中央大学・阿部正浩教授に対し、厚労省の手計高志統計情報部雇用・賃金福祉統計課長補佐(当時)が2015年9月14日の16時8分に送ったメール。国会では野党が何度もメールを公開せよと迫ってきたが、安倍政権はこれをひた隠しに。それがようやく衆院予算委員会の理事会でメールが公開されたのだ。
 無論、安倍政権が積極的に開示したわけではなく、立憲民主党・逢坂誠二議員の説明によれば、阿部座長自らがこのメールを厚労省に転送したのだという。阿部座長がわざわざ転送しなければ、安倍政権は隠しつづけるつもりだったのだろう。
 しかも、阿部座長に送られたこのメールに綴られていたのは、これまで安倍首相や中江元哉前首相秘書官、根本匠厚労相らが必死になって答弁してきた「官邸の関与はない」という主張を覆す、衝撃的なものだ。
〈委員以外の関係者と調整している中で サンプルの入れ替え方法について、部分入れ替え方式で行うべきとの意見が出てきました。
(ご存じのとおり、報告書(案)では、総入れ替え方式が適当との記載を予定していました。)
このため、第6回では、報告書(案)ではなく、中間的整理(案)の議論ということで とりまとめを行わせていただきたいと考えています。
併せてサンプルの入れ替え方法についても「引き続き検討する」というような記述とする予定です〉
 これまで国会では、「委員以外の関係者」=中江首相秘書官が「部分入れ替え方式を検討すべきではないか」と伝えていたと説明されてきたが、メールを見ると、実際は「部分入れ替え方式で行うべき」と明確な圧力がかけられていたのである。さらには、このメールにあるとおり、2015年8月7日におこなわれた検討会の第5回会合では、阿部座長が「検討会の方向性としては、総入れ替え方式で行うことが適当であるということにさせていただければと思います」とまとめていたが、メールが送られた2日後の9月16日におこなわれた第6回会合では一転、「サンプル入れ替え方法については、引き続き検討することとする」と方針を変更されている(ちなみにこの日、阿部座長は会合を欠席)。
 つまり、中江首相秘書官の「部分入れ替え方式で行うべき」という圧力によって、検討会の方針はものの見事にねじ曲げられたのである。これを「官邸の関与」と言わずして何と言おう。
 これだけでも驚きの内容だが、衝撃的な事実はまだある。今回、新たにもうひとつ、2015年9月4日に手計高志課長補佐が阿部座長に送ったメールが公開されたのだが、そこにはこう書かれていた。
〈現在、検討会での検討結果等については
 官邸関係者に説明をしている段階であります〉
 中江首相秘書官は国会で“厚労省から検討会設置の報告は受けたが、検討の途中や結果の報告を受けた記憶はない”と言い張ってきたが、これは完全な虚偽答弁で、厚労省は安倍官邸に逐一報告を入れていたのだ。その上、手計課長補佐はこうして、わざわざ阿部座長に〈官邸〉の二文字をちらつかせていたのである。 
 しかも、このメールが送られた前日である3日は、中江首相秘書官が安倍首相にこの統計調査の方法の問題を伝えた、その日だ。
 これは偶然なのか、それとも統計調査の方法の問題を聞いた安倍首相が変更の指示を出し、中江首相秘書官がさっそく厚労省に圧力をかけた結果なのか──。その真相はいまは不明だが、ただ、たしかなことは、安倍政権が必死になって隠してきたこれらメールの中身に、安倍首相が相当な焦りを見せていたことだ。
このメールの内容を追及された根本厚労相に安倍首相が「いったん戻れ!」
 本サイトで昨日お伝えしたように、21日の衆院予算委員会でこのメールについて立憲民主党の長妻昭議員に追及された際、根本厚労相はしどろもどろになり、「えー、厚生労働省から阿部座長に送ったメール……。どういうメールって話ですっけ。厚生労働省から阿部座長に送ったメール、だと思います」などと無意味な答弁を繰り返した。そして、長妻議員から「中身は?」と訊かれ、根本厚労相が狼狽していると、安倍首相は自席から「いったん戻れ」(「いったん下がれ」とも聞こえる)と指示。この指示を受けて根本厚労相が「いったん戻ります」と言い、答弁をやめて自席に戻るという、とんでもない事態が展開された。
 しかし、今回のメール公開で、安倍首相が議場に響く声で「戻れ」あるいは「下がれ」と指示を出した理由も合点がゆく。なにせメールには「官邸の関与」がはっきりと示されていたからだ。そして、メールの中身を問われて安倍首相が焦って根本厚労相の答弁を封じ込めた言動、それこそが安倍首相の関与を証明しているようなものだろう。
 国会答弁を虚偽で固め、存在するメールの証拠を隠蔽し、挙げ句、大臣の答弁さえやめさせてしまう。そこまでするのは、やましいことがあるからに他ならない。安倍首相の指示があったのかどうか、今後も徹底した追及が必要だ。


ウーマン村本「テレビは真実を伝えてない」に宇賀なつみアナが涙浮かべ同意、一方、羽鳥慎一は黒い本性全開で全否定
 2月21日放送『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)で、ウーマンラッシュアワー村本大輔のテレビ批判にMCの羽鳥慎一が反論したことが大きく報道された。スポーツ紙系のニュースサイトを見ていると、羽鳥が村本の炎上商法を諌めたような話になっているが、これ、そんな格好いいものではない。
 テレビの最大の問題点を突く村本の発言に、羽鳥が“黒い本性”を全開。ジャーナリスト精神のかけらもない姿勢で、村本の発言を否定にかかったのだ。
 しかも、3月31日にテレビ朝日を退社予定の宇賀なつみアナウンサーが、村本に部分的に同意。局の報道姿勢に対する忸怩たる思いを、涙を堪えながら告白したのだが、羽鳥はその発言についても、威嚇的に否定しようとした。
 まず、経緯を説明しよう。村本の発言があったのは、『モーニングショー』内でテレビ朝日のコメンテーター・玉川徹が受け持つコーナー「そもそも総研」でのこと。
「そもそも日本人が知るべき問題とは何だろう」と題された今回の「そもそも総研」のコーナー冒頭で玉川氏はまず、辺野古米軍基地建設のための埋め立ての賛否を問う県民投票と、厚生労働省による毎月勤労統計の不正調査問題が、情報番組でほとんど取り扱われていないことの危惧を語る。
 コーナー前半は、玉川がウーマンラッシュアワーの村本大輔と、フリージャーナリストの安田純平にインタビューしたVTRで構成されていた。
 そのなかで村本は、情報番組で沖縄のことなどについてほとんど触れられることのない現状をこのように語っている。
「沖縄っていうのは基地でしょ? 基地っていうのは沖縄の話だけじゃないでしょ? 日本の話でしょ? 原発って福井県の話でも、福島の話でもなく、全国の話でしょ? でも、なぜかみんな聞かないじゃないですか。みんなね、考えたくないっていう装置がパーンって押されるじゃないですか。それは考えないで、楽に語れるものを求めているんですよ。遊びで語れるもの。苦しみたくないんですよ。自分たちさえよければいいから」
 そのように、「自分たちさえよければいい」という考え方が定着してしまった背景には「人々から心の余裕が失われている」という状況もあるのではないかと村本は分析する。
 沖縄の問題などは扱われない一方、ワイドショーでは「嫌韓」を煽るネタや、「中国人観光客のマナーが悪い」といったネタは日々垂れ流されている。その状況も、「心の余裕のなさ」のあらわれなのではないかと、村本は語る。
「たとえば、中国のネガティブなニュースは伝えられるけれども、ポジティブなニュースは伝えられない。でもネガティブなニュースを聞いたら、安心できる人がいるんですよ。やっぱり中国はこうだったんだ、やっぱり韓国はこうだったんだ。中国には負けたくない。だから、ネガティブなニュースは入れる、信じる。やっぱり、不安だから信じて、安心するわけじゃないですか。だから、信じたいんですよ。信じて楽になりたいんです」
 そして、村本は現在のテレビについて、このように断言した。
「不安を解消するための道具で、真実を伝えるための道具じゃない」
 村本の指摘はまさしく正鵠を射るものだと思うが、問題はカメラがスタジオに返ってきてからのやりとりだった。
宇賀なつみの「報道に憧れたけど現実は違った」発言に羽鳥が怒って詰問
 玉川からVTRの感想を訊かれた羽鳥慎一は、見たこともない非常に不愉快そうな表情で、このように吐き捨てたのだ。
「僕は違うと思います。広めるために炎上させるのはダメだと思いますね」
 また、玉川は村本の語った「(いまのテレビは)不安を解消するための道具で、真実を伝えるための道具じゃない」という言葉が刺さったと語り、テレビが安心させるための道具になっているという村本の指摘に対する感想を求めると、羽鳥はそれにもこのように答えた。
「それじゃダメなんですか?」
 いまのテレビは伝えるべきことをきちんと伝えていない──玉川が抱えるこの危機感を羽鳥はまったく共有していていないことが浮き彫りになるやり取りだったが、続けて質問を振られた宇賀アナは違った。彼女は目を潤ませ、言葉に詰まりながら、こんな思いを吐露したのだ。
「安心させるというか、娯楽として面白いもの楽しいものをつくる、伝えるというのも役割としては大切だと思いますけど、やっぱり、報道という世界に憧れて入ってきた自分は、『うーん、ちょっと現実は違ったな』と思って、情けなかったり悔しかったりすることは確かにありますね」
 これに対し、羽鳥はキツい声色で「どこが違うの? 嘘言ってるの? テレビは。言ってないでしょ」と責め立てる。宇賀アナは脅しに近い羽鳥の態度にも負けず「嘘は言ってないです。嘘はつけないから」と言葉を絞り出し、スタジオはまるで放送事故のようになった。
 普段は温厚な羽鳥の剣幕で緊迫した状況に、いつもは引っ掻き回し役の玉川が、宇賀アナをフォローしながら、このように話をまとめる。
「僕もよく思うんだけど、嘘は言ってない。ここは間違ってないんだけど、それでしかない。っていうふうなことを僕もやっていて感じることが多いんですよね」
 玉川のこの言葉は、現在のテレビにおける言論状況を象徴するような言葉だ。確かに嘘は言っていないかもしれない。しかし現在のテレビはそもそも、沖縄の問題にせよ、原発の問題にせよ、統計不正の問題にせよ、シリアの問題にせよ、国民が知るべき話題を放送することさえしていないからだ。
背景に、テレビ朝日の『モーニングショー』の政権忖度
 しかも、その変化がもっとも顕著に見て取れるのが、テレビ朝日だ。政権批判も臆せずに語ってきた小川彩佳アナが突如として番組を降板させられた『報道ステーション』や、ネトウヨ的な思想をもつ小松靖アナが司会に起用されて以降はヘイトに近い中国・韓国バッシングを繰り返すようになった『ワイド!スクランブル』など、ここ最近のテレビ朝日の報道番組は政権批判やリベラルな姿勢を失っているケースが多い。
『モーニングショー』も例外ではない。もともと『モーニングショー』は、玉川やジャーナリストの青木理などリベラルなコメンテーターのもと、政権批判も臆することなく発信してきた。
 しかし、森友・加計問題が連日テレビを賑わせていた2017年前半を境目に、だんだんと変質してきた。
 その変遷の大きなきっかけのひとつと思われるのが、「前川喜平・元文科事務次官の実名告発」を前にした安倍官邸からの圧力だ。「総理のご意向」などと記された文章は本物であるとした前川喜平氏の実名インタビューが掲載された「週刊文春」(文藝春秋)が2017年5月25日に発売、同日夕方前川氏は会見も行い、安倍政権を告発した。
 前川氏の実名告発記事の早刷りが出回った2017年5月24日に安倍首相は、テレビ朝日の早河洋会長と篠塚浩報道局長を赤坂の日本料理店「古母里」に呼んで会食を行った。報道局長まで呼びつけていることからも、報道に対する牽制があったことは明らかである。
 それでも前川氏の実名告発や読売新聞の謀略報道を扱った5月25日や、前川氏の会見を扱った26日などは突っ込んだ報道をしていた。しかしその後しばらくしてから、政権批判につながるネタは徐々に扱わなくなり、たとえ扱ったとしても、NHKの朝ドラとかぶって目立たない番組の冒頭や、もしくは、番組の最後の挨拶の部分に追いやられるといったことが増えた。たとえば同年7月の都議選街頭演説での安倍首相の「こんな人たち」発言は、他局は報じていたにもかかわらず、『モーニングショー』はかろうじて玉川がコメントで触れただけでその映像を流さなかった。
 解説者も田崎史郎などの安倍官邸御用ジャーナリストを起用し、政権に大ダメージが加わる可能性のあるスキャンダルを扱う際は、御用ジャーナリストのサポーター役としてテレビ朝日政治部デスクの細川隆三を同席させるという盤石の体制をとることが多い。
 そして、ここ最近にいたっては政権批判につながる話題をまったく扱わない日も増えた。視聴者の注目を集める芸能スキャンダルが起きているからというわけでもなく、天気や健康に関するネタなどの典型的な「暇ネタ」ばかりが放送されている。毎日中国叩き特集を繰り広げるような週もあった。
羽鳥慎一の「サラリーマン体質」こそがテレビをダメにした
 今回、玉川がこのような特集を組んだのは、『モーニングショー』自体の状況に対する危機感でもあったのだろうし、その特集を受けて涙ながらの告白をした宇賀アナにも忸怩たる思いがあったのだろう。
 ちなみに、今回の羽鳥のあまりにキツい後輩アナウンサーへの恫喝を見て、印象が変わったという声も多い。
 村本に対する強い調子での反論といい、宇賀アナへの執拗な追及といい、親しみやすいキャラクターとしてお茶の間の人気を集めてきた羽鳥が、いままで見せたことのない攻撃的な態度をとった。羽鳥がそこまで態度を豹変させたのは、村本が指摘した「真実を伝えるのでなく、安心を与える道具に成り下がっている」というテレビの現状を、もっとも体現する一人だからにほかならないだろう。
 羽鳥アナは安倍応援団でもないと思うが、空気を読み波風を立てずバランスを取ることに力を注ぐ典型的な「サラリーマン体質」の持ち主であることは間違いない。
 現在の言論状況をここまで後退させた要因として大きいのは、安倍応援団やネトウヨの存在以上に、この「サラリーマン体質」のほうだ。
 上司に逆らって睨まれたくない、政権から目をつけられるのも面倒くさいし、ネトウヨからの抗議を受けるのも面倒くさいから、ほどほどの内容におさえたい。政権批判せざるを得ないネタなら扱いたくない──そういった感覚がメディアの隅々まで浸透していった結果、時間をかけて日本社会における言論状況はここまで後退してきてしまった。
 今回の『モーニングショー』は、さまざまな面でメディアの問題点を炙り出す内容であった。

羽鳥さんが?/会議でチョーイライラ/北海道・厚真で震度6

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Japon : tremblement de terre de magnitude 5,5 à Hokkaido
Jeudi soir, un faible tremblement de terre a secoué l'île de Hokkaido au Japon.
Un tremblement de terre de magnitude 5,5 a secoué jeudi soir l'île septentrionale de Hokkaido au Japon, ont annoncé les agences de surveillance japonaise et américaine, aucune victime ni dégâts n'étant signalés dans l'immédiat. Aucun risque de tsunami n'était à craindre, a précisé l'Agence japonaise de météorologie.
Le séisme est survenu à 21h22 à une profondeur de 41 kilomètres, à quelque 24 kilomètres à l'est de Chitose, selon l'US Geological Survey (USGS), l'Institut américain de géophysique.
En septembre, plus de 40 personnes avaient péri à Hokkaido dans un puissant tremblement de terre de magnitude 6,6 qui avait déclenché des glissements de terrain et détruit des habitations. Le Japon est situé à la jonction de quatre plaques tectoniques et subit chaque année quelque 20% des séismes les plus forts recensés sur Terre.
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大島花子🍎 @hanakooshima
#そもそも総研 #玉川徹 #村本大輔 #安田純平 これぞ見るべき知るべき内容。沖縄、原発、シリア、日本人が知るべきこととは?必見!
#nowoa #テレビ朝日 #モーニングショー
"いまの日本のテレビは、真実を伝えるためではなく安心させるための道具になっている"村本さんの言葉には向き合わず論点をずらすスタジオの重い空気がすべてを物語ってたような。。宇賀さんナイス👍いつとのことながら玉川さんにも拍手👏#モーニングショー #tvasahi

山形方人(nihonGO) @yamagatm3
北大農学部学部長の先生の文章から引用
「北海道大学農学部では、人件費不足により教職員が限界まで減り、現在、法人化前に比べ教授が2割減、全教員数も1割減、事務職員は3割減となっている。激論の末に数年前から研究室の統廃合に踏み切り、研究室は2割を削減中である。」

日本の科学と技術 @scitechjp
今はもう2月下旬なのに、この4月からの自分がどこで何をやっているのかが全くわからない。大学院進学時や、研究者として一歩踏み出したときには、まさかいい年してこんな状況になるなんて思いもしなかったなぁ。自分はもともと楽観的な人間だった。この世界、楽観したようにはならなかった。

いつものモーニングショー.なんか今日は羽鳥さんが変です.おかしい?宇賀さんに同情しますね.
会議でチョーイライラ.書いても仕方ないのでこれ以上書きません.
夜北海道・厚真で震度6の地震があったみたいです.気持ちが沈んでしまいます.

津波から8年 園児の慰霊碑建立へ 宮城・石巻市
 園児たちの死を悼むとともに、守れなかった教訓を後世に伝えます。東日本大震災の津波で犠牲になった宮城県石巻市の幼稚園児の慰霊碑が建立されることになり20日、遺族が見守る中、工事が始まりました。 宮城県石巻市門脇町に建立されるのは、幼稚園の送迎バスで帰宅途中に津波で命を落とした日和幼稚園の園児たちの慰霊碑です。20日は小雨の降る中遺族が集まり、慰霊碑の基礎工事を見守りました。
 2011年3月11日、宮城県石巻市の日和幼稚園では、高台の幼稚園から海の方角に向けて出発した送迎バスが津波に巻き込まれ、4歳から6歳の園児5人が犠牲になりました。慰霊碑は、バスが発見された場所から50メートルほどのところに建てられ、犠牲になった5人のうち遺族の同意が得られた4人の園児の名前の入った詩が刻まれます。慰霊碑は2月中に完成し、3月10日に除幕式を行う予定です。


<縮小の先へ 被災地と人口減>第1部 なりわい・漁業/日本人船員 確保難しく
 人口が減る。地域を支える担い手が足りない。人口減少局面で起きた東日本大震災は、過疎化や少子高齢化を加速させた。震災から間もなく8年。縮む被災地の先に広がる風景は−。「生業(なりわい)」「生活」「インフラ」の三つをキーワードに、先鋭化する課題に向き合い、模索する姿を追った。
 遠洋マグロ漁船を所有する漁業会社の幹部が、海の男が相手の時とは違って優しく語り掛けた。
<なりふり構わず>
 「給料は気仙沼の陸上で働く2倍ぐらいになる。船に住めるから、家賃もいらない。お金はたまるよ」
 気仙沼市の気仙沼向洋高で15日、大日本水産会(東京)などが主催する高校生向けの漁業ガイダンスがあった。地元の遠洋、近海マグロはえ縄など漁業会社13社が教室に大漁旗を飾ってブースを設け、2年生の男子生徒に仕事内容や賃金を説明した。
 ガイダンスは2017年、全国各地の水産高校を対象に始まった。大日本水産会の木上正士事業部長(57)は「若い世代を取り込まないと、船を動かせなくなる会社が増える」と業界内の危機感を代弁する。
 農林水産省の漁業就業動向調査によると、17年の漁業就業者数は15万3000人で、震災前の10年(20万3000人)から5万人も減った。65歳以上の高齢者は5万9000人と4割近くを占め、上昇傾向だ。
 「今より給料を高く払うから、うちに来ない?」
 気仙沼市の漁業会社社長は、雇っていた船員にかかってきた2年前の電話が今も忘れられない。
 着信は、長い航海を終えて陸が近づき、携帯電話の電波が通じた直後。見ず知らずの漁業会社からの誘いだったという。社長は「水揚げもしないうちに電話をかけてきた。あまりに失礼だと思った」と振り返る。
 漁船の運航は、船の大きさに応じて必要な海技資格や乗組員の人数が定められている。日本人船員の確保が厳しさを増す中、高い報酬を持ち掛けて引き抜く行為は珍しくない。
<外国人頼み拡大>
 震災で壊滅的な被害を受け、人口減少に拍車がかかった三陸沿岸各地の漁港でも担い手不足は深刻だ。日本人の労働力不足を外国人船員が補う。
 遠洋マグロはえ縄の大半は、震災前から乗組員の7割がインドネシア人。安い賃金の外国人が浜を支える光景は、沿岸漁業にも広がりつつある。
 大船渡市の綾里(りょうり)漁港では、本年度までに4隻のイカ釣り漁船がインドネシア人の技能実習生を1人ずつ乗せた。船頭の要望を受け、綾里漁協が確保した。
 浜では若い漁業者が減少の一途。20年ほど前は綾里沖で日帰りできた漁場が日本海へと遠くなり、近年深刻な不漁に陥っている。
 第78明神丸の野々浦浩祐船頭(46)は「収支はぎりぎり。日本人の若者にとって稼げず、魅力がなくなった」と漏らす。
 6隻の遠洋マグロ漁船を所有する漁業会社臼福本店(気仙沼市)は、新しいマグロ漁船を建造中だ。10月に7隻目が完成し、ようやく震災前の数に戻る。
 臼井壮太朗社長(47)は「船の戦力を落とさずに、日本人船員をどう配置するかが今の課題だ。次世代に漁業を伝えるのはわれわれの責務。法律改正も含めて漁業の在り方を抜本的に見直さないと、世界とは戦えなくなる」と指摘する。


震災犠牲職員調査、憤る遺族 岩手・大槌町と手法巡り溝 一部、追悼式ボイコットへ
 東日本大震災の津波で職員多数が亡くなった岩手県大槌町で、デリカシーを欠いた町の対応に職員遺族が怒りを募らせている。これから始まる犠牲職員の死亡状況調査の手法に反発する一部遺族は、町が旧役場庁舎跡地で3月11日に行う犠牲職員追悼式をボイコットする構えだ。
 町が表明した犠牲職員の死亡状況調査について、一部遺族は16日に対応を協議。「専門家と職員遺族を交えた第三者委員会の設置」「書面ではなく聞き取りによる調査」を町に求めることで一致した。
 遺族は「身内同士の調査では不十分。きちんと調べることで過去2回実施された町の震災対応の検証も補完でき、今後の防災に結び付く」と訴える。
 とりわけ遺族感情を逆なでしたのが、調査着手とセットで町が突如打ち出した追悼式や職員研修への出席要請だ。
 調査終了まで旧庁舎の解体延期を要望していた遺族も少なくなく「願いを踏みにじって解体を強行した場所での追悼式に呼ぶなんて」と憤りが広がっている。
 職員研修では遺族による講話を要請。町が津波襲来時に災害対策本部を旧庁舎前に設置した経緯を踏まえ「あの対応のせいで肉親が死んだと話せばいいのか。平野公三町長ら当時を知る職員が反省の弁を語る方が意味がある」と批判する。
 擦れ違いばかりが目立つ町と遺族に町職員の一人は「町のやり方は配慮に欠けている。方針を決める前に遺族と丁寧に話し合い、お互いの考えや事情を理解し合うことが重要なのだが…」と眉をひそめた。


河北抄
 ヨーロッパで「聖なる木」と呼ばれ、数々の伝説を彩るオリーブ。ギリシャ神話では、平和な春の訪れを象徴する。先月、東北福祉大の仙台駅東口キャンパスにオープンした学食の名もまた「Olive」。
 福祉大とオリーブとの縁は深い。2016年夏、東日本大震災からの再生を願って、国見キャンパスにオリーブの木を植樹している。
 その年の暮れ、学生たちは「北限のオリーブ」の栽培に取り組んでいた石巻市の網地島で支援活動を始めた。昨年5月には、地元の被災者と手を取り合いながら苗木を植えた。
 島で育っているオリーブの若木は全部で45本。「いずれは学食で島のオリーブオイルを使ったメニューを出したい」と交流の窓口を務める福祉大の金義信特任准教授(54)。島のワカメはもう学食デビューを果たしたという。
 「多くの人が訪れ、オリーブの森で島の未来を語り合えるようになれれば」と金特任准教授は願っている。それこそオリーブの木にふさわしい。


大津いじめ訴訟/加害者の重い責任認めた
 いじめが自殺の原因と明確に認め、多くの被害者や遺族に救済の道を示した判決といえる。
 大津市の中2男子いじめ自殺訴訟で、大津地裁は加害者側の元同級生2人に、ほぼ請求通り計約3750万円の支払いを命じた。
 2012年に遺族が、元同級生と市に賠償を求めて提訴した。その後、市の第三者委員会がいじめと自殺の因果関係を認定し、過失責任を認めた市は遺族と15年に和解した。
 一方、元同級生側は「遊びの延長だった」と反論し、訴訟が続いていた。
 判決は、元同級生2人が顔面に落書きしたり、蹴ったりする暴行など執拗(しつよう)ないじめ行為があったことを認定した。「いじる」「いじられる」という上下関係の固定化などから、絶望感を抱き、男子生徒は死にたいと願うように至ったと指摘した。
 いじめ自殺を巡る損害賠償訴訟では、加害者側が自殺を予見できたとする立証が原告側には高いハードルだった。
 判決の根拠となったのは、「息子だけの裁判ではない」との思いで闘い続けた遺族側が提出した証拠だった。地裁は全校生アンケートなど約500点を丹念に分析し、自殺は予見できる事態だった、と結論付けた。
 「遊び」や「いじめと思っていない」は加害者側がよく使う表現だが、繰り返された行為自体の悪質性を基に重い責任を認めたのは画期的といえる。
 大津のいじめ自殺問題は、深刻ないじめ被害への対策を社会が求められる契機となった。いじめを定義した議員立法の「いじめ防止対策推進法」成立にもつながった。
 全国の学校でのいじめ認知件数が急激に増えるなど、積極的な状況把握への意識が根付いた学校が増えたのは確かだ。
 しかし、いじめを理由にした自殺は後を絶たず、学校や教育委員会の不適切な対応もいまだに多い。遺族側への情報開示や調査する機関の独立性は大きな課題として残っている。
 いじめの危険性に警鐘を鳴らした判決である。学校関係者は異変を見逃さないこと、被害者の目線でとらえることの大切さを改めて認識し、いじめの根絶を実現しなければならない。


いじめ自殺判決 人権侵害への重い警告
 いじめに対する司法の重い判断が下された。
 大津市の中2男子が自殺したのはいじめが原因だとして、遺族が加害者側の元同級生らに損害賠償を求めた訴訟で、大津地裁は元同級生2人に計約3750万円の支払いを命じた。
 2人は「遊びの延長で、いじめとは思わなかった」などと主張して自殺とは関係がないと争っていたが、地裁はいじめと自殺に因果関係があると明確に認めた。
 たとえ「遊び」や「からかい」のつもりであっても、被害者には耐え難い人権侵害となり、到底許されることではない。
 判決を警告と受け止めたい。学校や教育行政は改めていじめ対策を検証し、根絶への取り組みを徹底させる必要がある。
 同種の訴訟では、いじめと自殺の因果関係に加え、自殺を予測できたかどうかが大きな争点となり、立証の際に高いハードルとなった事例が少なくない。
 遺族側は今回、全校アンケートの結果や大津市の第三者委員会がまとめた調査報告書など約500点に上る証拠を提出していた。
 地裁は、これらを丹念に検討したうえで、暴行や嫌がらせがエスカレートしていった過程を詳述。被害生徒は強い孤立感や絶望感を抱き、死にたいと願うようになったと結論付けている。
 追い詰められた心理状態の分析といった精神医学的な知見も盛り込まれ、生徒が自殺するのは一般に予見可能な事態だったと踏み込んで指摘した。
 多角的な視点の事実認定はうなずける。裁判上は遺族と和解しているとはいえ、最悪の事態を回避できなかった大津市の責任も改めて問われよう。
 この事件を契機に2013年、「いじめ防止対策推進法」が施行されたが、その後もいじめ自殺は相次いでいる。
 気がかりなのは、原因究明や情報開示に後ろ向きな自治体が相変わらず目立つことだ。第三者委員会でさえ、その公平・公正性がしばしば疑問視される。
 徹底的な調査と被害者側に寄り添った対応は、再発防止に欠かせない。この教訓を念頭に置き、行政や教育現場には、組織や運営の不断の検証を求めたい。
 当然ながら、いじめの早期発見や相談体制の充実などにも全力を挙げるべきだ。推進法の実効性を高める法改正論議も含め、あらゆる手だてを講じて悲劇を防がなければならない。


いじめ自殺判決 命を守る歯止めにしたい
 いじめと自殺の因果関係に加え、加害者が自殺を予見できたと認めた画期的判決といえる。
 悲劇を二度と繰り返してはならない。「いじめを苦に自ら命を絶つ子どもがいなくなってほしい」という父親の言葉を、社会全体で重く受け止めたい。
 2011年に大津市の中学2年の男子生徒が自殺したのはいじめが原因だとして、遺族が元同級生らに損害賠償を求めた訴訟で、大津地裁は元同級生2人に請求のほぼ全額となる計約3750万円の支払いを命じた。
 今回の訴訟で大きな争点となったのは、いじめの有無や、自殺との因果関係だった。
 遺族側は「日常的に『死ね』と言ったりする苛烈ないじめが自殺の原因となった」と主張した。これに対して元同級生側は、行為の一部を認めた上で「遊びの延長で、いじめとは思わなかった」などと反論した。
 判決は、首を絞めたり弁当を隠したりして行動がエスカレートして、「いじる」「いじられる」という上下関係が固定化したとして、いじめと認定した。
 自殺との因果関係についても、「こうした人間関係が今後も続くという強い孤立感や絶望感を抱かせた」と関連を認めた。
 その上で、追い詰められた心理状態の生徒が自殺することは加害者側も一般的に予見できる事態だったと結論付けた。
 判決は、遊びのつもりの行為でも被害者が苦痛に感じればいじめだと明確に示し、加害者は賠償責任を負うこともあると警告したとも言えよう。
 この自殺問題を巡っては、学校がいじめに気付きながら自殺を防げなかったことや、不適切な事後対応が明らかになり、「いじめ防止対策推進法」が成立する契機となった。
 法は、一定の関係にある児童や生徒が心理的、物理的な影響を与え、対象者が心身の苦痛を感じている行為を「いじめ」と定義する。
 全国の小中学校などでのいじめ認知件数は、17年度は約41万4千件と、法が施行された13年度の約2倍となっている。
 「からかい」などもいじめと定義し、早期に発見し対応するという意識が学校で根付いてきたとも言えるかもしれない。
 しかし13年度以降も、いじめを理由に自殺した児童や生徒は計43人に上る。
 16年に県立新潟工高1年の男子生徒が自殺した問題で、県教育委員会の第三者委員会は、いじめ相談を受けた学校の不十分な対応が「最悪の不幸を招いた根本的な原因」と断じた。
 第三者委は再発防止に向け、被害者保護に重点化した組織的対応の徹底や、保護者との情報共有などを求めた。各学校で認識を共有してほしい。
 新潟市の私立高の男子生徒2人が同級生らから暴行を受け、その様子を撮影した動画がネット上に拡散するなど、会員制交流サイト(SNS)でいじめが助長されるケースも目立つ。
 家庭や社会が子どもたちの小さな異変を見逃さず、いじめの芽を摘み取ることも望まれる。


【いじめ自殺判決】悲劇の防止につなげたい
 この判決をいじめをなくすことにつなげてほしい。
 大津市の市立中学2年の男子生徒がいじめを苦に自殺した問題で、大津地裁は「自殺はいじめが原因で、予見できた」と明確に認め、元同級生2人に約3750万円の賠償を命じた。
 いじめを巡る訴訟でいじめと自殺の因果関係に加え、予見可能性も認めた判決は他にもあるものの、加害当事者への賠償請求で主張などがほぼ全面的に認められるケースは異例という。重く受け止めたい。
 大津市の生徒が自殺したのは2011年10月。市教育委員会は当初、いじめと自殺の因果関係を不明としていたが、市が設けた有識者による第三者委員会はいじめを直接的な要因と認めた。
 生徒の遺族は市や元同級生3人らに損害賠償を求めて大津地裁に提訴したが、市とは15年に和解。元同級生らとの訴訟は続いてきた。
 判決は、元同級生2人の暴行などのいじめが自殺の原因だったと認めるとともに、生徒を精神的に追い詰める行為を重ねた2人は自殺を予見できた、と断じた。
 いじめではなく、遊びと認識していたとする元同級生側の主張を退けたが、その意味は小さくない。
 同種訴訟では加害者側が、からかいなどの「いじり」だった、とする例は多い。この「いじり」は定義が曖昧で、外部からはいじめとの区別が分かりにくい。
 判決は、友人関係の崩壊や「いじる」「いじられる」という上下関係の固定化が、強い孤立感や絶望感につながったとしている。教員や子どもたちの間に「いじりはいじめ」という意識が徹底されるような取り組みが重要になる。
 大津市の問題では、学校がいじめに気付きながら自殺を防げなかったことや、極めて不適切な事後対応が明らかになった。それを受け、13年にいじめ防止対策推進法が施行されたが、自殺や行政対応の不備は後を絶たない。
 文部科学省の調査によると、全国の小中高校などが17年度に認知したいじめは過去最多の41万件余りに上った。いじめを幅広く捉える意識が広がったのは前進だが、子どもが不登校になったり、心身に大きな被害を受けたりするなどの「重大事態」は増え続けている。
 いじめを理由に自殺した児童や生徒は13年度以降で計43人に上るが、この数字が全てなのかどうかは分からない。行政の調査結果が再調査で覆ったり、情報開示に積極的に応えなかったりするなど、遺族が不信感を募らせる例も相次ぐ。
 このため、いじめ防止対策推進法の改正に向けた論議も進んでいるようだ。実効性をより高めるために知恵を絞ってほしい。
 「いじめを苦に自殺する子がいなくなってほしい」。男子生徒の父親が判決に込めた願いだ。悲劇をこれ以上繰り返さないとの思いを共有する必要がある。


[大津いじめ自殺] 判決を防止につなげよ
 いじめが原因とみられる自殺が後を絶たない中、今回の判決の意味をかみしめ、対策につなげなければならない。
 2011年に大津市で起きた市立中2年の男子生徒の自殺について、大津地裁は「いじめが自殺の原因になった」と認め、元同級生2人に請求のほぼ全額となる計約3750万円の支払いを命じた。
 いじめと自殺の因果関係を主張する訴訟は全国で起こされてきたが、「原因は複合的なもの」などとして、なかなか認められることはなかった。
 今回の判決は、いじめと自殺の因果関係を明確に認めただけでなく、2人が自殺を予見できたとも指摘した。踏み込んだ判断であり画期的といえる。
 事実関係を一つ一つ認定し、生徒が自殺に追い込まれていく過程を浮かび上がらせた。
 判決によると、男子生徒は11年春、中学2年で元同級生2人と同じクラスになり、昼食を一緒に取ったり、花火大会に出掛けたりして関係を深めていた。
 だが、2学期に入ると首を絞められたり、弁当を隠されたりするなどエスカレートし、「いじる」「いじられる」という上下関係が固定化した。
 遊びの名の下に顔面を殴打したり、蹴ったりする暴行が始まり、友人関係が崩壊。男子生徒は祖母に、死にたいとの願いを吐露することもあった。
 予見可能性について、加害行為は「自殺願望を抱かせるような孤立感、離脱が困難であるとの絶望感の形成に十分だった」という判断は説得力がある。
 元同級生側は行為の一部を認めた上で、「遊びの延長で、いじめとは思わなかった」などと反論していたが、いじめられる側への想像力を欠いていたと言わざるを得ない。
 この自殺問題は、深刻ないじめ被害の対策が社会的に求められる契機となり、13年の「いじめ防止対策推進法」成立に結実した。
 心身や財産に重大な被害を受けたり、長期欠席を余儀なくされたりした場合を「重大事態」とし、学校側に文部科学省や自治体への報告を義務づけ、事実関係の調査や被害者側へ情報提供することも定めている。
 法施行後、いじめの認知件数が増え実態把握が進んだのは前進といえようが、自殺や行政対応の不備はなくならない。
 こうした中、各学校に「いじめ対策主任」を置くことなどを盛り込んだ法改正案をまとめる動きもある。いじめ防止に向け、あらゆる手だてを講じる必要がある。


ゲノム編集食品/国の方針は拙速に過ぎる
 ゲノム編集された生物を使った食品の扱いについて、厚生労働省がパブリックコメントを実施している。有識者調査会が取りまとめた報告書は、開発中の大半のゲノム編集食品は安全性審査を必要とせず、国への情報提供だけで販売を認めてよいとする内容だ。
 厚労省は本年度中に結論をまとめ、具体的な仕組みをつくる方針を示しているが、議論が不十分で拙速に過ぎる。
 ゲノム編集はまだ未知の部分が大きい。なにより人が食べた場合の影響はどうなのか。審査を求める消費者団体などは、調査会の検討がわずか3カ月だったことを批判している。
 ゲノム編集食品の表示が要らない仕組みになれば、消費者に情報が伝わらず、食べる人の知る権利、選ぶ権利を奪うことになりかねない。
 ゲノム編集食品は、遺伝子を切断する酵素を使って効率よく改変できる。従来の遺伝子組み換え技術に比べて開発期間が大幅に短縮される。肉付きのいいマダイや収量の多いイネなどが開発されている。
 報告書では、その生物にない遺伝子を導入する場合は、遺伝子組み換え食品と同様の安全性審査が必要と判断した。
 一方、特定の遺伝子を壊した食品は審査を不要とした。国への情報提供は問題発生時の対応などのためで、法的な義務化はしない。従来の品種改良との違いがあまりないとの推論が根拠だが、そう言い切れるのか。
 編集された細胞ががん化する恐れが高まるなど、新たな報告や知見がもたらされている。一度に多くの遺伝子を改変した際のリスクも不透明だ。自然界に拡散した場合、悪影響が判明しても取り返しがつかない。
 審査も表示もない緩い規制の下で生産が広がり、予期せぬ問題が起きたら、誰がどう責任をとるのか。影響が予測しきれない新しい技術である。人の健康と環境に関わる問題として、安全を最優先に考えるべきだ。
 欧州連合(EU)では、予防原則の立場から遺伝子組み換え作物として規制すべきとの司法判断が下されている。各国の状況も参考にしながら、国会でもしっかりと時間をかけて議論する必要がある。


勤労統計不正 原因究明から逃げるな
 衆院予算委員会の集中審議で統計不正問題が引き続き審議された。賃金動向を示す毎月勤労統計について野党は不正の経緯や疑惑を追及したが、依然として核心部分は分からないことだらけだ。
 統計不正については大きく二つの点が問題になっている。
 ひとつは二〇〇四年から、全事業所を調査すべき東京都内の大企業の調査対象を三分の一の抽出調査にしていた。減らした対象から得たデータを復元する作業もしていなかった。それが一八年一月から密(ひそ)かに復元したため賃金がそれまでより高く算出された。
 誰が何の目的で始めたのか、調査を実施する厚生労働省の組織的な隠蔽(いんぺい)はなかったのか。なぜ一八年から復元したのかも経緯が明らかになっていない。
 二十日の予算委でもこれに関する議論は深まらなかった。与党は参考人招致を小出しにせず、歴代の担当者を国会に呼ぶべきだ。
 もうひとつは、中規模事業所の調査に使う複数の手法を一八年一月に変えた点だ。この変更で賃金が上振れしたのはアベノミクスの成果を強調したい政権が圧力をかけたのではないかと野党は疑っている。
 中規模事業所は抽出調査だ。それまでは二〜三年ごとに対象を総入れ替えしていた。この手法だと過去とデータに段差がでるため、過去にさかのぼって変更の影響を補正していた。
 全数入れ替えると比較的賃金の低い新設事業所などのデータも反映されるため変更前より賃金が下がりやすいともいわれる。同時に補正される過去分も下がる。
 この手法についての「問題意識」を首相秘書官が一五年三月に厚労省に伝えた。その直後に厚労省は見直しの検討に入った。
 結果として一部入れ替えに変更され、しかも過去にさかのぼらないことにした。
 同時に、算定に使う労働者の状況に関するデータなども変えた。いずれも賃金を上振れさせる変更をしていると野党は追及している。不自然なのは確かだ。
 政権の関与や厚労省組織の問題点など知りたいことは多い。
 だが、政府は野党が答弁や資料を求めても進んで説明をする姿勢に欠ける。安倍晋三首相は関与していないと言うのならば、堂々と説明すればいい。
 原因究明が進まなければ、再発防止策まで議論は行き着かない。政府はその責任を自覚すべきだ。


安倍首相が統計不正の証拠メールを突きつけられ大慌て! 答弁中の根本厚労相に「いったん戻れ」と前代未聞の指示
 統計不正調査問題で、安倍官邸、そして安倍首相の関与を示すさらなる証拠が出てきた。それは、厚労省が同年6月に調査方法を見直すため発足させた「毎月勤労統計の改善に関する検討会」(以下、検討会)で座長を務める中央大学・阿部正浩教授に対し、厚労省側が2015年9月14日に送ったメールだ。
 そのメールで厚労省側は、阿部座長に対して「委員以外の関係者から『部分入れ替え方式を検討すべきではないか』との意見があった」と伝えていた。
 この2015年9月14日というのは、結果的に最後の検討会となった第6回会合が開かれる2日前のこと。同年8月7日におこなわれた第5回会合では、阿部座長は「検討会の方向性としては、総入れ替え方式で行うことが適当であるということにさせていただければと思います」と従来通りでいくことをまとめていた。つまり、こうした検討会の方針に対して、賃金を上昇しているようにみせる「部分入れ替え方式を検討すべき」と露骨な圧力がかけられたのだ。
 結果、9月16日の第6回会合では、前回にまとめられた方針から一転、“引き続き検討する”と方針を変更。ちなみにこの日、阿部座長は会合を欠席している。
 では、この「委員以外の関係者」とは一体誰なのか。昨日の衆院予算委員会で、首相の側近である中江元哉首相秘書官(当時)だったことが判明した。
 立憲民主党・長妻昭議員がこのメールを取り上げ、追及したところ、答弁に立った根本匠厚労相がこう答弁したのだ。
「事務方に確認したところ、詳細は不明だが、(委員以外の関係者というのは)中江元哉首相秘書官のことだと思われる。当時の担当部長からそういう話を聞いている」
 中江首相秘書官については、すでに2015年3月、厚労省の姉崎猛・統計情報部長や宮野甚一・総括審議官(ともに当時)に対して「毎月勤労統計」調査の手法をめぐり「改善」を求める「問題意識」を伝え、検討会を発足させていたことが発覚している。だが、検討会の方針が官邸の思い通りにならないため、同年9月14日に再び、賃金が上昇して見えるように「部分入れ替え方式を検討するべき」と“圧力”をかけていたということらしい。
 中江首相秘書官はこれまで“厚労省から検討会設置の報告は受けたが、検討の途中や結果の報告を受けた記憶はない”と答弁してきたが、これらは完全に虚偽答弁だったというわけだ。
 加計学園問題で和泉洋人首相補佐官が文科省の前川喜平事務次官に対して、「対応を早くしろ」と圧力をかけたのとまったく同じ構図だったのである。
 しかも、中江首相秘書官の場合は、圧力をかける約10日 前、2015年9月3日の国会答弁を作成する「勉強会」で安倍首相にこの統計方法の問題を伝えていたことを認めており、安倍首相から直接、指示を受けていた可能性も出てきた。
 圧力の証拠が次から次へと出てきて、当の安倍首相もかなり焦っているようだ。昨日の国会で信じられないような言動に出たのである。
 それは、阿部座長に送られた“圧力メール”について、根本厚労相が前述したように「中江元哉首相秘書官のことだと思われる」と認める直前のこと。長妻議員が「これはどんなメールですか」と根本厚労相に質問したときに起こった。
 質問をされているのに、なかなか立ち上がらない根本厚労相。ようやく答弁に立つと、こんな無意味なことを言い出した。
「えー、厚生労働省から阿部座長に送ったメール……。どういうメールって話ですっけ。厚生労働省から阿部座長に送ったメール、だと思います。ご質問のメールは」
しどろもどろの根本厚労相、安倍首相が「戻れ」と指示し注意を受ける事態に
 しどろもどろになりながら、わかりきった話を2度も繰り返す根本厚労相。これには長妻議員がすばやく「中身は?」と問うた。すると、根本厚労相は「ん? ……な……」と言い澱んだのだが、そのとき、安倍首相の声で、こんな指示が飛んだのだ。
「いったん戻れ」
 音声を確認すると、たしかに安倍首相と思われる声で「いったん戻れ」、あるいは「いったん下がれ」というようなことを言っているのが聞こえる。実際、この指示を受けて、根本厚労相は「いったん戻ります」と言い、答弁をやめて自席に戻ってしまったのだ。
 この安倍首相から飛び出した指示に、長妻議員は「総理、『いったん戻れ』という指示はおかしいですよ」と反発、議事進行をする野田聖子・衆院予算委委員長も「総理、あの、以後慎んでください」と注意をおこなったが、総理大臣が担当大臣の答弁中に答弁をやめさせる指示を自席から出すなんて、まったくありえない話だ。
 2017年の森友問題についての国会追及では、安倍首相は佐川宣寿理財局長(当時)に対し、秘書官を通じて「もっと強気で行け。PMより」と書いたメモを渡していたとされている。PMとはプライムミニスター、安倍首相のことを指す。こうして佐川理財局長は「交渉記録はない」などという虚偽答弁を連発したのだった。
 一方、昨日の安倍首相は、よりにもよってNHKで生中継されている国会審議中に、議場に響く声を発してまで根本厚労相の答弁をやめさせた。これは、中江首相秘書官の指示を認める過程で、安倍首相自身の関与を物語るような事実が出てくることことを恐れたためではないか。全国紙政治部記者もこう解説する。
「ご存知のように、中江首相秘書官は厚労省に圧力をかける約10日前、安倍首相に統計の手法について説明しており、そのときに安倍首相から直接、指示を受けていた可能性がある。官邸としては、厚労省側の証言があるので、中江氏の存在は一応、認めざるを得ないが、安倍首相の関与を突っ込まれたくないので、曖昧にしておきたかった。ところが、根本厚労相がしどろもどろになってしまった。それで、やばいことを口走りかねないと大慌てした安倍首相が『戻れ』と言ったのではないでしょうか。もうひとつ、中江首相秘書官だけでなく、菅義偉官房長官も、この時期に姉崎統計情報部長に圧力をかけたともいわれており、そのことが暴かれるのを恐れた可能性もありますが」
安倍首相は「戻れ」と指示をしてなにを隠そうとしたのか
 実際、当の中江前首相秘書官も、ここまで虚偽答弁と新たな圧力の事実が明らかになっているにもかかわらず、いまだ曖昧にしつづけている。昨日の国会で、こう答弁したのだ。
「正直、2015年9月14日に厚労省から説明を受けた記憶はまったくない」
「首相案件」疑惑では耳タコ状態のフレーズ、「記憶にない」。モリカケ問題の追及で財務省の佐川元理財局長や柳瀬唯夫・元首相秘書官が何度も繰り返してきたこの言葉が、この統計不正問題でもついに飛び出したのである。
 しかも、中江前首相秘書官は、つづけてこんな珍妙な答弁をおこなった。
「私の問題意識からすれば、仮に、調査対象を部分的に入れ替える方式のほうが経済の実態をよりタイムリーに表すのであれば、専門的な検討を進めてもらったらいいのではないかということを言ったかもしれないが、説明を受けた記憶は本当にまったくない」
「言ったかもしれないが記憶にない」って……。まったく醜い答弁だが、逃げ道を塞がれ、しかし事実を認めるわけにもいかないという苦しい状態に、安倍政権が追い込まれていることが、よくわかるだろう。
 いずれにしても、加計問題では、柳瀬首相秘書官や和泉洋人首相補佐官といった安倍首相の側近が内閣府や文科省に「首相案件」として圧力をかけていたが、この「アベノミクス偽装」問題でも同じ構図だったことは間違いない。──政治的圧力によって行政をゆがめ、忖度を引き出し、ときに友だちを優遇し、ときに数字を偽装する。こんな安倍首相のやりたい放題を、このまま許しつづけるわけにはいかないだろう。


統計不正問題 「官邸関与」の疑念膨らむ
 厚生労働省の統計不正問題を巡る国会審議で、統計結果に大きく作用する調査方法の変更に、首相官邸の関与があったのかが最大の焦点になっている。
 「毎月勤労統計」に関して2015年3月末、当時の中江元哉首相秘書官(現財務省関税局長)が厚労省側に調査手法について「問題意識」を伝えたとしている。20日の衆院予算委員会では、この問題意識を受け設置された有識者の検討会で調査手法を変更しない旨の結論がまとめられたこと、それを知った中江氏が検討委の委員長に変更するようメールで働き掛け、実際にそうなったとされる経緯が明るみになった。
 中江氏は「個人の考え」とし、安倍晋三首相の関与については否定している。だが、当時は加計学園の獣医学部新設を巡り、別の首相秘書官が学園側に国家戦略特区制度への申請を指南していた。学園理事長を腹心の友と称する首相への「忖度(そんたく)」が疑われ、いまだ真相はやぶの中だ。中江氏がアベノミクスを推進する政権に忖度したとしても不自然ではなく、首相の「問題意識」に沿って指南した可能性も否定できない。
 野党は、中江氏に対応した当時の厚労省の総括審議官や統計情報部長から話を聞く必要があるとして参考人招致を求めてきた。19日になって与党側がようやく応じ、22日以降招致されることになったが、こうした姿勢で早急な解明がなされるのか、首をかしげざるを得ない。それどころか、政府や与党は、統計不正問題で審議時間を稼ぎ、予算案を日程ありきで通そうとしている節がある。
 勤労統計不正ではこれ以外にも、15年間にわたって全数調査を不正に抽出調査に変更してきたことなど、解明すべき疑問はつきない。さらに、政府の基幹統計のうち34件の問題が見つかっている。直近のデータでいえば、「景気拡大が戦後最長になった」とする政府見解への疑義が専門家から指摘されている。
 14年4月に消費税率が8%に引き上げられたことで、2年近く景気が後退していた可能性があるからだ。政府が今年10月の増税に向け、増収分以上の対策費を盛り込んでいるのも、この時の景気失速を教訓にしている。かなりの落ち込みだったとすれば「戦後最長」には当然、疑問符がつく。
 今後、統計不正に関する特別監察委員会や統計委員会の報告が出れば、検証や対策に向け議論は多岐にわたる。予算委員会では対処しきれないはずだ。国家の信頼に関わる問題であり、与野党挙げて解決策を導き出さなくてはならない。ここは国会に特別委員会を設けることが欠かせない。
 自民党の小泉進次郎議員ら若手有志の勉強会は昨年6月に国会改革に関する提言をまとめ、行政を巡る疑惑解明に向けた「特別調査会」を国会に設置できるようにすべきと指摘している。二階俊博幹事長や大島理森衆院議長らが賛同した経緯もある。国民不信の払拭(ふっしょく)に向け、与党こそが範を示すべきである。


[迫る県民投票]学びの機会を広げよう
 なぜ今、県民投票が必要なのか。県民投票の意義を考える上で参考になるのは、憲法記念日制定を巡る戦後沖縄の歴史である
 憲法が施行された翌年の1948年5月3日、憲法記念日が制定された。沖縄で憲法記念日が定められたのは、17年後の65年のことである。
 両者の違いは明白だ。
 本土では、憲法が施行されたことを記念して憲法記念日が設けられた。一方、沖縄では、米国統治下にあって憲法が適用されていないにもかかわらず、5月3日を憲法記念日と定めた。
 「憲法の沖縄への適用を期す」との願望を込めて。
 のちに琉大学長に就任する金城秀三・琉大法政学科助教授(故)はその日、本紙に一文を寄せている。
 「民主主義ということばを厳密な意味で用いるなら、沖縄の住民はいまだかつて自らを主権者とする民主主義政治を享受する機会を与えられたことはなかった」
 憲法制定の際も、サンフランシスコ平和条約締結の時も、沖縄住民はいずれについても「主権者たる国民の資格において主体的に参加することができなかった」。
 68年にようやく主席公選が実現し、72年の施政権返還によって沖縄にも憲法が適用されるようになった。
 だが、膨大な米軍基地が維持され、日米地位協定と関連取り決めが適用された結果、「自らを主権者とする民主主義政治」は復帰後も著しく制約を受けることになった。
 辺野古の新基地建設問題は、その象徴なのである。
    ■    ■
 金城さんは、憲法不在の沖縄で憲法記念日を制定したことの特別な意味について「沖縄住民はもとより、本土にいる日本国民にも理解され、共感されることを望む」と強調している。
 今、私たちが確認したいのは、沖縄で新基地建設を巡る県民投票が実施されることの特別な意味である。
 県民投票には法的拘束力がなく、どのような結果になっても事態は変わらない−という否定的な意見があるのは確かだ。
 安倍政権の強硬一点張りの路線が県民の中にあきらめの感情を生み出しているとも言える。
 しかし、だからこそ新基地建設を巡る県民投票に特別な意味があるのではないか。
 今回の県民投票は政治的な意味が大きく、結果次第では流れを大きく変える要素を秘めている。
 「意志あるところに道は開ける」だ。
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 稲嶺恵一元知事は「軍民共用」「15年使用期限」の高いハードルを設定して辺野古の代替施設建設を認めた。だが、条件は守られなかった。
 仲井真弘多元知事は埋め立て申請を認める前提として米軍普天間飛行場の「5年以内の運用停止」を主張した。
 安倍晋三首相は「最大限に努力する」と約束したが、この条件も守られなかった。
 軟弱地盤の改良工事で埋め立て工事の長期化は避けられない。状況の変化を踏まえ普天間飛行場の運用停止や危険性除去の問題をどう判断するかも、県民投票の焦点だ。


大阪入管が嫌がらせか 辺野古反対の日系米国人を2時間尋問
 安倍政権による嫌がらせじゃないのか? 辺野古基地新設の中止を米国政府に求める請願署名の発起人となったハワイ在住の日系4世、ロブ・カジワラさん(32)。19日午後、関西国際空港から入国する際、大阪入国管理局関西空港支局によって2時間近く不当に拘束されていたことが分かった。
 本人が20日、ツイッターなどで明らかにした。
 カジワラさんは、超党派の国会議員との面談や記者会見等のため来日。関空経由で羽田空港に向かう予定だったが、入国審査での際に別室に連れていかれ、入国目的や参加するイベントに関して執拗な尋問を受けた。事情を知った照屋寛徳衆院議員が大阪入管に電話したことで解放されたという。
 カジワラさんは「署名活動に対する嫌がらせと、私の気持ちをくじく狙いがあると思った」と語った。
 嘆願署名は現在21万筆以上が集まり、米政府も正式に対応を検討することが決まっている。


「沖縄の人ないがしろ」 辺野古サイト署名発起人のロバート梶原さん 国連へ不服申し立て
 【東京】沖縄県名護市辺野古の新基地建設の工事停止を求め、米ホワイトハウスへの請願署名を呼び掛けた県系4世のアーティスト、ロバート梶原さんが20日、国会内で講演した。署名が21万人分集まったにもかかわらず、日米両政府は反応がないことを批判し、「ウチナーンチュがないがしろにされている」などとして国連人権理事会へ不服を申し立てたことを明らかにした。
 ロバートさんは沖縄の歴史を振り返った上で、基地が集中する背景には「ウチナーンチュに対する日本の長い民族的偏見がある」と指摘した。
 「不公平な日米地位協定を改定するべきだ」とし、地位協定が見直されない理由として沖縄に米軍施設が集中することで県外の人々に「Not In My Back Yard」(わが家の裏には御免)の心理があり「自分の問題でなければ構わない」と思われていることが一因だとした。その上で「こういう状況が続くなら、沖縄の人々は独立、または自治権の拡大を考えないといけなくなる」と述べ、新基地建設が続く状況に懸念を示した。
 講演に先立つ国会議員との懇談会でロバートさんは、24日投開票の県民投票について「終わりではなく始まりだ。沖縄の歴史、文化、言語を再認識するルネサンスだ」と意義を語った。
 英ロックバンド、クイーン(Queen)のギタリストで天文学者のブライアン・メイさんは「あなたたちの仕事は成功しなければならない」とメッセージを寄せ、音楽家の坂本龍一さんは「国の政策として過重な基地負担を沖縄に押し付けるのはおかしい」とビデオメッセージで訴えた。


辺野古反対派の撮影は違法の可能性 「活動での挑発を記録」警備会社の計画書に
 防衛省沖縄防衛局が発注した海上警備を巡り、米軍普天間飛行場の辺野古移設に反対する市民らの顔写真付きリストを作っていた警備会社が、警備計画書にカメラ撮影の目的を「反対活動での挑発を記録」などと記載していたことが判明した。個人の写真撮影に関しては、犯罪捜査で緊急性がある場合に本人の同意がなくても許容されるとの司法判断が示されており、専門家は国の委託業務に違法性があった可能性を指摘。計画書は防衛局に提出されたとされ、政府の説明責任が問われるのは必至だ。
 毎日新聞は警備会社「ライジングサンセキュリティーサービス」(東京都渋谷区)が2014年8月〜15年6月に作成した警備計画書を入手した。「海上警備の記録管理」の項目には「海上警備の撮影目的」として「反対・妨害活動での挑発、陽動や加害演出を記録し、警備に不法・不正・不良行為がないことを立証する。(反対活動者によるデッチ上げ行為に対する対抗手段)」と記載。「撮影の要領」に、船にデジタルカメラを備えることなど手順の詳細が記されている。
 警備業務は当時、沖縄県名護市辺野古沖の桟橋などの仮設工事を受注した大成建設(新宿区)がライジング社に委託していた。入札の仕様書などによると、警備計画書は同社が作成し、大成建設側が沖縄防衛局に提出。計画書は防衛局の承諾を得るとされている。毎日新聞の情報開示請求に対し、防衛局は昨年12月、「警備の適正な遂行に支障を及ぼすおそれ」を理由に、警備計画書の具体的な記載内容を不開示としていた。
 最高裁は1969年、プライバシー保護の観点から、犯罪捜査で警察官が本人の同意なく個人を撮影できる許容限度を「犯罪が行われもしくは行われた後間がないと認められる場合で、証拠保全の必要性及び緊急性がある」ケースと判示。個人情報保護の問題に詳しい清水勉弁護士はこの判例を踏まえ、「反対活動は市民の自由な政治活動であって犯罪ではない。警備会社による無断撮影は肖像権侵害の恐れがある。沖縄防衛局はその恐れを見落としていた可能性が高い」と指摘している。【松浦吉剛】
ライジング社「大成建設に提出の計画書」
 ライジング社は撮影の目的や要領の記載内容について「弊社が警備業務委託契約に基づき大成建設に提出した警備計画書」と認めた上で「防衛局に提出された計画の内容については認知しておりません」と答えた。大成建設は「個別工事の詳細に関する内容につきましては、本件に限らず、お答えしておりません。なお当社からライジング社にリストを作成する指示などは出しておらず、受領もしておりません」と回答した。
 一方、政府は2016年8月、「『市民の写真撮影や氏名・顔写真のリスト作成、個人情報の収集、政府への報告』を政府として指示した事実はない」との答弁書を閣議決定している。


内閣記者会への申し入れ文書 きっかけは「辺野古」 官房長官会見で検証特集
 【東京】総理大臣官邸の上村秀紀報道室長名で昨年12月28日に内閣記者会に対して出された申し入れ文書は、同26日に東京新聞の望月衣塑子記者が菅義偉官房長官の会見で聞いた質問がきっかけだった。米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設に関する内容だ。
 記者が辺野古の工事現場で赤土が広がっているとした上で「沖縄防衛局が実態を把握できていない」とただした部分に触れ「防衛局は、埋め立て工事前に埋め立て材が仕様書通りの材料であることを確認した」とした。「琉球セメントが県の調査を拒否した」という記者の質問には「同社は県による立ち入り調査を受けている」とし「これらは明らかに事実に反する」と強調した。
 また「赤土が広がっている」の部分についても「現場では埋め立て区域外の水域への汚濁防止措置を講じた上で工事を行っており、あたかも現場で赤土による汚濁が広がっているかのような表現は適切ではない」との見解を示した。
 長官会見は生中継されているとし「正確でない質問に起因するやりとりが行われる場合、内外の幅広い層の視聴者に誤った事実認識を拡散させることになりかねない」とした。記者の質問を「問題行為」とした上で「広報室として深刻なものと捉えており、貴記者会に対してこのような問題意識の共有をお願いする」と求めた。その上で今回の申し入れは「記者の質問の権利に何らかの条件や制限を設けること等を意図したものではない」とした。官邸報道室は本紙の取材に「過去に何度もやりとりがあった中での文章だ」とし「沖縄だから出したものではない」とした。


東京新聞記者への質問制限の実態 1分半の質疑で7回遮る
 官房長官会見では東京新聞の望月衣塑子記者の質問の途中で、司会の報道室長から「質問をお願いします」などと言葉を挟んで早く質問を終わらせようと促す場面が続いている。東京新聞は今年1月22日、長谷川栄一内閣広報官宛てで、同月18日の辺野古新基地建設を巡る県民投票に関する二つの質問で計8回せかされたと伝え「催促は最小限にしてほしい」と要請したが状況は変わっていない。
 報道室長の質問途中の促しは、本紙記者にも「簡潔にお願いします」などと指摘することがある。
 東京新聞によると、安倍晋三首相のサンゴ移植を巡る発言に関す質問では、質問が始まってわずか数秒で「質問は簡潔に」と催促が始まり、1分半の質疑の中で質問を7回遮られた。
 実際の会見では、望月記者の質問に対し、菅官房長官が正面から答える機会は少なく、「国会で答弁している通りです」「これまでも何度も答えた通りです」などとあしらったように答える場面が目立っている。
 関係者によると望月記者の質問は、他の記者の質問が終わった最後のタイミングというのが官邸の記者間の“暗黙の了解”という。報道室長が望月記者の質問で「次の質問、最後でお願いします」と打ち切りを宣言するのが慣例のようになっている。


記者質問制限 何度も 官房長官会見で検証特集 東京新聞の編集局長「知る権利応える」
 【東京】東京新聞は20日付で、官房長官会見で官邸側から繰り返される同社記者への質問制限や、「質問に事実誤認があった」などとする内閣記者会への申し入れなどに対し内容を検証する1ページの特集記事を掲載した。同社社会部の望月衣塑子記者の質問について内閣記者会への文書以外に官邸から東京新聞に9回の質問に対して申し入れがあり、そのやりとりも明らかにした。1分半の質疑中に7回遮られるなど、望月記者への質問制限が他社の記者にはなく「狙い撃ちは明白」と指摘した。
 臼田信行編集局長は「会見は国民のためにある」とする文書を掲載し「私たちはこれまで同様、可能な限り事実に基づいて質問と取材を続けていく」と宣言した。
 望月記者への質問制限を巡っては、新聞労連が抗議声明を出したほか、新聞労連や民放労連、出版労連などでつくる日本マスコミ文化情報労組会議、弁護士やジャーナリスト300人超が緊急声明を出すなど官邸の申し入れ文書の撤回を求める動きが広がっている。
 首相官邸の上村秀紀報道室長名で昨年12月28日、官邸の記者クラブ・内閣記者会に対し、菅義偉官房長官会見での東京新聞の特定記者による辺野古新基地建設に関する質問で「事実誤認」があったとする文書が出された。東京新聞によると、同日付で長谷川栄一内閣広報官から臼田局長宛ての抗議文も送られた。
 特集では、官邸の文書が辺野古新基地建設の工事で「赤土が広がっている」とした質問が「表現が適切でない」と指摘していることなどについて、県と沖縄防衛局のやりとりを詳細に紹介しながら「官邸側の『事実誤認』との指摘は当たらない」と説明した。
 東京新聞によると、内閣記者会宛ての文書以外にも2017年9月から今年1月にかけて、辺野古移設問題や加計学園・森友学園問題など9回の質問に対して官邸側から申し入れがあり、追加の疑義照会も含めると計14回の質問や要求が東京新聞にあった。
 臼田編集局長は見解の中で「権力が認めた『事実』。それに基づく質問でなければ受け付けないというのなら、既に取材規制だ。記者会見は民主主義の根幹である国民の『知る権利』に応えるための重要な機会だ。だからこそ、権力が記者の質問を妨げたり規制したりすることなどあってはならない」と指摘した。


<時代の正体>質問制限 削られた記事「8行」 忖度による自壊の構図
【時代の正体取材班=田崎 基】
18日夜、わずかな異変が起きていた。新聞各紙の締め切り時間がじわじわと迫る午後9時57分、共同通信が、加盟各紙に配信した記事の一部を削除すると通知してきた。
 「官邸要請、質問制限狙いか 『知る権利狭める』抗議」と題する大型サイド。官房長官記者会見での東京新聞記者による質問について、首相官邸が「事実誤認」だと断定し質問制限とも取れる要請文を内閣記者会に出したことについて、問題点を指摘する記事だった。
 要請文が出された経緯や、その後に報道関連団体から出された抗議声明、識者の見解などを紹介する記事の終盤に差し掛かる段落のこの記述が削除された。
 〈メディア側はどう受け止めたのか。官邸記者クラブのある全国紙記者は「望月さん(東京新聞記者)が知る権利を行使すれば、クラブ側の知る権利が阻害される。官邸側が機嫌を損ね、取材に応じる機会が減っている」と困惑する〉
 午後4時13分に一度配信された記事は、5時間44分後に、この8行が削除されて配信され直した。
 共同通信による「編注」(編集注意)には削除理由としてこう記されていた。
 〈全国紙記者の発言が官邸記者クラブの意見を代表していると誤読されないための削除です〉
癒着
 共同通信は、本紙を含め全国の地方紙や全国紙、海外メディアなどに記事を配信する国内最大級のニュース通信社で、世界41都市に支社総支局を置く。NHKを含め加盟新聞社は56、契約民間放送局は110に上る。
 24時間体制で速報を配信し続けているため、記事の配信後に内容が随時差し替わっていくケースは少なくない。分量が増えたり、無駄な記述が短縮されたり、事実関係について随時削除、追加されたりすることもある。
 だが今回は違った。事実とは無関係の、それも記事の核心部を無きものにしたと、私は思う。
 顛末(てんまつ)を知る共同通信の関係者によると、記事の配信後、内容を見た加盟社から電話が入り、記者クラブと官邸が癒着していると思われる恐れがあると指摘を受けた。
 子細な経緯や指摘を入れた加盟社の思惑は知り得ないが、共同通信は8行を削って配信し直した。
 削除について共同通信は「編集活動のプロセスに関する詳細については回答を控えさせていただきます」としている。
倒錯
 「全国紙記者」による論理を私も耳にしたことがある。東京新聞の記者が「知る権利」を行使すると、クラブ側の「知る権利」が阻害される、という理屈だ。記者会見という限られた時間の中で、特定の記者が質問を重ねると、別の記者の質問時間が奪われる、という趣旨だが、この際通用しない。
 なぜなら「官房長官会見」の主催は官邸記者クラブ側であり、本来会見を主導すべきは記者クラブ側であって、質問は可能な限りなされるべきであるし、官房長官も時間の許す限り応答することが求められる。
 さらに、誰かが権利を行使しようとしたとき、それによって自分の権利が毀損(きそん)されるというのは、倒錯の思考であって根本的に間違っている。
 記者の「質問する権利」を守るのは他ならぬ記者たちであって、それは質問し続けることで守っていく必要がある。
 権利はつまり「誰かが行使しようとする」ことによって、自らの権利もまた同時に守られていくという関係にある。
 削られたコメントには「官邸側が機嫌を損ね、取材に応じる機会が減っている」ともある。記者クラブが官邸におもねり、機嫌を取ることで「取材させてもらっている構図」をうかがわせる極めて重要な発言だ。
 一方で、別の全国紙の政治部記者は削除されたコメントについて、「そうした考えの記者の気持ちも分かる。だがそれは問題の本質を見誤っている」と指摘する。
 「今回の質問制限は、日々の取材のしやすさなどという低次の問題ではない。報道が権力とどう向き合うのかという高次の問題。これが本質であって『権力による質問制限は到底許されない』という点で、記者クラブはぶれてはならない」と話す。
腐心
 共同通信は削除した理由を「官邸記者クラブの意見を代表していると誤読されないため」としている。ただ、コメントのような考えを持つ記者が記者クラブにいることも事実だ。
 そもそも記事には常に誤読の恐れが付きまとうのであって、それを避けるために入念な取材に取り組み、書きぶりに細心の注意を払う。だが同時に、誤読の恐れを逐一つまみ取ることに腐心していては、論を興すという職責を果たすことはできない。
 特に今回の記事は、権力と報道という緊張関係について指摘する内容であり、かつその核心部が削られた。誤読を避けるためには、活字を削除するのではなく、論理の再構成や書きぶりの修正、再取材による補強によってなされるべきであった。
 東京新聞は20日、朝刊1ページを全て使い「官邸側の本紙記者質問制限と申し入れ」と題して「検証と見解」を発表した。
 質問制限の異常性が明らかにされている。
 東京新聞記者による質問の際、官邸報道室の上村秀紀室長が「質問は簡潔に」「質問に移ってください」と数秒置きにマイクを通じて言い、わずか1分半の質問時間の中で計7回も遮ったケースもあったという。この妨害は2017年秋から始まり常態化しているという。こうした様子は官邸のホームページで公開されている動画でも異常性を確認できる。
職責
 官邸は東京新聞記者による質問が「事実誤認」だとし「度重なる問題行為」として内閣記者会に「問題意識の共有」を求める文書を18年12月に出した。官邸側は17年秋以降、東京新聞の編集局長に対し「事実に基づかない質問は厳に慎んでほしい」とする文書を9回にわたり申し入れていたという。
 会見の場で質問を遮る妨害、さらには記者クラブに対し要請文をもってかける圧力。権力者によってこれほどあからさまに私たちの報道の自由が抑圧されたことが戦後あっただろうか。
 「権力は常に暴走し、自由や権利を蹂躙(じゅうりん)する」という歴史的経験を忘れてはならない。
 次なる闇は、その片棒を報道の側が担ぎ始めるという忖度(そんたく)による自壊の構図だ。その象徴は、削られた8行に込められていた。
 圧倒的多数を擁する権力者の振る舞いによって、この国の底が抜けそうになっていると感じる。表現の自由を弾圧し、批判をよそに次々と法案を強行採決する。閣僚が不祥事の責任を取らず、まともな説明すらしない。
 こうした政治の惨状をしかし私たちは初めて経験するわけではない。先の大戦、到底勝ち目のない戦争へと突き進んだとき、国家の底は抜け、破滅の危機を認識したときには既にその暴走を誰も止めることはできなかった。
 自由と権利を持ちこたえさせることができるのは、その行使と、健全な民主主義と、それを支える知る権利の他にない。報道はその一端を担っているという職責を忘れてはならない。


ノーベル平和賞推薦 へつらうだけでは駄目だ
 安倍晋三首相がトランプ米大統領をノーベル平和賞に推薦したことが明らかになった。昨年6月の米朝首脳会談の後、米国政府から頼まれてノーベル賞委員会関係者に書簡を送ったという。
 トランプ氏が15日の記者会見で暴露しなければ、こんなに早く推薦の事実が明るみに出ることはなかった。安倍首相にとっては誤算だったはずだ。こうなった以上、首相は推薦理由を含め、真摯(しんし)な態度で国民に説明すべきだ。
 トランプ政権はロシアとの中距離核戦力(INF)廃棄条約の破棄を発表し、新たな軍拡競争に陥りかねない状況をつくり出した。史上初の米朝首脳会談にこぎ着けた点は評価できるが、北朝鮮の非核化のめどは立っていない。
 何よりも問題なのはトランプ氏の基本姿勢である「米国第一主義」だ。自国の利益を最優先し、世界の平和どころか、国内外に分断の種をまき散らしている。
 ノーベル平和賞は国際的な平和活動や軍縮、貧困、環境問題などに取り組み、人類の平和に貢献した人物・団体に授与される。賞の趣旨に照らしても、トランプ氏がふさわしいとは思えない。
 米政府に求められたからといって唯々諾々として推薦していいのか。安倍首相だけでなく、日本人全体の見識が疑われかねない。
 米紙ワシントン・ポストの著名記者ボブ・ウッドワード氏の著書「恐怖の男」(日本経済新聞出版社)によると、国防長官だったマティス氏は、在韓米軍の重要性を軽視するトランプ氏について、まるで小学5、6年生のようにふるまい、理解力もその程度しかない―と側近に嘆いたという。
 そんな気質のトランプ氏だ。ノーベル平和賞に推薦すれば喜ぶだろうし、逆に推薦を断れば日米関係に悪影響を及ぼしかねない―といった打算が働いたのではないか。
 米国から大量の武器を購入するのも、同じような背景があるのだろう。トランプ氏にとっては、日本ほど御しやすい国はあるまい。
 改めて浮き彫りにされたのは、米国の機嫌を取るためなら、できることは何でもやってのける安倍政権の卑屈な体質だ。
 米国に媚(こ)びを売る一方で、沖縄に対しては民意を無視して名護市辺野古への新基地建設を強行している。
 強い者には徹底してへつらい、弱い者にはかさにかかって高飛車な態度に出る。時代劇に登場する悪代官をほうふつとさせる。
 日本と同じように米軍が駐留するドイツ、イタリアに比べて著しく不利な内容の日米地位協定は手つかずのままになっている。米国のたいこ持ちを続けている限り、いつまでたっても見直しを提起することはできない。
 弱者に厳しく、強者に迎合する体質を根本から改める必要がある。へつらうだけでは見くびられるばかりだ。


ノーベル賞推薦  ご機嫌取りが目に余る
 露骨なご機嫌取りというほかない。
 トランプ米大統領が、安倍晋三首相からノーベル平和賞の受賞候補に推薦されていたことを明らかにした。首相は否定せず、日本政府筋が事実関係を認めた。
 「米国第一」を唱え、国際協調に背を向ける言動が国際社会の批判を浴びていることを承知の上での判断だったのだろうか。日本の首相としての姿勢が問われよう。
 トランプ氏は記者会見で、安倍首相から平和賞に推薦した「最も美しい手紙」のコピーをもらったと語った。首相から「日本を代表して敬意を表し、あなたにノーベル平和賞が与えられるよう求めている」と伝えられたという。
 安倍首相は昨年6月の米朝首脳会談後、米政府から依頼され、ノーベル賞委員会へ推薦書簡を送付したようだ。推薦理由は、北朝鮮の非核化に向けた取り組みを評価したとみられる。
 トランプ氏が歴史的な米朝会談を実現させた点は評価できる。ところが朝鮮半島の非核化を巡る双方の認識に開きがあり、完全非核化への道筋は描けていない。
 トランプ氏は地球温暖化防止の枠組み「パリ協定」離脱を表明し、イラン核合意から撤退、中距離核戦力(INF)廃棄条約の破棄も通告するなど、その政治姿勢に国際的な批判は強い。ノーベル平和賞に値するのか疑問である。
 日米関係の重視は理解できる。平和賞受賞を望むトランプ氏の思いをくみ、したたかに「貸し」をつくるのも外交手段と割り切るべきとの指摘もある。とはいえ米国にこび、へつらう姿勢が国際社会にどう映るのか。トランプ氏の機嫌を損ねれば、日本は米国という「後ろ盾」を失いかねないとの不安感が透けるだけに情けない。
 安倍首相は、まさか推薦が表沙汰になるとは考えていなかったに違いない。ノーベル賞委員会が50年間、推薦者と被推薦者を公表しない方針を口実に「コメントは控えたい」と明言を避けた。だが「日本を代表」して推薦したのなら、トランプ氏をどう評価して推薦したのか、国民に説明すべきだ。
 2回目の米朝首脳会談が27、28両日にベトナムで開催される。核ミサイル問題も拉致問題も何ら解決していない。結果を出したいトランプ氏が中途半端に「取引」し、北朝鮮の核が温存されるような事態は避けねばならない。
 日本は対米追従に腐心するだけでなく、安易な妥協は許されないと、くぎを刺す必要がある。


首相の外交姿勢 トランプ氏へのお追従 目に余る
 安倍政権の外交姿勢に不安が拭えない。
 トランプ米大統領が、安倍晋三首相からノーベル平和賞に推薦されたと明らかにした。日本政府関係者も米側の求めに応じて推薦したと認めた。北朝鮮の非核化に向けた米朝首脳会談の実現が推薦理由という。
 会談の成果はまだ見えていない。8カ月たった今も拉致や核ミサイル問題は、解決の糸口さえつかめていない。それどころか、地球温暖化防止対策のパリ協定からの離脱や、中距離核戦力(INF)廃棄条約の破棄通告、メキシコ国境の壁建設…。国際的な枠組みを壊して、核軍縮に背を向け、世界を分断するトランプ氏の「米国第一」政策は平和に逆行している。それらの深刻な現状に目を向けず、トランプ氏におもねる行為は容認できない。国際社会での日本の評価もおとしめかねず、強く異を唱える。
 集中審議で、安倍首相はノーベル賞委員会が50年間、推薦者を公表しないことを理由に事実関係の明言を避けた。しかし委員会は推薦者側に非公表とするよう求めていない。トランプ氏は首相から「日本を代表して」推薦すると伝えられたという。全く納得できない。首相は国民に経緯を説明すべきだ。
 昨年6月の米朝会談以降、北朝鮮がミサイル発射を自制するなど、半島情勢の緊張が緩和しているのは確かだ。だが、会談合意の内容は曖昧で、日本を射程に収める中距離弾道ミサイルや核兵器の廃棄など肝心な項目は盛り込まれていない。トランプ氏は「日本国民は安心を感じている。わたしのおかげだ」と誇示するが、根拠の乏しい「安心」を成果とアピールする姿にむしろ不安が募る。
 「会談後も北朝鮮の脅威は変わらない」。国内向けにそう訴えてきたのは、他ならぬ安倍首相だ。それを理由に巨額を投じ地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の導入や、最新鋭ステルス戦闘機F35の大量購入を決めた。この上、平和賞の推薦まで断れないようでは国内外から「米国のいいなり」と映っても仕方があるまい。
 透けて見えるのはトランプ氏の機嫌を損なえば、日本は見放されかねないという安倍外交のもろさだ。韓国と中国が米朝交渉への関与を強める中、拉致問題を抱える日本は完全に立ち遅れている。だが、予測不能なトランプ氏頼みの外交は極めて危うい。ここにきて北朝鮮の非核化について「核実験がない限り急がない」とまで言いだしている。政府は米国への追従に偏ることなく、韓国や中国など多国間の連携強化に一層力を入れるべきだ。
 今月下旬に2度目の米朝首脳会談を控える。今度こそ北朝鮮の非核化が実現できる具体的な手順や措置を示さなければならない。安倍首相に求められるのはトランプ氏の機嫌を取るのではなく、安易な妥協をしないよう言うべきことを言う役割だ。


学校とスマホ 持ち込み禁止解く前に
 やむを得ない、では片付けられない。
 文部科学省が、小中学校への携帯電話やスマートフォンの持ち込みを原則禁止した現行の通知を見直す方針を示した。災害時の親子の連絡手段を確保するためという。
 携帯を持つ子どもの割合は増え、日常的にインターネットにふれている。教室でも情報通信機器が使われている。
 だからといって持ち込みを解禁すれば、急増する子どもたちのネット依存、会員制交流サイト(SNS)を通じた犯罪被害やいじめを助長することにならないだろうか。家庭の経済事情で携帯を持てない子もいよう。
 文科省は2009年の通知で、小中学校への持ち込みを原則禁止すべきだとし、高校にも生徒の使用を制限するよう求めた。法的拘束力はなく、実際は学校ごとに規則を設けている。
 大阪府教育庁は先日、全国に先駆け、小中学校への持ち込み容認を決めた。昨年6月の府北部地震が登校時間に重なり、子どもと連絡を取れなかった保護者から改善を求める声が上がっていた。
 西日本豪雨に見舞われた広島県の教育委員会は、高校での解禁を検討する。共働きの世帯が多く、長野県を含む各地の保護者からも同様の訴えが聞かれる。
 解禁しても、携帯を持たない、持てない子が出てくる。通信不能の事態も考えられる。安否確認は通学路の住民にも協力を求め、学校と保護者で複数の手だてを講じておきたい。
 府教育庁は、使用を登下校時の緊急時に限り、校内ではかばんに入れて操作しない―といった条件を付けている。遊ぶな、と言う方に無理があろう。
 厚労省は昨年8月、病的なネット依存が疑われる中高生が、全体の7人に1人に当たる93万人に上ったとの推計を公表、教育関係者に衝撃が走った。5年前に比べ倍近くに急増した。
 国の無策ぶりを物語る。ゲームやSNSを使い過ぎる依存症は近年、児童や園児にも広がっているとの分析もある。
 学校への持ち込みを解く前に、教室でこそネットの利便性と同時に、危険性や適切な使い方を、外部機関の力も借りて子どもたちに伝えなければならない。
 文科省は現場の意見を聞き、慎重に検討するとしている。結論を待つことはない。学校ごとに、教員と保護者、児童や生徒も交えつつ、生活を取り巻くネット環境について話し合いを進めたい。


安倍首相は「自己愛型」か 9年前の動画“炎上”で識者が分析
「安倍晋三という人物の本質を表している」――。こうネット上で話題となっている動画がある。首相に返り咲く前、2010年のバラエティー番組でのひとコマだ。お笑い芸人「爆笑問題」と改憲やイラク戦争について激論を交わしているのだが、口から出てきたのは、耳を疑う言葉のオンパレードだった。
 話題の動画は、日本テレビ系のトークバラエティー番組「太田光の私が総理大臣になったら…秘書田中。」の最終回(10年8月27日)。ツイッターの投稿をキッカケに大拡散し、2万回以上リツイートされている。
 9年も昔の動画が今になって拡散している理由は、一国の首相としていかに“危険”かを表している内容だからだ。
 安倍首相は爆笑問題とのトークで、日本がイラク戦争を支持したことについて「間違っていなかった」「(イラクで)大量破壊兵器が見つからなかったことは残念」などと言い放った後、問題発言を連発。爆笑問題の太田光が「間違った判断で死ななくてもいい人がボコボコ死んでいったことに関して、どう思いますか?」と投げかけると、次のように居直った。
<安倍「大変残念なことですけれどもですね……」
太田「残念???」
安倍「でも、あの時にね、実際に(大量破壊兵器が)あったかもしれないんですよ」
太田「なかったんですよ」
安倍「なかったけど、しかし……」
太田「(大量破壊兵器がある)可能性だけでそれ(戦争を)やっていいんですか?」
安倍「そりゃそうですよ」
太田「可能性だけで根拠もなく、人相が危ないからといって撃ち殺していいんですか?」
安倍「苦しい判断がありますよ。時にはね」>
 このやりとりの直後、太田が「苦しいのは死ぬ方ですよ」と反論したが、まったくその通りである。
 仮にも一国の首相が、40万人以上が犠牲となったとされるイラク戦争について、「残念」のひと言で片付け、根拠のない戦争を肯定しているのだから、どうかしている。一体、頭の中はどうなっているのか。
■政治家として危うい自己愛型の性格
 臨床心理士の矢幡洋氏がこう言う。
「安倍さんの発言には、典型的な自己愛性パーソナリティーの特徴が表れています。特徴として、他人に対する共感がない、自分の非を認めようとしない、などが挙げられます。負けず嫌いなので、自身の主張の論理が矛盾していても反論が先に出てきてしまう。プライドが高いため謝ろうとしないのも特徴です」
 ネット上では、「サイコパスでは?」との声も上がっている。
「サイコパスとは少し違います。サイコパスは、自分に得になると考えたら、相手より自分を低く見せたり、卑屈になったりします。しかし、自己愛型の人は、屈辱的な姿を見せたくない。自分が一番で、強く、カッコいいと思っているのです。自己愛型の人は政治家として、危うい。折れるべきところで折れないので、結局、周りにイエスマンしか残らなくなりますから」(矢幡洋氏)
 安倍首相は「汚染水はアンダーコントロール」「辺野古のサンゴは移した」などと、ウソも平気でついている。根拠のない戦争を肯定するウソつき人間が権力を握っているということだ。


デスク日誌 写真の力
 米国の写真家ユージン・スミスの「入浴する智子と母」に出合ったのは、子どもの頃に行った石巻市の診療所の待合室だった。
 お風呂に入っている母と子。水俣病に侵されて生まれてきた子を、母が優しく抱いて湯船に入れている。
 母親は撮影をなかなか許可しなかったが、写真家の熱意に承諾したという。悩みながら撮ったのか、それとも2人の姿に圧倒されたのか、数回シャッターを押しただけだったらしい。
 太平洋戦争の従軍カメラマンだったユージン・スミスは、沖縄戦で大けがを負う。命を取り留めてから、そのまなざしは名も無い人たちの暮らしに向かう。妻と共に水俣に3年間住み、水銀中毒に苦しむ人々がいることを世界に訴えた。
 晩年のインタビューで彼は「写真は…その世界を現実として受け止めるためにある」(『ユージン・スミス楽園へのあゆみ』)と話している。今も昔もそれこそが写真の力の源。
 診療所ではよくお尻に注射をされた。針を刺す時より薬を入れる時の方が痛かった気もする。遠い日の水俣の写真とお尻の痛さが、不思議なセットになって今も頭の中に潜んでいる。 (写真部次長 及川圭一)


原発賠償判決  国の責任認める流れだ
 福島第1原発事故に対する国、東京電力の責任は、司法判断として定着する流れだ。
 福島県から神奈川県に避難した住民らが起こした訴訟で横浜地裁は、国と東電に損害賠償を命じる判決を言い渡した。
 全国の同種訴訟約30件のうち8件目の判決で、国の責任を認めたのは、京都訴訟を含めて5件になる。
 事故につながる巨大津波を予測できなかったという国の主張は、判決で退けられ、こうした抗弁はもはや通用しない。対策を怠った責任を、国や東電は逃げずに受け止めるべきだ。
 原告はふるさとと生活基盤を奪われ、避難を強いられ、遠く神奈川で暮らしていることを、忘れてはいけない。
 原告が置かれた過酷な状況からいえば、国の責任を認めたとはいえ、賠償を命じた金額は原告の思いに十分応えたとはいえまい。
 勝訴の喜びの中でも、「賠償額は喜べない」「失ったものを過小評価している」と原告から不満の声が聞かれた。
 原告175人が求めた慰謝料など計約54億円に対して、賠償は152人に計約4億1900万円の支払いを命じたにとどまる。残念だが、これまでの訴訟でも、原告からみれば賠償額を低く抑えた判決が続いているのが現状だ。
 避難区域によって賠償範囲を定める国の「中間指針」が、避難者の現状に合っていないから、訴訟が相次いでいるといえよう。
 判決で、指針に基づく賠償が限度とは言えない、と賠償を上積みしたのは当然だ。
 指針では、放射性物質のリスクから避難を余儀なくされているのに、区域外からの「自主避難者」だと、慰謝料の対象にならない、あるいは低額に抑えられる。裁判に不当と訴えるしかないのだ。
 期待されての司法の判断だが、ふるさと喪失の損害を認めても低額の評価で、避難者の思いからは遠い。賠償の対象期間が短いとの指摘もある。
 事故から8年を迎えようとしているのに、これからも裁判が続く。来月には千葉、松山の地裁で判決がある。
 早急な救済をめざした中間指針では対応し切れない限界が、裁判で明らかになっている。東電とともに国の責任を認めた、これまでの判決を重く受け止め、国は指針の改定に動くべきだ。
 国は避難者と裁判で争うのではなく、生活支援するのが本来であるはずだ。


大阪都構想“クロス選”脅し不発 松井知事に市民ドッチラケ
 2015年に頓挫した「大阪都構想」の是非を問う2度目の住民投票の実施時期を巡り、大阪がスッタモンダしている。都構想に固執する松井府知事と吉村市長を擁する大阪維新の会と、補完勢力扱いされている公明党の対立が激化しているのだ。
 松井知事らは今秋の知事、市長ダブル選と同日実施を狙っているが、公明が“確約”を拒否。逆上した松井知事と吉村が統一地方選(4月7日)にブツける出直しダブル選をチラつかせた揚げ句、知事と市長を入れ替えるクロス選に踏み込んだことから、事態はこじれにこじれている。
 コトの発端は、昨年末の松井知事の暴露だった。大阪維新と公明が17年4月に住民投票実施の約束を交わした合意文書を一方的に公開。公明は態度を硬化させ、都構想の具体案を作成する府と市の法定協議会を空転させて対抗した。松井知事らは落としどころとして、▼都構想案を5月末までに法定協で可決▼都構想案を9月末までに府・市両議会で可決▼知事、市長ダブル選と住民投票の同日実施――の3点に同意し、文書に署名するよう求めたが、公明は拒んでいる。
■“バラ色の展望”をいまだ流布
 そもそも、「大阪都構想」自体が怪しい代物だ。大阪維新は「二重行政の解消でムダをなくす」「大阪を副首都にする」などとバラ色の展望を喧伝するが、「大阪府」が「大阪都」になるわけではない。市は特別区に再編され、府に自治権を召し上げられることになる。そんな都構想をゴリ押しするため、クロス選を視野に入れるとは、よほどうまみがあるのか。松井知事は、手下のメドベージェフ首相とのたすき掛けでロシアを四半世紀も牛耳ろうとするプーチン大統領さながらである。大阪市在住ジャーナリストの吉富有治氏が言う。
「シビレを切らした松井知事が、あの手この手で公明に揺さぶりをかけていますが、チキンレースの様相です。大阪市民の関心もイマイチ。〈またやるん?〉〈終わったんちゃうの?〉と4年前の熱はすっかり冷めている。松井知事が大型選挙との抱き合わせにこだわるのは、住民投票の単独では低投票率が避けられないからです。その上、政策への賛否を問う出直し選とは次元の異なるクロス選に打って出たら、市民感情はシラケ切るのではないか」
 ヘタをすれば、首長のイスをダブルで失う展開もあり得る。
「松井知事は先週、親しい菅官房長官に面会し、公明との仲介を求めたと聞きます。創価学会幹部を通じて譲歩を引き出そうとの算段ですが、芳しい感触は得られなかったようです。要するに、振り上げた拳を下ろすタイミングを見失っているのでしょう」(府議会関係者)
 脅しハッタリ上等のチンピラ政治家に振り回されたままでは、大阪の未来は暗い。


部下のミス…責任者は首相だ
★自民党大会という身内の会合で「あの悪夢のような民主党政権」というのはいい。だがだめ押しするように予算委員会で言うのは言論の自由などではなく首相としての品格が問われる。首相・安倍晋三の品格だけを問えば、自民党支持者としても、いささかなりとも首相に疑問符を付けざるを得ないだろう。★公文書改ざん、信じているだけなのか勘違いが続いているのか、繰り返されるウソと虚偽答弁。森友・加計学園疑惑に連なる政治の私物化とお友達優遇人事、アベノミクスの失敗とそれを認めない対応、格差の拡大と先進国とは思えぬ賃金の低さ、国民の税金を吸い上げ、その使い道は自由とばかり海外にばらまくものの、一向に成果が上がらない外交。首相を支持する理由に他に人材がいないからという答えがあるそうだが、体調を崩し再チャレンジするときにも首相は適格者としてカウントされているわけではなかった。つまり首相のファンが支持しているものの、その支持者が内閣の行状に目をつぶっている現実がある。★首相は野党の「恣意(しい)的な統計の操作を官邸主導でやったのではないか」との問いに「何ら指示をしていない」とし「私は当時の秘書官から(厚労省の)検討会に関する報告を受けてもいないし、私からは何ら指示をしていない」と答弁したのち、調査方法の見直しについて「統計的観点から行われた」と首相官邸や自らの関与を否定した。無論、首相の直接の指示でもなければ首相周辺がご機嫌を取るために勝手にやったのかもしれない。またはすべてが偶然ですべての統計のミスが、たまたまアベノミクスの経済効果を示すような数値に入れ替わってしまったのかもしれない。だが、それでも首相は関与していないから「知らない」とか「関係ない」とは言えないのだ。公文書の改ざんが首相のあずかり知らないところで行われても、統計の調査方法がずさんなのは首相の知らないところで行われていたとしても、その責任者は政府・国家の責任者の首相なのだ。部下のミスの責任を取るのが首相の仕事なのだ。それが嫌なら首相を辞めるか、無能な役人しかいない国家にしたことを憂うしかない。責任者は首相、あなただ。

加計学園獣医学部の「四国枠」合格者がたった1名! 安倍首相は「四国の獣医師不足解消のため」と言い張っていたのに
 安倍首相の右腕たる首相秘書官が官僚に圧力をかけ、不正を押し進める──。国会で追及がつづく統計不正問題だが、安倍首相が秘書官に“一本釣り”した中江元哉首相秘書官(当時。現在は財務省関税局長)の関与があきらかになり、加計学園問題のことを思い出している人も多いだろう。
“腹心の友”が計画に「いいね」と安倍首相が太鼓判を押し、柳瀬唯夫氏や和泉洋人氏といった首相秘書官や首相補佐官らの暗躍により国家戦略特区で52年ぶりとなる獣医学部新設が決定──。しかし、加計問題は、「総理のご意向」「首相案件」と書かれた決定的な証拠が出てきたのに、安倍首相が不正を認めず、マスコミは途中で疑惑追及を放棄。いまでは国民にもすっかり忘れ去られた話題となってしまった。
 だが、国民が忘れている間に、その加計学園がなんともデタラメなことになっているらしい。「深刻な四国の獣医師不足を解消するため」という大義名分で新設されたはずの岡山理科大学獣医学部で、四国で獣医師になることを希望する「四国枠」合格者がたった1名しかいなかったことがわかったのだ。
「四国枠」とは、岡山理科大学獣医学部獣医学科に設けられている「四国枠入試特待生制度」のことで、〈卒業後、四国四県で「獣医師」として働くことを希望する学業成績優秀な方を対象〉にしたもの(岡山理科大学「四国枠入試特待生ガイド」より)。〈1年次から卒業年次までの最大6年間、年間100万円の授業料の支払いを猶予する形で、修学を支援する〉制度だ。募集人数は「特別推薦入試/四国入学枠選抜」で「16名以内」、「センター試験利用入試CI【四国入学枠】」で「4名以内」、合計20名以内となっている。
 しかし、岡山理科大学のHPをみると、第二期生募集の2019年度の入試において、この「四国枠入試特待生」として合格したのは、「センター試験利用入試」枠では「該当なし」。「特別推薦入試」のほうも、たったの1名だけだったのだ。
 にわかには信じ難いので、HPを何度もチェックしてみたが、やはりこの1名以外に、「四国枠入試特待生」合格の記録は掲載されていなかった。
 ここでよく思い出してほしい。安倍首相は国家戦略特区によって規制緩和することの正当性として、深刻な四国の獣医師不足を解消するためだとし、こう説明していた。
「(獣医学部が)四国にないのは事実であります。鳥インフルエンザあるいは口蹄疫等の問題が発生したときに、これは当然、獣医師不足であるのは明らかであります。そうした拠点をしっかりとつくっていく。(中略)そういうことにおいて特区諮問会議で決定をされたと」
「産業獣医が不足している、あるいは獣医公務員が不足している、獣医師が地域に偏在をしているというなかにおいて、四国に一校もないというのはどう考えてもおかしいわけであります」(6月5日衆院決算行政監視委員会での答弁)
 しかも、安倍首相が“最重要証人”としてきた加戸守行・前愛媛県知事も、国会でこう強調していた。
「四国での単独の獣医学部になりますものですから、四国枠という四国出身者の入学枠を設けて、そこで奨学金の減免をおこないながら、公務員獣医師、産業動物獣医師への誘導を図る」(7月10日文教科学委員会、内閣委員会連合審査会)
こんなデタラメな実態にもかかわらず2年目に10億円の補助金が
 実際に加計学園が設けている「四国枠」特待生制度の学費支払い免除要件は、加戸前知事の話とは違い、獣医師免許取得に加え「四国四県内で獣医師として勤務すること」「(四国四県内に)着任後、継続して5年間勤務すること」で、産業獣医師や公務員獣医師になることを縛るものではない。四国4県に5年間留まるのであればペット獣医師になることも可能だ。
 こんな条件で、安倍首相や加戸前知事が叫んできた「産業獣医師や公務員獣医師の不足を解消」のための策になるとは到底思えないが、しかし、これだけハードルを下げたにもかかわらず、蓋を開けてみればどうだ。この四国で働く獣医師を確保するための「四国枠」特待生制度が、まったく機能していないのである。
 じつは、この「四国枠」特待生制度は、開学した昨年度も応募者はたったの6名、合格者はわずか4名で、国会でもたびたび問題視されていた。それが、2年目となる2019年度入試で、まさか初年を下回るたったの1名とは……。
 だが、この結果は「とほほ」と言って済ませられる問題ではないだろう。
 安倍首相は昨年、岡山理科大獣医学部が「入試倍率は約20倍」と強調し、「獣医学部の新設は、結果を見れば、歪められた行政が正されたと評価されると考える」などと述べ、“加計ありき”で不当に優遇した事実をまったく関係のない入試状況でもって正当化した。しかし、肝心の「四国の獣医師不足を解消」するための「四国枠」特待生制度が機能していないということは、獣医学部新設を認めた「前提条件」そのものを揺るがす事態だ。
 そもそも、地方ではとくに確保に悩まされてきた公務員獣医師の問題は、「地方では獣医大学があっても増えるものではない」「まずは待遇の改善をおこなうことが先決だ」と指摘されつづけていた。そうした意見に対してまともに答えず開学を押し切った結果、こうした状況に陥っていることを、安倍首相はなんと説明するのか。
 いや、説明責任は加計学園側にもある。だいたい加計学園は、昨年10月におこなった記者会見で「愛媛県文書に書かれた安倍首相との面談は渡邉良人常務のつくり話」だという加計理事長の主張の裏付けとして、上田剛久事務局長は“出張記録などを調べた結果、お会いしたという事実はない”と説明。その際、記者から出張記録などの資料を提出してほしいと要望が寄せられ、上田事務局長は「後ほど対応させていただく」と答えた。しかし、いまだにこうした“証拠”は公開されていない。あまりに無責任というほかないが、今月14日、愛媛県は一般会計補正予算案で、加計学園関連として2年目の補助金である10億円1800万円を今治市に計上している。
 統計不正をはじめ、次から次に問題が明るみに出る安倍政権だが、加計問題は森友問題同様、何ひとつ疑惑が晴れていないどころか、膿が漏れつづけているのが現状だ。再度、繰り返したい。「政治の私物化」と「歪められた行政」の問題は、まだ何も終わっていないのである。


★ベネズエラ情勢に関する有識者の緊急声明 〜国際社会に主権と国際規範の尊重を求める
ベネズエラ情勢が緊迫している。現マドゥーロ政権に反発するグアイドー国会議長が1月23日街頭デモ中に「暫定大統領」に名乗りを上げ、米国とEU諸国がただちにこれを承認するという異常事態が発生した。米国政府は軍事介入も仄めかしてマドゥーロ大統領に退陣を迫っている。世界の主要メディアはこうした事態を、「独裁」に対抗する「野党勢力」、それによる二重権力状況といった構図で伝えている。
見かけはそうなっている。だが、すでに干渉によって進められた国内分裂を口実に、一国の政権の転覆が目論まれているということではないのか。米国が主張する「人道支援」は前世紀末のコソボ紛争以来、軍事介入の露払いとなってきた。イラクやその後のシリアへの軍事介入も、結局は中東の広範な地域を無秩序の混迷に陥れ、地域の人びとの生活基盤を根こそぎ奪うことになり、今日の「難民問題」の主要な原因ともなってきた。
「民主化」や「人道支援」やの名の下での主権侵害が、ベネズエラの社会的亀裂を助長し増幅している。それは明らかに国際法違反であり国連憲章にも背馳している。ベネズエラへの「支援」は同国の自立を支える方向でなされるべきである。
この状況には既視感がある。1973年9月のチリのクーデターである。「裏庭」たる南米に社会主義の浸透を許さないとする米国は、チリの軍部を使嗾してアジェンデ政権を転覆し、その後20年にわたってチリ社会をピノチェト将軍の暗黒支配のもとに置くことになった。米国はその強権下に市場開放論者たちを送り込み、チリ社会を改造して新自由主義経済圏に組み込んだのである。
ベネズエラでは1999年に積年の「親米」体制からの自立を目指すチャベス政権が成立した。チャベス大統領は、欧米の石油メジャーの統制下にあった石油資源を国民に役立てるべきものとして、その収益で貧民層の生活改善に着手、無料医療制度を作り、土地を収用して農地改革を進めるなど、民衆基盤の社会改革を推進した。その政策に富裕層や既得権層は反発し、米国は彼らの「自由」が奪われているとして、チャベスを「独裁」だと批判し、2002年には財界人を押し立てた軍のクーデターを演出した。だがこれは、「チャベスを返せ」と呼号して首都の街頭を埋めた大群衆の前に、わずか2日で失敗に終わった。それでもこのとき、欧米メディアは「反政府デモの弾圧」(後で捏造と分かった)を批判したのが思い起こされる。
ここ数年の石油価格の下落と、米国や英国が主導する経済封鎖措置や既得権層の妨害活動のため、ベネズエラでは経済社会的困難が深刻化している。マドゥーロ政権はその対策に苦慮し、政府批判や反政府暴力の激化を抑えるため、ときに「強権的」手法に訴えざるを得なくなっている。米国は制裁を重ねてこの状況に追い打ちをかけ、過激な野党勢力に肩入れし「支援」を口実に介入しようとしている。だが、国際社会を巻き込むこの「支援介入」の下に透けて見えるのは、南米に「反米」政権の存在を許さないという、モンロー主義以来の合州国の一貫した勢力圏意志である。
対立はベネズエラ国内にあるが、それを根底で規定する対立はベネズエラと米国の間にある。チャベス路線(ボリバル主義)と米国の経済支配との対立である。数々の干渉と軍事介入が焦点化されるのはそのためだ。それを「独裁に抗する市民」といった構図にして国際世論を誘導するのはこの間の米国の常套手段であり、とりわけフェイク・ニュースがまかり通る時代を体現するトランプ米大統領の下、南米でこの手法があからさまに使われている。そのスローガンは「アメリカ・ファースト」ではなかったか。国際社会、とりわけそこで情報提供するメディアは、安易な図式に従うことなく、何が起きているのかを歴史的な事情を踏まえて評価すべきだろう。さもなければ、いま再び世界の一角に不幸と荒廃を招き寄せることになるだろう。
わたしたちは、本声明をもって日本の市民と政府、とりわけメディア関係者に以下を呼びかける。
▼ベネズエラの事態を注視し、独立国の主権の尊重と内政不干渉という国際規範に則った対応を求める。
▼国際社会は、ベネズエラが対話によって国内分断を克服するための支援をすることを求める。
 (メキシコ、ウルグアイ、カリブ海諸国、アフリカ連合等の国々の仲介の姿勢を支持する)
▼ベネズエラの困難と分断を生み出している大国による経済封鎖・制裁の解除を求める。
▼メディア機関が大国の「語り」を検証しつつ事実に基づいた報道をすることを求める。
*呼びかけ人(26名)
伊高浩昭(ラテンアメリカ研究)
市田良彦(社会思想・神戸大学)
印鑰智哉(食・農アドバイザー)
岡部廣治(ラテンアメリカ現代史・元津田塾大学教授)
小倉英敬(ラテンアメリカ現代史・神奈川大学)
勝俣誠*(国際政治経済学・明治学院大学名誉教授)
清宮美稚子(『世界』前編集長)
黒沢惟昭(教育学・元東京学芸大学)
後藤政子(ラテンアメリカ現代史・神奈川大学名誉教授)
桜井均*(元NHKプロデューサー)
新藤通弘*(ラテンアメリカ研究)
高原孝生(国際政治学・明治学院大学教授)
田中靖宏(AALA:日本アジア・アフリカ・ラテンアメリカ連帯委員会代表理事)
中山智香子(経済思想、東京外国語大学)
中野真紀子(デモクラシー・ナウ・ジャパン)
西谷修*(思想史、立教大学)
乗松聡子(ピース・フィロゾフィーセンター)
松村真澄(ピースボート国際部・ラテンアメリカ担当)
武者小路公秀(元国連大学副総長)
臺 宏士(元毎日新聞・ジャーナリスト)
森広泰平(アジア記者クラブ代表委員)
八木啓代(ラテン歌手、作家、ジャーナリスト)
山田厚史(デモクラシー・タイムズ)
吉岡達也(ピースボート共同代表)
吉原功(社会学・明治学院大学名誉教授)
六本木栄二(在南米ジャーナリスト・メディアコーディネーター)
*近日中にホームページ「ベネズエラのための緊急声明2019」(for-venezuela-jp-strikingly.com)に声明を掲載し、賛同署名を募ります。
*スペイン語・英語版も用意し、世界に発信します。

法円坂で福島の写真展/暖かくて汗/スープ作り

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06

Japon: transgenre et mariée, l’insoluble équation
Un inextricable imbroglio administratif: c’est ce à quoi est confrontée Elin McCready depuis que cette Américaine transgenre, qui vit à Tokyo, tente de faire reconnaître son nouvel état civil au Japon, où le mariage homosexuel n’est pas autorisé.
Enregistrer son identité féminine sur sa carte de résidente permanente au Japon a d’abord semblé facile. Les fonctionnaires n’ont pas tiqué quand elle a présenté son nouveau passeport américain.
C’est après que les choses se sont gâtées, car les modifications apportées aux cartes de séjour doivent également être enregistrées auprès des autorités locales, en l’occurrence une mairie d’arrondissement de Tokyo.
Et là, problème: le fait de devenir femme avait aussi pour conséquence pour Elin de la faire devenir épouse d’une autre femme, celle avec laquelle elle s’était mariée il y a 19 ans.
Lorsque les responsables locaux se sont rendu compte du ≪ hic ≫, que Mme McCready était mariée à une autre Mme McCready, le processus a été interrompu. Un cas comme ça, la machine bureaucratique japonaise ne le prévoit pas et ne l’accepte pas, parce que c’est contraire à la loi qui n’autorise pas le mariage homosexuel.
≪ Nous sommes mariés depuis presque 20 ans déjà, notre mariage est dans les règles, il est légal. Mais c’est devenu un mariage entre deux personnes de même sexe et c’est donc un problème pour eux ≫, explique Elin McCready à l’AFP.
≪ Ils ont envoyé le dossier à la municipalité de Tokyo, laquelle n’a pas non plus voulu prendre de décision et l’a envoyé au gouvernement national. Notre cas est étudié en commission depuis plus de trois mois ≫, ajoute cette femme de 45 ans, professeure de linguistique à l’Université Aoyama Gakuin de Tokyo.
≪ Les options envisageables pour le gouvernement japonais à l’heure actuelle sont soit de dire: d’accord, nous permettons votre mariage, ce qui reviendrait à créer un précédent pour le mariage entre personnes de même sexe, soit dire: non, nous ne permettons pas votre mariage. Et dans ce cas, ils doivent annuler unilatéralement l’enregistrement de notre mariage sans notre consentement ≫, résume Elin. ≪ Il n’est pas certain non plus qu’ils aient même la possibilité légale de le faire ≫, précise-t-elle.
Combat pour les autres
Contacté par l’AFP, un responsable du registre des résidents étrangers du ministère des Affaires intérieures indique que ≪ les autorités continuent de discuter de ce cas, en sollicitant les ministères concernés ≫, mais sans livrer de détails sur l’avancée du débat.
Elin est la première personne à avoir présenté aux autorités japonaises un tel dilemme, dû au fait qu’elle est étrangère et a changé de sexe hors du Japon.
La loi japonaise, elle, précise qu’une personne transgenre ne peut modifier son état civil que si elle remplit certaines conditions, dont celles d’être célibataire, de ne pas avoir d’enfant mineur et de ne pas avoir la capacité de procréer.
Une décision de la Cour suprême a récemment confirmé ces conditions, qui peuvent obliger les personnes transgenres à subir une stérilisation afin de changer leurs documents.
Elin McCready, en tant que résidente permanente au Japon, ne court pas le risque de l’expulsion même au cas où son union maritale serait annulée. Elle veut néanmoins se battre, car ce combat peut profiter à d’autres.
- Politiques en retard -Elle et sa femme japonaise Midori ont trois fils âgés de 17, 16 et 9 ans. La famille se dit toujours très unie, en dépit du changement de sexe du père, qui ne s’est pas cependant fait sans remous.
≪ Cela a été compliqué, comme vous pouvez l’imaginer ≫, confie Elin, qui assure que le couple a trouvé un mode de vie pour préserver leur relation et affronter les regards extérieurs.
≪ Heureusement, mes parents sont plutot ouverts d’esprit et nos amis aussi ≫, précise Midori.
Leurs fils ont, disent-elles, rapidement accepté la transition et corrigent maintenant les personnes qui utilisent l’ancien prénom d’Elin.
≪ Ce qui n’a pas changé, c’est l’importance de notre famille pour nous deux et le fait qu’aucun de nous n’a le moindre désir de partir et de former un nouveau foyer ≫, assure Midori.
Le mois dernier, un sondage a montré que 78 % des personnes âgées de 20 à 59 ans au Japon étaient favorables à la reconnaissance du mariage homosexuel. Mais le soutien diminue avec l’âge des personnes interrogées. Quant à la classe politique, elle est très en retard sur ce plan et ne manifeste pas la moindre envie de changer la législation.
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法円坂で福島の写真展があるというので出かけました.大阪城公園の南で意外に遠いです.暖かくいこともあって汗かきました.
夜スープ作りの動画見ました.びっくりです.

被災地から王者を 仙台の元ボクサー 南蒲生にジムオープン
 東日本大震災で大きな被害を受けた仙台市宮城野区南蒲生地区に、ボクシングジムがオープンした。元プロボクサーの阿部忠彦さん(46)が、震災後に建て替えた生家の敷地内に開いた。幅広い年代層にボクシングの魅力を伝えるとともに、被災した地域のにぎわい創出拠点として地元の期待も高まっている。
 「SENDAI新港ボクシングジム」の名称で1月中旬、宮城県道塩釜亘理線沿いに開設された。鉄骨平屋の建物のうち約100平方メートルにリング、サンドバッグ、筋肉トレーニング機器を置いた。開設1カ月で20代から60代まで市内外の12人が入会し、日々汗を流している。
 阿部さんは仙台育英高時代、元日本ウエルター級王者の佐藤仁徳さん(宮城県七ケ浜町出身)らを輩出した仙台ジム(現・新日本仙台ジム)に入会。ハードパンチャーとして佐藤さんとほぼ同時期にプロの世界で活躍し、10回戦でけがなどを理由に引退した。
 「王者にはなれなかったが、競技を通じて生きる力や人生の方向性を学んだ。ボクシングの楽しさを後進に伝え、愛好者を少しでも増やしたい」とジム開設の理由を説明する。
 当面は希望に応じたフィットネスの利用やアマチュア選手の育成に力を入れる。将来は市内で2カ所目となるプロ養成ジムを目指すという。
 ジム周辺は津波で被災した。若林区に住んでいた阿部さんは震災を機に妻、3人の娘と郷里に戻り、全壊した生家を再建。沿岸漁業やレストランを営みながらジム開設の準備を進めてきた。
 南蒲生町内会長の松岡和雄さん(76)は「住民の減った地域を若い発想で盛り上げてほしい。いつの日か被災地からチャンピオンが誕生することを願っている」とエールを送る。
 阿部さんは「東北、宮城の競技レベル底上げに貢献し、いつかは(格闘技の聖地と呼ばれる)東京・後楽園ホールを満員にする選手を育てたい」と話す。
 ジムは午後3〜9時。毎週火曜と祝日が休み。連絡先は阿部さん090(3367)8345。


<震災8年>人口減少 想定以上 市町村4割 展望見直し
 東日本大震災で被害を受けた岩手、宮城、福島3県の計42市町村の約4割に当たる17市町村が、人口の将来展望を示す地方人口ビジョン=?=の見直しに着手したか、検討を進めていることが河北新報社の調査で分かった。間もなく震災から8年。被災地で人口減少が想定以上に進み、最新の推計とのズレが生じていることなどが理由だ。
<最新推計と開き>
 河北新報社は42市町村を対象に実施した首長アンケートで、ビジョンについて尋ねた。「改訂に着手」が改訂済みの1町を含めて10%(4市町)、「改訂を検討」は31%(13市町村)で、合わせて約4割に上った。
 宮城県南三陸町は昨年4月にビジョンを改訂。2040年の目標を9386人としていたが、15%減の8000人に引き下げた。佐藤仁町長は「ありのままの姿で推計した」と説明する。
 42市町村は大半が15年度末までにビジョンを策定し、40年時点の目標人口を試算した。ただ、国立社会保障・人口問題研究所(社人研、東京)が18年3月に公表した最新の人口推計に比べ、多くの市町村が人口減の推計を緩やかに見積もっている(グラフ)。
 石巻市の場合、ビジョンで40年の目標を約12万人と想定する一方、社人研の推計は9万7000人にとどまり、2万人以上の開きがある。
<出生率改善頼み>
 市町村、社人研とも、震災後の転出や住まい再建など短期的な人口移動については加味しており、目標と推計の開きは前提とする出生率の差が大きく影響している。
 多くの市町村は、女性1人が生涯に産む子の数・合計特殊出生率が1.43(13年)から2.07(40年)に上昇する目標を掲げる国に従い、2以上に改善する前提で推計を出している。
 社人研は「東北は出生率が上昇する傾向がほとんどみられない」として、現実に即した数値を地域ごとに適用。市町村策定のビジョンより人口減が加速する推計値となった。
 社人研の小池司朗・人口構造研究部長は「盛岡、仙台両市から遠い地域ほど落ち込みが激しい。復興後のまちづくり次第で、流入人口が増えて人口減が緩和する可能性はある」と話す。
 社人研は、原発事故避難者の帰還動向が見通せないとして、福島県内の市町村の推計は出していない。
[地方人口ビジョン]日本の人口の将来展望を示す国の長期ビジョンを参考に、都道府県と市区町村が2016年3月末までに作成。各自治体が同時にまとめる人口減少対策の5カ年計画「地方版総合戦略」の基礎資料となる。長期ビジョンは合計特殊出生率が40年に2.07程度に上昇すれば、60年に人口1億程度を維持できると想定。多くの自治体の地方人口ビジョンは国と同様の出生率向上に加え、移住者や定住者を増やすなどして人口流出を食い止めることを前提にしている。


<震災8年>被災地の人口推計 沿岸部 減少幅大きく
 東日本大震災の被災地が深刻な人口減少に直面している。子どもを生み育てやすい環境を整え、魅力あるまちづくりを進め、いかに減少を食い止めるか。被災地のリーダーたちは想定を上回る人口減少に危機感を強めている。
 国立社会保障・人口問題研究所(社人研)による2045年までの岩手、宮城両県沿岸部の人口推計はグラフ、大型表の通り。福島県については市町村別推計を行っていない。
 岩手県沿岸部は震災前年の10年の約27万4000人に対し、45年の推計は約13万人少ない約14万4000人とほぼ半減する。10年を100とした場合、45年の県全体の人口は66%だが沿岸部は53%で、減少幅は13ポイントも大きい。
 仙台市を除く宮城県沿岸部は10年は約66万3000人だったが、45年は34%減の約43万9000人。県全体の減少幅(23%減)より11ポイント高い。
 河北新報社が実施した首長アンケートで人口減少対策を尋ねたところ、厳しい意見が相次いだ。陸前高田市の戸羽太市長は「現状ではなかなか打開策を見いだせない」と吐露。宮城県南三陸町の佐藤仁町長は「財政への影響や地域の活力が衰退する懸念がある」と将来への不安を記した。
 大船渡市の戸田公明市長は「復興の根本に関わる生産年齢人口の減少にどう立ち向かうか。いかに少子化に歯止めをかけるかといった課題に取り組む必要がある」と指摘。結婚支援や子育て支援などを重視し、出生数を増やして自然増を目指す。
 「出産、子育て分野は国の積極関与が必要」と訴えるのは気仙沼市の菅原茂市長。「各自治体による地方創生の切磋琢磨(せっさたくま)が望ましい」とも主張し、地域の魅力を高めて人口流入を促す社会増を視野に入れる。
 福島県広野町の遠藤智町長は「ファミリー世代の増加を図ることが最重要課題」と強調。住宅施策や企業誘致、子育て支援に重点を置く。
 仙台圏は45年の人口減少率が県全体より小さい。名取市、利府町は100万都市仙台のベッドタウンとして、逆に人口が増える見通しだ。七ケ浜町の寺沢薫町長は「このエリアは都市部への人口回帰が進むと思われる」と推測する。
 仙台市の郡和子市長は、東京圏への人口流出を懸念。「雇用の確保につながる地域経済の活性化、若者の地元定着に結び付く取り組みを進める」と回答した。


テディベア 復興の一助に 試作第1号をオークション 落札額は岩手県に寄付
 ドイツの老舗縫いぐるみメーカー「シュタイフ」の東北唯一の取扱店「シュタイフ盛岡」(盛岡市)が、2011年に発売したテディベアの試作品をオークションに出品した。落札額は岩手県に寄付し、東日本大震災の復興支援に役立てられる。入札は28日まで。
 出品したのは「テディベアレプリカ1906キャラメル」の試作第1号。シュタイフ社が製造するテディベアの中でも特に人気の1906年製の復刻版で、震災発生の年に世界中で販売された。
 所蔵していたドイツ本社から昨年「震災復興のために」とシュタイフ盛岡に届けられた。代表の岩渕公二さん(61)は「世界に一つしかない縫いぐるみ。テディベアを愛し、被災地に思いを寄せる人に応募してほしい」と話す。
 入札は10万円から。所定の用紙に必要事項を記入し、郵送または持参する。連絡先はシュタイフ盛岡019(625)1880。


SDGsと被災地/事業手法を転換する契機に
 国連が掲げる「持続可能な開発目標(SDGs)」を推進する機運が全国の自治体で高まっている。貧困の解消、健康、衛生の確保、気候変動への対策といった地球規模の困難に対応していくのが狙いだ。こうした枠組みは地域の持続可能性を探る自治体、とりわけ東日本大震災の被災地の課題解決に通じる。
 SDGsは2015年の国連サミットで採択された。世界が直面する17分野の課題に対し、計169の具体的目標を設定。「われわれは地球を救う機会を持つ最後の世代になるかもしれない」という各国共通の危機感の下、「誰一人、取り残さない」とうたい上げた。
 津波で市街地の65%が浸水し、1000人を超す人的被害に見舞われた東松島市は昨年6月、内閣府が選定する「SDGs未来都市」として全国29自治体の一つに選ばれた。同市の最大の課題は、震災で加速した少子高齢化と人口減少への対応だ。
 全庁の施策に反映させる「SDGs未来都市計画」を策定。30年の地域目標を「人口減を食い止め、地域社会・経済を成長軌道に乗せる」と明示した。コミュニティーの再構築、雇用や暮らし、教育の市民満足度、再生可能エネルギー導入など達成すべき11の数値目標を設けている。
 自治体にとって、SDGs推進の意義は政策の立案と遂行の手法にある。
 現状の課題を「経済」「社会」「環境」の三つの側面から捉えることで、それぞれを統合し、最適化させる政策が立案できる。地域戦略と地球規模の優先課題を結び付ければ、施策の方向性が先々の社会情勢とずれていくリスクを抑制できるメリットも見込まれる。
 裏返すと、過去の施策の反省が見えてくる。震災後に展開されたがれき処理、防潮堤建設、災害公営住宅の整備といった巨大事業、コミュニティー形成などソフト施策は、時間とともに欠陥や欠点が次々と露呈している。
 リサイクルの視点を欠いたがれき処理は経費の巨額化を招き、迅速さを優先したインフラの復旧はまちづくり・観光振興との齟齬(そご)を生んだ。仮設住宅や災害公営住宅での孤立などコミュニティー問題を含め、持続可能性と相いれない実態がある。
 震災の混乱という特殊事情はあるものの、直線的、あるいは縦割りという従来型の事業手法のひずみが、ここにきて顕在化したとも言える。
 理想主義とも言われるSDGsだが、「地球を救う」手だては政治、行政、企業などの当事者による一つ一つの行動の総和でしかない。
 被災地は新たなまちづくりが進み、既存の事業手法を転換する好機にある。被災地の復興で見いだす持続可能性の新たな答えは、地球規模の社会課題解決に通じることをかみしめたい。


河北春秋
 山形新幹線に乗ると、楽しみな弁当がある。JR米沢駅の手前で車掌が注文を聞き、同駅で積んだ弁当を売り子さんが届ける。名物の甘じょっぱい牛肉の弁当にささやかな旅情を味わった。それら弁当の車内販売が東北、北海道などの新幹線で来月15日を限りに終わる▼JR東日本によると、車内販売のワゴンから沿線の土産品も消え、飲み物や菓子、つまみ、雑貨類のみに。「やまびこ」では販売そのものがなくなる。「車内の売り上げが減った。人手不足の折、販売員の確保も厳しい」▼弁当が不人気なのか。いや、東京駅では全国の名物駅弁を並べる店が繁盛し、米沢の牛肉の弁当も人気と聞く。テークアウトの弁当店も増え、客が品比べをして買える。そうした「『駅ナカ』の充実も車内販売に響いた」と同社▼今、新幹線で仙台−東京間は最速1時間半。あっという間の便利さだ。出張の帰路など「晩飯は家に帰ってからゆっくり」と、余裕ができたことも、車内で弁当を食べる習慣を変えたのでは。変化はまだある▼「隣で弁当の臭いを漂わせないで」。こんな苦情を言われた経験はないが、最近ネットなどで、新幹線も含め「列車内の食事はマナー違反」との意見が多いことに驚く。相席の客に弁当やミカンをお裾分けした旅ははるか昔だ。

東京五輪パートナーである新聞大手4紙がやるべきこと
 東京五輪をめぐる事件や不祥事、暴言・妄言のたぐいが後を絶たない。今度はサクラダなる手合いが、白血病を公表した水泳選手に、「本当にガッカリ」「盛り上がりが下火にならないか心配」だと。
 選手を己の野望を満たすための手駒としてしか見なしていないゆえのゴミ発言だ。つくづくアベ政権とはカスの集団である。もちろん、そんなものに支配者面を許している日本国民というのも下等の極みではあるのだが。
 バカげた連鎖に歯止めをかける最善の選択は、当然、五輪の返上である。が、この状況では叫びにくい。池江選手を悲しませたくはないし、すでに現実的でなくなってしまっているのも確かだ。
 そこで提案する。どうせ3等国のゲス五輪なら、まだしも“よりよく悪くする”よう仕向けさせることはできないか。実際、そうすべき責任を負っている連中がいるのだ。
 朝日、読売、毎日、日経の全国紙4社である。彼らはJOCとの間でオフィシャルパートナー契約を締結。報道機関であることを放棄して、今や五輪ビジネスの当事者以上でも以下でもない。
 だからこそ、一から十まで嘘まみれの五輪をまともに批判することもなく、政府の下僕として、国民を操ることに専心してきた。権力にオネダリして消費税の軽減税率をゲットした経緯もあり、読者の信頼は地に落ちた。
 五輪商売で濡れ手で粟の大儲けを果たしたとしても、大会が終わり、軽減税率のエサに釣られて国民を改憲バンザイへと誘った後は用済みだ。片っ端から潰れていくのは目に見えている。
 だからこの際、せめて五輪だけでもまともになるよう努力していただく。具体的には、サクラダも贈賄容疑のJOC会長も辞めさせる。会場建設に伴うゼネコン利権をぶち壊す、五輪と“愛国心”と絡めた教育ならぬ調教を止めさせる。ブラックボランティアに対価を支払う等々、商売の当事者ならではの取り組みが、いくらでもできるはずだから。
 そこまでやったとしても、読者の信頼は容易には回復すまい。だが、この程度のことさえ試みず、ただ今のまま、ヒトラーのベルリン五輪もどきの東京五輪でプロパガンダ役を担い、アベ政権が夢見る“米国とともにある戦争大国”に向けた国威発揚の片棒を担ぎ続けるのであれば、もはや新聞には存在意義など皆無だと覚悟しておいてほしい。
 私は新聞を愛している。だから言わずにはいられない。誇張でも何でもなく、正念場なのである。


官邸文書申し入れ問題 記者イジメなぜ内閣記者会ダンマリ
 これは戦前の治安警察法の「弁士注意」や「弁士中止」命令と同じ――。首相官邸が昨年12月、東京新聞記者の質問を「事実誤認」などとして、内閣記者会に対して「正確な事実を踏まえた質問」をするよう文書で申し入れた問題。弁護士や法律家、ジャーナリストが19日、参院会館で会見し、申し入れは「取材の自由、報道の自由への侵害」「文書をただちに撤回するよう要求する」とした緊急声明を読み上げた。
 呼び掛け人となったのは、梓澤和幸弁護士(東京弁護士会)、田島泰彦早大非常勤講師、服部孝章立大名誉教授の3人で、趣旨の賛同者は19日までで346人に上っているという。
「(官邸の申し入れは)12月28日。それが2月のアタマまで内閣記者会が沈黙していたのはなぜなのか」
 出席者が安倍政権の政治姿勢を批判する中で、内閣記者会の在り方に疑問を投げかけたのが服部氏だ。申し入れに対し、新聞労連は5日に「決して容認できない」と抗議する声明を発表したものの、“現場”となった肝心要の内閣記者会はダンマリを決め込んでいるからだ。
 会見の場で菅官房長官に脅し、スカシまがいの対応をされ、上村報道室長には質問を制限される。そんな状況にジワジワ追い詰められる東京新聞記者を目の前で見ていれば、菅氏や上村氏に向かって「おかしいだろう」と詰め寄るのがジャーナリストというものだろう。
 ところが、内閣記者会の記者たちは見て見ぬフリ。文句を言うどころか、東京新聞記者を冷ややかな目で黙って眺めているだけ。学校でイジメを受けている被害者の様子を傍観している卑怯な連中と何ら変わらない。
 1月25日の首相動静には〈東京・赤坂の中国料理店「赤坂飯店」。内閣記者会加盟報道各社のキャップと食事〉とあるが、誰かひとりでも安倍首相に向かって「あの申し入れはおかしい。撤回しろ」と迫った記者はいるのか。恐らくいないだろうが、内閣記者会が政権ベッタリだから、安倍政権がツケ上がるのだ。


【検証と見解/官邸側の本紙記者質問制限と申し入れ】 (上)国、投入土砂の検査せず 「辺野古工事で赤土」は事実誤認か
 首相官邸にある記者クラブの内閣記者会に上村(うえむら)秀紀・官邸報道室長名の文書が出されたのは昨年十二月二十八日。その二日前に行われた菅義偉(すがよしひで)官房長官の定例記者会見で、本紙社会部の望月衣塑子(いそこ)記者が行った質問に「事実誤認」があったとしていた。
 「東京新聞側にこれまで累次にわたり、事実に基づかない質問は厳に慎むようお願いしてきた」。会見はインターネットで配信されているため「視聴者に誤った事実認識を拡散させることになりかねない」とし、「記者の度重なる問題行為は深刻なものと捉えており、問題意識の共有をお願いしたい」とあった。
 記者会側は「記者の質問を制限することはできない」と官邸側に伝えた。
 官邸側が「事実誤認」としたのは沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設工事に関する質問で、本紙記者が「埋め立ての現場では今、赤土が広がっている。琉球セメントは県の調査を拒否し、沖縄防衛局が実態把握できていない」「赤土の可能性が指摘されているにもかかわらず、国が事実確認をしない」と述べた部分。
 官邸側は(1)沖縄防衛局は埋め立て材(土砂)が仕様書通りの材料と確認している(2)琉球セメントは県の立ち入り調査を受けている−として「質問は事実に反する」と指摘。「赤土が広がっている」という部分も「汚濁防止措置を講じており、表現は適切でない」と批判した。同じ日付で長谷川栄一・内閣広報官から臼田局長に抗議文書も送られてきた。
 実際はどうなのか。十二月十四日に土砂投入が始まると海は一気に茶色く濁り、県職員や市民が現場で赤土を確認した。県は一週間後に「赤土が大量に混じっている疑いがある」として、沖縄防衛局に現場の立ち入り検査と土砂のサンプル提供を求めたが、国は必要ないと応じていない。
 代わりに防衛局は過去の検査報告書を提出したが、検査は土砂を納入している琉球セメントが二〇一六年三月と一七年四月の計二回、業者に依頼して実施したものだった。
 そのため県は「検査時期が古く、職員が現場で確認した赤土混じりの土砂と異なる」として、埋め立てに使われている土砂の「性状検査」結果の提出を求めているが、これも行われていない。
 このような状況から本紙記者は「現場では赤土が広がっているのに、発注者の国は事実を確認しない」と発言したのであり、官邸側の「事実誤認」との指摘は当たらない。
◆「表現の自由」にまで矛先 内閣広報官名など文書 17年から9件
 長谷川広報官の申し入れ文書は「事実に基づかない質問は慎んでほしい」という抗議だけでなく、記者会見は意見や官房長官に要請をする場ではないとして、質問や表現の自由を制限するものもある。
 本紙記者は昨年一月の質問で、国連人権理事会のデービッド・ケイ氏が二〇一五年十二月一日から特定秘密保護法や報道の自由度の調査で来日を予定していたが、外務省が三週間前に面会を一年延期したことに触れ、「ケイさんが菅さん(官房長官)や高市(早苗)総務相(当時)に面会したいというときも、政府側がドタキャンしたという経緯があった」と述べた。
 官邸側は、ケイ氏は菅氏に面会を要請した事実はなく、高市氏も日程が整わなかったとして、ドタキャンしたとの質問は事実に基づかないと指摘してきた。
 臼田局長は「官房長官の面会予定があったと受け取れる箇所など、一部で事実誤認があった」と誤りを認める一方、「『政府側がドタキャンした』という表現は論評の範囲内だと考える」と回答した。ケイ氏の来日中止は当時、本紙や毎日新聞、共同通信も「日本政府の要請で突然延期になった」と報じていた。
 今月十二日の衆院予算委員会で、菅氏はケイ氏に関する質問を例に挙げ、「内外の幅広い視聴者に誤った事実認識を拡散させる恐れがある」と答弁した。だが、会見では菅氏も「ドタキャンなんかしてません」と即座に回答しており、記者の言いっ放しにはなっていない。
 昨年十一月、外国人労働者を巡る入管難民法改正案の国会成立について、本紙記者が「短い審議で強行に採決が行われましたが…」と質問したのに対し、長谷川氏から「採決は野党の議員も出席した上で行われたことから、『強行に採決』は明らかに事実に反する」と抗議がきた。
 採決の状況から本紙や他の新聞や通信社も「採決を強行した」と表現していた。それにもかかわらず本紙記者の発言を「事実に反する」と断じており、過剰な反応と言わざるを得ない。
 森友学園に対する国有地払い下げを巡る決裁文書の改ざん問題で、本紙記者が昨年六月、財務省と近畿財務局との協議に関し「メモがあるかどうかの調査をしていただきたい」と述べると、長谷川氏から「記者会見は官房長官に要請できる場と考えるか」と文書で質問があった。
 「記者は国民の代表として質問に臨んでいる。メモの存否は多くの国民の関心事であり、特に問題ないと考える」と答えると、「国民の代表とは選挙で選ばれた国会議員。貴社は民間企業であり、会見に出る記者は貴社内の人事で定められている」と反論があった。
<官房長官会見> 原則、月−金曜日の午前と午後に1回ずつ、首相官邸で開かれる。主催は内閣記者会。金曜日午後の会見は、内閣記者会に所属していなくても一定の要件を満たしたジャーナリストが参加できる。官邸のホームページで会見の動画を見ることができる。
<内閣記者会> 記者クラブの一つで、所属記者は首相官邸などの取材を担当している。記者会の常駐会員は新聞、テレビ、通信社の計19社。非常駐会員やオブザーバー会員として地方紙や海外メディアも所属していて、全会員数は185社に及ぶ。


【検証と見解/官邸側の本紙記者質問制限と申し入れ】 (中)1分半の質疑中 計7回遮られる
 記者会見の進行役を務める上村報道室長が、質問の途中で本紙の望月記者をせかすようになったのは一昨年秋から。「簡潔にお願いします」「質問に移ってください」と繰り返し、そのたびに質問は遮られてぶつ切りとなる。聞き取りにくく、時間がかかる結果となっている。
 本紙は今年1月22日、長谷川広報官に文書を送り、18日の沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設を巡る県民投票に関する二つの質問で、上村氏から途中に計8回、せかされたと伝えた。「お互いが落ち着いて質疑をするために、事務方の催促は最小限にしてほしい」と要請したが、その後も続いている。
 例えば安倍晋三首相がNHK番組で「(辺野古沖の)土砂投入にあたって、あそこのサンゴは移植している」と語った「サンゴ発言」などを巡る1月24日の二つの質問では、開始からわずか数秒で「質問は簡潔に…」とせかされ、以後も数秒おきに続いた。1分半ほどの短い質疑で、質問は計7回も遮られた。
 官邸側は本紙編集局長宛てに文書で、会見は記者が意見や政府への要請を述べる場ではないと主張、上村氏が質問を遮る理由にもなっている。ところが他社の記者の質問では、意見が交じって時間がかかっても遮ることはほとんどしない。
 沖縄の県民投票を巡り、今月14日にあった他社の記者の質問では、本紙記者よりもかなり長く質問し、最後に「そういうことがあってもいいのかなと思うんですけど、いかがですか」と意見を述べた上で、菅氏の見解を求めている。
 この記者は3問質問したが、本紙記者の場合、当てられるのは常に最後で、1問目が終わるといつも上村氏が「次の質問、最後でお願いします」と宣言するため、2問に限定されている。上村氏が本紙記者に質問妨害や制限を行っているのは明らかだ。
 望月記者は一昨年から森友・加計学園疑惑などで官房長官らに質問してきた。最近では「税を追う」キャンペーンに関連し、増大し続ける防衛予算や沖縄・辺野古の埋め立て工事などの質問を多く行っている。
 森友学園への国有地売却を巡る財務省の決裁文書改ざんのように、政府側の説明にはうそや誤りがあることがあり、それをスポークスマンである官房長官に質問するのは記者の重要な仕事だ。特定の記者に対する質問妨害に、政府側が嫌う記者を封じ込めようとする意図はないのか。
 本紙記者の質問制限を巡る山本太郎参院議員の質問主意書に、政府は「今後もやむを得ない場合には、司会者がこれまで同様に協力呼びかけを行う」と回答した。だが、比較検証したように本紙記者の質問は特別長いわけではない。狙い撃ちであることは明白だ。


【検証と見解/官邸側の本紙記者質問制限と申し入れ】 (下)会見は国民のためにある 編集局長・臼田信行
 官房長官会見での望月記者の質問を巡り、官邸から九回にわたり「事実に基づかない質問は慎んでほしい」などと申し入れがありました。一部質問には確かに事実の誤りがあり、指摘を認めました。
 しかし、多くは受け入れがたい内容です。昨年十二月に辺野古の工事を巡り、「赤土が広がっている。沖縄防衛局は実態を把握できていない」と質問したことに対し、官邸は事実に基づかない質問であり、赤土の表現も不適切だと申し入れてきました。
 本紙は今年一月、防衛省が沖縄県に無断で土砂割合を変更した事実や赤土投入が環境に悪影響を与えている可能性を報じました。記者の質問は決して「事実に基づかない」ものではなかったと考えます。 取材は、記者がそれまでに知った情報を会見などで確認していく行為です。官房長官は本紙記者の質問を「決め打ち」と批判しましたが、「決め打ち」なら会見で聞くことなどないでしょう。正しい情報を基に質問することが必要ですが、不正確な情報で問いただす場合もあり得ます。
 そんな時でも取材相手がその場で修正したり否定したりすれば済む話で、一般的には珍しくありません。権力が認めた「事実」。それに基づく質問でなければ受け付けないというのなら、すでに取材規制です。
 短い質問の途中で事務方が何度も質問をせかし、終了を促すのも看過できません。会見時間は限りがあり、「質問は簡潔に」との要請は理解できますが、こんなに頻繁に遮る例は他に聞きません。批判や追及の封じ込めとも映ります。
 記者会見はだれのためにあるのか。権力者のためでもなければメディアのためでもなく、それは国民のためにあります。記者会見は民主主義の根幹である国民の「知る権利」に応えるための重要な機会です。
 だからこそ、権力が記者の質問を妨げたり規制したりすることなどあってはならない。私たちは、これまで同様、可能な限り事実に基づいて質問と取材を続けていきます。


自衛官募集/首相の自治体批判に驚く
 筋が通らず、言い掛かりに等しい。このような発言が国のトップや与党内から飛び出すことに、改めて驚く。
 「都道府県の6割以上が自衛官の新規募集への協力を拒否している悲しい実態がある」。安倍晋三首相が先日の自民党大会でこう発言した。
 持論である憲法9条への自衛隊明記にも触れ、「この状況を変えよう」「(自衛隊の)違憲論争に終止符を打とう」などと呼び掛けた。
 歩調を合わせるように、自民党が所属国会議員に対し、募集対象者の名簿提出を地元市町村に促すよう、通達を出した。
 これでは多くの自治体が背を向けているように聞こえる。しかし実際は、約9割の市区町村が何らかの形で名簿作成に協力している。残りも大半は防衛省が情報提供を求めてないケースとされ、拒否しているのは全国で5自治体だけだ。
 首相は後に「都道府県」を「自治体」に訂正したが、そもそも発言が事実に即していない。「自衛隊を違憲とする勢力が阻害している」という印象操作の狙いがあったようだが、与党からも「憲法とは関係ない」との指摘が相次いでいる。
 自民党の通達も「地方への政治的圧力」となる恐れがある。どちらも撤回すべきだ。
 住民基本台帳を管理する自治体には個人情報保護義務がある。生命などにかかわる緊急事態や、法令の定めなどがなければ、同意なしに氏名、住所などの情報は提供できない。
 一方、自衛官募集は自衛隊法で「一部を自治体が行う」とされ、同法施行令に基づき防衛相が「必要な報告、資料」を求めることができる。ただし名簿提出の義務はなく、自治体は個人情報保護との整合性を考えて要請と向きあってきた。
 結果的に、名簿を提出する、名簿閲覧を認める、など市区町村の対応は分かれている。それでも事実上、ほぼ全ての対象者に関する情報入手が可能だ。
 高齢者など災害時の要援護者の名簿作成も、自治体は本人の話を聞くなどして慎重に進めている。プライバシーに関する議論を抜きに「名簿を出せ」という姿勢には、多くの人が違和感を覚えるのではないか。


いじめ自殺判決 悲劇招かぬ想像力を
 大津市の中学二年男子生徒=当時(13)=のいじめ自殺について、大津地裁は「いじめが自殺の原因。加害者は生徒の自殺を予見できた」という判断を下した。悲劇を招かないような想像力を育てたい。
 いじめをめぐる訴訟で「予見可能性」が認められたのは、一九九四年に神奈川県で起きた中二男子生徒いじめ自殺の判決などがあるものの、立証へのハードルは高く、否定される判例が多かった。
 大津の生徒は二〇一一年十月、自宅マンションから飛び降りた。大津市教育委員会は当初、生徒が元同級生からいじめを受けていたとしつつ「自殺との因果関係は不明」と説明した。
 遺族は一二年、市と元同級生三人を提訴。市の第三者調査委員会(弁護士や学識者)が「自殺の直接的要因は、いじめ」と結論付けると、市は一転因果関係を認め、一五年に遺族と和解した。
 元同級生側は、生徒の口の上にハチの死骸を乗せるなどの行為は「遊びの延長で、いじめとの認識はない。自殺の原因は別にある」と主張して裁判を続行、判決を迎えた。刑事捜査で滋賀県警は三人を暴行などの容疑で書類送検。大津家裁は二人を保護観察処分、一人を不処分としている。
 この日の判決は「元同級生二人の連日の暴行から、生徒は死にたいと望むようになった。他の原因はない」といじめの存在や自殺との因果関係を認めた。
 その上で「こうした行為の積み重ねは、一般に自殺の予見が可能な事態だったといえる」とも指摘し、元同級生三人のうち二人に損害賠償約三千七百五十万円の支払いを命じた。生徒の父親は、判決を評価し「被害者が司法救済を受けられる仕組みづくりを急いでほしい」と語った。
 この事件をきっかけに制定された「いじめ防止対策推進法」は、心身への重い被害や長期欠席を「重大事態」とし、「国や地方自治体への報告」を学校に義務付けた。インターネットを通じたいじめの監視強化も盛り込んだ。
 しかし、法律ができても、いじめはなくならない。文部科学省によると一七年度、全国の小中高などでのいじめ認知件数は四十一万余件で過去最多。「人が集まればいじめは起きる」という前提に立った方がいい。「根絶」を唱えるのではなく、いじめ被害が深刻な悲劇にまで発展しないように「被害を隠されない仕組み」や「いじめからの逃避を認める社会」づくりへの知恵を絞りたい。


大津のいじめと自殺 因果関係を明確に認めた
 いじめは人の命を危険にさらし、いじめた側は重大な賠償責任を負う。いじめの根絶に向けた司法の強い決意が表れた判決だ。
 2011年に大津市の中学2年男子生徒がいじめの末に自殺した事件について、大津地裁が元同級生2人の暴行が原因だったと、因果関係を明確に認めた。
 市が設けた第三者委員会はすでにいじめが自殺につながったと認め、市は遺族に和解金を支払っていた。だが、元同級生らは「遊びの延長だった」と否定したため、遺族が訴えていた。
 判決によると、最初は友人関係だった元同級生らがいじる側に、男子生徒がいじられる側になる関係が固まり、男子生徒に対する暴行が次第にエスカレートしていった。そして男子生徒は次第に孤立感・無力感を感じるようになったという。
 判決は「暴行の積み重ねで、元同級生から逃れられないという心理状態に陥り自殺することは、一般に予見可能といえる」との判断を示した。
 通常、いじめと自殺との関連については、どのくらいの程度なのかや、要因が複合的に重なる点などがあり、認められにくい。
 だが今回の裁判では、第三者委員会の報告書や、2人が保護観察処分となった家庭裁判所の事件記録など膨大な証拠が提出された。そうした事実を積み上げて、いじめが引き起こす重大性を認定した今回の司法判断には大きな意義がある。
 一般に、遺族は学校で何が起こっているのか知るすべがない。加えて、早く沈静化しようとする学校や教育委員会は資料を出し渋ることが多い。大津市も当初はそうだったが、反響の大きさが市の姿勢に風穴を開けた。
 認められた賠償額は、男子生徒が生きていた場合の将来の利益や慰謝料などで、ほぼ請求通りの約3750万円だった。20代の被告にそれだけの支払い能力があるのか、他の事件被害者と比べて妥当なのか、などの議論を呼ぶだろう。
 警察まで乗り出し、「いじめ防止対策推進法」制定のきっかけとなった事件である。何が問題点なのかを把握して再発防止につなげるためには、学校や教委が事実の解明に全面的に協力する姿勢が欠かせない。


大津いじめ判決  悲劇繰り返さぬ社会に
 大津市の中学2年の男子生徒がいじめを苦に自殺した問題で、大津地裁はいじめと自殺の因果関係を認め、元同級生2人に約3700万円の賠償を命じた。
 遺族の提訴から7年余り。問題は社会に大きな波紋を広げ、いじめ防止対策推進法成立のきっかけとなった。いじめと自殺の因果関係が認められる例はまれだという。
 判決を重く受け止めたい。命令を受けたのは元同級生だが、悲劇を繰り返さない社会をどうつくるのか、厳しく問われているのは大人である。
 判決は「自殺はいじめが原因で、予見可能だった」とした。「友人関係を上下関係に変容させて固定化し、男子生徒を精神的に追い詰めた」と判断。いじめではなく遊びの認識だったという元同級生側の主張を退けた。
 近年は「いじり」と呼ばれる行為があり、外部から見るといじめとの境界があいまいだ。被害者は笑っていても、内面では深く傷ついているともいわれる。
 当事者の子どもはもちろん、学校や保護者ももっと被害に敏感になるべきだ。判決はそう問いかけているようにも思える。
 大津の問題を受けて、さまざまないじめ対策が取られるようになったが、いじめを苦にした自殺は後を絶たない。
 全国の小中学校、特別支援学校の2017年度のいじめ認知件数は過去最多の41万4378件だった。被害の掘り起こしが進んでいるともいえるが、ようやく実態把握の緒に就いたとみるべきだ。
 今回の問題では学校・市教委の隠蔽(いんぺい)体質が批判を受けた。重大ないじめの調査のため全国の教委が設置する第三者委員会についても、文部科学省は「特別な事情がない限り、調査結果は公表が原則」との立場だが、報告書が公表されないケースが少なくない。
 具体的な事例から学ばないと、教訓は生かせない。子どもを守ることより、組織防衛や事なかれ主義が前に出る現状を変えない限り、いじめは根絶できないと認識するべきだ。
 施行から5年が過ぎたいじめ防止対策推進法は、超党派の国会議員が改正に向けた議論を進めている。より実効性のある対策が求められる。
 近年はパワハラやセクハラなど個人を傷つける事案に、社会が厳しい目を向けるようになった。体罰や虐待も含め、子どもを取り巻く環境だけが旧態依然であってはならない。今回の判決を、いじめをなくす契機としたい。


レオパレス不正 住宅業者たる資格を疑う
 賃貸住宅業者として、体を成していないのではないか。
 賃貸大手のレオパレス21が建てたアパートに建築基準法違反や、その疑いのある物件が多数見つかり波紋が広がっている。
 石井啓一国土交通相がきのう記者会見し、同社が昨年4月と5月に公表した施工不良について、173自治体が1895棟の建築基準法違反を先月末時点で認定したと発表した。
 同社はこれとは別に今月、福岡、佐賀、熊本、大分の九州4県を含む33都府県の1324棟で外壁や天井などの耐火性能や遮音性での施工不良を公表し、最大で1万4千人に転居を求める異常事態を招いている。
 入居者の安全や生命を軽視した言語道断の事態だ。補修・修繕に全力を挙げるとともに、なぜ、ずさんな建物が建設されたのか原因解明が急務だ。
 レオパレスでは昨春、延焼防止や遮音のための天井裏の仕切り壁が設置されていないなど法令違反の疑いのある物件が見つかり、現在、手掛けた4万棟近くの物件を調査している。
 次々に発覚する不正はお粗末極まりない。建築基準法が定める耐火基準に反して外壁の内部に耐火性能の劣る部材を使っていた▽天井材を二重に張るべき所を一重にしていた▽部屋と部屋を仕切る壁部分に遮音性能の劣る部材を使用していた−など法令順守意識、そして社業への誠実さを根底から欠いている。
 同社は施工不良の原因を「現場が納期を急いだため」などと説明しているが、不良物件は全国に広がり、数も多過ぎる。会社ぐるみの組織的な不正だったのではないか。徹底的な真相の究明を求めたい。
 同時に、なぜ施工不良が見過ごされてきたのかも検証すべきだ。一般に建物を建築する場合、建築確認に始まり中間検査、完了検査が行われる。着工前と完成後の検査も重要だが、こうなると工事が適切に行われているのか点検する施工途中の中間検査をより重視する必要がありはしないか。国土交通省はきのう、再発防止策などの策定に向け有識者検討会設置を決めた。コストや労力の面で課題はあろうが、行政によるチェック機能強化も検討してほしい。
 レオパレスは、地主(オーナー)から賃貸アパート建築を受注し、完成後に一括で借り上げ、家賃保証した上で入居者に転貸しする「サブリース」を武器に成長してきた。一連の不正は入居者に大きな不安を広げ、家賃収入減額などでオーナーとのトラブルも多発させている。
 入居者、オーナーに誠実に向き合わねば、住宅業者としての資格を欠くと言わざるを得ない。当然、出直しも望めない。


平和賞にトランプ氏推薦 政治利用の度が過ぎる
 お追従にもほどがある。そう言わざるを得ない。昨年、安倍晋三首相がトランプ米大統領側からの依頼に応え、同氏をノーベル平和賞の候補に推薦していたことが分かった。トランプ氏自身が先週、記者会見で自慢げに語って明らかになった。おととい国会で真偽を問われた首相は言葉を濁したが、複数の日本政府関係者が認めている。
 トランプ氏は北朝鮮との緊張をある程度緩和したと言えるかもしれない。だが核兵器削減に背を向けているばかりか、人権意識の欠如や排外主義は、国際社会から批判を浴びている。にもかかわらず平和賞に推薦したのでは、日本の国際的な信頼を失いかねない。
 「リーダーシップを高く評価している」。おととい衆院予算委員会で、首相はトランプ氏をそう持ち上げた。北朝鮮の核・ミサイル問題の解決へ果断に対応し、歴史的な米朝首脳会談も果たしたという認識を述べた。
 しかしその会談も、成果を上げたとまでは言えない。核・ミサイル問題も拉致問題も解決には至っていない。
 立憲民主党会派の議員からの批判に、首相はこうも答えた。「御党も政権を奪取しようという考えなら、同盟国の大統領には一定の敬意を払うべきだ」。政権の座に就けば、対米従属はやむなし、と言うのだろうか。
 高く評価しているというのなら、なぜ推薦したと認めないのか。国民の納得が得られるように説明すべきだ。
 推薦者と被推薦者を50年間明かさない―というノーベル賞委員会のルールを持ち出し、事実関係を認めない理由としたが、各国に義務はあるまい。実際、推薦されたトランプ氏本人が明かしているのだ。その「暴露」に抗議しないあたり、やはり米国には物が言えないのか。
 10年前、前大統領のオバマ氏は「核なき世界」を提唱して平和賞を受けた。そのスローガンこそ尻すぼみになりはしたが、トランプ氏はどうだろう。
 中距離核戦力(INF)廃棄条約の破棄をロシアに通告し、イラン核合意からの離脱も表明した。小型核弾頭の製造も進めるという。核兵器削減という世界的な流れに逆行するものだ。
 やはり平和賞受賞団体の核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN=アイキャン)が国連の採択に道を開いた核兵器禁止条約にも反している。被爆国として決して容認するわけにはいかない。
 さらに地球温暖化防止に向けたパリ協定からの離脱表明で、国際協調を揺るがしてもいる。一体どこが平和賞にふさわしいというのか。
 このところ日本政府はトランプ氏のいいなりになっているように映る。地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」や最新鋭ステルス戦闘機F35を言い値で購入するなど、いずれも米側の意向に沿うものだ。
 さらにトランプ氏の来日を、5月26日で調整していることが分かった。新天皇が即位した後の最初の国賓として迎え、機嫌を取る意図がうかがえもする。
 トランプ政権としては同盟国による平和賞推薦を功績として大統領再選に弾みをつけたいのだろう。だが日米両国ともノーベル平和賞を政治利用しようとの思惑が強過ぎる。真にふさわしい人物、団体に贈られることを願うばかりである。


ノーベル平和賞 トランプ氏推薦 本気か
 本当ならば驚きを禁じ得ない。
 トランプ米大統領が安倍晋三首相からノーベル平和賞候補に推薦されたと明らかにした。
 昨年の米朝首脳会談を機に「上空を飛来する(北朝鮮の)ミサイルへの懸念が消え去り、安心感を得るようになったからだ」という。
 首相は国会で、推薦については言葉をにごし「拉致問題の解決にも積極的に協力していただいている。リーダーシップを高く評価している」と持ち上げた。
 北朝鮮が核実験やミサイル発射を止めたのは事実だが、肝心の非核化のめどは全くついていない。
 そもそもトランプ氏は自国第一主義を推し進め、世界を不安定にしてきた。首相はトランプ氏に取り入るのではなく、平和に資するよう方向転換を促すべきだ。
 平和賞選考の補佐機関、ノルウェーのノーベル研究所によると、主に4分野で功績のあった個人、団体が受賞している。
 《1》軍備管理・軍縮《2》和平交渉《3》民主主義、人権《4》秩序ある平和な世界の創出―である。近年、これらに気候変動や環境危機への対応が加わった。
 トランプ氏は中距離核戦力(INF)廃棄条約の破棄、イラン核合意からの離脱を打ち出した。
 難民、移民政策ではたびたび人権侵害が指摘され、地球温暖化防止の枠組みであるパリ協定からの離脱も表明した。
 とても平和賞受賞の資格があるとは言えまい。
 首相はノーベル委員会が50年間、候補者と推薦者を公表しないことを理由に、推薦したか否か明言していない。しかし、推薦者がその事実を明かすことまでは禁じられていない。
 米大統領が日本の首相の言動について公の場で語ったことを認めるのか否か。人ごとのように口をつぐむのは筋が通らない。事実関係を説明すべきだ。
 米政府から依頼を受け、首相は「日本を代表して謹んで推薦する」と伝えたとされる。国民こぞって推薦に同意しているという誤った印象を与えかねない。
 露骨なこびへつらいが日本にとって何の利益になるのだろうか。
 首相は唯一の戦争被爆国の指導者でありながら、核兵器禁止条約に背を向けている。
 条約採択に貢献し、平和賞を受賞した核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)の事務局長らが来日しても、日程を理由に面会に応じなかった。首相自身が平和賞の意義を思い起こす必要がある。


トランプ氏推薦 お追従に国民巻き込むな
 露骨なご機嫌取りである。日本国民全体がトランプ米大統領に感謝し、ノーベル平和賞授賞を望んでいるかのような誤解が国際社会に広がっていくことを強く懸念する。
 トランプ氏が15日の記者会見で、安倍晋三首相から平和賞に推薦されたと明らかにした。首相からは「日本を代表して敬意を表し、あなたに平和賞が与えられるよう求めている」と伝えられたという。
 首相は18日の衆院予算委員会で事実関係を問われたが、「トランプ氏は北朝鮮の核ミサイル問題の解決に果断に対応し、昨年は歴史的な米朝首脳会談を行った」と語り、質問に直接答えなかった。
 ただし複数の日本政府関係者が認めた。米国の要望を受け、昨年6月の米朝首脳会談後に推薦状をノーベル賞委員会の関係者に送ったとされる。推薦理由は、北朝鮮の非核化に向けた取り組みへの評価とみられる。
 首相はこれまで、トランプ氏との蜜月関係をアピールしてきた。今回推薦の依頼に応じたのも、関係を維持するためだと指摘されている。
 首相には、拉致問題打開に向けた日朝首脳会談実現のため、トランプ氏の後押しが不可欠との思いがあるのだろう。
 だが、相手の望みを唯々諾々と受け入れるような態度には疑問を覚えるばかりだ。
 トランプ氏は米朝首脳会談を自賛するが、米国第一主義を唱え、国際社会の分断を増幅するような方針や政策を打ち出し続けてきた。パリ協定離脱、エルサレムの首都認定、イラン制裁などである。
 最近では、自らの公約であるメキシコ国境の壁建設を実現するため、国境地帯の非常事態を宣言して「権力乱用」との非難を浴びている。
 こうした指導者が平和賞にふさわしいと推薦することは、首相の見識が厳しく問われよう。
 そもそも、北朝鮮の非核化に向けた取り組みといっても、今後の具体的な道筋は明らかになっておらず、実効性は不透明なままだ。
 首相がトランプ氏に「日本を代表して」とメッセージを伝えたとされることも、見過ごすわけにはいかない。
 国全体が後押ししているように取られれば、先の戦争の反省に立ち、「平和」を旗印に戦後を歩んできた日本への信頼が損なわれかねない。
 首相による平和賞への推薦については、トランプ氏が公にした。日本側は、推薦者と非推薦者を50年明らかにしないノーベル賞委員会のルールに従うとして公表していない。
 にもかかわらず、日本政府内ではトランプ発言を問題視するような動きはうかがえない。機嫌を損ないたくないためだという。過剰とも映る米国への従属ぶりが浮かび上がる。
 国民の見えないところでトランプ氏へのお追従に勝手に国民を巻き込んでおきながら、明確な説明もない。安倍外交の秘密主義を危ぶむ。


【平和賞に推薦】米国への露骨なへつらい
 それほどまでして米国にへつらわなければならないのか。
 トランプ米大統領が安倍首相からノーベル平和賞に推薦されたと表明し、日本政府関係者も事実関係を認めた。安倍首相も否定していない。昨年6月の初の米朝首脳会談後、米側から依頼され、安倍首相が推薦書簡を送ったという。
 「(日本国民らは)安全だと感じている。私のおかげだ」。トランプ氏は北朝鮮との非核化交渉で、ミサイル発射が止まっていると強調し、安倍首相から「日本を代表して敬意」を表されたと明かした。
 米朝首脳会談で「朝鮮半島の非核化」の取り組みが合意され、その実現が期待されている。だが、実効性のある具体的な進展はない。日本を射程に入れる核・ミサイル兵器まで北朝鮮が完全に放棄するかも全く不透明だ。
 北朝鮮の核・ミサイル開発の脅威はまだ払拭(ふっしょく)されていない。日本は「安全」を得られているとは言えないのが現実だ。平和賞推薦が「北朝鮮、国際社会に対し間違ったメッセージになる」という、野党の指摘は的を射ていよう。
 そもそもトランプ氏の大統領就任以来の言動から、平和賞推薦にふさわしい政治家なのかという根本的な疑問を抱かざるを得ない。
 地球温暖化防止の枠組み「パリ協定」や国連人権理事会などからの離脱・脱退、東西冷戦の終結につながった米ロの中距離核戦力(INF)廃棄条約の破棄通告など、国際協調を分断し、和平のプロセスを逆行させている。
 「米国第一」を公然と振りかざし、世界に軍拡競争さえ広げかねない。人種差別や排斥主義の政治姿勢を色濃くする。その人権意識や攻撃的な主張に国際社会から批判が高まっていることは、安倍首相も認識しているはずだ。
 それでも、米側の無理筋の要請に応じる日本側の姿勢は、トランプ氏への機嫌取りとしか映らない。難題を抱える北朝鮮や中国、韓国との交渉で、その後ろ盾を米国に頼る安倍外交の思惑が透ける。トランプ氏の歓心を買い、対日重視を引き出す狙いだろう。
 安倍政権の米国配慮が強まっている。「核の傘」に頼るあまり、2017年採択の核兵器禁止条約に参加せず、国連に毎年提出している核兵器廃絶決議案も後退させた。唯一の被爆国として掲げてきた「核兵器なき世界」の看板に反するような姿に、国内外から「米国にすり寄りすぎだ」との反発が向けられた。
 日本政府はノーベル賞委員会が推薦者などを50年間は非公開とするルールを理由に、推薦を公式に認めていない。だが、被推薦者側のトランプ氏が公言している。首相は国民に説明し、推薦が民意に沿うのか聞いてみてはどうか。
 「歴史のエピソード」などと軽く扱って看過できることではない。日米関係が基軸だとしても、日本の外交の節度や矜持(きょうじ)が問われる。


[平和賞推薦] 対米追従にも程がある
 断ったら見放されると思ったのか、それとも機嫌を取りたかったのか。いずれにしても、事実ならここまで追従する必要があるのか、日本の首相としての姿勢が厳しく問われる。
 トランプ米大統領が、安倍晋三首相からノーベル平和賞の受賞候補に推薦されたことを記者会見で公表した。北朝鮮の非核化に向けた取り組みを評価したことが推薦理由とみられる。
 首相はトランプ氏の発言を否定せず、日本政府筋は事実関係を認めた。日本国民として、まさに驚きである。
 日米同盟の重要性は理解するが、北朝鮮の核ミサイルや拉致の問題は何ら解決していない。現状での推薦はあり得ないだろう。
 政府筋によると、昨年6月の米朝首脳会談後、米政府から依頼を受けた首相がノーベル賞委員会にトランプ氏を平和賞に推薦する書簡を送付。トランプ氏にもコピーを送ったという。
 首相は衆院予算委員会で「トランプ氏は北朝鮮の核ミサイル問題の解決に果断に対応し、昨年は歴史的な米朝首脳会談を行った」と評価した。米国が唯一の同盟国だとして、「その国の大統領には一定の敬意を払うべきだと思う」とも述べた。
 暗に推薦の事実を認めたとも受け取れる発言である。
 だが、排外主義や米国第一主義でトランプ氏が国際社会の批判を浴びていることを知らないわけではあるまい。
 地球温暖化防止の枠組み「パリ協定」からの離脱表明やロシアとの中距離核戦力(INF)廃棄条約の破棄通告など、国際協調や軍縮に背を向ける場面も目立つ。
 肝心の北朝鮮問題も、昨年の米朝会談で朝鮮半島の非核化に合意したものの、目立った進展はない。平和賞に推薦するならば、今後の会談を経て非核化が確実に実現したのを見届けてからだろう。
 ノーベル平和賞は各国政府の閣僚や議員、大学教授らに推薦資格があり、誰が推薦し、候補になったかなどの選考過程は50年間秘匿される。
 トランプ氏本人からの突然の暴露は、首相にとっても想定外だったに違いない。
 トランプ氏は首相から「日本を代表して敬意を表し、あなたにノーベル平和賞が与えられるよう求めている」と伝えられたという。
 50年間秘密にするのはノーベル賞委員会の方針であって、推薦者に課されているわけではない。「日本を代表して」と言うならば、首相は国民に推薦の経緯と理由を明らかにするべきだ。


「安倍がトランプをノーベル賞に推薦」を海外メディアはどう伝えたか? 世界に恥さらすも開き直る安倍首相
 いったいどこまで世界に恥を晒せばいいのか。安倍首相が、トランプ米大統領をノーベル平和賞候補に推薦していた件だ。各メディアが報じているように、トランプ米大統領は昨年8月22日の日米電話協議の際、安倍首相に推薦してくれるよう要請。安倍首相はへこへこと快諾、わざわざノーベル委員会に「とっても美しい手紙」(トランプ談)を送り、差別主義をふりまいて世界を混沌に陥れている米国大統領をノーベル平和賞に推薦してしまったのである。
 そもそもこの問題が発覚したのは、トランプが先日、ホワイトハウスの演説で自慢げに語ったことがきっかけだった。
「これ言っちゃいますけど、日本の安倍首相から、彼がノーベル委員会に送ったとっても美しい手紙のコピーをもらったんです。ノーベル平和賞をトランプ大統領に授与するように日本を代表して推薦したと。私は『ありがとう』と言った」
 思わぬ暴露に当初、国内外のメディアでは「韓国の文在寅大統領と間違えているのでは」「トランプがホラを吹いているのでは」と見る向きもあったが、その後、朝日新聞や読売新聞など各社の取材に匿名の政府関係者や外交筋が事実を認めた。そして、安倍首相も国会で追及され、「ノーベル賞委員会は推薦者を50年明かさない」などしながらも「事実ではない、と申し上げているのではない」と事実上、トランプをノーベル平和賞に推薦したことを認めたに等しい。
 だいたい、これは18日の『NEWS23』(TBS)がノーベル委員会に取材して確認したことだが、同委員会は推薦者自身がそれを公表することは禁止していない。安倍首相が「ノーベル賞委員会は推薦者を50年明かさない」というのは、子どもでもわかる苦し紛れのごまかしだ。
 本当に、こんな政治家が日本の総理大臣を務めている現実が悲しくなってくるではないか。はっきり言うが、この国と生活する人々の国際的評価を貶める“カス”である。実際、欧米メディアも安倍首相によるトランプのノーベル賞推薦を次々と報じ、この“国辱行為”は世界中の人々の知るところとなっている。
 たとえば米紙ワシントン・ポストは18日、「日本の安倍はトランプのノーベル賞推薦を認めようしないがメディアは次々に事実だと報じた」(Japan’s Abe won’t confirm Trump Nobel Prize nomination, but media reports say he made it)と伝えた。
 そして、安倍首相がトランプ推薦の話を認めたがらない理由として、こう解説する。
〈トランプのエゴをおだてることと、有権者の目に従順すぎると映ることの間の微妙なラインを、安倍はうまくしのごうとしている。日本の世論は、1970年代から1980年代に北朝鮮に拉致されたといわれる十数人の帰還に、強いこだわりがある。拉致問題の進展もないのに、あるいは北朝鮮の核放棄で確かな進展もないのに、拙速にトランプを推薦などしても、何もいいことなどない、国内で批判にさらされるだけだ。〉(編集部訳・以下同)
「安倍にマイナス」、偽造推薦騒動と並べて皮肉を放つ海外メディアも
 また英紙ガーディアン(電子版)は18日、「日本の総理大臣はトランプのノーベル賞推薦を否定することを拒否できない」(Japan PM refuses to deny nominating Trump for Nobel prize)と題して報道。テンプル大学のジェフリー・キングストン教授による「安倍は世界の指導者のなかでもトランプともっとも親しくなろうとしているが、それは安倍自身にとって、まったくいいことではない」とのコメントを紹介している。
 米ハフィントン・ポストも17日、「ワシントンが促して日本の指導者がトランプをノーベル賞に推薦した」(Japan’s Leader Nominated Trump For Nobel Prize At Washington’s Urging)とレポート。記事の最後は〈トランプは2017年と2018年にノーベル平和賞にノミネートされたが、両者の推薦文はともに「偽造されたもの」と認定されている。ノルウェーのノーベル委員会のあるスポークスマンは昨年、ワシントン・ポスト紙に“同じ人物がトランプの名前を推薦するために、推薦人の資格を持つ人物を偽ったものとみられる”と語っていた〉と締め、偽造推薦騒動と並べられる始末。安倍に頼んで推薦させるなど、偽造推薦と同レベルという皮肉だろうか。
 ブルームバーグは18日、「日本の安倍はトランプのノーベル賞受賞へ後押ししたか明言を避ける」(Japan's Abe Declines to Say If He Backed Trump for Nobel Prize)と伝えた。記事では〈トランプと1対1の関係を築こうという安倍の努力は、限界を見せている。日本はトランプから重要産業である自動車の追加関税によって脅され、アメリカとの二国間貿易協議の受け入れを余儀なくされた〉などと安倍首相が外交的ディールでもトランプに辛酸を舐めさせられてきたことをあげ、その力関係をはっきりと指摘している。
 他にもニューヨーク・タイムズやロイター、AFPなどが報じた英字記事が世界中に拡散されているが、いずれにしても、世界中に“日本の恥”を発信していることは間違いない。
 ところが、当の安倍首相ときたらなんら悪びれず、むしろ開き直ってすらいる。
国会質問に「政権を奪取するつもりなら、米国大統領に敬意を払え」
 18日の衆院予算委では、元民主党で無所属(立憲会派)の小川淳也議員が、中距離核戦略全廃条約からの離脱の打ち出しやパリ協定からの離脱、移民排斥の壁の建設など具体的にトランプの暴挙をあげたうえで、「ノーベル平和賞に推薦するなんてことはありえないし、日本国として恥ずかしいことだと思いますが、総理はどう思われますか」と質問。すると、安倍首相はいつもの苛立ったときの調子で、こんな答弁を展開したのだ。
「いま、同盟国の大統領に対して口を極めて批判をされたわけでございますが、米国は日本にとって唯一の同盟国であり、その国の大統領に対しては一定の敬意を払うべきだろうと、私はそのように思うわけであります」
 この後に及んでまだトランプに媚びを売るのかと呆れるが、さらに安倍首相はこう続けた。
「まあ、御党も政権を奪取しようと考えているんであれば、ですね」
 ようするに安倍首相は“日本国の政治をやりたいなら米国大統領の言うことは何でも聞くのが当たり前”と、国会で宣言しているのである。まさに対米ポチ、いや、トランプの奴隷だろう。
 本サイトでもなんども批判してきたように、安倍首相は対日貿易で利益を得たいトランプに要請され、戦闘機やイージス・アショアなどの兵器を大量購入するなど、完全に言いなりになってきた。そして、次はノーベル平和賞である。ジャイアンとスネ夫でもここまで酷い関係ではない。しかも、安倍首相も政府幹部も「トランプ大統領は推薦を秘密にしてくれるはず」との腹づもりだったのだろうが、見事に裏切られたかたちだ。
 これは舐められているというだけではないだろう。商売人のトランプは安倍首相の“ポチ犬根性”を試したのだ。そして、安倍首相はやっぱり、国会で「トランプ大統領に敬意を表せ」といきり立ったように、そのとおりの忠誠心を示した。いやはや救い難い。
 もう一度言おう。こんな人種差別の扇動者でエゴイズムむき出しの人間に頼まれ、「日本の首相」として、あろうことかノーベル平和賞を受賞させるため手紙まで書いて送るその神経。しかもトランプ曰く「日本を代表して推薦した」のだ。保守派は「日本の名誉を傷つける」と見なした者や行為を「反日」と呼ぶ。だったら、目の前にいるこの宰相こそが最大の「反日」として怒るべきではないのか。疑いなく“カス”である。


医師不足と偏在/解消へ実効性ある対策急げ
 医師不足と地域格差を解消するために実効性ある対策を急いで講じなければならない。
 厚生労働省が、都道府県や地域ごとの医師の充足状況を示す「医師偏在指標」を公表した。
 本県の指標は177・4で、全国平均の238・3を大きく下回り、47都道府県中で4番目に低かった。そのため本県は、人口や診療需要に対して適正な医師数を確保できていない「医師少数県」に位置付けられた。
 厚労省は、本県の2036年時点の医師の不足数についても推計した。最も医師の確保が進んだ場合で804人、医師の確保が進まない場合は3500人に上るとした。一方で、東京や大阪では多くの余剰人員が出ると見込む。
 医師不足は、住民の健康に関わる深刻な問題である。「人生100年時代」を健やかに過ごしていくためにも地域医療の充実は欠かせない。国と県は連携を強め、小手先ではない根本的な手だてを打っていく必要がある。
 偏在指標は、県内における医師の偏在もあらためて浮き彫りにした。複数の市町村がまとめて指定される2次医療圏について、県内6地域のうち「会津・南会津」「県南」「相双」の3地域は、全国(335カ所)の下位3分の1に入ったため「医師少数区域」に指定された。一方で「県北」は全国上位3分の1に入り、「医師多数区域」となった。
 県は、国による医師の適正配置を求めるとともに、新年度には医師確保計画を策定し、具体的な目標や対策を盛り込むなどして改善を目指す考えだ。本県の医師不足と偏在は震災前から続く課題である。容易ではないが、本県の未来を切り開くためには乗り越えなければならない課題であることを再認識し、全力で改善に取り組まなければならない。
 県内の医療機関で新年度から臨床研修に臨む新人医師の数は、現在の研修制度が導入された04年度以降で最多になるなど、増加する傾向にある。
 研修医は3分の2程度が研修後も県内にとどまるとされており、医師確保の大きな柱となる。地域医療に意欲がある医学生が大勢集まるよう研修制度をさらに拡充させることが重要だ。
 厚労省の調査では、地方で働く意思がある20代の勤務医は6割に上る。こうした若手を呼び込むためにも地域医療のやりがいや喜びを伝える取り組みも必要だ。併せて本県で仕事をすることによるキャリアアップの仕組みづくりや、労働環境の充実も欠かせない。


医師の偏在 深刻な状況放置できない
 都市部に医師が偏在し、地域の医療を支える医師が足りない深刻な状況があらためて浮き彫りになった。厚生労働省が公表した「医師偏在指標」である。
 医療圏ごとに充足状況を示す新たな目安だ。人口10万人当たりの医師数に、住民の男女比や年齢、近隣の医療圏との患者の行き来などを加味して算出した。
 199・6の長野県は全国平均の238・3を下回り、都道府県別で38位だった。下位16県の「医師少数県」の一つである。
 県内でも地域による偏りが目につく。広域圏ごとの2次医療圏で見ると、木曽、上小など4地区が全国下位3分の1の「少数区域」になっている。その一方で、松本、佐久、諏訪は上位3分の1の「多数区域」に入った。
 厚労省は、偏在解消の目標とする2036年の時点でも、長野を含む12道県で計5千人を超す医師が不足すると推計している。その数すら、医師の確保が最も順調に進んだ場合だ。確保が進まない場合は34道県でおよそ3万5千人が不足するという。
 医師の総数は32万人近くに達し、過去最多である。にもかかわらず、多くの地域で確保が難しい状況が続く。住民を支える医療態勢が細れば、地方の疲弊はさらに進む。政府は自治体と協力し、地域の実情を踏まえた根本的な是正策を探らなくてはならない。
 長野県は、拠点となる病院を指定して周辺地域へ医師の派遣を促す独自の事業を18年度から始めている。一定の成果は表れているものの、拠点病院も医師確保は思うに任せないのが現実だ。
 偏在が進んだ背景には04年から始まった臨床研修制度がある。大学医学部の医局が若手医師を地方に送り出してきた仕組みが崩れ、都市部への集中が強まった。
 その是正策として08年度から導入されたのが医学部の「地方枠」だ。都道府県が奨学金を貸与し、卒業後に一定期間を地元で働けば返済を免除する。
 ただ、所期の目的は果たせていない。多くの大学で欠員が出ているほか、その分が一般枠の定員増に使われた実態も明らかになっている。数合わせのような仕組みで卒業後の進路を縛ることへの批判もある。見直しが欠かせない。
 厚労省の調査では、地方で働く意思がある20代の勤務医は6割に上る。どうすればそれを生かせるか。医師の過重労働が地域の医療を支えている現状を変えると同時に、女性医師が力を発揮できる環境を整えることも重要になる。


混迷深める英EU離脱 進出企業に情報支援急げ
 欧州連合(EU)離脱を巡り、英国のメイ政権が袋小路に陥っている。3月29日の離脱期日までに合意案の議会承認が得られる可能性は極めて低い。日本政府は「合意なき離脱」の現実化を想定し、企業への影響を最小限に抑えるため備えに万全を期すべきだ。
 離脱に向けた英国内の議論は、迷走の度を深めている。離脱をスムーズに行うため英政府とEUの間で昨年11月にまとめられた合意案を英下院が1月15日に大差で否決。メイ首相が約1週間後に下院に説明した代替案も批判を浴び、合意案の修正を余儀なくされた。
 メイ氏が掲げた合意案修正の目標は2月13日。しかしEU側から再交渉を拒否され、「2月下旬までの交渉の猶予」を認めるよう下院に要請したが、この方針が否決された。
 メイ氏の国内調整やEUとの協議が後手に回っているのは明らかだ。ただ下院の強硬派とされる議員たちは、合意なき離脱による混乱のリスクを軽視しているかのように映ることも確か。政府方針の拒否を繰り返し、メイ氏は身動きが取れなくなっている。
 合意をまとめ直すには時間が足りず、離脱延期も英国内の政治情勢から困難さが増す。合意なき離脱の可能性が高まる中で、日本企業の英国脱出の動きが加速し始めた。
 日産自動車は2月上旬、英中部の工場でのスポーツタイプ多目的車の次期モデル生産計画を中止すると発表。ホンダが南部の工場での生産終了を発表したことも、離脱問題と無縁ではない。ソニーも、ロンドン郊外の家電部門欧州統括会社をオランダに移すことを決めている。このほか製造業や金融業などで昨年来、人材や資産の移転が相次いでいる。
 企業が最も必要としているのは情報だ。日産の生産縮小では「不確実な状況が続き、計画が立てにくい」ことが理由に挙げられていた。
 日本貿易振興機構(ジェトロ)が昨秋行った欧州進出企業対象の調査では、離脱が今後の事業に「マイナスの影響」との回答は前年比12ポイント増の38%、「影響ない」は7ポイント減の20%。一方、合意なき離脱に至った場合の対応策は「策定済み」「策定中」に「策定予定」を合わせて17%、在英企業に限っても26%にとどまる。
 欧州進出企業はすでに悪影響を感じているものの先行きを見通せず、手をこまねいている―そんな状況が浮かび上がる。
 しかし日本政府は、合意なき離脱へどれほどの危機感を持っているだろうか。1月の経済財政諮問会議では▽迅速な情報提供▽英、EUへの働き掛け―を行う、との対応を経済産業省側が説明したものの、それ以上の突っ込んだ議論が交わされた様子はない。
 少なくとも、進出企業に対して、対応策の早急な策定支援が必要だ。目前に迫った経済リスクにどう対応するか、国会にも政府の姿勢をただす務めを果たしてもらいたい。


[精神科身体拘束] 妥当性の検証が必要だ
 精神科病院で手足をベッドにくくりつけるなど身体拘束を受けた入院患者が2017年度、全国で1万2000人以上に上ることが厚生労働省の年次調査で分かった。うち6割を高齢者が占めている。
 日本の精神医療は過去の隔離収容政策の影響もあり、国際的な遅れや人権侵害が指摘される。不要な身体拘束はないかなど妥当性を検証できる態勢づくりが必要だ。
 調査によると、拘束を受けた人は全体で1万2528人だった。点滴を抜かないよう手指の動きを制限するミトン型手袋の着用なども含まれるとみられる。
 施錠された保護室に隔離された患者も1万3000人近くに上った。この10年間で拘束が1.8倍、隔離は1.6倍に増え、いずれも最多を更新した。
 なぜ、拘束や隔離が急増しているのか。厚労省は「要因は分析できていない」とするが、詳細な調査で実態を把握し、少しでも減らせるよう対策を打ち出すべきだ。
 拘束や隔離が認められるのは、精神保健福祉法によって本人や他人を傷つける恐れなどがあり、指定医が「ほかに方法がない」と判断した場合に限られている。
 だが、安易に拘束されているのではないかという疑問の声が以前から相次いでいた。拘束の要件を満たしていなかったなどとして病院を訴える動きも広がっている。
 拘束は患者が精神的に一層不安定になったり、重大な健康被害を引き起こしかねない。長期間の拘束によってエコノミークラス症候群を発症するなど13年以降、少なくとも10人が亡くなっている。
 このため、各地の市民団体は情報公開制度を利用して病院ごとの調査結果の開示を自治体に求めてきた。患者数や入院期間のほか、拘束や隔離されている人数を知り医療の質を高めるのが目的だ。
 しかし、これまで開示してきた自治体が一転して非開示になったり、一部の開示だけになったりしたケースが増えているという。
 厚労省が「個々の調査票の内容の公表は予定していない」と自治体に通知したり、日本精神科病院協会が「調査は個人情報保護の観点から問題が多い」との声明を出したことが影響したとみられる。
 市民団体は「精神科病院の閉鎖性が進みかねない」と懸念する。患者の尊厳を守るためにも、個人情報に十分配慮した上で、公開を原則とすべきではないか。
 日本は人口当たりの精神科のベッド数が先進国最多で、平均入院期間も突出して長い。情報の公開によって精神障害や医療への関心を高め、患者を地域で支える受け皿づくりにつなげていきたい。


たかまつなな「なにも言えない社会になってしまう前に」 明文化されたルール、は可能か
伊藤 達也 ライター・編集者
最近、バラエティ番組、「お笑い」の世界がたびたび物議をかもしている。
「バラエティ番組での“いじり”はイジメとなにが違うのか」「女性芸人への“ブスいじり”はセクハラじゃないのか」「芸人は政治的発言をしてはいけないのか」――。
セクハラ、パワハラに対する世間の目が厳しくなるなか、議論が活発になっている。一方で、その状況を「笑いが分かっていない」「空気を読め」と嘆く人達もいる。
今年に入ってからも、ダウンタウン・松本人志がフジテレビ「ワイドナショー」(1月13日放送)内で、NGT48のアイドルへの暴行事件の話題になった際、HKT48の指原莉乃に「お得意の体を使って」と発言。「セクハラだ」と批判の声が多数上がった。
指原が後日Twitterで「松本さんが干されますように」とイジるように返し、フジテレビサイドも「問題があった」と謝罪した。
そんな状況について、積極的な発言を続けるのが芸人のたかまつななだ。お笑いを通じて政治に関心をもってもらうことを目指す会社・笑下村塾を立ち上げ、日本で数少ない「社会風刺ネタ」を行う彼女。松本の発言についても自らのブログに、「松本人志さんのセクハラ発言を真剣に考える」と題したエントリーをアップした。
「芸能界はセクハラの温床だった」としたうえで、
「松本さんが干されますように」とtwitterで指原莉乃さんが発言した件。「よく噛み付いた」「オチをつけた」意見が別れる。どちらからも嫌われないよう確信犯的に指原さんがやってるから凄い。けどなんか違和感。両者の捉え方の溝は深い。交わらない気がする。女芸人の私は、どちらの感覚も分かるから悲しい。こうやって社会は分断されていくのかな。
 差別をなくそうとしすぎると、自虐ネタも許されず、沈黙の社会が訪れる。女芸人には、ブスと言われて「おいしい派」と「怒る派」がある。ブスと言われて、報われる人もいる。自分のコンプレックスや短所を笑いに変えた瞬間の喜びは大きい。でも、嫌な人を執拗にいじるのは違う。(私はおいしい派)
 「笑い」という名のもと、何でもやって言い訳ではない。大御所が言ったから許されることは絶対にない。そんな時に下のものが抗える技術、それは「ルール」(法律や就業規則)と、「笑い」なのだと思う。自分の意見を笑いで伝える技術も大切。私はセクハラが多い芸能界を笑いで交わしてきた。
とつづったその内容に、さらに多くの声が寄せられたのだが、その反応そのものが、いまの芸能界やテレビの世界、いや、日本を覆う問題を考えさせるものだった。
たかまつは「なんでもかんでもダメと言っては、議論が止まってしまう。一方で、私たちは自らを守るためにも、明文化されたルールを作る必要がある」という。くわしく話を訊いた――。
自分にしか言えないことがあるんじゃないか
――松本さんの発言はどう知ったんですか?
たかまつ:Twitterのタイムラインでたくさん話題が回ってきたので、それで知りました。放送をリアルタイムで見ていたわけではないです。そして指原さんのツイートを見て、「ああ、これはすごい対応だな」と思ったんです。それはたぶん、多くの人が感じたのと一緒で。
でも、指原さんの対応にすごく共感する部分もありながら、一方で違和感も覚えたんですよね。というのも肯定派・否定派の「両者」がまんまとそのツイートに引っかかっている感じがしたから。つまり、松本さんに対してあれはセクハラだと訴え怒っている人は“よくやった”と言うし、お笑いが好きで松本さんを庇いたい人は“オチを付けた”と言う。これでは両者のあいだの溝は埋まらず、社会が分断されてしまうな、と。
だから、なにかこの問題について発言すべきだろうなと思いました。女性であり芸人であり、また事務所に所属していない身である自分にしか言えないことがあるんじゃないかと。
私が言いたかったのは、芸能界を変えていかないとダメだけど、むやみに発言の自由を封じる流れになってほしくない、ということ。だから、どちらかというと松本さんを擁護したかったんです。
――たかまつさんの発言は、「松本人志に異を唱える」という文脈でネットニュースになりましたね。
たかまつ:ネットニュースで取り上げられたら、「松本批判」みたいな真逆の論調になっちゃって、「ん?」となりました。「不謹慎も差別も全部ダメだ!」と議論を狭めていくと、なにも言えない社会になると思うんです。
「笑い」でかわし、「ルール」で身を守る
――言い方は難しいですが、松本さんの発言は、お笑いの「ルール」で回収できなかったのでしょうか。ブログでたかまつさんは「ルール」の話もされていました。
たかまつ:私が言いたかったは、その「お笑い的なルール」じゃないんですよね。それは「カルチャー」に近い。
私がブログで書いたルールは、憲法や就業規則、労働契約のような「明文化されたもの」です。一時的に回避する手段としての笑いは有用ですが、自分たちを守るためにはルールを作っていかないといけないと思うんです。
それは、政治の世界の「憲法」と同じです。憲法は、権力者を縛るためにある。それがないと、政治家の人はいくら「いい人」だとしても、憲法がないと暴走することもできる。反対に、私達の生活は法律というもので縛られている。だからこそルールに対して無頓着であってはいけないし、ルールを知っていれば、自分自身を守ることもできる。
だから、セクハラやパワハラにあった時に必要なのは、一時的にかわす方法としての「笑い」と、最終的に身を守る「ルール」の2つ。「ルールが足りない」と女性陣が感じるなら、どういう制度があればいいのかをみんなで考えなければいけない。
最近では男性の側も、セクハラの疑いをかけられたくないから、会社の飲み会に行きたくない人が多いと聞きます。なんだか、すごく悲しい社会ですよね。
――お互いに不幸になっていると。
たかまつ:たぶん、本当にセクハラをしている人は、その行為が問題だと気づいていない。対して、普通の感覚をもっている人は、セクハラを疑われるから飲みに行きたくない。みんながみんな不幸ですよね(苦笑)。
ブスって言われていい人は、まわりからブスいじりを否定されると、やりづらい。「誰が得するんだよ、この状況」って思っちゃいますよね。
――ただ、ルールを明文化すると、ギスギスするのではないかという懸念があります。もっとマナーレベル、現場の努力で防げるんじゃないか、という意見も出てくると思います。
たかまつ:それではルールが守られないと思います。たぶん、働き方で考えるとわかりやすいかと。たとえば、いま、教員の働き方が問題になっています。過重な労働で、しかも部活の顧問をしていても、時間外労働の手当がないんです。そこでタイムカードを導入する話が出ても、「教員としての働き方はそういうものじゃない」という現場の声もある。働き方という意味で、すごく遅れています。
民間企業でも、数年前にそういう動きがあったと思います。「タイムカードを導入しても嘘をついて押せと命じられれば意味がない」と、ルールによって生身の信頼関係がなくなったり、現場のフレキシブルさがなくなるような話になりました。
でも、明文化されていたら管理者の責任を問うことができる。現在の「働き方改革関連法」だと、月に45時間以内と残業時間の制限がと決まっています。仮に60時間働いたとしたら、会社を訴えたら勝てるわけです。
――ただ、実際にそういうことがあっても、なかなか訴えるところまでいくのは難しいですよね。
たかまつ:訴えなかったとしても、「アレ、そういえば法律で45時間しか残業ダメって聞いたんですけど、大丈夫ですかね?」と言ったら経営側はめちゃくちゃビビると思うんですよ。私がもし従業員の人からそう言われたら、「やばいやばい、ちゃんと管理しなきゃ」となる。そういう効力は、やはりあると思うんです。
自分の常識や感覚が違うんじゃないかと迷ったとき、そういった外部の指標があるとすごく楽だと思います。そういう意味で、ルールを明文化することは自分を守るためにすごく大事。もっと学校の授業で自分の生活に則したルールを学べる場があればいいと思うんです。なかでも労働の教育は本当にやったほうがいい。最低賃金の話とか、ブラックバイトで働いたらどうすればいいか、とか。
事務所を変えただけで「問題のある人」に
――話を戻すようですが、芸能界も同じ問題を抱えていますよね。
たかまつ:そうですね。まず組合が機能していない。「タレント組合」がないですからね。
――たかまつさんの目から見て、今までお話されていたような状況は変えていけそうですか?
たかまつ:正直、肌感覚としては難しいと、身を投じていて思います。何でも海外と比べようとは思いませんが、アメリカだと今の日本の状況はありえないですよね。マネジメント会社を自分で選ぶのも当たり前だし、マネージャーも弁護士も自分で決める。マネージャーを変えたからってそのタレントがわがままだとは誰も思わない。むしろ自己プロデュースがしっかりしていると思われる。
でも日本だと、タレントが芸能事務所を変えれば「問題のある人なのか」となる。それってすごくおかしいことです。
その感覚の遅れは、芸能界だけではありません。世界の感覚を受け入れられない面がすごく多いと思います。移民や難民、外国人労働者の受け入れについても、法律や現場の対応は間に合っているでしょうか。
日本は「外圧」に弱いと思うんですけど、芸能界など、外圧が機能しない分野は特に遅れていますよね。
2つの世界観のあいだで悩む30〜40代
――芸能界もそうですし、その「外圧」であるべきマスコミもでしょうね。世界の潮流やハラスメントについて発信しながらも、その足元ではセクハラ・パワハラが横行し、長時間労働も蔓延している。
たかまつ:たぶん、新聞社も芸能界もテレビ局も、遅れているということに気づかずに、自分たちをマッチョな集団だと思いこんで、そこから抜けられないんですよ。大学時代の先輩や同級生に人気ユーチューバーや、Twitterで人気者になった人が何人かいるんですが、私なんて、その人たちよりぜんぜん稼いでいないんです。でも、彼らを羨む一方、芸能界で「長くいる人たちに認められなきゃ」という感覚も私のなかにあります。
私はいま25歳ですが、20代でクリエイティブな可能性を持っている人は今後ますます、別の世界で自由に活躍していくでしょうね。50代の人は古い世界でそのまま逃げ切れるのでしょうが、30代と40代は2つの世界観のあいだで悩んでいる人は多いと思います。
お笑いの世界を見てもわかりやすいです。YouTubeやTwitterで若い子の人気も得ているのは20代の芸人たち。30代は、たとえばピースの綾部(祐二)さんがニューヨークへ行ったり、又吉(直樹)さんが小説を書いたり、西野(亮廣)さんが「テレビ出ない宣言」をし、中田(敦彦)さんも(自身のファッションブランドの)お店をはじめ、村本(大輔)さんもスタンダップコメディをやりはじめました。テレビの場だけだと、これから先なにかと限界を感じている人たちだと思うんですよね。
――「30代問題」は根深いですよね(苦笑)。たぶん他のどの業界でお同じようなことが起きている。
たかまつ:たとえばマスコミ業界も、20代はどんどんウェブに流れていますよね。ジャーナリズムを志す若者が新聞社ではなくウェブメディアに行く、というのも増えている。
30代の人たちは問題意識がはっきりしていても、裁量も増えて、そのまま続けていくほうが楽だったりする。そのまま40代になると、管理職。で、管理職でようやく楽になると思ったら、「働き方改革」で自分の仕事が増えていたりする……。芸能界に限らず、日本全体がそうなっているわけですよね。
――古い世界の慣習から解き放たれようとしている人が増えていくなかで、今後、セクハラ・パワハラ、労働時間のような問題は解決していくと思いますか?
たかまつ:そこはやっぱり、それを防ぐためのルールができるかどうかだと思います。松本さんの発言のきっかけになったアイドルの暴行事件も、その背景にはアイドルグループが縛られるルールや規定の問題がある。アイドルたちを守るルールって、労働契約にしろ、すごくウヤムヤですよね。ルールをきっちり作って、しかもルールを当事者たちが知るようにならないといけない。
一般的な会社にしても、例えば二次会がハラスメントの温床になっているなら「二次会禁止」にするとか、もっと明文化されていかないとダメなんじゃないかと思います。
芸人にしたって、不思議な慣習や掟が多いんです。先輩の単独ライブの手伝いを無料で引き受けるとか。そこで「契約を結んだ方がいいんじゃないですか」なんて話をすると、もちろん煙たがられます。「先輩のライブの手伝いをしたら、お前にとっても勉強になるから」と言われて正当化しようとするんですが、とりわけ勉強になることもなかったりするし(笑)。でも、お笑い界という狭いコミュニティにとらわれていると、そこで浮くこともできない。
「容姿いじり=いじめ」は短絡的すぎる
――たかまつさんはブログの中でブスいじりについても言及されていましたが、バラエティにおける容姿いじり自体が、時代の感覚と合わなくなってきているという考えもあります。
たかまつ:たしかに、文化人と呼ばれる人と飲みに行っても、「お笑い、バラエティ番組は本当にけしからん」「海外では容姿や性差を笑いにすることはない」という話になります。でも実際、日本のお笑いの世界では、ブスを笑いに昇華できて嬉しいという人もいる。私もそうですが、ブスと言われておいしいと思う人もいる。
どうしても自虐芸をやりたいなら、いっそ、自分から言えばいいという人もいます。でも、「ブスだろ」「ブスじゃない!」と、他人から言われることで生まれる笑いがある。他人に容姿についていじられて、それを言い返しているからいじめだとするのは、あまりに短絡的な考えかな、と。
――今クールのドラマ「ちょうどいいブスのすすめ」(現タイトル「人生が楽しくなる幸せの法則」/日本テレビ系)が炎上してタイトルが変更になった一件がありましたが、それについてはどう捉えますか?
たかまつ:あれは制作側がダサいですよ。今の時代なら、議論喚起するくらいのつもりでやらないと。やるならやれ、と。炎上すると分かってなくて炎上するのは、そもそも浅はかだなと思いますが。
私も炎上しがちに思われますけど、基本的には狙って炎上させています。炎上の大きさがどれぐらいのものになるのか、は読めないところがありますけど、どんな意見がくるかはわかっていて、だいたい予想通りになります。だから、「ちょうどいいブス」で、世の中のブスというものへのイジリとか、考えるきっかけにするメッセージ性があればよかったのに、それがなくて中途半端な気持ちであのタイトルで放送したなら、ダサいなって思います。
自分の名前、会社の名前を背負うというのは、それくらい覚悟をするということだと思うんですね。それは厳しいことだと思うけど、そのほうが絶対にいい。
――テレビは炎上を恐れるあまり、議論喚起する力を失っている?
たかまつ:いまのテレビは「失敗しちゃいけない」という気持ちが強すぎると思います。それが首を締めている。すべてを製作側の問題にもできないし、タレントの責任にもできないとは思いつつ、「問題発言」を抑え込んでばかりでもいけないと思います。
政治問題にしても、たとえばアイドルが領土問題について発言しても、放送される時にはまるまるカットされたりする。でも、その指摘が鋭くて、議論が広がりそうなことがあるわけです。そんな時、発言を一律にカットするのではなく、どう展開すれば面白いか、制作側も考えるべきだと思うんですよね。
――そもそも情報番組にお笑いが必要なのか、という議論もありますよね。
たかまつ:お笑いという異質なものがあるからこそ、すごく興味深い論点の提示ができるかもしれない、と思います。いろんな可能性があっていいと思うんです。だから、芸能人の政治的な発言だって、もっとあっていい。
ストレートな言葉しか伝わらないことに危機感
――「炎上を恐れるな」「自分や会社の名前を背負う覚悟をもて」といった言葉に、芸能界のなかで孤軍奮闘されているたかまつさんの強さを感じました。
たかまつ:さきほど炎上は予測できると言いましたが、じつは最近不安なんです。それこそ松本さんについて書いたことも、私としてはどちらかというと擁護のつもりだったのに、真意が伝わっていない人がけっこういて。「アホ、ゴミ」と罵ってくるだけの人には、さすがに「もっとよく読んで」と言いたくなりました。
言葉の裏にあるものを読み取ってもらえないというか、ストレートじゃないと伝わらない。それって、世の中、お笑いとか、芸能とか、表現するという行為すべてを考えても、つまらないことだと思うんですね。
私自身としては、それでも自分の信じることを言っていくし、お笑いをやっていくしかないと思っています。ジャーナリストとして、社会風刺や権力への眼差しを持ち続けて、「お笑いで世直し」を目指していきたいです。
※たかまつは、日常生活やビジネスシーンにおいて「お笑い」の力でコミュニケーション力を高める「笑活」も行っている。
<笑活コーディネーター認定講座>
3月24日 東京(きゅりあん 品川区立総合区民会館 第3講習室)
5月19日 東京(目黒区中小企業センター 第1集会室)


閲覧禁止の「壬申戸籍」ネットオークションで出品・落札 明治初期、初の全国的戸籍
 初の全国的な戸籍として、1872年から編製された「壬申戸籍」とみられる文書が、インターネットのオークションに出品され、法務省が急きょ回収する事態があった。壬申戸籍は「華族」「平民」といった当時の身分や犯罪歴も記載され、差別につながる恐れがあるため閲覧禁止となっており、同省が出品の経緯などを確認している。
 法務省によると1月末、オークションサイト「ヤフオク!」に「明治戸籍」と題された文書が出品され、2月7日に13万3千円で落札された。
 文書は内容から、現在の浜松市あたりの戸籍とみられる。


声明 死者をも冒涜する日本政府の言動に抗議する!!
 1月28日、人権運動家・金福童さんが亡くなった。5日間に亘る葬儀には文在寅大統領をはじめ6000人が弔問し、日本大使館前の告別式に向かう行列には1000人が連なり粛々と行進した。
金福童さんの死を悼む声は世界各国から上がった。
「第二次大戦中に日本軍の性奴隷とされ、粘り強い闘いを繰り広げて、自身と同様の経験をした何千人もの女性の苦しみに国際的関心を向けさせることに貢献した金福童さんが亡くなった。92歳だった。……金さんと他のサバイバーたちは、(日韓)合意は日本の公式賠償と法的責任の認定が不足していると主張した。金さんは入院後に(和解・癒し)財団の前で車椅子に乗って一人デモを行った。金さんは2016年、ラジオのインタビューで『今まで私たちが闘って来たのはお金のためではない』とし、『私たちが望むのは、私たちの名誉を回復する、日本の心からの謝罪と法的な賠償だ』と述べた。……」(1月30日付『ニューヨークタイムズ』)。
この記事に、日本政府が噛みついた。「正義を訴えた戦時性奴隷、金福童さん(92歳)死去」(1月30日付)への返答と題して編集者宛に外務省報道官が送った手紙は、「日本政府は第二次世界大戦中の慰安婦問題は、多くの女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題だということを認めている。日本は、様々な機会を通じて元慰安婦に心からのお詫びと反省の気持ちを伝えてきた。日本と韓国の間の財産及び請求権に関する全ての問題は、慰安婦問題を含めて法的には解決済みだが、日本は全ての元慰安婦の名誉と尊厳を回復し、心の傷を癒す取り組みを行って来た」とし、その例としてアジア女性基金と2015年日韓合意について述べ、「生存者47名中34名が(和解・癒し)財団からの支援金を受け取り、取り組みを歓迎した。これは否定できない事実である」と締め括っている。(2月7日付同紙)。
この投稿には、かつて日本軍の「慰安婦」とされた金福童さんに対する加害国政府としてのお詫びや反省の言葉はおろか、悔やみの言葉すらない。金福童さんの死後に日本政府が述べた言葉としては、ソウルの日本大使館前で行われた告別式について、西村康稔官房副長官が「在韓国大使館の安寧を妨害、または威厳を侵害するものであれば、外交関係に関するウィーン条約の規定に照らして問題がある」と述べたものしか伝えられていない。
「心からのお詫びと反省の気持ち」を持っているならば、まずは金福童さんの死を悼む言葉を述べるべきなのではないか。「お詫びと反省」「名誉と尊厳を回復し心の傷を癒す取り組み」がいかに空虚なものか、日本政府は再び露呈させた。まさに、金福童さんが最期まで、日本政府の謝罪を心からのものと認めず、日韓合意に反対し続けた理由がここにある。
そして、日本軍「慰安婦」問題が未だ解決されていない原因も、日本政府のこのような姿勢にあるのだ。「心からのお詫びと反省の気持ち」は、その言葉を述べれば被害者に伝わるものではない。この言葉を述べた同じ口で「強制連行はなかった」「性奴隷ではない」「法的には解決済み」と主張することによって、その言葉は口先だけのものと被害者らに受け止められてきた。そして今回また、哀悼の言葉も述べずに「他の人たちは歓迎した」と、死者に鞭打つお門違いな反論を展開することで、日本政府はその本音と本質を余すところなくさらけ出した。
私たち日本の市民は、このような政府の言動を心から恥ずかしく思う。日本政府が国際世論対策だと勘違いしている言動は、むしろ国際的に恥をさらすことにしかなっていない。日本政府はこれ以上、死者の名誉と尊厳を冒涜する言動を止め、口先だけではない、被害者に信じてもらえる謝罪を態度で示し、加害国政府としての責任を即刻、果たすよう強く求める。


モー娘。佐藤の「写真集で水着を着たくない理由」が話題「私達には売上の7割も入らない。そんな安い対価では嫌」
モーニング娘’19の佐藤優樹さん(19)がラジオで発言した持論がネットで話題になっている。佐藤さんは2月16日、ラジオ番組『ヤングタウン土曜日』(MBS)にゲスト出演。司会を務める明石家さんまさんや、メンバーの横山玲奈さん、昨年グループを卒業した飯窪春菜さんと水着を巡って意見を交わした。
佐藤さんは昨年、1冊目の写真集を発売しているが、写真集の中に水着のカットがなかった。さんまさんから水着になるのが嫌な理由を聞かれると、
「じゃあすっぽんぽんで原宿の竹下通りを歩いてくださいって言われたら歩けます?」
と、逆に質問を投げかけた。
水着になることについて「軽く考えている脳みそをどうにかしたほうがいい」
さんまさんから「100万貰ったら出来る」と言われると、
「私達が水着を出します、3000なん円ですってなっても、私達には7割も入ってこないとスタッフさんから言われたんです。(中略)そんな安いのは嫌。(水着になることを)軽々しく考えている脳みそをどうにかしたほうがいいんじゃないかなって思っちゃう」
と答え、出演者を騒然とさせた。
アイドルが自身の写真集に水着のカットを入れるのは、そう珍しいことではない。そのためか、さんまさんは佐藤さんが水着にならないことについて「それはお前の間違いや」と諭すが、「そう。まさ(編注:佐藤さん自身のこと)は間違いだらけ」とけろっとしている。
佐藤さんはさらに、
「だって裸なんて好きな人にしか見せないものでしかないんですかそもそも。水着も下着とほぼほぼ変わらなくないですか?」
とも投げかける。海やプールに行ったときにも、水着になるのが嫌で、パーカーとズボンで過ごしているという。
「仕事なら私に1億8000万円欲しい。ヌードなら600億円必要」
写真集で水着になるのが恥ずかしいという気持ちは、他のメンバーも同じだ。飯窪さんは、佐藤さんから水着になることに抵抗はなかったか聞かれると、「恥ずかしかったよ嫌だったよ。だから私、水着は一着だけだったよ」と即答。同じく横山さんも「撮りましたけど、嫌ですね」と答えている。
ただ、飯窪さんも横山さんも、嫌な気持ちは持ちつつも撮影はした。さんまさんの「仕事やからな。ファンが見たいねんから」という言葉に頷いていたように、仕事なのだから水着になるのは仕方ない、と自分を納得させていたのかもしれない。
しかし、佐藤さんは「仕事だから仕方ない」論に真っ向から反論。
「仕事なのは分かります。仕事なら私に1億8000万円欲しい。ヌードは600億円」
と述べ、スタジオ全員を驚かせた。さんまさんから「600億円も見んのお前の裸。そんな値打ちあんの?」と問われても、
「ひとりひとりみんなありますよ。さんまさんだってそうだし横やんだってそうだしスタッフさん全員に」
と回答。さんまさんが100万円で原宿を歩くと言ったことに対しては、「だから、さんまさんはそれを軽々しく言ってるから『どうぞ』って言ってるだけ」と突き放していた。
ネットでは、佐藤さんの発言を、
「やりたくない子にはやらせんでいいと思うね 」「さすまーとしか」
「まーちゃんは立派だね新時代アイドルの先頭に立つべき人だ」
と好意的に受け止める人も多いが、「お仕事だから頑張って水着になってるハロメンもいるのに無神経すぎませんかねぇ」と疑問を持つ人も散見されている。


袴田事件<後編>姉・秀子さんは人生を弟のために捧げた
「私と亡くなった母親は、ずっと巌が無実だと信じ続けてきましたよ」
 そう語るのは、1966年に起きた一家4人の強盗殺人放火事件で逮捕され、2014年に東京拘置所から釈放された袴田巌さんの姉・秀子さんである。2人は現在、浜松市内の自宅マンションで暮らしている。
 巌さんは、48年にわたり拘置所での生活を強いられ、さらには不当な死刑判決により拘禁反応を起こし、満足に会話ができない。そのため、直接話を聞くことはできないが、以前は家族に手紙を送り続けていた。その一部分を紹介する。逮捕から約1年がすぎた頃、1968年9月の死刑判決が出る前のものだ。
〈昨日兄の実さんが来てくれました。兄は前より肥って元気なようでした。身内というものは好いものですね、別れが名残り惜しく思いました。(中略)検事は自供調書と言うているが、調書は拷問によるもので真実性がありません。検事が言うような事実はありません。考えてみれば、今僕は生死が賭かっている訳ですから、真剣に考えて法廷に出たいと思う〉(筆者により一部送り仮名など訂正)
 これ以外にも巌さんが書いた手紙を読んでいくと、検事が提出した証拠のいい加減な点を訴えるものも多いが、自分の無実を最後には裁判所が分かってくれるはずだという思いが随所に感じられる。
「裁判では、血のついたズボンが検察側から証拠として提出されましたけれど、その時、巌は減量していて、事件当時より痩せていたのに、そのズボンをはくことができませんでした。あまりにずさんな裁判だったと思います」
 死刑判決の確定は青天の霹靂だったのだろう。奈落の底へ突き落とされ、拘禁反応が表れた。
「私は静岡だけではなくて、東京に移ってからも毎月欠かさず会いに行っていました。死刑が確定するまでは、本当に元気でした。死刑が確定してから面会を拒絶するようになったんです。それでも毎月東京には行きました。面会拒否は10年ぐらい続いたんじゃないでしょうか。生きているのか確認したくて、代議士の方にお願いして巌を呼び出してもらったんです。私の顔を見て巌は言いました。『これは偽物だ。メキシコのババアだ』って。おかしなことを言うようになってしまいましたけど、私からしたら、生きていてくれて本当によかったって思いが強かったです」
 秀子さんは自分のことはさておき、人生を弟のために捧げてきた。
「22歳の時に結婚して、1年ほどで別れて、それからはずっとひとりだったんです。家族ができたら、巌のために使える時間というのが削られてしまうじゃないですか。それと、母親が無実を信じて一生懸命でしたから、その思いを継いでいきたかったんです。親孝行をしているつもりなんです」
 14年に刑が執行停止になったものの、18年6月には東京高裁が再審開始を取り消した。今後の判断は最高裁に委ねられるが、最悪の場合に再収監される可能性も否定できない。
 現在、巌さんは、秀子さんや支援者に支えられ日々を過ごしている。彼の家族が強いられた苦しみの年月を思うと、平穏な日々がこれからも続いていくことを心から願わずにはいられない。(ルポライター・八木澤高明)


京都大吉田寮の退去問題 寮生会見「話し合いに応じる」
 京都大が老朽化した学生寮「吉田寮」旧棟(京都市左京区)からの寮生退去を求めている問題で、吉田寮自治会は20日、旧棟の維持管理を自治会が担うなどの条件が認められれば「5月末をめどに現棟(旧棟)の居住を取りやめる」との声明を出した。
 京大執行部が、新旧両棟からの全員退去を求めた従来の方針から、新棟の居住容認へ転換したことを受け、寮生側も歩み寄った。
 自治会の声明では、執行部が批判していた入寮募集について、2019年度春季の旧棟については募集しないと表明。一方、旧棟を維持するための清掃や管理を自治会が担うことなどを求めている。
 旧棟前で会見した自治会代表の文学部4年生(23)は「安全性を鑑み、現棟(旧棟)からの退去という譲歩をした」と説明。その上で、12日に大学側が示した方針で、新棟への寮生募集を行わないよう求めている点に触れ「自治の根幹に関わり即座に飲めない。しかし話し合いには応じる」と話した。
 自治会はこの日、大学側に対して寮生の立場を説明する要求書を提出。3月13日までの回答を求めた。


京大吉田寮自治会側が譲歩の提案
京都大学の学生寮、「吉田寮」について、大学側が老朽化を理由に学生に退去するよう求めている問題で、寮生で作る自治会側は、古い建物からの退去を条件付きで認める提案を大学側に提出したことを明らかにしました。
京都大学の吉田寮をめぐっては、大学側が老朽化などを理由に退去を求めているのに対し、一部の寮生がこれを拒否してきました。
今月、大学側は、新たな寮生の募集をしないことなどを前提に4年前にできた新しい建物への入居を認めるとして、古い建物からは直ちに退去することを求めていました。
これに対し、20日、寮の自治会側が記者会見を開き、新たな提案を大学側に提出したことを明らかにしました。
それによりますと、古い建物については、この春、寮生の募集を行わず、古い建物を自治会が維持管理することや耐震補強工事が終わっている食堂の使用を認めるなら、ことし5月末をメドに全員が古い建物から退去するとしています。
自治会の代表で文学部4年生の松本拓海さんは、「危険性が指摘される建物で新たな寮生の募集を続けたことが、信頼関係を壊した一因でもあり責任は自分たちにもあるので大学側との話し合いを再開したい」と述べました。
一方で、新しい建物も含めて寮生の募集を行わないよう求める大学側の提案は寮の自治のあり方を問う問題で現時点では受け入れられないとしています。
自治会は、来月13日までの回答を大学に求めています。

朝からクタクタ/黄色/version4/ppt3回目

ブログネタ
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La Maison Blanche a demandé au Japon de nommer Trump pour le prix Nobel
Le Japon aurait adressé une lettre de nomination au comité du prix Nobel de la paix à Oslo pour que ce dernier soit décerné au président des États-Unis Donald Trump. C’est ce qu’a affirmé ce dernier, précisant que le Premier ministre japonais Shinzo Abe lui aurait remis ≪ la plus belle copie ≫ de ce courrier de 5 pages.
≪ Le Premier ministre japonais Abe m’a donné la plus belle copie d’une lettre qu’il a adressée aux personnes qui remettent une chose appelée prix Nobel. (…) Vous savez pourquoi ? Parce qu’il avait des fusées et des missiles qui survolaient le Japon. Ils se sentent en sécurité. C’est moi qui ai fait ça ≫, a déclaré le président américain.
Abe aurait fait cette proposition… à la demande de Washington
Le journal japonais Asahi Shimbun a confirmé qu’Abe avait fait cette proposition au Comité de sélection du prix Nobel. Selon le quotidien, le dirigeant japonais aurait formulé cette proposition après que le gouvernement américain le lui aurait ≪ officieusement ≫ demandé à la suite du sommet historique avec le dirigeant nord-coréen kim Jong-un à Singapour en juin dernier. De cette manière, Abe aurait souhaité remercier Trump pour les efforts du président américain visant à atténuer les tensions avec la Corée du Nord.
Néanmoins, le Premier ministre japonais lui-même a refusé de confirmer cette information, et s’est retranché derrière le secret qui entoure le choix du récipiendaire de la récompense. ≪ Je ne dis pas que ce n’est pas le cas ≫, a dit Abe, rappelant les initiatives prises par le président américain pour freiner la nucléarisation de la péninsule coréenne, et précisant qu’il avait ≪ fortement ≫ apprécié sa gouvernance. Mais ≪ en ce qui concerne le prix Nobel de la paix, le Comité Nobel a décidé de ne pas divulguer les nominés et ceux qui les nomment pendant 50 ans. Sur cette base, je voudrais m’abstenir de tout commentaire à ce sujet ≫.
D’autres personnalités ont proposé la candidature de Trump

Dans les semaines et les mois qui ont entouré le premier sommet avec son homogue nord-coréen en juin dernier, Trump a souvent fait référence au prix Nobel de la paix, affirmant que ≪ tout le monde pensait ≫ qu’il le méritait.
Le président sud-coréen Moon Jae-In avait déjà suggéré que Trump devait remporter cette récompense, pour les mêmes raisons. Et selon Reuters, Trump aurait également recueilli le soutien de l’ex-Ministre de la Justice norvégien Per-Willy Amundsen, et de son collègue de parti Christian Tybring-Gjedde. Les deux hommes auraient également écrit au comité Nobel en juin pour pousser la candidature de Trump.
S’il remportait le prix Nobel de la Paix, Trump serait le cinquième président américain à recevoir cet honneur. Theodore Roosevelt, Woodrow Wilson, Jimmy Carter et Barack Obama figurent parmi les anciens lauréats.
Le lauréat du Prix Nobel de la Paix sera connu le 11 octobre prochain. 304 candidats seraient nommés pour le prix de cette année, dont 219 individus et 85 organisations. L’année dernière, cette récompense a été attribuée conjointement au docteur congolais Denis Mukwege et à la militante des droits de l’homme yézidie Nadia Murad.
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フランス語の勉強?
布施祐仁 @yujinfuse
米国の同盟国の首脳たちは皆、米国に対して一定の敬意を払っているでしょう。でも、頼まれてトランプ大統領をノーベル平和賞に推薦するなどという恥ずかしいことをする人は誰もいません。自国や自国民に敬意を払っていれば、そんなことはできないはず。日本の品格を傷付けているという自覚はないのか。
ノーベル平和賞推薦を批判した野党議員に「政権を取りたいなら米国大統領に敬意を払え」と反論した時の安倍首相のドヤ顔を見ると、恥ずかしいとかいう気持ちはこれっぽちもなく、これこそが国益だというプライドすら感じた。日米同盟を絶対視し世界情勢を多角的にみる視点がないのが一番危ないと思う。

ITOKEN @itokenichiro
大阪の松井知事と吉村市長がそれぞれ任期切れ前に辞めて、松井が市長選に、吉村が知事選に出馬するという悪夢のような冗談のような「クロス選」なるものが予定されてるらしいが、「もしかして、私たち、入れ替わってる〜」とか言いながら両方とも落選してこそお笑いの街、大阪の面目躍如であろう。
NNNドキュメント 東京のご近所さん
東京タワーのすぐ近く、都会の真ん中にある港区・芝三丁目。この街には「芝の家」という誰もが気軽に足を運ぶことができ、触れあえる場所がある。
おばあちゃんに折り紙を教えてもらう子どもたち、独居老人に声をかけ開かれる昼食会、子どもを叱ってくれる大人の存在に感謝する若いママさんたち。板間に縁側、道路の落書き...映画「三丁目の夕日」で描かれた高度経済成長期の「昭和の世界」のような温かい絆が今もそこにあった。 平岩紙  日本テレビ


朝から頑張ってクタクタ.病院で黄色のお薬もらう時もぼんやり.
wのversionが4ということわかりマニュアルチェックです.
ppt3回目頑張っています.

石巻・旧門脇小 遺構アンケート「全体保存」8割以上
 宮城県石巻市が震災遺構として、校舎の一部を保存することを決めた旧門脇小学校について、校舎全体の保存を求める市民団体が行った周辺住民に対するアンケートで、回答の8割以上が「全体保存」を求めていることがわかりました。
 旧門脇小学校の保存範囲を問うアンケートは、地元の住民団体が、2月8日から実施し、18日夜、その中間結果が、公表されました。それによりますと、周辺の住民や卒業生ら266人から回答があり、「全体保存」を支持する意見が、全体の約84パーセント、「部分保存」は10パーセント、「解体」と「どちらとも言えない」は、合わせて6パーセントでした。市民団体は、2月いっぱいアンケートを続け、結果を尊重するよう、市に申し入れる方針です。


<震災遺構>「全体保存を」83.8% 石巻・旧門脇小住民アンケート中間発表
 石巻市が東日本大震災の遺構として部分保存する方針の旧門脇小校舎を巡り、全体保存を求める地元住民が18日、独自に行ったアンケートの中間結果を発表した。回答のあった266件のうち223件(83.8%)が全体保存を支持し、部分保存の26件(9.8%)を大きく上回った。
 アンケートは「全体保存を要望する会」が実施。「部分」「全体」のどちらの保存を望むか尋ねた。18日までに地元住民101件、卒業生や転出者ら町内会関係者26件、市内88件、市外46件、その他5件の回答が寄せられた。アンケート用紙の他にインターネット上でも募集した。
 いずれの意思も示さず、自由記述で解体を求めた回答が14件(5.3%)、どちらとも言えないという内容が3件(1.1%)あった。
 自由記述で、全体保存の回答者から「8年もたち気持ちに変化が生じている」「大切な形が残る」などの意見が示される一方、「維持管理費などの関係から市の案の通り」と部分保存を支持する声も見られた。
 要望する会はアンケートの集計を継続し、3月上旬をめどに市や復興庁などに提出する方針。
 要望する会代表の地元町内会長本間英一さん(69)は「全体保存が多いのは住民の考えが変わってきているからだ。自由記述のコメントも多く寄せられ、それぞれの思いが強いのも分かった」と話した。
 旧門脇小を巡っては亀山紘市長が2016年3月に部分保存の方針を決定。校舎の両側を解体し、中央部分を保存する方針を固めている。


<震災遺構>「旧門脇小」中越地震に伝承学ぶ 住民ら30人「語る会」
 宮城県石巻市が東日本大震災の遺構として残す旧門脇小校舎について理解を深める「遺構と地域のこれからを語る会」が18日、石巻市門脇町の災害公営住宅集会所であり、住民ら約30人が伝承の在り方を学んだ。(26面に関連記事)
 地元のかどのわき町内会と公益社団法人みらいサポート石巻が共催した。
 新潟県中越地震で被災した旧山古志村(現長岡市)の木籠(こごも)集落の住民や元住民、ボランティアらでつくる「山古志木籠ふるさと会」の松井智美さん(39)が講演。笹(ささ)団子作りや盆踊りなど地域の伝統を協力しながら継承する現状を紹介し、「無理をしないでありのままの生活を送ることが大事」とアドバイスした。
 講演後、5班に分かれてワークショップを開き、「水没した家屋を残すかどうかを考えた当時の思いはどうだったのか」「古里を基盤に身の丈にあった地域づくりをしているのが素晴らしい」などの質問や意見が出た。
 同町内会副会長の和田佳子さん(55)は「地域を離れた人に声を掛け、帰って来られるような場所をつくりたい」と話した。
 語る会は震災遺構のある地域の未来像を考える機会として昨年10月に初めて開かれ、今回が2回目。


SDGsと被災地/事業手法を転換する契機に
 国連が掲げる「持続可能な開発目標(SDGs)」を推進する機運が全国の自治体で高まっている。貧困の解消、健康、衛生の確保、気候変動への対策といった地球規模の困難に対応していくのが狙いだ。こうした枠組みは地域の持続可能性を探る自治体、とりわけ東日本大震災の被災地の課題解決に通じる。
 SDGsは2015年の国連サミットで採択された。世界が直面する17分野の課題に対し、計169の具体的目標を設定。「われわれは地球を救う機会を持つ最後の世代になるかもしれない」という各国共通の危機感の下、「誰一人、取り残さない」とうたい上げた。
 津波で市街地の65%が浸水し、1000人を超す人的被害に見舞われた東松島市は昨年6月、内閣府が選定する「SDGs未来都市」として全国29自治体の一つに選ばれた。同市の最大の課題は、震災で加速した少子高齢化と人口減少への対応だ。
 全庁の施策に反映させる「SDGs未来都市計画」を策定。30年の地域目標を「人口減を食い止め、地域社会・経済を成長軌道に乗せる」と明示した。コミュニティーの再構築、雇用や暮らし、教育の市民満足度、再生可能エネルギー導入など達成すべき11の数値目標を設けている。
 自治体にとって、SDGs推進の意義は政策の立案と遂行の手法にある。
 現状の課題を「経済」「社会」「環境」の三つの側面から捉えることで、それぞれを統合し、最適化させる政策が立案できる。地域戦略と地球規模の優先課題を結び付ければ、施策の方向性が先々の社会情勢とずれていくリスクを抑制できるメリットも見込まれる。
 裏返すと、過去の施策の反省が見えてくる。震災後に展開されたがれき処理、防潮堤建設、災害公営住宅の整備といった巨大事業、コミュニティー形成などソフト施策は、時間とともに欠陥や欠点が次々と露呈している。
 リサイクルの視点を欠いたがれき処理は経費の巨額化を招き、迅速さを優先したインフラの復旧はまちづくり・観光振興との齟齬(そご)を生んだ。仮設住宅や災害公営住宅での孤立などコミュニティー問題を含め、持続可能性と相いれない実態がある。
 震災の混乱という特殊事情はあるものの、直線的、あるいは縦割りという従来型の事業手法のひずみが、ここにきて顕在化したとも言える。
 理想主義とも言われるSDGsだが、「地球を救う」手だては政治、行政、企業などの当事者による一つ一つの行動の総和でしかない。
 被災地は新たなまちづくりが進み、既存の事業手法を転換する好機にある。被災地の復興で見いだす持続可能性の新たな答えは、地球規模の社会課題解決に通じることをかみしめたい。


<震災8年>被災3県首長、5割が外国人受け入れに前向き 人手不足解消に期待
 4月から国内での就労が拡大する外国人労働者について、東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島3県の計42市町村のうち、半数の首長が受け入れに前向きであることが18日、河北新報社の首長アンケートで分かった。震災後、大幅な人口減少に直面し、特に製造業などの人手不足解消に期待を寄せる。一方、「分からない」が4割に上るなど、新制度の行方を見極めたいとの思いも透けて見える。
 震災8年を機に聞いたアンケートの主な回答は円グラフの通り。各市町村長の回答は「受け入れたい」19%(8人)、「どちらかといえば受け入れたい」33%(14人)で、前向きな市町村長が52%(22人)と過半数に達した。
 宮城県南三陸町の佐藤仁町長は「既に労働力不足が顕著」などと回答。佐藤町長同様、人口流出による厳しい現実を踏まえ、受け入れの必要性を説く声が大半だった。
 「分からない」は38%(16人)。いわき市の清水敏男市長が「受け入れた際の自治体への支援が見えない」と指摘したように、国の動向を見極めたいとの理由が多かった。福島県双葉町の伊沢史朗町長は「地方なので(就労を)期待できない」と冷静な見方を示した。
 人口減が比較的緩やかな仙台圏は、受け入れに消極的な意見が目立った。岩沼市と宮城県七ケ浜町は「どちらかといえば受け入れたくない」と回答。文化の違いによるトラブルなどへの懸念を示した。
 仙台市の郡和子市長は「人手不足は喫緊の課題で、外国人材の活用は現状を打破する一つの手法」としつつ、回答は「どちらとも言えない」を選択。日本語習得などサポート体制の必要性にも言及した。
 受け入れに前向きな首長に、対象業種を尋ねた結果は帯グラフの通り。最多は「製造業」21%(9人)。「その他」のうち「水産加工」との答えを合わせると計29%(12人)に達した。続いて「農林業」12%(5人)、「介護・福祉」10%(4人)だった。
 どの業種も人手不足が慢性化している。宮古市の山本正徳市長は「全ての分野で受け入れたい」と積極的なスタンスを示した。
[外国人の就労拡大]外国人の就労を単純労働分野に拡大する改正入管難民法が4月1日に施行される。政府は介護や外食、建設、農業、漁業など14業種で5年間に最大34万5150人を受け入れる計画。新たな在留資格として一定技能が必要な「特定技能1号」と、熟練技能が求められる「同2号」が創設された。2号は家族帯同ができる。国と自治体の役割分担など詳細は先送りされた。
[調査の方法]東日本大震災で津波被害を受けたり、東京電力福島第1原発事故に伴い避難区域が設定されたりした岩手、宮城、福島3県計42市町村の首長を対象に、1、2月に実施。質問項目をメールやファクスで送り、全首長から回答を得た。


仙台−気仙沼 三陸道直結 期待と不安
 16日に三陸自動車道が、宮城県気仙沼市まで開通し、仙台市と気仙沼市が、一部を除き1本の高速道路で繋がりました。開通により、水産業や観光の振興に期待が高まる一方、通過点となる南三陸町では、不安の声も挙がっています。
 16日に宮城県南三陸町の歌津北ICで行われた開通式。この日を待ちわびた大勢の人が集まりました。
 今回、開通したのは、南三陸町の歌津ICから気仙沼市の小泉海岸ICまでの10キロの区間。そして、本吉津谷ICから大谷海岸ICまでの4キロの区間です。開通により、仙台と気仙沼の間が、一部を除き高速道路で繋がりました。この区間の所要時間は、約10分短縮されます。
 気仙沼市では、水産業の活性化や観光の振興に期待する声が高まっています。一方、これまで三陸道の「終点」だった南三陸町は、「通過点」になります。歌津ICの近くにある商店街「南三陸ハマーレ歌津」。国道45号線の復旧工事の影響で訪れる客の数は減っていて、今回の開通でさらに「客足が遠のくのでは」と、危機感を募らせています。交通の大動脈ともいえる三陸道をまちの活性化にどう活かすのか。復興の途上にある地域の底力が試されることにもなりそうです。


遠洋マグロ漁 魅力知って 若手漁師4人トークショー 気仙沼向洋高生に体験紹介
 担い手不足が深刻な遠洋マグロ漁業の仕事を高校生に理解してもらおうと、遠洋マグロ船に乗る10代後半から20代前半の現役乗組員4人が18日、宮城県気仙沼市の気仙沼向洋高で航海の苦労や魅力を話した。情報海洋科1年の19人が耳を傾けた。
 気仙沼港を基地とする遠洋・近海漁船の所有会社でつくる県北部船主協会(気仙沼市)が主催。乗船1年目で甲板員の小山直喜さん(19)と同伊藤澪史さん(19)、4年目の2等航海士佐藤一歩さん(22)、5年目の1等機関士福島昂さん(25)が、約10カ月間の船上の体験を裏話を交えて語った。
 「最初は船酔いが5日間続き、水も口にできなかった」(福島さん)「疲労がたまると船上で立ったまま寝る」(佐藤さん)といった苦労話や、乗組員の大半を占めるインドネシア人とのコミュニケーションの取り方などが披露された。
 4人は協会が発信するブログなどに感化され、マグロ船に乗り込んだという。仕事のやりがいを小山さんは「船上では学歴などの経歴は関係ない。頑張った分だけ報われる」と強調し、伊藤さんは「先輩たちに早く追い付き、成長を実感したい」と意気込んだ。
 司会を務めた事務局長の吉田鶴男(たづお)さん(48)がマグロはえ縄漁について説明。生徒らはトークショー後、気仙沼港に係留された遠洋マグロはえ縄漁船を見学した。鈴木海斗さん(16)は「つらいことも多いが、船上で感じる達成感の大きさが伝わった」と感想を述べた。


河北春秋
 秋田県ではあちこちで、男鹿半島に伝わるナマハゲのイラストを見掛ける。赤鬼風や青鬼風に単純化したものが多い。「来訪神 仮面・仮装の神々」の一つとして国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に昨年登録されたナマハゲへの親しみを広げるのに、愛らしいイラストが一役買っている▼ナマハゲは無病息災や豊かな実りを願い、集落の家々を大みそかの夜に訪ね歩く。地元の青年らがナマハゲの面やわらで作った衣装を着けて神様に扮(ふん)する。迎える側は丁重にもてなす▼面は丸顔、面長、異国風など集落ごとに趣を変える。表情の色使いも赤、青、水色、緑、金、銀などを織り交ぜさまざまだ。単純化された絵柄を見慣れた感覚からは「これがナマハゲ?」と思うような面もある▼男鹿市の日本海域文化研究所が著した『ナマハゲ その面と習俗』は約90の集落で受け継がれてきた面を伝える。今月8〜10日には市内の真山神社で恒例の「なまはげ柴灯(せど)まつり」があった。面や衣装が異なる各集落のナマハゲが集う貴重な場だ▼個性豊かな一つ一つの面に、それぞれの集落に宿る精神性が刻まれる。人々は安寧の祈りを面に託し、信仰の対象としてきたのだろうか。表情の多様さは、ナマハゲが男鹿の風土に紡ぐ世界の奥深さを物語る。

ILC国際リニアコライダー東北誘致 仙台でセミナー「国への働きかけ強…
 ILC=国際リニアコライダーの東北誘致を目指すセミナーが、19日仙台市で開かれ、専門家は「国への働きかけを強める」と力を込めました。
 仙台市青葉区で開かれたセミナーには、約170人が出席し、岩手県立大学の鈴木厚人学長が、誘致活動の現状を説明しました。ILCを巡っては、2018年12月、国内誘致を検討する日本学術会議が政府に対し、「巨額の経費」などを理由に「誘致を支持しない」と答申。政府が、3月7日までに見解を示すことになっています。
 ILCは、宇宙誕生の謎を探るため電子と陽電子を衝突させる巨大なトンネル状の研究施設で、宮城と岩手にまたがる北上山地が候補地となっています。


河北抄
 音読してつっかえる文章は書き言葉としても不完全な場合が多い。新聞記事の書き方が、息長く読み継がれる詩の世界にも通じることを初めて知った。
 仙台市で9日にあった東北学院大特別講座「震災と文学」で、福島市在住の詩人和合亮一さんが自作の詩「牛と」を朗読してくれた。朗読と詩を書くことはほとんど一緒だとか。
 「牛と」は「北の大地に 穴を掘り 泣きながら 牛の乳を捨てた人よ」で始まる。最大震度7を記録し、41人が亡くなった昨年9月6日の北海道胆振東部地震の被災者に向けて書いたという。
 北海道でも福島でも酪農家は捨てるためだけに牛の乳を搾った。搾らなければ乳牛は乳腺炎で死ぬ危険性がある。全域停電、放射性物質と理由は違っても、出荷できたはずの原乳を捨てるつらさは同じだろう。
 「大地よ 空よ 故郷よ 胆振よ 北海道よ それでも 私は 牛と共に 生きる」。詩は「涙を しぼる」で終わる。詩人の朗読に耳を傾けながら、言葉を絞り出す覚悟の差にたじろぐ。


「統計」集中審議 不透明さ残る手法変更
 衆院予算委員会はきのう、厚生労働省の毎月勤労統計不正問題などに関する集中審議を開催した。
 野党側は、昨年から勤労統計の調査手法が変更された背景に首相官邸の「圧力」があったのではないかと追及した。
 2015年3月末に当時の中江元哉首相秘書官(現財務省関税局長)が、厚労省に「問題意識」を伝えていたことが判明している。
 厚労省で本格的な検討が始まったのはその後だ。政府は圧力はなかったと言うが、変更までの経緯には確かに不透明さが残る。
 変更前の方式は、対象事業所の入れ替え後に賃金が下ぶれしやすい。中江氏は「経済の実態を適切に表すため、改善の可能性を考えるべきではないか」と伝えた。
 中江氏は「政府に都合のいいデータが出るよう不適切な方法を取らせる意図はなかった」としており、安倍晋三首相も変更を指示したことはないと述べた。
 だが秘書官の「問題意識」は、厚労省に重く響いたことだろう。
 中江氏の指摘を受けた厚労省の姉崎猛統計情報部長(当時)は、省が設置した有識者検討会の初会合で「アベノミクスで賃金の動きが注目されている」と発言した。
 実質賃金低迷に神経をとがらせる官邸の意向を、厚労省は気にかけている―。聞いた人にそんな臆測を持たれても不思議ではない。
 明確な指示はなくとも、政権の意向を背に省庁を動かす。「官邸官僚」と呼ばれる首相秘書官らの動きが、行政の公正性や透明性をゆがめた。そう指摘された加計(かけ)学園問題を思い出す。
 その後の検討会の流れも不自然だ。座長は一時「現在の方式が適当」と述べたが、検討会は15年9月に「引き続き検討」とし、その後は開かれずに変更が決まった。
 議事録の一部が先週まで公開されなかったことにも驚く。
 その一方で、経済財政諮問会議では麻生太郎財務相ら閣僚から変更を促す発言が相次いでいた。
 過去にさかのぼり変化をたどれる継続性は統計の生命線だが、実態により近い結果を追求し調査方法を変えることはあるだろう。
 肝心なのは変更に政治的な意向が働かないよう、専門家による慎重な検討と透明性、国民への十分な説明を確保することだ。そのいずれも欠けていたのではないか。
 経緯のさらなる解明が必要だ。予算委で野党側は、姉崎氏の招致や、検討会設置に至る厚労省の記録文書の提出などを求めた。政府・与党に拒否する理由はない。


統計不正審議/忖度の疑念がぬぐえない
 長年にわたる調査不正が発覚した厚生労働省の「毎月勤労統計調査」で、新たな疑念が浮上した。官邸の意向で調査方法を変えたのではという点だ。
 きのう衆院予算委員会で集中審議が開かれ、安倍晋三首相は関与を否定した。だがこれまでに首相は、元首相秘書官が厚労省の担当者に「実態を適切に表す」ため「問題意識」を伝えたことを認めている。
 秘書官が首相の意を忖度(そんたく)して各省庁を動かす。そうした疑いは、「森友・加計」問題で深まった。「問題意識」が、アベノミクスの成果となる賃金データを高く見せる狙いなら、統計の信ぴょう性は揺らぐ。徹底的に真相解明するべきだ。
 勤労統計は、中規模の事業所ではサンプルを抽出して調べる。定期的に総入れ替えするが、その際に賃金データが下振れしがちなため、昨年1月分から部分入れ替えに変更した。
 問題は変更の経緯である。
 元秘書官は、2015年3月に賃金の伸び率が低下した説明を厚労省から受けた際、「個人の考えを話した」と答弁した。
 厚労省はその後、有識者検討会を設け、サンプル入れ替え方法の早期とりまとめを求めた。検討会はコスト面などで総入れ替えが適当としたが、9月の会合で事務方の厚労省幹部が部分入れ替えに言及し、それ以降は会合を開かないまま部分入れ替えに改めた。
 有識者の判断を事務方が覆し、正式に諮らないまま実行に移す。普通はあり得ない展開だ。
 10月には麻生太郎財務相が経済財政諮問会議で、サンプル入れ替えに伴う変動を早急に改善するよう求め、一気に見直しが進んだ。麻生氏は秘書官発言との関連を否定したが、一連の流れをみれば、政府内に共通の思惑があったと受け止められても仕方がない。
 野党は厚労省元幹部の国会招致を求めている。秘書官の発言を直接聞き、有識者検討会で部分入れ替えを切り出すなど、真相を知る立場にある人物だ。
 共同通信の世論調査で、統計不正の政府対応について83%が不十分と答えている。政府、与党は、信頼を取り戻すため、解明に向け自ら積極的に動かなければならない。


統計不正で集中審議 不透明さが信用を損なう
 政府統計の手法が時の政権の意向で操作されるようなことがあってはならない。そのような疑いが国会で俎上(そじょう)に載ること自体、統計不正問題の異常さを示している。
 衆院予算委員会できのう集中審議が行われた。アベノミクスの成果として賃金の伸びを高く見せたい意図が働いたとみる野党と、それを否定する政府との水掛け論に終始した。
 焦点は厚生労働省の毎月勤労統計で2018年に行われた従業員500人未満の事業所に関する調査方法の変更だ。従来はサンプルとなる事業所を2〜3年ごとに全て入れ替えていたが、毎年一部を入れ替える方式に変わった。入れ替えに伴うデータの変動を抑える意味がある。
 この変更に賃金の伸び率を上ぶれさせる効果は想定されていない。しかし、入れ替え対象とならなかった共通事業所だけで前年と比較すると全体の伸び率より低く出たため、新サンプルの選び方が恣意(しい)的に操作されていないかとの疑念を呼んだ。
 政府側は合理的に原因を説明できていない。しかも、物価の変動を織り込んだ実質賃金について共通事業所分のデータ公表を拒んでいる。
 やましい点がないのであれば、統計不正の真相解明に全力を挙げるべきだ。国会の参考人招致や資料要求に前向きに応じようとしないから、疑念がなかなか払拭(ふっしょく)されない。
 安倍晋三首相は集中審議で、調査方法の変更について「最近になって初めて知った」と語った。
 ただ、この間の経緯を見ると、15年に首相秘書官が従来方式に対する「問題意識」を厚労省に伝え、その後の検討を首相が議長を務める経済財政諮問会議が主導してきた。15年といえば、アベノミクスの成果として国内総生産(GDP)や賃金の伸びを強調し始めた時期だ。
 一連の統計不正に共通するのは、決められたルールを官僚組織が勝手に破っていたことだ。厚労省の担当者は不正を隠し通そうとしたのか、昨年の調査方法の変更に合わせてひそかに数値を補正し、それが賃金の伸び率を不自然に上ぶれさせた結果、不正の発覚につながった。
 政府統計は政策決定や民間の経済活動などに幅広く生かされるべき国民の共有財産だ。不透明な取り扱いが政府全体の信用を損なう。


安倍政権にGDPカサ上げ疑惑 600兆円達成へ統計38件イジる
「経済政策を良く見せようとして統計を変えたことはない」――。18日の衆院集中審議で、野党から“アベノミクス偽装”を追及され、こう強弁した安倍首相。不正統計問題の責任を官僚に押し付け、頬かむりしているが、そうはいかない。また新たな疑惑が浮上したからだ。
 アベノミクス偽装を巡る大きな問題が、「GDPカサ上げ」疑惑である。立憲民主の小川淳也議員は集中審議で、この疑惑を改めて追及。安倍首相が2015年9月にブチ上げた「GDP600兆円」の達成をアシストするかのように、GDP関連の統計が見直されたことを指摘した。
 小川議員の調べによると、安倍首相が政権に返り咲いた直後の13年以降、全56件の基幹統計のうち53件もの統計の取り方が見直された。うちGDP関連は38件に上り、10件は統計委員会で審議されず、勝手に見直しを決めたというから驚きだ。
 これだけの数の基幹統計が見直されること自体、異常だ。民主党政権が3年間で変更したのは16件。うちGDP関連は9件しかない。
■「国際基準に合わせた」の理屈だけじゃ通らない
 小川議員が「統計手法を変更して、GDPをカサ上げしたのではないか」などと迫ると、茂木経済再生相は「GDPは支出項目の積み上げによるもので、家計や賃金が変わっても影響はない」とノラリクラリ。しかし、「アベノミクスによろしく」の著者で弁護士の明石順平氏は、「消費に関する統計手法を変えると、GDPが上向く可能性があります」と言う。
 実際、安倍政権下で変更された基幹統計には、全国消費実態調査や家計調査など、消費や支出に関するものが含まれている。要は、安倍政権が恣意的に統計をいじくりまくり、GDPをカサ上げした可能性はゼロじゃないのだ。改めて小川議員に聞いた。
「GDP上昇の要因は、家計調査の方法が変わったことで、家計消費が6%増えたことなどが考えられます。しかし、政府は『GDPを国際基準に合わせたら数字が上がった』の一点張り。GDP統計を国際基準に合わせるという理屈は分かりますが、ならば上昇要因をきちんと国民に説明すべきです。上昇理由が、経済政策の成果なのか、計算方法が変わったからなのか、現状ではまるで分からない。GDP600兆円という結果ありきの統計手法の変更だと思われても仕方ありません」
 ペテン政権下で調べた統計は、もはや誰も信じられない。


統計不正集中審議 官邸の圧力否定も疑念は消えず
 統計の公正さや透明性がゆがめられることは本当になかったのか。これでは焦点となる問題の解明には程遠い。
 厚生労働省の統計不正問題を巡って国会で集中審議が行われた。毎月勤労統計の調査結果に首相官邸の意向が働いたかどうかについて、首相は「何ら指示をしていない。われわれが統計をいじって政策をよく見せようとしたわけではない」と全面否定した。だが、具体的な裏付けもなく否定するだけでは不十分であり、むしろ疑念が深まっていると言わざるを得ない。
 厚労省は、当時の中江元哉首相秘書官が「問題意識」を伝えたことをきっかけに調査対象の入れ替え方法を変更している。中江氏は不当な圧力ではないと弁明するが、「何とかしなきゃいけないと思った」と証言する厚労省関係者もおり、重圧を感じていたと容易に想像できる。統計の信頼を回復するために、詳細な経緯の検証や関係者の聞き取りが不可欠だ。
 野党側が注目するのは、昨年の賃金上昇率が上振れした背景だ。従来は、調査対象である従業員30〜499人の事業所を一度に総入れ替えしていた。しかし、賃金水準の下振れが出やすいため、2015年3月、中江氏が厚労省に「経済の実態を適切に表すため、改善の可能性を考えるべきではないか」と提案していた。
 厚労省は15年5月、有識者検討会を立ち上げ、18年の調査手法見直しを開始。一度は「現在の総入れ替え方式が適当」としたものの、1カ月後には、厚労省の事務局が一定期間ごとに少しずつ入れ替え、下振れが出にくい「ローテーション方式を検討したい」。実務の負担を懸念する意見があったにもかかわらず軌道修正した。検討会は結論を出さないまま立ち消えになっており、極めて不自然だ。
 集中審議では、今月公表された検討会議事録について、厚労省の藤沢勝博政策統括官が、今年1月末まで委員に内容を確認してもらっていなかったと、3年以上放置していたことを明らかにした。「当時の担当者に議事録の原則公開という認識が十分でなかった」との説明は、にわかには信じられない。「総入れ替えが適当」との内容が、政府に都合が悪いために隠そうとしたと疑われても仕方がない。
 この間の経緯を問われた首相は「当時の秘書官から報告を受けておらず、検討会での検討自体最近知った」と答えたが、人ごとのように聞こえる。自らの秘書官や官僚が、政権の看板政策のためにつじつま合わせをしようとしたとの指摘であり、真摯(しんし)に対応すべきだ。
 集中審議には、中江氏と面会した当時の姉崎猛統計情報部長らは出席していない。与党は関係者の参考人招致や資料提供に消極的なままだ。首相の「予算委から要求されたものには誠実に対応する」との言葉が本心なら、早期の真相解明へ向け、与党に働き掛ける必要がある。


統計不正 政策の根幹が問われる
 統計に関する不正や不適切処理が次々と噴出し、政策立案の根幹に関わるとして国をゆるがせている。
 問題は「不正に至った原因や背景」に加え、「発覚後のお粗末な対応」にある。
 発端となった厚生労働省の毎月勤労統計は、2004年から10年以上にわたって欠陥が続いていた。従業員500人以上の事業所は全て調べるルールなのに、東京都分で抽出調査を実施していた。
 背景には、統計職員が削減されてきた点も指摘される。少ない要員では従来の処理量をこなせないという事情だ。
 担当部署の苦労が大きいのは分かる。ただ、そうであるなら、変更するかどうか、あるいは変更しないための要員確保などについて議論した上で、政府に報告、提言すべきだろう。
 変更を伏せたまま従来通りのように装って数値を出し続けたことは、国民に実害を与え、統計に対する信頼を著しく損ねた。
 同様の事態は同省の賃金構造基本統計でも発覚した。本来は事業所への訪問調査がルールであるにもかかわらず、不正な郵送で実施。マニュアルも作成していた。
 予算不足、調査員不足から「訪問は非現実的」との声が聞かれる。しかし、本来とは異なる手法を隠した姿勢は許されるものではない。
 毎月勤労統計の不正問題では、発覚後のお粗末な対応も露呈した。
 厚労省特別監察委員会の調査は1週間足らずで拙速感が否めず、事実の解明は不十分だった。しかも、歴代担当者への聴取の7割近くを身内である同省職員が担っていた。これでは自浄作用は期待できまい。
 不正による公表値を本来の値に近づけようとして昨年1月、ひそかにデータ補正していたことも判明。同時期に30〜499人規模の対象事業所の調査方法を変えたことと併せ、政権の経済政策に対する配慮があったかどうかが国会の焦点となっている。秘密裏に事を処理しようとした姿勢が招いた結果だ。
 驚くのは、問題が厚労省にとどまらないことだ。各府省庁が56の基幹統計を点検。半数近い23統計で不適切な処理が見つかった。
 毎月勤労統計不正が雇用保険の失業給付などに影響を及ぼしたように、統計は国民の暮らしに直結する。そして、国はもちろん、自治体が政策を考える上で重要な指標だ。不正は、協力する自治体や国民への背信行為でもある。
 今後の在り方を巡り、統計行政の一元化などの案が浮上している。統計軽視と言われても仕方のない現状をどう改善するか。政府の姿勢が問われている。


安倍首相が統計不正を追及に「選挙5回勝ってる」と逆ギレヤジ! 選挙に勝てば何やってもいいという本音が
 賃金が高く出るよう統計調査方法を変更していた問題で、安倍首相の“子飼い官僚”だった中江元哉首相秘書官(当時)が厚労省に政治的圧力をかけていたことが発覚した「アベノミクス偽装」疑惑。昨日、衆院予算委員会では統計不正の集中審議がおこなわれたが、安倍首相は「統計をいじって我々の政策をよく見せていたことはまったくない」と否定する一方、野党の追及に、一国の総理大臣とは思えない醜態を晒した。
 たとえば、立憲民主党の長妻昭議員の質疑では、さんざん質問されてもいない話を延々と繰り返すことで質疑時間を削っておきながら、質問中に質疑の終わり時間が過ぎると、安倍首相は何かヤジりながら、すかさず腕時計を指差し“時間切れ”を強調した。
 あまりのみっともなさにこっちが恥ずかしくなってくるが、さらに唖然させられたのは、無所属の大串博志議員が追及した際の言動だ。
 安倍首相は「大切なのは統計を正しく見ていくこと」だとし、ここ最近ずっと繰り返している“実質賃金より総雇用者所得のほうが実態を表している”論を持ち出して「総雇用者所得」を見るべきだと長々と主張。これに対し、大串議員が「実質賃金が苦しい(から)、実質賃金じゃない数値を縷々挙げられて喋る。だから国民のみなさんは『この人何かおかしいことを言ってるんじゃないかな』と思っている」と指摘すると、安倍首相は自席から、こうヤジを飛ばしたのだ。
「選挙に5回勝ってる」
 昨日の集中審議では安倍首相は何回も「ヤジをやめろ」と言っていたくせに、自分は平気でヤジを飛ばす。しかも、「選挙5回勝ってる」って……。
 本サイトでは何度も取り上げてきたが、2016年12月にGDPの計算方法を変更し、それによって名目GDPを大幅にかさ上げ。そして、安倍首相はその恣意的な数字を強調し、2017年の総選挙で「名目GDPはこの5年間で50兆円増加!」「名目GDP過去最高」などと猛アピールした。ようするに、アベノミクスの成果を誇るために“つくられた”数字で国民を騙して選挙をしてきたというのに、「選挙に勝ってる」と言って統計不正を正当化したのである。
 そもそも、公文書を改ざんしたり統計調査で不正をはたらいたことを争点にした選挙など一度もおこなわれていない。「選挙に5回勝ってる」というヤジには、統計不正問題に対する反省の色などまったくなく、むしろ「偽装した数字に騙されたほうがバカ」「選挙に勝てばあとは何をやってもいい」と言っているようなもの。完全に国民にケンカを売っているのだ。
 また、大串議員は、2018年1月から統計の調査手法が変更されたのは、2015年のサンプル企業総入れ替えによって“悪い数字が出たことを官邸ぐるみでどうにかしなければと考えた結果ではないのか”と本質に迫ったのだが、対する安倍首相は「強引に論理の展開をされるから、この問題についての議論が深まらないんだろうなと思いますね」と言い放った。
 まったくふざけたことを。昨日の集中審議でも、中江首相秘書官に直接“圧力”をくわえられ、その後、統計手法の変更に躍起になった厚労省の姉崎猛・統計情報部長(当時)の参考人招致を野党は求めていたが、「理事会で協議が整わない」という理由で出席は叶わなかった。ようするに、与党側が参考人招致を拒否しているのだ。「この問題の議論が深まらない」のは、こうしてキーマンの証言を“隠蔽”しているからではないか。
 しかも、辟易とさせられたのは、前述したようにこの集中審議でも安倍首相が性懲りもなく「総雇用者所得こそ実態を表している」と主張したことだ。
「アベノミクス偽装」がおこなわれた2018年の実質賃金について、いまだに安倍政権は前年と共通する事業所のデータで比較した「参考値」の数字を公表していない。統計委員会も参考値を重視すべきという姿勢であるというのに安倍政権がこの数字を隠しつづけているのは、2018年の実質賃金の伸び率が参考値では大半の月でマイナスになってしまうからだ。
安倍首相「総雇用者所得は増えている」のまやかし、実態は高齢者と非正規
 そして、この期に及んで都合の悪い数字を隠蔽し、それを誤魔化すために安倍首相が言い出したのが、「平均賃金が下がっていても仕事は増えている。総雇用者所得のほうが経済の実態を表している」という主張だ。
「総雇用者所得」は国内の労働者全体が受け取った賃金の総額にあたり、安倍首相は総雇用者所得が名目・実質ともに伸びていることを根拠に“働く人が増えて稼ぎが増えた”“所得環境は改善している”と言う。しかし、これはすでに12日の衆院予算委員会で共産党の志位和夫委員長が問題点を指摘している。
 というのも、安倍政権の2012〜2018年のあいだに就業者は384万人増えたが、そのうち266万人は65歳以上の高齢者。15〜24歳の就業者も90万人増えているが、その内訳は高校生・大学生等が74万人も増えている。また、15〜64歳の女性就業者も増えているが、非正規が多く、賃金も低い。つまり、年金では生活できない高齢者や、家計が苦しく働きに出る女性、生活苦の学生たちのアルバイトなど、低賃金で働く人が増えているにすぎないのである。
 さらに、昨日の集中審議では、統計問題での鋭い質問で注目を浴びている無所属の小川淳也議員が、さらにこんな指摘をおこなった。
「賃金が低い方が増えたことで下がるのは、名目賃金なんですね。実質賃金が下がるのはひとえに、名目賃金の上昇が物価上昇に追いつかない場合に起こるんです。そして、この物価上昇は2014年の消費増税と円安政策、つまり安倍政権がもたらしたものによって起きている。これによって、2014年〜16年、3年連続で民間消費が落ち込んだのは、戦後初だそうです。17年に少し持ち直したそうなんですが、4年前の数字である2013年に届かなかった。4年前の数字に届かなかったのも戦後初なんだそうです。それぐらい、実際には戦後最大級の消費不況だというのが、本当のところなんです」
 アベノミクスがもたらしたのは、戦後初の消費不況──。その上、小川議員は、人口減のこの国において、世帯数が増えていることを指摘。それも単身世帯や少人数世帯が増えている。世帯人員別1カ月間の消費支出は、1人世帯だと16万3000円、2人世帯なら25万5000円、3人世帯なら29万2000円……となっており、1人当たりの消費支出は世帯人員が少ないほど増加する。つまり、少人数世帯の増加は、「家賃や光熱費といった固定費だけでいっぱいいっぱい」の人が増えている、ということだ。そこで小川議員は「こういう状況のなかで戦後最大の消費不況ともいえる状況が起こっている。総理がよくおっしゃる総雇用者所得をマクロで見るのがいちばんいいんだとか適切だという考えは、極めて一面的で、そして浅はかで、国民一人一人の生活の実態に寄り添っていない」と批判した。
生活の質が落ちているとの追及に「雇用を増やすことに熱心じゃない」
 賃金が上がらないのに物価が上昇すれば、生活が苦しいのは当然の話。安倍首相は「所得環境は改善している」と言って憚らないが、その言葉に頷く国民はどれだけいるだろうか。むしろ、小川議員の言うように、多くの人にとっては「家賃や光熱費を支払うのが精一杯の、ギリギリの生活」という話のほうが実感に近いのではないか。
 だが、安倍首相はこの小川議員の追及に対し、こう反論したのだ。
「雇用を増やしたことをですね、いわば悲観的に見るというのは驚くべき、経済的な姿勢だと、思いますよ」
「これを評価しないんであれば、ほとんど議論が噛み合わないんだろうと」
「雇用を増やすということにまったく熱心じゃないということについては、私は驚きと言わざるを得ない」
 そして、高齢者の雇用が増えたことも「年をとっても仕事ができる状況になってきた」「そういう方々でも自分で仕事を選べるということも起こってきた」と胸を張ったのだ。
 実態は年金だけでは生活が苦しくて働きに出ているのに、まるで“生きがいをつくってやった”と言わんばかり。結局、安倍首相は、「量」しか語らず、低賃金の非正規雇用を増やしているという「質」の問題はどうでもいいと、無視してしまうのである。
 安倍首相は都合の良い数字を振りかざすだけで、アベノミクスの成果をアピールするために覆い隠された、ほんとうに生活に困っている人たちの存在は見捨てられたまま。その上、安倍首相は不都合な証言者や資料、データは隠蔽し、「統計を正しく見る」などともっともらしく言い募っている。つまり、いまだに国民を騙そうとしているのである。
 だが、この危機的状況を、メディアはどこまで国民に伝えているだろうか。国の基幹統計で不正が発覚するというとんでもない問題が起こったというのに、この「アベノミクス偽装」問題を掘り下げて報じるニュース番組はわずか。加計学園問題と同様、首相秘書官の関与が浮上したというのに、ワイドショーや情報番組はまったく取り上げようとしない。
 安倍首相が「選挙に5回勝ってる」とヤジったように、メディアも「勝てば官軍」だと政権の不正を黙認するのか。この体たらくでは、国民はいつまでも偽装された数字に騙されつづけることになるだろう。


記者会見の質問 知る権利を守るために
 記者会見での記者の質問は、国民の知る権利を守るために、報道機関として当然の行為だ。権力側が、自らに都合の悪い質問をする記者を排除しようとするのなら、断じて看過することはできない。
 なぜ今、こうしたことに言及せざるを得ないのか、経緯を振り返る必要があるだろう。
 発端は本紙記者が昨年十二月、菅義偉官房長官の記者会見で、沖縄県名護市辺野古での米軍新基地建設について「埋め立て現場では今、赤土が広がっており、沖縄防衛局が実態を把握できていない」と質問したことだ。
 首相官邸の報道室長は官邸を取材する報道機関でつくる「内閣記者会」宛てに文書で、質問を「事実誤認がある」「度重なる問題行為」とし「事実を踏まえた質問」をするよう申し入れた。
 また報道室長はたびたび、本紙記者が質問している途中に「質問は簡潔にお願いします」などと催促したり、遮ろうとしている。
 しかし、質問は本紙の取材、報道による事実関係に基づいたものであり、決して誤認ではない。
 もし、政府が事実誤認と考えるなら、会見の場で事実関係を提示し、否定すれば済むだけの話だ。
 菅氏は国会で「会見の様子は配信され、国内外で直ちに視聴できる。事実に基づかない質問が行われると、内外の幅広い視聴者に誤った事実認識が拡散される」と答弁したが、政府の反論が正しければ、誤った事実認識が拡散されることはないのではないか。
 憲法は「表現の自由」を基本的人権の一つとして、国民の「知る権利」を保障している。
 官邸報道室は申し入れに「質問権や知る権利を制限する意図は全くない」としているが、政府に都合の悪い質問をしないよう期待しているのなら見過ごせない。
 申し入れがあっても、質問を制限されないことは、知る権利を尊重する立場からは当然だ。
 菅氏はかつて会見で安倍晋三首相の友人が理事長を務める加計学園の獣医学部新設を「総理の意向だ」と伝えられたとする文部科学省文書を「怪文書みたいではないか」と語ったことがある。
 その後、文書は存在することが分かった。政府が常に正しいことを明らかにするとは限らない。一般に権力は、都合の悪いことは隠すというのが歴史の教訓である。
 権力を監視し、政府が隠そうとする事実を明らかにするのは報道機関の使命だ。私たち自身、あらためて肝に銘じたい。


官邸の質問制限 国民の知る権利の侵害だ
 不都合な事実を隠す政府の姿勢を象徴する出来事だ。
 首相官邸が昨年12月、東京新聞の特定記者の質問を「事実誤認」などとして、内閣記者会に対し「正確な事実を踏まえた質問」をするよう文書で申し入れた。
 これに対し新聞労連は今月5日、「官邸の意に沿わない記者を排除するような今回の申し入れは明らかに記者の質問の権利を制限し、国民の『知る権利』を狭めるもので、決して容認できない」と抗議した。当然の指摘である。
 事の発端は東京新聞の望月衣塑子(いそこ)記者の質問である。望月記者は名護市辺野古の新基地建設に向けた埋め立て工事の土砂について菅義偉官房長官に会見で「現場では赤土が広がっている」「埋め立てが適法に進んでいるか確認ができていない」と述べ、赤土の可能性について尋ねた。
 この質問に官邸は、埋め立て区域外の水域への汚濁防止措置を講じていると主張し「表現は適切ではない」として正確な事実を踏まえた質問をするよう求めた。
 だが望月記者の質問には合理的な理由がある。土砂に含まれる赤土など細粒分の含有率について政府は昨年12月の参院外交防衛委員会で「おおむね10%程度と確認している」と説明したが、実際には「40%以下」に変更されていたことが判明した。このため県は環境に極めて重大な悪影響を及ぼす恐れがあるとして立ち入り調査を求めているが、沖縄防衛局は応じていない。
 県の立場から見れば「適法に進んでいるか確認ができていない」のである。官邸が質問の内容を否定するのなら、含有率について詳細を公開し、堂々と県の調査を受け入れるべきだ。
 記者会に文書を出すまでもなく、会見の場で情報を公開し、記者が納得するまで説明を尽くせば済む話である。それが政府の当然の責務だ。記者に非があるかのような指摘は明らかに筋違いである。事実が明確でない情報について記者が質問する事例はよくあることだ。
 質問を制限するかのような文書を記者会に出した行為は望月記者を狙い撃ちにし、質問を封じる取材妨害と言われても仕方がない。実際、望月記者は「文書は私や社への制止的圧力だ」との見解を示している。
 この高圧的な政府の対応は、度重なる県の申し入れや確認を無視し、辺野古の埋め立てを強行している姿勢と重なる。辺野古新基地へのオスプレイ配備計画や大浦湾側の軟弱地盤の存在など、隠していた事実が後に判明した事例は枚挙にいとまがない。現政権は国民の知る権利に不誠実と言わざるを得ない。
 報道機関は憲法が保障する国民の知る権利の奉仕者である。記者会への官邸の申し入れはその権利を侵害する行為だ。これによって記者が萎縮し厳しい質問を控えることは断じてあってはならない。


官邸の記者クラブへの申し入れ 弁護士や教授らが抗議声明
 首相官邸側が東京新聞記者の質問を「事実誤認」などと指摘し、官邸の記者クラブ「内閣記者会」に対応を申し入れたことを巡り、弁護士や大学教授らが19日、東京都内で記者会見し、申し入れ文書の撤回を求める緊急声明を発表した。約350人の賛同人が名を連ね「自由で批判的な質問をする記者の排除につながりかねない」と官邸側を批判した。
 記者は昨年12月28日の菅義偉官房長官の会見で、沖縄県・米軍普天間飛行場の移設工事を巡り「現場では赤土が広がっている。どう対処するか」などと質問。官邸側は内閣記者会に「事実を踏まえた質問をしてほしい」と文書で要請した。
 声明は「内閣官房長官の記者会見は国防、外交、災害など国民の将来を左右する重大事を取り上げる場で、知る権利は最大限尊重されなければならない」とした。【飯田憲】


平和賞にトランプ氏推薦 安倍首相、ご冗談でしょう
 トランプ米大統領のこのことばを、安倍晋三首相はどんな気持ちで聞いたのだろうか。
 先週のホワイトハウスでの記者会見で、北朝鮮との緊張緩和を理由に「安倍首相からノーベル平和賞に推薦された」と明らかにした。
 トランプ氏によれば、安倍首相からノーベル賞委員会に送った5ページの書簡の写しを渡され、「日本を代表して、謹んであなたを推薦した」と伝えられたという。
 推薦理由についてトランプ氏は「日本上空をロケットやミサイルが飛ばなくなり、警報も鳴らなくなったからだ。日本国民は安心を感じている。私のおかげだ」と語った。
 トランプ氏は今月末、北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長と再会談する。発言は会談の見通しに関する質問への答えの中で飛び出した。
 北朝鮮政策はうまくいっているとアピールする狙いがあるのだろう。だが、候補者や推薦者は50年間は秘密にする規則があり、発言は道義にもとる。首相はきのうの国会答弁で「コメントは控える」と述べつつ、否定はしなかった。
 それにしても、日本国民はトランプ氏が言うように、安全を実感し、喜んでいるのだろうか。
 昨年6月の米朝首脳会談では、金氏が非核化の意思を示し、トランプ氏が安全の保証を約束した。確かに米朝間に緊張緩和は生まれた。
 しかし、合意には日本に脅威となる核兵器や短・中距離弾道ミサイルの廃棄は明記されなかった。
 会談後の記者会見では米韓軍事演習の中止や将来的な在韓米軍の撤収に言及した。日本の安全保障に影響を与えかねず、日本政府は慌てた。
 その後の8カ月を振り返っても、非核化は進まず、朝鮮半島情勢が安定に向かっているとは言いがたい。
 日本国民は、口先だけの安定を強調するトランプ氏に、むしろ不安を募らせているのが実情だろう。
 平和賞候補に推薦されたのを自慢するのであれば、次回の米朝首脳会談で、核・ミサイルを廃棄させ、敵対関係を緩和し、地域や世界に安定をもたらす合意につなげるべきだ。
 日本政府もトランプ氏の機嫌を取るだけではなく、具体的な進展に向けて後押しし、安易な妥協をしないようクギを刺す必要がある。


首相がノーベル賞推薦 トランプ氏に資格あるか
 トランプ米大統領が、安倍晋三首相からノーベル平和賞に推薦されたことを明らかにした。この報道に目を疑った人は少なくないはずだ。北朝鮮非核化に向けた米朝交渉を理由に挙げたというが、両首脳は一度会っただけで非核化への道筋は一向に描けていない。
 それどころか、「米国第一」を掲げ就任早々、地球温暖化対策のパリ協定離脱を表明したり、エルサレムをイスラエルの首都として一方的に認定したりするなど、「平和」に逆行する政策は枚挙にいとまがない。ノーベル賞の資格があるのか、甚だ疑問である。
 首相は衆院予算委員会で「ノーベル賞委員会は平和賞の推薦者と被推薦者を50年間明らかにしない。この方針にのっとってコメントは差し控えたい」と述べる一方「事実ではないと申し上げているのではない」とも語っている以上、率直に受け止めるしかない。
 報道によれば、米政府側から非公式に依頼があったとされる。北朝鮮による拉致問題や日米通商問題などで、米側から少しでも配慮を受けることにつながればとの思いがあったことは想像に難くない。首相自身は墓場まで持っていくつもりだったのだろうが、相手は予測不能の大統領。うれしさのあまり、ご開帳となったわけだ。
 トランプ氏は「私は恐らく受賞しないだろうが、それでも構わない」と語ったという。ただ「オバマ大統領は受賞した」とも述べ、受賞もまんざらではないといった心情も示している。
 オバマ氏の場合、就任直後にプラハで提唱した「核なき世界」の実現が受賞理由となったが、その後、核廃絶へ世界の流れはつくれず、北朝鮮など核武装を急ぐ小国さえ抑えることができなかった。
 核兵器に関してトランプ氏は「核体制の見直し」(NPR)を公表し小型核開発にかじを切った。イラン核合意からの離脱や、最近では中距離核戦力(INF)廃棄条約の破棄通告など、オバマ前政権の方針を大きく転換する危険な選択を次々に打ち出している。
 今月27、28日に行われる2度目の米朝首脳会談では、北朝鮮に核や関連施設のリスト申告など、具体的な非核化手順の明確化を迫るべきだが、成果に焦るトランプ氏が安請け合いする可能性も否定できない。
 大陸間弾道ミサイル(ICBM)の放棄などで手打ちすれば、中短距離ミサイルは温存され、日本はミサイルや核の脅威にさらされ続けることになる。首相はトランプ氏の機嫌を取っている場合ではない。しっかりとくぎを刺すべき時だ。
 平和賞は政治的な意味合いが強く、オバマ氏のほかにもパレスチナ和平合意締結を理由にした3氏や、ミャンマー民主化運動の指導者だったアウン・サン・スー・チー氏など、受賞後、必ずしも平和の実現に至っていないケースも多い。トランプ氏の場合も軍拡路線以外にロシア疑惑や女性問題などを考慮すれば、首相の推薦は禍根を残す恐れが否めない。


松橋事件  再審の迅速化が必要だ
 熊本県松橋(まつばせ)町(現宇城市)で1985年に男性が刺殺された松橋事件で、殺人罪などに問われ服役した宮田浩喜さん(85)の再審初公判が熊本地裁で即日結審した。
 検察側は殺人罪を求刑せず、宮田さんは来月の判決で無罪となる見通しになった。
 再審請求から約7年、熊本地裁の再審開始決定から約2年8カ月が経過している。「疑わしい場合は被告人の利益に」の原則に従い、再審を迅速にする制度改革が必要ではないか。
 宮田さんを有罪とした唯一の証拠は「凶器の小刀に血が付くのを防ごうとシャツの袖を柄に巻き、犯行後にシャツを燃やした」という自白だった。
 しかし97年、弁護団の求めで検察が開示した証拠の中にはシャツの袖があり、血痕も付いていなかった。
 問題は、それでも再審がすぐに始められなかったところにある。弁護団が他の証拠も集めて再審請求したのが2012年。熊本地裁が再審開始決定を出したのは16年6月だった。
 検察は高裁、最高裁に抗告を繰り返し、再審開始が確定したのは昨年10月である。この間、検察は新しい証拠を示すことができなかったにもかかわらず、だ。
 それどころか、検察は再審公判でも改めて自白調書を証拠として申請し却下された。抗告を繰り返したのは、再審の引き延ばしが目的だったと受けとめられても仕方がない。
 米国や英国の刑事裁判では無罪判決に対する検察の上訴は認められていない。強大な検察権力は常に抑制的であるべきとの考えに基づくという。
 日本でも、再審開始決定に対する検察の異議申し立てについて議論が必要ではないか。再審法廷での証拠の開示も検討すべきだ。
 昨年、滋賀県の日野町事件(1984年)と湖東病院事件(2003年)で、裁判所が再審を認める決定を出した。いずれも再審請求審の裁判官が捜査機関側に証拠開示を強く促した結果、自白の信用性を覆す証拠があることが浮かびあがった。
 警察・検察による証拠の独占と恣意(しい)的な運用がえん罪を生む要因になっていることが改めて印象付けられた。
 宮田さんは現在、認知症を患い介護施設で暮らす。担当弁護士は「宮田さんは事件で人生の後半すべてを奪われた」と話す。警察、検察、裁判所はこの訴えを受けとめ、名誉回復を急ぐべきだ。


辺野古めぐる攻防は再び法廷闘争へ 係争処理委が審査却下
 沖縄県の米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設をめぐり、総務省の「国地方係争処理委員会」は18日、国が埋め立て承認撤回の効力を停止したのは違法だとする同県の申し出を、審査対象に該当しないとして却下。県は同様の訴えを福岡高裁那覇支部に起こす方向で検討しており、国と県の攻防は再び法廷闘争に突入する見通しとなった。
 県は昨年8月、仲井真弘多元知事による辺野古埋め立て承認を撤回。工事は中断した。しかし、石井啓一国土交通相が10月、防衛省沖縄防衛局の申し立てを認め、県の埋め立て承認撤回の効力を一時停止したため、国は移設工事を再開し、埋め立て海域で土砂投入に踏み切った。これを不服として県は11月、係争処理委に審査を申し出ていた。
 玉城デニー知事は委員会の却下を受け、「誠に残念だ」とするコメントを発表。今後の対応について「決定通知書を精査した上で、正式に決定したい。引き続き県の承認撤回の適法性を全力で訴えていく」と強調した。係争処理委の決定に沖縄県民が反発し、24日の辺野古移設の賛否を問う県民投票にも大きく影響するのは必至だ。


自衛官募集 首相の主張は無理がある
 改憲論議を進めるための印象操作ではないか。憲法9条への自衛隊明記を目指して安倍晋三首相が持ち出した自衛官募集の議論だ。自治体の協力を改憲と結び付けるのは、無理がある。
 1月に国会で「自衛官の募集は市町村の事務だが、一部の自治体は実施を拒否するなど非協力的な対応がある」と指摘した。今月の自民党大会では「都道府県の6割以上が拒否している」として改憲を訴えている。「都道府県」の部分はその後、自治体と修正した。
 首相が自衛隊明記を提案したのは2017年だ。「20年を新しい憲法が施行される年にしたい」と表明したものの、議論は思うように進んでいない。活性化に向けて一見分かりやすい理屈をひねり出そうとしたのではないか。
 問題点の一つは、協力の実態である。防衛省は全国の市区町村に対して18歳と22歳になる住民の名簿提出を要請している。17年度は名簿提出が36%、該当者を抽出した名簿の閲覧が34%、抽出せず閲覧が20%だ。協力を一切拒否は5自治体にとどまる。
 「6割以上が拒否」は明らかに事実と異なる。党大会後の国会答弁で首相は「協力いただいていない」とトーンを弱めている。それでも、名簿の提出だけに絞っての発言は自治体が非協力的だと誇張するものである。
 さらに重大なのは、自治体の協力とは本来関係のない改憲に議論をすり替えていることだ。首相は現状を「誠に残念」とし、自衛隊明記で「そういう空気は大きく変わっていく」と主張する。
 息子から「お父さん、憲法違反なの」と涙ながらに尋ねられたという自衛官のエピソードと同様に情緒的な論法だ。
 自治体が名簿を提出しないのは一つには個人情報保護の観点からである。流出のリスクを考慮して閲覧にとどめるのは、あり得る判断だ。そもそも提出を求められていない自治体もある。
 自衛隊法は自衛官募集について自治体が事務の一部を行うと規定する。施行令で防衛相が関連名簿の提出を求めることができるとしており、義務ではない。どうしても必要だというなら、関係する法令を見直せばいい。
 首相は「違憲論争に終止符を打とう」と繰り返す。集団的自衛権の解禁で違憲の疑いを強めたのはほかならぬ首相自身である。その点も改めて指摘しておきたい。


首相の改憲発言/議論が乱暴すぎないか
 安倍晋三首相が憲法9条を巡り新たな「理由」を持ち出して改正の必要性を主張している。自衛官の募集事務に多くの自治体の協力が得られていないと強調。9条に自衛隊を明記することで「この状況を変えよう」というものだ。
 しかし多くの自治体は法令に従って、その範囲内で自衛官の募集に協力しているのが実態で、首相の認識は事実誤認と言わざるを得ない。
 必要なら法令の整備で自治体に求める協力の内容を定めることは可能で、それを改憲に結びつける首相の主張はあまりにも乱暴だ。国の根幹である憲法の改正論議には精緻な論理構成が求められる。
 首相は先の自民党大会や国会答弁で、9条改正に絡めて自衛官の募集に言及。「6割以上の自治体が協力を拒否している」と述べた。自衛隊法は「都道府県知事、市町村長は自衛官募集事務の一部を行う」と定め、自衛隊法施行令は募集に関し「防衛相は知事、市町村長に必要な報告、資料を求めることができる」としている。しかし自治体側に資料提出に応じる義務は定められていない。
 防衛省によると、市区町村に18歳と22歳の住民の住所や氏名などの個人情報の提出を要請。2017年度は1741市区町村のうち36%が名簿提出に応じた。そのほかの53%の自治体も住民基本台帳の閲覧などを認めている。岩屋毅防衛相は一切の協力を拒否しているのは5自治体と説明した。名簿提出が義務ではないことを考えれば、9割以上の自治体が協力していると解釈すべきだろう。
 名簿自体を提出していない自治体の多くも、憲法との関係ではなく、個人情報保護の観点から対応している。首相は「膨大な情報を隊員が書き写している」と閲覧作業の煩雑さを強調。自民党は所属議員に対し、地元自治体に名簿提出を促すよう求める通達を出した。
 しかし個人情報の厳格な管理が求められる中で、対象が自衛隊であれ、個人情報が渡されることをどう考えるのか。慎重な検討が必要だ。
 たとえ個人情報上の問題点に目をつぶり、自治体に名簿提出を義務付けるとしても、関係法令の整備で対応できる。9条とは全く関係のない話だ。与党・公明党の北側一雄憲法調査会長が「自衛官募集と9条改正は直ちにつながらない」と指摘したのも当然だろう。
 9条を巡る主要な論点は「戦争放棄」「戦力の不保持」を定めた条文と、自衛隊の存在との整合性の問題だ。集団的自衛権の行使を認めた安全保障関連法を違憲とする主張もあり、これも議論になっている。
 首相は9条改正を訴えるとき、「ある自衛官が息子から『お父さんは違憲なの』と尋ねられた」などのエピソードを持ち出す。だが求められるのはこうした情緒論や事実誤認に基づく主張ではなく、論理的な議論だ。
 首相が自治体の対応に関して、改憲によって「空気が大きく変わっていく」と述べた点も見過ごせない。改憲で自治体が拒否できない「空気」をつくりだそうという発想だろうか。社会を取り巻く空気ではなく、法に基づいて政治、行政を行うのが法治国家で、首相が日本の基本的価値として度々自負する「法の支配」の鉄則ではないか。


【海賊版対策】方向性を誤らないように
 インターネット上に無断掲載された著作物を、そうと知りながらダウンロードすることを全面的に違法とするよう求める報告書が文化審議会著作権分科会で了承された。
 ネット上には画像や文章などさまざまなデータがあふれており、無断掲載も目立つ。最近では漫画や雑誌などを読めるようにした海賊版サイトが問題になっている。
 文化庁は今国会に著作権法改正案として提出する構えだ。著作権が保護されるべきなのは当然だ。
 だが、方向性を誤ればネットの自由な利用や知る権利、表現の自由が妨げられかねない。別件逮捕などに利用される恐れを指摘する専門家もいる。幅広い観点から慎重な議論が求められる。
 他人の著作物を許可なしにネット上に掲載することは、言うまでもなく許されない。著作権法違反に当たる。さらに問題なのは、違法な掲載を第三者が利用して著作権侵害が広がることだ。
 その一つが海賊版サイトなどからのダウンロードだ。第三者がデータを自分のパソコンやスマートフォンなどに取り込んで保存する。
 現行でも販売されている音楽や映像は、海賊版と知りながらダウンロードすると違法になる。作者から告訴されれば2年以下の懲役か200万円以下の罰金または両方の刑事罰が科される。
 今回の報告書はその対象を一気に著作物全般に広げる内容だ。漫画やゲームソフト、小説、写真、論文などあらゆる著作物が入る。
 著作権の侵害は作者の経済損失はもちろん、文化の発展も妨げかねない。主な三つの海賊版サイトによる著作権侵害の損失額が半年間で約4千億円に上ったという推計もある。社会が著作権への理解をもっと深める必要がある。
 とはいえ、対象を著作物全てに広げるには国民的な議論が必要だ。いまやネット内の情報や作品は、日常的に創作や研究などに利用されている。規制強化はネット利用の混乱や萎縮につながりかねない。
 報告書では個人のブログや会員制交流サイト(SNS)に無断掲載された著作物も違法ダウンロードの対象に含めている。刑事罰の適用は、作品をまるごとコピーするなど悪質な場合に限定するよう求めているが、それでも不安は大きい。
 作者側からも慎重な対応を求める声が出ている。漫画家らでつくる日本マンガ学会の関係者は、ファンが好きな漫画を基に作品を描く「2次創作」の意義を強調する。
 報告書が議論開始から4カ月で了承された点も疑問だ。政府は当初、海賊版サイトへのネット接続を遮断するブロッキング制度を導入する構えだったが、反発が強く断念した。その後に急浮上したのが違法ダウンロードの対象拡大策だった。
 著作権保護の認識や運用を誤ることがないようにするためにも、国民への丁寧な説明と十分な論議が欠かせない。


DL違法化、研究者や弁護士ら87人が緊急声明 「国民生活に及ぼす影響、検討が不十分」
インターネット上に違法アップロードされた漫画や写真など、あらゆるコンテンツについて、著作権侵害されているとを知りながらダウンロードすることを全面的に違法とする方針が、文化審議会著作権分科会で決まった。
このダウンロード違法化の範囲拡大に対し、知的財産法や情報法の研究者らが2月19日、対象の範囲について「さらに慎重な議論を重ねることが必要」「拙速な法改正は、私的領域のおける情報収集の自由に対して過度の萎縮効果を及ぼす」とする緊急声明を出した。文化庁の方針に対し、著作権法の専門家らが一斉に反対の意思表明をすることはきわめて異例という。
●「立法措置を図るに際しては、さらに慎重な議論を重ねることが必要」
緊急声明の呼びかけ人は、高倉成男・ 明治大学知的財産法政策研究所長、中山信弘・東京大学名誉教授、 金子敏哉・明治大学法学部准教授。賛同者は研究者や弁護士、ジャーナリストら84人とクリエイティブ・コモンズ・ジャパンとなっている。
緊急声明では、今回の方針はクリエーターやネットユーザーから懸念の声が上がっていることからも、法改正の前提となる立法事実や、国民生活に及ぼす影響についてもいまだ十分な検討がされているとはいえないと厳しく批判。
「私的使用目的の複製に係る権利制限が、私的領域における情報収集の自由を確保する機能を有し個人の知的・文化的活動、さらには日本の産業を支える法的基盤となっていること」なども指摘し、DL違法化の対象範囲について、「立法措置を図るに際しては、さらに慎重な議論を重ねることが必要であると考える」としている。
また、今回の方針決定の背景となった「漫画村」などの海賊版対策については、「その法改正はあくまで被害が深刻な海賊版への対策に必要な範囲に限定されるべきである」として、「刑事罰についてはその萎縮効果の大きさに鑑みて更なる限定を行うことが不可欠であると考える」と表明した。
全文のPDFはこちら(http://www.kisc.meiji.ac.jp/~ip/_src/sc1464/20190219seimei.pdf)。明治大学知的財産法政策研究所(http://www.kisc.meiji.ac.jp/~ip/)からも読むことができる。


[玄海2号機廃炉] 安全策のハードル高く
 九州電力は運転開始から約38年となる玄海原発2号機(佐賀県玄海町、出力55万900キロワット)の廃炉を決めた。
 原発の運転期間は原則40年と定められ、原子力規制委員会が認めれば最長20年の延長が可能だ。
 九電は廃炉決定の理由として、新規制基準に適合させるためのテロ対策施設の用地確保が困難であることを挙げた。老朽化が進んだ原発の再稼働には巨額の安全対策費を要するため、採算が厳しいと判断したとみられる。
 安全対策のハードルは高く、原発の事業化の難しさが改めて示されたといえる。
 東京電力福島第1原発事故を踏まえて策定された新規制基準導入以降、福島原発を除き、廃炉が決まった商業用原発は7原発11基目である。九電では玄海1号機に次いで2基目となる。
 巨額の安全対策費をかけてでも再稼働させるのか、廃炉にするのか。今後も国内の原発の多くが選別を迫られよう。
 廃炉を進めることは、老朽化した原発の事故リスクを減らし、電源の原発依存度の低減につながる。電力会社は廃炉を着実に進めてほしい。
 昨年7月に政府が改訂したエネルギー基本計画は原発を「ベースロード電源」と位置づけ、2030年度の発電割合の目標を20〜22%に据え置いた。目標実現には単純計算で約30基の稼働が必要だが、再稼働したのは9基にとどまる。政府の計画との隔たりは大きい。
 福島第1原発事故が収束する見通しは立たず、原発の安全性に対する国民の不信感は根強い。高度な安全対策の必要性を考慮すると、原発が安価な電源でないことも明白である。原発から出る高レベル放射性廃棄物の最終処分場建設の道筋も見えていない。
 一方で、太陽光発電など再生可能エネルギーの供給は増加し、昨年は出力制御が相次いだ。
 こうした状況を踏まえると、新増設や建て替えの形で原発を維持することは困難だろう。このことを国や電力会社は認め、脱原発にかじを切るべきだ。
 玄海2号機の廃炉作業には30年程度かかるという。その間に、廃炉によって出る放射性廃棄物の処理を安全に進める必要がある。
 原発立地自治体に入る交付金が減少することによる地域経済への影響も懸念される。
 1984、85年に相次いで運転を開始した川内原発1、2号機は2020年代半ばに運転期限を迎える。安全対策費が上がるなど原発を取り巻く環境が厳しくなる中、九電の判断が注目される。


スマホ撮影「雪結晶画像」、今度は全国から募集 予測精度向上で気象研究所
 気象庁気象研究所(茨城県つくば市)は、降雪の予測精度向上などを目指し、スマートフォンなどで撮影した雪の結晶画像を全国から募集している。従来は関東甲信地方限定だったが、専用アプリを導入して対象地域を広げた。市民の協力で広くデータを集めると同時に、気象に関心を持ってもらう「一石二鳥」を狙っている。
 雪の結晶は、できた雲の中の気温や水蒸気量によって形が変わる。同研究所は2016年度、ツイッターなどで雪の結晶の画像を募る「#関東雪結晶プロジェクト」を開始。首都圏に雪を降らせる雲の特徴を把握し、予測精度向上などにつなげる研究を進めている。
 関東地方を中心に大雪となった昨年1月22日は4万枚以上の写真が寄せられたが、同研究所で撮影場所などを手作業で入力していたため、解析などに時間がかかるなどの課題があった。
 今回、写真や気象情報を投稿できるアプリ「空ウォッチ」(https://sora-watch.3d-amagumo.com/)を導入。結晶の画像と同時に天気や結晶の種類、積雪量など分析に必要な情報を撮影者が簡単に入力できるようにした。撮影日時や場所も自動的に記録され、データ処理も効率化したという。
 雪の結晶以外の写真も投稿可能で、冬季以外も竜巻やひょうなどの気象現象把握に役立つことが期待される。アプリでは他の投稿者が撮影した写真や情報を閲覧できるため、身近な地域の天気の急変なども把握できる可能性がある。
 同研究所の荒木健太郎研究官は「空の変化を楽しみながら、防災に役立つような気象の知識を身につけてほしい」と話している。【大場あい】


母に捨てられ、父に売られ…暴力団員の子の想像を絶する人生
育てられない母親たち㉘

石井 光太 ノンフィクション作家
暴力団に対する締め付けは、暴対法を中心に社会の課題として広く行われている。その中で、暴力団という組織がどのようにしのぎを奪われ、経済的、社会的に追い詰められているか、離脱者がどれだけに上っているのかということは報道される。
だが、暴力団の子供たちがどのように暮らしているかということは、あまり光が当てられてこなかった。
私は現在ある雑誌で、暴力団の親の下で育った子供たちがどのような人生を歩んできたかを連載している。今回の、「捨てられた子供たち」の連載においても、たまたまというべきか、必然ともいうべきか、暴力団員の子供と名乗る人がインタビューに応じてくれた。
暴力団家庭から捨てられた子供のケースに光を当ててみたい。
親の生業は覚せい剤の密売
東海地方のある町で、清水力也(仮名、以下登場人物はすべて仮名)は育った。
母親は元暴走族のメンバーで、19歳の時から付き合っていた15歳年上の暴力団員と20歳で妊娠、生まれてきたのが力也だった。
暴力団員の父親は、主に覚せい剤を密売して生計を立てていた。地元に大勢の不良の後輩がいたことから、彼らに覚せい剤の売人をさせて、その上がりをはねていたのである。
それなりに儲かっていたらしく、力也が物心ついた時から、家にはセルシオなど常に3、4台の高級車があったという。
母親は若い頃から父親の仕事を手伝っていて、覚せい剤をビニールのパケに詰めたり、不良の後輩に渡したりする手伝いをしていた。そうした中で、母親自身も覚せい剤を覚えたのだろう、折々に注射器で使用していた。
父親が家を去ったのは、力也が六歳の時だった。
後から聞いた話では、次々に愛人をつくっては子供を産ませていたこともあって、母親の方が耐えられなくなって家から追い出したらしい。
母と男と3人でラブホへ…
しかし、母親は別れた後も父親と関係をもっていた。覚せい剤の密売の仕事は一緒にやっていて、それなりの金をもらっていたようだ。母親にしても、重度の覚せい剤依存症に陥ってやめられなかったのだろう。
母親は父親と覚せい剤の密売をする一方で、家に愛人を呼んでは「キメ・セク(覚せい剤をして性行為をすること)」をしていた。しかも、その愛人の中には、父親の舎弟もいた。
力也は語る。
「母さんはクスリで頭がぶっ壊れていて、小学生の俺にまでシノギを手伝わせていました。車でショッピングモールの前に行って、クスリ(覚せい剤)の入ったバッグを渡してこいって言ってきたり、クスリを隠す手伝いをやらせたり。
母さんとヤクザの男と3人でラブホに行くこともありました。俺がバスルームで携帯ゲームをしている間にセックスしてるんです。はっきり言って、母さんのことは嫌いでした。むしろ、親父の方があまり記憶にない分、好きだったかな。時々父親と会うと、焼肉とかステーキ屋とかつれて行ってくれて何でも買ってくれましたし」
常に汚れた服…学校が異変に気づく
小学5年生の冬、母親が育児放棄をする。新しい恋人の家へ通うようになり、やがて家に寄りつかなくなったのだ。
10日に一度くらい思い出したようにフラッと立ち寄っては数千円のお小遣いを置いてまた出ていく。力也は、その金でコンビニでお菓子やおにぎりを買って食いつないでいた。
だが、小学6年生になって間もなく、学校側が力也の異変に気がつく。服が常に汚れているばかりか、修学旅行や面談等の知らせにも応じず、母親に連絡が取れない。そこで学校の先生が家庭訪問をしたところ、育児放棄が発覚した。
児童相談所の職員が駆けつけ、力也を一時保護した。
おそらく職員は母親に薬物依存症の兆候があるなど感じたのだろう。母親のもとに帰さず、児童養護施設に預ける決定をした。
児童養護施設の子供たちの多くは、幼少期から十歳くらいまでの年齢で入ってきているため、力也はなかなか施設になじむことができなかった。
暴力団に入ることを夢見た中学時代
中学に入ったばかりの頃、母親が恋人と別れたらしく、思い出したように力也のもとに面会に来るようになった。周りからはうらやましがられたが、力也の思いは別だった。
力也は語る。
「今さら何しに来たのかって気持ちでした。クスリや男のことしか見てこなかったくせに、いきなり母親ヅラして『一緒に暮らしたい』とか『恋しい』とか言われたって、どうせ口先だけに決まってるでしょ。信用してついていけば、また裏切られるだけ。それで施設の人には面会はしたくないって断ってもらうことにしたんです」
きっと力也は幼い頃から母親のことを求め、その度に数えきれないほど裏切られつづけてきたのだろう。だからこそ、心の底では家族を求めていたのに、母親を信じることができなくなったにちがいない。
そんな時に現れたのが、父親だった。父親は力也が施設に入ったことを聞き、学校の方へ姿を現した。下校しようとした時、正門の脇に父親が立っていたのである。それから彼は携帯電話を力也に与え、月に一度くらいのペースで食事へ行き、小遣いを与えた。
中学に入って力也はグレはじめていたことから、父親の影響を大きく受けた。一度に何万円という小遣いをくれて、普段は行けないような焼き肉店で好き放題食べさせてくれる。その上、仲間や先輩に父親が暴力団員だと言えば、みんなが恐れて自分の言うことを聞いた。
力也は父親の威光を借りて不良グループをまとめ上げ、あらゆる非行に手を染めるようになった。そして、いつしか暴力団の構成員になることを夢見るのである。
「クスリを卸してやるから売ってみるか」
中学を卒業した力也は高校へは進まず、地元の不良グループを束ねて暴走族を結成する一方で、覚せい剤の売買に手を染めるようになった。父親の方から「クスリを卸してやるから売ってみるか」と誘われたのである。力也自身は、中学三年の時から、やはり父親からもらった覚せい剤に手を出して常習するようになっていた。
力也は覚せい剤を次々と後輩たちに売りつけると同時に、女性たちをまとめて売春グループをつくった。そして売り上げの大部分を父親に納めた。そうすれば、組長に直談判して組員にしてやると、父親から言われていたのだ。力也は組員になりたい一心で、それを信じて必死に働いた。
ところが、そんな生活を2年ほどつづけたある日、力也は思わぬ真実を知ることになる。父親はもう何年も前に所属していた暴力団を破門になっていたのだ。一体どういうことなのか。
力也は父親に詰め寄り、真実を問いただした。父親は意味不明の言い訳をするだけで答えようとしない。そこで力也は母親のもとへ行って意見を求めた。母親は冷たく言い放った。
「あの男はそういうヤツなのよ。どうせあんたを利用して金儲けをしてただけでしょ。あんたをだませば、クスリをどんどん売って金を持ってきてくれると考えてたんだよ。いいようにつかわれていただけ」
力也は、2年間だまされて働かされていたのかと思うと怒りで全身が震えてきた。暴力団になった暁には舎弟にしてやると仲間に言っていた自分の立場はどうなるのか。
メンツを守るには、父親を殺すしかない。力也は凶器をもって父親の居場所を探した。父親は逃げ出してなかなか見つからなかった。
警察に息子を売った父親
そんなある日、突然、力也の住んでいたアパートに警察が家宅捜査で押しかけてきた。覚せい剤を売っていると垂れ込みがあったという。アパートには注射器や覚せい剤があり、力也はその場で現行犯逮捕された。
力也は語る。
「後でわかったんですが、親父が自分を守るために警察へ俺を売ったんですよ。実の子をだまして金を搾り取った挙句、命を狙われたからって警察に売るなんて最悪な奴です。心から殺してやりたいと思った。
1年間少年院に入って出てきたら、親父はとんずらこいていたし、俺は仲間からウソつき呼ばわりされた。俺が仲間たちをだましていたみたいに思われていたんです。それで地元にいづらくなって出ることにしたんです」
暴力団員として生きる難しさ
その後、力也は関西にわたって暴力団に入った。だが、暴対法によってシノギが削られている中で、暴力団員として生きていくことの壁にぶつかり、わずか3年ほどで組を離れることにしたのだという。今は、ガールズバーの経営者になっている。
「自分が組に入って、親父の立場も少しは分かったかなと思いますね。今の末端のヤクザはガキにクスリを売ることくらいしか商売にならないんですけど、組の方からは常に金、金、金と要求されてばかり。その上、ヤクザをやってても暴対法でつらい思いをするだけで、見返りはまったくといっていいほどない。
そんな中で生きていくには、もう自分の子供をだまして金を搾り取るしかない。俺はそこまでしたくなかったから組を抜けたけど、これまでどっぷりヤクザをやってきた人は今さら別の生き方をしろっていってもムリでしょうね」
冒頭で述べたように、暴力団員は暴対法によってしめつけられ、末端の組員は生活すらままならなくなっているのが現状だ。一部の者たちは覚せい剤の売買などで何とか食べているが、自身が依存症になっているケースは少なくない。
こうした家庭では、子供を取り巻く環境は否応なしに劣悪なものになっていくし、親が子供を捨てるケースというのは、一般の家庭よりはるかに多くなるのは必然だ。
むろん、暴力団員の子供の全員が全員こうなるわけではない。中には立派な社会人になる人もいるだろう。
だが、暴力団を締め付けるのであれば、それと同時に子供の救済方法も考えていく必要がある。今の国の政策の中に、それが十分に盛り込まれているとは到底言い難く、見えないところで少なくない子供たちが犠牲になっているのが現実なのである。


山本太郎「消費税は5%に減税へ。最終的には0%を目指したい」
「消費税は5%に減税を!」
 2月1日の参議院本会議でそう提言し、「消費税増税はもってのほか」と安倍首相に突きつけた参議院議員の山本太郎氏を直撃した。
「『戦後最長の景気拡大』と言われますが、庶民は決して好景気を実感していません。’16年の厚労省の調査では、『生活が苦しい』『やや苦しい』と答えた人は、全世帯で56.5%。悲惨です。政府がすべきことは減税や給付の下支えであって、消費を冷え込ませる増税じゃない。こんなことは、山本太郎でもわかる話です」
 消費税増税は景気に悪影響しかない。’14年に消費税率を8%に引き上げたとき、実質個人消費は8兆円も下落し、貯蓄ゼロ世帯が急増したのだ。
=================
貯蓄ゼロ世帯の割合
20代 61.0%
30代 40.4%
40代 45.9%
50代 43.0%
60代 37.3%
「家計の金融行動に関する世論調査」(単身世帯)によると、どの世代も3〜4割が、20代では6割以上が貯蓄ゼロだという
=================
「リーマンショックのときですら、実質個人消費の下落は6.3兆円でした。消費税は、生きているだけで払わされる“罰金”です。消費税増税は日本経済全体を冷え込ませることになります」
 また、増税された消費税の用途は「全額社会保障の充実と安定化に使う」とのことだったが、「社会保障の充実分」以外の内訳を要求しても出してこない、と山本氏は続ける。
「デフレのときには政府が新規国債を発行して大胆に投資するべきなのに、この20年間、かなり強固な緊縮財政を行ってきました。IMFの調査では、この20年間の政府総支出の伸び率と名目成長率で世界140か国中、日本は最下位。つまり、日本は世界で一番人々に投資しないドケチ国家で、経済成長しない衰退国家に成り果てたのです」
 一方で、消費税を増税しないと税収への懸念もあるが、これについても一刀両断。
「消費税“減税”をすることで経済成長を促し、それによる税収増分を充てればいい。それでも足りないなら、税の基本に戻ります。消費税が導入される’89年以前は、所得税や法人税などで賄っていました。絶対に増税が必要だというなら、まずは大金持ちからです。ミリオネアもワープアも同じ税率など論外。
 現在、企業の内部留保が膨大な金額に上り批判されますが、これも企業が投資したくなる環境、成長戦略を示せない政府の責任です。介護や保育など、ニーズはあるが政府がケチってきた部分が成長分野。加えて少子化対策としてロスジェネ救済へ国が大胆に投資することを宣言すべき。
 本気でデフレ脱却しなくてどうするんですか。現在の野党の弱みは経済政策の弱さ。消費税増税の凍結など生ぬるい。次の選挙の統一政策として『消費税5%への減税』を掲げ、最終的には消費税0%を目指したいですね」
【山本太郎氏】 参議院議員。自由党共同代表。全国289の衆議院・小選挙区の地域住民を対象に「消費税5%への減税」を求める署名活動も実施中

確定申告で待ち時間→書類なし/眠い/家計簿で反省 

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Prix Nobel de la paix : le Japon a nommé Donald Trump
Pour son rôle dans l’ouverture du dialogue entre la Corée du Nord et la Corée du Sud, le Premier ministre japonais, Shinzo Abe, a nommé le président américain, Donald Trump, pour le prix Nobel de la paix.
Le quotidien japonais "Asahi Shimbun" a rapporté dimanche que Shinzo Abe a nommé Donald Trump pour le prix Nobel de la paix, notamment pour son implication dans les pourparlers entre la péninsule de Corée.
Le président américain a déclaré vendredi que Shinzo Abe lui avait donné une belle lettre de nomination pour le prix Nobel. Donald Trump a expliqué que cette décision a été prise par le Japon pour son rôle dans l’apaisement des tensions avec la Corée du Nord, mais aussi d’avoir ouvert les dialogues entre les deux Corée.
D’après le journal Asahi, confirmant une information de France Info, le Premier ministre japonais aurait été sommé de faire cette démarche à la demande de l’administration américaine, après le sommet entre Donald Trump et le leader nord-coréen Kim Jong-un, à Singapour.
Le site internet de la fondation Nobel a fait savoir que tout le monde peut soumettre une candidature pour le prix. Toutefois, les noms et les informations des candidats ne seront rendus publics avant 50 ans.
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フランス語の勉強?
NHKスペシャル 平成史 第5回“ノーベル賞会社員”〜科学技術立国の苦闘〜
「平成史スクープドキュメント」第5回は、ノーベル賞ラッシュに沸いた科学技術立国・日本の現実を見つめる。民間企業の一エンジニアとしてノーベル化学賞を受賞した田中耕一氏。実は受賞後メディアの取材を遠ざけていたが、今回16年ぶりに密着取材が実現した。田中氏の知られざる苦闘の歳月から日本が新たなイノベーションを生み出す可能性を探るのは、平成の23年間クローズアップ現代のキャスターを務めた国谷裕子氏。
なるみ岡村の過ぎるTV【家カレーの隠し味▼冬*ほっこりABCわくわくウィーク】
長谷コレ冬!カジカジ絶賛ティーアップ長谷川の冬コーデ▼一流カレー店に嫁いだ奥さんが作る家カレー!隠し味がスゴ過ぎる▼M-1ファイナリスト見取り図(秘)大阪下町ロケ企画
★「冬*ほっこり ABCわくわくウィーク」★ ABCテレビは、スペシャル企画が盛りだくさん! データ放送では、50型4Kテレビや、えらべる宿泊ギフト、松阪牛・カニのグルメなどが当たる視聴者プレゼント開催中!ABCテレビをたくさん見て、コインを貯めて応募しよう! なるみ 岡村隆史(ナインティナイン) 長谷川宏(ティーアップ) 浜本広晃(テンダラー) 見取り図(盛山晋太郎・リリー) 横山太一(ABCテレビアナウンサー) 斎藤真美(ABCテレビアナウンサー)
『大阪べ〜たバンク』 大阪人100人に「家カレーの隠し味」を調査。 べた過ぎる答えを予想し、商品券3万円分が当たるツイッターキャンペーンも! さらに一流カレー店に嫁いだ奥さんが作る家カレーを特集!カレーにうるさい旦那も黙る隠し味とは?『オシャレ過ぎる長谷兄 NGKコレクション』 吉本一のオシャレ・ティーアップ長谷川の私服を隠し撮り!ファッション誌「カジカジ」のスタッフがランキング付け。 今回はコートの着こなし、セットアップの足し算を要チェック!『視聴率を狙い過ぎる調査旅』 関西の様々な駅で、テレビ業界で数字を持っているといわれるキッズ・ペット・ラーメン、3つの過ぎるを探すロケ企画。 今回は昨年のM-1ファイナリスト・見取り図が初登場! 大阪市生野区小路駅周辺で調査。
あなたの街の「過ぎる」情報&調査してほしい!噂の「過ぎる」など…「○○過ぎる情報」を番組ホームページで大募集!スマホでも投稿可能です! 番組HP asahi.co.jp/sugirutv/ 公式twitter @sugirutv #過ぎるTV をつけてつぶやこう!

布施祐仁 @yujinfuse
「御党も政権を奪取しようと考えているんであれば、米国に敬意を払うべきだ」。同盟国として敬意を払っていても批判すべきことは批判すべきだし、批判もできないような関係は成熟した関係とはいえない。それに同盟国として敬意を払っていても、普通は頼まれてノーベル平和賞に推薦したりしないだろう。
トランプ大統領のノーベル平和賞推薦の件で野党から批判されて「あなたたちも政権とりたいならアメリカに敬意を払うべき」と反論する安倍首相の姿を見て、この国のトップの究極のゴマスリ根性を見せつけられた気がして、怒りを通り越してとても悲しい気持ちになった。


よくわからないけど確定申告をしなくてはいけない???とりあえず税務所に行くとスゴイ行列.書き方わからない人は梅田で説明します.というので結局梅田へ.受付番号853で案内は660番台だから待ち時間がすごくなりそうです.コンビニでお菓子等を買って一服して1次かに静過ぎていくと900番台になっていました.10階まで行って話を聞くと結局書類いらないよ,とのこと.なんだかがっかり.
眠いので少し仮眠して,夕方家計簿.以前の買い物を見て反省することがありました.ちょっとお酒飲み過ぎかな?

防災・減災を記録映像で呼び掛け 東京・田中さん、中小企業向けに講演「BCP策定に活用を」
 東日本大震災の津波で被災した岩手、宮城両県の水産加工業者に焦点を当てたドキュメンタリーを制作する田中敦子さん(76)=東京都=が、自らの作品を通して中小企業に防災減災対策を呼び掛ける講演活動を始めた。今なお被災地で撮影を続ける田中さんは「首都直下地震や南海トラフ巨大地震の被害が想定される関係者に見てもらい、BCP(事業継続計画)の策定に役立てて」と訴える。

 東京都大田区産業プラザで8日にあったセミナーには、製造業の若手経営者ら約20人が参加。田中さんが手掛けた「経営者たちの戦いの記録」「あの日から5年」が上映された。
 田中さんはインフラ復旧の遅れ、資材高騰や人手不足、二重ローンといった課題を列挙。取材した業者が経営破綻した厳しい現実も紹介し「顧客や取引先をつなぎ留める努力や、同時に被災しないエリアにある同業者との提携が大事。周辺の会社と一緒に復旧復興に取り組む姿勢がないと、難局は乗り越えられない」と指摘した。
 京浜工業地帯にある大田区は町工場が集積し、首都直下地震では大規模な建物倒壊や火災が懸念される。田中さんを招いた大森工場協会YMクラブの渡辺穣(ゆたか)幹事長(56)は「衝撃的な内容だった。大災害が起きる前に計画を立て、地元企業間で連携する必要性を実感した」と話した。
 田中さんは震災の3週間後に被災地に入り、石巻、気仙沼両市や岩手県山田町などで水産加工に携わる経営者の苦闘を追っている。
 「被災した経営者にとって重要なことは、お金と時間だった。記憶を呼び起こし、後で検証できる被災地の記録をきちんと残したい」と田中さん。制作費を工面し、2021年3月末の復興庁廃止前に「収束編」を完成させたい考えだ。
 連絡先はソラワン03(3797)7551。


県内外に避難の子どもら集い「田植踊」の伝統つなぐ 福島・浪江の神社で安波祭
 東日本大震災の津波で壊滅的被害に遭った福島県浪江町請戸地区の〓野(くさの)神社で17日、伝統行事の安波祭(あんばまつり)があった。東京電力福島第1原発事故に伴って県内外に避難した子どもらが集い、色鮮やかな衣装に身を包んで300年の歴史を持つ「請戸の田植踊」を舞って奉納した。
 津波で流失した本殿の仮の社の前で、東京都内や宮城県に住む6〜21歳の10人が、民謡と太鼓に乗って息の合った舞を披露。見守った元住民らから拍手が起こった。
 請戸から宮城県村田町に避難を続ける高校生の松本理奈さん(18)は「集まって練習する機会もそうないので緊張したが、あまり寒くなくて踊りやすかった。踊りのほかに歌もしっかり覚えて継いでいきたい」と話した。
 請戸芸能保存会副会長の佐々木繁子さん(68)は「ふるさとで踊ると思い入れも強く、気合が入るのだろう。120点の出来。最高でした」と目を細めた。
 町は2017年春に避難指示が一部で解除された。安波祭は昨年2月、現地で再開。震災前、田植踊は小学生が踊り継いでいた。
(注)〓は、くさかんむりに召


<東北大>応援団が市民を鼓舞、一般向けに演目初披露
 東北大応援団は17日、地域住民や卒業生に日頃の活動の成果を披露する「萩蜂(しゅうほう)祭」を仙台市太白区文化センター楽楽楽ホールで開いた。同団が1963年の設立以来、一般向けにイベントを開くのは初めて。切れのある演舞や華麗なチアリーディングで、来場した約400人を魅了した。
 団員たちが旧帝国大の定期戦・全国七大学総合体育大会(七大戦)など対外試合で仲間を鼓舞する応援歌や踊りを披露。旧制二高時代に考案され一時途絶え、卒業生の指導で復活した演目も行った。
 幕間に、司会役が軽妙な語り口で団員の特徴を紹介。私生活に話が及ぶと客席から「勉強しろ!」とやじが飛び、会場が笑いに包まれる場面もあった。
 終盤には、吹奏楽やチアリーダーのメンバーを含む全団員がステージに登場。マーチメドレーや伝統の応援歌に合わせ多彩な演目を繰り広げると、来場者全員が立ち上がって手拍子を送った。
 同団は2000年代前半、部員が一時ゼロになった。関係者が熱心に勧誘を続け、現在は46人が在籍するまでになった。
 元団員の富谷市の公務員鶴岡丈彦さん(50)は「アレンジもあったが、曲は30年前と同じだった。仕事で大変なこともあるが、後輩に励まされた」と話した。
 57代目となる現団長を務める経済学部3年の芹沢啓太朗さん(21)は「地域の皆さんにも楽しんでもらえるよう工夫した。仙台や東北全体が活気づくよう、応援団文化の発展をリードしたい」と語った。


<八戸えんぶり>「摺り」で開幕、豊作願い勇壮に舞う
 国の重要無形民俗文化財「八戸えんぶり」が17日、八戸市中心部で開幕し、華やかな烏帽子(えぼし)をかぶった太夫が稲作を表現した「摺(す)り」と呼ばれる勇壮な舞を披露した。20日まで。
 長者山新羅神社にえんぶり組が集まり、午前7時から順番に摺りを奉納。行列をつくって市中心部まで練り歩き、全33組が「一斉摺り」で一度に舞った。子どもたちによる祝福芸もあり、楽しげな舞に市民や観光客は拍手を送っていた。
 期間中は市役所前で昼の一般公開(19、20日)と夜のかがり火えんぶり(18〜20日)、史跡根城の広場で撮影会(18、19日、入場料250円)などがある。


科学研究の危機/予算増額と配分の見直しを
 ノーベル賞受賞者らが呼び掛け人となって「大学の危機をのりこえ、明日を拓(ひら)くフォーラム」という団体を設立した。記者会見したメンバーは大学の予算の削減が続き、教育や研究の土台が弱体化したとして、今後、政策の転換を国に求めていくという。
 記者会見した白川英樹筑波大名誉教授ら日本を代表する研究者の危機感を文部科学省は重く受け止めるべきだ。白川氏は「高度な研究が衰退を始めたという懸念を拭いきれない」と述べた。こうした事態が現実に進行しているのは疑いがない。
 白川氏自身、ノーベル賞につながった研究を現在の大学の研究環境でできたかという質問に対して「無理です」と答えた。同様の懸念は以前から多くの研究者が表明している。昨年、ノーベル医学生理学賞を受賞した京都大の本庶佑特別教授もその1人。
 国の科学政策について本庶氏が心配するのは、国が「選択と集中」を旗印に、利益につながりやすいような応用研究に重点的に予算配分し、基礎研究を軽んじているとみられる点だ。若手の研究者のポストが減少する弊害も出ている。大学院の博士課程への進学者数は、この15年ほど低下の一途をたどった。
 外国からも日本の研究が全体として低調になっている実態が既に指摘されている。英科学誌ネイチャーは2007年、日本の研究者による論文数が過去5年間で8%も減少し、「日本の科学研究は失速している」と伝えた。
 同誌は「日本は長年にわたって世界の第一線で活躍してきた。だが、01年以降、科学への投資が停滞しており、高品質の研究を生み出す能力に悪影響が出ている」と述べ、わが国の研究者が置かれた現状を的確に分析した。
 では、科学研究の基礎体力が失われつつある現状をどう改革すればいいのか。年間の論文数が急増している中国など他の諸国に比べると、わが国の研究予算は、ほぼ横ばいが続いている。まずは着実な増額が必要だろう。研究手法の進歩で必要な研究費は増えているからだ。
 財政上の制約があるとすれば、次のようなアイデアも既にある。大きな声にはまだなっていないが、一部の経済学者が言うような教育のための国債の発行である。これは検討に値するのではないか。
 研究費の配分に関しても従来の「選択と集中」を脱し、支援の対象をより幅広くするべきだろう。将来、どのような研究が結実するのか、誰にも分からない。できるだけ網を広げるのが成功の確率を高める方法でもある。
 主要国の論文数は1位の米国を中国が急速に追い上げている。少し離れて、英国、日本、ドイツなどがそれを追う形だ。今回の白川氏らの危機感を受けて、研究費の増額や配分方法の見直しに早急に取り掛からなくてはならない。


河北春秋
 職場で「ダブルスタンダード」は上司が避けるべき所作の一つ。「ご都合主義」「二枚舌」では誰の信頼も得られない。家庭も同様。子どものしつけに「二重規範」があってはならない▼そんな理不尽がまかり通りかねないという。憲法改正国民投票のこと。賛成と反対のどちらかに投票を呼び掛ける「国民投票運動広告」は投票日2週間前からテレビCMが放映禁止となるが、個人や企業、団体が意見を表明する「意見広告」は投票日当日も放映できる。同じ投票なのに、厳格な公職選挙法とは大違い▼2007年成立の国民投票法が自由度の高い設計だったためだ。欧州連合(EU)離脱を問うた英国をはじめ国民投票の歴史がある欧州主要国は、公平性の観点から一方的なテレビのスポットCMを禁止する▼これに正面から異を唱えたのが、通信販売のカタログハウス(東京)。動画投稿サイトのユーチューブや自ら発行する季刊誌「通販生活」で、資金の潤沢な勢力に有利に働きかねない国民投票法を「不公平」と批判する▼20年の改正憲法施行を目指す安倍晋三首相だが、夏の参院選前の改憲発議は困難な情勢。参院選投票と国民投票が重なる最悪の事態は回避できたとしても、国民を迷わせるような矛盾は早々に解消しておかねばなるまい。

普天間停止きょう期限 約束ほご、国に重大責任
 案の定、まやかしだった。米軍普天間飛行場を5年以内に運用停止するという政府の約束は空手形にすぎなかった。その期限を迎えたきょう、改めて政府の偽装と無策ぶりに強い憤りを覚える。
 「沖縄の基地負担軽減」と言いながら、政府はこれまで何度も県民にうそや詭弁(きべん)を重ねてきた。
 経緯を振り返ってみよう。そもそも、5年以内の運用停止は、2013年12月に仲井真弘多知事(当時)が辺野古の埋め立てを承認する最大の条件だった。
 仲井真氏が実現を求め、安倍晋三首相が承認の見返りとして「知事との約束は県民との約束だ」「政府を挙げて全力で取り組む」と明言した。仲井真氏も「首相が言ったことそのものが担保だ」と政府の保証を強調していた。
 その後、政府は起点を負担軽減推進会議が開かれた14年2月18日とした。14年の知事選前には、閣議で「実現に向け全力で取り組む」と決定し、菅義偉官房長官は「日本全体で沖縄の負担を軽減させてもらう」と豪語した。
 しかし、その知事選で翁長雄志知事(当時)が誕生すると、中谷元防衛相(当時)は「地元の協力を得られることが前提だ」と述べ、「全国の協力」から「沖縄の協力」に変節した。
 安倍首相も17年2月に「残念ながら翁長雄志知事に協力していただけていない。難しい状況だ」と県側に責任を転嫁した。自らの不作為を棚に上げて沖縄側に責任をなすりつけるのは厚顔も甚だしい。
 この間、安倍政権が5年以内の運用停止に本気で取り組んだ形跡は見えない。14年4月の日米首脳会談で、安倍首相がオバマ米大統領(当時)に運用停止への決意を表明しただけで、以後は言及がない。
 それどころか、その後の日米会談では、運用停止よりも辺野古新基地の推進を強調している。政府は「普天間飛行場の危険性除去が原点だ」と繰り返すにもかかわらず、自らそれを放棄しているのは断じて許せない。
 仲井真元知事も県議会で再三、「移設と運用停止は切り離すべきだ」と答弁していた。本来は別問題だったのに、5年以内運用停止を人質に、民意に反した新基地建設を迫る姿勢は、構造的差別そのものだ。沖縄は植民地ではない。
 安倍政権は外交努力のかけらさえ果たしていない。危険性除去に取り組む意思があるのなら、沖縄に協力を強いる前に、米側にこそ粘り強く交渉し運用停止を求めるべきだ。国内の移設先を探しだすことにも力を注ぐ必要がある。それこそが一日も早い宜野湾市民の安全につながる。
 政府の強行ぶりを見ていると、もはや危険性除去は眼中になく、新基地建設が目的化している感がある。
 安倍首相は約束をほごにした責任を認め、謝罪すべきだ。新基地を断念し、即時運用停止にかじを切るのが先決だ。


[普天間運用停止]政府の責任は免れない
 安倍晋三首相が約束した米軍普天間飛行場の「5年以内の運用停止」が18日、期限を迎えた。
 5年以内どころか、この先10年後に運用停止ができるかどうかさえ、まったく分からない。軟弱地盤の改良工事のため、辺野古の新基地建設が長期化するのは避けられなくなったからだ。
 埋め立て予定区域にある軟弱地盤は深いところで水深90メートルに達する。国内に対応可能な作業船がなく、工事例もない。
 本紙の平安名純代・米国特約記者が複数の米連邦議会議員から聞いたところによると、米軍は少なくとも2028年度ごろまで普天間飛行場の使用(運用)を想定しているという。
 国会で質問されても、工期も経費も説明できない。説明責任すら果たせない政府が、辺野古現地で連日、反対行動を排除して埋め立て工事を強行しているのは異常というしかない。
 5年以内の運用停止は、埋め立てを承認するにあたって、仲井真弘多元知事が政府に突きつけた条件だった。
 安倍首相は「最大限、実現するよう努力したい」と述べ、14年4月、政府として運用停止期限を「19年2月」とすることを確認した。
 知事選に立候補した仲井真氏をバックアップするため、14年10月、5年以内の運用停止に「全力で取り組む」との答弁書を閣議決定している。 前提が崩れたことで新基地建設計画は完全に破たんした。
    ■    ■
 政府の態度が手のひらを返したように変わったのは、翁長雄志氏が当選したときからだ。17年2月には「難しい状況になっている」(安倍首相)ことを認め、新基地建設に反対する県側に責任を転嫁し始めた。
 だが、仲井真氏は埋め立てを承認した時点で、辺野古移設に10年かかることを想定し、辺野古の埋め立て工事と切り離して5年以内の運用停止を進めるよう求めていた。
 翁長氏が当選したとき、政府が公平・公正な立場を堅持し、直ちに県と切り離しに向けた協議を進めていれば、事態は変わっていたはずだ。
 政府は翁長氏を敵視し、運用停止は辺野古移設が前提、だと言い出す。
 政府として米国に対して5年以内の運用停止を公式協議のテーブルに載せ、真剣に取り組んだ形跡はない。
 ご都合主義、責任転嫁、牽強付会、我田引水、無為無策。この間の政府の態度を何と表現すればいいのだろうか。
    ■    ■
 県議会は昨年2月、即時運用停止を求める決議を全会一致で可決した。県と基地所在市町村でつくる県軍用地転用促進・基地問題協議会は7日、政府に対し5年以内の運用停止などを求めた。
 普天間飛行場の滑走路補修工事に多額の国費を投入し、その半面、運用停止の期限を迎えたことに対しては、何の「痛み」も感じていないとすれば、政府の罪は限りなく大きい。県、市町村、県議会は一日も早い運用停止に向け、声を上げ続けるべきだ。


【沖縄県民投票】直接示される民意は重い
 沖縄県の米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設を巡る県民投票が告示された。
 24日に投開票されるが、結果に法的拘束力がないため意義を疑問視する声もある。しかし、移設の是非に絞って県民が直接民意を示す初めての機会は重みを持つ。
 辺野古移設が本当に唯一の解決策なのか。移設すれば普天間の早期返還はかなうのか。辺野古の埋め立て工事が進んでいる中、本土の私たちも含めていま一度、立ち止まって考えるべき課題は多い。
 沖縄県民の意思はこれまで軽んじられ続けてきた。
 安倍政権は辺野古問題について、国による埋め立ては仲井真弘多元知事の時代に承認済みと強調する。しかし仲井真元知事の承認は「県外移設」という自らの公約に反するもので、県民にとっては「裏切られた」との思いが強かったろう。
 菅官房長官は「問題の原点は普天間の危険除去と返還だ」とも言う。 確かに1996年の日米返還合意の条件は、普天間の一部機能の嘉手納飛行場への移転、統合▽普天間のヘリコプター部隊のヘリポートを県内米軍基地内に新設する―というものだった。
 それが曲折を経て今では、滑走路2本と港湾機能も併せ持つ巨大な新基地に肥大化している。これでは県民の目に「基地の整理・縮小」とは映るまい。
 政府が土砂投入を強行している辺野古沿岸部の埋め立てでも今また、新たな問題が浮上している。
 政府は埋め立て予定海域に軟弱地盤があることを認め、今春にも改良工事に向けた設計変更に着手する。改良工事が加われば総事業費の増大や工期の長期化は避けられない。普天間の早期返還という政府目標にも大きく影響しよう。
 工期や工費はどう変わるのか。本来なら政府は県民投票の機を捉えて、県民に丁寧に説明するのが筋であろう。ところが「結果にかかわらず移設工事を続ける」とするだけで、静観の構えを崩していない。
 自民党県連と公明党県本部も自主投票で臨む。移設容認の自民党県連は移設を巡る議論が活発化しないようにするため、とされるが事実なら残念なことだ。
 県民投票は当初、「賛成」「反対」の2択で実施予定だった。それだけでは民意を反映できないとして、「どちらでもない」を加えた3択で与野党合意にたどり着いた経緯もある。そうである以上、自民、公明両党も積極的に主張し、県民投票への関心を高めてもらいたい。
 防衛や安全保障の分野は国の専権事項である、という。そうであっても地元の民意を無視し政府方針だけで基地を造っても、その安定的な運用は難しい。地方自治との折り合いをどうつけるかが問われよう。
 同時に、本土の無関心が沖縄の負担増に加担してきたことも改めて自覚しながら、県民投票の推移を注視したい。


横田空域通過で日米合意 協定の改定をなぜ求めぬ
 首都の空を米軍が握り、民間旅客機が自由に飛べない状態が続いているのは、異常と言わざるを得ない。
 東京の上空を覆う横田空域のことだ。1都8県に広がり、最高高度7000メートルに達する山脈状の巨大な空間である。
 米軍横田基地が航空管制を担う空域で、通過するには米軍の許可が要る。東西の空の自由な往来を阻み、羽田を離着陸する民間機は迂回(うかい)して運航するのが常態化している。
 日米両政府は、旅客機が横田空域の東端を通って羽田空港に飛来する飛行ルートを米軍が認め、通過中の管制も日本が担うことで合意した。
 このルートは、2020年の東京五輪・パラリンピックに向けた国際線増便計画を受け新設された。空域を通過するのは、東京都練馬区付近の上空を飛行する数分間だという。
 短時間のうちに進入と離脱で2度も管制が引き継がれるのは危険を伴う。安全を考えれば管制を日本が一元管理するのは自然だろう。
 日本の空の管制は航空法に定められている。日本の領空なのに米軍の許可を得て飛行するという理不尽がなぜまかり通っているのか。
 横田空域は、米軍基地周辺の管制業務について「米政府が行う」とした1975年の日米合同委員会の合意に基づいている。合同委員会は日米地位協定に根拠規定がある。
 もともと、52年の合同委員会で「一時的な措置」として米軍に認めた管制権だったのが、なしくずし的に米軍の既得権益になってしまった。
 問題なのは、日本の主権に関わる重要事項が、国会の関与もなく決められ、ルール化されていることだ。
 合同委員会は、外務省北米局長と在日米軍司令部副司令官が代表を務める官僚の枠組みに過ぎない。非公開で、議論の内容も公表されない。
 このため、米軍の管制権の位置付けの変遷も、どんな議論の結果なのかは不明だ。
 政府は、在日米軍には日本の国内法が適用されないと説明するが、国民の生活に影響を与えている問題が放置されていいわけがない。
 日本政府は地位協定の改定を正式に提案したことはない。だが、米軍に国内の航空法を適用するよう地位協定を改定したドイツの例もある。改定の提起に踏み出すべきだ。


公的年金の運用 株偏重路線でいいのか
 株式投資は大もうけもすれば大損もする。国民の大切な資産を、それに頼って運用する現状は果たして適切だろうか。
 厚生労働省が所管し、150兆円超に上る公的年金の積立金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、昨年10〜12月期に14兆8039億円の運用損失を出した。
 四半期の赤字幅として過去最大だ。直接の原因は米中貿易摩擦などによる世界的株安だが、安倍晋三政権の意向を受けて2014年から運用の株式比率を5割へと倍増させたことが背景にある。
 株式相場が長期的に持ち直していく保証はない。現在の運用比率を維持することは、老後を支えるお金を過度のリスクにさらし続けることを意味する。
 政府とGPIFは安全・慎重を旨に、運用の長期戦略を立て直すべきだ。
 積立金は年金給付のための財源の1割程度であり、赤字の影響がすぐに出るわけではない。
 今回の損失を含めても、01年に市場での運用を始めて以降の利回りは年2・73%で、累積収益額は約56兆7千億円のプラスだ。
 西村康稔官房副長官は「長期的には年金財政上、必要な収益を十分確保している」と述べた。
 だが、この説明は事態をやや矮小(わいしょう)化していないか。
 これまでの四半期ベースでの最大の赤字は、ギリシャ財政危機などが問題化した15年7〜9月期の約7兆9千億円だった。今回の赤字額はその2倍近い。
 株価の先行きには不安材料が多い。米中摩擦や中国経済減速で金融市場は不安定な状況にある。
 株安が続けば運用成績も下がり、積立金への悪影響が増幅しかねない。年金制度に対する国民の信頼を揺るがす恐れもある。
 安倍政権はこれまで、株式重視の運用路線を成長戦略に結び付け、運用収益をアベノミクスの実績として誇ってきた。
 公的年金の積立金は、安全な運用を優先すべきではないのか。リスクを取って一時的に収益を増やし、政治的なアピール材料とするのは健全とは言えまい。
 リスクが高い政策ほど、国民に丁寧に説明する必要がある。にもかかわらず、14年の路線変更に当たり、その利害得失が十分説明された形跡がないのは問題だ。
 GPIFは運営の透明性を保ちつつ、比較的安全な債券の比率を高めるなど最適な運用比率を探ってもらいたい。


年金運用赤字  株式重視は危険過ぎる
 国民年金や厚生年金の積立金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の昨年10〜12月の運用実績が14兆8039億円の巨額赤字となった。
 米中の貿易摩擦などによる世界的な株安で、国内外の株価が大幅に下落したことが要因という。
 これまでの最大赤字は、ギリシャの財政危機などが問題化した2015年7〜9月期の約7兆9千億円だった。その2倍に近い。
 アベノミクスの一環で、株式運用の比率を倍増させたことが裏目に出た。政府は、12年の政権交代以降の運用収支は44兆円余りのプラスで「必要な収益は十分確保している」としているが、株式重視のリスクは明白ではないか。
 国民が老後に備える貴重な財産を、高いリスクにさらしてはいけない。長期的な安全性こそ第一との原点に立ち戻るべきだ。
 GPIFは主に、国内外の株式、国内外の債券の四つの資産に分散投資している。以前は国内債券の比率が6割を占めていた。
 14年に債券を抑えて株式の比率を高める方針を決定した。株高でアベノミクスを軌道に乗せ、支持率上昇につなげたい首相官邸の意向が働いたとされる。
 現在はほぼ半分を国内外の株式で運用している。実際にGPIFの資金が流入して市場が安定し、株価を下支えすることとなった。だが、年金資金を株価操作に使うような運用に批判も大きい。
 「出資者」である多くの国民が株式比率を増やすことに納得しているわけではない。国民との信頼関係を築かなくてはならない。
 それなのに十分な説明責任を果たそうという姿勢が見られないのはどうしたことか。
 運用結果についてGPIFは記者会見して質疑に応じてきたが、昨年11月公表分から突然取りやめ、動画投稿サイトに説明動画をアップするだけとなった。
 厚生労働省の関係者は「短期的な運用結果で批判されるのは本意ではない」などとするが、資金を預かっているという自覚に欠けると言わざるをえない。
 統計不正問題で行政への信頼は大きく揺らいでいる。結果はもちろん、運用の意思決定過程についても国民によく見えるよう透明性を高めることが必要だ。
 GPIFは20年度に資産構成割合を見直す。株式重視路線からの転換も検討すべきだ。とはいえ国内債券にもリスクはある。運用の在り方について国民を巻き込んだ議論が求められる。


種子条例 地方の声は届くのか
 コメや麦の優良な種子の開発と安定供給を義務付けた、種子法の廃止から十カ月。それに代わる自治体独自の「種子条例」の制定が相次いでいる。「種を守ろう」−。地方の声は政府に届くのか。
 地方の危機感が増している。農業の持続可能性への危機感だ。
 新潟、富山、兵庫、山形、埼玉各県が、種子法に代わる新たな条例をすでに制定済み。岐阜、長野、福井、宮崎、そして北海道も新年度の施行を目指している。
 “農業王国”北海道は、イネ、麦、大豆にとどまらず、小豆やインゲンマメなど道の主力作物にも対象を拡大し、優良な種子の安定供給を、自らに義務付ける方針だ。長野県は「信州の伝統野菜」や特産のソバを対象にするという。
 種を守るということは、食文化を守るということだから。
 昨年秋、全国一の種もみ生産県富山から新しい銘柄米がデビューした。一般公募で名付けて「富富富(ふふふ)」。富山県農業研究所が十五年がかりで開発した“労作”だ。高温や病気に強く、倒れにくい、いわば温暖化対策品種でもある。
 イネも麦も生き物だ。気候風土がはぐくむものだ。種子の開発は、生育環境に配慮して地域ごとに進めていくのが望ましい。
 ましてや温暖化に伴う異常気象の影響が世界中で顕著になっている。例えば温暖化に強い新品種の開発を競う自治体の取り組みを、国として強力に後押しすべき局面だ。種子法廃止は、逆行というしかない。
 「民間企業の参入を妨げる」−。そう言って、国は種子法を廃止した。「外資を含む民間企業が市場を席巻し、地域の独自品種が作られなくなるのでは」−。消費者にも不安が広がり始めている。
 「すべての都道府県が種子法に代わる条例を制定すれば、恐らく種子は守られる」と、元農相の山田正彦さんは言う。しかし「それだけでは不完全」とも考える。
 スイスでは、国民投票の結果を受けて、憲法に「食料安全保障」を位置付けた。
 TPP協定の進展などに伴う巨大資本の攻勢から個性豊かなコメや伝統野菜を守り抜き、食料自給率を維持し、底上げしていくために、「国による後押しや予算措置は必要だ」ということだ。
 地方議会から国会へも、種子法廃止を懸念などする意見書が相次いで寄せられているという。国はわき上がる地方の声に耳を傾けるべきではないか。


精神科の拘束  医療の在り方見直しを
 精神科病院で手足をベッドにくくりつけるなどの身体拘束を受けた入院患者が、10年間で2倍近くに急増していることが厚生労働省の調査で分かった。
 2017年度の年次調査によると、全国で1万2千人強にのぼる。調査方法が変わったため単純比較はできないものの、03年度の5千人強から増加の一途だ。施錠された保護室に隔離された患者も1万3千人近くに増えている。
 本来は極めて限定的な場合だけに認められる身体拘束が、安易に行われている可能性がある。
 拘束は、患者がさらに精神的に不安定になる悪循環を招く。人権侵害の恐れにとどまらず、長期間の拘束によるエコノミークラス症候群などで死亡し、訴訟になるケースも起きている。
 問われているのは、日本の精神医療の在り方である。
 日本は人口当たりの精神科ベッド数が先進国で最多であり、必要がないのに長期入院を続ける「社会的入院」が生じやすいとされる。平均入院日数も、身体拘束の期間も突出して長い。
 諸外国では施設を脱して地域で暮らしながら治療する流れが一般的だ。イタリアのように精神科病院をなくした国もある。身体拘束が増えるのは逆行している。
 厚労省は「増加の原因は分析できていない。不要な拘束などをしないよう引き続き求めていく」としている。だが、実態を詳しく調査し、状況の改善に本腰を入れるべきではないか。
 拘束が適切かどうかを第三者が検証できる仕組みが求められる。「閉鎖的」と言われがちな日本の精神医療を見直し、透明化するきっかけとしてほしい。
 現場の人手不足が身体拘束の一因との声もある。一般病床と比べて少ない医師や看護師の配置を増やす必要がある。
 さらに気になるのは、患者に対する意識の問題だ。「(患者への対応のため)精神科医に拳銃を持たせてくれ」。昨年6月、日本精神科病院協会の会長が機関誌に、部下の医師のそんな発言を引用して載せていたことが問題となった。
 精神疾患はいつ、だれが発症してもおかしくない。認知症による入院も増えている。
 それなのに、日本では患者に対する差別意識が残り、精神医療の問題をタブー視して遠ざける感覚も根強いとされる。
 身体を拘束される人が増える社会は健全とはいえない。一人一人が関心を持ちたい。


首相の発言問題 謙虚で丁寧、誓いどこへ
 安倍晋三首相は3選された昨年秋の自民党総裁選で「謙虚で丁寧に」と約束した。森友・加計学園問題などで「1強」のおごりを指摘されたからだ。あの誓いはどこへ行ったのかと疑いたくなるのが、先週あった衆院予算委員会の答弁である。
 元民主党の岡田克也氏に対し、「言論の自由がある」とまくし立てた。2日前の自民党大会で、首相は前の民主党政権を「悪夢のような」と評し、「決められない政治で経済は失速した」と断じていた。
 発言撤回の求めには「取り消さない」の一点張りだった。高飛車な首相に与党内からも不安の声が聞こえる。眉をひそめた有権者も少なくあるまい。
 民主党政権が頼りなかったのは事実で、副総理を務めた岡田氏も「もちろん、われわれにも反省がある」と認めている。その点、「消えた年金問題」などで政権を当時明け渡したのは首相自身であり、推進した原発が引き起こした重大事故などへの自責の念はないのだろうか。
 政権交代の評価はともかく、首相が持論の開陳で「言論の自由」を持ち出したのには首をかしげざるを得ない。
 憲法が保障する言論(表現)の自由とは、国家権力からの不当な介入に対してのはずだ。行政府の長で最高権力者の首相が自己肯定で用いるのは控えるべきだろう。
 今回、改めて浮かび上がったのは首相の的外れな憲法認識ではないか。今国会でのもう一つの火種も、根は同じである。
 9条改憲の根拠として首相がにわかに持ち出したのが、自衛官募集を巡る自治体の協力だった。「都道府県の6割以上が協力を拒否している」と述べ、憲法への自衛隊明記を訴えた。
 防衛相は自衛隊法などに基づき、対象者の名前や住所などを紙か電子媒体の名簿で提出するよう自治体に依頼している。
 2017年度は全国の市区町村のうち、36%が所望された通りに名簿を出し、53%は住民基本台帳を閲覧させた。残りの約10%は人口が少ないなどの理由から、はなから防衛省が動かなかったという。つまり、9割の自治体が何らかの情報提供の協力をしているのである。
 首相は、住基台帳を手書きで写すのは自衛官に負担だから、閲覧は「協力」ではないと主張する。だが、法では国や自治体の法令事務で必要な場合において閲覧を認めているものの、名簿化してまで情報提供する特段の定めはない。思い違いをしているのは、むしろ首相の側ではないのだろうか。
 なりふり構わぬ首相の改憲ムードづくりには、与党内からも疑問の声が上がっている。改憲派の石破茂・元自民党幹事長は個人情報保護の必要性を挙げ、連立を組む公明党の斉藤鉄夫幹事長は「自衛隊法の趣旨の中で創意工夫すべきだ。憲法と直接関係はない」と訴えている。当然の反論だろう。
 長期政権も7年目に入った。いつまでも民主党政権をなじっていても仕方あるまい。都合のいい数字の解釈で自らを肯定していては、首相がかねてより野党批判に強調してきた「印象操作」と何ら変わらない。
 統一地方選や参院選の年である。有権者の目線を忘れず、原点とした謙虚で丁寧な政権運営が改めて求められている。


同性婚一斉提訴 切実な声を受け止めたい
 「特別な権利が欲しいわけではない。平等なスタートラインに立ちたいだけ」。同性カップルが置かれてきた厳しさを思わせる原告の言葉だ。
 同性同士の結婚を認めないのは憲法違反だとして、13組の同性カップルが国に損害賠償を求め、東京、大阪など4地裁に一斉提訴した。同性婚の合憲性を問う訴訟は初めてだ。
 同性愛者を含む性的少数者(LGBT)に対する認知度は高まり、学校や企業で権利擁護の動きが具体化している。
 にもかかわらず、こうした訴訟が起きるのはなぜか。その背景や、多様化する家族の形態に、法がどう向き合うべきかを考えたい。
 提訴の大きな理由として弁護団が挙げたのは、同性カップルが相続や税制など、さまざまな不利益を被っている点だ。
 近年は異性間の結婚に近い関係性を認める「パートナーシップ制度」を導入する自治体も増えている。カップルとして証明書が発行され、病院などで夫婦と同等に扱われる仕組みだ。
 だが法的な結婚と同じ権利は認められていない。同性カップルは法定相続人になれず、税制上の配偶者控除もない。
 パートナーが同性というだけで、差別されてしまう。当事者の思いは理解できる。
 憲法24条は、「婚姻は両性の合意のみに基づいて成立する」と定めている。裁判では、この「両性の合意」をどう見るのかが焦点となる。
 政府は2018年5月、24条は同性婚を想定していないとする答弁書を閣議決定した。
 一方、24条の規定は同性婚を禁じているとは言えないと解釈する学者もいるという。
 原告側は「婚姻の自由」という趣旨に照らせば、同性同士の婚姻も保障していると主張する。同性婚を認めないのは、法の下の平等を定めた憲法14条にも違反するとしている。
 裁判では、同性婚を司法がどう捉えるかが問われよう。
 同性婚を認める動きは今や世界的な潮流だ。同性婚は01年、世界で初めてオランダで認められた。現在は欧米など25カ国で可能になっている。
 日本の社会の理解も進んでいる。電通が先月に発表した調査では、同性婚の合法化に賛成する人は約78%だった。
 同じ調査では、LGBTに該当する人は8・9%で、11人に1人の割合となった。
 ところが、政府や与党の腰は重い。菅義偉官房長官は衆院予算委員会で、同性婚に関し「家族の在り方の根幹に関わる」として、「極めて慎重な検討を要する」との見解を示した。
 自民党の杉田水脈衆院議員が昨年、LGBTは「生産性がない」と雑誌に寄稿し、批判を浴びたのは記憶に新しい。政治がもっと敏感に時代の変化を捉えるべきではないか。
 同性のパートナーを選んだとしても、差別や偏見とは無縁に歩んでいける。より一人一人が尊重される社会にしていかねばならない。


同性婚訴訟 多様な家族考える契機に
 同性同士が結婚できないのは憲法違反として、同性カップル13組が東京、大阪など4地裁で国に損害賠償を求める訴訟を一斉に起こした。同性婚の合憲性を正面から問う訴訟は全国で初めてという。
 同性愛なども含む性的少数者(LGBT)に対しては、自治体や企業で支援する動きが広がりつつあるが、国レベルでの議論は遅れている。多様な性を尊重する世界的な潮流も踏まえ、多様な生き方、家族のあり方を考える契機にしたい。
 裁判で焦点になるとみられるのが憲法24条である。「婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立」と定めており、「両性」という言葉から同性婚は認められていないという解釈がある。このため、同性カップルが婚姻届を提出しても不適法を理由に受理されてこなかった。
 これに対して原告側は記者会見などで、戦前には必要だった両家の戸主の同意を排して当事者同士の合意を重視したもので、立法趣旨に照らして24条は同性婚を禁じていないと主張。自分が望む相手と結婚できないのは、法の下の平等を定めた憲法14条などに違反すると訴えている。
 世界に目を向けると、同性婚は2001年にオランダが合法化したのを皮切りに、欧州を中心に25カ国で制度化されている。先進7カ国(G7)の中では、日本だけが同性婚やこれに準じる国レベルの法制度がない。アジアでは、台湾で憲法解釈を担当する司法院大法官会議が17年、同性婚を認めないのは違憲とする判断を示している。
 国内では自治体の取り組みが先行してきた。東京都渋谷区が15年に同性カップルを公的に認めて証明書を発行する「パートナーシップ制度」を創設し、世田谷区や三重県伊賀市、札幌市、福岡市、那覇市、兵庫県宝塚市などが続いた。民間でも、社内の同性カップルに結婚祝い金や住宅手当などの福利厚生制度を適用する企業が増えつつある。
 ただ、パートナーシップ制度なども広がりつつあるとはいえ、法律婚と同様の権利が認められるわけではない。同性カップルは互いの法定相続人になれず、税制上の配偶者控除も受けられない。外国人が日本人と結婚すれば配偶者として在留資格が認められるが、同性カップルの場合はそうした権利もない。
 「私たちは、ただ好きな人と生涯を共にしたいだけ」「特別な権利が欲しいわけではない。平等なスタートラインに立ちたい」…。原告らは各地で記者会見し、訴えた。実際に不利益を被っている当事者の切実な声に、まずは耳を傾けたい。
 広告大手の電通が今年1月に発表した全国6万人調査では、7割近くがLGBTという言葉を知っており、8割近くが同性婚の合法化に賛成した。理解は広がりつつある。司法判断に注目しつつ、国内議論を加速させたい。


袴田さんと再審 不安定な立場いつまで
 静岡県で1966年に一家4人が殺害された強盗殺人事件で死刑が確定した元プロボクサー袴田巌さんを主人公にした漫画を日本プロボクシング協会が制作、インターネット上に公開した。無実の視点から、事件・裁判の経過や袴田さんと周囲の人々の歩みなどを全6回で描いている。7月にかけて、毎月15日に1話ずつを掲載していく。
 再審請求審で静岡地裁が弁護側提出のDNA鑑定などを基に再審開始を決定したのは2014年3月のことだ。死刑執行と拘置の停止も認め、袴田さんはほぼ半世紀ぶりに釈放された。しかし検察側が即時抗告。4年の審理を経て18年6月、東京高裁は再審開始を認めない決定をし、今度は弁護側が即時抗告した。
 漫画のタイトル「スプリット・デシジョン」は、ボクシングで審判3人の判定が2対1に割れたときの用語。死刑、再審開始、開始せず―と揺れる司法判断に翻弄(ほんろう)され続ける袴田さんの半生と重なる。だが第1次再審請求から38年、再審開始決定からも5年がたとうとしている。審理の舞台は最高裁に移ったが、まだ時間がかかりそうだ。
 不安定な立場はいつまで続くのか。再審請求を巡り証拠開示が法律に規定されていないことなどが審理の長期化を招いているとされる。しかし打開策は棚上げになったままだ。証拠開示の規定を設けるなど、再審制度の法整備を急ぐべきだ。
 再審は、有罪が確定した刑事裁判を公開の法廷でやり直す手続きで、「無罪を言い渡すべき明らかな証拠」が見つかったときに限り開かれる。開かれれば、無罪判決が出るのは確実なため、再審を開始するか否かを決める非公開の再審請求審が“決戦”の場になる。
 ただ検察側が一定の証拠を開示する通常の公判と違い、審理の進め方などの規定は少なく、証拠開示のルールは定められていない。出す出さないは検察官次第、それを求めるかどうかは裁判官次第ということになり、証拠開示を巡るやりとりが延々と繰り返される。
 袴田さんの第1次再審請求も、このやりとりなどで結論が出るまで27年かかり結局、証拠開示はなかった。08年の第2次請求からは裁判所の積極的な訴訟指揮もあり、検察側は法廷に出していなかった約600点もの証拠を開示したが、最初から出されていれば、もっと効率的に審理を進めることができただろう。
 時間の経過とともに関係者の記憶は薄れ、新証拠を見つけるのは難しいため、検察などが手元に残している証拠は重要になる。この問題は捜査・公判改革を議論した法制審議会の部会でも取り上げられた。しかし「通常の公判で行う開示の仕組みを再審にも活用すべきだ」という意見は反対派に押し返され、具体的な案にはならなかった。
 もう一つ、検察の抗告も長期化の要因に挙げられる。いったんは再審開始決定を手にしながら検察側の抗告を経て取り消され、新たな再審請求中に亡くなった元死刑囚もいる。ドイツは1964年の法改正で再審開始決定に対する検察官の抗告権を排除した。日本でも禁止、検察に不服があれば再審公判で吟味すべきだとの指摘も出ている。
 袴田さんについては地裁と高裁で正反対の判断になり、最高裁は慎重に検討しているとみられる。その結論がいつになるかは全く見通せない。(共同通信・堤秀司)


また怪統計か 2018年「貯蓄ゼロ世帯」大幅改善のカラクリ
「毎月勤労統計」の賃金偽装やGDPかさ上げなど、統計のインチキが相次いでいるが、まだまだ怪しい統計があった。安倍政権になって急増した「貯蓄ゼロ世帯」が、なぜか昨年、大幅に改善しているのだ。もちろんアベノミクスの成果ではない。本紙の取材でそのカラクリが明らかになった。
「金融広報中央委員会」(事務局・日銀内)は毎年、「家計の金融行動に関する世論調査」を行っている。「金融資産を保有していない」“貯蓄ゼロ世帯”は別表の通り。民主党政権から安倍政権になって以降、2人以上世帯、単身世帯とも激増。単身世帯では半分近くが貯蓄ゼロだ。安倍首相は、雇用創出により、総雇用者所得が増えたと喧伝するが、貯蓄ゼロ世帯の増加は、家計が苦しくて仕事に出ても、貯蓄ができない庶民の生活を物語っている。
 ところが、2018年になると貯蓄ゼロ世帯の数値が大幅に「改善」されている。2人以上世帯で8.5ポイント、単身世帯で7.8ポイントも前年より激減しているのだ。18年は、厚労省の毎勤統計の賃金偽装があった。貯蓄ゼロ世帯の改善も何だかきな臭い。金融広報中央委員会に聞いた。
「18年から質問方法を変更したことがひとつの要因です。金融資産は、将来に備えた預貯金だけでなく、株の運用や掛け捨てでない保険、例えば、学資保険、養老保険、傷害保険なども含まれます。17年までの質問方法では、預貯金以外の金融資産がある人の一部も、『保有しない』に回答していたと考えられ、内部で検討した結果、質問方法を変更しました。変更は発表資料にも明記しています。質問方法が変わったので、過去の数値との比較はあまりできないですね」(事務局)
 厚労省は18年の毎勤統計を注釈も付けずに上振れ補正。補正していない過去の数値と比べて、賃金の伸びを誇大に見せた。金融広報中央委員会の場合は、質問方法変更の注釈も付けて、理由も明快。過去との非連続性も明言した。
 金融広報中央委員会は事務局が日銀に置かれているものの、金融経済団体、報道機関、消費者団体などの代表者や学識経験者で構成され「中立・公正」がモットーだとしている。
 経済評論家の斎藤満氏が言う。
「安倍政権によって貯蓄ゼロ世帯が年々、増加している中での方法の変更は、安倍政権の失政を隠すことにつながります。このタイミングでの変更は少なからず、日銀や安倍政権の意向があった可能性があります。もっとも独立機関として、公表時に変更を告げ、理由を明確にするなど透明性は最低限、担保しています。毎勤の厚労省やGDPの内閣府などよりはよっぽどマシだといえます。省庁が実施している統計も、独立機関にやらせることを考えた方がいいかもしれません。また、統計方法変更による数値改善をメディアがしっかり報じるべきです」
 貯蓄ゼロ世帯の数値改善はアベノミクスの手柄ではない――。肝に銘じておこう。


渡辺謙が東京五輪の東北無視を「復興五輪のはずなのに経済五輪になっている」と批判!桜田発言だけじゃない五輪の人命軽視
 桜田義孝五輪担当相の失言問題は、一転してマスコミ批判の問題へと変わり始めている。「全文を読めば印象が変わる」「マスコミの情報操作だ」などと擁護の声が出ているのだ。
 しかし、先日本サイトでも指摘した通り(桜田五輪担当相の池江選手への無神経発言は安倍政権の五輪至上主義が生んだ! 斎藤工主演映画の五輪描写にもクレーム)桜田五輪担当相の失言問題は、単に言葉尻をあげつらっただけのものではない。
 桜田五輪担当相による「日本が本当に期待している選手ですから、本当にがっかりしています」「一人リードしてくれる選手がいると、みんなその人につられて全体が盛り上がりますからね。そういった盛り上がりが若干下火にならないか、心配しています」といった、アスリートを単なる「コマ」にしか見ていない発言には、安倍政権のグロテスクな本音が集約されている。
 安倍政権はこれまで国民に対し、オリンピックのために自由や財産を捧げさせ、自己犠牲を強いる五輪至上主義を露骨に押し進めてきた。
 その最たるものが、東北への仕打ちだろう。招致段階では東日本大震災からの復興をテーマとした「復興五輪」というお題目がつけられていたが、いまではそのテーマは完全に忘れ去られている。
 この現状に憤りの声をあげているのが、俳優の渡辺謙だ。渡辺は宮城県気仙沼市でK-portという名前のカフェを開くなど被災地復興活動に力を入れているが、2019年2月11日付朝日新聞DIGITALのインタビューでこのように語っている。
「2020年の東京五輪だって、復興五輪のはずなのに経済五輪になっているところが気になります。日本が復興していく姿を世界に見せていくんだというところに端を発しているはずなのに、経済効果だけを考えるオリンピックになっている気がします。東京だけ盛り上がって、東北が全然そっちのけっていうかね。遠い国の話みたいな感じなんじゃないかなあ」
 渡辺の指摘するとおり、招致段階での「復興五輪」というお題目が完全に忘れ去られているだけでなく、経済効果重視と五輪至上主義の結果、「復興五輪」どころか、オリンピックは復興を妨げる原因ともなっている。五輪関連の建設ラッシュなどのせいで労務単価が上がり、東京の工事費は高騰しているからだ。
 2015年9月25日付毎日新聞の報道によれば、〈工事原価の水準を示す「建築費指数」(鉄筋コンクリート構造平均)は、05年平均を100とすると今年7月は116.5。東日本大震災前は100を下回っていたが、五輪決定後の13年秋から一気に上昇〉したという。挙げ句、〈復興工事が集中している被被災地では人手不足に加え、建築資材費の高止まりにより採算が合わず、公共工事の入札不調が相次〉いでいるというから、五輪開催がむしろ被災地の復興を妨げているのだ。
 渡辺謙と同じく、東北を置いてきぼりにしてオリンピックの盛り上がりに酔いしれる状況に疑問の声をあげているのが明石家さんまだ。
 さんまはオリンピックの開催が決まった直後、2013年9月14日放送の『MBSヤングタウン土曜日』で「いや、だからでも、福島のことを考えるとね……」と切り出し、このように語った。
「こないだも『福島から250キロ離れてますから大丈夫です』とかいうオリンピック招致のコメントはどうかと思って、やっぱり。俺までちょっとショックでしたけど、あの言葉はね」
 さんまがショックだったと言っているのは、同年9月4日に東京2020オリンピック・パラリンピック招致委員会の竹田恒和理事長がブエノスアイレスでの記者会見で語った言葉だ。まるで福島を切り離すかのようなこの暴言に、さんまは「『チーム日本です!』とか言うて、『福島から250離れてます』とか言うのは、どうも納得しないコメントやよね、あれは」と不信感を隠さない。
明石家さんま、有森裕子も東北復興無視する東京五輪を批判
 さらに、さんまは、安倍首相はじめ招致に躍起になる人々から“お荷物”扱いを受けていた福島に、こう思いを寄せた。
「福島の漁師の人にインタビューしてはったんですけど、『7年後のことは考えてられへん』と、『俺ら明日のことを考えるのに精一杯や』って言わはったコメントが、すごい重かったですよね。だから、あんまり浮かれて喜ぶのもどうかと思いますけどもね」
 東北のことを無視した東京オリンピックに対する怒りの声は、当のアスリートからも出ている。
 バルセロナ、アトランタ五輪のメダリストである元マラソン選手の有森裕子氏は、2017年6月17日放送『久米宏 ラジオなんですけど』(TBSラジオ)にゲスト出演した際、「あまりにも“オリンピックだからいいだろう”“だからいいだろう”“だからこう決めるんだよ”とあまりに横柄で。なぜこうまで偉そうになっちゃうんだろう。社会とずれる感覚を打ち立てて物事を進めている。横柄だし、雑だし傲慢」と、五輪至上主義を強引に押し付ける政府のあり方に疑問を呈しつつ、このように語っている。
「そもそもなぜ東京五輪を招致したのか。一番大切なのが、復興だったはずです。スポーツによって、日本を元気に変えよう。日本に大きな災害があって、オリンピックを呼ぶことで復興させられるんだと、最たる手本になる国になる。そのつもりで私もブエノスアイレスでロビー活動をしました。でも蓋を開けたら全然いま違う。復興どころか、どこを見ているんだろう。結局何をやろうとしているんだろうというのが正直あります。どこか不安で、反抗したくなるような、やらなきゃいい、返上すればいいという感情を促してしまう。すごく残念です」
「復興五輪」のテーマが完全に忘れ去られているという思いは、東北に暮らす多くの人がもっているものだ。河北新報社とマーケティング・リサーチ会社のマクロミルが、東北6圏と首都圏を対象に実施したアンケートでは、「「復興五輪」の理念は明確か」の質問に63.6%が「明確でない」と答え、また、「復興に役に立つか」の質問にも52%が「役に立たないと思う」と答えている(2018年3月11日付河北新報ONLINE NEWS)。
 東京オリンピックは招致以来、安倍政権や利権をもつ大企業の手によって、政治や経済のために利用され尽くしてきた。
 コンパクト五輪を目指していたはずが予算はどんどん膨れ上がり、参加者にブラック労働を強いるボランティアの扱いは結局変わらぬまま。また、オリンピックにおけるテロ対策を名目に共謀罪を強行採決させた。一時は、オリンピックを理由に海外ではとっくに時代遅れとなっているサマータイムの導入まで強引に押し進めたのも記憶に新しい。
東京五輪が近づき五輪批判がタブー化するなか、勇気ある渡辺謙の五輪批判
 五輪のために、実際に命が失われる事態まで起きている。2017年には、新国立競技場の地盤改良工事で施行管理をしていた23歳の男性が過労自殺している。彼が自殺する1カ月前の時間外労働は200時間を超えていたという。しかも人命に関わる重大事態が起きているにもかかわらず、安倍政権はそれを改善する気もない。今年の4月から残業時間の上限規制が始まるが、安倍政権はそこから運輸と建設への適用を猶予する方針を固めている(これらの業種での上限規制は2024年4月より適用)。この猶予期間が設けられた背景には、東京オリンピックに向けての人手不足を予測した業界による要請があると報じられている。東京オリンピック直前にもなれば、運送や建設の分野でさらにひどい過重労働を強いられる人が出てくる可能性は高いだろう。
 さらに、東京オリンピック招致を巡る贈収賄疑惑における、JOCの竹田恒和会長に対するフランス司法当局の調べはいまでも続いている。
 しかしその一方で、安倍政権が標榜する五輪至上主義は日本社会の隅々にまで行き渡っており、「オリンピックの悪口を言う奴は国の事業に協力しない非国民」といったムードが漂いつつあり、五輪が近づくごとに「オリンピック批判」のタブー化はますます進行している。
 そうした言論状況にあって、今回の渡辺謙の発言は非常に貴重で意義のあるものだ。「芸能人の政治的発言」が批判されがちな日本だが、世界を舞台に活躍する渡辺はこれまでも、政権批判につながる問題にも臆することなく発信してきた。
「核兵器禁止条約」に向けた交渉を2017年にスタートさせる決議に対して日本が反対した際には〈核を持つ国に追従するだけで意見は無いのか。原爆だけでなく原発でも核の恐ろしさを体験したこの国はどこへ行こうとしているのか、何を発信したいのか〉とツイートし、また、安保法制の際にも〈一人も兵士が戦死しないで70年を過ごしてきたこの国。どんな経緯で出来た憲法であれ僕は世界に誇れると思う、戦争はしないんだと!複雑で利害が異なる隣国とも、ポケットに忍ばせた拳や石ころよりも最大の抑止力は友人であることだと思う。その為に僕は世界に友人を増やしたい。絵空事と笑われても〉とつぶやいて戦争反対の思いを明確に発信していた。
 今回、渡辺謙が発した「復興五輪」に対する思いは、もっと広く伝わるべきものだ。東北や多くの国民の生活をないがしろにしたまま東京オリンピックが開かれるとするなら、東京オリンピックとは一体なんのためのもの、誰のためのもなのか。現状では、安倍政権と利権をもつ者の、国威発揚と懐を満たすために利用するだけの醜いイベントでしかない。このまま来年の夏を迎えたとして、その後には何が残るのか。
 莫大な税金をかけた空虚な大型施設が残されるだけで、何の意味もないものになってしまうだろう。そんなものであれば、東京オリンピックなど開かれないほうがいい。


ウーマン村本大輔が朝鮮学校差別を煽る政治とメディアを痛烈批判! 韓国・朝鮮バッシングが無自覚な暴力を生んでいると
 今月7日、国連の「子ども権利委員会」が日本政府に対し、朝鮮学校が授業料の実質無償化から除外されていることの見直しを勧告した。子ども権利委員会は国連で採択された「子どもの権利条約」に基づいて設置された委員会。先月16日から2日間、ジュネーブで対日審査を行っていた。
 審査のなかで日本政府代表は、朝鮮学校を無償化の対象外にしていることについて「生徒の国籍を理由とした差別にはあたらない」と強弁していたが、今月の審査結果では、「他の外国人学校と同じように扱われるべきだ」と勧告。これは、同委が朝鮮学校無償化除外を「教育を受ける権利」や「差別問題」として捉えており、日本政府の「差別ではない」との言い分は否定されたのだ。
 ネット上のヘイトスピーチや、在特会関係者らが朝鮮学校を襲撃するというヘイトクライムが続出しているなか、それらを扇動するように安倍首相は北朝鮮ミサイル問題を煽り、各自治体による朝鮮学校への補助金停止まで進めている。この状況下は“政府ぐるみの差別政策”であり、国連・子どもの権利委員会の勧告は当然だ。
ところが、今回の子どもの権利委員会の勧告をまともに報じたのはNHKニュースぐらいで、他の新聞やテレビなどマスコミはまったくと言っていいほど取り上げていない。本サイトでは以前から、この朝鮮学校無償化問題が大手マスコミでタブー化している事実を散々指摘してきたが、今回もそれがモロにあらわれたというわけだ。
 そんななか、あのウーマンラッシュアワーの村本大輔が、朝鮮学校無償化問題について本質を突く指摘をしている。村本といえばつい先日福島に関する発言で炎上し謝罪したばかりだが(この発言も非難に値するものとは思わないが)、朝鮮学校に関する文章は是非とも紹介する必要があるだろう。ウーマンラッシュアワーは昨年末の『THE MANZAI』(フジテレビ)で披露した漫才でも「朝鮮学校の生徒さん、無償化を求めて一生懸命寒いときにビラくばりとかやっている」と触れていたが、今月8日、村本はサイト「note」に、あらためて自分の体験から朝鮮学校に関する投稿をしたのだ(note 『今更ですか?』)。
 そこには、年末の『THE MANZAI』で朝鮮学校無償化について触れた理由についても書かれているので、ぜひ読んでもらいたいのだが、村本によれば、オンエアの後、感謝の言葉などの「びっくりするぐらいの反響」があったという。だが、村本が強調しているのは「反響」それ自体ではない。引用しよう。
〈僕は「ちょっといいことしたかもな〜」と少し気持ちよくなってた。しかし、その気持ちは一気に恥の気持ちに転落した。後日、韓国籍の芸人の後輩と話した。彼は僕の漫才をみてふたつの気持ちがでてきたと。
 ひとつは「ニュースにまでなってたくさんの人に知ってもらえた、本当にありがとうございます、もうひとつは、本当に嫌な気持ちにさせたらすいません、
今更ですか、いまやっとですか…?」と思ったと。〉(「note」より)
 村本が韓国籍の後輩芸人から告げられた「今更ですか」の言葉。それは、朝鮮学校をめぐる差別やいじめ問題が、日本のマスメディアにおいて十数年にわたってタブー化し無視され続けてきたという重い現実を表している。そして、朝鮮学校生徒へのいじめ・差別は、まさにときの政治とマスメディアに左右されてきたものだ。
〈話を聞くと彼らはもう何年も前からずっと訴えてきた。でもニュースにならない、芸能人もメディアも触れてくれない。彼は公立の普通の学校に通っていた、途中まで朝鮮学校に通っていたが学費が高すぎて、公立の日本の学校に移った。
 そこでは全くイジメられなかった。彼が言うには韓国朝鮮籍の子供がイジメられるタイミングはその時の日本、韓国、北朝鮮の関係によるという。彼の子供の時はそんなにニュースで韓国北朝鮮のいざこざがそこまで大きく取り上げられてなかった。
 しかし彼の妹の時は違った、拉致問題やミサイル問題がニュースで連日報道されていた。おそらくこうだ、政治家、テレビコメンテーターが朝鮮批判、それを受けた大人が韓国朝鮮政府、韓国朝鮮人を批判、その差別意識が子供にも落ちてきて、彼の妹は近寄れば拉致されるぞ、と同級生にからかわれ、学校にいかなくなったらしい。〉(「note」より)
 村本の言うように、朝鮮学校の生徒に対する差別やいじめは以前から存在したが、それは日朝関係の悪化と日本政府の対応を受けて、どんどん強まっていった。
 実際、90年代に北朝鮮が最初のミサイル発射実験をすると、朝鮮学校の女子生徒のチマチョゴリが切り裂かれるなどの傷害事件が発生。さらに2002年、拉致問題がクローズアップされると生徒への暴行や脅迫などが増加し、そして、ネット右翼や右派メディアによる朝鮮学校攻撃や在日コリアンへの差別がどんどんエスカレート。記憶に新しいネット右翼らが弁護士に対していわれなき懲戒請求が連発した案件も、きっかけは日弁連などが朝鮮学校に対する補助金停止に反対する声明を出したことだった。
 その流れで、以前は朝鮮学校や生徒への差別を報じていたメディアもどんどん変化していった。とくに拉致問題が表沙汰になって以降、少しでも北朝鮮を擁護する(と受け止められる)言論は「スパイ」「反日」などと攻撃の対象とされ、テレビのコメンテーターらは朝鮮学校問題についても沈黙し、逆にこれでもかと「北朝鮮はけしからん」「無法者」とまくしたてるようになった。韓国についても同じことが言える。歴史認識問題などで安倍政権が対立姿勢を強めるのに引きずられるように、メディアでは連日、韓国バッシングの嵐が吹き荒れている。
 村本が再確認したのは、そうした政治の都合とメディアが生み出してきたものが、朝鮮学校の生徒など在日コリアンに対する差別・いじめをつくりあげているという事実だった。村本はこう書いている。
〈最近も、韓国のレーダー照射問題で韓国バッシングがネットやニュースで流されている。在日韓国のお客さんから、小学校の息子が同級生に「こいつと話すとレーダー照射される」と言われたらしい。おそらく子供達はレーダー照射の意味なんか知らないと思う。韓国を大きく批判することが子供たちの無自覚な暴力に繋がってる。〉(「note」より)
 在日コリアンや朝鮮学校生徒に対するいじめ・差別は、政治からメディアへと伝播し、人々に広められている。逆に言えば、その差別を主導しているのは日本政府に他ならない。
 事実、朝鮮学校の無償化については、これまでも国連の人権関連機関から再三再四、是正するように言われ続けてきた。
 たとえば、2013年4月の国連・社会規約委員会では“日本の「高校無償化」は教育に対する平等の権利を保障するものであり、朝鮮高校の生徒たちと拉致問題との間には何の関係もなく、排除する理由にはならない”と指摘された。また、2014年8月の国連・人種差別撤廃委員会による対日審査でも、「委員会は、締結国に対し、その立場を修正し、朝鮮学校に対して高等学校等就学支援金制度による利益が適切に享受されることを認め、地方自治体に朝鮮学校に対する補助金の提供の再開あるいは維持を要請することを奨励する」とされている。
 ところが安倍政権は、2013年6月には“国連の勧告に法的拘束力はない”という答弁書を閣議決定するなど、こうした指摘や勧告を無視し続け、一方で、「朝鮮学校の無償化除外は差別ではない」なる、なんども否定されている強弁を繰り返している。
 元文部科学次官の前川喜平氏は、朝鮮学校の無償化除外など、政治が主導する差別の扇動を「官製ヘイト」と名付け、在特会などのヘイト団体と地続きであることを指摘している。
〈日本社会に暮らしている「同胞でない人」の中で最も数が多いのが在日コリアンだ。彼らが自らの民族の言語、文化、歴史などを学ぶために設置しているのが朝鮮学校である。安倍政権は朝鮮学校を高校無償化制度から排除し、各都道府県等に対し、朝鮮学校への補助金を見直すよう促した。このような動きを、私は「官製ヘイト」と呼んでいる。
「在日に日本人の税金を使うな」などと筋の通らない主張をする者がいるが、在日コリアンの人々もしっかり税金を納めている。官製ヘイトがまかり通る背景には、在日コリアンの人々に対する偏見と差別意識がある。「同胞でない人は大切にしない」という意識が、その偏見や差別の土壌になっている。そういう偏見・差別の極端な姿が「在日特権を許さない市民の会」(在特会)のようなヘイト団体だ。〉(「東洋経済オンライン」2019年1月27日)
 国連から何度も是正するよういわれても、高校無償化から朝鮮学校だけを除外し続ける安倍政権。政治が憎悪をあおり、それに丸乗りしたマスコミが朝鮮・韓国バッシングを垂れ流し続けることで差別を扇動している。今回、国連・子ども権利委員会の勧告をほとんどのメディアが報じなかったのは、その歪んだ状況の裏返しだろう。そんななかで、村本大輔のような影響力のある人物が、その差別構造を正面から受け止めて綴ったのは極めて意味のあることだ。あらためて、朝鮮学校だけを排除して補助金を打ち切ろうとすることが、明らかな人権侵害、差別助長であることを認識するところから始めなければならない。(編集部)
■参考
田中宏「朝鮮学校差別の見取図 その遠景と近景」(「世界」2018年5月号/岩波書店)
『朝鮮学校物語 あなたのとなりの「もうひとつの学校」』(花伝社)


フィフィの蓮舫デマに丸乗りした新聞の責任! 福島瑞穂、辻元清美にも…“物言う女性”へのデマ攻撃を生む安倍忖度と女性蔑視
 タレントのフィフィが17日、立憲民主党・蓮舫衆院議に対して、こんなツイートをしたことが波紋を広げている。
〈私は問いたい、なぜ平成16年の警察の積極的介入を盛り込んだ児童虐待防止法改正に反対した蓮舫議員が、今回の虐待死の件で現政権を責めることが出来るのか、私はその真意を問いたい。あなたは本当に国民の側に向いているのですか?それ以前に同じ親の立場として問いたい、なぜあの時反対したのですか?〉
 蓮舫議員は9日立憲民主党の群馬県連が開いた会合で、千葉県で小学校4年の女児が自宅の浴室で死亡し、両親が傷害容疑で逮捕された事件に関して、「子供一人の命を守れない国は何なのか。あそこまでメッセージを出していて、どうして守れないのか」「どうしていつも、関係閣僚会議が後手後手になり、警察、児童相談所、自治体は連携を取れないのか」と発言したと、産経新聞が報じている。
 フィフィはこうした蓮舫議員の発言に反応したのか、〈平成16年の警察の積極的介入を盛り込んだ児童虐待防止法改正に反対した蓮舫議員〉として、〈あなたは本当に国民の側に向いているのですか?それ以前に同じ親の立場として問いたい、なぜあの時反対したのですか?〉と批判したわけである。
 ところが、このフィフィのツイートは完全なデマだった。
 そもそも、平成16年(2004年)の児童虐待防止法の改正は、児童虐待の疑いのある家庭への強制立ち入り調査など児童相談所の権限を強化する内容で、同年4月26日に衆院を通過、5月25日の参院本会議にて成立した。この改正案は超党派の議員立法、衆参でともに全会一致での可決であり、当時の民主党も党PTでの議論を経て承認している。しかも、フィフィは「平成16年の児童虐待防止法改正に反対した蓮舫議員」などと言って批判しているが、だいたい、蓮舫氏は2004年7月の参院選で初当選なので、法案成立当時は国会議員ですらないのである。
 もはや、「言いがかり」などのレベルを超えた完全なデマゴギーであり、悪質なフェイクだ。当然、ネットでは一般のユーザーからフィフィの間違いを指摘する声が相次いだ。また、蓮舫議員自身も18日、自身のTwitterで〈何か誤解が流布されているようです〉として、〈私は議員になってから児童虐待をなくすための活動に力を入れています。2004年夏に初当選し、児童養護施設の視察を重ね、その秋に施行された児童虐待防止法と整合性を取るための児童福祉法改正案について初めての本会議質問を行いました〉と説明している。
 こうしたフェイクへの指摘を受けて、フィフィは18日に前後の投稿を含めて問題のツイートの削除。同日午後には、〈蓮舫さんへの質問ツイートに対し立憲民主党から先程直接電話があり、児童虐待防止法改正法案と彼女が当選した時系列に誤認があるとの返答を頂きました。よって謝罪の念をこめツイートは削除という対応を取らせて頂きました。重ねてお詫び申し上げます〉とし、蓮舫議員にも〈直接お詫びのリプをお送りし〉たと投稿したのだが、その後の連続ツイートでは、一般ユーザーに対して〈何度も謝ってもダメなんですか?〉〈何度も何度も謝ってるのに、追い詰められてしまうなんて苦しいです。怖いです〉など、なぜか被害者ヅラをしている(現在は削除)。
 近年では月刊誌「正論」(産経新聞社)や『そこまで言って委員会NP』(読売テレビ)などにも登場、Twitterでも生活保護受給バッシングや反リベラル的な発言を繰り返し、極右界隈・ネット右翼らからも一目置かれているフィフィだが、そもそも彼女は、ワイドショーや討論番組で社会的なコメントをしている芸能人である。そこらの一般人と比較すれば自らの言論に負う責任は大きく、当然、その社会的影響力を考えれば、デマを流したことを強く批判されても甘んじて受け入れなければならない。それを〈何度謝ってもダメなんですか?〉などと逆ギレしたのだから、その意識の低さに呆れざるを得ないではないか。
明らかなデマをノーチェックで垂れ流した日刊スポーツ、スポーツ報知
 だが、さらに呆れるのは、このフィフィのフェイクを何ら事実の検証をせずに垂れ流したメディアのほうだ。たとえば、日刊スポーツやスポーツ報知は、このフィフィのツイートを紹介する記事をネット版で出したのだが、そのなかで、2004年の児童虐待防止法改正案に「蓮舫議員が反対」などしていなかったこと、そもそも蓮舫氏は当時議員ですらなかったことなど、基本的なファクトチェックをまったくせず、そのままフィフィの言い分を垂れ流していた。
 念のため言っておくと、18日夕方までにニッカンは該当記事を削除、「フィフィが蓮舫氏に謝罪 児童虐待問題で事実誤認」という別の記事を配信し、報知は問題の記事の末に〈しかし、児童虐待防止法改正法案は蓮舫議員が初当選した2004年7月11日の参院選の前(04年4月)に可決されており、蓮舫議員は投票できない。一部フォロワーからは事実誤認ではないか?との指摘が出ている〉と短く付け加えている。
 だが、それでもちょっと調べれば誰でもデマだとわかるシロモノを、当初なんの検証もせず拡散したことは事実だ。いったい、このスポーツ紙のチェック体制はどうなっているのかと聞きたくなるではないか(なお、朝日新聞デジタルも日刊スポーツから提供されて記事をそのまま掲載していた)。
 いや、考えてもみれば、こうしたメディアによるデマ拡散は氷山の一角であり、問題は前述したスポーツ紙だけの話ではない。
 たとえば、静岡新聞は今月6日付朝刊の政治評論家・屋山太郎氏によるコラム「論壇」(「ギクシャクし続ける日韓関係」)のなかで、元徴用工による損害賠償について〈この訴訟を日本で取り上げさせたのは福島瑞穂議員〉とした上で、〈福島氏は実妹が北朝鮮に生存している。政争の具に使うのは反則だ〉と記していた。もちろん、「福島瑞穂議員の実妹は北朝鮮に生存している」なる話は荒唐無稽なデマである。
 静岡新聞は9日付で〈「徴用工に賠償金を払えということになっているが、この訴訟を日本で取り上げさせたのは福島瑞穂議員」「福島氏は実妹が北朝鮮に生存している」とあるのは、いずれも事実ではありませんでした。おわびして訂正します〉と謝罪・訂正した。外部の執筆者とはいえ、こんなデマをそのまま掲載してしまったこと自体が新聞社として信じがたいミスだ。
デマの背景に安倍政権への忖度と“物を言う女性”を標的にした女性蔑視
 なぜ、こんな杜撰なことになっているのか。マスコミがフィフィや屋山太郎氏のデマをそのまま垂れ流してしまった背景のほうを、よく考えなくてはならない。
 ひとつの共通点は、フィフィにしても屋山氏にしても、親政権的な発言が目立つ保守界隈の言論人だということだ。周知の通り現在、テレビや新聞・週刊誌等のマスコミでは安倍政権を擁護・賞賛する文化人やコメンテーターばかりが幅をきかせている。ときたま政権批判的な言論が出てくると、たとえばテレビではMCが必死にフォローしたり、別のコメンテーターが政権擁護を加えて“両論併記”的に進行させるのが常だ。
 ところが逆に、安倍応援団らが政権に批判的な野党やリベラルな言論に対してバッシングをしかけても、反対意見や別の角度からの意見が語られることなど滅多にない。つまるところ、権力批判の言説には安倍政権を忖度し、過剰なまでに神経を使ってチェックあるいは自重するのに、“政権批判叩き”は何でもありのダダ漏れ状態になっているというわけだ。こうした状況を考えると、今回のフィフィのような“野党バッシングのケース”だと、連中にとって、その中身が事実であるかどうかなんて関係ないのだろう。
 また、デマ攻撃の対象にされたのが、リベラル系(とみられている)“女性”という点も偶然ではないだろう。たとえば蓮舫議員は(本人は「バリバリの保守」を自称しているが)、周知の通り、立憲民主の辻元清美議員と並んでネトウヨや安倍応援団からバッシングのターゲットにされがちな女性政治家だ。実際、屋山氏から「妹が北朝鮮に生存」なるデマを飛ばされた福島瑞穂議員や、東京新聞の望月衣塑子記者、精神科医の香山リカ氏、女優の水原希子、タレントのローラなどがネトウヨ・右派論壇から標的にされている。「物を言う女性」が気に食わないという女性蔑視、ミソジニーが背景にあるのではないか。
 いずれにしても、今回のフィフィによるデマ発言を、単なるミスとして片付けるわけにはいかないだろう。政権から睨まれる恐れのない“政権批判叩き”“リベラル叩き”言論ならば、どれだけとんでもなデマであっても、マスコミはろくすっぽチェックせず垂れ流す。その現実の歪さをあらためて認識する必要がある。


公式会見の司会進行に「閣議決定」する理由
★自由党共同代表で参院議員・山本太郎が質問主意書で「記者の質問権のみならず国民の知る権利をも侵害されかねない状況だ」と問うたことに対して15日、政府は「必ずしも簡潔とは言えない質問が少なからずある。今後とも長官の日程管理の観点からやむを得ない場合、司会者がこれまでと同様に協力呼び掛けなどを通じて、円滑な進行に協力を求める」との閣議決定をした。また閣議決定だ。同時に会見は「内閣記者会が主催するもので政府が一方的に質問を制限できる立場にない。あくまで協力依頼にすぎない」とした。★その通りだ。そもそも内閣記者会が主催しているのならば司会者が質問を遮ることも理屈にならない。首相官邸で会見を仕切る官邸報道室長・上村秀紀は内閣記者会とどういう関係なのか。内閣記者会が上村に司会を要請しているのか。協力依頼どころかこの会見の構造自体に問題があるとは思えないのか。本来、官房長官の日程のコントロールが上村の仕事であり、質問制限は「あと1問だけ」とか「もう時間です」だけが発言すべきことではないのか。★官房長官会見は政府が国民に伝えたいことを言い、記者が聞きたいことを聞く場所だ。政府の発言はいずれも公式なものになる。ただ、安倍内閣になってから会見場では復興相・今村雅弘(当時)が記者に激高し、「ここは論争の場ではない。ここは公式の場なんだよ。人を誹謗(ひぼう)中傷するな、出ていけ。2度と来るな」と言い放ったり、外相・河野太郎が質問に答えず「次の質問」と繰り返すなど、聞きたくない質問、都合の悪い質問を遮るような、その先に国民がいることを無視する対応が続いている。会見は記者たちが質問できる公式の場だ。そして政府と記者が国民の代わりに対峙(たいじ)する場所にもなる。「閣僚の不遜な態度は国民に伝わっている」ことも閣議決定して欲しい。

トランプに平和賞?推薦した安倍首相に問われる“見識”<上>
圧力路線のはしごを外されると一転、平和賞推薦の無定見
「私は日本を代表して、敬意を込めてあなたを推薦しました」――いやはや驚きだ。トランプ米大統領が15日の記者会見で、安倍首相から北朝鮮問題でノーベル平和賞に推薦されたと唐突に明かしたことが、波紋を広げている。
 トランプは、安倍がノーベル賞委員会に送ったという5ページの「美しい書簡」のコピーを安倍から受け取ったと語ったが、米メディアは疑心暗鬼。「ノーベル賞はトランプ大統領が受け取るべき」と語っていた韓国の文在寅大統領と混同しているとの臆測も流れたが、複数の日本メディアは17日、政府関係者が推薦は事実と認めたと報じた。18日の国会で真偽を聞かれた安倍は「コメントを控えたい」とトボけたが、否定はしなかった。「露骨なゴマスリにはビックリ仰天だ。
 2017年に核・ミサイル実験を繰り返していた北朝鮮に、同年9月の国連演説で「対話による問題解決の試みは無に帰した」「必要なのは対話ではない、圧力だ」と言い放ったのは、安倍だ。
 南北会談の実現を探っていた韓国を「ほほ笑み外交にダマされるな」とクサし、昨年の平昌五輪の開会式で文大統領に「北への圧力強化」を直談判したのも安倍である。
 ところが、南北会談が実現し、昨年6月に米朝首脳会談がセットされると、トランプも「今後、『最大限の圧力』という言葉は使いたくない」と融和ムードを演出。完全にはしごを外された安倍は、手のひら返しで米朝会談実現を歓迎し、ついにはトランプをノーベル平和賞に推し、必死で“ご主人”にすり寄ったのだ。ご都合主義を絵に描いたような“ポチ”だ。
「米朝関係の平和的解決を望む国際情勢の『地殻変動』を見誤り、カヤの外に置かれると、取り繕う手段はトランプ大統領にへつらうことだけ。安倍外交は情報力も分析力もなく、行き当たりばったり。そのクセ、拉致問題解決を『内閣の最重要課題』と強調しながら、支援を仰ぐ韓国を見下し、強硬姿勢で率先して対立をあおる。もう、支離滅裂です」(政治評論家・森田実氏)
 安倍の無定見と二枚舌には言葉が出ない。
日本上空のミサイルリスクがなくなったのであれば、イージス・アショアなど購入不要
 トランプ本人は、安倍からノーベル賞に推薦された理由として、「かつて日本は上空をミサイルが飛び交い、頻繁に警報が鳴っていたが、今、彼らは安全を実感している。それは私が北朝鮮と話をつけたからだ」と自慢げに語った。だとしたら、米国に大枚をはたいて地上配備型ミサイル防衛システム「イージス・アショア」を購入する必要などないではないか。
 維持費やミサイル費を含めれば、イージス・アショア2基の導入費は6000億円超とも指摘される。配備候補地の秋田・山口両県では、住宅に近いイージス・アショアが攻撃目標にされたり、レーダーの電磁波が健康に害を及ぼすとの不安が根強い。それでも安倍はお構いなしで、「陸上なら隊員が自宅から通える」とご託を並べ、何が何でも導入ありきだ。
 官邸がトップダウンで購入を決めた目的も、トランプにシッポを振るためだ。仮に北朝鮮が弾道ミサイルで米太平洋司令部があるハワイを攻撃した場合、津軽海峡上空を飛翔する。候補地の秋田市の新屋演習場はその軌道の近く。在沖海兵隊の移転先であるグアムに放てば中国・四国地方の上空を飛んでいく。同じく候補地の萩市のむつみ演習場は、その軌道のほぼ真下にある。本土防衛など建前で、トランプへの税金献上と米軍施設を守るために購入するわけだ。
「導入すれば、ロシアはイージス・アショアの攻撃転用を疑い、北朝鮮からも敵視される。要は日本本土が狙われるリスクを高めるだけ。105機を追加購入し、計147機とするF35戦闘機も維持費を加えると、総額6.2兆円超。トランプ氏の顔色をうかがって、米国製のムダな高額兵器に湯水のごとく出費するのはいい加減、やめるべきです」(「使ってはいけない集団的自衛権」の著者で経済アナリストの菊池英博氏)
 ポチ首相はちょっとは国民のために税金を使ってみたらどうか。
トランプの要請にホイホイ応じた卑しさ軽さ、暴露されているアホ丸出し
 17日の朝日新聞によると、驚くことに安倍は米政府から非公式に依頼を受け、昨秋ごろノーベル賞関係者にトランプを推薦したという。この報道はロイター通信などを通じて世界中を駆け巡っている。
 今なお、1回目の米朝会談で話し合われた北朝鮮の「非核化プロセス」は全く進展していない。北の核放棄が分からない段階で、ボスの要請にホイホイ応じた安倍の卑しさ、軽さを思うと、クラクラしてくる。前出の森田実氏はこう言った。
「ここまでして、トランプ大統領にとことんへつらう安倍首相は、もはや奴隷同然。トランプ大統領は就任以来、世界中を引っかき回し、紛争を仕かけ、INF離脱で核戦争の恐怖すら与えています。平和賞に最もふさわしくない人物を推薦する首相は『今だけ、自分だけ、トランプだけ良ければ』の究極のゴマすり男です。世界から軽蔑されるだけで、勝手に日本を代表するなと言いたい。日本人として恥ずかしくて情けない限りです」
「かつてないほど強固な日米同盟」とうそぶく安倍にとって、トランプのノーベル平和賞推薦にためらいも迷いもないのだろう。18日の国会答弁でも安倍は、ノーベル平和賞の推薦についてはコメントを避けたが、米朝首脳会談については「(トランプの)果断な対応」と持ち上げていた。ここまでトランプに忠誠をつくしながら、トランプの自己都合で推薦を暴露されるアホ丸出し。情けないったらありゃしない。


トランプに平和賞?推薦した安倍首相に問われる“見識”<中>
こんな“関係”でマトモな日米通商交渉などできるのか?
 これだけ主従関係がハッキリしているのに、日米通商交渉で対等な取引など期待できない。交渉開始時期は当初の1月下旬からズレ込み、今春以降になるとの見方が強まっているが、どうせ米国の要求丸のみがオチである。前出の菊池英博氏が言う。
「安倍政権は日米交渉の前にTPP11や日欧EPAを締結。当然、その水準まで米国の農産物や酒類の関税を下げろ、と圧力をかけられるのは予想されます。その上、ここまで国のトップが卑屈なのですから、日本は円安政策で不当に米国で儲けていると考えるトランプ大統領に言われるがまま、対米輸出自動車への高関税や、意図的な通貨安を禁止する『為替条項』の導入などを受け入れる姿が目に浮かびます。安倍首相は16年の大統領選直前にヒラリー候補と会談。彼女に肩入れしていたのに、トランプ氏の『まさかの勝利』の途端、われ先にとトランプタワーに駆けつけ、50万円のゴルフドライバーを贈ってご機嫌取り。トランプ氏にすれば『何だ、この男は』という感覚で、こいつは必ずオレの言うことを聞くゾと、完全になめられてしまった。実際に首相はその予想通りに振る舞い、トランプ氏がツイッターなどで繰り返し『リメンバー・パールハーバー』と表明しても、抗議すらしない。バカにされて当然です」
 安倍が首相でいる限り、この国の富はトランプにひたすら巻き上げられる運命にある。
誰よりも北朝鮮の脅威を利用してきたのが安倍晋三
 歴代首相の中で、ダントツで北朝鮮の脅威を利用しまくってきたのが安倍だ。「拉致の安倍」で首相の座を射止め、北の危険性をあおり、戦争ができる国づくりに邁進してきた。2015年には、集団的自衛権の行使を容認する安保法を制定。米国の言い値で高額武器を爆買いし、19年度の防衛費は5兆2574億円と、5年連続で過去最高を更新した。
 17年秋の総選挙でも北の脅威を徹底的に利用。“国難突破”の大義名分で解散し、大勝した。福島の第一声で安倍は、「北朝鮮の脅威に対していかに取り組んでいくのか、それを決める選挙でもあります。北朝鮮はなんと2回、日本の上を2度も通過するミサイルを発射し、広島の10倍以上の威力を持つ6回目の核実験を行った」と訴えた。選挙後、麻生財務相は「北朝鮮のおかげで勝てた」とホンネを漏らしている。
 元拉致被害者家族会事務局長の蓮池透氏が言う。
「朝鮮半島の平和に尽力したことを理由に、トランプ大統領にノーベル賞を推薦するのは、安倍首相としては、腹の中ではおもしろくないはずです。米国の要請を受けて、渋々推薦したのでしょう。安倍首相は拉致問題を利用して総理大臣まで上り詰めました。政権発足後も、北の脅威を最大限あおって、政権を維持してきました。もし、北の脅威がなければ、これほど長期間、安倍政権が存続し続けられたのか疑問です」
 安倍は、半島の平和など本心から望んでいない。


トランプに平和賞?推薦した安倍首相に問われる“見識”<下>
民主主義を敵に回し、非常事態宣言でやりたい放題のトランプにへつらう危うさ
 結局トランプは、来年の大統領選に再選することで頭がいっぱいなのだ。その最たるものが、身内の共和党内からも非難囂々の「非常事態宣言」である。
 トランプは15日、不法移民流入が「安全保障上の脅威」だとして、「国境の壁」建設のために国家非常事態を宣言した。これで米議会の承認を得ずに大統領権限で予算を組み替え、壁建設に巨費を投じるという。災害などのように緊急を要する事態でもないのに、自らの公約を実現するため、民主主義を無視したなりふり構わぬ強権的な手法。早速、連邦政府を監視する下院司法委員会が「議会の予算編成権を無視した疑いがある」として調査を開始。カリフォルニア州知事やニューヨーク州の司法長官らが法廷闘争に訴える方向で、米国は大混乱となっている。
 東京新聞の元ニューヨーク支局長でジャーナリストの北丸雄二氏がこう言う。
「トランプ大統領は下級審で違憲となることを見越して、『最高裁で勝つ』と言っています。判決が出るまでに1、2年はかかる。つまり、緊急の非常事態ではないということを本人が認めているようなものです。非常事態を宣言することが目的であり、支持者への政治的アピールが真の狙いでしょう」
 安倍による「ノーベル平和賞推薦」もトランプ支持者向けの宣伝に利用されているのだろうが、それが分かっていながら、トランプにへつらう安倍は危うい。
 安倍の改憲案の中には日本版非常事態宣言と言える「緊急事態条項」がある。非常時に政府に権限を集中させ、国民の権利を制限するもので、政治私物化の常習犯である安倍がこれを手にしたら、トランプの“手口”をまねてやりたい放題しかねない。
この先、安倍外交は国際社会で相手にされなくなるだろう
 安倍がトランプをノーベル平和賞に推薦したのは「米側からの依頼だった」という朝日の報道が世界中に流れたことで、ツイッターなどSNSで海外での反応も広がっている。多くは〈そんなことを頼んで恥ずかしい〉〈典型的な賄賂でありトランプのビジネスモデル〉などトランプを批判するものだが、安倍に対しても〈世界最大のおべっか使い〉〈トランプがいつも「正直者安倍」と言っているのはこういうことだったのか〉などと嘲笑されている。
「米国のシンクタンク研究員ら知日派の間では、安倍首相は『ナショナリスト』『右翼』という評価とともに『トランプにおべっかを使う人』『御しやすい人』という見方が共有されています。今回のことも『あー、やっぱり』と思われていることでしょう」(北丸雄二氏=前出)
 そんな男が「外交の安倍」と自画自賛でふんぞり返っていたのだから噴飯ものだが、ここまで外交無定見で、強い者にこびるだけの安倍は、もはや国際社会で相手にされないだろう。
 国際ジャーナリストの春名幹男氏が言う。
「今回の一件は安倍首相にとっても日本にとってもマイナスなのは間違いない。欧州の先進諸国はトランプ大統領をまともな指導者とは捉えていません。そのトランプにゴマをするとは、レベルの低い首相だと思われても仕方ありません。安倍首相は、まさかトランプが推薦を明らかにするとは思っていなかったでしょう。もちろん普通は表沙汰にはしない。トランプは口が軽いんですよ。安倍首相はせめて口止めしておくべきでしたね」
 これで、プーチンロシアとの北方領土交渉でも日本は今まで以上に軽く見られることになるだろう。安倍はどのツラして6月のG20で議長を務めるのだろうか。

闇から希望をつなげて 狭山事件と清水(袴田)事件/自転車の鍵無くした

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"Un dimanche jaune" à Paris pour marquer les 3 mois du mouvement
Afin de marquer cette date symbolique, plusieurs manifestations déclarées doivent avoir lieu ce dimanche dans la capitale.
Pour cette date anniversaire, les gilets jaunes ont vu les choses en grand. Ce dimanche, ils devraient se rejoindre dans plusieurs points de Paris, afin de montrer qu’ils sont toujours mobilisés, trois mois après le début du mouvement. Ils devraient notamment se rejoindre place de la République, où plusieurs rassemblements statiques, entre 14 et 18 heures, entre 16 et 20 heures et enfin entre 18 et 22 heures ont été déclarés, sans qu'il ne soit possible d'établir se ces demandes émanent d'un seul ou de plusieurs groupes différents de protestataires.
Toujours à Paris, plusieurs manifestations ont été déclarées en préfecture. Un premier cortège doit d’ailleurs partir de l’avenue des Champs-Élysées à 13 heures, pour rejoindre le Champs de Mars à 17 heures. Il passera par la Place de l’Alma, le pont des Invalides, ou encore l’avenue de la Tour-Maubourg. Le mot d’ordre des organisateurs pour ce "dimanche jaune" est de rester "pacifique".
Un autre point de rassemblement est prévu à 11 heures à l'Arc de Triomphe ce dimanche.
Une majorité des Français souhaite que le mouvement s'arrête
“Les gilets jaunes de Toulouse ont fait un sondage et les gens ont dit ‘pourquoi pas le dimanche’, à la fois pour soulager les commerçants mais aussi pour que tous ceux qui travaillent le samedi de se mobiliser”, a expliqué Sophie Tissier à notre antenne, une gilet jaune intermittente.
Cette dernière précise que cette nouvelle journée de mobilisation permet aussi d’occuper Paris "deux jours de suite".
Pour cette date symbolique, certains gilets jaunes veulent montrer qu’ils sont plus déterminés que jamais. "On reste ensemble, on reste soudés. Il y a une forme de solidarité", confie un gilet jaune toulousain. Cependant, selon un récent sondage Elabe pour BFMTV, une majorité des Français souhaiterait désormais que ce mouvement s’arrête.
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米国で非常事態宣言へ深まる対立と分断…▽辺野古めぐり民意は▽対立さらに…日韓が▽池江が白血病を公表▽波紋…松坂が右肩痛▽大坂▽宇野逆転V▽風をよむ
一週間の見逃せないニュース&スポーツをサンデーモーニングならではの視点でお送りします!◎世界と日本の出来事を掘り下げるカバーストーリー▽ ◎おなじみ・スポーツ御意見番「喝!&あっぱれ」◎関口宏の「一週間」ニュース◎時代と社会の断面を切り取るコーナー「風をよむ」〜〜 関口宏 橋谷能理子 唐橋ユミ 伊藤友里 水野真裕美(TBSアナウンサー) 張本勲(他) 三枝成彰 ◇番組HP http://www.tbs.co.jp/sunday/ 西野哲史 金富 隆

明日へ つなげよう ふるさとグングン!「みんなで見つける ふるさとの希望」
去年9月の北海道胆振東部地震で被災した厚真町。仮設住宅での暮らしが始まる中、地元特産の果実「ハスカップ」で復興を象徴する新商品を開発しようと、農家たちが動き出している。先進地に学ぼうと、ゆずの特産品づくりで成功した高知県馬路村への視察にも向かった。農家手作りのハスカップ料理を、ゲストのりゅうちぇるが大絶賛!厚真町に縁のある歌手の山本リンダが、鎮魂と復興を祈るスペシャルコンサートを開く。 りゅうちぇる,山本リンダ, 山本哲也
明日へ1min.「おいで、東北」君に見せたい東北がある〜冬 山形・鶴岡編〜
東北各地を舞台に、町を愛する男性が方言をまじえながら、おすすめのスポットをご案内!今回は山形・鶴岡編。ふるさと大好き池田尚平さんが鶴岡を案内する。羽黒山の国宝五重塔は一見の価値あり!縁結びの神社で願い事をしたら、加茂水族館で幻想的なクラゲを楽しもう!寒ダラ汁は冬の鶴岡を代表する郷土料理。温まるよ!見る、食べる、体感する楽しみがいっぱいの鶴岡へ「おいで、東北」。番組特設サイトに旅プラン掲載中! 「君に見せたい東北がある」地元案内人…池田尚平
東北魂TV #193 爆笑ユニットコント
“笑いで東北を、日本を元気に!"をテーマに、サンドウィッチマンやマギー審司、鳥居みゆきなど東北出身のお笑い芸人が"東北魂"として一挙集結。  他の番組では観ることのできない、爆笑のユニットコントやロケ企画を繰り広げる! 今回は…柴田英嗣の爆笑講義「動物大好き先生」狩野VS永野の仁義なきお笑い戦争!伊達が芸人としての"おいしさ"挑戦「芸人のグルメ」
出演:サンドウィッチマン(伊達みきお・富澤たけし)、マギー審司、狩野英孝、鳥居みゆき、トミドコロ ゲスト:柴田英嗣、永野 谷口大二  山内正之、柳しゅうへい、酒井義文、狩野孝彦  仲村孝明  演出/有川崇  アルファグリッド アルファグリッド

バリバラ「テレビのバリアフリー」(1)
障害者の声からテレビに潜むバリアをあぶりだす企画。第1回は視覚障害編。2018年に開催された平昌五輪。しかし「実況を聞いてもすごさがわからない」、「フィギュアスケートは音楽がなっているだけ」など不満をもつ視覚障害者は多い。テレビを楽しめないことで世間から取り残されていると感じる人も…。そこで、人の顔や、絶景の映像に音声解説をつけ伝えることにNHKアナウンサーが挑戦!果たして、面白さは伝わるのか? 鈴木奈々,桂福点, 山本シュウ,大西瞳, 玉木幸則, 伊藤雄彦, 神戸浩,ベビー・バギー
闇から希望をつなげて 狭山事件と清水(袴田)事件  トーク&ライブ
第1部:記念講演 「釜ヶ崎からみた狭山事件」
講師:本田 哲郎さん(カトリック司祭)
アピール:石川 一雄さん、石川 早智子さん 袴田 巌さん、袴田 秀子さん(袴田 巌さんは体調により参加)
第2部:ライブ
〜大きな世界を変えるのは ひとりの小さな一歩から〜
出演:小室 等さん、カオリンズさん、アカリトバリさん
チケット:500円(障がい者・高校生以下無料 その他費用についての相談はご遠慮なく)
☆手話通訳、要約筆記あります!
主催:狭山事件の再審を実現しよう市民のつどい in 関西実行委員会
Tel 06-6632-4273 Fax 06-6630-9777
大阪市西成区萩之茶屋1−9−7 釜ヶ崎日雇労働組合気付 sayama.kansai@gmail.com
連絡:090-3624-8270 http://www.labornetjp.org/EventItem/1547047221094staff01



昨日に続いてミナミ.というより天王寺界隈です.久しぶりに新世界でランチです.ネギ焼きおいしかったけどちょっと物足りない感じ.だいぶ早めに会場に着いたのですが結構人がいます.記者会見とかしていました.「闇から希望をつなげて 狭山事件と清水(袴田)事件」です.そういえば清水に行ったっけ.いまはもう静岡市だけど.本田哲郎さんの講演がよかったです.狭山事件に関してあまり触れなかった気がするけど,釜ヶ崎での自分の体験をもとにお話しされてとてもよかったです.
カオリンズの「おいらトラックの運転手だったんだ」も素晴らしい.丸正事件を歌にしたものです.
帰りにスーパー玉手で買い物しました.アレ?自転車の鍵無い!!!スーパーで失くしてしまった?自転車屋さんがどこにあるかわからないので聞くと,ガードの向こうとのこと.そんな遠くないけど自転車を引っ張ってくのは疲れます.少し迷ってやっと見つけました.イケメンの若いお兄さんがてきぱきと仕事してくれてあっという間に新しい鍵に交換してもらいました.

復興に取り組む団体の活動紹介
東日本大震災の発生から来月で8年になるのを前に、被災地の企業や団体の復興に向けた活動を紹介するイベントが仙台市で開かれています。
このイベントは復興庁が開いたもので、JR仙台駅の周辺に設けられた会場では、岩手、宮城、福島などからおよそ30の団体がブースを出しました。
このうち、福島市の団体は、駆除したものの、原発事故の影響で県が食用を控えるよう要請している鹿の皮でつくったピアスやイヤリングなどのアクセサリーを紹介しています。
また、岩手県宮古市の重茂漁業協同組合では、震災を風化させないという思いを込めて、毎年3月11日に発売している特産のあわびの煮物や昆布を使ったおかしなどを販売していました。
このほか、JR仙台駅の構内では、野菜や海産物など各地の特産品が販売され、多くの人が訪れて買い求めていました。
復興庁の伊藤憲昭参事官補佐は、「イベントを通して、東北の現状を知ってもらい、これからの活動につなげたい。ぜひ、会場に足を運んで欲しい」と話していました。


<三陸沿岸道>気仙沼と仙台直結、交流加速 歌津−小泉海岸、本吉津谷−大谷海岸の2区間開通
 東日本大震災の復興道路として国が整備を進める三陸沿岸道路の歌津インターチェンジ(IC、宮城県南三陸町)−小泉海岸IC(気仙沼市)間10.0キロと、いずれも気仙沼市の本吉津谷−大谷海岸IC間4.0キロが16日、開通した。仙台市と気仙沼市が高速道路で直接結ばれ、観光や産業の振興につながると期待される。
 歌津−小泉海岸IC間にある歌津北IC(南三陸町)と本吉津谷IC付近で式典があり、気仙沼市の菅原茂市長は「気仙沼と仙台が高速道でつながるのは市民にとっての悲願。歴史的な開通になった」とあいさつした。
 2020年度開通予定の小泉海岸−本吉津谷IC間2.0キロを含む総事業費は約967億円。仙台−気仙沼間の所要時間は約10分短縮されて約2時間20分となる見込み。歌津北ICは「ハーフ方式」で、歌津IC方面とのみ行き来できる。
 国は仙台港北IC(仙台市)−八戸ジャンクション(八戸市)間を復興道路と位置付け、20年度までの全線開通を目指している。今回で全長359キロのうち238キロが開通した。


<三陸沿岸道>復興した姿、来て見て 開通2区間で式典、「平磯虎舞」花添える
 国が東日本大震災の復興道路と位置付ける三陸沿岸道路の歌津インターチェンジ(IC、南三陸町)−小泉海岸IC(気仙沼市)間10.0キロと、気仙沼市の本吉津谷−大谷海岸IC間4.0キロが16日、開通した。それぞれの現地で式典があり、延べ780人が開通を祝った。
 歌津−小泉海岸IC間にある歌津北IC(南三陸町)付近の会場では地元の太鼓愛好団体が演奏。本吉津谷IC付近の会場は、気仙沼市本吉町の伝統芸能「平磯虎舞」が花を添えた。
 それぞれ地元の若者があいさつし、南三陸町出身で県農業大学校2年の大沼ほのかさん(20)は「夢をかなえる大きな力になる」と期待。気仙沼市の会場では大谷中2年の三浦華倫さん(14)が「全国の方々に復興した姿を見てほしい」と願った。


<三陸沿岸道>産業振興後押し、救急搬送円滑に 「通過点」懸念も 気仙沼、南三陸で期待と不安の声
 気仙沼市と仙台市が一部区間(2キロ)を除き、高速道路でつながった。東日本大震災で打撃を受けた気仙沼市の主力産業である水産と観光の振興に期待する関係者は多い。救急搬送が円滑となる一方、通過点となる南三陸町では、観光客の減少を不安視する声も聞かれた。
 「朝に採れた海産物を仙台の昼食に出し、夜は東京で食べてもらう」。インターネットで地元食材を販売する「さんりくみらい」(気仙沼市)の藤田純一社長(41)の期待は大きい。
 同社は、被災した市内の養殖業者や水産加工会社など3社が2017年12月に設立した。「高速一本でつながり、東京や仙台の消費者は心理的な近さを感じるはずだ。消費者に実際に足を運んで品質の良さを見てもらう機会も設けたい」と藤田社長は話す。
 仙台港北−気仙沼中央IC間の所要時間は1時間半を切る。仙台圏からの誘客に力を入れる市にとって、大きな後押しとなる。
 震災前年に5万人が訪れた小泉海岸(気仙沼市本吉町)の海水浴場は今夏、営業を再開する。気仙沼観光コンベンション協会の加藤宣夫会長(77)は「延伸は大きな呼び水になる。今年は気仙沼の観光元年だ」と意気込む。
 救急医療に果たす役割も大きい。気仙沼・本吉地域広域行政事務組合消防本部(気仙沼市)によると、18年は、気仙沼市と南三陸町以外の管外への救急搬送が259件あった。うち仙台、石巻両市の病院が9割近くに上る。森浩一消防次長(58)は「時間の短縮に加え、一般道の道が悪い場所を避け、渋滞も回避できる。患者の負担は軽くなる」と言う。
 宮城県内の三陸沿岸道の最北端は南三陸町から気仙沼市に移った。
 歌津IC付近にある南三陸町の商店街「南三陸ハマーレ歌津」ではこれまで、気仙沼に向かう途中に立ち寄る観光客も多かった。ハマーレ歌津商店会の千葉教行会長(75)は「高速を降りて立ち寄ってもらう仕掛けが必要」と強調する。
 16年秋に町内に延伸した南三陸町では、17年の観光客数が過去最高の142万人に達した。佐藤仁町長は「延伸には光と影がある。町を目的地に選んでもらう街づくりを進めたい」と危機感を募らせる。


震災思い出し涙もろく、住民集うイベント希望 傾聴の会、仙台や名取など4市町災害住宅調査
 東日本大震災後に被災者の心のケアに当たるNPO法人仙台傾聴の会(名取市)が、仙台、名取、岩沼、亘理の4市町の災害公営住宅の住民を対象に初めて実施したアンケート結果をまとめた。21%が震災を思い出すと「涙もろくなった」と回答。83%が、外出の機会となり住民同士がつながれるとしてイベントを開き続けるよう希望した。
 震災を思い出すのは「ニュースや映像を見聞きした時」が35%で最多。「昔のことを思い出した時」が16%で続き「日中に1人でいる時」と「知り合いの訃報を聞いた時」が共に11%だった。
 思い出した時にどうなるか尋ねると「涙もろくなった」のほか「夜眠れない」(14%)や「誰かと話したい、話し相手がほしい」(12%)などがあった。
 災害公営住宅転居後に1日の過ごし方が変わったと答えた住民は65%だった。
 理由は「集会所でいろいろなイベントがあって楽しい」(16%)「友達が増えた」(12%)と前向きな回答がある一方「夜中に目を覚ますことが増えた」(8%)「テレビに向かって話している時がある」(6%)などの回答も目立った。
 買い物など外出の頻度は「週1、2回」が43%に上り、傾聴の会が実施する「傾聴カフェ」などのイベントを継続してほしいと願う住民が多かった。
 同会の森山英子代表理事は「住民が人とのつながりを求めている姿が浮かび上がり、集う場を開き続ける必要があると痛感した。自室から出てこない方への対応も懸念材料だ」と話す。
 アンケートは昨年10、11月、4市町の災害公営住宅の集会所で開いた傾聴カフェの参加者ら350人に配布。190人が答えた。3月1日発行の会報に結果を掲載する。連絡先は同会070(2025)8200。


<ベガルタ>「キン」再始動、地域に恩返し 元選手の菅井さん職員に転身、PRや被災地訪問も
 サッカーJ1仙台の選手として16年間活躍し、昨季限りで引退した菅井直樹さん(34)がチームを運営するベガルタ仙台(仙台市)の職員に転身した。宮城県内でクラブをPRするのが主な仕事で、東日本大震災の被災地訪問など地域貢献活動にも積極的に取り組む。「ベガルタの名をもっと多くの方に知ってほしい」。ピッチに代わり、ホームタウンを縦横無尽に駆け回る日々を送る。
 「よろしくお願いします」。13日、仙台市中心部のクリスロード商店街。ジャージー姿の菅井さんは買い物客の間を縫うように商店を回り、クラブのポスターなどを店主らに手渡した。
 元々シャイな性格。「すぐには慣れない。もっとコミュニケーションが取れるように頑張りたい」と気持ちを奮い立たせる。
 菅井さんは仙台の象徴的な選手だった。2003年に山形中央高から加入し、主に右サイドバックとしてJ1、J2通算で389試合に出場して40得点。最終ラインからゴール前に攻め上がって得点を決める姿は、サポーターからは「何でそこにいるんだゴール」と呼ばれた。同姓の女優で昨年8月に死去した菅井きんさんにちなみ、「キン」の愛称で親しまれた。
 昨季限りで引退を決意し、次に進む道を考えた際に「ベガルタの力になりたい」との思いが湧いた。選手とは別の形でクラブに残って貢献することにした。
 新たな肩書は地域連携課スタッフ。今月2日に宮城県七ケ宿町で雪かきイベント、11日は同県南三陸町で子どもたちのサッカー教室といった復興支援活動に参加した。「やりがいも楽しみも不安もあるが、前向きに捉えたい」と初々しい。
 活動を支えるのは復興への強い願い。選手時代に震災を経験した。「それぞれが抱える震災への思いを大事にしたい。復興の助けになるのならどんどん発信していく」。現役時代と同様、積極的に前に進む姿勢を見せた。


<原発再稼働住民投票>13年否決の新潟県議会「意義あった」「時期尚早」 割れる評価
 東北電力女川原発2号機(宮城県女川町、石巻市)の再稼働の是非を問う住民投票に関連し、村井嘉浩宮城県知事は21日に条例案を県議会に提出する。原発を巡っては、東京電力柏崎刈羽が立地する新潟県でも市民団体の直接請求を受けて条例案が出され、2013年に否決された経緯がある。「意義はあった」「時期尚早だった」。審議に当たった県議らの評価は今でも割れている。(報道部・樋渡慎弥)
<条件付きで容認>
 新潟県議会(定数53)の審議経過は表の通り。実質的な審議は特別委員会で行われた。正副議長を除く全議員が委員となった。
 自民党(33人)、旧民主党(6人)の会派代表が質疑に立ち、無所属と5会派の計10人が泉田裕彦知事(当時)の考えをただした。本会議と特別委の審議時間は計約8時間半だった。
 泉田知事は投票実施時期など6項目の課題を挙げて条例案の修正を求めた一方、意見公表後に出した文書で「課題が修正されれば県民投票を実施すべきだ」と条件付きで認めていた。
 野党会派などの7人は最終段階で修正案を提出。知事の意見を踏まえ、投票期日について「条例施行から90日以内」とした条文を「再稼働の是非を判断する前に知事が決める」と改めたほか、知事が原発の安全性が不十分と判断した場合、投票結果は効力を持たないとも記した。
 社民党系の旧社会民主県民連合(2人)の小山芳元・県議(70)は修正案について各会派への説明に奔走した。「投票実現のため多少修正してでも多くの賛同を得たかった」と振り返る。
 市民団体が集めた有効署名は6万8353人。「議会が県民の意見をくんでくれないという不満があった」。今でも直接請求の意義はあったと感じている。
<賛成わずか7人>
 最終日の採決には議長と病欠の自民1人を除く計51人が臨んだ。条例案、修正案とも反対44人、賛成7人で否決した。反対は自民31、旧民主6、公明1、無所属6。賛成は社民2、共産1、無所属4だった。
 旧民主は本会議で「投票実施の場合、結果が(多方面に影響し)混乱を招きかねない」と表明。臨時会前に会派全員が本音で話し合うために1泊2日の合宿を開き、深夜まで議論を重ねるなどして何とか意見集約にこぎつけた。
 同会派の高倉栄県議(47)は「直接、間接の民主主義の在り方について議論を深めるべきだった。市民団体の動きは一足飛びだった」と指摘。自民党県連の政調会長だった早川吉秀県議(78)は「東京電力福島第1原発事故の原因について国は何も示していなかった。住民投票自体、時期尚早だった」と語った。


<原発再稼働住民投票>宮城は正面から向き合って/みんなで決める会共同代表 橋本桂子さんに聞く
 新潟県で2012年、柏崎刈羽原発の再稼働を巡る住民投票条例の制定を求める署名を集め、直接請求したのは市民団体「みんなで決める会」だった。宮城県議会で同様の条例案が審議されるのを前に、共同代表の橋本桂子さん(46)=上越市=に思いを聞いた。
 −市民団体の目的は。
 「知事や県議が原発再稼働に向けた判断をしなければならない時に、県民の意見も加味してほしかった。決して再稼働に反対するための住民投票を目指したわけではない」
 「複数の若手県議から『県民は選挙で意思表示してきた。わざわざ直接請求をしなくてもいいのでは』と言われた。認識の差にがくぜんとした」
 −条例案の特徴は。
 「投票結果に拘束力を持たせなかった。県民の中には再稼働の賛否以前に、結果に責任を負えないという意見もあったからだ。そういう思いをくみ取ったものにしたかった」
 −宮城県議会でも議論が本格化する。
 「県民の命に関わることだからこそ、真剣に取り組んできた人たちがいる。条例案に正面から向き合い、県民に誠実であってほしい。議場にいるとはそういうことではないか」


デスク日誌 いきなり
 くらし面のティータイムに投稿された原稿を読んでいたら、「ごみを投げる」という表現があった。この「投げる」は、宮城県ではよく使われる言葉で「捨てる」という意味だが、共通語の「投げる(『球などを放る』の意)」とは意味合いが違う。原稿を「ごみを捨てる」と手直しした。
 ある地域の人は共通語のつもりで使っているが、その地域以外では別の意味に解される言葉を「気付かない方言」という。以前、東北大大学院国語学研究室を取材した折に聞いた話だ。
 代表例が「いきなり」。共通語では「だしぬけに、突然」の意味で使われる。だが宮城県では「非常に、とても」と物事を強調する時に言う。「このラーメン、いぎなり(いきなり)うめぇ」。改めて意味を示すまでもないだろう。一定の年代の地元民ならば、この方が実感はこもっているはず。
 しかし、新聞では「気付かない方言」をそのまま地の文で載せるわけにはいかない。方言を知らない読者が、意味を取り違えてしまうからだ。常々、日常の生き生きとした言葉を載せたいと思っているので、「いぎなり」悔しい。(生活文化部次長 加藤健一)


[同性婚一斉提訴]時代に即した議論急げ
 一つ屋根の下で暮らし、深い愛情で結ばれるカップルなのに、法の恩恵を受けられず、さまざまな不利益を被っている。家族の在り方が多様化する中、時代の変化を踏まえた司法判断を求めたい。
 同性婚が認められないことの違憲性を問う初の訴訟が、全国4地裁に一斉提訴された。
 原告は20〜50代の同性カップル13組。同性同士が結婚できないのは、憲法が保障する婚姻の自由を侵害し、法の下の平等にも反するとして、国に損害賠償を求めている。
 「婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立」と規定する憲法24条の解釈が争点の一つだ。
 政府は、この条文は同性婚を想定していないとの見解を示しているが、婚姻できない明確な法的根拠は存在しない。
 もともと24条は、「家」に縛られず、個人の尊重と男女の平等を確保するために設けられたもので、同性婚を禁じているとはいえないと解釈されている。原告側はこの点に切り込んでいきたい考えだ。
 さらに問われるのは憲法14条の「法の下の平等」だ。
 同性カップルは法的に保護された関係ではないため、一方が亡くなった場合に相続人になれないほか、子どもを育てる共同親権を持てなかったり、税制上の配偶者控除を受けられなかったりする。
 「パートナーが病気で入院した時に、家族でないからと面会がかなわず、最期に立ち会えなかった」というような話を聞くと、やるせない思いでいっぱいになる。
    ■    ■
 同性間の結婚は2001年、オランダで認められたのを皮切りに、欧州を中心に25カ国で可能となっている。
 米連邦最高裁が合衆国憲法を根拠に同性同士にも結婚する権利があると判断したのは15年。同性婚に寛容な意見が広がる社会の変貌を追認した形だった。
 先進7カ国で同性婚を公認していない唯一の国が日本である。性的少数者(LGBT)への差別を禁止する法律もまだない。
 政府が同性カップルに結婚という法的地位を与えないことと、伝統的家族観を重視する議員が多い自民党内で繰り返されるLGBTへの差別的言動は無関係ではない。
 同党の杉田水脈衆院議員が月刊誌への寄稿で「彼ら彼女らは子どもを作らない、つまり『生産性』がない」と暴論を吐き、強い批判を浴びたのはつい最近のことだ。
    ■    ■
 しかし時代は確実に進んでいる。
 東京都渋谷区や那覇市など11自治体は、消極姿勢の政府に代わって同性カップルを公認するパートナーシップ制度を導入。同性パートナーを配偶者と認め、手当などを拡充する企業も増えつつある。
 電通が昨秋、ネットを通じ実施した調査では、同性婚の合法化に8割近い人が賛意を示していた。若い人たちを中心に理解は急速に広まっている。
 浮き彫りになるのは、政府や国会の対応の鈍さである。法整備を含めた議論を急ぐべきだ。


同性カップル提訴/法整備も含め答えを
 13組の同性カップルが国を相手に札幌、東京、名古屋、大阪の4地裁に一斉提訴した。国が同性婚を認めないため、憲法が保障する「婚姻の自由」や「法の下の平等」を侵害され、法的・社会的にさまざまな不利益を強いられていると主張。欧米を中心に同性婚の法制化が進んだのに国会は立法措置を怠ったとして損害賠償を求めている。
 婚姻制度の違憲性を問う初めての訴訟で、原告は20〜50代。同性カップルを巡っては昨年、自民党の杉田水脈衆院議員が月刊誌への寄稿で「彼ら彼女らは子どもを作らない、つまり『生産性』がない」とし、両性愛なども含めた性的少数者(LGBT)に対する行政支援に疑問を呈したことで強い批判を浴びた。
 自民党は注意をしたものの党内では「(同性愛は)趣味みたいなもの」という声もあった。差別や偏見は根強い。2020年には東京五輪・パラリンピックが開催される。国際オリンピック委員会(IOC)は14年に、五輪憲章の根本原則に「性的指向による差別の禁止」を明記した。
 日本は、先進7カ国(G7)で唯一、同性婚を公認していない。スポーツを通じて国際交流を広げたり、外国企業・人材を招致したりするにもLGBTへの配慮と対応は欠かせず、国はこの問題に正面から取り組み、法整備も含め答えを出す必要がある。
 憲法24条は、婚姻は両性の合意のみに基づいて成立すると規定。この「両性」などの文言から、同性婚は認められないという解釈がある。伝統的家族観を重視する自民の保守派はこの立場で、安倍晋三首相も「現行憲法の下では、同性カップルに婚姻の成立を認めることは想定されていない」と答弁したことがある。
 同性カップルが婚姻届を出しても、不適法を理由に受理されない。原告側は訴状で、明治民法下で両家の戸主の同意が必要とされた婚姻のありようを排して個人の尊重と男女平等を実現するため、当事者の合意のみで結婚できるよう、24条が置かれたと指摘。「制定趣旨から、異性カップル以外の婚姻を禁止するとは解されない」とする。
 さらに結婚するかどうか、誰とするかを他者から干渉されずに自己決定できないのは、憲法13条にある「個人の尊重」「幸福追求の権利」や、14条の「法の下の平等」に反すると訴えている。
 海外に目をやると、同性婚は01年、オランダで初めて法制化された。カナダや米国(全州)などが続き、16年には同性愛をタブー視するカトリックの総本山バチカンがあるイタリアでも、相続などで異性婚と同等の権利を認める制度が導入された。
 日本では東京都渋谷区が15年、同性カップルをパートナーとして公的に認める証明書を発行する制度を創設。全国に広がり、企業などに法律婚と同等の扱いを求める。ただ法的な拘束力はなく、同性カップルに相続での優遇措置や配偶者控除は適用されない。
 昨年、民法改正で長年連れ添った配偶者により多くの遺産が配分されるよう約40年ぶりに相続制度が見直されたが、同性カップルや事実婚は対象ではない。家族の形は時代とともに多様化している。LGBTへの理解や配慮も広がりを見せており、今ある制度にどう手を加えていくか、不断の検討が必要だろう。


首相自衛官募集発言 自治体への不当な弾圧だ
 安倍晋三首相が自民党大会で「都道府県の6割以上が新規隊員募集への協力を拒否している悲しい実態がある」と発言した。しかしこれは明らかに事実に反する。首相本人が2日後の衆院予算委員会での答弁で「正しくは都道府県と市町村だ。自治体だ」と一部を修正した。しかしそれでも事実と異なる。
 しかも安倍首相は「非協力」自治体を解消するため、自衛隊を明記する憲法9条改正の必要性を主張し始めた。改憲の目的に、自衛官募集の自治体協力を挙げること自体、詭弁(きべん)としか言いようがない。
 防衛省は自衛官募集の目的で、市区町村に対して、18歳、22歳になる住民の個人情報の提供を依頼している。2017年度は全1741市区町村のうち、36%の自治体が紙か電子媒体での名簿を提供し、53%の自治体は住民基本台帳の閲覧を認めている。
 防衛省は残り10%の自治体の名簿を取得していない。未取得のうち協力拒否は5自治体だけだ。ほかは募集効果の観点で判断し、防衛省が閲覧していないなどが理由だ。
 つまり自衛官募集に協力をしているのは名簿提供と住民基本台帳の閲覧を認めている合計89%の自治体だ。明確に協力を拒否しているのは5自治体だけで、全市区町村のわずか0・3%に満たない。
 安倍首相が主張する「協力を拒否している」6割以上の自治体とはおそらく、個人情報を紙か電子媒体で提供している36%の自治体を除く64%の自治体を指すのだろう。
 つまり住民基本台帳の閲覧を認めている53%の自治体も、防衛省が募集効果で判断して閲覧自体をしていない自治体も「協力を拒否している」とみなしているのだ。あまりにも乱暴だ。首相の発言とは思えない。
 住民基本台帳法11条は、国や地方公共団体の機関が法令で定める事務のために必要な場合は、住民基本台帳に記載されている氏名、生年月日、性別、住所の写しについての閲覧を認めている。
 住民基本台帳法は閲覧を認めているが、名簿提供まで認める規定はない。このため半数以上の自治体が閲覧にとどめている。同法は06年の改正で「何人でも閲覧を請求できる」との制度を廃止し、閲覧対象を限定した。
 閲覧さえ厳密化されたのに、自治体が防衛省に名簿自体を提供することには批判の声がある。中には防衛省がダイレクトメールを送るための便宜として「宛名シール」などの紙媒体を作成し、提供している自治体もある。これこそ業務を逸脱していないか。
 そして自民党は14日、所属国会議員に対し、自衛官募集の関連名簿提出を地元市町村に促すよう求める通達を出した。国会議員が自治体に圧力を掛けることなどあってはならない。政府の意に反する自治体への不当な弾圧を見過ごすことはできない。


自衛官募集発言 安倍改憲の独善がまたも
 憲法9条の改正を主張するのは、自治体の対応に問題があるからだ−そう言っているに等しい。あまりに強引で、独りよがりとしか見えない。
 野党ばかりでなく、与党内から疑問の声が上がっているのも無理のない話だ。
 安倍晋三首相が9条への自衛隊明記の必要性を巡り、自衛官の募集と絡めた新たな論理を持ち出している。
 先の自民党大会の総裁演説や国会答弁で、6割以上の自治体が自衛官募集への協力を拒否しているなどと訴えているのだ。
 総裁演説の中では「都道府県の6割以上が新規隊員募集への協力を拒否している悲しい実態がある。この状況を変えよう。違憲論争に終止符を打とう」と述べた。
 その後の国会答弁で「正しくは都道府県と市町村だ。自治体だ」と修正した。
 発言には、野党の批判に抗して改憲論議を前進させたい思惑があるとみられている。
 首相はこれまで「自衛隊を明記しても任務や権限に変更は生じない」と説明し、野党からは変更がないなら改憲は不要と指摘されてきた。
 だが、自衛官募集に関する首相発言は、実態をきちんと踏まえたものなのかどうか。
 自衛隊法は自衛官募集について、自治体が法定受託業務として協力すると規定する。防衛省は市区町村に対して、18歳、22歳になる住民の住所や氏名といった個人情報を提供するよう依頼している。
 全市区町村の約4割は住民基本台帳に基づいて個人情報を紙媒体で作成し、提供しているという。これが「6割以上拒否」の根拠のようだ。
 ただし、全市区町村の約5割は紙媒体を提供していないものの、住民基本台帳の閲覧については認め、防衛省側は個人情報を取得しているという。
 首相は協力の「拒否」という厳しい言葉を用いたが、現実を正確に反映しているとは思えない。自治体に責任転嫁して、9条改憲が必要だとこじつけている印象が強い。
 9条への自衛隊明記は、首相の提唱により唐突に浮上した。それだけに、ためにする発言とさえ受け取れる。
 発言を修正した経緯を振り返れば、自衛官募集についての地方自治体の業務や、その実情について十分把握していたのか疑念も残る。
 石破茂元防衛相は首相発言を受け「『自衛隊が違憲なので協力しない』と言っている自治体を私は知らない」と語った。
 公明党幹部も「自衛隊員募集と9条改正は直ちにつながらないのではないか」と疑問を呈している。
 平和憲法の核心といえる9条は戦後日本の道しるべとなってきた。9条を巡る改憲論議が、いい加減な前提に基づく、へりくつやこじつけで粗雑に進められてはたまらない。
 「1強」首相の強権的な体質がにじむ発言に、改めて危うさを覚えるばかりである。


【自衛官募集】首相の理屈は乱暴すぎる
 自民党が所属する全ての国会議員に出した通達に大きな波紋が広がっている。自衛官募集に利用する適齢者名簿の提出を地元自治体に促すよう求める内容だ。
 安倍首相は、先の党大会や国会答弁で「6割以上の自治体から募集に必要な協力を得られていない」などと主張。憲法9条に「自衛隊を明記することで、そういう空気は大きく変わっていく」と改憲の必要性を強く訴えた。
 通達はそれを党としても後押しした格好だ。問題の多い主張、対応というほかない。
 首相がいう協力自治体とは、名簿を紙や電子媒体で提出する市町村を指す。防衛省によると、2017年度は全国36%の市町村だった。
 残る6割超のほとんどが非協力的との捉え方だが、過半数53%の市町村は住民基本台帳の閲覧を認め、自衛隊が適齢者を把握できるようにしている。合わせて9割近くが協力しているのであって、首相の切り捨て方は乱暴すぎる。
 自衛隊法は、募集事務の一部を自治体首長が行うと定める。自衛隊法施行令では、防衛相は首長に「必要な報告または資料の提出を求めることができる」としている。
 これらを踏まえ、防衛省・自衛隊は市町村に自衛官適齢者の氏名や住所などの提出を依頼してきた。18年度からは紙・電子媒体の提出を要請している。
 とはいえ制度的には「求めることができる」のであって、義務ではない。どのように協力するかは自治体の裁量といってよい。
 各自治体は個人情報保護のため、住民情報は原則非開示としている。書き写しに時間がかかる住民基本台帳の閲覧のみであっても、自衛官募集には特別対応をしているとみるべきだ。
 政府・自民党には14年度の高知市の事例を忘れてもらっては困る。
 住民基本台帳の閲覧方式で協力してきた市に対し、自衛隊高知地方協力本部が突然、「法定受託事務が執行されていない」「従来の方針を変更し強く適齢者情報の(紙での)提供を求める」と要請した。
 批判を受けた防衛省は国会で、法令の理解が十分でない不適切な要請だったと釈明。当時の中谷元・防衛相も「地方公共団体が実施し得る可能な範囲での協力をお願いしている」との立場を強調した。
 同じ安倍政権下でありながら、今回の首相や自民党の言動はこうした経緯を無視している。
 まして自衛官募集と憲法9条への自衛隊明記は筋が違う話だ。任期中に改憲を実現したい安倍首相が、なりふり構わず改憲の動機付けをしているとの批判が出て当然だろう。与党内からも疑問の声が出ている。
 自衛隊はいまや多くの国民に受け入れられている。特に災害時の活動には期待が大きい。隊員募集は重要だろうが、政治が市町村を批判し、改憲と強引に結び付けては、自衛隊の印象をかえって悪くしかねない。


[自衛官募集協力] 改憲の論拠とは乱暴だ
 自衛官募集に「6割以上の自治体が協力を拒否している」。
 憲法9条に自衛隊を明記する改憲案を念頭に置いた安倍晋三首相の発言が波紋を広げている。
 自民党大会で首相は、防衛省が新規募集の対象として求める18歳、22歳になる住民の住所、氏名といった個人情報を紙か電子媒体で提供している市区町村が、4割に満たないことを「悲しい実態」とし、「この状況を変えよう」と憲法改正の意義を訴えた。
 9条に自衛隊を明記すれば非協力を解決できると訴えるのは、論拠が短絡的で乱暴ではないか。
 確かに自衛隊法は、自治体が法定受託業務として自衛官募集に協力すると規定。同施行令は、防衛大臣は必要な資料の提出を求めることができるとしている。
 だが、首相の発言は正確さを欠くと言わざるを得ない。
 2017年度の全1741市区町村調査で名簿提供は36%にとどまるが、53%は住民基本台帳の閲覧を認めており、約9割の自治体からは情報を得られたからだ。
 個人情報保護法が施行され、個人情報の取り扱いには厳格さが求められる。閲覧による情報提供を認めた自治体の判断を尊重すべきだし、「協力拒否」とひとくくりにするのはおかしい。
 名簿未取得の10%の中には人口が少ないなど募集効果がないと判断して閲覧していない自治体もあり、協力拒否は5自治体だと岩屋毅防衛相が明かしている。
 安倍首相は、衆院予算委員会でも「膨大な情報を手書きで写している」と主張し、災害派遣を引き合いに「自衛隊は助けを求める自治体があれば駆け付け、献身的な働きを行っている。協力の現状は誠に残念」と述べた。
 困った時に助けてもらうのだから協力するのが当然、と言わんばかりの態度にも違和感がある。
 首相はこれまでも、自衛隊について「憲法学者の7割が違憲と言っている」「ある自衛官は息子から『お父さんは違憲なの』と尋ねられた」ことを挙げ「これに終止符を打つ」と繰り返してきた。
 自らの手で改憲を成し遂げようとなりふり構わず、次々に論拠を持ち出しているように見える。
 問題なのは、自民党が全ての所属国会議員に対し、自衛官募集の関連名簿提出を地元市町村に促すよう求める通達を出したことだ。
 安倍首相を後押しする狙いだろうが、自治体側は圧力と受け止めるだろう。政権党が無批判に追従するような姿勢は残念だ。
 憲法論議は、開かれた場で冷静になされる必要がある。不確かな論拠で前のめりな主張は危うい。


レオパレス不正 住まいの安全なおざり
 入居者の安全を軽視していたと非難されても仕方あるまい。
 賃貸アパート大手のレオパレス21が建てたおよそ1300棟の物件で、法令に違反する施工不良が見つかった。
 このうちほぼ半数が、特に危険な耐火性能不足の建物だというからあぜんとする。
 問題物件の多さから不正は常態化していたと言える。同社による原因究明だけでなく、国の厳正な調査も不可欠だ。
 転居を余儀なくされる入居者は多数に上るが、折しも異動の時期に重なっているため、引っ越しも容易ではなかろう。
 同社は、入居者が新しい住居に速やかに移れるよう最大限の努力をしなければならない。
 一連の問題を巡っては、天井の建築部材が設計図と異なり火災に弱い物件が600超判明したほか、壁の遮音性が国の基準を満たしていない例もあった。
 安全な住まいを提供する義務がある住宅関連企業として、到底許されない。
 レオパレスは施工不良について「建築現場での作業効率を上げるのが一番の目的だった」と釈明する一方、コスト削減のためではなかったと説明している。
 さらに、施工はあくまでも個々の現場の判断で行われ、「会社ぐるみ」ではないと強調する。
 しかし、問題物件が33都府県に広がっている状況を考えれば、こうした言い分を額面通りに受け取るわけにはいかない。
 業績拡大やコストの圧縮を優先するあまり、安全・安心を置き去りにする傾向はなかったか。
 内部調査だけでは不十分と言わざるを得ない。第三者機関の目を通して徹底的に解明し、再発防止策を講じるべきだ。
 レオパレスは土地の所有者から同社が建てたアパートを借り上げて、管理運営するサブリース事業を手がけている。
 所有者もまた被害者である。レオパレスは修繕や補償に全力を挙げる必要がある。
 施工不良を見抜けなかった行政や民間機関の責任も問われよう。
 建築確認の形骸化を指摘する専門家もおり、検査の課題の洗いだしも急務だ。
 サブリースを巡っては、シェアハウス「かぼちゃの馬車」を運営していた業者の経営破綻による賃料未払いなど、トラブルが相次いでいる。
 国は実態把握を急ぎ、有効な規制の方策を探るべきだろう。


新出生前診断の条件緩和 安易な実施拡大は禁物だ
 妊婦の血液を検査して胎児にダウン症候群などがあるかどうかを調べる「新型出生前診断(NIPT)」の実施が大幅に拡大されようとしている。日本産科婦人科学会がこれまで限定してきた実施施設の要件を緩和しようとしているからだ。
 手軽に受けられる検査だけに、十分なカウンセリングがなされなければ人工妊娠中絶をいたずらに増やしてしまうだろう。その体制が保証されているのか、懸念は残されている。関係学会からの批判もある。拡大には慎重であるべきだ。
 NIPTは妊婦の血液に含まれる胎児のDNAを解析し、ダウン症など3種類の染色体異常があるかどうかを調べる検査だ。高齢妊娠などを対象に日本では2013年から「臨床研究」として実施されてきた。結果が「陽性」と出ても、胎児に異常がない場合もあり、羊水を使った正確な診断が必要となる。
 臨床研究には、産婦人科医と小児科医が常勤する医療機関で、遺伝の専門外来を設けて実施するといった条件が課せられた。要件が緩和されるとカウンセリングの研修を受けた産婦人科医がいれば検査を実施できるようになる。
 気になるのは、これまでの5年半で6万人以上が検査を受け、「陽性」が確定した人の9割以上が人工妊娠中絶を選んだことだ。
 もちろんカップルの選択は尊重しなくてはならない。ただ、ダウン症などの赤ちゃんが生まれた場合の支援体制や、地域でどのように生活しているかなどについて十分に説明を受けたか。中絶を選んだ人と出産を選んだ人の違いはなにか、といった背景を徹底分析し、カウンセリングに生かす必要があるはずだ。
 出産の高齢化を背景に出生前診断の実施は急増している。施設要件が緩和されると開業医でも提供され、「誰もが受ける検査」と妊婦が思い込む心配がある。専門的カウンセリングを受けず、胎児に異常がなくても中絶するケースの増加も懸念される。ひいては、障害を持つ人を差別する風潮を助長する恐れがある。
 胎児の診断技術が進んでも障害を持つ人がいなくなるわけではない。誰もが障害を持つ可能性のあることを忘れず、障害者や家族を支える体制整備を進めることが大事だ。


あすへのとびら 水道をどう守る 手放さぬ道を考えよう
 水道事業の民営化に道を開く改定水道法が今年、施行される。
 使用量は減り、収益が悪化して水道管の更新は遅れ、担当職員の減少と高齢化も進む―。政府は、地方自治体が担う水道事業の現状を挙げ、法改定で経営基盤の強化を図るとした。
 これまでも国は、地方の財政難や行政効率の向上を理由に、公共事業の民間委託を推進してきた。人口減少社会への備えは必要なものの、十分な議論もないまま、暮らしに直結する水までもが市場原理にさらされ始めている。
 今回の改定で、多くの識者が懸念を示したのは「コンセッション方式」の導入だった。民間の資金と手法を活用して社会資本を整備する「PFI」の一方式で、経営責任と施設所有権は自治体に残し運営権を売却する。
 欧米の各都市で1980年代から、こうした方式が採用された。世界銀行が融資条件とし、途上国でも水道の民営化が加速した。
 ところが、株主配当や役員報酬が上乗せされて料金が数倍に高騰する、水質が悪化する、情報が非開示になる、といった問題が相次ぐ。途上国では貧困世帯への給水が止まり、川の水を使った住民の間で感染症がまん延するといった深刻な問題も起きている。
 オランダの非政府組織「トランスナショナル研究所」によると、2000〜16年に、少なくとも世界267都市が「再公営化」にかじを切っている。
 安倍晋三首相は「自治体が事業の最終責任を維持する。民営化ではない」と強弁する。まやかしではないか。現場が危ぶむのは、技術職員がさらに減り、企業の経営が適正かどうかを自治体が判断できなくなる点にある。
 改定法には、もう一つの選択肢として広域化が盛られている。総務省は1月、40〜50年先を見通した「水道広域化推進プラン」を22年度末までに作るよう都道府県に通知した。財政支援を拡充する方針を立てている。
<広域化にも懸念が>
 自治体間の連携ならば…と考えるのは早計のようだ。
 市町村議会が直接、議決できなくなり、住民の意思が反映されにくい状況で、民営化の流れも決まる恐れがある。自治労連公営企業評議会事務局長の近藤夏樹さんはそう指摘する。
 遠隔操作に用いるIT機器の導入と維持更新費、送配水にかかるエネルギー費用、塩素などの薬品代が増し、国の言うコスト削減は必ずしも見込めない。
 無論、一定の集約化は避けられない。近藤さんは、技術力を保持する事業体(人口の多い市など)に周辺の町村が職員を派遣して技術力を維持する「公公連携」。非営利の第三者機関を設け、職員OBらを採用して技術を伝える「公民連携」を提言する。
 「住民の関心事である災害時対応の強化にもなる。ただ、早く始めなければ間に合わない」と近藤さんは話す。地域の自然・社会条件に応じて、自治体が主体的に関わる広域化が要点だ。
 長野県は17年3月に「県水道ビジョン」を策定している。中山間地が多い地形では経営統合は難しい。現在、広域圏ごとの協議会が水質検査や維持管理の共同化を中心に、連携のあり方を話し合っている。コンセッション方式を検討する自治体はない。
 ただ、県内には水道担当職員が1人、2人という村もある。将来にわたって技能を維持できる仕組みを探らなければならない。
<住民参加を通じて>
 憲法で保障された健康で文化的な生活と水は切り離せない。採算性に目を奪われずに水を守るべき国が、逆方向を向いている。
 国は02年の水道法改定で民間委託の門戸を広げた。団塊世代の退職や平成の大合併と時期が重なったのに、水道職員の新規採用を控えるよう「助言」もした。
 水需要が頭打ちになることが分かっていながら、利水ダムを造り続け、水道事業者の経営悪化を助長してきた。今日の事態は国が招いたと言っていい。
 政府は1999年にPFI法を制定し、改定を重ねている。道路や空港、給食センター、運動施設、森林や種子の管理でも規制を緩め、幅広い公共領域に民間事業者が参入してきている。
 人口減少時代に自治体だけで公共サービスを担い切れない、との論法をうのみにはできない。一つ一つの事業で将来予測を示し、民営化や委託が適切なのかを見極める必要がある。税の使い道や受益者負担を含め、決めるのは住民自身でなければならない。
 欧州では地域交通や教育、医療、福祉など、さまざまな分野で再公営化が進む。人も費用も足りないのなら、市民の参画や大胆な組織改革を視野に、自治再構築の手だてを考えたい。


沖縄県民投票告示 全国民で国の在り方を考えたい
 沖縄を分断し続ける国策に民意の審判が下される。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設を巡る県民投票が告示された。辺野古移設への賛否について、「賛成」「反対」「どちらでもない」の三つから一つを選択する。24日に投開票される。
 県民投票の結果は国への法的な拘束力はないが、辺野古移設に絞って県民が直接民意を示すのは初めてであり、意義は大きい。県民は投票までの期間中、異なる意見を尊重しながら議論をじっくり深めてほしい。基地問題は日本全体の問題であり、国民は県民投票を見守るとともに当事者として国の在り方を考えなければならない。
 当初の県民投票は「賛成」か「反対」の2択だった。だが、政権と協調関係にある市長らが「多様な民意を推し量るのが難しい」として不参加を表明したため、「どちらでもない」を加えることで実施に至った。民意を明確化するという観点では後退したが、有権者の3割が投票できないという最悪の事態を回避しようとした苦渋の決断だ。
 条例では、最も多い得票だった選択肢が投票資格者の4分の1に達したときは、知事はその結果を尊重しなければならないと定めている。選択肢が一つ増え、移設反対を掲げる県にとっては4分の1というハードルが上がった格好だ。さらに「どちらでもない」の評価が難しく、投票後に混乱も懸念される。投票率や議論の中身も踏まえ、総合的に評価する必要がある。
 これまで県民投票を実施するための環境整備に時間や労力が費やされ、基地負担や安全保障上の必要性など本質的な論議が深まっていない。こうした状況で移設容認の立場の自民党は自主投票で静観し、議論の盛り上がりを避けようという構えを見せている。県民の意思を示す貴重な機会である。政府が主張する辺野古移設の妥当性や普天間の危険性除去などについて議論を尽くすよう求めたい。
 県民投票に合わせて、辺野古移設工事を加速させた政府の姿勢は看過できない。昨年12月に埋め立てのための土砂投入を開始し、今年1月には新たな護岸造成に着手した。既成事実を積み重ね、反対派の無力感を誘う狙いが透けて見える。
 埋め立て予定海域では海底に軟弱地盤が確認されており、政府は今春にも設計変更の作業に着手する方針だ。県の試算では費用が跳ね上がり、工期も大幅に延びるとみられるが、政府は費用や工期を具体的に示していない。県民の投票行動にも関わる問題であり、政府は説明責任を果たすべきだ。
 政府は県民投票の結果にかかわらず辺野古移設を進める方針を表明している。苦悩の末に県民投票にこぎ着けた沖縄県民の思いを踏みにじる態度と言わざるを得ない。事態が混迷した責任は政府にあり、民意に向き合うのは最低限の責務であると肝に銘じなければならない。


【速報】県民投票で情勢調査 「政府は結果を尊重すべき」86.3% 「反対に投票」は67.6%
 24日に投開票される沖縄県名護市辺野古の新基地建設に必要な埋め立ての賛否を問う県民投票について、沖縄タイムスと共同通信、琉球新報は16、17日の2日間、合同の電話世論調査を実施した。県民投票に「行った」「必ず行く」「たぶん行く」と答えた人のうち、政府が進める米軍普天間飛行場の辺野古移設に「反対」と答えたのは67・6%を占めた。「賛成」は15・8%、「どちらでもない」は13・1%だった。
 政府は投票結果を「尊重するべきだ」は86・3%に上り、「尊重する必要はない」は8・8%にとどまった。


安倍政権が北朝鮮から伝えられた田中実さんら拉致被害者の生存情報を隠していた! これこそ拉致問題の政治利用だ
 なぜ、安倍政権は国民に隠しているのか——。拉致被害者の田中実さんが平壌で結婚し妻子とともに生活していることを、2014年以降、北朝鮮側が日本側に複数回にわたって伝えていたと、15日に共同通信が報じたのだ。
 田中さんは1978年、神戸市のラーメン店に勤めていたところ、店主の男から海外旅行に誘われ、成田からウィーンに出国し消息を絶ったとされる(当時28歳)。政府は2005年、田中さんを拉致被害者に追加認定していた。また、共同通信によれば、田中さんと同じラーメン店の元店員で1979年に行方が分からなくなっていた金田龍光さん(当時26歳、政府は「拉致の可能性を排除できない」としている)についても、北朝鮮側が日本側に「妻子がいる」と伝達していたという。
 共同通信は日本政府関係者の話として報じているが、北朝鮮が田中さん、金田さんの状況について日本側に伝達したという「2014年」以降といえば、あのストックホルム合意のタイミングだ。
 2014年5月、北朝鮮は日本政府との協議のなかで、拉致問題に関する特別調査委員会の設置及び調査を約束、その見返りに日本政府は独自制裁の一部解除を行うとした。しかし、2016年2月に北朝鮮が核・ミサイル実験を行うと安倍首相は再度独自制裁に出るなど、圧力路線を強めた。これを受け、北朝鮮側は調査の全面中止を宣言。この間、拉致問題については「ゼロ回答」とされてきた。
 しかし、今回の共同通信の報道が事実ならば、日本政府は少なくとも田中さんと金田さんの北朝鮮での状況を、北朝鮮側から伝えられながら、このことを国民に知らせなかったことになる。なぜ、安倍政権は2人のことを隠しているのか。
 周知の通り、安倍首相は拉致問題を最大に政治利用して総理大臣まで上り詰めた政治家だ。しかし、実際には第二次政権発足以降も拉致問題に進展はなく、拉致被害者家族や支援者の一部でも不満がくすぶるさなか、2014年のストックホルム合意はまさに“やってる感”の演出だった。ところが今度は、それが「軟弱な対北対話路線」だとして支持層である極右界隈から突き上げをくらう羽目となっていた。全国紙政治部記者が言葉をついでこう分析する。
「そこで、安倍首相は世論を『ゼロ回答の北朝鮮が悪い』というふうに誘導しながら、再び圧力路線をとったわけですが、そんな政治的思惑のなか、北朝鮮が被害者の情報を出してきたということを公式に認めてしまえば、『ゼロ回答の北朝鮮』という攻撃材料が崩れてしまう。しかも、北朝鮮側は『田中さんが帰国するかどうかは本人の考え次第だが、家族との生活のため現地に残る意向』と言う。強引に連れ戻しをはかっても、本人たちが北朝鮮を擁護すれば、安倍首相にとっての政治的価値はなくなります。ようするに、安倍政権が北朝鮮との対決姿勢を維持するために、2人の情報は“不都合な真実”として秘密裏にされたんでしょう
 いずれにしても、安倍政権が田中さん、金田さんの情報を北朝鮮側から得ていたことをまったく国民に伏せ続けているのは、拉致被害者たちを“政治利用のコマ”としか見ていないからではないのか。事実、安倍首相は国会で繰り返し追及されてもひたすらはぐらかしているのだ。
田中実さん、金田竜光さんの存在は何度も報じられていたのに、回答拒否
 そもそも、ふたりの北朝鮮生存情報については、共同通信が昨年3月以降なんども報じ続けてきた。18年3月16日には“ストックホルム合意の前である2014年5月に、北朝鮮側が田中さんについて「入国していた」と日本政府に伝えていた”と報道。同3月25日には、金田さんの入国についても伝えられていたと続報をうった。同7月21日には、米朝首脳会談開催前後に田中さん、金田さんの二人以外に「新たな入国者はいない」と北朝鮮側から伝えられていたことが判明と報じた。なお、同10月19日には、その月の上旬に安倍首相の片腕である北村滋・内閣情報官が北朝鮮側と接触した際、〈田中さんを含む拉致被害者の安否確認方法を協議した可能性がある〉と報じている。
 日本政府は17名を拉致被害者と認定しているのに対し、北朝鮮の従来の主張は、2002年に帰国した蓮池薫さんら5名以外は「8人死亡、4人は入国していない」というものだったはず。北朝鮮が10年以上も「入国」すら認めてこなかったことを踏まえれば画期的な話だろう。にもかかわらず安倍首相らは、報道を受けて国会でも度々追及があったものの、「ゼロ回答」に終始。田中さん、金田さんの情報はおろか、北朝鮮側から二人について伝達があったことさえも隠してきた。
 たとえば、昨年3月28日の衆院予算員会では、立憲民主党の有田芳生議員が「北朝鮮は2014年に、田中さんは生存していると、そういう報告をしてきたと報道されていますが、事実ですか」と質したが、安倍首相は「今後の対応に支障を来すこれはおそれがある」などと言って「この報道についての逐一のコメントについては、お答えは差し控えさせていただきたい
「どのような対応をしているかどうかということについても、お答えは差し控えさせていただきたい」と繰り返し拒否。
 ほかにも同年3月20日の衆院安全保障委員会での河野太郎外相、4月2日の衆院拉致問題等に関する委員会及び6月4日の参院同委での加藤勝信・拉致問題担当相、11月7日さん予算委員会での安倍首相の答弁でも、同じように完全なノーコメントを貫いている。
蓮池透氏に「政治利用している」と言われ逆ギレした安倍首相だったが…
 ようするに、これだけ何度も“北朝鮮側が日本政府に被害者の情報を伝えていた”と報じられ、国会で問いただされても頑として認めようとしないのだ。「今後の交渉に支障をきたすおそれ」などと言っているが、田中さんたちに関する情報がもはや“公然の秘密”となり、被害者家族らから「政府は情報をフルオープンにしてほしい」という声が出てきてもなお、安倍首相が公式発表をしないのは、どう考えてもおかしいだろう。
 しかも、安倍首相はほかにも、北朝鮮側の非公式な拉致被害者解放を拒否していたという情報もある。
「実はストックホルム合意の少し前にも、北朝鮮側から1、2名の拉致被害者の解放を秘密裏に打診されたにもかかわらず、安倍政権が拒否したという情報が流れたことがありました。もしこれが事実なら、やはり“その程度で妥協するのか”という国内右派の反応を恐れてのことでしょう」(全国紙社会部記者)
 以前、安倍首相は蓮池透氏から著書で「拉致問題を政治利用している」と批判されていることについて国会で問われ、逆ギレ。「バッジをかける」などと猛然と否定したが、今回の対応を見ても、もはや安倍首相が拉致問題を政治利用しているのは間違いないだろう。


小泉元首相が熱弁「なぜ政府は立ち上がらぬ」
 小泉純一郎・元首相が16日、松江市の県民会館で講演を行った。脱原発の持論を展開し、約2100人が聞き入った。
 島根原発・エネルギー問題県民連絡会などでつくる実行委員会が主催。会場の大ホールに入りきらず、別室のモニターで講演を聞く来場者もいた。
 講演で、小泉元首相は「日本の原発は安全だと言われていたが、東日本大震災(による原発事故)でおかしいと思い、原発の本を読み始めた」と現在の持論に至った経緯を説明。「原発ゼロで、自然エネルギーへの転換ができる時代にきている。与野党が協力できる素地があるのに、なぜ政府は(脱原発に)立ち上がらないのか」と訴えた。
 福島第一原発事故後、国の方針で脱原発を掲げ、自然エネルギーで3割超の電力を供給するドイツを例に挙げ、「日本は太陽光や風力などに恵まれている。(日本の電源構成で原発が占めていた)30%(を自然エネルギーに変えること)なんて10年足らずで実現できる」と主張した。


NHK組織大改変で“反権力”職員72名が提出した反論意見書
「安倍一強」と言われる政治状況は、権力とメディアの関係性もがらりと変えた。露骨な圧力など加えずとも、メディアの側が権力にすり寄る構図が鮮明になっている。NHKの「組織大改編」をめぐる騒動は、その一面を露わにした。
◆部の全員が声を上げた
 ここに「要望書」と題した一通の書面がある。差出人は、NHKの文化・福祉番組部職員一同。宛先は同局の制作局局長だ。要望書にはこうある。
〈今回の組織改正案について、文化・福祉番組部では1月31日・2月4日に、〇〇(注・原文では本名)部長より説明会が開かれました。(中略)福祉と文化が切り離されることについて驚きと強い懸念を抱いています〉
〈現在部員の全員(管理職を含む)が、現状の説明では納得がいっていないと考えています〉
〈NHKの番組全体の多様性が失われることを懸念する〉
 要望書の中で、局長に対し、〈意見交換の場を求める〉とした部員は72名。海外留学中の部員を除く全員である。NHK局員が語る。
「現在、NHKでは番組制作体制の大幅な見直しを進めています。すでに上層部は組織改編案を作成しており、今年6月から新体制をスタートする方針です」
 NHK(EテレやBSを含む)の自局番組制作は、政治部や社会部、経済部などニュース系番組を担当する「報道局」と、ドラマやバラエティ、情報番組を担当する「制作局」の2局によって行なわれている。今回、“改革の本丸”となったのが後者の制作局だった。
 改編案には、制作局の8部署(青少年・教育番組部、文化・福祉番組部、経済・社会情報番組部、生活・食料番組部、科学・環境番組部、ドラマ番組部、エンターテインメント番組部、音楽・伝統芸能番組部)を全て廃止し、新たに6つの「制作ユニット」に再編するとの計画が示されている(図参照)。
「『従来の組織は縦割りで、専門性は身につくものの、幅広い制作スキルが育たず、局員の柔軟な運用もできない』という説明です。各ユニットには部長に相当するジャンル長がいて、人事発令がなくても、それぞれのジャンル長の判断でユニットをまたいだ異動ができるようになる」(NHK制作局の局員)
 縦割り体制の見直しを目的とした組織改編という理由はもっともに聞こえるが、今回の改編には、それとは“別の意図”が見え隠れするという。
「改編と言っても、旧来のほとんどの部署は横滑りで新ユニットに移行する。例えば、『青少年・教育番組部』は第1ユニットの『教育・次世代』に、『エンターテインメント番組部』と『音楽・伝統芸能番組部』は第5ユニットの『音楽・芸能』に改編されるので、業務内容はこれまでと大きく変わらない。
 しかし、『文化・福祉番組部』だけは複数ユニットに分割されることが提案されており、事実上の“解体”です。それについては明確な説明がなく、文化福祉の職員から不満の声が上がり、反論の意見書を出すことになった。70名以上の部員全員が声を上げるのは異例のこと。この改編は文化福祉の解体を狙い撃ちにしたものだったのではないか、との疑いが部員たちの中にあるのです」(文化・福祉番組部に在籍経験のある局員)
 リストラ部署の恨み節にも聞こえるが、文化・福祉番組部の置かれた状況を知ると、背景には複雑な構図が浮かび上がる。
◆加速する「安倍シフト」
 文化・福祉番組部の主な制作番組には様々な社会問題を取り上げるドキュメンタリー番組『ETV特集』や、LGBTや障害者の悩みなどマイノリティに寄り添う『ハートネットTV』などがある。そうしたテーマを扱う中で、時に「反権力」を強く打ち出すことも厭わない──というのが局内での評価だ。
「『ETV特集』では、憲法九条や日本の戦争責任、女性の権利などを重点的に取り上げています。政権のスタンスと真逆の番組も多く、局内有数の“反権力部署”とも呼ばれます」(同前)
 2011年3月の東日本大震災後は、福島第一原発事故による放射能汚染の実態や、反原発報道に力を入れ、同年9月に放送したETV特集『シリーズ原発事故への道程』は2012年の科学ジャーナリスト大賞を受賞した。
 文化・福祉番組部が“反権力”の姿勢を見せる一方で、2012年12月に第二次安倍政権が誕生すると、局としてのNHKは「政権寄り」に傾斜していった。
 安倍首相の就任1年目となる2013年10月には、小学校時代の安倍首相の家庭教師を務めたJT顧問の本田勝彦氏をはじめ、小説家の百田尚樹氏、海陽中等教育学校長の中島尚正氏ら“安倍シンパ”がNHKの経営委員に次々と就任。翌年1月には、籾井勝人氏がNHK会長に就き、「政府が『右』と言っているのに我々が『左』と言うわけにはいかない」発言が物議を醸した。
「第二次安倍政権の誕生以降、NHKでは政権に近い政治部出身者の声が大きくなり、2017年4月に政治部長経験者の小池英夫氏が報道局長に就任して『安倍シフト』に拍車がかかった。昨年4月には“安倍番”を長く務めた政治部の岩田明子記者がNHK会長賞を受賞するなど、官邸との距離の近さが際立つようになっている」(NHK社会部記者)
 昨年の森友問題を巡っても、当時NHK大阪報道部記者だった相澤冬樹氏が、政権を揺るがす特ダネに上層部から様々な圧力が加えられた経緯を『安倍官邸vs.NHK』(文藝春秋)で明かしたばかりだ。相澤氏が語る。
「安倍政権が長期政権となって官邸の力が巨大化したこともあり、局として政権の意向をうかがう姿勢は強まる一方だと感じていました。私のことだけでなく、迎合する姿勢を見せなかった国谷裕子キャスターや大越健介キャスターの番組降板も、そうした流れのなかにあったのではないか」
 そうした中で、変わらぬ姿勢を貫く文化・福祉番組部は“浮いた”存在になっていったようだ。
「政権を刺激する番組を作り続ける文化福祉は、局の上層部にとっては煙たく映ったのかもしれない。改編案に文化福祉が憤るのも無理はなく、他部署の人間からも“これはさすがにおかしい”と、文化福祉を援護する声が上がっています。
 正直、文化福祉の作る番組は“地味”なものも多く、数字は取れない。局内にも批判的な人はいます。しかし、公共放送の存在意義は、視聴率には表われない少数派に寄り添う社会的弱者に寄り添う番組を作ることにもあると思う。視聴率至上主義なら『ETV特集』のような番組はなくなってしまう」(前出・制作局局員)
◆18年越しの“対立関係”
 今回の改編に政権への配慮があるのかどうかはともかく、安倍首相にかねてから「NHK改革」の強い思いがあったことは知られている。前述した経営委員の“お友達”人事はその姿勢の表われと見られてきたが、こと文化・福祉番組部は、安倍首相にとって長きにわたる“因縁の相手”だった。
 発端は、2001年1月30日に放送されたドキュメンタリー番組『ETV2001 問われる戦時性暴力』だ。
 番組は慰安婦問題を扱う女性国際戦犯法廷を取り上げたが、放送から4年が経った2005年1月、朝日新聞が、「政権介入でNHK『慰安婦』番組改変」と一面で報道。当時自民党幹事長代理だった安倍首相が、故・中川昭一経産相とともに、放送前日にNHK幹部と面会。「一方的な放送ではなく、公正で客観的な番組にするように」と、番組内容の変更を求めたと報じた。
 当時、この番組を制作したのが、他ならぬ文化・福祉番組部だった。
 報道直後に同部のチーフプロデューサーだった長井暁氏が記者会見し、安倍首相と中川氏を名指しして、「政治的圧力で番組の企画意図が大きく損なわれた」と涙ながらに告発。安倍首相は、朝日新聞と長井氏に対して「悪意のあるねつ造だ」と抗議し、謝罪を要求する騒動になった。因縁は続く。
 2009年4月にNHKスペシャルで放送された『シリーズJAPANデビュー アジアの一等国』では、日本の台湾統治を検証したが、台湾先住民の暮らしぶりを日英博覧会で「人間動物園」として紹介した、といった内容に、保守派論客から「事実を歪曲している」と批判が広がった。その急先鋒に立ったのが安倍首相で、月刊誌『WiLL』(2009年8月号)ではこう断じた。
〈NHK職員は公共放送の責任をよく自覚する必要がある。自分の主義や主張、イズムを放送を使って拡大させようとするのは間違っている〉
 この番組にも文化・福祉番組部のディレクターらが関わっていた。
「当時の番組スタッフは今も多くが残っている」(別のNHK局員)
 NHKは、安倍首相との間に残った“最後のしこり”を取り除こうとしているのだろうか。今回の組織改編案についてNHKに質問すると、こう回答した。
「限られた経営資源で最高水準の放送・サービスを継続的に実施していくための最善の業務体制を検討しています。ご指摘のような(政権への配慮の)意図は一切ありません。報道機関として、自主自立、不偏不党の立場を守り、公平・公正を貫く姿勢を引き続き堅持していきます」(広報局)
 かつてNHKでは、田中角栄元首相の側近として知られた島桂次氏、竹下派をバックにした海老沢勝二氏など、歴代会長が時の政権とのパイプによって局内の権力を握ってきた歴史がある。一方、そうした中で政治闘争に巻き込まれ、実力者が失脚する事態も起きた。メディアと権力の関係に詳しい立教大学名誉教授の服部孝章氏が語る。
「かつての番組改変問題にしても、政治家の介入の有無よりむしろ、それに配慮して内容を現場に無断で上層部が変えてしまったことこそが、報道の在り方として問題でした。今回の組織改編は、政権に批判的な番組制作自体に縛りをかける方向に動いているようにも見える。本来、NHKは国民の受信料によって成り立つ国民のためのメディアですが、NHKは政府のための広報メディアに変わろうとしている」
 本誌がNHKに取材を申し入れた2月14日には、上層部から文化・福祉番組部の部員たちに対し、組織改編の説明会が行なわれ、今後も双方の話し合いが続く見込みだという。
 公共放送の在り方が、今まさに問われている。


河北抄
 競泳の池江璃花子選手が白血病を公表し、骨髄バンクへの問い合わせが急に増えているという。骨髄移植は白血病などの有効な治療法の一つ。白血球の型の適合が条件だが、一致する確率は小さい。
 バンクにドナー登録ができるのは18〜54歳。登録者は現在約49万人。40代が多く、新規登録者の確保が課題となっている。昨年12月には年齢超過で登録が取り消された人が新規登録を上回った。
 俳優の木下ほうかさん(55)は「僕が卒業しても」という骨髄バンクの支援CMに出演、若い世代の登録を呼び掛けている。以前、骨髄を提供した木下さんは心配する事務所を「ドナーになることは『僕にしかできない役』で、代わりはいない」と説き伏せたそうだ。
 移植後に患者の家族から届いた手紙には「骨髄が運ばれてきたときは思わず手を合わせ、涙が止まりませんでした」とつづられていたという。
 移植を待つ患者に適合者を見つけるには多くの提供希望者が必要だ。祈るように、他の誰でもないあなたの登録を待っている人がいるかもしれない。


デスク日誌 あしたのジョー
 改憲論議の問題点をさまざまな人に語ってもらう「問う論じる」の第4弾を3〜6日に展開した。初回は漫画家のちばてつやさん(80)。インタビューを熱望した記者の申し込みを快く受けていただいた。
 「憲法は権力者が勝手な行動をしないためにある」と指摘。7歳で旧満州(中国東北部)から引き揚げた経験を交え「人間は簡単に死ぬと戦争で刷り込まれた」と振り返った。
 強く印象に残ったのは表現の萎縮に警鐘を鳴らす「怪しげなダークの部分にドラマがある」という言葉。「あしたのジョー」に触れ「熾烈(しれつ)な闘いをし、時には残酷な目に遭っても立ち上がる人間を描こうとした」
 歯切れ良い論に感心させられながらも、頭の中は矢吹丈と力石徹の果てしなき死闘の名場面が次々と。カーロス・リベラ、金竜飛、ホセ・メンドーサとの激闘も涙なしでは見られない。「♪サンドバッグに浮かんで消える。憎いあんちくしょうの顔めがけ」。寺山修司作詞の主題歌が響く。
 原稿の最初の読者は自分。熟読しながらジョーが真っ白に燃え尽きるまでのドラマを思い起こした。至福のひとときだった。(東京支社編集部長 吉岡政道)

最後の一滴まで/車いす?/自転車でクタクタ/ppt準備

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果報は寝て待て190131

La Corée du Nord admet détenir deux Japonais
Le régime de Pyongyang a indiqué à Tokyo que deux résidents nippons enlevés dans les années 70 étaient bien vivants. Ce rebondissement intervient au moment où les deux pays sont en discussion au sujet de leurs relations et d'une rencontre entre Shinzo Abe et Kim Jong-un.
La Corée du Nord admet détenir deux Japonais
L’aveu sur une sombre histoire de la guerre froide préfigure-t-il un réchauffement des relations entre le Japon et la Corée du Nord ? Pyongyang a confirmé à Tokyo que Minoru Tanaka, un résident de la préfecture de Hyogo (ouest du Japon), qui avait disparu il y a plus de quarante ans, habite à Pyongyang avec sa femme et ses enfants, selon l’agence Kyodo qui obtenu l’information via des sources gouvernementales nippones.
Tanaka avait disparu en juin 1978 après avoir quitté l’aéroport de Narita pour Vienne. Le jeune homme de 28 ans travaillait alors dans un restaurant de ramen dont le propriétaire aurait été un agent de la Corée du Nord. Tanaka aurait été enlevé alors qu’il se trouvait en Europe.
L’année suivante, un autre homme, Tatsumitsu Kaneda, disparaissait du Japon après avoir confié à ses proches qu’il allait rencontrer Tanaka à Tokyo. Cet homme de 26 ans, lui aussi employé de la boutique de ramen, avait reçu quelque temps plus tôt une lettre de Tanaka l’invitant à le retrouver en Autriche. Aujourd’hui, Tatsumitsu Kaneda est, lui aussi, vivant. Il réside en Corée du Nord où il s’est marié et a eu des enfants. Selon les autorités japonaises, les deux hommes ne souhaitent pas revenir au Japon.
Megumi, enlevée à l’âge de 13 ans
Le sort de ces deux hommes, dont Pyongyang avait révélé quelques éléments en juillet, est un nouveau développement dans une longue histoire héritée de la guerre froide : les enlèvements par la Corée du Nord de citoyens japonais dans les années 70 et 80. Cette question est passée au premier rang des contentieux bilatéraux entre Pyongyang et Tokyo. Elle perturbe les discussions sur la dénucléarisation de la région, paralyse la normalisation des relations entre les deux pays et révèle les errements de la diplomatie japonaise et les mensonges de la dynastie des Kim.
Un cas emblématique et douloureux permet de comprendre combien cette affaire est une cause nationale dans l’archipel : celui de Megumi Yokota, enlevée le 15 novembre 1977 à l’âge de 13 ans. Depuis cette date, ses parents, que Libération avait rencontrés en 2009, n’ont pas cessé de se battre pour obtenir des informations sur leur fille.
Longtemps, Tokyo n’a pas voulu reconnaître ces kidnappings. La presse sud-coréenne et japonaise a bien révélé des cas de disparitions curieuses dans les années 90. Tout change le 17 septembre 2002. Lors de la première rencontre au sommet Japon-Corée du Nord, le ≪cher leader≫ Kim Jong-il (père de Kim Jong-un) reconnaît ce que son pays avait toujours nié : l’enlèvement de citoyens japonais. Il présente ses excuses, indique que cinq d’entre eux sont encore en vie (ils rentreront dans les mois qui suivent), huit sont décédés (les preuves ne seront jamais crédibles ou vérifiables), mais refuse de reconnaître le kidnapping de quatre autres personnes, assurant qu’elles ne sont jamais entrées sur le territoire nord-coréen. Parmi ces dernières, figurait pourtant Minoru Tanaka.
Les autorités japonaises ont longtemps dit qu’elles reconnaissaient l’enlèvement de 17 personnes seulement. Pourtant des associations de victimes et de proches de disparus (Comjan et Narkn) n’ont cessé d’alerter sur la forte probabilité que d’autres japonais aient été kidnappés durant ces années. La confirmation que Tatsumitsu Kaneda – qui ne figurait pas sur la liste officielle – a bien été enlevé devrait donner du poids à leur revendication.
Rencontre Abe-Kim

Après des années de brouille et de menaces à peine voilées, Tokyo et Pyongyang s’étaient accordés en 2014 pour rouvrir des enquêtes. Quelques mois plus tôt, la police nationale avait mis en ligne un premier fichier de 169 noms de personnes disparues au sujet desquels il y avait des présomptions d’enlèvement.
Depuis le réchauffement diplomatique entre les Etats-Unis et la Corée du Nord, le Japon insiste pour dire que la question des disparus doit être sur la table des négociations. Le Premier ministre, Shinzo Abe, qui depuis douze ans arbore un petit drapeau sur le revers de son costume en hommage aux disparus japonais, a maintes fois demandé au président sud-coréen, Moon Jae-in, et au président américain, Donald Trump, de faire valoir cette cause lors de leurs échanges avec Kim Jong-un.
En 2014, Abe s’était dit prêt à aller lui-même en Corée du Nord pour ≪obtenir des résultats≫. Avant de suggérer à Kim Jong-un de résoudre cette question, puisque le jeune leader nord-coréen n’était pas impliqué dans ces enlèvements survenus à l’époque de son père et de son grand-père. Récemment, il a exprimé le souhait de rencontrer en personne Kim Jong-un et s’est dit prêt à envisager des relations diplomatiques avec Pyongyang.
En coulisses, les deux pays ont multiplié les rencontres officieuses en Europe du Nord, en Mongolie et récemment à Tokyo. Des émissaires de Shinzo Abe ont noué des contacts avec des représentants de Kim Jong-un au sujet des disparus et des relations entre les deux pays. Fin décembre, Shigeru Kitamura, chef du cabinet du renseignement et des recherches auprès d’Abe, s’est entretenu avec Nam Seung-woo, le vice-président de l’association qui représente les intérêts des Coréens du Nord au Japon, la Chongryon. Des signes semblant indiquer que ces ennemis de longue date sont prêts à faire des petits pas l’un vers l’autre.
Arnaud Vaulerin
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フランス語の勉強?
そんい・じゅごん(チョゴリ屋さん) @song_luu
高校生のころに日本の公立高校に通う子達と付き合いがあった。彼らが当たり前に大学受験の話をするとき、わたしは彼らと同じように勉強していたのに、朝鮮高校生というだけで大学受験の資格が得られず、彼らとの間に壁を感じ、でもその壁がなぜそこにあるのかが分からず、苦しかった。
朝鮮高校生にも国公立大学受験資格を!という署名活動のために街頭に立ったのは1997年の夏。 名古屋駅の太閤通口で、チマチョゴリを着て署名活動をして、目も合わさずに逃げていく人たちを見送り、時には暴言を受け、それでもわたしの・後輩たちの将来のためだと思いながら、道行く人たちに頭を下げた
いまも、高校無償化を求めてティッシュ配りをする朝鮮高校生たちが居る。署名を集める朝鮮高校生たちが居る。彼ら、彼女らは20年前のわたしだ。

阿部公彦 @jumping5555
先日、受験産業の人から貴重なデータを。スピーキングに力を入れる某中高一貫校、たしかにSのスコアは高めだけど、リーディング力が非常に低くなった。この方の分析では「単なる時間配分の問題ではない。表層的な反応英語ばかりだと、きちんと読む習慣が失われる。将来的に大学や仕事で困る」と。
Dr.ナイフ @knife9000
拉致被害者の田中実さん生存情報が、4年前に北朝鮮から日本政府へ通知があったにも関わらず政府は無視、隠蔽していた件。2018年11月に立憲民主党の有田議員が追求していますが、安倍総理はしどろもどろで終始誤魔化してます。安倍総理が嘘、隠蔽する時の演技は分かりやすいですね。
有田芳生 @aritayoshifu
政府認定拉致被害者の田中実さんが生きているとの情報を外務省幹部から報告された安倍首相は喜んだという。ひとりの生存でも拉致問題の前進だからだ。だが家族がいる田中さんに帰国の意思はない。しかも「拉致されたのではない」と語る可能性が高いのだ。政府が田中さんたちに接触を拒む理由である。
一水会 @issuikai_jp
以前、本ツイッターで東洋大学生が、同大の教授に就任した竹中平蔵氏に抗議する横断幕を掲げたところ、学校当局から「退学処分」を受ける事態に発展しと報告。だが、続々と学生に呼応する動き強く、来る2月22日(金)17時半〜19時半 同大白山キャンパス正門前で「反竹中平蔵抗議」が開かれる。
連続テレビ小説 まんぷく(115)「できたぞ!福子!」
過労で倒れた福ちゃんの穴を埋めるべく、神部さんが名乗りを上げ、鈴さんは住み込みで量産を手伝うことに。そしていよいよ発売日を迎えますが…
過労で倒れた福ちゃんはしばらく「まんぷくラーメン」の製造を休むことになりました。この緊急事態に、タカちゃんの許しを得た神部さんが名乗りを上げます。文句を言いながら鈴さんも再び、立花家に引っ越して、住み込みで手伝うことに。世良さんが確保した売り出す舞台は大阪老舗の大急百貨店の一角。どうにか福ちゃんの体調も戻り、目標の量産を終え、いよいよ発売です! 福子:安藤サクラ/萬平:長谷川博己/鈴:松坂慶子 安藤サクラ,長谷川博己,松下奈緒,要潤,大谷亮平,桐谷健太,瀬戸康史,岸井ゆきの,松井玲奈,中尾明慶,深川麻衣,松坂慶子, 芦田愛菜 福田靖

チコちゃんに叱られる!「なぜ2月は28日までしかないの?ほか」
そういえば…という疑問が次々と。高橋一生さんが初登場。島崎和歌子さんとやっぱりチコちゃんに叱られてしまいます。2月28日には、奥深い秘密が隠されています。
顔は覚えているのに名前が出てこないこと、ありません?「あの人だれだっけ?」の謎に挑みます。「失恋と胸が苦しくなるの関係」では、人体の神秘が明らかに。他にも「東京の地下鉄の謎に迫る」など、いつものように盛りだくさん。職場や学校でぜひ話題にしてください。キョエちゃんコーナーには、ちょっと驚いてくすっと笑えるお悩みが寄せられます。家族みんなで楽しめること間違いなし、ぜひご覧ください。 岡村隆史, 高橋一生,島崎和歌子, 塚原愛, 木村祐一, 森田美由紀

水道法改正後の未来が見える?! ドキュメンタリー映画『最後の一滴まで』上映会&トーク
これまで日本では、水道の運営は全て自治体が担ってきました。しかし秋の国会で「水道民営化」を進めやすくするための改正水道法が成立し、今後、私たちの水道は各自治体の判断に委ねられることになります。これまで世界中で水道民営化された国では、何が起こり、どうなったでしょうか。また今まさに、民営化が推し進められる国では何が起ころうとしているのでしょうか。このドキュメンタリー映画『最後の一滴まで』で、見ることができます。映画の上映だけでなく、日本語版の企画・制作統括である内田聖子さんをお迎えしての解説トークも。この機会にぜひ一度ご覧になってみませんか。
ゲスト:内田聖子さん 特定非営利活動法人アジア太平洋資料センター(通称PARC:パルク)共同代表
慶應義塾大学文学部卒業。出版社勤務などを経て同センター事務局スタッフとなる。TPPをはじめとする自由貿易・投資協定のウォッチと調査、政府や国際機関への提言活動、市民キャンペーンなどを行う。「ISDSを貿易協定から除外するための国際キャンペーン」にも参画。
どんな映画なの?  「最後の一滴まで」ヨーロッパの隠された水戦争
2000年以降、世界の多くの国・地域で「水道事業の再公営化」が進んでいます。
水道民営化の歴史が長いフランスでも、パリ市をはじめ約100の自治体が水道事業を公共の手に取り戻しました。
『最後の一滴まで』は、これらヨーロッパの水道再公営化と民営化の実態を描いた作品です。
フランス、ドイツ、ギリシャ、ポルトガル、イタリア、アイルランドの6か国・13都市を綿密に取材し、各都市の自治体議員や市長、研究者、水道労働者、NGOの他、多国籍水企業や民営化推進論者、政治家など多様な登場人物が発言。
水道法改正後のあり方が問われる、日本の私たちにとって示唆に富んだ内容の映画です。
参加費:500円(先着200名 要申込)
申込み方法:専用のメールフォームよりお願いします。
https://www.kokuchpro.com/event/a99a81938afe97889af63050b0d63e73/
※当日、申込完了メールを画面表示 又は印刷して、会場受付にご提示ください。
主催 :大阪の水道を考える市民の会
構成団体:NPO法人AMネット、大阪を知り・考える市民の会、近畿水問題合同研究会、NPO法人 水政策研究所、しみんマニフェスト大阪UP 
協力:市民社会フォーラム、G20大阪市民サミット実行委員会
https://www.facebook.com/events/445780302625176/

ファッション通信「2019春夏パリ・オートクチュールコレクション・パート1」
パリに春の到来を告げた「2019春夏パリ・オートクチュールコレクション・パート1」グランパレに地中海のヴィラが出現、花のようなドレスが舞った「シャネル」から「ヴィクター アンド ロルフ」「イリス ヴァン ヘルペン」「ゴルチエ パリ」まで、クチュールの明日を標榜するブランドが百花繚乱。日仏友好160周年を祝う“ジャポニスム”の一大展覧会も加え、世界の芸術がパリに集結する!
<紹介内容>ゴルチエ パリ、ヴィクターアンド ロルフ、イリス ヴァン ヘルペン、ユイマ ナカザト、アイリス クチュール、アクネ ストゥディオズ、ブシュロン エキシビション ’Japon - Japonismes1867-2018 ジャポニスムの150年展’ 映画「女王陛下のお気に入り」他
ファッション通信は、1985年11月の放映開始以来、世界でも類をみないファッション専門の長寿番組として、ファッションシーンの最前線を伝え続けています。パリ、ミラノ、ニューヨーク、ロンドンなど世界中のコレクション現場を取材。年間400本以上に及ぶファッションショーのレポートから、注目のクリエイターやモデル、ショップ、パーティーまで多岐にわたる内容は、現在も多くのファッショニスタの支持を集めています。 公式Facebook www.facebook.com/fashiontsushin 公式Twitter @Fashion_Tsushin 公式Instagram @fashion_tsushin/

町山智浩のアメリカの今を知るTV In Association With CNN
「CNN特集・アメリカ民主主義の危機 投票権を巡る戦い」投票権が制限されるなど民主主義の根幹をゆるがす問題をCNNが独自調査。アメリカの深刻な状況を町山が解説!
トランプ大統領が誕生した大統領選挙から一部の国民が投票権をはく奪され、アメリカで問題となっている。不正投票を防ぐ名目で作られた「有権者ID法」や「ゲリマンダリング」と言われる選挙区の意図的な区割りなど、事実上の選挙妨害が行われている。国民に等しく与えられるはずの投票権が制限されるなど、民主主義の根幹をゆるがす問題をCNNが独自調査。アメリカ選挙制度の深刻な問題点を町山が解説! 町山智浩(映画評論家、コラムニスト)、藤谷文子(女優、ロサンゼルス在住)(他)
知ってるようで実は知らないアメリカ社会の“今"を、カリフォルニア在住の人気映画評論家・町山智浩が、解りやすくひも解く今までにないニュースエンタテインメントプログラム。トランプ政権で存在感を増す24時間ニュース専門局「CNN」の渾身のリポートをフル活用しながら、映画や音楽などショウビジネスの話題も織り交ぜて、刻一刻と変化するアメリカの社会問題を徹底的にあぶりだす。<番組ホームページはこちら!> www.bs-asahi.co.jp/machiyama-now_cnn/


仕事が残っているのですが,「最後の一滴まで」という水道問題に関しての映画を見に行きました.ちょっと遠いです.
映画上映の前の簡単な説明のときに遅れて車いすの方が入ってきました.遅れること自体はいろいろ事情があるのでしょうが,もめています.車いすで端の席が嫌なようです.確かに車いすの方はどこにでも座れるというわけではなく,椅子をどけてスペースを作るため端になることが多いと感じています.この方はそれが不満だったようです.激しい怒りからは,今までも嫌な思いをしてきたのでは?と思わせるものがありました.遅れてきて何言ってんの?みたいな気持ちもある一方,どう考えるべきかという問いもあります.「新自由主義と同じ!」と文句を言っていたのは見当違いのようにも思えましたが・・・
往復遠いのでクタクタ.自転車で頑張ったからです.実は明日の講演会も遠いので悩ましいですが.
少しppt準備をしました.

復興事業完了祝う利府町浜まつり
震災で漁港などに大きな被害をうけた利府町で、復興事業の完了を祝う「利府町浜まつり」が開かれ、多くの人でにぎわいました。
利府町は、浜田・須賀地区の漁港などが震災の津波で大きな被害をうけ、防潮堤の整備やかさ上げ工事などが進められてきました。
復興事業は去年12月にほぼ完了し、16日はこれを祝おうと、震災前に毎年、行われていた地元の海産物などを販売する「利府町浜まつり」が再び開催されました。
会場に設けられたおよそ20のブースでは、地元特産のカキを蒸した料理や、とれたての生ワカメ、それに海藻の入った味噌汁などが販売され、多くの人が新鮮な味わいを堪能していました。
また、特設ステージでは、すずめ踊りが披露されたほか、利府町出身でサッカー日本代表を務めた加藤久さんも駆けつけるなど、大きな盛り上がりをみせていました。
仙台市から訪れた53歳の男性は、「地元産のめかぶをたくさん買いました。