フランス語の勉強?

mars 2019

久しぶりにヒント/ラジオでフィリピンの人

ブログネタ
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おもわくの橋・多賀城190312

Haïku de printemps 1/12 par Olivier Peraldi
Printemps 1/12
réveil en sursaut
le premier chant du printemps
arrivé si tôt

Avec un haïku de la série ≪ printemps ≫ diffusé chaque dimanche par l’Opinion Internationale, Olivier Peraldi poursuit son chemin poétique ≪ haïku 2019 ≫, débuté en janvier dernier. La tradition d’écriture sollicite l’acuité de l’observateur, à la fois conscient du monde qui l’entoure et de sa propre place en son sein.
Les haïkaï (haïku au singulier) expriment l’excellence de la poésie japonaise. En 17 mores (son élémentaire phonétique), en un verset composé strictement en trois segments 5-7-5, calligraphié sur trois lignes en français (une ligne verticale en japonais), chaque haïku tente d’exprimer la quintessence de l’être, d’un état, parfois d’une actualité.
Les haïkaï rythment généralement les saisons.
Un hommage au poème court japonais. Du pur bonheur !
Olivier Peraldi a publié, entre autres, l’ouvrage Ombres & Couleurs ou le voyage du Corbeau d’Arcimboldo au Mont Fuji aux Editions Caractères. Sa dernière publication : L’An Jeune, une œuvre à laquelle sont associés le musicien Filbo et le plasticien Richard Ferri-Pisani, qui entremêle poésie, musique et art graphique.
Grâce à ces haïkaï, Opinion Internationale porte bien son nom dans cette nouvelle rubrique qui rapproche Japon et francophonie.
Le premier haïku d’Olivier Peraldi serait-il un clin d’œil aux gilets jaunes ?
Michel Taube
Précédents haïkaï :
Hiver 1/12
soleil d’hiver
un rond-point dans la brume
quel chemin prendre

Hiver 2/12
le vent se lève
l’année qui naît dort encore
loin des promesses

Hiver 3/12
la neige attendue
les enfants se poursuivent
maître bienveillant

Hiver 4/12
une question me vient
rien d’autre qu’innocence
flocon dans le vent

Hiver 5/12
sommets enneigés
l’être aimé languit au bain
chaleur d’étuve

Hiver 6/12
l’essence a gelé
son mat du jerrican
l’hiver fait son show

Hiver 7/12
foulant la poudreuse
sans ailes et sans intrigue
oh je m’envole

Hiver 8/12
là-haut une trace
branche poudrée de neige
le thé infuse

Hiver 9/12
mais où est l’hiver
voie lactée domestiquée
diodes d’insomnie

Hiver 10/12
les arbres chétifs
veillent la croisée close
le vieux va mourir

Hiver 11/12
le pas incertain
à la suite du torrent
vifs reflets d’argent

Hiver 12/12
modestes bouleaux
j’écris sur vos parchemins
jours silencieux

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フランス語の勉強?
サンデーモーニング
韓国議長また謝罪要求日韓対立に出口は?▽大使館襲撃のナゾ…▽中国の世界戦略は?▽プロ野球開幕▽MLB▽ベスト8▽22歳大関貴景勝が▽陵侑13勝目
一週間の見逃せないニュース&スポーツをサンデーモーニングならではの視点でお送りします!◎世界と日本の出来事を掘り下げるカバーストーリー▽ ◎おなじみ・スポーツ御意見番「喝!&あっぱれ」◎関口宏の「一週間」ニュース◎時代と社会の断面を切り取るコーナー「風をよむ」〜〜 関口宏 橋谷能理子 唐橋ユミ 伊藤友里 水野真裕美(TBSアナウンサー) 張本勲(他) 三枝成彰 ◇番組HP http://www.tbs.co.jp/sunday/ 西野哲史 番組プロデューサー金富 隆 TBSテレビ

3・11大震災シリーズ(88)春 夏 秋 冬 空から見た3・11の今
東日本大震災から8年目。津波で奪われた命、そして 原発でふるさとや生業を奪われた人...様々な悲しみや不安を抱えながらも、未来を向いて進む人たちがいる。人がいない村でコメを作り続ける農家、命を奪ったあの海から打ち上がる花火に未来を重ねる家族。そして被災地のサンマ漁師...ふるさとの空をドローンが飛び、明日へと歩む被災地の四季を見つめた。 平岩紙 日本テレビ
ザ・ドキュメンタリー このままでは終わらせない…“森友事件”のいま
森友学園の国有地売却問題に関する公文書の改ざん。近畿財務局の職員はなぜ自ら命を絶ったのか。職員の父親、職場のOB、籠池夫妻、関係者の証言から真相に迫る。
▼自ら命を絶った近畿財務局の職員Aさん。父親は取材記者に「遺書があった」と語った。そこには書かれていたものとは?▼近畿財務局のOBたちが「真相を明らかにする」と実名で語り始めた。「政治の圧力はあったと思う…」▼自宅を競売にかけられた籠池被告夫妻。いま、何を思うのか?
余貴美子

内田樹 @levinassien
昨日姜さんに伺ってびっくりしたのは、1965年日韓条約締結の頃の日韓のGDPは100対1くらいだったという話。今は3対1。人口比が12700万人対5100万人(2.5対1)ですからもうほぼ五分です。この急成長の勢いへの恐怖が「嫌韓」の心理的ベースなんでしょうね。
韓国から日本への観光客は年間700万人(7人に一人)。日本からは250万人(50人に一人)。つまり、「隣国への関心度」は韓国人が日本人の7倍ということです。この隣邦への「開かれ」の差が国力の勢いの差にそのまま相関しているように僕には思われます。


やっと普通に仕事ができる気持ちになってきました.
久しぶりにヒント準備です.ファイルの日付を見ると1か月サボっていたのでした.
ラヂオ気仙沼でフィリピンの人の放送を聞きました.なんだかうれしい気持ちです.

津波で両親失った女性が講演
東日本大震災から8年となるなか、記憶の風化を防ごうという催しが仙台市で開かれ、津波で両親を失った女性が当時の状況を語り、「生きたくても生きられなかったたくさんの命があった。今を一生懸命に生きていかなければならない」と訴えました。
催しは、まちづくりの支援を行っている仙台市のNPO団体が開き、石巻市を中心に語り部の活動をしている高橋匡美さんが、震災の津波で両親を失った当時の状況について語りました。
高橋さんは、石巻市の南浜地区に住んでいた両親と連絡が取れず、震災から3日後に息子と一緒に実家を訪れ、泥や砂がこびりついた状態で亡くなっている母親を見つけました。
また、父親と対面したのは、2週間ほどたったあとの遺体安置所でした。
いつも笑顔だった父親の顔があまりにも固く、ざらざらとしていて、ほおを触る手が震えたということです。
そして高橋さんは、「私の父や母のように、生きたくても生きられなかったたくさんの命がありました。震災を通じて、今を一生懸命に生きていかなければならないと強く感じます」と命の大切さを訴えました。
仙台市の60代の女性は、「ふだん報道では知らないこともたくさん聞くことができ、勉強になりました。きょうの話をまわりの人に伝えていくことが大切だと感じました」と話していました。


被災から再開へ 保育所の開所式
東日本大震災の津波で大きな被害を受けた名取市の閖上地区の保育所が、8年ぶりに園児の受け入れを再開するのを前に、31日、新たな施設の開所式が行われました。
名取市閖上の閖上保育所は、職員や54人の園児は避難して無事でしたが、施設は浸水して使えなくなり、市は園児の受け入れを休止して、元の場所より内陸側に新たな施設の整備を進めてきました。
この施設が完成し、4月から8年ぶりに園児の受け入れを再開するのを前に、31日、震災当時の職員や地元の人などを招いて、開所式が行われました。
式では名取市の山田司郎市長が、「この保育所が閖上地区の子育て支援の拠点となり、子どもたちの笑顔があふれる街にしたい」と挨拶しました。
そして、地元に伝わる伝統芸能の「閖上大漁唄込み踊り」が披露され、参加者たちは手拍子をして、保育所の新たな門出を祝っていました。
閖上保育所の佐藤雅子施設長は、「たくさんの人たちの思いを引き継いで、こどもたちが夢を描ける保育所にしていきたい」と話していました。
また、震災の当時、所長だった佐竹悦子さんは、「保育所から子どもの声が聞こえるというのは復興の大きな力になっていくと思います」と話していました。
保育所では、4月2日、新たに入所する45人の子どもたちの入所式を行うことにしています。


<気仙沼つばきマラソン>きょう号砲 大島大橋で島民らウオーキング
 4月7日に開通する気仙沼市の本土と大島を結ぶ気仙沼大島大橋(長さ356メートル)で30日、島民らが橋を歩く「気仙沼大島大橋ウオーキング」があった。住民たちは橋の利便性を実感し、間近に迫った悲願の日を心待ちにしていた。
 島民約230人と本土側の住民約90人が参加。島民らの要望に応じ、県の協力を得て市が主催した。島民らは5回設けられた希望の時間に合わせ橋を歩いた。
 大島側から1回目に渡った島民は約100人。橋の近くにある駐車場に集まった島民らを前に、菅原茂市長は「悲願の橋が開通する。架橋実現に向けた皆さんの努力に感謝したい」とあいさつした。
 冷たい風が吹く橋の上で、島民らはアーチ部分を背景に写真を撮ったり、思い出を語ったりしながら、ゆっくりと歩みを進めた。
 鹿折地区から島に渡った島民らが架橋の実現に向けて結成した「浦島会」のメンバーは、亡くなった会員が一緒に写った写真を掲げながら橋を渡った。
 事務局長の吉田ヨシ子さん(73)は「これだけの距離しかないのに、陸続きになるのに随分と時間がかかった。感無量だ」と話した。


<三陸鉄道リアス線>全長150メートルの連結車両にびっくり
 ◇…23日に開業した三陸鉄道リアス線。再出発に先立ち、岩手県宮古市の車両基地で新車両8両を連結させるデモンストレーションがあった。
 ◇…普段は2両編成の運行が精いっぱいの三鉄だけに、突如現れた全長150メートルの連結車両には市民もびっくり。リアス線の各駅に8両編成が停車できるプラットホームはないので、最初で最後のお披露目になるという。
 ◇…リアス線の総営業距離163キロは第三セクター運営鉄道で全国最長。長〜い車両で末永いご愛顧をアピールした。(宮古)


「気仙沼つばきマラソン」
気仙沼市の離島、大島で恒例のマラソン大会が開かれ、震災からの復興の象徴として工事が進められ、4月に開通する「気仙沼大島大橋」を通るコースなどを全国のランナーが駆け抜けました。
大島に自生するつばきから名前をとった「気仙沼つばきマラソン」は、毎年この時期に開かれています。
ことしは、ハーフマラソンや10キロの部など4つの部門に、全国からおよそ1300人のランナーが参加し、スタートの合図とともに一斉に走り始めました。
このうちハーフマラソンでは、市の市街地と大島を結び、4月7日に開通する「気仙沼大島大橋」が初めてコースに含まれました。
この橋は震災からの復興の象徴として県が工事を進めてきたもので、ランナーたちは、雨が降るなか、沿道の住民からの声援を受けて新たなコースを走り、橋の付近では立ち止まって記念撮影をする人の姿も見られました。
ハーフマラソンの一般女子の部で優勝した登米市の五十嵐妙子さんは、「市民ランナーとして初めて参加した大会なので思い入れがあります。地元の人たちが応援してくれて、楽しく走ることができました」と話していました。
また、石巻市の56歳の男性は、「大橋がコースに初めて加わったということで、楽しみにしていました。橋からは海が見えて景色がとてもきれいでした。来年も参加したいです」と話していました。


<安住の灯>被災者総合支援法提言へ 関西圏の研究者ら、検討重ねる
 関西学院大の災害復興制度研究所が策定を目指す被災者総合支援法は、阪神大震災を経験し、東日本大震災などで支援や調査活動に当たった関西圏の研究者らが検討を重ねる。全国の被災地で住まい復興が停滞する現状への危機感は強く、硬直的な現行法制の転換を訴える。
 中心メンバーは災害のほか、法律や財政、福祉、市民活動など各分野を専門とする学内外の十数人。策定に向けた法制度研究会をほぼ毎月開く。今月24日の会合では新たな住宅修理制度の支給額や、阪神大震災の損壊世帯数による試算などをテーマに議論した。
 兵庫県立大大学院の室崎益輝減災復興政策研究科長は「現金給付も明文化し、多様な選択肢をそろえる必要がある」と強調。「仮設住宅の整備に1000万円もの費用がかかる時代。住宅の修理などを手厚く支援する制度に変えなければならない」と述べた。
 関学復興研は、阪神大震災から10年後の2005年1月17日に設立された。09年度に災害復興基本法の試案を公表。東日本大震災で本格的に運用が進んだみなし仮設やプレハブ仮設住まいの長期化、在宅被災者といった課題を踏まえ、16年に総合支援法案作りに着手した。
 野呂雅之主任研究員は「継ぎはぎだらけになった法制を一つにして権限や財源を被災者の近くに置き、十人十色の復興をカスタマイズできる形にするのが望ましい」と説明する。
 根底には被災者が復旧復興過程で直面する「貧しさ」への問題提起がある。「雨露をしのげればいい」「我慢するのは仕方がない」と生活保護の側面が色濃い現状からの抜本的な変革も問う。
 法制度研究会座長の山崎栄一関西大社会安全学部教授は「生活再建を円滑に進める『ギア』を備え、復旧復興過程で分断されている支援の隙間を埋める必要がある」と指摘する。


被災者総合支援法、新年度に試案 関西学院大、現行法制を一本化し住宅再建の選択肢拡充
 関西学院大の災害復興制度研究所(兵庫県西宮市)は新年度、現行の被災者支援法制を一本化した総合支援法の試案をまとめる。既存の枠組みを超え、被災者が主体となって住まい復興や生活再建の方法を幅広く選択できるようにするのが大きな目的。阪神大震災や東日本大震災などで指摘された課題を踏まえ、広く立法化を提言する方針だ。
 総合支援法の骨格は図の通り。災害救助法、災害弔慰金支給法、被災者生活再建支援法を統一し、応急対応期から復旧復興期まで切れ目のないサポートの実現を図る。
 住まい復興の支援策について、現行の法制は避難所から仮設住宅暮らしを経て、自宅再建や災害公営住宅への入居と選択肢が限られている。こうした単線的な支援の仕組みを見直す。
 被災した自宅の修理費用の補助制度を充実させ「応急的」「一時的」「本格的」と改修の程度に応じて支給する。家具や電化製品といった生活財の購入補助を新設し、避難所や仮設の代替措置にする。
 自宅の修理制度と新たな住宅の再建・購入に対する支援金をどちらも支給できるように認め、被災者の再建ニーズに合わせて選択の幅を広げる。
 プレハブなどの建設型仮設は、災害公営として住み続けられる仕様を導入し、買い取りや私有地での建設も可能とする。家屋損壊で居住が難しい世帯への家賃補助制度を設け、民間賃貸のマンションなどを借り上げるみなし仮設をなくす。
 国が定めた仮設の建設コストの基準は561万円(2011年当時は238万円)。東日本大震災では風呂の追い炊き機能や防寒工事などで約617万〜730万円に膨らんだ。入居期間は原則2年以内だが、8年が経過した今も解消されていない。昨年発生した北海道地震の被災地では建設コストが1200万円を超えるとされる。
 制度上、恒久的な住まい確保につながらない仮設の現状を変え、増大する整備費などを包括的な支援策の原資として充当を図る。
 策定作業は関学復興研の法制度研究会が進める。座長の山崎栄一関西大社会安全学部教授は「被災者の自己決定が尊重される制度を目指したい」と話す。
 関学復興研は東日本大震災の損壊世帯数や仮設、災害公営の設置戸数を基にした試算などを土台にして具体案を固め、公表する方針。


不起訴不当/市民は疑惑解明を求めた
 国民の率直な疑問を代弁した判断といえる。学校法人「森友学園」を巡る国有地売却と財務省の決裁文書改ざん問題で、大阪地検特捜部が不起訴処分とした佐川宣寿前国税庁長官らについて、市民による検察審査会は「不起訴不当」と議決した。
 文書改ざんについて「市民感覚からすると、いかなる理由があっても許されず言語道断」と痛烈に批判した。検察の捜査は「あいまいな判断しかしていない」と厳しく非難し、「法廷で事実関係を明らかにする意義は大きい」と再考を求めた。
 官僚による社会常識を逸脱した不正行為がまかり通れば、行政や司法に対する信頼は失墜する。特捜部は議決のメッセージを重く受け止め、今度こそ国民が納得できる捜査を尽くして疑惑の解明に努めねばならない。
 財務省の調査報告で、土地取引を巡る決裁文書から首相夫人と政治家に関わる記述などが削除され、交渉記録が廃棄されていたことが認定されている。
 特捜部は「文書の本質的な部分は変わっていない」として佐川氏らを不起訴にした。だが、検審は「一部文書は大幅に削除され、原本の内容から変わってしまった」と指摘。理財局長だった佐川氏には実質的な指揮命令権があり、改ざんを指示していないとする本人の供述に信用性はない、と断じた。
 近畿財務局が国有地を約8億円も値引きした動機について、特捜部は「自己保身よりも国の利益のためだった」とし、職員らの背任容疑での起訴を見送ったが、検審は「相当の疑問が残る」と異議を唱えた。
 ただ、不起訴の根拠をことごとく否定しながら、強制起訴につながる「起訴相当」には踏み込まなかった。限られた証拠で、審査員11人の判断が分かれたとみられる。
 再捜査で検察が再び不起訴とすれば事件は終結する。それだけに、検察には国民の期待と厳しい視線が注がれていると心得るべきだ。結論ありきの捜査に終わらせてはならない。
 一連の問題で、政権への忖度(そんたく)が取りざたされ、行政の公正性が強く疑われた。疑惑に正面から答えてこなかった安倍晋三首相や政府の責任は大きい。国会で改めて説明する必要がある。


「森友問題」不起訴不当 真剣な再捜査を求める
 このままでは誰も納得できない。真相の解明は、国民の意思と受け止めるべきである。
 学校法人森友学園への国有地売却や財務省の公文書改ざんなどを巡る問題で、大阪第1検察審査会は、佐川宣寿前国税庁長官らを不起訴とした大阪地検特捜部の処分に対し、「不起訴不当」と議決した。
 公表された議決書には厳しい言葉が並ぶ。決裁文書の改ざんを「言語道断の行為」と強く非難した。その上で特捜部の判断にも疑問を呈し、「社会的に注目された事件であり、公開の法廷で事実関係を明らかにする意義は大きい」と指摘した。
 議決を受けて特捜部は捜査の仕切り直しを求められることになる。改めて起訴するかどうか判断することになるが、「起訴相当」ではなかったため、再び不起訴となった場合には強制起訴はない。
 「起訴相当」まで踏み込めなかったとはいえ、一般市民からなる検察審がプロである検察官と異なる判断を示した意味は重い。特捜部の不起訴理由にことごとく反論し、追及不足の捜査の在り方にも厳しい視線を注いでいる。地検は肝に銘じ、真剣に再捜査を尽くさなければ、国民の信頼を失いかねない。
 森友疑惑の核心である国有地の売却問題は、発覚から2年過ぎても全容が見えてこない。
 なぜ財務省は特例で売却を前提に10年間の借地契約を学園と結んだのか。土地の鑑定評価額から8億円余りを値引きして売却し、その価格を非公開にしたのはなぜか。公文書を改ざんしてまで何を隠そうとしたのか。
 検察審は、8億円の値引きの違法性も否定できないと注文を付けた。根拠となったごみの撤去費用算定の合理性については「十分捜査を尽くしていない」と検察を痛烈に批判した。
 売買交渉を担当した財務省の職員が学園側からのクレームにさらされ、「追及から解放されたい強い思いが判断を誤らせ、売却ありきで値引きに動いた」と推測し、背任罪が成立する可能性に含みを持たせた。
 有罪にならない理由を積み上げた、特捜部の消極姿勢を鋭く突く内容だ。公正な再捜査が求められるのは当然だ。
 一方、公文書の改ざん問題に対しては、検察審は市民目線で特捜部の判断に異を唱えた。
 特捜部は「文書の本質的な部分は変わっていない」として不起訴にしたが、「改ざんは一般市民の感覚からすれば、いかなる理由があっても許されない行為だ」と批判。佐川氏についても「指示していないという供述に信用性がない」と断じた。
 官僚の裁量を逸脱した行為であり、安倍政権への批判をかわそうとした意図が強く疑われる。行政の公平性を損ねた疑念もくすぶり続ける。検察審の議決には「これで終わりにしてはならない」とのメッセージが込められているに違いない。
 学園の前理事長夫妻が国や大阪府などから補助金をだまし取ったとする事件の裁判も今月始まった。夫妻は起訴内容の大半について無罪を主張している。疑惑の一部だが、証拠に基づく審理を通じ、全体像に迫る糸口が見つかることを期待したい。
 国会も引き続き、刑事責任の追及とは別に、真相解明に取り組み、行政を監視する責務を果たす必要がある。


安保法施行3年 違憲性強く廃止が筋だ
 憲法解釈を変更して集団的自衛権の行使を可能とし、自衛隊の任務を大幅に拡大した安全保障関連法の施行から3年がたった。
 安倍晋三政権は米軍艦艇の防護など安保法に基づく新任務を実施してきた。同法の既成事実化を図る意図が見て取れる。
 その結果、自衛隊と米軍の一体化は加速した。いくら政府が自国防衛や国際平和が目的と言っても、米国の敵対勢力が日本も敵とみなすような活動を増やせば、攻撃対象になるリスクは高まろう。
 安保法は戦後日本が堅持してきた専守防衛の原則に反し、違憲の疑いが濃い。廃止すべきである。
 安保法は他国軍への後方支援活動の際、弾薬提供などをできるようにし、自衛隊が活動できる場所も「非戦闘地域」から「戦闘現場以外」に広げた。
 隊員が最前線に近い場所で、より危険な任務を強いられるようになったのは間違いない。
 南スーダンの国連平和維持活動(PKO)では2016年、宿営地近くで政府軍と反政府軍の銃撃戦が起きた。陸上自衛隊の日報には「戦闘」と記述されていた。
 これはPKOを憲法の枠内にとどめようと設定された参加5原則の柱である「紛争当事者間の停戦合意」が崩れていた可能性があったことにほかならない。
 銃撃戦後、安保法に基づき、武装勢力に襲われた他国軍を助ける「駆け付け警護」の任務が初めて付与された。
 憲法9条は海外での武力行使を禁じている。安保法によって海外での「戦闘」に巻き込まれる恐れが強まり、憲法を逸脱しかねない状況は看過できない。
 安保法では国連が統括しない活動への派遣も認めた。エジプト・シナイ半島で停戦監視をする多国籍軍・監視団(MFO)に、自衛官2人が来月にも派遣される。
 MFOは米軍中心の活動だ。派遣の必要性は判然としない。安保法の実績作りと、米軍を直接支援する狙いが透けて見える。
 安保法を巡っては憲法9条を変えなければ集団的自衛権の行使は認められないとの議論があった。安倍政権はそれを押し切り強引に解釈変更した。
 いま首相は自衛隊を憲法9条に明記する改憲に意欲を見せる。集団的自衛権の行使容認を、憲法上より明確にすることにつなげようとしているのではないか。
 安保法に基づく既成事実を積み重ね、なし崩し的に9条を改定することは許されない。


EU離脱延期 英国は混乱収拾を急げ
 英国が当初、欧州連合(EU)から離脱する期限としてきた3月29日が過ぎた。
 だが、英議会下院は離脱の方法を巡って結論を出せず、先行きは混沌(こんとん)としている。
 メイ首相はこの日、EUと合意した離脱協定案が議会で三たび否決された後、引き続き「秩序だった離脱」に努力する考えを示した。
 しかし、EUは英国に4月12日までに今後の方針を示すよう迫っている。代替案の見通しは立たず、合意のない無秩序離脱の可能性も残っている。
 離脱の期限は2年前の3月29日、英政府がEU基本条約に基づき、通知した。英政府、議会とも国際的な約束を果たせなかった責任は大きい。
 EU、世界経済にこれ以上の混乱を招かぬよう、早期に事態の打開を図らなければならない。
 29日の下院の採決を巡っては議長が過去に2度大差で否決されたのと同じ内容の離脱協定案を採決することを認めなかった。このため、英政府は主要部分のみを切り離して、対象とする奇策に出た。
 しかも、メイ氏は可決と引き換えに首相を辞任する考えまで表明していた。
 にもかかわらず否決された意味は重い。メイ氏は続投する見込みだが、求心力の衰えは深刻だ。
 もともとEU残留派だったメイ氏は2016年6月の国民投票により僅差で離脱が決まった直後、首相に就任した。
 一昨年、EUとの交渉本格化を前に政権基盤を固めようと、解散・総選挙に打って出たが、与党・保守党は大敗した。
 昨年11月、ようやくまとめた離脱協定案も、アイルランドとの国境管理問題を巡って、与野党から激しい批判を浴びている。
 難航は予想されていただけに早い段階から議会の声に耳を傾け、合意形成に努めるべきだったのではないか。同じ協定案を3度も提出するやり方はあまりに強引だ。
 議会側も党利党略に走り、国際的な合意や取り決めを軽視してきたと言えよう。保守党は離脱強硬派と穏健派の分裂状態である。
 とはいえ、合意なき離脱は何としても避けなければならない。
 EUと新たな合意を目指すとなれば、長期延期が現実味を帯びる。その場合は事実上のEU残留状態が続くだろう。
 もはや英国に多くの選択肢が残されていないことを知るべきである。政争の具にして、いたずらに結論を先送りするのは無責任だ。


松井一郎が対立府知事候補攻撃のためにネトウヨサイトのフェイクをRT! 大阪W選挙で維新が見せる詐術
 4月7日に投開票がおこなわれる「大阪ダブル選」をめぐり、悪質なデマが拡散され、問題になっている。というのも、あきらかなデマ記事を、よりにもよって大阪市長選に出馬している大阪維新の会・松井一郎代表が拡散させていたからだ。
 問題になっているのは、これまでもデマを垂れ流してきたネトウヨサイト「アノニマスポスト」が22日に配信した、こんなタイトルの記事だ。
「【大阪W選挙】大阪府知事選挙 吉村候補にデマを指摘され、ふてくされる小西候補〜ネットの反応『嘘がばれて背中向けるって、子供か!』『吉村候補の引き立て役になってるwww』『大阪府民は全員この映像を見た方が良い』」
 そこに貼り付けられた画像は、テレビ番組の映像を切り取ったもので、大阪府知事選に出馬している吉村洋文・前大阪市長と、その吉村氏に背を向けテーブルに肘を突く小西禎一・元府副知事の姿がある。たしかに、この画像だけを見ると、小西氏がふてくされて頬杖をついているようにも見える。
 だが、「ふてくされる小西候補」などというのはまったくの嘘だ。この画像は吉村氏と小西氏をスタジオに招いて生討論をおこなった21日放送の関西テレビのニュース番組『報道ランナー』から切り取ったものだが、実際の放送では、そんなシーンはまったくなかった。
 写真は、小西氏が吉村氏に背を向けたのではなく、吉村氏とは逆のほうに座っている番組キャスターの新実彰平アナウンサーやコメンテーターとして出演していた評論家・宮崎哲弥氏らのほうを見て話しているところ。頬杖をついていたのも、スタジオの解説パネルを見ていたシーンだった。
 たしかに、小西氏はこの番組で発言の誤りを指摘されていた。都構想によって大阪市を廃止して特別区を再編した場合「初期コストが1500億円かかる」と小西氏が発言し、吉村氏からすかさず「初期コストで1500億円かかると言われたんですが、これは間違い」「500億円の初期コストで、よく1500億円と言われるんですが、15年(間)のランニングコストがかかるのをまとめておっしゃってますね」と否定されていた。
 しかし、小西氏が「初期費用1500億円」と言ったのはただの言い間違い。実際、番組では「初期費用558億円」と書かれたボードも掲げられていたし、小西氏自身、この放送より前の19日に自身のTwitterアカウントで〈都構想は初期費用で約560億円、運用費用や人件費を含め約1500億円かかります〉と正確な数字の投稿をリツイートしていた。
 それをネトウヨサイト「アノニマスポスト」は、まったく別のシーンを切り取り、「ふてくされる小西候補」として拡散したのである。
 そもそも、吉村氏も述べているように「初期コストに500億円、15年間で1500億円」もかかるのは事実。その問題を無視して、小西氏が大人げない態度をとったかのように画面を切り取ってデマを流すというのは悪質というほかはない。
 だが、なによりも問題なのは、こんな悪質なデマ記事を、あろうことか前大阪府知事であり、市長選に出馬している松井一郎氏が拡散させたことだ。
 恥も外聞もない松井氏の言動はネトウヨと変わらず、品性のカケラも見当たらない。実際、松井氏は昨年も〈共産党の募金活動は、先ず自分達の経費を差し引くので注意しましょう〉などとTwitterに投稿したが、事実に基づかない虚偽だと共産党大阪府委員会が抗議。松井氏は間違いを認めて謝罪した。つまり、大阪府知事という公職にありながらデマを自ら発信していたのである。
わざわざ「パーミル」という単位を使って予算増を大きく見せる狡猾
 だが、「大阪ダブル選」で松井氏や吉村氏ら維新が見せているフェイク的手法は今回の一件だけでない。もっと決定的な問題で、情報を歪曲して、大阪府民を騙そうとしている。
 たとえば、吉村氏の街頭演説では「子育て・教育への重点投資」と題したボードを掲げていた。そこには「子育て・教育に関する政策的予算を大幅増(大阪市)」と書かれており、平成23(2011)年度の67億円から平成30(2018)年度の537億円へと伸びる棒グラフに大きく「8倍へ」と記されている。一見すると、2011年12月に橋下徹氏が、2015年に吉村氏が大阪市長となり、子育て・教育費が8倍にも伸びたと考えるだろう。
 だが、これは橋下時代から維新が大阪で繰り返し使ってきた“詐術”だ。ポイントは、「政策的予算」という文言。普通に考えて政令指定都市のなかでは横浜市に次ぐ人口の大阪市の教育費が平松邦夫市政の2011年度でたったの67億円というのはおかしい話だが、それも当然。「政策的予算」という、全体の教育予算の一部にすぎない数字を掲げているからだ。
 事実、2015年には当時、大阪市長だった橋下徹氏がCMで「子ども教育予算を5倍に増額」とアピール。平松市政の2011年度は67億円にすぎなかったものが2015年度には336億円にまで増やしたと誇ったが、これは「政策的予算」でしかなかった。実際には、2011年度の「こども青少年費」と「教育費(大学費を除く)」の合計(当初予算)は約2524億円で、2014年度の合計(当初予算)は約2558億円。つまり、微増しただけで、「子ども教育予算を5倍」などというのは完全なデマだったのだ。
 このとき「虚偽CMだ」と批判を受けたこともあってか、維新は「政策的予算」と言うようになったが、そんな専門用語を聞かされても一般の市民にはわからない。そして、この詐術を今回の選挙でも維新は性懲りもなく使っているのだ。
 さらに、いまSNS上で「維新のチラシ」として出回っているものでは、「7年で8倍 こども・教育の予算推移」と書かれ、ここでもこども・教育予算と、一般会計に占める比率が急増しているグラフが掲載されているのだが、よく見ると、グラフの下には「予算比率:パーミル」と記載されているのだ。
 パーミルというのは1パーセントの10分の1を1とする単位のことで、1パーミル=0.1パーセント。鉄道線路の勾配などで使用されるもので、一般人にはほとんど馴染みがない単位だ。つまり、それでなくてもこども・教育予算全体ではなく「政策的予算」にかぎった話なのに、一般会計に占める比率が高いように見せるためにこんな姑息な手にまで出ているのである。ちなみに、チラシにはグラフの出典として「第16回副首都推進本部会議資料」と記載されており、実際にそこでも同様にパーミルの単位が使用されていた。
 こんな大阪府民を騙すような卑怯な手を使い、身勝手なダブル辞任&首長選を仕掛けてまで争点にしようとする「都構想」──。しかも、前述したように、都構想には1500億円もかかるわけだが、それだけ予算をかけても、得られる財政効果はスズメの涙だというのだ。
 そのことを指摘しているのは、立命館大学の森裕之教授。「世界」(岩波書店)4月号に掲載されている森教授の論考によれば、今回、大阪市と府は都構想の財政効果(改革効果額)を140億円としているが、〈このほぼ全てが二重行政とは関係のない民営化・民間委託・経費節約〉だと指摘。つづけてこう言及している。
〈それらを除外した二重行政の廃止自体で生み出される財政効果は全体でたった四〇〇〇万円しかなく、大阪市(特別区)においてはゼロとなっている〉
 初期コストだけでも約500億円もかかるのに、財政効果はわずか4000万円……。この点を踏まえ、森教授は〈「大阪都構想」はもはや検討に値する代物ではない〉と喝破しているが、そのとおりだろう。
 だいたい、松井氏はこの選挙戦で「大阪都構想は大阪市がなくなるという話ではない」「(反対派は)大阪市がなくなると不安を煽っているだけ」などと言い張っているが、大阪市のHPでは「特別区制度」(=都構想)について、はっきりと〈大阪市をなくし、特別区を設置します〉と書いてあるのだ。
 デマサイトの記事を拡散し、功績のアピールで詐術を用い、“大阪市はなくならない”と根本的な部分から嘘をつく。──このような人物たちに、一体、何を任せられるというのだろうか。


骨髄バンク  提供しやすい環境整備を
 競泳女子の池江璃花子選手が白血病と診断されたことを公表したのをきっかけに、日本骨髄バンクへのドナー(提供者)登録が増えている。
 2月の登録者数は1万1662人となり、月間の登録者数としては初めて1万人を超えた。月間の登録者数は通常2千〜4千人程度だから急増といっていい。
 白血病などの血液疾患を抱える多くの患者が、正常な造血機能を回復させるため骨髄や末梢(まっしょう)血幹細胞の移植を必要としている。
 そのためには患者とドナーの白血球の型が適合しなければならないが、確率は血縁者間でも4分の1、それ以外は数百〜数万分の1と低い。患者を救うには一人でも多くのドナー登録が必要だ。
 移植への関心の高まりをドナー不足解消につなげたい。
 国内では毎年約1万人以上が白血病や再生不良性貧血、悪性リンパ腫などの血液疾患を発症している。そのうち骨髄バンクを介する移植を必要とする患者は2千人ほどだ。
 骨髄バンクへのドナー登録者の総数は、2月末時点で50万3883人と初めて50万人を上回った。うち京都は1万9252人、滋賀は5706人だ。
 ただ、登録できるのは18〜54歳で、実際に提供できるのは20〜55歳に限られる。このため毎年2万人ほどが外れており、若い人の登録をどう増やしていくかが課題だ。
 日本骨髄バンク広報渉外部によれば、バンク事業をすることで今では白血球の型が適合するドナーが見つかる割合は95%を超えるが、実際に移植を受けられるのは6割ほどという。
 適合しているのに移植に至らないのは、ドナー側の都合が多い。健康上の理由に加え、仕事を休めなかったり、本人に不安や迷いが生じたり、さまざまな事情があるようだ。
 ドナー候補になれば、骨髄移植の場合、事前の検査や骨髄液の採取などで8日前後の通院や入院が必要になり、採取による痛みや副作用が一時的に出ることもある。さらに休暇を取れるかという問題や、自営業者やパート従業員は仕事を休むことによる収入の減少も切実だろう。
 ドナー登録を増やすには、そうした移植に伴う身体的、経済的な負担にできるだけ配慮し、骨髄などの提供をしやすい環境にしていく必要がある。
 京都府は、バンク事業の普及啓発を進める一方、市町村への補助を通じてドナーの通院、入院にかかわる負担軽減を図っている。昨年は府内の全市町村が実施した。
 安倍晋三首相は2月の予算委員会で「2019年度からドナー休暇制度の導入を企業に働きかける活動を支援する」としたが、もっと積極的に導入企業への優遇措置などを検討してはどうか。
 加えて、赤ちゃんのへその緒や胎盤から採取する臍帯血(さいたいけつ)の移植推進に向けた取り組み強化も欠かせない。骨髄バンクのようなドナー登録制度はないが、今では血液疾患治療の重要な選択肢となっている。
 国、自治体、企業が連携し、命を支え合う輪を広げたい。


改元めぐる京都秘史 京の学者、幻の「文思」案 平成誕生前
 時を司(つかさど)る。その伝統はかつて京都にあった。
 時代を名付け、時代を区切り、世の空気を変えようとする古いしきたり。元号は時代の歯車を動かす象徴とされた。海亀の甲羅を焼き占った江戸期の大嘗祭(だいじょうさい)の仕儀や「改元部類記」を、京都の社家や旧公家は伝えてきた。昭和まで京都は「即位の地」だった。
 中国の影響を受けて、日本では孝徳天皇の「大化元年」(645年)から、元号制度を始めた。珍しい亀が見つかった、天災や不吉なことがあったなどの理由で1人の天皇の治世で何度も改元した例も多い。漢字4字の年号もあった。日本の古典から引用した例は過去ない。
 江戸時代、京都の公家が中国の古典から年号を選ぶことを「難陳」といい、当時から「閑議論なり」などと批判があった。「平成」は元治2年(1865年)にも年号候補の一つになっている。明治政府により、中国の清朝にならった「一世一元」が制度化された。
 「平成」に年号が決まったプロセスは極秘裏に進められた。昭和天皇が亡くなったその日の午後、新元号が発表された。誰が、どう関わったのか。なぜ深く秘する必要があったのか。
 1984(昭和59)年。京都市左京区北白川を、内閣内政審議室長が密かに訪れた。訪問先は貝塚茂樹・京都大名誉教授宅。東洋史の碩学(せきがく)で、弟はノーベル物理学賞受賞者の湯川秀樹。
 貝塚氏は、新元号案の考案者になるよう依頼された。貝塚氏は仏文学の桑原武夫・京都大名誉教授らと元号法制化への反対声明に署名したこともある。しかし、元号考案を引き受けた。
 「文思」
 「天章」
 「光昭」
 提出した3案。第1候補は、書経から選んだ「文思」だった。
 過去に使用例がなく、国民の理想にふさわしい漢字2字。出典も問われる。元号案は難題だ。孫は「平成になってから、祖父が元号考案に関わったと祖母から聞いた。『文思』だけ教えられ、祖母と2人でいい字だと話した記憶がある」と振り返る。
 だが貝塚案は幻に終わった。
 「平成」の元号制定に関わった当時の竹下登首相、小渕恵三官房長官(のち首相)ら限られた数人のうち1人が、内閣内政審議室長となった的場順三氏。大津市出身で膳所高から京都大卒。前任者から引き継がれ、元号を提出した後の貝塚氏宅を密かに何度も見舞った。「候補案は目にしましたよ。しかし、経緯を自分の口からは言えない」と的場氏は語る。
 「お願いした学者の方々にも迷惑がかかるので。しかし20年が過ぎたら、誤った話が流布しないよう、一定明らかにしようと竹下さんと約束した。『平成』の考案者は山本達郎さん=東京大名誉教授、東洋史=です」。元号に込めた思いとは何か。重い口を開いた。
 「元号は新しい時代へ向かう縁起が良いものなので、物故者の案はふさわしくないとの声があった。一方で、この人なら、と学者の間で納得する方でなければならない。秘匿しようということになった。別の京都の学者にも依頼したが、断られた。『名誉なことだけど』と少し考えておられたが、重かったようだ」。昭和天皇の病状が重くなる中、「当時、私は常に漬物石が頭にぶら下がった状態だった。前任者からは『自分でなくてよかった』と言われましたよ」。
 最終的に官邸にあったのは3案。「正化」「修文」「平成」だった。昭和天皇が崩御した日に有識者懇談会を経て竹下登首相らが決定、官房長官が新元号を発表した。即日改元ではなく翌日に改元したことや「皇室行事」といった言葉使いに対し、的場氏は「関西の右翼団体から、何度も脅しを受けましたよ。不敬だと。命の危険もあった」と話す。
 四書五経を声に出して読む素読。かつて東洋の文人共通の教養だった。元紀州藩士だった祖父に、小学校へ通う前から素読をたたき込まれた貝塚茂樹氏は、京都大卒業後、京大人文科学研究所で甲骨文字に代表される出土資料に着目した研究に没頭した。「史記」「論語」の訳注を始め、日中の比較文化や中国近代史にも造詣が深い大家だ。
 元号案は昭和の終わりごろ、首相が選んだ数人の有識者が各2〜5案を提出した。元号法に基づき、国民の理想としてふさわしい良い意味▽漢字2字▽過去に元号として用いられていない−などと1979年に閣議決定されている。貝塚氏もこれを踏まえ、「文思」「天章」「光昭」の3案を提出したとされる。
 3案のうち、文思は、中国の代表的な古典である五経の一つ「書経」の中の「放勲欽明 文思安安」から取った。
 天章は、中国最古の詩集「詩経」の一節にある「倬彼雲漢 為章于天 周王寿考 何不作人」を引いた。「大きく浮かぶ天の川は、天上界にあやをなす。周王よ、いつまでも人の命をながらえたまえ」と訳され、次の時代への希望を込めたと考えられる。
 光昭は、「春秋」の解説書である「左氏伝」のうち、「光昭先君之令徳 可不務乎」が出典。
 貝塚氏は、62年に出版した著書「山荘旬日」の中で、元号について触れている。
 ≪昭和の年号をつけるか、西暦によるかなどというような問題は、われわれの年代の人間にとってはかなり重大な問題である。年号は日本、中国では天皇制、皇帝制に直結した重要な制度であったのであるから≫
 「われわれの年代」。中国文化に親しみ、漢学者を尊敬していた貝塚氏の目に、日中戦争へと突き進む日本はどのように映ったのか。戦争で仲を切り裂かれた、学問を通して交流した中国人の友人たち。第2次世界大戦では、末弟の小川滋樹氏を戦病死で失った。
 「貝塚先生も軍人が威張っている世の中や、軍事的主張を嫌っていた。当時の学者はみんなそうだったでしょう」と教え子はつぶやいた。「文という字を元号に使ったところに、貝塚先生の強い気持ちが表れている。平和への願いを込めた案だったのでしょう」
 改元は「天皇の崩御」が前提となるため、昭和に政府から考案者として委嘱された学者たちは口を閉ざした。貝塚氏は87年に他界した。

めだかの学校/クリーニング・コートはカシミア

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A Londres, un homme arrêté après avoir bloqué le trafic des Eurostar
Le trafic des trains a été interrompu une partie de la matinée samedi après qu’un manifestant a passé la nuit sur le toit de la gare St-Pancras, à Londres.
Le trafic des trains Eurostar a été suspendu à cause d’un homme qui avait passé la nuit sur le toit de la gare Saint-Pancras, à Londres.
≪ Un homme de 44 ans a été arrêté ce matin (NDLR. samedi) pour violation de propriété et obstruction des voies ferrées, après avoir passé la nuit sur le toit de la gare≫, a tweeté la police des transports britannique. Selon ce porte-parole, l’homme agitait un drapeau anglais.
L’incident a débuté vendredi vers 19 heures à la fin d’une journée qui a vu des milliers de manifestants pro-Brexit se rassembler à Londres. Ce jour était celui où le Royaume-Uni était censé quitter l’Union européenne et les députés britanniques venaient de rejeter pour la troisième fois un accord de sortie.
Le trafic des Eurostar a dû être interrompu pendant plusieurs heures et une dizaine de trains ont été supprimés. En début de a matinée, ce samedi, Eurostar recommandait aux passagers de ≪ ne pas voyager ≫ et proposait aux voyageurs d’annuler ou échanger gratuitement leurs billets.
La circulation des trains a pu reprendre en fin de matinée. Toutefois, la compagnie estime que certains trains pourraient enregistrer des retards tout au long de la journée.
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SWITCHインタビュー 達人達(たち)「ジャガー横田×高橋孝雄」
今もリングに上がる現役女子プロレスラーであり、母親でもあるジャガー横田。小児科医の経験を生かした育児論で注目される高橋孝雄との“異種格闘技戦”に臨む。
50代後半を迎えタレントとして忙しい日々を過ごしながら、現役レスラーを続けている横田。所属する団体のリングで、「いつまでも自分らしくいたい」というポリシーを語る。親の自己肯定感が子育てにも大事だと考える高橋はその生き方に共感した。一方高橋は、小児科医としての苦い経験を告白、親の悩みを解消することが子どもの治療にもつながると考えるように至った経緯について語り、子育て中の横田にエールを贈る。 女子プロレスラー・タレント…ジャガー横田,慶應義塾大学医学部小児科教授…高橋孝雄, 吉田羊,六角精児

連続テレビ小説 まんぷく(151)「いきましょう!二人で!」
福ちゃんの提案をきっかけに、大勢の若者が集まる「歩行者天国」で、社運をかけて「まんぷくヌードル」の大試食販売会を行うことになりました。人々の反応は…
「まんぷくヌードルの価値が理解できるのは頭の柔らかい若者たちではないか」という福ちゃんの気づきをきっかけに、大勢の若者が集まる「歩行者天国」で、社運をかけてヌードルの大試食販売会をすることになりました。いよいよ勝負の日。誰もが成功を願う中、行き交う人々の反応は…。そして福ちゃんと萬平さんは、ある大きな決断をするのです。  安藤サクラ,長谷川博己,内田有紀,松下奈緒,要潤,大谷亮平,桐谷健太,瀬戸康史,岸井ゆきの,松井玲奈,呉城久美,中尾明慶,深川麻衣,牧瀬里穂,加藤雅也,松坂慶子, 芦田愛菜 福田靖

あるくラジオ第4回 : いまの日本、いまの世界―太田昌国さんに聞く
パーソナリティ しまひでひろ ささきゆみ
 今回は、今年2月に新刊『さらば!検索サイトー太田昌国のぐるっと世界案内』(現代書館)を出版された評論家の太田昌国さんをゲストにお迎えします。民族問題を軸に、日本や世界の現状を鋭く分析し発信する太田さんは、レイバーネット日本のコラム「サザンクロス」でもおなじみです。新刊のタイトルに込めた思い、安倍政権・排外主義・東アジア情勢など縦横無尽に語っていただきます。そして、現代とはどんな時代なのか、いま、わたしたちは何をなすべきなのかを考えていきたいとおもいます。ご期待ください。
 なお、太田さんの新刊については、志真秀弘さんがレイバーネット日本<週刊 本の発見>で書評をしています。こちらもぜひ。http://www.labornetjp.org/news/2019/0221hon


3月30日は「フランシーヌの場合」.新谷のり子の歌う悲しみのこもった歌がいいです.
さてランチを食べに商店街を通ると「めだかの学校」が流れていました.心が和みます.ランチは安い日替りです.
暖かくなってきたので,コートをクリーニングに出しました.お店の人にカシミアなので追加料金がかかります,と言われました.すっかり忘れていました.いいコートなのでした.

河北抄
 今月24日、仙台市青年文化センターに熱のこもった音楽が響き渡った。仙台ジュニアオーケストラのスプリングコンサートだ。音楽監督の平川範幸さんの指揮でファリャ「三角帽子」などの名曲に挑戦。市民から大きな拍手が送られた。
 オーケストラは未来の地域文化を担うリーダーを育てようと、市が1990年に設立。今年で30年になる。東日本大震災後の2016年には、サントリーホール(東京)で演奏する機会もあった。
 小学5年から高校2年まで、仙台市や近隣市町から通う110人の団員が、月3回ほど平日夜に同センターで練習を重ねる。指導は仙台フィルハーモニー管弦楽団のメンバーたちだ。
 「学校も学年も違う集団が、一つのものをみんなでつくり上げるのは貴重な経験」と事務局(仙台市市民文化事業団)の菊沢布美さんは話す。「1本の指揮棒を見つめながら連帯感を育んでいくなんて、オーケストラならではです」
 現在の高校2年生は今月で引退。12のパートで計30人ほどの新団員を募集している。音楽好きの子どもたち、来たれ。


安保法施行3年/専守防衛の逸脱どこまで
 自衛隊の任務を大幅に拡大した安全保障関連法の施行から、きのうで3年となった。
 情報公開が不十分なまま、国の基本姿勢である「専守防衛」からの逸脱が進む。国民の懸念をよそに既成事実を積み上げる動きは、加速する一方だ。
 説明に後ろ向きな安倍政権の姿勢は不誠実というしかない。
 端的な例が、自衛隊が米軍の艦船などを守る「武器等防護」である。2017年に米海軍の補給艦に初めて実施された。
 その年は2件にとどまったが、18年度は16件に急増した。
 なのに防衛省は「日本防衛のための共同訓練に参加した米艦艇、米航空機」などと示すのみで、具体的な状況は明らかにしていない。「米軍の運用に直結する内容」との理由からだ。
 安倍晋三首相は当初、「可能な限り最大限開示し丁寧に説明する」と語っていた。実際は、国民の知らないところで米軍との一体化が強まっている。
 自衛隊活動が際限なく拡大する懸念が募る。政府は説明責任をきちんと果たすべきだ。
 「武器等防護」の他にも政府はこの3年間、南スーダン国連平和維持活動の「駆け付け警護」など、安保法の新任務を相次いで自衛隊に付与してきた。
 4月にはエジプト・シナイ半島に自衛隊員2人を派遣する。これも「国際連携平和安全活動」という新任務で、停戦監視に当たる「多国籍軍・監視団」の司令部要員を務める。さらなる実績作りが狙いだろう。
 これらと並行して、政府はヘリコプター搭載型自衛艦「いずも」の事実上の空母化や、敵基地攻撃能力の保有につながる長距離巡航ミサイルの導入を打ち出した。いずれも憲法の制約を逸脱する恐れがあり、歴代政権が踏み込まなかった領域だ。
 一方、政府はトランプ米大統領の求めに応じて米国製装備品を大量購入する。19年度予算案では過去最高の7千億円超を計上したが、米側の要請はさらに増える可能性がある。
 主権者の国民には語らず、米国には大盤振る舞いする。そうでないと言うのなら、いったん動きを止めて、国民の納得が得られるまで徹底的に議論すべきだ。このままでは「平和主義」までが形骸化しかねない。


安保法施行3年  懸念拭えぬ「なし崩し」
 安全保障関連法の施行から、きのうで3年となった。
 憲法解釈変更により集団的自衛権行使に道を開き、自衛隊の任務や活動範囲が格段に広がった。日米の軍事一体化も加速している。安倍晋三政権は実績づくりに前のめりだが、憲法が定める武力行使の「縛り」を忘れてはならない。
 米国などが他国から攻撃を受けた際、安保法に基づき政府が「存立危機事態」と認定すれば、集団的自衛権行使が可能になった。まさに戦後日本の安全保障政策を大きく転換させたと言える。
 この3年、政府は日米同盟の強化を強調してきた。実際に米軍の艦艇や航空機などを守る「武器等防護」は、昨年1年間で16件実施され、前年の2件から急増した。
 ところが防衛省は対米支援任務の詳細な実施状況を明らかにしていない。国民の目が届かないところで、米軍との一体化が着々と進んでいる。危惧を禁じ得ない。
 安保法は国連が統括していない軍事的活動も「国際連携平和安全活動」と定め、条件を満たせば自衛隊派遣を認める。政府はこれを初適用し4月からイスラエル、エジプト両軍の停戦監視活動をする「多国籍軍・監視団」(MFO)へ自衛隊員2人を派遣する。
 自衛隊の任務として可能になった海外の邦人救出や警護活動にもオスプレイなどの専用航空機を導入する方針という。自衛隊の任務や海外派遣がなし崩し的に拡大されていく背景には、安保法の既成事実化を急ぎたいという安倍政権の強い意向があるとみられる。
 だが新たな任務付与に伴って自衛隊が戦闘に巻き込まれるリスクは増大する。隊員の生命、安全を最優先に考える必要がある。
 政府は昨年12月、法施行後初めて防衛力整備の指針を閣議決定、「打撃力」拡大を明記した。ヘリコプター搭載型護衛艦を改修する事実上の空母化や、敵基地攻撃能力の保有につながる長距離巡航ミサイルの導入などを打ち出した。
 打撃力増強は、「専守防衛」のたがを緩め、形骸化させる恐れがある。まして防衛費の増額は第2次安倍政権発足以降7年連続だ。中国など周辺国の不信感を増幅し、軍拡競争を招きかねない。
 そもそも安保法は、多くの憲法学者が「違憲」の疑いを指摘する中、与党の数の力で強引に可決された。いまだ安保法への国民の理解が深まったとは言い難い。日本の安全にはどんな備えが必要か、国際平和にどう貢献すべきか、原点に立ち返った議論が要る。


原発と民意 なぜ“声”は届かない
 女川原発の再稼働の是非を問う住民投票の直接請求を、宮城県議会が否決した。原発を抱える静岡や新潟県でも「国策になじまない」などとして、議会に退けられている。なぜ“声”が届かない。
 地方自治法の規定では、有権者の五十分の一以上の署名をもって、自治体の長に住民投票条例の制定を請求できる。
 年内にも原子力規制委員会の審査に通るとされる東北電力女川原発2号機。その再稼働の是非を問いたいと、十一万を超える署名が集まった。法定の約三倍だ。それでも県議会は「多様な意思を正しく反映できない」などとして、条例案を否決し請求を退けた。
 女川原発も震災の被害に遭っている。原子炉を停止に導く外部電源や非常用電源にもトラブルが生じ、使えないものが出た。
 原発事故の放射性物質は広い範囲に降り注ぐ。宮城県内でも今現に、水産物の輸出禁止や汚染廃棄物の処理問題など、福島第一原発の影響が続いている。
 女川原発の三十キロ圏内では、七つの市町に二十一万人が暮らしていて、避難計画の策定を国から義務付けられている。過酷事故の大混乱の中、果たしてスムーズに避難などできるのか。住民の多くは避難計画そのものに懐疑的だ。
 それでも再稼働への“事前同意権”を持つのはやはり、原発が立地する女川町と石巻市、そして県に限られそうで、他の五市町には資格がない。それこそ多様な意思を正しく反映できていない。
 危険も義務も不安も不便もそこにある。それなのに、ノーという権利はない−。理不尽と言うしかないではないか。
 宮城県の村井嘉浩知事は、条例案への賛否を明らかにせず、議会に付した。しかし、県議会の質疑の中では「(原発再稼働は)これからも国が責任を持って判断すべきだ」と、まるで人ごとだ。
 国や電力会社は「立地自治体などの理解と協力を得られるように取り組む」という、一方通行的な基本姿勢を崩さない。
 宮城県だけのことではない。国民の過半が原発再稼働に反対し、大半が再稼働への同意権を持っていない。それなのに3・11後、五カ所九基がすでに、立地自治体の同意の下に再び動き始めている。
 原発再稼働に不安を覚える住民と「国に任せろ」という議会や首長。この温度差は、なぜ起きてしまうのか。統一地方選真っただ中で、私たちも思いを巡らせたい。


地方議会選の女性候補数 共同参画法に反している
 日本の女性議員の割合の低さは、国際的に際立っている。そこで、男性主体の議会を変えようと「政治分野における男女共同参画推進法」が昨年制定された。
 ところが、きのう告示された41道府県議選で、女性候補の割合は4年前の前回より微増の約13%という残念な結果だった。
 衆院議員で女性議員の割合は10・2%にとどまる。経済協力開発機構(OECD)加盟国で最下位だ。地方議会も都道府県議会で1割、市区議会は15%程度という水準である。
 共同参画法は衆参両院や地方議会選挙で、男女候補の数を均等にするよう政党に促している。国会への女性の進出を進めるうえでも、地方議会で素地を作ることは欠かせない。制定後迎えた初の大型選挙として、統一地方選は注目されていた。
 にもかかわらずこの結果では法律の掲げた理念からは遠い。とりわけ自民党は道府県議候補の女性候補は4%に過ぎない。現職が多く候補を変えにくいとはいえ、新人候補に限っても1割程度だ。女性の人材発掘に本気で取り組んだとはいえまい。
 共同参画法は全会一致で定められた。男女の機会均等に向けた規範であり、結果を示すことは政党の責任のはずだ。
 地方議会が女性にとって、活動しにくい環境にあることも指摘しなければならない。
 議員が産休を取れるようにしたり、育児との両立を支援したりするなどの取り組みが広がりつつある。だが、実際に女性が地方議員になると「マタハラ」「セクハラ」などに直面し、活動をあきらめてしまうケースが少なくない。
 人口減少が加速し、地方議員の成り手不足が問題になっている。女性の参入は今後、地方議会の機能を維持するため欠かせない。来月は市区町村議選が告示される。生活に身近な課題がテーマとなるだけに、多くの女性の出馬が期待される。
 推進法制定を受けて、前向きな動きもある。各地の女性議員が連携しての情報交換や、女性の出馬を後押しする活動が増えている。
 政党はその動きをけん引する必要がある。主要な選挙の女性候補について、もっと具体的な数値目標を示すべきだ。


ひきこもり調査  高年齢化踏まえ対策を
 40〜64歳のひきこもりの人が全国で約61万人に上ることが内閣府の調査で初めて明らかになった。
 ひきこもりは若者特有の現象というイメージがあるが、長期化・高年齢化が裏付けられた形だ。
 個々の実態把握が難しいだけに、現実を具体的に浮かび上がらせた意義は大きい。
 ただ支援の手が十分届いているとは言い難く、事態は深刻だ。国は背景を分析し、有効な対策を打ち出してほしい。
 調査は全国5千世帯を調査員が訪問し、本人や家族から外出の頻度や生活水準などを聞き取った。
 男女別では男性が8割近くに上る。ひきこもりの期間は「7年以上」が合計で全体の半数近くを占めた。
 きっかけは「退職」が36%と最多で「人間関係がうまくいかなかった」「病気」が各21%で続く。
 就職氷河期世代に当たる40〜44歳の3人に1人は「20〜24歳」でひきこもり状態になっていた。就職活動がうまくいかなかったり、職場でつらい経験をしたりしたことが原因になった可能性がある。
 人口減少時代を迎え、本来は企業や地域の中核をなすはずの人材が社会に参画していないことは大きな損失といえる。きめ細かなサポートが早急に求められる。
 気になるのは、父親か母親が生計を立てているとしたのが34%に上った点だ。親の年金が頼りというケースもあり、高齢の親に経済的に依存する姿が浮かぶ。
 だが親の介護費や病気の治療費がかさめば、生活困窮に陥りかねない。行政はセーフティネットに漏れがないか再点検すべきだ。
 2015年施行の生活困窮者自立支援法でようやく40歳以上が支援対象になったが、相談窓口を設置しているだけの自治体も多い。
 ひきこもりの人は自らを責め、なかなか周囲に相談できない。当事者と支える側をつなぐため工夫が必要だ。自宅訪問や居場所づくり、就労訓練などに対応する専門の支援体制をつくってはどうか。
 根本匠厚生労働相は「大人のひきこもりは新たな社会問題」と述べた。ひきこもりの人は15年の若年層の調査で15〜39歳が推計54万人に上り、累計で100万人を超えるとの見方もある。社会全体で関心と理解を深めたい。
 大人のひきこもりの背景はいろいろあるが、生きづらくなる原因がどこにあるのかも考えねばならない。ひきこもらざるを得なくなるような社会のありようを見つめ直し、実態を踏まえた支援の形を官民で議論する必要がある。


松橋事件無罪 自白の偏重改めなければ
 自白の偏重が、またも冤罪(えんざい)を生んだ。過ちを繰り返さないために、司法は「自白頼み」を徹底的に改めなければならない。
 熊本県松橋(まつばせ)町で男性が刺殺された松橋事件の再審で、熊本地裁は殺人罪などで懲役13年が確定し服役した宮田浩喜さんに無罪判決を言い渡した。
 「犯人であることを示す証拠がなく、殺害は認められない」とした。熊本地検は上訴権を放棄し、事件から30年余りが過ぎて無罪が確定した。
 宮田さんは一審の地裁、高裁、最高裁とも捜査段階の自白を根拠に有罪とされた。
 溝国禎久裁判長は自白の重要部分が客観的事実と矛盾するとした再審決定の判断を踏まえ、確定判決が有罪の根拠とした自白の信用性を否定した。
 過去の再審無罪事件と同様、改めて自白偏重の危険性が浮き彫りになった。
 検察側が申請した証拠の大半を却下し、初動捜査の客観証拠だけで無罪と判断した。「確定判決から長い年月がたち、可能な限り速やかに判決を出すのが適当」との考えからだ。
 宮田さんは85歳で、熊本市内の介護施設で寝たきりの状態だ。昨年10月の再審開始確定から速やかに公判手続きを進め、迅速な名誉回復を図ったことは評価できよう。
 事件は1985年1月に起き、熊本県警は被害者の将棋仲間だった宮田さんが殺害を自白したとして逮捕した。一審の途中で宮田さんは否認に転じたが、90年に有罪判決が確定した。
 宮田さんは服役後、99年に仮出所した。その後、認知症となり、成年後見人の弁護士が2012年に再審請求した。
 熊本地裁は16年6月、宮田さんが「凶器の小刀の柄に巻き、犯行後に燃やした」と説明したシャツ片が残っていたことや、小刀と遺体の傷の形状が一致しないとする法医学鑑定書を根拠に再審開始を決めた。
 「なかったはず」のシャツ片が発見されたのは一審公判途中だ。だが検察側は明らかにせず、再審請求の段階で、開示した証拠から見つかった。どうして検察は隠蔽(いんぺい)していたのか。
 再審判決で疑問が残るのは、当時の捜査や裁判の問題点の検証にはほとんど踏み込まなかったことだ。
 新たな冤罪被害を防ぐには過ちから学ぶことが不可欠だ。捜査機関は自白を強要し、証拠隠蔽を続けた背景や理由を自ら明らかにしなければなるまい。
 滋賀県で元看護助手が患者の人工呼吸器を外し殺害したとして、殺人罪で懲役判決が確定し、服役した事件で、最高裁は先週、再審を認める決定をした。この事件でも元看護助手は捜査段階で自白した。
 多くの冤罪事件が物語るのは自白調書は強要や虚偽の可能性がゼロでないということだ。他の証拠と丁寧に突き合わせ、信用性を吟味する必要がある。
 取り調べの可視化や証拠開示をよりいっそう進めるなど、冤罪を防止する取り組みにも力を入れなければならない。


新たな小学教科書 教育の質確保へ国は環境整備を
 文部科学省は2020年度から小学校で使われる教科書の検定結果を発表した。既に過密な学校教育にさらに「質も量も充実を」と求める。新たな詰め込み教育にならないよう、教育課程の見直しと、教員の負担軽減に向けた環境整備が不可欠だ。
 最大の特色は、知識を一方的に教える旧来のやり方でなく、討論や調べ学習を通して深い思考力や判断力を育む教育の「質の転換」にある。社会が複雑化し、先が読めない現代を乗り切るには、自ら課題を解決する力の育成がますます重要になっており、方向性は評価できる。
 ただ、力を伸ばすにはじっくり課題に取り組む手間と時間が要る。にもかかわらず、英語やプログラミング教育など新しい内容も数多く盛り込まれ、3〜6年の授業時間は週1こま(45分)増える。教科書のページ数を比べても現行より1割増え、過去20年で最多となった。「過密ダイヤ」は一層厳しさを増して、時間がまるで足りない。
 授業を準備、指導する教員には、ただでさえ余裕がない。長時間労働は深刻で、3人に1人が週60時間以上の過労死ラインを超える勤務を余儀なくされている。働き方改革が求められる一方で負担はまた増える。ブレーキとアクセルを同時に踏む矛盾で現場が混乱に陥ることは目に見えており、看過できない。
 各教科書は、このような状況も見越し、教員の教材研究の手間を省けるよう、論議の進め方まで手取り足取り掲載する「親切設計」を競った。だが本来、目の前の子どもの状況に合わせて力を引き出すのが教員の重要な役割。教科書が指し示す通りに進めるとなれば、画一的な誘導による新たな詰め込みになる懸念が尽きない。教員が主体的に考え創意工夫する力をも奪って、教育の質を下げる本末転倒の事態は、あってはならない。
 質の転換を確実に進めようとするなら、まず学校独自の柔軟な指導を認め、教材研究や研修の時間を保証するための仕組みを整えるべきだ。いじめや不登校などにきめ細かく向き合うためにも、国には十分な教員の確保を求めたい。
 教科に加わった英語にも心配な点が多い。「聞く、読む、話す、書く」ごとに能力育成を求めるが、学ぶ単語は5、6年を通じて600語以上と、現在中学で学ぶ半数にも当たる。
 言葉に興味を持たせて中学以降の学びにつなぐには教員の力量が問われるが、英語の指導法が大学の教員養成課程で必修になるのは今春の入学者からで、現職は指導法を専門的に学ばないまま教壇に立つことになる。これで英語嫌いにさせず、力を伸ばせるかどうかは疑わしい。丁寧な教員研修とともに、専科教員の充実も早急に進めなければならない。
 どんなに理想を掲げても、負担増で教員や子どもが疲弊することになれば、教育への悪影響は避けられまい。学びの環境整備は国の重大な責務である。


「松橋事件」再審無罪/冤罪の背景検証が不可欠だ
 無実の人から人生の貴重な時間を奪い、重大な人権侵害をもたらした。警察や検察の捜査、裁判所の審理は検証されなければなるまい。
 熊本県松橋(まつばせ)町(現宇城市)で1985年、当時59歳の男性が刺殺された「松橋事件」。裁判をやり直す再審の判決公判で熊本地裁は、殺人罪などで懲役13年が確定し服役した宮田浩喜さん(85)に無罪を言い渡した。
 検察側は上訴権を放棄し、宮田さんの無罪が確定。逮捕から34年の歳月を要して冤罪(えんざい)が晴らされた。
 判決は「犯人であることを示す証拠なし」として、確定判決が有罪の根拠とした自白の信用性を否定した。自白に頼ったずさんな捜査を戒める判決だ。
 宮田さんは高齢に加え、認知症などのため寝たきりの状態で、熊本市内の介護施設で暮らす。再審は早期の名誉回復と救済を優先し、初公判から判決まで2カ月足らずのスピード審理だった。
 地裁は再審で、検察側が申請した証拠約200点の大半を却下した。証拠不採用の理由について、判決は「速やかに判決を言い渡すことが最も適当」と述べている。
 地裁のそうした方針は一定の評価がなされよう。ただ、当時の捜査や裁判の問題点を洗い出す検証は十分できずに終結した面がある。
 熊本県警は、再審判決を真摯(しんし)に受け止めるという。そうであるならば、捜査機関は自白の強要や証拠の扱いなど冤罪を招いた背景や理由を明らかにする責務がある。
 松橋事件では有力な物証がなく、裁判所が有罪の根拠としたのは、捜査段階で宮田さんが「凶器にシャツの布片を巻き付けて殺害し、犯行後に燃やした」などと自白した調書だった。
 再審への重い扉が開いた決め手は、弁護団が再審請求を準備していた97年、熊本地検に未提出の証拠の閲覧を請求し、燃やされたはずの布きれを発見したことだった。弁護団が「検察は都合の悪い証拠を隠していた」と批判するのは当然だろう。
 裁判員裁判などでは検察に証拠リストの開示が義務付けられたが、再審請求審や再審公判では、証拠開示の規定がいまだ定まっていない。松橋事件を教訓として、証拠開示の明確なルールを設ける必要がある。
 今の再審制度では、下級審が再審開始を決定しても検察が抗告し、審理が長期化する傾向がある。無実の人を救済する再審制度の趣旨に沿い、迅速化を図るよう見直すべきだろう。
 冤罪がなくならない現状を踏まえ、冤罪を検証する第三者機関の設置も検討されていい。米国などでは再審無罪が出た場合、裁判所や弁護士、行政などが原因を調査する制度が設けられている。
 新たな冤罪を防ぐには過ちから学ぶ姿勢が大切だ。


日雇い労働者の「居場所」 あいりん総合センターが31日閉鎖 大阪・西成
 日雇い労働者が仕事を探して集まる「あいりん総合センター」(大阪市西成区)の労働施設(1〜4階)が31日、老朽化により完全に閉鎖される。高度経済成長期の労働力を支えたあいりん地区(通称・釜ケ崎)の象徴でもあったが、耐震性の問題も発覚。2025年をめどに新施設に建て替えられ、敷地内のスペース活用も含めて地元で検討が進む。
 大阪府によると、JR新今宮駅南側にあるセンターは、地上13階、地下1階建て。国や大阪府・市が1970年に設置した。5〜13階には労働者を無料か低額で診療する病院施設と市営住宅があり、1〜4階に仕事をあっせんする西成労働福祉センターと職業安定所などの労働施設が入る。1階には、日雇い労働者が「求人車」で乗り付けた関係者と向き合って求職活動をする「寄せ場」があった。
 利用する労働者は、90年ごろのピークの年間約180万人から約40万人に減少し、施設の老朽化も進行。2009年の耐震診断を機に労働施設を仮移転し、現地で建て替える方針が16年に決まっていた。寄せ場は3月末で閉鎖され、4月以降は仮移転先に車26台分のスペースが代わりに設けられる。
 西成のまちづくりに取り組む近畿大の寺川政司准教授(まちづくり論)は「高度経済成長期のシンボル的な場所だったが、大阪で2度目の万博開催が決まり、重要な転換期にある。新施設は、労働・福祉拠点の文化を生かしながら新たな機能が融合して地域が活性化すれば」と話す。
 現在のあいりん総合センターには食堂や娯楽室、シャワー室などがあり、労働者の「居場所」にもなっている。居場所がなくなると反対する声も一部であるが、市はセンター南側の市立萩之茶屋小学校跡地にテントや仮設トイレを設置。路上生活者が一夜をしのぐ臨時夜間緊急避難所の利用時間を3時間半延長し、国も職業安定所の待合室を土日祝日にも開放する予定という。
 30年以上、寄せ場を利用している西成区の男性(72)は「時代の流れで仕方ないかもしれないが、通い慣れた施設がなくなるのは寂しい感じがする。安定して就労できるようにしてほしい」と語った。【岡村崇】


大阪W選で維新が“誇大広告” 教育関連チラシで実績カサ上げ
 4月7日投開票の大阪ダブル選。市長選は大阪維新の会の松井一郎前知事と、自民党と公明党大阪府本部が推薦する柳本顕元市議が一騎打ちを繰り広げる。
 今月16、17日に自民党が行ったとされる情勢調査で「松井41.8、柳本45.5」という結果が出て、松井氏の落選危機が囁かれたが、最新調査(23〜24日)では逆転。松井氏が2ポイント差でリードしているという。
 後がない維新は「教育への重点投資」など、維新政治の実績を必死でアピールしているが、「こども・教育の予算推移」をグラフにしたチラシ(写真)が、“偽装ではないか”と地元で話題になっている。
■単位や目盛りのトリックで実績をカサ上げ
「7年で8倍!」とうたうこのグラフでは、大阪市の一般会計に占めるこども・教育予算が5%未満から7年で30%にまで増えているように見えるが、よくよく目を凝らすと、予算比率の単位は「パーミル」と書いてある。パーミル(‰)は千分率。鉄道線路などで、パーセント表示できないような緩い勾配を表すのに使われる単位だ。1‰=0.1%。実際は約3%なのに、単位のトリックを使って成果を10倍に見せている。
「しかも、増えているのは維新の重点政策経費を積算した部分だけで、市のこども・教育費そのものは、2011年の2600億円から、18年は2376億円に減っています。教育費の削減で教職員の待遇が悪化したせいで他府県に転出する例が続出し、大阪は教員確保もままならない状況に陥っているのが実情です」(大阪市政関係者)
 塾代助成など一部の政策的経費だけを取り出して、教育費を8倍に増やしたと印象操作するのは詐欺的だ。さすが、統計偽装の安倍官邸と仲良しな大阪維新と言うべきか。
「こうした“誇大広告”は維新の常套手段で、等間隔ではない目盛りで有効求人倍率が急上昇したように見せかけるグラフが、龍谷大の授業で『統計で嘘をつく』というテーマの教材に使われたこともあります」(自民党大阪府連関係者)
 そもそも、維新は「大阪都構想」の是非を問うために知事と市長が辞職してダブル選に打って出たはずだが、市長選で松井氏は都構想に触れようとしない。
「選挙戦では『児童虐待ゼロ』を訴えていますが、それならダブル選の必要はなかった。勝つためなら何でもアリで、言ったもん勝ちのフェイクを垂れ流し、相手陣営を野合と批判するだけで乗り切ろうとしています」(政治ジャーナリスト・山田厚俊氏)
 何を判断材料に投票すればいいのか。有権者はシラケ切っている。


維新の会はトンデモ集団 全野党で駆逐しなければならない
 統一地方選と同日実施される大阪府知事、大阪市長の入れ替えダブル選(4月7日投開票)。知事選では、大阪維新の会政調会長で大阪市長の吉村洋文と自民党が擁立した元府副知事の小西禎一、市長選では、維新代表で府知事の松井一郎と自民が擁立した元市議の柳本顕の対決となる。小西、柳本は無所属で出馬。自民党は推薦、公明党は府本部レベルで推薦、立憲民主党府連と共産党は自主支援を確認した。
 これまでの経緯を知らない人は維新の会が垂れ流している「野党は野合だあ」「共産にまで魂を売るのか」という批判に騙されてしまうのかもしれない。しかし維新の会は、自民党から共産党、公明党まで全野党が力を合わせて駆除しなければならないとんでもない集団なのだ。
 維新の会が選挙の争点として掲げる「大阪都構想」の目的は、府を都にすることではない。政令指定都市である大阪市を潰し、その権限、力、お金をむしり取ることである。実際、元大阪市長の橋下徹は都構想の目的として「大阪市が持っている権限、力、お金をむしり取る」(読売新聞2011年6月30日付朝刊)と述べている。当然、大阪市民は財源も自治も失い、行政サービスは低下する。
 その実態を隠すため、維新の会はデマを流し続けている。松井は「制度を見直すだけで、大阪市がなくなるというのは印象操作」と発言。
 柳本は驚愕。「未だに、『市役所がなくなるだけ…』『市域は残る』とか主張されて、大阪市が廃止され、なくなるという真実を目を向けておられませんでした」とツイート。小西も「印象操作ではなく事実です」とリプを返していた。
 15年の住民投票の際も、維新の会はデマを流していた。目盛りをごまかした詐欺パネルを使い「教育費を5倍にした」などと嘘をついた。年間4000億円の財源を生み出すのは「最低ライン」と言っておきながら、そのうち「財政効果なんていうのは意味ない」と言い出し、投票日直前になると「財政効果は無限」と言い出した。サルでもわかる詐欺である。
 松井は街頭演説で「大阪都で大阪市がなくなるって、この駅前がなくなるというのか」と発言。「ああよかった。大阪市の街並みが更地になるわけではないのね」と思うやつはいるのか。要するに維新の会は、大阪の人々をバカにしているのだ。そろそろ悪ふざけはおしまいにしよう。


松井前知事“迷走”に拍車…橋下氏加勢も困難で維新崖っぷち
 大阪府議選(定数88)と大阪市議選(同83)が29日、告示された。先に火ぶたを切った「大阪入れ替えダブル選」と並んで、大阪維新の会が政策の“一丁目一番地”に掲げる「大阪都構想」を実現できるかどうかを占う選挙だ。大阪維新にとって、ダブル選勝利と府・市議選での議席過半数獲得が、住民投票を実施する必須条件だが、情勢は厳しい。進退窮まったのか、大阪市長選に出馬した松井一郎前知事(55)の迷走に拍車がかかっている。
  ◇  ◇  ◇
「選挙でいくら良いことを言っても、口先だけじゃダメ」
 29日の大阪市内の街頭演説で、こう熱弁を振るった松井前知事。ところが、肝心の都構想の中身は、お寒いくらいにスッカスカ。もっぱら「府と市の二重行政の解消」という従来の主張を繰り返すだけで、住民投票の実施時期を巡って“密約”を交わしていた公明党への恨み節をこう炸裂させた。
「(公明党に)約束を反故にされました。だまされたフリをしながら、(都構想について)議論、議論と言って時間を引き延ばしていれば、こんな厳しい戦いはしなくてよかったでしょうね」
「ダブル選に突っ込んだんはアンタやないんか」とツッコまれそうなものだが、迷演説はエスカレート。唐突に「知事になりたいんじゃない、市長になりたいんじゃない」と言い出したと思ったら、その直後に「知事になり、市長になり、大阪を東京に負けない大都市にしたい!」と息巻いた。支離滅裂にもホドがある。
「今月25日に放送された大阪の府知事候補と市長候補が顔をそろえた討論番組もメチャクチャだった。ダブル選で最も訴えたい公約を聞かれた松井さんがフリップに書き込んだのは『重大虐待ゼロ』。『重大虐待』が何を指すのかもチンプンカンプンですし、そもそも都構想の是非を問いたくてダブル選に打って出たのではないのかと。都構想で票積みが苦しいとみて争点隠しに走ったようですが、かえって失笑を買っています」(在阪マスコミ関係者)
 松井前知事がここまで迷走しているのは、本人が自覚している通りで、大阪維新が「厳しい戦い」を強いられているからだろう。
 そもそも、ダブル選には「党利党略」「大阪の私物化」といった批判がついて回っていることに加え、松井前知事は八尾市出身。「八尾のオッサンが、大阪を潰しにやってくる」と煙たがるムードが広がる一方、松井前知事への支持はちっとも広がらない。自民党が実施したとされる直近の世論調査では、自民候補の柳本顕元大阪市議(45)とほぼ横一直線。<松井45、柳本43>と大接戦だ。
 形勢逆転のカギを握るとみられるのが維新最強の“人寄せパンダ”橋下徹元大阪市長だが、街頭演説などの表立った支援は期待できそうにない。
「松井さんはかなり焦りを強め、市議や府議をギリギリ締め付けている。橋下さんとは電話で選挙対策を相談しているようですが、橋下さんが表に出てくることはなさそう。ヘタに関わるとテレビ出演がすべて飛んでしまう。新刊の売れ行きも左右しかねない。橋下さんは、ソロバンをはじくのが得意な人やからね」(府政関係者)
 松井前知事がバッジを失い、維新は“沈没”となるか。


決別から一転 小池都知事“腹心”懐柔人事の思惑とウラ事情
 小池東京都知事の特別秘書を務める野田数氏が3月末で退任する。29日の定例会見で小池知事は野田氏を浄水場の管理などを手掛ける「東京水道サービス」(TSS)の代表取締役社長に推薦する意向を示した。TSSは都が株式の51%を保有する都水道局の監理団体。知る人ぞ知る都幹部の「天下りポスト」に野田氏を据えるにあたり、どうも駆け引きがあったようなのだ。
 小池知事はこの人事について「(野田氏には)新しい舞台で活躍してもらう」と説明。昨年、都水道局と特定企業との談合が問題視されたことなどを背景に、TSSは水道料金の徴収業務などを行う監理団体「PUC」と2019年度中に経営統合する方針だ。会見であがった「天下りではないか」との質問に小池知事は「適材適所だ」と突っ張ったが、いかにも苦しい。ちなみに、TSS社長の年間報酬は1428万円(18年度)だ。
 実は、野田氏については以前から「小池知事の都政運営に失望し、3月中に辞表を叩きつけるとみられていた」(都政関係者)。それが、フタを開けてみれば“天下り”。一体何があったのか。
「小池都政誕生以降、野田氏は裏方として支えてきた。ところが、17年衆院選で小池知事が希望の党を立ち上げ、国政に挑戦してから両者の関係は悪化したとみられています。野田氏が昨夏、『都政新報』の取材に〈国政進出に反対し、知事にも進言してきた〉などと発言したことに激怒した小池知事は、野田氏のクビも視野に入れたようですが、どうしても切れない事情がある。小池都政のウラのウラまで知り尽くした野田氏に、バラされたら困ることがあるのでしょう」(前出の都政関係者)
 野田氏の首に縄をつけておきたい事情はほかにもあるという。
「野田さんは知事与党の都民ファーストの会と公明党のパイプ役を担ってきた。ただでさえ都議会が大混乱しているのに、野田さんがいなくなると拍車が掛かる可能性がある。それに、再選をうかがう来年の都知事選の参謀もほかに見当たらない。TSS統合話が片付いたら知事の個人事務所などに引き戻すのでは、との見方もある」(都庁記者)
 野田氏本人に聞くと、「TSSの現状の課題に取り組むことについて、知事と話をし、快諾いたしました。身の引き締まる思いです」とのこと。袂を分かちかけた“腹心”を懐柔しなければならないほど、小池知事の孤立は深まっているようだ。


直接対話を求めたら…“飛んで火に入る”安倍政権の対北外交
「次は私自身が金正恩委員長と向き合わなければならない」――。安倍首相は最近、北朝鮮問題を問われるたびに、そう繰り返している。従来の制裁一本やりだった対北外交の高いハードルを下げ、対話路線に転換したようにもみえる。果たして安倍首相は金正恩委員長に直接、会えるのか。
 2度目の米朝首脳会談が物別れに終わり、政府内には「北朝鮮は日本に接近してくる」との期待の声もあるようだが、北はむしろ「安倍一味」への批判を強めている。北にとって対日外交の優先度は依然として低く、首相の直接会談要求は突き放されたままだ。
 安倍首相はトランプ米大統領にスリ寄り、米朝会談で日本人拉致問題を取り上げるよう願い出た。首相の陳情を受け、トランプ大統領は米朝会談では2度とも、金正恩委員長に拉致問題を提起した。それでも北朝鮮側からは色よい反応は返ってこない。
 昨年の南北首脳会談で金正恩委員長は拉致問題について、「韓国やアメリカなど、周りばかりが言ってきているが、なぜ日本は、直接言ってこないのか」と言い放ったと報じられた。日本政府に北朝鮮とのパイプがなければ、首相の直接会話は夢のまた夢。今さら対話路線に転じても、遅きに失した感はある。それでも首相は金正恩委員長と会うため、ようやく立ち上がったのだろう。
 さらに気がかりなのは、韓国の文在寅政権が南北融和に動きながら、反日姿勢を強めていることだ。元徴用工問題や慰安婦財団の解散、いわゆるレーダー照射問題、国会議長の天皇謝罪要求と具体例を挙げればキリがないほどである。
 元徴用工問題も慰安婦問題も、韓国だけではなく北にも関連しているはずだ。文大統領はこれを金正恩委員長と共有の課題にしようとしているに違いない。
 文在寅政権の樹立後、3度目となる南北首脳会談に向け金正恩委員長のソウル訪問の実現を目指すなど、南北朝鮮の両首脳が融和に傾斜するほど、日本の安倍政権だけが取り残されていく構図である。
 このまま、南北朝鮮が共に反日感情を強めながら一体感を増していけば、日本にとっては脅威だ。ヘタをすると、100年前の朝鮮併合時代に吹き荒れた「3・1独立運動」のような反日の動きが、朝鮮半島全域で起きるのではないかと心配になってくる。
 中国の習近平国家主席も、南北朝鮮の反日の高まりをニコニコと見守っているに違いない。かような状況下で、安倍首相が北朝鮮に直接、乗り込み、金正恩委員長に「拉致・核・ミサイル」問題に対する懸念を表明すれば、どうなってしまうのか。南北朝鮮の反日姿勢の火に油を注ぐこととなり、安倍首相自身はまさに飛んで火に入る夏の虫となる。
 極東アジアで孤立していく日本の姿に、習近平国家主席はシメシメという展開となりかねない。


倍首相が元号発表で平成にはなかった「パフォーマンス会見」強行! 元号利用して皇太子に接近、私物化どこまで
 政府が4月1日の11時半ごろに新たな元号を公開すると発表した。当初、永田町周辺では、安倍首相が直接、新元号を公表するとの観測も流れていたが、平成への改元時と同様に内閣官房長官が記者会見で示すことに落ち着いたようだ。だが、元号を政治利用したい安倍首相の野望はいささかも揺るぎない。
 報じられているように、4月1日の午前に菅義偉官房長官が新元号を公開した直後、安倍首相は正午に記者会見を開いて談話を発表。「新元号に込められた意義」を国民に語るらしいのだ。
 周知のように、昭和から平成への改元では、当時の首相である竹下登は会見などしていない。官房長官だった小渕恵三が発表し、その際、小渕が竹下の短い談話を読み上げただけだった。それは、首相が前に出すぎることで、天皇の政治利用という批判を受けるのを避けたためだろう。
 ところが、今回は安倍首相がわざわざ会見を開き、「〇〇という新しい元号には日本の繁栄と幸福を祈る気持ちが込められている」とか「2020年には東京五輪も控えている。新しい時代にふさわしい元号です」などと得意げに話すらしいのだ。
「安倍首相は当初、元号発表も自分でやる気でいた。それで、側近の官邸幹部や閣僚に『安倍さんに発表してもらったほうがいい』などと言わせていた。しかし、前例を崩すと、さすがに政治利用という批判が起きかねないので、別で会見を開くということに落ち着いたようです」(全国紙官邸担当記者)
 ようするに、安倍首相は自分が元号発表にコミットすれば、“新元号を最終決定した首相”として権威を誇示し、これまでの安倍政治を正当化することができると踏んだのだろう。本サイトはそもそも元号を廃止すべきという立場だが、天皇主義者や元号肯定派からみても、この安倍の行為は“私物化”としか言いようがない。
 しかも、安倍首相の改元政治利用は、このパフォーマンスだけではない。新元号を巡って、水面下で様々な裏工作を行っている。その一つが、新たに天皇に即位する皇太子への接触だ。
 昨日29日の午前、安倍首相は皇居を訪れて明仁天皇に内奏し、新元号公表の流れなどについて説明したという。だが、驚くことに、その午後には元赤坂の東宮御所へ向い、皇太子と面会したのである。
 安倍首相は2月22日の午後にも、皇太子と面会している。総理大臣が天皇に国内外の情勢を報告する「内奏」は年に数回ほど行われているが、現役の首相が皇太子と一対一で面会をするのは異例のことだった。それを、安倍首相は約1カ月の間に二度も行ったのだ。これは、まさに異例中の異例と言っていい。
「今回も先月同様、皇位継承や新元号発表などに関して説明したと言われていますが、総理が二度も同じことを、しかも直接、皇太子殿下に話す必要があるとは思えない。安倍総理と今の天皇ご夫妻との関係に亀裂が入っていることは、いまや“公然の秘密”。新天皇となる皇太子に対してはわざわざ異例中の異例の対応をすることで取り込みたいという意図があるとしか思えません」(宮内庁担当記者)
天皇・皇后と対立してきた安倍首相が皇太子の取り込みコントロールを画策
 たしかに、明仁天皇は節目節目で、安倍政権がゴリ押ししている改憲や沖縄いじめに釘をさすような発言をしてきた。明仁天皇と美智子皇后はリベラルな考えの持ち主とされるが、とりわけ昭和天皇のそばで日本の敗戦を体験した明仁天皇は、安倍首相がこだわる復古的な“明治日本=大日本帝国礼賛”を苦々しく思っているとも言われる。事実、昨年10月23日に行われた「明治150年」を記念する政府主催式典に、明仁天皇と美智子皇后は出席しなかった。べテランの皇室ジャーナリストが言葉をついで解説する。
「これはご学友や元側近たちも証言していることですが、そもそも天皇陛下は強い信念の持ち主で、『これはおかしい』と思ったら妥協しないし、一度『この人は信用できない』と違和感を持ったら、絶対に心を開かれることはない。そういう意味では、安倍首相が関係修復することは不可能だったんです。しかし、皇太子は生来、波風を立てるのがお嫌いな方で、ご自分の気持ちを強く出すことはされない。さらに、雅子さまは小和田恆元外務省事務次官の娘で自身も外務省出身ですから、政治的には安倍首相の考えに近い可能性もあります。いずれにしても、安倍首相からしてみれば、代替わりと改元は、今の天皇ご夫妻との“壊れた関係性”を刷新し、“政権と親和的な天皇”を構築するまたとないチャンスということになりますね」
 実際、安倍首相のアプローチはすでに結実しつつあるかもしれない。先月、皇太子は誕生日に際した記者会見にのぞんだが、そこで記者から「大嘗祭のあり方」について質問を受け「今回政府が決定をした内容について、私がこの場で何か述べることは控えたいと思います」とコメントを避けたていた。これは昨年、弟の秋篠宮が「宗教色が強いものを国費で賄うことが適当かどうか」「身の丈にあった儀式にすればよいと思う」と踏み込んだ発言を行ったのとは対照的だろう。
新元号に「安」の文字は入るのか? かけめぐる情報の裏に…
 再び、前出の宮内庁担当記者が語る。
「秋篠宮は天皇陛下と同じくらいリベラルな価値観を持っておられますが、実は、安倍首相は秋篠宮家に関しても切り崩しをはかっているのです。例の眞子さまと小室圭さんとのご婚約問題も、官邸は破談に持ち込もうと陰に陽に動いている。結果的に、この間のゴタゴタで秋篠宮殿下は疲弊しており、眞子さま、佳子さまとも心の溝が生じているとしきりに噂されますが、その背後で官邸が宮内庁を通じて様々なプレッシャーをかけつつ、マスコミの秋篠宮へのネガキャンを先導している節があります」
 安倍首相は眞子内親王の結婚問題で秋篠宮に揺さぶりをかけ、一方では、異例中の異例で皇太子に短期間での面会を繰り返して“特別扱い”することで、皇室をコントロールしようという腹づもりなのだろう。ようするに、“安倍のための皇室”をつくろうとしていると言っても過言ではない。
 周知のように、この間、新元号をめぐっては「安倍の“安”の字が入る」という情報が永田町を駆け巡り、巷間の新元号をめぐるアンケート等でも「安久」など、「安」のついた元号名が多数ランクインしているとの報道が連日メディアを賑わせている。
 これについては、「さすがの安倍首相もそこまで露骨なことはやれないだろう」という見方と、「この間の情報拡散は、それこそ本当に“安”の文字を入れるための地ならしじゃないか」という見方の両方があり、実際のところは蓋を開けるまでわからない。しかし、多くの人々が「安倍首相なら“安”をねじ込むことをやりかねない」と思っているのはたしかだろう。しかも裸の王様に裸と言えないように、テレビなどでは、それが「安倍の“安”」であることを、わかっていながら誰も口にしないというのも薄気味悪い。
 いずれにしても、安倍首相の元号と皇室“私物化”が本格化するのはこれからだ。新たな官邸と皇室の関係の変化に注意していく必要がある。


2019年防衛大卒業式で大量の任官拒否が出た理由
卒業生の約1割が自衛隊に入らず民間へ この責任は誰が負うべきか
制服に学帽姿で、記念撮影をする若者たち。卒業証書を片手に、スマホで自撮りをする女子学生の姿もある。バラバラと正門前に現れ、保護者と挨拶を交わしてキャンパスに戻っていった彼らの顔は、一様に晴れやかだった――。
3月17日、神奈川県横須賀市にある防衛大学校で卒業式が開かれた。安倍晋三首相(64)による訓示の後、学帽を一斉に宙に投げて卒業生が退出するという例年通りの式となったが、実はその裏で、今年の防衛大には前代未聞の“異常事態“が発生していた。
49人――。478人の卒業生のうち1割を超える学生が、任官拒否をしていたのだ。任官拒否とは文字通り、防衛大を卒業しても自衛官にはならないこと。過去、最多の任官拒否者が出たのは、バブル景気と湾岸戦争を巡る自衛隊派遣議論が重なった’91年の94人だが、49人はそれ以降で最多の数字である。
冒頭の場面は、17日の卒業式ではなく、その前日の16日。任官拒否者は卒業式本番への出席を許されていないため、前日に卒業証書授与と簡単な式を行ったのだという。
「例年、任官拒否者に対しては、卒業証書授与だけの状態が続いていたと聞いています。今年になって急に式を開いたのは、学内でのイジメ問題が取り沙汰されている状況を鑑みて、イメージアップを図ったのかもしれません」(防衛大関係者)
言わずもがな、防衛大は自衛隊の幹部候補生を養成する機関である。学生は学費免除であるだけでなく、約11万円の月給とボーナスも年2回(約38万円)、税金から支給される。
「それだけに、防衛大からすれば任官拒否は大きな痛手です。任官拒否を表明した49人には、防衛大の教授らが必死になって翻意させようと説得に当たった。外部から識者まで呼んで、世間がいかに厳しいかを説いたみたいです。しかし、彼らの決意は固かった」(同前)
任官拒否の理由は、「民間企業へ行きたいから」「自衛隊には向いていないと思った」などだったという。だが、彼らがそう考えるに至ったのは、こんな社会的な背景があるのかもしれない。政治アナリストの伊藤惇夫氏が語る。
「安倍政権への不安があるのは間違いありません。今年の卒業生は、’15年に安倍首相が強引に安保法案を成立させた過程を見てきた世代。『当事者』として、危険地域へと派遣される可能性と直面し、熟慮の末、任官拒否という道を選んだのでしょう」
あんな最高指揮官のもとでは働けない――。現政権が続けば、任官拒否者はますます増えそうだ。


喜べない野菜安…裏で進む「食の安全保障」ボロボロの現実
 スーパーをのぞくと生鮮野菜が安い。キャベツ98円、エノキ60円、ニラ80円……。農水省によると、23日時点の東京都中央卸売市場での卸売価格は平年比で、ハクサイが47%、キャベツが68%、ニンジンが71%などと軒並み下回っている。ネギ、ダイコン、ジャガイモ、レタス、タマネギ、ホウレンソウも含めた9品目は、4月も平年より2割以上の安価で推移するという。
 食品などの値上げが相次ぎ、秋の消費増税を控える消費者にはありがたいが、喜んでばかりはいられない。
「最近の野菜安は、天候に恵まれ生育が順調なのが要因ですが、もうひとつ、国産野菜の需要が低迷していることもあります。昨年の豪雨や猛暑などの影響で野菜が高騰した時、国産から輸入に切り替える業者が多く現れ、今も輸入品が定着しているのです」(農政担当記者)
■「食料自給率」目標を下方修正も遠く及ばず
 農畜産業振興機構によると、昨年の野菜全体の輸入量は292万トンで前年比6%増。とりわけ生鮮野菜は前年から14%も増え、98万トンだった。107万トンで同5%増の冷凍野菜は2年連続で過去最高を更新した。
「一般消費者の目につくスーパーではあまり見ないかもしれませんが、外食など業務用は輸入野菜が増えています。ただ、目先のことに追われて輸入が拡大し続ければ、国内の農家は弱体化します。食の安全保障の観点からは気をつけておいた方がいいでしょう」(経済ジャーナリスト・井上学氏)
 日本の食料自給率はジリ貧だ。1965年度には73%(カロリーベース)だったが、2017年度は38%まで落ち込んでいる。野菜(75%)は米(97%)に続く優等生だが、輸入野菜の拡大は自給率をいっそう押し下げる。
 安倍政権は15年3月、食料自給率の目標(25年度)を50%から45%に引き下げたが、削った目標からも遠のくばかり。武器爆買いより、ちょっとは食の安全保障にも目を向けたらどうか。


自然治癒力を高める食べ物1位は「納豆」 総合力で圧勝
 がん患者数や死亡者数を見ると、日本は増加し続けているが、欧米では減っているという。世界で最高峰の医療技術を持つ日本でなぜ、と不思議に思う人は多いだろう。
 たとえば女性の乳がん。2013年までの20年間で、日本では死亡率が33%上昇した一方、アメリカでは36%も減った。日本は先進国でもかなり珍しい「がん死大国」だ。その理由は、日本が超高齢化社会であることや、がん検診の受診率の低さが挙げられるが、それだけではない。
「アメリカでは、1970年代から国を挙げてがん対策を模索してきました。その結果、がんを未然に防ぐために食事内容を改善することが、最重要課題の1つという結論に達した。アメリカ国立がん研究所では、がん予防に効果がある食品の研究を進め、そうした国家キャンペーンの結果、1990年代初めからがんによる死亡者数がマイナスに転じました」(医療経済ジャーナリスト・室井一辰さん)
 一方の日本の医療は相変わらず、がんになったら手術すればいい、薬をのめばいいという姿勢なので、一向に患者数が減らないというわけだ。
 健康で長生きしたい──それならば、がんなど大病を患ってからでは遅い。常日頃から「自然治癒力や免疫力を高める食品」を食べ続けて、“医者いらず”になるしかないのだ。
 そこで本誌・女性セブンは、医師や管理栄養士など「食と健康のプロ」25人にアンケート調査を実施。体にいい食べ物は数あれど、その中でも特に「自然治癒力を上げる食べ物」をランキング化した。
 25人の「食と健康のプロ」に「自然治癒力や免疫力を上げる食べ物ベスト5」を挙げてもらい、1位を5点、2位を4点、3位を3点、4位を2点、5位を1点として集計。ベスト3は、1位「納豆」62点、2位「にんにく」25点、3位「ヨーグルト」23点という結果になった。
◆納豆、みそ、豆腐…大豆は強し!
 2位の「にんにく」にダブルスコア以上の差をつけて、王座に君臨したのは「納豆」。その最大の理由は、“総合力”である。管理栄養士の磯村優貴恵さんが解説する。
「良質なたんぱく質がたっぷり含まれているのはもちろん、強い骨を作ってくれるビタミンK、血栓を溶かし、血液をサラサラに導いてくれるナットウキナーゼなど体の土台作りに欠かせない栄養素が盛りだくさん。免疫力を高めるには欠かせない食べ物です」
 納豆というと「朝食のお供」のイメージが強いが、薬剤師・栄養学博士の宇多川久美子さんは夜に食べる方がより効果的だと話す。
「血栓は体内の水分が不足しやすい夜中にできることが多いため、予防のため私は夜に納豆を食べるようにしています」
 特に女性は大豆製品を積極的に摂るべきだと強調するのは西台クリニック院長の済陽高穂医師だ。
「大豆に含まれるイソフラボンは女性ホルモンのエストロゲンによく似た構造をしている。そのためエストロゲンの不足で起きる更年期症状を和らげるほか、乳がんや卵巣がんの予防にも役立ちます。私も週に5回は納豆か豆腐を食べます。男性でも前立腺がんの予防に効果的なのです」
 同じ大豆原料で、日本伝統の調味料「みそ」は5位にランクイン。
「大豆を発酵させて作った食品だから栄養価は文句なし。そのうえいろいろな食材と組み合わせて食べられる便利さもいい。ただし、みそに含まれるビタミンは熱に弱いので、みそ汁は沸騰させないように。私は火を止めてからみそを溶くようにしています。スティック野菜につけて食べるのもおすすめです」(宇多川さん)
 6位に入っためかぶ、13位のわかめなどの海藻類をみそ汁の具に入れるのもいい。早稲田大学ナノ・ライフ創新研究機構の矢澤一良さんが言う。
「それらの海藻類は食物繊維が豊富で、腸内環境を改善し、免疫機能を高めてくれる。海藻には塩分を体外に排出する効果もあるため、みその塩分が気になるかたにもおすすめです」


ひきこもり調査  高年齢化踏まえ対策を
 40〜64歳のひきこもりの人が全国で約61万人に上ることが内閣府の調査で初めて明らかになった。
 ひきこもりは若者特有の現象というイメージがあるが、長期化・高年齢化が裏付けられた形だ。
 個々の実態把握が難しいだけに、現実を具体的に浮かび上がらせた意義は大きい。
 ただ支援の手が十分届いているとは言い難く、事態は深刻だ。国は背景を分析し、有効な対策を打ち出してほしい。
 調査は全国5千世帯を調査員が訪問し、本人や家族から外出の頻度や生活水準などを聞き取った。
 男女別では男性が8割近くに上る。ひきこもりの期間は「7年以上」が合計で全体の半数近くを占めた。
 きっかけは「退職」が36%と最多で「人間関係がうまくいかなかった」「病気」が各21%で続く。
 就職氷河期世代に当たる40〜44歳の3人に1人は「20〜24歳」でひきこもり状態になっていた。就職活動がうまくいかなかったり、職場でつらい経験をしたりしたことが原因になった可能性がある。
 人口減少時代を迎え、本来は企業や地域の中核をなすはずの人材が社会に参画していないことは大きな損失といえる。きめ細かなサポートが早急に求められる。
 気になるのは、父親か母親が生計を立てているとしたのが34%に上った点だ。親の年金が頼りというケースもあり、高齢の親に経済的に依存する姿が浮かぶ。
 だが親の介護費や病気の治療費がかさめば、生活困窮に陥りかねない。行政はセーフティネットに漏れがないか再点検すべきだ。
 2015年施行の生活困窮者自立支援法でようやく40歳以上が支援対象になったが、相談窓口を設置しているだけの自治体も多い。
 ひきこもりの人は自らを責め、なかなか周囲に相談できない。当事者と支える側をつなぐため工夫が必要だ。自宅訪問や居場所づくり、就労訓練などに対応する専門の支援体制をつくってはどうか。
 根本匠厚生労働相は「大人のひきこもりは新たな社会問題」と述べた。ひきこもりの人は15年の若年層の調査で15〜39歳が推計54万人に上り、累計で100万人を超えるとの見方もある。社会全体で関心と理解を深めたい。
 大人のひきこもりの背景はいろいろあるが、生きづらくなる原因がどこにあるのかも考えねばならない。ひきこもらざるを得なくなるような社会のありようを見つめ直し、実態を踏まえた支援の形を官民で議論する必要がある。


数年前から“終活”も 萩原健一さんの知られざる闘病生活8年
 GIST(消化管間質腫瘍)のため、26日に都内の病院で亡くなったショーケンこと俳優の萩原健一さん(享年68)は昨年5月、22年ぶりのシングル「Time Flies」をリリースするなど、精力的に活動していたようにも見えた。が、実際には「2011年から闘病を続け、ここ1、2年はドラマ出演のオファーも、ほとんど断っていた」(芸能ライター)という。仕事を減らし始めたのと前後して、生活も徐々に“簡素化”していたようだ。
「かつては横浜の一軒家で暮らしていましたが、病気のこともあってか、数年前に駒沢公園の一軒家に、最近は近所のもう少し狭い高級マンションに引っ越して、理加夫人(モデルの冨田リカ)と暮らしていました。そこから最寄りの病院にタクシーで通うのが、ショーケンの日常だった」(前出の芸能ライター)
 萩原さん本人の強い希望で病名の公表を控えていたが、闘病生活については昨年暮れごろから周囲に漏れ始めていた。
「局の上層部は萩原さんに出演のオファーをしろと言うんですが、萩原さんの方から断ってきていました」(ある演出家)
 それで「ホッとしていた」と話すドラマ制作関係者もいたという。
「ショーケンは、必ずと言っていいほど脚本や役柄をめぐり揉める。いい意味でも、悪い意味でも面倒くさい役者。裏を返せば、こだわりの強い、すごい役者です。とはいえ、撮影があると、今度はギャラで揉めることも多かった。それで、現場はなるべく摩擦を避けようとしていたんです」(前出の演出家)
 4度の結婚、4度の逮捕とハチャメチャだけど、8年にわたる闘病を最近まで人に知られず、“お別れの会”も拒否した萩原さん。らしいと言えば、らしい。
「横浜の自宅まで取材に出かけた記者は、ショーケンに何度か殴られたこともあったそうです。今ではそれが勲章みたいなものですよね」(前出の芸能ライター)
 Time Flies……。


ピエール瀧報道で『バイキング』坂上忍「ドミューン知らない」だけが問題じゃない! 自分を棚に上げ逸脱を許さない道徳ファシズム
 ピエール瀧の逮捕以降、本サイトは一貫して、メディア(特に地上波テレビ)報道の問題点を指摘し続けてきた。被害者もいないただの薬物事件をまるで重大犯罪のように騒ぎ立て、ピエール瀧の人格や過去の仕事まで否定し、「一緒にグループを組んでいる」という理由だけで石野卓球への謝罪を要求する……。
 なかでも悪質なのが『バイキング』(フジテレビ)だ。毎日のように「こんなに迷惑をかけた」「いいおとなが無責任すぎる」「厳罰は当然」などとピエール瀧を糾弾し、薬物に手を出せば、すべてを失って当然であるかのような“煽動魔女狩りエンタテインメント”を展開している。
 石野卓球のことを攻撃した3月25日の放送については先日、取り上げたが(https://lite-ra.com/2019/03/post-4630.html)、3月28日の放送もひどかった。
 この日の『バイキング』はピエール瀧逮捕を受け、出演のテレビ・映画に代役を立てたり、電気グルーヴの音源の流通を止めたりという、業界の過剰な自粛対応に対して抗議の声が起きていることがテーマだった。
 最初に、薬物依存症問題に取り組む市民団体「依存症問題の正しい報道を求めるネットワーク」が松竹、セガゲームス、ソニー・ミュージックエンタテインメント、TBS、NHKなどに自粛撤回の要望書を出していることが紹介され、「過剰な自粛や極悪人のような煽動報道で、薬物依存の当事者や家族はどんどん追い詰められる」という旨の発起人のコメントがVTRで流された。「刑罰から治療へ」という薬物対策の世界的な流れから言うと、当然の主張といっていいだろう。
 ところが、これを受けたスタジオの反応は真逆だった。まず、MCの坂上忍はVTRが終わるなり、「お話きいているとイマイチ僕は説得力を感じない部分のほうが多かった」「お話を伺っていると、支援のほうにだいぶこうシフトした方々なんですかね」などと一蹴。逆に「更生させるのはとても大事なことだとは思うけど、手を出すことじたいが犯罪なわけでしょ」と犯罪であることを強調し、「刑罰から治療へ」という考え方について「日本はまた全然状況が違うから、そこらへんは、なんか、世界の潮流になんでもかんでも合わせりゃいいのかってことではないと思うんだけどね」と否定にかかった。
 さらには、「薬物に手を出しちゃったら、こんな大変なことになるんですよ! 出演しているものはオンエアーもできないし、損害賠償だし、大変なことになるから、(薬物は)やめてくださいよ!っていう意味も含まれている」と、バッシングや自粛が見せしめになる、と正当化したのだ。
 ほかのコメンテーターも同様だ。布施博や森公美子は市民団体の主張を「比較対象が違う」「考え方が違う」と批判、薬丸裕英にいたっては「まず手を出してから依存するわけでしょ。まず手を出すことがいけないことじゃないですか。その罪を償わずに、更生のほうをっていうふうに僕には聞こえてしまったんですね」と、市民団体の更生そのものを否定した。
 言っておくが、「刑罰から治療へ」が世界的な潮流になっているのは、薬物防止に効果があることが客観的に明らかになっているからだ。にもかかわらずこの連中は一切聞く耳を持たず、「ルールを破ったんだから罰を受けろ」などと、中世的な価値観丸出しで叫んでいるのである。この思考停止と前時代性には辟易とするしかない。
 さらにひどかったのが、宇川直宏主宰のライブストリーミングサイト・DOMMUNEの企画をとりあげたときのことだ。DOMMUNE は26日、自粛対応への抗議の意味も込めて、「電気グルーヴ“だけ”の5時間!電気グルーヴ“だらけ”の300分!」と題し、電気グルーヴの楽曲をかけるDJイベント企画を放送。DJ WADA、KEN ISHII、SUGIURUMN、Licaxxxといった著名なDJが参加したこの放送は大反響を呼び、日本のツイッターではトレンド1位になり、46万人以上の視聴者が集まった。
抑圧に抵抗するDOMMUNEをバカにし「売名」と攻撃した『バイキング』
 ところが、『バイキング』は、このDOMMUNEの行動を悪意をもって攻撃しまくったのだった。まず、電気グルーヴの音楽が世の中に流通できない状態になっていることに疑問を呈したDOMMUNEの企画趣旨が紹介されると、坂上がいきなり「ずいぶん熱いですね……」と皮肉。続いて森公美子がこんなことを言い出した。
「DOMMUNEってわたし、聴いてなかったですけれども、ツイートのトレンドで日本1位になろうって。「がんばろうぜ」って、誰かがツイートしたんですかね。何回も同じ人がやるとけっこう上がっていく。DOMMUNEって知ってる人ってこのなかにいます?」
 そして、この発言をきっかけに、スタジオはDOMMUNEの企画が売名行為、PRではないかという話題一色になってしまう。
 まず、坂上が「これやると、ここ(DOMMUNE)のこと知るよね」「おれ、森さんの話きいて、ああっ、確かにと思って。(DOMMUNE)知らなかったもの」と発言し大笑い。
 これに、おそらくスタジオでただひとりDOMMUNEや企画の意義をわかっていたと思しきフットボールアワーの岩尾望が「DOMMUNEのPRだという見方をしてる人がいたんですか?(笑)」とあり得ないという感じで突っ込んだのだが、全体の空気を読んだフット後藤輝基が「そういう意味では、コマーシャルにもなりますけど」と坂上らの流れに話を押し戻し、薬丸も「うーん。どうしてもそういうふう(サイトPR)な目で見てしまいますね」と同調。
 現在、ネットでは、坂上やコメンテーターたちがライブストリーミングの草分け的存在であるDOMMUNEのことを知らなかったことに、大量のツッコミが入っているが、問題はそこではない。
『バイキング』が最悪だったのは、DOMMUNEのような動きが抑圧へのカウンターとして出てきていることにまったく理解を示さず、「売名」と決めつけて攻撃をした点だ。
 自分たちこそ、金を稼いだり既得権益を守るために、長いものに巻かれているくせに、既成の価値観に違和感を表明したり、本質的な議論をしようとしたものを、目立つための行為だと嘲笑い、見下す。これは、ワイドショー的言論の典型であり、そういった同調圧力が、マイノリティを抑圧する社会をつくりだしてきたのだ。
 だいたい、坂上は偉そうにピエール瀧や石野卓球を責める資格があるのか。坂上自体、彼が説教しているようなルール違反や、まわりの信頼を裏切るような無責任な行動をさんざん繰り返してきた人間ではなかったか。
飲酒当て逃げでパトカーとカーチェイスを繰り広げたこともある坂上忍
 たとえば、有名なのが、1995年に飲酒当て逃げ事件で逮捕された一件だ。坂上はこのとき、友人の俳優宅でのパーティで酔っ払っていたにもかかわらず、当時、噂になっていた女優の山本未来と車で帰宅。途中で道路脇の電柱に激突し、電柱を根元から折ってしまうという交通事故を起こした。
 しかも、坂上は大破した車に再び乗り込んで逃走を図り、パトカーと20分間にわたってカーチェイスを繰り広げ、酒気帯び運転で警視庁北沢警察署に現行犯逮捕されたのだ。
 言っておくが、これは坂上の不祥事を責めているのではない。逆だ。
 かつて逸脱していた自分を棚に上げて、いま逸脱している者を糾弾していることこそ、退廃にほかならない。自らが保身のために変節・退廃するだけなら勝手にしてくれればいいが、その自分の変節を正当化したいがために、坂上は他人の逸脱を糾弾せずにはいられないのではないか。
 1984年に発行された初の著書『地球に落ちてしまった忍』(小学館)で、当時17歳の坂上は、相米慎二監督に言われた言葉を紹介しながら〈宇宙人でもいいさ〉と異端であり続けることを自負すらしている。さらにアイドルが自分の意志をもっていないことに憤慨して〈坂上流にいえば、芸能界の小学生だ!〉と罵倒した後に、〈ちなみにぼくのしたっているアイドルはデビッド・ボウイです〉と綴っている。タイトルの『地球に落ちてしまった忍』もおそらく、デヴィッド・ボウイの主演映画『地球に落ちて来た男』から取ったものだろう。これほど坂上がリスペクトするデヴィッド・ボウイも薬物依存であったことは有名な話だ。
 いまの坂上にとっては、こういうのもすべて若気の至りなのだろうか。
『バイキング』の全曜日MCを始める少し前の、2014年『FNSうたの夏まつり』(フジテレビ)に坂上が出演した際は、そのデヴィッド・ボウイの「Let's Dance」をいたって真面目に歌って視聴者を大いに困惑させたが、それも坂上が17歳の心を黒歴史化などさせずに保っている証拠かとも思っていたのだが……。
ショーケンの死に『傷だらけの天使』『極妻』で共演していた坂上忍は…
 ちなみに、29日の『バイキング』では、前日夜死去が報じられたショーケンこと萩原健一についての特集が、ほかのワイドショーより圧倒的に小さかった。坂上はショーケンとは、ドラマ『傷だらけの天使』で子役時代に共演、映画『極道の妻たち 三代目姐』ではショーケンを刺し殺す役を演じるなどしており、近年もバラエティでも度々共演したり、萩原とのエピソードを披露するなどしていた。他のワイドショー以上に、坂上自身が生き証人として語れること・語るべきことの多い話題だったと思うが、番組後半に20分足らずという明らかに小さな扱いだった。
 マリファナの不法所持を含む4度の逮捕歴があり、著書でも薬物経験を披露しているショーケンのことも、坂上は今となっては「もう大人なのに無責任」などと思っているのか。あるいは、ピエール瀧報道での自身の論調との矛盾にバツが悪かったのか。いずれにしても、坂上が自らの変節とオヤジ化により、自縄自縛になっているのは間違いないだろう。
 この自縄自縛は坂上だけに限った問題ではない。
 多くのワイドショーが、「ピエール瀧を糾弾しながらショーケンは持ち上げるのか」とそのダブルスタンダードを批判されている。恐ろしいのは、現在の道徳ファシズム社会・日本では、そうした批判によって「ピエール瀧を糾弾するのは間違っていた」と省みるのでなく、逆に「ショーケンを評価してはいけない」というほうに流れてしまいかねないところだ。
 音楽も映画も文学も不道徳だと糾弾され、強者のご機嫌を取り弱者をいたぶるお笑いだけがエンタテインメントとして許される。『バイキング』を見ていると、そんなおぞましい近未来すら想起せずにはいられない。その狂った世界ではもちろん「DOMMUNE知らない」のほうが常識となる。
 繰り返しになるが、逸脱を許さない社会からは、新しいものは生まれない。それは芸術やカルチャーだけの話ではなく、科学技術や経済、政治などすべてにおいてだ。逸脱を許さない社会は、いま逸脱者とされている者だけでなく、すべての人にとって生きづらく、権力を握る支配者層以外にはなんのメリットもないことを認識するべきだ。


白人男性の汚れた服をアジア人女性が嗅いでうっとり…独CMに非難の声 韓国
ドイツのホームセンターが、白人男性の脱ぎ捨てた衣類をアジア人女性がうっとり嗅いでいるという内容のCMを放映したことを受け、韓国の首都ソウルでは、アジア人女性に対する人種差別だとして多くの女性が怒りの声を上げ、この企業に対して謝罪を要求する署名運動に発展している。
 DIY用品を扱うチェーン店、ホルンバッハ(Hornbach)によるCMは、庭仕事をしている白人男性らが汗まみれの衣類を脱ぎ捨てて箱の中に投げ捨てると、東京のような灰色の産業都市の映像に切り替わる。そこで、アジア人女性が、男性たちが着ていた汚れた衣類を詰めた袋を買い求め、これを開いて臭いを嗅ぎ、恍惚(こうこつ)とした表情を浮かべてうめき声を上げると、「これが春の香り」というキャッチコピーで締めくくられる。
 韓国では、ホルンバッハに対して公的な謝罪とCMの取り下げを求める署名運動がネット上で行われ、賛同者は28日午後までで1000人近くに達した。また、ソーシャルメディア(SNS)でも、同社がアジア女性に対するステレオタイプなイメージを助長しているとして怒りの声が広がっている。
 一方のホルンバッハ側はツイッター(Twitter)で、このCMは人種差別的なものではなく、「都会では生活の質が低下している」ことを示しているのだと反論。アジア人女性が登場した産業都市は架空の場所で、アジアのどこかの都市をモデルにしたわけではないと主張した。
 だが、ある韓国人女性は「何を言おうと、このCMは不適切」とツイート。「欧米社会においてアジア人女性は、人種差別的な中傷に基づく数え切れないほどの性的暴行を受けてきた」と非難している。

近江鉄道で彦根/リメディが◎/琵琶湖/京都で一服

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Au Japon, le phénomène “hikikomori” fait de plus en plus d’émules
Le gouvernement japonais a présenté ce vendredi 29 mars les résultats d’une étude conduite en décembre 2018 : 613 000 Japonais de plus de 40 ans vivent en retrait complet de la société. Une tendance qui gagne en ampleur.
Un homme de la préfecture d’Aichi, âgé de 53 ans, sort rarement de chez lui et mange dans sa chambre, rideaux tirés, les repas préparés par sa mère”, raconte l’Asahi Shimbun. “Il ne sort jamais durant la journée pour éviter d’être vu par ses voisins et se rend, de nuit, dans un supermarché éloigné pour ses courses.
Cet homme est l’un des 613 000 hikikomori âgés de 40 à 64 ans, qui vivent complètement reclus, sans aucune activité sociale. Le gouvernement a présenté ce vendredi 29 mars les résultats d’une étude menée en décembre 2018 et ayant abouti à cette estimation.
Le problème “8050”
Le phénomène ne faiblit pas. Pis, il prend une ampleur insoupçonnée dans cette tranche d’âge. “C’est plus que l’estimation de 541 000 [personnes touchées par ce phénomène] pour les 15-39 ans, réalisée il y a quatre ans”, souligne la télévision NHK sur son site Internet. “Nous savons désormais que ce n’est pas un comportement exclusif de la jeunesse”, a concédé Koichi Kitakaze, cité par l’ Asahi, qui a présenté les résultats de l’étude.
Les hommes forment les trois quarts de ces hikikomori, dont l’état est défini par le fait de ne pas se rendre à l’école ou au travail pendant six mois consécutifs et de n’interagir avec personne en dehors de leur famille. La moitié d’entre eux disent avoir vécu de la sorte depuis plus de cinq ans, certains depuis plus de trente ans.
Le phénomène est aussi connu sous l’expression “8050”, qui indique que des parents octogénaires sont contraints de s’occuper de leurs enfants quinquagénaires, note l’ Asahi Shimbun. “Le problème s’est propagé parmi les Japonais d’âge moyen plus rapidement que prévu”, admet-on au gouvernement, lequel “s’est engagé à réfléchir à des mesures efficaces pour s’y attaquer”, selon NHK.
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朝食はフライドポテト.南彦根から彦根までどうしようかな??と考えてJRではなく近江鉄道を使ってみることにしました.駅がどこにあるのかネットで調べて歩いていきます.少し不安になりつつ無事に駅はありました.高宮駅です.年季のはいった味わいのある駅です.多賀大社ではなく彦根行に乗って数駅停車して彦根.階段登ってJRのほうに行くと赤こんにゃくが展示してありました.
さてぶらぶら歩いて郵便局に向かいます.ユニオンに人がストライキしました,と報告していたのでチラシもらいました.9時まで少し待って風景印を押してもらったハガキを2通出しました.
さらに少し歩いてリメディ.想像していたのよりずっと良かったです.
5時くらいに終了したので琵琶湖まで行ってみました.といっても海のように水面があるだけで観光的なものはなかったです.
駅前で一服してJRに乗りました.女子学生らしき2人組が「御堂筋線が・・・」と話してましたが,大阪市内から彦根まで通っているの?エライ!
京都で途中下車してレストランを探すもほとんど行列ができていました.金曜日だから仕方ない?

<東日本大震災 復興人>震災、医師の道へ導く 阪神と東北重ね歩む
◎仙台市青葉区・東北医科薬科大2年 塚本聖花さん(21)
 阪神大震災と東日本大震災。二つの震災との縁を力に東北医科薬科大医学部医学科2年の塚本聖花さん(21)が、出身の京都市から約580キロ離れた仙台市で医師への道を歩んでいる。
 神戸市長田区に住んでいた祖母(88)は1995年1月17日、自宅で被災した。就寝中に屋根や梁(はり)が落ちてきたが、倒れたタンスと床の隙間に入り、奇跡的に一命を取り留めた。
 京都新聞記者の父宏さん(52)は取材のため神戸市に直行した。震災担当記者として約1年間、神戸市でホテル住まいをしながら被災地を駆け回った。
 聖花さんが生まれたのはその3年後。物心ついた頃には震災の生々しい傷痕は消えていた。
 家族で年1度、祖母が住んでいた長田区の住宅跡を訪ねている。祖母は京都市の聖花さん宅に身を寄せた後、市内の高齢者専用マンションに移った。事あるごとに「長田区でずっと暮らしたかった」と漏らしていた。
 書籍化された父の震災の記事を繰り返し読んだ。被災した画家ががれきの風景をスケッチする姿が記されていた。「人が困っているところを描いて楽しいのか」。周囲から罵声を浴びせられながらも「被災地の姿を後世に伝えなければいけない」と描き続ける画家。父の姿が重なった。
 東日本大震災に遭遇したのは中学1年。卒業式の予行練習をしていた。最初はめまいだと思ったが、校内放送で大地震の揺れが京都まで届いたことを知った。テレビに映る泥とがれきに覆われた街並みに言葉を失った。父の記事や祖母の話で聞いたのと同じ惨状が広がっていた。
 「東日本大震災の被災地の惨状は人ごととは思えなかった。誰かを直接助けることができる医師になりたい」。進路が決まった。
 第1志望に落ちて浪人していた時、被災地支援に携わる若者を支援する岩手県の奨学金を父が見つけた。父もまた阪神と東日本大震災を重ね合わせ、東北の被災地を案じていた。
 父から「東北で医者になってみないか」と勧められ、猛勉強の末、東北医科薬科大に合格した。東北に来る同級生や後輩は他にいなかった。
 「父は私が京都に帰ってくることはないと送り出したと思う。覚悟を決めた」
 大学で地域医療サークルに所属し、石巻市の仮設住宅や災害公営住宅などを訪問した。祖母と同じように、多くの高齢者が元の生活を取り戻せないでいる現実があった。
 「患者さんの気持ちにどれだけ寄り添えるのかを考え続けたい。父のように現場第一で仕事をする大人になりたい」
 心身ともに傷ついた被災者に寄り添う。東北の被災地のために力を尽くす覚悟だ。(報道部・菅谷仁)
<描く未来図>多くの人救いたい
 関連死を含め6434人が亡くなった阪神大震災から24年。多くの人の努力で復興が進み、神戸市は街のにぎわいを取り戻した。一方で心の傷や、災害時とその後に生じた病気で祖母をはじめ多くの被災者が今も苦しんでいる。東北の被災地の復興もこれからが医療人として正念場だと思う。地域に根差し、多くの人を救える医師になりたい。


<アカウミガメ>屋久島で放流→10年後に岩手・大槌で発見 謎多い生態の解明へ一歩
 2008年8月に鹿児島県屋久島町で放流されたアカウミガメが、18年8月に岩手県大槌町の大槌湾で発見された。自然環境下のウミガメの生態は謎が多く、成長を解き明かす上で貴重な事例となりそうだ。
 屋久島町でウミガメの生態調査や保護活動に取り組むNPO法人「屋久島うみがめ館」が、腹部にマイクロチップを挿入して放流した。NPO法人によると見つかったのは甲長60.8センチ、体重35キロの雌。放流当時は甲長5センチ、体重16グラムだった。あと10年ほどで成体になるとみられる。
 昨年8月に大槌湾の定置網に掛かった。大槌町の東京大大気海洋研究所・国際沿岸海洋研究センターが調査し、マイクロチップから同一個体と判別。発信器を付けて再び放流した。現在は関東の沖合にいるという。チップを確認した福岡拓也特任研究員(29)は「自然のウミガメの成長のペースは謎に包まれていた。1事例ではあるが、成長速度が証拠として明らかになった今回の発見はウミガメの研究において重要なこと」と説明する。
 1985年から活動を続けるNPO法人の大牟田一美顧問(68)は「これまでの苦労が報われた」と話した。NPO法人は99年から1万匹超の子ガメに個体識別用のマイクロチップを埋め込んで放流している。2008年には1095匹を放流した。


松橋事件無罪/自白偏重の捜査を改めよ
 自白に頼るずさんな捜査の問題を明白に示す無罪判決だ。
 熊本県で1985年、男性が刺殺された松橋(まつばせ)事件の再審で熊本地裁は、殺人罪などで懲役13年が確定し服役した宮田浩喜さんに「犯人の証拠なし」と無罪を言い渡した。逮捕から34年で冤罪(えんざい)が晴れる見通しとなった。
 85歳で認知症を患い、介護施設で寝たきりの宮田さんには、苦難の経験を伝えることも穏やかな余生を送ることももはや難しい。警察、検察は取り返しのつかない被害を生む捜査のあり方を見直さねばならない。裁判過程も検証する必要がある。
 再審開始の決め手は、宮田さんが「凶器の小刀の柄に巻き、犯行後に燃やした」と説明したシャツ片が残っていたことだった。さらに小刀と遺体の傷の形状が一致しないとする法医学鑑定書も新証拠に採用され、自白の信用性を否定する大きな根拠となった。
 シャツ片は弁護団の求めで明らかになった証拠で、殺人罪の確定判決時の裁判では提出していなかった。弁護団は「検察が都合の悪い証拠を隠した」と批判する。証拠の不正な扱いがなければ、貴重な人生の日々が失われることはなかったのではないか。チェック機能を果たせなかった裁判所の責任も大きい。
 この構図は、多くの再審事件とも共通する。
 過酷な取り調べで自白に追い込み、客観的証拠が不十分なまま立件する。その後、新証拠で冤罪が明らかになる。ゆがんだ捜査から始まる回復しがたい人権侵害は今も続いている。
 滋賀県の病院で2003年、患者を殺害したとして殺人罪で懲役12年が確定し、服役した元看護助手西山美香さんのケースもそうだ。自然死だった可能性があるとして最高裁が今月、裁判のやり直しを認めた。再審で無罪となる公算が大きい。
 松橋事件では宮田さんの早期救済が最優先されたため、捜査や裁判の問題点の検証が十分行われたとは言いがたい。
 捜査機関は過ちを繰り返さないために、自白誘導や証拠隠蔽の原因を自ら明らかにする責任がある。取り調べでの弁護士の立ち会いや証拠の開示など、積み残された刑事司法改革の議論を加速させねばならない。


松橋事件無罪 失われた歳月を思え
 一九八五年の松橋(まつばせ)事件(熊本)の再審で男性が「無罪」となった。冤罪(えんざい)事件が相次ぐ。無実の人はもっと早く救済されねばならないはずだ。証拠開示など、その糸口となる仕組みづくりが必要だ。
 国連の拷問禁止委員会で日本の刑事司法制度について「中世(魔女狩り裁判)のなごりだ」と指摘されたことがある。二〇一三年のことだ。弁護人に取り調べの立ち会い権がないことや、自白偏重の捜査などが問題視された。
 松橋事件はまさに虚偽の自白を強いられ、捜査当局に都合のいいように供述が変遷した典型例だ。殺人事件が起き、知人の男性が殺人犯に仕立て上げられた。
 当初の自白だと、凶器とされた小刀に血液が付着する。だが、小刀に血液はなかった。そのため捜査当局は「小刀にシャツの左袖を巻き付け、犯行後に燃やした」と供述内容を変えた。付着するはずの血液の問題も、シャツを燃やしたことで理屈は通るのだ。
 ところが、驚くべき展開があった。弁護団が再審請求の準備で熊本地検に「証拠物の衣類を見せてほしい」と求めた。すると検察が開示した大量の証拠物の中に、問題の布きれがあった。
 燃やしたはずの布きれが出てきたのだ。これは決定的である。それでは男性が布を巻き付けた事実も存在しなくなる。
 もともと男性と殺人事件を結びつけるものは自白しかなく、その自白内容が客観事実と矛盾したことで、信用性が一挙に崩れてしまった。男性が「無罪」となるのは明白だった。
 捜査に見立てはあるかもしれない。だが、男性は犯人でないから虚偽自白するしかない。だから、客観事実と符合しない事実が出るたびに自白内容を変える。それで殺人犯に仕立てるとは、まるで当局の“犯罪”ではないか。
 無罪判決で名誉を回復するまでに実に三十四年も費やしてしまった。まさに「中世のなごり」の批判は当たっていよう。
 まだまだ各地に冤罪は潜んでいないか。それを発掘し、無罪とするのが人権の国の道だ。だが、再審は「開かずの扉」と呼ばれるほど困難だ。証拠や証言が虚偽だと判明したときや新証拠が発見されたときなどに限られる。
 それには再審を求める段階から、検察側が無実につながる証拠を積極開示する必要がある。裁判官の前向きな指揮もいる。無実の人を救うのにためらいは無用だ。


「松橋」再審判決 冤罪の要因、徹底検証を
 熊本県で男性が刺殺された松橋(まつばせ)事件の再審公判で、熊本地裁はきのう、犯人とされ服役した宮田浩喜さんに無罪判決を言い渡した。逮捕から実に34年である。
 冤罪(えんざい)は、人権侵害の最たるもので失われた時間は取り返しがつかない。捜査機関や裁判所は真摯(しんし)に反省しなければならない。
 事件を巡っては、自白偏重の取り調べや捜査機関に不利な証拠の「隠匿」、審理のあり方など、多くの問題点が指摘されている。
 冤罪が根絶されない現実を踏まえれば、当局に改善を委ねるだけでは不十分と言えよう。
 日弁連は、第三者機関を国会に設けて徹底検証することを提言している。司法の独立は保ちつつ、こうした手だても検討すべき時期に来ているのではないか。
 併せて、過去の再審無罪事件も洗い直し、抜本的な冤罪防止策の構築を急ぐべきだ。
 地裁の無罪判決は再審開始決定の判断を踏まえ、確定判決が有罪の根拠とした自白の信用性を改めて否定し「殺害は認められない」と結論付けている。
 にもかかわらず、裁判所の責任や誤判の理由に踏み込んでいないのは疑問が残る。自白以外の証拠が乏しい事件だっただけに、早くから無実の訴えに耳を傾けていれば過ちの回避もあり得たろう。
 再審公判に臨んだ検察の姿勢にも首をかしげる。有罪立証こそしなかったが、無罪を求めることもなかった。誠実さを欠いていると言わざるを得ない。
 検察が不都合な証拠を隠していた疑いも看過できない。
 宮田さんが凶器の小刀の柄に巻き付けたという布切れのことだ。自白では「焼却した」とされていたものの、実際は捜査側が保管していた。
 自白との整合性を図るために、布切れを開示しなかったとすれば極めて悪質と言うほかない。
 裁判員裁判などでは、検察が証拠のリストを弁護側に交付する制度があるが十分ではなく、なおかつ再審請求審は対象外だ。
 証拠は決して、捜査側が自由に扱っていい専有物ではない。すべてオープンにするための法改正やルールづくりが急務である。
 裁判所が再審開始を認めても、検察の抗告でしばしば先延ばしとなる現状も放ってはおけない。
 最高裁は「疑わしきは被告人の利益に」という刑事裁判の鉄則は再審にも適用されると判示している。早期の人権救済を最優先に、迅速化を図る必要がある。


森友問題、検審「さらに捜査を尽くすべきだ」 公文書改ざん厳しく指弾
 森友学園への国有地売却や公文書改ざん問題について、大阪第1検察審査会は佐川宣寿・前国税庁長官らの不起訴処分を不当と判断し、大阪地検に再捜査を迫った。地検が再び不起訴にすれば、捜査終結となる。問題を追及してきた関係者らは、「地検は起訴して裁判で事実を明らかにすべきだ」と訴えた。
 「公開の法廷で事実関係を明らかにすべく起訴する意義は大きい」。検審の議決書には、事件の核心を明らかにするよう求める市民らの思いがにじんだ。
 国有地が約8億円値引きされた背景を巡っては、安倍晋三首相の妻昭恵氏や複数の政治家らの影響が取りざたされた。検審は「不起訴記録の証拠だけでは政治家らによる働きかけの影響は判断しがたく、検察官はさらに捜査を尽くすべきだ」と指摘している。
 当初から問題を追及し、検審に申し立てた地元の木村真・大阪府豊中市議も「値引きの理由や政治家の関与がまだ明らかになっていない」と強調。「起訴相当の議決にならなかったのは残念だが、検察は検審の判断を追い風に、起訴に踏み切ってほしい」と期待した。
 検審は公文書の改ざんについても「社会常識を逸脱した」「いかなる理由でも許されない」と厳しく指弾。佐川氏らの責任は重大だと指摘した。
 検審に申し立てていた阪口徳雄弁護士は「検審は地検の不起訴理由にことごとく反論している。地検はしっかり受け止めて再捜査し、国民に真実を明らかにする責任を負った」と語った。【高嶋将之、松本紫帆】


検察審査会が佐川前局長を「不起訴不当」とした理由!「改ざん指示してないという本人供述に信用性ない」の指摘も
 森友問題の「不起訴処分」はやはりおかしい──昨年5月31日、大阪地検特捜部が虚偽公文書作成などの疑いで刑事告発された財務省元理財局長の佐川宣寿氏らを不起訴処分としたことについて、本日、大阪第一検察審査会は「不起訴不当」とする議決書を公表した。
 あらためて振り返るまでもないが、佐川氏が虚偽公文書作成などの疑いをかけられていたのは、森友学園に約8億円も値引きして国有地を売却した問題にからむ、近畿財務局の決裁文書などの改ざん。改ざんは国会で「(森友学園に)自分や妻の関与があれば総理も議員も辞める」と答弁した安倍首相を守るために、佐川氏が司令塔となって、財務省・近畿財務局が組織ぐるみでおこなったことは確実で、有印公文書変造・同行使などの罪に問われるのは当然だと思われた。
 ところが、これを捜査した大阪地検特捜部は佐川氏を不起訴処分に。そこで、佐川氏らを告発していた醍醐聡・東大名誉教授らでつくる市民団体がその処分を不服として大阪検察審査会に審査を申し立てていた。検察審査会は、有権者からくじで選出された11人が審査員となり検察の不起訴が妥当か審査するもので、11人中6人以上が不起訴を妥当と判断すると「不起訴相当」に、同じく11人中6人以上がさらに捜査すべきとした場合は「不起訴不当」、8人以上が起訴すべきと判断すると「起訴相当」となる仕組みだ。
「不起訴不当」ということは、審査員の過半数以上が、佐川氏を不起訴とした検察捜査に疑義もしくは不十分な点があると認めたということになる。
 しかも、佐川を「不起訴不当」とした理由として、大阪第一検察審査会は「社会的常識を逸脱し、相当大幅な削除がなされたことにより、原本が証明していた内容が変わってしまった」と指摘。改ざん指示を否定する佐川氏の供述には信用性がないとし、「一般市民の感覚からすると言語道断の行為だ」と批判した(朝日新聞デジタル29日付)。
 佐川氏の改ざん指示の否定は真っ赤な嘘だというのは当時からさんざん指摘されていた。官邸が安倍首相を守るために、佐川氏と裏取引をして、口をつぐませたという見方もあった。
 公訴権のチェック機関である検察審査会もこうした指摘を裏付けるように、佐川氏の「改ざんを指示してない」という証言が信用できないと判断したというのだ。
 いずれにしても、今回の議決は異例と言っていい。じつはこのところ、安倍政権関係者が引き起こした事件における検察審査会の議決はずっと「不起訴相当」、つまり不起訴で問題なしという議決がつづいていた。
 かなり悪質だった甘利明・元経済再生相の金銭授受問題でも、証拠隠滅のためハードディスクをドリルで破壊した小渕優子・元経産相の政治資金事件も「不起訴相当」という議決だった。そして、今年1月には、同じく佐川氏らを昨年8月に不起訴とした東京地検の処分に対し、東京第五検察審査会は「不起訴相当」と議決していた。
 そんなところから、検察・法務省が検察審査会を誘導しているのではないか、という疑惑も根強く囁かれていた。実際、検察審査会では、法律の専門家でない一般市民の審査員が判断するために、検察があらかじめ資料をつくる。しかし、審査では検察が必要資料をすべて提出しているのかをチェックもできず、判断を恣意的に誘導することも可能な制度になっている。
 だが、今回はそんななかで、「不起訴不当」という議決が出されたのだ。森友学園問題と公文書改ざんに、誰が見ても不自然な、佐川氏からの指示の形跡があったということだろう。
[不起訴不当」では大阪地検が起訴に転じる可能性はゼロだが……
 もちろん、現実問題で言えば、今回の議決は「起訴相当」でなく「不起訴不当」であるため、手放しで歓迎することはできない。「起訴相当」の場合、検察官が再捜査後に再び不起訴としても、検察審査会が「起訴相当」と議決すれば、裁判所の指定する弁護士が検察官に代わって強制的に起訴される。だが、「不起訴不当」の場合、検察に再捜査させることができるだけで、検察官が再び不起訴とすればそこで事件は終了してしまう。
 今回、安倍首相を守り通した佐川氏が「起訴相当」にならず、「不起訴不当」にとどまった裏にも、検察の誘導があり、検察としては「ギリギリセーフ」の結果なのかもしれない。実際、大阪地検特捜部の捜査の経緯を振り返れば、再捜査で起訴となる可能性は、ゼロだろう。
「検察が一回、自分たちで下した決定を自らくつがえすことなんてありえない。しかも、大阪地検は途中で、捜査を上層部から潰されているわけですからね。大阪地検は当初、佐川氏と近畿財務局の職員を上げる気満々だった。ところが、官邸の代理人といわれる黒川弘務・法務省事務次官(当時)に潰されたわけです。黒川氏はそのあと、東京高検検事長に出世し、検事総長への道を着々と登っていますから、いまさら逆らえるはずがない」(司法担当記者)
 しかし、だとしても、今回の「不起訴不当」議決によって、検察がもう一回、捜査に動かざるをえなくなり、もう一度、起訴か不起訴か判断を下さざるをえなくなった。そして、それはメディアにもう一度、この問題を報道するチャンスが訪れるということでもある。
 メディアは検察に頼るのでなく、検察審査会の「不起訴不当」を契機として、自らが安倍政権の不正を徹底追及していく覚悟を持つべきなのである。


河北抄
 駅や施設でトイレを探すとき、男女の姿をかたどったマークが目印となる。人が外へ出て行く緑色の絵文字は、非常口だとすぐ分かる。ピクトグラムという。
 2020年東京五輪の競技を表すピクトグラム50種が発表された。これが導入されたのは、アジア初開催だった1964年の東京五輪。外国人に日本語は通じず、各国の言葉で案内板を掲げるスペースもない。大きな悩みだった。
 「一目で分かる絵文字にしよう」。共通言語として、競技や施設のピクトグラムが制作された。更衣室、サウナ、一時預かり、迷子…。何しろ、世界初の試み。数々の難問に若手の美術家たちが頭をひねってデザインを考えた。
 この仕事は社会に還元しないといけない−。美術家たちは全ての著作権を放棄し、トイレの絵文字はその後、国内はもとより世界中に広まった。
 外国人旅行客が増えている。言葉を用いず、情報を伝達できるピクトグラムは日本発の「おもてなし」の一つ。津波避難など防災にも役立つ。日常に溶け込んだ絵文字の価値を見直したい。

枚方/いったん帰って会議→歓送迎会/南彦根は遠い

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かるかん粉190321

Au Japon, le culte millénaire des ≪sakura≫
REPORTAGE - Chaque printemps, la floraison des cerisiers est un événement majeur pour les habitants de l’Archipel.
Au parc de Shinjuku, au centre de Tokyo, Satoe Noguchi traque le pétale blanc comme d’autres photographes amateurs le grand fauve ou l’oiseau rare: au téléobjectif. Un Olympus sur trépied, un autre en bandoulière, cette élégante retraitée change d’angle en contournant le cerisier à pas de velours, comme si elle cherchait la clé secrète d’un temple rempli de mystères. Mais son plus grand souci est visiblement les touristes, principalement chinois, qui s’ébrouent, ravis, sous les arbres en fleurs et qu’elle s’efforce de chasser de son champ: qui costumée en impératrice mandchoue, qui en kimono d’opérette, qui en star de rock chinois…
Les Japonais ont inventé l’aïkido, la voiture télécommandée et le walkman ; mais l’humanité leur doit surtout d’avoir découvert le cerisier en fleurs, ou sakura. Ils ont mis cet arbre au centre de leur culture et de leurs préoccupations, probablement depuis l’ère Heian (794-1185). C’est à cette époque, en effet, que la famille impériale prend l’habitude de pique-niquer sous le toit de pétales qui se forme chaque printemps autour de ses branches, avant que cette coutume descende, siècle après siècle, jusqu’au commun des Japonais - et depuis peu des touristes.
Une affaire publique
La popularité des sakura est devenue affaire publique. Chaque année, l’agence météorologique nationale prédit et décrit leur remontée du sud au nord, d’Okinawa à Hokkaido, à coups de communiqués similaires à ceux saluant une visite d’État. Habemus sakura! Pourquoi un tel engouement? Les cerisiers évoquent plusieurs traits du caractère national: l’impermanence de toutes choses, le caractère cyclique du temps, les premières chaleurs du printemps…
≪En ce moment de l’année, nous vivons, outre la floraison des cerisiers, la fin de l’année fiscale, la remise des diplômes, la première embauche… Les cerisiers en fleurs nous rappellent ces moments clés de notre vie≫, explique Kyoko, une employée de bureau. ≪Ils m’ont accompagnée toute ma vie. Enfant, j’admirais ceux qui bordent la rivière Sumida, près de mon domicile≫, se souvient Satoe Noguchi. Elle vit aujourd’hui aux alentours du Sky Tree, une gigantesque antenne de télévision en acier qui n’a d’arbre (tree) que le nom. ≪Au moins les sakura refleurissent chaque année. Je ne les manquerais pour rien au monde≫, affirme-t-elle.
Un engouement universel
≪Pour bien comprendre les cerisiers, il faut les observer à partir du début de la floraison jusqu’au moment où les fleurs commencent à tomber≫, conseille Nobuyuki Asada, secrétaire général de l’association japonaise pour les cerisiers. Au parc de Shinjuku, le visiteur peut observer que l’engouement est devenu universel, des centaines de touristes se pressant au pied de chaque cerisier fleuri. Il déborde même des arbres pour recouvrir les Japonais qui, comme Satoe Noguchi, se retrouvent eux-mêmes photographiés en les photographiant. ≪Il y a trop de monde, je veux des sakura avec personne devant≫, maugrée un couple d’étudiantes japonaises qui ne reconnaissent plus leur parc livré à la mondialisation.
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NNNドキュメント 3・11大震災シリーズ(88)春 夏 秋 冬 空から見た3・11の今
東日本大震災から8年目。津波で奪われた命、そして 原発でふるさとや生業を奪われた人...様々な悲しみや不安を抱えながらも、未来を向いて進む人たちがいる。人がいない村でコメを作り続ける農家、命を奪ったあの海から打ち上がる花火に未来を重ねる家族。そして被災地のサンマ漁師...ふるさとの空をドローンが飛び、明日へと歩む被災地の四季を見つめた。 平岩紙  日本テレビ

寝屋川から枚方に向かいます.割と近いですがバスに乗っていくと意外に時間がかかりました.朝食にカップラーメンを食べて,簡単な説明会に参加.約1時間でその後くずはモールでランチ.タコスに満足です.
いったん帰ってシャワー浴びて16時からの会議に出席しました.
その後は歓送迎会で鰻をいただきました.
さて梅田まで移動して南彦根.途中寝てしまいましたが遠いです.

津波に耐えた樹木、伐採へ 繁殖力強い外来種と判明、住民が県に申し入れ 気仙沼・内湾地区
 東日本大震災の津波に耐え、住民の意向で宮城県気仙沼市内湾地区の公園に残されていたニセアカシアの木3本が伐採される見通しとなった。繁殖力が強い外来種で、住民側から「切るべきだ」との声が上がった。管理する宮城県は今夏にも伐採する計画で、代わりに植える樹木を住民と協議する。
 県によると、現存するニセアカシア3本は高さ約7〜8メートル。2000年3月にできた同市南町海岸の南町公園にあった。5本があり、塩害に強く初夏に白い花を咲かせたという。地区は津波の被害に遭ったが、いずれも流失を免れた。
 公園の復旧に向け、県は2017年夏、地元の住民団体「内湾地区復興まちづくり協議会」と協議。住民側が津波に耐えた木の保存を求め、県は要望に応じる方針を決めた。
 5本のうち2本は通行の邪魔になるため伐採。残りをそれぞれ直径5.5メートルの円形ベンチで周囲を囲む設計にして、18年5月に完成した。
 ニセアカシアは北米原産の落葉樹で繁殖力が強い。在来種の生態に影響を及ぼす可能性があり、国は適切な管理が必要な「産業管理外来種」に指定している。
 昨夏ごろ協議会で外来種を残すことに異論が出始め、最終的に伐採の方針で固まり、今月25日の会合で県に申し入れた。
 円形ベンチの整備費は1基約500万円。県はベンチを撤去せず、在来種のシャリンバイやツツジなどを代わりに植え活用する方針。協議会の菅原昭彦会長は「今後のことを考えれば、周囲に害を及ぼす可能性がある樹木は撤去してもらう必要があった」と話した。


<名取市・仮設住宅>美田園第1団地 今月末で閉鎖へ
 宮城県名取市は27日、東日本大震災の被災者が暮らす美田園第1仮設住宅団地について、全ての入居者が災害公営住宅などに移るため、今月末で閉鎖すると発表した。市内のプレハブ仮設住宅入居者は愛島東部団地の5世帯16人だけとなる。
 美田園第1団地は2011年5月に完成し、ピーク時は全128戸に121世帯250人が暮らした。17年9月以降、市内の箱塚桜、箱塚屋敷、植松入生の各仮設住宅団地から、主に災害公営住宅に移る35世帯が美田園第1団地に集約された。
 同団地跡地は仮設住宅の解体、復旧工事を経て、19年度中に地権者に返還する予定。既に閉鎖された箱塚桜、箱塚屋敷、植松入生の各団地跡地は今月末までに地権者に返還される。


仮設暮らしからヒント「ミニマル家具」、岩手・大槌の木工業者が発売
 岩手県大槌町の木工業者が、小型のテーブルと椅子2脚のセット商品を発売した。東日本大震災で被災した社長の徳田俊美さん(62)が、仮設住宅暮らしで着想したミニマル(最低限の)家具だ。「狭い部屋でも家族と食事する空間を確保し、快適に過ごしてほしい」との思いを込めた。
 木工業の「TOKUTA」が開発した「弐(に)膳NIZEN」は地元のスギ材を加工。縦60センチ、横45センチのテーブルには2人分の一汁三菜を載せられ、使わないときは下に椅子を収納できる。
 県職員だった徳田さんは家具店を営んでいた大槌町の実家を津波で流失し、母や妹が犠牲になった。森林資源を活用したものづくりで復興に貢献したいと、退職後の2017年3月に創業した。
 徳田さんは「復興を目指すなら震災前になかったものを生み出さなければいけない。古里のためにもう一踏ん張りすることが亡くなった人への供養」と語る。
 18年5月まで暮らした仮設住宅では、狭い台所を有効利用するためテーブルとしても使えるワゴンを自作。「1人暮らしの女性や若者に売り込める」と県工業技術センター(盛岡市)が商品化を後押しした。
 北欧家具に倣ったシンプルなデザインは今年1月に東京都であった木製品展示会で好評を博した。「仮設住宅の暮らしの中からコンパクトさと利便性の両立が生まれた。新しい価値観を示したい」と話す。
 5万9400円。自社のウェブサイトで注文を受け付けており、テーブルや椅子の単品販売もある。連絡先はTOKUTA0193(27)7711。


<さくら野仙台跡地>破産手続き終結も利用方針は固まらず、仙台駅前空洞化の恐れ
 さくら野百貨店仙台店(仙台市青葉区)の運営会社エマルシェ(同)が自己破産した問題で、同社の破産手続きが27日、終結した。2017年2月27日の自己破産申請から2年以上が過ぎても跡地の利用方針は固まっていない。地元経済関係者から空洞化を懸念する声が強まっている。
 関係者によると、非公開の債権者集会が今月27日に仙台地裁であり、破産管財人が弁済状況などを報告した。裁判官は破産手続き終結を告げ「事態が前向きに進むことを期待している」との趣旨の発言をしたという。
 エマルシェの負債は約36億円に上り、取引業者らへの配当はなかった。仙台店跡地のビルの原状回復費用や、ポリ塩化ビフェニール(PCB)の運搬・処分費用、従業員の退職金の一部などは支払われた。
 エマルシェは17年2月26日、従業員約120人を解雇。翌27日、仙台地裁から破産手続き開始決定を受けた。債権者集会は同年10月以降、計5回開かれた。
 仙台店跡地を巡っては、他にもビルのオーナーらの間の調停や訴訟があり、全て終わった。オーナーらは協議を続けているが、解体方法や再開発の方向性は定まっていない。
 一方、仙台店跡地から青葉通を挟んで向かいの商業ビル「GSビル」では解体工事が進み、今年夏にも完了する見込み。GSビルに隣接する複合商業施設「EDEN(エデン)」のテナント契約期限は20年1月末までとされる。
 GSビルの土地を所有するオリックス(東京)のグループ広報部は、解体後の跡地について「利用計画は未定だが、開発も見据え解体している」と説明する。
 仙台店跡地前の「青葉通」の路線価は18年、62年連続で東北トップとなった。商店街関係者は「一等地の空洞化を防いでほしい」と願い、不動産関係者は「再開発の行方は地域経済やまちづくりに大きな影響を与える」と指摘する。


離任教職員の出船送り見納め 気仙沼・大島小
 宮城県気仙沼市の大島で27日、大島小(児童58人)から転出、退職する教職員9人を岸壁から見送る恒例の行事があった。4月7日に気仙沼大島大橋が開通するため、船での別れは今回で最後となった。
 児童や大島中の生徒、住民ら100人が岸壁に集まった。フェリーに乗船した教職員9人と岸壁の児童が互いに5色のテープを握りしめて出航。大漁旗がはためく中、児童らは船が見えなくなるまで手を振った。
 小野寺貴子校長(54)は「島の子どもたちや地域の方々の温かさに送られ、胸がいっぱい」と話した。栄養教諭の結城和沙さん(30)は「他校では味わえない別れ。大島が大好き」と語った。PTA会長の小松俊浩さん(45)は「車や列車と違い船は長い時間見送ることができる。橋の開通は喜ばしいが、この光景がなくなるのは寂しい」と言い、しっかりと大漁旗を支えた。


河北抄
 被災地から離れるほど風化を止める難しさは増す。東日本大震災から8年。遠くにいても関心をつなぎ留めようとする草の根の取り組みが尊く感じられる。
 その一つが一般社団法人ほのぼの運動協議会(東京)の「忘れな草プロジェクト」。毎年3月、福島県の農業高校生が育てたワスレナグサの苗を都内で配っている。6回目の今年は、4校が手掛けた約6000鉢を商店街やイベント会場で生徒と配布。活動に込めた願いや感謝を伝える生徒のメッセージを添えた。
 外食産業に携わる約30社でつくる協議会の有志が被災地を視察し「継続できる支援が必要」と実施を決めた。原発事故の影響を受ける福島の園芸産業の復興も狙い。栽培費用などに充てる募金は今回、100万円以上が寄せられた。
 「忘れな草」と漢字を使うのは風化防止の誓いから。「被災地に心を寄せながら、今後の防災のため隣近所や日本全体が結び付くことの大切さも訴えたい」と作間由美子事務局長(56)は語る。青い花が咲く生徒からの贈り物。「あの日を忘れない」との思いも育つに違いない。


豪雨被害の復興 地域再生へ着実な歩みを
 西日本豪雨で甚大な浸水被害を受けた倉敷、総社市がそれぞれ復興計画を公表した。ともに2019年度から5カ年で、決壊した河川の堤防強化といった治水対策と、住まいを失った被災者の生活基盤整備などに取り組む。
 被災から約9カ月を経て、地域の再生に向けた道筋が示され、19年度は「復興元年」となる。計画を着実に進めていくことが求められる。
 計画策定に当たっては両市とも、住民から意見を吸い上げながら、有識者も交えて議論を重ねてきた。
 倉敷市は、真備町地区で高台の避難所へ逃げるのが難しい地域があったのを踏まえ、新たに5カ所の緊急避難場所を指定する。住民が主体となって、避難経路を確認したり非常時の連絡体制を定めたりする地区防災計画も作る。
 生活基盤としては、住まいの自力再建が難しい人向けの災害公営住宅を、20年度末までに200戸整備する。
 総社市は、河川のしゅんせつや堤防強化のほか、大きな被害が出た下原、昭和地区への排水ポンプ設置などで防災機能を高める。仮設住宅の入居期限である2年間を見据えて被災者の住宅を確保し、被災したJR美袋駅前への商店誘致や、被災地域の集会所整備なども行うという。
 昨年の豪雨で、岡山県内では真備町地区をはじめ、計10河川で堤防の18カ所が決壊するという異常事態に陥った。倉敷、総社市が実施した住民アンケートでは、復興に向けた課題として堤防強化など河川の安全確保が真っ先に挙がっている。いったん地域を離れた住民に再び戻ってもらうためにも、安心して暮らせる環境づくりが急務となる。
 生活基盤の整備に当たっては、住民の孤立化を招かぬ配慮が不可欠だ。東日本大震災では、仮設住宅を出て、より暮らしやすい災害公営住宅に移ったものの、人とのつながりを失って孤立化するという課題が浮かび上がった。高齢者の独居世帯も少なくなく、孤独死にもつながっている。
 倉敷市では災害公営住宅の1階に集会所を設けるといった計画もあるようだ。見守り活動の充実なども含め、住民の孤立を防ぐための取り組みを進めていく必要がある。
 被災地では、商店が再開したり、住宅の再建に取りかかったりしているところもある。一方で、住宅所有者の負担なしで解体・撤去する「公費解体」の順番待ちや、地域に残るかどうかを決めかねて先に進めていないケースは少なくない。倉敷市などでは公費解体の申請期限を、当初予定していた今月から今年6月に延長する動きも出ている。被災者の声をくみ上げ、柔軟な対応に努めてほしい。
 復興計画がスタートするのは大きな節目だが、被災地の課題やニーズは時間とともに変わっていくはずだ。現状を踏まえて計画を補いながら、スピード感を持って事業を展開することが欠かせない。


松橋事件、宮田さんに再審無罪 34年前の男性刺殺、熊本地裁
 熊本県松橋町(現宇城市)で1985年、男性=当時(59)=が刺殺された松橋事件の裁判をやり直す再審で、熊本地裁は28日、殺人罪などで懲役13年が確定し服役した宮田浩喜さん(85)に「犯人であることを示す証拠がなく、殺害は認められない」として、無罪判決を言い渡した。事件から34年が過ぎ、無罪が確定する見通し。
 溝国禎久裁判長は、自白の重要部分が客観的事実と矛盾するとした再審決定を踏まえ、確定判決が有罪の根拠とした自白の信用性を改めて否定。検察側証拠の大半を採用しなかった理由を「確定判決から長い年月がたち、可能な限り速やかに判決を出すのが適当だ」と述べた。


施行3年の安保法 「専守」の骨抜きが続く
 安全保障関連法に基づき、自衛隊の活動を広げる安倍政権。施行から三年がたち、私たちの眼前には、専守防衛の憲法理念とは懸け離れた姿が広がる。
 安倍政権が「平和安全法制」と呼ぶ安全保障関連法の施行からあす二十九日で三年がたつ。
 歴代内閣が「憲法上許されない」としてきた「集団的自衛権の行使」を可能とする内容は、憲法違反の疑いが指摘され、全国各地で違憲訴訟が起きているが、安倍内閣は意に介さず、むしろ安保法を既成事実化し、専守防衛という憲法理念を骨抜きにするかのような動きを強めている。見過ごすわけにいかないのは当然だ。
◆日米軍事一体化が進む
 安保法に基づいて格段に進んだのは日米の軍事的一体化だろう。「専守防衛」を貫いてきた自衛隊にとって、米軍とともに戦う「軍事組織」への変質である。
 安倍晋三首相は「日米同盟は平和安全法制でお互いに守り合うことができる同盟になった」と、安保法の意義を強調する。
 「お互いに守り合う」とは「集団的自衛権の行使」を指す。日本が直接攻撃されていなくても、密接な関係にある米国への攻撃を実力で阻止できれば、米国との信頼の絆は強まるという理屈だ。
 米英関係などと同様の、お互いに血を流す「血の同盟」である。
 安保法の施行後三年間で、そうした事態は実際には起きてはいないが、自衛隊が米軍の艦艇や航空機を警護する「武器等防護」の実施は二〇一八年に十六件と、一七年の二件から八倍に急増した。
 安保法で可能になった平時の活動だとしても、米軍が攻撃されれば、自衛隊が反撃する可能性もある任務だ。他国同士の戦争に巻き込まれかねない米軍と一体となった活動が、憲法九条に基づく専守防衛の範囲内と言えるのか。
◆憲法が禁じる空母まで
 憲法規範の崩壊は、それだけにとどまらない。
 政府は、エジプトのシナイ半島でイスラエル、エジプト両国軍の停戦監視を行う「多国籍軍・監視団(MFO)」の司令部要員として、四月中旬から自衛官二人を派遣する方針を決めた。
 MFOは国連が統括しない米軍中心の軍事的活動である。国連以外の国際機関の要請でも自衛隊が派遣できるよう、安保法で新設された「国際連携平和安全活動」の初めての適用となる。
 人的な国際貢献の必要性は認めるが、国連が統括しない軍事的活動への関与は、慎重に進めるべきだろう。当初は司令部要員の派遣にとどまるが、いずれ部隊派遣につながり、危険な活動に深入りするきっかけになりかねない。
 ましてや米軍中心の活動だ。なぜいま、という疑問も拭い切れない。安保法適用の実績をつくり、既成事実化する狙いがあるとすれば、強引にすぎないか。
 一六年三月の安保法施行後、安倍内閣の下では、専守防衛を骨抜きにする動きが加速している。
 政府が昨年十二月十八日に閣議決定した「防衛計画の大綱(防衛大綱)」や「中期防衛力整備計画(中期防)」には「スタンド・オフ火力」の整備や、ヘリコプター搭載型護衛艦「いずも」型の事実上の「空母」化が盛り込まれた。
 スタンド・オフ火力は相手の攻撃が届かない場所から攻撃できる長距離巡航ミサイルを指し、首相は「隊員の安全を確保しつつ、わが国の防衛に万全を期すために必要不可欠」と必要性を説く。
 しかし、日本の領空から発射しても、例えば、朝鮮半島内陸部まで届く射程の長いミサイルだ。平生から他国を攻撃するような、攻撃的な脅威を与えるような兵器を持てないとする憲法の趣旨に反するのではないか。
 事実上の「空母」化も同様だ。通常はヘリコプターを載せる「いずも」型護衛艦を短距離離陸・垂直離陸が可能な戦闘機F35Bを搭載できるよう改修するものだが、憲法上保有できない攻撃型空母に該当する恐れはないのか。
 空母について国際的に確立した定義はないとか、米空母と異なるという説明は詭弁(きべん)だ。
◆防衛費7年連続で増加
 戦後日本の安全保障政策を貫く憲法九条の「専守防衛」は、多大な犠牲を出した先の大戦に対する痛切な反省に基づくもので、他国に脅威を与えるような軍事大国にならないという誓いでもある。
 首相は「わが国防衛の基本方針である専守防衛はいささかも変わることはない」と述べているが、安保法施行後の防衛政策を見ると額面通りには受け取れない。防衛費も七年連続で増額されている。
 施行から三年がたっても、安保法の憲法適合性や、防衛政策の妥当性は常に問われ続けるべきだ。専守防衛のタガの緩みは締め直さねばならない。


ゲノム編集食品のルール 疑問が多い拙速な結論だ
 新しい遺伝子技術「ゲノム編集」で作られた食品が年内にも店頭に並ぶ可能性がでてきた。厚生労働省の専門部会がこうした食品の多くを規制対象の枠外とし、届け出だけで販売できる方針を示したからだ。
 しかし、丁寧な議論が尽くされた上での結論とはいえず、消費者には情報が届いていない。新しい技術だけに、編集された生物に予想外の影響が出ないか、懸念も残されている。国は消費者の立場から、もっと慎重な対応をしてほしい。
 従来の遺伝子組み換え作物の多くは微生物など外来の遺伝子を組み込んで作出されてきた。その際、どの場所に遺伝子を組み込むかは制御できなかった。ゲノム編集は遺伝子の狙った場所を切り張りでき、操作が簡単で安価なため、世界中で研究開発に使われるようになった。
 農水産物への応用では、狙った遺伝子を壊す方法が主流で、自然状態より肉厚のマダイや、収量の多いイネ、降圧効果をねらったトマトなどが国内でも開発されている。
 環境省は昨年、生物多様性の観点から検討し、外来の遺伝子を入れた生物を従来通り規制対象とする一方、目的の遺伝子を壊しただけの生物を規制の対象外とする方針を示した。食品としての対応を検討する厚労省の方針もこれを踏襲したもので、いずれも「遺伝子が壊れたことによる新品種は自然界でもできる」との判断が背景にある。
 だが、ゲノム編集では狙った遺伝子以外の場所を切断してしまう場合があることがわかっている。これをオフターゲットと呼ぶ。特定の遺伝子を壊した結果、別の遺伝子が新たに働く可能性も否定できない。
 食品としての安全性が万全かどうか未知の部分があり、懸念が生じた場合にすぐ対応できるよう、少なくともすべてのゲノム編集農水産物の登録を義務づけるべきだ。消費者が選択できるよう、表示の義務づけも欠かせない。ゲノム編集農水産物への対応は国によって異なり、国際的な動向にも注意を払うべきだ。
 ゲノム編集生物については昨年6月に政府の「統合イノベーション戦略」が年度内の法的扱いの決定を求めた。このため「結論ありき」になってしまったのではないか。もっと腰を落ち着けて検討すべき課題だ。


小学校の教科書  盛り込みすぎが心配だ
 教育現場の負担増が目に見えるようだ。
 全国の小学校で2020年度から使われる教科書の検定結果を文部科学省が公表した。
 学校で教える内容を決めている学習指導要領が20年度から全面的に新しくなるのに対応した。
 5、6年生で学ぶ英語の教科書が新たに合格し、6年の理科のすべての教科書でコンピューターのプログラミングが盛り込まれた。
 教科書の分量は平均1割増となった。討論や発表、課題探求を重視し、子どもたちが主体的に深く学ぶよう促している。
 先生にとっても、児童にとっても、教えることや学ぶことが増えるのは明らかだ。教員の負担増はもちろん、子どもの学びが上滑りにならないか、心配だ。
 新学習指導要領は「主体的・対話的で深い学び」を掲げ、知識を活用した課題解決や新しい価値を見いだす能力の育成を重視している。
 教科書には身近な題材を使って子どもの関心を引くように工夫したものが増えた。
 平安時代の文化をキャッチコピーで表現するといった社会の教科書や、誰もが楽しめる新スポーツを考えよう、という国語教科書もある。算数や理科でも身近な題材で考えさせる内容が増えた。
 教科書会社は競って工夫を凝らした。問題は、ただでさえ忙しい教育現場が、こうした教科書を使いこなせるかどうかだ。
 教科書の課題を児童たちが調べ、議論し、自分の考えをまとめるのにはそれなりの時間が要る。先生の力量も問われる。余裕がないまま、教科書通りに取り組むだけでは、深い学びにつながらない。
 英語の教科書は聞く、話すが中心で音声教材を活用する。それでも専門的な訓練を受けていない多くの教員にとって負担増になるのは確実だ。600語以上も学ばせる必要性にも疑問が残る。
 社会科では、領土問題について、領土とするだけでなく「固有の領土」と書かせた。
 尖閣諸島に関して、「領土をめぐる問題はない」が「領土問題はない」に差し替えられた教科書もあった。
 各教科書の文脈に関わらず、統一を図ったのは、政府の意向が反映されたからだろう。
 そもそも、「問題が存在しない」という意味が、小学生に分かるだろうか。政府の立場を示すのは重要だが、子どもに現実を理解してもらうためには、もう少し工夫が必要だったのではないか。


[小学校教科書] 教員への支援も必要だ
 文部科学省は、2020年度から小学校で使用する教科書の検定結果を発表した。
 新学習指導要領で掲げた「主体的・対話的で深い学び」に対応した新しい内容が数多く盛り込まれ、英語を除く全教科の平均ページ数の合計は10%増えた。
 国際化や人工知能(AI)などの技術革新で社会環境が激変する時代を生きる子どもたちに、質的にも量的にも充実した教育が必要なのは分かる。
 ただ、新たな学びを効果的に進めるには、教員の工夫や指導力の向上が欠かせない。それを多忙な学校現場に委ねるのは限界があろう。人員増や研修の充実など教員への支援策を講じる必要がある。
 例えば、5、6年で新たに教科に加わる英語である。大学の教員養成課程で英語の指導法が必修になるのは今春の入学者からで、現職の小学校教員で中高の英語免許を持っているのは、17年度調査で5.4%にとどまるという。
 音声の活用を促すなど授業の進め方を丁寧に示した教科書もあるが、指導法を専門的に習ったことのない教員には重荷だろう。
 何より環境が整わない中で子どもたちの英語嫌いを招いては意味がない。教員の負担を軽くし、子どもたちの学習意欲を高められるよう創意工夫する余裕を持たせたい。
 社会では、領土に関する記述に検定意見が付された。
 島根県の竹島について「日本の領土」とした表現に意見が付き「日本固有の領土」と修正した。沖縄県の尖閣諸島について「領土をめぐる問題はない」を「領土問題はない」と改めた。
 日本の領土について教えることは大事なことだ。しかし、現実に中国、韓国が領有を主張し反発している中で、日本の立場だけを教えたのでは子どもたちの柔軟な思考を狭めはしないか。
 北方領土に関しては、安倍晋三首相らが従来「固有の領土」としてきた4島の返還ではなく「2島決着」に含みを持たせる発言を繰り返している。こうした現実をどのように教えるのか教育現場の力量が問われる。
 子どもたちの興味や関心を引くために4こま漫画を利用したり、グループで新しいスポーツを考えさせたりと、授業の進め方を手取り足取り示した工夫も目立つ。
 学校現場で教員の負担軽減につながればいい。だが、教科書通り型にはまった指導で「深い学び」が実践できるのか疑問だ。
 教科書を教育の材料として主体的に活用できる教員の養成が何より重要である。


夫婦別姓 選択制の議論、本格化を
 同じ姓でも別々の姓でも、夫婦が望めば自由に選べる社会にしたい―。そういう声が広がっているにもかかわらず、いとも簡単に退けた判断に大きな失望を覚える。
 ソフトウエア開発会社「サイボウズ」社長の青野慶久さんら4人が、夫婦別姓を選べない現在の戸籍法の規定は憲法に違反するとして訴えた裁判で、東京地裁は合憲とし、原告側の主張を全面的に退けた。
 原告側が問題視したのは、夫婦同姓を原則とする民法の違憲性ではなく、戸籍法の矛盾だ。
 戸籍法の規定では、外国人との結婚や日本人同士の離婚では同姓にするか別姓かを選ぶことができる。それなのに日本人同士が結婚した場合に別姓にできないのは「法の不備」であり、憲法がうたう「法の下の平等」に反すると訴えた。
 そして新たな規定を設け、希望すれば夫婦がそれぞれの姓を名乗れる「選択的夫婦別姓」を実現できるよう求めた。
 これに対し、判決は「法律上の姓は一つ」とし、夫婦別姓を認めないことには「制度上、合理性がある」と結論づけた。別姓が認められないことによる不利益にどう対処するかは司法でなく立法の問題だとして請求を棄却した。
 青野さんは結婚で妻の姓に改姓したら思わぬ不便に苦労した。株式の名義変更に多額の費用がかかった。ビジネスでは旧姓を名乗っているが、公式書類には戸籍上の姓を使わなければならない。二つの姓を使い分けることがストレスやトラブルのもとになっている。
 判決からはしかし、そうした原告らの事情への配慮はまったくなかった。もっと踏み込んで言及すべきではなかったか。
 最高裁は2015年、夫婦同姓が日本社会に定着していることなどを理由に民法の規定を合憲とした。今回の判決は、これを追認しただけのように映る。
 ただ最高裁判決も一枚岩ではなかった。裁判官15人のうち、女性3人を含む5人が「違憲」の意見を付け、国会での議論を促した。
 にもかかわらず、3年余りたっても国会でこの問題と向き合うような動きは出ていない。問題を先送りしてきた政府の責任もまた重い。
 動きが鈍い背景には、自民党を中心に「家族の一体感を損ねる」などの反対意見が根強いことがある。
 だが、女性の社会進出が当たり前になり、姓の変更を強いられ、精神的にも物理的にも不利益を被っている人はたくさんいる。そうした現実から目をそらし続けていれば、立法の不作為と言われても仕方あるまい。
 内閣府が昨年公表した調査によると、選択的夫婦別姓制度のための法改正について「かまわない」と賛成した人は42・5%と、「必要ない」と反対した29・3%を上回った。5年前はどちらも30%台で拮抗(きっこう)していたが、全世代で容認派が増えた。
 法的な裏付けのない旧姓の通称使用も拡大している。多様な選択を尊重する考え方が広がっているのは間違いない。
 時代とともに変化する価値観としっかり向き合い、国会も司法も責務を果たさなければならない。選択的夫婦別姓制度について、国民を巻き込んだ本格的な議論を起こすべきだ。


原発避難訴訟賠償判決 国・東電は被害救済を拡大せよ
 東京電力福島第1原発事故で福島県から愛媛に避難した10世帯25人が損害賠償を求めていた訴訟で、松山地裁は国と東電の責任を認め、23人に計2743万円を支払うよう命じた。
 全国で起こされた約30件の同種訴訟のうち10件目の判決。全てで東電に賠償が命じられ、国が被告となった8件のうち、6件目の責任認定となった。
 原発事故に対し、国は法的な責任を負うのは東電だけ、との立場を取っているが、司法ではこれを否定する流れが定着してきた。全国で同種訴訟が相次ぎ賠償命令が続出する現状は、被害救済の不十分さを浮き彫りにする。今なお多くの人が、生活再建の道筋がつけられず、苦しんでいる。国と東電は事故の責任回避に固執するのではなく、これまでの判決を真摯(しんし)に受け止め、避難者の救済策の拡充を急ぐべきだ。
 判決は、政府機関が2002年に公表した地震予測の「長期評価」に基づき、国と東電が原発の敷地高を超える津波の到来を、同年末には予見できたと判断。海水浸入を防ぐ工事によって事故を回避できた可能性を指摘した。津波が予見できてから東日本大震災まで8年以上あったにもかかわらず、国が東電に必要な指導をしなかったのは、「許容できる限度を逸脱して、著しく合理性を欠く」と厳しく断じた。
 長期評価について、裁判所が「多数の専門家による検証を踏まえた客観的かつ合理的根拠を有する知見」として重視したのはもっともだ。国が東電に津波評価を試算させていれば、事態は違っていた可能性がある。判決は、原発事故を国、東電双方の長期評価の軽視が招いた「人災」と認めたのに等しい。
 賠償額は国の指針を上回る額が認められたが、救済につながる額には遠かった。判決は避難指示解除準備区域などから避難した住民と、自主避難者との間に大きな差をつけた。
 国の指針に基づく東電の賠償基準が、避難区域の内か外かで差をつけており、それに準拠した形だ。だが、いったん避難生活を始めれば、金銭的、精神的な負担は避難者に等しくのしかかる。東電の基準だと、自主避難者への賠償は総額12万円しか支払われない。原発事故がなければ避難する必要は全くなかった。理不尽に人生を変えられた人たちの厳しい現実から目を背けてはならない。
 福島事故から8年。同種訴訟の原告は1万人を超え、中には偏見や中傷に苦しめられている人がいる。司法での最終的な決着にはまだまだ時間がかかり、高裁、最高裁と争えば、避難者の負担はさらに増す。国は上級審の判断を待つことなく、指針の速やかな見直しに着手し、避難者に寄り添った救済の仕組みに知恵を絞るべきだ。国は原発事故を防げなかった重い責任を忘れてはならない。避難者に本来の生活を取り戻してもらうことを第一に考えるべきだ。


大阪ダブル選◆党利党略に過ぎていないか◆
 第19回統一地方選の6政令市長選(4月7日投開票)が告示され、そのうち大阪では府知事と市長を同時に選ぶダブル選挙となった。松井一郎知事と吉村洋文市長が共に辞職願を提出、住民投票で一度否決された大阪都構想の実現のため松井氏が市長選、吉村氏が知事選に入れ替わって挑む。松井氏が代表を務める「日本維新の会」と地域政党「大阪維新の会」としては、発信力のある両氏の人気を追い風に、投開票日が同じ府市両議選での議席増を目指すとともに、夏の参院選に向け本拠地でアピールする狙いがあるだろう。
経済低迷背景に奇策
 ダブル選は2010年に当時の橋下徹知事が「大阪都構想」に言及してから3回目となるだけに、他党からは「党利党略が過ぎる」「行政の私物化だ」と批判が出るのも当然だ。「住民不在」とも指摘できる。
 テーマを絞って賛否を問う手法は有権者の心をつかみやすい。国政選挙では小泉純一郎元首相が郵政民営化を訴え衆院解散した例がある。松井氏らの辞職はこの手法に倣ったものだ。
 しかし、府市両議会のように首長与党が少数であれば、首長が野党側の協力も得て合意に基づき政策をつくり上げる努力が不可欠である。にもかかわらず、4年の任期を確保するため入れ替わって立候補という奇策まで使い白黒をつけようという行為は賭けに等しく、あまりにも荒っぽい。
 大阪の人々は、東京に対抗する意識を持っているが、大阪経済の地盤沈下もあって東京と差が広がり、他の地域も発展することから自信が揺らぎ始めている。その不安を背景に、改革によって栄光を取り戻せると訴え支持を集めるのが維新の戦略と分析できる。
実効性より期待先行
 有権者をつなぎ留めるには改革の対象と夢が必須だ。だからこそ都構想をぶち上げるとともに、25年の国際博覧会やカジノを中心とした統合型リゾート施設(IR)を誘致している。橋下氏が知事になったのが08年、最初のダブル選で府と市の首長を維新が占めたのは11年。打ち出した経済政策の成果が問われる時期に来ている。
 大阪経済が日本経済に占めるシェアは、1970年に開かれた大阪万博の直後がピークで11%を超えていた。近年は7%台前半と低迷し、愛知県に抜かれ3位。最近の経済状態は「縮小均衡期」と呼ばれる。都構想は、経済の成長を目的に大阪市を廃止し府とともに行政機能を再編、特別区を新設する改革だ。行政費の削減効果はあるが、経済活性化には直結しないだろう。
 経済のグローバル化と人口減少が進む状態で「これさえすれば経済が一挙によくなる」といった特効薬は存在しない。期待先行、イメージ先行の劇場型の政治ではなく、本当に大阪のためなのかという観点で、維新の政治手法を評価すべきである。


ピエール瀧逮捕で石野卓球にワイドショーが「謝れ」攻撃! 同調圧力、連帯責任…日本の異常性を突いた卓球のツイートは間違ってない
 手を替え品を替え、いまだワイドショーを賑わせ続けるピエール瀧の逮捕報道。明確な被害者もいない薬物事件にもかかわらず極悪人のように騒ぎ立てる「ヘル日本」ぶりは本サイトでも指摘してきた。
 そんななか、ワイドショーの新たな標的となっているのが、ピエール瀧ともに電気グルーヴを長年やってきた石野卓球だ。
 事件後の石野卓球の言動をあげつらってワイドショーは「謝罪のひとつもないなんて、どうしようもない大人だ」といった論を振りかざしているのである。
 3月12日にピエール瀧が逮捕されてから、石野卓球はこれといったコメントを出してこなかった。
 14日に、電気グルーヴとしてではなく石野卓球ソロとして出演予定だったイベント「Pump It Presents Takkyu Ishino」への出演が中止になったことを伝えるリリース文に、自身のツイッターアカウントで〈だとよ〉とコメントしたのが事件後の唯一のリアクションだった。
 それが、ここ数日になって石野卓球のツイッターアカウントが大きく動き始める。
 21日には、人気アニメ『ポプテピピック』と電気グルーヴがコラボしたパロディキャラが、泣きながらでんでん太鼓を叩いて走り、「容疑者!!」と叫んでいる画像をツイートした。23日にはサングラスをかけた自撮り写真に〈頭丸めてないよ〉とのコメントをつけてツイート。
 また、同日には、腕に「電」と書かれたタトゥーを入れた写真とともに、〈あと51歳初Tattoo入れました!“Zin-sayは電気グルーヴ、電気グルーヴは人生”真似すんなよ〉とのコメントを添えてツイートした。ちなみに、「人生」は1980年代後半にピエール瀧と共に組んでいた電気グルーヴの前身バンドの名前である。
 翌日には、〈電気グルーヴは出荷停止だけど石野卓球ソロは売ってる(容疑者がいないので)〉という皮肉なコメント付きで、AmazonやTOWER RECORDSといった小売店、Apple MusicやSpotifyといったストリーミングサービスのリンクをつけたツイートを投稿。
 同日にはさらに、電気グルーヴが『アナザースカイ』(日本テレビ/2019年1月11日放送)に出演した際、ベルリンで撮影したピエール瀧との2ショットとまったく同じロケーション・構図のまま1人で撮り直した写真をアップ。そこには〈容疑者部分をカットして撮り直し〉という、これまた皮肉なコメントが添えられていた。
 非常に石野卓球らしい、毒気に満ちたリアクションにファンは喜びとともに、胸を撫で下ろした。
 しかし、ワイドショーが言う「世間」は違ったようだ。
 25日放送『バイキング』(フジテレビ)でMCの坂上忍は一連のツイートを見て、苦々しげに言い放った。
「これはなに? よくわかんないんだけど、ブラックジョークみたいなもんなの? なんなの?」
「二十歳そこそこの(人)だったらさ、『バカじゃないのか? お前』って言って済むんだけど、同い年なんだよね、俺。やっぱり、ねぇ」
「結局、ピエール瀧容疑者が逮捕されたことによって、ピエールさんが携わっていた仕事関係の人たち、いまもなお、色々な思いを抱えながら後始末に追われているわけじゃないですか。で、もしかしたら、石野さんも被害を被ったひとりなのかもしれない。でも、ピエールさんの相方って考えたときに、これはね、やっぱり、違ったアプローチの仕方をしないと、納得は得られないし、まあ納得させる気もないからこういったことをね、ツイートしたりしているのかもしれないですけど、誰も得しないようなことをよくおやりになるんですね、この方は」
TOKIO、純烈…メンバーの不祥事を謝罪会見までする必要はあったのか
 スタジオにいる他のコメンテーターも一様に似たような反応を見せた。ガダルカナル・タカは「本当にコアなファンの間だけで、『俺はへこたれずに頑張るよ』っていう意味のブラックジョークをちょっとずつ発信する分にはいいのかもしれないですけれども、不特定多数の人が見ることのできるようなツイートでこれをやると、さすがに、『この時期にこれはないよね』って言われるでしょうね、絶対」と発言。石野卓球も謝罪をし、殊勝な態度で生活するべきであると述べたのだ。
 IKKOも同じだ。IKKOは「やっぱり、私はちょっと理解できなかったですよね。やっぱりあの、社会人としてね、すごい迷惑をかけているわけじゃないですか。みんなに。こういうことではなくて、ちゃんと真摯に受け止めて。やっぱり、メンバーですからね」と語り、ガダルカナル・タカよりも明確に石野卓球が謝罪する必要性を説いた。
 さらに坂上はバカにしたような様子で「石野さんにしたら、『なにが社会人だよ、ロックなんだよ〜!』って気持ちかもね」と言い出し、この坂上のおじさんぶりには「電気グルーヴってロックなのか」「卓球がやってるのは、テクノであってロックじゃないのでは……」とネット上で多くのツッコミが上がった。
 挙げ句、「ピエールさんは素直に取り調べに応じているのに」と、なぜか逮捕されたピエール瀧よりも石野の対応のほうが重大問題くらいの、転倒した論調にすらなっていた。
 とはいえ、こういった論調は『バイキング』に限ったものではない。同日放送の『直撃LIVEグッディ!』(フジテレビ)でもコメンテーターの口から同様の主張がなされた。
 エコノミストの伊藤洋一は「漫才のカップルだって片方がなんかしたら片方が謝っているケースが多いよね、常識的にはそういう対応なのかなと僕は思います」と発言。
 また、教育評論家の尾木直樹も「今回30周年のツアーの最中なわけでしょ。それが中止になって、少なくともファンには迷惑をかけているわけですから、そういうところはね、ちゃんと説明して、『ごめんなさい』と言うのは、あったほうがいいんじゃないかなという気はしますけどね」とカメラの前で語った。
 コメンテーターたちは石野の対応に対し、「グループの誰かが不祥事を起こしたら、他のメンバーも謝罪するべき」と「連帯責任論」を振りかざしているのだ。
 実際、そのような対応をとるグループは数多い。とくにここ最近は、山口達也が強制わいせつ容疑で書類送検された際には他のTOKIOのメンバーが会見を開いているし、また、友井雄亮が過去に交際していた女性に対するDVを「週刊文春」に報じられた際には純烈の他のメンバーも謝罪会見を開いている。同じグループのメンバーも謝罪会見するのが、スタンダード化しつつあるのだ。
 TOKIOのケースにしろ、純烈のケースにしろ、明確な被害者のいる事例であり、加害者である当人は真摯に謝罪する必要があるだろう。しかし、なぜ、何の関係もない他のメンバーまで、スーツを着て公の場に立ち、深々と頭を下げて謝らなければならないのだろうか。
石野卓球のツイートはピエール瀧逮捕をめぐる日本の異常性を突いたもの
 ましてや、ピエール瀧の場合は被害者のいない薬物事犯だ。「同じグループに所属する者」が、いったい誰に何を謝罪する必要があるのか。
 ワイドショーでは「仕事上、多大な迷惑をかけているのに」などと言っていたが、ライブ中止や販売中止、撮り直しなどという過剰な対応のほうこそが問題なのであって、石野が謝るような話ではないだろう。
 石野卓球に謝罪を要求している者たちが主張していることは、つまるところ、「他のみんなはそのようにしているのだから、お前もそうしろ」という同調圧力の強制でしかない。
 石野卓球のツイートは、皮肉や毒気に満ちたブラックユーモアでありながら、まさに今回の事件によって起きているこうした事象に対して、本質的な問いをぶつけているものだ。
〈電気グルーヴは出荷停止だけど石野卓球ソロは売ってる(容疑者がいないので)〉というコメントつきで小売店やストリーミングサイトのURLを貼ったツイートは、事件を受けて電気グルーヴの作品を流通できなくさせた音楽業界への疑問だ。
 また、〈容疑者部分をカットして撮り直し〉のコメントでベルリンの写真を撮り直したツイートも、ピエール瀧出演部分に代役を立てて撮り直しをしているテレビ業界や映画界への疑問である。
 悪ふざけではあるが、何の考えもなく悪ふざけをしているわけではない。彼のツイートには、悪ふざけを通じて伝えようとしている確固とした思いがある。
 26日、宇川直宏主宰のライブストリーミングサイト・DOMMUNEは「電気グルーヴ“だけ”の5時間!電気グルーヴ“だらけ”の300分!」と題し、電気グルーヴの楽曲をかけるDJイベント企画を放送した。DJ WADA、KEN ISHII、SUGIURUMN、Licaxxxといった著名なDJが参加したこの放送は大反響を呼び、日本のツイッターではトレンド1位になり、46万人以上の視聴者が集まった。
 それを受けて石野卓球はDOMMUNEのツイッターアカウントに〈宇川くん、WADAさん、イシイくん、Licaxxx、スギちゃん、そしてViewerのみなさん、本当にありがとう!心から感謝〉とリプライを送り、放送に関わった人たちに感謝を述べた。
 これこそが「自分の頭で考える」メディアの批評性であろう。
 坂上をはじめとしたワイドショーのコメンテーターは「なぜピエール瀧の関わる作品が自粛しなければならないのか?」「なぜ石野卓球が謝罪しなければならないのか?」ということへの論理的な説明ができるだろうか。おそらく「みんなもそうしているから」以上の説明はできないだろう。
 今回のピエール瀧の騒動は、地上波テレビを始めとしたオールドメディア(ラジオは除く。TBSラジオを筆頭に、この件に対してラジオの報道は真摯である)のどうしようもなさを改めて浮き彫りにしている。

久しぶり出勤で出張報告書提出/寝屋川へ

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さいごうどん190319

Japon: L'ordre d'évacuation près de la centrale de Fukushima bientôt levé en partie
JAPON Quelque 400 habitants vivaient dans la zone avant l’accident. Plusieurs dizaines devraient nouvellement venir ou revenir, selon la municipalité, mais ils devront ≪ faire attention aux sangliers ≫
Le Japon a annoncé mardi s’apprêter à lever l’ordre d’évacuation pour une partie de la localité d’Okuma, ville qui, avec la cité limitrophe de Futaba, héberge la centrale nucléaire Fukushima Daiichi ravagée par le tsunami du 11 mars 2011.
Cette décision du gouvernement d’autoriser le retour des personnes devrait s’appliquer le 10 avril, a précisé à l’AFP un fonctionnaire, Yohei Ogino. ≪ Les habitants vont pouvoir revenir dès que l’ordre est levé, il n’y a pas de restriction concernant par exemple les enfants ou personnes âgées ≫, a-t-il indiqué.
Il admet cependant qu’il va falloir ≪ faire attention aux sangliers ≫ ayant envahi des espaces désertés, que ≪ le téléphone mobile ne passe pas partout et qu’il n’y a pas encore de supermarché rouvert (juste celui de la ville voisine de Tomioka) ≫.
Le seuil jugé admissible hissé à 20 millisieverts par an
Quelque 400 habitants vivaient dans la zone avant l’accident. La municipalité ne s’est pas fixé d’objectif quant au nombre d’habitants de retour. Cependant, plusieurs dizaines devraient nouvellement venir ou revenir, selon le fonctionnaire.
Dans le cadre d’une politique de reconstruction et de retour des habitants destinée à ≪ normaliser ≫ le statut de la région sinistrée de Fukushima, les autorités ont hissé à 20 millisieverts par an le niveau jugé admissible d’exposition radioactive et ont, par conséquent, déjà levé la plupart des ordres d’évacuation. C’est cependant la première fois qu’une telle décision concerne une partie d’une localité hôte du site nucléaire.
Le ≪ tabou ≫ des radiations
Actuellement, l’interdiction d’habitat porte sur moins de 3 % du département. ≪ Pour la zone concernée d’Okuma, en moyenne l’exposition est de 2 à 3 millisieverts par an ≫, souligne Yohei Ogino. Il reconnaît cependant que ce niveau est établi sur la base de mesures effectuées à un mètre du sol et que des pointes bien plus élevées sont relevées à 1 cm, ce qui va obliger les habitants à adapter leur vie.
Le seuil de 20 millisieverts (au lieu de 1 millisievert habituellement admis) est dénoncé par les organismes non gouvernementaux et dans de récents rapports d’instances des Nations Unies comme étant trop haut, notamment pour les enfants et femmes en âge de procréer. Mais le gouvernement répond que ces propos nuisent à l’image de la région. Dans un document publié au début du mois, l’Institut français de radioprotection et de sûreté nucléaire (IRSN) regrettait que ≪ la question des conséquences des radiations sur la santé soit rendue taboue parce qu’elle risque de diviser la population ≫ entre ceux qui font confiance aux autorités et les autres.
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バリバラ「罪をくり返す障害者」
刑務所に服役している人の4人に1人に知的障害などの可能性があると言われ、その多くが万引きや無銭飲食など軽微な罪をくり返して、刑務所に戻ってきてしまうという。生きづらさを抱え、社会の中で居場所を持てなかった人たちには、どのような支援が必要なのだろうか。罪を繰り返してきた障害者がスタジオにも出演。再犯を防ぐために、なにが必要かを専門家やレギュラー出演者とともに考える。 田村裕, 山本シュウ,岡本真希, 玉木幸則, 全国地域生活定着支援センター協議会事務局…伊豆丸剛史, 神戸浩,ベビー・バギー

大阪に帰って来たので仕事.たまっていたメールもどうにかしなくてはなりません.とりあえず出張報告を出しました.疲れた〜
明日は枚方なのですが,とりあえず寝屋川まで向かいます.

デスク日誌 3月、石巻で
 彼岸にはまだ早い今月初旬、石巻市の墓園近くを通り、はっとした。山の斜面に並ぶ無数の墓を彩る花々。東日本大震災による同市の犠牲者は3000人を超す。3月11日を命日とする人の多さが、視覚に強く迫ってきた。
 広大な防災集団移転団地、連なる災害公営住宅群は異常な被災の現実を物語る。その中の一軒を訪ねた。「家を失っただけの自分は本当に恵まれています」。肉親を失った隣人を思いやる高齢男性の言葉は温かく、切なかった。
 津波で子ども3人を失った両親と話す機会があった。自宅の跡地には3体の地蔵と、震災後に父親が作った「虹の架け橋」と呼ぶ大きな木製遊具があった。3.11はどんな日なのだろう。「悲しい場面を思い出してもいい日。泣いてもいい日なんだと思っています」。父親は穏やかに話した。
 その日は冷たい雨の中、追悼式典や慰霊行事が各地で繰り広げられた。キャンドルをともす宵闇のイベントは開催が難しいと考えた頃、すっと雨が上がり、大きな虹がかかった。遺族の胸中に去来する言葉を想像した。震災の風化なんてあり得ないと思った。(石巻総局長 今里直樹)


<安住の灯>被災者結ぶお茶会に幕 石巻・大橋仮設住宅 退居進み参加者減少
 東日本大震災で被災した石巻市の大橋仮設住宅で26日、入居者らが集う最後のお茶会があった。市内の被災者でつくる一般社団法人「石巻じちれん」が仮設の集約化に伴う孤立防止策として2年前に始めたが、被災者の退居が進んで参加者が減少。今月末に集会所も閉鎖されるため、活動に幕を下ろした。
 入居者や既に退居した元住民ら約40人が参加した。市内外のボランティア団体を交えて歌や踊りを楽しみ、思い出を語り合った。じちれん事務局の渡辺富雄さん(69)は「毎回20人前後が集まり、交流を重ねることができたことに感謝したい」とあいさつした。
 お茶会は2017年1月、じちれんが集約先となった16カ所の仮設を拠点に週1回のペースで始めた。防災集団移転促進事業による自宅再建や災害公営住宅への入居が進んだため、今年に入ってからは大橋のほか、蛇田西部第2の仮設2カ所での開催に縮小した。
 ピーク時(12年6月)に1万6788人いた市内の仮設入居者は今月1日現在、1%以下の150人に減少。退居せずに4月以降も残る特定延長の対象者はわずか28世帯のみとなる。
 参加者のうち唯一、大橋仮設で暮らし続ける吉田ヨシさん(82)は「みんなと会えなくなるのは残念」と別れを惜しむ。8月には市内の集団移転先で建設中の自宅に入居できる見通しとなった。「新天地で友人を見つけて前向きに過ごしたい」と話した。
 16年11月に仮設を退居し、湊町の災害公営で暮らす稲井範子さん(79)も会場に駆け付けた。「一番苦しい時に支え合った仲間と集う場がなくなるのは寂しい。またいつか同窓会のような場を持てたらいいなと思う」と再開を願った。
 元自治会長の山崎信哉さん(82)は「見知らぬ人が集まったにもかかわらず、長く結び付きを保てたのは誇らしい」と仮設暮らしの日々を振り返る。「災害公営はコミュニティーが希薄だ。それぞれが新しい環境で関係性を築く努力をしてほしい」と呼び掛けた。


「被災地の力に」思い全う 南三陸町派遣 長崎・南島原市職員佐藤さん 今月末、任期終了
 東日本大震災で被災した宮城県南三陸町に、長崎県南島原市から派遣された職員の佐藤守謹(もりちか)さん(39)が3月末で任期を終える。町の総合計画策定や広報誌作りに関わり、復興に向け歩む被災地を後押しした。「町のため自分ができることはやり遂げた」。離任を前に充実した表情で語った。
 佐藤さんは「被災地の力になりたい」と志願し、南島原市に家族を残して2015年4月に赴任。同市から4人目の派遣職員として、企画課で4年にわたり任務に当たった。
 1年目は、まちづくりの指針となる第2次総合計画の策定に携わった。復興後を見据え「子どもたちが思う町の良さを伸ばす施策を打ちたい」と考え、町内の中学校と高校を回って町の魅力を生徒たちに聞いた。
 3年目から広報を担当。心掛けたのが、広報誌に町民の笑顔を多く載せることだった。
 「笑った時だけ、震災のつらい記憶を忘れられる。お客さんが笑顔になれる店にしたい」。町内の飲食店を取材で訪れた時、男性店主の言葉が心に響いた。
 年明けの1月号の表紙は2年連続で、町内の保育所や幼稚園に通う子どもたちの笑顔の顔写真で飾った。「子どもの笑顔は無敵。前向きな気持ちにさせてくれる」。毎回、200人以上の撮影を自らこなした。
 佐藤さんにとって、忘れられない災害の記憶がある。小学5年だった1990年、地元の長崎県で発生した雲仙普賢岳の噴火だ。翌年には火砕流で43人が犠牲になる惨事になった。
 子どもの頃に身近な場所で災害を目の当たりにし、東北を襲った震災は人ごとではなかった。被災地の惨状をニュースで見るたび「困っている人の力になりたい」との思いが募った。
 震災後の4月末に長崎県の災害派遣団の一員として陸前高田市に入り、2週間滞在して避難所運営などを担った。「被災地は出口が見えない中、このまま離れてしまっていいのか」と葛藤し、被災地への思いを強くした。
 知らない町で働くことに当初は不安があったが、持ち前の人当たりの良さで地域に溶け込んだ。休日は農作業のボランティアに汗を流し、仕事の枠を超えたつながりもできた。
 「今は南三陸に来て良かったと思っている。第二の古里になった」。被災地で働いた4年間は人生の大きな財産になった。
 南三陸地方の方言で「お手伝い」を「おでって」と言う。「町でのおでっては終わるが、今後は長崎から町の復興を見守りたい」と佐藤さんは語った。


河北春秋
 名取市の映画監督、宍戸大裕(だいすけ)さん(36)は東日本大震災の直後に東京から戻り、カメラを手に被災地の石巻や南相馬などを歩いた。撮ったのは猫、犬、牛。彼らも津波や原発事故で運命を変えられた被災者だった▼ペットを失った家族の人知れぬ悲しみ、奇跡的に生き延びた猫と交わる夫婦、原発事故で取り残された牛たちを飼う牧場主。同じ命の意味を問うた映画『犬と猫と人間と2』は2013年に劇場公開された▼片隅の「見えない風景」を映す作家の新作は『道草』。都内の春の公園で重度の自閉症の若者と介護者の男性がブランコをこぐ。そんな冒頭から、施設や病院を出て普通の生活に挑む人々、支える人々の山あり谷ありの日々が描かれる▼店のガラスを壊す、駅で女性の髪にさわる。寄り添う介護者たちが説教や笑い、励ましで苦い経験を新しい学びに変える。「撮影した2年間で若者たちも、その親も変わった」▼男性の1人は、3年前に神奈川県の施設で起きた入所者殺傷事件で、刺されて重傷を負った。両親は今、施設を出て自立に挑戦する息子の姿に「お互い親子で青春している」と笑う。「誰もが求めるのは共に生きてくれる仲間だ」と宍戸さん。思いを再び被災地に重ねる。『道草』は来月12日から仙台の「チネ・ラヴィータ」で。

現実味帯びるAI兵器 手遅れになる前に規制を
 21世紀の人間社会を根本的に変える可能性のある人工知能(AI)が兵器と一体化したときに世界はどうなってしまうのか。それを真剣に考えねばならない段階に入った。
 AI兵器の開発・使用に関する国際ルールづくりを話し合う国連の専門家会合がスイスのジュネーブで始まった。議題となっているのは、人間が関与せずAIの判断で人を殺傷する「自律型致死兵器システム」(LAWS)をいかに規制するかだ。
 「ディープラーニング」(深層学習)などの技術革新はAIの状況認識や判断能力を飛躍的に高め、車の自動運転や介護ロボットなどの恩恵をもたらすことが期待されている。
 しかし、それが軍事に転用されれば、最も効率よく敵を見つけて攻撃する兵器の開発につながる。人の殺傷をためらう人間的な感情を持たない「殺人ロボット」の登場が戦争の様相を大きく変容させかねない。
 AI兵器が火薬、核兵器に続く、戦争における「第3の革命」といわれるゆえんだ。強力な火器の登場によって第一次世界大戦は国家を挙げての総力戦と化した。第二次大戦では核兵器が国を丸ごと破壊する力を持っていることを示した。
 AI兵器は狙った軍事目標を正確に攻撃するから被害は局限化されるとの見方もある。だが、軍人と民間人を区別できるのか。AIが暴走して人類と敵対する「ターミネーター」などの映画は、機械が人を殺す未来への警告と受け止めるべきだ。
 為政者にとってはAI兵器を前線に投入することで自国兵士の死傷を避けられる。その分、戦争を始めるハードルが下がる懸念がある。
 先進国と途上国の技術格差が国際社会の分断を招く恐れもある。途上国の紛争地域に先進国が軍事介入した結果、AI兵器で殺傷されるのは途上国の兵士や民間人ばかりという悲劇が起こらないとも限らない。
 そのため国連の議論は、中南米やアフリカの途上国が国際法上の拘束力がある規制を主張し、AI兵器の開発で先行する米国やロシアなどが反対する構図が続く。日本は法的拘束力のない文書の形で各国の意見集約を図るよう提案している。
 いったん実用化されてしまえば後戻りは難しい。手遅れになる前に規制の網をかける必要がある。


夫婦別姓判決/国会は選択制に道を開け
 多様化する実社会と司法の溝は広がるばかりではないか。
 戸籍法に夫婦別姓を認める規定がないのは憲法違反だと首都圏の男女4人が訴えた裁判で、東京地裁は合憲と判断、請求を棄却した。原告側は控訴する。
 判決は「法律上の姓は一つ」とし、戸籍法が別姓を認めないのには合理的な根拠があると結論づけた。最高裁は2015年、日本社会に定着しているなどの理由で夫婦同姓を原則とする民法の規定を「合憲」とする初判断を示している。
 固い司法の扉を押し開こうと、別の角度から挑んだのが今回の訴訟だ。戸籍法では、日本人が外国人と結婚する場合は別姓を選べるが、日本人同士では選べない。原告らは、この規定に着目し、法の下の平等を定めた憲法に反すると主張した。
 原告の一人、ソフトウエア開発会社「サイボウズ」の青野慶久社長(47)は、結婚で妻の姓に改姓したが、仕事は旧姓で通している。場面に応じどちらの姓を使うか判断を迫られるストレス、株式名義の変更にかかる多額の費用など旧態依然の法制度が経済的損失を招いている−。ビジネスの最前線からの訴えは説得力があった。
 ところが、地裁判決は最高裁判断をなぞっただけで、不利益にどう対応するかは「国会の裁量に委ねられる」とした。価値観の多様化に向き合おうとしない司法への失望は大きい。
 内閣府が昨年2月に公表した調査で、希望すれば夫婦がそれぞれの姓を名乗れる「選択的夫婦別姓」の法整備を容認する人が42・5%で、「必要ない」の29・3%を上回った。5年前の調査では、どちらも30%台でせめぎ合っていたが、全世代で容認派が増えた。結婚で姓を変える、変えないを選べる制度への理解は広がっている。
 法制審議会は1996年、選択的別姓を認める民法改正案を答申したが、法改正は棚上げされたままだ。夫婦同姓の強制は女性差別だとして国連からも再三、是正勧告を受けている。司法が動かないからといって国会の怠慢は許されない。
 国民の意識は柔軟で寛容だ。選択的夫婦別姓の法制化に向けた議論を本格化させ、立法府の責任を果たさねばならない。


夫婦別姓 請求棄却 国民の声踏まえ国会で法整備を
 ソフトウエア開発会社「サイボウズ」(東京)の青野慶久社長=今治市出身=らが、日本人同士の結婚で夫婦別姓を選べない戸籍法の規定は憲法違反だとして国に損害賠償を求めた訴訟の判決があり、東京地裁は合憲と判断し、請求を棄却した。憲法に保障された男女平等や基本的人権に照らし、「同姓でも別姓でも、夫婦が望む姓を選べる社会に」との、ごく自然な主張がまたも退けられたことに失望する。
 一方で判決は、現行の法制度での不利益を解消するかどうかは、国会の立法裁量に委ねられた問題とも指摘した。これまで国会は1996年に法務省の審議会が別姓を導入するように答申しても、国連からたびたび勧告を受けても、放置してきた。社会の家族観は変化し、多様化している。判決を契機として、幅広い国民のニーズに見合った法制度となるよう議論を深めるべきだ。
 青野氏は結婚後、戸籍上は妻の姓を選び、仕事や社会活動では旧姓である「青野」を使用。それにより、パスポートなどで戸籍上の姓を使うよう強いられたり、株式の名義変更で数十万円のコストがかかったりする事態に直面した。
 昨年1月に提訴した裁判で、青野氏らが焦点を当てたのは戸籍法の矛盾だ。規定では、日本人同士の離婚や、日本人と外国人の結婚や離婚では同姓か別姓か選択できるが、日本人同士の結婚では選べないことを挙げ、新たな規定を設けて選択的夫婦別姓を実現できるよう求めた。
 別姓の強制ではなく、夫婦が必要に応じて姓を選択し、そのデメリットも当人らで甘受するとの考え方は穏当なものだ。昨年2月に発表された内閣府の世論調査では、選択的夫婦別姓導入へ向けた法改正について、容認が42.5%と、反対の29.3%を大きく上回っており、社会の機運の高まりも明らかだ。
 しかし判決は、「夫婦同姓の原則」を定めた民法の規定が合憲と判断。法律上、異なった姓にならないようにするため、戸籍法が別姓を認めていないことには、合理的な根拠があると結論付けた。2015年の最高裁判決の踏襲にすぎず、その後浮かび上がった制度の不備や世論の変化よりも、法体系の整合性を優先しており、大いに疑問がある。現実に精神的、物理的な不利益を被っている人たちの救済に目を向けるべきだった。
 国会の動きが鈍いのは、自民党の保守派を中心に「別姓は家族の一体感を損なう」との反対論があるためとされる。だが、青野氏らによる選択的夫婦別姓制度の実現に賛同する署名は5万筆を超えた。昨年12月には東京都の中野区議会が別姓の法制化を求める意見書を賛成多数で可決したほか、各地で陳情や請願が行われるなど、選択的夫婦別姓を望む声は広がる一方だ。国会は国民の代表としての責任を自覚し、一日も早く議論を進める必要がある。


新たな土砂投入 対立を深めるだけだ
 沖縄との対立を深めるだけとなぜ分からない。辺野古新基地建設現場で、政府が新たな海域に土砂投入を始めた。技術的難問が続出し展望が開けない工事だ。立ち止まって県側と話し合うしかない。
 七割が辺野古埋め立てに反対した県民投票から一カ月余。玉城デニー知事はこの間二回、安倍晋三首相と会い工事の中止と一カ月程度の話し合いを要請したが無視された形だ。極めて残念である。
 そもそも現状で別海域への土砂投入を急ぐ意味はない。
 土砂の搬出、搬入場所の制約から運搬量は限られ、投入範囲を広げても工事の速度は上がらない。
 今回の措置は、埋め立てが着々と進んでいるように見せかけるパフォーマンスとしか思えない。
 県は対抗措置として、国土交通相が停止した埋め立て承認撤回の効力を回復する訴訟を起こした。
 直前には別の工事差し止め訴訟を取り下げ政府に譲歩を促したがかなわなかった。また県と国との法廷闘争が始まるものの、県の姿勢を示す上ではやむを得まい。
 県との対立を深めてまで強行しても、工事完成の見通しが立っていないことも政府の弱みだろう。
 現在の埋め立て海域の北、大浦湾側に広がる軟弱地盤の問題が大きい。改良のための設計変更を玉城氏は認めないと明言している。
 国が裁判に訴え勝ったとしても海面下最大九十メートルに達する軟弱地盤を完全に強化するのは困難だ。
 改良に必要な六百五十万立方メートルもの砂や本土から運ぶ巨大な護岸ブロックの仮置き場の確保が難しいといった点でも、辺野古が適地とは言い難い状況になっている。
 そして工期と工費−。政府は軟弱地盤改良に三年八カ月かかるとするものの、根拠はあいまい。工費も明かさない。県は基地完成まで計十三年の工期と消費税約1%分に当たる二兆六千五百億円の工費を試算として挙げる。
 展望なき工事を当面できる部分だけ進めているのが実態だ。普天間飛行場の「一日も早い返還」は辺野古にこだわるほど遠ざかるのではないか。
 埋め立ての現状はまだ総面積の2%程度。今なら原状回復は間に合う。政府はここで工事をやめ、県の提案通り県と国に米政府を加えた三者協議で辺野古移設によらない普天間返還の道を話し合うべきだ。
 辺野古に近い今帰仁(なきじん)村でジュゴンの死骸が見つかった。工事との関連は不明だが、総じて政府に対する県民の反感は強まっている。
 政府には冷静な判断が必要だ。


辺野古土砂投入 強行しても展望はない
 政府が米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設先とする名護市辺野古沿岸部で、新たな工区への土砂投入を始めた。
 先月の県民投票で7割超が移設に反対した中での強行は、沖縄との対立を激化させるだけで、基地問題の解決に何らつながらない。
 玉城デニー知事が「民主主義を踏みにじり、地方自治を破壊する」と批判するのも当然だ。
 移設計画を巡っては、最深が90メートルもある軟弱地盤の存在が明らかになり、防衛省は約7万7千本のくいを打つ追加工事を予定する。
 世界的にも例がない難工事が必至となる中、防衛省は最深部のボーリング調査をせずに、国内で施工実績のある水面下約70メートルまでの地盤改良をすれば安定性が確保できると国会で答弁していた。
 あまりにずさんで、計画自体の実現性を疑わざるを得ない。
 基地問題は政府と県の対話なくして解決はない。その環境を整えるためにも、まずは政府が工事を止める必要がある。
 新たに土砂投入が始まった区域は埋め立て海域の南側で、広さは33ヘクタールある。現在埋め立て中の区域と合わせ、予定地全体の4分の1を来年夏まで陸地化する計画だ。
 しかし、予定地東側の軟弱地盤の問題を解決しなければ基地は運用できない。政府は地盤改良について十分な説明をしておらず、総工費も示していない。
 現状では県が追加工事を承認する可能性はなく、移設計画がいずれ行き詰まるのは明らかだ。
 看過できないのは、岩屋毅防衛相が県民投票の結果を受け、先月の記者会見で「沖縄には沖縄の民主主義があり、国には国の民主主義がある。それぞれの民意に責任を負う」と述べたことだ。
 沖縄の民意を無視すると言ったに等しい。今月初めの共同通信の全国世論調査で、県民投票の結果について、政府が「尊重すべきだ」とした回答は68%に上った。
 政府の強行姿勢は県外でも理解を得られまい。
 玉城氏は先週、安倍晋三首相と会い、土砂投入中止と1カ月程度の話し合いを求め、国との訴訟を取り下げる譲歩案も示した。
 だが、首相は拒否し、県は埋め立て承認撤回の効力を国土交通相が一時停止したのは違法だとして福岡高裁那覇支部に提訴した。
 法廷闘争と工事の強行を繰り返す対立の連鎖は絶たねばならない。それには、政府が県と対話する姿勢にかじを切り、辺野古の代替案を探ることが欠かせない。


[辺野古工事] 政府の強硬さ目に余る
 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設を巡り、政府は名護市辺野古の沿岸部で新たな区域への土砂投入を開始した。
 2月の県民投票で埋め立て「反対」が7割超に上った結果を受け、玉城デニー沖縄県知事は移設工事を中止し、1カ月程度の協議の場を設けるよう安倍晋三首相に求めてきた。だが、政府は玉城氏の要請に応じず、今回の土砂投入に踏み切った。作業を加速させるとみられる。
 沖縄の民意を無視した移設作業は、あまりにも強硬だと言わざるを得ない。政府は民意を踏まえて一度立ち止まるべきである。
 新たに土砂投入を始めたのは、埋め立て海域南側の護岸で囲まれた約33ヘクタールの区域だ。昨年12月以降、土砂投入が進められている区域の西に隣接する。
 今後埋め立てる予定の海域東側にはマヨネーズ状の軟弱地盤が広がり、その地盤改良には費用増加や工期延長が避けられないことが明らかになっている。
 だが、政府は改良工事の費用を公に示していない。工期については「3年8カ月」としているが、県は工事の設計変更を認めず国に対抗する方針だ。
 国費を投入する事業で、費用や工期が不明確なまま着手するのはずさんとしか言いようがない。
 軟弱地盤の改良工事には、技術的に不可能との見方があるほか、施工後の地盤沈下を懸念する声も上がっている。
 県は、辺野古沿岸部の埋め立て承認撤回の効力を国土交通相が一時停止したことを不服として国を相手に提訴、国と県の対立は再び法廷闘争に発展した。
 このような状況では、移設完了の時期を見通すことはできまい。その間、普天間飛行場は固定化されたままとなる。
 政府は、普天間飛行場の早期返還には「辺野古移設が唯一の解決策」との姿勢を崩していない。だが、沖縄の民主主義を尊重し、早期返還を果たすには、その姿勢を見直し、方向転換する必要があるのではないか。
 玉城氏は、日米両政府に沖縄県を加えた3者協議の場の設置を強く求めている。
 政府はこの提案を前向きに受け止め、沖縄の民意や軟弱地盤による工事の難航を理由に、米国とともに辺野古移設以外の解決策を模索すべきだ。
 日米で一度は合意した事項を覆すには、とてつもないエネルギーが必要だろう。だが、このままでは日本の民主主義が問われかねない。思考停止に陥らず、最善の方法を見いださなくてはならない。


辺野古土砂投入 問答無用の姿勢改めよ
 政府は米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設先である名護市辺野古の沿岸部で新たな区域への土砂投入を開始した。住民らの抗議活動を尻目に、移設工事は次の段階に入った。
 沖縄県民が知事選、県民投票を通じて移設反対の意思を繰り返し示しているにもかかわらず、まるで何事もなかったかのように工事を進める問答無用の姿勢は許し難い。口では地元の声を重視すると言いながら、行動は全く正反対。地方がいかに声を上げても無駄だと圧力をかけているようなものだ。
 これでは政府と沖縄県の溝は深まる一方だ。県民にのしかかる基地負担はいつまでたっても軽減されない。政府は強硬な態度を改め、沖縄県と対話する方向へ転換する必要がある。
 玉城デニー知事は先週、安倍晋三首相と官邸で会談し、移設工事の中止を求めるとともに、1カ月程度の協議の場を設けるよう要請した。だが安倍首相は辺野古移設の正当性を主張するばかりで、これに応じなかった。在日米軍専用施設の7割が集中する沖縄県にもう基地はいらないとする県民の訴えは切実だ。その声に真摯(しんし)に耳を傾けなければならない。
 玉城知事は昨年9月の知事選で移設反対を掲げ、過去最多の39万票余りを獲得して初当選した。それでも政府が辺野古移設の方針を改めないため、今年2月には移設の是非を直接問う県民投票に踏み切った。その結果、反対は玉城知事の獲得票を上回る約43万票と全体の7割超に達した。移設反対の県民意思に、揺るぎがないのは明らかである。
 今度は政府がそれをしっかり受け止め、沖縄県民が納得できる方策を真剣に考える番ではないか。米国を交えて話し合う必要もあるだろう。その努力をまったくしないまま、工事を次の段階に進めるのは理解を得られない。
 新たに土砂投入が始まったのは、埋め立て海域南側の護岸で囲まれた区域だ。昨年12月から土砂投入が進められている区域の西に隣接する。防衛省は全体で約160ヘクタールを埋め立て、2本の滑走路を整備する計画だ。
 だが海域東側には軟弱地盤が広がっている。防衛省は地盤改良が必要だとして、改良工事に向けた設計変更を沖縄県に提出する構えだ。岩屋毅防衛相は「できるだけ早く県に提出する」としているが、玉城知事は認めない方向だ。法廷闘争を含め、対立は激しさを増すだろう。
 普天間飛行場は周囲に住宅地や学校が密集し、世界一危険だとされる。政府は危険性除去のためには辺野古移設が唯一の解決策だとしているが、それしかないはずがなく、思考停止と言わざるを得ない。
 玉城知事は「訴訟合戦ではなく、対話のための環境づくりに努めたい」と話している。政府は沖縄の民意を踏まえ、速やかに協議に応じるべきだ。


[辺野古工事] 政府の強硬さ目に余る
 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設を巡り、政府は名護市辺野古の沿岸部で新たな区域への土砂投入を開始した。
 2月の県民投票で埋め立て「反対」が7割超に上った結果を受け、玉城デニー沖縄県知事は移設工事を中止し、1カ月程度の協議の場を設けるよう安倍晋三首相に求めてきた。だが、政府は玉城氏の要請に応じず、今回の土砂投入に踏み切った。作業を加速させるとみられる。
 沖縄の民意を無視した移設作業は、あまりにも強硬だと言わざるを得ない。政府は民意を踏まえて一度立ち止まるべきである。
 新たに土砂投入を始めたのは、埋め立て海域南側の護岸で囲まれた約33ヘクタールの区域だ。昨年12月以降、土砂投入が進められている区域の西に隣接する。
 今後埋め立てる予定の海域東側にはマヨネーズ状の軟弱地盤が広がり、その地盤改良には費用増加や工期延長が避けられないことが明らかになっている。
 だが、政府は改良工事の費用を公に示していない。工期については「3年8カ月」としているが、県は工事の設計変更を認めず国に対抗する方針だ。
 国費を投入する事業で、費用や工期が不明確なまま着手するのはずさんとしか言いようがない。
 軟弱地盤の改良工事には、技術的に不可能との見方があるほか、施工後の地盤沈下を懸念する声も上がっている。
 県は、辺野古沿岸部の埋め立て承認撤回の効力を国土交通相が一時停止したことを不服として国を相手に提訴、国と県の対立は再び法廷闘争に発展した。
 このような状況では、移設完了の時期を見通すことはできまい。その間、普天間飛行場は固定化されたままとなる。
 政府は、普天間飛行場の早期返還には「辺野古移設が唯一の解決策」との姿勢を崩していない。だが、沖縄の民主主義を尊重し、早期返還を果たすには、その姿勢を見直し、方向転換する必要があるのではないか。
 玉城氏は、日米両政府に沖縄県を加えた3者協議の場の設置を強く求めている。
 政府はこの提案を前向きに受け止め、沖縄の民意や軟弱地盤による工事の難航を理由に、米国とともに辺野古移設以外の解決策を模索すべきだ。
 日米で一度は合意した事項を覆すには、とてつもないエネルギーが必要だろう。だが、このままでは日本の民主主義が問われかねない。思考停止に陥らず、最善の方法を見いださなくてはならない。


成年後見の報酬  利用者目線の議論要る
 最高裁が、認知症や知的障害などで判断力が不十分な人を支援する成年後見人の報酬を改める考え方を示した。
 利用者の財産額に応じて決める現在の算定方法をやめ、業務の難易度で金額を調整する。介護や福祉サービスの契約など日常生活の支援に報酬を手厚くするという。
 利用者から「後見人が報酬に見合った仕事をしない」との不満が出ていた。現場の声を踏まえ、生活支援を重視する方向への転換を打ち出したことは評価したい。
 ただ、気がかりなのは生活に困難があり、支援が必要な人ほど負担が増える可能性があることだ。低所得者の中には報酬が支払えず、制度が利用できなくなるとの懸念も根強い。
 算定方法の詳細は今後、各家庭裁判所の裁判官が決める。今回の見直しは日弁連など後見業務を担う専門職の団体と議論したが、利用者団体は参加していない。検討にあたっては利用者の意見を反映させる決め方も必要ではないか。
 成年後見制度は、認知高齢者らの財産管理やサービス手続きなどを代行する仕組みだ。本人や家族が利用を申し立て、家裁が後見人を選任する。現在、弁護士などの専門職が約7割を占める。
 報酬は一部家裁が目安を示しているが、透明性は低く、利用者の間では「高い」との見方も多い。
 新たな仕組みでは、定額報酬は廃止の方向だ。財産目録の作成や本人との面会など業務の実績に応じて支払われるようになる。
 生活支援を重視する報酬算定の実現には、弁護士や司法書士らの意識改革が必要だろう。
 利用者の意思確認や支援に消極的な後見人が多いとみられるからだ。国の委託で社会福祉法人が2017年度に知的障害者入所施設を対象に実施した調査では後見人の面会頻度は「年1〜2回」「ほぼ来ていない」で4割に上った。
 後見人の仕事を監視する家裁の在り方が問われよう。報酬の見直しが実施されれば、業務の増大も予想される。支援の内容が適切かどうかチェックする態勢も必要だが、人員不足が指摘されている。各地の社会福祉協議会など民間の支援事業の活用も検討してはどうか。
 最高裁は後見人の交代を柔軟に認めるほか、選任では親族らを優先する考えも示した。認知症の高齢者は25年に65歳以上の約5人に1人に当たる約700万人になるとの見通しだ。より国民に身近な制度とするためにも利用者目線に立ち、議論を深めたい。


ふるさと納税 交付税減額、行き過ぎだ
 これは国の意向に従わない自治体に対する「脅し」ではないか。総務省は、ふるさと納税で多額の寄付を集めている大阪府泉佐野市など4市町に対し、3月分の特別交付税を減額した。
 「懲罰ではない」と総務省は否定している。4市町の財政状況は、普通交付税を受け取る必要がない「不交付団体」に近いと判断したという。
 それは基準となる財政力に、新たにふるさと納税の寄付収入見込み額を加える見直しをした結果だ。そのための省令改正は減額を決める直前で、制裁のためのルール変更とみられても仕方ないタイミングである。
 4市町には事前に連絡もなかった。不意打ちのような措置に、6月予定の法規制導入を前にした「見せしめ」と受け止めた自治体も多いのではないか。
 国の要請に従わない自治体に、総務省が手を焼いていたことがあるのだろう。
 ふるさと納税は、寄付すると、自己負担の2千円を除く金額が住民税などから減額される仕組みだ。寄付を呼びかけるインターネットの専用サイトには、高級な牛肉など特産品のほか、ネット販売大手「アマゾン」のギフト券などもずらり載っている。ネットによるカタログショッピングと変わらない状況だ。
 よりお得な返礼品を用意した自治体に寄付が殺到しているのが実態だ。その競争が過熱するのも当然といえよう。
 事態を重く見た総務省は一昨年、返礼品について寄付額の3割までにすることを自治体に通知した。さらに地場産品に限定することも加えた。それでも返礼品競争は収まらず、昨年秋、自治体の自主規制に任せてきた姿勢を転換。地方税法を改正し、規制強化を表明した。
 これまでは地方自治体ならどこでも制度を利用できたが、6月以降は事実上の「認可制」に移行する。認めるかどうか、過去の寄付金の集め方も判断材料にするという。
 ふるさと納税は制度がスタートして10年余りたつが、課題も多い。高所得者ほど減税額が大きくなることや、返礼品に豪華な地場産品を用意できる自治体に寄付が集まりやすいことに批判が根強い。減収になる大都市圏の自治体からは不満の声も上がっている。
 しかし、財政力の弱い地方が観光客誘致や特産品をPRし、アイデア次第で財源も集められる手法でもある。最近では、地域おこしの活動自体をアピールするクラウドファンディング(CF)も登場している。
 中国地方では、福山市が住民によるホタルの里づくり活動への協力を呼びかけたほか、世界で活躍するホッケー選手を目指す子どもを応援する島根県奥出雲町のプロジェクトの例などがある。
 そもそも、ふるさと納税は返礼品が目当てではなく、出身地やゆかりのある自治体を応援したい納税者が、寄付先を選べることからスタートしたはずだ。
 制度のマイナス面を抑えるため全国一律で返礼品を規制し、地方の自治体や業者が創意工夫を凝らすプラス面まで抑えることになっては元も子もない。
 受け皿となるメニューをどうそろえるか、自治体が自由な裁量で工夫できることが重要ではないか。小手先ではなく、抜本的な改革へ踏み込むべきだ。


原発事故避難 国と東電に賠償命令 松山地裁「ふるさと喪失」認定
 東京電力福島第一原発事故で、福島県から愛媛県に避難した十世帯二十五人が、国と東電に計一億三千七百五十万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、松山地裁は二十六日、うち二十三人について国と東電双方の賠償責任を認め、計約二千七百四十万円の支払いを命じた。 
 全国で起こされた約三十件の同種訴訟のうち十件目の判決で、東電には十回連続の賠償命令。国は今回を含め八件で被告となり、うち賠償を命じられたのは六回目となる。
 久保井恵子裁判長は判決理由で、政府機関が二〇〇二年に公表した地震予測の「長期評価」は、客観的で合理的な知見で「国と東電は同年末には津波の予見は可能だった」と指摘した。
 その上で長期評価に基づき、水密扉の設置など浸水対策を取っていれば、津波による波力にも耐えられたと推認できると判断。国が規制権限を行使しなかったことは著しく合理性を欠き東電も津波に対する結果回避措置を講じなかったとして違法性や過失を認めた。
 また判決は、原告らが原発事故で住居周辺に放射性物質が拡散され避難したことで、人間関係やコミュニティーなどの包括的生活基盤を失ったとし「ふるさと喪失」の慰謝料の支払いも認めた。
 国が賠償基準を定めた中間指針の合理性についての判断は示さなかった。その上で、賠償額は避難に至った事情や期間を考慮し、避難区域の原告は百三十二万〜五百五十万円とする一方、区域外の避難者は十三万〜五十五万円とした。事故後に生まれた原告二人の請求は棄却した。
 原子力規制庁は「裁判所の十分な理解が得られなかった。事故を踏まえて適切な規制を行っていきたい」、東電は「判決を精査し、今後の対応を検討する」とコメント。原告側は賠償額を不服として控訴する方針を示した。
 原告は区域外避難者を含む一〜六十四歳(提訴時)の男女で、一四年三月から順次提訴し一人当たり五百五十万円を請求。原告の中には四国電力伊方原発(愛媛県伊方町)の運転差し止め訴訟に加わっている人もいる。


核燃第2工場 事業費転嫁は許されない
 原発の使用済み核燃料を再処理して使い続ける国の核燃料サイクル政策の一環で、関西電力が、具体的な計画がない工場の事業費を電気料金に転嫁し始めていることが明らかになった。
 青森県六ケ所村に建設中の再処理工場に次ぐ「第2再処理工場」の費用だ。2007年に11兆7千億円との試算が公表されたが、計画は白紙の状態が続いている。
 九州電力も近く転嫁を始め、他の大手電力も追随する見込み。建設中の工場の事業費約16兆円と併せ、各電力の消費者が巨額の費用を負担することになる。
 核燃料サイクルはそもそも、実質的に破綻している。再処理した燃料を使う高速増殖原型炉「もんじゅ」はトラブル続きの末に廃炉となった。一般の原発で使うプルサーマル発電も進んでいない。
 転嫁方針や負担額について消費者への説明もない。破綻を認めないだけでなく、実体のないプランへの負担をひそかに強いている。到底許されるものではない。
 政府や関電は、16年の制度改正によって具体的な計画がなくても転嫁できるようになったと説明している。納得できる国民はほとんどいないだろう。
 関電はただちに転嫁を中止し、他の大手電力も方針を見直すべきだ。積極的に情報公開して消費者に説明する責任がある。
 六ケ所村の再処理工場は、使用済み核燃料からウランとプルトニウムを取り出して混合酸化物(MOX)燃料を作る。これを原発で燃やした後、使用済みのMOX燃料を再び使えるよう処理するために必要なのが第2工場だ。
 しかし、六ケ所村の工場は完成延期を繰り返している上、稼働すると使い道のないプルトニウムが増える。プルトニウムは核兵器に転用可能で、国際的に安全保障上の懸念が示されている。第2工場の必要性は見いだせない。
 関電は、事業費の転嫁を、値下げした17年と18年の電気料金に織り込ませている。値上げには有識者による審査や国の認可が必要だが、値下げは国への届け出のみで可能だ。わざと目立たなくしたと受け取られても仕方ない。
 電力小売り事業は16年に自由化され、事業者が独自に料金を設定できるようになった。だが大手電力会社には、さまざまな費用を転嫁できる総括原価方式に基づいた「規制料金」が残っている。
 規制料金は20年に廃止予定だが延長論も浮上している。今のままでは電気料金の透明性を確保できない。延長論は認められない。


伊藤詩織さんをカルバン・クラインがキャンペーンに起用! ネトウヨがまたぞろ攻撃もSNSでは称賛の声が圧倒
 安倍首相と近い元TBS記者・山口敬之氏からの準強姦被害を訴えたジャーナリスト・伊藤詩織さんが、世界的ファッションブランドであるカルバン・クラインのキャンペーン映像に起用された。
 周知の通り、詩織さんは2017年、山口氏からの性暴力を告発し、実名と顔出しで記者会見に臨んだ。山口氏の“セカンドレイプ”的な反論やネット右翼によるバッシングにあったが、それでも彼女は「真実」を伝えるため著書『Black Box』(文藝春秋)を出版。世界的な「#MeToo」運動の流れのなかで複数の海外メディアの取材にも応じ、昨年にはイギリスのBBCが詩織さんを中心に据えたドキュメンタリー「Japan's Secret Shame」を公開。国際的に大きな反響を呼んだ同ドキュメンタリーは昨日、日本でもニコニコ動画にて放送された。
 今回、詩織さんが起用されたのは、カルバン・クラインが「MY STATEMENT. #MYCALVINS」と題するキャンペーン。同社のアンダーウェアをまとった中国、韓国、台湾、香港、インド、日本のアーティストやアクティビストたち10名が取り上げられている。カルバン・クラインのホームページによれば、この試みは〈文化の前衛となりパーソナルなステートメントを押し出しているアジアからの果敢な個人のグループを讃える〉もので、その一人として詩織さんが選ばれた。
〈国際女性デーとその2019年のテーマであるバランスに触発され、カルバン・クラインはこの10人に、バランスのコンセプト及びその様々な解釈を模索してもらいました。その結果は、それぞれの個人を形成するもの、その力の源、そしていかにして障害を勝利へと変えたかを物語る一連の密着したイメージ及びビデオとなりました。
 カルバン・クラインは、自己表現の強い意志をたたえ、常識への抵抗、ステートメントを提示するための挑戦をサポートします〉(カルバン・クライン公式サイトより)
 カルバン・クラインは伊藤さんを「映像作家(ジャーナリスト)/サイレンスブレーカー」と呼び、このように紹介している。
〈伊藤詩織は、すべての女性のエンパワメントをサポートしています。ドキュメンタリー映像作家であり提唱者である彼女は、小さな声を世界中に届けることに挑んでいます。自分自身を、そして彼女の内なる真実を信じて、現実に対して勇敢に挑戦し、暗闇に光を届けています。〉
 この世界的企業からのオファーは、ジャーナリストとしての評価はもちろん、抑圧や沈黙を強いられがちな性暴力被害について声をあげ続けたことが高く評価された証だろう。日本企業や国内メディアの態度とは180度違うものだ。
 考えてみてほしい。こと日本において、性暴力被害を告発した女性はある種のステレオタイプとして扱われがちだった。メディアは一様に“かわいそうで無力な被害者”として描写する。心ない人たちは“売名行為”だとか“彼女にも悪いところがある”というような誹謗中傷を投げかける。方向は違えども、いずれもネガティブなイメージを植え付けていることに変わりはない。
 そして、別の事件が告発されるたび、同じことが繰り返され、その「女性個人」の価値観や生き方は一切注目を浴びないまま、いつのまにか抽象的な存在として世間から忘れ去られていった。メディアも「その後」を伝えなかった。いや、日本社会の「性暴力被害は恥」という風潮が、それを許さなかったと言ったほうがいい。
 事実、2017年に「#MeToo」運動が世界的に盛り上がったときも、日本国内では被害者が顔を出して告発できるような空気はまったくなかった。誤解を恐れずに表現すれば、性暴力被害の告発者は「主体的な個」でなく、「被害女性という記号」としてだけ扱われてきた。
SNSでは伊藤詩織さんに「サイレンスブレーカーいいね!」の賛意が
 その空気に、詩織さんは抗った。顔と名前を公開した記者会見の場で「『被害女性』と言われるのが嫌だった」と公言し、その後も「伊藤詩織という個人」として自らの信念に従って行動し続けた。
 性暴力被害を告発した人は、漠然とした「彼女たち」ではなく、みなひとりひとり違う考え方を持ち、違う生き方をしている。詩織さんは、その行動で「性暴力について語ることができない日本社会」と「画一的な『被害女性』であることを強いられる」という“2重の沈黙”を破った。これこそ、カルバン・クラインが詩織さんを「サイレンスブレーカー」と表現した理由だろう。
 一方で、詩織さんへのバッシングは未だに続いている。前述したBBCのドキュメンタリーでも、自民党の杉田水脈衆院議員が「彼女の場合はあきらかに、女としても落ち度がありますよね」などと宣っていた。今回のカルバン・クラインのキャンペーンへの出演に対しても、ネット右翼は〈さようならカルバンクライン。CMに伊藤詩織を使うのは日本に対する敵対行為と判断した〉〈伊藤詩織さん…今度は下着姿ですか。怖すぎるわこの女性〉などと、懲りずにツイートしている。
 しかし、そんな中傷とは比べ物にならないほど、いま、SNS上では詩織さんを賞賛する声が多数あがっている。
〈詩織さんのカルバン・クラインのCM見た。堂々とした姿に圧倒された。こうも清々しく、どうやったら生きていけるだろうか。汚い誹謗中傷を受けた身をもって、どうしたらこんな素晴らしい決断にもっていけるんだろう。〉
〈滅茶苦茶かっこいいCM!「サイレンスブレーカー」いいね!!詩織さんの沈黙を破った勇気が、他の人たちの勇気になる〉
〈詩織さんを社のstatementに起用してくださったカルバンクライン社に心から感謝。本当に素晴らしいです。〉
〈あのカルバン・クラインの詩織さんのCMは素晴らしいよね。力強いメーッセージ性もあってね。〉
〈詩織さんの勇気を尊敬するし、応援してます。〉
伊藤詩織さんがカルバン・クラインのオファーを受けた理由
 詩織さんは、カルバン・クラインのオファーを受けた理由を自身のFBに綴っている。〈カルバンクラインから連絡をいただいた時は、いくら女性をエンパワーしたいと言われても下着と聞いて、お断りするつもりでした〉という。だが、〈「レースの下着を履いていたから同意していた」と無罪判決になったアイルランドでのニュースを見て、これまで自分自身に向けられた服装への批判などがフラッシュバックしたと同時に、このCKオファーについて考え直し、参加させていただくことにしました〉。今回の出演に関しても、自分の信念を強く持っていることがわかる。詩織さんは〈どんな格好をしていようが、どんな下着を身につけていようがそれは同意にはなりません〉と続けている。
 日本社会において、いまだに「性暴力被害者」に対する偏見やバッシングが横行していることは事実だ。だが、詩織さんの行動が、その風潮を確実に変えつつあることは間違いない。キャンペーン映像のなかで、カルバン・クラインのアンダーウェアを纏った詩織さんは、このように語りかけている。最後に引用しておこう。
「私は女性が女性を助けたり、サポートするということは、女性が社会的に力を得る上で大切なことだと思います。私の役目はその小さな主張を見つけて、それを世界に届けること。私たちに必要なのは、自分を信じ、真実を信じること」


ウーマン村本がよしもと社長からの圧力を激白!「百田さんや高須さんのこと、どうにかならんか」と
 昨日、ウーマンラッシュアワーの村本大輔が3年にわたって月曜MCを務めてきた『AbemaPrime』(AbemaTV)を卒業した。この番組でも政権批判を展開してはネトウヨから攻撃を受けてきた村本だったが、降板にあたって最後に村本がカメラに向かい、語ったことは、芸能界において政権批判がいかにタブー化しているかということだった。
 まず、村本は、この3年の変化に言及し、「ニュースに触れてしまって、知ってしまって、気づいてしまって。そっからもうなんというか、急に『漫才師』から『活動家』って言われたりして。他の芸人には『お前、おい辺野古ちゃん』って言われたりして」と、社会問題に関心を示したことで周囲の芸人からも色眼鏡で見られていたことを滲ませた。
 しかも、それはただの空気だけではなかったらしい。なんと、所属の「よしもとクリエイティブ・エージェンシー」から直接、沖縄の発言をやめるように言われたらしい。
「なんかこう、ちょっとでも僕が沖縄のことを書くと、いままでだったらスルーされていたことが『すごく許せない』ということで会社とかに電話があって。吉本という会社もちゃんとした会社なんで、やはり1件、2件とかで、社員さんなんかが『沖縄の発言、あれはやめたほうがいんじゃない』とか。毎回ですよね」
 たった1〜2件の抗議だけで「やめたほうがいい」とは、過剰反応としか思えないが、村本への働きかけはこんなレベルではなく、政治発言をするたびに毎回、幹部から直接、詰問されていたらしい。
「番組終わった後、楽屋に毎回、吉本の社員とか偉い人が待ってて、そのまま取り調べみたいなの受けるでしょ? そうなんですよ。僕、最近、吉本の社員のこと、「公安」って呼んでるんですよ。治安維持法でね、ちょっと僕がつぶやいたらしょっぴかれて」
「この前なんか『ガキの使い』で『アウト!』って言う藤原(寛)さん、(よしもとクリエイティブ・エージェンシーの)社長ですよ。社長が楽屋に座ってるんですよ。アベプラが終わったら、『ちょっと来てください』って言われて、『こないだのTwitterの件やけども、これはどうにかならんか、百田(尚樹)さんや高須(克弥)さんのこと』ということで、楽屋に30〜40分も閉じ込められて、ずっと藤原さんに言われたんですよ。『ホンマにあかんときは「アウト!」って言わへんのや』っていうくらい(笑)。ほんとにもう、ずーっとね。とんとんと言われつづけるんですよ。僕も『あー、すみません、すみません、すみません』つってね。で、また書いちゃって言われて」
 そう、よしもとの藤原社長までが出動して、村本がTwitter上で百田氏や高須氏とバトルを繰り広げていた件とについて、クレームをつけたらしいのだ。
村本の口調はけっして告発調ではなく、漫才師らしくギャグとして笑い飛ばしていただけだが、これは明らかに圧力だろう。
よしもとが露骨に圧力をかけたのは、村本の発言が政権批判だから
 いったいなぜ、よしもとはこんな露骨な圧力をかけているのか。百田氏や高須氏とのバトルにしても、ひどい発言をしているのは、ヘイトやフェイクを繰り返す百田氏や、ナチ肯定発言の高須氏であり、村本氏はそれを批判しただけだ。それを自社タレントを守るどころか、社長が乗り出し、抑えにかかったのだ。
 いったいこれはなんなのか。たしかに高須氏はCMを大量出稿する高須クリニックの院長である、百田氏は関西の一部テレビ局にもパイプがあるが、だとしても、これは異常だ。
 これは、村本の発言がただの政治発言だからではなく、明らかに安倍政権の政策批判や、ネトウヨから支持を得ている安倍応援団とのバトルだからではないのか。現に、よしもとにも、松本人志を筆頭に、小籔千豊、千原せいじ、たむらけんじなど、政治問題にコメントしているタレントは山ほどいるが、彼らに対して、こうした圧力は加えられていない。
 まったく、唖然とする状況だが、しかし、村本の政権批判抑え込みをやっているのは、よしもとだけではない。よしもとほど露骨に出ないだけで、テレビでも同じことが起きているはずだ。村本は、沖縄の問題を語っただけで吉本に抗議電話があったという話をしていたが、テレビ局や番組にその何倍もの抗議があったことは想像に難くない。そして、テレビ業界全体が「村本を使うといろいろ面倒くさい」という空気に支配され、どんどん村本を使わなくなった、そういうことだろう。
 実際、村本は今回の最後の挨拶のなかでも、こんな話をしていた。
「こないだ別の番組のスタッフさんと飲みに行ったときも、『ちょっと色が付いてる。クイズ番組とかバラエティ番組出たとき、そういうこと言いそうな感じがするっていうのは、正直あんまりプラスじゃない』っていう話なんかされたりして」
村本が浮き彫りにした、リベラルがメディアから干されていく構造
“政治的発言”しそうな「色が付いてる」ことは「プラスじゃない」──。そうしてテレビからは忌避され、所属事務所からも“政治的発言をやめろ”と恫喝され、言うことをきかないと干されていく。村本の話は、一体、どうやって“政治的発言”をおこなう芸能人が消されてしまうのか、その構造を浮き彫りにしていると言えるだろう。
 もちろん、ここで言う“政治的発言”というのは、前述したように政権批判につながる発言やリベラルな発言だけだ。政治を語るタレントでも、安倍政権を擁護したり、安倍首相となかよく食事するタレントは干されたりなどしないし、「政治的発言をするな」と大きな批判に晒されることもない。一方、ローラや石田純一、星田英利(ほっしゃん。)が顕著なように、政権批判や政権の政策に疑義を呈する発言だけが「政治的発言」「偏向」と呼ばれ、メディアからバッシングを受け、仕事を奪われていくのだ。
 村本はこの3年を振り返るなかで、「本当に、まあ正直“タレント”という商品ではなくなりましたよね」と述べた。つまり、日本の芸能界やメディアではリベラルな言論をおこなうことによって、「タレント」という立ち位置さえ剥奪されてしまうということだろう。仕事まで奪われてしまうというリスクを考えれば、タレントが口をつぐんでしまう理由はよくわかる。
 しかし、その一方であらためて痛感させられるのは、村本の「強さ」だろう。メディアから叩かれまくり、所属事務所の幹部から毎回「取り調べ」を受け、さらには社長から直接恫喝を受けながらも、けっして“政治的発言”をやめなかった。一体、その「強さ」の理由はどこにあるのか。
圧力にめげない村本の「個としての強さ」に感動!
 村本は、最後の挨拶のなかで、こんな話をしていた。
「この番組のおかげで本当にいろんな人と出会えましてね。やっぱり頭の中で一番鮮烈に覚えているのは、障がい者施設・津久井やまゆり園で人がたくさん殺されたとき。担当している記者の方と喋ったときに、『あれはニュースにならないんです』と言われて。『なんでですか?』と訊いたら、『見る人がいないんだ』と。『自分が怖くないから見ない。身内にいたら本当に怖くてどうしても見てしまう』と。そうなんだと思って。だから北朝鮮がミサイル撃つと、自分のことじゃないかと思って見るし、そればっかりになると」
 そして、こうつづけた。
「テレビという媒体は本当は何を伝えたいのか。みんなが見るものを伝えるとしたら、本当に見せないといけないものは何なのかと」
 相模原事件、辺野古新基地建設工事、朝鮮学校無償化除外問題……「ニュースに触れてしまって、知ってしまって、気づいてしまった」村本は、それを無視することはできなくなったのだ。
 別の番組スタッフから「色が付いてる」と指摘されたときについて、村本は「僕もいまさらそっちに出たいっていうわけではまったくないんですけど、変な正義感はないですけども」と言った上で、「僕が守りたいものは言論の自由で、自分が思ったことははっきり言う、というのは大事にしたいんです」と語った。芸能界で大きな力をもつ所属事務所の社長にまで圧力をかけられながら、それでもなお「自分が思ったことははっきり言うことを大事にしたい」と言える、その個としての強さには、正直、胸を打たれた。
 そして、こうして言論の自由が抑圧され、仕事を干されてしまう、この国における“政治的発言”を取り巻く異常な状況をこそ変えていかなくてならないだろう。なぜなら、芸能界の状況は、この社会の“政治的発言”に対する忌避意識と密接につながっているからだ。

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#KuToo, au Japon les femmes disent stop à l'obligation de porter des talons
Au Japon, les femmes n'en peuvent plus d'être obligées de se rendre au travail chaussées de talons. Poussées par la vague #MeToo toujours bien présente, elles lancent le #KuToo.
Il n'y a pas de petits combats. Au Japon, hommes et femmes se voient dans l'obligation d'adopter un style vestimentaire très strict pour se rendre au boulot. Jusque là rien de particulier sauf quand il s'agit de chaussures. En équilibre sur des talons pendant plusieurs heures, les Japonaises ont décidé de dire stop. Peut-être faut-il en avoir porté un jour pour vraiment comprendre l'inconfort et la douleur que les stilettos, compensés, et autres souliers perchés provoquent. Si certaines sont ravies de se promener perchées sur 12 centimètres de chaussures, libre à elles. Ce que les Japonaises n'acceptent plus, c'est d'être forcées à les mettre sous prétexte qu'elles sont femmes. "Se présenter en talons aiguilles dignes d'un night club est un faux pas, mais les chaussures plates sont généralement mal vues car elles sont traditionnellement considérées comme trop décontractées. Les escarpins mi-hauteur sont donc devenuesle code vestimentaire de facto pour les femmes", détaille le quotidien Japan Today.
Pour en finir avec les diktats de cette société patriarcale, les femmes ont décidé d'exprimer leur mécontentement sur les réseaux sociaux. Ponctué d'un "#KuToo" (inspiré de #Metoo et en référence à "kutsu" (chaussures) et "kutsuu" (douleur)) des centaines de femmes ont posté des messages sur Twitter pour expliquer le calvaire des talons. Parfois accompagnées de photos de leurs pieds ensanglantés, les publications ont fait le tour du web.
14.000 signatures contre les talons
L'initiative est parti de Yumi Ishikawa, actrice et modèle de 32 ans épuisée de voir les femmes de son pays soumises à des traditions archaïques. De son côté, la dessinatrice Rika Asakawa a imaginé un personnage vêtu de gants de boxe se battant contre une paire de chaussures à talons.
Lancée par Yumi Asakawa, une pétition a déjà été signée par plus de 14.000 personnes qui demandent le laisser le choix de la tenue libre. Si l'initiative semble minime face aux larges inégalités entre les sexes qui subsistent, elle reste un début pour les Japonaises qui voient dans cette tradition une énième privation de liberté.
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フランス語の勉強?

朝ごはんを食べて駅前の婦人科に向かいました.ところが予約していないのでダメでした.もう一つのところに行くとOK.予約していなかったので時間がかかりました.
スマホを忘れたみたいで,いったん帰宅.充電すると忘れるみたいです.
ランチは黒酢カレー.カレーが黒いです.黒酢を混ぜると変な味?でもまた食べてみたいかも.
紅茶を飲みに出かけたら,残念ながら定休日でした.駅の喫茶店でコーヒー飲みました.
新幹線で帰ります.博多で乗り換え.無事新大阪についてそこから梅田に行って自転車で帰りました.疲れたよ.

<気仙沼・防潮堤施工ミス>業者や職員の処分に住民「釈然としない」
 気仙沼市内湾地区の防潮堤高を県が誤って施工した問題で、県は25日、気仙沼市役所であった内湾地区復興まちづくり協議会の会合で業者や職員の処分を明らかにした。住民側が求め続けた関係者の責任の所在がようやく示されたが、あくまで県の規定に沿った分かりにくい処分内容に住民は反発。「釈然としない」などと批判の声が上がった。
 「処分の中身がどの程度の重さなのかよく分からない」。県の担当者が示した業者、職員に対する処分内容に協議会のメンバーの一人が疑問を投げ掛けると、一気に不満が噴出した。
 県は業者に3カ月間の指名停止、県職員10人には通常は公表しない「訓告」「文書注意」などの処分を出した。武藤伸子農林水産部長は「過去の事例に基づいた処分」を強調したが、住民側からは「われわれは一生変えることができない(防潮堤の高さの)ミスをされた。(処分が)妥当とは思えない」などの不満の声が上がった。
 県は村井嘉浩知事の署名入りの謝罪文を協議会の場に出したが、「知事の責任が紙切れ1枚で済まされるのか」「会社に問題があれば普通は社長の責任になる。釈然としない」などと行政トップへの批判も出た。
 会合終了後、ある出席者は「処分の説明が雑だ」と反発。別の出席者は県の処分が全員、気仙沼地方振興事務所の職員だったことに触れ「トカゲの尻尾切りだ」と嘆いた。
 県が住民と設置する方針を示している地域振興策を協議する場の開催は未定だ。協議会の菅原昭彦会長は「みんな釈然としていない。県は住民と向き合う姿勢をしっかりと示してほしい」と注文した。


<気仙沼・防潮堤施工ミス>宮城県、設計・施工業者3者に同等責任
 気仙沼市内湾地区の防潮堤高を宮城県が誤って22センチ高く施工した問題で、県は25日、関わった設計業者、施工業者との3者がそれぞれ同等の責任を負うとの結論を報告した。見た目の高さを抑える背後地のかさ上げに要した費用など計9150万円は、責任割合に応じ3者が同額ずつ負担する方針も示した。
 同日、市役所であった「内湾地区復興まちづくり協議会」の会合で武藤伸子県農林水産部長らが示した。
 県の担当者は2018年3月に誤りが発覚した防潮堤整備を巡り、3者間の指示、確認の不足があったと説明。設計業者が誤った図面を作成したことが発端となったとしながらも、「工事監理が不徹底でミスを発見できないまま工事が進んだ」と結論付けた。
 会合では、ミスに関わった県職員の処分も公表。気仙沼地方振興事務所の職員10人について、それぞれ訓告、文書厳重注意、文書注意の処分を20日付で通知したという。村井嘉浩知事の処分はなかった。
 県の報告に対し、地元出席者からは「処分の妥当性が分からない」「知事に何も処分がないのはおかしい」などの声が相次いだ。県は「過去の事例に基づいて決めた」と説明した。協議会の菅原昭彦会長は「職員だけの処分に釈然としていない人が多い。地元の声を知事に伝えてほしい」と求めた。
 現地での報告に先立ち、村井知事は県庁であった定例記者会見で「地元の皆さんにとって重要な場所でミスをした」と言及。地元向けの文書で「私の不用意な発言で皆さまを傷つけたことを深くおわびする」と改めて謝罪した。
◎6業者を指名停止
 宮城県は25日、気仙沼市内湾地区の防潮堤高が誤って施工された問題で、設計業者の日本港湾コンサルタント(東京)と、施工業者の小野良組(気仙沼市)と佐藤庫組(北秋田市)で構成する復旧・復興建設工事共同企業体(JV)など6業者を6月24日まで3カ月間の指名停止処分とした。
 このほかに処分を受けたのは、JVを構成する小野良組と佐藤庫組の2業者に加え、小野良組が関係する二つのJV。


放射性物質の検査場所候補地追加
東北電力の女川原発で事故が起きた際に、避難する住民に放射性物質が付着していないかを調べる検査場所について、県は、石巻市などの3か所を候補として追加しました。
原発事故が起きた際、避難する人の体や車に放射性物質が付着していないか検査する「スクリーニング」を原発から30キロほど離れた場所で行うことが、国の原子力災害対策指針によって定められています。
県はこれまで、検査を行う場所について、登米市や東松島市などの13か所を候補として選定していましたが、県議会などから「検査する場所が少なく、渋滞して避難が遅れる恐れがある」という指摘が出ていました。
このため、県は、石巻市の河南体育センターと、利府町の三陸道上り線の春日パーキングエリア、登米市の豊里運動公園の3か所を候補として追加しました。
県は、さらに候補を追加するよう検討を進めることにしています。
県原子力安全対策課は、「さまざまな事態に対応したり、検査による渋滞で避難が遅れたりしないよう、候補を追加できるよう協議を進めていきたい」と述べています。
検査場所の候補地は、国の指針に基づいて県が設置したもので、いずれも原発から30キロ付近に設置されています。
今回の追加により、県内の候補地は、登米市に4か所、東松島市に4か所、涌谷町に2か所、南三陸町に2か所、美里町に2か所、石巻市に1か所、利府町に1か所の合わせて16か所となりました。
原発から30キロの圏内にいた人は、避難する際に、必ず検査を受けるよう定められています。
30キロの圏内に住んでいる人は、およそ20万人です。
検査場所では、まず、放射性物質が車にどの程度付着しているのかを検査します。
その結果、国の基準を下回れば、そのまま30キロ圏外に避難できます。もし基準を上回っていれば、車は洗い流して除染します。
また、避難してきた人の衣服なども検査します。
その結果、基準を上回っていれば、基準を下回るまで、乾いたタオルで繰り返し拭くなどして除染するということです。
それでも基準を下回らなかった場合は、原子力災害拠点病院として指定されている東北大学病院など3つの病院で治療を受けることになります。
こうした検査場所は、原発事故が起きた際の風向きなどから、放射性物質の流れる方角を見極め、最終的に決定するということです。
検査場所の候補の追加を受け、市町村は新たな避難経路を策定し、ホームページで公開したり、住民説明会を開いたりするということです。


<影法師>長井のフォークグループが来月、東京・永田町で反原発を歌う
 東京電力福島第1原発事故の影響に苦しむ福島県の現状を伝え、反原発を訴えようと、長井市の4人組フォークグループ「影法師」が4月1日、東京都の参院議員会館で「影法師in永田町」を開く。
 政治の中心地から「自民1強」の現状に異議を唱え、東日本大震災と原発事故の風化に警鐘を鳴らす。
 反戦歌を基調に地方からメッセージソングの発信を続ける影法師は今年結成45年目。イベントでは原発事故をテーマにしたオリジナル曲「花は咲けども」や、安倍晋三首相の政治手法を批判する新曲「ア○の永田町」など計10曲程度を披露する。
 「永田の町で流行(はや)るもの 詭弁(きべん)強弁はぐらかし 問答無用の強行採決」。新曲の歌詞は、1強政治の中で機能不全に陥った国会の現状も厳しく告発する。
 このほか福島県飯舘村で酪農を断念した農業長谷川健一さんが古里の現状を報告。評論家佐高信さんが政治状況を解説する。
 当日はエープリルフールだが、影法師は「うそ偽りの政治にはっきりと物申す」と意気込む。午後2時から。入場無料。連絡先は遠藤孝太郎さん090(3124)3386。


愛媛の原発避難者訴訟 国と東電に賠償命じる 松山地裁
東京電力福島第一原子力発電所の事故で、愛媛県に避難した住民20人余りが国と東京電力を訴えた裁判で、松山地方裁判所は、国の機関が行った地震活動の長期評価に基づき津波を予測し対策を行うことは十分可能だったとして、国と東京電力に対して合わせて2700万円余りの賠償を命じる判決を言い渡しました。
福島第一原発の事故で福島県から愛媛県に避難した10世帯25人は、生活の基盤を失い、精神的な苦痛を受けたなどとして国と東京電力に1人当たり550万円、合わせておよそ1億4000万円の賠償を求めていました。
26日の判決で、松山地方裁判所の久保井恵子裁判長は、平成14年に国の機関が地震活動の長期評価を公表した時点で、当時の国の原子力安全・保安院が東京電力に津波の評価を試算させていれば10メートルを超える高さの津波が到達することを予測でき、浸水対策を行うことは十分可能だったと指摘しました。
そのうえで国と東京電力に対して、原告のうち、避難したあとに生まれた2人を除く23人に合わせて2700万円余りを賠償するよう命じました。
福島の原発事故で避難した人などが国と東京電力を訴えた集団訴訟の判決は8件目で、1審では千葉地裁での2件の判決を除き、いずれも国の責任が認められています。
原告「賠償十分でない」
判決で認められた賠償の額は、すでに東京電力から支払われた分が差し引かれ、当時住んでいた区域に応じて、1人当たり13万円から550万円と、ほとんどの原告にとっては求めている額より少なくなりました。
原告団の代表で福島県南相馬市から避難している渡部寛志さんは、「国の責任が認められたことは非常に良かったが、賠償額は十分とはいえず、私自身は、この賠償額では、生活再建を図れない」と話していました。
原子力規制委「国の主張認められず」
判決について、国の原子力規制委員会は、「国の主張について、裁判所の十分な理解が得られなかったと考えている」としたうえで、「原発事故を踏まえて作られた新たな規制基準の審査を厳格に進めることで適正な規制を行っていきたい」とするコメントを出しました。
東京電力「内容精査し対応検討」
判決について東京電力は、「原発事故で福島県民の皆様をはじめ、広く社会の皆様に大変なご迷惑とご心配をおかけしていることについて改めて心からおわび申し上げます。松山地裁の判決については、今後、内容を精査し、対応を検討して参ります」とするコメントを出しました。


「御巣鷹の尾根」管理人、石山寺を訪問 追悼の桜、遺族と対面
 1985年の日航ジャンボ機墜落事故で妹を失った大津市の石山寺副座主の鷲尾博子さん(63)が25日、事故現場「御巣鷹の尾根」(群馬県上野村)管理人の黒沢完一さん(75)と同寺で初対面した。犠牲者を追悼する桜をめでて、鷲尾さんは「遺族のために事故を風化させない活動をしていただき、ありがとうございます」と感謝した。
 大津市石山寺1丁目の同寺境内には、事故直後に犠牲になった人と同じ数の520本の桜が植樹され、うち約280本が咲く。黒沢さんは知人3人と初めて訪れ、出迎えた鷲尾さんと早咲きの彼岸桜などの下で語り合った。
 2006年に管理人になった黒沢さん。慰霊の登山客が途絶える冬場にも尾根に足を運び「(犠牲者が)寂しくないよう、『来たぞー』と言うんです」と活動を紹介。鷲尾さんの妹で能仁(のうにん)千延子さん=当時(22)=の墓標の写真3枚を手渡した。
 鷲尾さんが地元住民への負担を気に掛けると、黒沢さんは「村で事故のことを重荷と感じる人はいない。責務と思い(尾根を)守っています」と伝えた。
 「少しでも感謝を伝えられて良かった」と鷲尾さん。妹の遺影をかばんにしのばせ、「桜がきれいに咲くと、妹や犠牲者の方が笑顔になったと感じる。今も胸の中で生き続けている」とほほ笑んだ。
 黒沢さんは「立派な桜だ。石山寺に負けないよう、御巣鷹の尾根にも多くの花を咲かせたい」と語った。


夫婦別姓判決 法の欠陥は直さねば
 選択的夫婦別姓の制度を求めた男性は敗訴した。だが、IT企業社長の男性は、株の名義が妻の姓で公表されるなど明白な不利益がある。戸籍法の矛盾も露呈した。欠陥を直すのは国会の務めだ。
 ソフトウエア開発会社「サイボウズ」社長といえば起業家の青野慶久さんだ。だが、結婚した際、妻の希望で妻の姓「西端」にしたら、思わぬ不利益が生じた。
 まず、保有する自社株の名義を「青野」から「西端」に変えねばならなかった。その結果、投資家からは「青野」さんが自社株を保有していないと誤解されることにもなってしまった。
 ビジネスでは通常、「青野」を使用するが、公式書類には「西端」と書かねばならない。姓のサインはルールを確認しないとできない。不都合であろう。海外出張ではパスポートの姓だが、向こうでのビジネスの場では…。手間はストレスでもある。
 夫婦同姓の民法規定は「合憲」と最高裁大法廷が二〇一五年末に判断した。「家族は社会の基礎的な集団単位で呼称を一つに定めることは合理性がある」との理由だった。むろん合理性を否定はしないし、家族同姓に有利な点が多いことも否定しない。
 だが、社会が多様化し、女性の社会進出が盛んな時代だ。旧姓を捨てると思わぬ不都合や不利益をこうむることも事実なのだ。
 青野さんは「法の欠陥」を突いた。戸籍法のこんなケースを説いた。(1)日本人同士の結婚(2)日本人と外国人との結婚(3)日本人同士の離婚(4)日本人と外国人との離婚−。実はこのうち(1)以外では同姓か別姓か選択できるのだ。(2)の日本人と外国人の結婚は別姓の選択が可能−。つまり日本人同士の結婚だけ別姓を選べない。それは「法の欠陥」なのだと−。
 だが、東京地裁は「民法規定を改正しないまま、手続き法である戸籍法のみの改正で選択的夫婦別姓を実現させるのは許されない」と断じた。あまりにしゃくし定規な考え方ではあるまいか。
 全国の裁判所では裁判官や職員たちの旧姓使用を認める運用をしている。判決や令状で同一人物かを確かめるためだ。弁護士も戸籍姓で登録し、旧姓で活動できる。同姓を強いる不都合な実態は裁判官自身が知っていよう。
 求めているのは選択的夫婦別姓制であって、強制のものでない。一九九六年には法制審議会が選択制を答申した。明治民法の「家制度」の発想から早く脱したい。


辺野古工事拡大/政府は「思考停止」脱却を
 政府はきのう、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設を計画する名護市辺野古沖の沿岸部で、新たな区域の埋め立て作業を始めた。
 2月の県民投票では埋め立て反対が7割を超え、民意は明白に示されている。玉城デニー県知事は工事中止と日米政府との3者協議を求めたが、安倍晋三首相は拒んだ。
 民意を軽んじ、事態打開に向けた地元提案にも向き合わず工事を強行する政府の姿勢は、民主主義の対極にある。
 計画自体にも問題点が浮上している。政府は辺野古を「唯一の選択肢」とする思考停止状態から脱却し、基地負担の解消策を米国と練り直すべきだ。
 埋め立ては現在作業中の区域の西側で始まった。全体で約160ヘクタールを埋め立てて滑走路を2本造り、「2022年度またはその後」に移設を実現すると日米政府は唱えてきた。
 しかし予定海域の軟弱地盤が判明し、地盤改良工事が必要になった。防衛省の報告書は約3年8カ月を要するとしており、5年の予定の工期はさらに延びる。普天間の負担解消は遠のくばかりである。
 軟弱地盤の可能性は以前から指摘されており、県は昨年末、工事長期化の試算を示した。これに政府は明確に答えず、報告書の開示も拒んだが、野党の要求でようやく問題を認めた。県民投票を前に、不利な材料を隠そうとしたのだろう。
 「3500億円以上」とされている建設費も、県の試算では2・5兆円に膨れ上がる。もはや計画自体に無理がある。一度決まれば止められないのは、あしき公共事業と変わらない。
 県は先週、県が下した埋め立て承認撤回の効力を国土交通相が一時停止したのを不服として、取り消しを求め提訴した。政府と自治体が法廷闘争を繰り返す事態は異様に映る。国と地方は対等とされながら、国への対抗策は限られるのが実情だ。
 沖縄の苦悩を知りながら、基地負担の重荷を背負おうとしない本土側の反応を、前泊博盛沖縄国際大教授は「集団的いじめ」と例えた。その構図が、政府の強硬姿勢を容認する空気を生みだしていないか。国民全体で考えねばならない。


新たに土砂投入 民意尊重し工事中止せよ
 沖縄の民意を踏みにじる政府が、その強権姿勢を一段とエスカレートさせてきた。
 米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設で、政府が新たな区域への土砂投入を始めたのである。
 2月24日に行われた県民投票では、埋め立て反対が有効投票数の72・15%に当たる43万4273票に達した。この結果を踏まえ、玉城デニー知事が工事をやめるよう安倍晋三首相に求めたが、政府は聞く耳を持たない。
 言うまでもなく、民主主義は、人を人として尊重することが土台だ。民意に背を向ける政府の姿勢は「人間尊重」の対極にある。これでは民主国家の名に値しない。
 防衛省は全体で約160ヘクタールを埋め立てる計画で、昨年12月から約6・3ヘクタールの区域で土砂投入を続けている。新たに土砂を入れ始めたのは西側に隣接する約33ヘクタールの区域だ。
 ただ、東側の埋め立て予定海域には軟弱地盤が広がっており、政府は工期や事業費さえきちんと説明できていない。いつまでに終わるという確たる見通しもなく、費用がいくらかかるかも分からない中で、見切り発車的に埋め立てが始まった。このようなずさんな国費の投入が許されていいはずがない。
 新基地建設を強行する政府が錦の御旗にしているのは、「県外移設を求める」と公約していた仲井真弘多知事(当時)が2013年に一転して埋め立てを承認したことだ。
 仲井真氏は翌14年の知事選で、辺野古移設反対の公約を掲げた翁長雄志氏に10万票近い大差をつけられて落選した。仲井真氏の決定が、大多数の民意に反していたことは選挙結果から明らかだ。
 本来であれば、この時点で現行の移設計画は見直されるべきだった。県外移設が困難を伴うとみて、政府が引き続き辺野古移設を推進したのは、職責放棄、職務怠慢としか言いようがない。
 その後、翁長氏の死去に伴う昨年の知事選で新基地建設反対を掲げた玉城知事が誕生する。辺野古移設反対の揺るぎない民意が重ねて明確になった。さらに県民投票によって駄目押しをした形だ。
 だが政府は方針を変えるどころか、既成事実を積み重ねる。県民を打ちのめし、無力感を味わわせ、諦めさせようともくろんでいるのだろう。
 岩屋毅防衛相は「抑止力維持と基地負担軽減の両方を満たす唯一の選択肢だ」と強調した。辺野古移設ありきで完全に思考停止に陥っている。
 「抑止力」は政府の常套(じょうとう)句だが、県内移設を正当化するための理屈にすぎない。軍事面から見れば、沖縄に海兵隊を展開する理由は乏しいと多くの専門家が指摘している。
 政府は埋め立てを直ちに中止し、移設計画を根本から見直すべきだ。できない理由をあげつらうのではなく、どうすれば県内移設なしに全面返還を実現できるのか、知恵を絞ることが大切だ。


[辺野古新区域に土砂]「民意」は埋められない
 辺野古新基地建設を巡り防衛省沖縄防衛局は25日、新たな区域に土砂投入を始めた。
 辺野古の浜では「県民大行動」が開かれ、主催者発表で約700人が参加した。
 プラカードや横断幕を掲げ、「民意を無視する暴挙を許さない」などと安倍政権を批判した。集会の後、カヌーチームが新区域にこぎ出し、海上保安官ともみ合いになりながら、土砂投入に抗議した。
 投票総数の7割超が「反対」という圧倒的な意思を示した県民投票から1カ月。安倍晋三首相は玉城デニー知事が要請した工事の1カ月程度の中止と協議を無視した。
 安倍政権の思い上がりというほかない。
 岩屋毅防衛相は25日の会見で「抑止力の維持」と「沖縄の負担軽減」の両方を満たすのが新基地で「唯一の解決策」と主張、「一日も早い普天間の返還」と何度も発言した。
 だがそもそも抑止力の維持と負担軽減を沖縄だけで両立させることに無理がある。なぜ九州ではだめなのか、政府はちゃんと説明責任を果たしたことがない。
 菅義偉官房長官も同日の会見で「普天間の一日も早い全面返還を実現するよう」と強調した。
 軟弱地盤の改良のため、埋め立て工事の長期化が避けられなくなっている。
 普天間の返還見通しが立たない状況にありながら、一日も早い普天間の返還という言葉を繰り返すのは、移設計画が破綻したことを示すと同時に、それを覆い隠そうとするもので説得力に欠ける。
    ■    ■
 今回土砂投入を始めたのは、埋め立て海域南側の護岸で囲まれた約33ヘクタールの区域。昨年12月から土砂投入が続いている約6・3ヘクタールの西に隣接する。二つの区域が完全に埋め立てられれば、全体の4分の1に相当する。
 政府の土砂投入は新基地が実現できるかわからないまま、遮二無二埋め立てを進めようとしているとしかみえない。埋め立て工事はもともと大浦湾側から始める予定だった。それができなくなったのは埋め立て承認時には判明していなかったマヨネーズ並みといわれる軟弱地盤の存在である。
 政府は砂の杭(くい)約7万7千本を打ち込んで地盤改良するというが、最深90メートルの所もあり、世界で過去に例のない難工事となるのは間違いない。
 改良工事に向けた設計変更もできていない状態である。想定通りに進む保証はなく、政府は工期、総事業費を示すことができない。
 大浦湾埋め立てには着手できておらず、「新基地完成に一日たりとも近づくものではない」(県)のである。
    ■    ■
 43万4273人もの県民が投票場まで足を運び、「反対」の意志を示した意味は重い。安倍首相が「真(しん)摯(し)に受け止める」という言葉とは裏腹に、県民投票結果を一切顧みず工事を強行していることに、県内ではこれまでとは異なる失望や怒り、憤まんが渦巻いている。
 安倍政権は県民投票で圧倒的に示された民意を甘くみていないか。
 民意は埋められない。


辺野古移設強行 民意に背く既成事実化だ
 埋め立て反対の民意は顧みられず、移設に向けた工事が着々と進んでいく。
 問答無用で既成事実化を急ぐような政府の姿勢は、「沖縄の心」や民主主義への挑戦としか感じられない。
 政府は25日、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設先となっている名護市辺野古の沿岸部で、新たな区域への土砂投入を開始した。
 辺野古移設問題にテーマを絞り、初めて沖縄県民の意思が問われた2月24日の県民投票では埋め立てへの反対が7割を超えていた。だが、結果は無視された格好である。
 昨年9月に行われた知事選では、移設反対を掲げて戦った玉城デニー氏が与党系候補を破って勝利した。
 その民意も、政府は事実上黙殺した。12月、辺野古沿岸部で土砂投入を始めたからだ。
 今回、土砂が投入されたのは埋め立て海域南側の護岸で囲まれた33ヘクタールだ。12月に土砂が投入され、いまも作業が続く6・3ヘクタールの区域の西に隣接する。
 安倍晋三首相は知事選や県民投票の結果を「真摯(しんし)に受け止める」とし、玉城知事の求めに応じて会談も行ってきた。
 しかし、民意に背いた土砂投入が繰り返されるようでは、首相の言う「真摯」は口だけ、会談はアリバイ作りとしか受け取れない。
 政府は辺野古移設について日米同盟の抑止力維持や基地負担軽減のため「唯一の選択肢」などと主張している。
 自らの立場に固執するだけでなく、なぜ反対の民意が根強いのか、その底流に何があるのかを丁寧に見つめるべきだ。それなくして「真摯」などと言えるはずがない。
 地元との溝をさらに深め、移設に突き進むようなやり方は極めて乱暴だ。県民の声にしっかり耳を傾け、打開の道を探ることこそ首相や国の責務だろう。政府は本気で、沖縄の民意に向き合わなければならない。
 深く懸念するのは、辺野古移設を巡って進む既成事実化が、沖縄県民の徒労感やあきらめにつながることだ。
 国がいったん決めてしまったことに、地元が異議を申し立てても意味はない。そんなムードが広がれば、沖縄の思いに反する移設工事がさらに加速することになろう。
 同時に、民意が尊重されなければ、民意をくみ取るシステムとして機能してきた選挙や住民投票へのしらけや不信感を招く心配がある。
 制度が形骸化し、政治への関心や自治への意欲をそぐことになりかねない。
 原発の再稼働問題など政府方針と地元住民の思いに乖離(かいり)がある政治テーマはほかにも存在する。辺野古移設は本県はじめ地方にとって人ごとではない。
 夏には参院選がある。民主主義とは、地方と国の関係とはどうあるべきか。よりよい政治を実現する判断材料とするためにも、辺野古移設を巡る動きに目を凝らし続けたい。


JOC会長の疑惑 一人に負わせる問題か
 東日本大震災被災地の「復興」を旗印に準備が加速する2020年東京五輪・パラリンピックが、公正に誘致されたものでなかったとしたら、逆に本格復興に向けた地元の意欲をなえさせる。
 そうした疑惑の渦中にある日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長は、6月の任期満了での退任を表明したが、もとより一人の責任に押し込めて済む問題ではない。五輪招致はオールジャパンの取り組みだ。疑惑が事実に反するなら、それこそオールジャパンで潔白を証明してもらいたい。
 疑惑の端緒は、ロシア陸上界のドーピング隠蔽(いんぺい)に絡む汚職疑惑。フランスは国際陸連本部があるモナコの司法権を握っており、その捜査の過程で、東京五輪招致委が契約したシンガポールのコンサルタント会社に支払った2億円超の一部が東京票の買収に使われた疑いが浮上した。
 同社への振り込みは、13年9月の国際オリンピック委員会(IOC)総会で東京が選出される直前の7月と、選出直後の10月の2回に分割。竹田氏は当時、招致委の理事長だった。
 コンサル会社には、16年リオデジャネイロ五輪の買収疑惑に絡むとされる前国際陸連会長とその息子が関与。この事件では、当時のブラジル・オリンピック委員会会長が逮捕、起訴されている。竹田氏に、捜査当局の目が向けられるのは当然だろう。
 竹田氏は、捜査開始が表面化した直後の今年1月に記者会見を開いたが、用意された文書を読み上げただけで、質疑には応じず退席。疑惑を増幅させる結果になった。
 2月には、JOC内部で竹田体制の継続を目指す動きも顕在化。浮世離れした組織内の動きが、世論の強い批判を招いてもいる。
 大会イメージの悪化を懸念するIOC側は、即座の辞任を望んでいたとされる。竹田氏側が任期満了での退任にこだわったのは、潔白を主張する立場の意地だろうが、コンサル会社を選んだ経緯も明らかにせず、支払った資金の流れも解明できないのでは、それもむなしい。
 当初は計画になかった福島県での野球・ソフトボール開催が決まり、聖火リレーで被災地重視の方針が示されるなど、徐々に「復興五輪」の形が見え始める中で、誘致にまつわる疑惑は国際社会で理念を共有する機運をしぼませることにもなりかねまい。
 東京五輪を巡っては、かねて「その開催準備が復興促進の妨げではないか」といった声もある。潔白の証明は事後の復興意欲に関わる。問題の重大性を認識するなら、国や地元東京都も疑惑解消へ手段を講じるべきだろう。


【地方創生】「政府目標」が軽くないか
 安倍政権が掲げる「政府目標」の軽さを感じる数字がまた一つ明らかになった。
 政府が地方創生の一環に掲げる東京23区からの企業誘致について、全市町村の76%が成果はないと考えていることが共同通信のアンケートで分かった。成果が「あった」とする市町村は9%にとどまった。
 2015年度に始まった地方創生の総合戦略は、東京一極集中に歯止めをかけるため、東京圏と地方の人口の転出入を20年に均衡させる目標を掲げている。
 企業移転は、その達成に向けた目玉政策だ。東京23区から本社機能を移すか、事務所や研究施設といった地方拠点を拡充した場合に法人税を減税する優遇措置を設けた。
 しかし、本社機能の移転は25件、国の優遇対象となった企業の移転・拡充をみても計287件にすぎない。来年3月末までに計7500件を実現するという政府目標の達成はまずあり得まい。
 効果が限られる背景には、企業にとって取引先が多い東京圏を離れる決断が難しいことが挙げられる。成果があったのも首都圏との交通アクセスが優れた地域が目立つ。
 地方圏の人口流出と東京一極集中は、高度成長政策のひずみとして長年問われてきた、国土づくりの構造的な課題である。政府目標は現実を直視したものだったのか、検証の余地がある。
 18年の人口移動報告では、東京圏は転入者が転出者を14万人近く上回った。転入超過は、安倍政権が地方創生本部を創設した14年以降、5年連続で10万人を超えた。ここでも目標達成は遠ざかっている。
 アンケートでは、交付金など施策全般を踏まえた地方創生の成果はあったとする自治体が69%だった。ただし、「どちらかといえば」が大半で、積極的に評価する自治体は少ない。「取り組みがなければ、さらに人口減少が進んでいた」という声は正直な実感だろう。
 政府は20年度からの第2期総合戦略でも、企業移転の支援を継続する方針だという。地方の人口減を抑制するには、企業移転が有効な手段であることに異論はない。経済界との連携強化を含め、実効性ある政策への真剣な再検討が迫られる。
 安倍政権下ではこのところ、甘い見通しによる重要政策の「看板倒れ」が続いている。
 国と地方の基礎的財政収支の黒字化時期は、国際公約だった20年度から5年も先送りされた。「20年までに指導的地位に女性が占める割合を30%以上とする」という女性活躍の目標も既に下方修正されている。
 実現の可能性や成果への緻密な工程に頓着せず、選挙向けの看板にすぎない「ウイッシュ・リスト(願望の羅列)」がまた大手を振っているとすれば、政治の後退である。
 夏の参院選も近い。声高に叫ばれる政府目標や政党の選挙公約を、成果を含めてしっかりと検証する視点が必要になる。


[ふるさと納税] 国にも混乱招いた責任
 総務省は、ふるさと納税で多額の寄付を集めた全国4市町への3月分の特別交付税を減額すると発表した。
 4市町はいずれも同省の要請に反し、過度な返礼品を送付していた。石田真敏総務相は「ペナルティーではない」と強調したが「懲罰的だ」との批判も出ている。
 ふるさと納税を巡ってはこれまでも、さまざまな矛盾が指摘されていた。応援したい都道府県や市区町村に寄付するという趣旨を逸脱する現状が続く以上、制度の抜本的見直しは避けられまい。
 地方交付税は年度当初には予期できない災害復旧費などを手当てする特別交付税と、税収不足を補う普通交付税の2種類がある。
 総務省は今回、4市町の財政状況が普通交付税を受け取る必要のない「不交付団体」に近いと判断。特別交付税の総額に限りがある中、バランス良く配分するために減額したという。
 ふるさと納税は自治体に寄付すると、自己負担の2000円を除いた額が所得税や住民税から差し引かれる制度。地域活性化を目的に2008年に始まった。
 しかし、返礼品に高額な商品や通販大手「アマゾン」のギフト券を用意した自治体に寄付が殺到、競争が過熱した。このため、政府は自主規制するよう通知したが4市町は応じず、そのうち大阪府泉佐野市は18年度の寄付額が前年度の3倍近くになる見通しという。
 ふるさと納税は、高所得者ほど減税額が高くなることや、返礼品に海産物や精肉をそろえられる自治体ほど寄付が集まりやすいことに反発が出ていた。政府の通知に従って寄付額を減らした自治体からは不満の声が挙がっている。
 制度がスタートして10年がたち、返礼品目当ての通販カタログによるギフトショッピングのようになっているのが現状だ。政府は制度設計の段階でこうした事態を想定しなかったのか。混乱を招いた責任の一端はあるだろう。
 不公平さを解消するのは当然だとしても、年度末の今月20日になって、総務省が交付税の配分ルールを省令で変更したのは乱暴ではないか。4市町には減額を事前に伝えていなかった。国に従わない自治体への見せしめにも映る。
 政府は、返礼品を「調達費が寄付額の30%以下の地場産品」に規制する地方税法改正案を今国会に提出した。だが、何が地場産品に当たるのか基準は明確でない。
 自治体が地元をどうアピールし税収を増やすかに知恵を絞ってこそ、地域の活性化につながる。一定のルールの下、自治体の裁量を最大限生かせる制度にすべきだ。


京都大卒業式、2900人が門出 吉田寮オブジェや立て看も登場
 京都大の卒業式が26日、京都市左京区のみやこめっせで行われた。山極寿一総長は式辞で、昨年の本庶佑(ほんじょたすく)特別教授のノーベル医学・生理学賞受賞や近年の科学技術の進展に触れ、「誰もやったことのない未知の境地を切り開くことこそ、京都大学の誇るべきチャレンジ精神。自分と考えの違う人の意見を聞きながら直面している課題に立ち向かってほしい」と語りかけた。
 会場にはスーツ姿やはかま姿、アニメキャラクターに仮装した卒業生約2900人と保護者らが出席。寮生の退去問題に揺れる学生寮「吉田寮」のオブジェを担いで入場したり、撤去を巡って議論が白熱した「立て看板」を会場前で掲げたりする学生もいた。各学部の代表者に学位記が手渡され、経済学部では62歳の男性が代表して受け取った。
 山極総長は、自身が出席した昨年のノーベル賞授賞式の様子に触れながら本庶氏の業績を紹介。「基礎研究を粘り強く続け、常識を疑うことでブレークスルーを成し遂げた。これはどんな分野にも適用できる基本的な姿勢だ」と述べた。またゲノム編集やiPS細胞(人工多能性幹細胞)、AI(人工知能)など科学技術の進展や頻発する災害、難民問題などを挙げ、新たな人間観や自然観が必要と強調。「先端的な科学に全てを依存するのではなく、人文科学や社会科学的な学知とともに確かな人間観、地球規模で生物多様性や人間社会をとらえる思考方法が不可欠」と力を込めた。


日本政府主催「国際女性会議」の閉会挨拶に安倍昭恵が! 山口敬之を擁護していた首相夫人を起用する異常
 今月23・24日に東京で開かれた日本政府主催の国際女性会議「WAW!」。ノーベル平和賞受賞者のマララ・ユスフザイさんが出席したことで話題を呼んだ同会議だったが、一方で唖然とするようなことが起こった。
 なんと、閉会の挨拶に立ったのは、安倍昭恵氏だったのだ。
 外務省HPの会議報告でも「内閣総理大臣夫人」という肩書きが記されていることからも昭恵氏が首相夫人として登場したことがわかるが、政府主催の国際会議で閉会のスピーチを担うこの人はどこからどう見ても「公人」だ。あらためて「首相夫人は公人ではなく私人である」という閣議決定のデタラメさには憤りを感じざるを得ないが、しかし、さらに驚いたのは、そのスピーチの内容だ。
 報道によると、昭恵氏は〈性被害を告発する「#MeToo」(「私も」の意)運動に触れ、課題の解決には1人1人が声を上げることが必要だと指摘。「皆さんがつかんだひらめきを周りの人と共有し、必ず行動に移してほしい」と呼び掛けた〉というのだ(日刊スポーツ24日付)。
 性被害に対して「声を上げることが必要」と訴えるのは大事なことだ。だが、昭恵氏といえば、性被害を訴える声に対して信じがたい行動に出た張本人ではないか。
 というのも、昭恵氏は2017年5月に「週刊新潮」(新潮社)がジャーナリスト・山口敬之氏による伊藤詩織さんへの性暴力疑惑を報じた際、山口氏がFacebookに投稿した“反論”に「いいね!」したからだ。
 この投稿で山口氏は告発を否定しただけではなく、〈犯罪行為がなかったという最終的な結論が一年ほど前に出た後も、当該人物側がこの話をスキャンダルとして各種メディアに売り込もうとしていたことは察知していました〉などとも記述していた。事件がもみ消されようとするなかで被害をメディアに訴える手段に出ることは当然の話だが、それを山口氏は「売り込もうとしていた」などと、あたかも女性が金銭目的であるかのように印象付けていた。そんな投稿に対し、昭恵氏は「いいね!」と共感を示したのだ。
 昭恵夫人といえば、森友学園問題が浮上し籠池泰典理事長(当時)の証人喚問がおこなわれた同年3月23日に自身の関与を否定したコメントをFacebookに投稿して以来、しばらく沈黙していたが、それを初めて破ったのが、山口氏が投稿した記事に「いいね!」だった。山口氏は当時、森友学園問題ではテレビで安倍首相と昭恵夫人を徹底擁護しつづけ、他方、ネトウヨによるデマであることが確定した辻元清美議員への流言をテレビで垂れ流していた。デマで問題をすり替える山口氏にはジャーナリストを名乗る資格などまったくないが、それでも昭恵夫人は国民から注目を集めるなかで、山口氏に「いいね!」とエールを送ったのである。
 人間の尊厳を奪う性暴力を告発する女性の声には耳を傾けず、自分や自分の夫を庇ってくれるジャーナリストの主張に「いいね!」と賛意を示す──そのような人物が、女性会議で“1人1人が声を上げることが必要”などと指摘し、「必ず行動に移してほしい」と挨拶するとは。とんだ恥さらしではないか。
「男女平等は反道徳」の杉田水脈は会議後、「日本は男女平等の先進国」と
 しかし、安倍政権で開始されたこの国際女性会議というものの“正体”がわかる出来事は、昭恵氏の挨拶だけではなかった。じつは、この会議には、自民党のあの杉田水脈議員も参加していたのである。
 そして、24日に自身のブログに、こんなことを投稿したのだ。
〈ジェンダーギャップ指数2018、日本は110位でG7最下位「日本は男女平等が進んでいない」と言われていますが、本当でしょうか?
ジェンダーギャップ指数を図る指標は大きく4つ。教育、健康、経済、政治。実は教育と健康の分野において日本はほぼパーフェクトに男女平等なのです。
まだまだ世界中には教育を受けられない人々がたくさん存在します。その3分の2が女性なのです。そんな国から見れば日本は「スーパー先進国」〉
〈そんな国が「男尊女卑」なはずはありません。日本人より海外の方々の方がそれをよく理解してくださっています〉
 ジェンダーギャップ指数で日本がG7で最下位となっているのは、経済分野で117位、政治の分野で125位と、経済と政治で大きな遅れをとっているからだ。収入の男女格差、管理職における男女平等、国会議員・閣僚の女性割合など、改善しなければならない項目はたくさんある。それに取り組むのが国会議員の仕事であるはずだが、杉田議員は女子の教育機会が奪われている国と比べて「スーパー先進国」など胸を張るのである。
 そもそも、杉田議員は次世代の党時代の2014年、国会で「男女平等は、絶対に実現しえない反道徳の妄想です」と暴言を吐き、「週刊プレイボーイ」(集英社)でのインタビューでも日本に男女差別は「ない」と断言した人物。さらに、伊藤詩織さんの告発に対しても、昨年6月にBBCが公開し、本日、19時からニコニコ生放送で日本初放送される詩織さんの事件を中心にしたドキュメンタリーでも、杉田議員はこう語っている。
「彼女の場合はあきらかに、女としても落ち度がありますよね」
「社会に生きていたら(男性からのセクハラは)山ほどありますよ」
「伊藤詩織さんが記者会見をおこなって、ああいう嘘の主張をしたがためにですね、山口さんや山口さんの家族には、死ねとかいうような誹謗中傷のメールとか電話とかが殺到したわけですよ。だから私はこういうのは男性側のほうが本当にひどい被害を被っているんじゃないかなというふうに思っています」
安倍首相が掲げる「女性が輝く社会」の正体があらわに!
 性暴力被害を訴える女性に対し、「女として落ち度がある」「社会に生きていたら山ほどある」などと言って責めたてながら、「こういうのは男性側のほうが本当にひどい被害を被っている」などと主張する──。このような人物が国会議員として参加する女性会議とは、一体何なのだろうか。
 つまり、これこそが安倍首相が進める「女性が輝く社会」の実態なのだ。実際、この国際女性会議で「すべての女の子が少なくとも12年間の質の高い教育にアクセスできる世界を目指す決意を首脳たちと確認したい」と途上国における女性教育の拡充を訴えたが、他方、この国で発覚した医学部入学試験における女性差別問題を直視することもなく、根本的・積極的な是正を打ち出していない。
 さらに、男女の立候補者数をできるかぎり均等にするよう政党に求めた「政治分野における男女共同参画推進法」が施行されて初となる次回の参院選では、共産党が5割を、立憲民主党は比例代表の4割を女性候補にすることを目指しているが、自民党は擁立目標を見送った(信濃毎日新聞25日付)。
 だいたい、安倍自民党は、準強制性こう容疑で告訴されて議員辞職した田畑毅議員にも当初、離党で手を打ち、福田淳一・前財務事務次官セクハラ問題では麻生太郎財務相が「はめられた可能性は否定できない」などと被害者女性があたかもハニートラップをしかけたようなデマを口にしたが何のお咎めもなかった。女性に対する性被害を一向に問題として取り合わないのだ。
 こんな状況で、よく「女性が輝く社会」などと宣えたものだが、この安倍政権下で女性の権利の向上、男女平等を目指すこと自体に無理があるのである。


佳子内親王「姉の一個人の希望がかなって」に批判殺到! でもおかしいのは眞子内親王・小室さん結婚潰しの世論のほうだ
 秋篠宮眞子内親王と小室圭氏との婚約問題に、妹の佳子内親王が踏み込んだ発言をし、話題を呼んでいる。佳子内親王はICU(国際基督教大学)卒業にあたって22日、宮内記者会の質問に対して文書コメントを発表したのだが、そのなかで、眞子内親王と小室氏についてこう述べたのだ。
「姉が結婚に関する儀式を延期していることについてですが、私は、結婚においては当人の気持ちが重要であると考えています。ですので、姉の一個人としての希望がかなう形になってほしいと思っています」
「結婚においては当人の気持ちが重要」「姉の一個人としての希望がかなう形に」。つまり、結婚は個人のもの、という近代社会においてごく当たり前の結婚観を表明したうえで、姉である眞子内親王を擁護した。
 ところが、この佳子内親王の文書コメントの内容を報じた朝日新聞の記事が、Yahoo!のトピックスになっていたのだが、そのコメント欄に、こんな批判的投稿が相次いだのだ。
〈皇室のような立場のある方々なら、それなりの家柄や経済力のあるお家の方と縁組されるのは当たり前〉
〈真剣に姉の幸せと将来の皇室を想うのなら、破談させるべきでは...〉
〈お相手として全く相応しくないと多くの国民が思っており、大抵の場合その判断が間違っていなかった事を証明する結果になるのですが…〉
〈自由にしたいんなら、皇籍離脱してからすればよろし。皇族の自由のために、私たちは税金を支払っているわけではない〉
 まさに“一億総小舅・一億総小姑”状態。しかもこれは、ネット民に限った話ではなく、この間の眞子内親王と小室氏の結婚問題に関する報道にも共通するものだ。
 眞子内親王と小室氏の結婚問題をめぐっては、婚約内定発表直後から、母親の男性問題、母親の金銭問題など、真偽不明の様々なバッシング報道がなされてきた。2017年末に小室氏の母と元婚約者男性との“金銭トラブル”が報道され、昨年2月婚約延期が発表された。
 昨年11月の誕生会見で秋篠宮が「多くの人が納得し、喜んでくれる状況にならなければ、私たちは婚約にあたる『納采の儀』というのを行うことはできません」「結婚したいという気持ちがあるのであれば、それ相応の対応をするべき」とコメントしたあたりから、小室母子バッシングは再燃。
 その秋篠宮の言葉を受ける形で、今年1月それまでこの問題について沈黙を通してきた小室氏が、母親の金銭トラブルについてはじめて、「解決済みと認識していたが、話し合いたい」という旨のコメントを公表。すると、それまでは小室氏がこのトラブルになんのリアクションもしていないと批判していたワイドショーだったが、案の定コメントを出したら出したで、小室氏への批判は収まるどころか、バッシングはさらに燃え上がった。
 この間、週刊誌もワイドショーも小室氏の舌出し写真とか友人たちとの飲み会とか、数カ月ぶりに髪を切ったとかどうでもいいネタを連日報じ続け、真偽不明の小室氏および母親の人格攻撃を繰り広げている。その様は、さながら“結婚阻止キャンペーン”だ。
竹田恒泰が「小室さんは皇室を“利用”した」とブーメラン攻撃
 しかし、テレビでも多くの弁護士がコメントしているとおり、この「金銭トラブル」、男性サイドは「貸した」と言っているが、借用書が存在しておらず、婚約相手の子どもに支援したというだけで、裁判に訴えたとしても男性サイドには勝ち目はないだろうというのが、大方の見方だ。
 ところが多くのワイドショーやコメンテーターたちは「法的には問題なくても道義的には……」などと言い、あれこれ文句をつけているのだ。しかも「お金がないのに学費の高い学校に行った」とか「お金がないのに皇族と結婚しようとしている」とか「分不相応」だとか、民主主義社会とは思えない、貧乏人差別と身分制肯定を全開にするような発言も少なくない。
 なかでも皇族の減少と皇統維持への危機感もある右派論客たちは、眞子内親王の結婚阻止に血道をあげている。
 たとえば“ネトウヨのアイドル”として知られる竹田恒泰氏は、極右月刊誌「WiLL」(ワック)2019年4月号に「小室さん、男らしく手をひきなさい」と題する文章を寄稿。そのなかで、小室氏をこうこき下ろした。
〈小室さんの一連の行動を見ていると、中身が伴っていないのに「肩書き」などの“アクセサリー”で自分を取り繕い、人から注目されることに優越感を覚える我欲むき出しの性格が透けて見えます。男として、最もタチが悪いタイプです。「国際弁護士」を目指しているのも、「海の王子さま」というかつての肩書きも、彼のそんな性格を象徴しているのではないかと、あえて邪推してしまいます。〉
〈もし、宮さまを“アクセサリー”のように見て近づいたとすれば、何と畏れ多いことか。
 何はともあれ、小室さんは「眞子さまの“フィアンセ”」という理由で留学の特別待遇を受けている。そう、小室さんは皇室を“利用”したのです。〉
 おいおい、“明治天皇の玄孫”なる看板を使いまくっていたアンタがそれを言うのかと、開いた口が塞がらない。
 しかし、週刊誌やテレビのコメンテーターも竹田恒泰氏と似たり寄ったり。その言い分は時代錯誤の言いがかりばかりなのである。
皇室制度は皇族をこそ圧迫!「一個人として」発言は佳子内親王の叫びだ
 だいたい、極悪犯罪のように喧々諤々と議論している金銭トラブルだが、これ、小室氏自身の問題ならまだしも、あくまで“母親の”金銭トラブルにすぎない。
 意外なことにタカ派の木村太郎が、「親の問題で結婚延期なんて、海外じゃありえない」という旨の発言をしていたが、その通りだろう。実際、昨年イギリスでヘンリー王子と結婚したメーガン妃の兄は、暴力事件で逮捕歴があったが、それで結婚NGとはならなかった。
 税金から支度金が払われると言う者もいるが、結婚しなくて皇室にとどまっていてもお金はかかっている。税がかかっているから、「支度金制度を見直せ」というならわかるが、「結婚の自由を制限せよ」というのは明らかにおかしい。
 小室氏が皇室を利用しようとしている、とか、あんな男と結婚したら眞子内親王が不幸になるなどという批判も同様だ。もちろん、小室氏が竹田恒泰ばりの“皇族なりたいマン”だったり、小室氏との結婚が結局破綻する可能性もゼロではないだろう。しかし、ロクでもない人間と結婚する自由だって、破綻するかもしれなくても結婚する自由だって、結婚に失敗する自由だって、本来すべての個人にある。
 皇族にそれが許されないのだとすれば、それこそが皇室制度そのものの欠陥なのだ。それどころか、皇族を特別扱いする以上、結婚によってその皇室制度を悪用しようという輩が近づいてくる可能性は常にある。いや、結婚相手だけでない。皇族に生まれた人間がひどい人間で、皇室制度を悪用する危険性だってある。世襲をベースにした皇室制度というのは、そういうリスクのある制度だ。
眞子内親王の結婚をめぐる問題は、現代民主主義社会で皇室制度を存続させていることの矛盾であり限界を露呈させており、天皇制がある限り今後も同様の問題は起き続けるだろう。
 そして、この制度は、今の社会では、当の皇族をもっとも苦しめている。佳子内親王が今回、卒業に際する文書コメントのなかで「結婚においては当人の気持ちが重要」「姉の一個人としての希望がかなう形になってほしい」と、「一個人」を強調するかたちで自分の意見を表明したことは高く評価したいが、それは逆にこれだけ強い言葉を口にせざるをえないくらい、皇族が「個人の自由」を抑圧されているということのあらわれでもある。
 “一億総小舅・一億総小姑”状態となって、結婚をつぶそうとする世論とマスコミ報道を前に、わたしたちは改めてこの前近代的制度の異常性を認識すべきだろう。


京都大で論文不正、男性教授に撤回勧告 教授「ケアレスミス」と主張
 京都大は26日、大学院理学研究科の男性教授が2016年に米科学誌「サイエンス」に発表した熊本地震に関する科学論文で、データの改ざんや盗用などの不正があったと発表した。京大は「故意であるか否かは判断できなかった」としているが、男性教授に論文撤回を勧告した。近く懲戒処分する方針。
 論文は林愛明(りん・あいめい)教授(地震地質学)が筆頭・責任著者で16年10月に発表した。同年4月発生の熊本地震で、震源地から北東方向に「横ずれ」した断層の破壊拡大が、熊本県の阿蘇山の地中にある「マグマだまり」によって止められた可能性が高いとする内容だった。
 京大によると、17年8月に「多数のミスや、データの不正使用による改ざんの疑いがある」と通報があり、調査委員会が本人への聞き取りを含め調べていた。
 その結果、論文の中で、阿蘇カルデラの図が引き伸ばされているのが確認された。また、防災科学技術研究所のデータを引用しながら出典を記載していなかった▽東京大地震研究所の図を反転させていた――など、論文の結論を導き出すのに重要な役割を果たしている四つの図に10カ所の盗用・改ざんが確認されたとしている。さらに、他にも細かいミスが数十点あったという。
 論文作成は林教授がほとんど1人で行ったといい、共著者の不正への関与はないと判断した。
 林教授は大学の聞き取りに対し、調査委員会が指摘した図表の間違いは認めたが、「結論は変わらない」「ケアレスミスだ」と主張しているという。
 記者会見した湊長博副学長は「ミスを直すチャンスはいくらでもあった。研究者としてわきまえるべき基本的な注意義務を著しく怠った」と指摘した。【菅沼舞】

DVD返却/鹿児島開花/チヂミリベンジ/大奥/れんと

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Quels sont les mangas les plus vendus en France ?
Par Jacques Pezet
Avec plus de 100 000 exemplaires vendus, selon les estimations de l’entreprise GfK spécialisée dans les habitudes des consommateurs, le Plan zéro humain (Glénat), troisième volume de la série Dragon Ball Super, est l’album le plus populaire en France en 2018. Scénarisé par le Japonais Akira Toriyama, il suit les exploits du super-héros Sangoku qui, pour la énième fois depuis ses aventures débutées en 1984, protège la planète Terre de ses innombrables ennemis toujours plus forts. Dragon Ball est une série plutôt connue du grand public français puisqu’elle a été adaptée en dessin animé diffusé par le Club Dorothée. Fait marquant : au milieu des nombreux titres japonais, le youtubeur et scénariste français Kevin Tran arrive en deuxième position des ventes avec plus de 90 000 exemplaires écoulés de son troisième manga les Jeux olympiques (Michel Lafon). Le reste du classement est occupé par des volumes de shonen (des mangas d’action pour jeunes hommes) One-Punch Man, The Promised Neverland, One Piece et My Hero Academia. Si on regroupe les différents volumes d’une même série, cela donne toutefois un autre classement des mangas préférés des Français en 2018, puisque l’univers des pirates de One Piece se retrouve en première position, suivi par les mangas d’aventure et d’action Fairy Tale et My Hero Academia.
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フランス語の勉強?
石塚とも @tomoishizuka
伊藤詩織さんの『ブラックボックス』、四月にフランス語版も出版されるとのこと。タイトルのla boîte は箱、noire は黒の意味なのでその名の通り。
🌻こたつぬこ @sangituyama
大阪府知事選でフェイクニュース 維新の会代表が拡散に加担も指摘を受けて削除(立岩陽一郎) - 個人 - Yahoo!ニュース
沖縄県知事選のときもこのようなファクトチェックが、琉球新報らメディアによりなされました。フェイクニュースの散布が、このように散布した側にダメージを与えるように努力すれば、デマ拡散はかなり封じ込めることができます。


朝遠回りになるけど,昨日のDVDを返却しました.
鹿児島も開花したようです.
昨日の失敗でチヂミリベンジですが,どうもイマイチ.
大奥が面白かったです.〇〇殿・・・
今日はお許しが出たので,れんとです.
ごちそうしてくれるはずが1000円出してって.

週刊サラダぼうる・安田菜津紀の写心館 誰かを置き去りにせず
 東日本大震災から8年という月日がたった。「東北の報道なら明るい話題を」という声は、月日を経るごとに増えていったように思う。その度に、思い返すことがある。
 縁あって震災直後から、岩手県陸前高田市に通わせてもらっている。あの当時、夫・佐藤慧の両親がこの街に暮らしていたからだ。義父は病院の4階で一命をとりとめたが、義理の母は約1カ月後に川を上流へ9キロさかのぼったがれきの下から発見された。
 何か悲しみを少しでも和らげるものをと、かつて何万本もの立派な松林だった「高田松原」から、一本だけ波に耐え抜いた松を、私は「希望」として撮り、発表したことがある。ところが最愛の妻を喪(うしな)った義理の父は、この一本松を“波の威力の象徴”だと悲しんだ。もちろん、松を心の支えにしている方もいるはずだ。ただ、希望を強調するあまり、声を上げられない方々の声がますます押し込められてしまうことはなかろうか。その後も「前を向いて、頑張れ」という言葉が響き渡る度、「自分は前を向いていない」「頑張っていない」と義理の父が追い詰められていくのを感じてきた。
 「明るい話題」を否定したいのではない。ただ同時に、誰かを置き去りにしていないかと問いかけ、声を上げられない方々にも語りかけたいのだ。無理をして前を向かなくてもいい。今の自分を責めなくていい。大切なのはどんなに時間がかかったとしても、自分自身の心のリズムで生きることのはずだから、と。(フォトジャーナリスト)


鍵引き渡し「やっと春」 東松島・宮城最後の災害公営住宅 住まい再建節目
 宮城県内最後の災害公営住宅となった東松島市柳の目西地区で24日、入居する51世帯に鍵が引き渡された。県内の災害公営住宅は2012年度から順次完成し、21市町に計画された1万5823戸全ての整備が完了。東日本大震災で住居を失った被災者の住まいの再建が大きな節目を迎えた。
 同地区の集会所であった鍵の引き渡し式には入居者ら約80人が出席。渥美巌市長は「当初計画から追加で認められた住宅のため完成が遅れ、入居を待っていた皆さまに申し訳ない。この地で仲間やコミュニティーづくりをしてほしい」とあいさつした。
 入居者を代表して東松島市川下の仮設住宅に住む無職渋谷真由美さん(59)が鍵のレプリカを受け取り、「震災から8年、仮設住宅で7年半。多くの人を見送り、やっと私にも春が来ました」と述べた。式後、入居者は鍵の引き渡し手続きを済ませ、新居に移った。
 17年12月まで仮設住宅で暮らし、現在は市営住宅に住む会社員阿部将貴さん(38)、由香さん(36)夫婦は木造2階の新居に入居。9〜16歳の3人の子どもがおり、由香さんは「末っ子はプレハブ仮設住宅の記憶ばかりで(自宅だけの)屋根がある家に憧れていた。やっと落ち着ける」と安心した表情を見せた。
 市は災害公営住宅を1101戸整備し、柳の目西地区には一戸建て100戸を建設した。空き住戸は4月にも一般募集を始める。


復興照らした光に感謝 石巻で聖火台返還セレモニー 市民800人 最後の点灯見届け
 旧国立競技場の解体に伴い、石巻市に貸与された1964年東京五輪の聖火台が返還されるのを前に、セレモニー「ありがとう聖火台〜感謝の集い〜」が24日、設置場所の市総合運動公園であった。約800人の市民らが来場し、東日本大震災の最大被災地を4年間見守ってきた聖火台への最後の点火を見届けた。
 市内の民間団体などでつくる聖火リレー出発地・聖火台誘致委員会が主催した。アテネ五輪陸上男子ハンマー投げ金メダリストで2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会スポーツディレクターの室伏広治氏(44)が、市内の小中学生と共に点火役を務めた。
 亀山紘市長は「復興の火、鎮魂の火は最大被災地を照らす光となり、復興へ前進する勇気を与えてくれた」とあいさつした。
 市内のスポーツ少年団に所属する小学生ら約120人も参加。稲井陸上スポーツ少年団の渥美瀬花(せな)さん(12)が代表し、組織委の森喜朗会長に「この聖火台の下で、たくさんの思い出をつくることができた」と感謝の言葉を述べた。
 森会長は聖火台が岩手、福島両県と埼玉県川口市で展示後、新国立競技場に移されることに触れ「五輪中も終わった後も、(聖火台の)親戚のような気持ちで国立競技場を訪ねてほしい」と語った。東北で被災地支援活動を続ける人気男性デュオ「ゆず」がヒット曲「栄光の架橋」を熱唱し、会場を盛り上げた。
 聖火台は震災の復興支援として14年秋に貸与された。今年4月末から5月にかけて撤去される予定。


<女川復幸祭>有終 8年間感謝 1000人で乾杯
 東日本大震災からの復興を歩む女川町で24日、「女川町復幸祭2019〜復興の向こう側へ」(実行委員会主催)が開かれた。12年3月に始まった復幸祭は今回が最後。実行委員と来場者約1000人は8年の感謝と次のステップへの決意を込め、高らかに乾杯をして締めくくった。
 実行委員長の高橋敏浩さん(42)がステージで「乾杯!」と声を上げると参加者が一斉にコップを掲げた。高橋さんは「さらに進化した女川を皆さんに見せたい」と意気込んだ。
 初代実行委員長の阿部淳さん(44)は「8年前は想像すらできなかった光景。良い形で終わることができた」と笑顔を見せた。
 主催者によると約1万3000人が来場。町中心部はステージイベントや出店でにぎわった。


津波伝承復幸男 「逃げろ!」高台へ250人疾走 優勝は千葉県の高田さん
 女川町で23日、津波襲来時に高台避難の教訓を伝える「津波伝承復幸男」があり、参加した町内外の253人が、町役場北側から白山神社までの424メートルを駆け上がった。1位の高田将さん(29)=千葉県流山市=に「女川復幸男」の称号が与えられた。
 復幸祭実行委が津波伝承の年中行事にしようと、平成25年から毎年実施。町中心部の道路整備に合わせ、今年は前年より約24メートル長くコースを設定した。ベビーカーに子どもを乗せた母親や社会人ランナーなど幅広く参加した。
 スタート時刻は、東日本大震災で町に津波が到達した午後3時32分。参加者たちは「逃げろ!」の掛け声で海を背にスタートし、沿道に集まった町民のエールを受けながらゴールを目指した。
 1分6秒07の記録で「復幸男」に輝いた高田さんは、5回連続の出場で、3年ぶり3回目の優勝。終盤で差を付けてゴールした。
 中学校教師の高田さんは「生徒に津波を伝える上でも、被災した地域に足を運ぶのは大事。こうした機会で今後も女川と携わっていければ」と話した。復幸祭の開会式では「きぼうの鐘」を打ち鳴らし、催しの始まりを告げる役割も担った。
 なお、2位は1分7秒96でゴールした仙台市立南中山中の山田瑞貴さん(15)、3位は1分8秒61の古川工業高の小島涼太郎さん(18)となった。


南三陸・福興市活況 旬のワカメ 釜ゆで堪能
 南三陸町の志津川仮設魚市場で24日、恒例の福興市があり、地元産の旬のワカメを買い求める客でにぎわった。
 町内外の17団体が出店。生ワカメやメカブ丼を販売したほか、早朝に水揚げしたワカメを釜でゆで上げ、来場者に無料で振る舞った。塩蔵ワカメの詰め放題も人気を集めた。
 一関市から家族で訪れた会社員千葉桃子さん(60)は「生のワカメは今の時季でないと味わえない。肉厚でおいしい」と満足そうに話した。
 殻付きのカキやホタテを炭火で焼くコーナーもあり、家族連れなどが海の幸を堪能した。


名取の仮設飲食店が最後の営業
東日本大震災のあと地域の復興を支えてきた名取市の仮設商店街が、ことしいっぱいで閉鎖されるのに先だち、7年近くにわたって営業してきた飲食店が24日、最後の営業日を迎えました。
名取市美田園の「閖上さいかい市場」は、震災のおよそ1年後に29の店が集まって作った仮設商店街で、退去期限を迎えることなどからことしいっぱいで閉鎖されます。
このうち、7年近くにわたって営業を続けてきた飲食店、「漁亭浜や」が、来月オープンする新しい商業施設に移転するため、24日、一足先に最後の営業日を迎えました。
店には、営業開始からまもなく常連客などが訪れ、料理長が思いを込めて海鮮丼などの料理を作っていました。
店の佐藤智明社長は、「つらい思いもしながら営業してきたが、いろいろな人の支えがあってここまで来ることができた。元の町の面影はなくなってしまったが、新しい店でもできることを一生懸命やりながら、多くのお客さんに来てもらい、町の復興につなげたい」と話していました。


過去の災害伝える地図記号登場へ
津波など災害の教訓をより多くの人に伝えるため、新年度から新しい地図記号として「自然災害伝承碑」が登場することになりました。
これは、去年7月に発生した西日本豪雨が教訓に国土地理院が決めたものです。
国土地理院によりますと、西日本豪雨で大きな被害を受けた広島県坂町には、およそ110年前に起きた大水害を伝える石碑がありますが、地域の住民には広く知られず、今回の災害にもいかされなかったということです。
そこで、過去の災害を伝える全国各地の石碑を自治体と連携して確認し、石碑をかたどった新たな地図記号「自然災害伝承碑」として、ことし9月以降に発行する2万5000分の1の地図に順次掲載することを決めました。
これに先立ち、国土地理院のウェブ上の地図「地理院地図」には、それぞれの石碑が示す災害の特徴や教訓などを紹介するアイコンをことし6月以降導入するということです。
県内にも、東日本大震災以前の過去の津波被害などを伝える石碑や、震災のあと、津波が到達した地点に作られた石碑などがあり、国土地理院はできる限り掲載していきたいとしています。
国土地理院東北地方測量部の倉田一郎次長は、「災害の記憶は年を追うごとに薄れていくものだと思うので、地図上に残すことで多くの人に知ってもらい、防災に役立ててもらいたい」と話していました。


<原発事故8年>都内の自主避難者 苦境 先細る行政支援に焦り
 東京電力福島第1原発事故から8年がたち、避難指示区域外から自主避難する人たちへの行政支援は年々細る。「原発事故は国の責任。被害者の切り捨てはおかしい」。孤立や困窮、偏見に立ち向かい、東京都内で暮らす人々に率直な思いを聞いた。(東京支社・瀬川元章、片山佐和子)
 「一番上は小学5年生。もうこっちが地元」。福島市から避難し、武蔵野市の都営住宅で子ども4人を育てる岡田めぐみさん(36)は8年間を振り返る。
 避難者やボランティアらが集まり、月1回お茶飲み話をする「むさしのスマイル」を2012年に設立した。つながりが広がる中で、事故のことをまだ子どもにきちんと話せていない母親が多いと感じる。
 いじめが心配。でも、若い世代に伝えていかないと風化が進む−。月日がたっても、なかなか一歩が踏み出せない。
 岡田さんは「原発事故子ども・被災者支援法」のたなざらしを問題視する。与野党の全会一致で12年に議員立法で成立した。「子どもに特に配慮し、居住、避難、帰還を被災者の意思で選択できるよう適切に支援する」との理念を掲げるが、具体的な支援策は明記されていない。
 「国も福島県も相手任せ、責任のなすりつけ合い。被災者の権利はあっても、予算も実施主体も分からない最悪のパターン」と岡田さん。「当事者でさえ知らない人が多い。声を上げて、この法律を生かすべきです。未来は一つ一つ変えられる」と訴える。
 田村市から葛飾区の都営住宅に避難した熊本美弥子さん(76)は「住宅は生活の基本」と、安息の地を得られず追い詰められる仲間に寄り添う。
 自主避難者への住宅の無償提供は17年3月に打ち切られた。今年3月末は国家公務員宿舎の退去期限に当たり、低所得の約2000世帯を対象にした家賃補助制度も終了する。
 熊本さんによると、退去届の提出を迫られて動揺し、仕事を辞め、心身に不調を来した人がいる。長時間勤務を強いられ、家賃の安い物件を探す余裕がなく「4月1日に強制的に荷物を出されるのでは」と焦りを募らせる人もいる。
 県は自主避難者の実態調査をしようとせず、帰還を前面に打ち出す。熊本さんは「かえって県が貧困をつくり出しているのではないか」と疑問を投げ掛ける。


<原発事故8年>迫る退去期限 国家公務員宿舎 転居先見えず
 福島県は3月末、原発事故の自主避難者への住宅支援を打ち切る。東京などの国家公務員宿舎で暮らす避難者は退去を迫られる。うち半数近くは転居先が未定。支援団体は「避難者を追い詰めず、支援を続けるべきだ」と求める。
 県は2017年3月、自主避難者への住宅無償提供を終了し、緩和策として国家公務員宿舎の入居者には低額な家賃での2年間の入居継続を認めた。退去期限は迫るが、6都府県12カ所の宿舎で暮らす149世帯のうち71世帯は転居先が決まっていない。
 県生活拠点課によると、4月以降も住み続ける場合、損害金として2倍の家賃を請求する。転居先に公営住宅を希望する人が多いが、競争率が高く入居が難しいという。担当者は「物件探しのサポートを続けるが、連絡が取れない人もいる。損害金の件は契約書に明記している」と話す。
 支援団体「避難の協同センター」(東京)は生活困窮者の支援団体などと連携し、転居先探しに同行するほか、生活全般の相談に乗っている。
 瀬戸大作事務局長は「県に何度も退去を迫られ、転居費用を借りたり、精神的に追い込まれたりする人がいる」と指摘。「自ら命を絶つケースや多重債務に陥るなどの不安は拭えない。私たちの支援には限界がある。県や国は入居継続を決断するべきだ」と強調する。


<新せんべい汁>カレー味 おいしく 健康に 愛知の大学生考案、試食会
 地元の食材を使いカレー味に仕上げた新感覚のせんべい汁の試食会が、八戸市の八戸グランドホテルで開かれた。名古屋学芸大(愛知県)管理栄養学部1年の神田未夢さん(19)が「大好きなせんべい汁を特別なものにしてほしい」と考案した。トッピングにも工夫を凝らし「食を通して健康になってもらいたい」との願いも詰まった料理になった。
 神田さんは、復興庁の実践型インターンシップ(就業体験)事業に参加。オリーブオイルなどの輸入販売や食の提案などを手掛ける「フェアリーチェ」(八戸市)で2月15日から約1カ月、「本物を伝える」をテーマに仕事に取り組んだ。
 南部せんべい以外の食材には岩手県洋野町で育てられた「純和鶏」という鶏肉や、青森県産のアピオス、トマト、キャベツなどを使用。カレー粉とトマトピューレ、みそで味付けした。
 今月14日にあった試食会には食材提供者ら約40人が参加。「好みや体調に合わせて味を完成させてほしい」とオリーブオイルや豆乳など4種類をトッピングとして用意し、レシピを基に同ホテルの岩脇隆之総料理長が料理を仕上げた。
 会場には新せんべい汁のほか、純和鶏の白レバーのペーストなどが並んだ。別の企業でインターンシップ事業に参加する宮城県南三陸町出身の東北芸術工科大1年三浦千裕さん(19)は「せんべい汁は和のイメージだったのでびっくり。トッピングを選ぶ楽しみもあった」と話した。
 岩脇総料理長は「昼のメニューに加えることも検討したい」と高評価。神田さんは「事業を通じ、人の信念やこだわりに触れたときに感動することに気付いた。自分のこだわりは食による健康だったので、この1品ができた」と語った。


<三陸鉄道>ホーム 期待とにぎわい リアス線 通常運行開始
 東日本大震災で被災した岩手県沿岸部を縦断する第三セクター三陸鉄道(宮古市)のリアス線は24日、新ダイヤで通常運行を始めた。上下線ともに混雑し、新たな鉄路への期待の大きさをうかがわせた。
 午前7時50分釜石発久慈行の下り列車は、同9時15分に宮古駅の2番線ホームに到着。駅構内は県内外から訪れた乗降客でごった返した。
 新潟市の公務員大倉淳一さん(49)は「車窓から復興に向かう地域の風景が見えた。リアス線の誕生を機に、もっと元気になってほしい」と期待した。
 三鉄旅客営業部の冨手淳副部長は「思った以上のお客さまに乗車いただきありがたい。これからも三鉄を利用してほしい」と呼び掛けた。
 リアス線は、従来の南、北リアス線をJR東日本から移管された釜石−宮古間(55.4キロ)が結ぶ形で23日に開業した。総営業距離163キロは全国の三セク運営鉄道で最長となる。


景気判断3年ぶり下げ/厳しい実態を直視すべきだ
 景気後退の足音が聞こえてきている。経済の変調を直視しなければならない。
 政府は、景気判断の公式見解である3月の「月例経済報告」で、総括判断を2016年3月以来、3年ぶりに下方修正した。「緩やかに回復」の基調を維持しつつ「輸出や生産の一部に弱さも見える」と懸念を付記した。
 1月の景気動向指数は内閣府は「足踏み」から「下方への局面変化」に判断を引き下げている。各種の調査で景気の後ずさりが数値として表れてきたと言える。厳しい実態に真摯(しんし)に向き合うべきだ。
 主因は米中貿易摩擦を背景にした海外経済の減速である。グローバル経済の下でサプライチェーン(部品の調達・供給網)は複雑に広がり、各国が影響し合っている。
 世界経済をけん引する米国もここに来て、連邦準備制度理事会(FRB)が、中国、欧州の悪化を懸念し、現状判断を「成長が鈍化」と下方修正した。景気減速に対処するため年内は利上げを行わない政策転換にも踏み切った。
 米国が、金融引き締めから利下げによる緩和策に転じれば円高圧力が高まる可能性がある。トランプ大統領は、4月にも始まる対日貿易交渉で追加関税だけでなく、為替問題も議題に盛り込む意向だ。
 日銀による超低金利政策が貿易に有利な円安誘導の為替操作だとして、攻勢を掛ける狙いだろう。日本側は厳しい交渉を迫られる恐れがある。日銀の政策範囲は限られている。米国の金利動向を十分注視していく必要がある。
 一方、難航した米中協議は近く閣僚級交渉で打開が図られる見込みだ。トランプ氏は仮に合意した場合でも、これまでに課した追加関税を解除しない意向を示している。
 合意が履行されない場合を考慮しての「保険」だが、解除されなければ中国の苦境も終わらない。米中対立が長引くほど世界経済への悪影響は続くことになろう。
 こうした海外リスクを補えるだけの力が日本経済にどれだけあるのか。楽観できる要因は乏しいにもかかわらず、安倍政権は依然「景気拡大期が1月で戦後最長になった可能性が高い」と言い続けている。ミスリードにならないか違和感を拭えない。
 統一地方選や夏の参院選に当たって、野党側に景気後退論を掲げる動きもある。アベノミクスの行き詰まりを認めるわけにはいかない与党に斬り込む材料になると踏む。
 むろん景気が持ち直せばそれに越したことはない。問題は、公正な景気判断に基づき経済活動や消費行動が適正に行われるか否かだ。
 10月には消費税増税が控える。景気後退が現実ものとなれば、激しい逆風の下でのスタートになろう。抜本的な見直し議論は避けられまい。政権のメンツのために、国民生活や地方経済が混乱に陥ることがあってはならない。


芸能人の薬物事犯と作品 議論のない自粛は疑問だ
 芸能人の犯罪や不祥事が発覚した際に、出演作品をどう扱うか。この機に、立ち止まって考えたい。
 麻薬取締法違反(使用)容疑で逮捕されたミュージシャンで俳優のピエール瀧(たき)容疑者の出演映画やテレビ番組の、撮り直しや放送中止が相次いでいる。音楽CDは回収となり、デジタル配信も停止された。
 作品に罪はないとして、自粛は過剰反応だとの声も上がる。名脇役として幅広く活躍していただけに、関係作品が多いことも影響している。
 そのなかで東映は、映画「麻雀放浪記2020」を出演場面をカットせずに、予定通り上映することを発表した。
 「映画は意思を持った観客が来場する。テレビでの放映やCMとは性質が違う」というのが主な理由だ。是非はあろうが、安易な自粛の流れに一石を投じたことは評価できる。
 一方、NHKは瀧容疑者がレギュラー出演中の大河ドラマ「いだてん」で代役を立て、有料の番組配信サービスで過去の出演作の配信も停止した。NHKの国内番組基準とも照らし合わせ、「受信料で成り立っており、反社会的行為は容認できない」と説明する。映画とテレビというメディアの違いもあるだろう。
 言うまでもなく、薬物の乱用は犯罪だ。自身に有害なだけでなく、社会をむしばむ。
 芸能人による薬物事犯は、毎回大きく報道されるが、後を絶たない。スポーツ選手同様、社会的影響力の大きい存在であり、波紋を呼ぶのは仕方がない。
 自粛という形で、薬物犯罪に対する厳しい姿勢を表すことは理解できる。また、視聴者からの批判やスポンサーなどに配慮し、リスクを回避するためのやむを得ない措置という面もあるだろう。
 しかし、議論もなく、マニュアル化されたように一律に排除することには疑問がある。
 映画やテレビドラマ、音楽作品はさまざまなクリエーターの手をへて創造された表現物だ。投げかけられた問いを社会と共に考えることで、成熟した文化が育つはずだ。
 正解はないだろうが、罪状や状況といった個々の事案と、作品を切り分けて評価する社会的な度量の大きさがあっていいのではないか。


強制不妊手術 救済には遠い法案だ
 旧優生保護法に基づく障害者らへの強制不妊手術問題で、与野党の国会議員が被害者救済法案をまとめた。被害者が求める救済とは距離がある。これでは被害回復にはつながらないのではないか。
 法案は超党派の議員立法で近く国会に提出、早期成立を目指す。
 その柱は一時金三百二十万円の支払いだ。被害者からの請求で審査会が認定し支給する。
 不妊手術は約二万五千人が受け、うち約一万六千五百人が強制だったとされる。手術に同意した人も救済の対象にする。
 旧法は一九四八年に制定された。障害者差別に当たるとして九六年に母体保護法に改正されるまで旧法に基づく手術が行われた。
 当事者の高齢化を考えれば、迅速な法整備は必要だ。
 だが、法案は被害者の望む救済からは遠いと言わざるを得ない。
 被害者の一番の思いは、こうした制度をつくり長年にわたり非人道的な行為を繰り返してきた国の謝罪だ。法案は「反省とおわび」を示したが、旧法の違憲性には触れていない。謝罪の主体も「われわれ」と国の責任はあいまいだ。
 国の政策が間違ったのなら、まず謝罪から行動を示すべきだろう。それが被害回復への第一歩ではないか。
 救済策への疑問はまだある。
 一時金の額だ。日本と同様な強制不妊政策があったスウェーデンを参考にした。
 だが、各地で係争中の国家賠償請求訴訟での被害者らの請求額は最大三千万円台で差がある。ハンセン病の隔離政策の補償額は最大千四百万円である。
 救済は必ずしも金額の問題ではないが、法案の提示した額では納得しがたいだろう。
 法案には、救済制度の周知を国や自治体が行う規定も盛り込まれた。手術を受けた人の中には障害のために被害を認識できていない人もいる。
 手術記録が残る人は約三千人いるが、個人への通知は行わない。被害の事実を周囲に知られたくない人もいるからだという。
 だが、本人の請求を待っているだけでは救いきれないのではないか。効果的な周知と合わせプライバシーに配慮しつつ知らせる仕組みを検討すべきだ。
 障害者差別を繰り返さないため、法案には国会が旧法を巡る実態調査を行うことも盛り込んだ。
 旧法は議員立法で成立した。国会の責務としても救済が確実に進むよう力を尽くす必要がある。


安倍政権の隠蔽体質に加担するメディア<菅野完氏>
殺到した籠池氏への取材への違和感
 いったいこの人の元気はどこからくるのだろうか。
 毎朝5時起床。神前仏前に手を合わせ、軽く朝餉をとったのち、犬の散歩へ。この日常のスケジュールを頑なに守りながら、籠池泰典氏は2月の最終週から3月初旬にかけ、精力的にメディア対応をこなし続けた。
 御年66歳。一般的に考えれば、体力は下り坂に差し掛かった年齢だ。しかも籠池氏の場合、昨年秋まで300日以上にわたり大阪拘置所に長期拘留されていた。劣悪な環境は容赦無く体を痛めつけ、その後遺症ともいうべき身体的なダメージはいまも否応なく氏の体を痛めつけ続けている。
 それでも約2週間にわたって連日、複数社、それぞれ2時間前後の取材対応をこなしていく。つまり、来る日も来る日も、最低6時間はカメラの前に座りインタビュワーの紋切り型の質問に答え続けるわけだ。持ち前のサービス精神と押し出しの強い喋り方は今も健在。相手の質問を捕まえて、的確に返答し、時には自説を滔々と主張するその声は精気に漲っており疲れを感じさせない。「言うべきことを言うチャンスがあれば、どんな相手でも話していきたい」と籠池氏は語る。その通りのことを籠池氏はやり続けた。
 しかし、各社のインタビューが実りの多いものであったかといえば決してそうではない。考えてみれば当然ではあろう。今回、報道各社がこぞって籠池氏にマイクを向けたのは、氏が長期勾留された原因となった刑事事件の初公判が3月6日に行われるためだ。初公判を契機に改めて籠池泰典氏本人の声を拾おうというのである。
 しかし、籠池氏に限らず、公判をひかえた被告人が、これから裁かれようという事件の詳細や公判の方針について、微に入り細にわたる回答などするはずがない。本人の利益に相反するからではなく、これから始まろうという裁判の内容を場外乱闘よろしくあちこちのメディアで当事者が語ることを、歓迎する法廷はなかろう。
 したがって、籠池氏は、「初公判直前」との理由でインタビューをうけながら、「その裁判については詳しく語らない」という当然の対応をした。その対応の結果がどのようなものになるか、容易に想像できる。事実、報道各社が軒並み書き並べたインタビュー記事を見渡しても、新事実が提示された様子もなければ、新たな材料の発見があった様子もない。これまでどおりの籠池氏の主張が並ぶだけの代物しかない。
森友問題の「核心」と「枝葉末節」
 3月6日に初公判を迎えた籠池氏の裁判では、氏にかけられた二つの容疑が裁かれる。学校法人森友学園が、籠池氏が理事長を務めていた当時、大阪府からの経常費補助金をだまし取ったとされる容疑と、「瑞穂の国記念小学院」建設にあたり、国交省からの建築助成金をだまし取ったとされる容疑の2つだ。この容疑があればこそ、籠池氏は大阪地検に逮捕され長期勾留に伏された。しかし、冷静に容疑内容をみればわかるように、両容疑とも、森友問題の中核である「国有地不当廉売」に一切、なんの関わりもない。
 籠池夫妻の強烈なキャラクター、塚本幼稚園で行われていた問題の多い教育内容、そして今回初公判を迎えた詐欺容疑などなど、森友問題は話題に事欠かない。だが、それらの話はそれぞれに大きな問題を孕んでいるとはいえ、「納税者の共有財産である国有地が不当廉売された」という最大の問題に比べれば、いわば枝葉末節にすぎない。
 「他人事をいうてるみたいに聞こえるかもしれんけども、国有地の話をやるのが、本来の話でしょ。国会で議論せなあかんのもその話でしょう。僕のこの件ではないはずや。僕が逮捕され長期間、拘置所に入れられたのは、その話から目をそらせるためとしか思えん。そやから、国策捜査というんです」
 初公判前後にうち続いたメディアからのインタビューで、籠池氏がこの種の発言を繰り返したのも、「本件詐欺容疑は森友問題の枝葉末節に過ぎない」ということを彼なりに表現したものなのだろう。
 しかし、メディアはその枝葉末節に蝟集し、枝葉末節の話ばかり書き立てお祭り騒ぎにしたてていく。結果として、籠池氏にかけられた詐欺容疑の初公判だった3月6日のテレビも新聞も、籠池氏のインタビューと偶然にも同日に重なったカルロスゴーン氏の保釈のニュースで埋め尽くされる結果となった。
報じられぬ、迫りつつある「核心」
 では、枝葉末節ではない、森友問題の本体であるはずの「国有地不当廉売問題」は一体どうなったのか。メディアが取り上げないということは、一切進展がないのか。
 決してそうではない。むしろ、今年になって「どのようにしてあの国有地が大幅値下げされたのか」については、真相究明に向け、大きな前進がみられた。
 例えば、今年年初に行われた「野党合同ヒアリング」では、国有地値下げの根拠となった「地下のゴミ」の存在を立証するはずの現場試掘穴の写真が使い回しであったことが、「瑞穂の國記念小學院の建設」を担当した藤原工業の証言によって判明している。後日、藤原工業は同様の内容を、国土交通省宛に書面で回答してもいる。
 国有地値下げの根拠が完全に崩壊したのだから、当然この問題は国会でも取り上げられてもいる。衆議院の財政金融委員会では、立憲民主党・川内議員からの本件に関する質問に、従前の政府答弁との食い違いを恐れた国交省担当課長が、答弁不能に陥る一幕さえあった。しかしメディアが国有地不当廉売の真相解明につながるこの大きな前進を、大々的に報じた様子はない。
 これまで政府は「不動産鑑定によって出された不動産価格から、ゴミ撤去費用等を除外して、最終売却価格を決めた」という答弁を繰り返してきた。これが「値下げは正当であった」と主張する政府側の防衛ラインだ。先述の「試掘穴写真が使い回しだった」という問題は、この政府側答弁の「ゴミ撤去費用等を除外して」という部分を否定するもの。ゴミ撤去費用の積算資料が信用ならないのだから、値下げ「幅」が信用ならないではないかという指摘だ。
 これに加え、今国会では、「そもそもの不動産鑑定価格がおかしいのではないか」という点も立証されつつある。籠池氏の初公判が開かれる2日前の参院予算委員会では、「会計検査院の報告を読むと、財務省は、不動産鑑定書を入手する前に、売却価格を決めていたとしか受け止められない」との趣旨で質疑を行った自由党・森ゆうこ議員に対し、財務省側の答弁と、会計検査院の答弁が食い違うという珍事まで発生している。もはや政府側は「ゴミ撤去費用」だけでなくそもそもの「不動産本体価格」さえ、まともに答弁することが不可能なところまで追い詰められているのだ。しかし、この重大な答弁に関しても、メディアが詳報を伝えた形跡は一切見当たらない。
 衆議院における立憲民主党・川内議員の質疑も、参議院における自由党・森ゆうこ議員の質疑も、森友問題の中核である「なぜあの国有地が大幅値下げされたのか」に関する、政府の最終防衛ラインを打ち崩すものだった。いや、さらに厳密にいえば、両議員の質疑によって、2017年以来、政府が主張してきたことが全て嘘だったことが立証されたと言っていい。
安倍政権の隠蔽体質に加担するメディア
 しかし、メディアはこれに触れない。事件の中核に一切関係ない、枝葉末節で、取り上げる必要のない、籠池氏の詐欺容疑に関する初公判の話題にばかりリソースをつぎ込み続ける。  安倍政権の隠蔽体質を批判する声は高い。しかしこうしてみると、その隠蔽体質に加担し加速させているのは、安倍政権ではなく、「おもしろキャラ」に飛びつき、取材しやすい対象を消費するしか能のない、我が国のメディアであると、断ぜざるを得ないだろう。
<文/菅野完> ――『月刊日本4月号』より転載 すがのたもつ●本サイトの連載、「草の根保守の蠢動」をまとめた新書『日本会議の研究』(扶桑社新書)は第一回大宅壮一メモリアル日本ノンフィクション大賞読者賞に選ばれるなど世間を揺るがせた。現在、週刊SPA!にて巻頭コラム「なんでこんなにアホなのか?」好評連載中。また、メルマガ「菅野完リポート」や月刊誌「ゲゼルシャフト」(https://sugano.shop)も注目されている


NGT暴行事件、ファンとメンバー、運営との癒着疑惑に踏み込まず…調査報告書を分析
アイドルグループNGT48のメンバー山口真帆さんが暴行被害に遭った事件をめぐり、運営会社AKSは3月21日、第三者委員会の調査報告書を公表した(https://ngt48.jp/news/detail/100003226)。
報告書によると、ファンと私的に交流していたメンバーが12人にのぼることが明らかになったが、山口さんの事件については、他のメンバーの関与は認められなかったという。AKSは、私的交流について、「不問に致します」としている。
調査結果の公表を受けて、AKSによる記者会見も開かれたが、会見を見た山口さんは、「私は(AKSの)松村匠取締役に1月10日の謝罪を要求されました」などとツイート。これに対し、松村氏が会見で、「メンバーなので、こういう事実、謝罪を強要することは一切ありません」と答え、これに山口さんが「なんで嘘ばかりつくんでしょうか」と批判する一幕があるなど、事態の収拾がつかなくなっている。
今回の報告書をどう評価すればいいのか。河西邦剛弁護士に聞いた。
●本質的問題は、運営とファン、メンバーとファンの関係、そして事件後の対応にある
「本質的問題に踏み込まないと再発防止は期待できません」
このように河西弁護士は指摘する。なぜ、今回のような悲劇が起こってしまったのか。
「第三者委員会の見解では、運営側の人員不足や十分な送迎をしなかったことを原因としています。しかし、報告書では、事件当日のことを中心に検討していますが、今回の本質的問題は、事件当日に至るまでの運営と一部ファンとの関係、一部メンバーとファンとの関係、暴行事件後の運営側の対応にあるのではないでしょうか」
具体的にはどのようなことか。
「まず、山口さんは暴行事件直後、関与しているメンバーを必死に聞き出そうとしています。山口さんは一部メンバーとファンとの癒着、さらに運営側の関与を確認するために、ここを確認しようと思ったのではないでしょうか。
事件直後に恐怖におびえる山口さんが、なぜ容疑者に対して必死に問いただしたのか。山口さんはここに本質的な問題があると思ったからなのではないでしょうか。
しかし、報告書では山口さんの視点に立ち、危険な状況下にもかかわらず、山口さんがこの点を問いただした詳しい動機や理由については何ら検討されていません。
確かに第三者委員会の報告書には中立性が要求されます。しかし、当事者の視点で分析することが事件の解明に不可欠なのにもかかわらず、この視点が欠落しているということです。
また、事件当日に至る経緯として、一部のファンと運営側が癒着していたという指摘がなされていますが、ここについては調査、検討すら皆無です。運営側の一部ファンに対する優遇措置疑惑、その動機や背景事情についても一切検討されていません。
また、事件から1カ月が経過し、山口さんがSHOWROOMで公表に至るまでの、山口さんと運営側との具体的やりとりも報告書では一切検討されていません。
山口さんは公表に踏みきったわけですが、運営側の対応には期待できないと思ったから公表したのではないでしょうか。少なくとも、山口さんが運営側のどのような対応に不満を感じ、なぜ自らの公表に迫られたのか、そこに何ら具体的検討がなされていません」
●報告書の結論は、通常の知見をもっていれば誰でも導けるもの
他には、どのような問題があると考えられるか。
「暴行の事実があるのに不起訴処分になったことも不可解です。
仮定ではありますが、山口さんが容疑者と示談しており、その示談のなかに事件のことを話すことができないという口外禁止条項がつけられていたとすれば、山口さんはこれに縛られ続け、事件の事実を話すことができないという制約下におかれることになります。
もしそうだとしたら、あまりに酷ではないでしょうか。仮に示談をしたのであれば、それは誰が持ち掛けたものなのでしょうか。自分だけの判断で示談したとは到底考えられません。
報告書を一読してわかることは、人員不足や送迎の不十分という理由は、通常の知見をもっていれば誰でも導ける一般的な結論です。
今回はただの暴行事件にとどまるものではありません。一部メンバーとファンの私的領域における関係、運営と一部のファンの癒着疑惑、メンバー同士の関係、謝罪強要疑惑などの本質的な問題に踏み込んで検討しなければ、再発防止への期待は難しいでしょう」(弁護士ドットコムニュース)
河西 邦剛(かさい・くにたか)弁護士
「レイ法律事務所」、芸能・エンターテイメント分野の統括パートナー。多数の芸能トラブル案件を扱うとともに著作権、商標権等の知的財産分野に詳しい。日本エンターテイナーライツ協会(ERA)共同代表理事。アイドルグループ『Revival:I(リバイバルアイ)』のプロデューサー。
事務所名:レイ法律事務所
事務所URL:http://rei-law.com/


AKBグループを蝕む“大企業病” 運営側グダグダ会見で露呈
 AKB48グループ、NGT48の山口真帆(23)が暴行被害に遭った事件――。AKBグループの運営母体AKSは22日に新潟市内で第三者委員会による調査報告書の説明会を行ったが、ますます混迷を深める結果になっている。
 山口を暴行したファンの男性2人にNGTのメンバーが関与していたといわれるが、AKSは運営上の不備を認め、ファンと私的な“つながり”をもったメンバー12人については、つながりがあったことは認めつつも「今回は不問」。メンバーの加害行為への関与は認めない姿勢を示した。これに山口本人がツイッターで「只今、記者会見を行っている松村匠取締役は第三者委員会が行われる前に『繋がっているメンバーを全員解雇する』と私に約束しました」と反論。
 会見中、このSNSを取材中の記者が携帯で提示、文面を読み上げると、松村取締役はしどろもどろ。会見は2時間半にも及んだが、事件の詳細説明はあいまい、改善策も具体性に欠け、山口は「なんで嘘ばかりつくんでしょうか。本当に悲しい」とツイート。騒動はドロ沼化している。
「AKBグループはもはや大企業病。AKBはこれまで何か大きな“事件”があるたびにファンの期待を上回る対応、サプライズを提供してきたため、エンタメとして成立してきました。ところが今回はファンの神経を逆なでするばかり。企業の不祥事としてトップが謝罪しないと収まらない段階だと認識すべきではないでしょうか」(会見中に山口のコメントを提示した取材記者)
 NGTはメンバー同士が仲良く遊ぶ姿をSNSに掲載すれば“不謹慎”と批判され、もはやメンバー全員が疑心暗鬼の状態だ。被害者である山口の救済はもちろんのことだが、今年は選抜総選挙も中止。グループは大きな曲がり角に差しかかっている。


呼吸器外し事件再審へ 自白偏重 捜査と裁判の責任重大
 滋賀県東近江市の病院で人工呼吸器を外して患者の男性を殺害したとして、殺人罪で懲役12年の判決が確定、服役した元看護助手西山美香さんの再審開始が決まった。最高裁が検察側の特別抗告を棄却し、裁判のやり直しを認める決定をした。大津地裁で再び開かれる公判で、無罪となる公算が大きい。
 自然死の可能性を指摘する医師の鑑定書が再審開始の決め手となり、有罪の根拠とされた捜査段階の自白にも疑義が呈されている。自白偏重の捜査をした警察や検察、それを見逃してきた裁判所の責任は重大だ。西山さんは長く汚名を着せられ、人生の貴重な時間を不当に奪われた。一日も早く名誉の回復を図らなければならない。
 事件は2003年に起き、滋賀県警が04年、「呼吸器を外した」と自白した西山さんを殺人容疑で逮捕した。西山さんは公判段階で否認に転じたが、07年に最高裁で有罪が確定。第2次再審請求の即時抗告審で、大阪高裁が17年、再審開始を認める決定をし、大阪高検が決定を不服として特別抗告していた。
 争点の一つは、解剖医の死因認定の妥当性だ。大阪高裁の決定は「酸素供給が途絶えたことによる心停止」とした解剖医の鑑定を疑問視。解剖医が呼吸器の管が外れていたという未確定の警察情報を基に判断した可能性があり、「検討が必要」とした。それまで十分に議論されてこなかった患者の死因の検討に立ち返ったのは、客観証拠が軽視され再審無罪となった過去の事件を教訓としたからだ。
 さらに弁護側が新たな証拠とした医師の鑑定書を検討。血液中のカリウムイオン濃度などから致死性の不整脈が起きた自然死の可能性があると判断した。呼吸器外しによる殺害とは断定できず、自然死で、そもそも事件でもない疑いが生じた以上、「疑わしきは被告の利益に」という刑事裁判の鉄則に沿って判断するのは当然である。
 自白の信用性にも疑問符が付く。西山さんの供述はめまぐるしく変遷し、高裁決定は「体験に基づく供述ではない疑いがある」と指摘。西山さんが取り調べを担当した警察官に好意を抱いたため誘導に迎合した可能性に言及している。
 強引な自白の強要や脅迫がなくてもうその供述をする恐れはある。西山さんは刑事を喜ばせようと思ったと説明している。いろいろな動機で自白をするケースがあり、不当な取り調べを防ぐには可視化だけでは不十分で、弁護士の立ち会いも検討する必要がある。
 近年、最新の技術によるDNA型鑑定の結果により有罪の根拠を覆し、再審が決まるケースが相次いでいる。今回の最高裁決定は強固な客観証拠がなくても、証拠全体を総合的に判断し再審を認めた。今後も、自白内容と証拠に大きな矛盾があるようなずさんな捜査が明白になれば、速やかに再審の扉を開かなければならない。


ゲノム編集食品 科学的な検証が必要だ
 厚生労働省の専門部会は、生物の遺伝子を効率的に改変するゲノム編集技術で品種改良した農水産物の多くに厳格な安全性の審査を求めず、国へ届け出るだけで販売できるとした報告書をまとめた。無審査のゲノム編集された農水産物が今夏には食品として販売可能となる見通しだ。血圧を下げる成分を増やしたトマトや体の大きなマダイなどが販売される可能性があるという。
 審査不要としたのは遺伝子を切断して機能を変更、喪失させた農水産物。専門部会は、元々ある遺伝子を改変しただけの場合は危険性が低いと判断した。だが、既に消費者団体からは疑問の声が上がっている。将来にわたって国内の食の安全を確保するためには、ゲノム編集された食品に対する長期の科学的検証が不可欠だ。
 遺伝情報のあるDNA(遺伝子)に書かれている情報全体をゲノムという。ゲノム編集技術を使えば、従来より簡単に品質向上ができるだけでなく、食料の安定供給にもつながると期待されており、世界各地で研究が進められている。報告書では、審査対象は遺伝子を切断した上で外部から別の遺伝子を組み入れ、新たな機能を持たせる農水産物に絞っている。
 元々ある遺伝子を改変しただけの場合は「審査不要」となぜ判断できたのか。ゲノム編集食品は長期的な影響が国際的にまだ十分に分かっておらず、想定外の事態が起こる可能性も考えなくてはならないはずだ。国民の命、健康に深く関わる問題だけに、安全性への疑いが否定できない場合は商業化を認めないという「予防原則」に立った対応が求められる。
 また、審査不要とした食品が健康に悪影響を及ぼさないかは開発者が確認するとした点も疑問だ。受益者になり得る開発者に判断を委ねて、どうやって安全性を担保するつもりなのか。それでは消費者も納得しないだろう。国としてしっかりと監視する体制の構築こそが何より重要だ。そうしない限り、販売されても消費者にゲノム編集食品が受け入れられることは難しいだろう。
 今後は厚労省が詳細なルールを決め、消費者庁が食品表示の考え方を示す予定だという。制度化を進めるにしても、食品が安全だとする根拠をしっかりと示し、消費者の不安を払拭(ふっしょく)しなければならない。
 ゲノム編集食品の販売について安倍晋三首相は参院予算委員会で「適切に対応することで食の安全に万全を期す」と述べた。さらに「安全性が確保された食品でなければ、流通が許されないのが行政上の大原則だ」と強調した。
 首相の言葉通り、政府は日程ありきではなく、食の安全を最優先に考え、厳格に対応する必要がある。国会での議論を深め、国民が納得する結論を導き出してもらいたい。


日本は健康以外とりえのない国か
★国連関連団体「持続可能な開発ソリューション・ネットワーク」が19年の世界幸福度ランキングを20日に発表した。1人当たりの国内総生産(GDP)や社会的支援の充実ぶり、健康寿命、人生の選択の自由度、寛容さ、社会の腐敗の少なさを基に16〜18年の「幸福度」を数値化し156カ国の順位を決めるもの。まさに基礎統計がものをいう国際指標だ。結果は前回に続いてフィンランドが1位。次いでデンマーク、ノルウェーが上位を占めた。★一方我が国は健康寿命がシンガポールに次いで2位となった一方、他者への寛容性が92位、社会的自由度が64位と低く、1人当たりのGDPが24位、社会的支援が50位、社会の自由度が64位、腐敗のなさが39位、全体では58位と昨年から4ランクダウンした。日本より上にはどんな国があり、下にはどんな国があるのか。その順位よりも我が国は健康以外に取りえのない、つまらない国なのかと心配になる。寛容性が低く、社会支援も社会的自由度も低い。そして調査する度に順位を下げている。★内閣府が行う国民生活に関する世論調査の設問は現在の生活について、今後の生活について、生き方、考え方について、政府に対する要望などで構成されているが、14年の調査結果では現在の生活にどの程度満足しているかの問いに「満足」とする者の割合が70・3%(「満足している」9・5%+「まあ満足している」60・8%)、「不満」とする者の割合が29・0%という結果だ。世界を知らないのか、生活に慣れたので満足なのか。それとも世界中の人たちに比べて満足度や幸福度の価値観や定義が違うのか。間もなく外国人労働者が我が国に夢と希望を持ってやってくる。その時に誇れる国と国民でありたいと思うものの、彼らに失望を抱かせる問題点が見いだせないのならば、国連の調査が的確なのかも知れない。

サクラ開花宣言
鹿児島地方気象台は25日、ソメイヨシノの開花を発表しました。平年より1日早く、去年より8日遅い開花宣言です。
鹿児島地方気象台によりますと、気象台にあるソメイヨシノの標本木は、25日朝は6輪ほど花が咲き、開花の条件である5、6輪を超えたため、25日午前、「ソメイヨシノが開花した」と発表しました。
平年より1日早く、去年より8日遅い開花宣言です。

モーニングで紅茶/トマトラーメン/欲望の行方/チヂミ/2

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史都多賀城190312

2019 - J+8 : Omihashiman
Ce matin, après un très copieux petit-déjeuner japonais, nous avons quitté le nord de Kyotô pour rejoindre la rive sud-ouest du Lac Biwa et la petite ville d'Omihachiman.
Nous avons loué pour deux jours une petite maison traditionnelle japonaise située en pleine campagne et avions rendez-vous à une heure précise avec nos hôtes en gare Omihachiman pour qu'ils nous y conduisent. Comme on pouvait s'en douter, leur accueil était très chaleureux ! Et pour ne rien gâcher, leur anglais était plus que convenable. Mis à part un petit stress pour faire fonctionner leur cuisinière dont l'interface électronique ressemble à un tableau de bord d'avion, tout est parfait dans leur maison. Et pour dire, nous avons même droit au jet d'eau qui nettoie les fesses dans les WC !
Grâce aux vélos qui nous ont été prêtés, nous avons rejoint le centre du bourg où se trouve un petit quartier historique datant de l'époque Edo avec de belles maisons anciennes et cossues qui donnent beaucoup de charme à quelques rues. L'une d'elles, la Maison de la famille Nishikawa se visite.
Nous avons ensuite poursuivi notre petit tour en nous promenant près des canaux anciens qui, apparemment, peuvent être explorés en barque, et en faisant le tour des sanctuaires de la zone.
Un téléphérique (décidément !) permettait d'accéder à un petit temple perché dans la montagne, le (respirez un grand coup) Motoyama Murakumogoshozuiryu. Ce spot nous permit également de voir au loin le lac Biwa.
En fin d'après midi, nous sommes partis à la chasse aux légumes (proie bien plus rare que le poisson par ici...) pour pouvoir cuisiner à la maison et nous avons pu rentrer en vélo avant la nuit (ce qui était important car nous avons remarqué que les rues étaient très peu éclairées comparé aux nôtres).
Sur le trajet du retour, nous sommes tombés sur ce mini temple entouré de jeux pour enfants. Décidément, le sens du sacré du peuple japonais est difficilement accessible à la sensibilité occidentale. Ce mélange d'ordre et de désordre, de rigueur et de liberté est en tout cas fascinant...
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目撃!にっぽん「僕が舞う理由〜被災地の子ども神楽団〜」
西日本豪雨で被害にあった広島県三原市の子ども神楽団。存続が危ぶまれるなか、地元の人たちからの寄付で活動を再開。恩返しの公演に向けて、稽古に励む姿を追う。
神楽の大蛇が大好きな小学6年生、花岡愛生(はなおか・うい)くん。広島県三原市にある子ども神楽団のリーダーだ。西日本豪雨で稽古場は床上浸水、衣装や道具など1000万円相当の被害を受けた。存続が危ぶまれるなか、被災した地元の人たちから寄付金をもらい、神楽団は活動を再開することができた。その恩返しのために今年2月、公演を開催。厳しい稽古を続けながら神楽を続けていこうと心に決める神楽少年の姿を追う。 中嶋朋子

サンデーモーニング 孤高の天才・イチロー引退▽疑惑報告書…トランプ政権に打撃?
孤高の天才・イチロー引退▽疑惑報告書…トランプ政権に打撃?▽失速?日ロ交渉▽フィギュア▽速報大坂▽ゴルフ松山…中嶋が分析▽「風をよむ」〜強まる白人至上主義〜(他)
一週間の見逃せないニュース&スポーツをサンデーモーニングならではの視点でお送りします!◎世界と日本の出来事を掘り下げるカバーストーリー▽孤高の天才・イチロー引退▽疑惑報告書…トランプ政権に打撃?▽失速?日ロ交渉 ◎おなじみ・スポーツ御意見番「喝!&あっぱれ」▽フィギュア▽速報大坂▽ゴルフ松山…中嶋が分析 ◎関口宏の「一週間」ニュース◎時代と社会の断面を切り取るコーナー「風をよむ」(他) 関口宏 寺島実郎 西崎文子 谷口真由美 佐高信 松原耕二 橋谷能理子 唐橋ユミ 伊藤友里 水野真裕美(TBSアナウンサー) 張本勲&中嶋常幸 三枝成彰 ◇番組HP http://www.tbs.co.jp/sunday/ 西野哲史  金富 隆

ニッポン秘境旅 こんな田舎がアルか否か!? 秘境駅だらけの秘境路線を調査!
ニッポンには、まだまだ知られていない「秘境」が数多く存在する!田舎のポテンシャルを侮るなかれ!?知られざる田舎の魅力を“ほっこり"お伝えする旅バラエティー
今回は、秘境駅だらけの秘境路線で、秘境駅を誰が利用しているのか徹底調査! 旅人・篠山輝信がやってきたのは静岡県を走る大井川鐵道。 SLも走り、大井川を眺める自然豊かな絶景は、鉄道ファンだけでなく観光客にも大人気!駅周辺に民家はなく、360度を“山"に囲まれた秘境駅や、そこに暮らす方々がある秘密を抱えた謎の秘境駅も! さらに!川の絶景を望める秘境駅の周辺で、移住者を発見! 移住してきた夫婦には「最高の田舎暮らし」を満喫するための大きな夢があった! 篠山輝信 ナレーター:奥田民義       島本真衣(テレビ朝日アナウンサー)☆番組HP  http://www.tv-asahi.co.jp/inaka/


日曜日でモーニングに出かけてみました.ちょっと早すぎたので神社で時間つぶししてからです.紅茶と自家製パン.しんみりとして美味しかったです.
ランチは天文館に出かけてトマトラーメン.残念ながら予想した通り多くの人が並んでいます.名前書いておパンなどの買い物.はじめてのトマトラーメンは意外に?美味しかったです.
TSUTAYAでDVDレンタル.2つ見るのは無理なので「欲望の行方」.ドイツ映画でした.原題はWhatever Happens.エロティックな映画ではなく,ハッピーエンドです.Miさんは不満たらたらですが,私にはとてもいい映画に思えました.
晩ご飯はチヂミ.今日は失敗かも?
2回頑張りました.

女川町で最後の「復幸祭」にぎわう
 女川町では町の復興計画期間の終了に合わせ今回が最後となる「女川町復幸祭」が開かれ多くの人で賑わいました。
 女川町の中心部で開かれた「女川町復幸祭」。地元の海産物の販売やクジラ汁を振る舞うブースなどが出展し多くの人で賑わいました。
 復興に向けた町の姿を発信するこの催しは震災の翌年から開かれてきましたが町の復興計画期間が今年度で終了するのに合わせ今回が最後となりました。
 地元の有志でつくる実行委員会は「今後は新たな形で女川の姿を県内外に発信していきたい」と話していました。


東北の特産味わうマラソン大会
東北各地の特産のグルメを味わいながら走る「東北風土マラソン」が登米市で行われ、2日間でおよそ6500人が参加しました。
この大会は、震災からの復興を応援するとともに東北の魅力を広く発信しようと、6年前から毎年この時期に行われています。
ことしも24日までの2日間におよそ6500人が参加し、フルマラソンでは、およそ1500人のランナーが1周20キロほどある「長沼」を2周しました。
途中に設けられた給水所では、地元・登米市の郷土料理「はっと汁」や新鮮な石巻のカキ、福島県産のそば粉を使ったワッフルなど、東北各地の特産グルメ24種類がふるまわれました。
ランナーたちは思い思いに足をとめて特産グルメを味わいながら、自分のペースでゴールをめざしていました。
初めて参加した青森県の女性は「いろいろな県の食べ物を味わえてうれしいです」と話していました。
また白石市の男性は、「地域の人たちの応援があたたかく、いい大会だと思いました。来年もぜひ参加したいです」と笑顔で話していました。


河北春秋
 宮城県南三陸町のさんさん商店街には、誰でも自由に弾けるピアノがある。昨年末に会議室から引っ張りだし、簡易囲いを施したフードコート中央に据えた。「弾くのは子どもが多いですが、中にはプロかなと思う腕前の人もいます」と事務局の佐藤潤也さん(29)。聞いていた観光客から拍手が起こることも▼来月13日に開館する「気仙沼市まち・ひと・しごと交流プラザ」にも、ピアノが設置される。海を望む2階ラウンジ。2015年に閉校になった小原木中のグランドピアノを活用した。年末年始を除く午前9時〜午後9時、自由に弾ける。「海に向かって音が響くように配置したい。気軽にどうぞ」と観光課▼南三陸町にピアノを贈ったのは鹿児島市一番街商店街。11年2月、国内で最初に常設の「ストリートピアノ」を設置した。理事長の庵下(あんした)龍馬さん(67)は「毎日決まった時間に弾くのが生きがいの人がいる。行政の視察も多いです」▼世界各地のストリートピアノを弾き歩く人もいるとか。ぜひ気仙沼を訪れ、復興の様子を広く伝えてほしい▼気仙沼市は開館日に記念演奏を行う計画だ。どんな曲が似合うだろう。映画「魔女の宅急便」より「海の見える街」はいかが。記憶を呼び覚ますかのようなメロディー。誰か弾いてくれませんか。

<リアス線開業>地域の足、三鉄と守る タクシー会社経営、山崎さん「笑顔でお客さんを出迎えたい」
 ホームに列車が滑り込む。降り立った乗客は改札口を抜けて駅舎の外へ。待ち構えていたタクシーが出迎える。「ご乗車、ありがとうございます」
 岩手県山田町で創業から70年以上を数える「山崎タクシー」の3代目社長、山崎淳一さん(53)もまた、23日の第三セクター三陸鉄道のリアス線開業に特別な思いを寄せる一人だ。
<一瞬の出来事>
 東日本大震災の津波と火災で、自宅兼事務所は1階の車庫を残すだけの無残な姿をさらした。母良子さん=当時(75)=も犠牲になった。
 「病気なら最期までの段階がある。でも、津波は一瞬の出来事だ」。失ったものが大きすぎて業務再開を考える余裕はなかった。
 ところが三鉄北リアス線は、被災からわずか5日で一部区間の運転を再開したという。常連客は「タクシーは動かないの?」と尋ねてくる。われに返った。
 「創業者の祖父が出征中は、祖母がタクシーのハンドルを握って会社を守った。両親も地域の足を守り抜こうと必死で働いた。自分の代でやめるわけにはいかない」
<笑顔で出迎え>
 バラックのような車庫の壁面に、赤い塗料で「山崎タクシー」と大きく書いて自分を奮い立たせた。社員7人と被害を免れたタクシー5台。まだ焦げたにおいが漂う町で、営業再開を決意した。
 仮設営業の末に2017年12月、本格営業にこぎ着けたものの不安は尽きない。町の人口は減少の一途。「本当にやっていけるだろうか」。リアス線開業が頼みの綱だ。
 オランダ風車を模した真新しい陸中山田駅の周辺では、鉄路復活を見越して各種店舗の再建が進む。町のみんなが、リアス線の一番列車到着を心待ちにしていた。
 タクシーは駅と高台の移転住宅地を結び、主にお年寄りの足となる。観光客の受け入れ態勢も考えたい。
 「リアス線開業を機に、町に活気が戻ってほしい。駅舎の前で、笑顔でお客さんを出迎えたい」と山崎さん。新生・三鉄リアス線が、8年間の空白を経て当たり前の、本当に当たり前の光景を町に呼び戻してくれると信じている。(宮古支局・佐々木貴)


<リアス線開業>岩手沿岸復興への軌道 三陸鉄道、三セク最長163キロに
 東日本大震災で被災した岩手県沿岸を縦断する第三セクター三陸鉄道(宮古市)のリアス線が23日、開業した。JR東日本から移管された釜石−宮古間(55.4キロ)で記念列車を運行。沿線では多くの住民が鉄路の復活を祝福した。リアス線は24日、新ダイヤで通常運行を始める。
 4両編成の一番列車は午前11時40分に釜石駅を出発した。自治体関係者のほか公募で全国から選ばれた乗客40人を乗せ、宮古駅に向かった。
 釜石駅のホームであった出発式には約180人が臨んだ。中村一郎社長は「地域の足を守り、交流人口の拡大を進めて三陸沿岸を活性化する役割を果たしたい」と新路線開業の決意を述べた。
 リアス線は、分離運行されていた従来の南、北リアス線を旧山田線の移管区間が結ぶ形で誕生。盛(大船渡)−久慈間の総営業距離163キロは、全国の三セク運営鉄道で最長となる。
 JR東は、震災で不通となっていた旧山田線釜石−宮古間について2014年1月、施設を復旧した上で三鉄への無償移管を提案し、三鉄に出資する県や関係12市町村が合意。三鉄は社員を増やすなどして準備を進めてきた。


<リアス線開業>沿線住民「8年間ずっと待ってたよ」
 東日本大震災でずたずたになった鉄路がよみがえった。JR東日本の旧山田線釜石−宮古間(55.4キロ)を受け継いで23日、三陸鉄道リアス線が開業した。「8年間、ずっとこの日を待ってたよ」。沿線では、数え切れないほどの人たちが手を振って待望の一番列車を出迎えた。
<釜石/地域を元気づけて>
 始発の釜石駅では釜石高吹奏楽部が、三鉄を一躍有名にしたNHK連続テレビ小説「あまちゃん」のテーマ曲を奏でて、新生三鉄の門出を祝った。
 「復興の懸け橋として、ドラマのように地域を元気づけてほしい」。部長の2年大和田琴夏(ことな)さん(17)は、そう語って発車する一番列車を見送った。
 両石湾を越えて釜石市の鵜住居駅に着くと、9月開幕のラグビーワールドカップ(W杯)日本大会で試合会場の一つとなる「釜石鵜住居復興スタジアム」が姿を現した。
 ホームで郷土芸能の虎舞を披露した会社員三縄(みなわ)聡さん(29)は「駅の向こうに一番列車が見えた瞬間、気持ちが高ぶった。W杯も三鉄で多くの人に来てほしい」。
<大槌/僕らはくじけない>
 震災で町民の1割が犠牲になった大槌町には、人形劇「ひょっこりひょうたん島」のモデルとされる大槌湾の島にちなんだ駅舎が新築された。
 駅近くの線路沿いに並んだ町民が大合唱で列車を出迎える。人形劇の主題歌と復活した鉄路に町の復興を重ね合わせていた。
 ∧だけど僕らはくじけない 泣くのはいやだ笑っちゃおう 進め!∨
 浪板海岸と並走しながら山田町に入った。車窓から「鯨と海の科学館」が見える。外壁の上部に引かれたラインは、震災で押し寄せた津波の高さ8メートルを示す。
 山田町の陸中山田駅で列車を出迎えたパート白土明美さん(55)は「8年は長かった。けど、みんなが笑顔になれた」としみじみ語る。「町の復興をけん引するリアス線を支えたい」と意気込んだ。
<宮古/街へ買い物楽しみ>
 宮古市の津軽石駅では、地元の約200人が小旗を振って開業を祝った。江戸時代から伝わる獅子舞を披露した津軽石小6年の盛合華代さん(12)は「市街地まで買い物に行くのが楽しみ」と期待を寄せた。
 約1時間40分の初仕事を終え、列車は宮古駅に到着。「車窓から見えた景色が前と全然違う。復興は進んだんだね」。一番列車の乗客で釜石市の主婦前川ケイ子さん(77)の声が弾む。
 リアス線は24日に通常運行を始める。従来の南、北リアス線を含めて盛駅(大船渡市)から久慈駅まで岩手県の沿岸163キロを結ぶ。前川さんは「紅葉のシーズンになったら、ゆっくり往復してみたい」と話し、三鉄の旅に思いを巡らせた。


<リアス線開業>「鉄路がつながり新たなドラマ生まれる」 のんさんも祝福、宮古で記念式典
 三陸鉄道リアス線の開業記念式典が23日、宮古市の中心市街地拠点施設「イーストピアみやこ」であった。関係者140人が出席。市民による合唱の披露などで新たな鉄路の門出を祝った。
 東日本大震災の犠牲者に黙とうをささげ、三鉄の中村一郎社長が「人と人、地域と地域をつなぐ鉄道となるよう『じょっぱれ、けっぱれ、くじけるな』の言葉を胸に進んでいきたい」と力強く開業を宣言した。
 三鉄が舞台のNHK連続テレビ小説「あまちゃん」でヒロインを演じた女優のんさんも登壇。「鉄道が一本につながったことで地域に新しいドラマが生まれる」と期待を込めてお祝いの言葉を贈った。
 岩手県の達増拓也知事は「三鉄に乗ることで復興する沿岸の姿を全国、海外の人に見てもらいたい」とあいさつ。JR東日本の深沢祐二社長は「無事に受け渡すことができて感慨無量。地元の魅力をPRするなど引き続き支援したい」と述べた。


沖縄の提案を首相拒否 この機会をなぜ生かさぬ
 膠着(こうちゃく)状態にある辺野古問題の局面を転換すべきときだ。沖縄県の玉城デニー知事が打開策を探ろうとしているのに、安倍晋三首相はなぜこの機会を生かそうとしないのか。
 米軍普天間飛行場の辺野古移設をめぐり、知事は首相との会談で、埋め立ての土砂投入中止と1カ月程度の話し合いを求めた。
 知事はその際、最高裁に上告した工事差し止め訴訟の取り下げを表明するとともに、県が準備していた別の訴訟についても政府の回答次第で見送る譲歩の姿勢を示した。
 しかし、政府は週明けに辺野古崎南側の新たな埋め立て区画で土砂投入を始める方針を崩さなかった。岩屋毅防衛相はその理由を「ここで問題が再び漂流すると普天間の固定化にしかならない」と説明した。
 だが今や「辺野古が唯一の選択肢」と固執する政府の姿勢こそが固定化を招く要因になっていないか。
 辺野古崎の北東側に広大な軟弱地盤が見つかった。埋め立て工事の設計変更には県の承認が必要であり、県側と話し合わなければならない課題がたくさんあるはずだ。
 防衛省が国会に提出した報告書によると地盤改良には最短でも3年8カ月かかる。水深90メートルまで続く軟弱地盤を、70メートルが限度とされる砂の杭(くい)を打ち込む工法で改良できるのか。大量の砂利をどう調達するのか。合理的な説明はなされていない。
 政府は移設容認の知事に代わるのを待つつもりかもしれないが、そうであればなおさら県民の理解を得る努力が必要だろう。2回の知事選と県民投票で示された「辺野古ノー」の民意に聞く耳を持たない政府の姿勢は県民の反発を強めるだけだ。
 仮に容認派の知事が生まれても、それから地盤改良を行い、さらに埋め立てや施設整備に数年かかることを考えれば10年超もあり得る。
 北東側のめどが立たないまま南側にいくら土砂を投入しても工事は完了しない。政府の対応は辺野古の工事を続けることが自己目的化しているといわれても仕方あるまい。
 話し合いの提案を拒否された県は結局、国を相手取った新たな行政訴訟を福岡高裁那覇支部に起こした。
 沖縄の基地問題をめぐって国と県が法廷闘争を繰り返す現状が政治の無策を物語っている。


辺野古撤回停止提訴 裁判所は公正な判断を
 米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古への新基地建設で、県は埋め立て承認撤回の効力を停止した国土交通相の決定は違法だとして、執行停止決定の取り消しを求める訴訟を福岡高裁那覇支部に提起した。工事強行を続ける国に対抗するための措置としては当然だ。
 これで新基地建設を巡る県と国の法廷闘争は6度目となる。今回の訴訟では行政不服審査制度を利用した沖縄防衛局の手続きや国交相の執行停止の決定が違法かどうかが争点となる。
 県は訴状で国交相の執行停止の決定は「国の関与」に該当すると主張している。これは2月に国地方係争処理委員会が出した結論を真っ向から否定するものだ。
 係争処理委員会は国交相の決定を不服として県が出した審査請求について、国交相決定は審査対象の「国の関与」に当たらないとして却下している。
 一方、県は埋め立て承認申請をした沖縄防衛局は「私人」ではなく「固有の資格」を持つ立場にあると主張している。理由は公有水面埋立法で埋め立てをする主体が国の場合は「承認」、国以外の一般人は「免許」をそれぞれ得る必要があり、明確に区別されていることを挙げている。
 係争処理委員会は「承認」と「免許」の違いについて「埋め立て後の所有権が違う点だ。効果は一般私人と異ならない」として相違はないとの判断を示している。免許で一般人に設定される権利と承認による国の権限と法的地位は明らかに違う。係争処理委員会は県の請求を却下するために、法を恣意(しい)的に解釈しているとしか思えない。
 これまでの訴訟では、裁判所が国側に有利となる訴訟指揮をしているとしか思えない動きが見られた。国が起こした代執行訴訟と県が起こした抗告訴訟、執行停止取り消し訴訟は、代執行訴訟の裁判長による異例ともいえる和解勧告に県と国が応じ、取り下げられた。
 その後、国は手続きをやり直し、高裁那覇支部に違法確認訴訟を提起し、最高裁で県の敗訴が確定した。
 和解で取り下げた国による代執行訴訟はいくつもの手続きを省いて最も強権的な手段に出たものだ。そのまま裁判が進むと、県の反論や防御の機会を奪った国の行為自体に瑕疵(かし)があると判断され、国が敗訴する可能性があったとの指摘がある。
 裁判長が和解勧告という形で国敗訴という事態を事前に食い止め、国に助け船を出したとみられてもおかしくない。
 新基地建設を巡る行政の第三者機関の判断や訴訟の結果を見ると、日本に三権分立が存在しているのかと疑いたくなる。県が今回提起した訴訟を指揮する福岡高裁那覇支部は、後世に誇れる公正な判断を下してほしい。そのことを多くの県民が注視している。


患者殺害再審へ 自白偏重の危険裁いた
 ずさんな捜査への警告だ。
 滋賀県の病院で2003年、人工呼吸器を外して患者を殺害したとされる事件で、最高裁が裁判のやり直しを認めた。
 懲役12年の刑に服した元看護助手の女性は、再審公判で無罪となる公算が大きい。
 司法は、当事者の名誉回復を早期に図らなければならない。
 このところ再審開始の決定や確定が相次いでいる。
 長く批判されてきた「有罪ありき」の捜査手法が、根深く残っている証左ではないか。
 警察や検察は、冤罪(えんざい)の温床になりかねない自白偏重の捜査や恣意(しい)的な立証を猛省し、防止策の構築を急ぐべきだ。
 有罪の確定判決は患者の死因について、呼吸器が外れて酸素の供給が途絶えたことによる急性心停止と認定した。
 これに対し、最高裁が支持した大阪高裁の再審開始決定は、弁護団が新証拠として提出した医師の鑑定書などに基づき、致死性の不整脈を原因とする自然死の可能性に言及している。
 事件そのものが存在しなかった疑いを示したに等しく、逮捕や起訴自体が厳しく問われよう。
 捜査機関が有罪の決め手とした「呼吸器を外した」という元看護助手の自白に関しても、高裁は「めまぐるしく変遷し、体験に基づいていない疑いもある」と、信用性を認めていない。
 留意すべきは、元看護助手の迎合的で物事の説明が苦手な性格が、事実に反する自白の一因になったとみられる点だ。
 こうした人は、高圧的な取り調べがなくても、捜査側に都合のいい供述をしてしまう恐れがある。
 当局は、自白に過度に頼らず、客観的な証拠を積み上げる捜査に徹しなければならない。
 自白したのが任意捜査の段階だった点も看過できない。取り調べの録音・録画(可視化)を逮捕以降だけではなく任意捜査にまで広げ、併せて取り調べ時の弁護士の立ち会いを検討すべきだろう。
 元看護助手の再審請求は2度目だ。過去の公判や最初の再審請求審で、裁判所が立証の不十分さを見逃した検証も求められる。
 今回の事件を含め、再審開始決定が出ても検察が抗告し、結論までに長い年月を費やす事例は少なくない。
 関係機関は、無辜(むこ)の救済という再審制度の目的を再認識し、検察側抗告の制限を含む対応策の議論を深めてもらいたい。


再審確定の湖東病院事件 取調べ捜査官への恋慕が招いた獄中生活12年の悲劇
出たで」。3月19日、滋賀県彦根市のリサイクル工場で仕事中だった西山美香さん(39)に母・令子さん(68)から涙声の電話があった。待ち望んだ再審開始決定書が、最高裁から届いていた。早退して家に走り、その日、大津市内で弁護団と喜びの会見をした西山さんは、「再審は弁護団や支援者のおかげです。無罪判決がもらえるように頑張りたい」「何度も諦めかけ無罪になったらマイカーを買って両親をいろんなところに連れて行きたい」などと話し、時折、眼鏡をはずして涙をぬぐった。一昨年8月に12年の服役を終えてから1年半。
 主任弁護士の井戸謙一氏は「ようやくあるべき結論が出た。ホッとしました」と笑顔を見せた。決定書は、同弁護士が「ほぼ完璧と言ってよい」と高く評価していた大阪高裁の再審開始決定を、ほぼ踏襲していた。
 冤罪事件を概略する。
 2003年5月22日、滋賀県の湖東記念病院で男性患者(当時72)が死亡した。人工呼吸器のチューブが外れたことを報じるアラーム音に職員が気づかず、窒息死したとみた滋賀県警は、過失致死事件として西山さんを含む2人の看護士を任意聴取していた。ところが西山さんは、事件から1年以上が経過した翌年7月6日になって「呼吸器のチューブを外した」と殺害を自白し、逮捕された。当時24歳だった。動機は職場での待遇への不満で、「誰でもよかった」と供述したのだ。
 しかし西山さんは、第2回公判から無実を主張した。主張は通らず、大津地裁は懲役12年の実刑判決を下し、07年に最高裁で刑が確定した。獄中からの第一次再審請求は10年9月に最高裁で棄却されたが、第二次再審請求は17年12月に大阪高裁が「警察官などから誘導があり、迎合して供述した可能性がある」と再審開始を決定。そして今回、最高裁も検察側の特別抗告を棄却し、再審開始が確定した。西山さんは「刑事さんのことを好きになって、気に入ってもらおうと思って、どんどん嘘を言ってしまった。こんなことになるとは思わなかった」と話していた。
供述変遷の裏に刑事の誘導
 一般的には、明らかな殺人事件が起き、逮捕された容疑者が刑事に問い詰められ、「犯行」を自供する。だが西山さんは、警察が殺人事件とも考えていなかった逮捕前の任意取り調べの段階で、「殺した」と言ってしまったのだ。井戸謙一弁護士は「それだけに虚偽自白の証明は困難でしたが、不自然な西山さんの供述変遷に刑事の誘導を確信した」と話す。 
 自白の変遷の一端を見てみよう。
【7月2日】A看護師が寝ていた。忙しいのにと腹立った。病院の待遇は悪い。咄嗟に思いついてチューブを外した。アラームが10分鳴り続けた。A看護師が入ってきてつないで消した。
【5日】チューブを外して部屋出た。鳴り続けていたので自分がつないで戻った。
【10日】アラームは鳴っていない。消音ボタンを押し続けていた。
【11日】消音ボタンは1分経つ前にもう1回押せば鳴らない。1秒2秒と頭の中で数えて1分前に再び押した。(殺人は)1週間前から計画していた。
 当初「鳴った」とされたアラーム音は、その後の捜査で誰も聞いていなかった。捜査陣は、アラーム音が「鳴っていた」だと立件ができないと判断、後にわかった「音を消し続ける仕組み」を西山さんに教え、自白と合うように供述させた。ただし、看護助手だった西山さんに呼吸器操作の資格はなく、止める仕組みも知らなかった。
優しさに魅かれ
 当初、滋賀県警の見立ては「アラームが鳴っていたはず」だった。西山さんは「『鳴ってなかった』と言うと、刑事さんに『そんなはずはない、嘘つくな』と凄まれて怖かった。でも『鳴っていた』と認めると、急に優しくなった」と振り返る。そして取り調べを担当した山本という刑事は、「殺人罪でも執行猶予で刑務所に入らないでいいこともある」とか、西山さんの拘置所での規律違反について「私が処分を取り消してあげる」などと優しく持ち掛けた。「飴と鞭」は取り調べの常道だが、悲しいかな、西山さんは勘違いをして彼に魅かれてしまう。
 鑑定医は「酸欠による窒息死」とした。だがこの医師は、警察から「呼吸器が外れていた」との情報を得て鑑定書を作っており、信憑性は低い。弁護団は「植物人間状態だった男性はカリウム値が異常に低く、致死性不整脈で病死した可能性が高い」とした。
 要は、単なる自然死だったのだ。井戸弁護士は「事件でも事故でもない。なかった犯罪を警察と検察がでっち上げた」と断言する。
誰でも作れる話に「迫真性」
 有罪認定した判決は、西山さんの自白について「現場にいた人でなければ語れない迫真性に富む」などとする。供述書には「(男性患者は)眉間に深いしわをよせて口をハグハグさせて」「手に汗がにじんだ」などとあるが、そんな内容ならいくらでも創作できる。西山さんを追い込んだ裁判官たちは、何を見ていたのか。
 過失でもない、もちろん殺人など無関係。それなのに、患者の自然死が「事件」になってしまった一つの原因は、一緒に任意聴取されていたA看護士の対応にあった。A看護士が、男性患者の心肺停止を最初に見つけた。西山さんは「Aさんに『アラーム鳴ってなかったよね』と言われた。音は聞いてないし、チューブが外れているのも見ていません」と話す。実はA看護士には2時間ごとに、男性患者の痰の吸引をする義務があった。午後11時が最後なのに、「午前3時に吸引した」と看護日誌に嘘を書いた。痰が詰まって死んだと思い込み、怠慢を問われると案じたA看護士が咄嗟に「呼吸器が外れていた」と嘘をついた可能性が高い。
 しかし西山さんは、自分の供述と矛盾することで仲の良いA看護士が取り調べで苦しめられていると思い、A看護士を守ろうとした。「現場責任者のAさんはシングルマザーで、逮捕されたら生活できない。自分は正看護師でないし、親と暮らしているし」と話す。A看護師は退職し、弁護団に協力しなかった。
 西山さんは最後の取り調べで、山本刑事との別れ際、「離れたくない」と抱き着いた。「彼は拒否しなかった。頑張れよと励ましてくれた」と振り返る。一昨年、筆者が西山さんを訪ねて「騙されたと思いますか」と尋ねると「もう考えたくないです」と机に突っ伏していた。
 西山さんは高校卒業後、別の病院で働いたが、湖東記念病院に移って半年で「事件」に巻き込まれた。任意取り調べ中も、拘置所で針金を飲んで自殺未遂し、精神科に通院、軽度の発達障害と診断された。
 父・輝男さん(77)と母・令子さんは毎月、和歌山刑務所に面会に来た。西山さんは「私は勉強ができなくて、よくできた兄と比べられてコンプレックスを持っていた。それを刑事に言うと『お兄さんと同じように賢いところあるよ』と言われて、嬉しくなってしまった」「子供のころから本当の友達はいなかった。お金をあげたり、嘘ついて、友達を作ってた」とも告白する。獄中から両親への手紙は350通を超え「自分は殺していない。信用してしまったこともアカンし好意を持ってしまったこともアカン。みんなにつらい思いさせてしまって……」などと綴られる。輝男さんは「何もわからん娘に警察はあまりにも残酷な……」と唇を噛んだ。
 3人の判事で行使される最高裁小法廷は今回、全員一致の決定だったが、実は1人が最高裁長官となり抜け、もう1人の三宅守判事は、この事件を大阪高検の検事として関わっていったために外れていた。もし三宅守判事が外れていなければ、どうなったのか。従来「開かずの扉」と呼ばれた再審も、明確な新証拠が見つからなくとも認められるなど、少しずつ緩和された。志布志事件、足利事件、布川事件など、捜査側の出鱈目が相次いだからだ。
 西山さんは「20代の一番大事な時を刑務所で過ごすのは辛かった」とも吐露している。女性として最も輝いていた時期を卑劣な刑事によって無残に奪われたのだ。
粟野仁雄(あわの・まさお) ジャーナリスト。1956年、兵庫県生まれ。大阪大学文学部を卒業。2001年まで共同通信記者。著書に「サハリンに残されて」「警察の犯罪」「検察に、殺される」「ルポ 原発難民」など。


竹田JOC会長が仏当局の聴取に「黒塗り」報告書提出のア然
 6月の任期満了で退任が決まった日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長(71)。今後の注目は、仏当局により本格捜査が行われている2億2000万円のワイロ疑惑の行方だ。予審判事が竹田会長を正式な裁判にかけるのかどうかが焦点なのだが、捜査に関して興味深い記事があった。竹田会長サイドが判事による事情聴取に際して、ナント「黒塗り」の報告書を提出していたというのだ。
「東京2020五輪キーマンの判事に対する苦しい言い訳」と題された記事は仏通信社AFPが今年1月に配信したもので、仏語のためか日本ではほとんど報じられていない。
 それによると、仏当局の予審判事による事情聴取を受けるにあたって、竹田会長はJOCが作成した報告書を提出したのだが、<そこには問題があった。一部を黒塗りにして提出していたのだ>という。そして記事は、<日本の検察の事情聴取を受ける際に、そんな黒塗りの書類を出すだろうか(そんなもの出さないだろう)>と続く。竹田会長とJOCは仏の捜査をナメているのではないか、と驚いているのだ。
 事情聴取では、竹田会長が判事から「もっと具体的に言うことができますか?」と促される場面もあったという。
 不都合な部分を黒塗りにした報告書とはいかにも日本的だが、とてもグローバルに通用するとは思えない。本当にそんな報告書を仏の裁判所に提出したのか。JOCは「捜査中のため、こちらからお答えすることはできません」(広報企画部)とコメントした。
 竹田会長は拘束を恐れて国外に出ることもできない状況だ。そのうえ「黒塗り報告書」を提出するとは……。逃げも隠れもする竹田会長。裁判所の心証を悪くしているのは間違いない。


メジャー野球もチクリと イチロー引退会見で露呈した本音
 85分間に及ぶ引退会見でイチローは、いくつもの興味深いコメントを残した。
 例えば、「ダメだな、これを言うと問題になりそう」と言いつつ口にした、現在のメジャー野球を批判するような以下の発言である。
■「日本は頭を使う面白い野球を」
「本来、野球というのは頭を使わないとできない競技なんです。でも、そうじゃなくなってきている。それが気持ち悪い。日本の野球がアメリカの野球に追従する必要はまったくない。日本は頭を使う面白い野球であってほしいと思います」
 現在のメジャーにはデータ旋風が吹き荒れている。球団が選手の能力や評価を数字に変換し、チームづくりに活用。チームによっては、数学者や物理学者まで雇い入れている。彼らが収集、分析したデータに基づく用兵が首脳陣には求められるようになった。選手は選手で、投手なら軍事用レーダーによって計測された球の回転数や回転軸にまで口出しされ、打者は打ち出し角度やボールに対するバットの入射角を持ち出されて、「本塁打が出る確率が高い」とフライを打つことを推奨される。メジャー日本開幕戦でも見られた極端な守備シフトももちろんデータに基づいたもので、内野の間を抜けるはずの打球がアウトになるケースが飛躍的に増した。
「監督の采配能力や選手の技量より統計学や確率論が重視される。独自に磨き上げた圧倒的な技術でヒットを量産してきたイチローにとって、今のメジャーの野球や、人よりデータが上位に位置する現状は自らを全否定されるようなもの。ひとこと言わずにはいられなかったのだろう」(ア・リーグの国際スカウト)
■「シーズンごと」提案した大谷「新二刀流」プラン実現度
「シーズンごとに投手としてサイ・ヤング賞、打者として本塁打王をとったら……20勝して、次の年に50本塁打してMVPとったら化け物ですよ」
 イチローが提案した隔年で投手と野手を交互に務める大谷の新二刀流プラン。実現すれば、なるほど魅力的ではある。
 投手をしながら野手としても出場する現在のスタンスは倍の労力が必要で消耗も激しい割に、残る記録は中途半端。10勝と20本塁打を同時に達成することに価値はあっても、記録として残る10勝と20本という数字自体はいたって平凡だからだ。1年ごとに投げることで肩肘の消耗は抑えられるから、選手寿命も延びるかもしれない。
 が、実際問題として難しいのではないか。所属球団のエンゼルスにとっては、大谷の記録より何より勝利優先。1シーズンで10勝してなおかつ20本塁打、投げて打って1人2役でフル回転してくれることに、価値があり意味があるからだ。
 まして来季からは二刀流枠ができるから、その分、投手をひとり多くベンチに入れることができるようになる。ただでさえ戦力が不足しているエンゼルスは、大谷を最大限にフル活用しようとするに決まっている。
「日本に帰れ!」と言ったのはファンだけじゃなかった
 イチローは米国のファン気質に関して、「最初は厳しかった。日本に帰れって、しょっちゅう言われた。けど、結果を残した後の敬意、言葉でなく行動で示したときの敬意は迫力がある」と言った。
 しかし、マリナーズ入団当初、イチローに罵声を浴びせたのはファンに限らない。主力のひとりはイチローが動くたびにゾロゾロと追い掛ける日本の報道陣に辟易、イチローに「家に帰れ!」と声を荒らげた。
 実戦で軽打を繰り返すイチローが「いつでも引っ張ることはできる」とコメントしたことを知った某主力は「いつでも強打できる? ここはリトルリーグじゃない」と吐き捨てた。
 イチローは口に出さなかったものの、結果を出すことで“身内”の雑音も封じていた。
■マリナーズ 特別コンサルタント就任打診の狙い
 マリナーズのジェリー・ディポトGMは「何らかの役職で残ってもらう。帰ってから話し合う」と、イチローを今後も球団に残すつもりだと話した。
 球団は功労者であるイチローに「球団特別コンサルタント」などの肩書を用意して最大限の敬意を払っていると言いたいのだ。
 しかし、これは単なるポーズに過ぎない。マリナーズとしては、ユニホームを脱いだかつての安打製造機をいつまでも抱えているメリットはない。長らくチームの顔を務め、球団ビジネスにも貢献してきた功労者をむげにするわけにもいかず、年収500万円程度の閑職を与えるということだ。
 もっとも、イチロー自身、球団の思惑は百も承知しているだろうし、本気で特別コンサルタントをやるとは思えないが。


週のはじめに考える 大学新入生の皆さんへ
 大学新入生の皆さん、おめでとうございます。新生活に胸弾ます季節でしょう。でもちょっとだけ、大学の未来を一緒に考える時間をいただけませんか。
 少子化の荒波の中、大学も今、受験生だった皆さんと同じように競争に追い立てられています。
 国立大学では、二〇〇四年の法人化以降、定期収入の大きな柱の一つである、国からの運営費交付金が年々削られました。今後は、どのくらい研究資金を外部から獲得できているかなど、国の決めた基準で「採点」し、交付金を上乗せしたり、削減したりする傾斜配分の幅が広がる予定です。
◆100キロ離れた共同学部
 スリム化のため、他大学との部分的な「統合」に踏み切る大学も出てきています。
 名古屋大学と岐阜大学は、二〇年に法人を統合する予定です。一つの法人のもとで二つの大学が運営されるようになるのです。背景にあるのは、このままでは縮むだけだという危機感です。共同で研究機関をつくることで、国や企業などからの資金が獲得しやすくなるなどの統合効果も期待できるようです。
 群馬大学と宇都宮大学も二〇年に共同教育学部をつくります。
 教育学部については、少子化が進めば必要な教員の数も減るとして、文部科学省の有識者会議が「現在の組織や規模のままで機能強化と効率性の両方を追求することは困難」として他大学との連携や統合を促す報告書を出しています。
 群馬の学生が宇都宮大の、逆に宇都宮の学生が群馬大の授業を一定割合、受けることになります。ただ二つの大学は距離は約百キロも離れています。合同での合宿研修やフィールドワークを行うことも考えているそうですが、ふだんはインターネット技術を利用しての遠隔授業が実施される予定です。
◆縮む社会考える教材に
 小中学校の教室では今後、受け身ではない「主体的な学び」がますます重要視されます。そんな教室で教える先生たちを、画面を通じて教える。矛盾を抱えながら、いかに一方通行にしないか、両大学の教員たちは授業の手法やシステムのあり方について模索を始めたところです。
 一種の苦肉の策ですが、現場の先生からは、その意義を認める声も出ているそうです。過疎化が進む地域では小中学校の統廃合も限界に近づいており、遠隔授業も選択肢となりつつあります。大学で遠隔授業を受けた経験が、過疎地の子どもたちへの遠隔授業に役立つこともあるかもしれないというのです。この国はどこまで縮んでいくのだろうと、落ち着かない気持ちにもなります。
 桜咲く季節に、あまり晴れやかな話もできずにすみません。でもこんな話をするのは、これから大学をどうするのかを考える主役は学生の皆さんでもあると思うからです。
 大学の歴史をひもとくと、十二世紀、ヨーロッパの中世社会までさかのぼります。大学を意味する英語のユニバーシティーなどの語源は、ラテン語で組合を意味するウニベルシタスです。学生たちが自分たちが求める教育を実現するため、教員と契約を結ぶ形の組合もあったとされています。
 維新ののち明治政府は高等教育の仕組み作りを急ぎました。「大学の誕生」(天野郁夫著、中公新書)によると、議論の過程では「高等学校ハ、政府干渉スヘキヤ否ヤ(中略)聞クトコロニ依(よ)レハ、自由ノ精神ヲ、暢発(ちょうはつ)セサレハ不可ナリ(中略)故ニ欧州ノ学校、多クハ政府之(これ)ニ干渉セス」と、大学の本質を問う声も上がったようです。
 しかし欧米諸国に追いつくことが優先される時代、結果的に帝国大学は国家のための人材育成の場であることが求められました。
 大学のあり方に正解はありませんが、そのDNAの奥底に刻まれているのは、国家よりもむしろ、学生や教員が主体となった姿なのです。
 縮んでいく社会では、競争による淘汰(とうた)や、「選択と集中」の資本投下が実行される領域も増えていくかもしれません。苦悩する大学を生の教材に、その手法の光と影を見つめてください。
◆社会変えていく存在に
 群馬大で取材した際に、斎藤周(まどか)教育学部長に過重労働といわれる学校に教え子を送り込む心境を聞いてみたところ、こんな答えが返ってきました。
 「現場で頑張ってほしい。長時間労働に耐えろという意味ではなく、自分たちや、子どもたちのために、それを変えていく教員になってほしい」
 答えの見つかっていない数々の難題が、大学のその先でも、皆さんに解いてもらうのを心待ちにしています。


「NGT山口」事件で歴史に残る“ぐだぐだ会見”、松村取締役の正体と内部の不満
“究極の火消し”が大炎上
3月24日の日曜、つまり今日の午前10時から「ワイドナショー」(フジテレビ系列)が放送される。番組の公式サイトには、ゲストコメンテーターの出演者として、中居正広(46)と指原莉乃(26)の名前が記載されている。
 ***
 少なくとも前日の23日までには出演情報が広範に伝播しており、関係者の間でも、松本人志(55)を含めたこの3人が、「山口真帆暴行事件」に対してどのようなコメントをするのか注目されていたという。
 それにしても、史上最悪クラスの“ぐだぐだ会見”だったことは間違いない。被害者がリアルタイムで疑問や怒りをツイートし、記者が質疑応答に使ったのも前代未聞だろう。その気になれば、松本も中居も指原も、コメントのネタには事欠かないはずだ。
 NGT48の山口真帆(23)に対する暴行事件で、運営会社のAKSは3月22日、新潟市内で第三者委員会による調査報告書の記者会見を行った。その内容に非難が集中している。改めて会見に至るまでの経緯を振り返っておく。
 山口は2018年12月、自宅玄関先で顔を掴まれて押されるなどされ、新潟県警は無職と大学生の男性2人(註:肩書は当時)を暴行容疑で逮捕。その後、新潟地検は2人を不起訴処分とした。
 新潟県警は被害者を匿名にして発表したが、AKSは一切の広報を行わなかった。翌19年1月、山口本人がツイッターや動画などで自ら被害を告白。「NGT48のメンバー複数が暴行事件に関与している」、「運営スタッフが適切な対応を行わなかった」と指摘したことで大きな話題となった。暴行被害を振り返った山口のツイートを転載しておこう。
《助けてと叫ぼうとしたけど怖くて声が出ませんでした。一分ぐらいしてやっと声が出せました。「たすけてたすけて」と叫びました。男は私の口を塞ぎました。そのまま家に閉じ込められて殺されるかと思いました》
 これに新潟県警の記者クラブ加盟社などが取材を開始。1月10日、各社が報道したことで事件が明るみに出た。そしてAKSは、事件時に公表しなかったことや、同日の公演で山口に謝罪させたことなどが致命傷となり、世論の非難が集中。危機管理は初動で大きく躓いた。
 デイリー新潮は1月13日、「NGT48『山口真帆』暴行事件、スタッフの“情報統制”に騙されたスポーツ紙」の記事を掲載。AKSが水面下で“山口に非がある”と責任を転嫁して沈静化を図ったことなどをすっぱ抜いた。芸能担当記者の指摘を再録させていただく。
《「NGTサイドは当初、暴行事件に関しては表向き“取材拒否”とする一方、スポーツ紙などには“火消し”に躍起だったんです。山口さんが動画を配信し、ツイッターを公開しても、NGTの関係者などは芸能メディアに『山口には少し精神的な問題がある』と、あたかも狂言であるかのように匂わせるなどしていました」》
 これでは世論の怒りが収まるはずもない。追い詰められた格好のAKSは1月14日、支配人の今村悦郎氏を事実上の更迭とし、第三者委員会(委員長:岩崎晃弁護士)が調査を行うと発表した。
 そして、先述の通りAKSは、22日午後1時半から新潟市内で会見を開いた。同社運営責任者兼取締役の松村匠氏、NGT48劇場支配人の早川麻依子氏、同副支配人の岡田剛氏の3人が出席し、第三者委員会による調査結果を説明した。
 ところが、“究極の火消し”として満を持したはずの会見が、逆に新たな炎上を招いたのだ。まずは芸能担当記者に解説してもらおう。
「調査報告書は全34ページ。その3ページ目に、被疑者2人と仲間の男性1人に調査協力を依頼するも拒否されたとの記述があります。3人のうち仲間の男性は『劇場への出禁解除の交渉』を条件として提示し、これはAKSが拒絶。残りの被疑者2人は、返事すらなかったそうです。第三者委員会は捜査機関とは異なり、強制的な捜査は不可能です。委員会で真相解明は到底、無理だとの印象を受けましたね」
 その一方で、報告書は「メンバー12人がファンと“私的交流”を持っていた」ことを指摘し、かなりの衝撃を与えた。
「これまでにもAKB48などでメンバーとファンの交際がスキャンダルとして報じられたことはありました。しかし12人という人数は桁が違います。しかも12人の責任は『今回は不問』とする方針を打ち出しました。これではNGTのファンでも納得できないでしょう。松村取締役は『被疑者とメンバーが共謀して暴行事件に関与した事実はない』と説明しましたが、たとえ山口さんが反論しなくとも、甘い対応に世論は反発したと思います」(同・芸能担当記者)
 会見の生中継を山口は視聴していた。始まってから約30分後、彼女はツイッターで反論を行う。5つのツイートの全文を紹介しよう。改行を省略するなど一部は改変したが、他は全て原文通りだ。
【1】《只今、記者会見を行っている松村匠取締役は第三者委員会が行われる前に「繋がっているメンバーを全員解雇する」と私に約束しました。その為の第三者委員会だと、私も今までずっと耐えてきました。コミュニケーションも何も、このことに関して聞くと連絡が返ってきません》
【2】《私は松村匠取締役に1月10日の謝罪を要求されました。私が謝罪を拒んだら、「山口が謝らないのであれば、同じチームのメンバーに生誕祭の手紙のように代読という形で山口の謝罪のコメントを読ませて謝らせる」と言われました。他のメンバーにそんなことさせられないから、私は謝りました》
【3】《記者会見に出席している3人は、事件が起きてから、保護者説明会、スポンサー、メディア、県と市に、私や警察に事実関係を確認もせずに、私の思い込みのように虚偽の説明をしていました。なんで事件が起きてからも会社の方に傷つけられないといけないんでしょうか》
【4】《報告書に記載もないのに繋がりには挨拶も含まれるというのは勝手な解釈です。他のファンには公表できないような、特定のファンとの私的交流を繋がりと言うのはメンバーのみならずファンの皆さんも認識していると思います。証拠がないと仰っていますが、犯人グループとの交際を認めたメンバーもいます》
【5】《なんで嘘ばかりつくんでしょうか。本当に悲しい。松村匠取締役が当初言うように考えた文章です。他のメンバーに謝らせることはできないから、謝るしかなかったけど、スッキリも誤解もしていないし、どうしてもこの言葉は使いたくないと違う文章を考えて何度も交渉しました》
 説明が必要なのは【4】と【5】のツイートだろう。まず【4】だが、会見で松村取締役はメンバーとファンが“つながる”(註:山口は「繋がる」と記述したが、報告書の「つながる」に統一する)ことを、「特定のファンを優遇する行為として不適切」との見解は示した。
 ところが松村取締役は「(“つながり”にはファンとメンバーが)道端で挨拶を交わすということも、その範疇に含まれている」と説明。「ファンサービスと“つながり”の線引きが難しい」ことをメンバーに対する“免責”の理由とした。
 これに生中継を見ていた山口が猛反論。「“つながり”は秘密にしなければならない、メンバーとファンの極めてプライベートな“交流”を指すことは常識」と指摘したわけだ。
 また【5】のツイートには写真も投稿されており、それが「松村取締役が考えた文章」を撮影したものだと思われる。
 印刷されたような文字で、《今回は皆様をお騒がせして申し訳ありません。色々話してスッキリしたこともありますし誤解してたこともあります。これがきっかけになったらと思います。頑張りますのでどうぞ応援よろしくお願いします》と謝罪の文言が書かれている。
 果たして本当に、この文書を暴行事件の被害者である山口に読ませようとしたのだろうか?
普通は弁護士が会見
 山口の“乱入”で流れが一転した会見だが、かなり厳しいトーンで書いたのはスポーツ報知だ。該当部分を引用させていただく。
《「すいません、山口さん、ツイートがあったんですが!」。会見開始から40分後。出席した運営責任者の松村匠氏の話をさえぎり、記者がツイッターによる山口の“乱入”を指摘すると、会場は騒然となった。(略)指摘を受けた松村氏は何のことか分からずキョトン。記者が投稿を読み上げ「どう思いますか?」と聞くと、松村氏は「見ているんだな、と思いました」と漏らし、失笑を買った。
 運営側はファンとつながっているメンバーの解雇の約束、山口への謝罪要求をともに否定したものの、山口との間に深い溝があることが現場で明るみに。冒頭で「本人が理解し、納得したかについては疑問もあるが、山口とコミュニケーションを取ってフォローに努めたい」と説明しただけに、報道陣から「確かにコミュニケーションが取れてないや」と声が上がると「おっしゃる通り…」と絞り出すのが精いっぱいだった》(スポーツ報知(電子版)3月23日「山口真帆、NGT運営側会見にツイートで生反撃」)
 他にデイリースポーツ(電子版)が22日、「山口真帆4度目のツイートが質問に飛びAKS側が沈黙、『ちょっと待って』」との見出しで会見を速報した。
 報道陣が山口のツイートに関する質問を行うと、松村取締役が「数分沈黙」したことを伝えたのだ。この記事はYAHOO!ニュースのトピックスにも掲載されたため、目にした方も多いだろう。
 AKSに詳しい芸能記者が、デイリー新潮の取材に応じた。「会見は2時間の予定でしたが、2時間半に延びました」と振り返る。
「私たちの間では、14年に行われた佐村河内守さん(55)の会見が“最長時間”として記憶されているのですが、調べてみると2時間40分でした。記録的な長時間に及んだのは、やはりAKS側が“ぐだぐだ”だったからです。それこそ松村取締役は調査報告書を、きちんと読んでいなかったのでしょう」
 記者は「そもそも第三者委員会の会見は、委員会の責任者である弁護士が行うのが通例です」と指摘する。「そういえば、そうだ!」と膝を叩く向きもおられるだろう。
「松村取締役はAKSの人間ですから完全な当事者です。第三者ではありません。委員会の調査を松村取締役が手伝ったのなら大問題ですが、あの会見を見るに、そんなことはしていないと思います。なぜ“素人であるAKSの人間”が第三者委員会の調査について報告を行ったのか、人選に疑問が残ります。また支配人と副支配人が全く発言せず、助け船を一切、出さなかったことも強い印象を受けました」
「松村って取締役は、どんなヤツなんだ。よっぽど無能なのか?」と思われた方もおられるかもしれない。実際、今年1月15日放送の「バイキング」(フジテレビ系列)で、タレントのヒロミ(53)が松村氏を「バカなんですよ」と一刀両断したが、これは知人ということも大きいだろう。
 少なくとも学歴や職歴からは、相当なエリートとしての姿が浮かぶ。ウィキペディアにも記載されているが、松村匠取締役は1962年生まれの56歳。大阪の名門・府立北野高校から慶應大学に進学。フジテレビに入社すると、基本的にバラエティ畑を歩む。
 92年には「とんねるずのみなさんのおかげでした」のコントにも出演。“人力車の車夫”を演じ、お茶の間にも顔が売れた。ご記憶の方もおられるだろうか?
 その後はフジテレビを11年に退社し、AKSに転職。テレビ番組や映画作品の制作に携わってきた。
 だが、稀に見る“ぐだぐだ会見”だったとはいえ、この記者は松村取締役の説明からAKS側の“明確な覚悟”も読み取ったという。
「暴行に関与した可能性があるとされるメンバーには、NGTの人気メンバーも含まれています。『山口さんを取るか、人気メンバーを取るか』という究極の二者択一を迫られれば、きっとAKSは山口さんを辞めさせるほうを選ぶのだろうなと思いました。正直なところ、それほど会見では、山口さんに冷たい対応が目立ちましたね。『辞めたければどうぞ』というのが、AKSの本音ではないでしょうか。一貫して山口さんとAKSの間には溝があり、それが埋まらない理由としては、最も説得力があると思います」
 もし仮に山口が脱退を迫られ、彼女が一部始終を暴露したとすれば、どんな反響が巻き起こるかは想像もつかない。「山口は出て行ってもらって構わない」という判断が事実だとすれば、AKSの迷走を象徴するものと考えていいだろう。
 こうした状況には、AKS内部からも不安の声が漏れている。ある関係者が、絶対匿名を条件に取材に応じてくれた。
「AKBグループのメンバーが、ファンと密接な関係を持った子を批判することはできません。なぜならAKBグループで知名度があり、影響力のある女性は、スキャンダルを糧にした人が多いからです。例えば指原莉乃さん(26)です。12年に元カレの男性が『週刊文春』に恋愛関係を暴露したのは記憶に新しいでしょう。彼女は今回の山口暴行事件で、運営側を批判しました。その発言自体は評価されるものですが、彼女は一番肝心な『ファンと密接な関係を持つことの危険性や過ち』は絶対に口にできません。ファンとの交際を批判すれば、たちまちブーメランとして跳ね返ってきます。彼女は『ファンと密接に交際することは間違い』という正論は、棚にあげておくしかできないのです。」
 この関係者は「真面目に活動しているメンバーもいるのに、グループ全体の人気が下がってしまう。ファンとの距離感を守るメンバーがバカを見るのはおかしい」と訴える。
「確かに松村取締役の会見は酷かったと思います。AKSの対応も後手後手で、全く危機管理の態を成していないのも事実です。しかしながら、最も根源的な問題は、メンバーがファンと“つながる”ことが極めて問題だということです。それぞれのメンバーには、須田亜香里(27)さんが『サンデー・ジャポン』で話していたような“アイドルの品格”が求められます。ここにメスを入れないと、後々まで禍根が残るのは間違いないと思います」
 いっそのこと「ワイドナショー」が山口をゲストコメンテーターに招けば、世論も納得するのではないか。


殺人ロボット  完成する前に規制を急げ
 「いいもわるいもリモコンしだい」というのは、日本の巨大ロボットアニメの草分け、「鉄人28号」の主題歌の一節だ。思い出す方も多いだろう。
 正太郎少年のリモコン操作で正義の味方として活躍する鉄人。もとは太平洋戦争の秘密兵器として開発されたとの設定だった。
 こちらの「殺人ロボット兵器」にはリモコンも、人間の意思を介することも必要ない。人工知能(AI)で自律的に判断し、敵を殺傷する。各国が水面下で開発を進め、実用化が近いのではと危惧されている。
 このまま放置はできないと日本政府は、あす25日から開かれる国連会議で、開発規制への支持を表明する方針だ。
 規制に向けた専門家による委員会の新設も提唱するという。各国の思惑から規制実現のハードルは高いようだが、ぜひ主導的な役割を果たしてほしい。
 殺人ロボット兵器は「自律型致死兵器システム」(LAWS)という。SF映画「ターミネーター」に登場するロボットのイメージに近いそうだ。
 実現すれば戦争の姿を大きく変えるのは間違いない。銃、核兵器に次ぐ軍事面での「第三の革命」になるという指摘があるのもうなずける。
 各国は2014年から、特定通常兵器使用禁止制限条約(CCW)の枠組みで会合を重ねるが、議論は進んでいない。
 国際人道法や倫理の観点から、中南米などの途上国は禁止条約制定を求めている。一方で開発技術を持つ米国、ロシアなどは「時期尚早」と規制に否定的だ。
 開発が進むのは、自国の兵士を傷つけずにすみ、経費の削減にもなると考えられているためだ。ロボットは判断が確実で動作が素早く、怒りや恐怖に駆られて相手をむやみに殺傷することがないとの主張もある。
 だが指導者が安易に戦闘を始めるようになり、結局は死傷者が増えるとの見方もある。誤作動や、サイバー攻撃でテロリストなどの手に渡ってしまう危険性も拭えない。
 1990年代以降、米国を中心にIT技術が兵器システムに盛んに応用され、ハイテク化が進んだ。
 現在は無人機のドローンを遠隔操作して敵を攻撃している。誤爆で多くの一般市民が被害に遭っているのも事実だ。人道的にも明らかに問題がある。
 国際社会は生物兵器や化学兵器、対人地雷などを禁じてきた。失明をもたらすレーザー兵器のように一度も実戦で使われないまま禁止された例もある。
 殺人ロボットが完成してからでは、規制が手遅れにならないか。開発者が反省した核兵器の悲劇を繰り返してはならない。
 日本政府は従来は、AIやロボットの分野で競争力を持つ日本企業の技術開発の妨げになりかねないと規制に慎重だった。
 遅まきながらロボットの平和利用を強く訴えるべきだ。国際ルールが確定するまで、開発の凍結を求めたらどうか。
 日本人にはロボットを「友達」とみる独特の感覚があるといわれる。友達を戦場に送るようなことがあってはならない。


ゲノム編集食品 科学的な検証が必要だ
 厚生労働省の専門部会は、生物の遺伝子を効率的に改変するゲノム編集技術で品種改良した農水産物の多くに厳格な安全性の審査を求めず、国へ届け出るだけで販売できるとした報告書をまとめた。無審査のゲノム編集された農水産物が今夏には食品として販売可能となる見通しだ。血圧を下げる成分を増やしたトマトや体の大きなマダイなどが販売される可能性があるという。
 審査不要としたのは遺伝子を切断して機能を変更、喪失させた農水産物。専門部会は、元々ある遺伝子を改変しただけの場合は危険性が低いと判断した。だが、既に消費者団体からは疑問の声が上がっている。将来にわたって国内の食の安全を確保するためには、ゲノム編集された食品に対する長期の科学的検証が不可欠だ。
 遺伝情報のあるDNA(遺伝子)に書かれている情報全体をゲノムという。ゲノム編集技術を使えば、従来より簡単に品質向上ができるだけでなく、食料の安定供給にもつながると期待されており、世界各地で研究が進められている。報告書では、審査対象は遺伝子を切断した上で外部から別の遺伝子を組み入れ、新たな機能を持たせる農水産物に絞っている。
 元々ある遺伝子を改変しただけの場合は「審査不要」となぜ判断できたのか。ゲノム編集食品は長期的な影響が国際的にまだ十分に分かっておらず、想定外の事態が起こる可能性も考えなくてはならないはずだ。国民の命、健康に深く関わる問題だけに、安全性への疑いが否定できない場合は商業化を認めないという「予防原則」に立った対応が求められる。
 また、審査不要とした食品が健康に悪影響を及ぼさないかは開発者が確認するとした点も疑問だ。受益者になり得る開発者に判断を委ねて、どうやって安全性を担保するつもりなのか。それでは消費者も納得しないだろう。国としてしっかりと監視する体制の構築こそが何より重要だ。そうしない限り、販売されても消費者にゲノム編集食品が受け入れられることは難しいだろう。
 今後は厚労省が詳細なルールを決め、消費者庁が食品表示の考え方を示す予定だという。制度化を進めるにしても、食品が安全だとする根拠をしっかりと示し、消費者の不安を払拭(ふっしょく)しなければならない。
 ゲノム編集食品の販売について安倍晋三首相は参院予算委員会で「適切に対応することで食の安全に万全を期す」と述べた。さらに「安全性が確保された食品でなければ、流通が許されないのが行政上の大原則だ」と強調した。
 首相の言葉通り、政府は日程ありきではなく、食の安全を最優先に考え、厳格に対応する必要がある。国会での議論を深め、国民が納得する結論を導き出してもらいたい。


薬物依存対策 危険強調だけではダメ
 芸能人やスポーツ選手などで相次ぐ薬物事件。今月、ミュージシャンで俳優のピエール瀧容疑者が、コカインを摂取したとして麻薬取締法違反の疑いで逮捕された。「ストレス解消で、20代のころからコカインや大麻を使用していた」と供述しているという。
 心と体を徐々にむしばみ、死に至るリスクも高める薬物依存症。一時的にやめられても、やめ続けることは難しく、再犯率は高い。
 薬物はテレビの向こうの問題ではない。近年、特に懸念されるのが若年層の乱用。警察庁の2017年まとめで、大麻事件の摘発者数は3千人を超え、過去最多となった。若年層の伸びが大きい。
 本県では過去5年、大麻取締法違反容疑で摘発された29人(暫定値)のうち、12人は30歳未満の初犯者だった。
 国立精神・神経医療研究センターの全国調査では、若年層の大麻に対する抵抗感の薄さが浮かび上がっている。かつて世間を騒がせた危険ドラッグが規制強化で購入しにくくなったため、大麻に移行している可能性もある。
 どうやってまん延を防ぐか。同センターの松本俊彦薬物依存研究部長は共著「つながりから考える薬物依存症」で「薬物依存症とは、痛みや生きづらさを抱えた『人』が、本当はもっといろんな人に助けを求め、相談し、依存するべきところを…薬物という『物』だけに頼り、それだけに依存することで発生する事態」と指摘する。
 日本ではこれまで「ダメ。ゼッタイ。」というキャッチフレーズで、ひたすら危険性を強調し、最初の1回に手を出さないことを訴える乱用防止教育に力を入れ、一定の成果を上げてきた。
 だが今後、それだけでは限界があるだろう。背景にある若者の孤立感にも目を向ける必要がある。「ダメ」一辺倒では、ひとたび薬物に手を出してしまうと「ダメ人間」のレッテルを貼られ、社会から排除されて孤立を深め、立ち直りは極めて困難になる。
 厚生労働省が今月、都内で開いた依存症対策のイベントに、清原和博元プロ野球選手が登場した。覚せい剤取締法違反罪で有罪判決を受けて以来、公のイベントに姿を見せるのは初めてという。
 現在は薬物依存症の治療を受けている。「いろいろな人々に支えられ、身近な人に正直にものを言えるようになったことが一番変わったことだと思う」と語った。
 再犯防止、そして乱用予防にも、正直に弱さを分かち合える仲間とのつながり、居場所が不可欠だ。薬物の危険性に理解を深める啓発強化と、生きづらさを抱える人を孤立させない地域づくりを、両輪で進めたい。


「私たちは人間です」。入管施設の悲惨さを訴え、被収容者が飛ばした紙飛行機に書かれたメッセージ
「外から聞こえる激励の声が唯一の楽しみ」と語る被収容者
 3月1日、港区にある東京入管前で、収容されている外国人を支援するグループSYI(収容者友人有志一同)による入管抗議行動と、被収容者に対する激励行動が行われた。
 長期収容による精神的ストレス、病気やけがをしてもなかなか病院に連れて行ってもらえない医療ネグレクトの問題。給食が冷たくて(時には腐っていて)、虫や髪の毛がたまに混入しているような劣悪な食事。難民として逃げてきたり日本人配偶者がいたりするなど、母国へ帰れない理由がある人々にまで「帰れ」と強要する姿勢。どれをとっても問題が大きい。
 収容中は何もすることのない被収容者たちの多くは「たまに外から聞こえてくる激励の声が唯一の楽しみになっている」と、筆者が面会に足を運ぶたびにそう話してくれる。この日も、いつものように声の限りを尽くしや支援者たちは、鉄格子の見える入管の建物の窓に向けてエールを送っていた。
 すると、建物から支援者の名を力強く叫ぶ声が聞こえた。見上げると、どこからともなく紙飛行機が落ちてきた。全部で6通あったが、いくつか窓のサンなどに引っかかってしまった。地面を探し回り、なんとか3通のみ回収することができた。
「どうぶつみたいにあつかっているとしか思えない」
「収容でされている人はこの生活すごして1年いじょう。とてもつらい、くるしい生活を送っている。それでも入国管理局の人たちや局長は私たちの事がどうぶつみたいにあつかっているとしか思わない。
 家族や友だちがそとでまってくれている大事な人たちは、私たちとおなじくらいつらい想い日々すごしていると感じます。
 そのせいで私たち収容でされている人たちがいこく人はじさつを考えじっさいになくなっている方もいる。それは私たちで収容されている人の家族や友人を考えると、とんでもなくくるしみ、つらいとしか想わない。それもこわいです。
 いつか私たちおいこまれてくるしんで生きていくじしんをなくなり、自分の人生あきらめていく(かもしれない、と考えながら過ごす)日々はこわいです。助けて下さい。助けて下さい」
「助けて下さい。私たちは人間です」
「入国管理局で日々すごしているがいこく人は100%の自由のないまま日々すごしてストレスを沢山たまって、おおくのがいこく人はせいしん、あたまおかしくなりくるしんでいます。
 この生活の中でやる事は何もありません。だから毎日、家族や友人の事、自分の事を考えるしかありません。その生活の中で考えると、それにこたえる事が出来ない入国管理局長が、私たちはどうぶつみたい、メシをあたえておわり。びょうきになったら薬、ちゃんとしたてつづきはない。生きるかしぬの日々をすごし、いつこの生活がおわるのだろうと日々考え、つらいでくるしい毎日。
 私たちは人をころしていません。もちろんけいむしょ行った人もいます。でもちゃんとはんせいしている人もいる。それだけやない。なんみんの人もいる。それを考える入管かんけんしゃは心はまったくありません。どうか、助けてください。
 私はFREE USHIKUやODAさん中村さんのおかげで、おくのがいこく人が頑張っている。私はその中の一人でかんしゃします。これからもよろしくお願いします。助けて下さい。私たちは人間です」 紙飛行機に書かれたメッセージ3「ヒトラ のやりかた やめろ! いのちを まもろ! 私 つまと うまれたばっかりの赤ちゃん 二日れんらくない。いのちち たすけて。かぞく ばらばらしないでください。にんげん まもろ! 私も さいせんてき(精神的)に だめになってる」
被収容者と支援者の、目には見えない深い絆
真っ逆さまに落ちていく、メッセージの入った紙飛行機。そのうちのいくつかは、窓のサンに引っかかってしまった
 その後、筆者が面会に入ると、ある被収容者はこう話した。 「いつも外から私たちのために頑張ってくれているから、自分たちも話し合って何かしようと決めました。日本語を書ける人たちで、みんなの気持ちを書きました」
 フリータイムの部屋に、手首がなんとか出せる程度の隙間があって、そこから投げたそうだ。「入管の前で抗議行動をしても無意味」ともいう人もいる。言いたいことは良くわかる。しかし、このように被収容者と支援者の間で、目には見えない絆が深まることもある。
 和田雅樹入国管理局長(当時)は昨年2月28日付、「送還の見込みが立たない者であっても収容に耐えがたい傷病者でない限り、原則、送還が可能となるまで収容を継続」と、全国の収容施設長らに文書を送った。このことにより収容が長引くようになり、仮放免が出ることはほとんどなくなってしまった。その背景には東京オリンピックの開催があると言われている。
 彼らの悲痛の訴えを乗せた紙飛行機を、すべて拾うことができなかったのが心残りでならない。せめてこの3通の手紙を、できるだけ多くの日本人に見ていただけたら幸いである。 <文/織田朝日>


岡村、今田、ジュニア「お笑い芸人は薬物をやらない」自慢の無自覚な隷従! 一方、ウーマン村本はひとり…
「お笑い芸人は薬物をやらない」。いまだ連日テレビを賑わせているピエール瀧のコカイン逮捕報道。そんななか、やたら語られているのが「お笑い芸人は薬物をやらない」という説だ。当のお笑い芸人たちがワイドショーやラジオで盛んに口にしている。
 ナインティナイン岡村隆史は、3月15日深夜放送の『ナインティナイン岡村隆史のオールナイトニッポン』(ニッポン放送)で、芸人が薬物をやらない理由をこう推測してみせた。
「こういうのに手を出すと、ずっと言われるじゃないですか、『結局コイツ、クスリの力でおもしろいこと言うてたんや』って」
「笑いがウケたときの気持ちよさが(ドラッグに)勝っていると思うねんな。今日ウケたわ、気持ちええわとなるとおいしいお酒飲めたりするのが一番気持ちええな」
 また土田晃之も15日放送『バイキング』(フジテレビ)で「芸人では聞いたことがない」「(薬物で捕まった人は)いないと思いますね」などと力説。土田は2017年にKAT−TUNの田中聖が大麻取締法違反で逮捕された(証拠不十分で不起訴処分)ときも、「ドラッグの話は芸人では聞かない」「芸人で薬をやるやつはいない。万が一いたら、それはつまらないやつ」などと、この「芸人薬物やらない説」を唱えていた。
 千原ジュニアも、17日放送『Abema的ニュースショー』(AbemaTV)で「お笑い芸人は絶対に薬はやってない」と主張。吉本興業では天下りしてきた元警察官により数カ月に1度コンプライアンスについて講義を行なっているといい、その元警察官の「これだけ人数がいて、これだけの団体で、これだけ薬物が入っていないのは不思議だ」「給料400円、500円で10年、20年もやり続けるなんて君たちはある種、すでにジャンキーだ。笑いという麻薬を知ってしまったから、止められない。ただ薬物に手を出す必要もない」などという発言を紹介した。同番組に出ていたドランクドラゴンの鈴木拓もこのジュニアの発言に同調し、「お笑い芸人は一人もやっていない」と断言した。
 さらに今田耕司は、23日放送『特盛!よしもと 今田・八光のおしゃべりジャングル』(読売テレビ)で、「おもしろいことは、いかにクリアな頭で考えて、計算して笑い取るかということ」「僕らが尊敬している人はやっていないんですよ。やりたくもないし、やってる人を尊敬もしてないし」「音楽をやってる人はビートルズが好きな人ですから。ビートルズはやってる。やってる人を神のように崇めているジャンルですから、一生オレらとは話は合わんと思う」などと、ビートルズや音楽というジャンル全体を引き合いに出し、お笑いと薬物がいかに無縁かを語ってみせた。
 こんな調子でお笑い芸人たちが口々に「お笑い芸人は薬物をやらない」と胸を張り、それをまるでお笑いの持つ「優越的な本質」であるかのように自慢しているのだ。
 しかし、これ、ちょっと恥ずかしすぎないか。薬物で逮捕されたケースは少ないのかもしれないが、海外では、薬物のオーバードーズで亡くなったブルース・ブラザーズのジョン・ベルーシなど、ドラッグをやっていたコメディアンはいくらでもいる。
「笑わせる快感がドラッグより勝っている」論の頭の悪さ
 それに、芸人はドラッグをやっていなくても、他の犯罪や不祥事はいくらでもある。酒がらみの事件、性的暴行や強制わいせつなど、女性に対する性犯罪や女性側が泣き寝入りしたり事件化こそしていないだけでそれに準ずる不祥事も枚挙にいとまがない。警察沙汰にこそなっていないが、合コンを巡ってセクハラや性暴力まがいの実態が報道された芸人は数多くいる。
 たまたま薬物犯罪が少ないことを自慢しているヒマがあったら、お笑い界の女性蔑視体質を一刻も早くあらためるべきだろう。それとも「クスリはダメだけど、性犯罪はOK」というのがお笑い芸人共通の価値観なんだろうか(そういえば、松本人志は、薬物で逮捕されたピエール瀧の作品はNGで、強制性交で逮捕された新井浩文の作品はOKとでもいうような転倒したことを言っていたが……)。
 さらに、芸人が薬物をやらない理由として、多くの者が「お笑いがウケたときの快感がドラッグより勝っているから」などと言っているのも意味不明だ。それを言うなら、ミュージシャンのライブだって同じ。むしろこれまで薬物で逮捕された国内外のミュージシャンたちのライブのほうがはるかに規模も大きく快感も大きいだろう。
 岡村の「クスリの力でおもしろいこと言うてたって言われるのがイヤ」発言や今田の「おもしろいことは、いかにクリアな頭で考えて、計算して笑い取るかということ」発言にいたっては、松本人志のドーピング発言同様、表現に対する意識の低さを露呈するものでしかない。
 音楽、文学、映画、美術……古今東西あらゆるジャンルの表現や創作は、現状の社会の法律や倫理の枠に収まらない人間の狂気によって生まれ、そのことでいまある社会からこぼれ落ちている人間を救ったり、既存の価値観を壊し世界を更新させてきた。そのなかにはもちろん、薬物やアルコールに溺れた作家もいたが、だからといって、その作品に価値がないなどというような論評は、これまで聞いたことがない。
 そもそも創作活動は、様々な外的要因・内的要因の影響を受けるもので、どのファクターがどう作品に影響しているかどうかなど、明確に規定できるものではない。それを「ドラッグやってるから」とか「ドーピング」などと決めつけるのは、頭が悪すぎるだろう。
「クリアな頭で計算」などと言うが、本当に世の中の価値観をひっくり返すような新しい作品や突き抜けた作品は「計算」だけでは決して生まれえない。一般常識から逸脱する一種の狂気のようなものが必要なことは歴史が証明している。
 お笑いが「計算からしか生まれない」という主張は、むしろ、現在のお笑いがいかに予定調和でつまらないかを語っているようなものではないか。
ウーマン村本は「小器用なテレビ芸に薬物を使う必要ない」
 このように、「お笑い芸人は薬物をやらない」説はツッコミどころ満載なのだが、そんななか、この馬鹿げた仮説に異論を唱えた芸人がひとりだけいる。ウーマンラッシュアワーの村本大輔だ。村本は3月19日夜、noteにこんな投稿をした。
〈芸人は薬物をやらない
笑わせるのは薬物以上に気持ちいいから
と言われてるらしい
人の理解を超える作品を作ってる人がいない
要は覚醒してるような作品を作ってない、小器用なテレビ芸に薬物を使う必要ない
もちろん全員が全員じゃない話〉
「芸人は薬物をやらない」説と違って、この村本の主張に賛同している芸人は今のところ見当たらないし、むしろネットではいつものように総攻撃を受けている。
 しかし、村本の指摘は的を射たものだ。現在、テレビや芸能界の中心でつくられているお笑い番組は、視聴者もよく見知ったいつもおなじみの芸人たちが、演者同士の人間関係をベースに、お互いに空気を読み合い、破綻しないトークを行い、そのなれ合いの空気のなかに楽しさを見出す「小器用なテレビ芸」に終始しており、ゼロから何かを生み出すようなクリエイティビティはほとんど失われている。
 村本の言う通り、今はほとんどの芸人が「人の理解を超える作品」「覚醒してるような作品」を創作などしていないのだ。
 創作の苦しみと本当のよろこびは、ウケるかどうかわからない、もしかしたら大外したり寒くなるかもしれないギリギリのところにチャレンジして、それを突破してこそ得られるものだ。しかし、予定調和のなかでの「ウケる快感」に満足しているのであれば、村本の言う通り、そんなテレビ芸に薬物などそもそも「必要ない」。
「ウケる快感」などと言っているが、彼らは本当の意味で「創作することの快感」をわかってないのだ。
「ドラッグやってない」自慢の芸人と権力批判できない芸人
 そう考えると、今回、お笑い芸人たちが揃いも揃ってこういう発言をしたこと自体が、今のお笑いのサムい状況を物語っているといえるだろう。 
 お笑いというのは、本来、既存の権威や常識を疑い、大衆の価値観をひっくり返すものだ。
 今回のピエール瀧事件にしても、ドラッグや麻薬という、明確な被害者もおらず、国によっては合法だったり非犯罪化も進む薬物事件の容疑者をここまで「極悪人」として吊し上げること自体が異常なことだろう。
 別に、ドラッグや麻薬を肯定する必要はないが、少なくともお笑い芸人なら、むしろ「法を破ったものは厳しく糾弾されなくてはならない」というムラ社会体質の同調圧力こそを笑い飛ばすべきだ。
 ところが、ワイドショー芸人たちはこの「村の掟」になんの疑問も持たず、あまつさえ同調圧力を強化するスピーカーの役割すら果たしている。
 本サイトではこれまで、お笑い芸人がなぜ権力批判できないのか、ということを何度も論じてきた。既存の法律に疑問を抱くことなく薬物犯罪に目くじらを立てること、もっと危険で大きな悪を犯している権力を批判することなく応援すること。この2つは根っこでつながっているのではないか。
「お笑い芸人は薬物をやらない」と自慢する風潮に異を唱えたのが、村本ひとりだったというのは決して偶然ではないだろう。(本田コッペ)


アパホテルが官邸・国会そばの新ホテルから歴史修正主義を発信! 自民講演で安倍絶賛のバノンもPRに協力
 これぞ「日本の中心で歴史修正主義を叫ぶ」ってヤツだろう。あのアパホテルが3月19日、新たなホテルをオープンさせた。「アパホテルプライド国会議事堂前」。その名の通り、国会議事堂や首相官邸の真裏、議員会館までも歩いて1分ちょっとという立地。「全客室の高級化」「アパホテル最上級グレード」を謳った、アパのなかでももっとも高級なホテルの第一弾らしい。
 しかし、アパグループといえば、田母神俊雄サンや自民党の杉田水脈衆院議員らを輩出した「真の近代史観」懸賞論文の主催で知られる“極右界隈のタニマチ”。そして、アパグループ代表の元谷外志雄氏自身もゴリゴリの右派歴史修正主義者で、2016年には、その元谷氏が「南京虐殺はなかった」などと主張した歴史修正本がアパホテルの客室に設置されていることを外国人観光客が指摘、国際問題に発展。さらに、その後はユダヤ陰謀論まで展開し、海外メディアで批判を浴びた。
 そんなアパが、日本の政治機能の中心地にホテルをおっ立てたのである。立地を考えると、このホテルには、首相官邸や議員会館に出入りする人間が数多く宿泊するはずだ。要人はさすがに利用しないだろうが、海外の政府関係者やジャーナリストが泊まる可能性もあるだろう。もし、アパがこのホテルにまで例の元谷本を置いていたら、日本の政治の中心から世界に向けてリビジョニズムが発信される恥ずかしい事態になりかねない。大丈夫なのか、と心配になり、オープン初日、一般客として宿泊してみた。
 ちょうど日が落ちた永田町。デモで賑わう議員会館の前を通り、国会議事堂を望む交差点の坂を下ると、「APA」の文字が光る真新しい建物が見えてくる。玄関前には、ホテル開業を祝う花、花、花。だが、気になったのは、祝花の送り主にマスコミの名前がたくさんあったことだ。思想が一致している産経新聞はもちろん、テレビ朝日、テレビ東京、フジテレビ、読売テレビ、毎日放送といったキー局の名前まであった。
 アパがマスコミに大量の広告を出稿するスポンサーであることは知っていたが、社会の公器たるテレビ局が歴史修正主義を拡散するホテルにここまで露骨にしっぽをふっているとは……。こみ上げる怒りをなんとか抑えて、建物のなかへ入っていく。
 すると、目の前に広がったのは、まさに「最上級グレード」な空間……と言いたいところだが、ウェスティンとかハイアットみたいなの想像してはいけない。ロビーも広くはないし、チェックインシステムは機械化され、インテリアも普通のアパホテルより豪華という程度。ようするに“ゴージャスなビジネスホテル”という感じである。
 ただ、やたら目立っていたものがふたつあった。ひとつは、シャンデリア。不似合いなくらい派手なシャンデリアが、エントランスとロビーにたくさん吊り下げられている。
 そしてもうひとつは、ロビーのど真ん中にあった。大きな台がしつらえられ、そのうえに、例の元谷代表が「南京虐殺はなかった」という主張をした「藤誠志」名義の著書『理論近現代史学』シリーズが、ズラリと陳列されていたのである。
 まるで宿泊客を出迎えるようかのように存在感を発揮しているこれらの本は、フロントに聞くと誰でも購入可能だという。前述したように、アパは元谷氏の著書を客室に置いていたことで国際問題化したが、その際もHPで“反論声明”を出し、撤去を徹底拒否していた。しかし、まさか「ロビーの中心で歴史修正主義を叫ぶ」ところまでエスカレートしていたとは……。
 当日、ロビーには観光客とみられる欧米人やアジア系の人々もいたが、彼らの目に、これらの歴史修正本はどのように映っていたのだろうか。
「アパプライド国会議事堂前」の部屋にも置かれていた元谷代表の歴史修正本
 早くも危惧が的中したことにげんなりしながら、チェックインの手続きを済ませ、今度は部屋へ。すると、やっぱりここにもあった。筆者が泊まった「スタンダードルーム」は普通のビジネスホテルぐらいの広さの部屋だったが、なんとベッドの真上に小型のシャンデリアが吊り下げられていたのだ。そういえば、予約の時に「アパプライドって普通のアパホテルとどう違うんですか?」と聞いてみたら、速攻で「シャンデリアがついてたりします」という答えが返ってきた。どうも、これが「最上級グレード」とやらの正体らしい。
 いや、すまん。シャンデリアのことなどどうでもよかった。部屋で見つかったもっと重大なものは、例の『理論近現代史学』シリーズ。引き出しの中などでなくサイドデスクのうえに、歴史修正本がむき出しで置かれていたのである。
 しかも、よくみると、ラインナップが更新されていた。『理論近現代史学』は機関誌「Apple Town」の連載をまとめたものでシリーズ化されており、“南京事件や従軍慰安婦は捏造だ”とする内容が海外で問題視されたのはシリーズのII。だが、「アパホテルプライド国会議事堂前」の客室には、問題発覚以降に刊行されたIIIとIVが置いてあった。
 IIIとIVははじめてお目にかかったので、読んでみたのだが、その内容は批判を受けて抑制されているのかと思いきや、逆。もっととんでもないことになっていた。
 まず、IIIの「まえがき」からすごい。元谷氏は例の騒動について、〈多くの日本のメディアが「謝罪をしないのか」「書籍を撤去しないのか」などと、アパが何か悪いことをしたかのように取材を申し込んできた〉とメディアを非難する一方、自らの「南京大虐殺はなかった」という主張について〈これまで具体的な根拠を示して反論してきたものはなかった〉と強弁。こう続けていた。
〈中国は「南京大虐殺はなかった。」という主張に対して反論できなかったことで、今後、「南京大虐殺」を日本を批判する歴史カードとして使うことはできなくなった。これまで中国が日本の首相をはじめとする政治家による靖国参拝を批判したり、多額のODAを要求したりしてきた根拠は、日本が中国に侵略し、南京をはじめ多くの都市で残虐行為を行ってきたという一方的な歴史観であったが、その根拠が崩れたのである。〉
 ちょ、ちょっとまってくれ。元谷代表は「具体的な根拠を示して反論してきたものはなかった」と言うが、「南京大虐殺はなかった」というのはとっくのとうに反論されているトンデモであるし、本サイトでも当時、元谷氏の主張を具体的に検証した記事(https://lite-ra.com/2017/01/post-2862.html)を出している。ところが、元谷代表はどういうことか一方的に勝利宣言をして、しかも大日本帝国による中国侵略の否定にまで飛躍させているのである。
部屋にあった元谷代表の新著に「メディア規制」と「北朝鮮への空爆」の主張
 妄想世界で生きているとしか思えないようなリビジョニストっぷりだが、同書には従来同様、ご丁寧にも英訳がつけられており、ほかにも“真珠湾攻撃はルーズベルトの自作自演”とか“先の大戦は日本を叩く白人国家の謀略だった”というような例の陰謀論が繰り返されている。
 前述した外国人観光客がこういう元谷代表の主張を読んだかと思うとぞっとするではないか。
 しかも、これら元谷氏の本に顕著なのは歴史修正主義だけではない。安倍政権の擁護・絶賛を連ねて“安倍首相による改憲”の必要性をこれでもかと訴えているのだ。
〈日本が中国に支配される平和ではなく、力の均衡による平和を維持していくためにも、安倍政権の下で憲法改正を実現し、日米同盟を片務的なものから双務的なものへと変えることで、真の独立国家とならなければならない。〉(『理論近現代史学III』)
〈安倍首相には、自虐的メディアを規制して、支持率を高め、是非来年の総選挙に勝って三期九年の任期を得て、改憲に邁進してもらいたいと、切に願っている。〉(『理論近現代史学IV』)
 あろうことか、“政権に批判的なメディアを規制しろ”とまで主張する元谷代表。さらに、『理論近現代史IV』にはこんな記述もあった。
〈私は朝鮮半島核危機の日本にとっての最善の解決策は、常々主張しているようにアメリカが公開限定空爆を行うことだと思う。〔中略〕安倍首相がトランプ大統領に言うべきは、朝日新聞の社説とは正反対のことなのだ。そうしなければ、世界で唯一の被爆国である日本は、三発目の核攻撃を受ける脅威を未来永劫感じ続けなければならない。もし破壊が叶わないのであれば、日本も核武装をする必要がある。〉
 なんと“トランプ大統領に北朝鮮の公開限定空爆を進言すべきだ”などと主張していたのだ。
 なんどでも繰り返すが、こんな“極右・歴史修正主義”丸出しの政治的主張をするホテルが日本の政治機能が集中する地のど真ん中、首相官邸や国会議事堂の真裏にオープンしたのである。客層を考えれば、「日本はリビジョニストの国」という悪いイメージが世界中に広がりかねないだろう。
バノンが自民党の講演会のあとにアパプライド国会議事堂前を視察
 もっとも、アパホテルプライドのオープンは、安倍首相や自民党がお墨付きを与えていた可能性もある。
 というのも、今月、トランプ政権で大統領首席戦略官を務めたスティーブ・バノンが来日、自民党本部で講演を行い、「安倍首相は偉大なヒーロー」と絶賛したが、このバノン来日じたいが、アパホテルプライドのプロモーションと連動していたフシがあるからだ。
 実際、バノンは自民党の講演会の後、元谷代表と「Apple Town」用の対談を収録、アパグループ東京本社での特別講演会を行い、アパホテルプライドを視察していた。
 しかも、アパ本社でのバノン講演会の司会を担当し、アパプライドの視察に同行したのは、安倍首相の右腕のひとりである河井克行・党総裁外交特別補佐だったのだ。
 もともと、元谷代表は「安倍首相のビッグサポーター」といわれるほど、安倍首相と近い。かつては安倍氏の秘密後援会「安晋会」の副会長を務め、安倍氏が首相として再登板した第二次政権ではサポートを大々的に公言して実行。2017年の総選挙では、元谷代表が名誉会長を務める「アパ・コーポレートクラブ」が、稲田朋美防衛相(当時)や下村博文・元文科相といった安倍側近議員をはじめとする改憲派候補者を「『誇れる国、日本』の再興のために活躍して頂ける政治家」として推薦し、応援を呼びかける文書を取引先である大手企業に送るといった露骨な活動も展開していた。
 そう考えると、アパの新ホテル「アパホテルプライド」は、元谷代表が安倍首相の意向を代弁するかたちで、歴史修正主義と改憲路線を世界に発信するために、確信犯的につくった施設の可能性もある。
「プライド」というのは、歴史修正主義者たちが「自虐史観」と対比させる形で好んで使う言葉だ。官邸裏に屹立するアパホテルプライドは、安倍政権と極右歴史修正主義との爛れた関係を象徴しているといっていいだろう。

正宗/散歩で天文館/三陸鉄道リアス線開業

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末の松山・多賀城190312

Japonais à Volonté : Quand virtuel et réel ne font qu'un, l'univers étonnant des Virtual Youtubers !
Elle est japonaise, a de grands yeux verts et un petit ruban rose qui ne quitte jamais ses longs cheveux bruns. 2,4 millions de personnes la suivent sur YouTube, elle a déjà organisé deux concerts à Tokyo et Osaka et a récemment été débauchée par l'office du tourisme japonais pour promouvoir le Japon à travers ses vidéos... alors qu'elle n'est même pas humaine ! Elle se nomme Kizuna AI et est la "Virtual Youtubeuse" la plus célèbre du monde. Aujourd'hui, pour cette nouvelle chronique en direct de Tokyo, je vous parle de ce phénomène typiquement japonais.
Rudy Jean-François est notre spécialiste des jeux japonais, qui alimente régulièrement les pages import de Gameblog avec des tests, news et autres dossiers. Il s'est désormais expatrié au Japon, où il travaille et vit pleinement sa passion pour les okonomiyaki et les jeux vidéo nippons. Quand il ne joue pas à Splatoon 2 sur sa Switch à Tokyo, il danse la salsa, joue de la guitare basse, anime un podcast sur les rencontres à l'ère digitale ou partage quelques bribes de vie japonaise sur son compte Twitter @Rudy_JF. En plus des tests import dont il nous fait toujours profiter, vous pourrez retrouver ici, chaque mois, une chronique sur les nouvelles tendances et toutes les choses intéressantes qui surprendront son quotidien de Français du Japon.
Virtual Insanity
Les Virtual Youtubers, ou V-Youtubers pour les intimes, sont des avatars en 3D ou en 2D dont la popularité n'a cessé de croître sur le Youtube nippon ces deux dernières années. Tout comme leurs homologues humains, les avatars les plus célèbres ont des fans qui les suivent sur les réseaux sociaux, ils vendent des goodies à leur effigie et décrochent même des partenariats avec les plus grandes firmes japonaises !
La plus populaire d'entre eux s'appelle Kizuna AI, un avatar en 3D au style manga qui adopte les traits et la voix d'une jeune fille de 16 ans. Elle publie tous les jours du contenu grandement inspiré des vloggers classiques que l'on retrouve dans la section "Trending" de YouTube. Ses vidéos alternent entre des Let's Play, des retours sur l'actualité locale ou encore des vlogs plus triviaux où elle partage ses humeurs du moment avec ses fans, qui lui répondent avec amour et enthousiasme dans les commentaires.
Du haut de ses 2,4 millions d'abonnés amassés en à peine deux ans, Kizuna AI est LA Virtual Youtubeuse la plus populaire du monde, menant la marche pour des milliers d'avatars prêts à envahir YouTube. En décembre 2018, userlocal.jp, site spécialisé dans le référencement de V-Youtubers, recensait déjà plus de 2.000 chaînes de V-Youtubers, alors qu'il n'en existait qu'à peine le quart au début de la même année. Une tendance qui ne semble pas ralentir de sitôt !
Quand Barbie inspire la pop culture japonaise
Bien que Kizuna AI soit la Virtual Youtubeuse la plus célèbre du moment, ce n'est pas elle qui fut à l'origine de ce mouvement. La première V-Youtubeuse est une Japonaise nommée Ami Yamato. Par le biais d'un personnage en 3D qui semble tout droit sorti d'une production Pixar, elle diffuse depuis 2011 sur la plateforme de Google des vidéos de son quotidien en tant qu'expatriée en Angleterre. Avec ses 136.000 abonnés accumulés en 8 ans, Ami Yamato est loin du succès rencontré par les top Vtubers actuels, mais il est important de rendre à César ce qui est à César.
La seconde V-Youtubeuse dont je me dois de parler sur Gameblog.fr, site pour joueuses et joueurs invétérés ayant platiné tous les titres AAA sortis lors de la dernière décennie, est nulle autre que... Barbie ! En 2015, un an avant l'ouverture de la chaîne de Kizuna AI, une Barbie réalisée en images de synthèse faisait ses débuts en tant que vlogueuse sur Youtube. Contrairement aux idées reçues, elle traite avec justesse et intelligence de sujets sensibles pour les femmes et jeunes filles de notre époque. Ces publications ne sont pas passées inaperçues et sont régulièrement partagées sur les réseaux sociaux et sites de lifestyle outre-Atlantique.
Ces deux Vtubers partagent une caractéristique commune qui les distinguent de Kizuna AI et autres Vtubers en vogue au Japon. Ami Yamato et Barbie sont animées "à l'ancienne", c'est-à-dire que leurs mouvements et expressions sont réalisés avant qu'une interprète donne sa voix à l'avatar, comme une doubleuse le ferait pour un personnage de film d'animation. À l'inverse, les Virtual Youtubers japonais utilisent des techniques de capture des mouvements, ou motion capture pour les puristes, afin de faire bouger leur avatar en temps réel, de la manière la plus réaliste possible.
Gears of Vtubers
La démocratisation et la baisse des tarifs de l'équipement indispensable à la création et l'animation des avatars virtuels sont à l'origine de la multiplication récente des chaînes de V-Youtuber.
Pour vous donner un ordre d'idée, le film Final Fantasy : The Spirits Within, sorti en 2001 et dont la quasi-totalité des mouvements des personnages a été réalisée en utilisant la technique de motion-capture, avait coûté la coquette somme de 107 millions de dollars à réaliser (budget marketing exclu). Aujourd'hui, pour un résultat certes moins impressionnant, il est tout de même possible de créer ses propres performances dans sa chambre, à l'aide de la motion capture, avec un simple ordinateur et une webcam, et ce sans risquer de couler financièrement l'un des plus grands développeurs de jeux vidéo du monde !
Les applications et logiciels permettant de donner vie à l'avatar de ses rêves sont nombreux et aisément accessibles. De VR Chat à Facerig en passant par Vroid, il n'a jamais été aussi simple de lancer sa chaîne de V-Youtuber.
La qualité de l'animation des avatars et des mouvements de ces derniers dépendra ensuite de l'équipement utilisé. Une simple webcam permet déjà de reproduire fidèlement de simples expressions faciales et hochements de tête. En utilisant en plus des devices tels que la caméra Realsense d'Intel ou des contrôleurs avec reconnaissance de mouvements intégrée comme ceux du Vive ou de l'Oculus, on peut également mouvoir ses bras, poignets voire ses doigts. Enfin, celles et ceux prêts à vivre l'expérience de V-Youtuber ultime peuvent se procurer une combinaison professionnelle de motion capture afin de prendre entièrement le contrôle de leur avatar.
C'est d'ailleurs le type d'équipement qu'utilisent de nombreux V-Youtuber. Derrière le faciès pixélisé de l'avatar se trouve un acteur équipé d'une combinaison intégrale dédiée à la motion capture, afin de permettre à son avatar de reproduire tous ses mouvements. Pour produire des expressions faciales aussi réalistes que possible, une caméra, montée sur la tête de l'acteur, enregistre directement les mimiques de son visage et les mouvements de sa bouche. Enfin, un micro lui permet de prêter sa voix à son personnage virtuel.
En écrivant cet article je réalise que je suis en train de décrire le contexte dans lequel se déroule le livre Ready Player One, mais il faut admettre que c'est un avenir vers lequel on pourrait tendre. Après la création de nos identités en ligne via nos comptes Facebook ou Instagram, il semble naturel que la prochaine étape soit la création d'un avatar, ou d'une enveloppe charnelle virtuelle, qui nous permettrait de matérialiser concrètement nos personas virtuelles sur les internets.
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大島堅一 @kenichioshima
今さらどうして原発に支援策が必要なのでしょうか。そもそも原発依存度を下げるのが安倍政権の方針ですよ。→原発支援へ補助制度案 売電価格上乗せ 経産省検討:朝日新聞デジタル

朝イオンに行って正宗買いました.
ひとりでのんびりして,ピーナツ豆腐食べたりしました.
いい天気なので,訳もなく天文館まで歩きました.
天保町から錦江町,そしてドルフィンポートを通って山形屋近くのダイソーそして中央町の共研公園を通って帰りました.
夕方メールで目が覚めました.
今日は三陸鉄道リアス線開業のニュースをたくさんやっていました.今年の夏にでも行けたらいいなと思っています.

震災8年「学校防災」「テレビ報道」考える
 東日本大震災の津波で多くの犠牲を出した宮城県石巻市立大川小学校の児童の遺族らが、23日に仙台で学校防災の重要性を訴えました。
 津波で児童ら84人が犠牲となった宮城県石巻市の大川小の遺族らが参加した学校防災フォーラムでは、大川小で娘を亡くし、震災後、語り部としても活動している佐藤敏郎さんが、当時の状況を説明しながら、悲劇を二度と繰り返さないでと訴えました。
 一方、東日本大震災とテレビ報道について考えるシンポジウムも仙台で開かれ、被災地で取材を続ける放送記者やディレクターが意見を交わしました。このシンポジウムは、震災から8年が過ぎた今こそ、報道の課題について話し合おうと開かれました。会場では、県内の各放送局が制作した大震災に関する番組も上映されています。上映会は、24日も開かれます。


「旧門脇小の保存方法再考を」石巻の住民団体、市長に要望書提出
 石巻市が東日本大震災の遺構として部分保存する方針の旧門脇小を巡り、地元住民でつくる「全体保存を要望する会」は22日、校舎の残し方について再考を促す要望書を亀山紘市長に提出した。81.4%が全体保存に賛同した独自の意向調査結果も示した。
 要望する会の本間英一さん(70)と阿部豊和さん(67)、渡辺和俊さん(67)が市長室を訪れた。本間さんは「旧門脇小周辺も状況が変わり、住民の考えも当時とは変わった。行政だけが変化に対応できず、そのまま進めようとしている」と訴え、要望書を手渡した。
 亀山市長は「伝承委員会、伝承検討会議で積み上げてきた議論が振り出しに戻るのが非常に残念」と話すと、本間さんは「振り出しではなく、より良くするための進歩だ」と反論した。
 要望内容はアンケートなどで住民、関係者の合意を確認することや、市長1人の判断ではなく再び市震災伝承委員会や市民の意見を聞くことなど4点。
 復興庁への住民合意に関する適切な説明と、全体保存にかかる費用の明示も求めた。市は検討した上で文書で回答する。
 要望する会は地元町内会長を務める本間さんらが2月5日に設立。独自アンケートで住民らに部分保存か全体保存のどちらを希望するかを尋ねた。20日現在で420人から回答があり、全体保存が342人(81.4%)で部分保存の42人(10.0%)を上回った。


女川町の復興計画完了で、あす最後の復幸祭
 東日本大震災で甚大な被害を受けた宮城県女川町の中心部で24日、「復幸祭2019〜復興の向こう側へ」(実行委員会主催)が開かれる。8年続いた祭りは町の復興計画期間の終了に合わせ、今回で幕を下ろす。
 町内外の飲食店が女川の食材を使った料理を販売するほか、せっけん作りなどの体験コーナーを設置。人気バラエティー番組「水曜どうでしょう」のディレクターらのトークショー、地元団体による太鼓演奏などのステージがある。祭りは午前9時半〜午後4時。
 23日には津波避難の教訓を後世に伝えようと13年に始まったイベント「津波伝承 女川復幸男」を開催。町に津波が到達したとされる午後3時32分にJR女川駅近くをスタートし、高台の白山神社を目指し424メートルを駆け上がる。定員300人。詳細は公式サイト(http://onagawa-fes.info)で。


<県民意識調査>「復興実感」に地域差 内陸部は増、沿岸部は減
 東日本大震災からの復旧・復興が進んだと感じる県民の割合が、沿岸部で前年に比べて減ったことが2018年の県民意識調査で分かった。14年以来の減少で、ハード事業が締めくくりに近づく中、地域コミュニティーの再生や被災者の心のケアなど現在の課題に不満を抱く被災者の姿が浮き彫りになった。
 沿岸15市町で復旧・復興が「進んでいる」「やや進んでいる」と答えた割合は前年より0.7ポイント減少し、56.6%だった。県全体は3.0ポイント増の58.7%、内陸部は5.3ポイント増の59.8%で共に4年連続のプラスとなり、沿岸部との受け止め方の差が明らかになった。
 圏域別では気仙沼・本吉が3.8ポイント減の42.4%で唯一、40%台にとどまった。2.8ポイント増の64.8%だった石巻や1.6ポイント増の64.0%だった仙台などと比べ、落ち込みが目立った。
 復興のソフト事業への不満が背景の一つにありそうだ。心のケアを含む「誰もが住みよい地域社会の構築」の施策に対する満足度では、沿岸部の回答者が「不満」「やや不満」とした割合は6.9ポイント増の24.7%。不満を抱く施策の順位は17年の12位から2位に急上昇した。
 トップは「海岸、河川などの県土保全」の27.3%。「ものづくり産業の復興」(22.8%)や「沿岸市町をはじめとするまちの再構築」(22.5%)も上位に入った。
 調査は18年11月下旬〜12月中旬、県内の18歳以上の男女4000人を対象に郵送で実施。2069人から回答を得た。


河北抄
 「朝型人間」になってだいぶたつ。東日本大震災の年からだ。当時、毎朝早くに災害対策本部の会議があり、終了次第行われる記者会見に通っていた。
 長引く停電で、朝刊が届くまでの起きがけの時間はラジオ放送が頼りだった。流れていたのが、NHKの『ラジオあさいちばん』という生の情報番組。軽やかなテーマ曲が耳に残っている。暗く、冷え切った部屋で迎える被災地の一日。「頑張ろうか」という気にさせられた。
 今はなくなったが、先日早起きして車で出掛けた時、同じような番組を聞いて8年前の朝を不意に思い出した。以来、ラジオを枕元に置き、また聞き始めた。
 きのうは放送記念日だった。1925年にNHKがラジオ仮放送を開始。2年前の関東大震災を教訓に、正しい情報を伝えようと事業が進んだという。災害によってメディアは育てられ、今がある。
 テレビ放送とネットが融合する常時同時配信の時代に入る。それに伴う受信料の動向も気になるが、励まされたあの番組なら払ってもいいと思う。あ、ラジオの受信料は要らないんでしたっけ?


デスク日誌 カフェの雑貨
 福島県楢葉町に取材に行くと、昨年開業の公設商業施設「ここなら笑店街(しょうてんがい)」に食事などでよく立ち寄る。入居する「マリデカフェ」の一角に2月、小さな雑貨販売コーナーができた。
 扱うのは東日本大震災の津波被害があった宮城県亘理町で古い着物地の再利用に取り組むWATALIS(ワタリス)の商品。看板商品の巾着袋や髪飾りなど色鮮やかな約10点が並ぶ。
 飲食以外の楽しみも提供したいと店側が企画した。東京電力福島第1原発事故の避難指示解除から3年半。町内に暮らす住民は人口の半数を超えたが年齢層は高い。「おばあちゃんが孫に買ってあげたくなる商品」を探したという。
 被災地を支援する企業が両者を結び付けた。ただ、カフェ運営会社専務の永山忠房さん(39)は「最初から被災地の企業を探したわけではない。狙いにぴったりの商品だった」と語る。
 ワタリス社長の引地恵さん(51)が目指すのも復興グッズではない。「商品単独で価値を感じてもらえるものづくり」だ。両者はスイーツを通じたコラボも検討している。復興応援の先にある持続的な事業のヒントの一つが連携だと感じた。
(いわき支局長 佐藤崇)


デスク日誌 カフェの雑貨
 福島県楢葉町に取材に行くと、昨年開業の公設商業施設「ここなら笑店街(しょうてんがい)」に食事などでよく立ち寄る。入居する「マリデカフェ」の一角に2月、小さな雑貨販売コーナーができた。
 扱うのは東日本大震災の津波被害があった宮城県亘理町で古い着物地の再利用に取り組むWATALIS(ワタリス)の商品。看板商品の巾着袋や髪飾りなど色鮮やかな約10点が並ぶ。
 飲食以外の楽しみも提供したいと店側が企画した。東京電力福島第1原発事故の避難指示解除から3年半。町内に暮らす住民は人口の半数を超えたが年齢層は高い。「おばあちゃんが孫に買ってあげたくなる商品」を探したという。
 被災地を支援する企業が両者を結び付けた。ただ、カフェ運営会社専務の永山忠房さん(39)は「最初から被災地の企業を探したわけではない。狙いにぴったりの商品だった」と語る。
 ワタリス社長の引地恵さん(51)が目指すのも復興グッズではない。「商品単独で価値を感じてもらえるものづくり」だ。両者はスイーツを通じたコラボも検討している。復興応援の先にある持続的な事業のヒントの一つが連携だと感じた。(いわき支局長 佐藤崇)


<三鉄リアス線23日開業・つながる鉄路>(5完)中村社長に聞く/沿岸の相互交流促す
 岩手県沿岸を一本のレールで結ぶリアス線が、23日開業する。利便性向上に沿線住民の期待は大きいが、東日本大震災で疲弊した地域で新路線を維持するには相当の困難も予想される。第三セクター三陸鉄道(宮古市)の中村一郎社長(63)に経営の課題と戦略を聞いた。(聞き手は宮古支局・佐々木貴)
 −開業に向けて意気込みは。
<地域振興に貢献>
 「訓練運転は順調。全国の鉄道ファンから早く乗ってみたいという声が届いており、震災復興と地域振興に貢献したい」
 −利用者増の戦略は。
 「新年度は、県沿岸部を会場とした博覧会『三陸防災復興プロジェクト』や釜石が試合会場の一つとなるラグビーワールドカップ日本大会を控えている。これをてこに実績を伸ばす」
 「JR東日本から移管される旧山田線区間には二つの新駅が整備された。新駅周辺は人口集積が加速しており、震災前より利用が増えるだろう。宮蘭フェリーを利用する北海道からの修学旅行生を主な対象に、震災学習列車も走らせたい」
 −慢性的な赤字経営を危惧する声もある。
 「危機感は大いに持っている。2018年度決算は、リアス線開業準備による支出増が影響して8065万円の赤字見通しとなった。劇的な黒字化は難しいが、少しずつでも赤字を減らしていく」
 −リアス線と並行する三陸沿岸道の整備が進む。
<営業活動に力を>
 「確かに競合する面はあるだろう。自動車専用道の方が速く、三鉄沿線は料金もかからない。ただ三鉄利用客の中心は高校生と高齢者であり、車を利用しない。速さを競うのではなく、三陸道と共に地域振興に貢献していきたい」
 「仙台、八戸などの都市圏から岩手の三陸に来やすくなる点はむしろ好都合。営業活動に力を入れ、企画列車や貸し切り列車をPRして利用増につなげたい」
 −県沿岸が一本のレールで結ばれる意義は。
 「沿岸自治体の相互交流は、必ずしも日常的に行われていなかった。リアス線によって各地を行き来する縦のつながりが促進されるのではないか。経営は苦しいが、地域経済に貢献している自負がある。県内陸部の観光地から人を呼び込むため、横のつながりも強化していく」


三陸鉄道リアス線が開通へ、岩手 震災不通区間8年ぶり解消
 岩手県の第三セクター三陸鉄道の「リアス線」出発式が23日、釜石駅で行われる。2011年3月の東日本大震災の津波で不通となったJR山田線宮古―釜石間が移管され、久慈(久慈市)―盛(大船渡市)の163キロを結ぶ。三セクの鉄道では日本最長となり、同県での震災による不通区間は8年ぶりに解消。
 公募で選ばれた一般乗客や来賓らを乗せた記念列車が、釜石―宮古で運行。24日以降は通常のダイヤとなる。
 釜石駅前でバスを待っていた高校1年高橋萌さん(16)は「隣の大槌町からバスで通学している友人も多く、開通したら便利になるとみんなで話していたい」と目を輝かせた。


三陸鉄道リアス線開通 宮古ー釜石間は8年ぶりの鉄道再開
東日本大震災の被災地、岩手県の沿岸部を縦断する新たな路線、三陸鉄道リアス線が23日に開通し、震災から8年ぶりに鉄道が再開される宮古ー釜石間で記念列車が出発しました。
三陸鉄道リアス線は岩手県の北部と南部の2つの路線にJRから移管された路線をはさむ形でつないで沿岸部を縦断する新しい路線で、全長163キロは第三セクターの鉄道としては全国最長となります。
このうち、移管された宮古ー釜石間は震災後、8年ぶりとなる鉄道の運行再開です。
釜石駅で開かれた出発式で三陸鉄道の中村一郎社長は「震災で被災した地域の移動手段として、交流人口の拡大や活性化を図っていきたい。そして、国内外から多くの人を迎えたい」と述べました。
このあと、公募で選ばれるなどしたおよそ80人の乗客が4両編成の列車に乗り込み、午前11時40分、宮古駅に向けて出発しました。
沿線には災害公営住宅が建ち並ぶほか、ラグビーが盛んな釜石市では、ことしのワールドカップ日本大会で2つの試合が予定されていて、被災者や観光客の利用で地域の復興を後押しすることが期待されています。
友人たちと記念列車に乗車するという釜石市の60代の女性は「8年ぶりの鉄道の開通を心待ちにしていました。車も持っていない高齢者も多いので、日常生活がとても便利になります」と話していました。
地元住民「復興の後押しになってほしい」
記念列車が出発する三陸鉄道釜石駅では、午前10時から公募で選ばれた乗客の受け付けが始まり、長い列ができていました。
友人2人と乗車する市内の60代の女性は「8年ぶりの鉄道の再開なので、とても楽しみにしていました。被災地の復興の大きな後押しになってほしい」と話していました。
また、家族で記念列車を見送りに訪れた釜石市の30代の女性は「リアス線に頑張ってほしいと思って見送りに来ました。日常の生活がとても便利になります」と話していました。
鉄道ファン「きれいな海みたい」
記念列車が出発する三陸鉄道釜石駅では、全国から多くの鉄道ファンが訪れました。
記念列車に乗るという埼玉県の50代の男性は「震災以降、被災地に訪れるたびに、復興が進んでいると感じています。きょうは、真新しい鉄道に乗って、きれいな海をみたい」と話していました。
また、記念列車に乗る花巻市の70代の男性は「うれしいのひと言です。三陸鉄道にはほとんど乗ったことがないので、海を眺めてみたい」と話していました。


三鉄リアス線式典にのんさん あまちゃん演じ「思い入れある」
 本県の第三セクター三陸鉄道の「リアス線」開通を記念する式典が23日午後、宮古市で開かれ、岩手の被災地や三鉄を舞台としたNHK連続テレビ小説「あまちゃん」でヒロインを演じた女優のんさん(能年玲奈から改名)が登場し「三鉄には何度も乗り、思い入れのある列車なので感動した」と笑顔で話した。
 のんさんは特別ゲストとして登場。「復興が進む力強さを感じ、もっと応援したい気持ちになった」と祝い、中村一郎社長に花束を手渡した。
 式典で中村社長は「地域や全国の皆さまに乗ってもらえるよう取り組む」と宣言。参加者が東日本大震災の犠牲者に黙とうした。


被災した岩手・三陸の鉄道、路線バスが支えた8年 「リアス線」開業でどうなる?
東日本大震災により、JR山田線の宮古〜釜石間が不通になってから8年、同区間が三陸鉄道に移管のうえ再開業。その間、鉄道の代替を果たしていた並行区間を走る路線バスは、今後どうなるのでしょうか。
鉄道の代替を担った、ふたつのバス路線
 2011(平成23)年に発生した東日本大震災の津波で被災し、長らく不通だった岩手県内の三陸海岸沿いをゆくJR山田線の宮古〜釜石間が、2019年3月23日(土)に復旧。JR東日本から三陸鉄道に移管され、同社の「リアス線」の一部として再スタートしました。 鉄道が不通だった8年ものあいだ、現地では沿線を走るふたつの路線バスが、鉄道を代替する役割も果たしてきました。北の宮古側を岩手県北バスが、南の釜石側を岩手県交通が運行しており、宮古〜釜石間の中ほどに位置する「道の駅やまだ」(岩手県山田町)で連絡しています。
 震災当時、三陸のバス事業者はほとんどが運行休止を余儀なくされました。使える車両を集めて運行を再開すると、家を失い避難する住民や、現地でのボランティア、作業員などのため、それぞれのバス会社が割引や増発を積極的に行いました。
 特に岩手県交通の釜石営業所は、震災後、バスを無料にし、その後しばらくは釜石市内に1乗車100円均一の路線を設定。地元の人々を運び続けたほか、釜石から浪板(大槌町)までだった路線を前出の「道の駅やまだ」まで延伸し、鉄道が果たせなくなった宮古〜釜石間の連絡を新たに担ったのです。同営業所も津波で建屋とバス20両を失うなか、県内にある別の営業所からの応援を受けて奮闘を続け、乗客は震災前と比べて激増したそうです。
 そして復興が進むにつれ、沿線のおもな街の機能は山側へ移転していきます。岩手県北バスも、山側に建設された住宅への足を確保すべく、新しい路線を何本も走らせました。震災後の特例でバスが緊急車両に指定され、被災の度合いと住宅の整備に合わせて柔軟に路線を設定できましたが、このような特例も事業者側から行政へ提案して実現したといいます。
鉄道復旧で時間も大幅短縮 バスの今後は
 ふたつのバス路線は、JR山田線の定期券や回数券で乗車できる「代行バス」としての役割も果たしてきました(普通乗車券では利用不可)。JR山田線沿線の町からは宮古市内や釜石市内へ多くの生徒が鉄道で通学しており、路線バスはその代替として、「町外への進学」という選択肢を震災前と同様に提供し続けたのです。
 その「鉄道代行」バスとしての措置も今回、JR山田線が三陸鉄道リアス線として再開業することで終了し、通学需要の多くが鉄道へ移ることが予想されます。現在は、震災前と比べて沿線人口が10%から20%ほど減少していることもあり、バスの利用客も減少傾向。特に、岩手県交通の路線バスでは、道の駅やまだ〜釜石駅間の平均乗車人数が2016年時点で4〜5人と、苦しい状況が続いています。
 所要時間の面では、宮古市と山田町のあいだがバスで1時間だったのが、鉄道では40分に、大槌町と釜石市のあいだは、48分が18分に短縮(いずれもおおよその時刻)。バスが今後、どれだけ需要を保っていけるのか未知数なうえ、車両の更新や人手不足の問題など、課題は山積みといえるでしょう。
 こうした変化もあり、岩手県北バスは三陸鉄道リアス線開業の翌日、2019年3月24(日)にダイヤ改正を実施。20往復以上あった宮古駅から「道の駅やまだ」方面へのバスを、半分以下に減便します。岩手県交通も4月1日(月)のダイヤ改正で、釜石から「道の駅やまだ」までの路線を、もともとの終点であった浪板(大槌町)までに短縮のうえ減便。これにより、路線バスを使った宮古〜釜石間の連絡はできなくなります。
 ちなみに、路線バスは鉄道よりも海の間近を走る区間が多く、津波被害の痕跡や、その後に建設された防波堤など、震災の教訓をバスの中から見て学ぶことができます。再開業を果たした三陸鉄道リアス線だけでなく、より生活圏に近い場所を走る路線バスで、復興した街を旅をするのもよいかもしれません。


震災報道で放送記者らが意見交換
NHKと仙台にある民間放送各社の報道担当者が一堂にそろって、東日本大震災の報道について意見を交わす初めてのトークセッションがNHK仙台放送局で開かれました。
この催しは、仙台にある民放4社とNHK仙台放送局が主催して22日から開いている、東日本大震災関連の番組を集めた上映会にあわせて初めて開かれ、各社のデスクや記者が参加しました。
コーディネーター役は、NHKの元解説委員でフリージャーナリストの柳澤秀夫さんが務め、伝え手や取材者としての悩みや、震災取材で大切にしていることなどについて意見を交わしました。
この中で、3・11の日に集中して取材が行われることについて、多くの人が亡くなった命日であり、命を大切にする節目と考える日があってもよい、などという意見があった一方で、自分たちで勝手に節目を作っているジレンマも感じているなどの意見もありました。
また、被災した人たちから信頼されるためにも、ふだんから被災地に繰り返し足を運び、つながりを持ち続けることが大切だという話もありました。
コーディネーター役の柳澤さんは、「大災害の際には、どの社がということではなく、必要な情報がある。いざという時に備えて、日常的に各社の垣根を越えて連携の議論を続けてほしい」と話しました。
東日本大震災関連の番組上映会は、24日も午前10時から午後4時ごろまでNHK仙台放送局で開かれます。


イチロー引退/記録と記憶を刻んだ求道者
 日米の球界で数々の偉業を成し遂げた米大リーグ、マリナーズのイチロー外野手(45)が現役引退を表明し、輝かしい記録を打ち立ててきた選手生活に終止符を打った。
 求道者とも言える野球に取り組むその姿は、スポーツに限らず、人生にとって大切なことを教えてくれた。多くのファンを魅了し続けたゆえんだろう。
 イチロー選手は自分のスタイルを貫いた。高校を卒業し、プロ野球のオリックスに入団。「振り子打法」と呼ばれた独特のフォームに異を唱える首脳陣もいたが、自分の道を曲げようとしなかった。
 大リーグで2015年、マーリンズに移籍した際の言葉が印象に残る。
 「応援よろしくお願いしますとは、僕は絶対に言いません。応援していただけるような選手であるために、自分がやらなくてはいけないことを続けていく」
 そんな言葉通り、公私で生活を律し、練習や食事の決まりを崩さなかった。毎日習慣を守り続け、やるべきことを一つ一つ積み重ねてきた。強い意志がなくては、とても実行できない。
 試合に臨む準備も怠らなかった。大きなけがと無縁だったのは、試合前のストレッチなど周到な準備のたまものだろう。
 そして何より、野球をする喜びが体からにじみ出ていた。プレーには野球好きの少年のような、はつらつさがあった。大人になると失いがちな夢の原点をずっと大事に抱えてきたように見える。
 イチロー選手が01年、マリナーズに移籍した際、環境の違うメジャーで通用するかどうか危ぶむ声があった。大リーガーとしては小柄で、日本人野手では初のメジャー挑戦だったからだ。
 だが、それは杞憂(きゆう)にすぎなかった。卓越した技術で安打を積み重ね、数々の記録を塗り替えてきた。レーザービームと形容された強肩、日米通算700を超える盗塁数など守備や走塁でも見る者を引きつけた。まさに記録にも記憶にも残るアスリートだ。
 震災で傷ついた被災者を勇気づけた姿も忘れがたい。
 阪神大震災が起きた1995年、イチロー選手は神戸を本拠地とするオリックスをリーグ初優勝に導いた。東日本大震災では、義援金として1億円を被災地に寄付した。
 イチロー選手がデビューしたころの大リーグは本塁打量産のパワー全盛時代。スピードを武器にした彼の活躍は野球本来の魅力を米国のファンが思い出す改革でもあった。
 元ヤンキースのデレク・ジータ−氏は「彼のベースボールは職人の工芸品のようだ」と評したことがある。引退を知り、そのプレーを目にできた幸せに改めて気付く。
 打席に入り、左手でユニホームの右肩をつまむ。いつも変わらないあのしぐさが見られないのは、やはり寂しい。


安倍政権の景気判断 世界と違う不自然な楽観
 世界経済が悪化する恐れが強まっているのに、安倍政権の楽観的な景気認識は不自然ではないか。
 政府は3月の月例経済報告で最新の景気判断を示した。中国の景気減速が日本の輸出や生産を弱めたとの表現を加えて判断を3年ぶりにやや下げたが、根幹の「緩やかな回復が続いている」との判断は維持した。
 これに先立ち内閣府は景気判断の重要な材料となる指標を発表し、生産などが大きく落ち込んで景気は後退している可能性があるとの認識を示した。だが今回の報告は後退を認めず「回復」を公式見解とした。
 気になるのは後退と回復という正反対の見方が併存していることだ。
 1月の月例経済報告は「景気拡大が戦後最長となった可能性がある」との見方を示した。後退なら最長は幻となる。統一地方選に続き参院選も控える中、安倍政権に痛手だ。
 政府はさまざまな指標を総合して景気を判断すると説明している。そこには政府の裁量の余地があるとエコノミストから指摘されてきた。
 菅義偉官房長官や経済関係閣僚は「回復基調は変わっていない」と強調する。政府に後退を示唆する指標があるのに、回復だけアピールするのは、アベノミクスへの批判をかわす狙いとみられても仕方がない。
 政府は回復の理由に消費が底堅いことを挙げる。だが日本経済を支えたのは米国など海外の堅調な景気だ。国内は賃金が伸び悩み消費は停滞が続く。海外の悪化を補う力は乏しく、政府の説明は説得力を欠く。
 日銀も同様だ。先週、景気判断をやや弱めたが、「緩やかに拡大している」との根幹部分は維持した。
 対照的に米欧の中央銀行は景気への警戒を強めている。米連邦準備制度理事会(FRB)と欧州中央銀行(ECB)は年内の利上げ見送りを決めた。米中貿易戦争という異例の事態に直面しているからだろう。
 政府・日銀には、中国が景気をてこ入れして今年後半には回復するとの期待があるようだ。だが米中貿易協議が不調に終われば世界経済の悪化は深刻になる。英国の欧州連合(EU)離脱の行方も不透明だ。
 10月の消費増税を控え、日本経済の足腰を強めるのは急務だ。政府はアベノミクスの問題点を直視し、消費活性化に本腰を入れるべきだ。


政府の景気判断 冷徹に見極めているか
 政府は3月の月例経済報告で、景気に関する公式な判断を3年ぶりに引き下げた。
 全体状況を示す表現について、「緩やかに回復している」から「このところ輸出や生産の一部に弱さもみられるが、緩やかに回復している」に変えた。
 世界経済の減速を受け修正に追い込まれた形だが、「緩やかに回復」の語句は維持している。
 だが国民の多くは豊かさを実感できずにいる。既に景気後退が始まったと見る専門家もおり、後退の可能性を示す政府統計も出た。好調だった大企業からも景気を危ぶむ声が高まっている。
 これらを直視しているのか。
 政府は現状を冷徹に見極め、的確な対策を講じねばならない。
 内閣府は1月の景気動向指数に基づく基調判断を下げ、既に景気後退期に入った可能性を示した。
 この通りなら、6年を超え戦後最長を更新したと政府が説明する景気拡大が終わったことになる。
 月例報告の景気判断は各種統計や企業の景況感などを総合的に見渡して決めるので、動向指数の判断とは必ずしも同じにならないと政府は説明する。
 動向指数の基調判断は事前に定めたルールで機械的に決まり、裁量を加える余地がない。
 にもかかわらず、月例報告で「後退」と判断しなかった以上、その根拠を政府はもっと分かりやすく説明すべきではないか。
 統一地方選や参院選を控え景気の腰折れなど認められない―。政府が「回復」に固執する背景には、そんな計算がうかがえる。
 客観的であるべき景気判断に政治の思惑を加えるようなことがあってはならない。
 勤労統計不正などにより、政府の発表する統計数値に根本的な疑問が投げかけられていることに留意すべきだ。
 月例報告は景気の先行きも「回復基調」と予想するが、認識が甘いと指摘せざるを得ない。
 経済協力開発機構(OECD)は今年と来年の世界の実質経済成長率見通しを引き下げた。長引く米中貿易摩擦や、欧州の景気停滞が主な理由だ。
 経済格差を広げ、副作用の目立つアベノミクスは軌道修正が必要だ。その前提となるのが、偏りのない景気認識だろう。
 そもそも今回の景気拡大期は成長率が極めて低く、「ほとんどが足踏み状態」とも言われる。景気の弱さから目をそらし、長さばかり誇っては国民の信用を失う。


[撤回停止 県が国提訴]忖度せず公正な審理を
 辺野古新基地建設を巡り、県の埋め立て承認撤回の効力を一時停止した国土交通相の決定は違法として、県が決定の取り消しを求めて福岡高裁那覇支部に提訴した。
 玉城デニー知事は県民投票で示された新基地建設「反対」の圧倒的な民意や、断念を求める大規模な県民大会を踏まえ、話し合いによる協議を提起してきた。しかし安倍晋三首相は、「真摯(しんし)に受け止める」という言葉とは裏腹に強行一辺倒の姿勢を変えない。
 19日の首相との会談翌日に、政府が予告していた通り、25日に新しい区域へ土砂投入を始めると県に通告したため提訴に踏み切った。
 提訴までの経緯が複雑なので、振り返っておきたい。
 翁長雄志前知事の急逝後、県が埋め立て承認を撤回したのが昨年8月。防衛省沖縄防衛局が行政不服審査法(行審法)を使い執行停止を求め、国交相が10月、これを認める決定をした。県は11月、総務省の第三者機関「国地方係争処理委員会(係争委)」に申し立て。係争委は今年2月、審査対象に該当しないとして却下の決定を下した。
 玉城知事はそれでも「埋め立て承認の撤回は有効」と主張している。安倍政権が話し合いに応じず、提訴はやむを得ない。ハワイ出張中の玉城知事は「対話による解決の必要性と重要性を強く求めてきただけに極めて遺憾である」とのコメントを発表した。
 首相との会談で玉城知事は岩礁破砕を伴う工事の差し止めを求め上告中の訴訟を取り下げる方針を伝えている。県民への丁寧な説明が必要だ。
    ■    ■
 争点は、防衛局が行審法に基づき執行停止を申し立てたのに対し、国交相がこれを認めた決定の是非である。
 行審法は、行政機関から権利を侵害された一般私人を救済するための法律である。さらに公有水面埋立法では、私人と国は明確に区別されている。私人は県から「許可」を受け、国は「承認」を受けなければならない。防衛局が受けたのは「承認」である。
 国が行政不服審査制度を用いるのは制度の趣旨をねじ曲げるものだ。多くの行政法学者が「国民のための権利救済制度の濫用(らんよう)」と批判したことからも明らかだ。
 しかも国交相は安倍内閣の一員である。防衛局は同じ政府を構成する国の機関であり、身内同士というのも不公正だ。県が「自作自演の極めて不当な決定」と批判するのはこのためである。高裁には司法の独立にかけて忖度(そんたく)せず、公正な審理を求めたい。
    ■    ■
 新基地を巡り問題が噴出している。新たに発覚した軟弱地盤、改良工事のために打ち込む約7万7千本の砂杭(すなぐい)、新基地周辺に走る二つの活断層、国の天然記念物のジュゴン1頭が死骸で見つかり、残り2頭の行方がわからない。
 環境アセスメントを最初からやり直さなければならない事態である。工期も総事業費も明らかでない。普天間飛行場の一日も早い危険性除去のために新基地建設という論理は破綻しているのだ。このまま工事を強行するのは無謀だ。安倍政権は工事を止め、話し合いに応じるべきである。


ゲノム編集食品  「届け出」に法的義務を
 生物の遺伝子を効率的に改変するゲノム編集技術で品種改良した農水産物が、今夏にも食品として販売可能になる見通しだという。
 厚生労働省の専門部会が、ゲノム編集食品の多くに厳格な安全性審査を求めず、届け出れば販売できるとする報告書をまとめた。
 ゲノム編集食品を巡っては、同じ厚労省の有識者調査会が昨年12月、大半の食品について安全審査を不要とする方針を示しており、報告書はそれを追認するものだ。
 消費者団体などから疑問が示される中、あまりにも拙速な対応ではないか。厚労省が1〜2月に行った一般からの意見募集(パブリックコメント)に寄せられた約700件の意見の多くは「長期的な検証をしてから導入すべき」など安全性への懸念だった。
 こうした消費者の不安や疑問を置き去りにしたまま、販売や流通を急いではならない。政府は十分な説明を尽くす必要がある。
 報告書では、その生物が本来持っていない新しい遺伝子を追加するゲノム編集の場合は、同様の操作をする遺伝子組み換え食品と同じく安全性審査を求めるとした。
 一方、「より甘くなる」など既にある特徴を伸ばしたり、「毒素をつくる」といった不要な特徴をなくす改変には審査を求めない。現在開発中のゲノム食品の多くは後者のタイプで、肉付きの良いマダイや血圧を下げるトマトなどの研究が進んでいる。
 届け出制にし安全性審査を見送った根拠は、薬品などでDNAを傷つけるなどして偶然できた品種を選ぶ品種改良や、自然界で起きる変化と区別が付かず、違反の発見が困難なためだという。
 ただ、パブリックコメントでは「自然界で起きる突然変異と同じとは思えない」とする意見も多かった。遺伝子を改変する行為には安全性への不信感が根強い。払拭(ふっしょく)するのは容易ではなかろう。
 それだけに、どのような改変が行われたのかを消費者に正しく知らせ、食品を主体的に選択ができるようにすることが重要だ。
 消費者庁は表示の考え方を示すというが、必要な情報をきちんと記載できるようにしてほしい。
 政府はアレルギーの誘発がないことの確認方法や改変で変わった成分などに関する情報を事前に届けるよう求め、概要を公表するという。ならばその前提として、届け出を義務化すべきではないか。
 制度設計を詰め切れないまま、ゲノム編集食品の流通が既成事実となる事態は避けるべきだ。


インパール作戦に酷似の無謀リニア事業
★18日、リニア中央新幹線ゼネコン4社談合事件の裁判が始まった。品川と名古屋の駅建設での鹿島と大成建設の独占禁止法違反を問う裁判だが、既に同じ入札に参加した大林組と清水建設は違反を認め罰金刑が確定している。なんともおかしな裁判だが、もたついているのはこれだけではない。07年当初は純粋な民間投資だったが、JR東海は既に開業延期を発表している。原因は資金不足ともいわれる。品川〜名古屋の総工費は5兆5000億円あまり。政府は16年6月、リニアに財政投融資3兆円投入を決めているが公的資金注入後もなお暗雲立ち込めている。★それでなくとも難工事が予想される。17日、山梨県で山梨県立大学前学長・伊藤洋が講演し「トンネルで貫く南アルプスは10年で数センチ隆起していて危険。計画時と比べ日本経済も低迷し大きな効果は期待できない。無計画で実行され、多くの犠牲が生まれたインパール作戦(第2次大戦での旧日本軍のインド方面侵攻作戦)とよく似た構図。無謀で無益な事業だ」と断じた。★名古屋財界の中にも「本当にできるのか」「総予算が膨らむばかりでは開通してもペイしないのではないか」との懸念も広がる。「JR東海が出資もし、技術協力しているテキサス・セントラル・レイルウェイのダラス〜ヒューストンを結ぶ新幹線構想もうまく進んでいない。ヴァージントレインズUSAが同様の路線計画を発表するなど不確定要素も多い」(名古屋財界関係者)。そんな中、JR東海には極秘のプランBがあるという。政界関係者が言う。「リニアの工事は今も一進一退。大阪までの延伸などもう無理ではないかとの声もある。最後はリニア断念。その中にはプランBといわれるものがあって、東海道新幹線の高速化や複々線化など検討事項があるようだ」。この国の都市の在り方に一石を投じそうだ。

公私混同で失脚の舛添前都知事 野党で国政復帰の仰天情報
 公私混同で職を追われたアノ男が国政に戻ってくる――。そんな仰天情報が永田町で囁かれている。舛添要一前東京都知事が、今夏の参院選に出馬する可能性が高まっているというのだ。それも、古巣の自民党ではなく、野党の国民民主党から出るというので二度ビックリだ。
「かねて舛添さんと親しくしている国民民主の原口国対委員長が、出馬を打診したようです。原口さんの地元である佐賀選挙区での擁立も考えたものの、舛添さんほどの知名度があれば全国区の方がいいだろうということで、全国比例での出馬が濃厚です」(国民民主関係者)
 その原口氏は13日、自身のツイッターに舛添とのツーショット対談動画を投稿。3分程度の短いものだが、実に意味深な内容だ。
原口「大親友の舛添さん、こんばんは」
舛添「しばらく蟄居謹慎ってことで静かにしてましたけど、『啓蟄』で虫も出てくるから、私もそろそろ……」
原口「捨てる人がいれば拾う人がいますから」
舛添「原口さん、私を拾ってくれますか」
原口「もちろん! 舛添さんは、今までの参議院の全国比例で(得票数の記録が)ナンバーワンですよ」
舛添「150万票取りました」
 こんな調子で参院選に言及し、最後は原口氏が「これ、試験放送なんで、また舛添さんとやります」と予告して動画は終わる。
「自民党政権で厚労相を経験している舛添さんは、統計不正問題の内実もよく知っているし、即戦力です」(前出の国民民主関係者) 
 それはそうだが、公用車での別荘通いや豪華外遊の“公金タカリ”で、都民のみならず全国民の信頼を完全に失ったのが舛添だ。国政復帰の目はあるのか?
「150万票は望むべくもありませんが、舛添氏が野党から出馬すれば、話題になることは間違いない。自民党が元民主党の議員を次々と引き抜いているのだから、野党側も自民党からどんどん人を引っ張ってくればいいと思いますよ。“悪名は無名に勝る”で、舛添氏に投票する人はそれなりにいるでしょう」(政治ジャーナリスト・鈴木哲夫氏)
 たしかに、元妻の片山さつき地方創生相と国会で論戦する舛添の姿を見てみたいという人もいるだろう。だが、選挙に出れば、過去の悪行が蒸し返されるだけだ。


安倍首相が“偽装”の施政方針演説 英訳でも錯覚工作の傲慢
 今年1月の施政方針演説を巡って発覚した錯覚工作。安倍首相は「児童扶養手当の増額、給付型奨学金の創設を進める中で、ひとり親家庭の大学進学率は24%から42%に上昇し……」と自慢していたが、手当の増額も奨学金の創設も進学率42%調査の後のことで、先週15日、厚労省は「直接の因果関係はない」と認めさせられている。
 実はこの施政方針演説は、英文にも訳されているが、さらにヒドイ工作が行われていることがわかった。
<As we increased the amount of child rearing allowance and established a scholarship...,the university enrollment rate...has increased from 24% to 42%.>
 直訳すると「児童扶養手当の増額、給付型奨学金の創設を進めたので、ひとり親家庭の大学進学率は24%から42%に上昇した」である。和文では「進める中で」としていたが、英文では「よって」や「なので」と訳される“as”を使用。厚労省が否定した政策と結果の「因果関係」を強調するような表現になっているのだ。
 22日の衆院文部科学委員会で、川内博史議員(立憲民主)が「修正」を求めると、英訳を担当した官邸の原宏彰内閣審議官は「正しい訳だと理解しています。変更するつもりはありません」と突っぱねたのだから恐れ入る。
 改めて川内議員が言う。
「レトリックでごまかすことを堂々とやりますと世界に宣言したようなものです。厚労省が因果関係を否定しているのに、“as”でつなげる英訳は誰がどう見てもおかしい表現です。それでも、ほんの仮訳ですら修正しようとしない。今日の原審議官の硬直的な対応は、安倍政権の傲慢さを如実に表しています」
 この政権は、こんな簡単な修正もサクッとできないのだ。今も、誤解を招く施政方針演説が世界に発信し続けられている。


官邸の東京新聞弾圧。官邸は記者の質問権を制限するな<南彰氏>
 2月26日の記者会見で、菅官房長官は東京新聞の望月衣塑子記者から記者会見の意義を問われた際、「あなたに答える必要はない」と言い放った。  ジャーナリズム軽視の発言を繰り返す安倍政権。こうした姿勢について、『月刊日本4月号』では第二特集として「官邸の東京新聞弾圧」という特集を掲載。同特集の中から、新聞労連の南彰氏の論考を紹介したい。
抗議声明を出した理由
―― 首相官邸が東京新聞の望月衣塑子記者を官邸記者クラブから排除するように求めるかのような申し入れを行ったことについて、日本新聞労働組合連合(新聞労連)は「首相官邸の質問制限に抗議する」とする抗議声明を発表しました。なぜ今回、抗議声明を出したのですか。
南彰氏(以下、南): 私はこれまで朝日新聞の政治部記者として500回以上官房長官記者会見に参加してきました。最初に参加したのは福田内閣のときで、当時は町村信孝さんが官房長官を務めていました。
 その頃の記者会見もいまと同じように、会場の最前列には官房長官番の記者が15〜6人並んでいました。しかし、官房長官番でない記者やクラブ外の記者も自由に質問していましたし、町村さんもそれらの質問にちゃんと答えていました。私も政治部に入りたてでしたが、政治部一年生が質問してもきちんと回答が得られました。また、私が質問することに対して他の記者から文句を言われることもありませんでした。
 これは次の麻生内閣や、民主党政権のときも同様です。私は野田内閣のときに官房長官番を1年4カ月やりましたが、その頃も会見場では活発なやり取りが行われていました。
 ところが、現在の菅官房長官の記者会見では、質問は官房長官番の記者が行うものだといった雰囲気が広がっており、活発なやり取りがなくなってしまっています。特に森友・加計問題が起きた頃から、ずいぶん制約が強くなったように感じます。
 私は野田内閣の後、2年半大阪社会部に行っていたので、第二次安倍内閣成立直後からこうした制約が強くなったのかどうかはわかりません。おそらく第二次安倍内閣の間にじわじわと強くなり、望月さんが会見に参加するようになってからさらに制約が強まったのだと思います。こうした状況に問題を感じたので、抗議声明を出すことにしたのです。
―― 官邸は東京新聞に文書で申し入れを行っています。その中で、東京新聞が「記者は国民の代表として質問に臨んでいる」と主張したところ、官邸が「国民の代表とは選挙で選ばれた国会議員であって、記者が国民の代表だという根拠を示せ」と応じたといいます。新聞労連の抗議声明にも「国民を代表する記者」という記述がありますが、この点についてどう受け止めていますか。
南:確かに官邸が言うように記者は選挙で選ばれたわけではありません。私たちが言いたかったのは、新聞記者が特権的な立場にいるということではなく、会見に出られない読者や視聴者などがいる中で、その人たちに成り代わって質問するのが記者の役割であり、そういう意味で国民を代表しているということです。それを「お前たちは選挙で選ばれていないのだから代表ではない」などと矮小化しようとしているところを見ると、官邸も相当苦しいのだろうなと思います。
ファクトチェックの重要性
―― 新聞労連の抗議声明には「政府との間に圧倒的な情報量の差があるなか、国民を代表する記者が事実関係を一つも間違えることなく質問することは不可能で、本来は官房長官が間違いを正し、理解を求めていくべきです」とあります。「圧倒的な情報量の差」という指摘はきわめて重要ですが、国民の間で広く共有されていないと思います。
南:権力側と記者が対等に検証されるようになったのは、記者会見が可視化されたからだと思います。会見の可視化自体にはメリットもありますが、権力と記者は決して対等ではありません。圧倒的な情報量の差、情報の非対称性があります。
 記者はベストを尽くして取材を行っていますが、政府は情報をすべて開示しているわけではないですし、情報を隠している場合もあります。そうした中で記者は会見に臨んでいるのだから、自ずと限界があります。
 それにもかかわらず、官邸は望月さんの質問を「事実誤認」と一方的に断定し、「正確な事実を踏まえた質問」を要求してきました。事実関係を一つでも間違っていたら質問してはいけないかのような対応です。これは大前提として間違っています。
 そもそも官邸側が「事実誤認」だと主張した一連の質問は、大筋としては事実に沿っています。むしろ間違っていたのは官邸側です。
 新聞労連としてはより幅広に質問権を保障するメッセージが必要だと考え、たとえ事実関係に誤りがある質問だったとしても、それを制約するのはおかしいという抗議声明を出したのです。
メディアは権力監視という原点に立ち返れ
―― 権力と記者の間に圧倒的な情報量の差があることを踏まえれば、「批判するなら対案を出せ」といった議論も間違いだとわかります。対案を出すには情報が必要です。メディアに対案を要求するなら、政府はすべての情報を開示すべきです。
南:メディアの役割は権力が公正に行使されているかどうかをチェックすることです。必ずしも対案を出す必要はありません。
 しかし現在のメディアは、政治的スタンスによって批判するかしないかを決定していると見られており、その結果、メディアは分断されてしまっています。今後どのような内閣が出てくるかわからないのだから、そのときにメディアの権利や足場となる取材環境を残すためにも、メディアは権力側の政治的スタンスにかかわらず、権力が公正に行使されているかどうか監視するという原点に立ち返るべきです。
―― 官邸と東京新聞とのやり取りで注目されるようになったのは、ファクトチェックの重要性です。南さんは望月さんと『安倍政治 100のファクトチェック』(集英社新書)という共著を出しています。
南:ファクトチェックとは、議論の前提となっている事実関係が正しいかどうかを評価・確認することです。最近では2017年に設立されたNPO法人「ファクトチェック・イニシアティブ」が旗振り役となり、ファクトチェックの普及に努めています。
 もっとも、ファクトチェックを普及させるには、様々なオピニオンを持っている新聞社が一斉にファクトチェックを行う必要があります。たとえば、朝日新聞もファクトチェックに取り組んできましたが、朝日だけでファクトチェックを行うと、安倍政権を批判するために行っているのではないかという見方がありました。
 しかし、ファクトチェックは安倍政権に批判的であるかどうかに関係なく、あくまでも事実関係を確認するために行うことです。意見に対する評価が一緒である必要はありませんが、ベースの事実関係そのものを共有できる仕組みはあったほうがいいと思います。新聞労連としてはそのための後押しをやっていきたいと思っています。
(3月4日インタビュー、聞き手・構成 中村友哉) 南彰(みなみ・あきら) 1979年生まれ。2008年から朝日新聞東京政治部、大阪社会部で政治取材を担当。2018年9月より新聞労連に出向、中央執行委員長を務める。

ぼたもちない?/動画を見て原発事故を考える

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塩釜・マグロ・ポスト190312

Le Japon à l’heure du halal
A l’approche des jeux Olympiques de 2020, le Japon pense de plus en plus à ses visiteurs musulmans. Dans un pays qui compte moins de 100.000 personnes de confession musulmane sur une population de 126 millions de Japonais, le ≪ halal ≫ n’a jamais été un marché intéressant pour les entreprises japonaises, du moins jusqu’à peu…
En 2014, un congrès s’est tenu à Tokyo avec pour objet, le ≪ halal ≫. Ayant peu de connaissance sur le sujet, le Japon a tout de même décidé d’investir et de devenir ≪ muslim friendly ≫.
Le but étant évidemment d’attirer les touristes du sud-est asiatique, notamment d’Indonésie et de Malaisie. Avec 10 millions de visiteurs par an, le Japon vise désormais la barre des 20 millions de visiteurs en 2020.
Les établissements japonais ont d’ores et déjà commencé à bouleverser leurs habitudes alimentaires entre autres.
L’Association Japan Halal, fondée en 2010 est l’une des deux organisations habilitées au Japon à délivrer des certificats de conformité halal.
Nous sommes membre associé du Conseil Halal Mondial. Depuis 2012, nous avons délivré des certificats à une quarantaine d’entreprises, et ça monte beaucoup cette année, surtout depuis que l’an passé les Jeux Olympiques 2020 ont été attribués à Tokyo ≫, explique à l’AFP la présidente de la JMA Hind Hitomi Remon.
Les aéroports et les hôtels se sont aussi à leur tour mis à l’heure musulmane, en offrant de plus en plus de salles de prières indiquant la direction de la Mecque ou de tapis de prière. Les universités quant à elles offrent des produits halal dans leurs cafétérias, pour attirer des étudiants musulmans.
Tandis que la banque japonaise, la Bank of Tokyo Mitsubishi (UFJ) s’est lancée dans la finance islamique, avec une émission de bons ≪ sukuk ≫, conformes au Coran, d’un demi-milliard de dollars.
Le gouvernement japonais s’est mis au diapason de cette manne financière en supprimant notamment le visa d’entrée pour les Malaisiens, les Thaïlandais et les Indonésiens et en leur fournissant des services adaptés.
Plusieurs régions japonaises ont organisé des séminaires dès 2013 afin de sensibiliser les hôteliers et les restaurateurs, en leur distribuant des brochures expliquant les interdits alimentaires (porc et alcool).
Le Bureau des visiteurs et des congrès de Tokyo a publié le Guide des voyageurs musulmans de Tokyo 2018-2019. Le visiteur pourra y trouver la liste des restaurants japonais agréés halal. Le répertoire est disponible en ligne sous forme de téléchargement au format PDF.
Un pari gagnant, l’Office japonais du tourisme a noté une sensible augmentation du nombre de touristes en provenance d’Indonésie et de Malaisie..
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フランス語の勉強?
東京貧困女子。: 彼女たちはなぜ躓いたのか
中村 淳彦
東洋経済新報社
2019-04-05


この本に登場する女性は、あなたの娘や妻かもしれない!
東洋経済オンライン2億PV突破の人気連載、待望の書籍化!
風俗で学費を稼ぐ女子大生、明日が見えないシングル派遣社員、子供たちの未来を奪うシングルマザー……、
貧困に喘ぐ彼女たちの心の叫を「個人の物語」として丹念に聞き集めたノンフィクション。
いま日本で拡大しているアンダークラスの現状が克明に伝わってくる。
【主な内容】
第1章 人生にピリオドを打ちたい
第2章 母親には一生会いたくない
第3章 もう、帰って来なくていい!
第4章 あと1年半しか仕事ができない
第5章 45歳、仕事に応募する資格すらありません
第6章 子どもの未来が消えていく
終 章 絶望の淵

報道特集「汚染土と復興〜東日本大震災から8年」
【汚染土と復興〜東日本大震災から8年】 東京電力福島第一原発の事故で発生した放射性廃棄物を含む膨大な量の汚染土壌。多くの自治体が処理できずにいる中、環境省は汚染土の再生利用を打ち出し、福島県内の複数の地域で推し進めようとしている。計画推進、計画中止・・、様々な立場の自治体の苦悩に迫る。さらに自治体へのアンケートから見えてきたものとは・・。全編を通じて「汚染土と復興」をテーマに報告。 膳場貴子 金平茂紀 日下部正樹 日比麻音子 鈴木誠司 吉岡弘行 吉田豊◇番組HP http://www.tbs.co.jp/houtoku/◇twitter@tbs_houtokuhttp://twitter.com/tbs_houtoku◇facebookhttp://www.facebook.com/tbs.houtoku
2画面ドキュメンタリー「無人の町から8年 〜福島県浪江町〜」
全域が立ち入り禁止となった直後に町の姿を撮影した番組「浪江町警戒区域〜福島第一原発20キロ圏内の記録〜」。その同じ場所を8年後に同じように撮影したら何が見えてくるのだろう。
2年前に町の中心部は避難指示が解除されました。人はどれだけ戻っているのか?何が変わっているのか、いないのか?様々な決断をした人たちの思いとは?町の再建、積みあがる汚染土、新しい大規模太陽光施設など、8年の歳月が語るものとは何なのか? 三宅民夫

新日本風土記「釜ヶ崎」
大阪市西成区にある通称「釜ヶ崎」。日本の経済成長を支えてきた労働者の街だ。その日暮らしをする人々、彼らを支える街の人たち。冬の釜ヶ崎のいまと、人情を見つめる。
釜ヶ崎の朝は日の出前から始まる。仕事をあっせんする手配師と呼ばれる人々と、その日の仕事を求める人たちとの直接交渉。現場は? 賃金は? 50年以上続いてきた光景。
いま街では高齢や体の不調で働けない人たちが多くなっている。そんな彼らを癒やす憩いの場とは?
人々の人生が詰まった貸しロッカー。その中に入っていたものとは?
厳冬の季節になると毎年路上で亡くなる人が。そうさせないために夜の街を行く大人たち、子どもたち…。 松たか子 中條誠子 井上二郎

BS1スペシャル「緊急被ばく医療の闘い〜誰が命を救うのか〜」
福島第一原発の事故発生直後、福島に入っていった医師たちがいた。「安全神話」のもと原発事故時の医療の準備はほとんどなく、国の指揮命令系統は混乱に陥っていた。そんな中、汚染された住民の対応、爆発で負傷した自衛隊員の治療など、最前線で奔走した医師たちには、命をめぐる重い判断がゆだねられた。独自に入手した、数千に及ぶ医師たち自身の撮影による写真と映像から、当時の医療現場のすさまじい実態を明らかにする 吉川晃司
報道1930 輸出も再稼働も先行き見えず…なぜ日本は、原発をやめられないのか?
アベノミクスの成長戦略・原発輸出は総崩れ
世界の原発市場に台頭する中ロ
ドイツはなぜ脱原発を決断できたのか?
もんじゅ失敗…それでも「核燃料サイクル」をやめられない理由
原爆6000発分…増え続けるプルトニウム問題
末吉竹二郎(国連環境計画・金融イニシアティブ特別顧問)
太田昌克(共同通信社 編集委員兼論説委員)

ETV特集「原発事故 命を脅かした心の傷」
原発事故から8年。住み慣れた「ふるさとの喪失」が人々の心と体に何をもたらしたのか。NHK取材班は、苛酷な避難生活が続く中で命を落とした被災者の遺族が作成した『死に至る経緯書』を入手し、徹底分析。さらに「フラッシュ・フォワード」と呼ばれる独特の心理現象が被災者を苦しめている実態を伝える。 柳澤秀夫,中條誠子
放送記念日特集「AIとテレビメディア」
インターネットメディアの勢いにおされ続けているテレビ。今、世界の放送局ではAIを利用することで力を取り戻そうとさまざまな挑戦が行われている。英BBCでは過去の膨大な番組をAIが学習し、自分で再編集、あらたな番組をつくりだし、アメリカではAIをつかったパーソナルなサービスを模索している。AIでテレビはどう変わるのか?その未来を考えていく。 テリー伊藤,メディアアーティスト…落合陽一,慶応大学教授…山本龍彦,岡田結実
オトナの一休さん 第十二則「一休、エリートコースに乗る」
実在の一休さんはとんでもないお坊さんだった!リアル一休さんの破天荒エピソードを、史実を基にアニメ化。すべてのオトナたちへ、クスッと笑えて心が楽になるひとときを。
養叟(声・尾美としのり)の推薦で如意庵の住職になった一休(声・板尾創路)。新右衛門(声・山崎樹範)が期待の声をかけるも一休はどこ吹く風で、地獄太夫(声・大堀恵)や貧しい仲間たちとの宴会のほうが楽しそう。そこへ養叟が堺の商人たちを連れてやってくる。一休の出世を見込んであいさつに来たのだ。商人たちに仲間を追い出され、調子が狂う一休。今回はなんと一休の喝がきかない!?初めて次回に続く、2話完結の前編。 板尾創路,尾美としのり,山崎樹範,大堀恵,原慎一,鬼頭真也,大重わたる

なうちゃん @nauchan0626
日本の死刑制度の存在は、もはや全うな民主主義国との関係に影響を及ぼすものになっているのです。死刑制度は人権の否定という根本的な理念に立ち返った冷静な議論を私たちは必要としているのです。
日本の死刑制度が壁 自衛隊と豪州軍の防衛協力が停滞:朝日新聞デジタル

なうちゃん @nauchan0626
スポーツ報知の記事によると、イチロー選手が「日本人である事で、すでに勝ち組だと思っている」 と発言しているそうですが、国際社会を舞台で活動する人間が、出身国を持って「勝ち組」「負け組」などと分けてしまう思考が駄目なのです。私はやはり彼のことを批判します。
東亞日報の記事からです。
「韓日プロ野球親善シリーズのため韓国入りしたイチローは、韓国に対する初印象を問われ、「ニンニクくさいみたい」と言って、物議をかもしたこともある」。
イチロー氏の韓国に対する発言って、1つ1つは弁解の余地があるのかも知れないけれど、これだけ幾つも重なると…。

ペロンパー @klezmer722
少なくとも例えばダルビッシュのような差別への敏感さをイチローに感じたことは一度もない。あの発言は差別ではないと普通の日本人は言うのかもしれないけど、そう感じられること自体が自らの特権性に無自覚なんじゃないかと思う。
雪之丞 @aoitori2011
イチローはりっぱなスポーツ選手ではあるが、神聖にして不可侵の神様ではないから、批判される部分があるなら、批判されて当たり前。言論の自由でもあるしね。
こたつぬこ @sangituyama
今闘う相手は松井イチローであって、イチローじゃないと思うんだけどなあ。
松川 敦志@matsukawa_a
秋田公立美術大学の卒業式で、卒業生代表が謝辞の中でイージス・アショア配備問題に触れ「平和な生活を過ごせるよう願う」と述べようとしたところ、大学側の要請で取りやめる事態がありました。大学の設立母体は秋田市。削除を要請した学生課長は取材に「何も答えることはない」と述べています。
美術学部の岩井成昭学部長は取材に「自分が感じることを自分に正直に表現することを、秋田美大は教育の主軸に置いている。どういう意見を持とうが、それを妨げるようなことはあってはならない。本当に残念だ」と答えました。取材でお会いする現場の教員は多様性に理解のある魅力的な方ばかりです。

三浦英之 「南三陸日記」文庫化@miura_hideyuki
つまりそういうことなのだと思う。NHKも、秋田公立美術大学も。僕たちには「言論の自由」があり、おかしいことを、おかしいと言える。でもそれが今、言いにくくなってる。どこかで誰かが無駄に忖度している。問題だとしてきされないように、自分の身に火の粉が降りかからないように
寺田 学 @teratamanabu
賛成でも反対でも何だって話していい。大学で、しかも芸術大学で、学生らの発言を大学側が削除要請なんて考えられない。これはイージスアショアの問題ではなく、大学教育のあり方の根幹問題。
謝辞に「イージス」、大学が削除要請 美大生「やるせない」|秋田魁新報電子版

山口真帆 @maho_yamaguchi
私は松村匠取締役に1月10日の謝罪を要求されました。
私が謝罪を拒んだら、
「山口が謝らないのであれば、同じチームのメンバーに生誕祭の手紙のように代読という形で山口の謝罪のコメントを読ませて謝らせる」と言われました。
他のメンバーにそんなことさせられないから、私は謝りました。
記者会見に出席している3人は、 事件が起きてから、保護者説明会、スポンサー、メディア、県と市に、 私や警察に事実関係を確認もせずに、 私の思い込みのように虚偽の説明をしていました。 なんで事件が起きてからも会社の方に傷つけられないといけないんでしょうか。
報告書に記載もないのに繋がりには挨拶も含まれるというのは勝手な解釈です。 他のファンには公表できないような、特定のファンとの私的交流を繋がりと言うのはメンバーのみならずファンの皆さんも認識していると思います。 証拠がないと仰っていますが、犯人グループとの交際を認めたメンバーもいます
なんで嘘ばかりつくんでしょうか。 本当に悲しい。 松村匠取締役が当初言うように考えた文章です。 他のメンバーに謝らせることはできないから、謝るしかなかったけど、 スッキリも誤解もしていないし、どうしてもこの言葉は使いたくないと違う文章を考えて何度も交渉しました。
只今、記者会見を行っている松村匠取締役は第三者委員会が行われる前に「繋がっているメンバーを全員解雇する」と私に約束しました。 その為の第三者委員会だと、 私も今までずっと耐えてきました。コミュニケーションも何も、このことに関して聞くと連絡が返ってきません。


スーパーに買い物行って,ぼたもち(またはおはぎ)を買おうと思ったら,ぼたもちがないです.あったような気がしたけど・・・.
今日はずっと動画を見て原発事故を考えました.様々な自然災害とは別に考える必要があると思いました.

<震災8年>お帰り 亡き妻の腕時計 山元の亀井さん「メッセージ感じる」
 宮城県山元町の介護士亀井繁さん(48)が東日本大震災の津波で犠牲になった妻宏美さん=当時(39)=の腕時計を8年ぶりに手にした。思い出の品があったのは、宏美さんが一緒に亡くなった次女の陽愛(ひなり)ちゃん=同(1)=と見つかった場所だった。亀井さんは「目の前に現れた時は信じられない思いだった。『いつもそばにいるよ』という妻からのメッセージを感じる」と話す。
 亀井さんが時計に気付いたのは、震災から8年を経た今月11日だった。1年に1度、旧坂元駅前にあった自宅から約1.2キロ離れたこの場所を訪れる。
 宏美さんや陽愛ちゃん、流失した自宅の一部が見つかった場所だ。今年も花を手向けて離れようとした時、見覚えのある何かが目に入った。
 バンド部分は土に埋まっていたものの、ダイバー用時計の黒い本体と赤や黄の部品が見えた。亀井さん夫妻が働いていた介護施設で20年ほど前に、宏美さんが着けていた時計に間違いなかった。
 「8年が経過していたので、もう何もないと思っていた。信じられなかった」と亀井さんは振り返る。
 付近では2014年3月11日にも、亀井さん夫妻の時計が合わせて5個、舞い戻った。亀井さんは当時、かけがえのない家族を亡くし泣き暮らしていた。自宅が流れ着いた場所で懐かしい品が出てきたのはその時以来で、亀井さんの生活にもこの間、変化があった。
 17年9月に震災などで家族を亡くした人たちが語り合うためのサロンを町内に開いた。サロンで遺族らが思いを発信する音楽イベントを定期的に開いている。昨年12月の行事には30人が集い、子どもたちの笑顔が見られた。
 震災時に小学4年だった長女は4月で大学生になる。
 「時間を置いて、大切な時計がまた現れてくれた。転機でもあると感じる時に、生きていたら電話やメールでするように愛を確認してくれた」。亀井さんは、かみ締めるように話した。


24日に「女川町復幸祭」 復興計画終了で幕 最後は最高の盛り上がりに 今後のまちづくりに弾み
 東日本大震災からの復興を目的に平成24年から地元有志の実行委員会が開く「女川町復幸祭」。町の8カ年の復興計画が本年度で終了するのに合わせ、女川駅前商業エリアを舞台とした24日の第8回開催で幕を下ろす。23日の津波伝承復興男から始まり、食やステージなどの企画で盛り上げる。副題に「復興の向こう側へ」を掲げ、今後のまちづくりに弾みをつける。
 祭は「女川町商店街復幸祭」として初回を実施。まちびらき式典に合わせた27年の第4回をはじめ、町の復興とともに内容を充実させてきた。震災後の支援でつないだ縁も祭りに反映させ、昨年は約1万8千人(主催者発表)が来場した。
 町の復興計画は本年度で終え、新年度からは長期的な発展を目指した10カ年の総合計画に移る。これに伴って祭も今年で一区切りをつけることにした。
 最後の復幸祭は午前9時半スタート。ステージでは地元の女川潮騒太鼓轟会が開幕の演技を飾り、民謡歌手の庄司恵子さん、人気テレビ番組「水曜どうでしょう」のディレクター藤村忠寿さんと嬉野雅道さんのトークショーを行う。
 食イベントの「ОNAGA―1FESTA」では、町内外の飲食店などがホヤ、ギンザケといった町が誇る食材を使った8品を提供。全メニューが味わえる200食限定の「オナガワンプレート」(税込み1千円)もある。
 体験コーナーでは駅前商業エリア出店事業者らによるスペインタイル絵付け、手作りせっけん、ギターメンテナンスを企画。エアドームなどキッズコーナーもあり、午後3時から町総合体育館で高校生まで無料の全日本プロレスの興行もある。
 午後4時ごろフィナーレとなり、全員での乾杯で8年間に感謝を込める。実行委員長の高橋敏浩さんは「これまで女川に携わってくれた人も来たことがない人にも集まってもらい、今後の関係づくりにつなげたい」と話していた。
 なお、23日は津波伝承を目的に「女川復興男」を開催。町に津波が襲来した午後3時32分に女川駅をスタートし、高台の白山神社まで約420メートルを駆け上る。祭りは終えても復興男は今後も継続していく。
 問合せは女川みらい創造(24―8118)。


<三陸道>岩手・宮城県境開通 交流人口拡大に期待
 東日本大震災の復興道路として国が整備を進める三陸沿岸道の唐桑小原木(気仙沼市)−陸前高田長部インターチェンジ(IC、陸前高田市)間3.5キロが21日、開通した。岩手、宮城両県の沿岸被災地が県境を越えてつながり、地域間連携の促進による交流人口の拡大や産業振興に期待が集まる。
 唐桑小原木IC付近で式典があり、岩手県の達増拓也知事は「県境を越えた地域間の連携が進み、産業、経済の活性化や新鮮な海産物の輸送効率の向上による販路拡大が期待できる」とあいさつした。
 同区間は昨年7月開通の陸前高田長部−陸前高田IC間(6.5キロ)を含む唐桑高田道路(10.0キロ)の一部で、開通区間を含めた総事業費は約687億円。
 岩手県内では、釜石南−釜石両石IC間(釜石市、14.6キロ)が9日に開通。釜石市以南の三陸道が全てつながり、宮城県と結ばれた。
 気仙沼市の菅原茂市長は「三陸復興国立公園内の自治体が一つになって魅力を発信し、国内外から観光客を呼び込むようにしていきたい」と話した。
 国は仙台港北IC(仙台市)−八戸ジャンクション(八戸市)間を復興道路と位置付け、2020年度までの全線開通を目指している。今回で全長359キロのうち256キロが開通した。


<三鉄リアス線23日開業・つながる鉄路>(4)地域とともに/観光戦略 官民で練る
 北から南まで163キロ。岩手の海岸線が1本のレールで結ばれる。JR東日本から移管される山田線の宮古−釜石間(55.4キロ)が南、北リアス線をつなぎ、第三セクター三陸鉄道(宮古市)のリアス線が23日開業する。東日本大震災から8年。三陸の浜に復興の笛が響く。
 三陸鉄道リアス線で北の起点となる久慈駅。工藤クニエさん(79)は30年以上、駅舎内の飲食店「三陸リアス亭」で名物のウニ弁当を手作りしている。
 NHK連続テレビ小説「あまちゃん」では三鉄と久慈市が物語の舞台となり、工藤さんはヒロインの祖母役のモデルとされる。放送開始から4月で丸6年。市内の主要施設を訪れた本年度の観光客は延べ約105万人で「放送前の水準に戻った」(市観光交流課)。
 23日のリアス線開業に工藤さんは「電車に長時間乗るお客さんが増えれば、お弁当の売り上げも増えるかな」と期待を寄せる。
<163キロ 距離生かす>
 盛(大船渡市)から久慈までを結ぶリアス線は、第三セクター運営鉄道では国内最長。163キロの総営業距離を生かして官民一体の観光戦略が動きだしている。
 岩手県は今年、東日本大震災の教訓を発信する「三陸防災復興プロジェクト」を仕掛ける。沿岸13市町村を会場に6〜8月の計68日間、さまざまな催しを繰り広げる博覧会だ。
 国内外から13万人の来場を見込み、三鉄はイベント会場周遊の足になる。盛−久慈間を夜通し走る特別列車などを用意する。
 観光商品の開発も進む。三鉄や沿線の宿泊業者は昨年、富裕層をターゲットに「プラチナ観光ルート創設協議会」を設立。今年2月には三鉄の南、北リアス線を利用して沿岸を縦断する2泊3日のモニターツアーを初めて企画した。
 ツアーに参加した女性6人はバスも使って久慈市から陸前高田市まで移動。北リアス線のこたつ列車内でネイルアートを施してもらい、短角牛、ホタテ、カキなど地場食材を味わった。釜石市鵜住居の旅館では、地元の女性が歌い継ぐ東日本大震災の甚句に涙した。
<沿線の魅力多彩>
 モニターを務めた「つなぎ温泉四季亭」(盛岡市)の専務林晶子(あきこ)さん(66)は「新幹線で500キロを2時間で移動できる時代に、地域色豊かな沿岸部をゆっくり回れるのは素晴らしい。特徴ある駅舎を回る旅も面白そう」と三陸路の魅力を語る。
 三鉄の二橋守旅客営業課長は「移動がしやすくなり、目的地選びの自由度も格段に高まる」とリアス線開業の意義を強調。沿線に観光資源が連なる三鉄の強みを生かそうと、官民を挙げた取り組みが続く。(盛岡総局・斎藤雄一、大船渡支局・坂井直人)


<三陸鉄道>あす開業 維持費、10年で79億円 沿線自治体 重い負担
 JR山田線の宮古−釜石間(55.4キロ)を受け継いで23日、第三セクター三陸鉄道(宮古市)のリアス線(163キロ)が開業する。保有資産が増える分、設備の維持・更新費用も今後10年間で79億円に膨らむ見通しだ。三鉄は経常赤字が慢性化しており、出資する岩手県と沿線市町村に負担が重くのしかかる。
 リアス線開業に伴って三鉄などは鉄道事業の再構築実施計画を国土交通省に提出。2028年度までの10年間計画を示した。
 計画によると、線路やトンネルの更新費は現行の南北リアス線部分を中心に29億5000万円に上る。国の補助金を充当できるが、半分は県と沿線8市町村の持ち出しとなる。
 修繕・維持管理費は約37億2000万円で、県と市町村が全額を負担する。
 釜石−宮古間の鉄路維持には、JR東日本の移管協力金30億円を切り崩す計画だ。「多いようで少ない金額」(県交通政策室)といい、6年目から県と沿線4市町の持ち出しが見込まれる。
 1984年開業の三鉄は、94年度から24年連続で経常利益の赤字が続く。年間利用客は開業年の268万9000人がピーク。2016年には、51万3000人にまで減少した。
 計画で、沿線住民や観光客の利用増に向けて6億6000万円を計上。通学定期の割引分や特別列車の企画費を県と市町村で負担する。28年度の利用客数を92万3000人と設定した。


リアス線あす開通 「地域の宝」活用図ろう
 三陸鉄道リアス線(大船渡・盛−久慈、163キロ)が、いよいよあす23日に全線開通となる。
 第三セクター鉄道としては全国最長。この事実は、地元が鉄路に寄せてきた思いの強さの歴史を物語る。
 三鉄が全国初の三セク鉄道としてつくられ、1984年に南リアス線と北リアス線を開通させたのは、沿岸住民の悲願である三陸縦貫鉄道のためだった。未開通区間を含めた国鉄(当時)の廃止対象路線を引き継いだ。
 そして2011年の東日本大震災。甚大な被害を受けた中で震災発生5日後には一部区間を復旧し、被災地を勇気づけた。3年後には南北リアス線が全線復旧した。
 両路線の間をつなぐJR山田線釜石−宮古間の復旧は難航した。膨大な復旧費が見込まれ、当初はバス高速輸送システム(BRT)導入も検討されたが、鉄路での復旧が決まった。
 被災路線に対する国の復旧支援制度は当時、JR東日本など黒字企業には認められなかった。そのためJRの負担に加え、復興交付金など国の財源も捻出し、三鉄に移管しての再開を目指してきた。
 苦難を経て一本につながったレール。被災地の人々を励まし、復興のシンボルとなってきた三鉄は、新たなステージに入る。三セク鉄道として地元が守ってきた鉄路は地域の共有財産であり、この宝をいかに活用するかが地域発展に欠かせない。
 利用促進は三鉄の経営の上でも必須だ。もともと沿線人口の減少などで厳しい経営だったところに、JR時代に赤字だった路線の区間が加わる。住民のマイレール意識の向上、他地域からの観光利用客増が欠かせない。
 8年ぶりに列車が走る釜石−宮古間。不通期間にマイカーなどへ交通手段が変わった人たちをどう呼び戻すか。利用促進という点で新駅設置は好材料だ。
 また、再生された駅ではユニークなデザインの駅舎ができたり、図書館機能を備えた施設が設けられるなどしている。地域の玄関口、住民の触れ合いの場として活用され、親しまれよう。
 盛−久慈間直通は上り3本、下り2本で、所要時間は4時間半前後。観光に大きく寄与するだろう。観光関係者の積極的なツアー企画を期待したい。
 JR東日本はこの春、本県を重点販売地域に指定。県内観光地のPRキャンペーンを展開する中で、三鉄直通の企画列車運行や沿岸方面への臨時列車などで誘客を後押しする。これからも積極的な支援が望まれる。
 喜びの開通を、長く地域の発展につなげたい。


NHKと民放の震災番組上映会
NHKと仙台市の民放各社が制作した東日本大震災関連の番組を上映する催しが、NHK仙台放送局で22日から始まりました。
この催しは、仙台市にある東北放送、NHK仙台放送局、仙台放送、ミヤギテレビ、東日本放送の各放送局が、いっしょに震災の風化防止に取り組もうと今回初めて開きました。
NHK仙台放送局の会場では、1階と2階の2つのスクリーンを使って、各社がこれまでに制作した東日本大震災関連の17本の番組が上映されています。
会場を訪れた70代の男性は「震災関連の情報に触れる機会が増えるので、とても良い取り組みだと思います」と話していました。
NHKと民放の合同番組上映会「テレビが伝える東日本大震災」は、24日まで開かれています。
また23日は、午後1時半から、元NHK解説委員でフリージャーナリストの柳澤秀夫さんと各社の報道担当者が、震災をどのように伝えていくか意見を交わすトークセッションも開かれることになっています。


旧門脇小 校舎全体の保存を要望
震災遺構として建物を小さくした上で保存することになっている石巻市の旧門脇小学校について、地元の住民グループが校舎全体の保存を求める要望書を石巻市長に提出しました。
震災で壊滅的な被害を受けた石巻市門脇地区にある旧門脇小学校は、津波とその後の火災で3階建ての校舎が被災し、石巻市は、震災遺構として、校舎の両端を取り壊し大きさを6割ほどにして保存することにしています。
これについて地元の住民グループは22日「ありのままの姿を見てもらい、震災の恐ろしさを伝えなくてはいけない」として、校舎の全体保存を求める要望書を石巻市の亀山市長に提出しました。
要望書の中で、住民グループは独自に地域住民などに実施したアンケート結果の中で、回答のあった420人のうち8割にあたる342人が校舎の全体保存を望む結果が出たとしています。
要望書を受け取ったあと、石巻市の亀山紘市長は「全体を残すことも視野に入れ検討を積み重ねてきたので残念だ。回答を検討したい」と述べ、要望書に対して文書で回答するとしています。
住民グループ代表の本間英一さんは「市民の声を真摯に受け止めて欲しい。校舎が壊されてしまうまで、全体保存を訴え続ける活動を続けたい」と話していました。


球児の健康問題/球数制限が本質ではない
 選抜高校野球大会(兵庫県西宮市・甲子園球場)が23日開幕する。いよいよ「球春到来」だが、選手の健康をどう守るかという問題は、まだ緒に就いたばかりだ。
 新潟県高野連は昨年、今春の県大会で「100球を超えたら、その回まで」とする球数制限を導入すると発表。日本高野連は全国一律での対応を求め、新潟県に待ったをかける一方、「投手の障害予防に関する有識者会議」を4月に発足させ、1年をめどに検討を進める方針を明らかにした。
 米国には、プロであるMLBとアマチュアの各団体でつくった、アマチュア投手対象の故障防止のための取り組み「PITCH SMART(ピッチ・スマート)」がある。ガイドラインを設け、年代ごとに投球制限をしている。
 1日に投げられる球数を7〜8歳で50球、15〜16歳で95球、17〜18歳で105球などと、2歳刻みで設定。高校生年代では、同じ球数を投げるには4日の休養が必要だ。
 さらに「年間で100イニング以上投げない」「年間に連続する2〜3カ月を含めて4カ月、投げない期間を設ける」などや、低年齢では変化球の習得制限も盛り込まれ、球数制限にとどまらない。
 プロ野球DeNAの筒香嘉智選手はことし1月、日本外国特派員協会で記者会見し、高校野球を含む少年期の野球が、「勝利至上主義」に陥りがちな現状を疑問視した。
 「大事なのは子どもたちの将来」と繰り返し強調。自らの経験から抜け出せない指導者や各団体の意識改革を訴え、球数制限だけでなく、トーナメント制中心の大会運営見直しなどにも言及した。少子化で野球人口が減少する中、「社会の変化に比べ、野球界は遅れている」と危機感をあらわにした。
 野球界では、プロアマを貫く実効的な統一組織が必ずしも機能しておらず、対応も各年代の組織がそれぞれ行ってきた経緯がある。
 新潟県の場合、2011年に小学生から高校の競技団体による「青少年野球団体協議会」を設立し、故障予防に向けた取り組みを進めてきた。独自の球数制限は今回、見送ることになったが、全国に先駆けた活動で、日本高野連を動かした意義は大きい。
 日本高野連の有識者会議のメンバーは、整形外科医や弁護士、元プロ野球選手、他競技の元選手ら10人程度。新潟県高野連も参画するという。
 ただ、筒香選手が指摘しているように、問題は高校野球の球数制限や投手の故障防止にとどまらない。野球界が一人一人の選手と少年期からどうかかわっていくか、という本質的な問い掛けに答えていく必要がある。
 その意味では、本来なら米国のように日本プロ野球組織(NPB)も加わり、プロアマ一緒となって、多角的に考えていくべきテーマだろう。


ゲノム編集食品 審査スルーで大丈夫?
 この夏にも市場にお目見えするというゲノム編集食品は、遺伝子組み換え食品とは違う。ゆえに安全審査は必要ない−と、厚生労働省は考える。新たな安全神話の誕生に、ならなければいいのだが。
 遺伝子組み換え食品を市場に流通させるには、食品衛生法による安全審査という関門がある。
 事業者は、厚生労働省に安全性を示すデータを提出し、承認を得ることになっている。
 しかし、ゲノム(全遺伝情報)編集食品に関しては、作り方によっては開発情報を任意で届け出るだけでよく、遺伝子組み換え食品のような審査を受ける必要がないことにするという。
 ゲノム編集は二種類に大別される。対象に新たな遺伝子を組み込む方法と、対象の遺伝子を切断して壊すという方法だ。
 いずれにしても、遺伝子を操作して、生き物の性質や形態を改変することに違いはない。
 ところが厚労省は、外部遺伝子を組み込む場合は規制の対象になるものの、切断して壊すケースは、自然に起きる突然変異や旧来の品種改良と見分けがつかず、審査はいらないというのである。
 ゲノム編集の食品分野への応用は、世界規模で加速しつつある。
 例えば、血圧上昇を抑える効果の高いトマトや、肉厚のマダイなど、内外の“食材”が商品化を待っている。
 昨年六月に閣議決定された、科学技術の革新をめざす「統合イノベーション戦略」で、政府は、ゲノム編集食品の法的な位置付けを年度内に明らかにする方針を示していた。スケジュールありきで性急に示された結論に、消費者団体などからは「安全性の議論が足りない」との声が上がっている。
 米農務省が一律の規制はしないとする一方で、欧州司法裁判所は、遺伝子組み換えと同様に規制すべきだとの判断を下している。
 編集技術の精度が高まったとはいえ、間違った部分で遺伝子を切断し、“想定外”の形質を与えてしまう「オフターゲット」という誤りが起きる恐れは残る。
 ことは食べ物、命の源だ。最先端の技術であっても、いや最先端であればこそ、慎重に扱うべきではないか。
 「知らないうちに出回って、気付かぬままに口にしないか…」
 不安を覚える消費者が強く求めているのは、正確な表示である。
 そのためには最低限、届け出の義務化と、詳細な安全情報の開示が不可欠だ。


現役引退表明 ありがとう、イチロー
 日米プロ野球で数々の記録を打ち立ててきたマリナーズのイチロー選手が現役引退を表明し、一時代に幕を下ろした。頑固なまでに自らの道を突き進む姿は、ファンの心をとらえ続けた。
 有言実行。それがイチロー選手の代名詞だった。
 このようなことがあった。イチロー選手がヒーローインタビューを終えてから一週間ほどたった時のこと。会見で自分の意にそぐわぬことを話してしまったという。それを訂正してほしいとマスコミ各社に願い出た。
 己の発した言葉には責任を持つイチロー選手のポリシー。それを崩したのは初めてかもしれない。「最低五十歳まで現役を続ける」。そう語っていた希代の打者が、四十五歳で現役を退くことを決断した。日米で先人の記録を次々と打ち破るイチロー選手を見つめ続け、これからも永遠に打席に立つことを信じてきたファンは、信じられない思いであろう。
 イチロー選手は逆境に陥っても、それをはねのけ、新たな強大な力に変えてきた。
 愛知・愛工大名電高では地元の中日ドラゴンズでプレーすることを夢見ながら、投手としては体が細すぎるとされ、打者としての才能に目をつけたオリックスにドラフト四位で入団した。
 プロ入り直後は、重心を投手側に極端に移しながら打つ「振り子打法」が当時の首脳陣に受け入れられず、結果を残しても二軍暮らしを強いられ、人知れず悔し涙を流したこともあった。
 二〇〇一年に移籍した大リーグでは、日本人では過去に例がない野手ということから最初は冷たい視線を向けられた。
 これらをはねのけて〇四年にメジャー新記録のシーズン二百六十二安打を放った時は、それまでの記録保持者ジョージ・シスラー氏に再び光を当てることにもつながるなど、大リーグの歴史を掘り起こす貢献も大きかった。
 どんな時でも自分を曲げず、信じる道を突き進んだ。人の顔色をうかがいながら「忖度(そんたく)」する思いなど皆無だった。それが数々の記録の源となり、閉そくした社会に不満を感じる若者の気持ちをつかみ「あこがれるスポーツ選手」のトップに名前が何度も挙がるほど人を引きつけた。
 イチロー選手の生き方は、人生にとって最も大切なことを教えてくれる。野球にすべてをかけてきた偉大な選手の今後にも、注目していきたい。


麻生氏「2%にこだわるな」 手のひら返しにあきれる
 安倍政権の中枢から、日銀は「2%」の物価目標にこだわるべきではない、との発言が出ている。2012年末の政権交代前から、2%にこだわってきたのは、他ならぬ安倍晋三首相とその周辺だった。今になって何を言うのだろう。
 以下は、麻生太郎副総理兼財務相が最近、記者会見で述べたものだ。 「(2%の物価目標に)こだわっているのは、新聞記者と日銀とそういうことに詳しい人(だけ)」「こだわりすぎるとおかしくなる」
 安倍氏が「経済学の大家」と称し、内閣官房参与に起用した米エール大の浜田宏一名誉教授もロイター通信のインタビューで、「(2%目標は)絶対に必要というものではない」と述べている。日本の物価目標は3%でもいいと主張していた人だ。
 時計の針を、政権交代のあった12年12月に戻そう。自民党は2%の目標導入を選挙公約に掲げた。「達成に向け、日銀法の改正も視野に、政府・日銀の連携強化の仕組みを作り、大胆な金融緩和を行う」とした。
 当時、自民党内で検討されていた日銀法改正には、物価目標が達成されない場合、政府が日銀総裁を解任できるようにすることなどが含まれていた。日銀にあからさまな圧力をかけることで、日銀との共同文書発表にこぎつけ、2%の目標をのませたのである。
 安倍政権に任命されて黒田東彦氏が日銀総裁に就任すると、「2年」という達成期限も明示した。
 それから6年が経過したが、2%達成のメドは全く立っていない。
 2%の未達成を問題視するのではない。最大の問題は、安倍政権が2%にこだわった結果、日銀が出口のない異常な金融緩和を始め、抜けられずにいること。そして日本の金融や財政が将来にわたって大きくゆがめられてしまったこと、である。
 日銀の異次元緩和で物価上昇を果たすのが「アベノミクス第一の矢」だったことを忘れたわけではないだろう。麻生氏の言う通り、誰も2%にこだわっていないのなら、政権は誤りを認め、要因を分析し、国民にわかりやすく説明するのが筋だ。
 責任を日銀になすりつけ、雇用情勢を大きく改善させたアベノミクスは大成功だった、などと議論をすり替えることは、許されない。


東京五輪 当初の理念を忘れたのか
 2020年東京五輪招致疑惑で、フランス司法当局の捜査対象になっている日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長が、任期満了となる今年6月27日で退任すると表明した。国際オリンピック委員会(IOC)委員からも退くという。
 竹田氏は世代交代を理由に挙げ、改めて潔白を主張した。しかし、疑惑に関する説明責任を回避する姿勢などが批判を浴び、退任に追い込まれた形だ。
 五輪・パラリンピックを来夏に控えた中、JOCトップが退く異例の事態で、東京大会のイメージは大きく損なわれた。JOCは自ら疑惑の再調査に乗り出すなど、国内外の信頼回復に努めるべきだ。
 五輪を巡っては国、大会組織委、東京都の3者の姿勢も問われている。「復興五輪」「コンパクト五輪」という当初の理念と現実の乖離(かいり)が目立つからだ。
 今年1〜2月に共同通信が、東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島3県の42市町村長に行ったアンケートでは、復興五輪の理念は「浸透していない」「どちらかというと浸透していない」との回答が半数を占めた。五輪を通じて世界各国からの支援に感謝を示し、復興をアピールする−との理念はあいまいで、「言葉だけが独り歩きしている」との声が少なくない。
 首都では競技施設の建設ラッシュなどで好況が続くが、被災地では原発事故に見舞われた福島を中心に、避難生活者がなお5万人余に上る。原発の廃炉作業や放射性物質の最終処分の見通しも立っていない。
 そうした状況下で、復興は進展したと言えるのか。五輪は復興に資するのか。被災地では戸惑いや疑念が横たわり、世界に向けては「むしろ震災の傷痕の深さや復興の困難さを伝えるべきだ」との指摘もある。
 一方、大会の直接経費は昨年12月時点の組織委試算で、1兆3500億円(組織委と都が各6千億円、国が1500億円を負担)とされている。これにも不信の目が向けられている。
 国の負担額が会計検査院の検査結果と食い違い、関連経費を含めた総額は3兆円に上るとの観測があるためだ。
 五輪を成功に導くには、こうした不透明感を払拭(ふっしょく)すること、そして被災地の復興を忘れないことが何よりも肝要だ。
 五輪の運営では全国から集まる10万人のボランティアが汗を流す。加えて九州を含め400近い自治体が、参加国・地域の選手、市民らと交流する「ホストタウン」の役割を担う。
 五輪が東京だけのものではなく、全国の人々の協力、取り組みの上に成り立つことも、忘れてはならない。


竹田会長退任へ 体制一新し真相の解明を
 招致を巡る不正疑惑で高まった批判に抗しきれず、退任に追い込まれたといえる。だが、これで幕引きは許されない。
 2020年東京五輪・パラリンピックへの影響を抑えるためにも、早期に体制を一新し信頼回復に努めねばならない。
 日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長(71)が、任期満了となる6月に退任すると表明した。
 竹田氏は、東京五輪招致を巡る贈収賄疑惑でフランス司法当局の捜査対象となっている。
 混乱を招いた責任は重い。退任は当然といえよう。
 竹田氏が理事長だった招致委員会が、シンガポールのコンサルタント会社に送金した2億円超の一部が、開催都市決定の投票権を持つ国際オリンピック委員会(IOC)委員の買収に使われた疑いが持たれている。
 竹田氏は一貫して潔白を主張しているが、IOCが水面下で早期の退任を促すなど、五輪への影響を強く憂慮する国内外の声が強まっていた。
 理解できないのは、退任時期を任期満了となる6月27日までとしたことだ。
 任期満了前の辞任は、疑惑を認めたかのようなメッセージを発信しかねないとの判断からとされる。
 しかし、疑惑再燃を受け、竹田氏は国際会議を相次いで欠席するなど、JOC会長としての活動に支障が出ている。
 東京五輪の開幕まで500日を切り、準備が本格化している。疑惑を引きずる竹田氏はすぐにでも退くべきだ。
 異例の事態を招いた責任は、疑惑にきちんと対応してこなかったJOCにもある。
 まず求めたいのは、招致不正疑惑の再調査だ。
 疑惑は16年5月に表沙汰となったが、JOCの外部調査チームは同じ年の9月に違法性はないとする報告書を公表した。
 だが外部調査チームはオブザーバーにJOC役員と東京都幹部が入るなど、独立性に問題があった。
 調査が不十分なままでの強引な結論付けが目立ち、専門家からは「信用性に欠ける」といった厳しい批判も出ていた。
 招致活動は「オールジャパン」で行われていた。疑惑のコンサルタント会社との深い関係がうわさされる招致関係者などを含め厳しく再調査すべきだ。
 JOCの信頼回復には、ガバナンス(組織統治)の強化を進めることも不可欠だ。
 01年に会長に就任した竹田氏は現在10期目で、6、7月の役員改選に向け「選任時70歳未満」の定年規定の改定が検討されるなど、当初は続投が確実視されていた。
 スポーツ界では昨年、パワハラや金銭問題などの不祥事が続発した。大きな要因として役員の多選が挙げられている。
 不祥事を防ぐには、在任年数に上限を設けるなどして組織の新陳代謝を促すことが重要だ。
 JOCは一刻も早く新会長を決め、東京五輪の成功に向け全力を挙げてもらいたい。


京大の琉球遺骨  学問の誠意が問われる
 沖縄県今帰仁(なきじん)村に伝わる地元の有力首長の墓から90年前に学術研究の名目で持ち出された琉球人の遺骨を返すよう、子孫らが京都大を訴えている。
 沖縄で先祖の遺骨は信仰の対象である。それが墓にないため、憲法が保障する信仰や宗教の自由が侵害された、と原告は主張している。
 京大は裁判で遺骨の保管を認めたが、「(当時は)違法でなかった」と争う姿勢を見せている。
 重要な学術研究とはいえ、それが遺族らに遺骨を返さなくていいという理由にはなるまい。京大のかたくなな姿勢は残念だ。
 京都地裁に訴えた首長の子孫らによると、1929年に当時の京都帝国大助教授が首長を葬った「百按司(ももじゃな)墓」から26体の遺骨を持ち出し、現在も研究材料として保管しているという。
 子孫らは遺骨が持ち出されていたことを知らずに長年、祭祀(さいし)を継承してきた。「むなしい」という訴えは悲痛である。
 裁判を起こされる前に、返還に動くのが道理ではなかったか。
 同様の訴訟としては、北海道でアイヌ民族が北海道大を相手に起こしている事例がある。
 人骨の研究は戦前、京大や北大を中心に盛んに行われていた。「民族の系統」の研究が名目で、沖縄やアイヌ民族の墓から骨を持ち出していた。
 こうした研究は、日本が大陸や南方に領土拡大を目指す中で行われた。学問が国策のために利用されたが、学問自体も国策に乗じた権威主義的な姿勢が強かった。
 墓から遺骨を持ち去るなどという行為はその典型といえる。
 京大は、当時の沖縄県などの許可を得ており、合法的な取得だったと反論している。だが、当時の帝国大学の権威の前に、沖縄県側が抵抗できなかった可能性は十分にある。
 対等ではない関係の中で持ち去られた文化財などの返還を求める動きは、現在、世界的な潮流になっている。
 米国では先住民の遺骨を収集していた大学に対し、返還を義務づける制度が1990年に施行された。北大も一部返還を始めている。
 京大は訴えられるまで、子孫に対し遺骨の存否さえ回答しなかった。提訴を受け遺骨の存在を認めたが、遺骨が原告の先祖のものかを証明するよう求めている。京大の管理があいまいだったのに、あまりに冷淡な対応だ。
 遺骨は本来の場所に戻すのが筋だ。学問の誠意が問われている。


巨大IT企業  独占排す仕組みが要る
 政府が巨大IT企業の規制に向けて本格的に動き始めた。
 頭文字からGAFAと称される、グーグルやアマゾン・コム、フェイスブック、アップルを念頭に置いている。
 情報技術やネット通販、会員制交流サイト(SNS)などで急成長し、圧倒的なシェアを握っている。
 生活に欠かせない存在になった一方で、個人情報の扱いや税負担のあり方が問題になっている。過去に例のない規模で市場を独占しているだけに、既存の法律や監視体制が追いついていない。
 公正取引委員会や総務省などが中心になって動いている。総合的な対策を早急にまとめる必要がある。
 公取委が問題視しているのは、これらの企業が取引先に対して自らに有利な規約を一方的に押し付けるといった「優越的な地位の乱用」の実態だ。
 例えば、インターネットで商品を売ろうという個人事業者は、巨大IT企業を利用しないわけにはいかないのが現実だ。しかし個別の交渉はできず、IT企業が示した利用規約や手数料に従うしかない。
 公取委は1月に情報提供窓口を設置し、巨大IT企業が提供するサービスでこうした不公正な契約実態がないかの調査を始めた。
 巨大企業の支配力が強すぎて競争が働かなければ、国内中小企業の成長も難しくなる。規制強化は必要だ。
 総務省はプライバシーと個人情報の侵害防止に動いている。
 巨大IT企業は利用者の通信履歴データを大量に収集し、広告などに利用して巨額の利益を上げているが、その実態は不透明だ。フェイスブックなどは情報流出を伏せていたこともあった。
 国内企業は電気通信事業法の「通信の秘密」でメールの内容などを無断で見たり漏らすことを禁じられている。総務省の有識者会議は、この規制を海外に拠点を置く企業にも適用する案をまとめた。
 顧客の個人情報が本人に知らされないまま利用されている現状は改めるべきだ。
 この点では、欧州はすでに厳格な姿勢を強めている。フランスは、グーグルが個人情報収集で利用者に明確な情報を提供しなかった、として約62億円の制裁金支払いを命じた。
 「課税逃れ」対策では英国などが独自課税を打ち出しているが、国際協調も必要だろう。実効性ある対策を打ち出してほしい。


学生は借金苦を警戒…自転車操業「奨学金」の悪しき空回り
「奨学金には手を出すな」――。学生の間で、そんな声が飛び交う。“救世主”であるはずの奨学金制度は完全に空回りに陥っている。
 日本学生支援機構(JASSO)によると、全学生中、奨学金の受給率は、2014年度38.4%に対し、16年度は37.7%に減った。学生は卒業後の「借金苦」を警戒しているのだ。JASSOのHPを見ると、奨学金に手を出したくない気持ちがよく分かる。
<督促は、本人の勤務先に電話をすることがあります>
<延滞3カ月以上の場合に個人信用情報機関に個人情報が登録されます><(登録されると)クレジットカードが発行されなかったり、自動車ローン及び住宅ローン等の各種ローンが組めなくなる場合があります>
 これは脅しではない。JASSOが個人信用情報機関に登録した件数は、13年度1万3047件が17年度は2万5288件と激増。着実に“実行”しているのだ。
 たった3カ月の延滞で「ブラックリスト」――。「返還完了の5年後にはリストから削除されます。返還期間の最長は20年です」(JASSO広報課)というから、人によっては、25年間も「ブラック」の刻印を背負う。学生が奨学金を借りたがらないのも無理はない。
 だが、その学生は自力で稼ぐしかない。JASSOの調査によると、大学学部生のアルバイト従事者は、14年度73.2%だったが、16年度は83.6%と大幅増だ。奨学金を避け、学生は学業を犠牲にして、バイトに精を出す。安倍首相が自慢する「雇用の創出」とはこういうカラクリなのだ。
 3月6日の参院予算委で吉良佳子議員(共産)が、奨学金の借金苦を取り上げた。返済猶予の拡大や免除など救済案を提案したが、柴山昌彦文科相は「次世代のための原資を減少させる懸念があります」とゼロ回答。きちんと回収しなければ、次世代に迷惑がかかるという理屈である。
 返済を将来の融資に充てる制度は維持することを前提に、元大阪産業大客員教授の八幡義雄氏(教育学)は「今、自転車操業に陥っていて、目先しか見えていない」として、こう続ける。
「奨学金は、学生時代に学業に集中できる環境をつくることで、卒業後、優良債務者になって返済してもらうというサイクルです。しっかり勉強してもらうことが返済の担保になるのです。まず、JASSOに公的資金を大胆に投入して、財政基盤を安定させ、いったん、自転車操業をやめるべきです。その豊富な原資から積極的に融資して、学生の“学業優先”が広がれば、将来の優良債務者が増えるわけです。加えて、悪意ある債務者には厳しくメスを入れればいい。学生が奨学金を怖がって、バイトに走り、学業がおろそかになるという悪循環は一刻も早く断ち切るべきです」
「愛される奨学金」にならないものか。


野党再編の大波が起きる? 大阪クロス選挙の「その後」に注目!
露骨な党利党略が透けて見える悪手というほかはない。大阪維新の会が仕掛けたクロス選挙のことだ。
松井一郎大阪府知事と吉村洋文大阪市長の狙いは、はっきりしている。
松井知事らは今年11月をめどに、「大阪都構想」の可否を問う2回目の住民投票を目指していた。しかし、国政選挙での協力を餌に都構想への協力を取りつけたはずの公明党に裏切られ、袋小路に陥った。
ただでさえ、大阪維新の党勢はさえない。住民投票を行なうには大阪維新は府議会、市議会でそれぞれ過半数の議席を確保する必要があるが、4月の統一地方選では苦戦も予想されていた。
このままでは今年11月の住民投票はおぼつかない。維新の存在意義にも疑問符がつくだろう。そこで松井知事が大阪市長選に、そして吉村市長が大阪府知事選に入れ替わって立候補するという奇策を打ち出したのだ。
地方選に加えて前代未聞の首長のクロス選となれば、有権者の注目度は高まる。関心を集めて票を掘り起こし、過半数獲得→住民投票にこぎ着けようという魂胆が見え見えだ。
だが、自治体で住民が首長を選ぶ動機はさまざまだ。候補が掲げた福祉や防災、地域経済策など幅広い公約をチェックして、有権者は投票先を決める。
ところが、松井知事らにそんな理屈は通じない。お祭り騒ぎに乗じて選挙に勝ってしまえば、あれは大阪都構想の是非を問う投票だったと強弁し、有無を言わさず都構想を強行する腹だ。こうした大阪維新の態度はあまりに独善的であり、住民自治にはおよそなじまない。
そもそも、大阪都構想は15年の住民投票で一度否決されている。過半数の住民が、大阪維新のこだわる都構想には納得していないのだ。もしクロス首長選、統一地方選で大阪維新が勝利し、再び住民投票となれば、住民を巻き込んだ地域の分断と対立はさらに深まるだろう。こうした状況は大阪にとって好ましいことではない。
そして、クロス選挙に関して、選挙の結果以上に気にかかっていることがある。それは橋下徹前大阪市長の動向だ。
クロス選挙となれば、橋下氏は大阪維新の応援に入ることになるだろう。大阪での橋下人気は落ちたとはいえ、まだ根強い。それで風が吹いて選挙に勝利となれば、その勢いを駆って橋下氏が国政進出というシナリオも十分にありうる。
そうなれば、橋下氏を軸に野党再編が進むかもしれない。
国民民主党と合流した自由党の小沢一郎氏は、橋下氏と気脈を通じている。国民民主党には大飯(おおい)原発(福井)の再稼働時に裏で協力するなど、橋下氏と関係が深い前原誠司元民進党代表もいる。
それらを踏まえれば、場合によっては、橋下氏が国政進出をきっかけに新党を立ち上げ、国民民主党と連携するケースも想定されるのだ。
7月の参院選では自民党の苦戦もささやかれている。焦った安倍首相が衆参同日選を仕掛けるようなことになれば、橋下氏の出馬の可能性はさらに高まる。そのチャンスを逃せば、次の衆院選は3、4年も先となる。いくら人気の高い橋下氏でも過去の人になりかねない。
大阪クロス選挙後の橋下国政進出、そして野党再編という波乱の"第2ラウンド"に注目してほしい。
●古賀茂明(こが・しげあき) 1955年生まれ、長崎県出身。経済産業省の元官僚。霞が関の改革派のリーダーだったが、民主党政権と対立して11年に退官。『日本中枢の狂謀』(講談社)など著書多数。ウェブサイト『DMMオンラインサロン』にて動画「古賀茂明の時事・政策リテラシー向上ゼミ」を配信中


大阪入れ替えダブル選挙の暴挙に出た維新。橋下徹も政界復帰か?
「選挙の私物化」。ダブル選挙に踏み切った松井知事
大阪ダブル入れ替え選挙
 大阪府知事・市長のダブルクロス(入れ替え)選挙の構図が確定した。維新と公明が決裂した大阪都構想法定協議会の翌3月8日、松井一郎・大阪府知事(維新代表)と吉村洋文・大阪市長(維新政調会長)が記者会見。松井知事が市長選に吉村市長が府知事選に入れ替わりで出馬することを表明した。
 4年前の大阪府知事・市長の公約である大阪都構想の再住民投票が、公明党の方針変更で実現困難となったとして「このままでは死んでも死に切れない」松井氏は強調。「公明党に騙された」と批判しながらダブル選挙に踏み切ったのだ。
 これに対して自民党は、府知事候補に小西禎一・元大阪府副知事、市長候補には今夏の参院選候補だった柳本顕・元大阪市議を擁立。公明党も府本部レベルながら両候補を推薦すると、立憲民主党も3月16日に自主支援の方針を決定。共産党も支援を検討している。
菅官房長官と松井知事の「蜜月関係」
 今回、自民党と野党が連携して維新と対決することになったが、辺野古新基地阻止のために保革が手を結んだ沖縄県知事選に似た「中央(官邸)」対「地方(自治)」という構図ともいえる。地元記者は「菅官房長官と松井知事の“蜜月関係”がカギ」とこう解説する。
「1月中旬に原田稔・創価学会会長と佐藤浩副会長と谷川佳樹主任副会長の3人が大阪入りし、会合を持って大阪都構想をめぐる対応について話し合いをしました。
 菅義偉官房長官と親密な佐藤氏は維新との対決、つまり法定協議会での決裂に否定的だったようです。しかし谷川氏は『決裂やむなし。維新と戦うべき』と主戦論を訴え、原田会長も同調したと聞いています。
 そして3月1日に公明党府本部と創価学会の幹部が大阪で会合を開いて決裂容認の方針を確認、大阪ダブルクロス選に突入することになったのです」
「終わった話」を蒸し返す愚
 松井知事が橋下徹・前大阪市長と面談を重ねる菅官房長官と、公明党に影響力を持つとされる佐藤副会長の2人は、去年2月の名護市長選6月の新潟県知事選や9月の沖縄県知事選などの重要選挙に関わってきたが、大阪でも動いた可能性があるというのだ。地元記者はこう続けた。
「これまで菅官房長官は公明党と維新の両方に寄り添いながら、飼い慣らしてきました。創価学会の組織力を有する公明党と国政選挙や地方選挙で連携する一方、維新からも与野党対決法案での国会審議や改憲論議での協力を引き出してきたのです。
 公明党が妥協して住民投票が実現した2015年と同様、今回も菅長官・佐藤副会長コンビが維新と公明の決裂回避に動いたのは間違いないでしょう。しかし、今回は決裂回避とならなかった。
 前回は橋下市長(当時)が『総選挙に鞍替えをして、公明党現職の選挙区から出る』と啖呵を切っていましたが、今は政界引退中で維新のパワーダウンは否めない。国政選挙でも議席を減らし続ける落ち目の維新に対して、公明党府議や市議が主戦論に傾いて『いま維新と手打ちをしたら統一地方選が戦えない』と妥協を拒否したようです」
 2015年は中央の菅官房長官と佐藤副会長の思惑通りに決裂回避で住民投票実現となったが、同年11月に「否決なら辞任」と明言していた橋下市長が辞任(政界引退)、維新のパワーダウンで地元の公明党を抑えきれなかったというわけだ。
「しかもダブル選挙の大義名分である大阪都構想への住民の関心も低くなってしまった。2015年の住民投票で一度否決され、『大阪都構想はもう終わった話』と冷めた目で見ています」(地元記者)
 それでも2017年のダブル選挙で再度の住民投票実施を掲げて当選した松井知事と吉川市長は、諦めようとしていない。法定協議会で、府議会と市議会での過半数確保のカギを握る公明党が消極的姿勢に転じたのを見た維新は、住民投票への協力を記した「密約」を暴露したが、逆に公明党の態度硬化を招いて全面対決に至ってしまったのだ。
大阪万博&カジノ誘致を餌にしたい維新
 そんな維新が追い風にしようとしているのが、2018年11月23日の2025年の大阪万博開催決定だ。博覧会国際事務局の総会が開かれたパリで開催決定を祝った松井知事は11月25日に帰国した際、「吉村市長と僕だからできた。これを制度にするのが大阪都構想だ」と大阪都構想実現に意欲を示した。
 しかし開催決定の翌24日、共産党の辰巳孝太郎参院議員(大阪選挙区)は、ツイッターでこう批判した。
「これで大阪は万博を口実にした、カジノのための巨額インフラ投資等を行おうとするだろう。カジノ企業は高笑い。カジノ単体では巨額インフラ整備等を正当化するのは無理があるからこそ万博の誘致があった。万博オフィシャルパーにカジノ企業5社が名を連ねている事が全てを語っている」
 地元住民の関心が薄れた大阪都構想を、万博誘致の熱気で蘇らせようとする松井知事。これに対して辰巳議員は「万博はカジノ関連の巨額インフラ投資の口実」と指摘した。実際、大阪万博では会場整備に1200億円超(国と大阪府市と民間が負担)、運営費に800億円、交通インフラ整備も700億円以上と試算されている。
 松井知事と吉村市長は2017年9月1日、トランプ大統領の大口献金業者で米国カジノ大手の「ラスベガス・サンズ」のアデルソン会長と非公開で面談。カジノ面積上限規制に懸念を表明したと報じられた。
 すでに吉村市長は「(カジノ建設候補地である)夢洲への鉄道延伸費用200億円負担がカジノ業者選定の条件」という方針を打ち出している。これには、甘いカジノ規制(面積上限撤廃や貸金業規制法の特区扱いなど)と引き換えに海外カジノ業者に200億円ものインフラ整備費を負担してもらおうとする狙いが透けて見える。否定的な見方もある万博開催を拠り所にして大阪都構想実現を正当化することに対しては、当然、賛否が割れても不思議ではないだろう。
橋下氏がお得意の前言撤回で政界復帰の可能性も!?
 そこで筆者は3月8日の記者会見で松井知事に対して、カジノと一体の大阪万博のマイナス面について質問したが、「そうならないように対策を講じる」と回答した。また「菅官房長官とどんな話をしたのか」とも聞くと「一国の官房長官と大阪都構想のことについての話はしていない」と働き掛けを否定した。
 さらに政界復帰が取り沙汰される橋下氏への「支援依頼はしない」と強調する松井知事に対して、「大阪都構想について、橋下氏と最後にいつどういう会話をしたのでしょうか。橋下氏も公明党への怒りを露わにするコメントをしていましたが」とも聞いたが、松井知事は「橋下氏は私人」「今年に入って食事をしたり、話をしたりしているが、大阪都構想について最後にどんな話をしたのかは覚えていない」と具体的内容を話すことは控えた。
『文藝春秋』1月号で赤坂太郎氏は「大阪万博誘致成功も橋下の背中を押す。もしダブル選挙となれば、ミクロの『大阪万博』とマクロの『改憲による統治機構改革』を掲げて戦う名分が立つからだ。橋下の持論である『強い野党』を、もう一度つくり直す好機が到来するのだ」と政界復帰の可能性が高まりつつあるとの見立てを紹介していた。
 大阪ダブル入れ替え選挙だけでなく、官邸からしてみれば「御用野党」として動いてくれる都合の良い存在であり、日本の政治になぜか影響を与える橋下氏の動向が注目される。
<取材・文・撮影/横田一> ジャーナリスト。小泉純一郎元首相の「原発ゼロ」に関する発言をまとめた『黙って寝てはいられない』(小泉純一郎/談、吉原毅/編)に編集協力。その他『検証・小池都政』(緑風出版)など著書多数


“安倍1強”に早くも暗雲 参院選の「前哨戦」で自民敗北危機
 参院選と統一地方選が重なる12年に1度の「亥年選挙」がスタート。前半戦の北海道や福岡など11道府県の知事選が21日、告示(4月7日投開票)された。結果が夏の参院選に直結するのは必至だが、すでに“安倍1強”に暗雲が垂れ込め始めている。
 最注目は北海道知事選だ。11知事選の中で唯一の「与野党全面対決」の構図だからだ。絶対に落とせない安倍自民は、自公推薦の鈴木直道・前夕張市長が第一声で首相自身のメッセージを掲げ、甘利選対委員長を街頭に立たせる力の入れようだ。現地メディアの調査でも鈴木氏は野党候補の石川知裕・元衆院議員を上回っているのだが、鈴木陣営も決して盤石ではない。
「もともと、地元議員や市町村長会、経済界は、国交省北海道局長の和泉晶裕氏を擁立する意向だった。鈴木氏については『迫力不足』『知事の器ではない』といった評価が大半を占めていたが、いつの間にか鈴木氏擁立が固まってしまった。鈴木氏は、同じ法大出身の菅官房長官の大のお気に入り。地元では『また官邸のご意向か』とみられている。『絶対に鈴木氏のビラは配らない』と憤る関係者もいる。陣営はまとまり切れていない」(道政関係者)
 現地で取材するジャーナリストの横田一氏は「『脱原発』を含め、政策論を前面に出す石川氏に対し、鈴木氏は具体的な政策論はほとんどしない。典型的な“争点隠し”で、有権者に見透かされれば、石川氏に追いつかれる可能性は十分にあり得ます」とみる。参院選の前哨戦で、安倍自民が敗北を喫する可能性が高まっているのだ。
 その予兆は既に表れていた。17日投開票された東京・台東区議選(定数32、立候補41)では、自民が14人擁立したが、現職を含める5人が落選。議席を1つ減らしている。「注目が集まりにくい区議選では、無党派層が動かず、古くからの支持層の投票で勝敗が決まりがち」(選挙プランナー)という。つまり、自民支持層からも「自民NO」の声が上がり始めているということだ。
「与野党対決」以上に安倍官邸を焦らせているのが、福岡県と大阪府の両知事選だ。福岡は、麻生財務相が安倍首相に直談判し、強引に党本部推薦を取り付けた新人と、二階幹事長が推す現職の“遺恨試合”状態。大阪は維新の松井前知事と吉村前市長の入れ替え「ダブル選挙」である。安倍首相にとって必要不可欠な「改憲勢力」の維新と対決するのは、他でもない自民党府連だ。福岡、大阪ともにどちらが勝っても、シコリが残るのは間違いない。
「維新と近い菅長官は頭を抱えているでしょう。いずれにせよ、大阪のダブル選は、維新がメディアの注目を集め党勢拡大を狙ったものとみられますし、福岡県知事選は自民党内の“内輪もめ”です。結果的に有権者は『二の次』になっています」(横田一氏)
 統一地方選が安倍自民「瓦解」の始まりになるのだ。


横畠裕介内閣法制局長官の辞任を求める<南丘喜八郎氏>
憲政史上、一大汚点と言える事態
 国会でいま、看過できない異常な事態が出来している。
 内閣法制局長官が、国会での議員の発言に掣肘を加えるが如き答弁をしたのだ。去る三月六日の参院予算委員会で、立憲民主党の小西洋之議員が「国会議員の質問は、国会の政府に対する監督責任の表れだとする(政府が閣議決定した)答弁(書)を確認して欲しい」と質問した。これに対して横畠裕介内閣法制局長官が「国会には一定の監督的な機能がある」と答弁し、加えて「このような場で声を荒げて発言するようなことまで含むとは考えていない」と述べた。
 内閣法制局長官の極めて異様な政治的発言は、憲法で国権の最高機関と規定した国会を愚弄するものだ。内閣法制局長官は政府提出法案に憲法違反の有無を厳重にチェックする、「法の番人」と言われる存在である。あくまでも憲法に忠実であり、中立でなければならない。
 本来なら、行政府のトップたる安倍首相が法制局長官を更迭するか、厳しく叱責すべき重大な事柄だ。安倍首相はこの横畠長官発言が議会制民主主義の根幹を揺るがしかねない問題である、ということに気付いていないのか。
 自民党の伊吹文明元衆院議長は横畠長官発言を、「国会議員に対して、姿勢や態度を批判するなどあり得ない」と厳しく批判したのは、至極当然のことだ。
 この事件は、戦後の憲政史上、一大汚点と言っていいだろう。
「憲法の番人」ではなく、「政権の番人」
 横畠長官は検事出身で、五年前に病気で辞任した小松一郎長官の後任として次長から昇格した。安倍首相の強い意向を受けて、小松氏と共に、憲法学者からは憲法違反の疑いがあると指摘されていた集団的自衛権の行使を容認する憲法解釈変更に貢献した人物だ。政権に奉仕する鵺官僚である横畠長官を、官邸は擁護し、辞任は求めない意向だ。これでは「憲法の番人」ではなく、「政権の番人」ではないか。
 この横畠長官発言をめぐる事態について、某新聞は「内閣法制局長官に、深く同情申し上げる。国会議員に対して姿勢や態度を批判してはいけないほど、国会議員はそんなに偉いのか」との論説委員長の原稿を掲載した。開いた口が塞がらない。
昭和十三年に起きた「事件」
 この横畠発言から、昭和十三年に起きた佐藤賢了陸軍中佐の「黙れ!」事件を想起する。
 昭和十三年一月十六日、近衛文麿首相は「爾後国民政府を対手とせず」という声明を出して、蒋介石政権との和平交渉への道を閉ざした。以来、支那事変は長期戦・泥沼化の様相を見せ、政府は焦りの色を濃くする。
 近衛はここに至って、経済・国民一体となって戦争に動員させるべく国家総動員法を国会に提出した。この法案は「戦時ニ際シ国家総動員上必要アルトキハ」物資・生産・金融・物価・労働など経済のあらゆる分野に亘って、政府が命令一本で強制的に統制措置を実施し、加えて、言論の統制、労働争議の禁止すらできるものだった。
 この法律は具体性に欠けるばかりか、運用の如何によっては法治主義の原則を無視し、議会を骨抜きにして、政府に独裁権限を与えることにもなりかねない。  実に危険極まりないものだった。
 国会では厳しい批判の声があがり、この法案は憲法違反の疑いがあるとして野党は鋭く政府を追及した。
 事件はこの審議の最中に起きたのだ。三月三日の衆院総動員法案委員会で政府の説明員である陸軍省軍務課員の佐藤賢了中佐が法案の精神、自身の信念などを長時間にわたって演説した。これに対し、議場から相次いで野次が飛ぶなど、不規則発言があった。佐藤の陸軍士官学校時代の教官であった立憲政友会の宮脇長吉議員が「止めさせろ」などと発言したのに対し、佐藤中佐は「黙れ!」と一喝したのだ。翌日、杉山陸相が陳謝したが、佐藤は何の処分も受けなかった。
民主主義や議会を軽視する国の行く末
 日頃、議会制民主主義を批判し、国会を軽視していた軍人が、国家総動員法に批判的な議員を議場で一喝するという事件はその後の我が国の行く末を象徴している。
 泥沼化した支那事変は遂に対米戦争を惹き起すに至り、我が国は三百万人を超える犠牲者を出し、敗戦を迎える。
 現今の国会を見て、立法府を蔑ろにする強権的な安倍政権に大いなる危惧を覚えるのは、私だけではないだろう。  今日の事態を憂う、心ある与党議員、そして野党議員の奮起を促したい。
<文/南丘喜八郎> みなみおかきはちろう●月刊日本主幹。1945年生まれ、早稲田大学卒。1969年、アール・エフ・ラジオ日本入社。報道部長・取締役論説室長を兼任し、1995年退社。慶應義塾大学新聞研究所兼任講師、同法学部講師などを務めた後、1997年『月刊日本』を創刊


【官邸の質問制限】知る権利の侵害許されず
 首相官邸が官房長官記者会見で東京新聞の記者が向けた質問を「事実誤認」と問題視し、質問制限とも取れる要請文を官邸記者クラブに出した問題で、言論界などから懸念や抗議が強まっている。
 官邸は記者の質問を規制するような意図はないとするが、要請文は「度重なる問題行為」と決め付け、記者クラブ側に「問題意識の共有」を求めている。報道の自由を制限するかのような政権の思惑を読み取らないわけにはいかない。
 権力機関に対する質問は、事実関係を確認し、権力が国民のために適正に行使されているのかを明らかにするためだ。質問を「事実誤認」と否定するなら、政権側がその場で正しいとする事実を示せばいい。
 その説明が事実かどうかをまた取材し、真相を明らかにするのが、メディア側に託された権力監視の使命である。政権の意に沿わない記者を特定して排除し、マスコミを分断しようとしているのだとしたら、報道への圧力や妨害に他ならない。断じて容認できない。
 要請文は官邸の報道室長名で、東京新聞記者が沖縄の米軍普天間飛行場の移設工事を巡り「埋め立て現場で赤土が広がっている」などと述べた質問を「事実に反する」と断定。国内外に「事実誤認を拡散させる」などと遺憾の意を示した。
 東京新聞にはこれまでも9件の質問に絡み、官邸側から申し入れがあったという。官邸側が同紙の記者を「特定の記者」とし、「事実に基づかない質問」の常習者のように捉えていた可能性もある。
 記者会見の司会役の報道室長はこの記者が質問中、頻繁に「簡潔に」などと遮るような発言を差し挟んでいるという。「特定の記者」への敵視さえ透ける。
 官房長官記者会見は全国の新聞社などで構成する「内閣記者会」が主催し、質問内容に制限はない。限られた時間の会見の中で、仮に個別の記者の質問時間が長過ぎるような状況があったとしても、それを問題にするかどうかは、記者クラブ側が自発的に考えるべきことだ。
 東京新聞は検証記事を掲載し、「事実誤認との指摘は当たらない」と反論した。新聞関係者らの団体や識者も「国民の知る権利が侵害される」などと危機感を訴え、官邸への抗議を相次いで表明した。
 それでも官邸は要請文を撤回する方針はないとかたくなだ。その強硬な態度は、トランプ米大統領が気に入らないマスコミを露骨に攻撃する姿とも重なる。安倍政権と自民党には、あからさまなマスコミへの批判やけん制が目立つ。
 公文書の改ざんや隠蔽(いんぺい)など、政権側こそが事実をねじ曲げ、隠してきた。そうした不正行為はマスコミの取材、報道によって国民の前に明らかにされてきた。
 質問する記者たちの後には国民がいる。メディアは何らひるまず、権力をただしていくだけだ。もちろん、それは地方でも同じだ。


東京の「生活保護」はまったく機能していない いまの日本は「階層」がはっきりしている
藤田 孝典 : NPO法人ほっとプラス代表理事 / 中村 淳彦 : ノンフィクションライター
大学卒業後に重くのしかかる奨学金、いくら成果を出しても変わらない派遣の給与、収入が低くても受給できない生活保護……。貧困を救う制度は名ばかりなのか、貧困に喘ぐ女性が急増している。彼女たちを取り巻く大きな問題は、「1年後の自分が見えない」ということだ。大学生のような若者だけではない。派遣で働く独身女性、子どもを育てるシングルマザー……、あらゆる世代の女性たちから同じような嘆きの声が聞こえてくる。
明日に希望を持てない人が増える国に、明るい未来はあるのだろうか? いったい彼女たちに何が起こっているのか? 貧困者の個別支援活動と貧困問題の改善に向けた提言を行っているNPO法人ほっとプラス代表理事の藤田孝典氏と、1億2000万PV超の人気連載「貧困に喘ぐ女性の現実」をもとに書き下ろした『東京貧困女子。』(4月5日発売)を執筆したノンフィクションライターの中村淳彦氏に、貧困に喘ぐ女性の現状について語ってもらった。
SOSを求めてくる人は、どんどん増えている
中村:藤田さんはいま、ZOZOTOWNの労働問題やコンビニオーナー問題をやっていますが、雇用の問題は、本当に諸悪の根源。女性だったら非正規の単身やシングルマザーというだけでかなり厳しい貧困になる。貧困は生活が苦しいというだけでなく、健康を壊したり、子どもの未来を奪ったり、命を絶とうというところまでいく。
藤田:僕のところには年間300件くらいの相談があって、男性のほうが若干多い。ネットカフェで生活しているとか、友人宅を転々みたいな人が、どうにもならなくて相談にきます。生活困窮なり借金なり、精神疾患、障害を抱えながらSOSを求めてくる人は、どんどん増えていますね。
中村:追いつめられて助けを求めにきた人に対して、具体的になにをするの?
藤田:生活保護の申請に付き添うとか、精神疾患とかで病院に付き添うとか、借金の整理で弁護士さんのところに行くとか。アパート探しも付き添うし、やることは多岐にわたりますね。
中村:徹底して個別対応をするわけですね。藤田さんみたいな活動家がいるから、僕は取材だけに集中できる。僕はアドバイスや支援はしないけど、気づいたのは困難な現在を誰かに話すことによって、気分が楽になったり、自分がするべきことの整理がついたり、というポジティブな手応えはあった。
藤田:僕はもともと就職氷河期世代で、ホームレス状態の人とか、困窮する人たちにシンパシーがあった。「自分も将来なるんじゃないか」という恐怖感からです。路上生活者を訪問しながら味噌汁を配ったり、おにぎりを配る活動をしていると、誰もが普通に貧困になる可能性を実感する。本当に他人事ではなかった。
中村:非正規化が進んで本当に仕事が安定しなくなった。僕も含めて想像ができるのは来年くらいまでで、もうその先はわからない。女性の厳しすぎる現状を目の当たりにして、個人的には正直、近いうちに自分は死ぬかもって覚悟するようになった。最近は明るいこと、前向きなことを考えようって気持ちの方向転換をしています。現実逃避だけど。
「生活保護」を嫌がる女性たち
藤田:貧困の現場からは声を上げる必要はあって、まだまだ悲惨な現実が中流以上の層には届いていない。例えば、生活保護はほとんど機能していません。
中村:かなり苦しい状態でも、女性たちは生活保護を嫌がりますね。郊外になると、特にその傾向があって、誰かに迷惑はかけたくない、みたいな言葉は何度もでてきた。
藤田:支援しながら常々思うのは生活保護なり、制度をもうちょっと使いやすくする必要性があるということ。女性は受けにくいし、高齢者も持ち家や年金があると受けにくい。ほかの国と比べると捕捉率が低いので、国民がどんどんと貧困化している。
中村:どのような制度がどのようになれば、いいのでしょう?
藤田:生活保護は、生活扶助費、住宅扶助費、医療扶助費など、8項目の扶助があるのですが、それを分解できれば圧倒的に使いやすくなります。若い女性でいえば、住宅扶助があれば助かるとか。
中村:いまの非正規の賃金水準だと、生活保護の最低生活費を割ることもある。家賃のかかる単身や、ひとり親ではとても普通の生活はできない。人によるけど、貧困のボーダーラインの人たちは家賃分程度、大雑把にいえば月5万円くらいのお金が足りていない。
藤田:生活保護の分離論というのですけど、いまの制度はもう生活に困窮したら8つの扶助をガーンと全部支給。ほかの国だと、困窮する前に予防的に分離して支給する。とことん困る前に社会保障を支給することは、世界的にみると標準的な福祉政策です。
中村:東京だと家賃がかかるだけで貧困化する。住宅扶助だけで生活が立て直せる人は、たくさん存在しますね。
藤田:日本はもうどうしてもホームレス化とか、あるいは風俗店に行っても精神疾患で働けない、みたいにならないと生活保護受給にならない。本当はその手前、家賃だけとか医療費だけでも支給してあげれば、ずいぶん変わるはずですよ。
中村:社会保障のもっといい在り方はさまざまなところで議論されているけど、国を動かす層で聞いてくれる人はいるの? 女性の貧困は国や自治体の政策からはじまっている印象がある。加害者というか、貧困に誘導している張本人に相談しても、聞く耳を持たないような気がする。
藤田:そうですね。あまり、いません(笑)。基本的には生活保護はなるべく支給したくない、税金もこれ以上、上がるのは嫌という意識。社会保障を増やすのは世論の理解を得ないといけないので、地道に取り組み続けるしかない。すぐには変わらないですね。
中村:いまの自己責任の論調をみていると、中流以上のほとんどは貧困層の救済は反対でしょう。
藤田:だから、中村さんにもっと貧困の現実を可視化してもらいたい。
大学生に対する支援が「なにもない」
中村:女性の貧困はもうどの世代を眺めても、深刻な状態にあるけど、特に女子大生は大変なことになっている。大袈裟じゃなく、膨大な人数がパパ活や風俗に流れていて、正直メチャクチャなことになっている。
藤田:すごい数ですよね。
中村:これからの社会を支える若い子にそんなことさせて、なにもいいことがないどころか、とんでもない社会的損失。ほとんどの女子大生たちは風俗の仕事なんかやらないで、勉強とかサークル活動とか恋愛をしたいでしょう。
藤田:そうですね。いいことないですね。大学生に対する支援がやっぱりなにもない。高騰する学費が足りないし、なおかつ生活費も足りない。親からの仕送りも少ないし、貸与型奨学金なんてローンです。もう、どうにもならないですかね。
中村:大学生のひどい現実は、まだまだ知らない人が多い。本当のひどさは現場にいないとわからない。
藤田:本来、大学の学費は無償化、あるいは支給するのが一般的な先進諸国ですよ。OECDの加盟国でも大学の学費がこれだけ高騰、高くて、なおかつ給付型の奨学金もないなんていう国は日本くらいですから。
中村:給付があれば、女子大生たちが夜系の仕事に割いている時間は減る。その金額分だけ、あるべき姿に正常化します。数ある女性の貧困問題の中で、最も優先したほうがいいことだと思いますね。
藤田:いまの日本は、とにかく階級がはっきりしている。夜系には中間層よりも下の出身家庭が多い。上もいるけど、少数。出身家庭によって人生が左右されるのは痛々しいし、もう少し減らしていけるといいなと思います。
中村:貧困は自己責任と言うアッパーミドルの人たちも、いまの若い学生たちの現状を知れば危機感を覚えるでしょう。
藤田:基本的にはその層がやっぱり政治力も発言力も持っているし、力もある。この社会をどうしていくかを一緒に考えてもらう人を増やさないといけないですね。
中村:あと、これまでの取材で憤りを感じたのは「官製貧困」ですね。自治体の臨時職員とか、介護も保育もそう。今回の取材では、非正規の図書館司書に話を聞いたんだけど、彼女の痛々しい言葉はいまでも忘れられない。
『その日暮らしは十分できます。もっと経済的に厳しい人がいるのも十分承知はしています。けど、ずっとギリギリの生活で、なんの贅沢もしていないのに貯金すらできない。嘱託は1年契約、更新は最長5年と決まっていて、いまは4年目です。来年はすごく頑張っても、仕事で成果を出しても確実にクビになります。低賃金なので蓄えはないし、年齢ばかり重ねて、私はいったいどうなってしまうのだろう』って。
国や自治体が関わる非正規雇用は、最低賃金や最低生活費に合わせて制度設計している。国や自治体が積極的に国民や市民を貧困化させているので、もう救いがない。
藤田:自治体の窓口に行くと、だいたい生活保護基準ぐらいの手取り給料で働いていますからね。昨日まで困窮者の相談を窓口で受けていたけど、その2カ月後には自分が生活保護とか。平気でそういうケースがある。どこの自治体も非正規雇用は多いし、部署によっては過半数以上が非正規。低賃金の人は激増していますね。
中村:自治体が市民を貧困に追い込んでいるんだから、もう仕方ないのかなと思う部分がある。公的機関の男性正規職の女性非正規に対するパワハラもすごいみたいだし、もう日本はダメなんだなって感じる。
「ちゃんと賃金上げろ」という労働運動が必要
藤田:だから労働運動が必要なの。「ちゃんと正社員として雇え」とか「ちゃんと賃金上げろ」とか「職場改善しろ」と要求していかないと変わらない。抵抗をしないとそのままです。先ほどの大学の学費も同じで、貧困に慣れてしまって、このままでいいやって意識がずっと続いているんですよね。
中村:やっぱりそこしかないんですね。
藤田:希望はそこしかないですね。だから中村さんが可視化した後は、僕らがそれを引き取って、当事者に立ち上がってもらう。当事者が「ちょっとこれはおかしいよ」っていうことを言って権利を要求していかないと、ひどくなるばかりですね。
中村:まあ、そうでしょうね。消費税増税は貧困層に直撃だし、認知症老人は数年以内に700万人を超える。危機的状況なのに、どこをみても社会保障の削減の議論ばかり。
藤田:社会保障費はずっと上がり続ける中で税収は増えない。でも、生活保護がどんどん増えているから、社会保障費を削りながら、年金医療も削減という流れは2021年以降はとくに顕著でしょうね。近い将来は「少ない金額でもよければ、どうぞ」ってなっていくかな。
中村:いままで3食食べていたのに1食に減らして、みんななんとか生き延びろってこと? 路上で野垂れ死にする人を見ることが日常になるのも、もう秒読みじゃないかって覚悟しています。
中村:あと、これまでの取材で憤りを感じたのは「官製貧困」ですね。自治体の臨時職員とか、介護も保育もそう。今回の取材では、非正規の図書館司書に話を聞いたんだけど、彼女の痛々しい言葉はいまでも忘れられない。
『その日暮らしは十分できます。もっと経済的に厳しい人がいるのも十分承知はしています。けど、ずっとギリギリの生活で、なんの贅沢もしていないのに貯金すらできない。嘱託は1年契約、更新は最長5年と決まっていて、いまは4年目です。来年はすごく頑張っても、仕事で成果を出しても確実にクビになります。低賃金なので蓄えはないし、年齢ばかり重ねて、私はいったいどうなってしまうのだろう』って。
国や自治体が関わる非正規雇用は、最低賃金や最低生活費に合わせて制度設計している。国や自治体が積極的に国民や市民を貧困化させているので、もう救いがない。
藤田:自治体の窓口に行くと、だいたい生活保護基準ぐらいの手取り給料で働いていますからね。昨日まで困窮者の相談を窓口で受けていたけど、その2カ月後には自分が生活保護とか。平気でそういうケースがある。どこの自治体も非正規雇用は多いし、部署によっては過半数以上が非正規。低賃金の人は激増していますね。
中村:自治体が市民を貧困に追い込んでいるんだから、もう仕方ないのかなと思う部分がある。公的機関の男性正規職の女性非正規に対するパワハラもすごいみたいだし、もう日本はダメなんだなって感じる。
「ちゃんと賃金上げろ」という労働運動が必要
藤田:だから労働運動が必要なの。「ちゃんと正社員として雇え」とか「ちゃんと賃金上げろ」とか「職場改善しろ」と要求していかないと変わらない。抵抗をしないとそのままです。先ほどの大学の学費も同じで、貧困に慣れてしまって、このままでいいやって意識がずっと続いているんですよね。
中村:やっぱりそこしかないんですね。
藤田:希望はそこしかないですね。だから中村さんが可視化した後は、僕らがそれを引き取って、当事者に立ち上がってもらう。当事者が「ちょっとこれはおかしいよ」っていうことを言って権利を要求していかないと、ひどくなるばかりですね。
中村:まあ、そうでしょうね。消費税増税は貧困層に直撃だし、認知症老人は数年以内に700万人を超える。危機的状況なのに、どこをみても社会保障の削減の議論ばかり。
藤田:社会保障費はずっと上がり続ける中で税収は増えない。でも、生活保護がどんどん増えているから、社会保障費を削りながら、年金医療も削減という流れは2021年以降はとくに顕著でしょうね。近い将来は「少ない金額でもよければ、どうぞ」ってなっていくかな。
中村:いままで3食食べていたのに1食に減らして、みんななんとか生き延びろってこと? 路上で野垂れ死にする人を見ることが日常になるのも、もう秒読みじゃないかって覚悟しています。
藤田:いま、階層が二極化していて、株などの金融資産を持っている富裕層とか超富裕層が増えている。でも、いちばん増えているのは「第1・十分位」って言うんですけど、所得を10階層に分けたいちばん下の層(下位10%)です。
中村:それはアンダークラスと言われる生活保護基準程度で暮らす人たちですね。
藤田:働いていても、年金も受けていても、生活保護水準以下の人が増えている。今後、その人たちは高齢者になる。相当、層が分厚くなります。特に2021年以降、日本は破滅的な状況になってくるんじゃないですか。いまはまだ貧困化の過度期、僕はまだまだ底に落ちていくというイメージをもっています。
中村:所得だけでなく、男女、世代とさまざまなところが分断されていますよね。人は貧しいといがみあう。女性の貧困も原因をたどれば、すべて国の政策だし、公的機関が貧困や分断を助長している現実がある。
藤田:世代間のギャップは激しい。いまはもう10歳ぐらいの差で、かなり分断があります。たぶん、中高年はいまの若い人の状況を理解できない。所得が低い人は、低い人同士だけのつながりが深い。非常に不健全な状況はありますね。
周りに同じような所得階級の人しかいない
中村:上層は上層だけの環境なので、どんどんおかしな政策が進んでいく。もうすでに統治ができているとは思えない。
藤田:昔だったら地域にごちゃまぜにいろいろな人たちがいたけど、いまはもうゲーテッドコミュニティという、要はマンションだったらマンションで同じような所得階級の人しかいない。ほかの人の暮らしとか、ほかの家の子どもの姿とか、見えなくなっている。
中村:心がどんよりしてきます。
藤田:僕もなにか気分が落ち込んできました(笑)。
中村:なにか予防策はあるの?
藤田:個人がそれぞれ自分を防御するしかないでしょう。そのためには、まず可視化が必要。本当に大事なこと。僕も相談の許される範囲での可視化と、その次の段階である政策提言につなげています。やはり現実の悲惨な状況を1人でも多くの人に知ってもらいたい。
中村:藤田さんの話を聞いて、僕の役割は貧困の現実の可視化に力を入れることなんだと改めて思いました。今日は、どうもありがとうございました。


韓国の空港で「韓国人は嫌いだ」とヘイトを叫んだ厚労官僚はアベノミクスの旗振り役! 安倍政権下で進む公務員のネトウヨ化
 あり得ない事件が起こってしまった。19日、厚生労働省の武田康祐・賃金課長課長が韓国・金浦空港で暴行をはたらき、その上「韓国人が嫌いだ!」と騒いで地元警察に身柄を一時拘束されていたことが発覚した件だ。
 武田氏は16日から私用で韓国に渡航していたが、19日、羽田行きの便に搭乗の際、武田氏が酒臭く、泥酔状態にあったために空港職員から搭乗を制止された。このことに腹を立てた武田氏は、「I hate Korean! I hate Korean!」(韓国人が嫌いだ! 韓国人が嫌いだ!)と暴言を吐き、さらに、空港職員の制止を振り切り無理やり搭乗しようとして暴れ、空港職員の足を蹴った上、顔面を殴りかかったのだ。
 この事件を最初に日本で伝えたのは中央日報で、20日の早朝には「「韓国人が嫌いだ」 酒に酔った日本人、金浦空港で暴力騒ぎ」というタイトルで配信されていた。このときはまだ「ある日本人男性」としか書かれていなかったため、ネット上では「韓国の自作自演」説まで流れる始末だった。しかし、同日夜になって厚労省が事件を起こしたのが武田氏で、同日付けで官房付とする人事異動を発令。自作自演も何も、なんとキャリア官僚が狼藉をはたらいていたことが表沙汰になったのだった。
 しかも驚愕するのは、武田氏のその後の態度だ。事件を起こした同日、武田氏は自身のFacebook(現在はアカウント削除)にこんな投稿をおこなっていたというのだ。
〈なぜか警察に拘束されてます。殴られてけがをしました。手錠をかけられ5人に抱えられ。変な国です〉
 空港職員に殴りかかる様子はしっかりと動画で押さえられており、それを見るかぎり、警察に拘束されるのは当然のこと。にもかかわらず、この投稿からは本人に反省の色はまるで感じられない。それどころか「変な国」などと逆ギレヘイト投稿までしている始末だ。
 さらに、武田氏に独自取材した日本テレビの報道によれば、武田氏は飲酒を否定した上で、「韓国人が嫌いだ」という発言について「政治的意図ではなく空港職員への憤りからだ」と話しているという。
 空港職員に制止されただけで暴力を振るい、「韓国人が嫌いだ!」などと叫ぶとは常軌を逸しており、官僚の言動として「政治的」に扱われるのは当たり前の話だが、その自覚さえないらしいのだ。
 そもそも、日本政府は韓国が「三・一独立運動」から100周年を迎えた今年、韓国への渡航について、日本人に危険が及ぶ可能性があるとして「注意喚起」情報を発出。自民党の外交部会では危険情報をレベル1や2に上げるべきだという意見まで飛び出し、メディアもしきりに危険を煽っていた。
 ところがどうだ。実際には独立運動記念日に日本人が危険に晒されたといった事例は報告されていないばかりか、逆に韓国へ渡航した日本人、よりにもよって国家公務員がヘイト発言を公言して暴行事件を起こしたのである。いかに日本が冷静さを失い、頭に血をのぼらせた「乱暴者」になっているのかを象徴するかのようだ。
 しかも注目すべきは、この「韓国人が嫌いだ!」と喚き散らした武田氏が、安倍政権の政策の旗振り役として活躍してきたキャリア官僚であるということだろう。
 実際、武田氏は1995年に旧労働省に入省し、第二次安倍政権下では2015年に内閣官房一億総活躍推進室・働き方改革実現推進室企画官となり、安倍首相が掲げた「女性活躍」の推進に邁進。また、翌年には内閣参事官として「働き方改革」に取り組み、政府の代表としてセミナーなどでも講演。「アベノミクスの第2ステージ」「単なる社会政策を超えた“究極の成長戦略”」(「データのじかん」掲載の講演レポートより、2017年9月7日付)などとアベノミクスのアピール役を務めてきた。
韓国でヘイトを叫んだ厚労官僚はアベノミクスの旗振り役
 さらに、厚労省が昨年発行した「総合職入省案内」では、武田氏は労働基準局賃金課課長として登場。安倍首相を支えてきたことをこう自負していた。
「総理が「死にものぐるいで取り組まなければならない」と決意を語る政策のほとんどは厚生労働省の政策です」
「私は内閣官房一億総活躍推進室・働き方改革実現推進室の総括担当の内閣参事官として、安倍総理、加藤大臣を直接支えながらこの問題に取り組んできました」
「「官邸主導」と、厚労省など一般省庁の頭越しに物事が決まる様な印象を持たれる方もいるかもしれませんが、決してそうではなく、安倍総理の強い想いを実現するため、厚労行政に深い経験・知識を持った厚労省の出身者と、新たな発想を持った他省庁の出身者が十分に議論した上で、それが本当に実現可能なのかを厚労省の同僚とも議論して策定にこぎ着けました」
 まったくよく言うよ、だろう。「働き方改革」関連法案では、「裁量労働制の拡大」をめぐって安倍首相が「裁量労働制で働く方の労働時間の長さは、平均的な方で比べれば一般労働者より短いというデータもある」と答弁し、のちにデータ捏造問題が発覚。長時間労働と残業代タダを可能にする「高度プロフェッショナル制度の創設」では、安倍首相は「労働者のニーズに応えるもの」などと宣ったが、労働者からのヒアリングはたったの12名、しかも法案提出前に聞き取ったのはなんと1名でしかなく、聞き取り対象者も厚労省が聞き取りを依頼した企業側が選んでいたことが判明するなど、杜撰極まりないものだった。
 それを「国民全体の奉仕者」であるべき国家公務員が、労働者の立場に立たず、恥ずかしげもなく「官邸主導」を肯定し、「安倍総理の強い想いを実現するため」などと語るとは……。つまり、武田氏は完全に安倍首相の“私兵”だったのだ。
 だが、そんな「安倍マンセー」のキャリア官僚だった武田氏も、今月に入って暗雲が立ちこめていた。というのも、今月7日に武田氏は自民党の会合で最低賃金制度を見直し、業種別の全国一律化の検討に入ることを表明した。しかし、すぐさま菅義偉官房長官は「検討していない」と全面的に否定し、翌日には厚労省も「混乱を生じさせておわびする」という文書を配布。「近々、武田氏は更迭されるのでは」とみられていた。ようするに“私兵”がスタンドプレーを犯し、ものの見事に官邸に梯子を外された、というわけだ。今回、韓国で狼藉をはたらいたことについても「自暴自棄になっていたのでは」という声も上がっているが、あまりにも身勝手な話だろう。
安倍ネトウヨ政権下で進む官僚・公務員の“ネトウヨ化”
 いや、むしろ問題は、そうした安倍首相の手となり足となってきたキャリア官僚が、「韓国人が嫌いだ!」「変な国」などと平気で暴言を吐く、官僚や公務員の“ネトウヨ化”の深刻さのほうだ。
 実際、武田氏の暴行事件が伝えられた20日には、少年院の男性法務教官による“ヘイト洗脳”問題が国会で取り上げられ、法務省がこの男性教官を処分する方針を示した。
 じつはこの男性教官の問題はネット上で指摘されていたもので、男性教官は以前から〈中朝のキチガイ〉〈在日を送還しろ!〉などとヘイトスピーチをTwitter上で繰り返していた。そして、今年1月27日には、百田尚樹氏の『日本国紀』(幻冬舎)の制作に携わった有本香氏に、こんなコメントを投稿した。
〈私は法務教官をしておりますが、自分の担当する寮でも宣伝しまくっています。副読本と併せて、保護者に差し入れを要求する子が急増中です。
少年院に入るような少年はあまり勉強していない分、変に染まってないので洗脳…じゃなくて教育しやすいです(^-^)/〉
 このコメントをきっかけに法務教官が問題視され、今回、処分の方針を法務省が示したというわけだが、法務教官がネトウヨ発言を連発し、その上、『日本国紀』で洗脳すると投稿していた事実は、あまりにも衝撃的だ。
 いや、これだけではない。2017年には沖縄県高江で反対派市民に対して大阪府警の機動隊員が「ボケ、土人が」などと差別発言を繰り出し、昨年には統合幕僚監部に所属する幹部自衛官が、民進党の小西洋之参院議員に対し「お前は国民の敵だ」「お前の国会での活動は気持ち悪い」などと暴言を放つ事件も起こっている。
 安倍政権下で確実に進行している、官僚・公務員のネトウヨ化。閣僚人事にも言えるが、ネトウヨ思想をもつ者のほうが引き立てられる傾向すら見られる。そもそも、安倍首相自身が歴史修正主義者であり、ヘイトデマを撒き散らかしているヘイト出版社の雑誌やネット番組に嬉々として登場するのだから、当然といえば当然の流れだ。この反知性の恥さらし状態に終止符を打つには、まず“ネトウヨ宰相”を引きずりおろす。そこからはじめるしかないだろう。


空港職員に暴行…厚労省“酔拳課長”訪韓がお忍びだったワケ
「アイ・ヘイト・コリアン!(韓国人なんて大嫌いだ!)」
 韓国の空港職員に暴行を加えた厚労省の武田康祐前賃金課長(47)。徴用工問題やレーダー照射問題を巡って日韓関係が冷え込む中、新たな「火ダネ」をつくったと言っていい。
 武田氏は1995年、旧労働省に入省。労働畑を歩んだ後、2015年から内閣官房で安倍政権の肝いり政策である「働き方改革」の旗振り役を担った。
 いわゆる安倍シンパのひとりだ。ネットでも、<安倍総理の強い思いを実現する>などと安倍政権を持ち上げる発言が目立つ。
 報道によると、武田氏は16日から4日間、私用で韓国を訪問。国家公務員が海外に渡航する場合に必要な届け出をせずに“お忍び”で訪れていたという。19日朝、帰国するために訪れた金浦空港で、職員から泥酔状態と判断され、搭乗を待つように言われて激高。暴行の様子を撮影した動画には、武田氏がふらつきながらも空港職員の急所を狙って的確にローキックや右ストレートを放つ“証拠”がバッチリと写っていた。
■韓国を「変な国」呼ばわり
 ネット上では、武田氏の蛮行について「日本の恥」との声が続出しているが、本人が反省している様子は全くない。トラブルを起こした当日、武田氏は自身のフェイスブックで「なぜか警察に拘束されています」「変な国です」と投稿(ともに削除)。帰国後も「酔っていない」「暴れたが相手には当たっていない」などと支離滅裂な言い訳をしていたが、意味不明なのは「韓国人が嫌い」と言いながら“お忍び”で訪韓していたことだ。
 この時期の訪韓に対しては、外務省が韓国の「3・1独立運動」記念式典を理由に「注意喚起」を発している。しかも、国会では厚労省を震源とする統計不正問題で「賃金」が議論になっている最中だ。よほどのことがない限り、国会が紛糾している年度末に担当の国家公務員が「大嫌い」な韓国に旅行する理由が分からない。
「考えられる理由のひとつは例えば、女性関係です。日本の商社マンや公務員が、韓国でハメを外すことはよくある。昔、日本の駐韓大使が、韓国の女性が接待する『キーセンハウス』に愛人を囲んだこともあったほどですからね」(韓国事情に詳しいジャーナリスト・太刀川正樹氏)
 厚労省は武田氏を官房付に更迭したが、民間企業なら韓国警察に逮捕、起訴でクビは免れない。それでも帰国が許されたのは、これ以上の政治問題化を避けたい韓国側の配慮だろう。酔っぱらって他人を足蹴にするような働き方を是とする公務員は、永久追放するのが当然だ。


法科大学院改革 司法試験の「予備校化」危惧する
 政府は、裁判官や検察官、弁護士といった法曹の養成制度に関する改正案を閣議決定し、国会に提出した。法学部入学から法科大学院修了までを、最短5年に短縮する「法曹コース」の導入が柱で、大学院の最終学年で司法試験を受験できるようにすることも盛り込んだ。法曹を目指す人の時間的、経済的負担を軽減し、募集停止や廃止が相次ぐ法科大学院の志願者減に歯止めをかけることが目的だ。
 しかし改正案は、専門知識に偏らず、高い責任感や倫理観を持つ人材を養うという法科大学院設立時の理念に反すると言わざるを得ない。短期間の司法試験合格にこだわれば、知識偏重型のカリキュラムとなり、「予備校化」は必至だ。法律相談や法律事務所での研修といった実務教育が短縮・変更される危惧も拭えない。原点に立ち返り、養成から需要予測まで含めた総合的な制度づくりに改めて取り組む必要がある。
 法科大学院は2004年度から各地に開校。最多時には74校を数えたが、「四国ロースクール」(香川大・愛媛大連合法務研究科)を含め39校が廃止や募集停止となり、総志願者もピーク時の約1割に減少している。司法試験合格率の低迷や、受験資格を得るだけでも学部と大学院の合計で最短6年を要するという負担の大きさが原因だ。
 法科大学院をさらなる窮地に追い込んだのが11年から始まった「予備試験」だ。合格すれば法科大学院に通わなくとも司法試験の受験が認められる。そもそもは経済的な事情がある人の受験を想定したものだった。
 問題はこの制度が、司法試験への「抜け道」となっていることだ。優秀な学生が早い段階から予備試験に挑戦する傾向は増えているという。昨年の予備試験経由の司法試験合格率は77.6%と、全体の29.1%を大きく上回り、19歳の司法試験合格者も誕生した。改正案は、予備試験人気にあやかり法曹養成の中核である法科大学院を見直すものといえ本末転倒だ。予備試験で多面的に人物を評価する仕組みづくりや、受験資格制限などの改革に踏み切るべきだ。
 法科大学院を巡る問題の根源は、そもそもの国の制度設計の甘さにある。司法試験合格者の目標を「10年ごろに年3千人程度」と掲げて乱立を許したが、15年には「1500人以上」に下方修正。司法試験合格率や定員充足率などに応じて補助金の配分に差をつけ、地域に根差した法曹を輩出するはずだった地方校の衰退を招いた。弁護士の過剰や大都市偏在の原因ともなったことは明らかで、その反省を踏まえた対応が不可欠だ。
 学校の問題に法的助言をする弁護士「スクールロイヤー」の配置を求める声が高まるなど、国民の権利を守る存在である法曹への期待は大きい。その質をどう高め、どう適正に配置するか。国だけでなく、大学側、法律界を巻き込んだ幅広い議論を求めたい。


ゲノム編集食品 不安置き去りの性急さ
 ゲノム編集の技術で品種改良した農水産物の多くに安全性の審査を求めないとする報告書を、厚生労働省の専門部会がまとめた。
 生物の遺伝子を効率的に改変する技術だ。国に届け出るだけで販売できるようになる。栄養価の高いトマト、体の大きなマダイといった利点を持つ品種が登場してくるとみられる。
 生物が元々持っている遺伝子の一部を改変するだけなら、従来の品種改良と本質的には同じとみなす考えを基にした結論である。
 しかし、消費者の間には、生命の設計図である遺伝子を直接いじった食品が出回ることに、根強い不安がある。未知の部分が多い技術であり、予期せぬ影響が出てくる可能性は否定できない。
 このままでは不安を置き去りにして既成事実化が進む恐れがある。政府は議論を終わりにせず、消費者の目線でルールの在り方について検討を重ねるべきだ。
 報告書は、ゲノム編集の中でも別の生物の遺伝子を外から導入するタイプは、厳しい規制がある遺伝子組み換え食品に当たるとして、安全性審査を求めている。
 審査不要なのは、遺伝子の一部を切断したり機能を失わせたりするタイプだ。得られる結果は従来の品種改良と区別できない。だが意図しない改変の発生など、危険性を指摘する声も少なくない。
 従来の品種改良が種の交配などで10年単位の時間がかかるのに対し、ゲノム編集には、ごく短期間で成果が出る利点がある。
 政府は、昨年6月に閣議決定した「統合イノベーション戦略」の中で、年度内にゲノム編集食品の扱いを明確化する方針を打ち出した。その後環境への影響を環境省が、食品安全面を厚労省が検討。環境省は昨年、今回の厚労省と同様に、元からある遺伝子の改変は規制しない方針をまとめた。
 環境省の検討会は1カ月ほど、厚労省は半年で結論を出している。性急と言わざるを得ない。
 厚労省の報告書には約700件のパブリックコメント(意見公募)が寄せられた。「長期的に検証すべきだ」といった安全性に対する懸念が多数を占めた。
 厚労省は今後、制度の詳細を決める。国への届け出に法的な義務はなく、実効性には疑問符も付く。専門部会で義務化を求める意見が出たものの、違反の発見が困難として見送っている。
 消費者庁は食品表示の考え方を示す。消費者が理解し、はっきりと区別して選ぶことができる環境づくりは最低限必要だ。


NGT山口真帆、会見中に2か月半ぶりツイート「松村匠取締役に謝罪を要求されました」
 NGT48の山口真帆(23)が22日、自身のツイッターを更新。1月8日以来の投稿で「私は松村匠取締役に1月10日の謝罪を要求されました」などとつづった。
 山口は「只今、記者会見を行っている松村匠取締役は第三者委員会が行われる前に『繋がっているメンバーを全員解雇する』と私に約束しました。その為の第三者委員会だと、私も今までずっと耐えてきました。コミュニケーションも何も、このことに関して聞くと連絡が返ってきません」とツイート。
 続けて「私は松村匠取締役に1月10日の謝罪を要求されました。私が謝罪を拒んだら、『山口が謝らないのであれば、同じチームのメンバーに生誕祭の手紙のように代読という形で山口の謝罪のコメントを読ませて謝らせる』と言われました。他のメンバーにそんなことさせられないから、私は謝りました」とつづった。
 山口が昨年12月にファンの男性から暴行を受けた事件について、運営会社のAKSは21日、公式サイトで第三者委員会による調査結果を発表し「事件そのものにNGT48のメンバーが関与した事実はなかった」とした。
 AKSではこの日、運営責任者の松村匠氏、NGT劇場支配人の早川麻依子氏らが会見し詳細を説明。山口は会見中の連続ツイートで「記者会見に出席している3人は、事件が起きてから、保護者説明会、スポンサー、メディア、県と市に、私や警察に事実関係を確認もせずに、私の思い込みのように虚偽の説明をしていました。なんで事件が起きてからも会社の方に傷つけられないといけないんでしょうか」と訴えた。


NGT48暴行問題で山口真帆が謝罪強要を訴えるも運営は無視! 第三者委員会も運営も秋元康の責任隠蔽
 AKSはやはりまったく反省していなかったらしい。例のNGT48暴行事件問題をめぐり、本日会見を開いたのだが、とんでもない代物だった。
 昨日、第三者委員会による報告書が公表されたことを受けて、AKSの運営責任者である松村匠取締役、早川麻依子NGT48劇場支配人、岡田剛同副支配人の3人が会見。この会見はニコニコ生放送などを通じて生中継されていたのだが、その放送を見ていたと思しき山口真帆が、リアルタイムでAKS側の説明に異議を申し立てるツイートを連投した。
〈私は松村匠取締役に1月10日の謝罪を要求されました。
私が謝罪を拒んだら、
「山口が謝らないのであれば、同じチームのメンバーに生誕祭の手紙のように代読という形で山口の謝罪のコメントを読ませて謝らせる」と言われました。
他のメンバーにそんなことさせられないから、私は謝りました〉
 山口は1月8日から翌日にかけて、ファンから受けた暴行事件の存在や、それに関する不誠実な運営の対応を告発。その後にNGT48劇場で行われたNGT48の3周年記念イベントの壇上で騒動を起こしたことを謝罪させられた。暴行事件の被害者が逆に謝罪に追い込まれるという異様な事態はCNNにも取り上げられるなど国際的な問題に発展したが、その謝罪が松村取締役による指示だということが暴露されたわけである。
 会見が行われている間、山口はさらに、〈今回は皆様をお騒がせて申し訳ありません。色々話してスッキリしたこともありますし誤解してたこともあります。これがきっかけになったらと思います。頑張りますのでどうぞ応援よろしくお願いします〉と書かれた文章の画像を添付したうえで、このような主張も投稿した。
〈なんで嘘ばかりつくんでしょうか。
本当に悲しい。
松村匠取締役が当初言うように考えた文章です。
他のメンバーに謝らせることはできないから、謝るしかなかったけど、
スッキリも誤解もしていないし、どうしてもこの言葉は使いたくないと違う文章を考えて何度も交渉しました〉
 しかし、3時間近くにおよんだ会見の最後にこの文章について質問を受けた松村取締役は、このように断言した。
「これは私がアレしたものではありません」
「本人が誰かとやりとりしたのかどうか、それはわからないですけど、私ではない、ということは事実でございます」
 まるで山口が嘘でもついているような言い草だが、山口は詳細な経緯も明かしており、運営側の責任逃れとしか思えない。
 会見では他にも、報告書に見受けられる齟齬や事実確認について記者から指摘が続くなか、松村取締役をはじめ出席者は答えをはぐらかすような対応に終始し、被害者である山口真帆を慮る姿勢や、人命に関わるタレントの安全管理の問題に真正面から向き合う姿勢はついぞ見られなかった。
 会見もはぐらかしばかりだったが、昨日出された第三者委員会の報告書も実態を解明したとは言いがたい内容だった。
 とくに批判を浴びているのは、タレントの安全管理ができなかった原因を、「都市部が狭いこと」「公共交通機関が大都市と比べて発達していないこと」などとして、新潟の地域性のせいにしていることだ。
 会見のなかで松村取締役が報告書の指摘は否定したが、当たり前だ。
 報告書には他にも重大な不備がある。
 前述の「謝罪強要」をはじめ、事件後にAKSおよびNGT48運営が山口に対して再三行ってきた「嫌がらせ」のような措置についての言及がほとんどないことだ。報告書を読む限り、こうした事情や経緯について一番詳しいはずの今村悦朗・前NGT48劇場支配人にきちんとしたヒアリングを行ったとは思えない。
会見でも報告書でもまったく触れられていない秋元康の責任
 AKSは、報告書と会見をもって幕引きしようとしているのかもしれないが、事態解明も説明責任もまったくなされていない。何より報告書と会見のいずれにも共通する最大の問題は、AKB48グループの最高責任者であるはずの秋元康氏の責任が問われていないことだ。
 そもそも今回の会見にはAKB48グループ全体を見る秋元康総合プロデューサーが出席していない。なぜ秋元氏がきちんと説明の場に姿を現さないのか、秋元氏が今回の件を受けてどのように発言しているのか、などを問う声も出た。しかし、それに対して松村取締役が語ったのはこんな言葉だった。
「憂慮されておられます。早くNGTが次の道に進めるようになりたいなと考えていると思われます」
 憂慮──この「他人事」感満載の言葉。しかも、どこかで聞き覚えがあると思ったら、それもそのはず。1月14日に今回の会見と同じ3人で会見が行われた際に、松村取締役の口から出たコメントとまったく同じなのだ。
「大変憂慮されている。運営は私が進めておりますので、叱責されました。当然です。『しっかりとメンバーとメンバーをケアしていくというのは、運営の責任者の仕事。経験もあるわけだから』と」(日刊スポーツWeb版掲載一問一答より)
 ようするに秋元氏は、グループの最高責任者であるにもかかわらず、事件発生直後に「憂慮」「運営を叱責」と他人事のように言ったきり、その2カ月以上この問題の解決に務めることもせず、放置しているということなのだろうか。秋元氏がこんな態度をとることは許されないだろう。
 というのも、今回の暴行事件はNGT48だけの問題ではない。AKBグループ、ひいては、坂道シリーズも含めた秋元康氏プロデュースのアイドルグループすべてに共通する問題だといえるからだ。
NGT48暴行問題の本質は秋元康とAKBグループのシステムにある
 そもそもAKBグループのシステム自体が内部で不和を誘発しやすいものである。「選抜総選挙」や「個別握手券の売上」など過度な競争を煽る構造や、「恋愛禁止」といった非人道的なルールを強要している環境によるストレスは、メンバーのメンタルをむしばみ、メンバー間の軋轢を引き起こす要因になるからだ。
 また、握手会に代表される“疑似恋愛”ビジネスも、ファンとのトラブルを生み出す要因となっていることは言うまでもない。さらに、一部メンバーが秋元氏ら運営幹部から優遇される一方、そうではないメンバーのなかには過度な競争のなかで承認を求めてファンへの依存度が高まってしまうという問題も生じている。
 メンバーへの精神的負荷を考慮することなく、こうしたシステムをビジネスとしてつくり上げ、温存させてきたのは無論、秋元氏だ。しかも、松村取締役が「憂慮されている」という“お言葉”を伝えた状況からもわかるように、秋元氏はもはやAKBグループ運営における“天の声”“天皇”と化しており、運営はそれに忖度するかたちで事業を進めているとしか思えない。
 しかし、前回の会見があった1月からいまに至るまで秋元氏の責任を追及するメディアはほとんどない。こうしたメディアの態度が、秋元氏に「他人事」でいることを許しているのは明らかだ。
 今日の会見でも、記者の質問は、ファンと「つながって」いたとされる12人の処遇に関する質問などがメイン。前述の通り、秋元氏がこの会見に出席していないことの問題を訊いた記者もいたが、秋元氏の責任や秋元氏がつくりだしたシステムの問題について、追及がなされたとは言いがたい。
 NGT48暴行問題について、今後もファンと「つながっていた」とされるメンバーや運営の末端については追及の声は続くかもしれないが、それだけでは到底解決には至らない。
 メディアは根本的な問題である秋元氏のつくりあげたグロテスクなシステムについて徹底的に踏み込むことができるのか。それができなければ、この問題の本質的な解決は遠いだろう。

鶏飯/神社→喫茶店/ハンバーグ・ポタージュ

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がんばっぺ塩釜190311

Ichiro Suzuki met fin à sa carrière au Japon
TOKYO - Par moments, il semble qu'il allait frapper pendant le reste de sa vie. Mais jeudi soir, un joueur qui a défini le baseball de la meilleure façon possible sur deux continents s'est élancé pour la dernière fois. Le grand Ichiro a dit ≪sayonara≫.
La foule du Tokyo Dome a chaleureusement applaudi quand le voltigeur des Mariners de Seattle l'a saluée pour la dernière fois de son illustre carrière, lors d'un match qu'ils ont gagné 5-4 en 12 manches contre les Athletics d'Oakland, pour balayer leur série de deux rencontres au Japon.
L'agence de nouvelles japonaise Kyodo News a révélé en premier que Suzuki annoncerait sa retraite une fois le match terminé. La MLB l'a ensuite annoncé sur son site internet et ses réseaux sociaux.
≪J'ai mis fin à ma carrière et décidé de prendre ma retraite≫, a confirmé Ichiro, en japonais, lors d'une conférence de presse.
Il a précisé que son contrat couvrait les deux matchs au Japon, et qu'il avait décidé, avant d'arriver la semaine dernière, de tirer sa révérence.
≪Après l'accueil que j'ai reçu aujourd'hui, comment pourrais-je avoir des regrets? Je n'ai pas joué assez bien pendant le camp d'entraînement pour mériter une prolongation (de contrat).≫
Le baseballeur de 45 ans a été blanchi en quatre présences au marbre. Il a eu l'occasion de quitter le sport avec fracas, quand il s'est présenté au marbre avec deux retraits et un coureur au deuxième en début de huitième avec la marque à 4-4, mais il a été retiré sur un roulant.
En deuxième moitié de huitième manche, le voltigeur des Mariners s'est rendu sur la surface de jeu du Tokyo Dome et jusqu'à sa position au champ droit. Quelques instants plus tard, le gérant Scott Servais lui a fait signe de retraiter vers l'abri.
Suzuki s'est d'abord retourné vers les spectateurs dans les gradins derrière la clôture du champ droit, et les a salués en levant ses deux bras. Ensuite, tranquillement, sous les applaudissements nourris des 45 000 spectateurs présents, il a marché vers l'abri devant lequel s'étaient réunis tous les joueurs et entraîneurs des Mariners, qui applaudissaient eux aussi.
L'un après l'autre, à commencer par le receveur Omar Narvaez, ils lui ont fait l'accolade, jusqu'à ce que Suzuki rentre pour une dernière fois dans l'abri. Le joueur recrue Braden Bishop l'a remplacé au champ droit.
Yusei Kikuchi, le lanceur recrue d'origine japonaise qui a amorcé le match, son premier dans les Ligues majeures, n'a pu retenir ses larmes lorsqu'il a fait l'étreinte à Ichiro.
Plus tard, il a eu besoin d'une minute complète pour retrouver sa prestance avant de décrire de l'impact d'Ichiro. Et il a pleuré lorsque les deux se sont fait l'accolade dans l'abri après le match.
≪Depuis le camp d'entraînement jusqu'à aujourd'hui, Ichiro nous disait que c'était un cadeau pour lui de jouer à Tokyo, a raconté Kikuchi, avec l'aide d'un interprète. Mais pour moi, il m'a offert le plus beau cadeau en pouvant jouer avec lui.≫
Domingo Santana, qui avait frappé un grand chelem dans la victoire de 9-7 des Mariners mercredi, a devancé le relais sur une balle à double jeu avec les buts remplis pour pousser au marbre le point de la victoire en début de 12e.
Ryon Healy et Mitch Haniger ont frappé des circuits pour les Mariners, qui n'avaient pas gagné leurs deux premiers matchs de la saison depuis 2014.
Khris Davis a frappé un simple de deux points après deux retraits en septième pour porter la marque à 4-4. Davis a mené les Majeures avec 48 circuits en 2018 et il a frappé une longue balle mercredi. Il a toutefois été retiré sur des prises avec les coussins tous occupés en pour mettre fin à la 11e.
Zac Rosscup a récolté la victoire et Hunter Strickland un deuxième sauvetage.
Ichiro était tout sourire quand il a accueilli ses coéquipiers dans l'abri après cette rencontre.
Celui qui a participé à 10 matchs des étoiles a amorcé sa carrière professionnelle au Japon, en 1992, alors qu'il n'était âgé que de 18 ans. En neuf saisons avec l'Orix Blue Waves, il a maintenu des moyennes de ,353/,421/,522 à l'aide de 1278 coups sûrs. Il a ensuite passé près de 19 saisons dans les Majeures, la plupart avec les Mariners, mais aussi avec les Marlins de Miami et les Yankees de New York.
Suzuki a ajouté 3089 coups sûrs dans la MLB, pour un grand total de 4367 coups sûrs dans le baseball professionnel. Il a lancé sa carrière en Amérique de brillante façon, menant les Majeures avec 242 coups sûrs en 2001, remportant les titres de recrue et de joueur par excellence dans l'Américaine, ainsi que le premier de ses 10 Gants d'Or consécutifs.
Il a remporté deux championnats des frappeurs (2001 et 2004), en plus de dominer la MLB pour les coups sûrs lors de sept de ses 10 premières campagnes, toutes ponctuées de 206 coups sûrs ou plus.
Ces statistiques devraient lui garantir sa place au Temple de la renommée du baseball, où il deviendrait alors le premier Japonais à y être intronisé.
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フランス語の勉強?
上西充子 @mu0283
「私はいまも取材の量も質も、NHKは抜きんでていると思いますが、残念ながら実際に放送されるニュースは、似ても似つかないほど貧弱で劣悪なものです。取材現場と放送までの間のパイプがつまっているのです。この異常事態に、なにより現場は苦しんでいると思います」
なうちゃん @nauchan0626
朝のワイドショーを見ていて、厚生労働省の職員がヘイト発言をして暴れて捕まったというニュースを取り上げていました。この職員の行為は擁護のしようもないはずなのですが、コメンテーターが、「この行為が韓国の反日活動に利用されなければいいが」と発言しているのを見て、情けなさが募りました。
なうちゃん @nauchan0626
今日は、気象庁から桜の開花宣言が出たようです。そして、今日は旧暦の2月15日「如月の望月の頃」です。この時期になると、いつも西行法師の
願わくば花の下にて春死なん
その如月の望月の頃
の歌を思い出します。
ちなみに今日は、旧暦の「涅槃会」。釈迦の入滅した日とされているのです。

安田登 @eutonie
私学で教える友人から、この頃の大学では学生の出欠を親に教えると聞いた。親が子どもの事を何でも知ろうとすると、子どもは大変じゃないかな。うちの親は僕の本など手に取ったこともなかったし、能だってTVでバレるまで知らなかった。バレてからも観に来なかったし(歌舞伎に連れて行かされた)。
…なんていうと「親が子どもの成長を嬉しく思うのは人情でしょ」という人がいますが、その人情をぐっと抑えるのが大人です。平家物語では、親が子を思うという古代的な倫理観を持つ宗盛と、子が親を思うという儒教的倫理観を持つ重盛、知章(知盛の子息)とが対比されます。人情に従うと組織は滅びる。

池田清彦 @IkedaKiyohiko
ワシントンポストの記者が日本のIWC脱退について取材に来ました。今の時点で脱退するのは国際政治的にも経済的にもデメリットしかありません。国内政治的には国粋主義者が喝采を叫ぶくらいしかメリットはないのに、日本は夜郎自大の三流国になっちゃいましたねといった話をしました。

中央駅あたりのフレンチを目指しましたが予約が必要なので,別のお店で鶏飯.先日のバイキングで食べたばかりですが美味しいです.
少し歩いて神社に行きました.トンネルの近くです.
温泉がいくつかありました.喫茶店で一服しました.コーヒーは美味しい.
晩ご飯はハンバーグ・ポタージュです.ハンバーグは水分が多かったかな?ポタージュはミキサーが壊れてしまって残念でした.

<東京五輪・パラ>仮設住宅廃材をトーチ材料に利用、組織委がデザイン公表
 2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会は20日、五輪の聖火リレーで使うトーチを公開した。桜の花をモチーフにしたデザインで日本らしさを表現。素材には東日本大震災の被災地に建てられたプレハブ仮設住宅のアルミサッシの廃材を活用し「復興五輪」のメッセージを込めた。
 トーチは長さ71センチ、重さ1.2キロ。色は桜色と金色を合わせた「桜ゴールド」で上から見ると桜の花びらの形をしている。接ぎ目がない「アルミ押出成形」と呼ばれる手法を用い、高い技術力もアピールする。
 1本当たりに使うアルミの約3割に、プレハブ仮設住宅のアルミサッシを再利用した。岩手、宮城、福島の被災3県で被災者が避難生活を送った824戸の窓枠に使われていた。
 有識者の審査会を経てデザイナーの吉岡徳仁さん(52)の設計を採用した。15年秋に南相馬市の小学校を訪れた際、子どもたちが描いた桜の絵からヒントを得たという。
 都内であった発表会で吉岡さんは「東京開催が決まった直後から、被災者の心の復興につながることができないかと考えていた。思いやりや助け合いが日本の美しさ。それをトーチにしたかった」と話した。
 聖火は来年3月12日にギリシャで採火され、同20日に東松島市の航空自衛隊松島基地に到着。被災3県で「復興の火」として展示した後、同26日に福島県楢葉町、広野町の「Jヴィレッジ」から121日間の聖火リレーがスタートする。
 組織委は広報活動に当たる公式アンバサダーも発表。柔道男子で五輪3連覇の野村忠宏さん、仙台市出身のお笑いコンビ「サンドウィッチマン」らが務める。


三陸沿岸道 宮城岩手の県境開通
復興道路として整備が進められている三陸沿岸道路のうち、宮城県の気仙沼市と岩手県陸前高田市を結ぶ区間が21日新たに開通しました。
三陸沿岸道路は仙台市から青森県八戸市までの全長およそ360キロの自動車専用道路で、国が震災からの復興に向けて再来年3月までの全線開通をめざしています。
21日新たに宮城県気仙沼市の唐桑小原木インターチェンジから、岩手県陸前高田市の陸前高田長部インターチェンジまでの3.5キロの区間が開通しました。
唐桑小原木インターチェンジは仙台方面だけ上り下りできるハーフインターチェンジで、昼前に記念の式典が開かれテープカットなどを行って道路の開通を祝いました。
この区間の開通で三陸沿岸道路は宮城県と岩手県が結ばれ、観光客の増加や水産業や水産加工業といった地場産業の振興などにつながることが期待されています。
気仙沼市の菅原茂市長は「道路の開通を通じて、産業や観光面でこの地域に一丸となって人を呼び込めるよう魅力を高めたい」と話していました。
陸前高田市の戸羽太市長は「ことしは新しい伝承施設もできるので、防災について考えるツーリズムの流れを協力してつくっていきたい」と話していました。


ネットと著作権/反省踏まえ議論やり直しを
 著作権者に無断でインターネット上に掲載された著作物について、そうと知りながらダウンロードする行為を全面的に違法とする−。政府はそうした内容の著作権法改正案を今国会に提出する方針だったが、断念した。
 法案が多くの批判を浴び、自民党が慎重な姿勢に転じたためだ。背景には、参院選前にネット利用者の支持をつなぎ止めようとする党の思惑があるとされる。
 法案を巡っては、議論が拙速だった面が否めず、仕切り直しは妥当な判断だろう。政府は指摘された問題や不安の払拭(ふっしょく)に努める必要がある。改めて慎重に検討してほしい。
 法案は、海賊版のダウンロード規制を従来の音楽と映像だけでなく、写真や漫画、文章にも広げた。営利目的ではなく個人的な活用も対象だ。スマートフォンの画面を保存するスクリーンショットも規制される。悪質な場合は刑事罰が科される。
 文化庁がこうした方針をまとめると、各方面から「ネット利用を萎縮させる」という批判が噴出した。海賊版の被害を訴えている漫画家団体までもが慎重な対応を求める異例の展開となった。
 漫画や写真などを無断でアップロードする海賊版への対策として、何らかの規制は確かに必要だ。悪質な著作権侵害は許されない。
 しかし、そもそもは違法な海賊版への対策が、個人の日常的なネット利用も規制するとなると不安や疑問が生じるのは当然だろう。
 ネット上のどれが合法で、どれが違法なのか、利用者が判別するのは容易ではない。あらゆる著作物に広く網がかかると私的な創作や研究、情報収集などのためのダウンロードをためらうケースも出てくるだろう。
 また、捜査機関による法の恣意(しい)的な運用を招きかねないとの懸念も拭えない。海賊版サイト対策は、ネット利用の自由と規制のバランスを測りつつ、納得できる方策を探る作業が求められる。
 海賊版サイトを巡っては、政府は当初、サイトの閲覧を強制的に止める「接続遮断(ブロッキング)」の法制化を目指していたが、憲法の保障する「通信の秘密」を侵害するとの批判を受けて断念した経緯がある。
 政府は参院選に向けた実績づくりとして対応を急いだ背景もあり、今回の法案は文化審議会がわずか約3カ月でまとめた対策だった。異論が多く議論は紛糾したが、審議会は打ち切られた。検討が十分だったとは言い難い。
 ダウンロード規制強化がもたらす影響は大きい。政府はこれまでの反省に立ち、漫画家や出版社のほか、IT関係者など幅広い層から意見を聞く姿勢が重要だろう。
 デジタル時代の著作権をどう保護するのか。現実を踏まえながら、議論をやり直さなければなるまい。


河北春秋
 「しつけをしただけ。けがをさせようと思っていなかった」。千葉県野田市の小学4年の女の子が1月、自宅の浴室で死亡した事件。冷水を掛けたり、暴行を加えたりした疑いで逮捕された父親は警察の調べにこう供述した▼「お父さんにぼう力を受けています」「先生、どうにかできませんか」。2年余り前、女の子は学校のアンケートでSOSを発した。児童相談所が動いたが、結局は市教委も含め、威嚇的な態度の父親の言いなりに。ついに救われなかった子の笑顔の写真が今も痛ましい▼しつけに名を借りた虐待をなくそうと、政府が親の体罰禁止の法制化に乗り出した。民法は明治以来、親の子どもへの懲戒権を認めてきた。「しかる、殴る、縛る、蔵に入れる、禁食させる」などを可とした民法の注釈書もあったという▼だが現代の人権感覚に照らしてどうか。学校や役所、児童相談所が親を恐れ介入をためらうようでは、子ども救済の妨げになってしまう。事件の教訓を生かすならば、その見直しも必要だろう▼子どもの虐待死が起きるたびに論議されるのが、守る側の力の弱さ。重大な場面で親と対峙(たいじ)し、子どもの盾になれる権限ある専門家を増やすべきでは。もちろん親の側にも、体罰によらぬ子育てを共に考えるような支援を急ぎたい。

五輪招致疑惑 竹田氏退任で幕引けぬ
 日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長が、6月の任期満了をもって退任する意向を表明した。
 2020年東京五輪の招致を巡る贈賄疑惑でフランス司法当局の捜査対象となり、進退が焦点になっていた。竹田氏は一貫して潔白を主張している。
 しかし、疑惑が再燃した1月の記者会見で質問を一切受け付けなかった態度は、誠実さを欠いていたと言わざるを得ない。
 捜査に関して、国際オリンピック委員会(IOC)をはじめ国の内外から東京五輪への影響を懸念する声が聞かれる。
 退任の判断はむしろ遅すぎたぐらいではないか。組織の刷新を速やかに図るためにも、任期満了を待たずに身を引く選択もあってしかるべきだった。
 もっとも、これにより疑惑の解明に幕が引かれるようなことがあってはならない。竹田氏は説明を尽くす必要がある。
 五輪まで500日を切っている。JOCは再調査とともに、組織の立て直しに早急に取り組んでもらいたい。
 仏司法当局は、東京五輪の招致委員会が海外のコンサルタント会社に支払った約2億円の一部について、IOC委員側への賄賂だったとみて調べているようだ。
 捜査の行方は予断を許さないものの、混乱を招いた竹田氏の責任は極めて重い。
 理解に苦しむのは、JOC内部で当初、2001年から会長を務めている竹田氏のさらなる続投を念頭に、役員の「定年延長」が検討されていたことだ。
 スポーツ庁長官の諮問機関は、競技団体の新たな運営指針「ガバナンスコード」に、役員の再任回数制限や定年制を盛り込むことを提言している。
 特定の役員が長い間在任すると組織の活性化や透明性を損ね、不祥事の温床になりかねない。提言の背景にあるのは、そうした負の側面への危惧だろう。
 竹田氏の長期体制を維持しようとしたJOCは、この流れに逆行している。本来、改革を主導すべき立場にあるはずだ。
 仏司法当局による捜査の状況にかかわらず、疑惑解明に積極的に取り組む姿勢も求められる。
 JOCは五輪の招致に違法性はなかったとの調査報告書を公表しているが、関係者の聴取は不十分で、資金の流れはつまびらかになっていない。独立した委員会で徹底的に調べ直すべきだ。


竹田会長退任へ JOCは体制立て直しを
 2020年東京五輪招致の贈賄疑惑に直面する日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長が、任期満了の6月末での退任を表明した。国際オリンピック委員会(IOC)委員も辞任する。国内外で高まる批判に追い込まれた形だが、五輪のイメージダウンにつながらないよう、JOCは早急な体制立て直しが求められる。
 竹田氏は現在10期目。当初は役員改選で再選が確実視されていた。だが、贈賄の疑いでフランス当局が予審判事による捜査を開始したことが1月に表面化。一貫して潔白を主張しているものの、責任を問う声が強まっていた。
 招致を巡っては、竹田氏の各国IOC委員との豊富なパイプが貢献したのは確かである。親子2代でJOC会長として尽力し、東京五輪・パラリンピック組織委員会の副会長なども務めている。
 だが、捜査がこのまま長引いたり、事件化されたりすれば、開幕まで500日を切った東京五輪のイメージダウンは計り知れない。疑惑が払拭(ふっしょく)できない以上、退任は仕方ないだろう。即座の辞任を求める厳しい声もある。
 贈賄疑惑は、招致委員会が2013年にシンガポールのコンサルタント会社に約2億3千万円を送金。その一部が当時、IOC委員だったラミン・ディアク前国際陸連会長(セネガル)の息子に渡ったとされるものである。竹田氏は同委の理事長だった。
 1月の記者会見では、質問を受け付けないなど丁寧な説明を拒んだ竹田氏に対して批判が集中した。疑惑の目はJOCそのものにも向けられている。引き続き、説明を尽くす必要があることを忘れてはならない。
 退任の背景には、JOCのガバナンス(組織統治)欠如に対する国の圧力もあるようだ。近年続くスポーツ界のパワハラや金銭問題などの不祥事に対し、スポーツ庁はガバナンス強化に動いている。国は新たに競技団体の運営指針「ガバナンスコード」を策定する予定で、組織の活性化を阻む役員の多選などに規制を設ける方針という。現在の18年にも及ぶ長期政権はこの流れにも反していよう。
 さらにIOCも五輪のイメージ悪化を恐れ、秘密裏に幹部が来日して早期の退任を求めたとされる。竹田氏は捜査が表沙汰になって以来、国外でのIOC会議などを相次いで欠席している。組織のトップが身動きできない状況は異常としか言えまい。
 JOCはガバナンスを抜本的に見直し、失墜した信頼回復に努めねばならない。トップの退任で事態の幕引きになると考えているとしたら、危機感がなさすぎよう。
 後任候補には、柔道五輪金メダリストの山下泰裕・JOC選手強化本部長らを推す動きが出ている。新会長は五輪の開幕まで滞りなく準備を整え、選手を強化する重い責務を果たしてもらいたい。


竹田会長退任表明/新体制への交代急げ
 日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長が理事会で退任を表明した。6月までの任期を全うした上で身を引く判断だ。
 2020年東京五輪招致の贈賄疑惑で渦中にある。疑惑のため国際会議の出席を控える竹田氏が、さらに3カ月居続けるのは疑問である。五輪へのマイナス影響を考えれば、早期の辞任と新体制への移行が必要だろう。
 JOCは五輪競技を束ねる組織で、会長は日本の五輪の顔とも言える。五輪のイメージダウンを気遣う国際オリンピック委員会(IOC)は水面下で懸念を表したといわれる。内向きの理論ではなく、スポーツと五輪へ向けた内外の意識、何が大義かを考慮してJOCは行動すべきだ。
 スポーツ庁は今春、企業統治に倣った「ガバナンスコード」を制定し、スポーツ界で続いた不祥事からの脱却と再出発を図る。その意味でもスポーツ界のかじ取りは新たな会長に委ねるべきだ。JOCは清新なリーダーの下で刷新に向かってほしい。
 東京五輪招致を巡る疑惑で、フランス司法当局は昨年12月に竹田氏を贈賄容疑者として正式捜査を開始した。竹田氏が理事長だった東京五輪招致委員会が、開催都市を決める13年のIOC総会前にシンガポールのコンサルタント会社と契約し、2億円余りの契約金の一部が国際陸連会長でもあった当時のIOC委員の息子に流れ、IOC委員の票取りまとめに使われたのではないかという疑惑だ。
 竹田氏は1月に開いた記者会見で一切の質問を受け付けず、説明責任を十分に果たさなかった。
 また、潔白の主張の背景に、JOCが設けた外部委員会の調査が違法性はないと結論づけたことを挙げる。だが、この委員会はコンサルタントの聞き取りはできず、資金の流れの解明もできなかった。潔白の論拠とするには無理がある。
 JOC内部には定年のルールを変えてまで竹田氏の会長職延長を図る動きがあった。疑惑を抱えた長期政権は社会の理解を得られまい。スポーツに国民が期待するのは、クリーンさや公正さである。そのリーダーには自らを律する資質が求められる。
 昨今のスポーツ界での不祥事は、長く権力の座にある人物が組織を牛耳る構造があったものが多い。スポーツ庁が策定を目指すガバナンスコードの素案には、役員の在任期間や定年規定が入った。
 竹田氏は東京五輪招致成功の立役者の一人で、五輪をJOC会長で迎えたい意向は強かったという。本人の無念さは分からないでもない。またグレーなのは、竹田氏だけなのか疑念も残る。
 問題の根底に五輪招致にカネがついて回る点がある。02年ソルトレークシティー冬季大会ではIOC委員への大量買収工作が発覚し、これを機にIOC委員の招致都市訪問は禁じられた。代わりに都市と委員との接点としてコンサルタントが存在感を増した。16年リオデジャネイロ夏季大会でも今回同様の構図で買収疑惑が起こった。
 五輪は夏季冬季両大会があるから、2年ごとに必ず開催都市が決まる。IOCは中長期計画「アジェンダ2020」でコンサルタントの登録制と監視を掲げた。一層の透明性確保が課題だ。


JOC会長退任表明 危機感欠如 組織の立て直し急務
 日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長が任期満了となる6月に退任すると表明した。国際オリンピック委員会(IOC)委員を辞任する意向も明らかにしている。2020年東京五輪招致疑惑でフランス司法当局の捜査対象となったことを受け国内外で批判が高まっており、当然の決断だ。
 東京五輪の開幕まで500日を切った状況で、五輪を開催する国内オリンピック委員会のトップが退く異例の事態である。だが、疑惑を受けて国際会議を相次いで欠席し、活動に支障が出ている以上、職にとどまることは許されない。東京五輪開催への悪影響を最小限に抑えるため早急に新体制に移行しなければならない。
 竹田氏を退任に追い込んだ疑惑は16年に明るみに出た。東京の招致委員会がシンガポールのコンサルタント会社に支払った2億円超の一部がIOC委員側に渡り、票の買収に使われた疑いがある。今年に入り、フランス当局が正式捜査を開始したことが表面化し、再燃した。
 疑惑に対して竹田氏は潔白を主張する。しかし、1月の会見では書面を読み上げるだけで説明を尽くさず、疑念は残ったままだ。JOCの外部調査チームが違法性はないとした結論を根拠とするが、この調査は肝心なコンサルタントらに聴取していない。2億円という高額な報酬の使途も解明できず、結論には説得力がない。
 IOCは、JOCトップが起訴され五輪のブランドに大きな傷がつくことを恐れ、早期の辞任を求めた。それに対し、竹田氏は任期途中の辞任は贈賄を認めたと受け止められかねないと考えて任期満了にこだわり、主張を通した格好だ。ただ、求心力を失い、十分な活動もできない会長が今後3カ月居続けることで、退任時期を巡るさらなる混乱が起きる事態を危惧する。
 今回のJOCの対応は、ガバナンス(組織統治)が機能していないと言わざるを得ない。疑惑が浮上しているにもかかわらず、竹田氏の続投を念頭に「選任時70歳未満」とする役員の定年規定で一部除外を明文化しようとした。ルールに基づき組織を運営しようとせず、組織を正当化するためルールを変えるのは本末転倒だ。多くの競技団体で組織の新陳代謝が図られず、不祥事が続発したことを重く受け止める必要がある。
 退任表明があった理事会では役員から竹田氏に対する支持や慰留の声が多く出た。続投しても「世の中から非難を浴びることはないと思う」と発言した役員もいる。危機感が全くうかがえない。01年に会長に就任し、現在10期目の竹田氏による「長期政権」の弊害は顕著だ。
 問題は竹田氏が退任しても解決するわけではなく、疑惑の責任を竹田氏だけに押し付けることもできない。JOCは組織の立て直しを急ぐとともに今からでも再調査に着手し、自ら全容を明らかにするべきだ。


【JOC会長退任】一件落着とはならない
 日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長が6月の任期満了で退任する意向を表明した。
 東京五輪の招致に絡む贈収賄疑惑でフランス司法当局の捜査対象となり、五輪への影響を強く憂慮する声が高まっていた。
 竹田氏は一貫して潔白を主張しているが、国外での国際オリンピック委員会(IOC)の会議を相次いで欠席するなど、自身の活動にも影響が出ている。退任は当然だ。
 疑惑は2016年に表面化した。竹田氏が理事長を務めた東京の招致委員会が13年にシンガポールのコンサルタント会社に送金した2億円超の一部が、開催都市を決定するIOC委員の買収に使われた疑いが持たれている。
 JOCの外部調査チームは16年、違法性はないなどとする報告書を公表。フランス当局の正式捜査の開始を受け、ことし1月に記者会見した竹田氏も報告書を根拠に潔白を主張したが、専門家が調査の独立性や信用性に疑問符を付ける内容だ。
 イメージ悪化を憂慮する大会関係者からは即座の辞任を求める意見も強かった。むろん、竹田氏は起訴が決まったわけではなく、辞任は疑惑を認めたと受け取られかねない、という判断があったのだろう。
 IOCも「推定無罪の原則を尊重しつつ、状況を注視していく」との立場を取ってはいる。ただし、水面下で早期の退任を促す動きをしてきたのは、竹田氏が五輪ブランドを損なうリスクを警戒していることの表れといえる。
 JOCにはそうした危機感がどれほどあったのか。竹田体制で東京五輪を迎えることは既定路線のようになり、「役員選任時70歳未満」の規定があるにもかかわらず、既に71歳で10期目の竹田氏の再選が確実視されていた。
 退任を表明した理事会でも、竹田氏に対する支持や慰留の声が大半を占め、名誉会長就任の提案もあったという。日本のスポーツ界が置かれている現状への危機意識の乏しさには驚くほかない。
 国内の競技団体ではパワハラや金銭問題などが相次いだ。役員の多選が組織の活性化を阻み、数々の不祥事を招いたとの指摘がある。競技団体のガバナンス(組織統治)の強化は喫緊の課題といえる。
 スポーツ庁は競技団体の新たな運営指針「ガバナンスコード」の策定に取り組んでいる。役員任期の上限を「10年」とし、定年規定も盛り込む方針なのは組織の新陳代謝を進める狙いだろう。
 運営指針の運用が始まれば、JOCは日本スポーツ協会などとともに定期的に競技団体を審査し、指導することになる。模範とならなければならない立場だ。
 竹田氏が退任を表明しても、それで一件落着とはならない。竹田氏だけに責任を押し付けて済む問題でもない。捜査とは別に、JOCとしても改めて疑惑を調査する必要があるだろう。新体制の役割だ。


[竹田会長退任へ] JOCの刷新急がねば
 日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長が任期満了の6月で退任すると表明した。国際オリンピック委員会(IOC)委員も辞めるという。
 自身が捜査対象となっている2020年東京五輪招致の贈賄疑惑について潔白を主張した上で、世間を騒がせたと陳謝し「若いリーダーにJOCを託し、東京五輪を通じて日本の新しい時代を切り開いてもらう」と述べた。
 疑惑を巡って竹田氏は、既に国際会議を欠席するなど活動に支障が出ている。あと500日を切った東京五輪への影響を考えれば、さらに3カ月職にとどまるのは疑問だ。早期に辞任し、JOCの体制刷新を急ぐ必要がある。
 疑惑は、竹田氏が理事長だった東京五輪招致委員会が、開催都市を決める13年のIOC総会前にシンガポールのコンサルタント会社に送金した2億円超の一部がIOC委員の息子に渡り、買収に使われたのではないかというものだ。
 今年1月、フランス司法当局が正式捜査に入ったことが判明。竹田氏は記者会見を開いたが、一切の質問を受け付けず説明責任を果たしていない。
 JOC会長は日本の五輪の顔と言える存在である。竹田氏が潔白を主張するのなら論拠を明らかにする責任がある。このまま任期満了で幕引きは許されない。
 理解に苦しむのは、JOC内部で定年規定を変えてまで竹田氏の会長職延長を図る動きがあったことだ。竹田氏は01年から18年近くもJOC会長の座にある。疑惑を抱えたままでの長期政権は国民の理解を得られまい。
 竹田氏は東京五輪招致の立役者の一人には違いない。本番まで続投させ、功績に報いようとしたのだろうか。だとすれば、あまりに内向きと言わざるを得ない。
 そんな中、竹田氏が退任の意向を固めたのは、五輪のイメージダウンを避けたいIOCが懸念を表したことや、競技団体で相次ぐ不祥事対策で指導力を発揮できないJOCに政官界が冷ややかだったことが背景にあるといわれる。
 ただ、五輪招致には安倍晋三首相をはじめオールジャパンで取り組んだ。竹田会長一人に全ての責任を負わせて片づけていい問題ではあるまい。
 国民が五輪に期待するのはクリーンさや公正さである。竹田氏が身を引いて終わりではなく、国や東京都など関係機関を挙げて疑惑を晴らす努力をしてほしい。
 問題の根源は五輪招致にカネがついて回る点にある。招致活動の透明性を高め、スポーツの祭典の原点に返ることが重要である。


予算審議終盤へ 「統計」解明置き去りか
 終盤に差し掛かった参院予算委員会の新年度予算案審議で、統計不正問題の論議が低調だ。
 安倍晋三首相も出席した18日の集中審議では、厚生労働省の毎月勤労統計に関し調査手法変更を議論した有識者検討会の阿部正浩座長が初めて参考人出席した。
 だが首相官邸の「圧力」の有無を巡る事実解明は進まなかった。与党は、週明けの25日に集中審議を開催した後、週半ばまでの予算成立を図る方針とされる。
 予算や政策の土台を掘り崩す統計不正問題をこのまま置き去りにしていいはずがない。行政府を監視する国会の力量が問われる。
 阿部座長は、検討会が2015年9月に中間報告を取りまとめる際、厚労省側から「今後の議論を進めていくために、ある程度の自由裁量権がほしい」との趣旨の要請を受けたことを明らかにした。
 取りまとめの方向が、現状維持から新方式への変更を含む両論併記に急きょ転換した背景を検証する上で、手がかりとなる発言だ。
 専門家による議論をないがしろにする厚労省の姿勢を阿部氏はどう受け止めたのか。両者のやりとりのより詳しい内容を知りたかったが、議論は深まらなかった。
 阿部氏の出席は野党側が再三要求して実現した。その割に追及が甘かったと言われても仕方ない。
 安倍内閣の支持率は横ばいの傾向で、統計不正の影響は直接表れてはいない。このため野党も手詰まりに陥っているように映る。
 統計の議論は専門的な内容が多いが、問題の所在を分かりやすくあぶり出すのは野党の務めだ。参院選に向けた目先の「成果」が上がらないからといって、地道な追及の努力を怠ってはならない。
 無論、第一には解明に消極的な政府・与党の姿勢が批判されよう。阿部氏とメールを交わしていた当時の厚労省課長補佐も当然招致が必要なのに、与党が拒み続けているのは全く理解に苦しむ。
 15年間続いていた勤労統計不正の真相究明自体も不十分だ。
 組織的隠蔽(いんぺい)を否定した厚労省特別監察委員会の追加報告書に対して、総務省の統計委員会は内容を批判する意見書を公表した。
 「再発防止策を考える際に必要な情報が著しく不足している」とした上で、「統計技術的・学術的に考えた時の重大性に対する認識」も足りないと言う。
 専門家の厳しい指摘を黙殺して政府・与党が幕引きを図ることは認められない。第三者機関による徹底調査を行う必要がある。


承認「撤回」提訴へ 真摯に協議し計画断念を
 沖縄県は、知事の埋め立て承認「撤回」を国交相が効力停止にしたことを違法として提訴する方向となった。
 2度の県知事選で民意が明確に示され、県民投票で新基地反対が有効投票数の72%を占めた。それでもなお政府は工事を続け、県を訴訟へと追い詰めた。政府と地方のこのような異常な事態が何度繰り返されるのだろうか。
 玉城デニー知事は19日、安倍晋三首相と3月に入って2度目の会談を行った。知事は、工事を中断し1カ月程度の協議の場を設けるよう求めた。そして、係争中の辺野古海域の岩礁破砕を巡る訴訟の上告を取り下げると伝えた。
 「訴訟合戦の形ではなく、対話のための環境づくり」と、知事は取り下げた理由を記者団に説明した。効力停止に対する訴訟は政府の対応を見て考えるとしていた。
 今回の面談は、第2工区への土砂投入開始が25日に迫るぎりぎりの状況で政府に判断を迫った形だ。対する首相は明確な返答をしなかった。菅義偉官房長官は同じ日の会見で「政府の考えは変わらない」と述べた。
 玉城知事が首相に面談する努力をし、対話を呼び掛けることは評価する。しかし、県民投票の結果すら無視する政府が、工事を中断して協議に入る可能性は低かった。提訴はやむを得ない。
 ただ、岩礁破砕を巡る訴訟を取り下げたのはちぐはぐ感が残る。議会の承認を得て公金を使う裁判を、成算不明の駆け引きに使ったのではないか。丁寧な説明を求めたい。
 県民投票の翌日、菅官房長官は玉城知事が普天間飛行場の危険性を除去する手法について言及していないとし「極めて残念だ。ぜひ知事の考えを伺ってみたい」と県に代替案を求める発言をした。
 沖縄に代替案を出せというのは「奪った土地を返すから代わりを寄こせ」と要求するに等しく、筋違いも甚だしい。一方、知事は日米両政府に沖縄県を加えた3者による協議機関SACWO(サコワ)構想を提案し、辺野古以外の方策を探す道筋を示している。
 再び訴訟でにらみ合うこのタイミングで、政府は工事を中断して協議に入るべきだ。
 米海兵隊が沖縄にいなければならないという主張は、運用実態からして通用しない。大浦湾には軟弱地盤が広がり工期も工費も確定できない。3頭いた絶滅危惧種ジュゴンの姿が見えなくなり、そのうちの1頭が死んで見つかった。サンゴ移植も設計変更も不可能だ。計画は暗礁に乗り上げている。工事続行は「沖縄いじめ」に映る。真摯(しんし)に協議すれば、断念という結論になるはずだ。
 4月には全国で統一地方選があり、7月には参院選もある。地方と政府がどう向き合うのかが全国で議論になるだろう。地方の民意をないがしろにする政府に全国の目が注がれていることを、政府は認識すべきだ。


[目取真さん勝訴]裁かれた「長時間拘束」
 身柄拘束後の処置に問題があったとして国の対応の違法性を指摘した妥当な判決だ。
 新基地建設に反対する抗議活動を巡り、米軍と海上保安庁に不当に拘束・逮捕されたとして、芥川賞作家の目取真俊さんが国に損害賠償を求めた訴訟で、那覇地裁は逮捕を違法と認めた。
 海保側が米軍から身柄を引き受けるのが遅れたことは合理的理由がない、と国に計8万円の支払いを命じた。
 2016年4月1日、目取真さんは仲間数人とともにキャンプ・シュワブ周辺海域にカヌーでこぎ出し、臨時制限区域に入ったとして、米軍側に身柄を拘束された。
 ウエットスーツのまま、弁護士との接見も許されず、銃を持った米兵監視の下での拘束は約8時間に及んだ。
 その後、海上保安官に引き渡され、日米地位協定に伴う刑事特別法(刑特法)違反容疑で緊急逮捕された。
 日米合意では、米軍に裁判権のない人を米側が拘束した場合、直ちに日本側に引き渡すことになっている。米軍は今回、拘束から3分後に海保に通知した。
 海保側は権限の確認などに時間を要したと主張するが、通常、引き渡しまでにかかる時間は2時間程度とされる。 判決は、緊急逮捕について「それに先立つ身柄の引き受けも直ちに行われていることが必要不可欠」と指摘する。
 日本の捜査機関に、身柄を引き受ける「高度の注意義務」があるとしたのは、拘束を最小限にとどめるべきだという観点に立ったもので評価できる。
    ■    ■
 ただ、那覇地裁は米軍による身柄拘束については「違法行為があったとは認められない」と訴えを退けた。
 刑特法に基づいて裁判所が令状なしで緊急逮捕することは、令状主義を規定する憲法33条との関連で以前から問題視されている。
 だが判決は「現行犯的身柄拘束に当たる」として刑特法の違憲性を認めなかった。
 目取真さんが米軍警備員に拘束された臨時制限区域は、反対派住民を閉め出そうと14年に大幅に拡大された。国会の承認も関係自治体の意見も聞かず、日米合同委員会という「密室」で、立ち入り禁止区域が広げられたのだ。
 拘束時、警備員は目取真さんを本名で呼んだという。
 キャンプ・シュワブゲート前で抗議活動を引っ張る沖縄平和運動センター議長の山城博治さんが拘束された時もそうだが、反対派の中心人物を「狙い撃ち」した疑いが消えない。
    ■    ■
 十分な環境保全策が講じられているかどうかを確かめるため県は以前、臨時制限区域への立ち入りを求めたことがある。
 しかし要請は半年余りも認められず、現況調査に支障が生じた。
 目取真さんは、こういう異常なことが起きる「沖縄の置かれている状況をもっと考えてほしい」と訴える。
 憲法で保障された住民の権利や地方自治法に基づく自治権の行使が大きな制約を受けている沖縄の現実は、理不尽極まりない。


湖東病院事件  一刻も早く名誉回復を
 殺人事件ではなかった可能性が極めて高くなった。
 東近江市の湖東記念病院に勤務中、人工呼吸器を外し患者を殺害したとして有罪になった元看護助手西山美香さん(39)の裁判のやり直し(再審)が、最高裁で確定した。大津地裁で再び開かれる公判で無罪となる見込みだ。
 西山さんは、自白を強要されたとして無実を訴えながら2017年8月末まで12年間、服役した。失われた時間はあまりにも長い。
 虚偽自白に頼った滋賀県警と大津地検、それを見抜けなかった裁判所の責任は重い。一日も早く名誉回復を実現すべきだ。
 西山さんは2004年、事故を装って人工呼吸器のチューブを抜き患者を殺害したとして逮捕、起訴された。捜査段階の自白を公判では否認したが、07年に最高裁で有罪が確定していた。
 2度目の再審請求を大阪高裁が17年12月に認めた。決め手は弁護団が提出した新証拠だ。
 患者は呼吸器外しによる窒息死ではなく、不整脈で病死した可能性を示す医師の意見書などで、高裁は「患者は自然死した可能性がある」と判断した。
 自白についても「警察官、検察官の誘導に迎合したにすぎない可能性」を指摘した。最高裁は高裁判断を支持し、検察の特別抗告を棄却した。
 自白は信用できず、当初の死因鑑定も間違っていた。なぜ、こんなずさんな捜査が続けられたのだろうか。
 患者は高齢なのに、捜査側は病死の可能性を探ろうとしなかった。警察は司法解剖した医師に「チューブが外れていた」という未確定情報を伝え、医師はそれを前提に死因を窒息死と鑑定した。
 警察が「事件」の構図に執着しすぎたため、自白を強要することになったのではないか。
 弁護団は、西山さんが取り調べで捜査官に迎合してうその供述をしてしまった、と指摘している。取り調べの可視化だけでなく、弁護士の立ち会いも制度化する必要がある。
 新証拠もないのに特別抗告した検察の姿勢も極めて問題だ。特別抗告は本来、憲法違反などの疑いがあるといった理由が前提となる。再審開始の引き延ばしが狙いだったと言わざるをえない。
 今回の決定は、DNA判定などがなくても再審の道が開かれる可能性を示した。「疑わしい場合は被告人の利益に」という原則を重視したことも歓迎したい。


呼吸器外し事件 冤罪生む素地を改めねば
 再審はかなっても、冤罪(えんざい)によって奪われた人生の時間は取り戻せない。被害回復のため再審制度を見直すとともに、自白を偏重する捜査や裁判のあり方を改めなくてはならない。
 滋賀の病院で起きた「呼吸器外し事件」の裁判をやり直すことが決まった。最高裁が大阪高裁の再審開始決定を支持し、検察の特別抗告を棄却した。殺人罪で懲役12年の刑に服した西山美香さんが無罪になるのは確実だ。
 2003年に起きた事件である。捜査段階で、人工呼吸器を外したことを認める供述をしたことが有罪認定の根拠になった。公判で否認に転じ、無実を訴えて服役中から再審を求めてきた。
 高裁は、弁護側が提出した医師の鑑定書を踏まえ、不整脈で自然死した可能性を指摘。自白の信用性にも疑義を向け、有罪と認定するには合理的な疑いが残るとして再審を認めた。
 刑事裁判の大原則である「疑わしきは被告人の利益に」を再審にも適用した、うなずける判断だ。それを最高裁が是としたことは、冤罪被害の回復を前進させる上で大きな意義がある。
 とはいえ、高裁の決定から再審確定までに1年3カ月近くを要している。本来なら、有罪判決が揺らいだと裁判所が判断した段階で裁判をやり直すべきだ。検察の抗告を認めている再審制度のあり方を見直す必要がある。
 事件から16年。西山さんが失った時間は長い。冤罪は人の一生を損なう重大な人権侵害だ。
 その素地である不当な取り調べを防ぐには、可視化(録音・録画)とともに弁護士の立ち会いが重要になる。軽度の発達障害がある西山さんのように、自らを守る力が弱い人はとりわけそうだ。
 憲法は被疑者が弁護人の援助を受ける権利を保障している。にもかかわらず、捜査機関は取り調べ時の立ち会いを認めていない。国連の自由権規約委員会から是正を繰り返し求められ、日産自動車の前会長カルロス・ゴーン被告の事件でも海外から批判を受けた。
 欧州連合(EU)は、立ち会いを求める権利の保障を加盟国に義務づけている。米国では、弁護士を呼ぶ権利を被疑者に告げずに得た供述は裁判の証拠にできないルールが確立されている。
 弁護士の立ち会いは、冤罪被害を生まないために欠かせない権利である。刑事訴訟法に明記はされていなくても、憲法や刑事法の原則を踏まえて立ち会いを認める運用がなされなければならない。


大阪W選は自民リード…松井一郎氏“落選危機”で維新真っ青
 4月7日に行われる「大阪ダブル選挙」。ダブル選を仕掛けた大阪維新が真っ青になっている。もともと、松井一郎知事(55)と吉村洋文市長(43)が揃って辞職し、知事と市長の立場を入れ替えて出馬することに、「政治の私物化だ」「党利党略だ」と批判が殺到していたが、予想以上に評判が悪く、市長選に出馬する松井一郎氏の“落選”の可能性が高まっているのだ。
 大阪維新に激震を走らせているのが、自民党が行ったとされる世論調査の結果だ。<松井一郎41.8、柳本顕45.5>と、自民候補の柳本顕氏(45)にリードを許しているのだ。
「自民党がリードしている理由は3つあります。1つはタマがいいこと。大阪市議だった柳本さんは、前回の市長選に出馬したこともあって一定の知名度がある。しかも、橋下徹さんとディベートしても互角でした。2つ目は、大阪維新のやり方に対する批判が予想以上に強いこと。任期を半年以上も残してなぜ、いま2人揃って辞めるのか、なぜ市長と知事で入れ替わるのか、党利党略に映っているようです。3つ目は、同じ日に行われる大阪市議選との相乗効果です。市議選の候補者が一緒に戦っているので、反維新の動きが広がっています」(政治ジャーナリスト・鈴木哲夫氏)
■最後は“橋下徹氏頼み”か
 自民から共産まで、主要政党が“反維新”でまとまっていることも大きいという。とくに、密約をバクロされた公明党は、本気で“維新潰し”に動いている。
「大阪都構想」は住民投票で一度否定されたのに、「信を問う」などと、再び「都構想」を持ち出していることに大阪市民がウンザリしていることや、松井知事は大阪市出身ではなく、八尾市出身だということも、支持が広がらない理由だ。
 早くも大阪維新の中からは、「最後は橋下さんに応援に入ってもらうしかない」「橋下さんがマイクを握れば圧勝できる」という声が上がっている。はたして橋下氏は応援に入るのか。
「やはり、橋下徹さんあっての大阪維新なのだと思います。とくに無党派層は、政策の中身というより橋下維新の改革の姿勢を支持していたように思います。でも、橋下さんは政界から距離を置いている。応援に入ることはないと思います」(政治評論家・有馬晴海氏)
 松井知事が落選すれば、維新は壊滅する可能性がある。


大阪市西成区あいりん地区 唐突すぎる“中華街構想”の行方
 横浜中華街、神戸・南京町、長崎新地中華街に続き、国内4つ目となる“大阪中華街”構想が進められている。
 計画されている候補地は、日雇い労働者の街として知られる大阪市西成区のあいりん地区。大阪メトロ御堂筋線の動物園前駅の東西500メートル、南北600メートルのエリアだ。大阪中華街構想を立ち上げたのは、西成区周辺で事業を経営する、中国福建省出身の経営者ら約40人が設立した大阪華商会のメンバー。
 現在、あいりん地区の商店街約400店舗のうち、3〜4割はシャッターを閉めた空き店舗。一方、中国人の経営するカラオケ居酒屋が周辺も含めると、150店以上にも増えた。そのため住民とのトラブルが絶えない。大阪中華街の建設に反対する声が強いが、西成区で不動産会社を経営する林伝竜・大阪華商会会長は、中華街構想の展望についてこう説明する。
「カラオケ居酒屋を中華料理店や雑貨店などに変え、中華街に2025年までに約120店舗を開業する。商店街の東西南北には中国式の門を建設します。西成区は通天閣のある難波の繁華街に近く、関西空港へはリムジンも出てアクセスもいい。22年には星野リゾートの高級ホテルがオープンし、25年には大阪万博が開催されます。大阪の活性化にも役立ちたい」
 大阪中華街構想を公にしたのは大阪維新の会の今井豊大阪府議会議員。
 昨年12月14日の本会議の席で今井議員は、松井一郎大阪府知事にこう質問を投げかけた。
「大阪に民間主導で中華街をつくる構想がある。具体化したら知事としてどういう支援をするのか」
 これに対し松井知事はこう答えている。
「民間がやるのであれば、地元とのウィンウィンの関係ができれば、何らかの形で前向きに支援していきたい」
 そもそも今井府議が大阪中華街構想を知ったのは、昨年11月半ばの第3回西日本地区日中友好交流大会の準備会の席。日中友好親善議員連盟会長を務める今井府議が、出席していた李天然・駐大阪中国総領事から大阪中華街の具体的な計画を聞かされたことだった。
 そして、今年の2月15日に市内で開催した大阪華商会の新年会で、地元金融機関幹部とともに商店街の代表が集まり、大阪中華街の第1回説明会が行われたのだった。飛田本通商店街振興組合の村井康夫理事長が困惑した様子で言う。
「横浜や神戸はもともと華僑が多かったんですが、西成地区は中国との関連性はまったくない。それが急に中華街といわれても。地域の活性化についても、この周辺の宿には年間40万人の外国人が泊まり、国内の観光客も50万人が利用しているんです。大阪中華街はあまりに唐突で、無理な話だと思いますよ」
 大阪中華街は25年の大阪・関西万博までにオープンを目指す。構想では中華街の料理店には日本中から超一流のシェフを呼び、料理や物販だけではなく文化施設の建設も予定、日本一の中華街を建設するという。地元とのウィンウィンの関係をまず築くことが先決となる。 (ジャーナリスト・木野活明)


なぜNHKは政権による嘘と誤魔化しに加担するのか<永田浩三氏>
 3月1日の衆議院本会議で提出された根本厚生労働大臣の不信任決議案において、小川淳也議員が行った趣旨弁明の演説が、NHKによって本人の言葉を一切紹介されることなく、悪意あるようにしか思えない編集で報じられたことについては当サイトでも報じた通りだ。(参照:”小川淳也議員による根本大臣不信任決議案趣旨弁明を悪意ある切り取り編集で貶めたNHK”–HBOL”
 この例からもわかるように、いまNHKの報道が異常事態に陥っている。
 22日発売の『月刊日本4月号』では、安倍政権に不都合な報道が抑えられ、安倍総理を持ち上げる「提灯報道」一色になり、「安倍様のNHK」と揶揄されることについて、第一特集で報じている。同特集から、長年NHKで活躍してきた永田浩三氏の論評を紹介したい。
「政府が右というものを左というわけにはいかない」
── 現在のNHKの報道をどう見ていますか。
永田浩三氏(以下、永田): 私は2009年に退職するまで、32年間NHKでディレクター、プロデューサーとして仕事をしてきましたが、現在ほどNHKの報道、特に政治ニュースがおかしくなったことはないと思っています。これは第二次安倍政権がメディアへの支配を強めた結果です。
 いろんな段階を経て、今日の事態を迎えていますが、2013年10月に決まったNHK経営委員の人事から顕著になった気がします。JT顧問の本田勝彦さん、作家の百田尚樹さん、埼玉大学名誉教授の長谷川三千子さん、海陽中等教育学校校長の中島尚正さんの新任と、JR九州会長の石原進さんの再任を求めました。安倍色が露骨に出ました。
 本田さんは安倍さんの家庭教師、百田さんと長谷川さんは安倍さんに近い保守派言論人、中島さんは安倍さんに近いJR東海会長の葛西敬之さんと懇意で、石原さんも安倍さんに近い人物です。NHK経営委員会が安倍政権に握られたと言っても過言ではありませんでした。
 そしてその経営委員らによって、2014年1月、籾井勝人さんがNHK会長に選ばれます。籾井さんは、就任会見の場で、記者の質問に答える際、従軍慰安婦については「どこの国にもあったこと」と発言しました。もちろん、そうした解釈をする人がいないわけではありませんが、NHK会長の立場であれば、もう少し丁寧に正確に言葉を紡ぐべきです。
 しかも、籾井さんは「国際放送については政府が右というものを左というわけにはいかない」と述べたのです。さらに籾井会長は、就任初日に10人の理事全員に辞表を提出させていました。
 こうして、籾井体制になってから、NHKの政治報道は急速に政権寄りに舵を切っていきました。例えば、集団的自衛権に関する関連のニュースを検証してみると、与党側の主張の時間が114分だったのに対し、反論側はわずか77秒という極端な差が生まれました。
 この年の夏に、籾井体制によるNHKの変質に危機感を抱いた元NHK職員らによって、籾井会長の辞任を求める署名活動が始まり、署名数は1500人を超えました。私もそのひとりでした。
官邸の意向を忖度する報道局長
── 籾井氏は2017年1月に会長を退き、米国三菱商事社長などを務めた上田良一氏が会長に就任しました。NHKの報道に変化は起きたのでしょうか。
永田:籾井さんのような失言はまったくなくなりました。籾井時代の異常事態から比べれば、はるかにましです。しかし、政治報道はどうかというと、安倍政権への忖度の度合いは一層ひどくなった気がします。
 今年1月6日、新年第1回のNHK「日曜討論」では、野党党首が生出演する中、安倍さんのパートだけは収録済みでした。そこで、安倍さんは、辺野古の埋め立てによる環境破壊問題に関して、「あそこのサンゴを移しております」と語りました。しかし実際は、土砂投入エリア内でのサンゴ移植などまったく行われていませんし、土砂には赤土が多く含まれてもいました。この発言が事実誤認というか、嘘だったのは明らかです。
 スタジオの聞き手は、解説委員室の副委員長とアナウンサー。安倍さんの発言は変だと気付くはずだし、質問するのが当たり前なのに、それをしませんでした。なぜこの異常な発言が垂れ流されたのか、NHKは今日まで問題点を検証する気配もありません。
 統計不正の問題では、独自のニュースはそれなりに健闘しているものの、国会での野党の追及については、ほとんど伝えていません。実際の安倍さんはしどろもどろなのに、NHKのニュースを見ると、理路整然と答弁できているようです。これは粉飾もいいところです。また、森友学園、加計学園の問題については、NHKはせっかく取材をしたものをお蔵にしたり、大阪局報道部の相澤冬樹さんのような記者の活動の場を奪ったりしました。
 2017年5月には、加計学園の獣医学部設置をめぐり、『朝日新聞』が「総理のご意向」などと記された文部科学省の文書が存在すると報じましたが、菅義偉官房長官は記者会見で「全く、怪文書みたいな文書だ」と述べていました。こうした中で、その文書が文科省で作成されたものであると主張する前文部科学省事務次官の前川喜平さんに最初に接触していたのは、NHKの社会部記者だったのです。NHKはどこよりも早く前川さんの単独インタビューをとることに成功します。ところが、それは未だに放送されないままです。
 前川さんは5月25日に記者会見を開いて、文書は確実に存在していたと主張しましたが、その直前の5月22日、読売新聞は、前川さんが新宿の出会い系バーに出入りしていたと報じたのです。まさに、前川さんの会見直前に彼のイメージ・ダウンを狙った、官邸の意向を反映したようなちょうちん記事です。
── 官邸の意向に沿わないネタを潰しているのは、小池英夫報道局長だと報じられています。小池局長は今井尚哉・首相秘書官と直接やりとりしているとも言います。
永田:NHKの報道の最大の弊害は、前の報道局長で、現在理事の荒木裕志さんと小池さんのラインだと言われています。私はいまも取材の量も質も、NHKは抜きんでていると思いますが、残念ながら実際に放送されるニュースは、似ても似つかないほど貧弱で劣悪なものです。取材現場と放送までの間のパイプがつまっているのです。この異常事態に、なにより現場は苦しんでいると思います。
岩田明子記者の虚報
── 政権寄りの報道の典型が、岩田明子記者だと言われていますが。
永田:私は主にディレクターの世界で生きてきましたので、記者の世界にとりわけ詳しいわけではありませんが、岩田さんは、地方局時代、市民に寄り沿うような丁寧な取材をしていた時期もあったと聞いています。しかし、2000年に政治部に移り、2002年に安倍さんの番記者になりました。2007年に第一次安倍政権が短命に終わると、多くの記者が安倍さんから離れて行きました。これに対して岩田さんは、安倍さんを大事にし続け、信頼関係を築きました。彼女は、安倍さんのお母さんの洋子さんの信頼も得ました。彼女は、洋子さんの独占ロングインタビューも手がけています。
 政権からいち早く情報を取り、スクープを連発すること自体は批判すべきことではありませんが、問題はあまりにも政権に都合の良い報道ばかりをしていることです。
 日ロ交渉に関しても、岩田さんは「安倍首相のおかげで北方領土が戻ってくるのでは」というイメージを広げました。例えば昨年9月にウラジオストクで行われた日露首脳会談の際には、「クローズアップ現代+」に解説委員として登場し、「そこに居合わせた日本政府の関係者も『まるで日本への島の引き渡しを示唆しているように見えた』と話していました」などと解説しました。一方、日本は朝鮮半島の雪解けの蚊帳の外に置かれているにもかかわらず、岩田さんは、安倍総理が6カ国協議の「橋渡し役」を担っているなどと伝えています。
 こうした報道は、誤報というより虚報です。彼女は、真実を知っているにもかかわらず、それとは異なることを伝えています。その罪は軽くありません。彼女は「取材、報道をする上で最も重要視している事は何か」と尋ねられて、「国益にかなうこと」と語っていますが、それは違います。記者として最も重視すべきことは、国民の知る権利に奉仕することです。
── 永田さん自身も、2001年の番組改変事件の当事者でした。 永田:保守派の歴史修正主義勢力は、1990年代後半から、慰安婦問題や南京事件を記述した中学・高校の歴史教科書を標的にし、削除を求め、次々に実行されていきました。次の標的になったのが放送でした。彼らは、2001年1月30日に放送予定の「ETV2001シリーズ『戦争をどう裁くか』」の第二回を攻撃したのです。私は、そのシリーズの総括プロデューサー・編集長という立場でした。  この番組では、2000年12月に東京の九段会館で開催された「女性国際戦犯法廷」を取り上げました。アジア各国の人たちが一堂に会して、第二次世界大戦中の従軍慰安婦問題をめぐり、政府の責任を追及したものです。番組を問題視した維新政党新風は、まず日本会議に働きかけ、安倍さんら自民党の保守派議員を動かそうとしました。  そして放送前日、松尾武放送総局長、野島直樹国会担当局長らが自民党議員と面談しました。その日の夕方、野島局長らによる試写が実施され、番組改変が指示されたのです。さらに放送当日に再度改変が行われました。
 NHKは自民党議員とのやりとりがあったことは認めていますが、自主的に変えたのであって、政治介入はなかったと言い続けています。しかし、外形的事実を見れば、政治介入と考える方が自然です。ここに、安倍さんに対するNHKの忖度の原点があるのだとすれば、NHKはきちんとこの番組改変事件を検証すべきです。
権力に対してメディアはスクラムを組め
── 2016年3月には、23年間キャスターを務めてきた国谷裕子さんが、「クローズアップ現代」を降板しました。
永田:国谷さんは、日本を代表する報道番組のキャスターです。NHKの職員のように組織のしがらみに忖度するようなことは少なく、取材が不十分なときは、「突っ込みが甘い」「国民の知りたいことに答えていない」など、きちんと意見を言う、まっとうな人でした。スタッフだけでなく上層部にも、国谷さんであれば、たとえ政権に対して厳しい意見を言っても尊重しなければ、という雰囲気があり、熱いリスペクトを受けてきました。
 2014年7月3日に放送された「クローズアップ現代」は、集団的自衛権を特集し、菅官房長官をスタジオのゲストとして招きました。このとき、国谷さんの隣には政治部のデスクが座っていました。これは、「国谷さんからの質問に歯止めをかけます。恥をかかせません」というサインだったと思います。
 それでも国谷さんは本質的な質問を繰り返しました。それは、「日本が他国の戦争に巻き込まれる危険はないのか」というもので、視聴者がもっとも知りたいことでした。しかし、菅さんはのらりくらりとはぐらかし、時間切れになりました。
 番組終了後、菅さんの秘書官が制作スタッフに抗議したと言われています。しかし、菅さんの方がよくなかったと思います。また、同年5月に大阪局報道部が制作し放送された「クローズアップ現代」「追跡狃于蛤承臭瓠廚如△笋蕕嗣簑蠅発覚し、国谷さんが番組の中でお詫びをするということもありました。これに関しても国谷さんには何の責任もありません。現場は2016年度以降も国谷さんでやっていきたいという強い意志がありました。ところが、NHK上層部は国谷さんの降板を決めます。政権への忖度が疑われても仕方がありません。
── 今、官邸は、菅官房長官の記者会見で、毅然とした態度で質問を繰り返してきた東京新聞の望月衣塑子記者に対する圧力を強めています。
永田:記者が執拗に追及するのは、追及すべき問題があるからです。森友、加計、辺野古移設、日露交渉、統計不正など、政権に問題があるからこそ、厳しく追及するのです。ところが、菅さんは、かつてのクロ現のように、まともに答えず、はぐらかしています。だから、何度も質問をする必要があるのです。私は、国民の知る権利に答えるために、記者としての責任を果たそうとしている望月さんを応援したいと思っています。
 この問題について、NHKのニュースが、何事も起こっていないかのようにふるまっていることが情けない。産経新聞に至っては、官邸に同調して望月さん攻撃を繰り返す始末です。
 かつて評論家の加藤周一さんは、「メディアスクラム」の重要性を強調していました。現在は、弱い人に対して各社が集中して強引な取材を行うというような意味で使われていますが、本来は「圧力をかけてくる権力に対して、メディアがスクラムを組んで一緒に戦う」という意味です。加藤さんが例として挙げたのは、1970年代前半、ニクソン政権の副大統領を務めたスピロ・アグニューが、スキャンダルを追及するマスコミに牙を剥いてきたときに、全米の新聞社がスクラムを組んだことです。
 日本では今、沖縄の二紙や朝日・毎日、そして当の東京新聞は望月さんを孤立させてはならないという論陣を張ってはいますが、NHKをはじめ多くのメディアは音なしの構えです。どうか連帯して権力を監視し、国民の知る権利を守るというメディアの本来の役割を取り戻してもらいたいと思います。 (聞き手・構成 坪内隆彦)
永田浩三(ながた・こうぞう) 1954年生まれ。東北大卒。1977年NHKに入局後、教養、ドキュメンタリー番組制作に携わり、「クローズアップ現代」「NHKスペシャル」のプロデューサーとして活躍。2009年、NHKを早期退職。武蔵大学教授(メディア社会学)。『NHKと政治権力』、『ベン・シャーンを追いかけて』、『ヒロシマを伝える』『フェイクと憎悪』(共著)など多数。


コンビニ時短営業◆24時間の便利さは不可欠か◆
 コンビニエンスストア最大手のセブン-イレブン・ジャパンが、24時間営業見直しの実験を始める。深刻な人手不足に苦しむフランチャイズ(FC)加盟店の要望に対応せざるを得なくなった。問題の根本は、いつでも店が開いているという便利さが必要かどうかということだ。サービスの在り方を幅広い視点から考え直したい。
 セブン-イレブンは21日から全国の直営10店舗で、営業時間を午前5時〜翌日の午前1時、午前7時〜午後11時、午前6時〜翌日の午前0時という3パターンに分けて短縮し、収益や来店客数、作業効率などを検証する。
人材確保できず疲弊
 現在は全国約2万1千店舗のうち96%が24時間営業をしており、FC加盟店に時短営業を導入すれば、周辺業界に広く波及することも予想される。
 1975年から24時間営業を始め、その象徴ともいえるセブン-イレブンが実験を決めたきっかけは、大阪府東大阪市のFC加盟店オーナーが自主的に営業時間を短縮したことだ。アルバイト従業員が十分に確保できず、本人はほとんど休みが取れないため疲弊し、営業時間を19時間にした。
 セブン-イレブンの本部側は契約違反に当たるとして、FC契約を解除し違約金を求めると伝え、話し合いは平行線となった。コンビニのオーナーでつくる団体も、24時間営業の見直しに関する交渉を求める意見書を提出し、本社側がFC加盟店の声を無視できなくなった形だ。
 今ではコンビニは、買い物だけではなく公共料金の支払い、宅配便の受け付け、災害時の物資提供の拠点など社会インフラとしての機能も担うようになっている。だが、FC加盟店は零細な家族経営が多く、人手不足で過重な労働を強いられている例が少なくない。
広がるサービス縮小
 コンビニ各社も対策は取ってきた。セルフレジや自動食洗機の配備など省力化を進め、FC加盟店に本部社員を派遣する制度を拡充。しかし、こうした対策だけで根本的に解決されるとは思えない。より踏み込んだ対策が必要だ。
 同様に人手不足の悩みを抱える外食産業では24時間営業の見直しが先行して進み、ドライバー不足が限界に達した宅配業界もサービス縮小へ動いている。しかし、利用者から目立った苦情は出ていないという。コンビニ各社も、全国一律の24時間営業に現場の一部が耐えられなくなっている現実を受け止めなければならない。
 FC加盟店の実情に応じて柔軟に営業時間を短縮できる仕組みを導入すべきだ。24時間営業を前提とした生産、配送体制の見直しなども求められる。中長期的な視点に立ったビジネスモデルの改革に踏み出してほしい。
 そもそもコンビニの24時間営業に代表される便利さが社会に不可欠かどうか。利用者の側も含め、社会全体で議論を深めたい。


貴乃花氏 家族愛の絵本制作に兄・虎上も反応、修復に期待の声
元横綱・貴乃花の貴乃花光司氏(46)が3月20日「ザ・発言X」(日本テレビ系)に出演し、“家族の愛”をテーマにした絵本を製作したと発表した。兄・虎上氏(48)からも反応があり、注目を集めている。
貴乃花氏の手掛けた絵本は「光のテーブル とっても大切なカエルのおはなし」といい、「お母さんに叱られたね お父さんに育ててもらったね いっつもお兄ちゃんがいてくれたね」「僕は間違っていたかもしれない 若いから家族の話を聞いてなかったかも知れない」といった言葉が綴られていた。
番組内で貴乃花氏は絵本のテーマを“家族の愛”としたことについて、「家族は原点。温かいご飯を作ってくれるお母さんに対する感謝。お父さんには夢持つことの大切さ教えてくれた感謝。引退して、改めて感謝を絵本にして伝えたい」と理由を明かした。さらに「1人で入門していたらここまでこられなかった」と虎上への感謝の思いも述べた。
また「15(歳)で入門してから、弱いところを見せられなかった」と明かした貴乃花氏は「46歳で人生折り返し。素直になろうと思いました」と発言。さらに家族関係の修復についても前向きな姿勢を見せた。
すると虎上が放送後、自身のブログを更新。「ほんの半年前まで私が出演する番組には写真は疎か名前を使うことさえできませんでした。ほんの3カ月前まで今後も会うことはないと言われていました。そのような中、急変した現状に当惑しています」と明かしながらも、「私の願いは、母がずっと大切に思っている弟と笑顔で逢えることです。これはそう遠くない現実だと感じ嬉しく思っています」と綴った。
さらに虎上は「絡み合った糸を解くにはまだ時間がかかりそうです」と語りつつ、こう結んだ。
「それぞれに精進して、いつか心交わす。そんな人生の後半が送れるようにと願います。私共の今後を温かく見守って頂けますようお願い申し上げます。いつか逢える日を楽しみに日々邁進して参ります」
歩み寄りを見せた貴乃花氏と、待ち望む虎上ーー。Twitterでは花田家の関係修復を期待する声が上がっている。
《貴乃花さん、親方を辞めて昔の偏屈にも見える意固地な感じが無くなってお兄ちゃんにも感謝の言葉を言えるようになったのはホント良かった》
《家族の情景が浮かんで来る絵本必ず読ませて頂きます 花田家一家が揃ってテレビに出てくれる日が来ます様楽しみにしています》
《お兄ちゃんのブログは泣けてくるよ 貴さま、虎上さん、お母様、一日も早く絡み合ってしまった糸がほどけますように!心から願ってます!!!》
再びテーブルを囲む日がくるかもしれない。

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Japon: soupçonné de corruption, le patron des JO 2020 annonce son départ
Le patron des Jeux olympiques 2020 de Tokyo, Tsunekazu Takeda, annonce sa décision de quitter en juin la présidence du Comité olympique japonais à la suite de sa mise en examen par la justice française pour corruption active. Maître d'œuvre de la candidature japonaise et de sa victoire en 2013 à Buenos Aires, il est accusé d'avoir autorisé des versements suspects pour gagner la voix de membres africains du CIO. Il rejette toutefois les accusations portées contre lui.
Je regrette d’avoir causé autant d’ennuis ≫, a déclaré Tsunekazu Takeda, l’homme qui incarne les Jeux olympiques de Tokyo de 2020, devant la presse japonaise, ce 19 mars 2019.
Selon la justice française, avant le vote de Buenos Aires pour l’attribution de JO 2020 brigués par Tokyo, Istanbul et Madrid, Tsunekazu Takeda a fait verser 1,8 million d’euros à la famille du Sénégalais Lamine Diack, alors président de la Fédération internationale d’athlétisme (IAAF).
≪ Passer le relais aux nouvelles générations ≫
Ce pilier de l’olympisme japonais, qui compte cinq participations aux Jeux en tant que cavalier et entraîneur de l’équipe d’équitation, nie avoir mal agi. ≪ Tokyo a été choisi grâce aux efforts de tous, a affirmé celui qui préside le Comité olympique japonais depuis 2001. Le temps est venu de passer le relais aux nouvelles générations ≫.
Le patron des Jeux de Tokyo, aujourd’hui âgé de 71 ans, pensait parachever une vie au service du sport en restant jusqu’aux JO 2020. Mais il n’a pas réussi à écarter les soupçons de paiements de pots-de-vin dans l’obtention de cet événement.
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BS1スペシャル「二つの震災 出会いと再生の物語」
24年前の阪神・淡路大震災で中北幸さん、富代さんは長女・百合さんを亡くした。悲しみの中で建築家の夫は元の場所に自宅を再建した。2年前、富代さんは東日本大震災の遺族のドキュメンタリーに出会う。震災で家を失った主人公の男性は息子が帰れるよう自ら自宅を再建した。その姿に夫を重ね合わせた富代さんは、自分たちの生き様を作品に残したいと考える。カメラを手にすることで一歩を踏み出そうとする夫婦の日々を見つめる 中北幸,中北富代,渡邊佐和子
NHKスペシャル 命をめぐる決断〜災害多発時代 神戸からの問いかけ〜
大地震に見舞われたとき、ひとりでも多くの命を救うためにどうすればよいのか…。6月に起きた大阪北部地震では、119番通報したにもかかわらず、「自力で対応するよう」求められる人が相次いだ。いま消防の現場で、救命活動の「優先順位」をつける、トリアージ(選別)の動きが広がっている。それは24年前に起きた、阪神・淡路大震災の体験から導き出された教訓だった。発災直後、救助要請が殺到。「消火なのか救助なのか」「どの現場を優先するのか」。当時の活動記録や証言から、消防隊員たちは迷いを抱えながら活動していたことが分かってきた。「もっと救えた命があったのではないか」。神戸市は、「救助より消火を優先」し、「多くの命を救える現場を優先」することを決めた。その動きは全国に広がり、先の大阪北部地震でも実践されたのだ。しかし、優先順位を瞬時に判断するのは、容易ではない。消防が出動しない現場では、市民が救助に当たらなければならず、私たち自身も“命をめぐる決断”を迫られることになる。必ず来る次の大災害の前に、様々な「現場」の模索を通して、いまできる備えと行動のヒントを探る。
放送を終えて 「答えのない問い」「パンドラの箱を開けることになる」。今回のテーマを取材し始めたとき専門家や消防関係者から投げかけられたことばです。阪神・淡路大震災で起きた過酷な現実を直視し議論することはこれまである種のタブーとされてきました。「目の前の命を全力で助ける」使命をたたき込まれてきた消防隊員が、大災害時には「選別」することを迫られる。その苦悩やつらい経験を多くの隊員やOBの方に半年以上かけて取材し、数々のお話を聞かせていただきました。また、母親が生き埋めになったにもかかわらず「声かけに反応がない」と救助活動をしてもらえなかった遺族の女性は、震災から24年たった今だからこそとカメラの前で重い証言を決意してくださいました。体験を証言いただいたすべての方に感謝申し上げるとともに、私たち一人一人が、その当事者になり得るということを認識しなければいけないと思っています。災害が多発する時代に生きる私たちは「いま」何ができるのでしょうか。この番組が、ひとりでも多くの命が救われるきっかけとなることを願っています。 ディレクター 野田淳平(大阪局)

証言記録スペシャル いつか来る日のために 「我がことにするには」
日本列島を相次いで襲った大災害。7月の西日本豪雨では、気象庁は大雨特別警報を発し、異例の記者会見を開いて注意を喚起した。しかし、避難した人は避難指示、避難勧告の対象者860万のうちわずか0.5%の4万人。なぜ、危機感は伝わらなかったのか、どうすれば我がこととして避難行動に結びつけることができるのか、サンドウィッチマンとともに考える。サンドウィッチマン 、礒野佑子  風見しんご 柳原志保  山村武彦
テレメンタリー 3.11を忘れない77 プレハブのふるさと
「ここは第二のふるさと」住民たちからそう呼ばれた仮設住宅団地があります。
宮城県名取市の箱塚桜団地。津波で壊滅した閖上地区の住民が暮らした場所です。去年4月、想定をはるかに超える7年間の役目を終え、閉鎖されました。
いつかは無くなる仮の町に「ふるさと」を作り上げた住民たちは、どのような日々を過ごしたのでしょうか。そして今、仮設を卒業して向き合う新たな現実とは。箱塚桜団地で暮らした人々の8年を追いました。 余貴美子 東日本放送

ザ・ドキュメンタリー 希望の滴〜再起にかけるコメ農家〜
昨年9月、北海道初の震度7を観測した胆振東部地震。死者42人、被害額は3,000億円を超した。厚真町のコメ農家・佐藤泰夫さんは、いとこが犠牲になり水田もほぼ全滅。
唯一残った酒米「彗星」から作る酒は、復興への“希望の滴”だ。
被災直後から酒米の刈取り、酒の完成、今年のコメ作りに再起をかける姿を追った。 松嶋菜々子

庁舎は語る〜大槌町 あの時なにがあったか〜
本来であれば役場から歩いて15分ほどの高台に建つ中央公民館に本部を設置する決まりだった。そして、大津波警報が発表されたのを把握していたにも関わらず避難勧告も避難指示も出せずにいた。
「なぜ、役場前に災害対策本部を設置したのか?」
「なぜ、避難に関する情報が発信されなかったのか?」 江幡平三郎(IBC)

新日本風土記 八戸
青森県の東、太平洋に面する東北屈指の港町、八戸。「やませ」と呼ばれる寒風が吹き荒れ、かつては何度も飢饉に襲われる不毛の地だった。発展のため人々が活路を見出したのは海だった。戦後、埋め立て工事により大規模な漁港へと変貌し、昭和41年から43年にかけては、3年連続で水揚げ日本一を記録。中でもよく取れるのがイカで、現在も水揚げ量日本一を誇っている。高度経済成長期には臨海工業地帯としても発展。北東北一の工業都市へ成長した。港で開かれる巨大朝市には2万人が集い、ユネスコの無形文化遺産に登録された祭りの豪華絢爛な山車は、人を呼び込み街に活気をもたらそうと、毎年、進化を続ける。飢餓の記憶は今も農家に受け継がれ、田に捧げる祈りが絶えることはない。常に変化しながら厳しい風土を生き抜く、たくましき人々を見つめる。
▼"やませ"と"けがじ"の民…受け継がれる飢饉の記憶と田に捧げる祈り
▼馬産地の栄光…「戸」は平安時代からの馬産地の証。その栄光を守る人々の物語
▼日本一のイカ…日本一の漁獲量を誇るイカ漁。不漁にも屈しない漁師の誇りとは
▼海に開けた夢…港の礎を築いたのは2代目の八戸市長。夢にかけた軌跡を追う。
▼自慢の山車に集まる夏…賞を競い、進化を続ける豪華絢爛な山車作りの舞台裏。
▼ホトケサマ、呼続けて…厳しい風土で人々の心に寄り添ってきたイタコの秋。
▼朝市で歩み続ける…震災被害から立ち上がろうと巨大朝市に立ち続ける人々の思い

米重 克洋@kyoneshige
報道の通り府内より市内が都構想反対は多く、過去の選挙結果からしても市内だと維新対反維新でベースの支持率の合計がイーブンに近いと思います。双方の支持層固め+無党派の取り合いの動向で勝敗が変わってくるという点ではまず市長選が天王山です。市議選は各党派個別の地力の積み上げです。
蓮池透‏ @1955Toru
おいおい、話が違うよ。そもそも8000Bq/kgがおかしい!!!
除染土8割「再利用可能」 環境省試算 福島県内には抵抗感(毎日新聞) - Yahoo!ニュース

こたつぬこ @sangituyama
「韓国人は嫌いだ」酒に酔い空港職員暴行か 厚労省課長が韓国で逮捕され更迭に - 毎日新聞
そもそも渦中の人 「武田課長は今月7日には、同課が担当する最低賃金制度を巡り、自民党の会合で全国一律化を業種別に導入する方向だと説明したが、菅義偉官房長官や厚労省が否定。労働基準局総務課が「個人的な見解で、検討は行っていない」と説明する異例の文書を報道各社に出していた」
つまり3月7日に自民党の会合で厚労省の腹案をバラしてしまい、政府を混乱に陥れた半月後に「私用」で韓国にいき、ヘイトを叫んで逮捕されたと。
それにしても、積もりに積もったストレスの捌け口に韓国を使うとは、まんま安倍政権ですね。ウラジオストクの空港で「プーチンなんか嫌いだ」とは叫べまい。

映画『麻雀放浪記2020』 @mahjongg2020
この度、ピエール瀧容疑者が逮捕されたことは誠に遺憾であり、本作の公開についても社会的影響が大きいことは重々承知しております。しかしながら関係者間で協議を重ねた結果、劇場公開については配給を担当する東映の判断で予定通り4月5日(金)よりノーカットで上映致します。(2019年3月20日現在)
9・11経産省包囲・ヒューマンチェーン‏ @20150911tento
【追悼】たんぽぽ舎MLより
本日未明、淵上太郎さん(「経産省前テントひろば」代表)がお亡くなりになりました。謹んでご冥福をお祈り致します。合掌

nagano isamu‏ @1838136
『悲しいお知らせ、経産省前テントひろばの淵上太郎さん逝く』
経産省前にテントを立てて以来、脱原発運動の先頭に立ってこられた淵上太郎さんが今朝天国へ旅だたれたとの事。会う度に「淵上さんお体だけは大事にして」と話していたのですが。惜しい人を亡くしたものです。安らかにお眠り下さい

福井栄二郎 @natganigpa
この時期、退職される先生の挨拶を聞くことが多い。言い方はそれぞれだが、みなさん「私が赴任した頃は金も研究時間もあった。昨今の大学事情は最低で、見通しが暗く、ああこの時期に退職できてラッキー!あとはよろしく\(^o^)/」みたいなことを仰る。
こういう現状、文科省はどうお考えなのだろう。


昨日に続いて震災関連の動画をYoutubeで見ました.dailymotionでも見ました.
メールで1920黄色との指令がきました.
イオンで買い物しました.
晩ご飯はこんにゃくそばです.美味しかったです.こんにゃく感はあまりなかったです.

河北抄
 『奈々子に』という吉野弘さんの詩にこんな一節がある。<自分を愛することをやめるとき ひとは 他人を愛することをやめ 世界を見失ってしまう>
 スポーツ観戦に熱中しすぎて、われを忘れた経験は筆者にもある。決して「自分を愛することをやめた」わけではないにせよ、もっと自分を大切にし、他者への思いやりを持ってほしかった。
 東日本大震災から8年の節目を前に「復興応援試合」として10日に行われたサッカーJ1の仙台−神戸戦で、仙台サポーターの心ないヤジがネット上で問題になったという。
 仙台に在籍していた三田啓貴選手のファウルに激怒し、「くそったれ」というコールが繰り返されたと家人から聞いた。共に震災を乗り越えてきた両チームによる祈念試合だけに残念でならない。
 私たちは震災を機にスポーツの価値やスポーツができる喜びを学んだはずだった。成人式を詠んだ最近のこんな川柳がある。<被災地の二十歳は式で暴れない 東原佐津子>(毎日新聞『仲畑流万能川柳』)。大切なものを見失いたくない。


震災伝承を核に地域づくり 陸前高田の住民ら疑似体験プログラムを企画、全国から交流人口拡大へ
 東日本大震災で被災した陸前高田市広田町長洞(ながほら)地区の住民たちが「震災伝承」を核とした地域づくりに取り組んでいる。支え合って住民全員が地元で住宅再建を果たした結束力を発揮。2016年12月に住民有志で「長洞元気村」を設立し、交流人口を着実に増やしている。
 長洞地区を2月下旬、首都圏のグループ約10人が訪問した。元気村が企画する震災疑似体験プログラムに参加するためだ。
 元気村事務局長の村上誠二さん(62)を講師に、参加者は「自治会未加入者に自分たちの食料を配りますか」などとゲーム形式で災害対応を学ぶ。昼食には地場産品を使った料理が振る舞われた。
 60戸の長洞地区は、津波で28戸が被災した。住民は民家に分散して避難生活を送りながら、市との直接交渉で地区内に仮設住宅を整備した。
 資金不足で地区外の災害公営住宅に転居せざるを得なかった住民にトレーラーハウスを調達するなど、強い結束力で最終的に全員が地区内での住宅再建を果たした。
 被災から仮設住宅入居までの第1期、仮設住宅から住宅再建までの第2期を経て元気村は、震災伝承の取り組み強化を復興第3期と位置づける。
 住民の高齢化や震災の風化を交流人口の拡大で克服しようと、企業研修や民泊修学旅行の受け入れを本格化。毎年30団体前後が地区を訪れるようになった。
 地区の女性たちがホタテのアヒージョの特産化に取り組み、地元漁師が訪問客を漁船に乗せて洋上から復興の様子を紹介する長洞地区。村上さんは「支え合って大震災を乗り越えた力で、これからも地域を盛り上げていきたい」と力を込める。


<地価公示>復興需要の衰退が鮮明に、宮城沿岸経済の後退など負の循環が現実味
 公示地価が19日発表され、東日本大震災の津波で被災した三陸沿岸の復興需要の衰退があぶり出された。宮城県内で市街地の被害が甚大だった石巻市と女川町は全用途の平均変動率が震災後初めてマイナスに転じ、気仙沼市と南三陸町は下げ幅が拡大。地域経済の後退と高齢化、人口減という負の循環が現実味を帯びてきた。
 石巻市の住宅地の平均変動率はマイナス0.6%。下げ幅は震災後初めてマイナスとなった前年より0.5ポイント広がり、全体を押し下げた。
 不動産業ホームランド大地(石巻市)の佐藤創蔵社長は「被災者の住宅取得はほぼ済んだ。商業エリアの蛇田地区を中心に一定の人気はあるが、全体ではこれ以上の価格上昇は見込みづらい」と分析する。
 震災後、内陸部への移転需要が高まり、同市須江しらさぎ台1丁目は2012年に60.7%上昇、14年まで上昇率が全国1位だった。18年にマイナスに転じ、今回はマイナス1.2%とさらに落ちた。
 佐藤社長は「石巻市に仕事の場が少なく、若者の需要が伸びない。跡継ぎが石巻を離れ、災害公営住宅に入る高齢者もいる」と話す。
 女川町の住宅地は0.9%のマイナスに転じた。3月1日現在、町が分譲する住宅地エリアは56区画が残る。麻生不動産(女川町)は「昨年5月ごろに動きが活発化したが、夏以降鈍くなった」と指摘した。
 全用途平均変動率がマイナス0.6%だった気仙沼市は2年連続の下落で、下げ幅は0.4ポイント拡大した。
 「これまでの値上がりが異常だった。通常の経済状態に戻ったということ」。サンケイ不動産(気仙沼市)の藤野愛一郎社長は冷静に見る。
 藤野社長は「平らな土地が少ない気仙沼で、震災直後に土地を確保しようとすれば当然費用はかかる。ようやく生活が落ち着いてきた」と指摘。「気仙沼を離れた人たちが安くても土地を手放そうという動きが増えれば、さらに下がる可能性はある」と話した。
 南三陸町は全用途平均変動率がマイナス2.0%となり、沿岸部で最も下落率が大きかった。震災関連工事の減少で町内に事務所を置く業者が少なくなったことが要因とみられる。
 町内の不動産業関係者は「今後の価格上昇は見込めない。下落が続けば土地を売りたくても持ち続ける人が増えるだろう」と推測。南三陸商工会の山内正文会長は「不動産需要を喚起するには町に活気を生み出す取り組みが必要だ」と訴えた。


「クジラのまち」で鯨肉販売会
政府がIWC=国際捕鯨委員会からの脱退と商業捕鯨の再開を表明した中、「クジラのまち」として知られる石巻市で、クジラ肉に親しんでもらおうという販売会が開かれました。
かつて商業捕鯨が盛んだった石巻市は、正月料理として多くの家庭でクジラ肉が食べられるなど「クジラのまち」として知られ、半島部の鮎川地区にある捕鯨会社は、ことし7月からおよそ30年ぶりに再開される予定の商業捕鯨に加わります。
20日は、クジラ肉に親しんでもらおうという販売会が石巻市にある宮城県石巻合同庁舎で開かれました。
販売会では、去年、南極海での調査捕鯨で捕獲されたミンククジラの赤肉300パックが、100グラムあたり240円で販売され、多くの人が列を作って買い求めました。
販売会に訪れた地元の70代の女性は「クジラの肉は小さいころからよく食べていてなじみ深い食べ物です。商業捕鯨の再開でクジラでにぎやかな町になってほしいです」と話し、商業捕鯨の再開に期待を寄せる声が会場で多く聞かれました。


<三陸鉄道>リアス線開業PR 社員ら営業距離にちなみ163人で「パネル絵」
 三陸鉄道リアス線の23日開業をPRしようと、本社を置く宮古市の職員と三鉄社員が19日、パネルを掲げて車両デザインを描くデモンストレーションを行った。
 盛(大船渡市)−久慈間163キロを結ぶことにちなんで163人が参加。縦11メートル、横12メートルの絵を浮かび上がらせて開業ムードを盛り上げた。市のホームページに掲載するほか、三鉄のポスターにも活用するという。
 山本正徳市長は「4日後に迫った一貫運行をみんなで盛り上げたい」とあいさつ。三鉄の中村一郎社長は「開業に向けてしっかり準備したい」と話した。


<三鉄リアス線23日開業・つながる鉄路>(2)震災を超えて/防災 復興の姿伝える
 北から南まで163キロ。岩手の海岸線が1本のレールで結ばれる。JR東日本から移管される山田線の宮古−釜石間(55.4キロ)が南、北リアス線をつなぎ、第三セクター三陸鉄道(宮古市)のリアス線が23日開業する。東日本大震災から8年。三陸の浜に復興の笛が響く。
 あの日の釜石市鵜住居地区では、明と暗、二つの現実が同時進行していた。
 日頃から防災教育に力を入れていた釜石東中の生徒と鵜住居小の児童は自分の判断で高台へと避難した。
 だが、小中学校から400メートルしか離れていない鵜住居地区防災センターでは、東日本大震災の津波に巻き込まれて160人以上が犠牲になった。
<走って避難体験>
 「津波を人ごとと考えていた自分の後悔を、次世代で繰り返してほしくない」。地元の一般社団法人三陸ひとつなぎ自然学校代表理事の伊藤聡さん(39)が言う。
 盛(大船渡市)−久慈間の163キロを結ぶ三陸鉄道リアス線の鵜住居駅前に23日、津波伝承施設「いのちをつなぐ未来館」が開館する。伊藤さんも運営に協力する一人だ。
 展示物を見学するだけでなく、来場者が児童生徒が避難したルートを実際に走ってみる。体験型プログラムを用意して津波防災への理解を深めてもらう。
 「未来館を核に、鵜住居を『生きる力』を学べる場所として発信したい」と伊藤さん。リアス線が人々をいざなってくれることを期待する。
<人が集う場所に>
 三陸鉄道に移管されるJR山田線区間の駅舎は多くが津波で全壊した。岩手県大槌町の大槌駅も、その一つ。再建された駅舎は、ひょうたん形の屋根がトレードマークだ。
 NHK人形劇「ひょっこりひょうたん島」のモデルとされる島が大槌湾にあることにちなんだ駅舎内の一角に23日、小さなラーメン店がのれんを掲げる。
 店を切り盛りする菊池晃総(あきふさ)さん(39)の本業は理容師。震災後、友人たちと「ラーメン研究会」を結成し「大槌ならではのラーメンを作りたい」と試行錯誤を重ねてきた。
 だしには町特産のサケを使う。県内の有名店のジェラートを販売するほか、夜は居酒屋として幅広い世代が集う店を目指す。
 町は人口減少に直面している。再建した理容店も続ける予定だが、前途は容易に見通せない。それでも観光客や町民が集まる駅の復活を、菊池さんは「また一つ明かりのともる建物ができた」と喜ぶ。
 1杯のラーメンに、震災後に受けた支援への感謝も込める。「町を活気づけたい。復興した姿を多くの人に見てほしい」。駅舎の片隅で、町に降り立つ人々を出迎える。(釜石支局・東野滋)


<東北電>企業版ふるさと納税で東通村に4億円 原発停止での財政難へ支援
 東北電力は19日、東北電東通原発が立地する青森県東通村に企業版ふるさと納税を申し込んだと明らかにした。原発の長期停止で財政難に苦しむ村への支援策の一環。総額は2年間で約4億円に上る見込みだ。
 「まち・ひと・しごと創生寄付活用事業」として内閣府の認定を受けた2018、19両年度の村の事業が対象。村は事業費計約8億4000万円の半額程度を東北電の寄付で賄う。
 寄付金を元に移住・定住策の婚活パーティーや子育て支援、特産品のヒラメや東通牛の販売促進を図る。
 東北電が企業版ふるさと納税をするのは初めて。昨年11月に村から要請を受け社内で検討していた。通常の寄付で受けられる3割の税額控除に加え、3割程度減税される。寄付4億円の実質負担は単純計算で1億6000万円になる。
 村は事業費の全額を寄付で集める方針。同県六ケ所村の機械設備企業や東京の医療法人など計4法人から寄付の申し出を受けた。村は東京電力にも要請しているが、返答はない。
 越善靖夫村長は「村の状況を理解してもらった。事業を活用し、都市部への人口流出を食い止めたい」と話した。


原発事故「被害者0」で五輪開催のため強引な切り捨てが…
福島原発かながわ訴訟原告団団長・村田弘さん(76歳)
 先月20日、横浜地裁は、福島原発事故による被害者60世帯175人を原告とする訴訟で、国と東京電力に対して法的な責任を認めた。「ふるさと喪失・生活破壊慰謝料」など4億円超の賠償を命じるもので、国の責任を認める5例目の判決となった。
 福島原発かながわ訴訟原告団団長の村田弘さん(76)は判決後に、「まずまず良かった。私たちは生活の基盤がなくなっているし、やっぱり国の責任ですよ」と語った。とはいえ、放射性物質に汚染された「ふるさと」と被害者の生活再建は進んでおらず、「今年3月末に避難者の民間賃貸住宅の家賃補助を一気に打ち切り、公営住宅から追い出すという被害者の切り捨てが進んでいる」と憤る。
 村田さんは、2003年5月に37年間勤務した朝日新聞社を退職。南相馬市小高に1950年ごろ建てられた妻の実家を改築し、移住した。
「退職金の半分を使いましたが、それまでは転勤族で借家暮らし。初めての“自分の家”でした」
 村田さんにとっても南相馬は、小学生から高校生まで生活した故郷だ。敷地には廃業してジャングルのようになった果樹園があり、チェーンソーや草刈り機で整地し、桃、リンゴ、サクランボなどを植え直した。無農薬有機栽培で8年間かけて蘇らせて、自家菜園の収穫を楽しんでいたという。傾聴ボランティアや小高の広報紙制作などを通じて地域コミュニティーにも積極的に参加する日々を過ごした。
 そんな中、大地震に襲われた。「いきなり大きな横揺れで、立っていられないほどだった」と振り返る。
 自宅は物が散乱したが、大きな被害はなく、電気もテレビもついた。高台にあったのが幸いした。
「海沿いは津波で全滅です。親族の無事を確かめるために外出しましたが、夕方に戻ると隣家の女性が大きな爆発音を聞いたと言っていました」
 防災無線はよく聞こえず、翌12日にテレビニュースで福島原発の事故を初めて知った。長引くとは思わず、毛布2枚とわずかな缶詰だけを持ち、慌てて車で避難所に移ったという。
 周囲では高齢者が相次いで亡くなった。800人ほどいた避難所の閉鎖に伴い、17日の早朝には、3人の子供たちがいる神奈川県に2日がかりで自力で避難している。結局、横浜市で次女夫婦と同居することになったが、「東電は『同居する合理性はどこにあるのか』と主張。引っ越し代と敷金礼金の補償は認められませんでした」。
 国や東電の対応は口先ばかり。避難民は明るい見通しを立てられず、13年9月に集団訴訟を起こした。
「責任をはっきりさせ、実際に受けた被害、物理的・精神的な損害を賠償させたいと考えました」
 勝訴はしたが、課題は残る。
「原発事故は自然災害とは違い、被害の奥深さがある犯罪です。国はオリンピック前に完全復活を宣言したいのでしょう。それまでに被害者をゼロにするのが目標で、強引な被害者切り捨ての姿勢を鮮明にしています。福島県も国とまったく同じ方針で、出先機関のような対応をしていることが一番腹立たしい」
 まだ、全国で1万2000人以上が国と東電に対して訴訟を起こしている。(ジャーナリスト・渡辺輝乃)


「なぜ生き残った」問い続け…熊本地震の語り部が大学卒業 学生村知る最後の世代、後輩に託す
 2016年の熊本地震で農学部の学生3人が犠牲になった東海大熊本キャンパスの卒業式が19日、熊本市であった。農学部があった熊本県南阿蘇村黒川地区の「学生村」の暮らしを知る最後の世代が巣立った。拠点が熊本市内に移ってからも村民との交流を続け、地震の語り部活動に取り組んだ4年の林風笑(かざえ)さん(22)は、後輩たちに「被災体験がない語り部だからこそ、同じ立場の人たちに響く言葉で語れるはず」と後を託した。
 林さんは本震の16年4月16日、黒川地区の友人のアパートで被災。崩れた建物の2階から逃げ出した。地元の大阪に帰省しても村を忘れられず、母校の中学校での講演会や募金活動で、地震直後や避難所の光景を伝えた。
 「なぜ生き残ったのか」。亡くなった学生の遺族や近しい友人の悲しみに触れる中、自分に問い続けた。あの日、建物の下敷きになり命を落とした学生は、自分だったかもしれない。「地震で亡くなる人を出さないことは、彼の死を無駄にしないこと」。17年6月、学生でつくる「阿蘇の灯(あかり)」のメンバーとして語り部の活動に身を入れた。
 同年代の若者や教職員など、依頼の多くは会員制交流サイト(SNS)を通じて寄せられる。「大変だったんだね」「かわいそう」。黒川地区を一緒に歩いてこの地で起きた現実を話しても、人ごとに捉える反応が多かった。「今ここで大地震が起きたらどうしますか」。一方的に話すのではなく、問い掛け、自分のこととして一緒に考えてもらうように意識を変えた。
 仲間と企画し、学生村の下宿の大家と学生との交流会も重ねた。「大家さんは親代わりの存在。後輩には黒川とずっとつながっていてほしい」。春からは南阿蘇村の赤牛農家に就職する。
       ※
 卒業式には、学生村でアパートの下敷きになり亡くなった大野睦(りく)さん=当時(20)=の両親が出席。大野さんが農学部に在籍していたことを証明する「特別学位記」を受け取った。


河北春秋
 五輪が「金食い虫」と呼ばれた時代がある。膨大な経費がかかり、立候補する都市は少なかった。潮目が変わったのは1984年のロサンゼルス五輪。民間で運営し、テレビ放映料に入札制度を導入。聖火ランナーを有料にした▼結果は500億円の黒字。五輪はもうかるという印象が広まった。以後、五輪招致で巨額の金が動く。利権屋が暗躍し、金銭などを要求。開催都市で相次いで贈賄疑惑が発覚した▼2020年の東京五輪も雲行きが怪しい。日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長がフランス司法当局から招致を巡る贈賄容疑で捜査され、6月の任期満了をもって退任する意向を表明した▼竹田氏が理事長を務めた招致委員会がコンサル会社に送金した2億円超の一部が買収に使われた疑いという。竹田氏は疑惑を否定するが、1月の記者会見では質疑を受け付けなかった。潔白ならば、堂々と説明責任を果たすべきだ▼国威発揚、商業主義、勝利至上主義…。五輪にはさまざまな「裏の顔」がある。「平和な社会の推進を目指す」「権利や自由はいかなる差別も受けることなく、享受されなければいけない」という五輪の理念は影が薄い。主役はアスリートのはず。政治家や企業、利権屋が主役になっていないか。真相解明が待たれる。

JOC会長が退任表明 自らを律する新執行部に
 来年に迫った東京五輪・パラリンピックに与えるダメージを最小限に抑えるトップ交代にすべきである。
 日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長(71)が任期満了となる6月で退任する意向を表明した。五輪招致をめぐる買収疑惑でフランス司法当局の捜査を受け、国外での活動に支障が出ていた。
 国内の競技団体を統括する組織の長として職務をこなせない以上、退任は当然である。
 退任表明の後、竹田氏は「不正はしておらず、潔白を証明していく」と話した。であれば、仏当局の捜査が本格化した1月の記者会見で質疑に応じ、説明を尽くすべきだった。
 一方的に正当性を訴えた7分間の会見はかえって疑念を募らせた。今後は捜査に積極的に協力し、疑惑解明に傾注してほしい。それが東京五輪のイメージ回復につながる。
 一方、退任表明までの動きの中で目に付いたのは、JOCのガバナンス(組織統治)の欠如である。
 JOCは竹田氏の続投を念頭に置き「選任時70歳未満」という役員の定年規定に例外を認めようとした。
 長期にわたり特定の人物に権限が集中することが組織の腐敗につながる。昨年、頻発したスポーツ界の不祥事から学ぶ姿勢が見られない。
 きのうの理事会でも一部の出席者からは続投を望む声が起きた。竹田氏が仏当局の捜査の行方を待つ身であるというのに、危機感のなさには驚くばかりだ。
 今夏発足する執行部は自らを律し、組織を立て直してもらいたい。
 役員の定年延長をめぐっては、スポーツ庁の鈴木大地長官が「再任回数や定年制などの規制はあるべきだ」と発言した。柴山昌彦文部科学相も「組織の新陳代謝を図ることは重要だ」とくぎを刺した。
 民間団体であるJOCの人事に国の意向を反映させれば政治介入になりかねない。そのような発言を許したのもJOCが規律を欠くためだ。
 JOCは1980年モスクワ五輪をきっかけに独立した。当時、日本体育協会の委員会だったJOCは強化費などの予算を握る国に逆らえず、ボイコットを余儀なくされた。
 政治の思惑に振り回された苦い記憶をJOCがなくしては、日本スポーツ界の将来はあまりに暗い。


竹田会長退任 彼一人の責任だろうか
 二〇二〇年東京五輪招致に絡む贈賄疑惑でフランス司法当局の捜査対象となった日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長が退任を表明した。責任を負うべきは竹田氏だけなのだろうか。
 自身の潔白を主張していた竹田氏だが、トップとしての責任から逃れることはできなかった。
 一連の疑惑の背景には、招致に失敗した二〇一六年大会の影響がちらつく。
 当時の東京五輪・パラリンピックの招致委員会は、約百四十九億円もの費用をかけながらリオデジャネイロに敗れた。そのため二〇年大会の招致では、大手広告代理店が推薦したシンガポールのコンサルタント会社に二億円超を支払って万全を期したが、その一部が票の買収に使われたことが明るみに出た。
 贈賄疑惑を追及する仏司法当局が、招致委の理事長を務めていた竹田氏に捜査の目を向けるのは当然といえる。一方の竹田氏はコンサルタント会社に支払ったのは「正当な対価によるもの」としている。ただ、その金がどのように使われるかを知らなかったとしても、会社の素性や背後にいる人物を慎重に調査するべきだった。一六年大会の招致に失敗した焦りがあったのかもしれない。
 潔白を訴えるはずだった今年一月の会見では、捜査中の身であるため質疑を受けず、批判を浴びた。また、国際オリンピック委員会(IOC)委員の立場でありながら、海外で行われた会議にも欠席を続けた。海外では仏司法当局に拘束される恐れがあるからとみられ、本来の職務に支障が出ていたことは事実だった。
 竹田氏は、明治天皇の孫でIOC委員、JOC委員長(現・会長)を歴任した故恒徳氏を父に持つ。海外では「プリンス」と呼ばれて人脈も豊富だが、自ら身を引く形となった。ただ、一連の問題の責任を一人に押しつけて幕引きとしてはいけない。五輪開催の理念が乏しいまま招致にかじを切った関係者、関係団体すべてが反省するべきことだ。
 新国立競技場の建設費のコスト増大など、東京五輪には多くの問題が次々と持ち上がる。会長が退任しても、さらなるイメージ悪化は避けられないだろう。来年七月の開幕に向け、強い決意でガバナンス(統治)やインテグリティー(高潔さ)向上に取り組む姿を世界に発信していけるのか。それはイバラの道であることを覚悟して臨まなければならない。


JOC会長辞意/まだ幕引きは許されない
 日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長が6月の任期満了で退任する意向を理事会で表明した。
 東京五輪の招致疑惑でフランス司法当局の捜査対象となったことが表面化し、国際会議を欠席するなど活動に影響が出ていた。五輪のイメージ悪化を恐れる国際オリンピック委員会(IOC)は、水面下で早期の事態収拾を求めていた。竹田氏はIOC委員も辞任する意向だ。
 潔白を主張しているが、1月の会見で質疑に応じずに打ち切った対応などに批判が高まっていた。説明責任を果たしておらず、開幕まで500日を切った五輪の開催国委員会トップの重責を担える状況にない。退任は当然といえる。
 仏当局が捜査しているのは、開催都市を決める投票権を持つIOC委員の買収疑惑だ。東京の招致委員会がシンガポールのコンサルタント会社に送金した2億円超の一部が使われた疑いがある。当時、竹田氏は招致委の理事長を務めていた。
 関係者によると、起訴の可能性が高く、6月に予審判事の報告が示される見通しもある。
 民間団体からは特別調査委員会設置を求める要請書も出ている。異例の事態を招いた竹田氏とJOCは、五輪への悪影響を抑えるため真相解明に協力する責任がある。退任で幕引きは許されない。
 退任に追い込まれた要因には、スポーツ界のガバナンス(組織統治)強化の流れもある。
 パワハラや金銭問題など、国内競技団体で続発する不祥事は幹部の長期在任が温床になっていると指摘される。スポーツ庁は競技団体の新たな運営指針「ガバナンスコード」の策定を進め、検討する審議会の部会では役員の在任期間や定年規定の素案が示されていた。
 ところが、JOCは71歳の竹田氏を続投させるため、「選任時70歳未満」の定年規定の改定に動いていた。すでに10期目の竹田氏がさらに任期を重ねれば改革の流れに反する。本来、競技団体を審査するJOCは範を示す立場にあるはずだ。
 批判に背を向け、竹田体制に固執したJOCの組織風土の刷新も、信頼回復に向けた新会長らの重要な使命となる。


竹田氏の引き際
 マウンドに立つと、右打者のホームベース外角ぎりぎりの所に、投げ込む目標となるきらきらとした光の線が見える。その線が見えなくなったら引退しよう▼投手として阪神など数球団を渡り歩き、大リーグにも挑戦した江夏豊さんは、そう考えていたそうだ(川北義則箸「引き際の美学」)。アスリートらしい明快な出処進退の決め方である▼東京五輪招致疑惑に絡み、日本オリンピック委員会(JOC)の会長を退く意向を表明した竹田恒和氏にも引き際への思いはあったろう。それでも、自ら招致した東京五輪の「光」を見る前に退任するつもりはなかったに違いない▼イメージ悪化を憂慮して即座の辞任を求める大会関係者の意見は強かったが、6月の任期満了をもって退任するとした。竹田氏は一貫して潔白を主張しており、引き際の美学は貫いたつもりなのかもしれない▼だが、JOCでは役員の定年規定「選任時70歳未満」を改定してまで竹田体制を維持しようとするなど、強引なやり方も目立った。旧皇族の出身で、馬術選手として2度の五輪に出場するなど輝かしい経歴を持つ人だが、2001年から10期という会長期間はあまりにも長い▼惜しまれつつ身を引くことが、引き際では大事とされる。竹田氏は、タイミングを少し逸した気もする。

竹田氏「任期後退任」に疑問の声 活動に支障、3カ月どう過ごす?
 6月の任期満了での退任を19日に表明した日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長が即座に辞任せず、退任時期を先送りした判断を疑問視する声が外部から相次いでいる。竹田氏は「職務を全うすることが私の責任」と強調したが、2020年東京五輪招致疑惑でフランス司法当局から捜査を受け、活動範囲は限られる。大会関係者は「レームダック(死に体)になる」と指摘。別の関係者も「6月までどう過ごすのか」と今後3カ月の行方を案じた。
 国際オリンピック委員会(IOC)側は大会のイメージ悪化を強く懸念し、早期の幕引きのためにも即交代が望ましいとの意見だった。


東京五輪で終電延長 鉄道各社が強いられる“ブラック労働”
 19日のJOC理事会で、裏金疑惑の竹田恒和会長が辞意を表明するが、ますます“ブラック五輪”の実態は黒々としてきた。来年の東京五輪期間中の鉄道の終電時刻について、東京都と大会組織委員会は最大で午前2時すぎまで延長することで首都圏の19の鉄道事業者と合意した。対象はJR東日本や東京メトロ、各私鉄など都心から70キロ圏内の60路線。開会式の7月24日から閉会式の8月9日まで17日間もの長期に及ぶ。
 招致段階の「コンパクト五輪」は大嘘で、競技会場は首都圏に限っても1都3県に拡大。アチコチに点在する上、バレー(有明アリーナ)が午後11時半、バスケ(さいたまスーパーアリーナ)が午後11時に終了など、夜遅くまで競技が続く会場が8つもある。
 競技終了後、深夜帯の帰宅需要に対応するため、都と組織委は鉄道各社に協力を要請。各社とも具体的なダイヤなどは調整中だが、「チケットの抽選申し込みが4月に迫り、観戦希望者の参考になれば」(都オリ・パラ準備局輸送担当部長の肩寄光彦氏)として合意、発表に至ったという。
 草木も眠る「丑三つ時」まで終電を延長すれば、駅員や乗務員には地獄の日々が待っている。まず運行終了後のレールや架線などの保守点検に割く時間が大幅に削られる。短時間で対応するため、真夜中に動員される職員は増えるだろう。
「五輪期間中は昼間も混雑が予想され、テロ対策など警備体制は最高レベルで対応しなければなりません。ただでさえ、駅員の数や仕事量を増やさなければいけないのに、その体制を深夜も整えて、それが17日間も続くとは……。今から頭が痛みます」(ある鉄道会社の職員)
 都も組織委も、終電延長に伴う駅員や乗務員の人件費などの負担は鉄道各社に押しつけ、そのコスト増は「見積もりも概算も試算する予定はない」(組織委・輸送局輸送企画部長の齋藤勝久氏)と完全に丸投げ。まるで五輪のためなら協力して当然との上から目線で、駅員らに「24時間、働け」のブラックな環境を強要するのだ。
「そもそも競技が深夜に終わるのは、五輪の放映権を握る米NBCが日本との時差を考慮した結果でしょう。日本の常識的な時間に競技を行えば終電延長はいらないのに、巨額のマネー欲しさに放映権者の発言力が優先される。米国のゴールデンタイムに合わせて、水泳の決勝も午前中に開催し、選手のコンディションなどお構いなし。招致における裏金疑惑を含め、これほどカネにまみれた五輪はありません。利権優先で選手やスタッフの人権は度外視なら、人間の尊厳を保つことに重きを置くオリンピズムと真逆の発想です」(五輪に詳しいスポーツライターの谷口源太郎氏)
 五輪に向けた“国家総動員”はもう、コリゴリだ。


JOC会長退任へ 新体制への移行急務だ
 日本オリンピック委員会(JOC)の理事会が19日開かれ、2020年東京五輪招致疑惑でフランス司法当局の捜査対象となっている竹田恒和会長(71)が任期満了の6月に退任すると表明した。国際オリンピック委員会(IOC)をはじめ国内外から五輪への影響を憂慮する声が高まり決断したとみられる。
 JOCは東京五輪競技を束ねる組織であり、開幕まで500日を切った大会を五輪組織委員会と共に成功へと導く責務がある。だが、疑惑のため国際会議に出席を控える竹田氏がさらに3カ月居座ることにより悪影響が拡大する恐れがある。それを最小限に抑えるためには、早急に会長を交代し、組織を立て直すことが求められる。
 フランス司法当局は昨年12月、竹田氏を贈賄容疑者として正式捜査を開始。竹田氏が理事長を務めた五輪招致委員会が13年にシンガポールのコンサルタント会社に送金した2億円超の一部が、開催都市決定の投票権を持つIOC委員の買収に使われた疑いを持たれている。
 竹田氏は理事会で世間を騒がせていることを陳謝した。だが疑惑については「潔白を証明すべく努力したい」と述べるにとどまった。この日も潔白である根拠は示されなかった。
 もし不正によって勝ち取った大会だとすれば日本スポーツ史の大きな汚点だ。五輪ムードに水を差すことは必至である。竹田氏は招致委の最高責任者として疑惑に対する説明責任を果たす必要がある。国民に説明しないまま退任しようとする姿勢は不誠実と言わざるを得ない。
 贈賄疑惑は16年に発覚、国会でも追及された。その年にJOCが設置した外部の調査チームが、支払いはコンサル会社との契約に基づく正当な対価で「違法性はない」と結論付ける報告書をまとめている。これが竹田氏が主張する「潔白」のよりどころだ。
 しかし、報告書を潔白の根拠とするのは無理がある。調査が十分とは言えないからだ。コンサル会社関係者らの聴取をしておらず、高額な報酬の使途も把握できなかった。JOCが守秘義務を理由に、契約書を開示しなかったことも要因の一つだ。「違法性はない」とした結論は説得力を欠く。
 しかも竹田氏は積極的な関与はなかったと主張しているものの、契約に自らサインしたことは認めている。JOCが出した報酬が票の買収に使われたとみられるだけに、竹田氏の責任が問われるのは避けられないとの見方もある。
 竹田氏はもちろん、コンサル契約に関わった招致委関係者らにも責任があるはずだ。今の状況を考えれば、守秘義務などと言っていられない。誰が関わり、どんな内容の契約をしたのか。資金はどう流れたのか。フランス司法当局に委ねるのではなく、五輪開催国として全容解明を急がなければならない。


竹田会長退任表明 任期待たず辞めるべきだ
 開催まで500日を切る中で、世界から疑惑の目が向けられている以上、身を引くことは避けられない。
 日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長が理事会で、任期満了の6月いっぱいで退任する意向を表明した。併せて、国際オリンピック委員会(IOC)委員も辞任することを明らかにした。
 疑惑は、竹田氏が東京五輪招致委員会の理事長を務めていた時のこと。シンガポールのコンサルタント会社に支払った2億円余の一部がIOC委員の票の買収に使われたとして、贈賄の疑いでフランスの司法当局が予審判事による捜査を開始したとの報道が今年1月になされた。
 これを受け記者会見に臨んだ竹田氏は、用意した文書を読み上げ、一方的に潔白を主張しただけで、捜査を理由に質疑に応じることなく、わずか7分間で切り上げてしまった。この対応が世論のひんしゅくを買い、退任論に火がついた経緯がある。
 疑惑自体は2016年の英紙報道で表面化。当時JOCがまとめた調査報告書は、関与したとされるIOC関係者の協力がないまま作られ、一方的に幕引きを図った印象が拭えなかった。竹田氏の主張もこれを根拠にしているだけに、疑念は払拭(ふっしょく)されたとは言い難い状況にある。
 捜査が新たに表沙汰になって以降、竹田氏は国外でのIOC会議などを相次いで欠席しているとされる。国外だと身柄を拘束される可能性があるため、自重しているとの見方の一方で、IOCがリスクを抱えた竹田氏に出席しないよう求めているともされる。これでは、なすべき仕事もまっとうできるはずがない。
 こんな状態なのにもかかわらず、JOC会長職の「延命」を図ったことがさらに批判を噴出させる結果になった。01年に会長となり、既に10期目の竹田氏は現在71歳。「選任時70歳未満」の定年規定では東京五輪まで続投できないため、役員改選で規定の改定という策を講じようとしていることが判明した。
 これにはスポーツ庁の鈴木大地長官や柴山昌彦文部科学相らから、けん制する発言が相次いだのも当然といえる。スポーツ界では長く権力の座に居座る人物が組織を私物化する問題が続出しているだけに、そのトップにあるJOCが範を示さなくてどうするのか。
 竹田氏の退任で疑惑が晴れるわけでもない。捜査次第で、竹田氏が訴追され「汚れた五輪」が白日の下にさらされる事態も想定される。一方で、テスト大会やチケット販売、ボランティア公募など準備は順調に進んでいるとされ、実務面の影響は大きくないとの指摘もある。
 だが、大会関係者からはイメージ失墜を懸念する声が上がり、国民の五輪熱に水を差すことも考えられる。次期会長はマイナスの影響を取り除くよう努める必要がある。そのためにも竹田氏は任期までといわず、即刻身を引き、新体制に委ねるべきではないか。


竹田会長退任表明/新体制への交代急げ
 日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長が理事会で退任を表明した。6月までの任期を全うした上で身を引く判断だ。
 2020年東京五輪招致の贈賄疑惑で渦中にある。疑惑のため国際会議の出席を控える竹田氏が、さらに3カ月居続けるのは疑問である。五輪へのマイナス影響を考えれば、早期の辞任と新体制への移行が必要だろう。
 JOCは五輪競技を束ねる組織で、会長は日本の五輪の顔とも言える。五輪のイメージダウンを気遣う国際オリンピック委員会(IOC)は水面下で懸念を表したといわれる。内向きの理論ではなく、スポーツと五輪へ向けた内外の意識、何が大義かを考慮してJOCは行動すべきだ。
 スポーツ庁は今春、企業統治に倣った「ガバナンスコード」を制定し、スポーツ界で続いた不祥事からの脱却と再出発を図る。その意味でもスポーツ界のかじ取りは新たな会長に委ねるべきだ。JOCは清新なリーダーの下で刷新に向かってほしい。
 東京五輪招致を巡る疑惑で、フランス司法当局は昨年12月に竹田氏を贈賄容疑者として正式捜査を開始した。竹田氏が理事長だった東京五輪招致委員会が、開催都市を決める13年のIOC総会前にシンガポールのコンサルタント会社と契約し、2億円余りの契約金の一部が国際陸連会長でもあった当時のIOC委員の息子に流れ、IOC委員の票取りまとめに使われたのではないかという疑惑だ。
 竹田氏は1月に開いた記者会見で一切の質問を受け付けず、説明責任を十分に果たさなかった。
 また、潔白の主張の背景に、JOCが設けた外部委員会の調査が違法性はないと結論づけたことを挙げる。だが、この委員会はコンサルタントの聞き取りはできず、資金の流れの解明もできなかった。潔白の論拠とするには無理がある。
 JOC内部には定年のルールを変えてまで竹田氏の会長職延長を図る動きがあった。疑惑を抱えた長期政権は社会の理解を得られまい。スポーツに国民が期待するのは、クリーンさや公正さである。そのリーダーには自らを律する資質が求められる。
 昨今のスポーツ界での不祥事は、長く権力の座にある人物が組織を牛耳る構造があったものが多い。スポーツ庁が策定を目指すガバナンスコードの素案には、役員の在任期間や定年規定が入った。
 竹田氏は東京五輪招致成功の立役者の一人で、五輪をJOC会長で迎えたい意向は強かったという。本人の無念さは分からないでもない。またグレーなのは、竹田氏だけなのか疑念も残る。
 問題の根底に五輪招致にカネがついて回る点がある。02年ソルトレークシティー冬季大会ではIOC委員への大量買収工作が発覚し、これを機にIOC委員の招致都市訪問は禁じられた。代わりに都市と委員との接点としてコンサルタントが存在感を増した。16年リオデジャネイロ夏季大会でも今回同様の構図で買収疑惑が起こった。
 五輪は夏季冬季両大会があるから、2年ごとに必ず開催都市が決まる。IOCは中長期計画「アジェンダ2020」でコンサルタントの登録制と監視を掲げた。一層の透明性確保が課題だ。


JOC竹田会長退任へ◆クリーン五輪へ新体制急げ◆
 日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長が6月任期満了での退任を表明した。2020年東京五輪招致の贈賄疑惑で渦中にある。疑惑のため国際会議の出席を控える竹田氏がさらに3カ月居続けるのは疑問。五輪へのマイナス影響を考えれば、早期の辞任と新体制への移行が必要だ。
 JOCは五輪競技を束ねる組織であり、会長は日本の五輪の顔ともいえる。五輪のイメージダウンを気遣う国際オリンピック委員会(IOC)は水面下で懸念を表したといわれる。JOCは内向きの理論ではなく、スポーツと五輪へ向けた内外の視線、何が大義かを考慮して行動しなければならない。
無理がある潔白論拠
 スポーツ庁は今春、企業統治に倣った「ガバナンスコード」を制定し、スポーツ界で続いた不祥事からの脱却と再出発を図る。その意味でもスポーツ界のかじ取りは新たな会長に委ねるべきだ。
 東京五輪招致を巡る疑惑で、フランスの司法当局は昨年12月に竹田氏を贈賄容疑者として正式捜査を開始した。疑惑は、竹田氏が理事長だった東京五輪招致委員会が、開催都市を決める13年のIOC総会前にシンガポールのコンサルタント会社と契約し、2億円余りの契約金の一部が国際陸連会長でもあった当時のIOC委員の息子に流れ、IOC委員の票取りまとめに使われたのではないかというものだ。
 竹田氏は1月に開いた記者会見で一切の質問を受け付けず、説明責任を十分に果たさなかった。潔白の主張の背景に、JOCが設けた外部委員会の調査が違法性はないと結論づけたことを挙げる。だが、この委員会はコンサルタントの聞き取りはできず、資金の流れの解明もできなかった。潔白の論拠とするには無理がある。
透明性の確保も課題
 JOC内部には定年ルールを変えて竹田氏の会長職延長を図る動きがあった。疑惑を抱えた長期政権は社会の理解を得られまい。スポーツに国民が期待するのはクリーンさや公正さである。竹田氏は東京五輪招致成功の立役者の一人であり、五輪をJOC会長で迎えたい意向は強かったという。本人の無念さは分からないでもない。またグレーなのは、竹田氏だけなのか疑念も残る。
 問題の根底に五輪招致にカネがついて回る点がある。02年ソルトレークシティー冬季大会ではIOC委員への大量買収工作が発覚。これを機にIOC委員の招致都市訪問は禁じられた。
 代わりに都市と委員との接点としてコンサルタントが存在感を増した。16年リオデジャネイロ夏季大会でも今回同様の構図で買収疑惑が起こった。
 五輪は夏季冬季両大会があるから、2年ごとに必ず開催都市が決まる。IOCは中長期計画「アジェンダ2020」でコンサルタントの登録制と監視を掲げた。一層の透明性確保が課題だ。


竹田氏辞任はIOCの意向…バッハ会長は隣に並ぶのを拒否
 JOCの竹田恒和会長が退任を表明した背景には、五輪のイメージダウンを懸念するIOCの強い意向があったようだ。
 仏有力紙「ルモンド」(19日付電子版)は、退任表明は、「IOCのバッハ会長が東京五輪まで1年を祝う7月24日のイベントへの出席を拒否したことがきっかけではないか」と指摘。そのうえで「バッハ会長は、竹田氏の隣に並びたくなかった」と報じた。
 また、竹田会長を五輪招致をめぐる贈賄の疑いで捜査してきた仏司法当局は19日、NHKの取材に対し、「退任表明は何も変えない」と語り、竹田会長の退任表明は裁判を開くかどうかを審査する「予審手続き」に影響を与えることはないとの見解を示した。
「予審手続き」は、予備的な捜査を行った検察の請求に基づき、捜査権を持つ予審判事が裁判にかけるかどうかを判断する制度。その開始はフランスでは、重みのある司法判断とされている。「嫌疑あり」と判断されれば、日本の起訴に相当する「公判請求」が行われる。仏司法省の2017年の統計では、容疑者の8割が裁判にかけられている。


安倍政権がシッポ切り JOC竹田会長を待つ仏当局の本格捜査
「不正はしていない」――。潔白を訴えながら「6月退任」を表明した日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長(71)。しかし、このタイミングで退任表明したのは、いっこうに疑惑が晴れず、“辞任”せざるを得なくなったからだ。フランスの司法当局は“贈賄”の嫌疑がかかっている竹田会長の捜査を続けている。はたして、退任表明によって捜査は止まるのか。
 竹田会長は19日の理事会で、6月の任期満了をもって退任する意向を表明。
 国際オリンピック委員会(IOC)委員も辞任する。疑惑を抱える会長の辞任は、IOCの強い意向があったとされる。国際ジャーナリストの春名幹男氏が言う。
「退任しても、捜査をしているフランスの司法当局は竹田氏に対する捜査を本格化させると思われます。IOCが辞任を迫ったということは、疑惑が濃厚だということです。リオ五輪招致の贈賄事件では、ブラジルの五輪委員会の会長が逮捕されています。同じ構図だけに竹田氏だけが免れるとは考えにくい」
 竹田会長は昨年12月、フランス当局から、パリで事情聴取されている。
 竹田会長の疑惑はこうだ。東京五輪招致委員会は、東京五輪招致「決定」(2013年9月)前後の7月と10月、2回に分けて約2億2000万円をシンガポールの「ブラックタイディングス社」(BT社)に振り込んでいた。BT社は国際陸上競技連盟(IAAF)のラミン・ディアク前会長の息子であるパパマッサタ・ディアク氏が関係する会社。ディアク親子は、招致のカギを握るアフリカ票に強い影響を持つ人物だ。この2億2000万円が、東京五輪を招致するための「ワイロ」だったとみられているのだ。
 一方、ソックリの贈賄事件が16年のリオ五輪で起きている。リオ五輪の招致が決まった09年のIOC総会前に、ディアク氏(息子)に200万ドルの賄賂を渡したとして、17年10月、ブラジル五輪委員会のカルロス・ヌズマン会長(当時)が、ブラジル連邦警察に逮捕されている。偶然なのか、金額も約2億2000万円だ。リオの前例に従えば、竹田会長が逮捕されてもおかしくない。
「欧米の司法当局はドライです。捜査対象者が責任を取って辞任したからと言って、捜査を緩めることはありません」(司法記者)
 辞任劇には、政権の意向が働いた可能性がある。フランス紙ルモンドは、竹田氏辞任の背景として、「日本の当局が問題を避けられなくなった」と分析している。
「今回の辞任は安倍政権の意向も働いていると思います。この先、竹田氏が逮捕や起訴されても、『前会長がやったこと』で済ませるつもりなのでしょう。しかし、20年東京五輪は、16年五輪の招致失敗後、政府を挙げて招致してきた経緯があります。森喜朗元首相や安倍首相も、素知らぬ顔はできないはずです」(春名幹男氏)
 竹田会長辞任で幕引きは許されない。


再審開始決定 捜査も裁判も猛省を
 滋賀県の呼吸器事件で殺人罪が確定し服役した西山美香さん(39)の再審開始が最高裁で確定した。自白偏重の捜査や、下級審判決の矛盾を見逃し、有罪判決を繰り返した司法に猛省を求めたい。
 二〇〇三年五月、滋賀県の病院で植物状態の男性患者=当時(72)=が死亡し、当直の看護助手西山さんが、人工呼吸器のチューブを外したと自白し、逮捕された。
 西山さんは公判で否認に転じたものの、殺人罪で懲役十二年が確定した。二回目の再審請求で大阪高裁は一七年十二月、「自然死だった可能性がある」と再審開始を決定。最高裁は検察側の特別抗告を棄却し、再審開始が確定した。
 この事件の教訓は、大きく分けて二つある。
 一つは、自白偏重の捜査。西山さんは捜査の過程で、呼吸器の異常を知らせるアラームを「聞いた」と供述。これにより、一緒に当直していた同僚が「聞き落として死なせた」と窮地に陥った。それを知り、「鳴っていませんでした」と翻した末、「自分がチューブを外した」と、殺人を“自白”してしまう。動機は、看護助手の待遇への不満とされた。
 西山さんは二回目公判で否認に転じた。精神科医による検査で、軽度の知的障害と発達障害の傾向ありと診断された。捜査員に迎合しがちで自己防御も弱い“供述弱者”だというのだ。大阪高裁の再審開始決定は「警察官や検察官の誘導があり、それに迎合して供述した」と指摘している。自白偏重への警鐘である。
 二つ目の教訓は、下級審の判決文の矛盾を見過ごした上級審のあり方だ。
 捜査段階の鑑定書では、チューブは(窒息につながる)「外れていた」だった。それが、起訴状で(自然死の可能性がある)「接続されていた」に変わり、確定判決でも維持された。死因はどの段階でも(事件性があるかもしれない)「窒息死」となった。
 前提が百八十度変わったのに、死因は同じという食い違い。これには、再審開始決定に至る七つの法廷は触れなかった。最後の大阪高裁だけが「(外れていたとする)鑑定は信用できない。自然死の可能性がある」と述べた。
 再審開始が確定し、この事件は西山さんの無罪が確実になった。事件発生から十六年。再審が捜査や裁判のあり方を問い、「なぜこんなにかかったのか」を究明する場になることを期待する。


薬物依存症  回復する病という目で
 ミュージシャンで俳優のピエール瀧容疑者がコカイン摂取の疑いで逮捕され、衝撃が広がった。
 麻薬取締法で懲役7年以下となる犯罪だ。調べに「20代のころから使用していた」と供述しているといい、若者への影響を考えても責任は重い。
 そうした点を踏まえた上で、気になることがある。
 逮捕をめぐる一部のテレビ番組などで、薬物依存症への誤解や偏見が助長されていないか。無理解からくる発言で、依存症に苦しむ人たちが自己否定に陥り、依存症回復の機会を遠ざけてしまう。そうした懸念を耳にする。
 依存症について、まず知ることが大切ではないだろうか。
 薬物依存症からの回復プログラムに取り組む国立精神・神経医療研究センターの松本俊彦薬物依存研究部長は、薬物依存症を「回復可能な病気」と説いている。
 元の体質に戻すという意味なら、薬物依存症は治らない。しかし、他の慢性疾患と同じように「治らないが、回復できる病気」というのだ。
 薬物をやめ続けることで、失った健康や大切な人間関係、社会からの信頼を、取り戻すことができる。精神医療では長く見放されていたが、依存症の自助グループの長い活動から「回復できる」ことが実証されてきたという。
 薬物依存が深刻な欧米では、厳罰で解決されない経験から回復へのプログラムに力を入れている。
 日本でも2016年に薬物使用者の「刑の一部執行猶予」制度が施行され、社会の中で立ち直りをサポートする取り組みが始まっている。刑務所での収容を短くし、出所後に保護観察所の監督下で回復プログラムを受けさせる。
 一歩前進といえるが、保護観察期間後に再使用の危機が訪れるという。地域での継続的な支援が欠かせない。松本氏らは地域の精神保健福祉センターを拠点に、保護観察期間中から「なじみの関係」をつくり、民間回復施設や自助グループとつなげる試みを進めている。大いに注目したい。
 回復を支えていくには、社会に理解が広がっていないといけない。しかし、「覚せい剤やめますか、それとも人間やめますか」という1980年代の言葉が今も残り、依存者を苦しめているという。
 ピエール瀧容疑者の違法行為は許されないが、CD回収や楽曲配信停止など自粛の動きは、行き過ぎではないか。すべてを否定しようとする社会の空気は、依存症の人に限らず、かなり息苦しい。


ピエール瀧容疑者が出演「麻雀放浪記」映画公開へ 監督「作品と犯罪は別」
 東映は20日、麻薬取締法違反(使用)容疑で逮捕されたミュージシャンで俳優のピエール瀧(本名・瀧正則)容疑者(51)が出演している映画「麻雀放浪記2020」について、当初の予定通り4月5日から劇場公開すると発表した。場面のカット、再編集はせず、本編開始前にテロップ(字幕)で瀧容疑者が出演していることを明示し、劇場に掲出するポスターに同様の文言を掲載するという。
 多田憲之社長と白石和彌監督が記者会見し発表した。多田社長は「スタッフや出演者が総力をかけたものをボツにしていいのかという思いがあった。株式会社としてのコンプライアンスも考えたが、映画会社としての責任についても議論し、皆さんに説得しようという結論になった」と話した。白石監督は「薬物犯罪を許してはいけないが、作品と個人の犯罪は別ではないかという考えもあり、今は公開できることにほっとしているのが正直なところ」と思いを述べた。
 見たくないという観客には前売り券の払い戻しに応じるという。公開後のDVD化など今後の対応については、出資会社などで作る製作委員会との協議を続けており、瀧容疑者側への損害賠償請求についても検討しているという。【小林祥晃】
麻雀放浪記 1984年の同名映画(阿佐田哲也原作)の舞台を、近未来に置き換えた作品。瀧容疑者は、元東京五輪組織委員会会長という主要な役で出演している。


ゲノム編集食品 安全性どう担保するか
 ゲノム編集という耳慣れない技術を用いた食品の販売が早ければ夏にも始まる。果たして安全なのか、通常の食品と区別はできるのか、次々不安を感じる人は多いのではないか。
 ゲノム編集は、遺伝子を狙った通りに効率よく改変する新しい技術である。この技術を用いて開発した大半の農水産物について、厚生労働省は法律に基づく安全審査は不要とし、届け出さえすれば販売を認める方針を固めた。
 もともとある遺伝子の機能を失わせるだけなら、通常の品種改良や自然界でも起きる突然変異と変わらないと判断したという。その生物が本来持っていない遺伝子を導入する「遺伝子組み換え」には当たらないとした。果たして、そうだろうか。
 遺伝子を人為的に操作することに変わりはあるまい。精度は高まったとはいえ、ゲノム編集の過程で、狙っていない遺伝子を改変し、想定外の変異が生じてしまう可能性も否定できない。長期的な影響がどう出るのかも完全には分かっていない。
 それでも自然に起きる変化と同じだと決めつけて、安全を担保できるのか。予期せぬ問題が起きたら誰が責任をとるのか。安全を最優先に考慮すべきだ。
 にもかかわらず届け出の法的な義務化すら見送った姿勢にも疑問を感じる。ゲノム編集による遺伝子の変化は、従来の品種改良などとの見分けが難しく、違反が見つけにくいという理由だが、事実上、野放しになる恐れはないのだろうか。
 改変した食品がアレルギーの誘発など健康影響を起こさないかどうかは、開発者が確認するとした。問題が起きた際の対応のために報告は求めるものの、安全かどうかは開発者任せという姿勢にしか見えない。
 自然の生物界へ影響しないよう求める「カタルへナ法」についても環境省が対象外とし、野外での栽培も認める方針だ。
 一方で、新しい遺伝子を追加する場合は、同様の操作をする従来の遺伝子組み換え食品と同じく安全性審査が必要と判断した。だが、基本的に規制をしない方向の米国に倣う考え方といえそうだ。
 しかし、ゲノム編集の歴史はまだ短い。想定されていない変化は本当にないのか。欧州連合(EU)の司法裁判所は、ゲノム編集食品も遺伝子組み換え食品として規制するべきだとの判断を示している。
 短期間で特徴的な商品を生み出せる魅力的な技術である。すでに肉厚なタイや血圧を下げる成分が多いトマトなどが大学などで開発中だ。「早くルールを決めてほしい」との要望が開発サイドから寄せられている。できるだけ規制を外して、欧米に先行し、民間の開発を促したい思惑だろう。
 しかし、ことは安全に関わる。規制が緩ければ、国内だけでなく海外からもゲノム編集食品が流入することも想定される。消費者が安全と確信できなければ結局、普及しないことは、先行した米国産の遺伝子組み換え大豆などの例が示している。
 厚労省は詳細なルールはこれから詰め、気になる表示について消費者庁が考え方を示すという。安全をどう確保し、情報をどう提供するか。拙速を避け、徹底して消費者の立場に立って詰め直すべきだ。


[ジュゴンが死んだ]なぜ守れなかったのか
 漁港の岸壁に横たう姿が痛々しい。
 今帰仁村の運天漁港沖で死んだ状態で漂着しているジュゴン1頭を漁協の組合員が発見した。体長約3メートル、頭部や胸ビレに傷、出血がみられ、ところどころ皮がむけた状態だった。漁師でさえ初めて見たといい、しかも死骸であったことのショックは大きい。
 ジュゴンは人魚のモデルといわれる国の天然記念物である。国内では沖縄本島周辺にしか生息せず、確認されているのは個体A、B、Cと呼ばれる3頭だけである。
 辺野古新基地建設が進む前は、辺野古・大浦湾などで海藻藻場の食み跡が確認されたり、周辺海域で回遊する姿がみられたりした。
 今回ジュゴンネットワーク沖縄が死骸を調べ、体の特徴から3頭のうちのBと断定した。親子とみられる2頭のうちの親の方である。
 最後に見られたのは今年1月8日。古宇利島周辺が主な生息域で、埋め立て土砂を積んだ運搬船が名護市の西側から東側に回る航路を取るため、影響が懸念されていた。
 ジュゴンBは古宇利島を離れ、辺戸岬を回り、西海岸の安田沖に移動したことがある。日本自然保護協会も、運搬船が生息に影響を与えた可能性を指摘する。
 3頭のうちの1頭が死んでみつかり、国内における生息状況は危機的状況となったといえる。
 ジュゴンBは何が原因で死んでしまったのか。政府は徹底調査し、明らかにしなければならない。
    ■    ■
 心配なのは、残り2頭も行方不明で、今どこにいるかわからないことである。
 ジュゴンAが嘉陽沖、Bの子とみられるCは古宇利島から辺野古沖で確認されていた。しかし、Cは2015年6月以降、Aは18年9月以降、行方がわからなくなっている。
 元知事の埋め立て承認の際、防衛省沖縄防衛局と交わした「留意事項」には、「ジュゴン等の保護対策の実施に万全を期す。実施状況を県および関係市町村に報告する」と明示している。順守しているのか説明してもらいたい。
 元知事による埋め立て承認手続きを検証した第三者委員会は防衛局がジュゴンの食み跡を認識しながら「辺野古地域を恒常的には利用していない」と評価していることに対し、「当該水域の重要性や、ジュゴンの貴重性を理解しておらず問題がある」と指摘した。当時から環境保全への対応が不十分だったのである。
    ■    ■
 留意事項で設置された「環境監視等委員会」は本来の役割を果たしていない。ジュゴンがいなくなったことに、防衛局は工事の影響ではないと説明するが、副委員長を務め辞任した故東清二琉球大名誉教授は「ジュゴンの食草である海藻の分布と密度、何頭いるかなどの調査を依頼したが、何も調べない」と委員会の内情を暴露し、批判した。
 日本自然保護協会も安倍晋三首相あての「埋め立て工事の即時中断を求める意見書」を発表した。政府は工事をストップした上で、範囲を沖縄本島全域や離島にまで広げて追跡調査すべきである。


緊急逮捕違法の判決 国家権力の暴走許されぬ
 捜査当局による人権侵害に一定の歯止めをかける司法判断が示された。
 芥川賞作家の目取真俊さんが、名護市辺野古の新基地建設への抗議活動中、身柄を拘束されて人身の自由などの権利を侵害されたとして国に損害賠償を求めた訴訟の判決で、那覇地裁が8万円の支払いを命じたのである。
 目取真さんは2016年4月1日、米軍キャンプ・シュワブ周辺をカヌーで抗議活動中、立ち入り禁止の臨時制限区域に入ったとして米軍に拘束された。8時間にわたり基地内に留め置かれた揚げ句、海上保安庁・中城海上保安部によって緊急逮捕されている。釈放されたのは米軍による拘束から34時間後だった。
 判決は、海保が身柄の引き受けを遅延させたことに違法性があり、それに続く緊急逮捕も違法と断じた。捜査当局は重く受け止めるべきだ。
 違法な逮捕は国策に反対する人々への弾圧であり国家権力の暴走にほからならない。
 日米地位協定の合意議事録では、米軍当局によって逮捕された者で米軍の裁判権に服さないものは、直ちに日本国の当局に引き渡されなければならない―とされている。
 にもかかわらず、海保は米軍から連絡を受けた後、いたずらに身柄の引き受けを遅延させた。逮捕要件の有無や身柄引き受けの方法などを判断するのに時間を要したためだという。
 最初から、逮捕ありきで動いていたことは明らかである。目取真さんが著名な作家であることから、見せしめにしたい意図があったと疑わざるを得ない。
 那覇地裁は、海保による緊急逮捕について「先行する身柄の引き受けが遅延したことにより違憲、違法な手続きであったと考えられ、海上保安官としては原告を直ちに釈放すべきであった」と判示した。
 法が定めた手続きを無視した、恣意(しい)的な身柄の拘束がまかり通るのなら、日本は法治国家とは呼べなくなる。
 看過できないのは米軍による人権侵害だ。目取真さんは基地内で拘束されている間、弁護士との面会を拒否され、濡れたウエットスーツを着替えることも許されなかった。
 判決は、目取真さんの精神的苦痛を、海保による身柄の引き受けの遅延によって生じた損害と認定した。
 米軍の違法性については「海上保安官の行為が違法であるとの認定に重ねて、米軍の行為の適否を判断する要をみない」としている。残念だ。
 海保の対応に起因するとしても、米軍が長時間にわたって身柄を拘束し続けることは日米合意にもとる。米軍による違法行為に司法が目をつぶれば、その傍若無人な振る舞いにお墨付きを与えることにもなりかねない。
 目取真さんは基地内に監禁され、憲法で保障された当然の権利を行使できない状況に追いやられた。「治外法権」状態を許してはならない。


女性の政治参加 「物言える環境」もっと
 女性の政界進出がなかなか進まない。候補者数の男女均等化を促す「政治分野の男女共同参画推進法」が昨年成立し、初の大型選挙となる統一地方選、参院選を迎える。
 世界の国会議員が参加する列国議会同盟(本部ジュネーブ)の2018年報告書によると、衆議院の女性比率10・2%は、193カ国中165位。地方議会でも同様の傾向だ。2017年末時点で12・9%にとどまり、「女性ゼロ議会」は20%近くある。
 なぜ少ないのか。内閣府が女性地方議員を対象に実施した調査では▽議員活動と家庭生活の両立が難しい▽家族や周囲の理解を得にくい▽政治は男性が行う考え方が強い―などが挙がった。
 家事や育児・介護などの負担が女性に偏りがちな性別役割分担意識が改めて浮き彫りとなった形だ。「物言う」女性への圧力も少なくない。地位向上など意見を発信する女性議員らに対して嫌がらせも起きている。
 使命感に燃えて出馬を決意しても、越えなければならないハードルは多い。知名度の低さを懸念する声や、20〜40代の子育て世代では特に、仕事や家事などで選挙活動にかける時間がないこと、資金面の不安も大きい。
 県内の女性議員の一人は、地域の要請と家族の理解が背中を押した。議員だけでなく、地域のさまざまな団体・組織でリーダーのなり手が細る現状もあり「女性も男性と同等に、候補の選択肢に加えられるようになってきた」と変化を感じている。
 選挙や議会のルールも一から覚えた。議員活動を通じて施策が決まる過程を経験し、目が開く思い。「女性や若い世代の発信も必要だし、その声がきちんと政治に届く仕組みも大事。1人の強いリーダーより、みんなが自分のこととして考えられるよう裾野を広げたい」と意欲を語る。
 女性議員が増えることに国民の7割が「期待する」との世論調査結果もある。育児や介護に伴う休業規定の明文化、候補者や議席の一定比率を女性に割り当てるクオータ制導入なども具体策として挙がる。「政治は男性の仕事」という意識を変える啓発活動にも力を入れたい。
 推進法は、各党に数値目標の明示を含む取り組みを求めている。参院選に向けて、新人候補が多い野党側の多くは数値目標を設定。一方、現職男性が多い与党は設定そのものは見送るが、当選者を着実に増やすことでアピールする狙いとみられる。努力義務にとどまるだけに、各党の実行力が注目されるだろう。
 多様な民意を政治に反映するために。女性が志を持てる環境づくりへ、積極的な議論が望まれている。


NZ銃乱射テロ 寛容な社会構築へ力注げ
 敬けんな礼拝の場が激しい銃声とともに惨状と化した。あまりにも残忍な行為に強い憤りを覚える。
 ニュージーランド(NZ)南島のクライストチャーチにある2カ所のモスク(イスラム教礼拝所)で銃乱射事件が起きた。約100人に及ぶ死傷者を出す同国史上最悪のテロ事件となってしまった。
 警察は28歳のオーストラリア人の男を拘束し、殺人容疑で訴追した。真相解明と対策の強化が急がれる。
 容疑者は、殺傷能力の高い半自動小銃2丁を含む5丁の銃を所持。逃げ惑う人々を無差別に撃ち続け、その様子を自ら撮影してインターネットで17分間生中継した。卑劣かつ異常な犯行だ。
 ネット上に残した声明で容疑者は、自らの白人優位思想を明かした。その上で移民を「侵略者」と呼び、白人社会が乗っ取られるなどと敵視する思いを延々とつづっていた。移民に対する憎悪が動機とみられるが、あまりにも偏狭で身勝手な主張だ。
 ニュージーランドは、毎年多くの移民を受け入れるなど「寛容の国」とされる。クライストチャーチは1973年に倉敷市と姉妹都市提携を結んでいる。岡山県にとっても親しみのある街だけに、衝撃はなおさら大きい。
 同国でテロを行ったのは、どんなに離れた島国でも「大量移民」に脅かされることを示すためだという。大規模テロと無縁だった国での犯行が、世界に衝撃を与える上で効果的と踏んだのだろう。
 容疑者が撮影した犯行の様子は、米交流サイトのフェイスブック(FB)で生中継され、動画が拡散した。FBなどが削除に当たったものの追いつかなかった。かつての過激派組織「イスラム国」と同様、動画で残虐さをことさらまき散らす行為は、テロをあおり、類似の犯行を招きかねない。ネット企業の対策も問われよう。
 ニュージーランドでは銃の所持者には免許が必要だが、大半の銃は保有の登録が不要とされる。政府は閣議で銃規制強化の方針で原則合意した。アーダン首相は、25日までに銃規制法改正案の詳細を明らかにする考えだ。
 後手に回った形だが、国民の不安を拭うためにも迅速な対応をとったことは評価できよう。実効性のある内容に仕上げてほしい。
 反イスラムなどを掲げる白人至上主義者らは、イスラム過激派とともにテロを生む大きな脅威となっている。互いの憎しみが、罪のない人々の生命を脅かす暴力の連鎖をこれ以上許してはならない。
 そのためにも、各国首脳は結束して毅然(きぜん)とした姿勢を示すべきだ。今回の事件への明確な批判を避けるトランプ米大統領には違和感を覚える。
 世界の人々が互いに多様性を認め合い、寛容な社会の構築に努力を払う。事件を悼み、テロの土壌をつくらない取り組みを進めたい。


NZモスク銃撃事件容疑者が「日本の多様性のなさ」を賞賛! ノルウェー連続テロ犯人は「麻生太郎に会いたい」
 ニュージーランドのクライストチャーチで引き起こされた銃乱射事件。オーストラリア国籍の男が2箇所のモスクを襲撃し、イスラム教徒の移民や難民を中心に約100名の人々を死傷させた。容疑者は犯行の模様をインターネットで中継。SNSに投稿した声明には、白人至上主義と差別主義が強くあらわれていた。差別思想に基づく劇場型のヘイトクライムだ。
 各国と比較してイスラム教徒が少ない日本だが、クライストチャーチでの凶行は他人事ではない。実際、容疑者の男の犯行声明からは、日本のレイシストとの共通点が確認できる。
 たとえば、容疑者は「レイシスト」や「ファシスト」あるいは「民族ナショナリスト」(ethno-nationalist)を自認し、〈自分たちの人種の健康と幸福を重視し、それ以外の人種の上に置く〉などと述べる一方、自らを〈28歳の普通の白人男性〉〈普通の家庭に生まれた普通の白人〉と記している。
 一方、日本のレイシストやネット右翼たちも、SNSでは「ごく普通の日本人だ」と名乗りながら、嫌韓・中のヘイトスピーチを撒き散らし、在日コリアンや移民の排除・虐殺を扇動している。彼らが「普通の」という言葉で強調するのは、ダイバーシティ(多様性)の否定だ。つまり、ルーツや出身国によって「普通でない人」なるレッテルを貼り、自分たちが「普通の人」だとして排撃を正当化するのである。
 事実、容疑者は〈ダイバーシティは力ではない。統一性、目的、信頼、伝統、ナショナリズムと人種的ナショナリズムこそが〔国家に〕強さをもたらす。他のものはただのキャッチフレーズに過ぎない〉〈ダイバーシティは弱みであり、統一性こそが強みなのである〉と主張している。移民たちを白人社会に対する「侵略者」と位置付け、多様性を尊重する社会を明確に攻撃するのだ。
 また、犯行声明のなかには「日本」に触れている箇所もあった。容疑者は〈世界の「ダイバーシティ」な国々は社会的、政治的、宗教的あるいは民族的な紛争の舞台となっている〉と主張して、〈西洋の国々に力をもたらすもの(ダイバーシティ)が、東洋の国々(中国や日本、台湾、韓国)に力をもたらさないのはなぜか〉と述べる。そして、〈今世紀、世界の覇権を握ろうとしている国・中国が、ダイバーシティが欠如しているにもかかわらず、どれほど強力なことか。なぜ、これら多様性のない国々が、とても多くの様々な指標で見ても我々よりも栄えているのか〉と続けている。
 どうやら容疑者は、日本や中国など東アジアの国々をひとくくりにして“単一民族国家”、“多文化否定国家”ないしは“民族的・宗教的マイノリティを弾圧する国家”だと捉えて、憧れていたようだ。無知や誤解に基づく乱暴な思い込みも感じるが、しかし、少なくとも日本については、容疑者から「多様性のない国」と賞賛されても仕方のない部分があるのかもしれない。
 排外主義や歴史修正主義、マイノリティ差別は多くの国の極右勢力にみられる共通点だが、日本はその極右勢力と政権が一体化しているからだ。「日本は単一民族国家である」「神の国である」と主張する日本会議や神社本庁、そして「中国や韓国に日本が乗っ取られる」と、今回の容疑者と同様の主張をわめくネトウヨたちが安倍政権を支え、安倍政権もまた、その意向を意識した政策を推し進めている。
 そのことを如実に物語っていたのが、今回のNZモスク銃撃事件に対する安倍首相の反応だ。今回の危険に関して、安倍首相が出した声明は各国首脳と明らかに異なるものだったのだ。
各国首脳が非難声明に使った「右翼」という言葉を削った安倍首相
 たとえばニュージーランドのアーダン首相は、容疑者を「暴力的な過激右派テロリスト」と呼び、「私たちが共通の価値観として掲げるのは多様性だ」と強調。ヒジャブを被って被害者家族を抱擁するなど、すぐさまムスリムコミュニティを守る行動に出た。トランプ米大統領からの電話にも「イスラム教徒のコミュニティに対する同情と愛を歓迎する」と返答し、銃規制にも取りかかった。容疑者の出身地であるオーストラリアのモリソン首相もまた、声明で「私たちはここに立ち、過激派で右翼の暴力的テロリストによる犯行を絶対的に非難する」と明言している。
 ところが、安倍首相はどうだったか。各国首脳が哀悼のメッセージを送るなか、安倍首相も15日にTwitterを更新。アーダン首相に宛てて「クライストチャーチで発生した卑劣なテロ攻撃を断固として非難します」「テロは、いかなる理由でも決して許されません。日本は、ニュージーランド及び国際社会と手を携えて、テロと断固として戦う決意です」などと投稿した。だが、アーダン首相やモリソン首相が犯人像として明言した「右翼」(right-wing)という言葉は使わなかった。ただ単に「terrorist」として「対峙する」と言っただけだ。
 これこそが、安倍首相が「右翼」と一体化し、排外主義やヘイトクライムになんの嫌悪感も抱いていないことの証明と言っていいだろう。
 実際、2016年の相模原殺傷事件の際にも、「被害者を追悼」「真相究明に全力」などの言葉を並べただけで、事件の背景が優生思想的な差別主義にあることに一切触れなかった。
 こうした安倍首相の姿勢が、人権や言論の自由が十分に保障されず、少数民族を弾圧している中国と同じレベルで、容疑者を惹きつけたのではないか。
韓国・金浦空港で「韓国人は嫌いだ」とヘイトを叫んだのは厚労省職員だった
 実際、安倍政権を賞賛している差別排外主義テロリストは、今回の容疑者だけではない。NZモスク銃撃事件の容疑者は、前述の犯行声明のなかで、2011年に77名の人々が殺害されたノルウェー連続テロ事件の犯人(収監中)について触れており、この犯人とコンタクトをとったと主張している。
 このノルウェーテロ事件の犯人も、犯行直前にインターネット上で声明を出しており、そのなかで日本を“多文化主義を完全に排する”理想的な国の一例として賞賛。さらには「会ってみたい人」のひとりとして、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争でのジェノサイドに関与したとされるラドヴァン・カラジッチらとともに、現政権の副総理である麻生太郎の名前をあげていた。
 ようするに、ヘイトクライムを起こしたテロリストが賞賛したくなるほど、この国は、政権与党の政治家たちを中心に、差別を扇動し、多様性を排除する方向へ突き進んでいるということだろう。
 奇しくも19日には、韓国の金浦空港で暴れた男が取り押さえられ、暴行容疑で警察の取り調べを受けた。「俺は韓国人が嫌いだ」などと叫んだこの男は、なんと厚労省の労働基準局賃金課長だった。官僚までがヘイトに侵食されている深刻さを直視しなくてはならない。


[ゲノム編集食品] 安全と安心が不可欠だ
 生物の遺伝子を効率的に改変するゲノム編集技術で品種改良した農水産物が、今夏にも販売されることになりそうだ。
 厚生労働省の専門部会がその多くについて厳格な安全性の審査を求めず、国に届け出れば販売してよいという報告書をまとめた。
 栄養の高さや栽培のしやすさなど、さまざまな利点を持った食品の登場が見込まれる。一方で、消費者にとっては新しい技術の安全性に対する懸念が残る。
 継続的な科学的検証を行うとともに、消費者が安心して選択できるよう正確で分かりやすい情報の開示が欠かせない。
 ゲノム編集は「生命の設計図」とされるDNAの狙った場所に切れ込みを入れ、特定の遺伝子を働かなくしたり、新しい機能を追加したりする技術だ。
 毒を作らないジャガイモや収量の多いイネ、肉付きのいいマダイなどの開発が進んでいるが、これまでは販売のルールがなかった。今後、開発や商品化の動きが加速することが予想される。
 報告書によると、ゲノム編集で新しい遺伝子を追加する場合は従来の遺伝子組み換え食品と同様に安全性の審査を求める。しかし、元々の遺伝子を改変しただけなら審査不要とした。
 改変で成分がどう変わったかやアレルギーの誘発など健康への影響がないことをどう確認したかなどを販売前に国に届けるよう求めるが、法的な義務はない。
 従来の品種改良や自然界の遺伝子変化と区別がつかず、違反の発見が困難だと判断したためだ。
 だが、これでは制度の実効性に疑問が残る。
 一般からの意見募集では「長期的な検証をしてから導入すべきだ」「自然界の突然変異と同じとは思えない」など、安全性に不安を抱く声が寄せられた。国は届け出を義務化し、安全評価も行うべきではないか。
 ゲノム編集食品の規制は国によって異なる。米国では商品ごとに安全性を判断する。欧州連合(EU)は対応を検討中だが、司法裁判所は遺伝子組み換え作物として規制すべきだとの判断を示している。
 届け出だけで販売していいとする日本の姿勢は拙速に映る。
 厚労省は今後、届け出の内容や情報公開の詳細なルールを定めて通知を出す。消費者庁はゲノム編集を使った食品であることを表示すべきかどうか議論する。
 国民がゲノム編集食品と知らずに口にすることがあってはならない。消費者の立場で表示の義務付けなどを検討してほしい。


広島・原爆ドーム前の慰霊碑に“汚物”
広島・平和公園の原爆ドーム前にある慰霊碑が、汚物のようなもので汚されているのが見つかった。警察は器物損壊の疑いを視野に調べている。

浜岡原発 停止8年 証言でたどる「当時」と「その後」
 東京電力福島第一原発事故後、中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)を取り巻く状況は大きく変わった。政府要請による停止から8年となるものの、再稼働の見通しは全くない。平成の終わりを迎えた今、浜岡停止とその後の影響を証言でたどった。(内田淳二、河野貴子)
政府 異例の停止要請
 東日本大震災から2カ月後、福島第一原発事故の大混乱が続く最中だった。
 「全ての原子炉を停止すべきだと判断した」
 当時の菅直人首相(72)は2011年5月6日夜の緊急会見で、浜岡原発を止めるよう中電に要請したことを明らかにした。
 段取りを進めていたのは、経済産業相だった海江田万里氏(70)。「漏れたら圧力がかかる」とかん口令を敷き、菅氏にも発表当日まで知らせなかった。
 始まりは、震災後の11年4月末にあった政府の中央防災会議。「30年以内に大地震が起きる確率は87%」。海江田氏は浜岡周辺の地震発生予測に衝撃を受けた。そして、浜岡を止めた場合の電力供給の影響を調べるよう、事務方トップの次官に指示した。
 試算はすぐに届く。火力発電の割合が多い中電は、原発依存度が10数%と低く、やりくりできそうだった。海江田氏は「現場も確認したい」と5月5日、浜岡に視察に向かった。
 津波を防ぐと説明された砂丘に立つと、波がはい上がる懸念を感じた。海からはいい風が吹き、サーフィンを楽しむ人たちが遠くに見えた。「福島のように、この平和が崩れてしまうのではないかと。あの時、心を決めた」
 翌6日昼、海江田氏は意を決し、官邸で停止要請の計画を初めて伝えた。菅氏は「渡りに船。うれしい驚きだった」と振り返る。
 東京を含む5000万人が避難を余儀なくされる−。福島原発事故後、内閣府の原子力委員長が非公式に「最悪のシナリオ」をまとめた。菅氏は、小松左京氏のSF小説「日本沈没」が現実になるかもしれないと震え上がったのを覚えている。だからこそ、震災対応に追われながらも浜岡のことはずっと頭にあった。
 「大動脈(東海道新幹線や東名高速道路)が走る静岡でも事故が起きれば、日本が真っ二つになる」
 その夜の緊急会見まで一気に動いた。停止を命令する法的権限は政府になく、「要請」という形で決着。会見直前、海江田氏は中電の水野明久社長(現会長)に連絡し、「こらえてくれ、と伝えた。重苦しい電話だった」と明かす。
 中電は3日後、稼働中だった4、5号機を止めると発表。菅、海江田両氏は口をそろえた。「時代は今、脱原発に向かって動いている。あの時止めてよかった」
法廷闘争 原告に勢い
 10年近くにわたる法廷闘争で止められなかった原発が、あっけなく止まった。
 裁判で原発の危険性を声高に叫ぶ、おおかみ少年。「周りからそう見られていた」と河合弘之弁護士(74)は苦笑いして振り返る。
 弁護団長として住民と共に運転停止を求める司法手続きに踏み切ったのは、02年4月。5年後に出た静岡地裁判決は、中電の主張をなぞるように原発を「安全」とした。
 納得できなかった。例えば、非常用ディーゼル発電機二台が「同時に動かない」という事態への対処法。中電側証人の班目(まだらめ)春樹・東大教授(当時、震災時は原子力安全委員長)は「想定していない」と答え、「全て仮定すれば物はつくれない。割り切らないと設計はできない」と説明した。
 東京高裁で控訴審が続いていた11年3月、原発事故が起きた。非常用発電機が同時に故障し、原子炉を冷やせなかったことが引き金だった。
 「言っていた通りになりましたね」。ある裁判官が河合弁護士にささやいたという。バブル期に企業の弁護士として名をはせてから一転、手弁当で挑んだ原発訴訟は負け続き。「もうずらかろう」と思い始めていたが、再び奮い立つ。
 震災後は、静岡県の弁護士たちも立ち上がった。浜岡の永久停止などを求める2件の訴訟を提起。全国的に司法は原発停止を求める住民側に厳しい判断を続けているが、静岡地裁浜松支部の裁判に参加する塩沢忠和弁護士(72)は強調した。「訴訟はさまざまな脱原発運動をつなぐ役割もある。粘り強くやっていく」
「事前了解」巡り思惑
 原発は地元自治体の同意がなければ動かせない。18年3月、日本原子力発電は東海第二原発(茨城県)を再稼働させるには、30キロ圏6市村から実質的な事前了解を得なければならないという協定を結ぶ。立地自治体以外が原発の運転を左右する初の協定は、浜岡周辺にも衝撃を与えた。
 浜岡10キロ圏内にある掛川市の松井三郎市長(72)が真っ先に反応した。18年5月、共に中電と協定を結ぶ御前崎、牧之原、菊川の3市長と顔をそろえた席で「東海第二方式」を話し合う必要があると呼び掛けた。
 4市は7月に原発担当職員の勉強会を開くことになったが、開催3日前に突然延期となる。原発がある御前崎市議会が反発したためだ。原発推進派の一部市議が「地元はわれわれだけだと、各市町に強く言わなくては」と市に迫った。
 勉強会は今年1、3月に開かれたものの、協定見直しに踏み込まなかった。御前崎市と周辺自治体の溝は深いまま。同市の柳沢重夫市長(72)は3月4日の市議会で「今の協定は妥当。見直しは考えていない」と明言した。自治体が足並みをそろえて議論するまでには、まだまだ時間がかかる。
浜岡原発とは?
1、2号機は2009年に廃炉、3〜5号は11年5月に政府の要請を受けて停止した。3、4号機は再稼働に向けた審査を原子力規制委員会が進めている。東海地震の想定震源域に立地しており、16年には津波対策で海抜22メートルの防潮堤が完成した。


東京福祉大“消えた留学生”問題を招いた安倍政権の数値目標
 やはり安倍首相が数値目標を掲げると、ロクなことが起きない。
 東京福祉大の“留学生”が3年間で約1400人も所在不明となっている問題。消えた留学生は「研究生」として同大が受け入れた。募集要項には日本語能力試験「N3」(日常会話レベル)を条件に掲げるが、試験は書類選考と面接のみ。筆記はなく、「日本語が全くできない学生も受け入れていた」と報じられた。
 研究生とは、学部生になる準備などを目的とした「非正規」の留学生で、文科省は定員の制限を定めていない。そのため、東京福祉大は過去3年間で正規の留学生の6倍を超える約5700人を受け入れ、学費収入は約12億円も増えた。
■ユルユル入学でカサ増し
 こんな収入目当てのユルユル留学が容認されているのも、安倍首相の“号令一下”の影響だろう。2008年に福田政権がまとめた「留学生30万人計画」を、安倍政権は成長戦略に格上げ。留学ビザの発給基準を大幅に緩めた影響もあり、12年の約18万人から昨年6月時点には32万4245人まで急増。20年の目標を待たずに計画は達成されたが、この数には消えた留学生のような“カサ増し”も含まれている。
 TBSの取材に東京福祉大側は「研究生の受け入れは留学生30万人体制という国の方針にも沿って始めたもの」と答えていたが、居直りに政権の数値目標を使われるようでは世も末だ。「GDP600兆円」「3%の賃上げ」など数値目標を掲げるたび、役人が忖度し、強引に数字を作り出す弊害にいい加減、安倍首相は気付くべきだ。


ノーベル賞の益川教授、京都産業大を退職へ 「益川塾」も廃止
 京都産業大は20日、2008年のノーベル物理学賞受賞者の益川敏英教授(79)が31日付で退職すると発表した。益川教授が塾頭を務めていた同大学の研究教育機関「益川塾」も廃止するという。
 益川教授は名古屋大理学研究科出身で、京都大教授などを歴任し退官後、03年から京産大の教授を務めていた。専門は素粒子理論。08年のノーベル賞受賞後、若手研究者の養成を目指して09年6月に設立された「益川塾」の塾頭に就任した。
 同大学の終身教授として、後進の育成に当たってきたほか、憲法9条の改正に反対するなど平和に対する提言も行ってきた。
 高齢による体力的な理由から、退職の意向が本人より示されたという。益川教授は「これまで研究はもちろん、興味・関心のあるさまざまなことに純粋に向き合ってきた。これからは、大好きな読書やクラシック音楽を楽しみながら、ゆっくりと過ごしたい」とのコメントを出した。


“京都の風情”阪急電車に新車両
京都の風情を感じられるデザインを施した阪急電鉄の新たな車両が今月23日の運行開始を前に、20日、報道関係者に公開されました。
「京とれいん雅洛」と名付けられた新たな車両は、京都に向かう電車の中でも風情を楽しんでもらおうと、阪急電鉄が今月23日から運行を始めます。
20日、大阪・摂津市の車庫で、公開された車両は6両編成で車体には京都の四季を表現した桜や竹、かえでなどが、1両ごとに異なるデザインで描かれています。
内装は京都の町家をイメージし、寺院などで見られる丸い形の窓のほか、一部の車両には「坪庭」も設置されています。
また、車窓の景色を楽しめるよう窓を向いた座席が備えられ、運転席付近の展望映像をスマートフォンなどでリアルタイムで見ることができます。
「京とれいん雅洛」は土曜と日曜、祝日に、大阪・梅田と京都・河原町の間で1日4往復運行され、事前の予約は必要なく、普通運賃で乗車できます。
阪急電鉄は「外国人観光客を始め、多くの方に乗ったときから京都の気分を味わってもらいたい」と話しています。

風景印でハガキ/ピーナツ豆腐と伊佐錦

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Poitiers : les fleurs de Fukushima s'épanouissent au Confort Moderne
A l’écran, une Japonaise vient arroser les fleurs de son jardin. Geste simple, mais loin d’être anodin dans la zone d’exclusion délimitée autour de la ville de Fukushima, après l’accident nucléaire du 11 mars 2011. Fukushima comme archétype de la toxicité. Et symbole de la résilience d’un territoire.
Un long-métrage à venir en 2020 Depuis 2016, l’artiste brésilienne Ana Vaz travaille autour de cette question de la toxicité et multiplie les allers-retours vers le Japon, afin de nourrir un futur long-métrage qui devrait être finalisé l’an prochain. Parmi les étapes de travail figure le court-métrage intitulé ≪ Atomic garden ≫, qui sera présenté au Confort Moderne, dès ce mercredi et jusqu’au 28 avril, dans le cadre de l’exposition ≪ The Voyage out (notes pour un film à venir) ≫. ≪ J’aime bien l’idée que la fragilité même du processus de création soit visible du public ≫, explique l’artiste qui sera en résidence à Poitiers, durant tout le mois d’avril, pour travailler au montage de son film. ≪ J’envisage ce projet comme une cosmologie ancrée dans le cinéma, poursuit-elle. Le long-métrage en sera une version possible, mais sans doute pas la seule.
Si l’artiste part d’une situation réelle, quasi documentaire, elle l’élargit sur une trame fictionnelle : ≪ La fiction révèle ce que le documentaire ne peut pas montrer ≫, glisse-t-elle. Une dualité qui sera également palpable à travers la lecture-performance qui marquera le vernissage de l’exposition, mercredi soir. Pour cet événement intitulé ≪ Aux ancêtres futurs ≫, Ana Vaz sera rejointe par le producteur et penseur Olivier Marboeuf. ≪ Nous avons tous les deux une ligne de travail partagée, souligne Ana Vaz. Il n’est pas seulement producteur : nous utilisons ce temps de résidence comme un temps de recherche. J’envisage cette lecture à deux voix comme une proposition pour un cinéma sans images. ≫ On est tenté de la suivre… les yeux fermés.
Mercredi 20 mars, à 18 h 30, vernissage et performance à l’entrepot du Confort Moderne, 185, rue du Faubourg du Pont-Neuf, à Poitiers. Entrée libre. www.confort-moderne.fr
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WHY @w_h_y__
公の場で誰かを差別する議員と、その議員に卵をぶつけた少年。社会にとって良くない存在はどちらでしょう?みたいなの、日本の教材に良いんじゃないかな。
本間 龍  ryu.homma @desler
#Tokyoインパール2020
彼が辞めるのは、フランス検察の追及をかわせないと判断したから。つまり買収疑惑はクロ確定した訳で、今後は「買収五輪」をやめるべく議論すべき。でなければただのトカゲの尻尾切りだよ。
JOC竹田会長、退任意向を表明 「世間を騒がせて申し訳ない」

古賀茂明@フォーラム4@kogashigeaki
経産省は当初から、汚染水は海に流せばよいと考えていた
汚染水対策は、ひたすら東電の破たん回避を最優先する(お金をかけない)前提で行われた
東電の損害賠償基準も同じだ
原子力規制委も汚染水対策は二の次
再稼働のための基準作りとその審査に全力投球してきた
今の結果は、その当然の帰結だ

クローズアップ現代+ 今も10万か所以上 除染ごみがなくならない
福島県には、原発事故から8年が経つ今も民家の軒先や駐車場などに、緑色のシートに覆われた除染ごみが「現場保管」されている。当初は速やかに対処するとしていたが、10万か所以上残ったままなのだ。さらに国の方針の県外での最終処分のめどがまったく立たない中、国は放射性物質の濃度が一定基準を下回った除染ごみを、道路や防潮堤の建設資材などに「再生利用」する方針を打ち出したが、地元から反対の声が上がっているのだ。原発事故から8年の現実をルポする。 武田真一 (キャスター)

午前中は東日本大震災関連のNHKスペシャルをYoutubeで見ました.
その後中央駅まで出かけて,郵便局で風景印をハガキに押してもらいました.
帰りにピーナツ豆腐と伊佐錦を買いました.夜まで寝てしまって心配かけてしまいました.ごめんね.

<福島第1>ALPS処理水100万トン超 タンク上限迫る
 東京電力は18日、福島第1原発の汚染水を多核種除去設備「ALPS」(アルプス)で処理した水の保管量が100万トンを超えたと発表した。設置可能なタンク容量の上限とされる137万トンにじわじわと迫っている。処分方法は決まっておらず、政府の小委員会の検討を見守る状況が続く。
 ALPSは汚染水中の放射性物質のうち、トリチウム以外を除去できる。処理水の保管量は14日現在で100万914トン。2017年8月に80万トン、18年7月に90万トンを超え、直近の3カ月の平均では週に約1200トンずつ増えている。
 処理水を保管するタンクは現在、第1原発の敷地内に約940基あり、容量は約118万トン。東電によると、敷地の制約から設置できるタンクの容量は計137万トン分が上限という。
 東電は18日、「汚染水の処理は順調に進んでいる。タンクの設置とともに今後も計画的に進める」と説明した。
 敷地内には別の装置で一部の放射性物質を先行して除去した「ストロンチウム処理水」も約12万トンある。将来的には大部分をALPSで処理して同様に保管する。
 汚染水は1〜4号機の原子炉建屋やタービン建屋に4万トン超がたまっている。さらに雨水や地下水の建屋浸入、溶融核燃料(デブリ)を冷やす注水などで1日当たり約170トンが発生する。東電は建屋の屋根の補修などで20年内に同150トンに抑える計画だ。
 処理水の処分方法について、政府の小委員会は海洋放出や地下埋設といった選択肢から、風評被害対策も踏まえて検討中。
 東電の小早川智明社長は「小委で大きな方向性が出たら、主体的かつ丁寧なプロセスを踏んで(処分を)進める」と語っている。


<震災8年>福島の避難区域 休業3割 うち5割が廃業検討
 東京電力福島第1原発事故で避難区域になった福島県内12市町村の商工会に所属する事業者の34.4%が休業を続けていることが、県商工会連合会の本年度調査で分かった。このうち5割以上が廃業を検討しており、事業再開の難しさが改めて浮き彫りになった。
 東日本大震災前に行っていた事業の再開状況はグラフ右の通り。「休業中」は2016年度の前回調査から13.6ポイント減った。再開した事業者は再開場所が避難元、避難先を合わせると62.7%に上る。
 休業中を商工会別に見ると双葉55.9%、浪江50.5%、大熊45.8%、富岡43.4%と、第1原発周辺が高い。葛尾の休業は皆無だった。
 休業中の事業者に今後の方針を聞いた結果はグラフ左の通り。「賠償が切れたら」を含め廃業を検討している事業者は52.8%に達した。
 再開後の厳しい経営状況も浮かび上がった。営業利益が震災前と比べて「減少した」との回答は71.0%に上った。「2〜5割減」が23.6%で最も多く、「5〜7割減」18.6%、「1〜2割減」10.4%と続いた。
 再開場所別では、避難先の79.1%が「減少した」と回答し、避難元の62.4%より高かった。事故前のなじみの客との取引減少や都市部での競合が背景にあるとみられる。
 県商工会連合会は「再開した事業者は商圏を失って苦しい経営が続いている。今後は事業所ごとの状況を調べ、国の制度などについて情報提供して経営を支援したい」と強調する。
 調査は昨年8〜9月、避難指示区域や旧区域などの12商工会の2112事業者に郵送で行い、41.0%に当たる866事業所が回答した。


<震災8年>融資頼らぬ経営探る 原発被災地の金融機関
 東京電力福島第1原発事故の影響が続く福島県沿岸部で、地域金融機関は難しい店舗運営を強いられている。帰還困難区域を除き避難指示はほぼ解除されたが、住民の帰還や産業再生は緒に就いたばかり。預金を集めて融資する従来のビジネスモデルは成り立たない。効率化を探り、被災地の再生に存在意義を求める現地支店は、人口減少に直面する地域金融機関の未来を先取りした姿とも言える。(報道部・高橋一樹)
 あぶくま信用金庫(南相馬市)は2016年7月、住民の帰還開始に先駆けて浪江町の支店を再開した。17年3月に帰還が始まったが、18年2月時点の町内居住人口は910人で、総人口の約5%にとどまる。
 森川永一支店長は「飲食店が開業し、活気は少しずつ出ている」と町に希望を見いだす一方、「支店では個人預金が目減りしているのが気掛かり」と明かす。
 浜通りが主要営業エリアのあぶくま信金は原発事故直後、東電から被災者への賠償金で預金は膨らんだ。近年は若い層が移住や相続をきっかけに、預金を他の金融機関に移すケースが目立ってきたという。帰還の遅れは、そのまま信金の体力低下に直結する。
 原発事故後、県内の沿岸被災地で金融機関のほとんどの支店が休業した。避難指示の解除が進み、多くは営業を再開したが、業務の効率化は避けて通れない。
 福島銀行は富岡支店(富岡町)の営業を17年3月に始めたものの、営業人員を原発事故前の9人から3人に減らした。本店との遠隔相談システムを導入するなど、少人数での顧客対応に苦心する。
 日中の窓口休業も相次ぐ。あぶくま信金は浪江、富岡の両支店、大東銀行(郡山市)は富岡支店で既に導入した。東邦銀行も19年4月から浪江、富岡、小高(南相馬市)の3支店に導入する予定だ。
 あぶくま信金は、職員が避難や移住をして約50人減った。本店の担当者は「窓口休業などの効率化で職員の負担を減らし、対応できた」と説明する。
 融資先の事業再生は、これからが正念場となる。
 帝国データバンクによると、県内の旧避難区域に本社があった1205社のうち、休廃業は2月時点で739社(61.3%)に上った。いったんは再開したが、後継者難などで継続を断念したケースもある。金融機関による幅広い支援の重要性が高まっている。
 全町の避難指示が15年9月に解除された楢葉町。18年までに帰還率が5割を超え、事業再開や工業団地への企業進出が徐々に進む。町で唯一営業する東邦銀行楢葉支店は、原発事故前を上回る1日70人ほどの来客があるという。
 ただ、事業を再開した企業はグループ化補助金などを使うため、資金需要はそれほど多くない。平河内保明支店長は「融資には頼らず、事業承継や販路の支援など事業者の経営課題を解決し、町の復興を後押ししたい」と強調する。


河北抄
 「仙台ジャズギルド宣言!!」と印刷されたチラシをいただいた。「ジャズライブをみんなの力で仙台で!」。力のこもった文章が続いている。
 仙台ジャズギルド? ギルドと言えば、西欧の都市で中世のころ、職人らが結成した集団を思い起こす。何やら意味深な名称にひかれ、呼び掛け人の一人、ジャズ・サックス奏者名雪祥代(なゆきさちよ)さん(宮城県美里町)に真意を聞いた。
 「ジャズ好きの人がギルドのように集まり、最先端のジャズを仙台に呼び込む試みです」。名雪さんによれば、仕組みはこうだ。1口1万円でギルドへの参加を募る。出資者にはライブ鑑賞の権利と販売可のチケット2枚が渡される。
 「ある程度の人数が集まれば、それを資金に演奏者を招く。聴きたい音楽を仙台で聴こうじゃないか。そんな活動です」。賛同者を募集中だという。
 活動の一環で、米ニューヨークを拠点とするオメル・アヴィタル氏らのライブを22日午後7時半から、青葉区の「ノーバルサロン」で開く。連絡先はJaki090(6850)4771。


福岡沖地震14年 語り継ぎ「命」守る社会を
 都市のにぎわいの陰で「震災遺構」の一つが姿を消す。福岡市・天神の福岡ビル(通称・福ビル)である。市の再開発事業に合わせ、解体工事が来月にも始まる。
 天神の顔でもある福ビルは、2005年3月20日午前10時53分に起きた福岡沖地震で、外観を彩る窓ガラスが砕け散った。本紙記録集によると444枚が割れ、290枚が落下した。
 日曜の午前中だったこともあってか、ビル直下で負傷者が出なかったことが奇跡的だった。
 ガラスが飛び散る映像はテレビニュースで何度も流された。マグニチュード(M)7、最大震度6弱を記録した地震被害を象徴する建物だった。5年後に建て替わるという。
 あの日から14年が過ぎる。その年に生まれた子どもの多くは、来年には高校に進学する年齢だ。地震の恐ろしさはきちんと伝承されているだろうか。
 その後、東日本大震災や熊本地震、北海道地震が発生した。今年初めには熊本県和水(なごみ)町で、「福岡沖」と同じ震度6弱の揺れを観測する地震が起きた。
 今や各地の学校では、避難の経路づくりや訓練が行われている。同時に求められるのは、子どもたちに災害の記憶を次代に語り継いでもらう教育である。
 福岡市では当時、高速道や地下鉄が止まった。死者1人、負傷者は約1200人に上った。震度7だったとの推定もある玄界島の住民約700人の大半が島外で避難生活を強いられた。
 島に、07年に現地入りされた天皇、皇后両陛下の歌碑が立つ。〈洋中(わたなか)の小さき陸(くが)よ 四(し)百余の人いま住むを思ひつつ去る〉
 皇后さまは島を離れる際、避難民のうち最後の約400人が帰島を果たしたことへの安堵(あんど)の思いを詠まれた。幾世代後の心にも刻まれる歌碑となろう。
 東日本大震災では「命てんでんこ」という地元の言葉が生きた。「命はめいめい(各自)が守る」の意味で、明治、昭和の大津波の経験から人に構わず高台へ逃げれば結果的にみんな助かる−との言い伝えだ。岩手県釜石市では小中学生約2900人が迷わず逃げて助かった。
 福岡沖地震を起こした警固(けご)断層帯北西部(海側)が再び動き、大地震となる恐れがどれほどかは、記録が乏しく不明だ。ただ、15年末から16年春にかけて博多湾を震源に有感地震が続発した。断層帯南東部(陸側)で30年内に大地震が起きる確率は最大6%とされる。約260万人が住む福岡都市圏を襲う地震は決して過去の話ではない。
 災害対策基本法は、地域住民の責務として災害の教訓の「伝承」を挙げる。教育・啓発などあらゆる手段で語り継ぎたい。


NZ銃乱射事件/銃規制強化、世界の先鞭に
 ニュージーランド(NZ)・南島のクライストチャーチで起きた残忍な銃乱射事件が世界に衝撃を広げている。
 移民受け入れには寛容で、多様性を重んじてきた穏やかな国柄である。およそ、大規模なテロ事件の舞台とはかけ離れているこの国が、なぜ狙われたのか。
 オーストラリア人の容疑者の男が、インターネット上に残した長大の犯行声明では、襲撃は白人と移民の分断をあおる目的だったという。NZの移民受け入れは年数万人。先住民マオリとも共存し、融和的な社会を築いてきた。
 イスラム教徒らの移民を「侵略者」と決め込み、「奪われていく白人の土地と、子どもたちの将来を守るため」という身勝手な理由で、モスク(イスラム教礼拝所)に来ていた罪のない人々の命を奪った。犠牲者の中には5歳の女児もいたという。断じて許すことはできない。
 同じオセアニアの隣国をターゲットにしたことについては、NZに移民が多くいることが分かり、「世界のどこも安全ではない」と知らしめる狙いがあったらしい。あまりにも理不尽な排外主義に身震いがする。
 犯行声明と同様のメッセージが事件直前、首相府など30カ所以上の宛先にメールで送られていた。声明では、パキスタン系移民2世で、ロンドン市長の殺害が呼び掛けられていたことも分かった。
 移民排斥やヘイトクライムの動きは、欧米を中心に世界に拡大している。テロはどこででも起こり得るという意識を改めて確認しておきたい。
 容疑者は、過去にノルウェーで連続テロを起こした白人至上主義者の思想に影響を受けたという。同時にトランプ米大統領を「白人の新しいアイデンティティーの象徴」として目標としていた。
 白人社会に親和的なトランプ氏は、不法移民対策として議会の決議に拒否権を行使してまで、メキシコ国境の壁建設に執念を燃やす。不法移民が、犯罪など諸悪の根源であるかのような言説は、短絡的な排外主義と根本部分でつながっているのではないか。
 間違っても、米大統領がテロ容疑者の「目標」としてあがめられるような不合理があってはなるまい。
 NZのアーダン首相は「文化や宗教の異なる人々が安心して暮らせる社会こそが、ニュージーランドだ」と述べている。これまで銃規制が緩かったNZには、人口の約3割に当たる150万丁が出回っていると推計されている。容疑者も容易に入手できた。
 首相は早速、規制強化に向け法改正案を近く発表する。銃による殺傷事件が起こるたびに規制論が浮上する米国では、自己防護論や業界の圧力でかき消されてしまう。NZは高いレベルの規制で世界に先鞭(せんべん)をつけてほしい。暴力による悲しみの連鎖はいいかげん、断ち切らねばならない。


ニュージーランド銃乱射 寛容な社会規範の維持を
 移民に寛容な国で起きた不条理に憤りを禁じ得ない。
 ニュージーランド南島最大の都市クライストチャーチのイスラム教礼拝所モスク2カ所で先週、銃乱射事件が起きた。
 オーストラリア出身の「白人至上主義者」を名乗る男が、半自動式銃など5丁を使って無差別に銃撃した。犠牲者は50人に上り、多くは移民や難民だったという。
 無防備な市民を襲い、平穏な地域社会を脅かすテロは許されない。
 もともと英国移民を中心とする移民国家であるニュージーランドは、先住民の権利保障など少数派に寛容な国柄で知られる。
 人口は474万人で、最近では毎年6万〜7万人の移民を受け入れ、イスラム教徒を含むアジア系移民が増えているという。
 排外的な妄想による事件だが、救いだったのは38歳の女性首相、アーダンさんが投げかけたことばだ。
 「ニュージーランドの最も暗い日の一つだ。被害者には難民や移民もいただろうが、彼らはニュージーランドを自分の家に選んだ。彼らは私たちなのだ」
 改めて寛容を訴えた首相への連帯の輪が広がっている。多くの白人が現場に献花する映像が放送され、各国首脳も相次いで弔意を表した。
 世界各地では移民排斥やイスラム恐怖症が広がっている。紛争や格差を温床とする難民の大量発生や、過激派組織「イスラム国」(IS)の台頭がきっかけとなった。
 2017年には移民に寛容なカナダでモスクを極右思想の大学生が銃撃し死者が出ている。米国では白人至上主義の集会に抗議する集団に車が突入した事件があった。
 男は移民を「侵略者」と呼んだが、自由な人の往来やモノの移動なくして現代社会は成り立たない。
 だからこそ、ドイツのメルケル首相は政治的リスクを覚悟で多くの難民を受け入れたのだろう。
 一方、トランプ米大統領は今回の事件で白人至上主義のテロを批判せず、野党から非難されている。
 少数派を尊重し、多様性を受容しなければ分断は深まるだけだ。外国人労働者を受け入れる日本にとっても無縁ではない。私たちもこうした認識を共有したい。


NZ乱射 ネット通じた拡散防げ
 ニュージーランドでの銃乱射事件は、ネット時代のテロ対策の難しさをあらためて痛感させた。ソーシャルメディアを通じて過激主義が増幅・拡散していくのを防がなくてはならない。
 ネットはテロリストにとっても便利な道具である。シリアとイラクで猛威を振るった過激派組織「イスラム国」(IS)には、三万〜四万人といわれる外国人戦闘員が世界中からはせ参じた。
 外国人戦闘員を勧誘する有力な手立てが会員制交流サイト(SNS)だった。
 例えば、欧州に渡った移民の若者には差別や偏見に遭って行き場のない人も多い。ISはそんな若者たちの社会に対する怒りや不満を巧みにあおって取り込んだ。
 今回の事件のタラント容疑者は襲撃の様子を撮影し、フェイスブックを通じ十七分間にわたって生中継した。「8chan」という匿名のネット掲示板に犯行直前、生中継に使ったフェイスブックのアドレスを書き込んでいた。
 フェイスブックは当局の要請を受けて動画の削除に追われた。事件発生から二十四時間で百五十万の動画を削除したとしているが、動画はユーチューブやツイッターなどに転載され、拡散した。
 タラント容疑者にとっては狙い通りだったのではないか。
 情報が瞬時に広まるのがネットだ。完全に食い止めるのは難しい。それでも今回の事件では、SNS大手の対応に厳しい視線が向けられている。
 巨大IT企業には大きな社会的責任がある。各社は今回の対応を検証し、有害コンテンツの排除に一層の工夫を重ねてほしい。
 一方、SNSの利用者には過激情報の拡散に手を貸さぬような良識を求めたい。
 タラント容疑者が過激主義に染まったのも、ネット情報の影響が指摘されている。
 動画とともに拡散した七十ページ以上の声明文には、感化を受けた人物として、ノルウェーのテロ事件の受刑者のほかにも、欧米で起きたヘイト犯罪の凶悪犯の名が複数書かれていたという。
 ISとタラント容疑者に共通するのは、他人に過激思想を吹き込んだことだ。ネットを通じて殺害動画や過激なメッセージを配信して若者を刺激し、テロ行為に走るように仕向けた。
 若者が過激思想に取りつかれないように、社会的不公正を正していく努力はどの国も欠かせない。


NZ乱射 憎しみの連鎖を止めよ
 五十人が犠牲になったニュージーランド銃乱射の動機は、移民を敵視する、狂信的で身勝手な主張だった。報復の応酬を呼びはしないか心配だ。憎しみの連鎖を広げてはならない。
 犯行直前、インターネットで公開した「マニフェスト」と称する犯行声明によると、ブレントン・タラント容疑者(28)は、「オーストラリアの労働者階級出身で、普通の家庭で育った普通の白人男性」だという。
 しかし、その考えは奇怪なものだった。
 移民を「侵略者」と呼び、「侵略者に土地は渡さない」と強調。二〇一一年、ノルウェーで爆弾や銃乱射で計七十七人を殺害した極右の白人至上主義者アンネシュ・ブレイビク受刑者から、刺激を受けたと述べている。
 一七年、フランスなど欧州各国を旅行して、多くの移民を目の当たりにし、「闘う決心」をしたという。
 事件は、ストックホルムで同年四月、イスラム過激思想に共鳴した男のトラック突入テロにより、十一歳の少女が犠牲になったことへの報復だともしている。
 自分に酔っているとしか思えない、絶対正当化できない主張だ。
 ニュージーランドのイスラム教徒は人口約四百七十万人の1%ほどだが、移民に寛容な政策により近年増加している。
 いったん銃所持の免許を取得すれば保有登録の必要はなく、約百五十万丁が出回っているとみられている。銃規制が緩いことも犯行場所に選んだ理由のようだ。
 強く懸念されるのが、タラント容疑者が政治家らに言及していることだ。
 寛容な難民政策を取るドイツのメルケル首相を殺害対象の上位に挙げる一方、排外主義的なトランプ米大統領を「白人の新たなアイデンティティーの象徴」と持ち上げる。「白人至上主義は脅威か」と問われた当のトランプ氏は「そうでもない」と危機感が薄い。
 差別や分断をあおる指導者や風潮が、事件の引き金となったのではないか。
 銃規制やテロ対策の強化とともに、多文化共生への理解を深めることが必要だ。ニュージーランドのアーダン首相は、事件後改めて「多様性を尊重する」と表明した。
 外国人労働者の受け入れを拡大する日本にとっても、人ごとではない。


NZ銃乱射テロ/「憎悪の連鎖」を断ち切れ
 ニュージーランド(NZ)・クライストチャーチの二つのモスク(イスラム教礼拝所)で銃乱射テロが起き、50人の死者が出た。NZ史上最悪とされる大量殺害事件となっている。
 容疑者は、礼拝に訪れた人々を無差別に撃ち続け、モスク内は血の海と化した。襲撃の様子を頭部に装着したカメラを使い、インターネットで生中継もしている。極めて残忍で、異様な犯罪だ。動機や経緯などを徹底的に解明する必要がある。
 訴追された20代の男は、ネット上に公表した犯行声明で欧米社会への移民を「侵略者」と敵視していた。一昨年のロンドンでのイスラム教徒襲撃テロに触発されたともいう。
 背景には過激な白人至上主義や排外主義がありそうだ。NZは移民を積極的に受け入れ、日本からの留学生も多い。治安も決して悪くなかっただけに、国際社会に衝撃が広がる。
 容疑者は殺傷能力の高い銃を複数所持していた。アーダン首相は、銃規制強化に向けた法改正案を近く発表すると明らかにした。早急な対策を求めたい。
 近年、欧米では移民や少数派を狙った襲撃事件が続発している。一昨年にはカナダで白人の男がモスクのイスラム教徒らを銃撃し、6人が死亡した。昨年には米国のユダヤ教会堂で、白人が銃を乱射し、11人が犠牲になった。
 経済のグローバル化などに伴って格差が拡大し、社会に不満が高まる中で、世界的に移民が標的となっているのは看過できない現象だ。
 トランプ米大統領をはじめ、排外主義的な主張を公然と唱えるリーダーの登場も拍車を掛けている。欧米から遠く離れた島国のNZも、そうした時代の空気と無縁ではなかった。
 重要なのは「寛容」の精神を取り戻し、多様な人々が生きられる社会をつくることだ。NZ一国の問題にとどまらない。各国が連携して取り組まなければ問題は解決しないだろう。
 気掛かりなのは今回の事件を受け、過激派組織「イスラム国」(IS)が「報復」を支持者に呼び掛けたことだ。
 国際社会は結束を強め、「憎悪の連鎖」を断ち切らねばならない。


NZ銃乱射 排外主義の広がり危ぶむ
 身勝手な理屈で多くの命を奪い、それを世界に発信するとは信じがたい凶行である。
 事件の背景には、移民を排斥し、不安をあおる排外主義的な風潮の影響がうかがえる。差別主義の広がりを深く憂慮する。
 ニュージーランド・クライストチャーチのモスク(イスラム教礼拝所)2カ所で銃乱射事件が起き、50人が死亡した。他にも重体の人がいる。同国史上最悪の銃乱射事件である。
 アーダン首相は、標的になった移民や難民について「ニュージーランドを自分の国として選んだ。ここは彼らの国だ」と訴えた。非道な犯行の犠牲になった人たちを悼むとともに、事件の全容解明を求めたい。
 警察は、殺人容疑で訴追されたオーストラリア人の男(28)が単独で計画、実行した可能性が高いと見ている。
 際立つのは、犯行の残虐さと異様さだ。男はフェイスブックで生中継しながら、金曜礼拝に訪れたイスラム教の信者らを無差別に撃ち続けた。
 犯行の背景にあるとみられるのが、白人至上主義と極右思想だ。男はインターネット上の声明で、イスラム圏からの移民を「侵略者」と呼び、白人社会が乗っ取られるという偏った「反移民」思想をつづっていた。
 目を引くのは、男がトランプ米大統領を「白人の新たなアイデンティティーの象徴」と位置付け、目標として絶賛していることだ。
 メキシコ国境の壁建設を目指すなど、分断と敵意をあおるトランプ氏の姿勢は、世界各地の白人至上主義者の間で共鳴を呼んでいるとされる。欧州でも移民排斥の動きが高まり、極右勢力の台頭が目立つ。
 容疑者の犯行がそうした流れの中から生まれたのだとすれば、非常に大きな問題だ。
 公共の場で民間人を狙う銃乱射事件は、米国を中心に各地で起きている。
 衝撃的なのは、移民の受け入れに寛容とされてきたニュージーランドが、事件の舞台となったことだろう。
 ニュージーランドは白人と先住民マオリが住民の大半で、多文化主義の下、多様な人種を受け入れてきた。ただ近年は移民の急増で住宅価格や家賃が高騰し、問題になっている。
 容疑者の男は、ニュージーランドには一時的に滞在する予定だった。だが移民が多くいることに気付き「世界のどこも安全ではない」と知らしめる目的で襲撃場所に選んだという。
 こうした事件は、世界のどこでも起こり得るという現実を受け入れ、備えを強めていかなければならない。
 アーダン首相は、銃規制を強化する方針を明らかにした。銃乱射事件が頻発する米国では、全米規模での規制強化の動きは進んでいない。今回の事件を機に、銃規制への論議が国際的に進むことを望みたい。
 平和と安全を守るには排除ではなく、他文化を尊重し共生の道を探ることが重要だ。二度と悲劇を繰り返してはならない。


NZ銃乱射テロ 憎悪の連鎖 日本も備えよ
 ニュージーランド(NZ)南島クライストチャーチのモスク(イスラム教礼拝所)2カ所で起きた銃乱射事件。犠牲者は50人で12人が重体という。オーストラリア出身の容疑者の単独テロとみられる。NZは移民に寛容で、過激思想とも縁遠いとされてきただけにショッキングな事件だ。
 気がかりなのは、事件を受け過激派組織「イスラム国」(IS)が「報復」を支持者に呼び掛けたとの報道があることだ。容疑者のように反移民、白人至上主義の信奉者が台頭する一方で、非イスラム社会に対する報復攻撃という憎悪の連鎖は世界を恐怖に陥れる。国際社会は一致してこれを許さない決意を新たにすることを求めたい。
 容疑者は殺傷能力の高い半自動小銃2丁など計5丁の銃を所有していたことが判明。NZでは銃所持者には免許が必要だが、大半の銃自体には保有登録は不要とされる。出身国のオーストラリアに比べ、銃規制が緩かったことも事件の遠因になった可能性があると指摘されている。
 ネットに公表したとみられる犯行声明は70ページ以上あり、移民を「侵略者」と呼ぶなど反移民主義や白人至上主義を思わせる言葉が並んでいる。SNS(交流サイト)で17分間にわたって犯行を生中継していたことも判明。ネットなどから過激思想を収集していたことがうかがえ、自らも発信側となって憎悪と恐怖をまき散らす狙いだったのだろう。動画は拡散しており、すぐに削除する措置なども課題に挙がっている。
 ただ、前科はないとされ、出身国は無論、NZでも監視対象にはなっていなかったという。IS信奉者らによるテロで指摘された「ローンウルフ(一匹おおかみ)」型ともいえる犯行だ。いつ、どこが狙われるか分からず、防止策は困難を極める。
 一方のISはシリアで壊滅状態にあるとされ、最近は大規模なテロも起きていない。だが、今回の事件をきっかけに息を吹き返す可能性は否定できない。ISに加わっていた何千人もの外国人戦闘員が出身国に戻ったとされる。さらに、組織に加わっていなくても、思想に共鳴した若者らが報復テロに走る恐れもある。
 事件はイスラム系移民だけでなく、他の移民らにも衝撃を与えている。平和な国であるNZで起きただけに重く受け止める必要がある。どの国で起きてもおかしくないと捉え、滞在者はもちろん、旅行やビジネスなどで渡航する人も十分注意してもらいたい。
 日本も人ごとではないとみるべきだ。6月には大阪で20カ国・地域(G20)首脳会議が開かれ、9月にはラグビーW杯、来年夏には東京五輪・パラリンピックが開催される。日本は銃規制が厳しいからと安心していてはいけない。一昨年には欧米で車両による突入テロが頻発し、大勢の犠牲者を出しているからだ。必要以上に萎縮する必要はないが、標的となり得ることを肝に銘じ、警戒を緩めてはならない。


ニュージーランド銃乱射/憎悪の連鎖を許すな
 ニュージーランド南島の最大都市クライストチャーチのモスク(イスラム教礼拝所)で、大規模なテロ事件が起きた。恐怖を拡散させる暴力を強く非難するとともに、国際社会が一致して、憎悪の連鎖を許さない決意を新たにすることを求めたい。
 ニュージーランドの歴史上、最悪の銃乱射事件である。殺人容疑で訴追されたのはオーストラリア人の28歳の男で、過激思想に基づき、イスラム教徒を標的とした犯行とみられている。
 男がインターネット上に残した声明では、襲撃は白人と移民の分断と憎悪をあおる目的だったとし、同様の声明が事件発生の9分前に、メールで首相府などに送られていた。
 ニュージーランドもオーストラリアも、移民社会を抱えているが、過激思想とは縁遠いと思われていた。欧米のように大規模テロが多発することはこれまでなかった。   もっとも、オーストラリアのシドニーで2014年12月に自称イスラム聖職者の男がカフェに立てこもり、男は警察に射殺され、人質2人が死亡する事件などが起き、過激思想の脅威は、この地域にも及んでいた。
 01年の米中枢同時テロや、02年にオーストラリア人多数が犠牲になった隣国インドネシア・バリ島爆弾テロなどを受け、オーストラリアの一部の住民はイスラム教徒への反感を強め、これに対抗してイスラム教徒移民側にも過激思想を持つ若者が出るといった事態が起きており、懸念の声もあった。
 欧米諸国ではこの数年間、シリアとイラクを本拠地とする過激派組織「イスラム国」(IS)の影響や支援を受けたとみられる大規模テロの嵐が吹き荒れた。15年11月のパリ同時多発テロでは計130人が死亡した。欧米各国で反イスラム教徒感情が高まり、極右勢力が移民や難民の関連施設に放火するといった事件も起きた。
 しかし、最近はISが弱体化し、大規模なテロも起きていなかった。テロの脅威は低下したという印象を持っていた人も多いのではないか。だがニュージーランドのテロによって脅威は存在することが明確になった。日本も含め、警戒を怠ってはならない。
 モスクは2カ所が襲われた。銃撃は、イスラム教徒にとって一週間で最も重要な金曜日の礼拝の時間を選んで行われた。容疑者の車両から爆発物も発見されたと伝えられており、用意周到な犯行だったことをうかがわせる。
 襲撃の際、容疑者の1人はカメラで動画を撮影し、インターネットで生中継したという。過激で異常な行為だが、憎悪と恐怖を世界へまき散らす意図を持った計算ずくの行動なのだろう。そんな狙いを成就させてはならない。
 欧州で移民の排斥を主張する極右政党が支持を広げ、トランプ米政権はイスラム圏からの入国制限などで人権団体やイスラム教徒を憤らせている。トランプ大統領が英国の極右団体幹部の反イスラム動画をツイッターで転載し、メイ英首相が「間違っている」と公然と批判、米英両国の関係が緊張した時期もあった。
 そうした足並みの乱れは過激思想を利するだけだ。国際社会は結束し、暴力が暴力を招く悪循環を許さない姿勢を示すべきだ。


【NZ銃乱射】 異様さの背景解明したい 
 ニュージーランド南島クライストチャーチのモスク(イスラム教礼拝所)2カ所で、計50人の命が奪われる銃乱射事件が起きた。
 犠牲者の大半が礼拝に訪れていた信徒とみられ、負傷者も多数に上っている。同国はテロと断定したが、あまりに残酷で異様な事件だ。
 犯行は、拘束、訴追されたオーストラリア人の男が単独で行ったとみられている。過激な反移民思想に染まった白人至上主義者の可能性があるという。
 容疑者は金曜日の礼拝が行われていた中心部のモスクを襲撃。多数を殺害した後に、約5キロ離れた住宅街にあるモスクに移動し、凶行を重ねたようだ。
 自らの犯行を動画撮影し、インターネットで生中継までしていたことには驚く。社会の共感を得られると考えたのだろうか。
 犯行の動機を含む70ページ以上の声明を事前に公表していたことも分かっている。声明では、イスラム教徒ら移民を「白人の土地」を奪う「侵略者」として強調し、排除すべきと主張している。
 平和な国と思われていたニュージーランドで起きたことも衝撃だ。 
 ニュージーランドは先住民マオリとの融和社会を実現し、移民や異文化、性的少数者(LGBT)などにも「寛容な国」として知られる。公用語として英語、マオリ語のほか、手話があるのも共存社会への姿勢を示すものだろう。
 声明によると、容疑者はニュージーランド滞在中に同国にも移民が多いことに気付いたという。どんなに離れた島国であっても「大量移民」に脅かされることを示すため、同国での実行を決めたという。
 もちろん、それだけでは説明がつくまい。異様さの背景を丁寧に解明する必要がある
 ニュージーランドでは近年、移民の増加で住宅価格や家賃が高騰。現在の与党労働党は「移民の抑制」を掲げ、アーダン首相は外国人による中古住宅の購入禁止策を打ち出している。社会の変容が心配される中で今回の惨劇は起きた。
 比較的銃規制が緩い国でもある。人口は約470万人だが、出回る銃は150万丁との推計もあるほどだ。容疑者の男も合法的に銃所持の免許を取得し、半自動小銃を含む5丁を保有していたという。
 最近、白人至上主義者の活動が活発になっていることも気になる。インターネットの普及で自らの主張を訴えやすくなったこともあろうが、トランプ米大統領の影響が否定できない。
 トランプ氏は移民を敵視し、排斥するような言動や政策を繰り返している。今回の容疑者も声明でトランプ氏を称賛し、「白人共通の目標」とまで記している。
 再発を防ぐためにも、ニュージーランド当局には事件の徹底究明が求められる。テロの拡散や報復も気掛かりだ。その阻止へ、国際社会も改めて連携が欠かせない。


NZ銃乱射事件◆暴力を招く悪循環を許すな◆
 ニュージーランド南島の最大都市クライストチャーチのモスク(イスラム教礼拝所)で、大規模なテロ事件が起きた。恐怖を拡散させる暴力を強く非難するとともに、国際社会が一致して、憎悪の連鎖を許さない決意を新たにすることを求めたい。
 ニュージーランドの歴史上、最悪の銃乱射事件である。詳しい動機の解明は今後の捜査を待たなければならないが、過激思想に基づき、イスラム教徒を標的としたテロとみられている。
過激思想と縁遠い国
 ニュージーランドは、過激思想とは縁遠いと思われていた国だが、むしろそれが狙われた理由なのかもしれない。ニュージーランド、オーストラリア両政府は緊密に協力して事件の捜査を進めていくだろう。
 移民社会を抱える両国だが、欧米のように大規模テロが多発することはこれまでなかった。もっとも、オーストラリアのシドニーで2014年12月に自称イスラム聖職者の男がカフェに立てこもり、男は警察に射殺され、人質2人が死亡する事件が起き、過激思想の脅威はこの地域にも及んでいた。
 01年の米中枢同時テロや、02年にオーストラリア人多数が犠牲になった隣国インドネシア・バリ島爆弾テロなどを受け、オーストラリアの一部の住民はイスラム教徒への反感を強め、これに対抗してイスラム教徒移民側にも過激思想を持つ若者が出るといった事態が起きており、懸念の声もあった。
 欧米諸国ではこの数年間、シリアとイラクを本拠地とする過激派組織「イスラム国」(IS)の影響や支援を受けたとみられる大規模テロの嵐が吹き荒れた。15年11月のパリ同時多発テロでは計130人が死亡した。
国際社会は結束せよ
 しかし、最近はISが弱体化し、大規模なテロも起きていなかった。脅威は低下したという印象を持っていた人も多いのではないか。だが、今回のテロによって脅威は存在することが明確になった。警戒を怠ってはならない。
 モスク銃撃は、イスラム教徒にとって一週間で最も重要な金曜日の礼拝の時間を選んで行われた。襲撃の際、容疑者の1人はカメラで動画を撮影し、インターネットで生中継したという。過激で異常な行為だが、憎悪と恐怖を世界へまき散らすという意図を持った計算ずくの行動なのだろう。そんな狙いを成就させてはならない。
 欧州で移民の排斥を主張する極右政党が支持を広げ、トランプ米政権はイスラム圏からの入国制限などで人権団体やイスラム教徒を憤らせている。トランプ大統領が英国の極右団体幹部の反イスラム動画をツイッターで転載し、メイ英首相が批判、米英両国の関係が緊張した時期もあった。
 そうした足並みの乱れは過激思想を利するだけだ。国際社会は結束し、暴力が暴力を招く悪循環を許さない姿勢を示すべきだ。


NZ銃乱射 憎悪犯罪「拡散」許すな
 典型的なヘイト・クライム(憎悪犯罪)だ。ニュージーランドのイスラム教礼拝所で28歳の男が銃を乱射し、50人以上が死傷した。アジアや中東からの移民が多数犠牲になった。
 直前に犯行声明を首相府などにメール送信し、犯行をネット中継していたという。ネットで拡散した映像は犠牲者を冒涜(ぼうとく)するだけでなく、模倣犯を生み出す恐れが十分あるはずだ。
 壊滅に追い込まれつつある過激派組織「イスラム国」(IS)が、欧米社会への「報復」を支持者に対してあおったとの報道も伝えられている。この事件を口実に、さらなるテロが企てられてはならない。憎悪の連鎖は断ち切るべきである。
 男はオーストラリア国籍の白人で、近年旅した欧州で移民や難民の脅威を扇動する言説に接したようだ。自らも「白人至上主義」に染まった上、いわばゲーム感覚で犯行に及んだ。
 最近のニュージーランドは毎年6万〜7万人を受け入れるなど、移民に寛大な政策を取っている。あえてこの国の移民社会を暴力の標的にすることによって、男が国内外に与える衝撃の大きさを推し量っていたとすれば、これもまた許し難い。
 今回の犯行は、ネット社会の負の部分を浮かび上がらせる結果にもなってはいないか。男は犯行をフェイスブック(FB)上で17分間も堂々とライブ配信しており、車内の銃や弾薬類も全く隠そうとしていない。
 ISは処刑などの残虐なネット動画を全世界にまき散らしたが、その模倣ともいえよう。男はネット上の偏狭な言説によって排外的なものの考え方に傾いた可能性も否定できまい。
 FBは拡散された動画のうち約150万件を削除したとしたが、完全な消去は困難だろう。ニュージーランドのアーダン首相はFBの監視体制に遺憾の意を表明した。巨大ネット企業の社会的責任が問われよう。
 銃規制を巡っても、あらためて警鐘を鳴らさなければならない。男は一時住んでいたニュージーランド南部の町で射撃クラブに所属していた。殺傷能力の高い半自動小銃を含む5丁を合法的に所持していたという。
 ニュージーランドは欧州や隣国のオーストラリアに比べて銃規制が緩やかだと指摘されてきた。その隙を突いた犯行ともいえよう。遅きに失したとはいえ、アーダン首相が規制強化を表明したのは当然である。
 しかしながら、トランプ米大統領が白人至上主義に対して明確な批判を避けていることは解せない。男がトランプ氏を「白人の新たなアイデンティティーの象徴」と賛美しているだけに、トランプ氏はそれを否定し、憎悪犯罪に対する毅然(きぜん)たる姿勢を全世界に示すべきである。
 米国では銃乱射事件が多発している。フロリダ州の高校で昨年起きた惨事の後、若者たちを中心に銃規制を求める大きなデモが起きた。米国の市民社会がニュージーランドの惨事をわが事として受け止め、米国で銃規制が強まれば、それが各国に波及することは間違いない。
 一方で日本でもヘイトスピーチが増加傾向にあると、米国務省の人権報告書は指摘している。それを省みながらも、国際社会の結束によって憎悪犯罪の根を断つ道を、日本は探っていかなければなるまい。


人工透析中止 徹底検証が求められる
 腎臓病患者にとって、人工透析の中止は死を意味する。それを医師が提案すれば、場合によっては誘導になる恐れはないか。
 東京都の公立福生病院で昨年8月、医師から透析の中止を選択肢として示され、中止を選んだ腎臓病を患う当時44歳の女性が1週間後に死亡したことが分かった。
 女性は終末期の患者ではなく、透析を続けていれば延命できた可能性があった。
 都と日本透析医学会は、学会の提言などに反する可能性があるとして、病院への立ち入り検査を実施した。
 医師の行為、病院側の対応が適切だったのか、疑問が残る。意思決定に至るプロセスを含め、徹底的に検証しなければならない。
 透析医学会の提言によれば、透析中止を検討するのは、患者の明確な意思表示があることはもちろん、透析が生命の危険につながったり、患者の全身状態が極めて不良な場合などに限定している。
 女性は、腕からの透析が難しくなり、医師から首から管を挿入する方法と、透析をやめる選択肢があること、やめれば命に関わることを説明された。
 この段階で女性は入院しておらず、終末期だったとは言い難い。
 説明を受けた当日に女性が透析中止を決め、意思確認書に署名したのも性急な印象を否めない。
 女性は5日後に体調を崩して入院し、死亡前日「こんなに苦しいなら、また透析をしようかな」と話すなど気持ちが揺れ動き、病院側にも伝わっていたという。
 心身が追い込まれ、患者の意思が変わることは珍しくない。
 だからこそ、透析医学会の提言は、医師や看護師に加え、可能なら福祉関係者らも含めた医療チームが患者が自己決定を行う際のサポートを定めている。
 こうした医療チームを備え、患者や家族を十分に支援できていたのだろうか。
 さらに、提言は、倫理的な問題に関して、倫理委員会や外部委員会などの助言があることが望ましいとの条件も挙げている。
 だが、倫理委員会は開かれておらず、幅広い視点からの検証が不十分だったと言わざるを得ない。
 この病院は2013年から18年にかけ、透析中止や透析を始めない非導入に関して倫理委を開いていなかった。この間、約20人が透析中止や非導入を選んで死亡したとの情報もある。
 これらの疑問に対し、病院自ら説明責任を果たすべきだ。


人工透析中止問題 医療の原点に立ち返れ
 週3回、1回3〜5時間。人工透析治療(血液透析)の患者への負担は大きいが、受けなければ命に関わる。
 東日本大震災時、被災地では停電や断水など混乱の中、医療者が透析時間を短縮するなどして対応。教訓を踏まえ、来るべき災害時の備えとして関係機関のネットワーク化などに力を入れている。
 希望を見失いがちな患者を励まし、命をつなぐための努力を多くの医療者が続けている中、東京都の公立福生病院では何が起きていたのか。昨夏、腎臓病の女性に医師が人工透析をやめる選択肢を示し、治療に苦しんでいた女性が受け入れ、約1週間後に死亡した。
 他の患者への透析治療も中止していたとみられ、都や日本透析医学会が調査に乗り出している。
 学会は2014年、終末期の透析中止についての提言を策定。中止を検討するケースとして「続行が生命の危険につながる」「中止の意思が明確で、死が確実に迫っている」などを挙げた。患者の意思の尊重が大前提で、医療側が患者や家族と十分に話し合い、場合によっては専門家でつくる倫理委員会の助言に従うことも求めている。
 福生病院では、どうだったのか。女性は中止に同意する文書に署名していたが、死亡する前日に「こんなに苦しいなら、また透析しようかな」と発言していたという。命を守るという医療の原点、患者の揺れる意思に寄り添うという提言の趣旨からも逸脱していたとしか思えない。
 そもそも、女性は終末期の患者ではなく、医療側から透析中止を提案してはいけないケースだった可能性も指摘されている。医師の価値観をはじめ、一連の経緯について詳細な解明が求められる。
 人工透析患者は年々増加しており、17年末で約33万人に上る。患者団体によると、医療費が高額として「税金の無駄遣い」と中傷を受ける患者も多いという。
 医療が進歩し、社会保障費が増大する中、透析に限らず「金と命」をてんびんにかける風潮がはびこっている。麻生太郎財務相が13年、社会保障制度改革国民会議で「政府の金で(高額医療を)やってもらっていると思うとますます寝覚めが悪い。さっさと死ねるようにしてもらわないと」と述べたのは象徴的だ。
 今後も社会保障費の増大が見込まれる中、この種の風潮の高まりが懸念される。だが、医療の原点を見失ってはならない。
 終末期や死について、患者も家族も身近な問題として受け止め、考えたい。医療者と共に、繰り返し考えるプロセスの先に、あるべき終末期医療の姿を見いだしたい。


[英EU離脱延期] 党派を超え打開策探れ
 英下院が欧州連合(EU)からの離脱延期を求める政府動議を可決した。今月29日の「合意なき離脱」はひとまず回避されそうだ。
 とはいえ、メイ政権とEUがまとめた離脱合意案を20日までに承認することを条件に6月末まで離脱を延期することをEUに求める内容である。2回否決された案の議会承認は見通せない。
 否決されれば延期長期化の様相が濃くなり、出口の見えない混迷が続くことになる。
 国民生活や世界経済の混乱を避けるためにも、与野党の議員は立場を超えて打開策を探らなければならない。
 離脱合意案が可決されれば、英政府は21、22日のEU首脳会議に6月末までの延期を申請する。承認には全加盟国の賛成が必要だ。
 メイ氏は、合意案否決ならば大幅な離脱延期を余儀なくされるとし、離脱強硬派に圧力をかける。
 だが、合意案には英領北アイルランドとEU加盟国のアイルランドとの国境問題が解決するまで英国がEU関税同盟にとどまるという条項が残されたままで、離脱強硬派は反発している。
 1月と今月12日の下院採決では大差で否決されており、一転して可決に持ち込むのは容易ではない。反対する議員側は再考し、歩み寄る余地を探ってほしい。
 合意案が三たび否決された場合には、英政府は長期の延期をEUに要請せざるを得なくなる。
 しかし、EU側が拒否すれば英国は合意なき離脱に追い込まれる。もし承認してもEUは合意案の大幅な修正には否定的だ。解決を先延ばしにするだけで、離脱問題が漂流する可能性を危惧する。
 合意なき離脱による影響に備えて、英国民や英国に進出する企業は防衛策を取り始めている。
 英政府は2月末、合意なき離脱により青果価格が上昇し、食料不足が生じる恐れがあるとの報告書を公表した。税関の手続きが復活すれば、物流は滞りかねない。英国では日用品や薬の備蓄を始める国民もいるという。
 日本の製造業では、ホンダが2021年に英国生産から撤退すると決定し、トヨタも23年以降に生産をやめる可能性を明らかにしている。拠点を英国からEU内のほかの国へ移す企業も相次ぐ。
 英国ではあらためて離脱の是非を国民に問うべきではという声もある。国民の分断を激化させる恐れのある再度の国民投票ではなく、下院の解散・総選挙を行うことは一考に値するのではないか。
 混乱をこれ以上拡大させないため、英政府と議会はあらゆる策を講じてもらいたい。


女性の活躍 政治や行政が率先せねば
 政府の「女性の活躍推進」の掛け声とは裏腹に、女性の登用が進んでいない現状を各種の指標が突きつけている。
 国際労働機関(ILO)が今月8日の「国際女性デー」に合わせて発表した女性の労働に関する報告書で、2018年に世界で管理職に占める女性の割合は3割近くに達する中、日本は12%にとどまった。先進7カ国(G7)では最下位で、アラブ諸国(11%)と同水準だった。
 ILOの統計によると日本の女性管理職の割合は1991年が8・4%で、27年間で3・6ポイントしか上昇していない。ほかの国に比べ、日本の歩みの遅さが際立つ。
 安倍政権は、政治家や企業の管理職、高度な専門職といった「指導的立場」に占める女性の割合を「2020年までに30%」とする目標を掲げるが、達成は困難と言わざるを得ないだろう。
 なぜ日本では女性の登用が進まないのか。1986年には男女雇用機会均等法が施行されるなど法整備は進んだ。しかし、長時間の残業などの雇用慣行もあり、出産や育児を機に離職する女性は依然として多い。勤務年数が重視されがちな日本では、管理職候補となる年代の女性が少ない現状がある。
 登用が進んでいないのは民間だけではない。本来なら率先すべき政治や行政の分野の歩みがおぼつかない。
 衆院議員の女性比率や都道府県議に占める女性の割合はともに1割程度にとどまる。都道府県庁の女性管理職の登用も昨年4月現在、「課長級以上」で1割に満たない。国家公務員はさらに立ち遅れ、本省の課室長級では4・9%にとどまる。
 ただ、全体が低調な中でも注目したいのは成果を上げている組織もあることだ。例えば都道府県庁で課長級以上の女性の割合は、岡山県(8・8%)、広島県(5・4%)など32道府県が10%未満なのに対し、トップの鳥取県は20・0%と突出している。
 鳥取県では20年前から知事が積極姿勢を示し、「男性限定」との暗黙の了解があった部署に女性を登用。長時間労働をなくすため、庁内資料の簡素化なども進めたという。トップの姿勢が鍵を握っているのは間違いない。重要なのは掛け声だけでなく、性別にかかわらず能力を発揮できる環境整備を進めることだ。
 昨年5月に成立した「政治分野の男女共同参画推進法」は選挙の候補者をできる限り男女均等にするよう政党に求める。4月に迫る統一地方選は無所属候補も多く見通せないが、夏の参院選に向けては政党の対応が注目される。
 立憲民主党など野党は数値目標を掲げて女性候補の擁立に取り組むが、与党の自民、公明両党は男性の現職が多いとして目標設定を見送る方針という。法が定める努力義務を早々に放棄するようでは安倍政権が掲げる「女性活躍」の本気度も問われよう。


河北春秋
 バンド「フラワーズ」をテレビで見たのは半世紀前。甘いアイドル路線のグループサウンズ全盛のころ、本場英国ロック風の前衛的で強烈なギターを響かせた。舞台で「シェゲナベイビー」とシャウトし歌ったリーダーが内田裕也さんだった▼「ロッケンロール!」の口癖通り、若いころ欧州で音楽修業をした筋金入りのプロ。白髪になっても、老境をはね飛ばすライブを続けた。何より話題になったのは、女優樹木希林さんとの夫婦関係だ▼40年以上の別居生活だった。でも樹木さんは離婚を拒み、「一緒にお墓に入りたい」と思い続けた末に昨年9月、がんのため75歳で他界。内田さんも後を追うように体調を崩し、半年後の17日、79歳で逝った▼数々の映画に出演し、ニヒルで無軌道な役が似合った。実生活でも事件を起こしたが、常識へのあらがいもロック精神だったか。「彼にはひとかけらの純なものがあるから」と樹木さんは見放さず、内田さんも「一生頭が上がらない」と語る間柄を全うした▼東日本大震災では、東京のチャリティーライブの寄付を手に石巻に入り、炊き出しと歌で被災者を元気づけた。「石巻の名は英語のRock’n’Rollに通じる」との縁を語り、その後も激励ライブに訪れた。どこまでもロックに生きた人だった。

新レーダー開発  軍拡の一翼を担うのか
 大国間の軍拡競争の一翼を日本が担う−。そんな懸念がいっそう強まらないだろうか。
 ミサイル防衛網の強化に向け、日米両政府が米海軍イージス艦に搭載する新型レーダーを共同開発する方向で調整中だという。
 中国やロシアが開発を進める新型兵器に対抗するのが目的だ。
 日米の安全保障分野での一体化がさらに進むばかりか、中ロのさらなる軍備増強を招く可能性もある。自らの安全を強化するための競争がかえって地域の安全を脅かしかねないことを、関係各国は改めて認識し直す必要がある。
 共同で開発されるのは、イージス艦の低空監視に使われるレーダーで、四方に固定して常に全方位を監視できるようにするという。現行のレーダーは、回転させて警戒する方式のため、死角が生じて探知が遅れると指摘されていた。
 イージス艦は、敵の航空機やミサイルなどの情報を探知し、瞬時に処理して対処する役割が期待されている。遠方監視を得意とする半面、低空を飛ぶ近距離攻撃には弱いとされる。今回の共同開発はそれへの対応の一環とみられ、将来的には、海上自衛隊のイージス艦への搭載も検討されるという。
 ただ、開発、配備には多額の費用がかかる。米海軍が最近、メーカーと契約した現行型のレーダーでさえ5基で約23億6千万円だった。新型ともなれば、さらに高額となる可能性がある。
 ミサイル攻撃への対応では、地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」2基の導入が決まっている。防衛費の伸びが突出する中で矢継ぎ早に新装備を求めるなら、十分な説明を尽くすべきだ。
 共同開発の背景には米国とロシアが中距離核戦力(INF)廃棄条約の破棄に進み、双方のミサイル実験が加速しそうな情勢がある。
 米国はレーダーにとどまらず極超音速ミサイルなど攻撃用の新型兵器開発も急いでいる。INF条約が失効する見通しの8月に発射実験に踏み切るとの予測がある。
 周辺国からの脅威を理由に、日本に対してさらなる共同開発や装備購入を求めてくる懸念がある。日本がミサイル防衛網の拠点となることは避けなければならない。
 気になるのは、防衛省が敵の射程圏外から艦艇を攻撃できる長距離巡航ミサイルを初めて開発する方針を固めたことだ。中国海軍艦艇の能力向上をふまえた対応というが、米中のにらみ合いに進んで関わることにならないか。専守防衛の観点からも疑問がわく。


JOC竹田会長辞任決意のウラ側 “国内引きこもり”が決定打
 ついにハシゴを外された。
 東京五輪招致に関する贈賄疑惑で、フランス司法当局から捜査対象となっている日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長(71)が辞意を固めた。19日にもJOC理事会で進退に言及するという。
 振り返れば、苦しい2カ月間だった。
 昨年12月にフランス予審判事から事情聴取を受けると、今年1月の釈明会見で身の潔白を主張。しかし、用意した文書を読み上げただけで質疑応答を受け付けず、国内外から批判を浴びた。
「以来、竹田会長は表舞台から姿を消し、会見の4日後に出席予定だったIOCマーケティング委員会(スイス)を『個人的な理由』としてドタキャン。今月3日のアジア・オリンピック評議会(OCA)総会(タイ)も副会長の要職にありながら欠席した。海外へ出国すれば、仏当局に身柄を拘束される可能性があると警戒したからです。五輪まであと1年半に迫り、ホスト国の五輪委員会トップが国内に引きこもっているというんじゃ仕事にならない。IOC(国際オリンピック委員会)からも退任を促す動きが出てきたことで、決意したのでしょう」(JOC関係者)
 JOCは東京五輪まで1年半に迫った時点での会長交代による混乱を恐れ、「竹田体制で2020年を迎えるべき」として「選任時70歳未満」という規定をねじ曲げた定年延長を画策。これに政官界からは厳しい意見が相次ぎ、今月12日のJOC理事会でも反対意見が出てまとまらなかった。
 16日には安倍総理と森喜朗東京五輪組織委員会会長が会談。“引きこもり”を続ける71歳に見切りをつけた形となった。
 後任にはJOC選手強化本部長の山下泰裕常務理事らが候補に挙がっている。


JOC竹田恒和会長が退任表明も6月まで居座り! 五輪至上主義と電通タブーで東京五輪汚職を報じないマスコミの責任
 日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長が、本日19日にも退任の意向を表明すると報じられている。竹田会長は2020年東京五輪・パラリンピック招致をめぐる汚職疑惑で捜査対象となっており、また招致の最高責任者としても、退任は当然だろう。
 ところが驚いたことに、昨晩毎日新聞が報じたところによれば、任期満了の6月いっぱいは会長職を務める見通しだという。問題の五輪招致をめぐる汚職問題の責任をとって辞めるのではなく、あくまで「任期満了に伴う退任」という形で通そうという魂胆のようだ。いったいどこまで厚顔無恥なのか。
 本サイトで報じてきた通り、竹田会長は、2020年東京五輪・パラリンピック招致に絡む汚職にかかわった容疑で、フランス司法当局の捜査対象になっており、今年1月には起訴に向け本格捜査を開始したことが報じられている。
 竹田会長は1月に会見を開き一方的に潔白を主張したが、JOCの代表者であるにもかかわらず「いかなる意思決定プロセスにも関与してない」と断言するなど、その無責任ぶりを露呈していた。
 日本国内では「カルロス・ゴーン逮捕に対する報復」などという陰謀論も一部ではあがっていたが、そのような見方は的外れだ。本サイトで度々報じてきた通り、この収賄疑惑はゴーン逮捕よりはるか前の2016年にはイギリス・ガーディアン紙がスクープしており、ブラジルやフランス当局は数年に渡って捜査に動いていた。
 ところが、五輪批判がタブー化している国内メディアでは、1月の本格捜査報道以降もこの汚職疑惑を追及する動きはほとんど見られない。そうした状況にあぐらをかくように、竹田会長は説明責任も果たさず、身柄拘束を恐れ国際会議への出席もままならない状態で、JOC会長の座に居座り、任期延長論さえ出てくる始末だった。
 竹田会長の退任は当然で遅すぎるくらいだが、しかし竹田会長が退任するからといって汚職疑惑そのものが解消されるわけでは全くない。
 たとえば、この五輪招致をめぐる汚職疑惑では電通が大きな役割を果たしている。しかし国内メディアは電通タブーを恐れ、電通の問題に一切触れないか、あるいは少し触れたとしても「大手広告代理店」などと明言を避けるなどし、疑惑の全容や電通の責任に切り込むような報道は皆無だ。
 おそらく、JOCは竹田会長の退任をもって汚職疑惑の幕引きを図ろうとするだろう。国内メディアもそれに追随し、疑惑などなかったかのように、五輪翼賛報道を展開するだろう。
 日本では「オリンピックのため」という大義名分のもと、あらゆる問題を覆い隠され批判が封じ込められてきた。2020年が近づき五輪至上主義の風潮はますます強まっているが、はたしてこのままでいいのか。
 以下に、2020年東京五輪・パラリンピック招致をめぐる汚職について、国内メディアで報じられてこなかった実態を解説した記事を再録する。このままなんの批判検証もないまま五輪を開催していいのか、いま一度考えてもらいたい。
仏司法当局が東京五輪誘致汚職で竹田恒和JOC会長を捜査開始! ゴーンの報復じゃない、マスコミが報じなかった黒い疑惑
 ついにあの問題に司法のメスが入った。本日、フランスのル・モンド紙が本日、竹田恒和・日本オリンピック委員会(JOC)会長に対し、2020年東京五輪・パラリンピック招致に絡む汚職にかかわった容疑でフランス当局が捜査を開始したと報じたのだ(一部報道では、訴訟手続きが開始されたとの情報もある)。ル・モンドによると、2018年12月10日、竹田JOC会長に対して取り調べがおこなわれたという。フランス当局は、日本が五輪招致に成功した要因であるアフリカ票の獲得が、不可解な交渉によるものとみているとされる。竹田JOC会長は取材に対し聴取に応じたことは明かしたが、汚職は否定している。
 日本国内では、日産自動車のゴーン前会長逮捕への報復だという声が上がっているようだが、しかし、日本国内ではあまり報じられていないものの、海外メディアではかなり以前から東京五輪招致をめぐって賄賂疑惑が報じられてきた。
 この賄賂疑惑はもともと、2016年にイギリスのガーディアン紙がスクープ。あらためて説明すると、日本の五輪招致委員会が、国際陸上競技連盟(IAAF)のラミン・ディアク元会長の息子であるパパマッサタ・ディアク氏が関係するシンガポールの会社「ブラックタイディングス社」(BT社)の口座に、招致決定前後の2013年7月と10月の2回に分けて合計約2億3000万円を振り込んでいたというもの。ディアク親子は五輪開催地の投票に強い影響力をもつ人物であり、この金が賄賂=裏金だったとの疑惑だった。
 実際、ブラジル、そしてフランスの検察当局は捜査に着手、また日本の国会でも取り上げられたが、招致委員会の理事長だった竹田JOC会長らは、BT社への巨額の振り込みは正当な「コンサルタント料」だったとして疑惑を否定した。
 しかし、BT社への支払いは2013年7月に9500万円、同年10月に1億3500万円と2回に分けておこなわれ、そのうち10月の支払いは IOCの総会で東京での五輪開催が決まった後のこと。どう考えてもコンサル料ではなく“招致買収活動”の成功報酬だろう。実際、2017年9月には、ガーディアン紙が「日本の五輪招致委員会からIOC関係者への送金は“買収目的の意図があった”とブラジル検察当局が結論づけた」と報じた。
 そして、今回のフランス司法当局による竹田JOC会長の捜査開始の報道──。もし東京五輪の買収が決定的だったとなれば、東京五輪開催の是非にもかかわるが、問題は、メディアがどこまでこの問題を追及するか、だ。
 現に、2017年9月にガーディアンがIOC関係者への送金をブラジル検察当局が買収目的の意図があったと結論づけたと報じた際も、東京新聞は掘り下げて記事にしたが、あとは共同通信、朝日新聞などがガーディアンの記事を引くかたちで短く報じたくらいだった。
 いや、それ以前も、日本のマスコミは五輪裏金問題をまったく追及してこなかった。その理由のひとつは、大手広告代理店・電通の存在である。
 電通といえば、招致活動から東京五輪に食い込み、招致決定後は東京五輪のマーケティング専任代理店として、あらゆるマーケティングや広告利権を一手に掌握すべく動いていたことは周知のとおりだが、この裏金問題でも中心的役割を果たしたのが電通だったのだ。
 実際、竹田会長自身、「電通さんにその実績を確認しましたところ、(BT社は)十分に業務ができる、実績があるということを伺い、事務局で判断したという報告を受けています」と国会で電通の関与を証言。さらに、BT社の代表はラミン・ディアク氏が会長を務めていたIAAFの商標権の配分などを行う電通の関連会社「アスレチック・マネージメント&サービシズ」のコンサルタントだったことも判明している。
電通タブーと五輪利権で裏金問題を追及しなかった日本マスコミ
 しかし、国内メディアはこの裏金疑惑について、そして電通の関与について、ほとんどまともに報じてこなかった。
 その理由は、言うまでもなく電通がマスコミ最大のタブーだからである。広告収入に大きく依存するテレビ局はもちろん、新聞、雑誌などあらゆるメディアにとってアンタッチャブルな存在であることは説明するまでもないだろう。実際、2016年5月の時点で、ガーディアンが電通の名前を出した上でその関与を指摘しているが、テレビや新聞は電通の名前さえ出すことに尻込み、またワイドショーもこの問題をほぼスルーした。せいぜい「週刊文春」(文藝春秋)が電通側のキーマンを名指しし、疑惑を追及する動きを見せたくらいだ。
 さらに新聞各紙がこの五輪裏金問題に踏み込まない理由がもうひとつある。それが大手主要新聞社である読売、朝日、毎日、日経の4社が東京オリンピック・パラリンピックのオフィシャルパートナーに、産経がオフィシャルサポーターになっていることだ。しかも「一業種一社」を原則とするスポンサー契約だが、今回は国際オリンピック委員会と協議し、複数の新聞社の契約を“特例”として認めてもらったという経緯、恩義もある。本来、新聞各社はオリンピックの問題点や不祥事を批判・検証するべき立場にあるはずだが、検証どころか自ら尻尾をふって五輪利権共同体の一部と化してしまっているのだ。
 事実、大手新聞各社がオフィシャルパートナーのスポンサー契約に動きはじめた2015年の時点で、それまで新国立競技場問題など不祥事報道をおこなってきた新聞各紙の報道は明らかにトーンダウン。大手新聞4社が正式契約した2016年1月以降、その傾向はさらに強まっている。そして莫大な額に膨れ上がった開催関連費用をはじめ、五輪施設工事での過労死や酷暑対応、強制的なボランティア参加などさまざまな問題が噴出する一方、「もう決まったこと」だとして“五輪に協力しなければ国賊”などという空気が蔓延してきた。
 果たして、このようななかでメディアは、フランス当局による竹田JOC会長の捜査開始をどこまで追及して報じるのか。「オリンピックのため」という大義名分のもと、問題が覆い隠されてしまうのか。しかし、招致委員会の理事長だった人物が開催前に汚職関与で捜査が開始されるという異常事態は、もはや“黒いオリンピック”となることが決定づけられたようなもの。こんな五輪の開催には、反対の声をあげるほかないだろう。


辞任必至「竹田恒和」の正体
慶応同窓の電通元専務、高橋治之の丸抱えだった旧皇族出の人を官邸は見限った。はや後任が取り沙汰されて。
旧皇族出の据わりの良さだけで8期18年も日本オリンピック委員会(JOC)会長を務めるが、決断せずリスクを取らず、華々しい成功はない代わり失敗もない――。
JOC関係者の竹田恒和評をまとめれば、こうした可もなく不可もない人物像が伝わってくる。要は「お任せの人」だが、それが通用しなかったのが仏司法当局だった。
東京2020五輪招致委員会の理事長だった竹田は、影響力のあるIOC委員で国際陸上競技連盟(IAAF)前会長のラミーヌ・ディアクに対し贈賄工作をした日本の責任者として、12月10日にパリ大審院が予審手続きを取ったのだ。
ル・モンドのスクープ第一報を受けた東京五輪組織委の森喜朗会長は、日ごろは竹田と同席しても目さえ合わせないほど犬猿の仲なのに、言下に携帯で「竹田を守れ」と下知したという。永田町では美談だが、竹田がパリで被告席に立たされたら、東京五輪に前代未聞の汚点がつくからだろう。
竹田に贈賄工作をしたとの「自覚」はない。一方的に声明文を読み上げた1月15日の7分間会見で顰蹙を買ったのは、「俺は知らない」という“自負”からだろう。「知らない」のではない、耳を塞いでいるのだ。それが旧皇族出の狡猾なところである。
「俺は神輿役」といいとこ取り
問題のシンガポールのブラック・タイディングス(BT)社の送金についても、イアン・タン代表が32歳(当時)で、海千山千のIOC委員たちを籠絡できるような人脈と情報力があったとは思えないのに、「有能なコンサルタント」とシラを切る。実はディアクの息子と親しく、1回目の送金は、先に購入した高級時計代金に充てられIOC委員にばらまかれた模様だが、ツジツマが合わずとも、いざこざは部下に押しつけ、「俺は神輿役」といいとこ取りである。
彼を甘やかしたのが、電通スポーツ部門の総司令塔で元専務の高橋治之だ。実弟はイ・アイ・イの総帥として日本長期信用銀行を破綻に追い込み、1995年に背任事件で逮捕された高橋治則(故人)である。
高橋と竹田を結びつけたのが慶応義塾人脈である。竹田は竹田宮恒徳王の三男として47年に生まれ、明治天皇の曽孫にあたるが、幼稚舎からエスカレートで慶応大学に進んだ。次兄に三つ年上の恒治がいて、これが高橋の同級生だった。「兄の友人で先輩」の高橋は、だから気の置けない席では竹田を「カズ」と呼び捨てにする。
幼稚舎の頃から乗馬を始めた竹田は、72年ミュンヘン、76年モントリオールと2度の五輪で馬術代表となって出場している。76年モントリオールにクレー選手として出場した麻生太郎財務相とは「オリンピアンズ」仲間ということになる。
しかし広壮な旧竹田宮邸がプリンスホテルに売却されたように、戦後の旧皇族は台所が火の車。そこで74年、竹田は東京・小平市で精神病院を営む松見家の次女と結婚、「道楽スポーツ」の馬術に没頭できた。
「松見病院を率いていたのは、竹田さんの義母にあたるイクさん。有名な女傑で不動産事業にも進出、一時は相当に羽振りが良く、三越の外商がひとりイクさん専従でいたほど。元麻布には豪邸を建ててやり、竹田夫妻を援助し、何不自由ない暮らしをさせていました」(松見家関係者)
おかげで引退してからも指導者となって慶応馬術部のコーチ・監督を務める一方、84年ロサンゼルス五輪以降は日本選手団の監督、本部役員などで五輪に関わった。
ただビジネス面では順調といえなかった。79年、旅行代理店のエルティーケー(LTK)ライゼビューロジャパン(現せとうちLTKトラベル)の設立に参加、代表に就任するが、個人的人脈で細々と法人顧客を世話する状態が続いた。馬術の縁で理事長を務めた乗馬クラブのロイヤルホースライディングクラブ(栃木県)は、豪奢な調度に湯水の如くカネを遣った挙句、01年10月、親会社の倒産に連鎖して破綻した。
松見家にもバブル崩壊の波が押し寄せる。資産は次々に競売にかけられ、病院本体も苦境に陥った。渦中に竹田夫妻は別居、03年には離婚が成立、その後、竹田はLTK社員でスポーツ界重鎮の娘と再婚した。
当時、公私とも窮地の竹田を高橋が支えた。01年9月、JOC会長の八木祐四郎が死去。後任に竹田を推したのが高橋だった。
「後任を竹田さんに決めたのはJOC名誉会長の堤(義明)さんですが、それまで無給で名誉職だった会長ポストを1500万円の有給職にしようと奔走したのは高橋さん。『カズが大変なんだから仕方ないだろ』と言っていたそうで、LTKにも電通スポーツ局の海外出張の仕事を回してカネを落としていました」(JOC関係者)
電通スポーツ利権のお先棒担ぎ
そのころの高橋は電通のスポーツ利権を牛耳り、飛ぶ鳥を落とす勢い。執行役員、常務、専務と出世街道を驀進した。竹田は電通丸抱えのJOC会長として、そのスポーツ利権のお先棒を担いだ。高橋は汐留と仙石山の高級ステーキレストラン「そらしお」のオーナーだが、常連の竹田と優雅にグラスを傾ける光景がよく見られた。
だが、本誌の執拗な追及と東京五輪買収疑惑で、高橋は表に立つことがなくなった。カネに汚いディアク父子を手なずけるのは本来、“汚れ役”の高橋の役目なのだが、JOCの“お手盛り”調査報告書でも、フランスに要請された捜査共助報告書でも、どこにも彼の名は記されていない。
しかし、難題は「お任せ」で鉄面皮を通す竹田流はもう限界だろう。「説明責任を果たすべきだ」との官房長官コメントは、すでに首相官邸に見限られたことを意味する。新天皇即位の年に明治天皇の曽孫のスキャンダルなど願い下げなのだ。
早くも6月のJOC会長改選前に竹田が辞意を表明するとの観測から、後任が取り沙汰され始めた。山下泰裕・全日本柔道連盟会長や麻生太郎、橋本聖子の名が挙がる。
フランス国歌ラ・マルセイエーズに次ぐ第二の革命歌サ・イラは歌詞が残酷だ。
Ah! ça ira, ça ira, ça ira!
Les aristocrates à la lanterne!
意味は「ああ、それ、それ、それ! 貴族どもを街灯に吊るせ」。フランスはそういう国だ。殿下、お覚悟を。(敬称略)


籠池氏が久々の爆弾発言「昭恵付職員が財務省室長と面会」
 学校法人森友学園の籠池泰典前理事長が久々の爆弾発言だ。
 18日、国会内での野党合同会合に出席し、2015年11月、学園が借りていた国有地の賃料引き下げについて、安倍昭恵首相夫人付の政府職員だった谷査恵子氏から「財務省国有財産審理室長と会って話した。これで前に進んでいきます」と電話で連絡を受けたとブチまけた。
 政府はこれまで、学園側の依頼を受けた谷氏から同月10日、財務省に電話があり、12日に田村嘉啓国有財産審理室長(当時)が折り返して電話で「減額措置には応じられない」と回答したと説明してきた。
 野党は、今回の籠池発言が事実なら、政府の説明と食い違いが生じるとして追及する構えだ。


患者殺害の罪で服役 再審認める
16年前、滋賀県東近江市の病院で、人工呼吸器を外して患者を殺害したとして懲役12年の刑が確定し服役した元看護助手の女性について、最高裁判所は再審=裁判のやり直しを認めました。
これにより、今後、やり直しの裁判が開かれ、無罪となる公算が大きくなりました。
平成15年、滋賀県東近江市の湖東記念病院で72歳の男性患者が死亡しているのがみつかり、看護助手だった西山美香さん(39)は、人工呼吸器を外して殺害した罪で懲役12年の刑が確定し、おととしまで服役しました。
西山さんは無実を訴えて、平成24年に2度目となる再審を申し立て、おととし12月、大阪高等裁判所は「患者が不整脈などの病気で死亡した可能性があり、自白だけで人工呼吸器が外されて死亡したと認められるほど、自白の信用性が高いと言えない。犯人だとするには、合理的な疑いが残る」として再審を認める決定を出しました。
これに対して検察が特別抗告していましたが、最高裁判所第2小法廷の菅野博之裁判長は、19日までに、退ける決定をして再審を認めました。
今後、大津地方裁判所でやり直しの裁判が始まり、無罪が言い渡される公算が大きくなりました。
【西山さんと弁護団が会見】
最高裁判所が再審を認める決定をしたことを受けて、西山美香さん(39)と弁護団が19日夕方、大津市内で記者会見しました。
このなかで西山さんは、「勤め先に母親から電話があり、涙声で再審開始決定が出たと聞き、うれしかったです。えん罪で刑務所に入らなければならず、つらいことがたくさんありましたが、再審決定をいただくことができました。わたしはまだ無罪判決をもらっておらず、これからも頑張るので、ご支援をお願いします」と述べました。
また、井戸謙一弁護団長は、「本件はえん罪であることが明らかなのに、西山さんは逮捕されてから刑務所を出るまで13年以上も拘束され、現在も殺人犯の汚名を着せられたままだ。検察は今回の決定をしんしに受け止め、再審公判で有罪の主張をすることなく西山さんの無罪をすみやかに確定してほしい」と述べました。
そして元の裁判で有罪の根拠とされた『自白』について、「西山さんは取り調べをした警察官に気に入られるためにみずから考えて供述したのであり、録音録画などで可視化してもえん罪は防げない。司法に携わる者は、人はいろんな動機で簡単にうその自白をするということを肝に銘じ、ヨーロッパのように弁護士立ち会いのもとで取り調べをするなど、日本の刑事司法が抱える問題を考えないといけない」と指摘しました。
【西山さんの父親は】
再審が決まったことについて、西山美香さんの父親の西山輝男さんは、取材に対し、「本当に長い年月の末、再審が認められ、驚きと同時にばんざいという気持ちだ。私は100%、本当に無罪だと思っています」と話しています。
【弁護士は】
再審が決まったことについて、西山美香さんの弁護団の1人、池田良太弁護士は「ほっとした。ここにくるまであまりにも時間がかかり、西山さんが不安な気持ちになっていたこともある。再審では、つくりあげられたような事件であることをはっきりさせてほしい。西山さんが無罪だという判決が下されることを期待している」とコメントしています。
【最高検コメント】
最高検察庁の落合義和刑事部長は「決定を厳粛に受け止め、再審公判において適切に対処したい」とするコメントを出しました。
【服役 2度目の再審請求で】
平成15年5月、今の滋賀県東近江市にある湖東記念病院で、当時72歳の男性患者が死亡しているのが見つかりました。
「患者の人工呼吸器のチューブが外れていた」という証言があったことから、警察は業務上過失致死の疑いで捜査を始めました。
その1年余り後、病院の看護助手だった西山美香さんが殺人の疑いで警察に逮捕されました。
任意の取り調べで、「意図的に人工呼吸器のチューブを外し、患者を殺害した」と自白したことがきっかけになりました。
裁判で西山さんは、「精神状態が不安定でうその自白をした」として、無罪を主張しました。
しかし、1審の大津地方裁判所は、「捜査段階の供述は詳細かつ具体的で信用性が極めて高い」として、懲役12年を言い渡し、平成19年5月、最高裁判所で確定しました。
西山さんは、和歌山刑務所に服役していた平成22年9月、1度目の再審請求を行い、最高裁まで争いましたが、認められませんでした。
その後の平成24年9月、西山さんは2度目の申し立てを行い、2年前、大阪高等裁判所は、再審=裁判のやり直しを認める決定をしていました。
大阪高裁は、医師による鑑定書など新たな証拠から、男性患者の死因について、人工呼吸器が外れて酸素の供給が途絶えたためとは断定できず、不整脈による病死だった可能性があるとして、事件性そのものが疑われるという判断を示していました。


滋賀湖東事件の再審開始が確定 最高裁 元看護助手の全面無罪の公算大
 滋賀県東近江市の湖東記念病院で人工呼吸器を外して男性患者を殺害したとして、殺人罪で懲役12年が確定し服役した元看護助手、西山美香さん(39)=同県彦根市=の再審請求審で、最高裁第2小法廷(菅野博之裁判長)は18日付で検察側の特別抗告を棄却する決定を出した。「患者は自然死した疑いがある」として、事件だったかどうかが疑わしいと判断した大阪高裁の再審開始決定(2017年12月)が確定した。今後、大津地裁で裁判がやり直され、西山さんは全面無罪となる公算が大きい。
 殺人事件での再審開始確定は、熊本県宇城市(旧松橋町)で起きた「松橋事件」で最高裁が昨年10月に決定して以来。再審請求審で、検察側の主張が相次いで最高裁に退けられる形となった。
 小法廷は決定で、検察側の特別抗告は憲法違反や判例違反などの「抗告理由に当たらない」と述べた。裁判官3人全員一致の意見。【伊藤直孝】


無実へ前進、西山さん「うれしい」 湖東病院事件で再審確定
「無実への扉」がさらに開いた。「再審請求をやめずに頑張ってきて、うれしかった」。最高裁が検察側の特別抗告を棄却したことが判明した19日、元看護助手の西山美香さん(39)は、会見で涙ながらに喜びを語った。13年超に及んだ勾留、服役後も一貫して冤罪(えんざい)を主張してきた西山さんは、笑顔の支援者に囲まれ、再審への決意を新たにした。
 再審請求をやめたい。普通の日々に戻りたい−。西山さんは、再審請求をしながらも、そんな思いにさいなまれてきた。
 2017年8月、刑期を終えた西山さんは、和歌山刑務所を出所した。同年12月、大阪高裁は再審開始を決定した。働きたい。しかし、就職活動で履歴書の十数年に及ぶ空白について問われ、事件のことを話すと、不採用が続いた。
 そんなとき、主任弁護士の井戸謙一弁護士にぐちを聞いてもらった。弱音をはくと、父の輝男さん(77)に「殺人の汚名を着せられたままでええんか」と叱られた。「上を向いて歩こう」「ひどい目にあったね」。近所の人たちにも支えてもらい、歩み続けた。
 吉報を聞いたのは、ようやく見つけたリサイクル業の仕事中。会社の上司から「お母さんから電話だよ」と声が掛かった。
 「再審開始決定出たで」。母は泣いていた。びっくりしたが、うれしかった。井戸弁護士に電話すると「おめでとう」と言われ、喜びが一層こみ上げた。
 まだ、仕事内容が、刑務所での作業と重なり、いやな記憶がよみがえることもある。ただ働けることと趣味のネイルアートが楽しい。マイカーで両親をドライブに連れて行きたい。
 かつて、自分に有罪を言い渡した法廷は「どよーんとした空気」(西山さん)で、緊張して発言しにくいという。でも、西山さんは、かつて恋愛感情を抱いた刑事が出廷すれば聞きたいことがある。殺人罪で起訴された後、その刑事が拘置所の西山さんに会いに来た。法廷で供述を変えないよう、けん制しに来たのではなかったか。「面会に来た理由を聞きたい」と強く語った。


田崎スシローが望月衣塑子記者を「トンチンカン」と攻撃し菅官房長官を露骨擁護で、官邸の代弁者丸出し
 菅義偉官房長官の定例記者会見における東京新聞・望月衣塑子記者への“恫喝・排除”文書問題は、いまなお官邸が撤回しないばかりか、さらに望月記者への攻撃が激化している。
 先週14日には記者への弾圧に反対する抗議行動が官邸前でおこなわれ、記者を含む約600人が「記者いじめやめろ!」と声を上げたが、一方、翌15日の記者会見で菅官房長官はこう言い放った。
「事実に基づかない質問を平気で言い放つことは絶対に許されない」
 何度でも言うが、「事実に基づかない」言いがかりを付けているのは官邸のほうだ。問題の発端となった昨年12月28日に内閣記者会に提示した“恫喝”文書では、同月26日の記者会見で望月記者が辺野古の新基地建設工事について質問したなかで「琉球セメントは県の調査を拒否している」と述べたことを「事実誤認」とし、菅官房長官も「琉球セメントは県の調査は拒否していない」と言い張っているが、実際には、赤土混入の疑いが強いことに対して沖縄県が求めている立ち入り検査は岩屋毅防衛相が1月22日に「現時点で必要ない」と拒否したように、いまなお実施されていない。「事実に基づいて」いない理由をでっち上げて記者を平気で排除しようとする官邸こそ、絶対に許されないものだ。
 だいたい、菅官房長官は加計問題で「総理のご意向」文書の存在が報じられた際には「怪文書みたいなもの」と述べたが、その後の再調査で怪文書などではなく文科省で作成された文書であることが確認されるにいたった。記者の質問のなかに間違いがあれば官房長官がその場で訂正すれば済むが、政府が嘘の説明をおこなうなど、言語道断の行為。しかも、「怪文書」などとあきらかに信憑性にケチをつけて貶めようとしたのだ。
 官房長官が「事実に基づかない説明を平気で言い放つ」という事実こそ大問題なのだが、しかし、この鉄面皮の官房長官を、またもあの人が必死で擁護した。「安倍政権の代弁者」である田崎“スシロー”史郎氏だ。
 田崎氏は16日に放送された『上田晋也のサタデージャーナル』(TBS)に出演。同番組では望月記者の排除問題と、前述した官邸前抗議行動の模様を大きく取り上げ、さらに例の赤土混入疑惑をめぐる調査拒否の質問をした日の会見の様子も紹介。質問をしはじめてたったの8秒で「簡潔に」と望月記者が妨害を受け、菅官房長官も望月記者に対して「あきらかに不快な顔」を見せている場面を放送した。
 これには司会のくりぃむしちゅー・上田晋也も「菅官房長官、不快感を露わにと言いましょうか、もう喧嘩腰と言ってもいいような態度でしたね」と言い、コメンテーターの千秋も「あんな態度悪くしていたら、全部流れて、あとで何か言われるの、わかっていますよね?」「気にしないんですかね?」と疑義を呈した。
 だが、ここで田崎氏が「それは気にはしていますよ」と菅官房長官の心情を代弁した上で、こう述べたのだ。
「やっぱり、あの記者(望月記者のこと)の質問の仕方、内容が、トンチンカンであるという気持ちが強くて、はっきりモノ言っておこうと」
「2〜3年前からずっと菅官房長官と女性記者のやりとりはつづいているんですね。だからいま起こったことじゃなくて、ずっと積もり積もったことがあって、そこで『いいかげんにしてくれよ』という気持ちだっただろうと思いますね」
官邸の圧力文書を「目くじら立てるものじゃない」、田崎はそれでも元記者か
 質問内容がトンチンカンも何も、さっきも述べたようにこのときの望月記者の質問内容には間違いもないし、要点を押さえた簡潔なものだった。しかし、田崎氏は「望月記者はいつもトンチンカンなことばかり質問している」かのように印象付けたのである。
 また、田崎氏は、望月記者のことをこうも評した。
「記者本人のあり様として、ちょっと記者本人が目立ちすぎるなって感じがするんですね。僕らは訊き質すが仕事ですから、やっぱ相手から訊き出さなければならないときに、自分が目立っちゃうというのはどうかな、と」
 望月記者が会見のなかで“目立つ”のは、まわりの記者とは違い物怖じすることなくストレートにズバズバと政権の問題に切り込むからで、むしろ問題なのは、望月記者が浮いてしまうくらい官房長官会見が“空気を読む場”になってしまっていることのほうだ。そもそも、安倍首相の“スポークスマン”となっている田崎氏が「僕らは訊き質すが仕事ですから」とは……。
 だが、「訊き質すが仕事」と胸を張る一方、田崎氏は唖然とするようなことも口にした。問題の発端となった官邸が出した申し入れ書について、内閣記者会が「事実上無視している」点や、いまも望月記者が会見に出席している点を挙げて、「だから、目くじら立てるほどの文書か、とも思いますよ。はい」と述べたのだ。
 言っておくが、田崎氏は曲がりなりにも時事通信社で政治記者を経験した人物である。そして、官邸が出した申し入れ書は、事実上“望月記者に質問させるな”“あいつをどうにかしろ”と官邸記者クラブに圧力をかける内容だった。つまり、都合の悪い質問をする記者は許さないという官邸からの恫喝にほかならないのに、それを「訊き質すが仕事」と自認する元記者が、「目くじら立てるほどのものじゃない」などと言ってのけたのである。
元TBS政治部長の龍崎孝は菅官房長官の姿勢を「権力の思い上がり」と批判
 さらに、スタジオトークでは、望月記者に対する質問妨害について“ほかの記者にも発せられているのか”と質問を受けると、田崎氏は「ほかの記者にはしていないと思う」と言い、こうつづけた。
「官房長官、非常にお忙しいですから、にもかかわらず記者会見は時間制限なしでやっているんですよ。それが決まりになっているんですよ。それで、その行為に、あの〜、乗じて何かをしようとすると、こういうふうな軋轢が起こってくるってことですね」
 忙しいなか時間制限なしで質問を受けてくれているというのに、それにつけ込んで空気も読まずに質問を浴びせるから軋轢が生まれるんだ、と田崎氏は言いたいらしい。ようするに、「お上に楯突くな」というわけだ。
 よくもまあこれでジャーナリストを名乗れるものだと呆れるほかないが、一方、同番組では元TBS政治部長の龍崎孝氏が「記者が質問することのどこが問題なのかと。私は問題なんてものはないと、なんでも訊いていいんだと(思う)。それを問題だと決め付けることが、権力の思い上がりに近づいていく」と指摘。また、この問題の見え方が〈権力に臆さない記者vs突き放す政府〉というものと、〈非常識な記者vs冷静な政府〉というものに分かれていると言及した。
 この〈非常識な記者vs冷静な政府〉という図式こそ、菅官房長官が筆頭になってつくり出し、産経新聞が煽り、そして今回、田崎氏がこの放送で必死に広めようとしたものだ。だが、最初にも述べたように「事実に基づかない説明」で記者を排除しようとしているのは菅官房長官であり、〈非常識〉なのは官邸のほうなのだ。
 しかし、〈非常識な官邸〉の実態を大きく取り上げるメディアは少なく、とくにテレビは掘り下げることもなくほとんどスルーしている。そうやって、「知る権利」という権利意識が国民のなかから薄れ消えてゆくのを、安倍政権は待っているのだろう。


ゲラー東大名誉教授が地震予知批判 「南海地震は神話」
「日本政府の言う『30年以内に南海トラフ(海溝)で巨大地震が発生する確率が80%』などというのは“神話”です」
冒頭から刺激的な発言が飛び出した。2月13日に東京・丸の内の日本外国特派員協会で行なわれたロバート・ゲラーさんの会見。東京大学名誉教授で地震学者のゲラーさんは、地球の内部構造の解析が専門だが、20年以上前から「地震は予知できない」という論文を発表。1978年に「大震法」(大規模地震対策特別措置法)を制定した日本政府の地震政策に対して「現実的ではなく科学的でもない」とする批判的な言動を繰り返してきた。
いわゆる「予知派」の学者だけでなく、政府の掛け声の下、東海地震や南海地震への警戒を呼びかけるマスコミからは、あまり快く思われていないようだ。近著の『ゲラーさん、ニッポンに物申す』(東京堂出版)でも、〈「地震予知」という幻想〉〈止まらない研究不正〉〈知られざるアメリカの正体〉など、歯に衣着せぬ痛烈な批判を展開している。
ゲラーさんは予知と予測の違いを説明した上で「短期的予知は不可能だし、長期的予測も不可能」と指摘。「周期説は成り立たず、統計的な優位性はないのです。日本政府は過去40年間も“予知”ができるかのように偽り続け、それを国内メディア、特にNHKが誇張してきた」とし、2002年の「東南海、南海地震(略)特別措置法」成立の際に政府が発表した南海地震の危険性を示すマップを紹介。
「赤色が危険で黄色が安全。太平洋側の東海地方を中心に広い地域が赤色になっていますが、その後起きたのは、皆さんご存知のように11年の東日本大震災、16年の熊本地震、18年の北海道胆振東部地震で、いずれも『安全』であるはずの黄色の地域です。赤色の地域では何も起きていません。このマップと現実はあまりに違う。これは科学者でなくてもわかる、明らかな事実」と説明した。
ゲラーさんはまた、「2万人近くの死者・行方不明者を出した東日本大震災ですが、東京電力が津波の危険性をわかっていれば原発事故は防げたのではないか。南海地震を危険視しすぎたことによる弊害とも言える」と指摘したが、地震のリスクがあると認めた上での自身の「条件付き原発再稼働容認論」については触れなかった。
【「さすがNHK!」】
ゲラーさんは結論として「こうしたハザードマップを使ってはいけません。メディアもこれで警戒心を煽るのはやめた方がいい。何十年に一度、100年に一度起きるとかの周期説も間違っているので廃棄しなければなりません。仮説が検証できなければ廃棄するのが科学。日本は間違いなく地震大国ですから〈いつでも、どこでも起こりうる〉というのが真実です。ある地域が他の地域に比べて地震発生の確率が高いと言うことはできない。どの地域でもリスクがあると認識すべき」と強調した。
なぜ他の地震学者はその説を受け入れないのかとのメディアからの質問に対し、ゲラーさんは「利権が絡む」とし「研究資金の恩恵も受けられず、政府の審議会にも呼ばれない」と即答。話題がNHKに及ぶと、「私が最後に呼ばれたのは94年8月の『クローズアップ現代』。2012年10月にはNHKラジオの1時間の番組から声がかかったが、前日になって突然『形式を変える』と言われ、予知派の学者も出演することになったと。私がそれはないでしょうと断ると、結局、予知派の学者1人の出演となった」と明かし、「今日(の会見に)はNHKの記者はきていますか?」と問いかけ、会見場から何も反応がないのを見ると、「さすがNHK!」と笑わせた。
ゲラーさんは最後に「『3・11』の時期に合わせ、南海トラフの報道が出てくると思う。しかし、日本ではいつでもどこでも地震が起こりうるという真実を、皆さんにきちんと伝えてほしい」と訴えた。
なお、この会見から8日後の2月21日には昨年9月に続き、「安全」なはずの北海道胆振地方で震度6弱の地震が発生した。(片岡伸行・記者、2019年3月8日号)

バイキングでフワ/病院で検査/神社でクタクタ

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アメリカフェアスーパー玉出190226

Mort de Yuya Uchida, star du rock japonais et acteur chez Ridley Scott et Oshima
Au Japon, il était connu comme un pilier de la contre-culture, un mélange de Kim Fowley pour le flair de businessman, Robert Plant pour la voix et Frank Zappa pour les idées longues. Né en 1939 à Kobe, Yuya Uchida fut parmi les premiers, avec Mickey Curtis, à s'intéresser à la chose rock'n'roll dans l'archipel, en solo puis avec divers groupes dont les Blue Jeans ou George Tagawa and the Double Beats, après la découverte d'Elvis Presley. En 1965, il fut choisi pour assurer la première partie des Beatles au Budokan de Tokyo (et enregistra même une chanson spécialement pour l'occasion titrée Welcome Beatles), concert qui allait lancer la vague ≪Group Sounds", à mi-chemin de nos yéyés et de la British Invasion au Royaume-Uni.
Mais c'est avec les psychédéliques Flowers, formés après une errance de trois mois en Europe en 1967 et les découvertes, sur scène à Londres ou Paris, de Jimi Hendrix ou Led Zeppelin, que Yuya Uchida trouva sa voix : celle, perçante et écorchée, d'un frontman de heavy rock anglophile (contrairement à d'autres pionniers comme Haruomi Hosono, qui préférait le chant en japonais). Plus arty encore, le Flower Travellin' Band, fondé dans la foulée, allait devenir l'équivalent du Jefferson Airplane à Haight-Ashbury : un collectif ouvert à géométrie variable, ouvert à tous les vents et toutes les expériences, que la route sinueuse allait mener jusqu'au Canada. Le reste de la carrière d'Uchida fut remplie et mouvementée, faite d'expériences musicales diversement heureuses, d'apparitions au cinéma (dans Furyo de Nagisa Oshima ou Black Rain de Ridley Scott pour les films les plus connus en occident) et même d'un début de carrière politique, dans les années 1990. Yuya Uchida avait 79 ans. Il suit de peu sa femme Kirin Kiki, comédienne chez Hirokazu Kore-eda disparue en 2018, avec qui il vivait séparé depuis 1975.
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NHKスペシャル「崖っぷちでもがんばっぺ〜おかみと社長の奮闘記〜」
岩手県釜石の浜辺にある旅館おかみの岩崎昭子さん。津波をかぶり九死に一生を得た。震災の1年後に国からの補助金で旅館を再建。直後はボランティアなどで宿はにぎわったが、8年たった今、客足が遠のき始めている。そして今、猶予されていた補助金の返済も迫る。宿の改革に挑むが壁が立ちふさがる。また水産加工会社社長の挑戦の裏に隠された亡き家族への思い。泣き、笑い、苦悩しながら奮闘するおかみと社長の密着ドキュメント。 室井滋
NHKスペシャル 廃炉への道2019「核燃料デブリとの闘いが始まった」
メルトダウンした3つの原子炉を「廃炉」にする、世界でも例のない取り組みを記録するシリーズ「廃炉への道」。事故から8年、廃炉最大の“壁”である「核燃料デブリ」に、初めて直接触れる調査が行われた。番組では、東京電力や技術者たちを徹底取材。「デブリの正体」に迫っていく。廃炉作業が進む一方で、いま原発の周辺では住民の帰還が進んでいる。地元の住民はどんな思いで、廃炉をみつめているのか取材する。
“初めて”の帰郷 ある被災者の震災8年
東日本大震災の発生から8年。この間、被災地にあるふるさとにずっと帰れずにきた女性がいる。心の中にあったのは、あの日一緒に避難し亡くなった祖父母のこと。震災後上京し東京で働く中でも、なぜ救えなかったかと自らを責め続けてきた。その女性が震災8年を前に、ふるさとに帰る決断をした。ずっと抱え続けてきた思いとどう向き合ったのか。1人の女性の姿を通して、震災8年を見つめる。
いとうせいこうさん (作家・クリエイター) 武田真一 (キャスター)

こたつぬこ @sangituyama
そもそも維新の党が台頭したのは、橋下の人気だけではなく、小泉構造改革の流れを継承したからですよね。それがもうウケなくなっていくなかで、安倍政権の道具になり、ますます支持が得られなくなり、大阪だけに収縮した。で、いまさら反自民とかいいだしているが、時すでに遅し。
だから、維新の党が凋落して立憲民主党が台頭したのは日本政治の大きな転機なんですよね。新自由主義ポピュリズムが凋落して、リベラルなポピュリズムが台頭したのは。大阪ダブル選はまさにこの軌道に大阪も乗るかどうかが問われているわけです。
かつて維新の党は、民主党/民進党に対して「既得権益」と批判して票をのばしたわけです。しかし立憲民主党に対してその批判が無力なことはみてのとおり。大阪ダブル選ではこのことを踏まえるのはかなり重要だと思います。


半ドンと聞いてたので,12時過ぎくらいに連絡があるかと思っていましたが,実際には2時半くらいでした.近くのカレー屋さんは閉まっていて駅まで出かけました.バイキングでフワ.さつま汁など.食べ過ぎたかも.
その後病院で検査に付き合いました.とても痛かったそうです.
近く?の神社にということで歩きました.全然近くないです.クタクタです.
お風呂に入ってもらったのは夜11時近くでした.

彼岸の入り 津波被害の寺に墓参り
 彼岸の入りの18日、震災の津波で被災した仙台市内の寺には多くの人が訪れ、亡くなった家族や先祖に手をあわせています。
 震災の津波で被災した若林区荒浜の浄土寺です。18日朝は津波で家族を亡くした人などが次々と訪れ、花を供えたり線香をあげたりして手を合わせていました。
 18日の宮城県内は各地とも穏やかに晴れ、午前11時の気温は最も高い登米市米山で10.8度など、すでに10度以上の所もあります。


<震災8年>名取・美田園仮設で「同窓会」 仲間の再会に笑顔
 東日本大震災で被災した名取市閖上地区の住民らが身を寄せた美田園第1仮設住宅の同窓会「達者で再会できる喜びに感謝する会」が17日、同市下増田公民館であり、参加者は共に過ごした仮設住宅での思い出話に花を咲かせた。
 元住民やボランティア関係者ら約150人が参加。弁当を食べたり、ゲームに興じたりしたほか、ステージ上でダンスなどの出し物を披露した。参加者は互いの暮らしぶりや健康を気遣いつつ、久しぶりの会話を楽しんだ。
 感謝する会は今年で2回目。主催した仮設住宅自治会の会長高橋善夫さん(76)は「みんな元気で何より。災害公営住宅は抽選入居だったので、仮設と違って隣近所が分からない。こうしたイベントをやるのはいいことだ」と話した。
 美田園第1仮設住宅はピーク時に128世帯、約270人が暮らした。今も5世帯、約15人が残るが、市内の災害公営住宅の全戸完成などを受け、今月末までに退去するという。


<縮小の先へ 被災地と人口減>第3部 インフラ 土地区画整理/空き地解消 地域で格差
 東日本大震災の被災地で、住民の生活に欠かせない交通機関や公共施設の復旧復興が急ピッチで進められている。将来に向けて維持できるのか。利活用は計画通りに進むのか。加速する人口減少を前に、被災地の試行錯誤が続く。第3部は「インフラ」をキーワードに課題に向き合う姿を追った。
 国費約150億円を投じて造り上げた新たな市街地に、多くの空き地が広がる。
 岩手県大槌町中心部の町方地区は東日本大震災の津波と火災で壊滅した。現地に自宅を再建したNPO法人理事長臼沢良一さん(70)は「震災前は家が立ち並び、外を歩けば知り合いが何人もいたのに」と嘆く。
<戻らない地権者>
 町は土地区画整理事業で町方に30ヘクタールの平地を整備。2018年7月時点で、宅地用510区画の半数超が明確な利用策が決まっていなかった。造成に時間がかかった上、津波浸水域であることが地権者が戻らない理由とみられる。
 町方には震災前、約4000人が暮らしていた。災害公営住宅を含めた2100という町の計画人口に対し、居住者は1107人にとどまる見込みだ。
 帰還を促進するため、町は宅地引き渡し後に2年以内に家を建てた場合、100万円を支給する制度を設けた。18年7月時点で町方の完成・着工済みの住宅は142戸となり、前年同期比で約2倍となった。
 ただ、カンフル剤の効果は一時的だった。1年前はあちこちで見られた住宅の新築風景は、今では数えるほど。地権者と購入希望者らをマッチングする「空き地バンク」に今年1月現在、57カ所の土地が登録されたものの、空き地解消の決定打にはなっていない。
 町総合政策課の藤原淳課長は「人口減少が進み、土地の需要が今後増える見込みは低い。巨費を投じたのに歯がゆい」と表情を曇らせる。
 土地区画整理事業は、地権者の合意に基づき土地の区画を整える再開発の手法だ。被災地では市街地の整備を目的に適用された。
<好立地 4社進出>
 岩手、宮城、福島の被災3県では計50地区で計画され、現時点で国費約4200億円が投入される予定だ。35地区で造成が終わったものの、人口の集積度や利便性が明暗を分ける。
 津波で多数の漁船が打ち上げられた気仙沼市鹿折地区では、宅地や商工業用地154区画が整備された。飲食店やドラッグストアが並び、新市街地の形が徐々に見えてきたが、6割近い約90区画は利用の見通しが立っていない。
 地元の不動産業藤野愛一郎さん(65)は「宅地の復興需要は3年ほど前に落ち着いた。資材や人件費が高騰し、土地を購入してまで住宅を新築する意欲がある住民は少ない」と説明する。
 一方、名取市閖上東地区は企業の注目を集める。
 市は土地区画整理事業で産業用地15ヘクタールを造成した。昨年12月に4区画で進出企業を公募したところ、2月中旬までに食品製造業など4社の進出が決まった。
 今月末に開通する市道を通れば、仙台東部道路名取インターチェンジまで約3分。人口108万の仙台市に隣接し、仙台空港まで5キロという立地が強みだ。
 山田司郎市長は「交通アクセスの良さが好評だ。閖上に新たな街ができつつある状況を見て、企業は津波被災地であることを気にしなくなっている」とトップセールスに自信を深める。
 震災で人口減少に拍車が掛かった三陸沿岸の被災地と、逆に人口集積が進む都市部の被災地。復興の格差が広がり続ける。


内田裕也さん死去 悲しみの声
日本のロックの黎明期に歌手として活躍し、17日、東京都内の病院で亡くなった内田裕也さんは、東日本大震災の被災地、石巻市を復興支援のため、たびたび訪れていました。
当時、勇気づけられたという人からは、悲しみの声が聞かれました。
内田さんは、「石巻の石はロックで巻はロール、英語でいうとロック&ロールのまちだ」として、震災発生後の平成25年と26年、石巻市を訪れ、復興支援のライブを行いました。
市内のライブハウス、「BLUERESISTANCE」で行われたライブの入場料は、ロックにちなんで690円に設定され、当日は市内の人などおよそ100人が訪れたということです。
ライブハウスには、いまも、内田さんのサインと「ロックンロール」と書かれた木札が飾られています。
ライブハウスを経営する黒澤英明さんは、内田さんが亡くなったことについて、「ライブだけでなく、自転車で市内の被災した場所を見て回ってくれました。パワフルなロックンロールで、被災したばかりの自分たちを勇気づけてくれて本当にありがたかった。また来てくれる日を期待して待ち望んでいたので、とても寂しく残念です」と話していました。


震災で損壊・浪江の初発神社、にぎわい戻る 改修終え報告祭
 東日本大震災で本殿などが損壊した福島県浪江町北幾世橋の初発神社が改修工事を終え、完成記念の報告祭が17日に現地であった。縁日の出店やイベントもあり、多くの町民が久しぶりに顔を合わせて地域のよりどころの再興を祝った。
 県重要文化財指定の初発神社は、地震で社殿が大きく傾き、鳥居などが倒壊した。東京電力福島第1原発事故に伴う全町避難で2年以上、応急措置もままならなかった。県や町の補助を受けて昨年6月から本格的な修復を進め、年末に完成した。
 報告祭では拝殿で神事を行い、宮司の田村友正さん(72)が「一時は里から人々の姿が消え、再興は成し遂げられないのではないかと思った。地域の思いをつなぐ場として、新たなスタートと考えて頑張りたい」と述べた。
 境内では地元の芸能保存会が男神楽を奉納。特設ステージで雅楽の演奏や演舞などもあった。
 南相馬市などへの避難を経て昨年、神社近くの自宅を改築して戻った紺野鞠子さん(83)は「避難で氏子たちが県内外に散った。氏神さまが完成し、久しぶりに地区のにぎわいが戻って楽しい」と笑顔を見せた。
 神社再興に尽力した禰宜(ねぎ)の田村貴正さん(44)は「震災から8年。この日を目標に取り組んできたので感無量だ。心のよりどころとして多くの方に来ていただき、町の復興にもつなげたい」と話した。


統一地方選/政権の姿勢を問う選択だ
 第19回統一地方選は皮切りとなる21日の11道府県知事選告示が3日後に迫った。青森、秋田、山形を含む道府県議選も29日に告示され、ともに4月7日に投開票される。21日には市町村の首長、議員選の後半戦が投開票となる。
 今年は統一選、夏の参院選と続く12年に1度の「亥(い)年選挙」。地方自治の在り方を問うとともに、国政に民意を反映させる貴重な選択機会だ。
 地域ごとに政策課題は異なり、特有の争点はあるものの、地方活性化をうたってきた安倍晋三首相の看板政策は「共通争点」と言えまいか。
 首相は経済政策アベノミクスについて「景気回復の温かい風を全国津々浦々に届ける」と言い続けた。果たして現状はどうだろう。
 円安株高で大企業が潤う一方、家計に恩恵が及び消費が伸びたとの好循環は感じられない。政府の19年度予算案は景気対策の大盤振る舞いで初の総額101兆円台に達した。国の借金残高は1千兆円を超え、さらに膨らみ続ける。
 統計不正問題は政府の景気判断の信頼性に影響を与えている。共同通信社の電話世論調査(9、10日)によると、毎月勤労統計の調査方法変更を巡り首相官邸の意向が影響したとの指摘を否定する政府説明について「信用できない」は68.4%で「信用できる」の14.7%を上回った。
 地方創生も疑問符が付く。総務省の2018年人口移動報告によると、東京圏(埼玉、千葉、東京、神奈川)は転入者が転出者を13万9868人上回る転入超過で、前年比1万4338人の増だ。
 東京圏の転入超過は長期比較ができる日本人人口に限ると実に23年連続。東京一極集中が止まらない現状が改めて浮かぶ。政府は20年までに東京圏と地方の転出入を均衡させる目標を掲げてきたが、達成は困難だ。次期戦略に向け見直しは避けられまい。
 これらの看板政策を政党と候補者たちはどう評価するのか。足らざる視点を補う議論も必要だ。統一選で求められる論戦テーマである。
 戦いの構図を見ると、与野党ともに不安を抱える。自民党は保守地盤の福井、島根、徳島、福岡の4知事選で分裂選挙となる公算が大きい。参院選に向けた結束にしこりを残すことにもなりかねない。
 野党は知事選で唯一、与野党対決となる北海道の勝利に全力を挙げる。地方議員選では旧民主党分裂からの立て直しを図る立憲民主党、国民民主党が候補擁立で競り合う。
 1強多弱の構図に変わりはなく、自民の「お家騒動」は野党が強力な対抗軸になり得ていない「副作用」にも映る。
 東北では夏から秋にかけて岩手県知事選をはじめ、岩手、宮城、福島の県議選、仙台市議選が控える。参院選を挟み、地方から政権の是非を問う機会が続く。各党と候補者の主張に冷静に耳を傾け、政治の潮流を見極めたい。


森友事件/疑惑追及の幕は引けない
 学校法人「森友学園」への国有地売却問題が発覚して2年余り。国の隠蔽(いんぺい)体質の一端が司法によって初めて断罪された。
 学園がこの土地で計画していた小学校の設置趣意書の情報公開請求に対し、当初黒塗りで開示した国の判断は違法と大阪地裁が認め、国に慰謝料など5万5千円の支払いを命じた。
 国は、黒塗り部分には小学校の経営戦略が含まれ「公開すると学園の権利を害する」と主張したが、判決は「保守主義的な思想に根ざした教育を模倣しようとする他の法人が現れるとは考えがたい」と指摘し、「合理的な根拠がない」と退けた。妥当な判断だろう。
 秘密にするほどでもない内容を国が隠そうとしたのはなぜか。疑惑の核心はそこにある。
 判決は「漫然と不開示を決定した」としただけで故意とまでは認めなかった。多くの疑問は積み残されたままだ。
 問題の発端となった約8億円値引きされた土地の売却額についても国は当初開示を拒んだ。契約に関する決裁文書は、財務省が安倍昭恵首相夫人や政治家に関する記述を削除して国会に提出するなどの改ざんが明らかになっている。国が値引きの根拠とした土地の試掘資料で、業者が同じ地点の写真を使い回していたことも判明した。
 巨額の値引きは適正だったのか。誰が過去に例のない厚遇を指示したのか。官僚の忖度(そんたく)はあったのか。改ざんに手を染めてまで何を隠そうとしたのか。
 こうした疑問に政府はまともに答えようとしなかった。首相夫人の関与が疑われながら、解明に後ろ向きな安倍政権の責任は重いと言わざるを得ない。
 国会は今、統計不正問題の陰で森友問題の論戦が停滞している印象だ。引き続き真相解明に取り組み、行政を監視する役割を果たさねばならない。
 学園の前理事長夫妻の補助金詐取を巡る刑事裁判が今月始まった。起訴内容は疑惑の一部だが、全体像への足がかりになる審理が期待される。大阪地検が当時の理財局長らを不起訴とした判断の是非は検察審査会に委ねられた。
 あらゆる場で核心に迫る努力が必要だ。まだ追及の幕を引くわけにはいかない。


英のEU離脱延期 全力挙げて混乱回避を
 英国の欧州連合(EU)離脱を巡り、英下院は離脱合意案承認を条件に、6月末まで離脱を延期するとした政府動議を可決した。下院で2度否決された離脱合意案の3度目の採決が控えており、29日に迫る離脱期日を前に予断を許さない状況は続く。
 EUとの間で何の取り決めもないまま離脱する「合意なき離脱」となる可能性は、まだくすぶったままだ。合意なき離脱となれば英EU間に関税が復活し、激変緩和のために設けられるはずだった移行期間なしに英国はEUを離脱する。物流に重大な影響が出て、英国の経済活動や市民生活に大きな支障が出る恐れがある。
 英政府は合意なき離脱となった場合、輸入全体の87%(金額ベース)の関税を撤廃する方針を示している。何の対応もしなければEUなどとの間で急激に関税が上がる見通しとなっているが、そうした事態を避けるため、多くの品目で関税を設けず、輸入品価格の急上昇を防ぐ。しかしこれはあくまでも国内対策だ。
 欧州に進出する外国企業への影響は避けられない。英国に拠点を置く日本企業も対応に苦慮している。日産自動車とトヨタ自動車、ホンダは2018年に英国で計73万台の車を生産した。多くをEU諸国に輸出しており、離脱で関税が今の0%から10%になれば販売への打撃は必至だ。
 ホンダは21年に英国生産から撤退することを決め、トヨタも23年以降に生産をやめる可能性を明らかにしている。英国に進出する日本企業は中小も含め約千社に上る。関税による値上げ、それに伴う売り上げ減少など、懸念材料は尽きない。事業戦略の見直しは簡単ではなく、影響は計り知れない。
 英EUは18年11月、激変緩和のため20年末まで移行期間を設けるなどの離脱条件を定めた協定案で合意した。しかし英領北アイルランドと陸続きのEU加盟国アイルランドの国境管理に関する条項を巡り、英与党保守党の強硬派議員らが反発した。このため下院は合意案を1月と今月12日に否決した。
 合意案を20日までに可決すれば、6月末までの延期をEU側に求めることになっている。延期には21、22日のEU首脳会議での全加盟国による承認が必要だ。EU内には延長への異論もあり、メイ氏は党内調整に加え、各国首脳の理解を得る必要がある。
 最近の英国内の世論調査では、EU離脱を「誤り」とする人が49%で、「正しい」としたのは40%だ。離脱は16年6月の国民投票で決まった。国民も揺れ動いている。
 閣内不一致の原則が崩れるなど、英国政治の流動化が混迷に一層拍車を掛けている。影響は一国だけにとどまらない。離脱するにしても、英国は全力を挙げて混乱を回避するための努力を重ねる必要がある。


[強制不妊救済法案]被害回復にはほど遠い
 「不良な子孫」と差別され、「子どもを産み育てる権利」を奪われた被害への謝罪や補償としては極めて不十分だ。
 旧優生保護法のもと、障がい者らへの不妊手術が繰り返された問題で、与党ワーキングチームと超党派議員連盟が救済法案を決定した。今国会に提出し、4月中の成立、施行を目指すという。
 法案の柱は二つ。
 まず前文で被害者の心身の苦痛に「われわれは、それぞれの立場において、真摯(しんし)に反省し、心から深くおわびする」と明記。
 本人が「同意」したケースも含め、1人当たり320万円の一時金を支払う。
 中には入所する施設で、周囲の説得にあらがえず、同意したというケースもあり、対象を柔軟にとらえた点は評価したい。被害者の高齢化を踏まえれば、救済は一日も早い方がいい。
 ただ被害者・家族の会が「私たちの気持ちを尊重して、私たちが納得できる法律を」との声明を出したことからも分かるように、決定した法案は求めていた内容とは大きくかけ離れている。
 被害者らの要望が、「国」による謝罪という責任の明確化なのに対し、前文に盛り込まれた「われわれ」にはあいまいさが漂う。 
 与党ワーキングチームの田村憲久座長は「『われわれ』の中には国会と政府が色濃く入っている」と述べている。
 だとしたらなぜそう書かないのか。非人道的な政策が長く放置されてきたのだから、国による謝罪は当然だ。
    ■    ■
 一時金として示された320万円も、個人としての尊厳や権利を傷つけられた人たちに向き合う額としては、低いと言わざるを得ない。
 過去の優生政策に対し補償を実施したスウェーデンを参考にした結果とするものの、そもそも賠償基準が日本より低いことが指摘されている。
 現在、7地裁で20人が起こす旧法を巡る国賠訴訟の請求額は、1人当たり1千万円から3千万円台。救済の在り方で引き合いに出されるハンセン病元患者らへの補償金は800万〜1400万円だ。
 ハンセン病問題では隔離政策を違憲とした熊本地裁判決を機に、補償金支給法が施行された経緯がある。
 今後、一時金を不満とする追加提訴など、裁判で解決を目指す動きが高まる可能性もある。被害の実態を直視するのなら、早急に上積みを図るべきだ。
    ■    ■
 厚生労働省によると、不妊手術を受けた障がい者らは約2万5千人に上る。そのうち個人が特定できる記録は約3千人分しか残っていない。
 旧法が母体保護法に改正され20年余り。被害を見過ごし、問題を放置した結果、救済に必要な資料の多くが失われてしまったのだ。
 声を上げにくい問題である。同時にハンディを抱え情報が届きにくい環境にある人が少なくない。
 被害認定は幅広く行われるべきで、記録がない場合でも当時の関係者から聞き取りを行うなど、特別な配慮を求めたい。


強制不妊「救済」法案 国の責任なぜ明記せぬ
 過ちを認め、被害者に償おうという気持ちが本当にあるのか。そんな疑念が拭えない。
 旧優生保護法に基づき障害者らに不妊手術を強制していた問題で、与党の自民・公明両党の合同ワーキングチーム(WT)と野党を含む超党派議員連盟が被害者救済に向けた法案を正式に決めた。被害者へのおわびと一時金支給が柱だという。
 被害者は高齢化し、既に亡くなった人も少なくない。一日も早い救済が求められる中、法案がようやく国会提出の段階まで来たことは評価できよう。しかし根本的な問題があり、被害者に寄り添う姿勢には程遠い。
 同じような過ちを二度と起こさないためには、優生保護法を制定し運用していた国会や政府の反省が欠かせないはずだ。ところが法案は前文で「われわれは、それぞれの立場において、真摯(しんし)に反省し、心から深くおわびする」と記しているだけだ。
 「『われわれ』の中には国会と政府が色濃く入っている」とWTは説明する。ならばなぜ、素直に国と国会の責任と反省、謝罪を明記しないのか。「われわれ」では曖昧すぎる。
 そもそも1948年に施行された優生保護法は「不良な子孫の出生防止」を目的に掲げ、知的障害や遺伝性の疾患などを理由に本人の同意なしに不妊手術を施すことを認めていた。憲法の保障する基本的人権にも反しているのではないか。
 さらに国は80年代後半に「強制不妊手術は人道的に問題」として法改正を検討し、人権侵害の甚だしい強制手術を廃止する「試論」まで作っていた。
 廃止されたのは10年後の96年になってからだ。廃止されるまでに約2万5千人が不妊手術を受けた。うち1万6500人は強制的だったとみられている。
 そうした経緯を直視せず、責任を認めないのは、被害者に対する誠実さに欠ける。国が及び腰なら、きちんとした対応を迫るのが国会の役割だろう。
 不誠実さは、一時金を1人320万円にしたことにも現れている。WTは、同じような被害者に対してスウェーデンが払った補償金「17万5千クローナ」を参考に、物価の変動などを計算して320万円にしたという。
 しかし全国7地裁で起こされている国家賠償を求める訴訟では、請求額は1人1千万円以上で最高では3千万円台後半という。隔たりは大きい。「お金が欲しいわけじゃないが、あんまりだ」「手術で奪われた人生がこれだけの価値と言われたようで寂しい」。被害者が怒りや嘆きを深めるのも無理はない。
 スウェーデンが賠償金を払ったのは99年からだった。それから20年、何の救済策もとらなかった日本政府の「不作為」の責任はどう考えるのか。
 参院選をにらんで何とか間に合わせた、おざなりの内容が目立つ法案と言わざるを得ない。これでは「選挙目当て」と批判されても仕方あるまい。
 法案は4月中の成立、施行を目指し、国会に今後出される。優生保護法を議員立法によって全会一致で可決した負い目のある国会が、その反省に立つなら優生保護法の違憲性や国の責任と謝罪を明記するよう改正すべきである。中途半端な内容のまま通せば、被害者を再び裏切ることになりかねない。決して許されることではない。


強制不妊救済法案 被害者の訴えを深く受け止めよ
 長い間人権を踏みにじられてきた被害者の願いがほとんど反映されていない。これでは「救済」からは遠い。
 旧優生保護法下で障害者らに強制的な不妊手術が繰り返された問題で、与野党の超党派議員連盟は被害者への「おわび」と一時金320万円の支給を柱とする救済法案を正式決定した。来月、共同で国会提出し、成立・施行を目指す。高齢化が進む被害者らの早期救済のために、一歩踏み出したことは評価できる。だが、一時金の額や救済範囲、認定手続きについては、被害者側と大きな溝がある。
 特に問題なのは、最大の焦点だった「おわび」で、旧法の違憲性に触れないばかりか、謝罪の主体を「われわれ」としたことだ。誤った法をつくり施策を進めたのは、国会と政府だ。訴訟への影響を避けるため、責任を曖昧にすることは決して認められない。健康な体に手術を強いられ、子どもを産む権利を奪われた被害者に寄り添い、真の救済となる解決策をあらためて検討すべきだ。
 旧法は「不良な子孫の出生防止」を目的に、知的障害や精神疾患などの障害や病気がある人に不妊手術を認めていた。1996年に母体保護法に改正し、人権上重大な問題がある規定を削除したが、不妊手術を受けた人は2万5千人に上り、このうち1万6500人は、本人の同意もなかったとされる。県内でも49〜84年の間に、167人が同意なく手術されたことが判明している。
 昨年1月から被害者が全国各地の地裁で起こした国家賠償請求訴訟は、請求額が1人あたり1千万〜3千万円台で、救済案との隔たりが大きく、被害者から「納得できない」との声が上がる。今春にも最初の判決が出る予定で、結果次第では訴訟による解決を選ぶ被害者が相次ぐ可能性もある。「訴訟合戦」となり、救済案が有名無実化しかねないことを危惧する。被害者の声を真摯(しんし)に受け止めることが欠かせない。
 一時金の支給対象を被害者本人とし、故人や遺族を対象外としたのも疑問が残る。家族をつくることを許されなかった点では、配偶者も同様に被害者といえる。より広い範囲で救済を進めてもらいたい。
 手術を受けた人のうち、個人が特定できる記録は3千人分にとどまる。記録のない人は厚生労働省に設置される認定審査会が本人の証言や医師の所見などに基づき判断するが、厚労省は強制不妊を推進した旧厚生省を引き継ぐ組織であり、被害者側は公平性に疑問を呈している。独立した第三者機関を設置し、審査すべきだ。
 旧法の背景には優生思想があった。誤った考え方と決別するためにも、旧法の人権侵害と正しく向き合う必要がある。責任の主体を明らかにし、徹底的に検証することが不可欠だ。それを、社会に残るさまざまな差別を解消する第一歩としたい。


NZ銃乱射  憎悪の連鎖を断ち切れ
 憎悪と暴力の連鎖を断ち切るために、国際社会は結束を強めなくてはならない。
 治安の良さで知られるニュージーランド・クライストチャーチのモスク(イスラム教礼拝所)2カ所で銃乱射事件が発生し、少なくとも50人が死亡した。同国史上最悪の銃撃事件だという。アーダン首相は「テロ」と断定した。
 卑劣というだけではない。際だって異様な犯行である。容疑者は襲撃の際、「パーティーをはじめよう」と自身の頭部に着けたとみられるカメラで撮影しながら、ネット上で生中継していた。
 訴追された28歳のオーストラリア人の男は、声明で移民を「侵略者」と敵視している。
 2011年にノルウェーで計77人を殺害した極右の白人至上主義者から「大きな刺激」を受けたとしている。17年にロンドンで起きたイスラム教徒襲撃テロに触発されたという。
 他文化への偏見に基づいたヘイト犯罪が世界に広がっている。ネット中継は身勝手な思想をさらに拡散する狙いだったのか。断じて許すことはできない。
 ニュージーランドは白人と先住民マオリが住民の大半で、本来移民に融和的な「多文化主義」の国とされる。それだけに事件のショックは大きい。
 しかし、近年は移民の急増で住宅価格や家賃が高騰し、政権を担う労働党は17年の総選挙で「移民の抑制」を求めたという。
 気掛かりなのは、社会のそうした不寛容さの高まりが、今回の犯行の背景にあるのではないかということだ。
 移民や難民を排斥する動きは各地で増えてきている。トランプ米大統領はメキシコ国境への壁建設を強行しようとしている。欧州では移民の排斥を訴える極右政党が支持を広げている。
 格差の拡大や貧困で人々の不満が蓄積し、過激思想やテロの温床になっているとみられる。世界の政治リーダーは、人々が本来の思いやりを取り戻すために社会をどう見直すのか考えるべきだ。
 偏見をあおって支持を集めるのは、もってのほかではないか。
 排他的な風潮は社会を悪化させて、ますます生きづらくなるという認識を共有したい。求められるのは共生のための知恵だ。
 日本でも、ネットなどで依然としてヘイト的な言論が見られる。人々に鬱屈(うっくつ)した感情を募らせないために、何が必要なのかが問われている。


[NZ銃乱射] 「反移民」感情が背景か
 欧米諸国が直面している移民問題が、およそ大規模テロとは無縁と思われた南半球のオセアニアにまで波及したことは衝撃である。
 ニュージーランド南島の最大都市、クライストチャーチでおととい、モスク(イスラム教礼拝所)2カ所が襲撃され、銃の乱射によって49人が死亡し、約40人が負傷した。
 警察は3人を拘束し、このうち殺人容疑で訴追した28歳のオーストラリア人の男は移民を「侵略者」と呼び、敵視する声明を残していた。
 詳しい動機の解明は今後の捜査を待たなければならないが、過激思想に基づきイスラム教徒を標的としたテロとみられる。
 敬けんな祈りの場を襲った残忍な犯行を断固として非難する。国際社会は協調し、事件の連鎖を許さない決意と姿勢を示さなければならない。
 ニュージーランドは白人と先住民マオリが住民の大半を占め、もともと移民に融和的な社会として知られる。
 しかし近年、移民が急増して住宅価格や家賃が高騰。現在、政権を担う労働党は2017年の総選挙で「移民の抑制」を求め、「外国人による中古物件の購入禁止」を公約で掲げる。
 異教徒に対する「不寛容さ」や「排斥感情」が高まり、「多文化主義」の国が変容してきているとという。
 こうした中で事件は起きた。
 男は逃げ惑う人々を容赦なく撃ち続けた。カメラで動画を撮影しながら犯行の一部始終を中継する異様さ、残忍さだ。車両から爆発物も見つかっており、計画的な犯行だったことがうかがえる。
 男は声明で、11年にノルウェーで連続テロを起こし服役中の白人至上主義者の過激思想に影響を受けていたと明らかにしていた。
 多文化主義やイスラム系移民から国を守るためだったとする、受刑者の主張は極右の若者らを感化し、各国でテロの危険度を高めているといわれる。
 公共の場で民間人を無差別に襲う銃乱射事件は米国を中心に世界各地で起きてきた。モスクなど宗教関連施設を狙った事件も少なくない。
 欧州では移民の排斥を訴える極右政党が支持を広げ、トランプ米政権はイスラム圏からの入国制限などで人権団体やイスラム教徒を怒らせている。
 不寛容な世界になれば、それだけ過激思想がはびこるだけではないか。国際社会は今こそ、暴力が暴力を招く負の連鎖を止めるため結束を強める必要がある。


医師偏在  強力な解消策が必要だ
 地域にとって医師の存在は、まさに命綱である。だが、都市部に集中する「医師偏在」が一向に解消されない。
 東北を中心に16県が人口や診療需要に対して適正な医師数を確保できていない「医師少数県」となっていることを、厚生労働省が明らかにした。
 医師の総数は過去最高の31万9千人だが、都市部と地方の格差は鮮明だ。
 医師偏在に国は効果的な対策を打ち出せていない。切り札として注目を集めたのが大学の医学部生に対する「地域枠」だが、十分に機能していない。
 専門家は「小手先の対策ではなく、根本的な手だてが必要」とする。もっと力強い誘導策が求められているといえよう。
 調査は「医師偏在指標」が使われた。これまでの「人口10万人当たりの医師数」よりも、実態に即した充足状態が分かるという。丁寧な調査は評価したい。
 「医師少数県」は指標が低い順から岩手、新潟、青森など。逆に指標が高い16都府県は「医師多数」とされ、京都は東京に次ぐ2位、滋賀も16位に入った。
 それでも都道府県内の複数の市区町村で指定する「2次医療圏」では、京都の「丹後」、滋賀の「甲賀」が少数区域となった。
 厚労省は2036年時点での各都道府県で必要とされる医師数も推計し、最も医師の確保が進んだ場合でも12道県で計5323人の不足が見込まれるとした。
 大都市圏では医師確保が進まない場合でも必要人数を上回ると予想している。このままでは格差が広がる一方ではないか。
 医師数の偏りは診療科によっても生じており、厚労省は産科医が最も足りないのは新潟、小児科医が最も足りないのは茨城とするデータを公表した。
 自治体が奨学金を貸与し、代わりに卒業後の一定期間地元で働く「地域枠」は、18年度に制度を導入していた大学の3分の1で、2割を超える欠員が出ている。
 背景には医学部を志望する若者たちの、へき地での勤務を忌避する意識があるともいわれる。もっと学生らの立場に立った制度が必要ではないか。
 医師不足の地方では1人で何役もこなさねばならず、過酷な労働環境が不安視されている。専門医の研修を積める研修先も少ない。
 若い人が地方医師として働く展望が持ちやすく、地方勤務がキャリア形成に有利になるような制度が求められる。


コンビニ24時間営業/この便利さは必要か
 コンビニエンスストア最大手のセブン−イレブン・ジャパンが、24時間営業見直しの実験を始める。深刻な人手不足に苦しむフランチャイズ(FC)加盟店の要望に対応せざるを得なくなった。問題の根本は、いつでも店が開いているという便利さが本当に必要かどうかということだ。サービスの在り方を幅広い視点から考え直したい。
 セブン−イレブンは一部の直営店で、営業時間を午前7時から午後11時までに短縮し、収益や来店客数、作業効率などを検証する。現在は全国約2万1千店舗のうち96%が24時間営業をしており、FC加盟店に時短営業を導入すれば、周辺業界に広く波及することも予想される。
 24時間営業の象徴とも言えるセブン−イレブンが今回の実験を決めたきっかけは、大阪府東大阪市のFC加盟店オーナーが、自主的に営業時間を短縮したことだ。求人を出してもアルバイト従業員が十分に確保できず、本人はほとんど休みが取れないため、営業時間を19時間にした。
 セブン−イレブンの本部側は契約違反に当たるとして、FC契約を解除し違約金を求めると伝え、話し合いは平行線となった。コンビニのオーナーでつくる団体も、24時間営業の見直しに関する交渉を求める意見書を本部に提出していた。セブン−イレブンがFC加盟店の声を無視できなくなった形だ。
 かつて「朝7時から夜11時まで」の営業時間で当時の小売業の常識を覆したセブン−イレブンは、1975年から24時間営業を始め、コンビニ他社も追随、この営業形態が当たり前のようになった。
 今ではコンビニは、買い物だけではなく公共料金の支払い、宅配便の受け付け、災害時の物資提供の拠点など社会インフラとしての機能も担うようになった。だがFC加盟店は零細な家族経営が多く、人手不足で過重な労働を強いられている例が少なくない。
 コンビニ各社も24時間営業を維持するための対策は取ってきた。セルフレジや自動食洗機の配備など省力化を進めたり、FC加盟店に本部社員を派遣する制度を拡充したりしている。しかし、こうした対策だけで問題が根本的に解決されるとは思えない。より踏み込んだ対策が必要だ。
 同様に人手不足の悩みを抱える外食産業では24時間営業の見直しが先行して進み、ドライバー不足が限界に達した宅配業界もサービス縮小へ動いている。しかし利用者から目立った苦情は出ていない。
 コンビニ各社も、全国一律の24時間営業に現場の一部が耐えられなくなっている現実を厳しく受け止めなければならない。FC加盟店の実情に応じて柔軟に営業時間を短縮できる仕組みを導入すべきだ。省力化投資にさらに力を入れるのはもちろん、24時間営業を前提とした生産、配送体制の見直しなども求められる。中長期的な視点に立ったビジネスモデルの改革に踏み出してほしい。
 利用者の側が考えるべきは、そもそもコンビニの24時間営業に代表される便利さが社会に不可欠かどうかということだ。コンビニの深夜営業がなくても、救急医療などと違って人の命が懸かっているわけではない。少々の不便さは我慢するという人はいるだろう。社会全体で議論を深めたい。


人工透析中止 徹底的な検証が不可欠だ
 医師の責務は患者の命を守ることだ。その医師が死に誘導しかねない指示をしていたとしたら、許されることではない。
 昨年8月、東京都福生市の公立福生病院で44歳の腎臓病の女性に対し、医師が人工透析治療の中止を含む選択肢を示した。女性は中止を選び、1週間後に死亡した。
 国の終末期医療の指針や、日本透析医学会が出した透析の中止判断などに関する提言を逸脱していた疑いがある。
 東京都は立ち入り検査を実施した。学会の調査委員会も病院に調査に入った。
 他にも透析治療を選ばず、死亡した患者がいるとの情報もある。早急に実態を把握し、事実を明らかにしてほしい。
 人工透析治療の主流は血液を機械できれいにして体に戻す「血液透析」だ。透析を受けないと老廃物がたまり、全身の臓器に不具合が起きて命を脅かす。
 患者がどんな治療を選ぶかという自己決定権は、過去の最高裁判例でも認められている。だが透析治療の中止は死に直結する。そのような選択肢をなぜ医師が示したのか、不可解だ。
 女性が福生病院を訪れたのは、今後の治療方針を相談するためだった。
 担当医師は、首に管を入れる新たな手段で透析を続けるか、透析を中止するかという選択肢を提示した。中止すれば死に至ることを説明した。
 女性はその日のうちに中止を決め、夫が同席する場で「透析をやめれば、命に関わる」という趣旨の文章が記載された同意書に署名した。治療中止の決定に至る時間は極めて短く、乱暴な印象が否めない。
 そもそも、学会の提言は終末期の透析中止を巡るものだ。
 治療中止を検討するケースとして「続行が生命の危険につながる」「中止の意思が明確で、死が確実に迫っている」などを挙げ、患者に十分な情報を提供するとともに、意思を繰り返し確認することを求めている。
 治療中止となっても、患者が決定を変更した場合は、治療を再開するとも定めている。
 女性は終末期ではなく、治療を続ければ今後も生きられた可能性が高い。死亡前には一時、透析再開を求める趣旨の発言をしていたという。患者の気持ちは変化する。ここで命を救うこともできたのではないか。
 提言は、倫理的な問題に対しては、倫理委員会や外部委員会などの助言があることが望ましいとする。だが、福生病院は幹部の判断で倫理審査委員会を開かなかったという。
 福生病院では2013年4月〜18年3月、治療方針を相談した腎臓病患者149人のうち、約20人が透析治療を選ばず、死亡したとの情報もある。
 病院ぐるみで関与があったかどうかは焦点の一つだろう。過去の事例を追跡し、不適切な対応がなかったか調べるべきだ。
 透析を受ける患者は約33万人といわれ、増加が続いている。患者の不安を払拭(ふっしょく)するためにも徹底的な検証を求めたい。


私情や保身を優先する愚かさ 野党結集を邪魔する“新6人衆”
「合流は時期尚早だ」――。
 17日に開かれた国民民主党の全国幹事会で、自由党との合併に反対の声を上げたのは、自由党の小沢一郎代表の地元である岩手県連だった。
「党内で反小沢の急先鋒なのが、岩手1区選出の階猛衆院議員です。同じ岩手が地盤ということもあって感情的なしこりが大きく、私怨の類いだと受け止められている。それより厄介なのが外野からの介入で、無所属の会から立憲民主会派に合流した安住淳元財務相らが、若手議員に『小沢と一緒になったら終わりだ』と吹き込んでいると聞きます」(国民民主党関係者)
 国民民主の玉木雄一郎代表は、自由党だけでなく、立憲民主党や野田佳彦前首相らの会派との連携も視野に野党結集を目指しているが、なかなか前に進まない。
 先月、玉木代表と会食した立憲民主会派の岡田克也元外相も、野党が大きな塊になる必要性には賛意を示したものの、具体的な道筋については「あなたが考えること」と突き放したという。
 19日には、野田前首相が率いる衆院会派「社会保障を立て直す国民会議」の玄葉光一郎元外相が、旧民進党勢力の再結集に向けた超党派の議員連盟を設立するが、これがまた野党結集の道筋を複雑にすることになりそうだ。
「玉木代表が主導する野党結集はイヤなのでしょう。みな表向きは『野党結集が必要』と言いますが、岡田さんや野田さんら重鎮は調整役を買って出るでもなく、『あいつはダメ、こことは組めない』とダメ出しばかりです。本来なら、野党第1党である立憲民主の枝野幸男代表が旗印になって結集を呼びかける立場ですが、支持率下落を恐れて孤立主義に走っている。それどころか、他党から引き抜いて数を増やすことに熱心で反感を買っています。『枝野の存在が野党結集の障害だ』という声が上がる始末です」(全国紙の野党担当記者)
■「あの権勢をもう一度」
 かつて、民主党の野田政権で中核メンバーとして党内を牛耳っていた「6人衆」が野田氏、岡田氏、枝野氏、安住氏、玄葉氏、前原誠司元外相だった。小沢代表や菅直人元首相ら自分たちより上の「第1世代」を排除し、玉木氏や階氏など下の世代は押さえつけることに血道を上げていたものだ。
 この連中が「あの権勢をもう一度」とばかりに画策しているようにも見える。
 現在、野党結集の邪魔をしているのは、すっかり影が薄くなった前原氏に代わって“昇格”した階氏を加えた「新・6人衆」と言っていい。
「民主党政権崩壊の戦犯たちが何の総括もないまま、コソコソ策を弄して力を誇示しようとしても結集は進まないし、相変わらず“好き・嫌い”の感情論で動いているとしたら、失敗した民主党政権と何も変わりません。誰が主導権を握るかで争っている場合ではない。野党がバラバラでは自民党を利するだけという現実がある以上、全体の利益のために私情を捨てる覚悟を見せるべきです」(政治ジャーナリスト・山田厚俊氏)
 大阪ダブル選のように、「維新VS反維新」の対決の構図がハッキリすれば、有権者に分かりやすく、選挙戦も盛り上がることは自明の理。国政野党が最優先すべきは、安倍自民に対抗する一大勢力をつくることしかないはずだ。
 野党結集を阻む「新・6人衆」は、安倍政権に代わる投票先を探している有権者の希望を奪っている自覚があるのか。


“黒塗り違法”判決にもダンマリ…財務省の呆れた隠ぺい体質
 森友学園が計画していた小学校の設立趣意書の開示を巡る裁判。大阪地裁が14日下したのは、国に賠償を命じる判決だった。判決に至る経緯は、ざっと次のようなものだ。
 一昨年5月、神戸学院大教授の上脇博之氏が設立趣意書などの公開を財務省の近畿財務局(近財)に請求。国は当初、「経営ノウハウが書かれている」との理由で、ほぼ黒塗りの状態で公開したが、その後、一転して全面公開に踏み切った。ところが、そこには「経営上のノウハウ」など一切書かれていなかったため、上脇氏は同年11月、国の不開示理由を不当として約110万円の国家賠償を求めて提訴。勝訴したのである。
 大阪地裁は、判決で「文書の内容は抽象的で、経営ノウハウにはあたらず、公にされても学園の権利や利益が害されることはない」と判断。「何ら合理的な根拠がないのに、漫然と不開示にするという誤った判断をしたのは違法」として、国側に5万5000円の賠償を命じた。
 司法が国の違法性を認めたのだから、財務省は一日も早く、黒塗りにした理由を調査して国民に明らかにすべきなのだが、麻生財務相は15日の参院予算委で、「(判決の)内容について精査した上で、今後の対応を検討したい」とお茶を濁しただけ。聞こえのいいことを言ってウヤムヤにするつもりなのか。というのも、財務省はいまだに、森友問題の核心となる文書を隠し続けているからだ。
 財務省がヒタ隠しにしているのは、2014年4月28日の近財と森友の「交渉記録」だ。
 同省が昨年5月に公表した「本省相談メモ」には同日付で、安倍首相の妻・昭恵夫人が小学校の建設予定地について、「いい土地ですから、前に進めてください」と言ったとする旨が記載されている。要するに、昭恵夫人の関与を決定づける記録が存在するはずなのに、財務省は「ない」と言い張っているのだ。
「本来、省庁は法令を順守しなければならないのに、政治判断を優先して改ざんや隠蔽を行ってきました。大阪地裁の判決によって問われているのは、いったい誰のための行政なのかということです。森友問題の真相に近づくための重要な文書を隠したままでは、国民のための行政とは言えません」(上脇博之氏)
 森友問題の解明は、まだ終わっていない。


堺筋を「サカイマッスル」と誤訳 大阪メトロの公式サイト
 大阪市の地下鉄を運行する大阪メトロの公式サイトの外国語ページで、路線名の「堺筋」を「Sakai muscle」(堺 筋肉)と誤って英訳していたことが18日、分かった。自動翻訳ソフトの利用が原因で、利用者からは複数の誤りが指摘されていた。大阪メトロはページを閉鎖して確認を進めている。
 大阪メトロによると、16日に利用者から、堺筋の他に「3両目」を「3 Eyes」、駅名の「天下茶屋」を「World Teahouse」などと誤って表記していると指摘があった。
 公式サイトでは、作業の効率化のために米マイクロソフトの自動翻訳ソフトを利用していた。


「首相夫人付が財務幹部と面会」
 学校法人森友学園の前理事長籠池泰典被告は18日、国会内での野党合同会合に出席し、2015年11月、学園が借りていた国有地の賃料引き下げに関し、安倍昭恵首相夫人付の政府職員だった谷査恵子氏から電話で「財務省国有財産審理室長と会って話した。これで前に進んでいきます」と伝えられたと述べた。
 政府は学園側の依頼を受けた谷氏から同月10日、財務省に電話があり、12日に田村嘉啓国有財産審理室長(当時)が折り返し、減額措置には応じられないと電話口で回答した、としている。野党は、籠池氏の発言内容が事実であれば、政府の説明とかみ合わないとして追及する構えだ。


【取材日記】黒い金で汚れた東京オリンピック招致
2020年東京オリンピック(五輪)開幕が494日後に迫った中、日本が騒々しい。オリンピック招致のために賄賂を渡した容疑で日本オリンピック委員会(JOC)のトップが辞任することになり、波紋が広がっている。昨日辞任した竹田恒和JOC委員長(71)は贈賄容疑で2016年からフランス司法当局の捜査を受けてきた。2001年から18年間にわたりJOCを率いてきた竹田委員長は2012年からは国際オリンピック委員会(IOC)委員としても活躍してきた世界スポーツ界の大物だ。しかし苦労して招致した東京オリンピックを1年4カ月後に控えて結局、辞任した。
フランス司法当局は2020オリンピック招致都市を決定した2013年のアルゼンチン・ブエノスアイレスIOC総会当時、竹田委員長が不正なロビー活動をしながら賄賂を渡したと見ている。当時、日本はスペインのマドリード、トルコのイスタンブールを抑えてオリンピック開催権を獲得した。この過程で竹田委員長はセネガル出身のラミン・ディアク元国際陸上競技連盟(IAAF)会長の息子と関係がある会社に200万ユーロ(約25億ウォン)の賄賂を渡した疑いを受けている。竹田委員長は「オリンピック招致活動をしながら契約に基づいて支払った正当な対価」と主張した。しかしフランス司法当局の判断は異なる。巨額がラミン元会長だけでなく他のIOC委員を相手にしたロビー活動に使われたことを把握した。ディアクはこのお金で仏パリで高級時計・宝石を購入したという主張も出てきた。
世界のスポーツ祭典のオリンピックは公正な競争が最も大きなモットーだ。しかし世界各国はオリンピック招致のためにお金を水のように使う。2016年の日本のオリンピック招致委員会活動報告書によると、日本は東京オリンピック招致のために89億円を投入したことが分かった。このうち海外コンサルタントに支払った費用も7億8600万円にのぼる。
日本オリンピック委員会のトップの失墜は韓国にも示唆することが多い。無条件にオリンピックを招致することだけがすべてではないという点だ。最近は多くの資金を投入しても赤字運営が続き、オリンピック開催懐疑論も浮上した。2032年南北共同五輪を推進する政府も、東京オリンピックの贈賄スキャンダルを反面教師とする必要がある。この時点で五輪開催が本当に必要かどうかも綿密に検討するべきだ。それでもオリンピックを開催するなら、本当に世界の平和に寄与するという目標のもと最も公正な方法で招致競争をしなければいけない。 キム・ジハン/スポーツチーム記者


アウシュビッツは「史実」と訴え 博物館、「捏造」主張の高須氏に
 【ベルリン共同】ポーランドにあるアウシュビッツ強制収容所跡を管理、運営するアウシュビッツ・ビルケナウ博物館は17日までに、「アウシュビッツは捏造だと思う」と2015年にツイッターに書き込んでいた美容外科「高須クリニック」の高須克弥院長に対し、アウシュビッツの存在は「史実だ」と日本語で訴えた。
 高須氏は15年、ツイッターに「南京もアウシュビッツも捏造だと思う」と記した。
 博物館は今月15日、公式ツイッターに日本語で「アウシュビッツは世界中の人々の心に絶えず忠告する史実」と書き込んだ。これに対し、高須氏は17日「売られたけんかは買う」とツイッターに投稿した。


高須院長が〈アウシュビッツは捏造〉ツイートに抗議受け酷い反論! ご意見番扱いするメディアはなぜこの問題を報じないのか
高須クリニックの高須克弥院長が、ポーランドのアウシュビッツ強制収容所跡を管理運営するアウシュビッツ・ビルケナウ博物館から直接“ホロコーストは史実である”と指摘された件。周知の通り、高須院長が2015年10月に〈南京もアウシュビッツも捏造だと思う〉とツイートしたことに対して、同博物館が3月15日、公式Twitterにて日本語でこんなリプライ(返信)をしたのである。
〈アウシュビッツは世界中の人々の心に絶えず忠告する史実です。ナチス・ドイツによって造られたその強制・絶滅収容所の史跡は、人類史上最大の悲劇を象徴しています。〉
 ナチスのユダヤ人虐殺を否定する歴史修正主義に対する直接的な抗議であることは明白だ。ところが、当の高須院長は謝罪するどころか反発。こんなツイートを連投している。
〈そのありがたい忠告が真実のだったら、現在進行中のチベットや東トルキスタンのことには目を向けないのは何故ですか? 同じことをされているのではありませんか?〉(原文ママ)
〈全ての歴史は検証されるべきだと思います。これが正しい科学者の姿勢だと思います。検証を禁止された段階でその歴史が都合よく歪曲されたものではないかと疑うのが罪ですか? お答えください。〉
〈すでに昨年サイモンヴイーゼンタルセンターと手打ちがすんだと僕は解釈しておりました。・・・昔の話しを持ち出す姿勢に不信感がわいております。売られた喧嘩は買います。なう〉
 だが、これはまさに歴史修正主義者・否認主義者の開き直りだ。
 たとえば、高須院長は「科学者として真実の検証をしているだけ」とうそぶくが、「アウシュビッツは捏造だ」という主張は、ナチスによるユダヤ人虐殺という歴史事実を否定し、宣伝する文句に他ならない。つまり、「科学的」なホロコースト研究でもなんでもなく、歴史修正主義者の言い分をかいつまんで「なかった」という誤った主張を拡散させているだけだ。
 そもそも、アウシュビッツ・ビルケナウ博物館のツイートは、ユダヤ人強制収容所の歴史を記した32ページのパンフレットへのリンクを貼っているように、「検証を禁止」しようとなどしていない。高須院長のツイートを見てもわかるとおり、ホロコーストにしろ南京事件にしろ「〇〇はなかった」というのはリヴィジョニストの決まり文句だが、彼らはそれが「虚説である」と指摘されると、「言論弾圧だ」「研究を封じ込めるのか」などと言って被害者ヅラをしはじめるのである。
 また、「現在進行中のチベットや東トルキスタンのことには目を向けないのは何故ですか?」というのも典型的なすり替えだ。だいたい、アウシュビッツ・ビルケナウ博物館は「アウシュビッツは捏造」という高須院長のデマについて、当事者側として反論しているのであって(事実、「南京も捏造」という箇所については触れていない)、中国共産党によるチベット弾圧等の話をしているわけでないのだ。
 こうした論点ズラしもまた、歴史修正主義者の典型的な手法である。たとえば戦中の日本軍の戦争犯罪の話題になると、リヴィジョニストたちはしばしば「韓国軍がベトナムで行なった残虐行為は無視か」とか「中国共産党は現在進行形で民族虐殺している」などと言い出す。しかし、当たり前だが、いくら別の国の残虐行為を強調したとしても、それによって日本の戦争犯罪やナチスのユダヤ人虐殺という歴史的事実を「なかった」ことにすることはできない。それは「科学的」な検証でも議論でもなく、問題のすり替えを狙った詐術に他ならないのである。
高須院長はユダヤ人団体SWCと手打ちがすんだというが……
 また、高須院長はユダヤ人人権団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター」(SWC)の存在を持ち出し、「手打ちがすんだと僕は解釈しておりました」などと言っているが、これはどういう意味なのか。
 高須院長はこれまで、ブログやTwitterで〈誰が何と言おうが ヒトラーは私心のない 本物の愛国者だ〉〈ドイツのキール大学で僕にナチスの偉大さを教えて下さった黒木名誉教授にお会いした。励まして下さった!嬉しい なう〉〈我が国の医学は大東亜戦争に負けるまではドイツ医学だった。ナチス政権下のドイツ医学の発展は目覚ましいものだった〉などと繰り返しナチスを礼賛してきたが、謝罪や撤回はしていない。
 一方で高須院長は、昨年11月、K-POPグループ・BTS(防弾少年団)の「原爆Tシャツ」が問題視されたときには、BTSがナチスに似ているとされる衣装を使用していたとSWSに告発する動きを見せ、Twitterでも〈何故大騒ぎしないんですか? サイモンヴィーゼンタルセンターさん。なう〉などと挑発的な投稿を繰り返していた。
 もしこれで、本当にユダヤ人団体と「手打ち」をしているというなら、その全容をきちんと公開すべきだろう。
 いずれにしても今回、アウシュビッツ・ビルケナウ博物館が高須院長の〈南京もアウシュビッツも捏造だと思う〉というツイートに〈史実です〉と指摘するのは当然であり、むしろリプライは遅すぎた感すらある。
 だが、他方で気になるのは国内のマスコミの動きだ。一部新聞やネットニュースこそ、このアウシュビッツ・ビルケナウ博物館のリプライをストレートニュースで報じているが、普段、高須院長のツイートを盛んに取り上げているスポーツ新聞系のメディアや、高須院長を出演させているテレビなどのメディアは、今回の件についてダンマリを決め込んでいるのだ。
高須院長を“ご意見番”扱いのマスコミがホロコースト問題だけスルー
 たとえば東スポは、高須院長が社会情勢についてツイートしたことを毎日のように記事化してきた。この1カ月間のネット記事タイトルの一部をあげるとこんな感じだ。
〈高須院長 二階氏と文議長のツーショット写真に不快感〉(2月19日)
〈高須院長 透析中止は安楽死と程遠いと強調「最後は地獄の苦しみ」〉(3月7日)
〈高須院長 辰巳琢郎辞退に嘆き「また根回し不足の早漏かよ」〉(3月11日)
〈高須院長 内田裕也さん訃報に「理想的な死に方だ」〉(3月18日)
 ほかにも、日本体操協会のパワハラ問題をめぐって高須クリニックが宮川紗江選手の支援に乗り出した件など、高須院長にまつわるニュースは、テレビでも格好のネタとなってきた。つまり、マスコミはこの歴史修正主義丸出しの病院経営者を“ご意見番”的にもてはやしてきたのだ。ところが、今回の件は真逆で、東スポなどのスポーツ紙やテレビは完全スルー。なぜなのか。
 理由のひとつとしては、SWCはじめユダヤ人団体の抗議を極度に恐れるあまり、ユダヤに関わる話題を徹底的に避けようとするマスコミの姿勢があげられる。だが、今回の場合、高須院長が抗議を受けていることを報じたり、高須院長の姿勢を批判するなら、ユダヤ人団体の抗議を恐れる必要はないはずだ。
 それでも、マスコミがこの問題を報じることができないのは、もうひとつのタブーがあるからではないのか。つまり、マスコミは高須クリニックからの大量広告を受けているせいで“高須批判”がタブーになっているようにしか見えないのだ。
 事実、テレビでは以前も、高須院長のナチ礼賛発言がネットを中心に問題になった際、「高須クリニックが爆破予告を受けていた」というニュースこそ伝えたものの、その背景にあるとみられる高須氏の発言についてはほとんど報道しなかった。SWCが欅坂46の衣装がナチスの制服に極似しているとして抗議声明を発表した際にはテレビでも報じられたにも関わらず、である。
 そう考えると、今回の件は、単にひとりの著名な歴史修正主義者の問題ではないのかもしれない。
 メディアの都合によって、むき出しのネガシオニズム発言が何の批判も受けずに放置され、歴史修正主義者が社会的影響力をどんどん増していく。マスコミもまた、歴史修正主義の加担者であることを、最後に強調しておきたい。

食っちゃ寝?/お茶して海鮮鍋/古新聞のビン

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ブータン料理激辛190213

≪Gilets jaunes≫: Le Fouquet's incendié après avoir été saccagé
De multiples boutiques - Longchamp, Zara, Jeff de Bruges - ont été pillées et incendiées samedi 16 mars sur les Champs-Elysées à Paris. Les images sont saisissantes.

Après avoir été saccagé en fin de matinée samedi 16 mars, Le Fouquet's, célèbre symbole parisien, a été incendié en fin d'après-midi. Quatre mois après la naissance du mouvement et au moment ou s'achève le grand débat national, les ≪gilets jaunes≫ misaient samedi sur un ≪regain de mobilisation≫. Mais des heurts ont très vite éclaté. De nombreuses boutiques de la célèbre avenue ont été saccagées.
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フランス語の勉強?
内田樹@levinassien
東京五輪優先主義で各大学が学年暦を作成し始めています。筑波大では原則として大会期間中は授業・試験なし。学期の開始日を早め、5月の連休も土曜日も授業。大会中に授業・試験があった科目に欠席したボランティア学生は大学に対し特別な配慮を求めることができる。「学徒動員」ではないですか。
首都大学東京では「大会の成功とレガシーの継承に貢献」するため五輪開催期間中は「原則として授業・試験は行わないこととし、学生が大会に参加しやすい環境を整えることを決定しました」そうです。その分、土曜日も連休も夏休みもつぶして授業をするということです。何のための大学なんだろう。
‏日本の大学はこうやってダメになってゆくのだということのまことにわかりやすい事例でありました。

李信恵 이(리)신혜 @rinda0818
つくしには部落差別に関する苦い思い出がある。小さい時、つくしを摘みに行った土手で「あの道から先は…」。その言葉が差別だということを大人になってから分かって、恥ずかしかった。その話を部落のある人にしたら「今からでも出会い直そう」と云われた。その人から、つくしを送ってもらった。
ソウル・フラワー・ユニオン @soulflowerunion
関西中の色々な町に住んだ子どもの頃、「あの橋の向こうは…」「あの川の向こうは…」とひそひそ声で話す無表情の大人たちの顔があった。今でもたまに思い出す。よく遊んだ、被差別部落に住む友人たちの顔とともに。
バリバラ「バリバラキャンプ マイノリティーラプソディ」
「夏を満喫したい!」寝たきり芸人あそどっぐの発案で5人の障害者が1泊2日のキャンプを決行!バリアだらけのキャンプ場ではハプニング続出!果たして夏を楽しめるのか?
「夏といえばキャンプでしょ!」寝たきり芸人あそどっぐの呼びかけに集まった5人の障害者。脳性まひ、全盲、筋ジストロフィーなど障害も年齢もちがう男たちが1泊2日のキャンプへ!到着と同時に梅雨入りするという波乱のスタートだったが、力を合わせてカレー作り、キャンプファイアなど定番イベントを楽しんだ。しかし、ある参加者からのひと言を巡って思わぬ展開に!バリアだらけのキャンプ場で、彼らは無事夏を楽しめるのか? カンニング竹山, 山本シュウ,岡本真希, 玉木幸則, 障害者自立生活センタースタッフ…大橋グレース, 神戸浩

NHKスペシャル スペース・スペクタクル プロローグ「はやぶさ2の挑戦」
櫻井翔が宇宙へナビゲート! Nスペの新シリーズの第一弾は、はやぶさ2の初着陸がテーマ。探査機はやぶさ2が小惑星に到着してみると、その星には”着陸できる場所”がなかった!そこから、いかに突破口を開き、歴史的な快挙を成し遂げたのか。NHKでは、この壮大な科学の挑戦を、JAXAと共同開発した『可視化システム』により、本物の飛行どおりに映像化。ドキュメントと共に初公開映像で、驚きと感動の宇宙大冒険を描く! 櫻井翔,和久田麻由子, 宇宙科学研究所・所長…國中均

予想通り?食っちゃ寝?になってしまっている感じです.
ちょっと買い物に出かけてお茶しました.ほうじ茶が美味しかったです.
スーパーで海鮮鍋用にカキなど買いました.お酒は正宗ではなく古新聞に包まれたビンを買いました.長野のお酒です.

復興支援 被災地の特産品販売
東日本大震災の被災地の復興を支援しようと岩手、宮城、福島の3県の特産品を販売する催しが17日、仙台市で開かれました。
この催しは、被災地の特産品の消費の拡大を図り、復興を支援しようと東北農政局が開きました。
会場の仙台市青葉区の勾当台公園には、岩手、宮城、福島の3県から、地元の郷土料理や農産物などを販売する50余りの店舗が設けられました。
このうち、福島県いわき市小名浜の特産品を販売する店舗では、地元産のサンマのすり身にネギやショウガ、それに、みそを合わせて焼いた郷土料理の「ポーポー焼き」が人気を集めていました。
また、石巻市でとれた殻のついた蒸しがきを食べられる店では、訪れた人たちは、ぷりぷりとした食感とうまみを楽しんでいました。
大阪から訪れた33歳の男性は、「以前、仙台に住んでいたので、食べて復興に貢献できればと思って来ました。おいしいものが食べられて楽しめました」と話していました。
また、仙台市の63歳の女性は、「食べることで、被災地が少しでも元気になればと思っています」と話していました。


宮城の高校生 NYで追悼の歌
東日本大震災で大きな被害を受けた宮城県の高校生が16日、アメリカ・ニューヨークで開かれたクラシックのコンサートで歌声を披露し、犠牲者を追悼しました。
ニューヨークを訪れている県内の高校生27人は16日、アメリカの学生とともに、芸術の殿堂、リンカーンセンターの舞台に立ちました。
楽曲はモーツァルト作曲の「レクイエム」で、生徒たちは地元のオーケストラの演奏とともに、力強い歌声を披露しました。
このコンサートは、音楽を通じて被災地の高校生を応援しようと、国際交流を進めている団体が毎年、この時期に開き、ことしで8年目です。
会場では、およそ50分にわたる演奏が終わると、観客が次々と立ち上がり、生徒たちに大きな拍手を送りました。
観客の1人は、「心に響く感動的な合唱でした。生徒たちの思いが伝わってきました」と話していました。
参加した生徒の1人は、「震災で亡くなった人に祈りをささげるため、精いっぱい歌いました」と話していました。
別の生徒は、「音楽を通じて、アメリカの学生とひとつになれました。とてもよい経験ができました」と話していました。


<震災8年>吉川晃司さん、震災後の石巻で学んだ事とは? 仙台で公開録音
 仙台市若林区の市地下鉄東西線荒井車両基地で16日、歌手・俳優の吉川晃司さんが地元ラジオ番組のゲストとして公開録音に臨み、東日本大震災の被災地への思いなどを語った。民間事業者とのタイアップイベントのために基地を開放したのは初めて。
 市交通局とエフエム仙台が共同で企画。車両や車輪がある基地の一角で音楽番組「サウンドジェニック」の公開録音を行い、ファンら約480人が観覧した。
 吉川さんは震災後に訪れた石巻市での支援活動などに触れ「人間的に学び、生き方が変わった。一日も早く復興を遂げてほしい。そのためにできることをお手伝いできればいい」と強調。今年でデビュー35周年を迎え「ドキドキしながら、恥をかきながら、新しいことに臨みたい」と述べた。
 鉄道整備関連会社に勤める若林区の中橋雅明さん(43)は「高校生の頃に吉川さんの曲を聴き、自分の感性と合った。吉川さんを直接見ることができてうれしい。このイベントを通し、地下鉄の安全を守るための取り組みへの関心も深まればありがたい」と話した。
 公開録音の模様は31日午後6時から番組で放送される予定。


<縮小の先へ 被災地と人口減>第3部 インフラ 水道/給水量減 迫られる選択
 東日本大震災の被災地で、住民の生活に欠かせない交通機関や公共施設の復旧復興が急ピッチで進められている。将来に向けて維持できるのか。利活用は計画通りに進むのか。加速する人口減少を前に、被災地の試行錯誤が続く。第3部は「インフラ」をキーワードに課題に向き合う姿を追った。
 山を切り開いた高台の一画に真新しいタンク2基がそびえ立つ。宮城県女川町の宮ケ崎地区に昨年春に完成した配水施設だ。標高80メートルから高低差を利用し、新しい街の約200世帯に飲み水を送る。
<値上げ回避模索>
 町が2013年3月に着手した水道の復旧事業は、今年2月時点で約60%まで進んだ。国費147億円を投じ、送水管95キロや配水施設の新設などを進めるが、同町建設課の木村司主幹は「将来の給水量の見通しが立っていない」と危機感を強める。
 15年国勢調査によると、町人口は6334。震災前の10年に比べ3717人(37.0%)も減った。地域の経済活動を支え、水道の大口利用者だった水産加工場は震災前の約6割の26カ所にとどまり、かつての活況には程遠い。
 東日本大震災で加速した人口減少と経済規模の縮小が、町の水道経営を圧迫する。
 一般的な家庭の1カ月分の水道料金は震災前に990円(10立方メートル)だったが、17年4月には1230円に跳ね上がった。上昇率24.2%は、比較可能な県内33の水道事業者の中で2番目に高い。
 17年度の水道水原価は1立方メートル当たり273.9円。そのうち料金収入で賄えたのは約4割の117.2円にすぎない。赤字額156.7円は水道復旧工事で発生した消費税の還付分で穴埋めした。
 高い水道料金は復興の足かせになる。木村さんは「これ以上、単純に値上げするわけにはいかない」と苦しい胸の内を明かす。
 厳しい状況は都市部も例外ではない。
<民間委託に懸念>
 死亡数が出生数を上回る自然減を2年連続で記録した仙台市。水需要は今後30年間で1割減る見通しだ。このままでは現行の料金体系を維持するのは難しいとして、市水道局は「人口減を前提とした料金体系を検討する必要がある」と説明する。
 「コスト削減で生じた利益は水道料金の上昇を抑制することで県民に還元する。県民の利益を最優先する」。宮城県の村井嘉浩知事は先月22日の県議会本会議で言い切った。
 厳しい水道経営を改善する切り札として、県は施設の運営権を設定し民間に委ねる「コンセッション方式」の導入を目指す。施設や電気設備などの維持管理に民間のノウハウを活用し、料金の上昇幅を抑えるのが狙いだ。
 昨年12月に水道法が改正され、コンセッション方式の導入が可能になったものの、検討しているのは全国で宮城のみ。県企業局は準備を加速させるが、災害時の対応や水道事業を民間に委ねることへの懸念は消えない。
 海外では水道事業の民営化後、料金高騰などで再び公営化した例が相次ぐ。水問題に詳しいジャーナリスト橋本淳司氏によると、その数は16年までにパリやベルリンなど少なくとも33カ国267都市に上る。
 命の水をどうするか。人口減で苦境に立たされた自治体が、各地で厳しい選択を迫られている。


<震災8年>閖上さいかい市場、7年に感謝し最後の祭り 年内で営業終了
 東日本大震災で被災した名取市閖上地区の商業者らによる仮設商店街「閖上さいかい市場」のオープン7周年を祝う祭りが16日、内陸側の同市美田園地区の同市場内であった。閖上地区の名取川堤防沿いに4月、移転先の商業施設が完成することから、約30店舗がそろう祭りは最後となる。
 市場関係者が特設ステージ上で地元酒造会社のたる酒で鏡開きを実施。質、量とも「日本一」と称される閖上産アカガイのにぎりずしや笹(ささ)かまぼこ、日本酒の「閖上セット」が格安で販売されるなどした。
 同市場振興会の柳沼宏昌会長は「7年支えてくれた客に感謝の思いを込めて開催した。次の場所に移っても、みんなそれぞれ頑張りたい」と話した。
 同市場は2012年2月に開設され、被災者の交流の場となってきた。各店は堤防沿いの商業施設などに順次移り、市場は今年12月までに営業を終える。


<震災8年>高度衛生管理アピール 気仙沼市魚市場2棟完成式典
 東日本大震災で被災した気仙沼市魚市場に市が整備した新施設2棟の完成を祝う式典が16日、現地であった。高度衛生管理型の設備を備え、気仙沼の水産物のブランド向上に期待が集まる。4月1日に使用を開始する。
 式典には村井嘉浩知事や市内の水産業関係者ら約200人が出席し、テープカットで完成を祝った。菅原茂市長は「これまで以上の水揚げにつなげ、気仙沼全体の経済活性化を図りたい」とあいさつした。
 新しい施設は現在ある施設2棟の南側にできた。事業費は約180億円で大半は国の補助金を活用した。
 メカジキやサメなどが水揚げされる2階建ての棟(延べ床面積約1万7330平方メートル)には低温売り場を設けた。サンマが水揚げされる3階建ての棟(約1万140平方メートル)には見学スペースもある。ともにプレキャストコンクリート製で密閉型の荷さばき場がある。
 市魚市場は震災の津波でほぼ全壊。建物4棟のうち北側の2棟を補修して使っていた。市場を運営する気仙沼漁協の斎藤徹夫組合長は「漁業を取り巻く環境が厳しさを増す中、高度衛生管理型の施設をアピールし、全国から多くの船を呼び込みたい」と話した。


<震災8年>災害時対応の教訓を共有 仙台市職員有志がイベント
 仙台市職員の自主勉強会「Team Sendai(チーム仙台)」は16日、東日本大震災の対応に当たった市職員の体験をさまざまな形で後世に伝えるイベント「あれから8年スペシャル」を市役所で開いた。
 市職員や弁護士、NPO関係者ら約100人が参加した。チーム仙台などと共に市職員の震災体験を聞き取り、記録に残す「災害エスノグラフィー調査」を進める常葉(とこは)大(静岡県)の重川希志依、田中聡両教授が調査の概要を報告した。
 田中教授は災害時の罹災(りさい)証明発行に関し「震災の経験がない職員は右往左往するはず。他都市の災害応援に積極的に参加し、経験を積んでおく必要があるというのが、共通して得られた教訓の一つ」と説明した。
 エスノグラフィー調査で聞き取った体験の朗読、幹部職員が当時を述懐する映像の放映、本人による体験の披露もあった。「被災地の区役所職員は水も飲めないほど多忙だったが、切実な状況は全庁に共有されなかった」など、記録誌には載らない教訓が語られた。
 参加者は、市職員の体験が題材の防災カードゲーム「クロスロード」に挑戦した。災害時の行動を二択から選び、その利点や問題点をグループで話し合った。
 チーム仙台発起人の鈴木由美さん(56)は「震災対応を経験していない職員が増えている。実感を伴う伝承方法で教訓を後世につないでいきたい」と強調した。


<三陸鉄道>大槌駅、賢治ファンを詩碑でお出迎え リアス線23日開業
 三陸鉄道リアス線の23日開業を前に、岩手県大槌町の大槌駅に宮沢賢治の詩「旅程幻想」の一節を刻んだ石碑が建立された。大槌町の情景を詠んだとされ、東日本大震災の被害から復旧を果たした町の玄関口で全国の賢治ファンを出迎える。
 町民らでつくる「大槌宮沢賢治研究会」が、インターネットで資金を集めて設置した。詩碑は高さ約2メートル。震災で犠牲になった町民の自宅にあった庭石を譲り受け、詩文を刻んだ黒御影石をはめ込んだ。
 賢治は1925年1月に岩手県沿岸を旅行した際、7編の詩を創作している。研究会は、このうち2編が大槌町にちなんでいると推定。2016年9月には町内のホテルの敷地に詩碑「暁穹(ぎょうきゅう)への嫉妬」を建てた。
 研究会の会長佐々木格(いたる)さん(73)は「ようやく2基の詩碑がそろった。大槌に『賢治ゆかりの地』という新しいイメージを生み出し、観光客を呼び込みたい」と語った。


<古里からのバトン>地域の未来 音頭に託す
 東日本大震災や東京電力福島第1原発事故の被災地に、首都圏や仙台など都市部から気概に富む人々がUターンしている。「復興の力になりたい」「傷ついた古里の行く末を見守りたい」。生まれ育った景色は失われても、古里への思いは消えない。
◎復興Uターン(5完)福島県楢葉町 ならは天神太鼓うしお会 牧ノ原沙友里さん
 太鼓に合わせて歌う。大切そうに、ちょっと切なく、地元への愛着を込めて。
 <忘れられよか ふるさと楢葉>
 福島県富岡町で2月24日に太鼓まつりがあり、東京電力福島第1原発事故で被災した同県双葉郡の太鼓団体が集まった。
<リーダー的存在>
 楢葉町の「ならは天神太鼓うしお会」はオリジナル曲「天響(てんきょう)」を披露した。歌と踊りを取り入れた太鼓演奏曲。リーダー的な存在の牧ノ原沙友里さん(31)が歌ったのは、地元の「楢葉音頭」の一節だ。
 今も避難生活を続ける人たちの姿が歌詞の向こうに見える。
 「町に帰るかどうかはそれぞれの判断でいい」と思う。だからこそ、東京からUターンした一人として「古里を忘れてはほしくない」と歌に託す。
 15歳でうしお会に入り、太鼓を懸命にたたいた。幼い頃からの夢だった歌手を目指して21歳で上京。アルバイトをしながらボイストレーニングに通った。指導を仰いできた人と一緒に、プロの太鼓奏者としても活動した。
 歌手のオーディションを何度か受けた。4時間待っても歌をアピールできる時間はわずか20秒。もがき続けているさなか、東日本大震災と原発事故は起きた。
 自然豊かで人情に厚い楢葉が大変なことになった。
 「すぐにでも帰りたい」「でも、夢は捨てきれない」。二つの声が交錯して答えは出せなかった。
 2014年7月、心を動かされる出来事があった。楢葉町内にオープンした仮設商店街で太鼓をたたいた。震災後初の地元での演奏は、古里の空気を感じながらのパフォーマンスになった。
 「感動で胸がいっぱい。本当に太鼓をたたけている、という不思議な実感を持てた」
<生活再建を支援>
 歌手の夢を断ち切るのに、もうちょっと時間を要したが、楢葉町の避難指示解除から5カ月後の16年2月に帰町した。地元でうしお会の練習を再開させ、地元の一般社団法人「ならはみらい」に就職した。
 業務は住民の生活再建支援や交流人口の拡大に向けた情報発信など。ネズミ駆除の電話受け付けや町の花壇整備、学生向けスタディーツアーの企画に取り組んだ。人そっくりのかかし作りにも携わった。交流スペースをにぎやかに見せるためだ。
 町の居住者は2月末現在で3657人。町人口6946の52.6%で、旧避難区域の自治体で最も高い。
 関わってきた活動が、帰還促進に直結しているかどうかはよく分からない。それでも「ありがとう」の言葉は心に染みる。
 うしお会のメンバーは10〜80代の17人。帰還した高齢者と増え始めた子どもたちが交流する場にもなっている。
 「楢葉は震災と原発事故で一度はゼロになった。ここからは上がっていくしかない。まちづくりに正解はないけれど、誰もが立ち寄れる温かい町にしたい」
 <明日に希望の力を込めて>
 楢葉音頭の一節に、地域の未来も託して歌う。


浪江と弘前大の8年 常駐の看護師、帰還した町民宅を訪問
 軽く驚いた。福島県浪江町に弘前大の出先があると聞いていたが、常駐しているのが看護師だと知ったからだ。しかも2人。昨夏、1人増員したのだという。
 東京電力福島第1原発事故後、大学の被ばく医療総合研究所が中心に町や避難場所に調査に入った。足かけ8年の活動になる。
 2年前に一部地域で町の避難指示が解除され、大学の足場も役場に移った。
 看護師によると、帰還した町民宅を訪問するのが日課だという。「多いときで月に50軒に上る」と話す。
 「戻った家の畑で野菜を作っても大丈夫か」「帰還困難区域の近くに家があるが健康への影響は」。放射性物質に対する住民の不安はなお根強い。
 課題解決の道を共に探ったり、収穫した野菜などの町役場での放射性物質濃度検査を勧めたりしている。
 活動内容を報告する会が先日、町役場であった。担当教員がアライグマやアカネズミなど野生動物への放射性物質の影響や、対話を通じて支援するリスクコミュニケーションなど四つのテーマについて説明。町民約80人が聞き入った。
 事故後、「原発は安全、安心だ」と呪文のようなお墨付きを与えていた研究者に批判が集まった。弘前大の取り組みは対照的に映る。息の長い地道な町への寄り添いを今後も願いたい。 (南相馬支局・佐藤英博)


<311次世代塾>修了式で1年振り返り「備えの大切さ伝える」「学んだこと共有する」
 16日に開かれた東日本大震災の伝承講座「311『伝える/備える』次世代塾」の修了式で、修了生が1年間の講座を振り返るグループワークもあった。講座を通じて考えたことや伝承に向けて必要なことを議論し、一人一人が震災を語り継ぐ重要性を確かめた。
 修了生約70人は10人前後の班に分かれて討論。「震災を自分のこととして捉えるきっかけになった」「生活の中で災害を考える習慣が身に付いた」などと意識の変化を挙げる声が相次いだ。
 東北福祉大2年の村越未来さん(20)は「災害はいつどこでも起きうる。備えの大切さを周囲に伝えたい」と強調。同大2年の及川晟也(せいや)さん(20)も「学んだことを友達と共有していく」と話した。
 教師を目指している宮城教育大2年の塚本健二さん(21)は「教師になったとき、生徒の命を守るため何ができるか考えたい」と決意を新たにした。
 「災害に備え、日頃からのつながりを持つことが重要だと講座で学んだ」。修了式の答辞で訴えた東北工大2年の五嶋大暉(ごしまひろき)さん(20)は「震災の記憶が風化してきている今だからこそ、率先して伝える側になる」と力強く語った。
◎第3期受講生募集 来月開講
 伝承講座を運営する「311次世代塾推進協議会」は、4月20日に開講する第3期の受講生を募集している。10代後半から20代前半までの高校生や大学生、社会人が対象で受講無料。
 毎月第3土曜日の午前を基本に15回、仙台市宮城野区の東北福祉大仙台駅東口キャンパスで開く。うち3回は石巻市や東松島市などの津波被災地を視察する。
 震災発生直後、復旧期、復興期の3段階に分け、講座ごとに「捜索と救命」「避難所の苦闘」「なりわい再生」といったテーマを設定。毎回、被災当事者や支援者ら2人を招き、証言と体験に基づく教訓を聴く。グループ討議の時間も設けて理解と交流を深める。
 連絡先は事務局の河北新報社防災・教育室022(211)1591、メールはjisedai@po.kahoku.co.jp


<311次世代塾>第2期73人が修了、震災伝承の担い手として決意新た
 河北新報社が東北福祉大、仙台市などと協力し運営する東日本大震災の通年伝承講座「311『伝える/備える』次世代塾」の第2期修了式が16日、仙台市宮城野区の東北福祉大仙台駅東口キャンパスであった。全15回の講座を通して被災の現実に向き合った73人が修了し、震災伝承の担い手として決意を新たにした。
 受講生代表の10人に修了証を手渡した郡和子仙台市長は「震災から8年が経過し、当時を知らない世代も増えている。命を救うため講座で学んだことを生かし、震災を伝える担い手となってほしい」と激励した。
 修了生を代表し、東北福祉大2年南生(なんじょう)夏実さん(20)は「防災や減災について家族や友人たちと共有し、被害を繰り返さないようにすることが大切。一年を通して学んだことをしっかりと踏まえ、災害に対する備えを後世に伝えていきたい」と述べた。
 第2期は約130人の登録で始動し、学生66人と社会人7人の計73人が修了した。このうち5人が皆勤賞、精励賞を受けた。
 次世代塾は「311次世代塾推進協議会」(会長・一力雅彦河北新報社社長)が運営。第3期を4月20日に開講する。


河北春秋
 子ども連れの家族も目立つ週末とは打って変わって、仙台市中心部の百貨店やスーパーは平日昼間、シニア世代が闊歩(かっぽ)する。青葉区一番町の藤崎が、本館の1階と地下の食品売り場を結ぶエスカレーターを低速運転に切り替えて1年がたった▼両手に荷物を抱えた高齢者が乗り降りの際、転倒する事故が相次いだため導入した。「混雑を極める初売りの4日間はさすがに通常運転に戻しましたが、おかげでこの1年間は事故ゼロ」と担当者▼中心部では飲料やコメなど重い荷物を宅配するスーパーもある。消費者のニーズに敏感な流通業界の「シニアシフト」は郊外でも進む。ヨークベニマルが若林区大和町に出した小型店は高齢者も食べ切りやすい少量サイズの総菜を充実させる▼シニア市場に詳しい東北大特任教授の村田裕之さんは、高齢者の「不安」「不満」「不便」に商機ありと説く。「不」の解消につながるサービスや商品が増えると高齢者の消費が刺激され、「企業の業績が向上して若者の雇用機会が増える」(『成功するシニアビジネスの教科書』)▼国立社会保障・人口問題研究所の推計では、仙台市の高齢化率は2015年の23%が30年後の45年に40%へ跳ね上がる。世代を超えて人口減少社会を豊かに暮らす秘訣(ひけつ)がシニアシフトにある。

<気仙沼漁船不明1年>痕跡ゼロ、募る焦り「手掛かり一つでも」家族ら不安の日々
 宮城県漁協気仙沼地区支所所属の漁船、第38開栄丸(19トン)と連絡が取れなくなり、4人の乗組員の行方が分からなくなった事故から17日で1年となる。船や乗組員の痕跡はいまだに何も見つからない。残された家族は今も落ち着かない日々を過ごしている。
 いずれも気仙沼市の小松利則船長(56)、藤村三夫さん(63)、関山正道さん(52)と釜石市の稲村光直さん(55)=年齢はいずれも当時=が乗った開栄丸は2018年3月17日午前10時半ごろ、はえ縄漁のため気仙沼港を出港。同日午後5時ごろを最後に連絡が取れなくなった。
 第2管区海上保安本部は翌日から28日まで11日間にわたり巡視船延べ38隻、航空機延べ23機で専従捜索した。仲間の漁船も一緒に捜したが、油膜や漁具などは一切確認されなかった。
 「船が通るたびに思い出してしまう」
 小松船長と2人暮らしだった母きり子さん(80)は、海が見える高台の自宅から航行中の船を見ると利則さんの姿が頭に浮かぶ。
 東日本大震災の津波で自宅が全壊し、17年7月にやっと再建した自宅で何度も利則さんの夢を見たという。
 転覆した船の近くを泳ぐ姿を見て、思わず「利則、早く上がれ」と叫んで目覚めた。「俺がいなくて大変だろう」と声を掛けてくる時もあった。
 事故後は次男と一緒に暮らしている。ただ、2階にある利則さんの部屋は片付けられない。洋服もベッドもそのままだ。
 きり子さんは2管本部に死亡認定願を申請したが、まだ認められていない。「一番頼りにしていた優しい息子。何か一つでも見つかってほしい」と願う。
 2管本部は専従捜索を打ち切った後も、通常のパトロールに切り替えて捜索を続けているが、漂流物などは発見に至っていない。
 関係者によると、乗組員全員の親族が死亡認定願を申請したとみられる。死亡認定は戸籍法に基づき、水難や火災などで死亡した場合、捜査した官庁などが現地の市町村長に報告する。
 手掛かりが全く見つからず、2管本部は死亡の認定には慎重だ。2管本部は「一般的に転覆、浸水すれば何かは残っている。当時、事故の目撃情報もなかった。(事故かどうかを含めて)あらゆる可能性を念頭に調べている」と説明する。
 県漁協気仙沼地区支所は所属する漁船に、開栄丸の痕跡があれば報告するよう協力を呼び掛けてきた。佐々木敏則支所長は「全く情報はない。何でもいいから手掛かりが見つかってほしいが、どうにもならない」と漏らした。


英、EU離脱延期/混迷と対立超え一致点を
 英国はどこに向かおうとしているのか。皆目分からない。主権回復のために国民投票で選び取った道なのに、あい路を抜け出せないでいる。
 欧州連合(EU)からの離脱問題である。英議会下院は、擦った揉んだの末、29日に迫った離脱期日を6月末まで延期する動議を可決した。
 成り行き次第では、さらにずれ込み長期戦になだれ込む可能性がある。混迷は一層深まり、先行きは見通せない。
 12日からの議会では、メイ首相がEUと共に一部修正した離脱合意案が、1月に続きまたも大差で否決された。そのまま進めば、激変緩和策なしでEUを去る「合意なき離脱」に至るところだったが、経済への打撃が大きいとして翌日の採決でこれも拒否。
 結局、三つ目の選択肢の「離脱延期」に退避するしかなくなった格好だ。時間稼ぎのための先送りにしか映らないが、メイ氏は動議に「合意案を20日までに可決する」という条件を付け、勝負に出た。
 3度目の採決はどう見ても無理筋だ。しかし「この道しかない」という信念は示せる。首尾よく合意案を可決させられれば、関連法の整備に十分な時間の確保もできよう。
 さらに離脱強硬派の切り崩しに「否決カード」が使える。否決なら長期延期は必至。EU残留期間が長引くことや離脱自体が危うくなると言って翻意を促す戦術だ。本当に否決されても、EUは長期延期要請を受け入れる方針を示している。最長2020年末までという案すら聞こえる。
 EU離脱の本質論から離れ政府や議会は駆け引きばかりに終始している。国民は何も決められない政治にうんざりし、失望の声が絶えない。
 そもそもこの問題は英領北アイルランドとEU加盟国アイルランドの国境管理を巡り、複雑な住民感情に配慮したことが発端だった。「開かれた国境」実現のために、離脱後も国全体がEU規制に縛られることへの反発が事態をこじらせてきたと言える。
 与野党を問わず離脱派、穏健派、残留派、親EU派が混在し、考えはばらばらだ。政府のEU担当相ら閣僚数人が延期動議に反対投票するなど、メイ首相の求心力は低下し政権は崩壊寸前にある。
 とはいえ、英国が今、歴史的な選択の岐路に立っていることに変わりはない。解散総選挙や2回目の国民投票で民意を問うという選択肢もあり得よう。その場合でも、国際政治や世界経済に及ぼす影響の重さを自覚するべきだ。
 離脱の先に何を求め、世界の国々とどう向き合っていくのか。今は古い国家像にとらわれず、内向きでない協調の精神が最も求められる。
 全国民を納得させ、EUにも認められる一致点は容易には見つかるまい。延期の間は自国の将来を見据え、国民投票以来の対立を超えていく機会にしなければならない。賢明な選択が問われている。


NZ銃乱射テロ 移民差別許さぬ社会を
 移民、イスラム教徒を狙った残忍な銃乱射事件が、ニュージーランド(NZ)で起きた。同国史上で最悪の銃犯罪である。アーダン首相は「テロ」と断定した。
 二つのモスク(イスラム教礼拝所)が襲撃され、金曜礼拝に訪れていた信者に無差別に銃弾が浴びせられた。
 祈りをささげる場が流血にまみれ、罪のない多くの人命が奪われたことに強い怒りを覚える。
 殺人容疑で訴追されたオーストラリア人はネット上の声明で移民を「侵略者」と敵視しており、事件の背景に白人至上主義があると指摘されている。
 アーダン氏は標的になった移民や難民について「ここは彼らの国だ」と訴えた。憎悪犯罪を生む移民排斥、人種や宗教による差別を許すわけにはいかない。
 容疑者は自身の頭部に装着したとみられるカメラで犯行の様子を撮影しながら、ネット中継したという。異様というほかない。
 ニュージーランドは毎年6万〜7万の移民を受け入れる寛容な政策で知られる。日本からの留学生も多い。その国でこうした事件が起きたことは極めて残念だ。
 容疑者はニュージーランドで犯行に及んだ理由について、どんな離れた島国であっても「大量移民」に脅かされると示すためだと持論を展開している。
 あまりに身勝手な言い分で受け入れる余地は全くない。
 だが、モスクなど宗教施設を狙った無差別銃撃はこれまでにもあった。白人至上主義者による事件も頻発している。けっして特異な事件ではないことも確かだ。
 容疑者の声明によると、2011年にノルウェーで計77人を殺害した極右の白人至上主義者に「大きな刺激」を受けたとしている。
 最近、欧米では難民、移民を排除する動きが目立つ。トランプ米大統領は白人至上主義を擁護するような差別的な発言をし、メキシコとの国境の壁建設など強引な政策を進めている。
 欧州でも、ポピュリズム(大衆迎合主義)の伸長とともに、難民、移民の流入を厳しく制限する国が相次いでいる。
 こうした動きが差別や排除を助長してはいないか。各国首脳は移民に対する理不尽な暴力の根絶に断固たる姿勢を示すべきだ。
 容疑者は殺傷能力の高い半自動小銃など5丁の銃を所持していた。ニュージーランドで合法的に入手したという。銃を規制することなく、同種の事件は防げまい。


NZ銃乱射事件 ヘイトの拡散全力で防げ
 礼拝所に押し入り、神に祈りをささげるために集まった人々に容赦なく銃弾を浴びせる。どんな理屈を付けようとも、到底許されない蛮行だ。
 ニュージーランド・クライストチャーチのモスク(イスラム教礼拝所)2カ所で15日、銃乱射事件が発生し、100人近い死傷者が出た。同国史上最悪の銃撃事件だという。
 警察は事件に関連して3人を拘束した。主犯格とみられる男がインターネットに残した投稿や犯行の形態から判断して、イスラム教徒など移民に対する憎悪(ヘイト)が動機のテロであることは間違いなさそうだ。
 この男がネットで公表していた文書によれば、男は隣国オーストラリア出身の白人で、欧米社会への移民を「侵略者」として敵視していたようだ。犯行の動機として「島国であっても『大量移民』に脅かされていることを示すため」との持論を展開しているという。
 身勝手な論理にあきれる。オーストラリアもニュージーランドも、先住民がいた土地に欧州などから白人が移り住んできた。先住民からすれば、白人こそ「大量移民」ではないか。
 米国や欧州では近年、グローバル化や移民増加への反動で、白人至上主義や他文化への偏見に基づくヘイト犯罪が頻発している。
 ニュージーランドは欧米系住民、先住民のマオリ人に加え、アジアからの移民も増えていたが、比較的民族間の摩擦の少ない「寛容な国」だとみられてきた。それだけに今回、ニュージーランドにまでテロが拡散したことへの衝撃は大きい。
 こうしたヘイト犯罪やテロの世界的な拡散を止めるには、どうしたらいいのか。
 まずは各国の指導者が「ヘイトを許さない」という強い姿勢を示し、社会の分断を阻止することだ。ところが現実には、トランプ米大統領など、人種間の偏見や移民への排斥感情をあおって支持を集めようとする政治家は各国で後を絶たない。嘆かわしい風潮である。
 大事なのは、市民社会そのものが多様性を尊重し、異文化間の摩擦を少なくして、ヘイトの育つ素地をなくすことだ。地道な作業になるが、社会の寛容性が試される局面である。
 日本では民族や人種の偏見に基づく大規模なヘイトテロは起きていないが、油断してはならない。相模原市で起きた障害者施設での大量殺人事件は、ヘイト犯罪の一形態と分析できる。特定の民族や地域を攻撃するネットでのヘイト的な言論も下火になっていない。よその国の現象と思わず、緊張感を持って防止に努める必要がある。


NZ乱射テロ 憎悪の連鎖を許してはならない
 多様性を重んじ、移民や難民との共生を進めてきたニュージーランド。その「寛容な国」を標的にした残忍な憎悪犯罪(ヘイトクライム)に、ショックが隠せない。
 治安の良さで知られるクライストチャーチのモスク(イスラム教礼拝所)2カ所で、イスラム教徒を狙った銃乱射事件が発生、少なくとも49人の命が奪われた。アーダン首相は「テロ」と断定した。
 警察は容疑者3人を拘束したが、計画や準備は周到に行われたとみられ、他にも共犯者がいないかなど真相解明を急ぐ必要がある。容疑者の1人は襲撃の際、自身の頭部に着けたとみられるカメラで動画を撮影しながらインターネット上で生中継していた。既に動画は拡散しており、視聴によって過激思想への支持が広がることを危惧する。米IT大手では投稿の削除に取り組んでいるが、そのスピードは追い付いておらず、一刻も早く徹底した拡散阻止策を講じなければならない。
 ネット上には容疑者とみられる白人の男が移民を「侵略者」として敵視する74呂砲發錣燭訐写世残っていた。白人至上主義の高まりに懸念が募る。
 いま世界には、移民や難民を排斥する動きが広がっている。「自国第一」を掲げるトランプ米大統領は、不法移民対策として議会の反対を押し切り、メキシコ国境への壁建設を強行しようとしている。不法移民が犯罪を引き起こしていると決めつけて不安をあおり、排除を訴える過激な「口撃」は、移民らへの差別意識やむき出しの憎悪を増幅させている。
 こうした「リーダー」の振る舞いに感化されるように世界各地で極右勢力が伸長した。自らの正義を振りかざして「敵か味方か」の二分論で迫り、異なる文化や宗教を認めない「独善」「不寛容」「排他主義」が、まん延している。ネットにはヘイトスピーチがあふれ、弱き者をたたく風潮が勢いを増す。
 背景に格差の拡大や貧困による不満の蓄積があることは間違いない。深い分断の溝を埋めるには、乱暴な政治の在り方を変え、格差是正に向けて社会の仕組みを見直すことで共生への信頼を取り戻すことが重要だ。テロを力で封じるだけでは憎しみが憎しみを呼び、問題の底にある深い根は絶やせない。
 日本も、テロの標的の例外である保証はない。来月から外国人労働者の受け入れを拡大するが、同じ市民として暮らしを支援する体制は不十分だ。不自由な生活や日本語で鬱憤(うっぷん)がたまる一方、日本人側にも雇用不安や摩擦が強まれば、社会の不安定化につながりかねない。
 アーダン首相は移民や難民について「ニュージーランドを自分の国として選んだ。ここは彼らの国だ」と語った。多様性を尊重する毅然(きぜん)とした姿勢に学びたい。世界は共生への真の力を試されている。憎悪と暴力の連鎖は決して許してはならない。


[NZ銃乱射] 「反移民」感情が背景か
 欧米諸国が直面している移民問題が、およそ大規模テロとは無縁と思われた南半球のオセアニアにまで波及したことは衝撃である。
 ニュージーランド南島の最大都市、クライストチャーチでおととい、モスク(イスラム教礼拝所)2カ所が襲撃され、銃の乱射によって49人が死亡し、約40人が負傷した。
 警察は3人を拘束し、このうち殺人容疑で訴追した28歳のオーストラリア人の男は移民を「侵略者」と呼び、敵視する声明を残していた。
 詳しい動機の解明は今後の捜査を待たなければならないが、過激思想に基づきイスラム教徒を標的としたテロとみられる。
 敬けんな祈りの場を襲った残忍な犯行を断固として非難する。国際社会は協調し、事件の連鎖を許さない決意と姿勢を示さなければならない。
 ニュージーランドは白人と先住民マオリが住民の大半を占め、もともと移民に融和的な社会として知られる。
 しかし近年、移民が急増して住宅価格や家賃が高騰。現在、政権を担う労働党は2017年の総選挙で「移民の抑制」を求め、「外国人による中古物件の購入禁止」を公約で掲げる。
 異教徒に対する「不寛容さ」や「排斥感情」が高まり、「多文化主義」の国が変容してきているとという。
 こうした中で事件は起きた。
 男は逃げ惑う人々を容赦なく撃ち続けた。カメラで動画を撮影しながら犯行の一部始終を中継する異様さ、残忍さだ。車両から爆発物も見つかっており、計画的な犯行だったことがうかがえる。
 男は声明で、11年にノルウェーで連続テロを起こし服役中の白人至上主義者の過激思想に影響を受けていたと明らかにしていた。
 多文化主義やイスラム系移民から国を守るためだったとする、受刑者の主張は極右の若者らを感化し、各国でテロの危険度を高めているといわれる。
 公共の場で民間人を無差別に襲う銃乱射事件は米国を中心に世界各地で起きてきた。モスクなど宗教関連施設を狙った事件も少なくない。
 欧州では移民の排斥を訴える極右政党が支持を広げ、トランプ米政権はイスラム圏からの入国制限などで人権団体やイスラム教徒を怒らせている。
 不寛容な世界になれば、それだけ過激思想がはびこるだけではないか。国際社会は今こそ、暴力が暴力を招く負の連鎖を止めるため結束を強める必要がある。


沖縄県民大会 民意無視への強い抗議
 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)を名護市辺野古に移設する計画について、国に断念するよう求める沖縄県民大会がきのう、那覇市で開かれた。
 過去2回の知事選に続き先月の県民投票で、移設反対の民意がより鮮明になったにもかかわらず、国が工事を強行し続けていることへの強い抗議と言える。
 県民投票後、国は9カ所目の護岸造成に入った。今月25日からは新たな工区に土砂を投入する。
 岩屋毅防衛相は国会で、こうした方針について、県民投票前からその結果にかかわらず決めていたことを明らかにした。
 安全保障は国の専管事項だとして、地元が猛反発する政策を一方的に押し付け続ける態度は断じて容認できない。
 政府が今すべきは即刻工事を止め、米国や沖縄県と代替策を巡る協議を始めることだ。
 県民大会は移設に反対する政党や市民団体でつくる「オール沖縄会議」が主催した。
 会議の共同代表である稲嶺進前名護市長は民意を無視する国の姿勢について「自ら日本の民主主義を否定するものであり、沖縄県民を愚弄(ぐろう)するものだ」と非難した。
 沖縄県民の根強い反発を国は真摯(しんし)に受け止めなくてはならない。
 辺野古移設はそもそも計画自体に問題が多い。
 予定地にはマヨネーズ状と指摘される軟弱地盤があり、その最深は水面下90メートルに達する。
 防衛省がおととい国会に提出した報告書で、地盤改良工事に3年8カ月かかり、供用後20年で約40センチの地盤沈下が見込まれていることが新たに分かった。
 当初は8年の工程を想定していたが、さらなる長期化は避けられない。基地の安定運用が技術的に可能なのかという疑問は膨らむ。
 政府は5年前、今年2月までに普天間の運用を停止する方針を表明した。その期限はすでに過ぎた。
 表明の前年には日米両政府が辺野古移設を前提とした普天間の返還時期に関し、早ければ2022年度とすることで合意したが、その実現の見通しも立っていない。
 政府は移設に協力しない県に責任を転嫁する態度を示している。無責任と言わざるを得ない。
 沖縄県は工期を最低13年、費用は政府想定の10倍超の2兆5500億円に上ると試算する。
 「辺野古移設が唯一の解決策」とする硬直的な政策は、将来に大きなつけを残すことになる。政府はその現実を直視すべきだ。


新基地断念県民大会 民意無視もう許されない
 県民投票で明確に示された民意を無視し、名護市辺野古で新たな米軍基地の建設を強行する政府に対して、憤りと抗議の声が相次いだ。
 那覇市の新都心公園で「土砂投入を許さない! ジュゴン・サンゴを守り、辺野古新基地建設断念を求める3・16県民大会」が開かれた。
 県民投票後、初めてとなる大規模な集会だ。主催者発表で1万人が参加した。会場には大会カラーの「辺野古ブルー」に身を包んだ幅広い世代の姿があり、新基地建設は決して許さないという強い決意がみなぎっていた。
 登壇者は民主主義の危機を口々に訴えた。顕著だったのは、県民投票でけん引役を果たした若い世代のあいさつだ。
 瑞慶覧長風さんは「琉球処分から140年。この島には民主主義は適用されているのでしょうか」と安倍政権の対応に疑問を呈した。川崎将吾さんは「なぜ沖縄が何十年も声を上げ続けているのか」として「おじい、おばあにお願いです。あなたの経験を話してください」と歴史体験の次世代への継承を呼び掛けた。
 吉居俊平さんも世代間のつながりに言及し「あらゆる世代と手を取り合って沖縄から基地をなくしていこう」と幅広い結集を強調した。
 地元の民意を顧みず、力でねじ伏せて基地建設を強行する政府の姿勢は、米統治下の「銃剣とブルドーザー」を想起させる。抑圧者が米国から日本に入れ替わっただけで、強権ぶり、横暴さは目に余る。
 岩屋毅防衛相が「沖縄には沖縄の民主主義があり、国には国の民主主義がある」と語り、いみじくも無意識の差別を露呈させたように、政府の目には沖縄は軍事植民地としか映らないのだろう。
 そうでもなければ、総工費も工期もはっきりしない公共工事を進める愚はできまい。
 辺野古新基地は、完成が全く見通せない不確実な公共工事だ。軟弱地盤や活断層などが次々と判明し、現行の技術で物理的に工事が可能かも政府はつまびらかにしない。
 当初は認めていなかった軟弱地盤については、この期に及んでやっと公表した。新基地完成後に20年間で40センチ地盤沈下する恐れも認めた。
 海面から最大90メートルの深さに広がる大浦湾のマヨネーズ状の軟弱地盤は、改良するのに3年8カ月もかかる。政府が当初見込んでいた8年(埋め立て5年、施設整備3年)が、最速でも11年8カ月を要することになる。ただ、国の計画変更申請を県が承認する可能性は厳しく、さらに長期化するのは必至だ。
 安倍政権はもはや、普天間飛行場の危険性除去よりも、辺野古新基地の建設を目的化してしまっている。
 25日には新たな区画に土砂投入を強行する予定だ。地元の民意を踏みにじり、差別的な工事を進めるのは断じて許せない。
 埋め立てを即刻中止すべきだ。沖縄は植民地ではない。


[新基地反対県民大会]沖縄は合意していない
 辺野古の新基地建設断念を求める「3・16県民大会」(オール沖縄会議主催)が那覇市の新都心公園で開かれた。強い日差しが照り付ける中、テーマカラーの「辺野古ブルー」に合わせ、青色の帽子や服を身に着けた多くの人たちが集まった。
 新基地の是非を問う県民投票で、投票総数の7割を超える43万4273人が「反対」の民意を示した。にもかかわらず、政府は投票結果を一切顧みず、翌日から埋め立て工事を続行した。
 岩屋毅防衛相に至っては国会で、結果にかかわらず工事を進めることを県民投票の前に決めていた、と答弁した。県民を愚(ぐ)弄(ろう)することを平気で言ってのけたのである。
 本来なら安倍晋三首相はそのような発言をする防衛相を罷免すべきであるが、首相自身が事前に了解していたことも明らかになった。沖縄を除く46都道府県で、こんなにも民意が無視されたことがかつてあっただろうか。
 政府は今月25日には新たな区域で土砂投入すると通告している。そんな中での県民大会である。参加者は「土砂投入をやめろ!」「民意は示された!」と書かれたメッセージボードを掲げ、沖縄の民意を押しつぶそうとする政府の姿勢を批判した。
 県民投票の結果と工事の長期化が明らかになったことによって、辺野古問題はこれまでとまったく異なる段階に入った。
 民主主義をまっとうな軌道に戻すための取り組みを全国に押し広げるべきである。
    ■    ■
 米軍普天間飛行場の一日も早い危険性除去のために新基地を建設するという政府の論理は破綻している。
 大浦湾に広がる軟弱地盤の改良に政府は3年8カ月かかることを認めた。当初、運用までに8年としていたが、最短でも11年8カ月かかる。軟弱地盤の水深は最大90メートルで過去に例のない工事となる。想定通りに進む保証はない。
 砂杭(すなぐい)は約7万7千本と膨大で、砂は県内の砂利採取量の3〜5年分に相当する。県外から調達しなければならないが、外来種の侵入などで環境への影響が懸念される。
 これらは元知事の埋め立て承認後に判明した事実である。環境アセスメントを一からやり直すべきである。
 建設予定地周辺には辺野古断層と楚久断層が存在すると複数の専門家が指摘している。地震を引き起こす恐れもある。滑走路などの損壊、弾薬庫が爆発すれば周辺住民に大きな被害が及びかねない。
    ■    ■
 辺野古・大浦湾には5千種をゆうに超える生物が確認され、うち262種は絶滅危惧種だ。ジュゴン2頭が行方不明になっている。生物多様性に富んだ貴重な自然環境が失われようとしている。
 最終的な工期も総事業費もまったく見通せず、結局のところ、普天間返還の時期も不透明なのである。
 玉城デニー知事は日米両政府に県を加えた3者協議の設置を求めている。政府は否定的だが、それすらできないようなら安倍政権は現状打開の当事者能力を欠いている。主権者が打開する以外にない。


内閣法制局長官の発言 政官の境がぼやけている
 政と官のあり方を改めて考えさせられる発言だった。今月6日の参院予算委員会で野党をやゆした横畠(よこばたけ)裕介内閣法制局長官の答弁である。
 横畠氏は立憲民主党会派の議員から国会の行政監視機能の定義を問われ「このような場で声を荒らげて発言するようなことまで含むとは考えていない」と答えた。声高に政権を批判する野党への皮肉だった。
 法制局長官は政府の法令を審査する最高責任者であり、内閣の法律顧問的な性格を持つ。
 他方、国会で政府の憲法解釈について答弁を求められることも多い。官僚の一ポストでありながら、憲法を頂点とする法体系の安定を図る重要な役割を期待されているからだ。そうした評価は与野党の暗黙の了解によって成り立ってきた。
 その法制局長官が政権と一体化し、野党を挑発するというのは前代未聞だ。政治的な発言が長官としての正統性を傷つけていることを横畠氏は認識しなければならない。
 横畠氏が就任したのは、集団的自衛権に関する憲法解釈の変更が議論になっていた2014年のことだ。安倍晋三首相が解釈変更の推進役として長官に起用した元外務官僚が病に倒れ、法制次長だった横畠氏が急きょ昇格した経緯がある。
 国民に選ばれた政治家が政策を決め、国民に雇われた官僚がそれを実行するというのが議会制民主主義における政と官の役割分担だ。
 しかし、平成の政治改革を通じ首相官邸の権限が強化される過程で、政と官の境がぼやけてきた。
 法制局長官をめぐる混乱は、政治主導をうたう旧民主党政権でもあった。憲法解釈の権限は内閣にあるとして長官の国会答弁を封印した。
 安倍政権下では政官の規律の緩みがさらに目立つようになった。
 森友問題では財務省が公文書を改ざんし、加計問題では首相秘書官らが「総理のご意向」を自治体などに伝えたとされる文書が見つかっている。国会で首相秘書官が野党議員にヤジを飛ばす場面すらあった。
 「全体の奉仕者」(憲法15条2項)であるべき官僚が官邸に奉仕するような風潮は不健全だ。
 政と官は主従関係にあるわけではない。政官双方が国民のための役割分担をもっと自覚すべきだ。


【強制不妊救済法】被害者の反発受け止めよ
 被害者が反発する救済策にどれだけの意義があるだろう。国と国会は真剣に受け止める必要がある。
 旧優生保護法の下で障害者らに不妊手術が繰り返された問題で、自民・公明両党のワーキングチームと超党派議員連盟が救済法案を正式に決定した。4月初旬に与野党共同で国会に提出し、月内の成立、施行を目指すという。
 旧法は1948年から96年までの半世紀近くにわたり、「不良な子孫の出生防止」を掲げて障害者らの人権を踏みにじってきた。
 障害者差別に当たる条文を削除して母体保護法に改正された後も、国は20年以上、被害回復の対応を取らず、被害者は謝罪も補償も受けられずに放置されてきた。
 不妊手術は50〜60年代に集中しており、被害者の高齢化や死去といった問題も深刻だ。長年にわたる非人道的被害の救済が緒に就いたこと自体は評価されていい。
 ただ、スウェーデンの補償例を参考にした1人320万円の一時金の額や、国による謝罪を巡っては被害者側の要求との隔たりが大きい。
 昨年1月以降、全国7地裁に計20人が起こした国家賠償請求訴訟の請求額は最大で3千万円台後半だ。子を持つ権利を奪われた被害者が「失った人生への対価がこれだけか」と落胆するのも無理はない。
 ハンセン病訴訟では、国賠訴訟の判決後に救済制度が確立された。隔離政策の違憲性を認定されて敗訴した国は、療養所の入所期間に応じて元患者らに800万〜1400万円を支給している。
 強制不妊の訴訟は今春にも仙台地裁が初の判決を出す可能性がある。今回も判決後に、旧法の違憲性や責任の所在を踏まえた救済制度を確立するのが本来の順序ではないか。
 与党内には「参院選までに法が成立しないと、立場が持たない」との声があるという。旧法は議員立法で成立、制定した責めがあるにせよ、被害者の納得よりも政治の立場を優先しているとすれば論外である。
 法案にあるおわびの内容にも被害者側の反発は大きい。謝罪の主体が「われわれ」で、誰の責任による被害かが明記されていないためだ。
 国が不妊手術を推奨してきた経緯は、多くの資料などを通じて既に明らかになっている。超党派議連の幹部は「行政と立法は重大な間違いを犯した」と明言してもいる。責任主体があいまいでは、救済制度の根幹にも関わりはしないか。
 法案は、障害者差別を繰り返さないため、旧法を巡る問題の経緯を国会が調査するとしている。検証の在り方も重みを持とう。
 旧法下で強制不妊手術に関わった医師は、制定当時は医師からも目立った反対意見は出ていなかった、旧法に掲げられた差別意識は国民の心に植え付けられた―と指摘する。被害者を苦しめた社会の無理解には、社会全体で向き合う必要もある。
 被害者の苦痛にどう寄り添うか。政治の誠実さが問われている。


新出生前診断 国の主導で根本的議論を
 妊婦の血液を採取して、胎児にダウン症などの染色体異常がないかを調べる「新出生前診断」について、日本産科婦人科学会が実施施設を広げる要件緩和案をまとめた。一般市民の意見を募集中で、それを踏まえて正式に決定し、実施を希望する施設からの申請を受け付けるという。
 2013年に臨床研究として始まった検査は、昨年9月までに約6万5千人が受け、胎児の染色体異常が確定した886人の妊婦のうち、約9割が中絶した。学会認定の実施施設は、カウンセリング体制などの条件を満たす岡山大病院(岡山市)、広島大、中電病院(広島市)、四国こどもとおとなの医療センター(善通寺市)を含めて全国で92施設に限られている。
 要件緩和で開業医など小規模の医療機関も行えるようになる。だが、サポートが十分でないまま、妊婦が重い判断を迫られる恐れが指摘されており、拙速さは否めない。
 対象は従来通り、高年齢などの妊婦に限る。ダウン症のある子どもの家族らでつくる団体からは、特定の病気の人や家族が生きづらさを感じることにならないよう、慎重な運用を求める声が出ている。検査を受けるのが当然という雰囲気が社会に広がることへの心配もあるとみられる。
 認定施設は現在、産婦人科医と小児科医が常勤し、どちらかは遺伝の専門医の資格を持つことが条件だ。要件が緩和されると、そうした「基幹施設」に加え、新たに設ける「連携施設」で実施が可能になり、研修を受けた常勤の産婦人科医が小児科医と連携すれば検査を行える。遺伝の専門医資格も必須でなくなる。
 染色体異常の可能性が分かっても、結果の確定には羊水検査が必要となる。連携施設は妊婦を基幹施設に紹介し、検査やカウンセリングを依頼する。こうした連携が円滑に進むかも大きな課題だろう。
 要件緩和の背景には、学会のルールを守らずに検査を行う施設の存在がある。無認定施設で検査を受ける人の方が認定施設より多いともされ、学会は「妊婦が正しい情報を得て、十分に理解したうえで自己決定する権利が奪われている」としている。
 そうした問題意識は理解できるとは言え、要件緩和で認定施設を増やしても、直ちに無認定施設に行く妊婦が大幅に減るかは見通せない。
 そもそも、妊婦や家族、障害者ら多くの人生に影響する検査の在り方を学会の判断だけに任せてよいのか。実施施設の専門資格者数や検査件数、他の施設との連携状況などの情報を検査を受ける人に提供する仕組みや、第三者の相談窓口を求める声もある。
 今の新出生前診断が対象にするのは、ダウン症など三つの染色体異常だけだが、技術の進歩で多くの遺伝的な病気を調べられるようになっている。そうした遺伝情報の扱い全般について、国が主導して根本的に議論するべきだ。


NZ銃乱射事件で差別的発言の豪議員 生卵投げつけられる
ニュージーランドで起きた銃乱射事件について、オーストラリアの国会議員がイスラム教徒に対する差別的な声明を発表し、これに抗議する少年から生卵を投げつけられる騒ぎがありました。
ニュージーランドでの銃乱射事件から一夜明けた16日、オーストラリアの国会議員が、メディアのインタビューを受けていたところ、近づいてきた17歳の白人の少年から生卵をぶつけられる騒ぎとなりました。
議員はすぐに平手打ちで返し、少年はその場で取り押さえられました。
生卵をぶつけられたのはフレーザー・アニング上院議員で、銃乱射事件の直後には「事件の本当の原因はイスラム教の狂信者を受け入れたニュージーランドの移民政策にある。彼らこそが信仰の名のもとに人を殺している犯人だ」と、イスラム教徒に対する差別的な声明を出していました。
この声明には世界中から厳しい批判が向けられていて、インターネット上では、少年が卵で攻撃したことには賛成できないが、議員の声明は放置できないとして、少年の行動に共感を示すコメントが多く投稿されています。


映画「きばいやんせ!私」 愛華みれさんらが舞台あいさつ
 南大隅町を舞台とする映画「きばいやんせ!私」の舞台あいさつ付き上映が16日、鹿児島市の天文館シネマパラダイスであった。女優愛華みれさん=同町出身=や武正晴監督らが「鹿児島の自然や人の魅力、御崎祭りの素晴らしさを知ってほしい」とPRした。
 東京の女子アナが祭りの取材に訪れ、人々と交流し成長していく物語。愛華さんは「小さい頃から歩き回っていた地元が映画に描かれ感無量」。武監督は「南大隅が大好きになった」と語った。


電気グルーヴCD回収への反対署名が2万5000人突破。呼びかけ人は作品封印を「誰のためにもならない安易な方策」と訴える
「時代に合わせて柔軟に対応することが、エンターテイメントを提供する企業には求められていると思います」
中村 かさね (Kasane Nakamura)
テクノユニット「電気グルーヴ」の作品自粛に反対する署名活動が始まった。薬物使用で逮捕された芸能人の作品を封印するのは、是か非かーー。広く議論されるきっかけになるかもしれない。
■メルカリでは定価の5倍以上の値段で転売
ピエール瀧容疑者の逮捕を受け、ソニー・ミュージックレーベルズは瀧容疑者が所属するテクノユニット「電気グルーヴ」の音源や映像を回収および出荷・配信停止することを3月13日に発表した。
正規ルートで電気グルーヴの音楽を入手できなくなったため、メルカリでは30周年記念アルバムが定価の5倍以上の値段で転売されている。
こうした中で、電気グルーヴの作品封印の撤回を求める署名活動が、結成30周年記念ツアーの東京公演が行われるはずだった15日、Change.orgで始まった。
呼びかけ文では、ピエール瀧容疑者の「知名度と社会的影響力を踏まえれば、ある程度の放送自粛はやむを得ないのかもしれません」と、自粛の動きについて一定の理解を示した。
ただ、それと作品の封印は別として、CDが高額転売されている現状を踏まえて「音源・映像の出荷停止、在庫回収、配信停止は誰のためにもならない安易な方策なのではないでしょうか」と問いかけた。
この署名活動に17日正午現在で、2万5000人が賛同している。
ハフポスト日本版は、署名を呼びかけた兵庫教育大大学院講師で社会学者の永田夏来さんに取材した。
■「突然自分の好きな音楽を楽しめなくなったユーザー」
デビュー以来の電気グルーヴのファンだという永田さんは、楽曲の配信停止で、「正当な対価を支払っていたにも関わらず、突然自分の好きな音楽を楽しめなくなったユーザーが大勢いる」と指摘。
「時代に合わせて柔軟に対応することが、エンターテイメントを提供する企業には求められていると思います」と語る。
■「ピエール瀧さんを糾弾する情報が出回りすぎている」
永田さんはさらに、過度な「自粛」ムードによる排除や厳罰は、薬物依存症からの回復の妨げになると危惧する。
メディアを対象に作られた「薬物報道ガイドライン」でも、避けるべき報道の例として、「薬物依存症であることが発覚したからと言って、その者の雇用を奪うような行為をメディアが率先して行わないこと」が挙げられている。
永田さんは次のように指摘した。
「本人を受け入れる場所が用意されていることが回復の手助けになるという前提の共有は大きいです。それにも関わらず、賠償金などセンセーショナルな形でピエール瀧さんを糾弾する情報が出回りすぎています」
■「推定無罪の原則から著しく外れた判断」
逮捕された芸能人の過去の作品が次々自主規制で「お蔵入り」になる現象について、ジャーナリストの佐々木俊尚さんは、自粛の期間や程度、どんな犯罪までが許容されるのか「ガイドラインが必要だ」と提案している。
永田さんも、「推定無罪の原則から著しく外れた判断である点、性暴力から薬物まで、十把一絡げにしてコンテンツも含めて責任を問うかたちになっている点は、私も疑問」だとして、ガイドラインの必要性に共感する。
■逮捕歴あっても回復し、活躍中のアーティストも…
過去に目を向ければ、薬物使用で逮捕歴があっても、その後依存症から回復し、今も音楽活動を続けて活躍しているミュージシャンは国内外に大勢いる。
薬物使用が発覚して、実績や作品まで「お蔵入り」になるケース。逮捕をきっかけにCDを自主回収する事例が確認できるのは、男性歌手が逮捕された1999年だ。その後、2009年の女性タレントの逮捕以来、一気に自粛傾向が強まったようにみえる。
薬物報道のあり方を考える契機となったのが、2016年の人気デュオ「CHAGE and ASKA」のASKAさんの逮捕だ。
民法テレビ局4社が、ASKAさんの乗車したタクシーのドライブレコーダーの映像を報道。「薬物報道ガイドライン」が策定されるきっかけとなった。
ASKAさんは2017年に音楽活動を再開。3月22日には35年ぶりの「書きおろし詩集」も発売される。「逮捕」=「キャリアの終了」ではないことは、過去の数々の事例が証明している。
違法薬物の使用は犯罪である一方、薬物依存症は医療機関や相談期間を利用することで回復が可能な病気でもある。
電気グルーヴCD回収への反対署名が2万5000人突破。呼びかけ人は作品封印を「誰のためにもならない安易な方策」と訴える
薬物使用で逮捕された芸能人の作品は、なぜ、そしてどこまで排除されるべきかーー。
ミュージシャン、タレント、俳優、声優……と幅広く活躍してきたピエール瀧容疑者の事件を機に、私たちも社会的な合意形成をはかるための議論を始める必要がある。


「大阪都構想に終止符」など 小西氏が公約発表 大阪知事選
 大阪府知事・大阪市長のダブル選(4月7日投開票)を巡り、自民党が知事選に擁立する元副知事の小西禎一(ただかず)氏(64)は17日、マニフェスト(公約)を発表した。府内の小中学生を対象とした学校給食無償化や、大阪都構想に終止符を打ち、新たな成長戦略を協議する体制構築などを掲げた。
 公約スローガンは「成長を分かち合える大阪」。ものづくりの中小企業や、バイオ・医療といった大阪の強みを生かした産業活性化を掲げる。
 子育て・教育支援として、政令市を含む府内の小中学生を対象に、学校給食の無償化を掲げた。対象は約60万人の児童・生徒。300億円規模を府費で賄う試算で、財源の組み替えなどで対応するとした。
 最大の争点の大阪都構想は「終止符を打つ」と明記。府と市の庁内会議「副首都推進本部」を成長戦略本部と改め、府内全市町村と連携強化を図る新たな大都市圏モデルの構築を検討するという。
 現在の府市が2024年の開業を目指すカジノを含む統合型リゾート(IR)について、小西氏は同日の記者会見で方向性には賛成する一方、「時期ありきでなく、府民の意見を踏まえて進めるべきだ」と指摘した。【岡崎大輔】


常盤貴子主演『グッドワイフ』が描く検察組織のダーティぶりがリアルすぎる! 番組Pはなぜか小渕優子の夫
 ここ最近、やたら弁護士が主人公のドラマが目立つが、そんななか、安倍政権と検察で実際に起きている不正が克明に描かれていると一部で話題になっているドラマがある。日曜夜に放送している、常盤貴子主演のドラマ『グッドワイフ』(TBS)だ。
 常盤演じる主人公の蓮見杏子は、唐沢寿明演じる検事の夫・壮一郎と結婚、子どもができたことを機に弁護士を引退し専業主婦となっていた女性。ところが、東京地方検察庁特捜部長までのぼりつめていた夫・壮一郎が現職のまま突然収賄疑惑で逮捕され、さらに女性スキャンダルまで発覚する。杏子は生活のため、十数年ぶりに弁護士に復帰し、夫の弁護にも乗り出すことになる。
『グッドワイフ』はアメリカのドラマが原作で、やや荒唐無稽な部分があるが、実際にドラマを見返してみると、たしかに、検察の実態を彷彿とさせるストーリーやディテールが次々に出てくる。
 たとえば、そのひとつが、壮一郎の逮捕の裏側だ。逮捕前の壮一郎は、大物政治家の汚職を捜査していた。そこで、捜査の手が迫った大物政治家と検察上層部が組み、捜査を止めさせるため逆に壮一郎の汚職をでっち上げ、逮捕していたのだ。
 検察が疑惑封じ込めのために身内の現役検事をでっち上げ逮捕するなんてありえないと思うかもしれないが、検察ではこういうケースが実際に起きている。2002年検察庁の調査活動費の不正流用をテレビで実名告発しようとした三井環・大阪高検公安部長(当時)を直前、微罪で別件逮捕、口封じした事件だ。実際、ドラマを見ていると、ディテール部分が三井事件とよく似ており、参考にしているのではないか、とも思えてくる。
 また『グッドワイフ』は、検察の強引な捜査や人質司法、取り調べの実態も描いている。
 後任の特捜部長となった脇坂が「必ず起訴して有罪に持ち込め!」「落とせ」と部下にはっぱをかけるシーン、東京地検特捜部検事正が「大事なのは正義でなく有罪にすることだ」と呟くシーン、そして、壮一郎に保釈を餌にして自白を強要するシーンなどが繰り返し出てくるのだ。
「お前を起訴してやる! それだよ、その顔が見たかったんだよ。正義漢ヅラが悔しさで歪むのがな。裁判で有罪になれば当然、検事を辞める羽目になる」
「これだけは言っておくがな、何回申請しようとも絶対君は保釈されない。裁判が終わるまで薄暗い独房で生きるんだ」
 また、脇坂特捜部長が妻の杏子にアプローチし、こう揺さぶりをかけるシーンもあった。
「(家が)大変でしょう。色々と。あのー、私も言ってるんです、ご主人に。罪を認めさえすれば、すぐにでも拘留は解かれる。家族の元に帰れるんだぞって」
「蓮見くんも家族のことを思えば更生してくれるだろう。お子さんを巻き添えにするのはかわいそうだからな」
 保釈を自白の交換条件にする人質司法はゴーン逮捕でも散々話題になったが、
『グッドワイフ』はその実態も繰り返し描いていた。
 ほかにも、証人に虚偽の証言をさせたり、証言の音声データを捏造したり、大阪地検特捜部が証拠を改ざんした厚労省の村木厚子氏の冤罪事件を彷彿とさせるようなシーンもあった。
検察と政界の癒着、加計問題や公文書改ざんを彷彿とさせるシーンも
 さらに、『グッドワイフ』は、検察と政界の癒着も描いている。壮一郎が不正を暴こうとしていた大物政治家というのは、南原次郎(三遊亭円楽)官房副長官なのだが、南原は検察OBで検察有利な司法改革をしてくれるという設定。つまり、検察は自分たちの利益になる改革のために、南原の不正を隠蔽しようとしていたわけだが、これまた、実際の検察と政界の間で同じようなことが起きている。
 それは、甘利明元経済再生相の収賄・口利き疑惑。この事件はかなりの証拠が揃っていたにも関わらず不起訴処分になったが、これは法務省の黒川弘務官房長(当時)が安倍官邸の意を受けて、露骨な捜査潰しを行ったといわれている。黒川官房長は、当時、司法取引の導入や盗聴法の導入などを推し進めた中心人物。甘利捜査潰しは検察有利の刑事訴訟法改革をやってくれた安倍官邸へのお礼だったのではないかといわれているのだ。
 でっち上げ捜査、自白強要、証拠改ざん、そして政界との癒着……弁護士や検察を描いたドラマは最近非常に多いが、ここまで、検察の“黒さ”をリアルに徹底的に描いたドラマがあっただろうか。
 しかも、『グッドワイフ』が批判的に描いているのは、検察だけではない。安倍政権の不正を風刺するような設定や描写もたくさん出てくる。最たるものが、壮一郎が捜査していた大物政治家・南原の不正疑惑。その内容というのが、五輪跡地の「経済特区」の企業選定をめぐるものなのだ。
 これだけでも十分加計問題を想起させるが、ほかにもリアルなディテールやシーンがやたら出てくる。
 特区に選定された企業の株をめぐるインサイダー疑惑がもちあがり、南原が「特区選定をいつ知ったか」ということが問題になるシーンは、安倍首相が加計学園の特区申請をいつ知ったか、を国会で追及されていたことを彷彿とさせるし、インサイダー疑惑の証拠を消すため、公文書改ざんまで起きるのは、明らかに森友問題に関する公文書改ざん事件を意識したものだろう。しかも改ざんを実行したのは、加計問題で、文科省への圧力など暗躍していた「内閣府」という設定だ。
 ドラマでは決裁文書の改ざんを部下に指示した内閣府特命推進事務局長に杏子の上司弁護士の多田征大(小泉孝太郎)が、改ざん前の文書を渡すようこんな言葉で迫っている。
「南原はいざとなったらあなたを切る。文書の改ざんを職員に命じたのはあなただ。事件が発覚すれば誰が責任を取らされるのか。今なら内部告発で済む」
 森友文書改ざんでは、改ざん当時財務省理財局長だった佐川宣寿氏がすべての責任をかぶり国税庁長官を辞任した一方、安倍首相も麻生財務相も辞任はおろか説明責任すらも果たしていないが、このセリフはそのこと皮肉ったものとも受けとれる。
演出は『逃げ恥』の監督、でもプロデューサーは小渕優子の夫
 ドラマでは他にも、裁判官と弁護士が仲良くフットサルをしたり、また武田鉄矢演じる落ちぶれたジャーナリストがネット番組『真実報道』で放言やデマを撒き散らしていたのが、『報道特注』(文化人放送局)や『ニュース女子』(DHCテレビ)といったネット番組に似ていたり、と現実社会や言論状況までをパロディしているかのような設定やディテールなどが随所に散りばめられていた。
 テレビの報道が忖度や圧力によって、政権批判を完全に封印してしまっている中で、『相棒』など、一部のドラマが政権批判を盛り込んで一矢報いようとする動きを見せているが、この『グッドワイフ』からも明らかにそういった意図が感じられるのだ。
 しかも、『グッドワイフ』は検察と政界の癒着という、新聞テレビが絶対に触れることのできないもっとも強固なタブーを、これまでにないリアルさで切り込んでいる。
 演出を務める塚原あゆ子氏は、大ヒットした『逃げるは恥だが、役に立つ』(TBS)で知られる人物。『逃げ恥』でもそのリベラルな視点が際立っていたが、昨年放送の『アンナチュラル』(TBS)でも、山口敬之氏による伊藤詩織さん性的暴行事件を彷彿とさせるような事件を描いていた。『グッドワイフ』はアメリカのテレビドラマが原作だが、壮一郎の事件などは日本版オリジナル。塚原氏のリベラルでジャーナリスティックな視点がかなり生かされているのではないだろうか。
 しかし驚くのは、このドラマのチーフプロデューサーが瀬戸口克陽氏だということ。そう、小渕優子議員の夫なのだ。小渕議員といえば、2014年、政治資金規正法違反(虚偽記載)容疑が浮上したものの、まさに検察と政界の癒着によって、起訴を免れたといわれている。そんな政治家の夫がなぜこんなヘビーな検察批判のドラマをプロデュースしたのかさだかではないが、ドラマのスタンスはあっぱれというほかはない。
 今日17日、最終回を迎える『グッドワイフ』だが、ドラマの展開は現実はと違って、小泉孝太郎に説得された内閣府特命推進事務局長が証拠文書を提供し明るみにしたことで、大物政治家のインサイダー疑惑を暴いた壮一郎は検察に復帰し検事正に出世、今度は壮一郎が、妻・杏子に想いを寄せる多田弁護士を裁判官との癒着、贈賄容疑で逮捕するという驚きの展開を見せている。ドラマの行方と同時に検察という組織がどういう描かれ方をして終わるのか。その行方も注目される。(伊勢崎馨)

30分待って/タラはどこ?/駅裏のイタリアン

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だるま元気いしのまき190211

Facebook, canal de diffusion consommé sans modération
Le réseau social a tardé à retirer la vidéo en direct du terroriste, la faute à un algorithme inefficace.

Dix-sept minutes. C’est la durée pendant laquelle le terroriste de Christchurch a diffusé, en direct sur sa page Facebook, les images du massacre qu’il était en train de perpétrer dans deux mosquées de la ville. Sans qu’à aucun moment, le réseau social, si prompt par ailleurs à supprimer les photos de nus, n’interrompe la retransmission.
Efficace pour repérer les images susceptibles de contrevenir aux règles du réseau social, l’algorithme de modération utilisé est en revanche inopérant pour détecter pendant leur diffusion celles filmées en Facebook Live, la fonctionnalité de vidéo en direct du réseau social. Un enjeu de taille pour le géant américain, alors que ce format, devenu star depuis plusieurs années, booste l’audience et le temps passé devant leur écran par les internautes. D’autant plus problématique que l’autre algorithme, celui qui choisit de mettre en avant les contenus sur les pages Facebook, pondère avantageusement les vidéos, surtout si elles sont publiées en ≪natif≫ via Facebook Live, plutôt qu’en partage depuis YouTube ou d’autres plateformes.
Comme à Christchurch, c’est par le biais d’un signalement - le plus souvent d’autres d’internautes - que l’alarme est donnée. ≪La police néo-zélandaise nous a alertés concernant une vidéo diffusée sur Facebook peu après le début du flux en direct et nous avons supprimé le compte Facebook et la vidéo du tireur≫, a indiqué dans un communiqué Mia Garlick, porte-parole de Facebook en Nouvelle-Zélande, ajoutant que le réseau social travaillait pour supprimer ≪tout éloge ou soutien envers le crime et le tireur ou les tireurs≫. Son compte Instagram a lui aussi été supprimé.
Une position affirmée également par les principaux géants du numérique, impliqués dans la dissémination du message de haine. ≪Le massacre néozélandais a été diffusé en continu sur Facebook, annoncé sur 8chan, retransmis sur YouTube, commenté sur Reddit et copié dans le monde entier, avant même que les sociétés de technologie ne puissent réagir≫, résume Drew Harwell, journaliste au Washington Post .
La maison-mère de YouTube, Google, a rappelé que ≪les contenus choquants, violents et explicites n’ont aucune place sur [nos] plateformes et sont supprimés dès qu’ils sont repérés≫. Twitter a de son côté indiqué avoir suspendu le compte du suspect, s’évertuant à bloquer ou supprimer les occurrences les plus choquantes des images de la tuerie de Christchurch. Un jeu du chat et de la souris doublé d’un contre-la-montre, de multiples versions de la vidéo macabre continuant d’être repostées à mesure qu’ils les suppriment. Sans modération.
Christophe Israël
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チコちゃんに叱られる!「“おいしいプリンの秘密”“甲子園球場の謎”ほか」

佐藤隆太さん、MEGUMIさんもタジタジ。プリンの歴史を追うと気になるアレの意外な秘密が。高校野球の季節、甲子園のなぞが明らかに。宇宙人に関わる疑問からは最先端の宇宙研究が見えてきます。自転車に乗るときについしてしまうあの動作、実は人体の神秘が背景にあるんです。キョエちゃんコーナーはかわいらしいお父さんに関する疑問が。誰かに話したくなる話題ばかりの45分。ご家族みんなで楽しく見てください。 岡村隆史, 佐藤隆太,MEGUMI, 塚原愛, 木村祐一, 森田美由紀
いちおし!九州沖縄 アサタビ!
あったかい出会いを求めて九州・沖縄をめぐる「アサタビ!」。今回は、俳優の迫田孝也さんが、佐賀県太良町を旅します。古くから“豊足(ゆたたり)の地”と呼ばれ、この時期はカキなど、有明海の恵みが豊富な太良町。最近は、干潮の時だけ全景を現す“海中鳥居”が、SNSで人気のスポットに。さらに、月と有明海が織りなす美しい絶景が見られる、星空の観察会にも飛び入り!“豊足の町“の恵みを満喫します。 迫田孝也, 辻本彩乃
ドキュメント72時間「東北 春を探して 国道45号線を行く」
東北の太平洋沿岸を走る「国道45号線」が舞台。震災から7年、3月11日に仙台を出発し、道行く人々に声をかけながら北上する。道ばたの桜を眺めるのが日課だという男性。かつて自宅があった場所でひなたぼっこをする年配の女性。東北の自然に魅せられ、東京から移り住んだ研究者。復興格差も見える沿岸部の町を行き、それぞれが待ちわびる春とは何かを探る3日間。 市川実日子
世界ナゼそこに?日本人〜知られざる波瀾万丈伝〜超有名&感謝される日本人2時間SP
【超有名&感謝される日本人SP】ある奇想天外な事で世界一となりイギリスで大人気の女性▽私財を投げ打ちミャンマーの貧しい人々の命を無償で救い救世主と感謝される医師
超有名&感謝される日本人SP  ▽イギリスで、ある奇想天外な事で世界一となり超有名に!ドラマ・CM・歌とイギリスを席巻している41歳女性。彼女を超有名にしたある事とは?▽ミャンマー奥地の秘境で、私財3000万を投げ打ってまで貧しい人々を無償で救い感謝される44歳男性医師。車も通れない山奥の無医村を回る巡回診療を10年も続けているという。大切な人の死に導かれた波瀾万丈の人生ドラマとは? ユースケ・サンタマリア、新井恵理那 笛木優子、朝比奈彩、東貴博、渡部陽一

3.11あの日から8年・終(つい)の住みかと言うけれど…〜取り残される被災者〜

真新しい災害公営住宅に移った人たちの暮らしはどうなっているのか。
政府が復興の総仕上げの象徴と位置づける頑丈な集合住宅での暮らしにもいくつもの歪みが明らかになっている。
5年前、仙台市で最初に完成した荒井東地区の災害公営住宅には高齢者を中心におよそ300世帯が入居。
去年の暮れ、男性が死後数か月たった状態で見つかった。
隣人すら名前を知らなかったという。
亡くなったのは1人暮らしの60歳の男性と分かった。
孤独死だった。
自治会にも加入しておらず、どんな生活をしていたか分からなかった。
災害公営住宅自治会長・庄司宗吉は見守りの必要な住民を把握しようと努めてきた。
現在、自治会には半数しか加入しておらず、残りの住民は名前すら分からない。
どこに誰が住んでいるか教えてほしいと行政に度々要望したが、個人情報の保護を理由に教えてもらえずにいた。
誰にもみとられずに亡くなる孤独死は災害公営住宅では入居者の増加とともに増え続け、去年は76人。
公営住宅の入居者はもともと宮城や福島など別々の地域に暮らしていた人たち。
住民同士の交流会も開かれたが集まるのは同じ人ばかり。
新しいつながりはなかなか生まれなかった。
住民の健康に新たな異変も起きていた。
5年前に入居した男性はそれまで経験したことのない不眠の症状に苦しんでいる。
宮城沿岸の港町名取市閖上で生まれにぎやかに暮らしていた男性は津波で自宅を失い、80年以上過ごしたふるさとを離れざるをえなくなった。
息子や妹の家など5回も転居を繰り返し、ここに入居後不眠に悩まされるようになった。

知ってる?!4歳児のヒミツ
子どもたちの知られざる世界を、リモートカメラで観察するドキュ・エンタメ番組。そこには大人顔負けの個性と人間関係が広がっていた!番組MCは麻生久美子・澤部佑。
4歳児は、社会性に目覚める年頃。その時、心と脳はどんな成長過程にあるのか、専門家の“ナルホド”な解説と共に、子どもの世界をこっそり見ちゃう番組。10人の子どもが集まった教室では「事件」がいっぱい!友達の輪に入れず、寂しそうな女の子。そこに、そっと近づいていく子が!相手の気持ちを考えた、大人顔負けの行動とは?一方、おもちゃを巡るトラブルも!子供たちだけ解決できる?イギリス発、海外人気番組の日本版。  玉川大学教育学部教授…大豆生田啓友,東京大学大学院教授…開一夫,聖心女子大学准教授…高嶋景子 麻生久美子,澤部佑

NHKスペシャル 廃炉への道2019「核燃料デブリとの闘いが始まった」
福島第一原発の事故で出た「核燃料デブリ」。それに初めて触れる調査が行われた。廃炉最大の壁・デブリの正体に迫るとともに、地元の住民が廃炉をどう見つめているかを描く
メルトダウンした3つの原子炉を「廃炉」にする、世界でも例のない取り組みを記録するシリーズ「廃炉への道」。事故から8年、廃炉最大の“壁”である「核燃料デブリ」に、初めて直接触れる調査が行われた。番組では、東京電力や技術者たちを徹底取材。「デブリの正体」に迫っていく。廃炉作業が進む一方で、いま原発の周辺では住民の帰還が進んでいる。地元の住民はどんな思いで、廃炉をみつめているのか取材する。
ETV特集 アンコール「ドヤ街と詩人とおっちゃんたち〜釜ヶ崎芸術大学の日々〜」
日雇い労働者の街、大阪・釜ヶ崎。酒、ギャンブル、家族離散…辛酸をなめてきたおっちゃんたちが心をわしづかみにする絵や詩を生み出している。人生が刻まれた表現に迫る。
釜ヶ崎芸術大学。NPOが運営し、街のあちこちで詩や絵、書道、音楽などのさまざまな講座を開いている。ここで年配の男たちが生み出す作品が出色だ。酒やギャンブルにおぼれたり、家族が離散したり、波乱を生きてきたおっちゃんたち。人づてに聞いた孫の誕生を祝おうと描く絵本。生き別れの娘との思い出をつづった童話。人生が刻まれた表現の重みと輝き、彼らを支える詩人の活躍、そして釜ヶ崎という街の懐の深さを見つめる。 上田假奈代

Scholarly Vicke @Vicke_2011
日本天文学会より声明「天文学と安全保障との関わりについて」http://www.asj.or.jp/news/190315.pdf 出た。資料にあるよう若手の大多数が「安全保障技術研究推進制度」に賛成。軍事研究への「研究の自由」を守れの意見が強く難産でござった。軍事「研究の自由」を唱える集団、社会が支持支援してくれるのだろうか?
ほしねぇ@おバカ高校生 @hoshine1111
【#今朝のニュース】日本天文学会は、人類の安全や平和を脅かす研究は行わないとする声明を発表しました。🚀しかし、天体観測のためのレーダーを軍事的に使うことが出来るなど、天文学に使う技術には軍事技術と重なる部分が多く線引きが難しいため、研究内容は会員らの自主性に任せていく方針です。📡

朝駅からメールすると,どこかで時間つぶしてって.コンビニ行ってコインランドリーいて結局30分待ちました.
寝不足だったのか2時間も寝てしまいました.
夕方の待ち合わせはどこ?タラって?ちょっとイライラしてしまいました.
行こうと思っていたイタリアンは満席だったので駅裏のイタリアン.美味しかったです.

<古里からのバトン>女の意気地 宿守り抜く
 東日本大震災や東京電力福島第1原発事故の被災地に、首都圏や仙台など都市部から気概に富む人々がUターンしている。「復興の力になりたい」「傷ついた古里の行く末を見守りたい」。生まれ育った景色は失われても、古里への思いは消えない。
◎復興Uターン(4)大船渡市 ホテル椿マネージャー 佐々木陽代さん(30)
 曽祖母から数えて女系の4代目。幾度となく津波に襲われたまちの宿に、ひ孫娘が帰ってきた。
 東日本大震災の発生から2年半後に完成した大船渡市のホテル「大船渡インター ホテル椿」は、マネージャーの佐々木陽代(ひより)さん(30)が、母博子さん(54)と切り盛りする。
 津波で全壊した母の旅館「海風苑」を内陸部に移して再出発した。栄養のバランスを考えた食事など、気配りと家庭的な雰囲気が売りだ。
 震災の津波で母の「海風苑」だけではなく、祖母幹子さん(78)の「ホテル福富」も2階まで浸水した。「もう再起できない」と感じていた。
 だが、祖母だけは違った。がれきの中に孤立したホテルで布団にくるまりながら「復興には泊まる場所が必要だ」と再開を決意。震災から約4カ月後には、水没を免れたホテルの3階で宿泊客の受け入れを始めていた。
<血筋が背中押す>
 津波常襲の浜で旅館業一筋。「佐々木家の血」(幹子さん)が背中を押した。
 曽祖母の故フクエさんが「福富旅館」を開業したのは1952年。8年後の60年、チリ地震津波が大船渡を襲った。やはり被災したが突貫で建物を修繕し、19日後にはいち早く営業を再開し、旅館は復旧活動の拠点となった。
 曽祖母に旅館業の何たるかを学んだ祖母。働く祖母の背中を見て育った母。女の意気地は陽代さんにも受け継がれていた。勤めていた花巻市の温泉旅館を2012年末に辞め、傷ついた古里でホテル開業に奔走する母との二人三脚が始まった。
 リニューアルオープンしたホテルは復興工事の関係者でごった返した。
 「ホテルぐらいはしっかりしてくれよ」。疲弊してストレスがたまった宿泊者が怒声を浴びせる。「被災者であっても、自分たちは迎える側の人間」と陽代さん。がむしゃらに働いた。
 祖母のホテルは15年4月に移転、新築を果たした。親子3人で宿を2カ所も再建し、多くの借金を背負った。復興需要は間もなく終わる。曽祖母の代から築き上げてきた信頼が頼りだ。
<地域密着に活路>
 新たにホテルでフラワーアレンジメント教室やコンサートを開くようになった。「地域密着」こそが旅館業の基本と考えた。
 サンマの水揚げ本州一の大船渡をアピールするなど、さまざまな復興まちおこしイベントにも裏方として関わる。「地域の魅力を再発見できるし、(復興の最前線に立つ)異業種の人々との交流で学ぶことも多い」
 「佐々木家の女性は『サイキョウ』なんです」と陽代さんがはにかんだ。
 創業の曽祖母は「最強」。津波にも歯向かう祖母は「最恐」。周囲と一緒に笑顔で困難を乗り越える母は「最共」。
 「私も、いろいろな人と出会って成長し、周囲に影響を与えられる人になりたい」
 4代目が目指すのは「最響」−。


<震災8年>被災3県観光業、なお回復せず 訪日客の沿岸波及が鍵
 東日本大震災で津波被害を受けた岩手、宮城、福島3県の沿岸で観光客数の回復が進んでいない。集客施設の整備が遅れ、作業員やボランティアらの復興需要も落ち着いた。震災から8年がたち、東北を訪れる訪日外国人旅行者(インバウンド)は急増している。内陸部の観光地で高まるインバウンド効果を、どう沿岸部にも波及させるかが問われている。(報道部・保科暁史)
 玄関先の海岸が堤防整備や農地復旧工事の資材運搬の基地港となり、6年以上が過ぎた。今も重機が土砂をかき上げ、トラックが頻繁に出入りする。
<復興需要が減少>
 「これでは観光客は戻らない」。東松島市宮戸の大高森観光ホテルの前社長桜井邦夫さん(83)が苦笑する。
 宮戸地区は津波で壊滅的な被害を受けたが、内湾に位置するホテルは被害が小さかった。2011年5月から作業員を受け入れ、ボランティアの拠点にもなって激減した観光客の穴を埋めた。
 復興需要が緩やかに減少したのと反比例し、観光施設は震災前の姿を次第に取り戻した。名所の嵯峨渓の遊覧船は再開し、農林水産業体験などの多目的施設が開業。それでも宿泊客は震災前の5割しか戻らない。
 宮城県によると、観光客入り込み数は県全体では17年に震災前を初めて上回ったが、東松島市は10年比で61.2%にとどまるなど沿岸自治体の大半は震災前を下回る。岩手も沿岸エリアが66.8%、福島の浜通り地方も68.2%までしか回復していない。
<平日でも満室に>
 一方、内陸の主要観光地やスキーリゾートではインバウンドの足音が力強さを増している。
 安比高原(岩手県八幡平市)のホテルに今季(18年12月〜19年3月)宿泊した外国人は延べ約4万人に達し、2シーズン前の約1万5000人より大幅に増える見込みだ。花巻空港の上海線が1月30日に就航したこともあり、2月上旬の春節(中国の旧正月)は中国人客が詰め掛け、平日でもホテルの計約1000室が満室近くになった。
 運営する岩手ホテルアンドリゾート(盛岡市)は新雪が楽しめるコースの拡大や物販エリアの改修など受け入れ環境を強化する。担当者は「外国人客は冬季の宿泊者の3割を占める。花巻空港の上海線、台北線を生かし、さらに取り込みたい」と語る。
 東北の外国人延べ宿泊者数は15年以降、さらに伸び幅が拡大。17年には全6県で震災前を上回った。18年も前年比26%増で、全国10ブロックで伸び率が最も高かった。
 インバウンドの流れを沿岸部にも呼び込もうと、交通インフラや観光施設の整備が徐々に進む。大高森観光ホテルの近くには18年10月、韓国版トレッキング「オルレ」のコースがオープンした。桜井さんは「受け入れ態勢をつくれば外国からのお客さまも増えるかもしれない」と期待する。
 東北観光推進機構の紺野純一専務理事推進本部長は「三陸鉄道リアス線の開業や三陸沿岸道の延伸など、沿岸部でも観光に必要なインフラがようやくそろってきた。震災遺構や教訓は重要な誘客ツールになる。教育旅行の誘致にも積極的に取り組む」と意気込む。


<災害住宅>宮城県内最後の完成「やっとという思い」 入居者仮設住宅暮らしに別れ
 「みんな出て行って取り残された感じがあった。『やっと』という思い」。石巻市南境の仮設住宅に暮らす主婦佐々木智恵さん(50)がしみじみと語る。
 東日本大震災の津波で同市鹿妻の借家が全壊して8年が過ぎた。宮城県内最後の完成となった東松島市柳の目西地区の災害公営住宅への転居が間近に迫る。
 2012年2月ごろに入った仮設住宅は茶の間や寝床にカビが発生、夜も眠れないほど呼吸が苦しくなった。行政に相談し、現在の仮設住宅に移った。
 症状は次第に落ち着き、住民とも打ち解けた。集会所の鍵の管理も任されるようになり、「いろんな人との出会いがあって絆を感じられたことが宝」と振り返る。
 猫が一緒のためペット可の災害公営住宅を探した。石巻市では人気地区を避けて申し込んでも全て外れた。東松島市に応募したらすぐ決まったが、完成までさらに2年余りを要した。
 「県内最後と知り、びっくりした。長かった。新しい場所に行けば新しい触れ合いがあると思う」と入居を心待ちにする。
 東松島市の仮設住宅に住む無職渋谷真由美さん(59)も柳の目西地区に移転する。「2月の説明会で顔合わせの場があったが、知っている人は誰もいなかった。不安も期待も半々な感じ」と言う。
 震災で東松島市のアパートが津波で被災。同市大塩の仮設住宅を経て17年11月ごろ、今の場所に移った。災害公営住宅は防災集団移転促進事業の対象者らが優先され、なかなか希望が通らなかった。震災時に一緒に逃げた愛犬もおり、入れる部屋も限られた。
 「仮設住宅も慣れてしまえば普通の家と同じだと思って過ごしてきた。ただ夏は暑く、冬は寒い。あっという間と言えばあっという間だった」と疲れた表情を浮かべた。
 3月下旬は引っ越し代が高騰するため、佐々木さん、渋谷さんとも4月に新居に移る予定だ。生活が一変したあの日から8度目の春。ようやく仮住まいが終わる。


<災害住宅>宮城県内の全1万5823戸整備完了 東松島で最後の100戸完成
 東日本大震災の被災者向けに東松島市が建設していた同市柳の目西地区の災害公営住宅100戸が完成し、24日に入居者に引き渡される。宮城県内最後の災害公営住宅となり、震災発生から8年で全1万5823戸の整備が完了する。
 県内の災害公営住宅は21市町312地区に建設された。完成戸数の推移はグラフの通り。市町別では石巻市が最も多い4456戸で仙台市3179戸、気仙沼市2087戸、東松島市1101戸と続いた。
 柳の目西地区の災害公営住宅は全て一戸建て。平屋と2階の住戸を組み合わせた町並みで、各戸の敷地には約1坪の家庭菜園用スペースを設けた。
 入居予定者は東松島市内のプレハブ仮設住宅やみなし仮設住宅などに暮らす51世帯101人。空き住戸の一部は5月にも一般募集する方針。
 同市の渥美巌市長は15日の定例記者会見で「県内で最後になったが、住まいの復興がよくここまで進んだと感じている。被災された方々は新しい住まいを拠点とし、自立に向けて再出発してほしい」と話した。


デスク日誌 ILC
 ビッグバンを再現し、宇宙誕生の謎を探る全長20キロの次世代加速器「国際リニアコライダー(ILC)」に関し、文部科学省は「誘致の表明には至らない」との見解を示した。何ともすっきりしない節目だった。
 国際的な物理学者チームが2013年、建設候補地として岩手、宮城県境にまたがる北上山地を選定。研究者組織や文科省を中心に誘致動向を取材してきた。
 支社3年目で4月に本社に戻るベテランが、一手に担った。研究者組織が加速器全長を短縮して建設費の削減を決めたり、日本学術会議が「誘致判断は慎重にするべきだ」と示したりした一連の経緯を丁寧に報じた。科学の基本を理解していない当方にも分かりやすく解説してくれた。
 異動を前に、ILCの行方を決定づける取材になればいいと思ったが、そうはならなかった。文科省は「計画に関心を持って国際的な意見交換を継続する」と言うものの、振り出しに戻された感覚は否めない。
 取材は続く。宇宙、そこは最後のフロンティア。ベテランの心強い知識と取材の要点は後任にしっかり引き継いでもらおう。最後まで苦労をかけます。(東京支社編集部長 吉岡政道)


最後の卒業式、7人巣立ち 今月閉校の気仙沼・水梨小
 児童数の減少に伴い今月いっぱいで閉校する気仙沼市水梨小(児童16人)で15日、最後の卒業式があり、卒業生7人が思い出と決意を胸に学びやを巣立った。
 笹川清治校長が一人一人に卒業証書を手渡し「さまざまなチャンスに果敢にチャレンジし、自分をチェンジさせ続け、自分の花を咲かせてください」と式辞を述べた。
 卒業生は全員で「門出のことば」を述べ「水梨小学校最後の卒業生として誇りを持って生きていきます。この学びやで過ごした思い出を心に刻み、夢に向かって強く歩き続けていきます」と誓った。
 東日本大震災の津波で市内にあった自宅が全壊し、3年時に転校してきた伊藤賢君は「皆が温かく迎えてくれた。将来は水梨小の校舎のように、皆を安心させてくれるような建物を造れるよう建設の仕事をしたい」と語った。
 同校は1873年にできた老松小水梨子支所が前身。1952年に松岩小水梨分教場から独立し開校した。開校後の卒業生は計1032人。複式学級の解消を図る市義務教育環境整備計画に基づき松岩小と統合する。17日に閉校式がある。
 県内の公立小学校で15日に卒業式があったのは63校。集中日は19日で、仙台市立106校を含む288校が予定している。


<女川再稼働>住民投票条例案否決 宮城県議会、増す責務 県民意見幅広く反映を
 宮城県議会に提出された東北電力女川原発2号機再稼働の是非を問う住民投票条例案は、自民党会派などの反対多数で否決された。再稼働の地元判断に、県議会は住民投票によらず責任を持つと意思表示したに等しい。議会制民主主義の担い手としての責務が重みを増したことを自覚すべきだ。
 市民団体の直接請求が実現した背景には東京電力福島第1原発事故以降、再稼働に慎重な世論がある。署名数は県内有権者の5.75%と、先行した新潟県や静岡県を超え、県民の関心が高かったのは間違いない。
 議会に対する不信感も読み取れる。連合審査会で参考人の一人は「議員、首長と住民の意思の間にギャップが生じることがある」と指摘。再稼働の是非に、自らの意思が正確に反映されないのではないかと不安視する県民の意見を代弁したと言える。
 これまで原発に関する議論が活発ではなかった宮城県議会で、地元に立地する原発の在り方やエネルギー政策の方向性、民主主義の考え方などが論じられたことは直接請求の成果であり、評価されるべきだ。
 一方、署名の重みを踏まえた熟議がなされたのかどうかは疑問が残る。自民会は「慎重な検討」に腐心したが、当初から反対方針が見え隠れした。野党会派も与党側の動揺を誘う修正案までは示せなかった。
 「多様な意思を正しく反映できない」などとして住民投票を退けた以上、条例案に同様の意見を付した村井嘉浩知事とともに県議会は、再稼働を巡る意思決定の過程で住民意見をしっかりと吸い上げる責任を今まで以上に背負う。
 今後、再稼働に向けた手続きが本格化する。県や県議会が県民への説明責任を果たす場は、形式だけを整えたセレモニーであってはならない。(解説=報道部・吉江圭介)


<女川原発再稼動>30キロ圏内首長「11万筆に意義」「二元代表制と対立」
 住民投票条例案の否決を受け、女川原発30キロ圏内の緊急防護措置区域(UPZ)を含む宮城県内の自治体首長は、県議会の判断を冷静に受け止めつつ、「署名に意義があった」「二元代表制になじまない」など住民投票の意義、在り方について考えを語った。
 美里町の相沢清一町長は「11万超の署名が集まったことは意義があり、県民を巻き込んだ大きな動きであったことは確かだ」と採決に至る経緯を評価。「立地2市町を除くUPZ5自治体の首長による話し合いでは、多様な意見があることを理解した上で意見を述べていきたい」と語った。
 石巻市の亀山紘市長は「(住民投票は)市民の意向を直接伝える意義はあるが、議員は市民の負託を受けている。(否決は)県議会として二元代表制になじまないとの判断をしたのだろう」と指摘した。女川原発2号機の再稼働に関しては「安全確保を最優先にしていく」と述べた。
 女川町の須田善明町長は「議会での議論の上での自律的な判断と認識している。事業者には今後も安全確保の徹底を求めていく」と話した。


住民投票条例案否決/議論深める機会を無にした
 東北電力女川原発2号機(宮城県女川町、石巻市)の再稼働の是非を問う住民投票条例案を巡り、宮城県議会は15日の本会議で、議案を賛成少数で否決した。
 自ら意思表示をしたいと署名した11万人を超す県民の願いはかなわなかった。住民投票は、多くの課題を抱える原発の問題に関し、県民が考え、理解を深める絶好の機会となったはずだ。それだけに否決は残念な結末だ。
 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の発生から8年。被災地の住民は事故の惨状を目の当たりにし、今なお避難が続く福島の被災者へ思いを寄せてきた。
 原発事故の影響は宮城県内でも続いている。水産物の輸出禁止や汚染廃棄物の処理など、問題は暮らしに直結している。まして女川原発は足元にある原発だ。重大な事故が起きた場合、30キロ圏内に暮らす住民は21万人に上り、避難先は県内全域に及ぶ。
 県民が「わがこと」と捉えて、原発再稼働を問う住民投票を求めたのは当然だ。住民の政治参加の機会を認めなかった県議会の責任は、大きいと言わざるを得ない。
 村井嘉浩知事は条例案に付した意見で賛否を明らかにしなかったが、条例制定には消極的な考えをにじませた。意見は条例案の課題を指摘する一方、県民の暮らしや安全への言及はなかった。「判断は議会に委ねる」として議論の土俵に上らなかった村井知事の姿勢は「人ごと」のようにも映った。
 住民投票は有権者が個別の政策に意思を表明し、間接民主主義を補完する制度だ。本来、首長や議会と対立する関係ではなく、互いに補い、高め合う関係にある。
 過去の住民投票をみれば、住民は単に感情任せで投票しているわけではない。むしろ投票に先立って正確な情報を集め、それを基に多様な議論を重ねている。そうしたプロセスを通じ、投票と結果への責任を養っている。
 東北電力巻原発の建設を巡り、1996年、直接請求による住民投票が行われた新潟県巻町(現新潟市)には、こんなエピソードが残る。「町民なら誰であれ、3時間は原発の話をすることができた」。それだけ住民はエネルギー問題を学び、賛否の根拠や地域の将来像について意見を交わしたということだ。
 今回の条例案に関しては、賛否の二者択一を迫る選択に「多様な意思が反映されない」との批判もあった。しかし、県民の多角的な議論こそ重要であり、その過程で住民の多様な思いをくみ取り、熟議して政策に生かすのが政治の役割ではなかったか。
 福島第1原発事故で原発の在り方が転換点を迎えている今だからこそ、有権者が議論を尽くし意思表示する住民投票は大事にすべきだった。条例案否決で住民に無力感が募る事態を憂慮する。


<女川再稼働>宮城県議会、住民投票条例案否決 自民など反対多数
 東日本大震災後に運転を停止している東北電力女川原発2号機(宮城県女川町、石巻市)の再稼働の是非を問う住民投票条例案を巡り、宮城県議会2月定例会は15日の本会議で議案を採決し、最大会派の自民党・県民会議、公明党県議団などの反対で否決した。
 東京電力福島第1原発事故後、原発再稼働に関する住民投票条例制定の直接請求は宮城を含め計6件あったが、いずれも議会で否決されている。
 議長を除く議員57人のうち、反対は自民会派30人と公明会派4人、21世紀クラブ1人の計35人。賛成は旧民進党系会派のみやぎ県民の声9人、共産党県議団8人、社民党県議団2人、無所属の会2人の計21人だった。自民会派の1人が採決前に退席した。
 原案の採決に先立ち、野党側は公務員による意見表明が可能とした項目を削除するなどした修正案を提出したが、自民、公明両会派などの反対で否決された。
 与野党会派の計4人が討論に立った。県民の声の佐々木功悦氏は賛成の立場で「県民が意思を表明する機会を逸しない判断をするべきだ」と訴えた。
 自民会派の村上智行氏は二者択一方式に課題があると指摘し「県民の再稼働に対する思いを十分くみ取りきれない恐れがある」と反対理由を説明した。
 村井嘉浩知事は本会議終了後の取材に「結果を受け止める。再稼働を巡る判断などで答えを出す際、県民の代表である県議会や立地自治体の首長などとよく話し合い、私なりの考えをまとめたい」と述べた。
 条例制定を請求した市民団体「県民投票を実現する会」の多々良哲代表は「署名した11万人の願いを受け入れず、県民が意思表示する機会を奪った。議会と知事の責任は非常に重いと自覚してほしい」と述べた。


<女川再稼働>住民投票条例案否決 与党議員苦渋の棄権も 石巻・牡鹿選出5人与野党で賛否鮮明
 15日の宮城県議会2月定例会本会議で否決された東北電力女川原発2号機(女川町、石巻市)の再稼働の是非を問う住民投票条例案を巡り、反対に回った最大与党会派の自民党・県民会議で、1人が採決を棄権した。議員は「採決が仕事だが、自分の意思を貫きたい」と苦渋の選択をにじませた。
 棄権したのは7期のベテラン藤倉知格氏。採決前に退席した。2月28日の一般質問では、将来的な脱原発の可能性に言及。住民投票条例案についても「賛成、反対の2択以外の選択肢を入れるなど工夫の余地がある」と述べていた。
 「持論との整合性を取るため筋を通したい」と本会議前の会派総会で話した藤倉氏。「共同歩調を取りたかったが、断腸の思いだ」と心境を吐露した。
 同会派の石川光次郎会長は「会派で採決の拘束はしておらず、それぞれの選挙区で背負うものがある。判断は個人に委ねた」と述べ、一定の理解を示した。
 原発立地地域となる石巻・牡鹿選挙区の5人は与野党で賛否が鮮明になった。自民の3人は反対、野党会派の旧民進党系「みやぎ県民の声」と共産党県議団の各1人は賛成した。
 自民の佐々木喜蔵氏は「直接投票にはなじまない」と反対を貫いた。「地元には原発で生活してきた人もいる。2択で割り切れる問題ではない」と強調した。
 「地元でも実施すべきだとの声は多かった。11万人の思いが届かず残念」と悔しがるのは県民の声の坂下賢氏。「立地と他の自治体の思いに乖離(かいり)があるとの意見もあったが、福島の原発事故を見れば県全体で考えるべき問題だ」と訴えた。
 賛否の表明に慎重だった与党の公明党県議団は本会議で、4人が足並みをそろえ反対に回った。庄子賢一会長は「地域の声を聞き、多種多様な意見があると実感した」と説明。「多くの署名が集まったことは受け止めざるを得ず、非常に逡巡(しゅんじゅん)するところがあった」とも語った。


<女川再稼働>住民投票条例案否決 「県民無視」嘆く請求側
 署名した11万人の思いはくみ取られなかった。15日に宮城県議会で否決された住民投票条例案。東北電力女川原発2号機(宮城県女川町、石巻市)の再稼働の是非を問う機会を求めた関係者や原発周辺の住民は、議会の判断に不満をあらわにした。
 午後4時45分ごろ、条例案が否決されると、ほぼ満席の約150人が見守る本会議場の傍聴席は重苦しい雰囲気に包まれた。「無視された」「県民の声を聞く気がない」。ため息が漏れ、涙する人もいた。
 条例案を請求した「県民投票を実現する会」の多々良哲代表(60)は閉会後の集会で「否決ありきで反対のための反対を繰り返した」と批判。「原発再稼働の判断に知事や県議が責任を果たせるのか。運動を続けよう」と訴えた。
 県議が反対理由に挙げた「国策」「経費」に異論を唱える人もいる。傍聴に訪れた岩沼市の主婦鈴木真奈美さん(44)は東京電力福島第1原発事故後、乳幼児と北海道に自主避難した。「過酷な原発事故が起きて国策に翻弄(ほんろう)されたのに、見て見ぬふりをしている。お金と命の問題を比べて、いいはずがない」と嘆いた。
 立地自治体でも不満の声があった。宮城県女川町の無職高野和子さん(71)は「賛否を口にしづらい雰囲気がある。無記名投票で意思表明したかった」と憤る。石巻市の会社員森邦子さん(63)も「党の方針に左右される県議ではなく、自分たちが投票で決めたかった」と残念がった。
 「女川原発UPZ住民の会」(事務局宮城県美里町)の勝又治子代表(71)は「署名活動を通じ、福島の事故の影響を受けた県民が女川原発を真剣に考えていることが分かった」と手応えを語った。
 東北電力は原子力規制委員会の再稼働審査を7月中に終える方針。その後、知事や立地首長らへの「地元同意」の手続きに入る。同社は「条例案への言及は控える。引き続き理解活動に努めたい」と説明した。


山口地裁伊方稼働容認 司法は福島の事故を忘れている
 東京電力福島第1原発事故を忘れたかのような司法判断の連続に、失望を禁じ得ない。四国電力伊方原発3号機の運転差し止めを求め、山口県の住民が申し立てた仮処分申請で、山口地裁岩国支部は申し立てを却下する決定を出した。
 愛媛をはじめ、広島、山口、大分4県の住民らが同様の仮処分申請をしているが、2017年に広島高裁が火山の危険性を指摘し運転を差し止めた以外、全て運転を認める決定が下っている。ほとんどが四電の主張を追認する内容で、原発の安全性や重大事故が起きた場合の避難など、住民の不安に正面から向き合っているとは言い難い。司法は、二度と福島のような事故を起こさない責任を改めて自覚し、住民の命や権利を守る役割を果たすべきだ。
 山口地裁で争点の一つだった住民の避難計画に対する判断は特に信じがたい。伊方原発から30膳外で避難計画が策定されていない点について、国の緊急時対応が合理的との理由で問題視しなかった。しかし、福島原発事故の被害が30膳にとどまらなかったことは周知の事実。事故への備えを一律に距離で線引きすることはできず、現実から目を背けるような姿勢は看過できない。
 さらに、地震などとの複合災害が起きた場合には「速やかに避難、屋内退避を行うことは容易ではないようにも思われる」と認めながら、具体的な問題点には触れていない。そればかりか「自治体レベルでの対応が困難になった場合には、全国規模のあらゆる支援が実施される」と言及。避難計画がなくても、いざとなれば国が何とかしてくれるといった論理はあまりにも乱暴で楽観的すぎる。
 伊方原発で最大の懸案である地震の影響に関しては、審尋の中で、地質学の専門家が活断層である沖合の中央構造線断層帯とは別に、地質の境界線の中央構造線の周辺にも活断層が存在する可能性を指摘した。決定では、四電や大学などが詳細に調査しているとして「活断層が存在するとはいえない」と断言したが、疑問だ。政府の地震調査研究推進本部も調査の必要性に言及しており、国や四電は速やかに検討すべきだ。
 広島高裁が運転差し止めの根拠とした巨大噴火の危険性は、「社会通念を基準として判断せざるを得ない」と、他の決定を踏襲した。だが、国民が気に留めないことと、実際の危険性は別の話だ。弁護団が「科学的な問題に社会通念を用いるのはおかしい」と指摘するように、噴火の規模の予測が困難な以上、自然災害には最大限謙虚に向き合わなければならない。
 社会通念を持ち出すべきは、原発の在り方そのものだろう。決定では「原発の必要性が失われている事情も認められない」としたが、太陽光などの再生可能エネルギーの普及が進む今、脱原発への潮流を司法が見誤ってはならない。


財界よりずっと遅れる原発政策
★12日、経済同友会代表幹事・小林喜光は会見で「3・11の不幸な事故が起きて(以来)、経済同友会は『縮原発』と(いう考え方)。100%はないにせよ、安全が技術的に担保されたら、今あるもの(原発)はこれだけ投資してきたので、40年なり(運転期限を最大)60年まで延長することも」としながらも「最終的には、自然エネルギーである風力発電、太陽光、地熱、あるいはさまざまなバイオ系の燃料に移行するだろう」と将来の原発政策の見直しを示唆した。★経団連といい、同友会といい日本の財界トップが原発後の展望を語るまでなったのは東日本大震災から8年という歳月が言わせたものだろう。また小林は「世界にある500基以上の原子炉を廃炉することを考えると、いや応なしに廃炉産業が重要な位置づけになる」とした。一方、我が国の政策で官邸と経産省はいまだ1つも実現しない原発の海外輸出を打ち出すなど周回遅れの政策を言い続けている。★国民民主党と自由党の政策協議では「2030年代原発ゼロに向け、あらゆる政策資源を投入。使用済核燃料の最終処分に関する国の責任の明確化。廃炉、使用済核燃料の減容化等を担う労働者・技術者の確保と育成。廃炉後の原発立地地域における雇用・経済政策を国の責任で推進」などが確認された。小林の考えと同じだろう。ところが立憲民主党の原発への取り組みは感情的で政策とは言い難い。「原発ゼロを単なるスローガンとして語る次元はとうに過ぎています。原発ゼロは、未来に対する私たちの世代の責任です。再稼働は現状では認められません。原発の稼働がなくとも日本経済は成り立ちます。再生可能エネルギーや省エネ等の技術開発によって、もはや原発ゼロはリアリズムです」。原発ゼロはやはり甘いスローガンだ。廃炉技術の確立、技術者育成、つまり廃炉産業の実現が政治の政策だろう。政治の原発への取り組みは財界よりもずっと遅れているのではないか。

<三陸鉄道>古舘さん「どんな状況にも対応」 新人運転士に辞令
 岩手県などが出資する第三セクターの三陸鉄道(宮古市)で15日、新人運転士古舘龍太さん(20)に辞令が交付された。運転士はJRからの出向を含めて28人となり、盛(大船渡市)−久慈間の163キロを一本のレールで結ぶ23日のリアス線開業を迎える。
 古舘さんは宮古市出身。2016年8月の台風10号豪雨で公共交通の重要性を実感し、鉄道員を志して17年4月に入社した。16日の宮古発久慈行き列車が初乗務となる。
 辞令交付式で中村一郎社長は「安全を確保し、乗客に喜んでもらえるよう業務に当たってほしい」と訓示。古舘さんは「三鉄には他の鉄道にはない温かさがある。どんな状況にも対応できる運転士を目指す」と意気込みを語った。


<三陸鉄道>リアス線記念列車応募に4000人 「これほどとは思わなかった」
 三陸鉄道リアス線開業に合わせて23日に運行される記念列車の乗車希望は、280人の定員に対して約4000人だったことが15日分かった。競争倍率14倍の「狭き門」を突破した当選者には既に、乗車券に代わる招待状を送った。
 記念列車はJRから移管される山田線釜石−宮古間(55.4キロ)で運行される。釜石発午前11時40分の一番列車は定員40人。ほかに定員80人の記念列車3本が運行される。運賃は無料。
 三鉄は2月1〜28日に乗車希望を募った。東北を中心に全国から申し込みがあったという。村上富男総務部長は「1000人ほどの応募を想定していたが、これほどとは思わなかった。リアス線への期待の大きさを感じる」と驚いている。
 リアス線は盛(大船渡市)−久慈間の163キロを結び、三セク運営鉄道では全国最長。通常の営業運行は24日に始まる。


海賊版対策法案  議論のやり直しが必要
 政府が著作権法改正案の今国会への提出を見送ることを決めた。
 法案は、現在は音楽や映像に限られている海賊版ダウンロード規制を、写真や文章などすべての著作物に広げる内容だった。
 漫画などを違法にコピーしてインターネットで公開する海賊版は巨額の被害を出している。何らかの規制は必要だ。
 とはいえ、あらゆる著作物を対象としたダウンロード違法化には、海賊版の被害を受けている著作権者の団体からも強い異論が出ている。法案提出の見送りは、妥当な判断だろう。
 国は当初、海賊版対策としてサイトへの接続遮断(サイトブロッキング)を法制化することを検討していた。しかし、文化庁の有識者会議で、憲法の「通信の秘密」に抵触するという指摘が相次ぎ、法制化を断念した経緯がある。
 今回の法案はその直後からまとめられたが、そのおおもとを議論する文化審議会の小委員会はわずか5回の開催にとどまった。「ネット利用を萎縮させる」という異論も続出し、議論が深められたとは言い難い。
 最も反発を招いているのは、規制対象が幅広く、私たちが日常的に行っているネット利用が処罰対象になりうることだ。
 法案では、利益目的ではなく個人的活用のためのダウンロードも一律に罰せられる。スマートフォン画面を保存するスクリーンショットも規制される。
 個人の資料のためのダウンロードや、メモ代わりにスマホ画面を記録することまで規制するのが現実に可能とは思えない。無理をすれば、ネット利用の萎縮や規制当局に対する不信感を強めるだけにならないか。
 そもそもネット上には、海賊版かどうか分からないコンテンツが少なくない。「海賊版と知りながら」利用したのかを証明することは簡単ではない。 
 法案提出の見送りの背景には、参院選を前にネット利用者の支持をつなぎ止めようとする自民党の判断がある。選挙後に同じ法案を出すのは許されない。
 漫画家などの団体は海賊版規制を求める一方、図版や資料などをダウンロードするのは新たな創造につながる行為で、規制は創作意欲の萎縮につながるとしている。
 創作の現場には、法律による一律的な規制が難しい実態があろう。そうした現実を踏まえるために、創作者を交えて議論をやり直す必要がある。


著作権法改正先送り 強引過ぎた審議、猛省せよ
 インターネット上の違法ダウンロード規制を強化する著作権法改正案が関係者や一般ユーザーの猛反発を受け、今国会への提出見送りに追い込まれた。自民党の文部科学部会と知的財産戦略調査会がいったん了承した法案の提出見送りは異例である。
 海賊版対策は必要ではあるが、論点が残っている以上、提出を先送りして修正を図る判断は妥当だ。だが、問題を抱える法案が提出寸前まで進んだ経緯からは政府・与党の強引さが浮かび上がる。
 改正案は、音楽と映像に限っていた違法ダウンロードの対象を漫画や論文、写真などあらゆるコンテンツに拡大。個人ブログ、会員制交流サイト(SNS)からのダウンロードやスクリーンショット(画面保存)も規制対象とし、悪質なケースは刑事罰を科すことが柱となっていた。
 これは、私的な情報収集まで規制対象になりかねない恐れがあり、ネット利用が萎縮するなど国民生活への影響が大きい。海賊版対策を求めてきた漫画家団体などからも次々反対論が出され、ネットユーザーには不安が広がっていた。
 1月、日本マンガ学会(竹宮恵子会長)が反対声明を発表。2月13日に文化審議会が規制強化の最終報告をまとめると、著作権に詳しい専門家らが19日、報告の問題点を緊急声明として公表した。
 しかし、22日の自民党関係部会は法案提出をあっさり了承してしまう。明治大学知的財産法政策研究所ワーキンググループが、部会に文化庁が出した資料を検証したリポートには、疑問点が満載だ。一例が「幅広い関係者の意見を総合的に勘案したバランスの取れた内容」との記載。関係者から相次いだ反対意見は、まるで無視されていた。
 27日、今度は日本漫画家協会(里中満智子理事長)が異議を唱えると、3月1日の党総務会は部会に判断を差し戻したが、6日の部会は修正を図ることなく法案を再度了承した。
 文化庁も自民党も立ち止まって審議をやり直す機会は何度もあった。だが、国民に幅広い規制の網を掛ける狙いの法案にもかかわらず、関係者の声に耳を傾ける姿勢はうかがえなかった。6日の部会では幹部から「政治論としての判断だ」との発言もあったという。統一地方選、参院選を控え、実績づくりを急いでいたとみられても仕方ない。
 1週間後、自民が一転して見送りを決めたのは慎重派議員の巻き返しによる。法案の不備が認識されたというより、選挙を前に「ネットユーザーの支持層が離反する」という「政治論」が決め手だったようだ。
 法案には海賊版サイトに誘導する「リーチサイト」の規制など、評価されている部分もあったが、それでも漫画家団体などからは、提出見送りを歓迎する声が上がった。拙速な議論が、あるべき規制まで遠のかせ、そのつけは結局国民が負う。政府・与党は修正に真摯(しんし)に取り組まなければならない。


英EU離脱の行方 危機回避へ打開策探れ
 英国下院は、欧州連合(EU)からの離脱の延期を求める政府案に同意した。
 これで、EUとの間で何の取り決めのないまま、29日の離脱期限を迎える最悪の事態はいったん回避できる見通しになった。ただ議会では離脱を求める勢力と、見直しを求める勢力の対立は際立ったままだ。EUからの離脱で何を想定しているのかも明らかでない。先行きはまったく見通せない。
 「合意なき離脱」という危機を回避したい思いに大きな違いはないはずだ。与野党双方の議員が立場や意見の対立を超えて向き合い、打開策を探る必要がある。
 今回の「離脱延期案」には条件がついている。政府とEUが結んだ離脱合意案を再び20日までに下院に諮り、可決されれば、離脱期限を6月末まで延期するとしている。
 ただ、離脱後もEUの規則に英国が縛られる合意案への反発は与野党ともに根強く、これまで2回も下院で否決されてきた。合意案に反対してきた保守党内の離脱強硬派をメイ首相が説得できるのかも見通せない。
 メイ首相は、3回目の採決で合意案が了承されなければ「延期期間はさらに長期になる」と議会に訴えた。
 合意案が三たび否決された場合は英政府が離脱合意案の議会承認という交渉カードを持たないまま、6月末を超えた延期をEUに要請せざるを得なくなることが予想される。
 EUが延期を拒否すれば、英国は「合意なき離脱」に追い込まれる。延期の要請が受け入れられたとしても問題解決への展望が開けるわけではない。
 離脱強硬派が合意案に強く反対しているが、EUは大幅な修正に応じる見込みはない。このままでは離脱問題が合意案を棚上げしたまま漂流してしまう恐れがある。
 離脱合意案の最大のハードルは、英領北アイルランドとEU加盟国のアイルランドの国境管理の在り方だ。国境問題が解決するまで英国がEU関税同盟にとどまる条項があり、議会強硬派の反発を招いている。
 英政府とEUはこの条項を2020年末までに代替措置に切り替えるよう双方が最善を尽くすことを付属文書に盛り込むことで合意した。EUがこれ以上の譲歩をするとは思えない。
 合意案に反対した議員が譲歩しなければ、合意なき離脱に突き進む恐れもある。
 そうなれば、合意案に激変緩和措置として盛り込まれた20年末までの移行期間がなくなり、関税や通関の手続きが即座に復活する。人とモノの交流が滞り、経済・社会の混乱を招くことになる。
 金融業では既に英国内から拠点を欧州大陸に移転する動きが加速している。日本の自動車メーカーでも、ホンダが完成車生産からの撤退を決めた。トヨタ自動車も合意なき離脱の場合、撤退の可能性を示すなど、日本の企業の英国離れも進む。
 合意なき離脱に伴う大混乱を回避するため、英政府も議会も知恵を出し合うときである。
 政府がEUへの離脱通知をいったん撤回することも選択肢ではないか。その場合は、下院の解散・総選挙か再び国民投票の実施で民意を問う必要がある。あらゆる方策を検討すべきだ。


英国のEU離脱 延期しても問題は残る
 英議会下院は29日に迫った欧州連合(EU)からの離脱について、6月末までの延期をEUに求める政府提案を賛成多数で可決した。
 メイ首相がEUと合意した離脱協定案を20日までに採決し、可決することが条件になる。
 しかし、協定案はこれまで2度、大差で否決されている。可決の見通しは立っていない。
 否決された場合の対応は不透明だ。6月末を超えた長期の延期も予想される。
 英国は何をしたいのか。EU加盟国のみならず、世界各地からそんな声が聞こえてきそうだ。
 メイ氏の指導力低下は目を覆うばかりだが、これ以上の混迷は避けなければならない。与野党とも党利党略を捨てて、英国の進む道を示してほしい。
 メイ氏が3度目の採決に提出する離脱協定案について、EUは修正協議には応じない構えだ。メイ氏は前回否決されたのと同じ内容の協定案を提出するとみられる。
 可決されれば、来週開かれるEU首脳会議で延期を要請する。
 経済に大きな混乱を招く「合意なき離脱」を回避するため、各加盟国は延期を認める公算が大きい。
 より複雑なのは、否決された場合である。EU側は延期が長期になるのであれば、期間と理由を明確にするよう求めるとみられる。5月の欧州議会選挙に英国の参加を促す可能性もある。
 これを英国が受け入れるかどうかは不明だ。英EUの意見が対立し、合意なき離脱が現実のものになる恐れもある。
 離脱の期限が2週間後に迫ってなお、国としての意思決定ができない英国の状況を憂慮する。
 メイ氏は否決した場合には、離脱そのものが立ち消えになりかねないとして、強硬離脱派の翻意に期待している。
 だが、瀬戸際戦術のような強引な政権運営が通用するだろうか。無責任と言わざるを得ない。
 14日の離脱延期の採決では、与党・保守党の多数の議員が反対に投票した。閣僚も含まれている。
 可決は野党第1党である労働党が賛成したためで、与野党のねじれが生じた。
 保守党は分裂状態で、労働党は再度の国民投票を狙う。政府、与野党とも自らの主張にこだわって大局的な視点を失っていないか。
 現状では過半数を得られる打開策は見つかっていない。1度立ち止まり、いまの英国に何が必要か、それぞれの立場を超えて考えてほしい。


英EU離脱/出口なき混迷が深まった
 英下院が、29日に迫った欧州連合(EU)からの離脱の延期を求める政府動議を賛成多数で可決した。
 EUとの間で何の取り決めもないままの「合意なき離脱」は、英国内とEU圏にとどまらず、世界経済に大きな混乱をもたらし、市民生活にも大きな影響を与える。最悪の事態を回避する離脱延期は、現時点ではやむを得ない選択だろう。
 メイ首相は、20日までに英・EUの離脱合意案を下院が承認することを条件に、6月末まで一度限りの延期をEUに要求する方針だ。だが、合意案は既に下院で2度否決されており、3度目の否決となれば延期はさらに長期化する可能性がある。先行きが見通せない状況は変わっておらず、出口の見えない混迷が一層深まった。
 最大の要因は、メイ政権とEUがとりまとめた離脱合意案を巡って与党・保守党が分裂状態に陥っているためだ。メイ首相が合意案にこだわりすぎているとの指摘もある。メイ氏は党内の説得に努め、早期決着に全力を注がねばならない。
 英国がEUに離脱を正式に通知してからまもなく2年。英国内は離脱の見直しを求める親EU派、EUとの決別を望む離脱派に分かれている。それぞれの内部にも温度差があり、合意を取り付けてEUの意向にも沿った案を見つけるのは困難な情勢となっている。
 合意なき離脱の可能性が消えたわけでもない。日本の産業界からは「結論の先延ばしにすぎない」との批判の声も上がる。日産自動車が英国での主力車種の製造計画を撤回するなど経済への影響も表れ始めた。英国とEU間の関税が復活する懸念が残り、離脱の影響が依然見通せないためだ。
 離脱が遅れれば、英国独自の通商政策の実現も遅れる。離脱後を見据えた日本との貿易協定の協議にも影響を与える可能性がある。離脱のメリットをアピールしたいメイ政権にとっても痛手だろう。
 国民投票で離脱を選択した英国民も、こうした事態は望んでいないはずだ。メイ首相と議会は、離脱戦略の根本的な見直しを含め、連携して事態打開の道を見いださねばならない。


離脱延期選んだ英議会 拒否だけでは前に進まぬ
 英国議会が欧州連合(EU)からの離脱を巡る採決で、否決や修正を重ねた揚げ句、離脱の延期を決めた。この結果、英政府はEUに対し今月29日に予定された離脱日の延期を要請することになった。
 EUが受け入れれば、経済や社会の混乱を招く「合意なき離脱」はとりあえず回避される。迷走が続く中ではやむを得ない選択だろう。
 ただし延期幅は定まっていない。来週中にも政府の離脱合意案を下院で3度目の採決にかけ、可決されれば6月末までの一度きりの延期を求める。否決された場合、長期の延期を求める見通しで流動的だ。
 問題の核心が解決されたわけでもない。英国が総体として求める離脱の形はハードなのかソフトなのか、それとも残留を再考したいのか。何を望んでいるのかが見えない。
 3日連続にわたった下院の採決を見るにつけ、不安は募ってしまう。
 初日、メイ首相は与党・保守党の離脱強硬派の支持を得ようと、EUから若干の譲歩を引き出した修正合意案を提示したが、否決された。強硬派らが依然、英優位の条件獲得にこだわったからだ。
 2日目は「合意なき離脱」を事実上、4割強が容認する姿勢を見せた。外国企業や国際社会が懸念する事態なのに無責任ぶりが目についた。
 3日目は政府の延期案を野党・労働党が大方支持し、保守党の約6割が反対に回る、ねじれ現象が生じた。
 つまり議会は依然、離脱強硬派、穏健派、残留派とばらばらで、折り合う気配がない。保守党は分裂し、労働党は前倒し総選挙を求め、両党からの離党者は再国民投票実施の声を上げている。
 こうした政治の不安定さと、それによる将来の英・EU関係の不確実性が、大手自動車メーカーをはじめとする企業の英国離れを加速させていることは間違いなかろう。
 EUのトゥスク大統領は1年以上の長期延期もやむを得ない、との態度を示し始めている。時間をかけるのは選択肢の一つだが、また堂々巡りが続く懸念が伴う。関係企業や周辺国の心配は拭えないだろう。
 「ノー」ばかりでは前に進まない。英政府と議会は責任を持って国の方向性を定め、着地点を見いだすべきである。


英EU離脱延期 民意を問い直せないか
 二十九日に迫っていた英国の欧州連合(EU)離脱期限の延期が下院で決まった。しかし、打開策は見当たらない。続々判明する離脱の弊害。民意を問い直すことこそ、民主主義の本分ではないか。
 新たな期限は六月末。メイ首相は離脱合意案を再び議会に諮る考えだが、可決される保証はない。代案もない。合意なき離脱の悪夢は去らない。
 国民投票の賛成多数でEU離脱を決めてから三年近くたつ。しかし依然、離脱の手立てを決められないままだ。
 メイ氏のリーダーシップ欠如、議員らの無為無策など政治の責任は大きい。
 EU下では自由な往来が保障され、平和や利便を享受していた。その恩恵を失う見立てが甘いまま離脱を強行しようとして、無理が生じているのではないか。
 国民投票時には「EUに払っている分担金を社会保障に回せる」など根拠のないキャンペーンが、離脱をあおった。
 しかし、離脱で人や物の流れは滞る。部品調達がスムーズにできず企業の英国外流出が進み、食料や医薬品が手に入らなくなり生活も直撃を受ける−こうした離脱の弊害やリスクはあまり論じられなかった。もしくは、誰かがなんとかしてくれるだろうと楽観していた。そして、今の袋小路である。
 ブレア元首相は「他の方法が尽くされたのなら再投票こそ論理的だ」と訴える。これに対し、メイ氏は「民主主義を信じた大勢の人たちに民主主義を届けられなくなる。政治の清廉を取り返しがつかないほど傷つける」として一貫して否定的だ。
 しかし、ここへ来て英メディアの論調も危機感を増している。
 フィナンシャル・タイムズ紙のコラムは「二回目の国民投票が今こそ必要だ」との見出しでこう訴える。
 「民主主義は、国としての意見を変える権利も意味する。不正な国民投票キャンペーンが行われたのならなおさらだ。投票以後さまざまなことが起きている」
 過ちてはすなわち改むるにはばかることなかれ、である。
 解けないパズルに挑む努力も、民主主義政治の役割だ。
 離脱期限の延期で考える猶予はできた。世論を見回し二回目の国民投票の可能性を探ってほしい。英国が覚悟を決めればEUの理解も得られるだろう。伝統で培った民主主義の底力に期待したい。


英EU離脱延期 混迷回避へ打開策を探れ
 英国の欧州連合(EU)離脱問題がヤマ場を迎えている。29日に迫った離脱期日を目前に、EUに3カ月の延期を要請することを決めた。だが、膠着(こうちゃく)状況は根本的に変わっておらず、何の取り決めもないままEUから出て行く「合意なき離脱」を回避できるかどうか、先行きは見通せないままだ。
 英下院は今週、「合意なき離脱」の拒否を決めたのに続いて、離脱期日の延期を求める政府動議を賛成多数で可決した。動議は、英・EUでまとめた離脱合意案を下院が20日までに可決することを条件に、1回限りで6月末まで延期するとしている。その期間を、合意案を具体化する関連法案の成立作業などに充てるという。
 合意のない離脱で、経済や市民生活などに大きな混乱をもたらす最悪の事態を、ひとまず先送りした格好だ。
 今後の注目点の一つが、EUの判断である。メイ英首相は、21日からのEU首脳会議で延期を要請する方針とされるが、延期が認められるためには、英国を除くEU27加盟国全ての了承が必要となる。EU側は、延期理由や期間などを考慮した上で判断するとの声明を発表しており、「合意なき離脱」の可能性は完全には消えていない。
 延期の条件として動議に盛り込まれた合意案の採決は、次で3回目となる。与党保守党内の離脱強硬派らに「否決すれば離脱の見通しが立たなくなる」と圧力を加え、合意案に基づく離脱の実現を目指す構えだ。
 だが、合意案はこれまで2回とも大差で否決されている。12日に行われた2回目の採決では、メイ氏が採決前夜にユンケル欧州委員長と会談し、懸案のアイルランド国境管理問題を巡る修正を引き出したが、強硬派を納得させるには至らなかった。
 求心力の低下が顕著なメイ氏が“三度目の正直”を実現させられるか、厳しい情勢は変わらない。英国が離脱後もEU規則に縛られる合意案への反発は依然根強く、またも否決となれば、EUとの協議は一層難航し、出口の見えない混迷が長期化することになろう。
 離脱問題を巡る政局が混乱を極める中で、企業も危機感を強め、「脱英国」の流れが加速している。英国に進出しているトヨタ自動車は「合意なき離脱」になれば、英国内の生産から撤退する可能性を明らかにした。ホンダも欧州での販売不振を理由としながらも、2021年中に生産を終了すると発表した。英国の自動車業界の苦境は、今後、他の業種にも広がりそうだ。
 不確実な状況がさらに続けば、欧州経済の不透明感はさらに増すことになる。行き詰まり状態を打開するため、2度目の国民投票を求める声も根強い。これ以上の混迷を深める状況を招かぬよう、冷静な判断が重要だ。メイ氏と英議会の責任は重い。


【EU離脱】英議会の威信が問われる
 英下院が英国の欧州連合(EU)離脱を6月末まで延期する政府動議を可決した。
 議会内には、昨年11月にメイ政権がEUと結んだ離脱合意案に不満がくすぶる。下院は2度、合意案を否決している。
 その影響で、市民生活や国内外の経済への影響が大きい「合意なき離脱」が今月29日に迫っていた。合意なしでもやむを得ないという強硬派がいる中、延期は下院として良識的な判断といえよう。
 メイ首相は21、22日のEU首脳会議で延期を要請するという。EU側も「合意なき離脱」は避けたい考えで、承認される公算が大きい。最悪の事態がひとまずは回避されることを願いたい。
 ただ、情勢は予断を許さない。
 延期は、下院がEUとの離脱合意案を20日までに可決することが条件になっている。3カ月は離脱の準備期間という位置付けだ。合意案があと数日で可決に変わる見通しは立っていない。
 否決されたとしてもただちに「合意なき離脱」になるわけではなく、7月以降も離脱延期の状態が続く可能性がある。EUは合意案の修正には応じない方針のため、英国は可決するまで論議と採決を繰り返すことになる。
 英国のEU離脱は域内はもちろん世界経済への影響が大きい。国民投票による民意とはいえ、自国中心主義という批判は免れまい。
 国際社会の厳しい目を踏まえればなおさら、英国は離脱に向けた速やかな手続きや合意形成を進める責任がある。ところが、メイ政権は迷走しがちで、議会も混乱が目立つ。
 特に問題になっているのは、離脱合意案のうち、英領北アイルランドと陸続きのEU加盟国アイルランドの国境管理を巡る条項だ。
 離脱すると、国境で税関検査などが必要になる。北アイルランドが自由往来を求める中、合意作業が難航。条項は、離脱後の激変緩和措置の期間である2020年末までに国境管理問題が解決しない場合、英国全体がEU関税同盟に事実上残ると定めた。これに強硬派議員が反発している。
 さまざまな意見があろうが、前例のない離脱が全て英国の思惑通りに進むことはあり得まい。意見が激しく対立しても議論を重ね、方向性を決めるのが政治の役割だ。
 日本の自動車メーカーをはじめ多くの海外資本が、英国内生産からの撤退を表明する事態になっている。先が見えない離脱劇に見切りをつけた側面が否定できない。こうした流