フランス語の勉強?

mai 2019

ネット会議でマイクが?←スイッチ入ってなかった

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La Maison Blanche ne veut plus voir John McCain, même sur la coque d'un navire
Par Pierre Alonso
Pour la visite de Donald Trump au Japon, la présidence a demandé de cacher le destroyer portant le nom du conservateur mort en juillet dernier. Les relations entre les deux hommes étaient exécrables.
Ni en photo, ni même sur la coque d’un navire militaire, la Maison Blanche ne veut plus voir John McCain ou son nom. C’est ce qui ressort de mails que s’est procurés le Wall Street Journal. Selon ces écrits datés du 15 mai, un responsable de commandement pour la zone indo-pacifique a demandé à des membres de la Navy et l’US Air Force de cacher le destroyer lance-missiles USS John McCain en amont de la visite du président américain au Japon. Le bâtiment, endommagé en 2017, est stationné dans la base navale américaine de Yokosuka, où Donald Trump a prononcé un discours mardi. ≪USS John McCain doit être hors de la vue≫, affirme très clairement ce responsable qui dit tenir cet ordre du cabinet militaire de la Maison Blanche.
Des interlocuteurs s’en étonnent : le destroyer est baptisé ainsi en l’honneur du grand-père et du père et de John McCain lui-même (qui portait le même nom que ses aieux, tous deux des hauts grades dans l’armée américaine). Décision est néanmoins prise de bâcher la coque, puis de l’enlever et de coller un autre navire pour cacher le nom du premier.
≪J'aime ceux qui ne se font pas capturer≫
Je n’étais pas informé de quoi que ce soit relatif au navire de la Navy USS John S. McCain pendant ma récente visite au Japon≫, a tweeté jeudi Donald Trump après la publication de l’article du Wall Street Journal. Son secrétaire à la Défense en exercice, Pat Shanahan, a assuré de son côté qu’il n’était pas au courant, précisant, un brin courroucé : ≪Je n’ai jamais autorisé ni approuvé aucune action ou mouvement de quelque sorte concernant ce navire. […] Jamais je n’aurais déshonoré la mémoire d’un grand patriote comme John McCain.
Excès de zèle du cabinet militaire ? Demande du président Trump ? L’histoire n’est pas encore très claire, mais il est certain que les deux hommes se détestaient. Les tensions avaient atteint leur paroxysme lorsque McCain s’était opposé à l’abrogation de l’Obamacare, honnie par le milliardaire new-yorkais. ≪J’aime ceux qui ne se font pas capturer≫, avait-il lâché à l’endroit de John McCain, prisonnier de guerre pendant cinq ans et demi au Vietnam.
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又吉直樹のヘウレーカ!「なぜ単位はいるのだろう?」
「単位」はなぜ必要なの?いやいや「単位」がなかったら世界はまさにカオスだ。2019年は1kgの定義が変わる節目の年。「単位」をめぐる深遠な世界へ招待します。
又吉直樹、身長164cm体重60kg未満?若干ウエイトオーバー気味だ。そもそもなぜ1mとか1kgといった単位があり私たちはそれが必要なのだろう?その歴史をひもとくと驚きの事実が。例えば古代エジプトの長さの単位は「キュービット」。ファラオの腕の長さからとられ、これを基準にピラミッドは作られた。「メートル」の起源は何とフランス革命。知っているようで意外と知らない「単位」をめぐる深遠なる世界へ招待します 又吉直樹, 産業技術総合研究所計量標準総合センター…臼田孝, 吉村崇

夜の巷を徘徊する マツコおもちゃに夢中…流しそうめんで冒険!?
千代田区にあるアート施設を徘徊中のマツコ。オシャレなカメラ専門店や、世界規模のニュースサイトを運営する会社を訪問。玩具のデザイン会社では巨大流しそうめんに夢中? マツコ・デラックスが夜の街を気の向くまま“徘徊”する自然体バラエティー! 千代田区外神田にある「アーツ千代田 3331」を徘徊中のマツコ。海外メーカーのカメラ専門店に入り、小型カメラと味のある写真が撮れるフィルムを購入。続いてインターネットでニュース配信している会社を訪問。世界十数カ国に編集部があり、月間2000万人が閲覧しているというサイトで、どんなニュースを掲載しているのか見せてもらうことに…。そして、おもちゃのデザイン・設計を行う会社へ。流しそうめんやビールサーバーのおもちゃを物色しつつ、「買って、家で1人でやろうかしら?」と強い関心を示すマツコ。社員の方におもちゃデザイナーになったきっかけを聞くと…。 マツコ・デラックス ☆番組HP  http://www.tv-asahi.co.jp/haikai/  視聴者の皆さんのオススメの街を募集中!
PsycheRadio @marxindo
地方国立大の学部がどんどん再編されても東大の学部はずっとそのままだし、地方国立大の教養部がなくなっても東大は駒場と本郷の組み合わせで昔と同じように教養教育しているし、けっきょくそういうことなのラジよね。
蓮池透‏ @1955Toru
わざわざ田舎まで訪ねてくれた太郎さんをひとりにしておいてはいけない、そんな思いで仲間に加わりました。皆さん力を貸してください。太郎さんがいつも言っているとおり皆さんが主役です。インディーズだってブレークできる!
小田嶋隆 @tako_ashi
串カツへのソースの二度漬けに対しては、信じがたいほど厳しい姿勢で対峙している大阪の人々が、どうして大阪都構想への住民投票再実施には甘いのだろうか。
共和国神殿@n_jacoken
癌と聞いて心配はしていたのだが、こうも早く亡くなられるとは。獄中で闘い続けた星野文昭さんのご冥福を。そして日帝にこそ死を!
田添 利彦 @MWL_Hokkaido
そうだ❗️
徳島刑務所が癌の事実を隠蔽しなければこんなに早く亡くなる事は絶対に無かった。
徳島刑務所=法務省=日帝・安倍の殺人以外の何者でもない😡
仮釈放を許可しなかった四国更生保護委員会も許さない。
沖縄闘争を闘った星野文昭さんの意志を受け継ぎ、星野さんの魂となり私も闘います❗️

菊池牧夫‏ @7l7mHcmqeQykrHm
2019.5.31 一人の勇者が、国会権力のわがままな怠慢さの犠牲となった。星野文昭さんです。沖縄復帰闘争1972年渋谷での警察官殺害の罪で44年の獄中生活の末で 冤罪は明らか 赦す訳にはいきません。この事実を明らかにして行きましよう。
改憲絶対反対の法政大学文化連盟 @jinmin1991
星野文昭さんの死を受け「でも警官を殺したんだろ」という人は、まず当日の服装等の証拠を含め、国際的にも広く冤罪と認識されている点と、刑務所における環境、処遇、医療の劣悪さを知るべきだ。まあ「犯罪者に人権無し」「犯罪者に医療の必要無し」という近代以前の法感覚だと関係無いのだろうが…
とし @nHPR20hysQ2gy1q
71年渋谷暴動闘争で機動隊員殺害の冤罪によって獄中に40年以上囚われていた星野文昭さんが肝臓ガンの為に死去されたそうだ。治療すらなされなかったという。国家権力に刃向かう者は無実でも死ぬまで獄中に閉じ込めるのがこの日本だ。10・8羽田山崎プロジェクトよりのメールにて知る。
青羽玲音 @aoba_lain
先日亡くなった星野文昭同志と面会してきました。穏やかな表情でしたが、亡くなってはじめて仲間や星野暁子さんとアクリル板越しではなく直に出会えたという事実に、悔しさと憤りを強く感じました。偉大な革命家であった星野文昭同志の死を忘れることなく、残された私達が意志を引き継いで闘います。
沖大学生自治会 @okidaijichikai
琉球新報に載っていた星野文昭さんの言葉
(星野受刑者は沖縄を訪れたことがなかったが)「理不尽に立ち上がった沖縄の人々を見て見ぬ振りはできない。沖縄闘争を戦って人間になれた」
星野さんに沖縄に来て欲しかった。星野さんを殺した国家権力を絶対に許さない!
沖縄闘争を闘い、無実で獄中に入れられていた星野文昭さんが昨日亡くなりました。
昨年8月から体重が激減し、明確に体調不良であったにも関わらず、徳島刑務所はまともな検査や治療も行いませんでした。
これは国家による虐殺です。絶対に許せません。

marx828 @marx828
本日、亡くなった星野文昭さんに会ってきました。初めて見るその顔は、とても優しそうで、「この人が殺人罪はありえないし、無期懲役はおかしい」と改めて心の底から思えました。。

昼からの会議をすっかり忘れていて,のんびり出勤.さてちょっと遅めのランチ・・・と思ったころ,ネット会議のメールが来ました.慌てて準備して会議に参加.音声は聞こえるのに,こちらの声が届いていないようです.私の言いたいことはチャットで伝えました.
後で確認するとマイクのスイッチがOFFに!おバカでした.

被災者ケアお疲れさま 石巻・開成仮診療所が7年の活動に幕
 東日本大震災後、石巻市最大規模の仮設住宅団地近くに設置された市立病院開成仮診療所が30日、最後の診療を終えた。開所から7年。延べ3万人を超える患者を受け入れた地域医療の拠点は、多くの被災者の住宅再建を見届けて幕を下ろす。
 仮診療所にはこの日、12人が足を運んだ。
 診療所近くに住む自営業遊佐幸夫さん(78)は同市雄勝地区で被災。仮設住宅暮らしを経て、5年前に自宅を再建した。「ここで先生と話すことができて良かった。診療所はなくてはならない存在だった」と名残惜しげに語った。
 所長の長純一医師(52)は7年間、診察に携わった。力を入れたのは被災者の心のケア。「心理的、精神的に厳しい状況の患者もいた。診療所がなかったらどうなっていたかと心配になった」と振り返り「被災地、被災者の課題はこれからも続く」と力を込めた。
 仮診療所は2012年5月、計約1900戸が立ち並ぶ開成、南境地区の両仮設住宅団地のほぼ中心に開所。昨年度まで延べ3万2706人が受診した。
 内科、外科の外来や訪問診療を担い、初年度の延べ患者数は3305人(うち仮設住宅入居者73%)。15年度は8992人(同35%)で最多に達した。
 住宅再建が進むとともに仮設住宅の退去者が増え、両地区の入居世帯は1日現在、計13戸に。昨年度の患者数は443人(同4%)に減少した。
 診療所は診療時間を段階的に縮小しながら継続。昨年10月以降、仮設住宅入居者の受診がゼロになり、今月いっぱいでの閉所を決めた。
 長医師は心理的な課題を抱えた被災者が専門科を受診しないケースが多いことを危惧する。「身近な医療が心のケアに関われるような仕組みを考えていかなければならない」と語り、被災地の地域包括ケア体制の充実に取り組んでいく。


津波被災の気仙沼「男山本店」復元へ 来春完成 文化展示室も設置
 東日本大震災で被災した気仙沼市魚町の国登録有形文化財「男山本店店舗」の復元工事が30日、始まった。保存した3階部分を生かし、震災前の姿を取り戻す。地域の象徴だった酒造会社の建物が、来年3月にも復活する。
 店舗は木造3階で気仙沼大火の翌年の1930年に建てられた。震災の津波で1、2階は流失し、3階部分だけが残った。
 元の場所から東に5メートルの場所に再建する。3階部分の建材を分解して活用。1、2階も30年当時の面影を残し、完成後の延べ床面積は約240平方メートルで震災前とほぼ同じになる。
 復元には被災した歴史的建造物の保存を目指す同市の一般社団法人「気仙沼風待ち復興検討会」が創設した基金も活用する。
 男山本店は再建した1、2階に店舗や事務所などを置き、3階には観光客らが地区の歴史や文化を知ることができる展示室を設ける予定だ。
 30日は現地で安全祈願祭があり、関係者ら約40人が出席した。男山本店の菅原昭彦社長は「震災から8年がたち、ようやく新たなスタートを切ることができた。新しい街並みに調和させ、地域を盛り上げていきたい」と話した。
 震災前、内湾地区には5カ所の国登録有形文化財があり、「男山本店店舗」以外は全て復元された。


石巻市被災者向け独自事業 住宅補修補助急増2.8倍 戸別訪問で顕在化
 石巻市が東日本大震災で被災した住宅の再建のため2013年度に創設した支援事業の補修補助件数が18年度、前年度比2.8倍に急増したことが、市への取材で分かった。市が昨秋から実施した未利用者の戸別訪問で潜在的な需要が一気に顕在化した。各種支援制度は利用者の申し出に基づいており、申請主義の限界と被災者への歩み寄りの必要性を裏付ける形になった。
 市震災被災者住宅再建事業として実施し、過去6年の補修補助金の交付件数はグラフの通り。年間の交付件数は初年度の3154件をピークに年々減少。17年度は177件だった。被災住宅の補修が一巡したとの見方もあったが、18年度は496件と上昇に転じた。
 市は昨年9月以降、同事業を利用せず、市の通知にも反応がない約3000世帯を対象に訪問調査を実施。自立生活支援員約20人体制で戸別訪問し、住宅の状況を確認した。
 被災者から補修の意思や予定を直接聞き取り、申請希望者には必要な書類のそろえ方などをアドバイスした。600世帯以上が補修の意向を示し、事業への申請件数は調査が進むにつれ、増加した。
 市生活再建支援課は「申請主義では周知が行き届かなかった。手続きができない理由をきめ細かく聴き取り、できるまで何度も訪問した」と説明。市側からの働き掛けによる需要掘り起こしの効果を強調した。
 同事業について、市は当初1万件程度の利用を想定。17年度末時点で利用者は4778件にとどまった。18年4月には100万円以内の小規模な補修に対し、最大50万円を助成する補助金を創設したものの、申請数は低迷していた。
 在宅被災者を支援するチーム王冠(石巻市)の伊藤健哉代表は「制度を理解できていない在宅被災者は依然多い。他の自治体も被災者への働き掛けが必要だ」と指摘。「戸別調査で分かったことを改めて検証し、既存制度の補助額や運用基準が被災者のニーズに合っているかを見直せば、件数はもっと増える」との見方を示した。
[石巻市震災被災者住宅再建事業]2013年5月に創設され、新築や購入、補修などの再建費用の一部を助成する。対象は半壊以上の被災者で補助は最大100万円。金融機関から借り入れがあった場合は利子相当額に限り最大150万円を助成する。


再生の浜 初夏の彩り 仙台・岡田新浜でハマヒルガオ見頃
 再生の浜辺で潮風に揺れる淡いピンク色の花びら−。東日本大震災で津波被害を受けた仙台市宮城野区の岡田新浜で、今年もハマヒルガオの花が咲き始めた。防潮堤がそびえる海岸に初夏の彩りを添えている。
 30日は地元の岡田小5、6年生64人が海岸を訪れ、群生するハマヒルガオなどの観察や砂浜の清掃活動を行っていた。同校は震災後、津波で失われた海岸の植物の苗を植え、古里の浜の再生に取り組んでいる。
 6年斎藤航太君(11)は「津波に負けず、花を咲かせる自然の力はすごい。大好きな海岸にたくさんの花が咲いてほしい」と話した。
 ハマヒルガオの見頃は6月半ばまでという。


津波に耐えたニセアカシア 最後の一花 気仙沼・内湾地区
 気仙沼市内湾地区で東日本大震災の津波に耐えた3本のニセアカシアの花が、見頃を迎えている。繁殖力が強い外来種であるため、今夏にも全て伐採される予定。白い花が海岸を彩る光景は今年が最後となる。
 同市南町海岸にある3本は高さ約7〜8メートル。青い空に新緑と花のコントラストが美しく、時折吹く潮風に甘い香りが漂う。
 地区は津波で大きな被害を受けたが、ニセアカシアは流出を免れた。在来種の生態に影響を及ぼす可能性がある外来種であることから住民団体が3月、公園を管理する県に申し入れ伐採が決まった。


震災避難者、再び5万人超に 福島県の精査で判明
 復興庁は31日、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の避難者数が、5月14日時点で5万1184人だったと明らかにした。前回4月9日時点で5万人を下回る約4万8千人になったと発表していたが、福島県が避難者数を精査した結果、実際は約4千人多かったことが判明した。
 福島県によると、4月に県内自治体に要請した実態調査で、南相馬市がこれまで「不明」だった親族や知人宅などへの避難者数を2730人と報告したことが主な増加要因としている。
 避難先は47都道府県の993市区町村。都道府県別では原発事故の影響が続く福島が1万1293人で最多だった。


河北抄
 「リュックを背負ったままだと周りの方がいずいので…」。通勤時、仙台市地下鉄の車内で毎日のように聞くのが広島県出身の歌手・俳優の吉川晃司さんの声だ。仙台弁を交えてアナウンスするのには、びっくりした。
 録音は3月、若林区の東西線荒井車両基地であった公開録音のラジオ番組に出演した際のこと。タイアップした市交通局の要請で、乗車マナーの呼び掛けに快く協力してくれた。
 反響はSNSなどでかなりあった。「有名人に言われるとインパクトがある」「いずいの使い方がおかしい」等々。市交通局は「おおむね肯定的な意見が多かった。批判もあったが、それだけ心に留めていただいたということで、効果はあった」と説明する。
 交通局は近く、大がかりなマナー啓発キャンペーンを展開する予定。地下鉄と市バスで来月末まで流す吉川さんの車内放送は、その前哨戦。
 地下鉄車内の混雑時、吉川さんのアナウンスを聞いて、思わずリュックを背中から外したのは自分だけでないだろう。


東北電が太陽光余剰電力を9円で買い取り 住宅用、11月以降
 東北電力は30日、固定価格買い取り制度(FIT)の期間を終えた住宅用太陽光発電の余剰電力を、1キロワット時当たり9円で買い取ると発表した。買い取り期限の10年を迎える11月以降に順次、対象の顧客から買い取る方針。
 9円での買い取りは東北6県と新潟県、首都圏の一部の顧客が対象。うち東北6県と新潟県は11月末時点で約3万2000件(約12万4000キロワット)が期間満了となり、2028年度末には約18万5000件(約84万7000キロワット)に達する見込み。
 買い取りとは別に、エコキュートや蓄電池をリースし、余剰電力を自家消費や夜間使用、停電への備えなどに役立ててもらうサービスや、余った電気を東北電が一度預かったとみなし、顧客の使用量から差し引くプランも設ける。
 東北電は6月以降、対象の顧客にダイレクトメールでサービスの詳細や申し込み方法を知らせる。
 大手電力に住宅用太陽光の余剰電力の固定価格買い取りを義務付ける制度は09年11月に始まった。買い取り価格は当初の1キロワット時48円から段階的に引き下げられ、19年度は26円。期限後の価格を巡っては、関西電力と中部電力が8円、中国電力が7.15円などとなっている。
 30日の定例記者会見で、東北電は価格設定について太陽光の環境性や火力燃料費の削減効果、他社の水準などを勘案したと説明。原田宏哉社長は「電力会社から供給される電気を使うだけでなく、家庭で電気を作り上手に活用するサービス。新しいビジネスモデルの構築にも寄与する」と強調した。


羽生選手の仙台平展示 国民栄誉賞の感動再び 仙台・藤崎
 藤崎は30日、フィギュアスケート男子で五輪連覇した仙台市出身の羽生結弦選手(ANA、東北高出)が国民栄誉賞授与式で着用した仙台伝統の絹織物「仙台平(ひら)」の展示を始めた。青葉区のマーブルロードおおまち商店街側の本館ウインドーで、6月4日まで。
 仙台平は江戸中期に仙台藩で作られ始め、はかま地の最高峰とされる。展示品は、合資会社仙台平(太白区)が羽生選手のために仕立てたもの。羽生選手の家族が「伝統の素晴らしさを広く知ってほしい」と藤崎に貸し出した。
 授与式で笑顔を見せるはかま姿の羽生選手の写真パネルも添えた。訪れた青葉区の無職古町澄子さん(78)は「父が結婚式で着た仙台平を思い出し、懐かしく感じた。羽生さんのような素晴らしい人が地元の伝統を伝えてくれてうれしい」と喜んだ。
 藤崎は観光客が多い8月の仙台七夕まつりの時期にも展示する予定。


松島水族館跡地「松島離宮」起工式 国際的観光拠点に
 松島町のマリンピア松島水族館跡地で30日、観光施設「宮城県 松島離宮」の起工式があった。日本三景・松島で滞在型観光と交流の拠点を目指す施設。東京五輪・パラリンピック前の2020年4月に飲食施設など海側の半分が先行オープンし、同9月末に全面開業する予定。
 起工式には事業主体の総合商社「丸山」(蔵王町)、県や町の関係者ら約60人が出席。佐藤義信社長と村井嘉浩知事、桜井公一町長がくわ入れし、工事の安全を祈った。
 村井知事は「待望の着工。松島エリアの新たな観光拠点として国内外に名をとどろかせてほしい」と期待した。佐藤社長は「東日本大震災を乗り越え、憩いの場だった水族館の思い出を大切に国際的な施設にしたい」と述べた。
 施設は木造一部鉄骨2階で延べ床面積約2470平方メートル。総事業費約17億円。地場産品を生かした飲食・物販店、地元文化財を展示する博物館、体験ゾーンなどが入る。通訳が常駐する観光案内所を設け、訪日外国人旅行者(インバウンド)対応も強化する。
 敷地面積は約6540平方メートルで、内陸側に松島湾をイメージした庭園兼イベントスペース、水遊びができる池などを整える。
 敷地は県の所有で、県が跡地利活用案を民間に公募して決定した。


河北春秋
 近年、岩手の看板とも言える県産品にサバの缶詰「サヴァ缶」がある。フランス語で「元気?」を意味する「サヴァ?」と掛けた。オリーブオイルに漬けた洋風の味付けで、東京・銀座にある県のアンテナショップで人気が高い▼サバは東北で水揚げされる魚の主力の一つ。石巻市の金華山沖で取れる「金華サバ」は全国でも有名だ。八戸市の「八戸前沖サバ」も11年前からブランド化に力を入れ、知名度を上げている▼元号が令和に改まったのを待っていたかのように、5月に入り三陸の漁港がサバの大漁に沸いている。漁は6〜8月が最盛期なのに、岩手県水産技術センターによると、県内の水揚げ量は24日までに8123トンと前年同期の3.2倍。八戸、気仙沼なども軒並み好調だそうだ▼東北の水産業には最近、明るい話題が少なかった。サンマや秋サケ、アワビは不漁が続く。三陸産の養殖ホタテは昨年、国の基準を超えるまひ性貝毒による出荷の自主規制が長く続き、水揚げが激減した。サバの大漁は朗報である▼なぜこんなに取れるのか。専門家も分からないという。サバは昔から「さばの生き腐れ」といわれるほど足が早い(鮮度が落ちやすい)が、どこかへ逃げてしまわないで、しばらくは三陸沖に。漁業者になり代わり頼んでおく。

東北への訪日客/連携し周遊ルートの開発を
 東北に足を延ばす訪日外国人旅行者(インバウンド)が増えている。自治体や観光業界など関係機関の取り組みが実を結びつつあるのだろう。
 仙台市がまとめた2018年の市内の外国人宿泊者は20万4340人に達し、14年からここ4年で約3倍に急増した。東北6県では宿泊者数が17年、18年と2年連続で4割を超える伸び率を示し、インバウンドの足音が力強くなってきた。
 人口減少が進む中で、インバウンドに絡む観光振興は東北にとって優先的に取り組む課題の一つだ。誘客に向けて県境を越えた連携と戦略がより一層求められる。
 観光庁によると、18年に東北6県のホテルや旅館に泊まった外国人の延べ人数は前年比41.0%増の推計143万5000人で、過去最多を更新した。伸び率は青森が45.7%、宮城45.1%、山形37.0%と全国の上位3位を東北3県が占めた。
 大きな要因の一つは、仙台空港や青森空港などへの国際便の就航だろう。
 仙台空港では現在、台湾・台北との定期便が週13往復のほか、韓国・ソウルとの定期便がある。青森空港には中国・天津、ソウルとの往復便があるほか、7月から台北との週2往復の就航が決まっている。花巻空港にも昨年8月に台北との定期路線が開設され、台湾からの訪日客が東北で急増している。
 だが、外国人の宿泊者は国内全体の8859万人のうち、東北はわずか1.6%にすぎない。東北の自治体が連携し誘客に取り組む余地は大いにある。各空港発着の国際便を生かし、周遊ルート作りを急ぐべきだろう。自治体や交通機関を含め、関係者らの横断的な連携による周遊ルートの開発が欠かせない。
 旅行者の需要・関心の多様化を踏まえ、街道、社寺、酒蔵、温泉などをテーマに各地域で活動する団体やNPOなどがネットワークを組むことも検討してほしい。周遊ルートにテーマや物語性を加味することが大切となる。
 数ある地域資源の中から、観光資源となり得る素材を発掘し、特長を生かして磨き上げる努力がリピーター確保につながるに違いない。
 一方、東日本大震災で津波被害を受けた東北沿岸部では、観光客数が回復していない。震災の記憶と教訓を伝えていくためにも、内陸部のインバウンド効果を沿岸部にどう波及させるのかが今後、大きな課題となる。
 相互交流の視点も必要だ。訪日客の受け入れだけでなく、東北からも海外へ出掛けることにより、国際航空路線が拡充され、訪日客が増える相乗効果が期待される。
 ただ、パスポート保有率は青森と秋田両県が9.1%、岩手県9.8%など東北は全国でも最低レベルだ。相互に行き交うことで活発な人の流れを生み出したい。


福島原発事故“風評被害対策”で「電通」に240億円! ママインフルエンサーのステマ、開沼博や早野龍伍、TOKIO起用も
 避難指示の解除、自主避難者への住宅無償提供や家賃補助の打ち切り……。安倍政権による東日本大震災、福島第一原発事故の被災者切り捨てが進んでいるが、ここにきて、政府や自治体が「復興」に名の下に、とんでもない金の使い方をしていることが判明した。
 国や自治体が福島県の「風評被害」対策や「復興」をPRするという名目で、なんと広告代理店最大手・「電通」に240億円の大金を投じていたことがわかったのだ。
これは、長野県のミニコミ雑誌「たぁくらたぁ」の情報公開請求によって判明したもので、分析に協力したオルタナティブメディア「OurPlanet-TV」が5月24日に報じた(http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2394)。
「たぁくらたぁ」の編集人・野池元基氏によれば、昨年10月から、福島第一原発事故にかかわる放射線対策・復興関連事業についての情報公開を本格的に開始。内容は、各官公庁や福島県および請求が可能だった自治体に対して、2011〜2018年度の間に株式会社電通と、電通東日本(電通の100%子会社)などの電通関連会社に委託された事業について公開を求めたものだ。こうして数カ月かけて開示した膨大な文書や資料から、野池氏らが契約された金額をひとつずつチェックして出てきたのが「約240億円」という金額だった。
「自治体によっては情報公開が可能なのが住民に限られているところもありました。また、資料には黒塗りのものもあり、廃棄等によって開示されなかった文書等もあると考えられます。約240億円という金額は、私たちの調査で判明した限りの数字です」(野池氏)
 つまり、約240億円はあくまで現段階で判明している数字であって、実際には、これよりもさらに大きなカネが「福島復興」の名目で電通に流れている可能性がある。
 たしかに、福島の農産物などの風評被害対策は必要だが、一方で、原発事故についてはいまも影響を懸念する国民の声があり、甲状腺癌など、住民に健康被害が進んでいることを指摘する専門家・医師もいる。そうした不安を払拭するためには、マイナスな情報や意見もきちんと紹介し、どこまでが安心で、どこからが原発事故の影響が残っている可能性があるのかを検証したうえ、客観的な情報を省庁や自治体が自らの手で発信すべきだろう。
 それを、放射線の専門家でもなんでもない広告代理店に240億円という巨額な金を投じて、一方的なPRに勤しんでいるとは……。電通のこれまでのやり方を考えると、少なく見積もっても同社が50億円くらいは“中抜き”していると考えられる。そんな金があれば、もっと直接的に復興や被害対策へ税金を投入すべきではないのか。
ママインフルエンサーを使った“ステマ”まがいの戦略まで
 さらに、問題なのは、電通が国や自治体からのカネを元手に行ったPRが、まさに“代理店的”な手法に満ちていることだ。野池氏の請求によって公開されたものの一つに、「平成30年度 放射線等に関する情報発信事業」という資料がある。これは、電通が復興庁に送った実施PR事業の報告資料だ。
 見ると、電通がありとあらゆるメディアやチャンネルを使って「風評被害」を打ち消すための戦略を実行していることがわかる。テレビCM(地上波36局、BS4局。2019年2月)はもとより新聞広告、Tver、映画館や電車内、産婦人科病院待合室のモニターでのCM、さらに日本医師会会員や全国自治体に配布するリーフレット、ウェブ動画やポータルサイトの開設から、果てはLINEスタンプまでもが戦略に含まれていた。
 しかも、これらのPRは明確に広告代理店的手法をとっている。たとえば、映画館でのCMは映画「ドラえもん のび太の月面探査記」を上映した劇場(49劇場、CM上映4069回)でのもの。資料内でこのドラえもん映画を〈春休みに親子で楽しめる話題作〉と強調しているように、明らかに「母親層」「父親層」にターゲッティングされているのである。
 とりわけ同報告資料のなかで目を引くのは、〈有識者・専門家・ママインフルエンサーによる座談会〉なる項目だ。これは、2019年2月2日に三菱総合研究所で開催された座談会で、「ママインフルエンサー」なる女性らが参加、社会学者の開沼博氏が講師を務めた。「ママインフルエンサー」5名は「合計フォロワー数45975人」と記されている。内容は〈(福島の現状を)知る事が復興支援になるという理解促進〉などとされており、その模様は編集されて日経新聞に復興庁名義で掲載された。
ママインフルエンサーでステマまがいPR、早野龍五氏や開沼博氏らも協力
 しかし、狙いは座談会そのものよりSNSでの拡散(クチコミ)にあったようだ。電通の報告書を読むと、実は、この「ママインフルエンサー」らはInstagramやブログで座談会の模様等をポストしており、それが拡散されるところまでがセットだったことがわかる。
 同資料には、ご丁寧にも複数のブログ投稿のスクリーンショットが掲載されている。そこには〈福島の放射能について話すことがタブーな雰囲気があるからこそ!!情報がアップデートされないのかな?〉〈要するに理解できていないから避けておこうって事なんですよね…〉などの文言があり、最終的に復興庁のポータルサイトに誘導する仕組みになっていた。なお、このポータルサイトも前述したように電通が担った事業だ。
 広告だと悟られないよう行うPRは「ステマ」(ステルス・マーケティング)と呼ばれる。本サイトでも定期的に調査・報道してきたように、電力業界では、電事連(電気事業連合会)などがタレントや文化人を起用したお手盛りの座談会を行い、それをレポート風の記事にみせかけて新聞・雑誌に掲載するという“原発広告”が後を断たない。少なくとも、ネットの拡散力に長けた「ママインフルエンサー」の起用は、そうした“ステマまがい”の新たな形なのだろう。
 また、この資料で気になるのは「風評払拭・リスコミ強化のためのメディアミックスによる情報発信に関する検討会」なる存在だ。第一回は2018年6月12日、第二回は同年9月6日に行われた。
「風評払拭・リスクコミュニケーション強化戦略」の有識者の一覧には、先日、福島県伊達市の住民の被曝線量を分析した論文について被曝線量を3分の1に少なく見積もっていたことを認めた早野龍五・東京大学名誉教授や、前述の“ママインフルエンサー座談会”などにも登場した開沼博氏のほか、「福島県クリエイティブディレクター」も務める有名クリエイターで東京芸術大学教授の箭内道彦氏ら、計10人の名前が並んでいる。
 電通資料では〈各施策の実施にあたっては、有識者からなる検討会等を実施。検討会等に必要な作業、有識者への依頼、旅費・謝金の支払い等も行った〉と記されている。つまり、彼ら「有識者」にはギャラが発生していたようだ。本来、独立性を保持するべき学者までもが、ギャラの発生するプロモーションビジネスに組み込まれているというわけである。
健康被害を懸念する声を「否定派」と呼んで、言論の動向監視を提案
 さらに、「ふくしま農林水産物安全・安心メディア発信研究会」に関する資料の記述も極めて興味深い。この「研究会」は、2012年から福島県農林水産部が福島民報や福島民友新聞、福島テレビなどの地元マスコミの担当者を集めて行っている会合だが、その内部関連資料と目される文書が、「たぁくらたぁ」の野池氏による請求で公開されたのである。
 第1回会合に関する資料「マスメディアを活用した水産物PR事業の基本的考え方」(2012年5月22日)には、福島県農林水産部農産物流通課の名義とともに、電通東日本と電通の名前がはっきりと記されていた。資料ではTwitterを中心としたSNSの分析もなされており、そのなかにはこんな文言が並べられていた。
〈メディアを活用する情報発信の際には、平行し、ネット上にてソーシャルリスニングを実施。新たに形成される「否定派」の声、影響力のある「否定派」の声を把握しておくことが重要〉
〈一方、ネット上には報道に刺激され「否定派」が形成される。報道熱が下がった後も、この「否定派」のみがネットには残留。フォロワーを味方につけ、思わぬ影響力を持ち始めるケースも。そのため、随時、ソーシャルリスニングを実施することは重要。〉
 つまり放射性物質による健康被害を懸念する声を「否定派」と呼び、そのネット上での言論の動向を監視する必要があると文書は言っている。 さらに、〈県外(首都圏)の生活者に共感をもたれ、その応援の姿に自分も乗りたくなるキーメッセンジャーの起用〉なる項目からは、電通が「ふくしまの安全・安心」をキャンペーンするため、極めて計画的・計算的に人選を行っていることが伺える。
〈福島県出身の著名人をキーメッセンジャーにすると、福島県内消費者の共感は呼びやすいが、県外に対しては「福島県出身なんだから当たり前」と予定調和的にみられ、大きな説得力はもちにくい。
 一方、特に福島県に縁を持たない著名人をキーメッセンジャーにすると、県外の人にとっては意外性を持つが、福島県内消費者には「あなたに言われたくない」というネガティブな受け取りをされるおそれもある。(除染など、他に優先すべきことがあるだろうという批判の対象になるおそれもある。)
 県外に対して意外な説得力があり、福島県内消費者にとっても応援している人が福島県内と県外を結ぶキーメッセンジャーになる。〉
電通の戦略でTOKIOを「キーメッセンジャー」に
 こうした計算の上で仕組まれた「キーメッセンジャー」がTOKIOだったというわけだ。「安心メディア発信研究会」の第2回議事録(2012年7月13日)では、地元マスコミの営業・広報担当者たちが「TOKIO起用はよかった」「ダッシュ村の影響もあり、農業系アイドルなのでよい」「ビールも似合うTOKIOが桃もおいしく食べている姿が良い」「TOKIOはジャニーズでも年齢層が高く、大人の安心感が感じられる信頼感が伝わる」などと口々に絶賛している。
 いずれにせよ、今回、明るみにでたのは、国や自治体が、原発事故後の「風評被害」対策や「食の安全・安心」PRを電通に丸投げし、少なくとも240億円という莫大なカネをつぎ込んできたというグロテスクな事実だけではない。
 福島第一原発の事故以前、電力会社などの“原子力ムラ”は、露骨な“安全神話”を振りまく大量の広告出稿によってマスメディアの口を塞いできた。だが、そうした電力業界のやり方や、広告に起用されてきた“原発文化人”にも大きな批判が集まり、“原発広告”はどんどん巧妙化していった。原発広告への電通の大きな関与は以前から指摘されていたが、この広告代理店的手法が、PRに隠された“新たな安全神話づくり”を見えづらくさせている。それが、あらためてはっきりとしたのである。
 問題なのは、今回の「たぁくらたぁ」による情報公開請求と、それを分析して報じた「OurPlanet-TV」の報道を、テレビや新聞などのマスコミがまったく後追いしようとしないことだ。それは当然、自分たちも原発広告に加担する“共犯者”であると同時に、マスコミにとって電通は最大のタブーだからだろう。しかし、そうして見てみぬフリをしてきたことが、あの未曾有の原発事故を招いたのではなかったか。原発事故後の巨額PRと電通の関係を、徹底して検証せねばならない。


布川事件に賠償 再審でも証拠開示を
 再審無罪となった男性に対し、「国と県は賠償せよ」と東京地裁が命じた。一九六七年の布川事件(茨城)だ。検察に不利な証拠でも開示義務を指摘した点は大きい。再審でも同じルールが必要だ。
 「母親が早く自白するように言っている」「被害者宅近くで目撃証言がある」−。取り調べでは事実と異なる供述の誘導があった。公判でも捜査官の偽証があった。検察官も証拠開示を拒否した。
 損害賠償を認めた根拠には、警察・検察側の不公正の数々が積み重なっている。何より判決が証拠開示の在り方について、「裁判の結果に影響を及ぼす可能性が明白なものは、被告に有利か不利かを問わず法廷に出す義務がある」と述べた意義は大きい。
 検察が合理的な理由がなく証拠開示を拒否することは、できないはずである。手持ち証拠は基本的にすべて法廷に出すという規範が働くことが期待される。万一、証拠隠しが発覚すれば、賠償義務が生じることになるからだ。
 問題は再審のケースである。刑事訴訟法には、再審での証拠開示についての明文規定がない。検察側は再審では積極的に応じようとしない傾向があるし、訴訟指揮権も裁判官の裁量次第である。
 日弁連は今月、再審での証拠開示が適切に行われるための意見書をまとめている。そこでは積極的な裁判官と消極的な裁判官の間で生じる「再審格差」の問題が指摘されている。つまり、喫緊に求められるのは、新たな証拠開示の法制化である。
 布川事件が再審決定となったのは、無罪を示す新証拠が次々と出たからだ。犯行現場近くで目撃された人物は、この男性とは別人だという証言。殺害方法が供述と矛盾する鑑定書。さらに現場から採取された毛髪も男性のものとは異なっていた。指紋もなかった。
 取り調べ段階で、自白した録音テープを音声分析したら、「重ねどり」の編集痕跡があった。問題なのは、これら検察に不利な証拠を検察自身が長く隠していたことだ。見逃せない。
 近年の再審無罪のケースは、検察側の証拠開示が決め手になっている場合が多い。松橋事件(熊本)、東京電力女性社員殺害事件(東京)、東住吉事件(大阪)…。新証拠が確定判決をゆるがせ、無罪に導いている。
 もはや全面的な証拠開示が必要なときだ。裁判員裁判の時代でもある。冤罪(えんざい)をこれ以上、生んではいけない。


ふるさと納税 地方自治を考える契機に
 事実上、地方の裁量に委ねられていた制度から国の許認可制への“衣替え”と言えよう。地方自治の在り方や国と地方の関係を考える契機としたい。
 ふるさと納税の新制度が6月1日から始まる。寄付に対する「返礼品は地場産品」で「調達費は寄付額の30%以下」と定められた。「寄付募集の適正な実施」も盛り込まれ、この3基準に適合した自治体だけを総務相が税優遇の対象に指定する。
 過度な返礼品競争を是正するための制度改正だと、総務省は説明している。
 この結果、豪華な返礼品で多額の寄付を集めたと総務省が認定した、静岡県小山町▽大阪府泉佐野市▽和歌山県高野町▽佐賀県みやき町−の4市町は新制度から除外された。
 みやき町はネット通販大手「アマゾン」のギフト券などを返礼品にして2018年度は約168億円を集めていたという。
 確かに新制度の導入で、行き過ぎた返礼品は姿を消し、豪華さやお得感をあおる競争も沈静化するだろう。それでも、この制度が本質的に抱える矛盾や疑問は決して解消されない。
 地方で生まれ育った人が都会に出て就職する。税制を通じてふるさとに恩返しができないか。それが制度の原点だった。
 しかし、地方税収の視点で見れば、本来は納税者が居住する自治体に納める税金を地方同士が奪い合う構図である。税制の受益と負担の原則に反するという指摘は当初からあった。
 制度設計の段階では想定されていなかった返礼品の過当競争が、問題をこじらせていく。高額納税者の富裕層ほど有利な制度との批判も強まる。
 総務省の再三の通知や指導に従わない自治体が多額の寄付を集めると、従う自治体から「不公平だ」との声が上がった。
 業を煮やした総務省が、地方税法の改正という強硬手段で実現したのが今回の新制度だ。
 見返りを求めないのが寄付のはずなのに、いびつな返礼品競争が過熱してしまった。豪華さを競った自治体の短慮に問題があったとしても、減税される寄付額の上限を引き上げて制度の利用拡大を促した国にも、責任の一端はあるはずだ。
 返礼品競争の背景に、地方税収の偏在や自治体の深刻な財政難という問題の核心があることを忘れてはならない。
 揚げ足を取るつもりはないが「寄付額の3割まで」という基準を設けたこと自体、返礼品を容認したことになる。いっそ全面禁止した方が「見返りを求めない寄付」という筋は通る。それでは寄付が集まらない、と言うのなら、ふるさと納税の理念は廃れたも同然ということだ。


強制不妊訴訟判決 被害者の救済置き去りだ
 国家による人権侵害が明確となった。知的障がいなどを理由にした不妊手術を認めた旧優生保護法に対し、仙台地裁は憲法違反の司法判断を初めて示した。政府、国会とも深く反省し、被害者に寄り添った救済と名誉の回復を急がなければならない。
 ところが仙台地裁は旧法に基づく不妊手術を違憲としながら、手術を強いられた原告への国の賠償責任は否定した。差別を生み放置してきた国を免責し、被害者の救済は置き去りになる。全く理解しがたい論法だ。
 旧優生保護法は1948年に施行された。96年に障がい者差別に該当する「優生手術」の規定が削除され、母体保護法に改正されるまで、戦後半世紀近くも存続した。この間に不妊手術を施されたのは、国の統計で確認できるだけで約2万5千人に上る。
 全国初の司法判断として注目された28日の仙台地裁の判決は、旧優生保護法に基づく不妊手術について「不合理な理由で子を望む者の幸福を一方的に奪い去り、個人の尊厳を踏みにじる」と、幸福追求権を定めた憲法13条に違反するとの判断を示した。人生を奪われる苦しみを味わってきた被害者にとってようやくの思いだっただろう。
 思い起こされるのが、「らい予防法」に基づくハンセン病患者の隔離政策を巡る2001年の熊本地裁判決だ。差別的な政策や被害救済を放置してきた国の不作為を認め、元患者への賠償を命じた。当時の小泉政権が控訴を断念し、国会で議員立法による補償金支給法の制定につながる画期的な判決となった。
 しかし今回の判決は、不法行為から20年を超えると賠償請求ができなくなる除斥期間だという国の主張を認め、原告の請求を棄却した。
 提訴した2人は手術から40年以上が経過する。差別条文を削除して法改正された96年の時点でさえ、既に20年がたっている。除斥期間の適用はあまりに形式的な法律論だ。
 さらに被害者救済のため国家賠償法とは別の立法措置がとられなかったことにも、「法的議論の蓄積がなく、立法措置が必要不可欠かどうかが明白ではなかった」と国会の不作為を擁護した。
 しかし、98年に国連の自由権規約委員会が、16年には国連女性差別撤廃委員会が被害者への補償を勧告している。法的議論の機会がなかったのではなく、国際的な批判を政府が無視してきたのだ。
 憲法は、裁判が公平に行われ、特に少数者の権利を保護する職責が果たせるように、「司法権の独立」を掲げている。裁判官は自らの判断で職責を行う独立した存在だ。だが沖縄の基地問題を巡る訴訟を見ても、国におもねるような司法判断が近年目立つ。
 強制不妊訴訟は仙台のほか6地裁で提起されている。国への忖度(そんたく)はあってはならない。司法権の独立を意識した判断を求める。


アベノミクスが成長を妨げ 日本の競争力“過去最低”の衝撃
 スイスのビジネススクール「国際経営開発研究所」(IMD)が28日、「世界競争力ランキング」(2019年)を発表した。調査対象63カ国の中で日本は前年より総合順位を5つも下げ、30位となったことに衝撃が広がっている。
 IMDは1989年から毎年、競争力ランキングを発表。日本は2006年の16位から右肩下がりの傾向にあったが、とうとう最低を記録してしまったのだ。
 背景にあるのは、日本企業の生産性の低さや経済成長の鈍化。安倍政権が声高に叫ぶ「ゆるやかな経済回復基調」がデタラメであることが、客観的に示されたワケだ。
 アベノミクスの名の下で円安誘導を仕掛け、大企業のカネ儲けを優先してきたツケが回ってきたのである。
 財務省の「法人企業統計調査」によると、企業が利益から税金や株主配当を差し引いた、いわゆる「内部留保」(金融、保険業を除く)は446兆4844億円(17年度末)。
 つまり、大企業は「円安・株高」で得たカネを貯め込むばかりで、競争力を高めるための研究開発、設備投資はそっちのけだったのに等しい。それでいて、「即戦力が欲しい」「賃上げは限界」とか言っているのだから無能経営の極みだ。経済アナリストの菊池英博氏がこう言う。
「輸出企業は努力せずに円安のおかげで大量の“あぶく銭”が懐に入ってくるため、自社の生産性向上やコストダウンをしようとしない。成長しようとしない企業が競争力を失っていくのは必定です」
 安倍政権は「未来投資戦略 2018」の中で、データ社会の到来に向け<日本経済の潜在成長率を大幅に引き上げ、国民所得や生活の質、国際競争力を大きく向上>――と壮大な目標を掲げているが、IMDの項目別ランキングよると、日本の「ビジネスの効率性」は46位。「ビッグデータの活用」や「起業家精神」は最下位だ。
「円安でラクに儲けようという安易な考え、仕組みを見直さない限り、競争力を高めることはできません」(菊池英博氏)
 アホノミクスで、日本企業は「ゆでガエル」まっしぐらだ。


安倍首相“幇間”外交大失敗 トランプ手の平返しで円安叩き
 ゴルフ、大相撲、炉端焼き――。トランプ大統領の滞在中、安倍首相が展開した“幇間”外交は、やっぱり「大失敗」だった。トランプ大統領が帰国した28日、米財務省は「外国為替報告書」を発表。故意に自国通貨安を誘導していないかを注視する「監視対象国」に日本や中国など9カ国を指定したのだ。ポンコツ機F35の押し売りの次は、円安を徹底的に叩くつもりだ。
 トランプ大統領は28日、ホワイトハウスに戻ると〈THANK YOU JAPAN!〉とツイートしたが、ちょうどその頃、「為替報告書」が発表された。
「毎年、4月と10月の中旬に発表されるのですが、今回は1カ月以上遅れました。米財務省は対中貿易交渉の影響を理由にしていますが、令和初の日米会談のお祝いムードに配慮して会談後に発表したようです。トランプ大統領訪日を終えて、直後に発表したのは、“浮かれムード”に引きずられず、『円安を問題にしますよ』という米国のメッセージとみられています」(外務省担当記者)
「報告書」は、日本を「為替操作国」にこそ認定しなかったものの、円相場について〈過去5年、実質実効ベースで歴史的な円安水準〉と指摘。日米貿易交渉で、円安誘導策を禁じる「為替条項」を求めるのは必至だ。
■来年秋までに1ドル=100円割れも
 金融ジャーナリストの小林佳樹氏がこう言う。
「〈歴史的な円安水準〉という表現は、現在の水準が安すぎるという意味です。現状維持では、トランプ大統領の目に見える成果にはならない。大統領選の来年秋までに、1ドル=100円割れも十分にあり得ます」
 円高が進行すれば円安頼みの輸出企業は大打撃だ。3月の日銀短観によると、今年度の想定為替レートは、大企業製造業で108.87円。現在の円相場は、109円前半から半ばで推移しているから、すでに余裕はない。1円の円高でトヨタは年間400億円、日産やホンダは100億円、キヤノンは50億円の利益が吹っ飛ぶとされる。100円割れの事態になれば、日本経済はガタガタになるだろう。通常は日銀が利下げや金融緩和により、過度な円高にブレーキをかけるのだが、米国がにらみを利かせているから簡単ではない。
「『報告書』の〈過去5年〉という記述は明らかに異次元金融緩和のことです。日銀が追加緩和をしようとしても、米国は『為替操作国』の認定をちらつかせて牽制するでしょう。ただでさえ、米国の利下げ観測や中国の米国債放出懸念など円高要因が多い中、世界経済の不安定が続けば安全資産の円が買われるのは確実。しかし、米国に手足を縛られた日銀は、円高を傍観するしかないのです」(小林佳樹氏)
 個人的に親密な関係を築いたとしても、国益となると話は別。まして選挙を抱えたトランプ大統領はなおさらだ。米国が今後、次々と日本に無理難題の要求を突き付けてくるのは間違いない。


日本の野党は米女性下院議員はコルテスの発信力を学ぶべき
 参院選挙が迫っている。憲法や消費税など重要課題があるが、いまひとつ盛り上がっていない。
 理由として考えられるのは、野党に迫力が感じられず、野党の政治家からも魅力が伝わってこないからだが、対照的に米国の政治は熱狂の渦にある。
 米国では近年、選挙の戦い方が変わった。従来は富豪や経済界から巨額の支援を得て、大手マスコミに派手な宣伝を打って戦うのが主流だった。しかし、2016年の大統領選から選挙戦が様変わりした。トランプは総得票で民主党のヒラリーに負けたが、大統領選挙は州の代議員の数で勝敗を決める。トランプは終盤、資金と遊説を接戦州に絞り、勝利した。そして、大統領になった途端、20年の大統領選挙への立候補を表明し、事務所を立ち上げた。この責任者はパースケールで、彼は5000項目以上の世論調査を実施し、トランプの発言につなげている。トランプは一見、気ままに発言しているように見えるが、発言がどう影響するかを綿密に調査し、共和党員、無党派層の支持を確保しているのだ。
 最大の武器はツイッターで、フォロワーは実に6000万人を超える。
 この現象に米民主党員も気づき、ツイッターでの発信の巻き返しを図っている。それは、ツイッター利用にとどまらず、自らが世論の関心を誘導することにある。
 バイデン前副大統領のフォロワーは360万人、サンダースは930万人、ウォーレンが500万人、ハリスが270万人である。
 一方、日本の野党政治家はどうか。
 立憲民主党の枝野幸男代表が12万人、国民民主党の玉木雄一郎代表が4万人、共産党の志位和夫委員長が10万人である。これでは野党党首としての発信力に乏しく、本気で国民に訴える努力をしているのかと思う。野党は果たして真剣に独自の世論調査をしているのだろうか。
 野党議員が参考にすべきは、米国史上最年少で女性下院議員に就任したコルテスだ。29歳のプエルトリコ系。単なる下院1年生女性議員に過ぎないが、爆発的な関心を集め、ツイッターのフォロワーは420万人いる。
 彼女はエリートではない。父の突然死で住宅融資の返済に苦しみ、学費返済に苦しみ、バーテンダーとして毎年1000人以上の人々の不満に耳を貸してきた。彼女は[濘焚歙任鮑蚤脾沓亜鵑砲垢覘公立大学と職業学校の無償化5じ変動対策ざ睛四子の最大を15%――と、国民が関心ある問題に発信を続けている。


蓮池透氏が「れいわ新選組」から出馬へ 参院選視野
 北朝鮮による拉致被害者の蓮池薫さんの兄、蓮池透氏(64)は31日、今夏の参院選をにらみ、山本太郎参院議員(44)が代表の政治団体「れいわ新選組」から出馬する意向を表明した。東京都新宿区の事務所での記者会見を動画で公開し「地方は疲弊し、惨たんたる状況で何とかしないといけない。『ネットで悪口ばかりを言っている』と批判されてきたが、(政治の場の)オフラインで自分の言いたいことを言おうと決めた」などと述べた。
 蓮池氏は元東京電力社員で、北朝鮮による拉致被害者家族連絡会の元事務局長。同団体は衆参同時選挙を想定して寄付金を募っており、会見に同席した山本氏は30日までに約1億5000万円が集まったことを明らかにした。【山口朋辰/統合デジタル取材センター】


予算委員会 開催拒否は責任の放棄だ
 衆参両院で予算委員会が長期にわたって開催されていない。
 衆院では、3月1日から約3カ月、参院でも3月27日から約2カ月間にわたっている。
 野党はこれまで、閣僚などの更迭や経済情勢の悪化などに対し、政府をただすため、何度も委員長に開催を要求してきた。
 それなのに与党は開催を拒否してきた。4月には統一地方選があった。夏には参院選を控えている。重要な選挙を前に政権のイメージを悪化させる場を設けたくないという思惑が透ける。
 衆参両院の規則は、各委員長が「委員の3分の1以上」から要求された場合、「委員会を開かなければならない」と定めている。委員長は開催しても与党委員が出席せず、流会になるとしている。
 開催拒否は国民に対する説明責任の放棄だ。争点を覆い隠して国会をやり過ごし、選挙に臨むことは看過できない。与党は早急に両院で予算委を開催し、安倍晋三首相が答弁に立つべきである。
 国政全般に関係する予算委はこれまで、政策全般をチェックする場として、与野党が攻防を繰り広げてきた。予算案の成立以降も開催されるのが通例で、昨年は委員会可決から5月末までに、集中審議を計7回実施した。
 予算委が開かれない間、議論する必要がある問題が山積されてきた。「忖度(そんたく)」発言の塚田一郎前国交副大臣や、失言が重なった桜田義孝前五輪相が更迭された。首相の任命責任に対する見解も予算委で説明されていない。
 経済情勢が悪化し、政府は景気判断を引き下げた。経済政策だけでなく、雇用への影響や財政面など幅広い課題があり、予算委でしか議論できない。消費税増税を控え、経済への影響や対策が十分かも検証する必要がある。
 北朝鮮に対しても、政府は条件を付けずに金正恩朝鮮労働党委員長との会談に臨む方針を固めている。拉致問題の進展を前提としてきた従来の姿勢を転じている。首相が説明するべきだ。
 来日したトランプ米大統領との首脳会談では、日米貿易交渉を巡り早期妥結へ協議を加速させる方針で一致している。ただし、協議内容を巡っては、日米間で隔たりも表面化している。その理由についても説明責任がある。
 会期末まで1カ月を切った。多様な論点を議論し、問題点を浮き彫りにする時間は限られている。早急な開催は国会の義務だ。党利党略である与党の審議拒否は、国民軽視である。


終盤国会 予算委での論戦を求める
 外交や経済を巡って、見過ごせない問題が浮上してきた。疑問を抱いている国民は少なくあるまい。予算委員会できちんと論戦を交わすことこそ、国民に対する国会の責任だ。
 通常国会は6月26日の会期末まで1カ月を切った。
 だが与党の関心は、夏の参院選に合わせた衆参同日選を安倍晋三首相が決断するかに集中しているようだ。6月中旬にも可否を判断するとの観測もある。
 残る国会会期は重要法案の成立をこなしつつ、閉会を待つ。与党側がそう考えているなら、身勝手に過ぎよう。
 先ごろ来日したトランプ米大統領は安倍首相との首脳会談冒頭で、日米貿易交渉に関し「(参院選直後の)8月に大きな発表ができる」と明言した。
 トランプ氏は会談前にも、貿易交渉の成果を巡って「7月の選挙まで待つ」とツイッターに書き込んでいた。
 首相は事前に、交渉の妥結について「参院選が終わるまで、待ってほしい」とトランプ氏に頼み込んでいたという。
 なぜ、妥結が参院選後でなければならないのか。トランプ氏が発表の時期まで明示した根拠は何か。そんな疑問が浮かぶ。
 野党は、交渉の焦点である農業や畜産で大幅に譲歩したのではないかと疑問を呈するとともに「国民不在の密約」などと批判し、予算委で説明を求める考えを示している。当然だろう。
 これまでの交渉では、関税を中心に日米の考えは開きが大きいとみられてきた。だが、トランプ氏の物言いからは、既にゴールが決まっているかのような印象を受ける。
 首相は参院選での逆風を避けたいのではないか、との見方もある。事実なら、日本が何らかの不利益を被る事態を想定している可能性も否定できない。
 選挙にマイナスとならないよう妥結を先送りした上、国会での説明も避けるのでは、不誠実としかいえない。
 今回のトランプ氏来日を巡っては過剰な接待外交との批判も出ている。この点についても首相の考えを聞きたい。
 「アベノミクス」を看板にしてきた首相が、景気情勢や先行きをどう認識しているかについても関心は高いはずだ。
 3月の景気動向指数の基調判断が「悪化」となるなど、最近の経済指標は日本経済の変調をうかがわせる。
 こうした中、5月の月例経済報告で政府は景気判断を下方修正する一方、「緩やかに回復している」との骨格については維持した。これに対し、見極めが甘いとの指摘もある。
 貿易と経済は関連の深いテーマでもある。野党が求めている首相出席の予算委集中審議開催に与党が応じ、十分な論戦の場を設けるべきだ。
 同日選の臆測が広がる中、首相は30日には衆院解散の可能性を意味する「風」に言及した。批判を強める野党を封じる思惑からだとすれば、あまりに政略的だ。国民の疑問に答えることが先である。


川崎殺傷事件 見守りの死角生むまい
 なぜ、無防備な子どもらが犠牲にならなければいけないのか。容疑者が自殺した今、やり場のない怒りとむなしさが続く。
 川崎市で28日、スクールバスを待つ私立カリタス小の児童らが刃物で襲われ、19人が死傷した。容疑者が無言で切りつけ自らの首を刺すまで、わずか十数秒。日常の朝の光景が惨劇へと一変した。
 恐怖にさらされた児童はもちろん、現場にいなかった子どもや家族に与えたショックは大きい。一人一人の心のケアが重要だ。スクールカウンセラーら専門家を配置し、時間をかけて丁寧に寄り添っていく必要がある。
 登下校時の子どもを狙った犯罪が後を絶たない。2017年、千葉県松戸市でベトナム国籍の小学3年女児が登校中に行方不明になり、遺体で発見。昨年5月には新潟市で下校中の小学2年女児が連れ去られ、変わり果てた姿で見つかった。
 事件を受け政府は「登下校防犯プラン」を策定し、対策強化に取り組んできた。「子どもを極力1人にしない」とする観点を強化し、危険回避としてスクールバス活用なども推進。しかし今回は、そのバスに並ぶ集団が狙われた想定外の事態に衝撃も広がる。
 学校や地域ごとに異なる通学事情だ。どうしたら安全を確保できるのか。安倍晋三首相は、登下校時に子どもが集まる場所を再度点検し、パトロールを強化するよう関係省庁に指示。柴山昌彦文部科学相は「警察や地域ボランティアと連携した対応を一層推進してほしい」と呼び掛けた。
 点検やパトロール強化は、当然だろう。しかし、体制を継続していかなければ意味がない。共働きの保護者や、教員らの負担が増している現状を考えれば、自助努力の限界もある。見守りの死角を生まないためにも、地域の力が改めて必要とされている。
 都市部でなくても近所付き合いが薄れがち。プランでは、散歩中や水やりなど日常の中で「ながら見守り」を推奨する。企業活動の一環として、県内では警察とタクシー業界が連携し、運転手が乗務しながら目配りしている。こうした事例を地道に積み重ねていきたい。
 学校内外の見守り活動を行うボランティアのスクールガード養成も急がれるが、善意に頼るだけではなく、警備員配置や防犯設備の拡充も求められるのではないか。
 そして、防犯教育をより実践的な内容へと見直す視点もほしい。大声を出す、逃げる、店に駆け込むなど、危険を察知・回避する能力を身に付けておきたい。
 命が脅かされる社会であってはならない。子どもの安心安全は最優先すべき課題だ。


[川崎児童殺傷] 安全の死角をなくそう
 川崎市でスクールバスを待っていた私立小学校の児童らが包丁を持った男に襲われる事件が起きた。小6女児と別の児童を見送りに来ていた父親が亡くなったのは痛恨の極みだ。
 男はその場で自殺した。動機の解明は警察の捜査を待つしかないが、周到に準備し、大勢の殺害を狙っていた可能性もあるという。
 安全に「絶対」はない。だが、同じような事件を繰り返さないために自治体や学校、警察、住民が連携し「地域の目」を光らせていかなくてはならない。
 通学路の安全対策は、児童らが狙われる事件が起きるたびに強化されてきた。文科省は路線バスをスクールバスとして積極活用する方針も打ち出した。
 実際、同省の調査ではスクールバスを利用する小学校の割合は2005年度の8.9%から15年度には、ほぼ倍増した。徒歩通学より安全なのは確かだが今回、スクールバスを利用する児童が狙われた。
 男は児童の列に無言で近づき、いきなり切りつけた。防ぎようはなかったに違いない。現場に居合わせ、恐怖にさらされた児童らの心のケアにも努めてもらいたい。
 「通り魔殺人」は08年から昨年までに76件発生し、死者26人、負傷者134人に上っている。こうした凶行から子どもたちをどう守ればいいのか。
 英ロンドンでは日本の小4程度までは親が付き添うのが一般的という。だが、共働き家庭が増える日本で、保護者が送り迎えをするのは職場の理解が必要になるなど容易ではなかろう。
 また、警備員を置く公立小は全国で8.3%(15年度調査)にすぎない。学校や家庭に任せるだけで子どもの安全を確保するのは厳しいのが現状だ。
 こうした状況で重要な役割を担うのは地域住民ではないか。地域の安全は地域で守るという意識を改めて共有することが欠かせまい。
 鹿児島県防犯協会などは「ながら見守り」を呼び掛けている。仕事やウオーキングをしながら子どもに注意を向けたり、危険箇所はないかをチェックしたりする。
 また、地域の防犯パトロールに携わる青パト隊活動の活発化や、鹿児島県警が不審者情報を保護者らに伝える「あんしんメール」の有効活用も地域の安全につながる。こうした取り組みを続け、安全の「死角」を少しずつでもなくしていきたい。


川崎・児童殺傷事件 社会挙げて対策講じたい
 川崎市で私立小学校のスクールバスを待つ児童らが襲われた事件は、その後の調べで犯行直後に自ら命を絶った男が自宅から現場まで直行し、直前に手袋を着けるなど周到な準備をしていたことが分かった。動機などは警察の捜査を待つ以外にないが、事件を二度と起こさないためにどうすべきか、社会を挙げて対策を考え講じる必要がある。
 学校の安全に関しては、2001年に8人が殺害された大阪教育大付属池田小の児童殺傷事件以降、校門の施錠や防犯カメラの設置など不審者の侵入に対する対策が強化されてきた。通学路ではボランティアやPTAによる見守り活動なども広がっている。
 学校保健安全法は各校に安全計画や危機管理マニュアルの策定を義務付けている。15年度に通学路の安全点検を行った小学校は全国で99・8%、中学校は93・8%に上ったという。子どもら自身に通学路の「安全マップ」を作成させた小学校も55・1%ある。
 それでも大人の目が届かない「死角」があるのが実情だろう。05年に栃木県で下校中に小1女児が行方不明になり、殺害された。昨年5月には新潟市で帰宅途中の小2女児が犠牲になった。これを受け文部科学省は「登下校防犯プラン」を改めて作成。学校や地域住民、警察などが連携し、犯罪が起きやすい場所を確認して警戒するよう求めた。
 プランは「児童生徒を極力一人にしない」観点を重視しているが、今回の事件は徒歩通学よりも安全と考えられてきたスクールバスを利用する児童が狙われた想定外の事件といえる。事件後、全国的に父母が子どもに付き添うケースが増えたとされるが、共働き家庭が増える中、限界もある。登下校中や下校後の子ども全てに目を行き届かせるのは極めて難しい。
 児童が犠牲になった私立小は警備員を増やす方針を示した。ただ、公立小だと予算面から困難視されている。教員による見守りも人員に限りがあり、「働き方改革」との両立からも問題がある。専門家は「地域の力が不可欠だ」と指摘する。自治体が主導し、学校も地域に積極的に協力を求める必要があるだろう。
 大津市で散歩中の保育園児ら16人が死傷した痛ましい事故が起きている。通学路での交通事故も後を絶たない。30日には永平寺町で警察官や住民が不審者や車の無謀運転に目を光らせる取り組みがあった。こうした活動に住民が積極的に参加し、活動の輪を広げていくことが欠かせない。
 安倍晋三首相は関係閣僚会議で登下校時の安全確保の徹底などを指示したが、自治体や現場任せにすることなく、予算面を含めあらゆる対策を講じるべきだ。


女子制服の選択制 多様性認め合う一歩に
 心と体の性が一致しない「トランスジェンダー」に配慮する取り組みが全国の学校で進められている。女子生徒を対象にした制服選択制の導入はその一つだ。従来のようにスカートのみではなく、スカート、スラックスのいずれかを選べるようにする。県内では本荘高校が本年度から導入した。多様性を認め合う社会の構築に向けた一歩にしたい。
 本荘高が女子制服の選択制導入を検討したのは昨年11月。地元の教育関係者からトランスジェンダーに配慮できないか相談されたことがきっかけだった。校内の検討委員会が全校の女子生徒と教職員、合わせて約400人を対象に導入の是非を問うアンケートを実施したところ、「賛成」と「どちらでも良い」との回答が計8割以上に達し、今年2月に導入を決定した。
 県教育委員会によると、トランスジェンダーに配慮した制服選択制の導入は県内で初めて。全国では、決められた制服の着用を苦痛に感じているものの、そのことを口に出せないまま悩み苦しみ、不登校や引きこもりになるケースが少なくないという。そうした生徒が少しでも学校生活を送りやすいよう環境整備に努めることは重要であり、本荘高のような取り組みは画期的といえる。
 生まれながらの性別に違和感を持つトランスジェンダーの人は一定数おり、日本でも徐々に認知度が高まってきた。文部科学省が2013年に全国の小中学校や高校を対象に初めて実施した実態調査では、少なくとも606人が性別に違和感を持っているとの結果が出た。うち6割は、そのことを周囲に隠して学校生活を送っていた。
 実態を踏まえ、文科省は15年、こうした児童生徒に配慮するよう学校関係者に通知。相談を受けた際のサポートチームの設置や医療機関との連携、プライバシーへの配慮などを求めた。支援事例の一つとして、生徒が自覚する性別に合う制服の着用を認めることを挙げた。今回の本荘高の対応は、これに沿った措置だ。
 トランスジェンダーに悩む子どもたちにとって大切なのは、ありのままの自分を認め、受け入れることだ。周囲の理解が進まないままでは、それ自体が困難になる。理解不足から、いじめや差別につながることも懸念される。安心して学校に通ってもらうようにするには、悩みを相談しやすい環境整備が不可欠だ。
 そのためには、教員がトランスジェンダーなど性的少数者(LGBT)に関する知識を深め、周りの理解を促す役割を担う必要がある。県教委は、小中高の教員を対象に毎年夏に行っている「性に関する指導者研修会」の今年のテーマに初めてLGBTを据えた。こうした取り組みを増やすことが大切だ。学校現場の意識を高めていきたい。


英語民間試験 国立大4割が合否判定に使わず「公平性に疑問」
再来年から始まる「大学入学共通テスト」に導入される英語の民間試験について、国立大学のおよそ4割が、出願資格などには使うものの合否判定には使わないなど、対応にばらつきがあることが文部科学省の調査で分かりました。
毎年50万人余りが受験する今の大学入試センター試験は来年が最後となり、再来年1月からは「大学入学共通テスト」が始まります。
共通テストには国語と数学に記述式の解答が加わるほか、英語には7つの民間事業者による検定試験が導入されます。
文部科学省が82ある国立大学が民間試験をどのように利用するか調査した結果、出願資格などには使うものの、最終的な合否判定には使わない大学が東京大学や京都大学など35校とおよそ4割でした。
このうち、一切利用しない大学は北海道大学や東北大学など3校でした。
一方、国語の記述式については、利用方法などが「まだ決まっていない」と回答した国立大学は全体のおよそ3割に上ったということです。
文部科学省は「国立大学には活用する方向で検討してもらいたいが、各大学の方針を尊重する」としています。
入試制度に詳しい東京大学高大接続研究開発センターの南風原朝和前センター長は「これらの試験は公平性や必要性などの観点で疑問視する意見が根強くある。国が実態を確認し、対策を考える必要がある」と指摘しています。


前代未聞…安倍首相「解散風」煽って狙うは立憲民主潰し
 これは前代未聞だ。安倍首相が自分から「解散風」を煽ってみせた。
 30日、経団連の総会で挨拶に立った安倍首相。トランプ米大統領と一緒にゴルフをした時の天気を「すごい風だった」と振り返りながら、「風という言葉には今、永田町も大変敏感だ」「ひとつだけ言えるのは、風はきまぐれで、誰かがコントロールできるようなものではない」と言い放った。解散権を持つ首相が、自ら「解散風」に触れるのは異例のことだ。
「解散風」は4月以降、猛烈に強まったが、今週に入ってから収まりはじめていた。なのに、安倍首相は再び「解散風」を強めた格好だ。思惑があるのは間違いない。一体なにを狙っているのか。政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏はこう言う。
「立憲潰しが狙いでしょう。ひとつは、兵糧攻めです。立憲民主党のウイークポイントは、貧乏政党だということです。貯金もなく、給付される政党助成金も国民民主より少ない。先月、支給された額は、自民党44億円に対し、8億円でした。でも、衆院選が近いとなったら、新人候補を擁立するなど選挙準備を進めざるを得ない。当然、カネがかかります。安倍首相は解散風を煽り、立憲にカネを使わせて干上がらせるつもりでしょう。もうひとつの狙いは、国会審議に集中させないことです。野党は総理が出席する予算委員会の開会を求めています。でも、安倍首相は予算委員会を開きたくない。進展しない“日ロ外交”や、日米貿易交渉の“密約説”を追及されるのは目に見えているからです。解散風が強まれば、野党議員も選挙区に張りつき、国会審議どころではなくなります。安倍首相はそれを狙ったのでしょう」
 安倍1強が6年間もつづき、この世の春を謳歌している安倍首相は、自分の発言で野党議員が右往左往するのを楽しんでいる、という解説も流れている。
 しかし、狙いは不発に終わる可能性が高いという。
「4月に解散風が強まった時は、野党議員も浮足立っていましたが、さすがに安倍首相の狙いに気づきはじめている。“解散するならすればいい”と腹を固めはじめています」(野党関係者)
 こうなったら野党は、「不信任案」を突きつけて解散させるべきだ。


一緒にゴルフを?お騒がせ昭恵夫人に田口淳之介との“接点”
 またお騒がせだ。森友問題で渦中の人物として名前が挙がった昭恵夫人が、22日に大麻取締法違反で逮捕された田口淳之介容疑者と仲よくゴルフを楽しんでいたというのだ。
 30日発売の「女性セブン」によると、昭恵夫人は4月11日、森永高滝カントリー倶楽部(千葉県)で開催されたアマチュアゴルフトーナメント「ターキッシュ エアラインズ ワールドゴルフ2019」の日本予選に、特別ゲストとして招待されたという。そこに、芸能人ゲストとしてただ一人、田口容疑者も招かれていた。2人はラウンド前に笑顔で立ち話。とても初対面とは思えないほど仲むつまじげだったという。田口容疑者は翌12日付で、〈昨日のスコアは言えないくらいでした 練習します〉とツイートしているから、ゴルフをしたのは間違いないだろう。
 昭恵夫人は、「週刊SPA!」15年12月15日号で〈大麻はただの植物ではなくて、たぶんすごく高いエネルギーを持っていると私は思うんです〉と語るなど、「大麻推進論者」として有名だ。早速、ネット上は〈まさかの大麻つながり!?〉〈大麻を通じて結びついたのかな?〉などと大騒ぎになっている。
 昭恵夫人と田口容疑者は一体どんな関係にあるのか。トーナメントを開催した「ターキッシュ エアラインズ」に問い合わせると、「報道担当者が終日、外出しており対応できない」。森永高滝カントリー倶楽部も「担当者が休みで不在」と話した。昭恵夫人の携帯に電話し、連絡を請う旨の留守電を残したが、返答はなかった。毎度、お騒がせの昭恵夫人。逮捕された田口容疑者とどんな関係だったのか。


経産省・文科省“霞が関連続覚醒剤事件”でテレビがピエール瀧・元KAT-TUN田口報道と違いすぎ! 安倍政権への忖度か
 またしてもキャリア官僚による薬物事件が起こった。覚醒剤と大麻を所持していた疑いで文部科学省の参事官補佐・福沢光祐容疑者が逮捕された事件だ。 
 事件は深刻なものだ。福沢容疑者は自宅だけでなく職場である文科省の福沢容疑者の机からも覚醒剤や注射器が複数本も見つかった。つまり、福沢容疑者が文科省のなかでも覚醒剤を常用していた可能性が浮上したのだ。キャリア官僚といえば、公人であり、さらに福沢容疑者は初等中等教育局参事官補佐として高校の普通科改革を担当していた要職にある人物。文科省は毎年、高校生に薬物乱用防止のポスターをつくらせているが、その役人が薬物に手を出していたという驚愕の事件だ。
 この文科省官僚薬物事件ですぐに思い返されるのは、4月末、同じく自宅で覚醒剤を使用した罪などで逮捕、起訴された経済産業省の課長補佐・西田哲也被告の事件だろう。1カ月ほどの短期間に2人ものキャリア官僚が薬物で逮捕される。これは異常事態であり、霞が関を舞台にした“霞が関連続薬物事件”と言ってもいい。
 しかも、2つの事件にはいくつもの共通項がある。経産省の西田被告もまた、若手キャリア官僚であり、経産省の机から注射器が発見され、省内のトイレや会議室でも使ったとされている。省庁をまたいで2人のキャリア官僚が経産省、そして文科省という役所のなかで覚醒剤を使用していたということであり、周囲の職員が2人の覚醒剤使用に気がついていた可能性も十分ある。いや、それどころか、霞が関全体に覚醒剤汚染が広がっているのではないかという疑いがもたれてもおかしくない状況だ。
 にもかかわらず、連続して起こった霞が関を舞台にした深刻な官僚薬物事件をテレビ各局はストレートニュースや新聞記事紹介などで簡単に報じただけで、ワイドショーでもほとんど扱っていない。田口淳之介・小嶺麗奈の大麻事件やピエール瀧のコカイン事件では、毎日のように大特集を組み、芸能界の薬物蔓延や「六本木ルート」などと盛んに報道を繰り広げていたにもかかわらず、だ。同時期に川崎殺傷事件があったとはいえ、この報道の少なさは異常だ。
 さらにおかしいのは、この事件について、テレビが経産省や文科省の対応や責任について触れていないことだ。
 世耕弘成経産大臣は5月10日の閣議後会見で事件について問われたが、「誠に遺憾。引き続き捜査に最大限協力し、全容が解明されたら厳正に対処したい」と述べただけ。容疑者が「仕事のストレスから、覚醒剤に手を出した」という供述をしていることについては、「経産省として働き方改革を進め、職員の健康管理に努めている」、省内で覚醒剤を使用していた疑いについても、「捜査内容に関連するのでコメントは控えたい」としか答えなかった。なんとも他人事で無責任丸出しの対応だが、しかし、テレビはワイドショーでもニュース番組でも経産省の責任を厳しく追及するような報道は一切なし。この会見内容そのものを報じるメディアすらほとんどなかった。ピエール瀧のときにメンバーというだけで石野卓球を犯罪者扱いしたのとは、大違いだ。
石野卓球を批判したくせに、経産省・文科省の責任は追及しないメディア
 一方、柴山昌彦文科大臣は5月29日、「再び行政に対する国民の信頼を失う事案を文科省職員が引き起こしたことを、おわび申し上げる」としたうえで、「全職員を対象に、公私を問わない悩みなどの相談を受ける体制の強化を行う」と事件の背景に職場ストレスの存在を明らかにしたが、やはりテレビはこうした事件の背景をスルーしたままだ。
 いったいこの不自然さの原因はなんなのか。経産省の場合、本サイトですでに指摘したが、総務省のようにテレビ局の直接的な許認可権を握っているわけではないが、電力会社や自動車業界はじめ、テレビ局の大スポンサーの監督官庁でもある。以前、奥田碩・トヨタ自動車相談役(当時)が自ら座長を務める厚労行政改革の政府懇談会で、マスコミの厚労省批判に対して「何か報復でもしてやろうか」「スポンサーにならないとかね」と、自社の広告引き上げを示唆して恫喝したことがあった。このとき、テレビや新聞が奥田氏を批判するどころか、震え上がって沈黙してしまったのは有名な話だが、マスコミ幹部の間には、経産省についても同様の恐怖がある。
 経産省を怒らせたら、スポンサー企業に手を回され、広告引き上げなどの報復を受けかねない──。現実に起こるかどうかは別して、そんな忖度が経産省批判を及び腰にさせているのだ。
 しかも、経産省は安倍政権下で以前とは比べ物にならないくらい力をもつようになった省庁だ。側近中の側近である今井尚哉首相秘書官の出身官庁で、さまざまな政策で経産省の意向が最優先され、いまや「経産省が安倍政権をコントロールしている」とまで言われるようになった。
安倍政権への忖度で官僚の不祥事報道までタブー扱いに
 文科省は経産省と比べれば、マスコミタブー度は低いかもしれないが、それでもこの報道ぶりを見ていると、現在の安倍政権下においては官僚の不祥事を批判することすらできなくなっているとしか思えない。言っておくが、これは単なる個人の犯罪で済まされるものではなく、経産省・文科省と短期間に連続で発覚し、いずれも職場=庁舎内での使用が疑われており、霞が関全体に広く薬物が蔓延している可能性も十分に考えられる。背景にある官僚の抱える過大なストレスやモラル低下など、官僚組織そのものが検証されるべき事案だろう。にも関わらずこの報道の異常な少なさを見ていると、メディアは少しでも安倍政権のマイナスになりそうなことはできれば触れたくないという忖度・自主規制・思考停止に陥っているとしか思えない。
 大手事務所など後ろ盾を持たない芸能人や一般市民に対しては、恋愛スキャンダルやご近所トラブル程度でこれでもかとばかりにバッシングし、一方でキャリア官僚という公人の“連続薬物事件”という重大疑惑は申し訳程度にその事実を報じるだけ。ピエール瀧や田口・小嶺、ASKAの薬物事件でヒステリックに批判するなら、短期間に連続して発覚した連続薬物事件の背景や霞が関での蔓延の実態、その入手ルート、さらには安倍政権下で官僚が置かれたストレスなど検証されるべきことはいくらでもある。
 行政を担う霞が関の官僚たちが売人の新たなターゲットになっているのなら、小嶺麗奈の“六本木ルート”なるものなどより、“霞が関ルート”の解明のほうがよほど重要だろうが、そうした報道はまったく見られない。官僚のブラック労働は古くから指摘されたことだが、それに加えここ数年の安倍政権下で官僚がさらなるストレスに晒されているのではないかということも議論すべきだと思うが、そうした話題も一切ない。電気グルーヴの作品の販売停止を声高に正当化しようとがなりたてていたコメンテーター連中は、経産省がかかわる大阪万博や文科省がかかわる東京五輪の返上、文科省検定の教科書の回収などをいつもの調子で叫んでみたらどうなのか。
 ここ最近、官僚や元官僚の事件のマスコミの不公平な扱いに「上級国民」という陰謀論めいたスラングが広まっているが、こうした状況を見ていると、安倍政権の息がかかっているかどうかで国民が「上級」と「下級」に選別され、マスコミもそれに準じて報道を制御する。そんな差別的社会が、現実になろうとしているのかもしれない。しかし繰り返すが、“霞が関連続薬物事件”は、霞が関=官僚組織に何が起きているのか、それが検証されるべき重大なものだ。メディアはその重大性を認識するべきだろう。(伊勢崎馨)


死社会 正しい最期の迎え方 増える「墓じまい」には菩提寺や親戚との事前相談が必須
「もう管理できない」「墓を引き継ぐ人がいない」――。近年、都市部の人口集中や単身世帯の増加で、地方にある先祖代々の墓の管理から遠ざかっている人が増えている。こうした管理者不在の墓は「無縁墓」と呼ばれ、2013年に熊本県人吉市が市内の墓地を調査したところ、「無縁墓」の割合は実に4割に上ったという。
「無縁墓」とはいえ、管理費が必要なことや、寺から処理を請け負った業者が墓石を不法投棄するケースが社会問題化。このため、地方の墓を「墓じまい」し、住まいの近くへの改葬を検討する人も目立ってきた。
 改葬手続きの一般的な流れはこうだ。まず、新たな墓地から受け入れ証明書を取得し、それまで使用していた墓地から埋蔵証明書を発行してもらう。そして改葬先の自治体に埋蔵証明書などの必要書類を提出、許可を得るのだ。その後、石材店に依頼し、古い墓を更地にし、遺骨を取り出すのだが、留意すべきは費用だ。日本エンディングサポート協会の佐々木悦子理事長がこう言う。
「遺骨を取り出すまでで、費用はおおむね50万円前後でしょう。そして取り出した遺骨を納骨堂に入れるのか、海洋散骨するのか、樹木葬にするのかなどによっても費用は大きく変わるため、あらかじめ予算を決めておいた方がいいでしょう」
 もうひとつ重要なのは、菩提寺や親族への事前相談だ。
「地方の寺にとって、檀家の減少は死活問題です。菩提寺に知らせないまま改葬を進め、住職から『寝耳に水だ』『不義理だ』と叱責されたケースがあったほか、離檀の際に支払うお布施で数百万円を要求されたケースもあります。親戚との関係では、首都圏近郊の永代供養墓に遺骨を納めた後になって、墓じまいを知らされていなかった親戚から『墓石がない』と激怒されてトラブルになった話を聞きました。菩提寺の住職や親戚には墓じまい前に相談し、理解を得ておくべきです」(佐々木理事長)
 焦らず慎重に進めるべきだ。


予算委開かぬ与党のおごり
★参院選挙を控える後半国会は予算委員会を与党が開かないという暴挙が続いている。「選挙前に与党に攻め込みたい野党に対して委員会を開かずに国民に与党の弱点をさらしたくないのだろうか」(野党幹部)というほど国会は停滞している。4月の統一地方選挙、大型連休と皇室行事、それにトランプ米大統領の来日と行事が続いたのは事実だが、本来、予算委員会はその合間を縫ってでも開くべきだろう。★自民党国対委員長・森山裕の言い分はこうだ。「来週までにはめどがつくと思う。今の提出されている法案については、会期延長を考える必要はないと思う」。会期通りに閉会すれば参院選は7月21日に行われることになる。自民党は何を浮足立っているのか。どんな法案も与党が多数でありさえすれば成立する。ただ、その間に与党や政府では気づかないことや、不備を、多くの人の目に触れて議論し、より精度の高いものにするのが与野党国会議員の役目だ。★法案対策だけではない。この間、皇室が抱える問題、首相・安倍晋三が米国に対していろいろ安請け合いした可能性のある約束などについて国民は聞きたいことだらけだ。それを森山の一存でなど、おごるにもほどがある。森山は予算委員会を開かずとも「個々の委員会で議論すべき。対応できる」としている。それは答弁する与党が決めることではない。野党が聞きたいことがあれば開くべきだろう。★これで来月26日の会期末が確定的になったが、与党・公明党幹事長・斉藤鉄夫は30日の党中央幹事会で、自民党前五輪相・桜田義孝が「子どもを最低3人くらい産むように」などの発言について「与党としてのおごり、ゆるみだ」と批判したが、自民党と歩調を合わせている限り、公明党にも当てはまることだと付記しておきたい。

安倍政権がブチ上げ「健康寿命延伸プラン」に透ける魂胆
「人生100年時代」を掲げ、高齢者の就労拡大に躍起の安倍政権。先日、70歳までの雇用確保を企業に求める方針を示したばかりだが、今度は、「健康寿命延伸プラン」をブチ上げた。健康寿命を延ばし、とにかく高齢者を働かせるつもりのようだ。
 心身ともに健康で活動的に暮らせる期間が健康寿命だ。2016年の日本人の平均寿命は男性80.98歳、女性87.14歳に対して、健康寿命は男性72.14歳、女性74.79歳。厚労省は29日、40年までに健康寿命を16年比3歳以上延ばす目標を示した。
「健康寿命延伸プラン」は、高齢者人口がピークを迎える40年に向けて、高齢者の“活躍”を促しているが〈その前提として、特に予防・健康づくりを強化して、健康寿命の延伸を図る〉としている。
■強制労働で高齢者はボロボロに
 もちろん、健康寿命が延び、死ぬギリギリまで元気なのは、本人にとっても家族にとっても幸せなことだ。しかし、透けて見えるのは、少しでも高齢者を寿命ギリギリまで働かせようとする魂胆だ。
 実際、安倍政権は高齢者が働かざるを得ない仕掛けを次々につくっている。
「昨年、年金支給開始を68歳に引き上げる提言をした財務省の審議会は、〈年金支給開始年齢の引き上げは高齢就労を促進する〉と本音を漏らしています。要するに年金を支給しなければ、働くようになるだろうということです。今月は、安倍首相が議長を務める未来投資会議が、70歳雇用の努力義務を企業に求めている。金融庁も〈今後は公的年金だけでは満足な生活水準に届かない可能性がある〉と将来の不安をあおっています。安倍政権が70歳まで国民を働かせようと考えているのは間違いありません」(霞が関関係者)
 長生きされても、健康でなければ働けない上、医療費や介護費がかさむ――健康寿命延伸を進める安倍政権は、そう考えているのかも知れないが、“兵糧攻め”で高齢者を労働に追い込むようなやり方で、ホントに“健康寿命”は延びるのか。体を壊すだけなのではないのか――。医学博士の左門新氏が言う。
「働けるうちは働く方が健康は維持できます。ただし、自らの意思で、やりがいや希望を持って働く環境が必要です。年金をカットされ、追い詰められて働くのは、心身ともに弊害が多いと思います。政府が『健康寿命を延ばせ。その間、働け』と上から押し付けても、健康にはなりませんよ」
 安倍政権が語る「健康寿命」は要注意だ。


蓮池透氏が「れいわ新選組」から出馬へ 参院選視野
 北朝鮮による拉致被害者の蓮池薫さんの兄、蓮池透氏(64)は31日、今夏の参院選をにらみ、山本太郎参院議員(44)が代表の政治団体「れいわ新選組」から出馬する意向を表明した。東京都新宿区の事務所での記者会見を動画で公開し「地方は疲弊し、惨たんたる状況で何とかしないといけない。『ネットで悪口ばかりを言っている』と批判されてきたが、(政治の場の)オフラインで自分の言いたいことを言おうと決めた」などと述べた。
 蓮池氏は元東京電力社員で、北朝鮮による拉致被害者家族連絡会の元事務局長。同団体は衆参同時選挙を想定して寄付金を募っており、会見に同席した山本氏は30日までに約1億5000万円が集まったことを明らかにした。【山口朋辰/統合デジタル取材センター】


星野受刑者が収容先で死亡 渋谷暴動事件で無期確定
 1971年、東京・渋谷の沖縄返還協定反対闘争で警察官を殺害したとして、殺人罪などで無期懲役が確定した星野文昭受刑者(73)が30日、収容先の東日本成人矯正医療センター(東京都昭島市)で死亡したことが分かった。関係者によると、5月に肝臓がんの手術を受けていた。
 事件は71年11月14日に発生。米軍駐留を認めた沖縄返還協定の調印に反対する学生らのデモ隊が暴徒化し、東京・渋谷で、機動隊や派出所を火炎瓶や鉄パイプで襲撃した。新潟県警の巡査が死亡、同県警の別の警察官3人も重傷を負った。
 星野受刑者は無罪を主張したが、87年に最高裁で無期懲役が確定した。

疲れてるけど…今日もWが多い/ごみゼロ?

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Attaque au Japon: pourquoi offre-t-on des bouteilles en plastique en hommage aux victimes?
Les bouteilles de jus de fruits et de sodas s'accumulent sur le lieu de l'attaque dans la ville de Kawasaki, où deux personnes ont péri.
Des bouteilles en plastique en guise d’offrandes. L’hommage rendu aux deux victimes de l’attaque près de Tokyo a de quoi surprendre. Il cache pourtant une réalité toute autre, comme l’explique notre vidéo en tête d’article.
La ville de Kawasaki demeure meurtrie après l’attaque au couteau qui a coûté la vie à deux personnes. Mardi 28 mai, un homme âgé d’une cinquantaine d’années a surgi en silence au moment où des enfants attendaient leur bus scolaire, avant de les frapper un par un dans la file. Une fille de 11 ans et un diplomate de 39 ans, père d’une élève, ont succombé à leurs blessures. Dix-sept autres personnes ont été blessées.
L’agression est un traumatisme pour les habitants de cette ville située au sud de la capitale nippone. Ce genre de fait divers est rare au Japon, considéré comme un pays très sûr, où les jeunes écoliers se rendent souvent seuls à l’école, à pied ou par les transports en commun.
Des bouteilles de soda en guise d’offrandes
Devant l’école Caritas, théâtre de l’attaque, de nombreux habitants ont déposé ce mercredi 29 mai des fleurs en hommage aux victimes. On pouvait également dénombrer des dizaines de bouteilles de soda et de jus de fruits. Au Japon, la coutume veut que l’on apporte des boissons et des mets qu’appréciait particulièrement le défunt. Ils sont alors déposés en guise d’offrandes alimentaires généralement sur des autels domestiques ou sur des tombes.
“Le choix des offrandes est très personnel. Si le défunt est un enfant, dans ce cas, on aura tendance à donner des gâteaux, des jus de fruits ou des bonbons qu’il a l’habitude de consommer au goûter”, explique Cécile Didierjean, ethnologue spécialiste du Japon.
Dans ce pays, la mort est perçue comme un renouveau de l’âme. Avec ces offrandes, les proches veulent ainsi continuer à alimenter les morts pour les aider à se défaire de la “souillure liée à la putréfaction du corps”.
“En France, nous avons l’habitude de donner des fleurs dans ces circonstances. Les Japonais déposent eux des choses qui peuvent réjouir l’âme du défunt et l’apaiser”, poursuit celle qui est l’auteure d’une thèse sur les offrandes alimentaires dans la culture japonaise.
Cette pratique répandue est inspirée des rites bouddhistes, religion la plus importante au Japon avec le shintoisme. Une légende indienne veut qu’un disciple de Bouddha aurait découvert que sa mère décédée ressentait la faim et la soif. Sur les conseils de Bouddha, des offrandes furent données pour honorer les morts et libérer les esprits. Ces croyances populaires font désormais l’objet d’une célébration annuelle.
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バーシム サラハ の 思いは 今も 我が 胸に!

🐤坂本‏ @7A22403246
ベイルートのパレスチナ難民キャンプのPFLPロゴ。右は奥平・安田氏墓碑。イスラエルに土地追われたパレスチナ人には日本赤軍3人を「リッダ闘争戦士」と称える人が多数いた。そうした声やイスラエルに対するパレスチナ、アラブの政治関係が事件で生き残った岡本公三氏レバノン亡命受入れにつながる
田添 利彦 @MWL_Hokkaido
星野文昭さんと暁子さんが初めて手を合わせたのが、東日本成人矯正医療センターに移送後の事である、33年越しでようやく実現したのだ。
星野さんは容態が急変してしまった。
全ての責任は、でっち上げにも関わらず有罪判決を下した裁判所。徳島刑務所の星野さんに対する理不尽な対応。

無実の星野文昭さんを殺した、この国を許さない @schiharu220
星野文昭さん死去の知らせ…
うそ…なんで??!!!
こんなに早く??
手術しなきゃこんなに早くなかったんじゃないの???
暁子さんと2人並んでいるのを見たかったのに…支援するみんなの顔を見せたかったのに…
信じたくない!
こんなのひどすぎるよーー
殺人じゃないか!

コンビニ関連ユニオン @danketsu_cvs
無実の星野文昭さんの
魂を必ず引継、闘いぬきます
悔しい 絶対に国家権力を許さない

民社学評連 @minsya_gakusei
星野文昭同志にご冥福申し上げます。
国家権力による弾圧という蛮行で一人の同志が殺されたことを我々は絶対に許してはならない。


なんだか疲れています.でも仕事休むわけにはいきません.今日はいろいろと問い合わせが来そうです.
実際夕方の問い合わせはWが多かったです.
5月30日はリッダ闘争の日ですが,ごみゼロ?でもあります.3をゼロ?とか言い出したら??なんて思ったりしました.

宮城・南三陸、震災伝承施設基本計画案「アート空間による伝承」に住民賛否
 宮城県南三陸町は、東日本大震災の震災伝承施設の基本計画案で「アート空間による伝承」を特色に掲げた。2021年4月の開館を目指し、他地域の伝承施設と差別化を図る狙いだが、震災とアートを結び付けることに、住民の賛否が分かれている。
 計画策定を担う仙台市のプランニング会社が4月の検討委員会で、震災伝承施設の機能として災害学習と記録保存、交流の3点を示した。
 核となる災害学習機能は、震災を表現して悲しみや祈りを共有するアート空間と、学習プログラムを体験できるコーナーを中心に構成。震災遺物や津波資料の展示を軸とするのではなく、アートや町民の被災体験に基づいたプログラムによる伝承に主眼を置く。
 5月下旬に町内2カ所で住民説明会があり、約25人が参加。アート伝承について「斬新な切り口」「挑戦が集客につながる」などの評価があった一方、「飛躍している。奇をてらわず震災を忠実に伝えることが大事」「手段として理解できない」といった批判があった。
 他には「担当するアーティストを選択する際には町民の声を反映してほしい」との声も出た。
 町は6月中に基本計画をまとめ、7月から基本設計に入る方針。及川明企画課長は「アートは分かりづらい部分もあり、内容をしっかり検討する必要がある。基本設計が完成したら住民の意見を聞く場を設けたい」と話した。


<東京五輪・パラ>巨大操り人形「モッコ」デザイン発表 被災地巡り、復興を発信へ
 2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会は29日、東日本大震災の被災地を巡り、復興を発信する高さ約10メートルの巨大操り人形「モッコ」のデザインを仙台市青葉区のエル・パーク仙台で発表した。
 岩手、宮城、福島3県の子どもが、お笑い芸人又吉直樹さん作の物語を聞き、自由に描いたイラストを基にデザインした。竹やワイヤなどで体を形作り、かぶとやマントを着用する。記者会見では実物の10分の1の模型を公開した。
 名前のモッコは宮城の方言「おだづもっこ」に由来し、「ひょうきん者、人気者」といった意味。脚本家の宮藤官九郎さん(栗原市出身)が名付けた。20年5〜7月に陸前高田市、岩沼市、南相馬市で開かれるイベントで、被災地からのメッセージを集め、東京に届ける役目を担う。
 人形制作を企画したクリエーティブディレクターの箭内道彦さん(郡山市出身)は「モッコを通して、東京と東北をしっかりとつなぎたい」と力を込めた。


<福島・モニタリングポスト>規制委「当面」存続 住民反対相次ぎ転換
 原子力規制委員会は29日の定例会合で、東京電力福島第1原発事故後、福島県内に設置した放射線監視装置(モニタリングポスト)を当面、存続させることを決めた。
 規制委は2018年3月、約3000台のうち避難区域となった12市町村以外にある約2400台を20年度末までに原則撤去する方針を決定。
 同年6〜11月に住民説明会を18回開いたが、「安全安心のため国の監視が必要だ」などの反対意見が相次いだことから方針を変更した。
 「当面」という時間軸を巡り、更田豊志委員長は同日の定例記者会見で「科学的な状況や技術の問題ではなく、心の問題が大きく関わっているだけに、短期間で状況が変わるとは考えにくい。一定の期間、年単位にはなっていくだろう」と述べた。
 避難区域となった12市町村以外で、狭いエリアに集中的に配置されているモニタリングポストについては、除染で生じた一時保管中の汚染土が全て搬出された後、関係自治体と協議し、より適正な位置に再配置するとした。
 事務局の原子力規制庁によると、年間の維持管理費は約6億円で修理費を含めると約7億円。耐用年数を超えたモニタリングポストが多く、20年度で復興・創生期間が終了するため、規制委は今後、財務省や復興庁に財源の確保を働き掛ける。


<福島・モニタリングポスト>「市民の声 国動かした」継続要請の住民、決定に「一安心」
 原子力規制委員会が放射線監視装置(モニタリングポスト)の当面の存続方針を決めた29日、継続配置を求めていた福島県内の住民らは「市民の声が国を動かした」と喜んだ。
 2018年3月の撤去方針公表後、郡山市に事務局を置く市民団体「モニタリングポストの継続配置を求める市民の会」が撤去反対運動を展開。同4月には規制委と福島市に継続配置の要請活動を行った。鈴木真理共同代表は「決定を知って一安心した。住民説明会で反対が相次いだため撤去は難しいと判断したのだろう。廃炉が終了するまで存続してほしい」と訴えた。
 撤去の対象となったモニタリングポストが設置されている福島市内の保育園の園長男性(51)も「福島ではモニタリングポストが日常の風景になっており、保護者の安心感を醸成している。できる限り残してもらいたい」と語った。
 一方、県内では「モニタリングポストが多すぎてむしろ風評被害の原因になっている」と配置見直しを求める住民もいる。


<盛岡・ななっく>6月2日閉店も再開発の行方不透明 地元商店街は退去テナント救済へ
 盛岡市中心部の大型商業施設「ななっく」が6月2日、閉店する。親会社で企業再生投資ファンドのマイルストーンターンアラウンドマネジメント(MTM、東京)は「再開発に取り組む」としているが、先行きは不透明。街のにぎわいを守ろうと地元商店街は、退去するテナントに空き店舗の仲介を始めた。
 MTMが店舗閉鎖を発表したのは2月末。施設を運営する子会社「ななっく」(盛岡市)の慢性赤字に加え、MTM本体の財務弱体化が理由だった。
 閉店に当たってMTMは、一部区画での営業継続や、建物の貸し出しを検討するとしていたが、施設維持費がネックとなって立ち消えになった。
 「できるだけ速やかに返済する」としたテナントなどへの未払い金は、清算額の全体像すら見えない状態だ。債権者との協議は閉店後になる。
 MTMによると、建物を解体の上、商業施設や駐車場、ホテルの入った複合施設を再整備する方針。だが解体着手の時期や開発の青写真は検討中という。
 早瀬恵三社長は「再開発は百億円以上かかる大規模事業。関係機関と話し合い、できるだけ早く結論を出したい」と説明する。
 閉店を発表した時点で示した方針のうち唯一履行されるのは、子会社の従業員約60人の全員解雇だけとなりそうだ。
 ななっくも加盟する地元の肴町商店街振興組合は、商店街の空き店舗一覧を提供するなどテナント救済に乗り出した。
 ななっくのテナント46店のうち、既に鮮魚店、フィットネスクラブなど4店が肴町商店街への移転を決定。2店は近隣の商店街に移ることが決まった。盛岡市も移転する際の改装費を補助する方針だ。
 肴町商店街組合の大沢克弘事務局長は「ななっくとは共存共栄の関係にあった。商店街の集客力を維持し続け、再開発までの数年を乗り越えたい」と話す。
 ななっくの前身は旧中三盛岡店で、東日本大震災後の2011年3月14日に売り場でガス爆発が発生し、11人が死傷した。これにより長期休業に追い込まれた「中三」(青森市)は民事再生法の適用を申請。12年4月にMTMへ事業を譲渡した。


川崎・児童殺傷/子どもを守る知恵の結集を
 通り魔による突然の凶行からどうやってわが身を守り、そして、子どもたちを守ったらいいのか。
 川崎市多摩区で、スクールバスを待っていた児童らが襲われ、19人が被害に遭い、うち2人が死亡し、3人が重傷を負った事件。効果的な対策を立てるのは難しいとも思われるが、子どもたちの安全を守るために、あらゆる知恵を結集しなければならない。
 事件を受けて政府は、登下校時などに子どもが集まる場所を再点検し、警察官が重点的なパトロールを行うように指示。事件の徹底した捜査による動機などの解明、警察などが把握した不審者情報を学校や地域が共有する仕組みの強化などにも取り組む。
 この事件のような無差別殺傷事件の犯人におおむね共通するのは、犯罪心理学の研究によると、強い自己破壊衝動だといわれる。凶悪な犯罪を引き起こすことによって、自分が死刑になりたいなどというゆがんだ願望だ。
 今回の容疑者が犯行後に自らの首を包丁で刺して自殺したように、自殺の意思を強固に持っているのも、ほぼ共通している。犯行の計画性と自殺企図、さらに、犯人の背景を探ると、社会からの疎外感と強い敵意があるという。
 家庭や学校、職場などで何らかの問題を起こし、当然ながら本人に原因の大半があるのだが、そうは考えない。家族との折り合いが悪く親しい異性や友人もいない。経済的な破綻などを契機に、鬱積(うっせき)した怒りを理不尽にも社会に向けて爆発させる。
 非常に迂遠(うえん)なようだが、こうした共通する犯人像に従えば、さまざまな自殺防止のための政策に、犯罪抑止の意味があるとみられる。医療や福祉関係者、NPOなどと協力し行政が取り組んできた自殺対策のさらなる充実を図っていくべきだろう。
 一方、地域防犯体制のいっそうの充実も図らなければならない。子どもの周辺で起きている多くの犯罪の抑止に、例えばボランティアによる防犯パトロールなどは一定の効果を上げている。
 現在、各地とも防犯ボランティアは高齢者が大半を占めているが、体力が充実した大学生など若い世代、子どもの父親の世代などからも幅広く募るのは、防犯には非常に効果的だと思われる。
 犯罪が多く発生する時間帯や子どもの登下校時に警察官が今よりも集中的に巡回するほか、街頭の防犯カメラの増設、警察による地域住民を対象にした防犯教室や防犯診断などの充実なども、有効な対策になるはずだ。
 今回の事件は、安全と思われてきたスクールバス通学の停留所という、いわば死角を襲った犯行だった。防御は難しいというような無力感にとらわれずに、いたいけな子どもの命は何があっても守るという固い決意で、あらゆる手だてを講じたい。


川崎の児童殺傷/子どもの安全をどう守る
 川崎市内で登校のためにスクールバスを待っていた小学生らが襲われ、6年の女児と、別の児童の父親が犠牲になる事件が起きた。ほかにも17人がけがを負った。
 無防備な子どもと、何の落ち度もない市民を問答無用で殺傷した凶行は断じて許せない。捜査による全容解明を急ぐとともに、どうすれば子どもたちの安全を守れるのかを社会全体で考えなければならない。
 防犯カメラ映像などから、容疑者の51歳の男は自宅の最寄り駅で電車に乗り、約4キロ離れた現場に向かっていた。現場に着くと、両手に包丁を持って児童の列に近づき、小走りで次々に切り付けた。所持していた包丁は計4本もあった。
 計画的に大勢の殺害を狙った可能性がある。なぜこの場所で犯行に及んだのか。動機と背景に何があるのか。男はその場で自殺したが、痛ましい事件を繰り返さないためにも捜査で真相に迫る必要がある。
 児童8人が犠牲になった2001年の大阪教育大付属池田小学校事件を機に、学校の防犯強化や地域ぐるみの見守り活動が広がった。昨年5月、新潟市で下校中の小2女児が殺害された事件後には、政府が「登下校防犯プラン」を作成し、防犯カメラの積極活用や日常生活の中での見守り推進を掲げた。
 今回被害にあったのは、徒歩より安全とされるスクールバスを利用する児童たちだった。文部科学省は、05年に下校中の女児が殺害される事件が相次いだのを機にスクールバスの積極活用を打ち出し、導入する小学校が徐々に増えている。
 バス待ちの児童の列には教頭や保護者ら複数の大人が付き添っていた。だが凶器を持った犯人の襲撃を防ぐのは難しい。
 それでも、子どもたちを守るため、学校だけの問題とせず警察や地域社会などと連携して対策を講じねばならない。
 安全なはずの場所で、訳も分からないまま襲われた子どもたちはどんなに怖かっただろう。同じ学校に通う児童らのショックも計り知れない。心的外傷後ストレス障害(PTSD)が懸念される。学校や市教委は、専門家の協力を得て、長期的な心のケアに努めてもらいたい。


川崎19人殺傷 学校の安全多くの目で
 川崎市多摩区の路上で、スクールバスを待っていた私立小の児童や保護者ら19人が包丁を持った男に殺傷され、男が自殺した。
 無抵抗の子どもを狙った卑劣な犯行だ。警察は、動機や背景など事件の全容解明に全力を挙げてもらいたい。
 ただ、容疑者が死亡した以上、捜査にはおのずと限界がある。
 再発防止のため、社会の問題として、警察や行政の枠を超えて真相に迫る努力も必要だろう。
 児童の生命が脅かされるたびに対策が強化されたが、その隙を突いて凶行が繰り返される。
 とりわけ登下校中の安全確保に決め手はない。だからこそ、それぞれの立場でできることを丁寧に積み上げていかねばならない。
 男は包丁4本を所持し、バスに乗ろうと並んだ児童の背後から無言で襲いかかった。
 登下校という日常の中で突然、暴力にさらされた児童らの恐怖は察するに余りある。在校児童を含め、十分なケアを求めたい。
 バス停には教頭が立ち、付き添いの保護者もいた。今回の犯行には、強い殺意や計画性がうかがえる。なぜ被害者らが狙われたのか、解明が待たれる。
 犯罪を未然に防ぐ観点から、男の生活状況などを慎重に分析し、関係機関の対応に生かしていく必要もあろう。
 2001年の大阪教育大付属池田小襲撃事件を機に、学校内への侵入者対策が強化された。
 05年に広島市などで下校中の女児が相次ぎ殺害されると、文部科学省は安全確保のため、スクールバスの積極活用を打ち出した。
 昨年の新潟市の小2女児殺害事件を受けて策定した「登下校防犯プラン」にも、スクールバスや集団登下校の推進が盛られている。
 「子どもを極力1人にしない」という狙いだが、事件は、集団もまた暴力の標的になりやすいことを改めて示したといえる。
 バスを活用する場合にも、バス待ちの児童の集団が標的になるのを防ぐ手だてがないか、一歩踏み込んで検討することが必要だ。
 通学路の安全確保には、学校や保護者だけでなく、地域の大人一人一人の目配りが欠かせない。
 1997年の神戸連続児童殺傷事件の後、「110番の家」が子どもの駆け込み寺として広がったが、高齢化や空き家の増加で形骸化も指摘される。
 安全対策に終わりはない。一つひとつ確実に機能するよう、努力と工夫を重ねるしかあるまい。


川崎の児童ら殺傷 悲惨な事件の再発許すな
 子どもたちを標的とした残忍極まりない事件が起きた。
 川崎市の路上で、スクールバスを待っていた6〜12歳の児童らを男が次々と包丁で襲ったのだ。保護者2人を含む19人が刺されるなどし、2人が死亡、3人が重傷を負った。男は直後に自分の首を刺して死んだ。
 何の罪もない人々を殺傷した冷酷非道な犯行に絶句する。亡くなった児童、保護者の冥福を祈るとともに、負傷した児童らの一日も早い回復を願う。子どもたちには心の傷の手当ても必要だ。
 このような凄惨(せいさん)な事件をなくすにはどうすればいいのか。2001年には、大阪教育大付属池田小の校舎に男が侵入し児童らを包丁で襲う無差別殺傷事件が起きた。小学1、2年生の児童8人が死亡し、教員2人を含む15人が重軽傷を負っている。
 この時は、学校の安全管理の不備が指摘された。事件の教訓を踏まえ、校門の施錠や防犯カメラの設置といった対策が各地で強化された。
 川崎の事件では、最初の襲撃から自殺を図るまでわずか十数秒だったとみられている。防ぎようのない凶行だったといえよう。
 しかも現場は路上だ。多くの人は、徒歩で通学するよりも、スクールバスを利用した方が犯罪に巻き込まれるリスクが減り、安全と考えるだろう。まさに「想定外」の事態だった。
 だからといって手をこまぬいているわけにはいかない。登下校時に子どもが集まる場所を点検し警察官による重点的なパトロールを実施するよう政府が指示したという。
 大勢の子どもが利用するバス停やスクールバスに警備員を配置するといった対策も検討すべきではないか。
 容疑者は職業不詳の51歳の男だ。現場で見つかった2本の包丁のほか、リュックサックの中に包丁2本を入れていた。手にした包丁は刃渡り約30センチの柳刃包丁のような形状だった。
 殺人の凶器となり得る鋭利な包丁が容易に入手できる現状も、この際、見直す必要があるだろう。事件の再発防止のために、できることを洗い出し、一つ一つ実現の可能性を探らなければならない。
 男は高齢の親族と暮らしていた。公道にはみ出した木の枝が目に当たるとして、近所の女性を長時間、怒鳴りつけたことがあったようだ。常識人であれば決して取らない態度であろう。
 神奈川県警は、短時間で大勢を殺害しようとした可能性があるとみて捜査している。何が男を犯行に駆り立てたのか。予兆はあったのか。動機の解明は不可欠だ。事件の全容をつまびらかにする中から、再発防止の手掛かりが見つかることもある。
 児童を狙った卑劣な犯行が繰り返されることは二度とあってはならない。どうすれば防げるのか、国民一人一人が真剣に考えるべき時だ。


 [児童ら19人殺傷] 残忍な犯行 一体なぜ…
 事件は川崎市の路上で朝の登校時に起きた。大勢の人たちが行き交う場所で、まったく予期せぬ形で。
 28日午前、両手に包丁を持った男が、登校のためスクールバスを待っていた小学生らの列に背後から近づき、包丁を振りかざしながら、小走りで次々に児童らに襲いかかった。
 保護者の男性(39)と、私立カリタス小6年の女子児童(11)が死亡、17人が重軽傷を負った。
 怒りやもどかしさ、痛ましさがないまぜになったような、やり場のない感情がこみ上げてくるのは、犯行後、容疑者が現場で自殺したからである。
 川崎市によると、容疑者は80代のおじ、おばと3人で暮らしていたが、ほとんど会話がなく、長い間、仕事にも就いていなかった。引きこもり傾向にあったという。
 2017年11月、別の親族から「おじ、おばに介護サービスを受けさせたい」との相談があり、その後何度か、面接や電話のやりとりがあったことも明らかになった。
 しかし、容疑者本人とは接触していなかった。
 残忍な犯行には、計画性と強い殺意が感じられる。なぜ、早朝の凶行に及んだのか。カリタス小の子どもたちを襲ったのは当初からの計画だったのか、それとも、襲う対象は誰でもよかったのか。
 引きこもりがちの容疑者に医療面から手をさしのべることはできなかったのか、という点も気になるところだ。
 容疑者が死亡したとはいえ動機の解明は欠かせない。
    ■    ■
 昨年5月、新潟市で下校中の女子児童が連れ去られ、殺害されるという痛ましい事件が起きた。これを受けて政府は、改めて「登下校防犯プラン」を作成し、安全対策の強化を確認したばかりだった。
 防犯プランは「通学路の合同点検」や「多様な担い手による見守りの活性化」「集団登下校やスクールバスなどを活用した安全確保」などを打ち出している。
 児童生徒をできるだけ1人にしない−そのための集団登下校やスクールバス利用が裏目に出た形だ。
 防犯と利便性から、通学時にスクールバスを利用する学校は県内でも増えている。スクールバスを待っていた子どもたちが襲われたことは想定外の事態であり、学校関係者の衝撃は大きい。
 これまでの対応をもう一度、点検し直し、安全確保に盲点がないかどうかを確かめてほしい。
    ■    ■
 どうしたら子どもたちを守れるのか。今回の事件で改めて突きつけられたこの問いは、学校や保護者だけではとても答えられないだろう。
 校区のコミュニティ、教育委員会、警察、自治体、関係省庁が役割を分担しつつ、連携を密にする。
 当たり前のことのようではあるが、連携の不十分なところから、その割れ目を突き破るように、事件が起きるケースが多い。
 仕事も安らぎの場所も失い孤立状態に陥っている人たちに対する社会的な支援も不可欠である。


川崎児童殺傷 なぜ守れなかったのか
 犠牲になった2人にはそれぞれ未来があった。その人生を不条理にも断ち切った残忍な凶行に強い憤りを覚える。川崎市で、スクールバスを待っていた児童らが刃物を持っていた男に次々と襲われ、19人が死傷した事件である。
 突然切り付けられた子どもたちの恐怖はいかばかりだったか。一刻も早い回復を願うとともに、心に傷を負っていないかも心配だ。事件を目の当たりにした子どもたちも含め、しっかりしたケアが欠かせない。
 駅近くの市街地で事件は起きた。警察の調べでは、容疑者の男は両手に包丁を持ち、亡くなった30代の男性たち大人を襲った後、子どもにやいばを向けたらしい。
 バスに乗ろうとしていた児童を小走りしながら次々と包丁で切り付け、最後は自分の首付近を刺して自殺したとみられる。
 男は両手以外にも、リュックサックの中に刃物2本を入れていた。自宅の最寄り駅から約4キロ離れた現場にやって来たことも分かっている。強い殺意があったのではないか。計画的に大勢の殺害を狙った無差別殺傷事件の可能性も否定できない。
 なぜ無防備な子どもたちが襲われるのか。悲劇を繰り返さないためにも、警察にはできる限りの捜査を尽くし、事件の全容を解明してほしい。
 思い起こされるのは、男が大阪教育大付属池田小に押し入って児童8人を殺害した事件である。男は「何もかも嫌になった。死刑にしてほしかった」と供述していた。
 社会への不満を一方的に募らせ、他人を道連れにして自分も死ぬ―。あまりにも身勝手な動機だ。心理学者らが「拡大自殺」と呼ぶ行為である。
 男は近隣住民との付き合いもほとんどなく、ささいなトラブルから怒鳴り散らす一面も。複雑な家庭環境で育ち、ひきこもり傾向にあったとされる。
 一連の犯行から自殺するまでわずか十数秒だったという。自ら死ぬことを覚悟して犯行に及んだようだ。今回の事件を教訓とするには、容疑者の男の人物像に加え、どんないきさつから子どもを襲ったのかも明らかにしなければならない。
 昨年5月に新潟市で下校途中だった女児が殺害された事件を受け、政府は通学路の「登下校防犯プラン」をまとめた。子どもを極力1人にせず、集団登下校の実施やスクールバスの活用などを対策に掲げていた。
 そのスクールバスが狙われ、集団で登校する児童が襲われた。それだけに衝撃は大きい。
 今回の事件を受け、政府はきのう関係閣僚会議を開いた。登下校時に子どもが集まる場所を再度点検し、警察官による重点的なパトロールを実施するよう指示した。
 もちろん学校や通学路の安全対策の問題点を洗い直し、改善策を講じる努力は欠かせない。だが、いつ襲ってくるか分からない凶行への備えはどれほど強固にしても万全とはならない。
 子どもを守るためには、理不尽な凶行を発生させない仕組みづくりも重要になっている。
 孤立を防ぎ、不満の暴発を食い止めるには、地域社会の役割も問われている。どんな手だてがあるのだろうか。地域ぐるみで議論し、取り組んでいかなければならない。


児童殺傷事件/安全の死角なくせるか
 川崎市多摩区で私立小学校のスクールバスを待つ児童らが両手に包丁を持った男に襲われた。児童17人と大人2人が刺され、小6女児と、けがのなかった児童を見送りに来ていた父親が亡くなった。男は自らの首付近を刺した後に身柄を確保されたが、死亡した。隣の麻生区に住む51歳。現場のリュックサックから包丁2本が見つかった。
 いつものように登校していた子どもらが突然、凶行にさらされた。関係閣僚会議で安倍晋三首相は登下校時の安全確保と事件の迅速な全容解明を指示した。動機などは捜査に待つほかないが、このような事件を二度と起こさないために何ができるか、社会を挙げて考える必要がある。
 男はバスを待つ児童らの列に後ろから無言で近づき、いきなり切りつけた。登校というありふれた日常風景の中で、こんな状況は想定しようもない。防ぎようはなかっただろう。バス通学であれば犯罪や交通事故に巻き込まれる可能性は低いから安全−という常識も大きく揺らぎ、保護者や学校関係者らの間には不安が広がりつつある。
 文部科学省はボランティアの見守り活動や防犯カメラ設置などで学校や通学路の安全確保に力を入れてきた。しかし事件事故は後を絶たない。どうすれば、学校や家庭の目が届かない安全の「死角」をなくせるか。不断の検討が欠かせまい。
 現場となったバス停では児童数十人が列を作っており、そこへ男が現れて襲った。スクールバスの運転手に怒鳴られ、男はバスの後方で自ら首を刺した。この間、十数秒。近所の人によると、服が血に染まったり、ぼうぜんと座り込んだりしている子もいたという。惨劇で深く傷ついた心のケアに万全を期してほしい。
 警察庁は「人が自由に出入りできる場所で、確たる動機がなく、不特定の人に殺傷などの危害を加える事件」を、未遂も含めて「通り魔殺人」と定義しており、2008年から昨年までに76件が発生。死者は26人、負傷者は134人に上る。
 08年6月、東京・秋葉原の歩行者天国に元派遣社員の男がトラックで突っ込んで通行人をはねた上、ナイフで襲った。7人が死亡した。「誰でもよかった」と供述。最高裁で、職を転々とする中で社会に不満を持ち、インターネットの掲示板で嫌がらせを受けたことなどで怒りを募らせ犯行に及んだと認定された。
 事件を受けてダガーナイフなど両刃の刃物の所持が禁止され、警察は繁華街など人通りの多い場所に制服警官の配置を徹底するなど対策を進めたが、その後も通り魔事件は相次ぐ。動機は、自殺しきれず、死刑になりたかったといった身勝手なものばかりだ。
 学校を狙ったのが、01年に8人が殺害された大阪教育大付属池田小の児童殺傷事件。これ以降、学校の安全対策は強化されたが、05年に栃木県で小1女児が行方不明になり殺害された。昨年5月には新潟市で下校中の小2女児が犠牲になり、文科省は学校や地域、警察が連携し、犯罪が起きやすそうな場所を確認して警戒するよう求めている。
 多くの対策が取られてきたが、惨劇は現に起きた。なお対策の余地はないか。無防備な子どもを守るため日々問い続けていくしかないだろう。


川崎・殺傷事件 不条理な凶行に戦慄する
 突然の凶行がいつもの登校風景を断ち切り、2人の命が奪われた。家族や友人らの悲しみは察するに余りある。
 川崎市多摩区で28日朝、スクールバスを待っていた私立カリタス小の児童らが、包丁を持った51歳の男に襲われた。保護者2人を含む19人が無差別に刺されるなどし、6年生の女児と、別の児童の父親が死亡した。
 男は犯行直後に現場近くで自分の首を刺して死亡した。
 不条理な凶行に戦慄(せんりつ)を覚える。犠牲者の無念を思うと、言葉もない。
 児童や保護者の精神的なショックも大きいに違いない。十分な心のケアが必要だ。
 今回の事件は、教頭や保護者が見守っていた中で起きた。それだけに、学校や保護者の動揺は大きい。
 事件を受けて政府は、登下校時に子どもたちが集まる場所を再度点検し、警察官による重点パトロールをするよう指示した。不審者情報を共有する仕組みの強化も求めた。
 昨年5月に新潟市西区で下校中の小2女児が殺害された。事件を踏まえて、政府は「登下校防犯プラン」を作成し、警察や学校、自治会などの見守りボランティアの強化を促した。
 だが、凶悪な事件がまた起きた。命を守るために何ができるか、見つめ直すことが必要だ。
 登下校時の安全確保と同時に、再発防止には、凶行に至った動機にも迫らなければならない。事件を起こした男が自殺し、難しい面もあるだろうが、警察には徹底した捜査を望みたい。
 なぜ登校する子どもたちを狙ったのか。男のこれまでの言動に事件との関連をうかがわせるものがあったのかどうか。
 犯行から感じるのは、不気味さである。男は両手に包丁を持って、無言で子どもたちの背後に走り寄り、短時間に次々と切りつけたという。
 男のリュックサックには、さらに2本の包丁が入っていた。警察は、大勢の殺害を計画していた可能性があるとみている。
 男は、川崎市で親族と暮らし、近所付き合いは少なかったという。近所とのささいなトラブルで怒鳴り声を出すこともあったようだ。
 過去の無差別殺傷事件や、子どもたちを狙った犯行と類似した点などがないかも、洗い出す必要があろう。
 2001年には大阪府池田市の大阪教育大付属池田小に入り込んだ男が児童8人を刺殺した。社会との疎外感から報復として狙ったとされる。
 08年には、東京・秋葉原の歩行者天国に男がトラックで突っ込み、ナイフで通行人らを襲い、7人が死亡した。職を転々とし、社会への不満を強めていたと指摘されている。
 通り魔や無差別的な犯行を予測するのは困難だ。子どもたちを守るには、高齢者や保護者が中心の地域の見守り活動では限界がある。
 それを踏まえた上で、子どもたちの安全を守るための手だてを尽くさなければならない。


川崎殺傷事件「一人で死ね」論に警鐘を鳴らす藤田孝典に、古舘伊知郎、ニッチェ江上も賛同! 包摂こそが犯罪を阻止する
 川崎市で小学生ら19人が殺傷された事件をめぐり、またぞろメディアがヒステリー起こしている。とくに今回、目立っているのが「自殺に他人を巻き込むな」「死にたいなら一人で死ね」という言葉だ。 
 感情をぶつけて悦にいるだけで、なんの解決にもつながらないどころか、精神的に追い詰められた人たちを刺激する乱暴極まりない発言だが、驚いたことに、ネットだけでなく、安藤優子や立川志らく、北村晴男弁護士など、ワイドショーのMCやコメンテーターまでがこのグロテスクなセリフを平気で口にしているのだ。
 しかし、こうした愚劣な感情論の横行に対して、警鐘を鳴らす論考が発表され、注目を集めている。28日、Yahoo!に配信された、「川崎殺傷事件「死にたいなら一人で死ぬべき」という非難は控えてほしい」と題した記事だ。
 執筆したのは、生活困窮者支援のNPOほっとプラス代表理事の藤田孝典氏。藤田氏は〈ネット上では早速、犯人らしき人物への非難が殺到しており、なかには「死にたいなら人を巻き込まずに自分だけで死ぬべき」「死ぬなら迷惑かけずに死ね」などの強い表現も多く見受けられる。〉〈まず緊急で記事を配信している理由は、これらの言説をネット上で流布しないでいただきたいからだ。次の凶行を生まないためでもある。〉として、こう主張している。
〈「死にたいなら人を巻き込まずに自分だけで死ぬべき」「死ぬなら迷惑かけずに死ね」というメッセージを受け取った犯人と同様の想いを持つ人物は、これらの言葉から何を受け取るだろうか。
 やはり社会は何もしてくれないし、自分を責め続けるだけなのだろう、という想いを募らせるかもしれない。
 その主張がいかに理不尽で一方的な理由であれ、そう思ってしまう人々の一部が凶行に及ぶことを阻止しなければならない。
 そのためにも、社会はあなたを大事にしているし、何かができるかもしれない。社会はあなたの命を軽視していないし、死んでほしいと思っている人間など1人もいない、という強いメッセージを発していくべき時だと思う〉
 つまり、このような痛ましい事件を繰り返さないためには、社会から阻害された人々を突き放すのではなく、むしろ、彼らの尊厳を大切に思っていると社会がメッセージを出すことこそが重要だと指摘しているのだ。
 まさに正論だが、しかし、ネットではネトウヨを中心に藤田氏に対して、「きれいごというな!」「凶悪事件を肯定するのか」「遺族に言えるのか」「社会が悪いから何しても許されるという奴が出てくる」などと、的外れな攻撃や非難が殺到している。ワイドショーも前述したように、全く聞く耳をもたず、むしろ容疑者をモンスター扱いして、憎悪を煽りまくっている有様だ。
 だが、そんななか、29日放送の『ゴゴスマ〜GOGO!Smile!〜』(TBS系)で、乱暴な感情論に与せずに、藤田氏の提言を受け、事件の本質的な問題を議論しようという動きがあった。
古舘に続きニッチェ江上も「優しさが犯行を阻止できることもあるんじゃないか」
 まず、画期的だったのは、レギュラーコメンテーターの古舘伊知郎だった。古館は容疑者をモンスター扱いする報道にこう異を唱えたのだ。
「こういう痛ましい、本当につらいことが起きますと、『考えられない』『あり得ない』と遠くに置いてしまうことによってね、『ひとりのモンスターがいる』と。『自分たちは違う』と、僕なんかも思いたくなっちゃうんですよ。そんなことやるわけないんですから、普通の人間が。だけど、命を絶たれた方、残された家族の方を思うときに、あんまり遠いことと思っちゃいけないわけですよ」
 続いて、MCの石井亮次アナウンサーが、藤田氏の主張を紹介したのだが、その際、自分自身の発言を省みるかたちで、こうコメントした。
「(容疑者は)人を巻き込んでから自殺しています。これに関して私は昨日放送で、『死にたいんだったらひとりで死ねばいいじゃないか』ということを言いました。でも、そういうことを言っちゃいけないんだという声もあります。そういうことを言っちゃいけない理由を考えることが、今後こういう凶行を生まない社会はどうすればできるのかということを考えるきっかけになると思います」
 もっとも、その後、犯罪心理学を専門とする筑波大学教授の原田隆之氏が藤田氏の主張に対して「そういうメッセージも受け取れないような偏ったパーソナリティーの人たちがいる」と異を唱えると、番組は他のワイドショーと同じような、モンスター扱いの空気に流れそうになる。
 しかし、この流れを打ち破ったのも、古舘だった。古舘は「直接の解決策ではないんだけれども、とっても身近で大事なことを江上さんが」とレギュラーコメンテーターのニッチェ・江上敬子に話を振る。そして、江上が「自分がまわりの人に優しくして、その優しさが回り回って、巡り巡って、そういう犯行を阻止できるんじゃないか。それぐらいしか自分たちはできないかもしれないけれど、そういうのって大事なんじゃないかと思うんですよ」と言うと、古舘はそれを受けて、「一直線で解決する話ではないけれども、世の中は因果律で成り立っていると思うんで、回り回って、巡り巡ってってことを考えると、『そんなの面倒くさい』じゃなくて、人に対する無関心みたいなものをちょっと内省的になるのって大事じゃないかなと思う」と発言した。
古舘伊知郎「遠くの国の戦争で子供が亡くなっていることも同じように危機感を」
 さらに、古舘は「人が殺される。こんなことが起きるって我々は考えるけれども、遠くの国で女性や子どもさんが誤爆によって戦争で亡くなっているということに対して鈍感じゃないかって考え方まで、ずーっと引き延ばしていかなくてはいけないのかな。人は人を殺すじゃないですか。こっちはあんまり気に止めないで、こっちは大変だって言っているのも、変だなって思う気持ち、立ち止まりも必要かな。絶対起きちゃいけないことが起きているから」とも語っていた。
 つまり、古舘はセンセーショナルな殺人事件にだけ騒ぎ立てるのではなく、戦争で女性や子供が犠牲になっていることにも、同じように危機感と違和感を抱くべきだと指摘したのだ。
『報道ステーション』降板後バラエティ出演の多かった古舘だが、久々に『報ステ』時代を彷彿とさせるジャーナリスティックな視点を見せてくれたといっていいだろう。
 そして、重要なのは、古舘の活躍によって容疑者をモンスター扱いし、憎悪を扇動するワイドショーで、凶悪な犯罪を防ぐためには「支援」や「支え合い」こそが必要だということが、議論されたことだ。
 実際、これは「きれいごと」などではない。29日に川崎市が行った会見のなかで、岩崎容疑者の親族が一昨年の秋から今年1月にかけ14回にわたって川崎市健康福祉局精神保健センターに相談していたことが明らかになった。社会による効果的なサポートがあればこの事件は防ぐことができたかもしれないのだ。
 マスコミやネットのなかで、今回の『ゴゴスマ』のような議論が少しでも増えることを願ってやまない。


河北春秋
 ケネディ元米大統領には5人の妹がいた。長女はローズマリーさん。知的障害があった。両親は彼女が23歳の時、脳の一部を切除するロボトミー手術を受けさせた。名門ケネディ家の体面に傷が付くのを恐れたという▼ローズマリーさんは手術後、話すことや歩行が困難になる。86歳で死去するまで施設で過ごした。ロボトミー手術は人権侵害との批判が高まり、効果的な向精神薬が普及したため廃れた▼非人道的な手術で豊かな人生を奪われたという意味では同じだろう。旧優生保護法下で知的障害を理由に不妊手術を強制された問題である。宮城県の女性2人が国に損害賠償を求めた訴訟の判決で、仙台地裁は旧法は違憲とする一方、賠償請求できる期間が過ぎたとして訴えを退けた▼違憲なのに国の責任を問わないのは、市民感覚からは理解し難い。裁判長は「令和の時代は何人も差別なく幸福を追求できる社会となり得るように」と付言したが、昭和から差別に苦しむ原告にすれば置き去りにされた感が拭えないに違いない▼被害者には、4月施行の救済法で国の責任や違憲性を明示していない点や一時金の額への不満がある。国が過去、現在の責任に真正面から向き合わなければ、きっと禍根を残す。過去の歴史がそれを物語っているように思う。

強制不妊判決 「違憲」ならば真の救済を
 旧優生保護法(1948〜96年)を初めて憲法違反と認めた判決は、日本の人権施策にとって画期的な意義がある。
 にもかかわらず、旧法により不妊手術を強いられた被害者が求めた国家賠償は否定した。
 判決の論理は一貫性に欠けると言わざるを得ず、疑問を禁じ得ない。誤った法律に基づく施策で苦しめられているのは誰なのか。その視点が司法判断では最も問われているはずだ。
 知的障害を理由に、旧法に基づき強制不妊手術を受けた女性2人が国に計7千万円余の損害賠償を求めた訴訟は、原告敗訴に終わった。全国7地裁で争われている同種訴訟で、仙台地裁が初の判決を下した。
 地裁は、旧法による不妊手術を「不合理な理由で子を望む者の幸福を一方的に踏みにじる」と断じ、「憲法に違反し、無効だ」と明快に言い切った。
 違憲かつ無効であるなら、原告の訴えは当然、理にかなうものであろう。しかし判決は「除斥期間」を持ち出した。行使せずにいると権利が消滅してしまう期間だ。時間の経過とともに権利関係の判断が難しくなっていく悪影響を避けるための概念とされる。損害賠償の請求は違法行為から20年に限られる。
 確かに原告が手術を強いられたのは40年以上も前で、提訴したのは昨年だ。とはいえ、最高裁判例によれば、除斥期間は事情に応じ弾力的に適用される。
 今回の判決も、本人が手術した証拠を入手すること自体が困難なため「20年が経過する前に賠償請求権を行使するのは現実的に困難だった」と指摘した。
 原告敗訴の結論は、明らかな矛盾ではないか。
 厚生労働省によると、約2万5千人が旧法による手術を受けた。このうち9割は80年代までに手術を施されており、除斥期間を厳格に適用すれば大半が泣き寝入りを強いられる。
 判決は、除斥期間とは無関係の救済立法が不可欠だったとする一方、優生思想を巡る法的議論の蓄積が少なく「立法不作為」に違法性はないとした。
 先月施行した不妊手術の被害者救済法は、被害者が明確化を求める違憲性や国の法的責任には触れず、支給金も一時金320万円にとどまった。しかも仙台地裁の判決に先回りする形での議員立法で、厳しい判決が出た場合の影響を事前に避ける意図は明白だった。被害者への謝罪の主体を「われわれ」とあいまいに表記するなど、真の救済と尊厳回復には程遠い内容だ。
 今回の判決で示された違憲という重い判断を、法改正を含め最大限に救済策充実に反映させるべきだ。旧法を制定した国会と執行した政府の責務である。


旧優生保護法判決 被害者は納得できない
 旧優生保護法の下で知的障害を理由に不妊手術を強いられた宮城県の60、70代の女性2人が国に計7150万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、仙台地裁は旧法は違憲との判断を下す一方、国側の責任を認めず、請求を棄却した。
 地裁は旧優生保護法に基づく不妊手術について、個人の尊厳を踏みにじるもので誠に悲惨であり、憲法に違反していると断じた。その上で、日本ではこうしたことに関する法的議論の蓄積がなく、国会にとって損害賠償する立法措置が必要不可欠なことかどうかは明白ではなかったと判断。違法性は認めず、賠償責任は否定した。
 全国で係争中の訴訟の皮切りとなる判決だっただけに注目されたが、違憲であるとしながら国には責任がないとする司法判断には違和感を覚えざるを得ない。識者からは、国の怠慢を裁判所が認めたようなものだと批判的な声も上がっている。訴えた2人はもちろん、訴訟の行方を見守ってきた多くの被害者はやり切れない思いだろう。
 不法行為から20年で損害賠償請求権が自動的に消滅する「除斥期間」適用の是非も争点となった。国はこれを請求棄却の理由としていた。2人の女性に不妊手術が行われたのは40年以上前だったからだ。
 だが過去には、B型肝炎訴訟の判決で除斥期間の始まりを予防接種の感染時ではなく発症時に認定するなど、除斥期間の起算点を遅らせて救済の道を広げた例が幾つもある。それを参考に踏み込んだ司法判断を下せなかったものか。原告側は「裁判所が被害者に向き合い切れていない」と憤り、控訴する方針だ。他の訴訟も含め、引き続き注視していかなければならない。
 旧優生保護法は「不良な子孫の出生を防止する」との優生思想に基づき1948年に施行された。知的障害や精神疾患などを理由に不妊手術や人工妊娠中絶を認める内容だ。障害者差別との批判が高まり、96年に該当する条文が削除され、母体保護法に改定されたが、被害者救済への動きは鈍かった。国連から2016年に被害者が法的救済を受けられるよう勧告を受けたものの、国は「当時は適法だった」と応じなかった。
 風穴をあけたのが昨年1月に訴訟を提起した60代女性と追加提訴した70代女性の行動だ。大きな社会問題となり、徐々に被害実態が明らかになった。国会も被害救済に向けてようやく重い腰を上げ、被害者への一律320万円の一時金支給を柱とした救済法が先月成立した。
 だがこの救済法自体、国会審議で被害者からの意見聴取を行わずに決めたほか、国の法的責任にも触れておらず、一時金支給額を含め被害者には不満が渦巻いた。訴訟は長期化の様相を呈しているが、被害者の高齢化が進む。国会はいま一度被害者の声を聞き、国と国会が何をすべきか再検討するべきだ。


強制不妊判決/「違憲判断」重く受け止めたい
 司法による「違憲判断」を重く受け止めて、被害者の真の救済につなげなければならない。
 旧優生保護法の下で、知的障害を理由に不妊手術を強制されたとして、宮城県の60代と70代の女性が国に損害賠償を求めた訴訟の判決で、仙台地裁は旧法を違憲とする判断を示した。一方で、賠償責任を否定した国側の主張を認め、2人の賠償請求を棄却した。
 違憲の法律によって不妊手術励行の旗を振った国の責任がなぜ問われないのか―。原告にとっては納得し難い結果だろうが、司法の場で旧法が違憲であると初めて明確に示された意義は大きい。
 旧法は1948年、戦後の食糧難や人口急増を背景に議員立法により全会一致で成立した。「不良な子孫の出生防止」を目的に掲げ、知的障害や精神疾患、遺伝性疾患などを理由に不妊手術を認めた。本人や配偶者の同意がなくても、医師の申請を基に都道府県の優生保護審査会が「適」と判定すれば、手術はできた。
 96年に母体保護法に改めた際、不妊手術の規定は削除されたが、差別的な法律が続いた半世紀近くの間に、約2万5千人が手術を受け、うち約1万6500人は強制されていたことが判明している。
 判決が「不合理な理由で子を望む幸福を一方的に奪い去り、個人の尊厳を踏みにじった」と批判したのは当然であり、「優生思想が社会に根強く残っていた」という指摘も重い。
 一方、「被害者は国家賠償法で補償を求めることができるから救済立法の義務はなかった」「手術は40年以上前で提訴時に請求権が消滅する除斥期間20年は経過している」―とする国側の主張はほぼ認められた。
 だが当時は合法だった旧法に基づく手術について、障害者らが違法性を認識し、被害を訴え出るのはそもそも難しかった。判決でも「本人が手術の客観的証拠を入手するのは困難で、20年が経過する前に賠償請求権を行使するのは困難だった」と述べている。こうした状況を踏まえれば除斥期間の適用はしゃくし定規にすぎよう。
 全国7地裁で起こされた同種訴訟で初めての判決。弁護団は判決を不服として控訴する意向を示している。司法判断が確定するまでには時間がかかるとみられる。
 今年4月に成立した救済法は、謝罪の主体があいまいで、一時金や救済対象などについて被害者の不満が根強くある。被害者は高齢化が進む。国と国会は被害者らの訴えに向き合い、その思いに寄り添うことが求められる。


強制不妊判決 違憲判断重く受け止めよ
 知的障害を理由に不妊手術を強制した旧優生保護法は個人の尊厳を踏みにじり、憲法に違反する―。手術を受けた宮城県の女性2人が国に損害賠償を求めた裁判で、仙台地裁は旧法を「違憲」とする初の判断を示した。
 全国7地裁で起こされた同種の訴訟で最初の判決である。戦後間もない1948年に制定された旧法は、障害や精神疾患、遺伝性疾患などを理由に不妊手術を認めるもので、96年の母体保護法への改正まで続いた。
 判決は、子どもを産み育てるかどうかを意思決定する権利(リプロダクティブ権)は憲法上保障される個人の基本的権利であると指摘。旧法は「不妊手術を強制し、個人の尊厳を踏みにじり、悲惨だ」として、幸福追求権を定めた憲法13条に違反するとした。旧法が違憲と認定されたことを、まずは国も国会も重く受け止めねばなるまい。
 ただ、理解できないのは判決が旧法の違憲性を厳しく指摘する一方、救済措置を怠ってきた国の責任を認めず、賠償も命じなかったことだ。
 判決は、国は被害者救済に向けた立法措置を取る必要性があったと指摘しつつ、「国内では法的議論の蓄積がなく、判例もなかった」などとして、国の責任をあっさり免じた。損害賠償については不法行為から20年で請求する権利が消滅する「除斥期間」を理由に原告の訴えを退けた。
 ハンセン病患者の隔離政策を違憲とし、国に賠償を命じた2001年の熊本地裁判決に比べ、はるかに後退した印象を受ける。除斥期間に関しては、起算点を遅らせて救済範囲を広げた筑豊じん肺訴訟などの判例もある。
 今回の訴訟の原告は差別への懸念などから声を上げられなかった。判決は、除斥期間内に損害賠償請求をするのは「現実的に困難だった」と言及しつつも除斥期間を適用しており、疑問を禁じ得ない。
 原告は控訴する方針だ。高裁や、ほかの地裁の判断が注目される。
 司法判断に先立ち国会は4月、被害者に一時金320万円を支給する救済法を成立させ、安倍晋三首相がおわびの談話を出した。しかし、国の法的責任には触れておらず、一時金も被害実態に見合っていないとして被害者の不満は根強い。一時金は被害者の申請が必要だが、プライバシーへの配慮を理由に個別通知をしないことにも懸念が残る。個別通知に踏み切るのは一部の県にとどまっており、周知が進まない可能性がある。
 救済法の法案審議で、被害者から直接話を聞く機会が一度も設けられなかったことも問題だった。国や国会が、被害の実態に真摯(しんし)に向き合おうとしなければ、被害者との溝は深まるばかりだろう。
 旧優生保護法は議員立法でつくられた法律だった。謝罪と救済はどうあるべきか。違憲判断を踏まえ、国会はあらためて検討すべきだ。


強制不妊訴訟判決 国は違憲判断を重く受け止めよ
 旧優生保護法下で知的障害を理由に不妊手術を強いられた宮城県の60、70代の女性2人が国に計7150万円の損害賠償を求めた訴訟で、仙台地裁は旧法は違憲との判断を示した。一方で、被害者救済に向けた立法措置を取らなかった国側の責任は認めず、請求を棄却した。
 全国7地裁で起こされた同種訴訟で初の判決として注目されていた。人としての尊厳を奪われ放置された原告らにとって、被害の救済がなされない理不尽な判決だ。弁護団は控訴する方針という。ただ、旧法を違憲とした意義は極めて大きい。国は重く受け止め、非人道的な施策を進めた責任を認めて救済制度の見直しを急ぐべきだ。
 仙台地裁の訴訟は、旧法の違憲性を認めて国に賠償を命じるかが焦点だった。原告側は違憲とし、国が救済措置を怠ったと主張。国側は違憲性の認否を拒み、立法義務はなく、手術から20年の除斥期間が過ぎ損害賠償請求権は消滅したと反論した。
 地裁は「旧法は個人の尊厳を踏みにじり悲惨だ」と指摘。子どもを産み育てるかどうかを意思決定する権利(リプロダクティブ権)を奪い、幸福追求権を定めた憲法13条に違反し無効と断じた。旧法は「不良な子孫の出生防止」を目的とし、知的障害や遺伝性疾患などを理由に不妊手術を認め、深刻な人権侵害を引き起こした。地裁の判断は当然であり、国の責任は重い。
 被害救済の立法措置の必要性があった点も認めた。しかし、国内でリプロダクティブ権の法的議論の蓄積が少なく、司法判断もなかった事情を挙げ、国会の立法不作為を否定した。国会こそが議論を深めなければならない立場にあったはずで、本末転倒な理屈だ。
 さらに、地裁は除斥期間の適用も国の主張を認めた。被害者は差別意識の強い時代に声を上げられなかった。人生を奪われ今も苦しみ続けている。除斥期間については、期間の起算点を遅らせて救済の道を広げた判例もある。今回の形式的な解釈には疑問を禁じ得ない。
 旧法下では約2万5千人が不妊手術を受け、うち約1万6500人は強制とされる。都道府県などで手術の記録が確認されたのは約3千人にとどまり、実態の検証はこれからだ。
 今年4月には、被害者に一時金320万円を一律支給する救済法が議員立法で成立、施行された。安倍晋三首相が反省とおわびの談話を発表したが、国の責任には触れなかった。被害者が求めている国の直接的な謝罪はなく、一時金の額もハンセン病問題の補償金の800万〜1400万円などと比べ相当に低い水準となっている。
 被害者の多くは高齢化し、残された時間は限られる。法案の審議では直接話を訴える機会が設けられず、国への不信感は根強い。国は被害者や専門家を交えてこれまでの経緯などを検証し、被害の実態に見合った救済に真摯(しんし)に取り組むべきだ。


【強制不妊手術】「違憲」をテコに検証を
 普通の国民の目から見れば、相反する判断が一つの判決に同居しているように見え、理解に苦しむ。
 旧優生保護法下の強制不妊手術を巡る国家賠償請求訴訟で、仙台地裁は旧法を「憲法違反」と認めつつ、国の賠償責任は否定した。
 なぜこんなちぐはぐな判断になるのか。ほかの6地裁で継続中の同じ訴訟を含め、政府や国会は被害者らに正面から向き合い、謝罪と救済の道を模索すべきだ。
 司法判断に先立ち、与野党は先月下旬、被害者らに一時金を支給する救済法を成立させ、「反省とおわび」の談話を出した。だがおわびの主体は「われわれ」と曖昧で国の責任などに触れていない。
 一方、仙台地裁が旧法を憲法違反とした判断は、画期的で明快だ。
 判決は強制不妊手術を「個人の尊厳を踏みにじるものであって、誠に悲惨というほかない」と厳しく指摘し、無効と断じた。
 子どもを産み育てるかどうかの意思を決定する権利を奪い、憲法の幸福追求権を侵害したとする。国会と政府は救済法を速やかに見直す必要がある。
 しかし損害賠償について判決は、不法行為から20年が過ぎると請求権がなくなる「除斥期間」が適用されると説明。国家賠償法とは別に「立法措置が必要不可欠だ」と、国会の裁量に委ねた。
 「不良な子孫の出生防止」を掲げた旧優生保護法が施行されたのが1948年。96年に障害者差別に該当する条文が削除され、母体保護法に改正するまで旧法は放置された。
 旧法施行当時ならともかく、これほど長い間、人権侵害が続けられてきたことは、国や国会の怠慢、不作為と言えるのではないか。
 被害者にとっては「当時は合法だった」という言い訳や、「除斥期間」などの形式的な法律論で納得することはできまい。
 不妊手術という被害は、個人のプライバシーのうちでも最も他人に知られたくないものの一つ−−。仙台地裁は被害者が訴えづらかった事情も認めている。
 それなのに、国が長年にわたって特別な立法措置を取らなかった点は「違法の評価を受けるものではない」と国の姿勢を追認した。その人権感覚には首をかしげる。
 国家賠償は認められなかったため、弁護団は控訴する意向だ。ほかの地裁で係争中の強制不妊手術をめぐる訴訟も含め、法廷闘争は長期化する様相を見せている。
 ハンセン病問題では2001年、熊本地裁が隔離政策を違憲とし、当時の小泉首相が控訴断念を決断した。国と原告団が和解の基本合意を交わし、国が原因究明の検証会議を外部に設置した。
 初めて勝ち取った、旧法の「違憲」をテコに、医療や福祉、教育、そしてメディアなどの責任を考えてみることも有意義だろう。一連の検証を抜きにして、本当の再発防止策は生まれない。


立川志らくと八代弁護士が桜田前五輪相の“3人産め”暴言を擁護!「そこまでひどいことを言ったのかな」「よくあること」
 呆れて開いた口が塞がらない。今年4月、「復興以上に大事なのは議員」と発言して五輪担当大臣を辞任した自民党の桜田義孝議員が、昨日おこなわれた猪口邦子・元少子化担当相のパーティでまたも暴言を吐いたからだ。
 桜田前五輪相は少子化問題について「結婚しなくていいという女の人が増えている」と言うと、こうつづけた。
「お子さん、お孫さんには子どもを最低3人くらい産むようにお願いしてもらいたい」
 先日お伝えしたように、自民党は参院選を控えて“失言防止マニュアル”を作成・配布したというが、その矢先にコレである。というか、少子化問題に絡めた「女は子どもを産め」という暴言を、自民党議員は何回繰り返せば気が済むのか。
 しかも、この言語道断の暴言を擁護する者まで現れた。落語家の立川志らくが、本日放送の『ひるおび!』(TBS)でこんなことを言い出したのだ。
「そんなに悪意は多分ないと思うんですよ。親戚のおじさんかなんかが飲んでいるときに『お前、3人ぐらい産みなさいよ』ってこれよくあることですよ。とくに昭和の時代なんかはそういうの普通に映画のなかでもあるじゃないですか」
 いや、「3人ぐらい産め」と言うことに「悪意」がないと捉えていること自体が問題なのであって、そういった日本社会に蔓延る「女性は子どもを産んで当然」という圧力に多くの人たちが苦しんでいる現実がある。
 そもそも、すべての人には、子どもを産むことも、いつ産むのか、何人産むのか、そして産まないという選択をするリプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康/権利)がある。「子どもを産め」と女性に押し付けることは、明白な人権侵害行為なのだ。
 また、そうした旧態依然とした価値観を、志らくは「昭和の時代はそういうの普通に映画のなかでもある」台詞だからと振りかざして擁護するが、セクハラ擁護などと同じく男尊女卑が当たり前で女性が虐げられ我慢させられていた時代と比べることになんの意味もない。しかもそれらの物語は、果たしてその価値観を肯定的に描いていたのだろうか。「子どもを産め」という台詞のなかに女にかかる社会的圧力を表現している場合も多分にあるはずだが、そうした文脈も志らくは無視してはいないか。
 また、志らくはつづけて「いまの時代は、政治家ならば『3人の子どもを産んでも普通にちゃんと生活できるような社会をつくります』って言っときゃあね、何の問題もない」などとも述べたが、政治家が「言う」だけの口だけでいいはずがない。事実、安倍自民党は消費増税を筆頭に「普通の生活」を切り崩すような政策を打っているのが現状ではないか。
 志らくだけではない。八代英輝弁護士も「そこまでひどいことを言ったのかなっていうのはわからなくて」「産める方は、産める条件・環境にある方は、っていうのが大前提だと思いますけど」「それを全部断って言えば問題ないのか。それ自体、口にすること自体がはばかられるような社会にしちゃうとなんか気持ち悪いな」と、女性のリプラダクティブ・ライツを無視してむしろ批判することのほうがおかしいくらいの口ぶりだった。
「産める条件・環境」にあっても産むか産まないかは個人の自由なのに、「産んでと言えない社会は気持ち悪い」とは……。とにかく、桜田前五輪担当相の最悪の暴言を、志らくも八代弁護士もよくもまあ擁護できたものだと思うが、こうやってこの社会から「女は子どもを産め」という圧力がなくならないのは、政権与党の政治家たちが同様の暴言を連発しすぎて慣らされているせいもあるはずだ。
無反省なまま「子どもを産め」発言を繰り返す安倍自民党
 振り返るだけで腹立たしいが、いくつか以下に列記したい。
「いかにも年寄りが悪いという変な野郎がいっぱいいるけど、間違っていますよ。子どもを産まなかったほうが問題なんだから」(麻生太郎財務相/2019年2月)
「子どもを産まないほうが幸せじゃないかと勝手なことを考えて(いる人がいる)」「皆が幸せになるためには子どもをたくさん産んで、国も栄えていく」(二階俊博・自民党幹事長/2018年6月)
「必ず新郎新婦に3人以上の子どもを産み育てていただきたいとお願いする」「結婚しなければ子どもが生まれないから、ひとさまの子どもの税金で老人ホームに行くことになる」(加藤寛治衆院議員/2018年5月)
「子どもを4人以上産んだ女性を厚生労働省で表彰することを検討してはどうか」(山東昭子参院議員/2017年11月)
 はっきり言って、こんな暴言を吐く輩に政治家としての資格などない。政権与党の政治家として少子化を食い止めたいと本気で考えているのならば、まずは待機児童問題の解消をはじめ、女性が仕事と育児を両立しやすい環境づくり、男女ともに不安定雇用や長時間労働の見直し、男性の育児参加、選択的夫婦別姓制度の導入、さらに未婚でも産みやすい社会──男女の賃金格差の是正、同棲や事実婚に法律婚と同様の保護を与える──などを押し進めるのが筋だ。
 だが、そうした政治家としてやるべきことに取り組むこともなく、「女は子どもを産め」と合唱するのみ。リプロダクティブ・ヘルス/ライツという当然の人権をもこの自民党議員らは踏みにじり、加藤議員の「ひとさまの子どもの税金で老人ホームに行くことになる」発言にいたっては、産まない選択をした女性への社会保障を否定するかのような、信じがたい暴論だ。
 それどころか、菅義偉官房長官にいたっては、2015年9月の福山雅治と吹石一恵の結婚に際して「ママさんたちが一緒に子どもを産みたいとか、そういうかたちで国家に貢献してくれればいい」「たくさん産んでください」とコメント。子どもを産むことを「国に貢献」することなのだと堂々と明言したのである。
「子どもを産め」発言に抗議した自民女性議員には人事で報復!
 少子化を食い止められない自分たちの無能さは棚に上げて、女を「産む機械」(柳澤伯夫・元厚労相)であるかのように扱い、「国に貢献しろ」と国民に押し付ける──。あまりにグロテスクで反吐が出るが、こうした暴言政治家たちが多すぎて、社会は何も変わらないのだ。
 しかも、このような暴言に、安倍自民党は無反省なままだ。
 現に、これら「女は子どもを産め」「産まない女は身勝手」などという暴言を吐いた議員たちに対し、自民党は何の処分もおこなっていない。そればかりか、「3人産め」と言った加藤議員は発言を撤回したあと、自身が会長を務める自民党長崎県連の会合で「全国から賛同、激励が多数寄せられた」と述べ、「理想として3人は確か」「日本の将来を考えた発言」などとわざわざ賛同意見を紹介までしてみせた。
 その上、この加藤議員の発言に、「女性の人権を全く無視した暴言」として共産党の議員らとともに抗議した自民党の江真奈美・長崎県議に対して、自民党長崎県連執行部は広報副委員長などの役職を再任しないと決定。その理由を長崎県連の中島広義幹事長は「共産党と会見したことは自民党として容認できない」としたが、一方で「(加藤議員に)抗議した内容は賛否両論あるため触れない」などと逃げた。
 あり得ない暴言を撤回したあとも開き直る議員には何のお咎めもなく、当然の抗議をおこなった女性議員には人事で報復する。こんな政党が与党として居座りつづけるかぎり、少子化問題が解消する政策を打ち出すことは、まずもって無理だ。
 国民が桜田前五輪相の暴言・失言に慣れきってしまっているこの状況下で、今回の暴言も「またか」と受け止めている人もいるかもしれないが、問題の本質は安倍自民党の思想・体質にある。この社会に流れる「産め」圧力を食い止めるためにも、すべての人が産む/産まないを選択する当然の権利を根付かせるためにも、この政権与党・自民党の問題はけっして看過してはならないのだ。


日米安保体制 一体化の度が過ぎる
 トランプ米大統領の四日間にわたる日本訪問。安倍晋三首相は日米「同盟」関係の緊密さをアピールしたが、自衛隊と米軍の軍事的一体化の度が過ぎれば、専守防衛の憲法九条を逸脱する。
 大統領の日本での最後の日程は海上自衛隊横須賀基地(神奈川県横須賀市)に停泊中のヘリコプター搭載型護衛艦「かが」を、首相とともに視察することだった。
 海自や米海軍の隊員ら約五百人を前に訓示した大統領は「日米両国の軍隊は、世界中で一緒に訓練し、活動している」と述べた。まるで自衛隊があらゆる地域に派遣され、米軍と一緒に戦っているかのような口ぶりだ。
 トランプ氏の目に、自衛隊がそう映ったとしても無理はない。
 歴代内閣は、戦争放棄と戦力不保持の憲法九条の下、専守防衛に徹し、節度ある防衛力整備に努めてきたが、安倍内閣は、違憲とされてきた「集団的自衛権の行使」を一転可能としたり、専守防衛逸脱の恐れありとして保有してこなかった航空母艦や長距離巡航ミサイルを持とうとしているからだ。
 「かが」は全長二百四十八メートル。通常はヘリコプターを載せる「いずも」型の二番艦だが、政府は昨年、「いずも」型を改修し、米国製の最新鋭ステルス戦闘機F35Bを運用する方針を閣議決定した。
 米空母ロナルド・レーガン(全長三百三十三メートル)や、中国の遼寧(同三百五メートル)などと比べれば小型だが、事実上の空母化である。
 専守防衛の逸脱が指摘される状況での「かが」乗艦には、中国けん制の狙いに加え、事実上の空母化や、一機百億円以上という高額な米国製戦闘機の大量購入を既成事実化する意図もあるのだろう。
 不安定さが残る東アジア情勢を考えれば、日米安全保障条約に基づいて米軍がこの地域に警察力として展開することは当面認めざるを得ないとしても、自衛隊が憲法を逸脱してまで米軍と軍事的に一体化していいわけはない。
 安倍内閣は米国製の地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の導入も進めるが、配備候補地である秋田、山口両県の地元住民から、強力な電磁波による健康被害や攻撃対象になることを心配する声が上がる。沖縄県民の過重な米軍基地負担も深刻だ。
 高額な米国製武器の大量購入によるのではなく、専守防衛という日本の国家戦略への国際理解を求め、また基地負担に苦しむ住民の思いに応えてこそ、真に緊密な関係と言えるのではないか。


[安定ヨウ素剤] 必要な人へ配布確実に
 原子力規制委員会は、原発事故の際、周辺住民が甲状腺被ばくを防ぐために服用する安定ヨウ素剤について、配布方法などの見直し案をまとめた。
 事前配布の対象者を原則40歳未満に限定し、真っ先に被ばくの影響が懸念される子どもや妊婦に優先配布する。変更点を盛り込んだ原子力災害対策指針と配布マニュアルの改正案は、意見公募を経て6月にも正式決定される。
 現行の制度では、原発の半径5キロ圏の全ての住民のほか、30キロ圏内でも緊急時に受け取ることが困難な住民に対して、自治体が事前配布することになっている。ところが、認知度や理解不足から、全ての住民に漏れなく行き渡らせるのは難しいのが実情だ。
 改正案は、配布対象を絞ることで、最も必要とされる子どもや妊婦に届かない事態を解消するのが目的である。国や自治体は、新ルールに沿って確実に配布できるよう努めてほしい。
 原発事故などで放出された放射性ヨウ素が体内に取り込まれると、甲状腺に集まり、内部被ばくによるがんなどを引き起こす恐れがある。しかし、人体に害がないヨウ素剤をあらかじめ服用し、甲状腺を満たしておくと、放射性ヨウ素が蓄積されずに排出されるため、被ばくを防ぐことができる。
 ただ、世界保健機関(WHO)の指針などによると、ヨウ素剤の有効性が高いのは子どもや妊婦、授乳者で、40歳以上の人は効果が薄いという。
 改正案はこうした知見を参考に決められた。さらに乳幼児の服用が進まないことへの懸念も背景にあるようだ。
 福島県立医科大や京都大などによる2017年の調査で、東京電力福島第1原発事故後、同県三春町が内服を指示したものの、当時0〜9歳だった子どものうち実際に服用したのは63.5%にとどまることが明らかになった。
 調査では、3歳以上の3分の2が服用した一方で、0〜2歳は半数にとどまったことも判明した。服用しなかった理由は、「安全性への不安」が最も多かった。情報不足や乳幼児の服用の難しさを指摘する回答もあった。
 規制委の更田豊志委員長は「守らなければならない人たちを守る態勢が重要だ」と、今回の見直しの意義を強調する。ヨウ素剤の効果や副作用、内服のタイミングなどについて保護者への啓発をさらに進める必要があろう。
 改正案では40歳未満でなくても妊婦や授乳中の女性らを配布対象とするほか、供給が十分なら希望者にも事前配布できる。薬局など受取窓口が増え配布率が向上することを期待したい。
 これまで3年だったヨウ素剤の有効期限は5年に延長された。自治体の負担を減らすためだ。期限を迎えるごとに行う再配布作業を効果的に進めるとともに、服用法や安全な取り扱いについて周知徹底することが重要である。


金融庁が「年金給付はこれから下がる、2000万円貯めておけ」の報告書!“年金は安心”の嘘を自ら暴露する安倍政権
 5年に1度おこなわれる公的年金の「財政検証」の結果が6月にも公表される予定だが、それを目前に控えたいま、SNS 上では、年金制度に対する怒りの声が溢れている。
 きっかけとなったのは、5月22日付けで金融庁の金融審議会「市場ワーキング・グループ」がまとめた「「高齢社会における資産形成・管理」報告書(案)」だ。
 これは老後の生活を営んでいくための「資産寿命」をいかに延ばすかをまとめたものだが、なんとそこでは、「年金だけでは満足な生活水準に届かない可能性がある」とし、「老後は年金だけに頼らず自助努力しろ」と呼びかけられているのだ。
〈かつては退職金と年金給付の二つをベースに老後生活を営むことが一般的であったと考えられる。しかし、長寿化による影響はもちろんのこと、公的年金の水準が当面低下することが見込まれていることや退職金給付額の減少により、こうしたかつてのモデルは成り立たなくなってきている。〉
〈重要なことは(中略)老後の生活において公的年金以外で賄わなければいけない金額がどの程度になるか、考えてみることである。〉
〈少子高齢化により働く世代が中長期的に縮小していく以上、年金の給付水準が今までと同等のものであると期待することは難しい。今後は、公的年金だけでは満足な生活水準に届かない可能性がある。〉
〈老後の収入が足りないと思われるのであれば、各々の状況に応じて、就労継続の模索、自らの支出の再点検・削減、そして保有する資産を活用した資産形成・運用といった「自助」の充実を行っていく必要があるといえる。〉
 いったいこいつらは何を言っているのか。まず、信じがたいのは、この報告書の主張が政府の日頃の喧伝と完全に矛盾していることだ。
 日本の年金制度は、保険金の割に給付が少ないが、将来的にはさらなる給付金の減少、さらには破綻の危険性が指摘されてきた。ところが、政府は老後の生活のために、年金加入は絶対に必要と喧伝。小泉純一郎政権の2004年に「年金100年安心プラン」を謳って年金制度改革をおこない、それに則って安倍第二次政権でも、厚労省は「公的年金は大丈夫!」とPRを展開してきた。現役世代の手取り収入に対する年金の給付水準50%を100年間維持するという約束のもと、安倍首相は「年金の受給者に年金を払えないという状況にはまったくなっておらず、年金制度は破綻しているとのご指摘は当たらない」などと強弁してきたのである。
 しかし、それがどうだ。今回、金融庁は「年金の給付水準が今までと同等のものであると期待することは難しい」「年金だけでは満足な生活水準に届かない可能性がある」と、安倍政権がけっして語ってこなかった見立てを公表したのである。
2000万円ない人は?の問いに金融庁は「お金を預けられない人は対象外」
 しかも、だ。この金融庁の報告書では、“平均的な高齢夫婦の無職世帯では毎月の赤字額は約5万円”とし、その先20〜30年生きた場合は不足額が約1300〜2000万円になると計算。その上で、現役期のあいだから投資などで資産運用をおこなうことが望ましいなどと提言している。
「老後は年金に頼るな」と言い、「若いうちから2000万円の赤字を補填する蓄えを考えろ」と迫る──。まったくふざけるな、の一言だろう。たとえば、2017年の「家計の金融行動に関する世論調査」では、2人以上世帯で運用や将来への備えなどを目的とした金融資産が「ない」と答えた世帯の割合は31.2%にものぼり、過去最高を記録した。
 また、今月10日に厚労省が公表した3月の「毎月勤労統計」調査の速報では、物価の影響を考慮した実質賃金は前年同月比でなんとマイナス2.5%と大幅に下落し、3カ月連続の減少となったばかりだ。
 賃金は上がらず、非正規の雇用者は増えつづけ、将来の蓄えをおこなう余裕もない状態に陥っている人は多いというのに、そうした経済状況をつくり出しておきながら「長生きしたいなら2000万円貯金しろ」「投資で資産運用しろ」とは、あまりにも無責任ではないか。
 その上、日刊ゲンダイが“投資に回す余裕のない世帯はどう努力するのか”と訊いたところ、金融庁の市場課は「そもそも、お金を預けられない人は対象外」という信じがたい回答を寄せている。つまり、生活がカツカツな国民は、高齢化社会対策の議論において、そもそも無視されているというわけだ。
 だが、これこそが、安倍政権が踏襲する「年金100年安心」の実態なのだ。実際、安倍政権は「年金制度は破綻しない」と喧伝してきたが、その根拠は嘘っぱちなもの。現に、前回2014年の財政検証においてシミュレーションの前提条件に挙げられた物価上昇率や賃金上昇率の数字はあまりにデタラメなもので、厚労省も現在の制度ならば100年後も年金積立金が十分に残っているから安心だと説明するものの、ご存じの通り、年金積立金の運用では損失を出しまくり、2018年10〜12月期の資産運用成績では約14.8兆円という過去最大の赤字額を叩き出した。
 大甘で恣意的なシミュレーションによって「年金制度は破綻しない」「大丈夫!」などと言い張って国民を騙してきた安倍政権。ようするに、それらは建前にすぎず、今回、「年金を当てにするな」「自助努力でどうにかしろ」という本音を、金融庁が図らずも“暴露”してしまったのだ。
安倍政権の「老後は国に頼るな、自助努力しろ」というグロテスクな本音
 事実、安倍政権のそうした「国に頼るな」「自己責任」という本音、本質を端的に表しているのが、2013年に成立させた社会保障改革プログラム法だ。
 この法律は、年金をはじめ医療や介護、福祉といった社会保障費削減のための工程を定めたものだが、安倍政権は「講ずべき社会保障制度改革の措置」として、〈個人がその自助努力を喚起される仕組み〉の導入を掲げ、第2条の2でこう規定している。
〈政府は、住民相互の助け合いの重要性を認識し、自助・自立のための環境整備等の推進を図るものとする〉
 社会保障制度改革の基本は、「自助・自立のための環境整備」である──。しかも、じつは社会保障制度改革国民会議がまとめた最後の報告書では〈自助・共助・公助の最適な組合せに留意して形成すべき〉という文言があったのだが、それが法案では「公助」が消え失せ、「自助・自立」が前面に押し出されたのだ。
 憲法25条では〈すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する〉と謳われ、〈国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない〉と定められている。しかし、憲法によって規定された社会保障に対する国の責任を放棄して、安倍政権は「自分のことは自分でどうにかしろ」と国民に押し付けたのである。
 この条項を見れば、今回露呈した「年金に頼るな」「長生きしたいなら2000万円貯金しろ」「投資で資産運用しろ」というものは、安倍政権の年金に対する姿勢を端的に表したものであることがよくわかるというものだ。
 無論、安倍政権は国民の生活を守るための年金制度が破綻しないように抜本的改革をおこなう気などさらさらなく、給付金の削減や保険料などの負担増といった国民の生活を追い込む手しか打たない。その上、安倍首相は「人生百年時代の到来は大きなチャンス」などと宣い、最近も70歳まで働けるようにする「高年齢者雇用安定法改正案」の骨子を発表したばかり。政府は年金支給開始年齢は引き上げないとしているが、こうした雇用年齢の引き上げによって、いずれ年給支給開始年齢も現行の65歳から70歳、さらに75歳……と上げていく算段なのは目に見えている。
「年金に頼るな」と責任を投げ捨て、高齢者に「死ぬまで働け」と要求し、老後の貯蓄のために投資などする余裕がない国民には目も向けない。──もはや安倍政権の社会保障政策は、すでに破綻している。そう言っていいだろう。


時評
 欧州連合(EU)欧州議会選挙は、親EUの中道右派の欧州人民党(EPP)が最大会派、中道左派の欧州社会・進歩連盟(S&D)が第2の地位を守ったが、共に議席を減らし、1979年の1回目の欧州議会選以降、初めて半数割れとなった。
 EUに懐疑的な右派・ポピュリズム勢力が台頭し、欧州議会史上初めて全体の3割を超えた。加盟国の市民を置き去りにしてブリュッセルのEU官僚が政治を支配してきた「民主主義の赤字」が、EU不信と、離脱派の台頭を招いた結果だ。
 しかし、23〜26日に投票が行われた議会選の主役は、躍進が予想された反EU右派勢力ではなく、ドイツ、フランスなど多くの国で既成政党への不満を吸収したリベラルな自由民主党系と緑の党だ。
 共に親EU勢力で、欧州自由民主連盟系会派は41議席増の109議席。緑の党は17議席増の69議席と手堅く勢力を伸ばした。
 イタリアのEU懐疑派、サルビーニ副首相が率いる与党右派「同盟」は前回選挙の22議席から47議席に大幅に拡大。フランスではルペン党首の国民連合(RN)が得票率23%と国内首位で22議席を獲得したが、前回選挙でも24議席を得ており、勢いは予想を下回った。
 親EUのマクロン大統領の与党、共和国前進(REM)の選挙連合が同22%で2位。昨年11月から政権に抗議する一斉デモが半年続いた中で持ちこたえた。さらにヨーロッパエコロジー・緑の党が13%を得票して3位に躍進、親EUの健在ぶりを示した。
 ドイツでは、メルケル首相のキリスト教民主同盟(CDU)など保守与党が票を減らしたが、得票率は28%でトップを維持。リベラルな緑の党が得票率20%と前回選挙から倍増し、保守与党に次ぐ2位に躍進した。排外主義の右派「ドイツのための選択肢(AfD)」の得票率は11%と予想を下回った。
 EU離脱を進める英国でも選挙が行われ、早期離脱を掲げる新党「離脱党」が得票率32%で第1党となったが、EU残留派で再度の国民投票を呼び掛ける自民党と緑の党がそれぞれ19%、11%と健闘した。既成の二大政党の労働党は14%、混乱の引責辞任を表明したメイ首相の保守党は9%と惨敗した。
 主張が多様化し複雑な政治の時代に突入する今後のEU議会は、新体制や議事運営が難航しそうだが、統合推進派がEU再建の正念場として奮起することを期待したい。


F35“異様な”大量購入に疑問
★米トランプ大統領来日フィーバーは首相・安倍晋三の大盤振る舞いと安請け合いのオンパレードだったが、日本のメディアは夕食に何を食べたかとか、親密度、きずなを連呼し、肝心なことは報道しない。トランプは米国製武器の購入について、「日本は最大の買い手になった」と大絶賛。「F35ステルス戦闘機105機を購入いただける。米国の同盟国では日本が最も多くのF35を保有することになる」と大喜び。★F35ステルス戦闘機は1機100億以上する。だが航空自衛隊三沢基地所属の同型機は先月9日に墜落し、パイロットはいまだ行方不明だ。加えて英仏などの欧州諸国はF35の購入契約を結んでいたが調達を中止し、ドイツも次期主力戦闘機の候補からF35を外した。日米両国の会見で日本の記者からはこの“異様な”大量購入と墜落についての質問はなく、日本政府の無条件購入には疑問が残る。日本と制度が違う、直接民主制を取るスイスでは次期戦闘機購入の候補機種は5種類。予算額があり、その購入価格が適切かも含め国民投票が行われるというから、議会の承認が必要とされるとはいえ、いかに日本は首相の権限が大きいかがわかる。★自民党経済成長戦略本部(本部長・政調会長・岸田文雄)は成長戦略を取りまとめて今夏の参院選挙の公約や政策に反映させるが、世界的に購入を躊躇(ちゅうちょ)する戦闘機の購入に政府が積極的であることには全く触れない。またその価格が適正か、税金が無駄なく使われているかの視点では議論が行われていない。参院選後に起こり得る米国からの強引な要求の可能性について自民党が頬かむりしている状態にどこからも不満は出ないのかと思うが、12年の総選挙では「ウソつかない。TPP断固反対。ブレない。」というポスターを農村部に大量に張った自民党を忘れてはいないはずだ。

大坂なおみナイキCM「日本語で答えてください」 ありえない質問を繰り返すメディアへの鋭い皮肉
 大坂なおみ選手が出演するナイキのテレビCMが話題を呼んでいる。
 このCMはまず、コートで練習する大坂なおみ選手のバックに以下のような英語と日本語の音声が流れる。これらは、大坂選手が実際に記者から受けた質問である。
<Do you consider yourself Japanese or American?(日本人とアメリカ人、自分自身をどちらだと考えていますか?)>
<Who’s your biggest rival?(最大のライバルは誰ですか?)>
<How do you deal with the pressure of being on top?(頂点に立つプレッシャーとどのように向き合っていますか?)>
<なにか賞金で買いたいものはありますか?>
<日本語で答えてください>
<またこの後もカツ丼食べますか?>
<Don’t you think you should smile more?(もう少し笑顔を見せた方がいいと思いませんか?)>
 これらの質問を受け、大坂選手が口に手を当てて「シー」とジェスチャーをするアップで映像は終わり、<世界を変える。自分を変えずに。><Just do it.>というキャッチコピーが映し出される。
 大坂選手はアスリートであり、メディアは敬意をもった質問をすべきだという皮肉に満ちたCMである。
大坂なおみ選手が繰り返し受ける「日本語で答えてください」
 大坂選手に対するメディアの取材は常にひどい。特に、あまり流暢ではない日本語を頑張って使う姿を引き出し、「撮れ高」を欲しがるテレビは「日本語で答えてください」と慣れない言語での回答を要求してきた。
 大坂選手もはじめは努力して期待に応えようとしてきたが、最近ではきちんとした回答をすべき場面では日本語での回答を求められても英語で答えるようになっている。
 たとえば今年1月に行われた全豪オープン優勝後の会見では、決勝を戦ったペトラ・クビトバ選手とのゲームの感想を日本語で求められた際、記者のリクエストを拒絶して英語で答えた。
 テニスに関する質問のためきちんとした回答を提示する必要があり、また、相手選手に失礼のないようにするためだろう。至極真っ当な対応である。
 前述のナイキCMのナレーションでは、英語での質問もレベルも高いとはいえないが、日本語での質問はそれに輪をかけてひどい。ここに鋭い批評性を感じさせる。
ナイキの広告は社会問題をテーマにしてきた
 ナイキのテレビCMには、「スポーツ」を通じて社会批評のメッセージを込めたものが多い。
 ここ最近で最も有名なものは、アメフト選手のコリン・キャパニックを起用したものだろう。
 コリン・キャパニック選手は警官による有色人種への差別的な暴力に抗議し、国歌斉唱時に膝をついて抗議したことが社会的な議論を巻き起こした。その結果、NFLから締め出されてどこのチームとも契約ができなくなったとして訴訟を起こしている(現在は和解)。
 昨年、ナイキはそんなコリン・キャパニック選手を起用した広告を展開。<Believe in something, even if it means sacrificing everything.(たとえそれがすべてを犠牲にすることを意味するとしても、なにかを信じろ)>というキャッチコピーは大きな話題を呼んだ。
 また、ナイキのテレビCMは、人種差別だけでなく、女性差別の問題にもスポットを当てている。
 テニスのセリーナ・ウィリアムズ選手をナレーションに起用した今年2月放送のCMでは、マラソン、バスケットボール、フェンシング、体操など、さまざまなジャンルのスポーツで草分けとなった女性アスリートの映像を用いながら、女性の権利を勝ち取るために戦った彼女たちの功績を讃えた。
 今回の大坂選手のCMもこういった流れにあるものだ。それは逆に言えば、ナイキの社会派CMのテーマになってしまうほど、日本のメディアによる質問はひどいということの裏返しでもある。
 このCMが流れることで、日本のメディアはこれまで大坂選手に投げかけてきた質問がいかに不適切だったかを受け止めざるを得ない。今後は少なくとも、「日本語で答えてください」という愚かな質問だけは、もう二度と飛ばないといいのだが。


きっかけは自らの不祥事なのに…NHK受信料「法廷闘争」の歴史
《自家用車のカーナビでも、NHK受信料の契約義務が生じる》
そんな驚きの判決が、東京地裁で下ったのは、5月15日のことだ。
テレビは持っていないが、テレビ放送が視聴できるワンセグ機能付きのカーナビを所有する女性が、契約義務がないことの確認をNHKに求めたこの裁判。女性は「カーナビは交通案内のため」と主張したが、東京地裁は「放送を受信する目的がないとは認められない」として、女性の訴えを退けた。
今年3月には、ワンセグ付き携帯電話にも、受信料の契約義務があるという判決が最高裁で確定している。元NHK職員でアゴラ研究所代表の池田信夫さんは次のように語る。
「まったく別の目的で購入した電化製品でも、ワンセグ機能が付いている限り、NHKと受信料契約を結ばないといけない。そんな判決が相次いでいます」(池田さん)
さらに、今までNHKが制限されていた、テレビ放送と同時のインターネット配信を可能にする放送法の改正案が、5月29日に現国会で成立した。これは、近い将来、スマホやパソコンで、ネットを通じたNHKのライブ視聴が可能になることを意味するのだが……。
「ネットに接続されているスマホやパソコンを持っていると、“NHKを受信できる”と見なされてしまうようになる。 NHKが受信料の支払いを求める根拠になってしまうでしょう」(池田さん)
世帯ごとに払わないといけないため、単身赴任中の夫や、進学のために下宿中の子どもがいる人は、今回の法改正で大きな影響を受けるかもしれない。
現在、地上放送のみ見られる契約だと月額1,310円、衛星放送も加えた契約だと月額2,280円(いずれも振り込みで月払い)となっている受信料。
NHKの収入の9割強が、この受信料によるもので、現在の“支払い率”は82%。契約の対象のうち、8割が受信料を支払っているが、NHKはこれを限りなく100%に近づけようとしているのだ。
「NHKは、国民すべてから受信料を取る方向に大きく舵を切ったと言っても過言ではありません」(池田さん)
■受信料の歴史
【1950年】放送法によって、特殊法人としての日本放送協会成立。
【1953年】テレビ放送開始。受信料はテレビとラジオの2本立て料金(200円)。
【1966年】受信料の支払い義務化をめぐる放送法改正が初めて国会で審議される。
【1970年代】番組内容が保守的として、受信料不払いが起こる。
【1989年】衛星放送の付加料金を導入。カラー契約受信料が月額1,000円を超える。
【2004年】紅白歌合戦なども担当したプロデューサーの巨額制作費の着服が発覚。ほかにも不祥事が報じられる。
【2006年】個人の受信料未払い者に支払い督促が申し立てられる。
【2009年】宿泊施設の受信料請求訴訟を起こす。
【2014年】東京地裁がビジネスホテルチェーン「東横イン」に全室分の受信料を支払うよう命じる。
【2015年】’17年度末での支払い率80%を目指す「ターゲット80」開始。
【2017年】テレビ設置で、受信料の契約義務と最高裁が判断。
【2019年】「ワンセグ付き携帯電話」の契約義務と最高裁が判断。カーナビの受信料は義務と東京地裁が判断。受信料収入が過去最高を記録。
じつはNHKが法的な措置をしてまで、受信料を徴収するようになったのは、この10年ほどのことだという。きっかけは’04年に発覚したNHKプロデューサーによる巨額の制作費着服事件だ。
多くの国民の怒りを買ったこの事件から、全国的に受信料の支払いを拒否する人が相次ぐ。事件前まで、78%前後を推移していた支払い率は、事件が発覚した翌年の’05年には、69%台まで落ち込んだ。
支払い率の激減に危機感を抱いたNHKは、受信料の支払い拒否者に対して督促状を送るように。さらに、受信料を払わない人を訴える例も出てきた。
裁判を辞さないNHKの方針に支払い率は急増。特に、大きな影響を与えたのが、受信契約を拒否した男性をNHKが’11年に訴えた裁判だ。受信料の問題に詳しい芝田総合法律事務所の高崎俊弁護士が解説する。
「テレビを持つだけでNHKと受信契約を結ぶことが、憲法で保障されている『契約の自由』に反するかどうかが争われました。1審も、2審もNHKの勝訴。’17年12月、最高裁判所が、NHKの受信料制度は合憲という判断を下し、裁判は終結しました」
最高裁は、NHK側の主張を認め、広く視聴者が負担する受信料の支払いを法的義務としたが。
「契約こそ成立しますが、受信料の支払いについては、NHKが個々に民事訴訟を起こして確定判決をとる必要があることも示されました。1世帯あたり年額1万3,000円ほどの受信料を取り立てるために訴訟を起こすのは、費用対効果が見合いません。NHKにとって“未払い問題”の根本的解決にならなかったのです」(池田さん)
それでも、一連の裁判は多くの国民にインパクトを与えた。NHK受信料の支払い契約数が急増し、’18年度の受信料収入は、前年度より209億円も増え、7,122億円と過去最高を記録した。
しかし、NHKの方針に違和感を持つ国民は少なくない。
NHKは’20年の東京五輪後から、総額1,700億円をかけて、新社屋の建設を開始する予定。また、役員の高額報酬や1,000億円を超す巨額な繰越金など、厳しく受信料を徴収しながら、放漫経営をしていると考える人も多い。
「4月の統一地方選挙で、『NHKをぶっ壊す』ことを“公約”に掲げた『NHKから国民を守る党』が大躍進し26人が当選しました。その根底には、NHKに向けられた国民の視線の厳しさを物語っているのです」(池田さん)


上野千鶴子「私が東大祝辞で伝えたかったこと」 MeTooと東京医科大問題で世論は耕された
治部 れんげ : ジャーナリスト
4月、東京大学の入学式で同大学名誉教授の上野千鶴子さんの祝辞が大きな話題となった。東京医科大の入試における女子差別問題、#MeToo運動に代表される性暴力の問題。そして何より、大学入学で喜ぶ新入生に「あなただけの努力でここまできたわけではない」ことを示しつつ、東大内のジェンダーギャップを明らかにした。
祝辞は即日、東大のウェブサイトに掲載され、多くのメディアが紹介した。しかし周囲の騒ぎをよそに、本人は「ずっと前から言っている、当たり前のことをエビデンスに基づいて言っただけです」と落ち着いている。日本を代表するフェミニストが祝辞で性差別を告発するに至った経緯とは。そして「当たり前のこと」とは一体何なのか。上野さんのこれまでの発言を多数収録した『上野千鶴子のサバイバル語録』の名言とともに紹介する。
祝辞は尊敬する方に「やりなさい」と背中を押され
■上野語録1:人の器と、理解力
人は自分の器に応じた理解力しかないからね。
『快楽上等!』
――東大入学式の祝辞は、日本国内の性差別を問題視する人をはじめ、多くの男女から熱狂的に支持されました。また「上野氏に祝辞を依頼した東大の意思決定」を評価する声もSNSで多数見かけました。一方で、入学式の祝辞という形で日本の性差別を指摘したことに拒否反応を示す人もいました。
上野千鶴子(以下、上野):東大から祝辞の依頼を受けたときは「ご冗談でしょう?」と思った。最初は断ろうと考えました。私は入学式も卒業式も、儀式というものがキライな人間ですから。
でも、学内には水面下で私をノミネートするために尽力してくださった方々がいることがわかりました。また、尊敬する方に相談したら「やりなさい」と背中を押されました。その方は東大嫌いなのに、勧めてくださった。だから受けることにしました。
祝辞の原稿は事前に大学へ提出していました。だから式の直後に大学のウェブサイトにも掲載されました。東大側から指摘を受けたのは、数字に関する訂正のみ。内容については何の干渉もありませんでした。感謝しています。
――祝辞は東大を超え、日本中で読まれて大きな反響でした。ウェブメディアはもちろん、ワイドショーでも祝辞原稿を紹介しながら、女性に対する差別を扱っていました。
上野:たくさんのメディアから取材依頼を受けましたが、ほとんどすべてお断りしました。読んでいただければわかるからです。その影響か、これまで刊行した本の売れ行きがよくなったようですね。
私は同じことをずっと言い続けてきました。すべてエビデンスのあることばかりです。今回も、ごく当たり前の正論を、祝辞の10分程度にまとめて話しただけ。
ただし、メッセージが届くような工夫はしました。大学の新入生は18歳。まだ子どもです。子どもにわかる言葉で伝わるよう、専門用語を使わないように努めました。
「男子を脅かさない存在であるべき」というプレッシャー
――子どもといえば、小学5年生の息子に上野先生の祝辞を読ませたら、納得しながら読んでいました。確かに、子どもにもわかるようにかみ砕いてお話しされていました。
一カ所だけ、東大女性が東大生であることを隠すというくだりは、小5男子には理解できないようでした。「日本でいちばん頭のいい大学でしょ。すごいよね。何で隠すの?」と。
上野:小学5年生といえば、11歳ですね。まだ、その年齢だと、東大女子が大学名を隠すような性規範に染まっていないかもしれません。多くの男女は第二次性徴の頃から、ジェンダー・ソーシャライゼーション(男の子向け/女の子向け社会化)を受けます。「男はこうあるべき、女はこうあるべき」という規範を刷り込まれていきます。
とくにメディアや少女漫画からの刷り込みは大きいですね。女子は男性を脅かさないかわいい存在であるべき、という有形無形のプレッシャーを感じることになります。小学生だと、まだそういう社会的な圧力を、男女共に感じていないのでしょう。
東大の女子学生比率が2割を超えない理由は、応募者が増えないからです。これを「女性の自己選択の結果だ」と言う人もいるようですが、先ほど述べたように、女子には「男子を脅かさない存在であるべき」というプレッシャーが働きます。親も「女の子は無理して東大を受けなくてよい」とか「東大に行ったらお嫁に行けない」などと誘導したりする。その結果「アスピレーション(達成欲求)のクーリングダウン(冷却)」が起きます。この部分だけは祝辞の中で、専門用語を使いました。自己選択そのものが、性差別の結果なのです。
女子が東大を受験しない理由については、あんなに短い祝辞の中でもすでに説明していますから、ちゃんと読んでくださいと言いたいですね。
――確かに、祝辞ではフェミニストとして長年、本や講演などで伝えてきた性差別の問題を具体的な事例とデータを交えて話しました。なぜ、今、ここまで広範な反響を呼び起こしたのでしょうか。
上野:私からすれば「ずっと同じことを言ってきた」気分です。
反響が大きかったのは、それを受け止める社会の側が変化したからでしょう。とくに昨年起きた2つの事件の影響が大きかったと思います。1つは福田淳一元財務次官のセクハラに伴う#MeTooの動きで、もう1つは東京医科大の性差別入試事件。この問題をめぐって、「世論が耕されていた」から、東大が私に依頼し、また聴衆とメディアに届く条件が生まれたのではないでしょうか。
「被害者でい続けることが新たな加害を生む」
■上野語録2:抑圧され続けたら、慣れてしまう
マルクスの絶対的窮乏論がなぜ誤りかというと、被支配階級というのは、抑圧し、抑圧し、抑圧し抜くと、反発して立ち上がるのではなく、抑圧に慣れるからです。
『結婚帝国』
――性暴力を告発する「#MeToo運動」を、どう評価しますか。
上野:よくメディアから「日本では#MeToo運動が盛り上がらないのはどうしてか」と聞かれます。すごく腹が立ちますね。性暴力について異議申し立てをしている人は大勢いるし、支援する人もたくさんいる。#MeTooについても、各地で集会や抗議の動きがあったのに、「メディアがきちんと報道しない」ことが問題ではないでしょうか。
伊藤詩織さんが自ら受けた性暴力を公表したことは、日本社会に大きな影響を与えたと私は思います。反応の中で最も印象に残っているのは、中島京子さんの『本の窓』(2018年1月号、小学館)での伊藤さんとの対談です。
中島さんは伊藤さんに対して「もし私たちの世代がちゃんと声を上げていれば、社会も少しは変わっていたかもしれない。詩織さんがひとりで頑張らなければならない状況にしてしまい、本当に申し訳ない」と謝りました。同じような謝罪を、新聞労連の女性が後輩に対して述べていました。
かつて性暴力被害を告発した女性たちは、同じ女性から冷ややかな視線を向けられました。「みっともない」「恥ずかしい」とか「いなすのが大人の女」と言われて被害を耐え忍んできた。でも、受忍は新たな被害を生んでしまうんです。
「被害者でい続けることが新たな加害を生む」というのは構造的な問題です。構造化された負の連鎖を断ち切るためにも、女性が被害者でい続けてはいけない。
被害者が自分の被害を告発するのは容易なことではありませんが、受忍することで被害者も加害の構造の加担者になることもあります。だから今回、年長世代の女性からセクハラを告発した女性に対する謝罪が見られたことは、大きな変化でした。
日本型経営は間接差別の温床になっている
■上野語録3:無能で横暴な上司に仕えるつらさ
宮仕えのつらさは自分より無能で横暴な上司に仕えるつらさ。それを「パワハラ」と表現できるようになったことは一歩前進ですが。
『身の下相談にお答えします』
――#MeTooと並んで日本社会のジェンダー問題に対する受け止め方を変えた事件として、東京医科大の入試における性差別を挙げています。
上野:これは言い訳無用の女性差別でしたね。入試という公平なはずの制度を差別的に運用する実態が明らかになりました。文部科学省も無視できなくなりましたし、社会に対するインパクトは大きかったと思います。だから東大の祝辞でも、この問題を取り上げました。
社会がこれだけショックを受けたというのに、この性差別入試に対する医療業界の反応は冷ややかでしたね。「必要悪」という反応がもっぱらでした。女性医師の側からも「男性医師たちのおかげで自分たち女性もサポートしてもらって感謝している」と、男性医師を「立てる」ような発言がありました。これが女性医師たちの生存戦略なのかと、胸が痛みました。
――医療業界の特殊な環境が問題ということでしょうか。
上野:いいえ。問題は医療業界に限らないはずですよ。ほかの職場でも同じことが起きているでしょう。ただ医師の職業が極端な長時間労働であるせいで、問題がクリアに見えるのでしょう。
病院に限らず、日本型経営は間接差別の温床になっています。長く同じ組織で働いている人、長時間労働している人だけを「正規メンバー」として認める仕組みだからです。そこでは育児や介護といったケア労働を担う女性は、「二流の戦力」として、メンバーにカウントされにくいのでしょう。
実際、東京医科大だけでなくほかの多くの私立医大では、女子合格者数を抑えるという操作を行っていました。ここまであからさまではなくても、日本の組織が女性を間接的に差別している例はたくさんあります。6月8日に日本学術会議主催の公開シンポジウム「横行する選考・採用における性差別:統計からみる間接差別の実態と課題」を実施しますから、よかったらいらしてください。そこでは医療、企業、教育、メディアなど各分野について、詳しい報告が行われる予定です。

またSゼロ/イノベーション?/QはWが多い

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Attaque au couteau au Japon : le domicile du suspect perquisitionné
Le domicile de l'auteur de l'attaque au couteau au Japon a été perquisitionné mercredi.
La police japonaise a perquisitionné mercredi le domicile de l'homme qui, armé de couteaux, a attaqué mardi un groupe d'enfants près de Tokyo, tuant une écolière et un parent d'élève. L'agresseur de 51 ans, Ryuichi Iwasaki, est mort après avoir retourné son arme contre lui, et son mobile demeure pour l'heure inconnu.
Les enquêteurs ont passé au peigne fin sa maison, située non loin des lieux du crime, à la recherche d'indices pour tenter de comprendre ce qui a pu le pousser à commettre ces meurtres, selon des images diffusées sur la chaîne de télévision publique NHK. La police n'a pas fait de commentaire. Les médias locaux ont rapporté qu'il vivait avec son oncle et sa tante, octogénaires.
Un acte "atroce", selon le Premier ministre japonais
NHK a révélé que d'autres membres de sa famille avaient, entre novembre 2017 et janvier 2019, exprimé à 14 reprises auprès des autorités municipales des préoccupations à son sujet. Ils leur ont indiqué qu'Iwasaki était sans emploi depuis longtemps et s'étaient inquiétés de sa tendance à se couper du monde. Mais ces proches auraient par la suite dit aux autorités locales de ne pas le contacter, selon les responsables cités.
Cet acte ≪atroce≫, selon le terme du Premier ministre Shinzo Abe, est survenu mardi peu avant 8 heures du matin dans la ville de Kawasaki, au sud de la capitale japonaise. L'agresseur a surgi en silence au moment où les enfants attendaient leur bus scolaire, avant de les frapper un par un dans la file.
Une fille de 11 ans et un diplomate de 39 ans, père d'une élève, ont succombé à leurs blessures. Dix-sept autres personnes ont été blessées, pour la plupart de jeunes enfants, ont précisé les autorités.
Une attaque de moins de 20 secondes
L'attaque a duré moins de 20 secondes, selon des informations de presse, citant des sources policières. Outre les deux armes du crime, deux autres couteaux ont été découverts dans le sac à dos du suspect, qu'il avait laissé dans une supérette à proximité. L'école Caritas sera fermée pour le reste de la semaine, et une aide psychologique prodiguée aux élèves.
Ce genre de fait divers est rare au Japon, considéré comme un pays très sûr, où les jeunes écoliers se rendent souvent seuls à l'école, à pied ou par les transports en commun. ≪Les différents services du gouvernement vont travailler de concert pour assurer la sécurité des enfants≫, a promis mercredi le porte-parole de l'exécutif, Yoshihide Suga, à l'issue d'une réunion ministérielle sur le sujet.
L'ensemble du pays était sous le choc, et de nombreux habitants déposaient mercredi des fleurs sur la scène du drame en hommage aux victimes. Il y avait aussi de nombreuses bouteilles de soda et de jus de fruits, la coutume voulant au Japon qu'on apporte des boissons et mets qu'appréciait particulièrement le défunt.
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Rはいつもより少ない感じだけどまあまあいい感じなのに対し,またSゼロでした.どうしたら?
イノベーション?に関してメールが来ました.面倒なのでとりあえず放置.
夕方のQはWが多かったです.みんな頑張って!

<東日本大震災震災・3000日>明かりの向こう、あの人思う 石巻・追悼イベント
 東日本大震災の発生から3000日が経過した28日、犠牲者を悼む3000個の明かりが石巻市南浜町の「がんばろう! 石巻」看板近くにともされた。
 地元有志らでつくる実行委員会と「がんばろう! 石巻の会」が「追悼の灯(あか)り」として企画。看板前に灯籠1000個と発光ダイオード(LED)電球2000個を並べ、「3.11追悼 3000日」のメッセージを浮かび上がらせた。
 灯籠には「いつまでも忘れない」「未来のための一歩を支援していきたい」などのメッセージが書き込まれた。
 石巻の会の遠藤伸一会長(50)は津波で3人の子どもを失った。「いろんな人に寄り添ってもらい、生かされてきた3000日間だった。人間は捨てたもんじゃないって子どもたちに教えてもらった」と思いをはせた。


<陸前高田市>民泊修学旅行が大人気 前年度の3倍に 受け入れ家庭の拡充急務
 東日本大震災で被災した陸前高田市を民泊修学旅行で訪れる中高生が増えている。市民と触れ合いながら震災体験や生き方を学んでもらう取り組みは2016年度に始まり、本年度は前年度の3倍に達する見通しだ。一方で受け入れ家庭の拡充が急務になっている。
 村上金吾さん(62)、洋子さん(61)夫妻は14〜16日、神奈川県横須賀市浦賀中の3年生5人を受け入れた。震災の犠牲者を悼む五百羅漢像など市内を案内し、バーベキューで地元の海産物を振る舞った。
 震災発生時に釜石市釜石東中の副校長だった洋子さんは、想定にとらわれない避難の大切さを伝えて「自分の命は自分で守れる大人になって」と語った。金子みのりさん(14)は「事前学習では分からないことが多くあった」と振り返る。
 陸前高田市の民泊修学旅行受け入れ実績はグラフの通り。本年度は全国12校の2553人を見込む。首都圏を中心に、新たに関西からも訪れる予定だ。
 滞在中の過ごし方は受け入れる家庭によってさまざま。調整窓口を担う一般社団法人「マルゴト陸前高田」理事の古谷恵一さん(31)は「震災学習にとどまらず、心の触れ合いが思春期の生徒たちに深い印象を残しているようだ」と話す。
 民泊修学旅行がきっかけで移り住んだ若者もいる。17年度に高校2年で訪れた鈴木空慈(こうじ)さん(18)は今春、神奈川県から転居してリンゴ農家を手伝う。農業や地方の生活に関心があり「人付き合いの深さが陸前高田の魅力」と語る。
 ただ、受け入れ家庭は約150世帯にとどまっているのが現状だ。生徒にどんな取り組みをさせるか、頭を悩ます家庭も少なくないという。
 そこでマルゴト陸前高田は本年度、受け入れ家庭や市民による情報交換を始めた。体験施設や飲食の割引券も提供し、負担軽減と地域活性化を図る。古谷さんは「まち全体で受け入れる雰囲気をつくりたい」と意気込んでいる。


デスク日誌 津波殉難の碑
 秋田の人々にとって、5月26日は忘れられない悲しい記憶を刻む日だ。1983年のこの日、日本海中部地震が発生した。104人が亡くなりこのうち100人が津波の犠牲になった。
 秋田県に特に被害が集中し、83人が死亡した。男鹿半島では合川町(現北秋田市)から遠足に来ていた合川南小の4、5年生が加茂青砂海岸で津波にさらわれ、13人が命を落とした。
 秋田市で生まれ育った私は当時高校2年生。5月26日は中間試験期間中で、ちょうど正午に地震が起きた時は下校しかけたところだった。激しい揺れに自転車を下りてしゃがみ込んだ。
 高校を卒業して秋田を離れても、合川南小児童の悲劇を折に触れて思い出していた。地震発生から36年間一度も足を運ぶ機会をつくれなかった加茂青砂海岸を、今月上旬訪ねた。
 小さな浜だった。のどかな岩場で、親子連れが魚捕りを楽しんでいた。
 旧加茂青砂小の校舎に近い浜を一望する所に津波殉難の碑があった。「十三のみ魂よともにたわむれん 光あふるる今日の浜辺に」と文字を刻んでいた。あの日の無念を改めて思い、碑の前で手を合わせた。 (秋田総局長 松田博英)


「モッコ」のデザイン発表
「復興五輪」を掲げる来年の東京オリンピック・パラリンピックの文化プログラムの1つとして、東日本大震災の被災地からのメッセージを世界に発信する取り組みが行われます。
その象徴として、東北を巡る巨大な人形のデザインが29日、仙台市で公開されました。
公開されたのは、鳥をイメージした“かぶと”をかぶり、カラフルな“みの”をまとった、「モッコ」と名付けられた人形の模型で、実際には10メートルを超える大きさになります。
デザインは、宮城・岩手・福島の子どもたちも加わって練り上げられたもので、参加した子どもたちの代表が、催しを監修する福島県出身のクリエイティブディレクター、箭内道彦さんとともに発表会に臨みました。
「モッコ」の名付け親は、脚本家などとして活躍する宮城県出身の宮藤官九郎さんで、お調子者を表す宮城の方言、「おだづもっこ」の「もっこ」という語源に「持ち籠」という意味があり、“被災地の思いをかごに集めてほしい”という願いが込められています。
「モッコ」は来月から長野県で制作され、今年中の完成を目指します。
そして、来年5月から、震災の被災地である岩手県陸前高田市や岩沼市、福島県南相馬市などを巡り、復興支援への感謝の言葉などさまざまなメッセージを集めて国内外に発信する予定です。
箭内さんは、「復興が遅れているところはそのような現状も含めて、この人形に託してもらい、その思いを発信していきたい」と話していました。


<世界少年野球>福島市で7月30日から開催 王氏「復興に役立てば」
 福島市で今夏開催される第29回世界少年野球大会の詳細が28日に発表され、東京都内のホテルで記者会見した世界少年野球推進財団の王貞治理事長は「子どもたちが笑顔でプレーし、それぞれの国に帰って福島の経験を話してくれることで、復興や風評被害払拭(ふっしょく)に少しでも役立てばいい」と話した。
 大会は、野球の普及や子どもたちの国際交流などを目的に、推進財団などが1990年から開催している。今回は7月30日〜8月7日、福島市の福島県営あづま総合運動公園などで開かれる。東北での開催は96年の盛岡市以来。
 日本を含め14カ国・地域の10〜12歳約220人が参加。期間中は野球教室や、台湾のチームと福島県内6チームとの交流試合が行われるほか、土湯こけしの絵付け、モモ収穫などの体験なども催される。
 2020年東京五輪では、福島市の県営あづま球場が野球・ソフトボールの会場となる。王氏は「県、市と力を合わせて盛り上げて、五輪につなげたい」と決意を語った。
 会見には、内堀雅雄県知事や木幡浩福島市長らも同席。内堀知事は「福島の復興が進む姿、魅力を感じてほしい」、木幡市長は「五輪へ有意義なリハーサルにもなる」などと強調した。


<原発事故集団訴訟>福島地裁が今秋以降に異例の和解勧告へ
 東京電力福島第1原発事故の初期被ばくや自主避難による家族の分断などで精神的被害を受けたとして、福島県中通り地方の住民でつくる「中通りに生きる会」の会員52人が東電に計約9800万円の損害賠償を求めた訴訟で、福島地裁が和解を勧告する方針を固めたことが28日、分かった。
 第1原発事故後、各地の住民が提起した集団訴訟で和解勧告が出るのは極めて異例。和解が成立すれば全国初とみられる。
 和解勧告は住民側が求めていた。関係者によると、地裁が今秋以降に勧告し、個別の支払額を算出した和解案を示すとみられる。東電は28日の非公開協議で「裁判所から和解案が出れば真摯(しんし)に検討する」と述べたという。
 生きる会の平井ふみ子代表(70)は取材に「和解勧告が出る見通しとなり安堵(あんど)している。東電は和解案に向き合い、誠実に対応してほしい」と話した。
 訴えによると、20〜70代の会員は事故当時、福島市や郡山市など6市町に住んでいた。いずれも避難指示区域外で、東電の賠償額は精神的慰謝料を含め一律12万円。住民側は損害内容は個人で異なるとし、1人当たり110万〜900万円の賠償を求めた。


河北抄
 かなり昔のこと。仙台市表柴田町、仙台一高南側に木製の標柱が立っていた。「林子平終焉(しゅうえん)の地」とあった。風雨にさらされて朽ち果て40年前に撤去された。
 子平は、鎖国の惰眠をむさぼる国情を憂い、『海国兵談』などで海岸防備の大切さを説く。江戸幕府の怒りを買って仙台藩士の兄の家に幽閉され、56歳で没した。興の向くまま行動し、人を食った奇行の持ち主だったとか。
 戦前は軍部のバックボーンとして利用され、戦後は平和と国際協調の下で隅に追いやられと世評はぐるぐると巡る。死してなお、落ち着く先が見つからない。
 昨夏、同じ地に縦75センチ、横100センチの説明板が建てられた。肖像画やマップなど4枚の写真を載せ、「ゆかりの地」と銘打っている。「列強に脅かされる幕末情勢を予見した子平は郷土の誇り」と仙台市文化財課が設置した。
 思想や主義主張の波間から解放され、安住の地を得てほっとしているだろうか。こだわり性の彼のこと。「せっかくなら、目立つように大きく作ってほしかった」と言っているような気もする。


再生100万回でございま〜す サザエさん、宮城県観光PR動画
 人気アニメ番組「サザエさん」の一家が登場する県の観光キャンペーン動画第1弾の再生回数が28日、県による動画投稿サイトでの公開開始から約2週間で100万回を超えた。県は7月まで動画を追加し、旅行シーズンに向けて誘客を強化する。
 動画は、サザエさんたちが県内の観光地を巡る「サザエさんの愉快なタビ」。第1弾の県南編は15日に公開され、宮城蔵王キツネ村(白石市)や蔵王のお釜(蔵王、川崎両町)などが登場する。
 27日には新たに三陸編も公開された。一家が南三陸さんさん商店街(南三陸町)や十八鳴(くぐなり)浜(気仙沼市)などを訪れ、東日本大震災で被害を受けた地域の観光資源をアピールする。
 県がアニメを使ったPR動画を作るのは初めて。テレビ番組を手掛けるエイケン(東京)の制作スタッフが実際に現地を取材し、描き下ろした。
 県観光課の担当者は「動画を見た県内外、世界の人が、サザエさん同様に親子3世代で宮城を楽しんでほしい」と話す。
 第3弾の仙台・松島編は6月中旬、第4弾の県北編は7月上旬にそれぞれ公開する予定。
▽サザエさんの愉快なタビ =宮城県 県南エリア編=
▽サザエさんの愉快なタビ =宮城県 三陸エリア編=


参院選 野党が石垣氏で一本化
夏の参議院選挙に向けて、立憲民主党など野党5党派の党首らが会談し、宮城選挙区について、候補者を一本化することで合意しました。
これにより、共産党は候補者を取り下げ、立憲民主党が擁立する石垣のりこ氏と、自民党の現職の愛知治郎氏が争う構図となる見通しとなりました。
29日、立憲民主党、国民民主党、共産党、社民党など野党5党派の党首らが会談し、夏の参議院選挙の対応を協議しました。
その結果、宮城選挙区について、候補者を一本化することで合意しました。
これを受け、共産党は、擁立している舩山由美氏の立候補を取り下げることになりました。
これにより、参議院選挙の宮城選挙区は、立憲民主党が擁立する石垣のりこ氏と、自民党の現職の愛知治郎氏が争う構図の見通しとなりました。
野党間で候補者を一本化することについて、共産党宮城県委員会は、「1人区で野党が多くの議席を獲得し、改憲勢力を減らすことが大切だ。前回・3年前の参議院選挙のように、野党が議席を勝ち取るために力を合わせていきたい」としています。
一方、社民党宮城県連合は、幹部会を開き、石垣氏を支援することを決定しました。
会合のあと、社民党県連合の岸田清実代表は記者会見し、「野党共闘が絵に描いた餅にならないよう調整を進め、今の国会の現状や政治を変えていくため、共闘していきたい」と述べました。
また、石垣氏も同席し、「野党間で候補者が一本化されることで、有権者にとっては非常にわかりやすい構図になるのではないか。自分の考えをしっかり伝えられるよう、取り組んでいきたい」と述べました。


<旧優生保護法国賠訴訟>「生きる気力失った」原告飯塚さん無念 積年の願い砕かれる
 うつろな目で天井を見上げる。じっと下を向く。ボールペンを握った手はほとんど動かない。本当なら判決の内容をメモするはずだった。
 仙台地裁で28日にあった旧優生保護法を巡る国家賠償請求訴訟の判決。裁判長が主文を言い渡すと、原告の飯塚淳子さん(70代、活動名)=宮城県在住=は息をのんだ。
 強制不妊手術を強いられたのは約60年前。16歳の時だった。旧法の違憲性を認めながらも飯塚さんらの請求を棄却した判決は、積年の願いを打ち砕いた。
 「人の人生を無理やり奪った責任が問われないなんて…。生きる気力がなくなった。もう疲れた」。閉廷後、声を絞り出した。
 午前11時半。判決を3時間半後に控え、飯塚さんは裁判所の中を落ち着かない様子で歩いていた。
 「(訴訟を経て救済の道が開けた)ハンセン病問題の経過も見てきた。ずっと『次は私たちの番なんだ』と信じてきた」。新たな気持ちで臨もうと、髪も切った。
 午後2時半。弁護団や支援者らの列に加わり、法廷に向かった。隣の女性弁護士と談笑する表情に、勝訴への期待感がにじんでいた。
 午後3時。「原告らの請求をいずれも棄却する」。裁判長が間を置くと、傍聴席は静まり返った。法廷を飛び出した原告側代理人が扉を閉める音が響く。
 傍聴席で多くの支援者がうつむいた。飯塚さんが座ったのは裁判長の正面、最前列の中央だった。眼鏡を外し、汗を拭く。自分の腕をつかみ、首を振った。
 これまで周りで仲むつまじい親子を見ると、うらやましかった。被害を訴え出て約20年。仲間はなかなか名乗り出なかった。昨年1月、60代女性が地裁に提訴したことで潮目が変わった。旧法に関する議論は広がり、国会で救済法も成立した。
 「1人だったら諦めていた」。感謝は尽きない。だからこそ、国に賠償と謝罪を命じる判決に期待していた。
 午後4時すぎ。判決後の記者会見。「国の責任が認められず、納得できない。国には高齢化する被害者に誠意ある対応を求めたい」。途切れ途切れに、言葉を紡いだ。
 同席した弁護士や60代原告女性の義姉が控訴に向けた決意を語る中、飯塚さんは今後について言葉を濁した。「諦めたくはない。でも今までの闘いは長過ぎた」。会見後、静かにつぶやいた。


<旧優生保護法国賠訴訟>賠償請求は棄却 仙台地裁、初の判決「救済 立法府の裁量」
 旧優生保護法(1948〜96年)下で不妊手術を強制された宮城県の60代と70代の女性2人が国に計7150万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、仙台地裁は28日、旧法の違憲性を認めた上で「具体的な救済の在り方は立法府の裁量に委ねられる」として女性側の請求を棄却した。女性側は控訴する方針。判決は全国7地裁で提起された一連の訴訟で初めて。
 中島基至裁判長は旧法を「個人の尊厳を踏みにじるもので、誠に悲惨というほかない」と批判。旧法に基づく強制不妊・避妊手術は憲法13条で保障する幸福追求権から導かれる「子を産み育てるかどうかを意思決定する権利(リプロダクティブ権)」を著しく侵害し、優生手術を認めた規定は「違憲で無効」と断じた。
 優生手術が全国的に行われた経緯にも触れ「優生思想は社会に根強く残っていた。法の存在自体が権利侵害に対する損害賠償請求権を行使する機会を妨げた」と述べた。
 リプロダクティブ権を巡っては「国際的に広く認められているが、国内では現在に至るまで議論の蓄積がなく、関連する司法判断もない」と指摘。女性側が主張する被害救済の措置を「必要不可欠」と認めながらも「少なくとも現時点では救済措置の必要性が国会で明白であったとは言えない」と結論付けた。
 不法行為から20年がたつと賠償請求権が消滅する民法の除斥(じょせき)期間に関しては、旧法廃止前に被害者が訴え出ることは事実上不可能だったと認めつつ手術の被害にも適用されるとし、「除斥規定は優生手術に適用する限り違憲で無効」とした女性側の主張を退けた。
 原告弁護団長の新里宏二弁護士(仙台弁護士会)は閉廷後の記者会見で「違憲判決が出ても救済につながらなければ結論として評価できない。地裁判決は通過点だと認識している」と述べた。
 判決後、山下貴司法相は法務省内で取材に応じ「旧法の下で優生手術を強制された方には深くおわびする。判決の中身を精査し、今後の関連訴訟への対応を検討したい」と話した。
 旧法を巡っては、4月下旬に救済法が成立。手術の被害者に一律320万円の一時金が支払われる内容が盛り込まれた。
[旧優生保護法]「不良な子孫の出生を防止する」という優生思想に基づき、1948年に施行された。遺伝性疾患や知的障害、精神疾患などを理由に不妊手術や人工妊娠中絶を認めた。不妊手術の場合、医師が必要と判断すれば本人同意がなくても都道府県の優生保護審査会の決定を基に強制的に実施でき、53年の旧厚生省通知は身体拘束や麻酔薬使用、だました上での施術を認めた。差別的条項を削除した母体保護法に改定される96年までに約2万5000人に不妊手術が行われ、うち約1万6500人は強制だったとされる。


<旧優生保護法国賠訴訟>解説/不作為問わず国に配慮
 旧優生保護法を巡る一連の訴訟で初の仙台地裁判決は、旧法下の優生手術の違憲性を前提に救済措置を怠った国の立法不作為を指摘しながら、国会で救済の必要不可欠性が明白ではなかったとして賠償責任を免じた。矛盾するようにも見える判断には、司法の立法権への配慮が垣間見える。
 子を産み育てるかどうかを意思決定する権利(リプロダクティブ権)を永久に奪う優生手術は憲法の根幹と言える基本的人権の侵害で、司法の役割からして違憲判決は既定路線だった。
 判決は憲法下の司法権と立法権の関係を強調した。具体的な救済制度の構築は「国会の合理的な立法裁量に委ねられる事柄」とし、国会で救済の必要不可欠性が明白と認められない場合は立法不作為は違法とならない、とする判例の判断枠組みを踏襲した。
 仮に立法不作為を違法と認めて賠償を命じた場合、司法が立法裁量に踏み込まざるを得ない場面が生じる。前例がないわけではない。ハンセン病や薬害肝炎の問題は、司法判断を受けて救済制度の整備が進んだ。
 除斥期間の規定が優生手術に適用されないとしても、数十年前に受けた手術の立証は困難を極める。被害者は高齢化しており、時間の経過とともに救済は難しくなる。補償立法の策定を放置し続けた国の責任は、他の立法不作為が問われた訴訟より際立っていた。
 本来なら訴訟に至る前に何らかの救済を目指すべき問題だ。判決を前に救済法が成立したとはいえ、深刻な人権侵害を看過した国の不作為に賠償責任を問えないとした地裁の判断には苦心の跡がうかがえた。ただ、優生思想に抑圧され、声を上げることさえままならず、司法に救済の道を託した被害者の期待を裏切る結果となった。(報道部・横山勲)


<旧優生保護法国賠訴訟>違憲判断 肩透かしに 代理人、救済に闘志
 「山の8合目まで登って下りてきた印象だ」。旧優生保護法(1948〜96年)下で強制不妊手術を受けた女性2人の国家賠償請求を退けた28日の仙台地裁判決。閉廷後に仙台市内で記者会見した原告の代理人らは旧法の違憲性を認めた点を評価しつつ、「結果が大事。違憲判断を通過点として被害救済につなげたい」と次なる闘いを見据えた。
 原告弁護団長の新里宏二弁護士(仙台弁護士会)は旧法が憲法13条に違反するなどとした地裁の判断に触れ「勝ち筋の判決だと思った。(控訴審では)さらに事実を積み重ね、努力をしろと求められた」と前向きに受け止めた。
 原告側が主張した国の賠償責任は認められず「肩透かしだ。登山は残り2合が大変だが、裁判所のようにUターンせずに進みたい」と述べた。
 「根強く残る優生思想が正しく克服され、新たな令和の時代には何びとも差別なく幸福を追求できる社会となり得るように」とする裁判長の付言については「一定の思いを込めたのかもしれないが、私たちは優生思想を克服するために、美辞麗句ではなく闘い続けなければいけない」と強調した。
 「どんな時代であっても差別のない社会にするのは当たり前。裁判長は賠償請求を認めた上で、付言するべきだ」。原告の60代女性の義姉も、判決に疑問を呈した。
 4月に成立した救済法に基づく一時金の申請は東北では進んでいない。
 義姉は「被害者は体、心、家族を痛めつけられた。件数が少ないのは痛みの重さが理由だ」と指摘。旧法に対する違憲判断を踏まえ「被害者や家族が『自分は間違っていなかった』と安心できる。声を上げてほしい」と訴えた。


<旧優生保護法国賠訴訟>司法判断前に救済法が成立 異例のケース
 ハンセン病や薬害C型肝炎などの問題では、国家賠償請求訴訟の判決を踏まえて救済法ができた。旧優生保護法下での強制不妊問題は司法判断が出る前に法律が成立した珍しいケースだ。
 被害者の高齢化を踏まえ与野党が制定を急いだ。国の法的責任は棚上げにし、一時金320万円を一律支給する内容。ただ補償の増額や国の直接的な謝罪を求める声も上がっている。
 ハンセン病訴訟で熊本地裁は2001年、患者隔離政策を違憲と認め国に賠償を命じた。小泉純一郎首相(当時)が控訴断念を決め、直後に議員立法で補償金支給法が成立。入所期間に応じて元患者に800万〜1400万円が支払われた。
 血液製剤による薬害C型肝炎では、各地の集団訴訟で原告勝訴が続き、福田康夫首相(同)が一律救済を表明し、1200万〜4千万円を給付する特別措置法が08年に成立した。
 集団予防接種での注射器使い回しが原因のB型肝炎問題は、06年の最高裁判決が国の責任を認定。その後の訴訟で提示された和解案を、国と患者側の双方が受け入れ、11年に特措法が成立した。


<旧優生保護法国賠訴訟>一時金申請 東北は25件 個別周知探る動きも
 旧優生保護法下の強制不妊手術を巡り、救済法に基づく一時金(320万円)の申請が東北で25件(26日現在)にとどまっている。救済法施行から1カ月が過ぎ、窓口を担う各県には個別周知を探る動きもある。
 救済法が施行された4月24日以降に寄せられた6県の申請、相談件数は表の通り。いずれも宮城が最多となり、次いで申請が多いのは秋田だった。青森、岩手では申請はなかった。
 各県の担当課によると、自身や家族が一時金の対象か否かを確認する問い合わせが多いという。秋田県保健・疾病対策課の担当者は「当初は手探りだったが、想定よりも関心を持つ人が多い」と話す。
 旧厚生省の統計によると、東北で強制手術を受けた可能性があるのは約2800人。被害救済に当たる弁護士らからは個別通知を求める声もあるが、国が都道府県に慎重な対応を求めていることもあってほとんど実施されていない。
 ホームページや病院へのチラシ配布などで周知を図っている山形県は「一人でも多くの当事者に知らせる必要がある」(健康福祉企画課)との考え。個別通知の可能性を含めて検討を始めた。
 いち早く個別通知の方針を打ち出した鳥取県は、法の成立前から職員が被害者を個別に訪問。これまで生存を確認できた6人のうち5人と会い、一時金申請の意思を確認するなどした。同県福祉保健課の担当者は「救済法は謝罪が趣旨。行政側が当事者の元に出向くべきだ」と指摘する。
 各県は申請を受け付けると、市町村や病院に記録や診断書などの有無を照会し、申請書とともに国に送る。宮城県子ども・家庭支援課は「どのような資料が関係機関に残り、国の審査会の判定に影響するか現状では分からない。幅広く対応するしかない」と話す。


強制不妊国賠訴訟/違憲判断の意義極めて重い
 「不良な子孫の出生を防止する」として、障害者たちの生殖機能を奪った旧優生保護法(1948〜96年)は憲法に反する。憲法判断に踏み込み、基本的人権の侵害を明確に認めた判決が出た。
 原告の訴えを棄却し国に対する損害賠償は退けたが、判決が旧法を違憲だと断じた意義は極めて重い。国は判決の趣旨を重く受け止め、かつての施策の非と責任を認めて、今後、被害者の救済を丁寧に進めていくべきだろう。
 旧法下で不妊手術を強制されたのは違法だとして、宮城県の60代と70代の女性2人が国に計約7150万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、仙台地裁は28日、旧法の違憲性を認めた。しかし、20年で賠償請求権が消滅する民法の「除斥期間」を理由に、賠償請求は認めなかった。
 旧法の憲法適合性は訴訟の焦点の一つ。判決は幸福追求権などを規定した憲法13条に照らし「子を産み育てるかどうかを意思決定する権利(リプロダクティブ権)」は憲法上保障される個人の基本的権利だと認めた。リプロダクティブ権は国際的には広く普及しつつあるが、日本で認めた司法判断は今回が初めてだ。
 判決は旧法の規定を「子を望む者にとっての幸福を一方的に奪い去り、個人の尊厳を踏みにじるものだ」と断じ、制定当初から違憲だったと認定した。優生思想によって障害を理由に人の命に優劣をつけ、選別する。そうした不妊手術はリプロダクティブ権の重大な侵害に当たる。そう明言した点は評価できる。
 だが、一方で釈然としない点も残る。原告側は、被害者らが手術の違法性を認識し裁判で被害回復を図るのは事実上不可能だったと指摘。国会などには被害救済の立法措置を怠った「立法不作為」の過失があったと主張した。
 判決も、被害者が損害賠償を請求することは現実的には困難だったと認め、救済のための立法措置が必要だったと明確に指摘している。
 しかし、それにもかかわらず、リプロダクティブ権について法的議論の蓄積が少ないという理由で、国会の立法措置が必要不可欠だとは明白ではないとして、立法不作為を認めなかった。こうした論理は原告にとっては承服しがたいのではないか。
 判決は除斥期間の経過によって賠償請求権は消滅したとしているが、被害者にとって産めた可能性のある子どもを奪われた苦しみは生涯続き、被害に時効はない。
 4月に成立した救済法は一律に一時金320万円を支払うとした。だが、旧法の違憲性を明記しないまま、責任の主体もあいまいだ。一時金の額についても本当に妥当かどうか再考が必要だろう。
 国は、憲法に反した人権侵害を認めた今回の判決を重く受け止め、違憲性の明記や一時金の増額など救済法の見直しを進める必要がある。


強制不妊で初の判決 「違憲」認定の意味は重い
 旧優生保護法に基づく強制不妊手術を受けた女性らが国を相手に損害賠償を求めて起こした裁判で、仙台地裁は旧優生保護法について「憲法違反」との初の判断を示した。
 人間が生まれながらに持っている「性と生殖に関する権利(リプロダクティブライツ)」を旧優生保護法が奪ったとして、憲法13条の幸福追求権に違反すると明確に判断した。
 判決は画期的であり、その意味は極めて重い。
 先月国会で成立した救済法は違憲性については触れず、おわびの主語も「我々」とされ、政府や国会の責任はあいまいだった。
 仙台地裁は「一生涯にわたり救いなく心身ともに苦痛を被り続ける。権利侵害は極めて甚大」と述べた。国会は救済法を見直すべきである。
 一方、損害賠償については、原告の訴えは退けられた。不法行為から20年過ぎると損害賠償請求権がなくなる「除斥期間」が定められている。今回の原告は被害から50〜60年が過ぎているというのが理由だ。
 しかし、除斥期間を過ぎても「特段の理由」で訴えが認められた判決も過去にはある。旧優生保護法を違憲としながら原告の訴えを認めない判決には疑問が残る。
 国会が長年救済の立法措置を怠ったことについても責任は認められなかった。リプロダクティブライツの法的議論の蓄積が少なく、立法措置をしないことの違憲性に関する司法判断もなかったことが理由だ。
 ただ、判決では「手術の情報は個々のプライバシーのうち最も他人に知られたくないものの一つ」「本人が客観的証拠を入手すること自体も相当困難」として、除斥期間内に損賠請求をするのは「現実的には困難」とも認めている。
 被害にあった障害者の多くはもともと判断能力にハンディがあり、すでに高齢にもなっている。何重にもわたって自ら声を上げられない構造の中に放置されてきたのである。
 そうした特殊性を考えれば、政府は積極的に救済措置を取るべきだったと言わざるを得ない。
 現在ほかにも全国6地裁で強制不妊手術をめぐる国賠訴訟が継続中だ。政府と国会が自らの責任を明確に認めない限り、被害者との真の和解は得られないだろう。


強制不妊は違憲 人生踏みにじる罪深さ
 障害を理由に不妊手術を強制された−。非人道的な旧優生保護法を仙台地裁は「違憲」と認めつつ、原告の賠償の求めは退けた。無念だろう。人生を踏みにじられた人には誠実な救済を急ぐべきだ。
 国家の罪と呼んでもいいほどだ。一九四八年に施行された同法は、超党派の議員による議員立法だった。「不良な子孫の出生を防ぐ」目的で、遺伝性疾患や精神障害の人に本人の同意がなくても不妊手術ができる内容だった。
 手術を受けた障害者らは約二万五千人、このうち実に約一万六千五百人は本人の同意がなかった。被害の賠償を求め、東京、静岡など計七つの地裁で起こされている裁判でもある。
 法の根にある優生思想により、子どもを産み育てたいという希望は踏みにじられた。幸福追求権も無視されたのだ。だから、仙台地裁が「幸福の可能性を一方的に奪い去り、個人の尊厳を踏みにじるもので、誠に悲惨」と述べ、同法を「違憲」としたのは当然だ。
 だが、原告の求めを退けたのは納得いかない。損害賠償の請求権が消える除斥期間(二十年)を既に経過したという。不妊手術からも、法改正の九六年からも…。だが、原告にその期間に訴訟を起こすことは現実的にできたのか。
 あまりに杓子定規(しゃくしじょうぎ)な考え方ではないか。苦しんでいる人に寄り添わない判決は、冷酷である。確かに国会は今年、救済法をつくり、政府が一人三百二十万円の一時金を支給するとした。「おわび」の首相の談話も発表された。
 それでおしまいならば、障害者だけが大きな犠牲を背負うことになる。最も重い責任は、非人道的な法をつくった立法府、問題を知りつつ放置してきた行政にあるはずである。例えば旧厚生省は四九年の通知で、公益目的があり、「憲法の精神に背くものではない」とも見解を示していた。
 行政の責任が明確化されず、司法から追及されないのはおかしい。政府自身、責任をもっと自覚すべきであろう。このままでは真の救済にも謝罪にも遠い。被害者が求める賠償額とも開きがある。手術後に体調不良に苦しんだり、結婚の機会を奪われた人もいる。被害は時間を経ても積み重なっていると考えるべきだ。
 手術の資料などは廃棄されたり、証言できる家族が死亡している実態もある。早く被害の全体像を明確にし、血の通う救済に全力を挙げねば個人の尊厳は回復されない。


強制不妊「違憲」 真の救済につなげたい
 旧優生保護法下で障害を理由に不妊手術を強制されたとして、宮城県の女性2人が国に損害賠償を求めた訴訟で、仙台地裁はきのう、旧法の違憲性を認めた。
 判決は「子を産み育てるかどうかを意思決定する権利(リプロダクティブ権)は憲法に照らし、人格権として尊重されるべきだ」と初めて判断した。
 旧法を違憲と認めた意味は極めて大きく、国は判決を重く受け止めるべきだ。
 にもかかわらず、地裁がこうした権利を認めつつ、さまざまな事情を考慮して原告の請求を退けたのは、疑問が残る。
 弁護団は控訴する方針を示している。上級審でさらに審議を深めてもらいたい。
 旧法について、地裁は「子を産み育てる幸福の可能性を一方的に奪い去り、個人の尊厳を踏みにじるものであり、誠に悲惨」と認定した。権利侵害の程度も極めて甚大と認めた。
 あまりに深刻な被害の実態に照らせば、当然と言えよう。裁判所に求められながら、違憲性の認否をかたくなに避けてきた国の姿勢は不誠実極まりない。
 一方で、判決は、日本ではリプロダクティブ権を巡る法的議論の蓄積が少なく、司法判断もなされてこなかったとし、国会による立法不作為の責任を否定した。
 加えて、不法行為から20年を経過すると損害賠償請求権が消滅する除斥期間の適用についても、国の主張をほぼ認め、原告の請求を退けた。
 判決後、原告の70代女性が「人の人生を奪っておいて、これか」と憤ったのは無理もない。
 除斥期間を巡っては、「正義、公平の理念に著しく反する場合には適用しない」と、例外を認めた最高裁判例もある。
 甚大な人権侵害を受けた原告たちのケースこそ、こうした例外に該当するのではないか。
 しゃくし定規な判断は被害者に寄り添っているとは言い難い。
 大事なのは、被害者が納得できる救済に向けて、不断の議論を怠らないことだ。
 4月に成立した救済法は、謝罪の主体があいまいで、一時金や救済対象などについても被害者の希望と懸け離れている。
 被害者の高齢化は進んでおり、残された時間は多くはない。
 課題はなお山積している。司法的な手続きだけではなく、法律の見直しも含め、救済に向けた取り組みを急がねばならない。


強制不妊判決/「違憲」の司法判断は重い
 旧優生保護法下で知的障害を理由に不妊手術を強制された宮城県の女性2人が国に損害賠償を求めた訴訟で、仙台地裁は原告の訴えを退けた。賠償請求権が消滅する20年の「除斥期間」を過ぎているとの判断だ。
 法改正で強制手術の規定が廃止されたのは1996年で、その時点で2人の手術から20年以上が過ぎていた。差別的な政策の下で声を上げられなかった被害者に寄り添わない、しゃくし定規の法解釈というしかない。
 ただ、判決は旧法の規定が「個人の尊厳を踏みにじり悲惨だ」として、幸福追求権を定めた憲法13条に違反するとの判断を示した。
 被害者らは、子を産み育てるかどうかの自己決定権を奪われた。誤った政策を推進した国や地方自治体、医療界などは、人権侵害に対する戒めとして、重く受け止めねばならない。
 この問題では、神戸地裁など全国7地裁で被害者らが相次いで国家賠償訴訟を起こした。初の司法判断となる仙台の判決が注目されたが、当事者の願いには沿わない結果となった。
 旧法では、少なくとも約2万5千人に不妊手術が行われ、うち約1万6500人は同意のないまま強制されたとされる。2人の原告は10代半ばで不妊手術を受け、結婚の機会を失ったり夫との関係が破綻したりしたとして、合わせて7千万円余りの賠償を求めていた。
 憲法17条は、国民が国などに賠償を求める権利を定める。一方、民法には請求権が消滅する除斥期間の規定がある。
 判決は「除斥期間の適用は違憲ではない」としたが、法改正や救済措置の遅れという国の不作為が招いた不利益を、もっと考慮すべきではないか。
 原告は判決を不服として控訴する意向だ。控訴審では踏み込んだ判断を求めたい。他の地裁もこの判決を前例とせず、訴えによく耳を傾けてほしい。
 国会は一律320万円の一時金支給を柱とする救済法を4月に成立させたが、責任の所在が曖昧で、訴訟での賠償請求額にも隔たりがある。安倍晋三首相の反省とおわびの談話も国の責任には触れなかった。被害者が納得できる救済について、もっと真摯(しんし)に知恵を絞るべきだ。


[強制不妊手術は違憲] 賠償認めず冷たい判決
 違憲と判断したものの、損害賠償など被害者の救済にはつながらない判決だ。
 旧優生保護法に基づき、知的障がいを理由に不妊手術を強いられた宮城県の60代と70代の女性2人が国に損害賠償を求めた訴訟の判決が仙台地裁であった。
 判決は「旧法は個人の尊厳を踏みにじるもので、誠に悲惨だ」として、幸福追求権を定めた憲法13条に違反するとの判断を示した。
 一方で、被害者救済に向けた立法措置をしてこなかった国側の責任を認めず、原告の請求を棄却した。20年間で損害賠償請求権が消滅する除斥期間の適用についても「憲法に違反しない」とした。
 不妊訴訟を巡り全国7地裁で争われている同種訴訟では初めての判決である。
 原告にはとても納得できる内容ではないだろう。
 除斥期間について判決は「本人が手術を裏付ける客観的証拠を入手することも困難だった。手術から20年が経過する前に賠償請求権を行使するのは現実的に困難だった」と認めながら、しゃくし定規に適用している。論理が一貫せずとても納得がいかない。
 ふに落ちないのは「国内では子を産み育てるかどうかを意思決定する権利(リプロダクティブ権)に関する法的議論の蓄積が少なく、国会で立法措置が必要不可欠かどうか明白ではなかった」と立法不作為の責任を否定したことだ。国寄りで、国の怠慢を認めるようなものである。
 60代女性は15歳で知的障がいを理由に、70代女性も16歳で理由を告げられないまま強制不妊手術を受けた。
 非人道的な差別を受けた被害者らにとっては冷たい判決というほかない。
    ■    ■
 旧法は「不良な子孫の出生を防止する」ことを目的に、ナチス・ドイツの「断種法」にならい1948年に施行された。96年に優生手術の規定が削除され、母体保護法に改められた。国はその後、国連人権委員会や日弁連などから被害者救済を求められていたが、謝罪や補償をせず被害者は放置されたままだった。
 昨年1月、仙台地裁への国賠訴訟の提訴を皮切りに全国で起きた訴訟に押される形で超党派議員連盟が今年4月、被害者に一時金320万円を一律支給する救済法案を提出し成立、即日施行された。
 安倍晋三首相が反省とおわびの談話を発表したが、法の前文をなぞっただけで国の責任はあいまいのままだ。
 損害賠償請求額との開きが大きく、救済法の見直しや直接謝罪を求める声が被害者から出てくるのは当然である。
    ■    ■
 判決後、70代の原告女性は「人の人生を奪っておいてこれか」「生きている意味がなくなった」と肩を落とした。弁護団は控訴する方針だ。
 長年、救済されずにきた被害者は高齢化が進み、残された時間は少ない。
 国会と国は人権を踏みにじる立法を行い、施策を進めた責任を認めなければならない。人生を狂わされた被害者の訴えに真(しん)摯(し)に向き合い、尊厳と名誉回復のため、謝罪と救済の在り方について考え直す必要がある。


「人生の可能性奪われたのに、なぜ?」 強制不妊判決に涙
 優生保護法下での強制不妊手術を巡り、法や手術の違憲性を初めて認める一方、原告の請求を棄却した28日の仙台地裁判決。原告2人に寄り添ってきた京都ゆかりの支援者らは、4月成立した被害者への一時金支給法から一歩踏み込む内容を一定評価しつつも、「人権回復に結びつかない」「理不尽だ」と司法への失望をあらわにした。
 支援者団体「優生手術被害者とともに歩むみやぎの会」の横川ひかりさん(34)=仙台市=は、60代の佐藤由美さん、70代の飯塚淳子さん=いずれも仮名=との連帯を表すピンクの上着姿で判決を傍聴した。「原告の請求を棄却する」という裁判官の冒頭の発言に法廷はざわつき、横川さんも思わず「えっ、なんで?」と驚いた。
 横川さんは京都市北区在住時から強制不妊手術問題を考える勉強会を催し、2017年の仙台転居後に2人と出会った。日常的に襲う腹痛、手術が理由で縁談や結婚生活が破談した悔しさ、「当時は適法」として謝罪を拒み続ける国への憎しみ。「被害者は体を傷つけられただけでなく、その後の人生の幅広い可能性も奪われてしまった」。各地で原告の証言を聞く集会を開き、被害の実態を伝えてきた。
 「飯塚さんは人生が優生保護で終わっちゃうと嘆く。障害者はマイノリティーで、同法下で不当に扱われてきたのに、当たり前の人権回復になぜ時間がかかるのか」と涙を浮かべた。
 判決後、原告弁護団が開いた報告集会。立命館大生存学研究センターの利光恵子客員研究員(65)は、飯塚さんの「国の責任が認められないのは納得できない。国は謝罪して」という悲痛な叫びにうなずいた。
 一時金支給法には違憲性への言及がないことから「憲法違反の誤った法律下で行われた人権侵害だと判決が認めたことは意味がある」とする一方、「国に謝罪を求めなかったのは残念」。リプロダクティブ権(性と生殖に関する健康・権利)の議論が蓄積されていないことを請求棄却理由の一つとした判決については「1996年の法改正時、国会でリプロダクティブ権の観点から『適切な措置を講じること』との付帯決議が出ている。裁判官がそこを見誤らなければ結論は違ったのではないか」とみる。
 聴覚障害者も同法下で断種を強いられた事実が判明しており、左京区から駆けつけた中途失聴者の永井哲さん(64)は「差別のない世の中になるように傍聴を続けたい」と話していた。


「強制不妊」違憲判決 放置した責任、国認めよ
> 旧優生保護法の強制不妊手術を巡る国家賠償請求訴訟で、仙台地裁はきのう、旧法を違憲とする判断を示した。しかし一方で、国や国会による被害救済の立法責任を認めず、賠償責任を否定した国側の主張を受け入れて請求を棄却した。
 不妊手術を強いられた被害者の苦難を十分踏まえたものではなく、原告には納得しがたい結果であろう。ただ、初めての司法による「違憲判断」は重い。
 国は、1996年の改正まで50年近くにわたって、旧法をそのまま放置してきた責任を曖昧にしてはなるまい。真摯(しんし)に反省し、謝罪と救済はどうあるべきか、再検討すべきだ。
 仙台の訴訟での原告は、宮城県内に住む被害女性2人。旧法に基づく不妊手術は「自己決定権や法の下の平等などを侵害しており、憲法違反」と主張した。国が救済措置を怠ってきたとも訴え、計7150万円の損害賠償を求めていた。
 国は違憲性についての認否を明らかにしなかった。本質的な議論は深まらなかったが、不妊手術を巡って全国7地裁で起こされた一連の訴訟で初の司法判断になることから注目された。
 判決は不妊手術について「不合理な理由で子を望む幸福を一方的に奪い去り、個人の尊厳を踏みにじる」と断じた。そして損害賠償請求の消滅する20年の除斥期間を認めながら「本人が手術の客観的証拠を入手するのは難しく、20年が経過する前に賠償請求権を行使するのは困難だった」とも指摘した。
 国と国会はこうした事情に配慮し、被害者の訴えに寄り添うことが求められているのではないか。
 旧優生保護法下での強制不妊問題は、司法判断が出る前に救済法が成立した珍しいケースである。今年4月に成立し、既に施行している。
 被害者の高齢化を踏まえたというが、国の責任や違憲性への言及も明らかにしていない。救済法の前文には「反省とおわび」しか記されず、主体も「われわれ」とはっきりしていない。まずは、国による直接的な謝罪を求める被害者の声に応えるべきだ。
 救済法によって一律支給される一時金320万円に対しても、「低すぎる」との批判が続出している。同様の補償を1999年に始めたスウェーデンに準拠したというが、当時から既に20年も放置した経過を考慮すれば、被害者の救済に適切な額かどうかも見直す必要があろう。
 旧法は48年に戦後の食糧難や人口の増加を背景に議員立法によって成立した。「不良な子孫の出生防止」を目的に掲げ、知的障害や精神疾患、遺伝子性疾患などを理由に不妊手術を認めた。96年に母体保護法に改められるまで約2万5千人が手術を受けた。
 だが、都道府県には不妊手術記録は約3千人分しか残っていないとされる。国や都道府県などは、速やかに実態調査と検証に乗り出し、全ての被害者の救済に全力を挙げるべきだ。
 なぜ、これほどの人権侵害が見過ごされ、多くの人の尊厳が踏みにじられなければならなかったのか。旧法を改めることのできなかった私たちも深く反省しなければならない。


強制不妊初判決  被害救済につながらぬ
 社会的差別がある中で声を上げられなかった障害者の救済につながらない判断だ。
 旧優生保護法下で知的障害を理由に不妊手術を強いられた宮城県の60、70代の女性2人が、国に計7150万円の損害賠償を求めた訴訟の仙台地裁判決である。
 判決は、旧法を「個人の尊厳を踏みにじり悲惨だ」として幸福追求権を定めた憲法13条に違反するとの判断を示したが、国が損害を賠償する立法措置をとらなかった責任を認めず、原告の請求を棄却した。20年間で請求権が消滅する除斥期間の適用についても違法ではないとした。
 同種訴訟は全国7地裁で20人が起こしており、今回が初判断になる。
 裁判で原告側は、手術を強いられた障害者やその家族らが、法的に差別されていた時代に、旧法に基づいて行われた手術の違法性を認識し、国家賠償法に基づく裁判で被害回復を図ることは事実上、不可能だったと主張してきた。
 判決は、その困難さに理解を示し、除斥期間の適用で賠償請求ができなくなった場合に立法措置が必要不可欠だったとしたものの、国内では「法的議論の蓄積が少なく、国会では明白だったとは言えない」として国の責任を免じた。
 だが、1948年に制定された旧優生保護法が96年に障害者差別の条文を削除して母体保護法に改正された後、国は国連人権委員会などから被害者救済を求められている。救済立法の議論はできたはずだが、事実上、被害を放置してきた。
 原告側は、優生手術により、誰といつ子を持つかを選ぶ「生殖に関する自己決定権」を侵害されたと主張し、障害者差別思想に基づいた旧優生保護法は憲法に違反すると主張してきた。
 判決がそうした旧法の違憲性を認めた点は評価できる。だが、重大な差別に対して救済の手を打たなかった国の責任を問わなかったのは納得しがたい。
 今年4月に被害者への「反省とおわび」と一時金320万円の一律支給を盛り込んだ救済法が議員立法で成立、施行されたが、国の責任を曖昧にしており、被害者の求める額と大きな開きがある。
 被害者の実態を直視し、救済法の不備を補う判決とならなかったのは極めて残念だ。
 被害者の高齢化が進む中、国が果たす役割は大きい。過ちを深く心に留め、真の救済につながる対策を急がねばならない。


旧優生法「違憲」 国は謝罪し救済強化を
 旧優生保護法(1948〜96年)下で不妊手術を強制された被害者が、国に損害賠償を求めた訴訟で、仙台地裁は28日、旧法を「違憲」とする初の判断を示した一方、賠償請求は棄却した。
 全国7地裁で起こされた一連の訴訟で初の判決。最大の焦点だった旧法の違憲性について、判決は「個人の尊厳を踏みにじった旧法は、幸福追求権を保障する憲法13条に違反する」と厳しく指摘した。
 裁判では、国の逃げの姿勢が際立った。旧法下で強いられた過酷な経験を踏まえ「違憲」を訴えた原告側。一方で国側は、地裁から違憲性の認否を再三迫られたにもかかわらず「主要な争点ではない」と拒み続けた。
 国は違憲判決を真摯(しんし)に受け止め、障害者を「劣等」「不良」と見なして命の選別を正当化してきた歴史を反省し、救済に全力を挙げるべきだ。
 優生手術問題をめぐっては、今年4月、被害者へ一時金を支給する救済法が議員立法で成立、施行された。謝罪の主体が「われわれ」とあいまいな表現であることに、被害者は反発。安倍晋三首相は反省とおわびの談話を発表したが、救済法と同様、国の責任には触れなかった。
 判決を踏まえ、謝罪の主体を「われわれ」ではなく「国」にするなど、救済法の見直しが求められる。
 ただ、賠償請求が棄却されたことに原告側の失望は大きい。国側は、手術から20年の除斥期間が経過し、賠償請求権は消滅したと主張。地裁は除斥期間の適用について「憲法に違反しない」と判断した上、国が損害を賠償する立法措置を取らなかった責任も認めなかった。
 原告の女性2人の強制不妊手術は40年以上前。障害者差別が極めて深刻で、かつ、不妊というデリケートな問題ゆえ、賠償請求できる状況でなかったことは無理もない。
 筑豊じん肺訴訟の最高裁判決などでは、除斥期間の起算点を遅らせて救済の道を広げたこともあっただけに、形式論にとどまった仙台地裁の判断には疑問を禁じ得ない。
 救済法に基づく一時金は320万円だが、ハンセン病訴訟での補償額が800万〜1400万円だったことと比べても、著しく低い。
 旧法下では知的障害者ら約2万5千人が不妊手術を受け、そのうち約1万6500人が本人の同意を得ずに行われたとされる。国の通知は、身体拘束や、だました上での手術も容認。除斥期間が経過しようとも、人道的責任を免れるものではない。
 国は責任を持って、障害当事者や専門家を交え、旧法下の被害の詳細な解明を進め、その実態に見合った救済策を講じるべきだ。


強制不妊判決 無念受け止めたといえぬ
 国の定めた法律によって尊厳を奪われた。訴えの根底にあるのは、そのことに対する被害者の深い無念だろう。
 憲法違反だと認めながら賠償請求を退けた判決は、そうした思いを正面から受け止めたとは到底言い難い。
 旧優生保護法の下で知的障害を理由に不妊手術を強いられた宮城県の女性2人が国に計7150万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が、仙台地裁(中島基至裁判長)であった。
 判決は旧法は違憲との初めての判断を下した一方、原告の請求を棄却した。
 全国7地裁で起こされた同種訴訟で最初の判決だ。焦点となったのは、旧法の違憲性を認めて、国に賠償を命じるかどうかだった。
 原告側は「子を産み育てるかどうかの自己決定権を奪った旧法は、幸福追求権を定めた憲法13条、法の下の平等を保障する憲法14条に違反する」とし、国が救済の立法措置を怠ったと主張していた。
 これに対し、国側は違憲性について主要な争点ではないとして認否を拒んでいた。
 こうした状況で地裁は憲法判断を回避せず、旧法は「個人の尊厳を踏みにじり、悲惨というほかない」と13条に違反するとした。この点は評価できる。
 「不良な子孫の出生防止」を目的に、知的障害や精神疾患、遺伝性疾患などを理由とした不妊手術を認めたのが旧法だ。差別に基づく人権侵害につながったことは明らかである。
 先月成立した被害者の救済法では前文で「反省とおわび」が示されたものの、国の法的責任は明記されなかった。救済法成立に合わせて安倍晋三首相が発表した談話も同様だ。
 謝罪の主体が曖昧だと被害者らが批判してきた中で出された違憲判断は、国の責任を問うたに等しい。
 一方で判決は、国に対する賠償は命じなかった。
 国が損害を賠償する立法措置を取らなかった責任を認めず、賠償請求権が消滅する20年の除斥期間が経過したとして、原告側の請求を棄却した。国の主張に沿ったものだ。
 だが、子どもを持ち、育てるという人としての権利を理不尽に奪われた被害者が納得できるはずはない。原告の1人は「人の人生を奪っておいて、これか」と語ったという。
 苦しみ続けた被害者にとって現実の損害賠償に反映されないのでは、初めての違憲判断の重みも減じよう。
 救済法は被害者に対して一律320万円の一時金を支給すると規定するが、額については少ないとの批判が根強くある。今回の原告の請求額とも、大きく隔たっている。
 国には、違憲とされた今回の司法判断を真摯(しんし)に受け止めるよう強く求めたい。
 自らの責任はもちろん、被害者の無念や苦しみの深さを改めてきちんと見据えた上で、おわびの在り方など必要な見直しに踏み出すべきだ。


強制不妊訴訟判決 国は被害者との溝埋めよ
 憲法違反と断じながら門前払いでは、被害者である原告が腑(ふ)に落ちないのも当然だろう。
 旧優生保護法(1948〜96年)の下で知的障害を理由に強制不妊手術を施された宮城県の60、70代の女性2人が国に計7150万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、仙台地裁は旧法は違憲との判断を示す一方で、国が救済立法をしなかった責任を認めず、原告の請求を棄却した。
 判決は憲法13条に触れ、子を産み育てるかどうかを意思決定する「リプロダクティブ権」を個人の基本的権利と認定。その上で「不合理な理由で子を望む者の幸福を一方的に奪い去り、個人の尊厳を踏みにじる」強制不妊手術は「憲法に違反し、無効だ」とした。
 リプロダクティブ権を認めた判決は日本ではこれまでなく、その意味では画期的だろう。裁判長は昨年6月の口頭弁論で「憲法判断を回避しない」と発言していただけに、有言実行ともいえる。
 その一方で、国の主張をほぼ認める内容が続く。被害者は国家賠償法で補償を求めることができるから救済立法の義務はなかった、さらに手術は40年以上前で提訴時に請求権が消滅する除斥期間20年を経過―を挙げた。違憲の法により手術励行の旗を振った国の責任がなぜ問われないのか。原告ならずとも理不尽さを感じざるを得ない。
 原告は強制手術について「自己決定権や法の下の平等などを侵害しており、憲法違反」とし、国は救済措置を怠ったと主張した。80年代後半に旧厚生省内で、人道上問題があるとして旧法改正の手順を示す文書が作成されたり、廃止が提案されたりした。2004年には厚生労働相が補償に関し「考えていきたい」と答弁するなど、旧法廃止や救済法などの措置を取る機会は度々あった。
 今年4月に与野党の国会議員による議員立法で強制不妊救済法が成立、即日施行された。「反省とおわび」の主体は「われわれ」であり、国の責任は曖昧だ。一時金320万円には多くの被害者が不満を募らせている。法案審議で被害者からの聞き取りは一度もなく、問題が夏の参院選に影響しないように成立を急いだとされることが不信を増幅させたといえる。
 判決は除斥期間の適用を認めながら「本人が手術の客観的証拠を入手するのは困難で、20年が経過する前に賠償請求権を行使するのは困難だった」とも述べている。国と国会はこうした事情にも向き合い、被害者の思いに寄り添う必要がある。不妊手術を巡る訴訟は他にも全国6地裁で起こされている。判決内容を精査し、被害者との溝を埋める努力が求められる。


強制不妊訴訟判決/謝罪と救済、再検討を
 旧優生保護法の下で知的障害を理由に不妊手術を強制されたと、宮城県の60代と70代の女性が国に損害賠償を求めた訴訟の判決で、仙台地裁は旧法を違憲とする判断を示した。しかし一方で、賠償責任を否定した国側の主張を認め、2人合わせて7150万円に上る請求を棄却。弁護団は控訴する意向を表明した。
 不妊手術を巡り全国の7地裁に起こされた一連の訴訟で初の判決。違憲の法律により手術励行の旗を振った国の責任がなぜ問われないのか。被害者は国家賠償法で補償を求めることができるから救済立法の義務はなかった、手術は40年以上前で提訴時に請求権が消滅する除斥期間20年は経過している−という国側の主張がほぼ認められた。
 原告には納得し難い結果になったが、違憲判断は重い。先に与野党の国会議員による議員立法で成立、即日施行された強制不妊救済法の「反省とおわび」の主体は「われわれ」となっており、国の責任は曖昧なままだ。一時金320万円も被害実態に見合っていないと被害者の間で不満はくすぶり続けている。
 与野党とも救済法の成立を急いだ。夏の参院選に影響しないようにしたいとの思惑があったとされ、法案審議で被害者から直接話を聞く機会が一度も設けられなかったことへの不信感も根強い。謝罪と救済はどうあるべきか。国と国会は再検討すべきだ。
 旧法は1948年、戦後の食糧難や人口急増を背景に議員立法により全会一致で成立。「不良な子孫の出生防止」を目的に掲げ、知的障害や精神疾患、遺伝性疾患などを理由に不妊手術を認めた。本人や配偶者の同意がなくても、医師の申請を基に都道府県の優生保護審査会が「適」と判定すれば手術はできた。
 96年に母体保護法に改めた際、不妊手術の規定は削除されたが、約2万5千人が手術を受けた。宮城の60代女性は15歳の時に審査会の判定で手術を強制されたとして昨年1月、初めて提訴した。以降、提訴の動きは全国に広がり、現時点で原告は男女20人。宮城では70代女性も追加提訴し、併合して審理された。
 仙台訴訟で、原告側は強制手術について「自己決定権や法の下の平等などを侵害しており、憲法違反」とし、国は救済措置を怠ったと訴えた。旧厚生省内では、80年代後半に強制不妊手術について「人道的にも問題があるのでは」と旧法を改正する手順などを記した文書が作成されたり、「人権侵害も甚だしい」と廃止が提案されたりした。
 だが国は動こうとしなかった。2004年3月には当時の厚生労働相が国会で補償の必要性などを問われ「考えていきたい」と答弁したが、救済法ができるまで、それから15年余りを要した。
 判決は不妊手術について「不合理な理由で子を望む幸福を一方的に奪い去り、個人の尊厳を踏みにじる」とし、除斥期間の適用を認めつつも「本人が手術の客観的証拠を入手するのは困難で、20年が経過する前に賠償請求権を行使するのは困難だった」と述べた。国と国会はこうした事情に配慮しながら、被害者らの訴えに正面から向き合い、思いに寄り添うことが求められる。これからも救済の枠組みを維持し続けるなら被害者との溝は一層深まり、全面解決はさらに遠のくだろう。


[「強制不妊」判決] 旧法違憲の判断は重い
 旧優生保護法(1948〜96年)の下で、知的障害を理由に不妊手術を強いられた女性2人が国に損害賠償を求めた訴訟の判決で仙台地裁はきのう、旧法が幸福追求権を定めた憲法13条に違反するとの判断を示した。
 しかし一方で、国が損害を賠償する立法措置をとらなかった責任は認めず、原告側が求めた計7150万円の賠償請求は棄却した。
 判決は、被害者は国家賠償法で補償を求めることができるから救済立法の義務はなく、手術は40年以上前で請求権が消滅する除斥期間20年が経過している−という国の主張をほぼ認めた。
 全国7地裁で起こされた同種訴訟で初めての判決である。
 違憲の法律によって不妊手術励行の旗を振った国の責任がなぜ認められないのか。原告側にとっては到底受け入れられないに違いない。
 国会では4月、被害者に一時金320万円を一律支給する救済法が成立し、安倍晋三首相が反省とおわびの談話を発表したが、主体は「国」ではなく「われわれ」と曖昧で国の法的責任には触れていない。
 甚だしい人権侵害が行われた旧法を司法が違憲と断じた。国と国会は判決を重く受け止め、謝罪と救済を再検討する必要がある。
 訴えたのは宮城県の60代と70代の女性である。2人は10代半ばで不妊手術を受け、結婚の機会を失ったり夫との関係が破綻したりしたとしている。
 「子を産み育てるかどうかの自己決定権を奪った旧法は、幸福追求権を定めた憲法13条、法の下の平等を保障する憲法14条に違反する」とし、国は救済の立法措置を怠ったと主張した。
 これに対し、国側は旧法の違憲性の認否はせず、民法で被害者の損害賠償請求権が消滅する除斥期間を経過したとして請求棄却を求めた。
 判決は除斥期間を適用したが、障害者に対する社会の差別意識が根強かった時代である。被害者が声を上げづらかった事情を考えれば酷ではないか。
 残念なのは、裁判で中島基至裁判長が「社会的な影響を考えると、旧法が合憲か違憲かを示す必要がある」と再三求めたにもかかわらず、国が認否を拒んだことだ。裁判の信義に反する振る舞いと言わざるを得ない。
 旧法は国会の全会一致で成立し、当時の厚生省は、だまして手術を受けさせることも許されるという通達まで出していた。80年代半ばには省内で人道問題を指摘する声が上がったが、旧法はそのまま存続した。
 国が明確に責任を認めない限り、子を産む権利を奪われた被害者が納得することは有り得まい。国と国会は過去の過ちと向き合い、被害者らに寄り添うために何ができるか、真摯(しんし)な議論を深めてもらいたい。


旧優生保護法の裁判 控訴へ
障害などを理由とする強制的な不妊手術を認めた旧優生保護法について、初めて宮城県の女性2人が国に賠償を求めた裁判で、28日、2人の訴えを退ける判決が言い渡されましたが、原告側は判決を不服として、今週中にも仙台高等裁判所に控訴する方針を決めました。
旧優生保護法のもとで強制的に不妊手術を受けさせられた宮城県の女性2人が初めて国に賠償を求めた裁判の判決が28日に言い渡され、仙台地方裁判所は、「旧優生保護法が憲法に違反していた」という全国初の判断を示しましたが、賠償を求める原告の訴えは退けました。
この判決を受けて、29日、弁護団が仙台市で会議を開き、早ければ今週中にも仙台高等裁判所に控訴する方針を決めました。
弁護団の新里宏二団長は、「子どもを産み育てる権利や立法の必要性について、これまで議論が少なかったことなどを理由に訴えが認められなかったが、2審では国が救済せずに放置してきた被害者を、司法が見捨てていいのかと改めて訴えていきたい」と話していました。


犠牲者を悼んだ大統領、触れない安倍首相
★28日午前、首相・安倍晋三と来日中の米トランプ大統領は神奈川県横須賀市の海上自衛隊横須賀基地で、今後軽空母に改修される護衛艦「かが」に乗艦して、海上自衛隊と米海軍の隊員を激励した。それぞれ、ヘリコプターで甲板に乗艦した両首脳は日米同盟の強固なきずなについて触れ、首相は「日本の自衛隊と米軍が深い友情で結ばれていることをともに喜び合いたい」とし、「祖国から遠く離れた地でわが国と地域の平和と安全を守り、日米同盟の抑止力を高める在日米軍の皆さん、そしてその最高司令官であるトランプ大統領に敬意を表するとともに、改めて感謝を申し上げたい」と述べ、最後には自衛隊最高指揮官、内閣総理大臣、安倍晋三と訓示を締めくくった。★トランプは訓示の中で同日朝、川崎市登戸で起きた小学生らが男に刺された事件に触れ、「被害者とその家族のために深く悲しんでいる」と朝の事件に触れた。首相は官邸に戻ってから13時54分、「大変痛ましい事件で、幼い子供たちが被害に遭ったことに強い憤りを覚える。子供たちの安全を何としても守らなければならない」と初めて事件に触れている。★時系列に見てみよう。事件発生、119番入電が朝7時45分。メディアに速報が流れたのが8時12分。両首脳のかが乗艦が10時34分。横須賀と同じ県内である川崎市で起きた出来事への対応と反応の素早さに大きな差が出た。日米同盟を強調し、米大統領と護衛艦上で安全保障の強固なきずなを示したかった首相だが、国民の生命についての反応が鈍く安全保障は軍事力だけではないことをトランプに教わった形だ。ただ事件発生から訓示まで十分時間があり、トランプが触れているのに首相が触れなかったのは恥ずかしい出来事だ。原稿に書かれていなくとも政治家であり首相として一言は言えたはずだ。国民の命を守る使命を帯びる国のリーダーとしての最低限の礼節を欠いたといえる。トランプから国の指導者のあるべき姿を示された首相は国民からどう見られたか。

河北春秋
 小学生の子を持つ親にとって、通学で一番心配なのは交通事故だろう。学校は親に横断歩道へ順番で立ってもらったり、集団登校をさせたりするなどして、子どもの安全を守っている。そんな親や学校の想像を超えるような凶悪な事件が起きてしまった▼川崎市多摩区の公園近くの路上で、通学バスを待っていた私立カリタス小の児童ら19人が襲われた。男が両手に持った包丁で刺し、小学6年の女子児童(11)と、別の児童の父親(39)が亡くなった。他の17人も重軽傷を負った▼いつもの朝のように「行ってきます」と、家を出たであろう子どもたちである。目撃者によると、男は子どもたちに無言でゆっくりと近づいて襲い掛かったという。どんなにか怖かったことだろう▼児童を標的にした事件といえば、2001年に大阪教育大付属池田小に包丁を持った男が侵入し、児童8人を殺害した事件が頭に浮かぶ。国はそれ以降、防犯カメラの設置など学校の安全対策を徐々に強化してきたが、通学路までは目が行き届かないのが現状だ▼容疑者の男は自ら命を絶った。全容解明は容易ではないだろう。では、何の落ち度もない子どもたちをどう守ればよかったのか。その答えは考えても、考えても見つからない。憤りといら立ちだけが残る事件である。

登校の小学生ら殺傷 極度の痛ましさに震える
 何気ない朝の日常が突然引き裂かれ、子供たちの悲鳴が響き渡る。あまりの痛ましさに言葉を失う。
 スクールバスを待っていた小学生らを男が襲撃し、包丁で次々に刺す事件がきのう川崎市で起きた。
 小学6年の女児と、別の子供の父親の2人が命を落とした。さらに、児童16人と保護者1人の計17人が重軽傷を負った。現場には血の付いたランドセルが散乱していたという。残忍な凶行に強い憤りを覚える。
 状況から無差別殺傷事件の可能性が強い。容疑者は犯行後、自殺したとみられている。無防備な子供たちがなぜ狙われたのか、動機についての警察の捜査が待たれる。
 児童8人が男に刺殺された2001年6月の大阪教育大付属池田小の事件を思い起こす。あの時は、校内に入った男が犯行に及んだ。
 今回は、路上で起きた事件だ。本来安全なはずのスクールバスが狙われたところに、事件の持つ衝撃の大きさがある。
 昨年5月、新潟市で下校途中だった小学2年女児が殺害された事件を受け、政府は、通学路の安全強化策「登下校防犯プラン」をまとめた。
 学校や警察が連携して全国の小学校の通学路の緊急点検をしたり、防犯カメラの設置を政府が支援したりするなどの対策に取り組んできた。
 近年、地域の防犯ボランティアの担い手が不足し、子供が1人で歩く「見守りの空白地帯」が生じている。そのため、防犯プランでは、子供を極力1人にせず、集団登下校の実施やスクールバスの活用なども対策に挙げていた。
 スクールバスに乗り込もうと集団でいた子供たちが被害に遭った今回の事件は、これまでの対策が想定していなかったことだ。
 安倍晋三首相は、小中学生の登下校時の安全確保について対策を講じるよう改めて柴山昌彦文部科学相らに指示した。どう子供たちを守るか、政府レベルでも議論が必要だ。
 今回の事件で心配なのが被害に遭った子供たちの心の傷だ。男が刃物を振り回し、多くの被害者が血を流す様子を目の当たりにした。幼い心に刻み込まれたショックの大きさは想像に難くない。スクールカウンセラーなどを通じ、心のケアに努めなければならない。


小学生ら殺傷 惨事繰り返さぬために
 スクールバスのバス停で小六女児らが犠牲となった殺傷事件は、安全対策の難しさをあらためて突きつける。それでも諦めるわけにはいかない。子どもが安心できる社会の構築は大人の責務だ。
 事件の動機は不明だが、何らかの負の感情を子どもという弱者の命を奪うことに向けた犯行は卑劣で許し難い。何が起きたのかの全容と、できる限りの背景の解明を望む。
 痛ましい事件が起きて、守りを堅くする。学校はその繰り返しに追われてきた。
 二〇〇一年の大阪教育大付属池田小児童殺傷事件を機に、校門の施錠や、防犯カメラ設置など不審者対策が進んだ。〇五年、栃木県今市市(現日光市)で下校途中だった小一女児が犠牲となる事件が起き、地域の人の見守り活動など、通学路の安全対策が積み重ねられてきた。
 しかし、一七年に千葉県松戸市で小三女児が殺害された事件では、その見守り活動をしていた保護者会長が逮捕された。さらに今回、惨事の現場となったスクールバスは、通学路の安全対策の一つの究極の形ともみなされてきただけに、衝撃も大きい。
 どこまで尽くしても完璧とはならない、安全対策の難しさがあらためて浮き彫りとなっている。犠牲となった児童らが通う川崎市のカリタス小学校は私立だが、地方で学校の統廃合が進む中、公立でもスクールバスは今後広がる可能性がある。乗降時の見守りや、緊急事態への対応について、議論を進める必要がある。
 ただ学校や通学路などを要塞(ようさい)のようにして地域や社会との接点をなくしてしまうことは、長期的な視点で子どもたちの心を育み、安定させることにはつながらないだろう。そこが悩ましい。
 池田小児童殺傷事件の遺族の一人は講演で、学校の安全対策とともに、犯罪者を生まない社会づくりの必要性をこう訴えている。「命の大切さが次の世代に伝えられるよう(子どもたちを)導いてほしい」。米国では昨年、高校での銃乱射事件などをきっかけに、高校生たちが銃の規制強化を求め、デモを行うなどの運動を始めた。
 子どもたちが命の大切さや社会正義を信じることができる社会を維持する。そのためにできることを議論し、実行する。それが大人に課せられた使命だ。今回のように、事件という形で困難が訪れたとしても。


子どもの受難
 きのうの朝、それぞれの地域で小さな傘の列を見かけた人も多かったのではないか。雨に煙る京都の街をながめながら、宇多田ヒカルさんの「FINAL DISTANCE」を久しぶりに聴いた▼2001年の池田小児童殺傷事件への追悼の意を込めた曲だという。犠牲となった女児の1人がファンだったことを知り、もとの曲にアレンジを加えた▼大切な人との理不尽過ぎる別れ。会いたいのにdistance(距離)はどうしても埋められない。だが、いつかその距離ごと「抱きしめられるようになれるよ」―。鎮魂と再生を思わせる歌だ▼令和時代になって1カ月、何の罪もない子どもの受難が相次ぐのはなぜなのか。両手に包丁を持った男がスクールバスを待つ女児たちを襲った。池田小事件を思い起こさせる川崎市の惨劇である▼大津市で保育園児らが巻き込まれる事故があったばかりだ。きのう市は散歩ルートの安全点検を始めた。二度と犠牲を出さないように…。そんな思いを踏みにじるような事件がやり切れない▼ありふれた登下校や散歩の風景が、いかにかけがえのないものかと思う。「なぜ」と死亡した男から聞くことはできないが、子どもの安全のために何ができるか、もう一度考えたい。今度こそfinal(最後の)にするために。

川崎児童殺傷事件 安全対策の見直し急務
 朝の通学時間帯に子どもたちが無差別に襲われる痛ましい事件が発生した。川崎市多摩区の路上でスクールバスを待っていた児童17人を含む計19人が50代の男に刺された。このうち小学6年の女児1人、別の児童の父である30代男性1人が死亡、17人が重軽傷を負った。子どもたちの安全を守るために何ができるのか、あらためて問われている。
 神奈川県警や目撃者らによると、男は両手に包丁を持ち、まず30代男性ら大人を襲った後、子どもたちに狙いを移した。無言のまま子どもたちの背後に走り寄って包丁を振り回したという。子どもたちは悲鳴を上げ、路上は血の海になった。あまりに残虐な事件であり、男に対し強い憤りを覚える。
 男は直後に自ら首を刺し、死亡が確認された。倒れた男の近くにあったリュックサックには、さらに2本の包丁が入っていた。計4本の包丁を所持していたことから、襲撃は計画的だった可能性がある。犠牲になった2人の首には刃物による深い傷があり、男が強い殺意を抱いていたこともうかがえる。
 男はなぜ襲撃に至ったのか。誰でもよかったのか、初めから子どもを狙っていたのか。その動機と経緯の全容解明こそが第一に行われるべきだ。
 子どもらが無差別に襲われたり、事件に巻き込まれたりすることは過去にもあった。2001年6月、大阪教育大付属池田小の校内で児童らが襲われ1、2年の男女8人が死亡した。昨年5月には新潟市の小2女児が下校中、近所の男に連れ去られ、殺害された後に遺体が遺棄される事件があった。
 こうした事件の度に子どもの安全対策が重視され、地域住民による通学路の見守り隊が組織されるなど、子どもたちの命を守る取り組みは強化されてきたはずである。
 しかし、スクールバスを待つ子どもたちを襲った今回の事件は、従来の安全対策では想定外だった。文部科学省はむしろ、登下校中の安全を確保する有効策としてスクールバス導入を促してきた。ところが、バス停に子どもが大勢集まったところを狙われた。現場では教頭が子どもたちの誘導に当たっていたにもかかわらずだ。
 無差別な通り魔事件から子どもたちをどうやって守るのか。専門家からは、登校する子どもたちの行動は毎朝同じであるため「ターゲットになりやすい」との指摘がある。住民の見守りだけでなく、警察のパトロール強化などにより犯罪抑止に向けた環境整備を求める声もある。
 本県でもスクールバスを運行している保育所、幼稚園、小学校などは少なくない。今回の川崎の事件は人ごとではない。同様の事件を防ぐためにも警察、学校はもちろん、保護者や地域社会がさらに連携を深め、安全確保策を抜本的に見直すことが求められる。


川崎の襲撃事件 どうして子どもたちが
 無防備な子どもたちが、いつもと同じ通学中の朝、突然次々に襲われた。このショックをどう受け止めればよいのだろうか。
 川崎市で、両手に刃物を持った男が路上に現れ、スクールバスを待っていた子どもたちを襲撃した。その場にいた児童17人と大人2人が刺された。
 このうち小学6年の女児と、別の児童の保護者の男性が亡くなった。あまりに痛ましい。
 襲撃したのは51歳の男。現場で自分の首を刺して自殺した。両手に持っていた以外に刃物2本をリュックサックの中に入れていた。計画的だった可能性がある。
 動機は何なのか。なぜ子どもたちを狙ったのか。男が死亡したとはいえ、解明する努力を尽くさねばならない。
 駅に程近い街中で起きた。男が「ぶっ殺すぞ」と叫ぶ様子が目撃されている。駆けつけた救急隊が救命措置を施す間、他の子どもたちは、ぼうぜんとした様子で縁石に座り込んでいたという。
 けがを負った子どもたちの回復を祈りたい。心理面への影響も計り知れない。心的外傷後ストレス障害(PTSD)が懸念される。十分なケアが欠かせない。
 政府は事件を受け、全小中学校の登下校時の安全確保に向けた取り組みを進める方針を示した。
 登下校中の子どもたちが狙われる事例は近年、相次いでいる。昨年5月に新潟市で小2女児が下校中に連れ去られ、殺害された。2017年には千葉県松戸市で小3女児が狙われ、殺害された。
 学校や地域はこれまでも、子どもの安全を守る方法を模索してきた。新潟の事件を踏まえ政府が作成した「登下校防犯プラン」に沿って、通学路の死角を確認し警戒を強めるといった取り組みだ。
 今回のようなケースが、安全対策の強化によって防止できるかは分からない。だが努力を重ねていくほかに道はないだろう。
 子どもが襲撃された事例としては、01年に大阪教育大付属池田小学校に包丁を持った男が侵入し、児童8人を殺害した事件が想起される。これ以降、学校の防犯意識は高まり、不審者を取り押さえる道具「刺股」を校内に配備するなど対策は強化された。
 それでも、無防備な子どもが犠牲になる事件は後を絶たない。
 朝元気に家を出たわが子が帰ってこないようなことが、起きるかもしれない。そんな不安に駆られる親も少なくないだろう。
 捜査の進展を見守りながら、できることを考えたい。


児童殺傷事件 子どもの安全へ重い課題
 普段は元気で明るい登校風景が、一転して痛ましい惨劇の場となってしまった。
 川崎市できのう朝、刃物を持った男が私立カリタス小学校のスクールバスを待つ児童らを次々刺す事件が起きた。小6女児と、同校児童の保護者の39歳の男性が亡くなったほか、重軽傷者も多数に及ぶ。犯行に及んだ51歳の男は自ら首付近を刺し死亡した。
 現場は、マンションなどが建ち並ぶ市街地の一角である。バスの運転手や目撃した人たちの話によると、男は両手に刃物を持ってゆっくり児童らに近づいて次々に襲ったという。予期せぬ事態に、子どもたちの恐怖はいかばかりだったろう。
 男のリュックサックの中から、別に2本の刃物が見つかった。死亡した2人はいずれも首に刃物による深い傷があり、男の強い殺意がうかがえる。男性は首や肩のほか背中にも傷を受けており、児童を守ろうとして背後から襲われた可能性がある。
 凶行に及んだのは、川崎市内に住んでいる男だった。死亡したことによって、動機など事件の全容解明は困難が予想されるが、捜査当局は男の周辺の聞き込みなどで情報収集を重ね、なぜ子どもたちが襲われなければならなかったのか、事件の真相に迫ってほしい。
 通り魔的事件であれば、2008年に東京・秋葉原の歩行者天国で多くの死傷者を出した事件が思い出される。今回の事件が、そうした通り魔的なものなのか、あるいは学校や児童を標的にした計画的な犯行だったのか、しっかり解明する必要があろう。
 今回のように、子どもたちが突然被害に遭う事件は後を絶たない。01年には包丁を持った男が、大阪教育大付属池田小(大阪府池田市)に侵入して児童8人を殺害し、教師と児童15人に重軽傷を負わせた。登下校を狙った犯罪も多く、昨年5月には新潟市で小2女児が連れ去られて殺害された。
 今回の事件を受け、菅義偉官房長官は「子どもの安心、安全について、いま一度見直して力を注ぐ」と、再発防止に取り組む考えを強調した。政府はきょう、安倍晋三首相らが出席して関係閣僚会議を開き、対策を検討していくことを決めた。
 池田小の事件以降、全国的に学校の安全対策は強化されてきた。不審者の校内への侵入防止に加え、通学路の見守り活動なども広がっている。しかし、いつ襲ってくるか分からない凶行への備えは万全とはいかないのが現実だ。
 文部科学省は、登下校中の有効な安全策としてスクールバスの導入を促す。だが、今回はバスに乗るため大勢が集まったところを狙われた格好になった。
 これまでの対策と問題点を洗い直し、子どもたちの安全を守る一層の取り組みを進めることが重要だ。突き付けられた課題は重い。


狙われたのは名門校…登戸19人殺傷事件と池田小事件の接点
「ぶっ殺してやる」
 両手に包丁を持ち、眼鏡をかけたスキンヘッドの中年男は、大声で叫びながら児童らを切り付けていった――。
 28日午前7時40分すぎ、川崎市多摩区の小田急線登戸駅付近で登校中の児童たちが襲われた。襲撃後、手にした包丁で自ら首を切り自殺した川崎市麻生区の職業不詳、岩崎隆一容疑者(51)は、私立カリタス小学校のスクールバスの停留所に近づき、大人たちやバスに乗り込もうとしていた児童らに次々と襲い掛かった。
 救急搬送された東京都世田谷区の外務省職員、小山智史さん(39)と多摩市の同小6年、栗林華子さん(11)が死亡。40代女性1人と児童16人が重軽傷を負った。
 岩崎容疑者の自宅の近隣住民がこう言う。
「小さい頃、両親が離婚し、数十年前から伯父夫婦と共に暮らしていました。身内にカリタス出身者がいて、本人も進学を希望したが、学力が足らなかったみたいで入学できず、地元の公立小、中学を卒業した。そのねたみがあったのかもしれません。大人になってから、『あの時、カリタスに行っていれば……』と後悔しているようなことをボソッとつぶやいていたそうです」
 岩崎容疑者が死亡した以上、真実が語られることはないが、裕福で教育熱心な家庭の児童が通う小学校が狙われたという点では、2001年6月に大阪府池田市で発生した大阪教育大付属池田小の事件と似ている。包丁2本を持った宅間守元死刑囚(当時37)が、小学校の教室に侵入。児童8人が殺害され、教師を含む15人が重軽傷を負うという、前代未聞の事件だった。
「宅間元死刑囚はかつて池田小の受験を断念した経緯があり、それがねたみや学歴コンプレックスに変わっていった。裁判では、犯行動機は自分を捨てた3番目の前妻に対する恨みが、社会全体に対する恨みに転化したと結論付けた。宅間元死刑囚は『自分の苦しい思いをできるだけ多くの人に分からせてやりたい。小学生なら逃げ足も遅く、小学校は大人の人数が少ないから大勢殺せる。名門の小学校を襲った方が社会の反響が大きく、大量に人を殺せば(妻が)オレと知り合ったことを後悔する』と考えた。実に身勝手な理由でした。過去に統合失調症との診断を受け、逮捕後、刑事責任を逃れるため、精神疾患があるように装っていた。法廷では遺族が国から賠償金を受け取ったことについて、2家族を名指しで『儲かったやろ』と冒涜した。04年9月に死刑が執行されるまで、一度も謝罪の言葉を口にすることはなかった」(司法関係者)
 歪んだ思想や思い込みが、凄惨な事件を引き起こしたのか。


日米貿易交渉 参院選ありきは本末転倒
 令和初の国賓として招かれたトランプ米大統領が4日間の訪日日程を終えた。貿易交渉について首脳会談では、早期妥結に向けて閣僚レベルの協議を加速させることで一致した。
 茂木敏充経済再生担当相とライトハイザー米通商代表部(USTR)代表による一連の交渉は、双方の主張の隔たりが埋まっておらず、妥結は7月の参院選の後に先送りすることで折り合ったというところだろう。
 安倍晋三首相は、交渉の大枠決着を「参院選より後にしたい」とトランプ氏に繰り返し伝えていたという。滞在中に性急な決着を迫られることもなく、日本の関係者はひとまず安堵(あんど)しているようだ。
 焦点の一つは、米国が求める牛肉や小麦など農産品の市場開放だ。農業分野で米国に大幅譲歩すれば参院選に影響しかねない。環太平洋連携協定(TPP)の承認案が国会に提出された直後の前回参院選では、農業票の多い東北地方で自民党候補が落選した。その記憶が首相の念頭にあるのかもしれない。
 確かに交渉は容易ではあるまい。トランプ氏は滞在中、貿易の不均衡是正に強い意欲を示し、米国産が不利となっている農産物の市場開放を迫った。ツイッターに農業や牛肉の交渉が進展していると書き込んだ。首脳会談の冒頭で「8月に大きな発表ができるだろう」と期限を明示したり、記者会見で「TPPに米国は全く縛られない」と述べたりして、関税は引き下げるとしてもTPP水準が限度とする日本に揺さぶりをかけた。
 トランプ氏は来年の大統領選で再選を目指している。中国との貿易交渉がまとまらず制裁合戦に突入した中、トランプ氏や共和党の支持基盤と重なる米国の農家向けに成果を示したい。選挙をにらみながら交渉しているのは日本と同じだ。ただ、選挙を意識するあまり、国民不在の交渉となっては本末転倒だ。
 日米貿易交渉で扱われるのは、農業や自動車など国民の暮らしや経済活動に深く関わる分野が中心だ。特に自動車や自動車部品の分野では、米国が高関税措置をちらつかせ、日本に自主的に輸出枠を設けるよう圧力をかけてくる可能性もある。
 日本は、米国の「自動車輸入が国家安全保障上の脅威に当たる」といった主張を受け入れるわけにはいかない。
 日本が農業分野の関税引き下げを認めながら、自動車や工業品の分野で米国の関税引き下げを勝ち取れないようでは、首相が言うウィンウィン(相互利益)の関係には程遠い。
 国民にとって、決着が参院選の前か後かは問題ではない。その中身こそが重要だ。


安倍首相の外交無力を隠すフェイクニュースに騙されるな
 北朝鮮問題を巡り、“蚊帳の外”の安倍首相が焦って日朝首脳会談の「無条件実施」を表明したが、米朝会談の物別れを受けて安倍が“橋渡し役”を果たすとするNHKの岩田明子解説委員の“フェイク解説”には驚いた。
 そもそも、Jアラートを鳴らしまくり、断交を叫んでおいて、前提条件なしで会うと言ったところで会談できるはずがない。しかも、「前提条件なし」は北方領土返還交渉を巡る対ロ外交の失敗で実証済みだ。日本のメディアは2島返還が実現するかのように煽ってきたが、全くのウソだった。
 米中貿易バトルと日米通商協議を巡る報道もフェイクだらけ。ファーウェイを干上がらせれば米国の完全勝利で、日本は米国の尻馬に乗っていれば万事うまくいくかのように報じられている。コンピューターの先端分野のクラウド事業ではアマゾン、グーグル、マイクロソフトなどの米事業者が強いが、中国ではアリババが強い。
 次世代通信規格の5Gで最も特許を取得しているのはファーウェイなど中国企業で、スウェーデンのエリクソンとフィンランドのノキアを合わせると全体の半数超え。アジアやアフリカでは次々に通信網が敷かれ、中国の政治的、経済的影響力は圧倒的だ。
 こうした状況に慌てたトランプ政権は大統領令まで発してファーウェイ排除に動いているが、国家レベルで同調しているのは日本と豪州くらい。このままでは、世界が米国圏と中国圏に分断されかねない。一方のファーウェイは、傘下のハイシリコンから半導体供給を増やし、自前調達で対抗する戦略だ。
 このような状況では、米国追従で漁夫の利が得られることはない。日本経済は半導体や電子部品などの対中輸出で支えられてきたが、米中バトルの影響で大きく減少に転じ、先端技術の開発もできずに青息吐息。他方で、北米への自動車輸出でしのぐが、トランプの格好の標的とされている。
 トランプを「令和初の国賓」として招いたが、参院選前までに日米FTA交渉のひどい内容がばれるのは避けたい。そこでゴルフだ、相撲観戦だと、ご機嫌取りの接待漬けにする。しかし、こんな「おもてなし」が通用するわけもなく、間もなく馬脚を現すだろう。
 安倍の外交無力によって、日本は輸出先まで失いつつある。現実をしっかり注視しないと、メディアに騙される。


【布川事件訴訟】全ての証拠を明らかに
 「検察官は被告に有利、不利を問わず法廷に証拠を出す義務がある」―東京地裁のこの指摘は非常に重い。証拠開示の在り方を再検討し、全ての開示を求めたい。
 1967年に茨城県で男性が殺害された布川事件で再審無罪が確定した桜井昌司さんが、国と県に国家賠償を求めた訴訟で東京地裁は計約7600万円の支払いを命じた。
 桜井さんは捜査段階の取り調べで自白を強要されるなど違法な捜査を受けたとして提訴した。
 判決は、「母親が早く自白するように言っている」などとした取り調べでの警察官の発言は虚偽で、捜査は違法だったと指摘した。また、取り調べ録音テープが1本だけだと公判で警察官が話した点も、裁判所の判断に影響を与える虚偽発言で違法だったと結論付けた。
 注目したいのは、検察官による証拠開示の在り方だ。
 桜井さんらを目撃したとの証言が記載されていない捜査報告書などの開示を検察側が拒んだのは、違法だと断じた。無罪となった元被告による国家賠償訴訟で、証拠開示の違法性が認められたのは初めてという。
 強盗殺人の疑いで逮捕された桜井さんと杉山卓男さん=2015年死去=は無罪を主張したものの、1978年に最高裁で無期懲役が確定。2005年に再審開始が決まり、11年の公判でやっと無罪になった。
 東京地裁の判決で裁判長は、警察や検察の違法行為がなければ「遅くとも控訴審で無罪判決が言い渡され、すぐに釈放された可能性が高い」と述べた。
 冤罪(えんざい)で奪われた人生の時間は取り返せない。取り調べや証拠開示の違法性を指摘された警察や検察はその「罪」を猛省すべきだ。
 裁判員裁判が導入されて約10年。公判前整理手続きにより、検察は証拠リストを示し、弁護側は開示を求めることができる。しかし、全てが開示されるとは限らず、検察官の裁量もあるという。
 裁判に恣意(しい)的な要素があると、少しでも国民が疑えば、司法への信頼は失墜する。だからこそ、東京地裁の「有利不利を問わず開示」という指摘は重い。全ての証拠開示を急ぐ必要がある。
 確定した布川事件の無期懲役が見直される決め手となったのは、04年の再審請求審時に検察側が開示した目撃証言など新たな証拠だった。2人には有利な証拠で、確定審の判決に影響した可能性もあったが、検察側の判断で長く開示されなかった。
 再審請求審ではいまでも証拠開示手続きのルールすらないという。どんな証拠を検察側は持っているのか。再審請求人らがそれにアクセスできる手段がないと、冤罪を救済する仕組みは十分機能しない。
 裁判員裁判対象事件などの取り調べでは、全過程の録音・録画(可視化)が来月義務化される。自白強要など違法な取り調べを防止するためにも、対象事件を可能な限り広げることも課題だ。


「大学無償化」/中間層への支援も必要だ
 親の年収によって大学進学率には差が生じる。学歴による生涯賃金の差は大きい。格差の固定化を防ぐためにも、経済的な理由で進学をためらう若者を後押しすることは重要だ。
 「大学等における修学の支援に関する法律」が成立した。学費の減免と、返済不要の給付型奨学金の支給が柱である。消費税増税を前提に、2020年4月に施行される。
 「大学無償化法」とも称されるが、実際に学費負担がなくなる学生はごく限られる。
 両親と子ども2人(1人が大学生)の場合、国公立大の年間授業料54万円が全額免除されるのは、年収270万円未満の住民税非課税世帯のみ。私立大は最大70万円が減額される。
 免除額は年収300万円未満ならその3分の2、380万円未満なら3分の1に減る。家族構成などにより年収の条件は変わるものの、「380万円未満」が一つの目安となる。
 低所得層への手厚い支援は評価できる。しかし、必ずしも生活にゆとりがあるわけではない中間所得層が対象外となった点には疑問が募る。
 多くの大学が独自の奨学金や学費免除の制度を設け、中間層も対象としている。新法施行で既存制度がどうなるかがはっきりせず、不安が広がっている。一般家庭の所得の伸びが停滞する状況下で中間層への支援が後退する事態は避けたい。
 そもそも日本は教育費の多くを家計に委ねている。経済協力開発機構(OECD)の15年調査で、国内総生産に占める高等教育への公的支出割合は34カ国中最下位だった。奨学金の返済も最長15年かかり、加盟国で最も負担が重いと指摘された。
 多くの学生が奨学金を受けるが、一方で借り入れをちゅうちょし、学費や生活費のためにアルバイトに時間を取られる学生もいる。給付型奨学金の拡充が求められる。
 政府は学費減免の対象となる大学にも条件をつけた。企業で実務経験がある教員の授業を設け、産業界などから複数の理事を招くなど、実学重視の内部干渉には違和感が拭えない。
 学生の「学びたい」という思いに広く応え、大学の自治を尊重する支援制度でありたい。


安倍首相がトランプに1兆2千億円で大量購入約束「F35戦闘機」に欠陥か! 日本でも米でも墜落、米監査院が問題視
 世界に嘲笑されるような過剰接待を繰り広げたトランプ来日。しかも、その成果とやらは、トランプ自身が明かしたように“農産物の関税大幅引き下げ交渉を参院選後まで引き延ばす”というシロモノで、いかに安倍首相が国民を舐めきっているかが露呈させるかたちとなった。
 だが、安倍首相がトランプ大統領に媚びへつらう一方、国民の生活を苦境に追い込もうとしているのは、貿易問題だけではない。それは、武器の大量購入問題だ。
 27日の首脳会談後、トランプ大統領は満足げにこう語った。
「日本は米国の防衛装備の最大の買い手となった。新たなF35ステルス戦闘機を105機購入すると発表した。米国の同盟国のなかで日本がもっともF35を保有することになる」
 日本がアメリカから105機もの“爆買い”を約束しているF35Aの価格は、一機あたり100億円以上。このお買い上げにより、約1兆2000億円を超える予算を注ぎ込むのだという。また、F35Bも42機を取得予定だ。
 さらに、トランプ大統領にセールスされるがまま導入を決めたイージス・アショアは関連費用含め2基で2350億円と発表されているが、実際には〈基地建設費なども含めれば8000億円近くに達する見込み〉(「週刊朝日」2018年11月9日号/朝日新聞出版)という。
 こうした爆買いによって、アメリカからの有償軍事援助(FMS)による兵器購入契約の額は2012年度が1381億円だったのに対し、安倍政権下でどんどんと膨らみつづけ、2018年度は5倍もの6917億円にまで増加。昨年末に閣議決定された「中期防衛力整備計画」では、2019から2023年度に調達する防衛装備品などの総額は、なんと約27兆4700億円程度と過去最高水準に達した。
 昨年9月の国連総会出席後の締めくくり記者会見で、トランプ大統領は「私が『日本は我々の思いを受け入れなければならない。巨額の貿易赤字は嫌だ』と言うと、日本はすごい量の防衛装備品を買うことになった」と得意気に語ったが、武器の大量買いの原資は言うまでもなく国民の血税である。
 さらに問題なのは、購入した武器のローンだ。2019年度の防衛費は過去最大5兆2574億円だが、アメリカから買い上げた兵器と国産装備品を合わせると、そのローン残高は2019年度で5兆3000億円を超える。つまり、過去最大を更新しつづけている年間の防衛予算よりも、ローン残高のほうが大きくなっているのだ。
 貿易問題を交渉力によって打開するのではなく武器の大量購入でお茶を濁す──。しかも、これで農産物や自動車の関税問題を解決できているわけではなく、トランプ大統領が今回の来日で述べたように、参院選が終わればトランプが喜ぶ結果を出さざるを得なくなってしまった。結局、過剰接待の成果とは、参院選後に関税大幅引き下げという先延ばし工作でしかなく、党利党略のために国民の税金を使い、借金を増やしてまで大量の武器購入がなされるのだ。
 まったくふざけるな、という話だが、もうひとつ、忘れてはならない問題がある。それは、F35の安全性の問題だ。
 今年4月9日、航空自衛隊三沢基地に配備されていたF35Aが、青森県沖で墜落した。F35の墜落事故は、B型機が昨年9月にアメリカで起こっており、今回の日本での事故は2例目。搭乗していた細見彰里3佐は依然行方不明のままだ。
アメリカの政府機関も「F35は深刻な欠陥を抱えている」と危険を指摘
 これまでもF35をめぐっては安全性に疑問が投げかけられてきたが、そんななか、米政府監査院(GAO)は4月にF35についての報告書を公表。そこでは“F35は深刻な欠陥を抱えている”と指摘されているのだ。
 東京新聞5月23日付け記事によると、報告書では「危機的で安全性や重要な性能を危険にさらす」というカテゴリーに分類される欠陥が、昨年版の報告書で指摘された111件のうち13件が未解決だとし、運用試験がはじまった昨年12月以降も新たに4件が判明。〈コックピットの画面がフリーズし、ソフトウエア修正のため運用試験開始が遅れた〉や〈明かりの少ない夜間飛行でヘルメット装着型のディスプレーが不鮮明になる〉などと具体例が報告されており、記事では〈パイロットの生命維持装置(LSS)の問題も、未解決の欠陥だ〉と指摘。酸素欠乏など身体に問題が起きた事例がじつに35件も発生しているというが、〈政府やメーカー、医師による調査チームが発足したが、原因を特定できていない〉としている。GAOは「今後数年解決しない問題もある」というのだ。
 また、5月に公表された昨年9月の米海兵隊F35Bの墜落事故についての報告書では、さらに昨年4月の開発試験終了時点で900以上の欠陥があり、いまも800以上も欠陥が残っていると指摘されている(しんぶん赤旗5月15日付)。
 しばらく解決しない深刻な欠陥を抱えているとアメリカの政府機関が公表しているものを、1兆円以上も注ぎ込んで計147機も取得する──。しかも、安倍首相は墜落事故直後におこなわれた4月の首脳会談でも、事故の問題を取り上げることなく、むしろF35Aの105機購入をトランプ大統領にあらためて約束したのである。
 国民の税金投入と自衛隊員の身の安全の確保など、まるでお構いなし。だが、それも安倍首相にとっては当然の話だ。
安全性おかまいなし、先制攻撃できるおもちゃがほしい安倍首相
 先日、安倍首相は「サイバー攻撃を受けただけで武力行使可能」と、とんでもない答弁をおこなったばかりだが、安倍首相の本音は、とにかくどんな口実を使ってもいいから先制攻撃ができるようにしたい、ということだ。
 そして、その象徴が、防衛大綱と中期防衛力整備計画で明記された、海上自衛隊の「いずも」型護衛艦を改修して事実上「空母化」する問題だ。この「空母化」の話は、そもそも「F35Bの導入が始まりだった」と防衛省幹部が証言をおこなっている(東京新聞1月4日付)。なし崩しに専守防衛の否定、先制攻撃の容認を進めたい安倍首相には、トランプ大統領による「バイ・アメリカン」のセールスは、貿易赤字の問題以前に、まさに意に適ったものでもあるのだ。
 そんなに武器を買う金があるなら、安倍首相自身が「国難」と呼ぶ少子高齢化問題などに投じるべきところはいくらでもあるが、メディアに跋扈する安倍応援団は「安倍外交の成功」などと喧伝している。しかし、その外交の実態は、交渉によって国益を守るどころか、「選挙後」への先延ばしと引き換えにまんまと売り渡し、国民の税金を使って「戦争のできる国づくり」に着々と歩みを進めているだけ。一体、これのどこが「安倍外交の成功」だというのだろうか。


トランプは得意満面 安倍首相「5兆円」献上の大盤振る舞い
「令和初の国賓」として3泊4日で来日したトランプ大統領が28日、上機嫌で帰国の途に就いた。プロゴルファーの青木功氏を交えたゴルフ、升席にイスを置いた特設席で大相撲観戦、外国元首として初めて天皇と会見。安倍首相の接待攻勢は海外メディアに揶揄されるほど濃厚だったが、トランプに刺さったのは、「世界で最も米国の経済に貢献しているのが日本」と安倍首相が胸を張る数々の献上品だったようだ。なにせ、「バイ・アメリカン」が決まり文句のトランプ政権発足以降、安倍首相はご機嫌取りで5兆円超も差し出しているのだ。
  ◇  ◇  ◇
 最終日の28日、トランプは海上自衛隊横須賀基地を訪問し、日本に追加購入を迫った米国製ステルス戦闘機F35Bの搭載が可能となる護衛艦「かが」を視察。その後、米海軍横須賀基地に停泊する強襲揚陸艦「ワスプ」に移り、「(日本の)F35戦闘機の数は米国の同盟国の中でもっとも多くなる」と自らのビジネス手腕をアピールした。トランプが「米国の装備品では日本が最大の買い手となった」と得意満面だった通り、安倍政権の兵器爆買いはハンパじゃない。
 F35は147機を導入する計画だ。民主党政権時に42機の配備が決まったが、昨年末の防衛計画の大綱などで105機の追加購入を決定。追加費用は機体だけで総額1兆2000億円に上る。秋田県と山口県が配備候補地に挙がる地上配備型ミサイル迎撃システムのイージス・アショアは1基800億円。防衛省は2基の取得関連費を2404億円と試算していて、維持運用を含めると計4389億円になるという。
 “未亡人製造機”とも呼ばれる垂直離着陸輸送機オスプレイは陸上自衛隊に17機導入予定で、計1700億円。早期警戒機E2Dは9機で1940億円、無人偵察機グローバルホークは3機で567億円だという。
 これらだけで、2兆円を優に超える大人買いだ。
■大歓待も意味をなさず
 一方、トランプに押し込まれた通商交渉では、自動車分野や農産品が標的にされている。TPP離脱前の米政府の試算では約4000億円の対日輸出増を見込まれていた。トランプが〈日本と貿易交渉で大きな進展があった。農産品と牛肉は大変な影響がある。7月の選挙後、大きな数字を期待している〉とツイートしたり、「8月に素晴らしいことが発表されると思う」と発言していたことから、ソロバンをはじいているのは間違いない。
 元外務省国際情報局長の孫崎享氏は言う。
「安倍政権は日本経済の屋台骨である自動車産業へのダメージを小さくするため、農産品市場の差し出しを決めたのでしょう。米中貿易戦争で打撃を被っている米国農家にとって好材料になります。かといって、トランプ大統領が本丸に見据える自動車分野で手を緩めるとは考えられない。2016年の大統領選でトランプ大統領は自動車産業と関係の深いウィスコンシン、ミシガン、オハイオ、ペンシルベニアを押さえた。再選を果たすには、当選に必要な選挙人の過半数(270)の4分の1を占めるこの4州の勝利は必須です。日本に譲歩させたイメージを有権者に植え付けるため、最も分かりやすい数量規制を求めてくるのではないか。安倍首相の大歓待は意味をなさなかったといっていいでしょう」
 共同記者会見で安倍首相は「トランプ大統領が就任して以来、日本企業は、米国への240億ドル(約2兆6000億円)の新たな投資を決定し、4万5000人の新しい雇用を生み出すことになる」「前回の首脳会談から1カ月の間に日本企業による対米投資は10億ドル(約1100億円)も増加した」と意気揚々だった。売国を鼻にかける男を政権に居座らせたままでいいのか。

東日本大震災震災3000日/Uポテン失敗/会いに行く/pw変更

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Japon : deux morts lors d’une attaque au couteau à Kawasaki
Les circonstances de l’attaque, qui visait des enfants attendant leur bus dans la banlieue sud de Tokyo, restent encore floues. Un suspect a été arrêté.
Deux personnes, dont une écolière, ont été tuées mardi 28 mai près de Tokyo, lors d’une attaque au couteau qui a également fait des blessés au moment où une file d’enfants attendaient leur bus scolaire.
La tuerie, un fait divers rare au Japon, considéré comme un pays très sûr, est survenue peu avant 8 heures heure locale (minuit lundi à Paris) dans la ville de Kawasaki, au sud de la capitale japonaise.
Une fille de 12 ans et un homme de 39 ans ont succombé à leurs blessures, selon Kiyoshi Matsuda, directeur adjoint de l’hôpital où ils avaient été admis, Musashi Kosugi. L’homme ≪ semble être le père d’un des enfants qui se trouvaient sur les lieux ≫, a précisé la chaîne publique NHK, citant la police. L’attaque a fait également 16 blessés.
Un homme a été arrêté, a dit la police sans donner plus de détails. D’après la télévision publique NHK, ce suspect, âgé d’une cinquantaine d’années, a retourné son arme contre lui et souffre de graves blessures. Deux couteaux ont été trouvés sur les lieux, a précisé la chaîne.
Les circonstances restaient encore floues. De premiers éléments faisaient état d’une attaque dans un parc, mais des témoins ont raconté qu’elle était survenue à hauteur d’un arrêt de bus. ≪ J’ai entendu les sirènes des ambulances et j’ai vu un homme à terre, en sang, raconte un riverain sur l’antenne de la NHK. J’ai aussi vu des élèves d’école primaire sur le sol. C’est un quartier tranquille, c’est effrayant de voir ce genre de choses.
Des tueries de masse rares au Japon
Des images de télévision montraient de nombreuses voitures de police, des pompiers et des ambulances sur place. Des tentes ont été dressées en urgence pour prendre en charge les blessés.
Alors qu’il se trouvait à bord d’un navire militaire japonais au dernier jour de sa visite d’Etat dans l’archipel, le président américain Donald Trump a témoigné de sa solidarité envers le Japon : ≪ Tous les Américains sont au côté du peuple japonais et pleurent pour les victimes et leurs familles.
Les tueries de masse sont rares au Japon, qui dispose d’une législation de contrôle des armes très stricte et d’un taux de criminalité relativement faible. Mais des déchaînements de violence aveugle endeuillent occasionnellement l’archipel.
En 2018, un homme avait été arrêté dans le centre du Japon après avoir poignardé à mort une personne et blessé deux autres à bord d’un train à grande vitesse Shinkansen, une attaque qui avait entraîné un renforcement des mesures de sécurité. Deux ans auparavant, un jeune homme avait tué à l’arme blanche 19 personnes dans un centre pour handicapés mentaux à une cinquantaine de kilomètres de Tokyo, la pire tuerie du pays depuis 1938.
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フランス語の勉強?
福島みずほ@mizuhofukushima
高速増殖炉もんじゅの問題点などに一緒に取り組み様々な行政交渉も一緒にやってきた小林圭二さんが亡くなられました。裁判などで原告、弁護団の理論的支柱としてがんばってこられました。残念です。心からご冥福をお祈り申し上げます。
加藤郁美 @katoikumi
自衛隊護衛艦「かが」艦上訓示、トランプ大統領は、現在救護活動中の登戸事件16人切りつけ事件被害者への哀悼の意を表した。それに先立つ安倍首相はまったく言及無し。護衛艦にウキウキ乗り込んだ本邦首相夫妻の頭に、川崎路上で殺傷事件に巻き込まれた人びとのことなど1ミリもよぎってないようす😳
ジョンレモン @horiris
川崎の事件に国民の感情をいち早く読み取ってトランプ大統領がいち早くコメントを出した。
米国は危機管理体制がスピーディーで、まわりのスタッフが優れているという証拠だ。たしかに先進国だけのことはある。それに比べ…日本政府は安倍首相を含め、災害時に #赤坂自民亭 を開くだけのことはあるな。


東日本大震災震災3000日だそうです.全く気が付きませんでした.毎月11日の月命日は気にしていたのですが・・・.わたしのなかでも東日本大震災が風化しつつあるのかもしれません.
夕方のUポテンは失敗でした.準備不足かもしれません.反省です.
会いに行く?なんか違う気もします.しかも月曜日は忙しいのですが.
セキュリティの面からpw変更しました.

<気仙沼・伝承館>震災遺構で教訓学ぶ 宮城県外から修学旅行生続々
 気仙沼市が震災遺構の気仙沼向洋高旧校舎を公開するため整備し、3月に開館した「気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館」に、5月に入って宮城県外から修学旅行生が続々訪れている。東日本大震災の教訓を学ぼうと、今年から訪問先にした学校も。中高生の防災教育の場として重宝されている。
 札幌市山鼻中の3年生92人は24日、修学旅行先として現地を訪れた。震災語り部の話を聞きながら、最上階まで浸水した南校舎や乗用車が折り重なった渡り廊下などを見て回った。
 震災直後にあった階上中卒業式で生徒代表が読む答辞の映像を見て涙を流す生徒もいた。沢田明人さん(14)は「津波の傷跡の生々しさが心に響いた」と語り、竹内凜さん(14)は「想像以上の津波の高さに驚いた」と感想を述べた。
 同校は昨年まで、修学旅行で青森、岩手、秋田3県の観光地を中心に回っていたという。今年は震災の教訓を学ぶために震災遺構ができた気仙沼市を訪れる行程に変更した。
 市来正光教諭(40)は「防災、減災を学ぶと同時に、復興に向かう気仙沼の方々の姿から何かを学んでほしかった」と狙いを話す。
 5月は予定も含めると北海道や千葉県など県外の6中学校から計約600人が震災遺構を訪問した。修学旅行生以外にも古川高2年の生徒たちが被災地視察で訪問したり、埼玉県内の高校の新聞部の生徒が取材に来たりもしている。
 伝承館では今後、地元での震災の記憶の風化を防ぐため県内の中学、高校に訪問を呼び掛ける。地元の階上中や気仙沼向洋高の生徒が市外の生徒と防災教育を通じて交流を深める企画も検討中だ。
 佐藤克美館長は「震災当時のままの状況を知ることができる施設。一人でも多くの中高生に震災の教訓を学んでほしい」と話した。


<東日本大震災>「潮除須賀松」復活願い植樹 仙台・荒浜
 東日本大震災の津波で被害を受けた仙台市若林区荒浜で25日、藩制時代に潮風や飛び砂を防ぐために植えられ、「潮除須賀松(しおよけすかまつ)」と呼ばれて親しまれた仙台湾沿岸の松林を取り戻そうと、植樹が行われた。
 県と県緑化推進委員会の主催。公募の参加者など約100人が、栗原市産のクロマツの苗木約1340本を植えた。
 委員会の森琢男理事長は「防災林は先人が努力して育てた県民の財産。多くの人に関心を深めてもらい、後世に引き継ぎたい」と話した。母親と参加した太白区の保育園児伊深紗希ちゃん(5)は「楽しかった。大きな森になってほしい」と話した。
 委員会は東松島市から亘理町の沿岸で植樹を実施。荒浜では昨年度に始め、8回目の今回を含めて計約4000本を植えた。


<東日本大震災>ソフトバンクの復興支援 絆CUPにツール・ド・東北追加
 ソフトバンクは、東日本大震災の被災地で子どもたちのスポーツ・文化活動を支援する催し「東北絆CUP」の対象種目に、新たに自転車イベント「ツール・ド・東北2019」(河北新報社、ヤフー主催)を加え、参加者を募っている。
 参加者は、9月15日に宮城県沿岸で開かれるツール・ド・東北のコースのうち、石巻専修大を発着点に石巻市と女川町を周遊する「女川・雄勝フォンド」(65キロ)に、チームとして出場する。
 参加者には大会前、スマートフォンなどを用いたプロライダー須田晋太郎さんによる遠隔指導があり、大会当日は須田さんも一緒に走行する。
 対象は岩手、宮城、福島3県に住む中学生と保護者の2人1組か高校生の個人。定員40人。応募多数の場合は抽選。参加無料。申し込みは6月21日まで東北絆CUPのホームページで受け付ける。
 東北絆CUPは昨年7月にスタート。陸前高田市でバスケットボール、仙台市で野球と吹奏楽、福島県楢葉町と広野町でサッカーをそれぞれ開催し、中学生ら計約1000人が参加した。今年も7月以降、同様のイベントを予定している。


河北春秋
 夏に祭りばやしが鳴り響いていた。♪どんとどんとと 鳴るせは何処か あれは夫沢(おっとざわ)の盆踊り−。東京電力福島第1原発に隣接する福島県大熊町夫沢地区。原発事故で全住民が避難した。今は中間貯蔵施設が建設され、大量の除染土が運び込まれる▼「このままでは町の伝統文化が消える。何とかしなければ」。町復興支援委員の佐藤亜紀さん(36)はそんな思いで町内各地の盆踊りの資料を集める。どれも基本は『相馬盆唄』。歌詞や演奏が地域ごとに違うのが魅力という。昨秋は町内で事故後初の盆踊りを企画した▼千葉県出身。母の実家が大熊の隣の双葉町にあり、子どもの頃によく訪れた。原発事故後、「第2の故郷」への思いが募り、5年前に現職に就いた▼衝撃を受けたのは町民が避難した会津若松市の仮設住宅であった盆踊り。演奏のおじさんが格好いい。多くの人を集める盆踊りの力に驚いた。以前は東京でバンド活動をしていた佐藤さん。「自分の音楽は何だったのか」と感じた▼今年も9月に盆踊りを開く。4月に町の一部で避難指示が解除されてからは初になる。「いずれは各地区の盆踊りが一堂に集った催しにしたい。町の貴重な文化を何十年も残せればと思います」。笛や太鼓、笑い声が聞こえる町に戻すため地道な活動が続く。

<エスパル仙台>飲食店、来年の元日休業へ
 仙台ターミナルビル(仙台市)は27日、エスパル仙台(青葉区)の飲食店について、来年から元日を休業日にすると発表した。従業員の働き方改革の一環として2、9月の全館休業日と合わせ、年休3日を確保する。
 元日休業は本館、東館、エスパルIIの3施設に入る約40店が対象。飲食以外のアパレルや雑貨店、土産物店はこれまでも元日は休業しており、一部のコンビニエンスストアやカフェを除いて全館休業となる。
 担当者は「元日の利用状況を見て影響が少ないと判断した。2日の初売りに万全を期したい」と話す。
 エスパル郡山(郡山市)の飲食店11店も2、6、9各月に交代で休業日を設定する。


<旧優生保護法賠償訴訟>仙台地裁きょう判決 救済法に影響も
 旧優生保護法(1948〜96年)下で不妊手術を強いられた宮城県の60代と70代の女性2人が国に損害賠償を求めた訴訟で、仙台地裁は28日午後、判決を言い渡す。全国7地裁での一連の訴訟の請求額は1人当たり原則3000万円超で、4月成立の救済法に基づく1人当たり一律320万円の一時金と隔たりが大きい。旧法を巡る憲法判断や国の責任の有無も含め、最初の司法判断が注目される。
 女性側は、優生手術による損害は子を持つか否かの自己決定権を永久に奪われた「死亡と同等程度に深刻なもの」と強調。交通事故の標準的な死亡慰謝料を基に、賠償額を算定した。
 救済措置を怠り続けた国の不作為による精神的苦痛は「慰謝料の増額要素として考慮すべきだ」と指摘。20年以上被害を訴えてきた70代女性の請求額は3850万円とし、60代女性は結審までに提訴時の1100万円から3300万円に請求額を増やした。
 国側は、優生手術で出産できない体になったことへの損害について「当時の厚相や国会議員の権限不行使から生じたものとは言えない」と因果関係を否定している。
 訴訟で国は旧法の合憲・違憲性に関する認否を回避し続けた。救済法も前文にある「反省とおわび」の主体は「われわれ」と、責任の所在があいまいな表現となった。
 判決は旧法の合憲・違憲性の判断も示す見通しで、国の法的責任の有無を明確にする公算が大きい。判決内容に応じて、女性側は救済法のおわびの主体や賠償額について見直しを求める構えだ。


旧優生保護法は「違憲」 賠償請求は棄却 仙台地裁判決
 旧優生保護法(1948〜96年)下で不妊手術を強制されたのは憲法13条の幸福追求権などに違反していたとして、宮城県の60代と70代の女性2人が計7150万円の損害賠償を求めた国家賠償請求訴訟の判決が28日、仙台地裁であった。中島基至裁判長は、旧法の違憲性を認めた一方、原告の請求は棄却した。不法行為から20年で損害賠償請求権が消滅する「除斥期間」が過ぎていることを理由にしている。
 全国7地裁で計20人が起こした国賠訴訟のうち判決は初めてで、旧法をめぐる憲法判断も初めて。旧法の違憲性が明示されたが、賠償が認められなかったことで、原告側は控訴するとみられる。
 訴訟は昨年1月、「佐藤由美」を仮名にしている知的障害者の60代女性が、15歳で不妊手術を強制されたとして全国で初めて仙台地裁に提訴。同5月には「飯塚淳子」の仮名で被害を訴える70代女性が、16歳で手術を強いられたとして同地裁に提訴した。その後、両者の審理が併合され、今年3月に結審。中島裁判長は「旧法の憲法判断を回避しない」と予告していた。
 一方、国側は民法の除斥期間や国家賠償法の存在を理由に請求の棄却を求めていた。原告の請求額は、60代女性が3300万円、飯塚さんが3850万円だった。【伊藤一郎、遠藤大志】
旧優生保護法 ナチス・ドイツの断種法をモデルにした国民優生法が前身。終戦直後の1948年、法文に「不良な子孫の出生防止」を明記し、議員立法で成立。国は施行後、「だまして手術してよい」と都道府県に通知し、強制性を強化した。国際的な批判を背景に96年、障害者への差別的条項を削除して母体保護法に改定。「強制」「任意」合わせ少なくとも2万4991人が手術された。


「旧優生保護法は憲法違反」 訴えは退ける 仙台地裁
旧優生保護法のもとで障害を理由に強制的に不妊手術を受けさせられた人たちが国に賠償を求めた裁判の初めての判決で、仙台地方裁判所は、「旧優生保護法は子を産み育てる幸福を一方的に奪うものだ」として、憲法違反だったという判断を示しました。しかし、賠償を求められる期間が過ぎているとして、訴えを退けました。
昭和23年から平成8年まで続いた旧優生保護法のもとでは、障害などを理由におよそ2万5000人が不妊手術を受けたとされ、このうち10代の時に強制的に手術を受けさせられた宮城県の60代と70代の女性2人は、国に対して合わせて7150万円の賠償を求めました。
28日の判決で仙台地方裁判所の中島基至裁判長は、原告が主張していた子どもを産み育てるかどうかを決める権利について、「憲法13条に照らして尊重されるべきだ」と認めました。そのうえで、「旧優生保護法はその幸福を一方的に奪い去ったものだ。手術を受けた者は幸福を追求する可能性を奪われ、生きがいを失い、生涯にわたり苦痛を被るので、権利侵害の程度は極めて甚大だ」と指摘し、憲法に違反していたという判断を示しました。
一方で、原告が手術を受けてから、賠償を求める権利が消滅する「除斥期間」の20年が過ぎていることから、賠償の権利を行使するには国会の立法措置が必要だったと指摘しました。
原告は国会が救済を放置してきたと主張していましたが、判決では、具体的な賠償制度の構築は国会の裁量に委ねられているとしたうえで、「子どもを産み育てる権利についての議論の蓄積が少ないことなどを考えると、国会の対応は違法ではない」などとして、2人の訴えを退けました。
全国7か所で起こされている同様の裁判で判決が言い渡されたのは初めてで、旧優生保護法が憲法に違反することは認めた一方、国の賠償責任については否定した形となりました。
裁判長「令和は差別ない社会に」
裁判長は判決の言い渡しの最後に「憲法13条、14条の普遍的な価値に照らして平成の時代まで根強く残っていた優生思想が正しく克服され、新たな令和の時代では誰もが差別なく幸福を追求することができ、国民ひとりひとりの生きがいが真に尊重される社会になり得るように、付言する」と述べました。
判決に支持者から驚きの声
判決の言い渡し後、裁判所から出てきた弁護士が「不当判決」と書かれた紙を示すと、集まった支援者からは驚きの声が上がりました。
弁護団長「救済につながらなければ十分な意味ない」
判決をうけ、弁護団の新里宏二団長は、「違憲という憲法判断が下るところまできたという思いだが、救済につながらなければ十分な意味がない。被害者の声を聞いて判断していただけると期待していたので、失望も大きい。当事者と相談の上、基本的には控訴という方向になると思う」と話しました。
「裏切られたという気持ち」原告の弁護団
原告の弁護団の太田伸二弁護士は集まった支援者や記者団に対し、「大変驚いていて、裏切られたという気持ちだ。これまでの流れを考えるとありえない結論だ」と憤りをあらわにしました。
原告「言葉が出ない」
判決の後、原告の70代の女性は「20年たたかってきたのにこんな結果になってしまって言葉が出ない」と話していました。
60代女性の原告の義理の姉は「裁判は難しく全て理解はできなかったが、過去に判例がないから訴えを退けるというのは理解できない。言い渡しでは令和の時代がよくなるようにとあったが、令和ではなく今まで苦しめられていた人の声に耳を傾けてほしかった。自分では納得できないので、妹には日をおいて報告する。控訴は弁護団と相談して考えるが機会があればまた頑張りたい」と話していました。
厚労相「判決の内容精査したい」
根本厚生労働大臣は、国会内で記者団に対し、「判決の内容について一報を受けたが、今後、内容を精査したい。旧優生保護法が違憲かどうかが論点になっているのは認識しているが、判決の内容をまだ詳細に見ていないので、現段階でのコメントは差し控えたい」と述べました。
厚労省「コメントできない」
判決について厚生労働省は「判決の内容が届いていないので現段階では、コメントできない」としています。
官房長官「着実な一時金の支給に全力」
菅官房長官は、午後の記者会見で、「判決内容の詳細は十分に承知していないが、『今回の判決は国家賠償法上の責任のみに関する国の主張が認められたもの』と聞いている」と述べました。
そのうえで「旧優生保護法に基づき、優生手術等を受けた人に対しては、一時金支給のための法律が成立している。施行されたところで、政府としては法律の趣旨を踏まえて、着実な一時金の支給に向けて全力で取り組んでいきたい」と述べました。
山下法相「国に対する請求は棄却された」
山下法務大臣は記者団に対し、「旧優生保護法のもとで、多くの人が心身に多大な苦痛を受けてきたことに対し、法務大臣としても深くおわびする」と述べました。
そのうえで、「一部で違憲の指摘もあったところではあるが、結論として、国に対する請求が棄却されたと承知している。判決の内容を関係省庁と精査して、今後の対応を検討していきたい。ほかにも関連する訴訟がいくつか行われているので、これについても、関係省庁と検討していきたい」と述べました。
原告らは控訴の方針
判決のあと弁護団と原告が会見を開き、控訴する方針を示しました。
この中で、弁護団の新里宏二団長は「違憲という判断が出たのに被害者への救済が認められなかったのは山の8合目まで登って降りてしまったようなもので、被害者の気持ちを考えるとやりきれない」と述べました。
そのうえで「私たちの主張の多くは認められていたので、これを通過点と考え、引き続き被害者のために頑張りたい」として、控訴する方針を示しました。
原告の1人で、16歳の時に手術をされ、20年以上、国に謝罪と補償を求めてきた70代の女性は「国の責任が認められないのは納得できない。被害者は高齢化しているので一刻も早く救済されるよう裁判所には国の責任をしっかりと認めてほしかった」と話していました。
また、60代の原告の女性の義理の姉は「違憲という判決により自分は間違っていなかった、国が間違っていたんだと多くの被害者が感じると思う。声を上げられないのがいちばん問題であり、これを機会に被害者の家族も声をあげてほしい」と話していました。
専門家「非常に画期的だ」
この問題に詳しい東京大学大学院の市野川容孝教授は、旧優生保護法が憲法に違反していたという判断について「かつては憲法に違反していないと考えられていたが、28日の判決では180度変わって、憲法違反だと明確に示されたことは非常に画期的だ」と評価しています。
一方で、賠償を求めた原告の訴えが認められなかったことについては「違憲だったにも関わらず、賠償が認められなかったのは残念だ」とした上で、「違憲だったという今回の判断を踏まえると各地の裁判では賠償を認める判決が出てもおかしくないのではないか」と話しています。
さらに、国の今後の対応については「28日の判決には、賠償を求める権利が20年で消滅するという原則をこの問題に関しては外してしかるべきだと書いてあるとも読めるので、今後、国会でそうした議論があってもよいのではないか」と指摘しています。
判決のポイント
今回の裁判では、障害者などへの強制的な不妊手術を認めた旧優生保護法が憲法違反にあたるかどうか、そして国会や国が、手術を受けた人たちに対する賠償の措置を取ってこなかったことが違法かどうかが争われました。
<1・憲法判断は>
きょうの判決では、子どもを産み育てるかどうかを決める権利について「幸福を追求する権利を保障する憲法13条に照らして尊重されるべき基本的な権利だ。権利の重みは、障害を背負う場合でも変わるものではない」と判断しました。
その上で、強制的な不妊手術を認めていた旧優生保護法について「子どもを産み育てる意思があった人にとって、幸福の可能性を一方的に奪い去り、個人の尊厳を踏みにじるもので誠に悲惨というほかない」と指摘し、法律そのものが憲法13条に違反するという、初めての判断を示しました。
<2・国の責任は>
一方で国会や国の責任は認めませんでした。原告側は、国会や国が、手術を受けた人たちに対する救済措置を取ってこなかったことを「違法な行為だ」と主張していましたが、きょうの判決では、「国会や国が賠償に必要な法律を作るべきだったとまでは言えず違法とは言えない」と判断しました。
その理由として「日本ではこれまで、子どもを産み育てるかどうかを決める権利についての法的な議論が少なく、旧優生保護法が違憲だとする司法の判断もなかった」という国内の事情を挙げました。
そして、原告2人が手術を受けさせられた時期が昭和38年と昭和47年だったことから、国に賠償を求める権利が20年で消滅するという「除斥期間」をすでに過ぎているとして、いずれの訴えも退けました。
旧優生保護法をめぐる裁判は札幌や東京など全国7か所で起こされていて、初めて言い渡されたきょうの判決が、ほかの裁判に影響するかどうか注目されます。


トランプ爆弾発言で判明 首脳会談で7月衆参W選の“密約”
「米国はTPP(環太平洋経済連携協定)に縛られない」――。27日行われた安倍首相、トランプ大統領による「日米共同記者会見」で、トランプから驚きの「爆弾発言」が飛び出した。
  ◇  ◇  ◇
 爆弾発言が出たのは共同記者会見の終盤。民放記者が安倍首相に対し、日米貿易協定に触れ、「農産品の関税について、TPP水準が最大限である日本の立場に変わりがないか」と質問。安倍首相は「昨年9月の日米共同声明を大前提に、日米双方がウィンウィンに……」などと答えていたのだが、そこに「私からも付け加えたい」と割って入ったトランプは仏頂面のまま、一気にこうまくし立てた。
「私はTPPと関係がない。何も縛られていない。TPPは(米国の)自動車産業を破壊していただろう。製造業を破壊していただろう。他の多くの国と違ってアメリカは縛られていない」
 この答えは驚きだ。昨年9月に日米両政府が公表した「日米貿易協定のための共同声明」では、農産品について〈TPPなど過去の経済連携協定で約束した市場アクセスの内容が最大限であるとの日本の立場を米国も尊重〉となっていたからだ。ところが、トランプは、TPP水準を尊重する気など、これっぽっちもないらしい。
〈日本との貿易交渉で大きな進展があった。農産品と牛肉は大変な影響がある。7月の選挙の後、大きな数字を期待している〉
 トランプは26日もツイッターにこう投稿した。これを受け、国民民主党の玉木代表は〈国民に対する説明は全く避けて、その一方で日米間では何か裏取引をしている。少なくとも重要なことの決定と発表は参院選の後にするような、国民をだますようなことはやめてもらいたい〉とカンカン。まさにその通りだが、「TPP水準守る気なし」というトランプのホンネがバレた今、日本の農家の懸念や怒りが日米両政府に向かうのは確実だ。
 仮に参院選をノラリクラリ乗り切ったところで、日米貿易交渉が安倍政権にとって今後の大きな“足かせ”になるのは避けられない。農家の怒りが日本全国に広がれば、トランプが意欲を示す日米貿易協定の「8月決着」はムリだ。
 トランプがツイッターで「July elections(7月の選挙)」と複数形で表現したことに対し、「衆参同日選を示唆したのではないか」との臆測が出ているが、農家の怒りが日本全国に広がる前に「衆参同日選」に踏み切ってしまえ――と、安倍首相、トランプが水面下で“密約”していても不思議じゃない。
「とにかく、安倍首相、トランプ大統領は選挙に勝つことしか頭にない。そのためには何でもやるのでしょう。衆参同日選を仕掛けて勝利すれば、少なくとも3年間は国政選挙はないわけで、農家の反発をかわすことが出来るし、いざとなれば、農家に対して補助金を出してごまかすこともできる。(同日選に踏み切る)可能性はあります」(立正大名誉教授・金子勝氏=憲法)
 国民そっちのけの密約首脳会談なんて聞いたことがない。有権者をバカにするにもホドがある。


共同会見でハッキリ 日米記者の「質問力」は“大人と子供”
 改めて彼我の差を痛感させられた。27日の安倍首相とトランプ米大統領との共同記者会見。質疑応答に移ると、トランプに同行した米メディアの記者の口をつくのは鋭い質問ばかり。聞かれた質問に安倍首相が真正面から答えず、アヤフヤにかわすのを許す日本の記者とは大違いだ。
 読売新聞の記者の次に質問した米ウォールストリート・ジャーナルの女性記者は、いきなり「小さなミサイルは国連違反に当たらないなら、何が違反になるのか」と追及。
 トランプが前日、北朝鮮による今月上旬の短距離弾道ミサイル発射に関し、「北朝鮮は数発の小さな兵器を発射し、わが政権の一部の人々などを動揺させているが、私は気にしない」とツイートしたことを受けての“直球勝負”だ。
 その後も米メディアの記者はロシア疑惑や米中貿易戦争など、トランプに容赦のない質問を次々と浴びせかける。来年の大統領選の民主党候補の“本命”であるバイデン前副大統領を「低能」と罵倒した北朝鮮に、トランプが会見で「低IQは事実だ」と同調すると、「アナタが独裁者に味方して前副大統領よりも称えることの影響は?」とすかさずツッコむ。日本の忖度メディアとは格段の違いを見せつけた。
 1992年から15年間、ホワイトハウスの会見に出席していたジャーナリストの堀田佳男氏が言う。
「日米のメディア文化は大きく違います。番記者やクラブ制度のある日本の記者は取材対象者に嫌われたら、自社が不利な立場になるとの自主規制の意識が働き、失礼のない質問になりがち。一方、米国の記者たちは“野獣”。相手を傷つけたり、答えられない質問でも躊躇しない。むしろ、鋭い質問を飛ばす覚悟がなければ、米メディアでは生き残れません。収斂された質疑応答があって初めて真理に近づくという発想なのです」
 日本の記者は米国の記者の爪のアカをいくら煎じても、飲み足りないくらいだ。


日米首脳会談 何のために招いたのか
 安倍晋三首相は来日したトランプ米大統領ときのう会談し、日米貿易問題を巡る協議の加速や、朝鮮半島の非核化と北朝鮮による日本人拉致問題の解決に向けた連携などを確認した。
 トランプ氏は会談の冒頭、貿易交渉について「おそらく8月に両国にとっていい内容を発表できると思う」と語った。
 おとといは、参院選が終わるまで待つ姿勢もツイッターに投稿している。「貸し」をつくったようないいぶりである。明らかにトランプ氏のペースで進んでいるように見える。
 一方で首相は「協議を加速させる」と述べるにとどまった。訪米した4月の首脳会談で、トランプ氏から「農産物の関税をなくしたい」と突然言われ、反論らしい反論ができなかった。今回は協議の深入りを避け、懸案を先送りしたのだろう。
 だが、かえって交渉のハードルを高くしたのではないか。
 トランプ氏は対日貿易赤字削減に向けて「障壁を取り除く」と意欲を示した。背景にあるのは支持層である米中西部の農業団体などの根強い不満がある。
 日本では昨年末から環太平洋連携協定(TPP)と欧州連合との経済連携協定(EPA)が相次ぎ発効。参加国のカナダやニュージーランドなどから牛肉輸入量が大きく伸び、米国産は劣勢である。まもなく本格化する大統領選に向けて、できるだけ早く決着したい思惑が透ける。
 日本の国内農業はすでに大きな打撃を受けている。TPPを脱退したのは米国である。トランプ氏の選挙応援のために譲歩できまい。
 日本側が農産物などの物品関税についてTPPの水準を防衛ラインとしているのに対し、トランプ氏は会見で「私はTPPには縛られない」と強調した。広範囲な分野で一括して合意した各国との信頼関係も揺るがしかねない発言だ。しかもトランプ氏が望む日本車の輸入数量規制は世界貿易機関(WTO)のルールにも反している。
 安倍首相はそもそも個別交渉自体に否定的だった。ところが昨年9月の日米首脳会談でトランプ氏の求めに応じる形で、一転して交渉入りを決めた。
 米国との友好を大事にするのはもちろん重要である。しかし日本として認めるわけにはいかない立場を説く必要がある。そのためにトランプ氏を日本に招いたのではなかったのか。
 北朝鮮の問題では、安倍首相が「条件を付けず」に金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長との会談実現へ意欲を示す。トランプ氏も拉致家族に会い、協力を約束した。ぜひ解決へ、糸口を探りたい。
 米国との緊張が増すイランともトランプ氏は対話に意欲を見せた。イランと伝統的に友好関係にある日本政府が仲介をどう果たすか。
 貿易戦争が激化する中国との橋渡しや、さらにトランプ氏の関心が薄い環境分野へ米国を導けるのか。6月下旬に大阪で開かれる20カ国・地域(G20)首脳会合へ向け、議長国として日本の力量が問われる。
 ただ、日本政府は米国が2月にネバダ州で臨界前核実験を行っていたことが分かってもくぎを刺した形跡はない。
 難しい問題でも日本の考え、立場をきちんと話す関係を築くべきである。


トランプ大統領をとことんもてなす手法に見た「安倍政治の本質」 「やってる感」が大事なのか…
近藤 大介 『週刊現代』特別編集委員
「毅然とした外交」はどこへ?
ドナルド・トランプ大統領来日フィーバーが、ここ数日、日本で起こった。
世界を次々と不安と混乱に陥れている「ゴジラ」を、日本は笑顔で呼び寄せ、新天皇に会わせたり、ゴルフをやったり、相撲を見せたり、居酒屋で宴会やったり……。私はどうも、このフィーバーの輪に加わる気になれなかった。
象徴的な光景があった。5月26日夕方6時頃、東京・六本木の炉端焼き店「田舎家東店」での日米両首脳の冒頭コメントだ。
トランプ大統領:「われわれは素晴らしい時間を過ごした。そして首相と私は、貿易と軍事について、多くのことを話した。とても生産的な一日だ」
安倍首相:「リラックスしながら、様々なことについて議論を行いたい、意見交換をしたいと思います」
このように安倍首相は未来形で話し、トランプ大統領は過去形で話したのだった。そして安倍首相の目はにこやかに垂れ下がっていたが、トランプ大統領の目は鋭く、スキの無い様子だった。
トランプ大統領は、「オレは遊びに来たわけではなくて、日本から多くの物を取っているんだぞ」と、自国民にアピールしたのである。先月、韓国の文在寅大統領をホワイトハウスに呼んだ時と同じモードだ。
実際、トランプ大統領は、ツイッターでそのような内容のことをつぶやいている。
〈 日本との貿易交渉で大きな進展ができつつある。農産物と牛肉が、大きな役割を果たす。日本の7月の選挙まで待ったら、大量だ。大きな数量を期待しているぞ! 〉
「参院選が終わったら、アメリカに大きく妥協いたしますから、どうかその時まで待ってください」――そのように平伏している安倍首相の姿が浮かび上がってくるようだ。
「すでにアメリカとはTPP(環太平洋パートナーシップ協定)で妥結しており、また勝手にTPPを離脱したのはあなたであり、日本は大いに迷惑している。よってTPPのレベルを超える譲歩はできない」――このような正論を吐いているとは思えないのだ。
ここ数日の「芸者外交」は、もどかしく思えた。安倍首相が常々自負している「毅然とした外交」は、どこかへ消し飛んでしまったようだった。
トランプ大統領は、就任以来、2年半近くにわたって、世界の秩序を破壊し、不安定化してきた最大の「戦犯」である。関税の異常な引き上げによる自由貿易体制の破壊と保護主義礼賛、一企業に対する根拠を示さないイジメによるアジアのサプライチェーンの瓦解、北東アジアを危険な道に追い込む「ハノイの決裂」、7ヵ国で合意した中東の和平システム(イラン核合意)からの離脱によるシーレーンの不安定化、そして日米を基軸としたアジア太平洋の自由貿易体制(TPP)や、地球温暖化を阻止するための世界的合意(パリ協定)をも一蹴……。
こうしたトランプの勝手気ままな振る舞いと、日本は本来なら一線を画しているはずだ。例えば、ドイツのメルケル首相やフランスのマクロン大統領などは、今回の日本のような外交手法は取らないはずだ。
安倍首相の考え方
何だか気分がモヤモヤして、ある外務事務次官経験者の元外交官にボヤいたら、苦笑しながらこう答えた。
「確かに日本外交を表面的に見ると、情けなく思えるかもしれない。だが実は、明治維新以降の150年間、日本外交の基本原則は、まったくぶれていないのだ。
それは、常にその時々の世界の最強国に付き従ってきたということだ。20世紀初頭には、それまでの不平等条約を乗り越えて大英帝国と同盟を結び、ドイツがヨーロッパ最強になるとドイツに付いた。そして第2次世界大戦後は、一貫してアメリカに付いている。
日本が自ら超大国になることは、残念ながら不可能だ。そうなると、アメリカにどんな特異な大統領が出現しようが、いまだにアメリカが世界の最強国であることに変わりはないのだから、それに付き従うのが、日本外交の最良の道ということになる」
なかなか含蓄のあるお説だった。だが、私はなおも食い下がった。
「では、3点お伺いします。第一に、トランプがあれだけバカなことを繰り返していても、同盟国である日本は『諫(いさ)める』ことをしないのですか? 江戸時代の武士だって、アホな君主が出た時には、諫めたのではないですか?
第二に、次のアメリカ大統領選で、『私は民主社会主義者だ』と公言するバーニー・サンダース候補が勝利したとしても、日本はアメリカ従属外交を続けるつもりですか?
第三に、今後中国が台頭してきて、アメリカを凌駕する超大国になったら、その時は日米同盟を日中同盟に切り替えるのでしょうか?」
とたんに、元外交官の表情は険しくなった。
「いや、まず第一の質問だが、安倍晋三政権が行っているのは、トランプ大統領を『諫める』のではなく『用いる』外交だ。
虎の威を借る狐ではないが、例えば今回、トランプ大統領を拉致被害者家族に面会させることで、『日米共同で拉致問題に取り組んでいく』という決意を見せ、北朝鮮にプレッシャーをかけた。もちろんトランプ大統領には、金正恩委員長との2度の会談でも、日本の拉致問題について言及してもらっている。そうしたことによって、日本が一国で北朝鮮に拉致問題の解決を要求するよりも、北朝鮮に対して、より強いメッセージを発信できるというものだ。
第二の質問のサンダース候補は、アメリカ大統領にはなれないだろう。前回の大統領選でも、民主党の公認候補にさえなれなかったではないか。すでに高齢(77歳)だし、そのような仮定は考えない方がよい。
第三の質問の、日米同盟を日中同盟に切り替えるという話は、遠い将来的にはあるかもしれないと思う。だが幸いにして、私はもうこの年だから、そのような『悪夢』を見ずに済みそうだがね」
この方は、安倍首相と懇意にしておられるので、安倍首相の考え方も、大枠これに近いのだろう。
実際には、2期目の安倍政権が発足して、はや6年半が過ぎようとしているが、安倍外交がもたらした大きな実績というと、はて思い浮かばない。
北方領土、拉致問題はどうなった
安倍首相は、昨年9月の自民党総裁選で、「地球儀を俯瞰しながら延べ140ヵ国以上を訪問し、各国首脳と深い信頼を構築してきました」と自負した。
たしかに、個々に各国・地域・機関と積み重ねてきた外交については、素晴らしいと思う。だが、後世に残るような「レガシー」(遺産)がないのだ。安倍首相の師匠である小泉純一郎元首相は、北朝鮮から拉致被害者5人とその家族を連れ戻し、それは15年以上を経たいまでも、日本人の記憶に残っている。
安倍首相はというと、あれほど入れ込んでいた対ロシア外交は、25回もプーチン大統領と会談を重ねた末に、北方領土問題は1个癲嵜陛検廚靴討い覆ぁそれどころか、もはや「停滞」ですらもなく、「後退」と言えるほどだ。
5月23日には、ロシア国防省の機関紙が、昨秋に択捉島で行ったという最新鋭の地対艦ミサイルシステム「バル」の発射演習の様子を公開したと報道された。つまりロシアは、着々と北方領土の軍事化を進めているわけで、北方領土交渉の「後退」は否めない。
対中国外交に関しては、安倍首相とほぼ同時期の2013年3月に、自らの政権を発足させた習近平主席は、過去6年以上にわたって、ただの一度も日本を訪問していない。その間、ロシアへは7回も訪問し、韓国さえ一度訪問している。
海上保安庁は5月25日、尖閣諸島周辺の接続水域内で、中国公船による航行が44日連続となり、2012年9月に日本が尖閣諸島を国有化して以降、過去最長となったと発表した。中国の尖閣諸島への脅威は、減るどころか増しているのである。
こうした事情から、安倍首相は最近、「平壌へ行って金正恩委員長と直接会う」と、対北朝鮮外交に意欲を示している。
思えば、2003年から北朝鮮の核問題を話し合う6者協議が開始されたが、北朝鮮を除く関係5ヵ国の中で、日本だけが北朝鮮と没交渉である。昨年来、金正恩委員長と会談した回数は、中国の習近平主席が4回、韓国の文在寅大統領が3回、アメリカのトランプ大統領が2回、ロシアのプーチン大統領が1回。それに対して、日本の安倍首相だけが、金委員長とまだ一面識もない。
そのため、これまで安倍首相は、「拉致問題の解決」を前提にした日朝首脳会談を掲げてきたが、5月に入ってからは「前提条件なしの日朝首脳会談」にトーンダウンしている。この「急変」は、7月に控えた参院選のための訪朝を目論んでいるのではないかと、勘繰りたくもなってくる。
あるルートを通じて朝鮮労働党関係者に、日朝首脳会談実現に向けた進捗状況を確認すると、次のような回答だった。
「5月中旬に、安倍政権内の『大物』が隠密に平壌へやって来て、早期の会談を要請された。そこでわれわれは、会談実現のための条件を3つ出した。
第一に、5月下旬にトランプ大統領が訪日した際、わが国との早期の交渉再開を日本から促すこと。第二に、平壌での首脳会談で『拉致問題』を前面に出さないこと。そして第三に、日本独自のわが国に対する経済制裁を解除し、人道援助を行うなど、わが国に『誠意』を見せることだ。その『大物』は、『すぐに持ち帰って検討したい』と言って帰って行った」
日本は、国連安保理による経済制裁の他にも、日本独自の経済制裁を、北朝鮮に課している。その詳細については、安全保障貿易情報センターの下記のサイトで確認できる。
http://www.cistec.or.jp/export/keizaiseisai/saikin_keizaiseisai/index.html#3_kitachousen
要は北朝鮮は、「独自に経済制裁を課すような『敵対国』のリーダーと握手するわけにはいかない」ということなのだ。では、アメリカはどうなのかと言えば、そこは特別扱いしている。
安倍政治の神髄
一方、経済分野でも、アベノミクスは明らかに「失速」している。
安倍首相のスピーチを先々週、生で拝聴する機会があったが、「47都道府県すべてで求人倍率が1倍を超えている」「失業率が3.6%と約50年ぶりの低水準になった」と強調していた。
だがこれは、単に少子高齢化が急速に進んで人手不足が深刻になった結果であり、経済の好調ぶりによるものではない。その証拠に、内閣府は5月13日、3月の景気動向指数から見た国内景気の基調判断を、6年2ヵ月ぶりに「悪化」と発表した。
また、財務省は5月10日、国債や借入金を合計した「国の借金」が、今年3月末時点で、1103兆3543億円に上ったと発表した。1年前と較べると、15兆5414億円も増えていて、過去最大である。
また、3月に成立した2019年度予算は、歳入では公債金が32兆6605億円で、依存度は32.2%。歳出では国債への支払いが23兆5082億円で、全体の23.2%を占めている。安倍首相が当初、強調していた「2020年にプライマリーバランスをゼロにする」という公約も、完全に破綻しているのだ。
つまり、日本は急速に、活力を失いつつあるというのが現状である。一見すると東京に活気が見られるのは、来年開かれる東京オリンピック・パラリンピックに関連した建設ラッシュであったり、昨年3118万人も訪日した外国人観光客による恩恵だ。
それでも、今回のトランプ大統領の来日を見ていると、安倍首相のパフォーマンスは抜群だった。
安倍政治の神髄は、それが外交面であれ経済面であれ、抜群の「やってる感」にあると再認識した。結果には結びついていなくても、何かに一生懸命取り組んでいるという「やってる感」を、国民に強烈にアピールするのだ。
この「やってる感」が、映像やSNSの時代にフィットして、政権発足から6年半近くが過ぎても、高い内閣支持率をキープしているのだろう。5月中旬に発表された安倍内閣の支持率は、日経55%、NHK48%、時事44.7%、毎日43%……と、いずれも及第点だ。安倍政権があと半年続けば、明治以降の歴代政権で、首相在任日数が過去最長となる。
世界の政治的混乱の中で
実は、こうした安倍政権の政治・経済運営が、意外にも、いま世界で再評価を受けている。
まず政治的には、「日本だけが安定を保っている」という点が、高評価につながっている。
アメリカは、冒頭述べたように、トランプ大統領の特異なキャラクターが、アメリカと世界に混乱を引き起こしている。
トランプ政権について書かれた2冊の「暴露本」、『炎と怒り』(マイケル・ウォルフ著、邦訳は早川書房)と『恐怖の男』(ボブ・ウッドワード著、邦訳は日本経済新聞出版社)を読むと、トランプ大統領の言動は、ほとんど常軌を逸していることが分かる。それでもアメリカが何とか面目を保っていられるのは、第2次世界大戦後、70年以上続いた覇権国家としての「遺産」によるものだろう。
来秋には、再び大統領選挙が行われるが、共和党はそんなトランプ大統領が再選を目論んでいる。一方の民主党は、社会主義者のような候補者たちが次々に出馬表明し、「烏合の衆」と化している。
世界的ベストセラー『文明の衝突』(邦訳は集英社)で知られる故サミュエル・ハンチントン元ハーバード大学教授は、遺作となった『分断されるアメリカ』(邦訳は集英社文庫)で、アメリカ社会で21世紀に繰り広げられるのは「深刻な分断」であると予見した。いまや、まさにその通りの展開になっている。
一方、ヨーロッパに目を転じると、5月23日から26日まで行われたEU(欧州連合)議会選挙で、反EU勢力が大躍進を果たした。
今後のEUは、反EU勢力がEU議会の中から合法的にEUを崩壊させるというジョークのようなことが起こるかもしれない。思えば1930年代には、ムッソリーニのファシスト党もヒトラーのナチス党も、そうやって政権を取った。
イギリスに関しては、これが大英帝国のなれの果てかと、哀れに思えてくるほどだ。3年前にBrexitが成立し、デービッド・キャメロン首相からテレーザ・メイ首相に変わった時、ずいぶん「格落ち」の首相が誕生したものだと感じたものだ。だが、メイ首相が6月7日に辞任した後に出てくる「後継者」は、さらに「格落ち」の人物になりそうだ。
ともあれ、そんな世界の先進諸国の政治的混乱の中で、日本政治の安定度は、相対的に見て際立っているのである。ただ他国がひどいだけにも思えるのだが、「日本の安倍首相はすごい」という評価になっているのは事実だ。
真の問題から目をそらすな
経済的にも、ここのところ「MMT」が世界で猛威を振るっていることで、安倍政権に対する評価が高まっている。MMTとは、「Modern Monetary Theory」の略で、「現代貨幣理論」と邦訳されている。
これはアメリカでは、サンダース候補を始めとする民主党の左派勢力、ヨーロッパではイギリス労働党やフランス「不服従のフランス」などの極左勢力が唱える経済政策だ。簡単に言えば、政府は国の借金を気にせずどんどんお札を刷り、それを国民にバラ撒くべきだという考えである。
そんな彼らが「模範国家」と見なしているのが、日本なのだ。日本はもはや返済不能な規模の負債を抱えているが、国家は破綻しないし、インフレすら起こっていないではないかというわけだ。
前述のような巨額の借金を背負った日本が前向きに評価される日が来たのだから、本当に世も末である。
もちろん、中には正論を吐く識者もいる。経済界で私が着目しているアメリカ人に、ジェフリー・ガンドラックという人がいる。歯に衣着せぬ物言いで知られ、アメリカでは「債券王(Bond King)」の名で知られている。13兆円を運用するダブルラインの創業者でCEO。
日本では、ウォーレン・バフェット、ジョージ・ソロス、ジム・ロジャースの「3大投資家」がいまだに持て囃されているが、いまやアメリカの投資業界が注目しているのは、新世代の「債券王」の動向だ。
彼は、2016年の大統領選でトランプが最終的に勝利することを始め、アメリカの金利政策から世界の景気動向まで、ピタリと当てている。
そんなガンドラック氏が、「ザ・マーケット」というメディアのインタビューに答えた最新の発言(4月11日付)が、世界の投資関係者の間で話題を呼んだ。記事のタイトルは、「ガンドラックがMMTをこき下ろす、株価は暴落すると見ており、2020年大統領選の『暴動と騒乱』を懸念」。
長文のインタビュー全文は、下記のサイトで見られる。
https://www.zerohedge.com/news/2019-04-11/gundlach-slams-mmt-sees-stocks-slumping-fears-violence-riots-during-2020-election
その中で、「MMTについて多くのことが言われているが、これをどう思うか?」という質問があり、彼は日本を引き合いに出して答えているのだ。
「もう何でもかんでも価値あるアイデアだと受け止められるような時代になってしまった。MMTが本質的に主張しているのは、アメリカは日本のように借金漬けになってもOKだ、なぜなら借金は自国通貨なのだからということだ。
日本の借金は雪だるま式に増えており、日本の株式市場がピークから30年経っているという明白な結果以外のものを見出すのは、非常に困難だ。日経平均株価はいまだに、1989年末から約半分までしか回復していないではないか。
そのため、(日本の)ゼロ金利と借金の急増、そして経済的成功の欠如との間には、何らかの相関関係があると思わざるを得ない。これらの考えは、より公平さと機会を備えた社会の創造を目指しているのかもしれないが、それらがもたらす多くのことは正反対の効果であり、真の問題から目をそらしているのだ」
何とも手厳しい正論である。
いずれにせよ、今回のトランプ大統領の来日で、一つメリットがあったとするなら、それは「世界の中の日本」という「立ち位置」が再認識できたことだろう。昨今の日本のドメスティック化が、いかに甚だしいとはいえ、日本は世界を無視しては生きていけないということだ。
【今週の新刊推薦図書】 『「安倍晋三」大研究』著者=望月衣塑子(ベストセラーズ、税込み1,620円) ご存じ、「安倍政権の天敵」東京新聞・望月記者の最新刊。普段、中国や北朝鮮の研究をしている私からすると、このような本を堂々と出版できる日本は、素晴らしい民主国家だと思う。この本に登場する著名人たちも、堂々と正論を吐いている。時の政権を好きな人も嫌いな人も、オープンに議論できる環境が、日本で今後とも維持されることを願う。


<日米首脳会談>接待外交の成果どこに
 トランプ米大統領への日本政府の厚遇ぶりが際立った。
 トランプ氏はおととい、安倍晋三首相と恒例のゴルフをプレーした後、特等席で大相撲を観戦し、夜は高級居酒屋を訪れ、きのうは天皇、皇后両陛下と会見した。
 首相は共同記者会見で「日米の揺るぎない絆を内外に鮮明にする絶好の機会となった」と強調した。だが単に親善を図るだけの「接待外交」では国のトップとして責任を果たしたとは言えまい。
 日米間には経済、安全保障をはじめ、取り組むべき課題が山ほどある。首脳会談はそうした課題の解決を図る重要な場のはずだ。
 来日の具体的な成果は何なのか。首相は言うべきことを言ったのか。そんな疑問が拭えない。
 焦点の北朝鮮を巡る問題で、トランプ氏が今月上旬の短距離弾道ミサイル発射を問題視せず、国連安保理決議違反との認識を示さなかったことは見過ごせない。
 北朝鮮の核・ミサイル開発は日本にとって直接の脅威だ。
 首相は会見で「安保理決議違反」と明言した。ならば早急な対応を促すべきではなかったか。
 拉致問題を巡り、政府はトランプ氏と被害者家族との面会の場を設け、米国と協力して被害者帰国に尽くす姿勢をアピールした。
 トランプ氏は既に2回、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長との会談で拉致問題解決を働き掛けている。
 度重なる政府の米国頼みの姿勢は目に余る。
 首相は会見で、いまだに実現していない金氏との会談について、条件を付けずに開催を目指す考えを重ねて示しながらも、開催のめどが立っていないことを明らかにした。
 意欲だけ繰り返すのでは、被害者家族は納得できないだろう。
 首相は核問題を巡り米国と対立するイランを来月訪問し、緊張緩和に貢献したい考えをトランプ氏に伝えた。
 中東地域の安定に日本が貢献する必要はあろう。
 だが、事の発端は欧米など6カ国とイランが結んだ核合意から、米国が一方的に離脱したことだ。
 合意に戻るよう米国に促し、話し合いの中で解決策を探る方向に導くのが筋である。
 首相は会見で日米同盟の強固さを強調した。しかし米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設など沖縄の基地問題や、日米地位協定改定についての言及はなかった。
 首脳間の蜜月の陰で、日本の対米追従姿勢が浮き彫りになった。


日米首脳会談 なぜ選挙のあとなのか
 あまりに露骨、横柄な物言いではないだろうか。日米の貿易交渉妥結は参院選挙後までずれ込む見通しという。人々の暮らしを大きく左右する交渉である。選挙の材料に使ってはならないはずだ。
 交渉で米国の標的ははっきりしている。巨額の貿易赤字削減を念頭に日本に対し、農産物の輸入増、自動車の対米輸出規制、円安阻止を狙った為替条項の導入を求めている。
 日本は牛肉など農産物の輸入関税について、少なくとも環太平洋連携協定(TPP)で認められたレベルまで引き下げざるを得ないだろう。その場合、政府は国内農家の暮らしを守る対策を行う必要がある。犠牲になる人々を救済してこその自由貿易だ。
 最大の焦点は自動車問題だ。トランプ米大統領は車の輸入増加を「安全保障上の脅威だ」と主張。その上で、関税の大幅な引き上げをちらつかせ、日本側に譲歩を迫る戦略だ。
 この安全保障問題への関連づけについては疑問を持つ人も多いはずだ。トヨタ自動車は「安全保障上の脅威ではない」と異例の反論を行ったがその通りだろう。
 自動車産業は、完成車輸出が主役だった一九八〇年代と違い、すでにグローバル化している。日本メーカーは米国に工場進出し現地の雇用に貢献している。部品の輸出入は日本と米国、中国などを還流し、お互いの利害は切り離せない状況にある。
 貿易の循環を断ち切る関税引き上げを含む規制強化は、世界経済に不利益しかもたらさない。大統領は、時代に逆行した貿易規制が結果的に自国経済をも傷つける現実を理解すべきだ。
 さらに指摘したいのは、貿易交渉の妥結時期と参院選挙が深く関連しているようにみえる点だ。交渉の行方は農家や自動車産業で生きる人々の生活に影響する。あえて選挙直後に合意を図るのなら、不誠実ではないのか。
 大統領は原則として貿易交渉を二国間で行うことを好む。力の差を見せつけ分かりやすい貿易上の成果を狙う手法だ。
 貿易の最大の目的は、お互いの足りない部分をモノやサービスの移動により補完。その上で双方が生活の質を上げることだ。
 大統領のやり方は人類が培ってきた貿易の機能を無視している。ならばここは妥結時期にこだわらずに交渉し、自由貿易の灯を守り続けるのが筋だろう。


米大統領への特別待遇 長期の国益にかなうのか
 国賓として来日しているトランプ米大統領はきのう安倍晋三首相と会談した。天皇陛下とも会見し、宮中での晩さん会に出席した。
 首脳会談では、焦点の日米貿易交渉の議論を急ぐことで一致し、北朝鮮問題について認識の綿密なすり合わせをしたという。
 政策課題で大きな進展がない中、際立ったのは、トランプ氏への異例のもてなしだ。「令和初の国賓」としての接遇にとどまらない。
 5度目のゴルフでは笑顔のツーショットを自撮りした。ソファを升席に並べた大相撲観戦では米大統領杯を新設し優勝力士を表彰する機会を設けた。夕食では炉端焼き店に招き、伝統的な和食をごちそうした。
選挙をめぐる取引では
 日米同盟は日本外交の基軸だ。日本の問題を解決するために米国の力を必要とする場合は確かにある。ときには破格の処遇で歓心を買うことも必要だろう。
 ただし、それが正当化されるのは国益を守る手段になる場合だ。国益とは安定的な国際秩序を維持し、自由で公正な貿易を堅持することである。それにかなっているだろうか。
 目を疑うようなニュースがあった。ゴルフ直後にトランプ氏が発したツイッターの投稿である。
 日米貿易交渉について「7月の(参院)選挙後まで待つことになるだろう」と明かした。
 米国は日本の米国産農産物に対する関税の早期撤廃を求めている。しかし、参院選前に合意を急げば安倍政権に不利になるおそれもある。
 投稿は、選挙前に譲歩を迫られる交渉は避けたいという安倍政権の意向を反映したものだろう。
 だが、それではあまりに目先の損得にとらわれていないか。安倍政権の「政権益」になっても、国益にそうかはわからない。有権者を欺く行為と言われても仕方ないだろう。
 そうした「取引」があるなら、トランプ氏はいずれ見返りを求めてくるだろう。大統領選を控えて要求を高めてきても不思議ではない。
 トランプ氏は8月の合意に期待を示したが、日本が安易に妥協する筋合いはなかろう。環太平洋パートナーシップ協定(TPP)を離脱し、米国を不利な立場に追い込んだのはトランプ政権だ。
 日米間では過去にも厳しい貿易交渉があった。1990年代には自動車部品で「数値目標」を迫る米国の要望を日本は拒否した。当時の宮沢喜一首相が来日したクリントン米大統領を夕食に誘って説得した。
 今回も米国は自動車の数量制限をちらつかせる。首相はトランプ氏に自由貿易の価値をひざ詰めで説くべきではないか。良好な関係を世界にアピールしても、対米追従とみられれば外交上の得点にはならない。
 会談では、北朝鮮問題も協議した。懸念されるのは、北朝鮮が今月上旬に短距離弾道ミサイルを発射したことについてトランプ氏が問題視しない姿勢を示していることだ。
「米国頼み」から脱却を
 決裂した2月のハノイでの首脳会談後、米朝関係は足踏みしている。失敗との批判を招かぬよう対話路線を維持したいのだろう。
 しかし、あらゆる弾道ミサイルの発射を禁止した国連安全保障理事会決議に違反するのは明白だ。なにより、短距離弾道ミサイルは日本にとって大きな脅威である。
 首相は対北朝鮮政策について「日米の立場は完全に一致している」と強調した。日本への直接の脅威をめぐる米国との危機認識の共有はできているのだろうか。
 首相が培ったトランプ氏との信頼関係を他の政策課題に生かすこともできる。たとえば沖縄基地問題だ。
 米軍普天間飛行場の辺野古移設への地元の反対は強い。移設先では埋め立て海域に軟弱地盤も見つかっている。沖縄の意向を反映するよう腹を割って話し合うこともできよう。
 「米国第一」を掲げるトランプ政権下で米国の相対的な影響力は一段と低下している。日米基軸を維持しつつ、「米国頼み」一辺倒からどう外交の幅を広げていくかも重要だ。
 5月1日に即位された天皇、皇后両陛下にとってトランプ氏が最初に迎える国賓となった。そもそも国の大小にかかわらず親善を深めるところに皇室が担う外交の価値がある。
 日本にとって最も重要だからといって米大統領を選んだ妥当性は今後も問われ続ける。
 日本の国益を見据え、長期的な視座で日米関係を築く必要があろう。


トランプ氏握手の作家ら「ご招待」? 桜井よしこ氏ら 「打ち合わせなし」
 東京・両国国技館で26日にあった大相撲夏場所千秋楽で、観戦を終えて退場するトランプ米大統領と、升席にいた作家の門田隆将氏、評論家の金美齢氏、ジャーナリストの桜井よしこ氏が握手したことが話題になっている。ネット上では3人は安倍晋三首相に近いとみなされており、「自腹なの?」「総理がご招待?」などの声が相次いだ。ツイッターで「升席を確保した」と明らかにした門田氏に経緯を聞いた。【大場伸也、大村健一、山口朋辰/統合デジタル取材センター】
 門田氏は26日夜、「大相撲のマス席をやっと確保できたので、いつもお世話になっている金美齢さん、櫻井よしこさんをご招待して千秋楽を観戦した。退場する時、安倍首相とトランプ大統領が近づいてきて、なんとお二人と握手。隣にいた私も握手させてもらった。サービス精神旺盛のトランプ氏らしい驚きのシーンだった」とツイートした。
 これに対して、「やらせだろ」「国技館のお友達席化」「彼らの主張には共感するところ大なのだけど、大の大人がコネ使って相撲観戦して大統領と握手するのはどうなんだろう」などと批判する投稿が相次いだ。
 また、首相が毎年4月に新宿御苑で開く「桜を見る会」の開催費用が膨らみ、国会などで「政権に近い人が招かれている」と批判が出ていることを踏まえ、「4月は桜を見る会、5月は相撲を見る会」「大相撲まで首相に私物化されてしまった」といったツイートもあった。
 夏場所のチケットは4月6日に一般発売が始まった。新大関・貴景勝への期待も大きく、その日のうちに完売した。自由席の当日券もあるが、千秋楽は「都合により販売数を通常よりも大幅に制限(約半数)」と公式販売サイトで発表していた。
 かなり入手困難だったようだが、門田氏に聞くと、「升席の4人分(のチケット代)は全部、私が出しました。額は言えないけれど高かったですよ。4人で2ケタくらい」と「ご招待」を否定した。
 門田氏が説明する経緯はこうだ。4月12日にトランプ氏が千秋楽に来ると報じられた際、すぐに知人で学生相撲出身の医師・ジャーナリスト、富家(ふけ)孝氏に「席を押さえて」と頼んだ。いつもは東方を取ってもらうが、今回はなかなか席が取れず、普段と違う西方の席になったという。
 すぐ横の通路をトランプ氏が通ることは事前にまったく知らず、退場するトランプ氏に「ミスタープレジデント!」と大声で声をかけたところ、首相とトランプ氏が気づき、握手が実現したということだ。事前に政府や安倍事務所と打ち合わせしたことも一切ないという。
 門田氏は取材に「ネットでは、安倍親衛隊が招かれたみたいに書かれていて、いかにネットがファクトを見ないで自分の主張に引きつけて書いているか、よく分かった。そもそも私は安倍親衛隊ではない。常に是々非々で、安倍政権の大批判もしている」と話した。


トランプ氏 「衆参同日選」想定? 複数形「elections」ツイート波紋
 来日中のトランプ米大統領が日米貿易交渉に関し、「7月の選挙後まで待つ」と26日にツイートした際、「選挙」を「elections」と複数形で表現したことが波紋を広げている。安倍晋三首相が衆院を解散して「衆参同日選」に踏み切る可能性をトランプ氏に伝えたのではないかとの臆測を呼んでいる。
 だが、参院選は複数の選挙区で行われるため参院選単独でも複数形で表現するのは一般的。トランプ氏のツイートは衆院解散とは関係なさそうだ。
 それでも「疑念」は拭いきれず、ある自民党の若手議員は「衆参同日選の話題が出たのかもしれない。あり得るとの想定で備えておかないといけない」と語った。
 トランプ氏は26日、ゴルフと昼食を首相と共にした後、「Much will wait until after their July elections」(7月の選挙後まで待つ)とツイートした。【遠藤修平】


日米首脳会談 演出ばかりで中身がない
 安倍晋三首相とトランプ米大統領が首脳会談に臨んだ。
 共同記者会見で両氏は「日米同盟の絆は揺るぎようがない」(安倍首相)「厚い友情は世界安定の礎だ」(トランプ氏)と言葉を飾ってみせた。
 肝心の懸案事項では見解の違いが色濃くにじんでいた。
 首相は夏に参院選を控え、トランプ氏も来年の大統領選での再選を目指している。互いの立場に配慮し合い、突っ込んだやりとりを避けた印象が否めない。
 貿易交渉が焦点の一つだった。環太平洋連携協定(TPP)から離脱した米国は、自国の農家が不利にならないよう農産品の関税の撤廃か大幅な引き下げを要求してきている。日本の自動車の対米輸出制限も検討する。
 会見でもトランプ氏は「貿易不均衡は信じ難いくらい大きい」と主張した。安倍首相は、報道陣の質問に「双方にとって良い『ウィン・ウィン』の合意を目指す」と繰り返すだけだった。
 トランプ氏が「参院選までは取引を待つ」と表明したのをいいことに、日本政府として譲れない線も説明していない。選挙後に米政権が再び圧力を強めてくるのは目に見えている。
 北朝鮮が今月上旬に発射した短距離弾道ミサイルについて、トランプ氏は来日後、「小さな武器をいくつか発射し、私の側近や他の人の気に障ったが、私は違う」とツイッターに書き込んだ。
 安倍首相は会見で「国連決議に違反するもので極めて遺憾」としつつ、大統領による「非核化への新しいアプローチに敬意を表したい」とも付け加えている。
 拉致問題でもトランプ氏は、2月の米朝会談後、首相に金正恩朝鮮労働党委員長と電話会談するよう促している。自力で解決するよう突き放したとみていい。
 イラン情勢を巡り、首相は「日本としての責任を果たす。間違っても武力衝突に至らないよう努力したい」と言明した。米国は既に原子力空母や戦略爆撃機を中東に派遣している。会談でトランプ氏にどこまで迫ったろうか。
 日米地位協定の見直し、地球温暖化対策、核兵器削減など、両国間で協議すべき問題は山積している。ゴルフや大相撲観戦、居酒屋談義に興じ、東京スカイツリーを星条旗の色に染める…。過剰なもてなしが際立つ会談は国際社会の目にどう映ったか。
 腹蔵なく話し合える関係でないのなら、首相の言う「厚い信頼関係」も見せかけに過ぎない。


日米首脳会談 親密さ頼みでは成果得られない
 異例ともいえる厚遇で、トランプ米大統領との親密さを打ち出すことには成功した。しかし具体的な成果は、その一点にとどまったという印象だ。
 来日したトランプ氏と安倍晋三首相との日米首脳会談が行われた。注目の日米貿易交渉を巡っては、双方に利益となるような成果の早期達成に向け、議論を加速させる方針で一致したものの、その道筋は示されず、意見の相違が浮き彫りになることを避けるため、会談成果を示す共同声明も行われなかった。さらに記者会見でトランプ氏が、日本が交渉の土台とする環太平洋連携協定(TPP)について「縛られない」と一方的な見解を述べる場面もあり、温度差もうかがわせた。
 米国への同調や配慮ばかりでは、「自国第一」を掲げるトランプ流外交に翻弄されるのは明らかだ。首相はトランプ氏に国際協調の意義を説いたり、日本の立場に理解を促したりすることにも正面から向き合わなければならない。それができるかどうかが、新時代の日米関係、日本外交の試金石となるだろう。
 トランプ氏は令和時代初の国賓として来日。天皇、皇后両陛下との会見のほか、ゴルフや大相撲観戦で、連日もてなした。
 首相がこれほどまでにトランプ氏を歓待するのは、規格外の言動を繰り返すトランプ氏との関係構築に各国首脳が苦戦する中、蜜月ぶりを際立たせるためだ。さらには、貿易交渉での強硬姿勢を緩めてもらうことや、北朝鮮問題での支援を期待する狙いもある。
 しかし、大統領選での再選を最優先課題ととらえ、支持者受けする施策を連発するトランプ氏が、思惑通りに動く保証はない。日米の利害が対立する貿易交渉では、米国は自国の農産物について関税引き下げを要求する一方で、日本が強く求める自動車関税撤廃には慎重姿勢を崩していない。妥協点を見いだすことは極めて厳しい状況だ。
 ところがトランプ氏は首脳会談の冒頭、貿易交渉に関し「8月に大きな発表ができる」と述べるなど、早期合意に強い意欲をにじませた。交渉をコントロールするのは自分であるとの意思の表れだろう。日本の政治日程を踏まえ、夏の参院選までは合意を急がない姿勢を表明したことも、「貸し」とみなし、譲歩を迫る交渉材料とする可能性は高い。
 北朝鮮を巡っては、拉致問題解決のために前提条件を付けずに日朝首脳会談実現を目指す首相方針を、トランプ氏が全面的に支持した。ただ、非核化について「急いでいない」と述べたり、最近の短距離弾道ミサイル発射を問題視しない考えを改めて示したりするなど、日本の立場との違いも明白になった。分断を狙う北朝鮮の思惑にはまらないよう、足並みをそろえ直すことはもちろんだが、日本がトランプ氏に依存せず、独自に北朝鮮との外交ルートを探る努力も怠ってはならない。


【日米首脳会談】誰のための厚遇なのか
 貿易赤字削減を目指すトランプ米大統領の強い姿勢が改めて浮き彫りになったといえそうだ。
 安倍首相と来日中のトランプ氏の会談がきのう行われ、双方が貿易交渉の早期妥結で一致した。今回は共同声明が見送られたが、両首脳は夏の参院選後に決着を急ぐ取引をしたもようだ。
 共同記者会見では両首脳とも、決着の具体的な時期に言及しなかったものの、トランプ氏は会談の冒頭で「8月に大きな発表ができる」と発言している。前日にはツイッターに参院選までは妥結を待つ趣旨の投稿をしていた。
 米国は日本に対し農業分野などで大幅な関税引き下げを迫っている。農家の不安は大きく、選挙の争点になることを避けたい安倍政権にトランプ政権側が配慮した格好だ。
 逆にいえば、参院選が終われば交渉を加速するという強いメッセージといえる。秋にはトランプ氏の再選がかかる2020年大統領選が実質的に始まるため、トランプ氏は実績づくりに必死になっている。
 早期決着は日本側にメリットがなく、先送り自体は一つの戦術だ。しかし、参院選をやり過ごし、選挙が終われば決着を図るというのは有権者をあまりに軽んじている。
 安倍政権は、トランプ氏を国賓として招き、ゴルフや大相撲観戦などで手厚くもてなした。双方の友好関係を国際社会に示す狙いがあるとしても、選挙対策とご機嫌取りのためと勘繰られても仕方がない。
 国政選挙で、実績や政策について国民に堂々と審判を受けるのが政権与党であるはずだ。誰のための厚遇なのか、何のための交渉なのか問われる。
 トランプ氏は、環太平洋連携協定(TPP)から一方的に離脱した。日本側は、関税協議はTPPでの取り決めが土台になるとの姿勢だが、トランプ氏は会見でもTPPについて「わたしは関係ない」「米国は縛られない」と強気だ。
 参院選後まで先送りした見返りに大幅譲歩を迫られる事態も予想される。無責任なのは米国であり、安易な妥協は許されない。安倍政権には毅然(きぜん)とした交渉姿勢が求められる。
 北朝鮮問題でも米国の姿勢は気掛かりだ。拉致被害者の帰国に向け、日米で連携していくことを確認できた意義は大きいが、短距離ミサイルの発射についてトランプ氏は「国連安全保障理事会決議違反ではない」との見方を改めて示した。
 これでは米国に届かないミサイルならば認めるという誤ったメッセージになりかねない。日本にとっては北朝鮮の脅威は変わっておらず、圧力を高めるには米国としっかりと議論する必要がある。
 安倍首相は会見でトランプ氏との信頼関係や日米同盟の絆を誇った。そうであるならば温度差があるテーマでも正面から議論し、納得のいく合意をつくり上げる関係でなければならない。おもてなしと追従に終わってはなるまい。


河北抄
 「小学生を襲えば多数を簡単に殺害できる」。こんな犯人の言葉を忘れることができない。2001年6月、大阪教育大付属池田小に包丁を持った男が侵入し、児童8人を殺害した事件。あまりに身勝手で冷酷な犯行が世間を震撼(しんかん)させた。
 あれから間もなく18年を迎えるというのに、子どもたちの受難が続く。けさ、川崎市多摩区の登戸駅近くの路上で通学のバスを待っていた児童16人を含む18人が刃物を持った男に襲われ、小学6年の女児1人と30代男性が死亡した。
 神奈川県警によると、身柄を確保した男は自分で首付近を刺し、死亡が確認された。両手に刃物を持ち、「ぶっ殺すぞ」と叫んでいたらしい。子どもたちの恐怖はいかばかりだったか。なぜこんな卑劣で身勝手な事件を起こしたのか。男の死で真相解明が難しくなるかと思うと、やりきれない思いがする。
 池田小の事件後、文科省は学校の安全対策を強化してきたが、子どもの命を脅かす事件は後を絶たない。小さな命を守る責任は大人にある。今回の事件を機に皆で対策を考えなければならない。


川崎市・登戸に通り魔 確保の男と小学6年生の女児が死亡
 28日午前7時46分ごろ、川崎市多摩区登戸新町にある登戸第1公園前のバス停「カリタス学園」付近で「複数の人が刺された」との通報があり、6歳と7歳の女児など小学生を含む18人が刺された。負傷者は小学生16人と成人の男女各1人で、正午現在、小学6年生の女児1人が死亡、大人の男性と女性が1人ずつが心肺停止となっている。
 神奈川県警は、現場近くで容疑者とみられる男の身柄を確保。現場からは包丁2本が発見され、男は50代くらいで、自分の首を刺し、その後死亡した。
 現場はJR登戸駅から西に200メートルほど離れた住宅街の一角。


都構想の再投票  住民への説明を十分に
 住民投票を再度行うなら、構想の内容を煮詰めることが前提だ。
 大阪市を廃止して特別区に再編する「大阪都構想」の住民投票を速やかに行うことで大阪維新の会と公明党大阪府本部が合意した。
 来秋にも実施される見通しだ。
 公明は4月の知事・市長ダブル選などで維新が勝利したことを受け、従来の都構想反対の立場を一変させ、賛成に転じた。
 同じく反対してきた自民党大阪府連も、内部に異論を抱えながら住民投票への賛成を打ち出した。
 2015年の住民投票で否決された都構想は、2度目の住民投票に向けて急展開をみせている。
 ただ、構想を制度案にまとめる協定書は今後1年間かけて作成するという。中身が決まらないうちに賛成に回る公明は、従来の主張との整合性をどう説明するのか。
 衆参同日選への観測もある中、政党の都合で方針転換を急いだようにみえる。都構想を巡っては、実現を掲げる維新と、対抗する自民、公明などとの政治的駆け引きが前面に出ていた印象が強い。
 構想の中身への議論は深まっていない。大阪の自治の仕組みがどう変わるのか、十分説明しないままの住民投票は許されない。
 いまだ多くの疑問が存在する。
 維新は府と市の二重行政を解消して行政を効率化すると主張し、制度移行後の10年間で歳出削減効果は1兆円超との試算もある。
 ただ、特別区の庁舎整備などには多額の初期費用がかかる。
 現在、四つの特別区を設ける案が検討されているが、税源配分や財源調整などの仕組みをどう設計するのかなどは見えていない。
 政令指定都市の大阪市が持つ都市計画などの権限が特別区に細分化されれば、一体感のあるまちづくりに支障が出る恐れもある。
 都構想が、自治の機能を後退させることになってはなるまい。
 各特別区で首長と議員を公選すれば、大阪「都」に対する独自性が強まるとも予想される。二重行政どころか、逆に何重もの独自行政になることもありうる。
 こうした疑問に丁寧に答えていかなければ、住民投票は形だけになってしまう。過去に否決されているだけに、前回の住民投票で示された案とどう違うのか、具体的な説明が不可欠だ。
 他の政令市では、大都市機能を強くする「特別自治市」創設を求める声が多い。政令市解体に突き進む大阪府市のやり方は異色だ。
 何が住民の利益になるのか。深い議論が求められる。


政府が偽情報対策 まず官製フェイク一掃を
 総務省の有識者会議が、事実と異なる情報が流れる「フェイク(偽)ニュース」対策の検討を始めた。
 選挙や災害時のデマ拡散抑止に向けて本格的な対策をまとめるためだ。政府は、会員制交流サイト(SNS)を手掛けるフェイスブックやツイッターなど巨大な米IT企業や情報配信事業者に自主的な行動規範の策定を求めることを視野に入れている。
 政府がデマ拡散抑止対策に乗り出す背景には、偽情報の影響を受けた人々の投票が選挙結果を左右しかねないとの危機感があるという。民主主義の根幹を揺るがす事態を避けることが表向きの理由だ。
 しかし政府主導で対策を進めることはむしろ危険だ。何が偽情報に当たるかを判断するのは政府だからだ。政府にとって都合の悪い情報を標的にして事実や言論を封じ込める恐れがある。
 2016年の米大統領選では、トランプ氏に有利になるような偽の記事が出回ったとされ、大問題になった。そのトランプ氏は自身に不都合なニュースを「フェイク」と決めつけ、メディアに圧力をかけている。政府のデマ対策は同様に悪用されないか。
 政府は憲法で保障された「表現の自由」に配慮し、法制化は見送るという。しかし政府主導で対策を進めることは事実上、政府の裁量を基にした言論介入だ。表現の自由が侵害される可能性は極めて大きく、政権批判や腐敗の追及まで封じられかねない。言論統制に突き進む恐れがある。
 偽情報対策は、あくまで民間の努力で情報を見極め判断し、デマや誤情報を減らしていくべきだ。政府が対策に介入すべきではない。
 そもそも安倍政権に対策を進める資格はない。自らフェイクニュースを流してきた経緯があるからだ。名護市辺野古の新基地建設に伴う埋め立てについて「土砂投入に当たって、あそこにサンゴは移している」と、事実と異なる発言をした。実際は土砂が投入されている区域でサンゴの移植は行われていなかった。
 米軍普天間飛行場の5年以内の運用停止についても首相は「最大限努力する」と約束したが、実現の見通しのない空手形だった。
 首相に限らない。沖縄の基地問題に関して政権幹部からは偽情報と取れる間違った情報や誤解を与えかねない発言が繰り返されてきた。菅義偉官房長官は昨年の国会で、普天間飛行場返還合意のきっかけを、少女乱暴事件ではなく「事故」と強弁し続け、修正しなかった。
 このような政権にデマ対策の手綱を持たせてはいけない。とはいえ、ネット上では偽情報があふれ、選挙や災害時に深刻な影響を与えていることも事実だ。民間の努力を促す以外に政府がやるべきことは、襟を正して政府自身がフェイクニュースを発信しない仕組みをつくることだ。それこそが政府のデマ対策だ。


731部隊に学位授与、京都大は本調査せず 検討経過も非開示
 第2次世界大戦中に人体実験の疑いがある論文を執筆した旧関東軍731部隊の将校に京都大が医学博士号を授与したとして検証を求めていた有識者グループは27日、本調査を行わないと決めた経緯などを開示しない方針を京大から示されたことを明らかにした。同グループは「極めて不誠実な態度」と批判。今後、情報公開請求をして、場合によっては法的措置も検討するという。
 「満州第731部隊軍医将校の学位授与の検証を京大に求める会」(事務局長・西山勝夫滋賀医科大名誉教授)が京都市左京区の京大で会見した。同会は4月、京大が行った予備調査の議事録などを開示するよう要請書を京大に送付。5月10日に京大側から「開示が必要との判断には至らなかった」との返答があったという。
 同会は「開示しない理由の説明もなく容認できない。今後も検証は続ける」としている。共同代表の広原盛明・京都府立大元学長は「大学の研究不正に関する問題であり、通常より高いグレードで情報を開示するべきだ」と訴えた。


日本初のアフリカ人学長の挑戦と理念――「グローバル」と「ダイバーシティ」掲げて奔走
京都精華大学のウスビ・サコ学長は式辞で、生まれ育った西アフリカ、マリ共和国の文化や言葉を織り込む。それも、必ず、である。小雨模様だった今年3月の卒業式は、「マリは乾燥地帯で、雨の日が一番おめでたい。だから本日は、マリ的には非常に天気がいいのです」というあいさつから始まった。4月の入学式では、母語のバンバラ語で「みなさん、故郷の家を出て、新しい家へようこそ」と語り掛けた。世界の広さを感じ、想像してほしいからだという。2018年4月の就任から1年余り。「日本で初のアフリカ出身学長」と話題になったサコ氏は「グローバル」と「ダイバーシティ」を掲げて奔走している。(文・松本創、写真・浜田智則/Yahoo!ニュース 特集編集部)
アフリカ、中南米、南アジア……「留学生を4割に」
「すいません、遅くなって。昨日中に京都へ戻るつもりが、帰れなくなって」
朝からの取材と撮影を依頼していた日、東京出張から直接大学に戻ってきたサコ氏は、30分ほど遅れてタクシーで到着した。いま、53歳。前の日は、ナイジェリアとジャマイカの在日大使館を訪ね、交換留学や大学間連携の話をしてきたという。
「セネガル大使館にも行きたかったけど、うまく予定が合わへんかったから、また今度やな」
マンガ学部を持つことで知られる京都精華大の留学生は、大半が中国や韓国、台湾などの東アジア出身者だ。日本のマンガやアニメーションを学ぶことが目的だという。建築や住空間を専門とするサコ氏が学長になってからは、それを新たな国や分野に広げようとし、アフリカや南アジア、中南米といったエリアも視野に入ってきた。
サコ学長の誕生と同時に、学校法人の理事長になった石田涼氏(57)は、こう言う。
「さまざまな国から提携や交流の話がくるのは、間違いなくサコさんの存在が大きい。ただ、ここまで海外の注目を集めるとは、私たちも思っていませんでした。話題性やグローバル化を狙って出身国や肌の色の異なる人を選んだのではなく、あくまで大学という共同体の一員として、学長にふさわしい人を選挙で選んだだけなので」
サコ氏は、京都精華大に着任して18年になる。
自身は「この大学で、自分が外国人だと意識したことはないし、外国人だから学長に選ばれたとも思っていない」と繰り返し語ってきた。学生の指導や自分の研究だけでなく、大学の校務や対外折衝、さまざまな雑用まで、日本人とまったく同じようにこなしてきたという自負もある。石田氏も「言葉や文化の違いから校務に消極的な外国人教員もいるなかで、サコさんはそう感じさせるところがなかった」と言う。
現在、京都精華大の留学生の割合は10%台。これを「4割にまで高めたい」と、サコ氏は学長になったときから語っている。この春入学した学部生・大学院生は964人で、このうち外国人留学生は322人。33%を占めた。
その新入生たちを前にした入学式で、サコ氏はグローバル化する世界とダイバーシティの必要性を熱っぽく語った。
「グローバル化はテクノロジーの進歩と深く関わります。それによって国や地域を超え、互いが互いの現実について、リアルタイムで話し合えるチャンスが与えられる。世界の若者たちが地球の未来を一緒に考えていくプラットフォームが多様にできており、世界を変革する希望も生まれました。この希望を現実にするためには、他者との違いを認識し、尊重する姿勢を学び、自分の価値観を形成することが求められています」
マリ共和国出身の学長が、日本の古都の小さな芸術系大学を世界へ開こうとしているのだ。
サコ氏の人生は変化に富んでいる。
1966年にマリの首都、バマコで生まれた。苦学して税関職員になった父親は厳しく、長男のサコ氏はスパルタ式で育てられた。中学教師だった遠方の親戚宅に小学4年生から預けられ、水道も電気もない家で暮らしたという。炎天下、片道5キロの通学路を歩く。夜はベルトでむち打たれながら勉強した。
「甘えるな」が父の方針だった。
成績優秀で、数学が得意だったサコ氏は、高校卒業時に国費留学生に選ばれた。本人は旧宗主国のフランス行きを望んだものの、行き先はマリ共和国政府が決める。命じられた留学先は、改革開放から間もない中国だった。北京で1年間、中国語を学んだ後、南京工学院(現在の東南大学)に入り、建築を専攻した。この間、留学生排斥運動にも遭遇したという。
1990年、夏休みの旅行で初めて日本に来た。アフリカ人3人による、気ままな旅。長逗留(とうりゅう)した先は、中国で知り合った日本人留学生の実家で、東京の下町の商店街にあった。
そこで日本人の印象が変わったという。
「中国で接していた日本人留学生といえば、レトルトカレーとインスタントのスープばかり食べ、何をするにも効率とお金の話をする。『ロボットみたいな人たち』と思っていた。だけど、その家の人たちは温かくて、すごく人間くさい普段の生活が見えた。お父さんは下着姿で家の中をウロウロしてるし、商店街の人たちも連日、歓迎会を開いてくれる。居心地がよくて、2週間ぐらい居座ったよ」
実は、サコ氏らの滞在が長引くにつれ、その家の人たちは「いつまでいるつもりなんだろうか」と困っていたらしい。だが、はっきり言わないから伝わらない。一方のサコ氏らには特段の予定がなく、急いで中国へ戻る理由もない。
「負担をかけて申し訳ない」という感覚も、当時はなかった。日本の常識を知った今から思えば、「とてもマリ的だった」とサコ氏は笑う。
「結局、その家の人から『京都で祇園祭というのが開かれる。ぜひ見に行ったほうがいい』と強く勧められ、最後は新幹線の切符まで渡された。別に行きたくなかったんやけど、そこまで言うならしゃあないな、と」
ところが、その約1年後、サコ氏は京都に舞い戻ることになる。
中国留学を終えれば、母国で国家公務員になる予定だったのに、国の経済情勢が悪化し、帰国してもすぐに公務員になれる見込みが立たなくなったからだ。それなら再留学を————。そして関西を目指した。
「日本へ来たのはいいけど、日本語もできず、大学院へ入る当てもない。滞在費は3カ月分だけ。大阪の日本語学校に入り、英会話スクールでアルバイトしながら、とにかく必死で勉強した。少し話せるようになったら大学院を探した。いくつかの大学に電話して、教授に会いに行き、自分の研究テーマを話して……。それで京大の大学院に入れることになった」
日本で経験した異文化ゆえの苦労やすれ違いを、今では笑い話として話せる。だが、当初は違った。
言葉の問題だけではない。貧しいアフリカの国の出身であること、黒人であること、イスラム教徒であること……。日本で暮らした28年間、偏見や無理解からくる差別や衝突は、シャワーのように数限りなく経験した。
サコ氏には「日本のお父さん」と呼ぶ人がいる。
京都・西陣で織物会社を経営する小野内悦二郎氏(81)。所属する京都北ロータリークラブがサコ氏の京都大学大学院時代、奨学金の窓口になっていた。小野内氏は海外出張が多く、外国人との接点も多かったため、サコ氏のカウンセラー役を任されていた。
小野内氏は、京都に来た頃のサコ氏をよく覚えている。
「今よりずっと痩せてヒョロリとして、自信がなさそうに見えました。月1回の(ロータリークラブの)例会にサコ君も出席するんですが、誰も近寄ろうとしない。彼が話し掛けても、会員は『英語は分からんから』と逃げるんです。サコ君は『僕は日本語で話しているのになあ』と言うてました。彼が自信なさそうに見えたのは結局、日本人の側がうまく交われないことの裏返しやったんでしょう」
サコ氏はその後、日本人女性と結婚し、2人の息子を育てた。そうしたなかでも、壁や悩みがあった、と小野内氏は振り返る。
しかし、サコ氏は自らの来歴や経験してきた壁を決して深刻に語らない。関西弁でひょうひょうと笑いにくるむ。学長室での取材では、例えば、こんなふうだった。
「いちいち気にしてたら、もう、やってられへんことばっかりですよ。だけど、それらを差別だと僕は思ってない。ただ単に相手を知らない、理解が足りないから起こるだけのこと。マイノリティーが被害者意識を募らせて怒りの声を上げても、なかなか受け入れてもらえない。マジョリティーの側もびびってしまうからね。大事なのは、双方が歩み寄ること。じゃあ、そういう関係をつくっていくにはどうしたらいいかを考えたほうがいいでしょう?」
「違いとともに成長する」の真意とは
京都精華大は、サコ氏の学長就任と同時に「ダイバーシティ推進宣言2018」を発表した。「違いとともに成長する」というその理念に、サコ氏の発想がよく表れている。
「年齢、人種、性別、身体的特徴、性表現など表面的に認識されやすいもの」から「国籍、宗教、家庭環境、出自、働き方、性自認、性的指向など表面からは認識されにくいもの」までを対象とし、それらを理由とした差別や排除が起きないようにするには、どうすればいいのか。その取り組みの方向性を具体的に示した内容だ。
教員の中で女性や外国人の比率を上げるため、同等の能力であれば、他の候補者より優先して採用することが明文化された。同性パートナーのいる教職員にも、男女の夫婦と同等に就業規則が適用されるようになった。
異なる文化や価値観を理解するための学内イベントも継続的に開かれている。サコ氏自身がマリ共和国のカレーをふるまい、祖国の生活や文化を紹介したこともある。
京都精華大学は1968年の開学時から「自由自治」「人格的平等」を掲げ、民主的な大学運営を徹底して追求してきた歴史がある。5学部・4研究科の専任教職員が全員出席する「教職員合同会議」が3カ月に1回。学長・理事選挙の選挙権・被選挙権も、全ての専任教職員に与えられている。かつては、学長から食堂職員や用務員まで一律の給与体系だった時代もある。
そうした流れに沿うかたちで「違いとともに成長する」は登場した。
ダイバーシティ推進センター長を務めた矢澤愛さんは、サコ氏とともに理念の実現に向けて走り回ってきた。
「(サコ氏からは)上下関係を感じることがないし、どんなに意見や立場が違う人でも、とりあえず話を聞こうとしますよね。それと、怒らない。理不尽でつらい自身の体験も、いったん笑いに昇華させて話します。すごいなあ、と」
矢澤さんはシングルマザーで、「働き方という意味ではマイノリティーです」と言う。
矢澤さんが続けた。
「理不尽に直面すると、どうしても怒って、相手を責めてしまうことがあったんです。でも、それだと相手が引いて、逆に伝わらないんですね。サコさんは『楽しくやって、周りを巻き込んでいこう』というやり方。国籍や肌の色だけじゃなく、“違い”の生じる切り口は無数にあって、誰もがマイノリティーになり、不自由を感じる可能性があるんだと思います」
民主主義が進めば多様性を損なう?
1年余り前の取材で、サコ氏は次のようなことを語っていた。学内選挙によって、就任が決まった直後である。
「精華大は民主主義と平等主義が徹底しているから、僕は学長に選ばれた。だけど、民主主義が徹底しているということは、多様性が進んでいないということでもある」
民主主義が進めば多様性も進む――。普通はそう考えそうだ。サコ氏の発想は逆である。この4月、どういう意味なのかを再び尋ねてみた。
「みんなが同等の権利を持ち、平等に扱われるということは、全員が差異のない、平準で無個性な数の一人になってしまう恐れがある、ということ。僕がよく話すしょうが焼き弁当の話のように、個々の宗教的背景や健康状態や好みも全部ないことにして、『平等なんだから全員一緒でいいだろ』となってしまう。民主主義と多様性って、両方実現しようとするのは、なかなか難しいということです」
しょうが焼き弁当の話とは、サコ氏の経験談だ。お昼どきに行われた大学の会議で、「全員、同じ弁当でいいね?」と豚肉のしょうが焼き弁当が用意されたことがある。サコ氏はイスラム教徒であり、豚肉を口にできず、全部捨てたという。
市場原理主義に基づく「グローバル化」は、一方で世界中の人々の個性と多様化を押し殺しているのではないか――。そうした考えが、サコ氏にはある。
昨年10月には、アフリカ初のノーベル文学賞受賞者となったナイジェリアの詩人、ウォーレ・ショインカ氏が京都精華大を訪れ、サコ氏との対談で同じような考えを披露した。「今日、世界の一極化が進むことによって、人間の価値を認めない風潮がもたらされている」「グローバル化によって、マクロでは均質化と一極化が進み、ミクロでは分裂と対立の時代に入った」と。
グローバル化の負の側面に対し、サコ氏はここ数年、警告を発し続けている
今年の入学式でサコ氏は、ショインカ氏の言葉を引用し、その一例として祖国で起きた事件を挙げた。
「私の出身国であるマリ共和国でも、つい先月、民族間の対立により、村が焼き打ちされ、150人以上が殺害される事態が起きました。殺し合いがあった民族同士は長年共存し、互いの価値観を尊重してきたはずです」
グローバル化は、因襲的な束縛から個を解放する一方で、地域や民族の対立を顕在化させ、経済や教育の格差を広げ、人々に不安や分断をもたらしている──。学長になる前からサコ氏は、さまざまなところでそう警告を発してきた。だからこそ今、ダイバーシティ、つまり多様な価値観を共存させる努力が必要なのだ、と。
「まずはお互いの違いを認める。みんな同じではないことを知る。そして、個々の存在が自立できるようにする。小さな大学からでも、そこから始めていくしかないんじゃないかなあ」
松本創(まつもと・はじむ) ノンフィクションライター。新聞記者を経てフリーに。関西を中心に、人物ルポやインタビュー、コラムを執筆。著書に『ふたつの震災 [1・17]の神戸から[3・11]の東北へ』(西岡研介氏との共著)、『誰が「橋下徹」をつくったか 大阪都構想とメディアの迷走』『軌道 福知山線脱線事故 JR西日本を変えた闘い』など。


星野リゾート、大阪・新今宮に新ホテル 22年開業 あいりん地区に変化も
 星野リゾート(長野県軽井沢町)の星野佳路(よしはる)代表が28日、大阪市内で記者会見し、大阪・新今宮に2022年4月に開業するホテルの名称を「OMO7(オモセブン) 大阪新今宮」にすると明らかにした。地上14階建て436室を備える。
 ホテルはJR新今宮駅北側の遊休地に建設。南側には日雇い労働者が集まる「あいりん地区」が広がる。新世界などの観光地にも近く、格安な宿があることから外国人観光客らが増えている。星野リゾートの進出は、地域の変化を加速させそうだ。
 星野代表は1室あたりの宿泊料金について、1万〜3万円程度に設定する方針を示し、「旅のテンションが上がるサービスを提供する」と意欲を語った。
 星野リゾートは価格帯をビジネスホテル並みに抑えた新ブランドの都市観光向けホテル「OMO」を北海道や東京で展開。ホテル周辺の飲食店などと連携したツアーを企画するなどして、観光客の取り込みを狙っている。【加藤美穂子、杉山雄飛】


在外邦人の国民審査、未制度化は「違憲」 東京地裁判決
最高裁裁判官の国民審査に在外邦人が投票できないのは違憲として海外に住む男女5人が投票できる地位の確認などを求めた訴訟で、東京地裁(森英明裁判長)は28日、「在外国民に審査権の行使を認めないのは憲法違反」と判断し、国に対し1人当たり5000円の賠償を命じた。
次の国民審査で原告が投票できるとの地位確認の請求については「訴えが不適法」として却下した。
原告は米国在住の映画監督、想田和弘氏(48)らで、いずれも在外選挙人名簿に登録。衆院選と同時実施された国民審査で投票できなかったのは、憲法が保障する法の下の平等などに違反すると主張し、1人あたり1万円の国家賠償も求めていた。
判決で森裁判長は「憲法は国民に対し投票する機会を平等に保障している」と指摘。技術的にも「自書式投票を採用するなど国民審査を実施することは可能。やむを得ない事由があったとは到底言えない」として憲法に違反すると判断した。
国民審査を巡る2011年の同種訴訟の判決で、東京地裁は海外から国民審査に投票できないことを「合憲性に重大な疑義がある」と指摘していた。
その後も国が立法措置を講じなかったことについて、森裁判長は「在外審査制度の創設についてなんらの措置もとらず、原告が(17年衆院選と同時実施の)前回国民審査で審査権を行使できなかった事態に至ったことに正当な理由はうかがわれない」と非難。「長期間にわたる立法不作為に過失が認められることは明らか」として、国の賠償責任を認定した。
訴訟で国は「国民審査制度の仕組みは国会に広範な裁量がある」と主張していた。
国政選挙では、2000年の改正公職選挙法で比例代表のみ在外邦人の投票が可能となった。最高裁は05年、比例代表に限定したのは違憲と判断。07年に再改正法が施行され、選挙区も投票できるようになった。在外選挙人名簿に登録された有権者は日本大使館などで投票したり、郵便投票したりできるが、国民審査は現在も認められていない。
国民審査では投票用紙に裁判官名が印刷され、有権者は辞めさせたい裁判官に×印を付ける。外務省によると、17年10月現在で海外に住む日本人は約135万人で、統計を始めた1968年以降最多。
総務省選挙部管理課は「判決の詳細を承知していない。内容を精査して対応を検討する」とコメントした。


「国民審査で在外投票認めずは違憲」 東京地裁
アメリカなどに住む日本人が、衆議院選挙にあわせて行われる最高裁判所の裁判官の国民審査で在外投票できないのは憲法に違反すると訴えた裁判で、東京地方裁判所は「国民の権利であり、制限することは許されない」として憲法違反とする判断を示しました。一方で、次回の国民審査での投票権を求めた訴えについては退けました。
アメリカやブラジルなどに住む日本人の男女5人は衆議院選挙や参議院選挙では在外投票ができるのに最高裁判所の裁判官の国民審査に投票できないのは憲法に違反すると訴えました。
28日の判決で、東京地方裁判所の森英明裁判長は「最高裁の裁判官の任命に民主的な統制を及ぼす国民審査の制度は、憲法が定める国民の権利の1つだ。権利の行使を制限することは原則として許されず、前回、おととしの国民審査で、やむをえない事情があったとは到底言えない」として憲法に違反するという判断を示しました。
また、「衆議院と参議院の選挙で在外投票が繰り返し実施され、国民審査の在外投票を実施することも可能だった。憲法違反の疑いが指摘されていたにもかかわらず、国会は何の措置も取らなかった」と指摘し、原告1人につきそれぞれ5,000円を支払うよう国に命じました。
一方で、次回の国民審査での投票権を求めた訴えについては退けました。
原告「日本の民主主義にとって画期的な判決だ」
判決の後の会見で、原告の1人の谷口太規弁護士は「国民審査は民主主義を支える大切な制度で、海外に住む多くの日本人の権利が奪われているのはおかしい。立法をしないのは国の怠慢だと認め、日本の民主主義にとって画期的な判決だ。裁判所が、ここまで明確に違憲だと言っているので、国は控訴せず、在外の国民の国民審査を認める制度を作ってほしい」と話していました。
総務省「対応を検討する」
判決について総務省は「判決の詳細を承知していないので、今後、内容を精査して対応を検討する」とコメントしています。
選挙区の投票は違憲判断で改正
海外に住む日本人にも選挙への投票を可能にする在外投票は、平成10年に制度ができました。当初は衆議院選挙と参議院選挙の比例代表しか投票できませんでしたが、選挙区についても在外投票を認めるよう求める訴えが起こされ、平成17年に最高裁判所大法廷が「投票を比例代表に限定する制度は、選挙権を保障した憲法に違反する」という判断を示しました。
この判決を受けて、政府は公職選挙法を改正し、平成19年の参議院選挙から比例代表だけでなく、選挙区も在外投票ができるようになりました。
過去にも「違憲の疑い」
国民審査の在外投票をめぐっては、平成23年にも東京地方裁判所が判決で「憲法は、最高裁判事を罷免する権利を保障しているのに海外に住んでいる日本人が投票できない今の制度は憲法に違反する疑いがある」とする判断を示したことがありました。
しかし、その後も国民審査の在外投票を認める制度は設けられていません。今回の裁判の中で、国は「投票用紙を用意する期間を考えると、開票に間に合わせることが不可能だ」と主張していました。

Aはウテジューシン/6月Wのソーダン/Wホコ?

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駿府串まつり180428

L’impératrice Masako du Japon ravie d’accueillir Melania et Donald Trump
Dominique Bonnet
L’impératrice Masako du Japon arborait un large sourire ce lundi matin pour sa première réception d’hôtes étrangers aux côtés de son époux le nouvel empereur Naruhito. En l’occurrence le président des Etats-Unis Donald Trump et sa femme Melania.
Monté sur le trône du Chrysanthème le 1er mai 2019, l’empereur Naruhito du Japon a reçu pour la première fois un chef d’Etat étranger ce lundi 27 mai au matin à Tokyo. Et son invité n’était autre que le président des Etats-Unis Donald Trump. Lequel effectue une visite d’Etat de trois jours au pays du Soleil levant, en compagnie de sa femme Melania.
Masako avait choisi d’être en crème, sa belle-sœur Kiko en bleu ciel
Le monarque nippon était aux côtés de son épouse, l’impératrice Masako. Pour l’occasion, celle-ci avait revêtu un tailleur crème assorti à un chapeau de même couleur et s’était parée de perles blanches. Egalement présente avec son mari le prince Fumihito d’Akishino –le nouveau prince héritier-, sa belle-sœur la princesse Kiko s’affichait quant à elle en bleu ciel.
Tant lors de la cérémonie de bienvenue en plein air -sous un soleil de plomb, selon la presse nippone- que lors de l’entretien entre les deux couples à l’intérieur du Palais impérial, Masako arborait un large sourire. Sur les vidéos et photos réalisées à cette occasion, on la voit discuter avec la First Lady américaine. Après deux décennies au cours desquelles sa personnalité et ses compétences auraient été étouffées –ce qui lui a valu de longues années de dépression-, cette ancienne brillante diplomate, diplômée d’Harvard, ne cachait pas sa joie d’accueillir ses invités venus des USA, qu’elle retrouvera en fin de journée pour son premier banquet d’Etat en tant qu’impératrice.
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フランス語の勉強?
なうちゃん @nauchan0626
それにしても、トランプ大統領のために大相撲の慣例を次々と破る行為を容認したことで、大相撲の「伝統」などは実は対して重みがないことが分かってしまいました。まあ、そもそも大相撲で重視する「伝統」などそもそも江戸時代のエンターテイメントの枠から出るものではないのですが。
ゆりかりん @yurikalin
選挙前には、話せない・・・ということは、日本国民にとって致命的なまでに大打撃を齎す約束を、トランプとしちゃったってことだよね。選挙後、自民党を勝たせた後に、私たち有権者が地獄を味わうことになるのか? マスコミが伝えるべき事実を伝えず、安倍人気を煽るだけの報道しかしないんだもんね。
寺澤有 @Yu_TERASAWA
本日の判決を聞いても痛感しましたが、無実の人間を有罪にするため、偽証した警察官、無実の証拠を隠蔽した検察官は、今からでも遅くはないので、桜井昌司さんと同様に30年間刑務所に入ってもらったら、どうでしょう。もちろん全財産を没収して損害賠償にあてるのは当然。
桜井昌司さんは私と弁護士ドットコム記者の質問に答えて、「税金で損害賠償を払うことになっても、警察官も検察官も痛くもかゆくもない。私産で払わせないと、同じこと(意図的な冤罪づくり)がくり返される」と話した。


先週5月21日の資料を用いて,Aはウテジューシン.ちょっと急ぎすぎかもしれません.
他方Idさんから6月Wのソーダンのメール.いろいろたらいまわし?されて私のところにやってきたのでした.ちょっとイラッとするところがありますが,とりあえず返信しました.
夕方Wホコ?に気が付いてさてどうしよう?というところです.

<気仙沼大島大橋>愛称「鶴亀大橋」浸透まだまだ PR不足か観光客は「?」
 東日本大震災の復興事業で整備され、4月7日に開通した気仙沼市の大島と本土を結ぶ気仙沼大島大橋(356メートル)の愛称「鶴亀大橋」が、いまひとつ浸透していない。住民アンケートなどを基に決まった名前だが、観光客の反応は「鶴亀? 知らない」がほとんど。地元では「鶴亀」の名を付けたメニューを出す飲食店もあり、知名度アップを期待する声は多い。
 開通後、週末を中心に宮城県内外から多くの観光客が訪れている大島大橋。写真を撮りながら橋歩きを楽しむ観光客は多いが、愛称を知る人は少ない。
 「初めて聞いた」と宮城県美里町の会社員男性(59)。仙台市宮城野区の無職男性(77)は「気仙沼以外の人は誰も知らないかもしれない」と指摘する。
 橋の愛称は県からの依頼を受けた市が2014年8月に設けた、島内や市の観光関係者ら14人で構成する「大島架橋事業施設名称選定委員会」で決まった。
 住民アンケートを実施した結果、本土側の鶴ケ浦地区と大島の亀山の頭文字から付けた名前が人気を集め、委員からも「おめでたい名前」などと好評だった。
 鶴亀大橋に愛着を持つ地元の住民は多く、開通に合わせて橋にちなんだ商品を出す飲食店も出始めた。
 島内にある飲食店と旅館3軒は共通の名称「鶴亀丼」で海鮮丼を提供している。食事処はま家の「鶴亀丼」は10種類の旬の魚介が乗り、開通を祝う金箔(きんぱく)が添えられる豪華さだ。
 口コミで人気を集め週末の店内はほぼ満員だが、店主の菊田強さん(66)は「丼の由来を分かっている人はほとんどいない。『鶴亀って何?』と聞かれることはある」と明かす。
 市内には「鶴亀」の名前を付けた特別メニューを出す焼き肉店もある。鶴亀大橋を盛り上げる機運が高まりつつある一方、県、市はホームページや刊行物などに愛称を掲載するにとどまり、今のところ目立った売り込みはしていない。
 島の旅館経営者は「せっかくのめでたい名前。県、市も発信する努力をしてほしい」とPR不足を嘆く。
 市観光課の担当者は「観光客に浸透していないのは確か。縁起のいい橋の名前をどう活用していくのか、県など関係機関と一緒に検討したい」と話した。


復活の海上渡御 鮮やかに 石巻・寄磯浜
 東日本大震災で被災した宮城県石巻市寄磯浜で26日、熊野神社の例祭が開かれた。震災後初めてみこしの海上渡御が執り行われ、色とりどりの大漁旗を掲げた約20隻の船が海原を彩った。
 地元の若者らがみこしを担いで寄磯漁港周辺を練り歩いた後、みこしと共に船に乗って漁港を出発。住民らを乗せた船が続いた。金華山を望む場所で海上を大きく3度旋回し、大漁や海上安全を祈った。
 みこしを担いだ同市寄磯浜の会社員遠藤達也さん(31)は「震災直後は祭りどころじゃなかった。海上渡御が復活し、みんなで力を合わせることが地域の活気につながる」と話した。
 海上渡御は50年以上前から続く地域の伝統行事。震災後に中断していたが、漁港や住宅地の整備が進み再開の機運が高まった。


<名取・閖上まちびらき>元気な笑顔が恩返し 支援者らと交流楽しむ
 名取市閖上地区で26日にあった「まちびらき」は東日本大震災から復興しつつある姿を発信し、全国から駆け付けた支援者らに感謝の気持ちを伝える場となった。現地再建した住民たちは心を込めたおもてなしで、ボランティアらとの交流を楽しんだ。
 「おかげさまで毎日が楽しくてしょうがない。元気な姿を見せることが恩返しになる」。まちびらき会場の一つ、閖上中央集会所で、精進料理「おくずかけ」をボランティアらに振る舞った地元町内会役員の女性(63)が笑顔を見せた。
 津波で閖上地区にあった自宅が流され、大切な友人も多く亡くした。翌年には夫も他界。夫は津波で救助を求める人を助けられず、自責の念でストレスを抱えていたといい、「震災関連死だった」と振り返る。
 一時は「毎日、どうやって生きていいのか分からなかった」が、仮設住宅や災害公営住宅で同じ境遇の被災者やボランティアらと交流を重ねるうち、元気を取り戻した。「多くの人と出会えたことがありがたい」と感謝する。
 集会所では地元町内会が尚絅学院大(名取市)と連携し、住民と来場者の交流の場を企画した。復興支援ボランティアに取り組んだ兵庫県尼崎市の大学生平本優香さん(18)は「被災者の傷は癒えないだろうが、(まちびらきで)一歩踏み出した」と受け止める。同市の専門学校生長田朝陽(あさひ)さん(18)は「住民の笑顔が多くなった」と喜んだ。
 カナダ政府などの支援で整備されたゆりあげ港朝市の拠点施設「メイプル館」では、市がカナダとの交流をパネルなどでPRした。市復興ありがとうホストタウン推進室の渡辺良一室長は「震災後、カナダに勇気づけられた。東京五輪でカナダを応援する機運を高めたい」と誓った。


<名取・閖上まちびらき>新しい閖上 旅立ち 支援に感謝
 東日本大震災の津波被害を受けた名取市閖上地区で、犠牲者の鎮魂と復興支援への感謝を発信する「まちびらき」(実行委員会主催)が26日、閖上公民館前広場を主会場に行われた。
 現地再建を基本とした閖上の復興は住民の合意形成が難航し、土地区画整理事業の工事に着手したのが震災から3年7カ月後の2014年10月と遅れた。被災者の住宅再建や公共施設整備が急ピッチで進み、この日、復興の大きな一里塚を迎えた。
 記念式典には渡辺博道復興相をはじめ関係者ら約220人が出席。山田司郎市長は「新しい閖上が未来に向かうスタートライン。支援者に復興した姿を見てもらい、感謝の気持ちを伝えたい」とあいさつした。
 来場者は一斉に風船を飛ばして節目を祝った。市内の熊野那智神社が21年ぶりの神事「お浜降り」を行ったほか、閖上漁港では大漁旗を掲げた「大漁船パレード」が9年ぶりに復活し、2万人(主催者発表)の人出でにぎわった。
 閖上地区では津波で住民754人が犠牲になり、海から1キロ以内の木造住宅はほぼ全て流失した。計画人口は震災前の4割弱の約2100人で、現在約1200人が暮らしている。


河北抄
 「map of Sendai」によれば、定禅寺通は「ファー(モミ)ストリート」、木町通は「シカゴ・アベニュー」だった。戦後間もない昭和20年代半ば、仙台市に駐留した米軍が独自に作成したmap(地図)で呼んでいた。
 定禅寺通はなぜケヤキ通りでないのだろう。残念ながら、まだ植えられていなかった。勾当台公園辺りに今も残るモミ(本当はヒマラヤスギ)が印象的だったのだろうか。
 それから数年後、米兵のウオルター・ポンザールさん(故人)が仙台にやって来て写真を残した。せんだいメディアテークで開催中の企画展『どこコレ?』で20点が展示されている。
 彼は風俗に興味津々の様子で、チンドン屋や獅子舞、牛が引く「残飯回収車」まで撮っていた。「仙台の面影を生活の足元から伝えている」と市歴史民俗資料館の佐藤雅也学芸員(59)が話す。
 驚かされるのは、全てカラー写真だということ。戦争した相手の国は、とんでもないパワーの持ち主だったことも色鮮やかに記録されている。


「道の駅」は復興の象徴 福島・浪江で起工式 来年7月飲食施設開業
 福島県浪江町の「道の駅なみえ(仮称)」の起工式・安全祈願祭が26日、現地であった。東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からの復興拠点として国、県、町が整備する。フードコートなどの地域振興施設が来年7月、酒蔵見学や陶芸体験ができる地場産品販売施設は2021年1月の開業をそれぞれ目指す。
 建設地は国道6号と114号、請戸川に囲まれた町役場北側の隣接地。敷地約3万4000平方メートルに建屋面積計2900平方メートルの木造平屋と駐車場125台分を整備する。総工費は約30億円。
 先行する地域振興施設にはコンビニやテナント5店が入居する予定。郷土料理研修室や親子触れ合い広場なども設ける。地場産品販売施設には伝統工芸の大堀相馬焼の販売・陶芸体験コーナーのほか、地元酒蔵が入居を予定している。
 起工式には約70人が出席した。吉田数博町長が「震災発生から27日で3000日になる。町の居住人口は震災前の5%にとどまっているが、道の駅は復興のシンボル。交流人口の増加に期待したい。相馬焼で日本酒を」とあいさつした。
 町は年間約50万人の利用を見込んでいる。


廃炉後の福島第1原発/全施設の解体・撤去が筋だ
 廃炉作業が続く東京電力福島第1原発を巡り、廃炉後の在り方が議論されようとしている。日本原子力学会がこの夏、いくつかの具体案を盛り込んだ報告書を公表する予定だが、その中には原子炉などを当面撤去せず、しばらくは「監視」し続けるといった案も含まれるという。
 廃炉作業はこれから30〜40年続くと見込まれ、現時点では不確定要素もかなり多い。
 廃炉後を議論するのは早すぎるという意見もあるだろうが、福島県にとっては被災地の復興に影響する重大事。東電や国はできるだけ早期に検討を始めるべきだ。もちろん地元の意向は最大限に尊重されなければならない。
 原子力学会は報告書で、第三者の立場から「選択肢」を示す考え。その第1案は、炉心溶融(メルトダウン)によって溶け落ちた核燃料(デブリ)を取り出した後、全施設を撤去するという方法。広大な更地を復興に活用することも可能になり、地元にとっては疑いなく最も望ましい姿になる。国と東電は当然、原発を構成する全施設の撤去を目標にしなければならない。
 ただ、実現のためには1〜3号機で全てのデブリを取り出した上、膨大な放射性廃棄物の搬出先を原発の外に確保しなければならず、相当な困難も伴う。
 第2の案では、高濃度に汚染されている原子炉や格納容器などに限って監視しながらそのまま残し、他の施設は撤去する。施設をさらに残し、放射線量が低下してから取り壊す案も示されるという。この場合、撤去まで100年単位の期間を要する見通し。
 第1案以外は長期にわたってさまざまな施設が残る可能性が高く、原発事故の被災者や地元自治体は容易に受け入れられないだろう。デブリの取り出しと全施設撤去は、セットで行われると考えている人も多いはずだ。
 原子力学会はそれぞれの案ごとに、発生する放射性廃棄物の量も見積もっている。全施設撤去が800万トンで最も多く、最低でも200万トンになるという。
 だが、放射性廃棄物を最終的にどこへ処分するかについては、デブリも含めてまだ何も決まっていない。
 1979年の事故でメルトダウンが起きた米国のスリーマイルアイランド原発は、デブリを取り出して遠く離れた国立研究所に保管したが、日本国内で同じようにできる見込みは今のところ全くない。
 簡単に決められるはずはないにしても、国と東電は廃棄物の保管や処分を真剣に検討していかなければならない時期になっている。
 ずるずると時間だけが経過してしまえば、いずれ「処分先がないので撤去したくともできない」といった事態になりかねない。そんな理屈で福島第1原発が長期残存することになったら、地元は納得し難いだろう。


河北春秋
 また一つ、記録を更新した。全国新酒鑑評会の今年の審査結果が先日発表され、福島県は金賞受賞銘柄数が22となり、都道府県別で金賞受賞数「日本一」を7年連続に伸ばした▼東京電力福島第1原発事故以来、風評の払拭(ふっ しょく)に努めてきた県にとって「日本一」は、職人技に裏打ちされた福島の食の質の高さと安全をアピールする象徴でもある。7連覇の今回も県内は喜びに沸いた。ちまたの酒席の話題は、もっぱら7連覇だ▼そんなお祭りムードのさなか、ちょっと気になることを耳にした。「知名度は上がったが、受賞銘柄しか売れない」。ある蔵元のオーナーがつぶやく。今回金賞を逃した別の酒造会社の関係者は「県に貢献できず申し訳ない」と小さくなる▼連続日本一は確かに立派だ。事故後、県、業界が一丸となり若い杜氏(とうじ)を育て、技術向上に努めた成果といえよう。ただ、賞取りは目的ではなくあくまでも手段。金賞でなくても、人に勧めたいうまい酒はたくさんある。そもそも鑑評会は蔵元、杜氏に贈られる栄誉であって、都道県別で金賞の数を競うものではないという指摘もある▼賞とは無縁で、地元でしか飲めない酒にも技と誇りは宿る。良酒の裾野の広さこそ福島の実力、魅力なのだ。「飲みたかったら福島へ」と胸を張っていい。

東北絆まつり 存続と発展を願う
 「東北絆まつり」は六月一、二の両日、福島市の四号国道などで繰り広げられる。前身の「東北六魂祭[ろっこんさい]」から六年ぶりの県内開催は、福島県の観光振興を加速させる。市外からの人々を歓迎するとともに、一体となった盛り上げが必要だ。
 六魂祭は東日本大震災と東京電力福島第一原発事故による行楽の自粛ムードや、風評被害で観光客が落ち込む状況を打破するのが目的だった。震災から四カ月後の二〇一一(平成二十三)年七月に仙台市で始まった。災害が進行する中、立ち上がった被災地の関係者の勇気は称賛される。
 福島市の福島わらじまつり、仙台七夕まつり、山形花笠[はながさ]まつり、盛岡さんさ踊り、秋田竿灯[かんとう]まつり、青森ねぶた祭がパレードした。六県の持ち回りで催され、二〇一六年で一巡した。翌二〇一七年から「絆まつり」と名称を変え、受け継がれた。
 実行委員会によると、六魂祭時代も含め人出は過去八回の総計で二百四十万人、経済効果は三百十九億円に上る。東北随一の祭典となり、観光の再興という当初の狙いは果たしてきたと言える。
 福島わらじまつりにも好影響が出ている。福島市の調査では、震災があった二〇一一年の人出は前年より五万人少ない二十三万人だったが、二〇一二年には二十五万人に増えた。その後も上昇傾向にあり、昨年は二十九万人を突破し、震災前を上回った。
 わらじまつり実行委員会事務局の福島商工会議所は「県外からの問い合わせや見物客が増えている」と分析する。六魂祭や絆まつりをきっかけに、県外のイベントで披露する機会が増え、知名度が上がったことが一因とみている。
 わらじまつりは今年、開催五十周年を記念し、メインの踊りを新しくする。福島市名誉市民で作曲家の古関裕而さんが手掛けた「わらじ音頭」をアレンジし、従来はなかった和太鼓や笛の演奏が加わった。振り付けも現代風に一新し、同市ゆかりの音楽家の大友良英さんが総合プロデューサーを務める。八月の本番より一足早く、絆まつりで初舞台を飾る。進化する伝統をアピールし、祭典を大いに沸かせてほしい。
 絆まつりも六魂祭と同様に東北を一巡する計画で、その後は決まっていない。今年の実行委員会長を務める木幡浩福島市長は概要発表の会見で「祭りの力で新しい東北のレガシー(遺産)をつくる」と述べた。六県の豊かな文化を発信しながら、にぎわいの波及効果を生み出すために、存続と発展を願う。(平田団)


<旧優生保護法賠償訴訟>あす全国初判決 憲法適合性が焦点 仙台地裁
 旧優生保護法(1948〜96年)下で不妊手術を強制された被害者が国に損害賠償を求めた一連の訴訟で全国初となる判決が28日、仙台地裁で言い渡される。旧法の合憲・違憲性の判断が焦点で、判決内容は同地裁をはじめ全国7地裁で係争中の同種訴訟の今後の審理に大きく影響する。
 仙台訴訟の原告は宮城県在住の60代と70代の女性2人。それぞれ10代で知的障害を理由に不妊手術を強いられた。
 主な争点と主張は表の通り。女性側は旧法の違憲性を前提に、政府と国会が救済を怠り続けた「立法不作為」を訴える。不作為の起算点は、遅くとも当時の厚生労働相が国会で旧法の問題に触れた2004年から立法に必要な3年相当を経た07年とした。
 国は旧法の憲法適合性について結審まで認否を示さなかった。立法不作為を指摘する女性側に対し「当時から国家賠償法に基づく請求ができたはずで、補償立法を策定する必要性や明白性はない」と抗弁する。
 女性側は手術自体の違法性も主張。差別が根強かった当時の時代背景に触れ「旧法廃止前に被害者が訴え出ることは不可能だった」と強調する。不法行為から20年たつと賠償請求権が消滅する民法の除斥期間の規定を適用すれば、憲法の趣旨に反し請求権が制限されるため「除斥規定は優生手術の被害者に適用する限り違憲で無効だ」とした。
 この点に関し、国は不法行為の起算点を手術の施術時とし、原告女性2人は施術から20年以上経過しているため「賠償請求権は既に消滅している」と主張。国の賠償責任を定めた憲法17条を前提に「個別事情に応じて民法の規定を超える例外(除斥期間の適用除外)は原則的に認められない」と争っている。


「実態を知らぬ“嫌韓”の罪深さ」新大久保駅転落事故から18年、勇気ある韓国人留学生が未来に託した「日韓の架け橋」
 先週金曜日、JR新大久保駅に1人の韓国人女性の姿があった。辛潤賛さん(68)は今から18年前、この駅で大切な長男を失った母親である。毎年の命日には、事故現場となったこの駅を欠かすことなく訪れているという。
 2001年1月26日、JR山手線・新大久保駅で線路に落ちた人を助けようとした二人の男性が犠牲になった。そのうちの一人である李秀賢(イ スヒョン)さんは当時、日本語学校に通っていた韓国からの留学生。当時26歳だった。
 事故現場となったホームに立ち、悲しみのあまり今にも崩れそうな身体を懸命に維持しながら「いつもここに息子がいるような感じがします」と涙ながらに話す辛さん。18年前の1月26日、一体何が起こったのか。
 東京・新宿のある日、この日に行われていたのは、3月に亡くなったイ スヒョンさんの父であるイ ソンデさんを偲ぶ会。ソンデさんは息子の死後、日本と韓国の学生をつなぐ奨学金制度を設立。この日は外交官などの関係者を含む80人を超える人が献花に訪れていた。
「実態を知らぬ“嫌韓”の罪深さ」新大久保駅転落事故から18年、勇気ある韓国人留学生が未来に託した「日韓の架け橋」
 スヒョンさんは、高麗大学に在学中の25歳の時に日韓の貿易関係に興味を持って来日した。スヒョンさんが通っていた赤門会日本語学校の新井時賛理事長は当時のことを「自分は必ず『日韓の架け橋』になるんだと話していた。明朗活発で非常に運動も好き。音楽も好き、勉強も好きの稀にみる好青年。絵に描いたような学生だった」と振り返る。
 自らの命を顧みず、勇気ある行動を起こしたスヒョンさん。その行動を称えられる一方で、母親が大切な息子を異国の地で亡くした悲しみは想像を絶する。また、この日は両親の活動を追ったドキュメンタリー映画「かけはし」が上映された。その映画では、来日した韓国の学生と日本の学生が、交流を深めながら歴史認識の違いを知り、成長していく姿が描かれている。
 来場者した中高年の女性らが「すごく色々と考えさせられる」「今まで過ごした時間の中で今日が一番、有意義な時間の過ごし方だった」と映画の感想を述べれば、若い夫婦は「子どもが立派に育つような親でいなくてはいけないと感じた」と話した。
■現実を受け入れられず、霊安室で眠る息子の携帯に電話を掛けた
 近年、その関係が悪化の一途をたどる日韓関係。こういった状況の中、スヒョンさんの母親はどのような思いを抱いて18年間を過ごしてきたのだろうか。18年前の事故当日、第一報を聞いたときの気持ちなども含めて話を伺った。
「連絡があったのは夜1時過ぎでした。大けがをしたということだけ聞いたので、足が不便になるのか? 腕は不便になるのか? などケガのことばかり考えていた」
 そう話した辛さんの思いは、来日直後に一変する。成田空港に降り立ったご両親を待ち受けていた報道陣のあまりの多さに「ただ事ではない」ということを悟った。しかしこの時点では、息子の死を知らなかったという。その後、警察署の霊安室でスヒョンさんの遺体と対面することになる。
「これはうちの息子ではない」
 現実を受け入れることができなかった辛さんは、その場でスヒョンさんの携帯電話を鳴らした。しかし、スヒョンさんの死という辛い現実は揺るがなかった。スヒョンさんの夢は、事故の翌年に開催されるサッカーの日韓W杯で通訳をすることだった。その夢は叶うことはなかった。
 この事故を経て、日本を恨んだことは無いのか? その問いに対しては次のように答えた。
「生前、スヒョンが日本が韓国より技術的な面でかなり発展していると言っていた。だから私も駅の機械は優れていると思っていた。スヒョンもそれを信じて行動を起こしたのだろう。事故後に実際に駅に行ってみたらホームドアやストップ装置もなくて、その時はすごく恨みました」
 しかし、辛さんの思いはある出来事を機に変化したという。
■「日本と韓国の架け橋に」亡き息子の遺志は未来の学生に託された
「葬式が行われたその日はすごく大雪だった。でも事故を通じてスヒョンのことを知ってくれた多くの方が、手紙を書いて参列してくれた。いただいた手紙を1枚1枚読んでいるうちに気持ちが切り替えられるようになりました」
 翌2002年には、全国から寄せられる支援金を元手に、アジア人の留学希望者を支援するLSHアジア奨学会を設立。「日本と韓国の架け橋になりたい」という息子の遺志を継ぎ、その活動は続けられている。その理由について辛さんは「息子は夢を叶えることができなかったが、同じ夢を見る留学生もたくさんいる。スヒョンの強い遺志が多くの人を動かしたんだなと感じています」と語ってくれた。果たしてこの18年間は、そんな辛さんにとってどのような年月だったのか――。辛さんは「息子は無くしてしまったけど遺志を受け継いだ18年間だった」と穏やかな笑顔で答えてくれた。
 実際に話を聞いたテレビ朝日の三谷紬アナウンサーは「事故が起きた2001年は小学一年にもなっておらず、事故のことはほとんど知らなかった。事故が起こって、息子さんが亡くなってから失意に落ちるのではなく、その後を見据えて、これからの留学生のことを支援しようとしたお母様やお父様の活動に心を打たれました。自分自身、何か嫌なことがあったらそこで落ち込むのではなく、次のことをしっかり考えた人生を送りたい」と静かに語った。
 この事件を受け、今日に至るまで日本では様々な変化があった。外国人留学生は2001年の約7万8000人から2018年では約29万8000人に増加。さらにスヒョンさんのような悲惨な事故を未然に防ぐための駅ホームドアの設置や緊急停止ボタンの設置。防犯カメラの増加など、事故の教訓は着実に生かされている。
■実態を知らずに“嫌韓”に走る「罪深さ」
 こういった民間レベルで進む交流を受け、今後の日韓関係について意見を求められた国際政治学者の舛添要一氏は「やはり政治が問題。文大統領も安倍首相もしっかり政治の判断をすべきだし、政治判断をフォローするメディアも同じことだ。今だから話しますけど、3年前に失脚した大きな要因の一つは『日韓関係を良くしよう』としたこと。当時の朴大統領に会いに行った矢先に批判が増えた。政府が日韓関係改善に取り組まなかったから、関係はものすごく悪かった。せめて地方の政府から改善を図るべきと考えた。東京とソウルは姉妹都市にあたる。しかし、ヘイトスピーチがものすごかった。日韓の歴史認識において間違っている点は間違っていると申し上げるが、それ以上に“政治の意思”がしっかりしなければならない。ようやく朴さんと安倍首相が話せるようになったら、政権交代。非常に悲しいですね」と持論を展開した。
 ネット問題に詳しい文筆家の古谷経衡氏は舛添氏の話を受けて「スヒョンさんの事故の翌年のW杯あたりからネット右翼(ネトウヨ)と呼ばれる人たちが出てきた。2003年から2006年に至るまで、それらの人々はこの事故について『事故自体がねつ造だ』と言っていた。韓国民団(大韓国民団)や日本メディアが韓国を美化するためにわざわざねつ造したとも。舛添さんが叩かれていた時に、何の根拠もない『舛添は在日コリアンだ』という噂も流された。ネット右翼の台頭に伴い、韓国人と実際に、または通訳を介して話したことも無い人たちが『韓国は滅亡する』『韓国人は嘘つきだ』『韓国人は盗人、詐欺師だ』と言い続けてきた。後に逮捕されたある人物に関しては、韓国に行ったことすらなかった。これが実態だ。韓国では反日本など売っていない。日本だけだ。この状況をどのように考えるか」と語気を強めた。
 続いて大阪で生まれ育ったというタレントの時人は「周りに海外の人が多く、“何が嫌なのか”は分からないが、シンプルに軽蔑したり、差別したりということがあった。理由もわからずに『嫌韓』でいる人が多いと思う。僕もそうだが、こういったことを知ることができれば、実態を分からないまま差別している人が減るはずだ」と話した。 
 最後に三谷アナは「日本で韓国がブームになったり、多くの韓国人が日本を訪れている。民間同士の交流は増えていてうれしい。一方で政治がかなり緊迫している状況だが、我々は政治について何も言うことは出来ないのでもどかしい」という辛さんの言葉を代弁した。
 なお、映画「かけはし」は5月31日に大分で、6月25日の韓国での初上映を経て、7月7日に大阪、8月30日、31日は沖縄で上映される予定だ。


[景気判断下げ] それでも「回復」維持か
 政府は5月の月例経済報告で景気判断を2カ月ぶりに引き下げた。
 4月まで「輸出や生産の一部に弱さもみられる」としていた部分の「一部」を削除し、激化する米中貿易摩擦については「一層注意する」と強い警戒感を示した。当然の見方だろう。
 一方、景気は「穏やかに回復している」との判断を維持した。景気はいいのか悪いのか。玉虫色の分かりづらい報告と言わざるを得ない。
 安倍政権は、景気回復を実績として強調してきた。参院選を控え、景気の変調を認めアベノミクスの失敗という批判が起こるのを避けたい思惑が働いたのではないか。
 米中協議の泥沼化で、中国向け輸出が落ち込むなど日本経済への影響が顕在化している。政府に求められるのは事態の変化に素早く対応し、適切な手を打つことだ。政治的思惑で現状認識を誤ってはならない。
 最近の経済指標は日本経済が変調を来している可能性を示していた。
 今月13日に発表された3月の景気動向指数で内閣府は、景気に関する基調判断を6年ぶりに、景気が後退している可能性が高いことを示す「悪化」に引き下げた。中国などの海外経済の停滞が輸出に波及し、鉱工業生産が減少したことが響いた。
 20日発表の1〜3月期国内総生産(GDP)はプラス成長とはいえ輸出や個人消費、設備投資の落ち込みが顕著に表れた。先行き不透明な中で企業は投資に及び腰になり、家計は所得が伸びないのに社会保障保険料などの負担が重くのしかかる状態が続く。
 月例報告では、企業の設備投資を2年8カ月ぶりに下方修正、生産も引き下げた。公共投資は「底堅い動き」に上方修正し、個人消費は「持ち直している」に据え置いた。
 こうした項目を総合的にみて「回復」維持を判断したというが、どう表現するかは政府の裁量に任される。数値から機械的に基調判断を示す景気動向指数などとの整合性が問われよう。
 政府が景気判断の大幅な修正をためらうのは、10月に予定する消費税増税の延期論拡大を避けたい意図もあるのだろう。企業は増税を織り込んで軽減税率などへの対応を進めており、今からの延期は混乱が大きい。
 ただ、安倍晋三首相は過去2回増税を延期した経緯がある。首相周辺では増税延期と参院選に合わせた衆参同日選論がくすぶっており目が離せない。
 米中貿易摩擦は世界経済の最大の懸案である。紛争が長期化すれば日本への打撃は避けられまい。中国に生産拠点を持つ日本企業には、追加関税がリスクになっている。
 政府は、こうした企業への支援など、政治的思惑を超えた適時適切な政策を講じることが重要である。


【食品ロス削減】官民で取り組み広げよう
 まだ食べられるのに捨てられる「食品ロス」を見直す大きな契機としたい。
 超党派の議員連盟が法案をまとめた食品ロス削減推進法が成立した。生産から消費までの各段階でロスを減らす取り組みを「国民運動」と位置付ける。政府が基本方針をつくり、自治体には方針を踏まえた具体的な推進計画を作成する努力義務を課した。
 内閣府に設ける有識者らの会議が方針を決める予定だが、現場の意見を取り入れながら国民に分かりやすい目標を示してほしい。例えば、政府が重視している国連の「持続可能な開発目標」は、1人当たりの食品廃棄を世界全体で2030年までに半減する計画を掲げる。
 企業や行政だけでなく、国民一人一人が目標を自覚して行動しなくては、食品ロスは減りはしない。官民が参加する幅広い国民運動とするためにも計画づくりが肝心だ。
 日本の食品ロスは16年度の推計で643万トン。近年、600万トン台で高止まりしている。コンビニやスーパーの大量廃棄が問題になっているが、小売業は全体の1割程度という。
 製造業と外食がそれぞれ約2割を占め、食べ残しを主因にした家庭でのロスが291万トンと最も多く4割以上に上る。このことからも、外食や家庭などでいかに食べ残しを減らすかが鍵を握る。
 恵方巻きの大量廃棄の画像がツイッターなどで昨年流れ、農林水産省がこの1月、「需要に見合った販売を」と小売団体に異例の要請をした。消費期限が近い弁当などを実質値引きし、売れ残り品の廃棄を減らそうとしているコンビニ大手もある。どうすればロスが減るか、行政や企業は絶えず試行錯誤が必要だ。
 県内の量販店も対策を進めている。サニーマートは、消費期限が近づいた商品にシールを貼って、それを集めるとくじが引ける取り組みを全店で始めた。古くなった総菜や生鮮食品を割引する以外の販売促進策で、買い物客にもおおむね好評という。こうした地道な運動を着実に広げたい。
 世界の食料廃棄は年13億トン。この状況で8億人以上が栄養不足に苦しんでいる。新潟市で今月開かれた20カ国・地域(G20)農相会合の閣僚宣言には、ロス削減を各国が主導していくことが盛り込まれた。開催国としての日本の役割は大きい。
 今回の推進法成立を受け、経済的に苦しい家庭などに食べ物を無償提供している「全国フードバンク推進協議会」は自治体との連携を期待している。新法には行政からフードバンクへの支援も盛り込まれているからだ。有効活用できる手段が広がればロス削減につながる。
 ノーベル平和賞の受賞者、ワンガリ・マータイさんは「もったいない」を昔から重んじてきた日本の文化を称賛した。しかし、意識しないとその精神は徐々に失われてしまう。食育などを通して若い世代に引き継ぎたい。


ギャンブル依存 どこが「万全の対策」か
 大学生になり友達に誘われ、何の気なしに始めたパチンコ。小遣いやバイト代は全てパチンコに消え、友達に借金。その借金を返すためパチンコに行くという悪循環から抜け出せなくなった。「回復までの道はたやすくなく、たくさんのものを失うことを、知ってもらいたい」−。
 安倍政権の成長戦略の柱、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)。ギャンブル依存症に対する国民の懸念が根強い中、文部科学省が高校段階からの予防に向け、初めて教員用の手引を作成した。依存症になった大学生の体験談も収録している。
 ギャンブル依存についての最近の研究では、思考や創造性を担う脳の前頭前野の機能低下との関連が指摘されている。特に子どもは前頭前野が十分に発達しておらず、のめり込む危険性が高い。
 日本は既にパチンコや競馬などギャンブルが日常的にあふれており、かねて依存予防教育の必要性が提唱されてきた。その一歩を踏み出したこと自体は意義がある。
 ただ、実際の相談支援現場に寄せられるケースは、手引の体験談よりはるかに深刻で緊急性の高い場合が少なくない。自己破産、家庭崩壊、時に自死、犯罪も絡む。高校生向けに配慮する必要はあるにせよ、どこまでリアルに危険性を伝えられるか。教育現場の葛藤が察せられる。
 カジノ解禁に向け、安倍首相は「ギャンブル依存症対策などの課題に万全な対策を講じる」と再三強調。文科省の手引をはじめ、各種対策が出そろってきた。
 政府が閣議決定した依存症対策推進基本計画には、競馬など公営ギャンブルやパチンコ事業者に、施設・店舗からの現金自動預払機(ATM)撤去や、情報通信技術を活用した入場制限策の研究を求めることなどを盛り込んだ。だが、いずれも罰則規定はなく、事業者への要請止まり。これのどこが「万全」か。
 IR第1弾の開業時期は2020年代半ばと目される。大阪府と大阪市は既に、国の動きに先立って独自に事業コンセプトの募集を開始。海外事業者の参入に向けた動きが進んでいる。
 開業に向けたステップが、カジノ事業者を監督し依存症対策も担う「カジノ管理委員会」の設置。政府は7月1日を予定していたが、当面先送りする方針に転じた。その背景には、委員会の設置を急ぐと、7月の参院選で逆風が生じかねないとの判断があるとみられる。
 いかにも姑息(こそく)なやり方に、だまされてはいけない。実効性のある対策が講じられるか、国などの動きを注視し続ける必要がある。カジノ解禁は「万全の対策」が前提だ。


坂東真理子「東大・上野祝辞に思う女子の現在」 昭和から変わらぬこと、変わりつつあること
坂東 眞理子 : 昭和女子大学理事長
ベストセラー『女性の品格』から12年。坂東眞理子・昭和女子大学理事長がいま考える、人生100年時代を納得して生きるために必要な「女性の美学」とは? 
大人の女性の3大場面、「職場」「家庭」「社会」それぞれの場で女性が直面する問題にどう対応するか。この連載ではつづっていただきます。
令和に年号が変わると、平成時代のことが遠い過去のように見えるから不思議である。しかしつい先月、東大の入学式で上野千鶴子さんが述べたスピーチは、令和の時代に解決すべき課題の1つが女性に対する見えざる差別であることを示している。
上野さんも指摘しているが、2018年夏、東京医大で女性と浪人生が入学試験で不利に扱われたことが明らかになり、大きな批判にさらされた。その後の調査では東京医大だけではなく、多くの私立大学医学部では明らかに男性を優遇しており、女性の入学を差別していない学部学科より男性が多い傾向を示していた(今春は改善された)。
入学試験は点数順に差別なく合格させるものだと思っている人はびっくりしたかもしれないが、私はそれを聞いても「やっぱり今もそうか」と思うだけでまったく驚かなかった。
活躍を期待されない女性たち
医学部入試だけでなく、現実の社会では男性が優遇されている。試験の点数だけで判定されているのは限られた分野であり、大企業の入社試験をはじめ、いろんなところで男性が優遇されているのは「常識」だった。入社試験でペーパーテストの順に採用すると女性が多くなりすぎて困るというのはよく聞く話だ。
企業だけではない。司法試験や公認会計士といった難関国家資格試験では、女性の受験者数は依然として少ない。2017年では男性が4409人に対し、女性は1558人で、受験する前から諦めているとしか考えられない水準だ。結果として、合格者の男女比は8:2と多くの医学部以上に男性の比率が高い。東大も今年の女性入学者は18.1%と、筆者の時代に3%だったのに比べると6倍に増えているが、それでも世界の一流大学に比べると明らかに低い水準である。
昭和に育った私たちだけではない。平成に育った多くの女性たちも「女の子なんだから無理に頑張る必要はないよ」「どうせ女の子だからよい成績をとっても(よい進学をしても)将来はたかが知れているよ」「できる女性になるより、いい男性(周囲の人)から愛される素直でかわいい女の子のほうが幸せになれるよ」というメッセージを受けて育ってきた。
教科書には書かれていないが、親からも教師からも、時には友人たちやマスコミからも隠れたメッセージは届く。それに引き換え、多くの男の子は「頭がよくて成績がいいから将来が楽しみ」「男の子なんだから頑張って勉強して(スポーツに励んで)成功を目指せ」「男の子なんだから数学をしっかり勉強しなくては」と期待されて育つ。
男の子の将来には輝かしい未来が待っているかもしれないが、女の子は無理せずほどほどのところで「かわいい、いい子」になればよし、と子どものころから刷り込まれがちだ。
結果、男の子たちが頑張って東大や医学部や司法試験や公認会計士を受験したり、大企業の総合職を目指す一方、女の子は無理をしないでほどほどの進学をし、“ほどほどの就職”をしがちだ。
もちろんどちらも個人の選択だが、現在の日本の社会でも家庭でも職場でも男性が大事にされ優位に立つのが当たり前であり、そうでないと居心地が悪くなる男性は、実際のところ少なくないだろう。
日本人男性が留学すると元気がなくなり自己評価が下がり、日本に帰りたがるが、女性は生き生き伸び伸びと羽ばたく。筆者の周囲ではそうしたケースを多く見てきた。
実際、国際機関で働く日本人を見てみると、日本との違いがわかる。たとえば国連で働く日本人は、女性が477人であるのに対し、男性が316人(2016年)。日本の一般的な企業における男女比とは、かなり違うことがわかるだろう。いったいなぜなのか。
これは語学の問題ではなく、日本の社会では男性にげたをはかせているから、こうした現象が出るのだと筆者は見ている。逆に、女性は日本で自分を抑えていた見えない縛りがなくなったように感じて、自信をもって羽ばたくのかもしれない。
多くの人がうなずくことと思うが、勉強がよくできて親の期待に応えてきた男の子の中には、パートナー(妻)である女性は自分の世話をして、自分のキャリアを支えてくれるものと思い込んでいる人が少なからずいる。
若い世代を中心に積極的に家事をする男性は着実に増えているが、依然として、できる範囲でのみ家事育児は手伝う、というスタンスの人も多くいる。女性のほうが家事育児に向いているし、本来それが女性の持ち分だと、悪気なく思い込んでいるのだ。
男性である自分が家庭より仕事を優先するのが当然であり、パートナーが家庭より仕事を優先するのは許せない。自分よりパートナーの収入が多かったり、職場で成功すると居心地が悪い――。少しずつ世の中は変わりつつあるとはいえ、そういう男性たちもまだまだ多いのではないだろうか。夫の自尊心を傷つけないように、夫を立てるのが賢い女性だと思っている。
保護者や上司にお願いしたいこと
こうした世の中で、これから社会に出る女の子たちはどうやって生きていったらいいだろうか。
私が卒業式や入学式など、いろいろな機会に女子学生に言っているのは「自分を粗末に扱うな、自分を見捨てないで、いいところを少しでも伸ばし、小さい実績を作っていこう」ということである。
そして保護者の方にも就職先の方々にもお願いしているのは、自分の娘や女性の同僚や部下に期待してほしいということである。
娘や女性部下が努力を必要とする少し高い目標に挑戦したいと言っていたら、「無理するなよ」「できるはずないだろう」「おとなしくしていたほうが楽だよ」と足を引っ張らない。「君ならやれる」「頑張れよ」と励ます。できれば、具体的な役に立つアドバイスをしたり、同僚の批判から守ってあげるような応援をすることである。
若い女の子たちに伝えていることは、世の中は理不尽なことが多いが、それにめげてはいけないということだ。今回、東大の祝辞で男女差別に関する内容が扱われたように、かつてに比べれば、日本社会も少しずつ、確実に変わりつつある。「女の子らしく」というプレッシャーに負けることなく、ささやかな努力を持続し、小さな成功を積み重ね、昭和とも平成とも違う令和を明るく生き抜いてほしいと思う。


獄中29年、冤罪の「布川事件」で賠償金7600万円 検察の「証拠隠し」も違法認定
茨城県で大工の男性が殺害された「布川事件」(1967年)で、冤罪により29年間自由を奪われた桜井昌司さん(72歳、2011年に再審無罪が確定)が、茨城県と国に約3億円の一部として約1億9000万円の賠償を求めていた訴訟の判決が5月27日、東京地裁であった。
市原義孝裁判長は、警察(茨城県)の取り調べや法廷での偽証、検察(国)が弁護団の求めがあったにもかかわらず、証拠を出さなかったことを違法と判断。これらがなければ、刑事裁判の2審で無罪になった蓋然性が高いなどとし、約7600万円の支払いを命じた。
ただし、検察官が起訴したことについては違法を認めなかった。なお、桜井さんは無実の罪で自由を奪われた刑事補償として、すでに1億3000万円余りを受け取っている。
桜井さんは今年3月、当事者による「冤罪犠牲者の会」を結成している。判決後の記者会見で「正義は勝つと冤罪仲間に伝えられたことが本当に嬉しい」と語った。
●証拠隠しは違法「再審にも影響」
弁護団が画期的と評価していたのが、検察の証拠隠しを違法と認めた点だ。
判決では、裁判の結果に影響を及ぼす可能性が明白なものについては、開示義務があると判示。さらに、明白とまでは言えない場合でも、弁護人から具体的に特定された証拠開示の申立てなどがあれば、合理的な理由がない限り、開示する義務があるとした。
弁護団長の谷萩陽一弁護士は、「検察官としては、基本的に証拠は全部出さなければならないという規律が働くはず」と述べ、再審事件についても影響が及びうるとの見解を示した。
さらに、警察が虚偽の事実を告げたり、限度を超えた誘導をしたりして、桜井さんに自白させたことも違法と認定された。
谷萩弁護士は、「取り調べの録音・録画を全件ですることがいかに大切かを示した事例。録音・録画では防げない問題もあるため、弁護士の立会いも認めるべきという改革に結びつく内容だと思う」とも述べた。
桜井さんは、警察の自白強要と証拠捏造、検察の証拠隠しが冤罪をつくるとして、「検察が隠し持っている証拠が出てくれば、無罪になる事件がいっぱいあると思う」と話した。
●「警察官、検察官が真面目でいられるように…」
布川事件では、大工の男性が殺害され、現金約10万円が奪われた。警察は別件で逮捕していた、当時20代の桜井さんと杉山卓男さんに自白を強要。2人は裁判で無罪を主張したが、1978年に最高裁で無期懲役が確定。1996年に仮釈放された。
約29年自由を奪われた2人は釈放後、再審を請求し、2011年に再審無罪が確定した。
桜井さんが今回の訴訟を提起したのは2012年のこと。判決までの約7年の間に杉山さんが亡くなった(2015年)。会見では、「あんまり良い奴じゃなかったけど、ここに杉山がいて、『昌司よかったな』と改めて言って欲しかったと思いました」と、冗談を交えて、「極友」をしのぶ場面もあった。
会見の終わりに、桜井さんは「真面目な思いで警察官、検察官になった方々が本当に真面目でいられるような組織になってほしい」として、次のようにコメントしている。
「自分たちの思いに反して、嘘や間違ったことを主張するしかないーー。それでいいと思っている方もたくさんいらっしゃるんでしょうけど、(組織が)ダメになったなと思っている警察官や検察官の方々が真面目でいられるような組織にするために、私たち(冤罪)犠牲者の会はもっと声を上げていくつもりです。そういう仲間たちの力になれて、『俺の人生って良かったな』と思いながら判決を聞いていました」


布川事件で計約7600万円の国家賠償命じる 東京地裁
 1967年に茨城県で起きた強盗殺人事件「布川(ふかわ)事件」で再審無罪が確定した桜井昌司さん(72)が、国と茨城県に計約1億9000万円の賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は27日、国と県に計約7600万円の支払いを命じた。市原義孝裁判長は、県警の警察官の取り調べと、証拠開示を拒んだ検察官の対応をいずれも違法とし、「2審段階で無罪とされた可能性が高い」と認めた。
 桜井さんは取り調べで自白を強要されたなどと主張し、訴訟は取り調べが違法だったかどうかや、起訴や公判活動に違法性があったかなどが争点だった。
 判決は、警察の取り調べで、警察官が「母親が早く自白するよう言っている」「目撃証言がある」などと、うその事実を示していたと認定。「社会通念上認められる方法や態様、限度を超えていた」と認めた。
 公判でも、警察官が取り調べの録音テープの一部を隠す虚偽証言をしたと認めた。さらに、2審で検察官が開示を拒んだ捜査報告書や目撃証言の記録を「判断に影響を与えるもので、開示の必要性は大きい」と言及し、開示拒否は違法と認定。これらの違法がなければ、遅くとも73年12月の2審判決で、強盗殺人罪について無罪が言い渡された可能性が高いと結論付けた。
 賠償額は、桜井さんが無罪確定で刑事補償約1億3000万円を受け取ったことなどを考慮した。
 水戸地検と茨城県警はそれぞれ、「判決内容を精査し、対応を検討したい」とのコメントを出した。【蒔田備憲】
布川事件 1967年8月、茨城県利根町布川で男性(当時62歳)が殺害され、県警は桜井さんと杉山卓男さん=2015年に69歳で死去=の2人を別件逮捕後に強盗殺人容疑で再逮捕した。2人は捜査段階で殺害を自白。公判では否認したが、78年に最高裁で無期懲役が確定した。96年に仮釈放。09年に再審開始が確定し、11年に再審で無罪が確定した。


布川事件、国・県に賠償命令 証拠開示拒否は違法、東京地裁
 1967年に茨城県で男性が殺害された布川事件で再審無罪が確定した桜井昌司さん(72)が、国と県に計約1億9千万円の国家賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は27日、計約7600万円の支払いを命じた。市原義孝裁判長は、警察官が取り調べや公判で虚偽の発言をしたと認め、違法だと指摘。公判で証拠開示を拒否した検察側の対応も違法とし、これらの行為がなければ「遅くとも控訴審で無罪判決が言い渡され、すぐに釈放された可能性が高い」と述べた。
 原告側代理人によると、無罪となった元被告が国家賠償を求めた訴訟で、証拠開示を巡って検察の違法性が認められたのは初めてとみられる。


国と県に7600万円賠償命令=再審無罪の布川事件−東京地裁
 茨城県利根町布川で1967年、大工の男性が殺害された「布川事件」で再審無罪が確定した桜井昌司さん(72)が、国と県に計約1億9000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が27日、東京地裁であった。
 市原義孝裁判長は、検察官の証拠不開示や、公判での警察官の偽証を「違法」と認定。国と県に対し、連帯して約7600万円を支払うよう命じた。
 市原裁判長は、県警の警察官が取り調べ段階で、「被害者宅付近で(桜井さんを)見た人物がいる」などとする虚偽の目撃証言を持ち出して自白を迫ったと認定。取り調べを録音したテープの存在を隠し、公判で偽証したとも指摘した。
 検察官については、控訴審で弁護側が開示を求めた初期の捜査報告書などを開示しなかった違法があったと判断。報告書にはこうした目撃証言が記載されておらず、開示されていれば、「遅くとも二審で無罪が出され、直ちに釈放されていた可能性があった」と述べた。
 水戸地検の横井朗次席検事は「判決を精査し、関係機関や上級庁と協議して今後の対応を検討したい」などとするコメントを発表。茨城県警の浅野芳徳監察室長も「判決を精査した上で対応を検討する」との談話を出した。
 桜井さんは67年、別の男性=2015年に死去=と共に強盗殺人罪で逮捕、起訴され、78年に無期懲役が確定。96年の仮釈放後、再審開始が認められ、11年の再審公判で無罪が言い渡された。 


江川紹子氏 トランプ騒動に物申す「国民がそれに同調する義務などない」
 ジャーナリストの江川紹子氏(60)が27日までにツイッターを更新した。
 米国のトランプ大統領が来日し、安倍晋三首相(64)とゴルフ外交を楽しんだり、東京・両国国技館で大相撲を観戦した後、六本木の炉端焼き店で会食するなど、日本は精一杯の「おもてなし」で迎えている。
 歓迎ムードが国民全体にも波及する中、江川氏は「『国賓』は政府が公式にもてなす元首級の客だが、国民がそれに同調する義務などない」と断言。
「なのに、政府の『おもてなし』に難癖つけるのは日本人にあるまじき非礼、許すまじ、といった全体主義的な物言いがわんさと湧いてきて、ちょー気持ち悪い。天邪鬼な私は、だったら余計に言っとかなきゃ、と思うけどw」と主張した。


トランプ氏は大相撲観戦で「数多くの礼儀作法を破った」米メディアが批判/夏場所
 大相撲夏場所千秋楽(26日、両国国技館)令和初の国賓として来日中のドナルド・トランプ米大統領(72)が安倍晋三首相(64)とともに観戦した。現職米大統領の大相撲観戦は初めて。升席に設置された1人掛けソファに座って楽しむと、表彰式では土俵に上がり、初優勝した西前頭8枚目朝乃山(25)に「米国大統領杯」を授与。異例の厳戒警備の中、日本の「国技」を堪能したトランプ氏は「素晴らしい」と満足感を示した。
 米ニューヨークを拠点に置くビジネスサイト「ビジネス・インサイダー」は26日(日本時間27日)、「トランプ、日本で相撲観戦し多くの伝統を破る」との見出しを打って、「トランプの観戦だけのために設けられた“米国大統領杯”を優勝者に授与し、観戦に当たって複数の相撲の礼儀作法を破った」と批判した。
 同サイトは「トランプは今回特別に設けられた重さ30キロ、高さ約137センチにも及ぶ“米国大統領杯”を朝乃山に授与した」とし、トランプ氏が同杯が今後数百年に渡って授与され続けること望んだと伝えた。
 さらに「トランプの訪問は多くの相撲の伝統を破った」とし、「通常観客は地べたに引かれた座布団と呼ばれるクッションに座るが、トランプと妻のメラニアにはいすを与えられた。日本相撲協会は安全対策のため、座布団を投げることを禁じた」とした。
 記事は「人々が土俵に上がるときは裸足で上がることになっているが、トランプはスリッパを履いて上がり賞を授与。さらにトランプは相撲の取り組みに集中している様子はなく、いくつかあった劇的な場面にも反応を見せなかった」と辛辣だった。


日本はどうしたのか 正気とは思えないトランプ“狂騒”<上>
 いくら令和初の国賓とはいえ、ここまでやる必要があるのか――と思うほど、トランプ大統領に対する安倍首相の接待は、あまりに異様な光景と言わざるを得なかった。
 26日の午前9時すぎ。青のジャケットと白のズボン姿で千葉・茂原市の「茂原カントリー倶楽部」に現れた安倍は直立してトランプを待ち、遅れて到着したヘリからトランプが出てくると、急いで駆け寄って握手。そしてゴルフカートのハンドルを自ら握って運転手を務め、トランプがパットを決めるたびに傍らでパチパチ拍手。そしてトランプが同行を希望したというプロゴルファーの青木功氏をゲストに招き、昼食はトランプの大好物というハンバーガー。まさに、これぞ“接待ゴルフの見本”という姿だった。
 その後、2人は都内の両国国技館に直行。土俵近くの升席にイスを設置し、SPや制服警察官ら100人を超える超厳戒態勢の中、トランプは現職大統領として初の大相撲観戦。取組後は、わざわざトランプが土俵に上がるための「特殊階段」まで作り、大統領杯を渡すパフォーマンスの場まで提供したのだから、前代未聞だ。
「朝鮮半島の危機」などの著書がある米ジョージ・ワシントン大准教授のマイク・モチヅキ氏は25日付の朝日新聞で〈安倍首相に対しては「トランプ大統領のペット」という批判があります。ノーベル平和賞の推薦文を書いたり、大相撲の表彰式という機会を用意したりと、いくつかはやり過ぎだと思います〉と断じていたが、その通りだろう。法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)がこう言う。
「来日目的がいまひとつハッキリしないトランプ大統領をなぜ、安倍首相はこれほど持ち上げるのか。どこまでご機嫌を取れば気が済むのか。日本の国民として情けないし、恥ずかしいとしか言いようがない」
 日本は米国従属を超え、もはや主権国家さえも放棄してしまったかのようだ。
実況中継し、はしゃぐテレビ局の亡国
「トランプ大統領が今、羽田空港に到着しました」「トランプ大統領を見ようと多くの人が詰め掛け、カメラを構えています」「ゴルフ場の外では双眼鏡を手にトランプ大統領の姿を追う住民の方々の姿があります」――。
 唖然ボー然だったのは、トランプを持ち上げる安倍の姿を、生中継を交えて垂れ流していたテレビだ。
 特に酷かったのはNHKだろう。トランプが日本に到着する前から〈間もなく到着〉などとお祭りムードを演出し、26日の大相撲中継でも、安倍とトランプが会場に姿を見せると、取組を控えた土俵の力士ではなく、2人をズームアップ。さらに大相撲の後番組「これでわかった!世界のいま」でも、本来の番組テーマである「国際ニュース」そっちのけで、東京・六本木の高級炉端焼き店に向かう安倍とトランプの様子を延々と生中継していたからバカバカしくなる。
 国民を煽り、視聴率さえ稼げればそれでいいのか。元共同通信記者でジャーナリストの浅野健一氏は「これぞ大本営発表の典型」と言い、こう続ける。
「トランプ大統領というのは今、世界でどんな目で見られているのか。対中貿易戦争で世界経済を揺さぶり、イランや中東で火種をつくり、ロシアとの関係も微妙です。そういう問題人物が国賓で来日したからといって手放しで喜ぶべき状況にあるのか。冷静に考えれば分かることでしょう。本来は、淡々と報じればいいだけ。それなのに、政府広報と化して、どこで何を食べたとか、バカ騒ぎしている。ジャーナリズムの視点、意識が全く欠けています」
 安倍政権の思うつぼだ。
安倍首相はなぜ、ここまでトランプに媚びるのか
 ここまで安倍がトランプに媚を売る理由はハッキリしている。すべて支持率アップ、政権維持、夏に行われる参院選に勝利するためだ。
「外交の安倍」をウリにしている安倍政権は、「安倍―トランプ」の蜜月関係を演出できれば、支持率が上昇し、苦戦必至の参院選も勝利できると踏んでいるという。
 実際、大手メディアは、来日前から「トランプ大統領と渡り合えるのは安倍首相しかいない」などとヨイショ報道に終始している。今ごろ安倍は、計算通りだ、とニンマリしているのではないか。
 さらに、トランプの“口封じ”という狙いもあるという。
「日米首脳会談は4、5、6月と3カ月連続で行われます。いくら同盟国とはいえ毎月開くのは異例です。恐らく、安倍首相はトランプ大統領に『7月の参院選が終わるまではむちゃなことは言わないで下さい』と懇願しているのだと思う。安倍首相が懸念しているのは、“日米貿易交渉”でしょう。参院選前に“自動車”と“農業”で押し込まれたら、自民党は惨敗してしまう。相手があのトランプ大統領だけに、1度お願いしただけでは不安だから、頻繁に会って、ご機嫌を取るしかないと考えているのだと思います」(政治評論家・本澤二郎氏)
 しかし、トランプのご機嫌を取るためのコストはハンパじゃない。4月の安倍訪米時、トランプが「日本は大量の防衛装備品を買うことに合意した」と、“密約”をバクロしている。1機116億円の最新鋭ステルス戦闘機「F35」の100機取得だけでも1兆円超だ。


日本はどうしたのか 正気とは思えないトランプ“狂騒”<中>
日米隷属関係を世界に見せつけたトランプの打算
 今回のトランプの国賓来日。日本の過剰なほどのもてなしぶりの一方で、「米国では『トランプの息抜き』程度にしか受け止められていない」(国際ジャーナリスト・堀田佳男氏)という。
 日本への出発直前に、トランプはホワイトハウスで報道陣の囲み取材に答えたが、やりとりはロシア疑惑やイラン問題が中心で、日本が言及されることはなかった。
 それでもトランプが訪日したのには2つの打算がある。
 1つは来年の大統領選に向け、支持者にアピールすること。トランプにとって目下の最大の関心事は、来年11月の大統領選での再選だ。トランプは26日、ゴルフ場で昼食を取った後、こうツイートした。
<日本との貿易交渉で大きな進展があった。農産品と牛肉は大変な影響がある。7月の(参院)選挙の後、大きな数字を期待している>
 支持者の農家や畜産業者へ、いち早く“成果”を発信したわけだ。日米関係が対等ではなく隷属だと分かっているトランプは、このツイートに日本から決して反論が出ないことも計算済みだろう。
 もう1つの目的は、独メルケル首相などトランプを危険視する世界のリーダーらに対する当てこすり。
「欧州の首脳らがトランプ大統領と距離を置く中で、『同盟国の日本の安倍首相は彼らとは違う。私のことをこんなに歓待してくれているんだ』と言いたいのでしょう。安倍首相との蜜月を内外に示すことで、自らの正当性をアピールする狙いもあると思います」(堀田佳男氏=前出)
 23日付の米紙「ワシントン・ポスト」は、<安倍首相ほどトランプ大統領に媚びへつらうことに心血を注いできた指導者はおそらく世界中を探してもいないだろう>と書いていた。
 世界中が米中貿易戦争や米国の対イランでの一触即発の現状に懸念を強める中、この国はトランプにいいように利用され、世界から嘲笑されている。
見返りゼロという日米貿易交渉の現実
 4月下旬に行われた日米首脳会談時には、トランプは「私の訪日前に合意」と“日米貿易交渉”について5月決着に期待を示していた。それがいったん、矛を収めたのは、「参院選への悪影響を避けたい」という日本側の要望を受け入れたからだった。一部メディアが具体的には「参院選後」という日米の“密約”を報じていたが、26日トランプ自身が、<日本との貿易交渉で大きな進展があった。7月の(参院)選挙の後、大きな数字を期待している>とツイートしているのだから間違いない。
 この密約は恐ろしい。安倍は選挙に勝つために国益を売り渡したも同然。そしてトランプのことだ。「待ってやったんだから、分かっているな」と倍返しを求めてくるのは明らかだ。
「『TPP水準は譲らない』など空々しい安倍政権の主張も、全て選挙まで、ということです。それを隠して国民をごまかすつもりだったのが、トランプ大統領に白日の下にさらされてしまった。こんなバカな話がありますか。国民はもっと怒らなきゃいけません」(東大教授・鈴木宣弘氏=農政)
 日本がTPPと欧州EPA(経済連携協定)を発効させたことに米国の農家は不満タラタラだ。協定に参加していないため、関税引き下げの恩恵を受けられず、競争条件が悪化。トランプはそうした農家から、より強力な日米FTA(自由貿易協定)をせかされている。
「参院選後、米国の要求がエスカレートするのは目に見えています。農業をいけにえにすれば自動車は守れるとの見通しがありますが甘い。牛肉の関税をゼロにしたとしても、米国の自動車業界にとっては何のメリットもありません。当然、自動車業界も成果を求めるので、結局、日本はどんどん譲歩させられ、全て失うことになるでしょう」(鈴木宣弘氏=前出)
 選挙の勝利と政権維持という党利党略、私利私欲のため、安倍はトンデモない約束をしてくれたものだ。
この狂騒を日米関係の専門家はどう見たか
 25日付の朝日新聞のオピニオン面に掲載された元米国務次官補(2013〜17年)、ダニエル・ラッセル氏の見解には愕然とした。安倍がトランプに「取り入る」ことは賢い決断としながらも、「トランプ政権の2年目からはそれが機能しなくなった」と言うのである。
<私がよく聞くのは、安倍氏がトランプ氏にどんなに話しても、本人の頭になかなか刺さらないようなのです。本人は「わかった」といいながら、実際には違ったふるまいをしています>
 これが事実だとすると、今回の前代未聞のおもてなしも、トランプにはたいして効果がないということだ。
「大相撲観戦では例外的に土俵際に椅子まで置いた。驚くほどの破格の待遇でした。日米はいつまでたっても対等ではなく、二歩下がって付いていく子分なのだと改めて認識させられました。安倍―トランプが本当の友人関係なのであれば、安倍さんにはもっと意地を見せて欲しいのですが……」(堀田佳男氏=前出)
 27日に日米首脳会談が開かれるが、共同声明は作らない。いや作れないのだろう。
 国際ジャーナリストの春名幹男氏はこう言う。
「首脳会談はわずか1時間です。通訳が入るので事実上30分間。ひと通り話しておしまい。何の交渉もしないということです。トランプ大統領との蜜月関係は安倍内閣の支持率にとってプラスでしょうが、米国内のトランプ支持は5割以下。半数の米国人には安倍首相の媚びた対応は奇異に映っている。それは日本人にとって決していいことではありません。来年の大統領選だってトランプが再選するとは限らない。もし民主党政権になったらどうするのか。あまりハシャギ過ぎるのは得策ではないと思います」
 トランプを“後ろ盾”にしても、拉致問題も北方領土問題も1ミリも動いていない。安倍という男は一体、何をしているのか。


日本はどうしたのか 正気とは思えないトランプ“狂騒”<下>
天皇の政治利用のエスカレートとそれに慣らされる怖さ
 新天皇の即位後、最初の国賓として招待されたことを、トランプは大喜びしているという。
 それにしても、安倍政権による皇室の政治利用は、度を越している。毎日新聞(5月23日付)によると、安倍は「どうすればトランプ氏の機嫌が良くなるか、さまざまな趣向を凝らしたい」「天皇陛下との会見や宮中行事がある国賓ならば、トランプ氏は喜ぶだろう」と語っていたというのだ。
 要するに「トランプ接待」のために天皇を政治利用したということだ。天皇は即位後、まだ1カ月もたっていない。行事も続き、多忙なはずだ。ムリをかけているのは間違いないだろう。それでなくても安倍政権は、天皇に国政を報告した「内奏」の写真を即日公表するなど、露骨なまでに皇室を政治利用している。
 それでいて、皇室には関心がないというのだから、信じられない。「『平成の天皇』論」を書いた毎日新聞の論説委員・伊藤智永氏が、「月刊日本6月号」のインタビューでこう答えている。
<安倍政権の対応について皇室関係者が杉田官房副長官に抗議した際、杉田氏が思わず「いや、退位に反対とかいうことはありません。総理は本質的に天皇や皇室に関心がないんですから」と漏らしたので、あきれて絶句したそうです>
 関心がないのに、都合よく政治利用するとは、どういうつもりなのか。
「戦前の反省もあって、天皇の政治利用だけは絶対にやらないというのは、政治家が守るべき最低限のルールだったはずです。権力者が天皇を政治利用すると、この国はロクなことにならない。
 心配なのは、安倍政権によって天皇の政治利用が当たり前のように行われ、国民がそれをおかしいと思わなくなりはじめていることです」(立正大名誉教授・金子勝氏=憲法)
 好き勝手に皇室を政治利用している安倍政権に対して、どうして右翼は怒らないのか不思議だ。
拉致被害者との面会の無意味、護衛艦視察の重大な意味
 トランプは27日の日米首脳会談後、北朝鮮による日本人拉致被害者家族と面会する予定だ。面会する理由は「拉致問題の解決に向けた協力を確認する」となっているが、安倍自身が拉致被害者の家族に対して「日朝首脳会談については、まだメドが立っていないのは事実」と認める中で、果たしてどれだけの意味があるのか。
 そもそも、米国だって北朝鮮に対する姿勢は一枚岩じゃない。ボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)は25日に都内で会見した際、北の弾道ミサイル発射は「国連安全保障理事会の制裁決議違反」と非難したが、トランプは翌日のツイッターで〈私を困らせていない〉と投稿し、問題視しない考えを強調している。米国が今後の対北政策について、どんな展開を描いているのかは不透明なのだ。安倍にしてみれば、拉致被害者とトランプが面会すること自体が自分の外交「実績」であり、「アピール」になると考えているのだろうが全くナンセンスだ。
 対照的に重大な意味を持つとみられるのが、安倍とトランプが28日に予定している、海上自衛隊の護衛艦「かが」の乗艦だろう。トランプはその後、ステルス戦闘機「F35B」を搭載した米強襲揚陸艦「ワスプ」の艦上から米国民に向けて「戦没将兵追悼記念日」の演説を行う予定だが、「かが」も今後、「F35B」の搭載がささやかれている。そのため、「かが」にトランプを乗艦させることで、日本の防衛力をPRするとともに日米軍事同盟の強化や、米国製武器の“爆買い”をほのめかすのではないかとみられているのだ。
「今後の日米貿易交渉で、米国に強硬姿勢で臨んでこられれば政権維持が危うくなる。ならば、『代わりに武器を買いますよ』というシグナルを送ろうと考えているのであれば言語道断です」(五十嵐仁氏=前出)
 選挙に勝つためには何でも利用する悪辣政権の考えそうなことだ。


トランプ来場で国技館は超厳戒 相撲観戦客は大ブーイング
 厳戒態勢だった26日の両国国技館。案の定、観客からはブーイングが起きた。
 入場時は金属探知機の通過を義務付けられ、持ち物検査も必須。ビンや缶は持ち込み禁止で、その場で捨てさせられた。
 さらに、入場者には〈座布団等の物を投げるなどの行為を行った場合は退場の上、処罰されることがあります〉と記されたペーパーが配布された。入場手続きの煩雑さで、入り口前は長蛇の列。炎天下で待たされ額の汗を拭う観客からは、「暑い……」「まだか」といった不満が漏れる。
 肝心の取組中も観客から“物言い”がつくありさまだ。優勝が決まっていた朝乃山の取組が、安倍首相とトランプ大統領の入場で一時ストップ。観客からは「まだ始まらないのか」「何で止まってる」と声が上がり、「トランプなんか来なきゃいいのに」との恨み節も聞こえた。
 厳戒態勢が観客の不興を買った格好だが、当のトランプ大統領本人も観戦を楽しんでいたかというと、微妙だ。
「安倍首相は頻繁に後方の通訳に何か説明していましたが、トランプ大統領は聞いていないのか、微動だにしていませんでした。たまに、メラニア夫人と会話する程度でしたね」(ある観客)
 相撲中継の画面に時折、映し出されたトランプ大統領の表情は、笑顔の安倍首相とは対照的にぶ然としたものだった。相撲観戦での「おもてなし」は不発だったようだ。


田崎史郎、岩田明子の“安倍目線”がすごい! トランプが“参院選後の関税引き下げ”暴露しても「狙い通り」「先送り成功」
 ゴルフに枡席での大相撲観戦と、安倍首相による“過剰接待”が繰り広げられているトランプ大統領の来日。この異常なおもてなしに対し、23日付け記事でも〈安倍首相ほどトランプ大統領に媚びへつらうことに心血を注いできた指導者はおそらく世界中を探してもいないだろう〉と評した米ワシントン・ポストは〈トランプ大統領は日本での最初の1日を観光客として過ごした〉と伝え、米ニューヨーク・タイムズは〈安倍首相のほほ笑み外交の一環〉と報道した。
 だが、この米メディアの冷ややかな報じ方と対照的なのが、日本のメディアだ。たとえば、昨日放送されたNHKの『これでわかった!世界のいま』では、大相撲観戦を終えて六本木の高級炉端焼き店に移動する様子を中継で報道し、「工夫が凝らされたおもてなし」「安倍首相はトランプ大統領と世界でもっとも会っている」などと紹介。こうした浮かれっぷりは他局のワイドショーなども同様で、無批判にお祭りムードの醸成に加担している状況だ。
 本サイトでは何度も言及してきたが、トランプ大統領はいまなお差別発言を連発している世界公認のレイシストだ。実際、6月に国賓としてトランプが訪問する予定のイギリス・ロンドンでは、その移民政策や差別的な言動に反発が集まり、100万人以上がトランプに抗議するデモに参加すると予測されているほど(ハフィントン・ポスト5月24日付)。一方、今回のトランプ来日に抗議するデモは東京でもおこなわれたが、それを大きく報じた局はほとんどなし。昨日の両国国技館周辺で抗議する人びとの様子を米ABCニュースは流したが、日本のメディアは無視した。
 トランプに媚びへつらう“恥さらし外交”が世界に発信されているというのに、安倍首相による“仲良しアピール”に丸乗りして垂れ流すだけの日本メディア……。だが、もっと呆れたのは、例の日米貿易交渉にかんするトランプ大統領のツイート問題についての取り上げ方だ。
 昨日もお伝えしたように、トランプ大統領は昨日のゴルフ後、「日本との貿易交渉で非常に大きな進展があった。農業と牛肉でとくに大きなね」とツイート。しかも、「日本の7月の選挙が終われば大きな数字が出てくる」と報告した。
 いま、トランプ大統領は日本の農産物の関税大幅引き下げを狙っており、要求通り日本が妥結すれば日本の農業界は大打撃を受けることになり、参院選に大きな影響を及ぼす。そのため、安倍首相は「参院選が終わったら引き下げに応じる」とトランプ大統領に確約し、それをトランプ大統領は自国の支持者に向けてさっそくアピールしたというわけだ。
 どう考えても安倍首相の国民裏切りを暴露した爆弾ツイートだが、しかし、これを大々的に伝えたメディア、自分の選挙のために日本の農業を売り渡した安倍首相を批判したマスコミはほとんどなかった。
 それどころか、安倍応援団や御用メディアはこんな事実が明らかになっても、安倍首相の姿勢を評価し、絶賛したのだ。
岩田明子は「狙い通り」田崎史郎は「先送りできた」、もはや“アベ”そのもの
 たとえば、昨日放送の『NHKニュース7』では、“安倍首相にもっとも近い記者”のひとりとしておなじみの岩田明子記者が解説者として登場。このトランプ大統領のツイートについて、こんなことを言い出したのだ。
「日本政府は夏の参院選挙への影響も配慮して、今回の首脳会談では交渉加速することの確認に留めたいという考えでしたので、今回の大統領の発信は、まあ、狙い通りとも言えます」
 開いた口が塞がらないとはまさにこのことだが、ようするに岩田記者は、安倍首相による妥結を参院選後にまで引き延ばすという国民に対する詐欺的行為にトランプ大統領が応じたことを、「狙い通り」だと評価してみせたのである。
 もはや安倍首相が乗り移っているとしか思えない発言だが、じつはもうひとり、安倍首相を憑依させた人物がいる。政治ジャーナリストの田崎史郎氏だ。
 田崎氏はきょう放送の『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日)でも「安倍首相と電話で話した」などと語りながら安倍首相の外交を褒めそやしたが、耳を疑うようなことを口走ったのは、『めざましテレビ』(フジテレビ)でのこと。田崎氏は今回のゴルフ外交を「成功だったと思います」と称賛すると、こう述べたのだ。
「(安倍首相は)参院選への懸念材料を一つ先送りにすることができたと。国内政治的には大きな意味を持つことになると思います」
 参院選後に関税引き下げを先送りにしたことを「成功」と評価する……。国民目線に立てば、国益を売り渡す妥結を選挙後に引き延ばすことは「ひどい騙し討ち」であり、国民への背信行為だが、それを「成功」と呼べるのは、完全に安倍首相目線に立っていることの証明ではないか。
 公共放送の記者や政治ジャーナリストを自認する人物が安倍首相と同一化し、日本の国益でなく、安倍首相の利益になるかどうかの視点でおこなう解説が平気で公共の電波で垂れ流される。その異常なメディア状況があらためて浮き彫りになっている。
小松靖は「悲観的になるのはどうか」野村修也は「そんな関税下げなんてしない」
 いや、このふたりだけではない。本日放送の『大下容子ワイド!スクランブル』(テレビ朝日)では、トランプ大統領が関税引き下げをめぐって“いい結果になる”という意味のことを語ったことについて、“ネトウヨキャスター”として知られる小松靖アナウンサーが“アメリカにとっていい結果かどうかわからない”などと強弁。「あまり悲観的になりすぎるのもどうなのかな」と安倍首相擁護を展開した。
 また、『情報ライブ ミヤネ屋』(読売テレビ)でも、安倍首相のゴルフ外交について『報道ステーション』金曜コメンテーターでもある野村修也弁護士が「選ばれし者しかこの姿の外交はない」と褒め称え、関税問題については「どう考えても、農産物について、そんな関税下げてアメリカのものを買えなんていうようなことはしない」と強調した。
 まったく、小松アナにしても野村弁護士にしても、無理がありすぎだろう。この状況をみれば、トランプ大統領が「選挙後まで妥結するのを待ってやった」代わりに、TPP以上の大幅引き下げを持ち出してくるのは、小学生でもわかる話ではないか。
 現に、きょうの日米首脳会談の冒頭では、日米貿易交渉についてトランプ大統領が「おそらく8月に両国にとって素晴らしいことが発表されると思う」と言い、その言葉が通訳されると、安倍首相は目が泳ぐというわかりやすすぎる反応を見せた。その上会談後の共同会見でも、記者から日米貿易交渉について質問されると、安倍首相は「交渉加速で一致」といつもの台詞を繰り返したが、対するトランプ大統領は「(アメリカは)TPPに参加しておらず、縛られていない」と明言したのである。つまり、TPP以上の関税大幅引き下げを示唆したのだ。
 しかも、この会見でトランプ大統領は、「日本は米国の防衛装備の最大の買い手となった。新たなF35ステルス戦闘機を105機購入すると発表した。米国の同盟国のなかで日本がもっともF35を保有することになる」とアピールした。言われるがままに武器を買い、巨額の税金を使った過剰接待で媚びへつらったうえ、7月の選挙後には日本の農産物が大幅な関税引き下げ晒されることになるのだ。
 何度でも言うが、日本の国益を売り渡す決定を選挙後に先延ばしにすることは、外交成果でもなんでもない、国民への詐欺・裏切り行為だ。にもかかわらず、こんな騙しの手口が相手国からあきらかにされても、批判的に伝えた番組はごくわずか。ほとんどのテレビが「日米同盟がより盤石に」「これほどトランプと親密なのは安倍首相だけ」などと持ちあげている。この政権忖度と対米従属の奴隷根性が染みついたメディア状況こそが、最大の問題なのである。


高裁で松井知事吉村市長、最高裁で松井市長吉村知事が負ける〜ピースおおさか訴訟 大阪府市の敗訴確定
 大阪の平和展示施設「ピースおおさか」の情報公開をめぐる裁判で、最高裁判所は24日付けで、大阪府と大阪市の上告を退ける決定を出した。原告男性への賠償を大阪府と大阪市に命じた大阪高裁判決が確定した。
維新府政市政の元で行われた「ピースおおさか」の展示見直し
 ピースおおさかは、大阪府と大阪市が出資する財団が大阪城公園で運営する平和展示施設。大阪大空襲の展示などのほか、旧日本軍の加害行為とされる内容も展示していた。しかし大阪市長が橋下徹氏、大阪府知事が松井一郎氏と、大阪維新の会の2人に変わった後、展示が「自虐的だ」などとして見直しの作業が進められ、2015年4月に全面リニューアルされて再オープンした。
 この見直しの過程で、設置理念が骨抜きにされると懸念する市民らの団体「ピースおおさかの危機を考える連絡会」の会員、竹本昇さん(69)が、関連する公文書の情報公開を請求した。しかし「リニューアルに向けた業務に支障をきたす」などの理由で公開を拒否される。竹本さんは異議を申し立てたが、本来諮られるはずの審査会も開かれないままリニューアルオープンを迎えた。
「歴史認識に関わることだからこそ情報公開を」高裁で逆転判決
 竹本さんは、知る権利を侵害され精神的苦痛を受けたとして、大阪府と大阪市などを相手取って損害賠償を求める裁判を起こした。一審の大阪地方裁判所では訴えをすべて退けられたが、二審の大阪高等裁判所は「様々な意見がある歴史認識に関わることだからこそ情報公開すべき」と判断。一審判決を取り消し、大阪府と大阪市に対し、竹本さんにそれぞれ5万円の慰謝料を支払うよう命じる逆転判決を言い渡した。
 府と市はこれを不服として上告していたが、最高裁判所は24日付けで、「上告の理由がない」として上告を退ける決定を出した。これにより大阪府と大阪市が情報公開しなかったことは違法だとする大阪高裁の判決が確定した。
「橋下氏松井氏の不当な干渉」「加害展示撤去が真の目的」
 原告の竹本さんは次のように話す。
「この裁判で、展示見直しに対する橋下氏と松井氏の不当な干渉が明らかになりました。情報非公開の本当の理由は、リニューアルの目的が加害展示撤去だということを市民に知られないためでした。不当な干渉によってなされたピースおおさかのリニューアルは正当たり得ません。被害と加害の両面から戦争の実相に迫るという設置理念に則ったピースおおさかを取り戻すために、これからも展示の改善を求めていきます」
「真実を国民に知らせずに戦争。同じことを繰り返してはならない」
 原告の代理人は大前治弁護士ただ1人。「勝訴」決定について次のように述べた。
「大阪府と大阪市が情報公開条例に違反していたこと、大阪高裁が『様々な意見がある歴史認識に関わることだからこそ情報公開すべき』と断じた判決が確定したことに意義があります。竹本さんに情報が隠されたことは全ての市民に情報が隠されたことに等しいんです。74年前の戦争は『国民に真実を知らせないこと』を原動力として進められました。同じことを繰り返してはいけません」
 そして最後に付け加えた。
「大阪高裁では『松井知事と吉村市長』が敗訴し、
最高裁では『松井市長と吉村知事』が敗訴した、
・・・というのが痛快ですね(笑)」
相澤冬樹 大阪日日新聞論説委員・記者(元NHK記者) 1962年宮崎県生まれ。1987年NHK記者に。山口、神戸、東京、徳島、大阪で勤務。神戸で阪神・淡路大震災を取材。大阪でJR福知山線脱線事故を取材。大阪司法記者クラブ担当の2017年に森友事件に遭遇して取材を進めるが、2018年記者を外されてNHKを退職。大阪日日新聞に移籍した。この時の経緯を「安倍官邸vs.NHK 森友事件をスクープした私が辞めた理由」(文藝春秋刊)という本にまとめて出版した。
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平和資料館の情報非公開は違法 大阪府と市の敗訴確定 最高裁
大阪市にある平和資料館「ピースおおさか」の展示内容が変更されたことについて情報公開を求めた男性が訴えた裁判で、最高裁判所は大阪府と大阪市の上告を退ける決定をし、非公開としたことを違法とする判決が確定しました。
大阪城公園にある「ピースおおさか」は大阪空襲や旧日本軍の加害行為とされる内容を展示していましたが、「自虐的だ」という批判が寄せられ、4年前に展示内容を変更しました。
市民団体の男性がこの変更をめぐって、運営団体に出資する大阪府と大阪市に情報公開を求めましたが、認められず、慰謝料の支払いを求めていました。
1審では訴えが退けられましたが、2審の大阪高等裁判所は「展示内容は先の大戦の歴史認識にも深く関わり、公開して議論の対象とすることが望ましかった」などとして、府と市が非公開とした決定を違法と判断し、それぞれ5万円の慰謝料の支払いを命じていました。
これについて、府と市が上告していましたが、最高裁判所第3小法廷の戸倉三郎裁判長は27日までに退ける決定をし、府と市の敗訴が確定しました。


暴言で辞職も得票率7割で再選 泉房穂明石市長が語る市民愛
「火をつけて捕まってこい」と、道路の拡幅工事の立ち退き交渉にあたった職員を叱責。「パワハラ市長」とバッシングを受け、今年2月、辞職に追い込まれた。ところが、子育て中の母親たちの反応は違った。出直し選挙への立候補を求め、約5000人の署名を集めたのだ。3月の市長選では、7割の得票率で当選。「未来は自分たちで選ぶということを、この署名活動を通じて強く感じました。本当に立ち上がってくれてありがとうございました」と感謝された。
  ◇  ◇  ◇
――暴言が報道された時の率直な感想は。
 最初に公開された1分ほどのテープで「火をつけてこい」と言っています。死亡事故が起きた危険な交差点で、立ち退きをお願いするのに「いつまでかかっとるんや」「下に任さず、責任ある立場の人間が行け」「無理やったら自分が行くから」と言った記憶しかなく、「火をつけてこい」は激高した状況で口走ったと思った。聞いた人がどういう印象を持つかぐらいは分かったので、大変なことが起こる、自分の発した言葉である以上、責任を負うことになるというのが正直な気持ちでした。
――その後、もうひとつの音声テープが公開され、全内容が明らかになり、擁護する声も上がり始めた。
 1月29日朝、自宅でゴミを出そうとしたらいきなりカメラに撮られ、そこからはメディアの対応で精いっぱいでした。内容を把握していない状態でしたが、NHKもトップニュースでしたから、辞職以外はない。元マスコミですので、辞めるまで追いかけられるのは分かっていましたから。
■1ヵ月以上の引きこもり生活
――メディアは連日、大々的に報じた。
 新聞、週刊誌、テレビのワイドショーの格好の対象になり、辞職した翌日から明石から1時間ほど離れた場所のマンションの一室で、カーテンを閉め切ってこもる生活を送りました。食事を買おうとマスクをしてコンビニに行ったら、「明石市長ですね」ってすぐにバレました。その後も引きこもり生活が続き、さすがにしんどくなって帽子とマスク姿で大阪の天王寺動物園に出掛けた。オッチャンたちに紛れ込めば大丈夫ではないかと思ったのです。シマウマとキリンの前でベンチに座り、マスクを外した瞬間、オッチャンたちから「明石市長やないか」と握手攻めにあい、「おまえ、男や」と抱きつかれた。やっぱり人前には出られないと思い、再びマンションに戻りました。1カ月以上引きこもっていましたので、何が起こっているか分からない。情報はネットで仕入れていましたが、賛否両論あると言われても悪口の方が気になる。叩かれ方はもの凄くて、政治家というより、人としてこれからどうすればいいか考えていました。
――それでも明石市民は報道に惑わされずに、状況を客観的に見極めました。
 市民が言ってくれたのは、「戻ってきてくれてありがとう」「分かっている」の2つです。明石市民とマスコミのズレは大きくて、特に子育て層の熱烈な応援には驚きました。共働きの女性が「負けないで」と言ってガッツポーズをしてくれたり、立候補しただけで市民から「ありがとう」と言ってもらえるなんて思わなかった。罵声を浴び、殴り掛かられることも覚悟していました。選挙が始まって町に出ると、罵声はゼロで次々市民が握手を求めて寄ってきてびっくりでした。
――3年前から第2子以降の保育料を無償化したり、子育て環境を充実させたことが評価されたのですね。
 中学校の給食も始めました。駅前の子育て施設も利用料無料で、絵本も借り放題です。経済的負担の少ない子育てができ、6年連続で人口が増え、出生率も4年連続で増加した。駅前の人出も3年前に比べ7割増えました。「辞めてすぐに出馬するなんて反省がない。せめて1期待て」という批判もありましたが、市民は「4年も待てない」と怒ってくれた。選挙中、お腹の大きいお母さんが近寄ってきて、「明石は赤ちゃんが産める町だから引っ越してきたのに、今さら戻れません。無責任です。責任を取ってください」と詰め寄られました。それが市民にとって、生活リアリティーなんです。
■メッセージを読んで出馬を決意
――子育て支援の施策が5000人の署名につながった。
 署名活動をネットで初めて知った時は、「一体、誰が」と思った。面識もない赤ちゃんを抱えたお母さんたちがネットでつながり、集めてくれた。ただ、自分が辞職したことにともなって行われる選挙に出馬したらさすがに叩かれるのは分かっていましたし、出られないと思っていた。小学生の息子は学校で、「火をつけるぞ」と追いかけ回され、家族も反対でした。でも署名を受け取らないわけにはいきません。署名には、「市長が代わって保育料が有料になったら、人生設計ができない」「やりかけたことを続けてもらわないと、暮らしが変わってしまう」というメッセージがびっしり添えられていた。それを読んであらためて2つの「責任」を感じました。ひとつは1年半前、権限のある立場の市長が職員に対して行った言動の責任です。選挙の結果がどうであれ、自分の発言が消えるわけではないので、責任を負い続けなければなりません。もうひとつは市民と交わした、やりかけたことをやり続ける約束を明石市で成し遂げる責任です。批判は承知で、市民がここまで思ってくれているのであれば、何とかしたいと強く感じ、出馬を決意しました。
――得票率は70・44%で出口調査では30代の9割の支持を集め、初めて投票に行った若者も多くいた。
 期日前投票では、駅前の投票所でベビーカーを押す女性たちが1時間近く待って投票してくれました。選挙に行ったことがない娘さんが「お母さん、選挙に行ってよ」と声を掛けてくれた。政治というのは影響力の大きい、特定の有力者の声が反映されがちですが、本当のマジョリティーはサイレントで、そういう市民は市役所に来ませんし、市長と話す機会もありません。そんな人たちの顔を思い浮かべながら、施策を打ち出し、市民へのラブレターのつもりで広報誌に思いを込めて伝え続けていたら、その思いが市民に届いていた。前回、前々回の5万票を上回る8万票の支持をいただいた。これだけ叩かれたにもかかわらず、これまで投票に行かなかった層を含め、自ら大切な一票の行使をしてくれた。普通の市民が私を押し上げてくれた。民主主義の尊さ、可能性を感じました。
胸を張って「明石です」と言える町にするのが私の償いであり、責任
 ――歴史的、全国的に見ても珍しい現象ではないか。
 言い過ぎるといけない立場ですが、たしかにそうかもしれません。子育て世代が牽引して市長を選ぶなんて日が来るとは思いもしませんでした。私は20歳の頃から、日本はあまりにも子供に冷たく、子供を親任せにして親の持ち物的な扱いをするから、貧困や虐待の原因に、つながっていると考えていた。社会全体で子供を育てていくようにしたいと思い、市長になりました。今や子供に関する予算は昔の2倍、子供を担当する職員数は昔の3倍で、明石はまさに子供の町です。それを市民が理解し、応援してくれるようになったことがなによりうれしいです。
――今回の一件で自分の中で何が変わったか。
 もともと、「明石ラブ」だったんですが、それに加えて「市民ラブ」「民主主義ラブ」です。市民との絆が一層深まり、クサいけど民主主義は凄いと思いました。かつて明石の友人が合コンで出身地を聞かれ、「(隣の)神戸」と言ったのを聞いて本当に腹が立った。自分の住んでいる地域を卑下したり、隠したりせず、胸を張れる町、誇れる町にするのが、私にとって重要なテーマでした。それが私のせいで、「明石」の名前を口にできない状況をつくってしまった。「明石」と答えただけで、「あの市長の」と言われてしまう。そうした事態を招いた責任を痛感しています。市民が全国どこへ行っても「どちらからですか」と聞かれ、「明石です」と胸を張って言える町にするのが、自分のしたことに対する償いでもあり、責任でもあるとあらためて思い返した。愛するこの町のために愛する市民とともに、これからもベストを尽くしてやれることをやっていきたい。(聞き手=滝口豊/日刊ゲンダイ)
▽いずみ・ふさほ 1963年、明石市生まれ。明石西高、東大教育学部卒後、NHKに入局。弁護士を経て、2003年、衆院選に旧民主党公認で兵庫2区から立候補して比例復活を果たし、1期務めた。11年の明石市長選で初当選。現在3期目。


大阪人の“恐怖の駅”!? 阪和線のナゾの終着駅「日根野」には何がある?
しこたま酒を呑んだ夜、終電間際の電車に乗って帰ろうとすると“乗り過ごし”というリスクを背負うことになる。酔い心地でうとうとして気がつけば、電車は見たことも聞いたこともない終点の駅。改札口を出て駅前に出てみたはいいものの、特にめぼしいものがあるわけでもない都会の外れの住宅地。そうしてせっかくの気持ちのいい酔い心地も吹っ飛んで、人は絶望の淵に立つのである――。
天王寺駅や大阪駅でもお馴染みの「日根野行」
 と、そんな世にも恐ろしい終着駅は、だいたい電車通勤が主流の都市部に多くあるものだ。そうしたわけで、これまでも小金井、国府津、小手指、南栗橋などなど首都圏近郊の終着駅を中心に巡ってきたが、今回は関西の終着駅に進出してみようと思う。訪れたのは、JR阪和線の日根野駅である。
 阪和線はすぐ脇にあべのハルカスも聳える大阪市南部の天王寺駅を起点に南西に走り、和泉山脈を越えて和歌山駅までを結んでいる。関西国際空港に乗り入れる特急「はるか」や紀伊半島南部を目指す特急「くろしお」のほか、大阪駅から大阪環状線をぐるりと回って阪和線に入って和歌山行の紀州路快速・関空快速がこの路線の代表列車。関西を代表する大動脈のひとつだ。
 そんな中でも大阪方面からやってくる区間快速は多くが“日根野行”。さらに23時以降の快速も軒並み日根野行であり、終電間際に乗るなら実に危険な終着駅というわけだ。他にはより大阪中心部に近い“鳳行”もたくさんあって、こちらも駅名からして実に興味深いところではあるが、今回は乗り過ごしたときの“被害”が甚大な日根野を選んだのである。
 そんな日根野駅まで、阪和線の電車は実にスピーディーに走ってゆく。大和川を渡れば大阪市から堺市に入り、世界文化遺産登録が確実になった百舌鳥・古市古墳群の代表格とも言える大仙陵古墳(仁徳天皇陵)を横目にさらに南西へ。紀州路快速ならば天王寺駅からおおよそ40分ほどで目指すところの日根野駅に到着する。
新しいマンションが建ち並ぶ駅前
 日根野駅があるのは大阪府泉佐野市。ご存知、ふるさと納税を巡るあれこれで話題沸騰の街である。とは言っても日根野駅周辺は泉佐野市の中心市街地とは遠く離れているようで、駅前は実にのどかなもの。少し古びた橋上駅舎から東側に出ると、広々としつつも閑散としたロータリーが広がり、その向こうには大きなマンションが建っている。線路に沿って北に少し歩けばイオンモールもあるようだ。近くには目下建設中のマンションも。イオンがあって始発列車も多く、大阪中心部まで1時間かからないとなれば通勤圏内としては充分なのだろう。これまで見てきた首都圏の終着駅ともよく似ている。
 駅前の広場を歩いていると、その一角に阪和線の電車が描かれた小さな建物。なにかと思って近づいてみれば、どうやらトイレのようだ。駅前の公衆トイレを車両に模すあたり、車両基地のある“鉄道の街”らしい取り組み。こうしたところも車両基地とともにある終着駅らしさというべきだろうか。
なぜか踏切には5カ国語のカンバンが
 と、まあそんなものかと思いながら駅前広場の片隅の観光案内板を見てみると、日根野には鎌倉時代から戦国時代にかけて五摂家のひとつ・九条家の荘園(日根荘)があったという。そして駅前広場やマンションのあたりは溜池だったとか。う〜む、意外と歴史が古い日根野なのだ……。
 そう思っていたら、警報音とともにすぐ近くの踏切の遮断器が降りた。そして、英語や中国語、韓国語での音声放送も聞こえてくる。近づいてみると、踏切の横には日・英・中・韓の4ヶ国語に加えてタイ語も書かれた説明板。日本語を読むと、「警報機が鳴り始めたら踏切に入らないで下さい。踏切から直ちに出て下さい。」と書かれている。この注意書きくらいならまだわかるが、音声でも注意を喚起するとはなかなかの徹底ぶりである。いったいこの、のどかな郊外の小さな駅がなぜこれだけインターナショナルなのだろうか。
日根野にもインバウンドの波が……
 JR西日本に聞いてみると、「鉄道に慣れていない外国人が踏切に侵入してしまうケースが後を絶たず、その対策としてやっているもの」だとか。こんなのどかな郊外の小さな駅の踏切に外国人が侵入とはいかにも物騒なお話。だが言われてみれば、日根野駅は阪和線から分岐して関西国際空港に向かう関西空港線の分岐駅だ。駅のホームから南側を望むと、高架で右手(海側)に向かって分かれていく線路が見える。これが関西空港線。そうしたわけで、日根野駅にもインバウンドの外国人がやってくるという。日本人みたいに日常的に電車に乗って踏切も渡っているような人ばかりではない。ワケもわからず遮断器の下りた踏切に入り込んでしまうこともある、というわけだ。
「特にね、この踏切は長いんですよ。特急も走ってるし、車庫を出入りする列車も通るから。本数の多い朝なんてずいぶん待たされる。踏切なんて見たこともないような外国人なら、待てなくて入り込むのもわからんではないですね」
 ちょうど踏切待ちをしていた地元の人に聞いたら、こんな答えが返ってきた。日根野駅は大阪方面から併結されて走ってきた紀州路快速と関空快速が分割されて立て続けに出発するような駅でもあるから、遮断器が下りている時間がどうしても長くなってしまう(つまりは日根野駅で紀州路快速と関空快速の連結作業を見ることもできるので、鉄道ファン的にはそこも日根野の見どころであるが)。筆者が日根野駅を訪れていた2時間ばかり、ついぞ外国人観光客に出会うことはなかったけれど、こうした踏切のインバウンド対策も鉄道の安全のためには欠かせないのだろう。
終電で寝過ごしても「ホテルはあります」
 と、大阪の中心部から40分ほどでやってくる阪和線の終着駅・日根野は、ほのかにインバウンドの香りも漂う泉佐野の住宅地の駅であった。インバウンドの香りは駅の近くにホテルがあることでも感じられる。つまりは万が一寝過ごして日根野にやってきてしまっても、ホテルという救いの神はそこにいるのだ。もちろん、そのホテルに空室があるかどうかはまったく保証できないけれど。天王寺駅発日根野行の終電は、0時20分発1時5分着だ。
 ちなみに阪和線で乗り過ごして最も絶望的な電車は、22時44分天王寺発の紀州路快速“御坊行”。御坊というのは和歌山よりもさらに南の紀勢本線の駅で、到着は1時3分。日根野ならまだしも、“酔っ払って目が覚めたら御坊だった”なんて冗談にもならないのでぜひとも気をつけたいものである。


不登校の子 大学を居場所に 小中学校出席扱い 福岡・筑紫女学園大学
 福岡県太宰府市の筑紫女学園大学で、市内の不登校の子どもたちに活動の場を提供する「キャンパス・スマイル」が28日から始まる。市教委と連携し、活動報告を市教委に提出することで小中学校の出席日数にも反映される画期的な取り組みで、子どもたちにとっては大学が新たな居場所となる。
 今月13日、ボランティアで不登校の子たちに寄り添う「スマイル・サポーター」の養成講座が大学内で初めて開かれ、学生63人が参加した。市教委や大学の担当者から不登校の現状や心構え、コミュニケーション技法などの基礎を学んだ。市教委学校教育課の八尋純次副課長は「『何とか学校に行かせよう』ではなく、子どもが自分で進む道をつかもうとするのを支援することが大切」と説明した。
 大学にはスクールソーシャルワーカー(SSW)など福祉分野の専門職を目指す学生も多い。キャンパス・スマイルは、地域貢献活動の一つとして、人間科学部の大西良准教授(児童福祉)が企画。不登校の子どもとサポーター登録した学生をマッチングし、大学で過ごす日を定期的につくる。講義室や食堂、図書館などで、遅れがちな勉強に取り組んだり、趣味の話などを楽しんだりする。
 サポーター養成講座を受けた社会福祉コースで学ぶ1年の村岡愛理さん(18)は「私も小中学生の時、友達のからかいがひどくて学校が嫌になったり、持病で悩んだりした。きつい思いをしている子のために経験を生かせたら」と話す。
 市教委によると、市内の小中学校ではここ数年、不登校になる子どもが増加傾向にあり、八尋副課長は「大学に来ることで『大学に行きたい』などと将来を思うきっかけにもなる」と大学生の関わりに期待した。
 福岡県内の小中学校でスクールカウンセラーの経験がある大西准教授は「子どもたちに合った手助けのある場所が十分にないと感じる。大学での活動を通じ、子どもたちがそれぞれの気持ちを出せる場にしたい」と意気込む。
 国の調査(2017年度)では、病気や経済的な理由を除いて年間30日以上欠席した不登校は小学生3万5032人、中学生10万8999人。一方、日本財団(東京)が昨年12月に発表した中学生実態調査は、保健室や教室には行くが、授業参加時間が短いなどの不登校傾向にある生徒が約33万人に上ると推計し、国の把握は氷山の一角とも指摘される。【青木絵美】


読解力高い子が「国語なんか、勉強したことありません!」という訳…水島醉<2>
小5で京大2次の問題をすらすら解く
 「これからの受験には、本質的な学力が必要である」、また「本質的な学力を持った子供は、例外なく読解力が非常に高い」という事実を踏まえた上で、前回、私は「読解力を上げる明確な方法がある」と述べました。もちろん、他のさまざまな技能と同じく、それはたやすいことではありません。また、人間だから個体差もあります。ですから結果に幅はありますが、しかし、読解力を上げる明確な方法が存在するのだということは、私が責任を持って皆さまにお伝えしたいことです。
 まずは「高い読解力」について、私の指導してきた子供たちの例を挙げてお話ししたいと思います。
 本当に読解力が高いと思われる子供について、私は試しに大学入試の、それも超難関校の入試国語の問題を解かせてみたりします。たとえ小学生でも、中高の入試問題はもちろん、大学でも中堅クラスの大学の入試問題では、彼らはほとんど満点に近い点数を取ってしまうので、実力の確認、比較対照など、私の知りたい情報が得られないからです。
 私は彼らに、京都大学の文系の2次試験の国語の問題を解かせます(古文、漢文は除く)。その結果、過去に小学5年生の女子が70数点(100点満点換算、以下同じ)という高得点を取ったことがあります。国語だけなら、余裕で京大合格です。だいたいどの子も50〜70点ぐらいは平気で取ります。現役高校生でも大人でも、京大の2次試験で70点取れると言い切れる人は少ないのではないでしょうか。50点でもたいしたものです。
 子供たちは「先生、これ難しいなあ」と軽い悲鳴を上げながらも、それでも目を輝かせながら生き生きと解いています。中学・高校入試レベルの問題では、彼らにとって解けて当たり前の感覚がありますから、手応えのある課題は、彼らにはうれしいのでしょう。
出題者の考えや感性まで読み取る力
 また別の話です。ある生徒は、中学入試の模試の国語で満点を取ったことがあります。国語以外の科目なら、満点というのは、多くはありませんが滅多にないというほど少なくもありません。算数などたいへん難しいにもかかわらず、結構満点を見かけることがあります。しかし、国語で満点というのは非常にまれなことです。
 私は、その、国語で満点を取った生徒の答案をチェックしてみました。確かによく理解してよく解けてはいましたが、1か所、どうしても私の納得のいかない解答がありました。選択肢の問題で、彼女は、私が正しいと思う選択肢と違うものを選んで、○をもらっているのでした。そこで、私は彼女に尋ねてみました。
 「この問題、私は『イ』が正解だと思うんだけれどなあ。どうして、あなたはこれを『エ』だと思ったの?」
 すると彼女は、こう答えました。
 「ええっ、先生も『イ』だと思ったんですか? 私も最初は『イ』が正解かな、と思ったんです。でも、設問の流れからすると、これは、うーん『エ』かな、『エ』と答えてほしいんだろうな、という気がしたので、悩んだんですけど『エ』にしておきました」
 びっくりでしょう。彼女自身も、本当は「イ」が正解だと思ったのだけれども、出題者の感性を設問から読み取って、ここは「エ」なんだと判断した、ということです。
 読解力とは、つまりは、こういうことなのです。文字という記号から、それを書いた者の気持ちや考えを読み取る。この、模試で満点を取った彼女は、出題された元文章の作者の考えや感性だけでなく、それに設問をつけた出題者の考えや感性まで読み取って、それにふさわしい解答をした、ということです。これこそ、高い読解力なのです。
 私は今でも、その設問の最もふさわしい解答は「イ」だと考えていますから、むしろ小学生の彼女の方が、私より読解力が高かったのでしょう。
読解力ある子は三度の飯より読書が好き
 さてこのような、中学入試では満点レベル、超難関大学の入試問題でも50〜70%正解するような非常に高い読解力を持った子供たちに、「あなたはどのようにして、国語の勉強をしてきたのか」という質問をしてみます。すると、例外なく全く同じ答えが返ってきます。「国語なんか、勉強したことありません!」。読解力の高い子供は、皆、そう答えます。例外なくです。
 このようなお話をしますと、高い読解力は「学習(努力・訓練)」によるものではなく、「才能(生まれつき持つもの)」によるものではないのか、とお考えになる人もあるかも知れません。しかしそれは違います。
 人は人である以上、個性がありますから、人により得意・不得意があるのは否めない事実です。
 しかし、どんなに高い才能を持って生まれたとしても、その才能を発現させるための訓練は、どうしても必要です。イチロー(元プロ野球選手、鈴木一朗氏)だって、努力に努力を重ねて、人一倍の努力をしてその才能を発現させたわけで、氏がバットを握ることなく、いや握ったとしても人一倍の努力をすることがなかったとしたら、あの数々の大記録は決して生まれなかったことでしょう。
 非常に高い読解力を持つ私の生徒たちも、口では国語など勉強したことがないと言いながら、必ず、どこかで、何らかの形で、読解の訓練をしていたはずです。それは、間違いのないことです。どのような訓練をしていたか。自分では訓練と思っていない訓練、そこに読解力を高める方法へのヒントがありそうです。
 中学入試では満点レベル、京大の入試問題でも50ないし70%正解できる彼らに共通する点は、先に述べました「国語など勉強したことがない」ことに加えて、「きわめて読書が好きである」という点が挙げられます。本当に三度の飯より読書が好き、というような子供ばかりです。
 考えてみれば当たり前の話です。野球が嫌いで、野球などしたことがない子供が、野球が上手なはずがありません。水に漬かったこともないのに、スイスイと泳げる人はいません。鍵盤に触れたこともないのに、軽やかにショパンを奏でられる人もいません。極めて当たり前のことです。同じように、普段本を読まないながら読書力は高い、ということも、決してないのです。
 方法論はさておき(いずれ述べます)、読解力を上げるにはまず文章を読むことです。たくさんの文章を読むことは、確実に国語力を上げるおそらく唯一の方法なのです。
水島 醉( みずしま・よう )  1990年から「エム・アクセス」講師。「問題を解かせる→解説」という授業は国語力の向上につながらないと考え、「読書・思考・記述」を中心とした国語指導を展開している。「読む・聞く⇔書く・話す」の4ルートを鍛えることによって国語の地力を向上させる「視聴話写」という教材を開発。子供の心の成長と学力との関係を重視し、「マインドフルネス学習法」を提唱、授業に応用している。著書に「国語力のある子どもに育てる3つのルールと3つの方法」(ディスカヴァー携書)、「進学塾不要論」(同)など。


【欧州議会選】 中道左右両派が過半数失う リベラル派、ナショナリスト党が台頭
欧州連合(EU)加盟28カ国で投票が行われた欧州議会選挙の開票が進められ、最大勢力だった中道左右両派が過半数を失う見込みとなった。一方、リベラル派や環境保護を訴える緑の党も大きく躍進。また、イタリアとフランス、イギリスでは極右のナショナリスト政党が最も多くの票を獲得した。
欧州議会の第1党の座を確実にしたのは、中道右派の欧州人民党(EPP)だが、議席は216議席から179議席へと大きく減少すると見込まれている。連立を組んでいた中道左派の社会民主進歩同盟も191議席から150議席へと議席を減らす模様で、両党合わせても過半数を割り込む情勢だ。
EPPは今後、親EU派で連立を組むとみられている。
投票率は全加盟国で51%弱と、過去20年で最も高かった。
親EU派で連立へ
欧州議会(定数751)はEUの立法府に当たるほか、欧州委員会やその他のEU機関の要職任命にも大きな影響を与える。EUの予算もここで承認される。
加盟国には人口に応じた議席が割り当てられている。各国は5年ごとの選挙でそれぞれ欧州議会議員を選出し、議員はその主義主張に応じて、議会内で会派を形成している。
今回の投票は23〜26日に行われ、26日夜に開票と結果の中間発表が始まった。
アナリストは、EPPは社会民主進歩同盟のほか、リベラル派や緑の党など親EU派の協力を得て「大連立」を組むとみている。
リベラル派の欧州自由民主同盟(ALDE)はフランスのエマニュエル・マクロン大統領が率いる「共和国前進」が参加することが決まり、107議席を確保した。
ALDEを率いるヒー・フェルホフスタット氏(ベルギー)は、「過去40年で初めて、保守党と社会党という伝統的な政党が過半数を割った。欧州議会に新しいバランスが生まれることになる。歴史的な夜になることは明らかだ」と述べている。
出口調査によると、緑の党も50議席から67議席へと議席を増やす見込み。
一方、フランスやイタリアなどでは極右のナショナリスト政党が躍進し、EU懐疑派も勢力を伸ばした。
イタリアの極右与党・同盟を率いるマッテオ・サルヴィーニ副首相は、各国の少なくとも12党をまとめて会派を作るとみられている。
ポピュリスト政党もいくつかの国で票を伸ばしたものの、予想されていたほどの躍進には至らなかった。
主要国の結果は?
イギリスでは、ナイジェル・ファラージ氏率いるブレグジット党が開票序盤での得票率を32%としており、第1党となる見通し。自由民主党も票を伸ばした一方、2大政党の保守党と労働党は議席を大きく減らすとみられている。
ドイツでは、中道政党が生き延びた。しかしアンゲラ・メルケル首相のキリスト教民主同盟(CDU、中道右派)は得票率を前回の35%から28%に下げ、中道左派の社会民主党(SPD)も27%から15.5%に落ち込んだ。
極右ポピュリスト政党の「ドイツのための選択肢(AfD)」も予想ほど票を伸ばさず、出口調査では得票率10.5%との結果が出た。ただ、初めて欧州議会選挙に出馬した2014年からは上昇している。
極右政党は各国で明暗が分かれた。
フランスではマリーヌ・ル・ペン氏が率いる国民連合(RN)が得票率24%で、マクロン大統領の共和国前進(22.5%)を破って第1党となった。
また、イタリアではサルヴィーニ氏の極右政党・同盟が30%の得票率を確保している。
ハンガリーでは、反移民を掲げる与党の右派フィデス・ハンガリー市民連盟が52%と大勝し、ハンガリーに割り当てられた21議席中13議席を獲得した。
オルバン・ビクトル首相は「ハンガリーは小さい国だが、欧州を変えたい」と述べ、今回の選挙は「反移民の新しい時代の始まりだ」と語った。
スペインでは与党スペイン社会労働党(PSOE)が得票率32.8%で第1党。極右のVOXは6.2%と5位だったが、3議席を獲得している。
投票率が高かったのは?
今回の欧州議会選の投票率は51%弱と、1979年の初めての議会選以来の数字を記録した。前回2014年の43%から大きく伸びている。
特に高かったのはデンマークで63%。ハンガリーとポーランドでは前回から投票率が2倍に上昇した。
アナリストは、気候変動への意識が高くなったことや、ポピュリスト政党の台頭が高い投票率につながったとみている。
<分析>現状の否定 ――カティヤ・アドラー欧州編集長
今回の欧州議会選挙の結果は、すでに欧州各国の総選挙で明らかになっていた傾向を反映している――現状の否定だ。
フランスで中道右派と左派が敗れ、ドイツではメルケル首相率いるCDUと連立相手のSPDが敗れ、イギリスでは2大政党の保守党と労働党が敗れた。
欧州の有権者は、他のところに答えを求めている。自分達の価値や優先事項を代表してくれていると思えるような政党や政治家のところに流れてしまった。
極右のナショナリスト政党は移民問題を解決し、EUよりも本国の議会に権力を戻そうとしている。イタリアのサルヴィーニ副首相やハンガリーのオルバン首相は良い成功例だ。
緑の党やリベラル派は、親EU派の別の選択肢として台頭した。彼らもまた、今回選挙で議席数を伸ばしている。
(英語記事 Europe's biggest blocs lose grip on power


EU議会選挙、極右政党議席増も大躍進ならず
 EUの先行きはどうなるのか、注目された議会選挙で事実上の連立を組む“EU支持派”の2つの会派が過半数割れしました。一方、極右政党は議席を増やしたものの、大躍進は食い止められています。
 EU議会選挙の開票後の議席予測では、与党会派を形成してきた中道右派のEPPと中道左派のS&Dの獲得議席数の合計は過半数に到達しない見通しです。
 一方で、極右勢力では、フランスでルペン党首率いる国民連合のグループがマクロン大統領の政党を上回りました。
 「国民の勝利です。誇りと威厳をもって権力を取り戻しました」(国民連合 ルペン党首)
 イタリアでは、サルビーニ内相の与党「同盟」が30%に迫る得票率で、ほかの政党を大きく引き離すなど極右が各国で台頭。ただ、投票率が前回よりも10%近く上がったことで大躍進は食い止められた形で、EU懐疑派は全議席の3分の1には届かないとみられています。
 一方、EU離脱の延期で選挙に参加したイギリスでは、保守党と労働党の二大政党の得票率がともに大幅ダウン。強硬派のEU離脱党が得票率33%以上でトップになり、メイ首相の次の首相の方針は一層、離脱強硬派に寄ったものになりそうです。

JRがいろいろで西九条行くのに迷う/急いでカレー食べて京橋/

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Japon: Shinzo Abe conciliant pour un accord commercial avec les États-Unis
En visite d’État au Japon, Donald Trump poursuit sa politique économique agressive, même à l’encontre du Japon, en le poussant à conclure un accord bilatéral destiné à réduire le déficit commercial des États-Unis avec l'archipel. Tokyo se fait conciliant, espérant ainsi décrocher un accord plus favorable.
Avec notre correspondant à Tokyo, Frédéric Charles
Donald Trump et Shinzo Abe ont joué une partie de golf. Le Premier ministre japonais est le chef de gouvernement étranger qui a rencontré le président américain le plus souvent. Ce lundi 27 mai, Donald Trump deviendra le premier chef d’État étranger à rencontrer le nouvel empereur Naruhito.
Mais cette bonne entente entre Donald Trump et Shinzo Abe n’est pas sans limites. Le président américain veut forcer le Japon à conclure un accord commercial bilatéral après avoir accusé l’industrie automobile japonaise et européenne de constituer une menace pour la sécurité des États-Unis. L’essentiel du déficit américain (68 milliards de dollars) avec le Japon est dû, pour l’essentiel, aux exportations de voitures japonaises.
En négociation avec Trump sur la Chine
Le Japon est prêt à concéder un accord commercial à Donald Trump si ça peut l’aider à se faire réélire. Mais à la condition qu’un tel accord n’aille pas au-delà d’un autre accord transpacifique conclu par douze pays représentant 40 % de l’économie mondiale. Dès son arrivée à la Maison Blanche, Donald Trump avait retiré les États-Unis de cet accord négocié durant près d’une décennie.
Shinzo Abe profite de la visite d’État de Donald Trump à Tokyo pour tenter de le convaincre de ne pas agir aussi unilatéralement avec la Chine. À ses yeux, une guerre froide commerciale prolongée avec Pékin risque de provoquer un retournement des marchés financiers et un risque accru de destruction économique. Les problèmes avec la Chine doivent être résolus au sein de l’OMC.
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フランス語の勉強?
バリバラ「スケッチコメディー〜障害者が職場にやってきた〜」(後編)
“障害者がいる職場”を舞台にした、実際にあったエピソードをもとにしたコント企画の後編。共に働くため必要な配慮って何?笑いを通してバリアフリーな職場を考える!
“障害者のいる職場”が舞台、コント企画の後編。架空の企業「バリバラ商事」で障害者雇用を任された部長(古舘寛治)が職場改善に取り組むが次々トラブルが。社員を小島藤子、藤原丈一郎(関西ジャニーズJr.)、小寺真理(吉本新喜劇)、安場泰介(丸亀じゃんご)が演じ、障害のある社員を脊髄損傷で下肢まひのある猪狩ともか(仮面女子)や視覚障害、発達障害などの当事者が演じる。笑いを通してバリアフリーな職場を考える! 古舘寛治,藤原丈一郎,猪狩ともか,小島藤子,安場泰介,小寺真理,あべけん太,TASKE,元村祐子,安田知博, 玉木幸則, 山本シュウ,大西瞳, 神戸浩ほか

サンデーモーニング
トランプ大統領が来日…日本が迫られる事は▽“解散風”のゆくえ▽欧州で極右が躍進?▽涙の会見…上原引退▽プロ野球▽17歳のMF▽井上TKO▽夏場所
一週間の見逃せないニュース&スポーツをサンデーモーニングならではの視点でお送りします!◎世界と日本の出来事を掘り下げるカバーストーリー▽ ◎おなじみ・スポーツ御意見番「喝!&あっぱれ」◎関口宏の「一週間」ニュース◎時代と社会の断面を切り取るコーナー「風をよむ」〜〜 関口宏 橋谷能理子 唐橋ユミ 伊藤友里 水野真裕美(TBSアナウンサー) 張本勲(他) 三枝成彰 ◇番組HP http://www.tbs.co.jp/sunday/ 西野哲史 金富 隆

明日へ つなげよう「埋もれた“在宅被災者”」
東日本大震災から8年以上経った今も壊れたままの家で暮らす「在宅被災者」。宮城県石巻市だけで2400世帯を超え、西日本豪雨など全国各地の災害でも数多く生まれることが明らかになってきた。震災以来、宮城県石巻市で支援活動を続けてきたのがボランティア団体「チーム王冠」。心身共に追い詰められる人が相次ぐ中、新たな支援策に乗り出している。誰もが当事者になり得る在宅被災者の驚くべき実態と支援の最前線に密着した。 高橋克実
堂本かおる @nybct
単に関心が無く、関心があるフリもしない。アメリカ人なら皆分かる。
トランプ氏大相撲観戦 手をたたく姿皆無、腕を組む場面も 観客「何を考えたのだろう」という声も

冨永 格(たぬちん) @tanutinn
〈警護要員を含め周辺の席や通路は満杯。私服も多かったが、歓声や拍手が少ない…多くの勝負に一喜一憂した過去の皇族や要人らとは雰囲気が違った。観戦する大統領からは手持ち無沙汰感も伝わってくる。「国技が政治利用されている」と違和感を覚えたのは私だけだろうか〉
トランプ氏、にじんだ手持ち無沙汰感 相撲観戦に違和感:朝日新聞デジタル

YAF @yagainstfascism
NHKニュース。相撲観戦中、安倍晋三さんが指差したり拍手したりして、がんばって接待しているのに、トランプつまんなさそう……。
先ほどの相撲中継で解説者が「大統領ご本人も以前からとても相撲に興味があったという話も……」的なことを言ってましたが、本当かな。笑

ANTIFA大阪 @antifa_osk
《正面のマス席の最前列について、この鉄製の枠を取り払う工事が行われたうえ、赤いじゅうたんが敷かれました。じゅうたんの上にはソファーが設けられ、特別な観覧席が用意されました》
日頃は「国技」を笠に着て、変化、変革を好まない相撲が、こんな異様な対応をする理由は何故。

臥龍通信 @wangon2010
国家の基礎研究予算GDP比率
米国   2.1%
フランス 1.9%
ドイツ  1.2%
英国   1.1%
イタリア 1.1%
日本   0.1%
25歳以上の社会人通学率
OECD平均 21.1%
日本    2.0%
日本人は卒業後は学ばない。
日本の基礎研究予算
1990年代  2.5兆円
2010年以降 0.5兆円
世界で戦える?

教育研カフェ アメリカの公教育破壊と大阪市の学テ反映
参加・資料代:500円(学生・障がい者等無料)
主催:子どもに「教育の権利」を!大阪教育研究会

なんとかならんか この日本
 〜人々の懐を豊かにする経済政策を掲げ、7月参院選で安倍打倒を!〜
講 師:松尾匡さん(立命館大学教授)
4月10日に山本太郎参院議員が「れいわ新選組」の立ち上げを発表し、壊れ行く日本の現状に対する強い危機感を表明しました。安倍政権を選挙で倒すには、人々の生活に直結する公約を掲げるしかないというのは正にそのとおりで、人々の懐を豊かにする経済政策こそ、今夏の参院選(衆参同日選)に向けて最も重要な政策課題です。
松尾匡さんに対しては、リフレ派でアベノミクス擁護派だという批判がありますが、財務省の洗脳を解いて大胆に日本を変革するための方策を提言されていることに間違いないと思います。山本太郎さんに日程調整をお願いするのは中々難しそうですが、もし出席頂けることになれば、経済政策と政治論について、談論風発の場にしたいと考えています。多数の皆様のご来場をお願い致します。
主 催:集会実行委員会(連絡先:オール関西 平和と共生)


西九条に行くのに,JRに沿っていけばいいと安易に考えていたら迷ってしまいました.福島から環状線に沿ってなのに,神戸線にそって移動してしまいました.しかもJR東西線と阪神本線があってややこしいです.海老江というあたりで橋を渡って野里まで行って交番で道を聞いて,吉野→野田を経て西九条.5分遅れて会場に着きました.
お話を聞いて一旦梅田に戻ります.ご飯を炊いてカレーを急いで食べて今度は京橋へ.忙しいです.

『あまちゃん』6年経過も大人気!“北三陸” で、いまだ冷めないご当地熱を体験
“聖地巡礼”ブームは、いまだ衰えを知らない。朝ドラもご多分に漏れず、放送が始まるとご当地には観光客が増えるという。
数年にわたって観光客が殺到
 現在放送中の『なつぞら』の舞台に選ばれた北海道の十勝。このようなブームに合わせ地元では、さっそく『なつぞら応援推進協議会』が立ち上がっていた。
「ヒロイン・なつが育った柴田牧場の場所こそ秘密ですが、市内数か所でパネル展を開催。ロケ写真や衣装・小道具の展示をはじめ、お土産も販売。またネットでは牧場巡り、ガーデン巡り、グルメ・スポットを公開するなど、夏に向けておもてなしの準備を進めています」(帯広市役所観光課・柴山英介さん)
 町おこしの視点からみても、朝ドラの影響力は大きい。今回、週刊女性が行った“好きな朝ドラは?”のアンケートで4位に入った『ちゅらさん』('01 年)は、沖縄の観光客減少に歯止めをかけ、再び沖縄ブームを巻き起こすきっかけにもなったという。
「小浜島は、朝ドラの舞台になるまでは訪ねる人もまれでしたが、放送開始後、観光客が殺到。そんな状態が3年続きました。西表島を望むロケ地には“ちゅらさんの碑”が今も残っています」(竹富島町役場政策推進課・上地朝奈さん)
 そして“朝ドラのロケ地”として忘れてはならないのが、同アンケートで1位に輝いた『あまちゃん』('13年)や『どんど晴れ』('07年)の舞台となった岩手県。特に『あまちゃん』の舞台となった三陸復興国立公園には今も大勢の観光客が訪れているという。
 そして今年、東日本大震災からの復興の大きな一歩として、釜石〜宮古間の復旧区間が全線開通し、3月23日に南リアス線と北リアス線がつながった。
 週刊女性取材班は今回、桜前線とともに日本列島を北上。思い出の『あまちゃん』ロケ地の“今”を徹底取材した。
 東京から東北新幹線で青森県八戸までおよそ3時間、さらにJR八戸線で三陸海岸を下ること2時間、そこは『あまちゃん』の“じぇじぇじぇの国”への玄関口、久慈駅。
 噴水広場の真ん前には、作中で『北三陸観光協会』が入っていた旧・久慈駅前デパートがお出迎え。今はテナントも入っていない無人ビルだが、見覚えのある“北の海女”“北三陸鉄道”“潮騒のメモリーズ”の3連看板が、『あまちゃん』の世界へとわれわれを誘う。
「東日本大震災のあった2011年には5000人を割り込んでいた『海女センター』の入場者数が、『あまちゃん』が放送された年にはなんと20万人を突破。番組が終わった今も、夏の海女フェス、秋祭りの時期を中心に5万人を超えるファンのみなさまが来られています」
 と、市役所の観光交流課の米内千織さんは当時を振り返りながら、日本人だけでなく海外からのファンも含めた現在も続く人気ぶりについてこう続ける。
「『あまちゃん』は海外でも10か国で放送され、特に親日的な台湾では3回も放送される人気ぶり。地域を訪れるみなさまのために、バスの増便や遊覧船の運行なども行われました」
本物の“じぇじぇじぇ”を堪能
 衰えを知らぬ『あまちゃん』効果。でも、放送終了から6年もたっているから……、とその人気に疑心暗鬼になりつつ、足を向けたのは“北限の海女”が暮らすメインロケ地『袖が浜』こと小袖漁港。
 宮本信子が演じた夏ばっぱをはじめ、海女さんたちが、『いつでも夢を』を口ずさんでいた小袖漁港は夫婦岩をはじめワイルドな奇岩に囲まれた“北限の海女”の聖地。長い堤防の先には、ヒロインのアキが飛び込んだ白い灯台も見える。
 そして、ドラマでも“おかずかおやつかわからない微妙な食べ物”として登場した郷土料理『まめぶ汁』を小袖海女センターで味わう。海女センターで働く本物の海女さんに、思っていたより美味しい、と伝えると─、
「じぇじぇじぇっ! こんなにうまいものになんてこと言うの!」
 と、本物の“じぇじぇじぇ”とともにお叱りを受けてしまった。クルミや黒糖を包んだ団子を昆布と煮干しのだしで煮込んだ料理、恐るべし。その海女さんたちに『あまちゃん』人気のことを聞くと、
「今日も朝9時に、台湾からの団体のお客さんが観光バスで来てくれたよ。ロケ地ということでみなさん、楽しんでくれてますね。今はウニのシーズンではないから、おいしいウニを出せないけど、ほかにも海の幸はありますから」
 でも、やっぱりおいしいウニが食べたい……。と、そのとき思い出したのがドラマでも人気だった夏ばっぱのうに丼。モデルとなった弁当が、三陸鉄道久慈駅で駅弁として売られていたはず!
 急いで向かった先は、駅内のそば屋さん『三陸リアス亭』。店頭販売は1日20個限定だが、電話予約ができるというのはちょっとした裏技。ここのうに弁当は、ウニの煮汁で炊いたごはんの上に、三陸産の蒸しウニをびっしりと敷き詰めてある。
「ごはんをお父さんに詰めてもらって、私ともう1人でウニをのせているの。手作りだから数も限られちゃう」
 こう話すのは夏ばっぱのモデルにもなった工藤クニエさん(79)。夫・清雄さんと、1984年に三陸鉄道が開通した当時から守り続けてきた味。夏ばっぱにも会え、おいしいウニとともに『あまちゃん』の世界を堪能できる、この場所はロケ地巡りではずせません。
切なさ全開の神シーンの舞台へ
 翌朝、ドラマでも名シーンが山盛りで“走る聖地”とも呼ぶことができる『北三陸鉄道』(北鉄)こと三陸鉄道に乗って『あまちゃん』ゆかりの地を目指す。撮影当時、ロケ隊にも同行して現場を見続けていたという三陸鉄道旅客営業部長の橋上和司さんは、
「3月23日の全線開通は、震災復興のシンボルだけにメディアも40社100人が殺到。電車通学が夢だった女の子が高校を卒業したにもかかわらず制服姿で乗ってくるなど、ドラマのようなことがありました」
 と、目を細める。
 久慈を出て最初に降り立ったのは、袖が浜の最寄り駅『袖が浜駅』として『あまちゃん』に登場する堀内駅。
 ヒロイン・アキの親友ユイちゃん(橋本愛)が、
「アイドルになりた〜い!」
 と駅のホームから叫ぶシーンで有名になった駅だ。しかも、ここから今でも語り継がれる名場面の舞台は目と鼻の先。その名場面とは、みんなの反対を押し切り、アイドルを目指して上京する春子(小泉今日子)を乗せた『北鉄』が、大沢橋梁に差しかかる。
 するとそこには、浜で大漁旗を振って見送る夏ばっぱの姿が! ところが、春子は後ろを向いたまま、夏ばっぱに気づかない─。
 なんとも切ないシーンの撮影場所は、堀内駅から歩いて10分ほど。訪れたこの日、潮の香りとともに桜が咲き、菜の花やレンギョウが咲き乱れる聖地には、なにやら甘酸っぱいトキメキがあふれていた。
撮影秘話にほっこり
 再び『北鉄』に乗ること30分。ユイちゃんの家の最寄り駅『畑野駅』として登場するカラフルな田野畑駅に到着。実はこの駅舎のすぐ目の前にあるトンネルで、ラストシーンとなるアキとユイが手にサイリウムを持ってトンネルに向かって走っていく名場面が撮影されている。
「ラストシーンは、あのトンネルと、もうひとつ白井海岸のトンネルを使って撮影されました。何度もテイクを重ねたため、彼女たちが疲れないよう、スタート地点までわれわれが鉄道のトロッコに2人を乗せて何度も往復しました(笑)」(橋上さん)
 また、お座敷列車の撮影ではこんな苦労話も。
「アキちゃん、ユイちゃんが歌う『潮騒のメモリー』で、♪アイラブユーの“ユー”のタイミングでトンネルを出なければならなかったんです。2テイク撮ったのですが、実はまだほんの少しずれていたんです。もしスピンオフ企画があれば、今度はピタッとキメてみせますよ」(橋上さん)
 ほかにも久慈駅からほど近い『喫茶リアス』のモデルとなった喫茶モカでは、
「この店でキョンキョンが卵サンド食べていたよね」
 と、語るファンのカップルがいたり、いまだ『あまちゃん』熱は冷めていないよう。
 放送終了後も楽しめる“聖地巡礼”がアツくなる次の朝ドラは、どんな作品!?


<名取・閖上まちびらき>「新しい閖上」旅立ち 支援に感謝
 東日本大震災の津波被害を受けた宮城県名取市閖上地区で、犠牲者の鎮魂と復興支援への感謝を発信する「まちびらき」(実行委員会主催)が26日、閖上公民館前広場を主会場に行われた。
 現地再建を基本とした閖上の復興は住民の合意形成が難航し、土地区画整理事業の工事に着手したのが震災から3年7カ月後の2014年10月と遅れた。被災者の住宅再建や公共施設整備が急ピッチで進み、この日、復興の大きな一里塚を迎えた。
 記念式典には渡辺博道復興相をはじめ関係者ら約220人が出席。山田司郎市長は「新しい閖上が未来に向かうスタートライン。支援者に復興した姿を見てもらい、感謝の気持ちを伝えたい」とあいさつした。
 来場者は一斉に風船を飛ばして節目を祝った。市内の熊野那智神社が21年ぶりの神事「お浜降り」を行ったほか、閖上漁港では大漁旗を掲げた「大漁船パレード」が9年ぶりに復活し、2万人(主催者発表)の人出でにぎわった。
 閖上地区では津波で住民754人が犠牲になり、海から1キロ以内の木造住宅はほぼ全て流失した。計画人口は震災前の4割弱の約2100人で、現在約1200人が暮らしている。


<名取・閖上まちびらき>元気な笑顔、恩返し 支援者らと交流楽しむ
 宮城県名取市閖上地区で26日にあった「まちびらき」は東日本大震災から復興しつつある姿を発信し、全国から駆け付けた支援者らに感謝の気持ちを伝える場となった。現地再建した住民たちは心を込めたおもてなしで、ボランティアらとの交流を楽しんだ。
 「おかげさまで毎日が楽しくてしょうがない。元気な姿を見せることが恩返しになる」。まちびらき会場の一つ、閖上中央集会所で、精進料理「おくずかけ」をボランティアらに振る舞った地元町内会役員の女性(63)が笑顔を見せた。
 津波で閖上地区にあった自宅が流され、大切な友人も多く亡くした。翌年には夫も他界。夫は津波で救助を求める人を助けられず、自責の念でストレスを抱えていたといい、「震災関連死だった」と振り返る。
 一時は「毎日、どうやって生きていいのか分からなかった」が、仮設住宅や災害公営住宅で同じ境遇の被災者やボランティアらと交流を重ねるうち、元気を取り戻した。「多くの人と出会えたことがありがたい」と感謝する。
 集会所では地元町内会が尚絅学院大(名取市)と連携し、住民と来場者の交流の場を企画した。復興支援ボランティアに取り組んだ兵庫県尼崎市の大学生平本優香さん(18)は「被災者の傷は癒えないだろうが、(まちびらきで)一歩踏み出した」と受け止める。同市の専門学校生長田朝陽(あさひ)さん(18)は「住民の笑顔が多くなった」と喜んだ。
 カナダ政府などの支援で整備されたゆりあげ港朝市の拠点施設「メイプル館」では、市がカナダとの交流をパネルなどでPRした。市復興ありがとうホストタウン推進室の渡辺良一室長は「震災後、カナダに勇気づけられた。東京五輪でカナダを応援する機運を高めたい」と誓った。


<名取・閖上まちびらき>慰霊碑に復興誓う きょう、21年ぶり神事「お浜降り」も
 東日本大震災の津波被害を受けた名取市閖上地区で、犠牲者の鎮魂と復興支援への感謝を発信する「まちびらき」(実行委員会主催)が26日、閖上公民館前広場など9会場で行われる。
 山田司郎市長や針生勉実行委会長ら約20人が25日、閖上の慰霊碑を訪れ、献花をして犠牲者の冥福とまちびらきの成功を祈った。震災発生時刻の午後2時46分には黙とうをささげた。
 針生会長は「多くの犠牲の上に閖上の街はできている。亡くなった方々に『いい閖上になったね』と言ってもらえるような街にしたい」と決意を新たにした。
 閖上公民館前広場のメインステージでは午前10時から開会式を実施する。午後0時20分からはアンパンマンショーで、午後1時20分から演歌歌手の城之内早苗さん、午後2時5分からはタレントの松本伊代さんと早見優さんがそれぞれミニコンサートを開く。
 名取市高舘吉田の熊野那智神社から閖上までみこしで練り歩く21年ぶりの神事「お浜降り」は午前7時半に神社仮宮を出発し、高舘、増田両地区を経て、午後1時から閖上を回る。午後3時半に閖上漁港に着き、9年ぶりに復活する大漁船パレードなどと合流する。
 閖上中央集会所では、閖上中央町内会が尚絅学院大と連携し、現地再建した住民と来場者が交流する場を企画。26日に開園する震災メモリアル公園では午後2時46分、兵庫県社会福祉協議会の災害支援団体「ひょうごボランタリープラザ」が追悼行事を実施する。このほか、各会場で地元グルメや特産品販売、復興パネル展など多彩なコーナーを用意する。連絡先は市復興区画整理課022(290)2086。


閖上で復興祝う「まちびらき」
東日本大震災で大きな被害を受けた名取市閖上地区で、住まいや施設の再建が進んだとして「まちびらき」が行われ、地元の住民などが復興の進展を祝いました。
名取市閖上地区では26日、1週間前に開館したばかりの公民館の前でまちびらきのセレモニーが行われ、参加者たちがこの地区の発展を願って風船を一斉に飛ばしました。
そして、先月オープンした商業施設で地元の水産加工品の販売や太鼓の演奏などを行いました。
住民たちは、3月に町内会を結成していて、これまで支援してくれた人たちに恩返ししようと、郷土料理の「どんどん焼き」などをふるまいました。
名取市閖上地区では震災前にはおよそ5700人が住んでいましたが、津波で700人以上が死亡するなど壊滅的な被害を受け、一時、ほとんどの人が内陸などに移転しました。
その後、津波対策として宅地が最大で5メートルかさ上げされ、ことし4月の時点で1200人あまりが住み始めています。
閖上中央町内会の長沼俊幸会長は「移り住んだばかりの人もいて、まちびらきをやると聞いて戸惑う人もいたが、みんな楽しんでいるので良かった。かつての住民が食べていた料理を全国の人たちに味わってほしい」と話していました。


津波被害の閖上「まちびらき」 住宅完成、依然空き地も
 東日本大震災の津波で大きな被害に遭った宮城県名取市・閖上地区で26日、「まちびらき」の式典が開かれた。かさ上げされた土地に住宅や商業施設が完成し、町の整備が進んだことを発信する。ただ空き地も多く、今後の町づくりが課題となる。
 山田司郎市長が「閖上の新たなスタートラインに立った。支援に感謝し、未来へ向かって心一つに歩んでいきたい」とあいさつ。住民らが約500個の風船を青空に放ち、お祝いした。
 閖上地区は最大約9メートルの津波に襲われ、住民754人が犠牲になった。防潮堤の建設に加え、土地を約5メートル高くして、市が2014年10月から区画整理事業に着手した。


被災地励ましたフラガール 復活
東日本大震災のあと全国を回って被災した人たちを励ました、フラガールのOGたちが26日、一日かぎりでいわき市のステージに戻り、フラダンスを披露しました。
ステージに立ったのは、いわき市の温泉リゾート施設、「スパリゾートハワイアンズ」のフラガールのOGで、8年前から去年にかけて引退した13人です。
現役のフラガールが、来月から熊本地震や西日本豪雨の被災地など全国のおよそ20か所を回るのにあわせて一日限定で公演が行われました。
OGたちはいずれも、東日本大震災のあと被災した人を全国各地で励ました経験があり、ブランクを感じさせない優雅な踊りを披露すると、観客から大きな拍手や歓声が上がっていました。
茨城県から訪れた観客は、「現役時代の姿がよみがえって感動しました。各地で災害が起きているので、日本中の支援になればいいなと思います」と話していました。
OGで震災当時のキャプテン、加藤由佳理さんは、「震災のあとは不安でしたが、行く先々で逆に励まされたのを覚えています。後輩たちも、感謝を忘れずに全国に笑顔を届けてきてほしいです」と話していました。


河北春秋
 日本人とワカメの歴史は深い。縄文遺跡からワカメを含む海藻類が見つかっているし、万葉集にもワカメを詠み込んだ歌が収められている。だが、養殖の歴史はそれほど長くなく、本格化したのは昭和30年代以降▼礎を築いたのは、宮城県鹿島台村(当時)出身の技師大槻洋四郎(1901〜81年)。「わらじ村長」として知られた鎌田三之助の四男である。旧満州で養殖の特許を取得、53年に女川町で人工種苗に成功したのが始まり▼東日本大震災による壊滅的被害を克服した宮城、岩手両県の生産量が全国の7割を占める。養殖はリアス式の穏やかな湾内だけでなく、外洋に面した海域でも可能らしい。名取市閖上で昨年、事業化に向けた実証試験が始まった。沖合約4キロに浮かべた筏(いかだ)で種苗を育て、「安定生産が期待できる」との結論を得た▼取り組みの背景にあるのは名産アカガイの資源減少や貝毒発生に伴う水揚げ不振だ。震災後、閖上に整備された水産団地に進出した理研食品の技術支援を受け、新たな収入源確保を模索する▼環境や市場の変化で水産業が魚種転換を迫られることは珍しくない。世界貿易機関(WTO)の判断で韓国の禁輸継続が長引くことが確実になったホヤの養殖もそうだ。知恵を絞って浜のなりわいを維持したい。

三陸サバ、令和フィーバー 大船渡水揚げ4.8倍、沖合低水温で魚群が沿岸に?
 元号が令和になった途端、三陸の漁港がサバの大漁に沸いている。ここ数年、主力魚種の不漁に悩まされてきた水産関係者は「幸先有望」と潮目の変化に期待を寄せる。
 岩手県水産技術センターの水産情報配信システムによると、5月1〜24日の県内全市場の水揚げは計1万906トン。前年同期の2.1倍で、統計が残る1994年以降で最多となった。
 特にサバが好調で、24日までの水揚げは計8123トンと前年同期の3.2倍を記録した。本来なら6〜8月が漁の最盛期だが、今年は大型連休明けから既に魚群が濃くなった。
 水揚げが最多となった大船渡は前年同期の4.8倍。もともと5月は水揚げが少ない時期だけに、大船渡魚市場の千葉隆美社長は「『大漁に3日なし』と言うが、こんなに続くとは思わなかった。本当に助かる」と手放しで喜ぶ。
 八戸、気仙沼なども軒並みサバは大漁だ。「はっきりした理由は不明」(岩手県水産技術センター)だが、太平洋側での資源量の増加や、沖合の水温が低いために魚群が沿岸に寄っている可能性もあるという。
 大船渡市の水産加工会社の社長は「近年は、どんな魚がいつ捕れるか分からなくなっている。今後もさまざまな魚種の水揚げを期待したい」と願った。


<とうほくドローンeye>頂いざなう燃える赤 徳仙丈山ヤマツツジ・気仙沼
 一足飛びの夏に誘われたように、徳仙丈山(710メートル)がヤマツツジの赤に染まった。その数およそ50万本。中腹から頂上まで燃えるように染め上げられた山肌は、はるか三陸の海岸線からもくっきり浮かぶ。
 徳仙丈山はかつて、かやぶき屋根の材料になるススキの群生地だった。需要が減ったススキに代わって山を彩ったのが、もともと自生していたツツジ。
 地元の人々の手厚い保護もあり、今や「日本一のツツジ群生地」と称される。
 毎年訪れるという岩手県紫波町の主婦竹村悦子さん(64)は「前を見ても後ろを振り返っても、見事に赤一色。いつの年も圧巻の景色です」。周りをすっかり赤に変えた小宇宙がことしもまた、訪れる人たちを包み込む。(写真部・佐々木浩明、庄子徳通)


<東北大>工学部100周年で式典 先端研究発展誓う
 東北大工学部の創立100周年を記念した式典が25日、仙台市青葉区のホテルメトロポリタン仙台で開かれた。大学、企業関係者ら約450人が出席し、社会の要請に応える工学研究の歩みを振り返り、節目を祝った。
 長坂徹也工学部長が工学部の歴史や、卒業生の田中耕一氏による2002年のノーベル化学賞受賞をはじめとする業績を紹介。大野英男総長は「輝かしい伝統を受け継ぎ、世界をリードする研究を積み重ねてほしい」と激励した。
 式典後、「工学部の今・未来」と題した長坂氏の講演もあった。同氏は「東北大の存在感を高める上で、最大部局である工学部と大学院工学研究科が果たす役割は大きい。次代を担う若手の育成に力を入れ、新たな価値創造に努めたい」と強調した。
 東北大工学部は1919(大正8)年5月、機械、電気、化学の3学科でスタートした。現在は5学科18専攻で構成され、工学研究科などを合わせて5万人以上の卒業生を輩出した。


景気判断引き下げ 変調の兆候 実態見極めが不可欠
 政府は5月の月例経済報告を発表し、景気の総括判断を引き下げた。3月に続く2カ月ぶりの下方修正だ。輸出や生産について4月までの「一部に弱さもみられる」から、「弱さが続いている」と後退させた。一方で「回復」という文言を残して基調は維持しており、玉虫色の内容となった。
 大幅な修正はせず、「緩やかに回復」との表現を維持した背景には、夏の参院選や10月の消費税増税をにらみ安倍政権の経済政策の不調を認めるわけにはいかない事情が透ける。だが、3月の景気動向指数で機械的に示す基調判断が景気後退の可能性を表す「悪化」とされていたのと矛盾する。経済に変調の兆候があるのは確かで、政治的思惑は排除して景気の実態を見極めなければならない。
 今回の月例経済報告では、主要な対中輸出品の電子部品に加えて鉄鋼など他の産業でも生産が停滞していることを考慮し、弱さを示す文言から「一部」を削った。項目別にみると、企業の設備投資は、中国減速で投資を先送りする動きが出ていることを反映させ、下方修正した。個人消費は、大型連休の旅行者の好調を理由に「持ち直している」に据え置いている。企業の業種によって景気認識は分かれており、各種経済指標の多角的な分析が不可欠だ。
 景気の現状を楽観視することは許されない。景気動向指数だけでなく、1〜3月期の国内総生産(GDP)速報値も、民間の事前予測に反してプラス成長だったものの内容は決して良くなかった。輸出に加え、設備投資と個人消費が減少して停滞した。内需の弱さに伴い輸入が落ち込んだことによる計算上のかさ上げ効果で、マイナス成長を回避できたにすぎない。
 GDP速報値の内容では設備投資と個人消費がマイナスに沈んだことを重く受け止めたい。設備投資の失速は好調だった2018年10〜12月期の反動減もある一方、輸出収益の悪化が企業心理を萎縮させた側面も否めない。個人消費も低調だ。景気の先行きが不透明で、消費者心理は冷え込んでいる。政府は内需の基盤はしっかりしていると強調してきたが、この認識を再検証することが必要になる。
 政府の裁量で表現を選択できる月例経済報告で今回、回復を維持したのは、増税は延期せず実行するという政府の意向の表れだろう。ただ、国民の間に景気回復の実感は薄く、野党側が「現実を直視していない」と批判を強めるのも無理はない。政府には今後の経済政策について丁寧に説明する責任がある。
 何より世界経済を混乱させている米中貿易摩擦への対応を誤ってはならない。世界的に生産拠点を中国からベトナムなどに移す動きがあり、同様に移転を考える日本企業には支援が必要だ。さらに追加関税が日本経済にいつ、どんな影響を与えるのか、具体的に試算し、的確な対策を検討することも急ぎたい。


景気の現状 「緩やかに回復」は本当か
 注目されていた5月の月例経済報告が公表された。景気の総括判断は2カ月ぶりに下方修正しつつ、「緩やかに回復している」という根幹部分は、これまで通り維持した。
 月例経済報告は景気についての政府の公式見解である。米中貿易戦争の影響などで既に景気は後退局面に入ったとの見方がある中で、「回復」の文字が残るかどうかが焦点だった。政府が景気悪化を認めれば、10月に予定する消費税率10%への引き上げの先送りや、さらなる景気対策を求める声が強まることも予想されたからだ。
 その意味では、総括判断を引き下げながらも「回復」を残すという、玉虫色の表現となった。3度目の先送りの臆測が消えない消費税増税を巡る議論も、決着は持ち越した。安倍晋三政権の屋台骨である経済政策「アベノミクス」の成否が問われるのを避けたようにも映る。
 というのは、このところ、景気の減速を示す経済指標が目に付くからだ。
 代表例が、景気の現状把握と将来予測のために作成される景気動向指数だ。今月13日に発表された3月の景気動向指数で、景気の基調判断が6年2カ月ぶりに「悪化」に転落した。2008年4月以降、悪化に転落したことが2度あり、いずれの時も、その後に景気後退局面だったと認定されている。
 景気動向指数の基調判断は、鉱工業生産など九つの経済指標の動向から機械的に判定して行われる。一方、月例経済報告はより多くの幅広い経済指標を参考に、背景となる情報の収集と分析、企業へのヒアリングなどを加味し総合的に判断している。それらは「性質が異なる」(内閣府)とはいえ、景気の現状判断がこうも食い違えば、「緩やかに回復」というのは本当なのかと心配になる。国民に向けた丁寧な説明が必要だろう。
 これから先の景気動向に懸念材料が多いのは確かだ。中国経済の減速を受け、電子部品などの減産や設備投資を先送りする動きが広がってきた。米国が中国向けに第4弾となる追加制裁を準備するなど、先行き不透明感が一段と強まっている。
 茂木敏充経済再生担当相は、失業率や有効求人倍率は改善傾向が続き、企業収益は引き続き高い水準にあるとして「内需を支えるファンダメンタルズ(基礎的条件)はしっかりしている」と繰り返すが、決して楽観できる状況ではない。
 米中の制裁合戦が長期化すれば、好調な米国経済の足を引っ張る懸念もある。日本経済に直接的にも間接的にも悪影響が広がらないか、これまで以上に細心の注意が必要だ。


景気判断下げ 回復基調の維持に違和感
 景気判断を下方修正する一方で、「回復」という基調についてはこれまで通り維持した。何とも分かりにくい。
 確かなのは、最近の経済指標が日本経済の変調を伝えているということだ。国民や企業には懸念の声がある。政府は景気実態を正確に見極め、慎重な経済運営に努めてもらいたい。
 5月の月例経済報告が発表され、政府は国内景気の全体像を示す総括判断を2カ月ぶりに引き下げた。
 このところの中国経済減速の余波を受けて、「輸出や生産の弱さが続いているものの、緩やかに回復している」との認識を示した。
 先行きに関しては米中貿易摩擦の影響に「一層注意する」と強い警戒感をにじませた。
 月例経済報告は、景気判断を巡る政府の公式見解だ。内閣府が出す景気動向指数が数値の動きを基に「改善」「悪化」などと機械的に基調判断を示すのに対し、月例報告は表現の仕方に裁量がある。
 気に掛かるのは、「緩やかに回復」という全体の骨格は変えなかったことだ。
 最近発表された3月の景気動向指数の基調判断は6年2カ月ぶりの「悪化」だった。
 1〜3月期の国内総生産(GDP)速報値は2四半期連続のプラス成長は維持したが、内需の弱さが目立った。
 「回復」の表現を残した上での引き下げ判断には、違和感を覚えざるを得ない。
 今回の月例報告は、その景気認識によっては10月の消費税増税に影響を与えかねないとして注目されてきた。
 判断の内容については消費税増税の延期論拡大を回避する意図に加え、安倍政権の看板政策である「アベノミクス」への批判をそらす思惑があるとも指摘されている。
 事実ならば不安が募る。「回復ありき」のような態度では景気実態と判断とのズレが生じ、政府が必要な経済政策を打つタイミングを逸することにもなりかねない。
 国際情勢は複雑さを増し、経済の先行きはさらに不透明になっている。
 米中貿易摩擦は沈静化する気配が見えない。米国は中国からの輸入品に対する関税引き上げに続き、中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)への禁輸措置など、対中圧力をさらに強めている。
 日米貿易交渉では、関税を中心に両国の考え方の溝は深い。来日したトランプ米大統領が安倍晋三首相との会談でどう出るか注視する必要がある。
 英国のメイ首相が、欧州連合(EU)離脱を巡る混迷の責任を取って辞任すると表明した。「合意なき離脱」が現実味を帯びることになれば、国際経済にマイナスとなろう。
 こうした中でより的確な経済運営を行うには、自らの思惑や体面にとらわれず、冷静に状況を認識することが不可欠なはずだ。政府はそのことを、改めて肝に銘じてもらいたい。


米の臨界前核実験続行 被爆地の声聞くべきだ
 米国が2月にネバダ州で臨界前核実験を行っていたことが分かった。トランプ大統領の下では2017年12月以来だ。核爆発を伴わないものの、極めて毒性の強いプルトニウムを用いる実験であり、このプルトニウムによる汚染も確認された。被爆地の新聞としてあらためて強く抗議の意思を示したい。
 プルトニウムに爆薬で衝撃を与え、核分裂の連鎖反応が続く「臨界」に達しない状態で、貯蔵核弾頭の安全性向上のためのデータを得るのが目的だという。米国は1992年に地下核実験をやめ、97年から臨界前核実験に切り替えている。
 臨界前核実験はオバマ政権下でも続き、トランプ政権も2度実行に移したことになる。オバマ前大統領は「核兵器なき世界」を唱えてノーベル平和賞を受賞したが、核兵器を維持したことには変わりはない。
 その相矛盾した姿勢が結果として、トランプ政権の核戦略強化を後押ししたといえよう。トランプ政権は昨年2月、核兵器を「使える兵器」として役割拡大を目指す方針を表明した。核保有国と非核保有国の対立が深まる中、核兵器分野の研究を進める米の姿勢が鮮明となったのはゆゆしきことである。
 前回の臨界前核実験を巡っては松井一実広島市長が抗議文を送ったが、駐日大使は「(日米の)協力関係を強化、支援する方策を探るため、緊密に連携するのを楽しみにしている」と答えるにとどまった。このたびも市長は抗議するだろうが、「日米同盟」を持ち出すようなはぐらかしは承服できない。
 この5年余りを顧みると、核廃絶へのうねりは確実なものになった。17年7月に核兵器禁止条約が国連加盟国の3分の2に当たる122カ国・地域の賛同で採択されたことが最も大きい。カナダ在住の被爆者サーロー節子さんによれば、核兵器は道徳に反する存在だったが、法にも反する存在になる。
 臨界前核実験も条約に反することになるが、トランプ政権の新たな核戦略指針は核兵器禁止条約について「非現実的な期待に基づく」と全否定している。さらには、ロシアが中距離核戦力(INF)廃棄条約を破って新型ミサイルを配備している、と非難し、条約破棄を表明した。このまま8月に条約が失効すれば核軍縮が30年は後戻りするとの懸念が拭えない。
 自国や同盟国の危機に備え、核兵器は万全の状態にしておくのだろう。臨界前核実験など個別の動きにとどまらず、その核戦略を根本から問いただしていかなければなるまい。
 折しもトランプ大統領がきのう来日した。27日に安倍晋三首相と会談する。北朝鮮やイランなどを巡る情勢が緊迫する中、日米首脳があらためて「信頼関係」を築くことに異論はないものの、安倍首相には被爆国の立場から臨界前核実験に、もの申すことを強く求めたい。
 実験に伴い、核物質封じ込め用容器の周辺で少量のプルトニウムによる汚染も確認された。世界各地の核関連施設で、これまでも放射性物質による汚染が大きな問題になってきた。米当局は外部への影響はないとしているが、臨界前核実験は直ちに中止した上で、汚染の原因を解明し、作業員の被曝(ひばく)の実態を明らかにすべきである。


裁判員制度10年 市民参加のあり方議論を
 78%―。2018年に裁判員の候補になった人のうち、辞退するか選任手続きを欠席した人の割合だ。09年に始まった司法への市民参加の制度が10年を経て直面している現実である。
 最高裁の毎年の社会意識調査では、義務でもやりたくない人がおよそ4割を占める。義務ならやらざるを得ないと答えた人を含めると8割以上が裁判員になることに後ろ向きだ。関心や理解が広がっているとは言いがたい。
 刑事裁判の一審を裁判員の市民6人が裁判官3人と担当する。権限は裁判官と同等だ。殺人、強盗致傷などの重大な事件で、被告が有罪か無罪かを判断し、有罪の場合は量刑も決める。
 政府の司法制度改革審議会が01年の意見書で、法曹人口の大幅な増員や法科大学院の新設とともに改革の柱として導入を提言した。1980年代に死刑囚の再審無罪が相次ぎ、冤罪(えんざい)を生む刑事司法のあり方に批判が高まったことや、裁判の分かりにくさが指摘されたことが背景にある。
<検察官司法に風穴>
 「見て聞いて分かる」を掲げた裁判員裁判は、法廷の風景を変えた。壁と机上の大小の画面に犯行現場の見取り図や写真が映し出され、検察官や弁護士は、法律の知識がない市民にも分かるように言葉を選んで話す…。
 裁判官が膨大な調書を法廷外で読み込んでいた書面中心の審理から、法廷でのやりとりを重視する公判中心主義へ。あらかじめ争点を絞り込む公判前整理手続きが設けられ、刑事裁判のあり方そのものが様変わりした。
 公判前整理で検察が証拠を弁護側に開示する仕組みが一定程度ながら整えられたことは大きな意味を持つ。検察が裁判の実質的な主導権を握ってきた「検察官司法」に風穴をあけつつあるのではないかと、元東京高裁判事の木谷明さんは著書で述べている。
 有罪の割合の低下がそれを目に見える形で示している。かつてほぼ100%だった有罪率は、裁判員が加わった裁判では、16年に98・9%、17年は97・9%に下がった。18年も98・1%だ。
 検察は有罪を立証できると確信した事件を起訴する。裁判員裁判の対象となる事件では、なおさら起訴に慎重な姿勢がうかがえる。それでも有罪率が下がったのは、「疑わしきは被告人の利益に」の原則がこの制度の下で徹底されている表れと見ていい。
 刑事裁判で最も大切なのは、無実の人を処罰しないことだ。市民参加の仕組みは重要な役割を担い得る。証拠開示のほか、裁判員裁判の対象事件では、取り調べの可視化(録音・録画)も進んだ。限定的とはいえ刑事司法に画期的な変化を生んだのは確かだ。
<押しつけではなく>
 裁判員は、司法権、刑罰権という権力行使の一端を担う。市民が引き受ける責任は重い。判断は人の一生を左右し、死刑を言い渡して命を奪う場合もある。裁判員を終えても精神的な重荷を負い続ける人は少なくない。
 市民の参加を義務と位置づけた制度には根本的な疑問がある。主権者として責任を分担することは大事でも、国家に強制される理由はない。あくまで市民の主体的な意思に基づくべきだ。
 国政に参加する参政権も、権利であって強制はされない。上からの押しつけは市民参加の名を借りた動員になりかねず、民主的な基盤の確立にはつながらない。
 候補者の8割近くが辞退、欠席している現状を見れば、運用は緩やかだが、制度上、市民に拒む権利はない。行政罰や刑事罰を科す規定も設けられている。
 罰則を定めて意思や行動を縛ることは、個人の尊重という憲法の人権保障の根幹にかかわる。人を裁くことはできないといった考えを持つ人に参加を強いれば、思想・信条の自由を侵害する恐れがある。個々の選択を前提にした仕組みに改めるべきだ。
 生涯にわたる守秘義務も過重な負担を強いる。裁判員、裁判官による評議の内容や経過は、任を終えても口外できない。経験の共有を妨げ、制度を検証する壁にもなっている。守秘義務を課す事柄や期間の見直しが欠かせない。
 けれども、裁判所をはじめ司法関係者に、10年の経過を踏まえて制度のあり方を再検討する機運は乏しい。最高裁長官は「おおむね順調に歩み続けている」と述べている。議論は運用をどう改善するかの範囲を出ていない。
 「国民の参加」をうたいながら、社会の広い層の意見を踏まえてつくられたとは言えない制度だ。市民が司法に参加する意義は何か、そのための仕組みはどうあるべきなのか。刑事司法が抱える問題に目を向けて、あらためて議論を起こし、制度の骨格から見直していく必要がある。


【あおり運転】何としても歯止めを
 死亡事故を引き起こす恐れがある危険な「あおり運転」が依然として後を絶たない。
 各都道府県の公安委員会が2018年、あおり運転をしたとして免許停止の行政処分をした事案が過去最多の42件に上った。14年からの4年間は年4〜7件しかなく、激増したといっていい。
 また、前方の車との距離を詰め過ぎる道交法の車間距離保持義務違反も1万3025件と前年からほぼ倍増した。
 17年6月、神奈川県の東名高速道路で、無理やり停車させられた夫婦がトラックに追突されて死亡した事故を契機にあおり運転は社会問題化した。警察庁は昨年1月、免許停止の行政処分適用と取り締まり強化を全国の警察に指示した。
 急増の背景には、そうした強化策がむろん関係している。だとしても悲惨な事故につながりかねない無謀な運転がこれほど横行している状況は看過できない。何としても歯止めをかけたい。
 車間距離違反のうち、約9割は高速道路で摘発された。幅寄せや急な車線変更による後続車の妨害、クラクションでの威嚇といった行為もあおり運転には含まれる。高速道で、それが繰り返されていたとしたら…。東名高速道の事故以降、走行状況を記録するドライブレコーダーを自衛策として取り付ける運転者が急増した。いつ巻き込まれるか分からないあおり運転を心配する人が多いからだ。
 各地の警察は車間距離を詰めるなどした車両をヘリコプターから見つける取り締まりなどを始めている。重大事故を防ぐためにもさまざまな対策を求めたい。
 大事なのはハンドルを握るドライバー一人一人の自覚だ。無謀な運転をして事故を起こせば、相手方はむろん、運転者自身の人生やその家族など多くの人の将来を奪い、狂わせてしまう。その自覚を常に持つ必要がある。
 東名高速道の事故の裁判では、あおり運転をした男に常習性があったことが明らかになった。割り込みや追い越しなどで感情が高ぶり、危険行為や暴力に及ぶ運転者は海外でも問題になっている。
 免許取得時や更新時の講習などであおり運転の危険性を周知する取り組みに力を入れてほしい。実際の事例を説明し、安全運転意識を高めるよう啓発すべきだ。
 愛知県警高速隊は、あおり運転をするドライバーの心理を学ぶ研修を今年初めて導入した。違反者の取り締まりの際、怒りの静め方も併せて指導し、再発防止につなげる狙いという。それぞれの地域の警察が無謀運転を減らす対策にさらに知恵を絞りたい。
 散歩中の園児が巻き込まれたり、高齢者ドライバーが加害者になったり、あおり運転に限らず、さまざまな事故が報道されている。まずは運転者それぞれが細心の注意を―。改めて肝に銘じるしかない。


座布団舞うこともなく トランプ氏相撲観戦 観客 「興味があるのか」「意外に普通」
 来日中のトランプ米大統領が26日、東京・両国国技館で大相撲夏場所千秋楽を観戦した。米大統領初の本場所観戦に国技館では異例の厳戒態勢が敷かれた。国技館周辺には入館待ちの長蛇の列もできたが、日本相撲協会の事前の告知もあって座布団が舞うこともなく、目立ったトラブルはなかった。
 取組開始の午前10時前から、ピリピリムードが漂った。国技館には多数の警察官が配置され、入場者には金属探知機などを使った手荷物検査が行われた。館内の飲料の自動販売機は「休場」と書かれた紙が張られて使用停止になった。
 厳しい検査に午後2時半ごろには、入館までの待ち時間は約1時間に達した。同3時半に入館した横浜市の会社役員の男性(50)は「もう幕内は始まっちゃう」と疲れ顔。一方、東京都荒川区の男性会社員(51)は「大統領は格闘好きらしい。楽しんでもらえるなら、うれしい」と話した。その後は検査が大幅に緩和され、同4時過ぎには行列は解消された。
 トランプ氏は同4時56分、夏場所を制した朝乃山の取組前に客席へ姿を現した。正面升席の最前列に一人がけソファが並べられ、安倍晋三首相とトランプ氏、2人の妻の計4人で座った。
 ただ、トランプ氏の表情は硬かった。勝負が決まったり、制限時間がいっぱいになったりすると手をたたく安倍首相とは対照的に、拍手したのが確認できたのは千秋楽恒例の三役そろい踏みの最初だけだった。
 一方、結びの一番が終わると、20人近くの警護担当者が一斉に立ち上がった。横綱・鶴竜が勝ち、波乱は起きなかったが、座布団が飛んでこないかを警戒した模様だ。この日は同協会が物を投げないよう観客に紙を配って注意喚起しており、座布団は舞わなかった。
 観戦中、表情が変わらなかったトランプ氏の様子に、2階席から観戦した京都府宇治市の自営業の男性(68)は「興味があるのか分からなかった。相撲より何か別のことを考えていたのか」。一方、都内在住の女性会社員(36)は「トランプさんは意外に普通のおじいちゃんだった。これを機に世界に相撲を発信してほしい」と笑みを浮かべた。
 トランプ氏の後ろで解説した同協会の八角理事長(元横綱・北勝海)は「お迎えすることができ、誠に光栄の至りです。大統領杯は力士の励みになる」とコメントした。
【飯山太郎、待鳥航志、長宗拓弥】


「参院選終わるまで待つ」 日米貿易交渉でトランプ氏 米記者に意向
トランプ米大統領は26日朝、日本との貿易交渉について「参院選が終わるまで妥結を迫らずに待つ」と米メディアの記者に電話で語った。保守系FOXニュースのジョン・ロバーツ記者がツイッターで明らかにしたもので、参院選への影響を避けたい安倍晋三首相に配慮し、貿易交渉の合意を急がない意向を示した格好だ。
これに関連し、トランプ氏はツイッターに「(貿易交渉の)多くのことは日本の参院選が終わるまで待つことになる。そこでは大きな数を期待している!」と投稿。「日本との交渉では大きな進展がある。農業や牛肉はとりわけそうだ」とも表明した。
米国は貿易交渉の焦点である農産品の関税引き下げを求めている。しかし日本は参院選前に農家の不安を高める展開は避けたい立場で、こうした意向は米側にも伝えていた。参院選は7月が有力視されている。


トランプ大統領「貿易交渉で大きな進展」 ゴルフ・昼食時に首相と協議か
 トランプ米大統領は26日午後、安倍晋三首相と千葉県茂原市のゴルフ場で昼食をとった後、ツイッターに「日本との貿易交渉で大きな進展があった。農産品と牛肉は大変な影響がある。7月の(参院)選挙の後、大きな数字を期待している」と投稿した。ゴルフのプレー中や昼食時に安倍首相と日米貿易問題について協議した可能性がある。
 日米両政府は4月に貿易協定の締結に向けた交渉を開始し、早期合意を目指す方針で一致。安倍政権は米国に対する農産物関税の削減・撤廃で農家が動揺し、7月の参院選に悪影響が及ぶことを懸念し、参院選後の交渉妥結を目指していた。
 米国を除く環太平洋パートナーシップ協定(TPP)が発効したため、米国産農産品の日本への輸出が不利になっており、米国は日本の農産物関税の早期撤廃を要求している。一方、米国は自動車関税の撤廃に難色を示しており、貿易交渉は日米の意見対立が続いている。


トランプ大統領がツイッターで、安倍首相の国民騙す“関税密約”暴露!「日本の7月の選挙が終われば農業で大きな数字」
 その過剰接待ぶりでアメリカの属国ぶりを遺憾なく見せつけているトランプ大統領来日だが、メディアは案の定、批判することもなく「ゴルフ後の昼食はダブルチーズバーガー」「トランプ大統領の登場で国技館も大盛り上がり」などと騒いでいる。ところが、そんななか、トランプ大統領が自らTwitterで安倍首相による“国益差し出し”の裏取引を暴露した。
 トランプ大統領はゴルフ後の本日13時39分、自身のTwitterにこう投稿したのだ。
〈Great progress being made in our Trade Negotiations with Japan. Agriculture and beef heavily in play. Much will wait until after their July elections where I anticipate big numbers!〉
(日本との貿易交渉で非常に大きな進展があった。農業と牛肉でとくに大きなね。日本の7月の選挙が終われば大きな数字が出てくる、待ってるよ!)(訳は編集部による)
 周知のように、アメリカ抜きの環太平洋経済連携協定(TPP)の発効によって、アメリカの農業界では、日本の農産物関税引き下げへの圧力がこれまで以上に高まっており、アメリカ政府はTPP以上の大幅な関税引き下げを要求しているとされており、トランプ大統領にいたっては、関税撤廃まで口にしている。
 しかし、関税の大幅引き下げがおこなわれれば、日本の農業界が大打撃を受けるのは必至だ。日本政府も表向きこれに対して抵抗を示しており、メディアも今回の来日で「関税交渉の行方はどうなるのか」などと報じていた。
 ところが、きょう、安倍首相がトランプ大統領との笑顔の2ショット写真を嬉々としてSNS上に投稿していた裏で、その大幅引き下げに応じてしまったらしいのだ。しかも、7月におこなわれる参院選が終われば、引き下げに応じるという、国民を騙すような密約だ。
 参院選前に妥結すれば日本国内の農業関係者から猛反発を受け、安倍自民党が地方票を大幅に失いかねない。しかし、“トランプのポチ”である安倍首相としては、その引き下げ要求を無下にはできない。だから、安倍首相は選挙が終わった「7月以降」に応じると約束したのである。これは明らかに、選挙のためだけに国益を売り渡すという背信行為ではないか。
 じつは、安倍政権がアメリカの関税引き下げ要求を拒否するのではなく、たんに「参院選後に」と引き伸ばし工作をしているという話は、以前から、本サイトが指摘していた。
 それは、4月26日におこなわれた安倍首相とトランプ大統領の10回目となる日米首脳会談で明らかになった。冒頭から記者団がいる前でトランプ大統領は「首相がここにいるのは主に貿易交渉のためだ」「農産物について強力に交渉していく」「日本は重い関税を課している。我々は撤廃させたいと思っている」と農産物の関税撤廃を要求。そして、米メディアの記者に日本との貿易交渉の合意時期を尋ねられると、トランプは「かなり早く進められると思う。たぶん(5月末に)訪日するまでか、訪日の際に日本でサインするかもしれない」と答えていた。
 だが、この発言後に記者団が退室すると、安倍首相はトランプ大統領にこう説明したのだ。
「7月の参院選があるから、それまでは無理だ。2020年秋の大統領選のことはきちんと考えている」(読売新聞4月28日付)
 その後、政府はこの「参院選以降なら関税大幅引き下げに応じる」という方向でずっと米政府と交渉を続け、今回の来日でも、トランプ大統領の気が変わらないように、まるで下僕のような過剰接待を計画した。
 そして、きょうのゴルフや昼食中に、安倍首相とトランプ大統領の間で、国益を売り渡すその密約が成立したということらしい。
トランプのツイッターは「elections」と複数形…衆参ダブル選挙までバラされた?
 もっとも、そこはさすがトランプ大統領。Twitterで「after their July elections」と、その密約をさっそくアメリカ国民に向けて報告をしてしまった。しかも、気になるのは「elections」と単数でなく複数の「s」が付いていること。これはもしかしたら、安倍首相がトランプに「衆議院を解散して衆参ダブル選をする」ことまでうっかり喋って、そんなことまでバラされてしまったってことなのだろうか……。
 なんとも間抜けな宰相だが、しかし、許せないのはそんなことより、安倍首相が自分の選挙のために、国民を騙し、国益を売り渡す密約をしてしまったことだ。
 しかも、安倍首相がトランプに差し出した貢物はそれだけではない。明後日28日、安倍首相はトランプ大統領と海上自衛隊・横須賀基地でいずも型護衛艦「かが」に乗艦する予定だが、米ワシントン・ポストによると、「かが」は「日本が新しく購入を決めた、アメリカ製戦闘機F-35Bが垂直離着陸できるように改修中」で、この訪問が「たんに防衛協力のためだけでなく、日本がアメリカの武器を購入する意思があるということを、トランプに印象づけるために計画された訪問」であると報じている。
 実際、トランプ大統領は、4月の安倍首相との首脳会談直後におこなわれた支持者の集会で、「安倍首相は、日本企業が400億ドル(約4兆4600億円)を米国の自動車工場に投資すると話した」「日本は大量の防衛装備品を買うことに合意した」と発言しており、安倍首相から関税引き下げ延期のために提案されたことは明らかだ。
 自分たちがおさめた税金が選挙対策としての武器購入費に投入され、選挙後には日本の農業界に大打撃を与える関税の大幅引き下げがおこなわれる。だというのに、笑顔で“仲良し”演出に走るだけの総理に、トランプ大統領の来日でお祭りムードを煽ってばかりで肝心のことを伝えないメディア……。こうして対米従属はますます強化され、わたしたちの生活は破壊されてゆくのだろうか。


孤独死した40代女性が日記に綴った叶わぬ願い 男性より見抜きづらい、女性の孤立
わが国では、年間孤独死3万人、1000万人が孤立状態にある──。
自著『超孤独死社会特殊清掃現場をたどる』(毎日新聞出版)の取材において数々の特殊清掃現場を取材したが、とくに、高齢者と違って地域による見守りなどがない60代以下の現役世代の孤独死は深刻だ。
孤独死の8割はセルフネグレクト(自己放任)だと言われている。ゴミ屋敷に代表されるような、自分で自分の首をジワジワと絞めていく、いわば自らを殺すような緩やかな自殺行為だ。
ある40代女性の悲しき孤独死
今回は、ある40代女性の孤独死の一例をご紹介したい。
八王子市の一軒家に住む40代の牧田さゆりさん(仮名)は、孤独死して3カ月以上も発見されなかった。
さゆりさんは両親が亡くなった後、実家で独り暮らし。東方神起の熱狂的なファンで、ポスターが壁の隅々まで飾られていた。部屋のいたるところに、CDやDVDなどの東方神起のグッズがみっちりと詰まった段ボールが山積みになっていた。
この現場の特殊清掃を手がけた武蔵シンクタンクの塩田卓也氏が、遺品を1つずつ整理していくと、棚には、ホテルの領収書や新幹線のチケットがバインダーに丁寧に整理されている。どうやら、さゆりさんは、元気な頃は熱心に地方公演の遠征をしていたらしい。
棚にあったアルバムをめくっていくと、ハワイ旅行でピースサインをする無邪気なさゆりさんの姿がそこにはあった。20代後半には、彼氏と思われる男性とともに、満面の笑みを浮かべている。アルバムには、彼氏にあてたラブレターや記念日のカードが挟まれていた。そしてその横には、4冊にもわたる数年分の日記帳が立てかけられていた。
日記帳によると、さゆりさんに異変が起こったのは、30代の前半だった。肝臓に疾患が見つかり、最愛の彼氏との結婚を断念。その頃から、病弱になり徐々に家に引きこもり、セルフネグレクトに陥っていく。
さゆりさんの両親はすでに他界していて、兄とも長年疎遠、誰も頼れる人はいなかった。そのため、さゆりさんは、たった独りで病魔に向き合わなくてはならなかった。
LDKには、かつて思いを寄せた男性を描いたと思われる絵が残されており、さらに男性にプレゼントしようと思ったのか、男物の毛糸のセーターや、マフラーなどの編み物がホコリをかぶっていた。
たった独りで闘病生活を送っていた
初期の日記には、彼女の闘病への決意が綴(つづ)られていた。
『病気を乗り越えて、人のためになれるようなボランティア活動をしていきたい。そして、幸せな家庭を築きたい』
しかし、その思いは日を追うごとにトーンダウンしていく。
『もっと私が元気だったら……生まれ変わったら、今度は、結婚したい』
さゆりさんのあまりにはかない、そしてささやかな願い──。しかし、それはかなうことはなかった。
そして、亡くなる1カ月前には、自らの病への苦しみや戸惑いを記したものが多くなっていく。
『お腹が痛くて、下痢が止まらず、身動きがとれない……。これからの自分は、どうなってしまうのだろう……』
日記は死亡推定日時の4日前で途絶えていた。
『今日は、お腹が痛くて、あまりよく寝れなかった。倦怠感もひどい……』
それは、さゆりさんが力を振り絞ってしたためた最後の文章だった。さゆりさんは、病気のことを誰にも告げずたった独りで闘病し、最後はトイレの中で崩れ落ちるように息絶えていた。
直接の死因はトイレで排便中にいきんだことによる、急死。しかし、誰も頼る人がいないという状況が彼女をむしばみ、死期を早めたのは明らかだ。
さゆりさんの遺体が見つかったのは、真夏を過ぎて、秋に差しかかった頃だった。
2階の窓から、大量のハエが見えることを心配した近所の住民が、警察に通報して孤独死が発覚。死後3カ月が経過していた。ひと夏を過ぎたさゆりさんの体液は、トイレと脱衣所の床一面に染み渡り、大量のウジとハエが発生していた。さらに体液はクッションフロアをとうに突き抜けて、ベニヤや断熱材、建物の基礎部分まで浸透していた。遺体が長期間発見されなかった場合、このように、建物の深部まで体液が浸透するケースも多いのだという。
塩田氏は、さゆりさんの死について、無念な思いを語る。
「さゆりさんが愛していた彼氏と一緒に人生を歩めなかったこと、肉親を頼れなかったことが、病気だけでなく彼女の精神をむしばみ、死を早めてしまったんだと思います。
さゆりさんは、40代という若年層ということもあり、地域包括支援センターなどの見守りの対象者ではない。また、戸建て住宅は、賃貸物件と違いプライバシーの問題で、近隣の住民が立ち寄らないことも多い。それがなおさらご遺体の発見を遅くしたんだと思います。ご本人の孤独な境涯が死を早めるんです。心を閉ざして、人生さえ早く幕を閉ざしてしまう。本当に切ないです」
現在、この住宅はリフォームされ、別の住人が住んでいるという。
東京23区では1日あたり約21人が孤独死
東京都監察医務院では、孤独死を「異常死の内、自宅で死亡した一人暮らしの人」と定義している。通常、人が亡くなった時点で病死と判明している場合は、自然死として処理される。異常死とは、そもそもの死因が不明な遺体のことだ。この異常死に該当すると、解剖などが行われることになる。
東京都監察医務院は東京23区内で異常死が出た場合に解剖を行う機関だが、そこでは、この「異常死」のうち、自宅で亡くなった数を孤独死としてカウントし、その統計を毎年公表している。この統計が孤独死の数を知る数少ない手がかりとなっている。
それによると、東京23区において1987年には、男性788人、女性335人であったものが、ほぼ20年後の2006年になると、男性では2362人、女性では1033人となっており、20年前に比べて約3倍にも膨れ上がっている。
2015年には、男性4995人、女性は2683人とある。1年間に、東京23区において、総数7678人が孤独死しているということになる。東京23区に限定しても、1日あたり約21人が孤独死で亡くなっているのである。
女性の孤独死の特徴としては、部屋の洋服や紙などの物量が多いという特徴がある。心が雪崩のごとく崩壊し、家の掃除をしなくなり、部屋の中を徐々にゴミが占拠していく。なかには、衣類を天井ほどまでためこんだ女性もいた。
女性の孤立は男性より見抜きづらい
部屋が汚くなると、人を招き入れなくなるという悪循環が起こる。とくに現役世代は、健康を害してしまうと誰にも気づかれず、セルフネグレクトに陥り、命を脅かすようになる。身内との縁が切れていたり、近隣住民からも孤立しているという特徴もあり、なかにはペットとともに亡くなっているケースもある。行政も捕捉が難しいのが現状だ。
度重なる遺族や現場の取材から、男性がパワハラや失業などいわば、社会との軋轢(あつれき)から、セルフネグレクトに陥るケースが多いと感じた。しかし、女性の場合は、さゆりさんのように、失恋や離婚の喪失感、病気など、プライベートな出来事をきっかけに、一気にセルフネグレクトに陥りがちだ。また、責任感の強さから、誰にも頼れずゴミ屋敷などのセルフネグレクトになり、孤立してしまう。
数々のエンディングサポート業務を行っている遠藤英樹氏は、女性の孤独死についてこう語る。
「女性が1度、世間から孤立すると他人が見てもわかりづらいのは確かです。まだ自分は大丈夫だと仮面をかぶるからです。
しかし実際は、雨が降ると外に出たくなくなり、身体がだるいと動きたくないという狭間で、そのギャップに苦しむ。そんな自分に嫌悪感を覚えて自己否定が始まり、最後に精神が崩壊する。女性の孤立は、男性の孤立より、見抜きづらいと思います」
孤独死の現場を目の当たりにすると、筆者自身、同じ女性としていたたまれない思いを抱いてしまう。それは、孤独死は筆者とも無関係ではなく、むしろ、誰の身に起こってもおかしくないという思いを強くするからだ。
筆者自身も含めて、誰もが人生の些細なつまずきをきっかけとして、孤独死という結末を迎えてしまう。さゆりさんの死は、孤独死は決して他人事ではないということを私たちに突きつけている。
菅野久美子(かんの くみこ) 1982年、宮崎県生まれ。ノンフィクション・ライター。著書に『大島てるが案内人 事故物件めぐりをしてきました』(彩図社)、『孤独死大国 予備軍1000万人時代のリアル』(双葉社)などがある。最新刊は『超孤独死社会 特殊清掃現場をたどる』(毎日新聞出版)。また、さまざまなウェブ媒体で、孤独死や男女の性にまつわる多数の記事を執筆している。


丸山穂高議員の「戦争扇動発言」が、問答無用で許されない理由 「言論の自由」の問題ではない
佐藤 優 作家
衆議院議員の丸山穂高氏が5月11日、北方領土の国後島を訪問中、「戦争でこの島を取り返すのは賛成ですか、反対ですか」などと発言し、所属していた日本維新の会を除名された。いまだ波紋の収まらないこの事件の本質を、作家・佐藤優氏が、丸山氏の発言内容だけでなく国益の観点から指摘する。
ロシアでは「戦争扇動」は犯罪になる
佐藤:この事件は本当に深刻で、問題は「発言」じゃないんです。発言した場所が北方領土でしょ。丸山さんは、敷地の外に出ようとしていたんですね。
邦丸:鈴木宗男さんなどが尽力して建てた日ロ友好の家、一時期は「ムネオハウス」ともいわれましたが……。
佐藤:そこから外に出ようとした。これがいちばん深刻な問題なんです。
どうしてかというと、北方領土に関して、日本は「日本領だ」という立場でしょ。だから北方領土に行くときは、パスポートではなくA4の「身分証明書」と、ビザではなくこれもA4の「挿入紙」という紙を持って、「日本国内での移動」ということにしている。ロシアのほうでは、そのA4の紙2枚をパスポートとビザであるとみなしているんです。
しかし、もし北方領土で違法行為があって、日本人がロシアの官憲に拘束された場合は、日本としてはロシアの管轄を認めるわけにいかないから、大問題になるんです。
丸山氏が酔っ払って外に出てしまっていたら、保護・拘束されたかもしれませんよね。そこでロシアの官憲に対して、「この問題は戦争で解決するしかないよな」とでも言ったら、確実に逮捕されて起訴されますよ。なぜならロシアの法令では、戦争を扇動する発言は禁止されているから。
邦丸:ははあ。
佐藤:つまりロシアでは、丸山氏の発言は犯罪なんです。第二次世界大戦で3000万人が殺されていますからね。
もしもそういう事態になったら、ビザなし交流の制度はなくなり、日ロの北方領土交渉は止まってしまう。彼はそれくらいのことをしでかしたんです。
丸山氏は、施錠されていない他の部屋にどんどん入っていったといいますが、たまたま外には出なかった。飲み過ぎて出られなかったのかもしれませんが、しかし彼の行動によって、もしかしたら北方領土交渉が止まっていたかもしれない。国益の根本に影響があるんですよ。
これは表に出ていない重要な話なんですけれど、実はロシアのガルージン駐日大使が鈴木宗男さんに電話してきたの。
邦丸:東京・狸穴にあるロシア大使館の駐日ロシア大使が、鈴木宗男さんに。
ロシア大使に伝えたこと
佐藤:要するに、「この件はどう解釈したらいいですか」と。プーチン大統領に電報を打たないといけないから。
邦丸:そこまで行っている。
佐藤:そう。それで鈴木さんが「これは常軌を逸した人の行動だから、日本政府の発想でもないし、国会議員の発想でもない。この人は過去にも酔っ払ったうえで問題を起こしている人だ。そういうまったく不規則な発言だから、政治問題と受け止めないでくれ」と言ったら、ガルージン大使は「わかりました」と言ってくれた。
ロシア側は今、抑制された対応をとっているでしょ。これは初動でガルージン大使と鈴木さんがきちんとやって、クレムリンのプーチン大統領のところに、「これは日本政府からの何らかのシグナルとか、日本の中に戦争で領土問題を解決したがっている勢力があるからではないんです」と伝えてくれたから。ちゃんと水面下で動いている人たちがいたから、この程度で済んでいるわけです。
邦丸:はあ〜〜。
佐藤:向こうのコサチョフさんという上院の国際問題委員長が、そういう情報が届く前に、「どういうことか」と日本の議員団に詰問しているわけですよ。大問題になるところでした。
もし丸山氏が拘束されていたら、日本政府としては「北方領土は日本の管轄圏であり、ロシアの管轄は認めない」という立場だから、彼を守らないとならない。
邦丸:日本国民であるが故に。
佐藤:そうです。そうしたら、「ロシアと戦争して問題を解決しよう」と言う人間を日本政府は守っている、ということになっちゃう。
邦丸:そういう論理になりますよね。
佐藤:そうしたら、国際的にどうなりますか。そこまでぜんぜんわかっていないわけ。メディアも、本人も。だから、この人には資質がない。
日本人全体の「イメージ悪化」
佐藤:私は「議員辞職勧告」ということには基本的に反対です。どうしてかというと、それは議員が自分で決めることだし、彼らは有権者に選ばれているので、勧告決議で議員をどんどん辞めさせてしまうということになると、民主主義に大きな影響があるから。
でも今回は緊急事態です。この人には一刻も早く政界から去ってもらわないと、またやる。
邦丸:はあ〜。
佐藤:しかも調子に乗って、「言論の自由だ」とか言ってまたガンガン始めているでしょ。じゃあ、戦争になったらお前が自分で行くのか。そのような言葉を国会議員でありながら軽々に口にして、それが国益にどれだけの悪影響を与えたかということを理解しようともしない。
それに対して、松井さんは立派だ。
邦丸:松井一郎大阪市長・日本維新の会代表。
佐藤:松井さんは、ことの深刻さをわかっているわけ。そのレベルの違いですよね。
メディアの報道も、本質は発言内容がどうこうじゃないんですよ。彼の行動が、どういう事態に発展する可能性があったのか。今回の発言だけでも、鈴木さんとガルージン大使が話をせず、クレムリンに電報を打っていなかったら、プーチン大統領がひと言「いったい、どうなっているんだ」と言ったら、日ロ交渉は全部止まる可能性があった。
邦丸:もっと穿った見方をすると、ロシア側にとっては有利に交渉を進める材料になったかもしれませんよね。「あなたの国に、こんなことを言っている国会議員がいるんだけど、どうなんだ」ということになると、大きな借りになっちゃいますよね。
佐藤:いや、貸し借りよりも、ロシア人というのは、こういう物事の本質にかかわることは駆け引きではなくて、「いったい、日本人という人々は、きちんと付き合える相手なのかどうか」という深刻な問題だと捉えるんです。
「言論の自由」の履き違え
佐藤:要するに、北方領土という機微に触れるような場所、複雑な場所を訪れて「戦争」を軽々に口にするような人間を、議員として選び、送り出している日本人ってどういう人たちなんだろうと。こういう見方になる。
邦丸:なるほど。
佐藤:だから、ものすごく深刻です。もし、この丸山さんという人が国会議員を続けたいのだったら、とにかく辞めて、自分の選挙区でもう一回、無所属で出るなり何なりして通ってきなさいと。今回の件に関してちゃんと釈明して、その上で通ってきなさいと。
しかし、言っていることも二転三転していますよね。
邦丸:「言論の自由」ということをおっしゃるので、ツイッターなんかを見てみると、なんだか履き違えていらっしゃるなという感じがしますけどね。
佐藤:「言論の自由」と言っても、何でも自由ではないんです。言論の自由には限界がある。
例えば特定の出自の人、特定のジェンダーの人を全部抹殺しろというような言説、これは言論の自由ではないんです。同様にロシアにおいては、3000万人が死んだナチスとの戦争がありましたから、戦争扇動に対してはものすごく敏感なんですよ。ですから、このレベルの人間、しかもかつて行政官だったわけでしょう。
邦丸:経産官僚ですよね。
佐藤:彼が学んだ松下政経塾や経済産業省の教育体制、あるいは東京大学の出身ですから東京大学の教育体制まで、全部問われてしまいますね。こんな人が出てくるようでは。
邦丸:うーむ。
佐藤:酷い話です。
重大さに気づいているのか
邦丸:それにしても、ことの重大さに本人はどこまで気づいているのか。気づいているんじゃないですか?
佐藤:いや、ここまで深刻だとは気づいていないと思いますよ。
邦丸:ああ〜、それは問題ですな。
佐藤:音がうんと外れている人がカラオケで歌っていて、みんなが「もうやめてくれ」と言っているのに、本人は「いやいや、この歌は16番まであって、まだ3番です」──こう言っているような感じですからね、もうこれはマイクを離してくれっていう話ですよね。
邦丸:わかりやすいですね。丸山穂高衆議院議員はツイッターをやっていますから、そういうところでみなさん、こんなことをラジオで佐藤優さんが言っていたよということをおっしゃっていただければ。逆に、丸山議員から「いや、そんなことを言われても」というような言葉のやり取りがあるかもしれませんけれど。
佐藤:とにかくこれは責任を取ってもらわないと困ります。


丸山暴言、国会がけじめを
 こんな低レベルの国会議員がいたのか。戦争によって北方領土を取り戻すことに言及した丸山穂高衆院議員のことである。長いこと永田町を取材したが、「戦争で」などと口にした政治家は初めてである。
 東大卒、経産省のキャリア官僚、そして政治家を多数輩出してきた松下政経塾。派手な経歴の過程で、憲法を熟読したことがなかったのではないか。国の基本である憲法をちゃんと学んでいれば、こんな“とんでも発言”は口にできないはずである。
 「国民主権」「基本的人権の尊重」と並んで「平和主義」は憲法の三大原則の一つである。その根幹は九条の「国権の発動たる戦争」と「武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久に」放棄するとしている。義務教育でも教わる。
 「戦争でこの島を取り戻すのは賛成ですか反対ですか」「戦争しないとどうしようもなくないですか」などと旧島民に問いただしたことは、領土を武力で奪還すべきだという意味が込められている。放言、失言を超えた発言だ。
 丸山議員は現憲法は「時代に合わない」とする憲法改正論者だという。改憲の主張はともかく、国会議員には「憲法尊重擁護の義務」(九九条)が課せられている。
 所属していた日本維新の会から除名され、野党から議員辞職勧告決議案を突き付けられた丸山議員は、発言を撤回し謝罪はしたものの「このままでは言論の自由が危ぶまれる」「言論の府(国会)が自ら首を絞めかねない」と反論する。
 しかし、ここで言論の自由を持ち出す言い訳は通用しない。確かに国会内、例えば本会議や委員会での発言は自由で、責任は問われない。自由、闊達[かったつ]な論議を保障するためである。
 だが、丸山発言はロシアとのビザなし交流団に同行して訪れた国後島でのことで、国会内ではない。自由な発言には責任が伴う。まして国会議員である。重い責任があることは明白だ。言論の自由の名の下に、常軌を逸した暴論が許されるわけがない。
 丸山議員は議員バッジを自ら外すべきだ。しかし、当人はそれを拒否し居座る覚悟だという。野党の議員辞職勧告案は、仮に可決されても、法的拘束力はない。本人の自発的な辞任を促す意味合いであるからだ。
 自民、公明の両党は野党案に同調せず、けん責決議案を提出した。「猛省を促す」という表現にとどめている。閣僚などの失言が続いた自民党は、野党案にうかつに乗れないということであろう。
 二つの決議案で対立した格好だが、丸山発言はこれまで問題になったさまざまな失言とは次元が違う。与野党は折り合って決議をまとめ、国会としてちゃんとしたけじめをつけるべきである。


国家として衰退…丸山議員的な連中に支配されている日本
「戦争を知っている世代がいるうちは心配ない。平和について議論する必要もない。だが、戦争を知らない世代が中枢となった時はとても危ない」
 田中角栄が残した言葉のひとつだ。今、その心配が現実のものになりつつある。ついに、現職の国会議員が「北方領土を戦争で取り返せ」と言い出した。
■自信喪失と虚勢
 さて、この丸山某は単なる“特異例”だろうか。そうではない。こういう危険人物が堂々と跋扈する背景には、この国全体を覆う、なんともいやらしいムードが存在する。今の政治体制に異議を唱えたり問題点を指摘する人間に対し「反日」だの「左翼」だのといった悪罵を投げつける、いわゆる「ネトウヨ」や、教育勅語を礼賛し、「日本はすばらしい」「日本の歴史に誇りを持て」「悪いのは中国、韓国だ」といった言説をばらまく、自称保守派。テレビをつければ「日本凄い」番組があふれている。そうした連中、ムードに支えられて「1強」体制を謳歌しているのが安倍政権だ。こうした空気が続く限り、第2、第3の丸山某が出現する可能性は十分にある。
 でも、実は彼らの言動は不安感、自信喪失の裏返しではないのか。本当はわかっているのかもしれない。この国が確実に「劣化」していく運命にあることを。だからこそ、虚勢を張るのではないか。
 時代は平成から令和に変わったが、それだけで急に世の中が変わるわけじゃない。平成から続く、劣化現象が止まるわけでもない。わかりやすい例を一つ挙げよう。現在、日本の総人口は1億2414万4000人(2018年12月現在)、これが2050年には9515万人と1億人を切り、2100年には半分以下の4441万人になる。生産年齢人口も2005年の8442万人が2050年には4930万人に減少する。「外国人材」という名の移民を大量に受け入れたところで限界がある。これだけの人口減少国家が再び「過去の栄光」を取り戻すことなど不可能であることは明らかだ。
 日本は国家としての衰退期を迎えている。だからこそ、そうした厳しい現実と向き合い、劣化を正面から受け止め、どう対処すべきかを真剣に考えなければいけない時期にきているはずだが、その先頭に立つべき政治こそが、実は最も激しい劣化現象に直面している。次回からは政治、政界を中心に具体的な劣化の現状を検証していくことにする。


東京五輪は「負の遺産」になる? 長野五輪の廃れた施設、ポケモン守る聖火台…
2020年に開催される東京五輪。9都道府県の42会場で史上最多の33競技339種目が行われ、その受け皿となる施設も新設ラッシュが続いている。しかし、気になるのは現時点で、5施設の赤字が見込まれていることだ。
1998年に開催された長野五輪でも、施設の後利用問題は大会開催前から懸念されていた。特に「長野市ボブスレー・リュージュパーク」(スパイラル)は、もともと競技人口が少なく、その維持について長野市議会でも度々、問題視されてきた。結局、2億円を超えるという多額の維持管理費を理由に、長野市は2017年4月に競技施設としての利用を断念している。
これらの建設費用含め、長野市が五輪のために借り入れた額は利息を含めて約694億円となり、その償還は2018年度までかかった。借金の返済に20年もかかったのである。1997年5月、新聞社の新人記者だった筆者は、五輪開催直前で熱狂渦巻く長野市に配属された。それから2年、潮が引いたようになった長野市で市民として暮らしたが、たった2週間のスポーツイベントのための借金の返済が20年もかかるとは想像していなかった。
当時のメディアももちろん、五輪後の施設利用問題について報じていなかったわけではないが、五輪が近づくにつれお祭りムードが広がってかき消されていった。東京五輪では、同じ歴史が繰り返されるのか。当時を振り返りながら、五輪から約20年後の2019年4月に長野市を訪ね、競技施設を歩いてみた。(弁護士ドットコムニュース編集部・猪谷千香)
●開会式当日、チケットがなくても集まってきた市民たち
東京駅から北陸新幹線に乗り込み、JR長野駅に降り立つ。五輪開催前に改築された長野駅は、さらに2015年の北陸新幹線金沢延伸にともなって、善光寺側は大きな柱とひさしが建築され新しい駅舎となっていた。五輪中はコンコースに人があふれ、賑やかなイベントも開かれていたが、今それをしのばせるのは壁に残された大会エンブレムだけだ。
長野駅でレンタカーを借りてまず向かったのが、1998年2月に長野五輪の開閉会式が行われた「長野オリンピックスタジアム」だ。当時、私は新人記者の仕事として警察の取材を担当していた。あまり五輪に関わる取材はしていなかったが、大会直前に「長野オリンピックスタジアム周辺でテロ警戒をする警察」という記事だけは書かせてもらった。五輪取材で競技施設に入れるのは、プレスのIDカードを持つ限られたテレビ関係者や新聞、雑誌の記者、ジャーナリストたちだけだ。どこのメディアも、東京本社の運動部や社会部、写真部に配られ、地方支局の若手記者には回ってこなかった。
しかし、競技だけが五輪ではない。開会式当日は、チケットはないものの、雰囲気を味わうため、寒空の下に市民が集まってきていた。漏れてくる会場からの華やかな音を聞きながら、市民の人たちにコメントをいただいていたが、途中であまりの寒さにボールペンがうまく書けなかった覚えがある。
そんな長野オリンピックスタジアムは現在、周辺が整備されて市民に愛される大型公園になっていた。スタジアムを囲むように遊歩道や遊具があり、大勢の家族づれで賑わっていた。スタジアムでは、地元のプロ野球独立リーグのチーム「信濃グランセローズ」の試合が開かれ、ファンたちが開場を待って並んでいた。
スタジアムの近くに、聖火台が残されていた。伊藤みどりさんが奇抜な衣装で点火したあの聖火台だ。今では、ポケモンGOのジムになっており、その日は黒、赤、黄、緑、青の五輪カラーのポケモンたちが聖火台を守っていた。
●「負の遺産」の象徴となったスパイラル
次に訪れたのは、長野市の北部にあるスパイラル。五輪直前に整備され、スパイラルへの輸送に利用された浅川ループラインを抜けるとほどなく現地に到着する。実に20年ぶりのスパイラル。4月の週末にも関わらず、駐車場には一台も止まっていなかった。もしかして、見学もできない状態なのだろうか。訪問前に長野市のサイトには特に見学の案内などが記されていなかったことが頭をよぎる。
まだ雪が残る道を進むと、「見学者入口 ここからお入りください。」と書いてある看板を見つけほっとする。言われた通り、通路を進むと、うねるように上から下るコースが目前に広がった。
大会時、ここも観戦の人々であふれていた。コース脇の坂道を雪でつるつる滑りながら登り、あっという間に目の前を通り過ぎる選手たちに声援を送っていた観衆が、今でも思い浮かぶ。しかし、101億円かけて建設された施設も、20年以上を経てすっかり塗装が剥げ、見る影もない。五輪のエンブレムが掲げられた建物も静まり返っている。
近年、開催都市はその莫大な開催費用に苦しむケースが少なくない。パリに決まった2024年の五輪は、招致レースでブダペストやハンブルク、ローマがコストを理由に相次いで撤退した。1都市で開催するには負担が大きすぎるのだ。
そり競技は国内競技人口が約150人と、とても少ない。ところが、五輪開催が決まれば、開催都市はすべての競技施設を用意しなければならない。2018年、韓国の平昌五輪では、そり競技会場「平昌アルペンシアスライディングセンター」がわずか10日で閉鎖されている。
今後、国際オリンピック委員会は五輪後に採算の取れない施設は、他の都市や国・地域で既存施設で代用するなど、大会運営を柔軟に行わなければ、名乗りをあげる都市はなくなってしまうのではないだろうか。しばし、スパイラルで長野五輪の思い出にふけっていたが、本当に誰も来ない。人よりも先に、クマが現れるのではないかと怖くなり、立ち去った。
●エムウェーブは長野五輪のレガシーに
最後に訪れたのはスピードスケート競技会場になった「エムウェーブ」だ。信州の山並みをイメージしたM字型の屋根がまず目に入る。建設費用は264億円という巨大な施設だ。
大会中、「高速リンク」と呼ばれたここで生まれたメダルラッシュに市民も熱狂した。清水宏保選手が日本人初の男子500m金メダルを獲得した瞬間、私も会場にいた。観戦に来ていた人たちのコメントを取るため、観客席を駆けずり回っていた。ゴールの瞬間も、観客の表情を見逃さないよう、清水選手に背を向けていたため、何も見ていない。
あの沸きに沸いた会場も、現在は落ち着いている。観客席の一部が見学コースになっており、会場内部を見ることができた。出迎えてくれたのがスノーレッツ。長野五輪の公式マスコットキャラクターだ。大きな4羽のフクロウの着ぐるみがモアイ像のように鎮座していた。近くで見ると、目が黄色くて大きくて、ちょっと怖い。
現在、エムウェーブは、冬季にはスピードスケートの大会が開かれるほか、ナショナルトレーニングセンター(NTC)競技別強化拠点として、スケート選手の育成拠点にもなっている。スケート教室も盛んだ。一方でシーズンオフには、北信最大規模の屋内施設として、コンサートなどのイベントも開かれる。
エムウェーブはアイスホッケー会場だったビックハットとともに、市が6割を出資する第3セクターによって運営されている。大会直後は年間4000万円以上の赤字だったが、夏場にコンサートなどを積極的に誘致し、黒字転換した。しかし、市からの指定管理料やNTCとして国から出される維持管理費もあることから、手放しで喜ぶことは難しい。それでも、エムウェーブは長野五輪のレガシーとして存在感を放っている。
●五輪はたった2週間で終わるお祭り騒ぎ、その後は…?
エムウェーブの中には、入場無料の「長野オリンピックミュージアム」があった。開会式のパフォーマンスの衣装やモーグルで金メダルに輝いた里谷多英選手のウェア、「開閉会式でサマランチ会長がスピーチした演台」など、五輪マニアにはたまらない展示物が展示されている。
展示では、市内の小中学校が参加国と交流する「一校一国運動」の紹介もあった。この日、たまたま知り合った長野市の男性から、いまだ続いている学校もあると教わった。東京五輪ではデンマーク代表の水泳チームが長野市で合宿することが予定されている。デンマークとつながりのある市立川中島中学では、選手とも交流する計画だという。
「そういうつながりがまだあることが、長野五輪の遺産です」と男性は話す。エムウェーブにも長野五輪をきっかけに生まれたボランティアグループがあり、運営を支えていると聞いた。一時期だけだが、長野市民だった身にとっては、うれしい話だ。
しかし、エムウェーブ、ビッグハット、ホワイトリング、長野オリンピックスタジアム、アクアウイングの5施設は改修費用などが今後10年で45億円かかるとされている。長野市の財政への負担は決して少なくない。長野五輪の遺産をどう活用していくか、今後も現状に甘んじない運営が求められる。
1997年から1998年にかけ、長野五輪が近づくにつれ、市街地には海外メディアや五輪関係者が日に日に増え、活気に沸いた。大会が始まれば、国内外から観戦客が押し寄せ、夜も町は大騒ぎだった。ところが、そのお祭りもたった2週間で終わる。その後、パラリンピックが開かれたが、それも閉会すれば祭りの余韻を残さず、人々は日常に戻り、町はまた静かになった。そうして、20年にわたるお祭りにかかった費用の地道な返済と、残された大きな施設の活用という困難が始まったのだ。
東京五輪でも、同じことが起きるかもしれない。来年の開催に向けて、メディアは膨大な五輪のニュースを流していくだろうが、その後に何が残るのか。長野五輪のレガシーと負の遺産を振り返りながら、私たちはよくよく、見極めなければならない。


GW渡航先1番人気は「韓国」…嫌韓派の歯ぎしりが聞こえる
 世の「反韓派」や「嫌韓派」は信じたくないだろうが、これが現実だ。10連休で沸いた今年のゴールデンウイーク、海外渡航先の1番人気は韓国だった。
 昨年秋から、元徴用工問題などで日本のメディアが大騒ぎし、「日韓関係は戦後最悪」といわれ、日本の外務省までが「反日デモに注意!」と渡航自粛を呼びかけていたが、訪韓日本人数(2018年11月〜19年1月末)は逆に前年同期比32.9%増の77万人とすさまじい増加なのだ。渡韓はもはやトレンドなのである。
 ソウル最大の繁華街、若者でごったがえす「韓国の原宿」ことミョンドン(明洞)に行けば、一目瞭然だ。昨秋訪れた私は、開放的な空間に目を見張った。明洞教会堂から緩やかに下る広い遊歩道を多くの日本人が、韓国人や中国人、タイ人、欧米人らに交じって自由に闊歩(かっぽ)し、ファッショナブルな店でスマホ決済の飲食やショッピングを楽しんでいた。
 韓流ドラマファンらしき中高年の一団も見かけたが、大半が10代、20代の女性たちだ。そのほとんどがK―POPファンで、真っ赤な口紅、キリッとした身のこなしなどはテレビやネットで目にしたK―POPのアイドルたちを連想させる。
 K―POPは米国でもトレンドとなっていて、ユーチューブの再生回数は女王アリアナ・グランデの独壇場であったが、韓国のブラックピンクが1億回を更新して抜き去り、「K―POPグループがアメリカのエンタメ界席巻」(ニューヨーク・ポスト紙、4月5日付)と話題になったほどだ。その1週間後、今度は原爆Tシャツ騒動で「反韓派」に叩かれた防弾少年団(BTS)が史上最速の1億回超えでブームに火をつけている。伸びのある歌唱力、パワフルでキレるダンスに、米国の若い女性たちも「カッコイイ」ととりこになっているのだ。
 そもそもK―POPは国籍の縛りがない。オーディションの選抜基準は個性、スター性のみで、ブラックピンク4人のメンバーにはオーストラリア人やタイ人。今春の日本初のドームツアー5公演に21万人を動員したTWICEは9人中、日本人が3人だ。
 こうして、グローバルにつながっている日本の若者たちから見たら、「韓国出ていけ」と差別や対立をあおる「反韓・嫌韓」派は、個性抑圧のウザイもの、ショボイものでしかない。だから、いくら日本のメディアが「日韓関係は最悪」と騒ごうが、気にもしないのである。「反韓・嫌韓」派のウザイ正体は来週あらためて。(作家・河 信基)


「安倍総理は漢字読み間違えてません」反論 蓮舫氏、官邸公式発信がこれか…
 首相官邸の公式ツイッターが24日付で、4月30日に行われた「退位礼正殿の儀」での安倍晋三首相の国民代表の辞に関して「漢字の読み間違いなどは、ありません」などと4つの文章を連続投稿した。
 官邸ツイッターは一部の報道で、安倍首相が国民代表の辞を「天皇皇后両陛下には、末永くお健やかであらせられますことを願って『い』ません」と述べたと報じられている、と指摘。そのうえで「国民代表の辞は、同日の閣議で決定されたものであり、安倍総理はそれに従って述べています」と説明。該当部分は「天皇皇后両陛下には、末永くお健やかであらせられますことを願って『や』みません」と、ひらがなで書かれているとした。
 そのうえで「これらの報道にある漢字の読み間違いなどは、ありません」と否定している。
 立憲民主党の蓮舫副代表は、これらの官邸の投稿を引用し「公式ツイッターでの発信としてこれか…」と、あきれた様子で投稿した。


北海道佐呂間町で39.5度 27日も各地で厳しい暑さが続く予想
 全国的な猛暑となった26日、北海道佐呂間町で午後2時過ぎ、39.5度を記録した。道内の年間を通じての最高気温と、5月の最高気温の全国記録をともに更新した。道や東北、関東甲信を中心に53地点で最高気温が35度以上の猛暑日となった。
 気象庁によると、全国的に高気圧に覆われて晴れたほか、北日本では上空約1500メートル付近に平年より15度以上高い真夏を超える暖気が流れ込んだことが影響した。
 北海道帯広市でも午後1時過ぎに38.8度と、観測開始の1892年以来最も高い温度となった。道東部では山越えの風が熱を帯びるフェーン現象の影響もあったとみられ、この日の全国最高気温上位10地点はいずれも道内が占めた。
 ほかに、埼玉県鳩山町で35.8度、福島県伊達市で35.9度、東京都千代田区でも5月の観測史上最高の32.6度を観測した。
 これまで5月に観測された最高気温は1993年に埼玉県秩父市で記録された37.2度。
 27日も各地で厳しい暑さが続く予想で、気象庁は熱中症などへの注意を呼びかけている。【宮崎隆】

梅田で感想をメール/自衛隊音楽隊?就職?

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≪Abe Shinzo≫: Le Japon aimerait qu'on écrive correctement le nom de son Premier ministre
C’est une différence culturelle qui agace le gouvernement japonais. Si, dans beaucoup de pays, on se présente en donnant son prénom puis son nom de famille, c’est l’inverse au Japon.
Résultat : de nombreux médias et organisations internationales nomment le Premier ministre nippon ≪ Shinzo Abe ≫ alors qu’en réalité il faut dire ≪ Abe Shinzo ≫. Et ce mardi, le ministre des Affaires étrangères a décidé de taper du poing sur la table pour mettre fin à cette erreur.
Une précédente correction en 2000
Le gouvernement japonais souhaite en effet que le nom du dirigeant soit ≪ écrit Abe Shinzo, comme [l’on écrit] le président chinois Xi Jinping et le président sud-coréen Moon Jae-in ≫. Le ministre va même ≪ faire une demande aux médias internationaux ≫.
Selon le journal japonais Yomiuri Shimbun relayé par Ouest France, cette mise au point n’est pas une première. En 2000 déjà, l’Agence des affaires culturelles japonaise avait fait cette demande auprès des organisations internationales. ≪ Tout le monde devrait être conscient de la diversité linguistique et culturelle de l’humanité et en tirer parti ≫, avait estimé l’agence.
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化粧品・服・健康食品!インスタ広告の舞台裏▽フォロワーを買って稼ぐ!“キラキラ女子”▽ウソにステマ!錬金術のカラクリ▽謎の流出ルート!個人情報が地球の裏側に? 慶應義塾大学教授…宮田浩章,作家…石井光太,ネットワーク報道部記者…藤目琴実, 武田真一,高山哲哉
NNNドキュメント 里奈と伶奈〜うちらが高く跳ぶとき〜
超えるのはバーか、ライバルか、それとも自分自身か。香川県の観音寺第一高校で陸上棒高跳びに青春をかける2人の女子高校生。山地里奈さんと田中伶奈さん。2人とも日本一を経験し、年代別の日本記録も樹立した。もがき、励まし合い、競い合いながら跳び続ける彼女たち、そこにあったのは羨望と嫉妬、そして友情――。ライバルであり大親友、ニューヒロインたちの高校最後のシーズンを追った。 中桐康介 西日本放送
こたつぬこ『「社会を変えよう」といわれたら』4/17発売 @sangituyama--
山本太郎現象を軽視してはならないですよ。実現できない理想を掲げないとつかめない層が確実に増えていることの証ですから。それを排外主義者につかまれるより、山本太郎がつかんでくれた方がいいんですよ。そういう視角で捉えた方がいい。
山本太郎現象とは、仏の「黄色いベスト運動」のミニチュア版ですよ。富と貧困をめぐる大衆の憤激を喚起し、リベラルなガバナンスを拒絶することを力の源泉とする運動。しかし日本ではミニチュア版の勢力しかない。だから野党は乗れない。しかしその勢力を右翼ではなく左派陣営に留置する必要がある。

松尾貴史 新刊「違和感のススメ」 @Kitsch_Matsuo
外国に金をばらまいて、映画を観て、出演している芸能人と食事をして、アイドルと食事をして、相撲を見て、ゴルフをする時間はあっても、予算委員会は開かない。普通は評価が下がるだろうけれど、マスコミが「批評」を忘れたこの国では、違う。

今日はいつもと違って梅田出勤.とは言えやる気がありません.・・・と考えて,この間の「宿題」になっていた文章を読んでその感想を書くことにしました.これまで何回か読んでそれなりに思うことはあったのですが,いざ感想を書くというつもりで読むとまた違って見えてきます.結構時間がかかりましたが,とりあえず書いて送信しました.
珍しく?Haさんからメール.職場で自衛隊音楽隊の演奏があるとか.ちょっと気になって調べてみると音楽隊への就職はなかなか難しいようです.ちょっとびっくりだけど,よく考えると給料も悪くないだろうしそういうものかな,なんて思いました.有事のときに何かあるのが本当はヤバいのでしょうけど.

<東日本大震災>ソフトバンクの復興支援 絆CUPにツール・ド・東北追加
 ソフトバンクは、東日本大震災の被災地で子どもたちのスポーツ・文化活動を支援する催し「東北絆CUP」の対象種目に、新たに自転車イベント「ツール・ド・東北2019」(河北新報社、ヤフー主催)を加え、参加者を募っている。
 参加者は、9月15日に宮城県沿岸で開かれるツール・ド・東北のコースのうち、石巻専修大を発着点に石巻市と女川町を周遊する「女川・雄勝フォンド」(65キロ)に、チームとして出場する。
 参加者には大会前、スマートフォンなどを用いたプロライダー須田晋太郎さんによる遠隔指導があり、大会当日は須田さんも一緒に走行する。
 対象は岩手、宮城、福島3県に住む中学生と保護者の2人1組か高校生の個人。定員40人。応募多数の場合は抽選。参加無料。申し込みは6月21日まで東北絆CUPのホームページで受け付ける。
 東北絆CUPは昨年7月にスタート。陸前高田市でバスケットボール、仙台市で野球と吹奏楽、福島県楢葉町と広野町でサッカーをそれぞれ開催し、中学生ら計約1000人が参加した。今年も7月以降、同様のイベントを予定している。


名取・閖上で交通事故1.5倍 まちびらき控え注意喚起
 東日本大震災からの復興まちづくりが進む宮城県名取市閖上地区で、交通事故が増えている。県警によると、今年は4月末時点で前年同期の1.5倍に当たる22件に達した。岩沼署は交通量増加が見込まれる26日の閖上地区まちびらきを前に、安全運転を呼び掛けている。
 事故の内訳は物損事故18件(前年同期9件)、人身事故4件(同6件)。月別は2月と4月が各8件で最も多く、3月は5件だった。
 発生時間は午前7時〜午後4時に集中し、全体の約8割の計18件が起きている。事故当事者の居住地は、ほぼ全てが閖上以外だった。日中に観光などで訪れたドライバーが不慣れなため、事故に遭うケースが多いとみられる。
 閖上地区では3月末に仙台東部道路名取インターチェンジ(IC)と広浦橋を結ぶ市道の一部区間が開通し、4月下旬に商業施設がオープンするなど復興まちづくりが急速に進む。事故増加の背景について、岩沼署交通課は「道路環境が刻々と変わり、交通量が増えている」と説明する。
 大勢の来場者が訪れるまちびらきに間に合うよう、県道と市道が交わる交差点に22日、一時停止の標識が新設された。同課の後藤純一課長は「道路が良いとスピードを出したくなるが、危険が潜んでいる。閖上に行く際は安全運転に努めてほしい」と話す。


<石巻・防潮堤工事強行>市と業者和解
 石巻市が発注した防潮堤の建設を巡り、契約を解除された建設業カルヤード(石巻市)が工事を強行していた問題で、同社と石巻市は24日、仙台地裁で和解した。市が小島、明神両漁港の工事差し止めなどを求めて仮処分を申し立てていた。
 同社によると、和解内容は(1)両漁港の工事を中止し、6月5日までに現場を明け渡す(2)市は明け渡し後に完成検査に応じ、精算について協議する(3)市が仮処分の申し立てを取り下げる−など。
 和解協議後に宮城県庁で記者会見した同社の担当者は「市による完成部分の引き取りが決まったことは大きな前進だ。工事を頑張ってきた成果を認めてもらえた」と話した。
 市は工事の完成が大幅に遅れているとして、小島漁港は昨年11月、明神漁港は今年2月に同社との契約を解除した。同社は市の判断を不服として、工事を継続。市は今年1月と2月にそれぞれ仮処分を申し立てていた。


<みちのく潮風トレイル>6月開通 沿岸被災地が一本の道に
 東日本大震災の沿岸被災地を歩いて支援する環境省のプロジェクト「みちのく潮風トレイル」が6月9日に全線開通する。八戸市の蕪島−相馬市の松川浦を約1000キロの一本道でつなぐ取り組みで、同省が2011年6月から準備を進めてきた。
 みちのく潮風トレイルは青森、岩手、宮城、福島4県の計28市町村を結ぶ長距離の自然歩道。同省は13年11月から順次ルートを公表し、残る4区間計約250キロの開通準備が整った。
 最後となった岩手県岩泉町、宮古市−岩手県山田町、石巻市、石巻市−仙台市の4区間は開通日の記念式典でルートを発表し、全線開通を宣言する。
 長距離の自然道は欧米でロングトレイルと呼ばれて親しまれ、3000キロを超すコースも存在する。ハイカーはテントやルート沿いの宿泊施設に寝泊まりして目的地を目指し、自然や文化、人との触れ合いを楽しむ。
 みちのく潮風トレイルのルートには険しい山や沢を越える難所がいくつもあり、岩手県田野畑村の海岸沿いの手掘りトンネルや、満潮時は通れない道を設定するなど冒険的な要素も盛り込んだ。健康なハイカーが歩くと約2カ月かかり、全行程を一気に挑戦したり、区間を分けて歩いたりする楽しみ方があるという。
 環境省東北地方環境事務所の担当者は「自然に浸ったり、地域の人と深い交流が生まれたりするのがロングトレイルの面白さ。ルート情報を事前に確認して歩いてほしい」と話す。
<名取でシンポ>
 全線開通を祝う記念式典とシンポジウムが6月9日、名取市文化会館で開かれる。日本トレッキング協会理事で女優の市毛良枝さんが「歩くって楽しい!」と題して講演する。
 式典は午後1時半、シンポジウムは午後2時45分開会。参加無料。連絡先は東北地方環境事務所国立公園課022(722)2874。


河北抄
 南相馬市の芥川賞作家柳美里さんの「ねこのおうち」は、捨て猫が導く命と家族の連作短編集。この本にサインを求められると柳さんはこう書き添える。「猫の周りには平安が漂っている」。物語を貫くメッセージであり、3匹と暮らす柳さんの生活実感でもあるのだろう。
 江戸時代の人々も格別の思い入れを持って接してきたようだ。仙台市博物館で開催中の「いつだって猫展」では、当時の浮世絵や版本などから、身近な猫へのまなざしを感じ取ることができる。
 「あるある」と思わず言いたくなる表情やしぐさ。ギャグ漫画さながらに擬人化されたキャラクター。怖そうで怖くない化け猫。歌川国芳らの作品を前にすると、近世の感性にぐっと親しみが湧く。
 同展は名古屋市博物館を皮切りに全国を巡回した。企画者はさぞ愛猫家と思いきや「いえ、飼ったこともないんです」と当の同館学芸員津田卓子さん。猫パワーの偉大さはペット好きならずとも魅了する点にある。リアルな動物が苦手な筆者も、小説や絵画の形で繰り出す「猫パンチ」にあっさりKOされた。


各地で異例の暑さ、真夏並み 熱中症対策、こまめに水分補給を
 各地で30度を超える真夏日を記録し、5月としては異例の暑さが続いている。月曜日の27日にかけ、西日本から北日本では35度以上の猛暑日となる所があり、気象庁は、真夏並みの高温が見込まれるとして注意を呼び掛けた。急に暑くなった日は体温調節がうまくいかず、熱中症になる人が多い。こまめな水分補給や室内を涼しくするなどの対策が有効だ。
 熱中症は、温度や湿度が高い環境で体内の水分や塩分などのバランスが崩れ、発汗や血流による体温調節ができなくなることで起きる。めまいや頭痛、吐き気などの症状のほか、ひどい場合はけいれんや失神を起こし、死亡することもある。


季節外れの暑さ  熱中症に細心の注意を
 今週末から週明けにかけ、日本列島は5月としては記録的な暑さに見舞われそうだ。
 気象庁は、北海道から近畿にかけて内陸部を中心に、多くの地点で最高気温が30度を超える真夏日となると予測しており、35度を超える猛暑日になるところも出るとみている。
 京都府では体温並みの暑さになる恐れもあり、熱中症対策など体調管理に細心の注意が必要だ。
 暑さの原因は、中国大陸の上空で非常に暖かな空気が発達し、週末にかけて北日本を中心に日本列島をすっぽりと覆うためだ。暖気は28日ごろまで居座ると予想されている。
 予報によると、京都府は25日が34度、26日が33〜37度、27日が31〜36度。5月の過去1位の暑さは1891年の34・9度だから、記録更新の可能性がある。滋賀県は27日にかけて32度前後まで上がりそうだ。
 熱中症は例年、梅雨入り前の5月頃から発生するが、今回のように急に真夏のような気温になる時は、熱中症リスクが高まるので特に気を付けたい。
 気温が急上昇した時に熱中症になりやすいのは、体が暑さに慣れておらず、うまく発汗できないからだ。日頃からウオーキングなどで汗をかく習慣を身に付けておくことが予防になる。
 汗は血液中の水分と塩分から作られるので、脱水状態や食事抜きのまま暑い環境の中に行くのは危険だ。かぜで発熱や下痢をしていたり、二日酔いをしている場合は脱水状態になっており、注意が要る。
 たくさん汗をかく活動では、水分をこまめに補給し、血液中の塩分濃度が低下しないよう塩分の補給も忘れないようにしたい。暑い環境での集団活動は、無理しないで短時間ですませるようにし、こまかく休憩を入れるなどの配慮も欠かせない。
 消防庁によると、昨年5〜9月の熱中症による救急搬送者は9万5千人を超え、2008年の調査開始以降、最多となった。死者も160人を数えた。
 搬送された人の半数近くは高齢者だ。体温調節機能が低下しているのに室内などで暑さを我慢しがちなためで、周囲の人の声かけが大事になる。
 今年も既に1300人余りが搬送された。新潟県の小学校では気温が24度ほどでも児童26人が運動会の練習中に搬送されている。警戒を怠らないようにしたい。


ヘイト対策法3年 差別許さぬ機運高めたい
 ヘイトスピーチ対策法が成立して3年が過ぎた。国外出身者とその子孫の排除を扇動する不当な差別的言動は許されないと明記し、国や地方自治体に解消のための取り組みを求める法律だ。
 残念ながらヘイトスピーチは後を絶たない。インターネット上には差別的な投稿が横行している。
 3月には、日本年金機構世田谷年金事務所の所長がツイッターに匿名で「属国根性のひきょうな民族」「在日一掃、新規入国拒否」などと韓国人を差別する投稿をしていたことが発覚し、処分された。
 韓国の空港で職員に暴行したとして逮捕され、その際「韓国人は嫌いだ」などと暴言を吐いたとされる厚生労働省の賃金課長が更迭されている。
 まともな教育を受けたはずの公務員や公的業務を担う組織の職員の中にも差別意識をあらわにする人が出てきた。極めて危惧すべき状況だ。
 人権意識の欠けた者が権力を手にすれば、ヘイトをなくすどころか差別を助長する方向に行政をゆがめかねない。
 問題化したのは氷山の一角で、差別的な考えを持つ人はさまざまな部署に潜んでいるのかもしれない。
 法務省は「○○人は殺せ」「祖国へ帰れ」といった言動をヘイトスピーチの具体例として挙げている。少しでも相手の立場になって考えれば罵詈(ばり)雑言を浴びせることなどできないはずだ。他人の痛みなどお構いなしという風潮が背景にある。
 ヘイトによって心に深い傷を負っても、ほとんどはなすすべもなく泣き寝入りしているのが実情だ。
 ネット上のヘイトは止めどがない。沖縄についても、繰り返しデマ情報が流布されている。
 差別に基づく侮辱、名誉毀損(きそん)、脅迫などに対して、もっと厳しい目を向ける必要がある。差別を許さない機運を高めることが大切だ。
 県内の在日コリアンの男性に対する名誉毀損罪で今年、男性2人がそれぞれ罰金10万円の略式命令を受けた。差別投稿で刑罰まで至ったことが分かっているのは、これを含め2件しかないという。刑事事件化のハードルが高すぎるのだ。
 少数者に対する悪質な憎悪犯罪(ヘイトクライム)については積極的に事件化し、従来より刑罰を重くすることも検討していいだろう。
 対策法は禁止規定や罰則のない理念法だ。成立直後、川崎市は差別的言動を繰り返していた団体の公園の使用を不許可とした。大阪市はヘイトスピーチと認定すれば、実行者名を公表できるとした条例を施行している。ヘイトをなくすための積極的な取り組みとして評価できる。
 ただ、ヘイトに当たらないケースまでが規制されれば、表現の自由の侵害にもなりかねない。何がヘイトなのか国がガイドラインを作成し、全国の自治体に示すべきだ。


国会議員の資質/止まらない劣化に歯止めを
 国会議員の失言や不祥事が後を絶たない。資質に欠けるという一言では片付けられない深刻な事態だ。
 戦争による北方領土奪還に言及し、日本維新の会を除名された丸山穂高衆院議員。与党はけん責決議案を、野党6党派は辞職勧告決議案をそれぞれ提出した。
 丸山氏は北方領土へのビザなし交流訪問団に同行した11日夜、国後島の宿舎で酒に酔い、元島民の団長に「戦争でこの島を取り返すのは賛成ですか、反対ですか」「戦争をしないとどうしようもなくないですか」などと質問。団長は「戦争なんて言葉は使いたくない」と返答した。
 平和主義を基本原則とし、戦争放棄を規定する憲法9条をないがしろにする発言だ。国会議員の憲法尊重擁護義務を定めた憲法99条にも反する。
 撤回し謝罪したものの、国民の代表でありながら戦争を仕掛けるかのような発言は断じて許されない。にもかかわらず、丸山氏は「言論の府が自ら首を絞めかねない」と議員辞職を否定した。
 全くの筋違いである。憲法に反する暴言を棚に上げ、言論の自由を持ち出してまで議員の地位にすがりつく。居直りにしか映らず、あきれ果てる。けん責や辞職勧告を受けるまでもなく、速やかに議員辞職すべきだ。
 国会議員の劣化は丸山氏にとどまらない。丸山氏は2012年衆院選で初当選。当時の大阪市長だった橋下徹前代表が率いた維新の躍進で議席を得た。この時に大量当選した自民党の新人議員に不祥事が相次ぎ「魔の3回生」と呼ばれたことは記憶に新しい。
 育休取得宣言後の不倫発覚や女性問題、秘書への暴言暴行、準強制性交容疑での書類送検など、人間としての品格に欠ける不祥事が続いた。
 自民党議員のトラブル続きは「1強政治」による緊張感の欠如と無縁ではない。その緩みを映し出してきたのは閣僚らの失言だ。
 今年4月には塚田一郎元国土交通副大臣が道路整備を巡り「首相や副総理が言えないので私が忖度(そんたく)した」と発言した。桜田義孝前五輪相は「復興以上に大事なのは高橋(比奈子衆院議員)さん」と発言し、いずれも更迭された。
 政治は「言葉の芸術」と言われる。政治家は政策や主張を有権者に訴え、理解を得ようとする。有権者は党首や議員の言葉を聞き1票を託す。繰り返される不祥事や失言は、その重みを理解しない政治家が多い証左でもある。
 今回の丸山氏の発言には議員の劣化がここまで来たかと驚く。有権者が託した立法府の一員としての責務を踏みにじったと言えまいか。
 与野党ともに所属議員の資質を厳格に問い、劣化に歯止めをかける対応が必要だ。私たち有権者の側にも、国民の代表たり得るかどうかを見極める力が求められる。


丸山穂高議員の懲罰委検討も あまりの対応不誠実で
ビザなし訪問団で訪れた国後島で、酒に酔って戦争による北方領土の奪還論に言及した上、訪問目的を完全に逸脱した「おっぱい」などのハレンチ発言を次々と暴露されている丸山穂高衆院議員(35)は24日、出席を求められていた衆院議院運営委員会(議運)の理事会での聴取を、「体調不良」を理由に欠席した。
関係者によると、丸山氏側は病名を「適応障害」とする診断書を提出したといい、「2カ月間の休養が必要」と記されていたという。今国会の会期末は6月26日で、会期は残り約1カ月。診断書通りだと、現在の通常国会には事実上出席しないことになる。議員生命を左右しかねない説明責任を果たす機会を放棄した形で、「逃げた」といわれても仕方ない状況だ。
丸山氏は、野党が辞職勧告決議案提出を検討していた今月14日、ツイッターに「議運委や本会議では本人からの弁明機会すらない」と記述した。今回議運で弁明の機会を与えられたが、応じなかった。20日には、衆院決算行政監視委員会に出席して2度も取材に応じたが、全議員と顔を合わせる21日の本会議はなぜか欠席。ある野党議員は、「往生際が悪い」と切り捨てた。
理事会は今後、高市早苗委員長と与野党の代表者が丸山氏を訪ね、事実確認を行う。拒否されれば、ともにビザなし訪問団に参加した政府職員から話を聴き、経緯を確認する。与党はけん責決議案、野党6党派は辞職勧告決議案をそれぞれ衆院に提出したが、今回の対応があまりに不誠実として、議決をもって登院停止や除名などを決められる衆院懲罰委員会の実施を検討すべきとの声も出始めた。丸山氏の行動は、裏目裏目になりつつある。


籠池前理事長8億円値引き根拠のゴミ「なかった」
学校法人「森友学園」の籠池泰典前理事長(66=詐欺罪などで公判中)が、保釈から丸1年を翌日に控えた24日、都内で講演会とシンポジウムを開いた。
前理事長は会見の中で、森友学園問題のカギとなる、国有地の8億円値引きの根拠となった地下3メートルより深い位置のゴミについて「再び除去しなければいけないゴミはなかった」と、これまで言ってこなかった自らの見解を語った。
前理事長は、シンポジウムを主催した市民団体が参加者に配布した資料製作のため、問題の経過の詳細や資料を用意。その資料によると、15年9月、小学校の建設に向け、国有地の土壌改良を行った業者、設計業者、近畿財務局、大阪航空局の4者が会談を開いた。前理事長は、その会談の中で、近畿財務局が土壌改良を行った業者から「ゴミ、まだ残っています。どうしましょうか?」と聞かれ、「それが有益費は出せない…ばらまいておいてくれますか?」と答えたと説明。その文書も残っているという。
ただ、その会談は籠池前理事長不在の中で行われたため、前理事長は当時、ゴミのことは知らなかったという。16年3月11日、建設のためにくい打ちした施工業者が3メートルより深い場所でゴミを発見したが、その業者も「ゴミが出てきて驚いた」(前理事長)という。
前理事長は「実際は、ゴミがばらまかれていたというのは近畿財務局の指導、指示によって(土壌改良を行った業者を介して)対応された。除去しないでもいいゴミがでてきた…何が言いたいかというと、再び除去しなければいけないゴミはなかったと私の頭の中に断定できた」と語った。
会見後のシンポジウムに前理事長とともに登壇した環境ジャーナリストの青木泰氏は、地下3メートルより深い位置のものだと近畿財務局が説明した、ゴミの写った写真など複数を提示した。その上で「(他の場所で)燃やしたものを、トラックで持ってきたとしか思えないものがある。地下3メートル以下から、木の根のゴミを出すのは無理。まず、写真の偽装がおかしいということを半年追いかけた」と語った。
そして「いったん、ゴミを取ったところから、どうやってゴミが出てきた仕掛けにするのかが、今回の1つの大きな流れだった。籠池さんは要望を出しただけで、不法行為を行った行政側を我々がチェックしないと。こんな事件、ないですよ!! 我々が放置したら、世の中が恐ろしくなっていく」と力を込めた。
森友学園問題を追いかけ、「安倍官邸vs.NHK:森友事件をスクープした私が辞めた理由」を著した、大阪日日新聞論説委員・記者の相澤冬樹氏(56)もパネリストとして登壇。「僕は、籠池さんに運動家になって欲しくないんです。最大の武器は事実。事実に基づいて、初めて批判ができる。まだまだ表に出していないことがあると思う。ぜひ明らかにして欲しい」と、前理事長に新事実の公表をリクエストした。
籠池前理事長は29日から諄子夫人(62)ともに、大阪地裁(野口卓志裁判長)で開かれる補助金詐欺事件の裁判に被告として出廷する。【村上幸将】


籠池前理事長、昭恵夫人100万円「残ってる」
学校法人「森友学園」の籠池泰典前理事長(66=詐欺罪などで公判中)が、保釈から丸1年を翌日に控えた24日、都内で講演会とシンポジウムを開いた。
質疑応答の中で、籠池前理事長に対して、安倍晋三首相の昭恵夫人から受け取ったとされる100万円は今、どこにあるか? と質問が飛んだ。前理事長は質問を受けると、思わず笑った。そして「100万円ね。私の手元にはありませんが、もうお返ししないで、私が(理事長を)退陣しましてから、学園の寄付金として残っていると思います」と説明した。
その上で「昭恵夫人が『これは安倍晋三からの寄付ですので』と、わざわざ言葉を付け足しておっしゃったものですから、その100万円については1億、2億、3億円の価値があると認識している」と述べた。その理由について「一緒に学校を作りましょうね、作ってきましたねという1つの証拠だから、あれは」と、昭恵夫人が森友学園瑞穂の國記念小學院名誉校長に就任していたことを、改めて示唆した。
さらに前理事長は「あの100万円が、どこから出たのか? 安倍晋三事務所から出たのか、あるいは内閣官房機密費から出たのか? そこらへんが、大きなポイントになると思うんです」と声を大にした。
籠池前理事長は、17年7月1日に安倍首相が東京・秋葉原で行った東京都議選の街頭応援演説に姿を見せた際、100万円を「機会があったら返したい」と語り、1万円札の分厚い札束も持参。安倍首相に「本当のことを言え〜」などと絶叫していた。【村上幸将】


【自治体職員削減】現場の実態を積み上げよ
 霞が関の机上の数字だけで論じていないだろうか。地方行政の現場の実態を踏まえているのかどうかが気にかかる。
 財務省が財政制度等審議会の分科会で、警察官や消防士、教師らを除いた地方自治体の一般職員について2025年には約3万人を削減できるという試算を示した。
 日本の人口は18〜25年に3%前後の縮小が見込まれる。財務省はこれに合わせて人工知能(AI)の活用などを進め、着実に人員を絞るよう求めた。公務員給与の節約を促し、国の歳出抑制につなげる狙いだ。20年度予算編成で折衝の焦点になりそうだという。
 公務員の人件費は税金で賄われる以上、常に無駄を排し、効率化の努力が求められるのは当然だ。ただ、国が主導する自治体職員数の削減が地域の活力や行政ニーズへの対応に影を落とさないかを懸念する。
 総務省がまとめた昨年の定員管理調査によると、1994年に約328万人だった地方公共団体の総職員数は2018年には約274万人に減少。このうち一般職員は117万人余りから約92万人に減った。
 この間は、合併特例債という「アメ」と、三位一体改革に伴う地方交付税の大幅削減という「ムチ」で国が主導した平成の大合併が進行。05〜10年度には、地方が財政難に陥る中で、総務省が「集中改革プラン」の策定を求め、自治体職員数の削減に拍車が掛かった。
 合併や集中改革プランの功罪は検証されてしかるべきだが、自治体の周辺部では「支所の職員が減り、地域に元気がなくなった」という不満が根強い。市町村のマンパワー、企画力の低下も指摘される。新たな国主導のスリム化が、地域の雇用や経済になお打撃を与えることがあってはなるまい。
 自治体の一般職員数は14年を底として増加に転じ、18年までに計約1万人増えている。総務省の調査では防災や地方創生、子育て支援、生活保護関連業務の体制充実などが主な増員理由となった。多様化する行政需要への対応を求められている地方自治体の姿がうかがえる。
 時代に対応するニーズは特に福祉部門で顕著といえる。例えば、全国で頻発する児童虐待問題への対応が挙げられる。
 1999年度に約1万1千件だった児童相談所の虐待相談件数は、2017年度に13万件を超えた。これに対し、全国の児童福祉司は思うように増員できていない。政府は17年度実績の3240人から22年度までに2千人程度増員する計画だ。
 格差が広がる中、生活保護への対応もある。高知市のケースワーカーや支援員は16年度現在で1人当たり約100世帯を担当する。子どもの貧困など、重みを増す課題に対応するには十分な体制ではないだろう。
 地域のニーズと住民サービスの充実という視点を置き去りにしてはならない。政府は現場の実態を積み上げた上で議論すべきである。


皇室と安倍政権との確執
★「『平成の天皇』論」(講談社現代新書)を上梓した毎日新聞編集委員兼論説委員・伊藤智永は同書の冒頭で「平成の天皇は思想家だった。天皇は、ただ『ある』のではない、象徴に『なる』のであるという思想を創造した」と記している。また、皇室と安倍政権の中核との確執にも詳しく触れている。その伊藤が「月刊日本6月号」でインタビューに答えているが、その内容が衝撃的だ。★16年7月13日。自公連立与党が参院選勝利に沸く3日後、NHKが「天皇陛下 生前退位のご意向」をスクープする。「退位の希望は2年前の秋には宮内庁から官邸にはっきり伝えられていたが、官邸は現行法通り摂政でかわすよう言い含めて頬かむりしていた。消費税引き上げ再延期や衆参同日選を狙うといった政局にかまけて『天皇どころじゃなかった』(政府高官)というのだ」(第2章 退位政局は続くより)。★その前後について伊藤はこう話している。「麻生副総理は派閥議員たちを前に『退位なんてワガママだ。今の陛下はあいさつも読み間違えるし、判断力が弱ってるんじゃないか』と放言したともいいます。安倍首相、麻生氏、菅氏らには皇室に対する畏れがない。政権のナンバー1、2、3がそういう人物であれば、皇室に関わる物事が政権の都合で進んでいくのは当然です。皇室とは何か、どうあるべきかなどそもそも考えていないのでしょう。安倍政権の対応について皇室関係者が杉田官房副長官に抗議した際、杉田氏が思わず『いや、退位に反対とかいうことはありません。総理は本質的に天皇や皇室に関心がないんですから』と漏らしたので、あきれて絶句したそうです」。★この衝撃を物言えぬ皇室はどう受け止めているのだろう。上皇が皇室とは、象徴とは何かと問うている間、官邸は譲位を退位と変え、政権の浮揚策に塗り替えたのだろうか。国民には多くの疑問符が浮上したといえる。

安倍首相がトランプ接待で「大相撲の伝統」破壊! 天皇にもしない升席に椅子用意、スリッパで土俵に
 トランプ大統領がきょう25日から来日する。貿易交渉と北朝鮮対応で日米の立場に隔たりがあるため、共同声明は見送る方針だと伝えられているが、だったら、いったいなんのための来日なのか。
 答えは簡単だ。“トランプのポチ”安倍首相がご主人さまを接待するためである。実際、その予定をみると、まさに下僕というにふさわしい媚びっぷりである。26日はわざわざヘリコプターで乗り付けて千葉でゴルフをし、夕方にはお相撲観戦、夕食は六本木の炉端焼きと、接待三昧。27日は“即位後、初めての国賓”として、天皇との会見が予定されている。
 なかでもひどいのは、相撲観戦だろう。通常、VIPは2階の貴賓席に座る。天皇はもちろん、イギリスのダイアナ妃など海外の要人が観戦した際もそうだった。
 ところが、トランプにはわざわざ土俵近くの升席を用意したのだ。警備のために周辺の升席を1000席おさえ、座布団などが当たらないように、大量の警備員を配置。しかも、直に座る升席にわざわざ椅子を用意するのだという。また、トランプは表彰式で土俵に上がることも予定されているが、その際も特注のスリッパを履くことになっているらしい。
 土俵に女性は上げないとかいう時代錯誤の伝統をふりかざしている相撲協会だが、升席で椅子に座るとか、スリッパを履いて土俵に上がるとかいうのは伝統に反しないのか。だったら、いっそのこと、トランプがメラニア夫人か娘のイヴァンカでも土俵に連れて上がって、そのまま女性解禁にすればいいのではないか。
 いずれにしても、天皇にもしたことのない特別扱いでトランプに媚びへつらおうとしているその接待内容は、まさに“属国”“植民地”根性丸出しというしかない。
 しかも、この過剰接待はトランプが要求したわけではない。毎日新聞によれば、日本政府は昨年秋の段階でトランプ招待を決めており、安倍首相が、外務省や国家安全保障局との勉強会で自ら「どうすればトランプ氏の機嫌が良くなるか、さまざまな趣向を凝らしたい」と指示していた。相撲観戦もなんと、首相のアイデアだったという。
 また、安倍首相は「天皇陛下との会見や宮中行事がある国賓ならば、トランプ氏は喜ぶだろう」とも語っていたらしい。天皇即位後、初の国賓にトランプを選んだのはやはり、安倍首相による「トランプ接待」のための天皇政治利用だったのだ。
 ふだん、ことあるごとに「日本の伝統」と喚いている安倍首相が、“トランプのご機嫌取り”のために、その「日本の伝統」を歪めて差し出す。何かのギャグとしか思えないが、実際、この安倍首相の姿勢は世界中から笑いものになっている。たとえば、5月23日付けの米紙「ワシントンポスト」が、「天皇からお相撲まで 安倍がトランプのご機嫌を取るために日本の伝統を総動員」と題して、こう書いていた。
〈安倍首相ほどトランプ大統領に媚びへつらうことに心血を注いできた指導者はおそらく世界中を探してもいないだろう。しかし安倍首相は、今度のトランプ大統領の訪日では、日本の昔ながらの伝統を総動員させようと、これまで以上に躍起になっているようだ。〉
農産物の関税引き下げを参院選後まで待ってもらうために必死の安倍
 アメリカの新聞にまでからかわれるこの過剰な接待、ご機嫌取りはいったいなんなのか。たしかに安倍首相の“トランプのポチ”ぶりは、もはや日本国民の共通認識だ。先日も、サンドウィッチマンの伊達みきおが、何を聞かれても「トランプ大統領と電話で話をしました」「トランプ大統領と完全に一致いたしました」と答える安倍首相のモノマネを『アメトーーク!』(テレビ朝日)で披露し、バカ受けしたばかり。そういう意味では、媚びへつらいは当たり前とも言えるが、しかし、それにしても、今回は異常すぎるだろう。
 実はこの過剰な接待の理由は、トランプの“口封じ”が目的ではないかと言われている。
 鍵を握るのは、4月26日に開かれた日米首脳会談の冒頭、記者団がいる前でトランプ大統領が語った言葉だ。「農産物について強力に交渉していく」「日本は重い関税を課している。我々は撤廃させたいと思っている」と、農産物の関税撤廃を要求。米メディアの記者に日本との貿易交渉の合意時期を尋ねられると、こう答えた。
「かなり早く進められると思う。たぶん(5月末に)訪日するまでか、訪日の際に日本でサインするかもしれない」
 アメリカ抜きの環太平洋経済連携協定(TPP)の発効によって、アメリカの農業界ではいま、日本の農産物関税への不満がこれまで以上に高まっている。来年11月に大統領選を控えるトランプはこの問題で点数を稼ごうと、早急な関税引き下げの圧力をかけてきたのだ。
 実は、トランプ大統領のこうした姿勢は官邸も事前に予測済みだった。しかし、もしトランプの言うとおり、日本政府が5月までに農産物の関税大幅引き下げなどの交渉に応じたら、日本国内の農業関係者から猛反発を受け、7月の参院選で安倍自民党は地方票を大幅に失いかねない。
 そこで、農産物の関税問題についての具体的な交渉を参院選が終わるまで待ってもらおうと、安倍首相はこの間、媚びまくってきたのだ。
 実際、トランプ大統領の「農産物の関税撤廃を5月までにサインする」という発言のあと、記者団が退室すると、安倍首相はトランプ大統領に「7月の参院選があるから、それまでは無理だ。2020年秋の大統領選のことはきちんと考えている」と説明したという。
 これは、安倍首相が参院選が終わるまで待ってくれれば、こっちも大統領選に配慮して関税の大幅引き下げに応じると、トランプに約束したということだ。しかも、安倍首相はこのあと、用意してきた約4兆4600億円の投資や武器の大量購入などの“手土産”まで持ち出した。
日本の伝統をトランプに差し出す安倍首相の接待を批判しないマスコミ
 しかし、相手はディール外交に恫喝外交、約束破りが得意技のトランプ大統領だ。ここまでやっても、今回の来日中にまたぞろ、関税引き下げを口にし、安倍首相に回答を迫ってくる可能性も十分にある。そこで、会談の前に接待漬けにして、なんとかトランプ大統領の口封じをしようと必死になっているのだろう。
 言っておくが、これは関税引き下げを阻止するためではない。たんに参院選前に関税引き下げが公になって、自分たちの選挙に悪影響が出ないよう、“日本の伝統”を差し出す過剰接待をしようというのだ。
 しかし、今日から始まるその醜悪な接待が日本のマスコミで批判されることはほとんどないだろう。4月の日米首脳会談の際も、新聞やテレビはこの関税をめぐる裏取引や武器購入を一切追及することなく、代わりに、安倍首相の「次は私自身が、金正恩朝鮮労働党委員長と向き合い、(拉致問題を)解決する。トランプ大統領からは全面的に協力するという力強い言葉があった」という拉致問題に関する勇ましい発言や、韓国の禁輸措置を容認した世界貿易機関(WTO)への日本の抗議を“アメリカが日本を支持した”などといった話ばかりを強調した。
 おそらく、今回も「安倍首相とトランプ大統領が固い絆を確認」「トランプ大統領が日朝首脳会談のバックアップを約束」などという上っ面だけの報道が垂れ流されるはずだ。まったくこの国の状況は、絶望的というしかない。


天皇の政治利用 憲法を脅かす首相の行動
 日本国憲法上、天皇は国民統合の象徴であり、国政に関する権能を有しない。当然、政府は天皇を政治利用するのは謹むべきだ。
 代替わりに伴う一連の行事などで、安倍晋三首相がその原則を脅かす行動を続けている。代替わりや改元に対する祝賀ムードを、政権浮揚につなげる意図があれば憲法違反の疑いが強い。政府は襟を正すべきである。
 4月の新元号「令和」の発表では、首相が記者会見し、元号に込めた「願い」を述べた。その後はNHKや一部民放の番組をはしごして、同様にアピールした。
 政府は前例踏襲といいながら、「平成」発表時に実施していない首相会見を開いた。元号を政治利用する狙いは明らかだった。
 天皇陛下の即位後も同様だ。
 14日には天皇が首相から国内外の諸情勢について説明を聞く「内奏」が行われ、その際の写真と映像を宮内庁が公開している。
 内奏の内容は第三者に口外しないのが不文律とされ、様子が公開されるのは異例だ。上皇さまの80歳の誕生日に合わせ、2013年12月に公開されたことはあるものの、即日公開は初めてだ。
 宮内庁は公開の経緯を明らかにしていない。野党は「説明責任を果たさなければ、天皇の政治利用との批判は免れない」としている。当然だろう。
 25日には、即位後初の国賓としてトランプ米大統領が来日する。皇居・宮殿では歓迎行事や両陛下との会見が予定されている。日米の関係強化につなげる狙いが透けて見える。参院選を前に、内閣支持率の上昇にも結び付ける思惑があるのではないか。
 天皇が国政に対する権能を持たないのは、先の戦争に対する反省からだ。明治憲法で統治権の総攬(そうらん)者だった天皇の名の下に軍部が独走し、悲惨な戦争に突き進んだ。
 憲法上、規定された天皇の役割は10項目の国事行為だけだ。上皇さまが続けられた被災地や戦地の訪問などは「公的行為」とされ、憲法に規定されていない。
 それでも平和を望み、国民と対話を進めた上皇さまの行動が国民の支持を得て、「平成流」とされた新たな象徴天皇の姿をつくりあげていった。
 一方で公的行為の拡大は、天皇の活動を憲法の枠外に広げ、同時に政府による天皇の政治利用の余地を拡大させた面もある。陛下が今後、どのような公的行為をされるのかは分からない。政権がそれを政治的に利用しないか、国民は目を光らせる必要がある。


「ザ・シェフ」の加藤唯史が2017年に死去
「ザ・シェフ」の加藤唯史が病気のため、2017年10月15日に死去していたことが明らかになった。遺族の意向によりしばらく事実を伏せていたとのことで、日本文芸社の公式サイトに訃報が掲載されている。
1970年代に週刊少年ジャンプ(集英社)で「サテライトの虹」、週刊少年チャンピオン(秋田書店)で「ロン先生の虫眼鏡」などを発表していた加藤は、1980年代より週刊漫画ゴラク(日本文芸社)にて剣名舞とタッグを組み「ザ・シェフ」を連載。同作はTVドラマ化も果たすヒット作となった。近年は週刊漫画ゴラクにて「ザ・シェフ」の新作「ザ・シェフ ALIVE」を発表していた。


70歳雇用 意欲と経験生かすには
 働きたい人は、70歳まで働けるようにする。その「努力義務」を企業に課すと政府が打ち出した。来年の国会に法改正案を提出する。
 高齢になっても仕事をしたいと思う人は多い。国の調査では、3人に2人が65歳を超えて働く希望を持ち、3割は「働けるうちはいつまでも」と考えている。
 仕事の意欲が高いベテラン社員には、培った豊かな経験もある。それを発揮すれば企業と社会にとって有用だ。70歳まで働ける仕組みづくりの意義は大きい。
 課題は、その意欲と経験をどう生かすか。現状を見ると、定年後に再雇用した社員の能力を企業は必ずしも引き出し切れていない。
 今の高年齢者雇用安定法は、65歳までの雇用を段階的に義務付けた。…蠻の延長定年制の廃止7兮蓋柩兩度の導入−から選択する形だが、企業の8割はの定年後再雇用を選んだ。
 その結果、60歳で定年を迎えた人は嘱託などの非正規で働き、賃金も低い例が目立つ。定年前とは違う仕事を与えられる場合が多く、経験や人脈が生かされない。
 安い給料で、畑違いの仕事をする側は意欲が落ちていく。「年金をもらうまでは」と、我慢して会社に残ることになりかねない。
 このため法改正で、政府は働く人の「特性に応じた活躍」を打ち出す。 銑に加えぢ彰覿箸悗虜峠⊃Νゥ侫蝓璽薀鵐昂戚鶚Φ業支援Ъ匆餽弩コ萋阿悗了餠眥鷆 櫃冒択肢を広げた。
 ベテラン社員の活動の幅は広がるが、例えばГ両豺隋⊆匆餽弩コ萋阿亡覿箸どのような資金提供をするのかはっきりしない。実効性のある制度設計が求められる。
 企業内で労使が話し合い、個人の適性を生かす処遇に改めることが第一だ。役職に就けたり、賃金の見直しが必要になる。定年延長や廃止の再検討も求められよう。
 多くの人にとって、仕事は生活の糧を得る手段とともに、生きがいでもある。個人の力をさらに高めてもらうための支援も欠かせない。
 70歳雇用は、若者の職や賃金を奪うとの見方もあるが、人手不足の中では避けられぬ流れだ。20年後、働く人の5人に1人は65歳以上との国推計も出されている。
 本県は、65歳以上まで働ける企業の割合が88%と5年連続で全国トップに立つ。70歳以上でも働ける制度がある企業も30%に達し、高齢者雇用の先進地と言える。
 むろん病気や家族の介護などで働けない人は多い。趣味や家族との時間を大切にする人もいる。個々の人生観が尊重される社会でなければならないのは、言うまでもない。

またパンク修理/住所間違い?/チュウ欠席

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おれんじ鉄道180224

Japon: la peine de mort d'une "veuve noire" confirmée en appel
La justice japonaise a confirmé vendredi en appel la peine capitale prononcée en 2017 à l'encontre d'une septuagénaire pour les meurtres de trois de ses conjoints et une tentative de meurtre sur un quatrième, une affaire qui avait passionné le pays.
Chisako Kakehi, 72 ans, avait été surnommée la "veuve noire", en référence à cette araignée dévorant les mâles après l'accouplement, mais aussi "l'empoisonneuse" car elle avait parfois recours à du cyanure pour arriver à ses fins.
La cour d'appel d'Osaka (ouest) "a rejeté le recours" déposé par ses avocats, a indiqué à l'AFP un porte-parole. La défense a aussitôt contesté la décision auprès de la Cour suprême, selon les médias locaux.
"Les crimes étaient prémédités et elle avait pleinement conscience de la situation", a estimé le juge, d'après des propos cités par l'agence de presse Kyodo.
Il a ainsi écarté l'argument de la défense, qui plaidait que l'accusée souffrait de démence et qu'elle ne pouvait donc être pénalement responsable.
Le procès de première instance, qui s'était déroulé à Kyoto (ouest), avait duré 135 jours, attirant de nombreux curieux: des centaines de personnes s'étaient présentées le jour du verdict pour seulement 51 places dans la salle d'audience.
Selon le parquet, Mme Kakehi supprimait ses amants après avoir veillé à ce qu'ils la désignent comme héritière de leur patrimoine après leur mort. Sur plus de dix ans, elle avait ainsi amassé une fortune d'un milliard de yens (8 millions d'euros au cours actuel) sous la forme d'assurance vie, de biens immobiliers et de dépôts bancaires, selon la presse.
Elle avait par la suite perdu une bonne partie de sa fortune dans des placements financiers hasardeux, et avait été arrêtée en novembre 2014.
Au cours des débats, l'accusée a d'abord refusé de parler mais elle a ensuite créé la surprise en confessant un des meurtres. "Je l'ai tué (...) parce qu'il donnait à d'autres femmes des dizaines de millions de yens, mais qu'à moi il ne donnait rien", avait-elle avoué devant le tribunal.
Elle avait déclaré plus tard aux juges qu'elle était prête à affronter la peine capitale: "Même si j'étais exécutée demain, je mourrais avec le sourire".
"Par ma mort je demande pardon. Pendez-moi", a-t-elle aussi lancé lors d'une récente interview à l'agence Jiji, dans le centre de détention d'Osaka où elle est emprisonnée.
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🏕インドア派キャンパー📣ⒻⒸⓀⓁⒹⓅ🔥 @I_hate_camp
#丸山ほだか
これには呆れたなぁ。前夜に騒動起こした #丸山議員 は、全員から現地住民との交流会への出席をボイコットされた、と。そこへ「おまえら太鼓がうるせぇんだよ!」と #丸山穂高 が怒鳴り込んできた、と。
朝、事務局から前夜の非常識な行動を糾弾されてみんなに謝罪した夜にだよ?
「#丸山議員 はあれだけ言論の自由を叫んだわけですから、言論の府として議運理事会は弁明の機会を与えたわけです。最後のチャンスです。政治家ならそこへは命を賭けてでも出て来るべきだった。議員というのは普通の仕事じゃないですから。普段の主義主張は何のためにやってるのか、という話です」
「外務省筋からの話では"この件でアタマ抱えている"と。これからの対露外交交渉でこの件を持ち出されたら日本は黙り込むしかなくなってしまったわけですから。だから早期決着を図りたかったのにこのままでは何も出来ない。今、ロシアは日本での雲行きを観察している状態」

なかのとおる @handainakano
いくら厳しくしても、出席の「代返」があとをたたない。代返で留年させたこともあったけけど、アホらしいから出席をつけるのをやめた。システムをきちんと作ればいいのだろうけれど、やる気のない学生がたくさんいると、講義の雰囲気が悪くなる。

自転車の後輪でタイヤの空気が抜けているような感じがします.来週忙しくなるので念のためと思って自転車屋に.小さな穴があいていたようで要するにまたパンク修理です.パンク多いなぁ.
ハガキ届いたけど,住所間違いっているからケツバットする!ってメール.今まで何もなかったのに.
チュウ欠席という連絡がありました.今日はきっとヒマだと思うのですが,実際いつものKaさんだけで忙しくはありませんでした.

気仙沼大島にクマ 目撃相次ぎ島民ら学習会 観光客への周知課題に
 昨年、生息しないとされたクマが相次ぎ目撃された気仙沼市の大島で今年もクマが出没している。気仙沼大島大橋の開通で本土とつながった安心感もあり、昨年に比べて島民の受け止めは冷静だ。一方、橋の開通で激増した観光客への注意喚起が課題となりそうだ。
 「島にクマがいるのは間違いないが、対応を間違わなければ襲われない。慌てないでほしい」。23日に大島中で開かれた生徒がクマの習性などを学ぶ勉強会で、県の担当者が強調した。
 島で今年初めて足跡が見つかったのは7日。民家の敷地内に子グマのものとみられる足跡があった。8日には2件、11日には1件、それぞれクマの目撃情報があった。勉強会は相次ぐクマの出没を受け、急きょ学校が開いた。
 昨年、島はクマの出没に揺れた。5月下旬に初めて目撃されると、島民から年間25件の情報(ふんなどの痕跡も含む)が市などに寄せられた。市全体(49件)の半分に当たり、市は島内3カ所にわなも仕掛けた。
 「明らかに別の動物のふんで、目撃情報には数えなかったものも多かった」(県気仙沼振興事務所林業振興部)。クマへの免疫がなく離島で逃げ場がない恐怖心から、島民が多くの情報を寄せたとみられる。
 今年は別の動物と思われる間違った情報は県、市に寄せられていない。市農林課は「勉強会などでクマの習性を知ってもらった。橋が架かり、本土から警察や市の職員が駆け付けられるのも大きい」と分析する。
 一方で増加する観光客への注意喚起の方法は定まらない。海水浴場がオープンする夏場は人出のピークとなる可能性も高い。星を見るために島内を散策した観光客が夜間に行動するクマと遭遇する危険性もある。
 市産業部の鈴木哲則部長は「県とわなの設置について協議している。観光客に対して最小限の注意喚起は必要だ。クマの目撃情報を注視しながら対応を検討したい」と話している。


寺山修司 未発表の短歌 青森の中学同級生宅で発見
 弘前市出身で演劇や文学など多彩な分野で活躍した寺山修司が中学卒業時、同級生の女性に宛てて書いた短歌が見つかった。青森市内の女性宅で眠っていた貴重な資料で、研究者らから「寺山の創作の原点」と驚きと喜びの声が上がった。
 未発表の短歌は∧毬(まり)のごと打てば跳ねくる心もて幸を求めん山のかなた江∨という句。旧青森市野脇中で寺山のクラスメートだった大柳マルさん(83)=青森市奥野=の自宅で見つかった。
 昨年秋、青森高時代の同級生から「中学の文集を持っていたら貸してほしい」と頼まれ、家じゅうを探したのがきっかけ。短歌は、今年2月に押し入れのトランクケースから見つけた、はがき大のサイン帳に書かれていた。寺山の中学時代の作品が載る学級文集2冊もあった。
 冒頭の「毬」は大柳さんの名前の「マル」にかけてあり、友人への親しみの情がにじむ。大柳さんは「クラスの自治会で寺山君と議論したのを覚えている。『打てば跳ねくる』は気が強くて活発な私の性格を詠んだのかも」とほほ笑む。
 「編集少年 寺山修司」の著者で元大学教授(国文学)の久慈きみ代さん(71)=青森市茶屋町=は「言葉を転がしながら作品を作る寺山の創作の原理がよく分かる」と評価。前半は「♪てんてんてんまり」の歌詞で知られる童謡「鞠(まり)と殿様」を連想させ、後半はドイツの作家カール・ブッセの詩「山のあなた」を引用しているという。
 「まりのように打てば飛び跳ねる、躍動感のある心を持って幸を求めて山のかなたへ飛んでいこう」という意の歌に、久慈さんは「希望を共有し合う喜びにあふれた歌だ」と語った。


寺山修司の置き土産 35年ぶり再会 かたくらな男 短歌ににじむ思いやり
 大柳さんは、中学時代の寺山の印象を「背が大きくてかたくら(意思が強そう)な男」と語る。寺山と同じ青森高に進んだがクラスが離れ、交流する機会は減ったという。「寺山君は友人と切磋琢磨(せっさたくま)しながら創作活動にいそしんでいた。(寺山が)亡くなってから同級生で記念館を造ろうとしていた」と振り返った。
 共に創作活動をした一人が仙台市の京武久美(きょうぶひさよし)さん(83)。寺山と中学、高校が一緒だった。
 京武さんは「中学時代の作品の出来は良くなかった」と指摘しつつ、「高校入学後に俳句にのめり込んでからは『俳句のライバル』だと思ってきた。中学時代は同じ文芸部に所属し、今も無二の親友だと思っている」と話した。
 短歌と一緒に見つかった中学時の学級文集「黎明(れいめい)」「はまべ」も存在は確認されているが、青森県近代文学館や三沢市寺山修司記念館には所蔵されていない。記念館の佐々木英明館長(70)は「前衛的でエキセントリックな印象が強い寺山だが、短歌には同級生に対する思いやりを感じる。こうした作品で素朴な文学少年だった寺山の一面を理解できる」と話す。i>

伊達政宗命日 瑞鳳殿で法要
仙台藩の初代藩主、伊達政宗の命日の24日、仙台市の瑞鳳殿で法要が行われ、伊達家や旧藩士の子孫など多くの関係者が参列しました。
伊達政宗は、仙台藩の初代藩主で、383年前のきょう、1636年5月24日に亡くなりました。
24日は、伊達家の18代目当主、伊達泰宗さんをはじめ、およそ40人の関係者が参列し瑞鳳殿の本殿に向かいました。
そして関係者から花が供えられ、参列した人たちが焼香をして、政宗を悼みました。
式典で挨拶した伊達泰宗さんは、「先祖が築いたこの郷土の繁栄を願い、今後も世のため、人のために尽くしていきたい」と話していました。
きょうは本堂が開かれ普段は見ることができない政宗の木像が一般公開されていて訪れた人たちが興味深そうに見入っていました。
群馬県から来た男性は、「このような日にたまたま訪れることができたのははうれしい。伊達政宗は今も仙台市民にとってヒーローだと思った」と話していました。


参院歳費の自主返納法案 選挙にらみのごまかしだ
 与党が参院議員歳費の自主返納を可能にする法案を今国会に駆け込みで提出しようとしている。今夏の参院選から定数が3増となる分の経費増を抑えるという触れ込みだ。
 与党は議員歳費、公設秘書給与、交通費などを合わせ3年間で6億7700万円ほど増えると見積もり、全議員の歳費を1人月額7万7000円削減する法案を提出済みだ。
 しかし、野党の理解が得られず、各議員が自主的に返納する方式に切り替えることにした。公職選挙法の禁じる寄付行為とみなされる恐れがあるため、新たな法案では自主返納が違法とならないようにする。
 そこまで与党が歳費の返納にこだわるのは、今回の定数増に対する批判が気になるからだろう。
 昨年の公選法改正により参院定数は比例代表で4増、埼玉選挙区で2増の計6増となった。参院議員は3年ごとに半数が改選されるため、今回の参院選でまず3議席増える。
 議論の発端は都道府県単位で区画されてきた選挙区の「1票の格差」問題だった。議員1人当たりの人口が少ない「鳥取・島根」「徳島・高知」を合区しただけでは是正が追いつかず、さらに合区を増やすかどうかの判断を参院は迫られた。
 人口の多い埼玉の定数増については合区を増やさないためとの理屈が立つ。だが、全国単位の比例代表は1票の格差問題とは関係ない。にもかかわらず比例の定数を増やしたのは、二つの合区であぶれる候補を比例で救済するためだ。
 自民党は今回、鳥取と高知の現職を合区で擁立し、島根と徳島からは比例に候補を立てる。比例で確実に当選できるよう公選法に「特定枠」制度を創設する一方、ほかの比例候補から不満が出ないよう定数を増やした。自己都合というほかない。
 合区をなくしたいのなら、参院選挙区の選出議員を都道府県代表と位置づける憲法改正によるしかない。参院が「投票価値の平等」という憲法の要求を満たさなくてよいとするなら、衆院と異なる参院のあり方を抜本的に論じるべきだ。
 そうした努力をせず、党利党略で選挙制度を変えた後ろめたさがあるのだろう。いざ選挙が近づくと批判が怖くなり、歳費返納で何とかごまかそうとしているわけだ。


「顔認証」捜査 AIも失敗するんです
 防犯カメラの映像を基に犯人が逮捕されることが多くなってきた。人工知能(AI)を使った顔認証技術のおかげだが、無条件で利用してもよいのだろうか。米国では疑問の声が上がっている。
 サンフランシスコ市議会は先週、警察や公共機関による顔認証技術の利用を禁じる条例案を可決した。市民の権利や自由を守るのが狙いだという。同じカリフォルニア州のオークランド市などでも同様の条例案が提出されている。
 ハイテク都市でなぜ、禁止されたのか。
 理由は二つ。一つはAIも間違う。その結果、誤認逮捕や冤罪(えんざい)を生む恐れがある。もう一つはプライバシーの保護である。
 昨年、米自由人権協会が警察も利用するアマゾンの顔認証ソフトを使い、犯罪容疑者二万五千人の手配写真と連邦議員の顔写真を比較する実験を行った。結果は、二十八人の議員が容疑者と誤認識された。アフリカ系とラテン系の議員が犯罪者と認識されやすいという偏りも見つかった。
 AIは大量のデータを学習することで精度を上げる。そのデータに偏りがあると、人種や性別などの偏見を持つと考えられる。
 多数のカメラをリレー式に使えば、個々人の行動をリアルタイムで監視することも可能だ。中国では治安維持にも使われている。
 国内では犯罪捜査で活躍している。昨年秋のハロウィーン直前、東京・渋谷で軽トラックが横転させられるといった騒ぎがあった。警視庁は街頭カメラなど二百五十台の映像を解析して、居住地域もバラバラの容疑者十人以上を特定した。関係者の聞き込みなど、地道な捜査もあって摘発された。
 天皇陛下在位三十年記念式典では参列者の本人確認に使われた。政府は事前登録された顔写真などのデータは式典終了後、削除すると説明した。
 商業施設やコンサート会場などでも利用が進んでいる。便利ではあるが、息苦しい監視社会になる危険性を常にはらむ。
 先端を走るサンフランシスコは足を止めた。私たちも、利便性と危険性を考えるときだろう。
 顔認証の精度はAIが人間よりも上だが、100%ではない。AIも間違うことはあることを前提に、データの収集方法や利用方法などのルールを作るべきである。利用実態を含む情報を公開し、技術の進歩に合わせてルールを修正していくことが望ましい。


基地外で銃携行 米軍の順法意識を疑う
 長崎県の在日米軍佐世保基地に勤務する複数の日本人警備員が米軍の指示を受け、実弾入りの銃を持ち、基地外の公道を歩いて移動していたことが明らかになった。
 警備上必要な場合、基地内で銃を所持することは日米地位協定で認められているが、基地外での所持は銃刀法違反の疑いがある。
 さらに問題なのは、基地の労働組合を通じ事前に情報を得た防衛省が在日米軍司令部に中止を再三要請したのに聞き入れられず、1週間ほど携行が続いたことだ。
 協定は在日米軍施設の存在に伴って生じる国民への影響を最小限にとどめることを目指している。
 その趣旨をないがしろにするかのような米側のふるまいは看過できない。
 同様の事例は初めてではなく、2008年に在沖縄米海兵隊基地でも起きている。
 なぜこうした問題が繰り返されたのか、米側は事実関係の詳細を明らかにすべきだ。再発防止の徹底を強く求めたい。
 米軍は銃携行に関する見解で、警備員の移動に関する日米合意について「誤解があった」と釈明し、運用を改善したと発表した。
 08年の沖縄の事案の際、政府は抗議し、基地外での銃携行について「地位協定の下で当然のこととして認められることではない」との答弁書を閣議決定している。
 この時、米側も「誤った指示」と認めていた。「誤解」という説明は納得できない。指示伝達に組織上の問題があるのではないか。
 米軍の見解には明確な謝罪の文言はなかった。日本政府の要請や日本の法令を軽んじる意識があると思わざるを得ない。
 そもそも片務的な地位協定が1960年の締結後、一度も改定されていないのは問題だろう。
 米軍人・軍属の公務中の事故や事件は日本側に第1次裁判権はない。銃の携行も今回のように日本人ではなく、米軍人なら公務中は基地外でも認められている。
 あまりに不平等ではないか。
 国内の米軍専用施設の7割が集中する沖縄では、米軍人・軍属による凶悪事件が後を絶たない。
 地位協定上、米軍が利用できる施設は北海道にも多数ある。
 日本と同じ敗戦国のドイツやイタリアは駐留米軍の活動に原則、国内法を適用しており、日本でも地位協定の改定は急務だろう。
 あすトランプ米大統領が来日する。安倍晋三首相は協定改定も含め、在日米軍を巡る問題をしっかり問いただしてもらいたい。


国民投票法/足りないCM規制の議論
 衆院憲法審査会で先日、今国会初の実質審議が行われた。与党側の失言問題などで空転が長く続き、衆院審査会での実質審議は約1年半ぶりである。
 与党が提案している国民投票法改正案は、駅や商業施設などへの「共通投票所」設置を可能にするなど、公選法の規定に合わせた見直しだ。
 ただ安倍政権には改憲の動きにつなげたい思惑がある。今回は投票運動のテレビCM規制をテーマとすることで野党側に譲歩し、民放連の幹部を参考人に招いて意見を聴いた。
 民放連は「表現の自由」を侵害する懸念があるとして規制に反対する立場を表明した。法規制に否定的な自民、公明両党に近い考え方といえる。
 しかしそれでは資金量の差が投票行動に影響を及ぼす事態が予想される。「規制の在り方を考えるべき」とする立憲民主党など野党側の主張も当然だ。
 フランスや英国の国民投票では、公的なCM枠が均等に配分される。一方、それ以外のCMは全面的に禁止される。海外の例も参考に、時間をかけて議論を尽くすべきである。
 現行の国民投票法には、賛否を訴える広告の規制も運動費用の上限もない。テレビCMは投票14日前から禁止されるが、それまでは自由に放送できる。
 規制を最小限度にとどめたのは、国民の活発な議論を促すためだ。民放連の永原伸専務理事は、CM量の不均衡を抑制する放送業界の自主規制についても「国民の表現の自由を制約すべきではない」として、「行わない」と明言した。
 ただ、法の不備を指摘する声は少なくない。永原氏は「フェイク(虚偽)があってはならない」とも述べ、内容を精査する考えも示した。さらにインターネットの広告費がテレビCMに迫る状況を踏まえ、「広告全般の議論でなければおかしい」と訴えた。
 ネット広告のルールづくりは避けて通れない論点である。対象を広げて検討する必要があるだろう。国民民主党は、政党によるCM禁止を柱とする独自の改正案を衆院に提出した。
 与野党は、幅広い観点で一致点を見いだす努力を重ねてもらいたい。


上西小百合、長谷川豊氏の「公認保留」で維新を批判「どこまで有権者を馬鹿に…」
 元衆議院議員でタレントの上西小百合(36)が24日、ツイッターを更新。夏の参院選(比例区)で日本維新の会から立候補予定だった元フジテレビアナウンサーの長谷川豊氏(43)が部落差別発言をしたことを受け、維新側の処分が「公認保留」だったことに対して痛烈に批判した。
 上西は「長谷川豊氏の処分は『公認をちょっと保留』それって処分なのか」と怒りのツイート。「国民が忘れるのを待って公認かよ。どこまで有権者を馬鹿にしてんだか」と維新の姿勢をこき下ろした。
 長谷川氏は今年2月に都内で講演した際、江戸時代の被差別民について「人間以下と設定された人たちも性欲などがあり、乱暴なども働く」などと発言。その動画が今月15日にSNSに投稿され、ネットの世界で批判が起きていた。部落解放同盟が22日に「偏見に基づき、差別意識を助長する行為」として日本維新の会に抗議文を出したことから、大手メディアでも報じられ、長谷川氏は同日、公式ホームページで謝罪し、発言を撤回した。
 上西はその日夜のツイートで「また平然と差別発言をした長谷川豊氏。これだけ繰り返すってことは『失言』でも『誤解』でもなく『本心』だ。そんな人を何度も公認する維新。自民党の失言防止マニュアルを見て“こんな当たり前のこと書くか?”と思ったけど、維新には間違いなく必要。所属議員と候補者、そして松井代表にも」と糾弾していた。
 「長谷川豊氏は以前女性を馬鹿にする発言もしていた。現維新市議には女性を馬鹿にするツイートをする人もいる。なんなの、あの女性を見下す感。女性の私からすると本当に不愉快」と、長谷川氏による「8割がたの女ってのは、私はほとんど『ハエ』と変わらんと思っています」といった過去の発言を示唆しながら、怒り心頭の上西。「橋下さんも、松井さんも、(ついでに東さんも)何故長谷川豊氏にははっきり言及しないのか。考え方が似てるからなのか。だとしたら最低最悪」と断罪。いまだに、長谷川氏の公認を取り消さないトップの姿勢を批判している。


長谷川豊がまたもや差別発言、部落差別と女性差別の複合差別
元フジテレビアナウンサーで日本維新の会公認、今夏の参院選比例代表候補の長谷川豊が、またもや差別発言を行なっていたことがわかった。また、じゃなくこれで何度目だ。問題となったのは、今年2月に東京都内で行われた講演。その際に、被差別部落に対して差別発言をした。その内容が2019年5月15日にYouTubeにアップされ、その後Twitter上でも取り上げられ、大問題となった。
内容については、差別用語とデマだらけなので取り上げるのも心が苦しい。簡単に説明すると、江戸時代に「えた・ひにん」と呼ばれた被差別部落民がいた。その人たちにも性欲があり、大勢で暴行しようとすることもあった。そして、彼らは「犯罪のプロ」だとも。その際、武士は妻子を守るために刀を抜いた。誤って刀で妻子に傷がつかないように、離れろとする距離が三尺だそうだ。で、「女は三尺下がって歩け」と云うのが「愛の言葉」だというのだ。
長谷川は馬鹿か。馬鹿だけど。江戸しぐさも真っ青の解釈で、話にならない。男尊女卑、女性差別をここまで都合よく解釈することにも驚くし不愉快だけれども、そのためにさらに部落差別を持ち出すことの愚かしさにも吐き気がする。
そしてこの長谷川の発言は、部落差別と女性差別の複合差別でもあると私は思う。
この差別発言が明らかになったとき、思い出したのが2013年に東京・新大久保や大阪・鶴橋で行われたヘイトデモだ。この二つの場所は、在日朝鮮人の集住地域でもある。同年の2月9日に行われた新大久保でのデモの際、コールしていた参加者の男性が「自分は大阪から来たが、大阪の鶴橋にもコリアタウンがある。夜になったらレイプが多発する」と叫んでいた。もちろんこれも完全なデマだが、今回の問題がこのひどい発言と重なった。レイシズムとセクシズムは親和性が高いと聞いたことがあるが、まさにその通りだと思う。彼らが求めているのは、性暴力の被害者である女性の救済ではない。差別を正当化するために、女性を、性暴力を利用しているだけだ。もしくはその逆、両方あるだろう。女性は男性の所有物でもないし、差別者の自尊心を満たす道具でもない。
その他にも長谷川豊には「人工透析患者」についての暴言がある。女性に関しては「女が完全にとち狂って本能に支配され切って完全にクルクルパーにならないと子供産もうなんて思わない」「8割がた女ってのは、私はほとんど『ハエ』と変わらんと思っています」などといった発言がある。
これまでの発言も問題にはなってきたが、いつでもその発言がいつの間にかうやむやになって、さらに過激な発言が繰り返されてきた。その結果がこれだ。麻生太郎副総理兼財務相の数多くの失言さえもが許されてきた土台があるからだろうか。さらに、これらの発言を支持する層が少なくないということも問題だ。
2016年に「障害者差別解消法」「ヘイトスピーチ解消法」「部落差別解消進法」という、いわゆる差別を解消するための3つの法律ができた。法律ができたときはとてもうれしかったが、これらの法はきちんと機能しているのだろうか。こんな差別発言が国民の代表であるはずの国会議員(候補者)からも発せられると、どないなってるんやとうんざりもする。
私は関西で生まれ育ち、世代的にも学校で教育を受けてきたが、それ以外の地域や若い世代では部落問題を知らない人も多い。長谷川豊は奈良出身で、私より少し年下だ。そういった人権教育を受ける機会がなかったのだろうか。あったとしても、きちんと身についていなかったのかもしれない。社会的な構造もあるが、無知は偏見や差別を産む。人権教育をきちんと受けること、部落をはじめあらゆるマイノリティについて出会い、知ることが何より必要だと思う。
また、日本維新の会は公認候補や党員に対して、きちんと人権教育を受けさせてほしい。また、長谷川豊は公認取り消しで、政治の世界には足を踏み入れないように。こんな人権意識のかけらもない人が、議員(候補でも)になるってマイノリティに取っては恐怖でしかない。まあ、日本維新の会に限らず、自民党にも前述の麻生太郎や杉田水脈などおかしな議員はたくさんいるけれど。ちゃんとした人を、政治の場に送ろう。
ちなみに、長谷川豊は5月22日付の自身のブログで謝罪し、発言を撤回した。「これから、『人権』について全力で真剣に学んでいくことをお誓いいたします」とあった。ぜひ、全力で真剣に人権を学んでほしい。謝罪とは、過ちや差別を繰り返さないこと。もちろん私も、しっかり学びたい。
李信恵(り・しね) 1971年生まれ。大阪府東大阪市出身の在日2.5世。フリーライター。
「2014年やよりジャーナリスト賞」受賞。
2015年1月、影書房から初の著作「#鶴橋安寧 アンチ・ヘイト・クロニクル」発刊。


部落差別発言 「人権」の原点に立ち返れ
 無知と偏見に基づく看過できない差別発言である。
 全国的に顔が知られているフリーアナウンサー長谷川豊氏(43)が講演で、江戸時代の身分制度に言及した。部落解放同盟が出した抗議文によると、「士農工商の下に、穢多(えた)・非人(ひにん)、人間以下の存在がいる」と発言した。
 さらに「人間以下と設定された人たちも性欲などがあります。当然、乱暴なども働きます」と述べた。一般的な暴漢からの身の守り方に話をつなげたかったようだ。
問題点どこにある
 どこが差別に当たるのか−。
 第一に「穢多・非人」のくだりである。実際に存在した身分だ。劣悪な住環境に置かれ、まさに「人間以下」の扱いを受けていたとされる。為政者による民衆の分断支配に利用されたのだ。
 その呼称は今、差別をなくす研究や運動の中では歴史的な用語として、むしろ積極的に登場する。
 ただ、一般的には被差別部落へのさげすみの言葉としてしばしば用いられる。長谷川氏のように、何の注釈もなく世にさらせば「差別語のばらまき」にすぎない。
 第二は、そうした被差別者を「プロなんだから、犯罪の」と決めつけ、集団暴行を働くかのように発言している点だ。解放同盟の抗議文は21日付で出され、当該部分について根拠をただしている。
 長谷川氏は翌日、自身の公式ホームページで、こう釈明した。
 〈今、自分で(講演録を)読んでも訳が分かりません。まず身分制度の話と暴漢に襲われる話が全くリンクしていません〉
 その上で〈弁解の余地のない差別発言〉と認め、〈これから「人権」について全力で真剣に学んでいく〉と記した。講演全体の趣旨がどうあれ、当然の対応である。
 長谷川氏については、日本維新の会が、今夏参院選の比例代表公認候補に決定していた。
 超党派による議員立法で2016年に部落差別解消推進法が成立している。長谷川氏が、そうした法律にものっとって人権を擁護すべき国会議員の候補として、適格性に欠けるのは明らかではないか。以前、人工透析患者の尊厳を踏みにじる暴言もあった。
 同氏が元はフジテレビアナウンサーだったことも、報道メディアの一員として私たちは問題提起し、自省もしなければならない。
 言葉は人の命さえ奪う「凶器」になる−。言論人として最も肝に銘じなければならないことだ。
 12年には、週刊朝日(朝日新聞出版)が橋下徹大阪市長(当時)の出自と被差別部落の地名を一方的に暴く形で、橋下氏に関する連載を始めた。同氏の名を差別的、侮辱的な呼び方で記すなどして社会的批判を浴びた。連載は1回で打ち切られた。1970年代に社会問題化した部落地名総鑑事件に匹敵する確信犯的な差別事件だ。
 私たちがショックを受けるのは、運動団体を中心に長年にわたって行政、教育機関、メディアなどが、時には激しくぶつかり合いながら築いてきた「反差別」の取り組みが、こんなに簡単に足元から崩れ去るのかという現実だ。
 日本の反差別運動の原点は、被差別部落の人々が22年に結成した全国水平社にある。解放同盟の前身だ。有名な宣言文で「人の世に熱あれ、人間に光あれ」と高らかにうたった。
同和は終わったか
 「穢多・非人」という身分は1871年、明治政府による解放令で廃止された。だが、実態は何ら変わらなかった。水平社誕生の歴史的背景だ。水平社の運動は当初、差別言動を行った個人に対する糾弾闘争が主だった。それでも差別はなくならない。
 偏見を生む劣悪な住環境などを改善しない限り、差別は続くのではないか。そうした問題意識から「同和問題の解決は国の責務であり国民的課題」として1969年に初の事業法が制定された。学校や職場で教育や啓発が進んだ。
 その後、反差別のテーマは在日コリアン、女性、障害者、性的少数者(LGBT)などへと大きく裾野を広げていった。
 人権運動の歴史的な前進である。一方で、懸念された問題が今、現実化しているように思えてならない。「同和問題は終わった」とする風潮である。
 近年、大きな問題となっているのは差別を助長するようなインターネット上の書き込みだ。「部落差別」を初めて法律名に入れた差別解消推進法は、そうした新しい事態への対応策として生まれた。
 反差別運動は今、原点に立ち返る時期を迎えているのではないか。私たちはそう考える。


部落差別問題で長谷川豊が見せた嘘八百の悪あがきと、それでも公認を完全に取り消さない「維新」の差別容認体質
 本サイトでは20日にいち早くお伝えした今夏の参院選で日本維新の会から候補者として公認を受けていた元フジテレビアナウンサー・長谷川豊氏の部落差別発言。長谷川氏は22日になってようやく謝罪をし、これを受けて維新が「当面の公認停止」を発表した。
 この期に及んでも「取り消し」ではなく「停止」で、しかも「当面」しか公認停止をしないという維新の人権感覚の低さには呆れるが、そのことを批判する前に、まず、問題をおさらいしておこう。
 今年2月に東京・下北沢でおこなわれた講演会の様子が5月15日にYouTubeに投稿されたのだが、そこで長谷川氏はこんな発言をしていた。
「日本には江戸時代にあまりよくない歴史がありました。士農工商の下に、穢多・非人、人間以下の存在がいると。でも、人間以下と設定された人たちも、性欲などがあります。当然、乱暴なども働きます」
「プロなんだから、犯罪の」
 絶句するほかない部落差別発言だが、これに対して部落解放同盟中央本部は21日に日本維新の会に抗議文を提出。さらに中央本部の組坂繁之・中央執行委員長は維新の馬場伸幸幹事長と面会し、「思い込みや偏見にもとづいて誤った部落差別意識を拡散したのであればその責任は重大」「発言は『部落は怖い』『犯罪集団』などの差別意識を助長する行為」と直接抗議した。
 すると、22日に長谷川氏はブログで謝罪。〈講演会でお話をした中身を改めて読みました。今、自分で読んでも訳が分かりません〉などと釈明、〈とんでもない差別発言であることは、まぎれもない事実〉〈人間としてあってはならないことを犯してしまい、慙愧の念に堪えません〉として〈発言を全面的に謝罪するとともに、完全撤回〉したのである。
「自分で読んでも訳が分かりません」って、まったく何を言っているのだろう。しかも、長谷川氏はすんなり非を認めたわけではなかった。差別発言がSNS上で問題視された当初、発言の事実をごまかし、逆に批判のツイートに対して「切り取り」「捏造」「著作権侵害」などと攻撃していたのだ。
〈かつてこのような暗い歴史があったという史実を述べる事が貴殿には差別発言ですか〉
〈これが反維新のいつものやり方です。
こうやって切り取り、悪意を持ってレッテル貼り。
江戸時代の時代に暗い歴史があったと述べる部分を切り取り著作者の許諾を取りもせず拡散。
犯罪を平気で行うのがこの連中のやり口です。
情報ありがとうございます。毅然と対処いたします〉
〈切り取りならまだ(ダメですが)対応出来ますが、ここまで来ればただの「ねつ造」ですから厳正に対処します〉
〈屁理屈つけてこうして犯罪をする人間はネット上には大勢いる。そしてウソを1万回言ってまるで真実のようにする。
本当にかわいそうな集団だ。皆さん、無視で!〉 ようするに、当初は差別発言の上にさらに差別を上塗りしていたのに、維新が部落解放同盟から抗議を受け処分を検討するとした途端、一転して謝罪したにすぎないのだ。
 しかも、SNS上で批判を受けていた20日に長谷川氏は、〈注意〉と前置きして、こんな投稿までおこなっていた。
〈自由同和会の方からご連絡を頂戴しました。
「選挙前のせいか悪意ある編集が出回っているようです。どうかご注意を」とのこと。本当にお気遣いに感謝。〉
 自由同和会は自民党系の保守同和団体だが、それだとしても明確な部落差別発言に対して“悪意ある編集に注意”などするものなのかと疑問を持たざるを得ない。
部落差別が明らかでも、維新は長谷川の公認を「当面」しか停止せず
 実際、自由同和会に問い合わせをおこなった人たちは、〈ことの成り行きをお話ししたら、呆れ絶句されてた〉〈対応してくださった方は“今回の発言は問題があることを前提にして長谷川氏と話した”ということと“エタ・ヒニン発言の事実誤認を指摘し部落の歴史を学習するよう要請した”と仰ってました〉と投稿している。
 本サイトが自由同和会中央本部に取材をおこなったところ、事務総長の平河秀樹氏は「長谷川氏が発言を取り消して謝罪してこれから同和問題について勉強しますという誠意を見せたので、うちはそれで結構です」「ノーコメントでお願いします」とのことだったが、別の関係者からは、自由同和会は解放同盟が動く前から長谷川氏と接触し、謝罪するようアドバイスしていたとの情報が得られた。党からコメントを出すという長谷川氏に対して、本人が謝罪コメントを出すべきだ、とも説得していたという。
 いずれにしても、長谷川氏が差別発言ののち、開き直った上に、事実のねじ曲げまでおこなって自己正当化をはかっていたのはあきらかで、その往生際の悪さ、無責任ぶりにはほとほと呆れるしかない。
 だが、もっと驚いたのは、前述したように、維新も対応だ。維新は本日、常任役員会でこの部落差別発言を受けて長谷川氏の処分を検討。そこで出た結論は、なんと「当面の公認停止」。産経新聞ニュースによると〈党内で発言を検証し、参院選の公示までに立候補させるかどうかを判断する〉という。そう、即刻、公認を取り消すのでなく、とりあえず、一旦、保留するというだけなのである。
 言っておくが、長谷川氏の差別発言・暴言騒動はこれだけではない。「自業自得の人工透析患者なんて、全員実費負担にさせよ!無理だと泣くならそのまま殺せ!」という暴論をはじめ、待機児童問題では“子どもを預けて働きたい母親のワガママが原因”と決め付け、〈お前ら、子供を産んだんだろうが!〉〈一生言ってろ!バカ女!!! 悪いのはお前らの頭の中と仕事の能力だ!!!!〉などとブログに投稿してきた。
 だというのに、維新はこうした暴言・差別発言を問題視することなく、2017年の衆院選で長谷川氏を擁立。そして、この期に及んで、今年の参院選での公認をいますぐ取り消すのではなく、「公示までに判断する」などと言っているのだ。これは安倍政権とまったく同じ「ほとぼりが冷めるのを待つ」「いずれ国民は忘れる」という、無反省・無責任な姑息な手段ではないか。
「俺は女を買いたいんだ!」と喚いた丸山穂高と長谷川豊こそ「維新的」
 だが、これこそが維新の正体なのだ。事実、維新の生みの親でいまなお影響力を誇る橋下徹氏は「慰安婦制度は必要なのは誰だってわかる」と言ったり、沖縄県うるま市で女性強姦殺人事件が起こった際も、過去の“風俗の活用”発言を「撤回しない方がよかったかも」などとツイッターに投稿したりと、暴言を連発しながら反省の色を微塵も見せない。維新代表の松井一郎・大阪市長も、沖縄・高江で「土人」発言をおこなった大阪府警の機動隊員に批判が集まるなか、「出張ご苦労様」と差別を肯定するかのように労ってみせたほどだ。
 それだけではない。維新をめぐっては、除名した丸山穂高議員の「戦争しないとどうしようもなくないですか」発言の続報を、本日発売の「週刊文春」(文藝春秋)と「週刊新潮」(新潮社)が報じ、大きな問題となっている。丸山議員は、「戦争」発言が飛び出した同日夜、無用な外出が制限されているにもかかわらず「外に出たい」「近くの店に行かせろ! そこに女がいるだろう」「行かせろよ、俺は女を買いたいんだ!」「オレは女の胸を揉みたいんだ!」とわめき立てた上、「オレは国会議員だ! ここが日本の領土だろ! 議員だから不逮捕特権があるんだ!」などと言い放ったという。訪問団団員には島民3世の女子中高生も含まれていたというのに、である。
 党のトップらは暴言を吐いても反省するどころか逆ギレし、たとえ発言を撤回しても後になって自ら蒸し返して暴言を繰り返す。だからこそ、丸山議員の今回の問題をはじめ、維新所属の議員たちも伸び伸びと暴言を連発。実際、足立康史衆院議員にいたっては史上最多の6回もの懲罰動議が国会に提出されているが、まるで懲りた様子はない。
 つまり、長谷川氏はじつに「維新的」な人物であり、事ここに至っても公認取り消しを決定しない姿勢こそ、維新の体質を見事に表しているのだ。
 しかし、この異常な維新が、先日の大阪ダブル選でも圧勝をしたように問題とならないのは、メディアの責任も大きいだろう。
 事実、今回の長谷川氏の部落差別問題も、メディアが伝えたのは、部落解放同盟の抗議と長谷川氏の謝罪がなされたあとの本日の朝刊から。謝罪がおこなわれるまでは、SNSと、ネットニュースである本サイト・リテラと「BUZZAP!」が批判したくらいだった。
 丸山議員の問題にしても、松井代表や橋下氏の暴言歴を取り上げて維新の体質を問うといった掘り下げ方はなされていない。
 異常な公党たる維新の体質を批判しないメディアの体たらくによって、長谷川氏や丸山議員の問題もフェードアウトしてゆくのか。そんなことでは、大衆の劣情を煽るための差別発言や暴言が、今後も維新からなくなることはけっしてないだろう。


丸山氏けん責案 与党の危機感が見えない
 まさに「永田町の論理」だろう。与党の曖昧な姿勢が国民のさらなる政治不信を招くことを危惧する。
 自民、公明両党は、北方領土を戦争で取り返す是非に言及し、日本維新の会を除名された丸山穂高衆院議員に対するけん責決議案を衆院に共同提出した。
 けん責決議案は丸山氏の発言について「平和主義に反し、国益を大きく損なった。院の権威と品位を失墜させ、到底看過できない」と批判するが、猛省を促すにとどまる。
 丸山氏が属した維新を含む野党6党派はすでに議員辞職勧告決議案を共同提出している。与党がそれより穏当な処分で済まそうとする奇妙な構図だ。
 過去に衆参両院で可決された4件の辞職勧告決議は刑事責任を問われた事案が大半で、発言を理由にした例はないというのが自公両党の理屈である。
 自民党の二階俊博幹事長は、丸山氏が有権者の支持を得て国会で活動していると指摘し「身分を一刀両断することには慎重であるべきだ」と強調した。
 決議案を提出した自民党の菅原一秀氏も「議員の身分は憲法上、一定程度保障される」とし、自主的な辞職を求めた。
 だが、透けて見えるのは、問題発言による辞職勧告決議が前例になれば、自らの首を絞めかねないという警戒感だ。
 桜田義孝前五輪相や塚田一郎元国土交通副大臣(参院新潟選挙区)が失言で相次いで辞任したばかりだ。
 与党は事態を軽く考えすぎていないか。今回の丸山氏の発言は重大な問題をはらんでいる。危機感がなさすぎる。
 丸山氏は北方領土へのビザなし交流の一環で訪れた国後島の宿舎で酒を飲み、元島民に「戦争でこの島を取り返すのは賛成ですか、反対ですか」「戦争をしないと、どうしようもなくないですか」などと迫った。
 国是である平和主義をないがしろにし、戦争放棄をうたう憲法に反する発言といえる。
 日中戦争さなかの国会で「反軍演説」をした斎藤隆夫衆院議員が、国会議決によって議員を除名された事件があった。
 そうした歴史を踏まえれば、国会が議員を辞職させることには慎重でなければならない。だが、丸山氏のケースを同一視するわけにはいくまい。
 丸山氏を巡っては新たに、国後島の宿舎で「女性のいる店で飲ませろ」との趣旨の発言をして、禁止されている外出を試みていたことが判明した。
 「ここは日本の領土だろ。議員なんだから不逮捕特権がある」と発言したとの話もある。
 丸山氏が国会議員の資質を欠いているのは明らかだ。
 与野党から出された決議案の扱いは結論が出ず、衆院議院運営委員会は24日に理事会で丸山氏から聴取することを決めた。
 丸山氏が自ら辞職するのが筋だが、本人は拒んでいる。
 与野党が党利党略にこだわり、結論をいたずらに長引かせるようでは、政治への信頼をおとしめるだけだ。


ウーマン村本、安倍首相と芸能人の交流を批判
ウーマンラッシュアワーの村本大輔(38)が、安倍晋三首相が芸能人を参院選の宣伝に利用しているとして批判した。
安倍首相は12日にツイッターで、TOKIOのメンバーらと会食したことを写真付きで報告。また、女優の高畑充希は23日更新のインスタグラムで、俳優の大泉洋とともに安倍首相からディナーに招かれたことを報告し、首相を囲んだスリーショット写真をアップして話題となった。
村本は24日更新のツイッターで、安倍首相と芸能人の交流などについて言及。「TOKIO、大泉洋、高畑充希達とご飯にいきジャニーズまでSNSにあげ、ファイナルファンタジーのデザイナーに自画像を描かせ芸能人を参院選の宣伝に利用する」と指摘した。
「商品を売る時、宣伝で芸能人を使う。本当にその芸能人のファンで飯に行きたいなら参院選のあとにでも行けばいい。それをSNSでアップするのは芸能人を使った参院選へ向けてのコマーシャルだ」と私見を述べ、「芸能人は政治家の宣伝に使われるな。そして逆も然り総理大臣をお前の宣伝に使うな。違和感を持て日本人」とつづった。


TOKIOに続き大泉洋、高畑充希まで安倍首相と会食! 弱者には見向きもせず芸能人との会食PRに精を出す欺瞞
 今月10日、TOKIOと会食して話題を集めたばかりの安倍首相が、またも芸能人との会食をおこなった。22日、大泉洋と高畑充希を首相公邸に招き、夕食をともにしたのである。
 大泉と高畑は昨年末に公開された映画『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』に出演したが、この映画を安倍首相は昨年12月31日に昭恵夫人、母親の洋子氏と一緒に鑑賞。映画の感想について、「本当に元気のでる映画でしたね。いろいろと考えさせられました」と記者に語っていた。
 実際、昨日に高畑は自身のInstagramに、〈#こんな夜更けにバナナかよ を気に入ってくださったご縁で、誘っていただいたディナー。 私と大泉さん、ど緊張で参加しましたが、爆笑トーク連発で楽しく帰りましたとさ〉と投稿。そして、〈#まさか自分の人生で首相とセルフィーする日が来ようとは〉というハッシュタグをつけて、大泉、高畑とともに微笑みを浮かべる安倍首相との3ショットを公開したのだ。
 そして、この高畑の投稿に対し、安倍首相もコメント欄で「昨日はありがとうございました」と返答。さらに本日、安倍首相の公式InstagramおよびTwitterが、大泉がスマートフォンをかざして3人で自撮りをしている様子の写真を投稿し、こう綴った。
〈先日、映画「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」に出演された、大泉洋さんと高畑充希さんのお二人と、御一緒させていただく機会を得ました。
筋ジストロフィーの男性が、ボランティアの方々とともに、自立した生活を送った実話に基づく映画です。年末に映画館で見ましたが、いろいろと考えさせられるとともに、本当に元気がでる映画でした。
撮影の際のご苦労なども伺い、あっという間のひとときでした。お二人のますますのご活躍をお祈りしております。〉(安倍晋三Instagramより)
 映画を観て筋ジストロフィーという難病と闘う患者やそれを支えるボランティアの人びとに思いを馳せたのなら、普通は患者やボランティアと対面して政策に活かすべきだと思うが、安倍首相はいまをときめく役者と食事を楽しみ、撮影の裏話を直接聞くという特権的な時間を過ごしたらしい。
 安倍首相は以前、国会で山本太郎議員から「芸能人とはしょっちゅうご飯食べるのに、生活保護の当事者の人たちの話は聞かないのか」と突っ込まれたり、ノーベル平和賞を受賞したICAN(国際NGO・核兵器廃絶国際キャンペーン)事務局長や翁長雄志沖縄県知事との面会を断って松本人志ら『ワイドナショー』ご一行と会食したことがあったが、弱者や困難の当事者にはとことん興味がないのか。
 安倍首相は2017年2月にも、鑑賞した百田尚樹原作の映画『海賊と呼ばれた男』に出演していた岡田准一、鈴木亮平と西麻布の高級フランス料理店で麻生太郎財務相を引き連れて会食しているが、まったく権力の濫用も甚だしい。安倍首相がいかに“王様”化しているかがよくわかるというものだろう。
 しかし、注目すべきは、王様然としたその振る舞いだけではない。TOKIOにつづき、芸能人の取り込み工作が本格化していることのほうだ。
 じつは、安倍首相は大泉、高畑と会食する2日前の20日にも、俳優の杉良太郎の自宅を訪問。杉の妻である歌手の伍代夏子とともに会食したと首相動静にはあるのだ。
 杉は日ベトナム特別大使と日・ASEAN特別大使を務めており、2017年にトランプ大統領が来日した際も晩餐会にも招待。杉の芸能活動50周年・福祉活動55周年を祝う会にも安倍首相が駆け付けるなど関係を深めてきたが、この杉・五代夫妻と1日開けて、今度は大泉、高畑とテーブルを囲んでいたのだ。ちなみに、安倍自民党をはじめとする与党は、予算委員会の開催をじつに約80日以上も拒否しつづけている最中にある。
TOKIO、杉良太郎、大泉洋、高畑充希…芸能人との会食に精を出す安倍首相
 消費増税の是非などが確実にツッコまれる予算委員会は開催拒否をしつづける一方、年配層に人気の俳優・演歌歌手カップルに、テレビ・映画に引っぱりだこの人気俳優、そして老若男女に親しまれるアイドルグループと会食を繰り返す安倍首相……。今月だけでこのような幅広い国民的タレントたちと親交を深めているのは、無論、参院選を意識してのことなのは明々白々だ。
 事実、10日にTOKIOの4人を自身の行きつけのピザ店「エンボカ東京」に招き、会食をおこなった際には、首相官邸のInstagramは「安倍総理からのメッセージ」として、こんな投稿をした。
〈TOKIOの皆さんと再会しました。#福島 復興のために頑張ってくださっています。話に花が咲き、本当に楽しいひとときを過ごすことができました!〉
 そして、「#TOKIO の皆さんと#pizza」だの「#TOKIO兄さん」だの「#ウマーベラス」「#ソーリメシ」だのといったハッシュタグがベタベタと貼り付けられた上、公開されたのは、和やかな雰囲気のTOKIOと安倍首相の会食風景の写真だった。この写真は首相官邸のInstagramだけではなく、安倍首相個人のInstagram、Facebook、Twitterにもアップされている。
 人気取りのためにここまでやるか、とも思うが、実際にこのInstagramへの投稿には安倍首相公式と首相官邸を合わせて約7万、Twitterにいたっては約28万もの「いいね!」がついているのである。
 しかも、TOKIOはジャニーズ事務所所属であり、ジャニーズといえば芸能界においてもっともネットへの写真掲載に厳しい事務所として知られている。所属タレントによるSNSでの発信も、木村拓哉と山下智久が中国の「微博(ウェイボー)」に公式アカウントを設けているのみだ。
ネットへの写真掲載に厳しいはずのジャニーズが安倍首相のSNSにはOK
 毎日新聞によると、今回のTOKIOとの会食写真のSNS掲載について、内閣広報室は「先方(ジャニーズ事務所)の許可を得て掲載に至りました」と回答を寄せている。昨年12月28日にTOKIOは官邸を訪れ、自民党が発行する月刊女性誌「りるぶ」で安倍首相と対談、安倍首相のSNSアカウントが、センターの首相をTOKIOメンバーの4人が囲む写真を投稿し、ネット上では「安倍メンバー加入でTOKIOがまた5人に」などと盛り上がっていたが、このときの前例を踏襲したというのである。一方、毎日新聞はジャニーズ事務所に対しても「今回の安倍首相側の投稿は特例なのか?」「これからはオフショットのSNS投稿もあるのか?」といった質問を送ったというが〈期限までに回答はなかった〉という。
 ようするに、安倍首相との会食はジャニーズ的にも「プラスになる」と判断し、政治的な宣伝PRに使われることも黙認している、ということだ。
 政権批判をおこなうタレントや歌手には「政治的発言はするな」「音楽に政治を持ち込むな」などと難癖をつけながら、最高権力者がタレントにすり寄って自己PRに使われることには文句を言わない──。実際、「桜を見る会」に誘われながら辞退した千原ジュニアが「知らんおっさんと見たないわと思って断った」と発言すると、「言い方を選べ」「40を過ぎたおっさんがするコメントじゃない」などと非難が殺到した。
 こうした社会の空気を読んだのか、はたまたジャニー喜多川社長やメリー喜多川副社長と違って権力好きといわれる藤島ジュリー景子副社長が飛びついたのか。天下のジャニーズすら安倍首相に忖度したというわけだ。
 大手芸能事務所さえ味方につけた安倍首相。安倍首相にとって有名芸能人を使ったPRの場となっている「桜を見る会」には、今年もGENERATIONS from EXILE TRIBEやメンバーやももいろクローバーZ、カズレーザー、小峠英二、千原せいじ、ミッツ・マングローブ、石坂浩二、デヴィ夫人、市川猿之助などといった芸能人が参加し、首相官邸のInstagramに安倍首相との記念写真が多数アップされ反響を呼んでいたが、一方で年々参加者数が増え、2018年には内閣府が見込んだ予算の約3倍となる5229万円も支出された。不透明な運営に批判が集まっているが、内閣府は「今年の資料は破棄した」と言い放つ始末となっている。
 だが、このような問題が大きく取り上げられることもなく、安倍首相と芸能人たちの会食がニュースを飾り、政権PRとしてどんどんと拡散されてゆく。その先に待っているのは、人気芸能人たちが動員された憲法改正の大キャンペーンなのだということを、よく覚えていけなくてはいけないだろう。


ヘイトスピーチ法3年 差別根絶に向け不断の見直しを
 特定の人種や民族への差別をあおるヘイトスピーチ(憎悪表現)をなくすための対策法が成立して3年がたった。「不当な差別的言動は許されない」との宣言の下、抑止条例の施行などの取り組みが進んだが、根絶には程遠いのが現状だ。
 とりわけ昨年来、元徴用工や慰安婦問題で一層冷え込んだ日韓関係を背景に、街宣活動やインターネット上での過激な言動は収まる兆しがみえない。先月からは外国人労働者の受け入れ拡大が始まり、環境整備が不十分な中で、新たな差別も懸念される。憎悪犯罪(ヘイトクライム)を防ぐためにも、法改正を含めて不断に見直し、差別撤廃へ実効性を高める必要がある。
 現行法では、憲法が保障する表現の自由を侵害する恐れがあるとして、禁止規定や罰則を設けていない。
 ヘイトスピーチを「違法」と位置づけていないことから、ネットなどで脅迫や中傷を受けた場合、加害者の罪を問うには刑法を適用することになる。しかし、大半は不起訴となるなどして処罰されず、これまでに立件され、刑事罰が科されたことが判明したのは2件にとどまる。侮辱罪で科料9千円、名誉毀損(きそん)罪で罰金10万円の略式命令が下されたが、刑罰が軽いとの指摘がある。
 民事訴訟のケースでも被害者の負担は大きい。証拠を集める際、自身への悪意に満ちた言動に再び向き合わなければならなくなり、精神的苦痛を受ける。時間や費用もかかる。差別に基づく侮辱や脅迫はヘイトクライムであり、通常より厳しい処罰の検討も必要だろう。国は事件化しやすくしたり、被害者を救済したりする仕組みづくりを進めなければならない。
 野放し状態となっているネットへの対策強化も急務だ。法務省は3月、ネット上のヘイトスピーチに関して削除などの救済措置の対象を、個人だけではなく集団も含めるよう全国の法務局に通知した。不当な差別的言動は集団に向けられたものも多い。国には被害者からの申告がない場合でもネット業者に対して差別投稿を削除するよう要請するなど、積極的な対応を求めたい。
 取り組みが自治体任せとなっている点も是正しなければならない。川崎市や京都府が、公共施設でのヘイトスピーチを事前規制するガイドラインを施行しているほか、大阪市は条例でヘイトスピーチ認定後に個人や団体名を公表している。だが、ほかの多くの自治体は「表現の自由」への配慮を巡って対応に苦慮し、有効策を打てていない。
 国は、表現の自由の扱いや、何がヘイトスピーチに当たるかといった基準をできるだけ具体的に示し、取り組みを後押しすべきだ。条例の策定などを通して、行政や市民らが、差別を許さないという毅然(きぜん)とした態度を示すことが、ヘイトクライムの抑止力強化につながると再認識してもらいたい。


元KAT-TUN田口淳之介・小嶺麗奈の大麻逮捕報道で玉川徹も疑問! 酒やタバコも依存性あるのに“大麻だけ悪”はフェアじゃない
 元KAT-TUNの田口淳之介と女優の小嶺麗奈が大麻所持容疑で逮捕された。例によって、ワイドショーは大騒ぎしている。
 ジャニーズ事務所の先輩であるTOKIOの国分太一がMCを務める『ビビット』(TBS)では、テリー伊藤が“大麻もジャニーズ事務所を辞めたのも5歳年上の小嶺が誘導”などと、すべての責任を小嶺になすりつけるコメントをしていたが、その他の番組もまるで大麻が重大犯罪で、田口・小嶺が凶悪犯罪カップルであるかのような扱いだ。
 しかし、大麻はそこまで厳しく糾弾されるようなものなのか。23日放送の『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日)で、大麻を凶悪犯罪であるかのように報道する風潮に玉川徹氏が異論を唱えた。元厚労省麻薬取締部主任鑑定官の牧野由紀子氏が大麻の危険性について解説するなか、玉川徹氏はこんな疑問を投げかけたのだ。
「ずっとお聞きしたいと思っていたんです。たとえば、大麻にはがんの疼痛を抑える効果があるといわれていて、アメリカなどでも医療用大麻が認められている。認められている国、多いですよね。
 ところが日本の場合は、『大麻、なんでダメなんですか?』と訊いたら『悪いから、悪い』というふうな感じが若干ないか。思考停止している部分がちょっとあるのかなと感じるんですよね。いい部分はいい部分として使う、ダメなところはダメなんだというかたちの、虚心坦懐の議論というのが、いまできにくい状況にあるのは間違いないなと思います」
「アルコールとかタバコも依存性がある。僕も調べてみたんですが、依存性ということに関しては大麻よりも、アルコールとかタバコのほうが高いという研究もある。タバコも体に悪いし依存性もあるけれども、国は認めますよね。アルコールも脳に影響あるんですよ、だけど国は認めてるでしょ。(大麻も)ただ体に悪い(からダメ)という話だけだと、アンフェアな感じがするんです。情報として」
 アルコールやタバコは大麻より依存性が高く、身体への有害性もある。これは都市伝説や与太話などではない。
 実は3月にピエール瀧がコカイン使用容疑で逮捕された際、『情報ライブ ミヤネ屋』(読売テレビ)でも同様の指摘がされていた。3月14日の放送で、「覚せい剤」や「コカイン」「大麻」「タバコ」「アルコール」など各種薬物や嗜好品の「依存性」と「身体有害性」を示したマトリクスを紹介。司会の宮根誠司ら出演者はなぜか触れなかったのだが、そのマトリクスでは「タバコ」「アルコール」のほうが「覚せい剤」「MDMA」よりも依存性が高いことが示されており、大きな話題になった。しかも、そのマトリクスで「大麻」にいたっては、「タバコ」「アルコール」よりも「依存性」「身体有害性」ともにはるかに低かったのだ。
 にもかかわらずタバコやアルコールは野放しである一方、いまだ医療大麻すら解禁されないどころか議論すら進まない。玉川氏が指摘する通り、「悪いものは悪い」と思考停止してしまっていると言っていい状況だ。
 また、タバコやアルコールは、周知のとおりメーカーがテレビなどのメディアにとって有力スポンサーであることが、その危険性と比較しながら大麻についてフラットに議論することを難しくしている。
しかし、世界的に見れば、大麻は解禁されている国も少なくないし、大麻の医療使用については研究が進み、合法化が世界的な潮流になっている。遅れているのは日本の司法や行政とマスコミのほうなのだ。
 本サイトでは以前、大麻をめぐる国際的な研究や合法化の流れについて紹介したことがある。2016年の記事だが、日本での「大麻=危険な麻薬」という意識は、いまだまったく変わっていない。「大麻=危険な麻薬」がいかに根拠のない思い込みで世界の潮流から大きく遅れたものか、以下に、再編集して再録するのでご一読いただきたい。
(編集部)
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カナダ、フィンランド、ドイツ…各国で急速に進む大麻の合法化
 日本では「大麻=麻薬」という意識が強く、いまだに医療用大麻の研究すら厳しく制限されている。
 しかし、国際的な潮流では、もはや「大麻」は危険な「麻薬」という認識ではなくなりつつある。アメリカにおいては2016年1月現在、医療用大麻は23州で合法化され、この流れは今後も続いていくと見られている。また、カナダ、チェコ、フィンランド、ドイツ、オーストリアなどでも医療用の大麻は合法化され、盛んに研究が行われている。
 長年抱かれ続けてきた「危険な麻薬」という大麻のイメージが覆され、なぜ各国で急速に合法化への動きが出てきているのか。それは、大麻を研究・有効利用することで、数々の病気を治癒することができる可能性があるからだ。矢部武『大麻解禁の真実』(宝島社)のなかで、英国・GW製薬の研究者は医療用大麻がもつ可能性についてこのように話している。
「医療用大麻はアルツハイマー病や糖尿病、てんかん、多発性硬化症、PTSDなどの治療に役立つとされています。大麻には多くの成分が含まれていますが、その成分一つ一つに新薬の可能性が秘められているのです」
 1996年にカリフォルニア州で医療用大麻が合法化されて以来、その可能性を取材してきた矢部氏は前掲書のなかで数々の実例を引きながら、その治療効果を紹介している。
 そのなかでも特筆すべきは、国際的にも医療用大麻の研究をリードしている国・イスラエルの老人ホームでの事例だ。イスラエルでは娯楽のために用いる嗜好用大麻は違法だが、医療用大麻は政府の承認を得た患者には認められている。その数は、2009年には400人だったのが、2013年には1万1000人にまで増えるなど、急速に広まっている。
 矢部氏が取材したハダリン老人ホームでは、医療用大麻を用いることで、入所している高齢者たちの体の痛みや痙攣、不眠、食欲不振などの症状を改善し、処方薬を減らすことに成功したという。特に、大麻には眼圧の上昇や痛みを抑える効果があり、緑内障の治療に大きな威力を発揮している。
 高齢者の間で医療用大麻使用が広まっているのは、イスラエルのみならずアメリカにおいても同じで、矢部氏は2013年10月8日付「ハフィントンポスト」の記事から、50〜64歳で大麻を使用した人の割合は45%にもおよんでいるとのデータを紹介している。
 このように世界各国で医療用大麻の効果が認識されることで、大麻はもはや研究段階の域を越えて、実生活のなかに取り入れられはじめているわけだが、そのような事例を見ても、大麻に対して偏見の強い日本では、まだまだ忌避する声が大きいだろう。
タバコ・酒よりはるかに低い大麻の依存性!1週間程で消えるとの研究も
 そんな忌避の声としてまずあがるのが、医療用とはいえ、大麻を使用したらハイになって精神的におかしくなってしまうのではないかという不安だ。これに関してはもうすでに解決策が示されている。
〈1964年、ヘブライ大学のラファエル・メコーラム教授(医療化学博士)は、大麻に含まれる60種類以上の成分のなかから精神活性作用のあるTHC(テトラヒドロカンナビノール)を初めて抽出した。続いて同大学のルース・ガリリー名誉教授(免疫学博士)が、大麻のもう一つの主成分CBD(カンナビジオール)に抗炎症性や抗不安作用があることを発見した。この二つの主成分が明らかになったことで、イスラエルでは、医療用大麻の研究が進んだ。THCの含有率を低く、CBDの含有率を高くするための大麻の品種改良も行われた。そうすれば、患者は大麻を使用しても精神的にハイにならず、治療に専念できるからである。今日イスラエルで使用されている医療用大麻の多くはTHCの含有率が低く、CBDの含有率が高いものだという〉(前掲『大麻解禁の真実』より)
 そして、もうひとつの懸念が、一度大麻などを使ってしまったら依存症に陥ってしまうのではないかという心配だ。しかし、これも研究が進められた結果、まったくの誤解であることが明らかになっている。
 確かに、大麻には依存性がある。しかし、それは、アルコールやタバコなど現在嗜好品として合法的に流通しているものと比較しても危険とは言い難い。矢部氏は同書のなかで、米国医学研究所(IMO)が1999年に発表した薬物の依存度を比較した調査結果を紹介しているが、それによれば、大麻により依存症を引き起こす人の割合は9%。タバコの32%、アルコールの15%という数字と比べて低いものである。
 また、大麻による禁断症状も、他の薬物のような酷い症状は起こらないとされている。同書のなかで、薬物依存の研究をしているアマンダ・レイマン博士(カリフォルニア大学バークレー校社会福祉学部教授)はこう説明している。
「私自身の調査経験から言えば、大麻の依存性は他の薬物と比べて非常に軽く、おだやかです。禁断症状としては不眠、食欲不振などで、1週間くらいすれば自然に消えてしまう。ほとんどの大麻常習者はきちんとした治療を受けなくても止めることができます」
海外で大麻解禁の動きあるなか、医療用大麻の研究すら制限される日本
 また、大麻解禁の話題になると必ず俎上に載せられる問題に、大麻使用がその後、コカインやヘロインなどのハードドラッグ使用への入口になってしまうとする「ゲートウェイドラッグ」理論があるが、これも現在は根拠のない理論とされている。矢部氏は本のなかで、2014年7月30日付「ニューヨーク・タイムズ」紙も、これまで大麻を使用した経験のある1億1100万人のうち、その後にヘロインの使用にまで薬物濫用癖が発展したのはわずか4%であるとの調査結果を発表していると綴っている。
 ただし、では、大麻がまったくの無害といえば、そうも言い切れない。タバコやアルコールと同じく大麻も、脳が発達する時期である10代の子どもたちが使用すれば健康リスクに発展する可能性があることは多くの研究者から指摘されているからだ。医療用大麻に関する議論ではこの点は考慮に入れておく必要があるだろう。
 以上のように、大麻が「悪魔のドラッグ」であるという理解はいまや単なる偏見であり、大麻をうまく活用することは医療的に大変価値がある。特に、高血圧などの慢性疾患を緩和させ処方薬を減らすことができる効果は、超高齢社会に突入している日本にとって非常に意義深いだろう。
 しかし、前述したように、現在の日本においては、医療用大麻の研究をすることすら厳しく制限されており、国内で研究開発を進めることはできない。よって、日本企業も現在では海外で研究を進めるしかなく、大塚製薬は2007年に前述のGW製薬と提携したが、アメリカで大麻成分を使った癌性疼痛治療薬の販売に向けて臨床試験などを行っている。
 このように、日本においては医療用大麻の研究は他国から遅れをとってしまっている現状がある。他方、盛んに報道されているように、アメリカにおいては医療用大麻のみならず、嗜好用大麻も次々と解禁。コロラド州などいくつかの州では合法化、また、その他いくつかの州でも28グラム以下の所持であれば逮捕されない非犯罪化がなされている。それにともないオバマ大統領は「私も子供の頃、吸ったことがある。悪い習慣という点では長い間吸っていたタバコと大差ない。アルコールより危険だとは思わない」と発言するなどしている。
 ところが、日本では未成年のスノーボード選手が海外で大麻を吸ったというだけで、全日本スキー連盟から競技者登録の無期限停止の処分を科せられる始末だ。彼らが大麻を吸ったのは、嗜好用大麻も合法化されているコロラド州でのこと。確かに、未成年で吸ったのは違反だが、それにしてもあまりにも厳しすぎるペナルティと言わざるを得ない。
 日本においてもアメリカのように嗜好用の大麻使用まで認めるべきか否かは議論の分かれるところかもしれないが、少なくとも、医療用大麻解禁への門戸を現在のように固く閉ざしたままでいるのは国民の健康にとって明らかにマイナスだ。無根拠な道徳主義から目をさまし、一刻も早い医療大麻の解禁を望みたい。(新田 樹)


選挙の供託金「世界一高くても合憲」 男性の請求棄却、東京地裁
2014年の衆院選で、供託金300万円を用意できず立候補が認められなかった埼玉県の自営業男性(50代)が供託金制度は違憲だとして、国に慰謝料など300万円を求めて起こした国賠訴訟で、東京地裁(杜下弘記裁判長)は5月24日、男性の請求を棄却した。男性は控訴する方針。
衆院選の供託金は、公職選挙法92条1項1号に定められている。判決では、供託金制度について「立候補の自由に対する事実上の制約」と評価しながらも、国会の裁量権の範囲内などとして、違憲ではないと判断した。
男性側は、供託金制度は(1)立候補の自由を保障した憲法15条1項、(2)国会議員の資格について財産や収入による差別を禁じた憲法44条ただし書きに違反するなどと主張。財産を持たない人が議会に進出するのを抑制していると訴えていた。
判決後の会見で、男性の代理人を務めた宇都宮健児弁護士は、「三権分立においては、司法は国民の基本的人権を守る観点で立法や行政をチェックする。その役割を果たそうという意気も気概も感じられなかった」と判決を批判した。
●先進国では供託金なしが多数派、減額の議論も
国は供託金について、売名目的の立候補などを防ぐ目的があると主張し、今回の裁判でも認められた。
一方で、海外には供託金がない国も珍しくなく、立候補者の濫立で選挙が混乱しているわけでもないようだ。男性側の調査によると、OECDに加盟する35カ国中、供託金制度が存在する国は12カ国でむしろ少数派だという。
フランスやカナダでは今世紀に入ってから供託金が廃止されており、供託金があっても韓国のように金額が引き下げられている国もあるそうだ。
男性側によると、日本は供託金が世界一高い。国会でも減額の議論がないわけではなく、2008年には、国政選挙の供託金を3分の1減額する公職選挙法改正法案が衆院を通過したこともあった。しかし、衆院解散に伴い、廃案になったという経緯がある。
男性は予備的主張として、供託金の高さも問題視したが認められなかった。
●「泡沫」候補の取材を続ける畠山さんはどう見た?
選挙で当選ないしは一定の得票を取れば、供託金は返還される。とはいえ、大金を集めるのは大変だし、そもそも選挙はお金がかかる。没収リスクを考えれば、立候補のハードルは高くなり、多様性が失われてしまう側面もある。
「泡沫」と呼ばれる候補の取材を続け、『黙殺 報じられない“無頼系独立候補”たちの戦い』(2017、集英社)などの著書がある畠山理仁さんは、弁護士ドットコムニュースの取材に対し、判決の感想を次のように語った。
「泡沫候補や売名目的と決めつけて、あらかじめ除外してしまうのはおかしいのではないか。その判断は有権者がするのが、民主主義のあり方として真っ当なのではないか」
「たとえば、4月の統一地方選では、定員割れや無投票など、なり手不足も問題になった。立候補者の多様性が失われると、投票率も下がる。立候補のハードルを下げることも検討すべきではないか。新規参入がない業界は廃れて、質が確保できなくなる」


衆参同日選なら薔薇の助けが必要では
★「野党には任せておけない」。統一地方選挙や衆院補選、今夏の参院選挙と今年は選挙の年だが、野党共闘が遅々として進まない。そんな中、市民グループが消費税増税反対と財政出動を柱とした「反緊縮」の経済政策を掲げる「薔薇(ばら)マークキャンペーン」の活動が活発だ。統一地方選では薔薇マーク認定候補者55人が全国で立ち、7人が当選し、衆院補選でも1人当選させた。今夏の参議院選で3人を認定している。では薔薇マークキャンペーンとはどんなものなのか。★ホームページの薔薇マーク認定基準には以下のようにある。「薔薇マーク・キャンペーンの趣旨に賛同し、財政規律を優先させる緊縮的な政策は正しくないと考え、おおむね以下の反緊縮の経済政策を第一に掲げている立候補予定者を「薔薇マーク」に認定します」とある。主な政策は(1)消費税増税凍結(むしろ景気対策として5%に減税することを掲げるのが望ましい)(2)社会保障・医療・介護・保育・教育・防災への大胆な財政出動と質の良い雇用を大量に創出(3)最低賃金の引き上げ。人権侵害を引き起こしている外国人技能実習制度は廃止(4)大企業・富裕層の課税強化などを掲げる。財源は企業増税など「公正な税制」が実現するまで国債発行で賄う(5)国債を発行してなるべく低コストで資金調達することと矛盾する政策方針を掲げない(6)公共インフラのいっそうの充実を図るとともに公費による運営を堅持。★消費税増税反対と財政出動を柱とした「反緊縮」の経済政策を掲げるというものの、全体の政策は決して無理難題ではない。どの政党も乗れるはずだ。現に地方自治体の無所属議員をはじめ、複数野党の議員が認定されている。なぜ政党になると踏み切れないのか。政党が有権者よりも組織を優先することを如実に表すとも言えそうで、次いで認定へのスピードが必要だ。野党は衆参同日選になれば圧倒的な候補者不足に苛(さいな)まれる。薔薇の助けが必要でないのか。

徴用工問題  仲裁委を打開の契機に
 韓国最高裁が日本企業に対し韓国人元徴用工への賠償を命じた判決について、日本政府は日韓請求権協定に基づき、日韓に第三国のメンバーを加えた仲裁委員会の開催を韓国政府に要請した。
 韓国側は慎重な姿勢を保っているが、第三者の目を入れて話し合えば、膠着(こうちゃく)状態に陥っている問題の打開策を見いだせる可能性がある。韓国政府はぜひ、前向きに動いてほしい。
 日本の植民地支配下にあった韓国で日本企業に徴用された元労働者と家族が起こしていた損害賠償請求訴訟では、最高裁にあたる大法院が昨年10月と11月、日本企業2社に賠償を命じる確定判決を出した。
 1965年に締結された日韓請求権協定で両国は、日本側が5億ドルを供与することで賠償問題は解決済みと確認していた。
 日本政府は今年1月、協定に基づく政府間協議を韓国政府に求めたが、実現しないまま4カ月が経過している。
 今回、日本が仲裁委開催を求めたのは、韓国の李洛淵(イナギョン)首相が「(韓国)政府が早期の対応策を示すのは困難」と発言したのがきっかけだ。
 原告側が、差し押さえた日本企業の資産売却の手続きを進めており、日本政府として放置できないという判断もある。
 文在寅(ムンジェイン)政権は、司法判断に行政府が介入するのは三権分立に反するとの立場だが、それが政府間協議や仲裁委を開けない理由になるとは思えない。協議の場に出て考えや立場を説明するほうが、韓国にとっても得策ではないか。
 日本側も考慮に入れるべきことがある。
 請求権協定の締結時、韓国はクーデターで誕生した軍事独裁政権下にあった。当時、韓国政府は元徴用工の人や家族から賠償についての要望をほとんど聞かずに日本との交渉を行ったとされる。
 賠償が不十分、という元徴用工らの声は、1987年の民主化まで厳しく抑えつけられていた。日本側も「解決済み」という対応だけでは済むまい。
 政府や自民党には、被告企業の資産が差し押さえられれば、関税引き上げやビザの発給停止といった報復をすべきという声もある。だが、年間1千万人が行き来する両国間でそんな措置は不可能だ。
 重要なのは元徴用工の救済と、未来志向の関係構築につながる対話だ。両国は知恵を出し合ってもらいたい。


紫綬褒章
 彼らもそんな年ごろか、と感じたオール阪神・巨人さんの紫綬褒章受章である。上方漫才では、「いとし・こいし」「大助・花子」に続く3組目。兄弟や夫婦でないコンビ初の快挙となった▼我の強い芸人さんの世界で、仲間割れは珍しくない。相方がアクシデントに遭う可能性もある。何より売れなければ、舞台に立てない。どうやって、40年以上もコンビを続けられたのか▼「真面目、真っすぐ。老若男女に笑っていただけるネタを作ってきた」と巨人さんは振り返る。稽古に明け暮れ、1980年ごろの漫才ブームでは「ギャグ的漫才」に手を出さず、「しゃべくり」に徹した▼劇場で使うネタは、テレビでやらない。足を運び、お金を払うお客さんを大切にした。40代でやめたい思いもあったが、その時は阪神さんが、借金と離婚で「もうちょっとやってくれへん。返さなあかんねん」と言いだしたそうだ▼ともに師匠は、亡くなった吉本新喜劇の岡八郎(後に八朗)さんで、その師匠は花菱アチャコさん。上方が誇るお笑いの系譜も2人を後押ししたのかもしれない▼巨人さんは近著で「どこが面白いのか分からなかった大先輩の漫才が、面白くて仕方がない」と語る。年を経て、見えてくるものがあるのだろう。円熟のボケとツッコミを、見続けたい。

東大が新たな電子顕微鏡を開発 磁石を原子レベルで観察可能
 磁石のように磁気を帯びた物質を原子1個レベルの細かさで観察できる新たな電子顕微鏡を開発したと、東京大の柴田直哉教授、電子顕微鏡メーカー日本電子(東京)などが24日、英科学誌ネイチャーコミュニケーションズに発表した。
 高性能なモーターを実現するための材料などを、原子レベルで設計することが可能になるという。柴田教授は「ものづくりが経験ではなく、原理に基づいてできるようになる」と期待する。
 電子顕微鏡は電子のビームを試料に当て、構造を観察する機器。試料の手前で強い磁場を使いビームを細く絞るが、磁気を帯びた試料では変形するなどし、原子を見るのは極めて難しかった。


「生活保護で大学進学なんてゼイタク」本音を包み隠す厚労官僚の“良識”
みわよしこ:フリーランス・ライター 
「生活保護での大学進学は認めない」厚労省が国会で公言した内容とは
 厚労官僚による「生活保護での大学等への進学は認められない」という国会答弁が、大きな波紋を引き起こしている。理由は、生活保護法の「最低限度の生活」が大学進学を含まないからだそうだ(2019年5月21日、参院・文教科学委員会)。まるで「生活保護での大学等への進学は法で制約されている」と言わんばかりだが、その解釈は無理筋だ。
 とはいえ現在、生活保護のもとでの大学等への進学は、事実として認められていない。生活保護世帯の子どもたちは、高校以後の教育を受けるためには、学費と生活費を自弁する必要がある。手段の多くは、学生支援機構奨学金の借り入れやアルバイトとなり、疲労と不安でいっぱいの学生生活を送ることとなる。
 学費免除や給付型奨学金を獲得するためには、多くの場合、低所得でも貧困でもない家庭の子どもたちと同じ土俵で、より優れた成績や業績を示す必要がある。それは苛酷というより、現実離れした「無理ゲー」だ。しかも、浪人もできない。「受験勉強ができるのなら、働いてください」ということになるからだ。
 その子どもたちと接してきた、現場の心あるケースワーカーたちは、黙って座視してきたわけではなく、子どもたちの生活や学業を支え、勇気づけてきた。そして、声を上げてきた。生活が生活保護によって支えられているだけで、彼ら彼女らの学生生活は好ましい方向に激変する。中退によって奨学金という名の借金だけが残るリスクは激減する。
 生活保護世帯や貧困世帯で育った子どもたちも、支援者たちも、もちろん心ある国会議員など政治家たちも、「生活保護で生活基盤を支えられた学生生活を認めるべき」という声を挙げてきた。そして政府は、生活保護世帯からの大学進学に対する一時金(自宅内進学の場合、10万円)を制度化した。ほんの少しずつではあるが、期待できそうな動きが現れてきていた。
 しかし、それらの積み重ねに寄せられた期待を、一気に打ちのめす国会答弁が行われた。その内容は、「自助努力と自己責任で高校卒業後の学びを獲得できない子どもたちは、高卒や大学中退で世の中に放り出されても仕方ない」と解釈できるだろう。この発想は、どこから来るのだろうか。
 実は、「劣等処遇」という用語1つで、おおむね説明がついてしまう。
日本人は身分制度が好きなのか 医療にも見え隠れする「劣等処遇」
「劣等処遇」は、生活保護制度の中に包み隠されてきた考え方の1つだ。厚生省・厚労省の官僚たちの良識に封じ込められた場面も、間接的に存在が察せられた場面もある。2013年と2018年の生活保護法改正は、「劣等処遇」を丸見えに近づけた。
 現在の生活保護法にクッキリ現れている「劣等処遇」は、後発医薬品、いわゆるジェネリック医薬品だ。生活保護法では、2013年改正で「後発医薬品を優先」することとなり、ついで2018年改正で「後発医薬品を原則」とすることになった。背後に、「生活保護という“身分”にふさわしい医療」という発想、すなわち「生活保護なら劣等処遇」という考え方があったとすれば、2013年に「優先」、2018年「原則」と明確化されてきたことは、全く迷いなく理解できる。
 もちろん厚労省も、厚労省の方針を大筋のところで強く定めている財務省も、「劣等処遇を強める」とは言っていない。あくまでも、国としての課題の1つは医療費の増大であり、医療費を抑制することが必要だ。そのために、医薬品をジェネリック医薬品に置き換えたい。しかしながら、生活保護受給者でのジェネリック医薬品の選択率は、一般よりも低い。それどころか、医療費自費負担がないため、不要な治療や検査や医薬品を求める生活保護受給者もいる。だから、生活保護ならジェネリック医薬品を強制しなくてはならない。これが、大筋のストーリーだ。
 忘れてはならないのは、生活保護世帯の少なくとも70%が高齢者・障害者・傷病者世帯であり、一般より医療ニーズが高いことだ。傷病者の中には、がんなどの難病に罹患したことが契機となって職業と収入を失い、生活保護以外の選択肢を失った人々も含まれる。必然的に、先発医薬品しかない疾患の罹患率も高い。だから、生活保護受給者にジェネリック医薬品を選べない場面が多くなるのは自然だ。
 しかし、政府が劣等処遇をしたいと考えているのなら、「医療費がタダだから、ご近所さんの分まで湿布薬の処方を受けて配る生活保護受給者の高齢女性」といった例に世間を注目させ、「許せない」という世論を喚起し、抵抗を受けずに「後発医薬品を優先」「後発医薬品が原則」という条文を法律に含めるだろう。これは、2013年と2018年の生活保護法改正の直前、実際に見られた現象だ。
「生活保護でも大学へ」という動きは、「劣等処遇」があからさまになっていく時期に、並行して行われた。とはいえ厚労省としては、堂々と「生活保護なら大学に行かないでほしい」とは言いにくかったはずだ。
 その「口にチャック」は、ついに壊れてしまったようだ。
高校進学と何が違うのか 大学進学はもうゼイタクではない
 ここで改めて考えたいのは、「大学等への進学はゼイタクなのか」ということだ。
 かつての大学進学は、能力または環境や経済力に恵まれた、一部の子どもたちの特権だった。しかし現在、大学等(短大や専門学校を含む)への浪人を含む進学率は、すでに80%を超えている。もはや「行くのが普通」と考えるべきだろう。
 生活保護の過去の歴史の中には、全く同じシチュエーションがあった。1970年、生活保護のもとでの高校進学が、厚生省の通知によって認められたときだ。この年、高校進学率は80%を超えた。高校進学が当然に近くなると、若年層の就職は高卒が前提となる。
「自立の助長」を目的とする生活保護法が、高校進学を認めないままでいると、自立を阻害することになってしまう。その観点からだけでも、進学は認めざるを得なかった。このとき、高校進学を認めた委員会の議論には、「高校まででは物足りない気もするけれども」といった文言もある。そして、高校進学を認める通知が発行された。
 それなのに、なぜ、2019年、厚労官僚は「できない」と明言することになるのだろうか。厚労省の通用門の前で待ち構え、官僚本人を質問責めにしても、納得できる回答は得られないだろう。おそらく本人も、「今、この立場にいる以上は、そう言わざるを得ない」という状況にあるはずだ。しかし、背景に「劣等処遇」があるとすれば、理解はたやすい。
 現在は、医薬品を最前線として、生活保護を「劣等処遇」の制度へとつくり変える動きが進行中だ。2013年と2018年に生活保護法が改正されただけではなく、数え切れないほどの生活保護費の引き下げや締め付けが行われている。少なくとも現政権や財務省の意向が激変しない限り、厚労省としては、大幅な脱線はできない。だから、「教育だけ劣等処遇の対象から外します」とは言えない。まことにわかりやすい話だ。
 ここで文科省が厚労省に強く反発すれば、状況は変わるかもしれない。しかし現在のところ、そういう期待を持てる状況ではない。
貧困の解消と教育は 地球規模の問題解決のカギ
 生活保護制度の「劣等処遇」化によって、日本は国際社会からの数多くの期待を裏切ることになるのだが、その1つに気候変動と地球温暖化がある。
 地球温暖化に関しては、まず「温暖化を抑止する」という合意があり、「産業革命以前プラス1.5℃」という数値目標がある。そして、二酸化炭素排出量など国レベルで達成すべき目標がある。しかし実際に実行するのは、各国の国民1人ひとりであり、各地域のコミュニティだ。
 森林に恵まれた国が、「森林の面積を減らさない」という目標を掲げたとしよう。その森林の持ち主に補償金を支払えば、維持してもらうことは可能だ。しかし、いつまでも補償金を支払い続けることは、現実的な選択肢ではない。
 その森林を維持することで、その地域で暮らす人々の現在と将来の生活を安定させることが可能になると、事情は異なってくる。人々は、まず自分のために、そして自分の地域のために、森林を維持し、地球の他地域に貢献することになる。貢献された地域からの経済的な見返り、いわば「先進国税」の試みも、既に現実となっている。
 このような好ましいサイクルを、将来にわたって維持するためには、明日のために、今日、森林を伐採せざるを得なくなる貧困の解消と、すべての人々の生涯にわたる教育機会が必要だ。先進国の都市部でも、貧困と不十分な教育は環境負荷の増大につながる。少なくとも国際会議においては、これが当然の前提だ。
生活保護「劣等処遇」によって 日本はどれだけの損を被るか
 生活保護のもとでの大学進学は実現しないという今回の厚労省見解を、私は心から残念に思う。何をどうすれば実現できるのか、アイディアは何も思い浮かばない。しかし、科学とコンピュータをルーツとする者の1人として、提案したいことがある。
 生活保護への「劣等処遇」を強め、大学進学は認めず、貧困を解消せず温存することによって、日本は世界の国々や人々の期待をどれだけ裏切ることになるだろうか。たとえば地球温暖化と貧困について、世界で妥当とされている計算方法を用いた場合、2010年代の生活保護政策が維持されると、どれほどの問題を生み出すことになるだろうか。日本の今後500年間の国益に対して、何百兆円の損害が生じるだろうか。
 数値と計算と統計のプロフェッショナルである財務省をはじめ、専門家集団であるはずの官僚の皆さんに、ぜひ、ごまかしなく計算していただきたい。


安倍政権“究極の二枚舌”金融庁「公的年金に頼るな」のア然
「公的年金はあきらめろ」――。金融庁は22日、老後に備えた資産形成に関する初の指針案をまとめた。虎の子の「資産寿命」をどう延ばすのか。金融庁の指針案は、公的年金に頼らず、資産運用など「自助努力」を促す内容だ。
 ネット上では〈ふざけんなよな。払った金は返せよ。積み立てのつもりで払ってたんだから〉〈自助に期待するなら年金徴収するな〉〈詐欺だ〉など批判が殺到している。
 金融庁は指針案で、〈年金の給付水準が今までと同等であることを期待することは難しい。今後は公的年金だけでは満足な生活水準に届かない可能性がある〉と、公的年金がアテにならないことをアッサリ認めている。
 現在、平均的な高齢夫婦の無職世帯で毎月の赤字額が約5万円となっているとして、赤字を補填するには金融資産が必要だという。そこで、働き盛りの現役期のうちに、少額からでも投資を習慣化させることを強調している。
■「お金を預けられない人は対象外」
 聞き飽きた「貯蓄から投資へ」のスローガン。しかし、少額であっても投資に回す余裕がない世帯は少なくない。どうやって「努力」するのか。金融庁に聞いた。
「民間金融機関にお金を預けている方々をみると、預金、貯金に偏っている。寝かせるのではなく、資産運用できる環境を整えるのが指針案の趣旨です。そもそも、お金を預けられない人は対象外です」(市場課)
 投資にカネを回せる余裕のある世帯限定の「自助努力」というわけだ。
 公的年金の行く末が怪しくなっているなら、安心できる年金制度へ再建するのが、政府の責任だ。この点を問うと、「公的年金をどうするかは社会政策です。民間金融機関を担当する金融庁ではなく、所管の官庁がどうするかの問題です」(市場課)と、まるで他人事。
 少子高齢化でニッチもサッチもいかなくなっているが、安倍政権は今も「年金100年安心プラン」を掲げ続けている。一方で、所管外の金融庁を使って、国民に「公的年金」をあきらめさせ、「自分で何とかしろ」と言っているのである。究極の二枚舌による悪辣なプロパガンダだ。

健康診断/ランチでヘロヘロ+下痢っぽくて

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Shinzo ABE ou ABE Shinzo ?
Si dans les pays étrangers, il est devenu d'usage depuis l’ère Meiji d’écrire l’ordre des noms des Japonais à l’occidentale, le gouvernement japonais voudrait que les étrangers respectent désormais les conventions japonaises en écrivant d'abord le nom de famille puis le prénom.
Une demande de respect des coutumes locales ou peut-être un frein à l’occidentalisation ? Le gouvernement japonais s’apprêterait à envoyer une notice à l’attention des médias, administrations publiques et autres institutions étrangers afin que l’ordre des noms des Japonais soient écrits à la japonaise, soit le nom de famille avant le prénom. C’est ce qu’a déclaré le ministre des Affaires étrangères, KONO Taro, donc, lors d’une conférence de presse ce mardi 21 mai. Ce dernier a même précisé que le gouvernement japonais souhaiterait que cet ordre soit respecté avant les Jeux Olympiques de Tôkyô en 2020 ! Il a ainsi pris l’exemple des pays voisins du Japon, pour lesquels le format nom et prénom est respecté par l’Occident selon les coutumes locales. C’est le cas du président chinois XI Jinping ou du président de la Corée du Sud MOON Jae-in. Le but est que pour Tokyo 2020, les compétiteurs japonais aux Jeux soient présentés, tout comme leurs adversaires chinois ou coréens, selon le modèle d’usage dans leurs pays. A la différence que le Japon avait adopté l’ordre des noms à l’occidentale dans les retranscriptions en alphabet latin ou rômaji durant l’ère Meiji, lorsque le pays ≪ s’est tourné vers l’Europe alors qu’il cherchait à moderniser son économie et son armée ≫ d’après The Guardian. Depuis, cet ordre est entré dans les usages à travers l’apprentissage de l’anglais. D’ailleurs, le Premier ministre lui-même possède deux comptes Twitter : l’un en japonais indiqué ABE Shinzô, et le second en anglais indiqué Shinzô ABE. De nombreuses entreprises japonaises étant à international, comme Fast Retailing (Uniqlo) ou encore Rakuten, ont également adopté l’ordre des noms à l’occidental.
Ce n’est pas la première fois que l’emploi du format occidental des noms est remis en question. En 2000, l’Agence des affaires culturelles préconisait déjà un retour à l’ordre du nom à la japonaise y compris dans les retranscriptions en anglais ou en français, en disant que ≪ Tous devraient être conscients de la diversité linguistique et culturelle de l’humanité et en faire usage ≫. Si à l’époque, ces recommandations n’ont pas été appliquées, le Yomiuri Shimbun rapporte que SHIBAYAMA Masahiko, ministre de l’Education, de la Culture, des Sports, des Sciences et de la Technologie, était également présent lors de cette conférence de presse. Le ministre a repris cet argument précisant que ce ≪ respect de la diversité culturelle de chaque nation ≫ n’avait pas tout à fait été partagé et que ≪ le grand public devrait en être informé ≫. Pour l’heure, rien ne semble décidé puisqu’un débat devrait avoir lieu, l’idée de mettre fin au format occidental des noms pouvant apporter de la confusion. Selon le Nikkei Asian Review, le porte-parole du gouvernement a quant à lui déclaré que ≪ les ministères et organismes concernés vont examiner ce qui peut être fait. ≫.
En ce qui concerne les articles à venir sur Japan FM, nous attendons la décision finale du gouvernement japonais. Notre média étant francophone, nous avions pris le parti d’écrire les noms japonais dans l’ordre d’usage en France, soit le prénom suivi du nom. Cela restera le cas tant qu’aucune notice ne sera communiquée officiellement par le Japon. Quelle que soit cette décision future, notre média s’y conformera par respect pour la culture japonaise. Dans tous les cas, les lecteurs pourront toujours aisément différencier le nom du prénom dans nos articles puisque le nom de famille est et sera toujours indiqué en majuscule.
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フランス語の勉強?
なかのとおる @handainakano
今年、病理学総論を教えた学年は、過去16年のうちで、出席率は群を抜いて最悪。講義中の質問に対する答えも最低。何度も、勉強するつもりがないなら、大学を辞めろ、と叱ったくらい。試験の採点を始めたところですが、目眩が…。
ひょっとしたら、学生はみんな、わたしの講義なんか聴きに来ずに、家で教科書を使って必死で勉強してるんかも、と思ってたんですが、やっぱりそんなことはなかったなぁ。何しとるんや、ホンマに
教科書持ち込みで、どうしてこんな答案を書けるのか不思議でしかたがない。穴埋め問題で、誤答は1点マイナスといってあるのに、ようこんな答えを書けるなぁという答案が多数。
CAR-Tの名前とか、本庶先生のオプジーボの標的分子の名前とか、知らない子が多数。勉強せんのやったら、新聞くらい読んだらどうや。毎日何をしてるのかと思う。
大学にはいったら勉強せんでええと思ってる奴は、大学へ来るな! 入試のシステムから大学のシステムから、根本的に変えないとどうしようもないでしょうね。
病理学総論、穴埋め問題の採点終了。まぁ、講義時の態度とかから考えたらこんなもんでしょうね。16年目ですが、ぶっちぎりで最悪です。論述問題の採点がまだですが、間違いなく半分以上が再試験でしょう。
文章を読む能力が低いのか、どうしてそんな答えがはいるのかという解答が多い。それも同じ間違いをしてる子が多い。たぶん、不出来な対策ノートみたいなのがあるんでしょうね。VEGF(血管内皮増殖因子)が転写因子と思っている子が三分の一くらいいててびっくり。講義で何回でてきたんや。

鮫島浩 @SamejimaH
長谷川氏の差別発言動画は15日に投稿され拡散していたが、マスコミは部落解放同盟が抗議し本人が謝罪するまで報じなかった。記者が誰一人気づかなかったのか。自ら差別と認定し記事を書く記者が一人もいなかったのか。上司が採用しなかったのか。マスコミ崩壊を映す出来事だ。
海渡雄一 @kidkaido
台湾では、刑事事件について再審請求を求める弁護人は公判に提出されなかった証拠を含めて、すべての証拠の閲覧ができるそうです。日本では、裁判官が勧告しなければ、検察庁は何も開示しないのと大違い。
台湾は、知らない間に人権先進国になっていたのですね。

キリショー @seisyou5564
金持ち自慢や散財自慢のzozoの前澤さんが、労働者側に寄り添った発言をしたり待遇を用意し始めたのは大き過ぎる功績。
株主にとっては面白くないかもしれないが、きっとこれは最終的には回り回ってzozoにとってもプラスになると思う。
何故ならzozoの顧客でもある消費者のほとんどが労働者なのだから。

藤田孝典 @fujitatakanori
労働組合やユニオンでも変革主体になり得る団体は育ち始めているが、相変わらず、旧態依然の保守的、変革力に乏しい労働組合やユニオン関係者、ベテラン活動家の影響力が大きい。若年労働運動家、若年労働団体へのテコ入れを法律家の皆さんには引き続きお願いしたいところ。
こたつぬこ『「社会を変えよう」といわれたら』4/17発売 @sangituyama
安倍さんが予算委員会もやらずに芸能人にたかりまくるのは、自分に人気がないから。「あの芸能人と一緒に写っている人」をアピールすることで、無党派層の心理的障壁を下げるためです。そうやって人々の日常に浸透しようとしているのです。
青木 俊 @AokiTonko
繰り返すが、消費税1%の税収は約2兆円。
日本原電がただ取りした金額は1兆円。
安倍が海外で使った金は6年間で55兆円。
ね、消費税、撤廃できるでしょ?

冨永 格(たぬちん) @tanutinn
モーニングショーで丸山議員の処分。「あの言動が衆院全体の意思とは関係ないということを内外に示すため、衆院が懲罰委員会を開くのがベスト」と学識経験者。「彼は衆院を代表して北方領土に行っている。国会議事堂内だけでなく、行った先の言動も懲罰対象になりうる」と。ベターな案は辞職勧告決議。
明日の自由を守る若手弁護士の会/あすわか @asuno_jiyuu
これ以上ひどいのもなかなか見ない、くらいの差別発言を一発アウトにせず静観する道を選ぶ政党。この姿勢自体が、部落差別を助長しています。彼の発言で傷つき「人間以下」「犯罪のプロ」の子孫だと罵られたらと怯える人たちに責任を感じれば「停止」では済ませないはず。
阿部公彦 @jumping5555
石井洋二郎理事の退任挨拶。「東大は「国立」大学であって、「国策」大学ではありません。そして本学が拠って立つところの「国」とは、あくまでも国民全体のことであるはずです。もし国策に疑問があれば、率直に議論を戦わせ、誤りがあれば毅然としてこれを糺すことが国立大学に託された本来の使命」
青木 俊 @AokiTonko
山本太郎氏がなぜ支持を集めるか、理由は簡単、掲げる政策がどこにも遠慮ない、ストレートなものだからだ。野党はなぜこれができないのか。安倍が増税中止を決断して同時選に打って出たら、いまの野党の政策ではまったく勝てない。それを承知でなお曖昧な政策に固執する野党は、市民のことを考えてない
共産党が「消費税の減税」ではなく「増税中止」しか言えないのは、野党共闘の手前だという。では野党共闘がなぜ「消費税減税」を言えないのかというと、枝野氏が「消費税減税」に反対だからだという。減税を訴えなければ選挙に勝てない。反安倍陣営の足を引っ張る真犯人が見えてきた。枝野だ。


健康診断の日です.
少しだけWaさんとお話ししました.
ランチでワインがばがば飲んでしまいました.ヘロヘロです.しかも下痢っぽくてちょっとしんどいです.

デスク日誌 トリアージ
 記者志望の学生たちに以前、こんな質問をしたことがある。
 「東日本大震災の取材で、多くのメディアが車や家を流された被災者より、身内を亡くされたご遺族を手厚く報道してきました。なぜだと思いますか?」
 実は震災に関係なく、メディアは多くの命が失われた事件事故を手厚く報じてきた。若手の頃は、遺族を囲む記者の姿が悲劇に群がるハイエナに見え、めいりそうになったこともある。
 災害や事故が発生し、多くの負傷者を治療する際に優先順位をつけることをトリアージと呼ぶ。最も有効な救命作業を行うためだが、報道の世界にも通じる。
 悲しいニュースは県境や、時には国境を越え、命の意味を考え、防災の在り方や最終的には法律や制度を見直すきっかけにもなる。
 悪質なセンセーショナリズムは論外として、メディアは今後も大きな悲劇を手厚く報じるだろう。報道で最も多くの命を救うには「悲しみのトリアージ」が必要不可欠だからだ。
 「こんなつらい思いを二度と味わわせたくない」。命に向き合い、命を救う震災報道が、犠牲者の弔いにもなると信じている。 (報道部次長 山崎敦)


<勝山酒造>「勝山 献」純米吟醸で世界一 国際ワインコンテスト日本酒部門
 ロンドンで開催された世界最大規模のワインコンテスト「インターナショナルワインチャレンジ」(IWC)のSAKE(日本酒)部門で、仙台伊沢家勝山酒造(仙台市)の「勝山 献」が純米吟醸の最高賞「トロフィー」を獲得した。
 2007年に始まったSAKE部門は今回、純米吟醸など九つのカテゴリーに海外を含む432の蔵から計1500銘柄が出品された。95銘柄がゴールドメダルに選ばれ、特に優れた23銘柄に最高賞「トロフィー」の称号が与えられた。
 「勝山 献」は、酒造好適米山田錦の特長と言える柔らかい味わいに、宮城県開発の酵母によるフルーティーな香りが加わり、和洋問わず幅広い料理に合う酒に仕上がったという。
 海外での日本酒人気に伴い、勝山酒造の取引先は米国やシンガポールなど20カ国に及ぶ。
 同酒造の後藤光昭杜氏(とうじ)は「受賞には正直驚いた。使用した米の品質も良く、自信を持って出せる素晴らしい出来」と喜び、さらなる販路拡大と知名度アップに意欲を示す。
 SAKE部門の総合1位「チャンピオン・サケ」は7月に発表される。


「極東ゲバゲバ風雲録」宮城の中島さんグランプリ ゆうばり映画祭ショートフィルム部門
 北海道夕張市で3月に開催されたゆうばり国際ファンタスティック映画祭で、宮城県加美町在住の映画監督中島悠作さん(24)が製作した短編「極東ゲバゲバ風雲録」が、インターナショナル・ショートフィルム・コンペティション部門のグランプリに輝いた。中島さんは「救出して(世に出して)くれて、ありがとうという気持ち」と独特の言い回しで喜ぶ。
 同部門は国内外から235作の応募があった。映画は「東日本大震災後の日本社会の気分」を題材にした28分間のオムニバス形式。出演は自身を含めて5人のみ。反原発デモに参加する若者や避難所での救援物資の奪い合いなどの架空の場面を、コントのような掛け合いも交えて独自の視点で描いた。
 「リベラルだ保守だと極端な意見が目立つが、どちらにも乗り切れない人も大勢いる。そんな2010年代の空気を映像にした」と中島さん。「震災を語ることのハードルが高くなっている。ばか話でレベルを下げて、手元に戻す意味合いも込めた」と語る。
 中島さんは同町出身。古川高から立命館大映像学部に進んだ。大島渚監督の「新宿泥棒日記」(1969年)など60年代のアンダーグラウンド文化が漂う作品を好む。自身5作目の本作は大学の卒業製作で、脚本や撮影も手掛けた。
 昨年3月の卒業後に帰郷し、次作に向けた構想を練る。「今回は適当に投げやりに作ったのが、運よく評価された。次はカメラマンを付けて、地元でちゃんと作りたい」と意気込む。
 本作の上映イベントを7月に京都で開催する予定。宮城県内をはじめ、東北での上映機会も探っている。


プラごみ削減先進市へ 気仙沼市が対策会議設立
 プラスチックごみによる海洋汚染が国際問題となる中、水産業が主力産業の気仙沼市は22日、プラごみ削減の対策を検討する「市海洋プラスチック対策推進会議」を設立した。漁業者や消費者と連携し、漁具の適正処理や市内で出るプラごみの削減を目指す。
 宮城県内の自治体で本格的に海洋プラスチック問題に取り組むのは初めて。
 気仙沼市は水産加工業や運送なども含めて産業の7割が水産に依存するといわれる。全国屈指の水産都市としてプラごみ問題で先進的な取り組みを目指す。
 会議は学識経験者や漁業団体、消費者団体などの代表ら21人で構成。市役所であった初会合で(1)プラスチックごみの削減とリサイクル(2)徹底した回収と適正処理(3)意識の啓発と改革−を基本方針に据えた。
 具体的な取り組みとして、市内の小売店と協力したレジ袋の有料化促進や過大包装の抑制などを目指す。
 漁業者が出すごみの削減、回収も重点課題となる。漁業者に船上での適正なごみの処理を促し、漁業者が保管する使用済み漁具の回収促進も図る。
 議長を務める菅原茂市長は「海と生きる気仙沼市としては当事者意識を持って問題に取り組む必要がある。市民と協力しながら、世界に発信できるモデルをつくりたい」と話した。


プラごみ輸出規制/排出抑制と処理対策が急務
 プラスチックとの付き合い方を見直す契機としなければならない。
 有害廃棄物の輸出入を規制するバーゼル条約の対象に、汚れたプラスチックごみを加えることになった。スイス・ジュネーブであった締約国会議で改正案が採択された。
 2021年に発効すれば、飲み残しのあるペットボトル、生ごみが混じった容器といったリサイクルに適さないプラごみは、条約の相手国の同意がなければ輸出できない。日本はプラごみを東南アジアなどに輸出しているが、それが事実上困難となる。
 行き場を失うプラごみの処理の体制強化とともに、使い捨てプラ製品の削減など対策を急ぐ必要がある。
 バーゼル条約は、186カ国・地域と欧州連合(EU)が加盟する。今回の改正は、プラごみに関する初の国際的な法規制となる。
 世界のプラごみ廃棄量は年間3億トンに及び、処理能力の限界などで800万トンが海に流出している。生態系への悪影響が問題視されており、海洋汚染に歯止めをかけるのが規制の狙いだ。
 日本では年間約900万トンのプラごみが発生。18年はこのうち約100万トンを輸出している。「汚れたプラごみ」の定義はこれからだが、輸出の大半が止まる見通しだ。
 一方で、年80万トン程度を受け入れていた中国が17年末に輸入を禁止して以来、国内での処分量が増え、対応が追いついていない。条約にかかわらず、プラごみ対策は待ったなしの状況だ。
 環境省は緊急避難措置として、事業者が出す産業廃棄物のプラごみを、家庭ごみの処分を担う市区町村の焼却施設で受け入れるよう要請する事態となっている。産廃を扱う業者への支援も打ち出す。
 日本ではプラごみの約6割は熱利用や発電のため焼却されており、温暖化防止や省資源の観点から懸念が根強い。再生利用されるのは2割強にすぎず、うち約6割は海外でリサイクルされてきた。
 問題の抜本的な解決には、米国に次いで世界2位の1人当たりのプラ消費量を減らし、プラごみの発生を抑えることが王道だろう。
 環境省は使い捨てプラの排出量を30年までに25%削減する目標を掲げる。その達成には社会全体で問題意識を共有し、実際に行動に移すことが求められる。
 環境負荷の低い代替素材の普及を図る。ストローや食器、レジ袋などの使い捨てプラ製品はなるべく使用しない。ペットボトルや容器は洗浄し分別回収に出す…。そんな取り組みが今以上に必要だろう。まずは一人一人が日々の暮らしを見つめ直したい。
 プラごみ対策は、大阪で来月末に開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議でも議題となる。日本は議長国として、「脱プラ」に向けてリーダーシップを発揮してほしい。


丸山氏に元島民らの団体が抗議文 「常軌逸した言動、容認できぬ」
 北方領土を戦争で取り返す是非に言及した丸山穂高衆院議員(大阪19区)に対し、元島民らの団体が23日、「発言やその前後の行動は常軌を逸したものであり、極めて遺憾」とする抗議文を送ったことが団体幹部への取材で分かった。
 抗議文は元島民やその家族らでつくる千島歯舞諸島居住者連盟(札幌市)が、脇紀美夫理事長名で衆院議員会館に送付。丸山氏の発言を「元島民や家族の皆さんの想いを踏みにじる極めて不適切なもの。到底容認できない」と批判した。
 丸山氏は発言を撤回し謝罪したが、辞職は否定。連盟幹部は「本人のその後の言動を見て抗議文を出さざるを得ないと考えた」と話している。


丸山氏の発言 国会は戦争否定の意思を
 発言の真意を改めて説明するべきだ。
 戦争で北方領土を取り戻す是非に触れる発言をした丸山穂高衆院議員である。
 紛争を解決する手段に武力を容認する風潮につながりかねない。国会議員の発言として許されない。
 与野党が辞職や猛省を求める決議案を国会に提出している。
 野党6党派が提出した辞職勧告決議案は「国是である平和主義に反し、国際問題にも発展しかねない」と批判している。与党のけん責決議案も「平和主義を理解していない常軌を逸した言動」とした。当然だろう。
 問題の本質は、外国との問題を戦争という手段を用いて解決するという思考が、国会議員の口から飛び出したことにある。
 発言は、北方領土ビザなし交流訪問団の団長との間で交わされた。「戦争でこの島を取り返すことに賛成か、反対か」と質問した。団長が戦争を何度も否定しても「戦争しないとどうしようもなくないですか」と問い詰めた。
 見過ごせないのは、発言後の説明の中で、戦争という手段を明確に否定していないことだ。
 丸山氏は記者会見で「(戦争が)最善とは全く思っていない」と述べている。
 野党が辞職勧告決議案を提出した後には、「(発言が)憲法の理念を逸脱しているとは考えていない」と強調した。戦争を主張したのではなく、賛否を聞く形だったことを理由にしている。
 発言を撤回した理由が、北方領土返還を巡る外交の経緯や今後への影響、元島民への配慮だけだったともとれる。説明はまだ不足している。
 専守防衛を旨として、近隣諸国に軍事的な脅威を与えない抑制的な姿勢は日本の基本方針である。安倍晋三政権の方針で安全保障政策の転換が加速する中、国会議員は平和主義の意義を改めて自覚しなければならない。丸山氏は議員の資格を欠いている。
 失言などで閣僚などを辞めた議員を抱える自民党は、問題発言を理由とした辞職勧告決議案に同調せず、公明党とともにけん責決議案を提出した。国会議員の身分は憲法で保障されており、辞職勧告決議案が可決されても法的拘束力はない。丸山氏は可決されても議員を続ける意向を示している。
 国会は今回の問題を深刻に受け止める必要がある。丸山氏に真意をただすとともに、武力による紛争解決を明確に否定する姿勢を示さなければならない。


丸山氏 北方領土で“女のいる店で飲ませろ&おっぱい”発言も
「戦争で取り返す」発言だけではなかった。北方領土へのビザなし交流訪問に参加中、丸山穂高衆院議員が酔っぱらって「女性のいる店で飲ませろ」という趣旨の発言をし、禁止されている宿舎からの外出をしようとしていたことが分かった。
 複数の訪問団員によると、丸山議員は11日夜、国後島の宿泊施設「友好の家」の玄関で酒に酔って、団員に「外に出て女性がいる店に行こう」と誘い、外出しようとした。同行の職員らに止められると「俺は国会議員だ、ここは日本の領土だろ。議員なんだから不逮捕特権があるんだ」などと放言し、なおも外出しようとして止められたという。
 別の政府関係者も「女のいる店で飲ませろとの発言や、『おっぱい』という言葉は聞こえた」と語った。酒が入ると、危険思想とスケベな本性がダダ漏れになるようだ。


丸山氏「ロシア女性紹介しろ」 ビザなし訪問中に外出試みる 関係者が繰り返し制止
 ビザなし交流訪問団の一員として訪れた国後島で、戦争による北方領土の奪回に言及し、日本維新の会を除名された丸山穂高衆院議員(大阪19区)が、同島の宿泊施設「友好の家」に滞在中、団員に対し「ロシア人女性の店に行こう」という趣旨の発言をし、単独行動が認められていないにもかかわらず何度も外出しようとして政府関係者らに止められていたことが22日、分かった。
 外務省はビザなし渡航に関し、単独行動によってトラブルが生じた場合、拘束されてロシアの法律が適用される恐れがあるため、四島滞在中の団体行動の厳守を求めている。
 複数の団員によると、丸山氏は友好の家に滞在中、団員に「外に出て女性がいる店に行こう」と発言。団員が断ると「ここは日本国なので問題ない」と再度誘った。別の団員には「ロシア人女性を紹介しろ」という趣旨の発言をしたという。丸山氏は10日夜と11日夜、友好の家から何度も外出しようとして、そのたびに外務省職員や他の団員に制止された。
大声で卑猥な言葉繰り返す
 丸山氏は11日夜、友好の家の食堂で団員10人程度が懇談していた際、大声で卑猥(ひわい)な言葉を数回繰り返した。その後、丸山氏は食堂の端で同行記者2人の取材を受けていた大塚小彌太(こやた)団長(90)に対し、「戦争でこの島を取り返すのは賛成か、反対か」「戦争しないとどうしようもなくないか」などと話しかけた。
 北海道新聞は22日夜、丸山氏の事務所にコメントを求めたが、連絡が取れず回答は得られなかった。丸山氏に対しては衆院に辞職勧告決議案とけん責決議案が提出されており、今後の審議に影響を与えそうだ。


上西小百合 長谷川豊氏の部落差別発言で維新の対応を「最低最悪」と批判
 元衆院議員でタレントの上西小百合(36)が23日までにツイッターを更新した。
 上西は夏の参院選(比例区)で日本維新の会から立候補を予定する元フジテレビアナウンサーの長谷川豊氏(43)の部落差別発言に言及した。
 長谷川氏は2月、都内での講演会で「人間以下の存在がいる」などと猛毒を噴射した。
 これに対し、部落解放同盟中央本部が維新に抗議文を提出する騒ぎとなった。
 上西は「また平然と差別発言をした長谷川豊氏。これだけ繰り返すってことは『失言』でも『誤解』でもなく『本心』だ」と長谷川氏を断罪した上で、矛先を維新に向けた。
「そんな人を何度も公認する維新。自民党の失言防止マニュアルを見て“こんな当たり前のこと書くか?”と思ったけど、維新には間違いなく必要。所属議員と候補者、そして松井代表にも」と切り捨てた。
 立憲民主党では、ヘイトスピーチを行った候補者の出馬を取り消した事例がある。
 それに比べると、維新の対応は甘く後手に回っていると指摘した。
「長谷川豊氏は以前女性を馬鹿にする発言もしていた。現維新市議には女性を馬鹿にするツイートをする人もいる。なんなの、あの女性を見下す感。女性の私からすると本当に不愉快。橋下さんも、松井さんも、(ついでに東さんも)何故長谷川豊氏にははっきり言及しないのか。考え方が似てるからなのか。だとしたら最低最悪」と、元大阪市長の橋下徹氏(49)にも姿勢を問いただした。


戦争発言に加え「女を買いたい」…トンデモ発言連発の丸山穂高議員はなぜ辞職しないのか?
丸山穂高議員にさらなる問題発言報道
5月11日、北方領土へのビザなし交流訪問に参加中、「戦争でこの島を取り返すことは賛成ですか?反対ですか?」「戦争しないとどうしようもなくないですか?」などと発言した丸山穂高衆院議員(35)。
その丸山議員に新たな問題が…23日発売の「週刊文春」が、丸山穂高議員は“戦争発言”以外にも「女を買いたい」などの発言を連発し、さらに酔っぱらって大立ち回りを演じたと報じたのだ。
そのとき、何が起こっていたのか?
「直撃LIVEグッディ!」は、暴言があったとされる懇親会に出席した訪問団メンバー2人を独自取材した。
ビザなし訪問団の1人として、丸山穂高議員と共に国後島を訪れた清水征支郎さんは、自身も国後島の元島民。清水さんは丸山穂高議員と共に、国後島の宿泊施設「日本人とロシア人の友好の家」に滞在し、懇親会に参加していたという。
懇談会の席で大声や卑猥な言動を連発
その時の丸山議員の様子が…
清水征支郎さん:(懇親会会場の)食堂の真ん中あたりで陣を取って、大きい声で騒いでましたよ。テーブルをコップの底でガンガンガンガン、もうすごい音を出してね、叫んでるのさ。
政府関係者によると、丸山穂高議員はそれ以外にも、懇親会の席で卑猥な言葉を連呼するなど場違いな行動を繰り返したそうだ。
清水さんは丸山穂高議員と飲む事に嫌気が差し、開始5分ほどで自分の部屋に戻ったという。
そして、懇親会がスタートして1時間がたったころ…
訪問団の団長が新聞社の取材を受けていた際、突然丸山穂高議員が割って入り、あの戦争発言が飛び出した。
その一部始終を見ていた別の団員は、その時の丸山穂高議員の様子について…
訪問団員:団長という立場で取材を受けている上に大きな声で話しかけていたものですから、彼の手を取って「いいかげんにしなさい」ととがめて、その場から引き離すようにしました。とにかくわめいて、素直には引き下がらなかったですけど…わーわーわーわー騒いでましたね。
結局、丸山穂高議員の暴言で懇親会の雰囲気はぶち壊しになり、会場となった食堂は1時間前倒して終了することに。しかし、丸山穂高議員の行動はその後も止まらなかったという。
訪問団員:我々も部屋に戻ったんですけど、館内のあちこちで大きな声を張り上げていまして、何をやっているのかなという感じで…。
この時、丸山穂高議員は何を叫んでいたのか?団員の清水さんは帰途に就く際、その発言内容を聞かされ驚いたという。
「女を買いに行くんだ」飛び出したトンデモ発言
清水征支郎さん:帰りの船でかな、女の話を聞いたのは。丸山議員は「これから外出して女買いに行くんだ」って、そういう話をして騒いでいたそうですよ。
ビザなし交流での訪問中は、国際問題になることを避けるために敷地の外には出ないことが暗黙のルールとなっている。
関係者らの制止によって外出することはなかったが、一歩間違えれば重大な問題に発展しかねない行動だ。
迷惑行為を繰り返したという丸山穂高議員。ビザなし交流訪問に参加した他の団員たちは、怒り心頭だったそうだ。翌朝、丸山穂高議員を呼び出し、前日の行動について厳しく追及したという。
訪問団員:事務局の再三再四の制止があっても、あなたは深夜に及ぶまで大声を出してました。社会的に見て、あなたのやったことは到底許されないことです。
厳しい言葉を、うつろな表情で聞く丸山穂高議員。団員にうながされ、前夜の行動を謝罪した。
丸山穂高議員:大変厳しいお言葉頂戴して、申し訳ない気持ちでいっぱいです。昨日、確かにホームビジット先でかなり勧められてお酒が入っていた。そうした中で、就寝されているのに大きな声で皆さんの眠られているのを妨げたり、そういう形でご迷惑かけたことを改めておわび申し上げます。すみませんでした。今のご指摘の通り、しっかり自分の中で見つめ直して、自分自身の今のご指摘、置かれた立場をもう一回認識して、しっかりと考えたいというふうに思います。大変失礼しました。
しかし、謝罪を聞いた団員たちの怒りはおさまらない。丸山穂高議員の様子からは、反省の色を感じなかったという。
清水征支郎さん:こっち来てくださいと言われてしぶしぶ出て、小さい声でごにょごにょ謝って、声も小さいし。本当に喉まで出かかっていたんだけど「夕べの勢いで大きい声でやれ」って叫んでやりたかったね。本人が自ら謝罪する気持ちが一つもないよ、あの男は。
団員たちはみな憤慨していたと清水さんは話した。
グッディ!のスタジオには政治評論家の有馬晴海さんをお招きし、見解を伺った。
丸山穂高議員が辞職をしない背景とは?
倉田大誠アナウンサー:そもそも丸山穂高議員というのは、どういう人物なんでしょうか?
有馬晴海氏:見ての通り、今回の言動は象徴的です。頭もいい、弁もある、押し出しも強い。ただお酒がね…という話と、自分の主張をなかなか譲らない、考え方を押し付けがちというのが永田町の評価ですね。
丸山穂高議員は現在、所属していた「日本維新の会」から除名処分、野党からは「議員辞職勧告決議案」を提出されるなど、四面楚歌の状態だ。しかし…
大村正樹フィールドキャスター:今のところ、本人は議員を辞める気はないと話しています。
丸山穂高議員は「これまでの決議案は“刑事犯”がほとんどで、発言に対して出すのは非常におかしい。私が辞めることで逆に前例をつくってしまいかねませんから、絶対に辞めるわけにはいかなくなってしまった」と取材に答えている。
田村勇人弁護士:前提がおかしくて、問われているのは国会議員としての資質と、あなたが自らここで身を引きませんかということなのに、強制的に辞めさせられるのが是か非かというところに論点をすり替えている。もう一つは、表現の自由という言葉を彼は使っていますが、表現の自由は、表現するまでの自由であって、表現した内容に対する批判からの自由ではありませんよ。
安藤優子:有馬さん、ここまで強気に辞めないという背景は何なんでしょうか?私たちは到底理解ができないのですが…
有馬晴海氏:彼が思ってることは、言論の自由があるんだと。私は別に戦争をやろうなんて言ってないし、武力行使もしていない。ただ問題提起として戦争は反対か賛成かということを問うたということなんです。ですが私は話の中身は、むしろあおってるような形じゃないかと思うんですが、本人はそうじゃないと言い張っていて。言論の自由を封じ込めるのかということで、国会議員を敵に回し、国民を敵に回し、自分はそういうことではないんだと言い張っている状態です。
安藤優子:女性に対する非常に侮蔑的な発言にはどうおっしゃるんですかね…。ビザなし交流って遊びに行っているわけではなくて、元島民の方とロシアの住民の方と交流を深めて、お互い理解しあってなんとか北方領土問題の解決に向けて力にならないか…という、立派な草の根外交なんですよ。にもかかわらず、「女を買う」?あきれてものも言えません。
丸山穂高議員の今後の進退に注目が集まる。


鈴木宗男氏、丸山議員の「おっぱい」に「幼児だ」
鈴木宗男元衆院議員(71)が23日、国会内で代表を務める新党大地の「東京大地塾」に出席し、丸山穂高衆院議員(35)がビザなし訪問団で訪れた北方領土の国後島で、酒に酔って戦争による北方領土奪還論に言及したことに対し、「悲しいのと、開いた口がふさがらない」とあきれかえった。今も領土問題に取り組み、何度も北方領土に渡航した宗男氏は、国後島内の飲食及び娯楽施設について“解説”。丸山氏が「キャバクラに行こうよ」と発言したことに対し「レストランにカラオケをしたり、ロシア人が好きなコサックダンスなど踊れるスペースはあるが、国後島にキャバクラはない」と断言した。
また、丸山氏が現地で「おっぱい」と言葉を発したことに対して「論外の話。赤ちゃんが2、3歳のころ、ミルクが欲しい時に『おっぱい』と言いますが、言葉が幼児。赤ちゃんプレーですね」と指摘。「言論の自由」とツイッターで反論したことには「開き直っている」と非難した。
丸山氏の一連の発言は、宗男氏が建設に関わった宿泊施設「友好の家」(通称「ムネオハウス」)で起きた。宗男氏はビザなし訪問団の実現に尽力した経緯もあり「ビザなし交流の原理原則を分からないで行ったことがダメだ」と切り捨てた。禁止された宿舎からの外出を試みたことにも言及。「『鈴木宗男が(宿舎の)外に出て、(自分が)なぜ出られないのか』と言ったようだが、迷惑千万。私は飲み屋に行きたいと言ったことはない!」とまくし立てた。
最後に「説明責任を果たした上で、きちっと責任を取るべき。議員辞職も含めて判断すべき話だ。事の重要性を認識してもらいたい」と自身の見解を示した。【近藤由美子】


白血病新薬にケチ…命を費用対効果で語る麻生氏に批判殺到
 白血病の新型治療薬「キムリア」に対する公的医療保険の適用が22日から始まった。
 既存の治療法では効かなかった一部の白血病患者に効果が期待されるキムリア。投与は1回で済むが、価格は3349万円と、1回当たりの薬価としては過去最高。
 公的保険を適用すれば、患者の自己負担は最高額でも60万円程度になる。白血病患者や家族にとって、待望の保険適用スタートだ。
 今年2月、競泳の池江璃花子選手が白血病と診断されたことを公表したこともあって、“特効薬”に関心を持った国民も多いはずだ。
 ところが、麻生太郎財務相が保険適用にケチをつけている。適用開始を翌日に控えた21日、記者団にこう言い放った。
「よく言われる費用対効果。高額の医療をやって存命された存命期間が何年です? 大体、数カ月。そのために数千万の金が必要なんですかと、よく言われる話ですが」
 要するに、数カ月の延命のために政府が数千万円も負担するのは、もったいないということだ。
 早速、ネット上では怒りの声が噴出している。
<現在闘病中の人、家族に対する破壊的暴言である><人の命に費用対効果なんてあるのか><武器買うより人を救う方に税金使えばいいじゃん>
 さらに、安倍首相や閣僚が答弁で多用する「言い逃れ」を「ご飯論法」と名付けた法政大学の上西充子教授が鋭いツイートをしている。
<麻生大臣が卑怯だなと思うのは、『よく言われる話ですけど』など、誰かの見解のように語ること。自分の言葉に責任を持たない>
 確かに、これは麻生財務相の常套手段。財務省の福田淳一前事務次官のセクハラ問題が浮上した時も、「はめられて訴えられているんじゃないかとか、ご意見はいっぱいある」と言っている。
 庶民の命はどうでもいいのか。


拉致問題 一刻も早い被害者帰国を
 拉致問題を一刻も早く解決し、被害者たちを救い出さなければならない。改めて強く訴えていきたい。
 2004年5月に当時の小泉純一郎首相と北朝鮮の金正日(キムジョンイル)総書記が向き合った第2回日朝首脳会談から15年という歳月が流れた。
 会談を受け、柏崎市の拉致被害者蓮池薫さんと福井県小浜市の拉致被害者地村保志さんの子ども5人が日本に戻った。
 蓮池さんの長女と長男は、自分の意思で将来を切り開いている。地村さんの子ども3人も成長し、長女と次男は結婚して新しい家庭を築いている。
 しかし、この15年間、政府認定の拉致被害者や未認定の特定失踪者は1人も戻っていない。
 佐渡市の曽我ひとみさんは、首脳会談後に娘2人と夫ジェンキンスさんは取り戻したが、曽我さんと一緒に拉致された母ミヨシさんとの再会は果たせていない。ジェンキンスさんは17年に亡くなった。
 先ごろ被害者家族が東京で開いた大規模な集会では、横田めぐみさんの父で入院中の滋さんが欠席し、田口八重子さんの兄で家族会代表の飯塚繁雄さんも体調不良で顔を見せなかった。
 15年の歳月は長い。家族の高齢化も著しい。被害者の安否も分からずに、不安は募るばかりだろう。
 横田めぐみさんの弟拓也さんは「世代をまたいでも、まだ救出できない。大きな問題だ」と姉の救出に向けて訴えた。両親はもちろん、被害者家族に共通する思いに違いない。
 安倍晋三首相は拉致問題について、自らの内閣で解決すると繰り返し述べている。集会では「被害者と家族が抱き合う日まで、われわれの使命は終わらない」と言明した。
 安倍首相は拉致問題解決に向けた金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長との首脳会談について、問題進展を前提に置くとした従来の方針を転換し、無条件での開催を目指すと表明している。
 無条件は首相の強い意向だという。北朝鮮問題に関する6カ国協議の枠組みではトランプ米大統領のほか中国、韓国、ロシアの各首脳もトップ会談しており、情勢は動き出している。
 唯一金氏と会談していない首相が孤立化を避けるために会談実現へのハードルを下げたとも見られているが、あらゆる手段を使っても金氏との対話にこぎ着け、被害者救出につなげてもらいたい。
 北朝鮮はトップが決断すれば、状況が動かせる。膠着(こうちゃく)状況を打開するには日本もトップが対応するしかない。
 入院中の横田滋さんは、めぐみさんと「会うまで頑張る」と話しているという。その言葉を首相は胸に刻んでほしい。
 トランプ氏が間もなく来日する。首相は拉致問題を巡って、日米首脳間の緊密な連携を打ち出したい考えという。
 トランプ氏と被害者家族との面会も予定されている。こうした動きをてこに、被害者救出の糸口を何とか見いだしたい。 


地上イージス「最適」判断 配備反対、地元の声重い
> 地上配備型の迎撃システム「イージス・アショア」の配備先の一つとして、政府は萩市の陸上自衛隊むつみ演習場が「最適」と判断した。28日に防衛副大臣を山口県に派遣して、地元の理解を求める。
 演習場の北側に隣接し、進入路の一部が通る阿武町を中心に、反対する意見が地元では強まっている。政府は、無視してはならない。
 むつみ演習場は昨年6月、秋田市にある陸自新屋演習場とともに候補地として公表された。この2カ所への配備で日本全体をカバーでき、弾道ミサイルによる攻撃を感知して落下の恐れがあれば迎撃するという。
 地上イージスは弾道ミサイルを捕捉する際にレーダーから強力な電波を発する。それが人体や環境にどんな影響があるか住民の多くが不安を感じている。政府は実測調査をして問題ないとした。周囲の水源への影響もなく、「適地」と判断した。
 しかし住民の不安は消えそうにない。「長期間調べないと影響は分からない」「結論ありきの意味のない調査だ」と反発している。もっともだろう。反対を表明している花田憲彦町長も断言する。「国が適地と判断しても私は不適と訴える。配備には住民理解が大前提のはずだ」
 配備に反対する「町民の会」加入者は町内の有権者の過半数に達した。町を挙げて「ノー」を突き付けていると言えよう。
 町は海と山に囲まれた自然を売りに移住を促進する施策に力を注いできた。人口約3300人だが、転入者は毎年100人前後に上る。配備計画はそれに逆行する、との強い危機感が町にはあるに違いない。
 動きは、萩市にも広がっている。反対グループが県全域から2万人を超す署名を集めた。市内では演習場周辺を中心に5千世帯以上が署名したという。
 そもそも地上イージスは必要なのか。なぜむつみ演習場に配備するのか。中期防衛力整備計画や「防衛計画の大綱」にも記載がなかったのに急浮上し、政府の説明も国会での論議も不十分なまま、既成事実だけが積み重ねられようとしている。
 政府が導入計画を明らかにした一昨年の夏に比べ、北朝鮮の「脅威」は薄れている。米国も北朝鮮も、対話路線を続ける構えは崩してはいない。
 地上イージスは、使い方次第で専守防衛の枠を超えるのではないかとも指摘される。技術的には、発射される前のミサイルを狙う方が簡単だが、敵基地への攻撃を容認することにもつながりかねないからだ。
 迎撃用の盾だと言っても、矛だと相手は見ているかもしれない。ならばなおさら、真っ先に攻撃目標にされるのではないかとの住民の懸念は拭えない。
 米側の「言い値」や納期を受け入れる対外有償軍事援助(FMS)による調達である点も今後の不安材料になりかねない。
 米国による肝心のレーダー開発が順調に進んでおらず、完成まで時間がかかる見込みだ。政府は、目標としてきた2023年度より運用開始が遅れる可能性があることを今春認めた。その分、費用が膨らみ、日本への負担要請が強まって、泥沼のような状態に陥りそうだ。
 政府は「配備ありき」ではなく、まずは地元の声に真剣に耳を傾けるべきだ。


【高校普通科改革】「脱画一化」の後が難題だ
 政府の教育再生実行会議が、高校生の7割が通う普通科の改革を柱とする提言をまとめた。
 教育内容が画一的で、生徒の多様な能力や関心に十分に応えられていないとして、各校が教育目標を明確化。「グローバルに活躍するリーダー育成」といった特色ごとに類型化することを打ち出した。
 「脱画一化」を図り、急速な時代の変化に対応する人材を育成しようとする狙いは理解できる。だが一方で類型化が進むと、一人一人の個性とのミスマッチを生みかねない。
 制度の具体化は今後、中央教育審議会が詳細な検討を行う。脱画一化と生徒の多様性確保のバランスが取れた議論が求められる。
 高校は普通科のほか、工業や商業といった専門学科、総合学科の三つに分かれている。うち普通科では国語や数学、理科、社会など基礎的な科目を主に学ぶ。
 教育再生実行会議の提言によると、普通科の教育内容は、大学受験を念頭に置いた指導や授業編成が大半で、生徒の能力や興味・関心に応じきれていない。
 画一的な学びは、学校外での勉強時間について、中学段階に比べて高校入学後には時間が減るなど、学習意欲の低下もみられるという。
 そこで提言では、全国の高校に「特に力点を置く学習内容」などの教育目標を明確にするよう要求。それらを踏まえた上で、各校の人材育成のイメージを類型化した。
 例として挙げた類型化は、自らのキャリアをデザインできる力の育成▽国際的に活躍▽科学技術の分野をけん引▽地域課題の解決−−の4タイプだ。
 2022年度の新入生から順次実施される高校の新学習指導要領では、新しい時代に対応した学びが数多く導入される。中でも力を入れているのが情報通信技術(ICT)を活用した教育だ。
 提言は小中も含めたICT教育を、大学での人工知能(AI)などの教育につなげる方向性も示した。大学も変わらざるを得ない。
 ここで注意を要するのは、類型化といえども、徹底すればするほど生徒たちの可能性に枠をはめがちになることだろう。
 類型化が進めば、中学卒業段階での高校選択の重みが一段と増すことになる。10代といえば、目標が定まっていない子どもも多い。高校が特色を出すことで、将来の子どもの可能性を狭めるような結果になれば、本末転倒になりかねない。
 提言は類型化の検討に際して、建学の精神が尊重される私立校や、地域に高校が少ない中山間地に適切な配慮を求めた。そこらに類型化の難しさものぞく。
 高校の授業が、文系・理系を分断する内容にならないことが重要とも指摘した。高校教育は本来、幅広い教養や好奇心を身につける場だ。
 脱画一化の後に、どのような多様性を築き上げるのか。慎重で深い議論が必要だろう。


[白血病高額薬] 医療財政の再建が急務
 厚生労働相の諮問機関、中央社会保険医療協議会(中医協)は、白血病などの血液のがんを治療する新薬「キムリア」の保険適用を了承、きのう適用が始まった。
 投与は1回で済み、保険適用で治療費の大部分がカバーされる。既存の治療では回復が見込めなかった患者にとっては朗報に違いない。
 ただ、価格は3349万円で、1回当たりの薬の価格としては最高額となる。今後も超高額薬が次々登場することが予想され、保険で賄い続ければ、医療財政が逼迫(ひっぱく)する恐れがある。
 公的な保険制度が破綻しては元も子もない。誰もが公平な負担で必要な医療を受けられる制度の維持へ議論を深めていかなくてはならない。
 キムリアは人工遺伝子で患者の免疫細胞の攻撃力を高める「CAR−T細胞」を利用した治療法だ。一部の白血病やリンパ腫の患者が対象で、日本の患者も参加した治験では白血病で約8割、リンパ腫で約5割に効果があったという。
 保険の適用で使いやすくなったが、なぜこれほど高額なのか。
 新薬は患者の細胞を取り出して加工するなど複雑な工程で作られる。患者一人一人に対応した、いわば「注文製造」である。研究開発にも多額の費用が投じられている上、対象が希少疾患で患者数が少ないからだとされる。
 薬の価格はこうした「原価」に、薬の有用性などを加味して決められる。だが、中医協では価格設定が不明瞭だとの批判が噴出した。
 がん治療薬では「オプジーボ」の高価格が批判された。製薬企業は価格算出方法について積極的にデータを示し、透明性を高めることが欠かせまい。
 政府はオプジーボ価格への批判を機に、薬価見直しのルールを変更、オプジーボは当初価格の4分の1程度まで徐々に引き下げられた。今年4月からは費用対効果を価格に反映させる制度も始まり、キムリアは約1年3カ月間の審査を経て新価格が決まる。
 欧米で既に製造販売が承認されたキムリア以外の超高額薬は少なくない。いずれ日本でも承認される可能性がある。そうなると、薬剤費が増えて医療費全体がさらに膨らむ。
 薬の価格をむやみに削減し、新薬開発を阻害しては困る。同時に、患者が「夢の新薬」を利用できるよう医療財政を立て直し、健全化を図っていく必要がある。
 年40兆円に上る医療費のうち薬剤費は5分の1を占めている。健康保険組合連合会などは、症状の軽い患者の薬は保険の対象外とするなど医療保険制度の見直しが急務だと訴えている。
 こうした見直しには国民の理解が不可欠だ。薬の保険適用範囲についての議論も進めなくてはならない。


安倍首相が新天皇に内奏の夜、「今の陛下はドアまで送ってくれた」と自慢! 宮内庁は否定したが、官邸幹部との食事会で…
 安倍首相による天皇の政治利用が止まらない。新元号「令和」での自己PR、天皇即位パレードのルート変更、さらに14日、安倍首相が徳仁天皇の即位後初の内奏をおこなったのだが、宮内庁は即日、内奏時の写真や映像を公表した。これまでも総理大臣による内奏の模様を後になって写真で公開することはあったが、今回は映像まですぐに公開。これは異例のことで、野党からは天皇の政治利用だと批判が相次いでいる。
 安倍首相は、先代の天皇(明仁上皇)から改憲や先の戦争に対する肯定的な姿勢を嫌われ、対立関係が公然の秘密となっていたが、代替わりを奇貨として、一気に徳仁天皇との“良好な関係”をアピールしているということだろう。
 そんななか、驚きの報道がなされた。毎日新聞が16日付朝刊の「野党 内奏写真『天皇を政治利用』」と題し、この内奏公表に関する記事を出したのだが、そのなかで、安倍首相がこんな発言をしたことをすっぱ抜いたのだ。
「前の天皇陛下はいつも座ったままだが、今の陛下は部屋のドアまで送ってくださって大変恐縮した」
 毎日は、「関係者によれば」というかたちで、〈14日夜、新元号発表に関わった首相官邸幹部らと会食〉した席で安倍首相が上記の発言をしたことを伝えている。文字通り読めば、安倍首相は明仁上皇を暗に批判しながら、徳仁天皇がいかに自分を気にかけてくれているかを吹聴していた、ということになるだろう。いったい、何様なのかと聞きたくなるではないか。
 ところが、である。宮内庁はこの記事を否定する姿勢を見せている。複数のマスコミが報じているとおり、20日の定例会見で宮内庁の西村泰彦次長は、毎日が報じた安倍発言に関して、「官邸に確認したが、首相はそのような発言をしていないと聞いている」と述べたうえ、明仁上皇が「お座りのままお見送りしたということはあり得ないというのがわれわれの認識」とし「上皇陛下の尊厳を傷つけ、極めて非礼で遺憾だ」との見解を示したのだ。
 これを受けてネット上では、安倍応援団のネトウヨを中心に「フェイクニュースだ」との声があがっているが、ほんとうにこの首相発言は虚報だったのだろうか。ベテラン政治部記者がこう否定する。
「ただでさえ、安倍首相の発言に関する報道は官邸が細かく目を光らせているうえ、今回は上皇、天皇両陛下の振る舞いにかかわるもの。下手を打ったら、抗議が殺到しかねない案件ですから、よほどの確度がなければ怖くて活字にできませんよ。ただの伝聞で記事にするというのはありえないでしょう」
 そこで、22日、毎日新聞社に今回の取材経緯や記事についての見解を聞いてみたところ、社長室広報担当が書面で回答。取材の詳細について〈今回の記事に関わらず、取材の過程等についてはお答えしておりません。〉としたものの、記事の内容、信ぴょう性については、〈当該の記事は正確な取材に基づいたものです。〉と断言した。謝罪や訂正をするような動きは見せておらず、むしろ自信を感じさせる姿勢を見せている。
 実際、本サイトが独自に取材や検証を進めていくと、毎日新聞は安倍首相の発言を聞いた当事者から情報を得ている可能性が濃厚になった。
 毎日によると、安倍首相がこの発言したのは〈14日夜、新元号発表に関わった首相官邸幹部らと会食〉の席だが、たしかに、この会食は開かれていた。皇居に行って内奏をしたその日、午後7時すぎから東京・南麻布の高級イタリア料理店「Appia」で、菅義偉官房長官、杉田和博官房副長官、古谷一之官房副長官補、山崎重孝内閣府事務次官、大石吉彦警察庁警備局長ら、まさに改元や即位にかかわった政府幹部が顔を揃え、慰労会的な意味合いの食事会を開いていたのだ。
安倍首相の発言があったのは、改元、即位に関わった官邸幹部らとの食事会
 つまり、毎日新聞はこの改元の慰労会の参加者から、安倍首相が語った自慢の内奏の内容をオフレコで聞き出したという可能性が非常に高い。今度は官邸担当記者が語る。
「この食事会のあと、複数の政治部記者が内奏のディテールを聞き出そうと、参加者にオフレコで取材をかけていましたからね。官邸詰めだけでなく本社の政治部記者も動いていた。毎日以外にも、参加者から同様の証言を得ていた社があったのではないかと言われています。いま、官邸は令和改元と代替わりのブームに調子付いており、皇室関連の情報については非常に口が軽い。むしろ“徳仁天皇と安倍首相の関係の良さ”を積極的にアピールしています。今回も、その流れで、参加者が口を滑らせてしまったんでしょう」
 実際、参加者が安倍首相の発言を喋っていたことは宮内庁の対応からもうかがえる。前述したように、宮内庁は一応、西村次長が会見で記事を否定したが、よく検証してみると、やけに弱腰なのだ。そもそも宮内庁がわざわざ安倍首相の発言について言及するのも異例だが、その否定の仕方が「発言をしていないと聞いている」という曖昧なもの。また、西村次長は「お座りのままお見送りしたということはあり得ない」と、上皇に関する部分は強く否定したが、徳仁天皇が安倍首相を「部屋のドアまで送った」という部分については否定も肯定もしていない。
 また、22日、宮内庁はHPに「天皇陛下に対する総理内奏に関する記事について」という抗議文を掲載したが、そこでも〈「前の天皇陛下」すなわち上皇陛下が、座ったまま総理をお見送りになることはあり得ません。〉と、上皇が座ったまま、というのを否定しただけで、現天皇に関する部分については言及しなかった。さらに驚いたのは、文章がこう締められていたことだ。
〈毎日新聞社は取材に基づいて報じたものと思いますが、結果として、総理発言に基づかない上皇陛下への非礼となる内容となっていることから、去る5月20日の宮内庁次長会見において、以上の経過を宮内記者会に説明するとともに、ホームページに掲載することにしました。〉
 内容は一応、「総理発言に基づかない」としているが、それは「結果として」であり、「毎日新聞社は取材に基づいて報じたものと思う」という但し書きをわざわざ入れていたのである。
宮内庁と官邸の曖昧な対応の理由は? 増長する安倍官邸の天皇政治利用
 しかも、である。時事通信によれば、宮内庁はこの記事に関して毎日新聞社に個別に抗議することは考えていないという。いったいこの弱腰の対応は何なのか。
 官邸も同様だ。ふだん、あれだけ批判報道に神経を尖らせ、すぐに「捏造」などとわめきたてて抗議する官邸だが、いまのところ、そうしたリアクションをとったという報道はまったくない。
 これはやはり、安倍首相が食事会で今回の内奏の模様について発言したこと、そして、出席者の誰かが毎日に、記事にあった首相の発言内容を喋ったことが事実だからだろう。毎日を追い詰めすぎると、「食事会の参加者のひとりから聞いた」などと反論され、逆に安倍首相が批判を浴びる事態になりかねないと判断したからではないのか。
 さらに、ベテランの宮内庁担当記者はこんな分析をする。
「もしかしたら、漏らしたのが、官邸の皇室担当責任者である杉田官房副長官だったという可能性もありますね(笑)。もしそうなら、絶対に表立った強い抗議はできないでしょう。また、そうでなくても、宮内庁の西村次長は警察官僚出身で、官邸がお目付役で送り込んだ人ですから、官邸の意向をふまえて、本来は事を荒立てたくなかったはずです。ただし、今回は、上皇陛下が安倍首相のものとされた『前の天皇陛下はいつも座ったまま』という発言に不快感を示されたため、宮内庁としては、動かざるをえなかった。そこで、安倍首相がそういう発言をしていないとしたうえ、上皇の発言に関する部分だけ、過去の事例を持ち出し、強く否定したんじゃないでしょうか。板挟みの末に落とし所を探ったという感じもしますね」
 いずれにしても、安倍首相の「前の天皇陛下は座ったままだったが、今の陛下はドアまで送ってくれた」発言報道は、代替わりを自分の権力強化に利用し、現天皇との蜜月を誇示し始めた安倍首相の姿勢が生み出したものだ。しかも、調子に乗った安倍首相と官邸はこれからますます、この姿勢をエスカレートさせていくだろう。
 前の天皇は明確な“リベラル・護憲派”であり、一種、安倍政治に対する“防波堤”的役割を担ってきた部分もあったが、令和の時代は、皇室が安倍政治の暴走の推進役を担わされる可能性が非常に高いと言わざるをえない。


淑徳大の学部廃止で「教授3人解雇」は無効…大学側「承服しがたい判決だ」
大学の学部廃止を理由に解雇したのは不当だとして、淑徳大学の無期雇用の教授3人が学校法人「大乗淑徳学園」(東京都・板橋区)を相手取り、教授としての地位確認や賃金の支払いを求めていた訴訟で、東京地裁(春名茂裁判長)は5月23日、解雇無効として、原告の請求をほぼ全面的に認める判決を言い渡した。
●「学部廃止」に先駆けて「解雇通告」
判決などによると、大乗淑徳学園は2013年12月、淑徳大学国際コミュニケーション学部の廃止(2017年3月)に先駆けて、同学部の専任教員12人に対して、希望退職を募集した。同時に、もし希望退職しない場合は、学部廃止時点で解雇すると通告した。
解雇通告を受けた教員のうち3人(原告)が、労働組合を結成して、団体交渉を申し入れていたが、学園側は交渉拒否などの対応をとっていた。学園側が2017年3月、通告どおりに解雇したため、この教員3人は同年4月、地位確認などを求めて東京地裁に提訴していた。
●解雇権濫用で「無効」と判断
東京地裁の春名裁判長は、学園の財務状況が相当良好であったこと、国際コミュニケーション学部廃止と同時に新設が決定された人文学部で、原告側が担当可能な授業が多数設けられたことなどから、「学部廃止に伴う人員削減の必要性は高度であったとはいえない」と指摘した。
さらに、「学園が、解雇回避の努力を尽くすこともなく、説明や協議を真摯におこなうこともしなかった」として、原告3人の解雇について、「解雇権を濫用したものであり、社会的相当性を欠くものとして、無効である」と判断した。
●学園側「承服しがたい理由のある結果」
原告のジグラー・ポール氏ら3人と代理人は、この日の判決後、東京・霞が関の厚生労働記者クラブで会見を開いた。
原告の1人は「何よりも自分の生活を安定できるということで、心からホッとしている」「日本の私学の状況をみていると、こういう判決が出たのは良かったと思っている」「おかしいことはおかしいと言っていきたい」と話した。
大乗淑徳学園は、弁護士ドットコムニュースの取材に「学園としては、承服しがたい理由のある結果であったため、控訴を検討しております」とコメントした。


“無期雇用”直前での雇い止め、非常勤講師「不当」と訴え
 東京の私立学校で、非常勤の講師として働いていた男性が、あと1日働いていれば期限なく働くことができたのに直前で雇い止めされたのは不当だとして、裁判を起こしました。
 「教えるのが好きだったり子どもが好きだったりで、やっていると思うんです。このままでは教育の状態っていうのは崩壊していくと思うので」(雇い止めされた男性講師)
 悲痛な思いを語る男性。男性は今年3月まで、東京・墨田区にある私立安田学園で中学校と高校の非常勤講師をしていました。しかし突如、学校側から「契約を更新しない」と告げられたというのです。
 「私は契約書がないところから5年で(更新しないことが)適用されると思っていなかった」(雇い止めされた男性講師)
 厚生労働省は、去年から非正規の労働者の安定した雇用を目的として、有期契約が5年を超えた場合は、労働者が望めば期限を定めない“無期雇用”に転換できるルールを定めました。
 男性は2014年4月から安田学園で非常勤講師として働き、雇い止めにあったのは4年11か月目のこと。“無期雇用”が希望できるようになる直前での雇い止めでした。学園側は、雇用を継続しなかったことについて、「総合的に検討した結果」と説明したといいます。
 男性はあと1日働いていれば、労働契約法により期限なく働くことができるようになったため、「不当解雇」だとして、学園側を相手取り、職場に復帰することなどを求める裁判をおこしました。安田学園は取材に対し、「最長5年の有期契約は双方の合意のうえだった」としています。
 教育を支えるうえで大切な役割を担っている非常勤講師ですが、不安定な雇用環境に直面している現実。文部科学省はJNNの取材に対し、「全国で非常勤の講師がどれくらいいるのか把握していない」としていて、男性のように不安定な雇用環境に置かれた非常勤講師の待遇改善が求められています。

インフォーマルミーティングで連絡/S4人!/お金使わなかった1日

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鳥栖190505

Carlos Ghosn interdit de voir sa femme : son avocat décrit ≪une situation inhumaine≫
Un des défenseurs de l’ancien patron de Renault-Nissan dénonce une violation de la Constitution japonaise et des textes des Nations unies.
Les mots sont forts. L’un des avocats de Carlos Ghosn décrit une situation ≪inhumaine et scandaleuse, même au regard des critères japonais≫. Takashi Takano estime que le rejet, par la Cour suprême japonaise, du recours contre les restrictions imposées au magnat déchu de l’automobile entérine l’interdiction de ≪toute communication entre Monsieur Ghosn et son épouse Carole sans une permission spécifique≫.
≪C'est la première fois dans mon expérience qu'un de mes clients est relâché sous de telles conditions. C'est très rare≫, déclare-t-il, en révélant le jugement de la plus haute instance judiciaire nippone. ≪Nous avons plaidé le fait qu'il s'agit d'une claire violation de notre propre Constitution et du traité des Nations unies que notre gouvernement a ratifié de longue date≫, ajoute l’avocat, en référence au Pacte des Nations unies relatif aux droits civils et politiques.
Interdit de quitter le territoire, restriction internet et résidence surveillée
Il reste aux défenseurs de Carlos Ghosn une seule possibilité : lui obtenir une entrevue avec sa femme dans ce cadre très strict. ≪Notre requête doit être basée sur des raisons spécifiques, urgentes≫ qui justifieraient une rencontre, précise Me Takano. Dès la libération de son client, une demande a été déposée ≪pour une heure par jour en présence d'un avocat≫. Malgré ces garanties, elle a été refusée.
Carlos Ghosn a par ailleurs interdiction de quitter le territoire japonais, son accès à Internet est fortement restreint et sa résidence est placée sous la surveillance de caméras. Ces conditions pourront toutefois être aménagées au fur et à mesure qu'avancent les préparatifs du procès.
≪Touché mentalement≫
L'ancien PDG de Renault-Nissan, soupçonné de malversations financières, a été libéré sous caution le 25 avril après trois semaines de détention. Mais les conditions sont plus drastiques que lors de sa première sortie de prison début mars. Le Franco-Libanais-Brésilien de 65 ans n'est pas en grande forme, confie encore son défenseur. Etre privé de sa femme ≪le touche mentalement≫, précise une collaboratrice. Mais celui qui clame son innocence et dénonce un ≪complot≫ ourdi par Nissan ≪garde un esprit combatif≫.
Arrêté le 19 novembre 2018 à Tokyo, Carlos Ghosn fait l'objet de quatre inculpations par la justice locale : deux pour des dissimulations de revenus dans des documents boursiers, et deux pour des cas différents d'abus de confiance aggravé, dont détournement présumé de fonds de Nissan. Il a perdu tous ses titres chez Renault, Nissan et Mitsubishi Motors, les trois constructeurs qu'il a rapprochés pour bâtir la première alliance automobile mondiale.
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ブラタモリ「熊野〜なぜ熊野は日本の聖地になった?〜」
世界遺産・熊野古道を歩いて「熊野詣で」の魅力を解き明かす▽落差日本一・那智の滝はどうしてできた?▽山伏が熊野発展の陰のプロデューサー?▽命がけの究極の信仰に感動
「ブラタモリ#131」で訪れたのは和歌山県など紀伊半島の南部「熊野」。「なぜ熊野は日本の聖地になった?」のお題をタモリさんがブラブラ歩いて解き明かす。▽サッカーファンにもおなじみ・ヤタガラスが休むという熊野那智大社に残る「神仏習合」の痕跡とは?▽熊野三山を結んだ陰のプロデューサーは「山伏」?▽神の存在を感じさせる険しい紀伊山地の自然はなぜできた?▽そして、命をかけた究極の信仰にタモリさんも感動! タモリ,林田理沙, 草ナギ剛

ロンドンハーツ 人気芸人の私生活暴露10連発!女性ネタ続々
先週に引き続き、今ノリにノッている芸人たちのウラの顔を大暴露!!人気急上昇中のEXIT・兼近が、今好きになりそうな相手とは!?恋愛秘話やプライベートがダダ洩れ!!
今ノリにノッている芸人たちのウラの顔を大暴露!! 彼らがウラでどんな行動や発言をしているのか、ロンハースタッフが全総力をあげ、至る所から様々な情報を入手!! 人気急上昇中のEXIT・兼近が、今好きになりそうな相手とは?! 彼女と別れたばかりの霜降り明星・せいやだが、もう次の恋がスタートしている?! 次々と暴露されていく人気芸人たちの恋愛秘話やプライベート!! 果たしてどんなネタが発表されるのか?!
◇出演者 ロンドンブーツ1号2号/狩野英孝、ナダル(コロコロチキチキペッパーズ)、藤本敏史(FUJIWARA)/アインシュタイン、EXIT、さらば青春の光、三四郎、霜降り明星、ジャングルポケット、ダイアン、トム・ブラウン [50音順]☆公式ホームページ  →https://www.tv-asahi.co.jp/londonhearts/

コウケンテツの世界幸せゴハン紀行「ギリシャ編〜イカリア島〜」
料理研究家のコウケンテツがギリシャを旅する。訪れたのは、“死ぬことを忘れた人々が住む島”といわれるエーゲ海の島・イカリア。出会ったのは93歳の長老が、今も現役で活躍する養蜂家ファミリー。ランチのテーブルには、太陽の恵みたっぷりの野菜の蒸し煮や、ハチミツをかけて食べるヤギのチーズパイなど、自家製の大皿料理が並ぶ。大家族と食事をともにし、世界的注目を集める島の人々の健康長寿のヒミツを探る! コウケンテツ, 武内陶子
内田樹 @levinassien
加藤典洋「ものを書くようになる人というのは、頭がいいから、書くんじゃ決してないんです。考えるために書かないといけない、という面倒なサイクルを自分の身体に引き込んでしまった人が、考えるために書く。僕もそうです。考えるために書く。
書いてみると、どこまで自分がわかっていて、どこからわからないのか、わかる。書けなくなるから。あるいは調子に乗って書いていて急に自分が馬鹿に思えてきて、その先を続けられなくなるから。」(『言語表現法講義』)

青木 俊 @AokiTonko
この国では、芸能人が大麻を吸ったり不倫することが、どーにも許せない大ニュースで、政治家がワイロもらったり、役人が改竄したり偽証したりすることは、たいした問題ではないらしい。
Shoji Kaoru @Shoji_Kaoru
#長谷川豊 部落差別講演事件に関して、部落解放同盟からご連絡。
全国から長谷川についての怒りの声が寄せられ、早速5/21付で #日本維新の会 幹事長宛に正式に抗議文が出された由。
維新側は抗議を受けて現在調査中との回答。解放同盟の迅速なご対応に感謝。
維新のいい加減な対応は許されない。

山崎 雅弘 @mas__yamazaki
「何々の言い分も聞くべき」等の一見もっともらしい態度は、あらゆる場面に適用すべき絶対的な原則ではない。それを適用すべきケースと、そうでないケースの違いがわからない人は、何でも両論並記すればバランスがとれると錯覚するが、全然違う。越えてはならない一線を越えたら資格を失うのがルール。
サッカーで悪質プレーをした選手を一発レッドカードで退場にする時、審判は相手の言い訳を聞いているか? 全然聞かない。相手がどんな言い訳をしようと毅然とした態度で無視し、時間をメモに記録する。これがルール違反をした者に対する処分のあり方。言い訳を聞くことで事態を悪化させる場合もある。

小久保 哲郎 @tetsurokokubo
正確に言うと「生活保護を受けながらの大学進学を認めない」です。なので生活保護世帯の子どもが大学に行くと、「世帯分離」といって、その子の保護費が打ち切られます(約5万円減)。バイト増や奨学金の借り増しが生活を圧迫し、大学進学の大きな阻害要因となっているのです。

10時過ぎにインフォーマルミーティングに関して連絡がありました.すっかり忘れていたので準備しなくてはと思いました.
Rはまあまあの人数で,Sも4人!に復活.一安心です.
忙しいこともあり部屋でご飯を炊いて過ごしました.だからお金使わなかった1日です.
こんにゃくと布団でしつこくメールがきます.好きなのはわかるけどちょっと返事する余裕がないです.

震災前の閖上、切手に 26日「まちびらき」で販売
 東日本大震災の津波被害を受けた名取市閖上地区の復興を発信する26日の「まちびらき」で、主催の実行委員会(針生勉会長)は、震災前の閖上の風景をモチーフにした記念切手を販売する。
 記念切手は82円切手5枚一組で1シート820円。日本郵便が1000シート作成し、実行委員会が買い取った。閖上地区で開かれていた名取夏まつりの花火を中心に、閖上漁港の大漁船パレードや旧閖上中校庭の桜などが掲載されている。
 名取市役所で21日、名取郵便局の石崎靖則局長が山田司郎市長と針生会長に完成した記念切手を手渡した。針生会長は「震災で失われた閖上を形として残そうと図案を考えた」と話した。
 26日は閖上公民館前広場と閖上中央集会所、かわまちてらす閖上、ゆりあげ港朝市メイプル館で販売する。


<気仙沼ネコ屋敷>災害住宅初の強制執行 室内のネコ十数匹を保護
 埼玉県内に住んでいた50代の女性が不法に占拠し、多数のネコを飼っていた気仙沼市唐桑町の災害公営住宅で21日、仙台地裁気仙沼支部の執行官が建物を明け渡しさせる強制執行をした。県住宅課によると、東日本大震災の災害公営住宅での強制執行は初めて。
 午前10時すぎに執行官3人と市職員ら計約20人が建物の中に入り、家具や電化製品など4トントラック1台分を次々に運び出した。
 4月、執行官の判断で室内のネコ十数匹を保護。その後、新たに見つかった1匹も21日、市職員がケースに入れて運んだ。
 女性は住宅で1人暮らしをしていた母親が2018年6月に死亡した後も、住宅を使用する権利がないのに、自分の荷物やペットのネコを残したまま立ち退きに応じなかった。
 市は明け渡しなどを求めて18年12月に提訴。仙台地裁気仙沼支部は19年3月、市の請求通り、明け渡しと支払いを命じる判決を言い渡した。判決確定前に退去を強制できることも認められたため、悪臭が出る夏の前に強制執行した。
 菅原茂市長は21日の定例会見で「付近の住民が不快を感じていたと聞く。時間はかかったが、強制執行に踏み切った」と話した。


河北抄
 そびえ立つ杉の古木が過ぎ去った時の長さを物語る。名取市西部の高舘山に鎮座する熊野那智神社。見晴らしのいい境内からは、東日本大震災で壊滅的被害を受けた閖上地区が遠く望める。
 神社には閖上との深いつながりを示す伝説がある。時は奈良時代、閖上の漁師が海底からご神体を引き上げた。家に持ち帰り毎日祈りをささげていると、高舘山の方角に不思議な光が走った。導かれるように漁師が山上にご神体を祭ったのが719年、神社の起源とされる。
 創建1300年の節目に当たる今年、神社は伝統の神事「お浜降り」を復活させる。住民が協力して高舘山から閖上へみこしを担ぎ、神様に「里帰り」していただく趣向。かつては盛んに行われていた神事だが、住民の高齢化などによって1998年を最後に途切れていた。
 開催は閖上の復興を発信する「まちびらき」がある26日。艱難(かんなん)辛苦を乗り越えたハレの日に花を添える。「威勢のいいみこしの掛け声が浜の活気も呼び込んでほしい」と井上幸太郎宮司。久しぶりに帰省する神様もさぞや目を細められるだろう。


デスク日誌 連休明け
 福島市内から東北中央自動車道、常磐自動車道経由で約2時間。今月8日、初めて東京電力福島第1原発を視察することができた。
 福島に赴任したら早めに訪れたいと思い、東電の広報に日程調整を頼んでおいた。今回、福島県内のNPO法人の団体視察に便乗させてもらう形で実現した。
 集合場所の東電廃炉資料館(福島県大熊町)でバスに乗車。帰還困難区域で壊れたまま手付かずの大型店が目を引く国道6号から海側に折れ、敷地に入った。
 いったんバスを降り、入退域管理棟まで歩いて個人線量計を受け取る。再び乗車して汚染水タンクが林立する構内を進むと、事故時に対策本部が置かれたあの免震重要棟が姿を現した。
 高台から1〜4号機を見下ろす。この4月、構内視察に訪れた安倍晋三首相が写真に収まった立ち位置を見つけた。坂道を下り、さらに原子炉建屋へ近づく。
 核燃料取り出しが進む3号機の脇を通過し、タービン建屋に回る。約1時間の視察の被ばく量は歯のエックス線撮影1回分だった。
 車窓からだけで降車できない視察ではあったが、大型連休明けのリハビリには十分すぎる刺激となった。 (福島総局長 佐々木篤)


<ILC>仙台で10月国際会議 政府に誘致実現アピール
 岩手、宮城両県にまたがる北上山地が建設候補地の超大型加速器「国際リニアコライダー(ILC)」を巡り、国際研究者組織は21日、国内外の研究者らを集めたリニアコライダー国際会議を10月28日〜11月1日に仙台市青葉区の仙台国際センターで開くと発表した。
 「リニアコライダー・コラボレーション(LCC)」のリン・エバンス代表らが同市内で記者会見した。国際会議は研究者約300人や加速器関連企業などが参加し、加速器の設計や技術、物理解析の研究開発などを議論する。誘致実現に向けた日本政府へのアピールも視野に入れる。
 エバンス氏は「設計を完成させ、改善していくことが主な目的。ILC計画は成熟しているが、今年中に日本政府から『青信号』が出ることが重要だ」と指摘。LCC物理・測定器部門幹事の山本均東北大大学院理学研究科教授は「国際会議は、欧州の議論にも影響を与えることができる」と述べた。
 東北ILC準備室長の鈴木厚人岩手県立大学長は誘致の推進に向けて、今後は高エネルギー加速器研究機構(茨城県つくば市)、先端加速器科学技術推進協議会(東京)との連携を強化し、設計や技術の共有を進める考えを示した。
 文部科学省は3月、「計画に関心を持って国際的な意見交換を継続する」との見解を表明した。


幻冬舎社長のツイート なぜ不快感を与えたのか
 幻冬舎の見城徹社長が、同社から出版された作家の津原泰水(やすみ)さんの著書について、業界の慣例を破って実売部数をツイッターで公表した。
 売れていない本であることを、言い触らすような内容だ。
 津原さんは、同社から刊行された百田尚樹さんのベストセラー「日本国紀」について、「コピペに満ちた自国礼賛本」などと批判していた。それが原因で、同社から刊行予定だった文庫本の出版が取りやめになったと訴えていた。
 津原さんと担当編集者が出版取りやめの経緯などをめぐり対立する中で投稿されたのが、トップである見城社長のツイートだ。
 作家の高橋源一郎さんや平野啓一郎さんらが不快感を表明したのを受けて、「本来書くべきことではなかった」などと、翌日には投稿を削除して陳謝した。
 実売部数は今後の執筆活動にもかかわる、作家にとって非常にセンシティブな部分だ。それを了解なく公表するのは、高圧的で作家への敬意に欠けると言われても仕方がない。
 ましてや、出版した本を売るのは、作家だけではなく、出版社の責任でもあるはずだ。
 とはいえ、これほどの騒動になったのは、自社のベストセラー本への批判を抑え込むような形で、気に入らない作家をおとしめようとしたからだ。
 出版界に新風を吹き込む役割を果たした人ではある。ただ、騒動のきっかけになった本への疑念については正面から答えず、禁じ手ともいえる手段で封じようとしたことに、言論の担い手としての姿勢も問われたのではないか。
 日本では毎年7万点以上の新刊書籍が出版されている。しかし、出版不況の中、売れる本と売れない本の二極化が明確になってきている。
 言論が右傾化するなかヘイト本がベストセラー化し、売れるとなれば次々と出版されるのは、その現象の一つの表れだろう。
 出版社も企業である以上、利益を追求するのは当然のことだ。かたや、言論の多様性を担保するのも出版社の役割のはずだ。
 売れているかどうかだけで本や作家を評価する風潮が広がれば、さらに出版の先細りを招く。


基地外の銃携行 協定はなぜ守られない
 在日米軍基地の日本人警備員が実弾入り拳銃を基地外で携行するよう米軍側に指示されていた。日米地位協定の明白な違反である。日本側の抗議で是正されたが、協定違反がなぜ繰り返されるのか。
 在日米軍基地に勤める日本人警備員が基地内で銃を持つことは日米地位協定で認められているが、基地外では協定違反になるため、持つことはできない。日本の銃刀法違反に当たる疑いもある。
 しかし、在日米海軍佐世保基地(長崎県)の日本人警備員が今月上旬、同基地警備隊の指示で、実弾入りの拳銃を携行したまま同基地を出て、飛び地になっている約六十メートル離れた別の米軍施設まで歩いて移動していた。
 防衛省は基地従業員らでつくる全駐留軍労働組合(全駐労)から事前に情報を得て、在日米軍司令部(東京都)に中止を口頭で要請したが、しばらく続き、文書で即時中止と再発防止を要請したところようやく中止された、という。
 米軍側は「(日本人警備員の移動に関する日米)合意について、米側に誤解があった」とするが、同様の事態は二〇〇八年に沖縄県の海兵隊基地で起きており、このときも日本政府は抗議している。
 今回、同じようなことが繰り返されたばかりか、在日米軍は日本政府の再三にわたる要請にもなかなか応じなかった。地位協定や日本の法令、日本政府による要請を軽く見ているのではないか。
 そもそも日米地位協定には、日本に駐留する米軍人や軍属らに対して、特権的な法的地位を認めているとの批判がある。
 米軍人らが公務外で事件や事故を起こしても米側が身柄を確保すれば、日本側への引き渡しは起訴後となる。一九九五年の沖縄県での少女暴行事件を受け、殺人、性的暴行の凶悪事件に限り起訴前の引き渡しに米側が「好意的考慮を払う」よう運用が改善されたが、身柄引き渡しはあくまでも米側の判断であり、拒否した例もある。
 また公務中の事故や事件は日本側に第一次裁判権がない上に公務も拡大解釈され、米側に有利な運用がされてきた。こうした特権的な法的地位に守られていることが協定や法令軽視につながっているとしたら、日米安全保障条約体制を揺るがす深刻な事態だ。
 在日米軍専用施設は70%が集中する沖縄だけでなく全国十五都道府県に広がる。日本人警備員が働き、今回と同様の問題が起きかねない。政府が法令順守の徹底を強く求め続けるべきは当然である。


AI殺人兵器/日本は禁止の先頭に立て
 人工知能(AI)を備えたロボット兵器が標的を探し出して攻撃する。SF映画「ターミネーター」のような世界が現実のものとなりつつある。
 完全に自動化されれば、敵を選別して破壊、殺傷するまでの動きに人間が介在しなくなる。懸念されるのは、戦時国際法で禁止される民間人の殺傷など、想定外の暴走や被害の拡大だ。
 米国やロシアなどが開発を急ぐ中、3月開催された国連公式専門家会議で、日本政府は「人間の制御が不可欠だ」と主張し、規制の必要性をうたう文書の取りまとめを主張した。8月に再開される議論を後押しする動きとして期待されている。
 軍事面では、AI兵器は銃、核兵器に次ぐ「第三の革命」とされるが、重大な人道上の問題がある。日本は実効ある規制論議の先頭に立つべきだ。
 ところが、政府の主張には煮え切らないところがある。
 「全面禁止」を求めるアフリカや中南米諸国などと違い、AI兵器を完全には否定していない。むしろ省力化などの観点から、開発や配備には積極的な姿勢を示している。
 もともと日本は禁止が民生用技術に響くと考え、今回も「AI技術の平和利用を妨げてはならない」と強調した。禁止条約制定は時期尚早との立場だ。
 専門家会議での議論は3年目に入ったが、武器輸出大国の米国、ロシアが規制交渉入りに反対している。日本もドイツなどとともに、全面禁止の主張とは一線を画している。
 その姿は、米国の「核の傘」の下で核兵器禁止条約に反対する政府の対応と重なる。本気度が疑われるようでは、規制論議をリードすることは難しい。
 今もドローンなどを駆使した無人攻撃が、他者を傷つけることへの罪悪感を弱めているとされる。反撃されても機械が壊れるだけで、自軍兵士は血を流さない。さらに進んで、機械任せで自動的に人を殺傷するようになれば、ますます倫理面のハードルが下がる恐れがある。
 技術が高度化すれば、AI兵器の保有国は圧倒的に優位に立つ。一方で標的にされる側は憎悪を深め、テロが広がる事態も想定される。歯止めをかけるには人間の英知と決断が必要だ。


大阪都構想/奇策でなく丁寧な議論を
 大阪市を廃止して特別区に再編する「大阪都構想」の是非を問う2度目の住民投票が来秋にも実施される見通しとなった。反対していた自民、公明両党が協力姿勢に転じたためだ。
 両党は4月の大阪府知事・市長ダブル選で都構想推進を掲げた大阪維新の会に大敗し、府議・市議選でも維新の躍進を許した。続く衆院大阪12区補欠選でも維新候補に敗れた。
 連敗のショックが大きかったとはいえ、あまりにあっけない手のひら返しに驚く。選挙で訴えてきた方針を転換するなら有権者への十分な説明が必要だ。
 公明党は選挙前、住民サービスが低下するとして都構想に慎重な考えを示し、大阪市を維持して行政区の権限を強化する「総合区制度」を主張していた。ところが一転、住民投票だけでなく、都構想そのものに賛成する可能性を示唆している。
 「民意を尊重する」との言い分はもっともらしいが、同党が指摘してきた懸念が解消されたわけではなかろう。結論ありきの協議で、都構想の問題点を明らかにできるのか疑問だ。
 一方の自民党は住民投票に賛成する意向の府連に対し、大阪市議団が反対姿勢を堅持するとして異を唱えている。党内の混乱を承知で方針転換を急ぐ必要があるのだろうか。
 自公は、それぞれ憲法改正論議や参院選対策をにらんで維新との対立を長引かせたくない事情を抱える。衆参同日選の可能性も取りざたされ、関係修復を最優先している印象だ。
 住民のためにならないとして「都構想に終止符を打つ」と訴えてきたのに、党利党略で態度を変えるのは住民不在のご都合主義というほかない。
 住民投票は実現に近づくが、問題は構想の中身と、それによって暮らしがどう変わるかがいまだに見えにくいことだ。
 都構想は2015年5月の最初の住民投票で、5特別区への再編案が否決された。17年6月には府と市の法定協議会が再び設置され、4特別区に減らす案を軸に検討されている。
 有権者に是非を問う以上は都構想のメリット、デメリットを明らかにし、判断材料を示さねばならない。奇策ではなく、丁寧な政策論議が欠かせない。


食品ロス対策 業界や家庭で取り組もう
 まだ食べられるのに捨てられる。そんな「食品ロス」を減らす取り組みが広がりつつある。
 コンビニ最大手のセブン―イレブン・ジャパンが、弁当など消費期限の近づいた食品の購入者に5%分のポイントを提供する還元策を今秋から全店舗で始めると明らかにした。実質的な値引きで売れ残りを抑える。ローソンも同様の還元策を6月から愛媛と沖縄で実験的に行うという。
 今年は2月の節分の恵方巻き商戦で、需要に見合った販売をするよう農林水産省が異例の要請をコンビニやスーパーの業界団体に行った。売れ残った商品が大量廃棄されていることが問題視された。
 こうした日本国内の食品廃棄量は年間600万トン台で高止まっている。国民1人当たりでは茶わん1杯分の食べ物を毎日捨てている計算になる量だ。
 コンビニ業界はこれまで、期限切れの迫った商品を値下げする「見切り販売」に慎重な姿勢だったが、加盟店からは要望が強かった。廃棄費用の負担軽減で店側を支援する狙いもある。
 ただスーパーなどに比べ、値引率の低さは否めない。ポイントを利用できる人しか還元されない点など実効性を上げるにはまだ工夫がいろう。
 対策が先行しているスーパーをはじめ、各業界は食品ロス対策に一層力を入れてほしい。賞味期限前に店頭から食品を撤去するなどの商習慣の見直しも必要である。
 今国会では、超党派議員連盟がまとめた食品ロス削減推進法案も成立する見通しだ。法案は、取り組みを国民運動と位置づけ、政府は基本方針を、自治体には具体的な推進計画を作成する責務があると明記した。
 貧困などで食べ物に困っている人らに食品を提供する「フードバンク活動」の支援も促している。法制定を、さまざまな分野での対策推進に生かす必要がある。
 社会福祉協議会やボランティア団体と、地元のスーパーなどが連携するフードバンクは岡山県でも支援の輪を広げている。家庭で眠っていた不要な食品を募る活動もある。善意と食品ロス対策を両立させるネットワークをさらに構築していくことが大切だ。
 消費者の意識改革も鍵となろう。廃棄食品の半分近くは家庭で発生している。賞味期限が過ぎてもまだ食べられるものを安易に捨てていないだろうか。食べ残しや新しさ重視の買い物も含め、日常をいま一度振り返りたい。
 国連機関の算定では、世界では毎年、食料生産の3分の1に当たる13億トンが損失か廃棄され、資源の無駄や焼却による温室効果ガス排出につながっている。国際的課題として、新潟市で今月開かれた20カ国・地域(G20)農相会合でも、食品ロスの削減をG20が主導していくことが閣僚宣言に盛り込まれた。官民挙げて着実に取り組みたい。


食品ロス削減 「もったいない」を行動に
 食べ物が無駄に廃棄される「食品ロス」を減らそうという機運が高まってきた。私たち消費者がその重要性を理解し、積極的に取り組みを進めたい。
 日本の年間廃棄量は2016年度の推計で643万トンにも上る。国民1人当たりでは、年間51キロも廃棄している計算だ。
 全体の4割超と最も多くを占めるのが、家庭から出る食べ残しなどである。次いで食品メーカー、外食産業がそれぞれ約2割、コンビニやスーパーなど小売業は1割ほどだ。
 国際的にも食品ロスは大きな課題だ。先日、新潟市で開かれた20カ国・地域(G20)農相会合では、食料廃棄削減の必要性が「新潟農業大臣宣言」に盛り込まれた。
 世界の廃棄量が年間13億トンに上る一方で、8億人超が栄養不足に苦しんでいる。食品ロスを減らし、命を守るために宣言を生かしたい。
 日本は、食料自給率(カロリーベース)が4割以下の「食料輸入大国」でありながら、大量廃棄している。率先して削減に取り組むことは国際社会に対する責務でもある。
 今国会では、超党派議員が提出した「食品ロス削減推進法案」が成立する見通しだ。
 法案は、食品ロス削減に取り組む努力を「国民運動」と位置付ける。主な施策として、消費者や食品関連事業者への啓発、取り組み支援のほか、貧困世帯に食品を提供する「フードバンク」活動を促す。
 政府は基本方針を策定し、これを踏まえて自治体は具体的な推進計画を作成する。
 食品ロスの削減を実効性ある取り組みとする上で、消費者一人一人が食習慣や消費行動を見直すことが求められる。
 内閣府によると、家庭が出す生ごみの中には、手つかずの食品が2割もある。そのうち4分の1は賞味期限前のものだ。食材は買い過ぎず、食べ切ることを心掛けたい。
 消費者への啓発活動は欠かせないが、限界もある。食品ロスを出さない方が「お得」だと思えるような仕組みを、外食や小売業界などがつくることが、削減への後押しになるはずだ。
 コンビニ最大手のセブン−イレブン・ジャパンは、消費期限の近づいた弁当などの食品の購入者に5%分のポイントを提供する還元策を今秋始める。ローソンも同様の還元策を6月から実験的に導入する。
 これまでの定価販売重視を転換し、ポイント還元による実質的な値引きを行うことで、売れ残りを抑える戦略だ。廃棄費用のオーナー負担軽減も狙う。
 ここ数年、節分用に作られる「恵方巻き」やコンビニ弁当の大量廃棄が社会問題となっており、コンビニ側がようやく対策に乗り出した形だ。
 ただ、5%のポイント還元で、どれだけの量を減らせるのかは見通せない。効果をよく検証してほしい。
 官民それぞれが知恵を出し合って、「もったいない」と言わずに済む社会にしたい。


障害者雇用法改正 「形だけ」拭えぬ不信感
 就労支援事業所で訓練し、いざ試験に挑戦しても落ち続け「生きてる意味がない」。あるいは、ようやく就職が決まった喜びもつかの間、無理して働いたため体調を崩して休職。職場復帰をあきらめ、自殺未遂を図った…。
 身近でこうした悲しい出来事に接するたび、働きたいと願う障害者を取り巻く現実の厳しさを痛感させられる。
 そんな中、発覚した中央省庁の雇用水増し問題。職員に占める障害者の割合を計算する際、退職者や死者も加え、法定雇用率を達成したように見せかけていた。障害者は怒りや不信感を募らせる一方、「今後は働きやすくなるのでは」と期待する声もあった。
 その期待を後押しするはずの障害者雇用促進法改正案が衆院本会議で可決され、参院に送付された。今国会で成立する見通しだ。
 再発防止に向け、障害者の計上方法が不適切な場合、厚生労働省が他省庁や地方自治体に適正な実施を勧告できる権限を創設。働きやすい職場づくりに向けた「障害者活躍推進計画」を行政機関に策定させることも盛り込む。
 だが、障害者側の不信感は依然として根強い。厚労省という「身内」のチェックで、本当に再発防止になるのか。
 水増し問題をめぐっては、政府の検証委員会が、いつ誰が不正を始めたのかについてろくに調査せず、意図的ではないと結論付けた。形だけの検証で終わっただけに、再発防止策も形だけではないかという疑念が拭えない。
 中央省庁は急ピッチで採用を進めるが、かねて懸念されていた通り、民間との人材の奪い合いが表面化している。年末までに約4千人を採用する計画で、4月までに計2755・5人(短時間労働者は0・5人で計算)を採用。そのうち、民間企業の離職者は337人に上った。障害種別では、知的は全体のわずか1・9%にとどまった。
 財務省や国税庁などが求人に際し「自力で通勤でき、介助者なしで業務遂行が可能であること」などの条件を付けていたことも判明した。
 できれば雇いたくないが、仕方ないから、なるべく手間のかからない障害者を選ぶ。民間に範を示すべき中央省庁の本音が透けて見える。
 採用したものの、どう働いてもらうかについて、各省庁はきちんと考えているだろうか。雑用を押し付けるだけでは、定着は望めまい。障害者団体を交え現状を定期的に検証し、長く働ける職場づくりへ改善を重ねる必要がある。
 各省庁の職員が、担当分野の政策に障害者の声を取り入れ、より良いものにしていくという姿勢があればこそ、障害者もやりがいを持って働くことができるだろう。


国民投票法 CMの在り方考えたい
 衆院の憲法審査会で、国民投票法の見直し議論が行われている。自民、公明両党などは投票の利便性を公選法にそろえる改正案の早期採決を求めている。一方の立憲民主党などは改正案に盛り込まれていないテレビやラジオのCM規制強化についての議論を要求している。国民民主党は独自に政党によるスポットCMの禁止を柱とする改正案を提出した。
 与党などの改正案は、公選法にそろえて投票日当日に駅や商業施設でも投票できる「共通投票所」の設置など7項目。当然行うべき改正であるが、CMの在り方についても国民投票が具体化する前に詰めておかなくてはならない課題である。建設的な議論に期待したい。
 現行の国民投票法は、政党や団体が改憲案への賛否を呼び掛けるテレビやラジオCMを投票日の14日前から禁止している。有権者が静かにじっくりと自らの考えをまとめる時間を確保するためであろう。しかし、それ以前については規制がなく、自由に流せる。
 CMだけで、有権者の投票行動が決まるわけではない。もっと他の情報なども当然参考にするはずである。だが賛成、反対のどちらか一方の側が大量のCMを流せば、世論が誘導され、投票行動に大きな影響を与える可能性もある。
 法制定時の参院委員会の付帯決議は、CM規制について「公平性を確保するためのメディア関係者の自主的な努力を尊重する」としていた。これに対して民放連の担当者は憲法で保障されている「表現の自由」に抵触する恐れがあるとして、CM量の自主規制はできないと表明し、法規制にも反対する考えを示している。
 行き過ぎた規制は民主主義の根幹を揺るがしかねない。一方で資金力の差が、そのまま投票運動、結果を左右するような事態になることは避けなければならない。「表現の自由」はもちろん尊重されるべきであるが、その上で公平性を確保するための方策が必要ではないか。例えば政党や団体が使える資金の上限を設けることなどを検討してはどうか。
 2007年の法成立から12年が経過した。その間に社会を取り巻く環境は大きく変化した。その一つがインターネットや会員制交流サイト(SNS)の急速な普及である。今や多くの人たちが、スマートフォンなどから情報を得る時代である。ネット広告費は昨年、地上波テレビの広告費にほぼ並んだ。テレビ、ラジオだけではなく、ネットCMへの対応も必要であろう。
 憲法改正の是非について判断を下すのが国民投票である。与野党とも、どうすれば有権者が国民投票に関心を持ち、公正な投票行動に結びつくかを最優先で考えなくてはならない。じっくりと時間をかけて一つ一つの課題を洗い直し、議論を進めていくことが求められる。


坂上忍、池袋暴走事故の加害者、飯塚元院長の帽子、サングラス、マスク姿に「遺族側の立場になったら、納得できるもんじゃない」
 20日放送のフジテレビ系「バイキング」(月〜金曜・前11時55分)で相次ぐ高齢ドライバーによる事故を特集した。
 番組では、東京・東池袋で旧通産省工業技術院の飯塚幸三・元院長(87)が運転する車が赤信号を無視して暴走し、松永真菜さん(31)と、長女の莉子ちゃん(3)が死亡、10人が負傷した事故について飯塚元院長が両手に杖をついて帽子をかぶり、サングラスにマスク姿で警視庁目白署へ出頭した姿と「ブレーキを踏んだが効かなかった」との供述を報じた
 MCの坂上忍は「帽子、サングラス、マスクでね、申し訳ありませんでしたって言われても、それで警察からの聴取で車の整備不良なんじゃないかみたいな供述されても、これは遺族側の立場になったら、納得できるもんじゃないと思う」と指摘していた。
 その上で「2人の尊い命が亡くなっている時に、あそこまで顔隠されて、申し訳ないですって言われて、じゃぁそれをどうやって受け止めればいいんだっていうところまで、あれだけの年齢の人だったら考えが及ぶだろうってボクは思ってしまう」と疑問を呈していた。


中尾彬、池袋暴走事故の加害者へ「車のせいにするっていうのが嫌だ。何か逃げている」
 20日放送のフジテレビ系「バイキング」(月〜金曜・前11時55分)で相次ぐ高齢ドライバーによる事故を特集した。
 番組では、東京・東池袋で旧通産省工業技術院の飯塚幸三・元院長(87)が運転する車が赤信号を無視して暴走し、松永真菜さん(31)と、長女の莉子ちゃん(3)が死亡、10人が負傷した事故について飯塚元院長が警視庁目白署へ出頭した姿と「ブレーキを踏んだがきかなかった」との供述を報じた。
 コメンテーターで俳優の中尾彬は、この供述に「すぐ車のせいにするっていうのがオレは嫌だね、ブレーキとか」と指摘した。その上で「そんなことじゃないと思うんだよ。もっと謝るべきことは謝ったり、ちゃんとした方が良い処理することを。何か逃げているね」とコメントしていた。


野党、予算委開催申し入れ 「82日間開かれず異常」
 衆院予算委員会の野党筆頭理事を務める立憲民主党の逢坂誠二政調会長は22日、野田聖子衆院予算委員長と国会内で会い、予算委集中審議の早期開催を申し入れる文書を手渡した。野田氏は「与党に伝える」と答えた。逢坂氏は記者団に「与党は開催を拒み続けており、今日で82日間も開かれないのは異常事態だ」と述べた。
 文書は「景気動向や日ロ・日朝関係など内外に課題は山積している。首相と全閣僚が出席する予算委を開催し、政府は説明責任を果たすべきだ」と強調。「委員長は状況を重く受け止め、開催を決断するよう強く要求する」とした。


河北春秋
 酒呑(しゅてん)童子は京の都を荒らし回った伝説の鬼。源頼光らが酒を童子に飲ませると、童子は人間から本来の鬼の姿に変わり、眠ったところを退治される。そんな物語が浮世絵や歌舞伎の題材になった▼こちらは酒に酔って鬼ならぬ、怖い本音が現れたのかもしれない。北方領土を戦争で取り返す是非に言及し、日本維新の会を除名された丸山穂高衆院議員(35)である。飲酒し、元島民に「戦争をしないと、どうしようもなくないですか」と語った▼何事にも越えてはいけない一線がある。国民主権、基本的人権の尊重、平和主義の憲法の三原則に反することは、越えてはならない一線の最たる例。戦争を問題解決の手段にするような丸山氏発言は明らかにそれを越えた▼野党の辞職勧告決議案に続き、きのう与党がけん責決議案を提出した。本人は辞職の考えはなく、開き直る様子もある。3歳から酒を飲んだ童子ではないが、手に負えない子どものように見える▼丸山氏は4年前にも飲酒トラブルを起こし、禁酒を誓った。東大卒、経産省の元官僚。人として大切なことを教える人は誰もいなかったのか。今は国会全体を敵に回す。議員を続けたいならば、有権者の審判を仰いでからの方がすっきりする。もう辞職をしないと、どうしようもなくないですか。

暴言の丸山穂高氏が持つ“戦間期の思想”とヒトラーの復讐戦
 今日と明日の2回はテーマを変えて、現職代議士の呆れ返る発言を批判したい。
 日本維新の会(その後、除名)の丸山穂高氏が今月11日に北方領土のビザなし訪問団に参加した折、団長らに「戦争で取られた島は戦争で取り返すしかない」旨の発言を公然と口にしたそうである。帰国後、問題になり、国会では与野党がけん責案だ、辞職勧告案だとかで騒いでいる。丸山氏への批判は日本の平和主義に反するといった論が底辺にある。
 私はこの発言に2つの重要な視点があるのに見逃されているように思う。その一つが、日本は戦間期の思想を持たないということだ。もう一つは、この代議士が自分は戦争で死なない、安全地帯にいると思っている傲岸さだ。双方に共通するのは、戦争で死ぬのは元島民、あるいは根室、釧路といった地に住む人たちだ程度の認識での発言ということである。
 まず戦間期の思想について語ろう。1918年に第1次世界大戦が終わり、1939年に第2次世界大戦が始まった。この戦争と戦争の間の21年間を戦間期という。
 戦間期の思想とは、1918年に敗戦国ドイツが戦争で失った領土や経済的損失、プライドなどをもう一度武力で取り戻そうという思想で、ドイツ国民はその感情をヒトラーに託した。その結果があの第2次世界大戦だった。つまり戦間期の思想とは復讐戦のことである。むろん17、18世紀はこの種の戦争がなかったとは言えないが、20世紀にはそういう類いの戦争は少なかった。
 日本は1945年8月以後、戦間期の思想とはもっとも遠い立場にいた。軍事主導に傾いている政治家や言論人、さらには企業家、官僚とて、戦争で失ったものは戦争で取り返せといった不謹慎な発言はしていない。戦後74年、戦間期の思想を口にする人がいないことがこの国の最大の誇りだった。そういう姿勢を寸分も見せていない日本は、復讐戦を行わない世界新記録を作っていたのである。戦間期の思想からもっとも遠い国であることがこの国の信用であり、歴史への責任でもあった。
 それが一瞬に瓦解した。丸山氏に国会議員の資格などあるはずがない。戦争で逝った先達に私たちは恥ずかしい。


丸山議員が“宣戦布告” 日本がロシアに戦争を仕掛けたら?
「北方領土を戦争で取り返す」という趣旨の発言をし、ロシアに宣戦布告した丸山議員。この発言に対し、ネットでは「よくぞ言った」と拍手喝采している書き込みも目立つが、丸山議員もネトウヨも日本がロシアと戦争すれば勝つと本気で信じているのか。
 世界各国の軍事力を分析している米国の「グローバル・ファイヤーパワー(GFP)」の2019年版によると、世界137カ国の中で、ロシアの軍事力は米国に次ぐ第2位だ。軍人約360万人に加え、軍用機は約4000機、戦車は約2万台、艦船は約350隻……と他国を圧倒。日本も6位に位置しているとはいえ、軍事力の差は歴然としている。そして何よりもロシアは約1600発の核弾頭を実戦配備しているのだ。仮に日本がロシアに戦争を仕掛けたらどうなるのか。軍事ジャーナリストの世良光弘氏がこう言う。
「丸山議員は圧倒的パワーを持つロシアの軍事力をまったく考えていない。今でも『203高地』や『日本海海戦』の日露戦争時代が続いていると思っているのでしょう。仮に日本が宣戦布告して北方領土に自衛隊が入った途端、首都・東京をはじめ、日本各地に核ミサイルの雨が降る。第2次大戦時の米国と同じで、ロシアがダラダラと地上戦を続けるはずがない。最悪の場合、1・2億人の日本国民が全滅する。丸山議員の発言は日本の全国民を危険にさらしたのです」
 これでもまだ、「よくぞ言った」と拍手喝采するのか?


国会議員らの毛髪検査で…発がん性「農薬」検出7割の驚愕
 発がん性の疑いがある農薬「グリホサート」をどれくらい摂取しているのか――。国会議員らの毛髪を使って検査したところ、驚くべき結果が出た。山田正彦元農相が共同代表を務める「デトックス・プロジェクト・ジャパン」(DPJ)が21日、参院議員会館で開いた会合で明らかにした。
 旧米モンサント(現在は独バイエルが買収)の除草剤「ラウンドアップ」に含まれるグリホサートについて、世界保健機関(WHO)の下部組織「国際がん研究機関」が、毒性や発がん性の懸念があるとしている。欧州など海外では使用禁止や規制強化に動いているのに、日本は2017年12月、残留基準が大幅に緩和され、小麦は改正前の6倍、ソバは150倍に引き上げられた。「100円ショップ」には、グリホサートを含む除草剤がたくさん並ぶ。
 DPJは21日、日本の“グリホサート漬け”の実態を探るため、「検査プロジェクト」を立ち上げ、広く参加を呼びかけたのだが、それに先立って、国会議員23人を含む28人分の毛髪を仏の機関で検査した結果を発表した。グリホサートか、グリホサートが分解してできるAMPAが検出されれば、グリホサートが体内に存在していたことになる。
〈両方検出〉4人
〈グリホサート〉4人
〈AMPA〉11人
〈検出せず〉9人
 28人中、実に7割にあたる19人から検出されたのだ。
 環境脳神経科学情報センター副代表で、DPJ顧問の木村―黒田純子氏は「検査を受けた国会議員は、有機野菜を積極的に食べるなど食の安全への意識が高い人たち。それで、この割合での検出には驚きです」と語った。
 会合には国会議員9人が顔を見せた。近く、食の安全の議員連盟を立ち上げるという。
「少し、強引だとは思ったのですが、最初に国会議員に検査をしてもらい、当事者になってもらった。今日の議員の発言からは、本気度を感じました」(山田正彦氏)
 立法府は食の安全を取り戻せるか。


赤ワインより強いと注目されるウイスキーの「抗酸化」作用
 意外にも最近は若者を中心にウイスキーが人気だそうです。そのため国産の高級ウイスキー(なぜか国産だけですが)は品薄状態が続いているそうです。
 健康情報に敏感な皆さんなら、ウイスキーが「エラグ酸」を豊富に含んでいることをご存じのはず。植物が持つポリフェノールのひとつで、ウイスキーを熟成させる木樽からジワジワと染み出てきます。それが最近になって、赤ワインのポリフェノールよりも抗酸化作用が強いらしいと注目を集めているのです。
 もうひとつ、エラグ酸にはがんを予防する効果があるといわれています。実際、細胞レベルやマウスの実験で、少しばかり抗がん作用があることが確認されています。ただし生身の人体でも同様の効果が得られるかは、まだはっきりしていません。
 エラグ酸に限らず、他のポリフェノールにも、大なり小なりがん予防効果があると考えられています。
 細胞内で発生する活性酸素の多くは、抗酸化酵素の働きによって無害化されますが、なかにはその防御網をかいくぐり、染色体のなかで守られているDNAを酸化してしまうこともあるのです。すると酸化された場所で遺伝情報が狂ってしまいます。
 生体には、そんなDNAの損傷を修復する酵素が備わっているため、大事に至ることはめったにありません。しかしときには修復がうまくいかず、細胞ががん化してしまうこともあるわけです。
 ポリフェノールは、抗酸化酵素が討ち漏らした活性酸素を無害化することができます。加齢とともに酵素が減ってきた中高年にとっては、ちょっとうれしい話ですね。ポリフェノールが豊富な食材を毎日食べていれば、病気が逃げていくかもしれません。
 エラグ酸はベリー系の果物やクルミなどのナッツ類にも入っていますから、別に無理してウイスキーを飲む必要はありません。それにウイスキーを飲むにしても、国産にこだわる必要はないでしょう。輸入品ならいくらでも手に入りますし、熟成期間が長めのものでも、国産品より安く手に入ります。
 ちなみに焼酎やビール、そして日本酒にも、エラグ酸とは違いますが、ちゃんとポリフェノールが入っています。だからなにを飲んでもいいわけです。


海外メディア酷評 豊洲市場に外国人観光客が早くもソッポ
 オープンから半年以上経った豊洲市場。開場当初こそ外国人観光客が大挙していたが、ここ最近はチラホラとしか見かけなくなった。それもそのはず、複数の海外メディアが豊洲市場を酷評し始めているのだ。
 米国の水産業界専門ニュースサイト「SeafoodSource」は13日付で〈観光客の誘致に苦戦する豊洲市場〉との見出しを掲げ報道した。豊洲市場と築地場外市場の両方を訪れた上で両者を比較。〈豊洲市場への観光客はほとんどいなかった。(中略)しかし、築地場外は中国人や韓国人、マレーシア人、日本人の観光客で賑わっていた〉と築地場外に軍配を上げている。
■無味乾燥な「ビルの集合体」
 マグロの競りについても、〈旧築地市場は先着順で観賞することができた〉とする一方、〈豊洲市場では2週間前にオンラインや電話で予約しなければならない。(中略)これを利用する外国人はほとんどいない。大半の人は、建物2階の見学者通路の窓から眺めるが、これは活気ある競りを体感することができない〉と酷評。
 英字ニュースサイト「Tokyo Daily News」も14日、〈豊洲市場が直面する困難〉との見出し。旧築地市場については〈訪問客は複数箇所から敷地内に出入りできた〉と評価したものの、豊洲市場については〈入り口に警備員が常駐している〉と閉鎖性を批判した上、〈ビルの集合体〉とまでこき下ろしているのだ。
 豊洲市場開場前、米国の女性シンガー・ソングライター、パティ・スミスは、ライブの壇上で「ノーモア・ホテル! ウィー・ウォント・フィッシュマーケット」と叫んでいた。外国人がいかに旧築地市場に魅力を感じていたかがよく分かる。無味乾燥な豊洲市場は、見放されてもしかたあるまい。市場問題に詳しい建築エコノミストの森山高至氏はこう言う。
「築地市場時代は、現場で仕事する業者と東京都の市場当局が、何とか観光客に臨場感を味わってもらえるよう、見学者の動線を管理していました。業者の仕事の邪魔にならないよう、ギリギリの調整をしていたのです。ところが、豊洲市場では業者と見学者の動線を明確に分断してしまった。『観光客はガラス越しに見学させればいい』という乱暴な設計になっているように見えます。これでは、外国人観光客が来なくなるのも当然でしょう」
 都は豊洲市場と周辺エリアの「にぎわい創出」事業を展開しているが、とても実現できそうにない。


新天皇の即位パレードが「自民党本部前」を通るルートに変更! 安倍首相の“天皇の政治利用”が止まらない
 安倍首相による“皇室の政治利用”が止まらない。10月22日におこなわれる即位を祝うパレードについて、昨日、安倍首相が委員長を務める式典委員会が平成のときのルートを一部変更することで決定。しかし、問題はそのルート。なんと、ルート変更によって、パレードは自民党本部前を通ることになるのである。
 まず、説明しておくと、10月22日は「即位礼正殿」の儀が挙行され、そのあとに「祝賀御列の儀」(パレード)がおこなわれる。平成の代替わりの際には、当時のチャールズ皇太子とダイアナ妃をはじめとする約2200人が式典に参加。そしてパレードでは、オープンカーに乗った天皇・皇后の姿をテレビが大々的に生中継した。そのルートは、皇居前広場から国会議事堂前を通り、赤坂見附、青山一丁目を通過して赤坂御所に着くという約4.7キロだった。
 だが、昨日、安倍首相が決定した新ルートは、国会正門前を右折するところまでは平成のパレードと同じだが、前回は三宅坂交差点に出て青山通りに出ていたところを、今回は憲政記念館前の交差点を左折し、国会図書館前を通って青山通りの平河町交差点に抜ける。そう。自民党本部前をがっつり通るルートなのだ。
 ルート変更の理由については〈首都高速道路の高架沿いを通る距離を短くした〉(朝日新聞デジタル版21日付)とし、政府関係者は「より開放的な空間をパレードできる」(日本経済新聞電子版21日付)と説明しているが、カットされる高架下の距離はわずか約500メートル。なぜそのためにわざわざこのルートを選択したのか。
 これは明らかに、パレードを自民党と安倍政権のPRに利用しようということだろう。
 実際、このパレードのルートをめぐっては、官邸の意向が強く反映されている。たしかに「高架沿いを避けた」新しい即位パレードのルートは昨年の秋の段階で提案されていた。だが、それは、桜田通りを南下して、虎ノ門の交差点を右折した後、外堀通りを進む、自民党本部前を通る今回のルートからは大きく離れたものだった。そして、この案は警備上の問題などで反対され、年明け、平成の代替わりと同じコースを踏襲することに内定。マスコミもそのことを報じていた。
 ところが、そのあと、官邸が自民党本部の前を通るルートに変更するよう強い働きかけを始めたのだという。宮内庁や政府内には「政治利用と批判を受ける」という反対意見があったが、最終的にこのルートがごり押しされたというのだ。
 普通なら、「政治利用」との批判を受けないように、政府としては政権与党の本部の前は避ける配慮をするものだが、安倍政権は逆にそれを強行したのだ。
 その結果、自民党本部前で多くの人が沿道で日の丸の小旗を振り、そこを新天皇・皇后が通り過ぎる──その模様が実況つきで生中継されることになってしまった。いや、それどころではない。自民党本部は、大きな政治スローガンを掲げた垂れ幕をしばしば下げているが、安倍首相の写真や「改憲を実現させよう」といったメッセージ入りの垂れ幕をバックに新天皇のパレードが横切る絵を、全国、いや世界に配信することも可能になったのだ。
元号に内奏公開、トランプ接待、エスカレートする安倍の天皇政治利用
 なんという露骨な政治利用。しかし、安倍首相はこれまでも、改元・新天皇の即位の“私物化”を進めてきた。
 その象徴が、元号をめぐる安倍首相のパフォーマンスだろう。新元号の「令和」は安倍首相が独断専行に近いかたちで決めたことが朝日新聞のスクープで判明したが、じつは発表前から首相官邸幹部に「首相の元号ではなく、次の時代の元号。政権の政策につなげて『安倍色』を出し過ぎれば、政治的なリスクになりますよ」と進言されていたのだという。
 にもかかわらず安倍首相は、自ら会見を開き、何の関係もない「世界に一つだけの花」を持ち出しながら「一億総活躍社会をつくり上げることができれば、日本の未来は明るい」などと強調。その後もテレビ番組をはしごし、自ら前面に立って新元号をPRしたのだ。
 しかも、この「令和」キャンペーンで支持率が上昇すると、味をしめた安倍首相は、皇室政治利用をどんどんエスカレートしていった。
 新天皇が即位すると、5月14日に即位後初の内奏をおこなったのだが、翌日にはなんとその様子を公開。内奏の内容公開は「天皇の政治利用につながる」という懸念から公開しないのが原則だが、安倍政権のあまりに露骨な政治利用に批判の声があがった。
 また、安倍首相による皇室の政治利用ショーが、もうひとつ目前に迫っている。それは、皇太子が新天皇に即位して最初に迎える国賓が、アメリカのトランプ大統領に決まったことだ。トランプ大統領とメラニア夫人が今週末から来日するが、安倍首相はこの間、ゴルフに大相撲観戦などをおこなう予定で、参院選前に“トランプとの仲の良さ”を最大限にアピールするつもりでいる。そのなかでも、もっとも目玉なのが新天皇とトランプ大統領の会見だ。
 2017年11月、当時の明仁天皇と美智子皇后がトランプ大統領と面会したときは、天皇皇后の意向もあって、最低限のものにとどめられたといわれているが、今回はたっぷりと時間をとって、派手に演出するのではないかといわれている。つまり、天皇をトランプ接待に利用して、強固な日米同盟を演出しようというわけだ。
自民党本部前のルートを4月にTBSがスクープしたが、不可解な削除
 そして、今回の自民党本部前を通る即位パレード。あまりの露骨さに言葉を失うが、しかし、問題はこうした皇室の政治利用を一切批判しないメディアの姿勢だ。
 じつは、今回の自民党本部前を通る即位パレードのルート変更は、4月19日にTBSがスクープしていた。ところが、他のマスコミはこれを一切後追いせず、TBSもなぜかネットのニュースサイトから削除してしまった。
 そして、TBSの報道通り自民党本部前を通るルートが発表されたきょうも、マスコミはいまのところ、一部が「自民党本部前を通る」ことを申し訳程度にふれただけで、おめでたムード一色に染まっていることだ。たるみきったメディアによって世論の反発も起きず、安倍首相のあからさまな政治利用、私物化は、今後、さらにエスカレートしていく。このままいけば、日本はそう遠くない日に「天皇様の国」ならぬ「安倍様の国」になってしまうのではないか。


安倍首相が拉致問題の国民大集会を「公務」理由に中座し、自宅で休養! パフォーマンスだけの北朝鮮外交に批判
 最近になって、北朝鮮の金正恩委員長との首脳会談に関して「条件をつけずに向き合わなければならない」と述べ、日本人拉致問題解決という条件を外す意向を示しはじめた安倍首相。「対話のための対話はだめだ」などと公言し、Jアラートを作動させて“北朝鮮パニック”を政治利用してきたが、ついに“蚊帳の外”外交では立ちゆかなくなってしまった結果だろう。
 そんななか、「北朝鮮による拉致被害者家族連絡会」(家族会)とその支援組織「北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会」(救う会)などが毎年春と秋に開いている「国民大集会」が19日に開催され、安倍首相も挨拶に立った。
 そこで安倍首相は「トランプ大統領が米朝首脳会談で拉致問題に関する私の考え方を明確に伝えてくれた」とアピール。そして、「私自身が金正恩委員長と直接向き合わなければならないとの決意」という耳タコフレーズをまたも繰り出し、「条件を付けずに金正恩委員長と会って、率直に、虚心坦懐に話をしたい」と宣言した。
 さらに、「国民大集会」前におこなわれた拉致被害者御家族との面会の席では、安倍首相はこうも述べた。
「拉致問題は安倍内閣で解決する。拉致被害者の方々と御家族の皆様が抱き合う日が来るその日まで、我々の使命は終わらない。その決意で、今後とも全力で取り組んでまいります」
 まったくよく言うよ、とツッコまざるを得ない。というのも、昨年の総裁選での石破茂元幹事長との討論会では、記者から拉致問題に進展がないことを質問された際、安倍首相は「拉致問題を解決できるのは安倍政権だけだと私が言ったことはございません」などと開き直ったからだ。 被害者家族の前では「拉致問題解決は私の使命」とアピールし、実際には成果がないことを追及されると「言ったことはない」とうそぶく。これを拉致問題の政治利用と言わずして何と言うのだろう。
 実際、今回の「国民大集会」でも、安倍首相は拉致問題解決に本気に向き合っているのか、疑わざるを得ない行動に出た。
 というのも、安倍首相は集会で挨拶を終えると、「公務」を理由にそそくさと退場し、途中退席した。だが、この日の首相動静はこうだ。
〈午後2時から同19分まで、同所内の会議室「シェーンバッハ・サボー」で拉致問題の国民大集会に出席し、あいさつ。同20分、同所発。
午後2時36分、私邸着。
午後10時現在、私邸。来客なし。〉(時事通信)
 つまり、「公務」を理由に集会を途中退席したのに、そのまま東京・富ヶ谷の私邸に直行。来客もなく自宅で過ごしたというのだ。
 しかも、じつはこれ、昨年も同じだった。昨年4月22日に同集会に出席した安倍首相は、やはり「政務」を理由に挨拶を終えると退席。だが、この日も会場をあとにすると私邸に帰り、来客もなく朝まで過ごしている。
 その上、昨年の集会では、安倍首相が退席する際、参加者から「なんだ、もう帰るのか」「最後まで席にいろよ」とヤジが飛んだ。にもかかわらず、昨年につづき今年も、安倍首相はそそくさと自宅に帰ったのである。
田中均元外務審議官は安倍の北朝鮮外交を「ひとり相撲」「外交とは思えない」
 このような態度では、いくら無条件で対話の道を探ると言っても、どこまで真剣なのかと疑問視されても仕方がないだろう。
 もちろん、北朝鮮の脅威を煽りに煽る一方で圧力一辺倒の“勇ましさアピール”に勤しんできた安倍首相が、無条件という日朝首脳会談のハードルを低く再設定したことは評価に値する。しかし、問題は、実際に日朝首脳会談実現に向けた「ルート」を探れているのか、ということだ。
 だが、この点について、安倍首相は集会の挨拶で「残念ながら日朝首脳会談は、目処も立っていないのは事実」とあっさり白状しているのである。
 ようするに、韓国やアメリカ、ロシアといった関係国の首脳たちが会談実現に漕ぎ着けるなか、ただ唯一、金委員長と会う目処もないがために「無条件」と打ち出しただけで、いまだ見通しは立っていないのだ。
 これではお得意の“「やってる感」詐欺”でしかないようにも思えるが、実際、安倍首相の路線変更した対北朝鮮外交にも批判が出ている。
 たとえば、外務省アジア大洋州局長時代に小泉純一郎首相による日朝首脳会談を実現した田中均・元外務審議官は、16日に放送された『報道1930』(BS-TBS)で安倍首相の「無条件」という方針転換について、こう指摘した。
「ひとり相撲を取っておられるんじゃないですか。普通、外交というのはね、たとえば米朝首脳会談をやるとなると、中身をどうするかというのは必死に詰めるわけですよ。首相ひとりが外交をやられるわけじゃないので、そもそも前提条件があるとかないとか言うことがおかしい」
 中身も詰めずに前提条件を云々言うことがおかしい──。そして、田中氏は、安倍首相の姿勢をこのように一刀両断した。
「これは国内で、ひとりで呟いておられるってことじゃないでしょうか。とても外交だとは思えない」
「普通であったら、首相が『会いたい』とか首脳会談をやるんだというときには、もうすでに相手との間では合意がついているはずなんですよ。そういうもんですよ、外交って。首相だけがひとりで相撲を取るわけじゃないから」
「外交のにおいをまったく感じない」
拉致被害者の蓮池薫氏は「人気取りだけのものであったら、黙っていない」
 先日、本サイトでもお伝えしたが、安倍首相の「無条件」発言に対し、これまで圧力強化を煽ってきた安倍応援団たちも一斉に“転向”して安倍首相の姿勢を礼賛しているが、肝心要の「ほんとうに交渉は進んでいるのか」「どこまで本気なのか」とは指摘しない。メディアの報道もそうだ。「外交のにおいをまったく感じない」のに、何やら前進しているかのような印象だけがひとり歩きしている。
 だが、「公務」を理由にして集会を抜け出しながら私邸に帰ってしまう態度を見ていると、「無条件」宣言もたんなる政治パフォーマンスなのではないかという疑念をもたれても仕方がない。
 実際、「パフォーマンスではなく結果を出してほしい」という声は拉致被害の当事者からもあがっている。蓮池薫氏は『報道1930』の取材に対し、「これがダメなら自分は辞める、というくらいの覚悟でですね、実際の結果を出していただきたい。パフォーマンスじゃなくて」と安倍首相に求め、さらにはこう釘を刺した。
「パフォーマンス、人気取りだけのものであったら、あとで糾弾される。我々も黙っていない人が多いと思います」
 今週末にはトランプ大統領が来日し、拉致被害者家族との面会もおこなわれる予定になっている。しかし、これも他力本願にすぎず、安倍首相が繰り返すトランプ大統領による金委員長への“口添え”も効果はまったく出ていないのが実情だ。それでも、これもまた安倍首相の手柄として大々的に報じられ、参院選を控えた安倍首相のアピールの場になるのは目に見えている。
 何の成果もあげていない安倍外交の実態は、こうして今後も覆い隠されてゆくのだろうか。


「まずは法律からっていうのはやめましょう」!? 報じられない4・8経団連中西会長会見の問題発言
牧田寛
4・8経団連会見、中西会長は質疑応答は何を語ったか
 前回に続き、経団連・中西宏明会長4/8会見の質疑応答についてご紹介と解説をしていきましょう。今回は4回に分けた内の第2回目です。
 さすがに日本経団連の会長、別名財界総理だけあって、破壊力は抜群にあります。余りの破壊力に、執筆しながらメンタルがやられそうになります。
 本稿執筆にあたり、文字おこしは、ハーバービジネスオンライン編集部が行い、著者が記者会見を視聴の上で校閲しています。質問者の名前などについては聞き取れる範囲で起こしているだけなので伏せることとします。
 再掲となりますが、会見映像と資料はこちらとなります。なお、動画や図版については配信先によってはリンクが機能しなかったり、正常に表示されない場合もございますので、その場合は本サイトでご確認ください。
▼“提言「日本を支える電力システムを再構築する」に関する中西会長会見(2019年4月8日) – YouTube” (会見本体)
▼“中西会長定例会見(2019年4月8日) – YouTube” (質疑応答)
▼日本を支える電力システムを再構築する ― Society 5.0実現に向けた電力政策 ― 2019年4月16日 一般社団法人 日本経済団体連合会
記者会見資料(リーフレット)
概要(梗概)
本文
 また、年頭会見については、会見映像が公開されていませんが、報道映像はこちらになります。
“「原発存続には一般公開の議論すべき」 経団連会長(19/01/01) – YouTube” ANN
経団連中西会長記者会見質疑応答質問文字起こし(2/4)
以下の文字起こしは、前掲の動画“提言「日本を支える電力システムを再構築する」に関する中西会長会見(2019年4月8日) – YouTube” (会見本体)の後半部分、記者からの質疑応答部分から起こしたものになります。
質問3.
記者:朝日新聞のKです。原発の関係で、今回運転期間の、今、法律におきまして40年だと思うんですが、それを60年よりもさらに延長という文言がありますが、これまでの我々の概念からすると、かなり超えた概念だと思うんですが、この辺はちょっと会長の、かなり踏み込んだと思うんですが、そのへんいかがでしょうか?
回答3.
中西会長(以下、中西):私が答えるとすこし偏るかもしれませんけど、今の原子力発電所ってのは40年を前提とします。それはそのとおりですけどまずは8年間も動いてないんですよ。40年間の内の8年間で、まっまー5分の1ですよね。
 それだけお金を投入したものが、5年間回収できないけどはもうすでにあって、それはお金の問題じゃないよっておっしゃられるとまあまあそれはそれでですけども、これはあのーもう電気事業も経済活動ですからまあ回収期間は短くなっちゃったらですね、もうどんどん原子力はもうやめたっていうのが出てくるのが普通の経営判断、なんですね。それはもう金銭的な事を考えれば。
 そうなった時の日本というのは大変なことになる。今ある施設をどう維持していくのか、どうメンテナンスしていくのか、そういう意味では、まず動いてない期間を本当に稼働期間として、40年の中に算入するのかしないのか、これはまず第一段階だと思いますし、そこでよーく、技術的な評価をしなきゃいけないとなったら、これはもうアメリカなんかじゃ、もうすでに60年80年、そういう実績も出始めていますので、まあそういうこともよくスタディして、もうそれは絶対あり得ないと言うような、まず法律からっていう姿勢はちょっとやめましょうよって、こういうことを言っているに過ぎません。フンックスクス。
質問4.
記者:●●●です(不明瞭)震災以降進んだある種自由化の流れの中に、若干こう、間違えたというか、配慮が足りなかった、送配電の部分なんかはもしかしたらそこの歪なのかなとも読めるんですけど、どうゆう、だから、電力というかエネルギーはどう進んでいくのか? 民間に完全に投げてしまって、その停電してもいいよっていうふうになるべきなのか、それとももっと政府が関与をしていくべきなのか、そのへんの考え方を教えてください。
回答4
中西:まずあのー、電力システム改革そのものを、私は根底から否定するつもりはありません。一般論で言えば自由競争にしたほうが効率も良くなるしコストも下がる。
 この、私は疑いなく、自由市場主義者なので。ところがこれ15年前に計画されたんですね今の電力システム改革というのは。で、こう順番に、まずリテールを自由化し、次に送配電の分離をし、まあ最初に発電を自由化して、こういうステップできたんですけど、その間に最初に作った、その市場設計いうものと環境がガラッと変わっちゃったんですね。
 で、その単に地域独占で、発送電まで全部一体運営という事業体をバラバラにすること自体が誤っているというよりもその事業体がどういう市場環境に置かれるかっていう状況が大きく変わったんで、そういう意味で投資がが止まっちゃったっていう、ハハハ、そういうことになるんですよ。電力会社さんの立場ってのを代弁してみると今投資できる環境でなくなっちゃったということを問題にしているので、今までの自由化の良いところをしっかり受け継いだうえでさらに本当の意味でですね、その投資環境をもう1回作って、そして市場の競争の下でしっかり利益を上げられるリターン反映できるような構造にしていかないと、このままだとこれ、インフラって十年二十年経つと、やはり老朽化もするし技術も陳腐化して上手く機能しませんよ。
 で、特に電力についていうと、あの、計画を決めてからで現実になるまでがまあものに早くても5年、時間がかかるは20年はかかるものですから、もう1回早急にこれを見直さないとダメだ、そういう指摘をしておりますですから決して電力システム改革を根本的に否定するものではないんですけど、ちょっと意図したところと違う所へもうすでに来ちゃってるよねっていうのを一緒に治そうやっというご相談なので、まあそういう意味では資源エネルギー庁ですねその、総責任官庁ですから、そうだねってお話で、今一生懸命、精力的に動いてるんですけど、これ官庁の方針だけど決まらないですよね。
 投資環境それから消費者の声、全部合わせて大きな議論にしていく必要がそういうふうに思っています。
中西会長の無意味な嘆き
 さて、ここからは前掲の質疑応答の解説に移りましょう。
 質問3.からは明らかに事前のすりあわせのない質問です。最初は朝日新聞のK氏です。質問は本来、日本では特例中の特例として設定された運転期間60年延長どころか、80年への延長を中西提言で持ち出した事への質問です。以下回答となります。
“8年間も動いてないんですよ。40年間の内の8年間で、まっまー5分の1ですよね。”
 これは「だからどうした」と答えるしかありません。BWRは40年近い長年の制御棒落下事故隠しなどにより致命的欠陥が残り続け、今になっても島根3がその影響で運開できないなど、様々な不正行為や不祥事、事故、災害で長期運転停止に陥っています。結果、今世紀に入り、BWRは設備利用率が極めて低迷しています。
 中西氏はもう8年動いていないと嘆きますが、実際には事故隠し、欠陥、中越地震による損傷、多数の深刻な不祥事などで2001年から2010年に平均4年停止しており、今世紀に入りBWRは19年中12年動いていません。今世紀のBWRの平均設備利用率は、35%程度であり、商用炉としては経済性の喪失により迅速な廃炉を真剣に検討する状況です。
 これは規制が悪いのでなく、長年の事故隠しによりその知識化ができず、近年では諸外国では起こりえないような制御棒脱落をはじめとした原始的且つ深刻な欠陥が放置されてきたためであり、メーカー、電力事業者双方に能力が無いこと、結果として日本のBWR全炉にどのような欠陥が隠れているか分からない状況に陥っていることが指摘できます。要は、世界にもまれに見る能なしが扱う欠陥原子炉です。そのような事業者が扱うガラクタ原子炉が爆発した、そして多数が爆発の危機に陥ったのが福島核災害とそれに並行する多数の原子炉における多重防護の第三層まで破壊寸前に至った重大同時多発インシデントです。
 そうであるが故に改修には多大な費用と時間がかかり、審査にも時間を要し、住民同意はきわめて困難なものとなります。嘆いたところで、それは自業自得であり、実力です。 
規制委も呆れた強欲な「時間延長」
“まず動いてない期間を本当に稼働期間として、40年の中に算入するのかしないのか、これはまず第一段階だと思います”
 これは、炉の欠陥と性能不良、運用者の能力不足によって生じたことであって、完全に自業自得です。既述のように多くのBWRが事実上12年の停止(計画停止、計画外停止の合計)に今世紀に入って陥っており、おそらく早くても再稼働までには3年程度、更に「特重施設」の問題はPWR系と同等、あるいはより深刻ですので、全体で合計15〜20年程度の停止期間となり得ます。更に前世紀中もシュラウド交換などで長期停止を行っていますので、40年間の通算設備利用率は50%以下と目も当てられない状況になり得ます。これは経済性の喪失によって即刻廃炉となる状態です。
 一方で、再稼働に向けた投資は2000〜3000億円/基が見込まれますので、40年間での総投資額回収は不可能となります。大赤字です。とてもまともな事業評価をしているとは考えられません。いかにも日本的経営です。
 中西氏がお目こぼしを強請(ねだ)る理由はこれです。しかし、原子力は規制の上に成り立つ産業です。そのようなことをすれば第二第三の福島核災害の重大要因となります。いかにも日本人らしい、ハードウェアのみに目が行きソフトウェアには意識すら向かない思考です。
 また、中西氏はご存じないような口ぶりでしたが、運転休止中の原子炉と周辺設備も時間とともに経年劣化してゆきます。もちろん、運転に寄る熱サイクルが加わらない為に劣化は緩慢としたものですが、むしろ長期停止プラントの方がやっかいな課題を抱える面もあります*。
<*参照:BWRプラントの長期停止時の保管対応に関わる対応2013/10/29東芝
 特重施設の時間猶予を再度強請る電力に、原子力規制委員会(NRA)更田豊志(ふけたとよし)委員長が語気を荒げて突き放したのは当然のことで、40年は40年、これの変更を強請るような無能で邪で無責任な事業者は直ちに原子力産業から出て行けば良いのです。まさに「退場」です。
 40年で採算がとれないのなら直ちに事業を中止して、傷口をそれ以上広げないか、運転期間60年への延長をして更に数千億円の投資をするか二つに一つです。
 更田氏が指摘するとおり、採算がとれるか否かは、NRAの考えることではありません。事業として成り立たないのならやめれば良いのです。それは事業者の考えることです。そして能力の無い事業者は、原子力を扱う資格など微塵たりともありません。規制によって、経済原則によって退場です。それが歪められてきたが故に福島核災害を起こしたのです。
相応の努力を続けた米原子力産業と比較する愚
“アメリカなんかじゃ、もうすでに60年80年、そういう実績も出始めています”
 これは事実で、合衆国ではすでにほぼすべての原子炉が運転期間の60年への延長を審査しており、多くがライセンスを持っています。また、2012年から2032年までの運転期間延長をしたターキーポイント3,4号炉など6基が昨年運転期間の20年再延長(80年)を申請し、更に二基が申請準備中です*。
 一方で、経済的合理性の喪失から延長ライセンスを返上して廃炉となる原子炉も数多く生じています。結果、長年104〜112基を維持していた原子炉は98基に減勢し、近く90基を割ります。期待された新規増設は、主として経済性の喪失からヴォーグルのAP1000二基を除きすべてキャンセルとなり、ヴォーグルも建設中止を巡り事業者間で訴訟合戦になる可能性があります。
<*参照:“解説 原子力発電所の運転延長に係る海外動向 ー実績では米国が先行、近年は各国で取組みが進展ー | 一般社団法人 日本原子力産業協会” 2019/3/19
 合衆国は、80年代の低迷期を克服し、今世紀に入ってからは設備利用率90%前後の極めて優秀な実績を残しており、発電原価が高い低成績炉は廃炉となる一方で、発電原価が発電端で2円/kWh程度と風力と互角に競争し得る炉が多数存在します。一方で、発電原価が10円/kWhなどと言った低成績炉は廃炉となり、昨今の新・化石資源革命と再生可能エネ革命によって電力卸価格の中央値は4〜5円/kWh程度にまで下がり、対応できない炉の淘汰がさらに進んでいます。おそらく2025年迄に80基を大きく割り込むであろうと推測されています。
 一方日本では定検周期のハンディがあるために5〜10%ほど不利となりますが、PWRは十分に世界に互して行けるものの、BWRは著しい成績不良のために福島核災害前から合衆国ならばその多くが廃炉となる体たらくでした。これは80年代から90年代にかけて低設備利用率に苦しむ合衆国やソ連邦・ロシアを嘲笑し、「世界一の原子炉運転技術」を誇っていた日本が実のところ特にBWR陣営では、その原点を東京電力として長年事故隠し、欠陥隠しすることによって成績を下駄履きしていた、要はカンニングをしていたのです。
 これはなんと現在分かっているだけで1978年東京電力福島第一3号炉に始まり2007年に発覚するまでに20件の欠陥起因の重大インシデントが露見しています。これはインシデントを知識化、経験化してこなかったことを意味しており、日本固有の欠陥として残り続けたことになります*。
<*参照:原子力発電所の制御棒脱落事故隠蔽問題に関する意見書 2007年8月23日 日本弁護士連合会
   結果としてBWRの運転成績は極めて悪くなり、更に福島核災害を発生させています。もちろん直接の原因ではありませんが、あり得ない様々な欠陥を放置し続け、そのうえ過酷事故を防ぐための原子炉の使い方を運転員から所長まで誰も知らないという絶対にあってはならないことが発生し、原子炉を爆発させています。
 合衆国の実績は素晴らしいものですが、日本にはそのような実績は無く、能力も認められません。3基の原子炉を爆発させたことが日本人の実績であり、実力です。巻き沿えとなったPWR陣営には気の毒ですが、そういう腐敗した無能者を電力業界の雄としてきたツケです。
 合衆国は合衆国です。彼らは相応の努力をしてきた結果として今を享受しています。少なくとも中西氏や経団連、日立、東芝、BWR電力に合衆国を引き合いに出す資格は微塵たりともありません。屑事業者は屑なのですから屑と言われたくなければ、追い出されたくなければ、不断の努力で原子炉をまともに運転し、20年でも50年でもかけて実績をゼロから積みあげれば良いのです。それができなければ原子力の世界から去るのです。今日、大もうけできるのは風力と高効率天然ガス火力です。おっと、そういえば風力からは全重電メーカーが脱落したばかりですね。それが日本の実力です。
飛び出した、あまりにふざけた暴言
“まず法律からっていう姿勢はちょっとやめましょうよって”
 中西さん、貴方は日立とともに原子力の世界から立ち去り、二度と戻らないでください。この言葉は絶対にあり得ません。
 これはまさに福島核災害の根本原因である、日本固有の破廉恥思想です。原子力・核産業は規制の上に成り立つ産業です。規制をご都合主義でねじ曲げることは絶対にあってはならず、それがチェルノブイル核災害と福島核災害の根本原因です。
「規制の虜」(Regulatory Capture。規制する側が規制される側に実質的に支配されてしまうこと)と称する日本に著しい現象が福島核災害の重大原因と知られていますが、これは、規制機関が被規制側の勢力に実質的に支配され、規制や法規が事業者側の都合でねじ曲げられ改変されることを指します。これがまさに福島核災害の共同正犯である原子力安全保安院であり、中西氏の様な人物がそれを行ってきたのです。
 動画で改めて確認しましょう。前出の動画の17分36秒からです。
 本当に言ってます。 “まず法律からっていう姿勢はちょっとやめましょうよって”  直ちに原子力と核の世界から出て行きなさい。そして二度と戻ってくるな。ということになります。
「普通の経営判断」すらできない日本の原子力産業
“もうどんどん原子力はもうやめたっていうのが出てくるのが普通の経営判断、なんですね。それはもう金銭的な事を考えれば。”
 まさにこれによって合衆国では、低成績の原子炉は淘汰が進み、好成績の原子炉は運転年数を延ばしています。そうした地道な努力の結果として今の合衆国があり、そして新・化石資源革命と再生可能エネ革命によって石炭火力と原子力が淘汰されつつあります。これにより合衆国は参加していない京都議定書以降の温暖化対策目標を2015年以降、概ね達成しているとされます。
 一方で日本では、愚劣な原子炉運用のあげくに福島核災害を起こし、たいして厳しくもない新基準を「世界一厳しい基準」僭称したあげく、わずか8年で財界総理と称する原子炉メーカー会長が“まず法律からっていう姿勢はちょっとやめましょうよって”と公言し、その背後には福島核災害の主犯組織である資源エネルギー庁、経済産業省、電力事業者があるわけです。
 原子力界の人ならざる「猿」(Ape)である日本を象徴する記者会見といえます。
透けて見えてきた経団連の「真意」
 質問4. については、所属組織と質問者名が聞き取れませんでした。また、要領を得ない非常に散漫な質問ですので、そのまま中西氏の回答を見てゆきましょう。
“その事業体がどういう市場環境に置かれるかっていう状況が大きく変わったんで、そういう意味で投資が止まっちゃった”
 これは当たり前で、福島核災害、原子力ルネッサンスの消滅、新・化石資源革命、再生可能エネ革命により、原子力発電所の再稼働の見込みはいつまでも立たず、強く期待した再度の「規制の虜」は拒絶され、追加投資は膨れ上がり、アベノミックスによる日本経済への致命傷によって電力消費も縮小の一途です。資本費と運転管理費といった固定経費がコストの8割を占める原子力にとり、最悪の経営環境であり、本来ならば投資効率の悪い原子炉30基程度は2014年頃にはすべて廃炉に移行し、10〜20基程度に絞り込む(まさに正しい意味での選択と集中)を行うべきでした。
 しかし、実際には漫然と投資を続け、駄目な原子炉の廃炉は五月雨式に、東京電力に至っては廃炉の意向を表明した福島第二4基をいまだに未練たらたら運用中原子炉に組み入れています。
 結果として過去8年間で10兆円近いお金の過半を動かない原子炉というドブに捨てたのですから、“投資がが止まっちゃった”のは当たり前です。本来、電力インフラ投資に回すべきお金を面子のためだけに10兆円の過半を捨ててしまったのです。まさに日本名物、無能者による選択と集中です。
“今投資できる環境でなくなっちゃった“
 これも嘘で、動き当てのない原子炉に過去の「規制の虜」よ再びと漫然と投資をした結果、10兆円前後のサンクコストと化し責任化を恐れて投資判断、経営判断を一切しなくなっただけです。しかも辛うじて動かせた9基の原子炉も「規制の虜」よ再びという当てが外れて来年からすべて止まり始めます。
中西氏の言う「ご相談」の見苦しさ
“ちょっと意図したところと違う所へもうすでに来ちゃってるよねっていうのを一緒に治そうやっというご相談”
「規制の虜」よ再びでまた爆発する欠陥原子炉を蔓延らせ、その前提で旧態依然とした原子炉集中電力インフラ投資をした結果、8年経ってみると当てが完全に外れていた、困ったぞ、安倍政権のある内に“まず法律からっていう姿勢はちょっとやめましょうよって”「規制の虜」を作り上げたいので、マスコミをハシタ金で縛り上げて市民を再び欺しましょう。と言う意図が、”ご相談”と言うことです。余り身に浅ましく見苦しく醜い無責任な銭ゲバ無能経営者がそこにいます。
 日本は墜ちるところまで墜ちたものだと嘆息する限りです。実は60年への運転延長は、合衆国などでは当たり前の手続きですが、日本では例外中の例外という大前提で法規制度が設計されています。
 小さく産んで大きく育てるという骨抜き化は自公政権の十八番ですが、原子炉の運転延長制度もそのように骨抜きにされ、美浜3や原電東海第二のような投資効果が極めて疑わしい原子炉までが延長認可されています。一方で、例外中の例外という前提で第二次改良標準化炉程度を想定した制度設計となっているためにほぼ全炉に対象を広げると運用上の問題点が多々現れます。とくに申請期間の設定にはかなり無理が生じていると考えられます。実は、火急の課題はそちらであって、おそらく原子力事業者はそちらを期待していたと考えられる*のですが、中西氏の破廉恥発言によって何もかもぶち壊しになった感があります。 <*参照:原子力発電の課題について 2017年1月18日 (pp.12 pp.13)主要原子力施設設置者 (北海道電力等9社、日本原電、日本原燃及び電源開発)
 次回は質問5と質問6の質疑応答についてご紹介と解説をします。
『コロラド博士の「私はこの分野は専門外なのですが」』第4シリーズPA編係胸厠六唆函Π砧話賃里砲茲訐訶繊政策活動−−5
<取材・文・撮影/牧田寛 Twitter ID:@BB45_Colorado photo by Nuclear Regulatory Commission via flickr (CC BY 2.0)> まきた ひろし●著述家・工学博士。徳島大学助手を経て高知工科大学助教、元コロラド大学コロラドスプリングス校客員教授。勤務先大学との関係が著しく悪化し心身を痛めた後解雇。1年半の沈黙の後著述家として再起。本来の専門は、分子反応論、錯体化学、鉱物化学、ワイドギャップ半導体だが、原子力及び核、軍事については、独自に調査・取材を進めてきた。原発問題についてのメルマガ「コロラド博士メルマガ(定期便)」好評配信中


丸山氏「女性いる店で飲ませろ」 北方領土訪問中に外出試みる
 北方領土へのビザなし交流訪問に参加中、北方領土を戦争で取り返す是非に言及した丸山穂高衆院議員が「女性のいる店で飲ませろ」との趣旨の発言をして、禁止されている宿舎からの外出を試みていたことが22日、複数の訪問団関係者への取材で分かった。
 訪問団員によると11日夜、宿舎の玄関で丸山氏が酒に酔った様子で「キャバクラに行こうよ」と発言して外出しようとし、同行の職員らに制止された。ある政府関係者は「女のいる店で飲ませろとの発言や、『おっぱい』という言葉は聞いた」と振り返った。


国民投票法改正案 平行線で今国会成立見通せず 与党に焦り
 衆院憲法審査会は22日、幹事懇談会を開き、今後の審議について協議した。国民投票法改正案の質疑・採決を求める与党と、CM規制を巡って参考人招致などを求める野党で折り合わず、定例日である23日の衆院憲法審開催は見送りとなった。与党は5月中には衆院本会議で採決したい考えだが、審議は進まず、今国会成立は見通せなくなっている。
 与党は改正案の質疑・採決後に参考人招致を行うよう提案した。一方、立憲民主党は2007年の同法策定時に携わった枝野幸男代表の参考人招致を求め、国民民主党は21日に提出した独自の改正案の審議を要求し、協議は平行線をたどった。
 懇談会後、新藤義孝・与党筆頭幹事(自民)は「この残念な状況をなんとか打開したい。与党内はかなりしびれを切らした状態だ」と焦りをにじませた。【遠藤修平】


紫綬褒章を受章 オール阪神巨人“凸凹コンビ”45年の軌跡
「3時間半かかって色を抜いた」
 人生初の金髪にしたオール巨人(67)が頭に手をやると、「高須クリニックの院長か」とオール阪神(62)が突っ込む。阪神が軽い脳梗塞で約2週間の入院を経て、ことし4月に大阪・なんばグランド花月で揃って復帰のステージを踏んだときだ。病み上がりに加え「ネタ合わせ」も満足にできなかったそうだが、病気すら「阪神くんが梗塞で倒れた、阪神高速」とネタにして客席を笑わせた。
■趣味も性格も正反対
 2019年春の褒章受章者。上方漫才界では、夢路いとし・喜味こいし、宮川大助・花子に続く3組目。来年、芸能生活45周年を迎えるベテランコンビは、184センチと160センチの身長のみならず、趣味も性格も正反対の凸凹である。
 芸能リポーターの城下尊之氏が言う。
「たとえばテレビ番組の収録には、当然のように、局入りからしてバラバラ。巨人さんが時間厳守なのに対して、阪神さんはのんびりタイプで、仕事の入りからしてぶつかり、けんかになったりしていたそうです。また巨人さんは酒豪のたばこ嫌いなら、阪神さんは下戸で愛煙家の甘党。プライドが高く気性のはげしい巨人さんが、若い後輩芸人に礼儀や仕事の規範にいたるところまで、ときに厳しいことも言う親分肌の一方で、阪神さんはとにかくいい人にして、ギャンブルに女性好き。それで借金を抱えたり、離婚を経験されたりしています。そんな正反対のコンビだからこそ、決してナアナアになることなく、お茶の間やお客さんにウケ続けているのでしょう。これだけ長く第一線というのは凄い」
 褒章受章を受けた記者会見でも、「今回初めて家族がオォーッとなりました。これまでは全部鼻で笑われてて」と阪神が言えば、すかさず巨人が「今までもろうてきた賞はどうなんねん、アホ」と鋭く突っ込む。上方漫才大賞を史上最多の4度受賞した実力と魅力はこのあたりの掛け合いにあるのだろう。ステージに立ち、並んでマイクに向かうだけで、お互いの調子や健康状況まで通じてしまうのだそうだ。
■「こんな褒美も」
 ベテランになってからは上方漫才界のみならず、お笑いや芸能界の重鎮としての役割も全うしているようだ。
 タレントの坂本一生(48)はこんなエピソードを語る。
「もう26年も前になりますが、『新加勢大周』でデビューし多くの皆さんに芸名でイジられていたころ、オール阪神巨人さんはいつもあたたかく、声をかけてくださり、励ましてくださいました。大御所でいらっしゃるのに、先輩ヅラをすることなく、腰が低く、僕のようなポッと出もバカにしない。どの世界であれ、生き残っていく人は違うなぁと思いました。受章おめでとうございます」
 幾度もの解散危機を乗り越え、50周年も見えてきた中での吉報。「頑張ったらこんなご褒美もある」と、珍しくうなずき合っていた。


大阪府大と市大 無償拡大の方針
大阪府の吉村知事は、3年後の統合を目指している大阪府立大学と大阪市立大学で授業料無償の対象となる学生を増やしていく方針を固め、23日の大阪府議会の本会議で、こうした方針を明らかにすることにしています。
大阪府立大学と大阪市立大学は、将来的な統合を視野に大学運営を一本化するため、4月、それぞれの大学を運営している法人を統合して「公立大学法人大阪」を発足させています。
こうした中、大阪府の吉村知事は、「公立大学法人大阪の設立者である府として、府立大学と市立大学への進学を目指す大阪の学生が、親の経済事情などで進学を阻まれることなく、自らの選択で可能性を追求できるようする」として、府立大学と市立大学の入学金や授業料を無償にする対象の学生を増やしていく方針を固めました。
国は、来年4月から住民税が非課税の世帯などを対象に入学金や授業料の減免や給付型の奨学金の支給を実施することにしていますが、府と市では、支援が不十分だとして、対象の学生を独自に増やすということです。
吉村知事は、23日開かれる大阪府議会の本会議に臨み、所信表明の中で、こうした方針を明らかにすることにしています。


トランプ大統領来日、警備に頭悩ませる警視庁 ドローンだけでなく「座布団対策」も
 25〜28日のトランプ米大統領来日に伴い、警視庁が東京都内の警戒を強化している。令和初の国賓でもあり、警備態勢は1年半前の前回来日時と同様、最大規模になる見通し。大相撲観戦での警備など難しい対応も求められているが、警視庁は万全の態勢でのぞむ。交通規制など市民生活にも影響が出そうだ。
 警視庁が最も頭を悩ませるのは、26日の大相撲観戦の警護だ。両国国技館は2階に貴賓席があるが、トランプ氏が優勝力士を表彰することもあり、土俵近くの升席での観戦が予定されている。国技館はすり鉢状のため、底辺部に位置する升席の場合、前後左右だけでなく上方への警戒も必要となり警備上のリスクが増す。
 升席の購入者には氏名などの申告が求められているほか、「砂かぶり」と呼ばれる土俵間近の席は一部販売が止められている。26日は千秋楽のため、優勝決定の際などは客席から座布団が飛び交う事態も予想される。警視庁はトランプ氏らに当たることがないよう警護官(SP)らを配置し、警戒させる。
 国賓として来日する今回は、天皇陛下との会見だけでなく宮中晩さん会なども予定されている。同庁は大使館などの米国関連施設だけでなく、皇居や赤坂御用地周辺の警備も強化し、巡回や車両検問を徹底する。
 宮内庁も普段は一般に開放している庭園の皇居・東御苑を26日から28日正午まで休園する。2014年4月のオバマ米大統領(当時)以来の対応だ。
 ドローン対策も進める。皇居周辺では今月2日と6日にドローンのような飛行物体が目撃された。警視庁は機動隊の「無人航空機対処部隊」を待機させ、ドローンの飛行を妨害する「ジャミング(電波妨害)装置」などを活用して違法な飛行を防ぐ。また、トランプ氏の移動先にはサブマシンガンを携行したテロ対策の緊急時初動対応部隊を配備する。
 26日は大相撲観戦の前に千葉県で安倍晋三首相とのゴルフも予定されている。同県警幹部は「大統領の警備となれば、当然大規模な態勢となる」と話す。
 空港や駅など不特定多数が集まる場所の対策も始まっている。羽田空港の旅客ターミナルではコインロッカーの使用を順次停止し、25日からはごみ箱も封鎖する。東京メトロは既に主要駅で同様の対応を始めた。JR東日本も25日から東京駅と、大相撲が開かれている両国国技館最寄りの両国駅のロッカーを使用できなくする。警視庁は警察官らによる巡回を強化し、「見せる警備」で犯罪抑止を図る。【金森崇之、高島博之、宮本翔平】


トランプ氏大相撲へ 千秋楽で急須と湯飲みが使えなくなる?
 米国のトランプ大統領の大相撲観戦で相撲茶屋が困り顔だ。警備上の理由から「茶屋なのに茶が出せない」とぼやいている。
 相撲案内所、通称相撲茶屋は、日本相撲協会から一部の入場券の販売を委託され、購入した観客に飲食物、土産物の販売や湯茶の接待を行う。出方と呼ばれる、たっつけばかま姿の従業員が、急須と湯飲みを載せた盆を升席に運ぶのはおなじみの光景だ。
 この急須や湯飲みが割れ物であることが問題視された。割れ物は凶器になる可能性もあるため、千秋楽は客席への持ち込みが禁止される。瓶入りのビールやワインも同様で、案内所関係者の間では、「パリンと物が割れる音がしただけで米国のシークレットサービスが身構えるらしい」といううわさも飛び交う。ペットボトル入りのお茶は販売できる見込みだが、「普段は無料なのに、百数十円をもらうのはいかがなものか。心苦しい」と悩ましげだ。
 トランプ大統領が観戦予定の1階正面席は千秋楽だけ約1000席分が販売されていない。対象は土俵下のタマリ席後方と升席の大半。料金は1人あたり1万4800〜9500円で、売り上げの一部が相撲茶屋の収入になるが、1000万円分以上が販売されていない計算だ。
 「貴賓席で見てくれるなら、ここまでにはならないのに……」と案内所関係者。「せめてトランプさんが相撲ファンになってくれたら良いのだけれど」と祈っている。【飯山太郎】


「女性の基本的な権利」「違憲」中絶禁止法に全米で抗議デモ
 【ニューヨーク隅俊之、ロサンゼルス福永方人】米南部アラバマ州などで人工妊娠中絶の制限を強化する州法が成立したことに対する抗議デモが21日、全米で一斉に行われた。妊娠に気づいた時点で中絶できず、性的暴行による妊娠も例外としない厳しい内容で、人権団体などは「違憲」として提訴する構え。
 中絶反対派は、中絶する権利を認めた1973年の連邦最高裁の判例を覆すことを目指して、全米の保守州で中絶規制強化法を成立させており、米社会の分断は深まっている。
 「中絶するかを選択するのは妊婦自身であり、これは女性の基本的な権利だ」。ニューヨーク市で行われたデモで、大学生のレイチェル・ビルズさん(22)は声を張り上げた。ロサンゼルスでも数カ所でデモがあり、ハリウッドに近い交差点では女子高校生ら約100人が集まって「私たちの体のことは私たちが決める」などと書かれたプラカードを掲げ、シュプレヒコールを上げた。
 アラバマ州では15日、アイビー知事(共和党)が法案に署名し、全米で最も厳しい中絶規制法が成立した。母体に危険が及ぶ場合を除いて妊娠初期から中絶を全面的に禁止し、中絶手術に関わった医師に禁錮10年から99年を科す。性的暴行や近親相姦(そうかん)などによる望まない妊娠も例外とならない。
 米国では今年に入り、共和党が州議会で多数を占める南部や中西部などで中絶規制の動きが強まっている。米紙ニューヨーク・タイムズによると、ジョージアやオハイオなど5州で、胎児の心音が確認できるとされる妊娠6週から8週以降の中絶を禁止する「ハートビート法」が成立。ユタとアーカンソーの2州でも、中絶を認める妊娠期間を短くする法律ができた。
 人工妊娠中絶を巡っては、最高裁が73年の「ロー対ウェイド判決」で女性の権利として認め、最長で妊娠28週までの中絶が容認されている。
 現在の最高裁の判事は、トランプ大統領が保守派の2人を指名したことで保守派多数となっている。一連の法成立の背景には女性団体などの提訴を呼び込み、法廷闘争を最高裁にまで持ち込んで、73年の判決を覆すことを期待する保守派の思惑がある。
 一連の動きに対し、リベラル派や人権団体などは猛反発している。歌手のレディー・ガガさんはツイッターで「性的暴行の被害者や近親相姦で妊娠した人も考慮されないのは悪質だ」と非難した。中絶の権利を擁護する民主党も来年の大統領選に向けて批判を強めており、民主党の候補者指名争いに名乗りを上げているジルブランド上院議員は21日、トランプ政権がこの動きを後押ししているとして「女性に対する戦争だ。彼は負ける」と米CNNテレビに述べた。
 一方のトランプ氏は18日、「自分は強固なプロライフ(中絶反対)だ」と表明。その上で「性的暴行、近親相姦、母親の生命を守るという三つの例外がある」ともツイートした。支持基盤である保守派に配慮しつつ、アラバマ州などの極端な州法とは距離を置こうとしているとみられる。

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Japon : une application contre les pervers sexuels du métro de Tokyo
Rodrigue Loué
Le Japon, le pays le plus ‘‘électronique’‘ de la planète, vient de conforter encore une fois sa position de leader mondial en termes d’innovations technologiques en créant une application contre les ‘‘frotteurs’‘ du métro. Il s’agit ici de repousser les pervers qui éprouvent le malin plaisir à se rapprocher un peu trop de leurs victimes de choix, les femmes. Explications.
L’application du nom de Digi Police, facilement téléchargeable, émet un ‘‘Stop’‘ à fort volume, dissuadant ainsi les pervers et autres voleurs de s’approcher davantage de leurs victimes. Mais l’histoire de Digi Police a en fait commencé en 2016. A l‘époque, la police de Tokyo avait le souci de protéger les personnes âgées et les familles contre les voleurs, les arnaqueurs, ainsi que les rôdeurs. Puis s’est ajouté le projet de protection des femmes contre les pervers sexuels, aussi appelés ‘‘frotteurs’‘.
Ces adeptes du plaisir par frottement (souvent contre l’avis de leurs proies) pullulent dans le métro de la mégalopole nipponne et, pour leurs victimes, cette application vient comme un cadeau du ciel. En effet, Digi police est devenue l’une des applications les plus téléchargées au Japon, sinon, la plus téléchargée du moment. Et les chiffres le disent d’eux-mêmes : plus de 237.000 téléchargements.
Un franc succès auprès des femmes
Pour Keiko Toyamine, une responsable du département de police, il s’agit d’“ un chiffre inhabituellement élevé. Sa popularité est telle que le nombre d’abonnés augmente d’environ 10.000 chaque mois”.
Le succès de Digi Police s’explique non seulement par le nombre de pervers qui rôdent dans le métro de Tokyo, mais aussi par un autre fait, culturel celui-là : au Japon il est très mal vu de parler dans le métro, les gens étant occupés à pianoter sur leurs smartphones dans l’un des pays les plus connectés de la planète. Dans ce pays, crier à l’aide pourrait être dérangeant dans le métro. “Avec Digi Police, elles (les victimes) peuvent alerter les autres passagers tout en restant silencieuses”, aux dires de Keiko Toyamine. Cela permet ainsi de ne pas sortir les passagers de leur cocon.
Digi Police fonctionne sur le principe sonore. Lorsque quelqu’un se sent en danger, il active l’appication qui déclenche “Il y a un agresseur. Aidez-moi !”, à fort volume. Le même message s’affiche aussi sur l‘écran du smartphone (ou de la tablette).
En 2017, environ 900 cas de harcèlement et d’agressions ont été dénoncés dans les métros et trains de la seule ville de Tokyo. Keiko Toyamine se prononce sur ce chiffre, affirmant que “ce n’est que la partie émergée de l’iceberg”. Elle ajoute aussi que les femmes victimes de ce type d’agressions restent silencieuses, préférant ne pas porter plainte.
La loi japonaise prévoit pourtant de lourdes peines à l’encontre des agresseurs qui s’adonnent à ce genre d’activités : six mois de prison et une amende de 4.000 euros. Si des violences et des menaces sont dénoncées, la peine peut s‘étendre jusqu‘à dix ans de prison.
Yui Kimura a 27 ans et travaille sur l‘île d’Hokkaido (nord). C’est avec la peur au ventre qu’elle se rend à Tokyo. Elle se confie : “J’ai tendance à être vigilante dans le métro de Tokyo car je sais qu‘à tout moment, je peux me retrouver entourée d’hommes douteux.
Séparer les hommes des femmes
Reina Oishi, 21 ans, est étudiante. Elle avoue avoir été confrontée aux ‘‘frotteurs’‘ : “J’ai été victime de frotteurs tellement de fois”. La jeune femme ne cache pas sa volonté de télécharger Digi Police.
Pour endiguer le phénomène des pervers sexuels, des compagnies ferroviaires ont trouvé la parade ; la mise en place de wagons uniquement réservés aux femmes, et ce, pendant les heures de pointe. Mais ce n’est pas tout. Ces compagnies ont fait installer toute une batterie de caméras sur les lignes où sont le plus signalés les cas de harcèlement.
Au Japon, le sujet des pervers sexuels dans les transports en commun enflamme la toile. Des femmes échangent de plus en ligne sur l’affaire, se donnant des conseils et se soutenant mutuellement.
Akiyoshi Saito est travailleur social et a à ce jour procédé au suivi d’environ 800 ‘‘froteurs’‘ dans le contexte d’un programme de réhabilitation. Il rappelle que ces individus ne sont pas un phénomène typiquement japonais, vu qu’ils sont répertoriés dans n’importe quelle ville de la planète dotée de transports en commun.
Le travailleur social précise aussi que les pervers sexuels des transports en commun nippons ‘‘ciblent en priorité celles (les femmes) qui apparaissent timides et réticentes à porter plainte”. Au pays du soleil levant, le machisme est une réalité aussi dure que le fer. “Cette idée que les hommes sont supérieurs aux femmes peut contribuer” au maintien de telles pratiques, affirme Saito.
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フランス語の勉強?
想田和弘@KazuhiroSoda
たしかに。似ているのはバーニー・サンダースですね。サンダースは大統領選挙に出てきたときは泡沫候補に見られていたのですが、彼が唱える反緊縮のメッセージが若者を引きつけ大善戦し、民主党全体の政策や雰囲気を変えました。山本太郎はサンダースになれる資質十分。問題は野党が団結するかどうか。
山本太郎への献金が1億1215万円を突破。これは事件であろう。なぜ太郎が支持されているかといえば、彼が「民衆のための経済」の話をしているからだ。一言で言えば「反緊縮」である。反緊縮って何?と思った人は、ぜひこのインタビューを読んで欲しい。日本人必読。

内田樹@levinassien
昨日遊びに来た中学生が山本太郎さんの『安倍総理への質問』を書棚から取り出して熱心に読んでいたので「面白い?」と訊いたら「すごく面白い」と言うので、「そんなに面白かったらお持ちください」と言ったら大喜びしてました。山本さん凱風館来たことあるよと言ったら尊敬のまなざしで見られました。
「山本さんてどんな人?」って訊かれたので「すごく気づかいのできる人だった」とお答えしました。「見た目はマッチョだけど、あの人は弱い人とか虐げられた人を見るとほんとうに悲しくなってしまうんだと思う。だから『正しいこと』を言っているというより、あれは悲しんで、怒ってるんだと思うよ。」

島田雅彦 @SdaMhiko
加藤典洋氏は「敗戦後論」で日本は戦後と戦前の二重人格に陥っていると指摘したが、さらに人格破綻がすすみ、我を失っている。我に返るためには今一度、加藤氏の議論に戻らねばならない。冥福をお祈りします。
冨永 格(たぬちん)@tanutinn
モーニングショーで丸山議員の去就。青木理さん「丸山議員の話のほか、大阪で市議が選挙の関係で捕まったとか、透析患者は殺してしまえみたいなことを言った人を公認するとか、維新の会という政党の問題点が色々浮き彫りになってきている」
Tad @TadTwi2011
本日の山本太郎議員の質疑。
漁業分野の外国人技能実習生が強制加入させられる労働組合「全日海」の問題について。
「実際は何もしてくれないのに月3千円も取られ、脱退すると技能検定試験が受けられなくなる等の不利益が。労働組合の看板を借りたヤクザ。利権ではないか」(抜粋)


昨日の資料やっぱり気になって,朝一番で修正しました.夕方のコーで使用しました.
A女性が公休とりたいと言ってきました.ちょっと事情がよくわからないのですが.
他方昨晩遅い時間に体調不良で代打Aをお願いします,というメールが入っていました.とりあえず代打君に頑張ってもらいました.

災害公営住宅荷物撤去の強制執行
気仙沼市の災害公営住宅で、入居していた女性が亡くなったにも関わらず、遺族が荷物や飼い猫を残したまま立ち退かないとして、遺族に住宅の明け渡しを命じた裁判所は、21日、女性の荷物などを撤去する強制執行を行いました。
強制執行が行われたのは、気仙沼市の唐桑町にある戸建ての災害公営住宅です。
去年6月、入居していた80代の女性が亡くなりましたが、女性の娘が荷物や10匹以上の飼い猫を残したまま、立ち退きに応じませんでした。
このため、気仙沼市が娘に対し、住宅の明け渡しなどを求めて裁判を起こし、ことし3月、仙台地方裁判所気仙沼支部は明け渡しを命じる判決を言い渡していました。
強制執行は、遺族が明け渡しに応じないことから、市の要請を受けて裁判所が行ったもので、21日は、委託を受けた業者が、午前10時から4時間ほどかけて、荷物を詰めた段ボール箱などを運ぶ作業を行いました。
また、家に残されていた飼い猫のうち、17匹は事前に仙台市の動物愛護団体に保護されていて、21日は残っていた1匹を保護したということです。
市は、荷物の撤去にかかった費用などについては、遺族に請求することにしています。
東日本大震災で建てられた災害公営住宅から荷物などを撤去する強制執行が行われるのはこれが初めてです。


<原発ADR打ち切り訴訟>原告「町が失ったもの賠償を」
 福島県浪江町民109人が東京電力と国に原発事故の損害賠償を求めた訴訟が福島地裁で始まった。和解仲介手続き(ADR)の和解案を東電が拒否したことに端を発する全国初の集団訴訟。訴訟の行方は各地の集団ADRにも影響を与える可能性がある。
 20日は町民2人の意見陳述があった。無職鶴島孝子さん(60)は「原発事故は町の自然や文化、歴史など全てを奪った。失ったものに対する適切な賠償を望む」と語った。
 原告団長の無職鈴木正一さん(68)は東電がADRの和解案を尊重すると表明していたことを指摘し「東電は自分でした約束、誓いを破った。許せない暴挙だ」と訴えた。
 ADRは早期救済が長所だが、東電が「一律での検討は公平さに欠ける」として和解案の受諾を拒否するケースが相次ぐ。2018年に打ち切られた協議は49件。15〜17年は1桁で推移していた。
 浜野泰嘉弁護団長は「和解拒否を続けて逃げ切れるなら、ADR制度は瓦解(がかい)する。裁判で責任の所在と適切な賠償額を追及していく」と述べた。
 ADRには町民の7割超が参加したが、提訴は1割以下の1500〜2000人にとどまる見通し。訴訟はADRに比べ費用と時間がかかるため、敬遠する声が多いという。


<原発ADR打ち切り訴訟>東電と国、請求棄却求める「新生活の形成可能」
 東京電力福島第1原発事故の和解仲介手続き(ADR)の決裂を受け、福島県浪江町の町民109人が計約13億1800万円の損害賠償を東電と国に求めた訴訟の第1回口頭弁論が20日、福島地裁で開かれ、東電と国は請求の棄却を求めた。
 東電側と国側はともに「原発を襲う津波は予測できなかった」とする従来の主張を繰り返した。町民は地域コミュニティーの喪失を損害と主張するが、東電側は「新たに平穏な日常生活とその基盤を形成することは可能で、必ずしも元に戻らなくなったとはいえない」との見解を示した。
 訴えによると、町民は2011年3月11日の東日本大震災と原発事故の発生直後から17年3月まで全町避難を余儀なくされた。町民は(1)コミュニティーの破壊(2)長期の避難生活(3)健康被害への不安−によって精神的苦痛を受けたなどとしている。
 訴訟に先立ち、町は13年5月に町民約1万5700人の代理人となって慰謝料増額を東電に求める集団ADRを申し立てた。原子力損害賠償紛争解決センターは月額5万円を上乗せする和解案を提示したが、東電が拒否。18年4月に手続きが打ち切られていた。
 20日は町民115人が追加提訴した。弁護団によると、最終的に1500〜2000人が原告に加わる見通し。


遠藤周作ワールドに浸る ファン48人、作品舞台の石巻訪問
 作家遠藤周作さんの作品愛好者らでつくる「周作クラブ」の48人が20日、慶長遣欧使節団を率いた支倉常長を題材にした小説「侍」の舞台となった石巻市を訪問した。
 首都圏を中心としたファンが参加し、作品ゆかりの地を巡るバスツアーでは同市の県慶長使節船ミュージアムで復元船サン・ファン・バウティスタ号を見学。学芸員から航海中の船内の様子や常長がキリスト教の洗礼を受けた背景などについて説明を受けた。出帆の地の同市月浦も訪ねた。
 相模原市の北島保代さん(71)は「サン・ファン号を間近に見ると、常長たちの航海の大変さが改めて伝わってきた」と話した。
 会員らは東日本大震災前の2003年にも現地を訪れており、今回の訪問は震災後初めて。


<日本遺産>みちのくGOLD浪漫 認定に喜びの声「今後も協力し宣伝」
 岩手、宮城両県の5市町が金を通して歴史や文化を伝える「みちのくGOLD浪漫(ろまん)」が日本遺産の認定を受けた20日、宮城県涌谷町では、町役場や町施設に垂れ幕を掲げるなど、祝賀ムードに包まれた。
 推進協議会準備会は涌谷町に設置され、陸前高田市、岩手県平泉町、気仙沼市、宮城県南三陸町の4市町と連携して推進活動を展開してきた。
 同日正午すぎに、涌谷町役場に「祝 日本遺産認定」と書かれた長さ6.4メートル、幅0.9メートルの垂れ幕を設置。同町の歴史館「天平ろまん館」の入り口にも認定を祝う木製看板を掲げた。
 この日は、同町が20年以上前から受け入れる香港からのツアー客約30人が天平ろまん館を訪れ、看板の前で記念写真を撮るなどして認定を祝った。
 2017年度に初めて申請してから3度目で認定を受けた。町生涯学習課の二瓶雅司主事は「『三度目の正直』で達成でき、5市町の担当者と喜び合った。今後も連携を深めて地域の資源を宣伝したい」と話した。
 4月に急死した大橋信夫涌谷町長が、各自治体に赴いて協力を要請するなど熱心に取り組んできた。町長職務代理者の渡辺信明総務課長は「念願がかない、大橋さんが一番喜んでいるだろう」と思いやった。
 31日には天平ろまん館で、5市町の首長が出席する認定式典を開く。6月以降、本年度の活動方針や組織づくりを進める。


<日本遺産>「みちのくGOLD浪漫」認定 金の産出通じ歴史と観光の融合アピール
 宮城県涌谷町で749年、日本で初めて金が産出されてから、東北では独自の金文化が発展した。「みちのくGOLD浪漫」として認定された宮城、岩手両県の5市町は、歴史と観光を融合させたPR活動を続けてきた。
 涌谷町の金は東大寺の大仏の鍍金(ときん)に使われ、歌人の大伴家持が万葉集で「金(くがね)花咲く」と詠じた。町内には国史跡の黄金山産金遺跡がある。陸前高田市の玉山金山は江戸時代に仙台藩の財政を支えたといわれる。
 岩手県平泉町の中尊寺金色堂には気仙沼市と宮城県南三陸町の砂金が用いられた。金は富の象徴としてだけではなく、祈りの対象でもあったという。
 2016年から各自治体の担当者が連携。歴史・文化をアピールしてきたほか、東日本大震災からの復興の願いを加え、日本遺産認定を目指してきた。
 3度目の申請で念願を果たし、涌谷町生涯学習課文化財保護班の福山宗志班長(46)は「これからも幅広く魅力を伝え、東北の知名度が上がるようにしたい」と気持ちを新たにする。

 文化庁は20日、地域の歴史や文化財に物語性を持たせて魅力を発信する「日本遺産」の第5弾として宮城、岩手両県を含む21道府県の16件を新たに認定した。
 東北関連は気仙沼市、宮城県南三陸町、宮城県涌谷町、陸前高田市、岩手県平泉町の5市町が連携した「みちのくGOLD浪漫(ろまん)−黄金の国ジパング、産金のはじまりの地をたどる−」(代表・涌谷町)。
 現在の涌谷町で奈良時代に日本で初めて砂金が取れ、奈良・東大寺の大仏建立に使われた歴史を紹介。各地の金山跡、豊富な金産出を背景にした平泉町の中尊寺金色堂などをたどる。


五郎八姫しのぶ 伊達な道中 松島で催し
 仙台藩祖伊達政宗の長女・五郎八(いろは)姫をしのぶイベント「松島五郎八姫物語」が6日、姫の菩提(ぼだい)を弔う松島町の天麟院とその周辺で開かれた。
 「伊達な姫君道中」と銘打った行列は、大人と子ども時代の五郎八姫役の2人をはじめ、母の愛姫、祖母の義姫らが時代物の和服姿で練り歩いた。
 同町のすずめ踊りグループ「松島祭連(まづら)竹谷舞」も軽やかなすずめ踊りを披露。町内の尺八グループ「民謡伴奏漣(さざなみ)会」は虚無僧姿で演奏し、姫たちを先導した。行列は総勢約100人で、松島高の生徒も和服姿でお供を務めた。
 五郎八姫と姫が帰依した高僧雲居(うんご)国師の交流を描いた紙芝居の上演や茶席、和服の着付けなどもあった。
 開催は5回目。相沢多恵子実行委員長は「町民手づくりの祭りで、多くの協力を頂き盛大にできた。松島と縁の深い五郎八姫を広く知ってほしい」と話した。
 天麟院の村山秀允住職によると、五郎八姫は亡くなる3年前に自分の菩提寺として天麟院を造った。


GDPプラス 体感景気は数字と違う
 プラス成長といわれてもピンとこない人は多いだろう。今年一〜三月期の国内総生産(GDP)が前期から伸びたという。だが国民が感じている景気の現状は、この数字とは大きく離れている。
 今回、実質GDPの半分以上を占める個人消費は前期比0・1%減だった。消費を手控える決定的な要因はなく、購買意欲が落ちたとしか説明できない。
 今年に入り食料品など日常に欠かせないモノの値段が相次いで上がる中、賃金が上がったという実感はない。多くの人々が、店先でより安い方を選んだり買う量を減らすなど、生活防衛に走った結果が数値に出たのではないか。
 にもかかわらず全体としてプラスになったのは、二つの数字上のからくりがあるからだ。
 二〇一八年度の補正予算が執行された。これにより公共投資が1・5%増加し数字を押し上げた。これは政府による経済の下支えであり、いわば官製景気だ。
 外需の伸びも大きく貢献した。しかし、これも輸入の減少が輸出減を大幅に上回り差し引いた額が大きく増えたからにすぎない。輸入減の原因は、消費が伸び悩み海外から買うモノが減ったことだ。
 ここで指摘したいのは、今回の数字が消費者の心理を的確に反映していない点だ。消費者は予定されている消費税増税と、米中経済摩擦による景気悪化不安を前に身をすくめているはずだ。スーパーなどで買い物する際「節約しよう」という気持ちに拍車がかかるのはむしろ自然な流れだ。
 特に米中摩擦は経営者の心理を冷やし、賃金や雇用の抑制につながる恐れがある。今回の調査では設備投資が減少しており、経営者の消極姿勢はすでに現実となっている。消費と賃金、雇用は経済の核心部でつながっており、その連鎖が負の方向に逆流する気配が漂い始めている。
 茂木敏充経済財政担当相は「内需の増加傾向は崩れていない」と発言したが納得できない。内需の減少懸念は山積している。
 今、政府に必要なのは生活目線で景気の現状を認識することに尽きる。景気後退はまず経済的弱者を直撃するからだ。
 不当な賃金不払いや雇用が増えていないか。値上げのしわ寄せが零細業者などに及んでいないか。政府は景気判断を机上ではじき出した数値だけではなく、暮らしの現実を丁寧に把握した「民の肉声」を入れて行うべきだ。


ドローン規制 知る権利脅かさぬよう
 ドローンの飛行禁止範囲を米軍や自衛隊の基地に広げる改正ドローン規制法が十七日、成立した。メディアの取材が制約される懸念が大きい。市民による監視もできなくなる。知る権利を守るべきだ。
 二〇一六年施行のドローン規制法は、首相官邸や原子力施設周辺上空の飛行を禁止してきた。改正法は、対象に防衛関係施設として自衛隊および米軍施設を加える。米軍については、基地の敷地のほか提供水域・空域も規制する方針だ。
 ドローンの飛行は一般的に航空法などにより規制されている。従来はそれらの法令に反しない限り米軍基地周辺の飛行は日本政府による自粛要請にとどまっていたが、六月中とみられる改正法施行で一律に禁止される。
 罰則は一年以下の懲役か五十万円以下の罰金。警察官や自衛官は違法ドローンを捕獲したり破壊したりできる。
 防衛施設へのテロ対策の必要性は理解できる。だが、取材規制は受け入れがたい。日本新聞協会は法改正が「国民の知る権利を著しく侵害する」と談話で批判した。
 参院内閣委員会では立憲民主党が報道目的の場合、原則として飛行を認めるとした修正案を出したが賛成少数で否決された。飛行禁止の判断を最終的に基地司令官に委ねる点で原案と変わらないとして共産党も反対に回った。野党内の調整不足は残念だ。
 法改正に伴う影響は、特に沖縄で深刻である。政府が埋め立てを強行する名護市辺野古の新基地建設現場は、米軍キャンプ・シュワブと提供水域に囲まれ、ドローンが近寄れなくなる可能性が高い。
 辺野古では、報道各社や市民団体が埋め立て海域に赤土のような汚濁が広がったり、建設中の護岸から汚濁防止膜を越えて濁り水が漏れたりしている様子をドローンで撮影し、政府を追及してきた。
 今後はそんな不都合が隠されないか。基地やその周辺での米軍機事故や自然災害の実態把握が難しくなるのも心配だ。
 政府は、国民に知らせないことの利益より不利益を考えるべきだ。
 衆参両院の内閣委は、法案採決に当たり、報道の自由や知る権利の確保の観点から限度を超える規制を行わないよう政府に求める付帯決議を採択した。
 対象の防衛施設は今後、防衛相が米側とも協議しながら指定する。防衛省は、対象となっても司令官ら管理者の同意があれば飛行は可能になるとも説明している。決議に沿う運用を望む。


特定秘密保護法/抜本的な見直しが必要だ
 特定秘密保護法の施行から今年12月で5年になる。運用基準を見直す時期に当たり、衆院の情報監視審査会が政府に対応を促す意見を公表した。
 この法律は、安全保障に関する機密を漏らした公務員らに厳罰を科す内容を含む。実際に処罰された例はないが、国民の「知る権利」や報道の自由を侵害する懸念が指摘されている。
 安倍政権が野党や世論の反対を押し切って成立させた経緯があり、議論を尽くして国民の理解を得たとは言い難い。
 制度上の最大の不備は、秘密指定の恣意(しい)的な拡大など乱用への歯止めが不十分なことだ。国会が監視の責務を十分に果たすためには、この機会に抜本的な見直しを図らねばならない。
 秘密指定の対象は、外交や防衛などで特に秘匿が必要とされる情報だ。公務員の漏えい罪には最高で懲役10年が科される。民間企業の従業員や教唆した人も処罰対象となる。
 ただ、「何が秘密か」は所管の大臣など行政機関の長が決める。政府の保全監視委員会や独立公文書管理監などが目を光らせる仕組みもあるが、行政内部のチェックにとどまる。
 一方、政府は国会に運用状況を毎年報告する義務を負う。衆参両院の監視審査会は意見・勧告を行える。しかし強制調査などの権限はなく、どこまで実情に迫れるかは疑問だ。
 対象文書がないのに情報の項目だけを秘密指定する「あらかじめ指定」が衆院の審査会で問題視されたのは2年前である。政府が指定した特定秘密の4割を占めていた。
 こうした動きが広がれば、都合の悪い情報の隠蔽(いんぺい)に悪用される恐れもある。審査会が「法の基本理念から外れた運用」とくぎを刺したのは当然だ。
 政府は改善を約束したが、その後も保存期間の短い秘密文書が国民の目に触れないまま大量に廃棄されている実態が明らかになった。国会は厳格な運用基準を求めるだけでなく、秘密指定が妥当かどうか、文書の中身も精査する必要がある。
 秘密を指定する側が大きな裁量権を持つ今の制度では、乱用の危険はなくならない。開示を命じる権限を国会に持たせるなど、透明性を高めるべきだ。


東京医科大、男女の合格率に差なし 今年の一般入試
 東京医科大は医学部医学科の今年の一般入試の合格率が、男子16・9%、女子16・7%と男女でほぼ同じだったことを20日、ホームページで公表した。女子や多浪生を不利に扱う得点操作が明らかになった昨年の合格率は男子が8・8%、女子が2・9%と3倍超の差があった。得点調整を排除したことが反映されたとみられる。
 東京医科大が公表した資料によると、今年の一般入試の受験生は男子が498人(昨年比1098人減)、女子が288人(同730人減)で、男子84人、女子48人が合格した。大学入試センター試験の利用者342人(男子206人、女子136人)では88人(男子52人、女子36人)が合格。両区分を合わせた合格率は男子19・3%、女子19・8%と女子が上回った。
 男女差がなくなったことについて、東京医科大は取材に対し「不正は改めた。結果を精査し、再発防止に努めたい」としている。
 不正入試問題を巡っては、第三者委員会が17、18年の一般入試とセンター試験利用入試で、55人の女子を含む計69人の得点が合格ラインを上回っていたにもかかわらず不合格とされていたとする第1次報告書を公表。最終報告書では、13年から16年の一般入試とセンター試験利用入試でも、109人(男子43人、女子66人)が不当に不合格にされたと指摘した。
 大学は17、18年入試の受験生の点数を復元。101人を追加合格の対象として再判定を行い、44人を合格としていた。【水戸健一】


丸山議員は囲み取材わずか2分 本紙の直撃にも“逃げの一手”
「戦争しないとどうしようもなくないか」などと発言し、日本維新の会を除名された丸山穂高衆院議員。本紙は2回にわたって丸山議員の政治資金をめぐる不透明なカネの疑惑を報じた。これまで取材を申し込んでも電話に出ず、質問状を送っても回答しなかった丸山議員だが、19日、ツイッターに〈明日(20日)は決算委があるので、まずは、もしそこに各社記者さんらがいれば見解や対応をお話しする〉と投稿。そこで本紙記者も委員会傍聴後、直撃した。
 丸山議員が出席した決算行政監視委は正午過ぎに終了。30人超の報道陣が待ち構える中、重い足取りで委員会室から出てきた丸山議員は、カメラを向けられるなりうつろな表情を浮かべ、視線は泳いでいた。報道陣に一斉に取り囲まれると、無表情のまま開口一番「次の予定があるので手短にお願いします」と言い放った。
 それから戦争発言などについて「公式の場で申し上げたことではない」などとノラリクラリはぐらかし、「北方領土を不法に占拠しているのはロシア側」「謝罪するのは間違い」などと持論を展開。先週の本会議欠席についても「手続きを取ったので問題ない」なんて開き直っていたから唖然ボー然。その時間、たった2分間だ。
 そこで、あらためて本紙記者が報じた、国会議員に毎月支給されている100万円の「文書通信交通滞在費」が“使途不明”状態にあり、「蓄財」の疑惑が浮上している点を問いただすと、こう答えた。
「あのー、あれです。政治資金規正法上、全く問題はないと思っています」
 そして、警備員に守られながら足早に立ち去ってしまったからアングリだ。急いで後を追って丸山議員の国会事務所を訪ねると、ドアは鍵がかかったまま。〈御用の方は下記までご連絡下さい〉と地元事務所の電話番号が記載された紙が貼ってあるだけで、インターホンを押しても、ノックしても何ら応答なし。ツイッターでは勇ましい丸山議員だが、実際はクネクネと逃げ回っているだけ。
 口先だけの臆病者が「戦争」を口にするなんて全く論外だ。


丸山議員「言論の自由」発言は笑止千万! 青木理が「憲法と国際法に完全にダブル違反」とバッサリ
「戦争発言」で、野党から辞職勧告決議案を出されている丸山穂高議員(35)が20日(2019年5月)、「私が辞めることで前例を作ってしまいかねないので、絶対にやめるわけにはいかない」と、議員辞職を改めて否定した。さらに、日本維新の会がロシア側に謝罪したことを巡り、松井一郎代表と対立する事態になっている。
丸山議員はまず、松井代表がツイッターで「丸山君、アルコール依存症は精神的なダメージがある」と投稿したことに対し、「非常に遺憾、撤回と謝罪をしていただきたい」と反論。
「私がやめると前例になるので絶対やめません」
さらに、日本維新の会幹部が17日、ガルージン駐日ロシア大使に会い、丸山議員の発言を直接謝罪したことについて、「北方領土を不法に占拠したのはロシア側だ。謝罪をしに行くというのは大変に問題がある」と批判した。
ジャーナリストの青木理氏は「丸山議員の言っていることにも一部、一理ある」と説明を始めた。「例えば戦前、反軍演説をした人が除名になったこともある。発言によって選挙で選ばれた職を簡単にクビが切れる状況になると、社会の空気がガラッと変わったときに一生懸命抵抗した人までクビになってしまう。だからこそ、議員辞職勧告決議は刑事事件の嫌疑がかかった人にしか適用されなかったわけです」
そしてその後、「その上で、丸山議員の発言を考えてみると、刑事事件にはなっていないが、完全に憲法違反ですよね。領土を戦争で取り返すなんていうのは国際法にも違反している。往生際の悪いことをしてないで辞めた方がいい」とバッサリ。
菅野朋子(弁護士)「言論の自由がどうのこうのという話ではないですよね。話をすり替えてしまっている」
玉川徹(テレビ朝日コメンテーター)「ロシア大使に謝罪に行ったのは、解決する手段として戦争を持ち出したことに対する謝罪です。そんなことも分からないのなら、国会議員としての資格はない」


強制起訴制度、開始から10年 検察権限に風穴、9件で有罪2件
 検察審査会の議決に一定の法的拘束力を持たせた強制起訴制度の開始から21日で10年となった。この間、検察の不起訴処分について遺族らから審査を申し立てられたのは延べ約2万人に及び、13人(9事件)が強制起訴に至った。起訴判断を一手に握る検察の権限に風穴をあけたとの評価がある一方、有罪は2事件2人にとどまり、制度を疑問視する声もある。
 強制起訴制度を盛り込んだ改正検察審査会法は、裁判員法とともに2004年5月に成立し、09年5月に施行された。検察が起訴を見送った事件でも検察審査会が2度「起訴相当」と判断すれば、対象者は強制的に起訴される仕組みになった。


学生ローン全額肩代わり 約44億円 黒人富豪
 【ワシントン高本耕太】米南部ジョージア州アトランタの大学で19日に行われた卒業式で、祝辞のスピーチに立った黒人投資家のロバート・スミス氏が卒業生396人の学生ローンを全額肩代わりすると宣言し、大きな話題になっている。背景には、授業料高騰や金利上昇に伴って卒業後にローン返済に苦しむ学生が増加し、社会問題化している米国の現状がある。
 大学は1867年に黒人の地位向上のために設立された私立モアハウス大で、今も学生の大半が黒人。名誉博士号授与のため19日の卒業式に出席したスミス氏はスピーチで、教育の機会が自身の成功にいかに寄与したかを強調した上で「この国に暮らしてきた私の家族8世代を代表し、あなた方を後押ししたい。学生ローンの負担を全額返済するための基金を設ける」と語った。
 スミス氏の提案は大学側にも事前に知らされず、耳を疑った卒業生らは一瞬静まりかえった。直後に歓喜でわき、涙を流して抱き合う様子を伝える動画が、ネット上で繰り返し再生されている。大学側は卒業生のローン総額を算出中だが、スミス氏は4000万ドル(約44億円)の拠出を約束しているという。
 2万5000ドルのローンを抱える卒業生のディオンテ・ジョーンズさん(22)は米ワシントン・ポスト紙の取材に「人生の新たなスタートを与えてもらった」と感謝した。
 米フォーブス誌などによると、スミス氏は金融大手ゴールドマン・サックスで数々のIT企業合併を手がけた後、投資会社を設立。資産総額は50億ドル(約5500億円)にのぼり、「米国で最も裕福な黒人」とされる。
 米国では過去10年で学生ローンの債務が急増。残高は1・5兆ドルを超え、デフォルト(債務不履行)の懸念増大が金融面でも危機とされている。大学無償化や返済免除制度の拡大など学生ローンを巡る問題は、来年の大統領選でも主要争点の一つになる見通しだ。


高校普通科改革  多様性を確保できるか
 政府の教育再生実行会議が、高校生の7割が通う普通科の改革を柱とする提言を安倍晋三首相に提出した。
 大学受験を念頭に置いた指導が中心となっている現在の普通科の教育を見直し、学校ごとの特色に合わせて類型化する方向性を打ち出した。
 国際化や情報通信技術(ICT)の進展といった社会の変化に対応できる多様な人材養成につなげたいという。
 「脱画一化」によって、生徒たちの個性や関心、希望する進路に応じた教育の充実を目指すのは理解できる。
 一方で、類型化が進むと、目標が定まらない生徒と学校の特色とにミスマッチが生じたり、学校数の少ない地方では選択肢が十分になかったりする懸念がある。
 生徒たちの多様さや将来の可能性にかえって枠をはめてしまわないよう留意し、高校教育の在り方を幅広く議論すべきだろう。
 提言は、全国の高校に「特に力点を置く学習内容」など教育目標を明確にするよう要求。それらを踏まえ、国際的に活躍するリーダー育成▽科学技術の分野をけん引▽地域課題を解決−といった例を挙げ、「各校が選択可能な学習の方向性に基づいた類型」の枠組みを示すよう国に提案した。
 同じ普通科でも大学進学者が大半の高校や、就職や専門学校を目指す生徒が多い高校など多様だが、カリキュラム自体は大きく変わらず、大学受験を念頭に置いた授業編成が大半だ。提言では画一的な学びが生徒の能力や関心を踏まえておらず、学習意欲に悪影響を及ぼしていると指摘している。
 2022年度から順次実施される高校の新学習指導要領で、主権者教育やICT活用など、時代に対応した新しい学びが数多く導入される。普通科も多様性を持つべきという考え方だろう。
 ただ、類型化を進めると、中学卒業段階での高校選択の重みが一段と増す。生徒の興味や進路の希望は10代を通して大きく変わることを十分に考慮する必要がある。
 進学重視校の「エリート化」が加速する可能性もある。類型例を見ると、産業界が求める実学や人材育成を重視する「選別」のような動きを早期に持ち込むのではという懸念も拭えない。
 高校教育は、社会変化に対応できる知識や技能とともに、その土台となる幅広い教養や知的好奇心を育む場だ。新要領が掲げる「主体的・対話的で深い学び」を実現する中身の議論を深めたい。


防衛大学校が受験者2250人も激減…蔓延する“いじめ”の実態
 裸の下半身を掃除機で吸う。体毛に火をつける。全裸にさせ際限なく腕立て伏せをさせる。「風俗嬢と写真を撮ってこい」と強要する――。
 受験者数の激減は「いじめ問題」と無関係ではないだろう。
 2013〜14年にかけ、いじめを受けたとして防衛大学校を退学した男性(24)が、当時の上級生や同級生8人を相手に損害賠償を求めた裁判で、今年2月、福岡地裁は7人に計95万円の支払いを命じた。
「いじめの実態はこんなものではありません。殴る蹴るの暴行は当たり前。エアガンで撃ったり、バットで殴ったりしたこともあった。食べ切れない量の食事や硬いままのカップ麺にわさびを入れ、無理やり食べさせたり、熱湯を口に含ませたりもした。原稿用紙100枚に反省文を書かせ、ノート1冊全部に『ごめんなさい』と記入させた。廊下を泡だらけにし、掃除をさせ、机の中を荒らすなど、ムチャクチャでした。いじめの当事者の何人かは自衛隊の幹部になっています」(法曹関係者)
 同大は14年、下級生への指導を巡るアンケートを実施。4年生の57%に当たる274人が、下級生がミスや不手際をすると点数を加算し、一定の基準で罰則を与える「粗相ポイント制」に関わったことがあると答えた。
 そんな実態が明らかになったからか、昨年9月から12月にかけて行われた今年4月採用の試験の受験者数は前年1万4270人(男子1万396人、女子3874人)から1万2020人(男子8564人、女子3456人)と2250人減。年によって募集人員の増減や少子化の影響も考えられるが、15年1万5328人、16年1万4927人、17年1万5094人と、これまでさほど差はなかったが、この1年間で大きく受験者を減らした。
「さまざまな要因があると考えられるので一概には言えませんが、近年の少子化による若年人口の減少、景気及び、雇用の動向の影響を受けているという認識です」(同大学校)
 新入生は入学した時点で特別国家公務員の身分となり、月給11万4300円と「期末手当」が計37万円支給され、全寮制のため、光熱水費、食費はタダ。卒業後は自衛隊幹部への道が開かれている。
 とはいえ、これだけ「いじめ」が蔓延しているとなると、二の足を踏む受験生も多いだろう。


河北春秋
 「需要に見合った販売をするように」と、国がコンビニやスーパーの業界団体に、商品を名指しして異例の要請をしたのは今年1月だった。2月の節分に食べる「恵方巻き」である▼売れ残って大量廃棄される画像がツイッターなどで流れ、問題になった。食べられる状態で捨てられる「食品ロス」への関心が高まり、超党派の国会議員が廃棄を減らすための新法をまとめ、今国会で成立する見込みにまでなった▼その影響があるのだろう。大手コンビニのセブン−イレブンとローソンが、弁当やおにぎりなど消費期限の近づいた食品の購入者にポイントを提供する還元策を実施すると明らかにした。実質的な値引きをして売れ残りを抑える▼コンビニ業界は定価販売を柱に伸びてきた。その成長も鈍化し、食品廃棄の費用が加盟店の重荷になっているという。深刻な人手不足で、24時間営業の見直しに向けた時間短縮実験も今年始まっている。値引きには業界が曲がり角にあることも背景にある▼変わらなければならないのはコンビニだけではない。日本の食品ロスは2016年度推計で643万トン。小売業から出るのは1割程度にすぎない。家庭部門が4割を超え、食べ残しを主因に291万トンに上る。まず私たちも足元の食生活を見つめ直したい。

財界の「終身雇用はもう限界」発言、やっぱり無責任じゃないですか? 「社会全体」の問題として考えたい
西田 亮介 東京工業大学准教授
「終身雇用はもう持たない」——財界からそんな声が上がり、議論を呼んでいる。たしかにグローバル化の中、企業はコストを圧縮し生産性を上げていく必要があるだろう。しかし、戦後日本社会という仕組みの中で合理性を発揮してきた終身雇用や解雇規制を、それだけを取り出して「不合理だからやめる」とするのは乱暴ではないか。まして「国民生活の向上」を目標とする経団連は、経営の問題だけではなく、同時により慎重に「社会」のことを考えるべきではないか。東工大の西田亮介准教授が解説する。
経団連の目的は「国民生活の向上」
突然だが、「経団連」とはどんな団体か、ご存じだろうか。
一般社団法人日本経済団体連合会、通称、経団連は1946年に設立された、日本有数の経済団体であり、経済界きっての利益団体である。
経団連のホームページによれば、2018年5月31日時点の企業会員は1376、団体会員156、特別会員31と加盟者は1563にのぼる。
長く自民党への献金をあっせんし、現在でも政策評価を通じて、自民党の政治資金団体への献金を呼びかけるなど、政治や政界再編などでも大きな影響力を有していることが知られている。
定款によれば、その目的は、下記のように記されている。
(目的)
第3条 この法人は、総合経済団体として、企業と企業を支える個人や地域の活力を引き出し、我が国経済の自律的な発展と国民生活の向上に寄与することを目的とする。
経済界のみならず、「国民生活の向上に寄与することを目的」としていることを覚えておいてほしい。
最近、その経団連の中西宏明会長が「終身雇用を前提にすることが限界になっている」と定例会見で発言し、話題となった。
さらに、これまで複数の名誉会長を輩出するなど経団連で長く重要な役割を果たしてきたトヨタ自動車の豊田章男社長も、日本自動車工業会の記者会見で、同会の会長として「なかなか終身雇用を守っていくのは難しい局面に入ってきた」と述べた。
両者の「日本型雇用」のあり方と将来像についての一連の発言、アプローチは、大きな物議を醸している。
本稿では経団連の重鎮が立て続けにこうした発言をした理由と背景、そしてそれが日本社会にどのような影響を与えうるのかを考えてみたい。
こうした発言が、グローバル化のなかで過剰な雇用を抱えることが難しくなった(大)企業の都合によるものであること、終身雇用制度や解雇規制はほかの社会制度とセットで語るべきものであること、その他の社会制度を現状のままに解雇規制「だけ」を緩和するのには慎重になるべきことなどを明らかにしていく。
解雇規制緩和は、財界の悲願
ではまず、この発言の意図とはどんなものだろうか。
議論の前提を確認しよう。現状、日本企業は、従業員を解雇しにくい環境にあると言われる。日本において企業都合の解雇、いわゆる「整理解雇」には金銭補償をしたうえでの解雇も認められないなど、少なくとも形式的には比較的厳しい制約が設けられているし、労働契約法も「労働者の保護」を強調する(ただし、運用実態に基づき、日本の解雇規制は必ずしも強いとはいえないという学説もある)。
なかでも、しばしば参照される「人員削減の必要性」「解雇回避の努力」「人選の合理性」「解雇手続の妥当性」を満たさなければ解雇をできないという、いわゆる整理解雇の四要件はよく知られている。
それではしばしば報じられる企業の人員整理とは、より具体的には何を意味しているのだろうか。これは退職の勧奨、つまり希望退職者や割増退職金等による早期退職の募集等と採用抑制、そして解雇の組み合わせによってなされている。
つまるところ、経済界の重鎮たちが言う「終身雇用制の破棄」とは、解雇規制の緩和、とくに整理解雇の四要件の緩和を念頭に置いているものと思われる。
繰り返しになるが、現行法のもとでは日本では景気変動に応じた人員削減は容易ではないが、それを可能にしたいというのが経済界の悲願の背景だ。
経団連を始めとする経済界はかねてから、繰り返し解雇要件の緩和を主張してきた。以下は1994年の経団連の報告書内の記述からの引用だ。
規制緩和に伴う競争激化によって、当面、雇用面ではマイナスが予想され、その影響は先行的に現れる。(…)
規制緩和に伴い競争が激化し、生産性が向上することから、一時的には雇用の減少が先行することは避けられない。その減少を内外価格差の是正と新規事業の拡大による雇用機会の増加によって、カバーするまでには、一定の時間的なギャップが生ずる。加えて、地域的、職能的、年齢的な雇用面のミスマッチも懸念される。
この点をさらに敷衍すれば、これまで低い生産性を長く抱えてきた部門では、効率化の進捗に伴い、円滑に他の部門において労働需要が創造されないと過剰雇用の問題に直面せざるえない。また、当該部門における競争の激化により、やむをえず市場から撤退するといった場合には、労働移動に伴う摩擦が問題となる。
併せて、規制緩和を軸として、経済システムの改革や産業構造の調整が進むなかで、過剰労働力が顕在化する一方、若年人口を中心とした生産年齢人口(20〜64歳) の減少が見込まれ、21世紀初頭には、労働力需給が全体としてほぼ均等すると想定されるものの、雇用のミスマッチが一段と拡大する惧れがあるという指摘もある。
経団連(1994)「規制緩和の経済効果に関する分析と雇用対策 第2部 規制緩和の経済効果に関する分析と雇用対策」
経団連は20年以上前から、解雇規制緩和が基本的に雇用にとってネガティブな影響をもたらしうるという認識でいながら、そのうえで解雇規制の緩和を主張しており、現在もまた同種の主張を継続していることがよくわかる。
ここで冒頭に引用した定款を振り返っておこう。そこには「国民生活の向上に寄与」と書かれていたはずだが、結局のところ(大手)企業の利益確保はそれらに優先するようだ。
なぜいま解雇規制緩和なのか、その理由
背景には、日本の内外を取り巻く産業の構造転換と(大手)企業のグローバル化の課題がある。なかでも、自動車業界はこの間、売上と生産の軸足を海外に移してきた。
また電動化を始めとするCASE革命(ネットワーク化(Connected)、自動運転(Autonomous)、シェアビジネス(Share)、電動化(Electric)を通じた自動車業界の変化を指す)に伴って、従来型の製造業ではなく、身軽なIT企業、ソフトウェア企業と競争を強いられている。
IT企業は総じて生産設備や生産人員のコスト負担が身軽なため、研究開発に多くのコストを投入可能で新規参入が容易だ。またグーグルやアップルは世界屈指の企業であり、研究開発への投資意欲も高い。伝統的な自動車産業にとっては、新しいライバルが登場した格好だ。
工場を始めとしたコストのかかる巨大生産設備を国内外に持ち、必ずしもITやAI部門において卓越しない人材を多数抱えるという意味で伝統的な製造業に位置づけられる自動車業界には相当の焦りがあると思われる。自動車業界のみならず、その他の伝統的産業でも同様だろう。
豊田氏のスピーチは報道では雇用の問題を中心に取り上げられているが、上記のようなコンテクストが重要だ。
このスピーチのなかで豊田氏は、平成元年の売上高、営業利益ともに国内単独決算が連結決算の8割を占めていたこと、平成30年度のそれが4割にまで低下していることを紹介する。
国内の地位が相対的に顕著に低下している際に、その国内の雇用や設備が過剰になるのであれば、中長期にはそれらを維持していくことは困難であるから、自動車関連税の減税や雇用の柔軟性を含めた「配慮」をしてほしいという文脈だったことがわかる。
すでにすっかり忘れられているが、かつて「3つの過剰」という言葉があった。雇用、設備、債務の過剰である。1999年の『経済財政白書』に由来する。その後、2005年の「年次経済財政報告」ではそれらの解消が指摘された。
だがすでに始まっている新しい競争と国内市場、そして設備の相対的地位低下を踏まえると、経団連加盟企業のような(大手)企業は、国内市場の地位低下のなかで、再び人的資源の管理や再配置等を推し進めたいということだろう。
解雇規制は戦後日本の社会モデルでは合理的だった
経団連の新しいグローバル化と拡張も、こうした動きに拍車をかけていると考えられる。
経団連は最近では加入要件の大幅緩和などを通して新興企業やIT企業の取り込みにも余念がない。GAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)のうち、Facebookを除く日本法人の各社もメンバーで、近年注目を集めるメルカリ等の企業も加入するなど、新しい発展を見せている。
グローバル企業や、企業の歴史が短く従業員の平均年齢も若い企業にとって、現在の解雇規制「だけ」をとってみれば、それは全く魅力的ではなく、合理的にも見えないだろう。採用や雇用においても、世界的に画一化したほうが狭い意味では低コストで済むかもしれない。
だが、解雇規制も、ある種の社会モデル(すなわち、戦後の日本社会というモデル)の中で見たときには「全体合理性」が存在したことも事実である。この種の解雇規制を議論する際には、そのことをよくよく考慮しなければならない。簡潔に説明しよう。
新卒一括採用(メンバーシップ制)、終身雇用(定年までの長期安定雇用)、年功序列中心の賃金体系(入社早期の賃金抑制と、晩年の昇給カーブの引き上げ)の3点をもって、日本型経営のモデルとみなされてきた。
それだけではない。日本型経営に加えて、日本型福祉、自民党中心の中央集権型資源の再分配の三点セットを日本社会のモデルともみなされてきた(高原基彰『現代日本の転機』(NHK出版、2009年))。むろんモデルであるから例外事例も多数存在する。
しかし、なによりこれらの議論の重要な指摘のひとつは、これらの特徴間の密接な連関性にある。要するに、新卒一括採用とメンバーシップ制は長期雇用と関係し、長期雇用のインセンティブとして年功制賃金が機能してきたということであり、日本型経営が実質的に個人、雇用者(企業)、国が福祉のコストを分担負担する日本型福祉を支えてきた。
そしてそれらの総合的利益のあり方と分配を調整するのが、自民党政治と55年体制だったというわけだ。
解雇規制単体ではなく、このように一種の社会モデルとしてみなすならば、そこに一定の合理性があったことを理解できるのではないか。
企業視点で考えても、日本型経営には合理性があった。新卒一括採用と長期安定雇用の組み合わせ(メンバーシップ制の源泉)は、組織内の密なすり合わせや、企業都合の迅速な配置転換(転勤)等を可能にしてきた、と理解されてきた。
社会全体の問題として考える必要がある
このような認識に立つとき気がつくのは、「いいとこ取り」の難しさである。長期安定雇用や新卒一括採用を中止するのであれば、メンバーシップ型雇用や賃金体系の見直しにとどまらず、関連のビジネスを含む社会慣行、福祉や政治のあり方にもそれに合わせた変化が必要になるということである。
これは経済の問題であるとともに、社会のあり方を巡る価値の問題でもあることをよく認識すべきだ。確かに、伝統的な労働市場と雇用、産業のあり方を維持していくことは難しいだろう。しかし、だからといって、すでに軸足を海外に移しつつある経済界の利益を最大化しようとすると、社会や雇用の利益と合致しないかもしれない。
さらに経団連や経済界が政治に強い影響力を持つのだとすれば、なおさらのこと社会全体の利益に配慮したより慎重な議論が必要だ。
すでに事実上、終身雇用は機能していない。それは事実かもしれないが、しかし、それにあわせて「建前」すら同時に手放してしまってよいのだろうか。
そもそも高齢化が進む社会と解雇規制緩和は相性が悪い。人は高齢になるにつれて、新しい知識、技能の学習、習得は不得手になるはずだ。健康状態も害しやすくなるはずだ。企業からの視点でいえば、人材として価値が低下するのは自然なことだ。そのことは忘れるべきではあるまい。
他方で、確かに官邸からは70歳までの雇用維持を努力義務として立法しようとする意図も報じられている
だが、こうした努力義務と解雇規制緩和は釣り合わないというのが筆者の認識だ。
これまでの新卒一括採用は、大学卒業直後のまっさらな若者、つまり十分な就労スキルを獲得できていない若年世代を多く採用する傾向にあった。これは日本企業の業務が定型化されていないことが多い職場における労働に適した「社員」形成に求められるメンバーシップの形成や若年世代の比較的低い失業率に貢献しているとも考えられる。
世界に劣後する部分のグローバル化は必要だが、優位な部分を企業都合だけでグローバル・スタンダードにあわせていくのであればそれには明確な反対を提起すべきだ。
社会や労働法制という制約条件のなかで利益を生み出すビジネスモデルを作り出すのが優れた経営者の仕事だとすれば、中途半端な「経営者マインド」に被雇用者が共感する必要はない。
むしろ戦後の右肩上がりの時代に棚上げしてきた被雇用者の利益と権利についてしっかり考えるべきだ。昨今の一連の働き方と働き方改革を巡る議論は、令和とポスト令和の社会モデルのあり方を議論する好機でもある。そのことを忘れないようにしたい。


安倍政権が労働者イジメ 経営者が首切り自由の“改悪制度”
 残業代ゼロの働かせ放題になるとして、国民から非難囂々の「裁量労働制の拡大」や「高プロ(高度プロフェッショナル制度)」に続き、安倍政権がまた新たな労働者イジメの制度をブチ上げた。職務や勤務地、労働時間などを限定して労使間で雇用契約を結ぶ「ジョブ型正社員(限定正社員)」のことだ。
  ◇  ◇  ◇
 20日の日経新聞は〈「限定正社員」の職務・勤務地など明示 企業に義務化 規制改革会議が提言〉と題し、〈政府の規制改革推進会議は職務や勤務地、労働時間を限定する「ジョブ型正社員」の法整備を提言する。労働契約を結ぶ際に、職務や勤務地を契約書などで明示するよう義務付けるのが柱だ〉などと報じた。
 記事では〈雇用期間の定めがなく社会保険にも加入でき、非正規社員より待遇が安定している〉〈ジョブ型正社員は職業能力に応じて賃金が決まるため労働市場の透明性が高まる〉などとメリットが強調されていたが、見逃せないのは次のくだりだ。
〈解雇や労働条件を巡る労使間の紛争を避ける狙いがある。企業は契約時の職種や拠点がなくなったらジョブ型正社員を解雇できる〉
 要するに「正社員」扱いはするものの、経営者はジョブ型の雇用契約で示した「限定条件」がなくなったら、いつでもクビ切りが可能になるということ。極論すれば、リストラを考えている労働者に対し、何だかんだと理由をつけてジョブ型契約を結び直し、その後、職場や工場などの廃止、閉鎖を理由にクビを切ることもあり得る。
 おそらく国や経営者団体は「しっかりとルールを作って安易なクビ切りはしない」とか言うのだろうが、まったく信じられない。規制改革会議は2015年、カネさえ払えば自由に解雇できる「解雇の金銭解決」制度の導入を求める意見書を提出しているからだ。
 ジョブ型正社員の制度を導入したい目的が「非正規の雇用安定」ではなく、いかに自分たちにとって都合よく合法的に労働者をクビにできるか――にあるのは一目瞭然だ。
 労働問題に詳しい「ブラック企業被害対策弁護団」代表の佐々木亮弁護士(旬報法律事務所)はこう言う。
「ジョブ型正社員とは、労使間で雇用契約を結ぶ際、あらかじめ勤務地や業務内容などを限定するものですが、現行でも同様の雇用形態はあり、新たな雇用形態を作るわけではありません。そもそも労働者を整理解雇するには、人員整理の必要性や解雇を回避するための努力義務の履行などが必要で、ジョブ型正社員だからといって雑に解雇していいわけではない。ただ、最近の(裁量労働制や高プロ制度の導入を進める国や経営者の)傾向を見ていると、『ジョブ型』とか『限定』という言葉のイメージを使って、解雇規制のハードルを下げたい思惑があるのではないか」
 庶民のフトコロはちっとも潤わず、労働者は低賃金で長時間労働を強いられ、クビにおびえる。安倍政権が大はしゃぎでアピールしていた「戦後最長の好景気」とは一体、何なのか。


来日トランプに安倍首相がどうしても「護衛艦かが」を見せたい理由 涙ぐましい「対米追従」アピールのため…
半田 滋
一昨年の「捲土重来」
25日に二度目の来日をするトランプ米大統領。米国の大統領として初めて海上自衛隊の護衛艦を視察する方向で調整が進んでいる。
白羽の矢が立ったのは空母に改修される「いずも」の2番艦「かが」。視察を主導しているのは首相官邸だ。
なぜ、安倍晋三首相はトランプ氏に「かが」を見せたいのか。
来日時、自衛隊の艦艇を視察した外国の首脳は英国のテリーザ・メイ首相ただ一人である。2017年8月31日、横須賀基地で「いずも」を視察した。
案内した当時の小野寺五典防衛相は、旧日本海軍の巡洋艦「出雲」が明治時代に英国で建造されたことを紹介し、続けて「日露戦争はそのおかげで勝つことができた」と述べた。すると、メイ氏は「我が国と日本は長きにわたり協力してきた」と応え、日英の「準同盟」を確認した。
これまで、日本政府が来日した外国の首脳に自衛隊の視察を求めることはなかった。それが一転して積極的になったのは、安倍首相が提唱した「(自由で開かれた)インド太平洋構想」の道具として護衛艦が使われていることが大きい。
「インド太平洋構想」とは、インド洋と太平洋でつないだ地域全体の経済成長をめざし、自由貿易やインフラ投資を推進する構想のこと。だが、本丸は安全保障面での多国間協力にある。法の支配に基づく海洋の自由を訴え、 南シナ海で軍事拠点化づくりを進める中国を封じ込める狙いが込められている。
その第一歩として海上自衛隊は、米国とインドの2ヵ国による共同訓練「マラバール」に毎回参加することとし、「マラバール」は日米印の3ヵ国共同訓練に格上げされた。
3ヵ国共同訓練となって最初の「マラバール」は、2017年7月10日から8日間にわたり、インド南部チェンナイ沖で行われた。
中国の周近平国家主席が提唱した経済・外交圏構想「一帯一路」のうち、洋上の「一路」の途上にあるのがチェンナイ沖で、中国の潜水艦を想定した対潜水艦戦などが実施された。
メイ氏が視察したのは、この訓練に参加し、帰国して間もない「いずも」だったのである。
「マラバール」には米海軍、インド海軍とも空母を参加させており、中国側が「脅威」と受けとめる空母打撃群を構成するには、空母タイプの護衛艦「いずも」の派遣が重要だった。
これにより、「日本防衛」にとどまっていた自衛隊が「インド太平洋」にまで進出し、対中包囲網の一角を担うことになった。「専守防衛」を踏み越えかねない危うい方向転換だが、自衛隊の積極活用は安倍首相が目指す「積極的平和主義」の具現化といえる。
その「成果」を誇示するために、わざわざメイ氏を「いずも」に招待したのである。
メイ首相は「いずも」視察の答礼として、2017年12月、訪英した小野寺氏を就役したばかりの英海軍の新鋭空母「クイーン・エリザベス」に招待した。
そして昨年8月には、英海軍の補給艦を南シナ海に派遣し、米国が駆逐艦などを南沙諸島、西沙諸島に派遣する「航行の自由作戦」に英国も参加することを表明した。
つまりメイ首相の「いずも」視察は、英国を「インド太平洋構想」に引きずり込んだ原点とも言えるのである。
実は安倍首相は、2017年11月にトランプ氏が初めて来日した際、「いずも」に招待し、「強固な日米同盟」を演出する腹積もりだった。しかし、トランプ氏の日程の都合が合わず、幻の計画に終わっている。
捲土重来が二度目の来日となる今回なのだ。
「自立の努力」をアピールしたい
視察先が「いずも」でなく「かが」なのは、現在「いずも」は「平成31年度インド太平洋方面派遣訓練部隊」として護衛艦「むらさめ」とともにインド太平洋に派遣されており、日本を不在にしているためだ。
「かが」は広島県の呉基地に配備されており、横須賀基地まで回航してトランプ氏の乗艦を待つことになる。28日が予定されている。
安倍首相がトランプ氏を「かが」に招待する目的は2つあるとみられる。
ひとつは、前述した通り、「強固な日米同盟」を誇示することである。「かが」は「いずも」と同様、4月から適用された新「防衛計画の大綱」で空母化が決まっている。
空母は打撃力そのものであり、先制攻撃を可能にする強力な武器だ。大綱は「日米同盟の一層の強化には、わが国が自らの防衛力を主体的・自主的に強化していくことが不可欠」と記しており、その防衛力強化のシンボルが空母なのだ。
「いずも」「かが」の空母化により、「日本は米国の軍事力に頼っているだけではない。自立の努力をしている」というところをトランプ氏にアピールできると考えているのではないだろうか。
改造され、空母になる「いずも」「かが」を「マラバール」に参加させれば、日米印3ヵ国の空母が出揃うことになる。また、恒例化しつつある「インド太平洋方面派遣訓練部隊」に参加させれば、中国に軍事的圧力をかけ続けることにもなる。
「いずも」「かが」の空母化ほど、米国の対中戦略に貢献するツールはないのだ。これらの艦艇を安倍首相が「トランプ氏に見せない手はない」と考えたとしても不思議ではない。
2つ目の狙いは、護衛艦の空母化には搭載する戦闘機が不可欠となる。政府は米国製のF35戦闘機を105機追加購入することを決め、そのうちの42機を空母に搭載できるF35Bとすることも決めている。
F35の追加購入は、2017年のトランプ氏の初来日時、安倍首相が口約束した内容を実行したものだ。
このとき、日米首脳会談後の共同記者会見で、トランプ氏は「非常に重要なのは、日本が膨大な武器を追加で買うことだ。完全なステルス機能を持つF35戦闘機も、多様なミサイルもある」と具体的品目を挙げて購入を迫った。
これに対し、安倍首相は「日本は防衛力を質的に、量的に拡充しなければならない。米国からさらに購入していくことになる」とあうんの呼吸で応じ、トランプ氏が列挙したF35や新型迎撃ミサイルのSM3ブロック2Aなどを購入することを挙げた。
米国から輸入することになるF35の購入費は安く見積もっても総額1兆2000億円。米国の対日貿易赤字を削減する有力材料がF35なのだ。
そのF35が載ることになる「かが」を視察するトランプ氏に「米国からの武器の大量購入」を日本側が説明しないはずがない。
メイ首相を防衛相が案内したのとは異なり、今回はトランプ氏を安倍首相が案内するのではないだろうか。
そうなれば、「いずも」「かが」の空母化により、(1)軍事力強化による自主防衛の努力、(2)インド太平洋における日本の影響力強化、(3)米国の対中戦略への貢献、(4)米国製武器の大量購入による対米支援、をまとめてアピールできるのは間違いない。
米製兵器の「爆買い」もアピール
特に米国製武器の大量購入は、4月から始まった日米の自由貿易協定(FTA)交渉を側面支援する材料と日本側はとらえているのではないだろうか。
米政府から対外有償軍事援助(FMS)で購入する米国製武器は、第2次安倍政権以前は毎年500億円から600億円程度だったが、第2次安倍政権では1000億円、4000億円と増え続け、2019年度は7013億円に達した。
米政府に巨額の武器購入費を支払い続けた結果、防衛省は国内の防衛産業に支払うカネを工面できず、購入した武器の分割払いを5年から10年へと引き延ばす特別措置法をつくり、今国会では同法の期限を延長した。そこまでして米国製武器の「爆買い」を進めているのが安倍政権なのだ。
トランプ氏による「かが」の視察は、そうした日本側の涙ぐましい対米追従を強調し、結果的にFTA交渉で米国に強硬策に出ないよう懇願する場ともなるのだろう。
安倍政権が日本の立場ばかりに目を向けている間に、中国などで騒ぎが起きていた。5月3日から9日まで、南シナ海で実施した海上自衛隊、米海軍、インド海軍、フィリピン海軍の4ヵ国訓練に注目が集まっているという。
海上自衛隊は前述の「平成31年度インド太平洋方面派遣訓練部隊」の「いずも」「むらさめ」を参加させた。
香港で発行されている週刊誌「亞洲週刊」の毛峰東京支局長は「4ヵ国訓練の意図をめぐり、中国ばかりでなく、香港、台湾、欧州でも話題になっている」と話す。
4カ国の共同訓練はシンガポールで5月9日から13日まで開催された拡大ASEAN国防相会議(ADMMプラス)とともに実施された多国間訓練に合わせて、これに参加する艦艇が集まり、実施したものだ。
海上自衛隊は、2018年には南シナ海で自衛隊単独の対潜水艦訓練に踏み切っているが、毛氏は「去年は自衛隊だけだった。今回は米海軍、インド海軍が南シナ海まで進出してきた。日本政府は訓練の意図を説明するべきだ」と話す。
訓練の意図は、インド太平洋構想にもとづき、多国間が連携して中国を封じ込めるため、圧力をかけることにあるのだろう。そうだとすれば、日本政府は中国に意図を説明できるはずがない。
トランプ氏による「かが」の視察は、日本政府が米国に「日本の努力」をアピールする場となるのは間違いない。同時に関係正常化へ向けて動き出した中国との関係を再び悪化させ、東アジアに緊張をもたらす「諸刃の刃」となるのだろう。


日雇い労働者の街「大阪・西成」からシンボルが消えた日
 大阪・西成に集う日雇い労働者たちに対して、長らく職業あっせんなどのサポートを行ってきた「あいりん労働福祉センター」が、4月に閉鎖された。反発する労働者と支援者から成る総勢100人が抗議活動を展開し、警察官や機動隊員およそ220人が動員される騒ぎとなった。
 日中はホームレスや仕事にあぶれた労働者たち100人以上がひしめいていた同センター。彼らにとっては風雨を凌げる快適な居場所であり続けてきた。閉鎖の表向きの理由は老朽化による建て替えだが、付近には訪日外国人客向けの施設やリゾートホテルの建設も決まっており、センター閉鎖もそうした“西成浄化作戦”の一環と見られている。
 だが、長らく現地で取材を行ってきた在阪の全国紙記者によれば、センターの閉鎖は根本的な“存在意義”も絡んでいるという。
「日雇い労働者の街と言っても、もう15年も前から日雇いの仕事はほぼゼロ。日雇い労働をあっせんするというセンターの機能は形骸化し、あぶれ手当(※日雇い労働者向けの失業保険)を出すだけの場所に成り果てていました。廃止まで秒読み状態のまま、ズルズルと続いていたのが実情なんですよ」
 西成は日雇い仕事の減少と住人の高齢化に伴い、“福祉の街”になっているのが現状だ。
「ドヤと呼ばれる簡易宿泊所の住所で住民登録ができるようになり、生活保護も受給できるようになっています。泊まっている“住民”のほとんどは高齢の元日雇い労働者の老人です。一部ではドヤではなく、福祉マンションと呼ぶ動きもあります」(前出記者)
 日雇いという最も立場の弱かった労働者たちは、高齢化でさらに弱い立場に立たされているのだ。
センターの閉鎖は何を意味するのか
 西成の飲食店経営者など、地元の住人たちの目は冷ややかだ。
「日雇い仕事があった何年も昔は活気があった。それが今はほとんどが生活保護受給者でしょう。みんなツケで飲むんや。食い逃げもしょっちゅうやし、隣の人の酒を飲むヤツまでおる。みんな日雇いの人たちはお金がないと思ってるやろうけど、昔は日銭もたんまりもらって、あの人たちは金払いもよかった。そう考えるとね、なんか悲しゅうなってきますよ」
 こうした住人の民度を社会不適合者の集まりと十把一絡げにして語るのは簡単だが、彼らにもここを離れられない言い分がある。センター閉鎖を見ていた60代の元日雇い労働者の男性に話を聞いた。
「ワシら、ここから追い出されたら生活できへん。親戚の家に出入りしただけで、近所の人に通報されたんやから。極端な話、ここやったらパンツ一枚でええ。だいいち、西成から俺たちが出ていったとして、どこか歓迎してくれる場所があるんか?」
 時代とともに形を変え、弱者の受け皿となってきた西成。今回のセンターの閉鎖は日本の日雇い労働の終焉と変わりゆく西成を象徴しているように見える。


薩長同盟ゆかり建物 保存検討へ
幕末に大久保利通が暮らしていた京都市の住宅の跡地に、薩長同盟のゆかりの地から移築したとみられる建物が見つかり、市が部材の保存などを検討することになりました。
建物が見つかったのは、京都市上京区の幕末に大久保利通が暮らしていた跡地にある住宅の庭です。
建物は、薩長同盟にゆかりのある公家の屋敷の茶室が移築されたものとみられ、取り壊される計画を知った京都市の歴史研究家が今月、市に連絡しました。
これを受けて市が緊急に調査を行い、建物は茶室から姿を変えているものの、床柱の赤松などは移築当時のものが使われている可能性があることが分かりました。
市は、部材の保存や活用について検討することにしています。
建物について市に伝えた歴史研究家の原田良子さんは「建物は『有待庵』と名付けられた茶室で、大久保家が持つ昔の写真とも室内の構造が一致しており、現存していることが分かった。文化財的な価値がなくても、歴史的価値は計り知れず、記録・保存してほしい」と話していました。
また、京都市文化財保護課の中川慶太課長は「現行の制度では市がそのまま保存するのは難しいが、何ができるかを検討し、保存の先進事例にしたい」と話していました。


韓国K-POPアイドル不祥事をめぐるワイドショーのヘイトとご都合主義! ユチョン叩きの一方で元東方神起のプロフィルに触れず
 V.I(元BIGBANG)による売春斡旋容疑、パク・ユチョン(元JYJ、元東方神起)の覚せい剤使用容疑での逮捕など、K-POPアイドルをめぐるスキャンダル報道が日本のワイドショーでも連日報道されている。
 ユチョンの問題は元婚約者である財閥孫娘と警察権力との癒着、またV.Iについても彼が理事を務めるクラブ「バーニング・サン」で起きた暴行事件などに関する捜査の揉み消しや、警察署署長クラスの人物との癒着が疑われるなど、単なる芸能界のいちスキャンダルではなく、韓国の社会構造そのものが問われる問題ではある。
 それにしても、この報道量は過剰だろう。一体なぜ日本のワイドショーが、韓国の芸能界のスキャンダルをこんなに毎日報道しているのか?
「いま韓国アイドルは日本でも人気が高いから」と言うかもしれない。たしかに、現在日本ではK-POPアイドルが欧米や日本のアイドルをしのぐほどの絶大の人気を誇っているのは事実だ。しかし、それはテレビの外の話だ。本サイトでも報じたことがあるように、ネトウヨからの炎上攻撃を恐れたテレビ局は地上波の音楽番組やバラエティから多くのK-POPアイドルを排除している。
 にもかかわらず、不祥事となったら連日、大量に報道し続ける。これはあまりにもバランスがおかしいだろう。
 しかし、テレビから排除する一方、不祥事だけは嬉々として報じるというのは、実は表裏一体のものだ。それは報道ぶりを見ればよくわかる。
 たとえば、5月14日放送『直撃LIVE グッディ!』(フジテレビ)。V.Iの拘束前被疑者尋問を伝えたニュースのなかでMC陣はこのように発言していたのだ。
高橋克実「組織的なものに対して、警察が揉み消すというかね、そういうものっていうのは、日本でも昔の物語なんかでは見たことがありますけども、映画とかでね、ありますけれども、そういうのがここでまだあるのかっていうね」
安藤優子「本当に遠い昔ね、反社会的勢力と警察が手をとって癒着関係にありながら地域のバランスをとるみたいなことは過去に日本でもあったことですけれども、それがいま韓国で起こっているとしたらば、もうビックリ!って感じですよね」
 5月2日放送『バイキング』(フジテレビ)では、今回の騒動があったとしても一部の特権階級と警察の癒着構造が変わるのは難しいのではないかという金慶珠氏の見立てを聞いたMCの坂上忍が笑いながら「ちょっと待ってよ〜。変えてよ〜。なんとか」「なんかこれきっかけにね、仲の良い隣国としてちょっといい方向にいい方向に行ってくれればなと思ってたんですけど、金さんけっこう冷めてるからちょっと困っちゃうんだよな」と発言。
「先進国気取り」の「上から目線」だが、日本でも、安倍首相の御用ジャーナリスト・山口敬之氏が準強姦容疑で逮捕状が出ていたにも関わらず、直前でストップがかかったという“逮捕もみ消し”疑惑が起きたのはつい数年前。いまだ解明されていないのだが……。
『グッディ』『バイキング』に限らず、『とくダネ!』(フジテレビ)や『情報ライブ ミヤネ屋』(読売テレビ)などのワイドショーでも、韓国芸能界の闇、財閥と公権力の癒着などについて「こんなことするんですか、韓国は!?」「韓国はこれが普通ですか!?」「日本では普通は考えられないですね」などと蔑視目線まるだしで声高に騒いでいる。
 でも、ほとんど日本社会や、日本の芸能界にもある問題なんですけど……。
ユチョン報道でテレビが元東方神起、ジェジュンとの関係に一切触れない理由
 ようするに、K-POPアイドルをめぐるスキャンダル報道は、セウォル号事故、朴槿恵前大統領の汚職、財閥スキャンダル同様、ここ数年ワイドショーの定番ネタとなっているヘイトまがいの韓国バッシングネタのひとつなのだ。
 ただ韓国を見下せればいいだけで、公権力とエスタブリッシュメント層の癒着や芸能界の構造的問題などを真剣に考える気など一切ない。
 象徴的なのが、JYJのユチョンにかんするご都合主義的な報道だ。ワイドショーはこれだけ熱心にユチョンの事件を扱い、韓国の芸能界にかんするバッシング報道を繰り広げながら、ユチョンのある重要なプロフィルについては触れていないのだ。
 それは、ユチョンがNHK紅白歌合戦にも出場したこともある「東方神起」の元メンバーであり、現在、所属するJYJのメンバーには、いま日本のテレビでも引っ張りダコのジェジェンがいるという事実だ。
 周知のとおり、東方神起はもともと韓国の最大手事務所SMエンターテインメントに所属する5人組のK-POPグループだったが、2009年ごろからユチョン、ジェジュン、ジュンスの3人が契約内容が不当であるとして事務所と対立。裁判闘争も経て、ユチョンら3人はSMエンターテインメントを退所しJYJとして活動開始、残った2人が東方神起として活動するようになる。
 日本では東方神起は分裂前も分裂後もレコード会社のエイベックスに所属しており、芸能界やテレビ局に絶大な影響力を誇るバーニングプロダクションが後ろ盾としてついていた。
 一方、JYJは韓国最大手の事務所を脱退したため、当初、日本でも完全に干されていたが、メンバーのうちジェジュンだけは、最近、バーニング系のケイダッシュがサポートするようになったため、完全復活。ジェジュン単独でのバラエティ出演がある時点から一気に増えたのにはそういう背景がある。
 つまり日本のワイドショーは、バーニングやエイベックスへの配慮から、ユチョンが東方神起メンバーだった過去に触れず、ケイダッシュへの配慮から、現在、ユチュンの所属するJYJにジェジュンも所属していることを一切取り上げないのだ。ピエール瀧のコカイン事件報道で電気グルーヴのメンバーである石野卓球を叩いたのとは、対照的と言っていいだろう。
韓国は「JYJ法」をつくったが、日本のテレビは大手芸能プロのいいなり
 いずれにしても、こうしたご都合主義を見れば、一連の韓国アイドル不祥事報道が韓国社会や芸能界の腐敗構造に踏み込もうとするものでなく、たんに韓国を見下したいという劣情のはけ口でしかないのがよくわかる。
 たしかに、韓国社会にはさまざまな問題点があるが、日本より先進的な部分も多々ある。たとえば、韓国では通称「JYJ法」と呼ばれる法律がある。これは、東方神起から抜け、大手のSMエンターテインメントからも離れたJYJ の3人が音楽番組に出演できない状況が続いたことがきっかけでなされた法律改正のことだ。これにより、第三者が放送局に圧力をかけて出演を妨害することが明確に禁止されたのだ。
 ところが、ワイドショーは韓国の芸能界を追及する報道でこうしたことは一切触れようとしない。それどころか、日本のテレビでは、相変わらず、大手芸能プロの圧力や忖度で、独立した芸能人が出演できない状況が続いている。そして、報道の内容や方向性までが大手芸能プロの意向に沿った形で歪められているのだ。
 日本のメディアは韓国のことをコケにする前に、「自分たちの後進性」について考え直したほうがいいのではないか。

ヤクザに追われる夢コワい/ウテキ資料を急きょ準備

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Portrait de Shiori Ito, cette Japonaise qui brise les barrières sur le viol au Japon
Par Benjamin Cabiron
Même si le Japon est à la pointe de la technologie mondiale, la société n’en demeure pas moins extrêmement conservatrice et sensible sur bien des aspects. Le viol et son traitement de manière générale, que ce soit dans l’opinion publique ou dans le domaine du juridique, est fortement en retard si nous dressons la parallèle avec les sociétés occidentales. Depuis deux ans, une femme lutte farouchement contre les violences sexuelles et par extension contre le viol, et est devenue une figure emblématique de ce combat acharné et révolutionnaire dans la société japonaise. Voici l’histoire émouvante de Shiori Ito, la journaliste qui tente d’éveiller les consciences du Japon.
Un parcours bouleversé

Née en 1989, Shiori Ito est une journaliste japonaise diplômée à l’université de New York. Elle effectue alors plusieurs missions entre les Etats-Unis et le Japon, pour l’agence de presse bien connue Reuters. Après avoir terminé sa formation en Amérique, elle retourne au Japon afin d’exercer sa profession de journaliste. Elle est alors âgée de 26 ans, et c’est un avenir brillant qui s’offre à elle, sans embûche.
Mais sa vie est rapidement bousculée par une affaire extrêmement sombre. En étant revenue au Japon, elle reçoit une offre d’un responsable d’une chaîne de télévision japonaise, qui l’invite d’abord au restaurant afin de lui parler d’une certaine “offre de travail “. Elle croit alors saisir la chance de faire décoller sa carrière et d’entrer dans une institution respectée et puissante.
Le repas se déroule, et des coupes de saké (de l’alcool de riz) sont consommées, puis elle ne se souvient de rien. Elle reprendra conscience durant la nuit, dans une chambre d’hôtel inconnu, avec son agresseur couché sur elle. Dans son verre, les analystes suspecteront ensuite qu’elle aurait été droguée par la “drogue du viol”, à savoir l’acide gammahydroxybutyrique, plus connu sous le nom de GHB. Cette drogue de synthèse a été initialement utilisée en médecine afin de traiter certaines pathologies comme la narcolepsie, ou encore en tant qu’anesthésiant préopératoire. Mais ses propriétés sédatives sont depuis une vingtaine d’années utilisées par les violeurs, ce qui a conduit ce produit à son funèbre surnom : la drogue du viol. Malheureusement pour les victimes, l’ingérer est très facile : le GHB se présente dans un état liquide, que l’on peut conserver et transporter dans une petite fiole en plastique (ou en verre), que l’on peut ensuite mélanger sans grande peine dans le verre de sa victime.
Pour en revenir à l’affaire Shiori Ito, les enquêteurs n’ont pu que la déduire : les symptômes se ressemblent étrangement, et l’on ne peut pas donner de preuve médicale sur ce genre d’intoxication. En effet, ce type de produit disparaît bien trop vite dans le sang, et quelques heures suffisent à le diluer complètement.
Après avoir subi un viol sans pouvoir réagir ou se défendre, son agresseur lui glisse à l’oreille des phrases glaçantes : “tu as passé le test” et “laisse-moi au moins ton slip en souvenir”. C’est elle-même qui racontera tout ce dont elle se souvient dans un entretien à l’AFP.
Tout de suite, la femme tente de réagir en se dirigeant au commissariat le plus proche afin de déposer une plainte pour viol. Au bureau, un inspecteur de police de Tokyo va lui conseiller rapidement de ne pas porter plainte, sous peine de ruiner sa carrière de journaliste. Il explique ensuite que des histoires comme ça, il y en a beaucoup au Japon, ce qui n’est pas totalement faux mais qui n’excuse en rien la gravité des faits. La vérité est malheureusement politique, puisque son agresseur est un proche du pouvoir, et possède une influence colossale sur bien des membres de l’exécutif japonais.
Son violeur, Noriyuki Yamaguchi, a toujours affirmé que la jeune femme était consentante durant leur rapport, et qu’il ne s’agissait pas d’un viol. Il n’a nullement été inquiété, étant très puissant au Japon, et étant également un proche intime du Premier ministre en place. La plainte de la journaliste sera très rapidement classée sans suite, donnant raison à son agresseur, un journaliste de télévision de la chaîne japonaise TBS et biographe du Premier ministre Shinzo Abe.
Un témoignage continu et acharné
La jeune femme refusera d’abandonner son combat et lancera tout de même sa plainte, ce qui conduira à l’ouverture d’une enquête officielle. Le violeur présumé ne sera pourtant jamais inquiété par les services judiciaires, et son mandat d’arrestation sera annulé assez rapidement par la hiérarchie policière. Très vite, les autorités tenteront de faire oublier cette affaire en l’étouffant et en la classant de manière peu habile.
Les choses s’enveniment assez rapidement durant la fin de l’année 2017, puisque la malheureuse Shiori Ito ne bénéficiera même pas de statut de victime. Pire encore, elle sera même considérée comme une coupable, car elle serait alors responsable d’un scandale qui grandit au sein de l’exécutif japonais. Son père ira même jusqu’à lui reprocher de ne pas s’être plus défendue contre son agresseur.
En bref, la jeune femme se trouve très rapidement dans une situation de mal-aimée dans son propre pays, qui, dans le même temps, refusera de lui proposer le moindre emploi. Les entreprises et sociétés subiront soit l’influence de son agresseur au bras long, soit la peur d’esquinter leur image en prenant une personne responsable d’un scandale sociétal.
Loin de se laisser abattre, la jeune femme est aujourd’hui journaliste-documentariste à Londres, où elle s’est depuis expatriée et continue de lutter contre la société japonaise et la véritable corruption qui s’y exerce.
Depuis la capitale britannique, la jeune femme décide alors de se consacrer au combat pour faire entendre la voix des très nombreuses victimes de viol au Japon, qui subissent la justice au quotidien. Elle va alors se lancer dans une campagne très énergique et multiplier les interventions, en réalisant de multiples interviews ou encore des conférences de presse. Dans ces dernières, elle s’attache à décrire du mieux possible le ressenti des victimes au Japon, la manière dont la société et ces institutions traitent ce genre de cas de figure, ou encore les problématiques nombreuses quand ces femmes essayent d’obtenir une pilule de lendemain, dans les démarches pour avorter, ou tout simplement pour porter plainte.
Le mouvement #WeToo
Vous en avez sûrement entendu parler, mais en 2006, Tarana Burke a lancé sa première campagne de soutien aux victimes d’agressions sexuelles, plus précisément celles dans les quartiers défavorisés. Aujourd’hui, le mouvement #MeToo a véritablement balayé la toile, relancé par l’affaire Weinstein qui a éclaboussé Hollywood le 5 octobre 2017. Aujourd’hui, la somme des témoignages de femmes qui se sont rassemblées sous ce hashtag a été tellement incroyable que la conscience des citoyens du monde entier a été ébranlée. C’est une véritable prise de conscience sur le harcèlement sexuel qui s’est opéré dans plusieurs sociétés très différentes à travers le monde entier, et le mouvement a été un énorme succès.
Dans cette même optique, Shiori Ito a décidé de créer #WeToo, l’équivalent japonais du mouvement social international. Le Japon a dans un premier temps été sourd à ce nouveau mouvement, que ce soient les personnes conservatrices opposées à ce genre d’initiative, ou les femmes qui ont eu peur des représailles. Ni la justice, ni la police ne soutient les victimes de crimes sexuels d’après son auteure, et la situation demeure très compliquée encore aujourd’hui.
Selon elle, pour que du changement efficace survienne, il faudrait changer le système judiciaire japonais dans sa globalité, mais également la mentalité des personnes vivant au Japon. Les victimes ne sont pas perçues telles qu’elles devraient l’être, c’est-à-dire comme des personnes qui ont subi une agression traumatisante. Pire encore, dans la majorité des cas, les gens étaient plus choqués par le fait qu’elle ose prendre la parole en public sur ce genre de sujet tabou, plutôt que par les propos chocs qu’elle révélait au grand public.
Régulièrement, la journaliste recevait des messages qui la pointaient du doigt dans le déroulement de ce scandale, en lui demandant pourquoi elle avait accepté de prendre un verre dans un premier temps avec son agresseur, ou encore pourquoi elle n’a pas pu réagir et se défendre davantage. Les gens connaissaient pourtant les détails et la substance qu’elle avait ingérée à son insu, mais globalement l’oreille de ses compatriotes demeurait fermée.
Un combat qui secoue tout le Japon
Si l’affaire s’est déroulée en avril 2015, c’est véritablement à partir d’avril 2017 que la médiatisation a pris un nouveau souffle. A travers sa première conférence de presse, elle a dénoncé l’attitude lâche de la police, qui tentait par tous les moyens de la faire renoncer à porter plainte. La reconstitution de la scène de viol que les officiers lui ont fait subir était également traumatisante et visait probablement à heurter la jeune femme, à travers une représentation malsaine et choquante du déroulé des faits. Quelques mois plus tard, en octobre 2017, la jeune journaliste a publié un récit intitulé La boîte noire. L’ouvrage est disponible en France (aux éditions Picquier), et a également été traduit dans plusieurs autres pays.
Elle raconte donc l’incompréhension, que ce soit vis-à-vis de ses proches, vis-à-vis de la justice et des institutions japonaises, ou encore vis-à-vis des nombreux messages haineux ou menaces de mort qu’elle a reçu en nombre depuis qu’elle a porté cette affaire sur le devant de la scène japonaise.
Heureusement, sa campagne a rencontré quelques succès. Son combat a permis la modification de la législation japonaise sur le viol. De nombreux échos ont été entendus à travers le monde entier, et même à travers la société japonaise, avec plusieurs témoignages qui sont ressortis et de nombreux soutiens qui ont fait leur apparition. Elle a également été lauréate du prix de la liberté de la presse en 2018, pour son livre.
Aujourd’hui, la jeune femme est devenue égérie de la marque Calvin Klein, dans le cadre d’une campagne dédiée aux femmes d’Asie. Mais même après avoir obtenu ces quelques petites victoires, la jeune femme considère encore aujourd’hui que les lois de l’archipel japonais sont toujours beaucoup trop restrictives, et déplore l’absence actuelle d’un programme de protection pour les victimes de viol, et plus généralement d’agressions sexuelles.
Réformer la société japonaise

L’inaction de la justice nipponne met en lumière les nombreuses problématiques qui sont de plus en plus décriées. Le système légal japonais exige pourtant que “la volonté de dire non au suspect soit clairement exprimée et entendue”. Pourtant, une étude suédoise a prouvé que plus de 70 % des victimes de viol sont incapables de résister à l’agresseur, étant totalement paralysées psychologiquement et physiquement. Ici, c’est encore pire, puisqu’il y a eu utilisation de drogues anesthésiantes et paralysantes.
Dans la culture japonaise, souffrir en silence est considéré comme noble. C’est en tout ce qu’explique Shiori Ito, dans son livre. D’après une enquête réalisée par le gouvernement japonais en 2017, à peine plus de 4 % seulement des victimes de viol ont témoigné devant la justice. C’est dire le véritable tabou qui règne sur les violences sexuelles, dont les victimes sont très majoritairement les femmes.
Les révélations de la jeune journaliste ouvrent cependant la voie au changement. Elle explique qu’auparavant, prononcer le mot “viol” sur un plateau de télé au Japon était une chose rarissime, ce qui a changé aujourd’hui. Nous pouvons citer une affaire de harcèlement sexuel qui impliquait un haut fonctionnaire du ministère des finances au Japon, qui a dû démissionner en avril 2018. L’affaire avait fait les gros titres des médias nippons, ce que l’on peut considérer comme une conséquence évolutive découlante de cette affaire.
À l’été 2019, Shiori Ito retournera au Japon et retrouvera son agresseur. L’affaire pénale est officiellement close, mais ce n’est pas le cas du procès civil. Malheureusement, il y a peu de chances qu’elle arrive à faire condamner son agresseur, qui l’a marqué à tout jamais. Ce dernier lui réclame d’ailleurs 1 million de dollars américains pour diffamation publique, et cherche à inverser la tendance.
La jeune journaliste qui vit aujourd’hui à Londres espère un jour retourner vivre dans son pays natal…
Note de la rédaction : Sur le site FuransuJapon, nous proposons du contenu d’actualité avec une ligne éditoriale la plus objective possible. Cependant, quand de telles affaires éclatent, nous nous attachons à vous les rapporter de la façon la plus humaine possible, ce qui entraîne logiquement une prise de partie. Loin de nous l’idée de nous offusquer à la moindre différence et aux défauts du Japon, mais c’est également de notre responsabilité d’informer les gens sur les problématiques d’un pays aussi adulé que le Japon. Oui, derrière le fantasme d’un Japon bercé par les cerisiers et sa culture unique, de gros points noirs demeurent. La majorité sexuelle est fixée à 13 ans, 95 % des viols ne sont toujours pas déclarés, et seulement 4 % d’entre eux sont suivis d’une plainte, qui n’aboutit très souvent jamais.
Pour en savoir plus, nous vous proposons une batterie de quelques liens sur cette affaire.
http://cheekmagazine.fr/societe/shiori-ito-viol-wetoo-japon/
https://www.sbs.com.au/news/dateline/the-woman-who-broke-the-silence-on-rape-in-japan
https://www.bbc.co.uk/programmes/articles/3z44Njyr5wzm3wbVMGZ7tFr/shiori-ito-japan-s-attitudes-to-allegations-of-sexual-violence-are-locked-in-the-past
https://www.lemonde.fr/idees/article/2019/04/24/de-la-difficulte-de-parler-du-viol-au-japon_5454047_3232.html
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#菅義偉 官房長官は官僚人事を握り、権力を掌握。 #ふるさと納税 の問題点を指摘した平嶋局長を左遷するなど尋常でない人事介入を繰り返す。結果、現在の問題を官邸に進言する官僚は消え、閉塞感
#忖度 の空気、官から社会へ苦言のち左遷、官邸人事の衝撃 #朝日新聞


今日はコワい夢.撮ってはいけないヤクザの写真を撮ってしまい,ヤクザに追われる夢.コワい.目が覚めてもドキドキ.落ち着きません.
そのせいか?シス失敗してしまいました.みな得意だからセーフ?
忙しかったのですがNaさんやHyさんと話していてウテキ資料を急きょ準備しました.とりあえずですが.

<東日本大震災>被災農地に未来の種 園児らイモ植え交流
 東日本大震災の津波で被災した仙台市若林区三本塚の畑で19日、農業体験企画「おいもプロジェクト」があった。市内の親子連れなど約40人が参加し、サツマイモの苗植えや地元農家との交流を楽しんだ。
 若林区沿岸地域で農業とコミュニティーの再生などに取り組むボランティア団体「ReRoots(リルーツ)」の主催。参加者はサツマイモの苗約240本のほか、落花生と枝豆の種を定植した。
 農作業後は近くの集会所で、農家が育てた野菜を使ったちらしずしやカブのあんかけ、お吸い物などを味わった。
 苗植えを体験した太白区の幼稚園児柴田悠馬(はるま)ちゃん(5)は「楽しかった。サツマイモが地球より大きくなってほしい」と願った。
 プロジェクトは8月にサツマイモを大きくするために必要な作業「つる返し」を行い、10月に収穫する予定。スイートポテトに加工して販売する計画もある。
 プロジェクトリーダーの東北大2年久保直子さん(19)は「自然の豊かさや季節の変化を全身で感じ、地域のファンになってほしい」と期待した。


鎮魂の「ねがい桜」飾り、死者不明者と同数18430個に 陸前高田で奉納式、数はギネス認定
 東日本大震災の犠牲者を鎮魂するため被災者が手作りしたつるし雛(びな)「ねがい桜」の飾りが、震災の死者・行方不明者と同数の1万8430個に達し、陸前高田市の普門寺で19日、奉納式があった。
 桜の花をかたどった飾りは、犠牲者一人一人を表すかのように大きさが5〜10センチで模様も異なる。50〜100個を一連にして、円形状に計247本をつるした。高さは約4メートル、総重量は約150キロになる。
 震災で部員40人を失った陸前高田商工会女性部が、「二度と散らない『ねがい桜』プロジェクト」と銘打ち2012年に開始。全国から寄せられた古い着物の生地などを使って作った。ねがい桜には、支援者らの願いを記した紙も入れた。
 地域の活性化や復興の一助になればと、つるし飾りの数をギネス世界記録に申請し、4月認定された。
 奉納式には、商工会女性部員ら約80人が出席。つるし雛の大きさに、犠牲者の多さと関わった人々の思いの深さを改めてかみしめた。金野ヨシ子女性部長は「世界中の人に訪れてもらいたい」と話した。


<名取・閖上まちびらき>謎解きながら復興体感を 会場でスタンプラリー
東日本大震災の津波被害を受けた宮城県名取市閖上地区の復興状況を発信する26日の「まちびらき」で、被災者支援を続ける市サポートセンター「どっと.なとり」がスタンプラリーと謎解きクイズを実施する。まちびらき会場を楽しみながら巡ってもらおうと企画した。
 スタンプラリーはゆりあげ港朝市や名取トレイルセンター、閖上中央集会所など7カ所の会場でスタンプを集める。閖上地区を東(3会場)と西(4会場)に分け、各エリアでそれぞれ全ての会場を訪れると、オリジナルデザインの缶バッジがもらえる。
 「謎解き閖上物語−潮風最前線の街」と題したクイズは、スタンプラリー会場にまつわる問題を7問用意。全問正解すると「謎のメッセージ」が判明する仕掛けだ。正解者のうち抽選で計65人に笹かまぼこ詰め合わせやアカガイ塩漬けセットなど地場産品が当たる。
 スタンプラリーの台紙や謎解きクイズを掲載した無料冊子を5000部作製。市サポートセンターのスタッフが市の復興PR動画「閖上物語」をモチーフに登場キャラクターをデザインし、製作した。冊子は各会場のほか、JR名取、杜せきのした、美田園の各駅などでも配布する。
 26日は午前10時〜午後3時。各会場で宮城学院女子大生が運営に協力する。担当者は「会場を回って閖上がどれだけ復興したか見てほしい」と呼び掛ける。


元東北楽天の山崎武司さんが被災児童に支援金 SUGOでのレース後に贈呈式
 ◆…東北楽天の元選手でカーレーサーの顔も持つ山崎武司さん(50)が19日、宮城県村田町のスポーツランドSUGOであったレース大会出場後、「東日本大震災みやぎこども育英基金」への贈呈式に臨んだ。
 山崎さんは所属チーム分も合わせた110万円の目録を宮城県の担当者に手渡した。
 山崎さんは「震災から8年たったが、心の傷は時間がたったからといって必ず治るとは限らない。大変だと思うけど下ばかり向かずに上を向いて元気に生活をしてほしい」と願った。


<だて正夢>2年目始動、仙台で田植え
 2018年10月に本格デビューし、2年目を迎える宮城県産新ブランド米「だて正夢」の田植えイベントが19日、仙台市若林区下飯田の水田であった。市内を拠点に活動する人気4人組バンド「MONKEY MAJIK(モンキーマジック)」のメンバーとファンら39人が参加した。
 苗を植えたのは、JR東日本仙台支社と地元農業者らが設立した農業法人JRアグリ仙台が所有する水田約10アール。参加者はぬかるみに足を取られながら、一株一株を丁寧に手植えした。
 母親らと参加した多賀城市の小学2年松田清春君(7)は「田植えは初めてだったけど、上手に植えられて楽しかった」と話した。
 だて正夢のおにぎりと米粉入りサンドイッチが振る舞われ、田植えを終えた参加者は「もちもちしておいしい」と頬張った。9月に稲刈りをするほか、モンキーマジックによる農業体験も予定している。
 県は、19年産だて正夢の作付面積を18年産の倍となる約600ヘクタールに増やし、生産量を倍増させる計画。


「同日選大義なし」安倍政権を批判 国民民主党に合流の小沢氏
 国民民主党に合流した自由党の小沢一郎代表(衆院岩手3区)は19日、盛岡市内で記者会見し、衆参同日選の可能性について「安倍政権は大義名分なき衆院解散を続けてきた。今回も理由なしにやる」との見方を示し「僕ちゃんが首相をずっとやりたいってこと」と安倍晋三首相を皮肉った。
 参院選岩手選挙区(改選数1)では共産、自由、社民3党が野党統一候補として元パラリンピック選手横沢高徳氏(47)を擁立し、国民が反発してきた。小沢氏は「県連も合体するので(以前から)国民の人たちも一緒に参加してほしい」と述べた。
 合併に反発して国民からの離党を表明した階猛衆院議員(岩手1区)に対しては「また一緒にやろうとなれば、それはそれでいい」と突き放した。
 小沢氏は会見に先立ち自由の県連総務会に出席。総務会では県連の解散と国民との合併が了承され、所属する県議7人全員が20日にも国民への入党手続きを行う。


<青森県知事選>佐原氏、県政の転換アピール 三村氏、実績強調支持固め 選挙サンデー
 任期満了に伴う青森県知事選(6月2日投開票)は、告示後初の日曜日となった19日、無所属新人の歯科医佐原若子氏(65)が青森市を、無所属現職の三村申吾氏(63)が、主に弘前市をそれぞれ回り、支持固めに奔走した。佐原氏は現職批判を展開し、県政の転換をアピール。三村氏は、農林水産業などでの実績を強調し、県政の継続を訴えた。
 佐原陣営は終日、大票田の青森市内で選挙カーを走らせ、5カ所で街頭演説した。佐原氏は「最低賃金のアップ」や「主要農作物種子法に代わる地方条例の制定」などの公約を説明。「県民を無視した三村県政を替えなければならない」と主張した。
 原子力政策に関しては「事故が起きれば豊かな土壌が根こそぎ汚染される。青森に再処理工場も使用済み核燃料もいらない」と力を込めた。
 買い物客でにぎわう大型商業施設前では、国民民主党県連代表の田名部匡代参院議員や共産党の高橋千鶴子衆院議員(比例東北)がマイクを握った。田名部氏は「困っている人に目を向ける政治をつくっていこう」と呼び掛けた。国民の森裕子参院議員(新潟選挙区)も駆け付けるなど「与野党対決」を印象付けた。
 三村氏は公務をこなしながら、弘前市を中心に選挙カーで津軽地方を巡った。街頭演説は農村部の計4カ所で実施。各会場とも多くの聴衆が集まった。
 三村氏は4期16年を振り返り、好調な農業産出額や県内の医師数の増加といった実績を列挙。「食べていける、命が守られる青森県にするとの強い思いで進めてきた」と強調した。
 自民党県連会長で江渡聡徳衆院議員(比例東北)もマイクを握り、県予算の収支均衡化に努めた三村氏の手腕を高く評価。「県の課題に対しきちんと答えを出し続けてきてくれた」と支持を訴えた。
 三村氏は公約に掲げる1次産業のさらなる活性化や県内での起業支援の必要性を主張。「青森県で働いて納得のできる人生を送れるような仕組みを整える」と声を張り上げた。


河北春秋
 手元に残った200万円をどうするか。気仙沼市の「リアス芸術文化市民の会」は、解散に当たり考えた。リアス・アーク美術館を運営する広域行政事務組合と、市文化協会へ寄付することに決めた▼2005年に有志60人で設立。翌年、美術館でいわさきちひろ展を開いた。22日間で6200人が来場。会長の昆野牧恵さん(67)は「大変な評判でした」と振り返る。漫画原画展、民俗芸能を伝承する子どもの発表会も手掛けた▼そもそもは03年、口で絵筆をくわえ詩画を描く星野富弘さんの個展誘致が始まり。現事務局長の山内繁さん(69)が奔走し200万円超の黒字に。会は剰余金を生かそうと作った▼順調だった活動に東日本大震災が立ちふさがる。昆野さんら会員の多くが被災する中、芸能人が次々と無償コンサートを開いていた。「私たちが入場料を取って何かできる状況ではなかった」と山内さん。市民を元気づける上質な次の企画をと模索したが、年月が過ぎ「潮時」(山内さん)が来た▼4月に解散。寄付する200万円は、目減りしなかった「遺産」だ。山内さんは「市民から託された公金。芸術文化へ理解を深める一助になればいい」と願う。昆野会長は「でも最後に何かやりたかった」とため息。震災に翻弄された無念を吐露した。

宮城岩手の黄金文化「日本遺産」
日本の文化や伝統を観光資源として国内外に発信する「日本遺産」に、県内から涌谷町と気仙沼市、それに南三陸町が申請していた「みちのくGOLD浪漫」が選ばれました。
「日本遺産」は、各地の有形・無形の文化財や、それにまつわるストーリーを観光資源として国内外に発信するため、文化庁が2015年度から認定を始めました。
今年度は全国で16件が認定され、このうち県内からは涌谷町と気仙沼市、それに南三陸町が、岩手県の平泉町と陸前高田市とともに申請していた「みちのくGOLD浪漫ー黄金の国ジパング、産金はじまりの地をたどるー」が選ばれました。
この地域は、奈良時代に日本で初めて金が産出された場所と言われていて、遺産には涌谷町の黄金山産金遺跡など42の文化財が含まれています。
産出された金は奈良・東大寺の大仏や中尊寺金色堂に使われたとされ、独自の文化や信仰などを伝えている点が評価されました。
認定を受けて、観光ガイドの育成や外国語のパンフレットの作成などにかかる費用が国から助成されることになっています。
涌谷町の教育委員会は、「今後は関係する自治体などと協議会を設けて、遺産の具体的な活用方法を検討し、交流人口や関係人口の増加につなげたい」と話しています。


温暖化対策戦略 原発依存が強まらないか
 国際社会が協力して地球温暖化対策に取り組むパリ協定の適用が始まる2020年に向け、政府が長期戦略案をまとめた。
 協定は長期戦略の策定を各国に求めている。政府案は今世紀後半に温室効果ガスの排出を実質ゼロにする「脱炭素社会」の実現を目標に掲げた。産業革命前と比べた気温上昇をできれば1・5度に抑えるという協定の目標の実現に向けて、貢献していくことも明記された。
 協定の理念を形にすることに、もちろん異存はない。だが、実現への道筋はあいまいで、実効性には不安がある。
 政府の戦略案は再生可能エネルギーの主力電源化を目指す。発電効率の抜本的向上や高性能で低価格な蓄電池の開発といった、イノベーション(技術革新)が求められる難しい課題に正面から取り組むという。
 イノベーションの創出に不可欠な人材育成と研究環境の整備を急ぐ必要がある。併せて、現在の技術を前提とした温暖化対策にも知恵を絞る必要があろう。不確定な「未来の技術」に対する過度な期待は禁物だ。
 石炭火力発電については、「依存度を可能な限り引き下げる」と記すにとどめ、欧州を中心に広がる「脱石炭」にかじを切るまでには至らなかった。
 炭素税や二酸化炭素(CO2)排出量取引など課金によって抑制を促す「カーボンプライシング」を導入する国もあるが、戦略案は「専門的・技術的な議論が必要」と記しただけだった。
 政府は、6月に大阪市で開く20カ国・地域(G20)首脳会合までに戦略を決定するという。温暖化対策に対する姿勢をアピールする狙いがあるようだが、国際的評価を期待するには、消極的内容ではないか。
 原子力発電の位置付けにも、首をひねらざるを得ない。
 「可能な限り原発依存度を低減する」という、福島第1原発事故後の国是とも言える政府方針は、戦略案でもビジョンとして堅持されてはいる。
 一方、そのための対策・施策については、安全確保を大前提としつつも、再稼働や核燃料サイクルなどを推進する方向性を示している。しかも「原子力関連技術のイノベーションを促進するという観点が重要」として、小型モジュール炉や溶融塩炉などの具体例を挙げている。
 原発依存度の低減にかける政府の意欲が、どこまで本気なのか疑われても仕方あるまい。
 確かに火力発電など電力部門で排出されるCO2量は全体の4割に上る。とはいえ、温暖化対策が原発政策推進の口実とされてはならない。あくまで再生可能エネルギーの開発と普及を軸に「脱炭素」を急ぐべきだ。


はやぶさ2快挙/地方発の技術力が支える
 日本が「世界一」と胸を張る分野が少なくなる中で、各国の研究者を驚かせる快挙をやってのけた。
 探査機はやぶさ2は、小惑星りゅうぐうの表面に直径10メートル、深さ2〜3メートルのクレーターをつくることに世界で初めて成功した。地球から3億4千万キロという気の遠くなるような距離を4年半かけて飛び、上空からじっくり観測した上でトライする時機をうかがっていた。
 6月以降にクレーターの中に着陸し、露出した岩石と地中にある鉱物の採取に挑む。水を含む鉱物も確認されている。太陽風にさらされていない鮮度の高い自然の物質を持ち帰ることができれば、太陽系の成り立ちと生命の起源を解くヒントになる。
 日本の得意とするきめ細かな技と熱い技術者魂が、宇宙の分野で世界をリードする地位にまで押し上げた。最終目標に向けてもうひと頑張りを期待するとともに、科学の神秘に迫り続けてもらいたい。
 クレーターをつくるには、はやぶさから分離した衝突装置を上空で爆発させ、飛び出した金属弾を地表に打ち込まなくてはならない。最高難度の技術を打ち立てたのは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の依頼を受けた福島県内の企業だった。
 西郷村にある日本工機白河製造所は普段、ダム建設工事の爆薬装置を造っている。はやぶさの衝突装置の構造をみると、円すい形の容器に爆薬を詰め、底を円形の銅板でふさいである。爆発の衝撃で銅板がはがれ、重さ2キロの球形になって表面に突き刺さる。
 設計開発の苦労は並大抵のものではなかった。爆薬を容器に詰めるのに当たり、隙間なく均一の密度にしておかないと狙い通りに丸く変形しないそうだ。
 東日本大震災の激しい揺れで工場の操業がストップし、福島第1原発事故による物流の遮断に遭いながら、コンピューターを動かして検討を繰り返したという。
 円すい形の容器は精密部品製造のタマテック(鏡石町)が受け持った。密閉性を重視し、素材をアルミニウムからステンレスに変更、厚さを1ミリと極限まで薄くした。両者で作業を分担し、クレーター造成作戦を進めてきた。
 日本工機の担当者は「震災を理由に納期を遅らせれば迷惑をかけると思った。十分な深さのクレーターができて良かった」と謙虚に話す。このほか、りゅうぐうの表面温度を測る機器や地形を読む解析ソフトの開発に会津大(会津若松市)が加わっている。
 福島発のものづくり技術が実を結んだと言えよう。原発事故に悩む人々を勇気づけ、明るい希望になるといい。
 2010年6月、満身創痍(そうい)で帰還した初代はやぶさに比べ、順調すぎる航海と言える。待ち受ける困難をはねのけて無事に帰る日を待ち続けたい。


ふるさと納税の新制度 返礼3割でも矛盾は残る
 税制をゆがめる欠陥がこれで是正されたとは言えまい。
 ふるさと納税の新制度が来月からスタートする。返礼品は寄付額の3割以下の地場産品に限定され、対象となる自治体は事実上、総務省の認可制となる。
 これまで過剰な返礼品などを送ってきた大阪府泉佐野市など4市町はこの制度から除外される。このため、寄付をしても税の優遇措置は受けられなくなる。
 寄付集めの返礼品競争が過熱しているため、総務省は調達費が3割を超えぬよう自治体に求めてきた。だが結局、法律で強制せざるを得なくなった。苦しまぎれの策である。
 4市町が制度から除外されるのは、総務省の要請に従わなかったためだ。泉佐野市はネット通販アマゾンのギフト券によるキャンペーンなどで昨年度、市税収入の約2・5倍にあたる500億円近い寄付を集めた。異常な手段で他自治体の税を横取りした以上、除外は当然だろう。
 新制度で競争が沈静化することを総務省は期待する。だが、寄付と相いれない返礼品を認める限り、矛盾は解消しない。
 ふるさと納税の寄付は2017年度に3600億円に膨らみ、18年度分はさらに拡大しそうだ。自治体を善意で応援する趣旨から逸脱し、返礼品のネットショッピング化し、いびつに膨らんだためだ。寄付の約1割は仲介サイトへの手数料などの経費に使われている。
 返礼品の上限を寄付の3割とした根拠はそもそも乏しい。だが、基準とした以上、寄付と本来無関係な返礼品に逆にお墨付きを与えることになってしまう。富裕層の節税対策などに活用される弊害は続く。
 東京都は新制度への不参加を表明した。小池百合子知事は巨額の税収の移動が「受益と負担の原則に反する」と批判している。税収を地方に奪われる大都市の意見を代表したものだが、実態はその通りだろう。
 今後、調達費が3割以下かどうかの算定をめぐり、総務省と自治体の間で意見が食い違う可能性もある。
 そんな基準を強制してまで、返礼品を維持する理由は見いだせない。やはり見返り抜きで、故郷の応援や被災地の救援に役立てる純粋な寄付制度に改めるべきだ。


AMのFM化/聞く側の不利益をなくせ
 民放連が、2028年度までにラジオのAM放送を廃止し、FM放送に転換できるよう総務省に制度改正を求めた。
 送信用アンテナが高さ100メートル近くに達するなど、AM放送はFMより大規模な設備がいる。各局とも経営は厳しく、老朽設備の更新も容易ではない。
 すでに多くのAM局がFMでも放送する「ワイドFM」を実施しており、改正が実現すれば一部地域を除いてAM放送がなくなる可能性がある。
 インターネットが普及しても大規模災害などの際には地上波のラジオが情報の受発信に重要な役割を果たす。その役割が持続できる制度設計を、官民で慎重に検討してほしい。
 FM放送はAMより音質が良い上、電子機器や建物の影響を受けにくく、屋内でも受信しやすい。総務省は災害対策などとしてAM局がワイドFMを始める際の費用を補助している。
 一方メディアの多様化に押され、全国47AM局の営業収入はピークの1991年度から6割以上も落ち込んでいる。FM一本化には、負担を減らしたい局側の狙いもうかがえる。
 問題は、聴取者への影響だ。ワイドFMは、テレビの地上デジタル化で空いた周波数を使っており、従来のラジオでは聞けない場合が多い。地デジ化の際と同様、各局がAMをやめれば買い替えを迫られることになる。ラジオ離れを加速する結果にもなりかねない。
 ラジオを災害時の情報伝達手段とするには、総務省は廉価製品の開発や専用受信機の配布を促すなど、聞く側の不利益にならない方策も練るべきだ。
 ただFMの電波が届く範囲はAMより狭い。北海道などではFMだけでカバーし切れず、地域特性を踏まえたAM放送の維持策も考える必要がある。
 時間や場所を問わずスマホで番組が聞けるアプリ「ラジコ」の登場を機に、AM各局はネットとの連動や局の壁を越えた番組制作など、ラジオの新たな可能性に挑んでいる。
 非常時だけでなく、日ごろから親しんでこそラジオは災害時に威力を発揮する。各局が魅力的な番組を作り、ひとりでも多くリスナーを増やすのも、立派な防災対策である。


ハンセン病市民学会 差別や偏見なくす契機に
 ハンセン病に対する差別や偏見をなくすとともに、学校や社会で正しい知識を伝えるための啓発活動に取り組み、地域全体で人権を守る意識を醸成する契機としたい。

 全国のハンセン病回復者や支援者らでつくる「ハンセン病市民学会」の第15回総会・交流集会が3日間の日程で石垣市と宮古島市できょうまで開かれている。
 市民学会は基本的には療養所がある場所での開催だったという。今回初めて、療養所のない石垣市で初日の集会を開いた。これには、療養所のない場所でもハンセン病に対する啓発を進めたいとの主催者の強い思いがあった。
 シンポジウムで語られた回復者の体験は悲痛なものだ。石垣市出身で、鹿児島県の星塚敬愛園に入所する上野正子さん(92)は、結婚の報告のため帰省した際、曲がった手のせいで両親に押し入れに隠れるよう命じられた。
 宮良正吉さん(73)は回復後も病歴を隠し続けたが、2001年の国家賠償訴訟の後、大阪で語り部として差別をなくす取り組みを始める。「回復者やその家族はいまだに根深く続く差別・偏見の中で身を隠すように生きている」と証言した。
 ハンセン病は戦後、特効薬が開発され、治る病となった。しかし国は患者の強制隔離政策をとり続けた。隔離政策がハンセン病への恐怖感を植え付け、差別を生み、患者や回復者、その家族をも苦しめてきた。
 ハンセン病患者の強制隔離を約90年にわたって合法化した「らい予防法」が廃止されたのは1996年だ。だが、ハンセン病に対する社会の差別や偏見は完全には払拭(ふっしょく)されていない。
 その証左の一つはハンセン病家族訴訟だ。5月31日に熊本地裁で判決を迎える家族訴訟の原告561人のほとんどは匿名だ。社会に出て証言できない家族たちの苦しみもいまだ存在する。29人の証人尋問では一家離散や学校でのいじめ、婚約破棄、離婚に追い込まれるなどの実態が明かされた。
 市民学会が行政に求めたように、偏見・差別の解消に向けた啓発活動が重要だ。回復者の里帰りを支援すれば交流によって理解を深めることもできる。
 また、療養所以外にはハンセン病の症例を経験した医師が少なく、後遺症の治療が地域で受けにくいといった問題もある。回復者に対する医療やカウンセリングなどの支援も必要だ。
 治る病となった後も、回復者とその家族が差別にさらされてきたのは私たちにも責任がある。
 差別をする側は往々にして、差別を受ける側の苦しみやつらさに無関心だ。悲惨な境遇に見て見ぬふりをし、悲痛な叫びに耳を傾けてこなかった。国の隔離政策を放置してきたのは私たち社会の問題だと自覚したい。


欧州議会選挙 統合理念の後退が心配だ
 5年に1度の欧州議会選挙が今週始まる。
 市民は排他的なポピュリズム(大衆迎合主義)に同調し、欧州連合(EU)への不満や不信を強く示すのか。それとも、開かれた市場、人権の尊重、法の支配といった価値を重視し続けるのか。
 大戦の反省から掲げてきた欧州統合の理念が後退し、分断の道へ逆戻りする心配が絶えない。
 選挙は、人口比で各国に割り振った議員数を比例代表制で選ぶ。議会は権限を強めている。加盟国の閣僚級代表で構成する閣僚理事会と共同で立法権限を持ち、行政府である欧州委員会の委員長人事などにも影響力がある。
 前回選もEUに懐疑的な勢力が伸長した。それでも全751議席の約30%にとどまり、EUをけん引してきた中道2会派が過半数を維持した。
 その後の5年は試練と言える出来事が相次いだ。シリアなどから100万人を超える難民が押し寄せ、受け入れや国境管理を巡って加盟国間で亀裂が深まった。パリ、ブリュッセル、ニース、ベルリン、ロンドンではテロによる犠牲者が多数出た。
 英国は国民投票でEU離脱を決めた。東欧などからの移民が雇用を奪っているという離脱派の主張が、僅差で支持された。離脱交渉は今も難航しているが、英国内の反EU派は勢いづいている。
 ドイツでは寛容な難民対策に国民の批判が集まり、「欧州の盟主」と言われたメルケル首相が与党党首を退く事態に追い込まれた。フランスのマクロン大統領も経済政策への抗議に苦しむ。オーストリアやイタリアでは極右政党が政権与党に加わり、スペインでも最近、総選挙で新興極右政党が躍進を見せている。
 今回の選挙は、国や政治思想の左右を問わず、反EU、反移民、反グローバリズムのポピュリズム勢力が大きく議席を増やし、中道2会派は過半数に届かないのではないか、との観測が出ている。そうなれば、経済、外交、教育、環境にまで広がるEUの政策が停滞してしまう恐れがある。
 ポピュリズムの台頭は、自国の利益のためなら武力による露骨な脅しもためらわない米トランプ大統領の振る舞いと無縁でない。EU市民は、欧州の平和と繁栄の道をどこへ見いだすか。
 過去最低だった前回の投票率をさらに下回る懸念も出ている。協調や融和を希求する戦後国際社会の未来に影響する選挙だ。熟慮の上の選択を望みたい。


ふるさと納税 絶えざる検証が不可欠だ
 節度を欠いた自治体にペナルティーを科すことについては、やむを得ない。
 ただし、総務省の裁量が大きい新制度には自治体側の懸念も根強い。国は、公正な運用に努めると同時に、地域の創意工夫を尊重してもらいたい。
 ふるさと納税の新制度が6月に始まるのを前に、総務省は大阪府泉佐野市など4市町を制度から除外すると発表した。過度な返礼品で多額の寄付を集めたのが主な理由である。
 ふるさと納税は、故郷など応援したい自治体に寄付すると、寄付額から2千円の自己負担を除いた分だけ居住地の住民税などが軽減される制度だ。
 2008年に始まり、このところ豪華な返礼品を売りにした競争過熱が問題となっていた。このため国は3月に地方税法を改正し、ルールを守る自治体だけが参加できる仕組みにした。
 新制度では、「返礼品は地場産品」「調達費は寄付額の30%以下」に加え、昨年11月以降の「寄付募集の適正な実施」の基準に適合した自治体のみを総務相が対象に指定する。
 ところが泉佐野市など4市町は昨年11月以降、寄付額の30%を超える地場産ではない返礼品や、ネット通販のギフト券などを寄付者に贈っていた。
 昨年11月〜今年3月には、不適切な手法で89億〜332億円の寄付を獲得していた。
 ルールを守る自治体の年間の最高額は50億円、平均額は1億円強である。多くの自治体から除外に理解を示す声が出たのも当然だろう。
 新制度の特徴は、参加自治体の指定をはじめ総務省の裁量が大きいことだ。4市町以外も今後の対応次第では除外できる。
 今回は、4市町ほどではないものの43自治体について不適切な寄付集めをしたとして、指定期間を9月までの4カ月とし、7月に再申請を求める。
 県内では三条市だけが指定期間4カ月とされた。三条市は既に国の基準に沿う形で2月に返礼品の見直しをしており、再申請には影響はないとする。
 しかし、自治体が国の権限行使を恐れて、顔色をうかがうようになっては地域の活力を生む地方創生など期待できない。
 総務省は地方の熱意をそぐような運用とならないよう留意すべきだ。
 そもそも、過当競争が起きた責任は国にもある。減税される寄付額の上限引き上げなどで制度の利用拡大に突き進む一方、返礼品に関する明確なルールづくりは後手に回ったからだ。
 見直しが必要になったこと自体、当初の制度設計が甘かったことの証しといえる。
 少子高齢化や首都圏への人口集中などにより地方自治体の財政事情は厳しさを増している。
 都市と地方の収入格差は地方交付税で是正すべきで制度は廃止すべきだといった意見や、寄付の対象を出身地などに限定すべきだとの声もある。
 ふるさと納税は、地方にとって真に必要かどうか。絶えざる検証が欠かせない。


[認知症対策] 予防に数値目標必要か
 政府は、認知症対策の強化に向けて2025年までに全省庁で取り組む大綱の素案を有識者会議に示した。
 従来方針としてきた認知症の人が暮らしやすい社会を目指す「共生」に加え、新たに「予防」を重要な柱とし認知症の人数を抑制する数値目標を導入したのが特徴だ。6月に決定する。
 認知症の高齢者は15年時点の約520万人から、25年には約700万人に膨れ上がると推計される。65歳以上の5人に1人に当たり、早急な対策の強化が必要なのは分かる。
 ただ、認知症の予防法が確立されていない中、数値目標の設定は拙速ではないか。予防の必要性を強調しすぎると「認知症になるのは努力を怠ったからだ」といった誤った認識を生むことが懸念される。
 大綱の前身となる15年策定の国家戦略(新オレンジプラン)は、「住み慣れた地域で自分らしく暮らせる社会の実現」を掲げた。認知症になったからといって何もできなくなるわけではなく、症状に合わせて仕事や地域活動に参加することは可能だからだ。
 とはいえ、認知症の人が日常生活に支障を来す場面は多く残されており、当事者や家族らが求める共生社会の実現は道半ばと言わざるを得ない。
 こうした問題点は当事者の目を通してこそ明らかになるものだ。今年3月、認知症の当事者団体が根本匠厚生労働相と意見交換したが、大綱策定に向けて議論する政府の有識者会議は研究者や企業経営者で構成され、認知症の当事者は入っていない。
 これでは対策の実効性は疑わしい。政府は認知症の人や家族の声を丁寧に聞き、大綱に生かしてもらいたい。
 素案は「70代の発症を10年間で1歳遅らせる」と数値目標を明記した。実現すれば、70代の認知症の人が約1割減少することになる。予防によって認知症の発症を遅らせ、社会保障費を抑制する狙いがある。
 予防の具体策として、公民館など身近な場での体操や教育講座などを挙げている。運動や社会参加が認知症予防につながる可能性があると期待するからだが、科学的な根拠が不十分なため、研究も同時に進めるとしている。
 あいまいな根拠を基にした数値目標にどれほどの意味があるだろう。成果にこだわるあまり数字が独り歩きし、認知症の人や家族が肩身の狭い思いをするようになっては元も子もない。
 根本的な原因や治療法が分からない以上、加齢による認知症は誰にでも起こり得る。まずは「認知症になっても暮らしやすい共生社会」の実現へ有効な施策を打ち出すべきだろう。
 当事者の生活の障壁を知り、一つ一つ取り除いていく地道な取り組みを重ねていくことが、超高齢化社会に向けた何よりの備えとなるに違いない。


司法試験予備試験 AIが合格?
19日行われた司法試験の予備試験で、AI=人工知能が問題の6割を事前に予測し、正解したと開発会社が発表しました。
会社は、「合格ラインを超えた可能性が高い」としていて、出題のあり方に波紋を広げる可能性もありそうです。
「未来問」と名付けられたこのAIは、東京のベンチャー企業が開発しました。
会社によりますと、AIは19日行われた司法試験の予備試験のうち、「短答式」と呼ばれるマークシート式の法律の問題に挑みました。
試験範囲の法律や過去の問題などを学習して事前に問題を予測し解答しておいたところ、95問中57問、率にして6割が実際の出題内容に的中し、正解したということです。
この試験は、一般教養問題も含めた合格ラインが過去2回、59%台の正解率になっていて、会社は今回も傾向が変わらなかった場合、合格した可能性が高いとしています。
会社は、AIが予測した問題を受験者に有料で提供するサービスを始める予定で、出題のあり方に波紋を広げる可能性もありそうです。
AIを開発したサイトビジットの鬼頭政人社長は「資格試験はあくまでもスタート地点で、AIを活用して早く突破して頂き、その後の実務や学習により時間を使って欲しい。また、出題者側には従来とは違う問題を模索してほしい」と話していました。
司法試験の予備試験の「短答式」には「憲法」や「民法」、「商法」など、7つの法律に関する問題と、一般教養の問題がありますが、今回AIは7つの法律についての予想問題を事前に作成しました。
過去8年分の問題と問題集3500ページ、それにネット上の法律用語を学習し、出題傾向を分析して解答を導き出しました。
例えば「商法」の科目の場合、「商行為」について正しい解答を選ばせる問題が出題されると予測し、解答として選ぶべき選択肢も一致させました。
会社は、今回のAIを使って、ことし8月の「社会保険労務士試験」や10月に予定される「宅建試験」、それに来年1月の「大学入試センター試験」でも問題を予測する予定だとしています。


玉川徹氏、池袋暴走の元院長の任意聴取に「『逮捕って人によるの?』って感じるのは不思議ではない」
 20日放送のテレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」(月〜金曜・前8時)では、東京・東池袋で旧通産省工業技術院の飯塚幸三・元院長(87)が運転する車が赤信号を無視して暴走し、松永真菜さん(31)と、長女の莉子ちゃん(3)が死亡、10人が負傷した事故について特集した。
 元院長については現在、逮捕せず任意で聴取を継続。このことにネット上では「逮捕じゃないの?偉い人だから?」「上級国民への忖度がすごい」など疑問の声が挙がっている。
 コメンテーターで同局の玉川徹氏(56)は「そういう声が出るというのは『なぜか』って考えないといけないと思う。今回の一件だけではないですよね。警察が逮捕っていうものを恣意的に使っていることがあるんじゃないかという疑いがベーシックにあるから、そういう話が出てくるんじゃないか」と語り始めた。
 そして「例えば逮捕状が発行されているのに、警察の上の方の判断一つで逮捕が止まってみたりとかあるわけですよ。そういうのがあると『逮捕って人によるの?』って感じるのは不思議ではないです」とコメントをした。
 一方、「でも、本当はこっちが普通なんですよ。逮捕は、逮捕する必要がある時だけ逮捕するのであって、そうでない時は逮捕はしないのが原則なはずなんですね。実はこれが普通なんですよ。これが、どこにでも共通であれば別に問題にはならないんですね」と見解を示した。
 MCの羽鳥慎一アナウンサー(48)は「共通ではないんじゃないのっていう風に感じている人もいるということだと思います。これからも任意の聴取というのが続いていくと思います」と結んだ。


丸山穂高の暴言葬るのは簡単だが…
★野党は共同して日本維新の会を除名された衆院議員・丸山穂高の議員辞職勧告決議を提出したが与党は、くみしなかった。維新創始者・橋下徹は辞職勧告決議については明確な基準がないことを理由に「選挙で落選させて現実を認識させた方がいい」と言い出した。自民党は丸山と思いは同じで同情しているのか、議員辞職勧告決議の要件にこの問題はなじまないとしたのか、いずれにしろ辞職勧告決議も党の見解もあいまいなのは間違いない。★こういう時、自民党はずるい。では丸山の「戦争でこの島を取り返すのは賛成ですか、反対ですか」発言の先には何が待っていたのか。維新の議員や自民党の面々が外交などさまざまな事情の先に武力行使も選択肢のひとつと考えているならば、今は戦前かと思わざるを得ない。もしそうでないのなら、ことさら強調するように党の声明を出すべきだろう。あいまいさの先にはその思いがよぎるからか。ここ10年ぐらいで与野党の政治家から「平和」という言葉が出なくなった。代わりに「安全保障」という言葉が多用されるようになるが、平和と安全保障は似て非なるものだ。加えて平和は1度手に入れたのち、それを維持するための不断の努力がものをいう。武器を買うことで平和を維持しているのとは意味が違う。★丸山の暴言を議員辞職させて葬るのは簡単だ。だが、この歴史観や一方的な歴史認識を持つ議員は丸山のみならず保守系議員に多い。それを昨今の政治家の失言と同じようにくくるのは、本音を口にしてはいけないといっているのと同様だ。元首相・鳩山由紀夫は「議員の身分が重いにも拘わらず余りにも軽い発言が多過ぎるのではないか。歴史を知らない世代の右傾化がこの国を動かすとしたらとても恐ろしいことだ」とツイッターで書いたが、本質はそこにある。戦争すればいいと軽々しく口にするのは平和の意味もありがたみも理解していないからだ。

安倍首相が「サイバー攻撃受けただけで武力行使可能」の暴言! 丸山穂高問題に反省なしの維新も協力で“戦争できる国家”へ
 またも安倍首相から危険な発言が飛び出した。16日におこなわれた衆院本会議で、「サイバー攻撃だけでも武力行使が許される」という認識を示したのだ。
「サイバー攻撃のみであっても、たとえば、物理的手段による攻撃と同様の極めて深刻な被害が発生し、これが相手方により、組織的、計画的におこなわれている場合には、武力攻撃に当たりうる」
「政府としては、サイバー攻撃による武力攻撃が発生した場合には、憲法上、自衛のための必要最小限度の範囲での武力の行使が許されると考えている」
 国際的にもサイバー攻撃を武力攻撃と見なして自衛権を行使した事例はない。それは4月25日の参院外交防衛委員会でも河野太郎外相が認めていることだ。にもかかわらず、安倍首相は「サイバー攻撃でも武力行使可能」と宣言したのである。
 そもそも、「サイバー攻撃」はそれが個人によるものなのか、それともテロ組織、あるいは国家によるものなのかを特定することは困難だ。だいたい、「物理的手段による攻撃と同様の深刻な被害」とはどの程度のものなのか、そうした判断基準についての慎重な議論さえ国会ではおこなわれていない。つまり、安倍首相の恣意的な判断で「武力行使可能」となる可能性だってあるということだ。
 あまりにゾッとする話だが、安倍首相の本音は、とにかくどんな口実を使ってもいいから先制攻撃ができるようにしたい、ということだ。
 あまり大きな問題になっていないが、安倍首相は昨年2月の衆院予算委員会で、専守防衛について「純粋に防衛戦略として考えれば大変厳しい」と言い、「あえて申し上げたい」と前置きして、こんな主張を繰り広げていた。
「(専守防衛は)相手からの第一撃を事実上甘受し、かつ国土が戦場になりかねないものでもあります。その上、今日においては、防衛装備は精密誘導により命中精度が極めて高くなっています。ひとたび攻撃を受ければこれを回避することは難しく、この結果、先に攻撃したほうが圧倒的に有利になっているのが現実であります」
 さらに、昨年12月に閣議決定された新しい防衛大綱と中期防衛力整備計画では、海上自衛隊の「いずも」型護衛艦を改修して事実上「空母化」することを明記。安倍首相は表向き「専守防衛を堅持する」などと言いながら、なし崩しに専守防衛の否定、先制攻撃の容認を進めており、この「サイバー攻撃を受けただけで武力行使可能」もその一環なのだ。
 しかも、この安倍首相の姿勢に全面協力しているのが、あの「戦争」発言の丸山穂高議員を生んだ「維新」だ。じつは、安倍首相が「サイバー攻撃でも武力行使可能」と答弁した衆院本会議でも、質問に立った日本維新の会・森夏枝議員がまったく同様の主張をしていた。
「日本は専守防衛を国是としています。しかしサイバー攻撃を受けた場合はダメージが大きすぎるため、反撃することができないケースが考えられます。通常戦力の場合のような抑止力に当たるものが存在せず、攻撃した者勝ちとなります。サイバー攻撃の分野においては、専守防衛という姿勢では国民を守ることができないことが想定されているわけです。この分野においては専守防衛の適用除外にすることを検討すべきと考えます」
安倍首相の言い分を代弁し、サイバー攻撃への武力行使を主張した維新
 丸山穂高議員による「戦争」発言がこれほど非難を浴びている最中だというのに、「サイバー攻撃では専守防衛の適用を除外しろ」と主張する──。専守防衛は武力行使を禁じる憲法に基づいた防衛戦略の基本姿勢のはずなのに、こんなタイミングで、維新は堂々と否定してみせたのだ。
 維新に反省などまったくないことがこれでよくわかるというものだが、これは安倍首相との連携プレーと考えるべきだろう。
 維新はこれまでも、安倍首相の「やりたいこと」「本当は言いたいこと」を代弁して“野党からの提案”なる既成事実をつくる役割を担い、安倍政権はその役割に支えられてきた。カジノ法案ではともに手を取り、共謀罪や入管法改正案といった重要法案でも維新は与党との修正協議に合意し賛成にまわるなど安倍政権をアシスト。とくに象徴的だったのが、共謀罪だ。
 共謀罪が衆院法務委員会で強行採決された際、最後の質疑に立ったのは、あの丸山穂高議員だった。法務委員会の委員でもない丸山議員を最後の質疑者として維新は送り込んだわけだが、そこで丸山議員は「もういいでしょう! これまでもう30時間以上、質疑した」「これ以上、ピント外れの質疑ばかり繰り返し、足を引っ張ることが目的の質疑はこれ以上は必要ない!」と暴言を叫び、「私の質疑の終了後、直ちに採決に入るようお願い申し上げたい」と号令をかけると、与党はあれよあれよと強行採決に踏み切ったのだった。
 維新は「責任野党」などと言いながら、結局、法案の問題点を根本から追及することもなく「やってますアピール」の対案や修正案でお茶を濁し、「足を引っ張るだけ」と野党への批判を繰り広げ、安倍政権をアシストしてきた。
 そして、ここにきて、維新の安倍首相の“戦争できる国家”づくり、悲願の改憲への協力姿勢はさらに露骨になっている。
橋下徹「安倍首相は頑張ってきたから最後に憲法改正したっていい」
 維新の松井一郎代表は今年の憲法記念日に発表した談話で「憲法は、国民的課題として常に議論され、必要であれば国会が発議し、国民投票をもって改正する。それが立憲主義の姿」などと宣った。さらに、“陰の指導者”と呼ぶべきポジションにある橋下徹氏はもっと露骨で、大阪W選挙のあと、公明党が改憲の妨げになっており、維新が安倍首相の改憲に協力するべきだ、と提言。憲法記念日翌日に産経新聞に掲載されたインタビューでは、こんな本音まで語った。
「いろいろな形で安倍政権の協力を得てきた維新は、憲法改正案の考え方は異なるとはいえ、安倍さんが実現したいと強く願っている憲法改正に協力するための行動を起こすべきでしょう」
「政治家は自分の思いを実現するためにトップを目指す生き物です。安倍さんはこれまで、外交・経済などで頑張ってきたのだから、最後の最後くらいは自分が本当に実現したいこと、すなわち憲法改正に挑戦したって罰はあたらないと思います」
「頑張ってきたから憲法改正に挑戦していい」とは国民主権を否定するような暴言ではないか。
 改憲以前に、専守防衛を否定し、先制攻撃を解禁するチャンスを虎視眈々と狙う総理大臣と、野党の役割を放棄する「権力の補完勢力」。こうした連中によって、戦後、平和憲法に基づいて守られてきた専守防衛という基本姿勢も、憲法改正によって壊されてゆくことは間違いない。ただの跳ね上がりである丸山議員の発言よりも、安倍首相と維新による本当の“戦争のできる国家づくり”に徹底した批判が必要だろう。


維新の参院選候補・長谷川豊が「プロ、犯罪の」と部落差別発言! 丸山穂高、長谷川を公認する維新の反人権体質
 丸山穂高議員による「戦争しないとどうしようもない」発言が飛び出した日本維新の会に、またも「暴言」問題が浮上した。今夏におこなわれる予定の参院選で維新から公認を受けている候補者である元フジテレビアナウンサー・長谷川豊氏が、講演会で差別発言をおこなっていたのだ。
 問題となっている発言は、5月15日にYouTubeに投稿された動画におさめられている。会場の様子から、今年2月24日に東京・下北沢にある世田谷区の公共施設でおこなわれた講演会の模様の一部であると見られるが、そこで長谷川氏はとんでもないことを公言していた。
 動画では、長谷川氏は「日本にある消された歴史、日本にある空白の歴史の話からしなくてはなりません」と話しはじめ、初っ端からGWIP陰謀論を展開。
 そのなかで、長谷川氏は「女は三歩下がって歩け」という言葉は、実際は「女は三尺下がって歩け」という言葉だったという話をしはじめ、このように説明をはじめた。少々長くなるが、以下に発言を書き起こす。
「日本には江戸時代にあまりよくない歴史がありました。士農工商の下に、穢多・非人、人間以下の存在がいると。でも、人間以下と設定された人たちも、性欲などがあります。当然、乱暴なども働きます。一族野盗郎党となって、十何人で、取り囲んで暴行しようとしたとき、侍は大切な妻と子どもを守るためにどうしたのか。侍はもう刀を抜くしかなかった。でも、刀を抜いたときにどうせ死ぬんです。相手はプロなんだから、犯罪の。もうぶん回すしかないんですよ。ブンブンブンブン刀ぶん回して時間稼ぎするしかないんです。どうせ死ぬんだから。でも、自分がどうせ死んだとしても、一秒でも長く時間を稼ぐから、大切な君だけはどうか生き残って欲しい。僕の命は君のものだから、僕の大切な君はかすり傷ひとつ付けないと言って(刀を)振り回したときに、一切のかすり傷が付かないのが、二尺六寸の刀が届かない三尺です。女は三尺下がって歩け、愛の言葉です」(発言ママ)
 もはや絶句するほかない。江戸時代の差別的な身分制度を「あまりよくない歴史」だったとしながら、「性欲などがあります。当然、乱暴なども働きます」「相手はプロなんだから、犯罪の」と、まるで生まれながらの犯罪者であるかのように語るとは──。
 当然、これは「江戸時代の話だから」などといって正当化できるような問題ではない。被差別部落をめぐる問題では、暴力や犯罪と結びつけたかたちで差別がまかり通り、根も葉もない噂だけで「部落民は怖い」「あの地域に近づくな」「暴行される」などといった偏見が助長されてきた。長谷川氏の話は、そうした現代につづく差別を助長する、非常に悪質なものだ。
 だいたい、この“「女は三歩下がって歩け」ではなく、実際は女性を守るための「三尺」だった”という話自体、ここ数年ネット上で見かける説ではあるが、「『江戸しぐさ』のような後付けの偽史では」という声もある真偽不明のもの。そもそも、「女は三歩下がって歩け」という言葉が実際に男尊女卑の意味をもってこの国で使われてきた事実を無視して、“ほんとうは間違い”“実際は愛の言葉”などと説明すること自体、どうかしている。
 しかも、この「三尺」説を唱える人の意見を見ても、「悪党が襲ってきたとき、抜いた刀が当たらない距離で妻の安全を守るため」といった程度の話で、その悪党の身分や犯罪の目的にまで言及しているものは見当たらなかった。長谷川氏はいったい“穢多非人による性犯罪”という最悪のディテールをどこから引っ張ってきたのか。
長谷川豊は差別批判に「切り取り」「著作権侵害」「ねつ造」と開き直り
 ともかく、このような明確な部落差別発言を、維新の公認候補者として参院選に出馬予定の長谷川氏は講演会という公の場で垂れ流していたのである。
 だが、この発言部分を抜き出した動画がTwitter上で拡散され、問題になると、長谷川氏は釈明・謝罪するどころか、こんな反論を寄せているのだ。
〈かつてこのような暗い歴史があったという史実を述べる事が貴殿には差別発言ですか〉
〈これが反維新のいつものやり方です。
こうやって切り取り、悪意を持ってレッテル貼り。
江戸時代の時代に暗い歴史があったと述べる部分を切り取り著作者の許諾を取りもせず拡散。
犯罪を平気で行うのがこの連中のやり口です。
情報ありがとうございます。毅然と対処いたします〉
〈切り取りならまだ(ダメですが)対応出来ますが、ここまで来ればただの「ねつ造」ですから厳正に対処します〉
〈屁理屈つけてこうして犯罪をする人間はネット上には大勢いる。そしてウソを1万回言ってまるで真実のようにする。
本当にかわいそうな集団だ。皆さん、無視で!〉
 この期に及んで「黒い歴史があったという史実」などと主張し、「ねつ造だ」「著作権侵害だ」と騒ぐ……。だが、長谷川氏の発言は「切り取り」でも「ねつ造」もなく、事実おこなわれたものだ。「ウソを1万回言ってまるで真実のようにする」のは、長谷川氏のほうではないか。
 つい最近も、丸山議員の「戦争」発言問題について、長谷川氏は録音された音声を流したテレビ朝日の報道に対し、〈こっそり録音してそれを切り取って晒す〉などと批判。実際は北方領土訪問団の大塚小彌太団長に記者が取材していたところに丸山議員が乱入して絡み始めただけで、取材のために録音機を回していただけだというのに、「こっそり録音」とデマ攻撃を仕掛けたのだ。だいたい、丸山議員の発言もけっして「切り取り」などではない。
 ようするに、政治家や選挙候補者などの公人の発言が、公益性・公共性の観点から報道や議論の対象になるということを理解していないために「切り取りだ」などと的外れな反論しかできないのだ。その上、言うに事欠いて「こっそり録音」「ねつ造だ」などといったデマまで言い募る……。
長谷川豊を選挙に出す維新の責任、丸山穂高を生んだ党の「暴論」体質
 そして、今回の部落差別発言は、長谷川氏のみならず維新の責任問題でもあるのは間違いない。
 というのも、長谷川氏のこうした差別的体質を維新はよく理解しながら、またも公認候補者にしたという“共犯”関係にあるからだ。
 長谷川氏といえば、女性差別・セクハラ発言や弱者への自己責任押し付けなど暴言に枚挙に暇がないが、なかでも世間を震撼させたのは、2016年に自身のブログに「自業自得の人工透析患者なんて、全員実費負担にさせよ!無理だと泣くならそのまま殺せ!今のシステムは日本を亡ぼすだけだ!!」というタイトルで文章を投稿した件だろう。〈8〜9割ほどの患者さんの場合「自業自得」の食生活と生活習慣が原因〉〈透析患者には一人年間500万円かかります。日本人の平均年収以上ですね。必死に払ってる保険料、そうやって食いつぶされ続けているのです〉と主張し、人工透析患者にかんするデマを書き連ねて罵倒、さらには健康保険制度を〈日本の病魔〉と斬って捨てた。
 しかも、この暴論に批判が殺到しても、長谷川氏は〈自堕落な生活で人工透析患者になったハナクソ同然のバカ患者〉などと強調。人工透析患者に対する誤解や偏見を拡散しただけではなく、“自業自得なのに特権にありつく金食い虫”という憎悪感情さえも煽った長谷川氏の下劣な態度には反吐が出るが、そんな差別発言で非難を浴びたあとに、維新は2017年の衆院選で長谷川氏を擁立したのである。
 無論、長谷川氏は落選したが、またも懲りずに維新は長谷川氏を公認した。つまり、維新はまったく反省の色もない長谷川氏の数々の暴言を容認している。そういうことではないか。
 そもそも、松井一郎代表は、大阪府警の機動隊員が沖縄・高江のヘリパッド建設工事に反対する市民に「触るな、土人が」と吐き捨てた問題で、よりにもよって機動隊員に〈出張ご苦労様〉と労う投稿をおこなうなど、自身も差別容認発言をおこなった人物で、さらに言えば、「維新」創設者である橋下徹氏は「慰安婦制度は必要だった」「(在日米軍は)もっと風俗業を活用して欲しい」などと丸山議員並みの暴言を繰り返してきた。いわば維新そのものが「暴言」「暴論」で人気取りをしてきた政党なわけで、丸山議員や長谷川氏の存在はその象徴のひとつでしかないのだ。
 一体、今回発覚した長谷川氏の差別発言に、維新はどのような判断をおこない、責任をとるのか。しかし、あきらかなことは、丸山議員や過去の松井氏・橋下氏の発言しかり、長谷川氏に公認を出すという事実しかり、維新に反省はない、ということである。


片山杜秀氏 日本は“束ねられる”ファシズム化が進んでいる
 この国は再びファシズムに侵されている――。現実を鋭く分析した思想史研究者の対談集「現代に生きるファシズム」(小学館新書)が話題だ。第1次世界大戦後のイタリアで生まれたファシズムはヒトラーのナチズムとも、中国や北朝鮮の全体主義とも、ロシアのそれとも違う。権力によって民衆が「束ねられている」状態を指すという。7年に迫ろうとする安倍1強政治の下、この国はどう変わっていったのか。
  ◇  ◇  ◇
  ――ファシズムはどの程度まで進んでいますか。
 数字で示すのは難しいですが、かなりファシズム的状況にあると言っていいと思います。独裁政党こそありませんが、野党は与党に似たり寄ったり。保守主義的で、資本主義の延長線上に立って「この国をもう一度豊かにします」と幻想をうたっている点では、共産党以外の野党は与党と変わらない。
  ――国民に選択肢がないと?
 自動的に大政翼賛会化しています。55年体制のような与野党のイデオロギーの差異がない。思想や政策に十分な相違がないとすれば、有権者は同じことをやるなら経験を積んでいる政党の方が安全と考える。だから、安倍首相が面目を失うことがあっても、「悪夢のような民主党政権」とリフレインすると、一定数の国民がリセットされてしまう。現政権の方がマシだと考えて、失敗が棒引きになる。左派が警戒する憲法改正などしなくても、戦後民主主義の常識とは異なるフェーズに入っていることを深刻に認識する必要があります。
■没落する中間層が“希望の星”にすがりつく
  ――ファシズムは全体主義と混同されやすいですが、「特定の政治や経済の体制を呼びならわす言葉ではないと考えるべき」「体制論ではなく情況論の用語」と指摘されています。
 個を原則的に認めないのが全体主義で、個のスペースが幾分なりとも保障されているかのような幻想を与えるのがファシズムと言えばわかりやすいでしょうか。みなさんを自由にするため、夢を取り戻すため。いっとき不自由になっても我慢して下さい。これがファシズムのやり方です。しばしば不自由のままで終わるのですが。同質化までは至らず、「束ねる・束ねられる」ことをたくさん感じているときがファシズム的状況と言えるでしょう。ファシズムは社会主義か自由主義かで割り切れない。変幻自在に形を変える。精神論や右翼的な旗印が有効であれば、それをトコトンやる。国民の団結を保つために社会主義的施策が有用であれば臆面もなくやる。理屈は抜き、束ねられれば手段を問わないのがファシズムです。
  ――右派に支えられる安倍政権が教育無償化などの福祉政策に走るわけですね。一方、国民が「束ねられてもいい」と考えるのはどういう背景が?
 資本主義の危機の時代に没落する中間層の“希望の星”としてファシズムが現れるからです。典型例はワイマール共和国時代のナチス支持者、トランプ米大統領に熱狂するラストベルトの白人労働者。もっと豊かになるはずだったのにどうもおかしい、社会のせいでうまくいかない、と感じている階層です。日本も似たような状況です。就職先は終身雇用で、何歳で結婚して子供を何人つくって、何歳までにマイホームを持って……といった従来の生活モデルが崩れた。そうすると、自由を少しばかり差し出しても、みんなで束ねられることで助け合い、危機的状況を乗り切ろうという発想になる。自由を取り戻すステップとして、束ねられることが必要だという思考に入っていきます。
■3・11でフェーズが変わった
  ――ターニングポイントはいつですか。
 3・11でしょう。冷戦構造崩壊後、そういうフェーズに入っていく流れはありましたが、3・11が決定的だと思います。この経験でフェーズが変わってしまった。日本が災害大国だという認識は共有されていましたが、政府は対応可能な防災計画を立て得ると説明し、国民の不安を打ち消してきた。ところが、東日本大震災では日本列島全体が揺れ動き、原発事故はいまだに収束しない。その後も各地で地震が頻発している。南海トラフ地震のリスクもある。いつ巨大災害に襲われても不思議ではない状況をウソとは言えない。地震予知は不可能だとオフィシャルに認めている状況下で、われわれは明日をも知れぬ身で生きている。2011年以降、日本人は刹那主義と虚無主義に陥ってしまいました。真面目に考えても対応できない災害と隣り合わせで暮らしているわけですから。
  ――危機感の点で言うと、安倍政権は一時は中国包囲網に躍起になり、核・ミサイル開発に猛進する北朝鮮を“国難”と呼び、足元では韓国と対立を深めています。
 内政で国民に対する訴えかけが弱くなると、外に向かうのは歴史が物語っています。富の再分配といった社会主義的政策で国民のガス抜きをするには、経済成長が必須。それができない場合は非常時の持続が有効に働く。北朝鮮がミサイルを発射するたびにJアラートを作動させれば、5年や10年は簡単にもってしまう。
  ――刹那主義、虚無主義、対外的緊張が重なればますます思考停止です。
 リアルに考えれば、この国は経済成長しないかもしれない、貧富の格差が拡大するかもしれない、社会保障はますます削られていきそうだ……。安倍政権が夢物語を喧伝しても、不安は払拭されない。さらに、AI社会になれば人間は不要とされかねない。しかし、こうした問題が国民的議論に結びつかないのは、安倍政権がだましているからというよりも、国民が厳しい現実から目をそむけているからです。国民の気分も問題なのです。なぜかというと、現実を直視しても解決のしようがないから。こうして刹那主義や虚無主義が増幅され、便乗したファシズムのオポチュニスト(ご都合主義者)的な部分がかぶさってくる。世論ウケのいい政策を次々に打ち上げ、中途半端なまま別のテーマに移っていく。
  ――本来は、いい加減な政治に対する国民の怒りが爆発する局面です。
 声を上げ続ける人は少数派。「実現不可能なことでも言ってくれるだけでうれしい」というレベルまで国民の思想が劣化していると思います。お上はうまく統制するため、下から文句が噴き出ないようおべんちゃらを言う。それを期待する国民感情がある。上下の平仄が合っている怖さがある。「おかしい」と訴える人の声は、「平仄が合っているんだからしょうがない」と考える人のニヒリズムにかき消される。原発事故への対応、反応もそうです。嫌な話を聞いても解決できないし、東京五輪の話題で盛り上がった方がいいという雰囲気でしょう。元号が変わった、新しい時代を迎えた、お札も変わる、それぞれの花を大きく咲かせることができる……。そんなことで内閣支持率が上がる。政府の考えと国民の求めが無限にかみ合っている。終末的ですね。
■サンダース目線の民主社会主義的発想が必要
  ――流れを変える手だてはないのでしょうか。
 仮に安倍政権が倒れても、世の中がガラリと変わることはないと思います。「決められない政治」を否定した結果、政治主導の名の下に内閣人事局が設置されて官僚は生殺与奪権を握られ、官邸は霞が関の情報を吸い上げて権力を肥大化させ、戦前・戦中にはなかった強力なファシズム体制を敷いた。「決められる政治」の究極の形態を実現したのです。唯一可能性があるとしたら、来年の米大統領選に再挑戦するバーニー・サンダース上院議員のような民主社会主義的な発想を広げることでしょう。人権を擁護し、ファシズム的なキレイごととは一線を画す社会を目指すのです。最大多数の国民がなるべく束ねられずに、しかし助け合って生きていく。人間社会の当たり前の理想を思想的にハッキリ表明する政党が大きな形をなさないとまずいでしょう。難しいですが。
  ――民主社会主義的なプランを掲げる政治勢力が必要だと。
 高度成長が再現できれば、新たな政策実行にいくらでも予算が付き、昔ながらのパイの奪い合い政治でも結果オーライでうまくいく。しかし、もはやそこには戻れないでしょう。戻れるかのような甘言に何となくごまかされているうちに、残された貯金すら減らしているのが今の日本ではないですか。この現実認識を持てるか持てないかです。本当の現実を思い知れば、民主社会主義的な目線で考えるしかないのではないですか。最大多数の国民の人権と暮らしが守られ、人間を見捨てない国を目指すサンダース目線の政治が必要でしょう。 (聞き手=坂本千晶/日刊ゲンダイ)


「ねつ造」発言看過できない フェミ科研費裁判の意義 原告の一人・同志社大学教授 岡野八代さんに聞く/自民・杉田衆院議員「慰安婦」研究を中傷
 自民党の杉田水脈衆院議員に研究内容を中傷されたとして、フェミニズム研究者4人が損害賠償とツイッターへの謝罪文掲載を求め今年2月、京都地裁に提訴した裁判の第1回口頭弁論が、5月24日午前10時15分から行われます。原告の一人である岡野八代・同志社大学教授に提訴に至る思いや、裁判にかける意気込みなどを聞きました。
 杉田水脈衆院議員からの誹謗中傷は、研究者生命に関わることで、とても看過することはできませんでした。杉田氏は「慰安婦」を扱った私たちの研究を「ねつ造」と述べて発信しました。かつて日本軍が行った戦時性暴力はすでに多くの研究者が調査によって明らかにしていますし、1993年の河野官房長官の談話をはじめ、日本政府が謝罪し、反省を公式見解として述べたことで、はっきりしています。この事実を無視して、「慰安婦問題はねつ造」ということは、われわれへの重大な名誉棄損です。
 フェミニズム研究はまだ歴史が浅く、広く知られていないかもしれません。今の私たちの生きる世界は、ジェンダーやセクシュアリティーの多様性を認め合い、だれもが平等な権利を享受し、自分らしく自由に生きることができる社会に向け、一歩ずつ進んでいます。その流れを切り開いたのがフェミニズム研究であり、社会を変えようという運動だと思っています。
 私たちが科研費(科学研究費補助金)を使い、4年間研究を重ね、ジェンダー平等の実現のためには、様々な社会運動や活動と架橋していくことが重要であることを理論や実践のなかで明らかにしてきました。それを杉田議員は「あんなのはフェミニズムではない」「活動であって研究ではない」などと偏見や無理解によって、研究を貶めました。
 また、杉田氏は私たちが科研費助成期間終了後に研究成果を発表したことについて、「期間が過ぎて科研費を使用したのは、ずさんだ」と発言しました。助成期間が終わってから科研費は支出していません。助成期間後に研究成果を発表することは当然あり得ることです。事実無根の「不正」疑惑をかぶせられることに怒りを禁じ得ません。
「反日」レッテル、言語道断の行為
 杉田氏は私たちに対し「反日」というレッテルをはり、「国益を損ねる」研究に税金を使うことは問題だと繰り返しました。一般人でも許されない言動ですが、国民の負託を受け、憲法を順守する責任を負う国会議員が行うなど、言語道断です。
 訴状を作るため、杉田氏のあらゆる場での言動を文字に起こしました。誹謗中傷を受け、黙っていることは、将来にわたる学問の自由への介入の理由づけに利用されることが十分予想され、その攻撃を阻止するためにも、提訴に踏み切りました。
 私たちの訴えに対し、多くの研究者をはじめ市民の方々から賛同が寄せられています。長い闘いになると思います。多くの方々に支援を呼びかけたいと思います。
「支援の会」発足、サポーター募集も
 杉田水脈衆院議員を名誉棄損による不法行為で損害賠償請求(計1100万円)で提訴したのは、牟田和恵・大阪大学教授、岡野八代・同志社大学教授、伊田久美子・大阪府立大学教授、古久保さくら大阪市立大学准教授。4人は2014年から4年間、計1755万円の助成(国の科学研究費)を受け、「ジェンダー平等社会の実現に資する研究と運動の架橋とネットワーキング」として共同研究を行い、性の平等に向けた日本の女性運動や従軍慰安婦問題など、計67件の論文や学会での発表、シンポ開催などを行ってきました。
 杉田氏は、昨年3月から7月にかけ、ツイッターやインターネット番組、雑誌で牟田教授や岡野教授の名前を上げ、この研究を批判。ツイッターには「国益に反する研究」「反日活動」「ねつ造」などと書き込み、国の助成費が使われたことは問題だと指摘。動画番組でも原告らが開いた研究目的のワークショップを「放送禁止用語を連発」と揶揄していました。
 提訴と同時に、「フェミ科研支援の会」が発足。岡真理京都大学教授、山口二郎法政大学教授らが支援を呼びかけ、サポーターを募っています。同「支援の会」問い合わせ✉info@kaken.fem.jp、ホームページ


薩長同盟で密談伝説の茶室、消失回避へ 大久保利通の有待庵
 京都市上京区の住宅解体工事現場で現存が確認された大久保利通の茶室「有待庵」について、所有者の女性(69)と京都市が20日、将来的な移築を視野に主要な部材を保存する方針を決めた。近く住宅工事をいったん中断し、再現可能な状態での解体作業に入る。
 現場は、1866(慶応2)年から68(明治元)年まで利通が使っていた旧邸跡に当たり、茶室は薩長同盟が結ばれた小松帯刀(たてわき)の邸宅「御花畑(おはなばたけ)」から移築されたと伝わる。
 この日、茶室を視察した京都府教育委員会元文化財保護技師で府立京都学・歴彩館副館長の平井俊行氏は「配置などは大きく改変したようだが、建物柱や鴨居(かもい)といった主な部材は幕末期のものが使われており、御花畑から移築された可能性が高い」と話した。


京都「万願寺甘とう」出荷始まる
京野菜のとうがらし、「万願寺甘とう」の今シーズンの出荷が、20日から京都府舞鶴市で始まりました。
「万願寺甘とう」は、大正から昭和初期にかけて舞鶴市の万願寺地区で栽培が始まったとされる特産のとうがらしです。
身が大きく肉厚で、辛くなく、甘みがあるのが特徴です。
ことしの出荷作業が20日から舞鶴市の専用の検品場で行われ、運び込まれた「万願寺甘とう」を、担当者が形や大きさごとに3つの等級に分け、箱詰めしていきました。
JAによりますと、先月の朝晩の気温が低かったため、ことしは例年より少し生育が遅れているということですが、この先、気温が高くなれば順調に育っていくとみられるということです。
出荷は、11月下旬まで続き、去年は西日本豪雨などの影響で、出荷量が前の年より130トン余り少ない、およそ440トンまで落ち込みましたが、ことしはこれまでで最も多い600トンを見込んでいるということです。
生産者の添田潤さんは「災害に強い産地の態勢づくりを進めるとともに、ことしもいよいよ出荷が始まったので、煮たり焼いたりしながらおいしく味わってほしいと思います」と話してました。


米富豪、約400人の学費ローンを全額肩代わり 大学卒業式で宣言
米ジョージア州アトランタの大学卒業式で19日、大富豪の投資家が、卒業する約400人全員の学費ローンを全額肩代わりすると述べ、卒業生たちに嬉しい衝撃を与えた。総額はまだ確定していないが、少なくとも1000万ドル(約11億円)にはなるという。
アメリカの黒人篤志家として高名なロバート・F・スミスさん(56)は、歴史的に黒人男子が通うモアハウス・カレッジの卒業式で挨拶をしていた。
2019年の卒業生と教員たちは、スミスさんの申し出に一瞬あっけにとられたのち、大きな歓声を上げて拍手した。
大学のマーケティング責任者、ホセ・マラボさんは、スミスさんの申し出を聞いた直後の学生たちの様子をツイートした。
スミスさんは2000年、ソフトウェア開発会社に投資するため投資会社ヴィスタ・エクイティ・パートナーズを創業。米誌フォーブスによると、個人資産は約50億ドル(約5500億円)相当という。
スミスさんは19日の卒業式で、「私の家族は8代にわたりこの国で暮らしてきた。家族を代表して、みなさんのバスに少し燃料を入れることにします」と切り出し、「今年の卒業生たち、2019年の皆さんが、私の代だ。うちの家族の寄付で、皆さんの学費ローンを帳消しにするつもりです」と述べた。
スミスさんは名誉博士号を受けるために卒業式に出席しており、すでに大学には150万ドル(約1億6500万円)を寄付していた。
今年の卒業生全員の学費ローンが総額いくらになるのかは、大学がまだ計算中のため確定していないが、少なくとも1000万ドルにはなり、実際にはそれよりはるかに高額になる可能性もあるという。
泣き出す学生たち
AP通信によると、財政学の勉強のために借りた20万ドル(約2200万円)を返済しなくても済むと知ったアーロン・ミッチョムさん(22)は、涙を流し、「衝撃だった」と話した。
「心臓が止まった。みんなして大泣きして。肩にのしかかっていたものが、一瞬にしてなくなったみたいだった」
モアハウス・カレッジのデイヴィッド・A・トマス学長はCNNに対して、「借金を抱えていると、社会に出て何ができるか、選択肢が限られている。この寄付によって卒業生たちは、自分の夢、自分の情熱を追いかける自由を手にした」と喜んだ。
(英語記事 Billionaire Robert F Smith to pay entire US class's student debt


改定された単位の定義、宇宙と世界の何が変わる? さよならキログラム原器、こんにちはプランク定数
 2019年5月20日の「世界計量記念日」に、質量の単位「キログラム」の定義が変わりました。
 この日までは、1 kgとは、フランスはパリの「国際度量衡(どりょうこう)局」にある、不活性ガスの満たされた保管容器内に鎮座まします白金・イリジウム製の「国際キログラム原器」の質量、と定義されていました。
 しかし2018年11月16日、国際度量衡総会において、日本を含む世界各国の代表は満場一致で、「プランク定数」という自然の物理定数を基礎とするキログラムの新しい定義を採択しました。同時に、アンペア、ケルビン、モルの定義も改定されました。この日の改定は、2019年5月20日をもって適用されると定められました。
 5月20日までは、1 kgの質量といえば国際キログラム原器の質量、体重50 kgといえば国際キログラム原器50個分の質量、私たちの太陽の質量は2×10^30 kgすなわち国際キログラム原器2×10^30個分の質量だったのですが、今後はそのような単純な定義ではなくなります。新しい定義はもっと高精度で安定で宇宙的で、しかし複雑で抽象的です。
 この改定で何がいったいどう変わるのでしょうか。私たちの生活は明日からどうなるのでしょうか。国際キログラム原器がお役御免になったら体重計の数値はどうにかなるのでしょうか。
 単位系の改定について、この連載では以前からあれこれ予想を述べたりしていましたが、とうとう適用の日を迎えて、今回は物理学的な視点で解説します。
いまさらだけど、キログラムって何?
 キログラムは「国際単位系(SI)」の「基本単位」のひとつです。質量を測るための単位です。
国際単位系(SI)とは?
 国際単位系(SI)とは、「国際度量衡局」によって定められた単位の群れです。
 国際度量衡局は、「国際メートル条約」の批准(ひじゅん)国からなる国際機関で、「物理的な諸測定の世界統一を確保する」という、なんだか目も眩むような高邁(こうまい)な使命を持ちます。(けれども批准国のひとつであるアメリカはいまだにポンドやヤードやインチやフィートといった野蛮な単位を使っています。恥ずかしくないんでしょうか。)
「国際単位系」なら英語は「International System of Units」で略称は「IS」になるのでは、と思われるかもしれませんが、国際度量衡局の公式文書はフランス語なので、フランス語「Système International d'Unités」の略「SI」が使われます。(フランスはメートル法を発明した国です。)
 国際単位系にはキログラムの他、メートル/秒、ヘクトパスカル、オーム、ミリシーベルトなど、さまざまな単位が含まれます。単位をかけたり割ったりすると新しい単位が作れるので、単位の数は無限です。
 それらの無限の単位は、基本単位と呼ばれる7個の単位をかけたり割ったりすることで合成されます。この7個の基本単位は単位のおおもとです。
 7個の基本単位と、基本単位から合成される「組立単位」からなる、秩序立った単位の群れが国際単位系です。
じゃあ基本単位とは?
 国際単位系の7個の基本単位は、時間の単位「秒(s)」、長さの「メートル(m)」、質量の「キログラム(kg)」、電流の「アンペア(A)」、熱力学温度の「ケルビン(K)」、物質量の「モル(mol)」、光度の「カンデラ(cd)」と定められています。
 時間と長さと質量の単位を組み合わせると、物理学のうち力学に登場する物理量(速度、加速度、重力定数・・・)を全て測定することができます。(力学は時間と長さと質量についての学問といえるでしょう。)
 そこに電流の単位アンペアを加えると、電磁気関係の物理量(電荷、電気抵抗、誘電率、透磁率・・・)を測定可能になります。以上の4単位は基本単位の中でも(物理学者には)特に重要です。
 熱力学的温度とは聞き慣れない言葉ですが、「絶対温度」という別名なら聞いたことがあるでしょうか。気体の体積が0に縮み、あらゆる物の熱運動が停止する極超低温「絶対0度」を基準とする温度です。ケルビンは絶対0度を0 Kとする熱力学的温度の単位です。
 余談ですが、温度という物理量は、「物体のエントロピーという物理量が増える際に物体のエネルギーがいくら増えるか」を表わしているので、温度の単位は実は他の基本単位から合成することができます。もしもケルビンの使用が何らかの理由で禁止されても、秒とメートルとキログラムから作った組立単位で温度が測定できるでしょう。(むしろ組立単位を使うのが潔いという過激な立場もあります。)
 物質量の単位モルは、主に原子や分子の個数を数えるための単位です。
 これも余談ですが、「1 molの分子」といっても「6.02214076×10^23個(後述)の分子」といっても同じことなので、モルを使わなくても(はなはだ不便にはなりますが)物質量を測ることができます。
 カンデラは光度の単位です。光度はヒトの目という測定装置でどれほど明るく感じられるかを表わす量なので、カンデラはヒトの感覚を基にしている特殊な単位です。
 以上が国際単位系の全ての組立単位の元となる7個の基本単位です。この7個のうちどれかひとつでも変更になれば、無限個の組立単位が全て変更となります。逆に、無限個の単位の定義を変更するには、国際度量衡総会で無限回の採決をとる必要はなく、基本単位をいくつか変更するだけで充分です。国際単位系はたいへんよく考えられた見事なシステムです。
何が変わったの?
 2019年5月20日の改定では、キログラム、アンペア、ケルビン、モルの4基本単位の定義が変更になりました。
 また同時に、「プランク定数」「電気素量」「ボルツマン定数」「アボガドロ数」という4個の自然の物理定数が、定義値とされました。
 表1に定義値となった4個の物理定数を、表2に7個の基本単位の新定義を挙げます。
 プランク定数は、ミクロな物体の物理学である量子力学で活躍する物理定数です。いろいろな場面に登場しますが、例えば光の周波数とプランク定数をかけると、光の粒である光子1個のエネルギーが求められます。
 量子力学は宇宙を支配する法則であり、この宇宙が今あるような姿なのはプランク定数のおかげです。プランク定数は重要な基礎物理定数です。
 電気素量は、「電子」の電荷の絶対値です。「陽子」の電荷ともいえます。電磁気現象のほとんどは電子と陽子によって引き起こされ、電磁気現象は宇宙を形作っています。電気素量もまた重要な基礎物理定数です。
 残念なことに歴史的偶然により、電子の電荷はマイナスと定義されてしまっているので、電気素量は電子の電荷ではなく、電子の電荷の絶対値というなんだか遠回しな定義になってしまっています。
 ボルツマン定数は温度目盛を決めるためにある定数です。
 すでに述べたように、温度という物理量はエネルギーの組立単位を用いて測ることができます。一方、人類の発明した温度計は、膨張する液体が指し示す目盛によって温度を測るので、組立単位で測る温度と、液体の膨張で測る温度目盛とを換算する係数が必要になります。これがボルツマン定数の正体です。
 こういう事情を考えると、ボルツマン定数を定義値とするのは理にかなっているでしょう。
 アボガドロ数は原子や分子を数えるための定数です。大雑把にいって、1 gの水素に含まれる水素原子の個数がアボガドロ数です。
この定義で単位がどう決まるの?
 残念ながら、基本単位の新定義は抽象的で難解です。これらの謎めいた新定義から、単位をどうやって決めるのでしょうか。
 2019年5月20日までは、プランク定数や電気素量などの物理定数は実験によって決まるもので、無数の測定実験が行なわれていました。
 しかしこれらの物理定数が定義値となった今、その測定実験は、むしろ測定装置の目盛が正しいかどうかを教えてくれます。
 これまでは、ある測定装置でキログラム原器の質量を測り、もし目盛が1 kgを指したら、その装置の目盛が正しいことの証明になりました。このような測定で、測定装置の目盛を調整する作業を「較正(こうせい)」といいます。(最近は「校正」とも表記します。)
 これからは、ある測定装置でプランク定数を測り、もしも表に挙げるような値が得られたならば、その装置の目盛が正しいことの証明となります。
 プランク定数を測るそういう装置には、例えば「ワットバランス」と呼ばれるものがあります。バランスとは秤(はかり)のことです。ジョセフソン効果だとか量子ホール効果などを応用して、超精密にプランク定数を測定する装置です。
 ワットバランスは、少々の変更を加えると、物体の重量を測定する秤として用いることができます。プランク定数の定義を正確に再現するワットバランスで重量を測れば、キログラムの定義の正確な適用です。
 このような装置でキログラム原器の代用をするのが新しい国際単位系の方針です。
もうちょっと簡単にならないの?
 以上が先端的でハイテクなキログラムの実現なのですが、こう説明されてもやはりピンとこないかもしれません。見たことも聞いたこともない装置を使って重量を測定するといわれても、ピンとくる方が少ないでしょう。
 プランク定数を含む定義を分かりやすく説明するのは難問なのですが、例えば
「1 kgは、波長が1 mの光子1個を吸収すると、静止状態から速度が6.62607015×10^(-34) m/s増加する質量」
という言い換えはどうでしょうか。波長1 mの 光子1個が運動量6.62607015×10^(-34) kg m/sを持つことを利用する言い換えです。これでもやっぱりピンとこないでしょうか。
 ついでに、アンペアとケルビンの新定義も言い換えてみると、
「1 Aは、導線を1 sに1.602176634分の10^19個の電子が通過する電流」
「1 Kは、分子1個からなる理想気体の体積と圧力の積が1.380649×10^(-23) Jとなる熱力学的温度」
などが考えられます。(もっとピンとくる言い換えがありましたら教えてください。)
5月20日から体重計を変えないといけないの?
 こうして得られた新しいキログラムやアンペアやケルビンやモルですが、これまでの値との違いは極めてわずかです。ワットバランスや精密シリコン球などを用いる最先端精密測定でも、旧定義と新定義に矛盾は生じないほどの違いです。
 したがって、5月20日以前に製造されて較正された体重計や温度計が、新定義との違いを示すことはないでしょう。(あったら教えてください。)
 体重計や温度計の日本国内の製造や較正や販売は、「計量法」という法律にしたがって行なわれます。単位の定義は計量法の文面に直接書き込まれているのではなく、政令「計量単位令」によって定められています。
 基本単位が定義されているのは、計量単位令の別表第一です。漢数字で書かれた単位の定義なんて、他ではなかなかお目にかかれません。(アラビア数字が便利な記法だということがよく分かります。)
 計量単位令は2019年5月20日に改定され、今回の単位の定義の変更も早々と取り込まれています。政令は内閣によって制定されるので、国会で法律の文面を変更しなくても、単位の改定に対応できるのです。(法律の体系も、国際単位系ほどではありませんが、なかなかよくできているシステムです。)
 これまでに製造された体重計や温度計を使い続けても法律違反にはなりませんが、今後製造や較正をする際には、新しいキログラムやアンペアやケルビンやモルの定義にしたがって行なわないと、厳密には計量法違反になります。
 もっとも、その違反を立証するにはワットバランス以上に高精度の測定器が必要となるでしょう。

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Disparition de Tiphaine Véron au Japon : les nouvelles recherches n'ont rien donné
Les recherches menées ces derniers jours au Japon pour tenter de trouver des indices sur la disparition de la Française Tiphaine Véron, en juillet 2018, n'ont rien donné.
Les recherches n'ont toujours rien donné. Menées ces derniers jours au Japon, les recherches pour trouver des indices concernant la disparition de Tiphaine Véron n'ont donné aucune résultat dans la région de Nikko, au nord nord-est du pays.
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想田和弘@KazuhiroSoda
山本太郎への献金が、早くも1億円を超えたそう。街頭質疑には大きな人だかりができている。なぜか?彼が低賃金と不安定な雇用に苦しむ人々を救うための「経済」の話をしているからだろう。困ったことに、野党はこの最も喫緊の課題を軽視している。今からでも太郎に続いて欲しい。この本が参考になる。
消費税はこないだまで5%だったんですよ。それを8%に上げたら経済冷えてみんな苦しくなったわけでしょう。完全な失政です。野党も上げるべきじゃないって言ってなかった?戻すしかないんですよ。その穴埋めをどうするかは、党として答えを用意すべき。別に山本太郎と同じ方法を取る必要はない。

鮫島浩 @SamejimaH
山本太郎新党は政官財マスコミ界の予想を裏切り急伸するだろう。その理由は‐暖餮裟任魴任屋打楡権の新自由主義と対立軸が鮮明⇔憲民主党は消費減税に踏み込まず対立軸が曖昧1陛陳の枠を超えた党首の姿勢が世界の反緊縮リーダーと重なる。そのうちに総理待望論も出てこよう。

朝スゴイ夢みました.3連戦の夢です.階下から苦情が来たとか…でも夢なので何も疲れていません.達成感もなし.うーんんん.
一方で司法試験で別件逮捕は適法?と回答したとのメール.合格するためには信念と異なる解答にしないといけないのかも.
夜中どうにかフライト予約に成功しました.

雄勝地区で大運動会
震災後に人口が激減した石巻市雄勝地区で18日、小中学生や地域の人たちが参加した大運動会が開かれました。
この大運動会は、震災後に人口が激減し、小学校と中学校が統合して「雄勝小・中学校」となったおととしから毎年開かれています。
18日は、児童生徒に加え、地域の人たちなどあわせて250人余りが参加し、開会式では小学生と中学生の代表4人が「令和になって初めての運動会をオリンピックに負けないような熱い気持ちで頑張ります」と選手宣誓をしました。
競技は、地区を赤と白の2つに振り分けて、紅白の対抗戦で行われ学年ごとの徒競走では懸命に走る子どもたちに地区の人が盛んに声援を送っていました。
また、コップですくった水を持ちこぼさないように走って瓶に詰めながらリレーし、いかに早く瓶をいっぱいにできるか競うものや、キャラクターなどに仮装したあと「雄勝のイケメン」など出されたお題に合う人を探すレースも行われ、会場は笑顔に包まれていました。
雄勝町の船越地区に住む女性は、「ふだん会うことが少なくなり一堂に集まる運動会を毎年楽しみにしています」と話していました。


復旧工事が完了 名取・閖上公民館が開館
 東日本大震災の津波被害を受け、宮城県名取市が復旧工事を進めていた閖上公民館が18日開館し、閖上1丁目の現地で記念式典があった。26日に開かれる閖上地区の「まちびらき」でメイン会場となる。
 式典には地域住民ら約70人が参加。山田司郎市長が「多くの住民が集い、さまざまな交流を通じて、人と人がつながる場所になってほしい」とあいさつした。
 公民館は鉄筋コンクリート2階で、延べ床面積は約1010平方メートル。ホールや研修室などを備え、津波から屋上に避難できるよう外階段も設けた。併設の閖上体育館は延べ床面積約780平方メートルで、公民館と体育館を合わせた敷地面積は4000平方メートル。工事費は6億7900万円に上る。
 旧閖上公民館は津波で1階部分が浸水し、閉鎖された。2015年、小塚原地区に仮設事務所を開設し、公民館業務を再開した。


気仙沼の食文化「発信する場に」 魚市場に料理スタジオがオープン
 東日本大震災で被災した気仙沼市魚市場に料理スタジオが完成し、18日オープンした。料理教室の開催や地元の食材を生かした商品開発などに活用される。
 スタジオは今年3月に市が整備した新施設2棟のうち、メカジキやサメなどが水揚げされる棟の2階にある。
 広さ約200平方メートル。調理台は計13台あり、3種類の包丁やまな板、鍋などの調理器具を備える。講師が料理する状況を正面の大型モニターに映し出せる機能もある。
 現地であった完成式典には水産関係者ら約50人が出席。菅原茂市長は「気仙沼の食文化を発信する中心的役割を果たす場所になる」とあいさつした。
 開館を記念し、同市出身で東京で人気ラーメン店「ちばき屋」を経営する千葉憲二さん(67)が気仙沼の食について講演。実際にメカジキを使った揚げ物を作り、参加者に振る舞った。


デスク日誌 近くて遠い
 「このタイミングか」と絶句した。東京電力福島第1原発事故で発生した国の基準以下の汚染廃棄物を巡り、大崎市内の住民が仙台地裁に試験焼却の中止を申し立てた仮処分。司法担当の同僚記者から「地裁の決定が出た」と連絡をもらったのは10連休前日の4月26日午後4時すぎだった。
 訴訟の判決と違い、仮処分の決定日は事前に予告されない。裁判所が当事者に決定書を取りに来るよう通知してから動きだす。
 午後6時すぎから仙台市内で住民側が記者会見すると聞き、取材先の大崎市内の高校から車で出発した。連休前とあって、東北自動車道と仙台西道路は通常の帰宅ラッシュよりさらに混雑。出発から2時間以上かかって会見に遅刻し、同僚にカバーしてもらった。
 申し立てを却下された住民側は今月10日、即時抗告し、再び仙台で会見を開いた。その帰り道、東北自動車道大和インター近くで交通事故があり、下り線が通行止めになった。仕方なく自動車道を降りて大崎市に向かう国道4号で再び大渋滞に巻き込まれた。
 大崎、仙台市間は直線距離で35キロ。近いようで遠い距離を実感した。 (大崎総局長 喜田浩一)


東松島「ゆぷと」利用150万人達成
 宮城県東松島市の市健康増進センター「ゆぷと」の利用者数が18日、150万人を超えた。健康意識の高まりで近年、利用者数が増えている。
 現地でセレモニーがあり、150万人目となった市矢本中央幼稚園の年長阿部真依(まい)ちゃん(5)が渥美巌市長とくす玉を開いた。
 市などから真依ちゃんに、焼きのりやのりうどん、スポーツ靴の目録などが記念品として渡された。
 週1回、スイミングスクールのため、母真夕美さん(40)らと通う真依ちゃんは「うれしい。プールも楽しい」と笑顔を見せた。
 2005年4月に開館。トレーニングジムやプールがあり、当初の利用者数は年7万〜8万人だったが近年は12万人に上っている。


河北春秋
 「気仙大工の現場に出合って技の深さに驚いた」。こう語るのは仙台市で水環境NPOの活動をしてきた横須賀和枝さん(80)。娘さんが携わるこども園の園舎造りが縁で、近著『気仙大工が教える木を楽しむ家づくり』(築地書館)を出した▼気仙大工は優れた伝統技を誇る陸前高田、大船渡両市など気仙地方の職人集団。各地に腕一本で出稼ぎし、民家や寺社に名建築を残している。園舎を建てた棟梁(とうりょう)も陸前高田出身で大崎市で工務店を営んでいる▼木挽(こび)き職人が一本一本製材した木、古い部材も大切に用いる。棟梁が墨付けをし、接合部などを巧みに刻んで建てていく。「山の森からつながる自然と人の営みを見る思いだった」と横須賀さんは書いている▼気仙地方は8年前の津波で被災。気仙大工たちの伝統の技を伝える民家も多くが流された。新しい家々の大半は、住宅メーカーが手掛けるのが現状だ。危機感を募らせた業界有志が2年前、「気仙大工の復権と未来を考える会」を旗揚げした▼建築遺産を網羅するマップ作り、公共建築物への大工の参加、技術継承のセミナー開催などを掲げる。「観光資源となる古民家の見学ツアーも実現したい」と常任理事の菊池喜清さん(84)=大船渡市=。この本が気仙大工再発見の応援となればいい。