フランス語の勉強?

septembre 2019

職員証忘れ/つけ麺/洗濯機/Aゼロ/歯医者/黄血

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Le Japon publie les taux de radiations à Fukushima
L’ambassade du Japon à Séoul a récemment commencé à publier les niveaux quotidiens de radiations dans la région de Fukushima, en réponse à un regain d’inquiétudes en Corée du Sud sur les effets de la catastrophe nucléaire de 2011.
Le site de l’ambassade japonaise montre les niveaux de radiations quotidiennement enregistrés dans deux villes de la région de Fukushima, ainsi qu’à Tokyo et Séoul comme base de comparaison. “L’intérêt pour les niveaux de radiations au Japon a augmenté récemment, en particulier en Corée du Sud”, justifie l’ambassade sur son site.
Les relations entre les deux pays voisins sont brouillées actuellement en raison d’un profond différend historique sur les travailleurs coréens enrôlés de force par des entreprises nippones durant l’occupation de la péninsule coréenne par le Japon (1910-1945). Les deux pays se sont mutuellement imposés des restrictions commerciales depuis cet été, et la Corée du Sud a aussi renforcé ses contrôles de radiations sur ses importations de produits alimentaires nippons.
Certains députés sud-coréens ont aussi plaidé pour une interdiction de voyager dans certaines régions du Japon et pour un boycott des Jeux olympiques de Tokyo l’an prochain, en invoquant les risques supposés de radioactivité.
Niveaux a priori en baisse
“Le gouvernement japonais espère que la compréhension par les Sud-Coréens des niveaux de radiations au Japon va s’améliorer, comme nous continuons de fournir des informations précises, basées sur des preuves scientifiques et clairement expliquées”, insiste l’ambassade, dans un texte publié à la fois en japonais et en coréen.
Selon le dernier bulletin publié par l’ambassade, qui compile des données provenant d’autorités de contrôle des deux pays, le niveau de radiations enregistré dans la ville de Fukushima (70 km de la centrale) était de 0,135 microsievert par heure, quasiment comme à Séoul (0,120). A Tokyo, le taux était encore plus faible qu’à Séoul (0,036 microsievert), tout comme celui de la ville d’Iwaki (0,060), située à 30 kilomètres seulement du site nucléaire Fukushima Daiichi, ravagé par le tsunami du 11 mars 2011.
Un microsievert revient à un millième de millisievert. Pour le grand public, la Commission internationale de protection radiologique fixe à 1 millisievert la limite de dose annuelle, en dehors des expositions médicales et naturelles, sachant que la moyenne annuelle de radiation d’origine naturelle dans le monde est de 2,4 millisieverts (mSv). Toutefois, dans les zones évacuées après le drame du 11 mars 2011, considérant qu’il s’agissait d’une situation exceptionnelle post-accidentelle, le gouvernement a décidé d’autoriser le retour des habitants pour une dose annuelle pouvant aller jusqu’à 20 mSv/an.
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フランス語の勉強?

なんと!仕事をしようとして職員証を忘れていることに気がつきました.印刷等ができないので,いったん帰宅することに.
せっかくなので2人でつけ麺ランチにしました.
ついでに古い阪神ハッピをリサイクルショップにもっていくと5枚で650円.安い.金本アニキなのに。
ついに洗濯機が届きました.といっても私は仕事中で対応していないのですが.
キソキソAゼロです.どうしたらいいでしょうか?
前歯の上の歯がグラグラするので歯医者に行くことにしました.予約なしでしたが,ちょうどいい時間に行くことができました.レントゲンで見て,わからんなぁと言われビクビクしていたのですが検査技師の人が歯並びが?と指摘.そうだったようです.大事にならずにホッとしました.
7時に黄ですが,血で中止です.

漂流ポスト併設の喫茶店が閉店
陸前高田市で、震災で犠牲になった人にあてた手紙を受け付ける、「漂流ポスト」を併設した喫茶店の営業が9月30日で終了となりました。
ポストでの手紙の受け付けは、今後も続けられるということです。
陸前高田市広田町の喫茶店「森の小舎」では、震災から3年が経過した平成26年から、「漂流ポスト」と名付けられた赤いポストで、震災で犠牲になった家族や友人にあてた手紙を受け付けてきました。
これまでに送られた手紙は600通に及び、喫茶店では、大切な人を亡くした遺族の思いを多くの人に知って欲しいと、近くに建設した小屋で手紙の公開も行ってきました。
しかし、震災から8年半が経過し、今後は、手紙を送りに来る人や小屋を訪れる人たちとゆっくりと向き合おうと、喫茶店の営業は終了することになったということです。
営業最終日の30日は、年に数回訪れて活動を応援してきたという、長野県の常連客が10歳の孫と来店し、最後のコーヒーを味わいながら思い出話に花を咲かせていました。
店主の赤川勇治さん(70)は「店を辞めて皆さんのためになるのかという複雑な思いもありますが、ここで区切りを付けて『漂流ポスト』に専念していきたいと思いました。震災から8年半という時間が過ぎましたが、遺族が1歩でも前に進むため力になりたいです」と話していました。


被災地移動に小型電気自動車 トヨタ開発、宮城・女川で試乗会
 東日本大震災の津波で壊滅的な被害を受けた宮城県女川町で29日、トヨタ自動車が開発した1人乗り小型電気自動車(EV)の展示・試乗会が開かれた。同町では住民に無償貸与し、活用方法を探る社会実験を実施中で、人口減や高齢化が進む被災地での新たな移動手段として期待がかかる。
 小型EVは道交法上、電動車いすに分類され、使用者は歩行者扱いとなるため、運転免許は不要。最高時速は6キロで、障害物を探知すると自動減速する。
 町はトヨタと連携し、津波被害で高台へ移転した住民に10月15日までレンタル。低地の商店や病院への移動を通じて、小型EVの利便性や今後の活用法を検証する。


たかが2%、されど2% 消費税増税に被災地ため息
 東日本大震災後、2度目の消費税増税が被災地に重くのしかかる。10月1日に迫った税率10%への引き上げ。被災者の生活に負担が及ぶだけでなく、復興需要が去った地域経済にはさらなる停滞に不安が漂う。
 「たかが2%、されど2%。その差は大きい」
 宮古市の末広町商店街振興組合理事長で電気店を営む佐々木慶子さん(74)がため息をつく。
 街の復興は進んだが、近年は売り上げが低迷。震災前の状況に戻らない。「買い控えの傾向が強まるのではないか」。社会保障の充実のためなら仕方ないとも思うが、心配は尽きない。
 29日、名取市閖上の商業施設「かわまちてらす閖上」は家族連れなどでにぎわった。買い物に訪れた福島市の主婦石塚文子さん(68)は「出掛けるのを少し減らし、必要な物を見極めて買い物をしたい」と話す。
 施設は4月に念願の開業を迎えたばかり。出店する名取市の笹かまぼこ製造「ささ圭」の佐々木圭亮社長(67)は「全体的に客足は落ちるだろう。街が完全に復興していない中、厳しい場面が出てくる」と表情を曇らせる。
 事業者にとっては、新たに導入される軽減税率も悩みの種だ。陸前高田市の産直施設「産直はまなす」は、軽減税率対応レジの購入を諦め、リースの機材で対応する。国の補助金を活用しても負担が重いという。
 野菜や果物は軽減税率の対象で8%だが、花き類は10%。商品を持ち込む生産者に販売明細を示すためにも対応レジは必須だ。事務局の戸羽初枝さん(57)は「リースでも大変。人件費を減らさなければならないかもしれない」と嘆く。
 2度の延期を経て実施される5年ぶりの増税。被災者のささやかな暮らしに、暗い影を落とす。
 「たった2%でも増税は痛い」。福島県浪江町から避難し、福島市飯坂町の災害公営住宅に住む無職山田隆信さん(74)。自分で収穫したコメや野菜を食べていた生活は震災で一変。近くのスーパーで食料品を購入する日々だ。増税は年金暮らしの家計を直撃する。
 避難した知人に会いに行く交通費もかさむ。「増税でガソリン代が高くなれば、冠婚葬祭で知人宅を訪れるのも難しくなる」。出費の一層の切り詰めへ、頭を悩ませる。


踊りの輪でRAF閉幕 58日間で40万人超来場
 東日本大震災で被災した宮城県石巻市の牡鹿半島を主な舞台にしたアートや食、音楽の総合祭「リボーンアート・フェスティバル(RAF)2019」が29日、最終日を迎え、同市の中瀬公園でフィナーレを飾る「リボーンまつり」が開かれた。
 地元住民ら約2200人が参加。鹿の角がモチーフの飾りを施したやぐら周辺を輪になって踊り、58日間の祭りをにぎやかに締めくくった。
 やぐらには、RAF実行委員長で踊りの音楽を作曲した小林武史さん(新庄市出身)や、振り付けを考案したダンスカンパニー「コンドルズ」の3人も登壇。浴衣姿の参加者らとともに軽快なステップで踊りを楽しんだ。
 実行委によると、全期間を通じ延べ40万人超が来場した。小林さんは取材に「アートに関心のある人だけでなく一般の人にも自分たちの思いを届けられた。RAFの形を確立できた」と振り返った。
 RAFは2017年に続き2回目。「いのちのてざわり」を全体テーマに、市中心部や牡鹿半島に七つの鑑賞エリアを設け、国内外の70近いアーティストが出品した。


眺め満喫 食も堪能 宮城オルレ開設1周年でトレッキング
 宮城県の気仙沼、東松島両市に昨年10月上旬にできた韓国版トレッキング「宮城オルレ」の「気仙沼・唐桑」「奥松島」(いずれも10キロ)両コースで29日、開設1周年を記念したトレッキングイベントがあった。爽やかな秋晴れの下、参加者たちは海沿いの美しい景色を楽しんだ。
◎迫力の海岸 眺め満喫 気仙沼・唐桑
 唐桑町観光協会が主催した気仙沼・唐桑コースのイベントには県内外から約120人が参加した。
 参加者は地元ガイドの案内を聞きながら、美しいリアス海岸の眺めや東日本大震災の津波で打ち上げられた津波石などを約5時間かけて見て回った。
 昼には地元の婦人団体がかき汁でもてなした。ゴール地点ではオルレを通じて交流ができた佐賀県唐津市から取り寄せたサザエのつぼ焼きが振る舞われた。
 仙台市若林区の主婦芳賀まき子さん(69)は「海から吹く爽やかな風が心地よかった。テレビで見るよりも海岸は迫力があった。また歩きたい」と話した。
 町観光協会によると昨年の開設後、28日現在で延べ3086人がコースを利用した。
◎秋の東松島 食も堪能 奥松島
 奥松島コースであった「記念オルレ」には国内外の約200人が参加し、秋の奥松島の景色を楽しみながら汗を流した。
 途中の月浜海水浴場では東松島名物の「のりうどん」と、九州オルレのコースがある長崎県南島原市特産の「南島原そうめん」が振る舞われた。
 参加した石巻市の公務員高橋一登(かずのり)さん(46)は「参加者が多く、にぎやかで楽しかった。紅葉が深まる時季にもう一度歩きたい」と話した。
 記念オルレの前には、復興再生多目的施設「あおみな」で式があり、渥美巌東松島市長や韓国・済州(チェジュ)島の認定機関「済州オルレ」の安殷周(アンウンジュ)常任理事らが参加した。東松島市によると開設以来のコース利用者は8月末現在で約9400人。


弘前忍者屋敷、所有者売却で存続危うし 取り壊しの恐れも
 弘前藩の忍者集団「早道之者(はやみちのもの)」の活動拠点だったとされる「忍者屋敷」(青森県弘前市森町)が、存続の危機に直面している。屋敷の所有者が売却を決め、買い手次第では取り壊される恐れもあるからだ。文化的価値が高いとして、関係者らは保存を熱望している。
 弘前公園南側の追手門から徒歩5分の住宅地。表通りから袋小路に入った先に忍者屋敷がある。木造平屋で、登記簿上の床面積は119平方メートル。江戸時代後期に建てられたとされる。内部には客間の裏に人が隠れられる空間、歩くと音が鳴る「うぐいす張り」の仕掛けが残る。
 青森県内の忍者を研究している青森大の清川繁人教授によると、早道之者は1674年に結成され、明治初頭まで暗躍した。常時約20人、多い時は60人以上で編成され、主に蝦夷地(北海道)や南部藩に関する諜報(ちょうほう)活動に従事していたという。
 清川教授が屋敷の存在を知ったのは3年前。古文書に早道之者の拠点を示す記載はなかったが、任務の一つであった薬草の管理に使われた痕跡や、屋敷の所有者が忍者の一族であったと考えられることなどから、忍者屋敷と判断した。
 現存する忍者屋敷は国内でもあまり例がないという。清川教授は「歴史上重要な役割を果たした忍者を知る上でも、文化的価値は非常に高い」と評価する。
 屋敷は青森市内の自営業会田秀明さん(83)夫妻が所有している。約30年前に親族から引き継いで以来空き家の状態で、定期的に通って手入れを続けてきた。高齢に加え、年数十万円の維持管理費が負担になったため8月下旬から購入者を募っている。
 数年前に屋敷の保存を弘前市に要望したが、実現しなかった。継続して早道之者の活動拠点だったことを示す証拠がない上、増築されているとして文化財としての価値判断が難しいとされたという。
 昨年には全日空の観光ツアーにも組み込まれるなど、屋敷は観光スポットとして注目されている。11日には桜田宏市長が「民間で屋敷を活用する動きがあれば、協力を惜しまない」との考えを市議会で示すなど、風向きは変わりつつある。
 会田さんは「忍者屋敷は心を揺さぶるロマンにあふれている。多くの人が見に来られるような観光コンテンツとして活用してもらいたい」と願う。


待望のサンマ召し上がれ 「生」1000匹こんがり
 宮城県気仙沼市魚市場前の観光施設「海の市」で29日、「海の市サンマまつり」が開かれた。27日に気仙沼漁港に水揚げされたサンマ1000匹が無料で振る舞われ、観光客らが秋の味覚を堪能した。
 午前9時半の予定を5分繰り上げてスタート。一時は300人近くが列を作った。炭火でこんがりと焼いたサンマを手にした家族連れなどは、カボスの汁をかけて味わった。
 登米市登米町から来た佐藤勇さん(70)は「今年初めてサンマを食べた。値段が高くて諦めていたが、やっぱり秋にはサンマを食べないと。生のサンマも買っていく」と喜んでいた。
 海の市を運営する気仙沼産業センターの清水敏也社長(58)は「生サンマの水揚げが間に合ってよかった。市民を含め皆さん楽しみにしている祭り。来年以降も続けたい」と話した。


【震災追悼施設】来てもらう工夫が大事
 国と岩手県が陸前高田市の太平洋岸に建設した「東日本大震災津波伝承館」と国営追悼・祈念施設は二十二日に開所した。東北三県に整備中の復興祈念公園内に完成した最初の施設だ。初日だけで約二千人が訪れた。犠牲者を悼み、教訓をかみしめた。鎮魂と惨禍の記憶継承に果たす役割の大きさを示した。
 本県の「東日本大震災・原子力災害伝承館」は来年七月、双葉町中野地区に開所予定だ。地震と津波に加え、東京電力福島第一原発事故という未曽有の複合災害を伝える特別な意味を持つ。被害の実態と廃炉、復興の歩みを発信し、活用してもらうために工夫を凝らす必要がある。
 東京五輪・パラリンピック開催に合わせて、双葉、浪江両町にまたがる約五十ヘクタールで復興祈念公園の整備が進む。公園内の国営追悼・祈念施設は広場や丘を配し、散策しながら思いを巡らす環境となる。民俗芸能を伝える活動場所を設ける。県は伝承館の展示品として震災前の暮らしが分かる写真や映像、線量計や避難場所に残された生活用品など約十六万点の収集を終え、展示方針が決まった。
 立地場所は避難指示解除準備区域内にあり、町は来年春の解除を目指している。放射線量の低減と国内外への理解、周知が不可欠だ。国は責任を持って取り組まなければならない。
 主要道路の六号国道から離れているのは不便な点だ。岩手県の公園は四五号国道に面し、奇跡の一本松、震災遺構などが歩いて行ける範囲にある。道の駅も開業した。震災を追体験するだけでなく、一定時間を滞在できる空間にしてほしい。双葉町が本県の伝承館隣に造る産業交流センター、津波に遭い保存方針の決まった浪江町請戸小校舎などとの連携を模索するべきだ。
 県は被災地見学を教育旅行に組み込むよう、県外の高校に働き掛けている。多感な青少年が被災の実情を知る意味は大きい。震災と原発事故から間もなく十年が経過し、国内外での風化が懸念される。大災害の後に生まれた子どもが増えてくる中で、学びの場と機会を提供する重要性はこれまで以上に増す。
 浜通りを中心に新たな産業創出の動きが活発になっている。南相馬市原町区にロボット研究開発拠点「福島ロボットテストフィールド」が完成し、果物や花卉[かき]栽培などに挑戦する人が増えている。意欲あふれる取り組みも、ぜひ大勢の人に見てもらいたい。被災地の真の姿を学べるルートづくりに向けて関係者には不断の努力を望む。(鞍田炎)


千葉の大停電 初動の遅れ徹底検証を
 台風15号による千葉県の大規模停電の発生から、きょうで3週間となった。
 停電はほぼ解消したものの、復旧のめどが立たない地域がなお一部残っている。東京電力は完全復旧に全力を挙げてほしい。
 私たち北海道民も1年前、全域停電(ブラックアウト)によって生活がまひする恐怖を味わった。
 それでも大半の地域で45時間以内に電力供給が再開されたことを思えば、2週間以上にわたり電気のない暮らしを強いられた千葉の住民の労苦は察するに余りある。
 災害時に重要なのは迅速かつ正確な情報発信である。その点、東電と政府の初動対応のまずさが混乱を拡大させたと言っても過言ではない。反省と検証を求めたい。
 今回の台風では、山林地帯の大規模な倒木が電線を寸断するとともに、復旧作業の妨げにもなって停電を長期化させた。
 あきれるのが、東電の復旧見通しに関する情報のずさんさだ。
 台風が通過した翌日の10日に「11日中の復旧を目指す」と発表したが、11日になると「復旧は13日以降」、さらに13日には「最長で2週間」と先延ばしをし続けた。
 東電の配電技術者が現場の惨状を目の当たりにしても、復旧に長期間を要するとは思わなかった、とでも言うのだろうか。
 最初から2週間以上かかると情報発信されていれば、住民も県外に一時避難するなど、さまざまな対応が取れたはずである。
 東電のあいまいな情報発信の根底に「事態を軽く見せたい」という保身の意識があったのならば、生活インフラを担う企業として無責任のそしりは免れまい。
 こうした東電の対応を放置してきた政府にも問題がある。
 昨年のブラックアウトの際、経済産業省が北海道電力に先行して復旧見通しなどを発表していたのとは大違いではないか。
 当事者の世耕弘成・前経産相は今月初めの記者会見で、北電の情報発信が不十分だったから、経産省が乗り出したと語っている。ならば、今回も政府として同じ行動を取らなければ筋が通らない。
 そもそも安倍晋三首相は停電発生2日後の11日に内閣改造を行っており、被害を甘く見ていたと取られても仕方ない。
 初動の遅れを糊塗(こと)するため、東電に全責任を押し付け、知らん顔を決め込んでいるようにしか見えない。これが国民の生命を守るべき政府の態度なのか。国会で徹底検証すべきだ。


「悔しすぎる」停電のあとの現実。台風15号に泣く、千葉の畳店店主の切実な思い。
「もしも」の可能性に対して、100%準備万端に向き合えなかったというだけで、「自己責任論」になってしまうのは、非常に酷な話だ。
ほんま さゆり
「時計を見ると、午前4時16分でした。その時、完全に明かりが消えたんです」
鮮明に覚えているその時の様子を、千葉県市原市にある有限会社伊藤畳店代表取締役の伊藤新作(70)さんは語った。明かりが再び家に灯ったのは、7日後のことだった。
2019年9月8日から9日未明にかけて関東地方に甚大な被害をもたらした台風15号の上陸。
関東地方では観測史上1位の最大風速、瞬間最大風速を記録。それだけで凄まじい威力がうかがえるが、例をみない被災状況が各地で明らかになってきた。
マスメディアでは連日、異例の長期間に及んだ停電や断水状況が報じられたが、被災者一人一人が直面する事情はなかなか見えづらい。
あの日も、それからも、彼らの生活は続いている。伊藤さんの苦しい表情から浮かび上がる「日本の課題」とはなんだろうか。
一夜明けた視界に映ったのは、見たことのない景色だった
9月9日未明。時計の針が日付をまたいだ頃、ひとしきりガタガタと震えていた窓と、途切れ途切れに消える明かりが、日常とは異なる不気味な夜を際立たせていた。
もう少しで夜が白むという時に「フッ」と突然明かりが消えた、千葉県市原市。
市内で畳店を営む、伊藤さんは語った。
「チカチカ点滅していた電気は、午前4時16分に突然消えました。台風が落ち着いた頃、自分たちの店の状況を確認していく道中、ゴルフ場の大きな柵が倒壊していたり、鉄塔が折れたりと、あちこちで見たことのない被害状況がありました」
「自分の店に到着すると、500キロある機械が転倒していて、畳を管理している倉庫の屋根や壁が破損していました。屋根から漏れた雨水で畳の3分の2はずぶ濡れになって、商品としては使い物にならなくなってしまいました」
「幸いスーパーと近所のガソリンスタンドは自家発電で通常通り営業していたので、食料や移動には困らなかったですね」
112坪の建物の屋根の張替えと壁の修理代が700万円。180万円で購入した機械の破損。
畳500枚程が浸水で廃棄となり、120万円程の商品損失。
被災状況は、計1000万円以上の被害額に及んでいた。
重たい機械が倒れたのは、瞬間風速50〜60メートル程の強風で転倒した可能性が高いという。もっとも深刻なのは、屋根の修理をしない限り、まともな営業ができない状況に陥ってしまったことだ。
屋根の修理代を支払う準備が整わないと、営業再開の見通しが立たない。これまでに幾度なく見送ってきた台風とは、別格の被災だった。
屋根の復旧は早くても2カ月先。
「馴染みの屋根の修理業者に見積もりや工事の確認をとってみたら、最短で工事は2ヵ月先だと言われました。屋根の破損は一部でも、劣化や材質の統一などを考えると全体を入れ替えなければならないと言われ、『修理代金の捻出』という一時的な面でも、『営業再開の見通しがたたない』という中長期の面でも、事の深刻さを痛感しました」
現在、千葉の工事業者は、高齢者の家屋を優先的に修理しているのだという。「2ヵ月先」という言葉は、被災した建物の多さを物語っていた。
伊藤さんは、他の地域の屋根業者に相談してみることも考えていたが、工期の問題以前に、資金面で難航していることもあり、現実は思ったように舵を切れない状況だ。
「ひとまず、ブルーシートで畳や屋根の一部をカバーしないと、と思いました。被災後、初の大雨予報となった9月18日に間に合うように、急いでブルーシートをかけなくちゃ、と思って。みんなも同じ気持ちだったんでしょうね。ここ数日で屋根から落ちて怪我する人がどんどん出てきてしまいました」
「行政からブルーシート(配布)の支援はあったけれど、自分たちしかやれる人がいない。被災した全員がそんな状況でした。自分の場合は、たまたま近所の方が屋根を登るときにグラついた足場や屋根を抑えるサポートをしてくれたので、注意して作業をすることができたけれど、吊り橋のようにグラグラな屋根の上での作業はとても怖かったです」
市原市役所からはブルーシート、土嚢、ロープなどが配布された。
伊藤さんは、税金や国民健康保険料の減免、義援金支給、災害援護資金からの融資などに役に立つとされる「被災証明書」を、被災当日に申請。市が独自に実施する審査を経て、16日後の9月25日にようやく受け取ることができた。
市原市のシティプロモーション課によると、商工会議所が事業者の相談窓口となって融資やローンにまつわる相談を受けているという。
自分たちの被災より、復興支援側に回りたい
営業再開の見通しが立たない状況の中、伊藤さんをさらに心苦しくしたのは、被災した別の家屋の家主からの畳の入れ替え依頼だった。
「依頼があるのに、応えられない状況が悔しすぎます。営業が再開できる状態なら自分たちも地域の復興作業に関われるのに、それができない状況が続いているんです。かろうじて小さなスペースで、晴れてる日に少しだけ作業できるものの、それだけでは追いつかない状況です」
伊藤畳店は全国でも珍しい「畳のリユース・リサイクル」を展開している畳屋だ。中古品を低価格で提供し、畳に関する豊富な知識を生かして信頼を勝ち取ってきた。
NHKの大河ドラマ制作チームや、雪印などの大手企業、海外ではミャンマー、フランス、ドイツなどの国々で幅広いクライアントとの取引がある。
フローリングに変わっていく時代の流れを察知し、和の文化を生かした「リユース」の市場を作り上げてきた。低価格で畳を提供するだけでなく、畳の廃棄などに困っているお客さんにも丁寧に対応する。
一見畳の取引とは関係ないような、市内のイチヂク農園さんに「夏場の保水」と「除草用」にと、古畳を解体して安価で提供したこともある。「炭」が健康に良いと注目された時には、中古畳を利用した「わら灰」の商品開発や、「炭」を白くする技術を独自で研究。
時代に合わせていろんなチャレンジをしてきた。地元でも愛される畳店になった。
当然のように、自分たちの店の復興だけでなく「地元全体の復興を願っています」と伊藤さんはいう。
復興は「自己責任論」でいいの?
ここで、素朴な疑問が頭をよぎる。
伊藤さんは災害保険に入ってなかったのだろうか? 保険があれば、資金面でここまで頭を悩ませることもなかったのではないか?
伊藤さんはいう。
「15年程お世話になっていた保険屋さんがいたんですが、2年前に洪水の被害が起きた時に『浸水の範囲があと数センチ足りませんね』と言われて…。数センチではねられるんじゃあ保険に入ってても意味ないじゃないか、という考えになりまして、保険を解約してしまったんです。」
「もしも」に備えて、危機管理対策を練ってきた伊藤さん。しかし、実際に水害が起こった際の保険業者のその一言で、「保険」を頼る意味を見出せなくなってしまったという。
こうしたことは、多くの中小企業の現場で起きていることではないだろうか。
「万が一」に備えて、定期的に情報を集めたり対策の見直しをしたりすることは、そう簡単ではない。
しかし、それでも「万が一」は起きる。それを示したのが今回の台風だ。
日本に限らないが、近年日本の天候は「異例」「観測史上初」などの単語が頻出する状況だ。
今後は「自然災害が当たり前にある」という前提のもとで、設備のチェックを独自で実施していく必要があると、伊藤畳店も感じているという。事業の継続はもちろんのこと、従業員の安全や地域社会への貢献のためにも、こうした平時の準備が大切になってくる。
今まで通りでは、いざという時に、自分たちの身は守れない。
中小企業も自然災害に備えて危機管理能力を高めることが大事になってくる。自営業者の目線に立った災害保険も今後はより一層重要になってくるだろう。
今回の台風を通じて、伊藤さんをはじめとする地域の経営者たちが、保険や設備管理などについての意識を高めることは、悲しみの中の希望でもある。
一方で、「もしも」の可能性に対して、100%準備万端に向き合えなかったというだけで、「自己責任論」になってしまうのは、非常に酷な話だ。
保険屋さんの一言によって、自然災害保険を解約してしまった伊藤さん。疲れ切ったその表情を見て、私は「自己責任ですよね」とは言えない。
自分のためだけの災害復興だけでなく、地域全体で復興の循環を
台風15号は、関東地方の様々な地域に爪跡を残した。生活面では少しずつ「日常」を取り戻しているが、事業者は中長期で苦境に直面している。
赤十字や自治体、テレビ局が募る「義援金」は、「公平」「平等」に被災者に分配されるが、行政の復興事業には使用されない。また実際の被災地に分配されるまでにかなり時間がかかる。
復旧工事で資金が枯渇している事業者は、「今」資金を必要としている、と伊藤さんは訴える。
「同じ畳業者の被害状況を横目に見ていたのですが、彼らも自力での復旧を模索している状況でした。お互い自分たちのことでいっぱいいっぱいだからしっかり話はできていないけど、被害にあった事業者はみんな不安を抱えています」
「被害の大小は様々ですが、通常営業ができなければ従業員にも賃金を支払うことが難しく、取引先にも迷惑をかけてしまい心苦しい状況です」
事業者は倒産してもおかしくない窮地に立たされているといえるが、地域全体が被災している中で、「私たちの営業再開のために募金をお願いします」とは声高に呼びかけづらい状況である。
しかし、利己的に聞こえるかもしれないが、自分の商売を再開させることが地域全体の復興の1つのピースになるのではないか、と伊藤さんは信じているのだという。
伊藤さんは、10月2日に畳店復興支援や、地域復興を呼びかけるクラウドファンディングを立ち上げる。
「私たちが営業できないと、家屋の畳の入れ替えで困ってしまう人の助けになれない。自分たちの商売のためのクラウドファンディングに見えるかもしれませんが、気持ちはそうではありません。自分たちが営業再開をして、被災支援をより頑張っていきたい」
「返礼品には地元のイチジクや、地域の特産品を選びました。地元の力で地元が復興していくために、ダイレクトな支援をしていただける方がいれば、嬉しいですね」


イージス継続審査 一体いつ判断するのか
 地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」を秋田市の陸上自衛隊新屋演習場に配備する防衛省の計画を巡り、住民団体などが市議会に配備反対の決議を求めた請願、陳情計13件が9月定例会本会議で継続審査となった。4月の改選を経て開かれた6月定例会に続き、再び判断を先送りした。
 県内でこれまでに11の市町村議会が同様の請願、陳情を採択している。にもかかわらず、配備候補地のある秋田市議会が、引き続き態度をあいまいにしているのは、大いに疑問である。継続審査に賛成した会派からは「配備適地を検討する防衛省の再調査の結果を待つべきだ」との声が上がったが、配備候補地が住宅地や小中学校、高校の近くであるとの事実に変わりはない。一体いつ判断するのか。
 「穂積志市長に先んじて判断を求められるのはどうか」と継続審査の理由を述べた市議もいた。穂積市長がいつまでも賛否を明言しないのは問題だが、最も住民に身近な市議が、それを待ってから判断するという姿勢はいかがなものか。それぞれ4月の市議選などを通じ、住民の切実な声を聴いてきたはずだ。
 議会が首長の判断を追認する機関であってはならない。自ら考え、判断しなければならない。住民の負託に応え、しっかりと責任を果たすことが求められる。
 この件について、県内の市町村議会で初めて配備計画への反対意思を示したのは能代市議会だ。同市の団体が提出した反対の請願を6月定例会で採択した。
 その後、秋田市の団体が他の24市町村に反対を求める陳情を提出。このうち横手、にかほの2市、八峰、八郎潟、美郷、井川、五城目、藤里の6町、上小阿仁、大潟の2村の計10市町村議会が9月定例会で採択した。継続審査としたのは秋田市を含む6市町村議会。このほか3市議会が不採択とした。北秋田市議会は来月の本会議で採決する。残る4市町議会は12月定例会で審査するとしている。
 6月は能代市議会のみだった配備計画への反対が、9月で合わせて11市町村議会と一気に増えたのだ。不採択とした3市議会も手放しで賛成というわけではない。秋田市を適地とする防衛省の調査報告書の内容があまりにずさんだったことが国への不信、さらには反対の拡大につながったとみられる。防衛省はこのことを真摯(しんし)に受け止めなければならない。
 防衛省は再調査して理解を求めたいとしているが、新屋ありきで配備計画を進めているとの疑念は拭えない。信頼回復は容易ではないことを肝に銘じるべきだ。
 県議会にも地上イージス配備反対を求める請願が提出されており、9月議会で審査される。県民の意見にいま一度耳を傾け、毅然(きぜん)とした判断を下してもらいたい。


外国人の不就学問題 国主導で直ちに解消策を
 小中学校に通う年齢の外国籍の子どもが、実際に通学しているかどうかについて、文部科学省は全国の市区町村を対象に初めて実施した調査の結果を発表した。
 不就学の可能性がある子どもは、住民登録する同年代の17%に当たる2万1701人に上った。不就学が確認されたのは1000人だった。早急な実態把握が必要だ。
 1990年の入管法改正で日系3世に「定住者」の在留資格が認められて南米からの移住者が急増した。近年は中国やベトナムなどアジアの人々が増加している。そうした中で不就学の問題が浮上してきた。
 一部の自治体は対策を進めてきた。製造業が盛んで外国人の多い岐阜県可児市は16年前から外国籍の子どもがいる世帯の訪問調査を続け、日本語教育にも取り組んでいる。
 一方で、文科省の調査では、就学状況を把握する取り組みに関して「特に実施していない」と答えた自治体が65%もあった。住む自治体によって、就学環境が異なる現状はおかしい。
 不就学の問題を自治体任せにしてきた国は、今年に入ってようやく文科省内のチームで検討を始めた。3月に都道府県と政令市に就学促進を求める通知を出し、6月にはチームが就学状況の把握や日本語教育強化を盛り込んだ報告書をまとめた。ただ、遅すぎたといわざるを得ない。
 学校での教育は日本で暮らしていくための出発点となる。教育を受けられなければ就職先も限られ、社会で孤立する懸念もある。
 外国人は、憲法が定める教育の義務や権利の対象外ではある。しかし、日本も批准した国際人権規約は「教育についてのすべての者の権利を認める」と記している。
 文科省は、今回の調査をもとに就学促進に向けた課題を明確にし、有識者会議の議論も踏まえ、具体的な施策を検討するという。
 今年4月に施行された改正入管法で、外国人労働者の受け入れが拡大された。日本で働く外国人が増加していけば、将来、外国籍の子どももさらに増えていくと見込まれる。
 国主導で直ちに不就学児の解消策を講じるべきだ。もちろん、日本語教育の充実など、受け入れる学校側の態勢整備も求められる。


ゲノム編集食品 消費者が選べる仕組みを
 生物の遺伝子を効率的に改変するゲノム編集技術で品種改良した農水産物の大半について、消費者庁はゲノム編集食品であるとの表示を販売者ら事業者に義務付けないことを決めた。流通ルールの大枠が決まったことで、早ければ年内にもゲノム編集食品が市場に出回る見込みだ。
 義務化しない理由として、消費者庁は「(外部遺伝子を組み込まない食品は)ゲノム編集によるものか、従来の育種技術で起きたのか、科学的に判別できないため」などとしている。
 ただ、ゲノム編集食品に対する社会の理解はまだまだ進んでいない。消費者団体などから不安や批判の声が上がるのも当然だろう。消費者にとって分かりやすく、自らの判断で選択できるよう、事業者には自主的に包装やホームページで表示するなどの取り組みを期待したい。
 特定の遺伝子を切断してつくられるゲノム編集食品は、外部から遺伝子を挿入する場合と挿入しない場合がある。外部遺伝子を組み込んだ場合は、人に有害な作用を起こすかもしれないため、販売する前に国の厳格な安全性審査を受ける必要がある。
 一方、現在開発が進む食品の大半は、外部遺伝子を挿入しないタイプだ。このタイプについて、厚生労働省は自然の中でも起こり得る変化だとして、安全性審査を課さない届け出制とした。国内では肉付きのいいマダイ、血圧を下げる成分を増やしたトマト、芽に毒のないジャガイモなどの開発が進んでいる。
 届け出の際には、事業者はアレルギー物質や有害物質ができていないかなどを調べ、厚労省は情報をホームページで公表する。事業者は安全性を丁寧に調べるとともに、厚労省は事業者の調査が適正なのか、しっかりとチェックすることが欠かせない。
 ゲノム編集食品は、栄養や栽培のしやすさなど多彩な利点を持った食品の登場につながると期待されている。とはいえ、新たな技術に対する懸念も根強い。消費者が安心して食べられるようになるには、科学的な検証や丁寧な説明が不可欠だ。国はゲノム編集食品の仕組みや安全性などについて、広く啓発していく取り組みにも力を入れてもらいたい。
 ゲノム編集食品に対する規制の在り方は各国で違いがある。米国は、外部遺伝子を入れずに改変して変色しにくくしたマッシュルームなどを規制対象外とした。一方、欧州連合(EU)の司法裁判所は、本来持たない遺伝子を導入した遺伝子組み換え食品と同様に規制すべきだとの判断を示している。
 ゲノム編集は新しい技術であり、環境や食品への長期的な影響が十分検証されているとは言い難い。今後、国は流通実態を把握するとともに、最新の科学的知見や各国の動向を踏まえ、制度について不断の改善に努めるべきだ。


ゲノム食品解禁 消費者の権利を損なうな
 狙った遺伝子を壊して品種改良した「ゲノム編集食品」の届け出と販売が10月1日に解禁される。
 政府は、ゲノム編集食品の販売に当たって届け出制を導入する。だが遺伝子の配列をわずかに変えただけなら、安全審査は不要とした。さらに表示についても事業者の任意とすることにした。
 食品に対する消費者の関心は高い。ところが、新たな技術で開発された食品にもかかわらず、何も知らされないまま口にする可能性がある。
 これでは消費者の不安を置き去りにしたままの「見切り発車」と言われても仕方あるまい。消費者団体などから批判が相次ぐのも当然である。
 政府が届け出や表示を事業者任せにするのは、自然界などで起こる遺伝子変異と原理が同じためだ。仮に義務化しても自然な変化か人為的かを技術的に見分けるのが難しく、義務化を徹底できないとの判断があったのだろう。
 政府も情報提供の重要性は認識しているようだ。生産者や販売業者に、自主的にゲノム編集食品であることを表示したり、ホームページで情報提供したりすることも求めている。
 だが見抜くことが難しいからと言って、表示しない理由にはならない。生産者や販売業者の自主性に任せた情報提供も実効性は不透明だ。消費者は納得できないのではないか。
 誰もが自分の判断で食品を選べる環境の整備が欠かせない。消費者の権利を損なうようなことがあってはならない。
 ゲノム編集は、生物の遺伝子を改変する技術の一種だ。2012年に「クリスパー・キャス9」という簡便で効率的な手法が開発され、世界的に家畜や農作物の品種改良への利用が活発化している。
 国内でも過敏な行動に出やすい性質につながっている遺伝子を切ることで、網に衝突せず育てやすいマグロも研究されている。体の大きなマダイや血圧を下げる成分を増やしたトマトなどの開発も進んでいる。早ければ年内にも市場に出回り、食卓に並ぶ可能性がある。
 ゲノム編集食品は昨年6月、政府が進める「統合イノベーション(技術革新)戦略」に盛り込まれた。新産業創出のための商品化を目指し、スケジュールありきで前のめりになっているように映る。
 ゲノム編集はもともと持っている遺伝子を切る改変になるため、外部から別の遺伝子を組み込む遺伝子組み換え技術に比べ、安全性も高いとされる。だが、研究の歴史は浅く、未知な部分も多い。
 狙った遺伝子以外を切断するケースも珍しくない。予期せぬ変異が全くないとは言い切れないだろう。欧州連合(EU)の司法裁判所は昨年7月、ゲノム編集食品も遺伝子組み換え作物として規制すべきだとの判断を示している。
 一方で、ゲノム編集は気候変動などに強い農産品などの開発に役立つ技術でもある。世界の食糧問題の解決につながる可能性もある。だからこそ安全、安心を担保しながら慎重に普及させる必要がある。
 政府は、情報提供の徹底とともに、消費者の納得できるルールの検討を急ぐべきだ。


どこかで見た?関電不正の言い訳
★台風15号が停電を引き起こし、日本中の電力会社の技術者たちが千葉に結集、復旧作業にいそしんだが、それが帳消しになるような関西電力の役員らに対する不正、不当と思われる約3億2000万円の支出。公金の使い道の適正さからいっても原発マネーという言葉が当てはまる公金ロンダリングといえる。まして27日の会見で関西電力社長・岩根茂樹は説明にもならない説明を繰り返した。★社長は発覚してからすぐに発表しなかった経緯を「不適切と判断はしていたが、違法という判断はしてない」と説明。「預かったものを見ているわけではない。いわゆる金庫に保管した状況、一時的に保管」と子供の使いのような回答までしてかわそうとした。まさに安倍政治で言い換えをしてごまかしてきた手法の、まね事である。★「公文書を書き換えたけど改ざんではない」「武力衝突はあったが戦闘ではない」。「残業代ゼロ制度を高度プロフェッショナル制度」「移民を外国人労働者」「日米FTAを日米TAG」。他にも「異次元」「新しい判断」と称して実態を隠してきたやり方と同じだ。政治の世界の言い訳はこれだけではない。自民党総務会長・鈴木俊一の父、元首相・鈴木善幸は92年2月、共和汚職事件に絡み、衆議院予算委員会に参考人招致された際に「カネは善意の保管者として預かった」などと発言。今回の岩根の説明と同じ説明をしている。返せばいい、善意の保管であり、受け取ったわけではないが通用すると思うのか。★立憲民主党代表・枝野幸男は「原発を推進してきた電力会社の姿勢そのもの、それを後押ししてきた自民党政治の姿勢そのもの、本質にも関わる問題ではないか」と、国会で問題視する構えを示唆した。消費税という公金の扱いに国民が敏感な時に、お粗末な話だ。

関西電力幹部に渡った裏金は3億2千万円どころじゃない! 関電の隠蔽工作と高浜原発をめぐるさらなる闇
 原発利権をめぐる深い闇の一端がとうとうあらわになった。関西電力の八木誠会長ら幹部20人が、高浜原発のある福井県高浜町の森山栄治・元助役(今年3月死去)から過去7年(2011〜17年)にわたり総額3億2千万円相当の金品を受け取っていたことが金沢国税局の税務調査で判明したのだ。
 しかも、森山氏に資金提供していたのは、原発関連工事を請け負う高浜町の建設会社だった。ようするに、3億2千万円は関電の利用者から徴収した電気料金を原資とする原発発注工事費。その一部が発注者である関電幹部の元に回り回って還流したのだから、これはれっきとした背任行為だろう。
 それにしても、電力会社の不正はタブーといわれるなか、なぜこんな大スキャンダルが明らかになったのか。大手紙社会部記者が報道のいきさつを解説する。
「原発利権の取りまとめ役で、“影の町長”といわれていた森山氏の存在は以前から有名だったんですが、その森山氏が90歳で亡くなった3月、マスコミに森山氏から幹部への裏金提供をめぐるたれ込みが相次ぎ、各社とも取材に動いていたんです。ところが、どこも単独では書けず、報道できなかった。一方で、金沢国税局が昨年のうちから存命中の森山氏を追及、裏金を受け取った関電幹部たちに修正申告をさせていたんですね。それで、ここにきて、国税局から共同通信が情報を得て、『税務調査で判明』という形で先行報道。その後、各社が後追いして一斉報道となったわけです」
 当局が動かないと、何も書けないマスコミの体質がまたぞろあらわになったとも言えるが、もっとひどいのは関電の隠蔽体質だ。
 金沢国税局は昨年1月、原発関連工事を請け負う高浜町の建設会社「吉田開発」の調査を行い、工事受注に絡む手数料として森山氏へ約3億円がわたったことをつかんだ。さらに森山氏を調べ、関電幹部に金品が流れた事実を突き止めたという。前出の社会部記者が続ける。
「森山氏は1977〜87年に助役を務めました。この間、高浜原発の3〜4号機建設誘致の推進役となり、関電と深い仲になったようです。退職後も、地元業者のとりまとめ役になり、町長をしのぐ隠然たる力を持つようになりました。関電との取引が今後も続くように金品を送り、抜き差しならぬ関係を築いたようです」
 実際、生前の森山氏は国税局に対して「関電にはお世話になっている」と金品提供の趣旨を説明したという。
 すると、こうした国税局の動きを受けて、関西電力の役員らが慌てて修正申告。記者発表も社内調査もせずに、この修正申告だけで幕引きをさせようとしていたのだ。
「関電は国税幹部に働きかけて、この事実を公表しないように要請していたという話もある。しかし、関電の反省のない姿勢に国税局の現場が怒って、マスコミに情報を流したということのようです」(前出・社会部記者)
 しかも、関電はこの期に及んでなお、事実を明らかにしていない。記者会見した岩根茂樹社長は27日の記者会見で「常識の範囲を超える金品は受け取りを拒んだり、返却を試みたりしたが、強く拒絶された」などと釈明に終始したが、両者の関係はそんなものではなかった。
 関電が社内調査に基づいて明らかにした「20人で計3億2千万円」は2011年以降に限定して発表したものだったことが分かったのだ。
 八木会長は「2006〜10年に受領した」と報道機関に証言している。そもそも金品を提供した森山氏は助役を1987年に辞めており、亡くなるまでに30年以上の期間がある。明らかになっていない金品提供があり、実際は受領者数と受領総額がもっと大きいのは確実だろう。一説にはその数倍に及ぶのではないかという見方もある。
高浜原発の元警備会社が「反原発町長への襲撃指令」を受けたと告発
 しかも、関西電力高浜原発と高浜町の間には、さらなる深い闇がある。10年ちょっと前、関西電力が原発反対派の高浜町長の「襲撃」、さらには「暗殺」を下請け業者に命じていたという告発をされたことがあるのだ。この告発が書かれているのは『関西電力「反原発町長」暗殺指令』(斉藤真/宝島社)なる本。証言しているのは、1999年から2007年頃までの間、福井県の高浜原発の警備を請け負い、その暗殺指令を受けたという警備会社の社長と従業員だ。
 当時、関西電力内の高浜原発ではプルサーマル導入を進めていたが、これに高浜町の今井理一町長(当時)が強硬に反対。プルサーマル計画は頓挫し、そのまま数年にわたって導入が見送られ続けた。すると、ある時期、関西電力若狭支社(現・原子力事業本部に統合)の副支社長で、高浜原発を牛耳っていたKという幹部が、この警備会社の従業員のほうに町長の襲撃を依頼してきたのだと言う。しかも、具体的な殺害方法まで提案した上で、「はよ、殺さんかい」とくどいくらいに催促してきたという。
 だが、結局、彼らは襲撃や殺人を実行に移すことができず、彼らの会社は関西電力から警備の仕事を打ち切られてしまう。そこで、2年後、2人は「週刊現代」(講談社、2008年3月29日号/4月5日号)にこの経緯を告白するのだが、しかし、摘発されたのはK副支社長でなく、告発した彼らのほうだった。立替金の返還をK副支社長に要求したことが恐喝にあたるとして、大阪府警に逮捕されてしまったのである。
 にわかには信じがたい話かもしれないが、同書によると、告発した警備会社社長らはこの事実を認めた関西電力幹部との会話をおさめた録音テープなど複数の客観的証拠を提示しており、ターゲットになっていた今井町長も自分の暗殺計画があったことを認めている。また、当のK副支社長自身もこの警備会社社長らの裁判で、「高浜町長を襲うという話を冗談で一回話したことがある」と証言していた。
 真相は今となっては藪の中だが、このK支社長が高浜町長の暗殺指令を発したとされる時期は、森山氏が原子力事業本部と抜き差しならぬ関係を深め、町長を超える力を築いた時期と重なる。高浜をめぐる闇は、想像以上に深いものがあるのではないか。
関西電力のさらに深い闇が
 もっとも、高浜原発をめぐる闇や関西電力の不正がいくらとんでもないものだったとしても、これ以上の解明は進まず、関西電力の新たな公表だけで収束してしまうのではないか。理由の一つは、検察が捜査に動く可能性が低いことだ。福島原発事故をめぐって東京電力幹部を不起訴(その後、検察審査会で強制起訴)にしたことからもわかるように、検察は電力業界と天下りなどで癒着しており、電力会社に触りたがらない。今回も、すでに検察は予防線を張るようにマスコミに「背任での立証は難しい」などの見方をリークしている。
 さらにもう一つは、電力会社の広告漬けになったマスコミの問題だ。
「特に3・11以降は東京電力にかわって関西電力が電力業界の盟主になっていますからね。関西のメディアはもちろん、電事連も関電が牛耳っているため、東京のメディアにも影響力を強めている。今回、国税のお墨付きがあるまで報道できなかったのもその表れ。今は、国税局が動き、関電が認めたということで、さすがにテレビも報道しているが、通り一遍の報道だけ。疑惑を深掘りしたり、新たな不正を追及できるとはとても思えない」(民放報道局記者)
 電力会社、原発でこんなとんでもない不正が平気で行われてきたのも、検察やマスコミと電力会社の間に共犯者的な関係性があったからだ。この国は根っこから腐っているのである。


関電マネー還流 “ドン”の原発御殿と疑惑の手数料ビジネス
 関西電力幹部らの“原発マネー還流”問題は闇が深すぎる。20人の関電幹部らは2017年までの7年間で、高浜原発が立地する福井・高浜町の“ドン”で元助役の森山栄治氏(今年3月に90歳で死去)から計3・2億円もの金品を受領。さらに、八木誠会長は06〜10年にも森山氏から商品券などを受けていたことが発覚した。地元関係者は「この程度では終わらないだろう」と口を揃えるが、森山氏の豪邸周辺を取材すると、氏がいかに“太く”稼いでいたのかが垣間見える。
 森山氏の自宅は、JR小浜線三松駅から15分ほど歩いた地区に位置する静かな住宅街にある。広大な敷地を取り囲む高さ約2メートルの塀が、周囲に並ぶ古い日本家屋や小さな旅館の中で異彩を放っている。
「森山」の表札がかかった黒い門の奥には、平屋建ての木造日本家屋が鎮座。真っ白なコンクリート造の2階建ての建物も隣接している。
 さらに敷地の隅には、三角屋根で高さ3〜4メートルほどの土蔵が立つ。手入れされた松やモミジの庭木が塀に沿う形で植えられ、かすかに色づいていた。庭には複数の石の灯籠まで立っている。古きよき“日本の豪邸”といった風情だ。
 登記簿によると、土地は約1000平方メートル。敷地内の日本家屋の床面積は181平方メートルで、コンクリート造の建物は1階部分が同151平方メートル、2階部分が33平方メートルだった。土地を取得したのは、森山氏が高浜町役場に入ってから4年後の1973年。高浜原発1、2号機の建設が着手されたタイミングだ。
「原発誘致に貢献した」(地元関係者)とされる森山氏は今回、地元建設土木会社「吉田開発」から手数料として計3億円を受領。「手数料は、関電の事業を優先的に特定の業者に受注させた見返りじゃないか。森山氏は吉田開発以外の複数社からも、手数料を“徴収”していたとみられている」(前出の地元関係者)との指摘がある。
 森山氏は高浜原発の警備を行う警備会社「オ―イング」(高浜町)の取締役も務めていた。関西地方の原発プラント関連会社でも一時期、相談役として迎えられていた。豪邸建設の原資が“原発マネー”だとしたら、森山氏は「ド悪党」だが、近隣住民の評判は意外に悪くない。
「森山さんは、大きな仕事を地元に持ってきてくれていたのに、特に偉ぶった様子もなく紳士的やったわ。今回の一件は何となく皆、知っていたけど、気づかないふりしてきたんや。表沙汰になってしまって複雑ですわ。何があろうと、町の発展のために力を尽くしてきた人なのでね」(近隣住民)
■激高ぶりに町役人は恐々
 一方、地元政界関係者の発言からは「紳士的」からはほど遠い森山氏の“正体”がうかがえる。
「森山さんは1987年に助役を退任後、2010年まで教育委員会に所属していました。今から十数年ほど前、教委幹部が関係者を対象とした研修会を主催したのですが、会場が高級ホテル向かいのビジネスホテルの会議室だった。これに森山さんは『何で向かいの高級ホテルじゃねえんだ』と激怒。『オレを何だと思っている!』と怒りが収まらず、縮み上がった教委幹部は急きょ、会場を向かいのホテルに変更したそう。有名な話です」
 商品券を受け取っていた八木会長は「返そうとすると激高されたため、自宅で保管した」と釈明。森山氏の“パワハラ”体質に、関電幹部も参っていたのだろうか。


関電幹部の金品授受「あらゆる法令使い刑事罰を」九電第三者委も務めた郷原弁護士が憤り…他の電力会社は問題ない?
 関西電力の八木誠会長や岩根茂樹社長ら幹部20人が2011年以降7年間にわたって高浜原発のある福井県高浜町の森山栄治元助役から約3億2000万円の金品を受けとっていたことが社内の調査で判明した問題。
 27日朝に急遽開かれた会見で「関電側から発注された工事の資金が本社に還流してきたという認識はあったのか」と問われた岩根社長はこれを否定、「(受け取った金品は)返却を申し出たものの、強く拒絶されるなど返却困難な状況があったことから、返却の機会を伺いながら一時的に各個人の管理下で保管していた。儀礼の範囲内のものなど以外はすでに返却を行っている」「我々としては、当該人(森山元助役)との関係が悪化することを恐れ、いったんお預かりして、返せるときに返そうと思って判断を続けてきた」と説明。受け取った資金はすべて元助役側に返却し、所得税の修正申告を済ませたとした。
 一方、八木会長はこの会見の前に「個人的なことについては一切お答えをしないということで」とコメント。しかし28日になり、複数のメディアに対し、2011年より前に金品の受領をしていたことを認めている。
 ことの発端は、去年1月、金沢国税局が関西電力大飯・高浜原発の関連工事を請け負う町内の設備会社に税務調査を行った際、複数の建設会社から森山元助役に約3億円の資金が流れていたことが確認されたという。そして、森山元助役に流れたこの"原発マネー"が関西電力経営陣ら個人に還流されたと見られているのだ。
 今年3月に90歳で亡くなった森山元助役は原発誘致の功労者で、地元では実力者として知られ、助役を退いてからも町内では"天皇"と呼ばれていたとも報じられている。
 高浜原発訴訟も担当、映画『日本と原発』では監督も務めた河合弘之弁護士は「原発の安全対策工事は数百億円の大盤振る舞いだし、地元を儲けさせないと納得してもらえないので、金額査定も非常に甘い。そうやって水増しした超過利益が元助役のところに行き、自分だけでもらってはまずいし、今後きちんと押さえておく必要があると考えた元助役が八木会長やその他に渡したというのが実態だと考えられる。今回は建設会社に税務調査があり、さらに元助役が亡くなったことで相続税の調査も行われ、そこからお金が元助役に流れていることや、さらに関電の役員、個人に流れていたことがわかったんだと思う。それがなければ自分たちのものだと思って未だお金を持っていたのではないか。また、お金をもらっていた7年間がどういう時期かといえば、"すみません。原発が止まったので"と言って電気料金を値上げした時期。関西の人たちはブーブー言いながらも関西電力に料金を払ったはずだ。消費者をバカにしている。税務調査がなかったら、あんたら今でもネコババしていたろうと言いたい。いつ、いくら、どうやって受け取って、返したと言うなら、いつ、いくらどうやって返したのかということを情報開示すべきだ」と憤る。
 その上で河合弁護士は「会社法の967条に、取締役等の贈収賄罪というのがある。その要件は取締役等がその職務に対し不正の依頼を受けて財産上の利益を収受した場合だ。今回の場合、これにあたるのではないかと思う」との見方を示した。
 また、弁護士の郷原信郎氏は「関電は法的な問題として説明し、逃げようとしているが、問題の本質はそうではない」と指摘。「2011年の東日本大震災に伴う原発事故が起きる前は、言ってみれば安全神話が定着していたので、国策に沿って原発を動かしていくことについても皆が信頼していただから力会社も地元にお金をばらまくとか、やらせメールとか、何をやっても許されていた。しかし2011年を境に、電力会社は透明性を向上させ、世の中の理解や信頼を得ないといけなくなった。私は電力会社が変わったと期待していたし、元々電力会社の経営トップはモラルの高い人たちだとも思っていた。ところが信じられない事実が出てきた。しかも、それについて"不適切だが違法ではない"と言っているし、"第三者を含む委員会で調査した"というが、重要なことは何一つ説明しない。彼らは透明性ということを忘れたのか。"相手方との関係を損ねるから返せなかった"というのも、原発事故前の電力会社が市民あるいは地域の社会の人たちに目を向けるのではなく、地元の有力者のご機嫌を伺い、特定のボスの力で原発を建設し、動かすというやり方と同じだ。それこそがあの重大な事故を招いた。それなのに、"その関係をもっと続けたかった。有力者との関係を損ねたくなかった"と言っている。しかも会長に至っては、"国税は預かっても所得だと言っているから、仕方なく修正した"とまで言っている。そんなバカなことがあるか。そんな詭弁まで弄して、自分たちは悪くないと言っている」と厳しく批判。
 「これまで色んな不祥事やコンプライアンス問題に関わってきたが、社会に対して重大な責任を負っている企業のトップの人たちがこういうことをするというのは、私の中で企業というものに対する見方、常識が崩れてしまう。ここまで来ると、あらゆる法令を使って刑事罰を科すことを検討するしかないと思う。大阪地検特捜部は寝ている場合ではない。あらゆる手段を使って捜査すべき、そのぐらいひどい問題だ。ただ、会社法の967条はこれまで適用された例がなく、死文化していると言われている普通、不正の依頼を受けてお金をもらった場合は特別背任罪が成立するが、この場合は会社にとっては原発を稼働させてもらえるから、プラスになる面があったかもしれない。ただ、そういう不透明なお金の流し方というのは、いくらルールに違反していなくても不正だ」。
 元経産官僚の宇佐美典也氏は「郷原さんが言ったことに加えて、関西電力には"被害者意識"があったと思う。なぜかといえば、原発事故を起こしたのはBWRというタイプの原発だが、関西電力の高浜原発などはPWRというタイプ。それなのに追加工事が必要になったということに対しての、被害者意識があるということだ。また、元助役の中には、自分だけがお金をもらっていると、いつか刺されるという危機感があったと思う。"共犯"をたくさん作り、誰も言えない構造を作っておかないと、自分の権力が危ういと。ここからは推測だが、それ以前にも相当やっていると思う」と指摘。平石直之アナウンサーも「確かに東京電力意外の電力会社を取材していると、"とばっちり"だと感じている雰囲気を感じる。特に関西電力は電力の半分以上を原発が占めていたので、再稼働させることがとても大事なことだったと思う」と話す。
 また、今後について宇佐美氏は「今は適正なコストを考えた電気料金として経産省が認可する仕組みがあるが、これを自由化することで、国民を裏切っていたとしても"民間の話"になってしまう。やはり原発に関しては、国が監視し、物言えるような仕組みを作らなければいけないのではないか」と示唆した。
 現在、1号機と2号機の再稼働を目指す高浜原発。東電の会見を受け、菅官房長官は「まずは、経産省において関電から詳細な事情聴取や他に類似な事例がないかなど、徹底した調査を行って、その上で対応を検討する。原子力事業を行う事業者は地元や国民からの信頼が何よりも不可欠であると考える。今回のような事態は大変問題だと承知している」と発言。一方の関西電力側は会長、社長を含めた社内処分も行ったとしたが、辞任の意向はないとしている。また、どういった名目で幹部に金品が渡ったのか、そして、どれだけ返却したのかなどは一切明らかにされておらず、疑惑は深まるばかりだ。
 河合弁護士は「"弁護士に頼んで調査してもらった"と言っているが、顧問弁護士か、関西電力の言いなりの弁護士だろう。だから絶対に経営者の言いなりにならない、金に転ばない公認会計士や弁護士入れた厳正な第三者委員会でやらないと何も分からない。例えば郷原さんみたいな人を選ぶべきだ(笑)。そして、全容が分かった後は八木さんと岩根さんは辞任しないといけない。日産のように、散々粘ったが辞めさせられた。それと同じことが起きると思う。加えて、電力会社は横並び意識が強いので、原発を抱えている他の電力会社でも同じことが十分あり得る。原子力規制委員会や経産省が調査を水平展開すべきだと思う」と主張。
 河合弁護士の"指名"を受けた郷原弁護士は苦笑しながら「調査に当たった弁護士の名前が出ていない。第三者を入れたのだったら、表に出てきて"私がちゃんとやった"と言えばいい」とコメント。「九州電力のやらせメール問題で第三者委員会の委員長として徹底的にやった結果、最後は九電の会長、社長と大変なことになった(笑)。ただ、あの時に我々が指摘したのはやらせメール問題の"本質"だった。繰り返しになるが、原発事故前の環境と、その後の環境は激変したのだから、電力会社はそれに適応しないといけないということだ。それができなかったから、やらせメールなどという問題を起こしてしまった。ところが九州電力は反省しようとしなかった。地域との関係や信頼を得ていくことに対して、本当に向き合おうとしなかった。おそらくそれは関西電力も同じだろう。だからPWRとBWRの違いというのも詭弁で、言い訳でしかない」と断じた。


酷暑で棄権続出の世界陸上 批判止まず「開催決めた人間は今ごろ涼しい部屋で寝てる」
 「陸上・世界選手権」(29日、ドーハ)
 過酷な環境下での競技が続く、マラソン、競歩のロード種目の選手からは大会への批判が相次いでいる。ここまで3日間を終え、女子マラソン、男女50キロ競歩、女子20キロ競歩が行われたが、暑さを考慮しての“真夜中”開催にも関わらず、気温は30度以上、湿度70〜80パーセントでの悪条件の中でのレースが続き、棄権者が続出。今後にダメージを残しかねない消耗戦を強いられた選手からは厳しい声がとんでいる。
 大会初日の27日にスタートした女子マラソンは出走68人のうち28人が途中棄権。完走率は過去最低の58・8パーセントとなった。優勝したチェプンゲティッチ(ケニア)のタイム2時間32分43秒は07年大阪大会の2時間30分37秒よりも2分遅い歴代最遅記録。英BBCによると5位だったマズロナク(ベラルーシ)は、レース実行に踏み切った国際陸連を批判。「アスリートに敬意がない。多くのお偉方がここで世界選手権をすることを決めたのだろうが、彼らはおそらく今、涼しい場所で寝ているんだろう」と、皮肉った。
 また、ロシアメディア「スポルトエクスプレス」によると、22位でゴールしたトロフィモワ(ロシア)は、レース後に「非人道的な環境だった」と語った。自身のインスタグラムで「10キロで少女たちがまるで“死体”のように道路に横たわるのをみた」と、嘆いた。日本のある代表コーチは「昼間にやっていたら死人が出ていたかも知れない」と、つぶやいた。
 翌28日にスタートした男子50キロ競歩を制した日本の鈴木雄介(富士通)の優勝タイムは4時間4分20秒。17回目を数える大会で初めて4時間を超えた。大会記録だった2年前のロンドン大会の3時間33分12秒より30分以上遅い。スタートした46人のうちゴールしたのは28人。完歩率は60・8パーセントでやはり4割がゴールできず。鈴木ですら、残り10キロからは内臓へのダメージで歩きながら給水ができず、立ち止まって水分を補給した。
 銅メダルを獲得したダンフィー(カナダ)「かなり馬鹿げた、クレイジーな気象条件だった」と、振り返った。29日の女子20キロ競歩は当初23時半スタートだったものを、23時59分にずらした。それでも気温は32・3度、湿度も75・2パーセント。優勝タイム1時間32分53秒はこれもまた歴代最遅タイムだった。
 天気予報によれば、この状況は当面続くと見られる。残るロード種目は10月4日の男子20キロ競歩と、10月5日の男子マラソン。史上最も過酷な戦いは続く。


芸人・せやろがいおじさん「ネット言論」を穏便で建設的に
「いったん落ち着こ〜!」「どない思てる〜?」――。沖縄の海に向かって赤いふんどし姿で、こう叫ぶ“おじさん”がいる。「せやろがいおじさん」こと、お笑いコンビ「リップサービス」の榎森耕助さん(32)だ。毎週ユーチューブで発信している時事ネタに切り込む動画は、時に数百万回再生に達する。沖縄の海をバックにドローンによる空撮を駆使した“お笑い”スタイルはどのように生まれたのか。なぜふんどし姿で時事問題を叫ぶ“おじさん”になったのか――。ざっくばらんに語ってもらった。
  ◇  ◇  ◇
  ――奈良県から沖縄国際大に進学という珍しい経歴です。
 奈良には海がないので海へのあこがれがあって、海のあるところに住みたいという願望がありました。高校の国語教師になりたかったので、沖縄に自分の進路にピッタリの大学があると知って、通い始めました。
  ――在学中にお笑い事務所に所属したそうですね。
 大学の頃に好きだった女の子にアピールできる場がないかなと探していて、たまたま、沖縄のお笑い事務所に出合いました。有名プロダクションよりもハードルが低く、大学の先輩とサークル感覚で入りました。かれこれ、芸歴13年目です。
  ――お笑いコンビとして、沖縄のショーレースで4連覇するなど、地元では人気芸人だとか。
 それでもまったく食べていけなかったので、ユーチューブを始めたのですが、最初は全然ダメでした。見ている人が共感できる「あるある」ネタをやり始めたのはいいものの、室内で撮影したら、若いユーチューバーに比べて画のフレッシュ感がまったく違って(笑い)。「このままでは誰も動画を見んぞ」と思い、沖縄の奇麗な海を生かした動画作りを始めました。無名の芸人では誰も見てくれないと思い、SNSで指を止めてもらえるように、赤いふんどしを締めて、ドローンでの空撮を始めました。
■みんなのモヤモヤを取り上げる
  ――「せやろがいおじさん」としての最初の動画は「久々に会って『覚えてる?』って聞いてくる奴に一言」というモノ申すネタですね。
 それが最初で、次に「違法アップロードされたエロ動画を見るやつに一言」という動画を作りました。そうしたら、AV関係者の方が拡散してくださったんです。誰かが抱えているモヤモヤをネタにして、共感を得られたら拡散されていくことを実感して、それからニュースを見ながら、みんながモヤモヤしてるんちゃうかなという時事問題を取り上げるようになりました。
  ――本格的に動画が拡散され始めたキッカケは。
 東京五輪のブラック過ぎるボランティアの条件にモノ申した動画と、タレントの「りゅうちぇる」さんがお子さんの名前のタトゥーを入れたことについて落ち着いて考えようと呼びかけた動画ですね。りゅうちぇるさんのタトゥーの動画は、僕のツイッターアカウントでは50万回再生ぐらいだったんですけど、無断転載した方のアカウントでは500万回くらい再生されました。
■県知事選をキッカケに“一線を越えた”
  ――昨年9月の沖縄県知事選に関する動画も話題になりました。
 もともと20代半ばまで政治に興味はありませんでした。ただ、「このまま何も知らん大人になっていいんか」という薄ボンヤリした不安があって、評論家の荻上チキさんのラジオを聴くようになってから政治に興味を抱くようになりました。「せやろがいおじさん」として政治的な話に立ち入るようになったのは、沖縄県知事選がキッカケです。僕の中では“一線を越えた”ネタでした。事務所から政治的なこととか言わんでくれとクギを刺されていたので、取り上げるつもりは全然ありませんでした。ところが、県民が考えて投票して玉城デニーさんが当選したにもかかわらず、県外の人が「沖縄終わったね」みたいなことを平気で言うので、「これからみんなで沖縄の問題を考えていこうよというタイミングなのになぁ」というモヤモヤが自分の中で募っていきました。扱いやすい話題ばかりを取り上げていても、堂々と自分の言いたいことは言えないと思って、思い切って動画にしました。
いじめ問題で気になる教育現場の空気感
  ――今は、どんな話題に注目していますか。
 いじめ問題ですね。最近も、埼玉の男子高校生が「教育委員会は大ウソつき」との遺書を残して、過去に受けたいじめを理由に自殺するという痛ましい事件がありました。ネットだけの情報を見ているだけでは、本質的な問題に切り込めないので、知り合いの校長先生などから教育現場について話を聞いています。「そういう空気感なんだ」ということを勉強するだけでも価値があります。
  ――どんな「空気感」ですか。
 学校側がいじめをなかったことにしたがるというのは、たびたび報道されています。なぜいじめを認めたくないかというと、まず、いじめのある学校だと認めた時に、他からどういう目で見られるかが気になってしまうから。それから、「えっ、これいじめなの?」と受け止める校長先生や教頭先生など、管理者の人権意識がおかしいという問題もあります。印象的だったのは、学校に限らず、人がある程度集まるところでは力関係が必ず生じ、いじめ、もしくは、いじめに類するような関係性が必ず存在するという話です。大事なのは、いじめの件数がゼロになることではなくて、いじめの件数と同じだけ解決した数があることだと思います。「いじめはありません」と主張するのはもはや、「私たちはいじめに対するアンテナの感度が鈍いですよ」と言っているに等しいのです。今後、動画を発信して、教育現場の意識や保護者の人たちの学校を見る目も変えていくキッカケになったらいいと考えています。
  ――動画への反発も少なくないようですね。
 案外、優しい方が多いですよ(笑い)。ただ、ネット上での言論の発し方がとげとげしさを増しているように思います。だから、「せやろがいおじさん」を通じて、平易な言葉で、穏便に建設的な話ができたらいいなと思います。過激な言動の方がネットで広がるという方程式はありますが、そうした発信の仕方が増えているからこそ、「せやろがいおじさん」みたいに普通のトーンでしゃべる方が一部で新鮮に受け止められているのではないかと思います。舌がピリピリするような味の濃いものばかり食べていると、たまに茶碗蒸しを口にして「落ち着くわぁ」と感じるのと同じでしょうか。
  ――建設的な議論を訴えているわけですね。
 ネット上には、相手の意見を論破することを目的としている人が多いと感じます。倒すか、倒されるかみたいな風潮が広がっていますが、勝ち負けがつくことはありません。論破して相手より上回ってやる、相手の意見を否定して自分の意見が正しいことを認めさせてやるみたいな不毛なバトルに辟易している人も多いと思います。議論することで新たな発見があったり、自分の意見が更新されたり、この繰り返しが大事ですね。
  ――「せやろがいおじさん」の活動に手ごたえはありますか。
 強いて言えば、僕らのユーチューブのチャンネル登録者に若者が増えていることです。以前は、30代から50代の視聴者がメインだったのですが、今は10代、20代の方が登録者の中で最多です。政治的な話を扱っている状況で、10代、20代の視聴者が増えているのはすごくうれしいです。
  ――今月30日から始まるTBS系朝の情報番組「グッとラック!」のレギュラーに抜擢され、いよいよ全国ネットデビューです。今後の目標は何でしょう。
 不安とワクワク感がないまぜになっていますが、やることは変わりません。ネット上ではマウンティングやバッシングが蔓延し、本当に困っている人の意見や声が世の中に広がっていきにくい。「困っている」と声をあげても、周りの人は黙っている方が賢いということで見て見ぬふりをしているのではないでしょうか。僕のところにも「こんなことで困っているんです」という声がたくさん届きます。そうした声が広がっていきやすい風通しの良さを世の中に作る一助になれたらいいですね。(聞き手=高月太樹/日刊ゲンダイ)
▽えもり・こうすけ 1987年、奈良県生まれ。大学在学中に沖縄の芸能プロダクション「オリジン・コーポレーション」に所属。お笑いコンビ「リップサービス」のツッコミ担当。琉球朝日放送主催の「お笑いバイアスロン」で2014年から17年の第5回大会まで4連覇。


日本ではなぜ人口減でも大学が増え続けたのか
平成30年間に生まれた大学・消えた大学
木村 誠 : 教育ジャーナリスト
約4割が「入学定員割れ」という悲惨な現状
私立大学の約4割が入学定員割れになっている、という事実は、日本私学事業団の調査を通じて今や広く知られている。そして定員割れの大学は、淘汰されてもやむをえない、という主張も多く目にするようになった。
ただ、大学設立を認可した文部科学省からすれば、次々に大学が潰れるような事態が続いては困るし、在学生への責任もある。そこで大学が破綻しないよう、さまざまな救済スキームを考えてきた。
例えば最近では、東京都心に多い人気私大の定員の抑制と入学定員の厳格化を進め、地方受験生の流入を抑え、地方の私大にとどめようとしている。
しかしそうした施策でいくらか緩和されたとしても、18歳人口減、大学進学率は横ばい傾向という厳しい状況で、大学にとって冬の時代が続くのは間違いない。
それにもかかわらず、文部科学省はこの30年間、大学の新設を次々と認可してきた。それはなぜか。
「戦後の大学数の推移」を見ると、平成末期になっても、まだ微増傾向が続いていることがわかる。一般企業なら、縮小することが確実なマーケットへ続々と進出することなど、まずありえないことだろう。
18歳人口がまだ増加か横ばいで、大学進学率も伸びていた平成初期なら、大学が増えてもとくにおかしくはなかった。ところが、その急増期を過ぎても認可は続いた。
平成初期ではとくに公立大学の開学が目立つ。国立大学の数が微減傾向なのに対し、その伸びは際立っている。公立大学の場合、地方自治体が設置者で、交付金も総務省の管轄となる。そのため文部科学省での設立認可はかなり甘めで、ある意味でひとごとだったのでは、という見方もある。
進む公私の合流
長く続いた昭和の後期、地方活性化の担い手として地方の大学への期待が高まっていたことも確かだ。地方自治体が既存の学校法人と協力し、財政支援をする「公私協力方式」が、地方私立大学を中心に続出したのはそのためだ。
ただし、実際には地方受験生の地元私立大学志向は期待ほど高まらず、時を追うごとに志願者集めに苦労するケースが目立つようになる。平成に入った頃には、それまでのように地方自治体の要望に応じ、系列校として地方私立大学を新設する学校法人は少なくなった。
そこで生まれたのが、実質的に公設でありながら法的には民営(学校法人)という「公設民営方式」の私立大学だ。地方自治体から見れば、私学並みの学費を確保できて収入面でもプラスになる、という思惑があったのだろう。
しかしこれが裏目に出た。地元進学校の受験生から敬遠されてしまったのである。
そもそも進学校ほど国公立大学の合格実績を重視する。一方で、公設民営方式の大学では、公設とはいっても私立大学のうえ、従来の公立大学よりも学費が高く伝統もない。結果として、思惑どおりに地元の受験生が集まらなかったのである。中には推薦入学の枠を広げ、進学実績のあまりない高校の生徒をどんどん受け入れたところ、むしろ進学校の生徒から敬遠される、という悪循環に陥った大学もある。
こうした結果、地元での評判もだんだん落ち、志願者を減らす大学が増えていく。そして多くが定員割れに直面することになった、というのがここまでの大きな流れだ。
定員割れの大学が増える中、起死回生を狙った策が生まれた。それが「設置者変更」、つまり私大の公立化である。近年だと、公設民営方式で設立された大学だけでなく、公私協力方式をとっていた大学、例えば成美大学が福知山公立大学へ生まれ変わったようなケースもある。
改めて平成に開学した大学を見てみよう。
まず全体としてはこの間、やはり公立大学の開学が多かったようだ。なお★の長岡造形大学、名桜大学、高知工科大学、千歳科学技術大学、静岡文化芸術大学、鳥取環境大学は先述した公設民営の私立大学で、後に公立化した大学である。
国立大学が法人化した2004年には、秋田県に公立大学である国際教養大学が開学している。ここは、すべて授業が英語で行われ、全員が1年間海外留学必須というグローバル教育を行い、開設当時から話題を呼んだ。2019年現在でも、(THE)世界大学ランキング日本版で10位にランクイン。今や旧帝大系や早慶並みの高い評価になっている。
とくに学生を自主的に勉強させる教育システムを評価する声が多い。24時間開館というコンビニ並みの大学図書館では、深夜でも勉強している学生の姿を見ることができる。授業では英語で意見交換をしなければならないため、予習も欠かせないのだろう。
同じ東北の福島県の公立会津大学も存在感を高めている。地元だけでなく広く受験生を集め、高校教師からの評価も高かった。2011年の東日本大震災を経て、学内に復興支援センターを設けるなど、専門である情報科学だけでなく、地域貢献などの面でも大いに注目される存在となっている。同様に岡山県立大学も、地域活性化のプロジェクト「COC+」で代表大学になるなど、地元大学群のリーダーとして期待されている存在だ。
平成生まれには「個性派」が多い
平成も後半に入ると、今度は医療系を中心にした新設が目立ってくる。超高齢化社会となり、医療のニーズがますます高まったという背景があるのだろう。例えば2017年に開設された5大学はすべてが医療系私立大学だった。
医療福祉専門職の養成と地位向上を目指し、千葉県成田市に医学部新設の宿願を果たした栃木県の国際医療福祉大学も1995年開設で、平成生まれの大学である。2017年にスタートした新医学部入試では、学費を低く抑えたこともあって人気を集めた。また2000年に開学した立命館アジア太平洋大学には海外留学生がとても多く、日本にいながら国際交流ができると評判だ。
このように、平成生まれの大学には個性派がとても多い。その半面、医療系は別にして、開設早々に定員割れした地方私立大学も少なくない。個性のない旧来型学部の新大学ほどますます厳しい時代を迎えつつあるといえるだろう。


英語民間試験導入の延期と再検討を 全国大学高専教職員組合が声明
 大学入学共通テストに導入される英語民間試験の混乱で、全国大学高専教職員組合は2021年度入試への導入を延期し、2022年度以降の導入の可否をあらためて検討するよう求める声明を発表した。
 声明は全国大学高専教職員組合中央執行委員会名。それによると、英語民間試験は受験生1人が2回まで受けることができ、早いものは2020年4月から実施される予定だが、実施半年前になっても具体的な日程や会場が明らかになっておらず、受験生や大学に混乱が広がっていると指摘した。
 英語民間試験の中には地方で受けることができないものがあるほか、大学入学共通テストとは別に受検料が必要で、地方在住や経済的に困窮している世帯の受験生が不利な立場に置かれる懸念もぬぐえないと現状を強く批判している。
2024年度入試までは英語民間試験活用と併行して共通テストでの英語受験も可能なことから、2021年度入試では英語民間
試験を活用せず、2022年度以降の実施の可否や内容についてあらためて検討すべきだとしている。
 英語民間試験については日本私立中学高等学校連合会から文科省が強い指導力を発揮して予定通りに実施することを求める要望書が提出される一方、全国高等学校長協会は受験生や高校側の不安解消ができていないとして導入の延期を求めている。


2020年度実施予定の「新共通テスト」中止と再検討を!
 2020年度からの大学入試で、これまでの「センター試験」に替わって、「大学入学共通テスト」が始まる予定です。この大学入学共通テストの実施が大きな社会問題となっています。
大学入学共通テストは、英語民間試験の実施、そして国語と数学の記述式問題の導入などを主な特徴としています。これらの「改革」については、多くの専門家から疑問や批判が出されてきました。しかし、この時点になってもほとんどの疑問点が解消されていません。
違う試験を公平に評価できるのか
英語民間試験は、英検やGTEC、TOEFLなど7種類の異なる試験を活用するとしていますが、違う試験の成績を公平に比較できるのかという根源的な疑問が存在します。
異なる民間試験の成績を比べるために、「各資格・検定試験とCEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)との対照表」を大学センターは作成しました。しかし、各テストのスコアとCEFRとの対応づけは、そのテストを実施する団体が独自に行なっていて、文部科学省や第三者機関による検証は行なわれていません。7種類の試験によって有利不利が生まれれば、受験生はどの試験を選ぶかで右往左往することを強いられます。何よりも、この対照表の客観性や公平性に疑問が生じれば、それは入学試験自体の正当性を失わせることとなります。
準備は万端か
 それぞれの英語民間試験の公平さや公正さにも疑問が残っています。どの民間団体も、多くの受験生が参加する試験を、これまでとは比べものにならない厳密さで採点することが求められます。十分な人数の採点者を集めることを含めて、はたして正確で公平な採点を行なう体制を整えることができるのでしょうか。
 スピーキングテストは録音機械を使用するだけでなく、十分なスペースの会場を確保する必要もありますが、その準備は万全なのでしょうか。試験日や試験会場の発表が現時点でもなかなか進まないのは、準備の困難を示しているのではないかと気になります。採点の方式や試験結果の周知時期、事故が起こった場合の対応などについて、現場の不安を払拭するような説明がなされていないことも、大きな問題です。
 また、英語民間試験は経済的負担も重くなります。英検2級が7000円、TEAPが1万5000円、TOEFLだと235ドル=約2万5000円近くかかります。これを2回受験することが求められているのです。それに加えて、これまでのセンター試験よりも試験会場数が限られることから、かなりの数の受験生が高額の交通費を支払うことになりそうです。離島や遠隔地の高校生の場合には1泊2日、あるいは2泊3日となり、宿泊費も必要です。地域格差や経済格差が深刻化することは「試験の公平」原則を崩すこととなりますが、そのための対応は今のところ極めて不十分です。
共通テスト――記述式採点も民間委託
 2021年1月に実施予定の「大学入学共通テスト」についても、数多くの疑問点が存在します。
まず、数十万人もの規模になる受験生の国語や数学の記述式問題の採点を、短期間で公平に行なうことは本当に可能なのでしょうか。8月30日に、この記述式問題の採点を「学力評価研究機構」(ベネッセコーポレーションのグループ会社)が行なうことが発表されました。民間企業が大学入学共通テストの受験生データ全体を扱うこと自体に、さまざまな疑念や心配が拭えません。採点スタッフの人数は1万人程度必要と報道されていますが、この時期に記述式問題を採点することができる人をそれだけ集めることができるのでしょうか。正確かつ公平な採点の実施、情報漏洩のリスク回避などに大きな疑問が残ります。
 記述式問題は、選択式問題よりも試験実施後に行なう自己採点を正確に行なうことが難しいという問題もあります。プレテストでは国語の自己採点と採点結果の一致率が7割程度にとどまりました。数学の記述式問題も合わせれば、自己採点の困難はさらに増すこととなります。実際の得点と自己採点の不一致は、受験する大学の選択や合否の予測に甚大な悪影響を及ぼします。
こうした問題に対処するために、採点の公平さが確保されやすく自己採点しやすい問題を出せば、定型的な形式と採点基準となってしまい、国語と数学で記述式問題を導入する意味自体がなくなってしまうというジレンマが生じます。そもそも数十万人もの受験者がいる試験で国語と数学の記述式問題を出題し、採点するということが、それによって増加する予算や人員などのコストと比べて、十分な教育効果があるのかという疑問は解消されていません。
「スケジュールありき」で説明不足
 なんと言っても最大の問題は、これらのさまざまな疑問や問題点の指摘や現場の不安に対して、はじめから「改革ありき」あるいは「スケジュールありき」で文科省が事を進め、教育現場や受験生に十分な説明を行なってこなかったことです。
受験生に大きな影響が及ぶ変更がある際は、2年前には予告すると文科省自身が原則として定めています。ところが現在の時点で、「大学入学共通テスト」まで約1年4カ月、英語民間試験まで約7カ月しかありません。すでにこの原則を大きく裏切っているのが現状です。試験を受ける現・高校2年生やその他の受験生、現場教員、保護者から「不安」の声が上がるのも当然でしょう。
全国高等学校校長協会は9月10日に、英語民間試験について、2021年度以降への延期と制度の見直しを求める要望書を文部科学省に提出ました。9月13日の夜には、文科省前で2020年度からの大学入学共通テストの中止を求める抗議行動が行なわれました。これらの動きは現場の不安や今回の入試改革への批判を示しています。
英語民間試験の実施については、文科省が設置したポータルサイトを見ても、実施日や試験会場の詳細が明らかとなっていない試験が、今日に至っても多数存在しています。また、9月1日時点では英語民間検定試験の活用について、国公私大の3割弱が「未定」の状態です。
申し込み開始――混乱つづく
こうした状況のなかで、9月18日に英語民間試験の一つである英検の申し込みが始まりました。英検の予約金は3000円で、運営側は当初、受験しなくても返金しない方針でしたが、高校側の反発や文科省の要請を受け、予約受け付け終了翌日の10月8日から15日までに申し出があれば、手数料を引いて返金することにしました。
実施期間である2020年4月〜12月は、現在の高校2年生にとっては高校3年生の期間です。学校行事や部活動と試験日程が重なる場合もあるなど、高校生活への悪影響や試験準備の困難は必至です。自分が志望する大学がどの英語民間試験を活用するかが未定であり、かつ実施日や試験会場との関係で実際に受けられるかどうか分からない状況で、予約金を支払わなければならなくなってしまっている受験生の現状は、「不安」から「混乱」の段階に入っていると言えるでしょう。英検の予約金返金をめぐる問題は、その混乱ぶりをよく示しています。
教育現場や受験生に混乱をもたらす深刻な事態に至った以上、新共通テストの2020年度からの実施は見送るべきです。
中止と再検討を
この問題を憂える関係者が集まり、10月13日の午後、「新共通テストの2020年度からの実施をとめよう!10・13緊急シンポジウム」が、東京大学経済学研究科棟第1教室で開催されます。ひとりでも多くの方の参加を願っています。
 検討が不十分な入試制度を見切り発車して被害を受けるのは、何よりも高校2年生をはじめとする受験生です。制度設計の不備が受験生に悪影響を与えることは、絶対に避けなければなりません。現時点で可能な最良の対策は、新共通テストを2020年度から実施するのをやめ、ここまで出されてきた課題を専門家や市民、受験生当事者の声を集めながら再検討することです。 
緊急シンポジウムのお知らせ
「新共通テストの2020年度からの実施をとめよう! 10・13 緊急シンポジウム」
2020年度から実施予定の大学入学共通テスト(以下:新共通テストと略)が大きな問題となっています。新たに導入される英語民間試験については、経済的負担の増大、地域格差による受験格差の不公平、複数試験の成績を比較することの困難性などが指摘されています。国語と数学の記述式問題の導入についても、採点の公平性や公正さへの疑問、自己採点が困難なために出願大学を適正に選べない点などが問題視されています。
 これらの問題に加えて、2020年度からの実施が近づいているにもかかわらず、当事者である受験生に正確な情報提供が行われていない点が重大です。受験生に大きな影響が及ぶ変更がある際は、2年前には予告すると文部科学省自身が原則として定めています。ところが新共通テストまで約1年4ヶ月、英語民間試験まで約7ヶ月しかありません。すでにこの原則を大きく裏切っているのが現状です。試験を受ける現・高校2年生やその他の受験生、現場教員、保護者から不安の声が上がるのも当然でしょう。ここまで深刻な事態に至った以上、新共通テストの2020年度からの実施は見送るべきです。
 検討が不十分な入試制度を「見切り発車」して被害を受けるのは、何よりも高校2年生をはじめとする受験生です。それだけでなく大学教育のありようにも影響し、将来にも大きな禍根を残すこととなります。現時点で可能な最良の対策は、新共通テストの2020年度からの実施を見送り、これまで指摘されてきた問題点を冷静に再検討することだと考えます。
 2019年10月13日(日)に、新共通テストの2020年度からの実施見送りを求めて、東京大学経済学研究科棟第1教室で緊急シンポジウムを行います。一人でも多くの方のご参加をどうぞよろしくお願いいたします。
日時:2019年10月13日(日) 13時〜17時(開場12時30分)
会場:東京大学経済学研究科棟第1教室
呼びかけ人・登壇者:大内裕和、中村高康、吉田弘幸、紅野謙介、阿部公彦、ほか
主催:10・13緊急シンポジウム実行委員会
参加費:500円(学生・生徒は無料)
事前申し込み不要  


あいちトリエン“電凸”音声公開 抗議電話は威力業務妨害か
 国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」が中止になった問題を巡り、愛知県がホームページにアップした企画展への抗議電話が炎上している。
 県は、今月17日の「あいちトリエンナーレのあり方検証委員会」の第2回会議において使用した電話攻撃(電凸)の4つの音声を公開。音声のひとつには、一般男性が県職員を罵る様子が、次のように記録されている。
男性「これからも(慰安婦像を)展示するつもりか?」
職員「今それを検討させていただいているところでございます」
男性「どういう無神経なやつだ、おまえたちは! 政治的に国際問題になってんだろうが!」
職員「はい、報道されております」
男性「本当に無神経なやつだな、おまえは! そんなことも分からんのか、バカヤロー!」
■自称・自民党員が自白で大炎上
 県は匿名で音声を公開したものの、この男性のものとみられるツイッターアカウントが28日、<皆さまにご報告があります。私の抗議電話の音声が、私の許可なく愛知県庁にアップされております。こちらもヒートアップし、かなり荒い言葉遣いになっております。一部の切り取りはやめていただきたく抗議いたします>と投稿。プロフィル欄に、<自民党員 (河野太郎防衛相支持)>と書かれているため、ネット上では<気に入らない文化をつぶすために仕掛けた安倍自民党の謀略>と、さらに炎上する事態となった。
 他の音声には、名古屋市民を名乗る男性が職員に「日本人なの?」「力ずくでやる(対抗する)しかない」――と詰め寄る様子も残っている。
 大村知事は音声公開への批判や疑問に対し、自身のツイッターに<電凸攻撃です。威力業務妨害です>として反論している。大村の言うように電話の主が威力業務妨害などの罪に問われる可能性はあるのか。元検事で弁護士の落合洋司氏がこう言う。
「抗議の仕方次第だと考えられます。同一人物が、いわゆる『電凸』を数十回〜数百回にわたって繰り返した場合、業務への妨害性を帯びてきます。また、相手に対して直接『命はないぞ』と言っていない場合でも、『夜道を歩くときは気をつけろ』や『家族がいるだろ』などと、社会通念的に威圧と捉えられるものは脅迫に該当する可能性があります」
 県はトリエンナーレへの補助金の不交付決定を巡り、国と争う姿勢を見せている。まだまだ収束しそうにない。


国際芸術祭への補助金不交付撤回を 日本現代美術商協会
愛知県で開かれている国際芸術祭に対し、文化庁が、補助金を全額交付しないと決定したことについて、国内外の作品の展示や販売を行うギャラリーの運営者などで作る日本現代美術商協会は、30日、決定の撤回を求める声明を発表しました。
この中では、代表の小山登美夫さんなどの声明として「経緯や背景の検証を十分に行わず、事業なかばで補助金の不交付を決定することは日本の文化助成の在り方を後退させる『悪しき前例』になります。今回の補助金不交付という締めつけは文化庁が担うべき文化的役割から大きく逸脱する暴挙であり、広く文化に関わる者すべてに圧力を与える」と指摘したうえで、文化庁に対し、今回の決定を撤回するよう求めています。
また、評論家や学芸員などで作る美術評論家連盟も補助金の不交付の撤回を求める声明を出しています。


消費税増税強行を安倍政権の元ブレーン・藤井聡が痛烈批判「増税で給料は倍下がる」「法人税の穴埋めに使われるだけ」
 ついに明日から消費税率が10%に引き上げられる。10月7日に発表される8月分の景気動向指数の基調判断では3・4月分につづいてもっとも悪い「悪化」に修正される可能性も指摘されているというのに、そんななかで増税を決行するなど、はっきり言って正気の沙汰ではない。
 もちろん、これは本サイトだけの主張ではない。安倍首相のブレーンとして第二次政権発足時から政策を支えてきた人物さえ主張していることなのだ。
 それは、前内閣官房参与である藤井聡・京都大学大学院教授。本サイトでも何度か取り上げてきたが、藤井教授は思想的にも右派で安倍首相の有力ブレーンのひとりと目されていたが、一方で消費増税反対を主張し、昨年末に内閣参与を実質「解任」に近いかたちで退職した。
 その藤井教授が、9月24日に放送された『大竹まこと ゴールデンラジオ』(文化放送)にゲスト出演。そこで、いかに消費税率10%への引き上げが日本経済に大打撃を与えるかを訴えたのだ。
「17年間5%で据え置かれた消費税率が、安倍さんがたったの5年で5%から10%に、倍にしてしまうと。これは一般の方が想像する何千万倍、何万倍もの悪影響を経済に及ぼす」
 安倍首相は増税によって社会保障を充実させると言って憚らないが、実際には消費増税と同時に明日から後期高齢者医療制度で低所得者に対する保険料軽減の特例措置を廃止する。消費税は低所得者であるほど負担が重くなる逆進性があるというのに、さらに追い打ちをかけようというのだ。
「社会保障の充実」など頭のなかにまったくないのに、どうして増税しようというのか。その理由を、藤井教授はこう述べる。
「何で消費税が上げられているかといえば理由は簡単で、法人税を引き下げたことによる空いた税金の穴埋めさせられているんです。たとえば、大企業さんとか、有名な鉄鋼企業さんとかね、有名なインターネット企業さんとかね、何千億、何兆円と売り上げていらっしゃるような大企業が数百億円しか税金払ってないんですよ。完璧な税金対策をおこなってですね、利益を全部出さんようにして、税金をほとんど払っていない。こういったところの補填を、庶民がさせられている」
 そもそも、安倍首相はアベノミクスの成長戦略として法人税率をどんどん引き下げ、法人実効税率は第二次安倍政権発足時の37%から現在は29.74%まで減少しているが、その上、藤井教授の指摘どおり多くの大企業が法人税を優遇されているのだ。
 現に、ソフトバンクグループが2018年3月期の決算で連結純利益(国際会計基準)を1兆389億円も計上しながら、税務上の欠損金計上という合法的な“租税回避”をおこない、法人税がゼロ円だったことが発覚、ネット上でも話題となったが、日本ではこのほかにも研究開発減税などの租税特別措置によって多くの大企業が法人税を優遇されている。
 そうやって大企業が税の優遇を受け、2018年度の内部留保は463兆1308億円と安倍政権下で過去最高を更新しつづけている反面、その穴埋めをお年寄りや子どもにまで課せられる消費税で強いる──。まさに鬼畜の所業としか言いようがないが、さらに問題なのは、消費増税によって給与までもが減るという指摘だ。
藤井聡教授「消費増税で、サラリーマンの給料は倍下がる」
 藤井教授は、増税によって消費が落ち込み、そして「サラリーマンの給料が下がる」と言う。
「確実に下がりますから。2014年の増税のときでもトータル6%下がっているんです、サラリーマン給与が。たった3%(消費税率を)上げるだけで。(消費税率を)3%上げると(給与が)倍下がるんですね。そうすると、みなさんの所得が減りますから、所得税収が下がるんです。その結果、何が起こるかっていうと、長い目でみると、4〜5年ぐらいでみると、『増税しいひんほうが税収高かったやんけ』と。そういうことに、いまですらなってるんです」
 それでなくても前回2014年の増税で受けた打撃から回復できず、賃金も上がっていない。実際、今年に入って7カ月連続で実質賃金が前年同月比でマイナスを記録しつづけている。いまおこなうべきは増税ではなく、むしろ減税なのだ。
「僕は、財政再建をしたいんだったら増税はしてはいかんというのが立案のコアだったんです。(中略)減税しなさい、と。いま5%にしたらですね、10%から5%にしたら、空前の消費ブームが起きます」
「僕らは100万円金払っても90万円分のモノしか手に入れられないけれど、5%に税金がなったら、100万円払ったら95万円分のお米とかパンとか服とか買えるんです。だから、ものすごく我々豊かになれますし、モノの予算が5%、値段が全部下がりますから、確実に景気は良くなるんです」
 増税ではなく減税を──。あきらかに日本経済を冷え込ませ、低所得者ほど生活が追い込まれるという、暴挙と呼ぶべき増税が実行されようとしているのに、一方、この間のメディアの報道はどうだったか。法人税の問題にも目をつむり、それどころか「プレミアム付商品券やポイント還元でどれだけお得か」といった話題に終始し、増税を既定路線として扱ってきた。
 しかし、本サイトでも報じたように、政府は「プレミアム付商品券」制度では、「確にゃん」なるゆるキャラを使って広報をおこなっているのだが、そのゆるキャラを使った広報に注ぎ込まれた血税はなんと14億円。同じくポイント還元制度でも約60億円もの宣伝広告費が計上されている(詳しくは過去記事参照→https://lite-ra.com/2019/09/post-4988.html)。
 こんな国民を馬鹿にした話もないが、この「ゆるキャラ広報に血税14億円」問題を取り上げたのは、本サイトが把握したかぎりでは9月26日放送の『ビビット』(TBS)のみ。メディアは相変わらず「駆け込み需要でお得なのは何か」だのといった話題ばかりだ。
 藤井教授は消費増税が実行される明日10月1日から「消費税減税運動をはじめる」と述べていたが、増税されたからといってそれを黙って受け入れる必要などない。この国の主権者は国民だ。減税のみならず消費税の廃止だって、国民の意志として政府に訴え、動かすことはいくらでもできる。メディアは国民に諦めろと言わんばかりに消費税批判を封じ込んでいるが、それに流されることはないのだ。


アイルランドに勝利も選手沈着 ラグビーW杯狂騒の違和感
 2015年の英国大会、南ア戦に続く歴史的大金星、まさにジャイアントキリングだと、テレビやスポーツ紙が大騒ぎしている。
 世界ランキング9位の日本代表が、同2位で優勝候補のアイルランドを19―12で破った28日のラグビーW杯1次リーグの結果を受けてだ。
 中継したNHKのアナウンサーが「もうこれは奇跡とは言わせない!」と絶叫すれば、民放も各地のパブリックビューイング(PV)やスポーツバーで観客が日の丸を振って騒ぎ立てる様子を放映。いまもバカ騒ぎは続いているが、そんな報道の数々に本当のラグビーファンはシラケている。
 勝利の数時間後、<アイルランド戦の感動を誰にも邪魔されたくないから、今日はスポーツニュースとか見ないよ>とツイートしたのはジャーナリストの神保哲生氏だ。
 神保氏は米コロンビア大学在学中、大学のラグビーチームに所属していて、ラグビーに造詣が深い。そんなファンからすれば、テレビのスポーツニュースはスゴい、スゴいと感動の押し売りをするだけ、感動は自分でするから邪魔だということだろう。
 スポーツジャーナリストの谷口源太郎氏は「この騒ぎ方は危険です」と、こう続ける。
「東京五輪もそうですけど、そもそもラグビーW杯を日本に招致したのは国威発揚に利用するためです。日本はスポーツ貧困国で、人々は基本的に見ることにしか興味がありません。
 だから日の丸のかかった国際試合になると頑張れと必要以上に大騒ぎする。メディアは視聴率が欲しい、売れさえすればいいから、人々をたきつけ、結果としてナショナリズムをあおることになる」
 日本がグループ最強といわれるアイルランドに勝ったからといって、それで決勝トーナメント進出が決まったわけではない。実際、ランキング最上位の南アに勝った前回W杯では3チームが3勝1敗で並び、日本は勝ち点の差で8強入りを逃した。「2勝したからこそ気を引き締めたい。ここからが勝負で、まだ終わりではない」と逆転のトライを決めた福岡が話せば、主将のリーチマイケルは「30分くらい喜んで、次の試合に備えたい」と言った。
 実際にプレーする選手たちの方がよほど冷静だ。
アイルランド司令塔は“代役”…先発は2度目
 日本の大金星の要因はさまざまある。キックを封印した戦術の勝利でもあるし、相手の攻撃をことごとく止めたダブルタックルに象徴される選手のハードワークももちろんそうだ。「それに加えて」とスポーツジャーナリストの中山淳氏が言う。
「テレビ、新聞ではあまり報じられませんが、アイルランドのセクストン(34)が故障で欠場したこともやはり、日本には大きかった。セクストンは昨年の世界最優秀選手で世界最高のスタンドオフ(SO)のひとり。SOは攻撃の起点となり、パスかキックかなどプレーの選択を担う司令塔です。代わって先発したカーティー(27)は日本戦が代表2度目の先発とキャリアが浅く、戦前の情報と予想に反してキックを封印し、FW戦で挑んだ日本の戦い方に対応できなかった。アウェーの雰囲気にのまれているように感じました。もし、経験豊富なセクストンがゲームコントロールしていれば、逆にキックを多用してFW戦を避けるなど、別の戦い方で勝機を見いだそうとしたはずです」
 日本代表の奮闘は称えられてしかるべきだが、チームの大黒柱である司令塔を欠いたアイルランドが世界2位の実力を存分に発揮し切れなかったこともまた事実だ。だがスポーツマスコミには、こうした冷静な視点が皆無と言っていい。
「日本の快進撃は外国出身選手あってこそ」
 今回の日本代表31人の中には実に15人の海外出身選手がいる(うち7人が外国籍)。これは過去最多で、アイルランド戦でもメンバー23人のうち11人がそうだった。
「パワーに勝るアイルランドを相手にスクラム、ラック、モールの攻防で互角以上の戦いができたことも日本の勝因のひとつですが、これは外国出身選手の存在をなくして語ることはできません。特に長身かつ体格が求められるロックは日本人ではなかなか補えないポジションで、FW戦で上回ったアイルランド戦でも左ロックのトンプソン、右ロックのムーア、それに韓国出身の右プロップの具智元の働きが大きかった」(中山淳氏=前出)
 これもまた、スポーツマスコミが触れない事実だ。スポーツ紙は逆転トライの福岡、PGを4本決めた田村、ゲームMVPの堀江のことは大きく報じても、外国出身選手の働きは紙面の隅に追いやり、世界屈指のスクラムと称されるアイルランドと張り合った具の献身的な働きなどは、虫眼鏡でもなければ見つけられない小さな扱いだった。
「ラグビーは五輪やサッカーの『国籍主義』とは違い、『所属協会主義』です。国籍、血縁、地縁のいずれかを満たせば代表になれる。日本だけでなく、他国にも多くの外国出身の代表選手がいます。この多様性こそがラグビーという競技特性のひとつです。日本ではどうしても国籍や帰化という言葉で考えてしまう。だから批判的な意見も出る。島国ならではです。プロ野球の外国人選手が『助っ人』と呼ばれるのが象徴的。これだけボーダーレス化している現代において、批判が出ること自体がナンセンスだと思う。ラグビー日本代表の快進撃も外国出身選手の存在があってこそ。メディアが彼らの存在からあえて目を背けているとすれば、それこそミスリードにつながります」(中山淳氏=前出)
 まったくだ。4年前のW杯で大活躍した五郎丸は15年に<ラグビーが注目されている今だからこそ日本代表にいる外国人選手にもスポットを。彼らは母国の代表より日本を選び日本のために戦っている最高の仲間だ。国籍は違うが日本を背負っている。これがラグビーだ>とツイートしている。日本人の活躍だけをことさら大きく取り上げる報道には、なにより日本人選手が違和感を抱いている。


阪神 逆転で2年ぶりCS進出
プロ野球の阪神は30日、甲子園球場で行われた中日との試合に3対0で勝ってレギュラーシーズンの3位が確定し、4位からの逆転で2年ぶりのクライマックスシリーズ進出を決めました。
4位の阪神は30日夜、レギュラーシーズンの最終戦で5位の中日と対戦し、4回に4番の大山悠輔選手のタイムリーヒットなどで2点を先制しました。
阪神は5回にも追加点を奪い、3対0で勝って最終戦を今シーズン最多の6連勝で締めくくりました。
この結果、阪神はシーズン成績を69勝68敗6引き分けとし、勝率で3位の広島を抜いて逆転でクライマックスシリーズ進出を決めました。
阪神のクライマックスシリーズ進出は、金本知憲さんが監督だったおととし以来2年ぶりです。
矢野監督は「阪神はこれからファンの皆さんに感動と夢を与えられるチームになっていきます。クライマックスシリーズを最後までしっかり戦っていきます」と話していました。
クライマックスシリーズのファーストステージは10月5日から2位のDeNAの本拠地、横浜スタジアムで始まります。

江坂→東三国→西中島サイクリング/黄色中止/万引き家族

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Coupe du monde de rugby 2019 : le Japon et sa ≪ légion étrangère ≫ créent la surprise face à l’Irlande
Pour vaincre les favoris irlandais, le Japon s’est appuyé sur les performances de Lafaele, Thompson et Labuschagné, trois joueurs nés hors de son territoire. Comme la majorité de son équipe.
Après le ≪ miracle de Brighton ≫, et sa victoire face à l’Afrique du Sud lors de la Coupe du monde 2015, le Japon s’est payé le luxe, samedi 28 septembre, de l’emporter sur l’Irlande (19-12) pour son deuxième match de ≪ sa ≫ Coupe du monde.
Si l’équipe de rugby japonaise ne cesse de surprendre, sa composition attire aussi l’attention. Le pays d’origine de l’entraîneur, Jamie Joseph ? La Nouvelle-Zélande. Celui du capitaine, Michael Leitch ? La Nouvelle-Zélande aussi. Même chose pour le doyen de la compétition, le deuxième ligne Luke Thompson âgé de 38 ans, et auteur d’un sans-faute contre l’Irlande (100 % de plaquages réussis).
Sur le XV de départ aligné contre l’Irlande, huit joueurs sont nés hors de l’archipel. Une habitude prise dès les premières Coupes du monde et dont l’entraîneur de l’équipe nippone est le parfait exemple. Avant de coacher les ≪ Brave Blossoms ≫, Jamie Joseph avait enfilé la tunique rouge et blanche lors de l’édition 1999, lui qui arborait le maillot des Blacks quatre ans plus tôt à Johannesburg, lors de la finale perdue face aux Sud-Africains.
Dans un pays réputé peu ouvert sur l’étranger – la tenniswoman Naomi Osaka peut en témoigner –, ce brassage est revendiqué par ses joueurs, issus de six nationalités différentes. ≪ L’atout de cette équipe, c’est sa diversité. En se battant ensemble, les joueurs japonais et étrangers obtiendront, j’en suis sur, de bons résultats ≫, expliquait Michael Leitch.
Ce derbier est venu au Japon dès l’âge de 15 ans. Il a étudié, s’est marié avec une Japonaise et parle parfaitement le japonais. Tout comme Luke Thompson, qui a, lui aussi la nationalité japonaise, parle avec l’accent d’Osaka et est d’ailleurs une star dans cette région.
Cette diversité est vantée par le troisième ligne aile, Lappies Labuschagné, promu capitaine face à l’Irlande, pour sa cinquième titularisation. ≪ Il s’agit de la façon dont les petites pierres deviennent un gros rocher et c’est ce que nous faisons sur le terrain, 23 hommes différents travaillant tous ensemble dans le même but.
Des règles flexibles
Né à Pretoria, Labuschagné a profité de la flexibilité du règlement imposé par la fédération internationale de rugby (World rugby) pour intégrer l’équipe japonaise. Après avoir joué trois ans consécutifs en Top League, le championnat local, le Sud-Africain est devenu sélectionnable au sein des ≪ Brave Blossoms ≫. En juin 2019, il est appelé pour la première fois dans l’optique de la Pacific Nations Cup et s’impose rapidement comme un pilier de l’équipe.
Cette règle est l’une des trois exceptions fixées par la fédération internationale de rugby permettant à un sportif étranger de jouer pour une autre équipe nationale que celle de son lieu de naissance. Deux autres cas de figure sont prévus par le règlement : être descendant d’un parent ou grand-parent né dans le pays ou y avoir vécu plus de dix ans cumulés.
Comme Labuschagné, une grande partie des joueurs profitent de la possibilité donnée à un joueur installé depuis trois ans dans un pays de le représenter à l’international. Pour freiner le phénomène, World rugby a décidé en 2017 de modifier cette règle. A compter de 2021, cette exigence de résidence passera de trois à cinq ans, afin, selon la fédération, de ≪ garantir un lien étroit, crédible et établi entre une fédération et les joueurs ≫.
Loin d’être un cas isolé
Le Japon n’est pas le seul pays a profité de ces largesses. Une étude réalisée par le site de revente de billets StubHub estime que 22 % des joueurs sélectionnés lors de la Coupe du monde ne sont pas nés dans le pays pour lequel ils jouent, un chiffre qui atteint 61 % au sein de l’équipe des Samoas, première du classement – en raison, notamment, de la forte immigration ilienne vers la Nouvelle-Zélande ou l’Australie.
Le Japon, avec ses 45 % de joueurs étrangers, est devancé par les Tongas et les Ecossais (48 %). Seules trois nations sont composées uniquement de joueurs nés sur leur territoire : la Russie, l’Uruguay et l’Argentine.
En France, les règles établies par la fédération sont un peu plus rigides. Pour pouvoir être sélectionnables, les joueurs doivent détenir la nationalité française. Une situation qui avait poussé Maks Van Dyke, le jeune pilier du Stade toulousain, à demander sa naturalisation à Emmanuel Macron lors de la finale du Top 14 en juin. Et qui avait aussi entraîné une séquence pleine d’émotion, lorsque en 2014, Scott Spedding, arrière d’origine sud-africaine, s’était effondré en larmes après avoir appris être naturalisé.
Après son exploit face à l’Irlande grâce à sa ≪ légion étrangère ≫, le Japon a pris provisoirement la tête de son groupe, et une option sérieuse pour la qualification pour les quarts de finale de ≪ son ≫ Mondial.
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明日へ つなげよう 証言記録▽気仙沼市 ふるさとの絆を守れ〜住民主導の高台移転
復興事業の柱の一つ防災集団移転。気仙沼市の方針が定まらない中、舞根地区の住民は結束し制度を活用した高台移転を求めた。行政の先手を打ち成功した故郷再生の秘策とは。
津波で家屋の大半が被災した舞根地区。住民たちは故郷の絆を守りたいと、安全な高台へともに移転する方針を決定。行政の支援を受けられる、防災集団移転制度の適用を気仙沼市に求めた。しかし、市は財政破綻の恐れなどから動き出せず、時間が経つにつれ離脱する世帯も現れた。住民たちは市の先手を打ち、移転先の用地確保や宅地造成費削減などの具体策を提案。事業費を大幅に抑えて高台移転に成功した。住民主導の取り組みを追う。 柴田祐規子

明日へ1min.「みちのくモノがたり」「ビール造りは地元への愛〜岩手 盛岡市〜」
東北のキラリと光るモノづくりを伝える「みちのくモノがたり」▼盛岡発、日本一のクラフトビール▼乾杯!飲めばあふれる幸福感♪▼基本は本場ドイツの伝統的な製法▼醸造所代表・木村剛が語る“ビミョー”なビール造りのだいご味▼相手は生き物!数字がすべてじゃない▼ホップに小麦、ゆず、山ぶどうまで?岩手各地の特産品とコラボ▼人気の秘密は“地元への愛”!?
COOL JAPAN「精進料理〜Buddhist Cuisine〜」
近年、世界的に菜食主義者が増えている。生活習慣病が深刻化する欧米は野菜を中心としたヘルシーな料理が人気だという。そんな中、注目されているのが日本の精進料理。中国、韓国などアジア各国で精進料理は存在するが、昨今の和食ブームや日本への観光人気も相まって日本の精進料理が注目されている。精進料理専門店やスイーツ、ラーメンなど新たなスタイルも続々登場。日本の精進料理の魅力を外国人の視点で発掘していく。 慶応義塾大学院教授…中村伊知哉, 鴻上尚史,リサ・ステッグマイヤー, 日高のり子,中井和哉
米山 隆一@RyuichiYoneyama
「民衆に受け入れられないアート展は持続可能でない!」というもの凄い説の登場です。そうするとちょっと前衛的な作品展は不可能になり、ゴッホ展なんかは有名になる前は出来ないからつまり永遠に出来ないという事になります。政権の決定を正当化するためならどんな説でも捻り出す「識者」に驚愕します
想田和弘@KazuhiroSoda
池上さん、公共の電波でデマを流しちゃダメですよ。消費税の導入以来、消費税収の約8割が社会保障ではなく法人税減税の穴埋めに使われてきたことは、動かぬ事実です。物知りの池上さんが知らないはずがないと思うんですよ。放送局も同罪です。

阪急吹田駅の地下道を経て江坂に向かいます.おせんべいを買いました.ちょっと道間違えたけど無事に着きました.自転車は100円の駐輪場に停めました.ベンチで一服してから,ドンキに行きます.びっくりドンキーもあったけど.KALDIをちょっと見てイタリアンのお店に行きました.のんびりしていい感じです.ワインとか飲みたい気持ちですがガマン.リゾットとピザでどちらもおいしかったです.
帰りは東三国を通って西中島の公園をサイクリングがてら・・・のつもりでしたが,結構距離があってクタクタ.通ったことのないところが多いです.でも疲れました.そういうことで黄色中止.
万引き家族をブルーレイで見ました.なんだかモヤモヤします.考えることが多いと思いました.

憩いと運動の場、移転復旧に歓声 宮城・南三陸、松原公園
 東日本大震災の津波で被災した宮城県南三陸町志津川の松原公園が移転復旧を終え、28日から本格的な利用が始まった。震災から8年半を経て町民の憩いと運動の場が復活した。
 旧松原公園は海沿いにあったため、新しい公園は国の災害復旧費を活用して内陸部の造成地に建設。震災前と同様に野球場や300メートルの陸上トラック、滑り台や土管などの遊具がある広場を設けた。銘板は旧公園で使っていたものを取り付けた。
 この日は野球場で小学生の野球大会が開かれ、白球を追う子どもたちの歓声が響いた。7月から先行開放している広場では、家族連れなどが思い思いの時間を過ごしていた。
 陸上トラックでは近くの志津川中の生徒たちが県の駅伝大会に向け、練習に汗を流した。女子駅伝チーム主将で3年の高橋英(はな)さん(15)は「新しい公園は広くて、走っていて気持ち良かった」と笑顔を見せた。
 松原公園では11月17日に開園記念イベントとして、南三陸スポーツフェスティバルが開かれる。


8年半、ようやく一歩 気仙沼・鹿折地区の区画整理事業が完了
 東日本大震災の津波で大きな被害を受け、200人以上が犠牲となった気仙沼市鹿折地区で、市が整備してきた土地区画整理事業の工事が完了した。28日には区画整理地内で最後の工事となった「東みなと町公園」で竣工(しゅんこう)式があった。
 鹿折地区の土地区画整理事業は、市が都市再生機構(UR)に事業を委託。震災で地盤沈下した42ヘクタールを、海抜1.8〜5.5メートルにかさ上げして造成した。
 2013年7月に着工。当初は17年度末の事業終了を目指したが、被災建物の基礎の撤去や水道管などの移設工事の調整などに時間がかかった。
 事業費は248億円で当初計画(108億円)の2.3倍まで膨らんだ。国の復興交付金を活用した。
 竣工式には地元住民や市関係者ら約200人が集まった。菅原茂市長は「地域住民が熱心に街の在り方を議論してきた地区。今以上ににぎわいが創出されることを期待したい」とあいさつ。テープカットで工事の完了を祝った。
◎何度も移転、元の地で再開/理容店経営の小野寺さん親子
 気仙沼市鹿折地区で70年以上にわたり愛されてきた理容店「鹿折軒」を営む小野寺みつさん(70)と光男さん(46)親子。震災の5カ月後に地元でプレハブ仮設店舗を設け、その後も場所を移して営業を続けながら区画整理事業が終わるのを待ちわびてきた。
 津波で全壊した店が立っていた土地が引き渡されたのは、今年5月。来月下旬には新店舗ができる。光男さんは「まさか、ここまで遅くなるとは思わなかった。長かった」と振り返る。
 2人は震災直後に避難所を回り、ボランティアで被災者の髪を切っていた。2011年8月、基礎だけが残る自宅跡に平屋のプレハブ仮設を載せて営業を始めた。
 周囲にがれきが残り、地盤沈下した道路にたまった水には魚が泳ぐ姿もあった。「誰も店があるなんて思わない。最初は客が来なかった」(みつさん)
 客足が戻り始めた14年秋、区画整理事業の進展に伴い地区内の別の場所に店ごと移った。16年秋には再度、移転を迫られた。
 当初、17年9月に土地が引き渡されるはずだった。だが、工事は何度も遅れ、本格再建のめどは付かなかった。「もう遅れるのは最後にして」。光男さんがURの担当者に迫った数カ月後、延期の通知がまた送られてくることもあった。
 震災前にあった場所で本格再建することを目標に、親子で踏ん張ってきた。光男さんは「目標が無くなり、力が抜けた状態にならないか心配」と笑う。
 仮設店舗の目立つ場所に掲げていた「絆で前へ 鹿折 ふるさとを取り戻そう」と書かれたTシャツは、新しい店には飾らない。
 「震災から一つの区切りは付いたから」と光男さん。ようやく、新たな一歩を踏み出す。


時評
 大津波が襲来した時、どうやって漁船を守るべきか。海と暮らす漁業者が向き合わなけばならない課題である。おいらせ町と百石町漁協が、青森県の協力を得て津波に備えた百石漁港での漁船避難ルールを策定した。
 ルール作りは、東日本大震災を踏まえて行われた。震災時、県内では約450隻が漁船の損壊を回避するため、沖に避難する「沖出し」を実施した。被害はなかったが、漁業者個々の勘や経験に頼った危険な沖出しも見られた。
 事態を受け、県は2015年1月にルール作りの指針を公表。まずむつ市の関根漁港と階上町の小舟渡漁港をモデル地区に策定した。今回の百石漁港を対象としたルール作りはモデル地区以外では初の試みとなった。
 漁業者が陸上にいる場合と海上にいる場合で対応は分かれている。陸上滞在時は、20分以内に港外に脱出できるときに沖出しする。その時間を過ぎると、第1波より大きな波となる可能性が高い第2波の襲来までに、安全が確保できる海域へ避難するのが困難となるためだ。
 海上にいるときでも、十分な速度が出ない船外機船での避難は避け、陸上に逃げるか、帰港が難しい場合は動力船に乗り移るとした。陸上、海上共に危険が伴う夜間(午後4時〜午前5時)は原則避難せず、行動を取るのを日中(午前5時〜午後4時)に限った。
 こうした行動計画は、実証実験を経て取りまとめた。ただし実際は、地震発生による交通規制や道路の寸断で漁港に行けない事態のほか、家族の安否確認や人命救助に追われる可能性もある。最優先で守るべきは命だ。その時の状況に応じた行動が重要になる。
 だからこそ訓練を重ね、実効性を高めていかなければならない。漁船避難か陸上避難かの判断が難しい場合など想定される課題を一つ一つ検証し、精度の高いルールとしていく継続的な取り組みが不可欠だ。
 今回のルール作りの過程では、沖に出た漁船に陸上から支援物資を届ける方法として、小型無人機ドローンの活用も検討された。実証実験では2〜3キロ沖合いまで輸送が可能で、7分弱でその距離に到達できることが確認された。
 一度に運べる量は決して多くない。漁船位置を正確に把握する必要もあり、検証が欠かせない。課題をクリアし、避難後の支援態勢もできるだけ早期に整えたい。輸送の一つとして確立されれば、避難する漁業者の安心につながるはずだ。


東松島 サンドアートが完成
東日本大震災の被災地を盛り上げようと、世界で活躍する砂の彫刻家が東松島市で制作していた「サンドアート」が完成し、記念イベントが開かれました。
砂の像を制作したのは、サンドアートの国際大会で優勝したこともある砂の彫刻家、保坂俊彦さんです。
完成したのは、高さ3点6メートルの天女と魚のこいの像で、29日、東松島市の防災教育施設、「KIBOTCHA」でお披露目されました。
この像は、天女がこいを空に導く姿を表現していて、市内で行われている震災で犠牲となった子どもたちへの追悼として、青いこいのぼりを掲げるイベントから構想が浮かんだということです。
会場には、完成した砂の像を一目見ようと多くの人が訪れ、写真を撮るなどして楽しんでいました。
保坂さんは「会場に訪れた人の中には、震災のあとこの場所に足を運べなかったという人もいました。作品をきっかけに東松島に来てもらってありがたいです」と話していました。


気仙沼「オルレ」コース1周年
地域の文化や歴史に触れながら美しい自然を歩いて楽しむ韓国生まれのレジャー、「オルレ」のコースがオープンして1周年を記念するイベントが気仙沼市で開かれました。
「オルレ」は、地域の文化や歴史に触れながら自然の中を歩いて楽しむ韓国生まれのレジャーで、県内には去年10月、気仙沼市と東松島市にコースが整備されたほか、きのう大崎市にも新たなコースができました。
こうした中、気仙沼市で、オープン1周年を記念するトレッキングイベントが開かれました。
イベントには台湾やヨーロッパなど、国内外からおよそ120人が集まり、10キロほどのコースをゆっくりと歩きながら、立ち止まって景色を眺めたり、写真を撮ったりして、思い思いに楽しんでいました。
富谷市の30代の女性は、「東松島のコースに行って、気仙沼市の唐桑も見てみたいと思って参加しました。とてもいい景観で来てよかったです」と話していました。
唐桑町観光協会の三上忠文会長は「1周年を迎えこれまでに多くの人に来てもらいました。大崎市にも新しいコースがオープンしたので、今後は連携を深めていきたい」と話していました。


閖上の朝市で「はらこめし祭り」
旬のサケとイクラを使った郷土料理の「はらこ飯」を無料でふるまう催しが名取市の閖上地区で行われ、多くの人でにぎわいました。
「はらこめし祭り」は、名取市閖上地区で行われている朝市の店主らが日ごろの感謝の気持ちを伝えようと、毎年この時期に実施しています。
店主らは地元で収穫された「ひとめぼれ」の新米を炊き、その上にあらやしょうゆなどと煮込んだ旬のサケやイクラをのせ、2000食分のはらこ飯を作りました。
そして29日午前6時ごろから、集まった人たちに無料で配り始めました。
会場では早朝にもかかわらず、親子連れなどが行列を作り、はらこ飯を受け取った人たちは旬の郷土料理を楽しんでいました。
岩沼市から訪れた30代の男性は、「とてもおいしいです。こうした催しなどを通してさらににぎわいのある町になっていってほしいと思います」と話していました。
はらこめし祭りは東日本大震災の影響で平成23年から5年間、開催できませんでしたが、平成28年から再開され、震災からの復興を目指す閖上地区で一大イベントとなっています。


角田で「ずんだまつり」
収穫したばかりの特産の枝豆やその加工品を販売する恒例の「ずんだまつり」が角田市で開かれました。
角田市は県内有数の大豆の産地で、10年以上前から50軒ほどの農家が甘みと香りが強い「秘伝豆」という枝豆の栽培に力を入れています。
道の駅かくだで開かれた「ずんだまつり」は取れたての枝豆のおいしさを多くの人に知ってもらおうと、枝豆の生産者などでつくる実行委員会が毎年、この時期に行っています。
会場では収穫したばかりの枝豆や枝豆をすりつぶして砂糖と塩で味付けした「ずんだ」を使った餅やおはぎなどが販売され多くの人が買い求めていました。
ことしは夏場の日照不足や低温の影響で枝豆の生育は1週間ほど遅れ収穫量も少なめでしたが、例年と変わらず甘みと香りの良いものができているということです。
仙台市から訪れた50代の女性は「角田の秘伝豆は実がプリプリで香りもとても良いので毎年買いに来ています。家に帰って今夜食べるのが楽しみです」と話していました。


関電会長らに多額金品 原発マネーの汚染を疑う
 関西電力の八木誠会長や岩根茂樹社長ら幹部20人が、高浜原発のある福井県高浜町の元助役(故人)から約3億2000万円相当もの金品を受け取っていた。社会的な儀礼の範囲をはるかに超える金額である。
 岩根社長は「一時的に保管した」「個人で管理していたことは不適切だった」と釈明した。だが、原発事業を推進する電力会社が、原発立地自治体の関係者から金品を受領していたこと自体、コンプライアンス(法令順守)意識の欠如は明らかだ。
 しかも、東日本大震災による東京電力福島第1原発事故で原発への信頼が揺らいだ後も金品の受領が長年、続いていた。非常識極まりない。
 金品提供者だった元助役には、関電が原発工事を発注した関連会社から資金が流れていた。国税当局の調べによれば、工事を請け負った建設会社から手数料名目で約3億円が支払われていたという。
 元助役が受け取った「手数料」が、結果として関電の電気料金に上乗せされていた格好だ。岩根社長は「還流があったという認識はない」と強弁するが、原発マネーの不透明な流れに疑念は深まるばかりである。
 全国の電力会社の中で関電は原発依存度が特に高い。一方、過疎化が進んでいた高浜町は原発に目を向けて誘致に走り、地元経済は原発事業に支えられてきた。
 元助役は地元の有力者だった。岩根社長は金品を拒めなかった理由を「お世話になっており、関係悪化を恐れた」と説明している。原発を巡る関電と自治体との持ちつ持たれつの癒着の構図を疑わざるを得ない。
 菅原一秀経済産業相は「原子力の立地地域の信頼にかかわる」と関電を非難した。「厳正に処する」という姿勢には、安倍政権の推進する原発再稼働路線が揺らぐことに対する危機感も垣間見える。
 今回、税務調査をきっかけに、原発利権にむらがる「原子力ムラ」の実態の一端が浮かび上がった。だが、資金の流れや具体的な金品授受などの詳細は明らかになっていない。
 関電は社内調査を昨年9月に終えながら、結果をすぐに発表しなかった。第三者委員会を設置して真相を究明し、ウミを出し切るときだ。さもなければ、原発事業への信頼回復はおぼつかない。


関電役員ら金品受領 原発の「闇」徹底解明を
 これが闇に隠れがちな「原発マネー」なのか。関西電力の役員らが、高浜原発の立地する福井県高浜町の元助役から巨額の金品を受け取っていた事実が明るみに出た。2011年から約7年間、20人が計3億2千万円相当の金品を受けた。
 原発の立地は都市部を避け、過疎地に建設されてきた。関連の工事が地元業者を潤し、自治体は交付金などの見返りを受ける―。元助役から関電側に流れた金品は、そうした原発マネーである疑いが出てきた。原発事業の信頼性を損なう、重大な問題である。
 誰がいつ、どんな金品を受け取ったのか。3月に亡くなった元助役の目的は何で、原発事業にどう影響したのか。関電は、社外有識者による第三者検証機関を設け、事実関係を徹底的に解明するべきである。
 元助役は在職時に関電との関係を深め、1987年の退任後も強い影響力を持っていたとされる。今回、地元の建設会社から原発関連工事の受注に絡む手数料として約3億円を受け取ったことが判明している。その建設会社は15〜18年に、少なくとも計25億円に上る、関電の工事を受注していた。
 金沢国税局の調べに対し、元助役は、関電の八木誠会長や岩根茂樹社長らに「お世話になっているから贈った」と答えていたという。岩根社長は「見返りになるような行為はなかった」と言うものの、誰が額面通りに受け取るだろう。会社法違反など、問うべき刑事責任がないかどうか、ただす必要がある。
 関電は八木会長と岩根社長以外、受け取った人間と金品の額を明らかにしていない。公益事業者として透明性を欠くと批判されても仕方あるまい。
 贈られた金品は、単純計算で1人当たり1600万円に及ぶ。関電側が説明した、役職の祝いや中元などの名目としては常識を超す巨額である。「元助役が厳しい態度で返却を拒むので、関係悪化を恐れた」と岩根社長は弁解した。むしろ両者の癒着を示すものだろう。
 会長と社長の2人は報酬減の処分を受けたが、辞任は否定している。これで決着としてはなるまい。
 原発の関連工事費は、利用者である市民が支払う電気料金から出ている。その一部が関電役員らに還流した疑惑であり、黒白をはっきりさせない限り、利用者は納得できまい。
 東京電力福島第1原発事故以降、関電は電力業界で存在感を示している。今年6月には岩根社長が、大手電力会社でつくる電気事業連合会会長に就き、原発再稼働を主導してきた。
 それだけに、原発事業へのダメージは大きい。今回の問題で地元自治体や住民は反発を強めており、再稼働を目指していた高浜1、2号機への悪影響は計り知れない。他の電力会社にとっても逆風となろう。
 元助役による付け届けは「何十年も前からやっていた」との証言もある。今回、税務調査の対象となった期間以前も繰り返されていたのではないか。
 原発マネーの「闇」を解明し、うみを出し切ることを関電はできるだろうか。経済産業省も積極的に、調査に関与するべきである。その上で厳正な処分をしなければ、国民の理解は得られない。


関電役員が金品受領 問われる経営責任 徹底調査せ
 原発を運営する電力会社と、立地する地元との「カネ」を巡る後ろ暗い関係が、東京電力福島第1原発事故後にも発覚したことに暗たんたる思いだ。原発事業への不信はいっそう深まったと言わざるを得ない。
 関西電力の八木誠会長ら役員を含む20人が、高浜原発が立地する福井県高浜町の元助役森山栄治氏から、多額の金品を受け取っていたことが発覚した。2011年からの約7年間で、計約3億2千万円相当に上る。
 昨年1月に着手した金沢国税局の税務調査で、原発工事を請け負う高浜町の建設会社から工事受注に絡む手数料として森山氏へ約3億円の資金が流れていたことが判明した。これらの資金の一部が関電役員らに還流した可能性がある。関電が建設業者に支払う工事費は電気料金を原資としており、経営責任が厳しく問われる事態だ。
 関電の会見での説明は全く不十分だった。自らも森山氏から「物品」を受け取った岩根茂樹社長は「常識の範囲を超える金品は受け取りを拒んだり、返却を試みたりしたが、強く拒絶されたため一時的に個人の管理下で保管していた」と釈明した。経営者が不透明な金品を受け取ること自体、著しく倫理観を欠くという自覚がみえない。
 関電は税務調査での指摘を受けて初めて社内調査し、返金や社内処分をしていたが、これまで公表していなかった。会見でも「不適切だが違法ではない。見返りとなる行為はなく、発注プロセスも適切」との理由で、調査結果をはじめ、20人の肩書や金額、処分の詳細などについても明らかにしなかった。到底納得できず、疑惑はより深まる結果となった。
 今回の関電の説明や税務調査は11年からの7年間を対象としているが、今年3月に死去した森山氏を知る高浜町の男性からは「金品提供は何十年も前からやっていた」との証言もある。第三者による徹底した調査が不可欠で、金品の受領と工事請負の関係などを解明する必要がある。11年以前にもさかのぼって調べるほか、関電が運営する高浜原発以外の原発立地自治体にも対象を広げることが肝要だ。
 森山氏は、高浜町で10年余り助役を務め、高浜原発3、4号機の誘致に取り組んだ。関電に顔が利き、退職後も影響力を持ち続けていたという。岩根社長は金品の受領に関して「原子力の運営に悪影響が出るのではと思った」などと繰り返した。関電などは「寄付金」の名目で、地元自治体に資金を提供してきた。逆に地元側が電力会社に金品を渡す例が発覚し、癒着構造の根深さが改めて露呈した。
 高浜原発は3、4号機に続き1、2号機が再稼働を目指している。ただ、今回の金品受領で地元住民らの間に不信が広がっており、国も厳しい姿勢で臨むとしている。関電は問題の真相解明なしには、再稼働や運転継続に理解は得られないと認識しておくべきだろう。


[関電幹部へ金品]経営の責任明確にせよ
 経営トップに渡った不透明な金品が示すのは、「原子力ムラ」の闇の深さである。
 関西電力の八木誠会長、岩根茂樹社長らが、高浜原発のある福井県高浜町の元助役から、多額の金品を受領していたことが分かった。
 関電の社内調査によると、2011年からの約7年間で20人が受け取った総額は計3億2千万円相当に上る。
 端緒は原発関連工事を請け負う地元の建設会社に対する国税局の税務調査だった。この会社から工事受注に絡む手数料として元助役へ約3億円の資金が流れ、さらに元助役が関電役員らに金品を送っていたことが判明した。
 記者会見で岩根社長は返却を試みるも「強く拒絶されたため一時的に個人の管理下で保管していた」と釈明した。そもそも受け取ること自体が「アウト」である。個人が出せる金額でないことは分かるはずなのに、苦しい言い訳にしか聞こえない。
 関電側は現時点で「儀礼の範囲内以外のものは返却した」とする。ただ税務調査後に返したケースもあり、調査がなければ受け取ったままになっていたものもあったのではないか。
 岩根社長は自身と会長が報酬減の処分を受けたと明らかにした。だが、その他の受領者の肩書や金額、処分の詳細については語らず、報道されるまで約1年、社内調査の結果も公表していなかった。
 説明も足りず、対応も不誠実である。「言語道断」(菅原一秀経済産業相)との批判はその通りだ。
    ■    ■
 それにしても不可解なことが多すぎる。
 元となる資金はどこから出たのか。建設会社ではなく元助役から金品が渡ったのはなぜなのか。原発事業にはどう影響したのか。
 町の顔役として影響力を持っていた元助役は、原発推進の「最大の功労者」とされる人物だった。税務調査に対し「関電にはお世話になっている」と説明したという。
 当該建設会社は、関電の原発関連工事が業務の多くを占め、15〜18年に高浜原発や大飯原発の関連工事を少なくとも25億円受注していた。原発工事により売上高を急増させていたのだ。
 経産省は電気事業法に基づき類似事案の有無について関電に報告を命じた。どういう趣旨の資金だったのかを調査するには、第三者の立場で問題に切り込む必要がある。社外の有識者による委員会を設置し、過去にさかのぼって調査し、事実を徹底解明するよう求めたい。
    ■    ■
 結果的に利用者が支払った電気料金を原資とする工事費が「還流」していた構図である。
 関電は八木会長が社長時代に2度にわたる電気料金の値上げを実施。利用者に負担を強いたこの時期に役員らは金品を受領していた。
 「3・11」以降、電力会社への不信は強まっている。今度は不祥事で企業体質に批判の目が向けられている。
 重大な問題であり会社法に抵触する可能性もある。トップの進退を含め、経営責任を明らかにすべきだ。


ゲノム食品  許されない「見切り発車」
 消費者の不安や懸念を置き去りにし、これでは「見切り発車」といわざるを得ない。
 狙った遺伝子を破壊して特定の機能を失わせたゲノム編集食品の流通や販売が、あさって10月1日から解禁される。血圧を抑える成分が多いトマトや芽に毒のないジャガイモ、肉厚なマダイなどの開発が進んでおり、早ければ年内にも食卓に並びそうだ。
 政府はゲノム編集技術で品種改良した食品の販売に向け、届け出制度を導入するが、特定の遺伝子を壊す手法なら安全性審査は不要だ。ゲノム編集食品であるとの表示も義務付けない。
 ゲノム編集は生物の遺伝子を改変する技術の一種だ。簡便な手法の開発に伴い、従来の遺伝子組み換え技術より効率よく高い精度で遺伝子を書き換えることができ、医療や農林水産分野での応用が期待されている。
 その技術を使った食品開発は昨年6月に政府が決定した「統合イノベーション戦略」に盛り込まれ、議論が加速。厚生労働省や消費者庁などが安全性や流通ルールの検討を急いでいた。
 厚労省によると、遺伝子組み換え食品と同様、遺伝子を外から組み込む場合は厳格な安全性審査を求める一方、遺伝子を切り取って機能を失わせるだけなら規制の対象外とする。ゲノム編集食品の大半が届け出だけで販売が認められるという。
 精度が高いゲノム編集ならば想定外の変化や異常は起きにくく、安全面は従来の品種改良と同程度のリスクというのが、その理由だ。だが新技術ゆえに未知の部分も多い。予期せぬ変異は生じないと断言できまい。
 ゲノム編集の方法や新たなアレルギー原因物質の有無などを届け出る必要があるものの、違反しても罰則はなく実効性に疑問符が付く。ゲノム編集食品の開発・流通を促進させるためとはいえ、拙速過ぎないか。
 消費者はどう受け止めているのか。厚労省の意見公募に約700件が寄せられ、大半が「長期的な検証をしてから導入すべきだ」といった懸念だった。
 消費者庁の姿勢も疑問だ。流通・販売の解禁に際し、検査が難しいことなどを理由にゲノム編集食品であるとの表示を義務付けない方針を決めた。
 表示がなければゲノム編集食品かどうか分からず、消費者は知らないうちに口にする恐れがある。不満が出るのは必至だろう。消費者目線で対応すべき官庁として存在意義が問われる。
 ゲノム編集によって有用な品種改良が短期間で可能になる。消費者にも利点は多い。しかし食の安全・安心へのこだわりは根強い。欧州連合(EU)でも昨年、ゲノム編集食品も規制の対象にすべきとの司法判断が下された。
 不安を解消しないまま、ゲノム編集食品の流通が既成事実となる事態は避けたい。少なくともゲノム編集を施したとの明示は欠かせない。情報を正しく消費者に知らせ、安全で安心な食品を「選ぶ権利」を確保することが重要である。
 拙速に解禁しても消費者に受け入れられない。遠回りであっても法整備やルール作りを通じ、新しい技術への理解を深めることこそ早道といえよう。


あすへのとびら 大学入試改革の混迷 見切り発車を止めねば
 文部科学省が主導する大学入試の改革は、現行のセンター試験に代わる共通テストの実施が近づくに連れて混迷の度を増している。期限ありきで急ごしらえした制度の不備はあらわだ。このまま突き進んでいいとは思えない。
 英語への民間試験の導入は延期し、制度の見直しを―。全国高校長協会は今月、文科省に要望書を出した。国公私立およそ5200校が加わる組織が正面から異議を申し立てる異例の事態である。
 共通テストは、現在の高校2年生が受験する2021年1月が初回となる予定だ。英語の民間試験はそれに先だって、来年4月から12月の間に受験する。
 実際に受験が始まるまであと半年ほどしかない。にもかかわらず、英検など7種類の民間試験は日程や会場の全容がいまだに明らかになっていない。準備の遅れを隠しようもない状況だ。
 高校長協会は、不安の早期解消を文科省に申し入れていたが、夏休み明けの時期になっても改善が見られないとして、もう一段踏み込んだ。全国470校へのアンケートでは、延期すべきだとの回答が7割近くを占めたという。
 英語だけではない。国語に記述式の問題を取り入れることについても大学や高校の現場に異論は強い。一つは採点への懸念だ。
<公正さを欠く恐れ>
 共通テストはおよそ50万人が受験する。採点は短期間で終えなければならず、1万人ほどの態勢が必要になるという。採点する人が多いほどぶれが生じ、入試としての公正さを欠く恐れがある。
 極力それを抑えようとすれば、解答にあらかじめ条件を設け、採点も機械的に行うほかない。実際、昨年の試行テストでは、資料にある例に当てはめて書くよう指示し、文の書き出しや結び方まで指定する問題が出た。
 これでは、記述式の目的である思考力や表現力を測れるのか疑問だ。複数の資料や文章から必要な言葉を抜き出し、設定された条件に沿って文を組み立てるのなら、表現力を見る余地は少ない。問われるのは思考力というより情報処理力だという指摘がある。
 学校で数百人が受ける定期試験などと50万人規模の試験では、問いの立て方や採点の仕方が全く違ってしまう―。元高校教諭で日本大教授の紅野(こうの)謙介さんは著書で述べている。記述式でありさえすれば思考力や表現力を問えるわけではない。共通テストに導入する意味は見いだしにくい。
 採点は民間の業者に委託することになった。大量の人員を確保するには、学生らのアルバイトに頼らざるを得ないとも言われる。どこまで採点の正確さを期せるか、不正を防げるのかも心配だ。
 記述式の問題は各大学が個別の2次試験で課すのが本来だろう。人数が限られれば、解答を丁寧に読んで評価できる。採点のぶれが生じる恐れも少ない。
 そもそも入試の改革は、各大学の個別試験を含めて考えるべきものだ。ところが、主体であるはずの大学は後ろに押しやられ、政府が前面に立って共通テストの導入は推し進められてきた。
 安倍首相直属の教育再生実行会議が、高校、大学の教育とそれをつなぐ大学入試の一体的な改革を提言したのは2013年。「知識偏重、1点刻み」の入試からの脱却を掲げ、複数回受けられる新たな試験制度の案を示した。
<しわ寄せは受験生に>
 その後、中教審や文科省の有識者会議での議論を経て、共通テストの導入が決まる。複数回受験といった大幅な制度変更を当面見送る一方、記述式問題と英語の民間試験を目玉に据えた。
 21年を初年とした根拠や経緯ははっきりしない。また、センター試験をなぜ変える必要があるのか、具体的に検証されたとは言いがたい。大学や高校での議論の積み上げがあったわけでもない。
 英語の民間試験は、公平な受験機会や入試の公正さを確保できるか、危ぶむ声が当初から出ていた。とりわけ、住む地域や家庭の経済力によって有利不利が生じることは見過ごせない。その解消さえおぼつかないまま、既定方針として導入を無理押しする文科省の姿勢は誠実さを欠く。
 民間業者が参入する余地を広げたことで利権の構図が生まれ、入試制度の土台をゆがめないかも気がかりだ。同じグループ傘下の事業者が、記述式の採点を請け負い、模擬試験も手がける。さらには英語の民間試験を運営し、その対策本も出していると聞けば、釈然としない気持ちになる。
 しわ寄せを受けるのは受験生だ。教育の独立や学校現場の自主性も損なわれる。いったい誰のため、何のための入試改革なのか。根本から問い直す必要がある。見切り発車をさせてはならない。まだ止めることは可能だ。


【補助金不交付】あしき前例を認めるのか
 これではテロ予告や脅迫めいた抗議で「表現の自由」を妨げた行為を政府が追認したことにならないか。
 文化庁が、企画展示の一つ「表現の不自由展・その後」が中止になった愛知県の国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」に内定していた補助金約7800万円を交付しないと発表した。
 不自由展は8月1日に開幕した。従軍慰安婦をモチーフとした少女像などの展示に対し、抗議や批判が殺到。主催者が「安全な運営が危ぶまれる」と判断し、わずか3日で中止に追い込まれた。
 文化庁は、円滑な運営を脅かす事態を予想していたにもかかわらず国に申告しなかったとし、手続きの不備を不交付の理由にしている。愛知県が補助金を申請した際に十分な情報が得られず、適切な審査ができなかったという説明だ。
 萩生田文部科学相は少女像の展示は判断に影響していないとし、「検閲には当たらない」と強調する。ただ、いったん内定した補助金の不交付は異例であり、萩生田氏の発言は額面通りには受け取れない。
 日韓関係の悪化も背景に、少女像などの展示には保守系議員も批判的な声を上げていた。菅官房長官も中止前の段階で、補助金交付を慎重に判断すると表明。芸術家や憲法学者らから表現の自由への介入だと批判された経緯があるためだ。
 専門家から「内容次第で補助金交付が取りやめられるのであれば、展示が萎縮しかねない」と、表現に対する政治の「選別」を疑う声が出るのも当然だろう。
 不自由展には開幕からの1カ月で県庁などに届いた抗議が1万件を超えたという。もちろん展示への意見や反論も自由ではある。
 しかし、京都市の放火殺人事件を連想させる放火予告や、保育園などへの危害を予告するといった内容はもはや抗議の域を超えている。「暴力」で他人の表現の自由を奪うことがあってはならない。
 今回の措置は、脅しによって気に入らない展示を中止に追い込んだ「あしき前例」に政府が加担することにもならないだろうか。
 芸術家や市民、自治体に与える萎縮作用も深刻になろう。こうした前例ができれば政治的テーマが焦点となった場合、自治体が安全確保や業務への支障を理由に、当然のように施設使用や作品展示を認めないケースが広がることが考えられる。
 愛知県の大村秀章知事は検証委員会の中間報告を受け、不自由展の再開を目指すとしている。
 検証委が示した条件は、脅迫や攻撃リスクの回避、展示方法や解説の改善などハードルは高い。だが、あしき前例をそのままにしないためにも10月14日の会期末までに万全の対策で再開を実現してほしい。
 大村氏は補助金不交付に対し裁判で争う意向も示している。本来、人権や自由を擁護するのは政府や行政の責務のはずだ。政府は今回の判断を丁寧に説明する責任がある。


「桜を見る会」予算、開き直り? 本年度の3倍超、5700万円
 内閣府は二〇二〇年度予算の概算要求に、首相が各界の著名人らを招き東京・新宿御苑で四月に開いている「桜を見る会」の関連経費として、本年度予算の三倍超の五千七百二十九万円を盛り込んだ。安倍政権下で参加者が増え、費用が膨らむ一方の実態に予算を合わせる判断には、野党から「開き直りだ」と批判の声が上がっている。
 内閣府の担当者は本紙の取材に「来年度の開催方針は未定だが、国会の議論を受け、過去の実態に合わせた予算を計上した」と答えた。招待者数は一万四千人、同伴者を含む参加者は一万六千人と想定した。
 共産党の宮本徹氏が今年五月、支出が予算の三倍であることを衆院決算行政監視委員会で取り上げた。
 会の予算は一四年度以降、千七百六十七万円に固定されていた。一方で支出は一四年度の三千五万円から年々増加。本年度は五千五百十九万円だった。不足分は内閣府の別の予算で賄っている。例年、招待者数の目安を一万人としているのに対し、今年は一万五千四百人を招待し、一万八千二百人が参加した。
 宮本氏が今月二十一日にツイッターで概算要求を取り上げたところ、リツイート(転載)は一万件を超えた。宮本氏は本紙の取材に「目安の一万人を超え、政府が政権浮揚のために大手を振って、芸能人や政権に近い人を招待している」と憤った。
 立憲民主党の初鹿明博氏も五月の衆院内閣委員会で問題を追及。参加者一人当たりの単価が七年間で一・四倍になったと指摘した。今回の概算要求には「規模の縮小を考えていくべきなのに、開き直りすぎだ」と批判した。 (北條香子)

朝練で弱い?/Gdrive整理/塩シャケ美味しい/夜生徒活躍

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Jacques Chirac, ≪ le président qui aimait le Japon ≫
Un passionné de la culture nippone, c'est l'image de l'ex-président français au Japon. À tel point que des rumeurs sur son compte ont longtemps couru dans le pays.
Par Louis Morin à Tokyo
Pour les Japonais, une périphrase suffit pour désigner Jacques Chirac : ≪ le président français qui aimait le Japon ≫. Il est celui des dirigeants français qui a le plus visité l'archipel, entre 40 et 50 fois, selon les sources. Beaucoup, en apprenant son décès, ont évoqué sur les réseaux sociaux l'image qu'ils retiennent de l'ex-président : une photo avec des sumotoris (lutteurs de sumo), son large sourire, sa carrure... Un peu moqueurs, certains s'amusent de son pantalon de costume montant très haut sur son ventre.
Le grand Jacques, fan de sumo et fin connaisseur de l'histoire et des arts japonais (du façonnage des sabres à la cérémonie du thé), s'est, aux yeux des Japonais, grandement distingué de ses prédécesseurs ou successeurs. De Gaulle riait, lui, des ≪ marchands de transistors ≫ quand Sarkozy se moquait des ≪ combats d'obèses aux chignons gominés ≫. L'ère Mitterrand a été marquée par la gaffe de sa Première ministre Édith Cresson comparant les Japonais à des ≪ fourmis ≫. Rien à voir avec ≪ Shiraku daitoryo ≫ (président Chirac), qui, lui, a séduit plusieurs générations de Japonais. Les fans de sumo, bien sûr, si heureux de voir un dirigeant étranger se passionner par ce sport d'essence quasi divine. Les diplomates passés par Tokyo s'en souviennent, il fallait qu'ils se tiennent au courant des dernières nouvelles afin de répondre aux questions présidentielles lors des périodes de tournois.
Mais Jaques Chirac a aussi fait forte impression auprès des historiens, écrivains, journalistes ou artistes japonais, parfois devenus francophiles grâce à lui, en retour de l'intérêt que le maire de Paris (une ville adorée) puis président a porté à la culture japonaise.
Un conteur de rakugo (forme de spectacle humoristique en solo) a même révélé pour la première fois jeudi qu'il tirait son pseudonyme du patronyme de celui qui était alors maire de Paris. C'était il y a 35 ans. ≪ Mon maître d'alors m'a dit : Il faut te trouver un nom. Je rentre tout juste de France et, là-bas, il y a un politicien très intelligent, le maire de Paris, Chirac. Il deviendra président, c'est certain. On va tirer ton nom du sien. Comme ça, si tu échoues à devenir célèbre au Japon, tu le seras en France. ≫ Et, depuis, cette vedette du rakugo et de la télévision s'appelle Shiraku Tatekawa.
La rumeur d'une maîtresse japonaise

Pour beaucoup, sans Chirac, la culture nippone n'aurait pas connu le même succès en France. C'est peut-être un peu refaire l'histoire, mais il est vrai qu'au temps de Giscard et de Mitterrand les dessins animés nippons n'avaient pas bonne presse. Le début du vrai boom des mangas en France, qui continue aujourd'hui, date des années Chirac. D'aucuns assurent que la diffusion de tournois de sumo sur des chaînes sportives est aussi l'œuvre de Chirac. ≪ C'est lui qui a redonné un élan à l'intérêt mutuel entre les deux cultures ≫, témoigne sur son blog l'universitaire Yuta Segawa. C'est, comme le rappelle le Premier ministre Abe, sous Chirac qu'est inaugurée, en 1997, la Maison de la culture du Japon, quai Branly à Paris, même si c'est sous Mitterrand que le projet est né.
Chirac au Japon, c'est enfin une série de rumeurs que les plus anciens gardent en mémoire et qui ont traversé la presse à scandale. On lui a prêté une maîtresse japonaise (ce qui expliquerait aussi ses fréquents séjours au Japon) et même un enfant caché. Il y eut aussi un temps ces informations, démenties, sur un compte en banque à Tokyo alimenté pendant des années de l'extérieur.
Tous ces on-dit ≫ ont toutefois fini par se dissiper au fil des années, et c'est l'image du Français cultivé, sympathique et bon vivant qui restera.
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フランス語の勉強?
NNNドキュメント 3・11大震災シリーズ(89)アリの叫び〜原発事故避難者たちの選択〜
東京電力福島第一原発事故から8年半。山形県にはいまも被ばくから子供を守りたいという母子避難など約1600人が避難している。避難者は、おととし春の住宅無償提供打ち切りで、避難を続けるか、福島に帰るか選択に迫られた。家賃の支払いをめぐり被告となる人たちも出ている。それぞれの事情を抱えながら、「現実」を受容し前に進むその姿を追う。 玉川砂記子 山形放送
gero - NO MORE ABE
‏ @garirouノーベル賞経済学者が直言「高収入の人が税金を払えば解決」
ポイントは、分配のための富はすでにあるということです。税金を集めて、国民にまともな生活水準を保証するために使えばいい。実際には、この問題は経済的なものではなく、政治的なものだと言えるでしょう。

たけたけ @taketake1w
#金平茂紀 キャスター
「関西電力の歴代トップが原発立地先から3億2千万円の金品を受け取っていました。『一時的に保管していた』と釈明しましたが、それで済むなら泥棒も皆『一時的に保管していた』と言うでしょう
ふざけるなと申し上げておきます」
#報道特集


朝練で弱い?という苦情がでました.と言われても・・・という感じなのですが.
Gdriveを整理です.PCの容量がないという状況なので不要なファイルを削除.ゴミ箱のファイルを削除なのですが時間がかかります.数時間かかって10GB程度空きました.
晩ご飯の塩シャケは美味しいです.ムニエルではないけど.
夜は生徒活躍です.

津波被害から再生へ区画整理完了
震災の津波で大きな被害を受けた気仙沼市中心部の鹿折地区で土地のかさ上げなどの整備が完了し、28日、記念の式典が行われました。
気仙沼市の鹿折地区は震災の津波で200人以上が犠牲となり、大半の住宅が流されるなど壊滅的な被害を受けました。
地区の再生を目指す気仙沼市は、42ヘクタールの土地で、国の補助金などおよそ250億円をかけてかさ上げや道路の工事などを行い、このほど整備が完了しました。
28日は、最後に整備された東みなと町公園で記念式典が行われ、市の職員や地元住民など、関係者200人が集まりました。
式典では、震災の犠牲者に黙とうをささげたあと、気仙沼市の菅原茂市長らが公園の除幕を行いました。
また、地元の住民が地域に伝わる伝統の太鼓を演奏し、完成を祝いました。
気仙沼市は、震災で被害を受けた4つの地区で、区画整理の事業を進めていて、初めて完成したのが鹿折地区になります。
鹿折まちづくり協議会の熊谷英明会長は「まちづくりの新たな一歩が踏み出せました。これから住民がいきいきと暮らせるためにどうすればいいか、みんなで考えていきたい」と話していました。
気仙沼市では、南部の松崎片浜地区などほかの3つの地区でも、来年度末までの整備完了を目指しています。


津波防災 地元の技結集 気仙沼・鉄工業者ら 自立式防潮堤1号完成
 気仙沼市が建設を進める防潮堤の陸こう(出入り口)に今夏、気仙沼鉄工機械協同組合加盟企業が手掛けた自立式防潮堤「フラップゲート」の第1号が完成した。「命を守りたい」。消防団員らが犠牲になった東日本大震災の悲劇を繰り返さないよう、地元企業が造船などで培った技術を結集させた。市は18漁港で整備中の防潮堤に計32基を導入する。
 建造は日立造船(大阪市)とライセンス契約を結んだ北斗と、藤田鉄工所、小野寺鉄工所の地元3社が中心となった。北斗の斎藤昭敏取締役工場長(57)は「高い技術力が要求されたが、津波で被災した地元にいいものを残したいという思いが原動力になっている」と明かす。
 大島にある駒形防潮堤の2カ所(通行幅4メートル)で据え付け作業を終えた。ステンレス製のゲートは高さ4.2メートル、幅4.6メートル。津波が押し寄せると寝かせた状態の扉が浮力によって立ち上がり、浸水を防ぐ。停電時も手動操作する必要がない。
 震災では、防潮堤の門扉を閉めようとした消防団員らが多数、津波に巻き込まれた。遠隔操作できるゲートも普及しているが、早く閉めると漁師らの避難を妨げる恐れがあるほか、市の試算で年5000万円程度となる維持費もネックとなっていた。
 市は維持費が安いフラップゲートに着目。「造船などで培った技術を生かしてほしい」と鉄工組合に働き掛けた。他の被災地でも同種ゲートを導入しているが、地元企業が連携して完成させるケースは珍しい。市は「地元企業が手掛ければメンテナンスにも安心感がある」と期待する。
 3社は国内初のトンネル状の陸こう用のゲートも建造中。日立造船の工場に何度も足を運びながら研究や実験を重ね、近く完成する見込みだ。
 鉄工組合の理事長を務める北斗の武田孝志社長(76)は震災で妻とき子さん=当時(63)=を失った。武田社長は「津波からは命を守ることが何より大事になる。地元企業が力を合わせて技術を磨き、信頼性の高いフラップゲートを造っていきたい」と話す。


生サンマ間に合った!! 気仙沼であす海の市まつり 無料で1000匹炭火焼き
 宮城県気仙沼市魚市場前の「海の市」で29日にある「海の市サンマまつり」で、生サンマの炭火焼きが無料で提供できることになった。今季は極度の不漁で、海の市を運営する「気仙沼産業センター」は冷凍サンマを準備していたが、27日に気仙沼漁港に待望のサンマ船が入港。土壇場で生サンマを確保できた。
 気仙沼市魚市場の2018年の水揚げ量は1万7281トンで全国3位。ただ、今季は26日までの水揚げが27トンと前年同時期(1854トン)から激減していたため、センターは生サンマの提供をほぼ諦めていた。
 今年は不漁の影響で、大船渡市や宮古市など各地のサンマ祭りは、いずれも冷凍サンマが出されている。
 産業センターは14年の祭り開始以来、生サンマの提供を重視し、不漁だった17年には祭りを中止にした経緯がある。今年は常連客らからの強い開催要望を受け、冷凍サンマの提供もやむなしと判断していた。
 だが27日朝になって、気仙沼魚港に今季最多の21トンが水揚げされた。サンマ船が入港するのは今月13日以来、3回目。
 産業センターの斎藤育夫事業統括部長(48)は「ぎりぎりで間に合った。例年より開催時期を遅らせたのも奏功した。今年は生サンマを食べていない人も多いはずだ。旬の味を堪能しに来てほしい」と話した。
 無料の振る舞いは午前9時半スタート。1000匹が用意され、大分県産のカボスが付く。連絡先は産業センター0226(24)5755。


台風被害に特例支援 恒久的な新制度の構築を
 政府は、首都圏を直撃した台風15号により千葉県内で発生した住宅被害の約9割を占める「一部損壊」について、住宅の修理費を国費で支援すると発表した。
 災害で壊れた住宅の再建を支援する国の制度はいずれも半壊以上が対象で、今回は特例となる。被害の多い瓦屋根について、県内の自治体が修理費の2割程度を目安に支給する補助金の大半を国が負担する。
 一部損壊住宅は県全体で1万8000棟を超える。国の支援が自治体の財政を助け、住民の暮らしの早期再建につながることを期待したい。
 一方で、この措置が他の災害被災地に不公平感を抱かせないかという懸念もある。
 近年の大規模災害を振り返ると、3年前の熊本地震では熊本県内で住宅被害の約8割の15万棟以上、昨年の北海道地震では約9割の2万2000棟以上が一部損壊したが、国費による支援の対象外だった。
 今回、政府の初動の遅れが指摘されており、特例措置からは批判をかわす思惑も浮かぶ。時の政権の都合で支援が決まったのでは、国の災害対応の一貫性が問われる。
 大規模災害に適用される被災者生活再建支援法は、阪神大震災を受けて1998年に成立した。私有財産への公費投入は認められないとして、当初は住宅の建て替えには充てることができなかったが、2007年の改正で認められた。
 だが、支給対象は原則として全壊か、大規模な補修をしないと住めない半壊に限られている。国の支援に制約があるのは、私有財産である住宅への補助に対して国に根強い抵抗感があることに加え、財源の問題があるからだ。
 ただ、一部損壊でも修理費が100万円を超える例は珍しくない。過去の災害では、独自の制度で一部損壊について支援した自治体も各地にある。住む自治体によって支援に差ができることに疑問の声もある。
 住民の暮らしの基盤である住宅の再建が進まなければ、地域社会全体の復興にブレーキがかかる。そうならないためには、やはり国として、支援の対象などを広げる恒久的な制度づくりを進めるべきではないか。
 大災害にそのつど特例で対応するのは限界がある。


日米貿易協定/目立つ譲歩 国民に説明を
 痛み分けと言うよりも、相手の立場をおもんばかって譲歩したと見られても仕方ないのではないか。
 日本と米国の貿易協定締結交渉が決着し、安倍晋三首相とトランプ大統領が合意文書に署名した。
 米国産農産物の関税が撤廃、削減される一方で、日本車本体と自動車部品にかかる関税はそのままとなり、関税撤廃を求めていた日本側の要求は見送られた。
 トランプ氏がちらつかせていた自動車への追加関税と数量規制については、発動しないことが確認された。日本政府は、最も恐れていたシナリオが回避されたとして、この点を交渉の成果に挙げる。
 車の数量規制などは、米国の保護主義的な姿勢を背景に、トランプ氏が高めのボールを投げてきたのであって、自由貿易を進める観点からは認められるものではない。
 日本は引きずられてストライクゾーンを合わせたように映る。近く始まる臨時国会で野党の追及は必至だろう。「ウィンウィンの合意」と言うならば、交渉の経緯について国民への説明を求めたい。
 合意によると、米国の農産物72億ドル(7800億円)分の関税を撤廃、削減する。牛肉と豚肉、小麦、乳製品の一部、ワインについては環太平洋連携協定(TPP)と同水準に引き下げる。
 農業関連では、米国産のコメ輸入増につながる無関税枠を設けないことで一致した。日本の農家への影響は遠のいたと言うが、そもそも米国の生産団体がどこまで熱心に売り込もうとしているのか、疑問符が付く。
 農業で有利な条件を得たのは、コメなどにほぼ限定される。TPP参加の11カ国に加え、米国の攻勢を受ける国内農家への支援策は待ったなしとなろう。
 焦点の一つが自動車だった。TPP合意では、車本体の関税率(2.5%)を25年かけてゼロにし、部品の8割は即時撤廃するとしていた。
 これを基に理解を求めたが受け入れられず、継続協議とされた。外国車と競争する自動車業界と製造業には厳しい結末となった。
 トランプ政権発足以来、メキシコとカナダとの北米自由貿易協定(NAFTA)の見直しで為替条項をのませたり、韓国に鉄鋼の輸出量制限を受け入れさせたりと、強引な戦術を見せつけてきた。
 日本は追加関税と数量規制の回避を優先して防戦に回りつつ、来年の大統領選に向けて結果を出したいトランプ氏に配慮した点は否めないだろう。
 余り気味の米国産トウモロコシを畜産飼料として購入することも決まっている。
 歩み寄ったからといって、再び追加関税などを求めてこないとは限らない。むしろ両国首脳の関係が良好なればこそ、もっと粘ったらよかったのではないか。


河北春秋
 兼好法師の生き方は『徒然草』の有名な言葉に凝縮されている。「初心の人、二つの矢を持つことなかれ」。初心者は2本の矢を持つと、最初の矢をおろそかにする。仏の道に励むには一瞬も油断してはいけないことの例えである▼かと思えば、兼好の和歌の中には「出家しても期待通りの幸福が得られない」と嘆く歌もある。国文学者の三村晃功さんは『徒然草』は建前、和歌が本音とみる▼こちらも建前と本音があるのか。元慰安婦を象徴した少女像などの展示が中止になった国際芸術祭あいちトリエンナーレに文化庁が補助金を交付しないと発表した。建前は手続きの不備。だが本音は内容に問題があると判断した。そう疑う声が多い▼展示はテロ予告など抗議が殺到して中止。菅義偉官房長官が補助金見直しを示唆していた。補助金不交付決定に文化芸術関係者は憲法が禁止する検閲だとして猛反発。「表現活動が萎縮する」「卑劣な行為の追認だ」と批判を強める▼兼好は『徒然草』で「うわさと実際に見るのとでは違う」と述べた。展示に抗議を寄せたのは作品を見ていない人がほとんどだった。歴史と同様、作品も実際に向き合わなければ本当の姿が見えにくい。自分の意に沿わないからと言って、公権力が見る機会を奪っていいのだろうか。

芸術祭補助金 不交付は表現への圧力
 文化庁が、開催中の国際芸術祭「あいちトリエンナーレ」に対し、約7800万円の補助金全額の不交付を決めた。
 問題視したのは企画「表現の不自由展・その後」だ。元従軍慰安婦を象徴する少女像などに抗議が殺到し、中止に追い込まれた。
 文化庁は「申告すべき事実を申告しなかったという手続き上の理由」との説明に終始した。
 しかし、芸術祭の数ある企画のうち、一つの企画を理由に全額不交付とするのはあまりに乱暴だ。
 いったん補助事業に採択しながら開幕後に不交付にするのは極めて異例であり、事後的な「検閲」とみられても仕方がない。
 文化芸術活動の萎縮を懸念する声が上がるのは当然だ。文化庁は丁寧に説明を尽くす必要がある。
 不交付は補助金適正化法に基づいて決定された。文化庁は、芸術祭側が円滑な運営を脅かされる事態を予想しながら、申請時に申告しなかったことを重視した。
 事業の実現可能性などを十分審査できず、現に申請通りの展示が行われていないというわけだ。
 だが、展示を妨害したのは、意に沿わぬ表現を不当な攻撃によって排除しようとした人々だ。
 河村たかし名古屋市長が、少女像を巡って実行委会長の大村秀章愛知県知事に中止を要求し、批判を浴びるなど、政治家の言動もこれを助長する格好になった。
 その揚げ句の不交付である。結果として、事態を政府が容認したと内外に示したに等しい。
 しかも決定前日、県の設置した検証委員会が中間報告を公表し、リスク回避や展示方法の改善などの条件を整え、速やかに再開するよう提言したばかりだった。
 文化庁の決定は、再開阻止を狙った疑いが消えない。
 中間報告は、このまま閉会すれば「悪(あ)しき前例や自主規制を誘発する」とも強調した。
 展示再開を目指す大村知事は、不交付の決定は「表現の自由」の侵害に当たるとして文科省を提訴する考えを示している。
 文化事業は独立採算が難しく、各種の助成に頼らざるを得ない。攻撃による混乱を理由に補助金を不交付とする例を示したことは、企画段階での萎縮を招こう。
 それは、実質的な展示内容への介入にほかならない。
 「文化芸術立国」を目指して一昨年に改正された文化芸術基本法は、前文に「表現の自由の重要性」が初めて盛り込まれた。文化庁は、法の理念に立ち返るべきだ。


表現の不自由展/政治的な補助金の不交付
 愛知県の国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」に対し、文化庁が補助金約7800万円を交付しないと発表した。いったん内定した判断を取り消す、異例の対応である。
 元従軍慰安婦を象徴する少女像などを展示した関連の企画展「表現の不自由展・その後」は脅迫や抗議が殺到し、わずか3日で中止になった。ただ、芸術祭は国内外のアーティスト約80組が参加し、10月14日までの日程で開催されている。
 物議を醸した「不自由展」の予算は420万円で、芸術祭全体の0・3%にすぎない。文化庁は事業継続性など必要な情報が申告されていなかった「手続きの不備」を理由とするが、それなら指摘すれば済むことだ。
 補助金を全て取り消す措置は行き過ぎというしかない。
 「不自由展」では少女像のほかに、昭和天皇の肖像を含む映像作品などが展示されていた。過去の美術展などで非公開とされた作品を通して、憲法21条が保障する「表現の自由」の現状を考える狙いがあった。
 だが関係者は展示中止を求める電話などの対応に追われた。「ガソリン携行缶を持って行く」という脅迫ファクスを送り付けた男が逮捕、起訴されるなど、抗議行動が過激化する中で、展示は中止に追い込まれた。
 問題を複雑にした責任は、河村たかし名古屋市長ら「少女像の撤去」などを求めた政治家らの言動にもある。
 菅義偉官房長官も「補助金の交付決定では事実関係を確認、精査した上で適切に対応したい」と、内定の見直しに含みを持たせる発言をしていた。
 文化庁が政治家や閣僚らの意向に沿って判断したとすれば、表現の自由に介入する「あしき前例」を重ねたことになる。
 萩生田光一文部科学相は、「不自由展」の内容は補助金の不交付決定に影響していないと釈明する。しかし大村秀章・愛知県知事は「憲法の重大な侵害」として裁判で争う構えだ。
 大村知事は条件を整えて「不自由展」を再開する考えも示している。文化庁も「文化芸術立国」を掲げるのであれば、強権的な対応でなく、国際的な芸術祭をいかに守るか、一緒になって知恵を絞るべきだろう。


補助金の不交付 明らかな権力の検閲だ
 「表現の不自由展・その後」が中止された「あいちトリエンナーレ2019」を巡り、文化庁は補助金の不交付を決めた。手続きを理由としているが、明らかな権力による検閲だ。撤回を求める。
 文化庁は二十六日、交付が内定していたトリエンナーレへの補助金約七千八百万円を交付しないと発表した。実行委員会の中心で、補助金を申請した愛知県に対して「芸術祭の円滑な運営を脅かす事態を予想していたにもかかわらず、文化庁の問い合わせまで申告しなかった」と説明している。
 変な理屈だ。芸術展は基本的に「性善説」の上に成り立つ。展示作や観覧者を脅かす悪意を前提としては開けない。不自由展の再開が検討される中で、手続きを口実に狙い撃ちにしたかのようだ。
 萩生田光一文部科学相は「検閲には当たらない」と言う。しかし「退廃芸術」を排除しようとしたナチス・ドイツを持ち出すまでもなく、政治が芸術に介入するのは危険極まる。政策の基本的な計画で「文化芸術の『多様な価値』を活(い)かして、未来をつくる」とうたう文化庁が、多様な価値観を持つ芸術家の表現活動を圧迫し、萎縮させる結果になるのではないか。
 大村秀章知事は「憲法が保障する表現の自由に対する重大な侵害だ」と強く批判し、裁判で争う意向を示した。補助金カットに伴う県財政や県民の負担を考えれば、もっともな対応といえよう。
 不自由展は、元慰安婦の象徴とされる少女像や、昭和天皇の肖像を用いた版画を燃やす作品などを展示。激しい抗議が寄せられた。「ガソリンの携行缶を持ってお邪魔する」という脅迫文さえ届き、わずか三日で中止となった。
 実行委を構成する名古屋市の河村たかし市長は「日本国民の心を傷つけた」と述べた。だが自由な民主国家である日本の名誉を傷つけ、社会と国民を圧迫するのは、むしろこうした行為ではないか。政治家や官僚は意に沿わない芸術家や作品に目を光らせるより、暴力や圧力でものごとを動かそうとする風潮こそ戒めるべきだ。
 少女像などに不快な感情を持つ人がいるのは無理もない。だが仮に像を撤去したとしても、慰安婦を巡るこの国の負の歴史まで消せるわけではない。社会の問題を誠実に問い続ける芸術家の創造活動は、私たちに都合の悪いものや直視したくないものを作品に昇華させて提出する。
 私たちが芸術展で見てとるべきは、そこにある。


[芸術祭の補助金不交付]萎縮助長は看過できぬ
 文化庁は26日、愛知県で開催中の国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」に対する補助金約7800万円を交付しないと発表した。
 内定していた補助金の取り消しは極めて異例である。「事後検閲」の疑いが濃厚だ。
 同芸術祭を巡っては元「従軍慰安婦」を象徴した「平和の少女像」や昭和天皇を含む肖像群が燃え上がる映像作品などを展示した企画展「表現の不自由展・その後」に、テロ予告や脅迫が殺到。芸術祭実行委員会は「安全な運営が危ぶまれる」と、開幕からわずか3日で中止した。
 文化庁は4月、同芸術祭への補助金を内定。萩生田光一文部科学相は27日、「不交付決定は展示の具体的な内容とは何ら関係ない」とし、少女像などの展示が影響していないとの認識を示した。
 だが額面通りに受け止める人がどれだけいるだろうか。
 文化庁は少女像などが物議を醸したことを受け、事実関係を調査。不交付決定の理由を「円滑な運営を脅かす事態を予想していたにもかかわらず、文化庁の問い合わせまで申告しなかった」ことを挙げ、「申請手続きに不適当な行為があった」と形式上の不備を強調する。いかにも取って付けたような理由だ。
 愛知県が設置した第三者による検証委員会が25日、「条件が整い次第、速やかに再開すべきだ」とする中間報告をまとめた。実行委会長の大村秀章知事も「再開を目指したい」と意欲を示した直後のタイミングである。文化庁の決定は、政治から圧力がかかったと捉えられても仕方がない。
    ■    ■
 実際、実行委会長代行の河村たかし名古屋市長は少女像を「日本国民の心を踏みにじる」と即刻中止を求めた。あからさまな介入であり、どう喝である。菅義偉官房長官も「交付に当たっては精査した上で適切に対応したい」と「権力の介入」と受け止められかねない発言をした。
 憲法21条は「集会、結社及(およ)び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する」「検閲は、これをしてはならない」と規定している。
 文化芸術基本法も基本理念として「文化芸術活動を行う者の自主性が十分に尊重されなければならない」とうたう。法成立の際には衆参そろって付帯決議で政府が「不当に干渉することのないようにすること」が盛り込まれた。
 行政や政治家は自由な表現活動を守るため、テロ予告や脅迫を排除することこそが本来の責務なのである。
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 大村知事は「憲法21条の重大な侵害」として表現の自由を争点に訴訟を起こす構え。
 内定を覆し不交付とすることが前例となれば表現の現場が萎縮する。深刻なのは脅迫で中止に追い込むことを追認してしまうことである。
 芸術は作品を通じてさまざまな表現と向き合い、対話することである。時に波風が立つこともあるだろう。
 多様な表現の自由を認め合う雰囲気が社会から失われると、息苦しくなる。
 会期末は10月14日。文化庁は補助金の不交付を見直し、「不自由展」の再開にこそ力を尽くすべきである。


関電役員に金品/原発マネーの闇を許すな
 「原発マネー」の闇の深さが改めて浮かび上がった。
 関西電力の役員らが、原発が立地する福井県高浜町の元助役から多額の金品を受け取っていたことが、金沢国税局の税務調査を端緒に明るみに出た。
 公費や電力料金などで賄われる原発関連工事費が、経営陣個人に流れていた可能性がある。
 原発立地は巨額の交付金がもたらされる一方で、地元に重い負担を強いる。不透明な資金の流れに私欲が絡んでいたとすれば、事故のリスクと隣り合わせで暮らす住民に対する許し難い裏切り行為である。
 関電によると、2011年からの7年間で八木誠会長ら20人が計3億2千万円を受領した。福島第1原発事故で原発の安全神話が崩れた時期に当たる。
 金品を渡した元助役は今年3月に死亡したが、約30年前に退職した後も町政に影響力を持っていた人物だ。国税局の調査で原発の関連工事を請け負う町内の建設会社から、受注に絡む手数料として約3億円を受領していたことが分かっている。
 国税局はさらに、元助役から複数の関電役員への資金の流れを確認したという。「お世話になっているから」と関電側に金品を渡し続けていた。
 会見した岩根茂樹社長は金品の受領を認め謝罪した。一方で「返却を拒まれたため、一時的に保管していた」とし、不正行為の認識はなかったと繰り返した。事業に影響が出るのを恐れて返せなかったという。
 持ちつ持たれつの関係を示す身勝手な理屈である。公益企業のトップとしてモラルに欠けている。
 福井県は関電の美浜、高浜、大飯の3原発など全国最多の原発を抱え、地元では「氷山の一角にすぎない」との声も上がっている。他の立地自治体でも不透明な資金の流れはないか。疑惑は尽きない。
 監督官庁である経済産業省は事実関係を徹底的に調査し、不透明な資金の流れを解明する責任がある。
 高浜原発は3、4号機が営業運転を再開し、1、2号機も再稼働に向け安全対策工事が進められている。最優先すべきは地元住民の信頼回復である。関電は肝に銘じるべきだ。


関電不正 原発マネーの闇を暴け
 原発の立地対策にと、電力会社が地元に流した資金が、当の電力会社のトップのもとへ還流されていたという。本はといえば電気料金か。にわかには、信じ難い事件である。原発マネーの闇は深い。
 菅原一秀経済産業相のコメントを待つまでもなく「事実なら言語道断」の事件である。
 関西電力の八木誠会長、岩根茂樹社長らが、関電高浜原発が立地する福井県高浜町の元助役(故人)から二〇一八年までの七年間に総額約三億二千万円を受け取っていたことが金沢国税局の税務調査などで明らかになった。
 関電から高浜町内の建設会社に支払われた原発関連の工事費の一部が、「顔役」と呼ばれる元町助役の仲介で、還流されていたという。元助役には工事受注に絡む多額の手数料が渡っていたとみられている。電力会社から地域に流れた「原発マネー」が、巡り巡って電力会社の経営トップのもとへ−。ならば前代未聞の不祥事だ。
 原発を引き受けてくれた自治体には、電源三法交付金など巨額の原発マネーが流れ込み、「ハコモノ」づくりに注ぎ込まれ、多くの利権を生んできた。
 歳入の大部分を原発マネーに依存してきた自治体では、財政のゆがみのもとにもなってきた。
 今回、関電トップに還流されたとみられる資金も、本はといえば、恐らく電気料金だ。
 福島の事故以前、発電量の五割以上を原発に依存してきた関電は「原発停止で発電コストがかさむ」と言い、値上げをちらつかせながら「早期再稼働が必要だ」と訴えてきた。
 3・11後、再稼働した原発は計九基。このうち四基が関電の原発だ。今年四月、原子力規制委員会が、期限までにテロ対策を完了できない原発の停止を求める方針を打ち出した。その時も「電気料金を値上げする事態もある」と、幹部が不満を漏らしていた。
 経営者個人に還流される資金があれば、電気料金の維持や値下げに回すべきなのだ。
 地元住民のみならず、電力消費者に対しても重大な背信行為である。
 八木会長は三年前まで、原発推進の旗振り役である電気事業連合会の会長だった。原発そのものに対する不信も一層深まった。
 事態はもはや、社内調査の域にはない。国税、そして検察当局は速やかに摘発のメスを入れ、原発マネーによる底知れぬ汚染の闇を暴くべきである。


関電役員に金品  原発事業の「闇」解明を
 関西電力の役員らが、原発の立地する福井県高浜町の元助役から巨額の金品を受け取っていたことが分かった。
 原発関連の工事費として立地地域に流れた「原発マネー」が環流した可能性がある。どういう趣旨の資金で、原資は何か。徹底した解明が必要だ。
 関係者によると、金沢国税局の税務調査で八木誠会長や岩根茂樹社長を含む6人が2017年までの7年間に、元助役の故森山栄治氏から計約1億8千万円を受領していた。
 岩根社長は会見で「20人が計3億2千万円を受け取っていた」と明らかにした。
 森山氏は原発関連工事を請け負う地元建設会社から約3億円を受領している。関電側への資金提供は「お世話になっているから」と国税局に説明した。個人口座に送金したり、現金を入れた菓子袋を届けたりしたという。
 建設会社は15〜18年、原発関連工事を少なくとも25億円受注している。電気料金を原資とする工事費の一部が環流し、役員らのポケットに入ったのであれば、大きな問題だ。
 岩根社長は「返却を拒まれたため一時的に個人の管理下で保管していた」と釈明したが、受け取らずにその場で返すのが常識ではないか。発覚しなければそのまま受領するつもりだったと思われても仕方ない。
 公務員なら収賄罪などに問われかねない。関電幹部の刑事責任を問うにはハードルもあるが、厳正な対処が求められる。
 関電は既に社内処分を行い、八木会長と岩根社長の報酬減以外は「人数と内容は差し控える」としている。それで済むはずはなく、速やかに明らかにするべきだ。
 高浜町の地域経済は原発関連事業で支えられてきた側面がある。原発誘致に動いた森山氏は関電に顔が利く実力者だったという。
 税務調査は通常、課税時効の関係で最大過去7年までしかさかのぼらない。判明したのは、福島第1原発事故で脱原発の大きな流れが起きた時期とも重なる。
 それ以前から何のためらいもなく授受が続いていたのではないか。電力会社の公益性に疑問符が付く事態と言わざるを得ない。
 原発マネーの闇はこれまで高浜原発以外でも指摘されてきた。地元からは「氷山の一角にすぎない」との声も上がる。
 交付金の使い道も含め、不透明な金の流れや癒着の構造を洗い出すべきだ。


関電幹部へ資金 原発巡る闇 徹底解明を
 関西電力の会長や社長ら20人に、関電高浜原発が立地する福井県高浜町の元助役から、総額約3億2千万円の資金が渡っていたことが分かった。
 金沢国税局の税務調査の結果である。今年3月に死去した元助役は生前の調査に、資金提供を「お世話になっているから」と説明した。元助役には、原発関連工事を請け負う地元の建設会社から約3億円が流れていた。工事受注に絡む手数料という名目だ。
 電気料金を原資とする工事代金の一部が、関電幹部に還流していた疑いが強い。不自然極まりない資金の流れである。
 関電の岩根茂樹社長は記者会見で、返却を試みても拒絶されたため「一時的に個人の管理下で保管していた」と説明している。
 資金授受が判明しているのは2017年までの7年間だ。無理に押しつけられて返還できなかったのなら、会社に報告した上で会社が資金を管理し、元助役に返還するのが当然だ。個人的に資金を受領したと考えざるを得ない。
 原発は地域や経済に多大な影響を与える。東京電力福島第1原発事故で不信感も根強い。事業は公正に実施しなければならない。
 一部の役員らは元助役への税務調査が始まった昨年に返還を始めているものの、責任は免れない。言語道断である。
 解明するべきことは多い。
 まず資金の流れだ。誰にいつ、いくらの資金が、どういう名目で渡されたのか。資金はどう管理されていたのか。関電は解明して、公表するべきだ。税務調査は時効の関係で過去7年しか調べない。それ以前に資金授受はなかったのか調査する必要もある。
 会見では、資金の具体的な流れも、社内処分の内容も詳細に説明しなかった。関電は責任を果たしていない。経済産業省が調査を主導するべきではないか。
 次に資金提供と工事発注の関連だ。発注に影響を与えていれば会社法の「会社取締役の収賄罪」に問われる可能性もある。岩根社長は「問題はない」としているものの説得力は乏しい。根拠を明確に示すのが筋だ。
 産業が乏しい地方にとって、多額の交付金や固定資産税などが見込める原発誘致は、経済振興に有効だった。ただし、原発に頼るほど地域経済は原発抜きで維持できなくなる側面を否定できない。
 関電との関係を強める中で今回の不透明な資金の流れが生まれたとしたら、地域と原発の関係も問い直さなくてはならない。


関電金品授受 またも原発マネーの闇か
 長年にわたって金品を受け取り、それを隠蔽(いんぺい)していた経営陣の責任は極めて重大だ。
 これまでも指摘されてきた原発マネーを巡る「闇」なのか。徹底的な調査で事実関係を明らかにしなければならない。
 関西電力の八木誠会長や岩根茂樹社長らが2017年までの7年間に、関電高浜原発が立地する福井県高浜町の元助役(今年3月に死去)から多額の金品を受領していたことが、金沢国税局の税務調査で判明した。
 27日に記者会見した岩根社長によると、金品を受け取ったのは計20人、その総額は3億2千万円相当に上るという。驚くばかりである。
 見過ごせないのは、工事費として立地地域に流れた「原発マネー」が経営陣に環流した可能性が指摘されていることだ。
 今回は原発関連工事に携わっていた地元業者から元助役に金が流れ、元助役は関電側に金品を渡していたという構図だ。
 金沢国税局は昨年1月、高浜原発や大飯原発(福井県おおい町)の関連工事を請け負う高浜町の建設会社への税務調査に着手し、工事受注に絡む手数料として元助役に約3億円が流れていることをつかんだ。
 元助役についても税務調査を進め、関電役員らに金品を送っていたことが分かった。元助役は「関電にはお世話になっているから」と説明したという。3億円は所得として申告していなかった。
 元助役は個人口座に送金したり、現金入りの菓子袋を届けたりして関電側に渡していたとされる。電気料金を原資とする工事費の一部が役員個人に環流していたとの疑いを持たれるのも無理はない。
 岩根社長は社内調査の結果、見返りとなる行為はなく、環流の認識もないとしたが、それで顧客の納得が得られるか。
 菅原一秀経済産業相は徹底解明と厳正な対処を約束した。速やかに進めてもらいたい。元助役は亡くなっているが、金品提供の動機についても改めて詳しい調査が不可欠だ。
 元助役は現役時代から関電との関係が深く、退職後も町の顔役として影響力を持っていたとされる。
 岩根社長は、元助役に厳しい態度で返却を拒まれ、関係悪化や原子力事業への影響を恐れて返せなかったとした。
 金品を受領していたうち、最も多い額を受け取っていたのは6月に退任した豊松秀己元副社長という。豊松氏は原子力事業本部長を務め、原発立地地域で対応に当たることが多かった。
 電力会社と立地地域との不透明な関係、原子力事業がはらんでいるいびつさを思わざるを得ない。原発への不信感は高まるだろう。
 今回の問題ではトップを含む経営陣が金品授受の当事者となり、東日本大震災後の節電時期にも金品を受け取っていた。
 公益企業である電力会社の経営者として、適格性が厳しく問われよう。関電経営陣はそのことを肝に銘じるべきだ。


関電金品受領/還流疑惑の徹底解明を
 関西電力の八木誠会長らが、高浜原発が立地する福井県高浜町の元助役から多額の金品を受領していたことが金沢国税局の税務調査で分かった。関電の岩根茂樹社長は記者会見し「2011年から7年間で20人が計3億2千万円を受け取った」と認めた。
 原発の工事発注に絡んで地元有力者に巨額の金が渡り、一部が関電経営陣個人に還流していた疑いがある。日本の原子力事業への信頼を根本から揺るがす重大な問題だ。
 誰がいつ、何を受け取ったのか。元助役は故人になってしまったが、その狙いは何だったのか。原発事業にはどう影響したのか。岩根社長は詳細を明らかにしなかった。社外の有識者の協力を仰ぎ、事実を徹底解明し、公開するよう求めたい。
 電力会社は国民生活や経済活動の基盤を支える公益企業で、高いモラルが求められる。これほど不透明な資金の流れが長期間伏せられていたというだけでも言語道断だ。
 岩根社長は記者会見で、自身と八木会長が報酬減の処分を受けたと明らかにしたが、他の処分の人数や内容は「差し控える」とした。金品の返却を試みたが拒まれ「一時的に個人の管理下で保管していた」と述べたが、そんな説明では納得できない。税務調査で把握されなければ受け取ったままだったのではないか。
 元助役の資金源については税務調査の経緯から関電の工事以外は考えにくいが、岩根社長は「そのような認識はない。発注額、プロセスは適切だった」と主張。また「見返りとなるような行為はなかった」と強調したが、その根拠は明らかでなく、これも額面通り受け取れない。見返りがあれば刑事責任を追及される可能性もある。
 元助役について「地元の有力者で、お世話になっている。関係悪化を恐れた」と釈明し「原子力事業に影響が出るのではないか」と金品返却をためらったと述べており、キーマンだったことは認めた。
 発電所は、送電ロスを少なくするには電力消費の中心地の近くに建てるのが合理的で、火力発電所の多くは大都市の近くにある。だが、住民の反対運動などで立地が難しい原発の建設は、大都市から遠い地域の自治体に交付金など財政面の恩恵を与え、協力を得る形で進められてきた。電力会社も工事発注などで地元業者を潤し、事業への支持を獲得してきた。
 原発の「安全神話」を崩壊させた東京電力福島第1原発事故以降、原発を巡る多くの問題の解決が格段に難しくなった。電力会社が情報を十分に開示していないという不信感が国民の間で深まり、立地自治体の納得さえ得られれば事業を進められるという長年の状況が一変したからだ。
 福島第1原発事故後の新規制基準で新たに義務付けられたテロ対策施設の建設工事などで、原発の安全対策費が大きく増え、関電では約1兆250億円に上る。
 そうした「原発マネー」が地元有力者に食い物にされたり、一部が還流して電力会社幹部が私腹を肥やしたりする構図があるのでは、と疑われているのが今回の事態だ。関電は日本の原子力事業の旗振り役となってきた電力会社だけに、発覚した問題が与える影響は大きい。徹底した事実究明と情報公開が重要だ。


【原発マネー】闇の解明へ徹底調査を
 「原発マネー」の闇の深さを、まざまざと見せつけるような事態が発覚した。
 関西電力の八木誠会長を含む役員ら20人が、関電高浜原発が立地する福井県高浜町の元助役(今年3月に90歳で死亡)から、2011年からの7年間に計3億2千万円を受け取っていたという。
 このうち八木会長ら6人が計約1億8千万円を受け取っていたことが、金沢国税局による元助役に対する税務調査で確認されている。20人で3億円を上回る金品の受け取りは、報道を受けて関電が記者会見で認め、謝罪した。
 しかしこの会見では、多額の金品の受領を認めただけで、誰が何を受け取ったのかなど具体的な言及はないままだった。
 関電の岩根茂樹社長は、受け取った金品は「一時的に保管していた」と説明した。だが、それをまともに信じることは到底できない。元助役への税務調査をきっかけに、金品の全部や一部の返還を始めたのではないか。
 その上で、既に会長と社長は報酬減の処分を受けたとする。だが、それ以外の処分人数と内容は明かさなかった。これでは疑惑は深まるだけだろう。岩根社長は自身の辞任を否定したが、その判断も早すぎるのではないか。
 関電側に資金提供したのは、町の収入役に続き、10年余りにわたり助役を務めた人物だ。退職後も地元では関電に顔が利く実力者として知られた存在だったという。
 税務調査では、原発関連工事を請け負う地元業者から元助役に手数料名目で資金が渡り、元助役から関電役員らに資金が流れた二つのルートが判明している。
 関電の工事受注に絡んで地元の有力者に巨額の金が渡り、その一部が関電幹部のポケットに入ったのであれば、「私利私欲」との批判は免れない。関電側はこうした「原発マネー」の還流を否定しているが、根拠はなく説得力に乏しい。
 原発マネーの流れは複雑で、不透明だとの批判がある。現に高浜原発以外の立地地域でも疑惑が絶えない。国から自治体に交付される電源立地地域対策交付金や、補助金などを財源とする疑惑もある。
 原発マネーの闇を解明する、徹底的な調査が必要だ。
 まず第一には、関電が全ての面で不十分な今回の処理で終わらせず、第三者も入れた調査などを行い、公表することだ。
 菅原経済産業相は「事実であれば極めて言語道断。ゆゆしき事態だ」とした上で、「事実関係を徹底解明して、厳正に処する」と述べた。その言葉を実行に移す時だろう。
 そのことは関電と高浜原発の問題に限らない。ほかの電力会社と原発立地地域でも、あり得る話だ。
 電力会社と立地地域の関係は、国民に疑念を持たれるようなものであってはならない。この観点からいま一度、総点検をしてほしい。


関電激震 高浜原発「黒い霧事件」で検察の捜査着手はいつ
 これが刑事事件にならないのであれば、もはや警察も検察もいらない。特捜部は一刻も早く関係者先を家宅捜索し、立件に全力を注ぐべきだろう。27日明らかになった、関西電力経営幹部らに対する約3.2億円の“原発マネー還流事件”のことだ。
  ◇  ◇  ◇
 コトの経緯はこうだ。金沢国税局が昨年1月、関電の高浜原発(福井県高浜町)や大飯原発(同おおい町)の関連工事を請け負う高浜町の建設会社を税務調査したところ、この会社から同町の元助役、森山栄治氏(今年3月に死亡)に工事受注の手数料として約3億円が流れていたことが判明。さらに森山氏から2017年までの7年間、関電の八木誠会長や岩根茂樹社長ら役員ら6人に計約1億8000万円の資金提供が確認されたのだ。
 税務当局の調べに対し、役員らのうち4人は森山氏へ資金返却し、修正申告。森山氏も申告漏れを指摘され、追徴課税に応じたという。
 さらに、27日に大阪市の関電本店で会見した岩根社長によると、社内調査の結果、経営幹部計20人が私的に計3億2000万円分の金品を受け取っていたことを明らかにしたのだ。
 森山氏は税務調査に対して「関電にはお世話になっている」と説明したらしいが、電気料金を原資とする工事費の一部が関電幹部側に「キックバック」された格好で、どう見ても不自然なカネの流れだろう。
 呆れたのは、会見した岩根社長の発言だ。受け取ったカネについて「一時的に預かっていたが、一般的な儀礼の範囲内のもの以外は全て返却した」「(返却を)厳しい態度で拒まれた。関係悪化を恐れた」などと説明したからだ。プロ野球の「黒い霧事件」で、永久追放処分にされた池永正明投手が「受け取ったカネは押し入れにしまっていた」と釈明していたのと同じだし、修正申告しながら「預かっていた」なんて言い訳が通るはずがない。
 森山氏についても、岩根社長は26日夜の共同通信記者の取材に対し、「顔ぐらいは知っている」とトボケていたのに、きのうは一転、「社長就任後に本社にごあいさつに来られ、(カネを)直接受け取った。(原発関連工事の業者と関連している)認識はあった」などと明かしたからアングリだ。
 業界紙によると、森山氏は90年秋に高浜原発PR館で行われた15周年記念式典で、「原発誘致に力を尽くした」人物として関電役員との親睦会に出席。高浜原発の警備を行う警備会社「オーイング」(高浜町)の役員も務めていた。つまり、関電幹部が「顔ぐらいは知っている」程度じゃないのは明らかだろう。
 さらに岩根社長は「見返りとなる対価的行為はなく、発注プロセスや発注額も社内ルールに基づき適切に実施されている」とも言っていたが、見返りも何もないのに、なぜ億単位のカネを関電幹部に渡す必要があるのか。そもそも関電は昨年、事実関係を掴んでいながら、なぜ公表しなかったのか。言葉は悪いが「死人に口なし」の状況を待っていたとしか思えない。元特捜検事で弁護士の郷原信郎氏がこう言う。
「高浜原発の工事受注に絡んで地元の有力者に巨額のカネが渡り、一部が関電幹部に還流していたのが事実であれば言語道断。工事発注や資金提供などで関電側の行為が関連していれば取締役の収賄罪が適用される可能性もある。検察は徹底的に捜査するべきです」
 関電は、〈手をつなごう 一緒に笑おう 友達になろう〉なんてCMを流していたが、経営陣が工事業者や自治体の有力者と手をつなぎ、怪しいカネをグルグル回して笑っている姿が見えるようではないか。


関電幹部は「お友達だから…」経団連・中西会長の仰天発言
「お友達のお友達によるお友達のためのインチキ」を許しているのは、アベ政治だけじゃなかった。経団連の中西宏明会長(日立製作所会長)は、27日の定例会見で“関西電力のマネー還流事件”について問われた際、「詳細な情報が分かっていない」としつつ、「八木さんも岩根さんもお友達。うっかり変な悪口も言えない」などと答えたのだ。
「お友達」だから何だというのか。億単位の怪しいカネをフトコロに入れていた疑いがあっても知らんぷりするのか。誹謗中傷しろと迫られているわけじゃないのだ。
 もっとも、経団連と言えば、安倍政権をヨイショしてハリボテ株価をつり上げ、ひたすらカネをため込む一方、社員には還元しない無能経営者の集まり。中西会長は、日本が大惨敗した日米貿易協定についても「バランスの取れた合意に達したことを歓迎」などとピントの外れた発言をしていたが、こういう連中がいつまでもポストにしがみついて“お友達”と好き勝手やっているから、若手社員が犠牲を強いられるのだ。関電の経営陣と一緒にそろって引退した方が日本のためだ。


防衛白書 「誤調査」の検証足りぬ
 例年8月までに公表される防衛白書が今年は大幅に遅れてきのう、閣議で報告された。
 編集対象期間は通常6月までだが、締め切り間際に、地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の配備候補地を巡る調査で、重大な誤りが発覚したためだ。
 候補地周辺では住民の懸念が根強い。原因を分析し、再発防止策を記すのは当然の責任である。
 調査結果の住民説明会では防衛省の職員が居眠りをし、緊張感を欠く対応も問題となった。
 住民軽視とも言える姿勢は沖縄への基地押し付けでも見られる。
 そうした防衛省の体質も含めて問題を検証すべきだったが、反省と、住民への説明に尽くす旨を抽象的に記しただけで、関連の記述は1ページにも満たない。
 これまでも南スーダンやイラクへの部隊派遣を巡る日報隠蔽(いんぺい)などでは、検証不足が否めなかった。
 今回も再発防止の真剣味に乏しいと言うほかない。
 防衛省は秋田市の陸上自衛隊新屋(あらや)演習場を配備の適地とした際、不適とした他の調査地点で、レーダーから周囲の山頂を見上げた角度「仰角」を過大に記していた。
 西日本での適地とされた山口県への説明資料でも誤りがあった。
 秋田、山口への配備ありきだったとみられても仕方あるまい。
 それを反映するかのように、白書では地上イージスの有用性を強調することに行数が割かれた。
 これでは信頼回復は図れない。
 白書には7月以降相次ぐ北朝鮮による弾道ミサイル発射についても明記し、核兵器の小型化・弾頭化は「既に実現しているとみられる」と分析した。
 18年版での「実現している可能性」との表現より踏み込んだが、北朝鮮の核・ミサイル能力に関しては「本質的な変化は生じていない」との評価にとどめた。
 小型化・弾頭化が実現しているなら、この分析は矛盾していないか。米国などと協力して外交的な解決を急ぐ必要があろう。
 「安全保障協力」の章では、韓国の記載順を18年版の2番目から4番目に変更し、国別の重要度を事実上引き下げた。
 韓国による軍事情報包括保護協定(GSOMIA=ジーソミア)破棄など、最近の対立を受けて判断したという。
 日韓関係の悪化は北朝鮮や、東アジアでの影響力拡大を狙う中国やロシアに付け入る隙を与えかねない。協力関係の維持に、より一層努める必要がある。


NHK番組への圧力 公共放送の自律を脅かす
 公共放送の自主自律を脅かす深刻な事態である。
 かんぽ生命保険の不正販売問題を報じたNHKの番組を巡り、NHKの経営委員会が昨年10月、日本郵政グループから抗議を受けて、「ガバナンス(企業統治)強化」の趣旨でNHK会長を厳重注意していた。
 まず指摘しなければならないのは郵政グループの不誠実な対応だ。不正販売の究明と是正に集中して取り組むべきであるにもかかわらず、報道したNHKに矛先を向けた。
 問題とされたのは、NHKが昨年4月に放送した報道情報番組「クローズアップ現代+(プラス)」だ。郵便局が保険を「押し売り」している実態を伝えた。
 続編を企画した制作現場は、情報提供を呼び掛ける動画を昨年7月上旬、ネット上に投稿する。これに対し郵政側が「組織ぐるみでやっている印象を与える」との趣旨の抗議文をNHK会長宛てに送り、動画の削除を求めた。
 言うまでもなく情報提供の呼び掛けは不正の実態解明に役立つ。郵政側が動画の削除を求めたのは、不正が次々と明るみに出る事態を避けたかったからではないのか。反省するどころか、問題を矮小(わいしょう)化し、臭い物にふたをする姿勢が透けて見える。
 NHKの対応は問題だらけだ。投稿していた動画を昨年8月上旬に削除した。「一定の役割を果たしたため」というのが理由だが、要求に屈した疑いが強い。正確な報道のためには、より多くの証言を集める方がいいからだ。
 郵政側とのやりとりの中で番組担当者が「会長は制作に関与しない」との趣旨の説明をしたため、郵政側は経営委に文書でガバナンス体制強化を要請した。NHK会長は「誤った説明だった」と郵政側に事実上謝罪した。続編の放送は今年7月までずれ込んだ。
 個別の苦情に、最高意思決定機関である経営委が動き、会長が釈明するのは異常と言うほかない。日本郵政の筆頭株主は日本政府だ。政権に近い郵政グループだから特別な対応をしたのであれば、それこそ公正さを欠いている。
 郵政側が問題視した「クローズアップ現代+」は、かんぽ生命保険の販売を巡る不正をいち早く報じた。経営委は、その社会的意義をどこまで理解しているのか。被害者に寄り添うよりも、加害者側の立場に配慮しているように見える。国民の目線とは程遠い。
 経営委は個別番組の編集に関与できない。今回の厳重注意は、ガバナンス強化の趣旨であっても、番組に対する圧力と受け取られかねない。より良い社会を築こうと奮闘する制作現場の努力を踏みにじる行為と言っていい。
 経営委に求められるのは、権力からのあらゆる圧力をはねのけ、自主自律を堅持する態度を貫くことだ。郵政側から要請があったからといって右往左往するようでは公共放送の使命は果たせない。


NHKが“かんぽ報道”にNHK経営委が介入し圧力をかけた背景! 日本郵政幹部と菅官房長官、総務省のただならぬ関係
 安倍政権を忖度した政権PR報道ばかりが目立ち、“安倍サマの犬HK”などと呼ばれているNHKだが、ここにきてまた、とんでもない事実が明らかになった。かんぽ生命保険の不正販売問題を取り上げた『クローズアップ現代+』をめぐって、日本郵政グループからの「申し入れ」を受けたNHK経営委員会が上田良一会長を厳重注意し、続編の放送を延期させ、番組のネット動画を削除したというのだ。毎日新聞が26日朝刊で報じたスクープだ。
 周知の通り、かんぽ生命は民営化された日本郵政グループの保険会社。かんぽ生命と保険販売を代行している日本郵便には、保険料を二重に徴収するなど悪質な不正の実態が相次いで発覚。これまで顧客の不利益が疑われる契約は18万件以上に達する。
 実は、この不正販売問題をいち早く追及したのがNHKの『クローズアップ現代+』だった。昨年4月24日の放送で、保険の押し売りなどについて関係者からの情報をもとに取材し、その不正営業の実態を報じた。番組では現役郵便局員の告白の模様を伝え、日本郵便の佐野公紀常務取締役にも直撃している。放送後、『クロ現+』はさらなる情報提供を関係者に呼びかけるなど続編の制作に取り組み、同じ年の8月上旬の放送を目指していた。
 ところが、毎日新聞によると昨年7月、番組がTwitterに投稿した情報募集の動画2本に対して、日本郵政側が上田会長宛てで削除を「申し入れ」てきた。その後、番組の幹部が日本郵政側に「会長は番組制作に関与しない」などと説明をすると、郵政側は「放送法で番組制作・編集の最終責任者は会長であることは明らかで、NHKでガバナンスが全く利いていないことの表れ」と主張し、同年8月2日に説明を求める文書を上田会長に送付したのだという。
 これだけでも準政府機関による報道への圧力との批判は免れないが、さらなる問題はここからだ。なんと、郵政側から「ガバナンス体制の検証」などを求める文書を受け取った経営委が、これを汲んで上田会長に「厳重注意」を行い、そのことを郵政側に報告。さらに上田会長も〈番組幹部の発言について「明らかに説明が不十分。誠に遺憾」と事実上謝罪する文書を郵政側へ届けさせた〉というのである。本来ならばNHK上層部は郵政側のクレームをはねのけ、現場と報道の自律を守る責任があるにも関わらず、やすやすと郵政側の「申し入れ」に応じてしまったのだ。
 これが昨年10月から11月にかけてのことだ。続編については郵政側が続編の取材を断ると伝えるなどしたために8月上旬に放送延期を決定し、動画2本も削除したと毎日新聞は伝えているが、その後の「日本郵政の繰り返しの申し入れ→NHK経営委による厳重注意→上田会長の謝罪」という流れは、明らかにNHK上層部が郵政側を忖度し、延期した続編を潰そうとしたようにしか見えない。結局、『クロ現+』がようやく続編を放送できたのは、相次ぐ不正販売問題の報道が相次いでによって、かんぽ生命と日本郵便が初めて記者会見で謝罪した今年7月のことだ。それまで日本郵政グループは「不適切な販売には当たらない」などと強弁し続けていた。つまり、郵政側が他のメディアに追い詰められずにシラを切り通していれば、続編も不正販売問題も闇に葬られていたかもしれないのである。
 いずれにしても、ひとつハッキリしているのは、NHK経営委が日本郵政側の意を汲み、間接的に報道へ介入したという事実だ。毎日新聞の取材に対し、経営委の石原進委員長(JR九州相談役)は「執行部はしっかり対応してほしいという趣旨だった」と話し、NHK広報局は「自主自律や番組編集の自由を損なう事実はない」と回答したというが、NHK上層部が現場の追及していた問題を潰そうとしたのは、誰の目にも明らかだろう。
 言っておくが、これは単にNHK上層部と現場との対立の問題ではない。背景には、政治権力を忖度することに慣れてしまったNHK上層部の腐った意識があるとしか思えないのだ。
圧力をかけたNHK経営委は安倍首相の任命 抗議の日本郵政副社長は菅官房長官の元部下
 ひとつが、NHK経営委員会そのもののあり様だ。そもそも経営委はNHKの監督機関だが、委員の任命権は首相にある。とくに第二次安倍政権では、安倍首相の“ブレーン”のひとりである長谷川三千子・埼玉大名誉教授、安倍首相の家庭教師も務めていた本田勝彦・JT顧問(2018年退任)、そして、あの“ネトウヨ作家”こと百田尚樹氏(2015年退任)までもが送り込まれるなど、露骨に“アベ友人事”が敷かれた。安倍政権で再任された現経営委員長の石原氏も、数年前まで日本会議福岡の名誉顧問を務めていたゴリゴリの右派だ。
 そう考えると、今回、この“安倍派”が牛耳る経営委が郵政側の「申し入れ」を受けて上田会長を「厳重注意」し報道に介入したことについても、やはり、政権を忖度したのではとの疑念が生じて当然だろう。事実、この問題には安倍政権の影がちらついている。とりわけ見逃せないのが、放送を管轄所管する総務省の影響力だ。
 高市早苗総務相は27日の会見で、「(NHK経営委は)個別の放送番組や番組編集について述べたものではない」「(放送法に)反した行動を取ったものではない」と火消しに走ったが、言うまでもなく、総務省と日本郵政グループは切っても切れない関係にある。現在の総務省の前身のひとつが他ならぬ旧郵政省であり、日本郵政グループの幹部には鈴木康雄・日本郵政上級副社長や高橋亨・日本郵便現会長など、総務相(旧郵政省)出身の元上級官僚たちが何人も天下りしているからだ。
 なかでも鈴木氏は総務相の事務次官まで上り詰めた元事務方トップだ。菅官房長官が第一次安倍政権の総務相時代には総務審議官を務めており、現在も昵懇の間柄だ。2016年にゆうちょ銀行社長から日本郵政の社長へ“出世”した民間出身の長門正貢氏の「後ろ盾」も鈴木氏といわれる。長門氏は2017年3月決算での未曾有の大赤字にもかかわらず社長の首を繋いだが、「ZAITEN」(財界展望社)10月号によると、このとき鈴木氏が自民党の郵政族にかけあい、さらに長門氏と菅義偉官房長官を引き合わせるなど続投に奔走したという。
 今回のNHKへの「申し入れ」問題でも、その鈴木氏の名前が挙がっている。前述のように、昨年10月5日には郵政側が経営委に宛てて「ガバナンス体制の検証」なる文書を送りつけている。これを受けた経営委の石原委員長が上田会長に厳重注意し、11月6日に上田会長が郵政側に文書で事実上の“謝罪”をするわけだが、朝日新聞によれば、その翌日、〈郵政側は「充分意のあるところをお汲み取りいただいた」とした上で、「一応の区切り」とする文書を元総務事務次官の鈴木副社長名で返した〉という。
 つまり日本郵政側で窓口になっていたのは、菅官房長官と関係の深い元総務省幹部だったのだ。
総務省と安倍官邸の存在が日本郵政のNHKへの圧力を後押しした
 だとすれば、NHKの経営委と上田会長が郵政側の「申し入れ」に簡単に応じたのは、背景に総務省、そして菅官房長官の存在を見ていたからだと考えるのが妥当だろう。
「昨年11月7日に日本郵政の鈴木副社長が送った文書には、自分が今でも放送事業に影響力を持つ元総務相事務次官であることを強調しながら、NHK経営委に対して『早速に果断な措置を執っていただき篤く御礼申し上げます』と記されていました。つまり、上田会長が異例の対応をしたのは、日本郵政グループそのものというよりは電波の権限を持つ総務省と政府だったからではないか。ただでさえ、高市大臣の例の“電波停止”発言に象徴されるように、政権はNHKなど放送局の首根っこを掴もうと牽制を繰り返していますが、かんぽ不正問題は郵政民営化の“膿”そのものですから、当然、政府批判の世論に傾きかねない。総務省だけでなく官邸も具体的に圧力を後押しした可能性もありえます」(全国紙社会部記者)
 いずれにしても、かんぽ生命の不正販売をめぐるNHK経営委の報道介入問題が物語っているのは、報道の自主自律の原則を守るでもなく、不正を追及する現場を守るでもなく、ましてや視聴者の知る権利を守るものでもない、NHK上層部の腐りきった体質だ。それはすなわち、安倍政権が繰り返してきた圧力によって、NHKがとことん骨抜きにされていることを意味しているだろう。
 繰り返すが、この問題はNHK内部だけの話ではない。NHKでは、たとえば森友学園問題に関するスクープを全国放送しなかったり、翁長雄志・前沖縄県知事の葬儀での政権批判の怒号を報じなかったり、国会報道がまるで安倍政権のPRの様相を呈したりと、数え切れぬほど安倍政権忖度の実態が剥き出しになっているが、その背後では常に“官邸からの圧力”が取り沙汰されてきた。今回の問題は毎日新聞が先陣を切って報じているが、ここでうやむやにしてしまっては、必ず同じような報道への介入がNHK以外でも繰り返される。それは、安倍政権によって、わたしたちの「知る権利」が奪われるということに他ならない。全メディアが徹底的に追及していく必要がある。


安倍政権の元内閣参与が玉川徹と意気投合し「老後2000万円報告書」隠ぺいと「消費税増税」を猛批判!「独裁者と変わらない」
 消費税増税の強行が目前に迫っているが、そんな中、安倍政権が国民を不安に陥れた都合の悪い事実をまたひとつ闇に葬り去った。25日に金融庁の金融審議会が総会を開催したのだが、そこで例の「老後2000万円報告書」問題について、「今後は報告書を議題としない」と決定したのだ。
 まったくふざけた決定としか言いようがないが、この決定について27日放送の『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日)が特集。そこに専門家として登場し、怒りを露わにした人物がいた。
 それは、第二次安倍政権で内閣官房参与として安倍首相の政策を支えてきた、藤井聡・京都大学大学院教授だ。
 藤井教授といえば、思想的にも右派で安倍首相の有力ブレーンのひとりと目されていたが、一方で消費増税反対を主張。昨年11月には『「10%消費税」が日本経済を破壊する』(晶文社)を出版し、さらに共産党の機関紙「しんぶん赤旗日曜版」(2018年11月18日付)にも登場して消費増税を批判。この「赤旗」登場がきっかけで、昨年末に内閣参与を実質「解任」に近い形で退職したが、その後も積極的に消費増税が経済に与える影響の深刻さを訴えつづけている。
 今回の『モーニングショー』のテーマは消費税ではなかったが、藤井教授は「老後2000万円報告書」を了承せずにお蔵入りした件についても、麻生太郎財務相が「誤解を与えた」という理由で報告書を受け取らなかった問題を「誤解された方が仮にいたとしたら、きちんと説明すればいいだけの話です。だから誤解だから受け取らないというのは論理としてはありえないです」と批判。さらにこうつづけた。
「(麻生財務相が受け取らなかった理由のもうひとつは)『スタンスが違うから受け取らない』。それって『科学的には正しいけれども、政府のスタンスでは都合が悪いから』というように聞こえてしまいます。スタンスがいかなるものであろうと、科学的な事実は事実として受け取って、それでどういう政策判断をとるのかが政府がやるべきことです。しかしながら『スタンスが違うから受け取らない』というのは、これは言語道断です。ありえない!」
 あまりに真っ当な怒りだろう。たとえばこれを年金ではなく災害にかんする被害試算に置き換えて考えてみればいい。そこでは「科学的に正しくても政府のスタンスとは違うから受け取らない」なんてことが通るわけがないからだ。
「科学的事実というのは政府のスタンスの上に立ちます。真実なんだから。それを無視して政治をやるんだったら、独裁者と何も変わらない」(藤井教授)
 さらに、ここで番組レギュラーコメンテーターの玉川徹氏もこう呼応した。
「これは政府のせいですから、いままでの。『自分たちのせいでみなさんが不安になるということは認められない』ということなんですよ」
 安倍政権に対する不満を引き出す“不都合な事実”は認めない──。藤井教授も、老後に2000万円足りなくなるという数字の根拠になっている“毎月の赤字額が約5万5000円”というものは「有名な数字で、ずいぶん前から使っている」「この数字自体は当然ながら以前の報告書のなかでも答申で受け取っている」「『5万5000円は足りません、そこは頑張ってください』っていうのが政府のスタンスだった」と指摘していたが、本サイトも当時いち早く報じたように「5万5000円の赤字」は金融庁独自の試算などではなくそもそも厚労省の提出したデータによるものだ。それを突如「受け取らない」とし、安倍首相も「不正確であり、誤解を与えるものだった」などと否定にかかったのは、参院選を控えていたからにほかならない。つまり、「政府のせい」と言われないように、自分たちが認めてきた事実さえなかったことにしてしまったのである。
玉川徹の「安倍首相ってそういう人なんですか」という質問に元内閣参与の藤井聡は
 一体、この政権は同じことを繰り返すのか。森友問題では公文書を改ざんし、働き方改革ではデータを捏造した。そうした事実を踏まえ、コメンテーターの吉永みち子氏もこう言及した。
「やはりそうやって(都合が悪いから認めないと)やってゆくと、国民が著しく不安になる、不安を持つからそれを批判する、その道筋がなくなりますよね。そうすると、その不安を与えるようなことは一切隠蔽されると。そういうことになると、かつてのね、大本営発表と同じことになってしまうわけで、大変に由々しき事態。
 こればっかりじゃなくて。これ(2000万円報告書)はまだとりあえずHPで見られるわけですよ。だけども、いままでずっと見てると、『つくらない』とか『隠す』とか『あるべきものがない』とか、もっと言えば改ざんとか捏造とかも含めて、ここ数年すごく多いことが、国民としてはすごく気になっています」
 安倍政権にとって不都合なことがすべて隠蔽されていく──。吉永氏のこの指摘に対し、玉川氏もさらにこう言葉を重ねた。
「国民をね、舐めてるんだと思いますよ。政府は。はっきり言えば。『だって、いままでもいろんな問題があったけれども、支持率高いじゃねえか』と。『だから今回だって、なかったことにしても別に国民は怒んねえよ』と、麻生さんは思っていると私は思いますよ」
 そして、内閣参与として安倍首相のブレーンだった藤井教授に、玉川氏はこんな質問をぶつけたのだ。
 玉川「藤井先生にちょっと訊きたいんですけど、藤井先生は安倍内閣の官房参与をやっていたんですよね。安倍総理とも、何回も何回も経済の問題を話されてるわけでしょ? で、今回のこの問題っていうのは、2000万円問題じゃなくて、不都合な真実はないことにするということなわけですよ。今回のこの話は」
 藤井「国民にそう言われても仕方がない」
 玉川「そうでしょ? で、安倍総理って、そういう人なんですか? いわゆる、これ安倍内閣として受け取らないわけでしょ? さっきから麻生大臣、麻生大臣って言ってたけれども、結局、内閣のトップは安倍総理なわけだから。そういう人なんですか? 安倍総理って」
 安倍首相は不都合な事実はないことにする人なのか──。この直球の質問に対し、藤井教授は「そうじゃないと僕は信じたいですけれど」と回答したが、これにも玉川氏は「信じたいじゃなくて」と食い下がった。藤井教授は「そういうふうに見えてしまいますよね」と言うにとどまったが、一方でこうも指摘した。
「容易に想像できると思いますけど、これだけ(金融庁のワーキンググループの委員が)議論して報告書をまとめてHPに載せているのに受け取ってもらえなかったら、委員はやっぱり忖度、絶対します。これから。受け取ってもらえなかったら意味ないですから」
 政権にとって都合が悪いと判断されれば、いくらいままで認めていた数字でも受け取り拒否にする。その結果、引き起こされるのは忖度だ。つまり、安倍首相はやはり「不都合な事実はないことにする」張本人ということではないか。
藤井聡が「消費増税で12%賃金が下がる 戦後、こんな総理大臣はいない」
 “安倍首相が主犯”という問題については直接言明しなかった藤井教授だったが、この「老後2000万円報告書」をお蔵入りにし、国民に不安が広がってしまったことがいかに経済に打撃を与えるかについては、鋭くその責任を追及した。
「これが、ものすごくいまの日本の経済を疲弊させるんですよ。なぜかというと、これからね、国民は不安になります。どうするかというと、たとえば給料30万円もらいました。いつも20万円使ってました。でも心配やから15万円にします。そうしたらその方の貯金は増えるかもしれないけれど、その方が使っている5万円が市場に回らなくなるんですよ。これ、1億人が5万円使わなくなったら、すさまじく経済、疲弊するんですよ」
「だからこれは“2000万円デフレ”を引き起こすんですよ。しかもこれで消費税、増税するんでしょ? 日本ぐちゃぐちゃになりますよ」
「みんなが貧乏になったら所得が減るから所得税も減って、政府の収入も減るんですよ。政府の収入が減ったらどうなるかと言うと、19万円の年金すら18万、17万円になるんですよ。これ、とんでもない悪影響をもたらします」
「(報告書をお蔵入りにしたことで)政府に対する信頼がなくなっただけじゃなくて、将来に対する信頼もなくなった。97年の消費増税以前ってインフレ、ようするに経済が成長していたんですよ。経済が成長しているときというのは、20歳の子とかは『30歳になったらこれくらいの給料やな』と。30歳の人は『40歳やったらこれくらいの給料になる』と。だから30代とかで家を買ってローンを組んで借金を返すとかできたわけですよ。だけど、いま景気がすごく悪い、で、将来2000万円足りないかもしれん、そうしたらいまどうしたらいいねんってことで、将来に対して不安だらけで、お金使わなくて、なけなしのお金を貯金して、自分は百均に行くと。極貧生活になって、みんな百均に行くからお金が回らないからもっと貧乏になる。で、政府に10%の消費税をぶっこ抜かれていくわけですよ。これはね、日本経済の地獄ですよ、これから」
 今後、日本経済は地獄になる──。さらに藤井教授はこうつづけた。
「資産を形成しないと、我々未来がないわけですよ。で、資産を形成するにはどうすればいいかというと、我々の月々の給料が上がることが必要なわけですよ。にもかかわらず、我々の給料は消費増税によって低減させられているんですよ。安倍内閣下でね、消費増税を3%にしたときに、サラリーマン給与って3%下がったんです。で、それからさらに3%下がって、今度の2%の増税によってさらに2%下がるんです。で、それを長期的にみると、1割から1割2分くらいの賃金が下がります」
 そして、藤井教授は強い口調で、このように断言したのだ。
「戦後の総理大臣で、12%も賃金を下げた総理はいない! これは由々しき事態だと国民のみなさんに知っていただきたい。消費増税が原因です、これは」
 予定どおりに消費増税を実施すると安倍首相が公表してから、ワイドショーでここまではっきりとした消費増税批判、さらには安倍首相の責任が言及されたことがあっただろうか。しかも、今回の番組の特集テーマは「老後2000万円報告書」問題だったが、これは結局のところ安倍政権の経済政策につながる問題なのだと藤井教授は指摘したのである。
 不都合な事実はなかったことにして、国民の不安や不満、さらには批判を封じ込め、玉川氏が言ったように国民を舐めきって「いろんな問題があったけれども、支持率高いじゃねえか」「なかったことにしても別に国民は怒んねえよ」と高を括ってきた安倍政権。その結果、来週にはついに消費増税が実施される。「不都合な真実はないことにする」安倍首相の一貫した姿勢が、ついに「地獄」に向けて動き出す──。この現実の切迫感を、一体どれほどの国民が認識しているだろうか。


予算3倍の「桜を見る会」 内閣府は取材に“差し控える”連発
 首相主催の「桜を見る会」の来年度予算が今年度の3倍になることに批判が集まっている。安倍首相のシンパ囲い込みのための数時間の花見に、5700万円もの血税が使われるのだ。ニンジンの皮まで食べて消費増税に備えている納税者が怒るのも無理もない。
 今年4月に行われた「見る会」の招待客は約1万8200人。どんなメンバーが名を連ねているのか――。納税者としてせめてそれくらいは知っておきたい。「見る会」を所管する内閣府の官房総務課に聞くと、耳を疑う回答が返ってきた。
「個人名は、個人の情報ということで従前から公表は差し控えています」
 ――では、どの分野の方か教えてください。
「それも従前から差し控えています」
 ――名簿はあるのですね。
「名簿は作成しますが、会が終わると速やかに廃棄します。今年4月に行われた分もすでに廃棄済みです」
 ――誰を招待するかの基準を教えてください。
「各省庁などからの推薦に基づいています」
 ――最後にあなたの名前を教えてください。
「差し控えさせていただきます」
 立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)が言う。
「これだけ情報を徹底的に隠すということは、『桜を見る会』がプライベートなパーティーだと認めているようなものです。5700万円の税金投入は私的流用にあたり、ビタ一文税金を投じてはいけません。安倍首相の自腹か、参加者の会費でまかなわれるのが筋です」
 私的流用はただちにやめさせるべきだ。


「こういうときだからこそ」日韓交流おまつり 東京
韓国の文化を日本に紹介する催し「日韓交流おまつり」が28日から都内で始まりました。日韓関係が悪化するなか、影響を懸念する声もありましたが、過去最高だった去年と同じ2日間で8万人余りの来場が見込まれています。
「日韓交流おまつり」は、日韓の両政府が支援して東京とソウルで毎年、開かれています。
東京での催しは28日から東京 千代田区の日比谷公園で始まり、開会式で韓国のナム・グァンピョ(南官杓)駐日大使は「両国の次世代の友情と理解が一層深まる機会になるよう願います」とあいさつしました。
このあとステージでは、韓国の女性グループがテコンドーとダンスを組み合わせたパフォーマンスを披露し盛り上げました。また会場には、チヂミやのり巻きなど韓国料理のブースが設けられ、訪れた人たちが思い思いに楽しんでいました。
政治的な対立が深まるなか、影響を懸念する声もありましたが、主催者によりますとスポンサー企業や会場のブースの数は例年とほぼ同じで、ことしの来場者は過去最高だった去年と同じ2日間でおよそ8万2000人を見込んでいます。
一方、ことしは初めて、来日した韓国人の学生たちと通訳を介して自由に意見交換できるブースが設けられ、訪れた人たちが今の韓国の雰囲気や日本人に対する印象などについて質問していました。
会場を訪れた29歳の日本人女性は「こういうときだからこそもっと交流すべきだと思って来ました。関係が改善し、そしてさらによくなってほしいです」と話していました。
この催しは、29日まで開かれています。

来週の掲示準備/キソW1/アラビアータ/資料届いたけど

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Le Japon pleure Jacques Chirac, l'amoureux du Sumo
Mort jeudi à l'âge de 86 ans, l'ancien président de la République Jacques Chirac était amoureux du sumo, sport millénaire japonais.
"Shiraku! Shiraku!" scandait la foule japonaise en applaudissant debout un jour de mars 2005 alors que le président français Jacques Chirac quittait le stade d'Osaka où se déroulait le tournoi de printemps de sumo, son immense passion.
L'amour indéfectible de l'ancien président français, mort jeudi à l'âge de 86 ans, pour ce sport millénaire intrinsèquement nippon, aux confins de l'art et du divertissement, était bien connu au Japon.
Une passion telle que cet animal de la conquête du pouvoir, alors qu'il avait atteint le sommet, s'était ouvert en 1998 d'un regret: plutôt que de choisir le carcan des dorures de l'Elysée et les affres du pouvoir, il aurait pu, qui sait, vêtu du simple "mawashi", la ceinture du lutteur, tenter de renverser ses adversaires sur un cercle d'argile.
"Peut-être qu'en le pratiquant jeune, j'aurais pu faire du sumo. J'avais la taille nécessaire, et le poids, ça s'acquiert", s'était-il confié dans une interview publiée dans le quotidien sportif français L'Equipe.
Faute de devenir sumotori comme peuvent l'être depuis quelques décennies nombre d'étrangers venus de Mongolie, Géorgie, Bulgarie ou Chine, il a contribué à sa manière à la vie du sumo, qu'il suivait de très près.
Une "Coupe Jacques Chirac"
Il se faisait envoyer au plus vite des cassettes des combats par des médias français, tandis que l'ambassade de France confirmait vendredi qu'elle lui envoyait quotidiennement les résultats de tournois.
Il avait créé en 2000 "la Coupe du Président de la République", qui a vite pris le nom de "Coupe Jacques Chirac" pour devenir l'une des plus prestigieuses récompenses remises lors de tournois professionnels de sumo.
Et les Japonais le lui rendaient bien vendredi dans leurs réactions à sa mort, où dominaient les souvenirs de son érudition en la matière, mais aussi dans d'autres domaines de la culture japonaise. Jacques Chirac se rendait d'ailleurs régulièrement dans l'archipel nippon depuis les années 1970 et y a effectué au total plus de 50 voyages.
Hakkaku, le chef de la puissante fédération japonaise de sumo, s'est dit "profondément reconnaissant" envers l'ancien président. "Je prie pour qu'il repose en paix", a-t-il aussi déclaré, selon la porte-parole de la fédération.
La presse japonaise publiait des nécrologies détaillées, le quotidien de gauche Asahi Shinbun louant un homme "d'intelligence et dénué de prétentions". "Son amour du Japon est sans pareil et dépasse le niveau du passe-temps", écrit le quotidien, ajoutant que "sa profonde connaissance de la littérature et des arts japonais anciens et médiévaux étonnait souvent les experts".
- "Merci Président" –
Le quotidien Mainichi rappelait les deux tournois de sumo qu'il avait organisés en France, en 1986 lorsqu'il était maire de Paris puis en 1995, alors que les champions de cette discipline se déplacent très peu à l'étranger.
Les liens de Chirac et du sumo étaient allés jusqu'à s'introduire dans ses relations tendues avec Nicolas Sarkozy avant la présidentielle de 2007. Lors d'une escale à Hong Kong en 2004 après un voyage en Chine, M. Sarkozy s'était exclamé devant des journalistes à propos des sumotori: "Comment peut-on être fasciné par ces combats de types obèses aux chignons gominés? Ce n'est vraiment pas un sport d'intellectuel, le sumo!"
"Des gens célèbres assistaient aux combats, le prince Charles, la princesse Diana sont venus mais que quelqu'un comme lui s'intéresse vraiment, s'y connaisse vraiment, c'était inhabituel", a dit à l'AFP Mark Schilling, un commentateur de la chaîne publique japonaise NHK. "Et je pense que cela impressionnait le monde du sumo".
"C'était un grand fan et il connaissait tous les résultats du makuuchi (la catégorie des champions et grades supérieurs)", s'est exclamé, admiratif, un internaute japonais.
"Il adorait le sumo et (...) a construit les fondements de l'amitié franco-japonaise actuelle", estimait un autre utilisateur japonais de Twitter.
"Merci Président Chirac", a-t-il lancé.
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鳩山由紀夫@hatoyamayukio
予想通り日米貿易交渉はトランプ大統領の2期目の支持基盤である自動車産業と農業が喜ぶ結論となった。安倍首相は両国民に利益をもたらす合意と釈明しているが、トランプの圧力に屈した結論であることは自明である。アメリカの選挙のために日本の産業が苦渋を舐めるとは、情けないの一語に尽きる。
鮫島浩 @SamejimaH
日米貿易交渉はどうみても大惨敗。参院選前に見えていた結末。対米隷属外交の総仕上げの結末。なのに「米ペース」の見出し…。なぜ「大惨敗」と認定しないのか。どこまで安倍政権の顔色をうかがうのか。怖いのか。一連の日米貿易交渉の報道はミスリードを超えフェイクに近い。
m TAKANO @mt3678mt
経団連会長と言えば財界総理とも呼ばれる権威ある存在だった。そんな地位にある財界人が、関電役員の金品授受に関して「友達で悪口言えない」。いやはや何と小粒になったことか。真の友なら時には厳しいことも言えるはず。これでは日本経済が地盤沈下するのも当たり前だ。

来週に掲示をしないといけないのでその準備です.直前に焦ってしまうより少しだけ余裕を持ちたいです.ほんの数日ですが.
キソキソにはW1でした.ちょっとびっくりです.
晩ご飯はアラビアータ.ピリ辛でおいしいです.
資料届いたけど,予想通り?不十分なもの.きちんと説明しなかった私がよくないのですが.

「東北福興弁当」第9弾の試食会
東北でとれた食材をふんだんに使った駅弁、「東北福興弁当」がリニューアルされ、来月、第9弾として販売されるのを前に、仙台市で試食会が開かれました。
「東北福興弁当」は、東北地方の中小企業を支援する独立行政法人が食の力で地域の復興を後押ししようと、震災後の平成23年10月から、毎年、メニューをリニューアルして販売しています。
来月1日から第9弾の販売が始まるのを前に、仙台市内のホテルで試食会が開かれ、東北6県でとれた食材をふんだんに使い、彩りも豊かに盛りつけられた弁当が披露されました。
このうち、三陸産の花小エビのつくだ煮と金華山沖周辺でとれた脂がのった大型のサバ・「金華さば」とのあえ物は、宮城県の春と秋の旬の食材を同時に味わうことができます。
また、青森県で親しまれているサメでとっただしと秋田県の比内地鶏のスープを使って炊いた茶飯も詰められています。
使った食材の数は、東京オリンピック・パラリンピックが開かれる来年・2020年にちなんで20種類とこれまでで最も多いということで、招待された食材の提供業者などがひとつひとつの味を確かめていました。
花小エビのつくだ煮を提供した石巻市の業者は「震災で被災した工場を再建したあと、最初に作った復興の象徴の商品を発信できてうれしい」と話していました。
「東北福興弁当」の第9弾は1個1200円で、JR仙台駅で販売されます。


気仙沼線BRT 11月ルート変更しダイヤ改正
 JR東日本仙台支社などは26日、JR気仙沼線のバス高速輸送システム(BRT)の専用道の延伸と再開に伴い、11月1日から運行ルートのうち陸前港(南三陸町)−本吉(気仙沼市)間を専用道経由に変更し、ダイヤを改正すると発表した。
 専用道の延伸区間は4.0キロ、再開区間は2.9キロ。一般道にあった陸前港、蔵内(気仙沼市)、陸前小泉(同)の各駅を専用道上に移設する。現在地からの距離は最大約220メートル。
 柳津(登米市)−気仙沼(気仙沼市)間55.3キロのうち42.7キロが専用道経由となり、専用道比率は約77%となる。所要時間は最速106分と3分短縮。運行本数に変更はない。


津波の浸水域示すモニュメント設置 気仙沼大島「野杜海」28日除幕式
 東日本大震災で被災した気仙沼市大島の商店主らが7月に開いた商業モール「野杜海(のどか)」に26日、津波の浸水域が分かる島の形のモニュメントが設置された。津波の脅威や震災の教訓を来店者に伝えるのが目的で、28日に現地で除幕式と記念イベントがある。
 御影石のモニュメントは野杜海の芝生広場にできた。縦1.2メートル、横2.5メートル、高さ0.7メートルで縮尺5万分の1の地図を活用。亀山や小田の浜などの観光地は白い文字で刻まれ、震災の津波による浸水域が目立つように青で示された。
 大島は震災の津波で東西が分断されるなど大きな被害があった。浸水面積は島全体の約1割に当たる約100ヘクタールで、33人が犠牲となった。被災家屋は全壊776棟を含む1404棟で島全体の約4割に上る。
 気仙沼大島大橋の開通をきっかけに県内外から訪れる多くの観光客に震災の教訓を伝えようと、野杜海の店主らが話し合い、モニュメントの設置を決めた。
 約150万円の建立費には、震災直後に大島で子どもの心のケアなどの支援をしていた名古屋市の住民団体から受け取った寄付金も活用した。
 野杜海の小山春幸代表(61)は「モニュメントを見るだけで島を襲った津波の脅威と被害を理解できる。物言わぬ語り部の役割を果たしている」と話した。
 28日午後1時半にある除幕式に合わせて、野杜海は午前10時からイベントを開く。気仙沼漁港に水揚げされたカツオのたたきやドーナツが無料で振る舞われ、各店舗は500円の特別メニューを準備する。


砂の天女 鯉を導く 東松島・29日に完成イベント
 国内外で活躍する砂の彫刻家保坂俊彦さん(45)=秋田県三種町出身=が、東松島市野蒜の防災体験型宿泊施設「キボッチャ」前で巨大な砂像制作に取り組んでいる。現地で29日、完成イベントを開く。
 作品は高さ3.6メートル、幅5.0メートルで重量は80トンに上る。テーマは「天女と鯉(こい)」。東日本大震災で犠牲になった子どもたちの追悼イベントとして同市で毎年開かれる「青い鯉のぼりプロジェクト」から着想を得た。天女が鯉を天空に導く情景を表現している。
 制作は19日に始まり、市内の建設業者らが鳴瀬川の河口から砂を集め、制作現場に搬入した。26日には8割方が完成。保坂さんは「子どもたちが楽しんでくれ、たとえ砂遊びでも『工夫すればこうなる』と思ってくれたらいい」と話す。
 保坂さんは、2017年に台湾であった砂の彫刻の世界大会で優勝。震災の津波で被災した千葉県旭市の中学校跡地に制作した地球をデザインした作品が米雑誌「TIME」の今月の表紙になり話題を呼んでいる。
 砂像制作は「東松島サンドアートプロジェクト」として、市民団体などが地元の子どもらに芸術に触れる機会をつくろうと企画した。
 完成イベントは午後1時半から。高校生以下を対象に砂のアートを体験できるワークショップを開く。先着順で定員は40人。連絡先はキボッチャ0225(25)7319。


南三陸と世界を食でつなごう 3カ国の料理人滞在 住民にレシピ紹介
 海外の料理人が地域に滞在して食文化を学び、新しい料理を考案する事業が南三陸町で行われている。地域おこし協力隊の岩田康宏さん(31)が地域活性化を目的に企画。27日には料理のお披露目会を開き、住民にレシピを伝える。
 イスラエル、スイス、コロンビアの料理人が9日から町内に滞在。家庭で郷土料理を教わったり、水産加工場を見学したりして町の食文化を学んでいる。
 18日は戸倉地区の家庭を訪問。タコと大根を煮た郷土料理「タコの桜いり」やカキの吸い物を味わった。
 イスラエルのイスラエル・シャーさん(30)は「土地に根付いた料理を見られた」と喜んだ。「海外のエッセンスを加え、南三陸の人が見たことのない料理を作りたい」と意気込む。
 タコの桜いりを教えた阿部民子さん(57)は「料理人の口に合うかどうか不安だったが、おいしく食べてもらえて良かった。3人の料理が楽しみ」と話す。
 岩田さんは2017年7月、食の魅力開発推進員として協力隊に着任。18年にはイタリアの大学院で食文化やマーケティングを学び、帰国後は食を生かした地域づくりに取り組む。
 岩田さんは「海外の料理人に触発され、住民が地域の食に注目する機会になればいい」と期待する。


LGBTも温泉楽しんで 東大サークルが大崎・東鳴子をPR
 東大生の温泉サークル「OKR(おける)」が、大崎市の東鳴子温泉を性的少数者(LGBT)も楽しめる温泉地としてPRしている。人目を気にせずに入れる貸し切り風呂を備えた旅館が多いのが理由。昔ながらの湯治場の特性を生かし、誰もがリラックスできる場所として集客につなげる狙いだ。
 発案者はOKR前代表の文学部4年橋本惇さん(21)。浴場が男湯、女湯という身体的な性による分類しかないため「体と心の性が一致しないトランスジェンダーらの中に温泉が好きでも入れない人がいるのでは」と考えたという。
 全国の温泉地を巡る中で、湯治場の風情が残る東鳴子温泉に着目した。11軒ある旅館のうち6軒に貸し切り風呂がある。他に利用者がいなければ、時間や回数の制限なく自由に使える。
 橋本さんは「一般的には宿泊費と別に利用料が1時間で2000円前後かかる。元々の宿泊費が安い上に追加料金なしで利用できる東鳴子のような温泉地はなかなかない」と強調する。
 29日まで鳴子温泉郷で開催されている「湯治ウイーク」の期間中、イベント会場などで活動の趣旨や貸し切り風呂の情報をまとめたチラシを橋本さんが配布。口コミによる宣伝効果を期待する。宿泊者にも貸し切り風呂の感想などを尋ね、改善につなげる。
 東鳴子温泉観光協会の大沼伸治会長は「若者らしい視点で、元々あるものに新たな光を当てた。社会的課題に挑む姿を見守りたい」と話す。
 PR活動は「ひとにやさしい温泉地プロジェクト」と銘打った。乳がん手術を経験した人や外国人を念頭に、橋本さんは「LGBTに限らず人目が気になって入浴できない人は多い。思いを巡らす機会にもなればいい」と期待した。


東北大名誉教授ら総長に要求「研究不正認定を」 井上元総長の論文撤回問題
 東北大の井上明久元総長の論文に「科学論文として不適切な誤り」があったとして日本金属学会が英文会誌に掲載した3本を撤回した問題で、同大名誉教授らが26日、井上氏の研究不正を認定するよう求める大野英男総長宛ての文書を同大に提出した。
 文書に名を連ねたのは東北大金属材料研究所元所長鈴木謙爾、同大電気通信研究所元所長矢野雅文の両名誉教授ら61人。研究科長らでつくる教育研究評議会、経済人と学内の役員らで構成する経営協議会などにも提出した。
 東北大は2016年12月に「不正は認められない」とする調査報告書をまとめており、鈴木氏らは報告書の再点検を大学監事に要望していた。
 鈴木氏は「大学は再現実験をし、研究内容が真実だったかどうか確かめるべきだ」と訴えた。東北大広報室は「コメントを差し控えたい」としている。


暴風災害の教訓/備えの確認と対策強化を
 千葉県を中心に首都圏を直撃した台風15号による大規模停電は、発生から2週間余りでようやくほぼ解消した。だが、損傷した家屋は数多く、住民の生活再建はこれからとなる。
 甚大な被害から見えてきたのは行政や電力会社の初動の遅れと、暴風災害への備えの不十分さだ。浮かび上がった多くの課題と向き合い、防災対策を抜本的に見直さねばならない。
 台風15号は、千葉市の最大瞬間風速57・5メートルなど各地で記録的暴風をもたらした。電柱の倒壊や電線の寸断によって最大93万戸が停電となった。
 昨年の台風21号では暴風による大規模停電が関西で発生し、気候変動による多発化と対策の必要性が指摘されていた。
 まして今回は台風通過後は連日の猛暑が予報され、冷房がない被災地では健康不安の懸念が高まっていた。国や県は多くの人々が通信手段も失っている状況を想定し、ヘリコプターなどで被害の全体状況を把握する方法も取れたのではないか。
 今回の災害で浮かび上がったのは応急的に「電気」を確保する発電機の重要性だ。道路の信号や携帯電話の基地局、水道のポンプなど、生活や交通を維持する最後のよりどころとなる。
 千葉県の防災倉庫には468台の発電機があった。しかし、約250台は眠ったままで、被災市町村の支援に貸し出されたのは6台のみだった。
 県の支援は市町村からの要請が基本とされる。だが、停電で通信環境が悪化した自治体では被害の情報収集は困難を極めた。情報を送ってこない地域こそ非常事態に陥っている可能性がある、という過去の大規模災害の教訓を忘れてはならない。
 重要なのは病院や防災拠点など必要な場所に必要な物資や人が届くことだ。災害対応の原点に立ち返り、国や県が積極的な役割を果たすため、どんなルールが必要かを議論すべきだ。
 電気と情報が寸断される暴風災害はどこでも起こりうる。日本では電柱の地中化が遅れており、人口密集地では直ちに大規模停電につながる。そのリスクが高まっていることを念頭に置いて、被災地の情報確保の手段や支援物資を確認し、対策強化を進める必要がある。


遅すぎる復旧作業 台風による千葉の大規模停電は人災だったのか
台風上陸から1週間も、依然として7万戸が停電したまま。千葉の暗闇を往く――。
東京の都心部からクルマで1〜2時間も走れば到着するエリアとは思えない。9月9日に台風15号が上陸してから1週間が経っても、千葉県では約7万戸が停電したままである。
9月14日午後7時前、館山市内では大通りの街灯はついていた。だが、大きな被害を受けた布良(めら)地区で、一歩脇に入ると、家は建ち並んでいるのに、あたりは真っ暗。遠くに見えるガレージ内のランタンだけが光を放っていた(上写真)。同地区の公民館館長はこう明かす。
「電池式のランタンを配って、なんとか夜を過ごしている状況です。いまは屋根に空いた穴をブルーシートで被(おお)う作業をするための人手が足りなくて困っています。とにかく、雨をしのげるか心配。停電と残暑が続いて、この先もいろいろと予想できない問題が出てくると思います」
東京電力によれば、完全復旧するのは最長で9月27日になるという。なぜこんなにも時間がかかるのか。
「暴風が電柱などの配電設備の設計強度を超えてしまった。末端の配電網がダメになると、電柱の建て替えと電線を張り替える作業を人海戦術で進めるしかないんです。しかし東電は被害実態の把握を誤り、被害状況がわかるにつれて復旧の人員や資機材を増やす、という場当たり的な対応をしています。台風被害の多い九州電力や四国電力には対策ノウハウの蓄積がありますが、経験がほとんどない東電にはそれがなかったんです」(防災・危機管理ジャーナリスト・渡辺実氏)
大停電は「人災」でもあったのだ。
大規模停電にどう備えるか
「町の防災無線も鳴らず、電話、テレビもネットも使えなくなった。とにかく何の情報も入ってこなかったことが、一番不安な点でした」(館山市在住60代男性)
本誌は千葉の停電地域で、同じような声を何度も聞いた。近年の激甚化した台風は日本のどこを直撃してもおかしくない。非常時における電源の確保をあらためて準備する必要があるだろう。
携帯電話やスマホを充電するためのモバイルバッテリーは必須。なかでもソーラー充電が可能なタイプが便利だ。またLEDランタンのなかには、モバイルバッテリー機能を兼ねているものもある。
防災・危機管理ジャーナリスト・渡辺実氏はこうアドバイスする。
「非常用の電源を個人で確保する時代になってきました。カセットボンベを使用する発電機が10万円前後で市販されている。これがあると、大半の家電は動かせます。また、電気自動車には電源として使える車種もある。乗り換えの予定があれば検討する価値はあると思います」
また、渡辺氏は停電対策の盲点として、水の確保が重要だと指摘する。
「停電により、地域の浄水場やマンションの送水ポンプが停止して、自宅が断水になる場合が多いのです。非常用簡易トイレや飲料水の備蓄はもちろん、普段から風呂の水を常に溜めておくだけで、いざというときに生活用水として役立ちます」
ライフラインをいかに確保するか、シミュレーションしておいたほうがいい。
大規模停電、復旧工事はいまも続く


日米貿易協定の合意 ウィンウィンとは言えない
 安倍晋三首相とトランプ米大統領が日米貿易協定に最終合意した。首相は「両国に利益をもたらすウィンウィンの合意」と強調したが、とてもそう呼べる内容ではない。
 焦点となった米国産牛肉や豚肉への関税は、日本は環太平洋パートナーシップ協定(TPP)並みの水準にただちに引き下げる。米国がTPPを離脱したにもかかわらずだ。トランプ氏は「米国の農家にとって偉大な勝利だ」と誇った。
 なのに、もう一つの焦点だった日本車への関税について、米国はTPPで約束していた撤廃を見送る。自国産業保護のためだ。継続協議としたが、撤廃は困難とみられている。
 自由貿易の目的は、主要な市場を互いに開放し、経済を活発にすることだ。日本と欧州連合(EU)が今年発効させた協定も日本が農産物、EUが車の関税削減で合意した。
 米国は今回、日本に対して車以外の製品などの関税削減は決めたが、日本の対米輸出の3割を占める車の関税は残す。これでは日本のメリットは限られてしまう。
 さらに首相は先月、協定と別に日本企業が米国産トウモロコシを大量購入する計画を示し、会談したトランプ氏を喜ばせた。首相は害虫対策と説明したが、専門家からはそれほどの被害でないと疑問も出ている。
 日本政府がそこまでして米国の要求を受け入れたのは、トランプ氏が日本車関税撤廃どころか、追加の高関税発動をちらつかせたためだ。
 トランプ氏の最優先課題は大統領選での再選だ。農家や自動車工場は選挙情勢を左右する激戦州に多い。
 今回の交渉は、両首脳が交渉入りで合意した昨年9月からわずか1年のスピード決着だ。日本政府は成果を急ぐトランプ氏に花を持たせ、過大な要求を突きつけられないうちに交渉を終えたかったのだろう。
 追加関税について、日本政府は、両首脳の署名した共同声明に回避する文言が盛り込まれたと説明する。
 しかし文言は、昨年9月の共同声明を踏襲したにとどまる。予測不能なトランプ氏だけに歯止めとは言いがたい。追加関税が発動されるリスクは消えていない。
 政府は協定案を来週召集の臨時国会に提出する。国益にかなう内容なのか、しっかり審議すべきだ。


日米合意 自動車で確約取れたか
 米国は農業分野で大きな成果をあげたが、日本は自動車への追加関税回避で確約は取れなかった。交渉は成功なのか失敗なのか。来月四日召集予定の臨時国会で徹底した議論と検証を求めたい。
 利害がぶつかり合う経済交渉で妥協や譲歩は必要だ。
 ただ結果は関係する業界、生産者、働く人々の暮らしに直ちに影響する。すでに野党からはトランプ米大統領の圧力に「一方的に譲歩したのではないか」との批判が出ている。
 日米貿易交渉の焦点のひとつは日本の輸出車に対する25%の追加関税回避の確約が取れるかどうかにあった。
 長期低迷から抜け出せない日本にとって自動車産業は雇用面からも経済の柱。追加関税は深刻な打撃となる。
 共同声明には追加関税や数量規制は発動しないと解釈できる一文が盛り込まれ、政府は回避を「確認した」と説明している。
 ただ首脳会談前、米ニューヨーク・タイムズ紙は「確約」を巡り日米が対立し、正式調印が間に合わなくなったと伝えた。追加関税が発動された場合、協定を失効させるという明確な「確約」を日本が求めたが、米国が強く反発したとの内容だ。
 交渉を有利に進める切り札を温存したい大統領の本音が見える。当面は追加関税は回避できるとみられるが、トランプ大統領の出方は予測できない。交渉の経緯を明らかにする必要がある。
 農業分野では牛肉や豚肉などで譲る一方、日本は米国産米の無関税での輸入枠撤廃や、和牛の低関税輸出枠の拡大などを取り、利害のバランスに腐心している。
 それでもただすべき問題点は多くある。
 交渉外とはいえ、来年の大統領選対策で押しつけられたとしか見えない飼料用トウモロコシの大量購入は、国内の購入先も利用方法もはっきりしない。
 米国産牛肉の関税削減で、豪州産などと合わせた輸入量が環太平洋連携協定(TPP)の水準を上回る懸念がある。
 世界貿易機関(WTO)は二国間の貿易協定に90%程度の関税撤廃を求めている。自動車関連の関税撤廃の先送りでこのルールをクリアできるのか。
 協定案は臨時国会の主要テーマとなる。TPP11や日欧経済連携協定(EPA)も含め、安倍晋三首相の一連の経済外交に対する検証も必要だ。


日米貿易協定/焦る米国に押し切られた
 やはり対等な交渉は望むべくもなかった。安倍晋三首相とトランプ米大統領が合意文書に署名した、日米貿易協定だ。
 日本は米国産のコメに無関税枠は設けず「聖域」は死守したが、牛肉や豚肉などで環太平洋連携協定(TPP)と同水準の関税撤廃や削減を決めた。一方、TPP最大の恩恵と言われた日本製自動車や関連部品への関税撤廃は見送られた。
 首相は「ウィンウィン(共存共栄)の結論」と述べた。しかし双方の勝ち取った内容には大きな開きがある。
 来年の大統領選で再選を目指すトランプ氏は功を焦っていた。日本は有利な立場だったのに、日米安保条約への不満をちらつかせるトランプ氏の戦術に押し切られた形だ。
 自動車関連の関税は継続協議となる見通しだが、米議会はサービス分野も含めた包括協定の締結を求めている。日本政府は国益を損なわないための戦略を練り直さねばならない。
 貿易協定を結ぶ際に関税撤廃を求める世界貿易機関(WTO)のルールと整合性がとれなくなる点も問題だ。日本がこれまで各国と結んだ協定は、品目数や金額ベースで90%程度まで撤廃率を引き上げている。今回の協定で、米国の撤廃率は65%以下にとどまる。
 自動車関税を継続協議とすることで、ルール適合への努力を促すのが日本側の思惑とされる。しかし撤廃率を高めるよう努力すべきは、米国である。
 米国は「自国第一主義」を掲げてTPPを脱退したが、農産物など日本向け主力品目のほぼ全てでTPPと同水準の市場開放を手に入れた。多国間の枠組みより、2国間の方が有利に取引できる−。今回の協定がトランプ氏の持論を強固にし、国際協調への関心を一層遠のかせるのではと懸念する。
 責任は、米国ペースの交渉を許した日本側にもある。世界に保護主義の暗雲が垂れ込める。「自由貿易の旗手」を自認するなら、関税撤廃を米国に強い姿勢で求め続けるべきだ。
 米国産農産物の市場開放は8千億円弱に達し、国内農家などへの影響は必至だ。10月から始まる臨時国会で国民への説明責任を果たさねばならない。


日米貿易協定 国益損なう拙速な合意
 農業は言うに及ばず、車など工業製品でもことごとく譲歩した。国益を守ったとは到底言えまい。
 安倍晋三首相はトランプ米大統領と会談し、日米貿易協定の締結で最終合意した。
 米国産牛肉の関税を環太平洋連携協定(TPP)と同水準に下げるなど7800億円相当の農産物市場を開放する一方、米国が離脱前のTPPで約束した車と自動車部品の関税撤廃は継続協議とした。
 農業市場の開放と引き換えに工業分野などの貿易が拡大し、日本全体ではプラスになる―。政府のその説明にすら達していない。
 しかも交渉内容を伏せ続け、国民不在で合意に至り、全容もなお開示していない。極めて問題だ。
 TPP、欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)に続き日本の農業が犠牲を強いられる。北海道など産地への打撃が心配だ。
 政府は合意と交渉の詳細な内容を直ちに明らかにすべきである。影響の試算を早急に公表し、十分な対策を打ち出さねばならない。
 首相は会談後、「日米双方にウィンウィンの結論」と強調した。
 しかし日本車への追加関税を突きつけられて2国間交渉に応じ、大統領選再選に向けトランプ氏に成果をお膳立てしたようにしか見えない。脅しに屈し妥協を重ねるのでは通商交渉とは呼べない。
 米国が譲ったのは、日本側の譲歩一辺倒が参院選の争点とならないよう妥結を遅らせた程度だ。首相が守ったのは国益より米大統領との関係と政権の安定だろう。
 首相は米国が追加関税を課さないことをトランプ氏に確認したという。だが再選へ好景気を維持したい米政権にとり自国経済に打撃が大きい追加関税は、そもそも「切れないカード」ではなかったか。
 今回で味を占め、継続協議でもカードをちらつかせかねない。
 日本政府はコメ輸入の無関税枠見送りや日本産牛肉の低関税輸出枠拡大を成果に挙げる。ただ牛肉は複数国対象の別枠と合体して日本も使える形となり、米国にすれば低関税枠の総量は増えない。
 この合意が関税撤廃率で世界貿易機関(WTO)のルールに反するとの指摘もある。自動車を継続協議にすることでWTOの追及をかわす狙いも透けるが、ルールを軽んじた合意は正当性が問われる。
 政府は来月召集の臨時国会に承認案を提出する。農業への影響を精査し対策を打つことはむろん、政府の交渉戦略が妥当だったのかも議論が必要だ。生産者の不安を顧みぬ拙速な承認は許されない。


日米貿易協定合意 畜産への影響懸念される
 安倍晋三首相とトランプ米大統領が貿易協定締結で最終合意した。日本は8千億円近い米国産農産品の関税を撤廃・削減する。特に海外の安い牛肉や豚肉との競争がますます拡大することとなり、県内畜産業に影響が出ることが懸念される。
 米国産の牛肉や豚肉の関税は環太平洋連携協定(TPP)と同水準まで引き下げられる。現在の38・5%の牛肉の関税は段階的に削減し、最終的に9%となる。米国産豚肉の高価格品にかけられている4・3%の関税も最終的にゼロになる。
 大規模牧場経営でコスト面の競争優位性がある米国の畜産業を相手に、手間をかけて牛を肥育する日本の畜産農家が、関税の引き下げで打撃を受けるのは必至だ。飼料価格が上昇傾向にあるなど経営コストが増している中で、生産者の事業継続の意欲をそぐことになりかねない。
 牛肉や豚肉の価格が安くなることは一般家庭には恩恵と感じるかもしれない。だが、輸入農産物との価格競争で国内産の消費が減り、相場全般が下がれば、農業の比重が大きい山間部や離島の雇用、経済を確実に衰退させる。
 2017年の県内農業産出額で肉用牛は228億円を記録し、今やサトウキビの168億円を上回る農業分野の稼ぎ頭だ。関税引き下げによる畜産業への影響は、県経済にとっても無視できない。
 既にTPPや日欧経済連携協定(EPA)が発効する中で、米国との新たな貿易協定が発効すれば、畜産農家はさらなる試練にさらされる。
 もともとトランプ大統領は、自由貿易圏の拡大を掲げたTPPから「永久に離脱」すると宣言し、自国の利益を優先した「米国第一」の保護主義路線へかじを切った。
 TPP交渉の際に日本政府は、農業団体などの反対を押し切りコメの輸入拡大や牛肉関税の引き下げを容認した。今回の米国との協議でコメの無関税枠は回避したものの、牛肉や豚肉などの関税で米国の農家はTPPと同じ恩恵を受けられるようになった。
 一方で、米国のTPP離脱前には盛り込まれていた自動車や自動車部品の関税撤廃について、米国は一切を認めなかった。むしろ、トランプ大統領に日本車への追加関税の発動に踏み切らせないよう、TPPから大幅な後退となる条件を日本がのむことで決着を急いだような格好だ。
 相手国に追加関税をちらつかせて自動車など自国産業を保護し、競争力のある分野で輸出拡大を狙うトランプ流の外交であり、その手法にまんまと乗せられた日本政府の弱腰は将来に大きな禍根を残すものだ。トランプ外交も交渉に勝利したように見えて、長い目で見れば友好国との間にしこりを生み、米国の国益を損ねることになるだろう。
 今回の貿易交渉の経過と結果を分析し、米国との関係を考え直す機会とすべきだ。


[日米貿易協定合意]米国への配慮がにじむ
 安倍晋三首相の言う「ウィンウィン(相互利益)の合意」とは程遠い。
 日米両首脳が新たな貿易協定締結で最終合意した。
 焦点になっていた米国産コメへの無関税枠は設けなかったが、米国産の牛・豚肉など農産物は環太平洋連携協定(TPP)の水準まで関税を大幅に引き下げた。米国による日本の自動車への追加関税や数量規制は免れたものの、自動車と関連部品の関税撤廃は実現しなかった。米国への譲歩が目立つ内容だ。
 米国産の牛・豚肉の関税が引き下げられることで、日本国内での販売価格の低下が見込まれ、消費者は恩恵を受ける。しかし、安価な食肉の輸入は国内の畜産農家を直撃することにもなる。
 日本政府は、幅広い品目で国内農業を守ったと強調する。だが、米側からすると牛・豚肉、小麦、ワインなど日本向けの主力と位置付ける品目はTPPと同水準を勝ち取ったといえる。2年前にTPPを離脱した米国の農産品をTPP基準と同等にしたことになるからだ。
 日本が農産物で有利な条件を引き出したのは、米国産のコメが無関税で入ってくる状況を回避したことだけに限定される。
 自国の利益を守れたといえるのか。
 江藤拓農相は「農家が不安な気持ちを持っていることは理解できる。しっかり説明を尽くしたい」と述べた。協定の影響を緩和する国内対策を具体的にどう取るかを示す必要がある。
    ■    ■
 日本が米国との2国間交渉に応じた最大の理由は、自動車の追加関税を避けるためだった。ただ、共同声明では「信頼関係に基づき協定を誠実に履行している間は、声明の精神に反する行動を取らない」と記載しているだけで、曖昧なままである。
 新たな貿易協定は、来年の米大統領選を見据え、トランプ大統領が成果を挙げたい思惑が透けた。トランプ氏は交渉のさなか、日米安保条約を「不公平な合意」と発言するなど、貿易と安保を絡めてゆさぶりをかけてきた。
 交渉から1年という短期間での協定締結となり、米側は農産物と自動車で有利に得点を重ね、選挙への実をとったことになる。
 米側への配慮がにじむ結果は、「自由貿易の旗手」(安倍首相)を自任してきた日本の立場を揺るがしかねない。多国間の枠組みによる自由貿易を広げていく役割を忘れてはならない。
    ■    ■
 政府は協定締結を受けた手続きに入り、来年1月にも発効する見通しだ。
 10月4日から始まる臨時国会に協定案が提出される。安倍首相には、合意内容の詳細や交渉過程などを明らかにする説明責任がある。
 その上で、想定される国内の各産業が受ける影響、それに対する政策を明確に示してほしい。
 継続協議とされた自動車関連の関税撤廃の協議や、追加関税の回避について発動しないという確約を取り付けるには、綿密な戦略と交渉力が必要だ。


日米貿易協定  コメは死守したけれど
 日米貿易交渉が決着した。
 日本が懸念していた米国産コメの無関税枠は設けられないが、日本は牛肉や豚肉、小麦、ワインなどの農産品市場を環太平洋連携協定(TPP)と同水準で開放する。市場規模は約7800億円になる。
 一方で、安倍晋三政権が米国に対し強く求めていた日本車と自動車関連部品の関税撤廃は見送られた。
 安倍政権は、コメ分野で米粉やもちなども含めて無関税枠を作らせなかったことや、脱脂粉乳やバターなどで新たな米国産輸入枠を認めなかったことなどをあげ「善戦」だったとアピールしている。
 だが、米側が対日輸出額の大きい農産品の市場開放を勝ち取ったのに対し、日本は本来目指していた自動車などの工業分野で前進を得られなかった。とても善戦とはいえまい。
 交渉入りを決めてから1年での短期決着だ。大統領選を来年に控えて外交成果を狙うトランプ政権に、日本が実質的に譲歩を強いられたといえる。
 オバマ前政権が主導したTPPでは、米国は日本車など日本製の工業製品に対する関税をすべて撤廃する約束になっていた。
 しかし今回の協定で製造業の恩恵は化学分野などに限定されることになる。
 米国の自動車産業が集中する地域は大統領選で激戦地となる見通しで、トランプ政権にとって自動車関連は譲れない分野だった。
 茂木敏充外相は自動車部品などについて引き続き交渉する考えを示したが、具体的な交渉期限などは示されておらず、今後の協議でこの分野の関税撤廃が認められる見通しはたっていない。
 日本は将来的に米国をTPPに引き戻す狙いを持っているが、米国に「TPP水準」を農産物だけに都合良く利用されたといえないか。
 多国間交渉を避けて2国間でものごとを決めようとするトランプ氏の思惑通りに進んだという面は否めない。
 コメや乳製品などで義務的に輸入する枠は設定されなかったが、安価な農産物がこれまで以上に国内に流入することは確実だ。
 影響を受ける国内農業については、実効性のある対策を速やかに取ってほしい。
 協定では、米国が日本産牛肉の低関税枠を拡大し、日本から米国への輸出増が期待される。意欲のある生産者を支援する政策も必要だ。 


日米貿易協定 「相互利益」には程遠い
 安倍晋三首相とトランプ米大統領が日米貿易協定の締結で合意し、共同声明に署名した。
 日本は、米国の農産品に対する関税を大幅に引き下げる一方、日本が強く求めた米国の自動車関税撤廃などは先送りされることになった。日本側の一方的な譲歩ばかりが目立つ結果は残念だ。
 首相は、懸案だった日本製自動車に対する追加関税や数量規制を免れたことを成果の一つとして強調しているが、共同声明には具体的な言及はない。回避できるかどうかは不透明なままの状況に変化はない。
 これでは、首相が掲げる「ウィンウィン(相互利益)の結論」とは、程遠い内容と言わざるを得ない。改めて国力に差のある国を相手にした2国間交渉の難しさが浮き彫りになった形である。
 日本の通商政策の基本は、世界貿易機関(WTO)などの枠組みを活用する多国間交渉によって自由貿易を推進することである。2国間交渉は拒否し、米国に環太平洋連携協定(TPP)への復帰を求めなければならなかった。
 政府も当初はその戦略だった。しかし対日貿易赤字の解消を掲げ、安全保障問題を絡めながら日本の自動車への追加関税の可能性さえ持ち出すトランプ流の圧力外交に屈した形だ。日本経済を支える自動車産業への脅威を放置することはできず、やむを得ず2国間交渉に応じるしかなかったのだろう。
 今回の協定で、米国産の牛肉や豚肉、小麦、乳製品の一部、ワインについて関税をTPP並みに引き下げたり撤廃したりする。米国のほぼ要求通りだ。
 TPPではしかし、日本車と自動車部品に課している2・5%の関税も撤廃で合意していた。こちらの方も基本的に撤廃するのが筋だろう。
 日本側が農産物で有利な条件を引き出したのは、コメ分野だけだったのが実情である。譲歩に見合うほどの成果だったとは思えない。
 来年に大統領選を控えたトランプ氏はともかく早く合意をしたかったようだ。中国との貿易摩擦で支持基盤の地域も農産物の輸出が減少している。日本市場への輸出拡大を有権者にアピールしたかったのだろう。
 トランプ氏はさらに、サービス分野を含む包括的な自由貿易協定(FTA)の交渉も示唆している。知的財産や金融などの国内の制度まで対象とする交渉となる。より広い分野で米国と直接渡り合わなくてはならない。日本側がどこまで持ちこたえられるのか、不安になる。
 日本国内の農業は昨年末のTPPに加え、今年に入ってからは欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)も発効し、既に大きな影響を受けている。
 とりわけ米国から今後入ってくる安価な食肉や乳製品の攻勢にさらされる畜産業者の不安は大きいはずだ。
 日本側は10月から始まる臨時国会に協定案を提出し、国内手続きに入る。これまで明らかにしてこなかった合意内容の詳細や国内の各産業に及ぶ影響、それに対する手当てについて丁寧に説明しなくてはならない。
 「ウィンウィン」といって交渉の成果を強調するよりも、国内産業を守るため実効ある対策を打ち出すことが急務である。


対米貿易交渉 「多国間」軸に長期戦略を
 この交渉は始まる前から日本の不利が予想されたが、結果は案の定ではなかろうか。安倍晋三首相とトランプ米大統領が締結で合意した日米貿易協定のことである。
 首相は記者会見で「両国にとってウィンウィンの合意」と強調したが、政府が公表した資料を見ても日本にとっての利益が判然としない。むしろ、成果を急ぐ米国に押し切られたという懸念の方が拭い切れない。政府には国会などの場で国民に向けた丁寧な説明を求めたい。
 焦点の一つに、米国が求めた農産品の市場開放があった。結論は日本が大きく譲歩したと言わざるを得ない。畜産王国・九州でも関心の高い牛肉や豚肉については、環太平洋連携協定(TPP)参加国並みに関税が引き下げられる。消費者にとっては朗報の面はあるが、畜産農家の経営にどの程度の影響があるか目配りが欠かせない。
 全体としては、米国産コメの無関税輸入枠を設けないといった点は異なるが、農業分野はおおむね過去のTPP交渉で合意した内容に収まったという。
 一方、日本が米国に求めていた自動車や自動車部品の輸入関税撤廃は事実上、見送りになった。TPP交渉での合意内容に比べると、こちらは大幅に後退したとしか評価できない。
 これは、米国が打ち出した自動車への追加関税や数量規制の発動を回避することを日本政府が優先したためだ。北米向けの車を生産する九州の自動車メーカーにも影響が及ぶ話で、日本自動車工業会なども評価しているが、貿易拡大交渉で日本が得た利益と言うには無理がある。
 そもそも今回の交渉は、トランプ氏がTPPから一方的に離脱したことが発端だ。結果を見れば、米側はTPP合意の果実をほぼ得て、日本側はその多くが「お預け」となったとの見方が成り立つのではないか。
 「米国第一」を掲げるトランプ氏のことだ。来年の大統領選に向けて支援者を喜ばそうと、今後も日本に新たな2国間交渉のディール(取引)を仕掛けてくる可能性は否定できない。
 それに振り回されてはならない。最大の経済大国で、外交・安全保障でも頼りにする米国ではあるが、貿易立国の日本には世界の自由貿易を推進する責務もある。長期戦略が必要だ。
 米国抜きのTPPに続き、今年2月には欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)が発効した。東南アジア諸国連合(ASEAN)に中国、韓国、インドなどを加えた16カ国の東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の交渉も進む。自由貿易圏を広げることこそ、米国の保護主義へのけん制になる。


芸術祭に補助金不交付 妨害の後押しにつながる
 文化庁が、国際芸術祭「あいちトリエンナーレ」に対し、予定していた補助金約7800万円を交付しないことを決めた。
 問題視されたのが、従軍慰安婦から着想した「平和の少女像」などを展示する企画展「表現の不自由展・その後」だ。先月の開幕直後からテロまがいの脅しを含む抗議が殺到し、3日で中止に追い込まれていた。
 文化庁は不交付の理由を、補助金の申請者である愛知県が、円滑な運営が脅かされる事態を予想していたにもかかわらず、申告していなかったことだと説明する。
 情報が十分でなく、適切な審査ができなかったという判断だ。
 一方で、あくまでも展示内容の是非ではないと強調する。
 しかし、いったん事業を採択して助成を決めたにもかかわらず、開幕後に手続きの問題を理由にして不交付にするというやり方は、展示内容に対する今の政権の不快感を表していると取られても仕方ない。
 実際、開幕直後、菅義偉官房長官は、文化庁の補助金交付の是非について検討する考えを示していた。
 結果的に今回の措置は、自分たちと意見を異にする言論や表現を暴力的な脅しで排除しようとする行為を、後押しすることにつながる。
 さらに、そういった風潮が社会に広がっていくことにも強い危機感を覚える。
 確かに、不自由展の開催にあたっては、リスク回避の不備など津田大介芸術監督に甘さがあった点は否めない。
 しかし、政治権力が補助金の判断を通して、展示内容や作品を選別するようなことはあってはならない。文化人や芸術家から、芸術文化活動が萎縮するのではないかとの懸念が上がるのは当然だろう。
 補助金の不交付決定は、愛知県の大村秀章知事が、企画展の再開を目指すことを表明した直後だった。大村知事は、不交付について、「表現の自由」の侵害にあたるとして、文部科学省を相手取り提訴する方針を示した。法廷の場で明らかにするのも一つの手立てだろう。
 国は、世界に尊敬され愛される「文化芸術立国」を目指すとしている。そうであれば、なおさら丁寧に説明する必要がある。


安倍政権の芸術検閲が始まった!「あいちトリエンナーレ」補助金取り消しを町山智浩、内田樹、平野啓一郎、想田和弘らが批判
 明らかに安倍政権による“国家検閲”だ。脅迫やテロ予告を含む電凸攻撃を受け、企画展「表現の不自由展・その後」が中止に追い込まれた「あいちトリエンナーレ」に対し、文化庁が昨日26日、採択していた約7800万円の補助金を交付しない決定を発表した。
 「表現の不自由展・その後」をめぐっては、慰安婦問題を象徴する「平和の少女像」などの展示に対し、右派からの批判が殺到。河村たかし名古屋市長や松井一郎大阪市長、そして自民党の国会議員らが展示を問題視・攻撃するような発言を繰り返した。さらに、菅義偉官房長官や当時の柴山昌彦文科相も国からの補助金をタテにして牽制していた。
 だが、まさか本当に補助金を全額取り消してしまうとは、開いた口が塞がらない。しかも、愛知県が設置した第三者検証委員会(「あいちトリエンナーレのあり方検証委員会」、座長=山梨俊夫・国立国際美術館館長)が中間報告を公表し、「条件が整い次第、すみやかに再開すべきである」と提言したのがつい前日25日のことだ。
 この文化庁の“補助金取り消し”に対し、すでにTwitter上では多くの識者や表現者らが懸念や批判の声を上げている。たとえば「表現の不自由展・その後」にも作品を出展したアーティスト集団のChim↑Pomは、補助金不交付の報道に対してこう投稿した。
〈あり得ない。日本の公共的文化制度が終わります。こんな前例ありますか。これがまかり通って良いのでしょうか。リフリーダムや不自由展や知事や津田さんとかあいトリ関係者だけじゃなく、日本のアート関係者一丸となって動かないと、文化庁も助成制度も表現の自由も国際文化競走も「終わり」ませんか。〉
 また、映画評論家の町山智浩氏は〈政府に都合のいい文化事業にしか補助金が出ない。今後、戦争の歴史的展示にも同じことが起こるぞ〉と警鐘を鳴らし、小説家の平野啓一郎氏は〈こんな前例を作ってはならない。強く抗議します〉と表明。文筆家の内田樹氏は〈愛知の芸術祭への補助金不交付の決定は、文化活動へのすべての補助金は「政権への忠誠度」を基準に採否を決すると文科省が宣言したと僕は解しました〉として〈今後は体制批判と解釈される作品や活動には一切公的資金は支給されないからそのつもりで、という告知だと思います〉などと投稿した。
 さらに映像作家の想田和弘監督は〈えっ。安倍政権は「日本には表現の自由はいらない」と決めたようです〉とした上で、この補助金不交付の前例がどれだけ表現を抑圧していくかについて連続でツイートしている。
〈トリエンナーレへの補助金を安倍政権が取り消す件、憲法21条に抵触するのを恐れて政府は手続き的な瑕疵を理由としているが、それは単なる言い訳なので細かく検討するに値しない。要は政府が気に食わぬ表現を含む催しには金を出さぬどころか、決まっていた補助金も引き上げる。そう宣言したわけだ。〉
〈これは政府の補助金を織り込んだイベントの主催者にとっては脅威である。すでに決まっていた7千万以上の金すら取り上げられるなら、政府の方針に少しでも反しそうな表現はあらかじめ自己検閲するであろう。今後、補助金のあるイベントでは、自由な表現をすることは多大なリスクとなる。〉
〈これは事実上、税金の拠出が認められる公共性の高いイベントであればあるほど、自由な表現はできなくなるということ。公共の場とは様々な意見や立場が排除されない場のことなので、これは完全な背理である。日本の「公共」は首相の考えにそぐわぬものは許容されぬ場になった。つまり私物化された。〉
 想田監督が指摘するとおりだ。このままでは完全に、安倍政権にとって“無害”か、あるいは積極的に利用したい言論、芸術、すべて表現行為だけに私たちの税金からなる補助金を交付し、逆に政権に対する異論や不都合な表現は狙い撃ちされる。公共から自由な表現活動が消えていき、そのまま言論統制国家さながらに突き進んでいくだろう。
萩生田光一文科相の「取り消し理由」のトンデモ 取り消しは安倍政権の政治家の圧力だ
 実際、文化庁の今回の補助金取り消し決定の裏に、安倍政権の圧力があったことは間違いない。
 先の内閣改造で安倍首相の側近中の側近・萩生田光一氏が文化庁を管轄する文科相に就任したが、その萩生田文科相は昨日のぶら下がり会見で「検閲には当たらない」などと強弁した。
 しかし、これが事実上の国家検閲でなくてなんなのか。「実現可能な内容であるか、それから継続可能かどうか」を審査したとして、「文化庁に申請のあった内容通りの展示会が実現できていない」なる不交付の理由も無茶苦茶としか言いようがない。
 繰り返すが、そもそも文化庁は今年4月に「あいちトリエンナーレ」に対し、「文化資源活用推進事業」として約7800万円の補助金交付を内定させていた。ところが「表現の不自由展・その後」の少女像展示などが発覚すると豹変。「事実関係を確認、精査して適切に対応したい」(菅官房長官)、「事業の目的と照らし合わせて確認すべき点が見受けられる」(柴山前文科相)などと“補助金交付の見直し”をチラつかせたのだ。「表現の不自由展・その後」を標的にしているのはミエミエで、実際、“安倍政権御用紙”の産経新聞ですら〈元慰安婦を象徴する「平和の少女像」や昭和天皇の肖像を燃やすような映像の展示に批判が高まったことなどを受け、交付が適切かどうか精査していた〉と書いている(産経ニュース)。
 補助金をタテにとった事実上の国家検閲と呼ぶほかない。たとえば萩生田文科相は、主催側が少女像展示等に対する批判によって展示の継続が難しくなる可能性を知りながら文化庁に「相談がなかった」ことも不交付の理由にしたが、いや、それこそ展示への介入以外の何物でもないだろう。事前に展示物をひとつ残らず申請させ、その通りにつくらなければ補助金を止めるということが正当化されるからだ。美術の展示に限らず、創作物の制作過程で内容が変わることなどザラにあるし、それ以前の問題として、政府にとって都合の悪い内容なら事前の申請時点でハネられてしまうかもしれない。政権を忖度した過剰な自主規制を招くのは目に見えているだろう。
 だいたい、脅迫を含む抗議殺到によって「表現の不自由展・その後」の継続が困難になった事実は、それを予見し対策が可能だったかとは関係なく、いかなる理由があろうとも責められるべきは脅迫犯であって、主催者側であるはずがない。こんな理屈が通るなら、それこそ、国や自治体から補助金が出ているイベントならなんでも、ネトウヨが電凸や脅迫を繰り返して炎上させてしまえば、「対策ができていない」などと言って補助金を停止するという暴挙がまかり通ってしまうことになる。
安倍政権に使い政治家が脅迫を扇動し、「表現の不自由展・その後」中止に追い込んだ
 忘れてはならないのは、今回の「表現の不自由展・その後」をめぐる大量の電凸や脅迫は、安倍政権や政権に近い極右政治家が扇動したという事実だ。
 25日に発表された検証委員会による中間報告は、美術監督である津田大介氏らの不備も指摘する一方、〈過去に禁止となった作品を手掛かりに「表現の自由」や世の中の息苦しさについて考えるという着眼は今回のあいちトリエンナーレの趣旨に沿ったものであり、妥当だったと言える〉と判定。そして、政治家たちの圧力発言については、〈河村市長らの発言による直接的影響はなかったが、TVメディア等を通じた同氏らの対外的発言によって、電凸等が激化した可能性がある〉〈政治家の発言は、純粋な個人的発言とはみなせない。内容によっては圧力となりえ、(広い意味での)「検閲」とも言いうるので、慎重であるべき。また、報道等で広く拡散されることで度を越した抗議を助長する点でも慎重であるべき〉と断じている。
 いずれにしても、わたしたちが今回の補助金取り消しに強く抵抗しなければ、これからどんどん安倍政権がネトウヨをけしかけて、マッチポンプ的に事実上の検閲を行うということが繰り返されてしまうだろう。そもそも憲法で保障された「表現の自由」は、時の権力に左右されないためのものだ。戦中の日本では、報道だけでなく芸術作品までが検閲の対象となり、逆に戦争賛美や戦意高揚に利用されていった。このままでは、本当にこの国は同じ轍を踏むことになる。


あいちトリエンナーレへの補助金撤回した文化庁の“屁理屈”
 国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」が中止になった問題を巡り、文化庁は26日、補助金7800万円を交付しないと発表。萩生田文科相は「検閲にはあたらない」と強調したが、果たして「検閲ではない」と言いきれるのか。
「表現の不自由展」を巡っては、トリエンナーレが開催(先月1日)してから、慰安婦像の展示や昭和天皇の写真を用いた作品が燃える映像に対して抗議や脅迫が殺到。わずか3日で中止に追い込まれた。
 河村たかし名古屋市長が同展を「日本人の心を踏みにじるもの」と批判し始めると、菅官房長官が補助金交付について「事実関係を確認、精査して適切に対応したい」と表明。この“菅の一声”によって、補助金見直しが検討され始めたと言っても過言ではないだろう。
 あらためて補助金交付の取りやめの理由について文化庁に聞くと、こう回答した。
「愛知県は補助金を申請する段階で、展示会の安全で円滑な運営に支障があると認識していたにもかかわらず、必要な事実を申告しなかったため、文化庁として適正な審査を行うことができませんでした。申告すべきものを申告しなかったという理由で補助金の不交付を決定した前例は、今のところ確認できません」(地域文化創生本部事務局長)
 何だかもっともらしい説明だが、トリエンナーレは同庁の審査を経て、今年4月に文化資源活用推進事業に採択されている。申請に不備があるのであれば、審査の段階でハネればいいだけ。後から不備を理由に不交付とは屁理屈にしか見えない。
 元文科官僚で京都造形芸術大客員教授の寺脇研氏がこう言う。
「菅官房長官が補助金の見直しを示唆したことで、不交付になることはほぼ決まったようなもの。文化庁は『ちゃんと対応しろ』と命令されたに等しいからです。申請の不備が不交付の理由ですが、官邸に逆らえない文化庁が苦肉の策で出した理由をマトモに受ける人はいないでしょう。今回の決定は検閲に等しいでしょう」
 気に入らないものは潰す――。安倍政権の体質がよく表れている。


「文化庁が負ける公算も高い」 あいトリ補助金問題、弁護士が予想する裁判の行方
国際芸術祭「あいちトリエンナーレ」での一部展示中止問題で、文化庁は、脅迫などの危険を知りながら申告しなかったなどとして、補助金7800万円を不交付とする異例の発表を行った。
これに対し、芸術祭実行委会長の大村秀章愛知県知事は、訴訟を起こす考えを明らかにした。実際の裁判では、どちらが有利なのか、弁護士に話を聞いた。
官邸の意向か忖度ではないかとの声も出たが...
「うわ......」「ようやるわ」。芸術監督のジャーナリスト津田大介氏は、2019年9月26日に補助金不交付の報道を引用し、ツイッターでこう嘆いた。大村知事も「正直言って驚いた」と報道陣に漏らすなど、文化庁の決定は、関係者に衝撃を与えた。
報道発表によると、補助金を申請した愛知県は、安全を脅かすような重大な事実を知りながら文化庁に申告せず、展示会の実現可能性や事業継続性の2点について、適正な審査ができなかった。こうしたことは、手続き上不適切だったとし、事業全体として補助金が申請されていることから、交付決定について定めた補助金適正化法第6条などに基づいて、「全額不交付」とした。
この決定について、津田氏は、すでに補助金が内示されていたことから、事後検閲に当たらないのかと取材に疑問を語ったと朝日新聞が報じた。また、大村知事も、「合理的な理由がない」と不快感を示し、「裁判で争いたい」と明らかにした。
訴訟では、表現の自由をうたった憲法第21条を争点にしたい考えも示した。中止となった「表現の不自由展・その後」を再開したいと25日に表明した直後だけに、大村知事は、「関連性があるとしか思えない」と不信感を露わにした。
ツイッターでも、著名人らから「政府に都合のいい文化事業にしか補助金が出ない」「自主規制(自己検閲)せざるを得なくなる」と懸念の声が上がった。また、一部大手紙や野党幹部からは、官邸の意向か忖度ではないかと政治的な思惑を指摘する声も出ていた。
「民間のスポンサーの判断ならいいでしょうが...」
一方、ニュースサイトのコメント欄などでは、文化庁の決定を支持する声も多い。「市民の税金を使って催すような展示ではない」「表現の自由も無制限ではないですよね?」「文化庁の今回の措置を支持します」などと書き込まれている。
萩生田光一文科相は9月26日、報道陣に対し、憶測が出ている官邸からの指示は否定した。「申請のあった内容通りの展示会が実現できていない」と補助金不交付の理由を説明し、検閲に当たるかについては、「中身については、文化庁はまったく関与していない」と述べた。
補助金不交付が裁判になった場合について、深澤諭史弁護士は、その見通しをJ-CASTニュースの取材に次のように話した。
「訴訟になれば、文化庁の方が負ける公算も高いのではないかと思っています。批判されたから補助金を出さないと見られてしまい、苦しい理由だと思うからです。民間のスポンサーの判断ならいいでしょうが、行政は、他の展示会への処分と公平でないといけないでしょう。今回の決定を認めると、脅迫をすればよいことになり、主催者への不利益が生まれてしまいます」
文化庁側は、展示会の中身は関係ないとしているが、深澤弁護士はこう言う。
「表現の自由をうたった憲法第21条は、争点になると思います。今回が認められれば、お金をもらえるような表現を国が選べることになり、表現の自由を侵害することにもつながるからです」(J-CASTニュース編集部 野口博之)


安倍首相が国連演説で“SNS映え”狙うも…完全自爆の赤っ恥
 世界に「スゴイ首相」をアピールするつもりが、完全に自爆だ。安倍首相が24日午後(日本時間25日午前)、米ニューヨークで行った国連総会の一般討論演説。拉致問題の解決に向け、金正恩朝鮮労働党委員長に首脳会談実現を呼び掛けたり、イランへの名指しを避けてサウジアラビアの石油施設攻撃を非難したり。その演説の内容以上に安倍首相本人が恐らく重視したのは“インスタ映え”だ。
  ◇  ◇  ◇
 国連本部で登壇する自分の写真を早速、自身のインスタグラムやツイッターに投稿。ツイッターには、〈世界には常に様々な課題がありますが、日本は、積極的平和主義の旗のもと、その解決に貢献していく。我が国の決意を、国連総会の場で、改めて発信しました〉と書き込んでいた。
 勝手に「積極的平和主義」なんて意味不明な旗を織られても、はなはだ迷惑な話だが、チラッと写真に写り込んだ議場の様子を見ると、聴衆が少ないような……。
 NHKは25日正午のニュースで、安倍首相の国連演説をトップで伝えたが、大半は安倍首相のアップばかり。議場全体の様子を流したのはホンの5秒程度しかない。その映像を確認すると、これが見事なまでにガラガラ、スカスカなのである。
 聴衆が誰も聞いていないなか、長々と演説をぶった安倍首相の強心臓には恐れ入るが、安倍首相のツイートに対する反応の多くは〈総理の作文朗読タイム、毎回ガラガラなのですね。大変お気の毒さまです〉〈誰も聞いてない。やっぱり〉と散々なもの。インスタ映えを狙って余計な写真を投稿したばかりに情けない裏側を暴かれるとはアホ丸出しである。
 加えて安倍首相は、各国の政府関係者とみられる人々が、自分に握手を求めてくる写真もわざわざツイッターに投稿したが、並んでいるのは5人ほど。
 昨年秋の臨時国会で自民党の代表質問に立った稲田朋美現幹事長代行は「国際会議の場では、安倍総理と話そうとする各国首脳が列をつくる状況も見られ(る)」とおだててみせたが、今回列をつくった人々には、少なくとも日本人の大半が知る「各国首脳」の姿は見当たらないのだ。
 安倍首相は“インスタ映え”を狙って「オレってスゴイでしょ」と猛烈アピールしたつもりだろうが、見ている側が恥ずかしくなるほど裏目に出てしまった。これでは“インスタ自爆”である。


大坂なおみ差別はAマッソだけじゃない! 『今夜くらべてみました』も大坂の外見揶揄する差別モノマネ
 お笑いコンビ・Aマッソによる大坂なおみ選手に対する差別発言が大問題となっている。
 Aマッソは村上愛と加納愛子が結成したコンビだが、22日に参加したイベントで披露したネタのなかで、村上が投げた「大坂なおみに必要なものは?」という振りに対して、加納が「漂白剤。あの人日焼けしすぎやろ」と返したという。
 ハイチ系アメリカ人の父と日本人の母との間に生まれた大坂選手のルーツをあげつらう許しがたい差別発言は、イベントを見ていた人がSNSに怒りを投稿したことでどんどん拡散していき、炎上状態となった。さらに、海外にも飛び火。イギリス・BBCまでがAマッソの差別発言をネットニュースで取り上げる事態となった。
 こうした背景には、Aマッソの所属するワタナベエンターテインメントの曖昧で不十分な対応がある。同事務所は公式ホームページを通じて謝罪文を出したのだが、その内容は〈特定の方のお名前を挙げて、ダイバーシティについて配慮を欠く発言を行った件につきまして、お名前を挙げてしまったご本人、思い出野郎Aチームの皆様、当日ライブを鑑賞していらっしゃったお客様、本件について不快な思いを感じた皆様、関係各位に多大なるご迷惑をお掛けしましたことを、深くお詫び申し上げます〉という、この件についてよく知らない人にはなんの謝罪なのかまったくわからない非常に曖昧なものだった。
 言うまでもないがAマッソの発言は〈ダイバーシティについて配慮を欠く発言〉程度の言及で済むものではない。所属事務所はこの発言が、肌の色を揶揄した許されざる差別発言であったことをきちんと明示し、そのうえで謝罪するべきだろう。これでは、真摯な反省をしているとはまったく思えない。
 実際、前述したイギリス・BBCも〈Aマッソの二人は「不適正で、傷つける表現」をしたことを謝罪したが、二度グランドスラムを制したハイチ系日本人である大坂選手の名前は挙げなかった〉(編集部訳)と、謝罪や反省の不備を指摘している。
 しかし、こうした差別的なお笑いへの無自覚性は、Aマッソや所属事務所の問題だけではない。日本の芸能界、さらにはテレビ全体に共通するものだ。
 実は、大坂選手に対する差別発言が炎上している最中、地上波のテレビ番組でも大坂選手の外見を揶揄する芸が堂々と放送されていた。
 9月25日放送『今夜くらべてみました』(日本テレビ)でのこと。この日の番組では、「一瞬だと似てる! 3秒くらいものまね」と題して、ものまねタレントが一発芸的なものまねネタを披露するコーナーがあった。そのなかで、坂本冬休みが「疲れすぎた大坂なおみ」というテーマでものまねを披露したのだが、これが酷いものだったのだ。
 可動式ステージに乗ってスタジオに登場した坂本冬休みは、メイクで顔や体を部分的に黒く塗り、唇を分厚くさせていた。そして、拙い日本語の発音で「ちょっと疲れた〜」と一言を発する。そして、そのままスタジオを去って行った。
 これは明らかに大坂選手のハイチと日本のハーフという属性をあげつらう差別ギャグだ。坂本冬休みは肌を全部真っ黒にしていたわけではないが、メイクで唇を分厚くした上に突き出し強調したことなどは、明らかにアフリカ系をカリカチュアする際の典型的な蔑視表現だし、わざと拙い日本語で喋っているところなども、ハーフへの蔑視が含まれている。そういう意味では、『今夜くらべてみました』が流したのはいわゆる「ブラックフェイス」に類する差別ネタだと言ってもいいだろう。
『今夜くらべてみました』が流した「ブラックフェイス」はなぜ差別なのか
「ブラックフェイス」というのは、19世紀のアメリカで流行った「ミンストレル・ショー」を源流としている。これは、白人が顔を黒く塗って道化を演じたもので、その出し物の根底には黒人に対するグロテスクな差別があった。
 黒人差別と表現の問題を論じた『「ちびくろサンボ」絶版を考える』(径書房)によると、このミンストレル・ショーは〈黒人の無知や無知から来ると思われていた明るさを笑いものにした〉芸風で、〈二十世紀の中頃のテレビ・映画のなかの黒人イメージにまで色濃く影響を及ぼしたと言われる〉とある。
〈当初は白人が顔を黒く塗り黒人奴隷の服装をして、黒人の「愚行」を演じていたが、それはあくまで白人が望んだ範囲での黒人の愚かしさであったり、白人の主人への忠実な奴隷像だったりした。またこの中で唄われる「ニグロ・ソング」も、同様に当初は白人の想像上の産物であって、黒人の実際の心情を反映されたものではなかった〉(同上)
 こうした歴史的背景もあって、アメリカのメディアでは、ブラックフェイスは絶対にやってはいけない差別表現として認識されている。
 2018年には、アメリカのテレビ番組『Megyn Kelly Today』(NBC)で、司会者を務めるメーガン・ケリー氏が「白人がブラックフェイスに、黒人がホワイトフェイスにすると問題になる」「子供の頃は、キャラクターのように変装することについては、OKだった」「(ハロウィンで)黒人歌手のダイアナ・ロスに扮し、肌を黒くしたら、物議を醸し、人種差別者扱いされた。分からないわ。ダイアナ・ロスを好きじゃない人なんているかしら?」(2018年10月27日付ニュースサイト「mashup NY」より)といった発言を行い炎上。後に謝罪したものの、『Megyn Kelly Today』はNBCとの契約途中で打ち切りになるということも起きている。
 アメリカではブラックフェイスを肯定しただけでこのような事態になるわけだが、日本ではお笑い芸人やタレントのブラックフェイスギャグが野放しになっている。
 2015年には、ももいろクローバーZとラッツ&スターが顔を黒塗りにした共演オフショットをSNSにあげたところ炎上しているし、2017年の大晦日には『今夜くらべてみました』と同じ日本テレビの『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!大晦日年越しスペシャル!絶対に笑ってはいけないアメリカンポリス24時!』において浜田雅功が映画『ビバリーヒルズ・コップ』でのエディ・マーフィーのコスプレという設定で顔を黒塗りにして問題に発展している。
 浜田のケースでは日本国内にとどまらず、海外からも抗議の声が寄せられ、BBCやニューヨークタイムズまでもが「人種差別的だ」と報じる国際的な問題となった。しかし、日テレも番組も謝罪することもなく、あろうことか年明けに放送された同番組の完全版スペシャルでも該当箇所はカットされることなくそのまま放送された。
 また、大坂なおみ選手についても、日清食品「カップヌードル」のテレビCMに登場した大坂選手のアニメキャラクターが実際の大坂選手よりも白いことが問題になり、これが「ホワイトウォッシュ」であるとして問題になったこともある。
「金属バット」の黒人差別も問題に! 日本のお笑い、メディアの差別性
 そして、今回、Aマッソによる大坂なおみ選手への差別ギャグがここまで大きな問題になっているのに、『今夜くらべてみました』がこうしたブラックフェイス的なギャグをカットもせずに放送したのだ。
 この芸に対して、スタジオにいた出演者たちは爆笑、司会のひとりであるフットボールアワー後藤輝基は「アカン、アカン。こんなもん1秒もアカンで」とつっこんでいが、この「アカン」は差別的な表現に対してダメ出しをしたわけではなく、「3秒どころか1秒も似ていない」という趣旨で、むしろ笑いを増幅させるいじりに過ぎなかった。
 いずれにしても、Aマッソの炎上の最中に、地上波のテレビ番組がこんな差別的なネタをカットもせず、堂々と放送したというのは、日本のお笑いやテレビが、いかに差別やハラスメントの問題に無知であり、無頓着であるかを物語っていると言っていいだろう。
 実際、Aマッソの炎上を受け、もっと酷い差別ネタの存在も指摘されている。若手お笑いコンビ・金属バットがネタのなかで「黒人が触ったもの座れるか!」というセリフを口にしていることが明らかになり、炎上しているのだ。しかし、金属バットは真摯な説明や謝罪をするどころか、メンバーのひとりの小林圭輔にいたっては〈Aマッソの流れ弾でKKKが炎上してまう〉と、白人主義団体のクー・クラックス・クランの名前を出しながら揶揄するツイートを投稿した。
 しかも、問題は日本では、こうした差別表現を擁護する声が少なくないことだ。Aマッソの炎上に関しても、ネット上では「なんでもかんでも差別と言う人間のせいで世の中が生きづらくなる」「コンプライアンスのせいで笑いが面白くなくなる」といった意見が散見された。
 しかし、わかっていないのは、差別やいじめネタがイコールお笑いだと勘違いしている連中のほうだ。むしろ、日本の後進的なお笑いが社会の差別横行と弱者いじめを助長しているという構造を、私たちはもっと真剣に考えるべきではないか。

朝PTA要求/おにぎり/インテックス/窓際/夜は生徒

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Kamaishi, la ville du Japon qui revit grâce au rugby
La rencontre entre les Fidji et l'Uruguay de ce mercredi 25 septembre, peut sembler n'être qu'un match de la Coupe du monde de rugby, mais pour les habitants de Kamaishi, où il aura lieu, c'est un événement très important.
La petite ville, passionnée de rugby, a été dévastée par un fort tremblement de terre et un tsunami ravageur qui ont frappé la côte nord-est du Japon le 11 mars 2011.
Plus de 1 000 personnes sont mortes ou portées disparues depuis. Laissant toute une communauté à genou, avec la lourde tâche de devoir tout reconstruire.
"Je nettoyais le poisson d'isada quand le tremblement de terre s'est produit. La jetée tremblait si fort que j'avais de la difficulté à me lever. Le capitaine a dit qu'un tsunami approchait et que je devais partir. Je me suis échappé en voiture jusqu'à la voie ferrée sur un terrain élevé. Je pensais que ce serait assez sûr, mais au bout d'un moment, l'eau est arrivée aussi près que l'arrière de ma voiture et je me suis enfui plus haut, là où se trouvait un dépanneur. " témoigne Ko Inagawa pêcheur et habitant de la ville japonaise.
Au lendemain de la catastrophe, le club local est devenu une lueur d'espoir pour la ville, qui s'est rassemblée autour de l'équipe et a commencé à reconstruire.
Après l'attribution au Japon des droits d'accueillir la Coupe du Monde 2019, Kamaishi a été choisi comme site du tournoi.
La rencontre entre les Fidji et l'Uruguay de ce mercredi 25 septembre, peut sembler n'être qu'un match de la Coupe du monde de rugby, mais pour les habitants de Kamaishi, où il aura lieu, c'est un événement très important.
La petite ville, passionnée de rugby, a été dévastée par un fort tremblement de terre et un tsunami ravageur qui ont frappé la côte nord-est du Japon le 11 mars 2011.
Plus de 1 000 personnes sont mortes ou portées disparues depuis. Laissant toute une communauté à genou, avec la lourde tâche de devoir tout reconstruire.
"Je nettoyais le poisson d'isada quand le tremblement de terre s'est produit. La jetée tremblait si fort que j'avais de la difficulté à me lever. Le capitaine a dit qu'un tsunami approchait et que je devais partir. Je me suis échappé en voiture jusqu'à la voie ferrée sur un terrain élevé. Je pensais que ce serait assez sûr, mais au bout d'un moment, l'eau est arrivée aussi près que l'arrière de ma voiture et je me suis enfui plus haut, là où se trouvait un dépanneur. " témoigne Ko Inagawa pêcheur et habitant de la ville japonaise.
Au lendemain de la catastrophe, le club local est devenu une lueur d'espoir pour la ville, qui s'est rassemblée autour de l'équipe et a commencé à reconstruire.
Après l'attribution au Japon des droits d'accueillir la Coupe du Monde 2019, Kamaishi a été choisi comme site du tournoi.
Le stade commémoratif Kamaishi Recovery Memorial Stadium qui accueillera le match a été construit sur le site des écoles détruites par le tremblement de terre et le tsunami.
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フランス語の勉強?
時事ドットコム(時事通信ニュース)@jijicom
立憲民主党の安住淳国対委員長は、文化庁が国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」への補助金を不交付としたことについて、同庁の対応を批判しました。
乗越たかお @NorikoshiTakao
これは美術界の内紛などよりもよほどヤバい状況。
「政府が助成金を盾にアートをコントロールする」という宣言に等しい。実質的な「愛国文化法案」を法律なしにやってしまえる前例を作ってしまった。
政府の気に入らないアートに対しては、「事前の申請内容が不十分だった」という後出しジャンケンで助成金交付を止めて、実質的な懲罰を与えることができる。
とうぜん今後は必要以上に自立的な事前の自己検閲が強化されてしまう波及効果を狙っていて、実際そうなっていくだろう。
海外での類似の事例はこちら。
「『愛国文化法案』、それは不意にやってくる」

町山智浩@TomoMachi
あいちトリエンナーレに文化庁は補助金7800万円を交付する予定だったが、少女像などの具体的な展示内容の説明がなく不十分だったとして、補助金を交付しない方針を固めた。政府に都合のいい文化事業にしか補助金が出ない。今後、戦争の歴史的展示にも同じことが起こるぞ。
牟田和恵 @peureka
今回の文化庁の決定の背後の圧力について、報道各社にはぜひ明らかにしてほしい。もういくらなんでもあなた方自体ががけっぷちに追いやられてると分かりませんか?
ネオ子 @ef711062
こんな時間に母親がオシャレなパンを引っさげて帰ってきたので、どこ行ってたの?って聞いたら「東京」って言ってて、は?何しに?って言ったら、「デモ」と言ってたので、最高でした。

朝からPTAに対して要求がありました.実は昨日のラグビーで釜石が取り上げられてからいろいろ思い出して悲しくなってしまって,要求にこたえることができません.ごめんね.ストライキではないです.
おにぎりを作ってもらいました.職場で味噌汁とつくり納豆をおかずにして簡単なランチにして地下鉄でインテックスに出かけます.ビジネスマンらしき人が多いです.
帰ってみると今日は窓際の掃除できれいになっていました.
夜は生徒が頑張りました.

<ラグビーW杯>釜石住民、海外客ら大漁旗で出迎え
 釜石鵜住居復興スタジアム周辺では、地元の人たちが笑顔で海外からの観客をもてなした。
 最寄り駅の三陸鉄道鵜住居駅では、釜石でのラグビー応援に欠かせない大漁旗が出迎えた。旗を振った宮古市の無職下本修さん(55)は「外国の方々も笑顔で応じてくれ、国や言葉は違ってもつながっていると感じた」と語った。
 大きな関心が寄せられたのは東日本大震災の教訓を伝える活動。釜石高生らでつくるグループは、津波伝承うちわ約2000枚を配り、防災教育の大切さを日本語と英語で訴えた。2年の中村希海さん(16)は「受け取った人がすぐ読んでいた。震災と釜石に関心を深めてくれたと思う」と話した。
 駅に隣接する震災の伝承施設「いのちをつなぐ未来館」にも多くの人が立ち寄り、津波被害の生々しい痕跡を示す展示物や映像を静かに見ていた。
 三陸や東北のご当地グルメの店もお目見え。岩手県大槌町の郷土料理「すっぷく」を販売した藤原テエ子さん(72)は「地元の味を多くの人に知ってもらえた」と満足そうだった。
 釜石商工高3年の高堰(たかせき)巧さん(17)はボランティアとして行列の整理などを担った。「知らない国の人からも、日本語で『ありがとう』と感謝されうれしかった」と笑顔だった。


<ラグビーW杯>「子どもたちのレガシーに」 聖地・釜石に新たな歴史
 東日本大震災で傷ついたラグビーの聖地に新たな歴史が刻まれた。釜石市の釜石鵜住居復興スタジアムで25日あったラグビーワールドカップ(W杯)日本大会のフィジー対ウルグアイの一戦。「この日を待っていた」。大勢のラグビーファンが世界レベルのプレーに酔いしれた。
 秋風が舞う復興スタジアムには1万4000人余が詰め掛けた。震災の犠牲者に黙とうをささげた後、キックオフを迎えた。
 「よくぞここまできた。8年前には想像もできなかった」。釜石市小佐野町の無職藤原成則さん(64)は感慨深げに復興の歩みを振り返った。
 スタンドでは招待された市内の小中学生2200人が両チームの国旗をデザインした小旗を振って懸命に応援した。大人たちも大きな拍手と歓声で選手たちのプレーを後押しした。
 試合は30−27でウルグアイが勝った。フィジーがキャンプを張った秋田市八橋球技場を管理する市職員渡辺学さん(49)は「ハイレベルな国と国の意地のぶつかり合いを見ることができて感慨深い」と話した。
 神奈川県の会社員石川政博さん(48)と妻沙織さん(38)は、新婚旅行先に2007年のW杯フランス大会を選んだラグビー好き。沙織さんは「W杯の面白さは会場の一体感。微力ながら復興を支援できたら」と語った。
 スタジアムは津波で全壊した小中学校の跡地に立つ。釜石市鵜住居町の歯科医佐々木憲一郎さん(51)は「釜石にとってラグビーは特別な力がある。子どもたちの心に残るレガシーになればいい」。さんさんと降り注ぐ日差しと響き渡る歓声にまちの復興を重ね合わせた。


<ラグビーW杯>「かあちゃんも喜んでいる」 被災地のスタジアム、万感の思いで観戦
 震災の被災地で唯一、ラグビーW杯の会場となったスタジアム。25日の試合には被災者も多く足を運んだ。釜石市の木村正明さん(63)はその一人。鎮魂、復興への期待…。さまざまな思いを胸にグラウンドを見詰めた。
 熱戦で盛り上がるスタンドに、万感の思いがこみ上げた。「みんな笑っている。来てよかった。かあちゃんもきっと喜んでいる」。震災で妻タカ子さん=当時(53)=をはじめ母や親類、友人ら近しい人を100人以上失った。
 タカ子さんは、スタジアムが立つ場所にあった鵜住居小の事務職員だった。児童や教職員が高台へ避難する中、一人だけ学校に残った。保護者らに対応するためだったとみられるが、真相は分からない。遺体も見つかっていない。
 釜石でW杯が開かれると決まった時、木村さんは素直には喜べなかった。スタジアム予定地に妻が眠っているかもしれない。「もう永遠に埋まったままなのか」。工事が始まると心が乱れた。
 でも、少しずつ思い直した。木村さんが考える復興とは、なりわいができ、人々が集い笑い合うこと。「スタジアムに人が集まれば笑いと希望が生まれる。復興に近づく。かあちゃんも望んでいるだろう」。自分も楽しもう。前向きにW杯を迎える気持ちが徐々に強まったという。
 もちろん、ここは何が起きた場所なのか、みんなに知ってほしい。地元のまちづくり協議会に働き掛け6月、スタジアム内に震災の教訓を伝える碑を英文の説明板付きで設置した。
 碑には仲間と考えた言葉「あなたも逃げて」を刻んだ。あの日の妻に告げたかった願い、そしてこれから災害に遭う人が生き残るため、世界に呼び掛けたいメッセージだ。
 西日が芝生を照らす。ノーサイド。歓声が響き続けた夢の時間が終わった。
 「いい試合だった。釜石が前に進む大きな一歩になったと思う」。この日、木村さんが座った席は、くしくも妻の仕事場だった職員室の周辺だった。
 「できればかあちゃんと来たかった。でもいたかもしれない。姿も形も見えなかったけれど」
(釜石支局・中島剛)


<ラグビーW杯>届け!恩返しのエール 釜石の小中学生、鵜住居スタジアムの初戦見守る
 ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会の会場の一つ、釜石市の釜石鵜住居復興スタジアムで25日、フィジー対ウルグアイ戦が行われた。目まぐるしく攻守が変わる展開となった熱戦を、地元の小学生らが両チームの国旗を振りながら楽しんだ。
 同スタジアムは、東日本大震災の津波で全壊した小、中学校跡地に建設された。試合前には両チームの選手が震災の犠牲者に黙とうをささげ、晴れ渡った空の下、色とりどりの大漁旗がスタンドにはためいた。


「釜石愛」熱く語る 新日鉄OB松尾さん、サンドウィッチマンら
 ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会のフィジー−ウルグアイ戦が釜石市鵜住居(うのすまい)町の釜石鵜住居復興スタジアムで行われた25日、同市大町のファンゾーンは多くの人でにぎわった。イベントではゲストらが釜石開催へのエールを送り、試合会場に負けない熱気となった。
 新日鉄釜石OBの松尾雄治さんと仙台市出身のお笑いコンビ、サンドウィッチマンの伊達みきおさん、富沢たけしさんらがトークショーに出演。松尾さんは「釜石の人は来訪者にすごく優しい。第二の古里だ」と釜石愛を強調。伊達さんは「世界中の人たちが復興の状況を見て食や観光も楽しみ、釜石を好きになってほしい」と思いを込めた。


「ありがとう」歌声弾む 釜石の小中学生、スタジアムに響かせ
 キックオフの約40分前。釜石鵜住居復興スタジアム西側スタンドを埋めた、釜石市の全小中学校14校約2200人が突如立ち上がり、歌いだした。
 ラグビーワールドカップ(W杯)の試合日に復興支援への感謝を世界に伝えようと、市を挙げて練習してきた合唱曲「ありがとうの手紙♯Thank You From KAMAISHI」。ウルグアイ、フィジー両国の選手や約1万4千人の観客を前にアカペラでメロディーを奏でた。
 震災後の経験を基に、市内の児童生徒から詞を募って集約した一曲。2200人がスクラムを組むように重ねた歌声は、鵜住居の町に響いた。市によると、秋篠宮妃紀子さまも関心を持ち、歌詞カードを受け取られたという。
 W杯組織委は当初、運営上の都合などとして試合前後のセレモニーに合唱を盛り込まない方針だった。県と市による釜石開催実行委は披露の場を設けるよう要望。24日夜にようやく、復興支援の感謝を伝える旗の入場に合わせ、合唱音源を流すことがかなった。
 子どもたちはアカペラで歌った後、音源に乗せて両国の旗を振りながら、再び歌声を弾ませた。
 釜石東中3年の佐々木美砂さんは「今まで支援してくれた方に、ここでありがとうの気持ちを伝えることができてうれしい」、釜石小5年の泉沢華(はな)さんは「(震災で祖父と曽祖母を亡くし)震災から頑張ってきた気持ちを込めて歌った。緊張したけど思いは届いたと思う」とやりきった表情を浮かべた。


釜石熱く 世界激闘 W杯第1戦 ウルグアイ、フィジー破る
 ラグビーのワールドカップ(W杯)日本大会第6日は25日、釜石市の釜石鵜住居(うのすまい)復興スタジアムで1次リーグD組の1試合が行われ、ウルグアイがフィジーに30−27(前半24−12)で競り勝った。両チームのフィフティーンが世界レベルの熱戦を展開。会場を埋めた観客1万4025人は大きな声援を送り、東日本大震災からの復興に進む本県の姿を国内外に力強く発信した。
 世界ランキング19位のウルグアイは前半、3トライなどでリードを奪い、後半も踏ん張って2003年大会以来のW杯3勝目を挙げた。同10位のフィジーは細かいミスが目立って流れをつかめず、2連敗となった。
 同スタジアムは震災津波の被災地で唯一の開催地となり、全壊した釜石東中、鵜住居小の跡地に建設された。W杯開催は震災直後から寄せられてきた物心両面の支援に感謝を伝える大きな意味もある。キックオフ前には犠牲者へ黙とうをささげた。
 同スタジアムでは10月13日、1次リーグB組のナミビア−カナダも行われる。


デスク日誌 援 軍
 大阪の女子大学生Iさん(20)。今春インターンシップ(就業体験)で本社を訪れ、東日本大震災の被災地を取材した。仙台で開催中の通年講座「311『伝える/備える』次世代塾」にも参加し、毎月通って震災の教訓を学んでいる。
 大学では東京電力福島第1原発事故を研究するゼミに所属し、福島の住民の声を聴く活動に取り組む。大阪からの移動費だけでも結構な負担だが、生活費を削って工面しているという。
 もともと東北には縁のない彼女がなぜそこまで熱心に被災地に通うのか。率直に尋ねると、こんな答えが返ってきた。「さまざまなメディアで復興状況を伝えられるけど、それだけで分かったような気になりたくない。私なりに震災のことをじかに学びたいんです」
 ひとくくりに物事を捉えず、きめ細かに実情を学ぶ。自分の目と耳で確かめる。正しい理解はそこから始まるというスタンス。
 今どきの人は何でもスマホで簡単に情報を集めると思ったが、それこそひとくくりの見方。手間と時間をかけて震災の実像に迫ろうとする遠方の若者がいる。被災地の一人として力強い援軍を得た思いだった。 (報道部次長 成田浩二)


河北抄
 上映中の『アイネクライネナハトムジーク』(今泉力哉監督)は、JR仙台駅前のペデストリアンデッキの光景に始まる。三浦春馬さん、多部未華子さんら人気俳優が彩る奇跡の出会いの物語。見慣れた街が全国のスクリーンに映るのは、不思議な気分で、どこか誇らしい。
 仙台市在住の伊坂幸太郎さんの同名小説を原作に、オール宮城ロケで撮影された。当地の作家には伊集院静さん、熊谷達也さん、佐伯一麦さん、瀬名秀明さんらもいる。層は厚みを増し、仙台には作家が暮らす街、文学が生まれる街というイメージが備わりつつある。
 仙台文学館の赤間亜生副館長は「20年前の開館当時は考えられませんでした」と振り返る。かつて仙台は後の大作家にとっての「青春の通過点」だった。東北学院で英語を教えた島崎藤村しかり、東北大医学部に学んだ北杜夫さん、仙台一高出身の井上ひさしさんしかり。
 地元に縁深い書き手が東京ではなく、ここに根を下ろして創作する。現代文学の香りゆかしき杜の都。こんなシティーセールスがあってもいい。


柳葉さん生駒さん、秋田で存在感 映画「光を追いかけて」
 秋田県井川町などが舞台の青春映画「光を追いかけて」の撮影が現地で10日に始まり、27日までの予定で続けられている。思春期の中学2年生と町民らの心の成長を描く。映画初監督の成田洋一氏(58)=秋田市出身=は「思った以上に秋田の景色がきれいに撮れている。地元生まれの役者に助けられた」と話す。
 主演を務める少年と少女の脇を、大仙市在住の俳優柳葉敏郎さんと由利本荘市出身で「乃木坂46」で活躍した生駒里奈さんが固める。柳葉さんは米農家の男性、生駒さんは中学校教師という重要な役を担う。少年を中川翼さん、少女を長沢樹(いつき)さんが演じる。
 「柳葉さんが秋田弁で入ってくると一気に秋田色が濃くなる。生駒さんも強い思いが芝居に出ている」と成田監督は存在感にうなる。主演の2人にも「役に入り込んでおり、撮り直しが少ない」と喜ぶ。
 映画のタイトルは、仮題「ミステリーサークル・チルドレン」から「光を追いかけて」に変更した。
 映画は、28年前に井川町に住んでいた成田監督の叔父が未確認飛行物体(UFO)と、地上に出現した不思議な模様の「ミステリーサークル」を見たとの実話から着想した。
 舞台は架空の秋田県鷲谷(わしや)町。東京から転校してきた少年が謎の光を追いかけると水田にミステリーサークルを見つけ、横たわる少女と出会う。ミステリーサークルを巡る騒動はやがて、学校や町を巻き込みながら人々を成長させていく。
 中川さんは「秋田だから見える景色、経験できることを共演者、スタッフと体感しながら頑張ります」、長沢さんは「初めての映画に、初めての秋田。たくさんの方々の協力で緊張感を持ちながら撮影に臨んでいます」とのコメントを出した。
 井川町での撮影は来春にも行われる。映画は上映時間100分。2021年春の公開予定。
◎ロケ地の秋田・井川町 支援充実
 映画「光を追いかけて」の主要舞台となる秋田県井川町では、8月に支援組織「町映画製作を支援する会」(会長・斎藤多聞町長)が設立された。食事の炊き出しや町施設を使った宿泊先の提供を行っている。
 9月22日、旧井川小の校舎で重要シーンの閉校祭の場面が撮影された。30人ほどの地元婦人会のメンバーらが昼食を用意し、緊張感で張り詰める撮影の合間に提供した。
 スタッフが食事をする時間はまちまちになりがちだ。町食生活改善推進協議会会長の斎藤カヅ子さん(70)は「(支度には)難儀するが、メンバーから楽しいとの声が上がって良かった。町の女性が一つになる体験ができた」と満足げに語る。
 このほか、県や関係自治体、経済団体などで構成する「映画『光を追いかけて』を成功させる会」が今月設立された。成田洋一監督は「支援態勢が充実しており、地域の人と共に映画を作っている気持ちになる」と話した。


ILC「日本で大いに研究を」 文科相、費用分担前提に
 【東京支社】萩生田光一文部科学相は25日、報道各社のインタビューに答え、国際リニアコライダー(ILC)誘致に関し「ぜひパートナー国を探し、財政的見通しがつくならば日本で大いに研究をしたらいい」と述べ、コスト分担を巡る国際協議の行方に高い関心を示した。
 萩生田氏は「必要性は文科省として一定の認識をしているが、膨大な予算が必要だ。一国で抱えるには、ややスケールも含め問題がある」と課題を指摘した。その上で「(関係国が)互いにお金を出し合って建設や管理運営をするのが常だ。ぜひパートナーになってくれる国を探し、財政的見通しがつくならば、日本で大いに研究をしたらいい」と語った。
 国会議員連盟や建設候補地の自治体などが政府に国内誘致の明確な意思表明を求めていることには「要望は承知している。関係機関と相談しながらチームを組めるよう努力したい」との意向を示した。
 日本政府は国内誘致の可否について、来年策定される日本学術会議のマスタープランや次期欧州素粒子物理戦略(2020〜24年)の議論を踏まえて判断する見込み。国際研究者組織は10月、仙台市で開く国際学会で、日本に誘致決断を促す声明をまとめる方向だ。


東北大元学長の不正の認定を要求
東北大学の井上明久・元学長が過去に発表した論文にデータの流用などの不正があったとして、東北大学の教授らが大学側に厳正な対応を求める申し入れを行いました。
これは、東北大学の大村泉名誉教授らが、記者会見して明らかにしたものです。
それによりますと、井上・元学長が20年前に発表したガラスと金属両方の特徴を持つ「金属ガラス」の論文の中で、写真や強度の測定値が過去の別の論文から流用されていたとしています。
論文を掲載した日本金属学会に不正が行われていると指摘したところ、学会はことし3月、「不適切な過失」があったとして、この論文を含む3つの論文を撤回したということです。
一方、東北大学はこうした指摘に対し、3年前に「取り違えや説明不足はあったが不正は認められない」という見解を示して以降、論文を見直すなどの対応は取っていないということです。
このため、東北大学の研究者など61人は、大学に対し、不正を認め厳正に対処するよう求める申し入れを行ったということです。
大村名誉教授は、「不正をしっかり認め、研究機関としての信頼を回復してほしい」と話していました。
東北大学はNHKの取材に対し、「この件についてコメントは差し控えたい」としています。


ロボット試験施設/創造的復興のモデル目指せ
 福島県が浜通り地方の南相馬市と浪江町に整備を進めるロボット試験施設「福島ロボットテストフィールド(RTF)」は、本館に相当する南相馬サイトの研究棟が30日に全面開所する。東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の被災地を逆手に取り、陸海空のロボットの「世界に類を見ない一大研究開発拠点を目指す」というRTFは、まさに「創造的復興」の取り組みと言える。
 南相馬サイト(50ヘクタール)は震災に伴う津波の浸水地域、浪江サイト(5ヘクタール)は福島第1原発事故後に東北電力が建設を断念した浪江・小高原発の旧予定地に立地する。市と町が県に土地を無償貸与し、県は国の財政支援を受けて2017年度から試験施設の建設に取り組む。
 第1弾として18年7月、南相馬−浪江間の約13キロを長距離飛行する小型無人機「ドローン」の運航管理を担う通信塔が南相馬サイトに開所。同サイトには19年2月、インフラ点検や災害対応のロボット開発を想定した地上6階の試験用プラントも完成した。
 同サイトでは今月30日に救助活動や復旧作業で活躍するロボットを操縦訓練できる瓦礫(がれき)・土砂崩落フィールド、10月1日にはドローンの滑走路付属格納庫も稼働。20年春を予定するRTF全体のオープンを前に、建設する全21施設中11施設が利用可能になる。
 RTFに研究室を構える企業・団体の募集も好調だ。県や指定管理者の公益財団法人福島イノベーション・コースト構想推進機構によると、当初用意した13室を22室に増やすべく県条例の改正手続きを現在進めている。
 3日にあった第1次の入居式で「空飛ぶクルマ」を開発するベンチャー企業は、航空法の制限を受けずに自由に飛行試験できる緩衝ネット付き飛行場がRTFに備わることなどを挙げ「国内で最も開発環境が整っている」と入居募集に応じた理由を語った。
 創造的復興は1995年の阪神大震災で提唱され、東日本大震災では発生から1カ月後に政府が閣議決定に盛り込んだ。15年に仙台市で開催された国連防災世界会議で採択された防災指針「仙台防災枠組」も「ビルド・アップ・ベター(より良い復興)」の原則を採用している。
 ただ理念先行型で最先端の科学技術が関係する試みだけに地元には一部、RTFの整備効果を疑問視する声があるのも事実。開発・製品化に成功してRTFを巣立つ事業者がいち早く現れ、それに憧れて新たな事業者が入居を志す好循環が確立されるといい。
 そうした折、南相馬サイトで建設中の水上・水中ロボット試験用大水槽に傾きやひび割れが相次ぎ、工期が延期されるトラブルが発覚した。県はまずは原因究明と補修工事を急ぎ、施工トラブルが創造的復興に水を差す結果とならないよう取り組むべきだ。


今さら千葉厚遇…台風被害「初動ミス」批判封じの汚い魂胆
 台風15号による甚大な被害に見舞われた千葉県南部の大規模停電はほぼ解消したが、住宅被害はまだまだ深刻な状況だ。災害対策の「初動が遅れた」と批判が噴出する中、安倍政権は千葉県への“手厚すぎる”特例支援を決定。場当たり的な対応の狙いは失態隠し。カネを積んで批判をそらそうというわけだ。
  ◇  ◇  ◇
 政府は24日、国の支援制度の枠を外れる「一部損壊」家屋の修理への公的支援を特例的に拡充すると発表。現行法による支援対象は被害割合が「20〜40%」の「半壊」以上の住宅に限られており、「20%未満」の一部損壊は対象外だ。
 千葉県内の住宅被害は同日時点で約1万2900戸。うち9割近い1万1400戸が一部損壊だ。強風で屋根が吹き飛ばされ生活がままならない市民にとって支援拡充は、復旧の後押しになるに違いないが、ちょっと待ってほしい。今回の特例は不自然なほどの“大盤振る舞い”なのだ。
 今年6月、最大震度6強を観測した山形県沖地震でも、政府は今回同様、一部損壊家屋への支援を含む特例措置をとったが、当時は自治体が行う支援の財源のうち「半分」を国が賄ったに過ぎない。一方、今回は財源の「9割」を国が賄う“厚遇”ぶりだ。
■大阪北部地震では「特例」ナシの不公平
 最大震度6弱だった昨年6月の大阪北部地震では、住宅被害5万7348戸のうち、ほぼ全てが一部損壊。同年9月の台風21号でも大阪府を中心に住宅被害が拡大したのに、政府は今回のような特例支援は行わなかった。住宅の損壊程度にかかわらず独自支援を打ち出す摂津市では、いまだに強風で吹き飛んだ屋根瓦の代わりにブルーシートを張った住居が目立つ。千葉県と似たような被害状況なのに、「一部損壊住宅に対する国からの特例支援はない」(市建設課)という。
 あまりに恣意的な対応に、ネット上では「千葉だけだと不公平」「完全なダブルスタンダード」といった批判が続出。千葉にだけ大枚をはたくのは、今回の台風発生が組閣時期と重なり、「政府の初動対応が遅れた」との批判をはねのける狙いがあるのは明白だ。
 赤羽国交相は21日の閣議後会見で、「総理から家屋損壊への対応等について最大限の工夫を行い、国と自治体が協力して支援を進めるよう指示を受けた」と明かした。官邸からせっつかれたからなのか、「突然の特例対応に国交官僚は大慌てでした」(霞が関関係者)という。安倍首相の焦りは相当なものだったのだろう。
「自然災害は年々深刻化していますから、今回、特例支援を決めたこと自体は評価できます。しかし過去、同様の被害に遭った方たちとの対応の差は明白です。特例で対応するなら、可能な限り過去にさかのぼって支援措置を検討すべきでしょう。それができなければ、法の下の平等に反する。結局、初動の遅れへの批判をかわすための“特例中の特例”だったと受け止められても仕方ありません」(立正大名誉教授の金子勝氏=憲法)
 結局、カネを積んで批判を封じようという薄汚い魂胆。特例支援の裏のドス黒さを見逃してはいけない。


被災屋根修理  法で支援できるように
 屋根の壊れた家では風雨をしのげず、暮らしていけない。災害によるのなら、復旧を支援するのは当然のことだろう。
 千葉県を中心に、台風15号によって屋根瓦の落下する被害が多数発生したことを受けて、国は修理にかかる費用の一部を、特例的に負担することを決めた。
 被災者にとって、朗報であるのは間違いない。速やかな復旧、復興につながってほしい。
 千葉県では、台風による倒木や土砂崩れで、大規模な停電が起きた。東京電力が、全面復旧に向けて作業している。
 これとは別に家屋の被害は、一昨日午後までの県のまとめで、約1万2900戸に上る。今後、県南部で調査が進めば、さらに増える見通しだという。
 災害発生後、被災者を保護し、社会秩序を維持するため、国は災害救助法に基づき、応急的に必要な救助に当たる。家屋の修理については、原則的に「半壊」以上を対象にしている。
 ところが、県内の家屋被害の9割近くは半壊に至らず、一部損壊にとどまる見込みだ。現行制度を厳密に運用すると、救済できないことになってしまう。
 早期復旧が、地域社会全体の被災コストを低減すると考え、ここは法の運用に当たって、ひと工夫するべきだ。
 国は、特例的な措置として、防災性能の高い瓦を用いた改修工事などを、救済の対象とすることにした。
 修理の公的負担分のうち9割については、国土交通省の防災・安全交付金や特別交付金を充て、国が賄うかたちとなる。
 また、内閣府は、家屋の被害判定において、台風後の降雨で水浸しになったようなケースを、積極的に考慮するよう、県内の自治体に通知した。判定を半壊以上に見直し、屋根などの修理に支援が行き届くようにする。
 被災家屋の復旧に、十分とはいえないにしても、いくらかの支えにはなりそうだ。
 このような取り組みは、今回が初めてではない。
 6月の山形県沖の地震では、瓦の落ちた住宅の再建を、同様の手法によって支援した。同県鶴岡市の公費による補助の大半を、国が支出した。
 特例といいながら、同じ手法を何度も用いるのなら、あらかじめ法などに盛り込んでおくことも一考したい。
 被災者の不安を軽減する手だてが、一つ増えよう。


伊勢湾台風から60年 語り続けて、いつまでも
 東海地方などで五千人以上が犠牲になった伊勢湾台風の上陸から、二十六日で六十年。体験を語り続けることが悪夢を繰り返さない方策の一つでもある。
 <ちょろちょろどろ水が入ってきたとたん、タタミがふわっとうきだしてきました。おとうさんが、みんなをかかえて、台所へ行きました。その時、妹の節ちゃんが「おとうちゃん、こわい」とさけびました。その声が終わりになるとは思いませんでした>
◆涙、涙の作文
 名古屋市南区柴田町の元学習塾経営加古美恵子さん(70)は、小学校四年生で伊勢湾台風に遭い、一家六人のうち両親と妹ら五人を失った。引用させていただいたのは、濁流の記憶と、自分だけが奇跡的に助かったいきさつを被災直後に「涙、涙で一気に書いた」(加古さん)という作文である。
 <おとうさんは、私たちをだきかかえて、何もつかまらずに、ながれていきました。ふと気がつくとおかあさんがいません。私は「おかあちゃんがいない。材木の下になった」とさけびましたが、どうしようもありません>
 伊勢湾台風では、最高三・八九メートルの高潮が押し寄せて、堤防が決壊。名古屋港の貯木場三カ所から数十万トンの木材が流出し、洪水とともに住宅街を襲って被害を増した。当時の新聞には「木材は、水車のように縦に回って家々を襲った」とある。
 <私は、二度しずみました。二度目に、思わず妹につかまっていた手をはなしてしまいました。しばらく流されていってそばを流れていた材木にしがみつきました。それから「おとうちゃーん、おかあちゃーん」と父母をよびましたが、何も返事がありません>
 十五年ほど前から、毎年九月二十六日に母校の同市立白水(はくすい)小学校に招かれ、台風の体験を話している。「家族を失い、思い出したくない一夜です。でも、誰かが語り継がねば、の思いで」。作文にはないが、流されるとき濁流は大きな渦を巻いていたという。
 <ふと気がつくと、私がつかまっている材木にもうひとり男の子もつかまっていました。(一キロほど一緒に流された後)北の方にトラックがあり、のっている人がかいちゅう電とうでてらしていました。「助けてー」とさけびトラックにとびのると、おとうさん、おかあさん、妹たちの事が思い出されてなけてきました>
 男の子とは、トラックにたどり着いた際に、はぐれた。「私は、運が良かったのでしょうか」と加古さんは自問自答する。「みんなの分も頑張らないと、と一生懸命生きてきた」。きょう二十六日も、白水小で体験を語る。
◆スーパー伊勢湾台風
 これを「社会が未発達だった六十年前の出来事。今はそんなことは起きない」と見なすことはできるのだろうか。答えは「否」のようである。
 国土交通省中部地方整備局は、日本で最大規模の台風(一九三四年室戸台風、上陸時九一〇ヘクトパスカル)が伊勢湾台風と似た経路をたどる「スーパー伊勢湾台風」が来襲しうると想定。同局などによる「東海ネーデルランド高潮・洪水地域協議会」(TNT)は、死者最大二千四百人、被害額は二十兆円にのぼると予想する。
 被害は伊勢湾台風と同じく、海抜ゼロメートル地帯が中心になる。伊勢湾岸で三百三十六平方キロあり、九十万人が住んでいる。東京湾岸に百十六平方キロ(百七十六万人)、大阪湾岸にも百二十四平方キロ(百三十八万人)あり、東京圏や大阪圏にスーパー伊勢湾規模の台風が来れば、甚大な被害が予想される。
 伊勢湾台風を契機に名古屋港には沖合の高潮防波堤などが整備された。大同大の鷲見哲也教授(流域水文学)は「伊勢湾並みなら高潮は何とかガードできそう。しかしスーパー伊勢湾では守り切れない」と話す。「貯木場は移設されたが、路上や駐車場、港で輸出を待つ自動車が濁流に乗り“凶器”になり得る」と危惧する。
◆行政は早めの手を打て
 避難が大切。しかし、六十年前の加古さんたちに、適切な避難勧告・指示は出なかった。もっと早く避難できれば、犠牲者は減らせただろう。名古屋南部の惨状を把握できていなかった行政の初動の遅れである。実際、愛知県碧南市の碧南干拓地では、日没までに全住民四百五十五人が避難し犠牲者はなかった。TNTはスーパー伊勢湾の場合「上陸九〜十二時間前に避難指示」を求めている。
 今月、千葉県などを襲った台風15号による強風では、大規模な停電や行政の初動の遅れなどで、住民の不自由な生活が長期化している。水害が猛威をふるった伊勢湾台風との対比は難しいが、六十年たっても課題は同じに見える。早め、早めの手を打つことだ。


英首相への「違法」判決 議会との対話が不可欠だ
 英国の欧州連合(EU)離脱期限が迫る中、ジョンソン首相が約5週間にわたる議会閉会を決めたのは「違法」との判決を最高裁が下した。
 議会には「どう離脱するか、発言する権利がある」のに、「妥当な理由なく、憲法上の機能を果たすことを妨げた」と結論付けた。
 首相の権力行使の行き過ぎに歯止めをかけた司法判断である。首相は判決に従い、議会との敵対姿勢を改め、対話に応じるべきだ。
 閉会について首相は新政権の政策を準備するためと説明したが、「議会封じ」と反発を招いた。適法性を巡り、下級審は「司法判断に適さない」と「違法」で割れていた。
 注目すべきなのは、最高裁が議会閉会の弊害に関して「英国の民主主義の基礎に及ぼした影響は甚大だ」と指摘している点である。
 議会は国民の代表が合議し、国の針路を決める代議制民主政治の骨格である。その骨格が揺らいだとの危機感が最高裁にあったのだろう。
 「すべて権力を持つ者はそれを乱用しがちである」。仏思想家モンテスキューは「法の精神」で警鐘を鳴らし、行政・立法・司法の三権分立を提唱した。権力の相互監視によって権力を抑制するという考えだ。
 最高裁は、首相による議会閉鎖が「法の支配」の下で正当性を欠くと断じた。首相は判決を「尊重する」という。だが、「(期限の)10月31日までに離脱する」と強調し、「合意なき離脱」も辞さない構えだ。
 議会や多くの国民は混乱必至の「合意なき離脱」を望んでいない。税関手続きで物流が滞り、経済や暮らしに深刻な影響が出る。
 議会の閉会措置は超党派の反ジョンソン勢力を結束させた。その結果、合意が離脱期限に間に合わなければ、EUに延期を申し出るよう首相に義務付ける法律ができた。
 懸念されるのは、首相が期限を延期せず、離脱に突き進む奇策が取りざたされていることだ。首相は今こそ離脱問題での議会審議を尽くし、「合意なし」を回避すべきだ。
 既成政治を脅かすポピュリズム(大衆迎合主義)が台頭する中、日本を含め世界各国で議会のあり方が問われている。ジョンソン氏は議院内閣制の伝統を誇る英国の首相として、議会の声に耳を傾けるときだ。


英議会再開/議論は民主主義の基本だ
 英最高裁は、10月末の欧州連合(EU)離脱期日の直前まで議会を閉会させたジョンソン首相の措置を違法とする判決を言い渡した。これを受け、議会は約2週間ぶりに再開した。
 「合意なき離脱」も辞さない構えで期日通りの離脱を目指すジョンソン氏には大きな打撃となる。それ以上に、一方的な議会の閉鎖で英国の民主主義を危機に陥れた責任は重い。
 EU離脱は全世界に影響を及ぼす重要課題である。ジョンソン氏は判決を真摯(しんし)に受け止め、離脱戦略の見直しも視野に、徹底的に議論を交わさなければならない。
 今回の措置は、国の重要局面で約1カ月間も議会を閉会させる異例の内容だ。ジョンソン氏は議会再開後に施政方針を示すためだと説明したが、反離脱派の女性活動家らが、議会内の反対勢力の封じ込めを狙った「権力の乱用だ」として無効を求める訴訟を起こしていた。
 最高裁の決定は、11人の判事の全会一致だった。議会には「(英国が)どのように変わるべきかについて発言する権利がある」と指摘し、「正当な理由なく議会の機能を妨げた」などと首相の対応を断じた。
 日本でも、安倍内閣が野党の臨時国会召集要求に約3カ月間応じなかったのは違憲として訴訟が起きている。英国に限らず、国会での議論は民主主義の基本である。
 ただ議会が再開されても、混迷を抜け出す道筋は見えてこない。英議会では既に、「合意なき離脱」に反対する勢力が離脱延期法を成立させている。政権が公約通り離脱を果たすには、EUと新たな合意を結ぶしか選択肢はなくなった。
 ところが、ジョンソン氏は延期法を無視してでも離脱を強行することを選択肢に入れているとされる。
 議会の閉会に対しては、与党内からも批判があった。野党陣営からは首相の辞任を要求する声も相次いでいる。ジョンソン氏が強硬姿勢を改めなければ、対立は激化するばかりだろう。
 求められるのは議論を一つずつ積み上げ、多くが納得できる結論を丁寧に導くことである。ジョンソン氏は反対意見にも誠実に耳を傾けるべきだ。


巨大IT規制/独占や支配は許されない
 巨大IT企業は、スマートフォンの基本ソフトやインターネット検索、通販事業などを通してネットサービスの基盤を提供する。米国のグーグルやアップル、アマゾン、フェイスブックなどが代表的な存在だ。
 こうした企業による個人情報収集などを規制する指針案を、公正取引委員会が公表した。意見公募を踏まえて10月中にも取りまとめ、運用を目指す。
 巨大IT企業はネット上の個人情報をほぼ独占的に収集している。立場を盾に取って取引先に不利な条件を押し付けるなどの問題も指摘されてきた。
 ネットサービスや情報社会の健全な発展には、一部企業などによる情報の独占や支配を許さないルールが不可欠だ。個人の権利を守るための法整備も同時に急がなければならない。
 日本国内ではネットの検索エンジンの95%超をグーグルが占めている。利用者が知らないうちに個人の関心事を示す情報が日々、蓄積されている。
 アップルも国内スマートフォン出荷台数の5割弱を占める。通販のアマゾンジャパンは、ポイント還元のコスト負担を中小の出店事業者に求め、一方的との批判が聞かれた。
 こうした状況を受けて公取委が実態調査を進めていた。
 指針案で、公取委は独占禁止法の「優越的地位の乱用」の適用を明示した。これまでは企業間取引に限定していたが、巨大IT企業のサービスを利用する個人も不利益な取り扱いを受忍せざるを得ない力関係を考慮した。妥当な判断といえる。
 利用目的を知らせず個人情報を取り扱えば「乱用行為」となる。就活中の学生の個人情報を基に内定辞退率を企業に販売していた就職情報サイト「リクナビ」のような事例は今後、厳しく規制されることになる。
 並行して政府は、契約情報の自主的な開示を大手企業に求める新法の検討も進めている。個人情報の広告などへの利用停止を企業に要求できるよう、個人情報保護法改正も模索する。
 国際社会では、国境を超えて展開する巨大IT企業の課税逃れ対策が共通の課題とされる。優越的地位に甘んじて自ら透明性を高める努力を怠れば、利用者の信頼は得られない。


おとぎ話はもういい
 「おとぎ話」を辞書で引くと、日本では通夜などの退屈を慰めるために語り合ったのが元来で、子ども向けになったのは江戸期以降のようだ。大人になれば卒業と思っていたら…▼国連の気候行動サミットで、スウェーデンの少女グレタ・トゥンベリさん(16)が、温暖化対策の各国指導者を前に、「あなたたちが話すのは金のことと、永遠の経済成長というおとぎ話だけ。何ということだ」と怒りをストレートにぶちまけた。その激しさに驚いた▼科学が危機を示し、私たちは絶滅に差し掛かっているのに、大人たちは目を背けて、おとぎ話をしている、というのだ。本来は理想に走る若者だが、どちらが大人か分からない▼サミットでは多くの国が2050年までに温室効果ガスを実質ゼロにすると表明したが、一方で米国や日本の消極姿勢は相変わらずだ。グレタさんは失望しつつも、「変化が訪れようとしている。あなたが好むと好まざるとにかかわらず」とさらなる挑戦を宣告する▼変化とは何か。国連に集まったような、世界の若者たちの行動ではないか。香港では自由、米国では銃規制を求め、高校生たちが立ち上がっている▼さて大人たちといえば。温暖化がもたらす甚大な自然災害を想定外と慰めている。現実を見ないおとぎ話と気づかないか。

河北春秋
 17歳の少女の訴えが感動を呼んだ。5年前、マララ・ユスフザイさんが行ったノーベル平和賞受賞演説。「私には選択肢が二つあった。一つは沈黙したまま殺されるのを待つこと。二つ目は声を上げて殺されること。私は後者を選んだ」▼パキスタンで女子教育の権利を求め、銃撃されたマララさん。奇跡的に助かり、教育の大切さを訴える活動を続ける。そんなマララさんのイメージとどこか重なる。ノーベル平和賞候補にも推薦されたスウェーデンの少女グレタ・トゥンベリさん(16)である▼毎週金曜日に学校を休んで1人で座り込み、政府に温暖化対策を訴えた。その姿に同世代の若者が共鳴し、「未来のための金曜日」と名付けられた運動が拡大。先週のデモには世界で400万人が参加した▼そのトゥンベリさんが国連気候行動サミットで演説した。「あなた方が話すのは金と永遠の経済成長というおとぎ話だけ」。語気を強め、各国首脳に温暖化対策の即時実行を迫った▼彼女には、大人は口約束だけで行動しないように見えるのだろう。確かに政治家をはじめ未来に目を向けず、自分の代のことだけを考える大人世代が多い気がする。大切なのは、子どもの立場になって世界を見ること。トゥンベリさんの行動がそう教えているように思う。

温暖化対策 将来世代に恥じぬ行動を
 地球温暖化対策の国際的な約束・パリ協定の運用が来年始まることを受けた「気候行動サミット」が、米ニューヨークの国連本部で開催された。77カ国が温室効果ガスの排出を2050年までに実質ゼロにする長期目標を示したが、成果としては不十分だと言わざるを得ない。
 主役はむしろ、若い世代を代表して訴えたスウェーデンの少女グレタ・トゥンベリさん(16)だった。「私たちを失望させる選択をすれば、決して許さない」−涙を交えながら怒りにも満ちた声を、世界中の大人は重く受け止める必要がある。
 いま世界で学校に通う若者が授業をボイコットし、温暖化阻止を求める運動が広がる。その火付け役がグレタさんだ。温暖化被害を受ける将来世代の異議申し立てに呼応するように、サミットは5年ぶりに開かれた。
 パリ協定は気温上昇を産業革命前から2度未満、できれば1・5度に抑える目標を掲げている。参加各国は自主的に削減目標を設定し、国連に提出するルールなのだが、実は各国が現在の削減目標を達成しても温暖化は防止できない。もう一段の踏み込んだ対策が必要である。
 サミットでは、長期目標とは別に当面の目標を上積みすると約束した国も70カ国に上った。こうした危機感を強める国は少なくないものの、温室効果ガスの大量排出国の動きが鈍い。
 排出量世界2位である米国のトランプ大統領はパリ協定からの離脱を表明している。サミットに顔は見せたが、発言はなかった。世界1位の中国やインドは協定順守の姿勢は示しつつ、対策の上積みはなかった。
 問題は米国や中国だけではない。1997年に京都議定書を取りまとめ、温暖化対策の旗振り役を務めた日本の存在感は小さくなるばかりだ。サミットに出席した小泉進次郎環境相には演説の機会すらなかった。
 今世紀後半のできるだけ早期に排出ガスを実質ゼロにするという日本の削減目標は、サミットで多くの国が表明した「50年排出ゼロ」から大きく見劣りする。石炭火力発電への依存も、国際的批判を浴びている。
 イノベーション(技術革新)が欠かせない温暖化対策を、多くの国は経済戦略に組み込んでいる。日本も早急に削減目標の上積みを検討すべきだ。
 温暖化に伴うとみられる異常気象は世界中で多発している。日本で相次ぐ想定外の風水害も例外ではないだろう。太平洋の島しょ国は海面上昇による水没の危機に直面している。
 将来世代に持続可能な世界を手渡すため、温暖化対策に確かな道筋を定める。現在を生きる私たち世代の義務である。


[気候サミット]未来守る具体的行動を
 「私たちは絶滅に差し掛かっているのに、あなたたちが話すのは金と永遠の経済成長というおとぎ話だけ」
 スウェーデンの少女グレタ・トゥンベリさん(16)が「気候行動サミット」で語った言葉は辛辣(しんらつ)だが切実で、ズシリと響いた。未来を守ろうとの声に応えるためにも、大人は行動しなければならない。
 グレタさんは昨夏から週1回、学校の授業をボイコットし、ストックホルムの議会前で温暖化対策を訴える座り込みを続けている。
 この日、ニューヨークの国連本部で各国指導者を前にした演説は、政治の無策、大人の無関心を痛烈に批判するものだった。
 「あなたたちが私たちを失望させる選択をすれば、決して許さない。逃がさない」
 サミットでは、77カ国の首脳らが2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにすることを約束した。
 温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」は、今世紀後半に世界の排出を実質ゼロにし、産業革命前からの気温上昇を2度未満、できれば1・5度に抑えることを目指している。1・5度にとどめるには50年ごろに世界で排出を実質ゼロにする必要がある。
 気候変動による影響を長く受けるのは若い世代だ。サミット直前、若者らが温暖化対策を訴えた一斉デモには150カ国以上で数百万人が参加した。
 グレタさんが「あなたたちの裏切り行為に気付き始めた」と怒りで声を震わせたように、危機感も取り組みもまだ足りない。
    ■    ■
 日本は安倍晋三首相ではなく初外遊の小泉進次郎環境相が出席した。「日本の取り組みがよく理解されていない。積極的に発信する」と意気込んで乗り込んだが、「50年排出ゼロ」を掲げる77カ国には加わらず、演説の機会も与えられなかった。
 パリ協定離脱を表明した世界第2位の排出国である米国、同1位の中国などとともに遅れは鮮明だ。
 日本の温暖化対策の長期戦略は「今世紀後半のできるだけ早期に温室効果ガスの排出をゼロにする」。欧州連合などに比べて大きく見劣りしている。
 二酸化炭素を膨大に排出する石炭火力発電の利用も堅持しており、新たに建設中の発電所も多い。
 世界の潮流に逆行したまま「積極的」と言っても、国際的信用は得られない。
    ■    ■
 地球温暖化が進むと今世紀末に海面が1メートル強上昇するとの報告書を、国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が公表した。高潮や巨大台風などの災害リスクが増すと警告している。
 多くの犠牲者を出した昨年の西日本豪雨も温暖化の影響で雨量が増えたためと分析されるなど、地球規模で関連が指摘される異常気象が続いている。
 グレタさんの言葉を借りれば「家が火事になっているのと同じように行動してほしい」だ。
 再生可能エネルギーの推進をはじめとする大胆な政策転換を求める。


安倍首相が日米貿易協定でトランプに予想以上の国益差し出し!「自動車の関税撤廃約束、追加関税回避」宣伝は追従外交を隠す嘘
 安倍首相によるトランプ大統領への国益差し出しが完全に確定してしまった。本日未明、ニューヨークで日米首脳会談がおこなわれ、日米貿易協定締結で最終合意し共同声明に署名。会談後の会見でトランプ大統領は、こう高らかに宣言した。
「きょう発表した協定のもとで、日本は70億ドル相当のアメリカの農産物について市場を開放する。日本では、アメリカ産牛肉や豚肉、小麦、チーズ、トウモロコシ、ワイン、その他多くのものに対する関税が大きく引き下げられるか、撤廃される。これはアメリカの農家や牧場にとって大きな勝利であり、私にとって非常に重要だ」
 このトランプによる“勝利宣言”を隣で聞いていた安倍首相は、都合の悪いときに見せるいつも見せるように、落ち着きなく目をキョロキョロ。自分に発言が回ってくると、「両国の消費者あるいは生産者、勤労者全ての国民に利益をもたらす、両国にとってウィンウィンの合意となった」と述べた。
 だが、「ウィンウィン」なんていうのは明らかな大嘘だ。トランプは、70億ドル(約7500億円)と言っていたが、米通商代表部(USTR)によれば、日本がアメリカに売り渡す農産物市場はなんと約72億ドル(約7800億円)。これによって日本の農家が大打撃を受けることは間違いない。
 しかも、最悪なのが、農産物市場をアメリカに差し出す見返りとして、日本が求めていた自動車および部品の関税撤廃は完全に先送りにされてしまったことだ。協定には「さらなる交渉による関税撤廃」という言葉が書き込まれたが、具体的な時期は一切書かれておらず、政府関係者や通商政策の専門家も「言葉だけ、米政府が自動車の完全撤廃に応じるというのはありえない」と口を揃えている。
 ところが、安倍政権はあたかも、米政府が撤廃を約束したかのような嘘を振りまき、さらには「追加関税」を回避したことを手柄のようにPRをしている。安倍首相が記者会見で、「日本の自動車と自動車部品に対して追加関税を課さないという趣旨であることは私からトランプ大統領に明確に確認をし、大統領もそれを認めた」などと述べると、日本の忖度マスコミも一斉に「自動車の追加関税回避」と報道したのだ。
 いったい何を寝言を言っているのか。そもそも、オバマ前大統領との環太平洋経済連携協定(TPP)交渉では、自動車および部品の関税撤廃が約束されていた。ところが、トランプにその約束をあっさり破られ、日本の対米輸出総額の3割強にあたるという5兆円超もの自動車分野の関税はそのままになってしまったのに、「追加関税されなかったから成功」って……。
 しかも、追加関税は完全に回避されたわけではない。安倍首相が成果のように語っていた「追加関税回避」だが、安倍首相のトランプへの確認は口約束に過ぎず、協定書の文言は「協定が誠実に履行されている間、共同声明の精神に反する行動を取らない」という極めて抽象的で曖昧なものに過ぎない。
 実際、ライトハイザー米通商代表部代表は両首脳の会談後、「日本車に追加関税を課す意図はない」と表明したが、「現時点で」という言葉をつけていた上、「自動車は今回の日米合意に含まれない」と説明している。
 この米政府の姿勢を見ていると、自動車の関税撤廃どころか、近い将来、米国通商拡大法232条を発動されて、関税を逆に大幅引き上げされる可能性も十分あると考えるべきだろう。
牛肉輸入でも低関税枠24万トン差し出して「TPP水準維持」の約束を反故
 農産物の輸入関税引き下げをめぐっても、とんでもない条件をのんでいる。合意した農産物の関税引き下げによって、牛肉はいまの38.5%から段階的に9%まで引き下げられ、豚肉も1キロあたり482円の関税が最終的には50円まで引き下げられるが、牛肉をめぐっては、とてつもない量の低関税枠を押し付けられていた。
 この低関税枠というのは、アメリカ離脱前のTPPで決まった低関税を適用する輸入量のこと。TPPではアメリカを含む12カ国分で約60万トンの低関税枠が設けられているが、今回の貿易協定ではさらにアメリカ分として低関税枠を約24万トン設けることで合意したというのだ。日本政府はTPP加盟国にアメリカ分の削減を求めていくらしいが、〈米国と競合するオーストラリアなどが修正に応じるかは不透明〉(日本農業新聞9月15日付)。つまり、今回の貿易協定で、農産物の輸入緩和量についてTPP水準を死守すると言ってきた日本政府の国内向けの約束が反故にされる可能性が非常に高いのだ。
 そして、忘れてはいけないのが、アメリカで余っている合計275万トン、数百億円規模のトウモロコシを押し付けられた件だ。
 トランプ大統領は8月25日の首脳会談後、予定になかった記者発表を急遽、日本側に要請し、そこで得意気に「中国がやると言ったことをやらなかったから、国中でトウモロコシが余っている。代わりに日本の安倍総理が、すべてのトウモロコシを買うことになった」と発表。トランプ大統領は安倍首相にも「トウモロコシについても発言を」と催促し、一方の安倍首相はまずいと思ったのか、「買うのは民間、政府ではない」とやんわり訂正するという一幕があった。
 政府が買わずとも、買い上げ企業に補助金や税制優遇などをつけるのは目に見えているが、安倍首相のこの発言のあと、トランプ大統領には「日本では民間が政府の言うことをきくらしい。アメリカと違って」と言われる始末で、完全に“トランプの犬”であることが丸出しとなったのだ。
 しかし、「買うのは、政府でなく民間」と言ったものの、23日付の東京新聞によれば、主要な飼料メーカーなど6企業・団体に取材したところ〈追加あるいは前倒しで購入する予定があると回答したのは一社もなかった〉のだという。また、24日付の朝日新聞によれば、〈農水省には商社などから「トウモロコシを強制的に買わされるのか」などとの苦情の電話〉が相次ぎ、〈大手商社の間には「政府から『忖度(そんたく)』しろと無理強いされないか」との警戒感〉もあるという。
“トウモロコシ爆買い”を正当化するため、菅義偉官房長官がついた嘘
 だが、この“トウモロコシ爆買い”を正当化するため、安倍政権はさらに嘘までついた。菅義偉官房長官は「害虫被害でトウモロコシの供給が不足する可能性がある」などともっともらしく説明したが、これはデタラメだった。実際、農水省は「現時点では通常の営農活動に支障はない」(植物防疫課)と回答(東京新聞8月27日付)。同社の9月23日付記事でも、全国農業協同組合連合会(JA全農)の担当者は「降って湧いた話に驚いている」「米国産トウモロコシは食害に遭う国内産と用途が異なり、直接代替できない」と語っており、24日放送の『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日)でも「それほど被害は出ていない」「影響はあまりない」という複数の農家のコメントを紹介していた。
 言われるがままに約7800億円もの農産物市場をアメリカに渡し、自動車分野の関税撤廃の約束が現状維持となり、その上、国民に嘘をついてまで余った大量のトウモロコシを爆買い。……どう考えても、今回の合意は「両国にとってウィンウィン」などと言える内容ではなく、アメリカに屈服した「不平等協定」と呼ぶべきものなのだ。
 このように、国益をアメリカに差し出す結果になったのは、トランプ大統領の恫喝にただただ怯えるだけで譲歩することしかできなかった“無能交渉”が原因だが、さらにもうひとつ、指摘しなければならないのは、参院選後まで貿易交渉の妥結を引き延ばしてもらったという問題だ。
 本サイトでは繰り返し伝えてきたように、今年4月におこなわれた首脳会談では、トランプ大統領は記者団がいる前で貿易交渉の合意時期について「かなり早く進められると思う。たぶん(5月末に)訪日するまでか、訪日の際に日本でサインするかもしれない」と答えたが、記者団が退室すると、安倍首相は 「7月の参院選があるから、それまでは無理だ。2020年秋の大統領選のことはきちんと考えている」と説明(読売新聞4月28日付)。そして5月末の来日時、トランプ大統領は安倍首相とのゴルフ後に〈日本の7月の選挙が終われば大きな数字が出てくる〉とTwitterに投稿、さらに首脳会談後にも「8月に良い発表ができると思う」と語った。
 つまり、参院選前に貿易交渉を妥結すれば日本国内の農業関係者から猛反発を受け、安倍自民党が地方票を大幅に失いかねないために、安倍首相は選挙が終わった「7月以降」に応じると約束したのである。これは選挙のために国益を差し出し、国民を欺くという信じがたい行為だ。
 だが、問題はメディアの報道だ。あからさまな“ケツ舐め外交”と選挙のために取引した結果、農家に大打撃を与えて莫大な国益を差し出したことを、どこまでしっかりと報じるのか。ここまで露骨な外交交渉の失敗が問題にならないようであれば、この国の報道は死んだも同然だろう。


橋下元大阪市長の敗訴確定 ツイッター名誉毀損訴訟
 ツイッターの投稿で名誉を傷つけられたとして、橋下徹元大阪市長が有田芳生参院議員に500万円の損害賠償を求めた訴訟で、最高裁第1小法廷(山口厚裁判長)は橋下氏の上告を退ける決定をした。19日付。橋下氏の敗訴とした二審判決が確定した。
 一、二審判決によると、2人は2012年ごろから、週刊誌記事などを巡りネットで応酬。有田氏は2017年、橋下氏が情報番組に1回だけ出演して降板させられたと投稿した。橋下氏はこの投稿で精神的苦痛を受けたと主張していた。
 二審大阪高裁は、橋下氏がツイッターなどで繰り返していた有田氏に対する侮蔑的な投稿と比べ、有田氏の投稿は「適当と認められる限度内」と判断。一審大阪地裁と同様、橋下氏の請求を棄却した。
 有田氏は26日、東京都内で記者会見し「突然訴えられて大きな負担を感じていた。勝訴が確定してうれしい」と話した。


有田議員「とてもうれしい」 橋下氏からの名誉毀損訴訟、最高裁で勝訴確定
元大阪市長で、弁護士の橋下徹氏が、有田芳生参院議員から名誉を傷つけられて、精神的な苦痛を受けたとして、慰謝料500万円を求めていた訴訟で、最高裁は、橋下氏側の上告を棄却する決定を下した。決定は9月19日付。橋下氏側の請求を退けた大阪高裁判決が確定した。
●インターネット上で言論の応酬があった
判決などによると、ことの発端は、有田氏が2012年10月、ツイッター上で、橋下氏の出自について触れた佐野眞一氏の連載『ハシシタ 救世主か衆愚の王か』(週刊朝日)について「すこぶる面白い」「私が『面白い』と表現したのは、維新の会のパーティーとその裏側を描いたところ」とつぶやいたことだった。
橋下氏は同月、ツイッターに「有田芳生参議院議員。こういう自称インテリが一番たちが悪い」と投稿した。2017年1月には、「有田芳生参議院議員なんて、僕の出自を記事した週刊朝日について『面白い!』と大はしゃぎ。それで自称人権派だって。笑わせてくれるよ。最低な奴」と投稿した。
さらに、大阪市長を退任したあとの2017年7月、プレジデントオンラインで、「有田芳生の人権面は偽物だ」と題する記事を寄稿した。「参議院議員の有田芳生。こいつだけはほんと許せないね」と記載した。また、ツイッターに「有田、早く辞職しろ」とつづった。
これらを受けて、有田氏は同月、「『ザ・ワイド』(編集部注:日本テレビ系列のワイドショー番組・2007年9月放送終了)に1回だけ出演して降板させられた腹いせではないかと思えてしまう」とツイッターに投稿した。
●1審、2審ともに橋下氏の請求を棄却していた
橋下氏は2017年8月、有田氏によるツイッター投稿が、橋下氏の能力に関して否定的な印象を与え、社会的評価を低下させるものだとして、大阪地裁に提訴した。
1審の大阪地裁は2018年8月、有田氏のツイート中「『ザ・ワイド』に1回だけ出演して降板させられた」の部分について、社会的評価を低下させたとしながらも、名誉毀損は限定的にとどまると判断した。
そのうえで、「原告(橋下氏)は、インターネット上において、被告(有田氏)を批判するに当たり、被告を蔑み、感情的又は挑発的な言辞を数年間にわたって繰り返し用いてきた」「(原告は)一定の限度で、被告から名誉を毀損されるような表現で反論される危険性を引き受けていた」として、橋下氏の請求を棄却した。
2審の大阪高裁は2019年2月、「相手方が、自己の正当な利益を擁護するためやむを得ず当該表現者の名誉、信用を毀損するような言動をしても、当該言動が当該表現者がおこなった言動に対比して、その方法、内容において適当と認められる限度を超えない限り違法性を欠くものと解するのが相当である」として、橋下氏の控訴を棄却した。
●有田氏「精神的な打撃は大きなものがあった」
有田氏と代理人弁護士は9月26日、東京・霞が関の司法記者クラブで会見を開いて、最高裁の決定について報告した。有田氏は、内容証明などの事前予告もなく、ある日突然、橋下氏から訴状が届いたというエピソードをあげて、「精神的な打撃は大きなものがあった」と述べた。
そのうえで、いわゆるスラップ訴訟が社会問題になっていることに触れて、「裁判の勝ち負けに加えて、相手にいかに打撃をあたえるのか、という手法と思わざるを得なかった」「今回の裁判に勝てたことは、私個人としてとてもうれしい」とホッとした表情で語っていた。


共産党激怒 日経「ニンジンの皮で増税に勝つ」騒動の行方
 共産党が日経新聞にカンカンだ。きっかけは「ニンジンの皮もおいしく! 増税に勝つ食べ切り術」と題した日経電子版(21日配信)の有料記事。消費増税を前にニンジンは皮ごと調理し、ダイコンの葉やキャベツと白菜の芯なども無駄にせず、食材を使い切ることを勧める内容に、SNS上では“炎上”状態に。
「これで増税に対抗できるかよ」「戦時中のようだ」「『欲しがりません勝つまでは』の国民精神総動員さえ彷彿させる」と散々で、「日経新聞の購読をやめた方がよほど節約になる」とまで皮肉られる始末である。
 確かにニンジンの皮で飢えをしのぐ貧しい人へのアドバイスを、わざわざ有料会員限定でカネを払わせて伝えるとは日経のセンスを疑うしかないが、この記事に共産党の機関紙「しんぶん赤旗」がカミついた。
 25日付の紙面で〈“ニンジンの皮食べて増税に勝て”? 「日経」記事が炎上〉との見出しで記事を掲載。こう批判した。
〈「日経」はこれまで、「消費税率10%後の議論も始めよう」(7月24日付社説)などとさらなる増税の議論まで呼びかけ、安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」が「日本経済のムードを明るくした。株高や円安によって企業収益や雇用は改善した」(2018年8月23日付社説)などと持ち上げていました〉
 まるで日経は「安倍政権の広報紙」と言わんばかりだが、この日は同党トップの志位和夫委員長も自身のツイッターに〈この大増税は「ハウツー」で何とかなるものじゃない。最後まで増税中止の世論を広げることが、その後の減税・廃止に道を開く〉と投稿。共産党の日経記事への怒りのほどがヒシヒシと伝わってくる。
 日刊ゲンダイは日経新聞広報室にSNS上での批判についての見解を求めたが、回答を拒まれた。増税賛成で国民に我慢を強いるとは、この国を代表する経済専門紙は消費不況を容認する気なのか。


大村知事「トリエンナーレ交付金下りないなら係争処理委で」
 あいちトリエンナーレ2019実行委員会会長の大村秀章・愛知県知事は26日午前、報道陣に対し「現時点で文化庁からは何の連絡もない」とした上で、「4月25日に文化庁長官名で採択の通知を頂いている。もし交付金が下りないのであれば、国の『国地方係争処理委員会』で中身や理由を聞くことになる」と話し、不交付が決定すれば同委員会に審査を申し出る意向を示した。【竹田直人】

大村知事「裁判で争う」 芸術祭への補助金不交付で
文化庁が、愛知県で開かれている国際芸術祭「あいちトリエンナーレ」に交付する予定だった補助金を、全額交付しないことを決めたことを受け、愛知県の大村知事は、「一方的な決定は承服できない」として、裁判で争う考えを示しました。
先月1日から開かれている「あいちトリエンナーレ」では、「表現の不自由」をテーマに、慰安婦問題を象徴する少女像などを展示する企画展が設けられましたが、テロ予告や脅迫ともとれる電話などが相次ぎ、開幕から3日で中止されました。
こうした中、芸術祭を国の補助事業として採択していた文化庁は、愛知県からの事前の申請手続きが不適切だったとして、予定していたおよそ7800万円の補助金を全額交付しないことを決めました。
これを受け、愛知県の大村知事は、26日夕方、記者団に対し、「寝耳に水で大変驚いた。抽象的な事由で一方的に不交付を決定したことは承服できない。今回の決定については、速やかにただしていかなければならず、弁護士と相談して法的措置を講じ、裁判で争いたい」と述べました。
さらに、大村知事は、「合理的な理由がなく、補助金の不交付を決定するのは、憲法21条が保障する表現の自由の重大な侵害だ。こんな風になるとは思わなかったが、表現の自由を最大の争点として、裁判で文部科学省の見解をただしたい」と述べました。
日本ペンクラブ 決定撤回を求める会長談話
脅迫めいた電話が相次ぐなどして一部の展示が中止された愛知県で開かれている国際芸術祭に対し、文化庁が、補助金を全額交付しないと決定したことについて、作家や詩人などでつくる日本ペンクラブは、26日、決定の撤回を求める会長談話を発表しました。
発表された日本ペンクラブの吉岡忍会長の談話では、「展示を脅迫等によって中断に追い込んだ卑劣な行為を追認することになりかねず、行政が不断に担うべき公共性の確保・育成の役割とは明らかに逆行する」と指摘したうえで、文化庁が、今回の決定を撤回するよう求めています。
官房長官「文化庁が適切対応するのは当然」
菅官房長官は、午後の記者会見で、「補助金に関する決定は、文化庁が、必要な事実関係の確認と審査を終えたことから、公表したと聞いている。展覧会を開催するかどうかは、主催者である愛知県の実行委員会が判断したのだろう」と述べました。
そのうえで、記者団が、「展示内容によって補助金を交付したり、しなかったりするのは、表現の自由を保障した憲法の規定に抵触する可能性があるのではないか」と質問したのに対し、菅官房長官は、「国民の税金で賄われている補助金の取り扱いに関することなので、文化庁が、事実関係を確認したうえで、適切に対応するのは当然のことではないか」と指摘しました。


あいちトリエンナーレの補助金、不交付の方針に芸術家らが危機感「文化発信力にとどめを刺された」
会田誠さんは「国にとっても文化にとっても良いことが一つもなく、悪いことばかりあります」と危惧した。
霤塚央(Rio Hamada)
「表現の不自由展・その後」が中止になった国際的な芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」について、文化庁が採択を決めていた補助金全額を交付しない方針を固めたと、NHKや朝日新聞が9月26日に報じた。
この方針に対して、会田誠さんや平野啓一郎さんら、アーティストや作家らが危機感を示している。
会田さんはNHKニュースを引用しながら、文化庁長官に向けて「今からでも遅くないので、その方針を取り消してください」と要望。「国にとっても文化にとっても良いことが一つもなく、悪いことばかりあります」と危惧した。
思想家の内田樹さんは「文化活動へのすべての補助金は『政権への忠誠度』を基準に採否を決すると文科省が宣言したと僕は解しました」とツイート。「最後に残っていた文化的発信力もこれでとどめを刺されました」と悔やんだ。
小説家の平野啓一郎さんは「こんな前例を作ってはならない」と抗議の意思を示した。
映画評論家の町山智浩さんは、文化庁の決定に対して「政府に都合のいい文化事業にしか補助金が出ない」と批判。「今後、戦争の歴史的展示にも同じことが起こるぞ」と警鐘を鳴らした。
あいちトリエンナーレをめぐっては、慰安婦を表現した少女像や昭和天皇をモチーフにした作品を展示した「表現の不自由展・その後」に抗議が殺到。脅迫も受け、開始から3日で中止となった。
文化の活用推進を目的とした国の補助事業として文化庁が採択し、およそ7800万円が交付される予定だった。
菅義偉官房長官は騒動後、「補助金交付の決定にあたっては、事実関係を確認、精査して適切に対応したい」などと述べていた。


文化庁「あいちトリエンナーレ」補助金を不交付「表現の自由に圧力かける官僚的やり方」
 慰安婦を象徴する少女像の展示などへの抗議が殺到し、わずか3日で中止となった国際芸術祭「あいちトリエンナーレ」の企画展「表現の不自由展・その後」。文化庁は26日、愛知県に対して交付する予定だった補助金約7800万円を全額交付しない方針を決めたことがわかった。
 文化庁によると、会場の安全担保や円滑な運営をするために重要な内容があったにもかかわらず、申告なく進めたことを問題視したという。愛知県の大村秀章知事は25日の会見で、「芸術監督の津田大介さんを厳重注意の処分に」「芸術祭を本来の形に戻すためにも中止となった企画展を速やかに再開させたい」と再開に向けた協議を始める方針を明らかにしていた。
 朝日新聞によれば、あいちトリエンナーレの総事業費は約12億円で、負担額は愛知県が約6億円、名古屋市が約2億円。そのうち「表現の不自由展・その後」に関連する費用は約420万円と、全体に占める割合は少ない。そんな中、補助金交付を全額撤回した文化庁の対応について、東京大学先端科学技術研究センター助教の佐藤信氏は「非常に驚くべき判断」と苦言を呈する。
 「文化庁は全額不交付の理由について、企画書の中に全体の内訳が書かれていなかった、だから全体について判断するしかないという手続き上の話だとしている。当然、今回のような問題が起こっていなければ不交付という事態にはなっていないわけで、結局は電凸や脅迫などで特別な警備体制が必要になったり十分な対応ができない状態に追い込んだりしてしまえば、同じようなことを起こせるということでもある。表現の自由について判断はしないということだが、迂回して今回のような展示に圧力をかける官僚的なやり方。表面上の理由は違うかもしれないが、問題の根本に展示内容は関係しているわけで、こういう形の決定でいいのかは問題になる」
 また、今回文化庁がこのような判断をしたことで、地方自治体でも追随するような判断が出てくることが懸念される。佐藤氏は「組織として問題があったという文化庁の理屈は、地方自治体が支出するものに関しても同じことが言える。愛知県の場合は大村知事がサポートする姿勢を取っているが、名古屋市は反発する態勢を取っていて、名古屋市が今後同じような方針を出すことは考えられる」とした上で、「なぜこのような問題が起こったのか、起こる問題に対してどのような対策が取れるかという観点で見ることが大事。今回の展示内容は抜きにして、脅迫といったものの効果を認めることはどうなのか。そこに対する問題意識を持つことが重要」だと指摘した。

久しぶりのキソキソ/堂山町・ハローワーク/釜石!/便器が

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190928-1

Le ≪Comment osez-vous?≫ de Greta Thunberg a marqué les esprits verts
(Washington) Avec ses ≪Comment osez-vous?≫ impérieux adressés aux dirigeants mondiaux à l’ONU lundi, la jeune Suédoise Greta Thunberg a confirmé sa place de porte-parole de toute une génération sur le climat, fruit d’un an de son propre acharnement, martèlent ceux qui la connaissent.
Ivan Couronne
S’il n’a pas vraiment fait bouger les leaders qui se sont exprimés après elle, son discours de quatre minutes et demie est devenu immédiatement viral, suscitant des dizaines de milliers de partages et de commentaires sur les réseaux sociaux.
Le statut dominant de Greta Thunberg dans le mouvement climatique n’est pas si difficile à expliquer, disent ceux qui ont côtoyé l'ado de 16 ans, en année sabbatique d'école et qui parle très bien l’anglais.
≪Elle a fait quelque chose d’inhabituel, une grève de l’école, alors que l’école c’est vraiment important pour les enfants≫, dit Jennifer Morgan, directrice exécutive de Greenpeace International. Cette grève, elle l’a lancée à Stockholm avec sa pancarte en août 2018.
La simplicité de l’action a vite fasciné en dehors de la Suède, et un an après, ces grèves, régulières ou occasionnelles, ont gagné des dizaines de pays, propagées par les réseaux sociaux.
≪Sa parole est très claire, et elle a prononcé des mots au sommet qui sont ressentis par énormément de gens≫, juge aussi Jennifer Morgan.
≪Elle parle avec tant de passion qu’on est obligés d’écouter≫, dit la directrice exécutive d’Oxfam International, Winnie Byanyima.
Cette forme d’expression – toujours brève, percutante, et illustrée de quelques données scientifiques bien choisies – contraste avec les discours d’autres jeunes, comme on a pu le voir le week-end dernier à un sommet de jeunes. Certains s’expriment déjà comme leurs aînés, récitant de longs textes sans vrai sens de la formule.
La singularité de son expression, tantôt réservée, tantôt brute, est influencée par son syndrome d’Asperger, une forme légère d’autisme, dont elle dit qu’elle l’a rendue ≪très directe≫.
≪Tout le mouvement qu’elle a inspiré, ainsi que son discours d’hier, jouent un rôle très important pour faire évoluer l’air du temps≫, dit Bill McKibben, fondateur de l’organisation 350.org, active dans le mouvement des grèves.
≪Notre idée de ce qui est normal et attendu est en train de changer de plus en plus vite grâce au travail de Greta≫, ajoute l’écologiste, qui l’a vue à Washington et New York.
La voix de la science
Comme la jeune Pakistanaise Malala Yousafzai pour l’éducation des filles ou l’ancien élève du secondaire américain David Hogg qui milite contre la prolifération des armes à feu, Greta Thunberg a été accusée d’être une enfant manipulée.
Elle-même a répondu qu’elle n’était pas une marionnette : ≪Il n’y a personne “derrière” moi, à part moi≫, a-t-elle écrit sur Facebook en février. ≪Et oui, j’écris mes propres discours. Mais comme je sais que ce que je dis atteindra beaucoup, beaucoup de gens, je demande souvent des avis≫.
Son entourage donne plusieurs noms de scientifiques réputés qu’elle consulte : Johan Rockstrom, Stefan Rahmstorf, Kevin Anderson, Jean-Pascal van Ypersele, Glen Peters...
≪Je suis convaincu qu’elle écrit ses textes elle-même pour l’essentiel, même si elle les fait relire≫, confirme le climatologue belge Jean-Pascal van Ypersele, en contact régulier avec elle et son père. Par messages, il l’a aidée encore la semaine dernière à préciser un point avant son intervention au Congrès américain.
Même commentaire de Kevin Anderson, de l’université de Manchester : ≪Je suis certain que Greta écrit ses propres discours, mais vérifie de façon appropriée la rigueur des faits, déclarations scientifiques et chiffres avec divers spécialistes≫.
≪Si elle passait 10 minutes avec le président Trump à parler de physique et de chimie planétaires, à votre avis, qui dominerait?≫, demande Bill McKibben, admiratif.
Évidemment, elle ne voyage pas toute seule. Son père, le comédien devenu producteur Svante Thunberg, l’accompagne, ainsi qu’une amie de famille de longue date. Callum Grieve, de l’association Every Breath Matters, était aussi présent à Washington.
Elle ne gère pas non plus seule le déluge d’invitations et de demandes d’interviews. Les sociétés de communication spécialisées sur le climat et les ONG Climate Nexus et GSCC gèrent la logistique des demandes de presse, pro bono. De multiples ONG sont en contact pour coordonner des événements, comme 350. org, qui fait passer des invitations. ≪Elle n’a pas de grandes ONG derrière elle, elle est sa propre personne≫, dit la porte-parole de 350.org Kim Bryan.
Greenpeace Suède l’a un peu aidée l’hiver dernier avec de la nourriture et du soutien, dit Jennifer Morgan, mais à part cela, Greenpeace n’aide pas Greta Thunberg.
≪Elle sait qu’elle peut nous appeler, mais elle a vraiment sa propre personnalité≫, dit-elle. ≪C’est du pur Greta≫.
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フランス語の勉強?
渡邉葉 @YoWatShiinaEsq
グレタ演説の報道を俯瞰。
日本語報道:
「涙の訴え」
「怒りのスピーチ」
英語報道:
"pointed" = 鋭い
"scathing" = 痛烈な
"powerful" = 力強い
各文化圏が16歳の少女に「期待」する行動の範囲が浮き彫りになっている。日本語界は「感情」の形容止まり。英語では演説の「効果」を評価している。

にゃん吉 @umetaro_uy
玉川氏「大原則として、原発の事故は起こらないと殆どの専門家が言ってた。でも起こって、泥縄の様に放出するしかないとまた無責任な事を言ってる。少なくとも専門家だったら放出しないで済む方法を考えろ」
原発は安全だと唱えてきた専門家が堂々と今度は汚染水は安全だと言い切る。
少しは恥を知れ

あらかわ @kazu10233147
羽鳥モーニング
カナダでは飲料水のトリチウム基準値は20ベクレル。日本はトリチウム放出基準は6万ベクレル。昔、福島原発を動かした時に年間20兆ベクレル出しても大丈夫なように年間22兆ベクレルまでいいとした。それが6万ベクレルの「根拠」。そんな基準値をもとにトリチウム海洋投棄。ありえない。

NIKKEI Rugby@nikkei_rugby
釜石には海外の方も多く訪れています。昨夜の盛岡−釜石間の電車にはイングランドから来た若い男性の3人組がいました。札幌でのイングランドートンガ戦の後、12都市の中でどこに行こうか考えた結果、震災のことを学びたいと釜石を訪れたそうです。
【W杯特設ページ】https://r.nikkei.com/rugby-world-cup-2019

徒然なるままに @tt_1495
kamaishi と 釜石
kamaishiは、3.11の被災の象徴として再認識され、そして復興のシンボルとして世界中に認知された。
釜石は、新日鉄釜石の黄金期を知るラグビーファンにとっては、まさしく【聖地】であった。
今回のRWC2019によって、新たな伝説が付け加えられた。釜石、おめでとう、ありがとう。


久しぶりのキソキソです.いつもの彼が来なくて残念でしたが,新しい人がいました.
堂山町で待ち合わせ.ちょっと迷ってしまいました.一緒にハローワークに行きました.
今日はラグビーワールドカップの試合が釜石のスタジアムであります!フィジーとウルグアイです.大漁旗が舞う映像を見るとなんだか悲しくなってきます.
便器がキレイになってました.ありがとう.

河北抄
 仙台市若林区荒浜には、四季折々の営みがあった。春は南東の風、イナサに吹かれての出漁、夏は海水浴場の海の家。そして秋は「まめげっつぁん」だった。
 「中秋の名月」の夜、枝豆を食べて月をめでるので豆名月。「つぁん」は敬称である。地下鉄東西線荒井駅にある「せんだい3.11メモリアル館」で今月13日、月見会があり、参加者は荒浜の名物料理、おくずかけを味わった。
 震災で被災し、近くに新居を構えた庄子智香子さん(66)が腕を振るった。お盆やお彼岸に欠かせなかったといい、大広間の仕切りをぶち抜いた座敷で一杯やる大勢の男たちを喜ばせたとか。
 ニンジン、ゴボウ、シイタケ、油揚げ、玉ふをそろえる。「サトイモとうーめんも入れたの。汁をかけると冷めないのがいいわね」と忙しく立ち回る。
 荒井駅の周りには家やマンションが建ち始めた。時折顔を出すお月様に見守られ、地域の子どもたちが走り回っている。この日の味が記憶に刻まれ、「母さん、荒浜の料理作ってよ」となって、いつまでも受け継がれてほしい。


高い学力で注目の秋田・東成瀬村、大槌の教育復興支援 教員研修毎年受け入れ、生徒交流で互いに刺激も
 児童生徒の高い学力が全国から注目される秋田県東成瀬村が、東日本大震災で被災した岩手県大槌町の教育復興を支えている。大槌から教員研修を毎年受け入れ、授業力向上を強力に後押しする。東成瀬の中学生は大槌で防災学習をしており、鶴飼孝・東成瀬村教育長は「相互交流を通じて両町村の子どもたちの可能性を伸ばしたい」と話す。
 5月下旬、大槌町立の義務教育学校・大槌学園と小中教育一貫校・吉里吉里学園の2人の教員が村唯一の中学校、東成瀬中の教壇に立った。研修には両学園と町教委から計9人が2泊3日で参加した。
 両町村の教員が指導案を共同で作成し、チームティーチングで14人の2年生に数学の授業を実践した。授業の後は改善点を話し合った。
 大槌町には震災前、5小学校、2中学校があったが、4校が津波で被災。地震の揺れで校舎が使えなくなった学校もあった。教育環境の激変に伴い段階的に小中学校の統合が進められ、現在は大槌学園と吉里吉里学園に集約された。
 教育復興を模索する中、町は全国学力テストで優秀な成績を収め、各地から年に約600人が視察に訪れる東成瀬に着目した。
 2012年に東成瀬への先進地視察を始め、17年からは村教委の協力を得て「飛び込み授業」を東成瀬中か東成瀬小で行っている。
 大槌町の沼田義孝教育長は「東成瀬から大いに学び、大槌でも学力が向上しつつある」と手応えを語る。
 東成瀬の授業は「生徒ファースト」「児童ファースト」を重視する。教員はコーディネーター役に徹し、児童生徒の考えを引き出して対話を促す。教員の発問に全員が挙手し、「困った」「納得」「別の意見」など6種類の意思を示す「ハンドサイン」も特徴的だ。
 大槌町教委の米沢俊哉指導主事は「自学ノートや家庭学習の取り組みなど学ぶべきことが多い」と言う。
 東成瀬中は15年度から2年生が吉里吉里学園を毎年訪問してきた。津波被災地で震災当時の様子を聞き、手を合わせる。東成瀬中の大沼一義校長は「被災地に立つことで、自分のこととして震災を考えてほしい。感性の異なる海の子と山の子が交流する貴重な機会にもなる」と意義を語る。


<ラグビーW杯>フィジー代表、宮古・田老の遺構訪問 震災の爪痕、胸に刻む
 ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会に出場しているフィジー代表の選手、スタッフら12人が24日、宮古市田老地区にある東日本大震災の震災遺構「たろう観光ホテル」を訪れた。
 宮古市がフィジーの公認キャンプ地になっている縁で実現した。一行は津波の威力で骨組みだけが残された1、2階部分を見学し、津波襲来時の映像を見た。
 市観光文化交流協会の防災ガイドが「自分の命は自分で守ることが重要」と強調。チームスタッフのスニヤ・コトさん(39)は「とても大きな災害で恐ろしかったが、学ぶことが多かった」と話した。
 フィジー代表は25日、釜石市の釜石鵜住居復興スタジアムでウルグアイ代表と対戦する。試合前には震災の犠牲者を悼んで黙とうがあり、ペニ・ラバイ選手(29)は「応援してくれる人々への感謝と震災の犠牲者への追悼の思いを込めたい」と語った。


被災地釜石で25日午後に試合
東日本大震災の被災地で唯一、ラグビーワールドカップの会場になった釜石市での試合は、25日午後にキックオフします。
試合会場となる「釜石鵜住居復興スタジアム」は、8年半前の東日本大震災の津波で浸水した地域に新たに建てられました。
大会では、1次リーグの2試合が行われ、25日午後2時15分から、ラグビーワールドカップのフィジー対ウルグアイ戦が行われます。
スタジアムの周辺では、午前中から両国のユニフォーム姿に身を包んだラグビーファンが集まりだし、地元住民や高校生が大漁旗を振って出迎えていました。
大会の組織委員会によりますと、25日の試合のチケットはほとんどが販売済みで、国内外から釜石の人口の半分ほどにあたる1万6000人近くが観客が会場を訪れる予定です。
【釜石鵜住居復興スタジアムとは】
釜石市の「釜石鵜住居復興スタジアム」は、ラグビーワールドカップ日本大会の12の試合会場のひとつで、唯一、新設されました。
鵜住居地区は、東日本大震災の津波で釜石市内で犠牲になった人のおよそ6割近くが集中した地域で、スタジアムは、全壊した鵜住居小学校と釜石東中学校の跡地に、「復興のシンボル」として国の補助金などを利用しておよそ49億円かけて整備されました。
震災後に整備された海の水門からはおよそ100メートルほどの位置にあり、広さはおよそ9万平方メートルで、常設と仮設のスタンドあわせて1万6000席が設けられています。
座席には2年前に市内で発生した山林火災で焼けたスギの木が活用されたほか、「絆シート」として旧国立競技場や東京ドームなどから寄贈された座席が設置されました。


熱戦待ち切れない きょう釜石でラグビーW杯初開催
 東日本大震災で被災した釜石市の釜石鵜住居復興スタジアムで25日、ラグビーのワールドカップ(W杯)が初開催される。東北唯一の開催地には24日、国内外からファンが訪れ、フィジー対ウルグアイ戦を前に盛り上がりを見せた。
 JR釜石駅には外国からのファンが続々と降り立った。故郷ウルグアイの応援でスコットランドから来た獣医師エドゥアルド・ソカさん(62)は「(強豪新日鉄釜石を支えたという)日本ラグビーにとって重要な地に来ることができた」と感慨深げだった。
 ボランティアで訪問者を道案内した釜石高1年の佐々凜花さん(16)は「外国の方も多く来てにぎやか。釜石の良いところを見てほしい」と話した。
 市中心部の特設会場では前夜祭があり、伝統芸能が披露されたほか震災に関する写真も展示された。
 25日は午後2時15分試合開始。釜石市では10月13日にナミビア対カナダ戦が組まれている。


ラグビーW杯、被災地の釜石で 震災犠牲者に黙とう
 ラグビーのワールドカップ(W杯)日本大会は25日、東日本大震災で甚大な被害を受けた岩手県釜石市に新設された釜石鵜住居復興スタジアムでフィジー―ウルグアイが行われ、青空の下で繰り広げられた世界レベルの戦いに観客席が沸いた。秋篠宮ご夫妻も観戦された。
 キックオフ前には震災犠牲者に黙とうがささげられ、航空自衛隊のアクロバット飛行チーム「ブルーインパルス」が上空を飛行して会場に歓声が響いた。
 日本選手権で7連覇した新日鉄釜石(現釜石シーウェイブス)の本拠地で「ラグビーの街」として知られる釜石市では、関連死を含めて千人以上の死者・行方不明者が出た。


<ラグビーW杯>釜石で第1戦、ファン熱気 ウルグアイがフィジーに勝利
 25日にラグビーのワールドカップ(W杯)フィジー対ウルグアイ戦が行われる岩手県釜石市の釜石鵜住居復興スタジアムには、朝からシャトルバスや三陸鉄道などで多くの観客が詰め掛けた。午前11時45分の開門と同時にスタジアムに入り、午後2時15分の試合開始を待ちわびた。
 花巻市からラグビー仲間と9人で訪れた会社員の小松正宗さん(33)は気仙沼市出身。中学時代に地元のラグビースクールで元日本代表のプロップ畠山健介さんと共にボールを追ったといい、「世界のプレーを目の当たりにできる。わくわくしている」と語った。
 スタジアムは東日本大震災の津波で全壊した釜石東中と鵜住居小の跡地に造られた。飲食ブースで岩手県大槌町産のカキやホタテを提供する六串恵子さん(62)は「世界中から来る人たちを地元産の物でもてなしたい」と準備に精を出した。
 三陸鉄道鵜住居駅では、満員の列車からユニホーム姿の観客らが続々とホームに降り立ち、地元の人が大漁旗を振って出迎えた。

 試合はウルグアイが30―27でフィジーを下した。


掲げた感謝、捧げた黙祷。津波に襲われた町にラグビーW杯がやってきた
8年前、津波に襲われ甚大な被害を受けた地区にスタジアムは建っている。試合には地元の子どもたちも駆けつけ、エールを送った。
Yuto Chiba 千葉 雄登
9月25日、岩手県釜石市の「釜石鵜住居復興スタジアム」でフィジー対ウルグアイ戦が開催された。
釜石市は1978年からラグビー日本選手権を7連覇をした新日鉄釜石の本拠地。そんなラグビーの町を2011年3月11日、津波が襲った。スタジアムが立つのは津波に飲み込まれ、甚大な被害を受けた地区だ。
スタジアムは津波で全壊した釜石東中学校、鵜住居小学校の跡地に2018年7月に完成。今回のラグビーW杯では、東北で唯一の開催地に選ばれている。
地元の子どもたちもスタジアムで試合を観戦。フィジー代表、ウルグアイ代表の国旗を振って、応援している。
世界に感謝の思いを伝えるために。
試合の前にはセレモニーを開催。地元の子どもたちが広げたフラッグには「Thank you for your support during the 3.11 Earthquake and Tsunami(3.11の地震、津波の際はサポートしていただきありがとうございました)」という世界に向けたメッセージが。
キックオフ前には黙祷も捧げられた。
釜石では2試合の開催が予定されている。次の試合は10月13日に開催されるナミビア 対 カナダ戦だ。


被災地・釜石が熱狂 ウルグアイが格上フィジーを下す
 「ラグビーW杯・1次リーグD組、ウルグアイ30−27フィジー」(25日、釜石鵜住居復興スタジアム)
 世界ランキング19位のウルグアイが、同10位で格上のフィジーを振り切り、白星スタートした。
 釜石市は日本選手権7連覇でかつて日本ラグビー界をけん引した新日鉄釜石(現釜石シーウェイブス)の本拠地。東日本大震災で甚大な被害を受け、新設されたスタジアムで行われた一戦は、フィジーが先制したものの、ウルグアイがすかさず逆転。前半を24−12でリードした。
 後半はPG2本のみのウルグアイに対し、3トライのフィジーが追い上げたが、3点差でウルグアイが逃げ切った。
 試合前には、両チームの選手をはじめ関係者やスタンドの観客が震災犠牲者に黙とうをささげた。


被災者つなぐ音楽の力 坂本龍一さん監督・東北ユースオーケストラが合唱団員募集
 相次ぐ自然災害の被災者を音楽でつなごうと、東日本大震災を経験した若者でつくる東北ユースオーケストラが10道県の幅広い世代を対象に合唱団員約120人の募集を始めた。ベートーベンの交響曲第9番で「未来への希望を歌おう」と、音楽家坂本龍一さんらは呼び掛けている。
 東北ユースは坂本さんが代表・監督を務め、団員は岩手と宮城、福島の小学4年生から大学生まで100人以上。音楽を通じた復興を目的に結成され、2016年から毎年演奏会を開いている。
 来年3月の第5回は27、28日に東京のサントリーホールと東京芸術劇場、29日に福島市の福島県文化センターで開催。苦難を経てなお生きる喜びを歌う第9を200人以上で演奏、合唱する。坂本さんの新作も初演する。指揮は柳沢寿男さん。
 団員の渡辺真浩さん(20)は「被災の記憶を力に変え、音楽で乗り越えていけるよう頑張りたい」。坂本さんは「第9は日本中に浸透し、人々の統合を象徴するような曲だ。被災された方が置き去りにされていないかが心配で、音楽でなんとか力づけたい」と話す。
 合唱の募集対象は9月1日時点で16〜65歳、被災地域に住んでいたか、今も住む人。対象の災害などは次の通り。
 東日本大震災=岩手、宮城、福島の3県▽16年熊本地震=熊本県▽17年7月九州北部豪雨=福岡、大分両県▽18年7月西日本豪雨=岡山、広島、愛媛の3県▽18年北海道胆振地方の地震=同地方
 参加費は3万円で、22歳以下や学生は無料。応募は10月15日締め切り。詳細は東北ユースの公式サイトで。


<楽天>ソフトバンク破り、2季ぶりCS進出!
 プロ野球東北楽天は24日、2季ぶりにクライマックスシリーズ(CS)進出を決めた。
 パ・リーグ3位の東北楽天は同日、仙台市宮城野区の楽天生命パーク宮城でソフトバンクと対戦し、4−2で勝った。0−1の六回にウィーラー内野手の2ランで逆転すると、七回には浅村栄人内野手の適時二塁打などでリードを広げた。リーグ4位のロッテが西武に敗れたため、東北楽天の3位が確定した。
 東北楽天の平石洋介監督は「選手がよくやってくれた。(CSでは)こちらが挑戦者。思い切ってぶつかっていく」と話した。
 東北楽天のCS進出はリーグ2位となった2009年、リーグ優勝し日本一にも輝いた13年、リーグ3位だった17年に続き4度目。CSファーストステージ(3試合制)は10月5日に始まり、リーグ2位のソフトバンクとビジターで戦う。


河北春秋
 大手週刊誌が「韓国なんて要らない」とする過激な特集を組むほど日韓関係がとげとげしい。外交問題で政府は韓国に主張すべきは主張してもらうとして、両国の交流を断つ議論にくみしない冷静さは持ちたい▼宮城県の北部、栗原市若柳の大林寺で毎年、日韓2人の合同法要が営まれている。初代韓国統監の伊藤博文を射殺し死刑となった韓国の独立運動家安重根と、その看守だった千葉十七。寺は千葉の菩提(ぼだい)寺である▼千葉は安の人格と見識に敬意を抱いて心を通わせ、安から書を贈られた。故郷に持ち帰って安の冥福を祈り、両国の友好を願う日々を送ったという▼遺墨は千葉の遺族が保管していたが、1979年に韓国へ返還され、広く知られるようになった。法要は81年、遺墨を刻んだ顕彰碑が寺に建ったのがきっかけで始まった。22日には両国から約130人が参列した▼夏休みになると、両国から高校生も研修に来る。96年に訪れた韓国の女生徒、李世永さんは「敵対した国の人間同士が友情を感じていたのに驚き、素晴らしいことだと思った」と話してくれた。今は社会の中堅を担う世代となっているはずだ。日韓の橋渡し役を果たしてくれているだろうか。宮城でまかれた友好の種が、両国で育っていることを願わずにはいられない。

五輪に旭日旗 政治対立あおらないか
 東京五輪・パラリンピック組織委員会が会場への旭日旗持ち込みを容認する考えを表明し、侵略と軍国主義の象徴だとする韓国が反発を強めている。
 日韓関係のさらなる悪化にもつながりかねない事態だ。双方に冷静な対応を求めたい。
 事の発端は先月の韓国国会の決議だ。韓国政府は組織委員会の対応を不満とし、再考を求める書簡を国際オリンピック委員会に送るなど泥沼化の様相を呈している。
 日韓の対立が背景にあるにせよ、大会を政治的論争に利用するようなことがあってはならない。
 大会の主役はアスリートたちだ。選手や声援を送る人々が不快感を覚えたり、競技に集中できないような事態を招くことは避けるべきだ。
 旭日旗を巡っては2011年のサッカーの日韓戦でも火種となり、昨年も、韓国で開かれた国際観艦式での掲揚を巡り議論となった。ヘイトデモでも使われるなど対立を招く一因ともなっている。
 太陽と光線をかたどった旭日旗のデザインは、縁起物として浮世絵や大漁旗などに用いられて来た。一方、明治期以降、軍旗として使用され、戦後は自衛隊旗として掲揚されている。
 韓国側には、日本の帝国主義により侵略された被害の歴史の象徴という反発が根強い。屈辱を覚えるという言い分は無視できまい。
 一方、組織委員会や日本政府は、国内で広く使用され、政治的宣伝にはあたらないとして制限する考えはないという。
 だが、韓国にとどまらず、各国が旭日旗を見る目は、日本国内の意識よりも厳しいものがあることに留意すべきだ。
 アジア・サッカー連盟は、17年のアジア・チャンピオンズリーグの試合に持ち込まれた旭日旗を、政治的意見に関連する差別的な象徴と認定。政治的意図はないとの主張を退けた。
 五輪憲章は会場などでの政治的活動を禁じている。日韓関係が悪化する中での掲揚は、政治的主張と受け止められるリスクがある。
 軍旗として使用された歴史は、平和を掲げる大会の理念にそぐわないのではないか。誰かが不快と感じるものを掲げることが「おもてなし」とも思えない。
 五輪は、東西冷戦の影響で参加をボイコットするなど政治に翻弄(ほんろう)された歴史がある。その被害者は選手や声援を送る人々だった。そのことをいま一度思い起こし、事態の打開を図るべきだ。


五輪と旭日旗 持ち込み許容の再考を
 来年の東京五輪で、競技会場への旭日(きょくじつ)旗の持ち込みが認められる見通しだ。しかし、この旗は、歴史的な経緯もあり、周辺国からの反発を生みかねない。大会の成功のためにも再考を求めたい。
 韓国政府は、旭日旗について「周辺国家に過去の軍国主義と帝国主義の象徴と認識されている。ナチスのハーケンクロイツ(かぎ十字)のような戦犯旗」と主張、国際オリンピック委員会(IOC)に持ち込み禁止を要請した。
 これに対して日本政府は、旭日旗のデザインは、大漁旗など民間で広く使われており、「政治的宣伝にはならない」として、問題ないとの立場だ。橋本聖子五輪担当相も同じ考えを表明している。
 旭日旗は、ドイツのかぎ十字のように法律で利用が禁止されているわけでなく、自衛艦旗として使用もされている。
 しかし、大漁旗、社旗などに使われているのは、太陽の光を象徴する一部のデザインにすぎず、民間に普及しているという日本政府の説明には、無理がある。
 過去、旧日本軍の軍旗などとして使われていたのは歴史の事実だ。さらに日本国内では、今も軍国主義やナショナリズムのシンボルとしてしばしば登場している。
 この問題は、サッカーに前例がある。二〇一七年に韓国京畿道の水原で行われた韓国チームとの試合で、川崎フロンターレの一部サポーターが、旭日旗を掲げた。
 アジア・サッカー連盟(AFC)は旭日旗を、「攻撃的、挑発的な内容を含んだ横断幕や旗」であると認定し、フロンターレに罰金などの制裁を科している。
 中国でも問題が起きている。〇一年、人気女優が雑誌のグラビアで、旭日旗をあしらった服を着用したところ、「国賊」などと激しい非難を浴び、謝罪した。
 〇八年の北京五輪では、現地の日本大使館が日本人観客に対し、競技場へ旭日旗を持ち込まないよう文書で呼びかけている。海外の試合はだめだが、自国開催の五輪なら問題はないのか。日本政府の姿勢は矛盾している。
 IOCは、「競技会場は、あらゆる政治活動と無縁であるべきだ」とし、推移を見守っている。懸念には個別対応する方針だ。
 そもそも五輪は、「人間の尊厳を保つことに重きを置く平和な社会の推進」を、目標としてうたっている。競技に集中できる穏やかな環境を準備することも、主催国の大切な役割だろう。


温暖化サミット 未来への危機感足りぬ
 若者たちが危機感を募らせ声を上げる姿を見て、各国の首脳たちはどう応えるのか。
 地球温暖化対策を議論する国連の「気候行動サミット」が開催された。来年から本格始動する温暖化対策の枠組み「パリ協定」に向けた各国の取り組みが不十分だとしてグテレス事務総長が求めた。
 世界中で異常気象や自然災害が相次ぎ、甚大な被害をもたらしている。各国首脳は未来への責任と事態の深刻さを認識し、温暖化対策を急がねばならない。
 2015年のパリ協定採択後も温室効果ガスの排出量は増えている。気温は既に産業革命前と比べ約1度上昇した。
 今世紀末の気温上昇を2度未満、できれば1・5度未満に抑えるというパリ協定の目標達成は、このままでは不可能だ。
 このためグテレス氏は、温室効果ガスの50年までの実質排出ゼロと30年までの45%削減、石炭火力発電所の20年以降の新設禁止などを加盟国に要求してきた。
 サミットでは欧州各国を中心に77カ国が、50年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにすると表明した。だが、まだ不十分である。
 世界的な抗議活動の火付け役となったスウェーデンのグレタ・トゥンベリさん(16)も演説した。
 「私たちは絶滅に差し掛かっているのに、あなたたちが話すのはお金と永遠の経済成長というおとぎ話だけ」と首脳らを批判し「私たちを失望させる選択をすれば、決して許さない」と訴えた。
 サミットに先立ち約160カ国で400万人以上が温暖化対策の強化を求めて抗議活動を行った。
 こうした動きは若者を中心に急速に広がっている。国際社会の現状を見れば、地球の未来を不安視するのは当然である。
 特に世界第2位の排出国である米国の後ろ向きな姿勢は際立つ。パリ協定からの離脱を宣言したトランプ大統領はサミットに短時間出席しただけで発言しなかった。
 国際協調に背を向ける自国第一主義は大国の責任放棄に等しい。
 日本への風当たりも強まっている。各国首脳がそろう中、安倍晋三首相は不参加だった。小泉進次郎環境相が出席したものの、演説の機会は与えられなかった。政府に具体策がないためだろう。
 温室効果ガスの排出量が多い石炭火発の新増設を日本が認めていることは、世界の潮流に逆行している。再生可能エネルギーの導入を加速させ、温暖化対策を推進する姿勢を示さねばならない。


温暖化と若者/「未来奪うな」の声を聴け
 「いま行動を起こさないと間に合わない」。世界中で声を上げた若者たちの気候変動への危機感と怒りを受け止めねばならない。
 加速する地球温暖化への対策の緊急性を共有するための「気候行動サミット」が米ニューヨークの国連本部で開かれた。
 77カ国の首脳らが2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする長期目標を表明した。2日前に同本部で開催された初の「若者気候サミット」で政府や社会の変革を促した若者たちに呼応した形だ。
 「気候行動サミット」では、若者の抗議行動の中心的存在となっているスウェーデンの少女グレタ・トゥンベリさん(16)も演説した。「全ての未来世代の目はあなたたちに注がれている」「失望する選択をすれば決して許さない」と、各国首脳らに強い口調で訴えた。
 直前に世界各地で実施された一斉抗議行動には150カ国以上で、数百万人が参加したとみられる。環境問題への意識が高い欧米のほか、アジアや中東でも多くの若者が声を上げた。背景には世界各地で熱波や豪雨、暴風などによる被害が頻発している現実がある。
 生命の安全を脅かす異常気象と自然災害のさらなる深刻化が予測されている。にもかかわらず、化石燃料の大量消費から持続可能な再生可能エネルギーへの転換が進まない。そうした大人たちへの不満が強まり、世代間の公平性の問題として認識されるようになってきた。
 来年本格始動するパリ協定は気温上昇を1・5度に抑える努力目標を掲げる。具体的な行動は待ったなしの状況だ。
 鮮明になったのは、パリ協定からの離脱を表明している米国と、石炭火力発電の新設を続ける日本の遅れだ。多くの首脳が顔をそろえたが、環境先進国を自称する日本の安倍晋三首相は欠席した。小泉進次郎環境相も演説の機会はなかった。
 世界の一斉抗議行動では、日本の若者たちも豪雨や猛暑などの気候危機と、温暖化要因である石炭火力の廃止を訴えた。
 若者たちが突き付けた課題を受け止めて行動しない政府には、未来を奪う国との非難がさらに強まるだろう。


気候行動サミット 若者の危機感に応える時
 16歳の少女の抗議を、世界の指導者たちは誠実に受け止めなければならない。
 国連の気候行動サミットで、スウェーデンの高校生、グレタ・トゥーンベリさんが、各国の気候変動対策の不十分さを痛烈に批判した。「状況を理解しながら行動していないあなた方は邪悪だ」と、時に涙をにじませながら訴えた。
 グレタさんは昨年8月、独りで抗議行動を始めた。スウェーデン政府に取り組みの強化を求め、金曜日に学校を休んで国会前に座り込んだ。その姿が若者の共感を呼び、学校ストライキは世界に広がった。サミット直前の20日には、世界で400万人以上が参加したとされる。
 背景には、地球温暖化の影響が見過ごせないレベルにまで悪化していることがある。グレタさんも、北欧が記録的な熱波に襲われたことがきっかけだった。米国で銃規制を求めて行動する若者たちの手法を参考にしたという。
 今回のサミットでグレタさんは、各国首脳が関心を寄せるのは「お金や永続的な経済成長というおとぎ話」と断じた。「(対策に失敗すれば)その結果と生きていかなくてはならないのは私たちです」とも述べた。破局を見ずに済む大人世代とは比べものにならないほどの危機感が、今の若者たちにはある。
 地球の気温は上昇を続けている。気候変動対策の国際枠組み「パリ協定」は、温室効果ガス削減によって、今世紀末までの上昇を産業革命前に比べて1・5度に抑える努力をうたう。その達成には、全参加国が掲げる目標の5倍の削減が必要だ。
 だが、温暖化自体に懐疑的なトランプ米大統領がパリ協定からの離脱を表明するなど、各国の足並みは一様でない。国連のグテレス事務総長はサミットを前に「演説より具体的な行動を」と呼びかけた。
 日本は、その思いを共有できているだろうか。電力供給を石炭火力発電に頼る現状が、世界から批判されている。約70カ国の首脳が出席する一方で、安倍晋三首相は欠席した。
 健やかな地球を子孫に引き継ぐことに異を唱える人はいない。そのためにどのように行動するかが問われている。大人には、若者の申し立てに応える責任がある。


気候行動サミット 議論の段階もう過ぎた
 手遅れにならないうちに地球を救って―。そんな若者たちの訴えを、私たち大人は真剣に受け止めねばなるまい。
 温暖化を食い止めるための「気候行動サミット」が、米ニューヨークの国連本部で開かれた。グテレス事務総長の呼び掛けに77カ国の首脳らが応じた。多くの国が2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする目標を示すなど、実りある会議になったと言えよう。
 サミット開催の背景には、温暖化のつけを回されかねない若い世代の突き上げがある。このままでは地球が破滅すると訴える、スウェーデンの少女グレタ・トゥンベリさん(16)の危機感が、各国の若者を街頭デモに駆り立てている。若者たちと思いを共有し、具体的な行動に踏み出すきっかけにしたい。
 温暖化をテーマにした国連のサミットは初めてではない。09、14年には「気候変動サミット」の名で開かれた。最近10年間で3回目の今回は「話し合いや交渉のためではなく、行動のためのサミットだ」とのグテレス事務総長の言葉通り、「行動サミット」と名付けられた。
 「美しい演説」ではなく、具体的な計画を持ってくるよう各国に迫っていた。それだけ危機感を深めている証しだろう。
 事実、温暖化は近年急速に進行している。世界気象機関(WMO)によると、温室効果ガスの影響で過去5年間、観測史上最も暑くなり、海面上昇などが深刻になっている。北極圏の冬の気温は1990年に比べ、3度も上昇したという。対策はもはや「待ったなし」だ。
 危機的な状況に最も敏感に反応したのが10代の若者たちだった。トゥンベリさんが昨年夏、たった一人で始めた抗議行動は今や世界に広がっている。サミット目前の20日には、150カ国以上で実施された。今年3回目の世界一斉行動で、主催者発表で参加者は400万人以上に上り、過去最大規模となった。
 ニューヨーク市など、保護者の同意があれば、学校を休むことを容認する自治体もあったそうだ。若者の危機感に対する大人たちの理解や、支持が広がりつつあると言えそうだ。
 サミットでのトゥンベリさんの訴えは鋭かった。「(各国首脳らに)あなたたちが私たちを失望させる選択をすれば、決して許さない。世界は目を覚ましつつある。変化が訪れようとしている」。転換期を迎えていることを胸に刻んでおきたい。
 対策を加速させる世界の流れから米国が取り残されつつある。トランプ大統領が温暖化に懐疑的で国際的な枠組み「パリ協定」から一方的に離脱した。
 そのトランプ氏がサミット会場に現れ、周囲を驚かせた。出席予定はなかったが、温暖化対策への消極的な姿勢に対する批判をかわすため、わずか十数分間だけ姿を見せたのだろう。温室効果ガスの排出量が世界2番目の国のトップとして、まずは異常気象など温暖化の影響をしっかり見据える必要がある。
 日本にも国際社会の厳しい目が向けられている。石炭を燃やす火力発電の新増設計画への懸念や批判は根強い。温暖化防止に真剣に取り組むよう方針を転換して、温室効果ガスの排出ゼロに向けた長期戦略や、再生可能エネルギーの利用拡充などの具体策を示すべきだ。


[温暖化サミット] 将来世代の声に応えよ
 地球温暖化に対処するため首脳や閣僚らが集まる「気候行動サミット」が米ニューヨークで開かれた。切迫した現状を認識してもらうため、国連のグテレス事務総長が主催した。
 サミットでは参加国のうち77カ国が2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする長期目標を掲げるなど、対策の強化を表明した。日本がこうした意欲的な目標に加わっていないのは残念である。
 温暖化の進展を食い止め、将来の破局的被害を避けるには、今が正念場である。先進国をはじめ世界各国が危機感を共有し、実効ある対策に早急に取り組まなければならない。
 20年から本格始動するパリ協定は、今世紀後半に世界の温室効果ガス排出を実質ゼロにし、18世紀後半から19世紀にかけて起きた産業革命の前から気温上昇を2度未満、できれば1.5度に抑える目標を掲げている。
 だが、国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)によると、世界の平均気温は産業革命前と比べ、既に約1度上昇。今後約10年の大幅な排出削減が重要だと強調している。
 それを裏付けるように、地球は過去5年間、観測史上最も暑くなった。極端な気象が増え、昨年の西日本豪雨も温暖化の影響で雨量が増えたと分析される。干ばつによる食糧難や水不足のリスクも高まっている。
 しかし、トランプ米大統領がパリ協定からの離脱を表明。日本も「今世紀後半のできるだけ早期に温室効果ガスの排出をゼロにする」と長期戦略を掲げているが、実現に向けた中・短期の具体的な対策は示せていない。
 二酸化炭素(CO2)を大量排出する石炭火力発電所の新設禁止やCO2の排出量に応じて課金する制度の導入など、すぐに取り組める対策はある。だが、日本など一部の国は実施への意欲が低く、「脱炭素」を目指す世界の潮流に逆行している。
 今回のサミットでは、スウェーデンの女性グレタ・トゥンベリさん(16)が登壇し、「あなたたちが話すのは金と永遠の経済成長というおとぎ話だけ。全ての将来世代が注視している。私たちを失望させる選択をすれば、決して許さない」と警告した。
 トゥンベリさんは世界に広がる若者の抗議行動の先駆けとなり、鹿児島市でも市民集会が開かれた。いつまでも化石燃料を大量に消費する社会への疑問が大きな輪となり、一刻も早く解決するよう大人たちに迫っている。
 安倍晋三首相はこれまで気候変動問題に「足並みをそろえて立ち向かうべく、リーダーシップを発揮したい」と述べている。トランプ氏にパリ協定への復帰を説得するなど温暖化対策を主導すべきではないか。それが将来世代に対する大人の責任である。


【温暖化対策】少女の叫び受け止めよう
 地球温暖化に対処する「気候行動サミット」が国連本部で開かれ、77カ国が2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする長期目標を表明した。
 フィンランドは達成を33年まで前倒しすることも可能だとした。来年には温暖化防止の国際枠組み「パリ協定」が本格始動する。目標を確実に達成していきたい。
 開幕式では、スウェーデンの16歳の少女グレタ・トゥンベリさんが演説。温暖化が人や生態系にもたらしている影響に触れ、参加した各国の首脳らを痛烈に批判した。「あなたたちが私たちを失望させる選択をすれば、決して許さない」
 トゥンベリさんは、温暖化を巡り若者が授業をボイコットして抗議活動をする世界各地の運動の火付け役だ。今回、各国が対策強化を打ち出した背景には、こうした若者の声に応じた面もある。
 問題は、日本だ。
 温暖化対策も協議した6月の20カ国・地域首脳会議(G20サミット)で、日本は議長国だったにもかかわらず、米国などとともに77カ国には加わらなかった。
 出席も安倍首相ではなく小泉環境相で、演説の機会さえ与えられなかった。日本の立ち位置や国際的な評価が浮き彫りになった。
 日本はいまも二酸化炭素の排出量が多い石炭火力発電を重視する。京都議定書が結ばれた当時は温暖化対策の先導者だったかもしれないが、いまでは消極的な国と受け取られても仕方がない。
 パリ協定では日本は温室効果ガスを30年度に13年度比で26%削減する目標を掲げる。欧州などに比べ見劣りが指摘されてきたが、その目標でさえ実現性を疑問視する声がある。そこへ今回のサミットだ。遅れはより鮮明になったといえる。
 米国のトランプ大統領は温暖化対策に懐疑的で、パリ協定からも離脱を表明した。今回のサミットも姿を見せたものの、わずか14分程度で会場を後にし、発言もなかった。
 当初は欠席予定だったといい、世界最大の経済大国の無責任ぶりは明らかだ。日本がそんないまの米国と同列に扱われる事態になれば、嘆かわしい。
 「私たちは絶滅に差し掛かっているのに、あなたたちが話すのは金のことと、永遠の経済成長というおとぎ話だけ」「あなたたちが空気中に出した何千億トンもの二酸化炭素を、私たちの世代が、(現時点で)ほとんど存在していない技術で吸収することを当てにしている」
 トゥンベリさんが演説で批判した「あなたたち」には日本も含まれていると受け止めたい。
 世界的な傾向である異常気象は原因として温暖化が指摘されている。日本でもこれまでにない甚大な風水害が目立つ。千葉県などを襲った先の台風15号もその一例だ。
 人ごとではない。政府も企業も、わたしたち国民も対策に真摯(しんし)に向き合わなければならない。


気候行動サミット 温暖化防止は次世代への責務だ
 地球温暖化に対処するため各国首脳らが話し合う国連の「気候行動サミット」が開かれた。多くの国々が温室効果ガスの大幅削減などの対策強化を表明する一方、具体的な強化策を示せない米国や日本の遅れが鮮明となった。
 温暖化対策の国際ルール「パリ協定」が来年本格稼働するものの、各国が協定通りに取り組みを続けても温暖化はさらに進むと見込まれている。既に人類への警告は発せられ、世界各地で猛暑や豪雨、干ばつなどの異常気象が相次ぐ。危機を食い止めるのに、足踏みできる猶予はない。各国は対策への責任を共有し、次の世代のために一刻も早く、あらゆる手を尽くすべきだ。
 パリ協定は18世紀後半の産業革命前と比べ、世界の平均気温の上昇を2度未満、できれば1.5度に抑えることを目指す。だが国連などの分析では既に1度上昇し、今世紀末には3度上がるとの深刻な予測もある。
 温暖化がもたらす被害が現実となる中、多くの国で危機感が強まっている証しだろう。77カ国の首脳らが2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする長期目標を掲げた。長期目標とは別に、当面の目標を20年までに引き上げると表明した国も70カ国に上った。
 一方で、世界第2位の排出国の米国はトランプ大統領が会場に顔を見せただけだった。パリ協定から離脱を表明し、8月の先進7カ国首脳会議でも気候変動に関する討議を欠席した。温暖化対策の責任に背を向け続けることは許されない。トランプ氏には自国の経済成長を優先する政策を見直し、離脱方針を撤回するよう強く求めたい。
 必要な政策の強化に消極的なのは日本も同じだ。温室効果ガスの排出削減目標の見直しは進まず、「50年排出ゼロ」を掲げる国々に加われなかった。安倍晋三首相の代わりに会場入りした小泉進次郎環境相も、登壇の機会はなかった。
 そもそも日本には、二酸化炭素の排出が多い石炭火力発電の利用を続ける姿勢に厳しい目が向けられている。世界では再生エネルギーの急拡大に伴い、化石燃料離れが進む。グテレス事務総長は20年以降の石炭火力発電の新設禁止を訴えるが、6月に策定された政府の温暖化対策の長期戦略では、石炭火力発電を温存する立場を取った。このままでは日本が世界の「脱炭素化」の妨げになりかねない。
 温暖化対策が遅々として進まない現状に若い世代の怒りがうねりとなっている。サミットに合わせ、大規模な抗議活動が世界各地で行われた。「われわれを失望させることは決して許さない」。若者の抗議活動の先駆けとなったスウェーデンの少女グレタ・トゥンベリさんが、サミットで各国首脳に向けた発言は重い。気候変動の悪影響を長期的に受けるのは若者たちだ。彼らの危機感と行動に、世界は正面から応える責務がある。


地球温暖化防止 未来への責任を胸に刻む
 生態系の崩壊につながる地球温暖化を食い止めることは、今を生きる私たちが未来に対して果たすべき責任だ。
 次代を担う若者たちが発した抗議の訴えや大人への怒りを胸に刻み、国や個人などあらゆるレベルで取り組みを加速させなければならない。
 深刻さを増している温暖化の抑止を目指し、各国の首脳や閣僚らが集まる「気候行動サミット」が米ニューヨークの国連本部で開かれた。
 国連のグテレス事務総長の主催によるものだ。来年本格始動する温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」の下で温室効果ガスを大幅に削減するなど行動を強化するため、危機感と責任を共有することが狙いだった。
 サミットの演説で、世界に若者の抗議活動が広がる火付け役となったスウェーデンの16歳の少女、グレタ・トゥンベリさんが「(必要な対策を怠り)私たちを失望させることは決して許さない」と鋭く警告した。
 トゥンベリさんは他の子どもたちとともに、気候危機に直面していることを知りながら政治家が対策を取らず権利が侵害されていると、国連「子どもの権利委員会」に訴えを起こした。
 気候行動サミットを前に国連本部で「若者気候サミット」が初めて開かれ、温暖化対策強化を求める世界の若者が一斉に抗議行動を展開した。
 世界気象機関(WMO)によると、温暖化が原因とみられる熱波や干ばつ、大雨などは世界的に増える傾向にある。いずれも生態系や人間の暮らしに悪影響を及ぼす。
 これからを生きる若者が不安を抱くのは当然だ。一方で大人の側は、若者がなぜ行動に出ざるを得なかったのかを真摯(しんし)に見つめる必要がある。
 トゥンベリさんは他に先駆けて、授業をボイコットして温暖化阻止を求める運動を始めた。
 ただし、行動サミットの演説で拍手で紹介されると「完全に間違っている。私はここに立っているべきではない。学校に戻っているべきだ」と語った。
 さらに「話すのは金と永遠の経済成長というおとぎ話だけ」「若者たちは裏切り行為に気付き始めている」と不信感をあらわにした。希望のバトンを渡すため、世界が真剣に対策強化に取り組まなければならない。
 気候行動サミットでは77カ国が2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする長期目標を掲げるなど、パリ協定の下での対策強化を表明した。
 極めて残念なのは日本が「50年排出ゼロ」国に加わらず、演説の機会もなかったことだ。サミットには小泉進次郎環境相は参加したものの、安倍晋三首相の姿はなかった。
 小泉環境相は国連本部で開かれた環境関連会合に先立つ記者会見で「気候変動のような大きな問題は楽しく、クールで、セクシーに取り組むべきだ」と述べたが、よく分からない。
 こうした姿勢が、日本の温暖化防止への本気度を疑わせることにならないか懸念する。


気候サミット 若者の怒りに目を覚ませ
 「あなたたちには失望した」「決して許さない」。16歳の少女が各国の首脳を前に発した言葉、怒りに満ちていた。
 地球温暖化対策の強化を訴えるスウェーデンのグレタ・トゥンベリさんが国連の気候行動サミットで行ったスピーチだ。
 対策に消極的で、安倍晋三首相が出席すらしなかった日本は痛烈な非難を浴びたといえる。しっかりと受け止め、反省と行動につなげねばならない。
 トゥンベリさんは昨年8月、授業をボイコットしてストックホルムの議会前で座り込みを開始。毎週の「学校スト」は世界中に共感を広げた。サミット前の一斉抗議はアジア、中東、欧州、北米、中南米に拡大し、各地の参加者は数千から10万人規模になった。
 彼女が怒りを向けるのは、危機を口にしながら問題を先送りしている大人たちの「欺瞞(ぎまん)」だ。
 2016年に発効したパリ協定は来年に本格始動する。温室効果ガス排出を今世紀後半に実質ゼロにし、気温上昇を産業革命前から2度未満、できれば1・5度に抑える目標を掲げる。
 現実は逆だ。18年の二酸化炭素(CO2)排出量は前年より増えて過去最多だった。平均気温はこの5年間で産業革命前より1・1度も上昇した。
 消極姿勢が鮮明な米トランプ政権は協定から離脱。安倍政権も長期戦略の中で石炭火力発電の利用を堅持し、国際的な流れに逆行する。排出削減策も今後の技術革新への期待にとどまる。
 トゥンベリさんは批判する。「あなたたちが空気中に出した何千億トンもの二酸化炭素を、私たちの世代が、(現時点で)ほとんど存在していない技術で吸収することを当てにしている」と。
 サミットでは危機意識の高まりから77カ国が協定より進んで「50年までに排出ゼロ」の目標を表明したが、日本は加わっていない。
 出席した小泉進次郎環境相には演説の機会もなかった。別の会合で「脱炭素へ今日から変わる」と述べたが、政策は示さなかった。会見では「気候変動問題はセクシーに」と発言して物議を醸している。世界が直面する現実と、日本への視線の厳しさを理解しているとは思えぬ「軽さ」だ。
 今必要なのは美辞麗句ではなく具体策である。削減目標を見直し、効果が確かな施策を早急に打ち出さねばならない場面だ。
 少女の怒りは私たち一人一人に向けられている。世論の高まりと行動で政府を動かしたい。


社会保障会議  「既定路線」の追認では
 安心して暮らせる社会づくりに向けた改革にどれだけ踏み込めるだろうか。
 急速に進む少子高齢化への対応を掲げ、政府は新たに「全世代型社会保障検討会議」を発足させた。
 安倍晋三首相を議長に関係閣僚と有識者で構成し、今後の社会保障改革の司令塔に位置づける。
 初会合で首相は「最大のチャレンジだ。システム自体の改革を進める」と意気込んだが、検討テーマに掲げた高齢者の就労促進や年金改革の項目は「既定路線」の追認との印象が拭えない。
 将来にわたり持続可能な社会保障をどう支え、分かち合うか、抜本的な課題に向き合わねば、屋上屋を架すだけになりかねない。
 社会保障を取り巻く環境はこれから一段と厳しさを増す。
 団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になり始める2022年以降、社会保障給付費が急増する。18年度の約121兆円から高齢者数がピークの40年に190兆円程度に膨らむ見通しだ。制度の見直しは待ったなしの課題である。
 新会議は、高齢者らの就労を促し、「支え手」を増やすのに主眼を置く。70歳まで働ける環境整備、年金受給開始の70歳超への選択幅拡大、厚生年金のパートらへの適用拡大などを話し合うという。
 こうした方向性は、6月に閣議決定した骨太方針などで示されている。既にあるテーマを束ねた形で、さらに何を議論するのか見えにくい。
 新会議メンバーは、中西宏明経団連会長はじめ経済財政諮問会議や未来投資会議など既存の政府会議の委員が並ぶ。労働者の代表はおらず、女性の有識者も1人だけで、はや年末に中間報告をまとめるという。当事者らの声を反映した深い議論ができるだろうか。
 大きな焦点は、国民の負担増に踏み込むかどうかだ。後期高齢者の医療費窓口負担の原則1割から2割への引き上げも論点とみられるが、国民の反発に予防線を張る政府の慎重さが目に付く。
 首相は7月、消費税率10%を超える増税は当面不要とし、新会議でも議論しない方向とみられる。
 一方で「打ち出の小づちなど存在しない」と首相も認めるように、財源論と切り離すのでは実効性ある改革議論は難しいだろう。
 老後の資金「2千万円不足」問題をはじめ、厳しい見通しを隠し、課題を先送してきた政府の姿勢に国民は不安を募らせている。税制を含め、今後の負担と給付の全体像を示していく議論が必要だ。


時評
 東京電力福島第1原発を巡って業務上過失致死傷の罪で強制起訴された旧経営陣3人に東京地裁が無罪を言い渡した。刑事裁判の司法判断として尊重したい。だが誰一人責任を問われないというのなら市民感覚との隔たりは否めない。
 大事故直後の混乱の中で命を落とした犠牲者遺族や古里を奪われた多くの避難者の無念は想像を絶する。判決は責任の所在を明確にしなかった。ならば私たちがそれを問い続けなければならない。
 判決は、最大15・7メートルという大津波試算の根拠となった地震長期評価について「具体的な根拠が示されておらず信頼性に乏しいと評価されていた」と認定。被告人3人に対し「原発の運転停止措置を講じるべき結果回避義務にふさわしい予見可能性があったとは認められない」と結論付けた。
 長期評価は国の地震調査研究推進本部が定める地震防災の基本のはずだ。主な海溝型や活断層型地震の発生確率を公表し、南海トラフ巨大地震や首都直下地震など、多くの地震に対する「備え」の根拠になっている。
 正確な地震予知は現在の科学技術の総力をもってしても難しい。それでも多くの地震学者らは最新の膨大なデータを駆使して懸命に発生確率を出す。「今後30年以内に○○パーセント」などと表現するのは、直近の確率など出せないからだ。地震大国のこの国は長期評価を頼りに減災に備えなければならない。
 原発はごくまれな自然の驚異をも十分に恐れ、そして備える、つまり予見可能性を極限まで追求するものではなかったか。必死に予見することが危険性の認識につながる。
 判決は「審査基準は絶対的安全性の確保を前提としてはなかった」とした。では問いたい。東電が事故前に原発は絶対安全としていた「安全神話」をどう説明するのか。
 裁判の過程で多くの新事実が明らかになった。津波高の試算をした現場担当者と報告を受けた経営陣らとの生々しいやりとりや経営判断の実態は衝撃的だった。権力を持った人間たちの貧弱な危機管理能力や、安全よりもコストを優先させる危険な意識構造も浮かび上がった。
 判決を受けて東電は記者会見しなかった。世界を震え上がらせた重大事故の処理や事故炉の廃炉という重い作業を延々と続ける組織としての責任や覚悟は直接聞けなかった。国への責任追及を恐れてか政府の動きも鈍かった。今回の裁判を通じて原発を巡る実相が見えた。


「桜を見る会」予算要求3倍増 大幅オーバー批判に開き直り
 毎年4月に開催される首相主催の「桜を見る会」。安倍政権発足前には1万人前後だった招待客は、今年は約1万8200人になり、支出も約3000万円台から昨年は約5200万円に膨れ上がっている。しかも、予算は毎年1700万円台と横ばい。昨年は予算の3倍の支出だった。
 著名人を安倍首相のシンパに囲い込む会に、毎年、予算を大幅超過する血税が使われることに、批判が集中していた。
■シンパ囲い込みに血税5700万円
 10月には、消費増税が予定されていて、国民の税金の使い方に対する視線は厳しくなる。「見る会」も、批判を受けて、おとなしくなるのかと思いきや、そうではなかった。「見る会」を所管する内閣府大臣官房総務課の来年度概算要求額明細表を見ると〈「桜を見る会」に必要な経費〉として、5728万円になっている。昨年度1766万円の3倍超だ。つまり、予算オーバーの批判を受けて、支出を見直すのではなく、支出に合わせて予算をつり上げたのだ。
 歴史家の山崎雅弘氏はツイッターで〈制度ができた時点では、一定の良識が保たれた催しだったのかもしれないが、今では傲慢な封建領主が自分に忠実な者だけをねぎらう、公金私物化の褒賞イベントに成り下がっている〉と廃止を訴えている。
 立正大客員教授の浦野広明氏(税法)が言う。
「『桜を見る会』は、安倍首相の顔を売る効果があり、買収的な要素もある。本来、安倍首相が自腹で払うべき性質のものですが、多少、公的な面も考慮して、若干国費で補助をする程度が妥当です。わずか数時間の行事に5700万円の支出はあり得ません。100兆円超えの国家予算のレベルからは少額に見えるかもしれませんが、質的に大問題。来月の臨時国会で、野党は予算増額の必要性などを徹底追及して、増額した概算要求を通してはいけません」
 “買収”に5000万円超えの税金なんてまっぴらだ。


北ミサイルを日本探知できず?GSOMIA破棄のツケが現実的に
 韓国が日本とのGSOMIA(軍事情報包括保護協定)の破棄を通告したことについて、安倍シンパやネトウヨは「困るのは韓国自身」「自分で自分の首を絞めている」などと強がっていたが、どうやら慌てているのは日本も同じのようだ。
 北朝鮮が5月以降、繰り返している短距離の新型ミサイル発射に対し、日本政府が複数回、発射後の軌道を探知できていなかった――と共同通信が報じたのだ。
 共同が複数の(政府)関係者の話として報じたところによると、北が5〜9月にかけて計10日間にわたって発射した新型ミサイルは、ほとんどが通常よりも低い高度60キロ以下で飛行。このため、日本海で警備にあたる海上自衛隊のイージス艦や航空自衛隊のレーダーで探知できないケースが複数回あり、その中には日本に届く可能性がある新型ミサイル「KN23」が含まれていたという。
 発射地点が近い韓国は探知に成功していたといい、GSOMIA破棄が日本の安全保障に影響を及ぼす可能性が現実味を帯びてきたと言っていい。
 安倍政権は昨年、北がミサイルを撃つたびに「国難」と大騒ぎし、Jアラート(全国瞬時警報システム)を鳴らしていたが、今年は北がミサイルを幾度となく発射しても静観したまま。安倍首相に至っては山梨の別荘でノンビリとゴルフに興じる場面もあった。てっきり、ICBM(大陸間弾道ミサイル)以外は北のミサイル開発をスルーしているトランプ米大統領の顔色をうかがっているとばかり思っていたが、それだけじゃなく、軌道を探知できなかったというのだから、これぞ「国難」だろう。
 しかも、低高度ミサイルは従来のミサイル防衛システムが通用しない。それなのに安倍政権は米国に言われるがまま、1基数千億円といわれる地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」を配備するつもりだ。
 軌道を探知できず、迎撃もままならないポンコツ品になぜ、莫大な血税を使う必要があるのか。それよりも日韓関係改善のためにカネを使う方がよっぽど国民のためになるだろう。日韓がグダグダしている間に北がミサイル技術開発を進めるのは間違いない。軍事ジャーナリストの世良光弘氏はこう言う。
「北朝鮮は今後、潜水艦から新型弾道弾を撃つなど、発射実験を繰り返す可能性があります。万全の防衛態勢を取るためにも日韓は関係改善に動いた方がいいでしょう」
 韓国に拳を振り上げて喜んでいるのは安倍シンパだけ。マトモな国民ほど大迷惑だ。


小泉進次郎に「あれじゃ安倍首相以下」台風被災地で罵倒の声
「停電と断水が続いているときに組閣があって、ニュースのトップはいつも小泉進次郎。こんな大変な時にまた進次郎か……と嫌気が差しました」
 そう語るのは、2週間近く停電と断水が続いている千葉県君津市鹿野山地区の住民だ。
 9月9日に千葉県に上陸した台風15号は、同県南部を中心に深い爪痕を残した。君津市にある「日本製鉄」の君津製鉄所の第一製鋼工場では、75mある煙突の、上部50mが折れて倒れた。
 君津製鉄所の担当者は、「鋼鉄製で、風速40メートルにも耐えられる計算なのですが……」と驚きを隠さない。折れたのは、「(生産過程で)出てくるガスを、無害化して大気に放散するための煙突です」(日本製鉄広報部)という、君津製鉄所第一製鋼工場の燃焼放散塔だ。
 同工場は自動車などに使われる製品を生産しているが、いまだに復旧の目途は立たないという。世界屈指の鉄鋼メーカーに与えた影響は大きく、「今後の業績への影響は不可避」(経済部記者)というほどで、すでに経済界への影響も出始めている。
 布良地区では、住民とボランティアで瓦礫置き場を設置
 とくに復旧の遅れが目立つのは山間部だ。倒木により、道路の寸断、電線の切断が発生していることが大きい。本誌記者が訪れた館山市布良(めら)地区では、いたるところに倒壊した家屋があるが、自衛隊の隊員や車両は見られない。住民の50代女性が、途方に暮れていた。
「自衛隊の人も車も、来やしないねえ。台風が来て、その次に雨が何度か降って……。3回めの雨で、家の中が水浸しになった。テレビでも、布良のことを全然やらない。避難先で『大丈夫かな』と思っていて、戻ってみたら大変なことになっていました」
 同地区の別の家屋では、「ブルーシートを張っても、風や雨が流れ込んでしまう」(家主の親族)という。畳はカビだらけだった。
 まさに、“見捨てられた地” となっていたのだ。
 本誌は続けて、房総半島の最南端・南房総市に入った。上の写真は、南房総市白浜町の女性宅。柱材に鉄筋が使われていたにもかかわらず、倒壊してしまった。
 また同町で、自宅を片づけていた70代男性はこう嘆く。
「台風で屋根や壁が崩れて、うちは半壊状態。これなら地震で潰れたほうが、まだ片づけようがある。
 自宅の撤去作業を市に相談したら、『費用は出せない』と。県もだめ。森田(健作)知事は、3期もやっているのに、なにもしてくれやしないんですよ」
 地元住民の不安をよそに、小泉進次郎環境相(38)が南房総市の災害廃棄物仮置き場の視察をおこなったのは、9月16日のことだった。
「被災地を忘れず、住民から『もう大丈夫です』と言われるまで仕事をする」
 こう殊勝に述べ、廃棄物の広域処理を進めるなどの方針を示した。しかし、南房総市に住む男性は、こう憤激する。
「進次郎は、SPを4、5人も引き連れていたらしいね。でも、来たからってどうってことはない。こんな時期に来るなんて、たんなるパフォーマンスでしょ。お年寄りと握手したりしてさ。あれじゃ、千葉を見捨てて内閣改造した安倍(晋三)首相以上にひどい」
 進次郎氏の早期の被災地入りには、自民党内部からも疑問の声が上がっている。
「電力や水道などのライフラインの復旧が先なのに、環境相がいま行っても仕方がない。災害廃棄物の問題は、まだ先の問題。被災地の方に『頑張って』と声をかけていましたが、災害を政治利用していると言われても無理もないでしょう」(自民党中堅議員)
 さらに9月19日、当選1回にして “スピード出世” した今井絵理子・内閣府政務官(36)も、遅ればせながら動き出し、富津市の被災地を視察。だが、「派閥の論理で起用されただけだ」と指摘するのは、政治アナリストの伊藤惇夫氏だ。
「今井さんが所属する麻生派の参議院議員で、副大臣と政務官をやってないのは彼女だけ。『派閥の割り当て枠』で起用されたにすぎません」
 身内からも「経験が浅い今井が行ってもしょうがない」 (自民党幹部)と声が上がる始末で、被災地を舞台にした “政治ショー” 化もはなはだしい。10月には、国民生活を大きく左右する消費増税が控えている。
 前出の白浜町の70代男性は、こう肩を落とした。
「組閣をやったって、その間にこっちは電気が消えて、暗闇で懐中電灯つけて、水も出ない。食えるか食えないかでやっているのに……。(消費税が)2%上がったって、助けてくれやしない」
 怒りの声は、安倍政権の閣僚たちに届いているのか。


日経が消費増税対策で「ニンジンの皮を」…実質賃金大幅マイナス、企業の内部留保最大でも安倍忖度マスコミは国民に我慢を要求
 消費税の税率10%への引き上げまでついに1週間を切ったが、そんななか、ネット上である記事が話題を呼んでいる。
「ニンジンの皮もおいしく! 増税に勝つ食べ切り術」
 これ、「オレンジページ」や「レタスクラブ」といった料理雑誌の記事ではない。なんと日本を代表する経済紙である日本経済新聞の記事(電子版21日付)なのだ。
 記事では〈食べられるにもかかわらず、捨ててしまう食品ロス。消費増税を前に、無駄なく、賢く食材を使い切る工夫を共有しよう〉とし、食品ロス対策に取り組む男女1000人に調査した結果として「ダイコンの葉 いためて」「ブロッコリーは茎や葉も使う」「ニンジンは皮ごと料理」といった提唱をおこなっているのだ。
 食品ロスを出さないようにすることは大事だ。でも、その理由が「増税に勝つ」って……。戦時中、「ぜいたくは敵だ!」「足らぬ足らぬは工夫が足らぬ」といったスローガンで国民に国家への自己犠牲を強いた国民精神総動員のようではないか。
 だが、ネット民が騒然とするなかで、日経は「NIKKEI STYLE」というサイトでも23日付で「消費増税に節約で勝つ 日常生活品にこそ削る余地あり」なる記事を配信。「日常生活費を削減するため、まずは買わない生活を」「コンビニやスーパーで「買わない」に挑戦」などといった“マネーハック”を伝えている。
 しかし、これは日経だけの問題ではない。テレビをつければ「駆け込みで買ったほうがいい商品は?」だの「キャッシュレス決済でここまでお得に!」だのといった情報に終始し、せいぜい「軽減税率が複雑すぎる」といったツッコミが入るくらい。新聞も似たようなもので、消費増税が大前提の話題しか取り上げず、報じるべき肝心の問題にはふれないのだ。
 肝心の問題──それは言うまでもなく、この国のいまの経済はとても増税に耐えられる状態ではない、ということだ。
 実際、20日に厚労省が発表した7月の毎月勤労統計調査の確報値では、実質賃金が前年同月比マイナス1.7%を記録。マイナスとなったのは7カ月連続で、つまり今年に入ってずっとマイナスの状態なのだ。しかも、マイナス1.7%というのは3月のマイナス1.9%に次ぐ減少で、その上、7カ月中5カ月分でマイナス1.0%を超えている。
 さらに、景気動向指数の基調判断でも3・4月分で5段階ある判断のうちもっとも悪い「悪化」となった。5〜7月分では「下げ止まり」になったが、これも10月7日に発表される8月分では景気の現状を示す一致指数が前月比で0.1ポイントでも下落した場合、〈「悪化」に下方修正する条件がそろう〉という(共同通信9月6日付)。
 景気が「悪化」していると判断される可能性が高いなかで消費税を引き上げるなど、とてもまともな判断とは思えないが、その一方でまたしても「過去最大」を記録したのが、企業の内部留保だ。9月3日に財務省が発表した2018年度の法人企業統計によると、その額はなんと463兆1308億円で、過去最高を記録した前年度よりもさらに16兆6464億円も増加した。
テレビは消費増税の問題点に触れず、プレミアム商品券とポイント還元制度を宣伝
 安倍政権下で非正規雇用が増加し、実質賃金が減る一方で、企業は法人税の引き下げといった優遇を受け、内部留保は過去最高を更新しつづける──。消費増税というのは法人税を減税した分の穴埋めでしかないと指摘されているが、所得格差が改善せず高水準で横ばい状態のいま、よりにもよって低所得者ほど負担が大きくなる消費税を増税すれば、格差拡大はより深刻な問題になってゆくだろう。
 しかし、テレビはそもそも消費税の使途や、現在の経済状況で増税が実施されれば国民生活にどれほどの打撃を与えるかといった問題を掘り下げることもせず、前述したように「お得に買物ができるプレミアム付き商品券を活用しよう」だの「キャッシュレス・ポイント還元をおさらい」だのといった報道に終始している。本サイトは昨日の記事で、安倍政権がプレミアム商品券とポイント還元制度に74億円の「広報・宣伝費」をつぎ込んでいたことを指摘したが、この金がテレビに回っている結果ではないか、と疑いたくなるほどだ。新聞にしても同様だ。軽減税率の対象となったことで筆を完全に鈍らせ、消費増税をおこなうことの危険性を問い直すこともしない。
 こうした「消費増税は決定事項・不可避」という大前提に立った報道によって、国民も「仕方がないこと」だと擦り込まれ、景気が悪化していると示されても増税実施に大きな批判も起こらず、ついにここまできてしまった。まさしく安倍政権とメディアが一体となって正当化し、反対の声が大きくなることを封じ込めたのだ。
 そして、大手新聞が「増税に勝つ食べ切り術」「消費増税に節約で勝つ」などと書き立て、生活の苦しさは自分の工夫で乗り切れと追い打ちをかける──。国民に痛みを押し付けようとしているという意味では、安倍政権もメディアも同罪なのである。

腕時計バンド交換/掲示で案内/明日から忙しく

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Greta Thunberg en colère à l'ONU : ≪ Vous avez volé mes rêves et mon enfance ! ≫
La jeune militante suédoise était invitée à s’exprimer à la tribune de l’ONU ce lundi. Greta Thunberg a poussé un véritable coup de gueule, dénonçant une fois de plus l’inaction des politiques.
Le discours de Greta Thunberg ne varie pas. Qu’elle soit face à Barack Obama, à l'Assemblée nationale ou à la tribune de l’ONU, elle parle cash. Ce lundi, la Suédoise de seize ans a exprimé une fois de plus sa colère, devant une soixantaine de dirigeants mondiaux réunis à l’ONU lors d’un sommet sur l’urgence climatique. Elle a peut-être la voix qui tremble mais son message est pour le moins éloquent. ≪ Je ne devrais pas être là, je devrais être à l'école, de l'autre côté de l'océan. (…) Comment osez-vous ? Vous avez volé mes rêves et mon enfance avec vos paroles creuses ≫, a-t-elle asséné à la tribune, comme le rapporte l’ ≪ AFP ≫, cité par ≪ Le Monde ≫. ≪ Je fais pourtant partie de ceux qui ont de la chance. Les gens souffrent, ils meurent. Des écosystèmes entiers s'effondrent, nous sommes au début d'une extinction de masse, et tout ce dont vous parlez, c'est d'argent, et des contes de fées de croissance économique éternelle ? Comment osez-vous ! ≫
≪ Vous nous avez laissés tomber. ≫
La militante écologiste - qui lisait le discours qu’elle avait écrit auparavant - a tenu à rappeler la formidable mobilisation qui s’est tenue partout dans le monde vendredi et samedi. Des milliers d’étudiant.e.s ont en effet séché les cours pour aller crier leur inquiétude face au réchauffement climatique. ≪ Vous nous avez laissés tomber. Mais les jeunes commencent à comprendre votre trahison. Si vous décidez de nous laisser tomber, je vous le dis : nous ne vous pardonnerons ja
mais. Nous ne vous laisserons pas vous en sortir comme ça ≫, a poursuivi Greta Thunberg avec ardeur. ≪ Le monde se réveille, et le changement arrive, que cela vous plaise ou non. Merci. ≫ C’est ainsi qu’elle a conclu son discours, très fortement applaudie. Sera-t-elle entendue ?
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フランス語の勉強?
米山 隆一 @RyuichiYoneyama
言わずもがなだとは思うのですが、論点は、「セクシー」と言う言葉遣いが英語として正しいかどうかではなく、「具体策を全くいわずに『セクシー』とだけ言った」つまり「具体策がない」ことです。本当に言わずもがですが…。日本の報道、完全にどうかしていると思います。
想田和弘@KazuhiroSoda
英語では魅惑的・魅力的なことをsexyってよく言います。そのノリで進次郎さんは温暖化対策も「クールでセクシーに」と言ったのだと思いますが、人類の滅亡がかかっているという「事の深刻さ」を考えると、軽く感じられます。だから日本政府の意識の遅れを印象付け、世界で報道されたのだと思います。
たとえば飢餓問題への取り組みを「クールでセクシーに」と表現したら、違和感あるでしょう。人が飢え死にしている問題とは、マッチしない軽さがあるからです。温暖化対策をクールでセクシーにと表現するのも、同じ違和感を生じさせます。同時にそれが環境大臣の口から出たことに驚いているのです。
他にも「沖縄の米軍基地の問題は、クールでセクシーに」とか「水俣病の問題は、クールでセクシーに」とか言われたら、やはり違和感あるでしょう。「クールでセクシーに」という表現には、どこか問題を消費するようなニュアンスもあります。それが違和感や反発を呼ぶのだと思います。


腕時計バンド交換しました.一番安い1080円のもの.
案内用掲示を準備しました.明日から忙しくなります.

自分の言葉で震災伝えたい 気仙沼・階上中の生徒、語り部活動 近く開始
 東日本大震災の津波で200人以上が犠牲となった気仙沼市階上地区にある階上中(生徒112人)の生徒が、震災の語り部活動をする準備を進めている。23日には活動拠点となる「市東日本大震災遺構・伝承館」で、地元の語り部を講師に迎えて研修会を開いた。来月中旬にも、来館者に震災の教訓を伝える予定だ。
 研修会には1〜3年生の計19人が参加した。市内で活動する「けせんぬま震災伝承ネットワーク」の語り部から説明を受け、震災遺構の気仙沼向洋高旧校舎を回り、実際に語り部活動に挑んだ。
 3グループに分かれた生徒たちは、現役の語り部の指導を受けながら、交代で被災状況などを説明。居合わせた来館者に、自らの被災体験を交えながら津波の恐ろしさなどを伝える生徒もいた。
 2年小野寺夏美さん(14)は「当時は幼稚園児だったが、避難所から見た津波の記憶が残っている。震災を学び、恐ろしさを伝えたい」と強調。2年鈴木朔弥さん(14)は「教わった被災の様子を自分の言葉で伝えるのは難しい。風化を防ぐためにも震災を語り継ぐことは大事」と話した。
 同校は防災教育に力を入れる。これまでも生徒たちが、住民たちに震災時の行動を尋ねたアンケートをまとめたり、避難所の設営マニュアルを作成したりしてきた。
 語り部活動も防災教育の一環で、10月12日に伝承館である国際協力機構(JICA)の研修で生徒たちが語り部を務める。菅原定志校長(58)は「津波で大きな被害を受けた階上地区で育った生徒たちが、震災の教訓を全国に発信する役割を果たしてほしい」と期待する。


フィジーの選手ら 津波災害学ぶ
釜石市でラグビーワールドカップの試合が行われるのを前に、出場するフィジー代表のチームのスタッフなどが、キャンプを行っている宮古市で震災遺構を訪れ、津波の恐ろしさを学びました。
南太平洋にあるフィジーはおよそ330の島からなり、代表チームは25日午後、釜石市でウルグアイと対戦します。
チームは宮古市でキャンプを行っていますが、24日は、選手やチームのスタッフ10人余りが、津波の被害が大きかった田老地区を訪れました。
一行は、震災遺構として保存されている「たろう観光ホテル」で地元の語り部から津波の被害の様子を聞いたほか、ホテルから撮影された当時の映像を見て、津波の恐ろしさを感じていました。
最後に語り部の女性が、「津波が来るときはすぐに高台に逃げることをフィジーの家族や友人に伝えてほしい」と訴えると一行は大きくうなづき、迅速な避難の大切さを学んでいました。
参加したペ二・ラヴァイ選手は、「津波は経験したことがありませんが、とても恐ろしいと感じました。あすの試合では、津波で犠牲になった方々に自分たちの思いが届くようなプレーをしたい」と話していました。


釜石で遭遇した震災 帰国の勧め断り、残ってボランティア 元豪代表ファーディー選手が再訪問
 東日本大震災の発生時に岩手県釜石市のラグビーチームに所属し、震災後も残ってボランティア活動をした豪州出身のスコット・ファーディー選手(35)が24日、同市で高校生らと交流した。釜石はラグビー・ワールドカップ(W杯)の開催地で、25日に試合がある。ファーディー選手も観戦予定で、「W杯は釜石が一歩前に進むための希望の光になる」と心待ちにしている。
 2009年から「釜石シーウェイブス(SW)」でプレーした。日本語ができない自分に仲間や街の人たちが笑顔で接してくれたのが忘れられない。
 11年の震災当日は高台のクラブ宿舎にいたため無事だったが、体験したことのない揺れに恐怖を感じた。豪州の大使館スタッフから帰国を勧められたものの、「釜石の人にはお世話になった。ここで帰ったら後悔する」と断り、チームの仲間と救援物資の運搬などを手伝った。忍耐強く協力し合う釜石の人たちの姿に感銘を受けたという。
 その後、母国のトップチームからオファーを受け、「活躍を見せることが釜石の人の応援にもなる」と震災の年の暮れに帰国。前回15年のW杯では豪州代表として準優勝に貢献した。現在はアイルランドのチームに所属している。
 釜石を訪れるのは、帰国後では昨年に続き2度目だ。今回はW杯に合わせて招待され、24日には釜石と豪州の高校生ラガーマンたちを指導した。25日の試合もスタジアムで観戦する。「この1年だけでも釜石は道路がきれいに整備され、体育館やスーパーができるなど街の変化に感動した。W杯を控え、釜石の人たちもわくわくしているのを感じる。ここで試合をすることが、震災の記憶をいつまでも忘れないことにつながる」と語った。【日向米華】


<東電強制起訴・無罪判決>識者の視点(下)/真実に光 裁判に意義
◎サイエンスライター 添田孝史氏(55)
 判決は原発事業者の最高経営層の責任や安全対策への姿勢、見識に触れておらず、被害者らが期待していた司法の役割を果たしていない。不親切だと感じる。
 司法が科学の不確実性を裁くことができるのか、ずっと疑問だった。国の地震予測「長期評価」の信頼性を裁判所が「ない」と断言してしまっていいのか。
 地震の確実な予測は今の科学技術では不可能で、不確実さを前提にいかに対策を講じるかが重要だ。特に原発事業者は、万が一の事態にも備えが求められる。
 38回の公判では、刑事裁判で初めて明らかになったことがとても多かった。東京電力の社内メールや会議の議事録が証拠として提出され、旧経営陣の意思決定について誰が何を言ったのかなどの詳細が分かった。
 本来であれば、政府や国会などが設置した事故調査委員会がしっかりと務めを果たすべきだった。事故調の失敗も、今回の事故の大きな教訓の一つと言える。
 刑事裁判が開かれなかったら、原発事故全体の真実が闇に葬られていた。事故の全貌が明らかにされた裁判は意義があり、告訴・告発をした市民や「起訴すべきだ」とした検察審査会の功績も大きい。


<東電強制起訴・無罪判決>識者の視点(下)/教訓よりも経済追認
◎大阪市立大大学院教授 除本理史氏(48)
 津波予見や事故回避の可能性を認めず、各地の民事訴訟判決から大きく後退した判断だ。東京電力福島第1原発事故の被害の重大性を裁判官が十分認識しなかったのではないか。被害者は納得できず、電力会社が「原発は安全」と説明してきたこととも矛盾する。
 事故後、避難計画が不十分なまま原発再稼働が進む。裁判は過酷な避難を強いられた患者らの犠牲を取り上げたが、今も事故の教訓が生かされていない。判決は事業者や国のこうした姿勢を追認する内容だ。
 原発は安全対策費などのコストが膨らむが、電力会社には初期投資を回収したいとの思いもある。電力会社の姿勢には事故後も「経済優先」の意思が強く働いていると感じる。
 東電旧経営陣の場合、津波対策の必要性については現場担当者から繰り返し報告が上がっていた。経営者がどこまで現場からの問題提起を受け止め、対策を実行できるか。甚大な被害を引き起こす危険性のある事業の経営者は、正しくそれを判断する責任がある。
 真相解明や責任追及の場は刑事裁判だけではない。国会や政府、民事訴訟など各方面で継続して進めていくことが望ましい。


<ラグビーW杯>ボランティアら初戦へ準備万端
 釜石市の釜石鵜住居復興スタジアムで25日に行われるラグビーワールドカップ(W杯)のフィジー対ウルグアイ戦を前に、大会ボランティアの最終トレーニングが23日、スタジアムや釜石市民体育館であった。
 約220人が参加。担当する業務やスケジュールについて説明を受けた後、スタジアムに入り、各施設の位置関係や活動現場の状況を確認した。大会組織委は「いよいよ本番を迎える。釜石で行う2試合は満席の見込み。しっかり準備してほしい」と呼び掛けた。
 東京都目黒区の会社員青木一雅さん(69)は釜石市出身で「古里のために役立ちたい」と志願した。「横浜の試合を観戦したが、すごい盛り上がりでボランティアも笑顔で頑張っていた。負けないように世界中から来る人をもてなしたい」と意気込みを語った。


石巻・桃浦でRAF「謝肉祭」 豚料理味わう
 石巻市の牡鹿半島を中心に開催中のアートと食、音楽の総合祭「リボーンアート・フェスティバル(RAF)2019」の一環として23日、同市桃浦地区で育った豚を食す「謝肉祭」がもものうらビレッジで開かれた。
 5月から「リボーンアート・ファーム」で育てた豚8頭のうち1頭を調理に使用。食肉加工職人の楠田裕彦さん=兵庫県芦屋市=らを中心に来場客や関係者ら約50人がピザやハンバーグなどを作り、味わった。
 ファームの整備などに協力した石巻専修大の学生や石巻高の生徒も参加。同大3年遠藤なぎささん(20)は「今回のRAFのテーマの『いのちのてざわり』を感じながら食べた。多くの人の協力で地元に新たな魅力が生まれありがたい」と話した。


千葉復旧阻む空洞スギ 安倍政権の無策で災害無防備に拍車
 台風15号が首都圏を直撃してから2週間。千葉県内では、いまだに停電や断水が続いている。停電が大規模化し、ここまで復旧が遅れているのは、大量の倒木が電線を切断した上、道路を塞いだからだ。専門家が調査したところ、倒木の大半が、病気にかかった強度の弱いスギだった。今回の大災害は、政治の林業無策が招いた人災に他ならない。
 千葉大大学院園芸学研究科の小林達明教授が、倒木の現場や画像を調査したところ、大半が幹の内部が空洞化する「溝腐病」にかかったスギだった。
「千葉県に多く分布しているサンブスギです。空洞化すると、強度が弱くなるので、倒れやすくなる。伐採して、病気にかからない樹木に植え替える必要があります。そんなことはずっと前から分かっていて、千葉県は20年以上前から対策事業を始め、補助金を出しているが、なかなか進んでいない。林業衰退のツケが回ってきたと言えます」(小林達明教授)
 千葉県は、1997年から「サンブスギ林再生・資源循環促進事業」を行っている。累計で7億6400万円もの補助金を支出している。県内のサンブスギは約9000ヘクタール。すべてが病気にかかっているわけではないが、20年以上の「事業」で伐採できたのは、わずか約1000ヘクタールにとどまる。
■森林経営管理制度で所有者を切り捨て
 なぜ事業が進まないのか――。
 県に聞いた。
「千葉県はほとんどが民有林。国や県が自由に処分できません。伐採を行う主体は民間人で、県は補助金でバックアップしています。進まない理由は、林業従事者が少ない上、木材価格が低迷していて、採算が合わない。サンブスギを伐採して、使えるところだけを切るだけでもコストがかかる。伐採後、新たな樹木を植えても、売れるのは数十年後です。なかなか、伐採、植林しようという意欲が湧かないのです」(森林課)
 結局、危ないと分かっていても、サンブスギが放置され、今回、大量の倒木に至ったわけだ。東大の鈴木宣弘教授(農政)が言う。
「林業を、木を植えて、切って売るものとだけ考えると、採算が合わず、成り立ちません。森林は防災機能を備えています。森林を、適切に管理、維持する一種のインフラと捉え、中途半端な補助金ではなく、思い切った財政出動で森林所有者をバックアップすべきです。ところが、安倍政権が林業改革とうたって、今年4月からスタートさせた森林経営管理制度は、森林所有者を支援するどころか、バッサリ切り捨てるものになっています」
 新制度は、自身の森林に手をつけられない所有者を「意欲がない」として森林管理権を取り上げ、「意欲がある」民間業者に伐採させようという仕組みだ。
「民間業者は切りたい木だけを切って“はい、さようなら”です。伐採後の植林を義務づけていないからです。その結果、病気持ちの売れない木だけが残り、伐採された跡地は植林されず、はげ山になるのです。今以上に森林は荒廃し、災害に無防備になってしまいます」(鈴木宣弘教授)
「防衛」から「防災」へ転換してくれる政権を誕生させるしかないか。


被災の坂上忍が猛批判…森田千葉県知事に“辞めろ”の大合唱
「知事をリコールすべきだ!」という声はSNS上で日増しに大きくなっている。
 9日午前に台風15号が千葉県を通過し、大規模停電や住宅の損壊など、甚大な被害をもたらしてから2週間。22日午後10時現在、南房総市、市原市などでは、いまだ約2300戸が停電。約1万戸に上る住宅被害では、飛ばされた屋根瓦をブルーシートで覆うなど応急処置でしのいでいる状態だ。
 県が災害対策本部を設置したのは停電発生から丸1日たった10日、市町村に職員を派遣したのは、台風直撃から3日後の12日。森田健作知事(69)が被災現場の南房総市を視察したのは5日後の14日だった。さらに被害の大きかった鋸南町を視察したのは、11日後の20日。住民からは、「もっと早く来て欲しかった」の声が上がったというが、当然だろう。あまりに遅い県の対応に、森田知事に対する批判が続出している。
 先週18日放送の「バイキング」(フジテレビ系)では、自らも千葉県在住で被災したMCの坂上忍(52)が、初動が大幅に遅れたことについて「(森田知事の)顔が見えない。個人的な意見としては真ん中に位置している県の責任がかなり重いと思っています」とコメント。
 翌19日の放送でも坂上は憤慨。森田知事が首相官邸に赴き「激甚災害」の指定を求めた際の会見で「混乱の中でいろいろ問題が出てきた。誰が悪い、これが悪いではない」と話したことについて、「首長さんだったら、前に出て行って責任を取りにいくような陣頭指揮を執ってくれないと」と話した。
■“地金”が出た
 責任を転嫁するような森田知事の発言についてはツイッター上で、「おまえが悪い!」と総ツッコミが入り、大炎上。芸能文化評論家の肥留間正明氏はこう話す。
「行政の長としてもっとも率先して動くべき立場であるにもかかわらず、その対応はあまりにもニブく、まったく呆れます。電気や水に困っている県民を前にして、これでは行動力のカケラもなく、話にならない。知事失格です」
 森田知事は、代表作のドラマ「おれは男だ!」をはじめとして、俳優、歌手、タレントとして活躍した後、参院、衆院の議員を経て、2009年に千葉県知事に初当選し、17年に3度目の当選。肥留間氏が続ける。
「国会議員時代から見てもこれといった実績は見当たりません。タレント知事として人気があって、たいした仕事もしないから行政機関にとっては御しやすい知事だったのかも知れない。しかしこうした事態になったときこそ地金が出ます。リコールの声が上がっているのももっともな話です。単なる人気投票ではいけない。こういうタレント政治家に対しては、今後も冷静に見極めていく必要がある」
 まずは“男らしく”初動の遅れを認めて、県民に謝罪したらどうか。


「核のごみ」国際会議/各国と連携しても効果薄い
 核のごみ(高レベル放射性廃棄物)の最終的な処分について、国際的な連携が図られようとしている。日本などの呼び掛けで来月、フランスで初の国際会議が開かれる予定になっている。
 10カ国以上が参加する見通しで、地中深く埋設する「地層処分」を中心に、それぞれの国の現状と課題などが話し合われるとみられる。
 ただ、地層処分という方向性は同じでも、それぞれの国で国土の広さや地質はかなり異なるし、核のごみの中身も違う。国際的に協力したとしても、一気に進むとは到底思えない。
 地層処分を目指す日本に最も求められているのは、原子力政策の見直しだろう。使用済み核燃料を再処理してプルトニウムを取り出す核燃料サイクル政策を続ける限り、高レベルの放射性廃液がいや応なく発生していく。
 いつまでも増え続けるのでは、国民の理解を得るのは難しくなるだけだ。
 地層処分への取り組みが最も進んでいるのはフィンランドとスウェーデン。資源エネルギー庁によると、いずれも深さ400〜500メートルの処分地を決め、フィンランドでは建設が始まっている。実際の埋設はフィンランドが2020年代、スウェーデンが30年ごろの予定だという。
 ただ、両国と日本とでは状況が大きく異なる。原発はスウェーデンが4カ所(原子炉計10基)、フィンランドが2カ所(計4基)と少ない上、再処理はしていない。使用済み核燃料を十分冷やした後、そのまま専用容器に入れて埋設する。
 日本は再処理後に残る廃液が最終処分の対象になる。強烈な放射能を持っており、液体のままでの埋設は困難なため、ガラスを加えて固めてから行う。さらに原発の数もはるかに多い。
 何を地層処分するかは原子力政策によって異なる。使用済み核燃料の「全量再処理」が建前の日本とフランスは、高レベル放射性廃液のガラス固化体だが、アメリカやドイツ、中国はガラス固化体と使用済み核燃料の両方を対象にしている。
 再処理して高レベルの放射性廃液を生み出し、ガラスで固化するより、北欧2カ国のような「直接処分」の方が手っ取り早いのは確かだ。安全性の点でもおそらく見劣りはしないだろう。
 ただ、国内には現時点でもかなりの量の使用済み核燃料が存在している。仮に将来、直接処分に踏み出しても、原発を稼働させる限り使用済み核燃料は増え続けていく。
 ガラス固化体と使用済み核燃料のどちらであれ、処分地選びは困難を極めるはず。その一方で核のごみを増やし続ければ、建設してもいずれ満杯になりかねない。原子力発電を長期的に思い切って抑制し、地層処分の量を減らしていくことが不可欠になる。


安保法成立4年/政府見解を元に戻しては
 安全保障関連法の成立から4年が過ぎた。当時の混乱を改めて思い返したい。
 多くの若者らが連日、国会周辺で抗議の声を上げていた。国会内でも怒号が飛び交う中、自民、公明両党などが「数の力」で押し切った。直前の世論調査で6割超が成立に反対していたにもかかわらず、である。
 採決が強行された2015年9月19日を、政治の「転換点」とする見方がある。それ以降、共謀罪の趣旨を盛り込んだ改正組織犯罪処罰法の強行採決をはじめ政府、与党の国会軽視、議論軽視の姿勢がさらに際立つようになったという。
 懸念するのは、戦後日本の基本姿勢である「平和主義」の理念が骨抜きにされることだ。
 安保法成立で最も変わったのは、集団的自衛権行使に関する政府見解である。憲法9条の制約上「できない」とするのが歴代政権の立場だったが、安倍政権は百八十度転換した。
 その結果、自国が攻撃を受けていなくても、密接な関係にある他国が攻撃されれば、自衛隊は武力行使が可能になった。
 「国民の権利が根底から覆される明白な危険がある」などの条件は付いている。だが、大半の憲法学者が「違憲」と指摘している事実は重い。
 この4年、そうした疑問点が解消されないまま、南スーダン派遣部隊に「駆け付け警護」の新任務を付与するなど実績づくりが重ねられた。法治国家のあり方が問われる状況だ。
 自民党は「戦力不保持」などをうたう9条に自衛隊の存在を明記する改憲案を掲げる。憲法改正を「悲願」とする首相の意向を反映した動きである。
 だが、自民党案は自衛権の歯止めを明確に示していない。これでは安保法で部分的に容認された集団的自衛権行使が全面解禁される恐れが拭えない。
 そうなれば「専守防衛」は棚上げされ、9条の規定も空文化する事態になるだろう。
 立憲民主党などの野党は安保法廃止を主張する。与党の公明党も、自民党の9条改正案には慎重な構えを見せる。
 問題の多い安保法は一から見直す必要がある。もともと無理がある今の政府見解も百八十度転換し、元に戻してはどうか。


台風で広域停電 命を守る「無電柱化」急げ
 台風17号は九州を暴風域に巻き込んだ後、きのう温帯低気圧に変わったが、日本列島各地に風水害の脅威をまざまざと見せつけた。
 負傷者が多数出たほか、飛行機の欠航や列車の運休などが相次ぎ、3連休の市民生活は大きく乱れた。
 九州で特筆すべきは、最大時で14万戸以上が電柱の損傷などにより停電に陥ったことだ。暗闇の中で建物を揺らすほどの風雨に、より一層の恐怖を覚えた人も多かったのではないか。
 先の台風15号では千葉県で大規模停電が起き、長期化している。断水に加えエアコンが使えず熱中症で亡くなったり、入院患者が転院を強いられたりする過酷な事例が報告されている。
 携帯電話が充電できず、家族や職場との連絡もままならない状態が続いた。生活インフラの多くを電力に依存する社会の弱さを、あらためて浮き彫りにしているとも言えるだろう。
 今後も、地球温暖化に伴って風水害の増大と夏場の高温化は進む可能性があるとされる。そんな状況下での大規模停電は、深刻な二次災害である。
 抜本対策の一つは、電柱を地上からなくして電線を地中化する「無電柱化」だ。千葉県では約2千本の電柱が倒壊や破損したと推定されている。
 日本は終戦後、復興を優先して、安価で早く工事が済む電柱を整備してきた。
 災害時に倒れた電柱は大規模な停電のほか、復旧の妨げになる。2011年の東日本大震災で約5万6千本の電柱が倒壊した教訓などから、無電柱化推進法が16年に施行された。
 国内には3500万本以上の電柱があり、道路新設に伴って年間約7万本ずつ増えている。無電柱化の達成率は先進国のパリやロンドンで100%なのに対し、日本は東京23区でも約8%にすぎない。九州7県はいずれも1%前後だ。政令市でも福岡市が約3%、北九州、熊本両市は約2%にとどまる。
 一番の原因が高コストだ。道路1キロ当たり約5億円が必要とのデータもある。国土交通省は民間企業とも協力し、工法の工夫でコストを最大7割削減する実験を続けている。低コスト化に向け、官民ともあらゆる努力を尽くしてほしい。
 電柱が地中化すれば変圧器を歩道に置かねばならず、周辺住民の理解も欠かせない。各自治体内で、その狙いや効果について共通認識を深めてゆきたい。
 防災に限らない総合対策としては、電話線やガス管、水道まで道路地下に収容する共同溝が望ましい。費用が膨大で関係機関の調整も難しいが、中長期的に取り組む課題である。


[ゲノム編集食品]表示義務なしの再考を
 口に入れる食品だけに不安が拭えない。
 消費者庁は、ゲノム編集技術を使って品種改良した農水産物の大半について、表示することを義務付けない、と発表した。
 ゲノム編集食品は特定の遺伝子を切断してつくられる。外部から遺伝子を挿入する場合は安全性審査が必要で表示を義務付ける一方で、挿入しない場合は安全性審査が不要で表示を義務付けない。開発が進む食品の大半は挿入しないタイプという。
 表示を義務付けない理由として、遺伝子の改変がゲノム編集によるものか、品種改良で起きたのか科学的に判別できないことと、表示義務に違反する商品があっても見抜けないことを挙げる。
 この説明に納得する消費者がどれだけいるだろうか。
 見抜けないことが表示しない理由にはならない。開発者や生産者を追跡すれば可能なはずだ。消費者目線に立たなければならない官庁として無責任のそしりを免れない。
 生産者や販売者らが包装やウェブ上などで表示するよう働き掛けるという。生産者や販売者の自主性に任せるもので、実効性は不透明だ。
 ゲノム編集食品は早ければ年内にも市場に出回る見通しだ。表示なしでは、消費者は遺伝子の一部が改変された食品と知らずに購入し、食べる可能性がある。消費者が商品を選択する権利を奪うことになりかねない。
 消費者庁が消費者の視点よりも、生産者や販売者らを重視しているように映ることは大きな問題だ。仮に健康に被害が出た場合には誰が責任をとるのだろうか。
    ■    ■
 厚生労働省も同じタイプのゲノム編集食品について安全性審査をせず、届け出制にすると通知した。法的に義務のない届け出である。届け出なくても罰則がない以上、これも実効性に疑問符が付く。
 厚労省が審査を求めないのは遺伝子を壊したタイプは自然の中でも起こり得る変化だからという。だがゲノム編集は新しい技術である。楽観すぎる見方というほかない。
 東京大医科学研究所の研究グループが昨年5〜6月実施したインターネット調査でゲノム編集の農作物を「食べたくない」と答えた人が4割超。予期せぬ悪影響が起きないか、誰も分からないと言っても過言でない技術に不安を覚えるのは当然である。
 欧州連合(EU)の司法裁判所は昨年7月、ゲノム編集食品も遺伝子組み換え作物として規制すべきだとの判断を示している。政府は消費者の懸念に応えるのが先である。
    ■    ■
 ゲノム編集の技術を使った農水産物として肉付きのいい魚や血圧を下げる成分を増やしたトマト、芽に毒のないジャガイモなどの開発が大学などの研究機関で進む。
 ゲノム編集食品は昨年6月に政府が決定した「統合イノベーション戦略」に盛り込まれた。食品として流通させることを最優先に前のめりになっているようにみえる。
 健康に直接関わる問題である。届け出も、表示も義務化すべきである。厚労省、消費者庁に再考を求めたい。


若者サミット  温暖化で未来を奪うな
 「なぜ大人は分からないの」―。地球温暖化に歯止めをかけるよう訴える若者の声に、しっかり耳を傾けたい。
 米ニューヨークの国連本部で、若者気候サミットが初めて開かれた。世界各地のグループが温暖化対策のアイデアや今後の取り組みを発表した。
 20日には世界の若者が一斉抗議行動を展開した。日本や欧米など150カ国以上で数百万人が参加したとみられ、過去最大規模となった。
 欧米諸国だけでなく、災害などで温暖化の影響に直面するアジアや中東の国でも多くの若者が声を上げたのが特徴だ。
 温暖化が世代間の公平性に関わる問題だという認識の広がりが背景にある。
 生命を脅かすような異常気象や自然災害が一層深刻になると予想されている。それなのに、大人たちは化石燃料を大量に消費する社会をひきずっている。
 そんな不満が大きなうねりとなり、世界規模の活動となった。「このままでは未来が奪われる」という強い危機感からだろう。
 運動の火付け役となったのは、スウェーデンのグレタ・トゥンベリさん(16)だ。
 学校を休んで抜本対策の必要性を訴える「学校ストライキ」を一人で始め、危機を説く次世代の「顔」として共感を集めた。
 サミット開幕式で、トゥンベリさんは「若者の動きは止められない」と強調した。アルゼンチンの男性(19)は「政治のリーダーは根本的に政策を変える義務がある」と主張した。
 若者たちは、地球温暖化の理解促進と対策強化のため政治家や社会への働きかけを加速させることを確認した。国連気候行動サミットで議論の結果を伝える。
 世界の平均気温は既に産業革命前と比べ約1度上昇したが、国際的な対策は遅れている。
 猛暑や豪雨、干ばつの頻度が高まっている。食料や水資源の不足が拡大する恐れがある。
 だが、トランプ米政権は国際枠組み「パリ協定」からの離脱を表明した。日本も二酸化炭素の排出が特に多い石炭火力発電の活用方針を維持し、「脱炭素」の流れに逆行している。
 国連気候行動サミットで日本はグループの議長役を依頼されたが引き受けなかったという。残念と言わざるをえない。
 問題の解決を次世代に丸投げすることは許されない。求められるのは責任ある大人の行動だ。


「裏切り、許さない」=トゥンベリさん、怒りの演説−国連気候サミット開幕
 ニューヨークの国連本部で23日、60以上の国の首脳らが気候変動対策の具体策を表明する「気候行動サミット」がグテレス国連事務総長の主宰で開かれた。スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさん(16)が若者を代表して演説し「未来の世代はあなたを見ている。私たちを裏切る道を選べば許さない」と世界に訴えた。
 地球温暖化対策に懐疑的なトランプ米大統領は当初、欠席するとみられていた。しかし、短時間だが、突然出席し、参加者を驚かせた。
 学校を休んで地球温暖化対策を訴える抗議活動の火付け役であるトゥンベリさんは「すべて間違っている。私はここにいるべきじゃない。学校にいるべきなのに」と強調。「私たちは絶滅の始まりにあるというのに、あなたが話すのはお金や永続的な経済成長のことばかり」と政治家や経済界に怒りをぶつけた。さらに「この状況を理解していて行動を怠り続けるなら、あなたは悪だ」と主張した。「あなたが望んでも嫌がっても、ここから、世界は目を覚まし、変化は訪れる」と宣言した。
 今回のサミットは、成果文書は出さないが、地球温暖化対策の具体化へ政治的機運を高める狙いがある。サミットでは、脱炭素化や脱石炭火力発電などのテーマ別に議論を実施。グテレス氏は閉幕後に議論の内容を報告書にまとめる。
 日本からは小泉進次郎環境相が出席したが、演説はしない。グテレス氏は各国政府に単なる演説ではなく、具体策を提示するよう求めており、一部海外メディアは、二酸化炭素(CO2)を多く排出する石炭火力発電の利用を続ける日本が、発言者に選ばれなかったと報じていた。
 これに対し、小泉氏は22日、ニューヨーク市内で記者団にそういう事実は「全くない」と否定。演説も日本に「オファー」が来たものの、安倍晋三首相の日程調整がつかず、首脳級以外の演説が認められなかったと説明した。


「よくもそんなことを」 トゥンベリさん、怒りの国連演説
スウェーデンの高校生環境活動家グレタ・トゥンベリ(Greta Thunberg)さん(16)は23日、米ニューヨークで開幕した国連(UN)気候行動サミットで演説した。トゥンベリさんは、世界の首脳らが温室効果ガス排出問題に取り組まず、自分たちの世代を裏切ったと非難し、「よくもそんなことを」と怒りをぶつけた。
 アントニオ・グテレス(Antonio Guterres)国連事務総長が開催した同サミットは、実現が危ぶまれるパリ協定を再び勢いづかせる狙いがある。熱の込もったトゥンベリさんの演説は、サミットの基調を定めるものとなった。
 トゥンベリさんは「私はここにいるべきではない。大西洋の向こう側に帰って学校に通っているべきだ」と言明。時に声を震わせながら「あなた方は希望を求めて私たち若者のところにやってくる。よくもそんなことができますね」と批判し、「私たちは大絶滅の始まりにいる。それなのに、あなた方が話すことと言えば、お金や永続的な経済成長というおとぎ話ばかりだ。よくもそんなことを!」と怒りをあらわにした。
 トゥンベリさんは、気候変動対策をめぐる政府の怠慢に抗議する若者の運動を代表する世界的な「顔」となっている。この運動では20日、世界各地で数百万人の児童・生徒が学校ストを行った。
 23日の国連発表によると、パリ協定に応じ、2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロとする「カーボンニュートラル」を達成することを約束した国は、66か国に上る。
 気候サミットには、当初欠席する予定だったドナルド・トランプ(Donald Trump) 米大統領が急きょ、短時間ながらも出席した。トランプ氏は、地球温暖化が人為的な原因により起きているとする科学界の結論に対し、繰り返し疑念を示している。トランプ氏は会場で、インドのナレンドラ・モディ(Narendra Modi)首相の演説を聞き、拍手をした後に退場した。
 グテレス氏はこれに先立つサミット開幕時、「気候の緊急事態は、われわれが現在、負けている競争だが、勝つことのできる競争だ」と述べた。
 エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)仏大統領は、チリ、コロンビア、ボリビアの首脳と会談。会談では、世界銀行(World Bank)、米州開発銀行(IDB)、国際環境NGOコンサベーション・インターナショナル(Conservation International)が、世界の森林保護のため5億ドル(約540億円)を追加で投じると確約した。


鳩山元首相、日韓の徴用工問題を「解決済み」とする安倍政権に「常識ではない」
 鳩山由紀夫元首相が24日未明、ツイッターを更新。悪化する日韓関係の大きな要因の一つとなっている徴用工訴訟問題を受け、徴用工への補償に関しては1965年の日韓請求権協定で解決済みとする安倍政権に対し、「国際常識ではない」とする見解を投稿した。
 鳩山氏は「宇都宮健児氏が徴用工問題の本質について述べている。現在の国際人権法の考え方は、『個人の損害賠償権を国家間の協定や条約により消滅させることはできない』」が常識とのことだ」とツイート。日本弁護士連合会元会長である宇都宮氏が月刊誌に寄稿した論文を引用して“徴用工問題の本質”について説明した。
 そのうえで、鳩山氏は「安倍首相が個人の請求権問題は日韓基本条約で解決済みと述べているのは、常識ではないのだ。日本政府よ、国際常識に戻れ」と、安倍政権に対して国際人権法の見地から苦言を呈した。


中高年引きこもり/支援体制拡充に本腰を
 政府はバブル崩壊後の不況下で就職の機会に恵まれず、今なおその影響を引きずる「就職氷河期世代」の集中支援を打ち出している。この世代に多い非正規歴の長い人とともに、引きこもり状態にある人を対象に全国のハローワークに専門窓口を設けたり、就労に役立つ資格取得を後押ししたりして3年間で正規雇用者30万人増を目指す。
 関係府省庁は概算要求で関連予算計1344億円を計上した。内閣府が3月に公表した推計によると、40〜64歳の引きこもりの人は61万3千人に上る。長期化と高齢化で期間は7年以上が半数近くを占め、本人が50代、親が80代で生活が困窮する「8050問題」も深刻さを増している。
 しかし本人は外部との接触を絶ち、家族も自治体などに打ち明けないケースが多い。川崎市で5月にスクールバスを待っていた児童ら20人を殺傷し、現場で自殺した51歳の男が先日、殺人などの疑いで被疑者死亡のまま書類送検されたが、中学卒業後の男について知る人はほとんどおらず、神奈川県警の捜査でも動機は解明されなかった。
 世間から隔絶した人を就労によって社会復帰させるのは簡単ではない。地域で引きこもりの実態を詳細に把握し、現場で相談に対応したり、家庭を訪問したりする人員の手当てなど、支援体制の拡充に本腰を入れる必要がある。
 国は2009年度から都道府県と政令市に「ひきこもり地域支援センター」を設置。社会福祉士や精神保健福祉士、臨床心理士らを配置し、引きこもり状態にある本人や家族の相談に応じるとともに関係機関との連携や対策の情報提供を進めてきた。15年に施行の生活困窮者自立支援法に基づき生活・就労準備の支援も行っている。
 さらに18年度から市町村でも相談窓口を整備している。しかし現場からは人員不足を訴える声が後を絶たない。県の地域支援センターで、年間約500件の相談に担当者3人で対応し、しかも全員が他の業務との兼務という例もある。実際に家庭を訪問したり、支援団体を紹介したりする人手も足りないという。
 ただでさえ、引きこもりを把握し、支援につなげるのは難しい。川崎20人殺傷事件の容疑者の男は80代のおじ夫婦と3人暮らしだった。自室に閉じこもり長期にわたり就労せず、おじ夫婦との会話もなかった。17年11月に別の親族からの相談で市は初めて男の状況を知り、面談や電話でおじ夫婦らの相談に乗った。
 市の助言で今年1月になり、おばは手紙を部屋の前に置いたが、男は「引きこもりとは何だ」と反発。おばから「しばらく様子を見たい」と伝えられ、市が男と直接接触することはなかった。
 一方、東京で6月初めに元農林水産事務次官が引きこもりがちだった44歳長男を殺害した。長男の家庭内暴力に悩み、20人殺傷事件を知って「人に危害を加えるかもしれない」と思い詰めていたとされるが、自治体や警察に相談したことは一度もなかった。
 世間体を考え、家庭内の問題を表沙汰にしたくなかったのかもしれない。最近はヘルパーが親の介護に訪れ、引きこもりの人がいると初めて分かることも多い。ヘルパーやケアマネジャーと自治体の担当者がチームとして情報を共有する仕組みも考えたい。


公共交通 持続可能な在り方とは
 人口減少が進む県内各地で路線バスや鉄道など公共交通の維持が課題となっている。地域の暮らしを支える重要な基盤だが、その利用客は減少傾向が続き、運転士ら人材不足も重なる。路線の減便や廃止によって、生活の足が細りゆく状況に危機感も高まる。
 昨年の県民生活基本調査によると、通勤・通学や買い物、通院などで日常的にバスや列車を利用するのは2割にとどまった。ほとんど利用しないと答えた人からは「マイカーの方が便利」との声が圧倒的。便数が少ない、自宅から駅やバス停が遠いなど、もっともな理由が連なる。
 不便だから乗らない。乗らないから路線の採算が取れず、減便などでますます利用減が進む。まさに負のスパイラルだ。2010年度時点で827あったバス路線は、17年度までに1割に相当する89路線が減ったという。
 路線バスに代わって住民の移動手段を支えるため、コミュニティーバスやデマンド交通を運行する市町村もある。が、その維持もたやすいことではない。
 紫波町では、運行業務を委託するバス会社の運転手確保が困難になり、代替手段を検討。予約に応じて運行するデマンド型乗り合いバスの実証実験を来月実施する。
 バス業界の人手不足は深刻さを増している。この中、県内のバス事業各社は、入社後の免許取得を支援するなど若手運転士の育成にも力を注いでおり、着実な取り組みを期待したい。
 地域事情に応じた対策に向け、県は地域公共交通網整備計画を策定した。持続可能な公共交通ネットワーク構築のため県や市町村、交通事業者ら、それぞれの役割分担と連携強化が一層求められよう。
 利用する県民一人一人の意識醸成も肝心だ。22日には盛岡市内で「バスの日まつり」が開催。同日から、バスや鉄道の利用を促す「公共交通スマートチャレンジ月間」(10月20日まで)も始まった。
 二酸化炭素排出量を削減して地球温暖化を防ぐ観点からもマイカーなどとの上手な使い分けや、エコドライブを心掛ける機会にと提案する。
 過ごしやすい季節だ。無理のない範囲でバスで通勤したり、歩く距離を増やしたりすることが体力づくりにも役立つ。県内の事業所や個人で、できることから取り組んでみてはどうだろうか。
 一方、高齢者の運転免許証返納も増えており、外出をサポートする足の確保は急務。住民ニーズはもちろん、観光動向などを踏まえ、より効果的な利用促進策を練る必要もあろう。持続可能なまちづくりと共にある公共交通の可能性について、議論を身近なものにしたい。


佐野SAスト終了し通常営業を再開、従業員は一礼
8月に運営会社の従業員のストライキが発生して営業がストップした、東北道・佐野サービスエリア(SA=栃木県佐野市)上り線のフードコートと売店が24日午前、通常営業を再開した。
運営会社「ケイセイ・フーズ」のストを起こした労働組合の従業員が、フードコートや売店の飾りを秋のものに変え、レストランでは通常営業再開予定より20分ほど早い、午前10時40分から名物「佐野ラーメン」を提供した。同11時、正式に通常営業を再開した。
前総務部長の加藤正樹氏は午前11時に「本日ストライキ状態から我々従業員は復帰しました。今後、今までよりもレベルアップした一同、全力で頑張りますので、皆さんよろしくお願いします」とあいさつ。「24時間営業なので、研修とかできなかったんですが、この機会に勉強したりした。社員の気持ちとスキルは、思い切り上がっていると思います」と胸を張った。
佐野SAの一連の問題は、スト発生前日の8月13日午後、同社の親会社の建設会社に関する信用不安情報が、フードコートと売店に商品を卸す取引先業者に露見し、7月25日前後から商品が納入されなくなったことに端を発した。
スト発生から39日後の22日午前6時に、労働組合側は会社側がスト後に立てた代理業者や代替要員から22日午前6時に職場を明け渡され、社員64人が職場に復帰し、引き継ぎ業務や清掃と並行して一部の業務を行ってきた。
ストは、商品が納入されなくなったことを受けて、加藤氏が商品の代金を前倒しで支払う旨の覚書を作成し事態を収拾し、商品は再び納入され始めたが、覚書にサインした岸敏夫社長が内容の変更を求め、反発。その中で、資金繰りが厳しいことが明らかになり、この問題を糾弾した加藤氏が解雇されたことで、ストに発展した。
レストランに復帰した女性従業員は「ありがたいこと。うれしいです。ストは長く感じました。戻れるかどうかは正直、半々だと思っていました」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。
複数の関係者によると、ストが長期化したことなどを受けて、岸敏夫社長は退任するという。【村上幸将】


進次郎株ダダ下がり “ステーキ&セクシー”発言で笑い者に
 初入閣から2週間。自民党きっての“人寄せパンダ”ともてはやされてきた小泉進次郎環境相の株がダダ下がりだ。小気味よい演説が売りだったはずが、「何を言っているのか分からない」と散々なのだ。福島原発事故の汚染水の最終処理場について問われ、「30年後の自分は何歳か、発災直後から考えていた。健康でいられたら、その30年後の約束を守れるかどうかの節目を見届けることができる政治家だと思う」と禅問答。張り切って向かった初外遊先の米国でも恥をさらしている。
 国連総会に出席するため、ニューヨークに到着した進次郎氏は「大臣として、国際社会の中で仕事に臨む環境分野として国を背負っているわけですから、それはやりがいを感じます」とドヤ顔。仕事に臨む環境分野???
■ドヤ顔で「ステーキ」「セクシー」
 そして、すぐさま高級ステーキ店へ向かうセンスのなさ。牛肉は、豚肉や鶏肉などの主要タンパク源の中で、生産時の環境負荷が飛びぬけて高く、環境保護団体などが牛肉摂取を控えるよう呼び掛けている。牛肉1キロの消費は車で100キロ走行するのと同量の温室効果ガスが排出されるからだ。お付き官僚らを引き連れて店に入る進次郎氏の映像を「独自 留学時代の好物“ステーキ”も」と報じたTBSによると、進次郎氏は「毎日でもステーキが食べたい」と話していたという。
 進次郎氏の遊説取材を重ねてきたジャーナリストの横田一氏は言う。
「進次郎氏の演説は落語で培ったトーク術に地元のトピックスを盛り込むため、聴衆のウケはいいのですが、文字に起こすと中身がありません。討論会などで政策論を丁々発止やり合った経験もない。政策をキチンと勉強している様子が見られないので、環境問題もチンプンカンプンなのではないでしょうか」
 ついに、準備してもオカシナことを言いだした。国連の環境関連イベントで「日本は1997年に京都議定書を採択したが、リーダーシップを発揮してこなかった。今日から我々は変わります」とタンカを切り、「気候変動のような大きな問題は楽しく、カッコ良く、セクシーであるべきだ」と演説。セクシーな気候変動問題??? これをロイター通信が「日本の新環境大臣が気候変動との戦いを“セクシーに”と発言」と報道。日本が気候変動サミットで発言せず、火力発電を増やすなど、地球温暖化への取り組み不足を批判している。
 ツイッターでは「#進次郎さんにキリッと朗読してほしいコメント」のハッシュタグで、モノマネ大喜利が流行。すっかり笑いものだ。


安倍政権が消費増税対策で「宣伝費に74億円」の本末転倒! 広告効果ゼロの“ゆるキャラ”まで制作していた
10月1日からいよいよ消費税の10%への増税が実施される。貧富の格差がどんどん激しくなっている中で、逆進性の高い消費増税を導入することは庶民の生活をさらに圧迫するのはもちろん、経済状況を取り返しがつかないくらい悪化させることが、専門家の間でも指摘されている。
 だが、国民の怒りの声はあまり大きくなっておらず、安倍政権の詐術に騙されてしまったのか「少子高齢化が進む中、社会保障の充実のためにはしようがない」という声がかなりの部分を占めている。
 しかし、この事実を知ってもまだ「増税はしようがない」と言っていられるだろうか。安倍政権は今回の消費増税にかこつけ、なんと消費税対策の「広報・宣伝」に74億円もの巨額の税金を投入、その中には、なんの宣伝効果もないゆるキャラ制作代まで含まれていたというのだ。
 安倍政権は「社会保障の充実」を名目に10%への引き上げを行うのだが、実は約5.6兆の税収増見込みのうち社会保障の充実にあてられるのは約1.1兆円。その一方で、2兆円を超える金を増税による消費落ち込みを防ぐ「景気対策」としてバラマくことになっている。具体的には、最大2.5万円分の商品券を2万円で購入できると謳う「プレミアム付商品券」制度や、クレジットカードなどキャッシュレスでの買い物の際、特定の条件において最大5%のポイントを還元する制度(以下、ポイント還元制度)などが実施される。
 消費増税のお題目である「社会保障の充実」に充てる金よりも「景気対策」でバラまく金が倍近く多いということ自体、信じられないが、さらに、この「プレミアム付商品券」制度と「ポイント還元制度」のための宣伝・広報費として、74億円の予算がつけられているというのだ。
 しかも、ひどいのはその中身だ。たとえば、内閣府が担当する「プレミアム付商品券」の特設ホームページを覗いてみるといい。いきなり虫眼鏡を手に持つ招き猫風の「ゆるキャラ」のイラストが目に飛び込んでくる。名前を「確にゃん」というらしい。
「あなたは対象者? 確認したら申請にゃん!」なんて喋っている“確にゃん”だが、内閣府はこうした広報になんと「14億円」もの予算を組んでいるらしいのだ。
 ゆるキャラを使った行政の広報については、財務省が2014年の予算執行調査で独立行政法人に対して、目標がないままマスコットキャラクターを多用し、効果が上がらないまま無駄な予算を使っていることを指摘している。ところが、今回、首相のお膝元である内閣府がよりにもよって消費税対策でその“無駄遣い”を大々的に行っていたというわけだ。
プレミアム商品券の広報・宣伝に14億円、ゆるキャラ制作の内閣府を直撃
 いったい安倍政権は何を考えているのか。内閣府に電話取材すると、プレミアム商品券の担当者は「宣伝費の予算上限が14億円」であることを認めたうえで、このように説明した。
「宣伝費は、チラシやポスター等のほか、テレビやラジオなどのマス系のメディアあるいはインターネットを通じた“広報のパッケージ”で予算を組んでいます。ですので、『ゆるキャラ制作費』みたいなものは存在しません。よく誤解されるのですが、“確にゃんを制作するためにいくらつぎ込んだ”というような世界ではなくて、基本的な広報戦略における統一コンセプトのもと、デザインのひとつとして、こうした親しみやすい猫のキャラクターを使っていこうということになりました」
 内閣府担当者によれば、プレミアム商品券の広告宣伝は、公募で決定した事業者に包括委託したものだという。つまり広告代理店への外注だ。実際、官報などによると「プレミアム付商品券事業に係るクロスメディア広報業務」との名称で公募が行われ、今年の4月19日に大手の博報堂が落札していた。
 安倍政権はプレミアム付商品券事業に1723億円の予算(2019年度)を計上しているが、少なくともそのうち14億円は広告代理店の懐に入ってしまうということらしい。
 しかも、その巨額の税金をつぎ込んだ宣伝は効果を発揮しているのか。内閣府担当者はゆるキャラを使ったことについて、「プレミアム商品券は対象の方が限定されておりますので、事前に申請等をしていただかなければなりません。まずは日常生活のいろいろな場面で目につきやすく、なおかつ“なんだろうこの猫は?”と、なんとなしに見ていたら“申請が必要なんだな”というふうに気づいていただくことが非常に重要でして」などと説明していたが、“確にゃん”を発表してからすでに数カ月が経ったが、このキャラクターのことを知っている国民はほとんどいないだろう。
ポイント還元制度の広告費は60億円!経産省は本サイトの追及に取材拒否
 こうした広報・宣伝費の巨額無駄遣いは経産省が担当する「ポイント還元制度」でも同様だ。こちらはなんと、宣伝広告費として60億円余りが注ぎ込まれるのだという。
 本サイトは、経産省へも電話で数回にわたって取材を申し込んだが、同省キャッシュレス推進室は担当者の不在や多忙を理由に取材に応じなかった。
 しかし、経産省がいくらごまかそうとしても、省のトップがこの巨額宣伝費投入の事実を認めていた。今年2月、当時の経産相・世耕弘成がテレビ朝日の報道にいちゃもんをつける流れの中で、つい、こうつぶやいてしまっていたのだ。
〈一般的な「広報宣伝費」であるポスター・チラシの配布、WEBや新聞、テレビを通じた広報、説明会の開催等にかかる予算としては、消費者向け、中小・小規模事業者向け合わせて、60億円強を計上しています。〉
 世耕大臣は自慢げに語っているが、ポスター・チラシの配布に、広告、説明会の開催で60億円なんてどうかしているとしか思えない。
 いずれにしても、事実関係ははっきりしたはずだ。内閣府14億円+経産省60億円。社会保障の充実を謳って消費税を増税しながら、安倍政権は本当に計74億円もの金を宣伝費に使っているのだ。
 この事実を知ると、安倍政権はもしかしたら、社会保障の充実どころか、景気維持すらまともに考えていないのではないか。そんな気さえしてくる。
実際、74億円を使って宣伝するプレミアム付き商品券もポイント還元制度も、その制度自体に様々な問題点が指摘されている。
 たとえば内閣府はHPで、プレミアム付商品券を〈25%もお得に買い物ができる〉と謳っているが、これは“ひとりあたり最大2万5000円分の商品券を2万円で購入できる”という仕組みだ。対象は住民税非課税の人と「学齢3歳未満の小さな乳幼児のいる子育て世帯」で、後者は3歳未満の子どものひとりにつき一枚、誕生日を一日でも過ぎていれば(2016年4月1日以前に生まれた子ども=引き上げ時に3歳半以上)対象にならない。有効期限も税率引き上げ後から6カ月に限定されている。言うまでもなく2%の増税はずっと家計を直撃し続けるわけで、これでは「一時しのぎ」との批判が出ても仕方がないだろう。
 プレミアム商品券は2015年にも消費税率8%引き上げに対する「緊急経済対策」として実施されたが、内閣府の分析ですらその経済効果は予算額2500億円の半分以下(1019億円)、みずほ総合研究所は個人消費の押し上げ効果を640億円程度と発表していた。
ポイント還元制度で国民の還元されるのは2798億円のうち1600億円
 ポイント還元についてはさらに問題が山積している。これは、クレジットカードや電子マネーを使って「中小店舗」で買い物をしたとき、最大5%分のポイントがつくというものだ。期間は引き上げ時から9カ月。そもそも制度自体が複雑であるというのはもちろん、キャッシュレス決済でのポイント還元は当然、高い買い物のほうが得られるポイントが多くなる。低所得者はカードの上限額が低かったり、そもそもそんな高額の買い物をする余裕などない。消費税は逆進性があり、増税の負担は低所得者ほど重いのだが、ポイント還元制度も同じように「金持ち優遇」なのである。これでは、景気対策につながるわけがない。
 要するに、安倍政権が景気対策として打ち出した制度は、いずれも金がかかるだけで、ほとんど効果が望めないものばかりなのだ。しかも、これまで指摘してきたように、予算の全額が景気対策に使われるわけでもなく、かなりの金額が広告代店を儲けさせるだけの宣伝・広報費に投入される。いや、広告費だけではない。ポイント還元制度では、2019年度予算2798億円のうち国民に還元されるのは1600億円程度で、残りは経産省などが経費として使う予定なのだ。この異常な予算配分に、政府内からは、首相に近い経産省が自分たちの利権拡大のためにポイント還元制度を強行したのではないかという声まで聞こえてきている。
 何度でも言うが、本来、消費税率引き上げによる税収は「すべて社会保障の充実に使う」はずだった。だからこそ、国民は生活がさらに苦しくなるのを我慢して、渋々消費増税を認めたのだ。にもかかわらず、安倍政権は、その貴重な血税を無駄遣いし、特定の省庁の利権拡大や企業を儲けさせるために使おうとしているのだ。
 本当にこんなことを許していいのか。ここで怒らなければ、国民は安倍政権の奴隷かのように舐められ続けることになるだろう。


トランプとの会談を前に安倍首相の“トウモロコシ爆買い”言い訳の嘘が次々発覚!「民間が買う」も「害虫被害のため」もフェイク
 明日25日(アメリカ時間)、安倍首相とトランプ大統領の日米首脳会談で、貿易協定をめぐる交渉がいよいよ大詰めを迎える。協定の署名は次回10月に見送られるとの情報もあるが、最終的な合意を確認する見通しだ。
 自動車関税については引き続き交渉が継続されるというが、アメリカとの貿易交渉においては、日本側が牛肉や豚肉などの関税を環太平洋経済連携協定(TPP)の水準まで引き下げられるなど、安倍政権がトランプに言われるがままに国益を差し出してきたことは、本サイトも繰り返し報じてきた通り。
 そのうえ、前回8月25日の首脳会談では、アメリカで余っている大量のトウモロコシまで押し売りされたことはご記憶だろうか。
 トランプ大統領は会談後、予定になかった記者発表を急遽、日本側に要請。そこでトランプ大統領は得意気にこう語った。
「中国がやると言ったことをやらなかったから、国中でトウモロコシが余っている。代わりに日本の安倍総理が、すべてのトウモロコシを買うことになった」
 しかも、トランプ大統領は安倍首相にも「トウモロコシについても発言を」と催促。安倍首相は、まずいと思ったのか、「買うのは民間、政府ではない」とやんわり訂正した。
 政府が買わずとも、買い上げ企業に補助金や税制優遇などをつけるのは目に見えているが、安倍首相のこの発言のあと、トランプ大統領には「日本では民間が政府の言うことをきくらしい。アメリカと違って」と言われる始末で、完全に“トランプの犬”であることが丸出しとなったのだ。
 こうして合計275万トン、数百億円規模のトウモロコシ購入を決定してしまったのである。
 しかし、ここに来て、この“トウモロコシ爆買い”をめぐり、安倍政権の嘘が次々と明らかになっている。
 安倍首相は「買うのは、政府でなく民間」と言っていたが、きのう23日の東京新聞によれば、主要な飼料メーカーなど6企業・団体に取材したところ、〈追加あるいは前倒しで購入する予定があると回答したのは一社もなかった〉のだという。また、本日24日の朝日新聞によれば、〈農水省には商社などから「トウモロコシを強制的に買わされるのか」などとの苦情の電話〉が相次ぎ、〈大手商社の間には「政府から『忖度(そんたく)』しろと無理強いされないか」との警戒感〉もあるという。
 しかも、「中国が買うと言っていた約束を破ったからトウモロコシが余っている」というトランプの説明も、どうやら嘘だったようだ。もともと中国はトウモロコシの自給率が高く、アメリカからもそれほど輸入していない。化石燃料による二酸化炭素排出量を減らすため、石油精製業者は燃料にエタノールを混ぜなければいけない規制があるのだが、トランプ政権がこの規制を緩和するため、エタノールの原料であるトウモロコシの米国内需要が大幅に減るためだったのだ。
 しかし、最大の嘘は、この“トウモロコシ爆買い”が「害虫被害のため」という安倍政権の説明だろう。
 トランプが押し売りする理由が中国との貿易摩擦だろうが、アメリカ国内の規制緩和だろうが、日本が必要のないトウモロコシを大量に押し付けられているのは明らか。
 にもかかわらず、“トウモロコシ爆買い”について菅義偉官房長官が「本年7月からガの幼虫がトウモロコシを食い荒らす被害が広がっており、現在11県で確認され全国的に拡大する可能性があるとのことです。このため飼料用のトウモロコシの供給が不足する可能性がある」などと話すなど、安倍政権はもっともらしい説明をしていた。
 ところが、この「害虫被害のため」という説明についても、デタラメであることが明らかになってきている。やはり23日の東京新聞によれば、取材に対し全国農業協同組合連合会(JA全農)の担当者は「降って湧いた話に驚いている」「米国産トウモロコシは食害に遭う国内産と用途が異なり、直接代替できない」と語っている。
 また、本日放送の『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日)でも、「それほど被害は出ていない」「影響はあまりない」という複数の農家のコメントを紹介していた。


核兵器製造会社への投融資 「日本の金融8社 実施」
 「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)運営団体の一つが、核兵器を製造する企業への資金提供をやめさせて核廃絶につなげる運動を展開している。毎年、主な核兵器製造企業に対する金融機関の投融資状況を公表。今年の発表では日本の八社が含まれていた。運動関係者は投融資をすぐに中止するよう求めている。 (大杉はるか)
 この団体はオランダの国際非政府組織(NGO)の「PAX」。核弾頭やミサイルの開発・製造・補修工程に関わる企業に対する各国金融機関の投融資状況を企業が公開している年次報告や経済専門のデータベースなどを利用して独自に算出。調査結果は二〇一二年から公表している。
 一九年版(投融資期間一七年一〜一九年一月)報告書によると、核兵器製造企業十八社に対し、世界全体で三百二十五の金融機関が計七千四百八十億ドル(約八十一兆円)超を提供した。日本では、三菱UFJフィナンシャル、みずほフィナンシャル、SMBCグループなど八社、計二百五十六億ドル(約二・八兆円)。一八年版より一社、金額も約七十億ドル増えた。
 本紙の取材に対し、前出の三社を含む七社が「個別の取引には回答できない」と答え、一社は「取引していない」と否定した。ある社は「傘下の子会社が海外で(核兵器製造企業の)株式運用をしている可能性があるが、直接の投融資ではない」と説明。複数社が、核関連だけでなく航空機やミサイルなど幅広い事業を扱う企業との取引は「線引きが難しい」と話した。
 これに対し、PAXのスージー・スナイダー核軍縮プログラムマネジャーは今月十四日の京都市での講演で「核兵器製造企業に投融資すれば、核兵器事業に使われないとの担保はない。だから投融資を避けようと言っている」と語った。
 核兵器の製造や保有に加え、製造・保有への援助を禁じる核兵器禁止条約は、日本などが参加するクラスター爆弾禁止条約(一〇年発効)も参考に制定された。今回指摘された八社のうち四社はクラスター爆弾の製造や製造企業への投融資禁止を公表している。
 スナイダー氏とともに講演した目加田説子中央大教授(国際政治学)は「先進国ではクラスター製造企業と取引のある金融機関は問題視される」と解説。核兵器製造企業への投融資にも一般預金者が厳しい目を向ける可能性を指摘した。 


N国市議に勝訴したライター「スラップ訴訟は民主主義をぶっ壊す」
全国の選挙を取材している選挙ウォッチャーちだい氏(41)が9月24日、NHKから国民を守る党(N国)所属の立川市議との裁判に勝訴したことを受け、記者会見を開いた。
ちだい氏は、ネット記事の記述が名誉毀損にあたるとして、立川市議の久保田学氏から200万円を求める裁判を起こされたが、言論活動の萎縮をねらった「スラップ訴訟」だとして反訴していた。
千葉地裁松戸支部(江尻禎裁判長)で9月19日にあった判決は、久保田氏の請求を棄却。さらに提訴自体が不法行為になるとして久保田氏に約78万5000円の支払いを命じた。
●アダルトグッズなどの送りつけ被害も
ちだい氏の自宅には、N国とのトラブルの過程で何者かからアダルトグッズや果物などが代引きで送られてくるようになり、大学や専門学校などの案内資料も毎日のように届いているという。
ちだい氏は、裁判について「弁護士に依頼することになり、経済的負担が大きかった」。裁判を起こすことだけでなく、大人数での嫌がらせなども問題視し、「議論ができなくなってしまう。民主主義を損ねる行為だ」と警鐘を鳴らした。
控訴するかどうかについて、久保田氏に電話取材したところ「お答えする言葉を持ち合わせておりません」との回答があり、「忙しいのでいいですか」と電話は切られた。ちだい氏側は仮に控訴された場合、「慰謝料の額を不服として、こちらも控訴する」としている。
なお、ちだい氏は同じ記事の別の記述についても、N国と立花孝志党首から名誉毀損で裁判を起こされており、係争中だ。
●N国・立花党首「スラップ訴訟」と動画で発言
ちだい氏はN国の立花党首が当選した、2017年11月の東京都葛飾区議選から本格的にN国の動向を取材しはじめた。
判決によると2018年6月、久保田氏が立川市議選に立候補したことについて、ネットメディアに「立川市に居住実態がほとんどない」とする記事を書いたところ、久保田氏から名誉毀損で訴えられていた。
裁判で久保田氏は代理人をつけず、居住実態を示すものとして住民票しか提出しなかった。選挙前に配信した自身の動画の中でも立川市に住んでいないかのような発言をしていたことなどもあり、裁判所は名誉毀損を認めなかった(真実性の判断はせず、真実相当性を認めた)。
この点について、ちだいさんの代理人・馬奈木厳太郎弁護士は「たとえば、公共料金の領収書など、格別の負担もなく証明できるのに、証拠を出さなかった」と指摘した。
また、久保田氏が2019年5月12日に配信した動画の中で、立花党首が今回の裁判について次のように発言していたことなどを踏まえ、裁判所は久保田氏による提訴自体が不法行為を構成すると判断している。
「この裁判は、そもそも勝って、ちだい君からお金を貰いにいくためにやった裁判じゃなくて、いわゆるスラップ訴訟、スラップっていうのは、裁判をして相手に経済的ダメージを与えるための裁判の事をスラップ訴訟と言うんですよ」(判決文ママ)


静岡県知事「リニア工事も空港駅も全部話そう」 大井川の水資源「失われれば戻ってこない」

大坂 直樹 : 東洋経済 記者
JR東海はリニア中央新幹線・品川―名古屋間の2027年開業を目指し、東京、神奈川、山梨、長野、岐阜、愛知というルート上の各都県で建設を進めている。しかし、ただひとつ、当初予定から2年たった今もまだ着工できていないのが静岡県だ。県の北端を11km通過するだけで距離は短いのだが、県は「トンネル工事で大井川の水資源が大量に失われ、流域自治体や利水者の理解が得られない」として、県区間における工事の本格着工を認めていない。
両者の間で大井川の水資源問題について専門的見地からの意見交換が重ねられ、JR東海は9月6日、県がまとめた中間意見書に対する回答書を県に提出した。ただ、両者に歩み寄りの気配は見えない。
「JR東海は失礼千万」「JR東海に媚を売る必要はない」と過激な発言でメディアをにぎわす川勝平太知事の真意はどこにあるのか。知事を直撃した。
めっきり減った大井川の水量
――大井川の水資源問題に関するJR東海の回答書をどう評価しますか。
200ページ近いボリュームで、たくさんの図表を使ってわかりやすく説明されており、非常に誠実な回答でした。これによって論点がはっきりしました。
昔は「越すに越されぬ大井川」と歌われるくらい水量の多かった大井川ですが、近年は水量がめっきり減ってしまいました。河口に近づくにつれ、砂州がどんどん迫っていることがわかります。今は1年のうち半分は節水をお願いしています。
県の人口の6分の1に当たる62万人が大井川流域にお住まいで、水道用水を大井川に依拠しています。このほかに工業用水、農業用水など多くの事業者や農家の方が大井川の水を利用しています。
工事によって毎秒最大2トンの水が出ると予測されていますが、そんなところがほかにありますか。南アルプスのトンネルを掘って出た湧水は全量を大井川に戻さないといけない。4〜5年かかりましたが、ようやく昨年秋にJR東海から「全量を戻す」とお約束いただきました。しかし今回の回答書で、全量を戻す技術的な体系ができていないことがわかりました。問題点が明確になったのです。
注:JR東海はトンネル工事に際し、覆工コンクリート、防水シート、薬液注入など何の対策も行わない場合に、河川流量が毎秒2トン程度減少すると予測しているが、実際には地質に応じた施工方法を実施することにより、減少量は予測よりも少なくできるとしている。当初JR東海は県知事や国土交通大臣意見を踏まえ実際の河川流量への影響を把握した上で、流量の減少分を戻すとしていたが、県の意向を踏まえて昨年10月に、原則としてトンネル湧水量の全量を戻すと表明した。県や利水者は「河川流量への影響を特定でき、その影響を回避できるのであればその方策を認める」としている。JR東海によれば、現在は「全量を戻す」という点について、詳細まで県や利水者に説明しておらず、現在は議論中の段階。
山梨、長野、静岡の3工区に分かれるトンネル工事のうち、山梨、長野の工事が先行しており、トンネルが山梨、長野とつながるまでの間は静岡県内の湧水が山梨・長野側に流出する可能性がある。JR東海は湧水量を低減させる対策を実施するととともに、本坑よりも小さい先進坑と呼ばれるトンネルをできるだけ早く両県とつなぎ、湧水が両県に流出する期間を短くできるよう検討中としている。
南アルプストンネルの静岡と山梨の工区の間に畑薙山断層があります。断層は水がたまりやすい場所なのです。現場に行くとわかりますが、畑薙山断層の途中から水が噴き出しています。トンネル工事で畑薙山断層を掘ったら大量の湧水が発生することになります。トンネルは静岡県側が高く、山梨県側が低いので、水は山梨県側に流れていきます。静岡県は膨大な水を失ってしまいます。
水は失われると戻ってこない
かつて東海道本線の丹那トンネルを掘っていたとき、丹那断層にぶち当たって芦ノ湖の3倍ともいわれるほど大量の湧水が出ました。当時の丹那盆地には水田があり、わさびも作っていた。でも今は水がなくなって牧草地です。酪農を行い丹那牛乳がここで作られています。水が失われると戻ってこない。そういうところを掘るのでしたら、もっと慎重でないといけない。
トンネルがつながったら全量戻すとJR東海は説明していますが、「水がめ」から水が出てしまったあとに残りの水を戻すというのはとんでもない話です。サッポロビールの工場が焼津にありますが、大井川の地下水を使っています。また、2008年の北海道洞爺湖サミットで「世界で最もおいしい日本酒」として乾杯用のお酒に採用された「磯自慢」も大井川の地下水を使っています。磯自慢酒造の社長からは「水脈が途切れると、うちはやっていけない」という趣旨の、悲鳴のような手紙をもらいました。
――水問題を解決する技術的な方法は見つかるのでしょうか。
見つかるかもしれません。技術とはそういう類のものではないでしょうか。例えば、掘って出てきた水をすぐに凍結させて流れないようにするとか。水という希少なものを守りながら掘る技術を開発することがJR東海の課題だと思います。
――リニア中央新幹線計画についてはどうお考えですか。
私は京都出身です。2007年に静岡文化芸術大学の学長になり、2009年に知事になりました。ですから静岡には12年しかいません。
その間、国土審議会の委員を1996年から昨年までおよそ四半世紀やってきました。リニア3大都市圏を1つにまとめる「スーパー・メガリージョン構想」の策定委員の1人でした。
1999年くらいからリニアにも乗っています。だから私はリニアに全面的に賛成していますよ。
もともと全面協力していた
静岡を通ることがわかったのは私が知事になってからです。ルートが決まってすぐに考えたことがあります。当時の東海道新幹線は1時間に平均13本走っていましたが、そのうち9本が静岡県内に止まらない速達タイプの「のぞみ」、残り4本が「ひかり」と「こだま」2本ずつです。リニアができれば、のぞみの機能はリニアが担いますから、東海道新幹線はひかりとこだまが中心になる。静岡県内に停車する本数が増えるのです。
2011年に交通政策審議会中央新幹線小委員会でリニアに関する答申が出されましたが、そこには「新駅の設置などの可能性」が生じるという記載があります。委員会の委員長をされていた家田仁先生(現・政策研究大学院大学教授)が「これは空港の下の駅ですよ」と、私にわざわざ言ってくださった。
注:JR東海は2010年5月の中央新幹線小委員会で、リニアが開業すればダイヤに余裕ができるため「新駅設置の可能性が広がる」と説明している(場所は特定していない)。静岡県は2010年7月の中央新幹線小委員会で富士山静岡空港の真下に東海道新幹線の新駅を設置する提案を行っている。2011年5月にまとめられた答申では「新駅設置の可能性」について触れられたものの、場所についての記載はない。空港の下に駅ができるかどうかについて家田氏は「そんな発言をした覚えはない」と知事の発言を否定している。
リニアのルートが決まって、すぐに静岡圏内の現場を見に行きました。標高1500mのところで1泊して、そこからさらに500m登って、どこを通るか確かめた。掘った土の置き場所になりそうな場所も探して、JR東海に教えました。最初はそのくらい全面的に協力していたのです。水の問題は、最初は軽視というか、まったく気がつきませんでした。
――東海道新幹線でメリットがあれば、県として水問題で譲れる部分はありますか。
皆無です。
――6月11日の定例会見で「静岡県に代償が必要」と発言しました。この代償とは何ですか。
水問題はプライスレス。お金に換算できません。静岡県のGDPは16兆円くらいありますから、6分の1で2.7兆円。これを仮に30年補償するとしたら81兆円。実際、そんな金額の補償は無理な話です。会見では、「他県ではリニア中間駅の建設にJR東海はいくら払うのか」という発言をしましたが、この地域はお金に変えられない水というものに依拠しているということをわかってほしかったというのが真意です。
――水量の問題が解決すれば、ほかに問題はありませんか。
生態系に影響しかねない水質の問題も重要です。また、南アルプスは年間4mm隆起しているので、ちょっとしたきっかけでトンネル工事で発生する土の置き場が崩れかねない。今は川筋に広場を作ってそこに置くことになっていますが、崩れたら土が川に流れ込むため大変なことになります。発生土置き場の管理は難しい問題なのです。
6月13日にJR東海の宇野護副社長といっしょに工事予定の現場を視察しました。現場に向かう道路は落石が多くでこぼこで、車がパンクしてしまいました。宇野さんに「どうして整備しないのですか」と聞いたら、「やる」とおっしゃっていただきました。ですから、もう整備が始まったはずです。作業員の中には県民の方もいますから、安全確保が必要です。
注:JR東海は土砂崩壊などが起きない安定した地盤の上に発生土を置き、工事完了後も責任を持って維持管理していくと説明している。
工事現場に向かう林道は静岡市が管理しており、2015年10月から市とJR東海の間で安全確保のための改良に向けて協議が続けられてきた。改良工事に必要な費用80億円をJR東海が負担することで7月1日に協定が結ばれた。
防げる問題は防がなければ
――名古屋では2027年のリニア開業を見据えた開発が行われており、東京や中間駅でも2027年開業に対する期待が高まる一方です。工事が遅れて2027年に開業できないと困る人も大勢います。
そうでしょうね。でも、新東名高速道路の秦野IC―御殿場IC間は想定以上の断層破砕帯が確認され、つい最近、開通時期が2020年度から2023年度に延びました。中部横断自動車道も工事が遅れています。軟弱土質にぶつかったり、重金属が見つかったり。自然が相手ですから。
今回の水問題もそういうことです。リニアは何の支障もなければ2027年に開業すべきです。しかし、水問題という大きな支障が起きているのです。
もし地震が予知できるとして、もうすぐ地震が起きるぞとなったら事前に対策を取るでしょう。それが危機管理というものです。今回、もし水が失われれば60万人もの人たちに影響がある。危機の可能性に気づいているのに何もしないわけにはいかない。事前に防げるのであれば、防がないといけないのです。
実は私1人が前のめりになって発言しているのではないかと気にしていたのですが、静岡県のあるテレビ局が8月にアンケート調査を行ったところ、「リニア新幹線の静岡県内の工事によって大井川の水が減る恐れがあることを知っていますか」という質問に対し、「知っている」が87%、「知らない」が13%でした。また、「大井川の水問題の対策をめぐりJR東海と対立する川勝知事の姿勢を支持しますか」という質問に対し、「支持する」が60%、「支持しない」が18%でした(「わからない」が22%)。さらに県とJRの合意が遅れることで、2027年のリニア開業が遅れてもいいかという質問に対し、「遅れてもいい」と答えた人は57%、「遅らせるべきではない」は24%でした(「わからない」が19%)。静岡県はこういう状況ですよ。静岡県民にとって、水はこれほど重要な問題なのです。

こたつ出す/麻婆豆腐/新大阪ぶらぶら・シップ/セックステープ→摩擦?

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La Suisse aussi a sa ≪Greta≫
La Bâloise Marie-Claire Graf est à New York, où elle a représenté, pleine de détermination, la Suisse au Sommet sur le climat de la jeunesse. Ce lundi, elle suivra avec attention les promesses des chefs d’Etat
La ≪Greta suisse≫. Ce surnom, Marie-Claire Graf va devoir s’y habituer, tant l’activiste suédoise devenue une icône, qui agace ou qui fascine, prend de la place. Mais elle s’en accommode. Pour elle, l’essentiel est ailleurs: rappeler que la crise climatique est une urgence, qu’il ne faut plus attendre pour agir.
A la sauce américaine
D’ailleurs, vendredi, alors qu’elle a participé à la grève pour le climat dans les rues de Manhattan, elle a déploré le côté ≪grande fête≫ à Battery Park, où la marche s’est terminée après avoir traversé le quartier financier de New York. Il y avait des rappeurs sur une grande scène, de même que les chanteurs Willow et Jaden Smith, les enfants de l’acteur Will Smith, avant les discours de jeunes activistes dont Greta Thunberg.
≪C’est probablement la manière américaine de faire. Mais pour moi, il y a un risque de perte de crédibilité. Nous devons être pris au sérieux et pouvoir participer aux prises de décision et aux négociations. Nous avons des solutions à proposer pour les Objectifs du développement durable. J’aurais donc préféré que nos buts soient clairement exprimés et, par exemple, qu’un jeune scientifique soit présent pour rendre compte de l’urgence climatique≫, raconte-t-elle assise sur un banc du parc, une fois la fête terminée. ≪En Suisse, nos marches sont beaucoup plus axées sur le message à transmettre.≫
Marie-Claire Graf est une femme de 23 ans, très vive, au débit de parole rapide. Derrière ses lunettes au cadre noir, ses yeux pétillent. La Bâloise a représenté samedi la jeunesse suisse au premier Youth Climate Summit onusien, en présence de 499 autres jeunes leaders de tous les continents, sélectionnés parmi 7000 candidats âgés de 18 à 26 ans. Une journée qui n’a débouché sur aucune résolution. L’étudiante en sciences politiques à l’Université de Zurich compte multiplier les rencontres à New York. Ce lundi, tout comme Greta Thunberg qui a déjà pu rencontrer Barack Obama et le secrétaire général de l’ONU, elle assiste au sommet de l’ONU sur le climat où 63 chefs d’Etat interviendront, avec un grand absent: Donald Trump.
Si Greta Thunberg s’est déplacée en voilier de course zéro carbone pour venir à New York, Marie-Claire Graf a pris l’avion. Mais les émissions de carbone de son vol seront compensées par l’ONU. ≪J’ai été sélectionnée avec 99 autres jeunes pour bénéficier d’un billet vert≫, explique-t-elle. En décembre, elle se rendra à la COP 25 au Chili, où elle fera partie de la délégation officielle suisse. Elle ira peut-être en bateau et en bus. Elle vient de passer son permis voile. ≪Mais tout dépendra des vents et des courants. Il faut que je me renseigne!≫
A l’origine de la Semaine de la durabilité
Marie-Claire Graf, qui vit à Zurich, n’a pas attendu le phénomène Greta Thunberg pour agir. Elle a bien lancé, avec d’autres jeunes, les ≪Fridays for Future≫ (grève de l’école pour le climat) version suisse, dans le sillage de la grève instaurée par Greta Thunberg en 2018 à Stockholm. Mais elle est surtout à l’origine, en Suisse, de la Semaine de la durabilité, un grand mouvement d’action estudiantin en faveur du développement durable inauguré en été 2017, qui a, depuis, essaimé à l’étranger. Son but: sensibiliser les étudiants à leur impact sur l’environnement.
A quand remonte sa prise de conscience que le climat est une cause importante pour laquelle il fallait s’engager? C’était vers l’âge de 8-9 ans, confie-t-elle, lors d’une expédition sur le glacier de Morteratsch. Un panneau explicatif mettait en exergue sa fonte.
Aujourd’hui, la Bâloise fait partie de nombreux comités. L’hyperactivité ne lui fait pas peur. Jeune ≪Climate Reality Leader≫ entraînée par l’ancien vice-président américain Al Gore, elle est très à l’aise dans la communication et maîtrise bien l’anglais. Ce qui la différencie de Greta Thunberg, avec laquelle elle s’est entretenue plusieurs fois? ≪Greta a lancé son action par une grève, alors que de mon côté je préfère privilégier le dialogue. Même si maintenant je fais aussi la grève.≫
Nous passons devant Alexandria Villaseñor, une jeune activiste du climat américaine, en pleine séance photo. Marie-Claire Graf veut absolument la saluer. ≪La mobilisation a démarré très lentement aux Etats-Unis. Alexandria a pendant longtemps été toute seule à camper devant le siège de l’ONU, où je suis une fois allée la rejoindre. Et regardez maintenant cette foule dans les rues de New York!≫ Lors de son séjour new-yorkais, Marie-Claire Graf restera en contact étroit avec la Mission suisse à l’ONU. Son ambassadeur Jürg Lauber ne cache pas son admiration à l’égard des jeunes. ≪Ils ont réussi à imposer leur voix à propos du climat. Nous ne pouvons pas ignorer ce qui se passe≫, commente-t-il. Et de rappeler que le sommet onusien sur le climat de lundi est aussi une réponse à leurs revendications.
Trois minutes qui comptent
Ueli Maurer n’était dans un premier temps pas prévu parmi les interlocuteurs du sommet onusien sur le climat de lundi
Trois minutes. Ces trois minutes-là, la diplomatie suisse a dû batailler fort pour qu’Ueli Maurer les obtienne. Ce lundi, à New York, le président de la Confédération fera partie des 63 chefs d’Etat qui interviendront lors du sommet de l’ONU sur le climat. Et c’est plutôt un exploit: les places sont très convoitées, l’organisation du sommet se déroule dans une certaine nervosité, et initialement la Suisse ne faisait pas partie des pays sélectionnés. La raison: la Suisse ne s’est accordée que tardivement, le 28 août, sur les nouveaux objectifs à présenter. Mais le lobbying de la diplomatie suisse a fini par fonctionner. In extremis: la Confédération a été le dernier Etat à se greffer à la liste!
A la tribune, Ueli Maurer va annoncer la volonté de son pays d’atteindre la neutralité climatique d’ici à 2050. En ratifiant l’Accord de Paris, la Suisse s’était engagée à réduire de moitié ses émissions de gaz à effet de serre d’ici à 2030, et de 70 à 85% d’ici à l’horizon 2050. Mais depuis, les prévisions scientifiques sont devenues plus alarmantes. La voilà donc à viser un objectif plus ambitieux, comme d’autres Etats. Le but reste de contribuer, au niveau mondial, à limiter le réchauffement climatique à moins de 1,5°C. La Suisse a par ailleurs présenté samedi, avec les Pays-Bas, une initiative qui devrait permettre aux investisseurs de mesurer, sur une base volontaire et anonyme, l’impact climatique de leurs engagements financiers.
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フランス語の勉強?
山崎 雅弘 @mas__yamazaki
昨日深夜に放送された、大阪毎日放送「ガチウヨ〜主権は誰の手にあるのか〜」、見応えのある番組だった。親米右翼やヘイトデモには寛容な警察も、米大使館前で日本人として抗議する「ガチウヨ」は敵視して5人がかりで威圧する。超かっこ悪い(警官が)。せやろがいおじさんのナレーションも良かった。
ガイチ @gaitifuji
見出しでも小馬鹿にされ、本文でも「G7で唯一、二酸化炭素排出量規制にほとんど対応していない日本の新しい環境大臣である小泉進次郎は、具体案を一切持たずにニューヨークにやってきた」とか、書かれる始末
Climate change fight should be 'sexy' and 'fun', Japan's new environment minister says

Mariko Oi 大井真理子@BBCMarikoOi
セクシー発言よりも驚いたのは、
「石炭は温暖化の大きな原因。脱石炭火力発電に向けて今後どうする?」
「Reduce it(減らす)」
「どうやって?」
「……」
「先週大臣になったばかりなので同僚と話し合ってる。」

アニ @gorotaku
進次郎発言のポイントは、sexyとかgonnaが口語的すぎるとかじゃないと思うよ。スウェーデンの16歳が始めた学校ストライキが世界中に広がり、百万人規模の若者が運動に参加している世界で、「環境問題は楽しくてクールでセクシーじゃなきゃ若い人ついてこないよね!」という虚無ですよ
このIndependent記事が揶揄してるのもそこで、「ところで東京を含む世界中で、何百万という若者が、政府が温室効果ガスのコントロールに失敗したことに対する恐怖と怒り怒り(fear and outrage)を表現するためにデモしてるけどね」という一節が挟まれている
で、この#FridaysforFutureって運動の始まりであるグレタ・トゥンベリ氏がヨットでNYまで行って怒りの演説をしている、まさにその国際会議に参加するためにその場にいるのに、「セクシーじゃなきゃ若者はついてこないからね!」とかいうハイパー虚無発言ですよ 


こたつ出しました.テーブルとして使うためです.まだ寒くないです.学生の頃Yuさんからもらったものです.10年以上使ってなかったのでホコリまみれです.
お昼は麻婆豆腐で,デザートはわらびもち.
自転車で新大阪まで行きます.淡路の商店街を抜けてすぐです.ぶらぶらしていろいろ買いました.シップも.台風17号で金沢行きのサンダーバードが運休です.
晩ご飯はパスタ.キノコパスタとイカスミパスタ.こんにゃく入り麺です.
ゲオでセックステープを借りました.なかなか面白いです.
なぜかその後摩擦係が活躍することに.

<東日本大震災>ラグビーW杯会場周辺で高校生らが語り部 25日・釜石
 ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会の観客に東日本大震災の教訓を伝えようと、フィジー対ウルグアイ戦が行われる釜石市の釜石鵜住居復興スタジアム周辺で25日、市内の高校生3人が語り部に挑戦する。
 語り部を務めるのは釜石高3年の野呂文香(あやか)さん(18)、洞口留伊(るい)さん(17)、佐々木千芽(ゆきめ)さん(17)。野呂さんは「世界の人に支援への感謝を伝えるとともに、震災で何が起きたのか知ってもらいたい」と話す。
 スタジアムは津波で全壊した小中学校の跡地に建つ。21日にはスタジアムにある祈念碑の由来を、小学校職員だった妻を震災で亡くした釜石市の木村正明さん(63)に学んだ。
 「人は自然災害に勝てない。逃げる大切さを世界に発信してほしい」と訴える木村さん。洞口さんは「一人でも多く全身全霊で語り掛けたい」と誓い、佐々木さんは「避難所生活や仮設校舎の様子も説明したい」と決意を語った。
 試合当日の語り部活動には釜石観光ガイド会なども加わる。スタジアムに近い市の伝承施設「いのちをつなぐ未来館」周辺では別の高校生グループが、震災について日本語と英語で説明文を付した伝承うちわを配布する。


陸前高田 祈り願う 国営追悼・祈念施設の一部を一般公開
 東日本大震災で壊滅的な被害を受けた岩手県陸前高田市に整備する国営追悼・祈念施設の一部で22日、一般公開が始まった。施設に隣接して岩手県震災津波伝承館、道の駅「高田松原」も同日、開館、開業した。
 追悼・祈念施設は、津波浸水域に整備する高田松原津波復興祈念公園(総面積約130ヘクタール)に位置する。国などが岩手、宮城、福島の3県に整備する復興祈念公園では最初の施設公開となる。
 献花台に花を手向けた陸前高田市高田一中3年の菅野陽菜子(ひなこ)さん(15)は「亡くなった方々の分まで私たちが復興に携わっていかなければならない」と語った。
 復興祈念公園は2020年度までに全体の整備を終える。総事業費は約100億円を見込む。敷地内に点在する震災遺構のうち旧気仙中校舎、旧道の駅は21年度の内部公開を目指す。


脅威 生々しく 陸前高田・県津波伝承館が開館
 岩手県東日本大震災津波伝承館が岩手県陸前高田市の国営高田松原津波復興祈念公園内に完成し22日、開館した。遺物や映像、被災者の証言で津波の脅威を伝え、広く教訓を発信する。
 館内には震災資料約150点を展示。津波で流失した市内の気仙川河口に架かっていた気仙大橋の橋桁の一部、同県田野畑村で被災した消防車両を展示した。
 「教訓を学ぶ」エリアは地震発生直後からの主な出来事を時系列に並べ、津波の犠牲になった人や助かった人の行動を紹介する。
 初日の入館者は約2000人。震災後初めて陸前高田市を訪れたという一関市の会社員菅原健弘さん(31)は「証言が心に刺さり、胸が痛んだ。当たり前の日常の大切さを改めて感じた」と話した。
 熊谷正則副館長は「何百年も続けていかなければならない施設。各地の伝承関係者との人的ネットワークも築きたい」と語った。
[岩手県東日本大震災津波伝承館]鉄筋コンクリート2階で展示面積は1155平方メートル。展示制作費は約7億7000万円。併設する道の駅「高田松原」と合わせて建物は国が計21億円で整備した。被災3県では最初の県営震災伝承施設の開館となる。開館は午前9時〜午後5時。入場無料。連絡先は同館0192(47)4455。


<東電強制起訴・無罪判決>識者の視点(上)/社会通念の範囲疑問
 東京電力福島第1原発事故の刑事責任を巡り、東京地裁は旧経営陣3人に無罪判決を言い渡した。「事故当時の社会通念からすれば、原発は絶対の安全を求められていたわけではない」と判断した司法。社会は原発とどう向き合うべきか。判決への評価と現実の課題を識者に聞いた。(聞き手は福島総局・斉藤隼人、近藤遼祐)
◎元裁判官・法政大法科大学院教授 水野智幸氏(57)
 原発の安全性に対する当時の「社会通念」が過失判断の基礎となるが、地裁はこの社会通念を「法令の規制」のみとした。責任追及の範囲をあまりに狭める考え方だ。原発反対論は事故前からあり、国側の意見にすぎない法令を社会通念と言うことには疑問がある。
 人工知能や自動運転、遺伝子操作など法令上の規制が追いつかない先端分野は多い。今後はリスク管理の在り方について、社会的な議論が必要になるだろう。
 判決は「原発に極めて高度の安全性は求められていない」とした。これは市民にとって意外な指摘ではないか。実際に深刻な事故が起きてもこうした司法判断がされることを忘れず、今後は国や事業者の説明を冷静に見極め、自分の行動を決めていくしかない。
 本来、大規模事故の調査は強制力を持つ事故調査委員会方式が妥当だ。責任を追及しない代わりに真実を述べてもらう制度で、諸外国にはある。再発防止の観点からは最も望ましい。
 今回は複数の調査委が設置されたが、調査に強制力がなく不十分なまま終わった。刑事裁判は大事故の原因究明や再発防止を目的とするには決して適切ではないが、現状はやむを得ない。


<東電強制起訴・無罪判決>識者の視点(上)/ムラの思考に無批判
 東京電力福島第1原発事故の刑事責任を巡り、東京地裁は旧経営陣3人に無罪判決を言い渡した。「事故当時の社会通念からすれば、原発は絶対の安全を求められていたわけではない」と判断した司法。社会は原発とどう向き合うべきか。判決への評価と現実の課題を識者に聞いた。(聞き手は福島総局・斉藤隼人、近藤遼祐)
◎元京都地検検事正・弁護士 古川元晴氏(77)
 津波により原発事故が起こる危険が予測され、どれだけの根拠があれば事業者に対策を義務付けられるかが問われた。原発事業者は高度の注意義務が課されていると解するのが市民の常識のはずだが、判決はそこを論じていない。社会への重大な危険を軽視し、原発の稼働を重視した判断だ。
 東電の無責任体質がよしとされれば、将来また事故が起きかねない。判決は事実上、事故当時の原子力ムラの考え方を「社会通念」として無批判に採用した。全体として極めて不当な内容になっている。
 この事故は当初から強制捜査の必要性が指摘されていた。結局、検察は強制捜査をせずに不起訴処分にしたが、厳正な処理とは評価できない。一方、検察審査会が使命を適切に果たし、公開の裁判で審理されたことは高く評価すべきだ。
 事故後、複数の事故調査委員会が報告書を出し、特に国会事故調報告は「事故は人災」と断定した。だが、関係機関の誰も全く責任を問われない状況が続く。
 責任追及の場は司法しかないのが実情なのに、今回のように市民感覚と乖離(かいり)した判断が出る。事態は深刻で、国家の重い課題と捉えなければならない。


河北春秋
 気仙沼漁港に今季2度目のサンマの水揚げがあった今月中旬、気仙沼市内にある行きつけの店の昼食に「サンマ塩焼き定食」はなかった。「やせていて、お客さんに喜んでもらえるようなものじゃなかったよ」と店主。今季は一度もサンマを提供できていない▼先月27日、市内のスーパーに並んだ「気仙沼港初水揚げ」のサンマに、2匹658円の値が付いていた。かつて「トラックの荷台からこぼれ落ちるサンマ」の光景を見慣れた気仙沼市民にとっては、信じられない高値。手に取った年配の女性は「高級魚ね」とこぼした▼カツオは何とか盛り返したが、サンマは不漁が続く。漁場が遠く油代をにらむ漁師、今春開所した市の新魚市場、加工業者、ゆうパック、観光に至るまで影響は大きい。漁は来年以降も不透明だ。「今までにない局面。サンマ漁、サンマに関わる流通、文化が根本から変化に対応しなければならない」と語る市幹部の表情は硬い▼気仙沼市大島出身の詩人水上不二の詩に次の一節がある。<コスモス コスモス うれしそう、さんまが たくさん とれたから、さんま、さんま、さんま、あしたも たくさん とれるから>。1960年の作▼水上独特のリフレインが伝える沸き立つような秋の気分が、気仙沼に戻る日は来るのか。

会津まつり藩公行列 拍手と声援「ありがとなし」 綾瀬はるかさん、鈴木梨央さんが今年も参加
 福島県会津地方を築いた先人に感謝する「会津まつり」は22日、メインの藩公行列が会津若松市中心部で行われた。67回目の今回は歴代領主・藩主にまつわる総勢500人による歴史絵巻を展開した。
 葦名直盛、伊達政宗、蒲生氏郷、松平容保ら歴代の領主・藩主と武者などに扮(ふん)した一行は鶴ケ城での出陣式の後、一斉に街に繰り出した。奥羽越列藩同盟を組んだ仙台藩からは遠藤家花山鉄砲組(栗原市)が参加し、沿道を埋めた見物客は拍手と声援を送った。
 特別ゲストはNHK大河ドラマ「八重の桜」で山本八重を演じた俳優綾瀬はるかさんが6年連続、八重の子ども時代を演じた鈴木梨央さんが2年連続で参加。花車に乗った綾瀬さんは「今年もありがとなし」と会津弁で呼び掛けた。
 最終日の23日は午後2時から同市城前町の県立病院跡地で、日光東照宮流鏑馬(やぶさめ)特別公演がある。無料。


日韓友好共に願う 安重根と千葉十七を顕彰 栗原で合同法要
 初代韓国統監の伊藤博文を1909年に暗殺し、死刑となった韓国の独立運動家安重根と、その看守だった千葉十七をしのぶ第39回合同法要が22日、栗原市若柳の大林寺であった。日韓両国から約130人が参列し、東洋の平和を願った2人の冥福を祈り、悪化の一途をたどる両国の政治情勢に惑わされず、民間交流を続けることを確認した。
 合同法要は、住民有志と在日韓国人らが千葉の菩提(ぼだい)寺の大林寺に2人の顕彰碑を建立した81年から続く。
 今年は韓国から11人が参列した。訪問団団長の金漢克さん(84)は「政治による両国関係の悪化はあってはならないこと。国民同士の親密な交流で困難を乗り越えたい」と話した。
 千葉の親族の栗原市栗駒、農業千葉政一さん(66)は「十七は今よりも厳しい状況下で(安と)信じ合った。政治がこんな状況だからこそ、2人の気持ちを大切にすべきだ」と語った。
 韓国からの訪問団は、両国関係悪化の影響で例年より10人ほど少なかった。しかし、関係改善を願う地元住民、国内の在日韓国人らが多数訪れ、全体の参列者は昨年よりも3割増えた。
 大林寺住職の斎藤泰彦さん(84)は「関係がぎくしゃくしているからこそ民間交流を続ける必要がある」と訴える。
 安は09年、旧満州のハルビン駅で伊藤博文を暗殺。栗原市出身の千葉は収監中に看守として接し、安の東洋平和の思想や見識、人格に敬意を抱くようになり厚遇した。
 安は処刑前、「韓日友好がよみがえったとき、生まれ変わってお会いしたい」と告げ、千葉も両国の友好を願う日々を生涯送ったという。


佐賀豪雨から1カ月 防災力強化へ危機意識の共有を
 佐賀県内に甚大な被害をもたらした8月末の「佐賀豪雨」から、間もなく1カ月。少しずつだが「日常」を取り戻してきた今、記憶が薄れないうちに防災体制の再検証が必要だ。台風シーズンはまだまだ続く。気を抜くことなく、準備を怠らないようにしたい。
 日本の温暖な気候が亜熱帯化しているのだろうか、死者を伴う風水害が全国で頻発。毎年、何らかの異常気象に悩まされ、それに伴い災害が発生するという前提で、準備をしなければならなくなった。
 防災の在り方を見つめ直す際、大前提として、「自分の命を守るのは、自分の責任」という意識を持つことが必要だろう。
 しかし、過去の大災害を自分の身に置き換えて考えることは少なく、「そんな大災害が自分の町に起きるはずがない」「自分の身に降りかかることはない」「災害が起きてもぎりぎりで乗り切れる」と、都合よく考えていないか。実際に災害が起きてからでは遅い。まずは、「災害が起きる」という前提に立ち、地域全体で危機意識を共有することが必要だ。
 どんなにひどい災害に遭っても、命が助かれば、立ち上がっていける。まずは「自分と家族の命を守ること」を考えよう。防災の知識を蓄え、防災グッズの購入や家族間の連絡方法の確認など家庭でできる取り組みを進めよう。今回の佐賀豪雨の被害について知人、友人で報告し合い、何が問題だったのか、何が役に立ったか、どんな情報が欲しかったのかなど経験を共有しておこう。そして、「(大丈夫)だろう」ではなく、「(駄目、危ない)かもしれない」という意識を持つようにしたい。度重なる災害で、携帯電話への緊急速報など、行政からの情報伝達も早くなった。警戒レベル3で高齢者や障害者は避難を始め、レベル4では全員が避難しなければならない。
 問題は、レベル3、レベル4と認知しても、「自分の身に災難が降りかかることはない」と考えてしまい、行動を起こさないことだ。安全に避難できるうちはまだ、道路も冠水していないだろう。自宅周辺だけを確認し、「まだ大丈夫」と思ってしまいがちだ。
 だが、道路の冠水が始まってからでは安全に避難できない。せめて、避難ルートをいくつか考え、家族で確認しておこう。避難時の携行品なども事前に準備できるはずだ。繰り返しになるが、防災で問われるのは住民の意識。一人一人のちょっとした備えが大きな「減災」につながる。
 自分の備えが済んだら、隣近所に声かけをしてほしい。今回の佐賀豪雨を受け、全国から大勢のボランティアが駆け付けてくれた。元気な人が傷ついた人、困っている人を助け、支える。当たり前のようだが、つながることの大切さをあらためて感じさせてくれた。
 災害発生の恐れが高まった時、頼りになるのは隣近所。そのためには、普段からの近所付き合いが大切だ。まずはあいさつを交わし合う関係をつくろう。高齢者や障害者など災害弱者が住みやすい町には支え合いという大切なソフトがある。そんな町は災害にも強いはずだ。復興や今後の防災策を描く中に、「地域の力」をつける取り組みを加えていきたい。(中島義彦)


台風15号の被災地に行って感じた「不謹慎」という言葉の意味/歌舞伎町・女社長の決意
―[歌舞伎町流「欲望のすヽめ」]―
 9月9日未明の台風の影響で、千葉県を中心に大規模停電が起こりました。停電の影響で断水している箇所も多くて、未だに復旧の目処がたっていないところも多いようです。まずは、被害に遭われた皆様に、心よりお見舞い申し上げるとともに、一日でも早い復興を祈念いたします。
 そこで今回は、災害を目の当たりにしたときに思ったことについてお話ししようと思います。
台風の翌日、千葉の館山に行ってみて…
 台風の翌日、ジェットスキーや保管場所が心配だったので、千葉の館山に行ってきました。屋根がふっ飛んですごい状態になっていました。
 道の駅、富楽里は閉鎖されていて建物が倒壊していました。信号も曲がっていて、太い木が倒れていて、セブン-イレブンは看板と屋根が飛んでいて、その近くの薬局は横の窓ガラスが全部割れて商品が散乱していました。
 携帯の電波は入らず、後から聞くと無料Wi-Fiが解放されていたらしいのですが、知らなかったので、館山にいる間は連絡手段がずっと断絶されていました。
 電気も水道も止まっていたので、コンビニも冷蔵商品、冷凍商品は全部棚から消えて、お菓子だけを販売していました。
カップラーメンを買ったところで…
 お昼に「今からイオンが開きます」と放送があったので、私たちも行ってみることにしました。
 駐車場は満杯で、レジには600人くらい人が並んでいたのではないでしょうか。
 何か食べ物を買いたいと思いましたが、惣菜、パンなどはすべてなくなっていて、冷蔵や冷凍の必要のないお菓子や調味料やカップラーメンは置いてあったのですが、どうせカップラーメンを買ったところでお湯がないから食べられないということに気づいて、諦めて何も買わずにイオンを後にしました。
 しばらく車を走らせていると、信号が青や赤に光っているところがあって、この場所は電気が通っているのだと思って自動販売機にお金を入れてみると、やっと飲み物を買うことができました。
マクドナルド、ガスト…現地の食事場
 その後、またしばらく車を走らせているとマクドナルドのドライブスルーが開いていました。でも車の中で何か食べると気が滅入るので、またしばらく車を走らせていると、ガストが開いていました。
 中に入ると、店員さんも少なかったので、席は空いているのに、入り口が順番待ちの人で溢れていました。時間はいくらでもあるので、そこで1時間近く待ち、やっとごはんを食べることができました。
 腹ごしらえをしてから、ジェットスキーの保管場所に戻って、吹っ飛んだ屋根や散らばったゴミの片付けをしました。海岸の海の家は、仮設の上に、海に近いこともあって、ほとんどが倒壊していました。
 なかには隣の海の家が、そのまま海の家の屋根に乗っかっているところまでありました。
長い1日が終わって思い出した東日本大震災
 今回の台風が激しかったのは深夜でした。もし昼間にこんなことになったら、海に遊びにきている人、海で働いているたくさんの人の命を奪っていたのではないかと思うと、改めて自然の恐ろしさを感じました。
 長い1日が終わって家に帰っている途中、東日本大震災のときを思い出しました。わたしは東京に住んでいるので、津波の被害も原発の被害も直接受けたわけではないけど、大きな地震とその余波。「また次に同じような地震が起こったらどうしよう」という不安が数年続いたように思います。
 震災の日は、わたしのお店でも、お酒がすべてひっくり返って割れていました。絨毯がベタベタになって物が散乱していました。
 東京には、鉄骨と木造が混じったビルがあるようで、木造だった箇所の店舗がそのままぐしゃっと潰れてしまったというオーナーさんもいたので、うちは比較的被害は少なかったほうだと思います。
震災直後の歌舞伎町で言われたある一言
 震災直後は経済が自粛モードになったこともあり、お客様が本当に来なかったです。歌舞伎町全体が閑古鳥が鳴いて、ガランとしていました。
「よくこんなときに店やってるよね」と繰り返し、嫌味も言われました。それは「わたしの仕事がキャバクラだから、震災で被災した人たちは毎日大変な思いをしているのに、あなたは夜な夜な、楽しく小パーティーを繰り返してとても不謹慎ですね」という意味です。
 いま考えたら、言ってる人の気持ちもわからなくもないですが、当時はとても悔しかったのを覚えています。色々考えた末に、わたしはある結論がでました。
人生はなるようにしかならない
 不謹慎でもなんでもこれがわたしの仕事であり、これでわたしはごはんを食べています。
 そうは言っても、天災や、それだけでなく人やお金の問題で仕事がある日、突然できなくなる可能性はいくらでもあります。でも、そんな突発的な出来事を予測しようとしても、所詮は不可能なので、できるときにできることをコツコツとこなしていくしかありません。
 もしも、突発的で絶望的なことが起こったとしたら、どんなに絶望しても結局、そこからまたひとつずつはじめていくしかありません。
 人生、なるようになるけど、結局、なるようにしかならないのです。それはなんだかとても後ろ向きな言葉だけど、裏を返すと前向きな言葉でもある気がしました。
内野彩華 新宿歌舞伎町キャバクラ「アップスグループ」オーナー。株式会社アップス代表取締役社長。津田塾大学卒業。25歳のとき、当時勤めていた外資系IT企業をやめて、歌舞伎町にキャバクラを開業。現在、歌舞伎町にキャバクラを4店舗、銀座にクラブを2店舗展開するまでに。キャバ嬢の育成やキャバクラの立ち上げ、経営改善のコンサルティングなども行い、グループ年商は10億円にもおよぶ


千葉の大停電の夜を照らした人々の絆と、「人間性」が出た一流芸能人の振る舞い
 猛烈な台風15号の影響で電力供給がストップし、真っ暗な夜が何日も続いた。夕飯時、ランプのわずかな明かりを頼りに家族と話したのは、ご近所さんの心配だったという。都会では失われた絆が漁師町にはある。
「ようやく停電が解消して、ひと安心。でも、やらなきゃいけないことは、まだたくさんありますからね」
 と話す表情は少し穏やかに見えた。
 千葉県防災危機管理部の発表(9月18日)によると、9日に同県に上陸した台風15号の影響によって県内で6人が重傷を負い、軽傷者は83人。
 鉄道の一部運休のほか道路の全面通行止めは232か所にのぼり、住宅被害は6000棟を超える。約4万4300軒で停電が続き、断水も計6913戸とライフラインが寸断され、完全復旧の見通しは立っていない。
自分のことは後回し、一人暮らしの高齢者のもとへ
 千葉県3名山のひとつ、鋸山の南に位置する海沿いの鋸南町。毎朝、新鮮な魚介が水揚げされる勝山漁港の近くで水産業を営む蛭田豊さん(63)は冒頭のように話すと、想定以上に長引いた停電生活を振り返った。
「困ったのは携帯電話の充電ができなくなったこと。家族・知人・関係先などと連絡がとれず、復旧状況や行政支援の情報収集もできなくなってしまうから」(蛭田さん)
 そこで、近隣住民向けに自宅で無料充電サービスを始めることを思いついたという。
「町役場では1人10〜20分限定で充電させてくれましたが、それだとせいぜい数分間話したらまた充電切れで列に並び直さないといけない。うちには小型発電機があったんです」(蛭田さん)
 被災した自宅玄関前でBBQ用の簡易テーブルを組み立てビーチパラソルを開き、近所から集めた電源タップを13口分並べた。トラックのガソリンの残り約20リットルを給油ポンプで抜き取り、発電機を作動させてフル充電する仕組みをつくり上げた。
「燃料のガソリンがなくなると、近所の人などが調達してきたガソリンを分けてもらい、1日のべ40人ぐらいがわが家に来ました。なんとかしなくちゃ、という思いだけだった」(蛭田さん)
 充電サービスは早朝5時半から夜9時まで。玄関わきの事務所のテレビと発電機をつなぎ、近所の人たちにニュースを見てもらった。
 エアコンが使えず熱中症が心配されたため、所有する製氷工場の氷も近所に提供したという。配った300人の中にはお金を払いたいという人もいたが、「災害だからいらない」と断った。
 5日間続いた停電の夜、ランプの明かりを頼りに家族と話したのは、「あしたはどこの家のブルーシートがけを先にやっちゃおうかとか、そんな話が多かったかな」(蛭田さん)。自分のことは後回し。自力で修繕できないひとり暮らしの高齢者宅を心配した。
助け合う人々と、動いた芸能人
 蛭田さん宅から徒歩約7〜8分、勝山港通り商店街で食料品店などを夫婦で経営する青木静子さん(67)は、近所の鮮魚店からもらったサザエ、マグロを暗闇の食卓に並べた夜を覚えている。
 実家の被災を心配した息子が帰ってきて「食べ物はパンぐらいかと思っていたけれど、ずいぶん豪勢だね」と驚いたという。
「魚屋さんは“どうせ腐っちゃうから”って。商品を融通し合えてよかった。食べ物は見た目も大事でしょ。暗い中で食べるとあまりおいしく感じられないから、ロウソクをいっぱいつけていただきました」(青木さん)
 青木さんの店をあとにして、再び漁港近くへ。2階部分がほぼ骨組みだけの民家があった。この家で生まれ育ち、いまは神奈川県茅ケ崎市で美容室を経営する茂串龍蔵さん(45)は、両親が暮らす実家の変わり果てた姿に「がっくしですよね」と本音を漏らす。
「屋根もベランダも窓もなくなり、おふくろは怖がってトイレで一夜を明かしたそうです。僕は茅ケ崎からガソリンやロープ、おしめ、生理用品、カップ麺などをご近所の分まで持ってきて配ったんですが、“龍蔵、帰ってきてくれたのか。俺は大丈夫だから年寄りに持っていってあげてくれ”と言う人もいて」
 と茂串さん。
 茂串さんの父親は金目鯛やカツオの元漁師。近所に漁師宅は多く、冷蔵庫の金目鯛、サバ、サザエ、イワシ、カマスをフライで揚げて持ち寄ったという。
「のどかで空が高くて人のあったかい町。父は器用で大工仕事が好きだから、これだけ壊れても建て直すと言うかもしれない。まずは、ほかの家のテレビを直したり、ブルーシートを張っていますけれど」(茂串さん)
 さらに先を行くと、港近くのコミュニティーセンターで炊き出しが。近所の住民らによると、俳優・佐藤浩市(58)の働きかけでボランティア団体がピザや海苔巻き、豚汁などを振る舞ってくれたという。
「佐藤浩市さんは、この町によく遊びに来る。本当にありがたい。こういうところに人間性って出るんでしょうね」
 と近所の男性。
 鋸南町を離れ、車で1時間弱の房総半島南端の館山市へ。
 反町隆史と竹野内豊が主演した人気テレビドラマ『ビーチボーイズ』(1997年)のロケ地となった布良で、住民のため忙しく歩き回るのは神田町地区の区長を務める嶋田政雄さん(75)だ。
まだまだ続く復旧作業
 地区にはひとり暮らしの高齢者が多く、嶋田さんもそのひとり。すでに子どもは自立し、妻を9年前に亡くして独居生活を送る。
「台風を甘く見ていた」
 と言う。
「上陸のピークは9日午前2時半〜3時半ごろ。風が自宅の雨戸を吹き飛ばして窓ガラスを割った。風が室内に入ると屋根を持ち上げられると思い、割れた窓のところに別の雨戸を持ってきて中から必死に押さえた。2時間くらいそうやっていたので筋肉痛になりそうだった」(嶋田さん)
 その日から停電は8日間、続いた。
 取材したのは電力供給が回復した翌17日夕。
 嶋田さんは、海に沈んでゆく夕日を眺めながら「久しぶり」という冷えた缶ビールを飲んでいた。しかし、飲み始めたところで取材を受け、取材中も携帯電話に弁当配布などを相談する電話が4本もかかってきた。
「早くすべての家を直してあげたいが人手が足りないんだ。直す優先順位について、まずひとり暮らしの人と、屋根を飛ばされた人が先だと説明した。だって雨で濡れたら家に住めなくなっちゃうから。
 それと、ボランティアには助けられています。朝早くから夜遅くまで、本当に頭が下がるよね」(嶋田さん)
 ぬるくなったビールを飲み干した後、懐中電灯を手に防犯を兼ね夜の町へ。こちらが頭の下がる思いだった。


英語民間試験 仕切り直しが必要だ
 大学入学共通テストに導入される英語民間検定試験を巡る混乱が続く。国は公平性の担保という試験の原点に戻って、延期を含め仕切り直しの判断をする必要があるのではないか。
 メニューが全部そろっていないのに、最初に出てきた一皿を選ぶかどうかを決めなくてはいけない。受験生はそんなストレスを感じているのではないか。共通テストに参加する「英検」の予約申し込みの受け付けが始まった。六団体七種類の試験で初めてとなる。
 他団体の試験の詳細が示されておらず、大学によっては活用方法をいまだ明らかにしていない。そんな中での選択となるが、英検は当初、予約金三千円は実際に受験しなくても返還しないという方針を示していた。批判を受け急きょ、一週間の返金期間が設けられたが、制度が受験生の立場に立ったものとなっているのか、出だしから疑問は膨らむ。
 どこで何回の試験を実施するかなどの詳細が決まらないのは、受験生の意向を各団体が把握しかねていることが大きな原因だろう。だが受験生の側から見れば、各試験がどこで開催されるのか、希望する大学は試験をどう活用するのか決まらなければ、判断はつきかねる。
 文部科学省の八月時点の調査では、全国の四年制大学の三割が民間試験を活用するかどうかを公表していない一方、特定の試験を指定する大学もある。
 現在の混乱は、採算を度外視しては運営できない民間試験を使用する制度設計のもろさがあらわになったものだともいえる。
 離島やへき地の受験生や、経済状況が厳しい家庭の受験生が不利にならないか。格差が生じる懸念も解消されないまま、今に至ってしまった。
 民間試験活用のあり方を議論していた五年前の有識者会議の議事録を見ると、積極的に試験導入を主張していた民間企業の委員は「一回あたり受験料は二千円。多分、ITの力を使ったら、そんなの簡単に実現できる」と発言している。しかし実際は一万円を超える試験も複数ある。
 十一月には、民間試験の成績を大学入試センターが管理するために必要な「共通ID」を受験生が申請する手続きが始まる。文科省は、期限を区切ったうえで全体像が明らかにできない場合は、延期という選択肢も視野に入れ、現場の不安の解消に当たるべきだ。


ゲノム編集食品 消費者が選べるルールに
 新技術のゲノム編集で品種改良した食品について、消費者庁は特定の遺伝子を壊しただけの食品には表示を義務付けないと決めた。
 従来型の品種改良と基本的に変わらない、との判断だが、新しい技術だけに消費者の間には戸惑いがある。東京大などが昨年実施した調査では、ゲノム編集食品を「食べたくない」人が4割以上に上った。
 従来の品種改良と区別がつかないとしても、食べるかどうかを消費者が選択できるようにしてほしい。そのためには、生産者による届け出も、食品の表示も、「義務」と位置づけることが必要ではないか。思わぬリスクが分かった時のすばやい対応にも役立つ。
 従来の遺伝子組み換え作物は本来その生物が持たない遺伝子を外から付け加えて作るものがほとんどだった。こうした組み換え食品には安全審査と表示が義務付けられている。
 一方、ゲノム編集を使うと、生物の遺伝子を狙った位置で切断し、その働きを止めることができる。切断箇所に望みの外来遺伝子を組み込むこともできる。
 ゲノム編集食品はもっぱら前者によるもので、降圧効果が期待される物質を多く含むトマトや筋肉量の多いマダイ、収量の多いイネなどが研究レベルで作られてきた。
 政府は後者に従来通りの規制を課す一方、前者を規制対象からはずした。遺伝子が壊れて新種が生じることは自然界でも起きるし、食品の遺伝子を調べても区別できないとの考えに基づく措置で、情報の届け出は求めるが、義務化はしていない。表示を任意としたのも、この流れに沿ったものだ。
 しかし、この考えは世界共通ではない。日本は米国に近いが、欧州では司法裁判所がゲノム編集食品も従来の遺伝子組み換え作物と同様の規制の対象との判断を示している。
 日本の専門家の中にも、ゲノム編集は望む作物を「設計する」ものである以上、製造物責任を明確にするためにも届け出を義務化すべきだという意見がある。
 ゲノム編集食品の届け出は10月から始まる。届け出や表示の状況を見つつ、消費者の選ぶ権利を最大限尊重するルールの在り方について検討を続ける必要がある。


【処理水への言及】国全体の議論を促す
 東京電力福島第一原発の放射性物質を含む処理水の処分を巡り、大阪から一つの考え方が発せられた。政府の小委員会は海洋放出や地下埋設などに加えて、長期保管の選択肢の検討も始めている。しかし、道筋は見通せないのが現状だ。国民が小委員会での話し合いに関心を持ち、議論の深まりと広がりを促す必要がある。
 松井一郎大阪市長と吉村洋文大阪府知事は、科学的に環境被害がないという国の確認などを条件に、大阪湾で放出する可能性に言及した。
 松井氏は「全く環境被害がないものは国全体で処理すべきだ」と語り、検証委員会の設置による科学的根拠の明示を求めた。吉村氏は「見て見ぬふりをしてはいけない。国に協力してと言われれば協力する」と述べた。
 両氏の発言には反発が出ている。大阪府漁業協同組合連合会は「国内外での風評被害の広がりなど、大阪のみならず兵庫も含めた大阪湾、瀬戸内海での漁業の将来に与える影響は計り知れない」として、発言の撤回と、海洋放出を行わないように要求する緊急抗議文を提出した。
 県は小委員会の状況を踏まえて「風評などの社会的な影響を含め、丁寧な議論を尽くした上で判断してほしい」と説明している。災害や公害などの課題は年月を経るにつれて、それぞれの地域の事柄として語られがちだ。県は大阪からの言及に対する本県の受け止め方や、政府方針の取りまとめに当たっての意見と要望を検討するべきだ。
 国際原子力機関(IAEA)の年次総会で、日本と韓国は処理水の処分を巡って批判の応酬を繰り広げた。事実や科学的根拠に基づかない主張に対して、日本政府は反論を続けなければならない。そのためにも処分方法を国全体で議論し、その経緯と結論を海外に丁寧に説明する努力が欠かせない。
 福島第一原発の廃炉や被災地の復興には、経済産業省をはじめ、環境省、復興庁、原子力規制委員会、原子力規制庁などの多くの役所が関係する。政府は「閣僚全員が復興大臣であるという意識を共有する」との方針を以前から掲げ、安倍晋三首相は二十日に開いた政府の復興推進会議でも指示した。
 問題の解決を目指すには、小委員会とともに、内閣を挙げての一層の取り組みが大切だ。処理水を直接、受け持つ窓口がどの役所にあるかにかかわらず、全閣僚が福島第一原発を視察し、構内に設置されたタンク群の現状を確かめてほしい。 (安田信二)


米中摩擦で余ったトウモロコシ「肩代わり」 日本企業 購入予定「ゼロ」
 安倍晋三首相が八月にトランプ米大統領から請け負った飼料用トウモロコシの大量購入をめぐり、購入の主体である民間企業の動きが鈍い。本紙が主要な飼料メーカーに取材したところ、追加または前倒しで購入すると答えたのは現時点でゼロ。一方、「コーンベルト」と呼ばれる米中西部の農家は価格上昇への期待を高める。コーンベルト各州は来年の大統領選への影響力が大きい。購入が進まなければ、二十五日(現地時間)に予定される日米貿易協定の署名後も両国間の火種となる可能性がある。 (皆川剛、ワシントン・金杉貴雄)
 トウモロコシの購入は八月にフランスで開かれた日米首脳会談で浮上。米中摩擦により売れなくなった米国産トウモロコシについて、トランプ米大統領が「安倍首相が日本を代表し余ったトウモロコシを全部買う」と述べ、日本政府も輸入に応じると表明した。
 日本は昨年度、年間約千百万トンの飼料用トウモロコシを米国から輸入しており、新たに輸入する分はその四分の一の二百七十五万トンに上る。昨年度の貿易統計に照らすと、購入額は六百億円規模となる。
 「買うのは民間」と指摘した安倍首相だが、本紙が主要な六企業・団体に取材したところ、追加あるいは前倒しで購入する予定があると回答したのは一社もなかった。
 安倍首相が購入理由としたガの幼虫による国内の飼料用トウモロコシの食害は、十八日時点で十四県六十九市町村に及ぶ。だが、被害は企業に新たに購入を促すほどは広がっていない。
 全国農業協同組合連合会(JA全農)の担当者は「降って湧いた話に驚いている」とし、「米国産トウモロコシは食害に遭う国内産と用途が異なり、直接代替できない」と困惑する。購入については「引き続き情報収集したい」と述べるにとどまった。
 大手国内飼料メーカーの担当者は「新規の購入分だけ消費されればよいが、そんな需要が果たしてあるか」と疑問を呈した。別の大手二社も「害虫被害の影響を測りかねている」などとして慎重な構え。「取材に応じられない」と回答したのも二社あった。
 農林水産省は七月、従来の計画以上にトウモロコシを購入した場合の保管料と、購入費の金利を全額補助する通知を出している。だが同省幹部は「八月の日米首脳会談を受けて補助を追加することはない」と述べ、さらなる購入を予算で後押しする考えはないことを明らかにした。
 一方、コーンベルトの代表的な州であるウィスコンシン州のトウモロコシ農家で、同州トウモロコシ生産者協会の会長も務めるダグ・リバウトさん(51)は、「求めるのは実際にトウモロコシの価格が上がること。われわれ農家の多くは、注意深く候補者を見極めている」と述べる。輸入が進まなければ、農業票の離反を警戒するトランプ氏が再び日本への圧力を強めるのは必至だ。


【佐野SAスト終結!】39日目の逆転劇で全従業員が復帰、社長は退陣、”解雇部長”は……
 8月14日から続いていた東北道・佐野サービスエリア(SA)のストライキ騒動が急展開を見せた。
 佐野SAのフードコート、レストラン、売店の運営を行う「ケイセイ・フーズ」を不当解雇された加藤正樹元総務部長(45)と、ストライキを続けていた従業員ら約60名が、職場復帰することが「週刊文春デジタル」の取材で分かった。一部の従業員は既に9月22日から順次、復職している。お盆真っ只中のストライキ開始から39日、前代未聞の事態は大きな節目を迎えた。
長期化の様相から一転
「週刊文春デジタル」では、復職決定までのストライキの動きを、従業員たちに密着しながら取材を続けていた。
 佐野SAは、ご当地ラーメンの「佐野ラーメン」が人気で全国区となり、年間利用者数は約170万人に上る。
 しかし、運営会社ケイセイ・フーズの経営危機を発端に、8月上旬に売店の店頭から商品がなくなる事態が発生。さらに、同社の岸敏夫社長が加藤氏を解雇するなど人事を巡る対立が生まれ、8月14日未明から9割にあたる従業員がストライキを敢行していた。かき入れ時のお盆期間にフードコート、レストラン、売店の営業が突如ストップする事態となっていたのだ。
 この状況に、ケイセイ・フーズは、従業員側に「あなたたちの行為はストライキとして認めていない」「(ストライキによる)損害賠償を請求する」と主張。さらには、ストに突入した従業員を余所に、関連会社の従業員や日雇いスタッフを集めて、SAの各部門に配置し、8月30日に営業を再開。ストライキは長期化の様相を呈していた。
目を潤ませ、握手し合う従業員たち
 そんな中、復職できることが従業員に知らされたのは、9月19日のことだった。
 連日のように従業員側の会合が開かれていた佐野市内の会議室。この日の会合で、険しい表情の従業員たちを前に、組合の中心人物だった加藤氏は目を真っ赤にしてこう言ったのだ。
「やっとここまできました……。皆さんに初めて言います。安心してください」
 1カ月を超えたストライキに、解決の突破口が見えた瞬間だった。
 加藤氏の言葉に、会議室には割れんばかりの拍手が沸き起こった。従業員の顔からは笑みがこぼれ、目を潤ませる女性、握手を交わす男性もいた。あるベテランの男性従業員は記者に対し、声を震わせながら語った。
「まずはストライキ前と同じ状況に、一歩ずつ焦らずに戻したいという気持ちだけです」
都内でデモも計画されていた
 ストライキ中の従業員に給与を支払うために、加藤氏は自費で準備した1500万円を組合に供託していたが、その資金が底を尽きてしまうのが9月20日あたりだった。さらに、21日からの三連休には、膠着した状況を打開しようと、東北道を管轄するNEXCO東日本本社(東京)前でのデモも計画されていた。実際に、従業員たちはデモで使う手作りのタスキやチラシ、ノボリまで用意していた。そんな追い詰められた状況に届いた朗報だった。
 ストライキ終結の経緯について、加藤氏が説明する。
「ストライキ開始後、佐野SAの現場を取り仕切っていたのは、預託オーナー商法で社会問題となった企業の関係業者でした。その業者がサービスエリアのスタッフを募集していた。社会問題になった業者に、私たちの職場を“占拠”されたのです。彼らの豊富な資金力で持久戦に持ち込まれ、勝ち目はなくなりかけました。
 そこまで追い込まれましたが、最後まで訴え続けたのが、サービスエリアを監督するネクセリア東日本とケイセイ・フーズが取り交わした契約にある、『再委託禁止』という項目についてです。『今回の募集はこの項目に抵触する』と、私は訴えてきました。(※ネクセリア東日本は東北道を管理・運営するNEXCO東日本のグループ会社でケイセイ・フーズに対して店舗を貸与している)
 すると、関係者を通じて経営側から『岸社長ら現経営陣が退陣し、新たな社長となる。9月22日に戻ってきてほしい』という連絡を9月17日に受けました。にわかには信じられませんでしたが、実際に戻ることができた。これがおおよその経緯です」
 この動きを受けて、従業員の一部は、9月22日の本格的な復帰に向けた準備のため、その4日前の18日深夜、久し振りに職場の佐野SAへ戻った。
 売店、ホール、厨房、軽食の各部門のリーダーたちは、実に35日ぶりに職場に立って、現場の状況を確認。復帰することになる連休中に必要な商品、食材の発注を済ませ、さらには10月からの消費増税の対応などを話し合った。
会社側が突きつけた一つの条件とは
 しかし、ケイセイ・フーズ側は、全従業員の復帰に、ある条件を提示していた。それは、加藤氏の辞職である。
 加藤氏は自身の処遇と今後の展望について、記者に胸の内を明かした。
「業務の引き継ぎや消費税対応などもあり、まずは従業員の皆さんと一緒に戻り、最低限営業ができる状態に戻したいと考えています。その先のことはわかりませんが、会社の財務状況に問題がないことを確認し、現在取引停止中の取引先の皆さんに再開をお願いしたい。できるだけはやく、営業を正常化させたいです。
 お客様には大変ご迷惑を掛けました。これは経営側だけでなく、私たち従業員もお詫びしなければなりません。でも、このストライキ中、今まで多忙のために、ろくに話も出来なかった従業員たちが、連日のように会合を開き、研修や準備を続け、スタッフ間の結束が固まった。迷惑をお掛けした分、今まで以上の接客でお客様をお迎えしたいです」
 佐野SAでは、業務の引き継ぎや納品作業などを順次進め、営業が正常化するは9月24日になるという。
 本格的な復帰を前に、ある女性従業員が語る。
「お盆から始まったストライキですから、売り場はまだ夏仕様のままなんです。いち早く現場に戻って、秋仕様の売り場に切り替えて、気持ちも新たに、たくさんのお客さんを迎えたいと思っています」


巨大IT規制 情報の価値見直したい
 無料でインターネットのサービスを受ける代わりに、自らの個人情報を差し出す。でも、その情報が何に使われているか分からない。
 情報が乱用されかねない個人を、どう守るべきか。「プラットフォーマー」と呼ばれる巨大IT企業の規制指針案がまとまった。米グーグルなどを念頭に置く。
 国民が意外に思うのは、案を出したのが談合事件などを扱う公正取引委員会だったことだろう。しかも適用する法が個人情報保護法ではなく、独占禁止法である点だ。
 独禁法は、企業の取引にのみ使われてきた。優位な立場にある会社が、取引先に協賛金の負担を押し付けたりするのを「優越的地位の乱用」として禁じている。
 それを企業と個人にも当てはめる離れ業だ。なぜなら、個人の情報は事業に利用される。お金と同じ経済的な価値があり、「取引」が成立するとの考えに基づく。
 巨大ITは圧倒的な情報量や交渉力があり、個人に比べて強い立場にある。取引関係があるならば「優越的地位の乱用」を適用できる−と公取委は考えている。
 公取委調査では、自分の個人情報が「経済的な価値」を持つと考える人が66%に達した。IT企業が個人情報を勝手に使わないでほしい、と思う人も半数に上る。
 個人情報とは何か。その価値を見直し、消費者の保護を強める良い機会だ。独禁法による命令、課徴金などの武器を持つ公取委の今後の取り組みに期待したい。
 規制案は、個人情報の収集や利用で法律違反になる例を挙げた。利用目的を知らせないことはもちろん、その説明の方法も問題となる。
 利用規約の文章が曖昧だったり、使われる専門用語が理解できない。こうした例を経験した人は多いとみられる。説明がどこにあるか分からない場合も対象になる。
 同意を得ず、第三者に個人情報を提供する場合も「乱用行為」とした。就職活動中の学生の内定辞退予測データを、本人の同意を得ずに企業に販売した「リクナビ」問題がこれに当たる。
 就職情報サイト「リクナビ」は、ほぼ全ての就活生が登録し、なくてはならない。巨大な存在は「優越的地位」にあると考えられる。
 この問題では、個人情報保護法による勧告の限界が指摘された。独禁法による課徴金などが命じられることになれば、個人情報を扱う多くの企業に警鐘となろう。
 一方で課題は、新たな独禁法違反に対応する公取委の人員だ。職員は800人ほどにすぎず、データビジネスに詳しい人材もまだ少ない。態勢の強化は急務と言える。


小泉進次郎「ステーキ食べたい」が環境相失格な理由 温暖化対策で「ミートレス運動」の最中に無知を露呈 海外メディアもツッコミ
 やっぱりこいつは救いようのないバカだった。小泉進次郎環境相が国連気候行動サミットに出席するためアメリカ・ニューヨークに入ったが、そこで驚きの行動に出たのだ。
 TBSニュースによると、「毎日でもステーキが食べたい」と語っていたという小泉環境相はニューヨークに着くと「ステーキが食べたい」と話し、さっそくステーキ店に入店したというのだ。
 これはなにも「外遊先で『ステーキ食べたい』ってお気楽なもんだな」などとツッコみたいわけではない。地球温暖化対策を議論する「国連気候行動サミット」に出席する環境大臣がステーキを食すというのは、はっきり言って正気の沙汰ではないからだ。
 というのも、畜産業は地球温暖化の原因となっている温室効果ガスを大きな割合で排出しており、2013年には国連食糧農業機関が温室効果ガスの14.5%が畜産業に由来していると公表。とりわけ牛は米国科学アカデミー紀要(PNAS)が2014年に公表した研究でも〈1人前の牛肉を生産するために、同カロリー分の豚肉の4倍、同量の鶏肉の5倍の温室効果ガスが放出される〉とされている(ウォール・ストリート・ジャーナル8月9日付)。さらに、国際的な問題になっているブラジルのアマゾン熱帯雨林における大規模な森林火災問題も、〈火災のほとんどは、農地・牛の牧畜用地開拓を目的とする人間によって引き起こされたもので、熱帯雨林に深刻な影響を与えている〉(AFP9月22日付)と報道されている。
 このように牛肉の大量生産が地球温暖化や環境破壊を引き起こしていることから、欧米では「ミートレス」の動きが活発に。実際、小泉環境相がステーキを楽しんだニューヨーク市ではこの9月から公立学校で「ミートレス・マンデー」を実施。ビル・デブラシオ市長は「肉の消費を少しでも減らすことはニューヨークに住む人々の健康改善につながり、温室効果ガスの排出量削減にもなる」と語っている(AFP 3月12日付)。
 ともかく、環境問題に関心がなくとも「牛肉は地球温暖化の大きな原因」ということは常識の話。にもかかわらず、よりにもよってこれから温暖化対策を議論しようとやってきた日本の代表である環境大臣がニューヨークで「ステーキ食べたい」と言い放ち、さっそくステーキ店に入店するって……。これは世界中に恥を晒したも同然だ。
 いや、恥を晒したのはこの行動だけではない。きょう、小泉環境相は国連の環境関連イベントで演説をおこなったのだが、そこではこんなことを述べたのだ。
「気候変動のような大きな問題は楽しく、クールで、セクシーであるべきだ」
 ちょっと何言っているのかわからないが、問題はここから。この演説をさっそくロイターが「気候変動との戦いを「セクシーに」 日本の新しい環境大臣が発言」というタイトルで配信したのだが、記事では火力発電所を増やすなど日本政府が国連の温暖化対策に逆光している点などに触れた上、〈「いままで我々日本は、強いアクションとリーダーシップを発揮してこなかった、でもこれからは、きょうから、より多くの取り組みをしたい」と、小泉はなんら詳細に触れることなく語った〉とバッサリ切り捨てているのだ。ようするに、進次郎氏の話には何の中身もないことが、恥ずかしすぎるタイトルとともに世界に配信されてしまったのである。
除染廃棄物について聞かれた進次郎「30年後の自分は何歳かな?」
 無論、進次郎氏の「話の中身が空っぽ」問題は、いまにはじまった話ではない。実際、環境大臣に就任後すぐに福島県を訪問した際も、除染廃棄物の最終処分場問題について記者から問われ「(30年以内に県外で最終処分する方針は)福島県民のみなさんとの約束」「約束は守るためにある。全力を尽くします」などと回答。だが、「具体的には?」と記者から“更問い”されると、こんなことを言い出したのだった。
「私のなかで30年後ってことを考えたときに、30年後の自分は何歳かな?と、あの発災直後から考えていました。だからこそ、私は健康でいられれば、その30年後の約束を守れるかどうかという、そこの節目を、私は見届けることができる可能性のある政治家だと思います」
 具体策を訊かれているのに、「30年後を見届けられる政治家だ」。なんだそれとしか言いようがないだろう。しかも、このあと進次郎氏は「だからこそ果たせる責任もあると思うので、その思いがなければ、ふたば未来学園の取り組みも私は取り組んでいません」「教育というのは一過性の支援ではできません」などと滔々と語り出し、話題を教育の話にすり替えたのだった。
 この発言はネット上でもすぐさまツッコミが入り、「#進次郎さんにキリッと朗読してほしいコメント」というハッシュタグまで登場。進次郎氏が言いそうなことを投稿するという大喜利までスタートしたのだ。
「コップに一杯のオレンジジュースがあったとします。私がそれを一気に飲む。すると、もう一杯、飲みたくなる。もう一杯入れて、飲む。またもう一杯。何杯飲んでも値段は同じです。これが、ドリンクバーです」
「一週間というのは7日あるわけですね。そう考えると7日後には、また同じ曜日になるんだなと。そう思いますね」
「みなさんに、12時の7時間後は7時であり、19時でもあるということを真剣にお伝えしたい」
 くどくどと何か言っているようで、当たり前のことしか言っていない、何も言ってない……いずれも進次郎氏の発言の本質を押さえているものだ。ようするに、力強くもっともらしく何かを言っていても中身は驚くほど空っぽだということを多くの人がすでに見抜いているのである。
田中真紀子「進次郎は30年経ったら今の安倍さんになる」
 その上タチが悪いのは、前述したようにいつの間にか話をはぐらかし、問題をすり替えることだ。しかし、これは安倍政権全体にいえる問題で、「スガ話法」「ご飯論法」も同じ。本サイトでこれまでも言及してきたように、進次郎氏は「安倍首相にももの申す新風」などではなく、安倍政権の真髄というべきものを、そっくりそのまま引き継いでいるのだ。
 そして、じつはそのことを早い段階で見抜いていた人物がいる。森友問題が大きな話題になっていた2018年3月、進次郎氏が自民党大会で「総理が言った『徹底的に真相究明をやる』と。その言葉通りの徹底究明。これをやらなければいけない」と述べたのだが、この発言を取り上げた『ビビット』(TBS)では、VTR出演した田中眞紀子が進次郎氏をこう評したのだ。
「あれ(進次郎氏)は若い子なのに、汚いと思う。お父さんのやり方を真似しているのかも分からないけど。もっと本気で取り組むんだったら、自分が質問しなければいけない。あの人は30年前の安倍さん、30年経ったら今の安倍さんになる子ね」(スポーツ報知2018年3月28日付)
 奇しくも進次郎氏は前述したように自身のことを「30年後を見届けられる政治家だ」などと言っていたが、30年後には安倍独裁政権を進次郎氏が引き継いでいるとしたら……。そんな地獄が現実になる前に「中身が空っぽのポエム野郎」という進次郎氏の実態を国民の共通認識にする必要があるが、肝心のマスコミは相変わらず「小泉環境相が初外遊」などとはしゃいでばかり。これではほんとうに田中眞紀子の予言が当たってしまうかもしれない。


「高線量地帯は危険」 常磐線全面再開 中止求め水戸で集会とデモ
 JR常磐線の全面再開の中止を求める集会とデモが二十二日、水戸市内であった。JRの社員で組織する労働組合「動労水戸」の呼び掛けで約六百人が参加し、「高線量地帯に列車を通すな」と訴えた。
 常磐線は東京電力福島第一原発事故以降、段階的に復旧し、現在は、放射線量の高い帰還困難区域を含む富岡(福島県富岡町)−浪江(同県浪江町)間の二〇・八キロが不通となっている。JR東日本は来年三月までに全面再開するとしている。
 集会では、動労水戸の石井真一委員長が「帰還困難区域は線路から一歩外に出れば高線量地帯だが、会社は列車の線量を測定しないと言っている。社員を被ばくから守ろうとしていない」と批判。ふくしま共同診療所(福島市)の布施幸彦院長は「常磐線の全面再開は、復興をアピールするためのプロパガンダだ」と強調した。
 集会後、参加者はJR水戸駅周辺二・五キロをデモ行進。JR東日本水戸支社前では「JRは乗客も乗務員も被ばくさせるな」「放射能をまき散らすな」と声を張り上げた。(佐藤圭)

目玉焼き/キーが1つない!線香購入/雨!/チヂミ

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Coupe du monde de rugby 2019 au Japon : les supporters des Bleus soulagés
JT 20H - Les supporters du XV de France sont passés de l'euphorie à la torture pour le premier match du mondial des Bleus contre l'Argentine, ce samedi 21 septembre, à Tokyo au Japon.
Des moments de doute, des maquillages qui coulent... Un grand huit émotionnel pour les supporters des Bleus durant le match face à l'Argentine. Ils étaient contents en première mi-temps, mais la fin de match était irrespirable. Leur confiance a été pourtant récompensée, et un vent d'optimisme venait de souffler du côté des supporters du XV de France.
Ce sujet a été diffusé dans le journal télévisé de 20H du 21/09/2019 présenté par Anne-Claire Coudray sur TF1. Vous retrouverez au programme du JT de 20H du 21 septembre 2019 des reportages sur l'actualité politique économique, internationale et culturelle, des analyses et rebonds sur les principaux thèmes du jour, des sujets en régions ainsi que des enquêtes sur les sujets qui concernent le quotidien des Français.
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明日へ つなげよう「21人の輪〜二十歳になった子どもたち〜」
相葉雅紀さんには、この8年、ずっと気になっている子どもたちがいる。東日本大震災で甚大な被害を受けた福島県沿岸部に暮らす「21人の輪」の子どもたち。今年20歳になる彼らが、伝統の夏祭りを仕切るため再び集まった。進まない復興に不安を覚える子。東京に出たことで福島への思いを強くした子。仕事に集中するため、今はふる里に戻らない子。変わりゆく「21人の輪」の子どもたち、そのひと夏を相葉さんが再び見つめる。 相葉雅紀
テレメンタリー「降る、揺れる、崩れる」
北海道胆振東部地震から1年。親族を失い、自宅が半壊した厚真町の男性は、先祖代々所有してきた山も手放すことになった。地震で地すべりが起きた山は、所有者が防災工事を施さなければならないが、その費用は支払えるようなレベルではないからだ。地震はなぜ大規模な土砂の崩落につながったのか。火山灰が積もった地層と、雨が要因だと指摘されたが、取材を進めると、近くに山がない住宅地でも危険を抱えていることが分かった。 よしいよしこ 北海道テレビ放送
ガリレオX 第205回「重力波を捉えろ! KAGRAで聞く宇宙からのメッセージ」
 今からおよそ100年前、かのアルベルト・アインシュタインによって発表された一般相対性理論によって、時空の歪み、つまり重力場の変動が光の速さで伝わる「重力波」の存在が予言されていた。当時の技術ではこの重力波を観測するにはできなかったが、2015年ついに人類は重力波を直接観測することに成功。それをきっかけに重力波を使った宇宙の観測、“重力波天文学"が幕を開けた。そして今年、世界最高感度で重力波を捉えるKAGRA(カグラ)がここ日本で観測を開始しようとしている。  KAGRAとはどのような観測装置なのか?重力波を捉えることで一体何が明らかになるのか?現在、最終調整が行われているKAGRAを訪ね、重力波の謎と重力波天文学の可能性に迫る。 重力波望遠鏡KAGRA 東京大学 国立天文台
鮫島浩 @SamejimaH
立憲民主党が二年前に躍進したのは旧民主党から「第二自民党的な匂い」を消した純化路線への好感からだ。自民党に対抗するため有象無象が一つになる二大政党政治への失望。多様な複数野党による新たな共闘政治への期待。そうした結党の物語を捨て枝野氏は数あわせの二大政党政治へ戻ろうとしている。
昭和おやじ 【安倍政権を打倒せよ】 @syouwaoyaji
千葉県民の一般人が安倍首相のツイッターに「台風15号で被災した国民に何の言葉も無しですか?」とコメントを投稿したところ、そのままブロック状態になったとのことです。
【悲報】安倍晋三首相の公式ツイッター、千葉県民をブロック!!

ガイチ @gaitifuji
豊富な地下ガス田を背景にしたコジェネを使った電力の地産地消。送電線の地中化。東日本大震災から教訓を得た、理想的な送配電事業の姿がここにある
6時間で復旧した千葉の町 自然の力と震災の教訓


お昼に目玉焼き+コロッケご飯を食べて出勤です.休みなのに仕事は悲しいです.
まず洗浄したキーをキーボードに戻しますが,1つないです.BackSpaceキーが!
線香を買いに本町まで.で帰ると雨です.映画館でおっさんずラブの予約状況をみると割と空いていました.
晩ごはんはチヂミ.

津波伝承館 「忘れない」思い新たに
 東日本大震災の教訓を国内外に発信する本県の拠点施設、津波伝承館「いわてTSUNAMIメモリアル」が22日、開館する。
 陸前高田市の高田松原津波復興祈念公園内に整備。「命を守り、海と大地と共に生きる」をテーマに、流失した気仙大橋の橋桁などの展示、津波襲来時の映像、被災者の証言などで構成し、解説は英語や中国語にも対応する。伝承館と防潮堤の間の「献花の場」などの利用も始まる。
 ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会の観戦などで本県を訪れる国内外の観光客は、ぜひ足を伸ばしてほしい。三陸鉄道などを利用し、釜石市鵜住居町の伝承施設「いのちをつなぐ未来館」、宮古市の震災遺構「たろう観光ホテル」なども巡ることで、津波がどれだけ広範囲に甚大な被害をもたらしたかを知ることができる。
 震災から8年半。被災地を訪問し、家族が津波の犠牲になったり、今なお生活再建が進まない被災者の話を聞くにつけ、風化への危機感が強まっていると感じる。
 見た目は復興が進んでも、「あの日」にとどまったままの自分の心。津波の猛威の痕跡が姿を消していく中、「こうして、忘れられていくのだろうか」とつぶやく被災者の孤立感は深い。
 その意味でも、今、伝承館の開館の意義は大きい。「あの日を忘れてはならない」という思いを多くの人が共有することは、被災者の孤立感を和らげるとともに、各地で地道に伝承活動に取り組む人たちの励みにもなるだろう。
 風化にあらがい、教訓を次代に確実に継承する。そのため、震災の被害を心に刻むことはむろん、地震や津波発生のメカニズム、明治・昭和の三陸大津波など自然災害の歴史、さらには三陸や日本列島の成り立ちまで、幅広く学びを深めたい。
 東日本大震災後、学際的な調査研究が進み、知見が蓄積されている。だが、どこまで住民に還元され、共有されているだろうか。
 その試金石となるのが「三陸ジオパーク」。多様な地質遺産を中心に、震災の教訓継承も柱に据えた自然公園として、2013年に日本ジオパークに認定された。ユネスコが認定する世界ジオパークへの着実な歩みが期待される。
 ところが、4年に一度の再認定審査でつまずいた。17年、日本ジオパーク委員会から「理解と活用が進んでいない」などと指摘を受け、2年間の「条件付き再認定」に。今年11月の再審査で、再認定か認定取り消しかが決まる。
 住民の理解と主体的な活用の取り組みが再認定の鍵を握る。伝承館の開館を機に、ギアを入れ直したい。


復興支援をメダルで感謝 山形の陶芸家ら五輪出場国へ贈呈計画 東北の参加者募る
 東日本大震災で世界各国から受けた支援に感謝の意を示そうと、東北の工芸家らが制作した記念メダルを2020年の東京五輪・パラリンピックの全参加国に贈呈する計画が進んでいる。山形県内の陶芸家や漆芸家らが発起人となり、東北で活動するプロの工芸家やデザイナーの参加を募っている。
 計画は「東京オリンピック3.11復興クラフトメダルプロジェクト」。約210の全参加国・地域に対し、10センチ四方のきり箱に入れたメダルを各国に一つ贈る。メダルは陶磁器や金属、ガラスなど材質を問わない。参加する工芸家がほぼ一つずつ制作し、材料費なども自ら負担。一つの県で30人、6県で計180人程度の参加者を見込んでいる。
 発起人の一人で山形県大石田町の陶芸家ブルーノ・ピーフルさん(62)は「震災では物心両面で世界中の人々にお世話になった。東京五輪・パラリンピックを機に、東北からお礼の気持ちを形にして伝えたいと考えた」と話す。
 ピーフルさんは震災直後、母国フランスから放射線量調査で福島県に入った環境保護の非政府組織(NGO)のボランティア通訳を務めた。その後も地元の仲間と共に岩手、宮城両県の沿岸被災地で泥かきを手伝った。現地で各国の支援の様子を目の当たりにし、感謝の思いを強くしたという。
 プロジェクトのホームページを開設し、12月末まで参加者を募る。贈呈方法は今後検討する。
 ピーフルさんは「多くの人に参加してほしい。工芸家たちのネットワークが生まれ、東北全体のものづくりの発展につながればうれしい」と期待する。連絡先はプロジェクト事務局で長井市の漆芸家江口忠博さん090(1373)1647。


<虚像の「15.7m」>東電強制起訴・無罪判決(下)想定外の春/軽視の試算値 実像に
 東京電力福島第1原発事故の刑事責任を巡り、東京地裁は19日の判決で「大津波は予測できなかった」として強制起訴された旧経営陣を免責した。事故前に示されていたはずの「15.7メートル」の津波予測は虚像だったのか−。判決と公判記録を基に、津波対策を「先送り」した原発事業者の意思決定過程の核心を描く。 (福島総局・斉藤隼人、近藤遼裕、報道部・柴崎吉敬)
■「時間稼ぎ」
 「今度は津波か」
 東京電力の武黒一郎元副社長(73)が一言漏らした。部下の武藤栄元副社長(69)が2008年8月、福島第1原発を襲う津波が「最大15.7メートル」に達するとする試算と、対策保留の方針を伝えた場面だ。
 勝俣恒久元会長(79)には09年2月、当時の幹部から「14メートルの津波が来ると言う人もいる」との報告があった。「15.7メートル」と条件が一部違うだけで、ともに02年に国が公表した地震予測に基づく試算。海抜10メートルの原発敷地を優に超える。
 勝俣氏は後に法廷で「懐疑的に聞こえた。いずれ必要なら報告がある」と捉え、特に問題意識を持たなかったことを明かした。
 3人は第1原発事故の刑事責任を問われ、業務上過失致死傷罪で強制起訴された。公判では、武藤氏が08年7月に津波対策を保留した後も現場レベルでは必要と考え、具体的に行動していた証拠が複数示された。
 「津波対策は不可避」。第1原発所長ら向けの同年9月の説明会で、津波対策担当者はこう記した資料を配布した。「国の地震予測を否定するのは難しく、現状より大きな津波高を評価せざるを得ない」との理由が添えられた。
 10年8月には津波対策担当者の提案で関連分野のチームが集まり、第1原発の津波対策を具体的に検討する会議を設置した。
 しかし現場の危機感は経営層に共有されず、「不可避」のはずの対策は施されなかった。担当者の一人は対策を保留した判断について「時間稼ぎだったのかもしれない」と証言した。
 東電は試算を約3年間伏せ続けた。原子力安全・保安院(当時)に初めて伝えたのは11年3月7日。4日後、15.5メートルの津波が原発を襲う。試算との差はわずか0.2メートル。「虚像」として軽視された試算値は、最悪の実像となった。
■被災者失望
 東京地裁は19日に言い渡した判決で「事故前、原発には極めて高度の安全性は求められていなかった」と判断。「3人は責任ある立場だったが当然に刑事責任を負うわけではない」として「大津波は想定外」と強調する3人の主張を全面的に認めた。
 大事故を扱う公判や津波訴訟などで通常盛り込まれる被害者感情に配慮した文言や、旧経営陣3人に対する説諭も一切聞くことはできなかった。
 判決後の記者会見で、検察官役の石田省三郎弁護士は「原発は一度事故が起きれば取り返しのつかない施設。地裁の判断は本当にそれでいいのか」と非難。市民1万4716人による告訴・告発の先頭に立ってきた武藤類子さん(66)=福島県三春町=も失望を隠さなかった。
 「私たちは司法に訴えるしかなかった。被害者は誰も納得できない。福島の犠牲は一体何だったのか」


北限オリーブ商品化へ着々「石巻に来ないと味わえない高級品に」
 宮城県石巻市が、東日本大震災の津波で甚大な被害を受けた土地を中心にオリーブ畑を整備し、国内北限の栽培地として商品化する準備を進めている。収穫期の今秋には、オイルなどの加工施設を完成させる。栽培から販売までを地元が担うブランドを目指し、復興の象徴としてPRしたい考えだ。
 「害虫対策に苦労したが、今年は本格的に実りそうだ」。同市北上地区で栽培を委託された農事組合法人「みのり」代表理事の千葉昭悦さん(70)は8月初旬、付き始めたオリーブの実に触れながら手応えを口にした。
 市は津波で人が住めなくなった宅地や水田跡地の有効活用を検討。香川県でオリーブを栽培する「アライオリーブ」の社長と知り合いだった復興庁職員の提案をきっかけに、2014年から同社の技術指導で植樹を始めた。現在は沿岸4地区で計約1670本を実証栽培している。
 収穫量は年々増え、昨年採れた実をアライオリーブが搾り、初めてオイルを試作。今年3月の試食会では刺し身やすしなど和食に合うさっぱりとした味わいに、亀山紘市長や飲食店関係者ら約70人が舌鼓を打った。
 加工施設では、この秋に収穫が見込まれる約500キロでオイルや塩漬けを生産。仙台市の百貨店で来年、試供品として出し、市場調査した後に一般に流通させる予定だ。
 市の担当者は「石巻に来ないと味わえない高級品にしたい。地元のお土産店や飲食店で扱ってもらえたら」と展望を語る。千葉さんも「復興のシンボルとして育ててきた。多くの人たちに早く届けたい」と期待を込める。


<宮城野ウイーク>撮ラベル/出来秋の岡田地区、黄金色に染まる 命の道を歓迎
 実りの秋。仙台市沿岸部の水田地帯が黄金色に染まる。東日本大震災の津波被害から再生し、今年も稲穂が豊かにこうべを垂れる。
 宮城野区岡田地区では今月末にかけて稲刈りが本格化する。農事組合法人「新浜協業組合」は25ヘクタールで「ひとめぼれ」「つや姫」を生産。天候を読み、稲を確かめ、収穫の時を探る。災禍を乗り越え、2014年に営農を再開し、耕作地は震災前の約9割に回復した。
 「年を追うごとに以前のような田園風景が戻ってきている」と語る平山尚組合長(80)。「今年は7月に梅雨寒、8月に猛暑があったものの、稲は平年並みに育っている。コメの出来も上々だろう」と期待する。
 震災後、市沿岸部に整備された「東部復興道路」は10月19日に全線開通する。高さ約6メートルのかさ上げ道路で、津波の多重防御の要となる。命の源に築かれた命の道が復興を象徴する。


音楽、食、アートで塩釜熱狂「ガマ・ロック」開催 大友康平さんら演奏繰り広げる
 音楽、食、アートで塩釜を盛り上げる「GAMA ROCK(ガマ・ロック)」が21日、塩釜市貞山通のみなと公園で開かれた。約1600人が訪れ、歌や地元の食などを楽しんだ。
 塩釜市出身の大友康平さんをはじめ、同市出身の山寺宏一さんら声優3人のユニットなど15組のアーティストが演奏を繰り広げた。ステージを下りて歌とパフォーマンスで沸かせる出演者もおり、来場者は大笑いして楽しんだ。
 揚げかまぼこや海鮮焼き、飲料などの飲食ブース、アート作品の展示や体験ブースも並んだ。
 毎年訪れている白石市の教員岡島幸希さん(25)は「最初は来場者が少なかったが、開催が続いて人が増えたのはうれしい。この催しはアットホームな雰囲気がいい」と喜んでいた。
 ガマ・ロックは、東日本大震災を機に塩釜市出身の写真家平間至さんが地元ゆかりのミュージシャンらに呼び掛け、2012年に始まった。


社会保障改革/給付と負担の均衡に配慮を
 少子高齢化に対応する指針づくりを目指す政府の「全世代型社会保障検討会議」が発足した。
 年金、医療、介護などの制度改革をうたう舞台としては、2012年の「税と社会保障の一体改革」以来となる。この時は、与野党3党が消費税増税とセットで行うことで合意した。
 来月から消費税は10%に引き上げられ、その後については安倍晋三首相が「今後10年ぐらいは上げる必要はない」と封印を示唆している。
 22年には、団塊の世代が後期高齢者になり始める。財源が制約される中で、給付の削減と利用者の自己負担増にどこまで踏み込むかが焦点となろう。
 人口減少で支え手が減っている現状は理解できる。しかし、政府の少子化対策や地方活性化策が実を結んでいないことが、制度を立ち行かなくしている点も否めない。
 負担の上積みなど痛みを求めるだけでは国民の理解は得られまい。給付と負担のバランスに配慮し、遠い将来まで展望したビジョンを示してもらいたい。
 検討会議では、老後資金2000万円問題で噴出した年金不安への対処が大きなテーマになる。70歳までとなっている年金の受け取り開始年齢を延ばし、75歳まで選べるようにする案を議論する。
 働く高齢者を増やすのを念頭に、政府は「受け取り開始年齢を遅らせるほど1カ月当たりの年金額は増える」と奨励するが、老後をどう演出するかは人それぞれである。定年延長の施策と合わせ、選択の自由を奪わない幅のある中身を求めたい。
 年金関連では、厚生年金にパート労働者を入れる適用拡大策も焦点となる。保険料は労使折半で支払うため、及び腰の経済界との調整が課題となろう。
 介護保険の関係をみると、介護サービス利用者の負担増を検討する。原則1割の自己負担について、2、3割負担の対象者を拡大する。
 介護サービスの利用計画である「ケアプラン」の作成費についても有料とする。
 自己負担を導入すれば、1人暮らしの高齢者の間で利用を控える動きが出ると予想される。老々介護や現役世代の介護離職を防ぐためにも、慎重な対応が必要だ。
 医療分野では、75歳以上の医療機関での窓口負担を原則1割から2割へ引き上げることを話し合う。高齢者の反発は必至で、調整は難航するとみられる。
 検討会議は年末までに中間報告、来年夏に最終報告をまとめるという。来年の通常国会以降の法案提出をにらんでいるようだが、抜本改革にしては審議期間が短すぎるのではないか。
 ほころびを繕うだけの小手先に終わる恐れがある。年金をはじめ、不安解消につながる徹底した議論を望みたい。


週のはじめに考える 「自由」の自由取り戻す
 自由という言葉からは、しなやかさを連想します。ですが最近「表現の自由」は縮こまっているように感じます。こわばりをほどく方法を考えました。
 戦後七十年の二〇一五年、本紙の取材班は一人の男性の戦後を追いました。信州大学教授だった故島田美成さん。息子にも語らなかった戦中の過去がありました。
 生活をありのままに描く指導法が「共産主義を広める」として、北海道の旭川中学の教員や教え子など二十人以上が治安維持法違反容疑で逮捕された生活図画事件。東京美術学校(現東京芸大)を卒業し、徴兵されていた同中学出身の島田さんもその一人でした。
◆秘めた思いがノートに
 事件について調べている東京芸大講師の川嶋均さんが昨秋、遺族の家から一冊のノートを発掘しました。当時の取材ではつかむことのできなかった島田さんの胸の内がつづられていました。
 「汚穢(おわい)船」と題された随筆は、昭和十三年ごろ、隅田川で糞尿(ふんにょう)を運搬する船を見た思い出話で始まります。「人間が喰(た)べるものと出すもののための労働である」。当時、二十代だった島田青年は、そんな感想を抱きながら、川べりで船を眺めていたのです。石炭も船で運搬されていました。陸地へは人がかごにいれて運んでいたのが、やがて機械が導入されたことに触れ「だんだん労働から人間を必要としなくなる時代の始めのような感じがした」と記しています。
 美校時代に描いたそれらの船や千葉・松戸の農民、水戸の海岸の漁民のスケッチはすべて「軍法会議(裁判)で没収されてしまった」とあります。「法律というものはいつでも国家のものであって、庶民のものでないと強く思うのである」
◆ナショナリズムの内実
 ノートに記された日付によれば、随筆が書かれたのは一九九〇年代後半。半世紀たっても残る悔しさが生々しく伝わります。
 今夏、名古屋市で開かれていた企画展「表現の不自由展・その後」が開催から数日で打ち切りとなりました。旧日本軍の慰安婦を象徴した少女像の展示などに抗議が殺到し、その中には脅迫と思われるものも含まれていました。
 近年、憲法や戦争などにまつわる展示や講演会に、行政が「政治的中立性」を理由に後援しなかったり、作品の撤去を要請したりする事例も相次ぎます。戦前の治安維持法とは違い、一種の「空気」によって、意見の分かれる問題について考えたり議論したりする場が縮まっていきかねない風潮に懸念を覚えます。民主主義の足腰の強さにかかわります。
 第二次世界大戦が終わった一九四五年、英国人作家ジョージ・オーウェルは「ナショナリズム覚え書き」という随筆で、異論を認めぬような心のこわばりの根源を見つめようとしています。
 オーウェルは、すべての人間の活動が監視され、日記を付けることも禁止された全体主義社会を描いた小説「1984」で知られますが、行動の人でもありました。
 下級官吏の家に生まれ、名門イートン校を卒業後、英国統治下のインドの一部だったビルマで警官となります。帝国主義に幻滅して職を辞した後は、ロンドンやパリのスラム地区で暮らし、最底辺で生きる人々の苦境をルポルタージュに記しました。スペイン内戦には民兵として身を投じます。
 このスペイン内戦でオーウェルは、戦争の記憶はそれぞれの立場で都合良くとらえられ、歴史が改ざんされる危うさを感じます。
 「私たちみんなの心にあって」「その思考を誤らせるいくつかの傾向」の正体を突き止めることを目的に随筆は書かれました。ここではナショナリズムの意味は自国を愛することにとどまりません。自国を嫌うことも、他の特定の国に入れ込むことも、さらには平和主義も含まれます。当時、平和主義者を名乗っていた人たちは、必ずしも分け隔てなく暴力に非難を向けているわけではなく、特定の大国に批判を向けていると、オーウェルの目には映っていました。
 共通するのは、「個人よりも巨大な何かに仕えているという意識」によって生み出される、「自分が正しい側にいるという揺るぎない信念」です。「巨大な何か」を国家に限らなければ、大きな物語に寄り掛かって安心しようとする心のありようは程度の差こそあれ、多くの人が経験しているのではないでしょうか。
◆小さな物語を自ら紡ぐ
 「自由」にしなやかさを取り戻す一歩は、大きな物語の居心地よさになるべく寄り掛からず、小さな物語を自ら紡ぎ出す営みかもしれません。それは例えば隅田川でスケッチしたり、日記に思いを刻んだりするような。


アイヌ民族 権利回復の議論を前へ
 伝統儀式に用いるサケの捕獲は先住民族の権利だと訴え、紋別アイヌ協会会長の畠山敏さんが、道に許可申請をせずに紋別市の川でサケを捕った。
 川でのサケ漁は水産資源保護法で禁止されているが、北海道内水面漁業調整規則は伝統儀式と漁法の伝承での特別採捕を認める。
 ただ、あくまで申請が条件だとして、道は同法違反などの疑いで畠山さんを紋別署に告発した。
 2007年、土地・資源の利用権など先住民族の権利を保障する国連宣言が採択され、政府も賛成票を投じた。だが、議論は一向に進まぬままだ。
 5月施行のアイヌ施策推進法は、アイヌ民族を先住民族と明記したが、先住権に触れていない。
 今回の捕獲は、こうした現状にしびれを切らしての問題提起だったのではないか。
 道がすべきなのは、告発ではなく、先住民族の権利回復に向けた議論を前進させることだ。
 問題の発端は、明治時代に開拓使が、アイヌ民族の生活の基盤であるサケ漁を交渉もなく禁止したことにある。
 畠山さんらは約10年前から資源保護に配慮し、アイヌ民族に一定量の自由な捕獲を保障するよう国や道に求めてきた。歴史を踏まえれば、主張は理解できよう。
 恵泉女学園大の上村英明教授は「国連宣言がうたう先住権の観点から、畠山さんの行為は、先住民族の自己決定権に基づき、国際法上正当だ」と指摘する。
 明治政府は同化政策を進め、土地や文化、言葉も奪い、今に続く格差や差別を招いた。問題解消には権利回復が欠かせない。
 水産庁は「特定の集団に漁業権を設けることは憲法14条の法の下の平等に反する恐れがある」というが、14条は社会的・経済的弱者を厚く保護して格差を是正する「実質的な平等」を含むとされる。
 カナダは自家消費のサケ漁を認め、米国では居留地で狩猟や漁業ができる。ノルウェーは先住民族の言語を公用語にし、議会や大学もある。日本の遅れが際立つ。
 国連人種差別撤廃委員会は、アイヌ民族の土地と資源への権利が十分保護されていないとして、政府に勧告を繰り返しており、深刻に受け止めねばならない。
 来年4月、胆振管内白老町に開設される「民族共生象徴空間(ウポポイ)」は、「先住民族の尊厳」の尊重を掲げる。なのに、政府や道が権利回復に後ろ向きでは、国際的な信頼を失うだろう。


被災企業の倒産/復旧の先まで見通さねば
 東日本大震災からの事業再建を国などが支援する「グループ補助金」の交付事業者のうち、2018年度までに51業者が倒産したことが明らかになった。うち16業者を、被災地経済の柱となる水産加工が占める。
 「自助努力」が原則だった事業復旧に、グループ補助金は公費投入の道を開いた。熊本地震や西日本豪雨の被災地にも適用され、大災害からの復興施策として定着している。
 生活再建には、仕事の再生が欠かせない。中小の地場業者が被災し、多くの人の雇用が失われた阪神・淡路大震災の教訓が生かされた。
 だが業種を問わず競争が激しくなる中、復旧だけでは先が見通せない。販路拡大や海外進出など、付加価値を高める支援策も充実させる必要がある。
 グループ補助金は、複数の事業者による復興計画を県が認めた場合に施設復旧費の最大75%を支給する。岩手、宮城、福島の3県で、延べ約1万業者に5千億円弱の交付が決まっており、復旧への原動力となった。
 重要なのは、再開後も事業が持続できるかという点だ。
 事業を中断していた間に失った顧客を取り戻すには、以前よりも価格や品質などでメリットを打ち出す必要があり、その分だけ負担が増す。水産加工業では、サンマ不漁など原材料費の高騰も重荷となっている。
 当初のグループ補助金は、原状復旧に使途を限っていたが、4年前から新分野進出などに適用が拡大された。宮城県や岩手県などでは水産業者の高度化や人材確保に特化した補助制度も設けた。環境の変化に対応した事業再建への柔軟な後押しを求めたい。
 復旧費用の自己負担分には地元の第三セクターの無利子融資を使う例が多いが、5年の猶予期間が過ぎれば返済が始まる。想定通りに事業が動かなければ資金繰りに窮する。倒産は今後も増えるとの見方も根強い。
 8年前の震災発生時より被災地の人口減少や高齢化は加速している。自助努力だけに委ねて仕事の場が失われれば、地域の活力を取り戻す道筋はますます描きにくくなる。業界や地域全体で、一社でも多く持続するための知恵を絞ってほしい。


消費増税直前の大打撃、台風15号の被害額は東日本大震災級
 関東地方を直撃した台風15号の被害から二週間近くが経過したが、未だ停電している地域もあり復旧は速やかに進んでいるとは言い難い。被害状況の全体把握も困難だったが、徐々に鮮明になっている。
 農林水産省は19日、農作物栽培用のビニールハウスやガラス室、畜産舎が倒壊するなど農林水産業関連の被害額が8都県(東京、神奈川、千葉、茨城、群馬、山梨、静岡、福島)で計316億円に上ると発表した。当然、農林水産関連以外も被害の度合いは深刻だろう。改めて台風15号が残した爪痕の大きさ・深さを痛感する。
農産物被害は甚大、価格高騰
 千葉県匝瑳市にある25万羽余りの鶏を飼育していた養鶏場「サンファーム」では、停電で大型ファンが止まり、暑さのために3万2000羽の鶏が死んでしまった。FNNPRIMEの取材に、サンファームの林共和取締役は、出荷量は台風前よりも2割減少し、元の状態に戻るまで最低2年はかかると話していた。
 畜産農家の台風被害が影響しているのか、東京都中央卸売市場の卵の取引価格は、台風上陸前で1キロあたり160円だったが、18日には195円に上昇した。
 卵以外にも、農作物の値上げは相次いでいる。台風の影響で東京都中央卸売市場の大田市場の梨の卸価格が月初比で約3割上昇。ミニトマトも7割増となった。
 農林水産省の「平成29年農業産出額及び生産農業所得」によると、野菜産出額の2位が茨城県、3位が千葉県だったが、上位2県が台風の被害に遭っていることを鑑みると、引き続き農作物の価格高騰は免れないだろう。
東日本大震災級の被害、それでも増税?
 甚大な経済的圧迫をもたらした台風15号。おまけに来月からは消費増税が家計に追い打ちをかける。このような現状があっても、予定通りに消費増税は実施されるのだろうか。
 日本に消費税が導入されたのは1989年。1997年まで消費税率は3%だった。1997年に5%となり、2014年には8%に上昇した。そして今年10月1日以後は10%になる予定だ。
 10%への増税は、2012年の段階で決定していた。2014年4月に8%、2015年10月に10%に引き上げる計画だったのだ。しかし8%への増税が響き、消費は低迷。2017年4月に延期となったが、その時点でも景気は回復しておらず、2019年10月まで延期されることとなった。
 安倍晋三首相は、2016年に開かれた衆議院環太平洋連携協定特別委員会で、2017年4月に8%から10%の増税を予定していることについて安倍首相は「今までも申し上げているように、リーマン・ショック級、あるいは大震災級の事態にならない限り、消費税は予定通り引き上げていく、この基本的な考え方に変わりはない」と述べていた。だが前述のように、景気の落ち込みから延期に。では、この10月の増税は確実といえるのだろうか。
 東日本大震災の農林業の被害額は約204億円と見られており、台風15号の被害額はこれを上回る。被害の深刻さを比較するべきことではないが、台風15号による千葉や神奈川、東京都島嶼部などの被害は、決して軽視できるものではない。東日本大震災の被害規模は同程度、もしくはそれ以上と考えても差し支えはないのではないか。
 それに加えて、食料品の価格高騰による個人消費の冷え込みは十二分に予想される。このタイミングで消費増税を押し切っていいのか、不安は大きい。


ラグビーW杯  多様性の魅力を楽しもう
 ラグビーのワールドカップ(W杯)日本大会が開幕し、日本はロシアに快勝した。
 4年前のW杯では、強豪の南アフリカを破るなど歴史的3勝を挙げ、日本でもラグビーへの関心が一気に高まった。目標とする決勝トーナメント進出に向け、世界の強豪相手にどんな戦いを見せてくれるか、期待が膨らむ。
 1987年に始まったW杯がアジアで開催されるのは初めてだ。力とスピードがぶつかりあう最高峰のプレーを楽しむとともに、ラグビーが持つ魅力を知る機会にもしたい。
 ラグビーは「多様性」のスポーツといわれる。ポジションによって求められる体つきや個性が異なることもそうだが、大きな特色はチーム編成が多国籍であることだ。
 日本代表は選手31人中、日本国籍を取得した8人を含めて15人を海外出身者が占める。海外出身者の起用はW杯スタート当初から続いており、徐々に増えてきた経緯がある。
 「日本代表」なのになぜ、と違和感を持つ人もいるが、国を超えてより強いチームをめざす編成のあり方は日本に限らず多くのチームに共通する。
 その理由は、サッカーW杯やオリンピックと異なり、必ずしも国籍を必要としないルールだからだ。その国・地域で両親、祖父母の1人が生まれた、あるいは本人が3年以上続けて居住―などの要件を一つ満たせば代表資格を得られる。
 こうしたルールは、19世紀の「大英帝国」で生まれた。大学などでラグビーをプレーしたエリートたちが、派遣先の植民地の代表として母国の代表チームと対戦できる道を残すためだったとされる。
 いわば植民地政策の遺産だが、「国」が前面に出がちな国際スポーツ大会で国籍を超えたチーム編成を認めてきたラグビーのあり方は、グローバル化が進む世界のありようを先取りしてきたといえないか。
 日本の次の対戦相手となる強豪のアイルランドは、英領北アイルランドとアイルランド共和国の統一チームだ。
 英国の支配下にあったアイルランド島は宗教対立などから1937年に南部が独立しアイルランド共和国になるが、北アイルランドは英国に残る。
 これに伴い、サッカーは北アイルランドが単独で代表をつくったが、ラグビーは19世紀から島の統一チームとして戦ってきた長い歴史を維持してきた。
 多国籍、多様性の価値観を大事にしてきたスポーツだからこそできたことだろう。
 共に並び立つ、肩を組み…と、アイルランド代表が国際試合前に歌うチームの歌「アイランズ・コール」には、島は一つの思いがよく表れている。
 多様な歴史や文化、ルーツを背負った選手たちが、互いに尊重し合い、力を合わせて頂上を目指す融和の精神は、社会のありようを考える上でも示唆に富む。
 「国」を盾に排他の風潮が強まる時代にはなおさらだ。
 決勝まで44日間の長丁場である。ラグビーの楽しさ、奥深さを満喫したい。


御嶽山噴火5年 火山防災の司令塔が要る
 気象庁が「力不足」を認めたのは2014年9月の噴火から半年後、翌春の記者会見だった。
 火山課長が「力が足りないことは認識している」と述べた。御嶽山噴火災害を受け、学者を中心に火山活動を評価する同庁の能力に疑問の声が上がっていた。
 御嶽山では噴火の17日前から、前兆とも受け取れる弱い地震が起きていた。同庁は「ただちには噴火しない」とみて、噴火警戒レベルを最低の1に据え置いた。山頂一帯は規制されず、63人の死者・行方不明者が出た。
 求められた火山防災力の向上。その取り組みは将来像を描ききれぬまま、依然途上にある。
<気象庁を強化しても>
 火山噴火予知連絡会の元会長、藤井敏嗣さんは、米地質調査所(USGS)の研究者から聞いたハワイ・キラウエア火山の現地の様子が印象に残っている。
 昨年活発化し、住宅地から大量の溶岩が噴き出した同火山。米本土などから集まった総勢90人以上の専門家チームが交代で24時間、3カ月にわたって観測を続けた。
 専門的な見地で自治体に防災対応を助言するだけでなく、将来に備え噴火の推移を余すところなく調べる姿勢は、「日本では到底まねできない」と思ったという。
 御嶽山を教訓に、気象庁は火山対策を強化した。御嶽山で起きたような前兆を捉えにくい小規模な水蒸気噴火も予知しようと、全国の活火山に地震計などの観測機器を数多く取り付けた。
 人員も充実させた。火山を遠隔監視する札幌、仙台、東京、福岡のセンターと本庁火山課の職員を計160人から240人に増員。地方気象台の火山担当も増やし自治体との連絡を密にした。
 同庁はその後も、予知困難な噴火に直面する。
 草津白根山は18年、想定された火口とは別の場所から突如噴火した。予知どころか、当初は噴火の事実すら把握できなかった。
 今年8月の浅間山噴火は前兆を感知できなかった。全国的にも観測態勢が整った火山の一つで、過去には予知に成功していた。
 いまの科学水準で火山活動を完全に把握することはできない。予知には限界がある。やるべきことは、監視によって得た観測データと研究の蓄積を総動員し、防災に結び付けていく努力だろう。
 個性に富んだ各火山の観測を積み重ね、人材を育て、将来に備える。気象庁の機器や人員は充実した。それだけで十分に役割を果たしていけるだろうか。
 行政の効率化も求められる中、約5千人という職員の全体数は増やしにくい。火山重視の職員配分が将来も続くかは分からない。原則として転勤があり、専門人材を育てる仕組みも不十分だ。
 打開には、気象庁以外にも目を向ける必要がある。日本の火山防災は監視と研究を担う機関が分散し、司令塔を欠いている。
 火山は大学のほか、防災科学技術研究所など公的研究機関も観測している。防災政策の立案も内閣府や総務省消防庁にまたがる。
 内閣府の調査によると、米国に限らずイタリア、インドネシアといった火山国には、監視と研究を一元的に担う機関がある。
 日本は、世界の活火山の7%が集中する有数の火山国だ。このままでよいはずがない。
<研究者の育成を>
 御嶽山噴火を機に知られるようになった課題の一つに研究者の不足があった。火山観測に関わる研究者は全国に80人ほど。主力である大学の研究者は全国で1クラス分ほどしかいないとされ、「40人学級」などと表現された。
 倍増を掲げ、文部科学省は全国の大学が連携する講座や共同研究を通じて人材育成する10年計画のプロジェクトを始めた。
 一過性に終わらせないため、どうすべきか。それは政府の学術政策全体にも通じる問題だ。
 政府は01年以降、競争原理によって研究を促そうと、競って獲得するタイプの研究費の拡大を進めた。04年の国立大法人化を機に、予算の抑制傾向を強めた。
 火山研究は、その弊害をもろに受けたと言われている。長い周期で活動する火山は研究成果をすぐには出せず、若手が育ちにくい。火山噴火予知連は今春、予知連自身の在り方を考える報告書をまとめ、将来は委員の確保が難しくなることも予想されるとした。
 腰を据えた火山研究の中心となる存在が欲しい。一元的な機関はそうした観点でも重要だ。
 火山防災体制を論議した国の検討会は昨年、報告書をまとめたが、一元機関の設置提言に踏み込まなかった。事務局の内閣府は「できることを進める」とする。
 いまの政権や中央官庁に旗振り役は見当たらない。火山を抱える地方から、長期的視点で問題意識を発信していかねばならない。


憲法変えようとする人 怪しいと思え れいわ・山本代表インタビュー
 れいわ新選組の山本太郎代表は本紙の単独インタビューに応じ、安倍政権が目指す改憲に「現行憲法を守らずに変えようとする人間たちは信用するな、怪しいと思え、ということ」と反対する姿勢を示した。次期衆院選で消費税率5%への引き下げで野党が結集し、政権交代を目指す考えを強調した。 (大野暢子)
 山本氏は憲法が守られていない例として「いちばん分かりやすいのが二五条、生存権だ。『健康で文化的な最低限度の生活』ができている人がどれだけいるのか」と指摘した。
 憲法九条への自衛隊明記や、有事に政府への権限集中を認める緊急事態条項の新設などを掲げた自民党の改憲四項目については「本丸は緊急事態条項。全て内閣で決めて首相の思い通りにできる。国会はいらなくなるということ」と批判。「自衛隊の明記が大きな問題として取り上げられる可能性があるが、明記しようがしまいが、緊急事態条項が通れば何でもできちゃうって話だ」と訴えた。
 十月から税率が10%に引き上げられる消費税については「収入の少ない人ほど負担が大きくなる。この国を弱らせてきた原因」と指摘。次期衆院選では、れいわが掲げる税率5%への引き下げを野党の共通政策とすることで「消費税を争点にし、減税で人々の生活をどう守るかというカードを出す」との構想を示した。
 引き下げに慎重な立憲民主党や国民民主党には「万年野党で居続けるか、政権交代を起こすかだ」と連携を呼びかけた。一致できなければ「政権交代する意思がない」として、小選挙区での候補者調整に応じない可能性も示唆した。
 山本氏自身の二〇二〇年の東京都知事選や次期衆院選への立候補を含めた今後の去就は「全ての可能性を排除しない。山本太郎というカードを最大限に生かせる選択肢を選びたい」と語った。
 れいわは今年四月、参院議員だった山本氏が政治団体として設立。七月の参院選は比例代表で二百二十八万票を獲得し、重度障害者の二人が当選した。れいわは政党要件を満たしたが、山本氏は議席を失った。
<やまもと・たろう> 1974年、兵庫県宝塚市生まれ。91年に俳優デビューし、映画やドラマに出演。2011年の東京電力福島第一原発事故をきっかけに反原発運動を始める。13年に参院選東京選挙区に出馬し初当選。14年、「生活の党と山本太郎となかまたち」に合流し、共同代表に就任(16年に自由党に改称)。19年4月、自由と国民民主党の合流に加わらず、政治団体のれいわ新選組を立ち上げた。


河北春秋
 ここまでやるかと思われた方も多いのではないか。2020年東京五輪に向けた暑さ対策。先日、観客席に人工降雪機を導入する実験が行われた。「検証できるものは今のうちにやっておく」(大会組織委)のだとか▼今年も酷暑が続いた東京。熱中症予防の国際指標である「暑さ指数」を見て驚く。五輪期間(7月24日〜8月9日)の17日間のうち、原則運動中止とされる危険区分の指数31.0度以上が14日間にもなった▼時期をずらせばいいのでは、とも思うが、そうはいかない。国際オリンピック委員会(IOC)が立候補国を募る際、条件にしたのが7〜8月の開催。秋になると他の人気スポーツと競合し、莫大(ばくだい)な放送権料が見込めなくなるためとされる▼ではどうやってしのぐか。IOCは選手向けに手引書まで作成。大会2週間前から蒸し暑さの中で練習することを勧め、サウナも有効だとする。マラソンコースを含む都道136キロの遮熱性舗装、木陰増に向けた街路樹剪定(せんてい)、涼しさを演出する朝顔の陳列…。クスッとさせられるものまで挙がる▼「おもてなし」の心をもってしても、近年の酷暑は耐え難い。選手、観客それぞれから不満が出ない環境をいかに整えるか。大会自体の評価にも関わるだけに、きめ細かい対応が求められる。

“黒い交際”閣僚をスルー 大メディアのご都合主義と二枚舌
 もっと大騒ぎするべきじゃないのか――。初入閣した武田良太国家公安委員長(51)と竹本直一IT担当相(78)、元暴力団関係者との“黒い交際”のことである。
 11日の組閣直後、武田氏の政治資金管理団体が、元山口組系暴力団組員とされる人物からパーティー代として70万円を受け取っていたことや、竹本氏が元暴力団幹部との写真撮影に応じていたことを週刊誌が報じた。ところが、二階幹事長は「週刊誌に何か書かれたからといって物事がどうこうするわけではない」と言い放ち、問題視しない考えを示した。
 だが、これはどう考えてもオカシイ。現職大臣が暴力団と近しい関係にあるのではないか、と指摘されているのも同然だからだ。大体、吉本興業の芸人による闇営業問題が発覚した際、当時の閣僚はこう口をそろえていた。
<一般論として反社会的勢力と付き合うことは厳に慎むべきだ>(世耕弘成元経産相)
<文化の健全な振興の観点からもガバナンス(企業統治)、コンプライアンス(法令順守)は極めて重要だ>(柴山昌彦元文科相)
<一国民としてすっきりしない>(片山さつき元地方創生相)
<吉本興業はクールジャパンのコンテンツ制作者として非常に有力な企業の一つであり、法令順守の徹底や説明責任を期待せざるを得ない>(平井卓也元科技相)
 閣僚や自民党幹部が吉本問題でガバナンスやコンプライアンスの重要性を強調していたにもかかわらず、大臣に就いた武田氏や竹本氏が反社との“黒い交際”については知らん顔なんて許されるはずがない。ところが、大新聞・テレビもスルーしたままだから、呆れてしまう。
 吉本芸人の星田英利(旧芸名ほっしゃん。)も自身のツイッター上でこう書いた。
<これを問題にしないのだったら、吉本の芸人さんとの違いは? あれもOKってことなんだね?誰か教えて。>
 この国の大新聞・テレビが二枚舌なのは今に始まったことじゃないが、こんなご都合主義じゃあ、悪辣閣僚がのさばるのもムリはない。


第4次安倍改造内閣の知っておくべき側面。統一教会系閣僚11人、その他の問題集団との関係も枚挙に暇なし
 統一教会と関係の深い議員が多数入閣。その一人、菅原一秀の経産相抜擢に見る、「菅政権」への布石〉でジャーナリストの鈴木エイト氏が、第4次安倍再改造内閣における統一教会系閣僚の顔ぶれをリポートしている。同内閣での統一教会(世界平和統一教会)系閣僚は11名。副大臣や政務官、党役員などを含めると総勢21人にものぼる、まさに「カルト内閣」だ。
第4次安倍再改造内閣カルト人脈 しかも今回の内閣では、統一教会以外の問題集団と関わりを持つ議員も多い。「カルト」と断定すべきかどうかはともかくとして、問題のある宗教団体やニセ科学集団などとの関わりを検証したい。
昭恵夫人も関わる偽歴史教
 閣僚4名、副大臣4名が関わりを持っているのが「不二阿祖山太神宮」(山梨県富士吉田市)。偽の古文書とされる「宮下文書」を根拠として、200〜300万年前の富士山麓(富士高天原)に天皇を頂点とする「富士王朝」(古代富士王朝)があったとする世界観を教義としている。その文明において天皇家縁の神社だったのが「不二阿祖山太神宮」で、その再建を謳っている。
 人類の誕生は約100万年前と言われている。200〜300万年前と言えば、まだ猿人・アウストラロピテクスの時代。天皇を頂点とする王朝などあるはずもない。
 またこの宗教団体は09年に設立されたもので、そもそも「富士王朝」なるものとは関係がない。「病気が治る奇跡の水」なるものを販売していた過去もある。
 特に問題なのが、関連NPO法人の名義で年1回開催している「FUJISAN地球フェスタWA」。学研『ムー』編集長を講師に招き「富士高天原ツアー」や「富士王朝」に関する講演会を開催するなど、教義に結びつけるような企画を含んでいた年もある。
 このイベントの初期に「代表発起人」と「名誉顧問」を務めてきたのが安倍首相の夫人・昭恵氏だ。彼女が関わりを持つようになって以降、多い年には47もの行政機関から後援を取り付けた。また70名近い国会議員が顧問などを務める。
 そのうち、今回の入閣したのが、田中和・復興大臣、武田良太・国家公安委員長、竹本直一・IT担当大臣、西村康稔・経済再生大臣。副大臣では義家弘介氏(法務)、牧原秀樹氏(経産)、御法川信英氏(国交、内閣府、復興)。政務官では中谷真一氏(外務)、青山周平氏(文科、内閣府、復興)だ。
 田中・復興大臣は2018、2019年の「FUJISAN地球フェスタWA」の特別顧問及び代表発起人で、ほかは全員2015〜2019年の間、連続で顧問等を務めている。
 不二阿祖山太神宮は、いわゆる「カルト」のような事件を起こしているわけではない。しかし「FUJISAN地球フェスタWA」は子供連れ客の来場も想定した内容で、教育委員会などの教育関係機関も多い年で17も後援についている。しかし、偽史に基づいた宗教イベントに国会議員ばかりか子供まで巻き込んでいるというのは明らかに問題だ。カルトというよりニセ科学に近い問題を抱える団体と捉えるべきか。
「偽装勧誘」を行う霊友会
 次に多いのが「霊友会がらみ」だ。高市早苗・総務大臣、加藤加藤勝信・厚労大臣、西村康稔・経済再生担当大臣がそれぞれ、過去に自身が代表を務める自民党支部や政治団体から霊友会や関連団体に会費を支払っている。小泉進次郎・環境大臣は会費支払いはないものの、2015年に霊友会創立祭に出席した。
 霊友会も「カルト問題」の現場で取り沙汰されることは殆どない。しかし勧誘手法にかなり問題がある。
 霊友会は伊豆の山奥の研修施設で定期的に合宿を行っている。お題目やお経を唱える完全な宗教合宿だ。これに、信者が知人などを誘ってくる。ところが、霊友会の宗教合宿であることを知らせないまま知人などを誘って連れてくるケースが複数確認されている。
 正体を隠した勧誘は、統一教会などの典型的なカルト宗教の手法と変わらない。
「幸福の科学大学」認可申請を仲介した萩生田氏
 幸福の科学に関わっている閣僚は萩生田光一・文科大臣1人だけだが、関わり方がややディープだ。
 幸福の科学は14年に「幸福の科学大学」を開設すべく文科省に認可申請を行った。この時、教団側と文科省側の仲介役だったのが萩生田氏だ。
 文科省側から大学の計画内容の変更を求められた際、幸福の科学側が反発。そのとき萩生田氏が「学長を変えれば(大学を)開設できる」などという趣旨のアドバイスを幸福の科学側に対して行っていたことが、「幸福の科学大学(仮称)」の公式サイトで教団側が発表した文書で明らかになっている(現在は削除されている)。
 幸福の科学大学は、教祖・大川隆法総裁が霊を呼び出したと称して喋る「霊言」を、科学的に証明されたものとして扱う授業を予定していたことを理由に、認可申請は「不可」とされた。また申請過程で関係者が文科省職員を脅すかのような言動をとったり、当時の下村博文・文科大臣の霊をおろしたと称する「霊言」の書籍を文科省の諮問機関である審議会関係者に送りつけるなどしたことから、5年間は認可しないとのペナルティも課された。
 今年2019年に、この「喪」が明ける。10月に再び申請を行う予定だ。奇しくも、かつて仲介役だった萩生田氏が、今度は文科大臣として申請を受ける側として関わることになる。
 宗教関連でもうひとつ、安倍首相が関わっているのがワールドメイト。過去、高額な伏せを支払った信者から訴訟を起こされたり、批判的な報道を行ったジャーナリストや出版社を片っ端から訴えるなどしてきた「訴訟カルト」。近年も、天災を予言して、それを防ぐためと称して信者からカネを集めるなどしている。
 こんな教団の教祖・深見東州(本名=半田晴久)の誕生会に、安倍首相は毎年花や祝電を送っている。
ニセ科学やスピリチュアルも
 宗教ではなく「ニセ科学」や「スピリチュアル」と呼ばれる分野の集団との関わりもある。
 高市・総務大臣と橋本聖子・東京五輪担当大臣が参加しているのが、「自民党統合医療推進議員連盟」。ほかに副大臣2名、政務官も2名いる。
 統合医療とは、一般的な医療との統合を謳い文句に民間療法を医療分野へと押し上げようとする運動。そこには、科学的根拠がすでに否定されている「ホメオパシー」も含まれている。
 ホメオパシーについての詳細は省くが、大まかに言えば単なる砂糖玉(病状を引き起こす成分を希釈震盪したものを配合している、と謳われている)を飲むことで病気が治せると信じている民間療法だ。単なる砂糖玉なので、それ自体には害はない。しかし推進団体や信奉者の中には通常の医療で使われる薬やワクチンを否定し医療を忌避する者もおり、それゆえの死者も出ている。
 10年には朝日新聞がこの問題を大々的に報じ、日本学術会議や日本医師会といった科学・医療関係の団体がこぞって、医療現場からのホメオパシー排除を訴える声明を発表する騒ぎも起こった。
 このホメオパシーも含めて推進している業界団体が日本統合医療学会。閣僚が加わっている前述の議員連盟は、厚労省などの担当者まで出席させて、この学会の名誉理事長の講演会を開催するなどしてきた。
「親学」と安倍総理の深い関係
 安倍首相と西村大臣は、「親学推進議員連盟」の所属。特に安倍首相は議連設立時の会長だ。
 親学とは、日本会議の主要メンバーである教育学者・高橋史朗氏が提唱する子育て論だ。当然、復古的傾向が強い内容だが、中でも発達障害は親のしつけが悪いことが原因であり、伝統的な子育てをすることによって予防できるとする主張が、科学的根拠がない誤解や偏見であるとして批判されている。
 民主党政権時代の12年、一般社団法人「日本発達障害ネットワーク」が親学推進議連の安倍会長宛に、親学の問題を指摘する文書を送付。14年に成立した第二次安倍改造内閣も、閣僚に4名の議連メンバーがいるとして問題視され新聞でも取り沙汰された。
 2015年に活動を休止した「人間サイエンスの会」という団体がある。宗教や神秘体験、「高次元のインスピレーション」等々、あからさまにスピリチュアルなテーマの講演会を173回も開催してきた。
 この団体に関わっていた閣僚は確認できないが、下村博文・党選対委員長は同会の幹事長を務めていた。自身が代表を務める自民党東京都第11選挙区支部から2013年に同会への会費1万2000円を支払った記録も、政治資金収支報告書に記載されている。宮下一郎・内閣府副大臣も、同会の事務局長だった。
 かねてより批判が多い保守勢力の日本会議や神道政治連盟等も含めると、恐ろしいことに「無傷の閣僚」が1人もいない。それが第4次安倍再改造内閣の実態なのである。
<取材・文/藤倉善郎>ふじくらよしろう●やや日刊カルト新聞総裁兼刑事被告人 Twitter ID:@daily_cult3。1974年、東京生まれ。北海道大学文学部中退。在学中から「北海道大学新聞会」で自己啓発セミナーを取材し、中退後、東京でフリーライターとしてカルト問題のほか、チベット問題やチェルノブイリ・福島第一両原発事故の現場を取材。ライター活動と並行して2009年からニュースサイト「やや日刊カルト新聞」(記者9名)を開設し、主筆として活動。著書に『「カルト宗教」取材したらこうだった』(宝島社新書)


暴力団癒着の田中復興相が原発被災者の支援打ち切りで「担当外 福島県の責任」と大嘘! 裏では政府が県に打ち切り指示
 トンデモ大臣を揃えて国民を唖然とさせた安倍首相の内閣改造だが、さっそく新大臣からひどい発言が飛び出した。暴力団との密接交際も発覚したあの田中和徳復興相が、閣議後会見で、東京電力福島第一原発事故の自主避難者について、「復興庁は担当ではない」と発言したのだ。
 復興庁は自主避難を含む原発事故避難者の生活を守る「子ども・被災者支援法」を所管し、東日本大震災の被災者支援に毎年約100億円の予算がつけられている。それを「担当外」とは、明らかな職務放棄、無責任にもほどがあるだろう。
 しかし、これは田中復興相個人の問題ではない。むしろ、田中復興相は安倍政権が一貫してとってきた被災者切り捨て、責任逃れの方針を忠実に守ったに過ぎない。
 田中復興相の発言は、原発事故後、自主避難者に無償提供されていた国家公務員宿舎の退去問題について聞かれた際のものだった。国と福島県は2017年3月末に、自主避難者への家賃補助や住宅無償提供を打ち切っていたが、今回、その後も国家公務員宿舎に住み続けている自主避難者に対して、家賃2倍相当の損害金請求、そして明け渡しを求めて提訴まで行う方針を打ち出した。
 原発事故の避難者を“違法占拠者”扱いするこの暴挙に、当然、避難者団体や地元メディアからは厳しい批判の声が上がった。
 ところが、安倍政権はこうした対応について一貫して「福島県が決めたこと」と県に責任転嫁をして、逃げ続けているのだ。たとえば、田中復興相の前任者である渡辺博道前復興相も7月16日の会見で「県の判断を尊重する」と発言、国家公務員住宅を所管する財務省も「県の判断を尊重し、県と連携して支援する」などとコメントしていた。
 そして、今回、田中復興相もこの問題について聞かれ、やはり責任転嫁のために、「担当ではない役所があんまり明確に申し上げることは差し控えたい」とくだんの無責任発言をした後、「復興庁は財政、人材面で福島県の活動を支援している。福島県で責任をもって対応することになっている」などと述べたというわけだ。
 しかし、これらの弁明は全て、大嘘である。実際には、国家公務員宿舎からの“追い出し”は政府が決めたことであり、財務省が福島県に追い出しやすい制度を作れ、と圧力をかけていたことまでが明らかになっている。
 これを報じたのは原発事故の地元・テレビユー福島(TBS系)『Nスタふくしま』。同番組では、自主避難者への国家公務員住宅提供について、県に情報公開を請求、その結果として国の関与があったとしてこう報じた。
「国家公務員住宅に住む自主避難者が退去を求められている問題です。3年前、県が国と交渉した際、無償提供が終わった後の対応について、国が期限を設定するよう求めていたことがわかりました」
『Nスタふくしま』が報じたのは、2017年3月末、自主避難者への住宅無償提供を打ち切った際、福島県が一部経過措置の期限を2年に限定した問題だ。これは、2年後はどんな事情があろうと、宿舎を追い出し支援を打ち切るというものであり、それが現在の損害金請求や訴訟という強硬姿勢につながっている。
 ところが、同番組が入手した文書によると、この経過措置を決める話し合いが2016年に国と県との間で行われ、その際、県は期限を決めることに難色を示していた。にもかかわらず、財務省が「退去の説得をしやすい」などの理由から期限を決めるように県に求めていたのだという。その結果、無償提供打ち切りの2年後、つまり今年3月末までの退去期限が設定されたのである。
国連でも、安倍政権の原発事故被災者の強制帰還と支援打ち切りを問題視
 財務省がここまで事細かく“追い出し”の制度に口出ししていたのだから、そもそもの自主避難者への支援打ち切りという大方針、そして今行われようとしている国家公務員住宅に住み続ける自主避難者への訴訟などの強硬姿勢も、国が主導したと考えるのが妥当だろう。
 実際、打ち切りが決まった2017年4月、当時の復興相だった今村雅弘は打ち切りについて、「自己責任」「裁判でも何でもやればいい」と言い放ち、追及したフリージャーナリストに「うるさい!」「(発言を)撤回しなさい! 出て行きなさい!」と激昂、そのまま怒鳴りながら退席するという醜態を演じて、問題になった(ちなみに今村氏はそのすぐ後、「まだ東北で、あっちの方だったから良かった」と差別的暴言を吐、復興相を辞任している。
 しかも、支援打ち切りは自主避難者に対してだけではない。同時期に、原発近くの8つの地区に出ていた避難指示を次々解除、そのために年間被曝限度を国際基準「1ミリシーベルト」の20倍、「20ミリシーベルト」にまで引き上げた。ようするに、支援を打ち切るために、被災者に健康被害のリスクを背負わせてまで強制帰還させる政策を打ち出したのだ。
 これらの政策については、国連でも問題視されている。強制帰還政策については、2018年10月の国連人権理事会で、避難解除の基準値「20ミリシーベルト」について「1ミリシーベルト」に引き下げ帰還政策を見合わせるよう要請され、また住宅無償提供などの公的支援打切りの方向性についても自主避難者に対し帰還を強制する圧力になっていると指摘された。
 だが、国内ではどうか。国の原発政策が引き起こした事故で住まいを追われた人たちの生命や生活をさらに危機に晒すようなとんでもない棄民政策が進行しているというのに、批判の声は全く聞こえてこない。暴力団の密接交際者である人物が復興大臣に就任して「自主避難者は担当外だ」などと職務放棄発言をしても、責任を問う動きは全くない。
 そして安倍政権に乗せられて、震災や原発事故なんてなかったかのように、ラグビーW杯だ、オリンピックだと大騒ぎを繰り広げている。安倍政権の7年間で、日本は弱者のことなんて誰も見向きもしない、とてつもなく残酷な国になってしまったようだ。(伊勢崎馨)


NHK大河『いだてん』がベルリン五輪の回で「韓国併合」の悲劇に言及 朝鮮出身マラソン選手が日本代表で表彰されたシーンで
 2つの東京オリンピックに関わった人たちを描くNHK大河ドラマ『いだてん〜東京オリムピック噺〜』。低視聴率ばかりが話題になっている同作だが、先週(第35回「民族の祭典」)の放送で注目すべき展開があった。
この回はナチスドイツ下のベルリン五輪を描いたのだが、日本の帝国主義と韓国併合がオリンピックにもたらしたグロテスクな問題に触れたのだ。
 まず、『いだてん』は当時の記録映像を交えながら、ベルリン五輪がヒトラーのファシズム、民族主義、ユダヤ差別に利用されていること、日本とナチスドイツとの同盟関係を批評的に描くシーンを端々に挿入し、当時の日本がそのグロテスクな思想に無批判だったことを示唆的に描く。
 たとえば、日本選手の間で「ハイル・ヒトラー」が流行り、ユダヤ人スタッフもいる選手村で「ハイル・ヒトラー」と無自覚にふざけ合っているのを見て、主人公のひとり・田畑政治(阿部サダヲ)が怒るシーン。また、狂言回し役の志ん生(ビートたけし)がレニ・リーフェンシュタールの記録映画『オリンピア』に対して「そんないいもんじゃねえよ。みんな、騙されちゃってな。日本もドイツみたいに強くならなきゃいけないって」などと突っ込み、「プロパガンダ」「ナチスの大宣伝」であった事実を説明するくだりもあった。
 さらに、もうひとつ『いだてん』がベルリン五輪の負の側面に踏み込んで描いたのが、朝鮮半島出身のマラソン選手・孫基禎と南昇竜をめぐるエピソードだ。当時、朝鮮半島は「韓国併合」で日本に植民地化されていたため、ベルリン五輪には7人の朝鮮選手が「日本代表選手」として出場。孫基禎は「五輪マラソン競技日本初」の金メダルを、南昇竜は銅メダルを獲得した。
 今回この2人の朝鮮選手を役者が演じることはなかったが(前週34話ではともに東洋大陸上部出身の若手芸人と映像ディレクターが一瞬だけ演じていた)、当時の実際のニュース映像を引用しつつ、登場人物たちが2人の朝鮮選手のことを話す形で物語が展開していく。主人公である金栗四三(中村勘九郎)たちが、孫と南の競技用シューズを足袋屋の播磨屋が作ったことを誇らしく自慢する会話、マラソンのラジオ中継が途中で終わって、いてもたってもいられない金栗が弟子と一緒に走り出し、「孫さん、南さんにエールを送りましょう!」「孫さーん!南さーん!負けんなー!」と叫ぶシーン。そして、孫選手が金メダルを取ると、涙して店先に「祝孫選手世界一」の張り紙を飾る。
 しかし、踏み込みを見せたのは、その後、表彰台のシーンだった。「1 SON JAPAN」「3 NAN JAPAN」という競技結果を表示する会場のボードが映し出され、君が代が流れるなか、日本国旗である日章旗が上がる。次に、孫選手と南選手が表彰台で俯いている様子が流れ、日章旗掲揚のシーンが挿入されると、神木隆之介によるこんなナレーションが入ったのだ。
「表彰式で優勝した選手の出身国の国旗が掲げられ、国家が演奏されることを孫選手と南選手は知らされていませんでした」
そう、孫選手と南選手が金メダルを取りながら、母国・朝鮮が日本の植民地にされてしまったため、表彰式では母国の国旗ではなく、日本の国旗が掲げられ、君が代が演奏された。この悲劇を『いだてん』は間接的ながら描いたのだ。
 金栗ら播磨屋に集まってラジオを聴いている人々の会話にもその問題は盛り込まれていた。君が代とともに孫と南のメダル獲得を伝えるラジオを聴きながら「どんな気持ちだろうね」「ふたりとも朝鮮の人ですもんね」と話す。そこで、播磨屋店主の黒坂辛作(三宅弘城/ピエール瀧の代役)が「俺は嬉しいよ」と語り始めるのである。
「日本人だろうが朝鮮人だろうがアメリカ人だろうがドイツ人だろうが、俺の作った足袋履いて走った選手はちゃんと応援するし、買ったら嬉しい。それじゃダメかね、金栗さん」
『いだてん』が描けなかった朝鮮半島出身のマラソン金メダリスト・孫基禎の怒り
 金栗が感極まって、「よかです。そってよかです。播磨屋の金メダルたい。ありがとうございます」と返したところで、このシーンは終わる。
 それだけだが、しかし、これらのシーン、演出からは、クドカンと制作スタッフが、当時のナチスのファシズムや日本の韓国併合によってオリンピックが歪められていた事実を何とかギリギリのところで描こうとした、その思いは十分うかがえた。いや、それだけでなく登場人物に語らせた「日本人だろうが朝鮮人だろうが…」というセリフには、嫌韓一色に染まる現在の日本の状況への批評の意味合いもあったはずだ。
 安倍政権の圧力や、ネット右翼の炎上攻撃でメディアが萎縮する中、『いだてん』がこうしたメッセージを届けようとした姿勢は評価すべきだろう。
 しかし、その一方で、この描き方では、当時の韓国併合の現実や朝鮮出身選手をめぐる状況をきちんと伝えきれないこともまた事実だ。
『いだてん』のなかで「どんな気持ちだろうね」と言われていた孫は、実際、表彰台の上で何を感じていたのか。孫の自伝『ああ月桂冠に涙』(講談社)には、こう記されている。
〈金メダルが首にかけられ、勝利の栄光を象徴する月桂冠が頭にのせられた。スタンドの観衆が割れんばかりの拍手を送ってくれている。私に、私のために……。
「ああ、私は勝ったんだ」
 青春のすべてを賭けて、空腹に耐えながら走り続けた甲斐があった。この日のために、なんとぼう大なエネルギーを費やしたことか。数時間前の、あの炎天下での死闘がウソのように、私の心は落ち着き、いま最大の栄誉を与えられて感激に浸っている。〉
 当時のオリンピック記録で金メダルを勝ち取った孫基禎を、観客は大歓声で迎えた。だが次の瞬間、孫のなかで、大記録達成の感動はまったく別のものに変わってしまった。
〈やがて、国旗掲揚となった。メイン・ポールにスルスルと上がっていく日章旗。
「あっ、あれは……」
 そう、あれは日本の国旗ではないか。
「オレはコリアの孫基禎なんだ。オレは日本人ではない……」
 たったいま感激にうち震えていた胸は、一転して憤怒に変わっていた。
「どうして私の優勝に日章旗が掲揚されなければいけないのだ。どうして君が代がベルリンの空に響き渡っていなければならないのだ」
 これが果たして、私の優勝の代償なのだろうか。亡国民の悲惨な烙印を消しきれない焦燥感にかられて、自分がのろわしくてならなかった。〉
 孫基禎は、日韓併合から2年後の1912年、朝鮮半島北西部の新義州に生まれた。貧しい家に育ち、陸上選手となって以降も日本人から差別的な待遇を受けたという。栄光に浴するはずの表彰台の上で、孫の目に飛び込んだ「日の丸」の旗。それは、自分の祖国を奪った日本が称えられているという事実、つまり、自らのルーツを否定するものでしかなかったのだ。
孫の写真から日の丸のマークを消した東亜日報に日本が加えた言論弾圧
 孫はこう続けている。
〈私は、これまでたった一度だって日本のために走ったことはない。自分自身と祖国コリアのために走っただけなのだ。それなのに、いま私の優勝は……。国を奪われた悲哀とみじめさが交錯していた。そして、避けられなかった自分の、絶望的な誕生の運命を確実に意識していた。
「もう二度と走るまい」
 日章旗から受ける苦痛のイメージがなくならない限り、マラソンはもう捨てよう。私はそう心に誓っていた。
 声を殺してのみこむ嗚咽が、胸底深く落下していった。苦渋にゆがむ私の顔を、観衆はなんと受けとめたか。おそらく感激のあまり、涙にむせんでいるととったに違いない——。〉
 孫基禎の金メダルは大衆の熱狂を呼んだが、日本人の朝鮮人へ見方はまったく変わらなかったという。〈彼らが熱望していたマラソン優勝者は、日の丸を胸に抱いた日本選手であって、朝鮮人・孫基禎ではなかったのである〉と孫は振り返っている。〈私が優勝したからといって、朝鮮人に対する人間的蔑視には少しの変化も起こらなかった。優勝ムードが希薄になってくると、彼らはかえって私の一挙手一投足を監視し始めた。彼らにとって不利な発言をするかどうか、戦々兢々としていたのである〉。
 そこには、この回の『いだてん』が触れなかった事件も関係してくる。日本統治下の朝鮮紙「東亜日報」が、孫の胸部分の日の丸のマークを消すように塗りつぶした写真を掲載したことで、当局から無期限刊行停止の処分を受けた、いわゆる「日章旗抹消事件」である。
 ルポルタージュ『日章旗とマラソン』(鎌田忠良/潮出版社)によれば、この写真修正の事実をいち早くキャッチしたのは軍司令部だったという。東亜日報の部長や記者らが次々に署に連行され、拷問を受けた。主要容疑者とされた5名は、総督府側に言論界からの永久追放を約束することで、ようやく長期勾留から釈放されたのである。
 事件の背景には、朝鮮民族主義と独立運動の芽を潰したい当局の目論見があった。実際、事件は他紙にも波及しており、たとえば朝鮮中央日報も、東亜日報関係者の逮捕・連行を受けて表面的には社告のかたちで「一週間の休刊」を決めた。その後、朝鮮中央日報は経営難から再起できず、最終的に総督府から発行権を取り消されている。「日章旗抹消事件」は、繰り返し行われてきた朝鮮半島での言論弾圧の実例のひとつなのだ。
金メダル後も差別され続けた孫は「同じメダリストの前畑にもこんな態度で臨むのか」と
 孫がこの事件を初めて知ったのは、帰国のためにシンガポールに寄港した際のことだった。前掲の自伝によれば、日本商船に乗っていた朝鮮人が小さなメモ書きを孫に渡した。そこには「注意しろ! 日本人が監視しているぞ! 本国で事件が発生、君たちを監視するようにとの電文が選手団に入っている」と書かれていた。
 実際、選手団を乗せた船が日本の長崎に到着した時、孫は警察に呼ばれ「銃とかナイフのようなものは持っていないだろうね」「帰国途中、誰に会い、どのような話をしたのだ」などと尋問を受けた。
〈刑事の一人が、あたかも犯罪人を取り調べるような態度で横柄に聞いてきた。思わず激しい怒りがこみ上げてきた。これが、そもそも彼らが四半世紀もの間念願していたオリンピック・マラソン金メダリストに対する態度なのか。同じ金メダリストの前畑、田島にも、このような不遜な態度で臨むのだろうか……。〉
 身辺ではいつも日本と朝鮮から2名ずつの刑事から交代で監視されていたという。朝鮮選手と親交が深い日本の有力者が訪ねてきたときも、孫は「優勝を返上したい気持ちです」と吐露している。
 ベルリン五輪の翌1937年、日本は中国本土への侵略を本格化、1939年にはドイツがポーランドを侵攻し、第二次世界大戦に突入した。アジア初の開催となるはずだった1940年東京五輪は「まぼろし」となった。孫が選手として五輪の舞台に立ち、表彰台から太極旗の掲揚を目にすることはなかった。2002年、「日本初のマラソン五輪金メダリスト」は90歳でこの世を去った。現在も、日本オリンピック委員会は孫基禎の金メダルを「日本代表選手の入賞」として扱っている。
 もっとも、『いだてん』ではこれから先、おそらくこれ以上、孫基禎のことが深掘りされることはないだろうし、「日章旗抹消事件」などにも触れられることはないだろう。今夜22日放送の『いだてん』第36回のタイトルは「前畑がんばれ」。一転して、前畑秀子の金メダルでピークに達した日本国内のベルリン五輪への熱狂が描かれるはずだ。
 しかし、『いだてん』がこれから描くのはさらに、日本の軍国主義がエスカレートし、戦争の暗雲が広がっていく時代だ。そして、幻に終わる1940年の東京オリンピック。35話でも日本がヒトラーの協力により招致に成功したことを描いていたが、このあと『いだてん』はいったいどう描くのか。安易な「オリンピック・ナショナリズム」に一石を投じることを期待しながら、今後の『いだてん』に注目したい。

ハンバーガーランチ/ゴミ箱/パレスチナワイン

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タカガワ梅田ビル151230

Osaka en finale contre Pavlyuchenkova au Japon
(Osaka) L’ex-N.1 mondiale Naomi Osaka retrouvera la Russe Anastasia Pavlyuchenkova, classée 41e, en finale du tournoi WTA d’Osaka après avoir battu la Belge Elise Mertens 6-4, 6-1 samedi.
Pour son premier tournoi depuis son élimination en 8e de finale des Internationaux des États-Unis, qui l’a privée de son trône mondial, Osaka, 4e mondiale, a buté sur Mertens jusqu’au 10e jeu du premier set : le break lui a permis d’arracher la manche avant de dérouler et de plier le match en tout juste une heure.
Face à Pavlyuchenkova qui a écarté sans difficulté l’Allemande Angelique Kerber en demi-finales (6-3, 6-3), Osaka tentera dimanche d’enfin inscrire son nom au palmarès du tournoi sur ses terres après deux finales perdues (2018 et 2016) quand il se tenait à Tokyo.
≪ Les deux derniers mois ont été plutôt difficiles alors, je suis vraiment contente d’avoir atteint la finale, s’est réjouie la Japonaise. Je sais maintenant que c’est sur le dur que je suis la plus à l’aise. ≫
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土曜日で仕事ですが,梅田の成城石井前で合流してランチ.第1ビルと第2ビルに行くのが目的だけど,まずは腹ごしらえ.ハンバーガーランチを窓際の席でいただきました.ウメキタは工事中です.100均でゴミ箱を一つ買いました.
帰ってからパレスチナワインをいただきました.ベツレヘムの赤ワインです.

手掛かり求め満遍なく 石巻・十三浜で不明者捜索
 宮城県警河北署は20日、東日本大震災で行方不明になった人々の手掛かりを捜索する活動を石巻市北上町十三浜で実施した。
 署員4人が参加。小滝、大室両漁港付近の海岸計約400メートルにわたり、とび口で漂着物や石をかき分けながら糸口を捜し求めた。
 捜索活動は毎月実施し、同所では3回目。捜索責任者の署員は「手掛かりは見つからなかったが、遺族の要望に応え、今後も署管内を満遍なく捜索する」と話した。
 石巻市内の行方不明者は8月末現在で420人。河北署管内では180人の行方が分かっていない。


「てんでんこ」世界へ発信 陸前高田・津波伝承館あす開館
 岩手県の東日本大震災津波伝承館が22日、陸前高田市の高田松原津波復興祈念公園内に開館する。津波の脅威と震災の教訓を世界に発信するため、外国語対応の解説員を配置。英語の表示に加え、スマートフォンのアプリによって中国語の簡体字と繁体字、ハングルでも展示内容を紹介する。
 開館に向けて採用した解説員10人のうち2人が英語、2人が中国語で展示物を案内する。
 中国出身の海山めいさん(35)=大船渡市=は、16年前に来日した。震災では、職場の同僚が犠牲になったり、中国で漢方薬とされるタンポポを天ぷらにして食べたりしたという。
 「それまで津波を意識することは全くなかった。自分はたまたま助かった」と振り返る海山さん。中国語と韓国語を受け持ち「日本人に比べて防災に対して関心の薄い人々にどう伝えるか。自らの経験も含めて紹介したい」と話す。
 ザカリ・ポール・キャセルマンさん(34)は英語解説を担当する。震災時は米国でタクシー運転手などをしていたが、妻が国際交流員として釜石市で勤務することになって2018年に来日した。
 解説員研修では沿岸市町村を視察し、いったん避難したのに自宅に戻って津波にのまれた人も少なくなかったことを知った。
 来館者に最も伝えたいのは、津波発生時に自分が逃げて命を守る行動「てんでんこ」。「ほかの自然災害でも役立つ教え。津波が英語で『TSUNAMI』となったように、てんでんこも世界に広めたい」と意気込む。


宮城の復興費総額10兆円規模 震災発生後から18年度まで、県民1人当たり480万円
 宮城県は20日、県と県内35市町村で東日本大震災発生後から2018年度までに復旧、復興に要した関連経費の総額が10兆円規模に上ると明らかにした。県が自治体分を含めた過去の震災関連費の総計を公表したのは初めて。
 同日あった県議会9月定例会予算特別委員会で示した。7月末の県人口(229万5549人)を基に計算すると、県民1人当たりの震災関連費は約480万円となる。
 県財政課によると、11〜18年度の普通会計決算ベースで算出した費用は、県分4兆9933億円、市町村分は6兆1829億円。いったん基金積立額として計上され、後に事業化された額(約2兆円)を差し引き、震災発生直後の10年度の関連費用を加算した。
 県の総額の内訳は国庫支出金が2兆1595億円、一般財源が8601億円、繰入金が5782億円など。年度別では11、12年度が1兆円を超え、13年度が7500億円、14〜18年度が3000億〜5000億円台で推移した。
 予算特別委の総括質疑で村井嘉浩知事は、復興財源を賄うために実施された増税を踏まえ「多くの支えで被災地の復旧が着実に進んできた。今後もしっかりと取り組む」と述べた。


デスク日誌 ド迫力の攻防
 あと4日に迫った。東日本大震災で被災した釜石市の鵜(うの)住居(すまい)復興スタジアムで25日、ラグビーワールドカップの試合(フィジー対ウルグアイ)が行われる。
 ラグビーは15人が協力してボールを抱えて走り、パスとキックでトライを狙うスポーツ。力持ちの選手もいれば、すばしっこい選手もいる。大相撲の力士の破壊力と短距離ランナーのスピードが同時に味わえるようなもの。
 フォワードとバックスの区別はあるが、全員で守り全員で攻める。ルールを知らなくとも、重量感とスピード感に興奮してしまう。
 観客席からの応援は、サッカーや野球よりずっと静か。スーパープレーがあると、選手をたたえるどよめきが意外なほどスタジアムの中に響く。
 復興スタジアムは全国12の試合会場の中で、最もこぢんまりとしている。そこで体重100キロを超える選手たちが全力で走ってぶつかり合えば、迫力はいよいよ増すばかり。
 「試合前の儀式(ウォークライ)も楽しみ」と取材に行く同僚の記者。津波被災地の小さなスタジアムは、他のどこよりも熱気に包まれるかもしれない。 (写真部次長 及川圭一)


松川事件元被告・阿部さん、語り部活動引退へ 21日から福島で発生70年全国集会
 戦後最大の冤罪(えんざい)事件とされる「松川事件」の発生から70年の節目を記念した全国集会が21、22の両日、福島大で開かれる。「生き証人」として事件を語り継いできた元被告の阿部市次さん(95)=福島市=は、集会を最後に語り部活動から引退する。
 松川事件は1949年8月17日未明に発生。福島市松川町の旧国鉄東北線で列車が脱線・転覆し、機関士ら3人が死亡した。
 国労の組合員ら20人が逮捕・起訴され、二審で死刑4人を含む計17人が有罪判決を受けた。その後、被告の冤罪を示すメモが見つかり、61年の高裁の差し戻し審で全員に無罪が言い渡され、63年に確定した。
 阿部さんは全国集会に両日とも参加する予定。初日は「松川運動の思い出」と題した映像の上映会で解説し、22日には事件現場に立つ松川記念塔で行われるセレモニーに出席する。
 20人で存命なのは阿部さんともう1人だけ。「14年という年月が裁判によって失われた。家族も石を投げつけられるなど苦しい思いをした」と阿部さん。これまでに全国各地で開かれた語り部養成講座の受講生や研究者らが、事件を末永く語り継ぐことを期待する。
 「松川事件70周年記念全国集会」は映画監督の周防正行さんによる講演会、布川事件で再審無罪が確定した桜井昌司さんらが登壇するシンポジウムもある。参加費1000円。連絡先は事務局024(523)4183。


東北大元総長の論文再点検、元学会長ら監事に要求
 東北大の井上明久元総長の論文に誤りがあったとして、日本金属学会が英文会誌に掲載した3本を撤回した問題で、同学会の元会長らが20日、同大監事宛てに大学による調査報告書の再点検などを求める文書を提出した。
 文書は元会長の及川洪氏を含む東北大名誉教授ら7人の連名。大学の調査委員会のメンバーだった元会長の本間基文、元同大医学部長の久道茂両名誉教授も名を連ねた。
 及川氏は「学会が論文を撤回したにもかかわらず東北大が報告書を見直さないのはおかしい。大学の信頼に関わる」と話した。及川氏らは5月、大学の研究担当理事に再点検を求める文書を出していた。
 東北大の調査委は2016年12月、「不正は認められない」とする報告書をまとめた。同大広報室は「監事が不在のため、文書の内容を承知しておらず、コメントは控えたい」としている。


ラグビーW杯 ノーサイド堪能しよう
 ラグビーのワールドカップ(W杯)が開幕し、日本は初戦でロシアを破った。アジアでは初の開催である。民族の枠を超えて集う選手たちの熱い戦いと、試合後のノーサイド精神を堪能したい。
 ラグビーW杯の代表選考は国籍に縛られない。日本代表のメンバーにもニュージーランドやトンガ、韓国などさまざまな国から来た選手が入っている。
 それぞれの事情で来日し日本代表を選択した選手と、日本で生まれ育った選手らが融合。悲願のベスト8入りを目指す。
 ラグビーの試合が終了することを日本ではノーサイドと表現する。ノーサイドには激しくぶつかり合った試合が終わった後、お互いの健闘をたたえ合うとの意味が込められている。
 実はこの言葉は海外であまり使われていない。日本人のラグビー関係者やファンがその意味に共感し、使い続けた言葉でもある。
 もちろん海外の選手たちにもノーサイド精神は深く浸透している。試合が終わった後、選手たちが握手を求める姿や笑顔を見てほしい。勝敗にかかわらず、相手チームや審判団に尊敬と感謝の意を示す選手たちの、誇り高き姿が確認できるはずだ。
 優勝候補筆頭のニュージーランド代表が試合前に行うハカにも注目してほしい。マオリ民族の伝統舞踊だ。自らを鼓舞し、戦う相手と先住民族への畏敬の念を込め、選手は鬨(とき)の声を上げながら舞う。
 アパルトヘイト(人種隔離)を乗り越え一九九五年の自国開催で初登場した南アフリカ代表には、今回初の黒人キャプテンが誕生した。日本代表のキャプテンでニュージーランド出身のリーチ選手は、日本国籍を取得している。
 違う国、別々の文化で育った選手たちは、自ら選んだジャージーを着て戦う。そこには偏狭な民族意識は存在しない。共に戦う仲間と相手への敬意が常に息づいているからだろう。
 もちろん課題もある。今大会は、東京都調布市、横浜市、愛知県豊田市、埼玉県熊谷市、静岡県袋井市など十二都市で試合が行われる。大観衆の誘導や会場までのアクセスに問題はないか。海外からのファンへの配慮は足りているか。難しいルールの説明は分かりやすいか。
 大会は四十四日間と長丁場だ。不備があるなら直ちに修正すれば十分間に合う。選手たち同様大会を支えるボランティアを含むスタッフたちにも激励を送りたい。


「復興五輪」こそが復興を阻んでいる。元南相馬市町・桜井勝延氏、魂の叫び
人の命を軽んずる「東京五輪」
 2020東京オリンピック開催まで一年を切った。
 しかし、今夏の猛暑からも明らかなように、東京五輪は人命を脅かしかねない危険な「運動会」である。
 今日9月20日発売の『月刊日本 10月号』では、「酷暑・放射能 東京五輪が危ない」と題する特集を打ち出し、さまざまな識者の声を紹介している。
 今回は、その中から、元南相馬市長である桜井勝延氏へのインタビューを紹介しよう。
復興を邪魔する「復興五輪」
―― 桜井さんは福島県の南相馬市長として、東日本大震災への対応や復旧復興の先頭に立ってきました。その立場から「復興五輪」をどう見ていますか。
桜井勝延氏(以下、桜井氏):五輪そのものを否定する気はありませんが、「復興五輪」は復興とは何の関係もありません。被災地から聖火ランナーが出発して、福島で野球やソフトボールの予選を行えば復興が進むのか。単なるパフォーマンスにしか見えません。
 そもそも招致委員会の竹田恒和理事長は、「福島と東京は250キロ離れている。東京は安全だ」と発言して東京五輪を招致しました。しかし、この発言は被災地の人々を「原発250キロ圏内は安全ではないのか」と悲憤させ、復興のために頑張っている人々を傷つけました。
 安倍総理も五輪招致の際、汚染水は「アンダーコントロール」だと断言しました。しかし、汚染水問題は未だに解決しておらず、最近では汚染水の海洋放出が議論されています。しかし、福島の漁業は試験操業の段階で本格操業は再開できず、復旧もできていないのです。それでもこの8年間、漁獲物の放射線量を毎回測定して、必死に福島の水産物は安全だという信用を積み上げてきたのです。この状況で汚染水の放出などされたら、福島の水産物は風評被害に晒され、8年にわたる漁業関係者の努力が打ち砕かれます。
 そもそも福島第一原発が作り出した電気は東京で使われていたものです。原発事故を起こしたのは東電なのに、なぜ福島県民ばかりが被害を受けなければならないのか、いつまで福島を犠牲にし続けるつもりなのか、海洋放出がやむをえないというならば東京湾で放出したらどうだという思いです。
 安倍総理は旧民主党政権の批判がお得意ですが、2012年に政権が自民党から民主党に変わっても復興の在り方は変わりませんでした。当時、安倍総理は「福島の復興なくして東北の復興なし、東北の復興なくして日本の再生なし」と言っていましたが、その言葉が本当に実行されているかは疑問です。
 2013年には東京五輪の開催が決定しましたが、「復興五輪」が復旧復興を遅らせた側面もあるように感じます。2013年以降、建築資材の価格が上昇して入札不調が多くなったり、技術を持つ建築業者が東京へ呼ばれて人手不足になることがありましたが、そこには五輪の影響があったと思います。
 当時、私はよく東京へ出張していましたが、都内の再開発や豊洲移転の工事現場にあるクレーンの数の方が、被災地や福島第一原発にあるクレーンの数よりも断然多かった。そういうことです。
子育て世代が戻ってきていない
―― 被災地の復興はどういう状況なのですか。
桜井氏:県や地域によってそれぞれ状況が違うので、一概には言えません。福島県内でも、浪江町津島地区のように震災後からほとんど手つかずのところもあれば、南相馬市のように活気を取り戻しつつあるところもあります。
 南相馬市について言えば、震災前の人口は約7万1500人、震災直後は約8500人まで減りましたが、現在は約5万4000人にまで回復しています。震災前と比べると、人口は1万7500人減少したということです。
 問題は、その内訳です。減少した1万7500人のうち、15〜64歳の現役世代は1万3000人、0〜14歳の子供世代は4500人です。また震災前は男性に比べて女性の方が3000人ほど多かったのですが、現在では女性の方が5000人ほど少なくなっています。つまり、震災後に避難した現役世代や子育て世代が帰ってきていない、特に女性と子供が戻ってきていないということです。
 その結果、南相馬市の人口構成は逆ピラミッド化が進みました。震災前と震災後で65歳以上の高齢者の人数は2万人程度で変わっていませんが、人口が減った分だけ高齢者の割合は26%から35%まで増えています。
 そのため人手不足が深刻化しています。コンビニやファーストフード店の時給は1200円、夜勤では1500円を超えるほどです。スーパーではレジ係が足りないので、セルフレジの導入がどんどん進んでいます。
人が戻れない要因。それはやはり「原発」
 確かに震災直後にゴーストタウンだった頃と比べると、南相馬の復旧復興は進んでいるように見えるかもしれません。しかし、震災前には戻っていない。復興以前に復旧ができていないのです。
 現在、南相馬市の人口は5万4000人ですが、毎年自然減で900名ずつ減っていきます。現役世代や子育て世代が戻ってこなければ、このまま人口は漸減していき、やがて衰退していくしかありません。しかし、彼らは戻ってこない。戻ってきたくても戻ってこられない。なぜか。原発事故が収束していないからです。
 福島第一原発は30〜40年以内に廃炉するという約束でしたが、それが嘘だったことはもう明らかです。廃炉作業は遅れに遅れており、第一段階である使用済み核燃料の取り出しすら未だに終わっていない。廃炉は30〜40年以上も先のことになるだろうと思います。
 廃炉作業や除染作業が続いているかぎり、県民は放射能と付き合い続けなければならない。南相馬に戻って生活を再建しても、廃炉作業中に事故や災害が起きれば、またその生活を捨てないといけないかもしれない。こういう事情から、故郷で生活する人が減っているのです。原発事故が復旧復興を妨げている現実があります。
被災地の実態を覆い隠す「復興五輪」
―― 東京都は五輪招致の口実に「復興五輪」を利用しただけだと思います。原発にしろ五輪にしろ、東京が福島を利用して金儲けをするという構図そのものは、震災前と震災後で何も変わっていないと言わざるをえません。
桜井氏:どれほど「復興五輪」の言葉が踊ろうとも、福島には原発事故の爪痕がまだまだ残っています。原発事故が起きなければ、現役世代や子育て世代はもっと戻ってきているはずです。しかし原発事故の影響で彼らは戻ってこられず、南相馬市は衰亡への道に向かっています。
 そのため、南相馬市では子や孫が避難して祖父母が残っている家族が少なくありません。原発事故が故郷を奪い、家族を引き裂いてバラバラにしているのです。だから、南相馬の老人たちは「子や孫と一緒に暮らすことができない」と嘆き、中でも仮設住宅に住んでいる方々は「仮設で孤独死したくない」と切実に悩んでいます。南相馬市では津波で630人が犠牲になりましたが、震災関連死では513人が亡くなりました。これは全国で最も多い数字です。
 また、南相馬市やいわき市では東電から賠償金をうけとった被災者が土地や家を購入したことで、バブル以上に地価が上がって固定資産税が上がっています。そこから、もともと住んでいた県民と新しく移り住んだ県民の間で軋轢が生まれることもあります。
 一次産業も立ち直っていない。農業や漁業、林業では放射線量を検査して一つ一つ信用を積み上げながら頑張っていますが、原発事故による風評被害に苦しんでいます。
 これで復興といえるのか。むしろ「復興五輪」という大義名分のもとで、被災地や原発事故の実態を覆い隠しているのが現状ではないか、そして「復興五輪」が終わった後には被災地や原発への関心が薄れるのではないか。これは犯罪的なことだと思います。
「何か悪いことをしたか」と安倍政権閣僚は言った
―― そもそも復旧復興とは何なのでしょうか。
桜井氏:いちばん大事なのは、「もう一度頑張ってみよう」という人の心です。土を盛って高台を作り、防潮堤を築き、復興住宅を建てても、人の心が立ち直らなければ復興は進みません。それでは「復興五輪」を機にそういう気持ちになる人が増えているか。残念ながら、そうはなっていないのです。
 最大の障害は、やはり原発です。原発事故が起きていなければ、被災地の姿は今とはまるで違ったはずです。これほど人々の生活を狂わせる原発はやめるべきです。脱原発は非現実的だという声も少なくありませんが、政治は一部の利権を守るのではなく、国民全体の幸福と安心、そして豊かな生活を守るべきものであるはずです。
 以前、私は安倍政権の閣僚に対して「あんたたちは本当にこの国を良くする気があるのか」と怒ったことがあります。その閣僚からは「俺たちが何か悪いことをやっているのか」と反発されて、非常にがっかりしました。
 いまの日本では国民が豊かに暮らすことができていないのです。被災地だけではなく、東京でも多くの人々が不安や貧困の中での生活を強いられている。一体、東京だけで一日何人が自殺しているのか。日本には素晴らしいところが沢山あるのに、こんな馬鹿げた国にしてしまって、もったいないにもほどがある。これは政治の責任です。
 いま福島が安心安全だと思っている県民はほとんどいません。それでも故郷に踏みとどまり、あるいは戻ってきた人たちが復旧復興に向けて必死に頑張っています。私たちは福島だけでなく東京をはじめとする全国でもそういう人たちを増やし、東北だけでなく日本全体を「復興」していかなければならないのだと思います。(聞き手・構成 杉原悠人)
月刊日本げっかんにっぽん●Twitter ID=@GekkanNippon。「日本の自立と再生を目指す、闘う言論誌」を標榜する保守系オピニオン誌。「左右」という偏狭な枠組みに囚われない硬派な論調とスタンスで知られる。


JOC理事会/時代に逆行する非公開化
 日本オリンピック委員会(JOC)が、理事会の完全非公開化を始めた。運営の透明性向上というスポーツ界全体の改革に背を向ける、時代に逆行した判断と言わざるを得ない。直ちに原則公開に改めるべきだ。
 非公開化は、6月に就任した山下泰裕新会長が推進した。会議終了後の説明とJOCホームページへの議事概要の掲載などで対応するという。
 議論の過程や意見の中身は丁寧に説明するとしている。だが、公表する情報を取捨選択する対応は、都合の悪いことは外に出さない構造を生み出しかねない。スポーツ界で相次いだ不祥事は、運営の密室性も要因だったことを忘れてはならない。
 JOCに課せられた改革への当事者意識も疑わざるを得ない。東京五輪招致を巡る前会長の贈賄疑惑では社会常識からかけ離れた対応で批判を浴びた。パワハラや不透明な補助金運用など競技団体の不祥事には指導力を発揮できなかった。その反省から立て直しを誓ったのではなかったのか。
 スポーツ庁が不祥事対策で作成した指針「ガバナンスコード」でも、理事会の透明性確保は基本とされている。JOCと同じ統括団体の日本スポーツ協会は、オープンな議論を重視して理事会を公開している。
 公平性・公正性を基にスポーツの発展を担う組織として、国民の税金から出た補助金で運営される責任を、JOCは改めて自覚すべきだ。
 非公開化の理由に挙げた「議論の活性化」にも首をかしげる。「公開の場では自由な意見が出ない」というが、現状を変える手段として内向きの論理を持ち出す考え方にあぜんとする。
 議論の停滞や理事会の形骸化は、まず人材面の問題に目を向ける必要がある。ガバナンスコードでは、組織運営の人材強化のために理事としての資質や能力の重視を求めている。
 スポーツの発展や改革に向けて自分の意見が言える人材の育成は、国際化という日本スポーツ界の課題にも大きく関わる。国のスポーツ基本計画では、国際的な意思決定の場に参画する人材を増やすことを目標を掲げる。非公開化はそうした流れも妨げる。


東電旧経営陣無罪 原子力ムラ擁護の判決だ
 原子力ムラに寄り添った判決と断じざるを得ない。
 2011年3月に起きた東京電力福島第1原発事故を巡り業務上過失致死傷罪で強制起訴された東京電力の旧経営陣3被告に、東京地裁が無罪の判決を言い渡した。事故回避のために原発を止める義務を課すほどの大津波の予見可能性はなかったと判示した。
 避難者が集団で国や東電に損害賠償を求めた民事訴訟では、津波を予見でき事故を回避できたとする判決が多い。
 刑事裁判では過失立証のハードルが高い。そうだとしても、未曽有の被害をもたらした原発事故で誰も刑事責任を負わないのは納得し難い。
 国は「絶対安全」と強調し、各地で原発の設置を推進した。万全の用意があって初めてそう言える。現実には、「絶対安全」だから最高水準の対策は不要という、倒錯した理屈がまかり通った。
 原子力政策を所管する経済産業省、原発を運転する東電など、産官学から成る原子力ムラは本来、原発事故に対して連帯して責任を負わなければならない立場にある。規制等を担う国と東電は「共犯」関係にあったと言えよう。
 「事故が起きないように、また起こったとしても人体や環境に悪影響をおよぼさないよう、何重にも対策が取られています」「大きな津波が遠くからおそってきたとしても、発電所の機能がそこなわれないよう設計しています」
 文部科学省と経産省が10年に発行した小学生・中学生向けのエネルギー副読本「わくわく原子力ランド」「チャレンジ!原子力ワールド」に、このような記述がある。
 政府は、教育現場を含め、さまざまな機会をとらえて「安全神話」を植え付けようとした。
 今回の判決は、自然災害に対し、事故が絶対に起きないレベルの安全性が求められたわけではない―と指摘している。政府の主張がうそ偽りだったことを改めて浮かび上がらせた。
 「あらゆる可能性を考慮して必要な措置を義務付けられれば、法令上は認められた運転が不可能になる」とも判決は断じた。事故当時、「絶対安全」を確保しつつ原発を稼働させることなどできなかったわけだ。ここでも政府の欺瞞(ぎまん)が浮き彫りになる。
 起訴状によると、3被告は大津波を予測できたのに対策を怠り、原発事故によって長時間の搬送、待機を伴う避難を余儀なくさせるなどして、44人を死亡させたとされる。
 電源設備を高台に移し浸水しないように適切な対策を講じていれば、事故は回避できたはずだ。遺族、被害者の無念はいかばかりだろうか。市民感覚から懸け離れた東京地裁の判決である。
 本をただせば、「絶対安全」を掲げて原発建設を推し進めた、政府の国策詐欺同然の手法にたどりつく。原子力ムラの責任を曖昧にしたままでは禍根を残す。


【東電裁判の意義】全容の解明につなげよ
 東京地裁が東京電力の旧経営陣三人に無罪を言い渡した福島第一原発事故の強制起訴裁判は、多くの県民に「判決に納得できない」との思いや、戸惑いをもたらした。
 法廷で旧経営陣が質問に答え、津波対策の必要性を考えていた社員が証言した。強制起訴がなければ公にされなかった事実も分かり、裁判の意義は大きかったといえる。
 二〇一七(平成二十九)年六月の初公判で、勝俣恒久元会長、武黒一郎元副社長、武藤栄元副社長の三被告はいずれも無罪を主張した。以来、二年三カ月にわたり、十九日の判決公判を含めて計三十八回、開かれた。東電社員や地震研究の専門家ら合わせて二十一人を証人尋問した。
 東電の原発設備管理に携わった担当者は「重要設備の水密化や防潮堤建設など複数の津波対策を講じるべきだった」と述べた。津波対策工事を行わなかった旧経営陣の判断を、別の社員は「予想外。力が抜けた」と証言した。検察官役の指定弁護士は、津波対策に関してやり取りされた土木担当者のメールを証拠として提出した。浮かび上がったのは、安全対策を巡る経営陣と現場担当者の認識の違いだった。
 判決は、津波という自然現象が重大事故を引き起こす可能性を指摘した。その上で「事故発生の可能性がゼロないし限りなくゼロに近くなるように、必要な措置を直ちに講じることも社会の選択肢として考えられないわけではない」と、検察官役の指定弁護士の主張に一定の理解を示した。原発を運転する電力会社に、十分な安全対策を講じなければならないとのメッセージを投げ掛けた。
 企業が関わる大事故で、社内にいる個人の刑事責任を問う壁は高い。企業や組織の法人に罰金などを科す「組織罰」の導入を求める声が、司法関係者の中に上がる。今回の判決が新しい制度をつくるきっかけになってほしい。
 未曽有の原発災害がなぜ起きたのか。裁判によって、その原因や背景の一部が明らかにされたが、十分ではない。原子力規制委員会は原発事故の調査を再開する方針を決めた。最初の調査で二〇一四年に中間報告がまとめられたが、現場の放射線量が高く、把握できない事項があった。廃炉作業が進み、再調査が可能と判断し、二〇二〇(令和二)年内をめどに報告書をまとめる。
 検察官役の指定弁護士は控訴を検討する。規制委の再調査とともに、事故の全容と責任の所在が一層解明されるように望む。(川原田秀樹)


東電旧経営陣に無罪/原因究明の在り方探れ
 東京電力福島第1原発事故を巡り、業務上過失致死傷の罪で強制起訴された旧経営陣3人に東京地裁は無罪判決を言い渡した。巨大津波が原発を襲い、全電源喪失により炉心溶融(メルトダウン)が発生。原子炉建屋の水素爆発で放射性物質が拡散するなどし未曽有の被害をもたらした事故で、個人の過失責任は問えないとの結論だった。
 国の専門機関が2002年、福島県を含む太平洋岸に大津波の危険があるとの地震予測「長期評価」を公表。これを基に東電子会社が08年に最大15.7メートルの津波が第1原発の敷地を襲う可能性があるとの試算をまとめたが、東電は防潮堤建設など対策を取らないまま11年、東日本大震災に見舞われ、事故が起きた。
 裁判では巨大津波を具体的に予見できたか、対策を取れば事故を回避できたか−が争われた。もともと避難者に対する東電の賠償責任を認める判決が相次いだ民事裁判と異なり、個人を罰する刑事裁判は事実認定が厳しく、立証のハードルは格段に高い。誰一人、責任を負わないという結果はやむを得ない面もある。
 とはいえ検察による不起訴で終わらず、強制起訴を経て法廷で旧経営陣がどのような情報に接し、どう判断し対応したかなどが一定程度、明らかになったことには意義がある。ただ刑事裁判の限界も見えた。判決を機に重大事故における原因究明の在り方を探る取り組みが求められよう。
 判決を言い渡されたのは勝俣恒久元会長、武黒一郎、武藤栄両元副社長の3被告。検察官役の指定弁護士は08年の津波試算で巨大津波を予見できたとし「原発を止めたり、安全対策を取ったりする義務があったのに怠った」と主張した。これに弁護側は「長期評価に信頼性はなく、予見できなかった」と反論した。
 東京地裁は判決で、津波試算のよりどころとなった国の長期評価は「十分な根拠があったとは言い難く信頼性には限界があった」と判断。「被告人3人は大津波が襲来することについて、運転停止措置を講じるべき結果回避義務にふさわしい予見可能性があったと認められない」とした。
 全員無罪で、検察が不起訴とした人に被告の立場を強いる強制起訴の是非を問う議論も予想されるが、東電の内部事情などが法廷で明らかにされた点は評価できよう。
 地震・津波に対応する部門の元社員は検察の聴取に「東電が経営状況を理由に大津波対策を先送りした」と供述した。津波試算が出た当時、前年の新潟県中越沖地震で柏崎刈羽原発が全基停止。火力発電の燃料費がかさみ収支が悪化していた。そんな中、福島第1原発の停止を求められるリスクも考慮されたという。
 公判で勝俣元会長は「勘違いだと思う」「原子力安全の出費をためらったことは一度もない」と、武藤元副社長も「停止は不要だった」と述べた。また3人は部下からの報告などを「記憶にない」「聞いていない」と繰り返した。
 刑事手続きでは、自らに不利になることは話さなくていい。それもあって、特に過失事件では捜査・裁判による原因究明は困難を余儀なくされる。再発防止に重点を置いて重大事故で関係者に刑事免責を与え、証言義務を課す制度や、組織の責任を問う「企業罰」創設を求める声も上がっており、検討を進めたい。


<虚像の「15.7m」>東電強制起訴・無罪判決(上)白紙化の夏/経営懸念 対策先送り
 東京電力福島第1原発事故の刑事責任を巡り、東京地裁は19日の判決で「大津波は予測できなかった」として強制起訴された旧経営陣を免責した。事故前に示されていたはずの「15.7メートル」の津波予測は虚像だったのか−。判決と公判記録を基に、津波対策を「先送り」した原発事業者の意思決定過程の核心を描く。(福島総局・斉藤隼人、近藤遼裕、報道部・柴崎吉敬)
■研究を提案
 主文が読み上げられた瞬間も微動だにしなかった。
 裁判長に促されて被告席に戻る際、被告の武藤栄元副社長(69)は騒然とする傍聴席を一目見た。直前まで硬かった表情には安堵(あんど)がにじみ、余裕すら漂っていた。
 「大変多くの皆さま方に多大なご迷惑を掛けました。当時の役員として改めて深くおわび申し上げます」
 閉廷後間もなく武藤氏が報道各社に出した談話は、A4判用紙1枚にわずか3行。勝俣恒久元会長(79)、武黒一郎元副社長(73)の両被告も同様に「迷惑を掛けたことへのおわび」を短く表明した。
 武藤氏は津波対策を検討した現場から最も頻繁に報告を受け、対策の保留を判断した「キーマン」と見られていた。
 2008年6月10日、東電の津波対策担当者は「最大15.7メートル」の津波が原発を襲うとの試算を武藤氏に伝えた。従来想定の3倍近く、海抜10メートルの原発敷地が浸水する規模だった。
 試算は国の地震予測が根拠となった。阪神・淡路大震災後、国は防災強化を促すため地震学の権威らの議論を基に一元的な見解を公表するようになった。
 担当者は「国の機関による評価であり、取り入れるべきだと思った」と法廷で証言。現場レベルではそうした認識が共有され、防潮壁建設など対策の検討も進めていたとされる。
 だが再び担当者らが一堂に会した同年7月31日、武藤氏は提案した。「研究を実施しよう」
 外部機関に数年単位の検討を委ね、対策を事実上先送りした瞬間だった。国の予測に基づき津波に備える方針は同年2月、被告3人の異論なく承認されたはずだった。担当者は「予想していなかった結論で、力が抜けた」と振り返る。
■調書を一蹴
 なぜ対策は実施されなかったのか。公判で、その核心が初めて明かされた。
 「新潟県中越沖地震(07年)で柏崎刈羽原発が停止し、経営が悪化していた。さらに(対策の実施で)福島第1も止まるのは何とか避けたかった」
 原子力設備管理部ナンバー2の元幹部は調書で、判断の背景に経営事情があったことを告白した。
 しかし東京地裁は詳しい理由を示さずに調書を「疑義がある」と一蹴。予測自体も「客観的な信頼性はなかった」と結論付け、武藤氏の判断を追認した。
 「想定津波高が10メートル以下だったら、(安価で済むため)国の予測を踏まえた対策を取っていただろう」。元幹部はこう述べ、後悔の念を口にしている。
 被害者側の代理人の海渡雄一弁護士は判決の問題性を強く批判した。「国家機関の予測を考慮しなくていいと裁判所が言ってしまった。原発事故を許すような異常な判断だ」


英語民間試験 受験生の不安解消が先だ
 来年4月の開始まで7カ月を切ったのに、公平性や地域格差などへの懸念の声が絶えない。受験生や高校側が不安を抱くのも当然だ。
 2020年度に始まる大学入学共通テストで導入される英語の民間検定試験を巡って、全国高等学校長協会(全高長)が今月、実施の延期と制度の見直しを文部科学省に要望した。
 国の方針に「待った」をかける異例の事態である。要望を受けた柴山昌彦前文科相、後任の萩生田光一文科相とも予定通りの実施を強調したが、混乱なくできるのか疑問にしっかり答えていない。
 文科省が予定通りの実施にこだわり、見切り発車の形となることを危惧する。
 不安を招いている最大の要因は、新テストの準備不足だ。
 民間試験は「英検」「GTEC」など7種類あり、来年4〜12月に2回まで受験し、その成績が志望大学に提供される。
 ところが、今なお申し込み時期や会場の詳細を公表していない試験がある。
 TOEICは「責任を持って対応するのが困難」として参加を取り下げた。
 英検は18日に予約申し込みの受け付けを始めたが、来年2月の本申し込みは先着順のため、希望する日時や会場で受験できるとは限らないとしている。
 民間試験の導入は、社会のグローバル化に対応できる人材を育てるため、「読む・聞く・話す・書く」の4技能を評価するのが狙いだ。
 方向性は理解できるが、動揺が収まらないのは制度設計に甘さがあるということだろう。文科省の責任は大きい。
 民間試験を巡っては、設問形式や難易度が異なる試験の成績を公平に比較できるのかなど、幾つもの問題点がこれまで指摘されてきた。
 試験によっては会場が都市部に集中する。地方や離島の受験生にとっては、受験機会が限られる。遠隔の試験会場で受けるために2日掛かりといった受験生も出てこよう。
 検定料が2万円以上する試験もある。交通費も含めて家計の負担はかさむ。
 全高長は7月、こうした課題についての対策を国に求めていた。にもかかわらず、文科省はきちんとした解決策を示していない。受験生の不安に向き合っているとはいえまい。
 民間試験の活用に関しては、全国の四年制大学の3割が8月末時点で対応を決めていない。どう成績に反映するかも大学によって異なる。本県では国公私立大19校のうち4校が「未定」としている。
 県立看護大は当初活用する方針だったが、「公平、公正な評価を損なう恐れがある」として見送る方針に変えた。
 機会の平等や成績の公平性が保障されるか不透明な状況では無理もない。
 文科省は、受験生の不安を払拭(ふっしょく)する対策を早急に打ち出してもらいたい。それができないのなら延期を決断すべきだ。


安倍首相が台風被害の千葉に視察行かずラグビーW杯観戦で大はしゃぎ! Twitterでも台風に一切触れずW杯宣伝投稿し炎上
 昨晩おこなわれたラグビーワールドカップ開幕戦の日本対ロシア戦を、わざわざ日本代表Tシャツを着て観戦した安倍首相。日本が30−10で勝利すると〈トライに次ぐトライで見事な大勝利。本当に素晴らしい熱戦で、ずっとエキサイトしっぱなしでした。日本代表の皆さん、おめでとう!〉とツイートした。
 台風15号による被害発生から約2週間。いまだに被災地視察さえせず、無視してきたというのに、このはしゃぎよう。国民がどんな悲惨な状況に陥っていても、自分が楽しいことのほうを優先させてしまうこの国の総理大臣の性格が、あらためて露わになったといえるだろう。
 じつは、安倍首相は20日午前中、いきなり閣僚懇談会で「台風15号を含め、8月から9月の大雨による災害の激甚指定に向け、準備を進める」と方針を示した。激甚災害指定は当然のことで方針打ち出しも遅すぎるくらいだが、それも批判をかわすために付け焼き刃的に打ち出したとしか思えないものだった。
 というのも、安倍首相は激甚災害指定を口にする10時間ほど前に、台風被害とワールドカップ絡みで“炎上”を起していたからだ。20日に日付が変わった深夜0時すぎ、安倍首相の公式Twitterアカウントがロシア訪問以来約2週間ぶりに更新されたのだが、投稿されたのは、やはりラグビー日本代表のTシャツを着た安倍首相の、なんともノーテンキな動画だった。
「いよいよラグビーワールドカップが、ここ日本で開幕します!」
 そして、画面横から突然飛んできたラグビーボールを安倍首相がキャッチすると、勇ましく床にトライして、カメラ目線で「トライ!ニッポン!」と台詞を決める──というものだった。
 台風災害によって約2万戸で停電がつづくなか、2週間ぶりに国民に向けて発信した内容が、ラグビーワールドカップの告知……。さすがにこの投稿には、「まず被災地の復興を」「ワールドカップも楽しみですが、千葉があれでは十分に楽しめません。早く激甚災害に指定してください」「総理としてなすべきことをしないでこんなことをしているのですか?」などという批判的なコメントが並んだ。
 当然だろう。というのも、安倍首相は8月の台風10号のときは14日に〈先ほど、関係閣僚会議を開催しました〉と写真付きで関係閣僚会議を開いたことを報告し、国民に向けて〈命を守る行動をとっていただくようお願いします〉と投稿。さらに9月1日の「防災の日」には、ヘリの中で防災服姿で書類に目を通す写真を貼り付けて〈今から千葉県船橋市に向かい、防災訓練に参加します〉と投稿していた。
 それが、防災訓練から間もなく千葉で現実の災害被害が出たというのに、今回の台風15号にかんする投稿は、これまで一切なし。気象庁は8日の時点で記録的な暴風になると警鐘を鳴らしていたが、それに際して国民に呼びかけをおこなうこともせず、被害が起こったあとも、政府がどんな対策をとっているのかという説明はおろか、被災した人びとに対する言葉も、いまだに一言も発信していない。
 そして、ようやくSNSを更新したと思ったら、「トライ!ニッポン!」。批判が起こるのは当たり前だ。むしろ、深夜にSNSが炎上してしまったから、朝には激甚災害指定の方針を打ち出したのではないか。もっといえば、20日にラグビー観戦を予定していたため、千葉を視察していないことを批判されないように、激甚災害指定を口にした、それだけに過ぎない気さえしてくる。
臨時国会でも復旧予算や台風被害対策見直しより「まずは憲法改正の議論」と
 それにしても、安倍首相はなぜ、ここまで千葉の台風被害、停電について無視を決め込むのか。繰り返すが、いつもなら「やってますアピール」に必死な安倍首相が、今回はいまなお千葉県に一度も視察に入っていないのだ。さらに菅義偉官房長官は昨日20日におこなわれた会見で、今回の台風15号でいまだに一度も関係閣僚会議を開いていないことについて「災害の規模、被害の状況などを総合的に勘案し、最も適切な態勢を構築して災害の応急対策に当たっている」と述べ、今後も台風15号についての関係閣僚会議を開催する予定はないと明言した。
 この異常なまでの頑なな姿勢の裏には、前述した安倍首相の冷酷な性格に加え、初動対応の遅れを追及されたくないという意図があるのではないか。ようするに、本来なら開かれるべき関係閣僚会議も見送って台風に対応せず、被災地そっちのけで内閣改造をおこなった責任問題に発展させないために、「安倍首相が視察するほどの被害ではない」「関係閣僚会議を開くほどのものではない」というスタンスをとっているのだ。そして、いまも被害に苦しんでいる人が大勢いるというのに、「何もなかった」と言わんばかりにラグビーワールドカップの宣伝をおこなったのである。
 安倍首相が被災者を蔑ろにしている証拠は、SNSの投稿だけではない。10月4日からは臨時国会がおこなわれる予定だが、それを目前に、こんな話が出てきたからだ。
〈自民党は、野党側にも協力を求めて、憲法改正論議を進めたい考えで、まず、継続審議となっている国民投票法改正案の成立を目指すことにしています〉(NHKニュース18日付)
 復旧のための予算案や台風対策の見直しではなく、「憲法改正のための議論」って──。一体、どういう神経をしていたらこんな話になるのか。
 そもそも、今回の台風では建物被害が2万軒を超えると見られており、生活再建が喫緊の課題になっている。そこで何よりも早く議論すべきなのは、憲法改正などではなく「被災者生活再建支援法」の見直しだろう。
野党は「被災者生活再建支援法」の改正案提出するも安倍政権は棚ざらし
 現行の「被災者生活再建支援法」では、住宅が全壊した世帯に最大300万円が支給されるが、同法が適用されるには「全壊」「大規模半壊」「10 世帯以上の住宅が全壊する被害が発生した市区町村」「100 世帯以上の住宅が全壊する被害が発生した都道府県」などといった基準が設けられており、半壊や一部損壊は支給対象外だ。
 昨年11月に全国知事会は政府に対して同支援制度の見直しを提言したが、そこでは大規模半壊の場合は損害額が約1400万円にものぼり、半壊でも修繕費は約200〜300万円かかる例が示された(しんぶん赤旗3月6日付)。つまり、現行制度は支援が十分とは言えず、とくに高齢者や住宅ローンを抱えた世帯にとっては死活問題となっている。
 現に、昨年の西日本豪雨でも、この基準から外れてしまい同じ住宅全壊でも支援が受けられる世帯と受けられない世帯が出てきて問題になっていた。一方、野党6党は豪雨災害前の昨年3月、「被災者生活再建支援法」の改正案を国会に提出。支援金の上限を300万円から500万円に引き上げることや、支給の範囲も現行の全壊世帯から半壊世帯への拡大などを盛り込んでいた。
 しかし、与党は西日本豪雨が発生して、喫緊の被災者支援策が求められるなかでもこの改正案を審議入りさせず、高度プロフェッショナル制度の創設を含む働き方改革関連法案やカジノ法案といった安倍首相ゴリ押しの法案を優先させ、挙げ句に強行採決に踏み切った。結果、「被災者生活再建支援法」改正案は棚ざらしとなっているのだ。
 災害大国であるこの国において、国民の誰しもが大きな不安を抱えている。さらに今回の台風15号における建物被害は甚大なもので、この「被災者生活再建支援法」の改正案審議は何より急ぐべきものだ。にもかかわらず、「国土強靱化」を謳う安倍首相の頭の中は、憲法改正一色なのである。
 自分たちの責任を認めたくないがために被災者への言葉ひとつさえ発信せずにラグビーワールドカップの告知をし、臨時国会でも憲法改正を第一に考える──。こんな国民に冷酷な政権は、かつてないものだと言わざるを得ないだろう。


台風15号の大停電 東電の「数日で解消」発表を経産省検証
 東京電力が台風15号に伴う千葉県内の大規模停電に関して、被害の全容の把握ができていないにもかかわらず「数日で解消の見通し」と発表していた問題。経済産業省は20日、東電の復旧計画を検証する方針を明らかにした。
 復旧は当初の見通しから大幅に遅れており、現在は27日がめど。東電は倒木の撤去などの作業を加速しているが、依然として被害状況が確認できていない地域もあり、実現できるかは不透明だ。
 台風15号は9日に関東地方へ上陸し、鉄塔の倒壊などにより、千葉県内を中心に一時93万戸が停電。21日午前6時半時点で、約4600戸となっている。東電は当初、11日中の復旧を目指すと発表したが、その後「13日以降」「最長で27日」「27日の地域が拡大」と見通しを相次いで修正した。
 さらに東電が「復旧済み」とした地域でも、配電線の損傷などで、実際には電気を使えない家庭が続出。被災者からは東電の対応を批判する声が上がっている。
 こうした状況を踏まえ、菅原一秀経産相はきのうの記者会見で、「(停電被害の)全体把握ができていない中で(東電が)数日のうちに復旧すると発表したことについて、今後よく検証しなければならない」などと指摘。東電の復旧に関する情報発信や、復旧作業を含めた計画の進め方に問題がなかったかを詳しく調べる構えだ。

図書3館/カレーうどん/atcファイル解凍面倒

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Coupe du monde de rugby 2019 : jour J pour le Japon
Le coup d'envoi du Mondial de rugby sera donné à 12 h 45, heure française, à Chofu avec en ouverture la confrontation entre le Japon et la Russie.
Cérémonie d'ouverture, puis premier match entre l'équipe nationale et la Russie : le Japon lance vendredi, à partir de 18 h 30, heure locale (11 h 30, heure française), ≪ sa ≫ Coupe du monde de rugby, répétition grandeur nature à dix mois des Jeux olympiques de Tokyo. Vingt équipes, réparties en 4 poules, se disputeront la Coupe William Webb Ellis, qui sera remise à l'issue de la finale le 2 novembre à Yokohama.
Le premier des 48 matchs opposera vendredi (19 h 45, heure locale) le Japon à la Russie. Il sera précédé par une cérémonie d'ouverture d'environ une heure. ≪ Évoquée sous la forme d'un festival japonais, la cérémonie raconte l'histoire d'une aube mythique, les origines du rugby et son arrivée au Japon, et l'épanouissement du rugby dans cette célébration globale ≫, ont précisé les organisateurs. Les différents tableaux seront précédés par un survol du stade de Tokyo (49 970 places) par des avions de chasse. World Rugby n'a pas précisé quelles seront les personnalités présentes à la cérémonie, ni si un membre de la famille impériale assistera au spectacle. En 2015, le prince Harry avait assisté à la cérémonie d'ouverture de la précédente Coupe du monde en Angleterre, au stade de Twickenham.
Éclaté sur douze stades entre l'île la plus au sud (Kyushu) et Sapporo (sur l'île d'Hokkaido au nord), ce premier Mondial en Asie, loin de ses racines (Europe, Océanie), offre au rugby une opportunité de conquérir de nouveaux territoires, avant, peut-être, de s'ouvrir un jour davantage vers l'Amérique du Sud ou du Nord. ≪ Après dix ans de préparation méticuleuse, l'attente est terminée et la scène est prête pour un tournoi d'un nouveau genre ≫, a prévenu Bill Beaumont, le président de World Rugby.
Pour l'heure, aucun phénomène météorologique (typhon) ne menace l'archipel rompu aux désastres naturels et un tournoi qui pourrait patir de l'annulation de matchs à enjeux. ≪ On espère que ce ne sera pas un problème ≫, a dit prudemment Brett Gosper, le directeur général de World Rugby. Les menaces climatiques sont à la baisse, les perspectives économiques à la hausse : avec 260 millions de livres (293 millions d'euros) de revenus commerciaux attendus, le Japon devrait finalement faire mieux que l'Angleterre en 2015, jusqu'ici le Mondial le plus rentable (245 millions de livres), alors que World Rugby n'en espérait pas tant. Entre 400 000 et 500 000 visiteurs étrangers sont attendus dans le pays, soit un peu plus qu'au Royaume-Uni (350 000). Dans un pays porté par sa passion pour le baseball et ses sumotoris, les Japonais, qui se sont rués sur les billets (96 % des sièges vendus), sont prêts à s'enthousiasmer pour le ballon ovale, pour peu que les ≪ Brave Blossoms ≫ poussent loin leur aventure. Même s'ils ne semblent pas taillés pour prétendre au titre, les Japonais peuvent rêver d'accéder aux quarts de finale pour la première fois de leur histoire.
Les All Blacks seuls favoris ?
Le cercle des favoris, quasiment circonscrit aux All Blacks alors hégémoniques lors de la précédente édition en 2015, s'est élargi quatre ans plus tard. Certes, les Néo-Zélandais, sacrés à domicile en 2011 avant de conserver leur titre quatre ans plus tard, ont quelques arguments (jeu, confiance, individualités…) pour revendiquer un 3e titre consécutif. Mais quelques contre-performances récentes ainsi que les blessures (le deuxième ligne Brodie Retallick) ou les méformes (l'ailier Rieko Ioane) de certains joueurs-cadres jettent un doute sur leur réel potentiel. La première partie de la réponse sera apportée dès samedi, lors du duel face aux Springboks, vainqueurs du dernier Rugby Championship, avec au passage un match nul (16-16) à Wellington le 27 juillet.
Autre prétendant déclaré, l'Angleterre, seule équipe de l'hémisphère nord titrée (2003) lors des 8 premiers mondiaux, a patiné un jeu alliant puissance, mouvement et méchanceté depuis la prise de fonction du sélectionneur Eddie Jones sur les cendres de l'élimination en poules en 2015. All Blacks, Springboks et Angleterre… Voilà le premier peloton des favoris pour brandir la coupe dans six semaines. Derrière ? On peut logiquement ranger l'Australie, finaliste en 2015, mais intermittente de la performance depuis, et les deux numéros un mondiaux de l'été, par ordre d'apparition, le pays de Galles et l'Irlande.
Pour son premier match, l'équipe de France affrontera l'Argentine, samedi à 9 h 15 (heure française), à Tokyo. Le XV de France ne doit ≪ pas accorder trop d'importance ≫ à son premier match de Coupe du monde, qui ne sera ≪ pas décisif ≫ pour la qualification en quarts de finale, a déclaré jeudi le sélectionneur Jacques Brunel. ≪ Le premier match est souvent déterminant par rapport au ton [qu'il donne à la compétition], mais il faut aussi ne pas y accorder trop d'importance : on aura 3 matches en 10 jours (États-Unis le 2 octobre, Tonga le 6, Angleterre le 12). L'idéal, c'est de gagner cette partie, mais on peut penser que les trois autres matches vont compter jusqu'à la fin ≫, a dit Brunel à la presse à Tokyo, en commentant l'équipe qui affrontera les Pumas.
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フランス語の勉強?
蓮池透‏ @1955Toru
裁判所は、文言にはないが、東京電力の「安全」より「経営」、「想定外」を事実上認めた。かつ「絶対的安全性の確保までは求めていなかった」とまで開き直った。この認識の下原発が稼働している。いいのか?
東電旧経営陣無罪判決 控訴するかどうかが焦点 | NHKニュース

内田樹@levinassien
僕が東電の経営者で「原発しかない」と本気で思っていたら「どんなことが起きてもシリアスな事故にならないように配慮して、国民の原発への信頼を長期的に醸成してゆく」という方針を採択しますけどね。堤防の造成コストをけちるような「せこい」ことはしません。この三人、経営者として失格ですよ。
想田和弘@KazuhiroSoda
不当な判決ですが、この判決を原発の運転を止めるために使うことはできないのでしょうか。なにしろ「津波などのあらゆる自然現象を考慮して措置を講じることは不可能」であると認定し、したがって「誰も悪くない」とおっしゃるわけですから。事故は合理的な努力では防げないものだということですよね?
maco @manabistcolumn
「予測できないから仕方なかった」とするなら、「原発が存在する限り事故は防げない」と言っているようなもの。
更に言い換えれば、「原発が無ければ原発事故は防げる」ということ。
実際に事故が起きた時の被害の大きさとその後の長きに渡る悪影響を考えれば、原発依存を脱却すべき。

鮫島浩 @SamejimaH
原発事故から8年半。原発は極めて危険な装置であり高コストの旧来産業であることは世界の常識になったのに事故発生国の日本は今も原発に固執している。世界の笑い者だ。いまだに脱原発を明示せず「考えていかねば」と煮え切らない立場をとる論者は原発維持派とみなしてよい。
蓮池透‏ @1955Toru
勇気ある証言をした山下和彦、酒井俊朗という部下を切り捨ててまで、自らの無罪にこだわる元東京電力幹部三人の人間性を疑う。「三権融合」のこの国ではまかり通るのか。
山崎 雅弘 @mas__yamazaki
安倍首相の最新ツイートは、ラグビーワールドカップをダシにした自分個人のイメージ宣伝。1つ前のツイートは半月前のロシア訪問。災害の被災者など私の眼中にはない、とアピールしているようだが、これは皮肉でなく実際そうだろう。
権威主義的な権力者は弱い者に寄り添わない。弱い者は切り捨てる。

有田芳生@aritayoshifu
橋下徹さんから名誉毀損で訴えられていた裁判。一審、二審で私が勝ち、橋下さんが上告していましたが、今日、棄却されました。詳しくは追って

図書館を3館まわりました.ちょっとクタクタ.
晩ごはんはカレーうどん.昨日のカレーにうどん追加.おいしいです.
お願いしていたファイルがatc形式.ファイル解凍が面倒でした.というか設定をしていなかったのでした.

東電旧経営陣無罪 責任問われず 双葉病院遺族「まだまだ闘い続ける」
 「被告人らはいずれも無罪とする」
 主文が読み上げられ、菅野正克さん(75)=水戸市に避難=は傍聴席で憤った。心のどこかに「無罪かもしれない」との思いもあったが「私たちと裁判官の常識には大きなずれがあった」。
 菅野さんは福島県大熊町の双葉病院に入院していた父健蔵さん=当時(99)=を亡くした。
 2011年3月12日。東京電力福島第1原発の半径10キロ圏内に避難指示が出された。前日の強い揺れの直後に無事を確認し、後は病院に任せていた。役場が用意したバスで転院し、すぐに戻れると信じていた。
 転院先から連絡があったのは4月5日。会津若松市内の病院でひと月ぶりに再会した。衰弱し、目を動かすのがやっとだった。「俺は百歳まで生きる」と豪語していた父。二度と会話できないまま6月12日に息を引き取った。
 翌12年秋、双葉病院からの説明で避難の詳細を初めて知った。
 停電のため医療器具が使えない病院に3日間取り残された後、医師も看護師もいないバスに乗せられて11時間移動した。底冷えする体育館に寝かされ、一緒に避難した14人はその夜を明かせなかった。
 元々重症だった父はどれほど命をすり減らしたことか。「長時間の移動を強いられ、生命に関わる相当なダメージがあった」。診断書にはそう記されていた。
 裁判では事故後3カ月以内の死亡しか「被害者」と認められず、1日過ぎた父は含まれない。だが、原発事故の犠牲者であることは明白だ。
 「『安全神話』はうそだった。真相を究明し、将来の教訓にしたい」。父の無念を晴らす一心で旧経営陣を告訴し、公判の度に足を運んだ。
 迎えた判決。法廷の旧経営陣は「当然の無罪」とでも言いたげに菅野さんの目には映った。「いまだに古里に戻れない人たちがたくさんいる。俺はまだまだ闘い続けるつもりだ」


東電旧経営陣3人無罪 暮らしを破壊 傍聴席驚きと怒り
 東京電力福島第1原発事故の刑事責任を巡り、東京地裁が東電旧経営陣の3人に無罪を言い渡した19日、法廷の傍聴席からは驚きの声が響き、被告らは硬い表情で判決を聞いた。世界に類を見ない被害を招き、住民の当たり前の暮らしを破壊した原発事故は防ぐことができなかったのか。多くの死傷者を出した責任は問われず、被災地の住民は「残念だ」とうなだれた。
 福島第1原発事故の刑事責任の有無を巡る初の判決。勝俣恒久元会長(79)ら東電旧経営陣の3人はいずれもスーツ姿で、一礼して法廷に足を踏み入れた。
 「うそだっ」。主文の読み上げが始まると、満員の傍聴席から叫び声が上がった。傍聴人の視線がおのずと勝俣元会長、武黒一郎元副社長(73)、武藤栄元副社長(69)に集まる。しかし3人は表情を変えず、真っすぐ前を見詰めた。
 午後1時15分に始まった判決読み上げは休廷を挟み、3時間強の長丁場となった。武黒、武藤両元副社長がしきりにメモを取ったり資料に目を通したりするのとは対照的に、勝俣元会長は裁判長に顔を向けて判決理由に耳を傾ける時間がほとんどだった。
 「間違ってる、こんな判断」。閉廷後も怒りが渦巻く傍聴席に、3人は一度も目をくれることなく足早に法廷を後にした。
■「原子力行政」を忖度
 石田省三郎指定弁護士は19日、東電旧経営陣に対する無罪判決について「国の原子力行政を忖度(そんたく)した」と指摘。「原発に絶対的な安全性までは求められていないと判断したのはあり得ない」と話した。
 「有罪に持ち込めるだけの論証をした」とした石田氏は「万が一にも事故は起きてはならないという発想があれば、このような判決にはならなかった」と語った。
■迷惑掛け申し訳ない
 東電旧経営陣3人は19日の無罪判決後、「事故により多大な迷惑を掛けて申し訳ない」とするコメントを出した。
 勝俣恒久元会長は「東電の社長・会長を務めていた者として改めておわびする」と謝罪。武黒一郎元副社長は「事故で亡くなった方々や負傷した方々にお悔やみとお見舞いを申し上げる」、武藤栄元副社長は「当時の東電役員として改めて深くおわびする」とした。


東電旧経営陣3人無罪 福島県民納得しない 告訴団非難
 「福島県民は納得できない」「原発を動かすのに高度な安全性は要らないのか」
 東電旧経営陣3人をいずれも無罪とした19日の東京地裁判決を受け、被害者代理人や福島原発告訴団は不満をあらわにした。
 「司法の歴史に汚点を残す判決だ」。被害者代理人の海渡雄一弁護士は記者会見で語気を強め、控訴を求める考えを示した。判決が国の地震発生予測「長期評価」の信頼性を認めず、大津波の予見可能性を否定した点を「多くの学者や技術者らが法廷で語った内容と大きく異なり、信用できない判断だ」と非難した。
 原発事故を招いた刑事責任が問われた初の裁判。3人が強制起訴され、公判が開かれた意義について海渡弁護士は「(安全対策の見送りを示唆する)東電内部の会議録や幹部のメールなど、闇に葬られていたはずの証拠を社会に示すことができた」と評価した。
 同席した武藤類子告訴団長(66)=福島県三春町=は「福島の被害に真摯(しんし)に向き合っていない」と強調。「こんなに証拠や証言を尽くしても、有罪にならないなんて…。事故の反省を社会が生かすことを阻む判決だ」と涙ながらに訴えた。


福島被災者ら落胆「責任逃れだ」「対策できた」「支援今後も」 東電旧経営陣無罪
 東京電力旧経営陣公判で3人全員に無罪判決が出た19日、東電福島第1原発事故に伴う避難生活や風評被害に苦しむ福島県の被災者は怒りや落胆を隠さなかった。「無罪で終わりでない」。刑事裁判の高いハードルを複雑な思いで受け止め、事故の教訓の継承や被災者支援の継続を求めた。
 「あり得ない。人災なのに責任逃れだ」。浪江町から南相馬市に避難する主婦鶴島孝子さん(61)は絶句した。「長期の避難で家族はばらばらになり、いっときも安らげなかった。一生引きずっていかなければならないのか」と憤った。
 郡山市から青森市に避難する主婦(38)は「自主避難では家族の人間関係がぎくしゃくし、つらい思いをした。『原発事故さえなければ』との思いは強い。刑事責任が認められず、残念だ」と語った。
 厳格な立証が求められる刑事裁判の限界を指摘する声も出た。
 全町避難が続く双葉町から埼玉県加須市に避難する菅本章二さん(63)は「刑事責任を問えるほど巨大津波を具体的に予見できなかったとの判断はやむを得ない。ただ、何らかの津波対策はできたのでないか。教訓にすべきだ」と話した。
 「なぜ事故が起きたのかを解明してほしかった」と残念がるのは、会津若松市でホテルを経営する山崎捷子さん(80)。市内の教育旅行は事故前の8割しか回復せず「無罪だからといって避難者支援や風評被害対策をおろそかにしてはならない」と東電や国に注文した。


東電旧経営陣に無罪/企業の社会的責任は免れぬ
 東京電力福島第1原発事故を巡り、業務上過失致死傷罪で強制起訴された東電旧経営陣の3人に東京地裁(永渕健一裁判長)はきのう、無罪の判決を言い渡した。
 検察官役の指定弁護士側は被告の勝俣恒久元会長(79)、武黒一郎元副社長(73)、武藤栄元副社長(69)に禁錮5年を求刑していた。
 未曽有の被害をもたらした2011年3月の原発事故から8年半余り。判決は、市民判断で強制起訴された企業トップらの刑事責任を退けた。
 原発事故の責任は一体、誰にあるのか−。犠牲者の遺族や古里を奪われた避難者に限らず、釈然としない思いが募る人は多いだろう。
 被害者らが提起した民事訴訟では、東電の過失を認める判決が相次ぐ。一方、個人に刑罰を科す刑事裁判では、具体的な予見可能性や結果の回避可能性など、より厳格な立証が求められる。判決は、個人の過失を問う刑事裁判のハードルの高さを改めて印象づけたとも言える。
 裁判で問われたのは、事故前の津波対策だ。大津波の襲来を3人は予測できたか。それが最大の争点となった。
 東電は08年3月、第1原発に「最大15.7メートル」の津波が到達すると算出している。高さ約10メートルの敷地を越す津波襲来の可能性を示すこの試算について、3人は08年6月から09年春にかけて報告を受けるなどしていた。
 試算の基になったのが、国の地震予測「長期評価」。裁判では、津波の予見可能性の前提として、その長期評価の信頼性が焦点となった。
 判決は、長期評価について「具体的な根拠を示さず、信頼性に合理的な疑いが残る」と判断し、巨大津波の予見可能性を認めなかった。
 判決は事故の重大性は認めながらも、「津波についてあらゆる可能性を想定し、必要な措置を義務づければ、原発の運転はおよそ不可能になる」とも指摘している。社会的インフラとしての原発の役割を重視するあまり、判決の軸足は原発優先に傾いているようにも映る。
 しかし、原発は極めてまれな自然災害にも備えるのが運転の大原則のはずだ。事故が起きれば深刻な事態となるのは火を見るより明らかで、どんなに小さな可能性にも対処する義務が求められるのではないのか。
 巨大津波の試算の報告を受けながら、旧経営陣は何ら津波対策を打ち出していない。裁判を通じ、社員らのさまざまな証言から、経営側の危機管理の甘さ、責任回避の姿勢が浮き彫りになった。
 旧経営陣の刑事罰は免責されたとはいえ、原発事業者としての企業の社会的責任は免れまい。
 原発の安全を確保する責任は誰にあるのか。その答えが見いだせない限り、東電はもちろん、原発への不信を拭い去ることはできないだろう。


河北春秋
 猫、男心、賭博…。先日、82歳で逝った作家の安部譲二さんは味わい深いエッセーを残した。時には鋭さもあった。例えば2013年8月のブログ。題名は「偉い人は責任を取らない」だった▼安倍晋三首相らは戦争を知らず、勇ましいことを言うと指摘。「出身大学では現代史は教えないらしい」と皮肉った。大量破壊兵器保有の誤情報でイラク戦争を起こした米国も批判し、こう語る。「責任を取るべき偉い人が知らぬふりをするからまた戦争が起きる」▼裁判で問われたのは偉い人の責任だった。東京電力福島第1原発事故を巡り業務上過失致死傷罪で強制起訴された旧経営陣3人に対し、東京地裁が無罪判決を言い渡した▼民事裁判では東電の過失を認めたが、個人の刑事責任は問えないという判断が下された。津波の試算の根拠とされた国の地震予測の信頼性で判断が分かれた。では、誰の責任もないのか? 被災者からそんな疑問の声が上がるのも当然だろう▼安部さんは「原発事故の責任の所在を曖昧にし、なかったことにする。だから同じことが繰り返される」と語った。その言葉通り何事もなかったように原発の再稼働が進む。災害はいつ起きるか分からない。機械は故障が付きものだ。なのに、安全神話がまたつくられようとしている。

東電旧経営陣に無罪判決 刑事司法の限界示す
 【解説】東京電力旧経営陣への無罪判決は、業務上過失致死傷事件で、危険を確実に予測できなければ刑事責任を問えないとする従来の司法判断を踏襲した。責任追及と再発防止を裁判に託した被害者の思いはかなわず、自然災害による大事故で企業経営者の過失を問う難しさを浮き彫りにした。
 市民で構成する検察審査会は原発の巨大リスクと、いつ、どこで起こるか分からない地震の災害特性を踏まえ「国の地震予測は絶対に無視できなかった」と判断。事故の未然防止の観点から地震予測の信頼性を緩やかに捉えていた。
 一方、刑罰の適否を慎重に検討する裁判所は「運転停止を義務付ける程度」の高い信頼性があったかどうかを吟味。専門家らの間に疑義が生じていたことを重視し、信頼性を否定した。不起訴とした東京地検と同様の判断で、市民と法律家との間で地震予測に対する捉え方の違いが際立った。
 刑事裁判は被告個人の責任を厳格に審理し、多くの部署が関わる大企業ほど立証が困難になる。判決では東電が国の規制に従っていた点も考慮された。民事訴訟では東電の過失を認める判断が続いており、過失は特定個人ではなく「組織全体」にあったと見ることもできる。
 事故前、電力会社には十分な根拠がなければ対策を取らない風潮があった。検察側は多額の経費が対策先送りの要因となったと主張したが、地裁は企業体質には踏み込まなかった。
 完璧でなければ参考にしないという姿勢では、地震予測は意味をなさない。実際に起きるまで、予測に異論があるのも当然だ。法を厳格に適用すれば「不確実な危険」に起因する事故は過失を問えないことになり、裁判所が「刑事司法の限界」を示したと言える。
 原発維持費はテロ対策などで膨張の一途だが、安全が最優先であることは論をまたない。原発事業者には自らの責務の重大さを自覚し、謙虚に災害予測に向き合う姿勢が求められる。(福島総局・斉藤隼人)


東電旧経営陣に無罪判決 大津波の予見可能性否定
 東京電力福島第1原発事故を巡り、業務上過失致死傷罪で強制起訴された東電の元会長勝俣恒久(79)、ともに元副社長の武黒一郎(73)、武藤栄(69)の3被告に対し、東京地裁は19日、いずれも無罪(求刑禁錮5年)とする判決を言い渡した。10メートルを超える津波の襲来について、「運転停止を義務付けるほどの危険を具体的に認識したとは認められない」として予見可能性を否定した。第1原発事故の刑事責任に関する司法判断は初めて。
 東電は2008年3月、海抜10メートルの原発敷地に「最大15.7メートル」の津波が来るとの試算結果を把握。試算は福島県沖を含む海溝沿いで「どこでも津波地震が起こり得る」とした国の地震予測「長期評価」(02年7月公表)に基づいており、安全対策を義務付けるほどの十分な根拠があったと言えるかどうかが最大の焦点だった。
 永渕健一裁判長は「長期評価は具体的な根拠を示さず、専門家や実務家、内閣府から疑問が示されていた」と指摘。「客観的に信頼性、具体性があったとは言えない」と判断した。
 検察側は「防潮堤の設置や運転停止などの措置により深刻な事故は防げた」と主張していた。判決は「3人が試算を知った後、事故を回避するには原発を運転停止させるほかなかった」とした上で「運転停止を義務付けるほどの津波襲来に対する危険を、3人が具体的に認識できたとは認められない」と結論付けた。
 地裁は「第1原発は法令上の許可を得て設置、運転されていた。社会通念の反映であるはずの法令による規制は、絶対的安全性の確保までは求めていなかった」との見解を示した。判決言い渡し後、3人に対する説諭はなかった。
 判決によると、3人は東電役員として第1原発の運転や安全保全業務に従事。11年3月の事故では長時間の避難を余儀なくされた福島県大熊町の双葉病院患者ら44人が死亡したほか、原子炉建屋の水素爆発で自衛官ら13人がけがをした。東日本大震災では最大15.5メートルの津波が原発を襲った。
 全国で避難者らが集団提起した民事訴訟は28件あり、各地の地裁では「大津波は予測でき、事故は防げた」と東電の過失を認める判決が相次いでいた。
 事故を巡り、福島県では最大16万4865人(12年5月)が避難。今年8月末時点でなお県内外に4万2290人が避難している。
[東京電力旧経営陣公判]福島県内外の市民1万4716人が2012年、東電旧経営陣らを告訴・告発した。東京地検は捜査を経て2度にわたり不起訴処分としたが、検察審査会はその都度3人を「起訴すべきだ」と判断。東京地裁から選任された検察官役の指定弁護士が16年2月に強制的に起訴し、今年3月の結審まで37回の公判が開かれた。


東電旧経営陣無罪 東電「コメントしない」 具体的な評価避ける
 東京電力福島第1原発事故を巡る東電の旧経営陣公判で被告3人が無罪判決を言い渡されたことを受け、同社と東北電力、内堀雅雄福島県知事は19日、それぞれ談話を出した。
 「コメントを差し控える」とした東電の談話は主文の言い渡し直後、文書で発表された。福島県民らに謝罪の思いをつづったが、判決に対する具体的な評価は避け「福島復興を原点に、原発の安全性強化対策に不退転の決意で取り組む」と記載するにとどめた。
 第1原発構内で同日あった廃炉作業の定例記者会見でも広報担当者が同じ談話を読み上げただけで、肝心な質問には「回答を控えさせていただきたい」と繰り返した。記者から「『誠心誠意、全力を尽くす』という談話を出しながら真心が全く見えない」と追及される一幕もあった。
 社内では「3人無罪」を予想する社員が大方を占めていたとみられる一方、複雑な思いで判決を受け止める社員もいた。
 ある社員は取材に「10年以上前に経営者が15メートル超の津波が襲来することを想定し、すぐに対策を講じることは難しかっただろう」と釈明しつつも「原発事故の道義的責任が会社にあることに変わりはない。復興に取り組むことで責任を果たしていきたい」と話した。
 いずれも福島第1原発と同じ沸騰水型炉の女川原発2号機(宮城県女川町、石巻市)、東通原発(青森県東通村)の再稼働を計画する東北電力は「司法の場で下された判断であり、当事者でもないことからコメントは差し控えたい」とした。
 内堀雅雄福島県知事も談話を出したが、判決への論評は避けた。東電が進めている福島第1、福島第2両原発の廃炉に関し「あらゆるリスクを想定し、県民の安全・安心を最優先に着実に進めてほしい」と改めて要望した。


東電旧経営陣に無罪 信頼の回復へ努力継続を
 刑事裁判のハードルの高さを示した判決だった。
 東京電力福島第1原発事故で、東京地裁は、業務上過失致死傷罪で強制起訴された東電の旧経営陣3人に無罪を言い渡した。
 争点は、3人が津波による事故を予見し、被害を回避できたと言えるかどうかだった。判決は3人に予見可能性があったとは認められないと判断した。
 判決は、3人が部下からの報告や会議で巨大津波が第1原発を襲う可能性があることを認識していたと認めた。一方で、こうした報告などは根拠に欠け、事故回避に向けて原発の運転を停止する義務を負うほどではなかったと指摘した。
 刑事裁判で有罪になれば、身柄を拘束されることもある。そのため、民事裁判よりも厳格な事実認定が求められる。切迫感をもって被害を予見できたのでなければ、過失罪の認定には至らない。そこが判断の分かれ目となった。
 問題になった報告は、政府の地震調査研究推進本部が2002年に公表した地震予測の「長期評価」に関するものだ。「福島沖でも巨大津波が起こりうる」という内容だった。
 判決は、この長期評価そのものの信頼性も否定した。
 しかし、この判決により、事故に対する責任がそもそも東電になかったということにはならない。
 事故の背景について、政府の事故調査委員会は政府や東電に「複合的な問題点があった」と指摘した。国会事故調などは「人災」と判断した。今回の判決でそれがくつがえるわけではない。
 1986年のチェルノブイリ原発事故の後、政府や東電をはじめとする電力業界は「日本では事故は起きない」と繰り返した。それでも、事故は起きた。
 電力会社が自然災害を含めたあらゆる事態に備え、安全を最大限に追求するのは当然だ。原発事故がいったん起きてしまうと、人々は故郷を奪われる。福島では事故などにより、今も県内外で4万人以上が避難生活を送っている。犠牲があまりに大きすぎる。
 旧経営陣は無罪判決を受けたものの、東電は組織として信頼回復のための努力を続ける必要がある。


東電旧経営陣に無罪 「人災」の疑問は残る
 東京電力の旧経営陣は「無罪」−二〇一一年の福島第一原発事故で検察審査会が強制起訴した裁判だった。本当に予想外の事故だったのか疑問は残る。
 事故の三年前まで時計の針を戻してみよう。国の地震予測である「長期評価」に基づく津波の試算が最大一五・七メートルにのぼるとの報告がなされた。東電社内の会合で元副社長に「『(津波想定の)水位を下げられないか』と言われた」−担当していた社員は法廷で驚くべき証言をした。元副社長は否定し、「そもそも長期評価は信頼できない」と反論した。
◆「力が抜けた」と証言
 社員は「津波対策を検討して報告するよう指示された」とも述べた。だから、その後、防潮堤を造る場合は完成までに四年を要し、建設に数百億円かかるとの報告をしている。元副社長は「外部機関に長期評価の信頼性を検討してもらおう。『研究しよう』と言った」と法廷で応じている。
 てっきり対策を進める方向と思っていた社員は「想定外の結論に力が抜けた」とまで証言した。外部機関への依頼は、対策の先送りだと感じたのだろう。実際に巨大津波の予測に何の対策も講じないまま、東電は原発事故を引き起こしたのである。
 この社員は「時間稼ぎだったかもしれないと思う」「対策工事をしない方向になるとは思わなかった」とも証言している。
 社員が認識した危険性がなぜ経営陣に伝わらなかったのか。あるいは対策の先送りだったのか。これはぬぐえぬ疑問である。
 旧経営陣の業務上過失致死傷罪の責任を問うには(1)原発事故との因果関係(2)大津波などが予見できたかどうか(3)安全対策など結果回避義務を果たせたか−この三点がポイントになる。
◆電源喪失予測もあった
 東京地裁は争点の(2)は「敷地高さを超える津波来襲の予見可能性が必要」とした。(3)は「結果回避は原発の運転停止に尽きるが、原発は社会的有用性があり、運転停止だと社会に影響を与える」ため、当時の知見、社会通念などを考慮しての判断だとする。
 原発ありきの発想に立った判決ではないか。「あらゆる自然現象の想定は不可能を強いる」とも述べたが、それなら災害列島に原発など無理なはずである。
 宮城県に立地する東北電力女川原発との違いも指摘したい。女川原発が海抜一五メートルの高台に建てられたのは、八六九年の貞観地震を踏まえている。だから東日本大震災でも大事には至らなかった。
 〇八年の地震予測「長期評価」が出たときも、東北電力は津波想定の見直しを進めていた。ところが、この動きに対し、東電は東北電力に電子メールを送り、津波対策を見直す報告書を書き換えるように圧力をかけた。両社のやりとりは公判で明らかにされた。
 「危険の芽からは目をそらすな」−それは原発の事業者にとって常識であるはずだ。旧ソ連のチェルノブイリ事故が示すように、原発でいったん事故が起きれば被害は極めて甚大であり、その影響も長期に及んでしまう。
 それゆえ原発の事業者は安全性の確保に極めて高度な注意義務を負う。最高裁の四国電力伊方原発訴訟判決でも「(原発の)災害が万が一にも起きないように」と確認されていることだ。
 「最大一五・七メートルの大津波」という重要なサインが活(い)かされなかったことが悔やまれる。〇四年にはスマトラ沖地震の津波があり、インドの原発で非常用海水ポンプが水没し運転不能になった。〇五年の宮城県沖地震では女川原発で基準を超える地震動が発生した。
 これを踏まえ、〇六年には旧経済産業省原子力安全・保安院と電力会社による勉強会があった。そのとき福島第一原発に敷地高一メートルを超える津波が来襲した場合、全電源喪失から炉心損傷に至る危険性が示されている。
 勉強会が活かされたらとも悔やむ。防潮堤が間に合わなくとも電源車を高台に配備するなど過酷事故対策が考えられるからだ。福島第一原発の非常用電源は地下にあり、水没は容易に発想できた。国会事故調査委員会では「明らかな人災」と厳しく非難している。
 今回の刑事裁判は検察が東電に家宅捜索さえ行わず、不起訴としたため、市民の検察審査会が二度にわたり「起訴すべきだ」と議決したことによる。三十七回の公判でさまざまな事実関係が浮かんだ意義は大きい。
◆地震の歴史は繰り返す
 安全神話が崩れた今、国の原発政策に対する国民の目は厳しい。歴史は繰り返す。地震の歴史も繰り返す。重大なサイン見落としによる過酷事故は、やはり「人災」にも等しい。繰り返してならぬ。苦い教訓である。


東電無罪判決/企業責任問う手段が要る
 まず運転ありき、の判決だ。
 東日本大震災の大津波による福島第1原発事故を巡り、業務上過失致死傷罪で強制起訴された勝俣恒久元会長ら3人の東京電力旧経営陣に、東京地裁は無罪を言い渡した。事故を防ぐ義務を怠った過失はなかったと判断した。
 耳を疑うのは、裁判長が判決理由で「津波についてあらゆる可能性を想定し、必要な措置を義務付ければ、原発の運転はおよそ不可能になる」と指摘したことである。
 事故は起こらないとの安全神話が福島の惨事を招いた。その教訓から、新規制基準には航空機テロ対策などが盛り込まれた。国民の大多数も原発には厳しく安全を求めている。そうした感覚と乖離(かいり)した見解だ。
 避難者らが損害賠償を求めた民事訴訟では、東電の過失を認める判決が相次ぐ。経営者の無罪が企業全体の免責にはならない。被害者賠償や廃炉処理、福島の復興などの責務を、東電は全うしなければならない。
 争点の一つは、3被告が津波を予見できたか、だった。
 東電は、2008年には国の地震予測「長期評価」に基づき大津波の襲来を試算していた。だが被告の元副社長は再調査を指示するにとどまった。
 検察官役の指定弁護士は、大津波を予見できたと訴えた。だが判決は国の予測を「信頼性には限界がある」とし、東電側の主張を認めた。
 危険性を具体的に予見できなければ、個人の過失責任は問えない。尼崎JR脱線事故などの司法判断を踏襲したと言える。
 現行刑法では、加害企業など法人の責任を直接問うことは難しい。そのため、事故原因に十分に迫れず、被害者の怒りや苦しみが救われないケースも多い。企業の安全意識を高め、再発防止を促すためにも、法人の刑事責任を問う「組織罰」の制定を真剣に考えるべきである。
 原発事故から8年たっても未解明の部分は多い。東電は想定外の津波が原因としたが、国会の事故調査委員会は「主因を津波に限定すべきでない」とし、地震で機器が壊れた可能性にも触れている。原子力規制委員会は再調査を決めた。東電も原因を徹底究明する責任がある。


東電事故無罪 安全軽視の判断は疑問
 東京電力福島第1原発事故を巡り、業務上過失致死傷罪で強制起訴された東電の旧経営陣3人に対し、東京地裁は無罪判決を言い渡した。厳格な立証が求められる刑事裁判ゆえの結果だろう。
 判決は、巨大な津波の襲来は「想定外」とする被告の主張を認め、予測は困難だったと認定した。
 事故を回避するためには原発の運転停止しかなかったと判断し、電力供給義務を負う被告にはそこまでの義務はなかったとした。
 しかしながら、今もなお帰還困難区域が7市町村にまたがり、約5万人が避難生活を強いられている事故の結果の重大性を考えると、安全より運転継続に重きを置いた判断と言わざるを得ない。
 民事とはいえ、全国各地で避難者が起こした損害賠償請求訴訟では東電の過失責任が認められている。刑事上の責任を問われないからといって、旧経営陣が事故の責任を免れることにはならない。
 近年、「想定外」の事故や災害が増えている。最優先されるべきは生命や身体の安全だ。想定が適切か不断の検証を怠れば、安全に関わる組織を率いる責務を果たしたことにはならない。
 判決は、国が2002年に公表した地震予測「長期評価」について信頼性がないと判断。被告も出席した08年の会議で地震予測の採用方針が了承されたという元幹部の供述調書の信頼性も否定した。
 だが、公判では、防潮堤設置などの対策を取らなかった旧経営陣の対応について、疑問視する社員の証言もあった。
 予測に基づく最大15・7メートルの津波試算結果を生かさないのであれば、何のための予測か。素朴な疑問も浮かぶ判断は、市民感覚と乖離(かいり)しているとの批判を免れまい。
 納得できないのは、3被告の姿勢だ。想定外と繰り返すばかりで、社員らの証言との矛盾を丁寧に説明したとは言いがたく、甚大な被害を招いた企業の責任者としての自覚が感じられなかった。
 責任の所在を明らかにしたいという被害者の願いはかなわなかった。辛苦を味わってきた犠牲者の遺族らにとって、今回の判決は到底受け入れられるものではない。
 判決は、事故の可能性を限りなくゼロに近づけるよう必要な措置を講じることも、社会の選択肢として考えられなくはないとも述べている。
 原発事故は、ひとたび起これば取り返しがつかない。その重篤な結果に見合った責任とは何か。考える機会とする必要がある。


東電原発事故 「無罪」でも責任は免れぬ
 「あの日」から8年半を経た今も苦しむ多くの被災者にすれば、納得しがたい判決だろう。
 東京電力福島第1原発事故を巡り初めて刑事責任が問われた裁判で、東京地裁は勝俣恒久元会長ら旧経営陣の3被告に無罪を言い渡した。
 最大の争点だった大津波の予見可能性については否定した。対策を講じなかったとして業務上過失致死傷罪で強制起訴された被告側の無罪主張をほぼ認めたと言える。さらに判決は、大津波発生などあらゆる可能性を想定して対策を義務付ければ、原発の運転は「およそ不可能になる」とまで述べた。
 被告個人の責任について厳格な立証を求める刑事裁判ならではの結論かもしれない。ただ、原発事故という被害甚大な事故で経営陣が誰一人、責任を問われずに済むのか。事故の責任論自体が曖昧になりはしないか。事故の再発防止策と責任の明確化は表裏一体のはずである。
 この事故を巡る民事訴訟では正反対の判断も示されている。被災者らが国と東電に損害賠償を求めた訴訟で、複数の裁判所が大津波の予見性を認めた上で対策を講じなかったとして、原告勝訴の判決を出した。
 その大きな根拠は、阪神大震災の教訓から国が設置した地震調査研究推進本部による予測である。福島沖での巨大な津波地震については「30年以内に20%」という高い確率で発生する−と発表した。この予測について民事の判決は「正当な見解」だと認め、「科学者の間でも異論がある」などとする被告側の主張を一蹴していた。
 今回の公判では、予測を基に2008年、最大15・7メートルの津波が襲う可能性を、東電に子会社が報告したとされた。
 そもそも東北では津波を伴う地震が貞観地震(869年)以降少なくとも十数回発生しており、記録も多く残る。原発立地の段階でも適否を巡り、最大限に考慮されるべき事項だったはずだ。経営陣が「知らなかった」では済まされまい。
 今回、刑事責任を免れたからといって、東電の組織としての「不作為」は免責されない。原発の「安全神話」が根底から問われていることも変わらない。
 企業・団体の刑事責任を巡っては、尼崎JR脱線事故の歴代経営者が無罪となったことなどから、重大事故を起こした組織を罰する制度の導入を求める動きもある。再発防止に有効か、議論を深めたい。
 東日本大震災をはじめ、大災害が毎年のように起きる時代を迎えた。科学的知見を軽視して警戒を怠り、人命を奪うようなことがあってはならない−その教訓を重くかみしめるべきだ。


東電元幹部無罪  被災者の納得を得られるか
 2011年3月の福島第1原発事故を巡り、業務上過失致死傷罪で強制起訴された東京電力の勝俣恒久元会長ら旧経営陣の3被告に東京地裁が無罪を言い渡した。
 東電が引き起こした事故によって、8年半が過ぎても4万人以上が避難生活を送るなど、今も多くの人が影響に苦しんでいる。
 その原因をつくった経営トップは当然、刑事責任を問われるべきではないか−。多くの被災者がそう考えるのは当然だろう。
 しかし東京地裁は、東電社内の担当部署から上げられた津波予想は「信頼性がなく予想できなかった」「対策を取っても事故は防げなかった」という3人の主張を全面的に認め、過失責任なし、の判断を示した。
 被災者の納得を得られる判決だろうか。
 業務上過失が問われる裁判では「事故などを具体的に予見でき、必要な措置を講じれば避けられた」と立証できない限り刑事責任を問えない、という従来からの刑事裁判の判例を踏まえたものとみられる。
 刑事司法の前例に忠実であろうとするあまり、原発事故が引き起こした過酷な現実の責任を直視していないのではないか。
 過酷事故直視したか
 勝俣氏らは東京地検により2度不起訴となったが、市民で構成する検察審査会の議決によって強制起訴され、裁判が行われていた。
 争点は「大津波が来ることを予想できたか」「予想できたとしても事故を防ぐことはできたか」の2点にほぼ絞られた。
 検察官役の指定弁護士は、最大15・7メートルの津波が原発の敷地を襲う可能性があるとする東電子会社の試算と、その根拠となった国の地震予測「長期評価」をもとに、3人には津波を予想することができ、対策が完了するまで原発を停止すべきだったと指摘。不可能だったとする被告側と真っ向から対立した。
 これについて東京地裁は、国の長期評価は「十分な根拠があったとは言い難く、信頼性には限界があった」と指摘し、津波が襲来する可能性について3人は具体的な根拠を基に認識していたわけではなかったと判断した。
 その上で、原発の運転停止についても、法律に基づく運転停止命令や事故が発生していないのに、十分な対策をするまで運転を停止するのは、被告らの一存でできるものではない、と指摘した。
 勝俣氏らが情報収集を尽くすべきだったとする指定弁護士の指摘に対しても、判決は東電社内の明確な業務分掌を理由に、経営者といえども担当部署から上がってくる情報を再検討しなくていい状況だったとして退けた。
 企業が関わる大事故でトップの責任を問うことの難しさを示したといえるだろう。
 判決では「津波についてあらゆる可能性を想定し必要な措置を義務づければ、原発の運転は不可能になる。運転停止は地域社会に影響を与える」とした。
 事故が起きるまでは絶対的な安全を求められていなかった、という被告側の主張を認めているが、東電など電力会社は絶対安全を宣伝していたのではないか。原発事故で地域社会が破壊された今、説得力がある結論とは思えない。
 問われる経営の責任
 刑事責任は認定されなかったものの、勝俣氏ら3人は経営者としての責任から解放されたわけではない。
 そもそも安全神話に浸りきっていた経営者のあり方は厳しく問われるべきだ。
 福島原発事故の責任は約30件の民事訴訟でも争われている。「東電は津波を予見でき、事故を防げた」と評価した判決も多い。
 京都地裁も18年3月の民事訴訟判決で東電には津波とその被害について「予想できた」「事故を防ぐことはできた」と認めている。
 刑事裁判は個人の罪を問うため、疑いの余地のない厳格な責任の立証が求められる点が民事訴訟とは異なる。
 検察審査会の議決による強制起訴制度についてはさまざまな議論がある。
 専従捜査班まで作った検察が2度、罪に問えないと判断した過失を立証するのはそもそも困難で、強制起訴制度は当事者を不安にしただけ、という批判もある。
 しかし、強制起訴による裁判が開かれなければ闇に葬り去られていたことが次々と明らかになったのも事実だ。
 強制起訴で明らかに
 東電で津波対策を担う部門の担当者が勝俣氏ら3人に新たな津波対策の必要性を報告したという供述調書は検察がまとめたが、その存在は指定弁護士が法廷で読み上げて初めて明らかになった。
 津波対策を勝俣氏らが出席する「御前会議」で報告したという担当者の供述に対し、勝俣氏は「記憶にない」「勘違いじゃないか」と否定したが、むしろ責任感の乏しさを浮かび上がらせる結果になった。
 経営トップが法廷で証言する機会になったという点では、重要な意味があったといえるのではないか。


東電原発事故無罪判決 企業責任問う仕組みを
 あれほどの甚大な被害をもたらしながら、誰一人として刑事責任を問われないのだろうか。被災者のみならず、理不尽に感じる人は多いはずだ。
 東京電力福島第1原発事故を巡り、業務上過失致死傷罪で強制起訴された東電の元会長ら旧経営陣3被告に、東京地裁はきのう無罪を言い渡した。
 巨大津波の重大性を予見し、防潮堤など有効な対策をとることができたかどうかが主な争点だった。しかし判決は「巨大津波を予見できる具体的な根拠に乏しかった」と予見可能性を認めなかった。
 それどころか、原発の「有用性」に言及し、地域経済などに大きな影響を与えてまで運転を停止させる経営判断は困難だったとした。司法として踏み込みすぎではないか。
 企業トップ個人の責任を問うのだから、厳格な立証が必要である。だが原発でいったん事故が起きれば被害は破滅的だ。
 それだけに電力会社の経営陣が、より高度な注意義務を負っているのは当然のことだろう。極めてまれな自然災害のリスクにも備えるのが、原発を運転させる前提であるはずだ。
 だが判決は、被告側の主張に沿って注意義務違反も認めなかった。安全性を軽んじるような司法判断に違和感を覚える。
 3人は、第1原発の主要施設がある高さ10メートルの敷地を超える津波の襲来を予想できていたのに対策を怠って事故を招き、過酷な避難を余儀なくされた双葉病院(福島県大熊町)の入院患者らを死傷させたとして罪に問われた。
 公判は2017年6月に始まり、37回を数えた。東電関係者や専門家ら20人余りが証人として出廷した。津波対策を巡る東電社内のやりとりや動きが法廷で示された。事故の真相究明には一定の役割を果たし、強制起訴による裁判自体は大きな意味があったと言える。
 検察官役の指定弁護士は、国の専門機関による地震予測「長期評価」に基づき、東電が08年には最大15・7メートルの津波が襲来する可能性があるとの試算をまとめていたと指摘した。
 3人には09年までにはこの情報が伝わっており、「万が一にも起こってはならぬ事故」を予見できたと主張した。
 これに対し、3人は試算の根拠となった長期評価について「信頼性は低く、対策の根拠としては不十分だった」などと反論した。一方で、部下からの津波の試算結果報告については「記憶にない」「聞いていない」と繰り返した。
 公判を通じて浮かび上がったのは、リスクを過小評価し、形ばかりの安全対策に安住し続けてきた東電の体質である。
 ただ現行の刑法では過失責任は個人にしか問えない。大企業になればなるほど、責任の所在が分かれていて、個人の責任を問うハードルも高かったと言える。過失事故の原因究明において「司法の限界」が見えた。
 事故の原因究明とともに安全対策を徹底させるためにも、事故を起こした企業の責任を問える仕組みが必要になっているのではないか。
 再発防止に重点を置いて証言義務を課す制度や、企業の責任を問う「組織罰」の創設を求める動きも出ている。国も検討を進めるべきだ。


東電原発事故判決 原因究明、在り方議論を
 東京電力福島第1原発事故を巡り、業務上過失致死傷罪で強制起訴された旧経営陣3人に、東京地裁は「津波への予見可能性はなかった」として無罪判決を言い渡した。未曽有の被害をもたらした事故から8年半。旧経営陣の責任は問われなかったが、東電は被災者への対応など今後も企業責任を負い続けることを肝に銘じるべきである。
 裁判で争われたのは大津波を具体的に予見できたかと、対策を講じていれば事故を防ぐことはできたかの2点だった。
 検察官役の指定弁護士は国の地震予測「長期評価」を基に、東電が08年に最大15・7メートルの津波が原発を襲う可能性があるとの試算結果を得ていたことから、大津波は予見はできたとして「原発を止めたり、安全対策を取ったりする義務があったのに怠った」と主張。一方、弁護側は「長期評価に信頼性はなく、予見できなかった」と反論していた。
 東京地裁は判決で「国の長期評価は十分な根拠があったとは言い難く、信頼性には限界があった」と判断。「3人は大津波が襲来することについて、事故回避のため、原発を止める義務を課すほどの予見可能性はなかった」とした。
 原発事故の責任は民事裁判でも争われており、避難者が国や東電に損害賠償を求めた訴訟では「東電は津波を予見でき、事故を防ぐことは可能だった」として賠償責任を認める判決も多い。しかし個人を罰する刑事裁判では事実認定が厳しく、立証のハードルは民事裁判より格段に高いのが現実である。
 判決は司法の限界を示した。特に過失事件では捜査・裁判による原因究明は困難を余儀なくされている。今回の判決を契機に、重大事故における原因究明の在り方について議論を深めなくてはならない。関係者に刑事免責を与えて証言義務を課す制度や、企業・組織の責任を問う「企業罰」の創設の検討も必要である。
 ただ検察が嫌疑不十分として起訴を見送ったにもかかわらず、市民からなる検察審査会が2度にわたり起訴すべきだと判断。強制起訴を経て、法廷で東電の内部事情などが明らかにされたことは評価できる。検察の聴取では元社員から「東電が経営状況を理由に大津波対策を先送りした」との供述が飛び出すなどした。
 無罪判決について、被災者らからは「残念の一言。福島の人は誰一人納得していない」「仮に有罪だったとしても町が元に戻るわけではない。個人で責任を取れる話ではないし、原子力政策を推進してきた国に責任がある」など批判とともに落胆、諦めの声が多く上がった。
 東電は被災者が一日も早く元の生活を取り戻せるよう努力を続けなくてはならない。同時に原発事故が二度と起こることのないように安全対策に万全を期すことが求められる。


東電元幹部に無罪/課題向き合い今後に生かせ
 東京電力福島第1原発事故を巡り、業務上過失致死傷罪で強制起訴された東電元会長ら旧経営陣3人の刑事裁判で、東京地裁はいずれも無罪の判決を言い渡した。
 裁判は、検察による2度の不起訴で終わらせることなく、検察審査会が起訴すべきだと議決して法廷に持ち込まれた。民事裁判では、東電の事故の責任を認める判決が相次いだが、刑事裁判はより厳格な立証が求められ、ハードルは高いとされていた。
 裁判では津波対策などに関して旧経営陣がどう判断、対応したかが、さまざまな証拠資料などからある程度明らかになった。意義があったと捉えたい。
 一方で「安全神話」のもとに原発が運転され、あってはならない事故が起きてしまったことはまぎれもない事実だ。津波対策を十分に取っていれば起きなかったはずの事故だ。
 東電には、事故の当事者として着実な廃炉など本県の復興に向き合っていく社会的責任を果たしていくことを、改めて銘記してもらいたい。
 裁判の争点は、東日本大震災による大津波を予見できたのかどうかと、事故を防ぐことは可能だったのかという点だ。
 検察官役の指定弁護士は、大津波の危険を指摘した国の地震予測「長期評価」を基に「最大15.7メートルの津波が来る可能性がある」とした試算が出ており、予見できたと主張していた。一方、旧経営陣の3人は、長期評価は未成熟の知見で予見できず、原発事故は防げなかったと反論していた。
 判決は指定弁護士が大津波を予見できたとする「長期評価」に十分な根拠があったとは言えず、10メートル超の津波が襲来する可能性について信頼性、具体性のあるものではなかったと判断した。
 検察官役の弁護士が控訴すれば、高裁で争われることになる。
 判決を踏まえ、どういった安全対策を取れば重大事故を防ぐことができるのかを考える契機としなければならない。
 震災と原発事故が発生して8年半が過ぎた。県民には大きな被害をもたらした事故の責任の所在をはっきりさせたいという思いはあるだろう。県内外では約4万人の県民が避難生活を続け、古里に帰れない人たちがいる。生活基盤の整備、地域コミュニティー、なりわいの再生など本県の復興への道は半ばだ。
 国は今回の判決で浮き彫りになった課題に向き合い、今後の安全規制や原子力防災に生かしていくことが重要だ。


福島原発判決 対策取らなかった責任は
 一時は16万人以上が避難し、8年以上が経過しても、約4万2千人が戻れない。
 東京電力福島第1原発の事故である。業務上過失致死傷罪で強制起訴された旧経営陣3人に、東京地裁が無罪判決を出した。
 事故を防ぐ義務を怠った過失はなかったという判断である。
 原発事故は住民や国土に多大な影響を与える。判決はこの特殊性をどこまで考慮したのか疑問だ。原発を運用する責任を軽視しているのではないか。
 裁判の争点は主に二つだった。
 事故を予見できたか、被害の発生を防げたか―である。判決はいずれも否定した。
 争われたのは、国が2002年に公表した地震予測「長期評価」を基に、東電が得た試算の信頼性だ。原発の敷地を最大15・7メートルの津波が襲うという内容である。
 旧経営陣は報告を受けていたのに対策を講じなかった。
 検察官役の指定弁護士は「長期評価は専門家が十分議論して公表したもので信頼できる」と主張。弁護側は「具体的な根拠が示されておらず、信頼性がなかった」と反論していた。
 指定弁護士が論告で強調したのは「情報収集義務」だ。3人には安全を確保する義務と責任があったのに、報告を受けた後も積極的に情報を集めず、的確な判断をしなかったという指摘である。
 原発事故が甚大な被害をもたらすことは、チェルノブイリ原発事故などで明白だった。指定弁護士の論理構成は納得できる。
 判決は、長期評価は「十分な根拠があったとは言い難い」とし、情報収集義務も「担当部署から上がってくる情報に基づいて判断すればいい状況にあった」と退けた。従来の枠組みで過失責任を判断したといえる。
 避難者らが国や東電に損害賠償を求めた民事訴訟では、東電は津波を予見できたと判断し、電源の高台移転などの対策を取らなかった過失を認めた判決も出ている。
 今回の裁判は、東京地検の不起訴処分を受け、検察審査会で強制起訴が決まった。原発事業者に高い注意義務を求める市民感覚の表れといえるだろう。深刻な被害を出した事故の刑事責任をだれも負わないことは、ほかの原発事業者や経営陣に甘えも生みかねない。
 刑法は個人に処罰を科す。今回の判決は、組織の決定に対する個人の責任を問うことの難しさを改めて浮き彫りにした。企業や法人に対する組織罰の導入を検討しなければならない。


旧経営陣無罪 福島事故の責任忘れるな
 未曽有の被害をもたらした原発事故であっても、電力会社トップらの刑事責任追及は極めて難しい。そのことを改めて示した判決といえる。
 事故当時の経営陣の責任もはっきりと問うことができないような状況で、原発再稼働が進むのは危うくないか。そんな疑問が膨らむ。
 福島第1原発事故を巡り、巨大津波対策を怠ったとして業務上過失致死傷罪で強制起訴された東京電力の旧経営陣3被告全員に、東京地裁は19日、無罪判決を言い渡した。
 最大の争点は、巨大津波を具体的に予見でき、事故を防ぐことが可能だったかどうかだ。
 検察官役の指定弁護士は国の地震予測である「長期評価」に基づく最大15・7メートルの津波試算が2008年に出ており、予見可能だったとした。
 これに対し、勝俣恒久元会長と武黒一郎、武藤栄の両元副社長の被告3人は「長期評価には信頼性がなく、予見できなかった」と訴え、想定外の規模で防ぐことはできなかったと無罪を主張していた。
 判決も長期評価は具体的な根拠を示しておらず、「客観的な信頼性があったとは認められない」とした。
 国家が個人に刑罰を科す刑事裁判では、過失の有無について厳格な立証が求められる。今回の判決は、従来の司法判断の流れに沿ったものといえる。
 一方で判決は、原発事故を巡る市民感覚とのズレの大きさをまたも浮かび上がらせた。3被告は検察が2度不起訴としながら、市民で構成する検察審査会が強制起訴していたからだ。
 永渕健一裁判長は、事故が起きる前までは「絶対的安全性の確保までは前提としていなかった」とし、3人が刑事責任を負うのは妥当ではないとする見解を示した。
 福島の原発事故で避難を強いられた被災者や原発立地地域の住民には、納得できない人も多いに違いない。
 ただし、裁判を通じて社員らのさまざまな証言が集まり、津波対策を巡ってどんなやりとりがあったのか、経営側がどう認識していたのかが明らかになったことに意義はある。
 原発立地地域に暮らす住民の安全を守るには、最終的な決定権限を持つ経営陣の危機意識が鍵になる。これが審理を通して提示された教訓だろう。今後に生かさなければならない。
 福島原発事故から8年半が過ぎても地元は復興には程遠い。3被告も東電も、無罪判決によって福島事故の責任を免れるわけではないことをしっかりと肝に銘じるべきだ。
 今回の裁判は、原発事故を巡る「個人」への刑事責任追及の困難さと同時に、大事故の被害者や遺族がこれまでも求めてきた「組織罰」の必要性を突き付けたともいえる。
 組織内での責任の所在の曖昧さが、責任追及だけでなく、真相解明の壁になる。そうした事態を招かないためにも、法整備を急ぐ必要がある。


東電元幹部に無罪判決 市民感覚との乖離著しい
 東京電力福島第1原発事故を巡り、業務上過失致死傷の罪で強制起訴された元会長ら幹部3人に対し、東京地裁は原発事故を防ぐ義務を怠った過失はなかったと無罪判決を言い渡した。
 巨大津波により全電源を喪失し炉心溶融(メルトダウン)が発生。水素爆発で大量の放射性物質が拡散するなどし未曽有の被害をもたらした事故。個人を罰する刑事裁判は具体的な予見可能性など厳格な立証が求められ、ハードルは高いとされてきた。判決は予想されたこととはいえ、誰一人責任を問われない状況は、強制起訴を判断した市民感覚との乖離(かいり)が著しいと言わざるを得ない。
 主な争点は▽大津波を具体的に予見できたのか▽事故を防ぐことは可能だったのか―の2点。検察官役の指定弁護士が「予見できた」とする根拠に挙げた2008年の最大15・7メートルの津波試算について、判決は試算の基になった02年の国の地震予測「長期評価」に「十分な根拠があったとは言い難く、信頼性には限界があった」と指摘した。
 指定弁護士は津波に関する情報収集や原発の停止、安全対策などの義務があったと訴えたが、判決は「運転停止措置を講じるべき結果回避義務にふさわしい予見可能性があったとは認められない」と退けた。
 避難者らが国や東電に損害賠償を求めた民事訴訟では「東電は津波を予見でき、事故を防げた」と断じた判決も多く出されている。しかし、刑事手続きでは自らに不利になることは話さなくても良く、公判で「記憶にない」「聞いていない」などと繰り返した被告らの無罪主張に沿った判決となった。刑事裁判の限界ともいえよう。
 一方で検察による不起訴で終わらず、裁判になったことで福島事故以前の東電の体質が明らかになった点は意義深い。元社員は検察の聴取に「東電が経営状況を理由に大津波対策を先送りした」と供述している。津波試算が出された当時は、前年の新潟県中越沖地震で柏崎刈羽原発が全基停止。火力発電の燃料費で収支が悪化しており、福島第1原発を停止するリスクも考慮されていたという。
 福島事故を受け発足した原子力規制委員会は組織理念の中で「原子力にかかわる者はすべからく高い倫理観を持ち、常に世界最高水準の安全を目指さなければならない」としている。当時の東電に倫理観が欠けていたのは明らかだろう。
 規制委は道半ばとなっている福島原発事故の原因調査を再開し、20年中に報告書をまとめる方針だ。新たな知見が出れば、福井県内の原発にも適用されるはずだ。原発事業者は世界最高水準の安全を目指す努めを怠ってはならない。


原発事故で無罪 市民感覚には厳しい判断
 福島第1原発事故を巡り、業務上過失致死傷罪で強制起訴された東京電力の勝俣恒久元会長ら旧経営陣3被告に対して、東京地裁が無罪を言い渡した。
 未曽有の事故から8年半がたっても、まだ大勢の人々が避難先から古里に戻れていない。起訴状では、大津波を予見できたのに対策を怠り、長時間の避難を余儀なくされた病院の入院患者ら44人を死亡させるなどしたとされた。
 そうした惨事を招きながら誰一人過失責任がないとした地裁判決に、被災者や遺族の憤りが大きいことは十分に理解できる。強制起訴により企業トップらの責任を追及するハードルの高さが改めて浮き彫りになったと言えよう。
 裁判での主要な争点は、3人が大津波を具体的に予見できたのかどうかと、事故を防ぐことは可能だったのか、という点だった。
 検察官役の指定弁護士は、国の地震予測「長期評価」に基づいて最大15・7メートルの津波が襲来することが、事故の3年前に試算として示されており、「予見はできた」と指摘していた。
 だが3人はいずれも試算の根拠となった長期評価の信頼性を否定し、予見は不可能だったと反論。判決は長期評価について「具体的根拠を示さず、客観的に信頼性があったとは認められない」とその主張に添う判断を示した。
 その上で、事故を回避するために原発を止める義務を課すほどの予見可能性はなかったと結論づけた。従来の司法判断の流れを踏襲するものと言えるだろう。
 大事故を巡っては、JR西日本の尼崎脱線事故でも業務上過失致死傷罪で強制起訴された歴代3社長が無罪となるなど、市民感覚に基づいた刑事責任の追及には厳しい結果が続いている。
 結果の重大性だけでは過失責任は問えず、個人の有罪立証には相応の厳密さが求められるのは仕方がない。一方、避難者が国や東電に損害賠償を求めた集団訴訟は各地で約30件起こされており、「大津波は予見でき、対策を取れば事故は回避できた」として東電の過失を認める判決も出ている。
 刑事と民事の違いはあるとはいえ、「事故の責任が問われないのはおかしい」との被災者らの不信感は当然だろう。企業など法人を罰するための「組織罰」導入も早急に検討すべきではないか。
 強制起訴制度の限界を示す判決ではあるが、公開の法廷で元経営陣らに関するやりとりが明らかになったことの意義を指摘する声はある。過酷事故に至った経緯は、これまで政府や国会などの事故調査委員会が検証してきたが、十分とは言えないからだ。
 国や電力会社挙げて、原発の「安全神話」にあぐらをかいてきたことが事故につながったのは確かである。事故原因の徹底究明は引き続き求められよう。


【東電3被告訴訟】無罪は一区切りではない
 原発とは、根拠もなく安全性や経済性を強調し、想定しない過酷事故を起こしても、誰も責任を取らなくてもいい事業なのだろうか。
 2011年3月の福島第1原発事故を巡り、業務上過失致死傷罪で強制起訴された東京電力の勝俣恒久元会長ら旧経営陣3被告に、東京地裁はいずれも無罪(求刑禁錮5年)を言い渡した。
 他の2人は武黒一郎元副社長と武藤栄元副社長。検察官は不起訴としたが、市民で構成する検察審査会が2度にわたり起訴すべきだと判断し強制起訴された。
 起訴状で3人は、巨大地震による大津波を予見できたのに、対策を怠り、事故で長期避難を余儀なくされた入院患者らを死亡させた罪に問われた。
 事故の予見可能性と結果を回避できた可能性の有無は、刑事裁判では厳しく問われる。裁判所もその両立を認めず、長い法廷闘争でも否定したことになる。
 ポイントとなったのは、政府の地震調査委員会が02年に公表した長期評価だ。これに基づいて計算すると、福島第1原発には最大15・7メートルの津波が押し寄せることが分かっていた。
 東電も08年に長期評価を検討している。裁判で被告の3人は「長期評価には信頼性がなく、予見できなかった」と主張し、想定されていなかった規模の地震と津波で、事故は防げなかったと訴えた。
 しかし、評価の信頼性を否定することと、対策を怠ることは別の問題ではないか。東日本大震災では津波の浸水で原発の全電源が喪失。水素爆発を起こした。
 強大な防潮堤の建設とまではいかなくとも、電源設備を高台に移すぐらいは東電ほどの大企業ならできたはずだ。実際にそうすれば過酷事故は防げたとする民事訴訟の判決や、米科学アカデミーの指摘もある。
 こうした観点から国会の事故調査委員会は12年、原発事故を自然災害ではなく、「あきらかに人災だ」と位置付けた。人災であれば、大事故を起こした当事者である東電幹部ら、個人の責任を追及する動きが出ても不思議はない。
 旧ソ連のチェルノブイリ原発と並ぶ、最悪の「レベル7」の事故である。万が一にも起こしてはならない事故は、いまだに遺族の心の傷となり、事故処理の面では国民の子孫にまで影響を及ぼす。
 3人の被告も東電も、今回の無罪判決を「一区切り」などと考える余裕はあるまい。
 むしろ市民の厳しい目を意識し続けることだ。検察の不起訴の判断よりも、検察審査会の「起訴相当」の方が市民感覚により近いだろう。裁判所の裁判員裁判も、市民の意見を取り入れる制度だ。
 原発の安全神話が崩れ、システムの核燃料サイクルも事実上、破綻している。電力会社や国は、今後も続く原発絡みの訴訟で、市民の声に真摯(しんし)に耳を傾けるべきだ。


[東電無罪判決] 刑事裁判の限界見えた
 2011年3月の東京電力福島第1原発事故を巡り、業務上過失致死傷罪で強制起訴された東電旧経営陣の3被告に、東京地裁はいずれも無罪判決を言い渡した。個人の過失責任は問えないとの結論である。
 元々、検察が専従班を設けて1年以上かけて捜査し、予見可能性はなかったなどとして起訴を見送った事件である。市民感覚を反映し強制起訴したとはいえ、刑事責任を追及するハードルの高さを示したと言える。
 だが、事故から8年半たった今も、多くの人が避難生活を送り、元の暮らしにいつ戻れるのか、めどはついていない。事故を招いた責任を問う被災者らの声に東電は真摯(しんし)に向き合っていかなければならない。
 起訴状によると、東電の勝俣恒久元会長ら3被告は大津波を予見できたのに対策を怠り、東日本大震災による津波の浸水で原発の電源が喪失。水素爆発が起き、長時間の避難を余儀なくされた双葉病院(福島県大熊町)の入院患者ら44人を死亡させるなどした。
 裁判の主な争点は(1)第1原発の敷地の高さ(10メートル)を超える大津波を具体的に予見できたか(2)対策を講じていれば、事故を防ぐことが可能だったか−の2点だった。
 検察役の指定弁護士は、国の地震予測「長期評価」に基づいた最大15.7メートルの津波試算が08年には出ていることなどを根拠に「予見できた」と指摘。「津波の詳細かつ最新の情報を収集し、原発を止めたり安全対策を取ったりする義務を怠った」と主張した。
 一方、3被告は「長期評価には信頼性がなく、予見できなかった」と反論、想定されていなかった規模の地震と津波で事故は防げなかったと訴えた。
 東京地裁は判決で、長期評価について「十分な根拠があったとは言い難く、信頼性には限界があった」と判断した。さらに「3被告は高さ10メートルを超える津波が襲来することについて、運転停止措置を講じるべき結果回避義務にふさわしい予見可能性があったとは認められない」とした。
 第1原発事故の責任を巡っては民事訴訟でも争われている。これまでに、具体的な予見可能性を否定する判決が出ている一方で、「東電は津波を予見でき、事故を防げた」と東電の過失を認めた判決も少なくない。
 厳格な立証が求められる刑事裁判で無罪になったからといって、東電に責任がないとは言えまい。被害者らに償っていく社会的な責任もある。
 刑事裁判の限界が見えたとはいえ、強制起訴によって、旧経営陣がどのような情報に接し、どう判断し対応したかなど一定程度、法廷で明らかになったことは意義がある。国が推し進めてきた原子力政策の在り方を改めて検証する契機としたい。


東電元幹部に無罪 問われ続ける安全対策
 未曽有の原発事故を巡り、大津波の予見と事故回避の可能性が争点となった裁判は、経営トップの刑事責任を認めなかった。東京地裁は、東京電力の勝俣恒久元会長ら3被告に無罪を言い渡した。
 民事訴訟では東電の責任を認める判決が出ているが、自然災害に起因する事故で経営者の刑事責任を問う裁判はハードルが高かった。
 とはいえ社員らの有力な証言も得られ、会社の体質が改めて浮き彫りになった。垣間見えたのはトップらの責任回避や押し付け合いの姿勢だ。悲惨な事故が現実に起きてしまった中、被災者にはやるせない思いが募るだろう。
 強制起訴による裁判で指定弁護士が立証の柱にしたのは、「最大15・7メートルの津波が福島第1原発の敷地を襲う可能性がある」とした東電子会社による試算結果で、国の地震予測「長期評価」を根拠に算出された。
 その試算は事故の3年前、東電に報告された。だが、原子力・立地本部長だった武藤栄元副社長は、津波の試算方法を土木学会に検討してもらうよう指示。これにより具体的対策は先送りされる形となった。「長期評価には信頼性がない」と判断したと法廷で語られた。
 その翌年には勝俣氏らが出席した通称「御前会議」で、14メートル程度の津波が来る可能性が取りざたされていることに幹部が言及したという。
 もしもそれらの時点で何らかの措置が図られていたらどうだったろう。たとえ防潮堤の建設が間に合わなかったにしても、危機感を共有することで、事故に対する備えが前進していた可能性があるのではないか。
 それなのに迅速な対応がなされなかった。問われたのはそんな姿勢についてだろう。
 避難者が損害賠償を求めた集団訴訟では、前橋地裁が17年に「東電は巨大地震を予見しており、事故は防げた」と判断。東電、そして国の賠償責任を認めた。これ以降も民事訴訟では東電の過失を認める判決が相次ぐ。
 刑事裁判では有罪の立証には厳密さが必要とされ、無罪の結論が導かれた。一方、重大事故の原因究明における刑事裁判の限界も見えた。再発防止に向け究明の在り方を探る取り組みも求められる。
 判決の中で東京地裁は「津波についてあらゆる可能性を想定し、必要な措置を義務づければ、原発の運転はおよそ不可能になる」と指摘した。
 そうだとしても、対策はできる限り取るべきだ。あのような事故を二度と起こさないためにはどうするべきか。極めて大きなリスクを秘める原発を持つ電力会社は、襟を正して安全対策を図り続けなければならない。


ブルーシート
 「君たちがチヤホヤされるのは、国家が混乱に直面しているときだけ。日陰者であるときの方が、国民は幸せなのだ」。防衛大学校の卒業生らに、吉田茂元首相が残したとされる言葉である▼同校の卒業生の大半が所属する自衛隊は今、台風15号が9日に上陸した千葉県の要請を受けて被災地の復旧作業に当たっている。頼りにされているだろう。同様に重宝されているのは、ブルーシートではないか▼現地の映像を見ると、多くの家々を覆っているのが分かる。強風で屋根が飛び青天井になると、風雨を遮るのはこれしかない。昨年の大阪府北部地震を連想し、胸の痛む関西の人もいるはずだ▼自治体の配布場所には長い列ができている。枚数に限りがあり、必要な分を確保できるわけではない。高齢の女性は「雨が心配で」と漏らす。何とかしてあげたい▼入手しても、高い場所に自力で張るのは危険である。転落事故が相次いでいる。いまだに解消できない停電とともに、対応する専門業者が足りない▼岡山県の主要メーカーは「緊急体制を敷き、休日・昼夜を問わず対応しております」とホームページにコメントした。受注はしたが、吉田氏のいう混乱に際してなので控えめな表現になっている。もっと備えてほしいと、強くいうべきブルーシートである。

ナイナイ岡村隆史が『PRODUCE 101』で韓国人練習生らにセクハラ・差別連発で炎上! 日本のお笑いの差別性・後進性が世界にダダ漏れ
 韓国の人気オーディション番組『PRODUCE 101』(Mnet)の日本版『PRODUCE 101 JAPAN』(TBS)の司会ぶりをめぐって、ナインティナイン、特に岡村隆史が大炎上している。
『PRODUCE 101』はこれまでシーズン4まで制作されている人気オーディション番組。シーズン1のI.O.I、シーズン2のWanna One、シーズン4(タイトルは『PRODUCE X 101』)のX1といった番組から誕生したグループは、どれもグローバルな人気を獲得している。
 なかでも、AKB48グループとコラボし、『PRODUCE 48』のタイトルで制作されたシーズン3から生まれたIZ*ONE(日本からはHKT48の宮脇咲良、矢吹奈子、AKB48の本田仁美が選出)は、デビュー直後から日本でも女子中高生を中心に圧倒的な支持を獲得。多くの女性ファッション誌で表紙を飾っている。
 その『PRODUCE 101』の日本版『PRODUCE 101 JAPAN』が制作されるにあたり、MC(国民プロデューサー代表)にナインティナインが選ばれた。放送自体は今月25日深夜からのスタートだが、収録はすでに進んでおり、今月14日には初めての公開収録がおこなわれた。そこでの岡村の発言に怒りを覚えた公開収録参加者が次々とSNSにその内容を投稿し、問題発言が発覚したのだ。
 投稿によれば、岡村はオーディション参加者(練習生)に向けてセクハラ発言を連発。ステージ上で男性器の名称を何度も口にしたうえ、練習生に向かって「ちくび見えちゃいそうだね」「曲中に下脱ぐの?」「お尻ザラザラやろ」といった言葉まで投げかけたという。
『PRODUCE 101 JAPAN』は男性アイドルグループのメンバーを選ぶオーディションだが、同性同士であろうと、こんなハラスメントが許されるわけがない。特に、『PRODUCE 101 JAPAN』は応募時点で芸能プロダクションに所属していないことが参加条件となっており(本国の『PRODUCE 101』は基本的に事務所に所属している練習生の間で競われる)、彼らには守ってくれる後ろ盾がなにもない。
 その状況で吉本興業所属の大物芸人からどんなひどいことを言われても、練習生には対抗する手段がない。そうした権力構造のなかでこのような発言がおこなわれることは、セクハラであると同時に、許しがたいパワハラでもある。
 そしてもうひとつ、さらに許しがたいのは、海外からやって来た練習生に対して差別的な絡み方をしていたということだ。
『PRODUCE 101 JAPAN』には、日本以外からも、韓国、カナダ、フィリピンから練習生が集まっている。岡村は彼らに対し、差別以外のなにものでもない「イジり」をしていたというのだ。
 たとえば、韓国出身のキム・ユンドンやカナダ出身のアルジャマ勇心に対しては、得意ではない日本語で一生懸命話しているのにも関わらず、「何を言っているかわからない」などと、日本語が拙いことを茶化すような発言をしていたという。
 また、日本語の堪能なイ・ミンヒョクに対しては、何度も、「パク・チソン」(京都パープルサンガやマンチェスター・ユナイテッドで活躍した韓国を代表するサッカー選手)と呼んでいたとの証言がある。
 母語でない言語の拙さを揶揄することも、外国人の名前をわざと間違えることも、れっきとしたレイシャルハラスメント、人種差別そのものだ。
同じ国民プロデューサーありながら、真逆だった岡村とイ・ドンウク
『PRODUCE 101』シリーズには毎回、世界中さまざまな国から練習生が集まり、日本人が参加しなかったシーズンはひとつもない。シーズン2の高田健太(JBJ95)やシーズン3の高橋朱里(Rocket Punch)など、惜しくも落選したものの、この番組をきっかけに別のグループでデビューしてK-POPアイドルになった人もいる。しかし言うまでもないが、『PRODUCE 101』シリーズが長く放送されてきたなかで、国民プロデューサー代表がこんな差別発言をするような場面は一度もなかった。
 歴代国民プロデューサー代表のなかでも、『PRODUCE X 101』でMCを務めた俳優のイ・ドンウクは特に真摯に番組に向き合い、名言を多く残した人だが、彼は番組途中でオーディションから脱落して落胆する練習生に対し「落ち込んだり、自分に失望しないでください。皆さんは大切な存在だし、愛される資格があります」「ここを出たら、目標を失ったように感じるだろうけど、世界は思ったよりも広い。君たちがここで過ごしてきた時間は、人生の0.0001%にも満たない瞬間だ。外はより大きな世界だということを忘れずに、これからも夢を追い続けてくれ」と声をかけ、それはシリーズのなかでも屈指の名場面として『PRODUCE 101』シリーズのファンから愛されている。
 こうした人間ドラマが『PRODUCE 101』シリーズの魅力であり、国民プロデューサーは、人生を懸けたオーディションに挑んで精神的に不安定になる練習生の背中を優しく押す役割を担う存在である。
 しかし、ここで岡村が担ったのは、「強者が弱者を嘲笑する」という、極めて日本的で、世界的な基準ではもはや時代遅れ以外のなにものでもない「お笑い」の定型だ。
『PRODUCE 101』シリーズから生まれたグループはグローバルな活動をすることになる。『PRODUCE 101 JAPAN』も放送前から日本や韓国のみならず世界中から注目されている。
 そうした番組の収録で、以上のような発言がおこなわれ、大炎上したということは、日本のバラエティ番組がいかに遅れた感覚でつくられているかを示す象徴的な出来事といえよう。
岡村の差別・ハラスメントの背景にある日本のお笑い・バラエティの構造
 実際、ここでナインティナイン(特に岡村)がおこなった絡み方というのは、日本のバラエティ番組のなかでは、ごくごく一般的に見られるものだ。
 今回、『PRODUCE 101 JAPAN』の公開収録に参加した人たちは、普段からK-POPに親しみ、『PRODUCE 101』シリーズのファンが多かったはずだ。K-POPのアーティストやファンはジェンダーや人種差別といった問題に関して、高い意識をもっていることで知られている。だからこそ、岡村の発言に違和感と怒りを抱き、それを表明することができた。
 しかし、もしも日本のお笑いやテレビしか知らないオーディエンスであったら、「バラエティとはそういうもの」として見過ごされていた可能性もある。
 事実、今回の炎上を受けてなのか、SNSには〈日プ(引用者注:『PRODUCE 101 JAPAN』の俗称)の反応見ていてポリコレ棒振りかざし民多いんだなぁ感ある〉といった投稿も見受けられた。
 本サイトでは、『HITOSHI MATSUMOTO Presents ドキュメンタル』(Amazonプライムビデオ)などに見られる、松本人志の圧倒的な権力を背景とした、差別やハラスメントによる笑いの構造を批判してきた(https://lite-ra.com/2018/02/post-3817.html)。
 岡村が『PRODUCE 101 JAPAN』の公開収録でおこなったことは、こうした日本のバラエティの体質の延長線上にあるものだ。「強者が弱者を貶め、視聴者はそれを見て笑う」という構図、枠組みのなかでコミュニケーションがおこなわれ、ハラスメントや差別も、「笑い」の名のもとに免罪されてしまう――。
 実は、こうした差別・パワハラ的な笑いの悪影響について、フォーリンラブのバービーが鋭い指摘をしていた。
フォーリンラブのバービーが語った“自虐ネタ”の差別加担
 8月30日放送『ACTION』(TBSラジオ)に出演した際、パーソナリティを務めるライターの武田砂鉄に対し、バラエティで定番の“外見いじり”や自身の“自虐ネタ”について、バービーはこう語ったのだ。
「1回コメントをもらったことがあるんですよ。私がテレビでギャンギャン“ブス”とか“デブ”とかいじられているのを見て、女の子からのコメントで「私はバービーちゃんのことそんなにブスだと思ってないし、私と同じぐらいだと思っているから、私が『ブス』『デブ』と言われているように感じてすごくショックだった」っていうコメントをもらって。
 そのときに、自虐はいけないなと思ったのと、やっぱ自虐してるっていうことは、物差しをもっているわけじゃないですか、ここからはいじっていいとかダメとか」
「だから、『すべての人は平等ですよ』と言っているわりに、その自虐の物差しは許されるっておかしいなっていうのは気持ち的にはあって」
 ようするに、お笑い芸人やタレントの差別に対する意識の低さはテレビのなかの話だけでは済まないのだ。お笑い芸人やタレントの差別的な言動は、テレビを通して大衆のなかにある劣情・差別意識にお墨付きを与えることになる。社会のなかで差別に対する許容範囲がいったん広がればまたお笑いやテレビにフィードバックされ、芸人たちはさらに過激な差別的言動をみせる。
 しかも、芸人たちは「コンプライアンスが厳しくなってつまらなくなった」などと嘆いてみせるが、むしろ逆で、こうしたいじめ、差別的な笑いはこの間、どんどんエスカレートしている。岡村にしても、単に意識が更新されていないだけでなく、むしろ悪質化した感すらある。
 いまの日本社会の差別意識・弱者バッシングがどんどんエスカレートして、ほとんど底が抜けた状態になっているのも、こうしたお笑いのありようが影響を与えている面は大いにあるだろう。
 芸人やテレビ番組制作者は、今回の炎上を機に、お笑いのあり方をもう一度考え直すべきではないのか。2010年代も終わろうとしているこの時代に、まだ差別的なコミュニケーションに頼って笑いをつくろうというのは、国際社会では通用しないというだけでなく、芸人としての怠慢以外のなにものでもないのだから。


「電波停止」言及 高市早苗の再入閣はメディアへの牽制か
総務相・高市早苗氏(奈良2区・当選8回・58歳)
「なぜ再入閣?」と多くの永田町関係者が首をかしげている。高市氏は2014年9月から17年8月まで、約3年間も総務相を務め、在職日数は歴代1位。在職中に「トンデモ発言」が物議を醸した問題大臣だった。
 16年2月、テレビが政治的公平性を欠く放送を繰り返した場合、放送法4条違反を理由に「電波停止」を命じる可能性に国会で言及。「放送事業者への威嚇」と大バッシングを浴びた。
 本人は17日、朝日新聞などの取材に「過去に電波を止めるといった発言をしたことはない」と断言。「現職大臣として、(電波停止を含む)電波法は100%適用されることは未来永劫ないという答弁ができなかった」と説明したが、いかにも苦しい。
「今回の改造は明確な『改憲シフト』。メディアへの介入も辞さない態度の高市氏を起用したのは、改憲の国会発議や国民投票を念頭に、意に沿わない報道機関を牽制する意図があるのではないか。また、注目を集める『NHKから国民を守る党』と対峙させるつもりとの見方もあります」(メディア関係者)
 一方、単純に安倍首相の“お気に入り”だから入閣した、との見方もある。
「高市さんは安倍さんにロコツなまでにスリ寄ってきた。12年の自民党総裁選で、安倍さんの勝利が決まった瞬間、高市さんはすぐ隣で感涙したほどです。安倍さんも大のお気に入りです」(自民党関係者)
■「やりまくりだった」男性遍歴
●同僚議員と離婚
 1961年、奈良市生まれ。神戸大経営学部卒。松下政経塾を経て、93年に無所属で初当選。新進党に参加後、96年に自民党入り。2004年に同僚の山本拓衆院議員と結婚したが、17年7月に離婚した。本人は離婚理由を「政治的スタンスの違い」と説明している。「仮面夫婦だった」と一部で報じられた。
●“肉食”エッセー
 92年5月に刊行したエッセー「30歳のバースディ その朝、おんなの何かが変わる」(大和出版)が、前回の大臣就任後、話題に。プロローグで〈恋の話をいっぱい書くことにした〉と宣言し、数々の男性遍歴を紹介。〈お酒の思い出といえば、地中海で、海の見えるホテルの部屋で、飲みィのやりィのやりまくりだったときですね〉などと、“肉食”エピソードを披露していた。
「週刊新潮」9月26日号によると、高市氏は「関節リウマチ」という難病を患っており、以前は体を動かすのも困難な時期があったという。総務大臣の職責を果たすことができるのか。


安倍政権もメディアも国民のことなどなんにも考えていない
「棄民という言葉があります。(中略)台風15号による被害と同時並行でにぎやかに発足した安倍改造内閣、災害と組閣2つのことを一緒に見ますと棄民の意味がわかります」(金平茂紀・ジャーナリスト)
 これは9月14日のTBS報道特集で金平さんが語った言葉だ。金平さんは(中略)の部分で、棄民の意味も説明している。
「災害や戦争などで酷い目にあっているのに、国やメディアから見捨てられた人々のことです」と。
 彼がいってることは正しい、「国とメディア」の罪だ。
 内閣改造が落ち着いてからの千葉の報道。報道マンとしての正義があるならば、内閣改造のため集められたその場所で、
「今、こんなことやってる場合かっ」
 という言葉を安倍政権にぶつける人がいたってよかった。
 もうメディアは、あたしたち国民の方を向いて報じるということをやめたのか。だったら、あたしたちももう情報を買うのをやめるわ。
 安倍政権は恐ろしいから、そんなことすると次からは情報をリークしてもらえなくなるのか。でも、政権発信の情報なら政府広報のホームページでいいんだわ。
 安倍首相が千葉の台風被害のため重い腰を上げたのは、9日未明から4日も経った13日。しかも対策本部を作るとかそういうことじゃなく、閣僚たちにちょろっと指示を出したとされる。菅官房長官に至っては、13日の会見で台風被害を豪雨被害と間違える始末。
 でもって安倍応援団が、「千葉の災害を利用して政府を糾弾するな」とか「被災地・被災者を政治利用するかのような政府批判するな」とか一生懸命いっている。
 なぜならば今回のやらかしは安倍政権にとって、相当にヤバいことだからだ。国民のことなどなんにも考えていないグロテスクな集団だということが露わになってしまった。その証左だった。右に倣えのメディアもおなじだ。


台風15号で最大級の被害…千葉県南・鋸南町議が涙の告発
 台風で甚大な被害を受けた千葉県民が2次被害に遭っている。そのひとつが便乗詐欺。県消費者センターには19件の相談が寄せられ、10件が保険の代行、4件が補修に使うブルーシート絡みという。
「『火災保険の支払い申請を代行する』という業者が来たが、信じていいかとの問い合わせです。ブルーシートに関しては『屋根に取り付けてもらい、20万円を支払ってしまった』とか、シートを無料で取り付けるとの約束だったのに屋根の修理を断ったら数万円を請求されたケース。風で飛ばされたアンテナの修復を頼んだら、高額の費用を取られたという相談も寄せられています」(担当者)
 ブルーシートは行政が無料で配布している。人の弱みにつけ込んで高額で売りつける業者がいるようだ。
 今回、とくに被害が大きかったのが県南部の鋸南町だ。市原市のゴルフ練習場倒壊のニュースなどの陰になって注目されなかったが、現在も3660世帯のうち約800戸が停電している。
「館山市や南房総市も被害を受けましたが、両市をクルマで通過した人は鋸南町を見て、『ここはもっとひどい』と驚いていました」と言うのは鋸南町町議の笹生あすかさん(共産党)だ。
「役場がブルーシートを5000枚配ったものの、1軒に1枚と限定されたため、足りない人は近隣の町に買いに行き、道が渋滞しました。町はがれきの山で、家全体が吹き飛ばされて住む場所を奪われた人も少なくない。倒木のせいで山間部に4日間も閉じ込められた人もいます。いま近隣の工務店は忙しくて断っている状況なのに、作業服を着た2人組が屋根の修理を持ちかけたそうです。怪しすぎます」
 笹生さんは9日から、町の様子を写真に撮ってツイッターに投稿。被害を訴えた。県の職員が調査に来たのが台風直撃から3日後の12日夜、森田健作知事が現地入りしたのは14日だった。
「私の友達はテレビ局に『被害を報道してください。お願いします』とメールしました。そのおかげでテレビが実態をリポートし、県が事の重大さに気づいたようです。県の調査が遅れたのは田舎だから軽視され、後回しにされたのだと思います」(笹生あすかさん)
 人口の少ない町は無視。これが熱血漢・森田知事の正体か。


千葉被災者から怒りと悲鳴…支援金わずか13億円という冷酷
 千葉県内では停電や断水が続いている。完全に「初動」が遅れた安倍政権。いまだに「非常災害対策本部会議」も開いていない。ようやく被災者支援に予備費を計上したが、金額はたったの13億2000万円。“紀州のドン・ファン”の遺産と変わらない。さすがに、被災者からは「なんとかしてくれ」という悲鳴と怒りの声が上がっている。
  ◇  ◇  ◇
 災害などに充てられる今年度予算の予備費は、前年度比1500億円増の5000億円が計上されている。昨年、災害が続いたため、増額された。それなのに、たった13億円の捻出。ネット上では〈ケタが間違っているかと思った〉〈イージス・アショアは6000億円だろ〉と怒りの声が上がっている。
 疑問の声が噴出するのは当然だ。昨年の西日本豪雨では、被災者支援の第1弾として、予備費1058億円の支出が閣議決定されているからだ。1058億円と13億円。この差は何だ――。財務省は「西日本の時は、廃棄物処理から風評被害対策まで多くの項目の支出が含まれています。今回は、千葉県の停電エリアで不足している水や食料を届けるための支出に限定されています。まだ、被害の全容が分かっていない状況です」(主計局復興係)と答えた。
 財務省はのんびり構えているが、今回のケースが大規模災害であることは明らかだ。日本損害保険協会の金杉恭三会長は19日、台風15号に関し、損保各社の保険金支払総額が3000億円超に膨らむ可能性があると明かした。
■「無策のせいで被害が進行」
 政府が思い切った金額の対策費を打ち出せば、被災者も少しは安心できるはずだ。なのに安倍首相は被災者そっちのけで、17日には、自衛隊幹部への訓示で「航空宇宙自衛隊への進化ももはや夢物語ではありません」と来年の宇宙作戦隊創設をブチ上げているのだからどうかしている。ネット上では〈足元みろよ〉〈宇宙より、まず千葉でしょう〉と非難が殺到している。しかしなぜ、安倍政権は今回の災害を軽く扱っているのか。
「内閣改造にうつつを抜かし、初動の遅れは一目瞭然です。批判が高まらないように、大きな災害にはせず、なるべく小さな災害にしたいのでしょう。さらに、巨大地震と違って台風は毎年何回もやって来るので、前例になるのを恐れ、手厚い対応を極力避けているのだと思います」(永田町関係者)
 立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)が言う。
「台風は毎年来るからこそ、被害が最小限になるように、毎年しっかり予算をつけておくべきなのです。それを怠った結果、停電の長期化など被害が拡大しているのです。今回、安倍政権の無策のせいで被害が進行しているのに、お金を渋り、宇宙を語るなんてどうかしています。安倍政権にとって、国民生活の優先度が低いことをよく表わしています」
 改めて、非情な政権である。


英軍ラグビーチームの靖国神社訪問にネトウヨ大喜びもイギリスで大問題に! タイムズ紙「靖国は攻撃的ナショナリズムの培養器」
 今夜、日本で開幕を迎えたラグビーW杯。だが、そのラグビーを巡って、別の“イギリス・ラグビーチーム”が靖国神社を訪問したことが国際的な波紋を広げている。
 靖国を参拝したのは、日本の防衛省が主催する「国際防衛ラグビー競技会」に参加している英国軍チーム。この大会は、今月9日から23日までの日程で、陸上自衛隊朝霞駐屯地などでおこなわれるもので、公式サイトで〈世界各国軍のNo.1ラグビーチームが決まる!!〉と謳われているように、日本の自衛隊や韓国軍、ニュージーランド軍など計10チームが各国軍隊代表として競い合う。つまり、W杯の代表チームではないが、現役の英国軍人で構成されるイギリス軍代表チームが、あの靖国神社を訪問したわけだ。
 この事実は、少なくとも13日までに、英国軍チームの公式Twitterアカウントが靖国神社で選手が整列して撮った写真や、神職とのツーショット写真をアップしたために発覚したのだが、これに大喜びしたのが日本のネトウヨだ。〈もしやラグビーワールドカップの代表チーム? ラグビーのことは良く解っておりませんが、ご参拝ありがとうございます!まさにノーサイドの精神!さすが紳士の国!〉などと言って、写真を大拡散した。
 さらには極右政治家も反応。安倍首相の“お気に入り極右議員”のひとりでもある自民党の山田宏衆院議員は〈英国軍ラグビーチームありがとう。できれば全参加国軍のラグビーチームにも参拝していただきたいので、靖國神社のことをきちっと紹介をして働きかけてみたいと思います〉(17日)とツイート。これを高須クリニックの高須克弥院長が〈アメリカのチームにもお願いいたします〉とつけてリツイートするなど、政治の力で各国軍代表チームに靖国参拝をさせようと鼻息を荒くしていた。
 だが、当たり前ながら、この英国軍チームによる靖国参拝は、国際的に大きな問題になった。
 英有力紙「タイムズ」が18日電子版で「英国軍ラグビーチームが戦争犯罪者を祀る日本の神社を訪問」(UK military rugby team visit shrine for war criminals in Japan)と題して、強く批判する論調で報じたのだ。
 タイムズによれば、靖国を参拝した英国軍チームの軍人選手たちは「靖国ガイドツアー」をおこない、歴史修正主義の展示で知られる靖国境内の戦争博物館「遊就館」も訪れたという。記事は、靖国神社広報の話として、チームの参拝については事前に手配されたものではないが、同神社の神職が遊就館を案内したと伝えている。
 チームの靖国参拝をオーガナイズしたという英国軍の指揮官・アーティ・ショウ氏は、「認識不足でとても考えが甘かったと思う」などと話している。訪問の後、チームは在日英国大使から叱責を受け、「今後、いかなる神社をも参拝することがないように」と言われたという。現在、英国軍代表のツイッターアカウントは投稿した写真を削除している。
 記事では、「靖国神社は、日本の過去の植民地支配と侵略戦争を賛美する場所であり、とりわけ戦争犯罪者たちが祀られており、併設の博物館である「遊就館」は帝国主義的軍国主義をロマンチックに美化している」という在英韓国大使館広報の話を紹介。英国・国防省は「靖国神社への参拝は政府公式のものではなく、ホスト国の日本がオーガナイズしたものでもない。イギリス政府は靖国訪問がいかに繊細な問題であるかを完全に理解している」と同紙にコメントしている。
 とりわけ注目すべきは、タイムズが英国軍チームの靖国参拝がいかに不適切であったかを、靖国の歴史や日本の戦争犯罪を踏まえ、細かく解説していることだ。
イギリス・タイムズ紙「靖国神社は攻撃的ナショナリズムの培養器」
 たとえば、靖国神社が日本の右翼以外からはどう考えられているかを端的に説明し、戦争犯罪者が合祀されているという点を率直に問題視する。
〈日本の右派にとって、東京の靖国神社は愛国的に欠かせない場所だ。〔一方で、〕他の多くの日本人やアジアの人々にとっては、ジンゴイズム〔jingoism:盲信的、高圧的かつ好戦的な自民族優越主義的ナショナリズムの極北〕と嘘まやかしの神社であり、日本の植民地となった韓国や中国の人々を依然として身震いさせる攻撃的なナショナリズムの培養器である。〉
〈靖国は民間機関であり、政府の神社ではない。問題は、東京裁判で有罪判決を受け、絞首刑に処された東條英機を含む、14人のA級戦犯だ。彼らは1978年に密かに祀られた。〉(翻訳は編集部による。以下同)
 靖国神社の神職がラグビー英国軍代表を案内した遊就館が、いかに日本の戦争を美化し、史実を捻じ曲げた展示をおこなっているかについても、きちんと報じている。
〈遊就館は、特攻兵器・人間魚雷回天の潜水員などの遺物を崇敬するように展示している。パネルでは、戦争を始めた日本の責任を認めず、石油や原材料などのアメリカの制裁によって真珠湾攻撃は「追い込まれた」と主張する。
 その最も異常な主張は、南京事件と呼ばれるものについてだ。日本以外ではthe Rape of Nankingとしてよく知られている。
 遊就館のパネルには「中国軍は完全な大敗を喫して、多数の犠牲者を苦しめた」「南京市内では一般市民の生活に平和がよみがえった」というように書かれている。他方、ほとんどの外国の研究者や多くの日本の歴史家は、南京市街陥落において何万人あるいは何十万人の中国兵と女性や子どもを含む民間人が殺害されたと考えている。〉
慰安婦も731部隊の人体実験もなかったことにする靖国の歴史修正を指摘
 さらに、遊就館が日本の戦争犯罪を完全にネグっているという事実も強調している。
〈大日本帝国軍の「慰安婦」あるいは性奴隷、生きている戦争捕虜を使って生体兵器の人体実験をおこなっていた731部隊についての言及は、ここにはない。保存状態のよい泰緬鉄道の機関車が目立つように展示されているが、この鉄道を敷設させられたおびただしい数の連合軍捕虜が耐えた苦痛、そして彼らが泰緬鉄道を「死の鉄道」と呼んでいたことには一切触れていない〉
 靖国神社の本質や遊就館の歴史修正主義的展示をめぐっては、これまでも米紙ニューヨーク・タイムズや仏紙ル・モンドなどが驚きをもって伝えてきたが、それが今回、ラグビー英国軍代表の靖国参拝によって、欧米であらためてスポットが当たったかたちだ。
 いずれにしても、日本のネトウヨや極右文化人たちは、「靖国を問題視するのは中国と韓国だけだ」「戦争で亡くなった人たちを慰霊するのはどの国でも当たり前」だのと吠えているが、イギリスのタイムズも指摘しているように、靖国は単なる追悼施設では決してない。国家神道の中心として侵略戦争を正当化した装置であり、戦後も、帝国主義や軍国主義を賛美する歴史修正主義の根源のひとつなのである。
 それが国際的認識のスタンダードだ。英・国防省が「公式訪問ではない」「英国政府は靖国訪問がいかに繊細な問題であるかを完全に理解している」とタイムズにコメントしていることからも、それは明らかだろう。
 それにしても、極右歴史修正主義をばら撒き、外国人の靖国参拝に狂喜の雄叫びをあげるネトウヨや安倍政権の政治家を見ていると、本当に心配になってくる。ラグビーW杯や東京オリンピック・パラリンピックで、これからも世界から大勢の外国人が訪日するからだ。オリンピック・パラリンピック会場への旭日旗持ち込み問題にもいえることだが、こんな国際感覚が欠如したままの状態でいいはずがない。

洗濯機みる/寮/しゃもじ・サイフ忘れ/カレーとギネス/東電の責任

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Catastrophe de Fukushima: l'acquittement pour 3 anciens dirigeants de Tepco
Huit ans et demi après la catastrophe de Fukushima, c'est l'heure du verdict pour Tepco l'opérateur de la centrale. Trois anciens dirigeants étaient poursuivis, accusés de ne pas avoir fermé les vannes à temps après le séisme et le tsunami du 11 mars 2011, l'une des pires catastrophes nucléaire de ces trente dernières années.
Avec notre correspondant au Japon, Frédéric Charles
Huit ans et demi après l'accident nucléaire de Fukushima, trois anciens dirigeants de Tepco, l'opérateur de la centrale, ont été acquittés par un tribunal de Tokyo qui a jugé qu'ils ne pouvaient pas être tenus coupables des conséquences du désastre. Le 26 décembre dernier, les procureurs avaient requis contre l'ancien président du conseil d'administration de Tepco au moment du drame, Tsunehisa Katsumata (79 ans) et ses deux vice-présidents Ichiro Takekuro (73 ans) et Sakae Muto (69 ans) cinq ans de détention, le maximum prévu par la loi pour leur responsabilité dans l'accident nucléaire de Fukushima provoqué par le séisme et le tsunami de mars 2011.
Ce verdict est peu suivi par les grands médias japonais. Depuis l'accident de Fukushima, personne n'a été reconnu coupable dans un pays qui privilégie la survie du groupe et où la responsabilité individuelle de ses dirigeants est rarement mis en cause.
Un procès qui a failli ne jamais avoir lieu
Et le procès a failli ne jamais avoir eu lieu. Les procureurs ont refusé à deux reprises d'engager des poursuites estimant que Tepco et l'État ne pouvaient prévoir l'ampleur du séisme et du tsunami. Mais le recours à un panel de citoyens a permis de trancher pour un proces au pénal.
En décembre dernier, une peine de cinq ans de prison était requise contre les trois anciens dirigeanrs de Tepco. Pour négligence ≪ ayant entraîné la mort ≫. L'accident nucléaire n'a fait aucune victime sur le coup. Mais 44 patients d'un hôpital proche de la centrale sont décédés lors de leur évacuation d'urgence.
Quatre ans avant l'accident de Fukushima, les dirigeants de Tepco connaissaient le risque de vagues pouvant dépasser les quinze mètres de haut et qui pouvaient noyer les groupes électrogènes de la centrale et stopper le refroidissement des réacteurs.
Souci d'économie
Tepco avait décidé de ne pas renforcer les protections du site de Fukushima par souci d'économie à la suite d'un accident survenu dans une autre centrale. Les citoyens de Fukushima vont faire appel de ce jugement. C'est le début d'une longue bataille judiciaire qui pourrait durer dix ans.
Le système juridique du Japon a encore une fois échoué à défendre les droits de dizaines de milliers de citoyens touchés par le désastre nucléaire de Fukushima en 2011 ≫, a immédiatement réagi l'organisation écologiste Greenpeace dans un communiqué.
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mipoko @mipoko611
東電旧経営陣3被告に無罪判決 福島第1原発事故で東京地裁 (毎日新聞)
司法が機能しない無法国家だ。国会で質問までされてたのに「予見できない」という矛盾したことを、司法が平気で言うんだから。この国では有罪無罪は政権との距離で決まる。

金子勝@masaru_kaneko
【朽ち果てる国】検察審査会によって強制起訴されたが、東京電力の旧経営陣3名が無罪判決となった。当初12万人以上,今も4万人以上の避難者を出し、原発関連死約1400名を出したが、地震によって配管を壊れたデータは消され、経営陣の津波認識でさえ消された。あまりに理不尽。
一井唯史(元東電 賠償 労災申請中 無党派) @IchiiTadafumi
起訴された3人が経営のまずさを認めれば、今も被害者が胸に抱える無念さも少しは晴れ、本当の意味での #東電 再生の可能性も残っただろう
プライドの高いエリート3人は会社の未来より自分の保身に固執した
頭に来ている社員も多いだろう
私はこういう日本人になりたくない

本間 龍  ryu.homma @desler
NHKは裁判所から生中継したが、驚いたことに民放は全局のワイドショーで黙殺。今日、これ以上に重要なネタがあるだろうか。311以前同様、復活した東電のスポットCMが威力を発揮しているんだな。
東電旧経営陣3被告に無罪判決 福島第1原発事故で東京地裁 - 毎日新聞

山崎 雅弘 @mas__yamazaki
天災と人災、不可抗力の被害と避けられた被害を混同し、全ての被害を天災や不可抗力にしてしまう思考の誘導は、昭和の大日本帝国から現在まで通じる日本社会の悪弊だろう。戦闘中の戦死者と上層部の不手際による餓死者を混同して「英霊」と称える行為も、こうした悪弊の1つ。
この無罪判決を見れば、安倍政権が自然災害への対応でなぜあれほど消極的な態度なのか、その理由の一端が見えてくる。即応で動いて裏目に出ると責任が生じるが、何もせず動かないでやり過ごした後、下僕メディアと結託して「やってる感」を演出すれば責任回避を正当化できる。

ゆりかりん @yurikalin
この3人が無罪なら、この国で有罪になる人間は一人もいなくなるのかな? 日本は司法が機能しない無法国家だ。そう気がついた人も増えただろうか? こんなならず者国家では、誰も救われないし、子ども達に希望ある未来なんかあり得ない。
三浦英之 「牙」が本屋大賞ノミネート@miura_hideyuki
東電旧経営陣3氏に無罪。福島県郡山市で会合を開いていた浪江町津島地区(現在も帰還困難区域)の住民からは「絶対に納得できない」という声が飛び交う。「これほどの事故が起きたのに、誰も責任を問われない。そして次々と原発が再稼働されていく。こういう日本でいいのかと思う」
菅 直人 (Naoto Kan) @NaotoKan
東電幹部の刑事責任を問う福島原発事故裁判で被告全員に無罪判決が出ました。納得のいかない判決です。原発を襲う可能性のある津波の高さを「最大15.7メートル」と試算した東電子会社の社員の証言があったにもかかわらず、それを無視して対策を打たなかった東電幹部の責任がなぜ問われないのか。
福島に近い東海第二原発にも同様な津波の予想がありました。東海第二を運転する原電は津波対策工事を行い、東日本大震災に伴う津波が福島と同じように襲ったにもかかわらず、電源喪失をかろうじて免れました。こうした比較からも、東電が対策工事をしていれば大事故は防げていた可能性が十分あります。

山崎 雅弘 @mas__yamazaki
東京電力旧経営陣3人を無罪とした東京地裁判決は「津波についてあらゆる可能性を想定し、必要な措置を義務づければ、原発の運転はおよそ不可能になる」と指摘した(共同)
「そんなこと言い出したら何もできない」論法。一見もっともらしいが実際は論理を飛躍させているだけ。
「そんなこと言い出したら何もできない」論法を使う人間は、途中にある何段階もの選択肢をわざと無視して極論に話を飛躍させ、現状肯定と極論の二者択一のように錯覚させる。多くの人は、このトリックにだまされて、極論ではない方を選んでしまう。裁判所の判決がこんなトリックを使い始めたら終わり。
東京地裁判決の「津波についてあらゆる可能性を想定し、必要な措置を義務づければ、原発の運転はおよそ不可能になる」という指摘が正しいなら、論理的には「大津波が再び襲来する可能性がある以上、原発は運転してはならない」という結論になる。「従って運転し続けてもよい」という結論にはならない。

盛田隆二 @product1954
東電「旧経営陣3名の無罪判決」の理由
「津波という自然現象について、あらゆる可能性に対策を義務付ければ、原発の運転はおよそ不可能」
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だ か ら 永 渕 健 一 裁 判 長!
原 発 は す べ て 廃 炉 に す べ き な ん だ っ て ば!
石田省三郎弁護士「国の原子力行政を忖度した判決だ。原子力発電所というもし事故が起きれば取り返しがつかない施設を管理運営している会社の最高経営者層の義務とはこの程度でいいのか。原発には絶対的な安全性までは求められていないという今回の裁判所の判断はありえない」


洗濯機をみに近くの電気屋へ.見るだけです.
寮が完成しました.
メールでしゃもじ買ってきて!とあったのでライフに行ってレジに並んで,サイフを忘れてました.ちょっと悲しいです.
今日はカレーです.ギネスも.
東電の旧経営陣に無罪判決.責任がないなんて誰も納得できないと思います.なんだか悲しいです.

原発の安全対策、責任はどこに 東電旧経営陣にきょう判決
 東京電力福島第1原発事故を巡り、安全対策を怠ったとして業務上過失致死傷罪で強制起訴された元会長勝俣恒久被告(79)ら東電旧経営陣3人の判決が19日、東京地裁(永渕健一裁判長)で言い渡される。8年半を経てなお福島県で4万人以上が避難し、東日本大震災をきっかけとした「震災関連死」が2200人を超える歴史的事故の責任の所在はどこにあったのか。識者は判決内容次第で広く社会に影響を与えるとの見方を示す。
 初公判は2017年6月。地裁は37回の審理で東電の担当者や地震、津波の専門家ら計21人の証人尋問と3人の被告人質問を実施した。
 審理では、東電が事故の3年前に高さ「最大15.7メートル」の津波が来るとする試算を把握しながら対策を保留した経緯などが明らかにされた。検察側は禁錮5年を求刑、弁護側は無罪を主張している。
 捜査は市民1万4716人による告訴・告発で始まった。東京地検は「巨大津波は専門家も想定していなかった」と2度にわたり不起訴処分としたが、検察審査会はその都度「起訴すべきだ」と議決。3人の強制起訴に至った。
 起訴状によると、3人は第1原発敷地を襲う津波を予測できたのに対策をせず、11年3月、原発事故で福島県大熊町の双葉病院患者らに長時間の避難を余儀なくさせ、44人を死亡させたなどとされる。
◎民事訴訟は過失認定続々/刑事裁判は厳格な証明必要
 東京電力福島第1原発事故の被害者が各地で提起した民事訴訟では、東電の過失を認める判決が相次いでいる。
 2017年3月の前橋地裁判決は、東電が「最大15.7メートル」の津波高を試算していたことを根拠に「東電は08年には実際に津波を予測していた」と指摘。他の地裁も、予測できたとする時期に幅はあるが過失を認定した結論は同様だ。ただ、刑罰を科す刑事裁判はより厳格な証明が必要とされる。
 組織ではなく個人の過失が問われる点も異なる。漠然とした不安を抱く程度ではなく、経営陣が事故を具体的に予測できたと言えるかどうかが判断のポイントになる。
◎切迫の度合い どう見るか
 元裁判官で刑事裁判に詳しい水野智幸弁護士の話 津波地震がどの程度切迫していたと見るかに懸かっている。現代は自動運転や生物工学など多くの科学技術が発展しているが、伴って生じるさまざまな未知の危険に企業経営者はどう対応しなければならないのか。社会に突き付けられた重い問いであり、判決の意義は大きい。
◎注意義務尽くす必要ある
 除本理史大阪市立大教授(環境政策論)の話 企業の経営者には、不確実な予測に接した際にリスクとコストをてんびんにかけたとしても、注意義務を尽くして正しく判断する責任がある。原発のようなリスクの大きい事業では、なおさらだ。判決内容によっては、国の原子力政策そのものにも広く影響を与える可能性がある。


デスク日誌 夏の終わり
 東京電力福島第1原発事故の刑事責任を巡り、東電の元会長ら旧経営陣の3人が強制起訴された裁判はきょう19日、いよいよ東京地裁で判決が言い渡される。
 総局で司法を担当する記者2人がこの日に向け、半年ほど前からこつこつと準備に取り組んできた。2人とも4月に仙台から赴任してきたばかり。まさに、ゼロからのスタートだった。
 資料や過去記事を取り寄せては丹念に読み込み、避難者や法曹界の関係者に直接会って話を聞いた。地道な取材は既に、双葉病院の現地ルポ(8日朝刊)、告訴団長ら関係者の思いに迫る連載(12〜15日朝刊)などとなって結実している。
 担当した2人のうち入社10年目の中堅は、本社で培った裁判取材の知見を存分に発揮した。緻密さと確かな分析力に今回も大いに助けられた。2年目の若手も先輩の足を引っ張るまいと、よく歯を食いしばった。
 この間、取材に没頭する2人を他の総局員3人は温かく見守り続けた。県内4支局からの助言もあり、あす以降も判決を踏まえた記事を無事展開できそうだ。
 息苦しいほど暑かった福島だが、秋の訪れがやっと感じられるようになった。
(福島総局長 佐々木篤)


傍聴して分かった「東電の無責任体質」 憤る遺族 判決は午後
 東京電力福島第一原発事故を巡り、東電の旧経営陣三人が業務上過失致死傷罪で強制起訴された公判では、事故前に東電社内で大津波対策が検討されていたことが明らかになった。それなのに何ら対策が取られないまま事故は起きた。公判を傍聴してきた遺族は「旧経営陣は事故を起こしたことの重大さに向き合っていない。無責任だ」と憤っている。(小野沢健太)
 福島県大熊町で精肉店を営んでいた菅野正克さん(75)=水戸市=の父健蔵さん=当時(99)=は、近くの双葉病院に認知症で入院していたものの、事故後に長時間の避難を強いられ、三カ月後に亡くなった。
 菅野さんは昨年二月に公判を傍聴した際、原発を襲う可能性のある津波の高さを「最大一五・七メートル」と試算した東電子会社の社員が、証人尋問で「専門家の学会で使われている手法で計算したものだ」と自信を持って答えていたのが印象に残っている。
 菅野さんは「子会社の社員は実直に受け答えしていた」と感じた。なぜ旧経営陣は試算を真剣に受け止め、対策を取らなかったのか、疑問が膨らんでいった。
 菅野さんは、子会社からもたらされた試算について、東電の地震・津波対策担当者から直接報告を受けた武藤栄元副社長(69)の被告人質問も傍聴した。そのとき、対策を取らなかったのは「利益を最優先したい企業体質からだ」と感じた。
 沖合に防潮堤を設置すれば数百億円かかることなどが担当者から報告された会議で、外部機関に試算の根拠を再検討してもらうよう指示した武藤元副社長。検察官役の指定弁護士に「対策の先送りではないか」と指摘されると「大変心外だ」と語気を強め、後は「知らない」「事故は防げなかった」などと繰り返した。
 菅野さんは「反省や後悔の念は一切感じられなかった。受け答えはとても無機質で、犠牲者や遺族に申し訳なく思っている感情は全く伝わらなかった。自らの保身しか考えていないように思えた」。父や自分の人生を一変させた当事者の姿勢に怒りがこみ上げた。
 「原発事故さえなければ、おやじはいつの日か安らかに大往生できただろう」と語る菅野さん。「事故は防げたはずだ。公判を通じて、東電が無責任体質だということが改めてよく分かった」と断じた。


東電旧経営陣3被告に無罪判決 福島第1原発事故で東京地裁
 東京電力福島第1原発事故を巡り、業務上過失致死傷罪で強制起訴された東電旧経営陣の勝俣恒久元会長(79)、武黒一郎元副社長(73)、武藤栄元副社長(69)の3被告に対し、東京地裁(永渕健一裁判長)は19日、いずれも無罪(求刑・禁錮5年)の判決を言い渡した。事故の刑事責任が問われた唯一の公判で、3人は無罪を主張し、検察官役の指定弁護士と全面的に対決していた。【巽賢司】
【福島第1原発の主な汚染水対策のイメージ】
 事故は2011年3月の東日本大震災に伴う津波により発生した。起訴状によると、3人は、海抜10メートルの原発敷地より高い津波が押し寄せて事故が起きることを予見できたのに、原発の運転を漫然と続け、「双葉病院」と介護老人保健施設「ドーヴィル双葉」(いずれも福島県大熊町)から避難を余儀なくされた入院患者ら44人を死亡させるなどしたとされた。
 3人が津波による事故を予見し、事故を回避できたと言えるかどうかが最大の争点となった。
 検察官役の指定弁護士によると、東電は08年3月、政府の地震調査研究推進本部が公表した地震予測(長期評価)を基に「最大15.7メートルの津波が原発に襲来する可能性がある」との試算を子会社から受け取った。
 武藤元副社長は同年6月、担当者から試算の報告を受けたが、翌月、長期評価の信頼性について外部の専門家に調べてもらうよう指示。当面は長期評価を取り入れずに津波対策の検討を進めるよう求めた。
 勝俣元会長も09年2月、最高経営陣が出席する通称「御前会議」で、担当部長の「14メートル程度の津波が来るという人もいる」との発言を聞き、武黒元副社長も同年4〜5月、担当者から試算の報告を受けた。
 指定弁護士は、武藤副社長が対策を先送りせず、津波の報告を受けた3人が適切に情報収集していれば、津波による原発事故で死者やけが人が出ることを予見できたと主張。津波対策が完了するまでの間、原発の運転を停止していれば、事故は回避できたと訴えた。
 一方、弁護側は、長期評価の信頼性は低かったと反論した。政府の中央防災会議や同業他社も長期評価に基づく津波対策を講じていなかったと指摘。長期評価は、原発の運転を停止する根拠としては不十分で、事故は予見できず、回避もできなかったと主張した。
 事故後、福島県の避難者らが業務上過失致死傷容疑で3人を告訴した。東京地検は2度にわたって不起訴としたが、市民で構成する東京第5検察審査会の起訴議決を経て、16年2月に強制起訴された。
 初公判は17年6月。4日間の被告人質問を経て今年3月に結審するまで計37回の公判が開かれた。
東京電力福島第1原発事故
 2011年3月11日の東日本大震災に伴って、福島県双葉町と大熊町にまたがる福島第1原発に最大約15.5メートルの津波が押し寄せた。原発は全電源を失って原子炉を冷却する機能を喪失し、核燃料の温度が上昇。発生した水素が原子炉を覆う建屋に充満した結果、1、3、4号機の建屋内で爆発が起き、放射性物質が大気中に飛散した。原子力トラブルの深刻度を示す国際評価尺度では、チェルノブイリ原発事故(1986年)と並ぶ最悪の「レベル7」とされた。


仙台・被災ビル被害認定訴訟 元所有者側の請求を棄却
 東日本大震災で被災した仙台市青葉区の雑居ビルの売買契約で、買い主の冠婚葬祭業清月記(仙台市)が不当に利益を得たとして、元所有者の男性(東京)が清月記に公費によるビル解体費分約7600万円の返還を求めた訴訟の判決で、仙台地裁は18日、元所有者の請求を棄却した。元所有者側は控訴を検討する。
 南雲大輔裁判官は「元所有者は売買時に、解体の公費負担が売却額に影響するかについて積極的な関心がなかった」と指摘。ビル売却は元所有者の債務整理の一環だったため「仮に解体費用の公費負担の有無の点で錯誤があったとしても、錯誤がなければ売買を行わなかったとは考え難い」と判断した。
 判決は、市が契約の2日前にビルの被災認定を「半壊」から公費解体対象の「大規模半壊」に変更したことに関し、元所有者が調査の最終結果を確認せずに契約に及んだ点を強調。元所有者側の「買い主が建物の撤去費用を負担しない場合、土地の更地価格を基準に売買代金を決めるのが取引慣行だ」との主張を退けた。
 判決によると、元所有者は2012年3月29日、被災したビルと土地を1億3500万円で清月記に売却。市は契約2日前にビルの被害認定を公費解体の対象となる「大規模半壊」とし、解体費約7600万円を公費で賄った。


宮城・女川町で小型EV実験開始 被災し高台移転の住民、買い物や通院など活用探る
 宮城県女川町で18日、東日本大震災で被災し高台に移転した住民に1人乗り小型電気自動車(EV)を無償で貸し出す実証実験が始まった。買い物や通院など日常生活で利用してもらい、利便性や活用法を探る。
 小型EVはトヨタ自動車が開発し、町に4台を貸し出した。運転免許は不要で歩道の走行が可能。道交法上は身体障害者用車いすに分類される。家庭用電源で充電(2時間)し、10キロを走ることができる。最高速度は時速6キロ。障害物を探知すると自動減速するセンサーが付いている。
 町中心部の宮ケ崎地区にある宮ケ崎集会所で同日、車両の受け渡しがあった。電源の入れ方やブレーキのかけ方などの説明後、申し込みがあった2世帯に1台ずつ貸し出された。
 同地区は220世帯に計約400人が住み、最も高い場所は海抜約60メートル。小型EVを借り受けた住民2人は早速車両に乗り込み、海抜約30メートルの集会所から高低差約30メートルの坂を上るなどして操作方法を確認した。
 実験に参加する斎藤俊美さん(81)は「坂もすいすい上った。車を運転できない人の外出機会が増えるのでは」と期待した。
 同町は震災後、高台の災害公営住宅に住む高齢者らの移動手段の確保が課題となっている。町の担当者は「利用する時間帯や用途を調べ、住民の足として活用できる方法を探りたい」と話した。
 実験はトヨタ自動車と宮城県、女川、南三陸両町の4者が2018年12月に結んだ協定に基づいて実施。南三陸町では観光客の移動手段としての可能性を探る実験に取り組んでいる。


千葉の復旧遅れ テレビで政府の責任追及がタブーに! 坂上忍は「国より千葉県、森田健作」 羽鳥慎一は「復旧が第一」と批判封じ
 いまだ復旧の見通しが立っていない千葉県の台風災害。約4万戸で停電がつづいているほか、熱中症での死亡例のみならず屋根の補修時に3人が転落死するなど二次被害も相次いでいる。
 ここで浮き彫りになっているのは、政府の初動対応の遅れだ。実際、『news23』(TBS)では、気象庁が記録的な暴風になると記者会見を開いた8日、関係閣僚会議を開催する動きがあったというのに「大きな被害は出ない」として見送りにしていた上、9日には官邸幹部との会議で「2、3日で復旧するだろう」という見方を共有していたと報じた。
「2、3日で復旧する」という甘い見通しに立って内閣改造を予定通りにおこない、その結果、メディア報道も組閣の話題で一色に染まり、被災地は置き去りに──。しかし、ほとんどのメディアはそうした問題から目をそらし、せいぜい東京電力と千葉県の責任を問うくらいだ。
 たとえば、昨日18日放送の『バイキング』(フジテレビ)では「県・政府…初動対応に問題は?」とテロップを打ち、MCの坂上忍が「東電だけでなく千葉県や政府の初動の遅れも指摘されている」と台本を読んだものの、問題にしたのは災害救助法適用まで4日もかかった千葉県の対応のみ。坂上も「市町村の現場はてんてこ舞いなんだから、どこが何するの?といえばやっぱり千葉県だと思うんですよ、僕。国にあげるのだって千葉県なわけでしょ?」と批判した。
 たしかに千葉県の対応はずさん極まりないが、自治体が動かないならその尻を叩き、復旧・支援のために全力をあげるのが国の責任だ。しかも、安倍首相はいまだに関係閣僚会議さえ一度も開いていないのである。だが、そうした点には言及することなく、菅義偉官房長官が13日の会見で述べた「大雨となる前から災害発生後にかけて迅速かつ適切に行ったと考えております」という言い分をそのまま紹介しただけ。普通、ここで「大雨じゃなくて台風、暴風による災害でしょ」というツッコミが入るはずだが、坂上は千葉県知事の森田健作の「こういうのは自然との戦い」「自然とは予測がつかないんですよ」という発言に「ものすごい他人事なんだよね、この方」と怒りを見せることに終始。解説用ボードには11日に内閣改造がおこなわれたことも記載されていたのに、それもスルーしたのだ。
 千葉県の対応は猛批判するのに、国が何もしていないことは隠されるのか。いや、政府の対応に疑義を呈しても、それがかき消されるという事態も起こっている。
 17日放送の『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日)では、火曜レギュラーコメンテーターの青木理が政府の初動対応に切り込んだのだが、それをMCの羽鳥がことごとく批判を封じてしまったのだ。
 まず、番組では千葉県内の被害状況を伝え、そこで羽鳥が「まあ、やっぱりちょっと初動対応は、まあ東電も、自治体も多少あったかなということだと思いますけども」と言うと、青木は「いや、ちょっとどころか大変に問題だと思いますよ」とコメント。台風通過後、マスコミも被害規模を甘く見積もってあまり報道しなかったこと、そうしたなかで内閣改造がおこなわれたことを踏まえた上で、こう語った。
「ところが、停電はまずどんどんどんどん復旧が先送りにされているということがひとつと、問題なのは家屋の全壊・半壊がこんなにあるのに、なんでいまごろまで、まだわからないっていうのはどうなってるんだということですよね。つまり、これ、停電による影響もあったんでしょうけども、まずひとつは自治体ですよね。それから千葉県ですよね。それから国、政府ですよね。さっきも申し上げた内閣改造なんかやってる場合だったんだろうかっていうことも含めて、把握することすらこんなに遅れた理由というのは一体何なのかというところを、僕はこれきちんと検証すべきだと思いますよね」
政府の初動対応を批判した青木理に、羽鳥慎一は「まずは復旧が第一」と批判封じ
 さらに、解説をおこなった元東電社員で国際環境経済研究所の竹内純子氏が“全体の戦略と現場での個別の現場力が必要なのに、今回は全体戦略が遅れたことと弱かったことが長期化の原因”と指摘すると、青木はさらにこうつづけた。
「とすると、いまのお話だと、一義的には県と政府の問題ですよね。これがね、たとえば大都市から遠い山間部であるとか離島であるとかといったことであれば、なかなか人的な問題でも難しかったということはあり得るんでしょうけれど、千葉のこの房総なんてのは、千葉(市)のほうから行っても近いですし、アクアラインなんかで行けば東京から下手すれば1時間以内で着けるような場所なわけですよね。そこでこんな体たらくということは、これから類似の災害が起きた場合にどうなるんだって心配になるんだけども。まずはそこをきちんと検証すべきですよ。なぜこんなに把握が遅れたのか。それから、いまおっしゃったように、全体状況の連携がとれていないとすれば、これはやっぱり政府は何をやっていたんだ、と。内閣改造なんかやってる場合だったのか、というあたりも含めてメディアが検証しないといけないなと思いますよね」
 まったく青木の言うとおりだろう。というよりも、まず普通に考えて、災害時に政府の対応が妥当かどうかは真っ先に問題になることで、こんな当たり前の批判が出ていないこと事態がおかしい。
 しかし、この青木のコメントに対し、羽鳥は「まずはいま困っている方へのフォローというか復旧が第一ではありますけども、その次に考えなきゃいけないのは、青木さんが言うように台風はまたやってくるわけですから、連携ができなかったでは今後は済まないなという」とフォロー。今後の問題などではなく現在進行形の問題なのに、「復旧が第一」と話をすり替えて政府への批判をウヤムヤにし封じてしまったのだ。
 それだけではない。東電が被災者支援のために電気自動車40台を千葉県に派遣したという話題を取り上げた際、やはり青木が「やるのはいいことですよ。だけど、なんで40台なんですか? こんなのもっとね、県なり政府なりとかが指示をして100台、1000台出せばいいじゃないですか」といたって当たり前の反応を示したのだが、ここでも羽鳥は「やらないよりはいい。ただ、そう思う人もいると」と取り繕った。
 東電と千葉県への批判は出てくるのに、政府の責任は問われない。さらに政府の対応を批判すると、「復旧が第一」などとかき消される──。しかも、これはテレビのなかの世界だけの話ではない。
ヤフコメにも「批判するよりまず復旧」「国を批判するな」と“政権批判叩き”が殺到
 たとえば、18日に時事通信が「政府初動対応に批判 内閣改造で「空白」」という記事を配信し、8月の台風10号では関係閣僚会議を2回開催したのに今回は一度も開いていないなど初動の遅れを検証。菅義偉官房長官は東電を批判しているが、その対応に対しては政府高官も「後手に回ったのは政府も同じ」と述べていることを伝えた。
 しかし、この記事のYahoo!ニュースのコメント欄では、「直ぐに国へと批判を向けるのはどうかと思う」「国よりも千葉県自治体の初動が遅すぎる方が問題」「国というより完全に県の初動ミス」と千葉県に批判が集中。一方、政府の対応に対しては「頑張っている政府を批判ばかりしている」「政府を叩けばなんとかなる訳ではない」などという意見まで寄せられ、SNS上でも「批判するよりまず復旧が先」という意見から「政権を批判したいが為の記事」「災害を安倍叩きに利用している」という“政権批判・批判”までもが起こった。
「国には責任はない。問題は千葉県だ」って、じゃあ国の仕事って何なんだという話だが、言うまでもなく今回の災害対応が後手後手になっている責任は、県だけではなく国にもある。
 実際、これはすでに専門家からも問題として挙がっている事実だ。たとえば、安田陽・京都大学大学院特任教授は、千葉県が災害対策本部を設置したのが10日、経産省の停電被害対策本部の設置が13日だったことにくわえ、〈政府全体の災害対策本部に至っては17日現在も設置されていない〉と言及し、〈大規模災害では電力のみならず、医療や食料の提供、避難場所の確保などさまざまな課題があり、政府や都道府県による対策本部を速やかに設置し、意思決定・情報発信していくことが必要〉と指摘(東洋経済オンライン18日付)。今回の災害対応の問題点をこう述べている。
〈大規模災害時には、正確な情報を得られず不確実性がある中で、意思決定をしていかなければならない。これが「クライシスマネジメント」(最悪の状態を想定した危機管理)の考え方だ。むしろ、国や地方自治体にクライシスマネジメントが欠如していたことこそ問題にすべきだ。〉
 国民の生命と安全を守る責任がある国が、危機管理を放棄し、被災地無視で内閣改造までやってのけた。この愕然とするような現実が目の前で起こったのに、「国は責任ない」と大合唱する──。メディアだけではなく、国民にまで“政権忖度”が浸透してしまったのか。ともかく、異常な状況だと言うほかないだろう。


台風被害はそっちのけ…安倍自民“無能幹部”の呆れた実態
 千葉県を中心に大きな爪痕を残した台風15号の発生から1週間以上が経過したが、県内ではいまだ約3万戸(19日午前9時現在)が停電。被災者からは「もう限界」といった声が上がっている。政府の初動対応は妥当だったか――菅官房長官は「適切だ」と言い張るが、政権幹部の動静を追うと、多くは台風そっちのけだった。初動の遅れが原因で、「天災」が「人災」となったのは間違いない。
  ◇  ◇  ◇
 日刊ゲンダイは、台風が首都圏に上陸した9日から、経産省が「停電被害対策本部」を設置した13日までの安倍首相や閣僚、党幹部の行動をSNSなどでチェック。最もヒドイのが、安倍首相だった。
 安倍首相は9日午前中に気象庁長官と5分程度、面会しているが、以降は特段、災害対応とおぼしき動きはない。組閣当日の11日は関連式典に追われ、翌12日夜は日本歯科医師会のパーティーに出席。連日午後6時から8時半ごろには私邸に戻っている。唯一、午後11時すぎと遅い帰宅となった13日夜は、都内の高級ピザ店で秘書官と食事。災害対応の陣頭指揮を執った形跡は全く見られない。
■下村選対委員長は自著宣伝
 党役員人事で選対委員長に就任した下村博文氏はこの間、SNSなどで台風関連の発信は一切なかった。一方、役員人事が正式に決まる前日の10日、フェイスブックに〈先ほど安倍総理から電話をいただき党の選対委員長につくことになりました〉と“フライング”報告し、物議を醸した。12日には、公式ホームページで自著を宣伝。いかに自分のことしか考えていないかがよく分かる。
 外相から防衛相へ横滑りした河野太郎氏は9日、〈河野太郎さんなんでそんなにかっこいいん?〉との一般人のツイートに〈生まれつき〉と返答。どこで何をやっていたのか知らないが、随分と余裕をこいている。一方、防衛相就任後の11日以降、「台風情報」を連続投稿。いかにも不自然だ。幹事長代行に就いた稲田朋美氏は10日、北海道の利尻島で早朝ジョギングで一汗。防災担当の内閣府副大臣を経て官房副長官になったはずの西村康稔経済再生相に至っては、SNSで台風被害に初言及したのは13日のこと。内閣改造での“昇格”がよほどうれしかったのか、11日は大臣就任について連投するありさまだ。
 台風そっちのけだったのは明らかだが、菅官房長官は17日の会見で「(初動対応は)迅速かつ適切に行われた」と強弁。一方、東電が停電からの復旧見通しを二転三転させたことについてだけは、「復旧プロセスを厳格に検証すべき」と強調。まるで、「悪いのは東電」と言わんばかりなのだ。
「菅長官の発言は東電への責任転嫁と取られても仕方がありません。大規模災害でインフラが寸断された際、最終的には国をはじめとした行政が対応をしなければならないことは、東日本大震災などから学んできたはずです。私邸にこもりきりだった安倍首相など、政府の初動は明らかに遅く、組閣に夢中だったようにしか見えません」(高千穂大教授・五野井郁夫氏=国際政治学)
 検証すべきは政府の初動対応のズサンさだ。


森田健作知事 元タレントなのに災害対応で存在感ゼロの愚
「県民の安心安全、命をしっかり守っていくためにもやらなきゃいけないと思っています」
 台風15号により甚大な被害を受けた千葉県の森田健作知事は18日、安倍首相と官邸で面会。復旧作業への国の補助金が上積みされる「激甚災害」への指定を求めた後、こう語った。
「首相から大変前向きな回答があった」とも強調したが、何を今さら、である。台風からこの間、被災地知事がリーダーシップを取る姿は全く見られなかった。
「史上最強クラス」の台風15号が千葉を直撃したのは、9日未明。県が災害対策本部を設置したのは大規模停電が発生してから丸1日過ぎた10日の午前9時。自治体と県が情報共有する防災システムが一部の市町村でダウンしたにもかかわらず、県が自治体に職員を派遣したのは台風直撃から3日後の12日夕方だった。
 今月1日の「防災の日」に行われた今年の政府の総合防災訓練の場所は千葉県だった。大規模な訓練をしたばかりなのに、後手に回った対応について森田は「自治体と意思疎通がうまくできていなかった」「自然とは予測がつかない」――と言い訳に終始。10日から15日までの間に災害対策本部会議を4回開いたものの、台風直撃後の動きは次のようにノンビリしたものだった。
■元タレントの発信力は生かされず
▽10日 首都圏中央連絡自動車道建設促進県民会議2019年度総会・第28回県民大会出席
▽11日 第11回2020年東京オリンピック・パラリンピックCHIBA推進会議出席
▽12日 米国ウィスコンシン州知事の表敬訪問、ウィスコンシン州への千葉県友好使節団の表敬訪問
 14日に東京電力パワーグリッド社長と面会し、被災現場を視察したが、ネット上では、<森田健作はどこに行った>などの疑問や批判が噴出した。タレント知事は“発信力”が売りなのに、被災直後に緊急の記者会見を開くこともせず、言い訳ばかりでは、非難されて当然だ。千葉県内で被災した政治評論家の本澤二郎氏がこう言う。
「台風が千葉に上陸する前から、史上最強クラスの大型台風が来ることは予想されていました。被災直後、森田知事は現場に直行せず、自治体と連携が取れなかった。実際、私の住む地域では、ブルーシートが4、5日経ってから配布されるという状況でした。今回の災害対応で、森田知事が存在感のない無責任な知事であることがはっきりしたと思います」
 県内では、今も停電や断水が続いている。3期も務めながら……知事失格だ。


ラグビーW杯、あす開幕 釜石の試合前に犠牲者黙とう 市が要望、復興支援に感謝
 20日に開幕するラグビーワールドカップ(W杯)日本大会の会場の一つ、岩手県釜石市の釜石鵜住居復興スタジアムで、25日と10月13日の試合の際、東日本大震災の犠牲者を悼む黙とうが行われることになった。市が大会組織委に実施を要望していた。
 市によると、黙とうは試合開始110分前に予定されるホストシティーパフォーマンスの中で行う。黙とうと合わせて要望していた世界からの復興支援に対する感謝の発信は、試合直前に市内の子どもがメッセージを記した大きな旗を広げる形で実現する方向だという。
 スタジアムが立つ鵜住居地区は津波で壊滅し、580人が犠牲になった市内最大の被災地。市W杯推進本部事務局の正木隆司局長は「被災地の思いを酌み取ってもらえた。非常にありがたい」と話した。


ラグビーW杯/伝えよう「共に前へ」の思い
 アジアで初めて開かれるラグビーのワールドカップ(W杯)日本大会が、あす開幕する。五輪・パラリンピック、サッカーW杯とともに、世界三大大会とされるスポーツの祭典だ。
 ラグビーW杯は1987年以降4年に1度開催され、今大会は9回目となる。参加する20チームが4組に分かれて1次リーグを行い、上位2チームが8強として決勝トーナメントに進出する。
 桜のエンブレムを胸に付けて戦う日本代表は、初の8強入りを目指す。前回大会で、強豪の南アフリカから劇的な勝利をつかんだ興奮を思い起こす人も多いだろう。W杯に新たな歴史を刻む活躍に期待したい。
 W杯は北海道から九州まで全国12会場で、44日間の長期にわたって繰り広げられる。期間中の観客はリオデジャネイロ五輪の約1.5倍となる180万人が見込まれ、海外からの訪日客は40万〜50万人に上るという。
 大会の円滑な運営に向け、交通や宿泊、ボランティアの対応などさまざまな面から万全を期したい。また、開催地やキャンプ地で住民や観客、訪日客、選手らが国や地域を越えて交流することは貴重な財産となるだろう。
 東北では唯一、釜石市の釜石鵜住居復興スタジアムが会場となる。今月25日と10月13日の2試合が組まれている。東日本大震災で被災した釜石東中と鵜住居小の跡地に新設されたスタジアムは、まさに復興の象徴と言える。
 釜石市は、1970年代から80年代にかけて日本選手権を7連覇した新日鉄釜石(現釜石シーウェイブス)の本拠地だ。人口3万4000は今回の開催地では最小規模だが、ラグビー界にとっては特別な地でもある。
 釜石は震災で傷ついて間もなく、全国からの支援を受けながらW杯開催の招致に立ち上がり、見事実現させた。震災の記憶と教訓、支援への感謝を世界に伝えると同時に、鎮魂と「共に前へ」の思いを共有したい。
 分断と対立が深刻さを増す今の時代にあって、W杯では多様性と寛容についても思いを巡らせたい。
 日本代表31人のうち、ほぼ半数の15人は海外出身の選手である。ラグビーは代表資格に国籍の要件はない。居住年数など一定の条件を満たせば資格がある。日本以外の出身国はニュージーランドやトンガ、南アフリカ、サモア、韓国、豪州と多彩だ。
 日本代表の合言葉は「ワンチーム」。さまざまな来歴を持つ選手たちが互いを尊重し合い、チームのため、勝利のために結束する。人種や国の違いを乗り越えて思いを一つにする。
 桜のジャージーを着た選手が力を合わせて戦い抜く姿はきっと、多様な文化を受け入れ、共生社会を目指すヒントにもなるに違いない。


W杯ラグビー20日開幕 一丸となり盛り上げを
> 4年に1度のラグビーワールドカップ(W杯)の日本大会があす開幕する。五輪、サッカーW杯と並ぶ規模のスポーツイベント。世界から20チームが出場し、11月2日まで44日間にわたって熱戦を繰り広げる。
 9回目にしてアジアで初の開催である。ラグビーという競技にとっても一層の普及を懸けた意義ある大会になるはずだ。
 選手15人が一丸となって相手とぶつかり、ボールを奪い合って進んでいく。その迫力とともに、結束や情熱といったラグビーを貫く精神や魅力に触れる格好の機会である。開催国としてぜひとも成功させたい。
 とはいえラグビーは日本社会にはいまひとつなじみが薄い。もちろん大学の対抗戦をはじめ高校の全国大会などが盛り上がりを見せる。実業団チームもあって注目を集めはする。しかし競技の認知度という点では、チームや企業のある地域に限定される、というのが実情だろう。
 世界においては欧州のほか、南米や南太平洋でも盛んなスポーツである。今回の大会は8億5千万世帯がテレビやインターネットで中継を視聴する見込みで、来日する観戦者も40万人を超すと予想される。その数字から人気、注目度が分かる。
 大会準備は順調に進んできたようだ。日本大会組織委員会は先月、チケット売り上げが既に9割超の164万枚に達したと明らかにしている。日本でラグビーの裾野を広げ、全国的な人気スポーツにするチャンスと捉えるべきだ。
 実際、日本代表チームは力を付けて近年、W杯でも目立った活躍を見せる。前回4年前のイングランド大会で、強豪南アフリカに劇的な逆転勝利を果たしたことが大きい。世界中のファンを驚かせ、「史上最大の番狂わせ」とまで称された。国内でも感動を呼び、五郎丸歩選手らの活躍もあって、ラグビーへの関心は一気に高まった。
 今回、「ワンチーム」をスローガンに掲げる日本代表の特徴は「多様性」だろう。リーチ・マイケル主将をはじめ、海外出身や外国籍の選手が、代表31人のうち15人と半数を占める。3年以上の居住などの条件で代表資格が得られるためだ。
 多様な文化的背景を持つ選手たちは、多文化共生がうたわれる今の時代にふさわしい面々と言えるだろう。外国人労働者がますます増えていく日本社会のモデルを見ることもできるのではないか。
 日本は現在、世界ランキング10位。1次リーグの同じ組には格上のアイルランドやスコットランドなどの強豪がひしめく。世界20位のロシアとぶつかる、あすの開幕戦に勝利して波に乗り、1次リーグを突破したい。
 全国12の会場で試合が行われる。東日本大震災の被災地、岩手県釜石市に新設された釜石鵜住居(うのすまい)復興スタジアムでもある。大会を通して復興へのエールを送ることは「一人は皆のため、皆は一人のために」というラグビーの姿勢に合致するはず。市内の全小中学生ら沿岸8市町の子どもが招待される。国際的な視野を育み、多文化共生を体感する貴重な機会になるだろう。
 被災地の復興を含め、来年の東京五輪・パラリンピックの試金石となる。ラグビーに触れたことのない人も、一丸となって声援を送ろう。


ノーサイド
 ラグビーがアパルトヘイト(人種隔離)で分断された南アフリカを一つにすることに一役買った。白人と黒人の歩み寄りを促そうと、当時のマンデラ大統領が力を注いだのが1995年に自国開催したW杯だ▼映画「インビクタス」では、白人女性が黒人の子どもに南アの代表ジャージーを手渡そうとして断られる場面がある。90年代まで、ラグビーは裕福な白人の象徴でもあった。人種の壁を乗り越え、チームが世界頂点に駆け上る道のりが映画では描かれる▼前回W杯で、南アから大金星を挙げたのが日本だ。20日に開幕する今大会は日本代表31人うち外国出身者が15人を占め「ONE(ワン) TEAM(チーム)」をテーマに掲げる▼体をぶつけ合う格闘技のような試合の終了を「ノーサイド」と呼ぶ。それぞれのサイドで闘うが、終われば敵も味方も区別はなくなるとの意味がある▼4年前、南アは敗北の屈辱を味わいながら日本をたたえた。それは、互いに痛みを知るからこそだろう。ノーサイドは敵意を友情に変える▼人種対立から「虹の国」を目指して南アが一歩を踏み出したように、スポーツが時代を動かすきっかけになることもある。激闘を終え、国籍を超えた仲間たちが肩を組んで笑っている―。多様性を認めつつ一丸となって闘う日本の強さを見せてほしい。

【ラグビーW杯】最高峰の試合を楽しもう
 楕円(だえん)球を抱えた大柄な男がグラウンドを突進し、そこに強烈なタックルが襲う。力がぶつかり合うスクラムに長い距離の正確なキック―。
 多くのラグビーファンらが待ちかねたワールドカップ(W杯)日本大会が、あすいよいよ開幕する。4年に1回の世界最高峰の大会で日本での開催は初めてだ。
 2連覇中のニュージーランドやラグビー発祥の地イングランドのほか、イタリアやフランスなど欧州の強国、いずれも過去2回優勝している南アフリカとオーストラリアなど20チームが出場する。
 W杯は過去8回、欧州や南半球の国で開かれ、アジアが舞台になること自体が初めてだ。この歴史的な大会での日本代表の活躍を期待しつつ、11月上旬までの約1カ月半、世界最高の技術と力、速さを思う存分楽しみたい。
 前回のイングランド大会で日本は、南アフリカから大金星を挙げるなど計3勝したものの、ベスト8入りを逃した。
 リーチ・マイケル主将が率いる今大会の日本代表は「史上最強」との呼び声がある。強豪国に比べて体格は大きくないかもしれない。しかし、「ワンチーム」のスローガンの下、結束力が大きな武器だ。
 計4組(各5チーム)ある1次リーグを2位以内で通過し、前回果たせなかった8強入りが日本の目標だが、同じ組は強敵ぞろいだ。
 アイルランド、スコットランドはいずれも世界トップクラスの強豪で、簡単に勝てる相手ではない。ランキングが日本より低いとはいえ、サモアとロシアも油断できるチームではないだろう。
 W杯前哨戦となるパシフィック・ネーションズカップ(PNC)では難敵のフィジーなどを相手に日本は3連勝した。開催国ならではの「熱い声援」を味方に実力を十分発揮してほしい。
 日本戦以外にも楽しみは多い。
 ニュージーランド対南アフリカ、イングランド対フランス、ウェールズ対オーストラリアなど強豪同士の試合が組まれている。それをスタンドから間近に観戦できるのが開催国の特権だ。
 高校生や大学生らの中には、近くで見る「世界の技術」が今後の練習や試合に役立つ選手がいるだろう。指導者の参考にもなるはずだ。
 開幕前には代表チームと各地の市民らとの交流が行われた。これもW杯の魅力の一つだ。
 高知市にはトンガ代表が事前合宿で訪れ、高校生を対象にしたラグビー教室などが開かれた。ラグビーだけでなく、トンガの文化や風習に興味を持った生徒もいたはずだ。
 全国12会場のうち、岩手県釜石市の釜石鵜住居(うのすまい)復興スタジアムは大会に合わせて唯一新設された。訪れた外国人客に東日本大震災からの復興状況を知ってもらったり、多くの地域で国際交流の場を設けたり―。期間中、さまざまな方法で人と人とのつながりを深めたい。


ラグビーW杯 日本開催をもり立てよう
 「世界一」の座をかけて強豪チームが激突する迫力と高度な技が、見る者を魅了してくれることだろう。
 4年に1度行われるラグビーの祭典ワールドカップ(W杯)の日本大会が、いよいよあす幕を開ける。アジア初開催という歴史的な舞台で、悲願の決勝トーナメント進出(8強入り)に挑む日本代表の活躍を応援したい。
 今大会には、史上初の3連覇を狙うニュージーランド代表など20チームが出場。東京や神戸市、東日本大震災被災地の岩手県釜石市など全国12都市で、11月2日の決勝戦まで計48試合が行われる。
 1次リーグは4組に分かれ、各組の上位2チームが決勝トーナメントに進む。世界ランキング10位の日本はA組で、世界1位のアイルランドや7位のスコットランド、16位のサモア、20位のロシアと競う。厳しく気の抜けない試合が続きそうだ。
 日本の強みはスピードを生かし、アンストラクチャー(陣形が整っていない状態)の中で力を発揮できることという。実践する日本代表31人の顔ぶれは、チームの大黒柱であるリーチ・マイケル主将をはじめ、不動の司令塔として鋭い洞察力を誇る田村優選手ら多士済々で頼もしい。
 目を引くのが外国出身選手の多さである。出場選手に国籍要件はなく、外国籍でも3年以上継続して居住しているなどの条件を満たせば代表資格を得られる。今回は過去最多の6カ国、15人に上った。人種や文化の違いを尊重し、心を一つにして目標達成に力を合わせる。多様性が進む日本の共生社会を考える契機にもなろう。
 2015年の前回大会で、日本は強豪の南アフリカを下し、「史上最大の番狂わせ」と呼ばれた。1次リーグで3勝1敗だったが、8強入りは果たせなかった。その悔しさをばねに日本ラグビーの新たな歴史を切り開いてほしい。
 W杯の日本開催は、国内におけるラグビーの認知度を高める。世界最高レベルの戦いに接することは、競技人口やファンの裾野拡大にもつながろう。
 開催地やキャンプ地では、多彩な歓迎の催しが繰り広げられている。大会には海外から約40万人が観戦に訪れるとみられる。交流を深め、地域の魅力やメッセージなどを発信する好機だ。周遊観光など他地域への波及も望まれる。
 大会期間中には、スコットランドの選手らが昨年の西日本豪雨で被害を受けた倉敷市真備町地区の小学校を激励に訪れる予定だ。タックルの代わりに腰につけたひもを取る「タグラグビー」などで児童と交流する。選手たちの励ましが、子どもたちや地域に元気を与えてくれるだろう。
 開催都市では、W杯史上最多の計約1万3千人のボランティアが、観客の誘導や運営補助などさまざまな場面で大会を支える。自国でのW杯を選手とともにもり立てたい。


安保法成立4年 「専守」変質を止めねば
 安全保障関連法成立から四年がたつ。違憲の疑いが指摘されながら既成事実化が続き、「専守防衛」の変質も進む。放置していいのか、重ねて問いたい。
 安全保障関連法の成立を、安倍政権が強行したのは二〇一五年九月十九日未明のことだった。
 あれから四年。歴代内閣が「憲法上許されない」としてきた「集団的自衛権の行使」を可能とする安保法は、当初から違憲の疑いが指摘され、全国二十二カ所で違憲訴訟も起きている。
 しかし、安倍政権は意に介すことなく、成立後は戦争放棄、戦力不保持の憲法九条を形骸化させるような防衛政策を続けてきた。
◆宇宙でも防衛力を整備
 安倍晋三首相は十七日、自衛隊幹部が一堂に会する「高級幹部会同」での訓示で、先端的な軍事技術の開発競争など安全保障環境が厳しくなっているとして「新たな防衛大綱は、こうした安全保障環境の変化の中にあって、従来の延長線上にない防衛力のあるべき姿を示したものだ。できる限り早期に実行に移し、万全の体制を築く必要がある」と強調した。
 防衛大綱(防衛計画の大綱)は安全保障や防衛力整備の基本方針を示すもので、今後五年間の装備品の見積もりを定めた「中期防衛力整備計画(中期防)」と合わせて昨年、改定された。
 新しい防衛大綱と中期防は、宇宙・サイバー・電磁波という新たな領域利用が急速に拡大しているとして、その変化に対応するため「多次元統合防衛力」という新たな概念を設け、陸・海・空各自衛隊の統合運用を進めるとともに、新たな領域での対応能力も構築・強化する内容である。
 日本を取り巻く安全保障環境の変化に応じて、防衛政策を適切に見直す必要性は認める。
◆「空母」は米軍のため?
 しかし、特定秘密保護法に始まり、「集団的自衛権の行使」を可能にした安保法、トランプ米政権が求める高額な米国製武器の購入拡大など、安倍政権の下で、戦後日本が堅持してきた「専守防衛」政策を変質させる動きが続く。
 新大綱と中期防も、そうした流れの中にあり、防衛予算の増額や自衛隊増強、日米の軍事的一体化の延長線上にあるのは、安倍首相自身が悲願とする憲法九条の「改正」なのだろう。
 どこかで歯止めを掛けなければ日本は軍事大国への道を再び歩みだしてしまうのではないか。
 首相は訓示で「来年、航空自衛隊に『宇宙作戦隊』を創設する。航空宇宙自衛隊への進化も、もはや夢物語ではない」とも語った。
 宇宙空間の利用について衆院は一九六九年、「平和目的に限る」と決議し、政府は「平和目的」を「非軍事」と説明してきた。
 その後、二〇〇八年成立の宇宙基本法で方針転換し、防衛目的での利用を認めたが「専守防衛」の範囲を厳守すべきは当然だ。「航空宇宙自衛隊」などと喜々として語る性質のものではあるまい。
 新大綱と中期防には、ヘリコプター搭載型護衛艦「いずも」型の事実上の「空母化」が明記され、二〇年度予算概算要求には改修費用が盛り込まれた。通常、潜水艦哨戒や輸送、救難のためのヘリコプターを搭載し、警戒監視や災害支援などに当たる「いずも」型の甲板を、短距離離陸・垂直着陸が可能な戦闘機F35Bを搭載できるよう、耐熱性を高めるという。
 歴代内閣は、大陸間弾道ミサイル(ICBM)や長距離戦略爆撃機などと同様、「攻撃型空母」の保有は許されないとの政府見解を堅持してきた。「いずも」型の改修でも「従来の政府見解には何らの変更もない」としているが、攻撃的兵器として運用されることは本当にないのか。
 防衛省は「いずも」型改修後、米海兵隊のF35Bによる先行利用を想定しているという。航空自衛隊へのF35B配備に時間を要するためとしているが、これでは、米軍のための「空母化」ではないのか、という疑念が湧く。
 「殴り込み」部隊とされる米海兵隊と一体運用される「いずも」型が、どうして攻撃型空母でないと言い張れるのか。
◆「非軍事大国」の道こそ
 戦後日本の「専守防衛」政策は先の大戦への痛切な反省に基づく誓いでもある。他国に脅威を与えるような軍事大国にならない平和国家の歩みこそが、国際社会で高い評価と尊敬を得てきた。この国家戦略は変えるべきではない。
 安倍首相は「専守防衛」に「いささかの変更もない」と言いながら、「集団的自衛権の行使」を容認し、防衛費を増やし続け、日米の軍事的一体化を進めている。
 安保法を含む安倍政権の防衛政策が、憲法を逸脱して、「専守防衛」をさらに変質させることはないのか、絶えず監視し、問い続けなければならない。


新大学入試英語の混乱 見切り発車は許されない
 新しい大学入学共通テストに導入される英語民間検定試験について、全国高校長協会が来年度の実施の延期を文部科学省に要請した。
 これまで文科省へ訴えてきた懸念がいっこうにぬぐえていないという。協会のアンケートでは、全国の高校の約7割が延期を求めている。要請は高校側の総意だ。だが、文科省はあくまで来年度から始める姿勢を崩していない。
 検定団体の一つの日本英語検定協会がきのう、他団体に先駆けて予約申し込みの受け付けを開始した。高校と文科省の溝が埋まらないまま制度が動き出したことで、多くの受験生が不安を感じていることだろう。
 民間試験は「読む・聞く・書く・話す」の英語の4技能を測るため、6団体の7種類が導入される予定だ。来年4月から12月までに受けた試験の成績が大学側に提供される。
 新制度が発表された当初からあった評価の公平性への疑問は、今も解消されていない。都市部の受験生が有利となる地域格差の問題では、文科省は離島の受験生について試験時の交通費の支援を打ち出したが、対象が限られていて解決には程遠い。さらに、試験の詳しい日程や会場の公表も進んでいない。
 そうした課題への懸念は、大学側の迷いにもつながっている。文科省の調査では、今年8月1日時点で民間試験を合否判定に活用するかどうかを未定とした大学が全体の約3割に上った。
 自分の受けたい試験を希望の時期、場所で受けられるのか。そもそも志望大学がその結果を活用するのか。開始まで半年に迫っているのに、受験生は最低限の情報を得られていない。
 多くの課題が解決されていない状況により、不利益を被ってしまうのは受験生だ。文科省は延期すればかえって混乱を招くと主張しているが、これだけ穴だらけの制度のままでは、受験生が「実験台」になってしまう。見切り発車は許されない。
 まずは大学の対応や検定団体の予定が詳しく公表されることを最優先に考えるべきだ。
 そのタイムリミットを間近に設定し、それが果たされなければ、延期を含めた対応の再検討をしなければならない。


英語民間試験、戸惑いの船出 大学入試、英検予約始まる
 二〇二〇年度に始まる大学入学共通テストで活用される英語の民間検定試験のうち「英検」の受験予約申し込みが十八日に始まった。七種類の民間試験の先陣を切る形で、新しい仕組みが実質的に動きだした。しかし、会場や日程が明らかでない民間試験も多い。「本当に実施できるのか」。高校生や教員からは懸念の声が相次ぐ。
 「来年のことなのに、決まっていないことが多い」。名古屋市の河合塾千種校で八月、共通テスト対策講座を受講した高校二年生の男子生徒(17)は不安を打ち明けた。
 申し込みが始まった英検だが、試験日は「二〇二〇年の四〜七月のいずれか」と示すにとどまり、具体的な会場は来年二月に発表するという。多くが受験するとみられる「GTEC」は来年六、七、十、十一月に一回ずつ試験を行うと公表したが、場所は「四十七都道府県」とするだけで詳細は「秋に公表予定」だ。
 男子生徒は英検を受けようと考えている。当初は参加予定だった「TOEIC」が七月に突然撤退を表明したことを念頭に「他の民間試験も取り下げることもあるのでは」と気をもむ。
 今月六日夜には東京・霞が関の文部科学省前で民間試験の導入反対を訴える集会があった。参加した二年生の男子生徒(17)は「異なる民間試験の採点基準が同じかどうかが疑問。公平な入試制度には思えない。受験生のための仕組みになっていない」と指摘した。
 戸惑いは教える側からも。愛知県の私立高の英語教諭は「試験概要は試験の実施団体がさみだれ式に公表しており、情報を整理するのも大変」。複雑な制度や手続きを指導する必要があり「英語を教えるのに力を注ぎたいのに」と悩む。
 全国高等学校長協会は十日、へき地の受験生に移動や交通費の負担がのしかかることや、家庭の経済状況で受験機会に格差が生まれるといった課題が解決されていないとして、実施延期を求める要望書を文科相宛てに提出した。
 文科省は民間試験の概要や各大学の対応を確認できるポータルサイトを立ち上げたが、学校現場からは「多くが決まっていないことが明確になった」との声が漏れるなど、逆に不安を助長する結果となっている。
 共通テストを運営する大学入試センターは十七日、民間試験を実施する全六団体との協定締結を終えたと発表。萩生田光一文科相は同日の会見で「不安や懸念を解消するため、必要な対応策を検討し、早急に取りかかるよう指示している。当初のスケジュール通り実施することを前提に全力で取り組むことが重要だ」と述べた。
 <英語民間検定試験> 大学入試センター試験の後継として、2020年度に始まる「大学入学共通テスト」の英語で、導入が決まった。「読む・聞く・書く・話す」の4技能を問うため、英検やGTEC、TOEFLなど6団体7種類の試験が活用される。成績は大学入試センターの「共通ID」で管理され、受験生は今年11月以降、ID発行を申請する必要がある。試験は20年4〜12月の間に最大2回受験できる。
◆予約金、返還に変更 受験辞退
 「英検」の予約申し込み受け付けは協会のホームページで始まった。10月7日午後5時まで。予約金は3000円で受験料へ充当される。協会は当初、本申し込みをやめたとしても返金しない意向だったが、萩生田光一文部科学相が記者会見で、返還の検討を要請したと表明。予約受け付け終了翌日の来月8〜15日に申し出があれば、手数料を引いて返金すると方針転換した。協会は、予約金を支払った受験生が来年2月の本申し込みをした場合、必ず座席を確保するとしているが、本申し込みは先着順のため、希望する日時や会場で受験できるとは限らない。 (諏訪慧)


市販薬の乱用 防止策を探らなければ
 若者の薬物依存を巡り、気掛かりなデータが示された。
 精神科で治療を受けた患者についての厚生労働省研究班の実態調査だ。せき止め薬や風邪薬など市販薬の乱用が10代で急増した。背景に目を向け、防止策を探っていく必要がある。
 入院設備のある精神科を対象に昨年9〜10月に薬物関連の治療を受けた患者で、同意を得られたりした2609人を分析した。
 10代は34人だ。41%が市販薬の乱用だった。大麻が21%、覚醒剤が15%と続く。「危険ドラッグ」の乱用者はいなかった。14年の調査では危険ドラッグが48%を占める一方、市販薬はゼロだった。傾向の変化が見られる。
 中枢神経興奮薬と抑制薬の両方の成分が含まれるせき止め薬の乱用が突出している。「多幸感が得られる」といった情報がインターネット上に出ていることが背景にあるようだ。
 1980年代後半にも社会問題化したことがある。液体タイプから両成分が除かれたものの、錠剤タイプには含まれている。覚醒剤などのような幻覚や妄想は少ないけれど、依存性が高い。次第に量が増えて1日に5瓶以上の錠剤を飲む患者もいるという。
 精神科の治療を受けていない乱用者がいる可能性もある。大量の服用など誤った使い方を続けるとやめられなくなり、生活にも支障を来しかねない。
 乱用の恐れがある市販薬は購入できる量が制限されている。国の調査では、薬局やドラッグストアの半数近くが2瓶以上買う場合でも義務付けられている使用目的の確認をしていない。対応を徹底するのは大前提だ。
 それでも限界はある。複数の店に足を運べば買える。ネット販売も解禁されている。
 国にはネットで扱うことの是非など販売の在り方を再検討するよう求めたい。市販薬の乱用、依存の危険性について社会全体で認識を共有するため、適切に情報提供することも大事だ。
 研究班の責任者を務めた国立精神・神経医療研究センターの松本俊彦・薬物依存研究部長によると市販薬を乱用する人の多くは快感を求めているのではない。「死にたい」と考えるなど生きづらさを抱え、一時的に意欲を高めたりするために使う例が多いという。
 そうであるなら、周囲の気配りが乱用を防ぐ一つの鍵になる。誰にも相談できず問題を一人で抱え込んでいる若者はいないか。それぞれに問い返す機会にしたい。


ひきこもり者「親の遺体放置」多発の裏にある「小さなノーサンキュー」
一人ひとりの「拒否」が招く疎外 御田寺 圭
相次ぐひきこもり者の「親の遺体放置事件」
〈91歳の父親とみられる遺体を東京 足立区の自宅でおよそ1か月間放置したとして61歳の息子が警視庁に逮捕されました。息子は長年、引きこもりの状態だったとみられ「急に1人になるのが怖かった」と供述しているということです。
(中略)
武田容疑者はおよそ30年前から仕事をせず父親の年金で生活していたということで、長年、引きこもりの状態だったとみられています〉(NHKニュース『父親の遺体放置「1人になるのが怖かった」61歳息子逮捕』、2019年8月26日より引用)
〈自宅アパートに女性の遺体を放置したとして、警視庁板橋署は(8月)29日、死体遺棄容疑で、東京都板橋区大山西町、無職、本村克之容疑者(53)を逮捕した。遺体は同居する母親(88)とみられる。本村容疑者は調べに容疑を認め、「(今月)19日に母親が亡くなったが、何も考えられなかった」と供述している

〉(産経新聞『自宅に母親の遺体放置か 53歳男を逮捕 警視庁』、2019年9月1日より引用)

長期化したひきこもり者が中高年になり、生活を高齢になった親が支えるような状況が拡大している。近年見聞きすることも多くなった、いわゆる「8050問題」である。上述したような事件は今後ますます増えていくのだろう。
内閣府の調査「平成30年度 生活状況に関する調査」によれば、中高年のひきこもりは全国でおよそ61万人いると推計されている。
その7割以上が男性であり、なかには中高年になってからひきこもり生活をはじめた「短期ひきこもり者」もいるが、若年層だったひきこもり者がそのまま高齢になった「長期ひきこもり者」のケースも相当に多いと見込まれている。統計ではひきこもり期間が7年以上経過している者が半数を占めた。
ひきこもり期間が長期化すると、就業能力も機会も乏しくなるため、一般的にひきこもり支援の定石のひとつとされている「職能訓練を施し、仕事を与えて社会復帰させる」というルートが安易に選べるわけではなくなる。
また、ひきこもりの原因にはなんらかの精神疾患や持病が関係しているケースが多いことも報告されており、包括的な支援の道筋はなかなか立ちづらいのが現状である。
親の遺体を放置した彼・彼女らは、刑事的には「死体遺棄」とか、あるいは「年金詐取」の容疑によって逮捕されることになるのだろう。しかしながら、彼・彼女らを逮捕した先にはいったいなにがあるのだろうか。逮捕することによって解決される「なにか」があるのだろうか。
……もっといえば、彼らを「罰する」資格が、私たちの社会にははたしてあるのだろうか。そんなことを最近、ずっと考えている。
ひきこもりと「自己責任」
2000年代の初頭、ひきこもり者の増加が「ニート・ひきこもり問題」と名付けられ社会問題として認知され始めたころ、社会は「怠惰な若者に問題がある」とか「それを許容する家庭に責任(育て方・しつけの不備)がある」などとして、原因や責任をドメスティックな領域に引き取らせた。これらの解決を社会の責任とせず、表面上は不可視化することに成功してきたのだ。
そうすることで、世間の人びとはひきこもりを支えるための社会的な関心もリソースも割かずに済み、また当事者以外の個々人もひきこもりと関わらないでよいという、ある種の「快適な暮らし」を手に入れることができた。
ひきこもりは「社会が支えるのではなく、家庭が責任を取るべきだ」とするのが、日本社会の導き出した答えだったのだ。ひきこもり者を「社会のメンバー」としてはカウントせずに排除することを選んだのは、ほかでもない私たちだった。
そうしたふるまいを長年続けてきた代償として、現在になっていよいよ事が生じた際には「以前から彼らも社会のメンバーでした」といわんばかりの扱いで制裁するのは、あまりにもムシが良すぎるのではないだろうか。
普段は社会のメンバーでないかのように排除されていた人が、その排除の帰結としてなにか「悪い」ことをしたときにだけ、社会の正規メンバーと同等の責めを負わせることには、ことばにならないような違和感を覚える(逆に、平時は社会のメンバーとして包摂しているのに、いざなにかが起きたとき、特定の属性については責任が免除されるような扱いも同様だ)。
親の遺体を放置したひきこもり者たちの「一人になるのが怖かった」「何も考えられなかった」という供述は、死体遺棄を正当化したり誤魔化したりするための方便というわけではなく、おそらく本心から出たことばであるだろう。
というのも「自分の家で親が死んだときに、どのような手続きをとらなければならないのか」は、まさしく「社会のメンバーとして包摂されていないと知ることのできない/実行できない『しきたり』」に他ならないからだ。
社会能力のなさが「罰せられる」
親が死んだときするべきことは膨大にある。あなたはそれらを知っていただろうか。上に一覧表を記したが、こんなにたくさんあること(しかもこれがすべてであるとはかぎらない)を知っていた人は少なかったのではないだろうか。
役所に「死亡届」を提出すればそれで終わるわけではない。年金受給資格の停止、介護保険の資格喪失届、住民票登録の抹消、相続税、遺族年金など、親が死亡した後の短い期間に処理しなければならない手続きはきわめて多い。
「社会のメンバー」ならば、こうした煩雑な手続きが膨大にあることは(たとえ細部まで完璧に把握してはいないにしても)見聞きする程度のことはあったかもしれないが、社会から永らく排除されてきた人にとっては、そうでないことが想像に難くない。
しかも、実際の親の死の直後から、それらを滞りなく遂行することは精神的にも時間的にも容易なものではない。多かれ少なかれ「周囲の協力者」がいることが前提となっている。基本的に、「だれかの死」は親類や友人、近隣の人びとが色々と手を焼いてくれるからこそ、なんとか乗り越えることができていたものだったのだから。
これまで「社会のメンバー」として受け入れられておらず、また長年の環境から「周囲の協力者」も持たないであろう人間が、親を亡くして途方に暮れているところを「死体遺棄」「年金詐取」などで逮捕する。それはまさに、社会能力や社会的知識のなさを「罰している」構図に他ならないだろう。
私たちが、快適で安全で便利な暮らしを送るための「代償」を支払うことなく安穏と過ごしてきた結果、生じた歪み――その歪みによってつくられた「疎外者」たちに、今度は「犯罪者」というラベルを貼り直して、私たちはあくまで責任や解決にかかる負担を回避しようとしているのかもしれない。
「小さなノーサンキュー」を超えて
この社会になにか巨大な悪意や差別心があったがゆえに、100万人のひきこもりが生じたわけではない。むしろきっかけは、私たちそれぞれが彼・彼女らに対して「小さなノーサンキュー」を繰りかえしてきたことにある。
なんとか社会へのつながりを持とうとしたひきこもり者に対して、私たちが露骨に排除のふるまいをすることはほとんどない。そうではなく、「あなたには、もっとふさわしい時期があるよ」「もっとふさわしい場所があるよ」「もっとふさわしい相手がいるよ」「きっと誰かが助けてくれるよ」「(でも、それはいまではないし、ここでもないし、私でもないから、どこかへ行ってほしい)」──そんな、だれも傷つかない、やさしいことばで「小さなノーサンキュー」を繰りかえしてきたのだ。
一人ひとりが行使した「拒否」は小さなものだったかもしれない。しかしそれを多くの人が行使した結果、「小さなノーサンキュー」が積もり積もって、やがて100万もの人びとを社会から不可視化する「大きな疎外」となっていったのだ。
「ひきこもり問題」の解決のために、一人ひとりが自らの全リソースを投下して彼・彼女らを支えろ、というわけではない。私たちが「小さなノーサンキュー」を行使した結果こうなったのであれば、逆に一人ひとりが「小さな関心」を寄せれば、たとえ個々の力は小さくても、この問題がいまより深刻化することを阻止する力になるはずだ。
助けを求めようにも、その声の出し方すらわからなくなってしまった人にとっては、ほんの些細な関心が、たったひとつの声掛けが、大きな結果の違いをもたらしうる。自分が問題解決の当事者になれなくても、適切な情報につなぐくらいのことはできるかもしれない。私にも、そしてこの文章を最後まで読んでくれた、あなたにも。


タピオカミルクティと差別〜バリキャリ女子が「キモイ」と言われた日
食べ物ブームから考える人種差別の変化
川村 真木子 外資系金融女子
タピオカブームは衰えるところを見せません。このタピオカから、「差別的なムーブメントも真逆の人気アイテムに変化しうる」ことを実感したというのが、現在外資系投資顧問に勤める川村真木子さん。金融から政治、スポーツに生活まで本音を語る「社会派インスタ」が人気を呼んでいるバリキャリ金融女子です。
川村さんは金髪でヤサぐれていた女子高生時代に一念発起してアメリカに留学、20歳で高校を卒業しました。いま、ブームになって切なく思い出す「留学時代にタピオカから見た差別」、そして「差別が変わっていく様」とは。
「気持ち悪っ」と白人女子に言われて
飛ぶ鳥を落とす勢いのタピオカティブーム。私も毎日のように飲んでます。
私がこの飲み物と出会ったのは1990年代、ロサンゼルスのアジア人街。台湾人のオーナーが切り盛りするそのお店はアジア人街にあって、アジア系の学生で行列が出来る人気店。学校に行く前にタピオカミルクティを買って、登校するのが密かな楽しみだった。
しかし、このタピオカミルクティで忘れられないのが、学校でのちょっと悲しいエピソード。隣に座っていた白人女子が「その黒い物体は何? 気持ち悪っ」と言い、クラスが一瞬吹いた。「またアジア人が変なもの食べてるよ……」コソコソ。私が本気で美味しいと思ってるものが気持ち悪く見えるんだ……ショックで呆然とした。
アメリカの高校に通っていた頃は、食べ物を「気持ち悪い」と言われたことが何度もある。海苔や漬け物を無駄に恐がられたり、そもそも何であんなに米ばかり食べるんだ? たまには主食変えないの? 飽きない? と本気で不思議がられたり。アメリカ人の友人と一緒に日本食レストランに入って、メニューの全てを説明してと頼まれ、全部細かく説明したときには、「どれも食べられそうにない」とのことで、白いご飯だけ頼んで醤油をかけて食べてました……。
90年代当時のアメリカは、日本食ブームの前。巷には限られた寿司マニアがいるぐらいで、殆どの人は刺身や海苔や味噌汁を気持ち悪いと思っていたようだ。何度も言われた「何それ、気持ち悪い」の一言。悪気はないのだろうけど、慣れ親しんだ自国の食べ物を「気持ち悪い」と言われるのは結構傷つく。移民の子供が自国の料理が入ったお弁当を恥ずかしがって「サンドイッチに変えて欲しい」と親に頼むのはよく聞く話だ。
突如LAお洒落エリアにタピオカ登場
数年後、タピオカドリンクはビバリーヒルズ付近のお洒落な場所に突如として出現する。オーナーは白人女性。パッケージも変わり、ヨガやピラティスでもやってそうな白人が手にする飲み物になって、学校でもあらゆる人種に流行しだした。
この時、私は「人種的マイノリティのアジア人の私が、どんなに美味しいと騒いでも、マジョリティの白人のようには理解されない」と痛感し、社会の偏見の根強さを身に染みて感じた。私が、チャイナタンで買ったタピオカドリンクは気持ち悪いけど、白人女子がビバリーヒルズで買ったタピオカは「なんだか素敵」。それが、当時のアメリカの雰囲気だったのです。
時を同じくして日本食シェフの松久信幸氏がニューヨークの高級街でオシャレなお寿司やさん「NOBU」を展開し始める。NOBUの名前はメディアでも盛大に取り上げられ、白人客で賑わい、いつの間にかSUSHI はヘルシーでお洒落な食べ物に変化していた。
この事例を見て私が思うことは、社会を変えるのは「マジョリティ」だということだ。もちろん差別を受けている現場からボトムアップで声をあげるのは大切だけど、権力と影響力を持ちやすいポジションにいるマジョリティが意識を持って変える方がずっとカンタンなのだ。日本が抱える差別・人権問題は「ジェンダー」「外国人」「LGBT」「在日コリアン」その他沢山ある。そして誰もがところ変われば、また状況変わればマイノリティになり得るということを分かって、今ある恵まれた立場を自分だけのために使わず、社会に生かす事が大切なのだろうと思う。
タピオカミルクティもSUSHIも世界に羽ばたいた。既に帰国していたが、ニューヨークでRAMEN ブーム(2010年ごろ)が起きた時、震えるほど誇らしかった。米国出張の度にいそいそとラーメン店に足を運び、アメリカ人達と一緒に行列に並び、嬉しさと誇らしさを噛みしめた。
中国人や韓国人と間違えられて憤慨する人たち
2012年ごろ、パリのシャネルに行ったら中国人がVIPとして接客されていて、デパート内は中国語で溢れていた。「バブル期の日本人の再来のよう」と言われていたが、彼らの購買力はバブル期の日本人の数倍もある様子だった。「アジア人」として長く辛酸を舐めたワタシは、心の中で「中国人やるじゃん。ここはパリのCHANEL。日本人がもう頑張れない分、あなた達が人口と財力でアジア人を引っ張って!」と勝手にエールを送っていた。
ちなみに日本人(主におじさん)が海外で中国人に間違われた、韓国人に間違われたと憤慨してるのを耳にする。正直、一度外の世界に出てしまえば日本人も韓国人もない、みんな「アジア人」でひとくくりなのだ。その小さな枠組みで「間違えられた」と憤慨するよりも、アジア人同士助け合い、高め合う方がずっと生産的だと思ってしまう。
2000年ごろからアジア人はハリウッドでも受け入れられるようになる。本当に徐々にだけど、ルーシー・ルーやチャン・ツィーのようなアジア人タレントが出てきたり、モデルの世界でもアジアンビューティーが認められるように。韓国はドラマや歌など韓流エンターテイメントの輸出に成功し、世界における韓国人(及びアジア人)のイメージを変えた。
余談になるが、最近のニューヨークコレクションでは体型のダイバーシティも認められるようになりつつある。太めだったり背の低いモデルがランウェイに登場し、ウケている。昨年イギリスの小売Bootsが出した広告は、さまざまな肌の色や年齢、体型の女性たちに加え、義足のモデルも登場し大きな話題を呼び、社会的インパクトを残した。世の中は「多様性」をリアルに受入れようとしているし、競争に勝つためにも「多様性」が武器になる時代が来ていると感じる。
アメリカでのアジア人差別が劇的に変化している
最近アメリカで大ヒットした映画『クレイジーリッチアジア人(Crazy rich Asians, ワーナーブラザーズ)』は観る前から心がザワザワするほど誇らしく楽しみだったが、何故か日本では肝心の「アジア人」がタイトルから抜けていて『クレイジーリッチ!』になっており、めちゃくちゃ拍子抜けした。個人的には「そこ、1番削っちゃいけないトコ!」だったのですが、現行の日本社会では「アジア人」をタイトルに入れる意味が特になかったのだと察する。それだけ日本は依然として単一民族的な思考だということだ(良し悪しは別です)。
DVD、Blue-rayが発売中
日本では、リッチなアジア人にそもそも斬新さがないし、リアリティが違う。そもそもアジア人って何? 日本人、中国人、タイ人……全然違うけど? っていうことなのだろう。
欧米目線での「アジアの台頭」は、過去いかにアジア人が欧米社会で下層人種的な扱いを受けてきたかの印象があってこそインパクトがあるのかもしれない。だからこそ日本での放映は『クレージーリッチ!』(アジア人ナシ)で決定されたのだろうと分析する。
一方でこの映画もハリウッド目線が強く、主人公のシンガポール人男性やその家族がシンガポール訛りのない英語を話していたり、アジア諸国からは「設定に違和感」との指摘も多かったけど、個人的にはハリウッドが飛躍するアジアを舞台にメガヒット作を産み出してくれたという事実だけで十分に嬉しかった。
タピオカミルクティを笑われた学生時代から20年。社会はどんどん変わっていく。放っておいても変わるんだけど、権力と影響力のあるマジョリティ層が意識的に変えていくと、更に加速度的に変化すると信じている。


小泉進次郎は安倍内閣が「封印」してきた「原発論議」に踏み出せるか
磯山 友幸 経済ジャーナリスト
小泉進次郎入閣が注目される「本当の理由」
内閣改造が9月11日に行われ、「第4次安倍晋三第2次改造内閣」が発足した。
閣僚の平均年齢は61.6歳。78歳の麻生太郎副総理兼財務相が留任したほか、「入閣待機組」から4人の70歳代が入閣したが、それでも改造前の平均63.4歳からは若返った。
その象徴が38歳で環境相として初入閣した小泉進次郎氏。当選4回での初入閣は、第3次小泉純一郎改造内閣で内閣官房長官に抜擢された安倍首相と同じだが、当時の安倍氏は51歳。それを大幅に下回る若さでの初入閣となった。
男性議員としては戦後内閣で最年少である。改造内閣の平均年齢引き下げに大きく貢献していることは言うまでもない。
国民的な人気も高く、将来の首相候補と目される小泉氏。これまでも、農水部会長や厚生労働部会長など、将来に向けた改革が求められる一方で、既得権層との利益調整が必要になるポストを任されてきた。安倍首相に力量を試されてきた、とも言える。
今回の環境相も決して「ご褒美」で与えられたポストではない。
本当に将来の首相としてふさわしいか、国民がそれを見極めることになる「試金石」のポストと言っても過言ではない。
原発問題から逃げまくる政治家たち
環境大臣兼内閣府特命担当大臣(原子力防災)。日本の原子力政策について責任を持つポストだ。
2011年の東日本大震災に伴う東京電力福島第一原子力発電所事故までは、原発政策はエネルギーの安定供給を所管する経済産業大臣が担当していたが、エネルギー供給優先で安全確保が後回しになったとの反省から基本的な原発の所管は環境相に移された。
だが、実は、安倍内閣はこれまで、原子力の将来について口をつぐみ続けてきた。
「安全が確認された原発から再稼働させる」という基本方針は示したものの、将来、原発をどうするのか、廃炉を進めるのか、もう新設や建て替え(リプレイス)はしないのかといった、原子力政策の根幹に関わる方針については、明確に打ち出すことを避けてきた。
口を開けば国民を二分する大議論になりかねない。
事故の処理がなかなか進まないこともあり、むしろ多くの国民は「脱原発」に傾きかねない。安倍内閣は原子力政策についての議論を意図的に避けてきた。
これまで環境相や経産相、原子力防災担当相に任命された政治家も、原発の将来については触れずに来た。原発に前向きな発言をすれば、地元の電力会社からは感謝されるかもしれないが、女性を中心とする有権者から総すかんを食いかねない。
ほとんどの政治家が原発問題から「逃げて」いたのである。環境相に抜擢された小泉氏は原発にどんな姿勢を取るのか。
本気で原発問題に向き合うのか。それとも逃げるのか。
玉虫色の計画
国は4、5年ごとに「エネルギー基本計画」という方針をまとめている。現在は2018年7月に閣議決定された「第5次エネルギー基本計画」が、国のエネルギー政策の根幹を担っている。
そこには原子力についてこう書かれている。
「運転コストが低廉で変動も少なく、運転時には温室効果ガスの排出もないことから、安全性の確保を大前提に、長期的なエネルギー需給構造の安定性に寄与する重要なベースロード電源である」
重要なベースロード電源だと位置付けているのだ。では、原発を推進していくのか、というと必ずしもそうではない。
その後には相反することが書かれている。
「原発依存度については、省エネルギー・再生可能エネルギーの導入や火力発電所の効率化などにより、可能な限り低減させる」
かつて、民主党政権時代の末期に、政府は「2030年代に原発稼働ゼロを可能とするよう、あらゆる政策資源を投入する」という方針を打ち出した。これは閣議決定されなかったが、その後のエネルギー基本計画の見直しなどで、亡霊のようにつきまとった。
今の、「可能な限り低減させる」という方針も、その流れの中にあると言っていい。将来のエネルギーの安定供給のためには原子力を抜きに考えられないと考える官僚や政治家が少なくないにもかかわらず、舵を180度切って方向転換する覚悟がないのである。
結果、矛盾する玉虫色の計画が出来上がっている。
止めるの? 止めないの?
「エネルギー基本計画」には、繰り返し「2030年度のエネルギーミックスの実現」という言葉が出てくる。実は、2015年7月に経済産業省の審議会が「長期エネルギー需給見通し」という報告書を作成、その中で2030年に目指すべきエネルギーミックス(電源構成)を示しており、それを目標として基本計画に援用しているのだ。
そこに原発はどう書かれているのか。
総発電量に占める原発の割合は20%から22%にすると書かれている。太陽光や風力といった再生可能エネルギーを22〜24%、LNG(液化天然ガス)火力を27%程度、石炭火力を26%、石油火力を3%程度としている。
それでは「可能な限り低減させる」という方向性と矛盾するのではないか。
経産省の報告書にはこう書かれている。
「東日本大震災前に約3割を占めていた原発依存度は、20〜22%程度へと大きく低減する」
お気付きのように、これは一種のトリックだ。
福島第一原発の事故後、官邸前での原発再稼働反対デモなどの影響もあり、2014年の原発依存度はゼロだった。それから再稼働を進めているものの、2018年になっても4.7%である。4.7%を20%にするというのは大幅な原発依存度のアップに他ならない。
しかも、現在ある原発の稼働年限は40年ということになっており、2030年までには多くの原発が稼働年数に達してしまう。つまり、20%という電源構成を達成しようと思えば、新たな原発の稼働や、老朽化した原子炉を作り直すリプレースが必要になる。そうした前提の議論を抜きにエネルギーミックスが打ち出されているのだ。
「いや、あれは新設やリプレイスを進めるということを言外に言っているんです」と経産省の大物OBは言う。新しい原発を作った方が古い原発を使い続けるよりも、より安全性は高いともいう。本来はそうした議論をすべきなのだが、安倍首相はじめ、「今の内閣は皆、逃げている」とOB氏は言う。
試金石に
かつて、経産省の官僚たちは、政治家に原発推進の議論をさせようとしたことがある。小渕優子氏が経済産業相兼内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)に抜擢された時だ。父である小渕恵三首相の地盤を引き継いだ小渕氏ならば、選挙に圧倒的に強く、原発に前向きの発言をしたからと言って選挙に敗れることはない。国民の間に圧倒的な知名度もあった。
ところが経産相就任直後に後援会を巡る金銭問題が噴出、わずか1カ月半で辞任に追い込まれた。
今回の小泉氏の環境相就任は、原発議論を始めるきっかけになるのだろうか。日本の将来を考えた場合、原発の扱いをどうするのか、政治家として目を背けることはできない。稼働を続ければ使用済み核燃料や放射性廃棄物が出続けるが、その最終処分地すら決まっていない。小泉環境相はこの難題に取り組むことが求められる。
しかも、父純一郎氏は今や「脱原発」を主張している。将来の総理として原発にどんな方向性を示すのか。
「とりもとったり、受けも受けたりだ。安倍晋三首相は深い。なかなか円熟してきた」
小泉氏初入閣の感想を聞かれた森喜朗元首相は、そう述べたという。環境相になれば、原発政策について何も語らない、という訳にはいかなくなる。
小泉氏は将来の日本を託すに十分な政治家なのかどうか。それが明らかになることになる。


11月に日本初の武器見本市…“死の商人”が幕張に3日間集結
 サウジアラビアの東部・アブカイクなどにある世界最大の石油基地が攻撃、爆破された事件の展開に世界中が注目している。事件をめぐっては、隣国イエメン政府と対立する同国の武装組織「フーシ派」が犯行声明を出しているが、サウジアラビア主導の連合軍は攻撃に使われた武器がイラン製だったと発表。米国のポンペオ国務長官もイランを非難するなど、イラン犯行説が“主流”になりつつある。
 NATO(北大西洋条約機構)のストルテンベルグ事務総長は16日、米国やイラン、サウジによる報復戦争の可能性について「非常に懸念している」と危機感をあらわにしたが、仮に米イが全面対決に突入すれば、イランを敵視するイスラエルが参戦するかもしれない。
 世界中がコトの行方を固唾をのんで見守っているのも当然だが、そんな状況を舌なめずりしているのが各国の武器商人。連中にとっては黒幕が誰であろうと関係ない。紛争が起これば武器が売れて儲かるからだ。そんな“死の商人”が集まるイベントが11月18日から3日間、千葉・幕張メッセで開かれる。日本初の武器見本市「DSEI JAPAN」だ。
「世界の武器商人にとって、防衛予算が過去最高の5兆円を突破する日本はおいしい市場。『総合防衛・セキュリティ展示会』と名前をごまかしていますが、中身は武器取引、売買ですよ。出展企業の顔ぶれを見ると、三菱重工や川崎重工などのほか、イエメンの反政府組織を空爆したサウジに武器を供給したとされる英国のBAEシステムズや米国のロッキード・マーチン、レイセオン、パレスチナ人の虐殺に関与したとされるイスラエルの軍需企業エルビット・システムズなど。彼らにとっては、今回のサウジ石油基地攻撃事件は“商機”とみているかもしれません」(軍事ジャーナリスト)
 よりによって、そんな最中に日本で武器見本市が開かれるワケだ。コトの次第によっては米国と一緒に日本も戦うことになるかもしれない。軍靴の足音がいよいよ近づいている。


安倍内閣の大臣3人が“暴力団との密接交際”発覚も不問、テレビも報道せず!ほっしゃん。が「吉本の芸人との違いは?」
 内閣改造からちょうど1週間の昨晩、さっそく「タマネギ内閣」の新閣僚から公選法違反の疑いが濃厚な疑惑が飛び出した。安倍首相の側近である高市早苗総務相が、選挙中に国と取引をおこなう契約業者から献金を受け取っていたというのだ。
 報道によると、2017年におこなわれた衆院選の選挙期間中に、高市氏が代表を務める自民党奈良県第2選挙区支部が、当時、警察庁や防衛省と取引のあった奈良市の寝具リース会社から30万円の献金を受領。公職選挙法では、国政選挙において国と利益を伴う契約を結ぶ当事者による寄付を禁止しており、あきらかに公選法違反にあたるだろう。
 そもそも高市氏をめぐっては、やはり総務相だった2016年に計925万円の「闇ガネ」疑惑が浮上するなど、カネにまつわる疑惑が数々持ち上がってきた(詳しくは過去記事参照)。ハナから大臣失格者なのだ。
 しかし、この「タマネギ内閣」では、高市総務相だけではなく、複数の閣僚も問題が噴出。しかも、そのいずれもが暴力団など反社会勢力と密接交際をしていたなどというとんでもない話なのだ。
 その筆頭が、“魔の二階派”に所属し、今回初入閣を果たした武田良太・国家公安委員長だ。内閣改造から間もない13日、「週刊朝日」Web版が「武田国家公安委員長が元暴力団関係者から献金」と報道。記事によると、武田氏は2009年と2010年に、指定暴力団山口組系の元組員とされる人物から政治資金パーティー代として合計120万円を受け取っていたというのである。
 その上、本日発売の「週刊文春」(文藝春秋)でも、警察関係者が「(武田氏の周辺では)とかく反社会的勢力の影がチラついていた」と指摘。1996年の衆院選では武田氏の支援者だった右翼団体幹部が選挙区内の飲食店店長を、武田に投票しないと店を営業できなくすると脅迫し公選法違反で逮捕されるなどの事件があり、「その後の選挙でも福岡県警は武田陣営を徹底マークしていた」(福岡県警関係者)という。
 支援者が公選法違反を犯し、地元警察からもマークされていた人物を、よりにもよって全国警察組織を監督する立場である国家公安委員長に登用する──。まるで悪い冗談のようだが、“黒い交際”疑惑はほかにもある。“IT担当相なのに違法動画に高評価”として話題となった竹本直一・科学技術担当相だ。
 昨年3月、「FRIDAY」(講談社)が「岸田文雄 自民党政調会長 山口組元幹部との「親密写真」が流出」と題し、指定暴力団中野会の副会長だった人物と岸田政調会長が握手する写真を掲載したのだが、じつはこの写真が撮られたのは、竹本氏の後援会が開催した「新春賀詞交歓会」でのこと。つまり、竹本氏のパーティに指定暴力団の元副会長が参加していたのである。しかも、この元副会長と竹本氏が一緒に写った写真もSNSに掲載されていたというのだ。
 さらに、同じく初入閣した田中和徳復興相をめぐっては、財務副大臣だった2006年に指定暴力団稲川会系組長が取締役を務める企業にパーティー券を販売していた疑惑が2011年に発覚したが、今週発売の「週刊文春」では、田中氏は国会議員になる前から稲川会系の組長と親密だったと指摘。なんと初当選後にはその組長の息子を秘書として雇用するなどしていたという。
暴力団にパー券購入させ組長の息子を秘書にして二階幹事長は「不問に付す」と
 出るわ出るわの大臣スキャンダル──。永田町では、内閣改造直後から「武田、竹本、田中の“3T”が危ない」と囁かれ、安倍首相の周辺からも「3Tが特に不安」という声があがっていたというが、まさかここまでひどいとは……。
 国家公安委員長が暴力団に巨額パーティ券を買ってもらっていたとか、復興相が交友のある暴力団組長の息子を秘書にしていたとか、これは、問題になっていた宮迫博之をはじめとする吉本芸人たちの比ではない、暴力団との直接的な密接交際ではないか。安倍改造内閣は「反社内閣」「ヤクザ内閣」と言われてもしようがないレベルだろう。
 だが、自民党の二階俊博幹事長は17日、自分の後継者とも言われている武田国家公安委員長のパーティ券問題や、竹本科学技術担当相の元暴力団副会長との写真問題について、「週刊誌に何か書かれたからといって物事がどうこうするわけではない」と発言。不問に付すと言い切ったのである。
 大臣による暴力団絡みの疑惑に、調査も注意もせずスルーって……。「#ケチって火炎瓶」問題を抱えた安倍首相がトップであることを考えてもあまりにありえない対応だが、しかし、問題は、メディアの態度だろう。
 テレビのワイドショーは飽きもせずにいまも韓国のチョ・グク氏の話題を熱心に取り上げているが、その一方で、この国の大臣に発覚した高市総務相による公選法違反疑惑や、山口組系の元組員とされる人物から政治資金パーティー代120万円を受け取っていた武田国家公安委員長の問題をはじめとする「3T」による“黒い交際”スキャンダルは、まったく取り上げようとしない。
 これは一体どういうことか。ワイドショーはついこの前まで、吉本芸人たちの“闇営業”問題を連日取り上げ、“反社会的勢力との付き合いや癒着は許されないこと”だと繰り返していたのではないか。なのに、もっとも厳格さが求められるはずの大臣に持ち上がった暴力団絡みのスキャンダルはまるで無視。「3T」などというキャッチーなネーミングまであるというのに、話題にしようともしないのだ。
 吉本芸人でありながら安倍政権に鋭い批判をつづけている星田英利=ほっしゃん。が「二階幹事長は閣僚の暴力団との交友報道を問題視しない考え」というニュースをリツートした上で、〈これを問題にしないのだったら、吉本の芸人さんとの違いは?あれもOKってことなんだね?誰か教えて。〉〈もちろん間違っても、“じゃあ芸人たちも”って話じゃないよ。芸人たちも大問題です。だからこの人たちは桁違い、はるかに大問題でしょ!〉とツイートしていたが、その通りだろう。
 本サイトでは、ワイドショーで今回の台風災害における政府の初動対応の責任を問うことがタブー化していると指摘したが(詳しくは過去記事参照)、最近のワイドショーの政権ネタといえば、小泉進次郎環境相の一挙手一投足を好意的に報じるくらい。チョ・グク氏の話題はしつこくやるのに、けっして安倍政権のスキャンダルや疑惑の追及には踏み込もうとしないのだ。この異常なまでの政権への気の使いようを見ていると、忖度どころではない、何かとてつもなく強い圧力がかかっているとしか思えないのだが……。

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Au Japon, un simple retweet peut vous valoir une très lourde amende
Un tribunal d'Osaka vient de condamner Yasumi Iwakami, un célèbre journaliste, à une amende de 2.760 euros. Il était accusé d'avoir nui, par un retweet, à la réputation de Toru Hashimoto, ancien maire d'Osaka. Depuis cette décision, la Toile japonaise s'enflamme.
La Toile japonaise s'enflamme depuis quelques jours suite à la condamnation d'un journaliste qui était jugé pour avoir retweeté un message considéré comme ≪ diffamatoire ≫ par l'ancien gouverneur de la ville d'Osaka. Dans une décision datée du 12 septembre, le juge d'un tribunal de district a ordonné à Yasumi Iwakani de verser 330.000 yens (2.760 euros) de dommages et intérêts à l'ancien ≪ maire ≫ de la mégapole Toru Hashimoto.
L'homme politique avait initialement demandé, avec ses avocats, une compensation d'au moins 1,1 million de yens. Il avait expliqué que le retweet de ce journaliste, qui était suivi, à l'époque des faits en octobre 2017, par plus de 180.000 personnes, avait considérablement nui à sa réputation. Ce message, rédigé par une autre personne, suggérait que des employés d'une administration dépendant du gouverneur avaient été poussés au suicide.
Le journaliste avait effacé son retweet après quelques semaines. Mais, en décembre 2017, le gouverneur avait formellement porté plainte contre lui, expliquant que ce soutien au message initial avait laissé entendre, auprès d'un public important, qu'il était personnellement responsable de harcèlement professionnel.
≪ Influence sociale ≫
Dans son verdict, détaillé dans le quotidien ≪ Mainichi ≫, le juge d'Osaka qui étudiait l'affaire a suivi la démonstration de l'ancien gouverneur et indiqué que le retweet du journaliste pouvait, cette fois, être clairement associé à une approbation du message initial. Il a noté qu'il avait du tenir compte, avant de trancher, de ≪ l'influence sociale ≫ de l'accusé, qui apparaît souvent à la télévision et dont les tweets ont donc automatiquement ≪ le pouvoir de se diffuser largement et d'influer sur la confiance du public ≫.
Le juge a toutefois expliqué que tous les retweets ne pouvaient pas être légalement lus comme des approbations. Quand l'objet du retweet est de critiquer ou d'initier un débat, ≪ il est rare que le retweet ne soit pas accompagné d'un commentaire ≫, a noté le magistrat.
Cette décision de justice a immédiatement déclenché un vif débat sur Twitter. La plupart des utilisateurs du réseau estimant que ce verdict allait hanter le réseau social pendant des années et inquiéter de nombreuses personnalités. Très remonté contre sa condamnation qu'il associe à une atteinte à la liberté d'expression, le journaliste Yasumi Iwakami a annoncé, dans une conférence de presse, qu'il allait faire appel du jugement.
Yann Rousseau (Correspondant à Tokyo)
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フランス語の勉強?
金子勝 @masaru_kaneko
【大阪湾にトリチウム汚染水受け入れ?】あのゼネコン救済のためのアホな凍土遮水壁のおかげか、福島原発の汚染水の水位は一向に下がらない。どこまでも当てもなく汚染水処理を続ける。大阪湾から外に出てくる漁業者の意見は聞いたんでしょうか。頭が軽すぎ?
【嘘は通じない】福島第一原発の汚染水が増え続ける事を嫌韓TVは無視する。経済産業妨害省は原子力ムラの鹿島主導の凍土壁方式に固執し失敗したのに。
https://jp.reuters.com/article/fukushima-no1-reactor-idJPKCN1GK0TE
だが経産省は、こっそり原発汚染水への顕著な功績として鹿島建設凍土壁チームを表彰していた。https://www.meti.go.jp/press/2019/04/20190412006/20190412006.html
【大阪湾にトリチウム汚染水受け入れ?3】アベ、スガに公明、そして維新まで嘘合戦。とんでもない国になってきた。吉村大阪府知事と松井大阪市長よ、そんなに安全ならペットボトル1本でも飲んで大阪湾に流してみろ。やる気もないのに、政治的目的で平気で嘘をつく。福島の問題を政治利用する薄汚さ。

住友陽文 @akisumitomo
福島第一原発サイトに蓄積されたトリチウム水の処分に関する問題点については牧田寛さんによる、1年前のこのご論攷を僕は参考にしました。
【HBO!】東京電力「トリチウム水海洋放出問題」は何がまずいのか? その論点を整理する @hboljpさんから
海洋への環境汚染については、当然慎重になるべきなのに、維新の会はずいぶんと前のめりになって、大阪湾に放水すると主張する。なぜこんなに前のめりなのか。抑制的で慎重な態度が微塵もない。
放水が実行されてもないのに、風評被害の解消に全力で取り組むと大阪市長の松井氏。まずは放射性物質が基準値を超えないようにすることなど環境汚染への影響を実体として抑えることが先だろうし、そのための情報公開や信用を得ることが最初ではないのか。それをせず、悪いのは風評だというのは不誠実。

尾辻かな子 @otsujikanako
松井市長の海洋放出の協力発言があったが、分析した8割の汚染処理水が基準外というとんでもない状況
「今回分析した浄化されたはずの汚染水約89万トンのうち、8割超にあたる約75万トンが基準を上回っていたという。」
汚染水、浄化後も基準2万倍の放射性物質 福島第一原発

望月衣塑子 @ISOKO_MOCHIZUKI
今回の台風被害では、政府は8日に「大きな被害は出ない」と関係閣僚会議見送ったが、結局、被害は拡大。9日には「数日で復旧」との見方を一部の官邸幹部が共有したが、現在も6万4千軒が停電。昨日は1万4千軒で断水し、収束せず。 今回に被害長期化は、県と政府の初動対応に問題があったとしか思えず。
昨年の台風21号では、即日、政府は #非常災害対策本部 を立ち上げ220万軒が停電も5日後には99%が復旧した。
しかし、今回は93万軒のうち5日後の復旧は8割で19万軒が停電したまま。非常災害対策本部は現在も作られず。
台風被害の最中に組閣が優先され、政府の被害の見積もりが甘かったとしか思えず

異邦人オクローシカ @Narodovlastiye
多くのメディアが政府の言い分を垂れ流す事実上の広報と化す中、時事通信が漸く具体的な時系列と共に今回の台風15号に関する政府初動対応の遅れと空白に触れたが、首相動静に見られる安倍首相の動きは更に酷いという事実を忘れてはいけない。一昨日など私邸を出て3時間足らずで私邸に帰っている。

T勤務日変更したいというメールがきました.とりあえず聞いてみますが,うーん.
自転車を買ったというので,上新庄のダイソーに行って買い物.
晩ごはんはステーキです.サラダ食べ放題なので予想通り?おなか一杯です.
散歩の後ライフでサンダル買ってもらいました.さすがに100均のはボロボロですし.
ヒロセの箱をどうにかして!と言われました.

<ツール・ド・東北2019>復興のまち駆ける
 全国から集まった自転車ファンがことしもまた、東日本大震災の被災地を走り抜けた。約4000人が参加して14、15日に開かれた「ツール・ド・東北2019」(河北新報社、ヤフー主催)。毎年のように訪れるライダーは復興の進み具合をその目で確かめ、初参加のライダーは津波の傷痕に触れる。7回目の今回は宮城県南や福島県の沿岸部にもエリアを広げた。参加したライダーは、東北の海辺をつなぐ道をさっそうと走りながら、被災地との交流を深めていた。

仙台・東部復興道路、来月19日に全線開通 盛り土構造で津波軽減
 仙台市は17日、東日本大震災で被災した沿岸部に整備したかさ上げ道路「東部復興道路」が10月19日午後3時、全線開通すると正式に発表した。当日は午前11時から震災遺構荒浜小などで式典を行い、関係者が車で通り初めをする。
 東部復興道路のルートは地図の通り。総延長10.2キロで、県道区間6.8キロと市道区間3.4キロで構成する。高さ約6メートルの盛り土構造で堤防機能があり、海岸堤防などとの多重防御で津波の威力を軽減させる。
 工事は9割以上が完了。復興道路から西に延びる三つの「避難道路」も8月末までに整備が終わった。県道塩釜亘理線は、復興道路と並行する区間が市道となる。市は市議会9月定例会に関連議案を提出する。
 式典では郡和子市長や地元の高砂中生徒があいさつし、テープカットで開通を祝う。地元の七郷すずめ連や六郷すずめっこによるすずめ踊り演舞もある。
 開通前の復興道路を楽しむイベントも開かれる。15日にあったツール・ド・東北に続き、29日は若林区まちづくり協議会が「東部かさ上げ道路を歩こう」と題し、事前申し込みの市民と800メートルを歩く。10月6日は地元の新浜、南蒲生両町内会が見学会を開催。13日はバスツアーも行われる。
 郡市長は定例記者会見で「多重防御の要として整備した命の道、命の防波堤だ。全線開通で市の復興事業はハード面がほぼ完了する。ようやくここまで来たという特別な思いで開通日を迎えたい」と語った。


仙台の復興道路 来月開通へ
東日本大震災の津波で大きな被害を受けた仙台市の沿岸部を結ぶ全長10キロあまりが、復興道路として、来月19日に全線開通することになりました。
復興道路として開通するのは、仙台市宮城野区蒲生と若林区藤塚の間の10.2キロを結ぶ区間です。
この道路は、仙台市がことし3月末の完成を目標に、5年前に着工した道路で、堤防の機能も持たせるため、およそ6メートルにかさ上げする工事などを行ってきました。
しかし、一部の場所の地盤が想定よりも柔らかく、改良工事に時間がかかったため、当初の目標よりも半年あまり遅い、来月19日に全線が開通することになりました。
この道路の完成で、仙台市では海岸に建設した高さおよそ7メートルの堤防とともに、災害時の津波などの勢いを大きく弱める効果を期待しています。
全線が開通する当日は、道路近くにある震災遺構の「荒浜小学校」などで地元の住民などが集まり、開通を祝う式典を行うことにしています。


村井知事 汚染牧草すき込み謝罪
福島第一原子力発電所の事故で汚染された牧草を、大崎市にある県の畜産試験場が周辺の住民に説明することなく敷地内の土地にすき込んでいたことについて、村井知事は「住民に不安を与えてしまった」と謝罪したうえで、作業をいったん取りやめることを明らかにしました。
県畜産試験場によりますと、福島第一原発の事故で敷地内に汚染された牧草259トンが発生し、放射性セシウムの濃度はおととしの時点で1キログラムあたり93から313ベクレルと国の基準の8000ベクレルを下回っていました。
このため試験場は国の方針に従って、おととしと去年、およそ124トンを敷地内の土地にすき込みましたが周辺の住民に説明をしなかったことから、疑問や反発が強まっていました。
これについて村井知事は、17日の会見で、安全面で問題はなかったと強調したうえで、「住民に不安を与えてしまい、深くお詫びしたい。しっかり説明する必要があった」と謝罪しました。
そのうえで、汚染された残りの牧草の処理はいったん取りやめると説明しました。
さらに、周辺の地下水に影響が出ていないかなどを改めて確認し、住民の理解を得ながら、今後の処理を検討する方針を明らかにしました。


宮城県畜産試験場で汚染牧草すき込み 知事「深くおわびする」と陳謝
 宮城県畜産試験場(宮城県大崎市)が周辺住民に事前説明をせず、2017年から東京電力福島第1原発事故で生じた汚染牧草を場内にすき込む処理をしていた問題で、村井嘉浩知事は17日の定例記者会見で「県の予算で行った以上、私の責任。住民への配慮に欠き、深くおわびする」と陳謝した。
 住民から健康不安や試験場への不信の声が相次ぎ、試験場は8月に作業を中断した。すき込んだ場所の土壌や水質のモニタリングを外部委託する方針。
 村井知事は「(モニタリングを委託する)第三者機関の目も入れて結果を確認し、住民の理解を得た上で今後の処分方法を検討したい」と見通しを述べた。
 汚染牧草は全て場内で生じ、計約259トンに上る。4年間で処理する計画で、昨年までの2年間で計124トンをすき込んだ。
 牧草の放射性物質濃度は全て国の基準(1キログラム当たり8000ベクレル)以下で、17年にすき込んだ牧草は93〜313ベクレルと、すき込みできる国の暫定許容値(400ベクレル以下)も下回るという。


復興相、自主避難者支援巡る発言を修正 「当事者でない」→「責任持ち対応」
 田中和徳復興相は17日の閣議後記者会見で、東京電力福島第1原発事故に伴う自主避難者への支援を巡る復興庁の対応について「責任を持って、福島県と密に連携している」と述べた。「直接の当事者ではない」とした13日の発言を修正した形だ。
 田中氏は冒頭、自ら発言を切り出し、原発事故の被災者を支援する「子ども・被災者支援法」を所管しているとして「今後も避難者に寄り添った支援に取り組む」と強調した。
 福島県から東京都内の国家公務員宿舎に自主避難し、未契約で入居している5世帯に対し、県が明け渡しを求めて提訴する方針を決めたことには「直接の当事者でない復興庁として、コメントを差し控えたい」と言及を避けた。


<福島第1原発事故>東電旧経営陣の責任問う 強制起訴あす判決
 東京電力福島第1原発事故で、業務上過失致死傷罪で強制起訴された元会長勝俣恒久被告(79)ら東電旧経営陣の3人に東京地裁(永渕健一裁判長)は19日、判決を言い渡す。第1原発事故の刑事責任に関する初めての判断となる。災害予測に対する原発事業者の義務をどのように示すかも焦点だ。
 主な争点と主張は表の通り。(1)事故につながる大津波の襲来を予測できたか(2)安全対策を講じれば事故を防げたか−が争われた。勝俣被告のほか、ともに元副社長の武黒一郎(73)、武藤栄(69)両被告も起訴されている。
 東電は2008年3月、原発敷地南側に「最大15.7メートル」の津波が来るとの試算結果を把握。国の地震予測を踏まえた試算に、安全対策を義務付けるほどの十分な根拠があったと判断されるかどうかが有罪、無罪を分けるとみられる。
 検察官役の指定弁護士は「3人は津波襲来の危険性を知りながら、何一つ対策をしなかった」と指摘。「歴史上類を見ない大事故で、刑事責任は極めて重い」として、同罪の最高刑の禁錮5年を求刑した。
 弁護側は「地震予測は信頼性に欠け、大津波は予測できなかった」と反論。「仮に試算に基づく対策をしていても、実際の津波は全く異なる規模で事故は防げなかった」と述べ、3人の無罪を主張した。
 起訴状によると、3人は11年3月の事故発生前、東電役員として第1原発の運転や安全保全業務に従事。同原発敷地を襲う高さ10メートル超の津波を予測できたのに対策を取らず、事故で避難を強いられた福島県大熊町の双葉病院患者ら44人を死亡させたほか、原子炉建屋の水素爆発で自衛官ら13人にけがをさせたなどとされる。
 震災では最大15.5メートルの津波が第1原発を襲った。


<福島第1原発事故>除染廃輸送「安全第一に進めていきたい」 小泉環境相、4町長と懇談
 小泉進次郎環境相は17日、東京電力福島第1原発事故で大きな被害を受けた周辺4町の役場を就任後初めて訪ねた。除染廃棄物の中間貯蔵施設への輸送の安全確保といった要請を受け「安全第一に進めていきたい」と決意を語った。
 小泉氏は、指定廃棄物などの最終処分場が立地する福島県富岡町と、搬入路のある楢葉町、中間貯蔵施設が整備中の大熊、双葉両町の各町長と面会した。
 全町避難が続く双葉町がいわき市に置いている仮役場では、伊沢史朗町長と意見交換。小泉氏は終了後の取材で、廃棄物輸送に関し「(交通)事故が発生したと聞いている。課題の解決を進めていきたい」と語った。
 除染廃棄物を30年以内に県外で最終処分する方針については「県民との約束。守るよう全力を尽くす」と改めて強調。「(年齢から)約束を守れるかどうか見極められる可能性がある政治家だと思う。だからこそ果たせる責任もある」と話した。


台風被害把握の遅れ 情報の目詰まりの点検を
 台風15号によって深刻な被害を受けた千葉県で、1週間を過ぎても、11市町村が住宅被害について県に報告できていない。
 被害は報告のあった36市町を含め47市町村に上る見込みだ。ほぼ4分の1が未報告ということになる。
 未報告の自治体には、被害の範囲が広すぎて、長引く停電が解消するまで実態把握は困難だと訴えるところがある。そのほかに、被災者対応などで手いっぱいで、報告する余裕がない自治体もあるようだ。
 災害時の被害の情報は、行政がどこへどのような支援をすべきか検討するうえで不可欠だ。必要な支援が届いていない現場が日々新たに見つかる状況になってしまうと、対応が後手に回って現場は混乱する。
 なぜ、こんな事態になったのだろうか。
 台風通過の直後から多くの市町村は停電に伴う被災者対応に追われた。千葉県では災害時に市町村が専用の機器で被害を県に伝える仕組みになっているが、その入力要員すらいなくなった。
 県の「情報待ち」の姿勢が対応の遅れにつながった可能性がある。自衛隊に災害派遣要請をし、災害対策本部を設置したのは発生の翌日の10日で、職員を市町村に派遣したのはさらに2日たった12日だった。
 東京電力が当初、11日中の停電の全面復旧を目指すことを明らかにしたため、この甘い見通しが県の対応に影響を与えた可能性は否めない。
 だが、県は災害時マニュアルで「応援要請が困難な市町村には迅速に県職員を派遣する」と定めている。
 現場が混乱していることは明白だったのだから、市町村からの要請を待つことなく、積極的に職員を派遣するなどのプッシュ型の取り組みを進めるべきだったのではないか。
 早めに近隣の都県にも呼びかけ、機能不全に陥っている市町村への支援を仰ぐこともできたろう。
 電力事業を所管する経済産業省が停電被害対策本部を設置したのは13日で、政府の動きも鈍かった。
 被災地からの情報がスムーズに入らない時こそ、甚大な被害が起きているおそれがある。東日本大震災をはじめ過去の大災害で自治体も政府も学んだことであるはずだ。その経験を生かさなければならない。


千葉の台風被害 停電復旧に全力挙げよ
 台風15号による千葉県の広域停電は、9日の発生から1週間余りが過ぎた今も約6万戸で続く。
 厳しい残暑の中で冷房は動かず、水道も止まったままだ。熱中症で死者が出るなど被災者は命の危険にさらされている。
 停電復旧の見通しは二転三転し、全面復旧にまだ10日はかかるという。まさに異常事態である。
 政府や県の初動対応は鈍かったと言わざるを得ない。被害の深刻さに対する認識が甘かったのではないか。
 住宅被害は2万戸を超える見通しだという。次の3連休に大雨や台風に見舞われる恐れがあり、対策が急がれる。
 政府や自治体、東京電力など関係機関は、被災者の生活復旧に全力を挙げなければならない。
 被災地からは人的支援が足りないとの悲鳴が上がる。
 電柱の復旧や倒木の撤去が必要だ。屋根や外壁の補修やブルーシートを張る作業も急務だが、慣れない作業に転落事故が相次ぐ。
 自衛隊の増援に加え、他の自治体や関係機関からノウハウのある職員の派遣が求められる。
 建築材や家財道具など災害ごみも大量に出ており、ボランティアの力も欠かせない。
 電力が戻った地域で通電火災とみられる火事も起きており、注意を払う必要がある。
 学校はきのう再開したが、給食施設の被害も出ている。子どもたちの食事や衛生、心のケアにも十分気を配ってほしい。
 東京都の伊豆諸島や神奈川県など周辺地域でも被害は深刻で、支援が不可欠だ。
 今回、最大90万戸を超える停電が生じたが、政府や県の対応は後手に回った。
 政府が停電被害対策本部を設置したのは4日後で、防災担当相が本部長の非常災害対策本部は立ち上がっていない。県も停電で被害状況を把握できず、被災地に職員を派遣したのは3日後だ。
 安倍晋三首相は内閣改造を被災直後の11日に行う必要があったのか、大いに疑問だ。任務を把握している前閣僚の方が迅速に対応できたのは明らかだろう。
 1999年に小渕恵三内閣が、改造前日に茨城県東海村の核燃料工場で臨界事故が起き、改造日程を遅らせた前例もある。
 昨年の胆振東部地震で、道民は全域停電(ブラックアウト)を体験した。行政も道民もあらゆる災害を想定し、速やかに復旧するための手順を考えておきたい。


千葉で長引く停電 復旧にあらゆる手尽くせ
 台風15号による千葉県を中心とした広域停電は被災から1週間が過ぎても復旧していない。17日午後4時現在6万戸超の停電が続いている。地域によっては水道や通信なども停止したままだ。
 命に関わる問題である。東京電力(東電)、政府、千葉県などの自治体は一刻も早い全面復旧に向け、あらゆる手だてを講じるべきだ。
 9日朝に台風が千葉県を通過し、鉄塔2基が倒れるなど、大きな被害をもたらした。最大約65万戸が停電した。その後の復旧見通しは修正に修正を重ねている。初動段階で根拠が薄弱なまま見通しを立てたのだろう。
 固定電話はもとより携帯電話、インターネットもつながらなかった地域があり、被害の全容を速やかに把握することができなかったと思われる。本来なら、そのような事態に立ち至ったときの対処策を二重、三重に用意しておかなければならなかった。
 東電は、台風通過後の10日夜、翌日の11日朝までに停電戸数を約12万に減らし、11日中には完全復旧を目指すと発表した。ところが、その後は全面復旧を13日以降とし、13日夜になって、さらに27日までかかると再修正している。
 市民の不便、不安は計り知れない。ライフラインがまひすることで刻一刻と、市民は消耗を強いられる。命に関わる危険が差し迫っていることを片時も忘れてはならない。
 特に懸念されるのは、障がい者や高齢者、病人ら災害弱者だ。千葉県によると、停電が続く高齢者施設に入所する女性が12日に熱中症で亡くなった。熱中症が疑われる死者は3人に上る。福祉施設からの救急搬送も多数いるという。
 体の弱った人たちを空調の効かない環境に放置するわけにはいかない。早急に安全な場所へ避難させるべきだ。
 復旧に時間を要する事態を招いたことについて、東電側は13日、経験したことのない規模の倒木や伐木の修復に時間を要し、設備の損壊が多数に上ったことを挙げた。「台風の規模が今まで以上に大きかったことを考慮に入れず、過小な想定をしてしまった」と釈明している。
 「経験したことのない」というのは理由にならない。起こり得る災害への備えを怠った責任は重大だ。
 福島第1原発事故の甚大な被害は、あらゆる災害を想定しなければならないことを浮き彫りにした。その教訓が生かされていない。
 東電側からの要請を受け、沖縄電力も全面復旧に向け、応援要員を派遣している。沖縄での台風災害時に停電復旧に当たってきた知見を千葉で生かしてほしい。
 今月5日、宮古島では台風によって2万戸が停電した。県内でも電線地中化を進めるなど停電が起きないインフラ整備を進める必要がある。停電が発生したときには速やかに復旧できる災害に強いまちをつくらなければならない。


大規模停電 どこでも起き得る災害だ
 台風15号による千葉県の広域停電は発生から1週間以上たっても全面復旧に至っておらず、異例の長期戦となっている。水道などのライフラインの回復が遅れている地域もあり、市民生活に深刻な影響が続いている。
 停電地域では熱中症が多発し、死者も出た。被害の全容は依然明らかになっていない。一刻も早い停電の解消を目指すとともに、支援を加速させることが重要だ。復旧対応や情報発信の在り方などについて詳細に検証し、教訓として防災体制の強化に生かすことも欠かせない。
 9日に首都圏付近を通過した台風15号では、千葉県内で送電線の鉄塔2基が倒壊したのをはじめ、多数の電柱が倒れた。千葉を中心に茨城、東京などでピーク時に計約93万5千戸が停電した。
 停電復旧の見通しについて東京電力は当初、11日中の全面復旧を目指すと説明していた。だが至る所で電柱が倒れたり電線が切れたりした上、倒木で道路が寸断されて現場にたどり着くことが難しい場所もあるなど作業が遅れた。このため復旧見通しを度々修正し、大幅に先延ばしせざるを得ない事態となった。
 東電による当初の被害想定が甘かったと言わざるを得ない。油断を招き、関係機関による被災状況の把握が遅れたのではないかとの指摘も出ている。
 復旧作業が遅れている地域では、停電の解消が27日までずれ込む見通しとなっている。住民の身体的、精神的な負担は増すばかりだ。台風で壊れた家の屋根を修理する業者が不足し、必要な物資が十分に届いていないところもある。国や千葉県、自治体の情報共有と連携は、適切になされているのだろうか。
 今後の送配電設備の強化に向けては、電線の地中化も重要度が高まっている。地中化は1キロ当たり5億円を超す埋設コストなどがネックとなる一方で、低コストの工事手法も広がっている。着実に進めていくことが必要だ。
 近年、自然災害に伴う大規模停電が住民生活に深刻な影響を及ぼすケースが相次ぐ。昨年9月の台風21号では、関西電力管内で千本以上の電柱が折れ、延べ約220万戸が停電した。同じ9月に起きた北海道地震では、管内全域の約295万戸が停電するブラックアウトが発生した。
 今回の台風15号では、断水でトイレや風呂が使えなくなったほか、飲料水や、自家発電機に使うガソリンが不足した。携帯電話や固定電話が不通になる事態も起きた。生活基盤の多くを電気に頼る現代社会の脆(ぜい)弱(じゃく)性が改めて浮き彫りになった格好だ。
 地球温暖化で台風が大型化する傾向にあり、大規模停電は今後どの地域でも起こり得ると言えよう。そうした事態を想定し、設備の強(きょう)靱(じん)化、非常用電源の確保、備蓄の増強などハード、ソフト両面で備えを万全にしていきたい。


千葉被災地で窃盗相次ぐ 現金100万円被害も 悪質商法も発生か
 千葉県警は17日、台風15号の被災地で、停電中の店舗などを狙った窃盗事件が少なくとも11件発生したと発表した。一方、家屋修理などにつけ込んだ悪質商法と疑われる相談も8件寄せられている。県警は警戒を強めるとともに「さまざまな悪質商法の発生が予想される。勧誘の電話や訪問には慎重に対応し、おかしいと感じたら警察に相談してほしい」と呼び掛けている。
 県警生活安全総務課によると、被災地での窃盗事件は台風15号が上陸した9日から13日までに成田市で3件、木更津と袖ケ浦の各市でそれぞれ2件、千葉、鎌ケ谷、館山、山武の各市で1件ずつ、発生した。袖ケ浦市では10〜11日にかけて台風で出入り口が壊れた店舗から現金100万円以上が盗まれる事件があった。店舗のほか、工場や事務所、倉庫などから現金や草刈り機、発電機などが盗まれた。
 また、悪質商法に関する相談は16日までに8件寄せられた。内訳は、千葉、東金の各市でそれぞれ2件、松戸、君津、鴨川、茂原の各市で1件ずつ。このうち千葉市では10日、1人暮らしの70代女性宅に工事業者を装った2人組の男が訪れ、「屋根瓦が落ちている。修復作業をする」と提案。女性が「知人に頼んだ」と断ったにもかかわらず、男らは工事に取り掛かった。女性は代金として25万円を請求され、その場で全額を支払ったが、実際に修理されたかどうか分からないという。「市役所に依頼された調査だ」などとかたり、修理工事の契約を迫るケースもあった。
 県警は停電が続く地域など被災地での犯罪発生を防ぐため、警戒や注意喚起を強化している。同課の担当者は「被災地で犯罪が発生しないよう、啓発を一層進めていきたい」と話している。【宮本翔平】


もはや政治ではない…すべてを諦めた社会
★閣僚の顔ぶれを見ても、千葉県を中心とした台風災害の対応を見ても、この内閣の水準の低さを感じることが多い。自民党はいつから国民の気持ちを第一に考えなくなったのだろうか。さまざまなスキャンダルを内閣の一員が起こしても説明しない、混乱をわびるだけで本質については謝罪せず、貫き通す姿勢を誰も咎(とが)めなくなった。簡単に辞任させず内閣改造で交代させる手法をとるなど、責任の所在をあいまいにさせる政治を実践してきた結果だろう。★それは首相・安倍晋三の口癖でもある「責任は私にある。任命責任を含めて私にある」としながら、その恥ずかしい現実を聞き流すようになったからだ。森友・加計学園疑惑の関与者たちは、ほとぼりを冷ますように入閣するなど復権し、議事録を残さないという方針を固めて事実関係はすべて闇の中だ。骨のある閣僚はいないのかと探せば「所管外」を繰り返し、すべてはあいまいな政治を突き進める。★安全保障を声高に叫ぶものの、政権の言う安全保障は軍事的要因のことばかり。子どもの7人に1人が貧困という数字が抱える問題や、食品や作物の安全はなかなか優先されはしない。だが、国民は怒りの矛先を政権には向けない。選挙ではその矛盾に気付いた有権者が与党議員を落選に追い込むが、野党に期待が募るからでもない。いずれの政治家も国民から見れば物足りない、優先順位も違っている。以前の与野党の政治家には威厳と緊張感があったが、正義感と庶民感覚がなくなったと言えまいか。まもなく消費税がアップするが、数カ月の軽減策は複雑すぎて怒る気も起きない。すると財務相らは「増税前の駆け込み需要はない。だから反動減もない」と何も問題はないとの認識だ。さびたアンテナで政治を進める、それを批判する者もいない。これは政治ではない。すべてをあきらめた社会ではないか。

大阪府、大阪府立大と大阪市立大の学費を実質無償化へ
 大阪府は、大阪府立大と大阪市立大の学費を2020年度の入学生から実質無償化する方針を固めた。府立大工業高専の4、5年生も順次対象とする。
 府では、年収910万円未満の世帯が収入に応じて負担が軽減される私立高の授業料実質無償化を実施中。公立大でも910万円未満の世帯を対象に支援し、590万円未満の世帯は全額無償化とする。学生と父母ら保護者は、入学日の3年前から府内に住んでいることを条件とする。
 国は来年度から、低所得世帯を対象に大学や短大の学費を減免する制度を導入するが、夫婦と子2人(1人が大学生)の場合、年収約270万円未満が目安となるなどの所得制限が設けられ、対象は限られる。吉村洋文知事は5月の所信表明で、国の制度を不十分とし、「高等教育の無償化を目指したい」と導入に意欲を見せていた。【芝村侑美】


消費税10%目前…小売業に広がる「駆け込み減資」の珍現象
 10月からの消費税10%への引き上げを間近に控え、そもそも懐が寒い庶民の間では駆け込み需要に目立った動きが見られない一方、珍しい現象が起きている。企業の「駆け込み減資」が急増しているのだ。
 この機会にキャッシュレス決済の普及をもくろむ政府は、増税対策として、10月から来年6月までキャッシュレス決済時に2〜5%のポイントを還元する制度の実施を決定。これは売り上げの落ち込みが予想される中小企業の支援策を兼ね、ポイント還元制度の対象は「資本金5000万円以下または従業員50人以下」の中小事業者に限る。
 そこで、百貨店やスーパーなどの小売業を中心に資本金を5000万円以下に減らして「中小企業」になる事例が続出しているという。
「今年1月から8月で小売業の減資は471件が確認され、前年同期の286件から6割以上も増えました。18年は通年で434件、17年は424件だったので、今年はすでにそれを上回るペースです」(帝国データバンク東京支社情報部・赤間裕弥部長)
 一般的に、減資は資本金の取り崩しで累積損失を処理するために行われる。取引上の信用面でも大企業の方が有利な場合が多いが、あえて中小企業になるのは、政府のポイント還元制度の恩恵を受けるためだ。
 ポイント還元の原資は税金で、決済に必要な端末の設備投資にも補助金が出る。総額では2800億円の予算が組まれている。
■脱税にあたる可能性も…
「経営実態は大手の小売業が、制度の恩恵を受けるために帳簿上の減資で中小企業になるケースが全国で相次いでいる。中小企業には法人税の優遇措置もあります。減資に具体的な規則がないとはいえ、実態に合わない“偽装減資”は脱税にあたる可能性もある。制度適用のために減資して、ポイント還元が終わる来年7月以降に再び増資する企業も出てくるでしょう」(国税庁関係者)
 制度導入を決めた世耕前経産相は今年6月、「悪質な減資が行われた場合は申請時点にさかのぼって対象外にする」と話していたが、どうやって悪質性を判断するのか。ポイント還元制度なんて、混乱を招くだけの愚策だということは分かりきっていた。
 何から何までデタラメの消費増税は、今からでも中止すべきだ。


慰安婦被害者を描いた漫画 フランスで特別賞
【富川聯合ニュース】旧日本軍の慰安婦被害者、李玉善(イ・オクソン)さんの証言を基に描かれたキム・クムスクさんの漫画「草」(原題)がフランスの日刊紙「ユマニテ」が主催する漫画賞の審査委員特別賞を受賞した。韓国漫画映像振興院が18日伝えた。
 振興院によると、14日に第1回ユマニテ漫画賞の授賞式が行われ、受賞作が発表された。
 同漫画賞は年に1回、人間の生と人権を扱った漫画作品を選定するもので、今年創設された。大賞と審査委員特別賞の2部門が用意された。
 大賞はフランス革命を扱った漫画「革命」が選ばれた。
 「草」は悲劇的な歴史の中で人権活動家として生きてきた一人の女性を、李さんの証言を基に描いた。
 同賞の審査委員は、この作品について、16歳で性奴隷として売られ、60年後に韓国に戻ることができた李さんの人生や、1940年代の韓国社会の状況がよく表現された作品と評価した。
 作者のキムさんは、「このようにおぞましいことが繰り返されないことを願い、秘密にしておきたかった話をしてくれた李さんに感謝したい」とし、受賞について「個人としての光栄を越え、世界の人々に辛い歴史の真実を知らせるという点で大きな意味がある」とコメントした。
 「草」は2016年に韓国の創作漫画コンテストで最優秀賞に選ばれた作品でもある。英語、フランス語、イタリア語、日本語など7カ国語に翻訳され、海外で出版された。


タワマン規制  まちの変化見届けたい
 東京や大阪などでタワーマンション(タワマン)を見上げると、繁栄の象徴のように感じられる。ところが、その建設を規制しようという動きが出てきた。
 神戸市が、中心部ではタワマンを建てられなくする条例改正を行った。来年7月の施行を予定している。
 市内にタワマンが林立するようになれば、人口減社会にあっても人口増が期待できるのに、なぜ規制しなければならないのか。
 タワマンについて法的な定義はないが、不動産業界などでは20階建て以上の集合住宅をそう呼んでいる。高さ60メートル以上の建物を「超高層建築物」といい、階数にすると20くらいになるからだ。
 1997年の規制緩和で、階段やバルコニーといった共用部分を容積率に含めなくてもよくなったことなどを受けて、都心部や鉄道沿線で急増した。
 一方で、周辺住民の生活環境への影響、インフラや公共施設の整備、災害時の孤立化などに、どう対応するのか、課題もある。
 神戸市では、2011年のピーク時には154万人を超えていた人口が、現在は152万人台に落ち込んでいる。大型なものでは、1棟に千戸以上もあるタワマンの建設は、人口減少への有効な対策となりうる。
 それが今回の条例改正では、繁華街のJR三ノ宮駅南側の22・6ヘクタールにおいて、一戸建てを含む住宅建設を原則禁止とする。また、JRの新神戸駅や元町駅などを含む周辺の292ヘクタールでは住宅用建物の容積率を制限し、高層マンションはほぼ建てられなくなる。
 子育て世帯の流出を防ぐ目的で、京都市が一部地域で進める高さ規制や容積率の緩和とは、真逆ともいえる施策だ。
 都心には商業施設やオフィスを誘導し、就業人口を増やす狙いがあるという。そのことで、市北部など郊外の人口が、これ以上減らないようにする。
 タワマンが増えなければ、異国情緒のある町並みや、六甲山の眺望も守りやすいだろう。
 市全体のバランスを考慮して、過度な都心集中を避ける新たな流れとなるのかもしれない。
 これに対し、都心に居住したい郊外の住民が近隣都市に移ってしまい、人口減を招くので、逆効果だとする指摘もある。
 神戸はいうまでもなく、京都はじめ他の政令市などは、規制の効果とまちの変わりようを、しっかりと見届けておきたい。

JR淡路で待ち合わせ/イタリアン→シードル/D記念日

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Coupe du monde : toutes les équipes sont au Japon
Les 20 sélections participant à la Coupe du monde de rugby (20 septembre-2 novembre) sont désormais au Japon, après l'arrivée lundi de l'équipe des États-Unis.
Elles sont désormais toutes au Japon, prêtes à en découdre. Le président du Comité d'organisation de la Coupe du monde Akira Shimazu a confirmé lundi que les 20 équipes participantes au Mondial avaient enfin posé leurs valises dans l'archipel suite à l'arrivée de l'équipe américaine. À quatre jours du match d'ouverture entre le Japon et la Russie à Tokyo, les joueurs US ont débarqué à Okinawa où leur armée nationale possède encore une base militaire.
Un tiers des équipes se préparait lundi à Tokyo ou dans sa région : le Japon, la Russie, la Nouvelle-Zélande dans la capitale, l'Irlande et l'Afrique du Sud à l'est (Chiba), l'Australie et la France à l'ouest (Odawara et Fujiyoshida).
Bain de foule pour les Gallois
Trois équipes sont actuellement basées dans le nord de Honshu, l'île principale (Uruguay, Samoa et Argentine), trois dans le centre du pays (Italie, Namibie, Géorgie), deux dans l'île septentrionale de Hokkaido (Fidji, Tonga) et trois dans l'île méridionale de Kyushu (Angleterre, Ecosse, Galles). Les Canadiens sont à Nagato (ouest). Les Gallois se sont eux entraînés devant une foule de 15.000 supporters à Kitakyushu.
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フランス語の勉強?
山添 拓@pioneertaku84
汚染水の海洋放出を大阪でと煽る松井氏。
「処理水は海の環境や人体に影響ない、ただの水」などと言うが、「処理」されたはずの水の8割以上にトリチウム以外の放射性物質も国の基準を超えて残っていたことが判明。経産省も検討中の問題であり海洋放出するような状況にはない。


そうじがなかなか進まないのですが,時間がきました.JR淡路に行きます.トイレがないので近くのアカシヤ.
久しぶりですが小学校の前を通ります.部屋が汚れているので「えぇっ〜」という感じでしたが.
晩ごはんはイタリアン.コーンスープがおいしくピザもおいしかったです.帰りにシードルを買って2人で飲みました.
D記念日です.

ひっつみで大槌を発信 震災でつながった「よそ者」着目 新しい味 住民と考案
 岩手県大槌町で、同県の郷土料理の「ひっつみ」をPRして町を売り出そうという取り組みが始まった。東日本大震災を機に町内で活動する料理編集者や建築家が「よそ者」ならではの視点で伝統食に着目した。飲食店や町を巻き込み、創作料理の考案や冊子作りが進む。
 小麦粉を練って作った生地を手で引きちぎるひっつみは「まるで東北のショートパスタ。おいしいし、面白い」。こう語るのは東京の料理編集者ツレヅレハナコさんだ。
 昨年、町の一般社団法人「コレレ」の招きでひっつみを取材し「和、洋、中とどんな料理法にも合う。冷やしてもいいし、甘くしてもいい」と感動。粉の種類、生地の厚さや形状の違いで食感が変化し、可能性を感じるという。
 「岩手では家庭料理のイメージが強過ぎるのか、ひっつみで地域おこしという話は聞かない。今なら大槌がひっつみの町になれる」と建築家の坪谷和彦さん(46)も賛同する。コレレ理事で、横浜市で建築事務所を営む傍ら、町にも拠点を置く二地域居住で復興支援を続けている。
 独自メニューの考案を町内の飲食店や宿泊施設に呼び掛けたところ、20店以上が協力を申し出た。町も関心を示し、ひっつみを紹介する冊子の作成事業費を予算化した。
 8月下旬にあった試食会では、ハナコさんらが「クレソンのジェノベーゼ風」「新巻きザケとシイタケのみそクリーム」などひっつみを使った約10品を披露。冷やしてソフトクリームやコーヒーゼリーとあえた斬新な料理も登場した。
 キノコのコンソメ仕立てを考案して好評を博した「割烹(かっぽう)岩戸」の佐藤剛さん(50)は「町が元気を取り戻す起爆剤になってほしい」と取り組みを歓迎する。
 各店はメニューが決まり次第、提供を始める。冊子は本年度中の発行を予定している。坪谷さんは「長期的な取り組みで定着させたい。スタンプラリーやグランプリも開きたい」と話す。連絡先はコレレ080(1065)0069。


復興祈り 迫力の舞 石巻・雄勝法印神楽を奉納 仙台・秋保神社で例大祭
 仙台市太白区の秋保神社の例大祭が16日あり、国指定重要無形民俗文化財の雄勝法印神楽(石巻市)が初めて奉納された。同神楽保存会の会員が東日本大震災からの復興などを祈り、厳かに舞を披露した。
 雄勝法印神楽は、600年以上の歴史があるとされる。震災の津波で道具が流出して存続が危惧されたが、寄付などの支援を受けて震災後も継承されている。
 保存会は例大祭で、古事記や日本書紀を題材とした演目を披露した。日本武尊(やまとたけるのみこと)の大蛇退治の場面では、会員が舞台の天井に組んだ柱の上に立ち、観客から大きな拍手が送られた。
 神楽の上演を依頼した秋保神社の宮司高山晃和さん(50)は「秋保の皆さんに雄勝法印神楽を見てもらいたかった。震災後も受け継がれている舞に迫力を感じた」と話した。


太陽光の「卒FIT」/電気の使用を考える機会に
 一般の住宅で普及が進む太陽光発電。この余剰電力の買い取りは2009年11月に始まり、12年から「固定価格買い取り制度」(FIT)に移行する形で行われていたが、ことし11月以降、10年間の契約が順次終了する。
 いわゆる「卒FIT」だ。太陽光設備の設置世帯では契約終了後、設備をどう活用していくか。それを考えるいい機会となるはずだ。
 東北6県に新潟県を加えた東北電力管内では、2009年11月までに家庭用の太陽光設備を設置した3万2000件、約12万4000キロワットの設備がことし11月で契約期間を終える。その後、28年度までに18万5000件、84万7000キロワットまで増える見通しだ。累計では、一つの火力発電所分ほどに相当する。
 導入当初の固定買い取り価格は1キロワット時48円だった。導入コストが下がるとともに価格も段階的に下がっており、19年度は26円になっている。この買い取り費用の一部は電気料金に上乗せされている「賦課金」だ。
 「卒FIT」といっても制度自体がなくなるわけではない。新築住宅などの場合はこれまで同様、新規で10年の契約はできる。
 太陽光発電設備の耐用年数は20年から30年とされる。契約終了後も発電は可能だ。ただ、契約終了後、賦課金の上乗せもなくなった売電価格は大幅に下がる。今回の「卒FIT」をビジネスチャンスとして、多くの事業者も買い取りに参入している。
 対象となる世帯には6月頃から順次、東北電力が契約終了の通知を送付している。そのままなら、引き続き同社との契約継続となるが、新たな事業者に契約を切り替えて売電することも可能だ。
 東北電力の買い取り価格は1キロワット時9円。事業者の中には7円台もあれば、条件を付して10円を超える価格を設定しているところなどもある。
 資源エネルギー庁では「卒FIT」に向けて「どうする?ソーラー」というサイトを特設。事業者の紹介などを含め、契約終了後の円滑な移行を期す。
 サイトでは、「契約満了後、0円買い取りになる」などと例外的なケースを強調して契約を迫ったり、蓄電池のリースや購入などを求めたりする悪質なセールスの例を挙げ、注意を喚起している。
 東日本大震災の際にとどまらず、今回の台風でも、広範囲で長時間停電する被害が発生した。「卒FIT」に際しては、各社が単純な買い取りにとどまらず、蓄電池をリースして防災に役立てられるメニューなども提案している。
 「各家庭で電気の使い方を改めて考えながら、事業者を選んでほしい」と同庁。この10年で家族構成が変わり、電気の使い方が変化した世帯も当然ある。単に売電価格にとらわれず、ライフスタイルに合った選択も考えたい。


松井・大阪市長「汚染処理水の受け入れ」可能性に言及
 大阪市の松井一郎市長(日本維新の会代表)は17日、東京電力福島第1原発の汚染水処理を巡り、「処理済みで自然界の基準を下回っているのであれば、科学的根拠を示して海洋放出すべきだ」と発言し、大阪湾での処理水の受け入れもあり得るとの認識を示した。吉村洋文・大阪府知事も同調し、放出となれば府として協力する考えを明かした。
 松井市長は記者団の質問に答え、東日本大震災による震災がれきを大阪で受け入れた実績を引き合いに、「(大阪が協力する余地は)ありますよ」と述べた。さらに「科学者が入る検討委員会で全く影響がないと明らかにし、丁寧に説明して政治家が決断すべきだ」と持論を展開した。
 吉村知事も同日の定例記者会見で「国が正面から取り組まないといけない課題」と指摘し、「政治家が腹をくくって国民に説明して、やらないと先送りされていく」と述べた。さらに小泉進次郎環境相が率先して取り組むべきだと主張し、「現実に放出となれば僕は協力する」と話した。【矢追健介、津久井達】


福島処理水安全なら大阪放出協力
福島第一原子力発電所にたまり続けている放射性物質のトリチウムなどを含む水の処分について、大阪市の松井市長は、記者団に対し、環境への影響がないことが科学的に確認できれば、大阪湾への放出に協力する考えを示しました。
福島第一原子力発電所にたまり続けている、放射性物質のトリチウムなどを含む水の処分について、原田前環境大臣は、先週、「海洋放出しか方法がない」と述べました。
これについて、大阪市の松井市長は17日、大阪市役所で記者団に対し、「未来永ごうタンクに水をとどめおくことは無理なのだから、処理をして、自然界レベルの基準を下回っているものであれば、科学的根拠をきちんと示して、海洋放出すべきだと思っている。まずは政府が国民に丁寧に説明をして決断すべきだ」と述べました。
そのうえで、松井市長は、記者団が、「海洋放出に大阪として協力する余地はあるのか」と質問したのに対し、「持ってきてもらって流すのであれば協力する余地はある。科学的にだめなものは受け入れないが、まったく環境被害のないものは国全体で処理すべき問題だ」と述べ、環境への影響がないことが科学的に確認できれば、大阪湾への放出に協力する考えを示しました。
さらに松井市長は、「政府は、科学者を入れた検証委員会を早急に作って、自然界レベル以下だということを科学的根拠をもって、はっきり示してほしい」と述べました。
【兵庫知事 慎重な検討が必要】
松井市長の発言について、大阪湾に県の一部が面している兵庫県の井戸知事は、17日の定例の記者会見で、「汚染水対策に対してほかの地域も協力すべきだということを松井市長らしい言い方でされたのではないか。汚染水の保管がそろそろ限界にきており、1つのアイデアだと思う」と述べました。
一方、井戸知事は、「水産業にとっては致命的な風評被害をもたらす可能性があり、非常にデリケートな問題で、代替策がないのかも含めてしっかりと検討して結論を出す必要がある。私はそこまで踏み切った結論をいまの段階で出せない」と述べ、慎重な検討が必要だという考えを示しました。


JOC理事会 非公開では信頼保てぬ
 日本オリンピック委員会(JOC)理事会が非公開で開かれた。一部人事案件を除き、発足以来初めてのことだ。五輪招致の贈賄疑惑も解明されない中、不信を深める措置と言わざるを得ない。
 6月に会長に就任した山下泰裕氏が提案し、理事24人のうち19人が賛成した。公開の場では話せないことが多いという。内向きとしか言いようがない理屈だ。
 スポーツ界では競技団体を舞台に、不正流用やパワハラなどが相次いだ。閉鎖的な体質や透明性の欠如が、不祥事の温床となったことを忘れてしまったのだろうか。
 公正さと公平性を担保するには外部の目が欠かせない。JOCは速やかに非公開の決定を撤回し、誰もが理事会の議論を共有できる態勢構築に力を入れるべきだ。
 JOC理事会は、事業計画や予算を承認する重要な意思決定機関だ。選手強化や市場動向調査などの方針を決める過程が非公開とあっては、競技関係者はもちろん、幅広い国民の理解は得られまい。
 JOCは国の補助金を受給し、理事には各競技団体の幹部らが名を連ねる。極めて公益性が高い。非公開でなければ、議論ができないという主張は理解に苦しむ。
 山下氏は表に出せない情報も理事間で共有したいと説明する。そこまで高度に機密保持が求められる情報とは一体何なのか。根拠を示さず議論の活性化を訴えるだけでは、説得力を欠く。
 スポーツ庁は6月、中央競技団体に対し、情報開示による透明性確保など守るべき規範を示した。統括する立場にあるJOCが範を垂れるどころか、逆行する方針を示すとは驚きを禁じ得ない。
 理事会では、決議内容は原則開示するものの、審議やJOCの利益が害される場合などは除くことも決まった。その判断が適切かどうか誰がチェックするのか。
 JOCは議事録の公開で透明性を保つという。都合の悪いことが伏せられることはないか。疑念を払拭(ふっしょく)するためにも、外部の目で検証する仕組みが不可欠だろう。
 東京五輪を巡っては、竹田恒和前会長が贈賄疑惑でフランス捜査当局の捜査対象となっている。JOCの調査は、身内の聞き取りだけで結論を出す不十分なもので、疑惑が晴れたとは言いがたい。
 ロス五輪柔道金メダリストの山下氏は会長就任時、スポーツ界の信頼回復に取り組むと意欲を示した。消極的な姿勢で「指導」を取られるようなことがあっては、その道は険しいものになる。


五輪主催国ってやり放題?
★内閣改造後の政権のお粗末ぶりは来年のオリンピック(五輪)で大輪の花を開かせるためにはマイナスに働くだろう。台風による大規模停電やそれに伴う列車の遅れ、断水の被害がもし五輪の最中ならと頭をよぎった国民は多いかもしれないが、初動から被害を甘く見ていた官邸の判断ミスや、20年東京オリ・パラ組織委員会が「旭日旗は日本国内で広く使用されており、旗の掲示そのものが政治的宣伝とはならないと考えており、持ち込み禁止品とすることは想定していない」と判断したことを受け、新五輪相・橋本聖子は「旭日旗が政治的な宣伝になるかということに関しては、決してそういうものではないと認識している」と政府も容認するという立場を示した。★こうなると火種を自ら作っているとしか思えないが、08年8月の北京五輪では北京の日本大使館が「安全の手引き」を作成。「中国では競技場やイベント会場で政治・民族・宗教的なスローガンや侮辱的な内容を含む旗や横断幕等を掲げることは禁じられています。また、過去の歴史を容易に想起させるもの(例えば「旭日旗」)を掲げるとトラブルを生じる可能性があります」と明記している。★ところが、組織委員会と五輪相が「旭日旗は広く使われている」などとお墨付きを与えるものだから、15日にはさっそく政治団体が東京都錦糸町で旭日旗を掲げたデモを行った。政府はこれらを「広く使われている」としているのだろうか。確かに明治以来、軍旗や軍艦旗に用いられ陸自や海自が引き継ぐ形になっているが、それを韓国や北朝鮮は「戦犯旗」と反発して批判されている。ついこの間までは世界の中の日本を意識してきた日本だが、五輪主催国はやり放題と思っているのか。寛容なのか鈍感なのか、井の中の蛙(かわず)は世間知らずか。

柏崎刈羽原発 姑息な東電の再稼働案
 あまりの厚かましさにあぜんとさせられる。
 東京電力が、新潟県の柏崎刈羽原発の7基について「6、7号機の再稼働後、5年以内に1〜5号機の廃炉も想定したステップを踏む」との方針を表明した。
 地元・柏崎市の桜井雅浩市長は、原子力規制委員会の審査に合格した6、7号機の再稼働を認める条件として、残る5基の廃炉計画を提出するよう求めていた。
 その回答がこれだ。廃炉に渋々言及したものの、実行の言質は与えずに「まず再稼働を」と地元に迫る内容である。
 福島の悲惨な事故への反省はあるのか。地元の要望に真正面から向き合おうとしない東電の姿勢は姑息(こそく)で、不信感を禁じ得ない。
 柏崎刈羽原発は2007年の中越沖地震の際、放射性物質が原発の外に漏れ出すなど大小50件のトラブルが発生した上、東電から行政への報告が遅れ、地元住民を不安に陥れた。
 福島事故後の新規制基準の下で6、7号機の審査が行われていた17年には、東電が免震重要棟の耐震性不足を規制委に報告していなかったことも発覚している。
 こうした中で2基の審査に合格を出した規制委に対し、住民から「拙速だ」との批判の声が上がったことを忘れてはならない。
 そもそも福島の過酷事故を起こした東電が再び原発を動かすことが許されるのだろうか。桜井氏が示した7基中5基の廃炉という条件でも甘すぎるぐらいだ。
 なのに東電は「1〜5号機は現時点で必要な電源」と回答し、青森県の東通原発や千葉県の洋上風力発電など非化石燃料の代替電源を確保する、といった廃炉検討の条件を逆に突き付けた。
 これでは、なるべく廃炉はしないと言っているのも同然である。
 福島の事故後に実質国有化された東電は、2年前に国とともにまとめた経営再建計画に、柏崎刈羽1〜5号機を段階的に再稼働させる方針を盛り込んでいる。
 政府のお墨付きを得たと受け止め、「再稼働するのが当然」と勘違いしていないか。
 東電は福島第1原発の廃炉や賠償を進めるために毎年5千億円の営業利益が必要だとする。
 福島の復興を遅らせてはならないが、そのために他の原発を動かすという理屈は、国民の感覚とずれている。
 国と東電は本年度中に見直す予定の再建計画で、再稼働に頼らぬ経営の在り方を打ち出すべきだ。


防衛費増大/一体どこまで膨らむのか 
 財務省がまとめた2020年度予算の概算要求で、防衛費は総額5兆3223億円と過去最大に膨れ上がった。
 最終的な予算額も過去最大を更新する可能性が高い。そうなれば、第2次安倍政権の発足以来、8年連続の増額となる。
 予算の総額も年々、増大しており、多額の借金に頼るやりくりに変わりはない。今年は消費税増税の影響も不安視され、景気対策に財源をあてる。
 国の台所事情は火の車だ。なのに防衛費は一向に歯止めがかからない。「聖域化」が進めば財政規律を弛緩(しかん)させ、予算のバランスを崩す恐れがある。とても健全な姿とは言い難い。
 とりわけ目を引くのは自衛隊の増強に向けた支出である。
 政府は海上自衛隊の護衛艦「いずも」を事実上空母化するため、甲板などの改修費を計上した。併せて同艦に搭載する米国製の最新鋭ステルス戦闘機F35を6機購入するため、計877億円を盛り込んだ。
 政府はF35を将来的に計147機保有する計画で、今回計上されたのはその一部である。
 防衛省が秋田、山口両県を配備候補地とする地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」は、地元の反発にもかかわらず、垂直発射装置の取得などに122億円を掲げた。
 米国製装備品は、米側の提示額を受け入れる「対外有償軍事援助」で調達する。いずれ国民負担となるが、トランプ米大統領が購入要請を強める中、今回も5千億円を超えた。4年前の2倍以上の額である。
 さらに宇宙などの防衛力強化のため自衛隊に「宇宙作戦隊」や「電子戦部隊」を設けるなど、全体に大盛りの内容だ。
 要求の中には米軍再編経費など金額を示さない「事項要求」も含まれており、さらなる増額につながる要素もあるという。一体どこまで膨らむのか。
 米国や中国などが宇宙開発などでしのぎを削る中、新たな国防の備えは必要だろう。だが力で対抗する姿勢には「専守防衛」を逸脱する懸念が募る。
 そもそも青天井の要求に応えるような「打ち出の小づち」などどこにもない。もうそろそろ「平和国家」としての節度ある姿を取り戻すべきである。


マイナンバーカード ポイントでは定着しない
 国民一人一人の番号が記載されたマイナンバーカードを普及させようと、政府は新たなポイント還元策を来年度中に導入すると決めた。
 カードを持っている人がスマートフォンのアプリで買い物のお金をチャージすると、国費でポイントを上乗せする。入金2万円に対してポイント5000円分をつけることを軸に検討する。還元率は25%と破格の高い比率だ。
 カードは身分証明書に使え、役所の手続きを簡単に済ませられる。行政事務の効率化にも役立つ。
 だが制度開始から3年半以上経過したのに交付は1700万枚余りで普及率は14%にとどまる。政府は来年7月には3000万〜4000万枚へと一気に増やしたい考えだ。
 とはいえ、高額のポイントで広めようというのは理に合わない。
 政府が昨年行ったアンケートで、国民が使わない理由として多く挙げたのは個人情報流出への不安である。ならば丁寧な説明や対策の強化で不安解消に努めるのが筋だ。
 幅広く利用されるには、信頼される制度として社会に根付く必要がある。ポイントで人為的に増やしても国民の理解は広がらないだろう。
 消費増税に伴う景気対策の役割を持たせているのも無理がある。
 政府が行う別の景気対策が来年6月までに終わるため、その後の消費を支える狙いがある。4000万枚に5000円ずつ還元すれば、総額2000億円の巨額事業となる。
 だが増税の目的は、国の膨大な借金を減らし、負担先送りに歯止めをかけることである。大盤振る舞いするのは本末転倒だ。
 さらに問題なのは、キャッシュレス決済を推進しようとスマホなどの利用を条件としたことだ。高齢者らはスマホになじみが薄い。カードの普及を図るなら、人口の多い高齢者への浸透が欠かせないはずだ。
 目的の違う政策を強引に一緒にしたから矛盾が生じるのではないか。
 そもそもカードで利用できる行政手続きは、コンビニでの住民票発行などまだ限られている。
 政府は来年度末には健康保険証として使えるようにする準備を進めている。定着に必要なのは、ポイントよりも、利用できるサービスを拡大し国民の利便性を高めることだ。


軍事研究の公募 制度の見直しが必要だ
 国立天文台が軍事応用可能な基礎研究の公募制度に応募するかどうかで揺れている。防衛省が四年前から始めた制度だが、応募が減少し、今年は再募集するほどで、曲がり角を迎えている。
 防衛省は二〇一五年度に安全保障技術研究推進制度を創設した。近年、軍民両用技術が広がり、大学などの研究者と研究成果を取り込むのが狙いだ。
 しかし、戦争の反省から一九五〇年に日本学術会議は「戦争を目的とする科学の研究は絶対にこれを行わない」という宣言を発表。同制度についても、懸念を表明する声明文を公表した。「応募しない」と決めた大学も少なくない。
 天文台も三年前に教授会議が同制度に「応募しない」と決めた。だが、七月の教授会議で執行部が方針の改定案を示したことが、本紙の報道で明らかになった。
 同制度はスタートの二〇一五年度は予算三億円で、百九件の応募があったが、翌年は予算六億円で四十四件に激減。一七年度から予算は百億円超になったが、応募は百四件、七十三件、五十七件と減少傾向が続く。中でも最大で五カ年、二十億円の研究費が付く大規模研究課題は本年度、大学や公的研究機関からの応募はゼロ。防衛装備庁はウェブサイトで、二次募集を始めた。
 サイトには研究成果の概要も紹介されている。一七年度終了の研究課題十一件を見ると、総額で一億円を超えるものが六件あるが、論文の発表実績は一件が三課題、ゼロが五課題もある。
 財務省は論文の生産性という言葉を使って大学の研究費を抑え、研究テーマや配分先の選択と集中を図っている。その論理からすれば、安全保障技術研究こそ、見直すべきだろう。
 天文学は基礎研究の最たるものだ。今年一番の成果は四月に発表されたブラックホールの写真である。南極大陸や南米チリなど世界の八つの電波望遠鏡が連携して成功した。記者会見は世界同時で、日本でも行われた。
 今月初めには米IT企業の創業者らが創設したブレークスルー賞(賞金約三億円)の受賞が決まった。受賞者の中には国立天文台の本間希樹教授ら日本人研究者約二十人が含まれている。国際的な研究で主役を務めることも重要なことではないだろうか。
 安全保障研究予算約百億円を文部科学省の研究費増に充てる。そうした政策の切り替えが必要だ。


台風15号広域停電 一刻も早い全面復旧を
 台風15号の直撃による千葉県内の広域停電は発生から1週間が過ぎた。依然7万戸余で電気のない生活を強いられている。停電の影響で断水や通信障害が発生。エアコンが使えなくなった施設で熱中症で亡くなった高齢者もいる。東京電力は、一刻も早く全面復旧を実現しなければならない。
 15号は9日未明に千葉市付近に上陸し、最大瞬間風速57メートル超を記録した。首都圏は鉄道の運休が相次ぎ、大混乱した。千葉県内では高圧線の鉄塔2基が倒れるなど、送配電網に被害が広がった。千葉を中心に7都県で最大約93万戸が停電した。
 東電は当初、11日中に全面復旧するとしたが、その後何度も見通しを修正。27日までの復旧を目指すとしている。電柱、電線の被害が想定を大きく上回った上に、倒木などのため現場にたどり着くのが難しい場所があるからだという。
 東電が早期復旧の見通しを示したために政府や関係機関に油断が生じ、被害状況の把握が遅れたのではないかとの指摘がある。初動時の正確な情報収集は災害対応の基本であり、「想定外」で済む話ではない。内閣府は10日に情報収集の先遣チームを千葉県庁に送ったが、停電などの被害が発生した9日のうちに派遣すべきで、対応が遅かったと言わざるを得ない。
 気掛かりなのは、入院患者や高齢者など災害弱者の置かれた状況だ。医療機関や福祉施設で停電が続き、これまで3人の高齢者が熱中症の疑いで亡くなった。人工透析が必要な患者の多くは、かかりつけの病院で透析を受けられなくなった。人命に関わる問題であり、電源車の配置を急ぐなどして危険を回避するべきだ。
 停電した地域では通信設備の非常用電源が不足し、固定電話3万回線以上が不通となった。インターネット回線は使えず、携帯電話はつながりにくくなった。一部では県と市町村の連絡が十分に取れない事態も生じた。そのために、被害が拡大したとすれば重大な問題である。
 大規模停電と復旧の遅れの要因を徹底検証しなければならない。二度と同じ事態を繰り返さないことが肝要である。
 電柱は風速40メートルまで耐えられる強度が求められているが、15号の暴風はそれを上回った。鉄塔や電柱などの強度を見直すことが必要だ。災害に強い送配電網を作る上で、電柱をなくし、電線の地下埋設を進めることが最も有効である。コストは高くなるが、長期的な計画を立て、着実に取り組みたい。
 本県では2012年4月、台風並みに発達した低気圧のために強風が吹き荒れた。各地で鉄筋コンクリート製の電柱が倒れるなどして、9万8千戸が停電した。昨年3月にも強風により、4万8千戸超が停電する被害があった。千葉や首都圏の教訓を、本県の防災、減災対策に生かさなければならない。


[千葉の大停電] 台風の備え徹底検証を
 台風15号による千葉県の広域停電は、発生から1週間たっても数万戸が復旧せず異例の長期に及んでいる。
 停電に加えて水道や通信といったライフラインが途絶えた地域も多く、猛暑の中、熱中症で病院に搬送される人が続出。亡くなるお年寄りも出るなど被害が深刻さを増している。
 台風による直接の被害を免れながら、その後、厳しい生活環境を強いられ命を落としたことが残念でならない。一日も早い復旧を願う。
 東京電力パワーグリッドは当初3日目の全面復旧を目指すと公表したが、先延ばしを繰り返し、見通しの甘さが露呈している。事前の備えや災害後の対応に問題点はなかったか徹底検証し、今後の防災に生かしたい。
 台風15号は、千葉市で最大瞬間風速57.5メートルを記録するなど首都圏に上陸した台風としては最強クラスだった。送電線の鉄塔2基が倒れたほか多数の電柱が倒壊や損傷し、7都県で最大90万戸以上が停電した。
 送電線をつなぐ鉄塔が倒れただけなら迂回(うかい)して送電も可能だが、電柱の倒壊や倒木がおびただしい数に上り作業が追いつかない。電力各社の応援派遣など1万6000人態勢で修復に当たっているが、現場にたどり着くのが困難な場所もあり時間を要している。
 暴風によるインフラ破壊がこれほど拡大するとは電力会社にとって予想外だったに違いない。それだけ、台風が強力だったということだろう。
 ただ、近年は接近する台風の勢力が強まっている。昨年9月の台風21号では関西電力管内で千本以上の電柱が折れ、延べ約220万戸が停電。同月に鹿児島県に接近した24号では奄美群島を中心に一時20万9000戸が停電した。
 今後もこうした事態が頻発することも予想され、鉄塔や電柱の強度を見直すなどの対策が必要だ。電線の地下埋設も有効だろう。低コスト化を進め全国で整備を急いでほしい。
 長引く停電や断水による生活への影響が広がっている。暑さの厳しい室内を避けて、車のエアコンをかけて夜を明かす被災地住民の姿に心が痛む。とりわけ、入院患者やお年寄りら災害弱者の置かれた状況は深刻だ。医療機関や福祉施設に電源車を配置するなど最大限の支援が求められる。
 さらに通信設備の非常用電源不足で電話やインターネットなどに障害が発生し、住民が不安を募らせている。
 全国規模の送電設備総点検は待ったなしだ。併せて、ライフライン途絶を想定した自衛策も欠かせない。懐中電灯や携帯ラジオ、飲料水を用意したり、風呂に水をためて生活用水を確保したり、平常時から考えておきたい。
 台風シーズンはまだ続く。進路予想などの気象情報を的確に把握し、災害に備えることが重要である。


台風で大規模停電 徹底検証で備え固めよ
 首都圏を直撃した台風15号がもたらした大規模停電によって「電気」と「水」を絶たれ、千葉県を中心に被害が深刻さを増している。直後の猛暑も重なり、エアコンを使えない家屋内で十分な水分補給もままならず、熱中症で病院に搬送される人が続出した。亡くなったお年寄りもいる。被災地への物資の供給も遅々として進んでいない。
 千葉県君津市で9日に送電用の鉄塔2基が倒壊。各地でも電柱がなぎ倒されて電線が損傷したため、千葉など7都県で停電は最大90万戸以上に及んだ。東京電力は当初、11日中の全面復旧を目指す計画を公表したが、設備の損害が大きく、16日夕現在、なお約7万4千戸で停電が続いている。
 これまで首都圏で大きな台風被害はめったになかった。しかも河川の氾濫や土砂崩れなどではなく、暴風によるインフラ破壊により被害がこれほどまで拡大するのを予想するのは難しかっただろう。ただ近年、地球温暖化の影響もあって台風の勢力は強まっている。昨年9月の台風21号でも、関西電力管内で千本以上の電柱が折れ、延べ約220万戸が停電した。
 この時は全面復旧まで17日を要した。こうした被害はどこでも起こり得る。頻度が増す恐れもあり、大規模停電と復旧の遅れの要因を徹底検証し、備えを固めたい。鉄塔や電柱の強度見直しとともに、電線の地下埋設などを急ぐ必要がある。
 台風15号は9日未明に千葉市付近に上陸。関東南部では記録的な暴風となった。東京都内で強風にあおられたとみられる50代の女性が亡くなったほか、千葉県内でゴルフ練習場の鉄柱が倒れて住宅を直撃したり、窓ガラスやシャッターが壊れたりして、けが人が続出。JR在来線や私鉄、地下鉄の運休が相次ぎ、首都圏は大混乱に陥った。
 そうした中、停電と、それに伴う断水による深刻な影響がじわじわと広がっていった。千葉県で35度を超える気温が観測された10日に南部の南房総市などで93歳女性と65歳男性が、12日に君津市で82歳女性が熱中症の疑いで亡くなっている。
 しかし復旧の予定はずれ込んでいる。送電線をつなぐ鉄塔が倒壊しただけなら、送電ルートを切り替えることで影響を抑えることもできるが、今回は、あちこちで電柱が倒れたり、倒木で電線が切れたりと被害が想定を大きく上回った。現場にたどり着くのが難しい場所もあり、政府は一部地域では今後、1週間以上続く可能性があるとの見通しを示している。
 電気も水もない生活が住民に重くのしかかっている。中でも気掛かりなのは、入院患者やお年寄りら災害弱者が置かれている状況だ。厚生労働省によると、千葉県内では13日になっても依然として、14カ所の医療機関と121カ所の福祉施設で電気が通じていない。電源車の配置など最大限の支援が求められよう。
 さらに停電地域では通信設備の非常用電源が足りず、障害が発生。12日の時点で固定電話3万回線以上が不通となり自治体間の連絡が取れず、被害情報の収集が遅れた。インターネット回線も使えず、住民は情報不足の中で不安を募らせた。
 全国の送電設備総点検は待ったなしだ。併せて災害時の拠点となる自治体の庁舎や避難所についても、電源確保や情報提供などの面から整備を着実に進めていきたい。


大停電は人災「無電柱化」頓挫の元凶は電力ムラの利権体質
 台風15号が首都圏に上陸し、大規模停電が発生してから16日で1週間が経過。いまだ千葉県内では約6万6000戸が停電しており、被災者の疲労はピークに達しているが、全面復旧にはまだ10日以上かかるという。そんな中、今回の大規模停電の“元凶”として指摘されているのが強風による「電柱倒壊」だ。東京電力と政府は、台風被害の大きな対策となる「無電柱化」を後回しにしてきた経緯がある。
 赤羽一嘉国交相は14日、今回の一件を受け「(無電柱化を)前に進めなければいけない」と危機感をあらわにした。経産省の推計によると、千葉県を中心に約2000本もの電柱が倒壊、損傷。ネットでは、〈電柱の地中化が必要じゃないか〉〈無電柱化していれば今回の千葉の長期間の停電は防げたはず〉といった声が飛び交い、〈人災に近い〉との指摘まであがっている。
 欧州の主要都市の無電柱化率はほぼ100%で、ジャカルタやソウルも30〜40%なのに、日本では最も無電柱化が進む東京23区でも約8%。日本は“無電柱化後進国”なのだ。
■50年以上前から議論されてきた
 実は無電柱化については、1960年代から東電が議論の俎上にのせていた。95年の阪神・淡路大震災でも多数の電柱倒壊が顕在化したにもかかわらず、対策は遅々として進められてこなかったのだ。原因には「電柱の維持管理事業の7〜8割を、特定の業者が受注している」(業界関係者)という電力会社の特殊事情が影響している。
「実際に電柱の維持管理などを発注するのは、東電の100%子会社である東電パワーグリッド(PG)や、関連企業の関電工。コストを電気料金に上乗せできる『総括原価方式』を取る東電側と、特定の受注業者には電柱維持管理を巡る“利権構造”が出来上がっているのです。東電側は業者の仕事を守り、業者は天下りを受け入れる。無電柱化となれば、業者はこれまで地上で行ってきた作業内容をガラッと変えざるを得ない。最悪、仕事を奪われかねません。利権構造を壊したくない東電は、無電柱化に及び腰なのです。東電内部では“良識派”が何度か無電柱化の必要性を訴えたようですが、最終的に頓挫したといいます」(金融ジャーナリスト・小林佳樹氏)
 関電工は2015年10月、無電柱化工事を専門的に行う「東京ロードテクノ」を設立。東電PGは17年5月になってようやく電線地中化のコスト削減策に言及したが、対応はいかにも遅い。
 さらに政府の怠慢も重なる。地下埋設コストは1キロ当たり約5億円で地上に電線を張るのに比べ約10倍かかるとされる。費用負担を余儀なくされる政府も、高コスト事業を敬遠してきたのだ。
「東日本大震災後の13年ごろ、マーケットでは国交省が将来的に無電柱化予算の規模を拡大するとの期待感が広がっていました。ところがその後、話はウヤムヤになってしまった。政府としても高コストを原因に先送りしてきたのでしょう。しかし、部材の大量生産など、事業を大規模化すればコスト低減は可能です。今回の一件を機に、無電柱化を進めるべきです」(小林佳樹氏)
 政府と東電がいち早く無電柱化を進めていれば、大規模停電は防げた可能性がある。今回の災害はやはり“人災”だ。


千葉台風被害、ブルーシート養生で18万円請求の悪質業者や火事場泥棒への注意出回る
 9月8日の夜から9日の朝にかけて関東を横断し、千葉県を直撃した台風15号。台風上陸から1週間以上が経った今も、千葉県内の約6万7000戸で停電(17日正午現在)、1万4510戸で断水(16日午後時点)が続いている。
 県のまとめによると、今回の台風で半壊や一部損傷などの被害を受けた家屋は2831棟に上る。千葉県南部の館山市や鋸南町などの地域では被害の把握が進んでおらず、今後さらに被害数は増える見込みだ。
 16日には激しい雨が千葉県南部を襲い、館山市全域や南房総市の一部に避難勧告が出た。この前日には、大雨の予報を受けて、住宅被害の大きかった南房総市などの被災地で家屋の屋上にシートを張る作業が急ピッチで行われるなどの対応が行われていた。
 この非常事態のなかで、あろうことか被災地を狙う悪徳業者が増えているという。17日放送の『とくダネ!』(フジテレビ系)では、その悪質な詐欺行為の一部を伝えた。
 ある被災者の元には、大阪・和泉ナンバーを含む3台の車に乗った男たちが訪ねてきた。「リフォーム業者」と名乗った男たちは、屋根の破損部にブルーシートをガムテープで貼っただけで、18万円もの大金を請求してきたという。
 被災地では、そのほかにも施工業者を名乗る男が「自分に任せれば自宅の保険金がスムーズに降りるから、家の修繕が早くできる」などと怪しげな話を持ちかけてくるパターンもあるそうだ。なかには、「家の中を片付ける」と申し出ててそのまま荷物を盗んでいくという窃盗行為も見られるという。
 また、市の職員を名乗り、屋根の修理や義援金の受け取りを申し出る不審な電話の報告も相次いでいる。これらはすべて悪徳業者による詐欺の可能性があり、被災地近辺に住む方々は十分な注意が必要だ。怪しい、分からないことがあればまずは役所に確認をし、場合によっては110番をしてほしい。
「大阪ナンバーは危険だから絶対に近寄るな」
 2011年の東北大震災や2016年の熊本地震の際にも、被災地を狙う“火事場泥棒”行為は問題視された。
 今回の千葉の台風をめぐる被災地の状況についても、SNSでは盛んに注意喚起の投稿が回っている。自衛を呼びかける投稿のなかには、「千葉県の停電地域でうろついてる県外ナンバー居たら通報して下さい」などと呼び掛けたり、「大阪ナンバーは危険だから絶対に近寄るな」と断定するツイートも見られる。
 しかし被災地には遠方から災害支援に駆けつけた作業車や、救援物資を届けに来た個人もいる。停電や断水が続く中で、ネットを介してデマを含む情報が拡散されれば、さらなる混乱を招くかもしれない。善意からだとしても、偏見の拡散や極端な呼びかけは避けてほしい。


大学入試の英語 教育現場の不安に応えよ
 大学入試センター試験の後継となる大学入学共通テストの英語に導入される民間検定試験を巡る懸念が深まっている。全国高等学校長協会(全高長)が先日、来年4月からの実施を延期した上で、大幅な見直しを求める要望書を文部科学省に提出した。
 異例と言える高校現場の動きの背景には、受験生の切実な不安があろう。文科省や大学入試センターは重く受け止めねばならない。
 共通テストは今の高校2年生から行われる。英語の民間検定試験は、現行のセンター試験で評価する「読む・聞く」だけではなく、「書く・話す」技能も問うため、センターが認定した6団体7種類を活用する。
 4〜12月に受けた最大2回分の結果を使うことができ、成績はセンター経由で大学など出願先に送られ、出願資格や合否判定に用いる。
 全高長の要望の背景には、多くの受験が見込まれる「英検」の予約申し込みが18日〜10月7日に迫っていることがある。
 一方、他の民間試験は日程や会場など明らかになっていない部分がいまだに多い。情報がそろわず、生徒が自分に適した試験を選べる状況でない中、予約を迫られていることは酷である。
 全高長が7月、全国470校に行ったアンケートでは、実施を延期すべきだと回答した高校が7割弱に上った。課題は「経済格差」や「公平・公正性」、「地域格差」が多く挙がった。住む地域や家計の状況で試験を受ける機会が左右される心配や、異なる試験の成績を同列に比べることへの疑問は拭えていない。
 民間検定試験のうち「TOEIC」が参加を取り下げた7月にも、全高長は不安解消を求める要望をした。だが、十分な対応がなされなかったとしている。
 情報が足りないと訴える高校現場の声に応えて文科省は先月下旬、関連情報を集約したサイトを公開したが、大学側も準備が進んでいないことが浮き彫りになった。
 全国の国公私立大の3割がこの時点で、民間検定試験の利用の有無が明らかになっていなかった。対応を決定した中には全く利用しない大学も含まれ、「利用する」としたのは全体の5割だった。
 先日就任した萩生田光一文科相は記者会見で「受験生が実験台になるような制度であってはならない」と述べた。その言葉の中身が問われる。
 前任の柴山昌彦氏は延期について「かえって大きな混乱を招く」と否定した。そうしたかたくなな姿勢が混乱を深めたことも否めない。
 英語の総合的な技能を問う意図は否定しないものの、現時点で民間試験の活用には課題が多すぎる。教育現場の声に応えて、早急に対応を検討するべきである。文科省は制度設計をした以上、センターに任せず責任を持って見直すことが求められる。


日本会議系に統一教会系…安倍新内閣はまるで“カルト内閣”
 11日発足の第4次安倍再改造内閣は、党4役を含めると日本会議国会議員懇談会の幹部が12人もいる極右内閣。ところが実は、霊感商法問題で知られる宗教団体「統一教会」(現・世界平和統一家庭連合)がらみの大臣と党4役も計12人いる。
 安倍晋三首相自身、官房長官時代に統一教会の大規模イベントに祝電を送り、首相就任後も教団幹部を官邸に招待するなどしてきた。菅義偉官房長官、麻生太郎財務相、高市早苗総務相、加藤勝信厚労相、下村博文選対委員長も、統一教会と関わりが深い。
 さらに今回、初入閣13人の中にも6人もの“統一教会系大臣”がいる。統一教会問題に詳しいジャーナリストの鈴木エイト氏の解説。
「萩生田光一文科相は、2014年に都内での統一教会系イベントで来賓として挨拶に立っています。17年に統一教会系団体がワシントンで開いた日米韓の国会議員会議やニューヨークで教団が開催した大規模フェスティバルに参加していたのが武田良太国家公安委員長や竹本直一IT政策担当相、山本朋広防衛副大臣です」
 衛藤晟一1億総活躍担当相も、14年に統一教会系団体で講演。議員会館使用の便宜もはかった。田中和徳復興相は16年に川崎駅構内での街頭演説の際、自身の名刺とともに統一教会の機関紙「世界日報」を配布した。菅原一秀経産相は自身が代表を務める自民党支部が17年に統一教会系の世界平和女性連合に会費を支払っている。
 統一教会は16年に世界平和国会議員連合(IAPP)を設立。世界各国で大会を開き、現地の国会議員を巻き込んでいる。
「同年の日本での大会には、統一教会幹部らや自民党を中心とした国会議員63人が出席。そこに竹本大臣や御法川信英国交副大臣もいます」(鈴木エイト氏)
 しかもIAPPの目的は「統一教会の日本の国教化」だという。
「教団は内部資料で、IAPPを“真の父母様(文鮮明夫妻)の主権によって国家を動かす”ための戦略としている。教団ではこれを“国家復帰”と呼び、日本を含め21カ国での実現を目指しています」(鈴木エイト氏)
 知ってか知らずか統一教会国教化計画に加担している議員が、内閣に加わったということだ。
「武田大臣と山本副大臣は17年2月、韓国で開かれたIAPPの総会で韓鶴子から直接、国家復帰指令を受けた。昨年10月、東京での国際勝共連合(統一教会の政治組織)50周年大会にも出席しています」(鈴木エイト氏)
 韓国との対立を深める安倍政権だが、韓国のカルト宗教とはズブズブ。まさに「カルト内閣」だ。


テレ朝『ワイド!スクランブル』が完全にネトウヨ番組に! 教科書圧力扇動の極右解説者を起用、「旭日旗」をデマで全面肯定
 いい加減にしろ、と言いたくなる。テレビのワイドショーが連日繰り広げる「嫌韓キャンペーン」だが、そのレベルはもはやネット右翼と変わらない。デマや歴史修正を混ぜこぜにしてまで“韓国を叩ければなんでもアリ”の様相を呈している。
 その筆頭が『大下容子ワイド!スクランブル』(テレビ朝日)だ。『ワイド!スクランブル』といえば、早河洋会長のもとどんどん安倍政権になびいていっているテレビ朝日のなかでも、とりわけ右傾化が著しい番組。ネトウヨから一目置かれる小松靖アナウンサーが司会を務め、毎日のように右派コメンテーターを呼んでは韓国バッシングを繰り返している。
 そんな同番組が9月13日に「旭日旗問題」を特集。当然のように、旭日旗をまったく批判せず、逆に「韓国による言いがかり」のように放送した。たとえば冒頭VTRでは、11日に韓国政府が東京オンピック・パラリンピックの会場への旭日旗持ち込み禁止をIOC(国際オリンピック委員会)に要請したことにかんして、いきなり「韓国がまたしても反日姿勢を加速させている」なるナレーションで始まった。
 いやはや、そもそも政治的主張が禁じられている五輪に旭日旗を持ち込ませないことがなんで「反日姿勢」になるのか、まったく理解ができないが、さらにVTR開けのスタジオでは、小松アナがパネルを使って旭日旗問題を「反日 次の一手!?」などと解説し始めた。
 まず、小松アナは「韓国がナーバスになっている旭日旗なんですけども、そもそも何か見ていきたいと思います」と“旭日旗の歴史”を解説する。旭日旗(正確には放射する光芒を表す紅白のデザイン)は少なくとも明治時代からあるとしたうえで、大日本帝国陸海軍との関係については「軍隊にも使われてきた経緯があります」と述べるにとどめた。ヒドいのはここからだ。
 小松アナは「韓国政府が旭日旗をナチスドイツのハーケンクロイツ(鉤十字)になぞらえた」ことについて「ハーケンクロイツとは全然違う」と言って、「専門家の話」として水間政憲という人物による説明をパネルで紹介。ドイツ軍が使う鉄十字の紋章を引き合いに、こう続けた。
「ハーケンクロイツとは全然違う根拠としまして、まずハーケンクロイツ(鉤十字)というのは、ナチスの党旗として、政党の旗として認知され、ナチスが崩壊していったとともに亡くなった。一方で、鉄十字はあまり馴染みがないかもしれませんが、この鉄十字というのが、むしろ日本の旭日旗に相当するものだと。(鉄十字は)中世以来ドイツの軍事的シンボル。ですから、もし韓国が(旭日旗の)引き合いに出して非難するとすれば、こちら(鉄十字)になるはずなんだけども、当然、軍が使ってきたものなので。だから、こっち(鉤十字)を持ち出してきて旭日旗と同じだと言うのはちょっと筋が違うんじゃないですか。ゆえに、ハーケンクロイツとは(旭日旗は)意味が違うんですよということを、水間さんはおっしゃっている」
 おいおい、ちょっと待ってくれ。この「旭日旗は軍旗だから、ドイツ軍が現在でも使っている鉄十字と同じ。鉤十字とは由緒が異なっているから問題ない」という話は、ネトウヨがしょっちゅう口にするロジックだが、いや、だから何だと言うのか。
 本サイトでは何度も説明しているが。戦前、旭日旗は陸軍では「天皇の分身」として神格化された。「連隊の魂」として礼式や取り扱い等が厳格に規定され、第二次世界大戦末期には爆薬によって旗手が軍旗もろとも自爆したとすら記録されている。ようするに、旭日旗は単なる軍の標識ではなく、大日本帝国の侵略を正当化する神国・軍国主義イデオロギーそのものだ。
旭日旗を肯定した解説者の正体 歴史教科書問題で学校に卑劣圧力をかけた極右
 海軍でも旭日旗には単なる「軍艦の旗」以上の意味付けがなされた。たとえば1902年に海軍少佐・奥田貞吉の名前で著された「帝國國旗及軍艦旗」には、〈軍艦旗ハ海軍ニ於ケル主權ノ表章ニシテ戦時平時ヲ問ハス軍艦及海軍所用の船艇ニ掲揚セラルヽモノトス〉とあり、その意匠には〈我帝國ノ武勇ヲ世界ニ輝カセ〉とか〈帝國ノ國權ヲ地球ノ上ニ發揚セヨ〉との意味があるとされている。つまり、旭日旗には国威発揚や帝国主義の正当化を図る示威行為の意図があったのだ。
 こうした歴史的な経緯をネグって「旭日旗は伝統的なデザイン」などと強弁したところで、何の説得力もないのだ。まして、「旭日旗をなぞらえるべきはハーケンクロイツではなく鉄十字」というのは屁理屈未満だ。だったら聞くが、ハーケンクロイツはナチスドイツの国旗になった一方、大日本帝国では日の丸(日章旗)が「国旗」として扱われた。ところが、「旭日旗は鉤十字とは違う!」とわめくネトウヨたちが、日章旗をナチの国旗になぞらえることは決してない。結局のところ、旭日旗を正当化するため、揚げ足取りをしているに過ぎないのである。
 ところが、番組は、水間氏による旭日旗正当化の屁理屈を全面的に肯定するかたちで垂れ流してしまった。だが、そもそも水間氏の正体は、慰安婦問題や南京虐殺を否定する論陣を張って、日本会議の集会などで講師も務める自称「歴史研究家兼ジャーナリスト」だ。その著書は、百田尚樹氏らネトウヨ系文化人の“元ネタ”にもなってきた。
 しかもこの水間氏、2年前には、中学校の歴史教科書採択にOB・OGを名乗って圧力をかけるというむちゃくちゃなキャンペーンを扇動したこともわかっている(参考記事https://lite-ra.com/2017/09/post-3440.html)。そんな人物を「専門家」として紹介し、その言い分を垂れ流す『ワイド!スクランブル』は、いったいどういう了見をしているのか。
 いや、『ワイド!スクランブル』のトンデモぶりはその後も続いた。小松アナは「では、韓国はいつからこの旭日旗を問題視するようになったのか」と言って、元駐韓大使である武藤正敏氏のコメントを紹介。武藤氏といえば、同番組をはじめ、連日のようにワイドショーに出てきては韓国バッシングを発信している御仁だが、ともあれ、『ワイド!スクランブル』では小松アナがこう説明した。
元駐韓大使・武藤正敏「韓国が旭日旗を問題視し始めたのは2011年から」はフェイク解説
「2011年のサッカー・アジアカップに遡ります。日本対韓国の試合で、日本人に対する侮蔑を意図したとされる“猿まねのパフォーマンス”を行なった韓国代表の奇誠庸選手。日本人への人種差別にあたるという批判に対して、こういうことを理由として述べたんですね。『観客席の旭日旗を見て涙がでました。私も選手の前に大韓民国の国民です』とこういうことを言った。スタジアムに旭日旗があった、昔のアジアで、彼らの言葉を借りれば、辛い思いをさせられたということを思い出した、だから私もいわば仕返しというか、報復したいという気持ちでこれをやったと説明しました」
「当時をよく知る当時の駐韓大使、番組でもおなじみ武藤さんは、その影響が『これがきっかけだった。韓国マスコミが旭日旗そのものに問題があって、国際社会から追放すべきと報じた。それにより、一夜にして韓国で旭日旗排除が主流になっていった』と話しています」
 はいはい。これも完全にネトウヨがよく言う俗論だ。ようは「2010年の奇誠庸の差別パフォーマスを正当化するため、韓国が旭日旗を問題視し始めた」と言いたいようだが、まったくの事実無根である。
 だいたい、ちょっと過去の報道を調べればわかることだが、旭日旗が問題視されたのは2011年のアジアカップよりもはるかに前からのことだ。
 たとえば、2000年以降、日本の歴史教科書からアジアへの侵略や加害性を薄める動きが相次いだが、これに対して韓国では、市民デモのなかで旭日旗を“日本による侵略・軍国主義の象徴”として燃やすというような抗議が行われていた。韓国のバンドがフジロックで「歴史教科書問題への抗議」として旭日旗を破るパフォーマンスを行ったのも2001年のことだ。2006年にも、小泉純一郎首相による靖国参拝に対するソウルの抗議集会で旭日旗が引き裂かれている。
 ちなみに、旭日旗を破るようなパフォーマンスについては、韓国内から「やりすぎではないか」という声もあがったことは付け足しておきたいが、ようするに “旭日旗=帝国主義・軍国主義”という構図は常識なのである。
 加えれば、こうした旭日旗を巡る反感を、日本政府もかつては承知してきた。たとえば、2008年の北京五輪では、北京の日本大使館が日本人観戦客向けに発表した「安全の手引き」のなかで、〈観戦時に政治・民族・宗教的な旗や横断幕を広げることは禁じられており、日本大使館は「旭日旗」など過去の歴史を想起させる旗もトラブルを引き起こす可能性があるとして自重を求め〉ている(毎日新聞2008年8月1日)。つまり、少なくとも旭日旗が「政治的な旗」にあたることを日本政府も認めていたのだ。
旭日旗正当化は安倍政権と極右陣営の大日本帝国肯定・歴史修正主義の象徴
 ところが、安倍政権になってからというのもの、スポーツの試合などで旭日旗が議論になるたびに、政府は「日本国内で広く使用されている」などと強弁、正当化するようになった。今月12日には、橋本聖子・五輪担当大臣が五輪会場への旭日旗の持ち込みについて「旭日旗が政治的な宣伝になるかということに関しては、決してそういうものではない」と語り、容認する認識さえ示している。この豹変は逆に、安倍首相のような極右陣営にとって、旭日旗がいかに“理想とする戦前回帰的イデオロギーの象徴”であるかを物語っている。
 もうひとつ、いい機会なので言っておくが、旭日旗を日本の帝国主義・軍国主義のシンボルと感じているのは、別に韓国だけに限った話ではない。中国、香港、台湾あるいは日本が侵略したアジアの国々はもちろんのこと、アメリカでも、旭日旗の意匠は報道や小説などの創作物のなかでたびたび「戦中の大日本帝国」の意味で使われている。たとえば米国の対日貿易摩擦では、米国右派など一部から日本批判の流れで旭日旗が出てきたことがあった。言うまでもなく、日本製品による経済的な“侵略”ととらえる文脈だ。
 いずれにしても、『ワイド!スクランブル』が無批判に紹介した「奇誠庸の猿まねパフォーマンスをフォローするために騒ぎ出した」というような話はデマであり、問題のスリカエ、旭日旗問題の矮小化以外のなにものでもない。
 なお、番組ではこの後もスタジオで、『「反日モンスター」はこうして作られた 狂暴化する韓国人の心の中の怪物〈ケムル〉』(講談社)、『韓国「反日フェイク」の病理学』(小学館)などの著書を持つ著述家の崔碩栄氏が “旭日旗に似ているデザインは韓国のあちこちにもあって、批判したりしなかったりするのはダブルスタンダード”という趣旨の発言をしていた。
 例の「東京パラリンピックのメダルのデザインが旭日旗を連想させる」という主張もそうだが、日本のマスコミの間では「韓国側があれもこれも『旭日旗』だとクレームをつけている!」として蔑むような報道が多くみられる。たしかに「それは違うだろ」と思わざるを得ないものもなかにはあるかもしれない。しかし、間違えてはならないのは「旭日旗に似ているか似ていないか」というのは副次的な話に過ぎないということだ。「それだけ韓国内では旭日旗に対する拒絶感がある」という事実を、まずは真摯に受け取とめるべきだろう。
ヘイトデモではさらに大量の旭日旗が! 差別扇動を後押しするメディアの責任
 こうしたことは、ほとんどネトウヨ番組と化している『ワイド!スクランブル』だけの問題ではない。いま、マスコミや文化人は揃いも揃って、日本による侵略の史実や戦争犯罪の数々や、在特会などによるヘイトデモで旭日旗が無数に掲げられている事実に見て見ぬ振りを決め込んで、旭日旗問題を逆に「嫌韓キャンペーン」の“格好のネタ”として利用している。結果として、朝鮮半島の人々や在日コリアンに対する差別を扇動しているとさえ言える。極めて危険な状況だ。
 繰り返すが、旭日旗問題は決して「韓国の言いがかり」ではない。戦中日本の帝国主義・軍国主義の象徴であることは、歴史的にも動かせない事実である。そして、政治権力が曲がりなりにも“平和の祭典”であるオリンピック・パラリンピックにまで旭日旗を持ち込ませようとしている事実は、明らかに、国民から戦前回帰的価値観への拒絶感を取り除こうとの思惑が透けて見える。
 本来、メディアがなすべきは、そうした政権のどす黒い欲望を見抜き、徹底して批判することのはずだ。だが現実には、『ワイド!スクランブル』のように安倍政権に丸乗りし、あまつさえネトウヨデマまで垂れ流して、旭日旗問題を「嫌韓キャンペーン」にすり替えるマスコミがほとんどだ。
 旭日旗に対するこうした政権のお墨付きやメディアの追認は、現実に差別扇動を後押ししている。実際、15日に錦糸町で行われたヘイトデモでは、これまで以上に大量の旭日旗が掲げられていた。政権とメディアの後押しを得て、明らかに極右ヘイト勢力が勢いづいている。
 このままでは、本当に五輪会場で旭日旗が掲げられてしまうだろう。それが原因で衝突が起き、死傷者が出たらどうするつもりなのか。「嫌韓キャンペーン」を煽ってきた日本政府やマスコミは、責任が取れるのか。もはや腐りきっている。メディアが戦争を煽った暗黒時代は、過去の話ではないのである。


元AKB48大島麻衣の“嫌韓ネトウヨ”への反論がカッコよすぎる! ネトウヨに怯えるテレビ局は大島の覚悟を見習え
「嫌韓」圧力が吹き荒れるなか、日本の言論状況がどんどんひどいことになっている。日韓対立について冷静な意見を口にしただけで「反日」呼ばわりされるのはもちろん、外交や政治とは何の関係もなく、韓国のカルチャーやアートを評価しただけで、ネトウヨから袋叩きにされる状況が起きている。
 その結果、テレビなどのマスコミはもちろん、芸能人や有名人もK-POPや韓国映画のことにほとんど触れることができなくなった。
 もはや“戦時中の敵性文化排除”だが、そんななか、希望を感じたのは、元AKB48の大島麻衣のケースだ。大島は韓国旅行の感想をツイッターで報告して炎上したのだが、ほとんどのメディアや芸能人が炎上した途端、ツイッターを削除したり謝罪するなかで、大島はネトウヨからの攻撃に逐一反論。しかもその一つひとつが本質を突く正論で、卑劣なネトウヨたちを逆に黙らせてしまったのだ。
 この間の大島の姿勢は、ネトウヨの攻撃にさらされている多くの人たちに勇気を与えるものだと思うので、改めて振り返ってみたい。
 大島が炎上したきっかけは、9月2日、韓国を旅行してきた感想を綴った自身のインスタ・ストーリーの画像をツイッターにアップしたことだった。
〈とりあえずお伝えしたいことがあります。
韓国の皆さんは普通に親切で、タクシーの運転手さんも降りるとき、「楽しんでねー!」と声をかけてくださいます
日本の方も外国人には優しくしませんか? 韓国だって一緒ですよ!
いろんなことあったけど、ニュースだけ見て、韓国人怖いというのは違うかなと。韓国に来て私は感じてます。
#現場主義者 
私は自分の目で見て、感じて確かめたいタイプなので今回韓国にきました。
感じたこと。
やっぱり韓国が大好きだ!ということ。〉
 大島麻衣はハングルを使いこなし、韓国文化にも造詣が深い。先月末にも、オーディション番組出身の大型新人男性アイドルグループ・X1に触れたツイートをしており、最新トレンドにも精通していることがよくわかる。
 そんな彼女が本当に韓国で反日が高まっているのか、自分の目で確めるために現地まで行って体験を報告したのが、上記のツイートだった。実際、韓国を旅行した日本人の多くは大島と同様の感想を口にしており、その内容はいたって冷静で常識的なものと言えよう。
 しかし、この真っ当なツイートに対して、ネトウヨはこんなグロテスクな罵詈雑言を浴びせ始め、大島のツイッターは炎上状態になった。
〈あの国の性犯罪率は高いです。しかも反日無罪のお国柄。反日感情が高まっている今はより危ないと思います。被害に遭ってからでは遅いので、細心の注意を払って下さいね〉
〈むしろ「韓国が好き」と公言して憚らない人達は行って何かしらのトラブルに巻き込まれてくれた方が良い。それは断韓への良いプロパガンダになる〉
〈あなたのファンが、あなたの安易な韓国押しを真に受けて、韓国へ旅行に行って酷い目に合うかも知れませんね。今の日韓関係を利用して、炎上商法で人気を盛り上げようとしたのかも知れませんが、落ちぶれたものですね〉
 しかし、大島は前述したように、こういった卑劣な攻撃に黙り込むことなく、逐一反論を始める。
ネトウヨの「ファンだったのに残念」攻撃にも怯まなかった大島麻衣
 まず、9月4日には「It’s a small world」の歌詞を貼り付けて〈この歌知ってます? 韓国の話するとキーキー言う人多いね 私が好きなだけで人に迷惑かけてない。好きなものを好きと言う。それだけ。シンプルな話。世界にはいろんな人がいます。気にしないで〉と堂々と宣言した。
 また、ネトウヨが有名人を攻撃するときよく使う「ファンだったのに残念」「失望しました。もうファンやめます」といった類のコメントが大島のもとにも多数寄せられたのだが、このやり口にもまったく動じず、こうコメントした。
〈何がですか?私はもともと韓国が好きと言ってるのに今更残念がられても。
日本人だから日本しか好きじゃないとダメなんですか? 地球の外に出たから地球が青いとわかったんじゃないんですか? 外の世界に出てみないとわからないことってたくさんありませんか?〉
〈残念と言う方たちは何をもって残念と言ってくるのでしょうか。私のことフォローしてましたっけ? 普段から応援してくれてコメントくれてましたっけ? 急にこの件について残念がってくるのはなぜですか? そんなに韓国に興味があるんですか?〉
 そう、大島は日本で横行する歪なナショナリズムを批判し、「外からの視点」の重要性を強調するシャープな意見を開陳したばかりか、返す刀でネトウヨの“ファンなりすまし攻撃”の手口まで暴いて見せたのだ。
 さらに、素晴らしかったのは、韓国の反日的な動きを持ち出し、「これでも“韓国が好き”というのか」と絡んでくる意見への反論だった。
 例えば、ソウルの繁華街・ホンデで日本人女性が韓国の男性から髪をつかまれるなどの暴行を受けた事件を持ち出し〈被害にあった人がいる事も事実ですよね。加えて幼い時から反日教育を受けて育ているのもこれまた事実〉などという意見には、大島はこう返していた。
〈それは人間性の問題です。私は日本で男性に声をかけられ怖い思いをしたこともあります。韓国人だから。ではなくどこの国でもその人が危険な人なら危険ということではないでしょうか?〉
 この大島の指摘は、まさに個人の犯罪を民族や国民性の問題にすり替えるヘイト的手法の問題点を突くものといえよう。
大島麻衣は韓国の「反日」をオーバーに伝えるマスコミの扇動報道の問題点も指摘
 それだけではない。大島は〈日本に対してわざわざケンカを吹っ掛けるような不買運動とかはしなくてもいいよね〉というリプライに対しても、こんな本質的な指摘をしている。
〈そう思います。でもそれも一部。韓国の人みんながしてると思わせるようなニュースの取り上げ方もよくないですね〉
 大島は実際に韓国に行って、韓国の“反日”がいかに実態と違っているのかを体感したのだろう。韓国の「反日」をオーバーに伝えることで、日本の嫌韓を煽り、日韓対立をエスカレートさせているメディアの問題にもきちんと踏み込んで見せたのだ。
 他にも、「あーぁ、もういいよ韓国住みな おつかれー」というリプに〈あなたに許可されなくても住めるもんなら住みたいです。おつかれー〉と返したり、とにかくその反論は小気味いいほどだった。
 しかも、大島のこうした反論は単に、ネトウヨから攻撃を受けたことに腹を立ててのものではない。国の政策上の対立を、国民同士の憎悪感情に広げていこうとする連中のグロテスクな動きに切実な危機感を抱いてのことだ。それは、〈国同士の問題は国の偉い人たち同士が動くしかありませんが、人同士のお付き合いは私たちでもできるのに、悪いイメージをつけてはよくないと思います〉とツイートをしていたことからも明らかだ。
 そして、大島はこうした意見をぶれることなく主張し続けることで、逆に絡んでくるネトウヨたちを黙らせてしまったのである。
 ほとんどの芸能人がネトウヨの炎上攻撃にさらされた途端、削除したり、黙り込んで一切の政治的発言をしなくなってしまっているなかで、この覚悟と、本質を突くシャープな反論は見事というほかはない。正直言って、感動したほどだ。
  しかし、翻ってメディアはどうだろう。多くのリスクを抱える若いアイドルが大勢のネトウヨを向こうに回し敢然と戦っているというのに、テレビ局、大手ニュースサイトなどは、ネトウヨの炎上に怯え、逆に極右コメンテーターを起用してネトウヨに媚びている有様だ。
 メディア関係者はこの大島の一連のツイッターをきちんと読んでみたらいい。きっと自分のことが恥ずかしくなるはずだ。 (本田コッペ)


ミヤネ屋出演の元韓国大使 解説内容が「デマ」と批判殺到
史上最悪とも言われる日韓関係。9月12日放送の『情報ライブ ミヤネ屋』(読売テレビ系)に出演した元韓国大使・武藤正敏氏(70)の発言が物議を呼んでいる。
この日、番組では次々と疑惑が出てくることから“タマネギ男”と呼ばれているチョ・グク氏(54)を特集。実娘の高麗大学への不正入学疑惑や息子の兵役延期など様々な疑惑が報じられるなか、9月9日にムン・ジェイン大統領は法務部長官にチョ氏を強行任命。韓国国内ではチョ氏の長官就任に対する抗議デモが起こるも、先日行われた世論調査では半数近くの人々はチョ氏の長官就任に賛成していた。その背景として、韓国で17年12月に公開された映画『1987、ある闘いの真実』(日本では18年9月公開)の影響があるという主張を番組では展開していた。
87年1月、軍事政権下の韓国で民主化を求める学生運動に身を投じていた男子大学生が警察のいきすぎた尋問によって死亡。事件のもみ消しを図る警察と真相究明に奔走した検察と新聞記者の死闘によって民主化のきっかけともなった実際に起きた事件を描いた本作。番組ではVTR出演したコリア・レポートの辺真一氏が民間人であったチョ氏が長官に就任し検察改革を決行しようとしていることと、映画でも描かれた87年に当時の軍事政権に対し民衆が対抗し、最終的には民主化という勝利を掴んだ図式が類似していると指摘。それゆえ支持が集まっているのではないかと辺氏は解説していた。
問題はここから。辺氏の解説後、番組ではゲスト出演した武藤氏を中心にチョ氏の数々の疑惑を紹介。そして、司会の宮根誠司氏(56)から映画がチョ氏支持に与える影響について質問された武藤氏はこう持論を展開した。
「映画が公開されたのは2017年の12月27日。恐らく今の政権になってからこれを作ったのだと思います。だから検察改革に対する国民の支持を得るためのかなり政治的な意図があってできた映画で。しかも今はないような過去の民主化闘争を題材にしてやるっていうところはなかなか巧妙ですよね」
17年5月のムン・ジェイン政権後に映画が制作されたと主張する武藤氏だが、同作のチャン・ジュナン監督はウェブメディア『映画と。』のインタビューで「最初に脚本を見せてもらったのは2015年の冬で、非常に面白い企画だと思いました」と語っている。つまり前大統領であるパク・クネ政権時代から制作がスタートしており、武藤氏の主張は事実と異なっている。
また宮根氏からの「パク・クネ氏が大統領を務めていればこういう映画は作られなかったのか?」という質問に対して、武藤氏は「少なくともパク・クネさんがそういう映画を上映させたかはわからないですけど、積極的にこういう映画を作ろうということにはならなかった」と返答。まるでムン政権によって政治利用のため作られた映画であるかのように主張しているが、朝日新聞が運営するウェブメディア『GLOBE+』でチャン監督はこう語っている。
「朴槿恵政権は、まるで独裁体制時代に戻ったかのように文化業界を弾圧、政権に都合のいいことしか言わせようとしなくなり、歯がゆく感じていた(中略)政権からどんな不利益を被ることになっても、勇気を出して映画にしたかった」
当時の朴槿恵政権に対する政治に対する強い問題意識をもって作られた作品を、政府が作らせたという武藤氏の主張は事実誤認と言わざるをえない。さらに、誤った見識で発言をするのは武藤氏だけではない。韓国国内での検察と政府の対立を説明する宮根氏に対して、ゲストコメンテーターの本村健太郎氏(52)は「映画を見た人はみんなそう感じる。学生運動に対する権力側からのひどい弾圧。これに検察が手を貸したんだと。検察が悪であるというイメージを持っている」と返答。
しかし同作でハ・ジョンウ(41)演じるチェ検事は事件のもみ消しを図る警察を厳しく追及するなど、検察は民衆に寄り添う立場として描かれている。にもかかわらず“検察=悪”という意識を本作が国民に与えたとするのは無理があるだろう。こうした事実を無視した出演者のコメントに、SNS上で批判が殺到している。
《おそらくで適当なこと言うな。監督に謝れ。宮根もコメンテーターもそれを鵜呑みにするな》
《ミヤネ屋が大好きな韓国映画「1987」を、まるで文政権が意図をもって制作したかのようなデマを放送したもよう。文政権以前に制作されてるし政府も介入していない》
《ふっっざけんなよ、武藤もミヤネ屋も本当に許せない。闘って映画を作ってる人たちを、お気楽にメディアでヘイトしてる奴らが貶めてる。「1987」観てないって一発で分かることを平気で言って、こんなの流すな。あまりに醜悪すぎる。意見出してくる》
こうした出演者の発言について編集部が『ミヤネ屋』側に見解を求めたところ、「番組としてコメントすることはございません」と回答するのみだった。
これまで『韓国人に生まれなくてよかった』(梧空出版)などを上梓し、在韓大使としての豊富な経験から様々なメディアで韓国批判を展開している武藤氏。事実にもとづかない発言で、いたずらに貶めるのは果たして得策と言えるのだろうか――。


お台場の海はなぜ汚いのか 水質を知り尽くす港区議が警鐘
榎本茂さん(港区議会議員)
「トイレのような臭いがする」――。先月中旬にお台場海浜公園(東京・港区)で行われた、2020東京五輪のオープンウオータースイミングのテスト大会で、競技を終えた選手から飛び出した感想が衝撃的だった。20年以上前からお台場の海をウオッチし、水質問題を調べるNPOを立ち上げ、港区議にもなったのがこの人。お台場の海はなぜ、こんな酷い状況なのか。大会本番まで1年を切ったが、解決策はあるのか。
  ◇  ◇  ◇
 ――お台場の海の水質問題に関心を持つようになったきっかけは何だったのでしょう。
 僕、1999年にサラリーマンをやめて、しばらく釣りで食べていまして。ルアーで魚を釣ってビデオを出したり、僕の名前を冠した竿のシリーズが出たり。フィンランドのラパラという、世界で一番大きなルアーメーカーのプロテスターもやりました。ただ、釣りって水の中が見えないじゃないですか。水中を見ないで能書き言うのがイヤで、実際に水中の生態をもとに釣りのテクニックを語りたいなと。で、水中の撮影を始めたんです。
 ――撮影の現場がお台場周辺を含めた、東京湾内の海だったわけですね。
 海水の透明度が高い時に撮影していると、突然「白い雲」みたいなものが流れてきて、魚がパーッと全部いなくなってしまうことがあった。この「雲」はいったい何なのか。原因を追いかけてみると、下水道の処理水だったと分かったのです。
 ――その後、自身でNPO法人を立ち上げ、独自調査を行ってきました。
 我々は、東京湾の汚染原因の“本丸”を下水と捉えてきました。ところが、東京湾の環境改善をテーマにしたシンポジウムや大会では、他のNPOや行政から「下水」の「げ」の字も出てこない。芝浦の下水処理場(東京・港区)からの汚水放流をやめて欲しいと都議や区議にお願いしても、質問はしてくれるのですが、大きなテーマにならない。それで、仲間から「自分で出た方がいい」と言われ、私は「下水」をテーマに2011年、港区議選に出馬したのです。
 ――当選後は何か変わりましたか。
 独自の水質調査結果なども提示し、都の下水道局に水質浄化対策を要請してきましたが、下水道局の腰は重く、なかなか対応してくれない状況が続きました。状況証拠を集めるべきと考え、17年5月ごろに芝浦の下水処理場から海へ排水が流される様子を撮影。フェイスブックでの公開に踏み切りました。関連動画を計3本投稿したところ、一気に100万アクセスを超え、話題になりました。
避妊具や溶け切らないトイレットペーパーのカスが浮遊
 ――実際に現場を見てどう感じましたか。
 もうびっくりでしたね。異物がブワーッと出てくるんです。トイレに捨ててしまう人がいるのか、避妊具なんかも流れてくる。トイレットペーパーも完全に溶け切らない状態でフワフワ浮いていた。鼻を突く刺激臭も漂っていました。青い海水がすごい勢いで、こげ茶色に染まっていくのです。
 ――動画投稿から2年経った今、「トイレのような臭い」報道が出て再注目されました。確かに見ているこっちも気分が悪くなってきます。原因は何でしょう。
 都内の山手線内側にある古くからの町は、生活排水と雨水を一緒くたに流す「合流式」を取っています。トイレも風呂も雨水も、いらない水は全部一つにまとめられて処理場に流される仕組みです。一定のキャパシティーに達すると、排水はほとんど未浄化のまま海に排出されます。昨今はゲリラ豪雨が頻発し、キャパシティーを超えやすい状況にあります。また、都市化が進んだことでいわゆる「土の地面」が減り、雨水が吸収されにくくなっている。排水が未浄化のまま海に排出されるケースが増えているのです。
 ――下水の処理方法が問題なのですか。
 それだけではありません。調べてみて分かったのは、下水管がパンクしてしまわないように、管の最終的な「出口」に至る途中に、排水を外に逃がすための穴が計700カ所に開いています。ホースの途中に穴が700個開いているイメージで、穴から排出された水は浄化されないまま川に流されてしまうのです。東京港を行き交う屋形船や水上バスなどが、船内に設置されたトイレからし尿を外に流している可能性があることも分かっています。
■都心の下水処理施設は1930年代のまま
 ――東京湾の水質が悪くなるのは当然ですね。
 結局、誰も「トイレの先」を深く考えていないのです。都心部では大規模開発が進んでいる。先日、森ビルが港区内で東京タワー並みの高層ビル建設計画を発表しました。大規模施設を建てれば、トイレも増やさざるを得ない。都心の「トイレ」が“巨大化”する一方、実は、下水の処理能力はほとんど上がっていないのです。芝浦の今の処理施設ができたのは1931年。当時の日本の人口は7000万人程度で、まだ、地方に多くの人が住んでいる状態でした。当時から施設の大きさはほとんど変わっていません。
 ――都心部では商業施設のみならず、タワーマンションや高層オフィスも続々と増えています。
 芝浦の処理場が請け負っているのは、中央区や港区、千代田区の全域です。国会議事堂でジャーッとトイレを流すと、排水は2時間で処理場に到達します。他にも文京区の東京ドームも含まれますし、豊島区の大半や、大崎、品川などの排水も芝浦にやってくる。都心の排水はほぼ全て芝浦に来る状況なのです。
■五輪組織委は“景観ファースト”で会場を選んだ
 ――東京五輪で、選手は“ドブ”のような海で泳ぐことになるのではないでしょうか。
 通常、海水の塩分濃度は3.5%といわれていますが、お台場は1%程度で、あまりしょっぱくない。それだけ、淡水である生活排水などに満たされてしまっているということです。生活排水に水質が左右されるわけですから、お台場は「海」というより「海水が混じっている場所」と捉えるべき。組織委は「昨日は大腸菌が多くて無理だったけど、今日は少なくなったのでOK」などと説明していますが、そもそも何が流れてきているのかよく分かっていないのに、おかしな話ですよ。
 ――トライアスロンの会場としてふさわしくないことを、組織委は分かっていたんでしょうか。
 もちろん、把握した上で選んだのでしょう。理由は「景観」です。レインボーブリッジや豊洲市場周辺など「絶景スポット」をあえてコースに組み入れている。それ自体、いい宣伝になるとは思います。しかし、いくら絶景でも選手が泳ぐ海の水質は最悪です。東京の海の衛生をアピールするためにも水質浄化に取り組むべきなのに、それは一切なされていない。ただ、三重のフェンスを設けるといった予防策のみ。上っ面の対策です。
 ――「合流式」となっている都内の下水処理施設を、雨水や生活排水を別々に処理する「分流式」に切り替えれば、抜本的な解決になると報じられています。しかし、改修には10兆円超の費用と50年以上にわたる工期がかかるといわれます。しかし、大会は来年7月。対策はあるのでしょうか。
 伊豆諸島に位置する離島「神津島」の砂を大量に運び入れ、お台場の海底に敷き詰めたらいいと思います。現在、お台場の海の底にはヘドロが堆積していて、黒いバケツに水を入れているような状況です。神津島のきれいな白い砂を敷き詰めれば、水はかなりきれいに見えますし、浄化機能も期待できる。神津島は山が徐々に崩れ、港が大量の砂に侵食されつつあります。現地は砂を投棄したいくらいですから、きれいな砂が欲しいお台場の海とは「ウィンウィン」の関係が成り立つ。コストは砂の運搬費くらいでしょう。
 ――それは今からでもやった方がいいですね。
 お台場のすぐ裏にある有明の下水処理施設では、トイレ排水などに用いる「高度処理水」をつくっています。これを、お台場水域の内側から強い勢いで流し込み、汚染された水を外に追いやる方法もある。高度処理水も生活排水と同じく淡水で、海水より軽い。海面の表層でぶつかり合ってうまく外に押し出せる可能性があります。さまざまな対策を一気に推し進めれば、ひとまず五輪では恥ずかしくない程度の環境にはなるでしょう。根本的な水質改善は、後からじっくりやればいい。今回、注目されたことを契機に、しっかりと考えていくべきだと思いますね。(聞き手=小幡元太/日刊ゲンダイ)
▽えのもと・しげる 1959年、広島生まれ。82年日大経済学部卒業後、英自動車ジャガーが国営企業だった時代の日本法人「オースチン・ローバージャパン」に入社。99年に退社後、2002年からフィンランドのルアーメーカー「ラパラ社」でプロテスターとなる。11年、港区議選に出馬し当選。現在3期目。NPO法人「海塾」相談役も務める。


WTO、韓国の日本提訴を発表 半導体材料の輸出規制強化
 世界貿易機関(WTO)は16日、日本による半導体材料3品目の輸出規制強化措置が不当だと主張する韓国が、WTOに日本を提訴したと発表した。
 提訴は11日付。今後60日間は日韓両国の協議期間となる。この間に解決に至らなければ、通商問題専門家(原則3人)で構成される紛争処理委員会(パネル)の設置を韓国が要求することになり、第三者の判断にゆだねられることになる。
 WTOは10日、日本製のバルブを巡る韓国による反ダンピング(不当廉売)課税問題で日本勝訴の最終判断を下したが、韓国政府は「韓国勝訴」と主張した。


大阪府市大一部無償化 来年度に
大阪府は、保護者の収入などにかかわらず、若者に大学で学べる機会を提供しようと、大阪府立大学と大阪市立大学の入学金と授業料について、一部の学生を対象に無償化する制度を来年度から導入する方針を固めました。
3年後の2022年に統合する準備を進めている大阪府立大学と大阪市立大学について、大阪府は、入学金や授業料を無償化する独自の制度の検討を進め、来年度の入学生から導入する方針を固めました。
対象となるのは、留学生を除く両大学の大学生と大学院生などのうち、保護者の年収が590万円未満の世帯の学生です。
学生本人と保護者が、入学日の3年以上前から大阪府内で暮らしていることを条件としています。
また、年収が590万円以上、910万円未満の世帯の学生についても、授業料の助成などを行うことにしています。
一方、成績が著しく悪かったり、学習の意欲が低かったりする場合には、支援を打ち切ることもあるとしています。
大阪府は、近く、こうした方針を正式に決定したうえで、両大学への進学を検討している学生や保護者に周知することにしています。

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Les bières japonaises ont chuté au 13e rang sur le marché coréen en août
Les importations de bières japonaises sont en chute libre sur fond de mouvement de boycott des consommateurs sud-coréens pour protester contre les restrictions d'exportation du Japon contre la Corée du Sud, ont montré lundi des données du Service des douanes coréennes (KCS).
Les bières japonaises, qui ont été au premier rang sur le marché sud-coréen des bières étrangères pendant ces 10 dernières années, ont dégringolé à la troisième place en juillet suite au déclenchement du boycott des produits japonais puis à la 13e au mois d'août.
Les importations de bières japonaises le mois dernier ont été de 223.000 dollars, une chute considérable par rapport aux 7.566.000 dollars du même mois de l'année dernière, d'après les statistiques du KCS.
C'est la première fois que le Japon perdait le trône depuis janvier 2009, mois ou il a dépassé les Etats-Unis en termes de bières importées sur le marché sud-coréen.
Depuis le début du boycott des produits japonais en Corée du Sud au mois de juillet, le Japon a été dépassé par la Belgique et les Etats-Unis avec un montant de 4.342.000 dollars, avant d'être dépassé en août par la France (10e, 297.000 dollars), le Mexique (11e, 255.000 dollars) et Hongkong (12e, 244.000 dollars).
Le plus grand bénéficiaire de la situation est la Chine. Le mois dernier, les bières chinoises se sont hissées au sommet avec 4.621.000 dollars. Les marques chinoises, ayant le vent en poupe sur le marché sud-coréen, ont même lancé de nouvelles bières.
Derrière la Chine, sont arrivés les Pays-Bas (4.302.000 dollars), la Belgique (3.770.000 dollars), les Etats-Unis (3.469.000 dollars), la Pologne, l'Allemagne, l'Irlande, le Danemark et la République tchèque.
Par ailleurs, le total des importations de bières étrangères en Corée du Sud a diminué de 14,5% au mois d'août en glissement mensuel en passant de 28.174.000 à 24.161.000 dollars.
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フランス語の勉強?
小久保 哲郎 @tetsurokokubo
京大までが寛容さを失いつつあることが悲しすぎる。
京大の自由のシンボルだった立て看を守ろうとした学生を無期停学にするような当局はひどすぎる。彼らを守る運動が必要でないか?
京大生、不審者取り押さえる大学職員を妨害 3人無期停学

albatross-0901‏ @0901Albatross
独立法人化されてからは、国立大学にも理事会が誕生し、教授会の上位に位置している。実質、教授会は無力化された。理事会には、文科省から出向した人物が加わっていることが多いが、現在の京大の理事構成を見ると、森田正信が元文科省官僚。国立大学の法人化により大学は政府の傀儡となった。
逆転人生「兄弟が開発 人気の密閉鍋 町工場の誇りを取り戻す」
兄弟姉妹が協力すれば大きなパワーが生まれる!?具材からしみ出た水分が天然のスープに。無水調理ができる鍋を開発した若き兄弟の逆転劇。じり貧となった町工場が大躍進!
性格が全く違い、けんかも多かった兄弟が実家の町工場を再建しようと立ち上がった。機械部品などを受注する下請けだったが、弟は自社商品の開発を提案。鍋の開発がスタートする。ところが業界でも鬼門といわれた難加工が立ちはだかった。ふたをした時の密閉性にこだわり、開発に挑んだ二人。意外にも性格の違いが壁を突破する要因の一つになった。沈んでいた職人たちにも変化が。完成した鍋で作ったカレーのにんじんに、兄が驚いた 山里亮太,杉浦友紀, 鋳造メーカー社長…土方邦裕,鋳造メーカー副社長…土方智晴, 浜島直子,はなわ, 半田裕典,赤羽根健治

ミラクル!カウンセリング ー世界の賢者が日本を救う!?孤独&容姿編ー
不思議な価値観や独特な哲学をもつ、世界&日本の賢者たちが、現代日本人の悩みに真剣に答える!?爆笑問題が送るお悩み解決&生き方発見、爆笑知的エンターテインメント!
結婚、夫婦、格差、孤独、いじめ…「悩み大国・日本」。番組は、現代日本人の悩みを全く異なる人生観を持つ、世界&日本の賢者に相談。賢者のスピリチュアルな回答を爆笑問題がゲストと読み解き、日本の悩み解決への糸口を探り出していく、島国のストレスを吹き飛ばす知的エンターティンメント!今回は、多くの日本人が悩む「孤独」&「容姿」に対し、エチオピア、メキシコ、沖縄・与那国島の賢人が登場、心揺さぶる言葉を放つ!? 爆笑問題, ミッツ・マングローブ,赤江珠緒,モーリー・ロバートソン


ヨドバシでBS用のアンテナケーブルを買いました.店員さんの説明を聞いて,いままでテレ朝系の番組がうまく見れないのはケーブルのせいだと納得しました.
うっかり忘れていたT日程を事務の人に連絡しました.
部屋を掃除してセラライターが出てきました.

気仙沼・伝承館ASに初指定 津波の脅威を実感
 初めてASになった「気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館」では、ホタテの炊き込みご飯などが振る舞われた。ライダーたちは、流された工場がぶつかり最上階の4階の外壁が壊れた気仙沼向洋高の旧校舎を目の当たりにし、震災の恐ろしさと教訓を胸に刻んだ。
 東京都千代田区の会社員黒羽美登里さん(57)は「この高さまで津波が襲ってきたとは」と驚いた。東京都中野区の会社員沖田貴史さん(42)は「テレビでは分からない津波の恐ろしさを実感した」と話した。
 屋上から撮影された津波や震災直後の被災した校舎の写真も掲示され、地元の語り部が当時の状況を説明。甲府市の会社員加藤和幸さん(48)は「地元に戻り、震災の脅威をしっかり伝えたい」と語った。
 伝承館の佐藤克美館長(51)は「全国各地から集まったライダーが津波の教訓を知るきっかけになったと思う。被災地に心を寄せ続け、また気仙沼を訪問してほしい」と願った。


陸前高田・道の駅「高田松原」が復活 プレオープンにぎわう
 東日本大震災の津波で全壊した陸前高田市の道の駅「高田松原」が高田松原津波復興祈念公園内に再建されて15日、暫定開業した。暫定営業は20日までで、午前11時〜午後3時。道の駅併設の岩手県震災津波伝承館が開館する22日に本格営業を始める。
 鉄筋コンクリート2階で、延べ床面積は約1500平方メートル。国が施工し、市が建物を取得した。整備費は約7億3600万円。地元に水揚げされた魚介類や水産加工品、農産物、生花、防災グッズを販売するほか飲食店が入居する。
 初日に訪れた陸前高田市の小学校教諭菅野洋介さん(36)は「復興の拠点として地元や震災に関する情報を発信する場所になってほしい」と話した。
◎鳥取の人気カフェ「すなば珈琲」が出店
 再建された道の駅「高田松原」には鳥取県の人気カフェ「すなば珈琲(コーヒー)」が出店し、砂を使って焙煎した名物の「砂焼きコーヒー」や地元産ホタテが丸ごと入ったホットサンドを提供する。東日本大震災の復興支援で地元住民と交流を続けてきたオーナー夫妻が、にぎわい創出に一役買った。
 すなば珈琲は2014年創業。当時、米系大手コーヒー店チェーンスターバックスが未進出だった鳥取県の平井伸治知事が「スタバはないけど、砂場(鳥取砂丘)はある」と発言し、話題になったのにちなんで誕生した。
 オーナーの村上無費価(むひか)さん(72)と妻亜由美さん(54)は、震災発生直後から陸前高田市で炊き出しを続けてきた。途切れることなく支援と交流を続け、訪問は今年8月で30回を数えた。
 「自分たちも大変なのに陸前高田の人たちは、なぜこんなにも温かいのか。絆を大事にしたい」と村上さん。県外出店はしないのが基本方針だが、道の駅再建に当たって加盟店契約を快諾した。
 周囲に震災遺構が点在する道の駅で村上さんは「自分の命は自分で守る意識を持つため、全国の人たちにこのエリアに注目してほしい」と語る。


<ツール・ド・東北2019>新出発点 沿道エール
 ツール・ド・東北2019の最終日となった15日、気仙沼ワンウェイフォンド(100キロ)と仙台発奥松島グループライド(65キロ)は、今年オープンした交流施設前や仙台市中心部にスタート地点を設定。参加者は沿道の声援を背にペダルをこぎ出した。全6コースにはエイドステーション(AS)が計13カ所設けられ、地域住民が郷土色豊かな料理でもてなした。
◎気仙沼ワンウェイフォンド・交流拠点港町の顔
 気仙沼ワンウェイフォンドの出発地点の気仙沼市では午前6時半、ライダーたちが一斉にスタートした。
 出発地点となって5年目。今回は東日本大震災からの復興が進む内湾地区に4月にオープンした観光交流拠点施設前からの出走となった。付近には防潮堤と一体化した拠点施設や観光集客施設も整備され、港町の新たな顔となっている。
 留守洋平副市長はあいさつで「気仙沼はさらに魅力的な街になっていく」と紹介。5回目の参加となる東京都江東区の会社員横山達美さん(48)は「おしゃれな建物ができて復興が実感できる」と話した。
 ボランティアを務めた気仙沼市松崎萱の菊田弘さん(75)は「三陸沿岸道の気仙沼湾横断橋ももうすぐできる。さらに多くの人に参加してほしい」と願った。
◎仙台発奥松島グループライド・すずめっこ元気に
 新設の仙台発奥松島グループライドでは、仙台市若林区の荒町小前に、親子連れや法被姿の地元のすずめ踊り団体「荒町すずめっこ」のメンバーら約80人が応援に駆け付けた。手や旗を振りながら「頑張って」「いってらっしゃい」と激励し、通過するライダーを後押しした。
 若林区の大和小5年寺田心春(こはる)さん(10)は「無事に完走できるように願いを込めて声援を送った」と笑顔で話した。すずめっこの千葉順子代表(46)は「仙台らしい応援にしようと、すずめ踊りの衣装を着た」と語った。


<ツール・ド・東北2019>被災地の今、世界へ発信 海外メディアが取材
 スポーツを通じた東日本大震災の被災地の様子を世界に発信しようと、在京海外メディアが14、15日、ツール・ド・東北2019などを取材した。
 東京都の五輪・パラリンピック準備局が取材ツアーを企画。15日は米、ロシア、ペルーなど7カ国の記者ら13人が宮城県女川町を訪れた。ツール・ド・東北に合わせて来日したジョセフ・ヤング駐日米臨時代理大使による震災慰霊碑への献花を取材した。
 一行は14日、2020年東京五輪のサッカー競技で使用される宮城スタジアム(宮城県利府町)も視察。イタリアの通信社の記者アレッサンドロ・リブリさん(38)は「被災地の施設を大会で使用するのは良いアイデアだが、地域へどれだけ利益が還元されるのかを注目している」と話した。
 準備局の担当者は「参加者たちは、8年間でここまで復興したことに驚いたようだ」と振り返った。都は8月に岩手、福島両県でも取材ツアーを実施した。


<ツール・ド・東北2019>被災地の今、世界へ発信 海外メディアが取材
 スポーツを通じた東日本大震災の被災地の様子を世界に発信しようと、在京海外メディアが14、15日、ツール・ド・東北2019などを取材した。
 東京都の五輪・パラリンピック準備局が取材ツアーを企画。15日は米、ロシア、ペルーなど7カ国の記者ら13人が宮城県女川町を訪れた。ツール・ド・東北に合わせて来日したジョセフ・ヤング駐日米臨時代理大使による震災慰霊碑への献花を取材した。
 一行は14日、2020年東京五輪のサッカー競技で使用される宮城スタジアム(宮城県利府町)も視察。イタリアの通信社の記者アレッサンドロ・リブリさん(38)は「被災地の施設を大会で使用するのは良いアイデアだが、地域へどれだけ利益が還元されるのかを注目している」と話した。
 準備局の担当者は「参加者たちは、8年間でここまで復興したことに驚いたようだ」と振り返った。都は8月に岩手、福島両県でも取材ツアーを実施した。


<ツール・ド・東北2019>石巻市の旧大川小で犠牲者悼む
 東日本大震災の津波で児童と教職員計84人が犠牲になった石巻市の旧大川小に15日、ツール・ド・東北2019の参加者がコースを外れて続々と訪れ、祭壇に手を合わせた。
 気仙沼フォンド(210キロ)に参加した東京都の会社員大嶽剛さん(59)は「ずっと前から来たかった。校舎の被害が生々しい。災害は必ず起きると認識して何をやるべきかを考えることが重要だ」と語った。
 ボランティアで校舎周辺の草刈りを続けている三重県の中学校教諭乾秀樹さん(64)が、参加者に大川小の説明をする場面もあった。乾さんは「悲劇を身近で起こさないように覚悟を持って動ける人になってほしい」と話した。
 被災校舎は震災遺構として保存される。南三陸フォンド(170キロ)を走る仙台市青葉区の会社員菅野浩明さん(50)は「津波はいつ来るか分からない。津波被害の象徴として残していってほしい」と願った。


<ツール・ド・東北2019>北海道と熊本の被災者も出走 復興途上の現状に驚き
 「想像より東北の被害はずっと深刻だった」。北海道地震、熊本地震で被災したライダー2人が15日、ツール・ド・東北2019に初めて参加した。2人は東日本大震災で被災した沿岸部の姿を目に焼き付け、地元に戻って教訓を伝えたいとの思いを胸に刻んだ。
 札幌市白石区の会社員佐々木歩さん(39)は気仙沼ワンウェイフォンド(100キロ)に出場した。「正直もっと復興していると信じ込んでいた。『復興五輪』どころじゃない」と話し、現状に胸を痛めた。
 昨年の第6回大会にエントリーしたが、1週間前の2018年9月6日に最大震度7の地震が北海道を襲った。道内は国内で初めてとなる全域停電「ブラックアウト」に陥り、出場を断念せざるを得なかった。
 児童74人が犠牲になった石巻市の旧大川小そばで小学生数人が「せーのっ。頑張れー」と声援を送ってくれた。佐々木さんも同じ年頃の息子2人を育てる父親だ。「教訓を生かし、助かる命を少しでも増やさなければ」と目頭を熱くした。
 「観光気分で足を踏み入れては被災地に失礼だ」とこれまで現地入りをためらってきたが、レースを温かく見守る住民の姿に迷いが晴れた。「自分の目で事実を確かめ、周囲に伝えることが何よりも大切だ」と、来年の再訪を誓った。
 「更地だけど、ここに家が立っていたのかな」。熊本大大学院1年の杉本英治さん(22)=熊本市中央区=は、震災前の風景を想像しながら北上フォンド(100キロ)を駆け抜けた。
 16年4月の熊本地震で大学は一時休講になり、高齢者宅を片付けるボランティアに取り組んだ。地盤工学を専攻し、熊本の液状化被害を勉強する中で「東北がどう復興したのか見てみたい」と参加を決意した。
 宮城県女川町のJR女川駅前に整備された美しい街並みに心を奪われた一方、石巻市雄勝地区には巨大な防潮堤の脇に工事車両が並び、復興のコントラストにショックを受けた。
 「熊本は東北よりも被災規模が小さく、風化が進んでいる」と問題提起する杉本さん。「ツール・ド・東北のような全国から人が集うイベントは貴重な機会。10年と言わず長い目で継続してほしい」と願った。


<ツール・ド・東北2019>再生の道 銀輪も続くよ 2日間3973人が快走
 東日本大震災の被災地復興を支援する自転車イベント「ツール・ド・東北2019」(河北新報社、ヤフー主催)は15日、宮城県沿岸部の6コースで行われ、2日間の日程を終えた。計3973人が被災地の現状を感じ取りながら、海沿いのコースを走り抜けた。
 15日は石巻市の石巻専修大を発着する4コース(65〜210キロ)と気仙沼市から石巻市を目指すコース(100キロ)、新設の仙台発奥松島グループライド(65キロ)が行われた。
 仙台発ライドの参加者66人は、河北新報社本社(仙台市青葉区)をスタート。仙台市が沿岸部に整備を進めるかさ上げ道路「東部復興道路」を、10月19日の全線開通前に特別に走行した。塩釜港で遊覧船に自転車を積み、奥松島までクルージングした後、再び石巻専修大まで力走した。
 石巻市の三浦正彦さん(55)と長男の千尭(ゆきたか)さん(22)は、親子で仙台発ライドに参加した。親子での大会完走は6年連続。正彦さんは「東部復興道路を追い風に乗って気分良く走れた。いい思い出になった」と振り返り、千尭さんは「船に乗れたのも楽しかった」と満足そうに話した。
 大会は7回目。順位を競わないファンライド方式で行われた。


<ツール・ド・東北2019>被災地と共に成長 石巻・遠藤さん家族 仙台・遠藤さん
 東日本大震災の被災地沿岸で15日あったツール・ド・東北2019は、今年で7回目を数えた。毎年のように出場する常連も多く、親子と祖父の3世代で走り続ける人も。震災から8年半の歳月が過ぎ、ライダーたちは復興へと歩む被災地の風景を、家族や自身の成長と重ね合わせる。
 「4人そろって完走できた。みんなご苦労さん!」
 石巻市北上町で民宿を営む遠藤大輔さん(36)は息子2人、父の武山年男さん(62)と「北上フォンド」(100キロ)の完走証を手に喜び合った。大輔さんは4回目、年男さんは5回目の参加。高校2年の長男大空(そら)さん(17)、中学3年の海陸(かいり)さん(15)はともに2回目だ。
 石巻は津波で甚大な被害を受けた。遠藤さんの自宅と家族は無事だったが、周辺の集落は大きな被害に見舞われた。年々復興が進み、見慣れた地域も、自転車でゆっくり走ってみると新しい発見の連続という。
 「来年はトンネル通れっぺか」「車から見る景色とは違うよね」−。記憶に残るのは変わりゆく地域だけではなく、ペダルをこぐ家族の姿だ。息子の身長が伸び、サドルが高くなる。いつの間にか父親の体力を超え、坂道をぐいぐい上る。
 大空さんと海陸さんの自転車やヘルメットは全て年男さんが準備した。「じい、ありがとう。頑張って完走するからね」と2人から大会前に改めて感謝を伝えられ、「体力だけでなく、精神的にも大人になったんだな」と感じ入った。
 今大会は4人でローテーションを組み、交代で先頭を走った。「家族で支え合って達成した100キロ」と大輔さん。長くて大変な道のりだったが、力強く走る息子の背中に励まされた。
 自分の壁を超えようと参加する人も多い。出場2回目となる仙台市若林区の会社員遠藤由樹さん(26)は最長コースの気仙沼フォンド(210キロ)に挑んだ。「亡くなったばあちゃんに、自分の成長した姿を見せたい」との一念だった。
 震災当時、石巻市に1人暮らしだった祖母の阿部順子さんは津波で自宅を失い、仙台で由樹さんや両親らと同居を始めた。望郷の念を募らせていた順子さんは認知症になり、17年冬、80歳でこの世を去った。
 「ばあちゃん、ケネディ元駐日米大使が出た自転車大会で走ったんだよ」
 初の参加を伝えると自分のことのように喜び、褒めてくれた。地元の金融機関に就職が決まったのは亡くなる直前で、一歩ずつ階段を上る姿を見せてあげられなくて無念だった。
 夜明けとともにスタートし、ゴールしたのは制限時間直前の夕方5時。途中、祖母らの顔がよぎり、何度も歯を食いしばった。
 「ばあちゃん、やったよ。見てくれているよね」。暮れゆく空に面影を思い、心の中でつぶやいた。


石巻専修大に「弱虫ペダル」と羽生選手のコラボパネル ファン笑顔
 ツール・ド・東北2019には、自転車競技の人気アニメ「弱虫ペダル」と仙台市出身のフィギュアスケーター羽生結弦選手(ANA、宮城・東北高出)のファンが数多く参加した。
 ファンのお目当てはアニメのキャラクターと、羽生選手が登場するオリジナルのコラボパネル。ゴール地点の石巻専修大(石巻市)には全9種類のパネルが展示され、完走したファンがパネルの前で記念撮影をするなどして楽しんだ。
 初めて参加した滋賀県草津市の会社員島岡千紘さん(30)は「アニメと同じ場所を走れて格別。楽しくてテンションが上がった」と興奮気味。約5年前、弱虫ペダルを知ったのを機に趣味で自転車を始めたといい「大川小の遺構などを見て、復興の先を改めて考えさせられた。来年も参加したい」と話した。
 パネルに使われたポスターは仙台市地下鉄仙台駅などで個別に掲示されているが、羽生選手のファンたちは「パネルが全部そろっているのはここだけ。絶対に来たいと思っていた」などと話した。
 パネルには宮城県内の震災後の風景も描かれた。初参加の東京都杉並区の会社員山崎栞奈(かんな)さん(22)は「走ってきた景色が背景になっており、震災がより自分のことのように思える」と話した。


千葉停電1週間なお7万戸 住宅被害3600棟超、全容つかめず 17日は暑さ注意
 台風15号の影響で、千葉県では16日も約7万2800戸(午後10時現在)で停電が続いている。復旧には最長で今月27日までかかる見込みだ。9日の台風上陸から16日で1週間。暴風による住宅被害が多かった房総半島南部はこの日、強い雨が降り、復旧作業の遅れが懸念される。
 消防庁や千葉県によると、住宅被害は1都7県で3687棟に上る。内訳は、全壊7棟▽半壊9棟▽一部損壊3592棟▽床上・床下浸水79棟。地域別では千葉県が2831棟で最も多く、次いで神奈川県468棟、東京都208棟と続いた。ただ、千葉県では自治体が被災者対応に追われて被害調査が進んでおらず、全容はいまだに判明していない。被害規模はさらに拡大する見込みだ。
 この台風により、風にあおられて頭をぶつけた東京都の女性1人が死亡。また、停電が続く千葉県では熱中症が原因とみられる死者が3人出ている。負傷者は重傷者10人を含めて145人に上る。
 停電はピークだった9日午前7時50分時点で、首都圏を中心に約93万5000戸に上った。徐々に復旧が進んだものの、千葉県のみ解消されていない。東京電力パワーグリッドは当初、復旧時期を「11日中」としたが、「13日以降」に延期。その後、「最も遅いエリアで27日までにおおむね復旧」に修正し、そのエリアも拡大させている。同社によると、想定を超える電柱の倒壊や配電線の損傷があった上、山間部などでは倒木で工事現場まで入れず、復旧作業が難航しているという。
 千葉県では約1万4500戸(同4時半現在)で断水が続いており、237人(同2時現在)が避難所に身を寄せている。
 また、千葉県内は15日夜から天気が崩れ、房総半島南部で大雨となった。降り始めから16日午後4時までの総雨量は館山市で135・5ミリ、銚子市で132ミリ。大雨の峠は越えたものの、17日は最高気温が30度以上の真夏日となる地点もあると予想され、気象庁が熱中症への注意を呼び掛けている。【秋丸生帆、梅田啓祐】


膨らむ内部留保 活用促す手だてが要る
 大企業が稼いだお金をため込むばかりでは困る。
 企業の利益の蓄積である内部留保が昨年度に463兆円となり、7年連続で過去最高を更新した。
 それなのに、稼ぎを従業員の賃金などに充てた割合を示す労働分配率は下がり続けている。
 世界経済の先行き不透明感から設備投資にも陰りが見える。
 大規模金融緩和がもたらす円安や、法人税減税などの優遇策で大企業の業績改善を促し、賃上げや設備投資を通じ経済の好循環を図る。安倍晋三政権はそう訴える。
 だが内部留保が積み上がるばかりで一向に賃金に回らない。賃金低迷と生活物資の値上がりで家計は節約に走り、消費が伸びない。
 これでは企業が経済の好循環を阻んでいると言わざるを得ない。
 政府は企業税制の見直しを含め、内部留保を賃金や投資に振り向ける方策を検討すべきだ。
 内部留保が増える背景には、企業が危機に備え手元の現預金を手厚くする傾向が強いことがある。
 リーマン・ショックの際に優良企業でさえ資金繰りに苦心した記憶があるのだろうが、ここまで膨らむのは度を越していないか。
 賃金を上げる、生産性向上へ設備や研究に投資する、取引先の中小企業に無理な値下げを求めず利益を適正に分け合う。それが経済の好循環を生み、自社にもプラスに働くことを忘れてはならない。
 加えて看過できないのは、企業が法人税減税の恩恵を還元せずに内部留保の積み増しに回していることである。
 法人実効税率は政権発足直後の37%から29%台に下がった。
 国の税収構造を見ると、法人税の割合が下がる一方、低所得者らの負担が重い消費税が増え続け、今や消費税収は法人税収の1・4倍を超す。10月に消費税率が上がれば、その差は一層拡大しよう。
 しかも、法人税減税は中小などの赤字企業には恩恵がない。低所得者らの負担を増やし、もうかっている大企業をこれ以上優遇することに国民の理解は得られまい。
 政府は企業の賃上げを減税で後押しする税制も続けているが、確たる成果は見当たらない。
 一体、何のための法人税減税か分からない。先の衆院選では、米国のように内部留保への課税を訴える党も出た。そうした声を政府は重く受け止める必要がある。
 政府は経営に介入することに慎重であるべきだ。しかし、偏った所得分配を税制で是正するのも政治の重要な役割ではないか。


五輪・パラの点字案内 障害者参加に欠かせない
 「多様性と調和」を掲げ、共生社会の実現を目指す大会とする。そう胸を張って言えるのだろうか。
 2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会が、大会のチケット購入方法について説明する点字資料や、音声案内のCDを作成していなかった。
 1次抽選の申し込み受け付けは終わった。今後2次抽選がある見込みだが、組織委は「公式チケット販売サイトは視覚障害者が使う音声読み上げソフトに対応しており、要配慮者のための専用ダイヤルもある」と点字や音声資料の作成に消極的だ。
 だが、インターネットに慣れていない人もいる。ましてチケット関連の手続きは複雑で情報量も膨大だ。いつでも情報を読み返せる点字資料は貴重である。分かりやすい伝え方に知恵を絞る必要がある。
 組織委の指針は「公共的な文書は全て点字、テキストデータ、拡大文字または音声形式での提供が望ましい」と定める。多様な情報提供が必要だという趣旨を尊重すべきだ。
 確かにチケット購入の案内情報は、追加抽選が行われるなど流動的な面がある。組織委は、点字資料は配布後の修正が難しいと説明している。だからといって、情報入手が難しい視覚障害者の参加手段が限られるのはおかしい。
 障害者も健常者も一緒になって、大会に選手として参加したり、観客として声援を送ったりする。そんな機会を確保する環境整備こそが、次世代に共生社会というレガシーを残すことにつながるのではないか。
 まず、流動的でない情報の点字・音声化を進めるべきだ。どの競技がいつどこで行われるのかや会場への行き方などだ。例えば「東京ディズニーリゾート」は園内の点字ガイドマップを無料提供している。
 さらに随時変更があり得る情報であっても要点の提供や、インターネットから情報を入手する手順を説明した点字と音声資料の作成は可能ではないか。障害者団体の声を真剣に受け止める必要がある。
 今回の問題発覚後、組織委が障害者向け専用ダイヤル案内をパラリンピック公式販売サイトの上部に掲載したところ、問い合わせは増えたという。本番までに試行錯誤を積み重ねる過程こそ重要だろう。


専門家が指摘「再び東京湾台風が上陸する」地震のリスクも
 災害にもろい都市部の弱点がまた露呈した。台風15号の直撃を受けた首都圏は大混乱。鉄道も電力もストップし、140棟の住宅被害も出た。今後も台風や地震の直撃が予想される中、何をどう備えればいいのか。
■日本近海で発生することがと特徴
 9月になってハイペースで台風が量産されている。例年は8月に発生が最も多いが、2011年からの8年間では9月が平均5.25個で、8月の5.0個を逆転している。
「近年の台風の特徴は、発生地点が日本により近い場所になっていることです。台風15号も南鳥島付近で5日午後3時ごろに発生し、9日未明にはあっという間に千葉市付近に上陸。日本の近くで発生するため上陸までの時間が短く、勢力も“壮年期”を保ったままの状態でやって来ます」(気象予報士の森田正光氏=ウェザーマップ会長)
 例年はフィリピンやグアム沖で発生し、東シナ海をゆっくりと北上しながら1週間ほどかけて日本に上陸するイメージ。1959年の伊勢湾台風も、やはり9月20日に太平洋マーシャル諸島沖で発生し、6日後の26日に日本に到達している。
 だが、近年は下からではなく、右側から突然、来るケースが増えている。
「今年は特に日本近海の海水温が平年より2度ほど高く、より北の位置で発生しやすくなっています。再び東京湾にやってくる可能性は十分にあると思います」(森田正光氏)
 もちろん、太平洋高気圧の位置次第では、関空を水没させた昨年の21号のような関西直撃もありうるという。発生から上陸までの時間が短いため、備えも難しい。
■相模トラフの活動が活性化
 台風15号が直撃した千葉県は、南房総エリアが深刻なダメージを受けた。道路には電柱や木が倒れ込み、電力の供給はストップ。断水に悩まされる家庭も8万9000世帯に上った。
 そんな千葉は、地震のリスクも高まっているという。立命館大学環太平洋文明研究センター教授の高橋学氏(災害リスクマネジメント)は、「直近で注意すべきなのは3.11の余震によるアウターライズ型地震です。海溝型の大規模な地震の後に起きる津波を伴う地震で、2004年のスマトラ島沖地震(M9.1)でも、8年後に発生。現在、北海道の一部、青森県から岩手県、そして茨城県から千葉県(犬吠埼)あたりで地震活動が活発化しています」と強調する。
 この中でも最も危ないのが千葉で、「最近、東京湾から房総半島先にかかる相模トラフで地震が起きています。千葉は、スーパー南海地震に関係するフィリピン海プレートにもかかっていますし、関東大震災を起こした場所ともいわれている。3.11の余震も懸念されていて、リスクが高いのです」(高橋学氏)と指摘、警鐘を鳴らす。
 そのスーパー南海地震も、もちろん警戒すべきだ。
「国内では日向灘や沖縄本島などでの地震が関連します。本震の直前には内陸地震が起きますが、最近は熊本のほか静岡西部で増えていて、いずれも“前兆”といえます」(高橋学氏)
 今年は1月に熊本で最大震度6弱の地震が発生。2月に北海道胆振地方中東部(最大震度6弱)、5月に日向灘(同5弱)と千葉県北東部(同5弱)、6月に山形県沖(同6強)と地震が続いた。日本気象協会の震源地ごとの地震発生回数(19年6月4日〜9月12日)を見ると、有感地震が10回以上起きているのは、宮城県沖(28回)、新潟県下越沖(同)、茨城県沖(16回)、熊本県熊本地方(同)、千葉県東方沖(13回)、沖縄本島近海(12回)、日向灘(同)、山形県沖(11回)、岩手県沖(同)などとなっている。
 近くに住んでいる人は、いざというときの家族の約束事を改めて確認しておいた方がいいだろう。


スポーツ医学の専門家に聞く“灼熱”東京五輪はどれだけ危険
 この酷暑大国日本で、アスリートは無事でいられるのか。きょう15日、マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)が行われ、2020年東京五輪マラソン代表の男女各2人が内定。五輪期間は来年7月24日から8月9日まで、最も蒸し暑い時季に開催される。今年のデータ(気象庁調べ)だと、7月はすべて最高気温30度超。1日を除き、湿度も80%以上だった。8月も、9日までの最高気温は6日間で35度を超え、湿度は70%以下はなし。日照時間も、8月中は9時間を超えていた。筑波大体育系でスポーツ医学を専門とし、熱中症にも詳しい渡部厚一准教授(53)に話を聞いた。
■過酷な環境への耐性
 ――来年の東京五輪は選手の健康被害が心配されている。今年と同様の暑さなら、東京五輪でアスリートに熱中症の危険性はありますか?
「当然、可能性としてはあるでしょう。日本の夏は諸外国のそれとは違って湿度が高い。つまり、汗が乾かず、気化で熱が外に逃げないのです」
 ――炎天下で長時間運動をするマラソンは特に危険だといわれています。
「一般的に、熱中症が発生しやすい種目は運動量が多いもの、といわれています。競技中に限っていえば、例えば、100メートル走の短距離ランナーが熱中症になることは、まずないでしょう。競技時間が短く、運動量はマラソンランナーと比べて少ないですからね。マラソンは運動量に比例してエネルギー発生量も多い。それをいかにコントロールして走れるかが勝負の分かれ目になる。肉体の制御に失敗すれば、危険です。途中棄権するランナーも出てくるかもしれない。しかし、短距離とマラソン、どちらが熱中症の可能性が高いかといえば、また話は違ってきます」
 ――どういうことですか?
「競技中ではなく、それ以外の待機時間のことを考えてみましょう。仮に競技と競技の合間に、1時間待つことがあるとします。マラソンランナーは常日頃から何十キロと走る練習をしています。それだけ、過酷な環境には耐性があると言っても過言ではありません。暑熱順化(体が暑さに慣れ、脱水症状や熱中症が起きにくくなること)もできているので、多少、日差しの下で待たされても影響は少ないと考えられます。でも、短距離ランナーはそうではない」
 ――運動量の多さと熱中症のリスクは比例しないということですか。
「日本スポーツ振興センターによる学校管理下の熱中症の発生傾向の統計を見ても、死亡数の第1位は野球です。野球は攻撃中は屋根のあるベンチ内に座り、守備中も投手以外は打球が来るのを待つだけ。つまり、運動量そのものは決して多くない。それでも熱中症が起きやすいということは、運動量以外にも気をつけるべきことがあるということです」
 ――屋内競技、競泳などでも熱中症の可能性はありますか?
「競泳は屋内プールで行われますが、建物の構造上、広くてエアコンが効きにくかったり、ガラス張りで日差しが差し込んで温室のようになることもあります。私は水泳の仕事にも携わっていますが、会場にいるだけで汗だくになることもあった。さらに、アーティスティックスイミング(旧名シンクロナイズドスイミング)のように音楽が外に漏れると迷惑になる場合は、ドアなどを厳重に閉めなくてはいけない。当然、空気がこもります。水温? 水の入れ替えを怠るなどしなければ、水温が上がることはまずないでしょう」
■メディカルサポート
 ――IOC(国際オリンピック委員会)は「大会2週間前から、東京の夏と同じ条件下で練習をし、体を慣らした方がいい。入浴やサウナも効果がある」としています。
「効果はあると思います。もちろん、五輪直前に来日して練習をしてもいいですが、疲労やコンディション管理もありますからね。それを考えると、2週間という期間は必要だと思う。ただ、アスリートの熱中症に関しては、それほど心配はないのでは、という気もします」
 ――それはなぜですか。
「五輪に出場するのはトップアスリートばかり。環境への対策をとった上で、いかにパフォーマンスを発揮できるかを目指している。特にさまざまな競技でメダル獲得を狙う大国は選手団の規模も大きく、メディカルサポートの体制も整えられている。反対に、参加することが目的の小国などは競技レベルそのものが高くないケースが多い。その場合は、無理してでも競技を続行する、という可能性は低いのではないか。私はむしろ、熱中症はアスリートより観客やボランティアの方が危険だと思います」
 ――組織委員会はパラリンピックを含めて、1000万人の来場観客数を見込んでいる。
「五輪のアスリート自体は1万人くらい(2016年リオ五輪は約1万1000人)。しかも、彼らはアイスバス(氷風呂)など、熱中症に対する備えがある。でも、観客はそうではない。暑いからといって、『自分もアイスバスを使わせてくれ』なんて言えませんから(笑い)」
 ――五輪期間中は警備も厳重。会場に入るには荷物チェック、ボディーチェックなどをしなければならず、炎天下で長蛇の列になりかねない。
「テントを張ったり、冷風機を導入するなどは組織委員会も考えています。ただ、課題もある。テントといっても、運動会で使うような仮設のものだと、熱がこもってしまう。日差しがないだけでもだいぶ違いますが、通気がないことには熱中症のリスクはある。理想を言えば、二重の屋根で空気のクッション構造があるテントならいいのですが、それを設置できるかどうか」
 ――と言いますと。
「五輪のように大勢の観客が集まる大会は、ほとんどありませんからね。立派なテントを導入しても、五輪以降にそれが必要になるかどうかは疑問。どうしても仮設にしなければいけないこともあるでしょう」
■従来の屋外競技場
 ――観戦中のリスクもある。
「その競技を見慣れている観客なら、熱中症対策の知識もあるでしょう。五輪を見に来る観客は、そうではないケースがほとんどです。それでも、五輪のために新設した競技場なら、熱中症対策も考えられているはず。屋内競技場も現在の日本の技術なら、エアコンが効かないなどの心配はないでしょう。問題は、従来からある屋外施設を利用する競技です」
 ――例えば、野球は横浜スタジアムで日中に試合がある。
「夏場のプロ野球はほとんどナイターですからね。普段、夏場の日中は使用しないが、五輪のために……という競技場は要注意かもしれません。もちろん、組織委員会も対策を立てていますが、何よりも観客自身が熱中症の知識を蓄え、対策を立てることが大事。炎天下の沿道でマラソンの応援をするのは、一番熱中症の危険性がある。そうしたことを我々やメディアもアナウンスし、啓発していかなければいけません」


「信用できない」東電が停電地域で説明会…住民不満
 停電が続く千葉県で東京電力が住民向けに説明会を開きました。不満の声が次々と上がっています。
 なぜ停電が長引いているのか…。16日午後、東京電力は停電が続く地域で住民説明会を開きました。約3100軒が停電している千葉市緑区では当初、おおむね3日以内に復旧するとされていましたが、最新の発表では復旧は最長で今月27日。あと、約10日ほどかかると修正され、住民は不安を訴えています。
 15日夜に激しい雨となった千葉県。停電の影響でポンプが止まって大量のイセエビが死んだ蓄養場では、鹿児島から応援に来た九州電力が夜通しで発電。電気を送っていました。
 台風15号の影響で発生した大規模な停電から1週間。停電の影響でごみ処理施設が停止し、災害廃棄物がたまり続けています。環境省では他の市や町でごみを処理できるように調整しています。
 停電から復旧したことで新たな問題も発生。電気が通じたことで漏電などが起きて火事となる、いわゆる「通電火災」です。損傷した電気コードや電気機器などの通電には注意が必要です。


政府も県も出遅れた台風対策
★台風15号が首都圏に猛威を振るったのは9日の月曜日。官邸は8日の関係閣僚会議を見送っている。千葉県で大規模停電や断水などの被害が出ていることを受け自民党政調会長・岸田文雄が党の災害対策特別委員会を開いて内閣府などから被害状況の報告を受けたのは15日。政府も動きだしたのは13日。この日の閣僚懇談会で首相・安倍晋三から停電の復旧に全力を挙げ、全省庁一体となって住民の生活支援に万全を期すよう各閣僚に指示したという。11日の内閣改造を延期していれば政府の対策は別のものになっていたはずだ。★官房長官・菅義偉は会見で「関係省庁に調査を指示した。指定基準を満たせば、速やかに指定の見込みを公表したい」と激甚災害指定を示唆した。また経産相・菅原一秀は復旧を前倒しするため、電力各社に追加人員の派遣を要請したというが、復旧の前倒しどころか指示の遅れは否めず、災害対策本部を官邸に9日に立ち上げていればこんな間抜けな時期に間抜けな指示は出ていないはずだ。1年後のオリンピックを考えれば、過剰と言われようともっと本気でやるべきだった。★しかし後手後手に回ったのは官邸だけではない。千葉県の初動対応にも問題がありそうだ。暴風が吹き荒れた翌日の10日に県に対策本部設置。知事・森田健作は「想定以上の台風でこうすればよかったのではと言われると、確かに足りなかった部分もあったかもしれず、大きな反省材料としていかなければならない。今回、情報をつかめなかったことをしっかり精査したい」としているが、断水していることを3日もわからないのは反省材料とは言えず大失態だ。政界には昔から「みこしは軽い方がいい」という言葉があるが、それを地で行くお粗末さだ。自治体の首長の力量はこういった場で試される。

千葉で停電続くも安倍政権はいまだ冷酷対応!「関係閣僚会議」も開かず菅官房長官は「台風被害」なのに「豪雨被害」と
 首都圏を直撃し、甚大な被害をもたらした台風15号。なかでも千葉県の被害は深刻で、昨晩からつづいた大雨によってきょうは館山市や南房総市で避難勧告が発令。また、停電復旧の見通しはどんどん後ろ倒しとなり、13日時点で全面復旧には約2週間かかるとの見通しが出され、台風直撃から1週間となったいまも約7万3000戸が停電中(本日18時時点)。さらに熱中症による死亡者も3人で、15日には通電火災が発生するなど二次被害も出ている。
 1000戸を超える家屋被害に、1週間以上もつづく停電や断水、土砂災害の危険──。一方、この被害規模に対し、安倍政権はあまりにも無責任かつ冷酷な対応をとりつづけている。
 たとえば、13日の記者会見で千葉県の台風被害への対応について問われた菅義偉官房長官は、こう断言した。
「今回の豪雨災害への対策については、大雨となる前から災害発生後にかけて、迅速かつ適切におこなったと考えております」
 まず、そもそも今回の被害は「千葉県観測史上最大を記録した暴風被害」「台風被害」と呼ぶべきもので、「豪雨災害」ではない。菅官房長官はほんとうに被害状況がわかっているのかと心配になるが、その上、6日と10日に関係省庁災害対策会議を開かれたことを理由に「対策は大雨となる前から災害発生後にかけて迅速かつ適切におこなった」と言い張ったのである。
 まったく冗談じゃない。気象庁が「記録的な暴風となるおそれがある」と発表したのは8日だがこれを受けた政府の動きは見られず、安倍首相が政府として対応をとったのは、首都圏で大きな被害をもたらした9日未明から4日も経った13日のこと。しかも、それは閣議後におこなわれる閣僚懇談会で安倍首相が停電復旧に全力を挙げるなどの指示を関係閣僚に出しただけだ。
 ようするに、安倍首相はいまにいたるまで、非常災害対策本部の設置はおろか、関係閣僚会議さえ開かず、「総理指示」も出していないのである。
 言っておくが、台風についてはこういう対応が普通というわけではない。実際、8月の台風10号のときは、8月14日、16日に関係閣僚会議を開き、「先手の対策を」と指示していたし、7月の台風5号のときも20日に国民への情報提供や避難支援などの対策についての「総理指示」を出し、22日には関係閣僚会議を開き「政府一体で対策を」と指示していた。
 また停電被害だけ見ても、昨年の北海道地震の際の43時間停電をもしのいでいる。
 繰り返すが、それが今回は、きょうになってもその「関係閣僚会議」も「総理指示」もないままなのである。これははっきり言って、政府として危機管理対応がまったく機能していない状態に陥っているのだ。
 しかし、ここまで被害が出ているにもかかわらず、一体なぜ、安倍政権はこんな態度に出ているのか。それには大きな理由があった。
 なんと、じつは8日日曜日には関係閣僚会議を開催する動きがあったというのに「大きな被害は出ない」として見送りにしていた上、9日には官邸幹部との会議で「2、3日で復旧するだろう」という見方を共有していたと、13日放送の『NEWS23』(TBS)が報じたのだ。
 ここで、8日から安倍首相が何をしていたか、いま一度振り返ろう。
 まず8日は、午前中に下村博文・元文科相の次男の結婚披露宴に出席したあと、15時すぎには富ヶ谷の私邸に帰宅。そのあとは麻生太郎財務相が遊びに来て1時間半ほど滞在し夕方17時すぎに帰っただけ、私邸でのんびり過ごしている。
 さらに甚大な被害が少しずつ判明してきた9日も同様で、台風被害に関係ありそうなのは、10時8分からたった5分間、沖田芳樹内閣危機管理監、関田康雄気象庁長官から報告を受けたくらい。あとは米国でNSC関係者と会談した薗浦健太郎首相補佐官、世耕弘成経済産業相など韓国への圧力を担う経産省関係者と面談しただけで、18時28分には自宅に帰っている。
 復旧が予想以上に遅れていることが問題化しはじめた10日も、閣議のあと、会ったのは麻生財務相、谷内正太郎国家安全保障局長、北村滋内閣情報官、防衛省の槌道明宏防衛政策局長、大塚海夫情報本部長だけ。19時41分に富ヶ谷の私邸に帰っている。そして、11日にはご存じのとおり、内閣改造が予定どおりにおこなわれた。
台風被害拡大するも、意地でも関係閣僚会議も開かず総理指示も出さない安倍首相
 ようするに、安倍首相をはじめ政権は、気象庁の警鐘を無視して台風被害を甘く見積もって対応を怠り、さらに甚大な被害がもたらされたというのに「2、3日で復旧する」などという無責任な判断をおこなった。しかも、安倍首相は11日に災害対応指示もそっちのけで、内閣改造を延期することなく強行したのだ。
 このように、安倍政権は危機管理の欠如どころか、国民の安全・生命を守ることを完全に放棄していたのだ。昨年の「赤坂自民亭」問題、および豪雨災害の初動の遅れを、安倍首相はまたも繰り返したというわけだ。
 しかし、断固として関係閣僚会議を見送り、被害発生後も甘い見通しで危機意識を持てていなかった「危機管理の欠如」を認めるわけにはいかない。だからこそ、「いまさら」と言われないために、いまだに安倍首相は「関係閣僚会議」も開かず、「総理指示」も出していないのではないか。
 さらに、内閣改造を延期しなかったのも同じ理由だろう。なかには「そんな重要な日程は動かせない」などと思っている人もいるかもしれないが、内閣改造は過去にも延期されたことがある。それは1999年9月30日午前、茨城県東海村の核燃料加工施設・JCO東海事業所で臨界事故が発生したときのことで、10月1日に内閣改造をおこなうことが予定されていたが、当時の小渕恵三首相は「こうした際に内閣改造をすることへの国民からの批判なども考慮」(朝日新聞1999年10月1日付)し、10月5日に内閣改造を延期したのだ。
 こうして延期しても、小渕首相に対しては「なぜいま内閣改造か」という批判も起こったのだが、安倍首相は驚くべきことに、そもそも「災害」などなかったことにしてしまったのである。
国民を見捨てて政権への批判を封じ込める──。昨年の豪雨災害時の対応といい、もはやこれは棄民政策であり、戦慄するほかない。
 しかも、下劣なことに、安倍自民党は批判をかわすために責任を東京電力に押し付けた。実際、自民党が13日に開いた停電被害にかんする対策会議では、東電の初動の遅れや見通しの甘さを指摘する声が上がったという。「初動の遅れ」「見通しの甘さ」というのは、まさしく安倍首相に対して向けるべき言葉だが、こうして責任を東電にすり替えたのだ。
安倍応援団や自民・小野田紀美議員は安倍首相の災害放置をエクストリーム擁護
 さらに、安倍応援団の高橋洋一氏は、災害被害があきらかになるなかでおこなわれた内閣改造について〈実務ではまったく影響ない。それどころか、かえっていいタイミングだ〉などと論評。内閣改造によって中央省庁官僚が手一杯で地方に災害のことを問い合わせる時間の余裕がなく、〈地方の官僚が余計なことをしないですむ〉からだと主張した(「J-castニュース」9月12日)。
 唖然とするような擁護だが、この無茶苦茶な主張と同様に、ネット上では現地視察をおこなった国民民主党・森ゆうこ参院議員に対して「迷惑行為」などというバッシングが発生。一方、“安倍政権のヤジ将軍”のひとりで、昨年の豪雨災害の被災地である岡山県選出の自民党・小野田紀美参院議員はこんな投稿をおこなった。
〈昨年の豪雨災害の時、ある首長さんから「現地に、役所に来ないでくれてありがとう」と言われた事があります〉
〈以前そういう話も聞いた事があったので、現場に駆けつけたい気持ちは抑えて一定の期間は現地に行かず、地方議員の方々や現地の支援者に電話で状況を伺い、国会議員の立場を使って出来る事に集中した一年前でした〉
〈何が言いたいかというと。表に見えなくても災害が起きれば政府は政府で、自民党としても与党として可能な限りの動きは既にやっているし、その地域に詳しくない議員がしゃしゃり出て行っても役に立たない〉
〈なので、現地に赴いて説明を聞いたりする様子をUPする議員をとにかく賞賛し、敢えてそうせず裏で動く議員を叩くような行動は控えて頂きたい。それを恐れてわらわらと現地に議員が行けば、困るのは現地の方々です〉
 政府も自民党もやることはやっている、国会議員や官僚が動くのは迷惑だ──。このように、安倍首相の初動の遅れなど棚に上げて、逆に被災地復旧のために動くことのほうに批判が巻き起こっているのである。
 国民の生命の安全を放棄した総理大臣は批判されず、復旧のために汗をかく人びとが批判される。だが、こんな状態が看過されていいはずがない。メディアもしっかりと政権の無責任かつ身勝手極まりない対応を検証・批判しなければ、安倍首相は何度も同じことを繰り返してゆくだろう。


安倍首相が補佐官人事でヒトラー並み側近政治! “影の総理”今井秘書官、百田尚樹に「沖縄2紙潰す」発言させた木原稔を抜擢
「疑惑まみれのタマネギ内閣」「お友だちの不良品一掃内閣」「極右不正政治家集結内閣」……とにかくひどいとしか言いようがない第4次安倍第2次改造内閣。加計問題のキーパーソンである萩生田光一氏をよりにもよって文科相に登用したり、スキャンダルの印象しかない今井絵理子議員をまさかの内閣府政務官に抜擢したりと、完全に国民を舐めた人事だが、しかし、もっとも驚かされたのは、この人事かもしれない。
 それは、今井尚哉首相秘書官を首相補佐官に昇格させ、さらには首相秘書官と兼任させるという人事だ。
 今井首相秘書官といえば、安倍政権の主要政策を仕切ってきた経産省出身の官僚で、“影の総理”の異名を持つ実力者。第二次安倍政権発足から政務を担当する首席秘書官を務めてきたが、今回の補佐官への昇格で「政策企画の総括」を担当するという。首相秘書官と首相補佐官を兼任するなどというのは、異例中の異例である。
 これはある意味、閣僚人事よりも深刻な話だろう。というのも、今井氏はこれまで「国民生活より安倍首相が第一」という方針を貫いてきた人物。それが今後、秘書官兼補佐官としてさらに強大な権限を握ることになるからだ。
 そもそも、今井首相秘書官は今井敬・元経団連会長と今井善衛・元通産事務次官の甥にあたり、さらに今井善衛は岸信介が商工大臣だった際に秘書官を務めていた。ジャーナリスト・森功氏の著書『官邸官僚 安倍一強を支えた側近政治の罪』(文藝春秋)によると、今井氏が善衛の甥だと安倍首相が気づいてから2人の距離は近づいたという。そして、第一次政権から支えてきた今井氏を、安倍首相は「今井ちゃんはなんて頭がいいんだ。本人の頭の中を見てみたい」などと惚れ込み、一方の今井首相秘書官も安倍首相の分身として政策を進めてきた。
 たとえば、今井首相秘書官は消費増税をめぐって財務省に介入するだけではなく、本サイトでも報じたように外務省の中国外交にまで口を挟み、2017年に自民党の二階俊博幹事長が訪中した際には習国家主席に手渡した親書を事前に中身を書き換えたほどで、「対中外交は外務省ではなく、俺がやってるんだ」と吹聴しているという。さらに、2015年9月に安倍首相がぶち上げた「アベノミクス新3本の矢」をつくったのも、「一億総活躍社会」なる全体主義的な気持ち悪いネーミングも今井首相秘書官のアイデアだというが、その際、今井首相秘書官は「今度のアベノミクスは、安保から国民の目をそらすことが目的なんだ」と話していたという(前掲書『官邸官僚』より)。
 だが、そうした今井首相秘書官が主導した政策や外交は、成果を出せていないばかりか、経産省の利権拡大ばかりを狙う姿勢がひどく、状況をどんどん悪化させている。今井首相秘書官はロシア外交や北朝鮮問題にもかかわっているというが、ご存知のとおり何も進んでいない。また、今井秘書官は、原発再稼働や原発輸出に固執して旗振り役も務めてきたが、すべての原発輸出計画が事実上、破綻。そのためか、今度は原発の国内新規建設に舵を切らせようと、しきりに安倍首相に働きかけているという。
補佐官に異例の抜擢をされた今井秘書官は森友公文書改ざんのキーマン
 さらに、重大なのは、今井首相秘書官はさまざまな不正への関与が取り沙汰されてきた“安倍官邸のガン”であるということだろう。
 記憶に新しいのは、森友学園の公文書改ざん問題だ。今井秘書官は財務省に改ざんを命じた人物ではないかと大きくクローズアップされ、複数のメディアが今井氏を名指しして“疑惑の本丸”“司令塔”と報道。前川喜平・元文科事務次官もこう証言していた。
「官僚が、これほど危険な行為を、官邸に何の相談も報告もなしに独断で行うはずがない。文書の詳細さを見れ