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MC0506図書館で本を借りたついでに警察署に行って再発行をお願いしていた運転免許証を受け取りました.写真が新しいのですが,なんだか若くない!!取り直しをしたいところです.古い免許証ではおデブの頃の写真だったので,どちらもダメなんですが・・・
録画してあったテレビでフランス語を見ました.LyonのGuignolです.

広島・長崎と福島―凶暴な原子の力、直視を

 核兵器と原発は長年、切り離して扱われることが多かった。それは正しかったのだろうか。

 68年前の広島、長崎の原爆被害に続き、福島でも核エネルギーによる途方もない被害を生じさせてしまった。

 核が抱える想像を絶するリスクに正面から向き合うことが、もはや待ったなしの時代だ。

■「核の飢餓」の恐れ

 核兵器の非人道性に焦点を当てて禁止につなげよう――。今年4月、ジュネーブで開かれた核不拡散条約(NPT)準備委員会に提出された「核兵器の人道的影響に関する共同声明」は、外交交渉での原点回帰の動きを示すものだ。

 非人道性を憎み、化学兵器や生物兵器だけでなく、クラスター爆弾や対人地雷も禁止条約ができているのに、核兵器が禁止されていないのは道理に合わないのではないか。国際NGOの力強い主張が近年、多くの政府に浸透し、外交の表舞台でも共有されるようになってきた。

 80カ国が賛同した「共同声明」は、核兵器が使用された場合の制御不能な破壊力、無差別な惨害の非人道性を指摘する。

 パウエル元米国務長官が朝日新聞の取材に「極めてむごい兵器で、軍事的には無用」と発言するなど、かつて核保有国で安全保障政策を担った重鎮が次々と核廃絶論を公言している。保有国は「共同声明」に賛同していないが、核はますます「使えない兵器」と化している。

 「共同声明」は、核戦争が国境を越えて環境を破壊し、次世代から健康、食料、水などを奪うとも主張する。

 米ロの全面核戦争では、舞い上がったすすや粉じんで「核の冬」が訪れるとされてきた。

 アラン・ロボック米ラトガーズ大教授(環境科学)らの最新研究は、インドとパキスタンがそれぞれの保有量の約半分の広島型原爆50発を使う地域核戦争(世界の核兵器爆発力の0・03%)が起きると、すす・粉じんによる気温低下やオゾン層の破壊による紫外線増加で、世界は「核の飢餓」に直面する恐れがあると指摘する。

 私たちはいまも、核戦争による破滅の縁にいるのである。

■核拡散の60年

 原子力にはそもそも核兵器への悪用、つまり核拡散のリスクがある。

 60年前、アイゼンハワー米大統領が国連総会で「平和のための原子力」演説をしたことが原発利用拡大のきっかけとなった。大統領は核物質と核技術の国際管理を提案し、軍事から民生利用への転換を促した。

 演説のあと、国際原子力機関(IAEA)とNPTが生まれた。しかし、国際管理は実現せず、拡散が進んだ。米ロ英仏中に加え、インドとパキスタン、北朝鮮が核実験。イスラエルも核保有が確実視され、イランの開発疑惑も続いている。

 今後、途上国での原発急増が予想されるが、核兵器用の高濃縮ウランやプルトニウムを入手する隠れみのになりかねない。

 原発経由の核拡散リスクをどう考えるべきか。

 オーストリアはNPT準備委員会で、原発事故や核テロ、核拡散を懸念し、「平和利用という権利を使わない選択をした」と表明した。破滅リスクを避ける脱原発政策は傾聴に値する。

■原発政策も見直せ

 日本政府は米国の「核の傘」への影響を考慮して「共同声明」には賛同しなかった。将来の賛同には含みを残した。

 だが、核の非人道性を確認するだけでなく、核リスク脱却と逆行する原子力政策の転換にもっと力をこめる必要がある。

 安倍政権は原発輸出に前のめりだが、核拡散だけでなく被曝(ひばく)・環境汚染のリスク、放射性廃棄物問題の輸出になりかねない。NPTに背を向けるインドと原子力協定を結べば、NPT空洞化を進めることになる。

 日本の余剰プルトニウム保有への世界の厳しい目に対しても、自覚が足りない。安倍政権は明確な削減計画を示さないまま、使用済み燃料からプルトニウムを取り出す事業の継続を表明している。倒錯した政策は一刻も早く放棄すべきだ。

 むしろ、リスクを増幅するような甘い核拡散防止体制の改革を主導することこそ、世界が日本に期待するところだろう。

 今後、「共同声明」の趣旨を世界の基調にしていくには、発想の切り替えが不可欠である。

 広島原爆がテーマの戯曲「父と暮(くら)せば」を書いた井上ひさしは生前、「遅ればせながら『心の被爆者』になろうと思う」と被爆者の手記を読みあさった。

 より多くの日本人が被爆地の惨禍をもっと思い起こし、福島の被災者の苦境もきちんと知る。ヒバクによる健康被害の不安や恐怖などを共有し、「心のヒバクシャ」となって、人類と核の間に横たわる矛盾を内外に発信していくべきではないか。

 私たちはいま、非核時代へ世界を向けられるかどうかの岐路に立っている。

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