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La meilleure baguette de France est japonaise et faite en Alsace!
La quatrième édition du concours national de la meilleure baguette de tradition française a été remportée hier par la Japonaise Mei Narusawa, première femme et étrangère à être couronnée par ce titre.
Ce prix a été remis deux semaines après le Grand Prix de la meilleure baguette de tradition parisienne, décerné à Sami Bouattour (boulangerie Brun, XIIIe arrondissement), qui s’apprête à fournir pendant un an Emmanuel Macron.
Âgée de 34 ans, Mei Narusawa travaille à la boulangerie Durrenberger, à Mertzwiller, dans le Bas-Rhin, après être notamment passée chez Eric Kayser, au Japon et à Paris.
A l’issue de la finale qui a opposé mercredi matin à Paris six candidats, la jeune femme a été distinguée par un jury composé de 13 personnes, dont quatre boulangers, mais aussi les sportifs Eunice Barber, championne du monde d’athlétisme, et le rugbyman Mikaele Tuugahala.
Elle succède à Ludovic Beaumont, boulanger à Brest.
Le concours était organisé dans le cadre de la 22e édition de la Fête du pain, qui se tient du 13 au 19 mai.
Plus de 12 millions de consommateurs fréquentent chaque jour les boulangeries, selon la Confédération nationale de la boulangerie et boulangerie-patisserie française.
フランス語
フランス語の勉強?
望月衣塑子‏ @ISOKO_MOCHIZUKI
朝日が報じた #加計 問題だが、NHKも同じブツを入手、トップ級で報じようとしていたが、聞きつけた官邸がその妨害の為にNHKに眞子様ご婚約をリーク、朝日に抜かれ、加計扱いも格下げになってしまったよう。皇室ネタを利用してまで暴かれたくない #安倍 首相と #加計 理事長との蜜月関係
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ハイヒール(リンゴ・モモコ) チュートリアル(徳井義実・福田充徳) たむらけんじ 鹿沼憂妃 大野聡美(ABCアナウンサー) 江川達也 筒井康隆 内田麻理香(サイエンスライター)… 東京大学工学部、大学院工学系研究科修了後、工学部広報室特任研究員を経て独立。身近な科学を伝えるサイエンスライターとして活動し、絶大な人気を誇る。


メキシコ料理を食べに行こうとしていたら,W2人に声をかけられました.お互いの日程を調整して26日になりました.
今日は眠くてたまりません.とても眠い.
5・18というのはいろいろメモリアルな日だけど,光州民主化運動から37年になります.どれだけの人が当時の軍事政権によって命を落としたのでしょう.時間がある時に調べてみたいです.
ヨドバシで共謀罪反対のアピールを聞いてジュンクに行ってから中ノ島へ.
朝鮮学校がんばれです.

<藤の花満開>津波に耐えて 住民の心癒す
 東日本大震災で大きな被害が出た気仙沼市大浦の波板地区の民家跡地で、津波に耐えた藤が今年も花を咲かせた。周辺は多くの住宅が流され、高台移転を強いられたり地元を離れたりした人は少なくない。高さ約3メートル、幅約5メートルで、奥行きは約6メートルある見事な藤棚は満開を迎え、ひときわ存在感を増している。
 藤棚があるのは、県道218号沿いにある小野寺宏美さん(59)=気仙沼市上田中=のかつての自宅敷地内。母屋は、2階まで達した津波で全壊した。祖父の代から大切に育ててきた藤は横倒しになりながらも流されず、奇跡的に残った。震災があった2011年、がれきに埋もれる中で淡い紫色の花を付けた。
 自宅跡を更地にしたが、根を張り続ける藤は棚を作り直して養生した。「安波山の新緑と気仙沼湾を背に咲く光景が好き。震災前の大切な記憶が詰まっている」と小野寺さん。津波で帰らぬ人となった父と過ごした思い出の場所は手放さずにいる。
 久しぶりに晴れ間がのぞいた16日はほのかな香りに誘われ足を止める近隣の人たちがいた。波板地区で向かいに暮らす会社員三上ユミさん(45)は母親らと訪れ「たくましく美しい花ですね」と感慨深げに見詰めた。


河北春秋
 「夏にボランティアの一人として被災地をお手伝いする機会がございました」「実際に行ってみないと分からないことがあると実感いたしました」。秋篠宮家の長女眞子さま(25)は2011年10月、ご成年を迎える際の会見で東日本大震災に触れられた▼国際基督教大2年の7月、被災地の子ども支援団体の活動に参加して石巻市、岩手県山田町と大槌町を訪ね、子どもたちの夏休みの思い出づくりを手伝った。皇族としてでない私的な参加で、東京では感じられない震災の現実に接し、地元の人の話に耳を傾けた▼自らの進路も、皇族では初めての大学を選び、学芸員の資格を取って博物館の特任研究員として働く。そんな自立心に富む眞子さまが新たな人生に歩みだす。大学の同級生だった小室圭さん(25)と婚約すると報じられた▼法律事務所勤務の小室さんはきのう、記者団に囲まれた。身辺の変化に驚いた様子で、眞子さまとこの朝電話で「行ってきます。『行ってらっしゃい』という会話をしました」と明かした。支え合う絆を重ねてきたのだろう▼祖父母の天皇、皇后両陛下は東北の被災地にたびたび通われ、傷ついた人々を励ましてきた。その姿を間近で見つめた眞子さまには、変わらず社会に関わり、新しい時代の家族を育んでほしい。

<レノバ>集団移転跡地に木質バイオ発電計画
 再生可能エネルギー開発のレノバ(東京)などのグループが、東日本大震災で被災した仙台市宮城野区の蒲生北部地区で木質バイオマス発電所を計画していることが17日、分かった。出力規模は未定だが、仙台圏への電力供給を想定する。
 グループには住友林業(東京)とユナイテッド計画(潟上市)が参加。木質ペレットやパームヤシ殻を燃料に使う計画だ。
 グループは、仙台市が買い取った防災集団移転跡地5区画の活用事業に応募。市の選定委員会の審査を経て事業候補者に決まった。七北田川沿いの9.6ヘクタールの区画のうち、5.0ヘクタールを利用する。今後、市と立地協定締結の協議を始める。
 残る4区画のうち、3区画の事業候補者は富田運輸(宮城県大和町)、二葉運送(岩手県矢巾町)、丸山運送(仙台市宮城野区)で、いずれも物流倉庫に使う。1区画は応募がなかった。
 区画の使用開始時期は2018年10月〜20年2月。市は立地促進のための助成制度を新設した。小規模区画の立地希望者は今後募集する。


メディア時評 被災した母たち 懸命の子育て=島田修三・愛知淑徳大学長、歌人
 東日本大震災被災直後、仙台から幼い子どもとともに宮崎に移り住んだ大口玲子という歌人がいる。微量といえども、東京電力福島第1原発事故による放射能漏れの幼児への影響を恐れたからだ。自主避難である。昨年刊行された大口著「神のパズル」によると、被災直後、西に向かう東海道新幹線は大口と同じ理由で西に向かう母子連れにあふれ、保育園のようだったという。ボランティア団体が宮崎に福島の母子を招待した際、大口はこんな歌を詠んでいる。
<福島より来たりて宮崎の土を指し「これさはってもいいの」と訊(き)けり>
<ポケットに落葉をつめて雪しまく福島空港へ子らは発ちたり>
 震災後を生きる福島の子らは汚染した土や落葉を触ることを禁じられている。胸の痛むことだ。母親たちはそういう息苦しく不自然な環境下で子どもを育てているのだ。自主避難をした大口は今も<放射能が気になりますかと尋ねくる声かすかなる侮蔑をふくむ>という一首のような陰湿な悪意に出合うことがある。
 福島に限らず、被災した母親たちの子育ての実態は不安に満ちたものだろう。毎日新聞4月23日朝刊がストレスに疲弊した被災地の母親たちの現状をつぶさに報告している。自宅を失い、子育ての協力者(祖父母)を失い、避難生活で安穏なコミュニティーを失った母親たち。福島はそこに放射能汚染の不安が加わる。文部科学省研究班の調査結果では、震災直後に出産した岩手、宮城、福島県の母親に高い確率で抑うつ症状が表れており、乳幼児の発達にも深刻な影響が出ていると記事は伝える。
 震災の被害は今なお続いているのだ。憲法25条の保障する「健康で文化的な最低限度の生活」の権利=生存権の危機にさらされながら、子どもを懸命に育てる多くの母親たちがいる。その現実をメディアは支援や改善への強い提言とともに伝え続けてほしい。私は大口の次の一首に深くうなずかざるをえない。
<福島で生きる母親に強さありその強さに国は凭(もた)れかかるな>


高浜原発 関電本店前に70人超 再稼働に反対の声
 大阪市北区の関西電力本店前では17日、関西の市民70人以上が集まり「私たちは同意していない」などと反対の声を上げた。大阪府河内長野市の看護師、藤岡淳子さん(59)は「(事故が起こり)琵琶湖の水が汚染されたら大変。都市住民が自分のこととして声を上げることが、結局は自分を守ることになる」と話した。
 関電前で15日から断食していた福井県小浜市の明通寺住職、中嶌哲演さん(74)は17日夕、「再稼働しても屈したくない」と表明。18日からは福井県庁ロビーで断食を続ける。「県や国に高浜原発周辺の過去の地震・津波の詳細調査を求める」と話した。【大島秀利】


高浜再稼働反対、ゲート前でデモ 福井県庁前でも抗議
 「再稼働反対」「原発いらない」。原発に反対する市民団体メンバーら約70人は17日、関西電力高浜原発(福井県高浜町)のサイト周辺で抗議活動を繰り広げた。
 参加者は関西からが中心。「若狭の原発を考える会」の呼び掛けにより、正午ごろ、サイトから約400メートル離れた展望台に集まった。旧日本原子力研究所の元研究員で同会代表の木原壮林さん(73)=京都市=は「不要な原発を動かして、事故の不安におびえる必要はない」と訴えた。
 警察が厳戒態勢を敷く中、参加者はのぼり旗を手に「電気は足りてる」「金より命」などとシュプレヒコールを上げながら行進した。ゲート前では3、4号機を前に、木原さんと坂上和代さん(70)=福井県小浜市、東山幸弘さん(70)=高浜町=の3人が「安心して生活できる社会を求める」などと書かれた発電所長ら宛ての申し入れ書を関電側に手渡した。
 午後5時5分ごろ、再稼働したニュース速報が入ると、参加者は「高浜原発直ちに止めろ」と訴え、熱気はさらに高まった。木原さんは「われわれはこれだけ警告してきた。もし事故が起きたら関電はどう責任を取るのか」と強調した。
 周辺では警察による検問が2カ所で行われた。
 福井県庁前では、原発問題住民運動県連絡会の呼び掛けで、市民約40人が集結。正午から約1時間にわたり、反対行動を展開した。同会代表委員の佐藤正雄県議は「安全神話は福島原発事故で吹き飛び、6〜7割の国民は原発の利用に反対している。無謀な再稼働は許されない」と訴えた。
 また、グリーン・アクション(京都市)など関西の反原発21団体は抗議声明を発表した。「事故が起これば、放射能は関西全域に及び、住民1400万人に甚大な被害を及ぼす」などとして、再稼働の即刻中止を求めている。国際環境保護団体グリーンピース・ジャパン(東京)も、「安全上の問題を残したままの再稼働」などとする声明を出した。


高浜原発再稼働  京滋住民の不安消えず
 関西電力が高浜原発4号機(福井県高浜町)を17日午後、再稼働させた。昨年3月の大津地裁による運転差し止めの仮処分決定を今年3月に大阪高裁が取り消したのを受け、約1年3カ月ぶりの稼働になる。関電は司法の「お墨付き」を得て手続きを進めてきたが、事故時の避難経路などについて京都や滋賀の住民が提起してきた問題は積み残されたままだ。
 高浜4号機は昨年2月に再稼働したが直後の電気系統トラブルと大津地裁決定を受け停止していた。大津地裁は差し止め理由として、地震や津波対策などで関電の安全性の立証が不十分と指摘。原子力規制委員会の新規制基準にも不十分な点があるとしていた。
 大阪高裁はこれに対し抗告審決定で、新規制基準と関電の安全対策は福島第1原発事故の教訓を踏まえている、として再稼働を認めた。
 だが、規制基準は基準となる規模の地震に対する原子炉や原発施設の強さの指標だ。避難経路の安全性などは考慮にいれていない。クリアしたとはいえ、どのような事態でも安全とは言い切れない。
 昨年8月、国と京都府、滋賀県、福井県が合同避難訓練を実施したが、船やヘリコプターの避難が悪天候で中止された。今年1月には滋賀県北部の大雪で事故時の緊急輸送道になっている国道161号が長時間、大渋滞した。避難計画がその日の天候に左右される実態が浮かび上がった。
 再稼働のお墨付きを得た後の関電の姿勢にも疑問符が付く。
 高浜原発では昨年2月に電気系統トラブルや水漏れが起きたのに加えて、今年1月にはクレーンの倒壊事故も起きている。
 関電は一連のトラブルについて京都府や原発周辺の京都府内市町と再発防止策を協議している。その一方で着々と再稼働手続きを進めてきた。山田啓二京都府知事は「不信感を抱かざるを得ない」と苦言を呈したが、同様の思いを持つ住民は少なくないだろう。
 安倍政権は原発の再稼働方針を明確にしており、国内で稼働する原発は九州電力川内1、2号機(鹿児島県)、四国電力伊方3号機(愛媛県)に次ぎ4基目となる。
 関電は高浜3、4号機が営業運転に入った段階で電気料金を引き下げる計画という。今回の再稼働で一時的には財務改善が進むとみられているが、原発に依存する経営体質から脱却した方がよいのではないか。具体的な脱原発の道も早期に示してほしい。


「カネより命!」 原発再稼働、京都・滋賀から抗議
 停止していた原子炉が、わずか1年余りで息を吹き返した。17日に再稼働した高浜原発4号機(福井県高浜町)。施設周辺では反対派の市民らが激しい抗議活動を展開し、地元や隣接する京都や滋賀の住民からも不安の声が上がった。一方、経済関係者は歓迎や安堵を口にした。
 「原発いらない」「電気は足りてる」「カネより命」。高浜原発の周囲では、京滋など全国から集まった約100人(主催団体発表)が再稼働に対して反対のシュプレヒコールを繰り返した。
 午後1時、「高浜原発うごかすな!」と書かれた横断幕を先頭にデモ行進を開始し、大勢の警察官が警戒する原発の北ゲート前に到着。京都工芸繊維大名誉教授で「若狭の原発を考える会」代表の木原壯林さん(73)=京都市山科区=ら3人が、関電の担当者に再稼働断念を求める申し入れ書を読み上げ手渡した。木原さんは「原発ではトラブルが相次ぎ、制御できるものではないことは明らかだ」と憤った。
 京都脱原発原告団事務局長の吉田明生さん(67)=伏見区=は「事故が起これば京都も大きな被害が出るのは福島を見れば明白だ。関電には原発で発電しない電力会社になってほしい」と批判。高島市から参加した中山節子さん(70)は「福島の事故は収束していない。原発事故が起これば取り返しがつかず、子どもたちや美しい自然を守りたい」と訴えた。
 のぼりやプラカードを掲げ、午後5時20分ごろまで抗議活動を続けた。


「福島の経験生きず」 高浜再稼働に滋賀への避難者ら
 「国や電力会社は、国民に対して、安全に責任を持つ自覚はあるのか」。福島第1原発の事故を受けて福島県相馬市から滋賀県栗東市に避難している佐藤勝十志さん(56)は17日、高浜原発再稼働に危機感を募らせた。
 事故で得意先が移転し、経営していた設備業の継続が難しくなり、抱えた負債で自宅を手放した。現在、訴訟や裁判外紛争解決手続き(ADR)で国や東京電力に賠償や慰謝料を求めているが、家族や自身の体調不良が重なり、日々の暮らしは厳しい。
 それでも「原発や震災を考える一助になれば」と人前で自身の経験を語る。「立地県ではないが原発に近い滋賀は、事故になれば多くの自主避難者が出るのではないか」と不安視する。
 前復興相の「東北で良かった」発言など、今も失望する事態が続く。「あれほどの事故を経験しながら、国民の生活や安全を軽視する姿勢は全く変わっていない。こんな状態で再稼働していいのか」と憂う。
 「あきれはてた。待ってましたとばかりの再稼働で許し難い」。南相馬市から大津市に避難する青田勝彦さん(75)も同日、憤りをあらわにした。大阪高裁が大津地裁決定を覆して再稼働を認めた高浜原発3、4号機の仮処分で申立人に名を連ねた。「地裁決定が示した原発への懸念は何も解決していない」と語気を強める。
 1975年には福島第2原発1号機の設置許可取り消し訴訟の原告となり、最高裁まで争った。「一審の最中にスリーマイルアイランド、二審でチェルノブイリの事故があったが、判決には反映されなかった。今回も福島の経験が生かされていない」と語った。


高浜4号再稼働 安全性を十分説明すべき
 関西電力高浜原発4号機が県内原発として約1年3カ月ぶりに原子炉を起動、再稼働にこぎ着けた。3号機は6月上旬の予定だ。原発の安全性を巡り、一、二審段階で両極端の判断が示され、関電が目指す安定稼働から程遠い状況が続いてきた。揺れる司法判断は、2011年の東京電力福島第1原発事故がいかに深刻であるかの証左である。
 各種世論調査でも再稼働に反対の声は確実に高まっている。事故時の住民避難など問題が山積する中で、国民の信頼を得ることが困難な状況にある。
 「体制を強化し、安全管理に万全を期してまいります」。関電はこれまで事故・トラブルを起こすたびに同様の文言を繰り返してきた。不退転の決意が本物か、実績で示すしかない。
 高浜原発はこの2年間、原発反対住民らの訴えによって、福井地裁による運転差し止め仮処分、一転取り消し、大津地裁による運転差し止め仮処分、大阪高裁による仮処分取り消しと、司法判断が二転三転した。
 浮かび上がるのは、司法の限界である。原発の安全性、リスクに関しては高度な専門性が要求され、客観判断することは極めて困難だ。地裁では裁判官同士が「二項対立」に陥り、高裁段階では関電主張や国策を丸のみした。司法の独立性に疑問符が付く状況だ。
 過酷事故が発生すれば被害に遭うのは住民である。福島事故は収束のめどさえ立たず、東電や国の責任も曖昧なまま。耐震安全性も専門家の間で見解が大きく分かれる。それでも安倍政権は国内外で原発依存政策を強めるばかりだ。
 国内では九州電力2基と四国電力1基が既に稼働、関電大飯3、4号機は今月中にも原子力規制委員会の審査に合格の見通し。再稼働が本格化する。
 安全確保に万全を期すのは当然だが、高浜4号機は昨年2月20日、再稼働の準備中に1次冷却水漏れが発生、26日に炉を起動させたが3日後緊急停止、今年1月には原発構内でクレーン倒壊事故を起こした。
 規制委の指摘を待つまでもなく、危機意識が欠如しているからだ。長期の運転停止や運転員の経験の少なさは理由にならない。安全管理が99%万全でも1%のミスでほころび、信頼を失う。それが原発の宿命だ。
 2基はプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を装荷する。初のプルサーマル発電となるが、制御棒やホウ酸の効きが低下するなどの指摘がある。
 使用済み燃料はどうする。関電は中間貯蔵施設の早期県外立地を県に約束したが適地は未決定だ。行き場のない高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分のほか弾道ミサイル攻撃の抑止力問題も浮上した。
 住民避難計画でも課題が多い。広域避難の困難性に加え、高浜、大飯両原発で同時に事故が起きる事態などは想定されていない。
 安全に対する第一義的な責任は事業者が負う。安全性を主張するなら、自信を持って県民対象に住民説明会を開くべきである。


賠償受け取った水俣病遺族も補償協定の対象 大阪地裁が認める
関西に住む水俣病の患者の遺族が、過去の裁判で賠償金を受け取ったことを理由に原因企業のチッソから補償協定を結ぶことを拒否されたのは不当だと訴えた裁判で、大阪地方裁判所は「裁判で認められた賠償を超える救済を行うのが協定の趣旨だ」として協定の対象と認める判決を言い渡しました。
大阪と兵庫に住んでいた水俣病の患者2人は、当初水俣病と認定されず救済を受けられなかったため、国やチッソなどに賠償を求めて裁判を起こし、平成16年に勝訴が確定して賠償金を受け取りました。2人は亡くなったあと水俣病と認定され、遺族はチッソに対し慰謝料のほか、介護費用や葬祭料などより手厚い救済を受けられる補償協定の対象にするよう求めましたが、チッソは「賠償金以上の補償は必要ない」として協定を結ばず、遺族が不当だと訴えていました。
18日の判決で大阪地方裁判所の北川清裁判長は、「補償協定はチッソが甚大な被害を反省し、裁判での賠償を超えて患者を広く救済するために定められたと考えるべきだ。賠償を認められたからといって除外することはできない」と指摘し、協定の対象と認める判決を言い渡しました。今回は、裁判長が判決の理由も読み上げ、読み終わると傍聴席の支援者から拍手がわき起こりました。
「すばらしい判決だ」
判決のあと、原告の弁護団の大川一夫弁護士は記者会見で、「非常にすばらしい判決で、内容的にも完璧だ。チッソは控訴すべきではない」と述べました。原告の1人は「ほっとしたが、これまで何度もいい判決をもらっても、そのとおりになっていないので、すぐには喜べない」というコメントを出しました。
「コメントを差し控える」
判決について、チッソは「コメントを差し控える」としています。


チッソに補償命じる=水俣病、賠償確定の遺族勝訴−大阪地裁
 水俣病の損害賠償請求訴訟で賠償金を得たことを理由に、原因企業チッソが補償協定を結ばないのは不当だとして、水俣病認定患者2人の遺族が同社に補償を求めた訴訟の判決が18日、大阪地裁であった。北川清裁判長は「確定判決を患者に不利に解釈するのは相当ではない」と述べ、訴えを認めた。
 訴えたのは2013年に死亡した女性の70代の遺族女性と、07年に死亡した男性の遺族。患者2人は水俣病関西訴訟で04年にそれぞれ650万円の賠償が確定した後、熊本県から患者と認定された。
 チッソが1973年に患者側と結んだ補償協定は「締結以降に認定された患者にも適用する」と定めており、遺族は賠償金を上回る内容の補償を求めたが、チッソは確定判決を理由に拒否した。
 北川裁判長は、補償協定には被害者全員の救済と再発防止が盛り込まれていると指摘。「甚大な被害をもたらしたことを反省し、司法で認容される程度を超えた救済を定めた」と述べ、賠償を受けた患者を除外するのは協定の趣旨に反すると判断した。


大学新テスト案 公平性の確保が大切だ
 大学入試センター試験に代わり2020年度から始まる「大学入学共通テスト(仮称)」の実施方針案が公表された。
 英語で複数の民間検定試験を活用し、国語と数学では記述式問題を導入する。
 知識偏重型だったマークシート方式のセンター試験に対し、思考力、判断力、表現力を重視する新テストの方向は理解できる。
 ただ、英語の民間試験は内容はもちろん、実施回数や地域ごとの会場数などがまちまちだ。民間委託する国、数の記述式問題の採点も、公平性の確保に疑問が残る。
 文部科学省は受験生の理解を得るためにも、不公平が生じぬよう、丁寧な制度設計と十分な説明が求められる。
 方針案で最も懸念されるのは英語だ。従来の「読む、聞く」能力に加え、「書く、話す」能力も評価するため、英検やTOEFLなど10種類程度の試験を活用する。
 ただ、これらの試験は留学用、ビジネス用などと、それぞれ目的が違う。難易度や実施時期も異なる試験の成績を、どう一元的に比較するのだろうか。
 民間試験の受験回数は、高校3年の4〜12月の間に2回までと限定した。
 しかし、事前の「力試し」に制限はない。検定料は5千〜2万数千円だ。何度も受ければ負担も大きい。これでは、家庭の経済事情で事前対策に差がつきかねない。
 貧困に伴う教育格差是正が大きな社会問題となる中、その流れに逆行しないか。低所得世帯への検定料減免などを講じるべきだ。
 民間試験には得点のコツもあるとされる。高校の英語の授業が、単なる「検定対策」になるようなことがあってはならない。
 民間業者による国語、数学の記述式問題の採点にも不安が残る。
 国語では80〜120字程度で解答する設問を、数学では数式や解き方などを問う設問を、それぞれ3問程度出題する。
 明確な採点基準の下、公平を期すことは当然だが、それでも採点者によって違いが生じることはないだろうか。
 2次試験出願に向け、結果を知りたい受験生たちが自己採点できるよう、部分点の扱いなど詳細な採点基準の公表も必要となる。
 文科省は関係者の意見を聞き、6月に実施方針をまとめる。
 入学試験で重んじられるのは公平性だ。受験生たちがそこに不安を抱かないようにすることが、何よりも大切である。


大学共通テスト 「改革の原点」を見失うな
 何のために新テストを導入するのか。素朴な疑問を禁じ得ない。
 文部科学省が大学入試センター試験の後継として2020年度から始める「大学入学共通テスト」の実施方針案を公表した。
 英語は英検など民間の検定試験に移行する。国語と数学の一部に記述式問題を導入し、採点には民間業者を活用するという。
 民間業者の手まで借りて共通テストを肥大化させ、コストも増やす必要が本当にあるのか。検定試験に合わせて英語の授業がゆがむ恐れはないのだろうか。
 80〜120字前後の記述式問題が3問加わる程度で思考力や表現力を評価できるのか。教育現場から疑問の声が上がるのも当然だ。
 知識偏重のセンター試験で1点の差が合否を分ける一発勝負−。そんな硬直化した入試制度では多様な力が求められるグローバル時代に対応できない。この危機感こそ「改革の原点」だったはずだ。
 教育再生実行会議が13年に提言を出し、議論の口火を切った。
 共通試験は年に複数回実施し、成績は学習到達度を示す大まかな段階別表示にとどめる。各大学が創意工夫して、多面的・総合的な評価で合否を判定する。そんな提言の方向性は、中央教育審議会も大筋で踏襲した。
 ところが、今回の実施方針案は記述式問題と英語の成績こそ段階別表示だが、大半は1点刻みで採点されるマークシート方式である。木に竹を接ぐような不自然な格好だと言わざるを得ない。
 そもそも共通テストを従来通り合否に直結する試験とするのか。それとも、学習到達度の目安を示す試験として大学に個別選抜の充実を促すのか。その根本的な姿勢が曖昧である。20年度からの即時移行と23年度まで現行のテストと併用する2案を提示した点にも文科省の「迷い」がうかがえる。
 1979年に共通1次試験が始まって約40年になる。名称も内容も幾多の変遷を重ねてきた。全国一斉の大学入試システムが時代や社会の要請に即しているのか、改めて検討すべきである。


大学新テスト/公正と公平が保てるのか
 文部科学省が、現行の大学入試センター試験を衣替えして2020年度の受験生から導入する新テスト「大学入学共通テスト(仮称)」の案を示した。
 英語は民間の検定試験に移行し、国語と数学の一部で記述式を導入する。センター試験が始まった1989年度以来、約30年ぶりの大きな改革だ。
 文科省は意見公募などを経て6月中に実施方針を作成し、19年度までにプレテストを3回行った上で大綱をまとめる。大幅な変更となるだけに、受験生にも準備の時間が必要だ。混乱を招くことのないよう、高校や大学など現場の声を反映させていかねばならない。
 英語では民間の検定試験を活用して「書く・話す力」も評価する。20年度から全面移行する案と、23年度までは共通テストも受験可能にして24年度から全面移行する案を示した。
 検定試験は英検やTOEICなど10種類が示された。試験会場数や年間の実施回数はばらばらだ。受験料も3千円程度から約2万5千円まで幅広い。2回まで受験が可能というが、居住地や家庭の経済事情で受験の機会が制限されることがあってはならない。十分配慮すべきだ。
 民間の検定試験は、留学やビジネスなど目的がさまざまだ。学習指導要領の内容と整合性がとれない、との指摘もある。文科省は成績評価の統一基準によって語学力を段階別に表すという。目的が異なる試験の結果を共通の尺度で評価することが適切だろうか。
 国語と数学では、マークシート式と同じ時間内に3問程度の記述問題を出す。知識偏重型から思考力重視の入試へ転換を図る狙いがある。
 国語では、行政機関の広報資料や契約書といった実用的な文章を題材に、読解力や説明力などを試す。数学では数式や課題解決の方法などを記述させる。
 50万人以上が受ける試験なので採点は民間業者に委ねる。採点基準にばらつきが生じないようにする対策も求められる。
 中教審が掲げた「受験生の資質を多面的に測る入試」を実現するためには、公正な評価と公平な受験機会の確保が大前提だ。大綱策定に向け、議論を深めるべき点は山積している。


学入試改革 英語民間検定導入 公平性に懸念
 現在の中学3年生が高校3年生になる2020年度から、大学入試センター試験を衣替えして導入する「大学入学共通テスト(仮称)」について、文部科学省は実施方針案を公表した。英語は民間検定試験を活用し、国語と数学で記述式の問題を導入する。意見公募を経て来月、正式に決定される。
 約30年ぶりの大改革を掲げる政府の教育再生実行会議の提言から3年半。公平性の確保や採点基準の明確化など課題は山積しており、あと3年というごく限られた準備期間で解消できるのか懸念は尽きない。期限ありきの拙速な移行で教育現場を混乱させてはならず、受験生に不公平を生じさせないよう、制度設計を慎重に見直すことが必要だ。そもそも入試の形をこのように変えることで、目指すべき高校や大学の教育改革につながるのか、根本に立ち返って議論するよう求めたい。
 英語の民間検定への移行には特に問題が多く、「丸投げ」は容認できない。
 英検やTOEICなど10種類の検定試験が対象候補に挙がるが、都会と地方では受けられる機会に大きな開きがある。例えば試験会場については、全国約1万7千カ所で実施する試験があれば、12カ所でしか受けられないものもある。都会の受験生は多様な試験から選べるが、地方では限られてしまう。
 受験料も3千円台から高いもので約2万5千円必要になる。高校3年の4〜12月に2回まで受験できる仕組みだが、練習のために1、2年、もしくは小中学生から何度も受験することが予想される。既に学習塾や私立校で対策に乗り出す動きも活発化しており、経済的にゆとりのある家庭が有利になる状況は看過できない。
 「書く・話す」力を見ることを目的とするが、内容自体が入試にふさわしいとも言い難い。検定試験の目的は、ビジネスや留学生の選抜などそれぞれ違っており、学習指導要領で定める学習内容とは必ずしも合致しない。それぞれの検定試験には点を取る「こつ」があり、高校の授業が「検定対策」になってしまう恐れがある。入試改革は知識偏重からの脱却が目的だったはずだ。これでは本末転倒と言わざるを得ない。
 さらには評価の正確性にも疑問が残る。別々の試験の結果を語学力の国際標準規格に基づいて換算し、6段階で示すというが、それぞれ評価の観点が異なるにもかかわらず適切に力を示せるのか。基準の公表など情報公開が欠かせないが、それでもなお自己採点に基づいて志望校を決める受験生が戸惑うのは目に見える。同様の不安は、採点を民間に委ねる国語の記述問題に関しても広がろう。
 大学入試改革は高校や大学、ひいては学校教育全体をよりよく変えるための手段。安易に民間委託する前に、現場との議論を深め、求める教育の将来像を描き直してもらいたい。


【新大学入試】公平性が実施の大前提だ
 大学入試センター試験に代わって2020年度に始まる「大学入学共通テスト」(仮称)の実施方針案を文部科学省が公表した。
 国語と数学に記述式問題を取り入れ、英語に民間検定試験を導入するのが大きな特徴だ。
 長年、知識偏重だと批判されてきた入試制度が、思考力や表現力なども問う新たな方向に転換することになる。マークシート式の共通1次試験が導入された1979年以来の大改革といっていいだろう。
 その理念は評価するが、受験生や教育現場への影響は相当大きくなりそうだ。採点基準への疑問や受験機会の格差などを指摘する声も相次いでいる。
 実施は公平な入試制度が担保されていることが大前提だ。文科省は教育現場などの声を十分に聞き、制度設計の充実が求められる。
 センター試験の見直しは、2013年に政府の教育再生実行会議が提言した。中央教育審議会が思考力重視へ転換を図るよう答申し、文部科学省の専門家会議が2016年春、記述式の導入などを柱にした報告書をまとめていた。
 方針案によると、国語と数学はマークシート式問題に加えて複数の記述式問題を課して思考力や判断力、表現力を評価する。
 大学入試センターがモデル問題も公表し、国語には、自治体の街並み保全策を紹介した資料と住民の親子の会話を基に、施策の影響や賛否などを35〜120字以内で答える設問などがある。資料の分析力と課題を整理して論じる能力が必要だ。
 気になるのは、記述式は正解が明確なマークシート式と違い、解答にばらつきが出やすいことだ。採点も機械ではなく、人が担当する。採点基準を明確にする必要があるのではないか。
 英語はさらに議論を呼びそうだ。現行の「読む・聞く」に加え「書く・話す」技能も問うため、英検やTOEICといった民間検定試験を活用する。
 複数の検定試験の中から指定期間内に2回まで受けることができる。検定試験に完全に移行するA案と、当初4年間は共通テストと検定試験のどちらか、または双方を受けるB案の2案を示したのは、影響の大きさを勘案してのことだろう。
 検定試験は大都市の受験生が有利な点は否めない。検定試験によっては地方では受験できないものもあり、都会では検定試験の予備校なども充実している。
 受験料は高いもので1回2万円以上する。家庭の経済事情によって受験機会に格差が生じるような事態も避けなければならない。
 そもそも共通テストは大学で学ぶための学習到達度を測ることを目的としている。手法を凝るあまり原則から逸脱しては本末転倒だ。
 文部科学省は意見公募や関係団体への意見聴取を経て2017年6月にも実施方針を固める予定だ。2020年度まで時間が短いが、見切り発車にならないよう慎重な作業が求められる。


学部新設で「総理の意向」 事実関係の解明が必要だ
 これまでの説明との整合性が問われるのではないか。
 理事長が安倍晋三首相と親交のある学校法人「加計(かけ)学園」(岡山市)が、国家戦略特区に獣医学部を新設する計画にからんで、安倍首相の「意向」などが記された文書が残されていた。
 大幅な規制緩和で経済活性化を目指すのが同特区だ。
 担当する内閣府からの伝達事項として、文部科学省に文書があり、学部の早期設置に関して「官邸の最高レベルが言っている」「総理のご意向だと聞いている」などと記されている。
 政府は昨年11月、獣医学部の新設を決めた。1校だけ認めるとし、今年1月の公募で、愛媛県今治市に新設を計画する同学園だけが手を挙げた。用地は今治市の無償譲渡だ。
 同学園は、来年4月の開校に向けて準備を進めており、現在、文科省の審議会が認可を検討中だ。
 これまで野党は国会で「加計学園が利益を受けている」などと追及してきた。だが、首相は「(同学園から)相談や圧力が働いたということは一切ない」と否定していた。
 今回の文書は、これにまつわる両府省のやりとりとされる。松野博一文科相は調査するという。菅義偉官房長官は「首相から一切指示はない」と否定している。
 政府は、今回の文書の存在について確認をすべきだ。いきさつや背景も調査して、明らかにすべきだ。特区を巡って内閣府と官邸、および文科省の3者でどのようなやりとりがあったのかが、問題の核心だ。
 文書によれば、文科省は学園の準備状況から、早期開設が難しいという認識も示している。
 同学園が新設を急いでいる中での安倍首相の「意向」なのかどうか。
 もし内閣府の働きかけが、安倍首相の指示ではなくても、理事長と首相の関係から「そんたく」したのではないかと疑われかねない。しっかりした説明が求められる。
 「森友学園」の問題では、首相の妻の関与が焦点となっている。「総理のご意向」という官庁の文書の文言は、よりいっそう不可解な印象を与える。
 政策決定の過程を巡る事実関係の解明が最優先だ。


加計学園問題 首相は自ら真相を語れ
 安倍晋三首相に近い人物が経営する私立大学の学部新設に首相の意向が働いていたとしたら、権力乱用との批判は免れまい。首相は自らの関与の有無について、進んで真相を明らかにすべきである。
 李下(りか)に冠を正さず、という言葉は死語になってしまったようだ。学校法人「加計学園」(岡山市)系列大学の獣医学部を愛媛県今治市に新設する計画である。
 市と県が二〇〇七年から一四年まで、十五回にわたって申請しながら認められなかった獣医学部の新設が、なぜ安倍政権の下で一転、五十二年ぶりに、それも今治市で認められることになったのか。そこに安倍首相の意向は働いていなかったのか。不可解なことがあまりにも多い。
 きのう明らかになった文部科学省が作成したとされる文書には、内閣府から「官邸の最高レベルが言っていること」「総理の意向だと聞いている」などと言われた、との内容が記載されていた。
 菅義偉官房長官は記者会見で文書の内容を全面否定し「首相からも一切指示はない」と強調した。
 しかし、にわかには信じ難い。
 というのも、首相と、同法人の加計孝太郎理事長とは極めて近しい関係にあるからだ。本紙報道によれば、一二年の第二次安倍内閣発足以降、首相は加計氏と十三回にわたって会い、ゴルフを四回、夕食を九回ともにしている。
 首相自身、加計氏のことを「どんな時も心の奥でつながっている友人」「まさに腹心の友だ」と語ったことがある。
 首相が国会で答弁したように、本当に「加計学園から私に相談があったことや、圧力が働いたことは一切ない」のだろうか。単に否定するだけでなく、国民に説得力のある説明をすべきである。
 文書の有無や真偽にかかわらず自らに近しい人物に対して、便宜を供与したように疑われる行為は厳に慎むのが、権力者としてあるべき振る舞いだろう。
 首相自らは仮に直接関与していなかったとしても、官僚組織に首相の意向を忖度(そんたく)させるようなことも、あってはならない。
 安倍首相夫妻は学校法人「森友学園」への格安での国有地売却をめぐっても、政治的関与の可能性が指摘されてきたが、与党側は昭恵氏の国会への招致を拒み、真相を闇に葬り去ろうとしている。
 権力の側にある人間は何をやっても許される、と考えているのだろうか。だとしたら、思い違いも甚だしい。


蓮舫代表「内閣総辞職に値する」 官僚忖度なら、加計学園問題
 民進党は18日、安倍晋三首相の友人が理事長を務める学校法人「加計学園」(岡山市)の獣医学部新設計画に関する記録文書を巡り批判を強めた。蓮舫代表は記者会見で「官僚による究極の忖度があったならば、内閣総辞職に値する内容だ」と述べた。
 同時に「極めて異例な行政側の措置が講じられたと言わざるを得ない」と非難。「疑惑は一層深まっており、政府には説明責任がある。事実関係を早急に調査すべきだ」とも語った。
 山井和則国対委員長も「文書が本物なのかどうかの立証責任は政府側にある。事実であるなら、安倍政権による政治の私物化以外の何物でもない」と指摘した。


相次いで発生した“安倍スキャンダル”
森友スキャンダルは静まっていたが 
今度は加計学園に特別待遇疑惑 
「獣医学部の新設、総理のご意向と聞いた」 
朝日新聞、文部省文書を暴露

 日本の安倍晋三首相に森友スキャンダルに続く別の学園スキャンダルが起こった。安倍首相の知人が理事長を務める学校法人の獣医学部の新設に政府が便宜を図った疑惑を裏付ける文書が暴露された。安倍首相は3月、極右性向の大阪の森友学園小学校設立の特別待遇に関与したというスキャンダルに巻き込まれたが、最近世論は比較的静かになっていた。しかし、新たなスキャンダルに火がつき、再び危機に追い込まれている。
 朝日新聞は17日、加計学園の獣医学部を新設する計画について、設立を助けるのが「総理のご意向だと聞いている」という内容が含まれた文部科学省の文書を暴露した。昨年作成された「獣医学部新設に係る内閣府からの伝達事項」という題の文書には「平成30年(2018年)(獣医学部)開学を大前提に、逆算して最短のスケジュールを作成し、共有いただきたい」と書かれている。「これは、(総理)官邸の最高レベルが言っていること」と書いたくだりもある。別の文書には「総理のご意向だと聞いている」という内容もある。安倍首相側が加計学園の獣医学部新設に影響力を行使したという疑惑は、週刊誌などを通じて以前にも出ていたが、今回は具体的な内容が書かれた文書が公開されたため波紋が大きい。
 日本政府は獣医師の数が増えすぎているという理由で、この52年間獣医学部の新設を許容してこなかった。しかし、文部科学省の文書が作成されて1カ月後の昨年11月、文部科学省と内閣府は2018年に1校に限り獣医学部の新設を許容する共同告示を出した。唯一応募した加計学園は、国家戦略特区のある南部の愛媛県今治市で獣医学部設立の手続きを進めている。
 加計学園は岡山理科大学を運営しており、理事長は安倍首相とよくゴルフをし会食もするなど親しい間柄だ。安倍首相はこれまで加計学園理事長について「知人だからゴルフもして会食もしたが、頼まれたことはない」と話してきた。菅義偉官房長官は報道について「あの文書がどういう文書か、作成日時や作成部局だとか、そういうものが明確になっていない。いちいち政府が答えるべきじゃない」と話した。野党である民進党の蓮舫代表は「安倍首相と夫人の友達だけに配慮がなされていた疑惑は深まった。衆参院が一体となって問題を明らかにする」と話した。
東京/チョ・ギウォン特派員


加計学園文書 政府は疑惑に答えよ
 岡山市の学校法人加計学園の獣医学部新設計画を巡り、重大な疑惑が持ち上がった。
 計画について「総理の意向」などと記した文書だ。文部科学省が内閣府とのやりとりなどを記録したものとされる。
 学園の理事長は安倍晋三首相の友人が務める。記載された内容が本当なら、見過ごせない問題である。事実関係をはっきりさせなくてはならない。
 政府の国家戦略特区制度を活用し、愛媛県今治市に岡山理科大の獣医学部を新設する計画だ。2018年4月開設を予定する。獣医学部が新たに設けられるのは1966年以来、52年ぶりになる。
 政府は1月に事業計画を認定した。今治市は36億7500万円で取得した市有地を無償譲渡、施設整備費96億円を助成する。事業者の募集期間は8日間で、応募したのは加計学園だけだった。
 民進党など野党は大阪市の学校法人森友学園への国有地売却問題に似た構図だとし、首相の関与について追及してきた。
 首相は「相談があったことや圧力をかけたことは一切ない」と関与を全面否定している。「私との付き合いは全く考慮されない。考慮して認定するなら、組織としておかしい」とも述べていた。
 民進の玉木雄一郎氏が衆院文科委員会で取り上げた文書によると文科省は、特区を担当する内閣府から「最短距離で規制改革のプロセスを踏んでいるので、設置時期については総理のご意向だと聞いている」などと伝えられた。
 文科省側が18年4月の開設を無理だと考え、1年遅らせるよう求めたことも記載されている。これが事実だとすれば、首相の意向を受けて政府の決定がゆがめられた可能性がある。
 菅義偉官房長官は記者会見で事実関係を否定した。「誰が書いたか分からない。こんな意味不明のものについて、いちいち政府が答えることはない」としている。問答無用の口ぶりだ。
 文科委で松野博一文科相は「特区に関する対応に向けた文書は作成された可能性はあると思う」とし、「どういう経緯のものか確認させてほしい」と述べている。菅氏は文科省の事実確認を待とうともせずに否定した。納得できるものではない。
 獣医学部の新設にどんな経緯があったのか。府省間のやりとりはどのようなものだったのか。文書が本物でないというのなら、文科省と内閣府の記録を示すなど根拠を明確にする必要がある。


岡山・加計学園 新学部「総理の意向」文書 内閣府、早期開学促す 文科省、設置認可に慎重
理事長、首相の友人
 学校法人加計(かけ)学園(岡山市)が国家戦略特区制度を活用して、愛媛県今治市に獣医学部を新設する計画について、民進党の玉木雄一郎氏は17日の衆院文部科学委員会で、文部科学省が特区を担当する内閣府から、「総理のご意向だと聞いている」「官邸の最高レベルが言っている」などと言われたとする記録が存在することを明らかにした。内閣府が早期開学を促す内容で、松野博一文科相は「文書の存在を含め確認していないが、確認したい」と述べ、事実関係を調査する意向を示した。
 松野氏は衆院文科委員会で、設置認可には慎重な審査が必要との見解を示していたことを明らかにした。文書には義家弘介副文科相も同様の姿勢だったことが記され、文科省が早期認可に難色をにじませていたにもかかわらず、政府として開学に向けて手続きを進めていた可能性が浮かんだ。
 文科省関係者によると、一連の文書が作成されたのは昨年9〜10月で、一部の文科省幹部で共有されたという。毎日新聞が入手したA4判の文書によると、「獣医学部新設に係る内閣府からの伝達事項」と題された文書には「平成30(2018)年4月開学を大前提に、逆算して最短のスケジュールを作成し、共有いただきたい」「これは官邸の最高レベルが言っていること」との記述があった。
 これに対し、「(文科)大臣ご指示事項」との文書には「平成31(19)年開学を目指した対応とすべきではないか」と記載。松野氏は委員会で文書の真偽を問われ、「特区でも、(文科省の大学設置・学校法人)審議会で認められる場合も、認められない場合もある。時期をあらかじめ提示、書き込むようなことは、どうなのかと話した記憶がある」と答弁した。話をした時期や相手などは明らかにしなかった。
 また、「義家副大臣レク概要」との文書でも、「平成30年4月開学で早くやれ、と言われても、手続きはちゃんと踏まないといけない」と記されていた。一方、「(文科)大臣ご確認事項に対する内閣府の回答」と題する文書には、「設置の時期については(中略)『最短距離で規制改革』を前提としたプロセスを踏んでいる状況であり、これは総理のご意向だと聞いている」と内閣府側がなおも迅速化を迫っていたことをうかがわせる文言が並ぶ。
 政府は昨年11月、規制緩和の一環で52年ぶりに獣医学部の新設を認める方針を決定。内閣府と文科省は今年1月、特例で1校の新設を認めるとの告示を共同で出した。事業者の公募に対して加計学園だけが愛媛県今治市での新設計画を申請し、文科省の審議会で審査が進められている。
 野党は「首相の友人が利益を受けたのではないか」と国会で追及し、安倍首相は国会で、「加計学園から私に相談や圧力が働いたということは一切ない」と答弁している。【伊澤拓也】
 ■ことば
加計学園の獣医学部新設構想
 岡山市の学校法人「加計学園」が運営する岡山理科大が2018年4月、政府の国家戦略特区に指定された愛媛県今治市で獣医学部の開設を目指している構想。大学用地16・7ヘクタール(約37億円相当)は市が無償譲渡し、総事業費192億円のうち最大96億円を市と県が負担する。学園理事長が安倍晋三首相の友人で、特区に応募したのが同大だけだった点などから、野党側が国会で政策決定の経緯が不自然だと追及していた。


安倍首相関与の決定的文書 これで知らぬ存ぜぬは通じない
 ウソとごまかしで国民を愚弄してきた安倍晋三首相だが、もう「知らぬ存ぜぬ」は通用しない。“第2の森友疑惑”といわれてきた加計学園の獣医学部新設計画について、朝日新聞が17日の一面ですっぱ抜いた文書は衝撃的だ。
 この文書は文部科学省が昨年9〜10月に作ったとされるもので、本紙も入手、分析した。そこには国家戦略特区担当する内閣府と文科省の生々しいやり取りのメモが残されている。加計学園のために早期の獣医学部新設を求める内閣府、「準備が整わない」などと渋る文科省。こういう構図のなか、内閣府サイドは「これは官邸の最高レベルが言っていること」「総理のご意向だと聞いている」などと迫っている。 政権トップの強い関与を示す生々しい文言が文書には残されているのである。
 今年3月、国会でこの加計問題が取り上げられた際、安倍は「もし働きかけて決めたならば責任を取る」と全面否定で啖呵を切った。この文書が本物ならば、安倍の答弁は大ウソだったことになる。もう絶対絶命だ。
 菅官房長官は文書に日付や作成部局が記されていないことから、記者会見では「出どころも明確でない怪文書じゃないか。そんな意味不明のものについて、いちいち政府が答えることではない」と突っぱねたが、苦しい言い訳だ。
 17日の衆院文科委員会で松野博一文科相が、「特区の対応に向けた文書が作成された可能性はある」「文書自体に関しては確認させていただきたい」と答弁しているのに、確認もせず“怪文書”扱いする菅は、その狼狽ぶりで疑惑を深めた格好だ。
 文科委で追及した財務官僚出身の玉木雄一郎議員(民進党)はこう言う。
「外形的に見れば、あれは役所の文書です。機微に触れるため、名前も日付もない“詠み人知らず”の文書を、私も(官僚時代)よく作っていました。後で足がつかないようにするためで、幹部間で共有し、保存するのです。トップダウンのリーダーシップで特区を進めることは否定しませんが、その動機やプロセスに公平公正が求められるのは当然。しっかりしたチェックが必要です。今後も徹底的に追及していきます」
異例ずくめ「加計ありき」のスピード決定
 加計疑惑は発覚当初から、安倍による国政私物化の“本丸”といわれ、“真っ黒”だった。
 加計学園の加計孝太郎理事長(65)は、安倍にとって米国留学時代からの親友だ。第2次政権発足以降、ゴルフや会食で首相動静に13回も登場。安倍が加計系列の千葉科学大の式典に出席した際、「まさに腹心の友だ」と祝辞を送ってもいる。
 加計学園の獣医学部新設計画は古い。愛媛県今治市は県とともに2007年から誘致していて、小泉政権が始めた構造改革特区に15回も申請、しかし「獣医師は足りている」と却下されてきた。ところが、安倍政権が14年に国家戦略特区をスタートさせると、状況は一変。昨年1月、安倍政権は広島県と一体で今治市を国家戦略特区に指定。くだんの文科省文書に見られるやりとりがあった直後の11月の諮問会議で、「広域的に獣医師養成大学が設置されていない地域に限り」との条件付きで、獣医学部新設が認められたのだ。実に52年ぶりのことである。
 その後の経過も異例だ。今年1月、内閣府と文科省は、来年4月に開設する1校に限り、特例で獣医学部の新設を認め、事業者を公募した。申し込み受け付けはわずか8日間。手を挙げたのは加計学園だけで、あっさり認められたのだった。
 さらに特別扱いは続く。今治市は36億7500万円の市有地を獣医学部の用地として無償譲渡する上、県と共同で最大96億円の施設整備費まで負担する。実に合計約133億円もの便宜を図る厚遇ぶりだ。2月に市議選が行われたばかりなのに、新しく選ばれた市議への詳細説明が行われる間もなく、初議会の初日に無償譲渡案は可決された。来年4月開設に間に合わせるためのスピード決定だった。
 異例特例がこれだけ重なれば、安倍の意向が働いた「加計ありき」が疑われるのは当然である。
 月刊誌で「加計理事長が“首相の後ろ盾”をほのめかしていた」ことをリポートしたノンフィクション作家の森功氏はこう言う。
「加計系列の千葉科学大では、安倍首相だけでなく、石原伸晃大臣も式典に駆け付けていたし、萩生田光一官房副長官は落選中に客員教授をしていました。加計側が政治を利用していたのは間違いありませんが、安倍首相はそれに乗せられていたというより、『積極的に応援していた』と言っていい。昭恵夫人は加計理事長と一緒に、しょっちゅう海外に出掛けてもいましたしね。このタイミングで文科省から文書が出てきたのは、首相の意向を受けた内閣府の強引さへの反発や危機感があるからじゃないか」
 だとしたら、安倍独裁に耐えかねた内部告発はまだ続くだろう。
イエローカード2枚、退場すべし
 加計疑獄で浮き彫りになったのは、安倍による安倍のための国家戦略特区の悪用だ。
 地域を限定した大胆な規制緩和や税制面の優遇で民間投資を引き出し、「世界で一番ビジネスがしやすい環境」を創出するというお題目でアベノミクスの成長戦略と位置付けられたが、「特区」とは名ばかりの利権の巣窟になりつつある。
「『特区』は法律や規制の網から除外し、お試しの特別区域をつくるものですが、そこで成功すれば全国に広げるのが本来の制度です。しかし、今の国家戦略特区は、特別扱いが目的になってしまっている。今回の獣医学部新設のように、最初から『1校に限って』というのは制度の趣旨から逸脱しています」(森功氏=前出)
 本紙のインタビューで、自民党の船田元衆院議員も次のように指摘していた。
〈今治で獣医学部がうまくいったとして、それを全国に広げたら、獣医師が余ってしまいます。今治につくるためだけに、特区を利用しているとしか思えません〉
 先にはじけた「森友学園疑惑」は16日、籠池泰典前理事長が、小学校建設予定地の地下3メートル以深には「ゴミがなかった」という業者のメールを公開し、8億円値引きの根拠がフッ飛んだ。
 民進党の会合に呼ばれた財務省は、籠池氏との同席を避け、のらりくらりで逃げまくっているが、昭恵夫人の関与を裏付ける面談テープに続く新事実の暴露に、“完オチ”も時間の問題になってきている。
「安倍首相はもはや言い逃れはできません。森友問題では、忖度の事実や優遇などがさらに明らかになってきました。その上、今回の加計問題でも、特例措置や斟酌が明らかです。イエローカードが2枚、つまりレッドカード。安倍首相は疑惑に対する説明責任を果たした上で、退場するべきです。『関与があったら辞める』と言ったのですから、トップリーダーは言行一致の規範を示すべきです。同時に国民の側も、これまで通り首相の『知らぬ存ぜぬ』を逃がしてしまうのか。公私混同を許してしまうのか。主権在民と民主主義がこの国に存在しているのかどうかが、まさに試されていると思います」(政治学者の五十嵐仁氏)
 ついに本丸が扉を開けたのだ。野党は国会で追及の手を強め、安倍を追い詰める。霞が関も今こそ、保身のための忖度に振り回されるのではなく、国民のために働いたらどうか。国民も「他に代わりがいない」などと傍観していてはダメだ。


加計学園"総理のご意向"文書「流出」の舞台裏 背後に見え隠れする「麻生vs菅」の構図
積 明子 :ジャーナリスト
安倍晋三首相の長年の友人で、「腹心の友」と呼ぶ加計(かけ)孝太郎氏が理事長を務める学校法人加計学園(岡山市)。その加計学園が国家戦略特区制度を利用して愛媛県今治市に設置を予定している岡山理科大学獣医学部を巡っては、これまでも様々な“疑惑”が囁かれてきた。
ひとつは今治市いこいの丘にある16.8ヘクタールもの土地(約36億円相当)を加計学園に無償譲渡する件。これに加えて今治市議会は今年3月3日、校舎建設費用192億円のうち64億円を上限として負担することも決議。愛媛県が負担する分を合わせて、その上限は96億円にも上る。
もっとも地方自治体がまちおこしのために、学校や企業を誘致することはままあることだ。その結果、目論んだ税収増や経済効果がさほどではなかった例も多いのだが、とらぬ狸の皮算用をする地方自治体は多い。
「官邸の最高レベルが言っていること」
ところが加計学園の場合、さらに重大な"疑惑"が浮上した。
内閣府が大学設置権限を持つ文部科学省に対して「平成30年(2018年)4月開学を大前提」に早期の開学を求め、これを「官邸の最高レベルが言っていること」と圧力をかけていた可能性があるのだ。朝日新聞は5月17日の朝刊で、「新学部『総理の意向』」「文科省に記録文書」「内閣府、早期対応を求める」との見出しでこれを報じている。
問題の文書は計8枚で、まずは「大臣ご確認事項に対する内閣府の回答」と題されたものだ。
これは松野博一文科大臣から内閣府に対し、「(神30年4月開学は必要な準備が整わないので、平成31年4月開学を目指すべきではないか、∨秬検並析此防総理や森英介(衆院)議員などの反対派がいる中で党内手続きをこなすためには、文科・農水・内閣の合同部会ないしはPTを設置すべきではないか」などと問い合わせたことへの回答文だ。
内閣府の回答文は、〜甦開学は「総理のご意向」、◆峭餡叛鑪特区諮問会議決定」という形にすれば、総理が議長なので総理からの指示に見えるのではないか、0柄阿亡嬰,ら「内閣」としてやろうとしていることを党の部会で議論するなと怒られたので、内閣府は質疑対応はするが、党内手続きについては文科省が政調(党政務調査会)と相談してやってほしいなどと回答。官邸が独断で推し進めようとしたことを記している。
「学校ありきでやっているという誤解を招く」
「10/4義家副大臣レク概要」と題された文書には、農林水産省が管轄すべき獣医学部定員の基礎となる獣医師の受給バランスについて斎藤健農水副大臣が「何も聞いていない。やばいんじゃないか」と反応し、農水省が門外漢であったことを示唆。また「10/7萩生田副長官ご発言概要」(※この文書のみ、「取扱注意」になっている)で、「平成30年4月は早い。無理だと思う」「学校ありきでやっているという誤解を招くので、無理をしない方がいい」と、安倍首相に最も近いひとりとされる萩生田光一官房副長官ですら消極的な見解を述べている点が興味深い。
また松野文科相も萩生田副長官も、定員増員に強く反対する麻生副総理に配慮して、2016年10月23日の衆議院福岡6区補欠選挙の後で加計問題を処理すべきだと主張した点に注目したい。鳩山邦夫衆議院議員の急逝により行われた同補選では、邦夫氏の次男の二郎氏と林芳正元農水相の秘書の蔵内謙氏が立候補し、自民党系がまっぷたつに割れた。
鳩山二郎氏を応援したのは、邦夫氏と交流があり「きさらぎ会」の顧問を務める菅義偉官房長官。これに二階派の武田良太衆院議員に加え、小池百合子東京都知事も応援に駆け付けた。
一方で麻生氏が応援したのは県議を8期務める蔵内勇夫県連会長の長男の謙氏で、その力の入れようは尋常ではなかった。麻生副総理は選対の本部長に就任するのみならず、長年の宿敵であった古賀誠元自民党幹事長を顧問に迎えている。
それ以上に重要なことは、蔵内勇夫氏が日本獣医師会の会長である点。要するにこの時の闘いの構図は「麻生vs.菅」で、その背後には獣医利権もあったと読み取ることができる。
このように「麻生vs.菅」という官邸内の争いがそのまま反映された衆院福岡6区補選だったが、父親の弔い合戦に加えてブリヂストンを創業した石橋家の威光も背負っている二郎氏が10万6531票を獲得して大勝。蔵内氏は2万2253票と惨敗した。
補選の後、勇夫氏が「4人組(安倍晋三首相、菅義偉官房長官、山本有二農水相、松野博一文科相)にやられた」と嘆いていたのを、福岡県関係者は目撃している。
そしてこの時のしこりは、後に森友学園問題が発覚した時に噴出したといっていいだろう。籠池泰典前理事長が口利きを求めた面談記録が3月1日の参議院予算委員会で共産党の小池晃書記局長によって明らかにされたが、そもそも籠池氏から陳情を受け、その記録を作成したのが麻生派の重鎮である鴻池祥肇元防災担当大臣の事務所だった。
当初、小池氏は鴻池氏の名前は明かさなかったが、1日の夜に鴻池氏が記者会見すると、翌2日午前の参院予算委員会で同事務所が鴻池事務所であることを明言。いわば小池氏は鴻池氏に「仁義を切った」ことになる。
菅長官は「そのような事実はない」と否定
このような文脈ともピタリと符合する「総理の意向」文書だが、菅長官は5月17日の官房長官会見で、「そのような事実はない」と全面的に否定。「あの文書がどういう文書で、作成部局だとか明確になっていない」「通常、役所の文書はそういのはないと思う」と述べた。また文書は個人のメモではないかという質問に対しては、「そういう文書にいちいち政府が答える問題ではない」と不快感をあらわにした。
しかし朝日新聞は「加計学園による獣医学部計画の経緯を知る文科省関係者は取材に対し、いずれも2016年9月〜10月に文科省が作ったことを認めた」としている。
本当のところはどうなのか。ある野党関係者は期待を込めてこう言った。「森友学園問題の時も『証拠がない』といっていたが、財務省のテープが出てきた。今回も証拠が次々に出てくるのではないか」。
それでも安倍内閣は高支持率を維持し、その地位は揺るぐことはないだろう。一強政治が続く中では、闇は深まる一方だ。


安倍官邸「加計学園圧力文書はフェイク」は疑惑逃れの嘘だった! 決定的証拠が次々、田崎史郎までが「本物」と
「総理のご意向」「官邸の最高レベルが言っていること」──学校法人加計学園の国家戦略特区による獣医学部新設について、特区を担当する内閣府が文科省に対し早期開学を要求し、「総理の意向」として圧力をかけていた経緯が文書に記録されていることが昨日、発覚した。これは安倍首相が「腹心の友」へ便宜を図っていたことを示す重大証拠だが、一方、安倍官邸は卑しさを剥き出しにして「フェイクニュースだ!」と攻撃を展開した。
 菅義偉官房長官は昨日午前の記者会見で「そのような事実はない」と断言、「作成日時だとか作成部局だとか、そんなものが明確になってないんじゃないか。通常、役所の文書ってそういう文書じゃないと思いますよ」と言い、午後の会見でも「まったく怪文書みたいな文書」と言い切った。
 そして、ご多分に漏れず、この菅官房長官の発言をもとにネット右翼たちは「朝日のフェイクニュース」「ひどいデマだな」「テロ等準備罪の成立を阻止したいからなんでもやるんでしょう。ご苦労様です」「偽メール問題の再来」と意見を書き込み拡散させたのだ。
 まったく毎度の安倍政権およびネット実働部隊のネトサポのやり方には反吐が出るが、じつは菅官房長官もオフレコの場では「あんなものは捏造文書だ」とまで発言していたという。
 しかし、事実を捏造して「フェイクニュース」を撒き散らしたのは、無論、安倍官邸のほうだった。
菅官房長官は「捏造文書」だと攻撃!しかし、作成日時も実名も明らかに…
 実際、朝日新聞はこうした攻撃に対抗するように、今朝の一面トップで続報を掲載。「官邸の最高レベルが言っていること」だとして早期開校を要求していた文書には、じつはタイトルに「○○内閣府審議官との打合せ概要(獣医学部新設)」(○○の部分は実名)と名前がしっかり記され、「平成28(2016)年9月26日(月)18:30〜18:55」という具体的な日時や、〈「対応者」として内閣府の審議官と参事官、文科省の課長と課長補佐の計4人の実名〉も書かれていると報道したのだ。
 さらに、昨晩放送の『報道ステーション』(テレビ朝日)でも、文書内に登場する日本獣医師会顧問で農林水産副大臣も務めた元衆院議員・北村直人氏が、「てにをはの違いはあるかもしれないが、自分のことが書いてある部分はおおむね紙(文書)の通りだ」と証言。当事者が「発言内容は正しい」と認めている。
 本サイトでも、今回の文書の真偽について各方面で取材を行ったが、実際に作成された「本物」であることは確かなようだ。それを安倍官邸は「捏造」呼ばわりし、「出所不明」「怪文書」などと会見で言い切ることで事実を「フェイクニュース」に仕立て上げたのである。
 国民を欺くのもいい加減にしろと言いたいが、じつは、安倍官邸も昨夜になってこの「フェイクニュースとレッテル貼り」戦法では、もはや逃げ切ることはできないと踏んだらしく、方向転換を図っている。
 実は、今朝の『とくダネ!』(フジテレビ)では“官邸のスポークスマン”である御用記者・田崎史郎氏が「文書は本物」と明言し、ただし「「総理の意向」は加計学園だけでなく全体のことを指している」「問題があって処分された役人が逆恨みで流出させた」などと苦し紛れの弁明を展開していた。
方向転換を迫られた安倍官邸は「文書は恨みによって流された」と出所を攻撃開始
 実はこの田崎の発言は、朝日の続報が出るのを知った官邸の姑息な作戦変更を反映したものらしい。
「昨日夕方くらいまでは『捏造文書』と言い切っていた安倍官邸ですが、どんどん新しい証拠が出てくるので、本物と認めざるをえなくなった。そこで、今度は『文書の出所は天下り問題で“依願退職”した元文科省事務次官の前川喜平氏だ』と言いふらし始めたんです。つまり、天下り問題でクビを切られた前川氏が政権への“恨み”を晴らすためにばらまいたシロモノだ、と主張しているんです」(大手新聞社記者)
 しかし、この「官邸情報」は、逆に今回の文書の信憑性を高めるものだ。前川氏は、この文書が作成された昨年9月〜10月は事務次官という文科省において官僚トップの座に就いていた人物。事務次官がこの文書を持っていたとすれば、それこそ文書の信頼度は増すというものだ。
 今後、安倍官邸は、田崎氏がすでに流布しはじめたように「『総理のご意向』というのは国家戦略特区の取り組み全体を指している。批判はまったく当たらない」などと話をすり替える予定なのかもしれないが、この文書は「加計学園」についてだけ論じられていることを忘れてはいけない。そもそも、獣医学部新設は京都産業大学も提案していたにもかかわらず「1校限り」に絞られ、加計学園傘下の岡山理科大学だけが認められるなど、“特別扱い”を受けていたことはあきらかなのだ。
 ついに本格的に動き出した加計学園問題。さらなる真相究明が行われるとともに、安倍官邸の下劣な情報操作も問題も徹底追及しなくてはならないだろう。(編集部)


「総理の意向」伝えた忖度大臣 山本創生相に“動かぬ証拠”
 国家戦略特区を所管する山本幸三地方創生相は17日、安倍首相の意向を文科省に伝えたかを聞かれ、「そんなことがあるわけはない」と全面否定したが、ちょっと待ってほしい。
 民進党が17日開いた「加計学園疑惑調査チーム」の会合で、共同座長を務める桜井充参院議員はこう発言した。
「今回の“文科省文書”の真偽は置いておくとして、山本大臣が『総理の意向だ』ということを述べた上で、加計学園の話をしている。正式な議事録として公表されている」
 桜井議員が指摘したのは、昨年11月9日の「第25回国家戦略特区諮問会議」だ。首相官邸のHPに公開中の議事録には、山本大臣のこんな発言が記載されている。
〈前回の会議で、重点課題につきましては、法改正を要しないものは直ちに実現に向けた措置を行うよう総理から御指示をいただきました〉
 確かに前回諮問会議(10月4日)、安倍はその旨を指示していた。ところが、山本大臣は安倍の意向を忖度したのか、11月の会議ではさらに踏み込んで、こう続けている。
〈今般、関係省庁と合意が得られたものを、早速、本諮問会議の案として取りまとめた。内容といたしましては、(中略)新たなニーズに対応する獣医学部の設置(中略)となっております〉
 果たしてこの日の会議で、獣医学部の「空白地域」に限って新設を認める方針を固めた。その結果、手を挙げていた京産大は同じ関西圏の大学に獣医学部があるため、設置を断念。空白地域の四国の今治市で進める加計学園の構想が選ばれることが事実上、決まった。
 山本大臣も「総理の意向」を忖度して、「加計ありき」で動いたようなもの。今更しらばっくれても、議事録に証拠はハッキリ残っている。


稲田防衛相は日報問題やる気なし 担当者“海外栄転”の姑息
「やはり単なる時間稼ぎだったということ。稲田大臣は本気で事実関係を明らかにしようとする気などサラサラない」――。防衛省の幹部人事をめぐって省内で怒りの声が広がっている。
 防衛省関係者がこう言う。
「今夏の人事で、小川修子・統合幕僚監部参事官付国外運用班長が在外公館に異動するという話が広がっています。小川班長は、歴代防衛大臣の通訳を務めるほど語学堪能で、省内で『エース級』といわれる人物です。しかし、南スーダンPKO日報問題の実務レベルの責任者であり、稲田大臣が『徹底調査』のために設置を指示した特別防衛監察の対象者。監察結果が出ていないどころか、監察結果の妥当性すら国会で審議されていないのに、日報問題の全ての経緯を把握している重要人物を海外に赴任させてよいのでしょうか」
 政権にとって都合の悪い情報を握る官僚を「栄転」と称して海外赴任させる。森友問題で安倍首相夫人・昭恵氏付だった谷査恵子氏のケースと同じ姑息なやり方だ。
「稲田大臣は日報問題で、『事実関係を徹底的に調査し、防衛省・自衛隊に隠蔽体質があれば、しっかりと改善したい』と答弁していました。しかし、その全容を知る小川班長を海外赴任させれば、事実解明が困難になるのは明らかです。国民から防衛省全体が『隠蔽体質』と批判を浴びるのです。当初はゴールデンウイーク明けにも公表される予定だった日報問題の中間報告もウヤムヤになり、最終報告は今国会後ともささやかれている。現場は『冗談じゃない』と怒っています」(前出の防衛省関係者)
 稲田大臣のアタマにあるのはしょせん、保身と政権維持のことだけ。国民はもちろん、防衛省・自衛隊の現場なんて知ったこっちゃないのだろう。


日本の平和主義 見直すべきは安保法だ
 現行憲法に自衛隊を規定した項目はない。それでも東日本大震災があった翌二〇一二年の内閣府の世論調査で自衛隊に「良い印象を持っている」と答えた国民は初めて九割を超えた。
 次に行われた一五年の調査でも九割を超え、各地の災害救援で献身的に働く隊員の姿が自衛隊の評価を押し上げている。
 本来任務の国防をみると、「必要最小限の実力組織」(政府見解)とされながらも、毎年五兆円前後の防衛費が計上され、世界有数の軍事力を保有する。
 自衛隊は安全・安心を担う組織として広く国民の間に定着している。変化を求めているのは安倍晋三首相ではないのか。
 憲法解釈を一方的に変更して安全保障関連法を制定し、他国を武力で守る集団的自衛権行使を解禁したり、武力行使の一体化につながる他国軍への後方支援を拡大したり、と専守防衛の国是を踏み越えようとするからである。
 安倍政権は、自衛隊に安保法にもとづく初の米艦防護を命じた。北朝鮮からの攻撃を警戒する目的にもかかわらず、北朝鮮の軍事力が及びにくい太平洋側に限定したことで安保法の既成事実化が狙いだったとわかる。
 米艦を守るために他国軍と交戦すれば、外形的には集団的自衛権行使と変わりはない。安保法で改定された自衛隊法は、武器使用を決断するのは自衛官と規定する。
 集団的自衛権行使を命じることができるのは大統領と国防長官の二人だけとさだめている米国と比べ、あまりにも軽く、政治家が軍事を統制するシビリアンコントロールの観点からも問題が多い。
 米艦を防護しても国会報告は必要とされておらず、速やかに公表するのは「特異な事態が発生した場合」だけである。今回、報道機関の取材で防護が明らかになった後も政府は非公表の姿勢を貫いた。
 国会が関与できず、情報公開もない。政府が恣意(しい)的な判断をしても歯止めは利かないことになる。
 安保法により、自衛隊は軍隊の活動に踏み込みつつある。憲法九条に自衛隊の存在を明記するべきだと発言した安倍首相の真意は名実ともに軍隊として活用することにあるのではないのか。
 現在の自衛隊が国民から高く評価されている事実を軽視するべきではない。必要なのは憲法を変えることではなく、安保法を見直し、自衛隊を民主的に統制していくことである。


民進、首相発言撤回を要求 衆院憲法審、自民は釈明
 衆院憲法審査会は18日午前、約1カ月ぶりに議論を再開した。民進党は、2020年の改正憲法施行を目指すとした安倍晋三首相の発言について「立法権を著しく侵害する」と批判し、審査会が発言の撤回を求めて決議するよう求めた。自民党はこれに先立つ幹事会で「あくまで党総裁としての考えを党に向けて示した」と釈明した。
 首相の改憲発言後、衆院憲法審が開かれるのは初めて。森英介会長(自民党)は冒頭、首相発言に関し「主体性を持って与野党で丁寧な議論を積み重ねる。公正、円満な運営に努める」との見解を示した。


反安倍へ動き出すか自民党
 ★首相・安倍晋三が進めて来た政権運営。外から見れば「よくやっている」ということになるだろうが、政界関係者から見れば前代未聞の「新しい判断」のオンパレードだ。しかし思い起こせばアベノミクスという言葉を誰も使わなくなり、3本の矢に五輪を加えて4本の矢とまで言っていたものが、今ではその五輪はどこが財政負担するのか、負担金の押し付け合いで経済効果どころか4年後の五輪を前に都民も国民も食傷気味だ。 ★その上、景気はデフレ脱却どころかデフレ回帰ムード。政府が掲げる2%の物価上昇の目標が達成できずに、選挙のたびに前面に使われるアベノミクス効果は得られていない。2度先送りした消費税率の引き上げのめども立たない。自民党内には「財政・金融・社会保障制度に関する勉強会」が発足。60人余りが出席した。その中で前党税調会長・野田毅は「危機状況というか、財政破綻ということがどういうことにつながっていくのか、足音が聞こえてきている状況下にある」と指摘した。 ★財政や金融の立て直しは急務だが、当の財務省は森友学園疑惑でもわかる通り首相の顔色ばかりをうかがい、本来の財政・金融の大胆な政策立案など期待できない。また副総理兼財務相・麻生太郎は派閥拡大と次期首相への野望いまだ断ち切れずといった状況。首相に至っては「首相夫人は私人」「教育勅語引用容認」「ヒトラーの我が闘争教材使用可能」と妙な閣議決定を続け、「憲法9条を20年までに改正する」と言い出した。 ★これらの動きを憂う自民党議員は多く、優先順位の見直しが必要という声が大きいということだろう。1人2人が言えばパージされるだけだが、安倍の方針への反対が大きくなれば無視はできまいということか。動くか自民党。

法相不信任案提出 国民の不安を直視せよ
 「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案を巡り、今国会中の成立を目指す与党と廃案を訴える野党の攻防がヤマ場を迎えている。
 与党が昨日開催予定の衆院法務委員会で改正案の採決を強行する姿勢を見せたため、民進など野党4党は金田勝年法相の不信任決議案を衆院に提出した。きょうの衆院本会議で採決される。与党は不信任案を否決した上で、あす19日の法務委で改正案の採決を強行する構えだ。
 与党はこれまでの審議で論点は出尽くしたとの認識を示しているが、そうだろうか。犯罪の計画段階で処罰することを可能とする法案であり、内心の自由が脅かされかねないと国民の不安や疑念は根強い。
 共同通信社が先月下旬に実施した世論調査では、改正案について賛成41・6%、反対39・4%と国論は二分している。改正案が成立した場合に「市民運動や政治活動が萎縮する恐れがある」とした回答は過半数の51%に上り、「恐れはない」の35・8%を大きく上回った。
 改正案について国会の議論は不十分で、国民への説明が尽くされたとは言えない。そうした中で、与党が数の力でごり押しして改正案を通そうというのは国民の不安を著しく軽視するもので、断じて容認できない。
 不信任案は、金田法相について「一般人が共謀罪法案の対象となるかなど、基本的事項さえ答弁できない」などと批判。「もはや法相の任にあたわないことは明白だ」としている。
 改正案ではテロ等準備罪の適用対象を「組織的犯罪集団」としているが、野党は一般人も対象になる可能性があるとして政府を追及してきた。金田法相は「一般人が対象になることはあり得ない」との答弁を繰り返したが、一方で法務省は「正当な活動をしている団体でも目的が一変した場合は犯罪集団と見なされ、処罰の対象になり得る」との見解を示している。
 「目的が一変した場合」の基準は曖昧であり、それを判断するのは捜査機関である。しかも日弁連などは、犯罪を計画段階で取り締まるために団体や個人の行動が常時監視されかねないとし、「捜査機関による恣意(しい)的な運用が懸念され、監視社会につながる恐れもある」と強く反対している。これに対して、政府は懸念を払拭(ふっしょく)するような説明をしてきたとは言い難い。
 法務委での金田法相の答弁は安定せず、審議はたびたび中断した。法相を補佐する政府参考人として法務省刑事局長が答弁に立つ場面が目立ち、野党は「法相隠し」と批判してきた。担当大臣が明確に説明できない法案を国民に理解してもらおうということ自体に無理がある。
 多くの問題点を抱え、批判や不安が渦巻く法案である。そんな状況下で与党が採決を強行するのは国民を置き去りにするものであり、論外である。


共謀罪与野党攻防 採決の強行は許されない
 「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案を巡り、与野党の攻防が激しくなってきた。
 衆院法務委員会で採決を強行する構えの自民、公明両党に対して、阻止を狙う民進、共産、自由、社民の4野党が金田勝年法相の不信任決議案を衆院に提出した。
 与党はきょう、本会議で不信任案を否決し、あすの法務委で法案を採決する方針だ。だが法案には、一般の市民が捜査対象になるのではないかなど、多くの疑問がある。
 国民の理解が得られないままの採決強行は許されない。衆院は言論の府として、審議を尽くさなければならない。
 不信任案は、金田氏が法案の「基本的事項さえ答弁できず、閣僚としてあるまじき醜態をさらし続けている」と批判し、「法相の任にあたわないことは明白だ」とした。
 金田氏は法務委の質疑でしどろもどろの答弁を繰り返し、立ち往生する場面が多かった。そのためか、与党は先月、大臣に代わって答弁できる政府参考人として、法務省刑事局長の出席を賛成多数で認めた。
 官僚の出席は全会一致で決めるのが慣例である。それを破ってまで押し通すとは、政府、与党も金田氏の能力を疑っている証しと言えよう。野党が「法相隠し」と反発したのは当然である。
 金田氏は法案が国会に提出される前の2月に、「提出後に議論を重ねていくべきだ」という内容の文書を報道機関向けに出し、「質問封じ」だと非難された経緯もある。
 「職責をしっかり果たしていく」と金田氏は言うが、法相の資質に欠けるのは明らかだ。不信任案を突き付けられたのは仕方なかろう。
 担当大臣が十分に説明できない法案とは、一体どんなものなのか。
 法案は適用対象を組織的犯罪集団に限定し、犯罪を実行しなくても、「計画」や現場の下見などの「準備行為」があれば処罰できるとした。
 しかし、組織的犯罪集団の定義や犯罪の構成要件は明確ではなく、当局が恣意(しい)的に判断できる余地がある。
 正当な活動が拡大解釈で罪に問われるようになれば、社会が萎縮し、政府や自治体に対して声を上げにくくなる。市民団体などの不安は払拭(ふっしょく)されていない。
 政府は東京五輪・パラリンピックに向けたテロ対策を前面に出しているが、締結を目指す国際組織犯罪防止条約は元々、マネーロンダリング(資金洗浄)などの資金対策が目的である。
 過去3回も廃案になった評判の悪い共謀罪法案を通すため、国民が反対しにくい「対テロ」に看板を付け替えたのではないか。
 何より怖いのは、法案が監視社会を招き、民主主義の基盤である言論・表現の自由が侵されることだ。審議を通じて懸念が拭えないなら、衆院は廃案にすべきである。


共謀罪で大強化、スノーデンが警鐘を鳴らす日本の監視体制! 政府はすでにネット傍受ツールを利用していた
“平成の治安維持法”と悪名高い「共謀罪」(テロ等準備罪)法案を巡り、国会は最終局面に入っている。昨日、野党が金田勝年法相に対する不信任決議案を提出し、法案の衆院通過は来週にずれ込んだが、政府・与党は国会会期の大幅延長も視野に入れ、あくまで今国会での強行成立を目論んでいる。
 安倍政権は当初、法案の目的を「テロ防止」と位置づけ、「一般人が対象になることはありえない」などと言ってきたが、次々とウソが露呈。法務省は一般人も対象になりうるとの見解を出し、金田法相はLINEやメールでのやりとりによって共謀は成立するのかと問われ、「手段は限定しない前提」と答弁。また、自民党法務部会長・古川俊治参院議員がテレビで「テロだけじゃない」と明言しているように、共謀罪の目的は「テロ対策」にないことは明白だ。その本質は、一般市民の政府批判を取り締まるため捜査当局の権力を拡大し、恣意的逮捕を正当化することなのである。
 それでも政府は、“共謀罪の恣意的乱用はありえない”“政府と捜査当局を信じるべきだ”との立場を見せているが、そんなはずがないだろう。そもそも、共謀罪の成立と市民のプライバシーの侵害は表裏一体の関係にある。当たり前だが、白昼堂々「共謀」をなす者など想定できず、これを取り締まろうと思えば確実に通信傍受や盗聴、ハッキングがセットになる。共謀罪が成立すれば、こうした国民を監視するツールがさらに強化されるだろう。
 実は、いまの時点ですでに日本政府は、ネットを監視して一般人の通信から個人情報を取得できるシステムを保有しているという。
 その政府による大量無差別監視の方法と実態を暴露したのが、あのアメリカ国家安全保障局(NSA)及びCIAの元局員、エドワード・スノーデンである。
 記憶に新しい今年4月24日、スノーデンが持ち出したNSAの機密文書を、アメリカのインターネットメディア「The Intercept」が報じた。そこでは、実に2013年の段階でNSAのネット監視ツール「XKEYSCORE」が、日本政府に提供されていた事実が明記されていたのだ。
日本に提供されたネット監視システムで個人の性癖まで丸裸に
 最近、『スノーデン 日本への警告』(集英社新書)という本が出版され、話題を呼んでいるが、同書には、自由人権協会(JCLU)70周年シンポジウムにおけるスノーデンのこんな発言が収録されている。
〈ハワイでNSAの仕事をしていたときに、Xキースコア(XKEYSCORE)という大量監視ツールを用いていました。このツールを用いると特定の調査対象の通信をすべて把握することができます〉
 XKEYSCOREとは、一言でいうとNSA版の極秘高性能検索エンジン。通常のインターネット利用者が使うほぼすべての情報を監視、収集できるという。NSAは、光ファイバーケーブルに直接アクセスしたり、あるいはFacebookやGoogleといった世界規模のネット企業にユーザーのメールや、SNSでのやり取りを提出させるなどして、スマートフォンやPCでのネット利用者の膨大な情報を取得していたのだ。
 もちろん、これはアメリカだけの話ではないし、「自分はテロリストではないから関係ない」ともまったく言えない。スノーデンは、日本でもアメリカと同様に、通信会社を経由する通信をいくらでも傍受し、当局に提供することが可能だとも指摘している。そこでは、個人がGoogleで検索したワードを始め、ネットでどういうニュースを読んでいるか、どの政党を支持しているかはもちろん、愛する人の名前や、明かしたくない性癖までをもたやすく把握することができる。実際、NSAはイスラム過激派とみなした人々のポルノサイトの閲覧履歴や性癖に関する情報についてスパイ活動を行なっているという。
 しかも、「The Intercept」も報じたように、NSAは監視対象をテロリストに限定せず、経済交渉や国際会議で優位に立つために日本の大企業の幹部や官僚などもターゲットとしていた。前掲書『スノーデン 日本への警告』所収のインタビューでは、NSAと協力関係にあるオーストラリアの諜報機関が「海老やグローブタバコの値段」といった「小さな商品の経済スパイ」のためにすら監視ツールを用いていたことが明かされている。
 しかもNSAを参考にすれば、情報当局がターゲットを起点にして芋づる式に対象者を増やしていくのは明らかだ。日本では今年1月から公開されたオリバー・ストーン監督作品『スノーデン』では、ジョゼフ・ゴードン=レヴィット扮するスノーデンとNSAの同僚がXKEYSCOREを用いるシーンをこのように描いていた。
 XKEYSCOREのインターフェイス上には、直接のターゲットであるパキスタンの銀行マンの詳細な情報が表示される。スノーデンがターゲットの親族に関する情報が検索できるか尋ねると、NSAの職員は、銀行マンの義理の姉妹を選び出し、彼女のパソコンに内蔵されたウェブカメラを秘密裏に起動させ、着替えシーンを生中継で表示して見せる。さらには、ターゲットの15歳の娘が選択され、Facebookのチャットで友人に吐露した彼氏に対する思いが拾い上げられる。続いて、その彼氏の個人情報がすべて検索され、彼が二股をかけていることや、彼とその母親が不法滞在をしていることなどがスノーデンに伝えられる──。
 この映画はスノーデンに直接取材をしてつくられたという。つまり、当局は直接のターゲットのみならず、その親族や友人の情報も幅広く取得しており、そのすべての情報をXKEYSCOREで検索し、把握できるようにしているのだ。
XKEYSCOREはすでに日本でも使われている!?
 さて、「The Intercept」が公開したNSAの内部資料によれば、少なくとも、日本政府は第二次安倍政権下の2013年4月22日から26日までの5日間、このツールのサードパーティ用バージョンの貸与を受けたとされる。前述したNSAの監視捜査の実態を踏まえると、日本政府がXKEYSCOREを利用したということは、日本における膨大なネットの通信内容へ令状なしにアクセスした可能性があることを意味する。
 しかも、この内部資料は、さらに驚くべきことを示唆していた。該当部分を抜粋しよう。
「このサイバー対策に従事する日本の諜報部局(DFS)の局員は、新任務のために今後使用することになる(XKEYSCORE等の)システムについて、その訓練をこれまでに受けていない」
 すなわちこの内部文書では、その後、日本の当局がXKEYSCOREなどの強力監視システムを使用することが既定路線となっているのだ。ここで言うDFS(Directorate For Signals intelligence)とは、おそらく防衛省情報本部電波部を指すと推測されるが、これが2013年の文書であることを考えると、日本政府が現時点ですでにXKEYSOCOREを実用している可能性は極めて高い。
 改めていうが、日本国憲法では国民の「通信の秘密」が保障されているはずだ。しかし、特定秘密保護法と情報公開法の不開示規定のもとでは、国民が日本でいかなる監視活動が行われているかを知る術はあまりにも限られている。さらに昨年には改正通信傍受法も施行された。そんななかで共謀罪が成立すれば、こうした一般市民のプライバシー暴露と情報隠蔽にさらなるお墨付きが与えられかねない。まさに、大規模な監視が政府によって行われ、当局の捜査も“治外法権”となってしまうだろう。
 にもかかわらず、自民党は〈テロ等準備罪について「デマ」を流す人は、この法律ができたら困るから〉などというチラシまでばらまき、“一般人にリスクはない”“反対する奴らは後ろめたいことがあるに違いない”などと宣伝してきた。典型的な詭弁だ。スノーデンは前述のインタビューでこう指摘している。
〈マス・サーベイランス(大量無差別監視)に関与する官僚は、「隠すことがなければ恐れる必要はありません」と述べて監視を正当化します。このような説明は第二次大戦中にナチスのプロパガンダで用いられていたレトリックと全く同じです。第二次世界大戦中のプロパガンダ省のゲッペルズ大臣は、前代未聞の大規模な人権侵害が起きていたときにこう言いました。
「心配することはありません。政府を信じてください。我々は権限を適切に使いますから。」
民主主義とはそういうものではないはずです。開かれた社会ではこのようなことは許されません。こうしたレトリックは、プライバシーを間違ってとらえています〉(前掲『スノーデン 日本への警告』より)
スノーデン「市民の反対する法案を強行する政府は」
 共謀罪で大幅に強化される日本の監視社会化は、権力の暴走を助長し、人々から権利を奪い取る。そして、その損害をいちばんに被るのは、武装したテロリストではなく、武力をもたないわたしたち一般市民なのである。スノーデンはこうも述べている。
〈すべての権利は守られなくてはなりません。あなたが安倍晋三首相であれば言論の自由など必要ないでしょう。あなたにこれを言ってはいけないなどという人はいませんし、多くの権利や特権を持っていて、しかも多くの点で多数派に属しているためです。権利は少数派を保護するものです。他の人とは異なる人たちを守るために権利は存在します。権利は弱い人を保護するために存在するということを覚えていなくてはなりません〉(同前)
 一般市民のささやかな生活まで丸裸にし、当局の恣意的な捜査と不当逮捕を可能にする共謀罪。〈市民が反対しているのに政府が意に介さず法律を成立させるような社会では、政府は制御不能となります〉とスノーデンが言う通り、こんな法案は絶対に廃案にせねばならない。(都築光太郎)


精神保健福祉法改正/不安の払拭が不可欠だ
 相模原の障害者施設殺傷事件を踏まえ、政府が国会に精神保健福祉法改正案を提出した。19人殺害の罪などで起訴された植松聖被告は事件前に「他害の恐れがある」と診断され措置入院となったが、退院後に所在不明になった。前兆がありながらその後の凶行を防ぐことができなかったことが教訓になっている。
 退院後の支援が不十分だったと専門家の報告書は指摘。措置入院制度の見直しが進められ、法案は行政が医療機関とともに患者の「退院後支援計画」を策定することを定める。その中で、策定に当たる地域の協議会に警察が参加することなどに、障害者団体や弁護士、医師らの一部が「監視強化」と反発している。
 参院での審議入り後、厚生労働省は国会議員向けに法案の概要を説明した資料の「改正の趣旨」から「二度と同様の事件が発生しないよう法整備を行う」などの文言を削除。犯罪防止や監視が改正の目的ではないと強調したが、野党は「改正の理由がなくなった」と批判している。
 政府、与党は今国会中の成立を目指す。措置入院患者に退院後も治療などの支援を継続し、社会復帰につなげていく仕組みを整えることに異論はない。ただし患者や家族らが抱く不安の払拭(ふっしょく)が不可欠だ。それなしに新たな制度を有効に機能させるのは難しいだろう。
 相模原事件を巡り、厚労省の有識者検討チームは昨年12月に「措置入院からの退院後に支援を受けられる仕組みがあれば、事件は防げた可能性がある」との報告書をまとめた。
 これを受けて法案は強制的な措置入院を決めた自治体が「精神障害者支援地域協議会」を設置し、患者の入院中から個別に退院後支援計画を策定するとしている。
 患者が退院後に居住する自治体が支援計画に基づき相談指導を実施。協議会には自治体や医療機関、障害者団体のほか警察も参加し、他害の恐れが精神障害によるものか判断が難しいケースへの対応なども協議する。
 相模原事件では植松被告の不穏な言動などが行政や施設、警察で十分に共有されず、措置入院を巡る関係機関の連携が課題となった。
 これに対し、障害者団体などは患者への監視が強まると不安を示している。また、塩崎恭久厚労相の記者会見、国会議員向け説明資料で「再発防止」が強調され、質疑では「精神科医療に犯罪防止の役割を担わせるのはおかしい」などの声が相次いだ。
 先月下旬、塩崎厚労相は資料の文言削除を明らかにして「混乱を招いた」と謝罪したが、当事者の不安解消のためさらなる説明が必要だ。
 措置入院制度の見直しについては当初から「監視の目的が透ける支援で信頼は得られない」などの指摘があった。政府は再発防止を優先するあまり、配慮を欠いた部分があったのではないか。
 措置入院で薬物使用が明らかになれば例外的に警察に任せるなど、医療との役割分担を明確にしなければならない。相模原事件では、障害者への差別や偏見が根強くあることがうかがわれた。患者や家族らが監視の目を向けられるのを恐れて治療や相談をためらうようだと、支援の継続は困難になるだろう。


不安払拭が欠かせない/精神保健福祉法改正
 相模原の障害者施設殺傷事件を踏まえ、政府が国会に提出した精神保健福祉法改正案に、野党や障害者団体から「監視強化につながる」などの批判が出ている。
 19人殺害の罪などで起訴された植松聖被告は事件前に「他害の恐れがある」と診断され措置入院となったが、退院後に所在不明となり、いくつか前兆があったにもかかわらず、凶行を防ぐことができなかった。
 退院後の支援が不十分だったと専門家の報告書は指摘。措置入院制度の見直しが進められ、法案は行政が医療機関とともに患者ごとに「退院後支援計画」を策定することを定めている。
 厚生労働省は、法案の説明資料に改正の趣旨として「二度と同様の事件が発生しないよう法整備を行う」などと記載した。しかし「精神科医療に犯罪防止の役割を担わせるのはおかしい」などの反発があり、厚労省は再発防止に関する文言を削除する異例の対応を取った。
 政府、与党は今国会での成立を目指している。措置入院患者に退院後も治療などの支援を継続し、社会復帰につなげていく仕組みを整えることに異論はない。ただし、患者や家族らが抱く不安の払拭(ふっしょく)が不可欠だ。
 相模原事件を巡り、厚労省の有識者検討チームは昨年12月に「措置入院からの退院後に支援を受けられる仕組みがあれば、事件は防げた可能性がある」との報告書をまとめた。これを受けて法案は、措置入院を決めた自治体が「精神障害者支援地域協議会」を設置し、退院後支援計画を策定するとしている。
 患者が退院後に居住する自治体が支援計画に基づき相談指導を実施。協議会には自治体や医療機関、障害者団体のほか警察も参加する。
 相模原事件では植松被告の不穏な言動などの情報が行政や施設、警察で十分に共有されず、措置入院を巡る関係機関の連携が課題となったためだ。だが、障害者団体などは患者への監視が強まる−と不安をあらわにしている。
 措置入院制度の見直しについては当初から「監視の目的が透ける支援で信頼は得られない」などの指摘があった。今後は例えば、措置入院で薬物使用が明らかになれば例外的に警察に任せるなど医療との役割分担をより明確にし、当事者に対し丁寧に説明を重ねることが求められる。


赤ちゃんポスト10年 命の議論は深まったか
 親が育てられない子を匿名で預け入れる熊本市・慈恵病院の赤ちゃんポスト「こうのとりのゆりかご」は、運用開始から10年が経過した。託された命は、2015年度までに125人に上る。
 開設に際して、第1次政権当時の安倍首相は「大変抵抗を感じる」と批判。安易な育児放棄を懸念する声が続出したことが思い起こされる。
 子の幸せとは何か、答えは一様ではない。ポストの賛否も、今なお大きく分かれる。
 その上で考えたい。この10年で、ポストを使わなくていい社会に一歩でも踏み出しただろうか。命をめぐる議論は深まっただろうか。
 15年度、全国の児童相談所が対応した虐待件数が初めて10万件を超え、10年間で3倍に増えたことからしても、「否」と答えざるを得ない。
 一歩を踏み出したい。まずは、ポストで救われた命の重み、同病院の妊娠相談に寄せられる年6千件超の切実な声の重みに思いをはせたい。
 ポスト運用開始は07年。相次ぐ新生児の遺棄事件を受け「もはや傍観者ではいられない。最優先すべきは命を救うこと」との信念から、一民間病院の模索は始まった。
 外側から扉を開け、保育室に赤ちゃんが預けられるとブザーが鳴り、職員が駆け付けて保護する仕組み。保護責任者遺棄罪などに触れないよう、児童相談所や警察と連携し、市の専門部会が運用状況を定期的に検証している。
 預けた父母らの居住地は全国各地。預けた理由の最多は生活困窮だ。柏木恭典著「赤ちゃんポストと緊急下の女性」(13年)は、ポストの背景の深刻な現実を詳述する。
 望まれない妊娠を誰にも打ち明けられず、孤独の中、追い詰められていく母親。児童遺棄や殺害、親子心中などの事例も交え、緊急下の女性への支援がいかに不足しているかを浮かび上がらせる。
 ポストの課題は多い。その一つが預け入れ後の行き先。家庭的な養育環境が望まれるが、13年度末時点で特別養子縁組は29人にとどまる。
 実の親が育てられない子どもを戸籍上、養父母の「実子」と同じ扱いにする特別養子縁組は、虐待で児童養護施設などで暮らす子を救済する上でも活用が期待されるが、「原則6歳未満」の対象年齢がネックだ。制度の普及や対象年齢引き上げが求められよう。
 預けられた子が出自を知る権利保障も課題だ。ドイツでは14年に内密出産制度を導入。16歳になった子は母親の名前を知ることができる。だが、日本ではほとんど議論されていない。
 このままでいいのか。ポストの賛否を超えて、ポストが明らかにした深刻な現実に対し、傍観者ではいられない。


まだ隠されている5・18光州抗争
 李明博(イ・ミョンバク)-朴槿恵(パク・クネ)政権の9年あまり、斉唱が禁止された「あなたのための行進曲」が18日、5・18光州(クァンジュ)民主化運動37周年記念式ですべての参席者によって歌われる。5・18以後、民主化運動の象徴になった歌が再び斉唱されることは、それ自体で意味深いことだ。37周年記念式は文在寅(ムン・ジェイン)大統領を含め5・18有功者と遺族など1万人あまりが参加する歴代最大の規模になるという。新しく生まれた政権が5・18精神を胸に深く刻もうとしていることを示すものでまことに喜ばしい。
 しかし、国家次元の記念とは別に5・18の真実は、依然として未だ一部が明らかになっておらず闇の中に隠されているという事実は遺憾を禁じ得ない。ハンギョレが入手し報道した「保安司令部(現、機務司令部)の5・18改ざん文書」が隠蔽の実状の断面を見せる。保安司が1988年の国会における5・18聴聞会を控え、秘密組織を設けて犯した5・18改ざん・ねつ造の内容は衝撃的だ。「5・11研究委員会」というこの秘密組織は、光州市民を暴徒に追い立て、戒厳軍の鎮圧を正当防衛であるかのように見せるため核心書類を改ざんして国会に提出した。彼らは1980年5月21日の市民軍による最初の武器奪取時間を午後5時30分から戒厳軍の集団発砲以前の午前8時に変造した。光州市民が空輸部隊に向けて先に銃を撃ったかのように改ざんしたのだ。また、彼らは戦闘教育司令部の状況日誌の中の7空輸部隊が銃剣で市民を鎮圧したという内容も削除するよう指示し、空輸部隊の残酷な虐殺実状を隠蔽した。
 国家機関が主導した不法改ざんのために、1996年、検察の12・12と5・18捜査時に旧全羅南道庁前の集団発砲で犠牲になった市民の死を「内乱目的の殺人罪」で断罪できなかったという痛恨の結果を招いた。さらに痛恨の極みになったのは、こうした改ざんで作られた虚偽の事実がその後の国防部の公式立場につながり、現在インターネット上に飛び交う5・18に関連した偽りの主張の根元になったという点だ。
 新政府は5・18の総体的真実を糾明することはもちろん、国家機関がその真相を歪曲・ねつ造した過程も暴かなければならない。今日まで発砲の命令者が誰なのかも明確になっていない。5・18の真実を全て明らかにすることは、名もなく死んでいった怨みの霊をなだめるだけでなく、今回の37周年記念式の主題である「正義が勝利する大韓民国」を作る仕事でもある。


文大統領 光州事件式典で「必ず真相を究明」=民主化の歌も斉唱
【ソウル聯合ニュース】韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は18日、韓国南西部・光州の国立5.18民主墓地で開催された光州民主化運動(光州事件)37周年の記念式典に出席した。演説で「新政権は民主化運動の真相究明に一層努力する」とし、「完全な真相究明は進歩(革新)と保守の問題ではなく、常識と正義の問題であり、国民全員で発展させるべき民主主義の価値を保存することだ」と強調した。
 文大統領は「5.18(光州民主化運動)は不義の国家権力が国民の命と人権をじゅうりんした韓国現代史の悲劇だが、これに立ち向かった市民の抗争が民主主義の里程標を立てた」とたたえ、その精神が朴槿恵(パク・クネ)前大統領を退陣に追い込んだ「ろうそく集会」で復活したと述べた。
 その上で、「新政権は民主化運動とろうそく革命の精神を尊び、この地の民主主義を完全に復元させる」「文在寅政権は国民の意を仰ぐ政権になる」と表明した。
 文大統領は「差別と排除、銃剣の傷が残した痛みを乗り越え、まず光州が正義に満ちた国民統合の先頭に立ってほしい」と呼びかけた。
 また、光州民主化運動をねじ曲げ非難する試みは容認できないと強調した。民主化運動の象徴とされる歌「あなたのための行進曲」を巡る論争も、この日の式典での斉唱をもって終わってほしいと述べた。
 この歌は政府が光州民主化運動の記念式典を主管するようになった03年から08年までは斉唱されたが、北朝鮮に追従する「従北」の性向を持つ歌であるとの議論を呼んでいるとして09年から合唱に変わった。文大統領は今年の式典で斉唱に戻すよう指示し、この日9年ぶりに斉唱された。mgk1202@yna.co.kr


河北抄
 「僕は、いじめられていました」
 そんな書き出しの手紙が仙台市の社会人応援団「青空応援団」に届いた。差出人の高校生は物を投げられたり、階段で後ろから蹴られたり。中学で執拗(しつよう)ないじめに遭ったと打ち明ける。心臓が少しのことでバクバクし、何を食べても味なんかしない。死にたいと思い始めたころ、青空応援団を知ったという。
 「俺たちは『生きる』という選択を応援します。君にはね、応援団がいるよ」。団長の平了さん(39)のブログに勇気づけられ、メールを送ったら返信があった。「君に最強の魔法を教えよう。『関わった全員の名前、遺書に書いて死んでやるから覚悟しろ』と言ってみな」。一瞬でバクバクがドキドキに変わった。
 「魔法」を試した彼。いじめはやみ、「オドオドしてるのは彼らの方」になった。「僕は今、生きています。団長の応援があったから」と手紙は結ぶ。
 ひきょうな奴(やつ)は許さない。自死も絶対認めない。団長のエールは強く温かい。「誰も君を応援しなくとも、俺たちがいる。俺は、君の傘になる。ガンバレ」