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Le super typhon Noru se dirige vers le sud du Japon
Médecine des voyages

Jacques MORVAN
Dans l'océan Pacifique ouest un puissant typhon nommé Noru, premier typhon qualifié de Super Typhon de la saison, se dirige vers le sud du Japon.
Le 1 août 2017 à 09h00 UTC le centre de la dépression (940 hPa) était situé près de 24°2 N 137°5 E. Le typhon se dirige NW à la vitesse de 15 km/h accompagné de vents à 170 km/h en rafales à 240 km/h.
Le typhon pourrait représenter une menace potentielle pour le Japon vers le 5 août, les premiers effets de Noru sur le Japon devraient se faire ressentir cette semaine avec l'arrivée d'une large houle cyclonique.
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人名探究バラエティー 日本人のおなまえっ!【沖縄・後編】名前で旅する沖縄!
夏休み企画、沖縄のお名前SP後編。沖縄には名字と下の名前以外に、さらに3つの名前があった!?今回、番組の徹底取材により、かつて琉球王国だったある島では「トゥク」や「マニュ」など、不思議な響きの名前で呼び合う風習があることを発見!南国の島暮らしに息づく“もうひとつの名前”の謎と魅力に迫る。さらに“一家の伝統が刻まれた”お名前や、“一族の結束を強める”お名前も登場。かつてない、名前で味わう沖縄旅へ! 古舘伊知郎,赤木野々花, 澤部佑,宮崎美子, ガレッジセール,具志堅用高,ミーナ, 里村奈美,河合紗希子

カントク3ですが,一応無事に済んだ??訂正メールを見ていなかった人がいたようで申し訳ないです.
見た覚えのあるD2の人がジカイ???
今日は永山則夫の死刑執行から20年ということだそうです.

石巻川開き祭りで灯ろう流し
石巻市の伝統の夏祭り、「石巻川開き祭り」が始まり7月31日夜は東日本大震災の犠牲者を供養しようと5000個の灯ろうが川に流されました。
「石巻川開き祭り」は100年ほど前に始まったとされる夏祭りで震災後の灯ろう流しには犠牲者の供養と復興への願いが込められています。
7月31日夜は市の中心部を流れる旧北上川の河原に設けられた会場に黄色や桃色の紙で作られた5000個の灯ろうが用意されました。
そして震災で家族や親族を亡くした人たちが「何度生まれ変わっても私たちの子どもに生まれてきてね」などと犠牲者への思いを書き込みました。
このあと市の職員やボランティアの手で灯ろうが川に流され集まった人たちはゆっくりと漂う灯ろうを見つめていました。
震災で母親が犠牲になったという東松島市の40代の女性は「七回忌の祈りも込めてことし初めて見に来ました。ろうそくの明かりを眺めるとこみ上げてくる思いがあります」と話していました。
津波で自宅が被害を受けた石巻市の70代の男性は「毎年この灯ろうを見るとあの日のことを鮮明に思い出します。あのような災害がもう起きないことを心から願っています」と話していました。
「石巻川開き祭り」は1日も行われ地元の小学生のパレードなどが披露されます。


<石巻川開き祭り>追悼の夏の灯がともる
 夏の石巻市を彩る「第94回石巻川開き祭り」(実行委員会主催)が31日、市中心部で開幕した。たそがれ時の旧北上川では市民らが約5000個の灯籠を浮かべ、東日本大震災の犠牲者らをしのんだ。(14面に関連記事)
 赤や黄、青などの淡い光が水面(みなも)を照らす。灯籠の表面には大切な人への思いがつづられた。「おっかあへ 料理と洗濯をできるようになったよ」「母は元気です やすらかに」
 川のほとりでは、家族連れなどが波間に揺れる明かりを静かに見詰めた。
 1日は旧北上川で孫兵衛船競漕(きょうそう)の決勝があり、午後7時半からの花火大会で約6000発を打ち上げる。実行委によると、2日間の人出は昨年並みの21万7000人を見込む。


<住田町長>前例とらわれず後方支援
◎岩手・住田震災時に木造仮設住宅を整備/多田欣一町長に聞く
 岩手県住田町の多田欣一町長(72)が4期16年の任期を終える。東日本大震災では、町の基幹産業である林業に着目して木造仮設住宅の整備を断行した。4日の退任を前に、自治体の備えや後方支援の在り方を聞いた。(聞き手は大船渡支局・坂井直人)
 −専決処分でいち早く木造仮設住宅の整備を決断した。
 「災害救助法は県が被災地に仮設住宅を造るとしていたが、そもそも沿岸の被災地には用地がなかった。需給調査には時間もかかる。助かった人たちに一日でも早く普通の生活を提供しなければならなかった」
 「法律が大規模災害を想定していないなら、それに縛られず、被災者の助けになることは国や県に叱られてでもやるべきだと考えた」
 −得られた課題と教訓は。
 「木造仮設住宅の整備費は1戸当たり250万〜300万円で、プレハブより安く仕上がった。一方で、断熱材やアルミサッシを入荷するのに時間を要した」
 「木造仮設住宅を全国10〜20カ所に備蓄し、災害時に素早く建設できるようにすべきだ。国にも要請しているが、まだ実現していない」
 「仮設住宅の入居期間は原則2年だが、震災では入居期間が長期化している。住み心地のいい木造仮設住宅は、日本の資源の有効利用にもなる」
 −陸前高田、大船渡両市といった沿岸被災地の後方支援にも尽力した。
 「町内のスーパーやガソリンスタンドも物資が不足したが、入ってくる救援物資は被災地や避難者向けだった。防災計画は、近隣自治体の被災も念頭に策定すべきだろう」
 「被災地には応援職員の滞在先がなかった。町職員なら現地に通えるし、地理も分かるが、小規模自治体なのでそれほど被災地に職員を派遣できなかった。より外縁の自治体が、(被災地の)後方支援に当たる自治体を支援するのも一つの方法ではないか」
[ただ・きんいち] 1945年岩手県住田町生まれ。東京農大卒。72年に住田町職員となって総務課長などを歴任。2001年に町長就任。


<八戸三社大祭>輝く山車 夜空照らす
 江戸時代から約300年の歴史がある八戸三社大祭が31日、八戸市で開幕した。昨年12月に八戸三社大祭を含む「山・鉾(ほこ)・屋台行事」が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録されてから初めての開催で、登録を祝う場面を表現した山車も登場した。
 初日は前夜祭で、昔話や神話、歌舞伎などをテーマにした華やかな27台の山車が市中心部に集結。子どもたちの「ヤーレ、ヤーレ」の声とおはやしが街に響き、訪れた人を楽しませた。
 呼び物の山車の運行はお通り(1日午後3時)、中日(2日午後6時)、お還(かえ)り(3日午後3時)の3回。4日は後夜祭がある。
 今年はユネスコ登録を祝って期間を1日延長し、5日に記念祭が開かれる。


県内大雨被害対策 被災者支援に全力注げ
 7月22日から23日にかけて本県を襲った記録的な大雨による被害発生から1週間余りがたち、調査が進むにつれて被害の大きさが明らかになってきた。
 県災害対策本部のまとめ(31日午後4時現在)によると、河川の堤防や道路などの公共土木施設被害は96億9400万円、農作物と水路などの農業施設を合わせた農林被害は35億6100万円に上り、県は国に激甚災害の指定を要望している。
 激甚災害に指定されると、被災自治体が実施する公共土木施設や農業施設の復旧事業で国の補助率が通常より1〜2割程度引き上げられる。県や関係市町村は指定を国に強く働き掛けながら、早期の復旧に全力を挙げてもらいたい。
 被害額はまだ明らかになっていないが、住宅被害も深刻だ。被害は17市町に及び、全壊2棟、半壊38棟、床上浸水636棟、床下浸水1187棟の計1863棟に上っている。25日発表の960棟から大きく膨らんだ。大仙市や秋田市などは調査が終わっておらず、被害はさらに拡大する見通しという。
 被災者の生活を考えれば、住宅の復旧は最優先課題だ。各自治体は早急に実態を把握し、住宅の再建・補修などに活用できる支援制度の周知や制度活用に必要な罹災(りさい)証明書の迅速な発行に努めてほしい。
 猛暑の中で土砂をかき出したり家財道具を運び出したりするのは大変な作業であり、疲労の色を濃くしている住民も多いという。体調維持や衛生管理など留意すべき点は多く、状況に即した支援が不可欠だ。
 こうした中、県内外から大勢のボランティアが駆け付けてくれているのは心強い。被害住宅が791棟と県全体の約4割を占める大仙市には、31日までに600人近くが登録した。窓口の市社会福祉協議会は「ボランティアの力を借りて復旧を加速させたい」と話す。支援を広く呼び掛けたい。
 農業の被害対策も急務だ。作目別の被害で最も大きいのは水稲の7億4千万円で、冠水面積は2451ヘクタールに上る。県によると、7月下旬は稲に花粉や胚ができる減数分裂期で水害の影響を受けやすい時期だったといい、今後、品質劣化や収量減が心配される。冠水で稲が弱っていればいもち病の発生も懸念され、防除の徹底が必要だ。
 7〜10月の東京都中央卸売市場への出荷量が昨年まで2年連続日本一となったエダマメも、主産地の大仙市などが被害を受けたため収量減は免れない。冠水した圃場では根腐れなどを起こす恐れがあるため、排水対策に万全を期したい。
 県内ではコメ以外の作物でブランド化を目指す動きが活発化していただけに、災害補償制度も活用するなどして減収を最小限に食い止めたい。農家が営農意欲を失わないよう、行政とJAが一体となってきめ細かに対応していくことが求められる。


森友問題で夫妻逮捕/捜査は緒に就いたばかりだ
 学校法人「森友学園」(大阪市)を舞台にした疑惑が新たな段階を迎えた。
 大阪地検特捜部はきのう、補助金をだまし取ったとして詐欺の疑いで、前理事長の籠池泰典(64)、妻の諄子(60)両容疑者を逮捕した。
 ついに政官や自治体を巻き込み、世間を騒がせた人物の逮捕に至ったが、全容解明の緒に就いたばかりと言わざるを得ない。地検は国有地の払い下げ疑惑など「核心」とされる部分の捜査も併せて進展させていくべきだ。
 法人が大阪府豊中市の国有地で計画していた小学校の校舎建築を巡っては、国の補助金約5600万円を不正受給したとする補助金適正化法違反容疑の告発状が、地検に提出されていた。系列の幼稚園運営でも詐欺容疑の告訴状が出されている。
 ただ、こうした容疑は法人の経営を巡る疑惑の「枝葉」の部分ではないか。
 学園は、小学校開設に当たって国と大阪府から破格の厚遇を受けていた。その第一は豊中市の国有地が2016年6月、当初の鑑定価格より8億円余り値引きされ、学園に売却されたことだ。
 開校予定の小学校の名誉園長に一時就いていた、安倍晋三首相の妻昭恵氏の関与の有無が、当初から取り沙汰されていたことが問題視された。
 15年には昭恵氏付け職員が間に入り、学園の要望を財務省とやりとりしていたことが判明している。「その後の土地取引が順調に進んだ」と、籠池容疑者は3月の国会での証人喚問で述べた。
 さらに大阪府の私学審議会は、学園の小学校設置認可で14年12月にいったん「認可保留」とした継続審議の決定を、1カ月後に「条件付き認可適当」と変更し答申した。
 先月、府議会に参考人として出席した籠池容疑者は「(答申で)財務局が動きだし、建設業者の選定、銀行の契約など具体的な動きが始まった」と、学校新設のポイントだったことを明かした。
 証人喚問でも複数の政治家の実名を挙げ、働き掛けていたことを証言した。「首相夫人」の存在が、役所の対応に影響を及ぼしたかどうかが大きな焦点と言えよう。
 地検は、財務省近畿財務局が不当に安く売却し、国に損害を与えたとする背任容疑の告発状を受理している。既に財務局の関連書類は破棄処分されているというから、捜査の出遅れは致命的だ。
 それでも、土地価格の根拠の正当性や売買に至る過程が適切だったかどうか、明らかにしなければ、国民は納得しないだろう。
 「本筋は国有地問題」と述べていた籠池容疑者は逮捕前に容疑を否定、「説明できることは説明する」と話していた。事実関係について洗いざらい供述すべきだ。
 籠池容疑者らを「人身御供」にして、事件を終わらせてはならない。


「森友」前理事長夫妻を逮捕 値引きこそ疑惑の核心だ
 国政を揺るがした国有地の値引き疑惑である。捜査を尽くし、核心に迫るべきだ。
 大阪市の学校法人「森友学園」前理事長の籠池泰典容疑者と妻諄子容疑者が詐欺の疑いで大阪地検特捜部に逮捕された。
 開校を計画していた小学校建設に関して金額の異なる3通りの契約書を作り、最も高額の分を国に提出し補助金を不正受給したとされる。
 容疑は公金の不正だ。補助金の使途とともに行政がなぜチェックできなかったのかの解明が欠かせない。
 森友学園問題は2月に国会での真相究明が始まり、特捜部も告訴や告発を受けて捜査を進めてきた。
 その中でいまだに解明されていない最大の疑惑が、大阪府豊中市の国有地が学校用地として学園に格安で売却されたいきさつだ。
 財務省近畿財務局は、鑑定価格からごみ撤去費として約8億円を差し引いて、1億3400万円で学園に売った。その交渉は学園側の要求通りに進み、籠池容疑者は「神風が吹いた」と国会で証言している。
 ところが佐川宣寿・前財務省理財局長(現国税庁長官)は、学園との交渉記録について「売買契約を受けて既に破棄した」と答弁した。「パソコン上のデータもない」とも述べて説明を拒み続ける一方で「処理は適正だ」と繰り返した。
 学園からどんな要望があり、国はどう応じたのか。そこに何らかの政治力が関与したのか。これが問題の核心部分だ。言い分が食い違ったままで終わらせるべきではない。
 籠池容疑者は複数の政治家の名前を挙げて学校建設の支援を求めていた。安倍晋三首相の妻昭恵氏が一時、小学校の名誉校長に就いたことなどから、官僚が政権の意向をそんたくした可能性が指摘されている。
 不当に安く国有地を売却し、国に損害を与えたとして財務局幹部らが背任容疑で告発され、特捜部は捜査している。立証のハードルは高いだろうが、価格や決め方が適正だったかどうかを明らかにしてほしい。
 「昭恵氏から100万円の寄付を受けた」という籠池容疑者の証言をはじめ、多くの疑問が残されたままだ。昭恵氏は公式の場できちんと説明すらしていない。国会は引き続き、究明に努める必要がある。


【籠池容疑者逮捕】国有地売却を忘れるな
 学校法人「森友学園」(大阪市)が小学校建設を巡って国の補助金をだまし取ったとして、大阪地検特捜部は詐欺の疑いで学園前理事長の籠池(かごいけ)泰典容疑者と妻の諄子容疑者を逮捕した。
 容疑が事実なら、教育に携わる組織の責任者として到底許されない。学園が運営する幼稚園への大阪府の補助金をだまし取ったとの疑いも持たれている。真相の徹底的な解明を求めたい。
 逮捕容疑は、学園が大阪府豊中市の国有地に開設を目指した小学校の建設を巡る、国の補助金約5600万円の不正受給だ。建築費を約23億8千万円とする工事請負契約書を国に提出したが、水増し請求の疑いがある。
 特捜部が6月に強制捜査に踏み切った際には別の詐欺容疑もあった。学園が大阪市内で運営する幼稚園に対する府の経常費補助金のうち、人件費と「要支援児」受け入れ補助金で、計約6200万円を不正受給したとされる。
 疑惑の発覚に伴い、学園は府への小学校設置の認可申請を取り下げるとともに、国に補助金を返還した。幼稚園の土地・建物などが仮差し押さえされ、園児数も激減するなどして行き詰まり、大阪地裁に民事再生法の適用を申請している。
 教育現場での不正が、子どもたちや保護者をはじめ、いかに大きな影響を及ぼすかが分かる。特捜部は不正の全容解明に全力を挙げてもらいたい。
 ただし、森友問題の核心は、小学校建設のために払い下げられた国有地の不透明な取引にある。
 財務省近畿財務局から学園への売却額は1億3400万円だった。地中のごみの撤去費用を考慮したとして8億円余りも値引きし、評価額の約14%でしかない。籠池泰典容疑者は国会の証人喚問で「想定外の値下げにびっくりした」と述べた。
 払い下げに至る経緯では、安倍昭恵首相夫人の関与も取り沙汰されてきた。夫人付きの政府職員が国有地を巡って財務省に問い合わせたことが判明している。昭恵氏は一時、開設予定の小学校の名誉校長にも就いていた。
 関係者によると、近畿財務局が学園側との交渉の中で、買い取り可能な金額を尋ねていた疑いがあるという。財務省理財局長(当時)は国会で「先方にあらかじめ価格について申し上げることはない」と説明したが、食い違う可能性が出てきたといってよい。
 特捜部は国有地を不当に安く売却したとする近畿財務局担当者への背任容疑の告発を受理し、既に同局職員を聴取している。学園に有利な取引となるよう、官僚の忖度(そんたく)によって公正な行政がゆがめられていたとすれば、問題は極めて重大だ。徹底的な捜査が求められる。
 同時に、安倍首相と昭恵夫人は説明を尽くす必要がある。国民の不信を招いた疑問に、正面から向き合う意思があるか否かの問題だ。


籠池前理事長逮捕 「不信の原点」説明を
 国の補助金をだまし取ったとして、大阪地検特捜部は詐欺の疑いで森友学園前理事長の籠池(かごいけ)泰典容疑者と妻を逮捕した。国有地が8億円余りも値引きされ、小学校用地として学園に売却されたことが2月上旬に発覚。小学校の名誉校長に安倍晋三首相の昭恵夫人が就任していたことから学園が優遇されたと野党は一斉に追及した。
 だが政府は売買交渉の経緯について説明を拒み続け、野党も攻めあぐねるうち、安倍首相の友人が理事長を務める加計(かけ)学園の獣医学部新設計画に絡む疑惑が噴き出す。森友問題は後景に退いた形になったが、内閣支持率急落や東京都議選の自民党惨敗を招いた政権不信の原点はそこにある。
 問題の核心は言うまでもなく、8億円もの値引きの不透明な経緯であり、未解明のままだ。国有地を不当に安く学園に売却して国に損害を与えたとする財務省近畿財務局の担当者に対する背任容疑の告発も特捜部は受理している。政府が説明に背を向ける中、告発によって解明を託されたことを重く受け止め、捜査を尽くしてもらいたい。
 加計問題を巡る閉会中審査でも野党は森友問題を取り上げ、昭恵夫人の国会招致を求めたが、首相は「疑惑の目を向けられるのはもっともだ」としながらも「国会がお決めになること」とかわした。「反省」「謙虚」を強調しても、説明責任と向き合わない限り、不信の払拭(ふっしょく)はかなうまい。
 国有地売却を巡っては、昭恵夫人の存在が焦点となった。財務省側との売買交渉で籠池前理事長は開校予定の小学校の名誉校長だった夫人との関係を強調。交渉内容を逐一、夫人に電話で報告したという。さらに国有地の定期借地契約に関する要望などを夫人付の政府職員に伝え、財務省幹部の回答を職員からファクスで受け取っていた。
 昨年3月、この幹部と面会。その際、売却前の学園との定期借地契約について幹部が「特例」と述べていたことが音声記録から分かっている。翌月には小学校用地の地中にあるごみの撤去費が8億円余りと見積もられ、6月に評価額の14%に当たる1億3400万円で売買契約が結ばれた。
 国会の証人喚問で前理事長は、この間の経緯を振り返り「神風が吹いた」と語った。撤去費算定の根拠にも疑問が投げ掛けられ、夫人の存在が財務省側の忖度(そんたく)につながり、学園が優遇されたのではとの疑念は根強い。
 だが財務省は省内規則に基づき学園側との面会・交渉記録を廃棄したとして説明を拒み、調査の要求も突っぱねた。夫人も口を閉ざしている。野党は全容解明には夫人の証人喚問が不可欠としたが、政府と与党はあくまで「私人」との立場を崩さず、応じなかった。
 特捜部は財務局側に説明を求めるなど捜査を進めている。ただ背任事件では自己・第三者の利益を図る目的や損害を与える目的を立証することが求められ、ハードルは高い。また通常国会閉幕後の家宅捜索で財務局など背任容疑の関係先は対象になっておらず、現時点でどこまで核心に迫れるか見通すのは難しい。
 昭恵夫人の関わりも含め、国民に見えないところで何があったのか。首相が何度も約束した「丁寧な説明」が果たされるのを待ちたい。それなしに内閣改造で体制を一新したとしても、疑念はくすぶり続けるだろう。(共同通信・堤秀司)


籠池理事長逮捕は官邸=検察による口封じだ! 安倍夫妻、財務省が絡む国有地売却の捜査は潰されていた
とうとう森友学園・籠池泰典前理事長夫妻が大阪地検特捜部に逮捕された。籠池前理事長は逮捕前、検察の動きを「国策捜査だ」と批判していたが、たしかに、これは安倍政権と財務省の疑惑を隠蔽し、籠池氏を口封じするための逮捕としか思えない。
 というのも、国会が開かれていないという安倍政権にとってもっとも都合のいいタイミングでの逮捕であることに加え、容疑は本丸の国有地売却問題と全く関係のない補助金詐欺容疑だからだ。
 たしかに、籠池前理事長は、国有地を取得して開設を目指した小学校舎の建設にあたり、金額の異なる契約書を作成。木材を使った先進的な建築に対して支給される国の補助金計約5600万円を不正受給した疑いで告発されていた。また、大阪府からも、幼稚園の教員数と、障害のある園児数に応じて交付される補助金計約6200万円を不正に得たとして、告発を受けていた。
 しかし、これらはそれこそ、森友問題の核心部分をごまかし、籠池前理事長の口封じをするための容疑であり、事件の枝葉末節に過ぎない。
 森友問題の核心であり端緒は、当たり前だが、国有地が約8億円も値引きされタダ同然で払い下げられたことであり、その過程に、当時の武内良樹近畿財務局長(現国際局長)、財務省で国有地を直轄する最高責任者である当時の迫田英典理財局長、さらには内閣総理大臣である安倍首相や昭恵夫人がどう関与したか、だ。
 だいたい、籠池前理事長が補助金詐取をしていたとしても、それは財務省から国有地をタダ同然で売却してもらってはじめて行えるものだ。近畿財務局の8億円の値引きがないと、森友学園はそもそも土地を取得できず、小学校建設もできなかった。順番からいっても、最初に国有地8億円値引き売却の問題を捜査すべきなのである。
潰された近畿財務局への強制捜査、背後に官邸と検察の密約
 しかし、検察はその核心部分については捜査する気がまったくないようだ。国有地8億円値引きは、この7月13日にも弁護士ら246人が「交渉に当たった財務省近畿財務局が土地を不当に安く売って国に損害を与えた」として近畿財務局長らを背任で告発。大阪地検特捜部は告発状を受理し、マスコミも「いよいよ近畿財務局を背任容疑で捜査か」と煽っていた。しかし、実状はまったく違う。司法担当記者が語る。
「検察は表向き、国策捜査という批判を受けないために告訴状を受理し、捜査に前向きな姿勢を示していますが、国有地売却の捜査はすでに、潰されているんです」
 実は近畿財務局に対する告発は今年3月にも豊中市議らが行っており、大阪地検特捜部は6月に、森友学園への強制捜査とセットで、近畿財務局を背任容疑でガサ入れすることを考えていたという。ところが、蓋を開けてみたら、結局、森友学園への補助金適正化法違反、補助金詐欺での強制捜査だけになっていたのだ。
「大阪地検特捜部は2009年の村木厚子(厚生労働省局長)さんの冤罪逮捕・証拠改ざん事件を引き起こして以降、信用は地に落ちたまま。他省庁の不正を単独で捜査する力はない。最後のチャンスが森友へのガサ入れの時に一緒にやることだった。現場はそれで証拠をつかめば、一気にやれるかも、と考えていた。ところが地検上層部が頑として首をたてにふらなかったんです」(前出・司法担当記者)
 検察は国税庁と連携して脱税摘発する関係なので、もともと財務省には弱く、20年前、東京地検特捜部が大蔵省接待汚職を摘発したことで、関係が悪化したトラウマもある。
 だが、今回、地検上層部が近畿財務局へのガサ入れを止め、国有地払い下げ問題に触れさせないようにしたのはやはり、安倍首相や昭恵夫人が捜査対象になる可能性があるからだ。
「法務省から大阪地検には相当なプレッシャーがあったようです。地検幹部が毎日のように本省から連絡が入ってくる、とぼやいていましたから」(検察関係者)
 しかも、今回の籠池前理事長夫妻逮捕も、官邸の意向に沿った「国策捜査」として近いうちに行われるだろうという見方が前々からささやかれていた。
 森友問題で次から次へと疑惑が噴出していた時期、永田町では、法務省と官邸をめぐるある密約の情報がかけめぐっていた。
「法務事務次官の黒川弘務氏と菅義偉官房長官の間で、法務省の悲願だった共謀罪の成立とバーターで、籠池理事長の口封じ逮捕の密約が交わされたという情報が駆けめぐったんです。共謀罪とのバーター説については、眉唾なところもありますが、黒川氏は甘利明前経済再生相の賄賂事件の捜査をつぶした“官邸の代理人”といわれている法務官僚。官邸の意向を受けて、森友捜査をコントロールしようとしていたのは間違いありません」(全国紙政治部記者)
松井知事の疑惑隠し告発から始まって捜査、逮捕された籠池
 さらにもうひとつ噂されていたのが、今回、籠池逮捕という結果を生み出した補助金詐欺告発の動きだ。数カ月前、安倍官邸と松井一郎大阪府知事の間で、「大阪府が籠池理事長を口封じするため刑事告発する」という裏取引があったといわれているのだ。
「3月頃、松井一郎大阪府知事が「小学校設置は近畿財務局の要請。国は相当親切」「安倍首相は忖度を認めよ」などと批判、橋下徹氏もテレビ番組で「国から相当の圧力を受けたらしい」と口にするなど、国に責任を押し付けていた。これに官邸が激怒したという情報も流れ、両者の間は相当にぎくしゃくしていた。ところが、4月に入って、両者が手打ち。安倍首相が関与する国有地問題にさわらせないために、大阪府が籠池理事長の刑事告発を引き受けて、大阪府の補助金詐欺事件として処理させる、という約束が交わされたんじゃないかといわれていいます」(在阪の社会部記者)
 実際、松井知事は4月に入って、突如、森友学園への刑事告訴の検討を表明するのだが、それ以降、国や安倍首相を批判する言動を一切封印している。一方、政府は4月11日に2025年万博の大阪誘致を閣議了解している。また、この前後、維新側は悲願であるカジノ構想での協力などを取り付け、官邸は共謀罪法案での維新の協力を確かなものとすることで手打ちにしたとの見方が広がっていた。
 実際、共謀罪が成立して、国会が終わった直後、官邸や昭恵夫人に触らなくてもすむ大阪府の補助金詐欺に、国交省の補助金的適正化法違反を加えるかたちで、森友学園への強制捜査が行われた。そして今回、加計問題の閉会中審査が終わったのを見計らったように、まず国交省の補助金詐欺容疑のほうで籠池前理事長を逮捕したのである。これが「口封じ逮捕」でなくなんだというのか。
「検察はこのあと、大阪府の補助金の件でも詐取で再逮捕する予定です。そうやって籠池理事長を黙らせたあと、マスコミにどんどん籠池氏の詐欺実態をリークしていくでしょう。それで“詐欺師が勝手に安倍首相の名前を使ってやっただけ”というイメージを拡散していくはずです」(前出・司法担当記者)
 ただ、こうした状況をくつがえせる可能性はゼロではない。数日前、NHKが国有地売却をめぐって近畿財務局と籠池理事長側が売却金額について事前協議し、財務局側が分割払いも提案していたことをスクープしたが、これは明らかに政府内部のリークであり、財務省や検察内部にも国有地問題の解明を求める職員や検事がいることの証明である。
 安倍一強体制が崩れつつあるいま、国策捜査を批判し、真相解明を求める声が広がっていけば、検察も動かざるをえなくなる。そのためにも、国民とメディアは諦めずに声をあげ続ける必要がある。(編集部)


加計学園問題 今治市は疑惑解明へ情報開示を
 学校法人「加計学園」による今治市への獣医学部新設を巡る疑惑の解明が進まない中、事業者選定経緯に関する文書を保存する今治市が鍵を握る存在になっている。真相究明へ、市は学部誘致の当事者として自ら情報を公開しなければならない。
 疑惑の焦点は、安倍晋三首相の意向が反映された「加計ありき」の事業者選定ではなかったかどうかだ。首相が出席し開かれた衆参両院の予算委員会閉会中審査では、今治市が直接関与する件として2015年4月、首相官邸に呼ばれた市職員が誰と会い、具体的に何を協議したかが追及された。
 民進党は市が部分開示した文書をもとに「獣医学部系設置に関する協議」だったとし、非開示の面会相手に関して「関係者の証言によると、首相秘書官だった柳瀬唯夫経済産業審議官が面会し、希望に沿える方向で進んでいる趣旨の話をしている」と問題視。政府に事実関係を明らかにするよう迫った。
 今治市は加計学園による新設を目指していた。証言の通りであれば、国家戦略特区諮問会議で学部新設方針が決まる16年11月の1年7カ月前に、今治市の特区申請が受け入れられる方向性が決まっていたことになる。「加計ありき」を判断する重要なポイントだ。しかし、柳瀬氏は「会った記憶はない」と繰り返し、首相も「確認できなかった」と明らかにしなかった。
 面会相手を確認できる立場の今治市は、内閣府の問い合わせに「業務に支障が生じる恐れがあり、答えられない」と回答したという。「名前を明らかにすると、官邸に迷惑を掛けるのではないか」と配慮したのは想像に難くない。だが、官邸が答えられない理由は記録がないからで、記録があれば明らかにする姿勢と受け取れる。市は官邸に配慮する必要はない。逆に非開示のままでは、国会は混乱が続き、国政の支障は解消しないと認識しなければならない。
 国会審議に絡んで、野党に参考人招致を求められた菅良二市長は「地方の声は加戸守行前知事が代弁しており、全て任せたい」と述べるが、ポイントがずれている。加戸氏が説明したのは在任中の誘致の取り組みや愛媛の公務員獣医師不足の実態であり、問題になっている特区申請や認定、事業者選定とは論点が違う。国との特区などに関する交渉は今治市が主体で、事情を最も知る菅氏は、むしろ自分から手を挙げて経緯を明らかにすべき立場にある。
 獣医学部新設の疑惑は、政治の公平性が損なわれたのではないかという国政の根幹に関わる重要な問題だ。疑惑が晴れないままの開学は学生や市民、そして加計学園も望むものではないだろう。学部開設と運営には巨額の国費、県費、市費が投入される。今治市が情報公開することは、市民だけでなく国民への説明責任を果たすことに他ならない。菅氏はこのことを肝に銘じ、決断を下さねばならない。


核のごみ処分 地図で不信感は拭えぬ
 日本地図をオレンジや緑に染め分けた核のごみ最終処分の「科学的特性マップ」。政府はこれで、誰に、何を伝えたいのだろうか。「適地」に色分けされた自治体を不安に落とすだけではないか。 
 原発で使用済みの核燃料。これらは「再処理」すなわち、燃料として再び使えるものを取り出す過程を経て、搾りかすの液体(高レベル放射性廃棄物)を特殊な容器に封じ込め、地中深くに埋設することが法律で決まっている。
 猛毒の核のごみ。埋設後も厳重な管理が必要だ。その期間は十万年−。
 電力事業者らでつくる原子力発電環境整備機構(NUMO)が、埋設先を探し始めて十七年。候補地すら決められない。
 業を煮やした経済産業省は一昨年、処分地選定への関与を強める方針に切り替えた。その第一弾が「科学的特性マップ」と名付けた地図だ。日本列島を緑、濃い緑、銀、オレンジ色に塗り分けた。
 オレンジは、火山や活断層などがあるため、はじめから処分場にはできない地域、緑と濃い緑が、処分場を造っても良い地域。濃い緑は、より好ましい場所である。
 造ってもいい場所は、国土の約65%、全都道府県に及ぶ約千五百の自治体が含まれる。東京ディズニーランドや羽田空港なども“適地”の中にある。
 公表されるやいなや、濃い緑に色分けされた自治体からは、不安と反発の声が相次いでいる。
 背景には、ごみ処理の展望もないままに原発を乱造し、福島の事故を招いた上に、その後始末もままならないのに、再稼働にひた走る政府への不信感があるはずだ。
 政府の積極関与がやがて処分場の押しつけにつながるという、疑心暗鬼もあるだろう。
 今世界で最終処分地が決まっているのは、フィンランドとスウェーデンだけである。
 フィンランドは、古い強固な岩盤の上にある、国民がほとんど地震を知らない国だ。政府から独立した原子力規制機関への信頼も「警察より厚い」という。信頼こそが、すべての大前提なのである。
 経産省は、濃い緑の地域を中心に、この秋から「対話活動」に入るという。
 受け入れをお願いするだけでなく、日本の原子力政策を根本から見直す姿勢を見せないと、国民的理解は到底得られず、たとえ十万年間“対話”を続けても、名乗り出るものは現れまい。


核ごみ最終処分/まず原発の政策を見直せ
 原子力発電所から発生する高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分地について、政府は全国の適性地域を示す「科学的特性マップ」を発表した。
 全国の原発には約1・8万トンの危険な使用済み核燃料が保管されている。最終処分の議論は避けて通れず、国民の関心を高める狙いがあるのだろう。
 政府は原発の再稼働にとどまらず、処分地も決まらないまま新増設を模索する。これでは核のごみは増えるばかりである。
 まず原発政策を根本的に見直し、廃棄物をこれ以上増やさない方向へとかじを切るべきだ。
 政府は最終処分策として、地下300メートルより深い地盤に廃棄物を埋設する「地層処分」を選定した。埋設期間は10万年もの長期に及ぶ。
 その間、放射性物質が漏れ出さないという確証はない。日本列島は地震の活動期に入ったとの見方があり、未知の活断層が動く可能性も否めない。
 国民の疑問や不安に政府は正面から向き合い、納得のいく説明をしなければならない。
 特性マップは地層や地質などから国土の3割弱を最適と分類したが、人口密度などは考慮されていない。兵庫県内では播磨、淡路の海岸沿いと日本海沿岸の一部が、地質面に加え「(廃棄物の)輸送面でも好ましい」とされた。
 多額の交付金を条件に政府が適地を示せば、名乗りを上げる自治体が出るのではないか。そうした思惑もうかがえる。
 思い起こすのは10年前の高知県東洋町の混乱だ。町長が手を挙げたが住民の反発で地域が二分される事態になり、町長は落選した。政府は秋以降に各地で説明会を開くが、住民が主体となって冷静に議論できる環境を整える必要がある。
 6月に大阪で開かれた最終処分のシンポジウムでは、参加者から「福島事故で国民は原発政策に不信感を抱いている」との意見が出た。最悪の事態を想定せず原発の新増設に走った結果、福島の事故につながったことを、国民は忘れていない。
 「安全神話」はもう通用しない。政府や電力業界などの真摯(しんし)な反省が見られないままでは、最終処分に対する理解を得るのは到底困難だ。


核のごみマップ  原発やめて議論が筋だ
 原子力発電所で核燃料を燃やす際に出る高レベル放射性物質(核のごみ)の最終処分の適地を示す地図(科学的特性マップ)を経済産業省が公表した。
 最終処分の候補地はすべての都道府県にあり、国土の7割弱になる。海岸から近く「輸送面でも好ましい」とされた地域のある自治体は全市町村の過半数の約900にのぼる。人口密度などの社会的要因は考慮していないという。
 地図は日本全体を4色で塗り分けてある。火山や活断層の近くは地下の長期安定化に不安があるという理由で「好ましくない」とされている。京都府北部や滋賀県の大半は活断層部分を除いて「好ましい特性が確認できる」地域に入っている。
 原発が誕生して半世紀あまり、原発から必然的に出てくる廃棄物の保管場所選びがようやく始まることになる。
 それでも、こんな地図1枚で、住民の多くが受け入れに消極的とみられる放射性物質の処分地が決まるのだろうかと思ってしまう。
 最終処分地については、10年前に公募した。1町が応募したが、住民の反対で取り下げ、公募方式は立ち消えになった。その後、東京電力福島第1原発事故があり、候補地探しは足踏みした。国が選考の前面に立つ方針を打ち出し、今回の地図公表につながった。
 計画では、最終処分は核のごみをガラスで固めた固化体を金属製の容器で包み、地下300メートルより深い地層に埋める。地上施設は1〜2平方キロだが、地下の施設は6〜10平方キロになる。放射線量は極めて高く、数万年から10万年は生活圏から隔離する必要があるといわれる。
 気の遠くなるような長期の保管に、受け入れ自治体の多くが尻込みするのは当然だ。受け入れ自治体が現れても、過去の地震歴などを調べる文献調査とボーリングなど概要調査など調査だけでも20年以上かかり、本体工事はさらに50年かかる。
 政府の原発再稼働方針により、今も原発の廃棄物は増え続けている。廃棄物を海外に運んで、保管することはできない。国内で今後も安定的に保管するしかない。
 間もなく始まる国のエネルギー基本計画づくりで原発の存続をもう一度議論し直すべきだ。再稼働をやめ、これ以上の廃棄物は出さないことを明記して、この逃げようのない原発のごみ処分について国民的な議論を起こし、結論を得るのが筋だ。


核ごみ処分マップ 合意どう形成していくか
 経済産業省が、原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場となり得る地域を示す「科学的特性マップ」を公表した。
 火山や活断層が周囲にない「適地」には国土の7割弱が該当した。このうち海岸から近く、輸送面でも好ましいとする「最適地」は国土の約3割に及んでいる。
 岡山県では大半が適地か最適地とされる一方、鳥取県境に接する津山、真庭、新見市などの中国山地の一部は「不適」とされた。
 日本では最終処分場の選定が全く進んでいない。経産省は「国民に最終処分への関心を持ってもらうため」と公表の狙いを説明している。これからどう国民の理解を得て、選定作業を進めていくか。長い道のりの一歩であることは間違いない。
 原発の使用済み核燃料からウランやプルトニウムを取り出す再処理で出るのが核のごみである。ガラスと混ぜたガラス固化体の形で管理する。放射線が非常に強いため、政府が2000年、地下300メートルよりも深い岩盤に埋めて最終処分することを法律で定めた。放射線が十分に下がる数万年から10万年先まで生活環境から隔離する。
 原発が稼働する限り、核のごみは増え続ける。処分場がない日本の原子力政策は「トイレなきマンション」と批判されてきた。現在約2500本のガラス固化体があり、このほか全国の原発で保管する使用済み核燃料約1万8千トンを全て再処理すると、計2万5千本になるという。
 国は今後、自ら候補地として手を挙げる自治体を待つ一方、国からも複数の自治体に調査への協力を求めていく方針だ。将来世代に原発のツケを先送りすることは許されない。何とか議論のきっかけをつくってほしい。
 問題は積極的に受け入れる自治体があるかだ。07年に手を挙げた高知県東洋町では、住民の激しい反発で応募が取り下げられた。調査や建設で地元に多額の交付金が出るとはいえ、福島原発事故以降、原子力関連事業への風当たりは一層強くなっている。国から検討を求められても、どの自治体も尻込みするのは目に見えていよう。
 最終処分について国民の理解を得るには、その安全性や選定の妥当性に関する「社会的合意」を醸成することが欠かせない。多様な知見を持つ専門家と国民を交えて開かれた議論をし、丁寧に合意を積み重ねるしかないのではないか。そうした「国民会議」の必要性は学者らでつくる日本学術会議も提案している。
 理解が深まらないのは、安倍政権が脱原発依存への道筋を示さぬまま、再稼働を進めていることも一因だろう。最終処分と一体となる「核燃料サイクル」も事実上破綻している。現実に即した、エネルギー政策の抜本的見直しも行いながら、核のごみ問題の解決を前進させたい。


大学定員の規制 地方創生につながらぬ
 東京一極集中の是正に向け、政府は東京23区内で大学の定員増を原則認めない方針を決め、「骨太の方針2017」に盛り込んだ。
 地方大学の活性化を図る「地方創生に資する大学改革」の一環として、年内に規制の枠組みを決めるという。
 地方の人材流出に歯止めがかからない。大学活性化を含む地域振興は差し迫った課題である。
 しかし、都心の大学の定員を抑えれば好転すると考えるのは、あまりに短絡的だ。
 一時的に若者の流出が減ったとしても、地方に働く場がなければ定着は難しい。
 時間はかかっても、雇用創出や魅力あるまちづくりへの地道な取り組みこそ、根本的な解決につながるはずだ。
 23区内の国公私立大には、全大学生の2割近くが集中する。
 一方、少子化の加速で、全国の私立大の45%が定員割れだ。首都周辺や地方の苦戦が目立つ。
 有力大学は生き残りのため、郊外から都心に回帰する傾向を強めた。規制強化を見越して、定員を引き上げてきた事情もある。
 だからといって、定員を一律に抑制すれば、大学の自立性や多様性を損ねる恐れがある。
 そもそも、都内への若者の転入は、進学時より就職時の方が多い。地方創生の行き詰まりのツケを都心の大学に回すのは筋違いだ。
 流れを変えるには、地方に働く場をつくり、東京に進学した若者たちを地方へ環流させる仕組みが欠かせない。
 官公庁や企業は、地方拠点の強化や本庁・本社機能の移転、本社一括採用の見直しなどを加速してもらいたい。
 地方の大学にも、地域性を生かした授業や独自性の高い研究といった工夫が求められる。
 首都圏の大学と連携した学生交換や、サテライトキャンパスの誘致を後押しする制度もほしい。
 補助金などを地方大学に手厚く配分することも検討課題だ。
 国や自治体が、地方で就職した人に対して奨学金返済などで支援を拡充したり、地方でのインターンシップや情報提供を強化したりする措置も必要だろう。
 北海道は地元進学率が7割弱と高いが、じわじわ低下している。大学の多くが定員割れに悩み、札幌一極集中の問題も深刻だ。
 地方大学とその地元、それぞれの魅力をどのように高め、若者の定着につなげていくか、じっくり議論を深めていきたい。


東大 論文不正を認定…分子生物研、5本で図表捏造
 東京大の医学系と生命科学系6研究室の学術論文計22本に不正の疑いが指摘された問題で、東大が、分子細胞生物学研究所(分生研)の渡辺嘉典(よしのり)教授が発表した論文5本計23カ所に、図表や画像の捏造(ねつぞう)など不正行為があったと認定する報告書をまとめたことが分かった。1日午後に記者会見して発表する。
 渡辺教授は、染色体の分裂に関わる分子機構の解明などで世界的に知られる。不正認定された論文は、2008〜15年に英科学誌ネイチャーや米科学誌サイエンスなどに掲載された。実験していないデータを捏造したグラフを使ったほか、ぼかし処理で改ざんした画像を使うなど計16カ所で不正が認定された。
 渡辺研究室に当時所属し、一部の論文の筆頭著者だった助教も、計7カ所で捏造などの不正が認定された。
 一方、渡辺教授は毎日新聞の取材に「国際的基準では不正に該当しないのに不正とされたのは非常に残念だ。ミスで正確さに欠ける図表が載ってしまったことには責任を感じているが、指摘を受けた部分で論文の結論は変わらない」と語った。
 昨年8月に不正を疑う匿名の告発があり、学内調査委員会が調べていた。分生研では14年にも元教授らの論文で不正が認定され、今年3月に元教授ら4人を懲戒解雇相当、不正論文を執筆したとされる元助教1人を諭旨解雇相当とする処分を発表している。【千葉紀和、荒木涼子】


専門家が加計問題に喝…学部新設より獣医師の待遇改善を
「安倍晋三首相にかけられた、あらぬ濡れ衣を晴らす役に立ちたい」「今治にとって黒い猫でも白い猫でも獣医学部をつくってくれるのが一番よい猫だ」――。7月25日に行われた参院予算委員会の閉会中審査で加戸守行前愛媛県知事はこう語った。愛媛県にとって獣医学部は長年の悲願、何がなんでも誘致したかったというのだ。
 ネット上ではこの加戸氏を持ち上げる書き込みがチラホラ。「加戸さんすごい人だね! 答弁というより、いい演説で感激したよ!」という具合だ。
 そんな折、獣医学の専門家から、加計学園の獣医学部新設は最初から矛盾をはらんでいたと糾弾する声が上がった。鹿児島大名誉教授の岡本嘉六氏だ。
 7月7日に発表した「獣医学小史」と題したA4用紙18ページに及ぶ論文の中で、獣医学界が長年、ヨーロッパの国際認証を得る高レベルな獣医学部の創設を目指し、既存大学の再編構想を進めてきたことなどを解説。加計学園での新設に「ノー」を突きつけている。改めて岡本氏に聞いた。
「文部科学省の主導でわれわれは鹿児島大と山口大、岐阜大と鳥取大というように複数の大学で共同獣医学部をつくり、統合でレベルアップを図って国際基準を満たそうとしてきました。そこに官邸と加計学園が(国家戦略特区で)踏み込んできた。だから文科省が怒り、国会で前川前文科次官が告発したのです。本来、安倍首相は国のトップとして“国際的なレベルの獣医学部をつくろう”と文科省を後押しすべきなのに、実際は、昔ながらの獣医学部をつくるという真逆のことをした。“要請があれば2つでも3つでも獣医学部を承認する”という首相の発言は、教員不足の中で共同獣医学部をつくってきた経過を無視する素人の暴論です」
 加戸氏は「口蹄疫や鳥インフル対策で四国に獣医学部が必要だ」と熱弁をふるっていたが、これもピントはずれだという。
「四国に獣医学部があれば口蹄疫などを防げるわけではないのです。そうした家畜伝染病(感染症)は国や自治体としてどう対処するべきかをきちんと論じなければならない。地域振興のために大学教育を利用してはダメです。そもそも(加計の計画での)学生160人に対して教員が70人そこそこなのが理解できません。獣医学部は学生と教員の数が少なくとも1対1が基本なのに、加計は3対1なのだから話にならない。獣医学部を新設しても低レベルになるのは当たり前。実習さえまともにできないでしょう」
 むしろ、愛媛県で新卒の獣医師を増やしたいのなら、大学の新設よりも行政による獣医師の待遇改善のほうが効果的だという。
「鹿児島大学では獣医学部に入る地元出身者が数人程度なので、県の獣医師の募集定員を満たせなかった。そこで数年前に給与をアップしたところ、充足できました。獣医学部をつくる資金があるなら獣医師の待遇改善が第一。すぐに問題を解決できます」
 官邸と愛媛県、今治市のすべての動きが時代に逆行しているわけだ。研究者の重い言葉を安倍首相はどう受け止めるのか。(取材協力=ジャーナリスト・横田一)


相模原事件1年 「共に生きる」見詰め直す
 神奈川県相模原市の障がい者施設「津久井やまゆり園」で入所者19人が殺害され、職員3人を含む26人が負傷した事件から1年が過ぎた。
 元施設職員の植松聖被告(27)は「障がい者は生きていても仕方がない」と主張し、社会に衝撃を与えた。被告は最近も共同通信などへの手紙で「意思疎通ができない人間を安楽死させるべきだ」などと持論を披歴している。
 被告の言葉は独善的で、間違っている。一方で被告の持つ優生思想と差別意識は、この社会で静かに広がってはいないだろうか。
 事件犠牲者の遺族や被害者とその家族が差別と偏見を恐れ、今も氏名公表を拒み、発言を控えている。ネット上では被告の「障がい者は生きていても仕方がない」などの言葉に共感を示し、障がい者をおとしめるような発言が相次いでいる。
 実際、共同通信が全国の知的障がい者の家族に実施したアンケートでは、7割近くが事件後に「障がい者を取り巻く環境が悪化したと感じた経験がある」と回答した。その具体的な項目では「インターネットなど匿名の世界で中傷が相次いだ」との回答が31%と最多だった。
 先月、車いすの男性が飛行機のタラップを腕ではい上がった件が論議を呼んだ。航空会社は奄美空港に車いすの昇降設備がないことを理由に「歩けない人は飛行機に乗せられない」と断った。現実には、到着時は同行者が車いすごと担いでタラップを降りた。周りが手を貸せば克服できたのである。
 問題は体の不自由さを理由に活動を制限し、社会から締め出そうとする発想だ。しかし、ネット上では事前に連絡しなかった男性を非難する声が多くある。
 障がいがあるなど社会的に弱い立場に置かれた人に攻撃の矢が向き、「共生」をおろそかにする。そんな社会の発想が「障がい者は周りを不幸にする」という被告の発想とつながらないか。
 事件は障がい者を受け入れる施設に大きな負担を突き付けた。本紙は相模原殺傷事件1年を前に県内の障がい者施設にアンケートを実施した。施設の約3割が事件後に精神的・肉体的負担の増加を感じていると回答した。約7割が職員への研修を実施し、約2割が防犯カメラやフェンスなどの防犯設備を強化した。
 胸が痛くなる回答もあった。ある施設職員は利用者から「ぼくらはこの世で不要な人間なのか」と問われた。
 昨年4月に施行された「障害者差別解消法」は、障がいの有無で分け隔てられることなく、「人格と個性を尊重し合いながら共生する社会」の実現を目指し、障がいを理由とする差別の解消を推進するとしている。
 事件を二度と起こさないためにも、私たちの内なる差別意識を問い、真に「共に生きる」意味を見詰め直したい。


連合の迷走 労働者守る原点に戻れ
 残業代の支払いなど労働時間に関する規制から一部の専門職を外す「高度プロフェッショナル制度(高プロ制度)」を含む労働基準法改正案について、修正を条件にいったん容認の姿勢を見せた連合が、最終的に政労使での修正合意を見送った。
 「残業代ゼロ法案」と制度を強く批判してきたのに、7月半ば、執行部が一転、容認に転じたのは驚きだった。「組合員への裏切り行為だ」などと組織内で批判を浴び、合意見送りを迫られたのは当然である。
 混乱を招いた執行部の責任は重い。連合はあらためて従来の反対方針を明確にし、高プロ制度導入を阻止する考えだが、まずは組織の立て直しや信頼回復が求められる。
 この制度は、高収入の専門職を「労働時間は1日8時間まで」「時間外労働には割増賃金を支払う」と定めた規制の対象外にするものだ。
 連合や野党は「残業代ゼロ」「過労死が増える」と反対してきた。しかし連合執行部は衆参両院で圧倒的多数を占める与党によって、労基法の改正は避けられないと考えたようだ。神津里季生(こうづ・りきお)会長が安倍晋三首相と会談し、修正を要請していた。
 執行部とすれば、上限規制のための現実的な選択のつもりだったのかもしれない。だが連合の修正案にしても実効性があるかどうかは疑わしい。
 「年間104日の休日確保の義務化」のほか「連続2週間の休日取得」「臨時の健康診断」などから労使に選ばせ、働き過ぎ防止を図るというものだ。しかし労使の力関係から現実には有名無実化してしまうのではないか。
 制度に対し、労働界は「残業代ゼロ」で、際限なく働かされかねないとして反対してきた。
 いったん導入されれば、対象が高収入労働者以外にも拡大していく恐れがある。
 長時間労働を助長し、残業を規制する動きに逆行するものではないか。過労死事件の遺族も懸念を募らせている。
 安倍政権は「官製春闘」をはじめ、政労使会議などでの関与を強めてきた。その流れで連合執行部も政府にすり寄ろうとしているとの見方もある。姿勢を正さねばなるまい。
 連合が修正合意を見送ったことで、白紙に戻るかといえば、そう単純ではない。
 政府は連合の修正案を反映させた労基法改正案を、残業時間の上限規制と抱き合わせ、秋の臨時国会に提出する構えだ。菅義偉官房長官も「労働者団体の代表の意見を重く受け止め、検討する」と持ち上げてみせた。
 というのも、労基法改正案は2015年4月に閣議決定されたものの、労働界から「残業代ゼロ法案」と批判され、2年以上審議が先送りされてきた背景がある。
 政労使合意はなくても連合の主張を取り込んだ方が、残業規制を含む働き方改革関連法案と一括成立させるためには得策と判断したようだ。乱暴なやり方と言わざるを得ないが、今回の執行部による修正要請が、政府への「助け舟」になった面は否めない。
 連合は迷走を猛省し、高プロ制度にいま一度、反対姿勢を強く打ち出す必要がある。同時に働く人の権利や生命を守る原点に立ち返らねばならない。


混乱する民進党 危機的、再生に近道なし
 東京都議選の惨敗に続く蓮舫代表の突然の辞意表明は、民進党の危機的状況を浮き彫りにした。「1強」を誇った安倍政権が、支持率の急落や防衛相更迭、加計(かけ)学園問題などで揺らぎ始めたタイミングで民進党の混乱が露呈したことは、同党が野党第1党として政権の「受け皿」になり得るのかという深刻な疑問を抱かせている。
 党内では9月初めの新代表選出に向けて枝野幸男元官房長官が立候補を表明、前原誠司元外相も出馬の意向だが、単に「党の顔」を選び直すだけではこの危機を収束できないだろう。
 党再生に近道はない。民進党は政党としての理念や安倍政権との対立軸となる政策を地道に、しっかりと議論し、明確に打ち出してほしい。
 蓮舫氏が辞意表明する契機になった都議選で、民進党は告示前から公認候補の離党が相次ぎ、結局、旧民主党時代を含めて過去最低の5議席しか獲得できなかった。
 蓮舫氏は、党内から代表の責任を問う声や解党論まで表面化する中、引責辞任する野田佳彦幹事長の後任選びなど党運営に行き詰まり、代表続投を断念したという。記者会見で「求心力ではなく、遠心力を働かせてしまった」と述べたが、危機に直面しても代表の下で一致結束できない党体質を言い当てているようにみえる。
 民主党政権時代から続く「まとまりのなさ」は政治路線、政策にも影を落としている。
 次期衆院選に向けての野党共闘、特に共産党との選挙協力を巡り、現執行部は前向きだが、党内保守派は長島昭久衆院議員が4月に離党したように、強く反発している。
 小池百合子都知事が率いて都議選で躍進した地域政党「都民ファーストの会」の国政進出を視野に入れ、連携を検討する動きもある。
 憲法改正への対応でも、護憲派と改憲派が混在し、立場を一本化できていない。代表代行だった細野豪志衆院議員は「議論さえしない」として4月に辞任した。脱原発で「2030年代」とした「原発ゼロ」目標の前倒しは、支持組織の連合が反発、棚上げされた。
 問題は民進党が、憲法や原発など基本政策や政治路線に関して党としての「立ち位置」を明確にして当然なのに、それができていないことだ。
 政党政治では政権を脅かす野党があって初めて政治に緊張感が生まれ、政治の停滞や腐敗に歯止めがかかる。民進党の責任は極めて重い。


日報問題で謝罪せず 稲田氏“KY離任式”に自衛官ブーイング
 KYバカは死んでも治らないということか。防衛省で31日開かれた離任式に笑顔で臨んだ稲田朋美前防衛相に、自衛隊員から大ブーイングの嵐だ。
 幹部を前にした挨拶で稲田氏は、日報隠蔽問題について「国民の信頼を揺るがし、隊員の士気を低下させかねず、極めて重大かつ深刻だった」「危機感をもって再発防止策を実施していかなければならない」「風通しのよい組織文化を醸成してもらいたい」などと述べ、自らの反省や謝罪の言葉は一切なかった。
 これには出席した自衛官や防衛官僚らから「自衛隊員の士気を落としたのは自分だろう」「すべて自衛官が悪いのか。まず自分が謝罪すべき」などと露骨に反発する声が上がった。
 離任式は折しも、北朝鮮のICBM発射を受けて防衛省・自衛隊が高度な警戒態勢を続け、後任の岸田外相兼防衛相が対応に追われている最中に行われた。
 儀仗兵の栄誉礼を受けた後、車で同省を出る稲田氏に「普通なら離任式を辞退する」「そもそも儀仗兵の栄誉礼までして盛大に送り出す必要があるのか」「一番危機感がないのは稲田氏じゃないか」と吐き捨てる幹部もいたという。
 防衛省は1日に予定していた防衛白書の閣議報告を延期した。稲田氏が書いた巻頭言が掲載されており、政府内から「新しい防衛相が書くべきだ」との指摘が出たためだ。稲田氏は防衛省・自衛隊にとって最後の最後までお騒がせの疫病神だった。


稲田朋美氏 保守系メディアからも出ていけと見捨てられた
 稲田朋美・防衛相を失言大臣の象徴として内閣改造で交代させ、一連の不祥事の連鎖のピリオドを印象付ける──そんな安倍晋三・首相の算段は、改造まであと1週間のところで潰えた。結果的に稲田氏は辞意を表明した。
 もちろん、国民から見れば「遅すぎる判断」だった。南スーダンのPKO部隊の「日報」隠し問題は、稲田氏が国会で「(陸上自衛隊では)日報は紙・電子媒体を問わず廃棄した」(今年2月20日)と答弁したのが発端だ。だが、当時、稲田氏はすでに日報が見つかった報告を受けており、陸自幹部たちとの協議で「明日なんて答えよう」などと話していたとするメモの存在が閉会中審査当日に報じられた。つまりは確信犯でウソをついていたことになる。
 森友学園問題では籠池泰典・前理事長との関係を国会で追及され、「学園の顧問だったことも相談を受けたこともない」と断言。籠池夫妻が稲田氏に法律相談に乗ってもらったと証言しても「全くの虚偽だ」とシラを切り通した。
 いざ稲田氏が森友側弁護人として出廷した裁判所の記録が発覚すると「私の記憶違い」と言ってのけて、何の責任も取らなかった。都議選中の自衛隊政治利用発言も「誤解を招きかねない発言に関して撤回したい」と“誤解”を連発。発言を誤解したメディアが悪いといわんばかりだった。そうした“ウソの蓄積”があったからこそ、防衛省内から内部情報が流出し、見せしめのように集中砲火をあびたのだ。
「稲田氏は防衛特別監察の結果報告が出た段階で陸上幕僚長に監督責任を取らせて更迭する人事を固めていた。防衛省・自衛隊内部では“責任転嫁して逃げるのか”と不満が爆発した」(自民党防衛族議員)
 さすがに保守系メディアも批判に転じ、これまで稲田氏を持ち上げた産経新聞まで「混乱招いた稲田氏の言動」の見出しで〈奇抜な服装で外遊〉〈不安定な国会答弁〉(7月21日付)と批判のトーンをあげた。元読売新聞社会部記者でジャーナリストの大谷昭宏氏が指摘する。
「改憲賛成論を掲げる保守系メディアにとって安倍政権の支持率急落は由々しき事態。そこで稲田氏をスケープゴートにすることで、政権批判をすりかえたい。稲田氏は保守系メディアからさえ“政権維持のために出て行ってくれ”と見捨てられたわけです」
 安倍首相も最後は政権維持を優先した。
「防衛省内は大臣と制服組が反目し合い、機能不全に陥った。陸上幕僚長という制服組トップに加え、事務方トップの黒江哲郎・事務次官が混乱の責任を取って辞表を出した以上、官邸もケンカ両成敗で稲田氏を切らなければ収拾がつかなくなった」(前出の自民党防衛族議員)
 だが、防衛大臣と事務次官、陸幕長が3人揃って辞任し、国防には大きな「空白」が生じた。官邸が3人の辞任方針を固めた7月27日は北朝鮮の戦勝記念日で、まさに「弾道ミサイル発射」が警戒されていた。
 安倍首相はことあるごとに「北の脅威」や「安全保障の重要性」を持ち出し、「憲法改正で自衛隊を位置づける」などと掲げてきたが、政権の危機管理を優先し、国民の安全など二の次だと露呈した。
 防衛省の混乱で稲田氏以上に国民を失望させたのは間違いなく安倍首相だ。


身勝手な「お友達」側近排除すべき
 ★首相・安倍晋三と考えに距離がある元行革相・村上誠一郎が、安倍内閣の支持率急落などについて「お友達を優遇し過ぎた。首相の身から出たさびだ。人事や行政をねじ曲げたのではないか、ということが国民に知れ渡った」と指摘するのは分かる。先月29日、首相補佐官の1人、衛藤晟一も安倍晋三・昭恵夫妻の「隠蔽(いんぺい)体質や公私混同による甘さがあったから、今の状況を招いた」と発言。「(首相は)情を大事にしすぎる。最高権力者になったら、個人の関係が表に出てはいけない。大変な支持率になったことについて、周りにいる者として申し訳なく思っている」としている。 ★しかしおかしな話だ。衛藤は12年に首相補佐官に就任。それ以来、官邸の側近の1人として首相を支えてきた。13年に首相の靖国参拝を「失望した」と非難した米国に対して、「米国は同盟国の日本をなぜ大事にしないのか」と批判。「失望したのはこっちだ」と発言し、日米関係の混乱を招いた張本人だ。衛藤は当初、「個人の発言なので控えない」と語っていたが、官房長官・菅義偉から注意を受けると「政府見解だと誤解を与える」として、発言を撤回した。しかしそののち「首相と意見が違うつもりはない」と、発言は首相の意向との考えを示した。 ★お友達として補佐官にしてもらい、首相のためになると勝手に解釈し、「余計」な発言をして撤回。それでも首相に切られることなく、お友達側近として君臨。外に向け評論のように「隠蔽体質や公私混同」を語る補佐官の役割とは、何だろうか。首相本人を衛藤は、どれほどたしなめたのだろうか。内閣改造では、こういった「お友達」と言われる側近を排除することが肝要だろう。

炎上! 欅坂46「月曜日の朝、スカートを切られた」はどこが問題なのか? 秋元康の歌詞にある女性蔑視思想
 何回この手の話題が出れば気が済むのだろうか──。思わずそう感じてしまわずにはいられない炎上がまたもや起きた。秋元康氏の女性蔑視的な歌詞表現に関する騒動である。
 先月発売された欅坂46のアルバム『真っ白なものは汚したくなる』に収録されている楽曲「月曜日の朝、スカートを切られた」の歌詞に関して、実際に電車のなかでスカートを切られる被害に遭ったことのある女性が声をあげ炎上したのだ。
 その「月曜日の朝、スカートを切られた」は、〈どうして学校へ行かなきゃいけないんだ/真実を教えないならネットで知るからいい〉と、社会の仕組みや大人に対して反発や疑問をもっている少女が、タイトル通り月曜日の朝の通学電車でスカートを切られ、さらなる絶望の淵に立たされるという内容。
 この作品は、〈君は君らしくやりたいことをやるだけさ/One of themに成り下がるな〉と大人への反発を歌った欅坂46のデビューシングル「サイレントマジョリティー」の前日譚となっており、ミュージックビデオも「サイレントマジョリティー」のミュージックビデオで登場したロケ地や衣装を再度登場させるなどして関連性を強く意識させたつくりとなっている。
「月曜日の朝、スカートを切られた」の歌詞のなかには〈反抗したいほど熱いものもなく/受け入れてしまうほど従順でもなく/あと何年だろうここから出るには…/大人になるため嘘に慣れろ!〉という記述があり、おそらく作詞を担当した秋元氏は、このスカート切り事件をきっかけに主人公の少女が自我に目覚め、「サイレントマジョリティー」で自分の思いを外に出すようになるというストーリーを描いているのだと思われるが、それも含めて大きな問題があると言わざるを得ない。
 問題となるサビの歌詞はこのようなものだった。
〈月曜日の朝、スカートを切られた
 通学電車の誰かにやられたんだろう
 どこかの暗闇でストレス溜め込んで
 憂さ晴らしか
 私は悲鳴なんか上げない〉
 これに対し、実際に満員電車でスカートを切られた被害の経験のある女性がネット署名サイト「change.org」に文章を投稿した。
〈この曲をテレビで紹介しているときに嫌な思い出が蘇り電車に乗るのがまた怖くなりました。いまは落ち着いてますがとても怖いです。
 たくさん傷ついている人がいる中でこんな曲を出すのは不謹慎だと思いますしこの曲のせいでこのような犯罪が増えてはとても困ります。電車に乗れない人だってもっとたくさん出てきたっておかしくない状況になることも考えられます。〉
「悲鳴なんか上げない」という歌詞にある男性目線と想像力欠如
 このような反応が出ることを予測しない無神経さも問題だが、さらに議論の俎上に載せられるべきは〈私は悲鳴なんか上げない〉という部分だろう。痴漢や傷害に対して助けを求めたり、抵抗するための「悲鳴」を上げないことこそが、襲撃者に対して勝つことであり、積極的にとるべき態度として書かれているからだ。
 前述した被害女性に賛同し、秋元康事務所に対し今回の件などに関する回答を求める署名運動を「change.org」で立ち上げた人物もこのように綴っている。
〈「私は悲鳴なんか上げない」という歌詞がもたらす規範的な印象について。音楽に限らずおよそ言葉を使う作品は多様な解釈を前提に作られているはずだが、「なんか」という語に含まれているのは、諦めや絶望だけだろうか、という問いも立てられて然るべきだ。私はこの歌詞から、反撃への意志喪失のほかに、否定的な価値判断としての宣言を読み取ることもまた一定以上の確実性を持つはずと主張したい。具体的には、悲鳴を上げること(それが襲撃者の存在を拒絶する強さなのか、襲撃者や周りの傍観者に弱みを見せることなのかはともかくとして)を潔しとせず、黙することを、諦めや絶望からくる消極的選択でなしに、積極的に引き受ける態度であり、抑圧の容認を是とする宣言である。こうした、社会の(性犯罪者にとって都合のいい)「秩序」を維持する判断を歌詞が押し出していないと否定するに足りる根拠はないだろう〉
 おそらく秋元氏は、女性は痴漢や怖い目に遭えば反射的にキャーっと悲鳴を上げるくらいのステレオタイプでしか痴漢や傷害をとらえていないのかもしれないが、実際は痴漢でもセクハラでも怖くて助けを求めることはおろか息を詰まらせ声も出ないという女性も多い。そうした性犯罪や傷害の被害に遭った女性の恐怖や心の傷への想像力が、この秋元氏の歌詞にはまったくないのだ。
 また、尾崎豊の「15の夜」を引き合いに出し「犯罪だからって過剰反応」だなどと反論しているファンもいるが、犯罪を描いているから批判されているわけではない。犯罪を描く歌詞や作品はあっていいし、それがすばらしい作品になることもある。しかし、上述したように、この秋元氏の歌詞は、スカートを切られるという行為を、男性目線のステレオタイプでしかとらえておらず、お得意のセンセーショナリズムで単なるネタとして描いているにすぎない。そのことが問題なのだ。
「サイレントマジョリティー」の前日譚だからセットで考えるべき、というファンの反論についても、同じだ。ファンは「月曜日の朝、スカートを切られた」で悲鳴も上げられなかった少女がそれをきっかけに自我に目覚め、「サイレントマジョリティー」で同調圧力にも抵抗できるようになるというストーリーだと擁護している。しかし、それではまるで痴漢や傷害の被害に遭ったのは、少女側の弱さか何かに原因があるみたいではないか。痴漢や傷害の被害に遭うことは、同調圧力に屈することや自分の意志を主張できないこととはまったく別次元だ。痴漢や傷害は、自我に目覚めるための通過儀礼などではない。受けた心の傷を成長の糧に変える、というレベルの話ではない。
 おそらくは、こうして物議をかもすことも秋元は織り込み済みだろうが、そのことで被害経験者が傷ついたとしても描きたい何かがあるわけではなく、秋元にとっては被害経験者の心の痛みなど取るに足らないことなのだろう。
 要するに、秋元氏が「スカートを切られる」という犯罪行為を、男性目線のステレオタイプでしかとらえておらず、お得意の安易なセンセーショナリズムのネタとしか考えていないことが、透けて見えているのだ。
 それは秋元氏がこれまでも女性蔑視的な歌詞を大量に書いており、根本的に女性差別的な思想の持ち主であるということに原因がある。
乃木坂46『ワンダーウーマン』イメージソングも女性蔑視で炎上
 秋元氏の女性蔑視的な歌詞に対しては、つい最近も異論が出たばかりだ。
 アメリカで記録的な大ヒットとなっている映画『ワンダーウーマン』の日本版イメージソングを乃木坂46が担当することになったのだが、そのタイトルが「女は一人じゃ眠れない」というものであり、『ワンダーウーマン』という作品の意義を知っているアメコミファンや映画ファンから大反発を招いたのだ。
 そもそも、ワンダーウーマンというキャラクターは1941年に連載が始まって以来、女性解放運動と縁の深いキャラクターであり、「強い女性」や「自立した女性」の象徴として度々用いられてきた。昨年10月にはキャラクターが国連名誉大使にも任命され、その記念式典の壇上では、1970年代にテレビドラマ版の『ワンダーウーマン』シリーズで主演を務めたリンダ・カーターがこのようなスピーチをしている。
「ワンダーウーマンはみなさんの内なる力を引き出してくれます。世の中の女性のみなさん、女の子たち。あなた方は何にだってなれるのです。夢見ることを忘れないでください。あなたの中のワンダーウーマンは、必ず期待に応えてくれるから」(ウェブサイト「ORICON NEWS」)
 こういった作品に対し「女は一人じゃ眠れない」というタイトルの楽曲があてられることの理不尽さは言うまでもないだろう。しかもその歌詞は〈女はいつだって一人じゃ眠れない/恋が邪魔をしているよ/どうする? 感情が動いて眠れない/胸のどこかが叫んでる寂しくなんかないないない誰かといたい〉という、自立して戦う女性のアイコンであるワンダーウーマンとは真逆の女性像が歌われたものだった。
 これに対し、『ワンダーウーマン』を高く評価してきた映画評論家の町山智浩氏は激怒。ツイッターにこのような文章を投稿している。
〈『ワンダーウーマン』の日本でのイメージソングって「女は一人じゃ眠れない」っていうの? それって正反対のメッセージじゃないの?〉
〈『ワンダーウーマン』さえも「女は男がいないとダメ」という方向にもってっちゃうのか。〉
〈『ワンダーウーマン』のイメージソングとして「強がり言っても女はしょせん男がいなきゃダメなのよ」という歌を男が作り、女に歌わせる悪夢。〉
 秋元氏の女性蔑視的な歌詞をめぐった炎上といえば、「アインシュタインよりディアナ・アグロン」の騒動は記憶に新しい。この曲は昨年4月にリリースされたHKT48のシングル「74億分の1の君へ」のカップリング曲で、その内容があまりに女性蔑視的であったことから、発売されるやいなや炎上した。
〈難しいことは何も考えない 頭からっぽでいい 二足歩行が楽だし ふわり軽く風船みたいに生きたいんだ〉
〈女の子は可愛くなきゃね 学生時代はおバカでいい〉
〈テストの点以上瞳の大きさが気になる どんなに勉強できても愛されなきゃ意味がない スカートをひらひらとさせてグリーのように〉
〈世の中のジョーシキ 何も知らなくてもメイク上手ならいい ニュースなんか興味ないし たいていのこと誰かに助けてもらえばいい〉
〈女の子は恋が仕事よ ママになるまで子供でいい それよりも大事なことは そう スベスベのお肌を保つことでしょう?〉
〈人は見た目が肝心 だってだって 内面は見えない 可愛いは正義よ〉
本サイトの批評記事に対し恫喝ともとれるメールが送りつけられてきた
 ちなみに、ディアナ・アグロンはドラマ『glee/グリー』で、チアリーダーのクイン・ファブレー役を演じた女優。確かにクインは、「どうせこの田舎町を出られない」というあきらめから、容姿にこだわり、恋愛とスクールカーストの勝者になることだけを目指してきた女性として描かれ、好きでもない男の子どもを妊娠したりもする。しかし、シーズンが進み、グリークラブでの活動を通して人間的に成長したクインは、出産に向き合い、その体験をエッセイに書き、そして、最後はそのエッセイが高い評価を得て、名門のイェール大学に進学するキャラクターとして描かれる。
 また、そのクインを演じたディアナ・アグロン自身も〈頭からっぽでいい〉とは真逆の女優であり、2014年の国際ユース・デー(世界の子供及び若者の人権保護と社会参画を呼び掛ける日)にグローバル・シチズンシップ大使としてこんなスピーチを行っているという。
「28歳にして思うのが、私はとてもラッキーだったということです。私は初等、中等教育にアクセスできる国で育ちました。私はスポーツを楽しみ、希望の進路を追い求めることができました。私はリプロダクティヴ・ヘルスケアにアクセスして、自分が決断した時に子供をもち家族生活をスタートする時期を選ぶことができます。そしてゲイとレズビアンの友人たちは同性婚の権利を全米で獲得しました」
「しかし世界における18億人もの若者たちはそれほど恵まれてはいません。
世界には大人への移行期に、ジェンダー間の平等、教育機会の獲得、公共医療に関する乗り越えがたい困難に直面する多くの若者が存在します」
 というわけで、前述の歌詞はそもそもの引用自体が的を射ていないわけだが、それはともかくとして、〈人は見た目が肝心〉や〈女の子は恋が仕事よ〉という歌詞は、男性社会がつくり上げてきた紋切り型の女性像、「女は男に選ばれる性」という価値観のなかの女性像でしかない。それを自明であるかのように押し付けるグロテスクさが女性差別だと非難されたのだ。
 先に述べたように、内容が内容だけに「アインシュタインよりディアナ・アグロン」には批判が殺到。本サイトも含め多くのメディアが記事に取り上げた。だが、ここから驚くべき事態が起こる。
 なんと、彼の女性蔑視的な視線を批評した本サイトの記事に対して、AKB48の運営会社であるAKSの法務部が「名誉毀損及び侮辱罪が成立する」「即刻、記事を削除せよ」というメールを送ってきたのだ。本サイトの記事はあくまで作品に対する批評であり侮辱でもなんでもなく、本サイトがその旨を記事で表明すると、その後、運営側は沈黙したが、批評さえ恫喝で黙らせようとする態度を見る限り、秋元氏およびそのスタッフに批判を真摯に受け止める姿勢は感じられない。
秋元康の女性蔑視的な曲は挙げていけば枚挙に暇がない
 この「アインシュタインよりディアナ・アグロン」以外にも、〈おばんになっちゃうその前に おいしいハートを食べて〉というフレーズが登場する彼の代表曲のひとつ「セーラー服を脱がさないで」(おニャン子クラブ)をはじめ、〈定期的に恋をしないとね 劣化して行くよ(蜘蛛の巣ほら張ってるよ) 食欲が性欲に勝ってるなんて なんか悲しいね このまま行ったら 歳取って行くだけ〉という歌詞が登場する「恋を急げ」(NMB48)など、秋元氏のペンによるもので女性蔑視的な表現が登場する楽曲は枚挙に暇がない。
 ただ単に「見つかっていない」だけで、こういった類の楽曲は日々生産されており、最近では、昨年11月にリリースされたAKB48のシングル「ハイテンション」のカップリングに収録されている「思春期のアドレナリン」がその代表格。この曲は、〈近頃私全然眠れない〉と悩む少女が〈恋でもしてればハートが燃えていいかもね/ところがまわりには/ときめくこともないし/月に向かって吠えるだけ〉と語る楽曲で、そのなかには〈急げ切れるぞ賞味期限〉や〈今だ進め未成年!〉という表現まで登場する。ファンの間でも「これはさすがに……」と苦笑いが起きたが、。発表当時に外まで知られれば一発で炎上しただろう。
 今回の署名を受けて秋元氏が何らかの事情説明を行うとは思えないし、この件を今後の作家活動にフィードバックさせるとも思えず、そう遠くない未来にまたこういった炎上が起きるのだろうが、我々はあと何回こういう景色を見ればいいのだろうかと思うと暗澹たる気持ちになってしまうのである。(編集部)