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Fig61

Japon : un duel très à droite pour le pouvoir
Le Premier ministre conservateur japonais Shinzo Abe a activé une dissolution de convenance, mais se retrouve décontenancé par la montée en puissance de la gouverneure de Tokyo, Yuriko Koike.
Shinzo Abe a-t-il commis la même erreur que Jacques Chirac en 1997 ? Comme le chef de l'Etat français il y a vingt ans, le Premier ministre conservateur japonais a longtemps rejeté publiquement l'idée d'une dissolution ≪ de convenance ≫ pour profiter de la décomposition des formations d'opposition. Puis, en accord avec ses stratèges du Liberal Democratic Party (LDP), il a, comme son homologue français, finalement décidé la semaine dernière de dissoudre l'assemblée où sa coalition disposait pourtant d'une majorité écrasante. Comme Jacques Chirac, le chef du gouvernement nippon a prétexté le besoin de faire valider dans les urnes une accélération des réformes, mais il n'a pas avancé le moindre chantier précis.
Révolte de la droite conservatrice
Si la manoeuvre électoraliste n'a pas réveillé, comme en 1997 en France, les organisations de gauche, elle a provoqué, au sein de la droite conservatrice, une révolte que Shinzo Abe n'avait nullement anticipée.
Le jour de l'annonce de la dissolution, la gouverneure de Tokyo, Yuriko Koike, l'une des ses anciennes alliées, a annoncé le lancement d'une nouvelle formation politique baptisée ≪ Party of Hope ≫ et son intention d'aligner dans le plus de circonscriptions possibles des candidats face à ceux du LDP.
Dans les heures qui ont suivi, le Democratic Party (DP), le grand parti de centre-gauche qui servait depuis des décennies de second pôle de la vie politique nippone, a implosé et une large partie de ses cadres ont décidé de se rallier au combat de Yuriko Koike pour faire tomber Shinzo Abe, au pouvoir depuis la fin de 2012.
LDP et Komeito minoritaires ?
A moins de trois semaines des législatives programmées le 22 octobre, le nouveau parti de Yuriko Koike est crédité, dans les sondages, d'un peu moins de 20% des intentions de vote quand le LDP est à 33% et qu'une large partie des électeurs se disent encore indécis. ≪ On doit maintenant considérer la possibilité que le LDP et son allié le Komeito pourraient devenir minoritaires ≫, note Kentaro Koyama, un économiste de Deutsche Securities.
L'émergence soudaine d'un parti neuf autour d'une personnalité plutôt charismatique rompant avec son ancien mentor a poussé les commentateurs à comparer l'aventure de Yuriko Koike à celle d'Emmanuel Macron en France. Le parallèle s'arrête toutefois à la proposition idéologique de la gouverneur de Tokyo. ≪ Le Party of Hope ne se présente pas en une alternative libérale au LDP. Koike a clairement expliqué qu'elle voulait offrir aux électeurs japonais un meilleur choix conservateur ≫, pointe Sheila A. Smith, dans une analyse pour le Council on Foreign Relations.
Koike plus à droite que Abe
Parfois moquée pour son opportunisme politique, Yuriko Koike, que ses détracteurs ont baptisé ≪ Madame Kaiten Sushi ≫, en référence à ces restaurants où les sushis passent d'un client à l'autre sur un tapis roulant, est en accord avec l'essentiel de la ligne du LDP.
Sur nombre de points, la gouverneure, qui s'est régulièrement rendue au très controversé sanctuaire shinto nationaliste de Yasukuni à Tokyo, se montre même beaucoup plus à droite que Shinzo Abe . Et ses rares propositions originales, telles qu'une sortie du nucléaire ou le renoncement à une hausse de TVA, apparaissent difficiles à activer.
N'anticipant d'ailleurs aucun bouleversement politique profond à la tête du Japon après les législatives, les marchés n'ont que peu réagi, ces derniers jours, à ces rebondissements électoraux. Mercredi, le Nikkei a encore progressé pour finir à son plus haut niveau des deux dernières années.
フランス語
フランス語の勉強?
陽のあたる家~生活保護に支えられて~ (書籍扱いコミックス)
さいき まこ
秋田書店
2013-12-16


人ごとではない! 猫札
 この本では、夫の健康問題で生活に困窮した若い家族が、若いが故に「まだ働けるだろう」と、PTA仲間や子供同士のコミュニティーでバッシングされる姿、役所で申請を断られる様、妻も働き過ぎで体を壊し、「死がリアルに」迫ってくる様子が描かれる。そして「恥ずべきことではないのか」と悩みながらも、「とにかく生きるために」、家族は生活保護を受ける手続きを始めるが、それも簡単ではない。。。このあたり、受ける側から描かれた解説書のようだ。日本の行政サービスの1つなのに、このように分かりやすく説明されたもの ーそれも漫画でー はかつてなかったのではないか。
 もし続編があるのならば、さまざまな受給者の人生の片鱗を描いてほしい。そして(漫画であるから)この家族の夫が健康を回復し、だんだんと生活保護費の割合を減らしていく(ことになるのか?)様子が描かれればよいなあ、といささか感情移入気味に願ったりする。

明日は我が身 bitch
保護を受ける事に対する葛藤を分かりやすく描いています。
歪んだ認識は偏見差別の起因になります。
保護を必要とする方が増加している現状を誤認することは恐ろしい事です。
きちんとした理解を深める事が大切だと痛感。
一部の不正受給者により手当が必要な方も含めて観てしまうのは無知であり偏った観方です。
不正受給の問題も含め福祉の在り方をじっくり考えないと。
偏見は一種の社会的ないじめです。
この本を通して、自分自身も無知と一方的な情報が危険である事を思い知らされました。
あなたは友人、知人、もしくは親戚で保護が必要となったとしたらどう思われますか?
あなたは友人、知人、もしくは親戚に告白され得る許容をお持ちですか?
あなたは告発されても受け止められる度量をもちあわせていますか?
もし、私がその立場に置かれたら、或いは周囲に居たら、と立場観方を双方にし想像してみました。
きっと自分自身の身に起きたら誰にも相談出来ず苦しむのかもしれない、と激しい不安感を抱きました。
是非、ご自身へ問いかけてみて下さい。

Mi2‏ @YES777777777
【ブラックボックス】音喜多駿・上田令子両都議の離党会見。上田令子「(都民ファーストは)各都議から毎月、政務活動費15万、党費は6万円が徴収されている。毎月15万、55人で1千万に近い政務活動費は、まさに血税。いくら払うのかどういう契約なのか説明がないのは、まさにブラックボックス」

出勤前にジムに行く子とにしました.大分行っていないので再登録のようなことが必要と思いましたが,この間の用紙が保管されているということでした.半年ぶり.その前が去年の10月なのでここ1年にたった2回しかジムにきていないのでした.午前中なので年配の方が多いように思いました.一人若い女性が頑張っていました.昼近くになると若い男性がウエートリフティングを頑張ってます.逆3角形です.
その後図書館に行くと,偶然震災関連の資料を発見したのでコピーです.ミスコピーをたくさんしてしまいました.
夕方仕事頑張ろうとしてみてふと思うと,すごく寒いです.

震災被災の気仙沼・南町の共同店舗 11月11日本格オープン 復興商店街の事業主ら運営
 東日本大震災で被災した宮城県気仙沼市内湾地区の商店主らが、災害公営住宅と併せて同市南町に建てた共同店舗が11月11日に本格オープンすることが4日、分かった。当初計画より約半年遅れのスタート。大半の店舗で内装工事が完了し、空き店舗解消にめどが立った。
 共同店舗は店舗棟(鉄筋2階)と、災害公営住宅(同5階)の1階部分に計24区画あり、11日までに21店舗の開店準備が整う見通しで当日は記念式典や開店を祝うイベントが行われる。
 共同店舗は当初、5月中旬に本格オープンを目指したが、内装工事の遅れなどで、最初の店舗となる理髪店が9月15日にオープン。現在は居酒屋や喫茶店など14店舗が営業している。
 共同店舗の運営は市内最多の39店舗があった気仙沼復興商店街「南町紫市場」(4月末閉鎖)の事業主ら15人でつくる合同会社「内湾南町商店街」が担う。
 合同会社の坂本正人事務局長は「当初計画よりもだいぶ遅れたが、ようやく本格オープンにこぎつけた。震災前に気仙沼で一番の繁華街だった南町の活性化につながる」と話した。


<大川小控訴審>仙台高裁裁判官が現地視察
 東日本大震災の津波で死亡・行方不明になった石巻市大川小の児童23人の19遺族が、市と宮城県に約23億円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審で、仙台高裁の裁判官3人が4日、現地を視察した。
 小川浩裁判長をはじめ、遺族側と市・県側の関係者ら計約30人が参加。校庭から教職員と児童が津波襲来直前に向かったとされる北上川堤防付近(三角地帯、標高約7メートル)を経て、約500メートル先の林道付近までを約45分かけて徒歩で確かめた。津波が遡(そ)上(じょう)した北上川と校舎との距離も確認した。
 遺族側は児童が避難した経路や安全に避難できたと主張する校舎近くの裏山への三つのルート、津波到達地点を示す案内板などを設置。双方の代理人弁護士が津波襲来時の様子や各地点の位置関係を説明し、裁判官は「津波はどこまで来たのか」などと質問していた。
 6年生だった三男雄樹君=当時(12)=を亡くした佐藤和隆さん(50)は「(視察予定に含まれていない)裏山についても裁判官が遺族の説明に耳を傾けてくれた。判決にしっかり反映してもらえると確信できた」と語った。
 市・県側の代理人は「教職員が児童を誘導しようとした三角地帯までの近さや高低差を実際に確認してもらい、有意義な視察になった」と述べた。
 控訴審は事前防災の是非が焦点。校庭から裏山への避難ルートを中心に視察した一審と異なり、高裁は今回の視察箇所を避難場所の一つとしてマニュアルに明記すべきだったかを検討し、震災前の市や学校の組織的責任の有無を判断するとみられる。
 地裁は昨年10月、教員らは津波の襲来を約7分前までに予見できたと認定。学校の過失を認め、計約14億2660万円の賠償を命じた。大川小には約8.6メートルの津波が襲来し、児童74人と教職員10人の計84人が死亡・行方不明になった。


閖上 被災した歩道橋の撤去開始
東日本大震災で大きな被害を受けた名取市閖上地区で津波から住民の命を守ったといわれ地域のシンボルになっている歩道橋が、かさ上げ道路の建設にともなって解体されることになり、5日から撤去作業が始まりました。
名取市の閖上地区は、震災前、およそ7000人が暮らしていましたが、津波で大きな被害を受け、700人以上が犠牲になりました。
閖上地区の入り口にある交差点に設置された歩道橋は震災当時、津波から逃れてきた50人以上の住民の命を守ったといわれ、地域のシンボルとなっています。
しかし、かさ上げ道路の建設にともなって撤去されることになり、5日午前中から作業員が建設用の大型機械を使って歩道橋の解体を始めました。
周辺にはかつての住民らが集まり、親しまれてきた歩道橋や撤去作業の様子を写真に収めていました。
歩道橋の管理をしている名取市によりますと、撤去作業はことし12月頃まで行われるということです。
震災の前、閖上地区で暮らしていた67歳の男性は、「この歩道橋はシンボルだったので、寂しいですが、復興工事も進むので、地域が前を向いていくきっかけにもなると感じています」と話していました。


<宮城知事選>復興、子育て支援、経済活性化…何を望む 街の声
 5日告示された宮城県知事選で、前回に続き現職と新人の2候補による舌戦が始まった。東日本大震災からの復興に向けた道筋に加え、子育てや医療福祉、地域経済の活性化など問われるべき課題は多い。有権者は17日間の論戦に何を期待するのか。仙台市内で聞いた。
<仙台と連携重要>
 東日本大震災の津波で被害を受けた仙台市若林区荒浜のことを語り継ぐボランティアをしている。宮城県外からの視察者が多く、6年半過ぎても荒涼とした風景に驚かれる。市と連携して復興に一層力を入れてほしい。(仙台市若林区・ボランティア団体代表補佐・松木達雄さん・71歳)
<心のケアに力を>
 東日本大震災からの復興が最優先課題だと思う。ハード、ソフトの両面から災害公営住宅の早期整備や被災者の心のケアに今後も力を入れてほしい。付け焼き刃の政策ではなく、将来を見据えた政策を実現してくれる人に投票したい。(仙台市青葉区・大学4年・薮田佳絵さん・22歳)
<障害者雇用実現>
 病気で視覚障害者になった。県内の障害者就職率は全国でも下位。障害者が働く上で課題はまだ多い。健常者と同じように働ける制度が欲しい。障害者の声を聞くだけでなく、しっかり実現してくれる人に知事になってもらいたい。(仙台市太白区・団体職員・安藤修二さん・63歳)
<子育て支援期待>
 震災復興とともに子育て対策に力を入れてほしい。特に、不登校児の受け皿が不十分だ。民間任せではなく、公的な取り組みを進めてほしい。選挙戦では、聞こえの良い言葉に惑わされず、実行力を見極めたい。有権者の責任も大きい。(仙台市泉区・会社役員・佐藤美保子さん・62歳)
<いじめ対策重点>
 東日本大震災以降、教育現場では精神的に不安定な子どもが増えている。仙台市内ではいじめ問題も多発し、子どもたちが心に見えない傷を抱えている。知事選では、子どもたちが安心して学べる環境づくりを積極的に議論してほしい。(仙台市泉区・高校教諭・高橋祐也さん・33歳)
<医療費負担軽く>
 震災からの復興はまだ先だと感じる。被災地の現状を的確に把握し、被災者にきちんと向き合う候補者を選びたいと思う。最近病院通いが増えており、老後が心配だ。医療費の負担ができるだけ軽くなるような政策を期待したい。(仙台市宮城野区・会社員・高橋恵子さん・49歳)


衆院選に問う 震災復興/遠のく政治を引き寄せたい
 「なぜ、この時期の解散なのか」−。約3年前、安倍晋三首相が「消費税増税先送り」を大義名分に、突然踏み切った衆院解散に対して、東日本大震災の被災者から上がった切実な声である。
 当時、安倍首相らが約束した「復興の加速」はこの間、被災地に何をもたらしたのか。政治の恩恵が感じられないまま、またも降って湧いた選挙が始まる。被災地では置き去りにされる懸念が高まる一方だ。
 被災地の生活と経済の観点から、衆院選に問いたい。
 人口減と高齢化が急速に進む被災地の暮らしは好転の兆しが見えない。岩手、宮城、福島3県の災害公営住宅は貧困の影すら差す。入居世帯の生活保護受給割合は、各県の平均を大きく上回る。家賃は特別低減措置があるものの、入居から6年目以降、段階的に引き上げられる。
 宮城県内の災害公営住宅の孤独死は今年3月末時点で43人に達した。2016年に15人だった死者数は、今年1〜3月だけで14人に。発生から22年が過ぎた阪神大震災の被災地は、孤独死が1000人を超え、今なお増え続ける。
 被災地で、「負のスパイラル」が始まっている。経済的困窮と希薄なコミュニティーは、被災者を精神的に追い詰める。支援や住民間の交流が盛んだったプレハブ仮設住宅に「帰りたい」と語る被災者の嘆きを、政治はどう受け止めるのだろう。
 経済政策「アベノミクス」は、被災地とほぼ無縁だった。前回衆院選は与党が圧勝し、首相は「景気回復の温かい風を全国津々浦々に届ける」と勝利宣言した。現状はどうか。目の前にあるのは東京と地方の格差、大企業と中小零細企業の景況感の隔絶だ。
 アベノミクスは金融緩和で市場に出回るお金の量を増やし、企業の設備投資や個人消費を促す政策だ。大企業を中心に収益は上向くが、東北の中小零細企業は復興需要の減速の真っただ中にいる。賃金は上がらず、好循環に至りそうもない。
 東北の公共工事請負金額は14年度の2兆8480億円をピークに下降を続ける。個人消費を表す東北の百貨店・スーパー販売額は前回衆院選があった14年以降、漸減傾向から抜け出せない。
 今回の衆院選では新党の「希望の党」「立憲民主党」が出現し中央政界は大きく揺れ動いているが、地方は蚊帳の外に置かれた感が強い。復興をどう進め、被災地の未来をどう描くかは判然としない。
 震災から6年半が過ぎた。東京電力福島第1原発事故の影響は現在進行形で続く。選挙はある意味で、被災地と政治の距離が縮まる数少ない機会と言える。
 東北の有権者はいま一度、被災地の現状と将来に思いを巡らして、遠のく政治を引き寄せるための1票を投じる必要がある。


九州豪雨 亡き夫が愛した村に復興のイルミイベント 福岡
 7月の九州北部豪雨で被災した福岡県東峰(とうほう)村で、被災者の「心の復興」を願うライトアップイベントを開こうと、同村でカフェを営む柱太眞子(たまこ)さん(55)が奔走している。柱さんは6月に最愛の夫雅志さん(当時52歳)を事故で亡くした。「夫が大好きだったこの村に復興の灯をともしたい」。豪雨から3カ月がたち、柱さんはそんな思いを強くしている。
 山口県出身で看護師として横浜市で働いていた柱さんは1993年、東京で生まれ育った雅志さんと結婚。雅志さんは自然豊かな土地での生活に憧れており、福岡県にいた知人のつてなどで95年に村に移住した。カブトムシを養殖したりカフェや学習塾を開いたりして生活基盤を築き、いつも笑顔で雅志さんは地域の中に溶け込んでいった。
 移住から22年。子供2人も成人し、最近は村に恩返しをするつもりで、雅志さんは移住希望者をサポートする村の移住コーディネーターもしていた。ところが、6月19日、突然の事故で穏やかだった日常が一転した。
 雅志さんが自宅近くで耕運機とともに横転し、亡くなった。葬儀には多くの人が駆けつけ、渋谷博昭村長も弔辞を読んだ。夫の死後、周囲からかけられる温かい言葉の数々に「夫が培ってきたものの大きさを感じた」。そう思うと今も涙がこぼれる。
 ショックも冷めやらぬ中、記録的な豪雨が村を襲った。幸いにも自宅は無事だったが、土砂崩れなどで地域は一変した。「この土地を愛していた夫だったら、復興のために飛び回ったはず」。自分に何かできないかと思いついたのは、カフェでも好評だったイルミネーションだった。
 願い事がかなうとされる新月の11月18日夜をイベントの日に決定。被災した小石原焼の窯元や柱さんのカフェなど村内数カ所でイルミネーションを飾る。福岡市の業者も破格の条件で施工してくれることになり、点灯式には協力を申し出てくれた元福岡ソフトバンクホークスの松中信彦さんを招く予定だ。
 「前に出るような性格じゃなかったので、夫も天国で驚いていると思う」とはにかむ。当日は願い事を書いた短冊をバルーンとともに夜空に飛ばす。柱さんは「一日も早くみんなの心の平穏が戻りますように」と書くつもりだ。「イベントが無事に成功したら、空の上にいる夫も『よく頑張ったね』とほめてくれるかな」【佐野格】


九州豪雨3カ月 自主防災の力を高めたい
 福岡、大分両県で37人の命を奪い、4人が行方不明となっている九州豪雨から3カ月が過ぎた。なお40人が避難所で暮らす。これからが復旧・復興への正念場だ。
 豪雨被害の教訓の中で今後に生かしたいのは、被災する以前から地域の住民が進めてきた「自主防災」への取り組みである。
 福岡県朝倉市では17地区で住民による自主防災マップを作っていた。市作成のハザードマップ(被害予測地図)を基に住民自ら地域内を歩き回って危険箇所を追加するなどした。5年前の九州北部豪雨や日常生活で気付いた「死角」を地図に落とし込んだ。
 土砂災害などの恐れがある危険箇所は当然ながら、地域ごとに、また地形によって全く異なる。
 公民館など公的避難所が崖の近くにあることから、話し合いの結果、高台にある民家数軒を避難所にした地域もあった。今回の豪雨では多くの住民がそこに避難して無事だったという。
 国や自治体が災害対策基本法など法令に基づき住民の生命を守るのは当然だ。ただ言うまでもなく自然災害はいつ、どこで、どんな規模で起きるか分からない。
 行政任せにせず、住民が自らの地域を点検・確認することで防災意識は格段に高まる。その過程こそ大切だと住民は口をそろえる。
 避難所でも、その意識は生きた。市職員を交えた被災者の会議を毎日開き、避難者の困り事を解決したり、生活のルールを決めたりした所もあった。
 「避難所の運営は早くから被災者が自主的に行うことが大切だ。支援に慣れると生活の自立再建が遅れてしまう」。昨年起きた熊本地震の避難所リーダーは本紙上でこう助言した。互いに助け合うことで、災害関連死などのリスクは軽減される可能性がある。未曽有の災害体験に基づくこうした教訓も引き継いでいきたい。
 被災地では台風などによる二次災害の懸念も消えない。自主防災態勢の点検と検証を重ね、行政と協力しながら「命は自ら守る」という姿勢を改めて確認したい。


糸魚川大火、火元のラーメン店主に「禁錮3年」求刑…「重い求刑」となった背景
昨年12月に発生した、糸魚川の大火。その火元となり、業務上失火罪に問われたラーメン店の元店主の男性(73)の初公判が9月27日、新潟地裁高田支部で始まった。報道によれば、証言台に立った男性は謝罪の言葉を述べ、検察側は「責任は重く、被害は甚大だった」として禁錮3年を求刑した。
火事を起こした日、男性は中華鍋をガスコンロの火にかけたまま、自宅に戻っていた間に、火が壁などに燃えうつり、店を含む147棟に被害が及んだ。
火事で火元となった人が、禁錮3年という重い求刑をされたのはなぜか。もし今回、男性がラーメン店の店主ではなく、一般人が生活を送る上で、起こしてしまった火事であったならば、どのような罪に問われていたのか。好川久治弁護士に聞いた。
●「過去に例のない重い求刑」
「今回の検察官の禁錮3年の求刑は、業務上失火罪の法定刑(3年以下の禁錮又は150万円以下の罰金)の上限となります。失火で死傷者が出た場合を除き、失火単独での求刑としては過去に例のない重い求刑となりました」
なぜ、重い求刑となったのだろうか。
「検察官が求刑する際には、犯行の動機、態様、被害の程度、社会的影響、犯罪後の情況、被告人の前科前歴の有無、性格、他事件との比較など、様々な事情を考慮します。今回は、失火の原因、過失の態様が極めて重大かつ悪質であったことと、被害が広範囲に及び、多数の被害者が出たことが理由と考えられます。
具体的には、今回の出火の原因が、ラーメン店の店主が中華鍋をガスコンロの火にかけたまま店舗近くの自宅に戻って休憩していたという、火器を取り扱う事業者としての基本的かつ初歩的な注意すら欠いていた極めて重大な過失があったこと。また、失火による被害が、焼損147棟を含む4万平方メートルに及び、日本国内の単一出火の延焼による火災の規模としては過去20年間で最大であったという被害の大きさが影響したものと考えられます」
●一般の家庭で火事を起こした場合には?
業務ではなく、一般の家庭で火災を起こした場合には、どんな罪になるのか。
「今回は、業務として火器を取り扱うなかで発生した失火の罪(業務上失火罪)が問題となりました。しかし一般の家庭でも、わずかな注意を払えば失火を防げたような重大な過失があれば、重過失失火罪が成立する可能性があります。
例えば、火元の近くで揮発性の高いガソリンを取り扱うなどにより火災を発生させた場合には重過失失火罪が成立し、業務上失火罪と同じ法定刑のもとで処断されることになります。
もっとも、過去の先例を見る限り、死傷者が出た場合を除き、禁錮の実刑判決が下ることは少なく、罰金か、執行猶予付きの禁錮刑が科せられるケースが多いようです」


パワハラ訴え3人退職 山形大リチウム電池研究拠点 センター長による行為、常態化か
 国内最先端のリチウムイオン電池研究で知られる山形大xEV飯豊研究センター(山形県飯豊町)で今年3〜5月、少なくとも職員3人がセンター長の男性教授からパワーハラスメント(パワハラ)を受けたとして、退職していたことが4日、同大職員組合などへの取材で分かった。組合は5〜7月、大学が実態を把握しているかどうかを問う質問書を小山清人学長宛てに2度提出したが、大学はパワハラの有無に関しても回答を拒んでいる。
 退職していたのは、研究支援担当の男性職員2人と女性職員1人。男性職員の1人と女性職員は3月末付で、別の男性職員1人は5月末までに退職した。
 職員組合によると、男性職員2人は口汚い言葉で一方的にののしられたり、机の上に侮辱的な書き置きを残されたりするパワハラがあったと訴えた。
 このうち1人は昨年9月、学内のハラスメント防止規程で定められた相談窓口にパワハラ防止の対策を要望。その後、今年3月末での雇用打ち切り(雇い止め)を通告されたという。
 組合関係者は「昨年4月に2018年3月まで継続雇用すると伝えられていたのに、唐突に雇い止めに遭った。センター長からの報復の疑いもある」と指摘している。
 学長宛ての質問書で、組合は「センター長によるパワハラが常態化していたことは疑いの余地がない」とした上で、「恐怖心から今も何も言えない状況に置かれている職員がいる可能性もある」と強調している。
 センター長は民間企業出身。機能性電解液分野の第一人者で、蓄電関連企業の集積で地域経済の活性化を目指す「飯豊電池バレー構想」のけん引役として、産業界からも注目を集める。
 河北新報社の取材に大学は「個別のハラスメント案件と組合とのやりとりについて、大学として申し上げることはできない」(総務部長)と回答。センター長は「取材に応じる立場ではない」とのメールを寄せた。
[山形大xEV飯豊研究センター]山形大と山形県飯豊町が整備したリチウムイオン電池の研究開発拠点。「xEV」は電動輸送機器の総称で、自動車などに使われる電池の試作工場の機能も持つ。開所は2016年5月。自動車、ロボット関連企業など約50社が研究開発に加わっている。


柏崎刈羽原発 「合格」で安心はできない
 原子力規制委員会は、東京電力柏崎刈羽原発6、7号機再稼働の前提となる審査結果をまとめた審査書案を了承した。
 重大事故対策などが、東電福島第1原発事故を踏まえてつくられた新規制基準に適合しているとの判断を示したものだ。事実上の審査合格を意味する。
 東電は福島第1原発事故の当事者であり、柏崎刈羽原発は福島第1と同じ沸騰水型炉である。「合格」は、東電の原発としても沸騰水型炉としても初となる。
 今回の判断は、原発の再稼働を目指す東電にとっては節目であるに違いない。
 だが、これまでの審査の流れを踏まえれば、安全や安心を担保する裏付けになると受け止めるわけにはいかない。
 6、7号機を巡る審査では、規制委は他の原発にはない異例の対応を取った。一定の慎重さはうかがえる。象徴的なのが、東電に原発を運転する適格性があるかどうかを議論したことだ。
 その結果、原発の運転・管理ルールを定める「保安規定」に、東電が安全確保に取り組む決意を盛り込むことなどを条件に適格性を認めた。ただし、具体的に何をどう書き込むのかはまだ明らかになっていない。
 東電は、未曽有の原発事故を防げなかった。しかも福島事故以前から原発を巡る不祥事や失態が後を絶たず、そのたびにおわびや反省を繰り返してきた。
 組織としての安全文化を疑問視する声は根強い。
 適格性を見極めようとした規制委の問題意識は理解できる。一方で、東電の「決意」が適格性を保証するという考え方が妥当なのか疑問は拭えない。
 規制委の田中俊一前委員長は適格性について、消極的容認だとした。更田豊志現委員長は「前例がなく非常に厳しい判断だった」と振り返った。
 米山隆一知事は、保安規定に書き込むことで適格性が担保されるのは「精神論的」と語っている。
 それだけに、米山知事の方針に沿って県が進めている「三つの検証」の重みは増す。
 検証は福島事故を受けて行われており、知事は「国の判断とは独立して安全性を検証する」との考えを示している。
 地元の同意がなければ、再稼働はできない。検証作業の経過を含め、その行方を注視していかなければならない。
 衆院選の公示が迫り、各党の公約発表が相次いでいる。原発の是非も、与野党の対立軸として重要な争点に位置付けられている。原発政策が国策として進められてきた以上、当然のことだ。
 県内の候補者には、大枠のエネルギー政策としての原発の是非とともに、柏崎刈羽原発再稼働をどう考えるかについても分かりやすい論戦を望みたい。
 東電による再稼働に否定的な主張もあるが、別の電力会社なら原発再稼働を認めるという見方も成り立つ。そうした点も含め、それぞれが主張を曖昧にせず、きちんと訴えてもらいたい。


柏崎原発 審査「合格」 本当に適格性があるのか
 「運転を認めるなんて信じられない」。原発事故避難者から批判と不信の声が上がるのも無理はない。東京電力柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)の再稼働に向けた審査で、原子力規制委員会が「合格」のお墨付きを与えた。
 未曽有の災害を引き起こした福島第1原発事故は、いまだ収束の見通しがつかないままだ。事業者の適格性が問われるのは当然で、果たして地元の理解が得られるだろうか。議論の進め方が批判された規制委の信頼性も厳しく問われよう。
 7基ある原発は福島原発と同型の沸騰水型原子炉。最も新しいこの2基は改良型135万6千キロワットと最大出力を誇る。首都圏に電力を供給する東電経営再建の柱で、規制委も審査を優先した。経済最重視の安倍政権にとり再稼働が重要課題であることは間違いない。
 しかし、審査過程で規制委は一貫して厳しい姿勢を見せていた。田中俊一前委員長は7月「廃炉に主体的に取り組む覚悟と実績を示せない事業者に再稼働の資格はない」などと批判。汚染水や廃棄物対策でも規制委の求めに明確な方策を示せていなかった。
 規制委は東電のハード対策では技術力の高さを評価していた。新基準で要求されていない新型冷却装置の設置計画を提示した点も過酷事故対策に有効とした。審査の焦点は東電に原発を運転する資格があるかという適格性の問題だった。
 審査基準もなく規制委で判断が揺れたのは分かるが、退任を間近に控えた田中氏は9月の会合で一転して東電を評価。「第1原発事故の経験はプラスになる」とまで言い切った。
 再稼働への「駆け込み判断か」と批判されたのは当然だが、東電の安全確保について「覚悟と決意」が示され、保安規定に明記させたことにどれだけ説得力があるのか疑問だ。形式的な特別措置にみえないか。
 実質国有化された東電は巨額の事故処理費用が大きな重荷になっている。民間シンクタンク「日本経済研究センター」は総額50兆〜70兆円に上ると試算。国民負担の大幅増を懸念し「国の原子力政策の見直しが必要だ」と提言している。
 使用済みや溶融核燃料(デブリ)の取り出し工程も改定を繰り返し、事故収束の困難性が浮き彫りになった。これだけのリスクを抱えたままお墨付きを与えるのは早計ではないか。
 さらなる問題は再稼働の責任が曖昧なことだ。安倍晋三首相は「規制委の審査で安全性が確認された原発の再稼働を進める」と繰り返し、一方の規制委は「新基準に適合するかどうかを科学的に判断するだけ」と権限をぼかし、田中氏は事あるごとに「(合格しても)安全とは言わない」と繰り返し述べてきた。
 新潟県の米山隆一知事は地元同意判断に3〜4年はかかると慎重な姿勢を崩さない。地元同意で再稼働すれば「最終責任」が問われるのが自治体では本末転倒だ。ゆがんだ原子力政策の是非が衆院選挙でも問われることになる。


柏崎刈羽原発 「合格」でも不安は拭えぬ
 東京電力が再稼働を目指す柏崎刈羽原発6、7号機の安全審査で、原子力規制委員会は事実上の「合格」とした。福島第1原発事故を起こした東電の原発としては初めてであり、福島と同じ沸騰水型炉の再稼働に道を開くのも初となる。
 審査で焦点となったのは、重大事故を起こした東電が再び原発を動かすに当たっての、事業者としての「適格性」だった。だが、議論が十分に尽くされたとは言えない。「合格」はいかにも結論を急いだようで、多くの国民が不安を拭えないだろう。
 東電が再稼働を申請したのは4年前だった。原発事故時の対策拠点となる免震重要棟の耐震性不足を、東電が把握しながら規制委に誤った説明を続けるなど、問題が続いたために審査が滞っていた。
 東電の組織体質は変わっていないのではないかとの懸念から、施設や設備の審査をほぼ終えた段階で議論されたのが「適格性」である。しかし、規制委の審査は重大事故への対策が対象で、適格性に関する明確な基準はないことから審査は迷走した。
 当初は規制委も厳しい姿勢を見せたが、東電が「経済性より安全性を優先する」などと文書で決意を表明すると、容認姿勢に転じた。文書に具体策がない上、田中俊一前委員長の退任間際だったことから、「結論ありき」との批判が高まった。
 結局、東電が示した「決意」を原発の保安規定に盛り込むことなどを条件に「合格」が認められた。保安規定に違反すれば、原発の運転停止などを求めることができる。ただ、あいまいな努力目標の違反認定は難しく、どこまで効果があるかは疑問だ。
 田中氏の後を継いだ更田豊志委員長は「事故の責任と技術力は別」と釈明するが、規制委がいまの東電にお墨付きを与えるのであれば、判断の根拠を丁寧に国民に示す必要がある。
 福島の原発事故で原子力利用の推進側と規制側の癒着構造が明らかになり、その反省から発足したのが規制委である。発足から5年が過ぎた。原子力規制行政への国民の視線は厳しく、今回の審査で不信感を募らせた国民は少なくないだろう。信頼回復のためには組織の独立性、透明性が大切なのは言うまでもない。
 事実上の「合格」とはいえ、立地県の新潟県の米山隆一知事は再稼働に慎重な立場で、先行きは見通せない。新潟県は独自に福島の事故原因などの検証を進めており、3〜4年かかるとの見通しを示している。
 安倍政権は規制委の審査に合格した原発の再稼働を推進し、将来も一定規模の原発を維持する方針だ。しかし、さまざまな世論調査でも原発の再稼働には否定的な意見が多い。主要な野党は早期の原発ゼロを訴えており、衆院選でも大きな争点の一つになりそうだ。


柏崎刈羽原発の再稼働/原発ごとに慎重に判断を
 東京電力柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)の再稼働に向けた審査で、原子力規制委員会が合格証に当たる審査書案を了承した。東日本大震災で過酷事故を起こした福島第1原発と同型の沸騰水型原子炉で、東京電力としては初の審査了承となった。
 全国の原発の中で沸騰水型の再稼働手続きは柏崎刈羽が先行していた。同じく沸騰水型の中国電力島根原発2号機(松江市鹿島町)の審査も進んでいる。原子力規制委の発足から5年、原発審査はあらたな段階に入ることになるが、くれぐれも厳格な審査を前提としなければならない。
 規制委は、これまでに26基の原発からの新規制基準に基づく安全審査の申請を受け、このうち12基が合格。その後の手続きを経て、5基が再稼働した。
 柏崎刈羽原発の審査過程で大きな議論になったのは、東電に原発を運転する資格があるかどうかだったが、手探りでの審査が続いた。規制委の田中俊一前委員長は7月に「第1原発廃炉に主体的に取り組む覚悟と実績を示せない事業者に再稼働の資格はない」と述べ、東電に厳しい姿勢を見せていた。
 だが、田中氏は9月6日の会合で「第1原発事故の経験はプラスになる」と東電を評価、一転して、審査をパスする流れができた。18日に退任した田中氏が、最後に再稼働に道をつけた形だ。
 委員会は、東電がこれまでに示した安全確保についての「覚悟と決意」を、原発の保安規定に明記させることなどを条件に「適格性がある」と判断した。
 ただ、東電の経営は、賠償や事故炉対策、大量の廃棄物処理などのコストが急増し、国や他の電力会社に頼らねばならない状況がある。また、電力市場の自由化の中や、再生可能エネルギーの普及、省エネが進む中、電力需給の観点からも経営資源をどこに投入するか判断が待たれる。
 「柏崎刈羽原発の再稼働は東電による円滑な賠償や事故対策推進に欠かせない」というのが経産省などの主張だが、原発再稼働が東電の経営状況を大きく好転させるかどうかも含めて、国は厳しい目で東電の原発事業を見ていかなければならないだろう。
 安倍晋三首相は「規制委の審査で安全性が確認された原発の再稼働を進める」と繰り返し述べており、規制委の判断をお墨付きに経済産業省などが再稼働に向けた働きかけを強めるとみられる。
 一方、島根原発2号機に対して規制委は、耐震設計上考慮するべき震源断層「宍道断層」の長さは、同社が主張する約39キロが妥当と判断。断層の評価が固まったことで、次回以降、耐震設計の目安となる「基準地震動」の確定に向けた議論に入る。
 沸騰水型炉に設置が義務付けられたフィルター付きベントなどの設備審査は、柏崎刈羽のケースを応用すれば相当のスピードアップにつながる可能性もあるといわれるが、あくまで個々の原発ごとの環境、条件に添って慎重に判断しなければならない。
 電力事業者の中には、長期にわたる稼働停止で原発の稼働状況を実際に知らない、若い職員も増えた。原発の発電業務に携わる技術、安全へのモチベーション維持なども大きな課題となっている。


合格は時期尚早だ 柏崎刈羽原発の再稼働
 原子力規制委員会が、東京電力柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)の再稼働に向けた審査で、合格証に当たる審査書案を了承した。いまだに収束の見通しすらない福島第1原発の原因企業である東電の、しかも第1原発と同型の沸騰水型原子炉であるだけに、慎重な上にも慎重な審査が必要だ。再稼働にお墨付きを与える今回の決定は、時期尚早で、市民の負託に応えるものとは言い難い。
 審査過程で大きな議論になったのは、東電に原発を運転する資格があるかどうかだった。規制委の田中俊一前委員長は7月に「第1原発廃炉に主体的に取り組む覚悟と実績を示せない事業者に再稼働の資格はない」と述べ、東電に厳しい姿勢を見せていた。
 だが、田中氏は9月6日の会合で「第1原発事故の経験はプラスになる」と東電を評価、一転して、審査をパスする流れができた。18日に退任した田中氏が、最後に再稼働に道をつけた「駆け込み判断だ」との批判が出るのもうなずける。
 委員会は、東電がこれまでに示した安全確保についての「覚悟と決意」を、原発の保安規定に明記させることなどを条件に「適格性がある」と判断した。
 だが、東電は、賠償や事故炉対策、大量の廃棄物処理などのコストが急増し、国や他の電力会社に頼らねばならずにいる。これが常に事故のリスクを抱え、処分の見通しが立っていない放射性廃棄物を生み出す原発を運転する資格を持つ会社だといえるだろうか。委員会の結論は、多くの市民が抱く疑問に答えるものとは言い難い。
 安倍晋三首相は「規制委の審査で安全性が確認された原発の再稼働を進める」と繰り返し述べており、規制委の判断をお墨付きに経済産業省などが再稼働に向けた働きかけを強めるとみられる。
 だが、電力市場の自由化の中で東電離れが進み、再生可能エネルギーの普及や省エネも進む中、電力需給の観点から東電の原発の再稼働を急ぐ理由はない。
 なぜ、脱原発を求める過半の世論に反し、これほど市民の抵抗感が強い原発再稼働に急いで道を開こうとするのか。国策への配慮以外に納得できる理由があるだろうか。
 今回の決定は、規制委に対する市民の信頼を大きく損ない、将来に禍根を残すものだ。
 「柏崎刈羽原発の再稼働は東電による円滑な賠償や事故対策推進に欠かせない」というのが経産省などの主張だが、原発再稼働が東電の経営状況を大きく好転させるかどうかは疑わしい。
 新増設はもちろん、既設炉の維持管理にも巨額のコストがかかる原発は世界の多くの電力会社にとって重荷となりつつある。自由化市場の中で東電もこの状況から逃れられない。東電は、海外の電力会社のように再生エネルギーや省エネなどのエネルギーサービスに新たな収益源を求めるべきなのだが、再稼働への傾斜は原発依存を強め、東電の構造改革を遅らせることになる。
 政権側が規制委の判断を理由に再稼働を推進する一方、規制委が「合格イコール事故ゼロではない」とするなど、再稼働を認めた原発が事故を起こした際の責任の所在も不明確なままだ。柏崎刈羽を含めた原発の必要性と将来について、民主的な場で議論と検証を行うことが先決だ。(共同通信・井田徹治)


立憲民主党の公式ツイッター、12万フォローで自民超え 希望の党の30倍に
2日に開設された立憲民主党の公式ツイッターのフォロワー数が、5日、自民党の公式アカウントを超え、日本の政党で最大規模となった。
じつに12万人以上がアカウントをフォロー。ちなみに、フォロワー数が4,200人余りの希望の党と比べて、およそ29倍になる(いずれも5日11時現在)。
フォロワーが11万人を超えました。多くの方々が立憲民主党を広めてくださったおかげです。本当にありがとうございます。選挙はこれからです。一緒に選挙を作っていきましょう。#立憲民主党
■積極的にツイートも
東京都の小池百合子知事が代表を務める希望の党と合流しない「リベラル議員」の受け皿として、2日に設立が表明された立憲民主党。
立憲民主党は、これまでに100を超えるツイートを投稿している。声援に答え、お礼をしたり、支持を呼びかけるなど、他の党と比べて距離が近いのが特徴的だ。
なお、枝野代表は自身のツイッターで「不眠不休に近い状態で頑張ってツイートしています」とコメント。
東日本大震災のとき、枝野代表は不眠不休で対応に追われ、当時ツイッターでは「#枝野寝ろ」というハッシュタグが流行した。
そして、あれから6年が経過し、再びこのタグや、枝野代表を奮い立たせるような「#枝野立つ」が多くツイートされている。
右とか左とかではない。上からかしたからだ、と枝野さん。いーねー#枝野立つ
■枝野代表はアイドル好き?
そんな枝野代表は、政界きってのアイドル好きとしても知られている。
テレビ朝日『モーニングショー』では、枝野代表が周囲に「1人カラオケに行きたいよ。(欅坂46の)『不協和音』を歌うんだ」とつぶやいていた…と報じられた。
2016年には『ニコニコ超会議』で、アイドルグループの仮面女子とコラボレーション。その際には、仮面女子の楽曲『元気種☆』を熱唱している。
■政治家になりたい男性は多い
しらべぇ編集部では、全国20代〜60代の男女1,358名を対象に「政治家になりたい人がどのくらいいるのか」を調査。
結果はどの年代でも、女性より男性のほうが「いつかは政治家になりたい!」と思っているようだ。
衆議院選挙は10月10日に公示され、22日には投開票が行われる。選挙に向け、準備が進む各党の動きに注目したい。(文/しらべぇ編集部・綿つゆ子)
【調査概要】 方法:インターネットリサーチ「Qzoo」調査期間:2016年6月24日〜2016年6月27日対象:全国20代〜60代の男女1,358名 (有効回答数)


立憲民主、フォロワー11万人 ツイッター4日目で自民を追い越す
 立憲民主党の公式ツイッターのフォロワー(読者)数が五日未明、開設から四日目で十一万人を突破し、主要政党の中で最多だった自民党を追い越した。民進党から希望の党への合流劇の中で、リベラル勢力の受け皿として誕生した新党に対する関心の高さがうかがえる。 (清水俊介)
 各党は政策や演説の告知、記者会見の動画などを有権者に直接発信する手段として、公式ツイッターを活用。衆院選に候補者を擁立する主要政党は全て公式ツイッターを開設している。
 立憲民主も枝野幸男代表が結党を表明した二日の記者会見とほぼ同時に開設。枝野氏の演説の動画や、党の理念などを頻繁に投稿し、早くも五日午前零時半現在で、フォロワー数は約十一万二千七百人となり、同時刻の自民党を約二百人上回った。
 自民党の公式ツイッターによると、同党の登録は二〇〇九年七月。自民党が約八年で達した人数に、立憲民主が数日で追いついた。
 立憲民主に先立ち、九月二十五日に結党した希望の党も結党直後に公式ツイッターを設けたが、五日午前零時半現在、フォロワー数は三千人台にとどまっている。


民進の「150億円」どこへ 希望に資金一部移動
 衆院選を前に、民進党が希望の党への「合流」組や立憲民主党への参加者などに分裂したのを踏まえ、民進党が蓄えてきた約百五十億円とも言われる資金の行方が与野党の注目を集めている。既に前衆院議員らへ「軍資金」を提供したが、なお多額の資金が残っている。今後の配分が、野党を含めた政界再編の行方も左右しかねないとの見方が出ている。
 関係者によると、民進党は九月下旬、衆院選の全ての立候補予定者に「公認料名目」で五百万円を提供。その後、選挙区事情を考慮してさらに五百万〜千五百万円を上積みした。
 希望の党は多くの公認候補に、供託金分を含め計七百万円の資金提供を求めている。民進党出身者がスムーズに対応できるよう配慮した格好だが、希望側に民進党の資金が移動したとも映る。民進党の前原誠司代表は三日「希望の党公認で立候補する人が資金を出すのであり、民進が希望に資金を出すのではない」と強調した。
 資金の多くは公金である政党交付金が原資。年間三百十億円余りが、所属国会議員数などに応じて各党に支給される。政党助成法は使途を制限していないため、希望の党への資金流入に法的な問題はないが、与党からは「税金が他党に流れるのは問題だ」(自民党ベテラン)と批判が出ている。
 希望の党や立憲民主党が初めて政党交付金を受け取れるようになるのは、衆院選後の十二月となる見通しだ。それだけに民進党の「埋蔵金」は魅力的。前原氏は「残った資金をどうするかは(投開票日の)二十二日以降、民進の仲間と話をしたい」としている。


立憲民主党 政治の原点取り戻す「受け皿」に
 枝野幸男元官房長官が、新党「立憲民主党」を設立した。
 希望の党代表の小池百合子東京都知事の「排除の論理」に反発、リベラル系の前衆院議員を中心に「立憲主義や民主主義、自由な社会を守るため」(枝野氏)に結成すると表明した。衆院選には50人超の候補者を擁立する見通しという。ようやく安倍政権と希望、立憲民主の「三極対立」の構図が固まり、野党側の「受け皿」がそろった。選択肢が増えたことは有権者にとって望ましく、歓迎できる。
 一度は政権を担った「野党第1党」民進党の、雪崩を打つような解体、分裂は残念というほかはない。慌ただしい離合集散は「混乱」の一語に尽きるが、そもそもなりふり構わぬ「大義なき解散」を突然仕掛けてきたのは安倍政権。急ごしらえには違いないが、野党にとって「安倍政権の暴走を止めることが、唯一にして最大の争点」(枝野氏)であることを見失わず、幅広い人材の結集と政策、理念の確立を急いでもらいたい。
 立憲民主は、今年4月に野党4党が合意した「安倍政権下の改憲に反対」との立場を踏襲。安全保障関連法も「違憲立法」として廃止を求める。この2点では政権与党、希望と一線を画すが、他方「一日も早い原発ゼロ」や、2019年の消費税率10%への引き上げの「凍結」など、希望との一致点も多い。行政の信頼性が揺らいだ森友、加計学園問題に対する説明を求め続けることも当然だろう。
 今回の衆院選の「争点」は、安倍晋三首相が後付けで打ち出した「消費税収の使途変更」などではなく「おごれる安倍政治の是非」「首相の政治姿勢」である。そのことを、有権者もいま一度思い起こしたい。
 共同通信の今月の世論調査でも「首相の下での改憲に反対」が過半数を占めた。「リベラル的」として「保守」が嫌う、護憲や安保法反対、脱原発、福祉拡充、格差是正などについて、個別に賛同する国民は決して少なくない。権力批判は、野党の大義であり重要な責務。異なる意見を持つ人も「排除」することなく、熟議の末に納得して物事を決める―そんな政治の、民主主義の「原点」を取り戻す選挙にしなければならない。
 政治は、社会の映し鏡。「保守」もかつての保守ではなく、寛容さや自由な議論の気風が失われつつある現状を憂慮する。自民でさえ党内議論もなく「首相の公約」を掲げられ、異論を封じられて従うだけ。希望も、排除や選別という言葉を用い、立憲民主に対抗馬を立てるという強硬姿勢に身が縮む思いがする。消去法や「風」だけではない、人間性や理念本位での選択がより重要になろう。
 枝野、小池、前原(誠司民進党代表)の3氏はそろって、四半世紀前に「政界再編」の中核を担った日本新党出身。「ブームからは、希望は生まれない」(首相)のか、政党政治のかじ取り、行く末が問われる。


衆院解散と県政界 選択肢を分かりやすく
 安倍晋三首相による突然の衆院解散で、混乱を極めた野党の方向性がようやく定まった。野党第1党の民進党が分裂し、多くは新党「希望の党」に合流する。
 希望に入らない民進のリベラル系は新党「立憲民主党」を設立した。これまでの野党共闘を引き継ぎ、共産、社民両党と連携する。
 小池百合子東京都知事率いる希望は、今衆院選での政権交代を掲げた。日本維新の会とも協力し、与党の自民党・公明党に挑む。政権選択の構図が一応は整った。
 岩手は小選挙区が4から3に減って初の選挙を迎える。民進の1区前職、2区元職は希望の公認を得た。3区の小沢一郎自由党代表は無所属で出馬するが、比例代表は希望への投票を呼び掛ける。
 対する自民党は3選挙区とも前職が準備を進めている。基本的には政権維持か、交代かを競い合う自民と希望の激突が軸になろう。
 今衆院選と岩手を考えるに当たり、これまでの経緯を踏まえる必要がある。近年の県政界には大きな転換点が2度あり、一つは2012年の民主党分裂だった。
 かつて旧民主は小沢氏の強い影響力で岩手の衆参議員を独占したが、分裂により幾つもの勢力に分かれた。政策の違いも不明で、県民の目に分かりにくくなった。
 次の転換点が15年の知事選と言える。現職の達増拓也氏の下に野党が結集し、その枠組みが翌年、参院選岩手選挙区で野党統一候補の勝利につながっていく。
 野党の結節点となったのは安全保障関連法案の成立阻止だった。その後も安保法廃止のスタンスで県内の野党系はまとまっている。
 ところが希望の党は、民進候補者の合流に当たり「安保法賛成」の踏み絵を迫った。後日「憲法にのっとり適切に運用」と表現を緩めたが、基本は大きく変わらない。
 希望に合流する候補は、過去の言動との整合性が問われよう。選挙戦を通じて、県民にしっかりと説明しなければならない。今後の野党協力も焦点になる。
 一方の自民は「安倍政治」が問われる選挙だ。強引な政治手法や森友・加計問題に対する県民の批判、疑問に答えてもらいたい。2区の鈴木俊一氏が現職閣僚だけに党勢回復の正念場だろう。
 安全保障や憲法で自民と希望に違いが少ないとなれば、有権者は選択しにくい。消費税を巡る両党の主張も「急造」の感は否めず、選択肢を分かりやすく示すべきだ。
 復興の訴えも岩手には欠かせない。3選挙区とも区域が広くなるだけに、短期間で有権者に理解してもらう努力が政党、候補には求められる。


衆院選と憲法◆改憲前提に陥っていないか◆
 日本国憲法の施行から70年の年に行われる今回の衆院選は、その改正論議の重大な岐路となる。一つの焦点は、憲法改正に前向きな勢力が国会の改憲発議に必要な「3分の2以上」の議席を維持するのかだ。選挙結果は改憲論議の行方を大きく左右しよう。
 憲法は国の基本理念を定めるものだ。憲法に関する議論は将来の国家、社会像を土台に行われるべきで、「改憲ありき」に陥ってはならない。どの政党、候補者が憲法論議に真摯(しんし)に向き合い、理念を語るのか。姿勢を見極めたい。
前のめり目立つ首相
 自民党は改憲に強い意欲を示す安倍晋三首相の下、第2次政権での国政選挙では初めて公約の柱に改憲を明記した。首相が提起した9条への自衛隊明記や教育無償化、緊急事態対応、参院選「合区」解消の4項目に関し「党内外の十分な議論を踏まえ」「初めての改憲を目指す」と盛り込んだ。だがいずれの項目も自民党内の議論が集約されていない。衆院選の結果、安倍政権が継続すれば、首相は国民の「信任」を得たとして改憲4項目に関する議論を加速させる構えだろう。
 それ以前に、憲法に対する首相の姿勢を問わねばならない。2012年の政権復帰後、まず改憲発議の要件を緩和する96条改正を提唱。その後、憲法解釈変更という手法で、違憲とされてきた集団的自衛権行使を解禁する安全保障関連法を制定した。
 今年5月の憲法記念日には、20年までの改正憲法施行を目指すと表明。戦力不保持を定めた9条2項を維持したまま自衛隊を明記するという、党内でも議論されていない「加憲案」を提起した。
主張の対立軸は9条
 目指す条項が次々と変わるのは、改憲自体が目的と化しているからではないか。憲法は国家権力を縛るという「立憲主義」を最高権力者がないがしろにしてきた。選挙の争点の一つは、その姿勢への評価と言える。
 各党の主張の対立軸はやはり9条になる。与党の公明党は9条改正には慎重な姿勢。野党の日本維新の会は公約に9条改正を明記した。一方、「改憲勢力」を明言する新党「希望の党」代表の小池百合子東京都知事は9条論議先行には慎重で、第8章の「地方自治」の条項改正などを主張。民進党からの合流者を「憲法観」を基準に選別し、第1次公認候補を発表した。選別に反発する民進党前議員らで「立憲民主党」を結成した枝野幸男氏は首相の解散権を制限する改憲案などを主張してきた。一字一句変えないという「護憲」ではない。共産、社民両党は改憲に反対する。
 国会の憲法審査会では各党がこうした見解を示し、改憲の必要性で合意が可能か議論を積み重ねてきた。その流れが解散で断ち切られた。だが選択をせかす動きに惑わされず、訴えをじっくりと読み解きたい。憲法が定める主権者は私たちだ。


【2017衆院選 財政健全化】黒字化先送りでよいのか
 借金返済に充てるはずの消費税再増税分の一部を、教育無償化の財源に転用する。税の使い道の変更だから国民の信を問う―。安倍首相が衆院を突然解散した理由だ。
 変更により、国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス=PB)を2020年度に黒字化するという国際公約も達成できなくなるという。
 教育無償化は「人づくり革命」であり、全世代型社会保障への転換だとも説いた。財政再建とてんびんにかけ、政治決断をしたかのような説明だが、強い違和感がある。
 PBは、借金をせずに社会保障や公共事業などの政策経費を賄えるかどうかを示す。日本の財政は毎年PBが赤字で、国債などの借金に依存している状態だ。
 当然、累積債務が膨らむ。借金残高は1070兆円を超え、国内総生産(GDP)の2倍を上回っており、先進国でも最悪の状況にある。
 安倍政権は「経済再生なくして財政健全化なし」を掲げてきた。アベノミクスを進めて税収を増やし、歳出も抑制して債務を減らす計画だったはずだ。
 債務を減らすにはPBを黒字化しなければ始まらない。これが行き詰まるようではアベノミクスの成果にも疑問符が付く。
 20年度の黒字化が困難なことは、昨年あたりから指摘されてきた。アベノミクスの失速が顕著になったためだ。内閣府がことし7月に公表した試算でも、20年度は8兆2千億円の赤字が残ると見込まれている。
 にもかかわらず、政府は防衛予算の増額を続けるなど政策経費も膨張気味だ。財政規律は緩む一方で、借金の将来世代へのつけ回しを重ねている。
 消費税率10%化を2度にわたって延期したことも大きい。12年に「社会保障と税の一体改革」を実現するため、当時の与野党3党で合意した重い決定がかすむ。
 現状ではPBの黒字化は絶望的なのに、これを棚に上げ、新たな政策のために黒字化を先送りするかのような説明になってはいないか。国の財政運営に不信が募れば、国債取引などにも悪影響を及ぼし、国際的な信用も失ってしまう。
 第2次安倍政権は発足間もない13年1月、日銀と政策連携を結んでいる。デフレ脱却のため、日銀は金融緩和を推進し、政府は規制改革や持続可能な財政構造の確立を進めるという役割分担だ。
 政府が実行できていないのは明らかだ。金融緩和のみ際立つ異様な状況が続いている。
 日銀の政策により低金利が続いている。首相が言うように「力強い経済成長が実現している」なら、債務の圧縮を進めるべきではないか。
 黒字化の先送りでよいのか。原点に立ち返り、財政運営の方向性を問う必要がある。衆院選での重要な論点だ。


地元京都でも批判噴出 前原民進代表を追い込む“落選運動”
 小池知事に騙され、民進党を解体してしまった前原誠司代表。驚くのは、党を潰しておきながら「私の判断は正しかった」「すべてが想定内だ」と、平然と自分を正当化していることだ。
 さすがに、党内だけでなく有権者からも批判が噴出している。前原氏のツイッターには、<このクズが。何が想定内だ?仲間を売り、騙したことが狙ってたということか??政治家以前に、もはや人としても見れない>といった書き込みが殺到している。
 4日、地元の京都で演説した時も、罵声が飛び交った。演説中、「裏切り者」「恥ずかしないんか」「よう来られたな」「詐欺師が」とヤジが飛び、「帰れ」のプラカードも掲げられた。地元でも完全に嫌われている。
 とうとう、ネット上では「人間のクズ前原誠司を落選させよう!」と、落選運動の呼びかけまで始まった。
■公明票の動きも懸念
 前原氏は、自民党候補をダブルスコアで圧倒するほど選挙が強い。落選する可能性はあるのか。
「京都はもともと革新の強い地域です。中でも前原さんの選挙区は、教授やインテリの学生が多く住んでいるためか、リベラルが多い地域です。野党の前原さんが当選8回を重ねてこられたのも、そうした地域事情があるからです。でも、10・22総選挙では、地域事情が裏目に出る可能性があります。今回、前原さんはリベラル勢力を冷酷に切り捨てた。これまで前原さんに一票を入れていた野党支持者は、もう入れないでしょう。共産党も本気で打倒前原に動いています」(県政関係者)
 前原陣営が密かに恐れているのは、公明票の動きだという。
「自民党と連立を組んでいる公明党の票は、自民候補に流れるのが普通です。でも、前原代表の妻が“創価短大卒”のため、2万票とも3万票ともいわれる京都2区の公明票は、前原さんに流れているとみられています。ところが、今でも京都政界と公明党に影響力を持つ野中広務さんが、公明票の引きはがしに動いているという話が流れているのです。前回、前原さんは6万6000票VS3万7000票で勝利しています。公明票2万票が動けば、選挙情勢は大きく変わります」(政界関係者)
 たとえ当選しても、国民も政界も前原氏のことは二度と信用しない。選挙に出馬せず、潔く引退すべきだ。


民進 福山元官房副長官 立憲民主党の幹事長に就任
民進党の参議院議員の福山元官房副長官は5日、離党届を提出したあと立憲民主党の枝野代表と会談し、立憲民主党に参加して幹事長に就任することになりました。
民進党の参議院議員の福山元官房副長官は5日、離党届を提出したあと記者会見し「『安保法制に賛成しろ』と条件をつけるような政党に行くことはできない。立憲民主党に加わることで、政治家が、政策と理念、筋を通すことを示したい」と述べました。
このあと福山氏は立憲民主党の枝野代表と会談し、福山氏は立憲民主党に参加して幹事長に就任することになりました。
会談のあと枝野氏は記者団に対し「福山氏とは東日本大震災の際、官房長官と官房副長官として戦後最大の危機に一緒に立ち向かった仲間だ。うれしく、頼もしく思っている」と述べました。


社民 衆院選公約に憲法の理念いかした政策提起
社民党は衆議院選挙の公約を発表し、憲法を変えさせず、憲法の理念をいかした政策提起を進めるとともに、安全保障関連法の廃止や、沖縄に駐留するアメリカ海兵隊の早期の全面撤退を求めることなどを盛り込んでいます。
社民党は5日、吉田党首が記者会見し、衆議院選挙の公約を発表しました。
それによりますと、今回の衆議院選挙について最大の争点は安倍政権の是非だと位置づけたうえで、憲法の平和主義と国民主権、基本的人権の尊重の3原則を順守して、憲法を変えさせず、憲法の理念をいかした政策提起を進めるとしています。
また安全保障関連法は廃止し、憲法の理念に基づく「平和創造基本法」を制定するほか、沖縄のアメリカ軍普天間基地の県内移設を断念し、沖縄に駐留するアメリカ海兵隊の早期の全面撤退を求めるとしています。
一方、経済政策では、アベノミクスは大企業や富裕層を優遇して経済成長を目指すものだと批判したうえで、消費税率引き上げの反対や、最低賃金を全国一律で時給1000円に引き上げることなどを盛りこんでいます。
社民党の吉田党首は記者会見で「憲法を具体的なスローガンに掲げ、前面に打ち出した。日本で唯一の社会民主主義政党として存在意義をしっかり訴えたい」と述べました。


[森友・加計問題] うやむやにせず争点に
 衆院選の争点は多岐にわたる。うやむやにしてはならないのは、解散を巡り安倍晋三首相が疑惑隠しと批判されている学校法人「森友・加計学園問題」の解明だ。
 首相は記者会見などで、「真摯(しんし)に説明責任を果たす」と強調してきた。
 しかし、その言葉とは裏腹に、臨時国会の質疑も経ないまま解散総選挙に打って出たことに不信感を募らせている国民は多い。
 9月末の共同通信の世論調査では、8割近い国民が政府の説明に納得していない。
 政治家として「説明責任」をきちんと果たしているのか。そもそも国家戦略特区制度自体に問題点はないのか。
 選挙戦では首相がどこまで丁寧に説明し、疑惑を払拭(ふっしょく)できるかが問われる。野党も非難中傷に終始することなく、建設的な議論を展開する必要がある。
 森友・加計学園に共通するのは首相と近い関係にあり、官僚らの忖度(そんたく)や働き掛けがあったのではないかとの疑惑が生じたことだ。
 大阪市の森友学園を巡っては、理事長夫妻が国などから補助金をだまし取ったとして詐欺罪で大阪地検に起訴された。
 捜査の焦点は、国有地を約8億円も値引きして学園に売却し国に損害を与えたとする財務省近畿財務局の担当者の背任容疑に移っている。
 安倍昭恵首相夫人は一時、小学校の名誉校長に就任。夫人付の政府職員も国有地に関し財務省担当者に問い合わせをしたことが分かっている。
 財務省側は、学園側との交渉記録も廃棄したとして説明を拒んできた。一連の経緯を究明しなければ疑惑は晴れない。
 一方、岡山市の加計学園が国家戦略特区制度の下で獣医学部を新設する計画を巡っては、文部科学省から「総理の意向」などの記録文書が見つかった。
 首相官邸や特区を担当する内閣府から、文科省に圧力がかかったことがうかがえる。この点、前川喜平前文科次官の証言も大きい。
 学園の理事長は首相の「腹心の友」だ。当初から「加計ありき」で学部新設が進められたのであれば、公平であるべき行政がゆがめられたことになろう。
 「希望の党」代表の小池百合子東京都知事は、以前から「お友達関係でやっている間は特区の意味はない」と批判している。
 有権者は選挙戦で繰り広げられる論戦を見極める必要がある。


森友・加計問題  公文書保存も議論せよ
 「謙虚に、丁寧に説明する努力を重ねる」
 森友学園と加計学園をめぐる問題について、安倍晋三首相がこう述べたのはわずか3カ月前のことである。
 首相はその約束をほごにして衆院解散に踏み切った。野党が求めていた臨時国会での代表質問や予算委員会での質疑が行われないまま、選挙戦が始まろうとしている。
 「謙虚」「丁寧」は言葉だけだったのか。「疑惑隠し解散」と批判されても仕方がない。
 自民党の二階俊博幹事長は解散前、両学園の問題について「われわれはそんな小さな問題を隠したりすることは考えていない」と述べた。
 隠すつもりがないのなら、臨時国会で審議を尽くしたうえで国民に信を問うべきではなかったか。選挙を経れば国民がすべて忘れ、リセットされるというわけではない。
 両学園とも、運営者が首相に近い関係にあるから、新しい学校や学部の設立に向け有利な手続きを受けられたのではないか。疑惑の核心はここにある。
 内閣支持率は一時急落し、7月の東京都議選では自民党が惨敗した。その後の各種世論調査でも政府の説明は不十分と答える人が多数を占めている。
 両学園の問題は、政治と行政、官僚の関係はどうあるべきかを問うている。各党は選挙を通じて意見を戦わせてほしい。
 同時に浮かび上がったのが、公文書の管理のあり方だ。
 森友学園に対して国はなぜ8億円も値引きしたのか。財務省は「文書を廃棄した」と繰り返した。
 加計学園を巡っては、官房副長官と文部科学省幹部のやりとりを記録した文科省職員のメモがあるにもかかわらず、政府(内閣府)は「正確性を欠く」などと内容を否定した。
 こうした経緯を受け、政府は9月、省庁間の協議に際し、双方の発言を確認してから行政文書を作る通知を出した。
 省庁間の主張の食い違いを解消する狙いというが、官僚間のすり合わせによって政府に都合の悪い内容が削られる可能性はないのか。
 公文書保存は国の歴史に関わる重要事項である。役所の通知で変更されるのは不適切ではないか。
 情報公開の重要性を否定する党はない。ならば、選挙戦では森友・加計問題に即して公文書保存や公開のあり方を議論してほしい。


【前川喜平さんに聞く 下】 常に少数者へのまなざし 不登校の経験が原点に
 前文部科学事務次官の前川喜平さん(62)は今、二つの自主夜間中学と一つの学習支援活動のボランティアを掛け持ちしている。「教育を受ける権利は万人に保障されなければならない。だから制度から漏れた人たちが学ぶお手伝いがしたい」。不登校の子や障害者、性的少数者(LGBT)、外国にルーツがある子ども…。気に掛けてきたのは、マイノリティーの人々だ。そのまなざしの原点にあるものは何か。
   ×   ×
 次官辞任を決めたとき、LGBTを支援する意志を示す「LGBT ALLY(アライ、味方の意)」のステッカーを自費で400枚作り、担当課に託した。退任時に職員に送ったメールでこのステッカーに触れ「思いを同じくする方はPCに貼るなどしてご活用ください」と書いた。初等中等教育局長だったとき、性同一性障害の団体から「学校現場の理解を深めて」という陳情を受けたのがきっかけだ。
 ▽制度より人間
 自主夜間中学のボランティアは神奈川県厚木市と福島市で、80歳前後の生徒たちと小学校の国語教科書や新聞で学ぶ。1人は70歳すぎまで文字が全く読めなかった。「貧困ゆえに学校に通えず、働きづめの人生。ここまでよくぞ生きてくださったと思う。教育行政は彼のような人を長い間、見ないようにしてきた」
 昨年12月、自らも関わって不登校の子の学びや夜間中学設置を支援する教育機会確保法が成立した。「本当は学校外の義務教育を認めるところまで行きたかったが、反対する議員が多かった。学校信仰は本当に根強い」
 では自身はどうか。「学校信仰はありません。不登校の経験のせいかもしれない。人間より制度を優先するのはおかしいと、ずっと思ってきた」
 1955年、奈良県生まれ。家は旧秋津村の地主で、祖父は産業用冷凍機メーカーの創業者。裕福な家の優等生だった。
インタビューに答える前川喜平さん
 小3で東京に引っ越し、不登校になった。「周囲の子は親をパパ、ママと呼んでいて、僕がお母ちゃんと言うと笑う。奈良の学校はプールがなかったので泳げなくて、水泳の授業は恐怖だった」
 やがて進学した私立麻布中学・高校には学園紛争の波が及んでいた。論争が日常的な教室で「自分の正義は自分でつかむしかない」という信念が培われた。
 ▽他人の悲しみ
 詩や小説を書いていた。父や祖父の影響で仏教に興味を持ち、原始仏教や哲学の本をひもといた。大学は法学部を選んだが、憲法ぐらいしか興味が持てない。仏教青年会で活動しながら、どう生きるべきか考え続けた。
 宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」を繰り返し読んだ。インタビューでは賢治の「農民芸術概論綱要」をそらんじた後、言った。「ここに書かれているのは個人の尊厳だが、それだけじゃない。『人間は自分一人だけで生きているのではない』という賢治に共感します。他人が悲しんでいると悲しくなる。放っておけない気持ちになるんです」(共同通信記者 田村文)
                 ◆   ◆   ◆
 教育機会確保法 2016年12月成立、17年2月施行。義務教育段階の普通教育に相当する教育機会を確保し、不登校の子どもを国や自治体が支援することを初めて明記した法律。当初は学校以外での学習も義務教育として扱う制度が検討されたが、与党議員の一部の反対により、その規定は盛り込まれなかった。また、義務教育を受けられなかった人に対し、夜間中学校などにより就学機会を提供することを自治体に義務づけた。
【記者ノート】 20年以上前、文部省詰の記者だった私は、大臣秘書官だった前川喜平さんに頻繁に会っていた。教育行政に関わる疑問をぶつけると、立て板に水で説明してくれる。開けっ広げで明るく、周囲にはいつも人がいた。
 再会して「加計問題で証言しようと決めたとき怖くなかったですか」と問うと「失うものがないからね。現役官僚のとき証言していたなら立派だけど」。そして同時期に性暴力被害を告発した女性ジャーナリストの名を挙げ「彼女は本当に勇気がある」と心を寄せた。
 自主夜間中学でのボランティアが「楽しい」と笑う。「学習は生存権のベース、人権の基本だと改めて気付きました」


「人手不足」と「資格」で学生を集める、私大ビジネスのカラクリ 加計学園騒動を今あえて考える(2)
楡 周平 小説家
作家・楡周平さんが、解散総選挙の喧騒でかき消されつつある「加計学園問題」に独自の視点から斬り込む本連載。第一回に続いて、獣医師業界の現状を分析したうえで、「なぜ加計学園は獣医学部にこだわるのか」の謎を解き明かします。
獣医師を増やす必要はないのに…
獣医学部を新設する必要性の根拠の一つに、産業獣医師が絶対的に不足していることが挙げられている。
確かに、現状を見ればその通りではある。しかし産業獣医師の不足は、今後も続くのだろうか。私はそうは思わない。
なぜなら、今後人口が減少していくに従って、ペットの数も減っていくに決まっているからだ。市場が縮小していく一方で、獣医師の数が増加するとなれば、開業しても十分な収入を得るのは容易ではない。その時、学生たちの目はどこに向くだろう。
獣医師の資格を取得しても、一般企業に就職する学生は現在でも少なからずいるそうだが、仮に大企業に職を得たとしても、安定した生活を意味しない時代である。最近では、高校生が就きたい仕事、男子第4位、女子第1位が公務員だ。絶対に潰れない。まずリストラに遭うこともない。公務員が多い産業獣医師は魅力的な職業に見えてくるのではないだろうか。
しかし、ここでもいずれ需要と供給のバランスの問題に直面することになる。なぜなら、公務員の定年が六十五歳に延びた今、新卒で産業獣医師に採用されれば、勤務期間は四十年以上。定年がさらに延びる可能性もあるのだから、現在は不足している産業獣医師不足も解消され、獣医師資格を取得しても空きがない。気がつけば、僅かな採用枠を巡って激烈な競争を強いられる時代になっていたということだって考えられるのだ。
開業しても生計を立てるのは難しい。産業獣医師にも空きがない。研究者の道があるにせよ、こちらは少数精鋭。はるかに狭き門だ。
その時、獣医師を目指そうという学生が、果たしてどれだけいるだろうか。まして、すでに教育界には少子化の波が押し寄せ、学生の確保に四苦八苦しているのが現状である。少子化は今後ますます進行し、上昇に転ずることはあり得ない。
これは、学校経営の見地からすれば、極めて深刻な事態のはずである。少なくとも今のニーズを満たすべく、大学を新設してまで有資格者を増員するのは、長期的展望に欠けるというか、無謀とも思えるのだが、ではなぜ、加計学園は獣医学部の新設に乗り出したのか。
加計学園が「資格」を重視する理由
その狙いを考える上で、加計学園が経営する千葉科学大学は実に興味深い。
千葉科学大学は、現理事長の加計孝太郎氏が先代から経営を継いだのち、自身の手で開学した初の教育機関で、薬学、看護、危機管理の三つの学部で構成される。
この三つの学部には共通点がいくつかある。
第一は、卒業後大学で学んだ知識を生かした職業に就こうとすれば、資格の取得が必須、別途試験に合格しなければならないということだ。
薬剤師、看護師には国家試験があることは言うまでもないが、危機管理という聞きなれない学部も実はまた同じである。
この学部には、システム、環境、医療、航空技術、動物の学科があり、さらにコースの中には、消防官・地域防災、警察官・犯罪科学、自衛官・安全保障、航空整備にパイロット養成と、何を目的とするのか、首を傾げたくなるような文言が並ぶ。
大学で消防士や警察官の教育をしたところで、いずれも公務員。専門教育を受けたことをアピールするのも、筆記試験に合格し、面接に漕ぎつけられて初めて可能になる。
パイロットもまた同じである。大学では事業用操縦士の免許を取得するまでの教育を行うらしいが、それでエアラインパイロットの道が開けるわけではない。確かに事業用操縦士免許は、パイロットを職業にするための必須の資格だが、エアラインパイロットになるためには、航空会社の採用試験という難関中の難関がある。大型機のパイロットを一人養成するためには、億単位の費用がかかるだけでなく、そこから先も技量を維持するために多額の費用が継続的に発生する。
心身、技能、能力とあらゆる角度から審査され、それもハイレベルの結果を出すことを強いられる上に、こちらは入社試験である。合否は会社が適格者とみなすかどうか。ボーダーラインや偏差値で合格水準に見当がつくというものではないのだ。
「費用対効果」に疑問符がつく
第二に授業料が高額な学部が多いという点だ。
薬学部は6年間で、1000万円を超える。看護学部年間授業料160万円。危機管理学部、130万円から140万円。パイロット養成コースに至っては、操縦実習、国家試験、航空身体検査等々、別途費用の負担とある。実機訓練を海外で行えば多少安くはなるにせよ、軽く1000万円を超えることは間違いない。
では、高額な授業料を費やした結果、望み通りの道に進めた学生はどれほどいるのか。つまり費用対効果はどうなのだろう。
千葉科学大学のホームページには、2012年から16年の薬剤師国家試験平均合格率83.9パーセントと記してある。厚労省の発表では、17年の国家試験合格率は、現役が85.06、全体で71.58パーセントであるから、そう悪くない数字のように思える。
しかし、千葉科学大学の国家試験の受験者数を調べてみると、この合格率には絡繰(からくり)があるのだ。どういうことか。
加計学園の事業報告によると、同大学薬学部薬学科でこの3年間に卒業を迎えるはずだった2009年から11年の入学者数は、それぞれ定員150人に対して116人、120人に対して101人、11年に至っては77人と定員割れが続いているのだが、6年学んだ後の国家試験の受験者数は、15年出願者87人、受験者40人、合格者25人。16年、それぞれ62人、44人、35人。17年、46人、28人、24人と、出願者は入学時の学生数の半分にも満たない。それどころか、出願しても受験していない学生も相当数存在するのだ。
各年の入学者に対する合格率を改めて計算すると、現役でそれぞれ21、35、31パーセント。現役、既卒を合わせても、それぞれ40、69.36、48.62パーセント。合格率は若干上がるものの、それでもホームページにある83.9パーセントはもちろん、全体の国家試験合格率にも遠く及ばないのが実情なのだ。
薬剤師国家試験に関していえば、合格率が千葉科学大学を下回る大学は他にもいくつか存在する。同じ算出方法を用いて高合格率をうたっている大学も数多ある。しかし、半数以上もの学生が受験すら叶わない、浪人しても半数が合格できるかどうかも分からないというのであれば、そもそも学生の選考基準に問題があるか、大学での教育に問題があるとしか考えられないのではないだろうか。入学試験のハードルはいくらでも下げられるが、国家試験はそうはいかないのだ。
18歳が成人年齢になるという時代である。大学に進学するに当たって何を志し、どう学ぶかは、それこそ本人次第。どこの大学を出たかが人の価値、能力を証明するものでは断じてないのだが、資格試験に合格しなければならないとなれば、入学時の学生の学力を測る上で偏差値は一つの指標にはなるだろう。
旺文社のサイトによると、千葉科学大学の偏差値は、数宇で表されている学科は数えるほど。いずれも30台半ばで、その多くはBF、つまりボーダーフリー とある。もちろん、立派に国家試験に合格している卒業生もいるのだが、前述したように、薬剤師の国家試験の合格率は、新卒、既卒を合わせても40パーセント程度。
いったい、残る60パーセントの学生はどうなったのだろう。
高合格率をうたい、学生を勧誘し、1000万円以上もの授業料を取る。穿った見方をすれば、「教育の場は設けたが、あなた(のお子さん)の、学習能力が足りなかった」。あるいは「努力不足」の一言で済む。加計学園は教育機関というよりは教育をビジネスと考えているとしか思えなくなるのだ。
「大学で町おこし」は悪手だ
そして三つ目の共通点は、千葉科学大学の学部は、薬剤師、看護師、パイロット、航空整備士と、現在人手不足とされている職業への人材育成を目的としているものが多いということだ。
就職が安定した将来を意味したのはもはやとうの昔の話である。学生はもちろん、親もまた、これから世に出て行く子供の将来に漠とした不安を覚えているだろう。いざという時は「資格」を持っていれば何とか食べていけると考えている学生や親は決して少なくないはずだ。
「人手不足」と聞けば、「なり手がいない」。望めばその仕事に就くのが容易であるようなイメージを抱く人も多かろう。しかも「資格」も得られるとなれば、高額な学費も先行投資。将来への保険だと思えば安いものだと考える学生や親が出てきたとしても不思議ではない。つまり、新設の大学に学生を集めるためのキーワードは、「人手不足」と「資格」にあると加計氏は考えているのではないか。
だとすれば、なぜ今度は獣医学部なのかにも説明がつく。
圧倒的に不足している産業獣医師。高額の授業料。そして資格である。
さらに、千葉科学大学と愛媛に開学予定の獣医学部には、自治体の誘致に応じての開学という共通点もある。
過疎高齢化が進む一方の地方をいかにして活性化させるか。多くの自治体がこの難題を解決すべく必死に取り組んでいる。かつて、活性化策といえば、企業を誘致し、地元に新たな雇用の場を設けることだったが、安い労働力を求め、生産拠点は海外に流出する一方。誘致した工場も閉鎖が相次ぎ、仕事を失った従業員は職を求め地元を離れていく。残り少ない若者も、街を離れれば戻ってこない。かくして、高齢化は進む一方だ。
ならば、大学を誘致すれば……と考えた。
大学ができれば、常に一定数の若者が街に住む。消費が生まれ経済も活性化する。出店してくる大手資本が現れれば、そこに雇用も生まれる。
しかし断言するが、これは悪手である。
そもそも、日本は少子化という問題に直面しているわけで、これから先学生の絶対数が減っていくのは避けられないのだ。まして、日本にはすでに700以上もの大学がある。今後学生争奪戦はますます激化していくのは目に見えているし、それどころか、定員を確保できずに、経営難に直面している大学も数多ある。短大に至っては、名門と言われた青山短期大学でさえ、志望者が激減し廃校が決定している。
「粗製乱造」では意味がない
つまり、大学はとっくの昔に淘汰の時代に突入しているわけで、新設するからには、教育内容を充実させ、時代のニーズに応え得る人材を育成する大学と認知されなければ、志願者が集まるはずがないのである。
その好例が秋田県にある国際教養大学だ。
授業は全て英語。1年間の留学は必須。学生専任教員比率は14対1。ストレートで卒業できるのは全学生の50パーセント。学を修めたと認定されなければ、進級も卒業もさせない。徹底した教育が施された結果、卒業生の能力の高さが認められ、就職率は100パーセント。それも、日本を代表する大企業から引く手あまた。結果志願者は黙っていても集まるという好循環につながったのだ。
もっとも、学を修めたと認定されなければ、進級も卒業もさせないなんてことは、本来当たり前の話であって、国際教養大学がこれだけの短期間の間に高い評価を得たのは、日本の大学がいかに学位を粗製乱造してきたかの証ではあるのだが、少なくとも千葉科学大学を開学するに当たって、加計氏が国際教養大学のような確固たる教育理念を抱いていたとは思えない。
それとも、薬剤師の国家試験受験者がこれほど少ないのは、生半可な成績では学を修めたと認定しないような、厳しい教育を課しているからだとでもいうのだろうか。


「何でもいいから金さえ払えば公認」
 ★「全てが想定内だ。政権交代可能な状況をつくらないといけない。自分の判断は正しかったと思っている」とは民進党代表・前原誠司の言葉だが、安倍政治を倒すつもりもなく、まとまることを最優先とし、民進党衆院議員を希望の党入党に促した張本人は、詐欺師の元締めのような役割を果たしたのではないか。希望の党の1次公認が出ると「しっかり2大政党制の一翼として、自公に対峙(たいじ)できる陣容を整えたい」と発言。安倍政治をストップさせるという言葉は前原から消えた。 ★それを追認するように官房長官・菅義偉は「一夜にして、野党第1党(民進)が従来主張していた平和安全法制(安全保障関連法)廃止、消費税引き上げが全てなくなっている」と皮肉るとともに、民進党解体が完了したことを示唆したといえる。一方、菅は憲法改正議論で希望の党との連携を問われ「政策を実現していくことが極めて重要だ。掲げる政策に賛同いただくのであれば、しっかり対応していく」と含みを残した。前原と希望の党代表・小池百合子はその役割を果たしたといえるが、これからは今までの政策や主義を捨てて安倍政治を支える民進党から希望の党に移った面々の変節、いやリセットした態度や何を言い出すのかを見てみたい。 ★元参院議員・亀井亜紀子の「小池が排除の論理を持ち出して独善的に好きか嫌いかだけで判断している印象だ。何が基準か分からない」と政策ですらないことはすでに明白だ。しかし、立候補者を過半数までかき集めるため実態は「なんでもいいから金さえ払えば公認する」程度のようで、あきれた候補者陣営も多くある。ネットでも小池や前原にだまされたと嘆き、怒る候補者や有権者などの声があふれるが、国民が一番混乱していることに至らない政治家たちにはうんざりだ。

総選挙の裏側 小池氏と“密約”あった安倍首相は“騙された!”
 解散を表明する前夜の9月24日日曜日の昼下がり。安倍晋三首相(63才)は昭恵夫人から紹介された都内の美容院にいた。もうすぐ選挙だ。政治家は清潔感が大切だから、ちょっと伸びた髪をカットしておこう。ついでにヘッドスパも。
 山尾志桜里前議員(43才)の不倫スキャンダルなどで最大野党・民進党の支持率が下がっているうちに選挙をすれば、自民党の手堅い勝利は間違いないだろう。ついでに、自分の「森友・加計スキャンダル」も封印されて、きれいさっぱり。首相も続投し、うまくいけば悲願の憲法改正もできるかもしれないなァ――散髪中の安倍首相はこんな風に余裕の表情を浮かべていたのかもしれない。
 そんな風に安心しきっていた理由は、東京都の小池百合子知事(65才)との“密約”があったからだった。
「安倍総理は“今後、小池都知事が自民党の強敵になるんじゃないか”と不安がってました。そこで9月上旬、安倍総理側近が小池さんと極秘に接触し、そこで小池さんは“東京五輪の成功を約束してくれるなら、憲法改正で自民党と協力してもいい”という態度を見せたそうなんです。それを聞いて安倍総理はすっかり安心しました。“小池新党が旗揚げされても、総選挙で影響は少ないし、ひょっとして味方になってくれるかもしれない”と期待して、衆院解散に踏み切りました」(自民党関係者)
 そうして安倍首相がヘッドスパを受けている最中、水面下で事態は激動していた。同じ頃、都内にある「都民ファーストの会」事務所には、小池氏の側近である若狭勝前衆議院議員(60才)と、民進党を離党した細野豪志前衆院議員(46才)がいた。2人は小池新党の準備を進めていたが、細部で折り合いがついていなかった。2人の男の前に座っていた小池氏が鬼気迫る表情でこう言ったという。
「あなたたち、この期に及んで何をグダグダやっているの。そんな段階じゃないわよ。もう全部、私がやるから」
 ベテラン政治ジャーナリストが明かす。
「解散まで時間がないのに遅々として進まない新党結成の動きに小池氏が、“自分が新党の立ち上げを主導する”と宣言したんです。その後すぐ、民進党代表の前原誠司氏(55才)と小池氏の極秘会談が決まり、小池新党に民進党が合流する流れができあがりました。若狭さんと細野さんは、小池氏の早業を呆然と眺めるしかなかったそうです」
 翌日、小池氏は都庁で会見を開き、新党「希望の党」を旗揚げして自らが党首となることを発表。水面下の動きを一切知らなかった安倍首相は、その日の午後に行った解散表明の会見で、こんなピントのはずれた発言をした。
「希望というのはいい響きだと思う。安全保障の基本的な理念は(自民党と)同じだ」
 この期に及んで、安倍首相は“小池新党は仲間だ”と信じていたわけだ。
 そのわずか2日後、安倍首相の目の前は真っ暗になる。民進党が事実上解党し、ほとんどの候補者が希望の党の公認を受けるという“荒業”が明らかになった。これで、小池氏が安倍首相と敵対することがはっきりし、総選挙での「自民圧勝」の目論見が一気に崩れる。
「小池さんが訴えた主張は、消費増税反対と脱原発。自民党とはまったく逆の政策です。安倍総理と大半の自民党議員は、小池さんがそんなことを言い出すなんてまったく想定していなかった。“騙された。こんなはずではなかった”とつぶやいた安倍総理は顔が引きつって、その晩は一睡もできなかったそうです」(前出・自民党関係者)
 自民党勝利を疑わなかった菅義偉官房長官(68才)や麻生太郎財務相(77才)も、あ然呆然と立ち尽くした。菅氏は希望と民進の合流を「選挙目当てだ」と批判したが、先に“選挙目当て”で解散したのは安倍首相だった。麻生氏にいたっては、「極めて理解不能だ。国会議員じゃなきゃ首相になれない」と理解に苦しむ小池批判を展開した。
 ともあれ、自民党にも民進党にも「希望」を抱けず、投票先が見つからなくて投票所にも足が向かなかった有権者が、選挙に注目するようになったのは間違いないだろう。
「希望の党の旗揚げで、久しぶりに有権者が政権を選択できる選挙になりました。投票率は前回よりもアップするはずです。さすが小池さんはギャンブラー。今回の総選挙は長く続いた『安倍一強』が支持されるかどうかが問われています」(政治評論家の伊藤惇夫氏)


小渕優子氏が代表格、国会質問せず4200万円貰う税金泥棒議員
 国会議員は「採決要員」ではない。法案採決の際に党の指示通りに賛成票や反対票を投じるだけなら、議員はいらないのだ──。
 与党議員も野党議員も、法案をつくり、国会で質問して政策をチェックするのが国民の代表としての役割である。たとえ質問機会が与えられにくい無所属であっても、内閣に質問主意書を出すことで質問権が保障されている。
 ところが、NPO法人「万年野党」が衆参全議員の国会活動実績を調査した『国会議員三つ星データブック』によると、国会には前回の総選挙で当選して以来、国会質問、議員立法の提出、質問主意書のいずれも出したことがない議員活動実績ゼロの“税金ドロボー議員”がゴロゴロいる。
 その代表格が小渕優子・元経産相だ。政治資金収支報告書にない後援会の観劇ツアー疑惑で経産大臣を辞任(2014年10月)後、東京地検特捜部の強制捜査を受け、会計責任者2人が有罪判決を受けた。小渕氏自身は同年12月の総選挙で当選したものの、その後の3年間の議員活動実績はオールゼロだ。
 内閣改造で初入閣した小此木八郎・防災相も同じくゼロ。議員としての能力や実績で大臣に選ばれたわけではないことがわかる(自民党では他に、伊藤達也氏、山口泰明氏、桜田義孝氏、武田良太氏など)。
 野党議員は与党に比べてはるかに質問機会が多い。それにもかかわらず、「安倍首相が最も嫌がる質問者」と呼ばれた民進党の安住淳氏、赤松広隆氏がゼロだった。
 無所属議員にはもっとツワモノがいる。当選13回の中村喜四郎氏は「万年野党」が調査を開始した2012年12月の第182国会以来、国会質問、議員立法、質問主意書を一度も出したことがないのだ。いったい、何のために国会議員を続けているのか……。政治ジャーナリストが言う。
「国会議員には歳費の他に非課税の文書交通通信滞在費、新幹線乗り放題の無料パスや東京と選挙区間の航空券、格安の議員宿舎など1人あたりざっと4200万円もの税金が与えられる。国会で仕事をしない議員ほど、暇があるから地元の祭りや運動会にせっせと顔を出し、選挙に強かったりします。しかし、そうした地元活動はいわば次の選挙で議員バッジをつけるための就職活動で、有権者・国民のための仕事ではありません。そんな無駄メシ食いの政治家は必要ありません」


リリー・フランキーが主演映画で問いかける“障がい者の恋と性”「障がい者の恋や性欲を否定しないでほしい」
 幼少期に脳性麻痺を患い車椅子生活を送る主人公クマをリリー・フランキーが演じた映画『パーフェクト・レボリューション』が話題だ。この作品は、リリー演じるクマが、清野菜名演じるミツと恋に落ちるも、結婚、出産、病気、介護といった問題に悩み苦しみ、その課題を周囲の手助けも借りながら乗り越えていく──という物語だ。
 この映画を通じて観客が感じることは、障がいをもっている人も恋をしたいし、好きな人ができたらその人と触れ合いたいし、キスもしたいし、セックスもしたいという、至極当たり前の事実だろう。作中では主人公カップルの濡れ場が幾度も描かれ、リリー・フランキー演じるクマは「騎乗位という体位を開発した人は障がい者だったんじゃないか?」や「俺、立ちバックするのが夢だったんだよね」といったジョークを何度も飛ばす。
 よくよく考えれば障がい者だってそのような欲求をもつことは何もおかしくないが、この社会は障がい者たちが抱く「恋をしたい」という気持ちや性的な欲求から目を背けてきた。しかし、障がい者は「天使」でもなければ「聖人君子」でもない、人間なのだ。なのに、障がい者の恋愛や性欲を存在しないものとして見なすのは、健常者たちの心に「差別意識」があるからにほかならない。
 9月25日放送『クローズアップ現代+』(NHK)では、「障害者と恋とセックスと」と題して「障がい者の性」問題を特集。スタジオには、リリー・フランキーと、『パーフェクト・レボリューション』の企画・原案を担当したNPO法人ノアール理事長・熊篠慶彦氏が出演した。熊篠氏は自身も脳性麻痺を患い車椅子で生活しており、NPO法人の活動を通じて「障がい者と性」にまつわる偏見と誤解を解く活動を続けている人物。ちなみに、この『パーフェクト・レボリューション』という物語は、熊篠氏が実際に経験した恋愛をベースに編まれている。そんな熊篠氏は『クローズアップ現代+』のなかで「障がい者と性」の問題について、このように語った。
「話ができない現状なので、まだ、タブーにすらなっていないと思いますね」
 タブーにすらなっていない──それほどまでにこの問題についてはこれまで語られることがなかった。故に、熊篠氏の運営するホームページには、誰にも相談できず助けを求める障がい者の人たちからこんな書き込みが寄せられているという。
〈「男性」として見られることのないことが当然のことで「性」について向き合うことから遠ざけてきました〉
〈自分の中の女性の部分を時には感じてみたいのがホンネです。ただ世間的に障害者だからといって性のことを封印していたかも知れません〉
リリー・フランキー「恋やセックスへの気持ちを否定しないで欲しい」
 番組では、実際の体験談として、脳性麻痺で手足に障がいがあるまゆみさんという30代の女性が登場。彼女は、健常者たちから、自分は恋愛感情をもたない人間として見なされてきたことに対し疑問を投げかける。
「彼氏がどうのとかですね、恋愛の話を始めた時点で、『えっ?』みたいな空気が流れてるんです」
「身体がちゃんと動かない見かけだったり、そこから抱くイメージで(恋愛感情が)ないんじゃないのかなって(思われる)」
 まゆみさんの話からは、いかに健常者たちが無意識のうちに障がい者たちの気持ちを無きものとして扱ってきたのかということがうかがえる。
 とはいえ、ただ闇雲にその問題に踏み込めばいいかというと、それはそれで難しい。『クローズアップ現代+』では、自立支援センターの理事長が自慰行為の補助器具の導入を検討し(その場面ではオナホールのTENGAが映し出される)、それについて施設の職員に意見を求めたところ、会議の場で女性職員から「性の話をされたときに私が対処するかといったら、たぶん私はしないです」と断言される一幕が放送されていた。
 熊篠氏たちが主張しているのは、そういうことではない。福祉の現場で射精介助をしてくれと頼んでいるわけではないのだ。もちろん福祉の現場における性の介護の問題についても議論は必要だろう。しかしそれ以前に、彼らが求めているのは、障がい者だって恋をしたいし、その結果としてセックスへの欲求をもつこともあり、その人間として当たり前の気持ちを、汚いものとして扱ったり、なかったことにしたりしないでほしい、ということなのだ。
“障がい者の性”は存在しないものとして見向きもされず、いまだ「タブーにすらなっていない」状況で、障がい者の性に関する問題がほとんど話し合われることすらなかった。リリー・フランキーは『クローズアップ現代+』のなかでこのように語っている。
「日本のメンタリティのなかで、援助を受けているという立場のなかで、それ以上のことを求めず慎ましく生きなさいみたいなことがあるのかもしれないけど、たとえば、マスターベーションやセックスに対して手伝ってくれって言っているわけではなくて。その気持ちをもっていることを否定しないで欲しいっていうことなんです」
『パーフェクト・レボリューション』は社会がもつ差別と偏見に光を当てた
『パーフェクト・レボリューション』の映画パンフレットに掲載されているリリー・フランキーとの対談で熊篠氏はこのように語っている。
「夏の黄色いTシャツの番組みたいに、障害者と向き合う時はどうしてもかしこまらないといけないような風潮がありますけど、そんな必要はないんだよって」
 健常者の社会は、障がい者もほかの人たちと同じように誰かを好きになることもあるし性欲もあるという当たり前の事実から、知らず知らずのうちに目をそらしてきた。それは「差別」に他ならない。「夏の黄色いTシャツの番組」だって、障がい者が何かに打ち込む姿は映しても、その人が誰かに恋焦がれたりする姿を映したり、ましてや、障がい者が下ネタを含む下世話なジョークを飛ばしたりする姿を放送したことがあっただろうか。
『パーフェクト・レボリューション』の主人公クマは、下品な冗談は飛ばすし、「手も足も出ない」といった笑っていいのかどうか迷うブラックユーモアも言うし、恋に落ちた相手と向き合いながら笑ったり悩んだりするし、もちろんセックスだってする。こうした主人公のキャラクターは実際の熊篠氏のキャラクターそのもので、作品のなかでは「そんな障がい者いないよ」と観客に思われないように、むしろオブラートに包んですらいるらしい。
『パーフェクト・レボリューション』という映画、そして、リリー・フランキーと熊篠氏の言葉は、いまだ「タブーにすらなっていない」障がい者の性という問題に光を当てるものだ。これから、この問題について議論が始まっていくことが求められている。(編集部)


詩織さんが語る“なぜ犯罪にならないのか。民事で闘う” 検審「不起訴相当」で
 出来事の成り行きを見守ってくれている友人や検察審査会に陳述書を出してくれた人と話していて、最悪でも「不起訴不当」だと思っていました。審査結果が出るまでもう少し時間がかかるものだとも伺っていたので、その点でも驚きました。
 最初に週刊新潮の取材に応じ、その後、顔と名前を出して記者会見をしましたが、後悔はありません。同じような当事者の方から連絡を頂き、その中に、「自分に起こったことを初めて他人に話すことができました。詩織さんと出会ってよかった」というものもあり、私も表に出て行って本当によかったと思っています。
 今回、検審からは発言の機会を与えられることは叶いませんでした。審査員の方などが望めば出席することも不可能ではないと聞きましたが……。陳述書では言いたいことをしっかりと述べました。けれど、書面だけでは分からないこともありますし。もし当事者に聞く必要がないということなら、その理由を知りたいとは思います。
 加えて、一度、警察が逮捕すると決めて裁判所が逮捕状を出した。そのベースがある一方で、検察審査会の判断が起訴相当、あるいは不起訴不当でなかったことについて、それぞれを見極める必要があるでしょう。逮捕イコール起訴ではなく、検察審査会と裁判所の判断が異なるのは理解できますが、それ以外に分からないことが多すぎるのです。
 山口氏は今回の判断を受けて、「一連の経過において犯罪行為があったと認定されたことは一度もなく、今回不起訴処分が確定したことで、この案件は完全に終結しました」とコメントを出しました。彼の意見はそれで正しいと思います。私が疑問だと指摘しているのは、なぜこれが犯罪行為にならないのかということ。
 司法の手続きやシステム、それらをクリアにしようとすればそれだけ分からない点も出てくる。それにしても、これが犯罪にならないのだとすれば、ものすごく恐ろしいことだと思います。
 当時の中村刑事部長が直前になって逮捕中止を命じたことにも疑問は氷解しないままです。なぜそういう判断に至ったのか説明になっていません。
 逮捕状請求までに1カ月強の捜査がなされて、必要な証言、証拠はすべて整っていたという判断だったのに、やっぱり不十分だったと。警視庁高輪署から捜査一課に捜査が移ってからもそれ以上のものは出て来ていない。一体何を捜していたのでしょうか? 
 更に去年7月、不起訴になった際に「嫌疑不十分」、つまり疑わしさは残るが証拠は不十分という結果でした。その、“証拠が不十分である”というラインがはっきりしないですよね。この犯罪は許されるものなのでしょうか。「今後こういうことがあっても問題ない」と言われている気がしてならないのです。
 ホテルという密室で第三者の証言がほとんど望めない中、少なくない証言、事件現場であるホテルのセキュリティカメラ静止画像、下着に付着したDNAの鑑定結果など、証拠を揃えられたと考えるからです。
 現在、民事裁判の準備を進めているのは事実です。セキュリティカメラ動画についてホテル側からお渡し頂けていませんが、民事の手続きをすることで、それを提出すると約束して頂きました。そういった新しい証拠が手に入るので、刑事ではできなかった真実の解明が少し進むかもしれないと考えています。できることは全てやってみる決意です。


ノーベル文学賞にカズオ・イシグロ氏 日系イギリス人
ことしのノーベル文学賞に、日系イギリス人で世界的なベストセラー作家のカズオ・イシグロ氏が選ばれました。
スウェーデンのストックホルムにある選考委員会は、日本時間の午後8時すぎ、ことしのノーベル文学賞の受賞者にカズオ・イシグロ氏を選んだと発表しました。
イシグロ氏は62歳。1954年に長崎で生まれ、5歳の時、日本人の両親とともにイギリスに渡り、その後、イギリス国籍を取得しました。
1989年に出版された「日の名残り」は、第2次世界大戦後のイギリスの田園地帯にある邸宅を舞台にした作品で、そこで働く執事の回想を通して失われつつある伝統を描いています。
また、2005年に出版された「わたしを離さないで」は、臓器移植の提供者となるために育てられた若者たちが、運命を受け入れながらも生き続けたいと願うさまを繊細に描いたフィクションで、その後、映画化され、日本でも公開されました。


デスク日誌 内助よりも
 ノーベル賞ウイークである。編集局内でも連日、夕方の発表をやきもきしながら見守っている。
 近年は日本人の受賞が相次ぐものの、25人中、女性はゼロ。そろそろ…と期待するが、難しそうだ。
 昨年までのノーベル賞受賞者は885人。うち女性は48人にとどまる。最多は平和賞、次いで文学賞。自然科学3賞も、2度受賞したマリー・キュリー博士をはじめ18人が受賞していて、近年特に増えている。
 昨年、医学生理学賞を受けた大隅良典さんは、記者会見で「良い家庭人だったとは言えない」と自身を振り返り、研究に専念させてくれた妻万里子さんへの感謝を述べた。
 万里子さんは同じ東大大学院の研究室に在籍していて学生結婚し、博士課程を中退。生活を支えるために仕事をしながら家庭を守った。研究者としても夫をサポートしたが、会見では「(自分も)きちんと勉強していれば人生は違った」という発言もあったという。
 女性研究者を支援する仕組みがあれば。「自宅に戻ったら作ってあげたい食事は?」なんて質問は、何か違うんじゃないかと、いまだに引っ掛かっている。(整理部次長 阿久津康子)