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Japon: après plus de vingt ans de prison, deux condamnés à mort ont été exécutés
Ce mardi 19 décembre, deux condamnés à mort pour meurtre ont été exécutés au Japon. Ces deux nouvelles pendaisons portent à 21 le nombre total de condamnés exécutés depuis le retour au pouvoir fin 2012 du Premier ministre conservateur Shinzo Abe, dont quatre rien que cette année. Le Japon et les Etats-Unis sont les deux derniers pays du G7 à continuer d'appliquer la peine de mort.
Avec notre correspondant à Tokyo, Frédéric Charles
Les deux hommes exécutés ce mardi avaient passé plus de vingt ans dans leur cellule de 5 mètres carrés éclairée jour et nuit. Ils n'ont appris leur pendaison qu'au dernier moment. Les deux condamnés avaient fait appel de leur verdict mais la justice japonaise n'a pas attendu l'épuisement de leurs recours.
L'un des deux hommes exécutés avait été condamné à mort pour avoir tué quatre personnes. A l'époque, il était âgé de 19 ans. Pour la première fois depuis 1997, le Japon exécute donc un condamné qui n'avait pas la majorité pénale au moment des faits.
Exécutions en hausse
Plus d'une centaine de personnes sont dans les couloirs de la mort dans l'archipel. Une cinquantaine ont épuisé tous les recours et vivent chaque jour dans la hantise de leur exécution.
Depuis une dizaine d'années au Japon, on note une accélération des exécutions. Elles n'ont pourtant pas atteint un record depuis le retour au pouvoir du Premier ministre Shinzo Abe il y a cinq ans. Selon les sondages, 80 % des Japonais se disent favorables à la peine de peine de mort.
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よ〜いドン!【国宝脱サラ世界一周して古民家で宿を営む夫婦▽たむけん日帰り香住】
国宝・脱サラして世界一周旅、古民家で宿を営む夫婦&亡き弟の遺志を継ぎジェラートを作る兄▽たむけん日帰り香住旅、超高級カニづくし満喫
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ゆじた‏ @yujitashi
憲36「公務員による拷問及び残虐な刑罰は,絶対にこれを禁ずる」で死刑が「残虐な刑罰」なのか、残虐なら廃止すべきと考えるのが憲法が示した戦後日本の大切な課題なのに、自民党の改正案は「絶対にこれを」を外し、国連人権理事会の勧告と逆行。
死刑は犯罪抑止とは別ではないかと考える一人です。

ワイド師匠‏ @feedback515
米国でも多くの州が死刑廃止または執行停止となっていますが、昨年の大統領選でクリントンが勝利した場合、連邦政府単位で死刑が廃止されるという噂がありました。仮にそうなっていたら日本政府は、日本社会はどんな反応を示したか、今となっては知る術もないのが残念です。

朝テレビで緊急ニュースということで死刑執行が報じられていました.年末のこの時期にショックです.あるおっさん(おじいさんと言ったほうが正しいのですが)がメールをくれて国家に殺された2人は再審請求したと知りさらにショック.
ランチは千林で.桧の六角箸だったのがよかったです.

七七銀女川支店に慰霊碑設置へ
東日本大震災の津波で全壊し、従業員12人が犠牲となった女川町の七十七銀行女川支店の新店舗に、震災の発生から7年となる来年3月11日までに慰霊碑が設置されることが分かりました。
慰霊碑には犠牲者の名前は刻まれない方針で、遺族からは「家族が生きた証しが残らない」という意見も出ています。
七十七銀行女川支店では震災当時、銀行で働いていた従業員が支店長の指示で高さおよそ10メートルの屋上に避難しましたが、屋上を越える津波に襲われ12人が犠牲となり、建物は全壊しました。
七十七銀行によりますと、慰霊碑はJR女川駅近くにことし9月にオープンした新店舗の駐車場に、震災の発生から7年となる来年3月11日までに設置する方針だということです。
七十七銀行は「慰霊碑を設置することで、このようなことが繰り返されないように努めたい」とコメントしています。
碑文には、従業員12人が犠牲になったことについて記載されるということですが、七十七銀行によりますと、遺族によって意見が分かれたため、慰霊碑には犠牲となった従業員の名前は刻まないことにしたということです。
これについて長男を亡くした田村弘美さんは「慰霊碑に名前を刻み、最後まで銀行のために働いて殉職したということを残さなければ生きた証しが残らない。きちんと当日の状況も記載して未来の命を生かすことにつなげてほしい」と話していました。


避難者の心の支えに いわきの公営住宅敷地内に双葉郡立診療所 あす開業
 東京電力福島第1原発事故に伴う避難者向け災害公営住宅の敷地内に福島県双葉郡立の好間診療所が完成し、いわき市好間町の現地で18日、開所式があった。双葉地方の医師が診療に当たり、市内などに避難する住民の健康維持や安心の拠点の役割を担う。
 8町村でつくる双葉地方広域市町村圏組合が設置、双葉郡医師会が運営する。建物は鉄骨2階、延べ床面積645平方メートル。診療科は内科と歯科。診療は月曜、水曜、金曜の週3日で、20日に始まる。医師3人、歯科医師2人が避難先などから通い、交代で勤務する。
 管理者となる郡医師会長の堀川章仁医師(69)は開業していた富岡町から二本松市に避難している。「健康維持はもとより心の支えが一番。避難者の生活は落ち着いてきたがストレスはたまっている。同じ言葉を話す医者がいることで安心してもらえる」と語る。
 診療所が立つ公営住宅「北好間団地」は全323戸で県内最大。入居が順次始まっている。双葉町から避難する男性(71)は「埼玉県に通院しているが、これからは近くて助かる。双葉郡のお医者さんがいるのは心強い」と歓迎する。
 郡立診療所は来春、いわき市勿来町酒井地区に整備中の避難者向け災害公営住宅にも併設される。


子どもの貧困対策充実を 被災地出身の学生ら厚労相に提言
 一般財団法人教育支援グローバル基金(東京)の人材育成プログラム「ビヨンドトゥモロー」に参加した大学生や高校生のグループ6人が18日、厚生労働省を訪れ、会員制交流サイト(SNS)を活用した子どもの貧困対策を加藤勝信厚労相に提言した。
 東日本大震災で被災した上智大1年の稲村ほのかさん(20)=宮城県亘理町出身=のほか、長野県や広島県などの高校生が寸劇を交えながら「子どもたちには心の『居場所』が必要」とアピールした。
 貧しい境遇に置かれた中高生らが励まし合ったり、貧困経験のある大人が助言したりできるSNSアプリの開発を提案した。
 加藤氏は「SNSは子どもたちがチャレンジする窓口になる。アプリが作り上げられれば素晴らしい」と期待を示した。
 稲村さんは震災の津波で亘理町の自宅が被災し、帰る家がないつらさを経験したことからプログラムに参加。「仲間といろいろな体験談を語り合い、社会問題を身近に考えるきっかけになった」と話した。


<原発事故>東電賠償迫る期限 家賃・慰謝料来年3月終了、問われる被災者支援
 東京電力福島第1原発事故の被災者らに対する東電の賠償が、来春までに相次いで一定の区切りを迎える。避難世帯の家賃は自民党が来春以降の支援継続を東電に要請。農林業は一部生産者を対象に支払い方式の変更を協議中だ。避難に伴う精神的賠償も2018年3月で終わり、ケアの在り方が問われそうだ。
 期限を迎える東電の主な賠償は表の通り。避難指示に伴って賃貸住宅に避難した世帯への家賃賠償は18年3月で終了予定。楢葉町を除き無償の利用期間が19年3月まで延長された仮設住宅の入居世帯とずれが生じる事態となっている。
<福島県に寄付案も>
 地元の要請を受けた自民党は今月15日、東電に「知恵を出してほしい」と負担継続を要請。東電は「重く受け止める」(小早川智明社長)と前向きに対応する考えを示した。
 17年度の家賃賠償は約40億円。東電は賠償をやめる代わりに同額を福島県に寄付し、県が家賃支援に充てる案が出ている。
 風評被害が続く農林業では、避難区域外の生産者に対する年明け以降の賠償方式が議論されている。
 東電は風評被害に伴う減収分を1カ月ごとに穴埋めする形で賠償してきたが、18年1月からは3カ月単位に変更する案を提示。原発事故前より収益が悪化した月があっても、市況によって翌月が大幅アップすれば賠償を請求できないケースが出るとみられる。
 県内の農協グループによる協議会は近く、対応を決める見通しだ。
 避難指示が出た区域内の生産者については、原発事故で失われた年間利益について、19年末までの分を一括して支払うことで既に合意している。
<期間延長議論なし>
 一方、精神的賠償は被災者の暮らしを支える側面を担ってきた。今も避難が続く大熊、双葉両町と帰還困難区域に対しては、一括賠償が17年5月分までで終了。6月以降の追加分として古里喪失の慰謝料が支払われている。
 18年3月で終了するのは、17年春までに避難指示が解除された南相馬市小高区など他の避難区域。賠償額は1人当たり計850万円で終わることになる。
 賠償期間延長の議論はなく、自立した暮らしの再建がより重要になる。
 県避難者支援課の深谷一夫課長は「避難長期化で被災者が抱える課題は複雑化している。全国26カ所の生活再建支援拠点などと連携した戸別訪問や情報提供を通じ、被災者支援に当たりたい」と説明する。
 東電によると、同社はこれまで被災者個人に3兆円余、農林業者を含む法人・個人事業者に4兆円余を賠償している。


リニア入札捜索 巨大事業の「闇」解明を
 総工費9兆円に上る巨大プロジェクトに捜査のメスが入った。
 JR東海が発注したリニア中央新幹線の工事を巡り、東京地検特捜部などが大手ゼネコン鹿島と清水建設の本社を家宅捜索した。
 入札前に協議して受注予定者を決めていた独禁法違反の疑いが持たれている。近く大林組と大成建設も捜索する見込みだ。
 ゼネコン各社は過去にも談合や入札不正を繰り返し、再発防止を誓っていたはずだ。
 なのに、またしても業界ぐるみの疑惑が浮上した。不正が事実であれば極めて深刻な事態である。
 リニア新幹線の工事は政府の財政投融資も活用しており、非常に公共性の強い事業と言える。徹底的に捜査し、全容解明を進めてもらいたい。
 特捜部は今回の家宅捜索に先立ち、名古屋市内の非常口建設工事に関わる非公開情報をJR東海から入手し、公正な入札を害した疑いで大林組を捜索している。
 情報管理に問題はなかったのか、JR東海も社内調査を尽くすべきだろう。
 リニア工事では2015年以降、駅やトンネル、非常口建設など計22件の契約が結ばれている。
 このうち大林組、鹿島、清水、大成が代表の共同企業体が、全体の7割を占める15件をほぼ均等に受注しているという。
 特捜部は非常口建設のほかにも、複数のリニア関連工事を視野に捜査しているもようだ。業界は真摯(しんし)に受け止め、捜査に全面的に協力しなければならない。
 見逃せないのは、27年に東京―名古屋間で先行開業し、さらに大阪への延伸を目指すリニア新幹線の工事が、一般の民間事業とは異なる性質を帯びていることだ。
 政府は成長戦略を推進する事業と位置付け、建設費の一部に多額の財政投融資、すなわち国の資金を充てている。
 不正によって事業費が膨らめば、その「ツケ」は運賃への上乗せという形で利用者に跳ね返る可能性も否定できない。捜査中とはいえ、政府も事実関係の確認に努める必要がある。
 大手ゼネコンは05年に、不正の撲滅を申し合わせる「談合決別宣言」をしている。
 だが、その後も旧防衛施設庁の発注工事を巡る談合など、不正は後を絶たない。
 これでは宣言はその場しのぎだったと言われても仕方あるまい。業界は法令順守や再発防止の取り組みをしっかりと検証すべきだ。


リニア談合捜査/ゆがめられたか夢の計画
 またも談合の疑いで大手ゼネコンに強制捜査が入った。
 東京地検特捜部と公正取引委員会はきのう、いずれも東京都内の鹿島と清水建設の本社を家宅捜索した。大林組、大成建設の2社についても、近く都内の本社を捜索する方針だ。
 容疑は独禁法違反(不正な取引制限)で、舞台となったのはJR東海が発注したリニア中央新幹線の工事である。大手ゼネコン4社は入札前に話し合い、受注予定社や入札価格を決めた疑いが持たれている。
 公正な競争がゆがめられ、工事価格がつり上げられたのなら、運賃上昇などの形で利用者にしわ寄せが及びかねない。
 「夢の超特急」と呼ばれる総額9兆円の巨大事業の裏で、不正な取引が繰り広げられたのであれば、国民の期待をも裏切ったことになる。今後の捜査を注視したい。
 特捜部などは今月8日、偽計業務妨害容疑で大林組の本社を捜索し、ゼネコン4社の幹部らから事情を聴いていた。
 独禁法は公共工事はもちろん民間の工事でも、談合など公正な競争を妨げるような行為を禁じている。リニア整備には大阪延伸前倒しのため、総額3兆円の財政投融資が投じられており極めて公共性が高い。公正さが強く求められるのは当然だ。
 既に契約済みの22件の工事をみると、約7割の15件をゼネコン4社が受注している。件数はほぼ均等で不自然な印象がある。受注を分け合ったと見られても不思議はない。
 JR東海は「今後の契約に影響する」として、契約の経緯や発注額などを明らかにしていない。強制捜査を重く受け止め、情報を公開すべきである。
 大手ゼネコンは過去に何度も談合事件を摘発され、2005年には「談合決別」を宣言した。大林組は07年、公共工事を巡る事件が相次いだ責任を取って社長が辞任、全社を挙げて出直すことを誓ったはずだ。
 しかしその後も、北陸新幹線や東日本大震災の復興工事などで談合が摘発されるなど、業界の体質が改まる兆しは全く感じられない。
 談合は「必要悪」でなく、「絶対悪」の犯罪行為である。厳しく戒めるしかない。


リニア捜索 受注調整の闇を解け
 不正な受注調整はあったのだろうか。リニア中央新幹線の建設工事に絡み、独占禁止法違反容疑で東京地検が複数の大手ゼネコンを捜索した。巨大プロジェクトへの疑惑だ。徹底的な解明を望む。
 JR東海が進めるリニアは二〇二七年に品川−名古屋の間で開業する。大阪までの延伸は最速で三七年を目指す計画だ。総事業費は九兆円で、国から三兆円の財政投融資も受けている。
 受注調整とは、ゼネコン各社の話し合いによって、どの工区をどのゼネコンが受注するかを決めていくやり方だ。
 一般論として話し合いはあるかもしれないが、割り振りを決め、受注価格も決めれば、悪質な談合と同じである。
 民間企業が発注した事業であっても、受注する企業が調整を繰り返せば、自由な企業競争が阻害されるのは自明の理であり、独禁法が禁ずる「不当な取引制限」に問われるのだ。
 東京地検はまず八日に偽計業務妨害の疑いで大林組を家宅捜索した。十八日には鹿島、清水建設を家宅捜索した。大成建設にも捜索方針という。いずれもスーパーゼネコンである。興味深いのは、一五年から今年十一月にかけ、リニアで二十二件の工事契約が結ばれ、この四社が約七割にあたる十五件を受注している。
 各社ごと三、四件、ほぼ均等に工事を分け合う形になっていることだ。これは各社の担当者による受注調整の結果なのか。東京地検には全容解明が期待される。
 それにしても、ゼネコンは度重なる談合事件の摘発を受けて、〇五年に「談合決別宣言」をしたのではなかったのか。実は宣言後も名古屋市発注の地下鉄工事で談合が起きているし、各地で談合事件が摘発されている。
 とくに一一年の東日本大震災の復旧工事や首都圏の再開発などで、中小含めたゼネコン各社までも建設ラッシュで好況が続く。そうした背景にリニア新幹線の大事業もあったはずである。さらに東京五輪も控える。そうした活況の中で高度成長期の“土建国家”の悪弊まで復活しているのなら、極めて残念である。
 今は違反を公正取引委員会に自主申告すれば課徴金を減免される制度がある。最初に“自首”すれば告発も免れる。
 不正は結果的に損になる−企業にとってそんな法的仕組みを入れている。二度目の決別宣言は決して恥ではない。


体質 変わらなかったか/リニア不正受注
 JR東海が発注したリニア中央新幹線の工事を巡り、東京地検特捜部と公正取引委員会は独禁法違反の疑いで、鹿島と清水建設の本社を家宅捜索した。特捜部は先に大林組を捜索している。総工費が9兆円を超える巨大プロジェクトで、大成建設を含む大手ゼネコン4社を中心に、受注業者や入札価格を事前に決める調整が行われた疑いが濃厚になったためだ。
 JR東海は民間企業だが、政府は2016年に閣議決定した経済財政運営の指針「骨太方針」にリニアへの財政投融資の活用を明記、総額3兆円を貸し付けている。リニア建設は国家プロジェクトの側面を持ち、その裏で4社が工事を分け合い、公正な競争を妨げたとされる。
 市場の競争原理が働かなければ、全体の工費は膨らみ、ゆくゆくは乗客が払う運賃などにはねかえる。国や自治体発注の工事で談合が税金の無駄遣いにつながるのと同じで結局、不正のつけは国民に回ってくる。
 これまで検察当局や公取委によって、たびたび談合などを摘発され、4社は05年、談合と決別すると宣言したにもかかわらず、業界の体質は変わっていないのだろうか。業界ぐるみともいえる大掛かりな不正の構造にメスを入れ、徹底解明してもらいたい。
 一連の捜査の発端となったのは、名古屋市内に新設される非常口の工事で、大林組の共同企業体(JV)が受注した。大林組はJR東海の担当者から工事費などの非公開情報を入手。あらかじめ競合他社に受注の希望を伝え、JR東海との価格協議で非公開情報を基に算出した見積価格を提示したとされる。
 また、大林組の希望を受け入れた他社は、より高い価格を提示して受注調整に協力したという。このような「話し合い」が、他の工事でも繰り返されたとみられている。
 談合決別宣言後、06年に旧防衛施設庁の発注工事を巡る官製談合事件で8社の幹部らが略式起訴され、51社に計約30億円の課徴金納付が命じられた。07年には名古屋市発注の地下鉄工事で、5社が独禁法違反で摘発された。
 決別宣言で活動休止に追い込まれた各地の談合組織も東日本大震災の復興・復旧工事や20年東京五輪・パラリンピックに向けた再開発で息を吹き返しつつあるといわれ、再発防止に本腰を入れて取り組む必要がある。


リニア工事不正受注 業界の宿痾 徹底解明せよ
 大林組だけなのか、との疑念が的中した形だ。大手ゼネコン4社による談合が事実なら、過去の反省を生かせず、宿痾(しゅくあ)に侵された業界としか言いようがない。
 JR東海が発注したリニア中央新幹線の建設工事を巡り、入札前に協議し受注予定者を決めていた疑いがあるとして、東京地検特捜部などが独禁法違反(不当な取引制限)の疑いで鹿島と清水建設の本社を家宅捜索した。近く大林組と大成建設も捜索する見通しだ。
 リニア新幹線は、車両が磁力により浮上し、東京と名古屋、大阪間を走らせる計画で、2027年の先行開業が予定されている東京・品川―名古屋間は40分で結ばれる。総工費9兆円を超えるビッグプロジェクトであり、計22件の工事契約のうち、4社が代表となる共同企業体(JV)が、うち15件を3〜4件ずつ受注しているという。
 端緒は、名古屋市内の工事を巡り、大林組が受注希望を競合他社に伝え、これに応じた社が大林組を上回る見積価格を出すなどして受注調整に協力したとみられる。当初は大林組に対する偽計業務妨害の疑いによる捜索だった。
 だが、4社の幹部らの任意事情聴取や押収資料の分析から、他の複数の工事でも大手ゼネコンなどが互いに相談し、受注予定者や入札価格を事前に決める調整を繰り返し行っていた独禁法違反の疑いが出てきたとみられる。
 受注調整などの結果、建設費が膨らめば、国などの公共工事では税金の無駄遣いとなり、民間のJR東海のケースでは乗客が支払う運賃にはねかえる。さらにはリニア建設には事業促進のため、3兆円の財政投融資が投入され、単なる一民間企業の事業とは言えないはずだ。
 4社はスーパーゼネコンとも称され、東日本大震災の復興・復旧工事が増え、20年の東京五輪・パラリンピックに向けた再開発などで業績は好調だ。関係者の中にはリニア工事に関し「難易度の高い工事が多く、技術力と体力のある会社が受注しただけだ」と疑惑を否定する声も出たというが、五輪後は活況も頭打ちになるとされる。リニアはその後も続く“おいしい工事”だが、4社によるお手盛りというのは言語道断だ。JR東海の意向が受注調整の背景にあった疑いも指摘されている。
 不正行為は過去にも度々繰り返されてきた。05年には、公取委の権限を強化する改正独禁法が施行されるのを前に、4社は「談合決別宣言」を出した。談合担当の社員は配置転換され、各地の談合組織も活動休止に追い込まれた。
 決別宣言後も旧防衛施設庁の発注工事を巡る官製談合事件や、名古屋市発注の地下鉄工事での独禁法違反事件など、業界の体質は全く変わっていない。震災復興や五輪関連の発注では、休止していた談合組織が復活し始めたともされる。
 不正のつけは国民に回ってくる。特捜部などには業界ぐるみとされる構造を徹底解明してもらいたい。


リニア入札不正 談合からの脱却はどこへ
 大手ゼネコンには依然、根強い「談合体質」があったのか。JR東海が発注したリニア中央新幹線の工事を巡る大林組の入札妨害事件は、他のゼネコン各社も関与する大型談合事件に発展しそうだ。
 東京地検特捜部などがきのう、独占禁止法違反(不当な取引制限)容疑で鹿島と清水建設の本社を家宅捜索した。近く、大成建設と大林組も捜索する見通しという。
 これまで特捜部は、これら大手4社の幹部らからも任意で事情を聴いており、リニア関連の南アルプストンネルなど複数の工事で各社が互いに相談し、受注の事前調整を繰り返していた疑いがあると見ているようだ。
 リニア中央新幹線は、総工費9兆円を超える巨大プロジェクトである。2027年に品川―名古屋間の開業を目指し、37年に大阪まで延伸して全線開業を予定している。
 関連工事は15年以降、計22件契約されているが、うち15件は「スーパーゼネコン」と呼ばれる大手4社による共同企業体(JV)が3〜4件ずつ受注していた。
 事業はJR東海が自己資金で行うが、計画の前倒しのため、うち3兆円は国の資金を民間銀行より大幅に低い金利で貸し出す財政投融資が活用されている。景気浮揚をにらんで強く後押しする政府は、いわば「国家事業」と位置づけている。断じて不正があってはならない。
 特捜部は当初、名古屋市の非常口新設工事の入札に対する偽計業務妨害容疑で、受注した大林組の強制捜査に踏み切った。公募したJR東海が見積価格を含めた総合評価と価格交渉で発注したが、手続きの過程で大林組は他のゼネコンに協力を要請したとみられている。
 これまでの調べで、JR東海の担当者が工事費などに関する非公開の情報を大林組に漏らした疑いも浮上した。大林組は違法性を否定するが、何とも不自然ではないか。発注者のJR東海も内部調査を進めるべきだ。
 独禁法は業者が受注調整を繰り返すなどして、市場の競争を阻害した場合に適用される。発注者が国や自治体か、民間企業かは問わない。
 今回の容疑が事実だとすれば、これまでの大手ゼネコンの10年余におよぶ談合防止への取り組みの甘さが再び露見したことにほかなるまい。
 不正に対する制裁強化などを盛り込んだ改正独禁法の施行(06年1月)に合わせ、大手ゼネコンでは談合との決別を05年末に宣言した。
 しかしその後も、07年には名古屋市発注の地下鉄工事を巡る談合事件で、仕切り役だった大林組元顧問らが独禁法違反罪で起訴されている。
 リニア関連工事はいずれも難工事で、大手の技術力が有利とされる事情は理解できなくもない。だが、入札不正の横行はリニア事業そのものの信頼まで大きく損なう。徹底した実態解明が必要だ。


リニア不正受注/再発防止へ徹底解明を
 JR東海発注のリニア中央新幹線建設工事を巡り、東京地検特捜部と公正取引委員会は独禁法違反の疑いで鹿島と清水建設の本社を家宅捜索した。特捜部は先に大林組を捜索しており、大成建設も今後捜索するとみられる。総工費9兆円を超える巨大プロジェクトで、大手ゼネコン4社を中心に受注業者や入札価格を事前に決める調整が行われた疑いが濃厚になったためだ。
 JR東海は民間企業だが、政府は2016年に閣議決定した経済財政運営の指針「骨太方針」にリニアへの財政投融資の活用を明記、総額3兆円を貸し付けている。リニア建設は国家プロジェクトの側面を持ち、その裏で4社が工事を分け合い、公正な競争を妨げたとされる。
 市場の競争原理が働かなければ全体の工費は膨らみ、ゆくゆくは乗客が払う運賃などにはねかえる。税金の無駄遣いにもつながり結局、不正のつけは国民に回ってくる。これまで検察や公取委により、たびたび談合などを摘発され、4社は05年には「談合決別宣言」を出したが、業界の体質は変わっていない。
 特捜部のここまでの捜査で発注者であるJR東海による組織としての意向が受注調整の背景にあった疑いも指摘されている。建設業界ぐるみともいえる大掛かりな不正の構造にメスを入れ、徹底解明してもらいたい。
 リニア中央新幹線は東京と名古屋、大阪を結ぶ路線が計画され、JR東海は東京・品川−名古屋間の27年先行開業を目指し、これまでに22件の工事を発注。うち7割に当たる15件について、大手4社が準大手や中堅各社と組んだ共同企業体(JV)で3〜4件ずつの契約を取り、沿線各県で建設工事を進めている。
 ほぼ均等割りの受注となっており、4社で工事を分け合ったとささやかれていた。一連の捜査の発端となったのは、事故などでリニアの地下トンネルから地上に避難するため名古屋市内に新設される非常口の工事で、大林組のJVが受注した。
 大林組はJR東海の担当者から工事費などの非公開情報を入手。あらかじめ競合他社に受注の希望を伝え、JR東海との価格協議で非公開情報を基に算出した見積価格を提示したとされる。大林組の希望を受け入れた他社は、それよりも高い価格を提示して受注調整に協力したという。
 こうした”話し合い”が、トンネル工区など他の工事でも繰り返されたとみられている。独禁法は「事業者は、私的独占又は不当な取引制限をしてはならない」と定めている。不当な取引制限とは、事業者が連絡を取り合って価格や受注業者などを相談して決め、競争を制限することで、発注者が国や自治体か、民間企業かは問わない。
 談合決別宣言後、06年に旧防衛施設庁の発注工事を巡る官製談合事件で大手4社など8社の幹部らが略式起訴され、51社に計約30億円の課徴金納付が命じられた。07年には名古屋市発注の地下鉄工事で、大林組や清水建設、鹿島など5社が独禁法違反で摘発された。
 各地の談合組織も東日本大震災の復興・復旧工事や20年東京五輪に向けた再開発で息を吹き返しつつあるといわれ、再発防止に本腰を入れて取り組む必要がある。


リニア入札捜査 全容の徹底解明進め不正根絶を
 JR東海が発注したリニア中央新幹線工事で、入札の不正が横行していた疑いが強まった。東京地検特捜部は、「スーパーゼネコン」と呼ばれる大林組など大手4社が入札前に協議し、受注予定者を決める受注調整を行ったとみて、独禁法違反容疑で捜査を進めている。
 建設業界では談合や入札の不正が相次ぎ、その度に再発防止を誓ってきた。大手4社は2005年、談合の罰則を強化した改正独禁法施行前に「談合決別宣言」を出した。しかし宣言とは裏腹に、東日本大震災の復興工事でも多くのゼネコンが談合に加担するなど、不正は一向にやまない。特捜部は全容の徹底解明を進め、業界に巣くう悪癖をあぶり出し、不正根絶につなげなければならない。
 リニア中央新幹線は東京―大阪間を約1時間で結ぶ総工費9兆円超の巨大プロジェクト。JR東海の入札は「公募競争見積方式」で、各社の技術提案や見積価格を総合評価し、企業と協議し契約価格を決める仕組み。これまでに22件の工事契約を結んでいるが、15件を大林組、鹿島、清水建設、大成建設の大手4社で3〜4件ずつほぼ均等に受注しており、不自然に映る。
 事件の端緒となったのは、大林組が昨年、約90億円で受注した名古屋市の非常口新設工事。大林組は受注したいとの意向を競合他社に伝え協力を要請し、求められた側はより高い見積価格を提示したとみられる。特捜部は今月上旬、大林組本社を偽計業務妨害容疑で家宅捜索し、他3社の関与を調べていた。公正な入札が妨害されれば、工事費は膨らむ。運賃や税金などの形で利用者の負担につながりかねず、到底許されない。
 大林組は、07年に名古屋市発注の地下鉄工事で談合の仕切り役だった元顧問が逮捕、起訴されるなどの事件が続き、当時の社長が辞任した。事件を機に定款に「入札の公正、公平を阻害する行為を一切行わない」との文言を盛り込む異例の対応をとり、襟を正したはず。今回の不正が事実とすれば、公共工事を含め大型工事のうまみを分け合おうとする体質が染み付いていると見られても仕方あるまい。
 JR東海の担当者が大林組に非公開の工事情報を漏らした疑いも浮上している。大林組は工事価格は聞いていないとして違法性の認識は否定したが、入手した技術仕様を基に見積価格を算定した事実は認めているという。発注者側が特定の企業に肩入れし、競争入札の信頼性を失わせる愚行だ。JR東海は内部調査を急ぎ、経緯を明らかにする必要がある。
 建設業界は震災復興や東京五輪・パラリンピックに向けた再開発で好況を呈している。五輪後を支えるリニア工事には国の巨額融資も投入されており、不正に厳しい目が向けられるのは当然である。もはや業界の自浄能力には頼れない。不正根絶に向け、国は監視と摘発強化に知恵を絞ってもらいたい。


リニア入札不正 徹底捜査で実態解明急げ
 「談合と決別する」と宣言していた大手ゼネコンの決意は、一体何だったのか。
 総工費が9兆円に上る巨大プロジェクト「リニア中央新幹線」の工事を巡り、東京地検特捜部の捜査が広がりを見せている。
 発端は、名古屋市の非常口新設工事を約90億円で受注した大林組が、業者選定の過程で他のゼネコンに受注希望の意向を示し、協力を要請したとされる入札妨害事件だ。
 要請に応じた他のゼネコンは、大林組よりも高い見積価格を提示したといわれる。
 不正行為が本当なら公正、公平であるべき入札制度の根幹を揺るがす事態だ。信用失墜は避けられないだろう。
 適正な競争が行われていれば、工事発注者のJR東海はより低い価格で契約できていたとの指摘もある。リニア整備計画には、国の巨額融資が投入されていることを忘れてはならない。
 非常口新設工事の発注を巡っては、JR東海の担当者が工事に関する技術仕様などの非公開情報を大林組に漏らした疑いも浮上している。
 大林組は、そうした非公開情報を利用し、受注活動を有利に進めたとされる。
 リニア工事には、用地買収や環境対策などの面で多くの自治体が関わっている。その意味で公共事業そのものであり、業者選定を適正、公正に行わなければならないのは言うまでもない。
 選定過程でどんな不正が行われたのか。組織上層部の関与はどうなのか。特捜部は徹底的に捜査し、早期に実態を解明してもらいたい。
 リニア計画の背景には、50年以上が経過した東海道新幹線の経年劣化がある。南海トラフ巨大地震などの大規模災害に備えたプロジェクトでもあり、東京一極集中を緩和する効果も期待されている。
 完成時期に遅れが生じるなど影響が出ないよう、JR東海も独自調査をしっかりと進め、再発防止策を講じていかなければならない。
 非常口新設工事の選定手続きは、「公募競争見積」と呼ばれる2段階方式で行われていた。だが、1次審査で最も高い評価を受けた業者が、事実上、工事を受注する仕組みだったとの指摘もある。そうした選定方式に問題があるなら、JR東海は早急に仕組みを改善すべきだ。
 リニア関連工事は、これまでに計22件の契約が締結されている。このうち大林組、鹿島、清水建設、大成建設の大手ゼネコン4社が代表の共同企業体(JV)が、全体の7割に当たる15件をほぼ均等に受注していた。そこに不正行為はなかったのかどうか。
 強制捜査を受けたゼネコン各社は、過去に談合や独禁法違反などでたびたび摘発されてきた。不正行為を反省し、談合を根絶するとした声明も出したはずである。
 旧態依然の体質を改めさせるためにも、特捜部には大規模工事も含めて厳正な捜査を求めたい。


甘利事件のリベンジ狙う 地検「アベ友」捜査拡大の可能性
「アベ友」案件の捜査はどこまで進むのか。スパコン詐欺事件で、東京地検特捜部に逮捕された斉藤元章容疑者。当初、国から支給された助成金は約35億円とされた。しかし、経産省が所管する法人からだけでなく、文科省所管の法人からも無利子融資を受けていたことが発覚。経営する「ペジーコンピューティング」と関連企業は、国から計100億円超のカネを受け取っていた。政界からは「特捜部はどこまで捜査を広げるつもりなのか」と不安の声が上がっている。
 斉藤容疑者は、安倍首相と昵懇の元記者・山口敬之氏と親しい関係にある。久々の政治案件に特捜部はヤル気満々という。
 特捜部がヤル気になっているのは、“甘利事件”へのリベンジの意味もあるという。自民党の甘利明元大臣は、現職の経産相だった時、建設会社から大臣室で50万円を受け取りながら、結局、不起訴となっている。都市再生機構(UR)を家宅捜索しながら、立件できなかった特捜部には、忸怩たる思いがある。
 さらに、18日発売の「週刊現代」によると、法務・検察の“人事”の遺恨も絡んでいるという。もともと法務省の次官には、森本宏・現特捜部長と近い林真琴刑事局長が内定していた。ところが、甘利事件後の16年9月、森本特捜部長とは距離のある当時の官房長・黒川弘務氏が就任した。
 不可解な人事のウラには「官邸の意向」が働いたという。週刊現代によると、黒川氏は官邸の意向を酌んで甘利事件を握りつぶし、その論功行賞で次官に就いたというのだ。
 実際、甘利氏が不起訴処分となった直後の昨年6月、当時の民進党が開催した「甘利前大臣疑惑追及チーム」では、民進党議員が法務官僚に「黒川さんあたりのラインで全てを決めて、法を歪めているのではないか」と詰め寄っていた。林刑事局長に近い森本部長が、“忖度”抜きで徹底捜査を進めても不思議ではない。
 捜査はどこまで進みそうなのか。カギは逮捕された斉藤容疑者がどこまで話すかだ。
「ペジー社は、経産省所管の『新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)』から4億3000万円もだまし取っています。しかし、NEDOから補助金を受けるには厳しい審査を受ける必要があり、並大抵のことではありません。補助金申請に際し、誰かに依頼をしたのか、そのためにカネを流したのか。広い人脈を持つ斉藤容疑者が洗いざらいゲロすると、政官財に飛び火する可能性があります」(捜査事情通)
 今ごろ肝を冷やしている人物がいるのかもしれない。


加計学園 定年「ダブルスタンダード」
 学校法人「加計(かけ)学園」(岡山市)が運営する岡山理科大の教授と元教授計11人が、定年が71歳から65歳に引き下げられ不利益を受けたとして、学園側に地位確認などを求めた訴訟が岡山地裁で続いていることが分かった。来春に新設が決まった同大学の獣医学部獣医学科では、1期生が卒業する6年後に70歳以上になる教員12人が就任する見込みで、労働組合関係者からは「ダブルスタンダードだ」と批判の声が上がっている。
 訴状などによると、学園は2008年4月、定年を71歳から65歳に引き下げる改正就業規則を施行した。同年3月末時点で65歳超の教授には適用せず、60歳以下だった教授については68歳までとするなど経過措置を設けたが、66歳以降の給与は一部減額した。原告らは定年の引き下げで収入が減るなど人生設計に支障が生じたとして、15年に提訴した。
 訴訟で学園側は、定年引き下げの理由について、▽少子化による収入減が予想される▽魅力的な学部を作るための投資に重点を置く必要性がある▽大学などの認証評価機関「大学基準協会」から「教員の年齢構成が高く、改善が望まれる」と指摘を受けた−−などと主張。役員給与のカットなど他の人件費抑制策を尽くしており、定年引き下げはやむを得ないと強調している。
 一方、獣医学部の新設に関して学園が大学設置・学校法人審議会に提出した書類によると、獣医学科の1〜6年の学生がそろう「完成年度」の23年度末時点では専任教員75人の4分の1にあたる20人が定年の65歳以上になる。学園の就業規則では、新たに学部を設置する場合、理事会の承認があれば理事長が関係職員の定年を延長できると定めており、規定上の問題はない。
 定年引き下げを巡っては、別の教授ら22人も11年に提訴し、計1億8000万円を学園側が支払うことなどで14年に岡山地裁で和解している。
 学園の労働組合の関係者は「教授は通常、1年生が卒業するまで面倒を見る。65歳を定年に変えておきながら、6年後に65歳以上になることが確実な人を新たに雇うのはおかしい。特例を認めすぎではないか」と疑問を呈している。
 加計学園は「係争中につきコメントは差し控える」としている。【竹田迅岐】


[米軍ヘリ飛行再開へ]負担の強要 もはや限界
 事故が起きてからまだ1週間もたっていない。原因究明はおざなりで、再発防止策も実効性の疑わしい内容だ。
 それなのに米軍は、事故を起こしたCH53E大型ヘリの飛行を再開し、日本政府もこれを認める考えだという。
 13日午前、米軍普天間飛行場所属のCH53Eの窓が、普天間第二小学校の校庭に落下した。
 小2と小4の児童約60人が、体育の授業を受けていたまさにその場に、重さ約7・7キロ、約90センチ四方の脱出用の窓が、金属製の枠もろとも、きりもみ状態で落下したのである。保護者や住民が受けた衝撃は計り知れない。
 米軍は、手順を守らなかった搭乗員の人為的なミスで機体に問題はなかった、との調査結果を県に伝えた。事故後見合わせていた同型機の飛行を再開する方針だ。
 防衛省によると、搭乗員は飛行前点検の際、窓のレバーが安全ワイヤによって固定されていないことを見落とした。「(窓のレバーが)誤って、または不注意によって緊急脱出の位置に動かされたことによって、窓が航空機から離脱した」のだという。
 なぜ、これほど単純な操作ミスが発生するのか、そこがまったく明らかにされていない。米軍機の事故がこれでもかこれでもかと立て続けに起きているのはなぜなのか。
 機体に問題がないからといって、飛行を再開してもいいということにはならない。
 一方的な再開方針の伝達は県民感情を無視した基地負担の押し付けである。
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 再発防止策として普天間第二小を含むすべての学校の上空飛行を「最大限可能な限り避ける」としている。
 そういう方針は、建前上は、これまでも堅持していたのではないのか。それともこれまでは「できる限り学校、病院を含む人口密集地帯上空を避ける」と言いながら、「できる限り」を都合よく解釈して運用してきたというのか。
 騒音規制措置に盛り込まれた「できる限り」という表現を、再発防止策と称して「最大限可能な限り」という表現に変えたことに、逆に不信感を抱かざるを得ない。
 米軍は、米連邦航空法に基づく飛行場の安全対策として、滑走路両端の延長上にクリアゾーン(事故可能性区域)を設け、土地利用を大幅に制限している。
 ところが、普天間飛行場では、クリアゾーンに普天間第二小をはじめ学校や保育園、病院、公民館などの公共施設が存在する。それが問題だ。
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 普天間飛行場は、住民の安全への考慮を欠いた欠陥飛行場である。普天間飛行場の辺野古移設は「高機能の新基地を確保するために危険性除去を遅らせる」もので、負担軽減とは言えない。
 一日も早い危険性の除去を実現するためには、安倍晋三首相が仲井真弘多前知事に約束した「5年以内の運用停止」を図る以外にない。期限は2019年2月。
 そこに向かって、不退転の決意で大きなうねりをつくり出し、目に見える形で県民の強い意思を示す必要がある。命と尊厳を守るために。


CH53E飛行再開へ 米本国では許されない
 米軍の不誠実な対応と日本政府の米国追従ぶりは、目に余る。
 普天間第二小米軍ヘリ窓落下事故を受け、飛行を控えていた米軍普天間飛行場所属のCH53E大型輸送ヘリコプターの飛行を再開する方針を米軍が県などに伝えた。事故原因について米側は「人的要因」と説明した。だとすれば訓練が必要だろうし短期間の飛行再開は納得できない。
 海兵隊は普天間第二小学校の喜屋武悦子校長に安全点検と搭乗員に対する教育を徹底できたとの認識を表明。最大限、学校上空を飛ばないようにすると米軍内で確認したことを伝えた。これに対し「最大限の確認では納得できない」と喜屋武校長が述べたのは当然だ。飛行禁止にすべきだ。
 結局、防衛省は飛行再開のために必要な措置が取られたとして、飛行再開の容認を決めた。県民にきちんと説明しないまま、米軍の言いなりである。これでは米軍の代行機関ではないか。
 この1年間、米軍機の事故が頻発している。その都度日本政府は、米軍の飛行再開を容認してきた。翁長雄志知事が指摘するように「当事者能力がない」。
 CH53Eは2004年に宜野湾市の沖縄国際大学に墜落したCH53Dの後継機。30年以上運用し、アフガニスタン紛争にも投入された。老朽化が進み部品が枯渇して、海兵隊航空機の中でも最も深刻な整備と即応性の課題が指摘されている。飛行可能は37%という米国報道もある。だから今回の事故が「人的要因」というのは説得力がない。
 順次退役が決まっているが、積載量の増加やコックピットの近代化などを打ち出した新型機CH53Kは開発が遅れ、今年4月に生産体制が整ったばかりだ。
 今年10月11日に東村高江で不時着炎上したCH53は、1週間後の18日に通常飛行を再開した。発表文で米軍は「整備記録」を確認した結果、飛行再開を決めたとしたが、原因究明や再発防止策の説明は一切なかった。
 この時、ローレンス・ニコルソン在沖米四軍調整官は「われわれは日本における米海兵隊航空機の飛行の安全性を約束している。安全ではないと思える運用は決して許さない。CH53Eヘリは沖縄や日本本土で長年、日米同盟に奉仕してきた信頼できる航空機だ」と述べた。
 にもかかわらず今回、落下事故が発生した。米本国では短期間の飛行再開は許されないだろう。
 昨年12月の北部訓練場過半の返還を記念した式典で、菅義偉官房長官は「今回の返還は日本復帰後最大の返還であり、沖縄の米軍施設の約2割が返還され、沖縄の負担軽減に大きく寄与する」と強調した。だが沖縄で起きているのは「負担強化」でしかない。
 現状を改善できないなら、日本政府は米国の「共犯」と言われても仕方ない。


伊方原発差し止め 理にかなう決定に応えよ
 広島高裁が四国電力伊方原発3号機(愛媛県)の運転を差し止める決定を下した。決定は「火山の影響について伊方原発が新規制基準に適合するとした原子力規制委員会の判断は不合理」と断じた。決定理由は明快で「理にかなった」内容と言える。東京電力福島第1原発事故後、原発の運転を禁じる高裁段階の司法判断は初めてだ。四国電力など電力各社や規制委員会、政府は今回の決定に誠実に応えて今後の原子力政策に反映させるべきだ。
 新規制基準の内規である「火山影響評価ガイド」(火山ガイド)は「原発から半径160キロ以内の火山が原発運転期間中に活動する可能性が十分小さいかどうかを評価し、評価できない場合はその敷地に原発を立地することは認められない」としている。これは規制委員会が自ら定めたものだ。
 今回の決定は、熊本県の阿蘇山が約130キロ離れた伊方原発の運転期間中に巨大噴火を起こして火砕流が原発に達する可能性が十分に小さいとは判断できないと認定した。そもそも「十分小さい」との表現が曖昧なのだが、四国電力による火砕流シミュレーションでは評価できないはずで、それを「新規制基準に適合する」とした規制委の判断は不合理、と結論付けた。
 火山に近い原発の運転差し止めを求める住民の訴えを認めなかったこれまでの司法判断では、巨大噴火の発生頻度が低い場合、「無視し得ると容認するのが社会通念」とした判例が目立っていた。今回は「規制委員会が決めたガイドに従えば運転は認められないはず」と正面から指摘したと解釈できる。
 決定に対して規制委員会の更田豊志委員長は「規制の役割を果たすだけ」と述べるだけで、決定に応えていない。政府も「規制委員会の判断を尊重する方針に変わりない」(菅義偉官房長官)との姿勢。せめて「司法判断を真摯(しんし)に受け止め最大限尊重する」と言えなかったか。
 2011年に東北・太平洋側を襲った巨大津波。発生頻度は低くても、悲劇的な被害をもたらす自然災害に備えなくてはならないことを、東日本大震災で学んだはずだ。日本には111の活火山があり、気象庁は50の火山を常時観測している。火山に比較的近い原発も北海道や九州などにあるが、巨大噴火を含む噴火時期や規模を正確に予想することは現時点では困難だ。科学(火山学)の限界にも触れ、規制委員会の判断根拠の不合理さを突いた広島高裁決定の意味は極めて重い。


被爆体験者判決 柔軟な支援を続けてこそ
 原告にとって司法救済の道が閉ざされる厳しい判決である。
 長崎原爆に遭遇した場所が被爆地域とされず、被爆者援護法を適用されない「被爆体験者」が、国などに被爆者と認めるよう求めた第1陣訴訟で、最高裁は原告全面敗訴の一、二審判決を支持し、1人を除いて上告を退けた。
 法律上の被爆者と認定するには確かに、どこかで線引きが必要である。これまでは、行政が厳しい線を引き、司法がそれに疑問を投げかけて救済の枠を拡大するという図式が続いてきた。
 国が定める被爆地域は長崎市の爆心地から南北約12キロ、東西約7キロと細長く、いびつな形状だ。原告388人はそこから外れる地域で被爆した。判決は、爆心地から約5キロ以内にいなかった人の健康被害を否定した福岡高裁判決を「是認する」とした。
 原爆で受ける放射線量と健康被害の関係は今も明確ではない。ただ、被害の実態はどうだったのか。原告の一人は爆心地から東約8・3キロの自宅で被爆し、爆風にさらされた。幼くして歯茎からの出血や頻発する発熱に苦しんだ。単なる偶然と言い切れるのか。
 被爆体験者は長崎市などの要請を受け、国が2002年に始めた制度である。過去の訴訟で最高裁が行政の原爆症認定基準を機械的と批判した流れの中で生まれた。精神疾患とそれに伴う合併症の医療費を支給する。
 今回の判決は援護法の性格について「戦争遂行主体だった国が自らの責任により救済を図る一面を有する」とした。ならば疑わしきは救済する立場にもっと踏み込めなかったのか。もとより被爆地域は旧行政区分などで決定された。科学的根拠はない。原告側に被害の立証を求めるのは酷である。
 被爆から70年以上たつのに、高齢の人たちが今なお救済を求める現実を国は重く受け止めてほしい。第2陣訴訟では10人が長崎地裁で勝訴し福岡高裁で係争中だ。司法判断がどうであれ、行政による柔軟で粘り強い支援が必要であることは改めて言うまでもない。


[生活保護見直し] 必要な人に届く制度に
 厚生労働省は、生活保護費を来年10月から一部世帯で3年かけて段階的に引き下げ、国費計約160億円を削減すると発表した。都市部などで最大5%減額となる。
 児童手当に相当する「児童養育加算」は40億円プラスとなるが、食費や光熱費に充てる「生活扶助」は180億円減らす。「母子加算」も減額される。
 生活扶助の支給水準は5年に1度見直す。前回改定では3年かけて平均6.5%縮減された。今回は当初案より小幅の減額で、小規模自治体では増額となることもあるが、受給対象者の生活は保障されるのか慎重に見極めるべきだ。
 改定の根拠は、一般の低所得世帯の消費支出より保護費の支給額が多いとの調査結果だ。
 改定を議論する厚労省の審議会は、景気低迷などで低所得世帯の消費が減ると保護支給額も減り、最低生活の水準を維持できなくなる恐れがあると、現行制度に疑問を呈した。
 さらに「最低限度の生活水準について本質的な議論をすべきだ」と求め、根本的な算定方法の見直しを迫っている。
 専門家の間には、生活保護が必要な人のうち実際には約2割しか受給していないとの指摘もある。制度の理念に照らして現状に矛盾はないのか、あらためて点検しなければならない。
 生活保護受給世帯は9月時点で164万世帯を超え、20年間で約2.7倍に膨らんでいる。半数近くは1人暮らしの高齢者だ。
 鹿児島県内では約2万4000世帯が受給し、この数年、月平均2万3000〜2万4000世帯で推移している。高止まりの状態にあると言っていいだろう。
 独居高齢者対策をはじめ受給世帯の自立は大きな課題だ。ただ、支援体制には不安が残る。
 生活保護のケースワーカーが1人当たり受け持つ平均保護受給世帯数は、鹿児島県内4市の福祉事務所で4月に、法が定める標準数80を上回った。最多は118で負担は大きい。
 ワーカーは受給手続きや調査、訪問による受給者の生活・就労指導などを担う。社会問題となった不正受給はないか見極める大切な役割もある。
 行財政改革などで職員数が絞られ、保護の実態把握に追いついていないなら問題の根は深い。県は必要数の充足に努めるよう指導しているというが、抜本的な解消策には程遠い。
 憲法が定める「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」とは何か。本当に困った人が安心して頼れる制度にしたい。


野口英世の遺体解剖記録をガーナで再発見 何度か行方不明、記念会が福島での保存検討
 福島県猪苗代町出身の細菌学者、野口英世(1876〜1928年)の顕彰活動に取り組む野口英世記念会(猪苗代町)は18日、野口の遺体を解剖検査した時の所見を記したノートをガーナで再発見したと発表した。ノートは何度か行方不明になっており、同会はノートを預かって保存することを検討する。
 ガーナの解剖結果を記録した約450ページのノートで、黄熱病の研究で同国に滞在していた野口に関する記述は1ページ。黄熱病に自らかかって死亡したとの所見を、共同研究者だった英国人病理学者ウイリアム・A・ヤングが記している。
 ノートは1979年、ガーナに野口記念医学研究所を建設するプロジェクトを進めていた福島医大調査団が首都アクラの病院で見つけた。損傷が激しかったため、記念会が99年、在日ガーナ大使館の依頼を受けて修復。大使館に渡したが、その後、所在不明になった。
 2010年、アクラの野口記念医学研究所の金庫にあることを日本の関係者が確認。だが、今年11月に現地を訪れた記念会の野口由紀子主任が再調査した際には確かめられなかった。その後、解錠した金庫から原本が見つかったとの報告が現地から届いた。
 野口主任の現地調査では、野口が使ったとみられる顕微鏡が在ガーナ日本大使館に保管されていることが確認された。
 記念会の竹田美文副理事長は「博士が自殺したという説が一時流れたこともあり、ノートは博士が黄熱病で亡くなった事実が分かる貴重な資料。今後、行方不明にならないようにしたい」と話した。


飲み会三昧の昭恵夫人 首相公邸で忘年会開催の公私混同
 日経新聞の世論調査で、森友問題を巡る疑惑で政府の説明に「納得できない」が78%だったのに対し、「納得できる」はたったの12%。国民の理解が進まない原因の一端は、いまだにハッキリと説明をしない昭恵夫人(55)にもある。
 ところが、まったく懲りちゃいないようだ。関係者によると、20日に首相公邸で親しい知人を招いて忘年会を開く予定だというのだ。
 昭恵夫人は、11月18日に自身がオーナーを務める居酒屋「UZU」の開店5周年記念パーティーを開催。今月10日には、安倍首相を伴いパレスホテル東京の中華料理店「琥珀宮」で歌手の松任谷由実と会食した。昭恵夫人のフェイスブックには他にも、本人がワイン片手に関係者と笑顔を浮かべていたり、立食パーティーを楽しんでいる様子を撮った写真が掲載されている。
 昭恵夫人開催の飲み会に参加したことがある関係者はこう言う。
「忘年会や新年会、暑気払いなどといった節目に縛られず、ちょくちょく私的な飲み会を開いているようです。過去に知り合った仕事の関係者や社会人大学院時代の同級生など、気の合う仲間を招くケースが多い。本当にたわいのない気軽な宴会といった雰囲気でしたね」
■夫人の行動をとがめない首相にも問題
 すっかり“飲み会”三昧のようだが、首相公邸で開催するというのはいかがなものか。首相公邸は国家公務員宿舎法に基づき設置され、年間約1億5000万円の維持管理費の原資はもちろん税金だ。政府は今年3月、昭恵夫人について「公人ではなく私人」と閣議決定していたではないか。
 政治評論家の山口朝雄氏はこう言う。
「『私人』という立場にありながら、首相公邸で私的な会合を開くのならば、公私混同と言わざるを得ません。それに、森友問題について、国民はまだ納得していない。私的な会合への出席を優先させるのは順序が違います。説明が先でしょう。夫人の行動をとがめない首相にも問題があります」
 首相官邸に問い合わせると「夫人のプライベートな案件については、把握していない」と回答。安倍晋三事務所に質問状を送付し、昭恵夫人の携帯電話の留守電にもメッセージを残したが、返答はなかった。
 昭恵夫人は7日、ベルギー大使館での勲章授与式で「今年は本当にいろいろなことがあり、つらい一年でした」と涙ながらに語っていたが、酒を飲んで“年忘れ”なんて許されない。


厚顔、稲田朋美が防衛相時代の失態をネグり復活!!「南京事件はなかった」のトンデモ講演、「一議員で終わらない」の決意表明も
 大臣辞任から半年も経たず、あの議員が再び息を吹き返した。今月13日、都内でおこなわれた「外務省 目覚めよ!南京事件はなかった」なるタイトルの講演会に稲田朋美が登壇、「日本の名誉を守るとは、いわれなき非難や事実と違うことに断固として反論することだ」「国益を守ることに政治家としての軸足を置いていきたい」と語ったというのだ。
 さらに、この講演会の2日前には、自身が会長を務める「伝統と創造の会」の総会を開催。また、同日はアパグループの「真の近現代史観」懸賞論文の出版記念パーティにも参加し、アパの元谷外志雄代表・芙美子社長夫妻や田母神俊雄氏と肩を並べて仲良く写真を撮っている。
 稲田元防衛相は、南スーダンPKO派遣に際して大規模な戦闘を「戦闘ではなく衝突」と答弁したり、その上「戦闘」としなかった理由を「憲法9条上の問題になるから」と平然と言ってのけるなど、大臣以前に法曹家としても信じられない発言を連発。一方、森友問題では籠池泰典・前理事長との関係を必死になって隠そうとして虚偽答弁をおこなったことも記憶に新しい。
 なにより、大臣辞任の引き金となった日報問題では、稲田防衛相が日報隠蔽に直接関与していたことはもはや決定的であるにもかかわらず、辞任したことを盾にして閉会中審査への出席も拒否。いまだ説明責任をはたしていないのが現状だ。
 しかし、当の本人はまったく無反省。現に、11月に地元・福井でおこなった講演会では、今年10月の衆院選について、涙ぐみながら「今回の選挙ほど苦しいものはなかった」と語ったという。「苦しい」選挙戦になった原因をつくり出したのは自身の責任なのだが、その自覚が微塵も感じられない。挙げ句、この講演会では、自民党の二階俊博幹事長がわざわざ駆け付け、「女性総理の最短距離にある」と太鼓判を押した。
 いや、二階幹事長だけではない。当の稲田氏も〈「このまま一議員で終わりたくない」と再起に意欲をみせる〉(産経ニュース12月5日付)というのだから、呆れて開いた口が塞がらないではないか。
 ようするに、選挙によって「もう禊ぎは済んだ」とばかりに、ここにきて鳴りを潜めていた稲田元防衛相が再始動。大臣であるために抑えてきた歴史捏造主義者としての言動を大々的に解禁しはじめた、というわけだ。
歴史修正主義全開で再び「ポスト安倍」を狙い始めた稲田朋美
 事実、13日に稲田議員が講演をおこなったイベントは、タイトルからもわかるように、外務省および政府の〈日本軍の南京入城(1937年)後、非戦闘員の殺害や略奪行為等があったことは否定できない〉という見解を全否定する、歴史の捏造を目的としたものだ。
 そもそも「南京虐殺はなかった」という“虐殺まぼろし”論は一部のネトウヨや狂信的極右学者、右派メディアが叫んでいるだけで保守系歴史学者の間でも相手にされていないトンデモ論でしかない。しかも、稲田氏は弁護士として参加した南京事件に絡んだ訴訟(「李秀英裁判」「夏淑琴裁判」「南京百人斬り訴訟」)でことごとく敗訴している。だが、稲田氏は歴史的事実から目を逸らしつづけ、南京事件を否定するイベントに元防衛相として登場したのである。
 だが、こうした歴史捏造主義の主張を展開させることこそが、稲田議員が「ポスト安倍」に返り咲くための生命線であることは間違いない。なぜなら、安倍首相が稲田氏を寵愛してきた理由は、そこにあるからだ。
 前述した「百人斬り」訴訟に参加するなかで極右界で注目を集めた稲田氏を勉強会に招いたのは、当時、自民党幹事長だった安倍氏である。安倍氏の側近議員が「安倍さんは稲田さんの弁舌に一目ぼれした。女性の保守という点も珍しいと評価していた」(「週刊文春」2015年10月15日号/文藝春秋)と証言しているが、その後、安倍氏は2005年の郵政選挙の刺客候補として稲田氏に出馬を自ら要請。安倍氏は稲田氏の極右思想と歴史捏造主義のスピーカーとしての才能を買ったのである。
 そして、そうした安倍首相の「趣味」はいまも薄れていない。実際、今年の衆院選では、極右政党・日本のこころ(当時・次世代の党)の元衆院議員である杉田水脈氏を公認。本サイトでは詳しく紹介したように、杉田議員は「9条改憲、愛国教育推進、歴史修正主義、男尊女卑、ヘイト肯定」というバリバリの極右レイシストであり、著書では慰安婦像の“爆破テロ”を推進するような人物だ。この杉田氏を自民党が公認した背景を、櫻井よしこ氏はネット番組『言論テレビ』でこう語っている。
「安倍さんがやっぱりね、『杉田さんは素晴らしい!』って言うので、萩生田(光一・自民党幹事長代行)さんが一生懸命になってお誘いして、もうちゃんと話をして、(杉田氏は)『自民党、このしっかりした政党から出たい』と」
 つまり、稲田氏をスカウトしたときと同じように、いまも安倍首相は「女性で、口が立つ極右」を求めて杉田氏を自民党に引き入れた。そして、その杉田議員は、前述した稲田議員が会長を務める「伝統と創造の会」に加入し、同じようにアパの出版記念パーティにも出席。稲田議員と笑顔で田母神氏を挟んだ写真をブログにアップしている。
「防衛相辞任を慰留され続けた」と安倍の寵愛を自慢する稲田朋美
 先の選挙直前に広報副本部長に抜擢され、メディア批判を繰り返している和田政宗議員の件といい、安倍自民党の「ネトウヨ化」はよりパワーアップしつつあるが、そんななかでも安倍首相の稲田議員に対する愛は変わらないらしい。稲田議員は自身の有力後援者に、大臣辞任の裏側として、こんなことを語っていたという。
「“安倍総理は、『稲田さんまで辞める必要はない』と、何度も突っぱね、辞任をなかなか許してくれなかった”と」
「“自分の信条として、あの2人が辞任するのに、自分だけ大臣の座に残ることなんて絶対にできない。辞めさせてくださいと懇願し、ようやく総理に辞任を認めてもらえた”と仰る(後略)」(「週刊新潮」10月5日号/新潮社)
 この稲田議員の弁が事実か否かはわからないが、少なくとも本人はいまも安倍首相との親密な関係を強調し、「このまま一議員で終わりたくない」という野心も隠さなくなっている。しかも、杉田氏のような過激な議員まで加わったなかで安倍首相に忠臣であることをアピールするべく、今後さらに「初心」である歴史捏造主義者としての言動を強めていくのは必至だ。
 だが、繰り返すが、日報隠蔽問題の説明責任を稲田議員はいまだ果たしていない。それなのに「女性総理の最短距離」にまで簡単に戻れてしまう。それが安倍政権なのである。(編集部)


上川法務大臣による死刑執行に抗議する
NPO法人監獄人権センター
上川陽子法務大臣は,本日(12月19日)関光彦氏,松井喜代司氏(いずれも東京拘置所)に対し,死刑を執行した。今回の執行は,今年8月の上川法務大臣再任後初であるが,上川大臣としては2015年6月25日の神田司氏(名古屋拘置所)に対する死刑執行に続き二度目である。第二次安倍政権以降に死刑が執行された人の数は21人となった。
関,松井両氏とも,現在,弁護人を選任したうえで再審請求中であった。これまでの慣例を無視し,再審請求中に死刑執行を行ったことは,きわめて問題である。死刑判決確定後に再審請求で無罪判決が確定した免田事件,財田川事件,松山事件,島田事件はいずれも,複数回の再審請求を行った結果,裁判所の厳正な判断により無罪判決が下されたものである。また,袴田事件では第二次再審請求で再審開始が決定し,袴田巌さんが2014年に釈放されている。これらの例を見ても,原判決に誤りがある可能性はいかなる場合でも否定できず,被告人自身が犯行を否認または判決の誤りを主張している事件については,より慎重な審理が行われるべきである。
さらに関氏は,犯行時19歳であった。20歳未満を少年とする我が国の法制度においては,犯罪時18歳未満の少年に対して死刑を科さないという現行の少年法(第51条1項)にとどまらず,1994年に我が国で発効した子どもの権利条約第6条が少年の生命に対する固有の権利及び成長発達権を保障していること、及び同条約で引用されている少年司法運営に関する国連最低基準規則(いわゆる北京ルールズ)の趣旨が最大限に考慮されなければならない。すなわち北京ルールズ第2条2(a)では、少年を年齢で区別することなく、「少年とは、各国の法律制度の下において、犯罪について成人とは違った仕方で取り扱われている児童又は若者をいう」とした上で、同規則第17条2では「死刑は少年が行ったいかなる犯罪についても科してはならない」と規定している。したがって,科刑のみならず死刑執行の判断にあたっても,「少年」に対しては,成人の場合よりもさらに慎重な判断が求められるというべきである。
日本政府は,死刑制度をめぐる上記を含めた数々の問題点を直視し,制度の廃止をも視野にいれ,直ちに死刑制度自体の見直しを行うべきである。
監獄人権センターは,今回の死刑執行に強く抗議するとともに,死刑執行の停止,そして死刑制度廃止の政策的実現に向け,今後も取り組んでいく決意である。


死刑執行に強く抗議する(談話)
社会民主党幹事長 又市征治
1.本日、法務省は東京拘置所で2人の死刑を執行し、死刑囚の氏名や犯罪事実を公表した。2013年、15年に続く12月の執行であり、まるで年末の帳尻合わせのように駆け込み執行するのは言語道断である。社民党は死刑制度が人権に反するものとして、その存置に強い疑問を呈してきた立場から、今回の死刑執行に強く抗議する。
2.第2次安倍政権以降では12度目、実に21人目という異常な大量執行となる。しかも今回は2人とも再審請求中であり、うち1人は犯行時に19歳だった。再審請求中の執行は7月に続く暴挙である。誤判の可能性に留意し、再審請求中の執行には慎重を期してきたこれまでの慣例を踏みにじるもので、抑制的な対応を大転換するなら国民に死刑制度に関する全ての情報を公開し説明を尽くすのが当然だ。折しも11月29日には福岡高裁が、1985年に熊本県で起きた「松橋事件」で再審開始を認める決定を出したが、そうした事実への反省もなく、再審請求が人権救済のための重要な制度であることに目を背けた安倍政権の偏向した姿勢は断じて容認できない。
3.犯行時に未成年だった死刑囚への執行は97年の永山則夫元死刑囚以来の事態で、少年法の精神にも抵触し死刑適用の妥当性が問われる執行は、厳しい批判を免れない。上川陽子法相が「慎重な検討を加えて執行を命令した」と言うのであれば、どのような検討を行ったのか明確に示すべきだ。死刑制度をめぐっては国連人権理事会の対日審査で11月、死刑廃止に関する勧告が30以上出されるなど、制度のあり方を問う声が国内外から上がっている。死刑を全面的に廃止した国は100か国を上回っているが、こうした国際的な潮流を一顧だにせず執行を強行し続けることは許されない。政府および法務大臣は、早急に国際人権基準に沿った法改正への道筋をつけるとともに、死刑制度に関して存廃や死刑に代わる措置など刑罰のあり方についてより開かれた国民的な議論を尽くし、その間は死刑の執行を停止すべきである。社民党は今後も、死刑制度の見直しに全力を挙げて取り組む。


日本:2人の死刑を執行
12月19日、2人が死刑に処された。またもや、生きる権利を顧みない日本政府の姿勢が鮮明になった。
処刑されたのは、関光彦さん(44才、強盗殺人)と松井喜代司さん(69才、殺人)で、執行場所は、東京拘置所だった。2人とも、再審請求中で、関光彦さんは犯行当時19才だった。
2人の執行は、日本の人権状況にまた汚点を残すことになった。「またもや日本政府は、生きる権利を軽視する行動に出た」(東アジア地域調査ディレクター、ロザーン・ライフ)
2007年12月、国連総会は死刑執行の停止を求める初の決議を採択した。それからちょうど10年が経ち、世界の潮流は確実に死刑廃止に向かっているが、日本はこの動きに背を向け続けている。
「もし日本政府が、死刑は司法としての役割を果たす手段であると考えているならば、大きな勘違いである。死刑は、残虐で非人道的で品位をおとしめる刑罰であり、国際社会の多くの国が、このことを認めている」(ロザーン・ライフ)
今回の2人の執行で、2017年に処刑された人は4人となった。死刑確定者は通常、数時間前に執行を告げられ、直前に告げられることもある。家族や弁護人、一般市民が執行を知るのは、行われた後である。
アムネスティは、犯罪の性格や犯罪者の特質、執行方法にかかわらず、例外なくすべての死刑に反対する。アムネスティは40年以上、死刑廃止を求める運動を続けている。
アムネスティ国際ニュース2017年12月19日
※死刑執行抗議声明における「敬称」について アムネスティ日本は、現在、ニュースリリースや公式声明などで使用する敬称を、原則として「さん」に統一しています。また、人権擁護団体として、人間はす べて平等であるという原則に基づいて活動しており、死刑確定者とその他の人々を差別しない、差別してはならない、という立場に立っています。そのため、死刑確定者や執行された人の敬称も原則として「さん」を使用しています。


#MeToo とウーマンラッシュアワーから考える師走in 2017年 来年はあなたも「沈黙を破る人」に?(上)
アメリカから見た! 沖縄ZAHAHAレポート(5)
 あっという間に、2017年も残りわずか。今年はみなさんにとって、どんな年だったでしょうか? 米タイム誌は12月、その年を象徴する人を選ぶ毎年恒例の「今年の人(Person of the Year)」に、性的嫌がらせや性暴力を告発した人を選び、「The Silence Breakers(沈黙を破った人たち)」と名付けました。
 表紙には、ハリウッドの大物映画プロデューサー、ハーベイ・ワインスタイン氏のセクハラ疑惑を実名で告発した女優アシュレイ・ジャッド氏をはじめ、自分の尻をつかんだ元ラジオDJに対する民事訴訟に勝訴した人気歌手テイラー・スウィフト氏、米国の果樹園でイチゴを摘む仕事に就いていたイサベル・パスカル氏(仮名)、カリフォルニア州の企業ロビイスト、アダマ・イウ氏、配車アプリ「UBER」の最高経営責任者を退任に追い込んだ元エンジニアのスーザン・ファウラー氏が表紙に並んでいます。
「セクハラ」「性暴力」がまん延する社会
 タイム誌では、今年に入り、セクシャル・ハラスメントについて声を挙げた61人(大半は女性)の顔写真を時系列で紹介しています。そこには、ホテルで働く女性、起業家、海兵隊員、大学教授、活動家、女優、議員、ジャーナリストなどが名を連ねています。インタビュー記事などに30ページ余りを割き、いかにさまざまな職業、立場の女性たちが被害を受けてきたか、そして、勇気ある行動を起こした女性たちに賛同し、ソーシャルメディアで「#MeToo(私も)」と、被害を訴える大きなうねりが起きたかなどを伝えています。
 タイムのウェブ版では、インタビュー動画を交え、トランプ氏の大統領就任式翌日の1月21日に、ワシントンD.C.をはじめ世界各地で行われた女性の権利を訴えるデモ「ウィメンズ・マーチ(Women's March)」を起点に、この1年で女性たちの告発、行動がいかに大きなムーブメントになってきたかを分かりやすく紹介しています。
 師走に入っても、アメリカ国内のセクハラ問題はまだまだ続いています。議員による議会スタッフへのセクハラ問題などが指摘されていた米連邦議会では、民主、共和両党の議員3人がセクハラ行為を認め、辞職を表明しました。著名なシェフやジャーナリストなども被害者からの訴えを受け、謝罪したり、番組を降板したりと、政治やメディア界の権力者が相次いで自身の行為を認め、責任が追及されています。
 これは、長年ずっと起こり続けていた問題が勇気ある告発で表面化したということで、被害はあくまで氷山の一角。力関係を利用したセクハラや性暴力が長年、いかに社会全体にまん延してきたか、今もどれだけ多くの人が被害に苦しんでいるかを示しているのだと思います。
 被害が起こるのは、女性や子どもたち、一部の男性が、上司/部下の関係、指導者/選手・生徒の関係、仕事での顧客や取引先との関係、などなど、力の強い側が弱い側を抑圧する関係性によるものが多い。そして、被害を受けた側は、職を失うかもしれない、報復が怖い、自分が悪かったのかもしれない、周りから非難されるかもしれないと、声を出せずにいる(いた)ということ。加害者側の認識が引く中で起こり続けている問題。被害を受けている側、立場の弱い側が声を挙げない限りは、残念ながら社会は変わらないということでしょう。
日本はいったいどうなっている?
 翻って、日本はどうでしょうか?レイプ被害を告発したジャーナリストの伊藤詩織さんをはじめ、最近では、作家・ブロガーのはあちゅうさんも電通時代のセクハラ被害をバズフィードの記事で訴えました。
 そこで目にするのは、被害に対して「こんなのおかしい」「私もこんな被害に遭った」という賛同や連帯の声の一方、女性にも非があったのだろうと被害者を責める心ない声や、加害者を非難しつつも全く当事者意識のない男性のコメントがウェブの記事やツイッターであふれる現状です。そして、こういった問題を日本の大手メディアはなかなか取り上げません。女性の勇気ある告発を後押ししたアメリカのメディアとの違いを強く感じると共に、その背景に大きく2つの違いがあると考えます。
 #MeTooの動きが起こってから、日本人の友人(女性)は、職場の同僚(アメリカ人男性)に、「僕は今まであなたにセクハラや嫌なことをしていなかったか? もし、していたら本当に申し訳ない。僕が嫌なことをしていたらぜひ教えてほしい」と言われたそう。
 私もこの話題を知人のアメリカ人男性と話した時、「昔、自分が苦しいときに助けてくれた友達が、実は酒に酔って知人の女性にセクハラを繰り返していた。僕は後で知ったが、友達に『やめろ』と言えなかった。自分の行動を変えるべきだったと思う」と話してくれました。
 セクハラは、圧倒的に男性から女性に対しての加害が多い。「女性の問題」と押し込めるのでなく、加害者側になり得る男性同士が話さなければならない問題だと思うのです。こうやって「自分」に置き換えて、「当事者として考える」ことのできる男性が増えなければ、いくら女性が告発しても問題は解決しない。
 でも、少なくとも私は、こういった見方をしている日本人男性にまだ出会っていません。この話題になると、「女性から男性に対してのセクハラもある」「男性は何もかも『セクハラ』だと訴えられて、びくびくして過ごすしかない」といった「問題をすり替える」反応はよく受けましたが。
 もう一つは、「こんなのおかしい」と政治や社会問題に声を挙げる人をたたく風潮が日本は根強いということ。アメリカは、人と違うこと、「Make a difference」に価値を置く文化。一方の日本はどうでしょうか。2016年7月、安冨歩さん(東京大学東洋文化研究所教授)に初めてお会いし、安倍政権やネトウヨ、米軍基地問題などから「同調圧力」についてお話を伺った時の言葉を思い出しました。
―同調圧力、違う物を排除しようという動きの原点は、何でしょうか?
 「自分」が何者であるか分からなくなった人間は、他人をイミテートするしかないので、イミテーションをみんながやると「同調」するんです。誰かと同じようにしようとすると何かにそろう。そろっていない人は、自分たちと同じように作動していないで生きている「危険な生き物」だから排除する、ということ。同調圧力というのは、ある「特定のモードに従う」ことを要求しているのではないんですよ。「何かに従うこと」を要求している。
 同調圧力や「加害側」に立つのは、既得権益にしがみつく人や、変化を望まない人、自分の立場を脅かされたくない人だと感じます。セクハラや性暴力の問題についていうと、日本に根強く残る性的役割、家父長制、女性を「活用」しようという上から目線の政策、ミソジニー(女嫌い)、そして自身も社会や権力から踏みにじられているが故に、誰かをまた踏みにじるという「いじめ」のような連鎖―があるのではないでしょうか。
 いろんなことが絡み合った中で、どの「立場」から、物事が語られ、異議を唱えることを許されない風潮ができあがっているのか、「おかしい」と声を挙げる人の口を封じようとする誰が「得」をしているのか、私たちは注意深く見て、考えなければならないと思うのです。


#MeToo とウーマンラッシュアワーから考える師走in 2017年 来年はあなたも「沈黙を破る人」に?(下)
アメリカから見た! 沖縄ZAHAHAレポート(6)
政治を、時事問題を風刺たっぷりの笑いに。そして、沖縄。
 4月にワシントンD.C.に来て、トランプ大統領を巡る混乱やアメリカ社会の現状に一喜一憂している中で、私の2017年の楽しみは毎週土曜深夜、米NBCで放送される人気コメディ番組「サタデー・ナイト・ライブ(SNL)」でした。
 1975年に始まった長寿番組で、もともと政治や時事問題を風刺したコントに定評がありますが、最近はトランプ大統領を巡るコントがとにかく最高! アレック・ボールドウィンが演じるトランプ大統領、スカーレット・ヨハンソンによるイバンカ・トランプ補佐官、ケイト・マッキノン演じるジェフ・セッションズ司法長官など、政治を巡る動きが毎週土曜、絶妙なものまねと風刺たっぷりのシチュエーションで繰り広げられる。細部の英語は理解できなくても、腹を抱えて笑い、「よし、すっきり!笑って頑張ろう」、と前向きな気持ちにもなれる時間です。風刺、笑いの力ってすごいなと思います。(You TubeのSNLのリンクを貼ろうと思いましたが、日本では公開制限がある模様)
日本では、安倍晋三首相をはじめ、政治家をネタにしたお笑いやパロディなど、すっかりお目にかかる機会がありませんが、そんな中、注目すべきニュースが。お笑いコンビの「ウーマンラッシュアワー」が12月17日、フジテレビ系の「THE MANZAI」で米軍基地問題や原発、震災、東京五輪、北朝鮮のミサイル問題など、政治ネタを笑いと風刺で披露しました。
 彼らのネタをきっかけに、いろんな反応が起こっているようですが、私は「よくぞやってくれた」という気持ちになりました。「難しくて分からない」「面倒くさい」「自分には関係ないこと」。そんな意識的、無意識的な「加害」がまん延している社会を、しっかり可視化してくれた気がするからです。
 沖縄だけを見ても、「癒やしの島」「青い海、青い空」といった「いいところ」だけを「消費(搾取)」して、基地や安全保障などの難しい、面倒くさい部分は見ない・考えないという風潮は、女性を「性」の対象と見るくせに、セクハラや性差別、性暴力の問題を訴える女性の声を非難したり、無視したりする風潮に似ているのかもと、私の中ですごく絡まり合って感じます。
 そんな時、彼女の言葉を思い出さずにはいられません。2016年、ウオーキングに出掛けた20歳の女性が元海兵隊員の男に乱暴目的で襲われ、殺害された事件が沖縄でありました。その米軍属女性暴行殺人事件に抗議する県民大会で、当時21歳の玉城愛さんが登壇して語ったあいさつです。
(以下、あいさつ) 被害に遭われた女性へ。絶対に忘れないでください。あなたのことを思い、多くの県民が涙し、怒り、悲しみ、言葉にならない重くのしかかるものを抱いていることを絶対に忘れないでください。
 あなたと面識のない私が発言することによって、あなたやあなたがこれまで大切にされてきた人々を傷つけていないかと日々葛藤しながら、しかし黙りたくない。そういう思いを持っています。どうぞお許しください。あなたとあなたのご家族、あなたの大切な人々に平安と慰めが永遠にありますように、私も祈り続けます。
 安倍晋三さん。日本本土にお住まいのみなさん。今回の事件の「第二の加害者」は、あなたたちです。しっかり、沖縄に向き合っていただけませんか。いつまで私たち沖縄県民は、ばかにされるのでしょうか。パトカーを増やして護身術を学べば、私たちの命は安全になるのか。ばかにしないでください。
 軍隊の本質は人間の命を奪うことだと、大学で学びました。再発防止や綱紀粛正などという使い古された幼稚で安易な提案は意味を持たず、軍隊の本質から目をそらす貧相なもので、何の意味もありません。
 バラク・オバマさん。アメリカから日本を解放してください。そうでなければ、沖縄に自由とか民主主義が存在しないのです。私たちは奴隷ではない。あなたや米国市民と同じ人間です。オバマさん、米国に住む市民のみなさん、被害者とウチナーンチュ(沖縄の人)に真剣に向き合い、謝ってください。
 自分の国が一番と誇るということは結構なのですが、人間の命の価値が分からない国、人殺しの国と言われていることを、ご存じですか。軍隊や戦争に対する本質的な部分を、アメリカが自らアメリカに住む市民の一人として問い直すべきだと、私は思います。
 会場にお集まりのみなさん。幸せに生きるって何なのでしょうか。一人一人が大切にされる社会とは、どんな形をしているのでしょうか。大切な人が隣にいる幸せ、人間の命こそ宝なのだという沖縄の精神、私はウチナーンチュであることに誇りを持っています。
 私自身は、どんな沖縄で生きていきたいのか、私が守るべき、私が生きる意味を考えるということは何なのか、日々重くのしかかるものを抱えながら現在生きています。
 私の幸せな生活は、県民一人一人の幸せにつながる、県民みんなの幸せが私の幸せである沖縄の社会。私は、家族や私のことを大切にしてくれる方たちと一緒に今生きてはいるのですが、全く幸せではありません。
 同じ世代の女性の命が奪われる。もしかしたら、私だったかもしれない。私の友人だったかもしれない。信頼している社会に裏切られる。何かわからないものが私をつぶそうとしている感覚は、絶対に忘れません。
 生きる尊厳と生きる時間が、軍隊によって否定される。命を奪うことが正当化される。こんなばかばかしい社会を、誰が作ったの。このような問いをもって日々を過ごし、深く考えれば考えるほど、私に責任がある、私が当事者だという思いが、日に日に増していきます。
 彼女が奪われた生きる時間の分、私たちはウチナーンチュとして、一人の市民として、誇り高く責任を持って生きていきませんか。もう絶対に繰り返さない。沖縄から人間の生きる時間、人間の生きる時間の価値、命には深くて誇るべき価値があるのだという沖縄の精神を、声高々と上げていきましょう。(以上、あいさつ)
 被害が繰り返されるのは、加害側が変わらない、問題を直視しようとしないから。自分自身が、被害者にも加害者にもなり得る社会の当事者として意識を持たなければ、政治も社会問題も何も変わらない。ならば、少しでも自分のできることから声を挙げて行動する、「おかしい」と声を挙げている人を支えていくことが大事なのかもしれません。2018年の「沈黙を破る人」は私たち、あなた自身かもしれません。
 座波幸代(ざは・ゆきよ)  政経部経済担当、社会部、教育に新聞を活用するNIE推進室、琉球新報Style編集部をへて、2017年4月からワシントン特派員。女性の視点から見る社会やダイバーシティーに興味があります。