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Un policier japonais à bicyclette colle une contravention à une Lamborghini
Une vidéo montre une course insolite entre un policier à bicyclette et... le conducteur d'une superpuissante Lamborghini. Il s'avère que les chevaux vapeurs ne l'emportent pas à tous les coups...
Un policier japonais a réussi à rattraper à bicyclette une voiture sportive pour infliger une contravention à son conducteur, selon cette vidéo publiée sur YouTube.
Le conducteur de la Lamborghini Huracàn orange (dont la puissance du moteur est de 610 cv) ayant enfreint les règles de la circulation, a décidé de prendre la fuite. Un policier à bicyclette, corbeille fixée au guidon, s'est lancé à sa poursuite. Finalement, le policier a non seulement réussi à rattraper le fautif, mais aussi à lui coller la contravention.
フランス語
フランス語の勉強?
北原みのり @minorikitahara
都内某所の勉強会にて。
大学の沖縄基地問題の授業で、講師を「偏っている」と断定し、ネット情報をペラペラ語る学生が増えてると、大学教員の方々が辛そうに話してた。
ただのヘイト(無知の暴力)を、何がしかの知だと勘違いしてる人には、ただ、現場に行け、と言うしかないのだと思う。
でも。最初はヘイトを偉そうに語っちゃう子も、一年真面目に勉強すると、変わってくるとも言ってた。教養身に付け、現場を知れば、変わらざるを得ないのね。 教育こそが、やはり希望。

Simon_Sin @Simon_Sin
長州出身の総理大臣が明治維新150年を祝おうとしているその頃、会津では「次やる時は絶対勝ってやるからな」という意思満々の戊辰戦争150年記念イベントを企画しているのであった

録画用のHDDを買いました.先日来たときはどれが適合機種かわからなかったので一応調べて印刷してきたのですが,小さく印刷してしまい字が見えない!!店員さんに聞いて3TBのものを選びました.
梅田は人多過ぎです.ランチでどこもかしこも行列。1時半だというのに…東梅田のほうでビビンバをいただきました.
年賀状準備をしました.明日もう一度チェックして印刷します.

被災の寺で上棟式 心の古里再建へ一歩 来年3月11日は新本堂で法要 東松島市野蒜地区の長音寺
 東日本大震災で被災した東松島市野蒜地区の長音寺で22日、本堂新築工事の上棟式があった。震災発生から6年9カ月余り。檀家(だんか)ら約200人が集まり、約600年の歴史がある古刹(こさつ)の再建への一歩を祝った。
 新たな本堂は木造平屋で床面積約170平方メートル。広間やホール、事務室などを備える。11月に着工し、来年2月末に完成する予定。総工費は約5000万円を見込む。
 上棟式では、秋山公純住職(50)らが建設中の本堂で法要を営み、参列者が焼香した。屋根から餅をまくなどして工事の無事を願った。
 震災から7年となる来年の3月11日には、完成した本堂で震災犠牲者らを供養する法要を執り行う。秋山住職は「何とかここまでたどり着いた。檀家のほとんどが被災し、周りの街の面影はなくなってしまった。お寺を古里の心のよりどころの一つとしてほしい」と望む。
 長音寺は震災の津波で本堂や庫裏などが流され、約100人の檀家が犠牲となった。震災後は屋外で法要をしてきた。敷地には「鎮魂の鐘」や、花や木々に囲まれた環境で供養できる墓地「マイメモリー樹木葬 のびる」などもある。


<伝える〜被災地から>命と向き合う姿 次代へ
◎(中)つなぐ/結論ではなく、考え、悩み抜くことが大事
 東日本大震災で被災した東松島市で8月上旬、全国から集まった約70人の高校生が、防災や復興について真剣に語り合った。
 全国高校総合文化祭弁論部門の交流会でのやりとり。被災地の生徒は心のケアの大切さを訴えたり、家族の避難先を確認する重要性を挙げたりした。
<「何も知らない」>
 一方、災害がまだ起きていない「未災地」の生徒が素直に明かす。「何も結論が出なかった。防災について何も知らないから」
 特別参加した石巻高3年雁部那由多(なゆた)さん(18)が口を開いた。「結論が出なくていいんです。次の災害に備えて考え、悩み抜くことが大事だと思う。災害が起きたら同じように話し合い、街をつくり直さなければいけない」
 東松島市大曲小5年だった2011年3月11日。激しい揺れの後、避難する際に校舎の昇降口付近で、50代ぐらいの男性が黒い津波にさらわれていった。「おじさんの手をつかんだら、自分が助からない」。雁部さんはそう直感し、手を差し伸べることができなかった。
 震災の記憶を胸に閉じ込めたまま、小学校を巣立った。中学2年だった14年3月、地元であった震災関連シンポジウムに出席。高校生パネリストの発言に胸を打たれた。「自分が体験を話すのは、被災していない人にとって価値のある情報になると思うから。その人に何かがあったとき、同じような目に遭わなくて済む」
 その言葉を心に刻み、雁部さんは中学時代の仲間と共に語り部を続ける。
<「災間」を生きる>
 震災で東松島市は約1100人が犠牲となり、全世帯の約7割が被害を受けた。雁部さんは考える。「建物は直っても、誰もが心のどこかに傷を負っている。防災とは命と向き合うこと。災害と災害の間、いわば『災間』を生きる僕たちが次の世代に教えていかなければいけない」
 弁論部門の生徒実行委員長を務めた築館高3年新妻綺羅(きら)さん(18)は、交流会に雁部さんを招いた意図を話す。「雁部さんは、命が突然なくなる状況に直面し、じかに大きな悲しみを感じた。テレビや本では分からないことを全国の高校生に伝えてほしかった」
 新妻さんは内陸部の栗原市に住む。震災当時は地震で自宅が被害を受けたが、時が解決してくれた。
 大学へ進んだら、何らかの復興支援に携わりたい。災害はいつ起きるか分からない。そのとき、自分に何ができるのか、考え続けようと決めている。


政府予算案 目に余る政権の無責任
 政府が決めた来年度予算案は、先進国で最悪の財政状況という現実から目をそらし、小手先の帳尻合わせに終始した。財政規律を喪失し、後世への問題先送りを続ける政権の無責任さは目に余る。
 膨張を続ける一般会計当初予算案が過去最大を更新するのは六年連続である。
 高齢化の進展による社会保障費の増大が大きな要因だが、景気の長期拡大を自賛しながら公共事業費を高水準で維持したり、防衛費は四年連続で過去最高を更新したりするなど、歳出抑制の意思は感じられないのである。
 予算規模では「大きな政府」だが、福祉に手厚いわけではなく、逆に生活保護基準を引き下げるなど冷たい自己責任社会である。
 政府は二十七年ぶりという高い税収の伸びを見込み、新規国債の発行額や借金への依存度は低下したと胸を張る。しかし、それは気休めにもならない。国債依存度は歳入の三割以上を占め、借金残高の累増は一向に止まらない。
 そもそも財政の構造自体がもはや限界なのである。所得税、法人税、消費税の基幹三税を合わせた税収は、自動的に地方交付税に回す分を差し引くと社会保障費だけでほぼ消えてしまう。その他の税収などで他の経費を賄えるはずはなく、良心的な政府であれば増税や歳出カットを選ぶはずだが、安倍政権は三十兆円以上の借金に頼っているのである。
 問題なのは、税制改正も予算編成も官邸主導で進められ、ほとんど異論も聞かれないことである。与党は沈黙し、官僚は萎縮、経済界は理不尽な財政穴埋めの資金提供をも受け入れる。日銀が異次元緩和で金利を抑え込み、利払い費の圧縮を支える。これらが相まって財政規律を失わせている。
 安倍政権は二〇二〇年度までに基礎的財政収支(プライマリーバランス)を黒字化するという国際公約すら断念した。政権には一層の財政拡大論も根強く、新たな目標がどうなるか不透明である。
 このような弛緩(しかん)状態がいつまでも許されるはずはない。二五年には団塊世代がすべて七十五歳以上となり、放置すれば医療や介護の費用が急増しかねない。
 財政を持続可能とするためには社会保障と税の新たな一体改革に早急に着手することだ。当初予算に比べチェックが甘い補正予算も野放しにしていては借金増大に歯止めはかからない。中長期的な目標設定と財政の抜本的な構造改革こそ政府・与党の責務である。


来年度予算案 防衛費聖域化を危惧する
 防衛費が際限なく伸び続けるのではないか。聖域のような扱いに強い危惧を抱く。
 政府が2018年度の予算案を閣議決定した。一般会計総額は97兆7128億円と、6年連続で過去最大を更新した。
 17年度から0・3%増となった主因は、防衛費と社会保障費が伸びたことにある。
 防衛費は1・3%増の5兆1911億円で、4年続けて過去最高となった。
 防衛費は第2次安倍内閣が初編成した13年度の予算で11年ぶりに事実上の増額に転じた。そこから6年連続で増えている。
 18年度予算案では、安倍晋三首相が「国難」と呼ぶ北朝鮮情勢を理由に、増額に拍車がかかったといえる。
 中でも注目しなければならないのは地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の導入関連費が盛り込まれたことだ。
 海上自衛隊のイージス艦に搭載している迎撃ミサイルシステムを地上に配備するもので、2基を導入し23年度の運用開始を目指している。
 だが問題が大きい。「防衛計画の大綱」に記載されていないのに19日の閣議で導入が決まったからだ。国会を含め十分な論議がなされないままの、拙速な決定という印象が拭えない。
 敵基地攻撃が可能な長距離巡航ミサイルの導入関連費用も盛り込まれた。憲法9条に基づく「専守防衛」との整合性を問う声が野党などから出ている。
 政府は効果や必要性なども含め、疑問に答える必要がある。
 心配なのは導入決定の裏に米国の影がちらつくことだ。先月来日したトランプ米大統領は自国製武器の購入を迫った。「強固な日米同盟」の掛け声のもと、巨額の防衛装備が野放図に導入されることなど許されない。
 社会保障費は1・5%増え、約30兆円に膨らんだ。全体の3割超を占める。
 高齢化に伴う自然増は薬価引き下げなどで約5千億円に抑えた。だが医師の人件費などに当たる診療報酬の本体部分は引き上げた。選挙で自民党を支えた医師会への見返りとされる。
 報酬引き上げは窓口支払いなどを通じ国民の負担増に直結する。納得が得られるかどうか。
 「人づくり革命」で子育て支援や教育費の軽減に力点が置かれたとはいえ、生活保護費が一部の世帯で減額され、高所得の会社員らは所得税増税となる。
 歳入面では、税収がバブル期並みの高水準まで伸びると想定するが、前提となる経済見通しは甘すぎるとの指摘がある。
 借金である新規国債発行額は約33兆円と高止まりし、予算総額の3分の1を占める。
 国の借金残高は1千兆円を超え、先進国では最悪水準だ。
 このまま社会保障の抜本的改革が足踏みし、防衛費が膨らみ続ければ、財政再建が遠のく。
 そればかりでなく、他の経費が圧迫され国民の生活にしわ寄せが及ぶことになりかねない。
 歳出を抑え財政健全化をどう進めるのか。年明けの通常国会で真剣に論議せねばならない。


来年度政府予算案/これでは財政健全化は遠い
 経済成長を見込み税収が増えるというのに、借金依存体質に目立った改善は見られない。一方で、放漫な支出構造は温存されたままだ。これでは、先進国で最悪の財政が健全化に向かうわけがない。
 きのう閣議決定された2018年度政府予算案についてそう言わざるを得ない。
 一般会計総額は約97.7兆円と、また過去最大を更新した。このことだけでも財政規律の緩みは隠しようもない。
 健全化に向け、借金である新規国債発行額は8年連続して減るという。だが、それでも歳入に占める割合、国債依存度は34.5%に上る。依存症が治る兆候はない。
 財政再建を巡る、この政権の危機感の乏しさをさらに物語るのは、政策経費を主に税収でどれだけ賄えるかを示す基礎的財政収支の赤字幅だ。
 10.4兆円。税収は約1.4兆円増えるのに、赤字幅は約0.5兆円縮小するだけである。政権は消費税再増税の一部を「人づくり革命」に回すため、20年度達成を断念しながらも、この収支の黒字化目標は堅持すると強調した。
 18年度はその仕切り直しの初年であるにもかかわらず、わずかな改善にとどまる。やる気を疑うほかはない。
 歳出の抑制も不十分だ。
 政府の予算編成方針は、看板である人づくり、生産性両革命に重点配分するとともに歳出全般にわたる「聖域なき徹底見直し」をうたった。
 確かに、子育て・教育の取り組みは一歩前進といえる。待機児童解消に向け、まず11万人分の保育の受け皿を整備し、高等教育では給付型奨学金の支給対象を2万3千人と約8倍に増やすという。
 だが、歳出の見直しは今回も掛け声だけで終わった。
 防衛費は安倍政権になって6年連続で増額となる。北朝鮮情勢を理由に、ミサイル防衛の整備が図られる。だが、その装備が本当に有用なのかどうかを含め、国会で十分に議論し吟味する必要がある。
 歳出削減との絡みで疑問を残したのは、医師らの技術料や人件費に充てる診療報酬本体部分のプラス改定である。
 国民の負担に直結する。10月の衆院選で自民党を支えた医師会に対する見返りとされるだけに、既に高額な医師の報酬をさらに優遇することに国民の理解が得られようか。
 社会保障費は全歳出の3分の1強、約33兆円に上る。高齢者に応分の負担を求めることとも併せ、大胆にメスを入れなければ、財政再建が遠のくだけでなく、ほかの費目が圧迫され暮らしにしわ寄せが及ぶことにもなりかねない。
 防衛費を含め、こうした「聖域」の見直しを決して看板倒れにしてはなるまい。
 25年には団塊世代が75歳以上になり、社会保障費は一層膨らむ。将来世代にツケを回さないため、中長期的な視点に立った社会保障制度改革と財政再建は不可欠だ。その姿勢を政権に強く求めたい。


2018年度予算案 健全化の道筋が見えない
 政府は2018年度予算案を閣議決定した。一般会計の総額は97兆7128億円で、当初予算としては過去最大となった。
 6300億円の自然増が見込まれた社会保障費の伸びは、目標とする5千億円に抑えた。歳入面では新規国債発行を7千億円減らして33兆7千億円にとどめている。
 財務省はこれをもって「財政健全化を着実に進めた」と言う。
 ところが、それを支えているのは59兆円というバブル期並みの税収見積もりだ。
 来年度の名目成長率を2・5%と見込んだことが税収の根拠となっている。代表的な民間予測の1・8%と比べあまりに楽観的だ。
 16年度の税収が当初予算を1兆7千億円下回り、赤字国債で穴埋めした教訓を生かしていない。
 現実味を欠く前提を基に「健全化が進んだ」と強調しても、絵に描いた餅になりかねない。これでは単なる数字合わせと批判されても仕方あるまい。
また国民負担が増加
 焦点だった社会保障費抑制も数字合わせに終始した印象が強い。
 来年度は6年に1度という診療報酬と介護報酬の同時改定の年に当たる。
 団塊の世代が後期高齢者となる「25年問題」に備える上で重要な機会だが、国民が納得する方向性が示されたとは言いがたい。
 特に医師の技術料に当たる診療報酬本体は0・55%増と、2年前の前回改定を上回る伸びとなった。プラス改定は6回連続だ。
 政府が民間に3%の賃上げを求めていることを理由に、日本医師会が引き上げを主張し、それに応えたとされる。
 改定による経費増は600億円に上る。代わりに薬価を引き下げて、社会保障費全体の伸びを目標以内にとどめた。
 診療報酬本体が上がれば、通院費や入院費も上がり、国民が支払う保険料と患者が病院の窓口で払う自己負担も増える。
 すでに過去の歳出改革によって医療費の自己負担は段階的に増えている。これでは老後の不安が増すばかりである。
 裕福な人には給付を抑え、応分の負担を求めるのが、社会保障改革の現実的な方向性だろう。
 自民党の有力支持団体である医師会への配慮が目立つようでは、国民の理解は到底得られない。
 診療報酬本体を増やす余裕があるのなら、安倍晋三首相の唱える「全世代型社会保障」のために、子育て世代や低所得者への支援にお金を回す考え方もあるはずだ。
企業頼みで財源確保
 膨張する社会保障費の影響で、その他の経費への予算配分は硬直化が目立つ。
 安倍政権の新看板政策「人づくり革命」の関連施策が典型だ。
 人づくり革命の施策の大半は消費税増税の実施を前提としている。このため18年度は、保育の受け皿拡大、保育士の賃金引き上げ、給付型奨学金の拡充など一部の前倒し実施にとどまる。
 しかも新たに盛り込んだ11万人分の保育所運営費は、所要額1150億円のうち990億円が企業の負担で賄われる。
 待機児童対策は国が最優先で取り組むべき課題だ。財源も国の予算から捻出するのが筋である。
 社会保障費から充当できないのであれば、省庁の壁を越えた柔軟な予算配分を行うべきだろう。
 もう一つの看板政策の「生産性革命」の関連では、道路整備など従来型の公共事業に多くの予算が割かれた。
 「生産性向上」を大義名分にすれば何でもありになりかねない。無駄やばらまきにつながっていないか、国会での徹底的な議論を求めたい。
補正を抜け道に利用
 子育てや教育の財源探しに苦慮する一方で、防衛費は6年連続で増額された。
 さらに疑問を拭えないのが、18年度予算案で「歳出改革」「財政健全化」をアピールしながら、同時に17年度補正予算案を閣議決定していることである。
 補正予算案の歳出規模は2兆7千億円に上る。安倍政権がこれまで補正の財源としてきた前年度の剰余金では足りず、1兆2千億円分の国債を追加発行する。
 内容も、人づくり革命や生産性革命の関連施策、防災・減災を名目にした公共事業など18年度予算案と重複するものが多い。
 北朝鮮対応を理由に防衛省にも2千億円超が配分された。
 歳出抑制を演出するため、当初予算に盛り込めない事業を補正予算で救済しているとの見方が出るのも当然だろう。
 首相は「財政健全化の旗は降ろさない」と言うが、これでは全く説得力を欠く。補正予算は、緊急性の高い事業に限定するという本来のあり方に戻るべきだ。


2018年度予算編成 危機感欠き財政規律緩む
 安倍政権は2018年度予算案を閣議決定した。一般会計総額は97兆7128億円で、6年連続で過去最大を更新した。急速に進む少子高齢化への対応、激変する安全保障環境への備えなどの課題に適切に対応しつつ、財政健全化への道筋を示すことが求められたが、及第点とは言い難い内容になったことは残念だ。
 社会保障関係経費への切り込みや地方交付税の抑制が不十分だった。さらに、国内の需給ギャップは解消され、需要は十分あるにもかかわらず、需要を喚起する公共事業費を増やすなど必要性に疑問が残る査定もあった。冗漫な歳出が続く恐れを排除できない。
 日本の債務残高は1千兆円を超え国内総生産(GDP)比で230%超、財政状態は先進国で最悪だ。持続性に疑義を持たれれば、理論的には国債の急落、金利急騰もあり得る。
 財務当局はこうした状況を把握しているはずだが、業界団体、政治の圧力に屈する毎年の光景が、この年末も繰り返された。
 歳出の絞り込みが甘くなった背景には、税収増の見込みと低金利がある。18年度の税収について財務省は好調な企業業績などから59兆790億円に上るとみている。バブル景気だった1991年度の59兆8千億円以来27年ぶりの高水準だ。
 これに加え市場金利の低下が国の負担を軽減する。国の借金の利回りである国債の想定金利について財務省は過去最低の1・1%とした。この結果、過去の借金の利払いや償還に充てる国債費を抑えることができた。ここは日銀の大規模金融緩和に負うところが大きい。
 こうした状況で生じた余裕は財政再建に振り向け、少しでも借金を減らすべきだったが、逆に財政規律が緩み、歳出規模が膨張してしまった。新規国債発行額は33兆6922億円と、高止まりしたままだ。危機感が欠如していたと言わざるを得ない。さらに言うと、税収増を前提にした歳出増は危うい。景気が減速し税収が見込み通りに増えなければ、国債の増発に追い込まれる。
 今回の予算編成で最大の焦点となった診療報酬では医師らの人件費などに充てる本体部分が0・55%増で決着した。この結果、国費約600億円が投入されるほか、保険料や窓口負担も増える。当初こそマイナス改定を目指した財務省だが、日本医師会と同会の支援を受ける自民党の前に早々と白旗を揚げた。医師らの待遇改善を図る必要性が厳密に吟味された形跡はない。
 地方交付税についても、自治体の基金残高が21兆円を超え過去最大となっていることから、財務省はその分を反映した交付税の削減を目指したが、阻まれた。基金を財政再建に活用しない明確な理由は示されていない。
 安倍晋三首相は、消費税増税による増収の使途を借金返済から教育無償化に変更、公約だった借金以外の歳入で政策経費をどれだけ賄えるかを示す基礎的財政収支の20年度黒字化を先送りした。
 今回の予算編成は、同収支黒字化へ向けた取り組みを仕切り直す意味もあった。景気拡大が戦後2番目の長さで続き、大幅な税収増も見込まれるという状況はそうそうあるものではない。借金返済を確実にする行程を描くせっかくの好機を逃してしまった。このつけは確実に回ってくる。(共同通信・高山一郎)


2018年度予算案 展望なき歳出膨張に危機感募る
 政府は、一般会計総額97兆7128億円の2018年度予算案を閣議決定した。6年連続で過去最大を更新、安倍晋三首相が唱える「聖域なき歳出改革」は完全に後回しになった。中長期的な展望に欠け、借金頼みから脱却しない財政運営に強い危機感を覚える。
 政権の下で増え続けてきた防衛費は、5兆1911億円でまたも過去最高を更新した。北朝鮮問題を「国難」とあおって利用し、国会での十分な審議もなく巨額装備の経費を盛り込んだことは看過できない。憲法9条に基づく「専守防衛」から逸脱する危険性が高い、敵基地攻撃が可能な長距離巡航ミサイルの経費を計上。2基で総計2千億円規模となる地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」導入も閣議だけで決めた。
 購入額がどこまで膨らむかも不透明だ。政府は当初、イージス・アショアの額を1基800億円としていたが、今月になって急きょ、根拠も示さず1千億円弱に。最新鋭レーダー搭載でさらに跳ね上がろう。契約もいわば米国の「言い値」で、見積額に基づき前払いする対外有償軍事援助になる見通し。トランプ米大統領の売り込みを受け今後、必要以上に購入が増え続けることを危惧する。
 高齢化の進行で、社会保障費は過去最大の32兆9732億円に膨らむ。団塊世代が75歳以上になる「2025年問題」に対応可能な将来の制度設計は、今回も示せなかった。
 11兆6079億円の医療給付費のうち、診療報酬改定は全体では微減だが、医師らの人件費などに充てる「本体部分」はプラスとした。選挙で自民党を支えてきた日本医師会への見返りとされる。改定率は本来、サービスの需要量に応じ算出すべきだが、単に総額を抑制すればいいわけではなく、めりはりを付けた配分が必要。プラス分は疲弊する医師の負担軽減や、偏在の解消に生かさねばならない。
 沖縄振興予算は2年連続の減額で3010億円となり、14年の翁長雄志知事就任後、最低を更新した。米軍普天間飛行場移設を巡り、国と県が激しく対立している。政権との「距離」が恣意(しい)的な予算配分につながっている疑念が拭えない。
 税収は27年ぶりの高水準の59兆円と想定するが、歳入の6割にすぎず、国債依存率が3割を超える状況は変わらない。税収増の根拠となる経済成長率を、政府は名目で2.5%と見込むが、16年度が1%台前半だったことを考えると楽観的だ。財政悪化が続けば日本経済への信頼性が揺らぎ、混乱に陥るリスクを政府は直視する必要がある。
 今回の予算膨張は首相の意向が色濃く反映された結果だ。財政の健全度を示す基礎的財政収支の赤字は高止まりが続き、18年度も10兆円を超える。黒字化の目標は先送りが続き、このままでは達成する見通しが全く立たない。歳出の抜本的な改革には一刻の猶予もない。


河北春秋
 「これは十字軍の聖戦」。2001年の米国同時多発テロの後、当時のブッシュ大統領がこう反撃を訴え、内外の批判を浴びた。十字軍は中世、イスラム教圏にあった聖地エルサレム奪還に燃えたキリスト教諸国の200年に及ぶ遠征だ。混乱と犠牲を残し失敗、一方的正義の愚行のたとえにもなった▼トランプ大統領も「十字軍」を気取ったか。イスラエルが69年前の建国以来パレスチナから占領し「首都」とするエルサレムを、同大統領が主張通りに認めた。イスラムの聖地でもあり、紛争の悲劇を引き起こしてきた問題を、十字軍の剣さながらに切り割った▼ユダヤ系、キリスト教系の票を狙って、首都の証しとして「エルサレムに大使館を移転する」と昨年の大統領選で公約していた。今は支持率低迷の中、「強い指導者ぶりを見せたい異常な執着心がある」との指摘が本紙に載った▼21日の国連総会が、「当事者が共生できる解決を」と米政府に認定撤回を求める決議を採択した。反対するなら援助金を削るような、なりふり構わぬ本人の脅し文句が聞かれたが、日本を含め大多数の国が筋を通し賛成した▼あらわになったのは、世界に「愚行」を見せた大統領の孤立か。失地回復を焦る剣が、暗雲漂う隣の半島へ振り下ろされぬよう願うばかり。

デスク日誌 介護保険20年
 あまり話題にならないので、忘れかけていた。あれから、もう20年なのだ。
 1997年12月に成立した介護保険法。40歳以上の国民が保険料を払い、介護の必要な人が適切なサービスを受けられるようにする仕組みの骨格が決まった。
 この年の秋、国際長寿センター(ILC)主催の記者研修会に参加し、超高齢社会をテーマに米紙記者たちと意見交換する機会があった。当然、介護保険も話題になったが、議論はまるでかみ合わず、米紙記者たちが総じて懐疑的だったのが印象に残っている。
 公的保険に対する意識が決定的に違っていたのだ。例えば代表的なのは、こんな意見。「将来介護が必要になるかどうかは、かなりの部分が自己責任」「要介護にならない人まで保険料を支払うのは不公平だ」
 どうやら、わずかな負担で病院を受診できる健康保険制度を持つ日本人は何だかんだと言っても、公的保険の良さを理解し、一定の信頼を寄せているのだと感じた。少なくとも当時は。
 来年は一部高齢者の自己負担が3割に引き上げられる制度改正もある。国民の信頼をどう守るか。この先ますます難しくなる。(山形総局長 昆野勝栄)


防衛省 岡山大など助成4大学判明 防衛装備庁、明らかに
 自衛隊の防衛装備品に応用できる最先端研究を公募して研究資金を助成する防衛省の「安全保障技術研究推進制度」を巡り、岡山大、東海大、東京工科大、東京農工大の4大学が今年度分の助成を受けたと、制度を運営する防衛装備庁が22日、明らかにした。
 同制度は「軍事研究に当たる」との批判が強く、科学者の代表機関・日本学術会議が今年3月、大学などの応募に否定的な声明を出している。防衛装備庁は8月、今年度分の配分先14件を代表機関の企業や公的研究機関名と共に発表したが、分担研究する4大学名は公表していなかった。
 同庁は「分担研究機関との研究委託契約は装備庁とではなく代表研究機関と結ぶため、了承なく公表できない」と説明していた。4大学の研究者名や研究内容は明らかにできないとしている。
 同制度は3年目の今年度から予算額が110億円と昨年度の6億円から18倍に急増。それに伴い新設された高額研究枠は、最大5年間で総額20億円が提供され、4大学はこの枠で研究費を受け取る。東京農工大は小規模研究枠でも採択された。
 今年度の応募総数は104件と昨年度の44件(配分先は10件)から急増していた。【千葉紀和】


停滞する拉致問題 元凶は安倍政権と追及しない野党にあり
「何も見えない、何も動いていない状況で、今日まで頑張ってきた」
 横田早紀江さん(81)が21日、衆参両院で開かれた拉致問題特別委員会の閉会中審査で、そう訴えた。
 今年はめぐみさんらが拉致されて40年、家族会結成から20年という節目の年。拉致被害者、松木薫さんの姉・斉藤文代さん(72)も閉会中審査で、「政府に今年中にすべての被害者の救出を求めるという運動方針を決めたが、残念ながら願いがかないそうにない。家族は切羽詰まっている」と悔しさをにじませた。またしても進展ナシの越年。家族の高齢化が進む中「もう待てない」が家族の本音だ。
 閉会中審査では、与野党の議員が神妙な面持ちで、家族らに質問。異口同音に「全力で取り組む」と口をそろえたが、ちょっと待って欲しい。安倍政権の5年にもわたる「不作為」を許してきたのが、国会ではないのか。
「野党の責任は重大です。拉致問題について成果を出せない安倍政権を追及して、しっかりと取り組ませるのが国会、とりわけ野党の役割です。ところが、野党の中には、“親北”だった議員もいて、拉致は触れたくない問題。その結果、安倍政権の無策にも大手を振れないのです」(元外交官の天木直人氏)
「拉致の安倍」という幻想もネックだ。12月4日の参院本会議で、安倍首相は、成果ナシの自分を棚に上げ、「全ての拉致被害者のご家族が自身の手で肉親を抱きしめる日まで私の使命は終わりません」と薄っぺらい言葉を口にした。たまらず複数の野党議員が「いい加減しろ」とヤジを飛ばすと、ネット上では「野党議員は拉致問題を解決したいと思ってないようですね」と炎上した。
■超党派で取り組め
 11月の参院予算委では、民進の増子輝彦議員が「1ミリも進んでいない」と苦言を呈すと、後日、飯島勲内閣参与が「週刊文春」で「国会議員からこんな後ろから味方が鉄砲で撃つような発言が出てくるなんてけしからんの極みだよ」と書いた。
 野党が何もやっていない政府を批判するのは当然なのに、拉致に限っては「安倍批判は解決に後ろ向き」という風潮がいまだに残っている。
 国会の拉致問題軽視は数字にも表れている。本紙の調べだと、今年1年間で、衆参両院の拉致問題特別委の実質審議は、21日の閉会中審査を含めても、衆院3回、計4時間、参院4回、計6時間に過ぎない。国会の拉致問題の扱いはこんなものなのだ。
「安倍政権の無策を追及すること以外にも、国会議員は議員外交などやれることはいくらでもあります。ところが、訪朝するのはアントニオ猪木議員だけです。それも、行っただけで、何のフォローアップもされていません。議員同士が連携して、もっと戦略的にやらないと話になりません」(天木直人氏)
 家族会代表の飯塚繁雄さん(79)も閉会中審査で「各党バラバラではなく、きちんと任務を決めて、超党派で取り組んで欲しい」と繰り返し注文をつけた。
 来年1月22日から始まる通常国会では本気の議論をすべきだ。拉致問題は安倍政権の最優先事項のはず。「来年ダメなら退陣する」くらいの覚悟をみせたらどうだ。


はあちゅうのセクハラ告発がなぜ女性から批判されるのか? はあちゅう自身の過去のセクハラ冷笑から考える構造的問題
 はあちゅうこと伊藤春香氏がネットメディア「BuzzFeed Japan」で告白した電通在籍時の先輩クリエイター・岸勇希氏によるセクハラ被害。ところが、このはあちゅうの勇気ある告発について、評価する声の一方で、批判の声が巻き起こっている。
「ちょうど新刊を出したから売名じゃないか」というお決まりの攻撃に加えて、「そもそも女を売りにしてるからそんな目にあうんだ」「お前も岸氏に女の子を紹介してるんだから加害者だ」「自分もさんざんコラムでセクハラ的なことを語っていたくせに」……。
 さらに、はあちゅうが過去に童貞をいじるような文章を書いていたことが発覚、「おまえもセクハラをしていたじゃないか」と炎上が広がっている。
 もっとも、こうした批判のほとんどは、セクハラする側の男たちによる告発無化のための話のすり替えでしかない。勇気ある告発をした人間に対して、力を持っている側がこうした吊るし上げ攻撃をする日本の社会の問題については、別稿で指摘したいと思うが、ただ、はあちゅうへの批判については、もうひとつ気になることがある。
 それは、同じセクハラの被害者であるはずの女性の側から「さんざんおいしい目をしていたくせに、いまごろ何を言ってるの」といったような冷ややかな意見が多数混じっていることだ。
 実は、はあちゅう自身が以前はそうだった。本サイトでは、2015年3月にはあちゅうがセクハラ批判を揶揄する発言をしたことを取り上げ、そのことを検証する記事を掲載したことがある。
 当時、JR東日本の子会社が運営するファッションビル「ルミネ」が公式映像としてアップしていた「ルミネが働く女性たちを応援するスペシャルムービー」がセクハラだとして炎上。しかしこのとき、はあちゅうはセクハラCMに対する批判の声を冷笑するようなツイートをしていた。
〈好きな人にやられたら嬉しいことを嫌いな人がやったらセクハラになるって言葉思い出した。〉
セクハラ批判を冷笑するようなはあちゅうの過去の発言
 断っておくが、本サイトはいま、はあちゅうを攻撃しているセクハラ男たちのように「前はこんなこと言っていたくせに」とあげつらっているわけではない。
 自分がかつて、セクハラ告発を抑圧する側にいたことは、はあちゅう自身が前述のBuzzFeed Japanの記事のなかできちんと認めている。
「私の場合、自分が受けていた被害を我慢し、1人で克服しようとすることで、セクハラやパワハラ被害のニュースを見ても『あれくらいで告発していいんだ…私はもっと我慢したのに…私のほうがひどいことをされていたのに…』と、本来手をとってそういうものに立ち向かっていかなければならない被害者仲間を疎ましく思ってしまうほどに心が歪んでしまっていました」
「けれど、立ち向かわなければいけない先は、加害者であり、また、その先にあるそういうものを許容している社会です。私は自分の経験を話すことで、他の人の被害を受け入れ、みんなで、こういった理不尽と戦いたいと思っています」
 本サイトがこの問題をもちだしたのは、このはあちゅうの過去の発言がセクハラ告発を冷笑する女性たちに共通するものであり、それを生み出しているのもまた、男社会の歪んだ構造であると考えるからだ。
 だから、本サイトはこの機会に、かつてはあちゅうを批判的に検証したこの記事をあえて再録したいと思う。はあちゅうを攻撃しているセクハラ男でなく、はあちゅうに冷ややか視線を投げかけている女性にぜひ、読んでもらいたい。そして、このときのはあちゅうの姿が、いまの自分たちの姿と地続きにあることを感じ取ってもらいたいと思う。
(編集部)
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 先週、JR東日本の子会社が運営するファッションビル「ルミネ」が公式映像としてアップしていた「ルミネが働く女性たちを応援するスペシャルムービー」が大炎上した。
 動画を見ていない人のために、動画内で描かれた物語を紹介しよう。
 まず、ボーダー服+パンツ+トレンチコートという出で立ちで出勤するひっつめ髪の女子が、会社近くで先輩と思しき男性と遭遇する。「なんか顔疲れてんなー、残業?」と声をかけられ、女子が「普通に寝ましたけど」と答えると、男性は「寝てそれ?」と言って笑いはじめる。そのとき、ふたりの同僚である、もうひとりの女子が登場。そのビジュー付きカーディガン+パステル系ふんわりワンピの巻き髪女子を見て、男性は「やっぱかわいいな、あの子」と言い、ボーダー女子に対し「大丈夫だよー、吉野とは需要が違うんだから」と述べる。そこに〈需要〉というテロップがかかり、〈求められること。この場合、「単なる仕事仲間」であり「職場の華」ではないという揶揄。〉と解説されるのだ。
 ……「需要のある女」と「需要のない女」を男性目線で分断・区別する。これだけで十分“アウト”なストーリーだが、問題はこのあと、当のボーダー女子が「最近サボってた?」と自問自答しはじめる点。そこで「変わりたい? 変わらなきゃ」というルミネのメッセージが流れるのだ。そう、男性目線で「需要がない」と断罪された女性が、その言葉をまんま内面化してしまうのである。
 ご存じの通り、このスペシャルムービーには非難の声が殺到し、すぐさまルミネも謝罪し動画は公開中止となった。だが、この騒動に対して、人気ブロガーの“はあちゅう”こと伊藤春香がTwitterにさらなる一石を投じ、そちらも話題になっている。
はあちゅう「イケメンだったら炎上しなかった」「嫌いな人がやったらセクハラになる」
 はあちゅうの主張は、こうだ。
〈ルミネのCM、上司がイケメンだったら炎上しなかったと思うんだけどな〜。好きな人のためなら頑張れるけど、冴えない上司に言われるのはムカつくってだけで、好きな人にやられたら嬉しいことを嫌いな人がやったらセクハラになるって言葉思い出した。〉
 はあちゅうは「イケメンだったら」というが、世の中はイケメンなら何を言っても許せるほど寛容な女ばかりであるはずがなく、このツイートも案の定、炎上。しかし問題は、“セクハラ行為も好きな人ならOKで、嫌いな人はNG”というコメントのほう。こうした女性の“矛盾”をつき、男性側から「好きな男に許すのならセクハラと騒ぐな」と批判が起こることは少なくないからだ。
 だが、このような言説に抗うように、声高に叫んだ女性がいる。
「嫌いな男が胸を触ってくるのに怒り、好きな男が触りたいと思うお尻が欲しい」
 言葉にしたのは、70年代に巻き起こったウーマン・リブを先導した、伝説の運動家・田中美津である。嫌いな男には触られたくないと拒否するし、だからといって好きな男に欲望される存在でありたいと思うことを否定する必要はない──田中はそう主張したのだ。
 田中がこのような言葉を口にしたのは、彼女自身が矛盾を抱える存在だったからだ。たとえば、田中の著書『かけがえのない、大したことのない私』(インパクト出版会)では、〈私自身の卑屈な例〉として、胡座をかいていたところに好きな男性がやってきて、とっさに足を正座に組み直したエピソードが紹介されている。
〈意識では、「女が、胡座をかいたっていいじゃないか」と100%思っている。ところが、好きな男が入ってきたらしい気配を感じただけで、考えるまでもなくからだが勝手に動いて正座になってしまった。女への抑圧って、かように身体化しているのか、いやぁ驚いたって思いました〉
 田中の世代の女たちは、男に好かれる女になること、男に選ばれる女になること、すなわち女らしい女になることを幼いころから徹底的に叩き込まれてきた。そうした男性の視線、男性の考える一方的な価値のなかでしか生きられなかった時代に、田中たちは自由に生きたいと立ち上がった。だからといって、男性に好かれたいという思いを、すぐさま消去できるほど人間は器用ではない。矛盾はさまざまな場面で立ち現れる。もちろん、男からだけでなく女からも、その矛盾は追及されてきた。
 しかし、田中はその矛盾を肯定した。矛盾し、引き裂かれる自分こそが、いつわらざる“いま、ここにいる私”だからだ。
〈あぐらから正座に変えた、そのとり乱しの中にあるあたしの本音とは〈女らしさ〉を否定するあたしと、男は女らしい女が好きなのだ、というその昔叩き込まれた思い込みが消しがたくあるあたしの、その二人のあたしがつくる「現在」にほかならない〉(『いのちの女たちへ とり乱しウーマン・リブ論』現代書館)
 田中はこの文章を約45年前に書き付けているが、いま、この時代にも、自分の矛盾にとり乱している女性はいるだろう。あるいはとり乱さないために、はあちゅうのように、消費される女性性を担保にして男社会の論理のなかでうまく立ち回りつつ、自分の価値を見出したほうがかしこいと考える女性もいるだろう。
はあちゅうは自らがうけた屈辱的セクハラをどう表現していたか
 でも、田中が述べたように、とり乱していていいのだ。一貫性がないと罵られても、いま〈ここにいる女〉として、セクハラにはノーと言えばいい。
 だからこそ気になるのは、はあちゅうが今回の騒動にかんして、こんなふうにつぶやいていることだ。
〈は〜。なんかセクハラの話で私につっかかってくる人いまだに多いけどあんなのがセクハラって言ってる人に、私がクライアントに音読させられた「ハルカ・リーチ・オーガズム」っていう創作短編小説を読ませてあげたい!(引っ越しの荷物の中から今出てきた)〉
 そのクライアントに音読させられたという創作小説がどんなものなのかはわからないが、タイトルから察するに、よほど屈辱的な内容だったと思われる。それを声に出して読まされるという、耐えがたいセクハラを、彼女は受けたのだろう。ならば、いま一度、はあちゅうは考えてみてほしい。そのクライアントがイケメンだったら、自分はその屈辱を許せたのか?と。
 たぶん、はあちゅうは自分が受けたセクハラに比べたら、男に「需要/非需要」と分けられることくらいたいしたことではないからガマンしろとでも思っているのかもしれないが、セクハラの中身や程度の差は天秤にかけて計る必要などないものだ。そして、セクハラ小説を女性社員に読ませるという暴力的な行為は、女を「需要/非需要」に分けるという思考から発生している、ということを、ぜひ知ってほしいと思う。
 最後に、はあちゅうには田中美津のこんな言葉を贈りたい。
〈「なぜ私はそれを選ぶの、何で私はこんなふうに行動してしまうの?」という疑問や気付きと一緒に、世の中を変えていくということをやらない限りは、人も世の中も本当には変わらないと私は思います〉(田岡 尼)


連載対談 中島京子の「扉をあけたら」
声を上げることのできない多くの性犯罪被害者がいる。罪に問われない加害者がいる。私たちは性犯罪にどう向き合えばいいのか。自身のレイプ被害を告発したジャーナリスト伊藤詩織さんとともに考える。
第十八回 日本にも「Me Too」を! ゲスト 伊藤詩織(ジャーナリスト)
レイプ犯は、大多数が顔見知り
中島 私が詩織さんの姿を初めて拝見したのは、二〇一七年五月二十九日。自ら被害者となったレイプ(強姦)事件が不起訴処分となったため、検察審査会への申し立てを行い、その後司法記者クラブで会見された時の報道映像でした。勇気を出して理不尽と闘う。言葉で言うのは簡単ですが、特にレイプの被害者は好奇の目にも晒されます。実際に一歩足を踏み出した人は日本ではほとんどいない。報道されているのは本当に氷山の一角で、性犯罪は社会の中に根深く潜んでいると思うんです。もし、私たちの世代がちゃんと声を上げていれば、社会も少しは変わっていたかもしれない。詩織さんがひとりで頑張らなければいけないような状況にしてしまい、本当に申し訳ないなと思いました。
伊藤 ありがとうございます。中島さんにそう言っていただけると、勇気が湧いてきます。
中島 そして、十月十八日に著書『Black Box ブラックボックス』(文藝春秋)を出版されました。読んでいると、被疑者を逮捕する直前で上からの圧力でストップがかかったことや警察が示談を仲介するなど、この国が信用できなくなるような出来事があまりに多くて、腹立ちを通り越して悲しくなりました。私も詩織さんを応援するひとりとして、新聞広告に推薦文(「会見を見て、未来を生きる人たちのために意を決して声を上げた詩織さんを、一人にしてはいけないと思った」)を寄せました。
伊藤 私も最初は、あまりの理不尽さに悩み、苦しみました。でも、次から次へとおかしなことが起こるので、途中からもう考えるのはやめにしました。
中島 何より驚いたのは、強姦罪が認定されるためには、強姦があったことを被害者が証明しなくてはいけないということでした。
伊藤 「行為があったか」「合意があったか」そして何よりも「暴行・脅迫があったか」を被害者が証明しないといけないんです。
中島 普通に考えると「無罪だというなら証明しなさい」と言われるのは、訴えられたほうだと思うのですが。
伊藤 強姦の場合、見知らぬ人に突然襲われるような事件は、全体の一割くらい。大多数が、顔見知りによる犯行なんです。被疑者が顔見知りの場合「彼女がよろこんでついてきた」と証言されれば、被害者がそれを否定する証拠を示さないと起訴することは難しいのです。
中島 この法律は、日本の女性みんなが、ちゃんと知っておかないといけないことですね。誰もが、いつ被害者になるかわからないですから。
伊藤 女性に限らず、男性にとってもです。二〇一七年の刑法改正で、「強姦罪」は「強制性交等罪」と変更されて、男性も対象になりました。ようやくという感じですが、海外では教会の神父さんによる男児への性的暴行も問題になっています。日本でも、あまり報告されていないだけで、男性の被害者も多いと思います。
中島 この本にあるようにレイプ被害にあった場合、最初に駆け込むべきところは病院の婦人科ではなく救急外来だということも、ほとんどの人が知らなかったと思います。
伊藤 現在、日本ではDNAなどを分析して加害者を特定するための「レイプキット」を設置しているのは、主に救急外来です。
中島 なぜ婦人科じゃないのでしょう。救急外来は、重篤な患者さんも運ばれてくるところですから、レイプの被害を受けた直後に駆け込むのは心理的に難しい気がします。
伊藤 そうなんです。婦人科にもぜひ設置してほしいですよね。外科でも、内科でも問診票に「性被害を受けましたか?」という一文が追加されるだけで、ずいぶん違うと思います。その病院に「レイプキット」がなくても、近くの病院を紹介することができますから。
中島 それでも、詩織さんの勇気ある告発によって、性犯罪の被害者になったときにどうすればいいのかという、これまで表に出ていなかった大切な情報が共有され、問題として認識され始めました。
伊藤 スウェーデンには、「レイプ緊急センター」があって、二十四時間三百六十五日いつでも対応してくれます。二〇一五年には、男性専用の窓口もオープンしました。それまでも男性を拒んではいなかったのですが、あえて「男性専用」と看板を掲げたんです。
中島 たしかに、男性のほうが女性よりも声を上げにくい現実はありますね。スウェーデンには取材に行かれたのですよね。
伊藤 はい。スウェーデンは、レイプの発生率が世界一多い国なんです。なぜかというと、レイプ一回を一件とカウントするからです。長期間にわたってレイプされ続けた事件では、その回数分がカウントされるので、レイプの発生件数も多くなります。
中島 なるほど、国として性犯罪に対する問題意識が高く、対策も進んでいる。隠されていないんですね。
伊藤 スウェーデンの「レイプ緊急センター」の調べによると、被害者のうち約七割が現場でフリーズ状態に陥っています。殺されるかもしれない。恐くて抵抗すらできない被害者がこんなに多いんです。
中島 日本でも同じですね。しかも、被害者による証明が必要だということは「抵抗しなかった」イコール「合意があった」ととられるかもしれない。理不尽ですよね。もっと被害者の立場に寄った法律に変えられないのでしょうか?
伊藤 スウェーデンでは、被疑者のほうに合意を証明させるための新しい法案づくりに着手しているそうです。行為に及ぶ前に、一筆書かせるのか、もしくは録音するのか。具体策はまだわかりませんが、そういう法律ができると、襲われそうになったときにも、拒否する気持ちを後押ししてくれると思います。
日本女性の「NO」は「YES」?
中島 今朝、詩織さんのことを考えながら対談に出かける準備をしていたら、突然ピンク・レディーの『S・O・S』という歌が頭のなかで流れ始めました。「男は狼なのよ 気をつけなさい 年頃になったなら つつしみなさい」という歌詞で始まる曲です。
伊藤 「つつしみなさい」ですか……。
中島 「羊の顔していても 心の中は 狼が牙をむく そういうものよ」と続くんですね。子どものときに覚えた歌だから、記憶違いかなと思って、ネットで検索してみたら、やっぱり「つつしみなさい」なんです。男は危険なものだから、女の子がつつしまなければならない。この国はそういう文化をずっとひきずってきていると思います。
伊藤 たぶん年配の女性からだと思うのですが、記者会見のあとに「あなたはもっとつつしまなければならない」という内容のメールをもらったことがあります。
中島 残念ながら性被害にあうのは、女性のほうがふしだらだからだというイメージが刷り込まれているのでしょうね。被害にあったほうが責められるなんて、どう考えてもおかしい。セカンドレイプです。
伊藤 ネットで「金玉潰し」というのを見つました。
中島 なにそれ。強烈なネーミングですね!
伊藤 「男性が電車で股を開いて座っていたら潰していい。路上で寝ていたら潰していい。男性のだらしない行為は、すべて潰していい」。そんなことを言われたら、男の人だってぎょっとするんじゃないでしょうか?
中島 「被害にあうのは女性が悪い」という言説がいかに理不尽かをわかってもらうにはよい比喩(笑)。
伊藤 駐在員として日本に来ている外国人の友だちから聞いた話で、ちょっと驚いたことがあるんです。彼は、これまで四人の日本人女性とお付き合いをしたことがあるそうです。そのうちの三人は、最初に夜をともにした日に性行為を行おうとしたら「NO」と断られた。まだそんな気持ちじゃないんだと思い「本当にごめん、大丈夫」とあやまると、彼女は「なぜ途中でやめちゃうの」と怒りだした。彼は、彼女の真意がわからず、混乱したと言っていました。
中島 「NO」と言っても、本当は「YES」だってこと?
伊藤 そうなんです。インターナショナルなスタンダードだと、「NO」は「NO」でしょう。
中島 日本人の男性はどうなんでしょう?
伊藤 男友だちに聞くと、彼らもそういう日本女性の態度は理解できるという。でも、もしかしたら本気で「NO」と嫌がっているのかもしれないでしょう。なぜ相手の気持ちがわかるのかと、喧嘩になってしまうこともありました(笑)。
中島 根深いですよね。日本の男性には性行為における女性の「NO」は「YES」だと翻訳する装置が組み込まれているのかもしれない。昔は「イヤよイヤよも好きのうち」なんて言葉もあったけれど、現代の若者たちのメンタリティも似たようなものだと知ると、ちょっとショックです。
伊藤 私にはそういう感覚がまったくなかったから、最初は彼の話がまったく理解できませんでした。でも、それが男女の駆け引きなのか、本当の「NO」なのか、ちゃんとわかるように意思表示できないと、危険だと思うんですね。
中島 どうすればいいんでしょう。「NO」や「イヤ」に、両方の意味があるというのは、加害者にとっても免罪符になってしまう。
伊藤 だから日本語にも「Fuck off!(うせろ)」のような強烈な言葉が欲しいんです。英語圏で、女性が大声でこの言葉を使う時は、相手を罵倒していることが明白です。私の場合も、最後はかなり激しく英語で罵りました。
中島 日本語には、そういう強烈な「罵倒語」はない。
伊藤 短くて、強烈な日本語の罵倒語。中島さんも、ぜひいっしょに考えてください。
中島 新しい言葉を作る。すごく革命的な提案かもしれませんね。「NO」が「NO」だと伝わらないのだから、絶対に「NO」だと誰もがわかる言葉。そういう武器が日本女性には必要なんですね。
被害者として。ジャーナリストとして
中島 詩織さんのときのように就職活動中の大学生の女性は、とくに危険な環境ですよね。
伊藤 なかなか口には出せないでしょうが、被害者は多いと思います。
中島 就職や仕事の上下関係がある場合は、いろんな思惑が働く可能性もあるから難しいですよね。元TBSワシントン支局長の逮捕を直前で中止させた警視庁の刑事部長(当時)も『週刊新潮』の取材に対して、所詮男と女の揉め事、という内容の発言をしていました。地位や権力のある男性の頭の中で、なぜ「仕事の相談」が「男女の関係」とつながってしまうのか。そういう空気がセクハラやパワハラの温床になっている気がします。
伊藤 彼らのマインドセットが恐ろしいですね。しかも、警察の上層部にいる。日本は大丈夫なのか?
中島 詩織さん自身、会見後いろんな活動をされていて、実際にレイプ被害者の方とお会いになることもあると思います。
伊藤 私を取材してくれた女性記者さんのなかにも、性被害を受けたことがあると告白された方がいます。
中島 取材に来た記者さんが、告白されたんですか!
伊藤 あるネットメディアの記者の方なのですが、誰にも言えずにずっと自分のこころのなかに閉じ込めてきたんでしょうね。インタビューを終えたあと、これまで自分が被害を受けたことは、言わないほうがいいと思っていたけれど、ちゃんと書かないといけないと語り始め、実名で記事を書かれました。
中島 彼女も詩織さんの行動に後押しされたんですね。
伊藤 前回ロンドンに発つ前日に、カフェでミーティングの準備をしていました。「詩織さんですよね」と、ひとりの女性が駆け寄ってきて「応援しています」と言ってくれたんです。そのあと、彼女は自分も私と同じような体験をしたのだと告白し、泣き出しました。その姿を見ていると、何年前のことであろうと、私たち被害者のなかでは決して時効になることはないんだと、あらためて実感しました。
中島 ハリウッドで大物プロデューサーのセクハラ事件が公になったとき、多くの女優たちが自分も被害を受けたと告白しました。その後セクハラ被害を受けたことのある女性たちに対して「#Me Too(私も)」をつけてツイッターに投稿しようという呼びかけが広がりました。
伊藤 素晴らしいですよね。レディー・ガガさんでさえ七年間、誰にも言えなかったそうです。その閉ざされた気持ちを誰かにすくい取ってもらえないと、ずっと誰にも言えない。少しずつでもいいから、そういう人たちの気持ちをすくい取れるような活動が出てきたらいいなと思います。
中島 ひとりだと逆風を受けることがあっても、大勢の力が合わさるとムーブメントになります。権力を笠に着た悪にも、正義で対抗できる。
伊藤 日本でも、「Me Too」のアクションがひろがっていけばいいなと思います。
中島 現在は日本を離れて、イギリスで活動されているそうですね?
伊藤 はい。私の状況だと、日本ではどうしてもジャーナリストとしての活動はやりにくい。だから、バイアスのかからない海外で活動しようと考えました。いまはロンドンを拠点にしています。
中島 なぜロンドンを選んだんですか?
伊藤 ロンドンにはイギリスのメディアだけでなく、世界のいろんなメディアの支局が集まっています。向こうのメディアは、私のような経験値の少ないジャーナリストにも「Welcome」と門戸を開いてくれる。提案した企画が良ければ、すぐに採用してくれます。
中島 ジャーナリズムは権威を監視する役割もあるから、すべての人から情報を集める姿勢は正しいですね。残念ながら日本のメディアは、それほどオープンではないですね。海外のメディアで経験を積むのは正解でしょうね。
伊藤 BBCが採用してくれた私の企画のために、南アフリカの女性がいっしょに働いてくれています。彼女の話だと、南アフリカでは、小さい頃から学校で性のことを歌にして教えてくれるそうです。大人の男性には小児性愛者がいるから気をつけようとか、おかしな人がいたらすぐに先生に報告するようにと、ちゃんと性被害に対する教育が行われている。
中島 日本より治安が悪いということもあるのでしょうが、「NO」は「YES」だという文化が残っている日本に比べると、はるかに意識が高い。教育の重要性を感じますね。
伊藤 そうなんです。私自身の問題を解決するためにも、日本の性犯罪に対する意識を変えていきたいと思います。
中島 被害者でもある詩織さんが、ジャーナリストとして海外から発信していく。そのメッセージの重さは、必ず日本にも伝わると思います。
 そして、詩織さんの勇気ある行動は、すでにこの国を変え始めていると思います。ゆっくりかもしれないけど。詩織さんの活動、これからも応援しています。


「伊藤詩織は嘘をついている」と糾弾し続ける山口敬之の意図的な誤読が意味すること
 前回、この連載原稿を、このように書き始めた。
「多くの人が、あちこちでこの事案についての記事を読んでいるはずなので『またか』との印象を与えるかもしれないが、加害者やその支援者は、この件を皆が忘れてくれるのを何より待望している。ならば、繰り返し言及するしかない」。
 今回もその書き出しをそのまま使う。繰り返し言及するしかない。
 セクハラ被害を告発する「#Me Too」の動きがようやく日本でも広がってきている。実名で表に出て、ジャーナリスト・山口敬之からのレイプ告発に踏み切ったジャーナリスト・伊藤詩織の姿勢は、日本における広がりの最初の「Me」と言える。忘れさせようとする加害者周辺の企みを放置したくない。
 事件の詳細については前回の原稿に目を通していただきたいが、少しだけまとめなおす。山口にレイプされたと告発し、レイプ被害者を取り巻く司法や捜査システムの改善、性暴力被害を語りやすくする社会の実現を訴えた伊藤詩織の著書『Black Box』の刊行を受け、山口が『月刊Hanada』(2017年12月号)で「私を訴えた伊藤詩織さんへ」と題した手紙風の手記で潔白を訴えた。伊藤の『Black Box』と読み比べれば、山口の弁解からは、明らかなる説明不足の点がいくつも抽出されたのだが(その旨も前回記した)、何があろうとも自分をかばってくれる右派雑誌とその読者には有効だったようだ。
 翌月号(『月刊Hanada』2018年1月号)の読者投稿欄を読むと、65歳の男性が、山口の手記について「客観的で一貫性があり、感情的な表現もなく、好感の持てるものでした」とする投稿が掲載されている。まず伊藤の著書が刊行されて、その後に山口の手記が書かれた、この順番を踏まえた上で読み比べれば、客観的で一貫性があり、感情的な表現がないものはどちらのテキストなのか、すぐに分かる。
「伊藤氏の私を犯罪者にしようという目論見は失敗に終わったのである」
(山口敬之「記者を名乗る活動家 金平茂紀と望月衣塑子の正体」『月刊Hanada』2018年1月号)
 このまま不十分な手記だけで逃避するのだろうと思いきや、山口は「攻撃は最大の防御」という意図なのか、翌月号では「『伊藤詩織』問題 独占スクープ第2弾! 記者を名乗る活動家 金平茂紀と望月衣塑子の正体」との原稿を発表した。TBS『報道特集』キャスター・金平茂紀と東京新聞記者・望月衣塑子が、自分への取材もなしに伊藤の見解に依拠した報道をしたことを糾弾する内容だが、この雑誌(毎号通読しております)が度々TBSの報道姿勢を批判し、菅官房長官に詰め寄る質問を繰り返す望月の存在を毛嫌いしてきた経緯を考えれば、読者の共感を呼びやすい「糾弾素材」を選び、自らの説明不足をうやむやにしたと思わざるを得ない。
 これも前回と同じ主張になるが、山口の手記は何の弁明にもなっていないのだから、伊藤がそうしたように、記者会見に臨むべきではないのか。山口は、現在も誹謗中傷のメールや書簡が続いていると訴えているが、ならばなぜ、表に出て説明しないのだろうか。今回の原稿で、メディアからの取材依頼に対して「反応する意味があると判定したものについては回答書を寄せたり、取材に応じたりした」と書いているが、ずっと自分の味方をしてくれている雑誌とネット番組のみに登場する事がその「判定」ならば、納得できるはずがない。
 そして何よりこの原稿で放置できないのが、被害者・伊藤詩織の手記に対する“意図的な誤読”を重ね、そして糾弾をいくつも盛り込んでいる事だ。その糾弾が、書き手及び編集部の総意であることは、タイトルに「『伊藤詩織』問題」とあることからも明らかである。これは「伊藤詩織問題」ではない、「山口敬之問題」である。小学校の校長先生が入学式で新入生に投げかけるような教示になるけれど、この人たちは、人の痛みが分からないのだろうか。分からないのかもしれない。
 「伊藤氏の私を犯罪者にしようという目論見は失敗に終わったのである」とする山口は、「伊藤氏の『犯罪事実があった』との主張は、『朝まで意識を失っていた』ということがすべての前提となっている。ところが、真実は違う」と書いた。
 前号の山口の手記にも「『朝まで意識がなかった』のでは決してなく、未明の時間に自ら起き、大人の女性として行動し、また眠ったのです」と書かれている。2号連続で彼の原稿を読んだ読者は、本当は意識があったのに伊藤は嘘をついていると感じるだろうが、そもそも伊藤は、手記に「朝まで意識を失っていた」などとは記していない。
 事件の当日、串焼き屋から鮨屋に移動したのが夜9時40分頃、そして3合目の日本酒を頼んだ辺りから不調を感じ、伊藤は「そこからの記憶がない」と書く。そして次に「目を覚ましたのは、激しい痛みを感じた」から。「『痛い、痛い』と何度も訴えているのに、彼は行為を止めようとしなかった」。意識を取り戻し、痛みに耐え、「トイレに行きたい」と言うと山口はようやく体を起こした。そこで「避妊具もつけていない陰茎が目に入った」。
 なお、避妊具をつけずに性行為に及んだことを山口は、伊藤と交わしたメールの中で認めている。トイレから戻ると、ベッドに引きずり倒され、再び犯されそうになった伊藤は必死に抵抗する。何とか逃れ、「ピルを買ってあげる」「パンツくらいお土産にさせてよ」などと開き直った発言を浴びると、伊藤は「体を支えていることができ」なくなり、もう一つのベッドにもたれて、身を隠した。そうやって必死に耐える様子を見た山口は「困った子どもみたいで可愛いね」などと戯言を吐いたという。一刻も早く部屋の外に出る方法を模索した伊藤。この段階でようやく「窓の外が、次第に明るくなってきた」と書いている。意識を取り戻し、暴行や暴言に耐え続け、ようやく、これから朝を迎えようとする時間を迎えた。
 山口は、伊藤が「朝まで意識がなかった」と主張している、とする事で、記憶がなかったはずの女が今さら告発してきて迷惑している、との構図を作ろうとしているのだろうが、伊藤は記憶している限りの事を詳細に記している。「朝まで意識がなかった」を繰り返し使い、詳細が語られる機会を避けているのは、伊藤ではなく山口である。伊藤の主張が虚偽だとするならば、山口は細かくどこがどう虚偽なのかを指摘しなければいけない。「全部ウソ」で片すのはジャーナリストの仕事ではない。
「伊藤氏は『上からの力を感じた』という表現をもって、何も具体的な問題点を示さず、『犯罪が揉み消された』と主張した」
(山口敬之「記者を名乗る活動家 金平茂紀と望月衣塑子の正体」『月刊Hanada』2018年1月号)
 山口は、逮捕状が取り下げられ、検察が不起訴としたのに「伊藤氏は『上からの力を感じた』という表現をもって、何も具体的な問題点を示さず、『犯罪が揉み消された』と主張した。警察が上からの圧力に屈して犯罪を揉み消したなら、大変なことだ」と書いているが、「何も具体的な問題点を示さず」とはどういうことか。本をちゃんと読んだのだろうか。
 伊藤は具体的な問題点を示している。
当時刑事部長だった中村格氏が自分の判断で逮捕を差し止めたと認めたこと、山口氏が以前から「北村氏」に私のことを相談していたこと、この2つの事実がわかったのは、本当に大きな進展だった。(『Black Box』P215)
 伊藤の著書に引用されている『週刊新潮』(2017年5月25日号)の記事によれば「北村氏」とは、安倍首相の一番近くにいる人物である内閣情報官・北村滋だとされる。『週刊新潮』からの取材依頼書をメールで受けた山口は、北村にその旨を伝えるためにメールを転送するつもりが、うっかり『週刊新潮』に返信してしまったのだ。そのメールタイトルは「北村さま、週刊新潮より質問状が来ました。伊藤の件です」。記者から、いつごろより山口から相談を受けているのかと問われた北村は「いえいえ、はい。どうも」との対応で、相談を受けてきたことを否定しなかった。
 さらに伊藤は、中村に直接取材を試みたものの、中村が乗る車は猛スピードで逃げていった。「人生で警察を追いかけることがあると思わなかった」とは伊藤の弁。これらの動きを知ってなお、「何も具体的な問題点を示さず、『犯罪が揉み消された』と主張した」と言い切る山口が正しいと思う人はいるだろうか。
 今回の原稿で山口は、金平と望月を指差し、「視聴者・読者・国民に求められているのは、『エセ記者』『エセ情報』を看破し葬り去る観察眼である」と原稿を締めくくった。指差す相手は違うが、山口の見解自体には同意する。視聴者・読者・国民に求められているのは、『エセ記者』『エセ情報』を看破し葬り去る観察眼だ。双方の筆致を読み比べれば、誰が「エセ」なのかはすぐに分かる。


「童貞」といじられ続けた広告代理店の男性 「僕も #MeToo と声を上げてもよいでしょうか?」
海外でセクハラを受けた女性たちがSNSなどを通じて、被害を告発するムーブメント「 #MeToo 」。日本でも今年5月、ジャーナリストの伊藤詩織さんが元TBS社員の男性から性的被害を受けたことを告発したことをきっかけに広まり始めた。詩織さんは実名で顔を出し、男性を刑事告訴したが不起訴となり、現在は男性を相手取って民事訴訟を起こしている。
その後、元電通社員で、ブロガー兼作家のはあちゅうさんが12月、同じく元電通社員の男性からセクハラやパワハラを受けていたことを告発した記事がBuzzFeedで報じられた。しかし、はあちゅうさんが以前より女性経験のない男性について「童貞いじり」していたことから、一部のユーザーから「セクハラでは」と批判されて炎上。はあちゅうさんが一時は謝罪する騒動にまで発展した(12月22日現在は削除済み)。
この騒動を静かに追いかけていたのが、都内で暮らす30代男性Aさんだ。20代の頃、まだ女性経験がなかったAさんは、勤め先の大手広告代理店の先輩たちから、「童貞」といじられ続けた。「先輩たちに悪意があったとは思っていませんが、とても嫌な気持ちになりました」と当時を振り返る。Aさんの体験から見えてくるハラスメントの構造とは?
●「童貞は、何が楽しくて生きてるの?」と1年間、言われ続ける
関東の高校を卒業したAさんは、有名大学の理学部に進学した。周囲は9割が男子学生。Aさんは女性に特に関心を持たないまま、好きな研究に打ち込む生活を送っていた。「当時の趣味はゲームやアニメ。研究も忙しかったし、女性にはまったく興味がありませんでした」と振り返る。
大学卒業後は広告代理店に就職した。周囲に彼女がいないと知れると、「好きな女性のタイプは? 芸能人でたとえると誰?」「どうして彼女を作らないの?」と何度も聞かれ、少し煩わしさを感じた。そうした会話の中で「女性と交際経験がない」ことが知れると、童貞であることに驚かれた。
「どうしてこの人たちは恋愛にこんなに興味があるのだろう? どうして恋愛が共通の話題になると思い込んでいるのだろう?」。Aさんは不思議だったという。
たまに「童貞」が話題になることもあったが、ほとんどの同僚が「面白い学生生活だったんだね」「研究がそんなに楽しかったんだ」とむしろ感心されたため、特に気にすることはなく過ごしていた。しかし、ある仕事でチームを組むことになった先輩社員の男性Bさんが、Aさんが童貞だと知ると、頻繁に「いじり」をしてくるようになった。
「童貞は、何が楽しくて生きてるの?」「童貞なんて、人生の9割は損してるよね」「セックスは人間の本能なんだから、セックスしないとかおかしくない?」「早く3次元の女の子とセックスしろよ」
こうした言葉を、Aさんは複数の同僚がいる前で、Bさんから度々投げつけられた。名前ではなく、「童貞」と呼ばれることもあった。
「Bさんに悪意があったとは思っていません。親しい後輩男子に対する親愛の表現であり、彼のコミュニケーションの方法だったのではないでしょうか。でも、恋愛やセックスはとてもプライベートな領域のものです。信頼関係のない他人に踏み込まれ、決めつけられたり、いじられたりしたくありません。僕にとっては、セクハラと言えるものでした」
●仕事先で突然「こいつ、童貞なんですよ」と紹介される
結局、Bさんとチームを組んでいた1年間、Aさんに対する「童貞いじり」は続いた。他にもAさんは、別の先輩社員の男性Cさんと仕事先に出かけ、不愉快な思いをしたことがある。
「突然、仕事先の人(年配男性)に『こいつ、童貞なんですよ』と紹介されました。仕事先の人には『そうなの? なんで?』と聞かれてしまい、返答に困りました」
BさんもCさんも、社内では大先輩であり、メディアにも取り上げられるような「有力者」だった。若手のAさんが「そういういじりは止めてください」とは言えなかった。言えば、仕事に支障が出ると思ったからだ。「今でも、Bさんの顔をメディアで見ると、怒りが湧いてきます」とAさんは苦笑する。
「恋愛経験が豊富なことが、人間の真価や優位性を決定するという価値観が男女関わらずあることは知っています。BさんもCさんも、そうした価値観で生きているのだろうと。でも、それが必ず他人と共有できていると思うのは、少し雑ではないでしょうか。しかも、相手にそうした価値観を押し付けて貶めることは、明らかなハラスメントです」
Aさんに今回の「童貞いじり」の議論はどう映ったのだろうか。
「男性に対するセクハラはマッチョな男社会の中で抑圧され、告発は難しいです。『童貞いじり』はそうした社会で横行しています。童貞という言葉自体は、それ以上でもそれ以下でもない意味ですが、童貞という言葉を使って相手が嫌がる行為をすれば、それはハラスメントになるでしょう。本人が意図しなくてもそういう『相手』に届いてしまうし、言われた側も抗議が難しいSNSやメディアを使うのであれば、十分な配慮が必要だと思います」
そう語ったAさん、は最後に「僕も #MeToo と声を上げてもよいでしょうか?」と付け加えた。


東京新聞望月記者 ペジー事件の捜査が政権に及ぶ可能性指摘
「安倍政権ってちょっと怪しくない?」。世の中にそんな雰囲気が充満していた2017年6月、颯爽と官邸会見に現れ、菅官房長官に厳しい質問を飛ばして慌てさせたのが、東京新聞の望月衣塑子記者(42才)だった。年の瀬迫る12月中旬に起きた巨額公金詐欺事件。その背景には、またも安倍人脈が見え隠れする──。望月記者が政権深部の「綻び」を読み解く。
 * * *
 今の安倍政権がスタートして丸5年が経ちました。5年目の2017年は政権にかかわるさまざまな問題が噴出した1年間でした。
 政治部記者ではなく、主に事件取材を続けてきた社会部畑の私が、いくつかの問題に関心を持ち、2017年6月、初めて首相官邸の会見場に足を踏み入れてから半年が経ちました。毎日行われる菅義偉官房長官の定例会見には、今でもできるだけ出席するようにしています。“アイツに質問させると厄介だ”と思われているのでしょうか、官邸サイドのマークも厳しくなって、なかなか思う通りに質問できないもどかしさもあります。バッシングも聞こえてきます。
 でも、子供の将来を考えた時、この政権はこの国をどこに導こうとしているのかを見極めることが私の責任だと思って会見場に向かっています。
 最近、東京・霞が関の中央省庁を取材して回っていると、顔を合わせる官僚は口を揃えて、「それで、ペジー事件(※注)はこれからどうなるの?」と私に“逆取材”してきます。それだけ、官僚たちにとって、この事件の捜査の行方が大きな関心事になっているんです。
〈※注:東京地検特捜部は2017年12月上旬、スパコン開発会社「ペジーコンピューティング」創業社長の齊藤元章容疑者(49才)を逮捕した。2013年度に国の助成金4億3000万円を騙し取った詐欺容疑。齊藤容疑者は関連会社で総額100億円超の公的資金を受けていたと報じられた〉
 官僚たちがペジー事件から目が離せないのは、不透明な経緯で流れた税金が巨額だったからだけではありません。ペジー事件の捜査は、安倍政権の中枢の周辺にまで伸びる可能性があるので、霞が関のみならず、永田町にも激震が走っています。
◆安倍総理の「オトモダチ」の名が浮上
 振り返れば、2月に森友学園問題が発覚して籠池夫妻が逮捕される事件に発展。5月には「総理のご意向」文書が報じられ、加計学園問題が浮上しました。5月末にはフリージャーナリストの詩織さんが性的な暴行を受けたとして、顔と名前を公表しての異例の記者会見を開きました。詩織さんへの暴行で逮捕状が出ていたのは、“総理に最も食い込んだ男”として知られる、元テレビ局記者のジャーナリストA氏でした(A氏は犯罪行為を否定し、不起訴が確定)。
 そんな中、年の暮れも迫った12月上旬に起きたのがペジー事件でした。一見すると安倍政権とは無関係のようですが、森友、加計、詩織さんの問題に続いて、この事件の周辺にも「総理のオトモダチ」の名前が浮上しています。
 ペジー社長の齊藤容疑者は、自社で開発したスパコンを研究機関に売り込んだり、スパコン開発への投資を呼びかけたりする場面で、自分の信頼性を高めるために、隣に「顧問」の名刺を持つ人物を引き連れていたそうです。その人物こそ、前出のA氏でした。
 A氏はとにかく安倍首相周辺に顔が利きます。2016年7月、公的研究機関のスパコンを麻生太郎副総理が視察したとき、案内役を務めたのが齊藤容疑者でした。彼に麻生副総理を紹介したのが、A氏だとされています。
 A氏は東京・永田町にある超高級ホテルの住居部分に住んでいました。家賃は月におよそ68万〜240万円。ジャーナリストでそんなに高級な賃貸マンションに住んでいる人なんて聞いたことがありません。その家賃はペジー社が負担していたそうです。
 東京地検特捜部は、2017年内に齊藤容疑者を詐欺で起訴して、2018年年明けから脱税容疑の捜査に取りかかると見られます。ペジー社からA氏に支払われた顧問料も捜査の対象になると思われますし、今後、なぜペジー社に巨額の税金が流れたのか、顧問のA氏の共犯性はないのか、そこにA氏に繋がる政権中枢の政治家や秘書たちの存在がなかったのかも焦点になるでしょう。


[沖縄関係予算]これでは制度がゆがむ
 予算を大幅に減らすことで、辺野古移設に反対する知事をけん制し、県内世論に揺さぶりをかける。そんな狙いがすけて見える予算である。
 政府は22日、2018年度予算案を閣議決定した。内閣府沖縄担当部局の沖縄関係予算案は3010億円、前年度に比べ140億円、4・4%の大幅減となった。
 このうち沖縄振興一括交付金は1188億円。使い道の自由度が高く、市町村からも予算確保の要望が強い一括交付金も、前年度比で約170億円、12・6%の大幅減となっている。
 県経済は観光を中心に堅調に推移しており、それを予算面から後押しし、自立的・持続的発展につなげていくことが、何よりも政府に期待された。
 だが、県や市町村の要望は入れられず、総額では2年連続の減額となった。一括交付金は4年連続の減少である。
 県によると、ソフト事業に充てる一括交付金の執行率は、12年度の50・9%から16年度には79・5%に改善している。
 政府はこれまで、一括交付金の執行率の低さを問題にしたが、執行率は確実に改善されているのである。
 江崎鉄磨沖縄北方担当相は、記者会見で減額の理由について聞かれ、「詳細は事務方に…」と説明を避けた。
 減額予算となったのは首相官邸の意向だといわれる。
 沖縄関係予算が「基地維持装置」としての役割を強めれば強めるほど、沖振法に基づく「沖縄振興の論理」がゆがめられていく。
■    ■
 18年度沖縄関係予算の問題点は額の減少だけにとどまらない。一括交付金は沖振法に基づく沖縄独自の制度で、沖縄の特殊性に起因する事業などを県や市町村が自主的に実施できる制度として創設された。
 ところが、18年度の沖縄関係予算は、国の直轄事業を軒並み増額する一方で、一括交付金は大幅に削られ、過去最低となった。
 概算要求の段階でまず総額を決め、国として使途を定めている国直轄事業予算を優先的に確保した上で、残った分を一括交付金に回す、という手法を取ったようだ。
 一括交付金制度が本来の趣旨に反し、政府によって都合良く利用されている、と批判されても仕方がないだろう。
 県は、一括交付金がらみの事業を改めて精査し、減額の影響を最小限に抑えるため、事務事業の見直しなどに着手してほしい。
■    ■
 一括交付金を巡っては、アイドルグループ「AKB48」のイベントに一括交付金が充てられたことが問題になったこともある。必要性が高く、効果の期待できる事業に充てるべきだろう。
 一括交付金制度は地方分権改革の趣旨を踏まえてスタートした。それが自治体統制の手段としての性格を強めているとすれば問題である。
 沖縄関係予算に対する官邸のコントロールが今ほど強まっている時は過去にない。制度が変質している以上、その役割と効果、問題点を改めて洗い直した方がいい。


沖縄の選挙に沈黙する立憲民主は誰に忖度?
 ★このところの立憲民主党の立ち位置があやしい。立憲主義を標榜する党代表・枝野幸男はどこに向かおうとしているのか。2月の名護市長選挙の対応について「関わりたくない」との判断を党内で示し始めている。党には副代表・選対委員長・近藤昭一がいるが、同時に沖縄等米軍基地問題議員懇談会の会長も務める。その近藤すら名護の市長選挙への関わりについて沈黙を守る。立憲民主党はいったい誰に忖度(そんたく)しているのか。 ★沖縄問題は米軍基地問題と密接に関係する。それは同時に安全保障政策や外交、果ては憲法観にまで関連するテーマだが、党のスタンスを示すチャンスだ。ところがおしなべて非協力的だ。譲ってみれば、党の多岐にわたる政策の方針が定まらないうちには選挙に関われないという理屈もわからないでもない。しかし、中央政界の主戦場は再来年の統一地方選挙と参院選挙だ。来年の沖縄・南城市と名護市の市長選挙、年末の知事選挙は大きく党の方向を見せつける意味でも、また党を知ってもらうためのアピールにもなる。 ★それに消極的なのは安保政策や憲法観が立憲民主党支持者のそれと乖離(かいり)していることを示している。野党関係者は「純化路線でリベラルさを出す立憲だが、党内はそんなにきれいなものではない」と指摘する。実は改憲に積極的に参加したいと考えているのが立憲だろう。立憲に年内にも入党するといわれる山尾志桜里は、すでに立憲民主党会派の衆院法務委員会理事を務める。これはすなわち野党筆頭理事という意味だ。その山尾は「憲法の文字を守るより価値を守るという時代に変わりつつある」と発言している。結果的に古言左翼と思われたくないことが高じて安倍改憲路線に同調するのが立憲の本音ではないか。それは沖縄に伝わるか。

部落差別解消へ条例可決 たつの市議会が兵庫県内初
 人権尊重のまちづくりを目指し、兵庫県のたつの市議会は22日、部落差別の解消を進める条例案を可決した。昨年施行された部落差別解消推進法を受けたもので、市によると同条例の成立は兵庫県内の自治体で初めて。
 市側は条例の提出理由として、1969年の同和対策事業特別措置法施行後、住宅環境などの整備は進んだ一方、差別待遇やインターネットで差別を助長する書き込みが続いている現状を課題に挙げる。
 条例は、市が差別解消に向けて施策を進める責務を明記。部落差別解消推進基本計画を取りまとめ、市民団体や学識者らでつくる審議会を設置し、相談体制や人権教育の充実などの施策を効果的に進める。施行日は来年4月1日。
 たつの市民主化推進協議会の根本親良会長(67)は「条例成立は全国で初めてではないか。部落差別は社会悪と明確にしたことが重要だ」とする。法務省人権擁護局は「同様の条例について全国の事例を集約していない」としている。(松本茂祥)


脱原発の小泉純一郎氏にポンと1億円を寄付した意外な財界人とは?「トモダチ作戦」被爆の米兵支援金
 東日本大震災で日本人を助けてくれた米軍の「トモダチ作戦」。後遺症に苦しむ元米兵たちに恩返しをしたのは、日本を代表する経団連(日本経済団体連合会)ではなく、中堅企業や個人の面々だった。
 福島第一原発が爆発した6年前、米軍は日本で「トモダチ作戦」と名付けた支援活動を展開した。その際、福島沖で空母から作戦に従事した乗組員らが被曝して体調を崩したと主張。今年8月には157人が治療費に充てる基金の創設を求める裁判を米国で起こした。
 昨年3月、兵士らが被曝して苦しんでいる話を聞いた小泉純一郎元首相らは早速渡米し、元兵士らの訴えに耳を傾ける。実際に健康被害が出ていることを確かめると、彼らを救うための基金を細川護熙元首相や城南信用金庫相談役の吉原毅氏らと立ち上げた。
 小泉氏に同行して渡米した吉原氏が語る。
「被曝した元兵士たちは体調が悪く、体が動かなくなったりガンを発症した人もいた。訴えはウソではないかとの声もあると言いますが、話を聞いていれば本当だとわかるし、ウソをいう理由もない。辛そうな体なのに文句も言わず、日本人を助けるために誇りを持って作戦に携わったという言葉に心を打たれ、基金を作ることになったのです」
 1億円を目標額に据えてまず、経団連に寄付を打診した。ところが冷たく断られてしまう。
「今回の原発事故で放射能被害を受けた元米軍人たちへの基金と説明すると、『協力できない』と言うのです。経団連のお仲間である電力会社は福島原発事故で人への健康被害は発生していないと主張しているのに、自分たちが金を出したら被害を認めたことになると。米軍人に支援をしてもらったのだから、そのお礼をするのは当然です。なのに自分たちのことしか考えない大企業の姿を見て、非常に情けなくなりました」
 代わりに協力を申し出たのがIT分野などの新興企業や中小企業、商店だった。個人で1000万円をポンと出した人も何人かいる。ニトリの似鳥昭雄会長は1億円を寄付した。
 建築家の安藤忠雄さんたちが中心となり、小泉氏がトモダチ作戦の元米兵たちの話をする講演会を東京や大阪で開くと、千人単位で人が集った。講演会の会費を寄付するという形にすると、その額は今年3月までに3億円に達した。被曝した元米兵たちへの治療費などに使ってもらうよう順次、米国へ送金しているところだという。
 小泉、細川両氏と吉原氏は4月、「原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟(原自連)」を立ち上げ、全国の脱原発活動の連携を進める取り組みを始めている。
「世界に目を向ければ、自然エネルギーは今や原発の2倍に相当する800基分の電気を作り、革命を起こしています。日本でそれを邪魔しているのは原子力村。直ちに原発を停止して自然エネルギーにシフトすれば日本経済は大発展するし、電力会社も潰れることはないのです」(吉原氏)
 脱原発をいつの日か実現できるのか?(桐島瞬)


エッチ中「愛の囁き」に興奮する男性4割! 具体的に喜ばれる言葉は…
明日はクリスマスイブ! そして、もうすぐ年末。
そんな時期は、彼氏や彼女とイチャイチャする人も多いはず。私も、そんな年越しに憧れているひとり、中村愛で〜す。
でも、イチャイチャ中に出てくる問題って、いろいろありますよね。
たとえば「どんな言葉を囁いていいのか?」とか。これって、もう永遠のテーマですよね。
そんな悩みをどうしても2017年中に解決したくて、こんな調査をしてみることに。
■男性と女性の違い
しらべぇ編集部が、全国20代〜60代男性669名を対象に「エッチ中、いろいろな言葉を囁いてくる相手に興奮するか?」調査を実施したところ、約4割の男性が「YES」という結果に。
次に、同じ質問を女性667名を対象に調査したところ…
ワオ! 過半数は超えていないものの、思ったより「興奮する」と答えた人が多かったのでは?
しかも、意外や意外、女性より男性のほうが、エッチ中に甘い言葉を囁いてほしいと思っていることが発覚。
■40代男性がなんと…
結果を性年代別で見てみると、興味深い結果に。
女性では、20代女性の割合がもっとも高く42.5%の人が「甘い言葉を囁いてほしい」と思っていますが、男性は40代の割合が高く、半数を超える結果に。
え? もしかして40代男性は「ドM」が多いってこと…? 
■男たちの主張
「甘い囁き」が興奮する理由について、さまざまな職業の男性たちから話を聞いてみました。
言葉にしてくれると、相手がなにを思っているのか分かりやすいので、嬉しくて興奮する。(40代トラックドライバー)
エッチなビデオを見ている感覚になり、臨場感が出てグッとくる。出来れば大げさに言ってほしい。(30代 不動産管理)
夜の囁きは「ホンネ」な気がして気持ちが高まる。また、耳元で囁かれると興奮する。(40代 会社員)
■具体的に、どんなセリフ?
それでは一体、どんな言葉が興奮するのか?
「男性が喜ぶ夜の甘い言葉5選」を私の独断と偏見で選んでみたので、それを書いて今日の授業は終わり!
(1)大好き
いつも言われているのとはまた違う感じで、嬉しい。
(2)気持ち良い
単純に褒められている感じがして、嬉しい。
(3)気持ちいい?
気にしてくれているのが、嬉しい。
(4)どうしてほしいの?
普段は攻めてこないのに、そういう時にだけ囁かれるとギャップがあって嬉しい。
(5)凄い
本当に喜んでいる気がして、素直に嬉しい。
男性って、きっと単純な生き物。女性のみなさん、こんな感じでクリスマスや年末も囁いてみては?
夜の甘い言葉も、数字で出来ている。(文/ゲスドル・中村愛)
【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
・調査対象:全国20代〜60代の男女1,336名(有効回答数)
・調査期間:2017年9月23日〜9月26日


学術会議、軍事研究で倫理規定検討 禁止の新声明を具体化
 国内の科学者を代表する機関「日本学術会議」の山極寿一(じゅいち)会長は二十二日、東京都港区の学術会議本部で記者会見し、軍事研究に関する新たなガイドラインや倫理規定の策定を検討する考えを示した。「戦争を目的とする科学の研究は絶対に行わない」という過去の声明を踏襲した今年三月の新声明決定を受けたもの。
 山極会長は、新声明について「学会や研究機関、全国の大学などに判断を丸投げしており、軍事研究の可否を判断するのが、個人なのか組織なのか、拘束力があるのかないのか、何も言ってない」と強調。新声明を具体化するガイドラインなどを、同会議が中心になって提示する必要性を指摘した。
 今後、同日に新たに選出した三委員らを加えた計十五人の科学者委員会で、全国の大学や研究機関を対象に、軍事研究に関するガイドラインや研究の適切性に関する倫理規定の有無など、取り組み状況に関するアンケートを実施。これを基に、学術会議としてガイドラインや倫理規定が作成できないか検討する。
 山極会長は「個別の大学ごとにガイドラインや倫理規定を作ると、大学間にきしみができてしまう。科学者の立場で一致できるものを目指したい。学術会議としてどこまでやれるか、海外に意見をどう発出できるか考えていく。日本の科学者が新声明を発したことは非常に重要だ」と話した。


教員の負担軽減へ北九州市の試みに注目 下校早めて休憩確保 部活指導者非常勤採用も
 教員の多忙化に伴う働き方改革の議論が進む中、改善に向けた北九州市の取り組みが注目されている。全公立小中学校で勤務時間を管理するICカードを4年前から導入。昼休み時間を短縮して教員の休憩時間を下校後に設けたり、中学校の部活動で外部指導員の権限を拡大、教員の休日確保に努めたりしている。市外からの視察も相次ぐ。
 午前8時前、小倉南区の菅生中。出勤してきた教職員はまず、職員室の教頭席に置かれたカードリーダーにそれぞれのICカードをかざして自席に着く。
 2人いる事務職員の1人、古賀早紀子さん(30)の席は教員たちが見渡せる教頭席の隣。4月から教頭の補佐役として業務の一部を担っている。市教育委員会などからの文書の確認と各教員への振り分け、外部ボランティアの謝金管理、郵便物の確認…。学校運営の会議などにも参加する。
 吉本一也校長は「事務職員は経理が主な仕事だが、学校のことをよく把握しており、もっと活用すべきだと考えた」。仕事を分担している林光孝教頭は「業務の3割はお願いできるようになり、定時に帰れる日も増えた」と話した。
 二島小(若松区)で取り組むのは「教員の休憩時間の分割」。45分間だった昼休み時間を25分に短縮して児童の下校時間を早め、残り20分の教員の休憩時間を放課後にしっかり確保できるようにした。宮原雅則校長は「子どもがいる時はどうしても指導に追われ、先生は休めない。放課後の余裕もできて時間外勤務を減らせている」と言う。
 長時間勤務の大きな原因とされる中学校の部活動を巡っては現在、外部ボランティア248人が顧問教員を補佐し、指導などに当たっている。5月からは、このうち15人を学校教育法に基づく非常勤嘱託職員の「部活動指導員」として採用。土日の指導や練習試合への引率などが単独で可能となり、配置されている15校で顧問の土日の勤務時間が昨年比35〜50%減少するなど成果を上げつつある。
 市教委は各学校の取り組みを検証しながら、来年度以降の改革に生かす方針。市教委教職員課は「劇的な変化というのは難しい。小さな取り組みを少しずつ積み重ねていくしかない」と話している。


まちのエネルギーを喜劇で
 大阪の釜ケ崎を舞台にした人情喜劇「月夜釜合戦」(同製作委員会配給)が23日から大阪・九条のシネ・ヌーヴォで公開される。京都出身でドキュメンタリー畑の佐藤零郎監督(36)が16ミリフィルムで撮った自主製作の劇映画。「社会変革をテーマに、まちのエネルギーを喜劇で描いた」という佐藤監督に話を聞いた。
 佐藤監督は京都生まれで若いとき、太秦にある東映俳優研究所に入って俳優を志した。「弟が京都造形大に入ったので、僕は僕で負けられんと思った。とにかく何かを『表現したい』という気持ちが強かった」と述懐。キャリアは映画「天狗の葉」(2008年)に出演して本格的なスタートを切る。
 その後ドキュメンタリー作品との出会いがあって、同路線の撮影、編集に関わった後に「大阪の長居公園テント村の野宿生活者たちが強制的に立ち退きにあうという事件に遭遇した。それを記録したのが僕の監督第1作『長居青春酔夢歌』だった。その折に関係者に釜ケ崎のまちの話をいろいろ聞いて興味を覚え、次回作にしたいと思い脚本を書いたのが『月釜』だった」
 今度は初めての劇映画で「脚本作りと同時にスタッフ、俳優など準備が大変で、プロデューサーの梶井洋志さんと組んで整えるのに時間がかかった。俳優の川瀬陽太さん、渋川清彦さんらが出演してくれることになり、前作で付き合ってくれた地元の人たちも集まってくれて、2014年5月から半年以上かけて撮りあげた」
 撮影途中随所に問題があり、また作業のポストプロダクションでも時間がかかり、ようやく今年3月に完成。たどり着くのに5年近くかかった。「一時落ち込んだが、今は達成感でいっぱい」。映画は冒頭、通称「釜ケ崎」(西成区)のまちを、自転車に乗った若い女性(太田直里)が映し出される。彼女と家の周辺の住民が主人公で、「釜が盗まれる」という事件が発生しみんなが巻き込まれるという展開になる。
 「釜というのは釜ケ崎のそれと、ごはんを炊くお釜、つまり釜ケ崎の伝説になっている労働者に提供するごはんを炊くお釜のことを指している。脚本の題材は落語の『釜泥』(お釜泥棒の話)を参考にし、タイトルにも使った。まちのお釜がなくなることと、近年まちが徐々に変化している状況が重なった」
 物がなくなると、それは貴重になり値段が上がる。土地のやくざの組が大事にしていたお釜がなくなって大慌てし、二代目(渋川)と情報屋(川瀬)は地元住民と一緒にお釜探しに明け暮れる。時代劇「丹下左膳」の「こけ猿の壺」騒動に似ているが山中貞雄の傑作映画のタッチも取り入れ、「釜ケ崎のフィクションに近いものにしたかった」。
 「社会変革」とは何かという問いもある。「この場所で、自分らは生きている」という訴えもある。「大阪だけでなく、今は全国的なテーマでもある」
 シネ・ヌーヴォは29日まで。その後神戸・元町映画館、京都・みなみ会館、神戸映画資料館で上映される。