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冠岳から171203

L'année 2017 vue de Google Trends
Adrien Gaboulaud
L'outil Trends de Google permet de dresser un bilan original de l'année à travers les recherches effectuées en France. Voici une sélection -subjective- des résultats marquants de 2017.
Nous ne dresserons pas ici la liste des requêtes les plus caractéristiques de l'année 2017 en France sur les différents outils de Google : le Google News Lab s'en est déjà chargé ici et révèle quelques curiosités, comme par exemple le fait que la définition la plus cherchée en 2017 par rapport à 2016 a été celle d'≪oligarchie≫, un mot au coeur de la campagne présidentielle; ou encore, la percée de la tartiflette parmi les recettes les plus recherchées.
En revanche, nous avons choisi d'utiliser Google Trends pour suivre l'évolution durant l'année des requêtes autour d'un mot ou d'une expression qui nous paraît avoir marqué 2017.
Google Trends permet de représenter dans le temps l’évolution de l'intérêt pour un mot-clé en quantifiant le volume de requêtes dans les moteurs de recherche de Google, Google News et YouTube. L’indice 100 représente le volume maximal des recherches sur un sujet au cours d’une période et dans une zone géographique. Les données utilisées sont calculées à partir d’un échantillon représentatif de l’ensemble des recherches effectuées en France.
Voici la liste des mots-clés que nous avons testés en ce dernier jour de l'année.
Johnny Hallyday. Le chanteur, disparu le 6 décembre dernier, écrase absolument le classement de Google Trends. Le graphique ci-dessous montre que le pic d'intérêt est, logiquement, survenu la semaine de son décès.
François Fillon. Le candidat Les Républicains à la présidentielle a connu une campagne cauchemardesque suite aux révélations sur les emplois de son épouse Penelope. Le pic de requêtes est atteint selon les données de Trends entre le 5 et le 11 février. Après les révélations du ≪Canard Enchaîné≫ et d'≪Envoyé Spécial≫, le candidat présente cette semaine-là ses ≪excuses≫ aux Français.
Panda.
La naissance d'un bébé panda au zoo de Beauval, le 4 août, est associée à un pic de requête dans Google pour ce mot-clé. L'animal ne recevra son nom -Yuan Meng- que début décembre, à l'occasion d'une visite de la première dame, Brigitte Macron.
L'incertitude de l'élection présidentielle a dopé l'intérêt pour la requête "sondage" avant le premier tour
Sondage. L'intérêt des Français pour les sondages est allé croissant, si l'on en croit les données de Google Trends. Le pic est atteint à la veille du premier tour de la présidentielle. Il est vrai que l'incertitude était très forte quant à l'ordre d'arrivée des quatre favoris : Emmanuel Macron, Marine Le Pen, François Fillon et Jean-Luc Mélenchon. Dans ≪La présidentielle en temps réel≫, le sondage quotidien Ifop-Fiducial pour Paris Match, six points seulement séparaient le premier (Macron) du quatrième (Mélenchon). Le duel de second tour Macron-Le Pen suscitera moins d'intérêt pour la requête ≪sondage≫.
Wonder Woman et Star Wars. La domination de ≪Star Wars≫ est presque incontestée dans les résultats de Trends. Le huitième épisode de la saga, ≪Les derniers jedi≫, a entretenu le suspense jusqu'à sa sortie en décembre. Néanmoins, l'intérêt pour l'autre blockbuster de l'année, ≪Wonder Woman≫, a dépassé, au moment de sa sortie le 7 juin, les aventures galactiques inventées par George Lucas.
Anthony Scaramucci. L'éphémère responsable de la communication de la Maison blanche n'est pas un personnage essentiel dans l'incroyable feuilleton de l'administration Trump. Son passage éclair dans l'équipe du président des Etats-Unis est néanmoins bien illustré par les données de Trends : dix jours après sa nomination, il est écarté après avoir proféré des bordées d'injures à l'encontre de ses collègues. Les requêtes sur son nom atteignent alors leur apogée, avant de sombrer.
Neymar. L'arrivée du joueur brésilien au PSG est l'un des événements sportifs de l'année. Selon le classement de Google Trends, l'attaquant est le sportif qui a le plus percé dans les requêtes en 2017, devant Kylian Mbappé, son co-équipier du club parisien. Le pic a été atteint entre le 30 juillet et le 5 août lorsque, après des semaines de rumeurs, l'annonce officielle du recrutement a été faite par le club, le 3 août.
Fainéants. Il aura suffit d'une mention par Emmanuel Macron, au détour d'un discours devant la communauté française d'Athènes, pour que les requêtes pour le mot ≪fainéants≫ explosent, début septembre. Selon les données collectées par ≪Le Poids des mots≫, qui analyse les discours présidentiels, le mot ne revient ensuite qu'à une reprise dans la bouche d'Emmanuel Macron : le 15 octobre, sur TF1. ≪Les mots de "cyniques" et de "fainéants" sont d'un registre ou normal ou soutenu≫, assume-t-il à cette occasion.
Ouragan. Le passage dévastateur de l'ouragan Irma, notamment à Saint-Martin et Saint-Barthélemy, a eu un impact visible dans Google Trends : le pic de requêtes est atteint entre le 3 et le 9 septembre, lorsque l'inquiétude est maximale.
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鶴瓶の家族に乾杯「幸せをありがとう 20周年SP 名場面を一挙放送」

「鶴瓶の家族に乾杯」20周年スペシャル。ゲストは美輪明宏さん。20年間の笑いあり、涙ありの素敵な出会いの数々を今夜一挙公開。出会った方のその後も徹底取材。小さかったあの子は今…。鶴瓶をしのぐ個性あふれる人たちとの出会いや元気いっぱいのお年寄りや子供たち、大家族との出会いなど、選(え)りすぐりの名・珍場面をお送りします。 美輪明宏, 笑福亭鶴瓶,小野文惠, 久米明,常盤貴子
兵頭正俊 @hyodo_masatoshi
世界が関心をもったのは、ただの「準強姦」ではなく、〇蓋敬之が安倍晋三のオトモダチであり、中村格(いたる)によってもみ消され、その中村が出世し、ぅ瓮妊アが権力を怖がって採り上げない、ということでしょう。日本は司法とメディアが中世のままです。

部屋に残されることになって,お昼は再び生卵とキムチです.生卵が意外においしく満足.
そのあと洗車+買い物.
おもちゃでヘトヘトになった・・・というので怒られてしまいました.反省.
夜は筑前煮みたいなのと梅酒.

再建店舗で初めての年越しそば
震災から6年余りを経て、平成29年にようやく再建した南三陸町のそば店が、大みそかの31日、年越しそばを求める人たちでにぎわいました。
南三陸町の「そば処京極」は、昭和3年の創業以来、90年近くにわたり地元に親しまれているそば店です。
東日本大震災の津波で店を流されたあと、町の仮設商店街で営業を続けてきましたが、平成29年4月、高台の住宅地に店を再建しました。
初めての大みそかを迎えた店では、午前11時の開店とともに近所の人たちなどが次々と訪れ、真新しい店内でおいしそうに年越しそばを味わっていました。
また、自宅で味わおうと持ち帰り用のそばやつゆを買い求める人もいました。
岩手県から訪れた女性は、「仮設商店街にあったときから好きになって通っていたので、ここで年越しそばを食べようと決めていました。来年もみんな健康でよい年にしたいです」と話していました。
店主の京極雅弘さんは「ようやく再建した店で年越しを迎えられて、とてもうれしいです。お客さんの中にも自宅を再建された方が多いと思うので、新しい家でも年越しそばを味わってもらいたいです」と話していました。


震災から7度目の大みそか 幸せ願う灯温か
 東日本大震災、東京電力福島第1原発事故から7度目の大みそかを迎えた。
 年の瀬の夕刻、仙台市のビル街を離れ、津波で被災し復興事業が進む名取市の閖上地区を歩いた。
 海を望む高台に、今年完成した集合型の災害公営住宅が5棟並ぶ。夕闇が深まるにつれ、一つ、また一つ窓に温かな灯がともる。
 被災地では今年、岩手、宮城、福島を中心に5万人余りが仮設住宅を離れ、新たな一歩を踏み出した。その一方で、仮設住宅などで暮らす全国の避難者は7万7436人(12日現在、復興庁調べ)に上る。
 入り江の対岸には再建された「ゆりあげ港朝市」の屋根が見える。31日まで恒例の「年末市」が立ち、ナメタガレイやタコなど縁起物を求める人たちで活気づく。
 年末、久しぶりに帰省して、古里の料理に癒やされている人もいるだろう。先立ってしまった大切な人に、一年の無事を報告する人もいるだろう。
 住まい、暮らし、仕事…。復興の歩幅は一人一人違っても、幸せを願う気持ちは変わらない。
 明日から2018年。今日ばかりは歩を緩め、一年の労をねぎらいたい。


直営そば店開店 初の大みそか
東日本大震災の影響で販路を失うなどした、釜石市の製麺会社が平成29年、直営のそば店をオープンさせ、31日、初めての大みそかを迎えました。
店には、年越しそばを買い求める客などが訪れていました。
このそば店を直営する製麺会社は、震災で工場などに被害はありませんでしたが、物流が途絶えたことで販路を失い、売り上げの低迷に苦しんできました。
そうしたなか、地元の大学と開発した日持ちのするそばの生麺が評判となって、売り上げが回復し、平成29年、そのそばなどを提供する直営店をオープンさせました。
31日は、オープン後、初めての大みそかとあって、開店前から、地元産のそば粉を使った、手打ちのそば、およそ70食分を用意し、営業に備えていました。
そして午後5時半に開店すると、さっそく家族連れなどが訪れ、予約したそばを受け取ったり、そばを注文したりしていました。
訪れた客は、「そばを持って帰って家族で味わいたいです」と話していました。
製麺会社の役員も務める、店主の川端学さんは、「一時、会社がどうなるんだろうと思うときもありましたが、そば店を開業できてよかったです。釜石の人たちにおいしいそばを味わってもらいたいです」と話していました。


被災地の南阿蘇で年越しそば作り
大みそかの31日、熊本地震からの復興途上にある南阿蘇村では、地元産のそば粉を使ってそば打ち体験できる店を多くの人が訪れ、訪れた人は「細く長く地道に頑張りたい」と話していました。
そばの生産が盛んな熊本県南阿蘇村で、村の第三セクターが経営する「久木野そば研修センターそば道場」では、大みそかの31日は、地元でとれた新そばをふだんのおよそ5倍にあたる1000食分用意し、朝から従業員が袋詰めなどの作業に追われています。
この店ではそば打ち体験も出来ることから、自分で作ったそばを食べて年を越そうと午前中、親子連れや夫婦など20組以上が訪れました。
訪れた人は、そば粉と小麦粉に水を加えて混ぜ合わせて固め、2ミリほどの厚さにした後、慣れない手つきながら丁寧に包丁で切っていました。
そして、打ち立てのそばをゆでてもらって、早速、味わっていました。
熊本市東区から家族で訪れた男性は「来年は家族一同幸せにいられるよう、そばのように細く長く地道に頑張りたい」と話していました。
そば道場の甲斐成二センター長は「地震の後、水が使えず米が作れなくなった農家に、代わりにそばを作ってもらっているので、そばが復興の一助になればと思う。ことしは粘りけがあっておいしいおそばができたので、ぜひ食べてほしいです」と話していました。

震災で流失した津波の碑発見 山元・磯地区
 東日本大震災の大津波で流失した明治三陸大津波(1896年)と昭和三陸津波(1933年)を伝える石碑が山元町磯地区で見つかった。碑は建っていた地区内の磯浜漁港付近に再び設置される見通し。住民は6年ぶりの発見に喜び、「震災の惨禍とともに過去の津波も伝えていきたい」と話している。
 町によると、碑が見つかったのは8月ごろ。高さ約2.3メートルで重さは1トン程度とみられる。磯地区を襲った高さ10メートル前後の津波に流され、元の場所から西へ50メートルほどの工事現場で埋まっていたのが見つかった。現在、発見場所近くの建設会社事務所で保管されており、町が来年度以降に港付近に再設置する方向で検討が進められている。
 碑は、昭和三陸津波の際に全国から寄せられた義援金で被災した各地に建てられたうちの1基。表には「地震があったら津波の用心」と刻まれている。裏には明治と昭和の津波の被害状況が記されており、磯地区周辺の津波が明治で約2メートル、昭和で約2.3メートルだったことなどが記録されている。
 同時に建てられた磯地区の隣、中浜地区の碑も津波に流されたが既に発見され、旧中浜小跡地で保管されている。
 磯地区の自宅が全壊し、町の災害公営住宅に住む鈴木勝雄さん(70)は「毎年正月、地域住民は海の安全と豊漁を願って神社だけでなく碑を参拝していた。再び見ることができて良かった」と感慨深げだ。
 碑の警告にもかかわらず、磯地区では震災で約50人が犠牲になった。鈴木さんは「あれほどの津波が来るとは、ほとんどの住民が考えていなかった」と振り返る。
 磯地区の猪又賢区長(63)は「せっかく見つかったので今回の震災とともに、過去の津波のことも後世に伝えていきたい」と話している。


<私の復興>古里と移住の地結ぶ
◎幸せのかたち〜一関市 美容室経営 菅原由香子さん
 「アバッセに行くとさ、何人もの知り合いに会って買い物がはかどらないの」
 「それそれ。『高田あるある』だね」
 陸前高田市に今春開業した新商業施設の話題で会話が弾む一関市東五代の美容室「Mint(ミント)」。陸前高田市出身の美容師菅原由香子さん(50)が、幼なじみの髪をカットしていた。
 JR陸前高田駅近くで10年間営んでいた美容室は跡形もない。移住した一関市で店を再建し、5年がたった。「(経営は)今年やっと一息つけたかな。人のつながりに助けられた」
 「逃げろー」。防災無線の絶叫を背に、寝たきりの祖父や両親と死に物狂いで高台を目指したあの日。大津波は自宅も店も全てを押し流したが、家族9人は無事だった。
 陸前高田市の仮設住宅と一関市内の親戚宅へ分散避難を4カ月続けた後、一関市に一戸建てを見つけて移住することになった。
 「うちの土地、使っていいから。またやって」と申し出る常連客の声に後ろ髪を引かれながら古里を離れた。2011年8月のことだった。
 シングルマザーでもある。家族のために働かなければならない。勤めに出ようとした矢先、美容専門学校時代の旧友が助言してくれた。
 「陸前高田から避難してきた人たちが集まれる店をつくったら?」
 これなら古里とつながっていられる。自宅敷地に12年5月、5坪、2席の小さな美容室を構えた。
 最初の3年はパン屋やケーキ屋に間違われることもあった。避難者や近所の人たちが顔を出すようになり、少しずつ固定客を増やしていった。
 震災で家族を亡くした客は、鏡越しに素直に思いを吐露した。「大丈夫。(大切な人は)きっとそばにいるよ」。一緒に泣いた。
 昔なじみが何人も陸前高田市から足を運ぶようになった今年、菅原さんは古里に戻ることを真剣に考えた。しかし、新たな出店費用は工面できそうもない。市役所に仮設店舗への入居を相談したが、その時期は既に過ぎていた。
 年が改まる。古里への思いに区切りをつける時かもしれない。もちろん古里の移り変わりを見詰め続けることはやめないし、気持ちが離れることも絶対にない。
 今は復興が進む街に再生するおいしい店や名物を、一関の人たちに紹介することも大切な役割だと思っている。「『勝手に親善大使』のつもり。震災で開いた心の穴は埋められないけど、ここには私を必要としてくれる人がいる」
(一関支局・浅井哲朗)
●私の復興度・・・80%
 お客さんが増えて仕事は順調。もし、知り合いが多くいる古里で美容室を再開したら、ここまで人のありがたみを感じることはできなかったかもしれない。お金はなくても夢はある若い世代がチャンスを得られるような陸前高田市へと復興してほしい。


<災害公営住宅>家賃上昇なら入居者「暮らせない」石巻市長、支援可否近く判断
 東日本大震災の最大被災地・石巻市で、被災者が暮らす災害公営住宅の家賃が段階的に上がる入居6年目が近づいている。「いくら値上がりするのかも分からない。これ以上負担が増したら大変だ」。宮城県ではどの被災自治体も対応を示しておらず、入居者からは不安の声が漏れる。(石巻総局・鈴木拓也)
 家賃が上がる石巻市の対象者は宮城県で最も多い2906世帯(11月末現在)で、全3730戸の77.9%を占める。市内で最初に6年目を迎えるのは2013年4月に入居が始まった石巻市湊の災害住宅(20戸)。制度上は来年4月から家賃が上がる予定だ。
 対象となる無職女性(70)は夫の年金を頼りに家計をやりくりする。6年目以降の段階的な引き上げは最近の報道で知った。「今の暮らしでも厳しいのに、家賃が上がったら生活できなくなる。補助を継続してほしい」と訴える。
 6年目以降の補助については復興庁が11月、市町村に独自の判断で家賃軽減の継続が可能とする文書を送付。石巻市の亀山紘市長は市議会12月定例会で「住まいのセーフティーネットの役割を果たすために前向きに検討したい」と意欲を示した。独自支援策を打ち出せるかどうか、近く判断する方針だ。
 市に補助の継続を陳情した市民団体「石巻住まいと復興を考える会連絡協議会」の佐立昭共同代表(74)は「対象者の中でも収入の低い人は上がり幅も大きく、特に配慮が必要。6年目以降の対応は自治体に任された格好で、最大被災地の石巻市には被災者の深刻な状況をしっかり受け止めてほしい」と訴える。


<災害公営住宅>家賃軽減3県で差 福島、岩手→延長も 宮城→動き鈍く
 東日本大震災の災害公営住宅で、低所得世帯の家賃引き上げが2018年度から本格化する。国から自治体への家賃補助の交付金が段階的に縮小するためだ。補助制度の対象は岩手、宮城、福島の3県で1万7800世帯超。福島、岩手では負担軽減期間の延長など自治体独自の対応を始める一方、宮城では具体策を示した自治体はなく、3県で対応が分かれている。(報道部・門田一徳)
 国の家賃軽減事業は、家族構成など各種要件に伴う額を控除した月収が8万円以下の低所得世帯が対象。入居後5年間、家賃を安く抑え、6〜10年目は段階的に引き上げ11年目に一般の公営住宅の家賃水準に戻る。3県の対象世帯数(11月末現在)は表の通り。災害住宅で暮らす世帯の約4分の3に及ぶ。
 福島では原子力災害からの復興の長期化を見据え、既に自治体が対応を始めている。相馬市は今年4月、国の制度を基に軽減期間を20年とする市の独自策を打ち出した。全災害住宅の住民団体から延長要望もあった。市建設課は「復興途上にある居住者の実情を考慮した」と説明する。
 南相馬市は災害住宅の入居募集を始めた14年、軽減期間を20年に延長する制度をスタートさせた。いわき市も12月に延長の検討に着手した。
 岩手は県主体で対応する。県は、国の制度に相当する一般の公営住宅の家賃軽減策を震災前から導入しており、年数制限も設けていない。県は制度を説明する文書を8月、対象世帯に送り周知を図った。
 さらに、県営と市町村営の災害住宅で家賃格差が生じないよう、「県と同じような軽減を自治体に呼び掛けている」(県建築住宅課)という。
 一方、宮城の自治体は動きが鈍い。仙台、石巻、山元の3市町は来年4月に6年目を迎える災害住宅を抱える。3市町とも国の制度に相当する仕組みはない。宮城県も岩手県のような低所得者向けの制度は設けていない。
 仙台市には、入居者から軽減延長を求める要望が相次いでいる。市市営住宅管理課は「国への期間延長を求めると同時に、市としてできることを検討している」と語る。
 復興庁は延長に難色を示す。理由は災害住宅の建設費の自治体負担の少なさ。通常より多い9割弱を国が補助しているため、自治体が家賃から回収しなければならない費用は一般の公営住宅よりも少ない。国は既に手厚い対応をしている、という立場だ。
 吉野正芳復興相は12日の閣議後の記者会見で「復興庁としてきちんとした対応をしている」と述べ、軽減制度延長には否定的だ。


[年の終わりに]抗いの声に耳を傾ける
 振り返れば、不寛容という社会の空気に息苦しさが増した一年だった。
 息苦しさを象徴するかのように、「フェイクニュース」が今年の流行語の一つとなり、インターネット上には「ヘイトスピーチ」がはんらんした。
 言論がすさんでいる時代だからだろう。苦しみの中から絞り出された言葉、困難に立ち向かい紡がれた言葉が、心を揺さぶった。
 今年も本紙の十大ニュースのトップは、米軍がらみの事故やトラブルだ。
 米軍普天間飛行場に隣接する普天間第二小学校の運動場に米軍ヘリの窓が落下したのは今月13日。直前には緑ヶ丘保育園の屋根に米軍ヘリからとみられる部品が落ちた。
 事故後、緑ヶ丘保育園の父母会がまとめた嘆願書に、「子どもたちは、『ひこうきのおなかが見えるよ〜』と言う」との一文がある。 
 無邪気な言葉が示す異常さに心が凍り付く。
 日常的に子どもたちの頭上を米軍機が飛び交うという不条理が、沖縄の歴史の中で続いていることが悔しくてたまらない。
 29日に開かれた抗議の市民大会で母親のひとりが声をつまらせ訴えた。「子どもたちに『もう大丈夫だよ、空からは雨しか降ってこないよ』と言えるように」
 小さな島の中で、住宅地に接近する飛行場や演習場の運用にはもともと無理がある。基地との強いられた共存が、子どもの命と安全を脅かしているのだ。
■    ■
 沖縄の戦後史は米軍関係者の事件事故の繰り返しの歴史でもある。
 昨年、うるま市でウオーキング中の20歳の女性の命が奪われた事件は、県民に大きな衝撃を与えた。殺人や強姦(ごうかん)致死などの罪に問われた元米海兵隊員の男の裁判員裁判が、1年半が過ぎた11月、那覇地裁であった。
 ナイフで胸をえぐられるような痛みが走ったのは、被害者の母親の陳述だ。
 「(娘は)想像しがたい恐怖におびえ、痛み、苦しみの中でこの世を去りました。悔やみます。悔しいです。悲しすぎます」「私の心は地獄の中で生きています」
 一人娘を失った両親の悲しみを想像することはたぶんできない。しかし「もしかしたら、自分だったかも」と想像し、被害者や遺族の痛みを共有しようとする人が増えたのは大きな変化である。
■    ■
 名護市辺野古の新基地建設は、護岸建設が始まるなど新たな段階に入った。政府は「工事が進めば県民は諦める」と考えているのだろう。
 だが先の衆院選では全国で自民党が圧勝する中、沖縄は新基地に反対する「オール沖縄」が3勝1敗と勢力を維持した。
 この夏公開された、政治家、瀬長亀次郎氏の記録映画に人々が列をなしたのは、辺野古の反対運動と重ね合わせたからではないか。米軍と闘った「抵抗の人」は、こんな言葉を残している。
 「民衆の憎しみに包囲された軍事基地の価値は0に等しい」


立憲・枝野代表が語る「ここは筋を通すべき時だと決断」
「一を以て之を貫く」。2017年、この人ほど儒学の始祖・孔子の言葉を噛みしめた人はいなかっただろう。立憲民主党代表の枝野幸男氏(53)は先の衆院選直前、東京都知事の小池百合子代表(当時)率いる「希望の党」に“排除”の意向を示されて憤慨し、新党「立憲民主党」を旗揚げ。党員1人からの船出となったが、アレヨアレヨという間に有権者の支持を集め、選挙が終わってみれば55議席を獲得して野党第1党に躍り出た。「台風の目」となった衆院選。改めてどんな主張や政治姿勢が有権者に評価されたと考えているのか。
「(躍進の理由は)まさに『ブレなかった』という点に尽きるでしょう。『草の根の民主主義』『草の根の経済再生』という明確で分かりやすい主張に対し、大きな期待をいただけたのではないか、と思っています」
 新党立ち上げ時から一貫して訴え続けているのが「上からの押し付けではない下からの民主主義」だ。選挙の街頭演説でも有権者との距離感を重視したという。
「例えば演説の際、車の上など高い位置からではなく、出来るだけビール箱や小さな台の上から演説しました。国民の目線の近い場所で訴えたいと考えたからです。そういう政治スタイルが、我々の主張である『草の根』という言葉と結びつき、好感を持っていただけた。その結果、いろいろな方々が自発的に写真や動画をツイッターやフェイスブックに載せて拡散してくれました」
 古巣の民進党の分裂劇をめぐっては、これまでの主義や主張と異なる動きを見せたり、公認をめぐって右往左往したりする候補者の姿にうんざりさせられた国民は少なくなかった。
「政治には『妥協』と『筋を通す』という2つのバランスが求められると思います。妥協しない政治は物事が硬直化して進まないし、かといって、妥協し過ぎると筋を曲げたことになる。当然、有権者の理解も得られません。政治家は、この2つのバランスをうまく保ちつつ、どうブレずに行動するのかが重要ではないでしょうか。衆院選では、まさに中途半端な妥協をすれば、筋を曲げたと言われても仕方がない、ここは筋を通す時だと考えました。結果的にその姿勢が有権者に短期間で伝わったと思います」
 政治信条は「多様性を認め、異なる意見を排斥しない」だけに、多様性も異なる意見もバッサリ切り捨てるような小池知事の「排除発言」や「政策の踏み絵」は許せなかったようだ。
■数合わせのための党勢拡大と受け取られてはいけない
 まずは順調な滑り出しを見せている新党だが、今後の課題はいかに党勢を拡大していくかだ。民進や希望、共産など他の野党との連携も欠かせなくなる。「妥協」と「筋を通す」のバランスが問われる場面も増えるだろう。
「まずは『永田町のゲーム』と誤解をされないようにしなければいけないと考えています。確かに理念や政策を推進、実現していくためには同じ思いを抱く仲間を増やしたり、他党と調整や連携したりする必要がありますが、それが選挙に勝つためと受け取られたり、数合わせが自己目的化している、などと見られてはならない。これは筋を通していても誤解されかねないので、相当、気をつける必要があります。すでに誤解を招く発言をして、周りから注意されていますしね。一つ一つの発言や、手順、段取りをしっかり踏むということを常に意識し続ける。筋を通す姿勢を分かりやすく国民に伝えることが重要だと思っています」
▽えだの・ゆきお 1964年、栃木県生まれ。東北大法学部卒。24歳で司法試験に合格し、91年に弁護士登録。93年の衆院選で、日本新党から出馬し、初当選。2009年の民主党政権で、行政刷新会議「事業仕分け」の統括役を務めたほか、内閣官房長官、内閣府特命担当相(沖縄・北方対策)、経産相などを歴任。民進党では初代幹事長、代表代行に就いた。当選9回。


加計だけ2大学に補助金 16年度新設私大事業 文科省「優遇ではない」
 二〇一六年度に国が実施した私立大学への研究補助事業で、安倍晋三首相の友人が理事長を務める学校法人「加計(かけ)学園」だけが、運営する二校が選定されていたことが分かった。当時は、加計学園に有利な条件で国家戦略特区での獣医学部新設が決まったばかりの時期。所管する文部科学省は「加計学園を優遇したわけではない」と説明するが、識者は疑問を投げかけている。 (中根政人)
 補助事業は、文科省が一六年度に始めた「私立大学研究ブランディング事業」。「独自性の高い研究や事業に取り組む私大」に対して補助金を新たに交付したり、増額したりする。
 一六年度は計百九十八校の応募(応募主体の学校法人数は非公表)があり、同年十一月二十二日に四十校が選定された。この中で、加計学園が運営する岡山理科大(岡山市)が「恐竜研究の国際的な拠点形成」、同じく千葉科学大(千葉県銚子市)が「『大学発ブランド水産種』の生産」などの研究で、それぞれ選ばれた。同じ学校法人から複数選ばれたのはこの二校だけ。
 補助金の交付期間は少なくとも三年間で、中間評価の結果が良ければ最長五年間。一六年度の二校への補助金は計約一億一千六百万円に上った。
 一七年度(百八十八校応募、六十校選定)も、同じ学校法人から二校選ばれたケースが一例あった。加計学園ではない。
 一六年度の補助金交付が決まる約二週間前の一六年十一月九日、国家戦略特区諮問会議は、「広域的に獣医学部のない地域」を条件に獣医学部新設を決定。加計学園と競合する京都産業大(京都市)は関西圏に別の獣医学部があるため不利となり、今年一月に加計学園が事業者に選ばれた。
 補助金交付は学識経験者らの委員会が審査したが、委員名や議事内容は公表されていない。文科省の担当者は、加計学園だけ二校に補助金が決まったことについて「応募は大学単位なので意識していなかった。獣医学部の検討状況はまったく知らなかった」と説明。加計学園は「適切に申請した」とコメントしている。
◆決定理由、公表すべき
<市民団体「森友・加計問題の幕引きを許さない市民の会」の醍醐聡(だいご・さとし)・東大名誉教授の話> 加計学園が提案していた獣医学部新設の検討状況を知らなかったとの文部科学省の説明は、当時の政府内の作業を考えると通用しない。文科省は補助金の決定理由を大学別に公表すべきだ。


森友・加計問題 「政と官」不信残したまま
 大阪市の森友学園と岡山市の加計学園、二つの学校法人を巡る問題は今年の国会論戦の大きな焦点だった。
 公平、公正であるべき行政がゆがめられたのではないか―。野党が繰り返し追及したものの、政府側との質疑はかみ合わなかった。疑問は来年に持ち越される。
 国有地払い下げ、大学獣医学部新設という決定が不透明な形でなされた。うやむやにできない問題である。事実関係をはっきりさせることは年明けの通常国会で与野党に課された宿題だ。
   <不可解な特別扱い>
 森友学園には小学校建設用地として評価額9億5千万円の国有地が1億3千万円で売却された。地下に埋まっているごみの処理費用を差し引いたという。経緯を調べた会計検査院は、ずさんに算定されたと指摘している。
 国会審議で財務省は、価格交渉を疑わせる音声データの存在を認めた。森友側が「ゼロ円に極めて近い形で払い下げてほしい」と求め、財務省側はごみ撤去費として既に支払った1億3千万円を下回る金額は提示できないと回答―といった内容のものだ。
 異例の対応を重ねたことも判明している。売却を前提にした定期借地契約を結んだり分割払いを認めたりしていた。近年、他に例はない。不可解な特別扱いだ。
 加計学園は政府の国家戦略特区制度を活用し、愛媛県今治市に岡山理科大の獣医学部を設ける。1966年の北里大以来、52年ぶりの新設である。定員140人と全国最大の規模になる。
 政府は、獣医学部の新設を認める条件として▽新たに対応すべき具体的な需要▽近年の獣医師の需要動向を考慮―など4項目を閣議決定している。これらを満たしているとするものの、明確な根拠は示していない。
   <人事権を握る官邸>
 森友の小学校は安倍晋三首相の妻、昭恵氏が一時、名誉校長に就いていた。加計の理事長は首相の長年の友人が務める。こうした関わり、近しさが疑念を生んだのは当然の成り行きだ。
 国有地売却では、首相夫人付の政府職員が財務省の担当者に問い合わせをしていた。
 獣医学部を巡り、文科省が内閣府とのやりとりを記録した文書には「総理のご意向」「官邸の最高レベルが言っている」といった文言があった。文科省の前事務次官は国会で「首相補佐官がさまざまな動きをしていた」と述べ、官邸の関与を指摘している。
 問題は、首相側から省庁に対して指示や働き掛けがあったかどうかだけにとどまらない。
 2014年に内閣人事局が発足し、各省庁の幹部人事は首相官邸が一元管理している。官邸の意向を推し量って仕事をする傾向が強まっているのではないか。いわゆる「忖度(そんたく)」である。
 野党の追及に、政府側は「記録がない」「記憶がない」といった答弁を繰り返し、議論は堂々巡りだった。根拠を示さないまま、適切だったと主張しても、説得力を持たない。
 世論調査では政府の説明に対して「不十分」「納得できない」との回答が多数を占めている。
 行政をチェックする国会は機能不全が著しい。
 決定が適正だったのか判断するには、どんな交渉や議論を経たのか詳しく知る必要がある。記録がないなら関係者を呼んで事情を聴くのが筋だ。与党は、野党が求める参考人招致や証人喚問に応じるべきである。
 首相の国会軽視の姿勢も見過ごせない。憲法に基づく臨時国会召集の要求を放置した揚げ句、冒頭解散に踏み切った。安全保障関連法の成立を強行した15年にも応じなかった経緯がある。
   <徹底解明が前提だ>
 衆院選後の特別国会では自民党が質疑時間の配分見直しを主張した。2対8で野党に多く配分する近年の慣例を改め、与党分を増やそうというものだ。巨大与党のおごりを感じさせる提案である。
 首相は、国有地売却について算定のずさんさを指摘した会計検査院の報告を真摯(しんし)に受け止めるとしつつ、売買契約の検証や再調査は拒否した。獣医学部新設の認可を巡っては適正だったとの認識を重ねて強調している。
 一方で、国有財産の処分手続きを見直す考えを示し、国家戦略特区制度の透明性を向上させるとした。政府は行政文書管理のガイドラインも見直している。
 再発を防ぐことは、むろん大事だ。とはいえ、論点を今後の取り組みに移し、幕引きとするわけにはいかない。
 政と官の関係がゆがんだものになっていないか、1強のひずみが生じてはいないか。問題の根っこを掘り下げる必要がある。
 同じことを再び起こさないためにも、まずは決定に至った過程の解明が欠かせない。政府を監視する国会の存在意義に関わる。与野党を問わず国民の代表として責任を果たさなくてはならない。


国政この1年 安倍政治、不信感根強く
 今年の国政は、盤石だった「安倍1強政治」が揺らいだ年だった。安倍晋三首相や昭恵夫人の関与が疑われる森友学園・加計(かけ)学園問題が浮上し、勢いは失速した。それでも10月の第48回衆院選は自民党が大勝。与党の自民、公明両党が定数の3分の2の310議席を獲得した。だが、安倍政権に対する不信感はいまだ根強い。首相は国民の声にしっかりと耳を傾け、襟を正す必要がある。
 「1強政治」が揺らいだ大きな理由に、数の力を背景とした強引な国会運営がある。象徴的なのが、6月に成立した「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ改正組織犯罪処罰法。参院法務委員会で審議中だったにもかかわらず、委員会採決を省略して本会議採決を強行した。こうしたやり方に国民が疑問の目を向けた。
 決定的だったのが、森友学園・加計学園問題だ。国会での野党の追及に対し、首相はあいまいな答弁を繰り返し、疑惑をより深めた。説明責任を果たさない首相の態度は国民を失望させ、内閣支持率が急落した。
 そうした中、安倍首相は突然の衆院解散に打って出る。選挙戦の最大の争点は安倍政権への評価。有権者は5年近くに及ぶ安倍政権の継続を選択した。
 だが、自民の勝利は野党の迷走に助けられた側面が大きかった。安倍1強の打破を掲げて新党を立ち上げた希望の党は、民進党からの合流で勢いを付けるかに見えたが、代表の小池百合子東京都知事が候補者を選別したことで批判を浴び、大きなうねりを生み出せなかった。
 衆院選は、野党の力不足を露呈する場にもなったといえる。野党各党は現状のままでいいのかを真剣に考え、政策・理念、戦略を見直すことも重要だ。
 選挙中は「丁寧な説明」を約束した安倍首相だが、強引な政治手法が改善されたとは言い難い。加計学園について審議した衆院文部科学委員会で自民党が要求して野党の質問時間を大幅に減らしたのは、その表れではないか。この問題は年を越すが、国民に対して今後も説明責任を果たさなければ、安倍政権への不信感はさらに増すことを肝に銘じてほしい。
 政府が天皇陛下の退位を2019年4月30日に決定したのも大きな出来事だった。皇族が減少の一途をたどる中、恒久的な皇位継承対策が急務であることも忘れてはならない。
 「米国第一主義」を掲げて誕生したトランプ政権との連携、核開発・ミサイル発射を繰り返す北朝鮮への対応など、外交もこれまで以上に注目された。日本が取った政策、姿勢は適切だったのか。検証しながら一歩一歩進む必要があるだろう。
 衆院選で安倍政権継続が選択された形だが、今の政権に求められるのは多様な意見を政策に反映させる柔軟な姿勢だ。重要案件について野党と議論を尽くさなければ、国民の信を得ることはできない。


問われる政権体質 丁寧な合意形成が民主政治の要
 「騒がしい年だった」。安倍晋三首相は今年をこう振り返った。国民の声に耳をふさぎ、数の力で思い通りに進める政権の「体質」が現れている気がしてならない。
 2017年が終わる。分断と排除が影を落とす世界にあって日本の政治もまた、丁寧な合意形成に背を向けた年だった。安倍政権発足から5年。官邸主導の強硬姿勢が目立つ。空洞化した国会を再構築し、少数意見を尊重して熟議する民主政治の大原則へ立ち戻るよう求めたい。
 首相は経済政策をうたって有権者を引き付けては、選挙で得た数の力により、公約で前面に掲げなかった法律を強引に成立させる手法を繰り返してきた。国論を二分する特定秘密保護法も、違憲の疑いが濃い安全保障関連法もそうだ。
 6月には、犯罪を計画段階で処罰する「共謀罪」の趣旨を盛った改正組織犯罪処罰法を、捜査権乱用の懸念が叫ばれる中、強行成立させた。委員会を省略するという禁じ手まで持ち出した暴走は許されない。
 国会の骨抜きはこれにとどまらない。今年の会期日数は190日で過去20年のうち最短。自民党は質問時間の配分の見直しを求め、特別国会の予算委員会で野党の質問時間を短くした。さらに首相は加計、森友問題など国民の疑問に「丁寧に」「真摯(しんし)に」説明すると繰り返しつつ全く答えない。議論を深めて合意形成を目指すのが民主政治の要だ。その根本を失った「政治の劣化」を強く危惧する。
 長期政権の良さは、国民の痛みを伴う社会保障改革などを、中長期の展望をもって腰を据えて進められることにある。だが首相は「地方創生」「1億総活躍」「人づくり革命」と支持率が下がるごとに新たな看板に掛け替え、選挙に持ち込む。検証もなされず、これでは効果が上がるはずもない。このような場当たり的な衆院解散権の乱用は看過できない。解散に一定の制約を設ける制度改革を、真剣に議論する時機が来ている。
 人事権を盾に、官邸主導の政策を実現させる手法も見過ごせない。14年には内閣人事局を設置して、省庁幹部の人事も掌握した。官僚を支配することによって、物言えぬ土壌を広げ「忖度(そんたく)」させる「ゆがみ」に懸念が募る。
 戦後の平和を守ってきた憲法が今、岐路に立たされている。首相は5月、改憲派の会合にビデオメッセージを寄せ「20年を新しい憲法が施行される年にしたい」と唐突に表明、自衛隊の明記を掲げた。改憲勢力が衆参両院で3分の2以上の議席を占める中、18年中の改憲発議も視野に入れる。
 政権のおごりが際立ち、国会がチェック機能を果たせない現状では危うい。国民は選挙で首相が敵視した「こんな人たち」でも「騒がしい」人でもなく、主権者。安心と平和を守るために声を上げ続けるのは、未来への責任である。


国会改革/内閣への監視機能を高めよ
 「言論の府」が制度疲労にむしばまれているのではないか。今年の国会を巡る動きを振り返ると、その懸念を強くする。来年こそ、国会改革に本格的に取り組むべきだ。
 今年は異例ずくめだった。まず、安倍晋三首相と野党党首が基本政策を議論する党首討論が、「年間ゼロ」に終わった。
 最後に開かれたのは昨年12月で、2000年に創設されて以降初めてのことだ。00年は年8回開催されたものの、その後は減少傾向にあり、昨年は2回だけ。制度の形骸化がうかがえる。
 本来であれば、国会論戦のひのき舞台になるはずだが、野党にとっては審議時間が計45分間と限られているのが難点だ。長時間にわたって、安倍首相を追及できる予算委員会審議を優先する野党の思惑があったのも確かだろう。
 「森友学園」の国有地払い下げ問題や、「加計(かけ)学園」の獣医学部新設問題が背景にあったのは言うまでもない。
 時間の制約が壁になるならば、拡大したらいい。原則月1回とする14年の与野党合意にこだわらず、柔軟に対応することも検討すべきだ。せっかく導入したのだから、審議の充実に生かすよう改善していくのは当然だ。
 自民党が10月の衆院選で大勝した結果を踏まえ、特別国会での質問時間の配分見直しを野党側に迫ったのも異例と言えよう。
 質問時間については国会法などには規定がない。このため、衆院では旧民主党政権以降、与野党の配分は「2対8」が慣例だったが、「3対7」が相場になりつつある。
 「安倍1強」と言われる中で、監視機能を働かせる国会の責任は大きい。とりわけ、対峙(たいじ)する野党の役割は一段と重要になってきている。その質問時間を削るという姿勢は国会の活性化に逆行する、と言わざるを得ない。
 答弁する側にも問題がある。例えば「共謀罪」法案を巡る通常国会の審議では、当時の金田勝年法相に代わって、出席した官僚らが度々、「助け舟」を出す形で答弁するケースが目立った。
 さらに言えば、用意された答弁資料を棒読みしている閣僚がほとんど。官僚は極力事務的、技術的な答弁に限るべきである。閣僚は政治的テーマについて、自らの見識を披歴すべきだ。
 追及する野党側にも努力を求めたい。質問内容が重複する場面が散見される。時間を効率的に使い、議論を深めてほしい。そのためには各党の役割分担も必要ではないか。
 何よりも野党が憲法53条に基づいて要求した臨時国会の召集を3カ月間も棚ざらしにした揚げ句、安倍首相が突如、衆院解散に踏み切ったことが象徴的だった。国会軽視と言われても仕方あるまい。
 内閣のおごりを正し、緊張感をもたらすための国会改革が不可避ではないか。


2017年回顧 平和の秩序乱すのは誰だ
 人生が「禍福は糾(あざな)える縄の如し」ならば、人の世も「明」と「暗」を織りなしながら月日を重ねていく。2017年はどんな歴史を刻んだのだろうか。
 国内外で平和の秩序が崩れ、人々の不安感が増幅している。そんな中、若者が秘める無限のエネルギーに明るい未来を見いだした年でもあった。
 ■世界は排外主義増幅■
 これは「暗」の幕開けだったのだろうか。「米国第一」を掲げた米共和党のトランプ大統領が1月、第45代大統領に就任。環太平洋連携協定(TPP)やパリ協定、ユネスコからの離脱表明は保守主義を超えて我欲むき出しの秩序破壊だ。
 アジアの大国、中国の習近平(しゅうきんぺい)1強体制はさらに権力集中を強め、経済強国と海洋権益増強を狙う。米中のパワーゲームを見透かすように、北朝鮮の核・ミサイル開発が加速。11月には米本土射程の新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射し「核戦力完成」を宣言した。有事リスクが拡大する情勢だ。
 欧州も「暗」を醸す。メイ英首相が3月、欧州連合(EU)離脱を正式通知。内向きな保守主義は独仏の大統領選、議会選挙でも顔をのぞかせる。中東情勢はトランプ大統領のエルサレム首都認定で、テロの恐怖とともに新たな火種を抱え込んだ。
 唯一の光明は、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)のノーベル平和賞受賞だ。分断と排除の論理がまかり通る世界に希望を見いだす。だが、7月に採択された核兵器禁止条約に、米国の「核の傘」に頼る日本はそっぽを向いている。
 ■日本の劣化も一段と■
 国内はどうだろう。政治は「不穏」、社会は「暗」に染まったといえば言い過ぎか。
 長期政権を視野に安倍1強政治が加速するも、学校法人森友、加計学園問題で「総理のご意向」や官僚の「忖度(そんたく)」があぶり出され支持率は急低下した。
 それでも北朝鮮の脅威を「国難」と強調する巧みな「印象操作」で10月の衆院選を自民党大勝で飾った。勢いを得て悲願の憲法改正を目指すが、北朝鮮への圧力を強めるほど拉致問題解決が遠のく。拉致40年。もう言い逃れは許されない。
 「明」と位置付けたいのが約200年ぶりの天皇陛下退位である。熟議の末に12月、19年4月30日と決定した。特例による一代限りの措置。皇位の安定的継承という難問を引きずるが、平和を祈る両陛下に国民はねぎらいの拍手を送るだろう。
 成熟社会の暗闇を象徴する事件も起きた。10月末以降、神奈川県座間市で9人の切断遺体が見つかった。自殺願望をツイッターに書き込んだのが端緒。危ういネット社会である。
 広告大手電通の新入社員過労自殺や日産、神戸製鋼所、三菱マテリアルなど大企業の相次ぐ不正発覚も衝撃的だった。新幹線のぞみの台車亀裂問題も同じ文脈にあり「ものづくり日本」の劣化を象徴する。
 ■福井を飛躍の聖地に■
 県内でも暗い事件があった。3月、池田中の男子生徒が校舎から飛び降り自殺。教員の厳しい指導が原因とされ、県全体で教育現場の見直しが進められている。未来を断ってまで「命を懸けた訴え」にどう答えを出すのか。重い責任を背負った。
 北陸新幹線の大阪までの全ルートが確定したのは3月だ。整備計画決定から実に43年余が流れている。ただ財源確保や多額の地方負担など難題山積みだ。
 原発マネーも先細り。高速増殖原型炉もんじゅに続き、関西電力大飯原発1、2号機の廃炉も決まった。かつての15基体制から8基へと縮小、地元財政に及ぼす影響は大きい。
 人口減が加速する中、限界を突き破るパワーの必要性を教えてくれたのが桐生祥秀(よしひで)選手だ。9月9日、県営陸上競技場で開催の日本学生対校選手権100メートル決勝で9秒98をマーク。ついに10秒の壁を破った。
 陸上の「聖地」は福井国体総合開会式の舞台になる。希望の未来へ県民も新たなスタートラインに立ちたい。


最近、たるんでないぞ 大晦日に考える
 いろいろあった一年もついに暮れますね。大晦日(おおみそか)ぐらいは、ということで大目に見ていただき、ちょっとくだけて笑いや遊びについて書いてみます。
 二〇一七年も三百六十五日目。「いやはや、もう一年か」と感慨にひたっている方も少なくないでしょう。こんな笑話があります。
 雷様が、お月様とお日様と一緒に旅をした。だが朝、宿で雷様が目を覚ますと独りぼっち。宿の者に聞けば「お月様もお日様ももう出発なさいましたよ」。雷様が一言。「月日のたつのは早いなぁ」
「新解釈」で笑う
 笑いといえば、割と有名ななぞなぞを一つ。英語で一番長い単語は何? 答えは、smiles。「ほほ笑み」のスマイルの複数形とか、人の姓にもありますね。で、たった六文字でなぜこれが一番長いのか。最初のSと最後のSの間が1マイル(1・6キロ)あります…。スマイル、いや薄笑いでも浮かべていただけたら幸甚。
 笑いとは何かは難問ですが、例えば劇作家の鴻上尚史(こうかみしょうじ)さんがどこかで書いていたのは「新解釈」。そういえば、駄洒落(だじゃれ)だって、言葉に別の意味を見いだすのですから新解釈といえば新解釈ですね。時に「おやじギャグ」などと蔑(さげす)まれますが、なかなかの傑作もあって−。
 ゴルフ場で、一人が、もう少しでグリーンに乗るというナイスショット。その瞬間、誰かが叫ぶ。「あわや、乗りこ!」。まあ、ブルースの女王を知る世代限定ですが。
 これも「新解釈」でしょうか。記憶曖昧ながら、前にネットで見た変換ミスコンテストの応募作の一つが、確かこんな感じで−。
 その人は、友人とメールで信仰について論争中、「(自分は)神の存在を信じないし、不幸とも思わない」と大まじめに打って送ったつもりが、変換ミスでこうなっていたそうです。
 「紙の存在を信じないし、拭こうとも思わない」
「遊び」へと飛び出せ
 ちょっと言葉遊びがすぎたでしょうか。でも、笑いは健康にいいとも言われますし、昔から「笑って損した者なし」と。ただ、笑いは、笑う方にゆとりがなければ生じ得ないのも確かです。
 古く外の目から言われる日本人の特質はといえば、第一に勤勉、まじめであって、ついつい仕事にのめり込む傾きが。ゆとりというのは案外苦手な気がします。
 勤勉は美点ですが、そこに企業の競争・効率至上主義がつけこむと、個人が無理を強いられ続けかねません。今年を振り返っても、過労死や過労自殺など働き方をめぐる悲劇は相次ぎました。
 文筆家のワクサカソウヘイさんは雑誌『望星』十二月号のエッセーで、そうした、こうあらねばならない、と不断に迫ってくるような社会状況を「意味の呪縛」と呼んで、こう指摘しています。
 <私たちは意味の呪縛に対抗する、唯一にして尊い手段を持っている。それが「遊び」だ>。草野球でも登山でも盆栽でも、とにかく何でもいいのでしょう。意識的に「意味の構図」から無意味=「遊び」へと飛び出すべし、と。
 「遊び」といえば、もう、ひと昔前になりますが、原題にひかれて一冊の本を買い求めたことがありました。トム・デマルコという米国人コンサルタントが書いたビジネス書ですから、本来なら本屋で見ても素通りなのですが、表紙の「Slack」という言葉に目がとまったのです。
 聞かない英語ですが、筆者の愛好する遊び、フライフィッシング(西洋式毛針釣り)ではなじみ深い言葉で、結んだ毛針を水面で流す時、糸につくる「たるみ」を指します。それがほどけて流れを吸収してくれる間は、毛針が糸に引っ張られて動くことなく自然に流れてくれる。ピンと張っていてはそうはいきません。
 この本(邦題『ゆとりの法則』)の著者はビジネスにも、その「たるみ」こそが肝要だと説いています。効率化を進めすぎて、スラックがなくなると、変化への対応力も失い、生産性は損なわれる、というのです。
 こんな例を挙げています。
 九ますに八個の数字タイルが並ぶパズル。そこにもう一つタイルを入れて、空きスペースをなくしてしまうとどうなるか? もう、タイルは一切、動かせない…。
スラックがなくなると
 この「たるみ」は「遊び」に通じます。ほら、ハンドルの遊びなどと言いますし。「ゆとり」と呼び換えてもいい。さすれば、笑いも生まれ得ましょう。
 企業にも個人にも大事なのですから、むしろ、上司は「最近、たるんでるぞ」じゃなく「最近、たるんでないぞ」と部下を叱咤(しった)すべきなのかもしれません。
 さて、もう一つ寝るとお正月。いい新年にしたいものです。


今年も虚言を吐きつづけた! 安倍首相の真っ赤な嘘&インチキ発言ワースト10
 年末恒例となった、安倍首相による「大嘘」振り返り企画をお届けする季節が今年もやってきた。昨年は「なぜここまで平気で嘘をつけるのか?」と題して安倍首相の姿勢に疑問を投げかけたが、今年はその余地もなし。モリカケにはじまり、共謀罪強行採決、北朝鮮問題、大義なき解散……と国民を完全に舐めきった態度に終始し、嘘の低レベルさ、アホさにも磨きがかかった。
 しかも、モリカケ疑惑は終わった話ではない。新年でリセットさせないためにも、今年の真っ赤な嘘&インチキ発言をいま一度、確認していこう。
大嘘1
「(加計学園の獣医学部新設計画を知ったのは)1月の20日の特区諮問会議」
7月24日、衆院予算委員会の閉会中審査
 それは度肝を抜かれる嘘だった。突然、何を思ったのか安倍首相は、今年1月20日の特区事業者決定まで加計学園の獣医学部新設計画を知らなかったと強弁しはじめ、「私は知り得る立場にはあったわけでございますが、しかし、そのことについての具体的な説明は私にはなかったわけでございまして」などと述べたのだ。
 完璧すぎる虚偽答弁だ。なぜなら、安倍首相はこの答弁の約4カ月前の国会では「関係者はみんな知っているんですよ!」とキレまくった上、6月にも「構造改革特区で申請された」ときに承知したと明かした上で「国家戦略特区に申請をすれば私の知り得るところになる」と答弁。しかも、社民党の福島瑞穂議員の質問主意書に対しても、答弁書で“構造改革特区の説明資料に加計学園が候補となっていると記載されていた”と回答、閣議決定している。それをすべてなかったことにしようとは、インチキをはるか通り越して、もはや「ご乱心」と呼ぶべきだろう。
大嘘2 「この問題の本質は、岩盤規制にどのように穴をあけていくかだ」
6月5日、衆院決算行政監視委員会
 こういう台詞をバカのひとつ覚えと言うのだろう。この時期にはすでに「総理のご意向」と書かれた文書が明らかになり、さらに前川喜平・前文部科学事務次官が、安倍首相の側近である和泉洋人首相補佐官から「総理の代わりに言う」として対応を早くしろと迫られていたことを証言するなど「加計ありき」の実態が明らかになりつつあったが、安倍首相は頑として「岩盤規制」の一点張り。その上、“獣医学部新設は民主党が検討したものを安倍政権が引き継いだだけ”とまで言い出した。民主党政権下で始まった高校無償化や子ども手当は引き継がず廃止したくせに、である。
 あらためて言うまでもなく、問題になっているのは「加計学園のために安倍首相は自分がスタートさせた国家戦略特区を使って獣医学部新設を押し進めたのではないか?」ということ、そして「岩盤規制に開けたその穴はなんで加計しか通れない仕掛けなの?」ということだ。安倍首相はいまだにそれに対して明確な回答をできていない。挙げ句、デタラメを上塗りするように、以下のような大嘘をついているのだ。
大嘘3
「(国家戦略特区の)議事はすべて公開しています」
6月19日、記者会見冒頭発言ほか
 こう主張しては国家戦略特区の決定プロセスの透明性に胸を張ってきた安倍首相だが、8月になって、国家戦略特区ワーキンググループ(WG)が2016年6月に愛媛県と今治市からヒアリングをおこなった際、加計学園の幹部3名が同席していたにもかかわらず公開されている議事要旨にそのことが伏せられていた事実が発覚。さらに、発言内容を一部削除することで発言主旨を真逆に書き換えるという議事録の改竄までおこなわれていたことも明らかになった。「すべて公開」などされていなかったのだ。
 だが、安倍首相が事実をねじ曲げ正当性を主張してきた例は、これだけにかぎらない。たとえば、選挙中にもしつこく繰り返した「朝日新聞は加戸守行・前愛媛県知事や八田達夫・WG座長の報道をしていない!」という主張がそれだ。実際には朝日は加戸証言も八田証言も記事にしてきたが、「報道が歪められている」というお得意の“印象操作”で問題をすり替えようという下心が見え見えだ。
 また、安倍首相は同じように「国会審議すべてを見られた方々は納得されたという方も多かったのではないか」とも言いつづけているが、どうしたら「プロセスに一点の曇りもない」だの「(加計の獣医学部計画は)1月20日に知った」だのと明らかな大嘘を吐いておいて誰が納得できるのか。国民を舐めすぎである。
大嘘4 「この解散は国難突破解散だ」
9月25日、記者会見冒頭発言
 で、モリカケ問題の国会追及に耐えきれなくなった安倍首相が、民進党のゴタゴタと北朝鮮問題を助け船にして打って出たのが、国会の冒頭解散という「大義なき解散」だった。そして、自己保身のために解散権を濫用するという民主主義を破壊する暴挙にもかかわらず、安倍首相は会見で「国難突破」などというインチキも甚だしい恐怖を煽るような戦中ワードをキャッチコピーにもち出したのだ。
 しかも、失笑せざるを得なかったのは、「国難」の中身だろう。安倍首相は北朝鮮問題だけでなく、何十年も前から叫ばれてきた「少子高齢化」までいまさら「国難」と認定。幼児・高等教育の無償化を謳ったが、選挙後に蓋を開けてみたら自民党の検討案はその売り文句に遠く及ばない内容であることが判明している。その上、早期解消が求められている待機児童についても、「今後ゼロになるかについて、断定的にゼロになるとは言えない」(11月28日衆院予算委)と言い出す始末。解散時にさんざん匂わせていた「12月に米朝軍事衝突」という説といい、「国難」はどこに行ったのだろう。
大嘘5
解散前「国民のみなさまに説明しながら選挙する」 →
選挙中「街頭演説で説明するよりも国会で説明したい」 →
選挙後「国会において丁寧な説明を積み重ねて参りました」
9月25日記者会見→10月9日『NEWS23』(TBS)→11月20日衆院本会議
 ここまでわかりやすい嘘に、説明はいらないだろう。しかも、安倍首相が選挙中の遊説でモリカケ問題の説明をしたことは一度もなし。ようするに、ハナから「丁寧に説明」する気などさらさらなかった、ということだ。
 その上、選挙が終わると文科省の大学設置・学校法人審議会は加計学園獣医学部の新設を認める結論の答申をした。選挙のスケジュール自体がこの設置審の認可を認める答申前にと調整されたという情報もあり、つまり選挙さえ「加計ありき」で進められた可能性もあるのである。
大嘘6
「TOC条約を締結できなければ、東京オリンピック・パラリンピックを開けないと言っても過言ではない」
1月23日、衆院本会議
 今年、安倍政権が禁断の暴挙である「中間報告」によって強行採決で成立してしまった共謀罪。「21世紀の治安維持法」でしかない危険極まりない法案を通すために安倍首相がついた嘘が、この「共謀罪を成立させないと国際的組織犯罪防止(TOC)条約に加盟できない、TOC条約を締結できなければ五輪は開けない」という論法だった。
 だが、TOC条約と共謀罪はまったく別の話だ。多くの識者が言及しているように、共謀罪を新設せずとも現行法の制度のなかでTOC条約を締結させることはできるし、TOC条約は組織的な経済犯罪を防止するマフィア対策なのに、共謀罪はそのような中身にはなっていない上、テロ対策にさえなっていない。だいたい、オリンピックが本当に国民の人権を制限しなければならなければ開催できないような代物なら、さっさと開催を返上するべきなのだ。
 しかし、法案成立に躍起になる安倍首相は、書簡で共謀罪法案を「プライバシーや表現の自由を不当に制約する恐れがある」と指摘した国連特別報告者であるジョセフ・ケナタッチ氏を攻撃するため、「アントニオ・グテーレス氏国連事務総長も『人権理事会の特別報告者は、国連とは別の個人の資格で活動しており、その主張は必ずしも国連の総意を反映するものではない』旨、述べていました」などと国会で主張。だが、このグテーレス事務総長の発言内容は、安倍政権によってかなり都合よく歪曲されたものだったのだ(詳しくは既報参照
 国連事務総長の発言までねじ曲げる総理大臣……。「国賊」とはこの人のことだろう。
大嘘7 「『そもそも』を辞書で調べたら『基本的に』という意味もある」
4月19日、衆院法務委員会
 穴があったら入りたくなるような、恥ずかしすぎる嘘である。発端は、安倍首相が1月に過去の共謀罪法案との違いとして「今回は“そもそも”犯罪を犯すことを目的としている集団でなければならない」と述べたことだ。ところが、その後に「性質を一変させた場合」と取り締まり対象の拡大を突然言い出した。この答弁の矛盾を山尾志桜里議員にただされると、安倍首相は自信満々に上記のハッタリをかましたのだ。
 しかし後に、「そもそも」の意味を「基本的に」と記している辞書など存在しないことが明らかにされると、政府は「大辞林」(三省堂)に「(物事の)どだい」という意味があり、「どだい」には「基本」の意味があると主張。違う言葉をあいだに挟んで意味が同じになるならほとんど全部の言葉が同じ意味になるが、恐ろしいことにこのトンデモ解釈は閣議決定されてしまった。しかも、さらっと「首相が自ら辞書を引いて意味を調べたものではない」と嘘を修正したかたちで。
 あまりに馬鹿馬鹿しい嘘だが、この「そもそも」問題は、「訂正でんでん」発言などとは違い、法案の根幹にかかわる重要な部分。こんなインチキかつ杜撰な主張の末に共謀罪を成立させたことは、憲政史上でも汚点中の汚点と言っていいだろう。
大嘘8
「我が国に北朝鮮がミサイルを発射」
「我が国を飛び越えるミサイル発射という暴挙は、これまでにない深刻かつ重大な脅威」
8月29日、記者会見
 この日の北朝鮮の弾道ミサイル発射では、早朝から全国瞬時警報システム「Jアラート」と緊急情報ネットワークシステム「エムネット」が発動し、国民にかつてない恐怖感を与えた。そして、安倍首相の会見でのこの一言も、さらなる恐怖を煽った。
 だが、上空を通過したミサイルを「我が国に発射」というのは明らかに言い過ぎであり、「かつてない脅威」というのも事実ではない。北朝鮮は日本全域を射程にしたミサイルを10年以上前から開発しており、この件で脅威が高まったわけではないからだ。その上、日本上空を越えてミサイルが発射されたのも過去に2回あり、1998年には今回と同様、事前予告がなかった。
 しかも、この日のミサイルが北海道上空を通過した時間はJアラートによるアナウンスからわずか約4分後で、避難のしようもない。Jアラートは役立たずであるばかりか、時間帯によっては大パニックを起こしかねない。ようは危機を煽って北朝鮮のミサイルを政治利用しようという魂胆しか感じられないものだ。
 こうした煽動は来年も繰り返されていくことは必至だが、いちばん怖いのは、トランプ大統領と一緒になって北朝鮮を無用に刺激し、国民には恐怖を植え付けようとする安倍首相の存在だとあらためて言っておきたい。
大嘘9 「(山口敬之氏のことは)取材対象として知っている」
11日30日、参院予算委員会
 ようやく国会で取り上げられるようになった、元TBS記者・山口敬之氏によるレイプ疑惑。この日は福島瑞穂議員がついに安倍首相に対してはじめて山口氏の問題を追及し、「『総理』という本を書いたジャーナリストをご存知ですか、面識はあるでしょうか」と質問した。そして、その答弁は上記のものだった。
 よくもまあ、ヌケヌケと言ったものだ。山口氏と安倍首相の関係が「取材者と被取材者」というようなものでないことは、それこそ山口氏の著書『総理』(幻冬舎)を読めば明らか。執務室での写真をジャーナリストに使わせることも異例だし、山口氏が安倍氏の自宅や外遊先のホテルの客室にもしょっちゅう出入りするシーン、第一次政権崩壊後の2008年から安倍や昭恵夫人と定期的に登山をしていたエピソード、さらには、内閣人事案や消費税をめぐってメッセンジャー的な役割まで果たしていたことを、山口氏自らが自慢げに語っているからだ。それを「取材対象として知っている」とは開いた口が塞がらない。
 しかし、この山口氏のレイプ疑惑は、山口氏の逮捕状もみ消しに官邸の関与が疑われるという、法治国家の根幹を揺るがす大問題だ。山口氏をめぐっては、氏と昵懇だったペジーコンピューティング社長の齊藤元章氏が助成金詐欺事件で逮捕された一件とあわせて、徹底した真相究明がおこなわれなくてはならない。
大嘘10
「私や妻が(認可や国有地払い下げに)関係していたということになれば、これはもう、まさに、私は総理大臣首相も国会議員も辞めるということははっきりと申し上げておきたい」
「(獣医学部新設で)私がもし働きかけて決めているとあれば、責任を取る」
2月17日衆院予算委員会/3月13日参院予算委員会
 今年のいちばんの安倍首相による大嘘は、森友・加計問題それぞれで見得を切ったこの発言だろう。「妻が(国有地払い下げに)関係していた」ことは、総理夫人付き職員だった谷査恵子氏の口利きFAXや、財務省が不当な値引きを主導していたことを示す音声データからも明らかだ。そして加計問題も、官邸による異様な「加計ありき」が数々の証言・証拠によって証明されている。そして来春4月には、まさに「総理のご意向」どおりに獣医学部が新設されるのである。
 これだけ「詰んだ」状態では、過去の政権ならいまごろはもう倒れているはずだ。それが、安倍政権はどっこい年を越そうとしている。その背景には、誠意も正義もなく平気で国民に嘘をつく総理の存在と、もうひとつは忖度しかできない腰抜けメディアの存在がある。だからこそ、何度でも執拗に指摘しつづけなければならない。「総理は稀代の大嘘つきだ!」と。
 ──安倍首相の嘘とデタラメはまだまだあるのだが、今回は10本に厳選した。しかし、安倍首相の思い出しておきたい発言は、嘘・デタラメ以外にもある。追ってお伝えするので、そちらも楽しみにしていただきたい。(編集部)


お前は絶対君主か! 安倍首相の国民軽視、独裁者体質丸出し発言集
 本サイトでは先立って「安倍首相の真っ赤な嘘&インチキ発言ワースト10」をお送りしたが、安倍首相の問題発言はまだまだある。なかでも目についたのは、「あなた、何様のつもり?」とツッコみたくなる上から目線、いや、もはや“絶対君主”気取りの発言の数々だ。それは主権者の存在を無視し、民主主義を否定する、「独裁者」の態度が透けて見える。
 そんな独裁者気質を丸出しにした安倍首相の今年の発言を、以下にピックアップしていこう。
◎「我が軍」発言の反省なし
「警戒監視や情報収集に当たる部隊は、私の目であり耳であります」
「諸君のなかから最高指揮官たる内閣総理大臣の片腕となって、その重要な意思決定を支える人材が出てきてくれる日を楽しみにしています」
3月19日、防衛大学校卒業式での訓示
 自衛隊は「私の目であり耳」「片腕になれ」──。しかも、この訓示で安倍首相は6回も自分は「最高指揮官」であると繰り返した上、「最前線の現場にあって指揮をとる諸君と、最高指揮官である私との意思疎通の円滑さ、紐帯の強さが、我が国の安全に直結する。日本の国益につながっています」とも述べた。
 自衛隊員に向かって恥ずかしげもなく「私とのつながりの強さ」が安全の基準だと断言し、「私の目であり耳」「片腕」などとのたまう。「国民の」ではなく「私の」と言明しているのがポイントで、これこそまさに、安倍晋三が自衛隊を私兵として見ていることの証明だろう。そして、この口ぶりは戦前の「軍人勅諭」そっくりだ。
 悲願の2020年までの改憲に向け、安倍首相はこれまでこだわってきた9条への「国防軍」明記と2項削除案から、1・2項を残して3項に自衛隊を明記する「加憲」案にシフトした。だが、訓示からわかるのは、安倍首相にとって自衛隊は「我が軍」であることに変わらない、ということだ。
 だいたい、安倍首相の「加憲」案は9条に手を加えることに対する国民の抵抗感を下げる一方で、2項の平和主義を骨抜きにするのが目的であることは明々白々。そうして改憲をしてしまえば、事実上、2項が空文化したことで自衛隊の活動には歯止めがきかなくなり、「我が軍」化は現実となるだろう。安倍首相の一見「ソフト」に見せかけた「加憲」案に、騙されてはいけない。
◎国家戦略特区は「俺ありき」だった!
「速やかに全国展開を目指したい」
「地域に関係なく、2校でも3校でも、意欲のあるところにはどんどん認めていく」
6月24日、神戸「正論」懇話会での講演
 この発言が報じられた際、多くの人が「は?」と首を傾げたことだろう。獣医学部新設を加計学園1校に限定したのは、文科省でもなければ日本獣医師会でもない。新設条件に「広域的に」「限り」という文言を萩生田光一副官房長官が書き加えたことによって、京都産業大学が必然的に振るい落とされた。つまり、官邸のゴリ押しで加計の1校に決まったのだ。
 にもかかわらず、安倍首相はこの講演で「1校に限定して特区を認めた中途半端な妥協が、結果として国民的な疑念を招く一因となった」などと発言。「中途半端な妥協」も何も、獣医師を管轄する農水省が「獣医師確保が困難になることは想定しにくい」と報告していたように、需給の観点からも新たに獣医学部を新設することに国民から疑義が呈されているのだ。しかし、そんな声を安倍首相はまるで無視。「そんなに加計加計言うなら全国展開してやるよ!」と逆ギレして見せたのだ。
 まったく冗談じゃない。実際、日本テレビが獣医師養成課程のある全国16の大学に実施したアンケート結果では、この安倍首相の発言に対して「コンビニ出店を目指す社長のような発言」「獣医学教育や獣医師の役割を全く理解していない発言」という意見が寄せられたという。あまりに当然の意見だ。
 しかも、この発言が恐ろしいのは、「データも実態調査もいらん! 俺が決めたら特区で何でもやれるんだ!」というワンマン社長さながらの「俺ありき」の実態を自ら暴露したこと。安倍首相はこの国のことを自分が好き勝手できる会社のようなものだと考えているから、こんな言葉が出てきたのだろう。そして、だからこそ加計問題は起こったのだ。
◎日本はすでに「トランプ・ファースト」 「(武器装備購入は)米国の経済や雇用にも貢献するもの」
2月15日、参院本会議
 トランプ米大統領が出した入国禁止令に対して世界中が非難の声をあげるなかでおこなわれた日米首脳会談で、「米国が偉大な国になっていくことを歓迎したい」と宣った安倍首相。そして、トランプに言われるがまま防衛装備品の購入を決め、挙げ句、上記のように高らかにアメリカ・ファーストを国会で強調。セーフティネットである社会保障費を削減し国民に身を切ることを強要する一方で、「武器を買ってアメリカの経済に貢献しよう!」と言い出したのだ。
“国民の生活よりトランプが第一”というこの男の姿勢は、対北朝鮮でも鮮明になった。「北朝鮮に対する圧力を最大限まで高めていくことで完全一致」「日米が100%ともにあることを力強く確認」などというトランプと一体化した安倍首相の発言は北朝鮮を無駄に刺激するだけで、むしろ衝突をけしかけるものでしかない。だが、それも安倍首相にとっては当然の選択だった。こうやって今年、北朝鮮問題を煽りに煽ったことで政権浮揚を果たし、安倍政権はもち堪えたのだから。つまり、保身のために国民を危機に晒したのだ。
 北朝鮮を挑発しつつアメリカの軍事装備を売りつけるトランプに尻尾を振り、国民の生活と安全を差し出す安倍首相──これこそが、政権が喜ばしいことのように喧伝する「日米同盟の強化」の実態である。
◎恐怖政治さながらの国民分断
「こんな人たちに負けるわけにはいかない」
7月1日、都議選の秋葉原駅前街頭演説で
 ここまで直接的に市民を愚弄した総理大臣がいただろうか。加計学園問題の追及では閣僚席から仕切りにヤジを飛ばして質疑を邪魔していた当人が、そうした思い上がった首相の姿勢に異を唱える市民を「こんな人たち」呼ばわり。自分に対する批判に耳を傾け自省するでもなく、市民を「敵」として排除したのである。
 実際、衆院選の最終日に同じ場所でおこなわれた街宣には“安倍信者”が日の丸をはためかせ、政権を批判するプラカードを持った人たちに対して「朝鮮人!」などというヘイトスピーチまで飛び出すグロテスクな“極右集会”と化した。そして、安倍首相は直後に出演した自民党のネット番組で「熱気がすごかった。いろんな意味で『負けるな』というみなさんの気持ちだと思う」「何に『負けるな』とはいま私言いにくいですが」などと述べた。
 支持者は「味方」、批判する市民は「敵」。この分断と排除の発言を、このままでは近い将来、「あれが恐怖政治のはじまりだった」と振り返る日がくるかもしれない。
 いかがだっただろうか。いずれも自分は絶対的な存在なのだと信じて止まない思い上がりも甚だしい発言ばかりで、大きな問題になるに十分な、あるいはクビが飛んでも当然の発言も並んでいる。
 にもかかわらず、これらのなかにはテレビのニュースで取り上げられることもなかったものさえある。そうして、いまもこの男は総理の座に居座っているのだ。
 しかも、安倍首相が今年吐いた言葉は、嘘・インチキ発言や、こうした独裁者気取りの発言だけではなく、ネトウヨさながらの驚愕発言も連発してきた。それについては、追ってお届けしよう。(編集部)


安倍首相のネトウヨ化が止まらない! フェイク拡散、ネトウヨ用語連発、「報道特注出たい」
「真っ赤な嘘&インチキ発言」「独裁丸出し発言」とお届けしてきた安倍首相の今年の発言を振り返る企画の最後は、安倍首相による見苦しさと知性レベルの低さが露呈した発言集だ。
「印象操作」「レッテル貼り」を多様したり、ドヤ顔でデマを国会で答弁したり、はたまた陰謀論をテレビで披露したり……その態度はもはや「ネトウヨそのもの」である。
 ただただウンザリするばかりの発言がつづくが、憂うべきはこれが現実だということ。新たな年を迎える前に、いま一度、このどうしようもない事実を直視してほしい。
「(森友問題の追及で)レッテル貼りは辞めましょうよ。一生懸命、一生懸命、そうやって印象操作をされていますけど、何もないんですよ、そこは」
2月27日、衆院予算委員会
 出た、安倍首相がキレると必ず飛び出す「レッテル貼り」「印象操作」の決め台詞。だが、このときの質問は決してそんなものではない。質問は、昭恵夫人の言動について「(小学校の)ホームページ(から昭恵夫人の挨拶文と顔写真)を消したり名誉校長をやめたり(中略)これ以上(問題を)つつかれたくないから引いた、そういうことじゃないんですか」というものだった。それを安倍首相は「ホームページを消したのは私でも私の家内でもありませんよ!」と否定し、「レッテル貼りだ」「印象操作だ」と言い出したのだ。
 しかし、籠池泰典理事長は、安倍事務所の「初村さんという秘書」から電話がかかってきて、「非常にコワモテの声で『(HPから)下ろせ』と」「『FAXで流しているので今日中に顔写真すべて外せ』ということだったのでそのようにした」と証言。そして、これが事実かどうかを確認した質問書に対しては、「安倍議員の政治家個人又は私人としての活動等に関するもので、政府としてお答えする立場にない」という答弁書を閣議決定している。「印象操作だ!」と吠えるのなら事務所のFAX記録を出せばいいだけなのに、それさえしていないのである。
 また、安倍首相が同様に今年連発したのが「ないものを証明しろというのは『悪魔の証明』だ」という言葉だ。だが、森友にしろ加計にしろ、普通ならば残しているべき記録を「ない」「破棄した」と突っぱねてきたのは政府のほう。証明できる資料や記録を一方的に「ない」と言い張った挙げ句に「悪魔の証明」などと言い出すのは筋違いもいいところだ。
 だが、安倍首相はさらなる醜態を晒した。それが次の発言だ。
「辻元議員はですね、きょう産経新聞に『3つの疑惑』が出ていましたね。辻元議員も証明しないといけないということになりますが」
3月28日、参院決算委員会
 森友問題に絡んでネット上では、辻元清美議員に対する「塚本幼稚園に侵入した」「森友学園の小学校建設現場に作業員をスパイとして送り込んでいた」という情報が流れ、こうした情報を産経新聞が「民進・辻元清美氏に新たな「3つの疑惑」」と記事にした。これらがすべてデマであることはすぐさま証明され(既報参照)、あらためて産経が「フェイクニュースの温床」「デマ拡散新聞」「まとめサイトレベル」であることが再確認されたが、安倍首相はこのデマを得意気に国会でもち出したのである。
 ネトウヨがデマを流布することも悪質な行為だが、あろうことか総理大臣が裏付け調査もせず、デマを事実であるかのように取り上げ、国会で追及材料にするとは……。最低限の倫理と知性さえもち合わせていないということは、これではっきりしただろう。
 そしてそのことは、以下の発言でも明確だろう。
「私は、私は、私は! 『報道特注』出たいんだけど!」
10月21日、自民党ネット番組『Café Sta』で
 間違えないでほしいが、TBSの『報道特集』のことでは断じてない。『報道特注』というのはネトウヨから熱い支持を受けているネット番組で、司会の生田よしかつ氏(築地市場のマグロ仲卸三代目)のもと、自民党広報副本部長の和田政宗参院議員や「朝日新聞、死ね」ツイートの日本維新の会・足立康史衆院議員、経済評論家の上念司氏というレギュラー陣が、しばしばアルコールと見られるグラスを傾けつつ、デマと陰謀論丸出しでマスコミや野党をバッシングしまくっている番組。
 さらに準レギュラーには作家の百田尚樹氏や、レイプ告発を受けている安倍官邸御用ジャーナリスト・山口敬之氏もいる。山口氏は10月28日放送では、「もし(レイプ問題を)知らない方がいたらネットなど検索しないでおいていただけると(助かる)」などとネタにし、会場のグロテスクな笑いを誘った。
 このように、出演者をみても内容をみても知性や品格の欠片もない内容なのだが、そんなどうしようもない番組に、安倍首相は「出たいんだけど!」と出演を熱望しているのである。
「丁寧に説明する」という国民との約束は一向に果たさず、ネトウヨ番組に「出たい!」とアピールする。とほほと言うほかないが、しかし恐ろしいことに、今年、安倍首相はもっと露骨に自分のネトウヨっぷりを披露した場面があった。これだ。
「イヤホンちょっと、大丈夫ですか?」
10月9日放送『NEWS23』(TBS)党首討論で星浩キャスターに向かって
 放送を見ていた視聴者のほとんどが「?」の状態だったろうが、テレビの前でネトウヨは狂喜乱舞。それもそのはずで、なんと安倍首相は、ネトウヨがネット上で展開していた陰謀論をそのままテレビの生放送で口にしたからだ。
 経緯を説明しよう。安倍首相が解散発表後に『NEWS23』に生出演した際、番組では籠池泰典理事長側と財務省側との交渉を記録した音声データを取り上げるなど、数々の疑惑を安倍首相にぶつけた。だが、これにネトウヨが大反発。星浩キャスターのイヤホンから「2人でもりかけ」というディレクターの指示の音声が漏れていたことを鬼の首をとったかのように騒ぎ立てたのだ。
 時間が限られている生放送で自分のPRだけをやろうとした安倍首相に対し、番組側が少しでも国民が注目する部分に話をもっていこうと努力するのは当たり前のこと。だいたい「丁寧に説明する」と言って憚らないのは安倍首相自身だ。それをあたかも不正がおこなわれたかのように騒ぎ立てるのはいかにもネトウヨらしい行動といえるが、問題はこのあと。党首討論で再び安倍首相が同番組に出演すると、唐突に「イヤホンちょっと大丈夫ですか」と星キャスターに尋ねたのだ。
 ネトウヨによる「偏向報道陰謀論」を安倍首相がキャッチし、生放送でそのネトウヨの指摘を実行してみせる。しかも、党首討論という国民が注視する場で、である。
 もはや、安倍首相が「ネトウヨ的」だとか「ネトウヨとの親和性が發ぁ廚箸い辰織譽戰襪力辰任呂覆、この言動は「ネトウヨそのもの」。この国は「総理がネトウヨ」なのである。
 そして、そんな安倍首相は、今年、ネトウヨ集会にも参加し、次のように挨拶したのである。
「ネットサポーターズのみなさまには、日頃、自由民主党をしっかりと支援をしていただいていますこと、まずもって厚く御礼を申し上げたいと思います」
10月6日、自民党ネットサポーターズクラブ(J-NSC)の緊急総会
 J-NSCは表向き「自民党の政策や方針などをネットで広報すること」だとされているが、その実態は、自民党が日頃、民族差別や弱者差別を煽っている悪質なネトウヨたちを組織し、他党や政敵へのネガティブキャンペーンをおこなう“ステマ部隊”として使っているといわれてきた。そして、選挙期間中に開かれたこの緊急総会でも、その醜悪さは全開となった。
 たとえば、出席した会員から飛び出した「“従軍慰安婦像の辻元清美”や“手榴弾を投げる人民解放軍姿の志位和夫”は誹謗中傷になるか?」という質問に、J-NSCを統括する自民党ネットメディア局長・平将明衆院議員は「あの、個人のご判断だと思います、はい」と笑いながら返答する、といった具合だ。
 ネトサポをめぐっては、これまでもJ-NSC会員を自称するツイッターアカウントが、野党やその議員たちをデマを駆使して誹謗したり、民族差別を煽る悪質まとめサイトなどをどんどんリツイート拡散している姿が確認できている。
こうした差別発言やネガキャンに関わっているのは、ごく一部のネトサポが勝手にやっている可能性もあったが、しかし、この緊急総会の模様を目の当たりにすれば、やはり自民党が扇動して組織的にネトサポたちにやらせているとしか思えない。
 そして、この総会にサプライズゲストとして安倍首相が登場し、日頃、下劣な誹謗中傷や野党のネガティブキャンペーンに勤しむネトサポたちに「厚く御礼」を述べたのである。
 安倍首相はこの日、事前告知もなく遊説場所に現れる「ステルス街宣」を展開していたが、現場では「お前が国難」というプラカードを掲げる人たちの前に自民党関係者が自民党の幟を持って立ちはだかるなど、ピリピリムードに覆われた。そんな街頭から安倍首相がそそくさと逃げ込んだのが、このネトサポ総会だったのだ。
 ネトウヨ総理が卑劣な謀略デマ攻撃集団を組織し、総理はそれに支えられている。この現実を、来年も忘れてはいけないだろう。(編集部)