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Japon. Les Etats-Unis s'excusent pour les accidents d'hélicoptères
Les Etats-Unis ont présenté leurs excuses au Japon après plusieurs accidents impliquant des hélicoptères de leur armée, qui ont attisé la colère sur la présence des militaires américains dans le pays.
Le secrétaire à la Défense américain James Mattis "est bien au fait des accidents des 6 et 8 janvier en particulier, et il s'est excusé" pour cette série noire d'accidents, a déclaré mardi à la presse son homologue japonais Itsunori Onodera. Il s'exprimait au lendemain de l'atterrissage d'urgence d'un hélicoptère sur l'île d'Okinawa (sud-ouest de l'archipel), qui accueille plus de la moitié des 47 000 soldats américains stationnés au Japon. Un autre appareil avait connu des déboires similaires samedi.
"Je lui ai parlé du problème, en donnant des exemples concrets de plusieurs accidents survenus en septembre, octobre, novembre, décembre de l'an dernier et janvier de cette année à Okinawa", a détaillé M. Onodera. Le ministre espère rencontrer ce mardi à Hawaï Harry Harris, chef du commandement Pacifique de la marine américaine. Si le dernier incident n'a pas fait de blessé, le gouverneur d'Okinawa Takeshi Onaga a fait part de son agacement. "Les mots me manquent, vraiment", a-t-il dit. "Je veux que l'armée américaine ait honte de son incapacité à contrôler ce qu'elle fait".
En décembre, une fenetre d'hélicoptère était tombée sur le terrain de sport d'une école, à proximité de la base aérienne américaine de Futenma. Deux mois plus tôt, un hélicoptère avait pris feu à l'atterrissage dans un champ désert d'Okinawa. De tels incidents alimentent l'opposition à la présence américaine sur ce territoire du Pacifique, où les habitants dénoncent aussi régulièrement la pollution sonore et des problèmes de sécurité après des cas de viols, agressions ou encore accidents de la route.
フランス語
フランス語の勉強?
異邦人 @Beriozka1917
人文科学を他の学問領域に劣後させて軽視する姿勢は学問そのものを否定する暴挙に他なりませんし、史学や語学などの重要な教養を何を以て「役に立たない」とするのか全く理解が出来ません。そういう主張を平然と口にする人々にこそ、人文科学の教育が必要ですよ。
よしだひろゆき @y__hiroyuki
僕も出題者の苦労は理解できます。 実は,大阪大学が反応してくれなかったので,来週の教材用にこれをモチーフにした問題を準備していたのですが,それが没になってしまったので,またゼロから作り直していて苦しんでいます。
噂によると12月の指摘は大学の先生からだそうです。
大学の先生なら相手にするけど,高校の教員や予備講師の言うことには取り合わないということでしょうか。とても哀しくなってきました。
理系の学者ならば子供の言うことにも真摯に耳を傾けると思っていました。

山崎 雅弘 @mas__yamazaki
映画『否定と肯定』に関しては、既に多くの人が指摘されているように、邦題と「ナチスによる大量虐殺は、真実か、虚構か」という煽り文句は大失態だと思う。リップシュタット教授はどう見ているだろう。こういう「両論併記」こそ、論理的詐術に一定の信憑性を与える陥穽で、注意を払わないといけない。
市民メディア放送局 @info_9
森友学園・山梨の国有地が激安で払い下げられた事が問題になっていますが、『国有財産の国会記者会館をメディア153社が無料で独占利用』している事も大きな問題です。
正当な賃料を国民に支払うか、国会前の市民休憩所・トイレとして市民が利用出来るように一般開放するべきでしょう。

高橋源一郎 @takagengen
驚いた……といいたいが、驚かなかった。来るべきものが来た、ということか。すべての道は「ビジネスマインド」へ。「この授業は就職の役に立ちますか?」と質問する学生は普通で、その質問自体は間違っていないが、やがて、こんな質問をする学生が現れるかもしれない。「生きるって、儲かりますか?」
urbansea @urbansea
「大阪じゃあ、ビッグイシューだって値切られる」 BIGISSUE326号(最新号)にあるパンチライン。

Dキソキソ3人でさみしいです.
Kaさんに女の子が生まれたとのこと.おめでとうございます♪

気仙沼 震災伝承活動本格化へ
震災で大きな被害をうけた気仙沼市の階上地区では震災遺構として保存される気仙沼向洋高校の建物の工事がことし始まるほか語り部の会の発足や祈りの場の完成も予定されており震災の伝承活動が本格的に始まる見込みです。
気仙沼市階上地区にある気仙沼向洋高校の旧校舎は市が教訓を伝える震災遺構として保存することを決め周辺のがれきなどを取り除く工事が始まっています。
ことしは校舎本体の補強や見学ルートの整備など遺構の公開に向けた本格的な工事が始まる予定で来年春の一般公開を目指しています。
これにあわせて地区ではことし地元の住民たちが遺構を拠点に津波の教訓を伝える「語り部の会」を発足させ語り部の養成や証言の資料化などを始めることになっています。
また同じ3月ごろをめどに津波で大勢の人が犠牲になった地区の高台に犠牲者を弔うために遺族たちが建立した慰霊碑が置かれた祈りの場が完成する予定です。
震災からまもなく7年となり津波の記憶の風化が進む中、大きな被害を受けた気仙沼市の沿岸部では震災遺構を中心とした伝承活動が今後、本格化する見込みです。


名物ジャズ喫茶 2人の新米マスターで灯り再び 被災地気仙沼で創業50年の歴史守る
 ほの暗い店に入ると、ジャズの心地よいリズムとコーヒーの香り。「いらっしゃいませ」。2人の新米マスターが笑顔で迎えてくれる。今川富保さん(68)と小松和雄さん(64)だ。
 宮城県気仙沼市南町にあるジャズ喫茶「ヴァンガード」は1967年の創業。東日本大震災にも負けず、ジャズの灯をともし続けてきたが、50周年を迎えた2017年、店はまたも存続の危機に。16年に他界したオーナーの川原尚さんと共に、店を切り盛りしてきたマスターの昆野好政さんが17年9月に亡くなった。
 その喫茶店に手を差し伸べたのが、昆野さんの友人の今川さんと、店を拠点に活動するジャズドラマーの小松さん。早速、サイホン式コーヒーの入れ方を特訓し、17年10月中旬に再開した。
 一仕事終えた漁業関係者が一服し、商店街のご隠居方は時事放談。「お客さんから『続けてくれてありがとう』って感謝されています」と2人も喜ぶ。真空管アンプで奏でるレコードのジャズを聞きながら飲むコーヒーは、1杯260円のまま。港町で育まれたぬくもりを守り続けている。


南三陸町・震災まもなく6年10か月 行方不明者捜索
 東日本大震災の発生から1月11日で6年10か月です。宮城県南三陸町では、9日に警察が、行方不明者の捜索を行いました。
 宮城県南三陸町歌津の漁港付近には、警察官8人が集まり、2018年初めて、震災の行方不明者の捜索を行いました。警察官らは、海岸に打ち上げられた衣類などの漂着物を調べるなどして、行方不明者の手掛かりを探しました。
 県によりますと、東日本大震災で県内では、2017年11月末現在、関連死を含め1万564人が亡くなり、1227人が行方不明のままとなっています。


<中尊寺>なみなみつがれた地酒飲み干し「金盃披き」で無病息災を願う
 岩手県平泉町の世界遺産・中尊寺で8日、新年の無病息災を願う「金盃披(きんぱいびら)き」があった。県内の行政、財界関係者ら約120人が、金の盃(さかずき)になみなみつがれた地酒を勢いよく飲み干した。
 この恒例行事は1897年の金色堂修理を記念して始まり、68年にも行われた金色堂大改修完了の際に3種類の金盃が作られた。大(630ミリリットル)中(450ミリリットル)小(360ミリリットル)を合わせ、末広がりの8合となる計算だ。
 山田俊和貫首は「中尊寺大改修50年の節目に人々の幸せを祈りたい」と話した。


【東日本大震災】 歌枕「末の松山」周辺2寺院と周辺町内会が協定 震災時避難者の命つなぐ
 三十六歌仙の一人、清原元輔が詠んだ和歌で、「契りきな かたみに袖をしぼりつつ すゑの松山 波こさじとは」と歌われた「末の松山」。その周辺にある不●(=石へんに隣のつくり)寺、宝国寺の2つの寺院が、宮城県多賀城市八幡地区の5つの町内会と災害時の施設利用に関する協定を結んだ。津波などの被害があった際、両寺院は緊急的な避難所となることが期待されている。(林修太郎)
 多賀城市では震災の津波で市内の3分の1が浸水。188人が犠牲になった。末の松山は同市の八幡地区にある丘あたりを指すというの説が有力で、東日本大震災でも津波から逃れた住民が2つの寺に身を寄せ、命をつないだ。
 「〜末の松山」は「涙で濡れた袖をしぼりながら互いに約束しましたね 波が末の松山を決して越えないように、心変わりはしないと」という趣旨の悲恋の歌だ。「決してないこと」のたとえとして、「末の松山に津波が到達すること」が使われている。
 平安時代の貞観地震(869年)でも津波が押し寄せ、1千人が犠牲になったという記録が残っており、「波こさじ」の波は貞観地震による津波ではないかとする見方もある。また、市内には「こさじ」という名の女性が末の松山に登って大津波から逃れたという伝承も残っている。
 震災時には、両寺院に計約250人が避難した。宝国寺の加藤秀幸住職(64)は「長い人は1カ月くらい。裸足で逃げ込んだ人もいた」と証言する。
 震災時に末の松山に避難した、八幡地区で商店を営む鈴木進さん(70)は「『末の松山』まで波は来ないという言い伝えがあったから逃げた」。妻の節子さん(68)は「もし末の松山がなかったら、被害は拡大していたかもしれない」と話した。


【阪神大震災23年 歩いた先に(1)】 被災2日後誕生の22歳女性、看護師に 母支えた「笑顔」私も
 阪神大震災から17日で23年。震災当時まだ幼かった被災地の子供や赤ん坊も社会人として一歩を踏み出したり、第一線で活躍したりするまでに成長した。彼らは震災から何を感じ取り、今の進路にどうつなげてきたのか−。彼らが歩いた道の先にあったものを見つめた。
きっかけは阪神大震災
 23年前の阪神大震災の2日後、被災地の病院で生を受けた女性が看護師として歩み始めた。昨春から兵庫医科大病院(兵庫県西宮市)に勤務する看護師、大橋奈央さん(22)=神戸市須磨区=は、いつも患者と笑顔で向き合う。「陣痛で苦しむ母を笑顔で励まし続けた看護師さんがいたからこそ、今の私がいる」−。母を支えた“先輩”への感謝を胸にきょうも病棟で働いている。
 「大丈夫ですか? 血圧測りますね」
 肝臓や胆道、膵臓(すいぞう)の病気を治療する肝・胆・膵内科の病棟内で、新人看護師の奈央さんが男性患者の血圧を測っていた。慣れない業務に先輩から叱られることもしばしば。「がむしゃらに日々を乗り切ることで精いっぱい」と照れ笑いを浮かべる。ただ、笑顔は常に忘れることのないポリシーだ。きっかけは阪神大震災だった。
壊滅状態の神戸で陣痛、奇跡の産声 支えた「笑顔」
 平成7年1月17日、当時関東に住んでいた母の祐子さん(55)は、出産を控えて神戸市垂水区の実家にいた。そこへ激しい揺れが襲った。直後に陣痛に見舞われた。
 神戸市の多くが壊滅状態に陥る中、大きなおなかを抱え、出産を予定していた病院へ走った。だが、停電や断水のため受け入れられなかった。壊れた道路を抜け必死の思いで隣の須磨区へ。なんとかたどりついた病院がようやく応じてくれた。
 故郷の被災、直後の陣痛…。不安に押し潰されそうな祐子さんに寄り添い、励まし続けてくれたのが「笑顔」の看護師だった。
 祐子さんは2日後、無事に奈央さんを出産。「今の奈央があるのは、あのとき看護師さんが笑顔で優しく接してくれたおかげ」。母から当時のことをよく聞かされた。奈央さんの命をつないだ“奇跡の2日間”は、看護師の笑顔なくしてあり得なかった。
「もし自分なら何ができたか」
 母の言葉が脳裏にあったためか、高校で進路を決める際、真っ先に頭に浮かんだのは白衣に身を包んだ自分の姿だった。兵庫医療大看護学部(神戸市中央区)に進学。実習では出産に臨む女性を担当した。
 「私もこんなふうに生まれたのかな」。幸せそうな母子の姿を自らと重ね、涙があふれた。昨年4月、阪神大震災で医療拠点ともなった兵庫医科大病院に就職した。
 社会人となって10カ月。「23年前は混乱の中、看護師の方々は相当過酷な状況で対応していたはず。もし自分なら何ができたのか」。同じ立場になったことで初めて過酷さをリアルに想像でき、同時に「あのとき」の先輩看護師への感謝の思いも強くなった。
「生まれてきた意味考えたい」
 間もなく看護師になって初めての「1・17」、その2日後には23歳の誕生日を迎える。社会人1年目の今年は、これまで以上に「自分が生まれてきたことの意味をかみしめることができるのでは」と考える。
 再び起きるかもしれない大災害にも「一人でも多くの命を救いたい」と考えている。「常に冷静に判断できる看護師になるのが夢。患者さんに元気を与えられる存在になりたい」という目標に向かって歩み続ける。
 もちろん、どんな状況でも母を励まし、自分を生かしてくれた先輩看護師のように、笑顔を絶やさないつもりだ。(桑村朋)


阪神大震災23年 あの日からを、学び伝える
 阪神大震災(1995年)の犠牲者の追悼と復興への願いを込め、神戸市中央区の東遊園地でともされているガス灯「1・17希望の灯(あか)り」の分灯が8日、始まった=写真・望月亮一撮影。震災から23年となる17日に合わせた各地の追悼行事で使われる。
 灯りは2000年に設置された。この日は小中学校など約20団体が火をランタンに移して持ち帰った。神戸市立吉田中学校(兵庫区)2年の福羅龍之介さん(14)は「ずっとともされている特別な灯。17日は震災のことを考えて過ごしたい」と話した。
 兵庫県淡路市の北淡震災記念公園では「神戸の壁」がライトアップされた。23人が壁の前に立って腕を水平に伸ばし、十字架になぞらえた影絵を壁に投影した。神戸の壁は、神戸市長田区の公設市場にあった防火壁で、神戸大空襲と震災の大火に耐えた。09年から同公園で展示されている。ライトアップは同公園や市民団体「リメンバー神戸プロジェクト」が企画した。点灯は17日までの午後5時半〜同10時。【待鳥航志、登口修】


広がる性被害告発 「私たちも」痛みと共に
 セクハラなどの性被害をSNSのツイッターで告発する「#Me Too(ミー・トゥー=私も)」キャンペーンが世界的に広がっている。
 きっかけは昨年、米ハリウッド映画界で発覚した大物プロデューサーによるセクハラ問題。被害を受けた女優らが連帯して声を上げ、映画監督や政治家が相次ぎ辞任や謝罪に追い込まれた。トランプ大統領も告発を受けている。
 米誌タイムが年末に発表した「今年の人」は、セクハラ被害を証言する運動に加わった「沈黙を破った人たち」。公然の秘密だった被害の実態を公にしたことが選考理由に挙げられた。
 告発のうねりは、日本にも波及している。痛みを抱えつつ「沈黙」してきた被害者にとって、どれほど心の支えになっていることだろう。
 「私たちも」傍観者ではいられない。「私も」と沈黙を破った女性たちと共にあることで、意識や社会の変革につなげたい。
 日本の「セクハラ元年」は1989(平成元)年。「不倫している」などと上司に中傷され、退職に追い込まれた元女性会社員が提訴し、大きな注目を集めた。その後、マタハラ、パワハラなども社会問題化していく。
 だが、この30年で対策が大きく前進したとは言い難い。各労働局に寄せられた相談は2014年度、セクハラ約1万1千件、マタハラ約4千件に上った。
 一方、労働政策研究・研修機構の調査によると、セクハラ被害女性の6割が泣き寝入り。ツイッターにあふれる膨大な告発は、表に現れているのが氷山の一角にすぎないことを物語っている。
 国内の年間出生数が100万人を割り込み、少子化や労働力の減少が深刻化する中、政府は待機児童対策に力を入れるが、それだけでは足りない。まずは告発の声を真摯(しんし)に受け止めるべきだ。
 セクハラやマタハラを許さないという意識が徹底されない限り、安心して出産し、仕事と子育てを両立できる社会にはほど遠い。
 レイプなど性犯罪被害者の「沈黙」は極めて重い。恐怖の記憶が突如よみがえったり、人間不信に陥り孤立するなど心身への影響は深刻だ。
 勇気を振り絞って体験を公にした被害者や支援団体の粘り強い運動は、性犯罪を厳罰化する刑法改正に結実した。だが、被害者が抵抗することが著しく困難な暴行や脅迫がなければ、罪が適用されない仕組みは維持されるなど、積み残した課題も多い。
 米国では、被害者を支える基金の設立など、新たな動きが生まれた。日本も被害者の心情に寄り添った法制度の拡充などを実現したい。


女性活躍推進 「働き方改革」と連動して
 新年を祝う企業や団体の会合が九州各地で開かれている。見渡せば壇上も会場も大半が男性という場合が多くはないだろうか。
 もっと多くの女性がいてもいいはずなのに、この“落差”は何なのだろう。
 内閣府が昨年末に発表した「男女共同参画推進状況」によると、企業の課長級に占める女性の割合は1割にすぎない。役職が上がるほど女性の割合は小さくなる。
 結婚・出産を機に離職する女性は後を絶たない。男女雇用機会均等法は配置、昇進などで性別による差別を禁じているが、管理職に結び付く「総合職」に男性が多く、事務系の「一般職」は女性中心という企業は珍しくない。
 「男女共同参画」から「女性活躍推進」へ−。時代とともに女性の社会進出とそのための環境整備は進んできたが、進出を阻む「壁」や「天井」はまだ厚く高い。今年こそは社会全体でこうした阻害要因を取り除く1年としたい。
 ●地方議会の「古い体質」
 計画立案や方針決定の場に女性が少ない現状は、国から地方議会まで政治の世界でも変わらない。
 とりわけ、女性の政界進出の遅れは九州で際立っている。
 総務省によると、都道府県議に占める女性の割合は2016年末時点で、福岡を除く九州6県で全国平均(9・9%)を下回る。市区議の女性比率を都道府県別に評価するとワースト5に長崎と大分、佐賀の3県が入る。いずれも10人に1人も女性議員がいない。
 極端な男女比の偏りは、地方議会の「古い体質」の象徴といえるのではないだろうか。
 「『女だてらに』とせせら笑われながら、肥後女性の封建性からの解放と向上を訴えた」
 戦後に女性の参政権が認められ、1946年の衆院選で39人の女性議員が誕生した。その一人、熊本の山下ツ子(ね)さんの弁である。
 それから70年余を経ても「女だてらに」という意識が残存しているとしたら、由々しき問題だ。
 政府は2020年までに指導的地位に占める女性の割合を30%にすることを目標に掲げている。ところが、衆議院の女性比率は昨年の衆院選後も10%程度にとどまる。国際水準には遠く及ばない。
 議員立法で衆参両院や地方議会の女性議員増を目指す「政治分野の男女共同参画推進法案」は昨年の衆院解散で廃案となった。
 女性の政界進出が進めば、より多様な市民の声が政策に反映される。暮らしに身近な問題に議会が関心を持つ契機ともなろう。
 超党派の議員連盟が法案の再提出に向けて準備を進めているという。今年の通常国会に提出し、速やかに成立させてもらいたい。
 熊本市議会で女性市議が乳児を連れて議場入りし、議論を呼んだ。市議は「育児と仕事の両立に苦しむ声を体現したかった」と思いを語った。主張を訴える方法には賛否があるにせよ、問題提起の意義は重い。「両立に苦しむ人」の大半が女性である現実を、社会全体で受け止める必要がある。
 ●仕事と暮らしに輝きを
 「男は外で働き、女は家を守る」−。そんな固定的な性別役割分担意識は、近代以降の日本社会を長く覆ってきた。企業はもとより、家庭や学校など社会の隅々にまで広く深く根を張っている。
 内閣府によると、この伝統的な役割意識は時代が移るとともに薄れてはいる。それでも、16年の調査で男女ともに4割前後が「賛成」と回答している。
 いまだ強固なこの役割意識が、女性の社会参画の壁となっている。同時に、男性から家族と過ごす時間と地域社会と関わる余裕を奪ってきたともいえよう。
 「女性が輝く社会へ」。安倍晋三首相が繰り返し口にするキャッチフレーズだ。女性の社会参画を後押しすることに異存はない。ただし、それは単に女性が仕事一筋に働くことを目指すものであってはなるまい。会社役員など高い社会的地位に就くことだけが人生の「輝き」ではないからだ。
 子どもを育てながら仕事を続け、家族や友人と過ごす時間もゆったり持てる。日々の小さな「輝き」にあふれた生活こそ男女を問わず大半の市民が求めるものだ。
 女性活躍の推進と働き方改革をうまく連動させ、そんな心豊かな暮らしを国民に広く行き渡らせる政策を政府に期待したい。


セクハラ行司「男色じゃない」と弁明⇒IKKOが怒りの声 同性愛への認識不足を指摘 式守伊之助の弁明について、IKKOが問題提起。
10代の若手行司へのセクハラ行為が問題となっている大相撲の立行司の式守伊之助。美容家でタレントのIKKO(55)が8日放送のフジテレビ系「バイキング」に出演し、伊之助が「自分は男色の趣味はない」と弁明したことに不快感を露わにした。
時事ドットコムが伝えた日本相撲協会の情報によると、伊之助は沖縄・宜野湾市で興行があった12月16日夜に泥酔。宿舎の部屋まで送ってくれた10代の若手行司に数回キスし、胸部を1回触ったという。
問題は1月5日夕、セクハラ行為の概略を知った幕内行司が同協会に報告して発覚。危機管理委員会の調査で、同協会が「事実」だと確認した。
■式守伊之助「男色の趣味ない」⇒ IKKO「何をおっしゃりたいのか」と不快感
8日放送の「バイキング」によると、伊之助は危機管理委員会の調査に対して、「泥酔していたので覚えていない」「自分は男色の趣味はないので、なぜこのような行為をしたのか分からない」と弁明したという。
これについて、番組に出演したIKKOは「聞いたときショックだった」と告白。伊之助の発言内容について、以下のように不快感を露わにした。
「男色って、どういうことを言ってらっしゃるかわからないですけど、今回問題になっているのは未成年の方にショックを受けるようなことをしたのが重要」
「なのに『自分は男色じゃない』って、何をおっしゃりたいのだろうと」
その上で、IKKOは「同性愛の人間が未成年に対してこういうことやるんですか、という話じゃないですか。とても納得いかない」と、性的マイノリティの人達への認識不足を指摘した。
コメンテーターの東国原英夫氏も、伊之助の発言について「認識が逸脱されている。LGBT等々に甘い認識。時代遅れだというのが否めない」と、相撲協会の体質について疑義を呈した。


国民のためか、安倍のためか
 ★4日の年頭の記者会見で首相・安倍晋三は早期の国会発議を目指す考えを示し、5日の自民党の仕事始めでは「(自民党結党から)60余年が経過し、意味合いは変わったが、国の姿・理想の形をしっかりと考え、議論していくのは、私たちの歴史的な使命ではないかと思う。占領時代に作られた憲法をはじめ、さまざまな仕組みを安定した政治基盤の中で変えていくことだ」と憲法改正への思いをにじませた。 ★また7日放送の番組でも「できるだけ多くの党の賛同を得るような形で発議していただきたい」とし、「まずは国会で議論を進め、その中で国民の理解が進むことを期待したい」とその工程を語った。 ★それを受け、5日に自民党幹事長・二階俊博は「みんなで団結して、自民党のためにやろう、安倍総裁のためにやろうと、こういう気持ちをみなぎらせていただいていることを、心からうれしく思う」と発言した。そう、二階が図らずも口にしたように、この改正は安倍総裁のためなのではないか。憲法改正は自民党の結党以来の党是だが、ここまで本格的に改正を進めたのは安倍だけだ。無論、衆参での3分の2を与党が占めるという環境を作り上げたことが、その導火線なのかもしれない。歴代首相は改正したくとも与党でそれだけの勢力を作り得なかったからだ。 ★現行憲法を「いじましい、みっともない憲法」と断ずる首相に共産党参院国対委員長・井上哲士はツイッターで「『今年こそ、憲法のあるべき姿を国民に提示』すると述べた。やはりこの人は立憲主義がわかっていない。憲法に縛られる立場の総理が、『憲法のあるべき姿』を提示するなど本末転倒。あるべき姿を決めるのは国民。どの世論調査をみても、国民の多数は改憲を望んでいない」と反論した。憲法改正は国民のためか、安倍のためか。

山口敬之の口癖は「安倍と麻生は今でも後ろ盾」 血税100億円を分捕った欠陥スパコン
 公金100億円を分捕った欠陥スパコン会社への特捜部の捜査は鉱脈に向かって更に継続中だ。他方、この会社の顧問でもあった総理ベッタリ記者こと山口敬之元TBSワシントン支局長。相棒の逮捕後も意気軒昂に、「後ろ盾は安倍・麻生」と嘯(うそぶ)いているというのだ。
 ***
 落語「犬の目」の冒頭には、こんな一節がある。
「医者、役者、芸者、易者、学者てな、これはみな者がついてますわ。この者の字のつく商売は、時としてハッタリをかまさないかんことがあるというんです」
 2017年12月5日。東京地検特捜部が助成金詐欺容疑で、「PEZY Computing(ペジーコンピューティング)」創業社長の齊藤元章容疑者を逮捕した。
 齊藤社長の関連会社には、「新エネルギー・産業技術総合開発機構」から約40億円の助成金、「科学技術振興機構(JST)」から60億円弱の無利子融資が注ぎ込まれている。いずれも国立の研究開発法人だ。
 逮捕容疑は助成金の一部を不正受給した疑いだが、齊藤社長はこんなセールストークを展開していた。
「人工知能が進化してそれが人類を超える点(シンギュラリティ)が来る。スパコンさえあれば衣食住はタダ、カネは不要、犯罪も事故もない、少子高齢化問題やエネルギー枯渇の懸念が解決される社会が実現する」
 専門家によれば、「しょっちゅうシステムエラーを起こしてしまう。稼働しない時間が長い」欠陥スパコンにもかかわらず、ある程度ハッタリは奏功。しかし、自転車操業でやんぬるかな、経営者から容疑者へ。他方、かますどころかやることがハッタリそのものだったのが、伊藤詩織さんへの準強姦容疑で逮捕状が出ていたペジー顧問の山口敬之記者。
 ハッタリとは……。山口記者がTBSワシントン支局長時代に執筆した〈歴史的スクープ 韓国軍にベトナム人慰安婦がいた! 米機密公文書が暴く朴槿恵の“急所”〉という記事が虚報だったと本誌(「週刊新潮」)が指摘したことを指す。公文書がまともに読めず、取材相手の語った内容を捏造して原稿を書く記者のありようが明らかとなったのである。
「今回の捜査の過程で、顧問料200万円、そして家賃として200万円が齊藤から山口に毎月支払われていることがわかりました」
 と、社会部デスク。家賃とは東京・永田町の「ザ・キャピトルホテル東急」内の「レジデンス」使用料だ。
 戸数はわずか14で最高が月240万円。200万円の部屋も実際に存在し、2番目のグレード。広さは約239平方メートルになる。
 試みに図面を見てみると、出入り口のある16階はゲストルームで中の階段を下りた15階がメインルームだ。北から西へ大きく開かれた窓からは日枝神社、国会議事堂。
 40畳のリビング、18畳の寝室、冷蔵庫や食洗機付キッチン、洗濯乾燥機が置かれたバスルーム。ハウスキーパーによる週2回の無料清掃、サロンにスパ&フィットネス。一介の記者が、スパコン会社顧問が、毎月家賃として200万円の支給を受ける真っ当な理由など、そうあるものではない。
「カネ集めの舞台装置ですよ。国家権力を睥睨するロケーション、安倍・麻生との蜜月を描いた山口自身の著書『総理』。これを武器に、“錬金術”に勤しんでいた様子が窺えます」(同)
 結果、前述の国からの100億円に加え、民間から200億円ほどを調達することに成功していたという。
「齊藤や山口は2人揃って、あるいは各自で、人脈を辿ってスパコンの売り込みに力を入れていた。例えばスパコンは暗号通貨の“採掘”作業に使えたりするので、齊藤はそんなことを手掛けている会社にもプレゼンして回っていたね」
 と、ベンチャー関係者。
「1台4億とか8億とか。“開発資金はご心配なく”と齊藤は話していたよ」
“もう1つ案件がある”
 その一方で、JSTからの約60億円の融資の経緯について、疑義を呈する声があがっているのだ。
 本誌既報の通り、16年度補正予算120億円の使い道が締切わずか2週間前、説明会に至っては4日前という強行軍で募集され、その結果、60億円の血税が齊藤氏の懐に転がり込むことになった。
「普段は理事から部長まで50人くらい出席する会議で揉んだ後、理事会に諮る。それがこの時はいきなり理事会が招集されて。しかもコンピューターの専門家なんて理事にいないからね」
 と、JST関係者。文科省関係者が後を受けて、
「“補正なのでとにかく速くやらなければ”というように議論を進めようとする中で、“短期間に60億も使い切れるのか”という異議申し立てもあったようです」
 更に、霞が関関係者は、
「この予算枠は、その後も募集がかかっていますが、審査通過はゼロ。前後の経緯から、齊藤案件ありきのスキームと考えざるを得ない」
 と指摘。それはともかく、このプロジェクトが失敗に終わっても融資額の1割を返却するだけで良しというのだから、今や納税者としては、成功を望む他ない。
 今後の捜査の展開を別の社会部デスクはこう見通す。
「詐取金額がどんどん積み上がっており、その捜査に加え、年明けの脱税容疑での再逮捕は既定路線。更に、“もう1つ案件がある”というふうに検察首脳は漏らしています」
 その「もう1つ」は判然としないのだが、
「政治家はともかく、補助金適正化法違反容疑で役人側を摘発する可能性はある。齊藤の不正を知りながら交付したならその者も同罪、と規定されていますから」
 最後に山口氏の動向について。齊藤社長の逮捕後も、
「検事には協力している」
「安倍さん、麻生さんとは今でも繋がっており、会いたければいつでもセッティングする」
 と複数に話しているという。永田町関係者によると、
「山口さんは総選挙が終わった去る10月31日、公邸に安倍首相を訪ね、1時間ほど話をしています。齊藤の逮捕前とはいえ、まさに新潮の言うベッタリさを売りにしたいのでしょう」
 落語「犬の目」は、病んだ目を犬のそれと入れ替えた後、犬の習性が染みついてしまった男を描いてサゲとなる。山口記者はその目を入れ替えたのだろうか。あろうことか、「日本シンギュラリティ党」なる政治団体を16年1月に届け出て、その代表者に収まっているのだ。シンギュラリティとは、齊藤社長のセールストークにあった「人工知能が進化してそれが人類を超える点」にあたる。
 さて戌の年、山口氏の更なる転身はあるか。


倉重篤郎のサンデー時評 アベノミクス続けば5年以内に財政破綻 経済学の巨匠・伊東光晴が本気の直言!
「国民の未来」を奪う政治は終わらせよ
 景気と株価の上昇はアベノミクスのおかげだと喧伝されているが、私たちは実感が持てないでいる。それどころか、経済学の巨匠・伊東光晴京大名誉教授は、このままアベノミクスが続けば5年以内に財政破綻すると明言する。ではどのような別の選択があり得るのか。倉重篤郎が迫る。
 2018年はどんな年になるのか。年の初めに何人かの識者に聞く。
 まずは、経済がどうなるのか。伊東光晴京大名誉教授(90)に論じていただく。氏は国民経済の立場から市民の目で日本経済をウオッチしてきた反骨の経済学者。医療、環境への関心も高く、原発には放射性廃棄物の処理ができないことからその非経済性を告発してきた。
 日本経済は年初、日経平均株価が高値を更新、年内には2万円台後半が予想されるなど、半ばお祭りモードだが、その浮ついたご時世の陰で何が進行しているのか。我々はこの一時の虚飾の繁栄の後、何に備えなければならないのか。伊東氏には、アベノミクスの本質をえぐってもらいたい。
 というのも、伊東氏は「アベノミクス批判―四本の矢を折る」(岩波書店)を14年に発刊して以来、この政策に対し根源的批判を展開してきた人物だからだ。
 早速お聞きする。18年の日本経済、どうなります?
「結論から言うと、今の状態がだらだらと続く」
 だらだら続く?
「例えて言いましょう。もし、日本がユーロ圏、つまりEUの一員だったらどうなっているか。現行のままでいるわけにはいかない。なぜならば、日本の財政赤字がひどすぎる。EU加入基準である単年度ベース(対GDP3%以内)、累積赤字ベース(対GDP60%以内)をいずれも超えている。特に、累積ベースは、240%(IMFの世界経済見通しの政府一般ベース18年予測)というとんでもない数値、世界一だ」
「EUはこういう国に厳しい緊縮財政を求めている。日本もEU加盟国だとすれば、緊縮財政に転じなければならない。公務員給与削減、年金給付削減、医療費負担大幅増……等々。緊縮財政の結果は、不況、失業率の大幅上昇、国民生活の困難を引き起こす。ところが、日本の保守政権は、欧米保守政権であれば必ず取るような緊縮政策を取らない。そのために日本は国民がある意味でのんびりした生活を続けてこられた。同じような状態が続くというのはそういう観点からだ」
 財政赤字対応が日本の政治と欧米では異なる、という説明だが、なぜ日本では緊縮化せずにすんでいる?
「中曽根康弘政権がその典型だったように、過去の財産を食い潰してきた。国鉄、電電を民営化してその株を売却するなど、明治以来の財産を食い潰し、取りあえず今の生活を維持する、ということをしてきた」
 先人の築き上げてきたストック(資産)だ。
「そして、次第に食い潰すストックがなくなってきた。そこで、安倍晋三政権は、未来を食い潰し始めた。未来に国債と借金を押し付けて、現在は取りあえずの生活をしようとしてきた。その結果、国の累積債務はGDPの2倍、1100兆を超えた」
「原子力発電と同じだ。原発は放射性廃棄物という処理不能のゴミを出しているが、何とかなるだろうと言って発電を続けている。この取りあえず主義は、日本の庶民の心に深く根差しており、それに対抗する明治以来の西欧合理主義と、さまざまなところでぶつかり合うが、ほとんどが取りあえず主義の勝ちとなっている。国債発行、原発……。皆、根っこは同じだ」
やったのは「異次元緩和」だけ
 それにしてもなぜここまで赤字が積み上がった?
「1980年代まで、歳出と歳入は同じようにパラレルに上昇してきた。それが90年代になると歳出は増加し、税収は減った。80年代に比べると、法人税が10兆、所得税が10兆減っている。こうして、日本は国債依存の体質になっていった」
 歳出増は高齢化による社会保障費の自然増が主要因だ。一方、税収減は、バブル崩壊後のGDPの伸び悩みが原因と言われる。
「それ以上のものとして税制の変更があった。80年代の後半の中曽根政権の時だ。加藤寛(ひろし)政府税調会長が行った一連の税制改革で、米国の税制をまねた」
 レーガン大統領時代の税制改革だ。
「レーガンは所得税最高税率70%を81年に50%に、86年には28%に下げた」
 金持ち優遇と言われた。
「米国が高い累進税率を実現したのは、ルーズベルト民主党政権のニューディール時代だ。第一段階で63%、第二段階で79%。これが所得再配分効果により世の中を変えた。この政策は戦後共和党政権にも継承され、税率は一時91%にまで上がった。つまり、ニューディールの影響は70年代まで続いていた。米国の歴史には、そういう大きな流れがあった。それを決定的に変えたのが80年代、レーガンがフラットな税制にした。そして、この税を見習うと言ったのが加藤税調だった。法人税も下げた。ここに日本が財政破たんに向かう大本の原因がある」
 新自由主義政策と呼ばれた。今の安倍政権にまで引き継がれている。
「さて、そこで安倍政権だ。異次元金融緩和の効果はどうか。安倍政権は異次元緩和以外は何もやっていない。ちょうどうまい具合に、景気循環の上昇局面に差し掛かっただけだ」
 アベノミクスのおかげで上昇局面入りした、と安倍氏は胸を張っている。
「異次元緩和がある一定の影響を日本経済に与えたのは事実だ。1ドル=80円まで行った為替相場を110〜115円とした。円をばらまき、円安になった。これが輸出産業を好調にさせ、景気をけん引した」
「しかし、輸出産業主導型は、全面的な景気上昇をもたらさない。輸出に依存する限り、低コスト、つまり、賃金抑制という圧力がかかるからだ。賃上げがないと消費が拡大しない。セミ景気、半景気だ。英国経済が輸出景気の時もそうだった。今の景気が景気上昇感を伴わない理由だ」
 株価も上がった。
「これは日銀が投信を買うことで上昇局面を維持している。作られた値段だ」
 今後賃金がどうなるか、がポイントだ。
「生産年齢人口の減少もあって、雇用が堅調になる。問題はそれが新たな技術革新をもたらすかだ」
 人手不足が企業に賃上げを強い、賃上げは企業に省力化のための設備投資を強い、結果的に技術革新、生産性上昇による成長が実現する、という論がある。
「私は懐疑的だ。アレンというオックスフォード大教授が、英国で産業革命が起きた背景として、ロンドンの労働者の賃金が高くなり、それで機械化という誘因が働いた、という見解を出している(2009年)。賃金が上がると、機械多用な方にいくし、賃金が安いと機械をあまり使わない、という近代経済学の技術選択理論の応用だが、こういう普遍理論で具体的歴史を解くというのはたいていうまくいかない。経済というのは、多様な要因がミックスされた結果だ。賃上げはそのうちの一つにすぎない」
「そもそも、日本で労働力不足が起きているのは、製造業ではない。サービス業、特に金融業がそうだ。欧州を見ればいい。銀行業は装置産業になった。人手がいらない。だが、日本だけがたくさんの従業員を抱えている。ここに新技術が入ってくる必然性がある。製造業で技術革新が行われる余地はない。設備投資するくらいなら海外にアウトソーシングする」
景気に影響しない「増税」を
 まさに、3メガバンクが大リストラ計画を発表した。大規模なICT(情報通信技術)投資が背景だ
「私は、日本の銀行業は欧米に20年遅れていると指摘してきた。高給で安定した良い職場がなくなる。その代表が銀行業で技術革新に狙い撃ちされる。日本経済に与える影響は大きい」
 肝心の製造業は、技術革新が起きない。むしろ、金融業の大リストラが景気の足を引っ張る、との論だ。
「そこで、取るべき政策は何か、だ。取りあえず主義からの脱却にはどうするか。それを真剣に考えるなら、増税しかない。増税は景気に影響がないものからやる。二つある。一つは、法人税だ。大企業が円安の影響もあり内部留保を380兆円ため込んでいる。そこから20兆円なり25兆円を引き出すしかない」
「もう一つは、所得税の累進課税強化だ。これも景気に影響はほとんどない。それゆえにニューディールの時にあれだけ強い累進課税をかけた」
 日本経済に必要なのは、実は所得、法人増税だ。欧米の政権政党であれば、当然のことながらそちらの方に舵(かじ)を切っているだろう、との見立てだ。ただ、取りあえず主義の日本は異次元緩和で日銀がほぼ無制限に国債を購入することで、増税策を回避し続けてきた。その出口はどうなる?
「安倍政権は出口を考えない。いつまでたっても日銀が買い続ける」
 でも永遠に買い続けるわけにはいかない。
「と思うのが正常な考えの持ち主だが……。そうじゃない人たちがやっている」
 どうなってしまう?
「外からのインパクト以外にこの体質は直らない。つまり、世界の金利が上がり、その影響が日本にまで波及し、金利が上がると、負債が重課されてくる。金利が1%上がっただけで10兆円の重みになり、予算編成できなくなる。そこまでこないとわからない」
 世界の金利動向に変化が生じている。米FRBは出口戦略で着実に利上げしているし、欧州中央銀行(ECB)も同方向だ。日本だけが異次元緩和継続だ。
「なぜ、ゼロ金利にしたかを考えればいい。リーマンショックで不良資産を買ってダメになったのはリーマン1社だけではない。連鎖反応を起こさせないために、欧米の中央銀行はゼロ金利にした。不良資産を10年かけて償却しなさいということだ。連鎖反応防止という必然性なしにゼロ金利をやったのは日本だけだ。必要ないことをやった。財政赤字をごまかすために」
 そのリーマン・ショックからちょうど10年だ。
「それが終われば金利も正常化されていく。当たり前のこと。米欧は今後利上げしていく。それが日本に影響を与える。それ以外に日本を変えるものはない」
「そんなに急に上がるものではない。5年かかるだろう。ただ、ケインズが言うように将来は不確実だ」
 5年という具体的な数字が出てきた。金利が上がり予算が組めなくなる時期だ。財政破綻である。同時に、国債暴落で銀行が不良資産を抱えることになる。
「だから、それを少なくしてやっている。日銀が銀行から国債を買い取って」
「国債」を持っていては危ない
 日銀の資産はどうなる? 債務超過にならないか。
「国家も日銀も一緒なんだから。(日銀という組織ではなくて)国家が損する。中世と同じ事実上の徳政令だ。日銀や銀行は国債で損するから国がそれを負う」
「三菱東京UFJ銀行がいち早く逃げ出したでしょう(16年7月、日本国債の入札に参加する特別資格「プライマリーディーラー」を返上すると発表)。日本を代表する銀行だ。国債を持っていたら危ない、5年後は。銀行は逃げますよ。銀行は逃げるか、機械化で従業員の首を切るか、いまやるべき仕事はいっぱいある」
 結局、アベノミクスとは何だったのか?
「金融緩和だけだ」
 それが未来を食い尽くす?
「そうだ。過去が食えなくなったので、未来を食い尽くすということだ」
 世界経済はどうなる?
「EUは、失業率が高く、格差が広がり、これがおさまる気配はない。米国はトランプの出現で、グローバリズムも自由貿易も皆誤りだとされている。中国は一帯一路を過剰生産のはけぐちに、世界の製造工場を独り占めする勢いだ。世界は混乱の時代に入った」
 昨年9月に90歳になった老学徒は2時間、資料を見ながら朗々と、日本と世界を語ってくれた。
「もうよぼよぼです。学生時代はノートを取る必要なかった。全部暗記していた。トランプの神経衰弱でも負けたことなかったが、今は孫に負けるんだからどうしようもない」
 としながらも、世界経済動向について現在大冊を著作中。欧州、米国、中国の順に書き続ける、という。
「問題は中国、日本なんです。欧米は合理主義で政治が動いているからはっきりしている。利子率が上がれば家賃が変わって住めなくなる。ただ、日本は利子率が上がっても家賃が変わらない。経済合理主義では動かない。この国の問題は西洋学問だけでは解けない。中国もそうなんです」
 ×  ×  ×
 アベノミクスは、日本の死に至る病だ、と私は書いたことがあった。成長至上主義という病と、次世代に対する過剰な依存症により、経済メルトダウンに至るような、とんでもないツケを将来世代に負わせているのではないか、という見立てである。伊東氏は「日本政治の取りあえず主義」が「未来を食い潰す」と表現された。同じことを言っている、と思っている。
いとう・みつはる 1927年生まれ。経済学者。京都大学名誉教授。著書に『原子力発電の政治経済学』『アベノミクス批判』『ガルブレイス』(すべて岩波書店)ほか多数
くらしげ・あつろう 1953年、東京都生まれ。78年東京大教育学部卒、毎日新聞入社、水戸、青森支局、整理、政治、経済部。2004年政治部長、11年論説委員長、13年専門編集委員


安倍首相の浅田真央インスタフォローは確信犯か! 浅田真央ブームとネトウヨ、ヘイト増殖の意外な相関関係
 昨年惜しまれつつ引退したフィギュアスケートの浅田真央。年末年始の特番にも引っぱりだこで、全国各地を巡回している浅田真央展も盛況が伝えられるなど、相変わらずその国民的人気は抜群だ。
 だが、そんな浅田にひとつ気になる動きがあった。先月、安倍首相がインスタグラムを開設した際、政治家と昭恵夫人以外には唯一、浅田真央のインスタをフォローしていたという報道だ。
 これには、「安倍首相も真央ちゃんのファンなのかな」「さすが国民的ヒロイン」などの声があがったが、そんな単純な話なのか。
 同じ女性アスリートで国民栄誉賞も受賞したレスリングの吉田沙保里、国民的アイドルといえば同じく昨年インスタを開設して話題になったSMAPの香取慎吾だっている。なぜ、ほかの誰でもなく浅田真央なのか。
 ここでひとつ思い出されることがある。安倍首相のコアな支持層であるネトウヨのなかに、浅田真央のファンが多数存在しているということだ。
 実は、浅田真央はネトウヨ、嫌韓のイコンとして利用されてきたという経緯がある。たとえば、2011年夏以降くり返し行われたフジテレビ嫌韓デモ。俳優の高岡蒼佑がフジテレビの韓流番組批判をしたことに端を発して……というのはよく知られた話だが、この嫌韓デモのイコンとして利用されていたのが、浅田真央だったのだ。
 フジテレビ嫌韓デモへの参加を呼びかけるビラに、「取り戻そう!正しい日本の報道を!」と題されたものがあるのだが、「みなさん、コレ知ってますか?」と浅田真央の写真とともに、真央の2008年世界選手権優勝を報じたフジテレビの番組批判が掲載されている。
 これはネトウヨのあいだで「浅田真央転倒パネル事件」などと呼ばれているもので、2008年世界選手権に優勝後帰国した浅田がスタジオ生出演し安藤優子キャスターのインタビューに応じた際、浅田の転倒についてクローズアップし、さらに転倒場面のキャプチャーを拡大しパネル化したものをスタジオに用意していたという一件だ。
 実際に浅田真央報道を理由にフジテレビ嫌韓デモに参加したという人もいる。
浅田真央VSキム・ヨナ報道をきっかけに嫌韓デモに参加したとの証言が
 古谷経衡のルポ『フジテレビデモに行ってみた!』(青林堂)には、デモ参加のきっかけについて問われた30代の女性参加者のこんな証言が掲載されている。
「そもそもこういった問題への関心のきっかけは、「浅田真央、キム・ヨナ」報道でした。2ちゃんねるのスケート板を覗くようになり、韓国側から浅田選手への嫌がらせが行われている、という情報を耳にしました。当時のスケート板は浅田、キム・ヨナに関連して、日韓問題についての数多くの情報が書き込まれていて、「日本は戦前の朝鮮半島統治時代にこれだけのよいことをした」とか、逆に韓国が「終戦直後の朝鮮進駐軍による犯罪、竹島問題での韓国の横暴、李承晩ラインで日本に対して行ったこと(拿捕・銃撃)などに初めて触れたことで、日本の周辺国が日本に対して非常に脅威で、また敵対心を持っているということを知りました。それ以前は、単純に「日本は韓国に悪いことをした、謝らなければ」という自虐史観の持ち主だったのです。そうしているうちに、尖閣諸島漁船衝突事件が起こり、中国の現実的な脅威が明らかになりました。いても立ってもいられなくなり、初めてデモに参加したのが頑張れ日本主催第一回尖閣デモです。」
 真央・ヨナ報道に疑問をもったことをきっかけに、浅田真央が韓国に嫌がらせされていると思い込み、朝鮮進駐軍、竹島問題、李承晩ライン……と嫌韓に目覚め、はてはフィギュアどころか韓国も関係ない尖閣デモに参加するにいたる。この女性はフジテレビデモ、尖閣デモのほか、花王デモにも参加経験があるという。
 古谷のルポには、もうひとり別の30代女性がやはり転倒パネル事件がすべてのきっかけだったと述懐するこんな証言も掲載されている。
「これは本当に異常な映像でした。私は当時、特に政治思想は右でも左でもない、子育てをしていた普通の一般人でしたが、身の毛もよだつ感覚に襲われました。どんなに好意的に解釈しても、この日の朝のフジテレビは異常だったからです。私は情報をインターネットに求めました。たどり着いたのは、2ちゃんねるのスケート板でした。そこではさっそく、この日のフジテレビの真央ちゃんの生番組に対する罵詈雑言が書き連なっていました。もちろんそれはフジテレビに対する非難の声です。ここを覗いていると、日韓関係に関する歴史的事実の書き込みや、自虐史観などについての書き込みがあり、当時全くその手のことに不勉強だった私は、自然とそういった書き込みを熱心に読むようになっていました。不勉強というよりも、漠然と私は韓国に対して日本は悪いことをしたんだと思っていたくらいでしたから。これが、私がいわゆる保守派になったそもそもの発端です」
 要するに、いずれも浅田真央報道をきっかけに、ネットの嫌韓情報に触れ、ネトウヨ思想に染まったというのだ。2ちゃんねるとはいえ、スケート板にまで韓国ヘイトがあふれていたというのは、当時のネット言論空間の醜悪さが思い知らされる。
浅田真央タブーを生み出したのは、ネトウヨの熱狂的な支持と激しい抗議
 わざわざビラに使われていることを考えれば、浅田真央報道がきっかけでデモに参加した人はこの2人だけではないだろう。フジテレビ嫌韓デモに限らず、ほかのヘイトデモでも「真央ちゃんをいじめるな!」というプラカードが目撃されたり、アイスショー会場の近くでフジテレビの真央・ヨナ報道をあげつらうビラをヘイト団体が配布していたという目撃情報もある。
 真央の引退会見時にも「真央ちゃんがきっかけで“偏向報道”に気づきネトウヨ思想に目覚めた」と振り返る書き込みがネットで多数あった。
「浅田真央さんの功績はたくさんあるけど、 嫌韓に目覚めさせてくれた一番の存在。」
「浅田真央ちゃんの功績は数え切れない程あるけどその中に韓国の闇やマスゴミの闇、スケ連の闇を暴き出したというのもある。トリノOP後から不審に思い始め色々と調べた結果すごい嫌韓になった人が多いと思う。私の周りにも沢山いるし。彼女の本意では無いけれど日本人が目覚めるきっかけを作ったよね。」
「延々とデータに基づかない主観と印象操作をマスコミに語られ続けた真央ちゃんファンの積年の悔しさは、ええ、今のマスコミ姿勢と嫌韓につながっていますわよ。」
 ネトウヨとファン層がかぶっているどころか、浅田の存在をきっかけにネトウヨになったという人が多数存在しているのだ。
 本サイトではこれまで浅田がマスコミ的には「批判が絶対タブー」の存在となっていることを報じてきたが、ネトウヨたちからの熱狂的な支持こそがそのタブーの原因のひとつだった。
 浅田真央タブーの典型的なものとしては、彼女の父親のスキャンダルなどがあったが、タブー化はプライベートの話題だけでなく、競技そのものに関する報道にも及んでいた。
 原因としては、母親のメディアチェック、所属事務所やスポンサーの力など様々な要素があったが、最大の要因は熱狂的なファンからの抗議だった。これに関し、あるテレビ局関係者がこう証言する。
「真央や事務所の力もありますが、それ以上に大きいのが熱狂的ファンの抗議、クレームです。少しでも真央に関するネガティブな評価などをコメントすると、抗議が殺到する。またライバル選手、とくにキム・ヨナと一緒に取り上げるときは神経を使います。少しでもキム選手を利するようなコメントをするだけで、まさに抗議殺到ですからね。こういう抗議を恐れて、過剰に神経質になっているという側面もある」(テレビ局関係者)
 こうした熱狂的なファンの抗議はある種のナショナリズムやヘイトスピーチと一体化して、ネット上の炎上を引き起こし、メディア関係者を震え上がらせていた。
メディアから一切の真央批判が消え、ネットでは“不正採点”“買収”の陰謀論が跋扈
 前述の真央ファンからネトウヨになったという証言からもわかるように、こうしたネトウヨの熱狂を生み出したのは、言うまでもなく韓国のキム・ヨナとのライバル関係にある。キム・ヨナとのライバル関係が嫌韓感情に火をつけ、ネトウヨが過激な抗議や炎上攻撃を行うことで、マスコミがその動きに敏感になっていった。浅田真央のタブー化は当時、ネトウヨがつくりだした嫌韓ムードと一体化して広がっていったのだ。
 実際、ネガティブな情報を報道したメディアは必ず激しい抗議にさらされ、すぐに謝罪・撤回するという事態が起き続けてきた。そのひとつが上述の転倒パネル事件であり、また、その翌シーズン2008年12月のグランプリ(GP)ファイナル後の『とくダネ!』炎上事件というのもあった。
 08年12月13日、韓国で開催されたフィギュアスケートのGPファイナルでライバルのキム・ヨナを制し真央が優勝した。これについて、15日放送の『とくダネ!』(フジテレビ)で、「ミスがなければキム・ヨナが勝っていた」「実力はキム・ヨナが上」ととれるような解説があったとして、真央ファンや視聴者から抗議が殺到。3日後の18日には番組で司会の小倉智昭が謝罪と訂正を行う事態となった。しかも、同番組で浅田に厳しい評価をしたコメンテーターはその後しばらくテレビに出演できない状況が起きたともいわれる。
 こうしたことが繰り返された結果、ある時期から、浅田の批判やスキャンダルがメディアにのぼることは一切なくなった。
 一方ネット上では、試合が行われるたびにキム・ヨナの高評価に疑問の声が寄せられ、浅田がヨナに負けたときには「八百長」「買収」という言葉が飛び交う。テレビや週刊誌の報道もネトウヨの陰謀論に引きずられ、キム・ヨナの演技や採点に対する疑問の声があふれるようになっていった。
 それが最高潮に達するのが、2010年2月のバンクーバー五輪だ。シーズンが開幕するとキム・ヨナが出場大会すべてに優勝しオリンピックに向け盤石に実績を積み重ねていったのに対し、浅田はGPシリーズで2位、5位と優勝を逃しシニア昇格以来初めてGPファイナル出場を逃すなど不調。海外ではキム・ヨナの金メダルはカタいという予想が主流だったにもかかわらず、相変わらず国内メディアは「トリプルアクセルさえ成功すれば真央が金メダル」と煽った。
 さらに五輪で、浅田が銀メダル、キム・ヨナが金メダルという結果に終わると、キム・ヨナはノーミスで、浅田は3回転ジャンプがひとつ1回転になるという大きなミスがあったにもかかわらず、国内メディアでは結果に対して大きな不満の声が巻き起こった。
「浅田真央が大技トリプルアクセルを3回も成功させたにもかかわらず、たいして難しいことをしていないキム・ヨナが表現力などという曖昧なものによって金メダルをとった」
 ネット世論に引きずられるかたちで、このような論調が日本を覆ったのだ。しかし、こうした国内の論調は、事実誤認と確証バイアスに基づく陰謀論にすぎない。
真央とヨナを冷静に批評した荒川静香は、「反日」「国賊」と攻撃される
 こうした陰謀論に苦言を呈し反論を唱えたのが、トリノ五輪金メダリストの荒川静香だった。荒川は『誰も語らなかった 知って感じるフィギュアスケート観戦術』(朝日新書)で、現在の採点システムについて「技術と芸術が融合したフィギュアスケート本来の戦いに戻ってきた」「(よく「公平か」と質問されるが)ほとんどの場合、納得できるもの」と肯定。その上で、「スケートをあまり知らない方からは、ヨナは3アクセルがないのに、なぜあんな高い点数が出るのか、とよく聞かれます。3アクセルという大きな技を持っているがゆえに、一般的には浅田選手はジャンプ技術が持ち味で、ヨナは表現力で勝負をしていると思われがちですが、私から見るとむしろ逆」「一つ一つのジャンプを見て、どちらが加点のつくジャンプを跳んでいるかというと、ヨナはやはりすごく強いジャンパー」とネット上で叫ばれる“キム・ヨナ八百長説”に真っ向から反論した。
 そもそも、浅田とキム・ヨナの対決についてメディアでは「技術力の真央 vs 表現力のキム・ヨナ」と語られがちだったが、荒川はこれについて「一般的には浅田選手はジャンプ技術が持ち味で、ヨナは表現力で勝負していると思われがちですが、私から見るとむしろ逆なのです」と主張。実際、バンクーバー五輪や世界選手権における浅田とヨナの技術点・演技構成点を比較すると、いわゆる芸術点に当たる演技構成点の差はさほどなく、それ以上に技術点に大きな差があるのは確か。ヨナとの比較を抜きにしても、浅田は、技術点はほかの選手たちを下回りながらも、演技構成点で勝つケースが多かった。
 さらに荒川は、「ヨナは技術点のうちGOE(技の出来映えに対する加点)が高すぎる」という“キム・ヨナ八百長説”を唱える人々に反駁するように、「一つ一つのジャンプの質を見て、どちらが加点のつくジャンプを跳んでいるかというと、ヨナはやはりすごく強いジャンパーです」と断言。加点のつく質の良いジャンプとは何かについても、「高さ、飛距離があり、そして着氷までの一連の動作で流れのあるジャンプ」「テイクオフのときに、スケーティングを生かしたままスピードが落ちないジャンプ」と明確な基準を示している。
 また荒川は、技術点についてかなり透明度が高くなっていると評価する一方で、芸術性を評価する演技構成点(PCS)については主観による部分が大きく実績が加味されることについては課題であると指摘している。こう言うとやっぱり採点に疑惑の余地があると思われるかもしれないが、しかし、先述のとおり真央はむしろPCSに救われてきたほうの選手だ。典型的なのはソチ五輪で、PCSの突出した高得点がなければショートで落ちて、フリーには進めていない。
 ところが、こうした客観的事実を冷静に分析した荒川は「真央に嫉妬している」「不仲」と炎上し、「反日」「国賊」などという攻撃を受けることになった。
 しかも、ネトウヨからこうした攻撃を受けていたのは真っ当なフィギュア解説をつらぬこうとした荒川だけではなかった。国内のライバル選手も「在日」「帰化した朝鮮人」などと、明らかなヘイト攻撃を受けていた。
 まさに安倍政権を批判した著名人やメディアが「反日」「国賊」「偏向報道」などと攻撃を受けるのとそっくりの構図。真央タブーはネトウヨ時代のメディアタブーを先取りしたものだったといえる。
ネトウヨの親玉・安倍首相が浅田真央のインスタをフォローした意図とは…
 誤解のないように断っておくが、これはあくまで浅田真央ファンと称したネトウヨの問題であって、純粋なフィギュアスケートファンはむしろそうしたナショナリズムとは縁遠い。
 ロシアのプルシェンコやリプニツカヤ、メドヴェージェワ選手などが日本でも人気が高いことからもわかるように、純粋なフィギュアファンは日本人選手だけではなく海外選手も分け隔てなく応援している。試合中継についても日本人選手ばかりクローズアップするのではなく、海外の選手もきちんと放送してほしいと主張するほどだ。
 そもそもフィギュアスケートじたい、個人競技。さまざまな国籍のコーチのもと、さまざまな国籍のチームメイトとともに練習することもあるし、ジュニア時代から豊富な国際大会経験を通して交流があり海外の選手とも互いにエールを送り合う。選手もコーチも振り付け師も、国籍にとらわれず影響し合いながら切磋琢磨している競技だ。それまでプロスケーターだったブライアン・オーサー氏がキム・ヨナ母子から熱心に口説かれたことでコーチとなり、後にそのノウハウをもって羽生結弦を五輪金メダリストに導いたという意味では、日本スケート界もキム・ヨナの恩恵を多分に受けている。
 さらに言えば、もちろんこうしたファナティックな批判封じ込めは浅田自身が望んでいたことではないだろう。批判のタブー化は、むしろ、彼女の競技人生にとって、必ずしもいいことばかりではなかった。マスコミや解説者がトリプルアクセルを必殺技扱いして、それ以外のジャンプの欠陥をほとんど指摘しなかったために、早い段階で矯正に取り組むことができず、肝心なところで金メダルに届かなかったという見方はいまも専門家の間で根強くささやかれている。
 とくにネトウヨがマスコミバッシング、キム・ヨナバッシングに血道をあげた、2008−2009シーズンは、彼女のスケート人生においてターニングポイントとなったシーズンだった。ルール上、ジャンプの厳格化がはかられていくにもかかわらず、浅田はジャンプを矯正しないままジャンプコーチも不在という厳しい状態にあった。その後、彼女が勝てなくなっていったのは、ネトウヨが言うような“不正採点”や“偏向報道”のせいなどではなく、3回転3回転の連続ジャンプが入れられなかったこと、ジャンプの質と踏み切り違反の問題が大きい。
 そう考えると、純粋に浅田真央を応援したかっただけのファンをも、たくみにネトウヨ思想に感化し、正当なスポーツ評論の機会を奪ってしまったネットの言論状況はまことに罪深いというべきだろう。
 しかも、浅田真央の政治利用は引退で終わったわけではない。勢力を拡大したネトウヨたちが同時期から熱烈支持してきたもうひとりの人物である安倍首相がインスタグラムで浅田真央ひとりだけをフォローしたというのは、けっして偶然ではないだろう。
 もしかしたら、浅田真央はこれから、ネトウヨの親玉で安倍首相の政治的PRのイコンにされるのではないか。そんな懸念が捨てきれないのである。(本田コッペ)


「ニュース女子」問題1年 謝罪せぬMX 「根拠なき情報」歯止めは
 専門家からは「今後の放送界全体に関わる象徴的な事例」と危惧されている。放送から1年たった東京メトロポリタンテレビジョン(TOKYO MX)の番組「ニュース女子」の問題だ。沖縄県の米軍基地反対運動をからかうような内容が批判を浴び、昨年12月には、放送倫理・番組向上機構(BPO)から、番組の核心部分に十分な裏付けがなく「重大な放送倫理違反があった」と指摘された。果たしてMX1局の問題と考えていいのか。【井田純】
 「MXは謝罪と訂正をしてください。取材もせずにうそを放送するのは許されません」。BPOの放送倫理検証委員会が意見書を公表してから2週間後の昨年12月28日夜。冷たい風が吹き付ける中、東京都千代田区のMX本社前では約60人の市民が声を上げていた。1年近くにわたる抗議活動は、現在も月2回ペースで続けられている。
 BPOの記者会見で、川端和治委員長から「放送してはならないものを放送してしまった」とまで指弾された番組は、昨年1月2日の放送。沖縄県の米軍ヘリコプター離着陸帯(ヘリパッド)建設への抗議には日当が支払われており、抗議活動で救急車が止められた−−などと伝えたが、BPO意見書は、いずれも「裏付け」が示されていないと判断。抗議活動側への取材もなく、侮蔑的表現があったことなどを挙げ、同委員会の審議で3例目となる「重大な放送倫理違反」を指摘された。
 過去2例は事実上の打ち切りとなっているが、MXは今のところ「再発防止に努める」などとしたコメントを発表するにとどまっている。毎日新聞の取材に対して、訂正放送や検証番組を制作するかどうかなどについての態度を明らかにしていない。
 「再発防止の効力がどれだけあるのか。私は難しいと思います」。こう首をひねるのは、元民放ディレクターで、テレビとウェブのジャーナリズム論を専門とする上智大の水島宏明教授だ。こう考えるのは、この番組の特異な制作形態が関係している。「ニュース女子」は、スポンサーの化粧品会社「DHC」が番組枠を買い取り、グループ企業の制作会社「DHCシアター」(現DHCテレビジョン)などが制作、MXが放送する「持ち込み番組」。BPOの審議は放送の最終責任を負うMXが「どのような考査を行ったか」が対象となった。
 MXにとってDHCは、単なる1番組のスポンサーにとどまらない。有価証券報告書によると、2012年3月期以降6期連続で最大の取引先となっており、その売り上げは全体の1〜2割を占めている。「通常の放送局とスポンサーを超えた関係で、MXの経営は大きくDHCに依存していると言えます」と水島さん。制作会社の作った番組が問題になると放送局側が契約を打ち切るケースは珍しくないが、「ニュース女子」については事情が違う、というのだ。
 意見書の指摘に関連して水島さんは「放送局が守るべきジャーナリズムの原則からすれば、事実であることの確認、裏取りができていない内容は放送できないのが当然。ところが、日本民間放送連盟に加盟していない制作会社が『そんな原則など関係ない』という姿勢だったらどうなるのか。守るべき原理原則が崩れてしまう恐れがあります」
 DHCテレビジョンは昨年、番組への批判を受けて、基地反対派の言い分を「聞く必要はない」などとする見解を公表した。BPOの意見書が出た後も、毎日新聞の取材に対して「この見解に変わりはない」と回答している。
「持ち込み番組」問われるTV局
 今回のケースについて、ある東京キー局の担当者は「民放連の『放送基準』上も、自社の放送倫理に照らしても、うちの局の考査ならあの内容でOKすることは考えられない」と話す。
 だが、「この問題は決してひとごとではありません」と話すのは、毎日放送(大阪)報道局の斉加尚代さん。ディレクターを務めたドキュメンタリー「映像’17 沖縄さまよう木霊〜基地反対運動の素顔〜」(昨年1月29日放送)は、基地反対の活動を続ける住民だけでなく、抗議運動を非難する側も取材。基地に脅かされる地元住民の暮らしや思いを描き、文化庁芸術祭賞優秀賞など数々の賞を受けた。
 BPOの会見に出席した斉加さんは「番組内容だけでなく、MXが放送翌月に『放送法及び放送基準に沿った制作内容』などというコメントを出すなどの対応にも大きな問題があった」と考える。「あのコメント自体が、視聴者や沖縄の住民に向けられたものではなく、スポンサーに向けた表明に読めてしまう」
 しかし、テレビなど既存メディアの広告収入が落ち込む中、「持ち込み番組」が魅力的なビジネスモデルであるのも事実。キー局では通販系が主だが、地方局では企業などさまざまな法人、団体が制作する番組も放送されている。斉加さんは言う。「番組制作費がかからず、お金は入ってくる。体力のない局にとっては喉から手が出るほど欲しい話と思います。今回の問題も、MXの担当者が良心的に考査しようとしても果たして可能だったのかどうか。局側に放送の自律性を担う意識がないと、きつい表現をすれば『電波が乗っ取られてしまう』恐れがあります」
 巨大な資金を持つ企業が政治的意図を持って番組を制作し、放送局に持ち込む−−。憲法改正論議、安全保障問題などさまざまな政治的テーマが浮上している今だからこそ、ますます変な想像が働いてしまうのだ。
 そもそもBPOは、言論・表現の自由を確保し、視聴者の人権を守ることを目的に、NHKと民放連が03年に設立した。この仕組みが機能しなければどうなるのか。前出の水島さんは「放送界がBPOの権威を守らなければ、行政や政治に介入の余地を与えてしまう。今後、これをMXだけの問題にとどめることなく、民放連や民放労連などが自らどう取り組むのかも重要になります」と訴える。
 民放労連はBPOの意見書を受けて、「ネット上にまん延しているような沖縄への差別的な言説は、根拠に乏しい意図的な虚偽情報であることが改めて明らかになった」などとする委員長談話を発表。さらに、MX労組も昨年末、同番組に対する見解と今後の対応を明らかにするよう会社側に対して申し入れを行った。
 MX前の抗議活動の呼び掛け人の一人で、編集者の川名真理さんは「MX労組の動きは、BPO意見書と同じくらいうれしい」と期待を寄せる。MX前では会社への抗議とともに、今回の問題を深刻に受け止めているはずの「良心的な社員」に対して、共に考え、行動するよう呼び掛けてきたからだ。
 「自分たちが白でMXが黒、ということではなく、自分も含めて誰もがデマやヘイトの加害者になりうる、という危機意識があります」と川名さん。街頭でチラシを配布中、「反対派への日当」を信じていた通行人が、それに根拠がないと知って驚いていた表情が記憶に残る。「放送局が根拠のない話を流したまま放置すれば、偏見と誤解が広まっていくのは明らかです」
 川名さんは「ウチアタイする」という沖縄方言を教えてくれた。「自分の中に思い当たる節があり、それがグサグサ突き刺さる状態」を指すのだという。「私たち本土の人間が沖縄の現状を見ると、沖縄に犠牲を強いてきた罪深さに気づいて、ウチアタイすることになります。放送に夢を抱いてMXに入社した人たちには、ウチアタイすることを恐れず、いい番組を作ってほしい」


慰安婦合意 再交渉求めないのは欺瞞=被害者ら批判
【ソウル聯合ニュース】韓国の康京和(カン・ギョンファ)外交部長官が9日午後、旧日本軍の慰安婦問題を巡る日本との合意への対応方針を発表し、合意は同問題の真の解決にならないとしながらも、合意の再交渉は求めない姿勢を示したことについて、被害者らは「合意が間違っていると認めながらやり直さないのは被害者への欺瞞(ぎまん)行為」などと批判した。
 慰安婦被害者が共同生活を送る福祉施設「ナヌムの家」(京畿道広州市)で康氏の発表をテレビで視聴した被害者の李玉善(イ・オクソン)さんは慰安婦合意について、「当事者も知らずに合意をした。無効にしなければならない」として、「われわれが望むことは日本から謝罪を受けること」と強調した。
 同施設の安信権(アン・シングォン)所長は「文在寅(ムン・ジェイン)大統領は(大統領選の)候補時代、慰安婦合意に誤りがあれば再交渉すると約束し、公約にも含まれている」と指摘。「今になって再交渉を求めないというのは(被害者の)おばあさんへの欺瞞であり、国民の被害に対して政府が要求すべき権利を放棄することで、到底受け入れられない」と不満を表した。
 一方、慰安婦被害者を支援する市民団体「韓国挺身隊問題対策協議会」(挺対協)は「合意は慰安婦問題の解決ではないことを政府が正式に宣言し、日本政府の拠出金10億円を(韓国の)政府予算で負担する方向は歓迎するが、日本政府の自発的な措置だけを期待することは矛盾」と指摘。「外交問題との理由で法的責任を問わず、政府にできる措置だけを取るという態度は受け入れられない」と強調した。その上で、合意に基づいて設立された慰安婦被害者支援財団「和解・癒やし財団」の解散を求めた。