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ドルフィンポート171229

De nouvelles images au coeur de Fukushima
Japon Des fragments de métal et des débris avec du combustible fondu: Tepco a introduit une caméra à l'intérieur d'un des réacteurs dévastés de la centrale nucléaire.
L'opérateur de la centrale nucléaire japonaise de Fukushima a rendu publiques de nouvelles images. Tokyo Electric Power (Tepco) a introduit une caméra spéciale à l'intérieur d'un des trois réacteurs endommagés de la centrale, située dans le nord-est du Japon, dans le cadre des travaux entrepris pour le démantèlement du site, selon un porte-parole de la compagnie.
Les images rendues publiques vendredi soir montrent des débris éparpillés sur le sol de l'unité, dont un morceau de réservoir de combustible ainsi que des fragments ressemblant à des roches qui pourraient contenir du combustible nucléaire fondu.
Près de 160 milliards
La localisation des restes de combustible est une étape cruciale du processus de démantèlement de la centrale, lequel prendra encore plusieurs décennies et coûtera près de 160 milliards d'euros.
L'inspection des lieux est rendue difficile par le niveau extrêmement élevé de radiations, un obstacle que Tepco essaie de surmonter à l'aide de caméras robotisées. De premières images avaient déjà pu être tournées l'an dernier à l'intérieur d'un autre réacteur endommagé.
Un porte-parole de Tepco a indiqué que la compagnie prévoit de commencer à retirer les débris radioactifs en 2021. Il y a environ sept ans, le 11 mars 2011, un puissant séisme sous-marin avait fait déferler sur toute la côte nord-est du Japon un gigantesque tsunami qui avait fait 18'000 morts ou disparus et provoqué à Fukushima le pire accident nucléaire depuis celui survenu à Tchernobyl en 1986.
フランス語
フランス語の勉強?
堂本かおる @nybct
トランプの大統領就任一周年の日に米国政府シャットダウン。素晴らしい。

熊本に着きました.とりあえず下通りでモーニング.ネットにも接続できました.店内にフレンチポップスが流れています.少し古い目.
熊本城を見に行きました.橋を渡ったところで地震の爪痕が残っていました.駐車場まで少し歩いて登って行ってそこから熊本城を一周することができます.いくつかの箇所は修理が進んでいました.でも残念ながらかなりの場所では,地震の後のままという感じで,あらためて地震による被害の大きさを痛感しました.
溶岩焼きというのをランチでいただきました.
鶴屋のある通町筋から鹿児島行きのバスに乗りました.トイレがなくて焦りました.しばらくして山江SAでトイレ休憩があってホッとしました.山江村って何があるのかわかりませんが・・・
鹿児島についてネットにつないでお仕事.でもなかなか進まず時間だけが経って焦ってしまいます.結局キリがいいところでいったん止めて明日頑張ることにしました.
駅からアパートに向けて歩きますが,夜で暗いので道がよくわかりません.適当に歩いて30分以上かかってどうにか着きました.9時くらいに薬を飲みました.確かにできたのですがクタクタになってしまって2回目はダメでした.

気仙沼・津波に耐えた桜 形変えても励まして
 県気仙沼土木事務所は19日、東日本大震災の津波に耐えながら、県の河川堤防の建設に伴い伐採された気仙沼市神山川沿いにあった桜の木の無償提供を始めた。受け取った住民らは「残してほしいと願った地元の思いも受け止め、大事に利用したい」と誓った。
 提供したのは直径10〜20センチで長さ90センチと、直径20〜30センチで長さ45センチの材木150本。11月に伐採したソメイヨシノ39本のうち、状態が良い幹を選んだ。
 同市赤岩港の保管場所には事前に予約した希望者が次々と訪問。同土木事務所の職員が見守る中、使用目的に応じた桜の幹を見定めていた。
 気仙沼市で不登校の小中学生や引きこもりの若者を受け入れる「フリースペースつなぎ」の代表、中村みちよさん(49)は8本を受け取った。今夏に建てる新たな拠点の看板やベンチなどに利用する。
 中村さんは「みんなで川沿いを散歩する機会も多く、津波に耐えた桜に勇気づけられていた。形を変えても子どもたちを励まし続けてほしい」と話した。
 20日も引き渡しがあり、計36人が桜の木を受け取る。同土木事務所によると気仙沼市以外の希望者が多く、利用方法としては椅子や額縁、おわん、まきストーブの燃料などを想定しているという。
 神山川左岸約600メートルの桜並木は58本あり、地元住民が40〜50年前に植栽。津波をかぶっても花を咲かせて話題となった。県は当初、全ての桜を切る予定だったが、地元の反発などで計画を変更。一部を残した。


<石巻・二子団地>最後の災害公営住宅着工 9月入居開始
 東日本大震災の被災者が移り住む石巻市二子の防災集団移転団地で19日、一戸建ての災害公営住宅112戸を建築する安全祈願祭があった。完成すれば、市が半島沿岸部で整備する災害公営住宅の全577戸が出来上がる。
 半島沿岸部の災害公営住宅は全て木造平屋。市内の設計事務所と工務店計70社で組織する石巻地元工務店協同組合が2014年2月に市と協定を結び、現在までに1LDKと2LDK、3DKを中心に426戸を施工した。
 最後となる二子地区は19.4ヘクタールを造成したエリアで、1〜3工区に分けて整備する。1工区75戸は昨年10月に被災者へ鍵の引き渡しが始まり、建設中の2工区39戸は7月、今回着工する3工区112戸は9月の入居開始を予定する。
 祈願祭には工事関係者ら約70人が出席。協同組合の日野節夫代表理事は「被災者は一日も早く災害公営住宅に入るのを楽しみにしている。早く笑顔が見られるよう頑張ってほしい」とあいさつ。亀山紘市長は「住みやすい素晴らしい街になると期待する」と語った。
 市は沿岸半島部とは別に市街地に3914戸を整備する計画で、昨年末現在で3747戸(95.7%)で入居を始めた。


震災伝承/正念場の覚悟を共有しよう
 犠牲者の無念も、生き残った者の苦闘も、復旧復興の苦節も、そして得られた数々の教訓も、忘れ去られることなくしっかり伝え残したい。
 被災者のそんな思いが集約されたからに違いない。東日本大震災の被災地で、記憶と教訓の伝承を強化しようという動きが目立ち始めた。
 関連死を含めて4千人近い犠牲が出た最大被災地、石巻市では昨年11月、有志の連携組織「3.11メモリアルネットワーク」が発足した。
 児童と教員84人が犠牲になった大川小の被災を語り継ぐ「大川伝承の会」の遺族をはじめ、地域で地道に語り部活動を続けてきた団体や個人、それらの活動を支援してきた関係者が広く参加する。
 岩手や福島からの参加もあり、登録は想定以上の37団体、169人に膨らんでいる。震災からもうすぐ7年、ここが伝承の正念場と多くの人が意識している表れだろう。
 石巻市の南浜地区では、被災3県にそれぞれ1カ所ずつ整備される国営の津波追悼祈念公園の計画が進む。2020年度の完成を目指し、施設の計画は固まったものの、追悼とともに重視される震災伝承や教訓発信の拠点としての活用は検討が遅れている。
 ハード先行でソフトが後回しになっている現状に業を煮やした形で、語り部活動の最前線からネットワーク結成の動きは起きたという。国や県の復興事業が終盤に入る中で、残された課題として伝承の重みが被災地で強く意識され始めたことも背景にある。
 「犠牲を無駄にしないために、次の命を守る。そのために手をつないで活動を広げていきたい」。風化の懸念が広がる中、遺族や語り部たちの覚悟に向き合い、願いを共有する姿勢があらためて被災地全体に求められている。
 語り部による伝承活動の多くは、遺族や有志の熱意に頼っているのが実情だ。観光協会などが窓口になって要請に応え、案内料を定めて対応している団体もあるが、活動の基盤はどこも弱い。語りの手法や内容もまちまちで、被災体験の振り返りにとどまり、肝心の教訓の伝達まで至らないケースもある。
 石巻で発足したネットワークは寄付を呼び掛け、活動資金に充てる基金を創設し、語り部の研修や次世代の育成まで取り組む計画を立てる。継続的な語り部活動を支えるためには、いずれ態勢や資金面で国や自治体による公的な支援も必須になるだろう。
 宮城県内では伝承や慰霊の施設、震災遺構が、自治体開設分だけでこの2年間に12カ所整備された。今後3年間で新たに10カ所が完成する。これら施設をどう活用し、伝承と教訓発信に重点的に取り組むか。自治体が向き合うべき当面の優先課題になる。
 復興と並行して本格的に伝承のステージが整う転機。震災伝承のうねりを官民一体でつくり出していきたい。


七十七銀女川支店 慰霊碑に津波犠牲の行員名刻まず
 東日本大震災の発生から3月で7年となるのを前に、津波で行員と派遣スタッフ計12人が犠牲になった宮城県女川町の七十七銀行女川支店に慰霊碑が設置された。一部遺族は「生きた証しを残してほしい」と犠牲者の名前を刻むよう要望していたが、同行は「望まない遺族もいる」として見送った。
 慰霊碑は高さ約1.8メートルで、昨年9月に再建した新店舗の駐車場の一角に建立。
 碑文は「あの日のことを忘れない」とした上で「震災の津波で女川支店に勤務していた12名の尊い命が失われました。この悲しい出来事を忘れず、二度と繰り返されないことを誓う」などと記している。


被災地で防災集団移転団地にアパート建設断念
 宮城県南三陸町の防災集団移転団地の空き区画に計画されたアパート建設に一部の住民が反対していた問題で、南三陸町は19日、建設を中止することを明らかにしました。
 宮城県南三陸町では19日夜、2回目の説明会が開かれ住民およそ40人が参加しました。
 この中で町は志津川中央団地の空き区画に計画していた2棟のアパート建設の中止を明らかにしました。 その理由について「事業者から住民の理解が得られない限り建設は難しいとの申し出があった」と説明しました。
 町は2017年9月に空き区画を被災者以外にも開放し水産加工会社の従業員用のアパートの建設が決まりましたが、一部の住民が「空き区画を急いで埋める必要はない」などと反対していました。
 一方で町は、人口減少対策などのために空き区画の一般開放は、引き続き実施していきたいと改めて住民に理解を求めました。


津波被災地で「国道兼防潮堤」着工
 東日本大震災で津波被害を受けた宮城県気仙沼市の大谷海岸地区で、国道をかさ上げして防潮堤を整備する工事が始まり20日、着工式が開かれました。
 着工式には、地元住民らおよそ90人が出席しくわ入れなどを行って工事の安全を祈願しました。
 気仙沼市大谷海岸地区の防潮堤は、長さ677メートルで国道45号線を高さ9.8メートルまでかさ上げして整備されます。
 総事業費は32億円で2020年度の完成予定です。
 この地区では、宮城県が計画した防潮堤に対し「砂浜が失われてしまう」などと反対の声が上がりました。
 このため、建設場所を内陸に移して砂浜を確保し、国道を兼ねた防潮堤を整備する計画で住民合意が得られました。
 国道沿いには、新たな道の駅も整備されます。


住民の声反映…大谷海岸の防潮堤ようやく着工 宮城
 防潮堤の整備方法をめぐり、地元住民と行政の間で協議が続けられてきた宮城県気仙沼市の大谷海岸地区で、ようやく工事が始まります。
 20日午後行われた着工式には国や県、市の行政関係者や地元住民らおよそ100人が出席しました。大谷海岸の防潮堤整備をめぐっては、当初、行政側から砂浜をすべて埋め立てる計画が示されましたが、地元住民が反対していました。その後、海岸線を走る国道45号をかさ上げして防潮堤の機能を持たせるという住民の意見が反映された計画に修正されました。
 大谷里海づくり検討委員会の芳賀孝司副会長は「行政のみなさん地域の皆さん、大勢の皆さんのおかげだと思って感謝の気持ちでいっぱいであります」と話しました。工事は2020年度末の完成を目指しています。


河北春秋
 「本来、福島県の地酒は黄金時代だった」と地元の日本酒通から聞いた。県内の蔵元が研さんを重ねて全国的な声価を高めるが、「酒米栽培の環境面も変化し、今は福島が最適地」との評価があるそうだ。東京電力福島第1原発事故がなければ、と残念がる▼「金寶(きんぽう)自然米栽培田」。先日訪ねた郡山市田村町の水田に立つ看板だ。1711年創業の酒蔵、仁井田本家が「稲わらを田んぼに返す」だけの肥料で酒米を自家栽培している。目指す無農薬米の酒造りを完成させた年、原発事故が起きた▼土壌汚染は免れたが「売り上げは2割落ちた」と社長の仁井田穏彦(やすひこ)さん(52)。自然に優しい農業、食品を支持する消費者ほど反応は厳しく、「福島で有機栽培に取り組んできた生産者の苦境が今も続いている」▼安全性のPRでは足りず、仁井田さんは「田んぼの学校」を毎年催す。カブトエビが生息し雑草を食べる水田のコメ作りから、新酒を搾るまでを消費者に体験してもらう。秋の感謝祭には自然・有機栽培の仲間も出店して交流する。参加者は延べ5千人を超えた▼「古里の人たちの頑張りを知った」「努力の結晶を味わいたい」。同じ日に酒蔵を訪ねた、県外で避難生活を続ける人々の一行が語った感想だ。苦悩と模索の歳月の分、福島の酒は奥深い。

震災後休止の噴水多くが運転不可
東日本大震災の後、節電対策として運転をとりやめていた大阪市の公園の噴水などの多くが運転できない状態になっていることがわかりました。
大阪市は、撤去し、花壇などを整備することを検討しています。
大阪市は、東日本大震災の発生を受け、節電対策として、市営公園に設置している噴水や人工の池など133か所すべての運転をとりやめました。
その後、一部の公園の噴水などは運転を再開させたものの、多くの施設は使われない状態が続いています。
大阪市は、運転を再開させていない噴水など96か所について、漏電などのおそれがあり、運転できない状態だと判断しています。
その上で、大阪市は、運転の再開には多額の費用がかかるなどとして、噴水などは撤去し、跡地に花壇や芝生を整備することを検討しています。
大阪市は「運転をとりやめている施設をどうするかについて判断が遅くなり、結果的に使えなくなったことは申し訳ない。早急に対応したい」と話しています。


機密費開示で最高裁判決 政府の従来姿勢は通らぬ
 政権が無条件で使えるとされる内閣官房報償費(官房機密費)の支出に関する文書開示をめぐって、最高裁が初めての判断を示した。
 支払先や金額が明記されていない文書で、相手方や使途の特定に結びつかないものについては、開示すべきだと結論づけた。毎月の機密費の支出額や残額を記載する「出納管理簿」などがこれに当たる。
 官房機密費について、政府は国の施策を円滑に進めるための経費と位置づける。2017年度予算で、年間約12億3000万円に上る。
 国は裁判で、政策課題を解決するための情報収集や、協力を依頼する経費であり、使い道を明らかにできないと説明してきた。
 使い道はともかくとして、民主党政権時代に、官房機密費の月額が公表されたことがある。
 最高裁の論理に従えば、支出先が特定できない範囲で最大限の情報公開が原則になる。まずは月ごとの支出額について、政府は公開のルール作りを進めるべきだ。
 危機管理など国内外の重要課題に当たるため、出費の全てをつまびらかにできないことは分かる。
 最高裁も、支払先や金額が具体的に記された支払決定書などについては、「不開示が相当」との高裁判断を支持し、既に確定している。
 そもそも、官房機密費が本来の目的で使われているのならば問題はない。だが、小渕恵三内閣で官房長官を務めた野中広務氏は10年、「自民党国対委員長に国会対策として月500万円、首相の部屋に1000万円、参院幹事長室にも定期的に配った」などと証言した。
 過去には、選挙対策に使われたのではないかとの疑念がもたれたこともある。
 政権維持のカネとして都合よく使われてきたのではないか。そうした目的外使用が今も続いていないとの保証はない。
 民主党の野田政権当時、藤村修官房長官が、支払い相手名を伏せて、支払決定日や金額のみを一定期間がたってから公開するとの私案をまとめたことがある。自民党が政権に復帰してそれが棚上げされている。
 政府の従来姿勢は通らない。もう一度、官房機密費の公開のあり方について議論すべきだろう。


官房機密費 いっそ廃止にしては?
 官房機密費という謎のカネがある。最高裁は一部のみの文書開示を認めた。意義ある使途なのか疑わしく、かつ精緻なチェックも受けない。将来、全面開示する義務制か、いっそ廃止にしては。
 会計検査院の対象となっているのに、領収書がないケースもあり、事実上、精密な使途のチェックができない。謎のカネだというのは、そういう意味である。内閣官房長官が管理し、官邸が自在に操れるカネだ。
 正式には内閣官房報償費というが、官房機密費と呼ばれ、実態は不明なままだ。
 ただ、小渕恵三内閣で官房長官を務めた元自民党幹事長の野中広務氏が二〇一〇年、共同通信の取材に対して官房機密費の内幕について語ったことがある。月々、首相に一千万円、野党工作にあたる自民党の国対委員長や参院幹事長に各五百万円、政治評論家や野党議員にも配っていたという。
 共産党が〇二年に公表した機密費の使途では、野党議員の高級紳士服、政治家のパーティー券、議員が外遊する際の餞別(せんべつ)、ゴルフのプレー代、洋酒、ビール券など国政とは無縁の項目が並んだ。
 そもそも機密費は、国内外の非公式な重要課題の解決のため、合意や協力を得る対価として使われる。情報提供者への謝礼などだ。その金額は毎年十数億円。一端とはいえ、使途はまともとは到底、言えない。目的から逸脱しているのは明白である。
 一九九〇年代には外務省職員が首相の外国訪問の際に宿泊費の水増しなどで、約五億円もの機密費をだまし取った事件もあった。ずさんの証左ではないのか。
 今回、市民団体が起こした文書開示を求めた訴訟で、最高裁は支払先や具体的な使途が明らかにならない明細書など一部文書の開示を認めた。だが、あまりに小さな「穴」だ。その「穴」から国民は何が見えるというのか。十億円ものカネが本当に秘匿に値する情報取得に充てられているのか。
 「知る権利」がある。もっと実態が見えないと、権力と国民の間に緊張関係は生まれない。旧民主党が〇一年に、機密性の高いものは二十五年、それ以外は十年後に使途を公開する法案を出したこともある。それも一案だ。
 いっそ機密費は全廃してしまえばどうか。本当に必要なカネは費目を明示し予算要求すればよい。議員の背広に化ける、謎のカネを権力の自由にさせておく余裕など国庫にはないはずだ。


官房機密費/「監視の目」が欠かせない
 「開かずの扉」をこじ開ける判決が確定した。
 時の政権が自由に使える内閣官房報償費(機密費)を巡り、大阪の市民団体が国に関連文書の公開を求めた裁判の上告審で、最高裁が一部開示を認める判断を初めて示した。国民の知る権利に配慮した判決といえる。
 訴訟は3件起こされ、うち2件については大阪高裁も一部開示の判決を言い渡している。最高裁で開示の範囲は狭められたが、国の全面不開示は見直される。これを足掛かりに、国民の監視の目が及ぶルールづくりにつなげたい。
 機密費はその名の通り、国の事業を円滑に進めるため政府が水面下で使う経費だ。主に国内外の極秘の情報収集などが目的とされ、年間14億円余りの予算が計上されている。
 これまで国は使い道はおろか、支出額を含む一切の公表を拒んできた。盾としたのが情報公開法の条文だ。公にすれば国の事務遂行に支障が出る、あるいは関係国との信頼関係が損なわれる場合について、例外的に非開示を認める−。裁判でも、同様の主張を繰り広げた。
 すべての情報開示を拒んできた国の姿勢は、政権を無条件で信頼しろと言うに等しい。
 これに対し最高裁は、支払い相手や使途を特定することが困難なものについては開示を認めた。具体的には、月ごとの支出額などが当たる。
 今回の3件の訴訟には2009年9月、当時の麻生内閣の河村建夫官房長官が引き出した2億5千万円が含まれる。総選挙に敗れた直後のことで、退陣までに全額を使い切ったとされ、批判の声が上がった。
 過去にも、共産党による内部資料公開や官房長官経験者の証言で、与野党議員の背広代やパーティー券の購入など不可解な使い道が浮かび上がった。
 政権が緊張感を持って国政に当たるには、国民のチェックが欠かせない。国家機密と知る権利のあり方について、国会論議を重ねる必要がある。
 言うまでもないが、機密費は国民の税金で賄われている。外交文書同様、政権は一定の期間を経た後、すべての情報を原則公開すべきだ。そして歴史の検証を受けなければならない。


官房機密費判決 透明化への足がかりに
 内閣官房報償費(機密費)に関連する行政文書の開示を国に求めた3件の訴訟の上告審判決で最高裁はきのう、月ごとの支払額などが記された一部文書の開示を認める初の判断を示した。
 本年度予算で14億6千万円の官房機密費は、時の政権の国会対策や選挙対策に使われているなどとして不透明さが批判されながら、政府は一切の公開を拒んできた。
 判決は厚い壁にようやく風穴を開けたものではあろう。
 ただ、高裁判決より後退した部分もあり、この内容では国民の知る権利に応えるのに十分とは言えない。政府は開示に応じるだけでなく、透明性を高める制度改革に着手すべきだ。
 開示が認められた文書は、官房長官が管理する「政策推進費」の受払簿をはじめ3種類ある。
 いずれの文書も、訴訟が起こされるまでは存在すら明らかにされていなかった。原告側は「毎月の使用額が分かれば、政府がでたらめな使い方をしないよう抑止効果をもたらす」と判決を評価した。
 一方で判決は、国の重要政策に関する非公式な交渉に使われるとして機密費の特殊性を認めた。
 その上で、時々の政治情勢や政策課題と照合すれば支払先や具体的使途の特定につながる部分は開示できないと指摘し、高裁判決が開示を認めた範囲を狭めた。
 政府が経費を使って外交などの機微に触れる情報を収集する必要性や、情報提供者の公開に一定の制約があることは否定しない。
 だが政府はそれをいいことに、全てを秘密にしてずさんな支出を続けてきた疑いがある。
 過去に明るみに出た内部資料や官房長官経験者の証言によると、機密費は与野党を問わず、国会議員に対して背広代や外遊する際の餞別(せんべつ)などの趣旨で渡されたこともあったという。
 事実なら公金の使途として正当性がない。機密費の原資は言うまでもなく国民の血税なのだ。
 国民の知る権利に応える情報公開は、健全な民主主義を守り、発展させる基盤である。国民の監視の目が全く届かない予算など、存在してはならない。
 政府は今後、開示すべき範囲を判決が認めた部分にとどまらず、極力広げていくべきである。
 機密費の目的や支出方法を法律で定め、一定年数が経過すれば支払先や金額、使途の公開を義務付けることも最低限の取り組みとして必要だ。国会での積極的な議論を求めたい。


トランプ1年 米国第一主義 リーダーの責任はどこに
 超大国が自国優先を振りかざし、国際協調に背を向けたままでは、世界の秩序を維持できない。
 「米国第一」が旗印のトランプ米大統領は貿易赤字削減と雇用確保を最優先にする保護主義政策を進めてきた。代表例が、多国間の自由貿易を目指した環太平洋パートナーシップ協定(TPP)からの離脱だ。
 英国の欧州連合(EU)離脱決定に続く反グローバリズムのうねりを象徴した。同時に経済大国として世界を安定成長に導くリーダーの責任を放棄する宣言でもあった。
 もっとも、この1年の世界経済は好調に推移した。TPPは発効前であり、米国離脱による景気への影響はひとまず避けられた。世界的な回復の主因は貿易の活発化と国際通貨基金(IMF)は分析している。
 第二次世界大戦後に国際社会が築いてきた自由貿易体制の成果である。もともとけん引したのはグローバル化のメリットが大きい米国だ。
 それなのにトランプ氏は、秋の中間選挙もにらんで、保護主義政策をさらに強めようとしている。
 メキシコ、カナダとの北米自由貿易協定を巡っては、離脱もちらつかせて米国に有利な見直しを迫る交渉を進めており、これから山場だ。
 最大の貿易赤字相手である中国に対しては、巨額の制裁関税を検討している。中国との貿易戦争に発展し世界経済を混乱させかねない。
 そうなれば米国にもマイナスに働く。輸出が落ち込むと雇用に響く。安い輸入品が減れば、家計を圧迫する。とりわけトランプ氏が支持を呼びかけた低所得層に痛手だ。
 より大きな国益をもたらすのは自由貿易である。だからこそ米国を中心に国際社会が協調して保護主義の阻止に取り組んできた。
 さらに米国には大きな責務がある。民主主義や法の支配など普遍的価値に基づき国際協調をリードすることだ。TPPは米国が主導し、どの国にも貿易や海外投資をしやすくする透明性の高いルールを定めた。
 経済規模では中国に迫られているが、その規範力によって米国は世界で抜きんでた存在だった。
 トランプ氏の判断基準は米国に損か得かである。実利を追うだけで協調を軽視しては孤立を深める。それは米国の利益にもならない。


トランプ大統領 国際社会振り回した1年
 トランプ米大統領が20日、就任1年を迎えた。
 就任以来「米国第一」を唱えるトランプ氏に、世界も米国内も振り回されたと言っていい。
 「世界のリーダー」として国際社会に安定をもたらすような政権運営を強く求めたい。
 トランプ氏は「米国第一」を訴え、国際協調を重視したオバマ前政権の路線を覆す政策を打ち出してきた。
 環太平洋連携協定(TPP)と地球温暖化対策の「パリ協定」からの離脱は、自国の経済的利益を優先したものだ。
 最近ではアフリカなどを「くそったれ国家」などと侮辱し、強い反発を招いた。
 これまでの中東和平に向けた国際社会の努力を無視するかのように、エルサレムをイスラエルの首都と認定した。
 こうした姿勢は他国の尊敬と期待を失い、孤立を深める。
 緊張の度を増す北朝鮮との関係でも金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長と激しい言葉の応酬を続ける。
 米国も軍事衝突は避けたいのが本音だろう。いたずらに刺激を強めるような姿勢ではなく、どう対話の道を開き、核放棄につなげるか、戦略の構築を最優先すべきだ。
 内政に目を転じてもトランプ氏の「成果」はそう多くない。
 公約で実現したのは大型減税くらいだ。前政権の医療保険制度であるオバマケアの見直しや巨額インフラ整備など、ほとんどが停滞している。支持者もこれには不満だろう。
 逆に心配なのはトランプ氏の出現によって、国民の分断が深刻化していることだ。
 共和党と民主党の支持層の溝は深まり、富裕層と貧困層の二極化や人種間の対立、移民への差別が強まる。思想信条や立場の違いが先鋭化し、不寛容なムードが広がる。極めて残念だ。
 トランプ氏の資質の問題があると思わざるを得ない。他人をののしり、ばかにする発言が後を絶たない。ツイッターへの書き込みは品格に欠け、責任あるトップの言動とは思えない。
 自身が面白くない報道を「フェイクニュース」と呼び、敵対姿勢を強める。一方で、自らを「非常に安定した天才」と自画自賛する。こうした言動も資質に強い疑問を抱かせるものだ。
 ロシアによる米大統領選干渉疑惑の捜査がトランプ氏周辺に迫る気配がある。11月の中間選挙を見据え、どう対処するのか注視しなければならない。
 トランプ氏が国際社会から浮き上がるような状況の中で、日本がマイナスを被ることがないのか。そんな懸念が募る。
 安倍晋三首相がトランプ氏と極めて親密な関係であることをアピールしているからだ。
 対北朝鮮では緊密に連携し拉致問題の解決に協力すべきだ。
 だが、今のままではトランプ氏との親密な関係がリスクを伴う可能性があることも認識しなければならないだろう。
 トランプ氏を国際協調に向けさせるため適切な助言に努める。これも安倍首相が果たすべき役割のはずだ。


トランプ政権1年 一国主義は孤立の論理だ
 「今日からはひたすら『米国第一』だ。われわれの雇用を、国境を、富を、そして夢を取り戻す。米国は再び繁栄し成功するのだ」
 トランプ米大統領が就任して1年を迎えた。下層中産階級の支持を得るべく高らかに宣言した演説は国内の分断と対立、排除の論理を増長させ、政治・経済の排外主義的手法は国際社会を混乱に陥れている。
 国際協調に背を向けるリーダーの過激な姿勢は、世界の信頼を失い孤立を深める国の象徴である。
 1周年を前に、トランプ氏は「フェイク(偽)ニュース大賞」を発表。主要メディアを標的に「最も腐敗し、偏向した」と露骨にたたいた。親和性のある一部のメディアしか信用せず、政権に批判的な記事を「フェイク」と攻撃している。
 だが、自身のツイッターで繰り出す「トゥルース(真実)ニュース」こそ虚偽に満ちていると批判を浴びる日々である。
 平均支持率は40%を切りこの時期としては近年の大統領で最低だ。当然でもあるが、民主党支持者層が1割台に対し、共和党支持者が8割超といういびつな世論形成こそ異常で、国内を一層不安定化させている。
 とりわけ白人至上主義や極右思想を掲げる過激グループ「オルト・ライト」と暴力的な「アンティファ(反ファシズム)」の衝突は深刻だ。南部では多くの死傷者が出ており、これも「負のトランプ現象」ではないだろうか。
 内憂外患は拡大するばかりだ。内政では法人税率の大幅引き下げを柱とする税制改革を形にした。公約の実現だが、財政や経済の長期展望に立ったものではなく「減税」というイメージ優先の色合いが強い。
 次なる目標は官民合わせ総額1兆ドル超の巨費を投じるインフラ整備だ。不法移民対策にメキシコ国境の壁建設にも執念を燃やす。いずれも国民の歓心を買い、秋の中間選挙で与党共和党の勝利を得る手段である。
 しかし、あらゆる政策に得意の「ディール(取引)」を駆使するトランプ流に世界は冷ややかだ。
 核・ミサイルの脅威が増す対北朝鮮政策は一貫せず愚かな言葉の応酬を繰り返すばかり。背後の中国に対しては北への制裁強化と通商政策の抱き合わせだ。
 地球温暖化対策のパリ協定離脱表明や環太平洋連携協定(TPP)離脱、カナダ、メキシコ間の北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉、さらにエルサレムをイスラエルの首都として一方的に認定するなど世界の秩序破壊に走る我欲の一国主義が止まらない。
 世界の反発を招こうと、国内で歓迎されるという打算が働いているとすれば、超大国を自壊させる危険なポピュリズムである。
 政府高官ポストも空席が目立ち、閣僚らの更迭、辞任が相次ぐ中で孤立感が深まる。追い打ちを掛けるのが選挙期間中の対抗馬に対するロシアゲート疑惑だ。大統領弾劾審議への扉が開く可能性さえはらむ。
 日米同盟を基軸にトランプ政権に追従する安倍政権は蜜月ぶりを演出するが、大局的にみれば国際協調から外れ「ディールの罠(わな)」にはまっている。国家の毅然(きぜん)たる姿勢が問われよう。


トランプ政権1年 国際協調主義へ立ち戻れ
 米国のトランプ大統領が就任1年を迎える。
 「アメリカ・ファースト」(米国第一)を推し進めて国際社会に波紋を広げ、排外主義的な言動で社会の分断をあおる。米国の内外がそんな身勝手な「トランプ流」に振り回された1年だった。
 公約通り、環太平洋連携協定(TPP)や地球温暖化対策の「パリ協定」など、前政権による国際合意から次々と離脱を表明した。
 メキシコ国境への壁建設やイスラム圏からの入国を制限する大統領令を連発した。白人至上主義者と反対派が衝突した際は人種差別を容認するような発言をし、先日もアフリカ諸国などを「くそったれ国家」と中傷したとして批判されたばかりである。
 トランプ氏の姿勢は、自らが絶対に正しく、国際協調や国際秩序の枠組みには関心がないといわんばかりだ。聖地エルサレムをイスラエルの首都と正式認定した問題では、撤回を求める決議案が国連で採択された。孤立が際立った場面だったと言えよう。
 国際社会での存在感の低下は、台頭する中国や米と対立するロシアなどを利することにつながり、世界の不安定化に拍車をかける恐れもある。国際協調主義への転換を図るべきなのは明らかだが、聞く耳はなさそうだ。
 政権に批判的なメディアに対しては「フェイクニュースだ」と攻撃する。ツイッターで感情的な言葉をはき出す。そんな「大統領らしくない」品格に乏しい行動も相変わらず続けている。
 幸い、経済は好調を維持しており、経済政策の最重要課題に挙げていた税制改革法が成立したのは成果らしい成果ではあろう。だが、大型減税は企業と富裕層ばかりを優遇し、格差が拡大するとの懸念も拭えない。
 就任以来、支持率が低迷したままの政権が2年目にどう巻き返すか。今年11月の中間選挙での審判が大きな山場となろう。
 支持者の「トランプ離れ」が進み、共和党が上下両院で握る過半数の議席を失えば、政権の弱体化は必至だ。このため、従来の政策の軌道修正を期待する声がある一方、保守層をつなぎ留めようと、政権がより内向きや挑発的になる可能性もある。
 大統領選でトランプ陣営がロシア政府と共謀したとする疑惑「ロシアゲート」からも目が離せない。トランプ氏は否定するものの、最側近らが相次ぎ訴追され、大統領の直接聴取も取り沙汰される。捜査の展開によっては政権を大きく揺るがすだろう。
 日本政府としても、予測不能のトランプ氏との間合いは難しいところだ。安倍晋三首相は一緒にゴルフに興じるなど他国の首脳より良好な関係を築いているが、言うべきことは言う真の同盟であることが大切である。米国を国際協調路線に引き戻す働き掛けも忘れてはなるまい。


トランプ米政権1年 分断から融和へかじを切り直せ
 トランプ米政権発足から1年を迎えた。「米国第一」「力による平和」―。大国のリーダーは声高に世界を揺さぶり、分断と対立をあおっている。
 暴君ぶりは目に余る。オバマ前政権の政策を覆すことが第一目的かのように、地球温暖化対策の「パリ協定」や環太平洋連携協定(TPP)からの離脱を表明。国際社会が積み重ねてきた外交努力を無にした。
 国内では高官更迭を重ね、大統領選を巡るロシア疑惑を「でっちあげ」と非難。ツイッターでメディアを「国民の敵」と攻撃し、報道が意に沿わなければ「偽ニュース」と糾弾する。経営介入もちらつかせる露骨な言論弾圧は断じて許されない。
 イスラム圏から米国への入国制限やメキシコ国境の壁建設にも固執し続ける。あからさまな「排除」の論理が、人種や宗教にかかわらず平等を旨としてきた民主主義国家の礎を崩壊させることを、深く憂慮する。
 全ての根底には、場当たり的で敵と味方に二分する短絡的な思考がある。グローバル化が進み、問題が複雑に絡み合う国際情勢下、その時々の思い付きによる独善的な外交は混乱を拡大させるだけだ。混迷の時代だからこそ、持続的で根気強い外交努力が欠かせない。影響力の重大さを自覚し、熟慮による協調路線へ早くかじを切るべきだ。
 だが、今年に入ってからもトランプ氏の傍若無人な振る舞いはやまない。移民制度の協議中に、アフリカやカリブ海諸国を「汚らわしい国」と下品な言葉で侮辱したとされる問題は、白人至上主義の差別的姿勢を改めて浮き彫りにした。責任あるリーダーの言動とは到底思えず、憤りを通り越して悲しみを覚える。国際社会からの信頼失墜と孤立は深まるばかりだ。
 先月にはエルサレムをイスラエル首都と一方的に認定、中東の混迷に新たな火を放った責任も重い。さらに先日、国連パレスチナ難民救済事業機関への支援を一部凍結した。首都認定に反発するパレスチナへの懲罰であることは疑いようがなく、経済力を盾に難民の命を脅かす冷酷な仕打ちは看過できない。
 核・ミサイル開発を進める北朝鮮に対する武力行使の示唆も危うい。近く公表する核戦略中期指針素案では局地攻撃を想定した小型核開発を打ち出し、オバマ氏が掲げた「核なき世界」の理念と決別して核戦力への依存を大きく強める方針だ。核戦争の危険を高めるだけでなく、朝鮮半島の非核化を進める上でも全く逆効果であり、決して容認できない。
 日本を含む国際社会は、トランプ氏の乱暴な手法に惑わされず、挑発に乗らず、融和に向けた「良心」を取り戻さなければならない。安倍晋三首相は、トランプ氏との蜜月を誇って安保連携を進めるが、危険の中に自ら歩み入っている懸念も募る。「良きパートナー」であるなら軌道修正を促す責任を負っていることを忘れてはならない。


トランプ政権1年 「力」より信頼の構築を
 トランプ米大統領が就任して1年になった。
 「米国第一」を掲げるトランプ氏は内政、外交、経済など、あらゆる場面で独善的な主張を押し通してきた。
 国際協調に背を向ける姿勢は、世界に重い責任を持つ超大国のリーダーとして、ふさわしくないものだ。
 平和と安定どころか、国内外に不安と混乱を振りまいた1年だったといえよう。
 就任2年目は試練が待ち受ける。米大統領選でのロシア干渉疑惑の捜査が政権中枢に迫り、11月の議会中間選挙は与党共和党の苦戦が予想されている。結果は政権の浮沈に大きく関わろう。
 トランプ氏はいつまで強硬路線を続けるつもりなのか。世界の行方を左右するだけに、その動向を注視する必要がある。
 昨年の就任以来、トランプ氏は波紋を呼ぶ行動を次々と取ってきた。
 内政では、一部イスラム圏からの入国禁止令やメキシコ国境の壁建設などを打ち出した。禁止令は合法性を巡って司法で争われ、国境の壁は野党民主党の反対で実現していない。
 最近では、アフリカ諸国などを「汚らわしい国」と下品な言葉で侮辱したとされ、新たな反発を招いている。
 宗教や人種による差別、偏見を助長し、排外主義を勢いづかせる。社会の統合が求められる中で、分断を深めるとは、一国のトップにあるまじき振る舞いである。
 国際合意を覆したのも、一度や二度ではない。環太平洋連携協定(TPP)は国内雇用を守るため、地球温暖化対策の枠組み「パリ協定」は化石燃料産業を振興するため、離脱を宣言した。
 自国の利益を最優先し、他国を顧みない態度は看過できない。保護主義の台頭や温暖化の進行は、米国にとっても脅威になるのを忘れないでもらいたい。
 懸念されるのは、「力による平和」を目指す傾向をますます強めていることだ。
 昨年末、「国家安全保障戦略」を公表したトランプ氏は中国、ロシアへの対抗姿勢を隠さず「新たな競争の時代にある」と指摘した。来月にも発表する「核体制の見直し」では、核兵器の役割を拡大する方針を盛り込むという。
 信頼関係の構築と「核なき世界」を唱えたオバマ前政権とは、まさに真逆である。軍事力で国際秩序の安定を図る考え方は、極めて危険だ。
 イラン核合意の見直し要求や、エルサレムのイスラエル首都認定など、一方的な政策転換も目立つ。
 敵か味方かで色分けし、相手を徹底的に批判する不寛容さは、多様性を尊重する米国の価値観と相いれない。
 危うい方向に突き進もうとする超大国と、世界は正面から向き合わなければならない。とりわけ日本の役割は重要だ。追随するのではなく、行き過ぎをたしなめてこそ、真の同盟国といえるだろう。


【トランプ氏1年】米国は裸の王様になるな
 この1年で米国ほど失望を招いた国はないだろう。
 唯一の超大国は急変した。「米国第一」を掲げて国際協調の流れをぶち壊し、不寛容で、排外的になった。大統領の言動は品格まで問われる始末だ。
 大国でも、自国の都合や利益をごり押しするようでは信頼や威厳を失う。それを大統領自身が気付いていればいいのだが。
 トランプ大統領が就任から1年を迎えた。
 騒動の連続だったといってよい。米国が主導してきた環太平洋連携協定(TPP)や、地球温暖化対策の枠組み「パリ協定」からの離脱を表明した。
 イランと欧米など6カ国が結んだイラン核合意も見直しを強く迫っている。民主党大統領から共和党大統領へ代わったとはいえ、あまりに乱暴なちゃぶ台返しだ。
 移民規制も強めている。メキシコ国境への壁の建設にこだわり、一部イスラム圏からの入国を禁じる大統領令を出した。
 世界に衝撃が走ったのは、エルサレムをイスラエルの首都と正式認定したことだ。アラブ諸国も西側諸国も憤り、国連総会で批判決議が採択された。当然である。中東を再び火薬庫にするつもりだろうか。
 最近では、移民問題でアフリカやカリブ海諸国を汚い言葉で侮辱し、謝罪を求められている。公の場で使う言葉ではなく、差別主義者と取られても仕方がない。
 米国の世論調査では、トランプ氏の支持率は30%台と低迷している。一方で、製造業などに携わる白人労働者や共和党支持者らの期待は依然高い。
 雇用や移民政策などを巡り、国民のエスタブリッシュメント(既存の支配層)への強い不満が、トランプ大統領を生んだ。米国社会の分断と対立は解消していない。
 ことしは秋に中間選挙を控える。野党民主党に勢いがあるという。大統領選挙を巡るロシア疑惑の捜査も進んでいる。捜査や中間選挙の行方によってはトランプ氏の弾劾訴追も現実になりそうだ。
 巻き返しへ、トランプ氏は保護主義的、排外主義的な政治をさらに推し進める可能性が高い。大型減税の法案を成立させ、経済や雇用情勢が好調なことも、強気の政策を後押しするだろう。
 核・ミサイル開発を続ける北朝鮮への圧力も強める可能性がある。軍事行動を否定しておらず、日本への影響は計り知れない。日本政府は自制を促していくべきだ。
 気になるのは、混乱する米国や国際社会を横目に、中国やロシアが国際的な存在感を高めていることだ。特に中国は自国主導の多国間経済圏構想を着々と進めている。
 世界のリーダーとして米国の使命は大きい。度量を広く、批判にも耳を傾けるべきだ。罵倒したり、「フェイク(偽)」だと片付けてしまっては裸の王様になる。


トランプ政権1年 分断と対立で弱体化
 トランプ米大統領が就任してから1年である。米国第一主義を原則とする政策は、国内外を混乱させ、過激な発言は敵対者をつくり、必要な政策の立案・遂行を困難にしている。「米国を再び偉大に」という公約とは逆に、トランプ氏は国を弱体化させたと言える。
 日本は北朝鮮問題や対中政策、経済・貿易など多くの分野で、トランプ氏の言動に左右されている。米国が一方的な対外政策をとらないよう働き掛けるとともに、米国頼りでない地域、国際政策を描き始めるべきだ。
 トランプ氏の平均支持率は40%を切り、最近の大統領としてはこの時期では最低である。より深刻なのは与党共和党支持層の間では支持率は8割を超える一方、民主党支持層では1桁という分断の出現だ。トランプ氏の政策や言動は支持者、特に一部の白人が歓迎するものが多い。秋の中間選挙で与党共和党が勝利することや、2020年の大統領選挙での再選を目標にした支持層の引き締めのためなのだろうか。これでは長期的な国益や世界の繁栄を築く意図は期待できない。
 外交は、環太平洋連携協定(TPP)やパリ協定からの離脱、北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉開始などこれまで積み上げてきた国際合意の軽視が目立つ。いったん決めた国際取り決めをほごにする姿勢は、米国の威信低下を招いた。
 特定のイスラム圏諸国からの入国制限措置や最近のアフリカやカリブ海諸国に対する侮辱発言など、人種差別、白人至上主義的な態度は物議を醸した。人種や民族の共存が理念のはずの米国で分断を深めている。
 エルサレムをイスラエルの首都と認定した決定は世界を驚かせた。これも、米国世論の大半が親イスラエルであり、国内では反発より歓迎されるという打算が見え隠れする。中東の将来を描いた上の政策ではない。
 内政面では30年ぶりといわれる税制改革を実現した。しかし富裕層を除いて長期的には恩恵は乏しい。米国財政や経済の長期展望に立ったものではなく、「減税」のイメージが国民全体を喜ばせるという狙いが大きい。
 メディアとの対立も深まるばかりだ。トランプ氏は就任1年を前に「偽ニュース賞」を発表し、CNNやニューヨーク・タイムズ紙など伝統的メディアを敵に回す手法を強めている。これも自分の支持層はこれらのメディアに反発していることから、メディアとの戦いは選挙で有利に働く、との本音が透ける。
 トランプ氏にとって最大の懸念は、選挙期間中に陣営がロシアと共謀して対抗馬のクリントン氏にダメージを与える工作を行ったとのロシアゲート疑惑の捜査の行方だろう。元側近らが特別検察官に聴取され広がりを見せ、政権の安定性に疑問符がついている。政府の高官ポストも多くが空席のままで、十分な政策遂行は不可能だ。
 トランプ氏のこの政治スタイルは、中間選挙を控えた今年の米国は政治色が強まるために、むしろ拍車がかかりそうだ。分断と混乱の継続は、米国の力をますますそぐ。
 北朝鮮も中国も、約束を守らず、世論対策優先の米国と真剣に交渉する気は起こらないのではないか。日本は米国との付き合い方を考えなければならない。それほど、トランプの米国は世界に衝撃を与えている。(共同通信・杉田弘毅)


[トランプ氏1年] 分断広げる「米国第一」を続けるのか
 残念なことに超大国のリーダーとしての品格が全く感じられない。北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長を「ロケットマン」と呼び、アフリカやカリブ海諸国を汚い言葉で侮辱したとも伝えられる。
 トランプ米大統領が就任して1年になる。世界の指導的立場を放棄したような言動には、米国民ならずとも失望を禁じ得ない。
 メキシコ国境の壁建設や医療保険制度(オバマケア)の見直しなど公約実現は軒並み停滞し、内政で目立った成果はない。
 外交では「米国第一主義」を掲げ、地球温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」や環太平洋連携協定(TPP)からの離脱を表明した。エルサレムのイスラエル首都認定では国際社会の強い反発を招くなど、自ら孤立を深めている。
 核・ミサイル開発を続ける北朝鮮政策では、「力による平和」を掲げるトランプ政権のもと、軍事衝突への懸念が消えない。
 国際秩序に背を向ける排外的な政策により、米国や世界が分断と排除の論理に覆われてしまうことを強く憂慮する。
 11月には中間選挙がある。トランプ政権の約2年間に対する国民の審判はどうなるか。
 支持層をつなぎとめるため、さらに内向きの政策を打ち出すことも予想される。試練の2年目とどう向き合うのか、世界が注目している。
■平和への責任重い
 政権1年目で目立ったのは、自国ばかりを優先し、「力による平和」を追求する姿勢だ。
 北朝鮮に対する圧力強化は必要だとしても、平和的な解決への道筋は一向に見えてこない。
 それどころか「核のボタンが机上にある」と述べた金委員長に、トランプ氏は「私の核のボタンの方がずっと大きく強力で、しかも作動する」と応酬する始末だ。
 核兵器をもてあそぶように子どもじみた威嚇を繰り返す両者は、東アジア地域の緊張を高めるばかりだ。
 昨年12月に公表した外交・軍事の羅針盤となる「国家安全保障戦略」は、圧倒的な軍事力の維持と経済再建を前面に打ち出し、「力」によって米国の優位を保つ方針を明確に示した。
 中国やロシアを国際秩序の現状変更を試みる「修正主義国家」と位置付け、あからさまに力を競い合う姿勢を見せる。
 来月発表する核戦略の中期指針「核体制の見直し」でも、「核なき世界」を掲げたオバマ前政権の戦略を変更し、核兵器の役割拡大を盛り込んでいる。
 核兵器の廃絶も、北朝鮮への国際包囲網も、国際社会が共通の目標を持って結束しなければ達成することはできないはずだ。
 トランプ政権には、理想を持って世界平和に貢献する重い責任を思い出してもらいたい。
 国内支持層向けの政策も、国際社会の不安定さを招いている。
 トランプ氏はエルサレムをイスラエルの首都と認定し、テルアビブにある米大使館の移転準備を始めるよう指示した。
 中東政策の変更は、大統領選での公約を実現することが狙いだ。だが、世界各地に反発のデモが広がり、反米感情が高まっている。
 国連が米政府に認定の撤回を求める決議案を採択した際には、トランプ氏は経済支援の削減を警告し、各国に圧力をかけた。
 高圧的な外交は到底認められない。あらためて中東和平実現への努力を促したい。
■支持率は最低レベル
 トランプ政権は昨年末、重要公約の税制改革法をようやく成立させた。だが、法人税減税が柱であり、最大の受益者は企業と富裕層だ。多くの国民に恩恵は乏しい。
 大統領の言動をきっかけにした人種や宗教の違いによる分断が広がり、メディアとの対立も続く。好調な経済を背景に上昇する株価とは対照的に、就任1年目の支持率は30%台で戦後最低レベルだ。
 トランプ氏の支持率と連動する形で共和党の支持率も民主党より10ポイント程度低い。政権への失望感が中間選挙での民主党への追い風となれば、政権と議会の「ねじれ」が起き、その後の政策運営は滞りかねない。
 さらに、ロシアによる大統領選干渉疑惑の捜査が進み、大統領の訴追や罷免に発展する可能性さえ出てくる。
 気掛かりなのは、トランプ政権への追従を強めるばかりの安倍政権の姿勢である。
 安倍晋三首相はトランプ氏とファーストネームで呼び合い、電話でも何度も会談するなど親密さを誇示している。
 日本と米国が経済的にも安全保障上も重要なパートナーであることは確かだ。だが、昨年来日したトランプ氏は防衛装備品の購入を露骨に迫っている。米国の言うがままに日本の防衛費を増大させることは許されない。
 安倍首相は「(日米の)首脳同士がここまで濃密に絆で結ばれた1年はなかった」と述べている。
 揺るぎない絆を強調するなら、米国による北朝鮮への軍事行動の可能性があれば、外交努力を重ねるよういさめる必要がある。
 日本はアジア諸国やEUなど、各国の指導者とも連携を深め、世界の秩序や人権、民主的な政治を守るため行動するべきだ。


安倍不在中に麻生・岸田会談で語られたこと
 ★何やら副総理兼財務相・麻生太郎に、不穏な動きがある。15日には、自民党政調会長・岸田文雄との密会が報じられた。この2人だけの2時間に及ぶ会談は、岸田が持ち掛けたと言われ、麻生は「3月まで態度は保留にしろ」、「とにかく2位を目指せ、そうすれば…」と逆転勝利を示唆したという。密会の中身が速報のように永田町を駆け巡ったのだから、党内はピリピリムードだ。 ★「それも、首相・安倍晋三が外遊中の出来事ということもある。外交で言うなら、官邸が国会開会中を理由に、安倍の平昌五輪(ピョンチャンオリンピック)開会式欠席を示唆しているのに対して、自公幹部は『出席すべき』と言い出していることも気になる」(首相の出身派閥・清和会中堅議員)。共産党委員長・志位和夫が開会式出席を発表したことで、国会開会中という理由も成り立ちそうにない。 ★党内からも、首相に対して風当たりが強くなり始めているのはなぜか。閣僚経験者のベテラン議員が言う。「1つは各議員が年末年始に地元に帰り、森友・加計学園疑惑のことを支持者から聞かれて、うんざりしているということだ。当事者は安倍夫妻だし、国税庁長官批判を言われても、自民党が守っているわけではないという空気が、党内に出ている。そして天皇陛下に対して、官邸が極めて冷たく扱っており、有権者からは首相と陛下はそりが合わないのか、とか陛下にもっと敬意を払うべきだという声も出ている。党内の議員にも賛同者が多い」。 ★長期政権の弊害は、絶えず新機軸を打ち立てないと、国民から飽きられてしまうことだ。また、官房長官、財務相と顔ぶれが同じなのも、新鮮味に欠ける。冒頭の麻生戦略も、常識ならば安倍再選。ただ、この空気をうまく利用できれば、評価はあっても人気のない政権を変えられるという思いからかもしれない。

河北抄
 大学入試センター試験の地理Bで今年、「ムーミン」を取り上げた問題が出た。フィンランドのアニメと言語の正しい組み合わせを選ぶ設問で、出題自体が反響を呼んだ。さらに、その後「ムーミンの舞台がフィンランドとは断定できない」との指摘もあり、波紋を広げた。
 フィンランドと聞いて、仙台市との親密な関係が思い浮かんだ。健康福祉センターの建設構想で基本合意した2001年以降、各分野で交流を深めてきた。東日本大震災後は義援金が届き、市内のイベントにムーミンがやって来て子どもたちの心を癒やしてくれた。
 各キャラクターが描かれた遊具が届き、泉区の七北田公園に「キートス(ありがとう)広場」が開設されたのが13年7月。遊具贈呈のため、在日フィンランド大使館が骨惜しみせずに動いてくれた。
 同大使館が今回、公式ツイッターで粋なコメントを発している。「受験生の皆さん、これを間違えても人生はまだこれから。応援してるよ!」「ムーミン谷はきっとみんなの心の中にある」。温かい言葉に、キートス。


近畿財務局 森友交渉の文書開示 内部で検討の詳細な記録
 学校法人「森友学園」への国有地売却を巡り、財務省近畿財務局が学園との交渉について、役所内部で検討した詳細な文書を保管していたことが明らかになった。財務局が19日、毎日新聞の情報公開請求に開示した。財務省はこれまで国会で、学園との交渉内容について「記録を廃棄した」として詳しい説明を拒んでいた。文書の存在が初めて確認された。
 開示されたのは、財務局が2016年3〜5月に作成した「照会票」と「相談記録」。毎日新聞が昨年9月、「学園との面談・交渉に関する文書」として請求していた。国有地の売却担当者が、学園との交渉経緯を記した上で、財務局の法務担当者に、国の対応に法律上の問題がないか質問し、回答を受けた内容が記されている。
 3月24日付の文書によると、学園は17年4月開校予定だった小学校建設のために借りた国有地から廃棄物が見つかったとして、財務局に「開校が遅れたら大変なことになる」などと対応を要求。学園は「土地を安価に買い受けることで問題解決を図りたい」「無理であれば事業を中止して損害賠償請求をせざるを得ない」などと安値売却を持ちかけていた。
 これを踏まえ、財務局の売却担当者が「国は貸主として法的にどういう責任を負うか」と質問。法務担当者は学園から契約解除や損害賠償請求などの可能性があるとして、「速やかに方針を決定した上で、義務違反を免れる方策を講じることが望ましい」と早期の対応を促していた。
 さらに、4月22日付の文書では、学園側弁護士から「価格が折り合って買い受ける場合、損害賠償請求などは行わない」と提案されたことを記載。財務局の売却担当者が学園からの賠償請求を免れる方法を質問、法務担当者は売買契約書の文案を添削していた。
 国有地を巡っては、財務局が16年6月、鑑定評価額からごみ撤去費約8億円を値引きし、学園に1億3400万円で売却したことが明らかになっている。
 近畿財務局は19日、毎日新聞の取材に「(相談記録などの文書は)面談・交渉記録とは考えていない。面談・交渉記録に関連して、財務局が保存・作成している文書として開示した」と回答した。【岡村崇、宮嶋梓帆】
説明なく不誠実
 NPO法人「情報公開クリアリングハウス」の三木由希子理事長の話 財務省はこれまで国会で、学園との面談・交渉記録などを「廃棄した」と答弁してきたが、交渉経緯の一端を記した「相談記録」などの文書を開示せず、存在を説明してこなかったのは極めて不誠実だ。今後の国会では、これまでの答弁や財務省の姿勢が厳しく問われるべきだ。


安倍首相に逆らった森友・籠池氏は6カ月間勾留、不正払い下げの財務省職員は栄転
 昨年日本を騒がせた森友・加計学園、「もり・かけ」問題は、今年も初頭から引き続き国会やメディアで再燃することが確実視される。忘れてはならないのは、年末から初春にかけて、安倍晋三首相と夫人・昭恵氏の縁故者として当初は優遇措置を受けてきた森友学園元正副理事長の籠池泰典・諄子夫婦が、暖房のない拘置所に勾留され年を越したことだ。
 籠池氏が安倍首相の縁故者から“敵対者”へ転換したきっかけは、単に寄付を受け取ったという事実を述べたことにすぎない。安倍首相が、“私や妻が森友問題に関与していれば安倍首相が議員を辞職する”と国会答弁したことに端を発し、籠池氏が昭恵夫人から100万円の寄付を受け取ったことを証言したことにある。籠池証言では、昭恵氏は首相から渡してほしいと言われたという。明らかに安倍首相夫妻の関与を示す内容だった。籠池氏は、偽証が犯罪に問われる国会で証人喚問に立ち、100万円を受け取った旨の証言した。それに対して昭恵夫人はその事実を否定しつつも、証人喚問はもちろん記者会見にさえ応じていない。その意味では客観的には、籠池氏の主張に軍配があがっている。
 森友問題は国会で野党による追及が続いたが、政府は情報隠蔽を続けた。そうしたなかで数々の情報提供を行い、格安払い下げの森友問題の闇に光を当ててきたのは、籠池氏である。その情報提供する協力者である籠池氏を、なぜ大阪地検特捜部は逮捕・勾留するのか。たとえば元東京地検特捜部検事の郷原信郎弁護士は、詐取したとされる補助金は返却し、捜査資料は家宅捜査で根こそぎ持ち去りながら、籠池夫妻逮捕を罪証隠滅や逃亡の恐れで逮捕したことに疑問を投げかけている。
 昨年7月31日、大阪地検は校舎建設費用への補助金を過大に請求したとして籠池夫妻を逮捕し、8月21日には幼稚園への補助金で詐取があったとして再逮捕した。しかしこの補助金は、森友学園の核心である国有地の格安払い下げの問題とは異なり、校舎建設に木質系素材を利用したことに関する補助である。また幼稚園運営の中での補助金も、自治体行政との問題であり、これまで行政指導が正しく行われてきたかなどの点検が先であり、巨悪を許さないための特捜検察が乗り出す問題なのか、先の郷原弁護士も批判している。つまり明らかに別件逮捕である。
 不当逮捕の怖れがある容疑者を、猛暑の夏から厳寒の冬まで半年も拘置所に拘置しているのである。自由に発言し森友問題の裏が明かされるとまずいということで拘留を続けているとしたら、これはもう国家権力による弾圧といえる。
 一方、森友問題で当時払い下げの承認権限を持つ財務省理財局長だった佐川宣寿氏は国税庁長官に就任し、当時財務省事務次官だった田中一穂氏は政府系金融機関の日本政策金融公庫総裁に就任している。すでに、森友問題は、会計検査院が財務省による格安払い下げの根拠について「根拠不十分」「不適切」と報告し、新たな局面に入った。何人もの官僚たちが法令に違反し不当に処分を行っていたことが、特別国会での会計検査院院長の答弁でも明らかになった。関与した財務省、国交省の官僚たちの行為は、財政法9条「国の財産を適正な対価なく、譲渡・貸付を行ってはならない」に違反する行為であることも、指摘されている。
 ところが、これら官僚たちを訴えた告発状(背任罪と公用文書毀棄罪)は、東京地検特捜部で受理され、大阪地検特捜部に移送されているはずが、捜査や逮捕の動きはいまだ聞こえてこない。結局、安倍首相に逆らう者は逮捕し、恭順を示すものは恩賞にあずかるという不公平な采配に検察自体が加担し、放置しているようにみえる。森友問題を捜査する大阪地検特捜部は、籠池夫妻を拘置所に閉じ込め、不正関与の官僚たちは家族と共に正月を祝う。巨悪を許さない検察特捜部の存在すら問われる事態になっている。
なぜ大阪地検は事件解明の協力者、籠池氏を逮捕したのか
 森友問題の捜査は、籠池氏を逮捕すれば道が開けるのであろうか。格安払い下げの権限は、財務省や国交省の官僚にあり、一民間人である籠池氏が左右できるものではない。籠池氏が企て要請したとしても、なぜ籠池氏に財務省、国交省の官僚たちが従い、ただ同然の払い下げが実現したのか。安倍昭恵氏が、森友学園が設立する小学校の名誉校長であったことや安倍首相の存在なくして実現するはずはない。
 市民団体は、東京地検特捜部に以下の2点を訴える告発状を提出していた。
(1)背任罪の訴え:国有地払い下げの根拠となっていた2万トンの埋設ごみは、各種資料から考えて存在せず、埋設ごみを理由とする鑑定価格の9割引き、金額でいうと8億円の値引きは、国家財政を損なうものであり、なおかつ2万トンの埋設ごみがないことを官僚たちは知っていた。
(2)公用文書毀棄罪の訴え:森友関連の交渉経過を示す文書記録が廃棄され、また契約文書に関する資料なども廃棄されたとして公表されなかった。
 昨年5月に両告発状が出されていたが、4カ月放置され、9月に東京地検の森本宏東京地検特捜部長が就任したその週の内に受理が決まり、森友問題を所管する大阪地検特捜部に移送されたが、大阪地検特捜部では再び放置されている。
 森友問題が2017年の国会で論議されすでに1年近くになるが、それでもなお国民が関心をそらさず、世論調査でも安倍内閣による措置に納得しないが8割近くを占めている。国民が注目する問題として継続しているのは、下記の4点によると考えられる。
・あまりに非常識な値引きが、国有財産の払い下げで行われた。
・安倍首相が、昨年2月の福島伸享(民進党;当時)衆議院議員の質問に、「私や妻が関与していれば議員を辞める」旨の発言をした。
・昭恵氏が森友学園が設立する小学校の名誉校長に就任していた。
・籠池氏が上記小学校開校の見込みがなくなるなかで、安倍首相とは距離を置き、昭恵氏から100万円を受け取ったことを証言し、その後も縁故者として便宜供与を受けた立場から情報の提供を続けた。
 籠池氏は、証人喚問での証言に加え、その後も格安払い下げの経過について民進党の調査チームで証言したり、ジャーナリストの菅野保氏を通して音声データ、メモ、メールの記録などの物証を公表し、菅野氏も「週刊朝日」(朝日新聞出版)などの媒体でそれを報告した。一方、国会論議で政府は「記録は廃棄された」「記憶にない」「払い下げは適切」といった隠蔽に終始した。
 籠池氏の拘留の理由は、罪証隠滅と逃亡の怖れということであるが、証拠隠滅どころか次々と証拠を明らかにしてきたのである。また顔はすでに全国に知れ渡り、逃亡の可能性は低い、前出の郷原弁護士は「逮捕の理由はない」と指摘している。
安倍首相の不正にメス
 東京地検特捜部は森本特捜部長の就任以来、前述のとおり森友問題をめぐる市民団体の告発状を受理し、昨年12月にはスーパーコンピュータ開発会社PEZY Computing社長の齊藤元章氏を補助金不正受給容疑で逮捕、そしてJR東海が進めるリニア新幹線をめぐりスーパーゼネコン4社による談合問題に、公正取引委員会と協力して、捜査に入っている。
 齊藤氏の事業では、強姦の疑いで民事訴訟を起こされている元TBS記者の山口敬之氏が資金集めに関与していたと報じられているが、山口氏は以前より著作本「総理」を持ち歩き、安倍首相と親しい関係であることを公言している。また、リニア工事に国は財政投融資を3兆円投入しており、談合を仕切っていた大林組社長は安倍首相のゴルフ仲間であると日刊ゲンダイは報じている。
 東京地検特捜部は、安倍首相が関与してきた数々の不正行為にメスを入れ始めたように見える。会計検査院に続き、公正取引委員会、そして東京地検特捜部が、行政が歪められている事態に対し動き出した。大阪地検特捜部もこの動きに追随し、森友問題の本格捜査に入ることを期待したい。
 森友学園への国有地払い下げに当たって役所で決済や窓口の指導など直接関与していた職員が10人を下らない点を考えると、窓口職員が個々に違法行為を犯した刑事責任という意味合いを超え、上からの命令で動いた可能性が問われる森友疑獄事件へと発展する可能性がある。まさに巨悪を許さない特捜部の出番である。籠池氏の逮捕・勾留・接見禁止がこのまま続き、官僚たちの不正行為が放置されれば、法治国家が危機にさらされる事態になりかねない。(文=青木泰/環境ジャーナリスト)


のんやローラも救われる? 公正取引委員会がタレントの独立を阻む所属事務所の圧力を独禁法違反と認定
 昨日、芸能界にはびこるブラックな労働状況を是正するために大きな一歩が踏み出された。
 タレントやスポーツ選手などフリーランスの働き方をする人に対し、雇い主が移籍制限などの不当な契約を強いることは独占禁止法違反にあたる恐れがあると、結論づける方針を固めたというのだ。
 公取委は昨年8月よりこの問題に関する調査を開始。有識者会議を行うなど検討を重ねていた。その結果、芸能人などが所属事務所を辞める際に、他の事務所と契約できないなどの状況は法的に問題があると結論づけられたのだ。
 公取委がこのような検討に入った背景には、もちろん、ここ最近頻発している芸能プロとタレントとのトラブルがある。
 公取委は昨夏の調査開始に先立って、委員会内に設置されているCPRC(競争政策研究センター)で、『芸能人はなぜ干されるのか?』(鹿砦社)の著者である星野陽平氏を呼んで勉強会も行っていた。
 そのレポート「独占禁止法をめぐる芸能界の諸問題」には、SMAP、安室奈美恵、江角マキコ、清水富美加をめぐる嫌がらせの事例が並んでいた。
 たしかに、こうした事例は独占禁止法に違反する可能性が極めて高い。飯島三智マネージャーの処遇をめぐって勃発した、ジャニーズ事務所からSMAPへの独立妨害と度重なる干し上げと嫌がらせに関してはもはや説明不要だと思うが、こうした圧力は、稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾がジャニーズ事務所を独立したいま現在でも続いている。
 また、今年の9月をもって歌手活動を引退する安室奈美恵も2014年、所属していたライジングプロダクションから移籍しようとした際、メディアからバッシングに遭うことになる。バーニングプロダクション系列であるライジングプロダクションは、御用メディアを使い「安室は18歳年上のプロモーターに洗脳されている」といった報道をさせ悪評を書き立てられた。
 このいやがらせの構図はいま現在でも続いている。昨年11月に発売され、現在では200万枚越えの驚異的なセールスを記録しているベストアルバム『Finally』だが、このアルバムでは収録曲45曲のうち、ライジング在籍時代の39曲は当時の音源ではなくなぜか歌い直し直している。
能年玲奈はじめ、事務所の圧力でキャリアを潰されたタレントたち
 これらの事例に対して、独禁法違反の排除措置命令を芸能事務所に出すことになるのは、一般的な社会通念からいって至極当然のことともいえる。いや、むしろ遅きに失したと言ってもいいだろう。
 こういった嫌がらせで特にひどかったのが、のん(能年玲奈)のケースだ。前所属事務所であるレプロエンタテインメントとのトラブルにより独立することになった彼女に対し、バーニング系列であるレプロは「週刊ポスト」(小学館)や「女性セブン」(小学館)といった御用メディアを通じ、「能年は旧知の演出トレーナーに洗脳されている」といった内容の記事を発信させた。
 のんに対する嫌がらせはこれだけにはとどまらない。事務所独立にあたり「能年玲奈」という名前を使用するのであればレプロの許可が必要との申し入れを行い、彼女は本名である「能年玲奈」を捨て「のん」に改名せざるを得なくなったのだ。
 また、復帰後にアニメ映画『この世界の片隅に』で主演声優を務めた際には、在京キー局の番組から締め出されてプロモーションができないという事態も起きた。16年8月には、『めざましテレビ アクア』(フジテレビ)への出演が告知されたものの、実際の放送に彼女の姿はなかったという騒動も起きている。急きょ出演がなくなった理由は明かされなかったが、その裏にはレプロと、そのバックにいるバーニングからの圧力があったのではないかといわれている。
 のんのケースに関しては、バーニングに忖度するメディアからの嫌がらせが殊更にひどく、彼女の出世作『あまちゃん』(NHK)の資料映像を使う際には、のんが出演するシーンを巧妙にカットして使用するということも繰り返された。宮藤官九郎は「週刊文春」(文藝春秋)16年7月7日掲載の連載コラムで〈そう言えばトーク番組で『あまちゃん』の話題になり懐かしい映像が流れたのですが、映像使用の許諾が取れなかったのか、アキ(能年玲奈さん)がワンカットも映ってなかった。代わりに前髪クネ男(勝地涼くん)がガッツリ映ってて笑った。あまちゃんは能年さんの主演作ですよ、念のため〉と綴ったこともあった。
 芸能プロダクションとのトラブルが原因で嫌がらせを受けたり、継続的な活動ができないといった状況に追い込まれる例は他にも数多ある。暴力団と交際した過去があったとして事務所独立後に干された松方弘樹、独立後に引退報道や悪評をメディアに書き立てられた水野美紀と鈴木亜美、個人事務所の元社長と元専務を解任したところ、バーニングが元社長側につき、紅白歌合戦の連続出場まで途絶えた小林幸子など、挙げていけば枚挙に暇がない。
公取委決定でローラや元NMB48の渡辺美優紀はテレビに復帰できるのか?
 最近も、こうしたケースは続いている。たとえば、タレントのローラは10年契約、さらに10年後も事務所の承諾がないと契約更新を断れず自動的に更新されるという半永久的奴隷契約を結ばされていたことが発覚。ローラがこれを不当として独立を強行したところ、訴訟をちらつかせ、テレビにほとんど出演できなくなってしまった。
 また、昨年4月には、元NMB48の渡辺美優紀の出演するインターネット生放送番組が直前になって放送中止になる騒動もあった。グループ卒業と同時に吉本も退社したメンバーには2年間待たなければ芸能活動をすることができない「2年縛り」があるとされており、渡辺美優紀の番組の放送中止はこの縛りを理由にクレームを受けたからなのではないかといわれている。
 今回の公取委の結論により、こうした芸能界の「ブラック体質」にもようやく改善されていくのだろうか。そして、ローラやのんもテレビに復帰できるのか。
 しかし、その一方で、別の問題も指摘されている。
 たとえ法的に認められなくなったところで、プロダクションやテレビ局などが「忖度」し合って事務所を抜けたタレントの仕事を干し上げるような状況が変わらなければ、結局のところ現状のままなのではないかという心配だ。
 そのような懸念が出るのには理由がある。
 昨年7月に公取委が調査検討に入ったニュースを取り上げたメディアはNHKと朝日新聞だけで、他はほとんど取り上げていないのだ。とくに民放は、このニュースを一秒も報じていない。民放のワイドショースタッフが苦笑しながら語る。
「それはそうでしょう。テレビはこういう芸能プロの圧力、嫌がらせの共犯者のようなものなんですから。報道なんてできるはずがない。うちの番組では、最初から企画にもなっていません」
 こういった事情がある以上、先にあげたような懸念が現実となる可能性もおおいに考えられる。
 いずれにせよ、今回の公取委の方針は大きな前進ではある。
 ただ、これを本当の意味での労働環境是正の足がかりにできるかどうかは、これからにかかっている。その動向をしばらくチェックする必要がありそうだ。(編集部)


エンプラ佐世保寄港から50年 600回目のデモ行進で反戦訴える
 反戦や反核基地化を掲げ抗議活動が展開された米原子力空母エンタープライズの佐世保初寄港から50年を迎えた19日、佐世保市内ではデモ行進や講演会があった。
 エンタープライズは1968年1月19〜23日、「補給、休養」を目的に寄港。米原子力空母が日本の港に入ったのは初めてで、全国から結集した学生や労働組合員ら反対派が警察隊と市街地で衝突。逮捕者70人、500人以上の負傷者を出す流血の惨事となった。
 「19日佐世保市民の会」は翌月から毎月19日に市中心部のアーケードでデモ行進をしている。この日は約60人が参加。初回から参加している元中学校教諭の森達郎さん(82)は「基地がある限り、佐世保は戦争に巻き込まれる恐れがあるという危機意識を、特に若い人に持ってほしい」と話した。
 デモ行進に先立ち、寄港当時に抗議活動を展開した三派系全学連の委員長だった秋山勝行さん(76)=福岡市在住=が「エンプラ闘争から50年」と題し市内で講演。「日本はこの50年間、戦争をしていない。50年後に平和な日本を引き継ぐ責任が私たちにはある」と訴えた。


エンプラ闘争 50年 60人、600回目の反戦デモ 長崎・佐世保
 長崎県佐世保市の佐世保港に米海軍の「エンタープライズ」が原子力空母として国内初入港し、全国から集まった反対派と機動隊が衝突した「エンプラ闘争」から19日で50年となり、佐世保市で反戦デモがあった。デモは入港翌月から毎月19日に実施され、今回で600回。半世紀にわたる活動を主催する「19日佐世保市民の会」は「平和について考える運動の種火を守っていきたい」としている。
 闘争当時は、ベトナム戦争に日本が巻き込まれるとの危機感があった。佐世保市史によると、米軍佐世保基地へ突入を試みるなどした学生らは延べ約4万6000人に上り、延べ約4万人の機動隊員らが警備に当たった。一般市民を含め555人の負傷者が出た。
 反戦デモ参加者は300人を数えた時もあったが、最近は15人前後。19日の節目のデモには約60人が集まり、約1キロ行進した。闘争経験者で、元中学教諭の森達郎さん(82)は「抗議の意志を行動で示したい」とこの日も列に加わった。
 記念集会もあり、闘争を指揮した秋山勝行さん(76)らが出席。同会の事務局を務める宮野由美子さん(69)は「反戦の種火があれば、大きく燃え上がることもある」と訴えた。
 一方で、日本を取り巻く東アジア情勢を踏まえ、地元では日米安保に理解を示す声もある。佐世保商工会議所の前田一彦会頭(86)は「当時のエンプラ入港はやむを得なかったし、防衛拠点としての佐世保の重要性は今も変わらない」と話す。【峰下喜之】