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歌舞伎町ゴジラ180317

Japon: Le nouveau doyen de l'humanité est âgé de 112 ans
Le nouveau doyen de l’humanité est un Japonais. Il s’agit de Masazo Nonaka, 112 ans, a annoncé ce mardi le Guinness des records. Selon la famille de Masazo Nonaka, ses secrets de longévité sont basiques : il admet un faible pour les sucreries et de longs bains dans les sources d’eau chaude.
Né le 25 juillet 1905, le vieil homme a reçu un certificat officiel dans sa maison de Hokkaido, la grande île japonaise du nord du pays. Il succède à un Espagnol, Francisco Nunez Olivera, décédé en février à l’âge de 113 ans.
≪ Il adore manger toutes sortes de bonbons ≫
Le centenaire vit avec sa famille, qui gère un ryokan, auberge traditionnelle où les visiteurs peuvent se prélasser dans des onsen (source volcanique chaude).
≪ Il se déplace en fauteuil roulant mais est en bonne condition ≫, a raconté Yuko Nonaka, sa petite-fille. ≪ Il adore manger toutes sortes de bonbons, japonais ou de style occidental ≫, a-t-elle dit. ≪ Il lit les journaux tous les jours et se baigne souvent dans des onsen ≫.
Il a sept frères et une soeur qui habitent à proximité, selon le Guinness. Marié en 1931, il a eu cinq enfants.
Le Guinness des records mène par ailleurs des recherches pour identifier la doyenne de l’humanité, qui reste inconnue après le décès de la Jamaïcaine Violet Brown, 117 ans, en juillet 2017.
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フランス語の勉強?
国公労連 @kokkororen
前川喜平・前文科事務次官からご発言。2015年の今治市と首相秘書官との面会記録が出てきた加計問題は、もうもみ消すことはできないだろう。公務員は政治家に私物化されている状態で、本当に酷い目に遭っている、公務員経験者としては可哀想でならない。公務員が本当のことを言える状態を作ることが大事
江 弘毅 @kohirok
午前中の神戸女学院の授業を終えて近大へ。偏差値は近い(はず)なのに、この著しい違いは何やろ。手触りから空気感、学生らのコミュニケーションやノリ、昼に食べてるもんまでちゃうんちゃうか。大学は偏差値で表されないし、偏差値の傾斜だけで行くもんちゃうとつくづく思う。
中沢けい @kei_nakazawa
だいぶ、日本の「右傾化」の本体に近づいてきた感じ。経済産業省の原発推進派の官僚たちが安倍ちゃんを御神輿にして、御神輿を担いだのは憲法改正命の生長の家原理主義者、歴史修正主義者、排外主義者、ネトウヨ、アンチリベラル。現実を見ようとしない人たちが結集したというわけかしら。官房機密費も使えるし、広告発注できなくなった原発広告・広報費も使えるから、そりゃ、お金はあるようねえ。ビジネスウヨクも生まれるはずだ。世論操作の方法も印象操作の方法もよく研究されているから使い方も心得ている。そこへもってきて放送と出版は構造的な不況の末期だし。

朝どうにかトーフを食べてみました.なんとなく酸っぱいような気もしますがよくわかりません.最後の1/7くらいはポイしました.ヤバかった?かもしれません.
昼はお腹すきません.とりあえずビスケットだけ食べました.
夕方のキソキソでは元気な若者が多いです.自分のことを問題児と言って喜んでいる女子がいました.

<震災遺構>岩手・大槌旧庁舎解体「予算案提出に疑義」 反対団体質問状
 東日本大震災の津波で被災して解体することになった岩手県大槌町の旧役場庁舎について、拙速な解体に反対する住民団体「おおづちの未来と命を考える会」は9日、解体関連予算案の提出方法に疑義があるとして町に公開質問状を出した。
 質問状は、平野公三町長が昨年12月時点で予算計上を明言していた解体関連費について、実際には2018年度一般会計補正予算案に盛り込んだことを疑問視。地方自治法に抵触しないかどうかを尋ねた。
 自治法は「当初予算の編成後に追加や変更が生じたときに補正予算を提出できる」(218条)としている。3月定例町議会で町は、当初予算が可決された直後に補正予算案を提出していた。
 このほか(1)解体後の跡地を防災用空き地にする方針と町防災計画などとの整合性(2)震災発生時の町災害対策本部の対応に関する検証の徹底度−などに疑問を呈した。20日までに文書で回答するよう求めている。


名取・閖上津波訴訟 遺族側が控訴
 東日本大震災の津波で乳児を含む家族4人が名取市閖上地区で死亡・行方不明になったのは、市の防災行政無線の故障などが原因だとして、仙台市の夫婦ら遺族が市に約6700万円の損害賠償を求めた訴訟で、遺族は9日、請求を棄却した仙台地裁判決を不服として仙台高裁に控訴した。
 仙台市内で記者会見した遺族側の小野寺義象弁護団長は、市の対応と死亡との因果関係について「助からなかった可能性を完全に排除することは不可能だが、合理的に考えれば、無線が鳴っていれば助かったと言えるはずだ」と述べた。
 3月30日の地裁判決は、震災当日の地震の揺れで故障して鳴らなかった無線管理の不備を指摘しつつ、故障は予見できなかったと判断。市が広報車での避難呼び掛けを見送った点も併せ、死亡との因果関係を否定した。


石巻専修大と高校生がまちづくり情報館案内チラシ作成
 石巻専修大(石巻市)の学生と市内4校の高校生が協力し、東日本大震災からの歩みを伝える市復興まちづくり情報交流館の案内チラシを作った。牡鹿、雄勝、北上の3施設分をそれぞれデザインし、3月下旬から各施設で配っている。
 チラシはA4判二つ折りのカラー4ページで、各施設紹介のほか、神社や公園、仮設商店街など各地の観光情報を写真付きで説明し、日本語と英語を併記した。4校は石巻高と石巻北高、石巻桜坂高、石巻好文館高。
 交流館は市中心部の中央館を含め市内に計4施設ある。中央館以外はパンフレットがなかったため、昨年7月に作業を始めた。現地を歩いて地域の魅力や復興の状況を学び、ワークショップで盛り込む内容を話し合った。
 チラシは市のホームページからもダウンロードできる。


被災地の人々を描く映画公開
東日本大震災の被災地で暮らす人々の姿を描いたドキュメンタリー映画「一陽来復」の公開が県内で始まりました。
公開が始まったのはドキュメンタリー映画「一陽来復 Life Goes On」です。
東日本大震災の被災地で取材を続けてきた尹美亜監督が制作しました。
映画は結婚式を挙げた直後に夫を亡くした南三陸町の女性や津波で子ども3人を亡くした石巻市の男性など20人あまりのインタビューで構成されています。
そして震災からの時間の経過とともに変化していく人々の思いが淡々と描かれています。
制作費の一部には被災者の生きがいづくりなどを支援する復興庁の交付金が使われ3月から東京など全国32か所の映画館で順次公開が始まっています。
宮城県内では4月7日から仙台市の「仙台セントラルホール」や石巻市、名取市など3か所で公開されていて、仙台市では4月20日まで上映されるということです。


津波防災の願い受け継ぐ 紙芝居で伝え続けた宮古の女性しのぶ会
 手作りの紙芝居で津波の恐ろしさや命の大切さを説き続け、2月に93歳で亡くなった宮古市田老地区出身の田畑ヨシさんをしのぶ会が14日、市内で開かれる。田畑さんから伝え続けることの大切さを学んだ人たちが、その遺徳に思いをはせる。
             ◇
 田畑さんは8歳の時、昭和三陸津波(1933年)で母を亡くした。孫たちに惨劇を伝えようと紙芝居「つなみ」を制作し、約40年前に小中学校などで読み聞かせを始めた。
 震災で再び自宅を失ったが、紙芝居は無事だった。青森市内の長男宅などに身を寄せながら、精力的に啓発活動を続けた。
 震災の後、紙芝居の読み聞かせに付き添うようになった長女高橋恵美子さん(68)=滝沢市=は「母が逃げて身を守ったおかげで私が生まれた。母親を亡くした悲しみを抱きながらも前向きに生き、愛情を注いでくれた」と話す。
 隣で耳を傾けるうち、母がつないだ命の重さを強く感じるようになり、感謝の思いがあふれたという。
 高橋さんは震災発生から7年がたった今年3月11日、田畑さんの紙芝居を携えて田老地区を訪れた。「紙芝居は母の生きた証し。機会があれば私なりの思いを込めて読み聞かせたい」と決心した。
 「後継者」は北海道にもいた。
 北海道南西沖地震(93年)で津波に襲われた奥尻島出身の三浦浩さん(40)=北海道栗山町=は2011年夏、田畑さんと面会。触発されて自らの避難体験を自作の紙芝居「あの坂へいそげ」にまとめた。紙芝居の完成を一番喜んでくれたのも田畑さんだった。
 三浦さんは現在、語り部として講演活動に取り組んでいる。北海道東部沖でも巨大地震の発生が懸念されており「自分は津波の時に坂道を駆け上がり、間一髪で助かった。この経験を伝えるために生かされたと考えている」と言い切る。
 しのぶ会は宮古市の田老町漁協で14日午後3時から。田畑さんの紙芝居映像を上映する。連絡先は高橋さん019(687)3334。


<慰霊碑をたどる>8年目の被災地(4)12人の命 忘れぬために
 東日本大震災の被災地に立つ慰霊碑やモニュメントは、訪れる人々の祈りを受け止めてきた。それらには一体、どんな願いが込められているのか。震災発生から8度目の春。碑を巡り、遺族や関係者の思いをたどる。(報道部・水野良将)
◎「二つの碑」宮城・女川町
 東日本大震災発生から6年11カ月となった2月11日は3連休の中日だった。宮城県女川町には町外から足を運ぶ人々の姿があった。
 町内にある七十七銀行女川支店跡地近くの高台にある慰霊花壇前。田村孝行さん(57)と妻弘美さん(55)が語り部を務める。夫妻は行員だった長男健太さん=当時(25)=を亡くした。
 田村さんが言う。「風景は様変わりしたけれど、ここが私たちの聖地なんです」。長野市から訪れた70代の女性らがうなずきながら、耳を傾けている。
 モニュメントには、スーツと制服を着た男女の行員がほほ笑む姿が描かれている。台座には「命を守るには高台へ行かねばならぬ」などの文字が刻まれる。
 支店では震災発生当時、支店長の指示で従業員ら13人が高さ約10メートルの屋上に避難。津波にのまれ、12人が死亡・行方不明になった。
 家族らは2012年6月、支店跡地に慰霊花壇を設置。かさ上げ工事に伴って15年1月に高台に移し、同3月にモニュメントを建立した。姉美智子さん=当時(54)=を亡くした丹野恵子さん(58)は「できれば支店があった場所にモニュメントを移したい」と望んでいる。
 一方、七十七銀行は月命日の今年1月11日、支店跡地から約350メートル内陸に再建した新店舗の敷地に慰霊碑を設置した。いつ来ても手を合わせられる場所として、駐車場の一角に配置したという。
 碑文は津波で支店に勤務していた12人の尊い命が失われたことに触れ、「あなたのこと、あの日のことを忘れない」「この悲しい出来事を忘れず、二度と繰り返されないことを誓い、『誓いの碑』を建立する」などと記す。12人の名は刻まれていない。
 銀行の担当者は「鎮魂と風化防止、防災強化という設置目的を碑文に表した。12家族にそれぞれの考えがあり、名前を入れてほしくないという方もいる。当行でできる精いっぱいの形で作った」と説明する。
 12人にはそれぞれの人生があった。高松祐子さん=当時(47)=と成田絵美さん=同(26)=はいまだに行方が分からない。2人の家族は潜水士の国家資格を取り、手掛かりを捜し求めて女川の海に潜る。
 田村さん夫妻は、慰霊花壇前に通い続ける。出会った人々に命の大切さや企業防災の向上を語り継ぐ。
 天国で息子と会った時、「あなたの命は大きな役目を果たした」と言えるように−。


<みやぎ水産の日>被災地の加工品PR 仙台エスパルにアンテナショップ
 東日本大震災の宮城県内被災地の水産加工品をPRする「みやぎ水産の日アンテナショップ」が9日、仙台市青葉区のエスパル仙台地下1階にオープンした。
 開設したのは、石巻市で被災企業の販路拡大に取り組む一般社団法人「カイタク」。土産店が並ぶ「仙臺(せんだい)みやげ館」の一角に店を構えた。
 カキ、サバ、ワカメなどを使った水産加工品約40点を販売。県水産加工品品評会で表彰された県立支援学校女川高等学園の調味塩「ほや塩」やマルヤ水産(亘理町)の「南三陸産牡蠣(かき)のしぐれ煮」、鮮冷(女川町)の「三陸たこのやわらか煮」などを取り扱う。
 開設期間は8月20日まで。県が定める「みやぎ水産の日」(毎月第3水曜)の旬のテーマ食材と連動し、商品を入れ替える予定。
 カイタクの山野目真悟代表(30)は「催事販売はあったが、常設の販売拠点がなかった。被災企業の販路拡大と売り上げ増にはまず、仙台市民に商品の良さを知ってもらいたい」と意気込みを語った。


ギンザケ成育良し 南三陸・戸倉で初水揚げ
 東日本大震災で被災した南三陸町戸倉で9日、養殖ギンザケが初水揚げされ、港が活気づいた。
 午前5時、漁師20人が波伝谷漁港から3キロ沖のいけすに向かった。体長約40センチ、重さ1キロ〜1.5キロに育ったギンザケ約4000匹を網ですくい上げた。
 約5トンを出荷。取引価格は1キロ当たり630円で前年より1割ほど下がった。県漁協のブランド「伊達のぎん」として販売される。
 県漁協戸倉銀鮭養殖部会の佐藤正浩会長(50)は「冬場の海水温が高かったので成育は例年よりいい。この時期は脂の乗りが程よく、甘みもある」と話した。
 漁は7月20日ごろまで続く予定。前年並みの1500トンの水揚げを見込む。


新生気仙沼高、新たな歴史へ 西高統合後初の入学式
 気仙沼市の気仙沼西高を統合した気仙沼高で9日、初めての入学式があった。
 新入生は普通科と定時制計249人。小山淳校長が「先輩が築いてきた歴史の上に、新たな伝統を創造する者としての決意を持ち、充実した高校生活を築いてほしい」と式辞を述べた。
 新入生を代表し西條秀都さんが「真っすぐな心と熱いまなざしで、自分自身と気仙沼高の未来への歩みを着実に進めていきます」と誓いの言葉を述べた。
 気仙沼高は2005年に鼎が浦高と統合して男女共学となった。少子化の影響で新たに気仙沼西高と統合した。


聖火リレー 被災3県で展示へ
再来年の東京オリンピックの聖火リレーについて、10日会議が開かれ、大会組織委員会は、全国を回るリレーに先立って、ギリシャから到着した聖火を東日本大震災で被災した東北の3つの県で展示することを決めました。
会議は10日夕方、東京都、政府、それに全国知事会などのトップを集めて開かれました。
この中で組織委員会の森会長は、「東日本大震災から10年目となる2020年に、被災地の姿を世界に示すことは招致の頃からの大原則で、その観点から聖火リレーを復興の象徴にしたい。聖火リレーに先立ちギリシャで採火した聖火を『復興の火』として東北の被災3県で順次展示し、被災地の皆さんにご覧いただきたい」と述べ、全国を回るリレーに先立って、聖火を宮城、福島、岩手の3つの県で展示する案が会議で了承され、決定しました。
聖火リレーをめぐっては、本格的な議論が始まった去年2月以降、被災地への配慮が検討されていて、3つの県での聖火の展示はこれを反映した形となります。
この決定について、石巻市で聖火リレーの出発地の誘致活動を行ってきた団体の伊藤和男事務局長は、「私たちの一番の目的は、聖火の誘致を通して被災した人たちを勇気づけ復興を後押しすることなので、被災地に思いを寄せた対応を取ってくれることに対してまずは感謝したい」と話していました。
また、村井知事は「被災地の意向に可能な限り配慮いただいた。大きな励みになるとともに、復興支援の感謝と復興した姿を世界に発信する貴重な機会になる」などとするコメントを発表しました。
聖火リレーのルートについて、組織委員会は、実質的なスタート地点を沖縄県として北上する案を軸に検討を進めていますが、10日の会議では、具体的な協議は行われなかったということです。
組織委員会は、リレーのルートは、今年度中にはまとめたいとしています。


東京五輪へ「復興芝生」種まき
東京オリンピックの競技会場で使われる芝生の栽培が、東日本大震災で大きな被害を受けた山元町で10日から始まりました。
宮城県沿岸の山元町では、震災からの復興の象徴にしようと、住宅などの建設に制約がある「津波防災区域」を使った芝生の栽培が、6年前から進められています。
「復興芝生」と名付けられたこの芝生は、2020年の東京オリンピックでサッカー競技が行われる利府町の宮城スタジアムで使われることになっていて、2年後の大会に向けて、10日から種まきが始まりました。
宮城スタジアムに納入する芝生の面積はおよそ7600平方メートルで、作業員たちは、水はけのいい土を盛った広さおよそ1ヘクタールの農地に専用の器具を使って400キロの種をまいたあと、保温性があり発芽を促すシートを土の上に敷いていきました。
作業は11日まで行われ、1か月ほどで芽が出る見込みだということで、栽培する会社では、生育状況などを見ながら肥料や水の量を調整し、来年の秋ごろには“復興五輪”の象徴の1つとしてスタジアムに納入する予定だということです。
栽培会社の田原健一専務は、「東京オリンピックで『復興芝生』を使ってもらい、うれしい気持ちがあるが、失敗できない仕事なので、丁寧に育てて最高の状態の芝を提供したい」と話していました。


<女川原発>再稼働延期 村井知事「原発の安全性をより高める目的で、評価したい」
 村井嘉浩知事は9日の定例記者会見で、東北電力が女川原発2号機(女川町、石巻市)の再稼働時期を2018年度後半以降から延期する方針を示したことについて、「原発の安全性をより高める目的で、評価したい」との認識を示した。
 東北電は3月29日、女川原発で実施中の安全対策工事の完了時期を延期すると発表し、再稼働時期も先延ばしとなった。村井知事は「拙速に事を進め、結果的に安全ではない状況に陥ってはならない」と話した。
 日本原子力発電が東海第2原発(茨城県東海村)の再稼働などで事前同意を得る範囲を全国で初めて立地自治体以外に広げたことには、「県から(同意範囲の)見直しを働き掛けることは考えていない。原発を抱える自治体の考えを最大限尊重すべきだ」と述べた。
 石巻市中里7丁目の北上運河で頭に矢のような物が刺さったユリカモメが見つかった事件も取り上げられた。村井知事は「動物の虐待で大変強いショックを受け、憤りを感じた。弱い生き物を攻撃することはあってはならない」と語った。


佐賀県、13日に九電聴取 玄海原発蒸気漏れで専門家
 佐賀県は10日、九州電力玄海原発3号機(同県玄海町)の配管に穴が開き蒸気が漏れたトラブルに関し、13日に佐賀市で複数の専門家が参加して会合を開くと発表した。九電側からトラブルの原因や対応策を聴く。県は専門家が指摘する対策が講じられなければ発電や送電を認めない考え。
 参加するのは、県が玄海3、4号機の再稼働に同意するかどうかの判断に役立てるため立ち上げた専門部会のメンバーで、原子力や地震、放射線医学などが専門。九電は既に配管の交換を終えたが、専門家の指摘により追加対策が必要になる可能性もある。
 トラブルは3月23日の再稼働から1週間後の30日に発生した。


<柳美里さん>自宅改装し開店 南相馬・小高に本屋の灯
 東京電力福島第1原発事故に伴う避難指示が2016年7月に解除された南相馬市小高区に9日、本屋さんの灯がともった。移住した芥川賞作家の柳美里さんが開いた書店「フルハウス」。新人店主は「交流人口を増やしたい」と力を込めた。
 午後1時、開店のほら貝が響いた。柳さんは「小高の皆さん、よろしくお願いします」と店頭であいさつ。住民や友人らが訪れ、夕方までに60冊以上が売れた。
 地元の小高産業技術高2年小林綱大さん(16)=南相馬市原町区=は始業式後に訪れ、柳さんと音楽の本について談笑した。「友達も連れて来たい。電車の待ち時間に利用できそう」
 書店裏の倉庫を改装した劇場ではトークショーも。「劇団をつくる」「映画を上映する」「ロケ地にする」など、今後のアイデアが次々と飛び出した。
 改装前の物件を柳さんに紹介した同市出身の早稲田大3年中島穂高さん(20)は取材に「生まれ変わったここが、いい出会いの場になれば」と語った。
 原発事故前、小高区には約1万3000人が暮らしていた。柳さんは「住民はまだ約2500人だが、(この書店に)遠方から来たいという人は多い。地域に人の流れをつくりたい」と意欲を見せた。
 ほぼ毎週土曜日午後2時からは、作家らを招いたトークショーや朗読イベントも開催する。前売り2000円、当日2500円で高校生以下無料。初回の14日は共著のある佐藤弘夫東北大大学院教授を予定している。
[書店「フルハウス」]柳美里さん自ら選んだ各種書籍や友人作家「24人の20冊」など約5000冊を扱う。今夏には店頭にカフェを併設する計画。火−金曜は午後1時〜9時20分。土曜は午後6時まで。


浪江のADR 速やかな救済遠のいた
 福島県浪江町の住民が東京電力に対し、原発事故に伴う慰謝料の増額を求めた裁判外紛争解決手続き(ADR)は決裂した。未曽有の事故被害で早期解決を目指すとした制度は十分に機能したのか。
 故郷を離れ、町全体での避難を強いられた浪江町。町が住民の代理人となって精神的慰謝料の増額を求め、国の原子力損害賠償紛争解決センターにADRを申し立てたのは二〇一三年五月のことだ。
 住民の七割に当たる一万五千人が加わる異例の申し立てを受け、センターは法律家の仲介委員が現地調査などを実施。翌年三月、現行の一人当たり十万円の慰謝料に五万円増額、七十五歳以上の高齢者にはさらに三万円を上乗せする一律和解案を示した。
 この和解案をめぐり、町側は受け入れを表明したが、東電側は「個別審査が基本」として度々拒否。審理は行き詰まり、センター側はもはや和解の仲介は困難だと判断して手続きを打ち切った。
 浪江町の住民が集団による申し立てを選んだのは現実的だという判断があったからだ。事故によって住民は全国に散り散りになってしまった。高齢者などが個人で申し立てようにも手続きをとること自体が難しい人は多い。時間も労力も費用もかかる裁判に訴えるよりも、簡易な手続きによって速やかな賠償を実現するという、国が被害救済のために用意したADRの趣旨にかなうと考えたのだ。
 だが、被災者にとってはこの解決システムも十分ではなかった。仲介委員が示す和解案の受け入れに強制力はない。東電はこれまで手続きの大部分で和解案を受諾しているが、拒否した例も少なくない。東電の拒否にあって七十件以上の手続きが打ち切られている。
 浪江町のケースで東電は、和解案に従って一律賠償を認めたら、ほかの地域の被災者との公平性が損なわれると主張した。だがそうだとしても、東電は被災者の生活再建に対し「迅速な賠償」など三つの約束をしている。和解の努力をし、事故の責任を果たしていくのが本来の姿であると被災者が考えるのも分かる。
 浪江町の人びとは今後、個々に仲介手続きを申し立てるか、裁判に訴えるしかなくなる。この間、申し立てた住民のうち八百人は亡くなった。司法的な手続きはなお急がなければならない。
 原発事故から七年。事故は社会や地域にさまざまな分断をもたらした。分断を協調へと導く努力こそ必要だ。


特集「女たちの原発事故7年」(2) 桃吐かれたこと原点に 正しい福島伝えたい
 福島大4年の上石美咲(あげいし・みさき)さん(21)は、福島産の桃をPRするミスピーチキャンペーンクルーを2015年から2年間務めた。
 横浜市の百貨店で活動していた時のこと。試食した女性客が「おいしいねえ。どこの桃?」と話し掛けてきた。
 うれしくなって「福島です」と弾んだ声で答えた。
 その瞬間、女性客は口から桃を床に吐き出して立ち去ったのだ。
 この嫌な体験が、彼女の原点だ。
 福島の現状を正しく知り、全国の人に伝えなければと考えるようになった。
 つてを頼って東京電力福島第1原発に4回、第2原発には3回、見学で入った。
 現状は。この先どうなるのか。
 廃炉に向けた作業の専門的な話も東電の社員にどんどん尋ねる。
 ふくしまFM(福島県郡山市)の番組「伝えるラジオ〜福島リアル」にパーソナリティーとして月1回出演している。
 被災者や避難者、復興活動に取り組む人、廃炉作業を指揮する東電幹部らにインタビューした内容を録音で紹介しながら、自身の思いも語っている。
 東日本大震災と原発事故が起きた時は、郡山市の中学2年生だった。
 合唱部に所属していた。
 避難所の慰問で「ふるさと」を歌うと、お年寄りたちが「分かれて県外に避難した孫を思い出す」と泣きながら聴いてくれた。
 ありがとうと感謝され、逆にパワーをもらった気がした。
 高校時代は企業の復興支援プロジェクトで渡米し、福島のことを海外の人たちに伝える活動にも取り組んだ。
 地元銀行に勤める父の転勤で、幼いころから、太平洋沿いの浜通り、内陸部の中通り、山あいの会津と県内各地に住んだ。
 どの土地も大好きだと、自信を持って言える。
 でも原発事故以降、福島は誤解され、差別や偏見の対象になりやすい。
 自分がいろいろと知識を増やし、福島のいいことも悪いこともきちんと話せるようになりたいと思っている。
 FM番組の取材やプライベートで、県内各地の観光地にも積極的に足を運び、さまざまな人に会って話を聞いている。
 「震災と原発事故があったからこそ、ふるさとを振り返り、人の心に敏感でありたいと思うようになりました」
 今は就職活動の真っ最中だ。
 将来は福島の食をPRできるような仕事に就ければと思う。
 全国、全世界の人々が、福島のことを正しく知り、忘れないでいてほしい。
 もっともっと努力を積み重ねていこう。そう自らを鼓舞している。(共同通信=原子力報道室・高橋宏一郎)


東電社員「予想外で力が抜けた」
福島第一原発の事故をめぐり東京電力の元副社長ら3人が強制的に起訴された裁判で、東京電力の津波対策の担当者が証人として呼ばれました。
担当者は、巨大な津波が来るという想定を事故の3年前に報告したものの、元副社長から、さらに時間をかけて検討するという方針を告げられ、「予想外で力が抜けた」と証言しました。
東京電力の元会長の勝俣恒久被告(78)、元副社長の武黒一郎被告(72)、元副社長の武藤栄被告(67)の3人は、原発事故をめぐって業務上過失致死傷の罪で強制的に起訴され、いずれも無罪を主張しています。
事故の9年前、平成14年には、政府の地震調査研究推進本部が、福島県沖で巨大な津波を伴う地震が起きる可能性を公表していて、裁判では、こうした地震を想定して対策をとっていれば事故を防げたかどうかが争われています。
10日、東京地方裁判所で開かれた5回目の審理では、当時、東京電力で津波対策を担当していた社員が証言しました。
社員は、福島県沖の地震の可能性について、「権威のある組織の評価結果であることなどから、想定の見直しに取り入れるべきだと思った」と証言しました。
そして、この見解をもとに、事故の3年ほど前の平成20年6月に、巨大な津波が来るという想定を武藤元副社長に報告したものの、7月になって、さらに時間をかけて専門の学会に検討を依頼するという方針を元副社長から告げられたと説明しました。
この時の心境について、社員は、「津波対策を進めていくと思っていたので、予想外で力が抜けた」と証言しました。
審理は11日も行われ、同じ社員が証言します。
法廷で証言した東京電力の社員は、福島第一原発の事故の20年近く前から原発に押し寄せると想定される津波の高さについての検討などに関わっていました。
10日の裁判で社員は、事故の4年前には政府の「長期評価」を原発の津波の想定に取り入れるべきと考えていたと証言しました。
「長期評価」とは、政府の地震調査研究推進本部が地震が起きる地域や発生確率を推計して公表するもので、東日本大震災の9年前の平成14年に、太平洋の日本海溝沿いの福島県沖を含む三陸沖から房総沖のどこでも、巨大な津波を引き起こす地震が起きる可能性があると公表しました。
社員は、この「長期評価」の見解について、平成16年に土木学会が行った専門家へのアンケート調査で、「支持する」とした専門家が過半数になった結果を重視していたと証言しました。
また、「長期評価」を取りまとめる地震調査研究推進本部は国の権威であることや、東京電力自身が青森県に建設を計画している東通原発1号機の地震の想定には、「長期評価」の見解を取り入れていたことなどをあげ、福島第一原発の津波の想定にも取り入れるべきと考えていたと証言しました。
そして、「長期評価」の見解をもとに、グループ会社の「東電設計」に計算させたところ、平成20年3月には、福島第一原発に押し寄せる津波が、最大で15.7メートルに達する可能性があるという結果がまとまり、6月には、対策の検討状況と合わせて、当時、副社長だった武藤栄被告に報告しました。
しかし、翌月の7月、武藤元副社長から「研究を実施する」として、すぐには対策を行わず、さらに時間をかけて検討する方針を伝えられたということです。
この結論について社員は「私が前のめりに検討に携わってきたのもありますが、対策を進めていくと思っていたので、いったん保留になるというのは予想しなかった結論で力が抜けた」と証言しました。
東京電力の旧経営陣3人が強制的に起訴されるきっかけとなった告訴や告発を行ったグループは、10日の審理の後、会見を開きました。
グループの海渡雄一弁護士は、10日証言した社員について、「裁判全体の中で最も重要な証人だと思う」と述べました。
そのうえで、「技術者として、一生懸命、津波対策をやろうとしていたのだろうと思う。『力が抜けた』という感想は、最も重要な証言ではないか」と話していました。


東電旧経営陣公判 津波対策先送り「予想外」 試算担当者
 東京電力福島第1原発事故を巡り、業務上過失致死傷罪で強制起訴された東電旧経営陣3人の第5回公判が10日、東京地裁(永渕健一裁判長)であった。事故前に想定津波の試算を担当していた男性社員が出廷し、元副社長の武藤栄被告(67)らが津波対策を先送りしたとする検察官役弁護士側の主張に沿い「(先送りは)予想外だった」と述べた。
 男性社員は2007年以降、第1原発に到達する想定津波の高さを試算するグループに所属していた。同グループは、政府の地震調査研究推進本部が「福島県沖を含む日本海溝沿いに巨大津波が発生しうる」とした「長期評価」に基づき、子会社に試算を依頼。子会社は08年、最大で15.7メートルの津波が到達すると試算した。
 男性社員は法廷で、「長期評価」について「主要な地震学者が支持しており、(津波などの耐震対策に)取り入れるべきだと考えていた」と証言。社内の別グループに「(第1原発などの)大幅な改装工事が行われることは確実」とメールしたことも明かし、「対策に前のめりになっていた」と話した。
 一方、武藤元副社長に試算結果を報告したところ、当初は防潮堤設置に向けたと受け取れる指示を受けたと説明。しかし、その後「(津波対策ではなく、『長期評価』が正しいかどうかの)研究を実施しよう」と方針を一転させたとし、「対策の検討を進める方向だと思っていたので、予想外のことで力が抜けた」と語った。
 検察官役弁護士はこれまでの公判で、東電の担当者が津波対策に奔走しようとしたが、武藤元副社長らが先送りしたと主張。武藤元副社長らは「先送りしたわけではない」と反論している。【石山絵歩、岡田英】


東北大の「雇い止め」問題 組合「全員を無期雇用にするべき」
 東北大学の非正規職員が、3月末で雇用を打ち切られた問題で、10日に宮城県労働委員会による審査が始まりました。この中で職員組合側は、「希望する職員全員を無期雇用として採用すべき」などと意見陳述しました。
 この「雇い止め」を巡っては、2018年2月、東北大学の職員組合が、「大学は、団体交渉で雇用打ち切りの明確な理由を示さず、不誠実な対応を続けていて不当労働行為にあたる」として、県労働委員会に救済を申し立てていました。10日の一回目の審査で、職員組合側は、「大学は、雇い止めを財政的理由と説明しながら根拠となる数字を示していない。希望する非正規職員全員が、無期雇用の職員として採用されるべき」と意見陳述しました。
 これに対し、東北大学側は、「団体交渉が不誠実だったかどうかが争点で無期雇用への転換は、争点にあたらない」などと反論しました。
 職員組合によりますと、非正規職員のうち約400人が、3月末で雇止めになったと見られています。東北大学は、通算で勤務期間が5年を超える一部の非正規職員については、今後も順次、雇用を打ち切る方針です。


<戊辰戦争150年>会津出身・陸軍大将が極貧しのいだ食を再現
 戊辰戦争に敗れ会津から青森県の下北半島に移住させられ、後に陸軍大将になった柴(しば)五郎(1860〜1945年)の下北での極貧時代の食卓を再現するイベントが8日、むつ市であった。
 約25人が参加。料理研究家の坂本謙二さんが「ある明治人の記録」(中公新書)に書かれた「オシメ」というおかゆのような食べ物を再現した。
 ワラビとゼンマイを数センチほどに切り、コンブのような海藻のツルアラメを砕いてどろどろになるまで火を通し、交ぜ合わせて作った。参加者らは「思ったよりはいける」「毎日は食べられない」などと感想を述べ、当時の暮らしに思いをはせた。
 参加した大平小5年の井本結月さん(10)は「微妙な味だった。よく食べられたものだと感心した」と話した。
 イベントは、戊辰戦争から150年の節目に合わせ、市の任意団体「ディスカバリーむつプロジェクト」が主催した。


陸自「日報」質疑  9条改憲どころでない
 次から次へ出てくる公文書関連の不祥事、不適切対応に驚き、あきれる。信頼回復へ一歩を踏み出せるかどうかすらおぼつかない。
 陸上自衛隊イラク派遣部隊の日報隠蔽(いんぺい)が発覚して1週間。きのうこの問題で初めて安倍晋三首相が国会で答弁し、自ら先頭に立って信頼回復に全力で取り組むと述べた。
 不信を拭い去るには、問題の再発防止と、そのための徹底した事実解明が不可欠だ。何よりその点に国民は目を凝らしている。
 事態は深刻かつ重大である。防衛省が国会に「不存在」と説明してきた日報が陸自内に存在し、しかも発見から1年以上隠されていた。一部は航空自衛隊でも見つかり、小野寺五典防衛相は先週だけで3回も陳謝。文書管理のずさんさに加えて、昨年2月当時の稲田朋美防衛相の日報探索の「指示」が同省と自衛隊に適切に伝達されていなかったことも判明した。
 きのうの参院決算委員会で、首相は「おわび」を繰り返し、文書管理に関して法改正を検討する考えを示したが、事実解明への強い決意と覚悟を国民に示したとは言い難い。
 小野寺氏は「うみを出し切る」と述べた一方、日報の隠蔽に誰がどう関わったかの調査は、政務官をトップとする省内チームで続けるとの姿勢にとどまった。政治主導を強調した形だが、中立・公正性の担保のない調査態勢で、病巣に深くメスを入れられるのか疑問だ。
 決算委では、南スーダン国連平和維持活動(PKO)に関する新たな日報の発見も報告された。財務省の決裁文書改ざんのもとになった森友学園への国有地売却をめぐり、同省理財局職員が学園側に口裏合わせを要求していたことも判明した。
 防衛、財務両省の問題は底なしの様相だ。それでも首相は、民意の分かれている憲法9条改正について問われ、9条への自衛隊明記にあらためて意欲を示した。
 日報問題で浮かび上がったのは、政治が自衛隊を指揮、統括するという民主主義の基本原則が形骸化しているのではないかという疑念である。その深刻さに対する首相の認識を疑わざるを得ない。
 政権中枢と自民党内からは、公文書隠蔽・改ざんの責任を官僚や自衛隊幹部に押し付けるような発言も相次ぐ。「役人のモラル」に問題を矮小(わいしょう)化することは許されない。今週は衆院でも質疑が行われる。政権と与党の当事者意識、取り組みの本気度が問われる。


文書名は「日本隊日報」、防衛省 南スーダンPKO、職員認識か
 防衛省は10日、情報本部で新たに見つかった南スーダン国連平和維持活動(PKO)の陸上自衛隊の日報は、共有の「施設隊」というフォルダー内に「【注意】日本隊日報」などの名称で保存されていたと明らかにした。文書のタイトルに「注意」「日報」とはっきり書かれており、防衛省は取り扱いに注意すべき文書だと認識していた職員がいるとみて、経緯を調査している。
 防衛省によると、見つかった文書は日数にして1年以上にわたり、うち一つは「【注意】日本隊日報第1636号」というタイトル。情報公開請求に当初「不存在」とした2016年7月8日分だった。


「日報」首相陳謝 最高指揮官の責任重い
 安倍晋三首相はきのうの参院決算委員会で、イラクに派遣した自衛隊の日報隠蔽(いんぺい)疑惑について「最高指揮官として国民に深くおわびしたい」と陳謝し、自衛隊のトップとしての責任を認めた。
 また、「シビリアンコントロール(文民統制)にも関わりかねない重大な問題であり、極めて遺憾だ」とも述べた。
 「ない」としていたイラク日報は、陸自だけでなく空自にもあった。南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に派遣した陸自の日報が防衛省情報本部でも保管されていたことも新たに判明した。
 ずさんな文書管理や指揮命令系統の不全は組織全体をむしばんでいる。政権として実力組織を統率できていないことの証しだ。
 首相が事態の深刻さを認識するなら、具体的な行動で示す必要がある。真相究明は防衛省の内部調査に任せるのではなく、強力な権限のある第三者組織を設置するなど自身が主導すべきだろう。
 空自のイラク日報は2004年3月に作成した3枚分だけが航空幕僚監部の運用支援・情報部のパソコンから見つかった。日報の残りは廃棄されているという。
 なぜ3枚だけ保存されていたのかなど不可解な点が多い。経緯を徹底解明する必要がある。
 一連の日報問題で見えたのは、省全体の危機感の欠如だ。昨年2月、当時の稲田朋美防衛相は国会でイラク日報を「見つけることはできなかった」と答弁した後、統合幕僚監部に再探索を指示した。
 だが、その指示は口頭で「本当にないのか」と伝えたのみで、統幕の総括官は統幕、陸幕、空幕の担当3部署にあいまいな内容のメールを送っただけだったという。
 稲田氏が今になり隠蔽疑惑の発覚を「遺憾に思う」と人ごとのように語っているのは無責任だ。野党が求める国会招致に応じ、事実関係を説明すべきである。
 首相は稲田氏が内閣改造直前の昨年7月に引責辞任した際、自らの任命責任を認めた。だが、改造内閣で起用した小野寺五典防衛相の下でも約8カ月間、隠蔽体質は改善されないままだった。
 不祥事にも言葉だけの謝罪を繰り返すような甘い対応が、組織の緩みにつながってはいないか。
 第2次安倍政権以降、自衛隊は安全保障法制の下で集団的自衛権の行使が認められ、防衛費は6年連続で右肩上がりを続けている。
 権限と予算が膨らんだ組織の内部で政治の統制が利かなくなっているとすれば、危機は根深い。


後半国会の論戦/問われる安倍政治の体質
 国会は後半の論戦が本格化している。政府は働き方改革関連法案や統合型リゾート施設(IR)実施法案などを提出し、成立を目指す方針だ。
 一方野党は、財務省による森友学園を巡る決裁文書の改ざんと自衛隊の日報隠蔽(いんぺい)の問題などを追及する構えだ。いずれも民主主義の根底を崩しかねない重大案件である。
 情報を隠し、偽りを報告し、公文書を改ざんする。組織を守るためなのか、忖度(そんたく)なのか。官僚機構の劣化は目を覆うばかりだ。行政の信頼は地に落ちた。
 こうした問題が、安倍政権で相次いでいることから目をそらすわけにはいかない。問われているのは、安倍政治の体質そのものといえる。
 森友問題で、佐川宣寿(のぶひさ)・前国税庁長官の証人喚問が行われたが、動機や誰の指示で改ざんされたのかなど、核心部分は解明されなかった。佐川氏が刑事訴追の恐れがあるとして「証言を控える」と繰り返したためだ。
 共同通信社の世論調査では、喚問結果に72%が「納得できない」と答えた。当の佐川氏でさえ、「どういう経緯でやったのかは答えられていないので満足できていないと思う」と述べている。国民の不満は当然だ。
 さらに、存在しないとされていたイラク派遣部隊の日報が自衛隊内で次々と発見された。
 看過できないのは、当時の稲田朋美防衛相に報告せず、1年以上公表しなかったことだ。シビリアンコントロールが機能していないと言わざるを得ない。
 働き方改革関連法案では、裁量労働制の業種拡大は撤回されたが、「高度プロフェッショナル制度」の創設は残された。「長時間労働を助長する」と反対が強い制度だ。IR実施法案にはカジノ解禁が含まれ、ギャンブル依存症への懸念が拭えない。いずれも急いで結論を出すような案件ではない。
 11日には衆院予算委員会で集中審議が実施される。日本の民主主義が揺らぐ中、立法府としての真相解明に与党も野党もないはずだ。
 国会には国政調査権が与えられており、特別委員会の設置も検討に値する。存在意義を懸け、徹底的な真相解明と再発防止に努めなければならない。


ゴミ撤去費「根拠なし」認めた 財務省に残るは“解体”の道
「想像を超えている」。立憲民主の辻元清美議員が驚愕したのもムリはない。財務省の太田充理財局長が9日の参院決算委で認めた、森友学園への国有地売却で理財局職員が森友側にゴミの撤去費について口裏合わせを求めていたと認めた問題。太田局長は「お詫び申し上げる」と頭を下げたが、よりによって財務省が民間業者にウソをつくよう積極的に働きかけていたなんて「犯罪行為」に等しい。
 業者に虚偽説明を依頼していたということは、裏を返せば財務省がゴミの撤去費用の積算根拠が「ウソ」と認識していた証左だ。3月27日に衆参両院で行われた証人喚問で、佐川宣寿前国税庁長官は「適正な取引」と強調していたが、悪質な不正取引だったのだ。
「隠蔽」「改ざん」「口裏合わせ」……。もはや今の財務省は最強官庁ではなく、単なる犯罪集団だ。自浄作用は全く期待できず、強い捜査権限を持つ司法の力に頼る以外に組織を立て直す方法はない。
 ちょうど9日、市民団体「健全な法治国家のために声をあげる市民の会」は、決裁文書改ざん問題で、佐川前長官やその前の理財局長だった迫田英典元国税庁長官ら財務省職員24人に対する告発状を東京地検特捜部に提出。
 告発状によると、〈本件各契約の特例性、特殊性、特別な事案の経緯を示す記述を徹底して削除したことにより、(略)『一般的な扱い』による貸付け及び売払いとして決裁されたという内容の決裁文書になった〉〈(佐川前長官の)国会答弁と整合するように改ざんしたということは、本件各決裁文書の内容が虚偽のものに改ざんされたことを意味する〉〈地盤の強度に関する地質調査会社の見解が『軟弱ではない』から『軟弱である』という正反対の内容に書き換えられた〉などと指摘し、一連の行為が「公用文書等毀棄罪」「虚偽有印公文書作成及び行使罪」に当たる疑いがあるとしている。
 東京地裁内の司法記者クラブで会見した八木啓代代表は「(これが)罪に問われないのであれば、やりたい放題になる」と憤りをあらわにしていたが、その通り。財務省が反省もなく、この期に及んでもまだウソの上塗りを続けるのであれば、旧社会保険庁のように叩き潰して解体するしかない。


「森友」口裏合わせ 責任取り内閣退陣を
 謝って済む話ではない。官僚の劣化が甚だしい。
 財務省の太田充理財局長は、国有地がごみの撤去費用を名目に約8億円値引きされ学校法人「森友学園」に売却された問題で、同省理財局職員が昨年2月に森友学園側にごみ撤去費に関して口裏合わせを依頼していたと明らかにし陳謝した。
 政府は国有地の売却経緯を「適正だった」と繰り返してきたが、国会答弁は虚偽だった可能性がある。森友問題では財務省の決裁文書改ざんも明らかになっている。
 安倍晋三首相は「決裁文書を精読しても、今までの説明が覆されるものではない」と開き直っている。首相は国会で、財務省の調査と大阪地検の捜査結果を踏まえ「政府としてけじめをつけていくのは当然だ。最終的な監督責任は私にある」と強調してきた。捜査結果を待つまでもなく、責任を取って退陣するしかない。それ以外に信頼回復の道はない。
 森友学園への国有地売却問題を巡り、昨年2月にごみの見積もりが過大だと野党が追及していた。太田理財局長は同じ時期に「理財局職員が森友側の弁護士に、撤去費が相当かかり、トラック何千台も走った気がするといった言い方をしてはどうか、との話をした」と認めた。官僚がうその説明をするよう求めたとは、国民への背信行為だ。
 8億円の値引きについて会計検査院が算定根拠が不十分で、慎重な検討を欠いていたとする報告をまとめている。なぜ異例の取引をしたのか。この土地で建設計画があった小学校の名誉校長に安倍首相夫人の昭恵氏が一時就任したこととの関連が追及された。決裁文書改ざんも同じ時期に始まっている。昭恵氏や複数の政治家に関する記述、学園側との交渉経緯の一部が削除されていた。
 当時の理財局長の佐川宣寿氏は証人喚問で「首相、夫人の影響があったとは考えていない」と主張した。ではなぜ決裁文書から昭恵氏の名前を削除したのか。そう問われても証言を拒んだ。今回の撤去費用の口裏合わせで疑惑はさらに深まった。
 文書改ざんが発覚してから1カ月以上過ぎたが、8億円の値引きの背景や、改ざんの指示系統など真相解明は進んでいない。国会が行政を監視する機能を発揮していないからだ。国会内に調査特別委員会を設置して真相を徹底究明するよう求める。
 この間、厚生労働省の裁量労働制の労働時間調査に不適切なデータや異常値があることが発覚した。「なくなった」と説明した労働時間などの調査データ原票も見つかった。陸上自衛隊イラク派遣部隊の日報隠蔽(いんぺい)が明らかになり文民統制が機能していない。
 官僚の劣化は、安倍政権下で官邸の動向を忖度(そんたく)する空気が広がっているからだろう。国民を軽視するような政権は、国民に見放される。


森友と財務省 口裏合わせ図るとは
 財務省職員が昨年、森友学園側にごみの撤去作業に関する口裏合わせを求めていた−。国有地値引きに絡む新事実を参院で財務省の太田充理財局長が認めた。深まる疑惑を解明せねばならない。
 太田局長の答弁は最初から約八億円もの「値引きありき」だったのではないかとの疑いを強く印象づけるものだった。
 発端は昨年二月十七日の衆院予算委員会だ。野党が佐川宣寿理財局長(当時)に「約八億円かけてごみを搬出するとダンプカー四千台分になる。実際に工事を確認したのか」と質問した。
 佐川氏は「適正な価格で(国有地を)売った」などと答弁するにとどまった。この答弁の後の二月二十日、財務省理財局の職員が「撤去費用が相当かかり、トラック何千台も走った気がするといった言い方をしてはどうか」とうその説明をするよう森友学園側の弁護士に持ち掛けたという。太田局長が説明した。
 太田氏は「理財局の職員が(国会答弁との)整合性を取るため(口裏合わせを)行った」と認め、「事実と異なる説明を求めたのは間違いなく誤った対応。大変恥ずかしいことで、申し訳ない。深くおわびします」と陳謝した。
 もっと許し難いのは、佐川氏の昨年二月二十日の答弁である。「廃棄物の撤去については適切に行ったことを近畿財務局で確認している」と述べたのだ。だから、近畿財務局でも、答弁との整合性が求められることになった。
 理財局職員が口裏合わせを求めたが、近畿財務局の職員は「事実に反する」として応じなかった。
 佐川氏の答弁は虚偽ではないのか。国権の最高機関の場で、国民の代表である国会議員に対し、不誠実な説明をし、その部下が森友学園側や近畿財務局に虚偽の事実の口裏合わせを画策する。これは国会への冒涜(ぼうとく)である。国民への冒涜でもある。
 これまで森友学園に関する財務省の決裁文書の改ざん問題に揺れていた。だが、すごろくは初めに戻って、一から調べ直すべきである。本当に四千台のダンプカーで八億円分のごみを搬出したのか。始めから値引きありきのスキームだったのではないか。
 太田局長の答弁は森友問題解決の入り口になりうる。公文書の改ざんといい、口裏合わせといい、財務省の隠蔽(いんぺい)工作は想像を超える。佐川氏の証人喚問でもそれがうかがえる。隠さねばならない巨悪が眠っているからだろう。


理財局が口裏合わせ要請 根拠なき値引きの証明だ
 「森友学園」への国有地売却問題で、また重大な事実が発覚した。
 財務省はきのう、理財局職員がごみの撤去に関して、うその説明をするよう学園側に求めていたことを国会で認め、謝罪した。
 財務省は土地の地中にあるごみの撤去費を約8億円と算定し、その分を値引きしたと説明してきた。だが肝心のごみの量について虚偽の口裏合わせをしようとしていたのだ。これは値引きの根拠がないことを自らが認めていた証拠ではないのか。
 理財局によると、森友問題発覚直後の昨年2月、同局職員が学園側に電話し「撤去費が相当かかった気がする、トラック何千台も走った(搬出した)気がするという言い方をしてはどうか」と提案したという。
 その直前の国会で野党は「8億円かけてごみを撤去するとなればダンプカー4000台分くらいになる」と指摘していた。この追及をかわしてごまかすための口裏合わせ要請だったのは明らかだ。
 見え透いたうそはすぐばれると考えたのだろう。学園側は要請を断ったという。ただし会計検査院も昨秋、ごみ撤去費は「十分な根拠が確認できない」と指摘している。やはり、このごみの一件が値引き疑惑の核心の一つであるのは間違いない。
 口裏合わせの要請が出先の近畿財務局ではなく、理財局主導で行われた点も重要だ。この時点で既に学園と安倍晋三首相の妻昭恵氏との関係などが注目されていた。政治的な案件だから本省が乗り出したのではないかとの疑いを持つ。
 一方、安倍首相は森友文書の改ざんに関し、「文書を精読しても今までの説明が覆されるものは入っていない」と語った。従来の説明と改ざん後の文書は変わらないというのなら、なぜ昭恵氏や政治家らの名を消したのか説明がつかない。また自らの責任については過去の衆院選での自民党の大勝を強調し、信任を得たとアピールする場面も目立った。
 しかし、森友の土地取引は、公表できない事情によって大幅に値引きされたことは、もはや疑いようがない。少なくとも適正な手続きだったという強弁は通用しない。
 財務省は内部の厳しい調査を急ぎ、真相解明に協力する以外に信頼回復の道はない。


廃棄したはずの公文書が次々…背景に佐川前長官の悲惨な姿
−第1回−
 防衛省で、なかったはずの文書が次々と見つかり、驚きのニュースとして大きく報じられた。しかし、官僚を31年やっていた私にとっては、こんなことは驚きでも何でもない。どういうことか。
「優秀なはずの官僚がなぜ?」というフレーズがよく使われる。財務省や経産省などの幹部クラスの9割近くは東大卒だが、それは彼らが優秀だということを意味しない。意味しているのは、彼らが大学に入る時に、テストの成績が良かったというだけである。
 さほど能力のない人間が東大に入るためには、過去問を解く受験勉強が必要だ。多くの官僚はその点では優秀だった。そのDNAは役所に入っても消えない。課題を与えられると、官僚は過去の資料探しから始める。それを並べて分析し、コピペしながら答えを作るのだ。
 厚労省で地下の倉庫から捏造データの原票が見つかったというが、まさに若手官僚の大事な作業は、地下の倉庫を漁って、仕事に関係しそうな資料を探し出してくることだ。過去の資料がないと、「創造力」がない彼らはお手上げとなる。命綱である資料は保存するのが彼らの常識なのだ。
 では、役所が「文書は廃棄した」というのはどういうことか。そこには2つのケースがある。将来的にも絶対に役に立たない、無意味な文書であれば、本当に廃棄される。それなら、国民にとっても大きな問題はない。
 しかし、もうひとつ別のケースがある。それは、「情報公開の対象となる行政文書としては存在しないことにする」というケースだ。その場合、文書は、個人メモとして、個人所有のUSBメモリーなどで保存する。この場合、国民や国会から文書を出せと言われると、「廃棄したのでありません」という答えが返ってくる。一方、上司が、「あの時の資料見つけてくれるかな」というと、必ず、誰かが、「ありました」と言って出してくるのである。
 では、今、「廃棄したことにした」文書が続々と出てきたのはなぜか。
 ひとつの原因としてあげられるのが、佐川宣寿前国税庁長官の悲惨な姿だ。決裁文書を改ざんしてまで安倍政権を擁護した佐川氏の末路を見て恐怖感を覚えた官僚が、要求された資料を隠蔽するリスクをとらなくなってしまったという可能性がある。安倍総理は、昭恵夫人だけでなく佐川氏も徹底的に守ればこうはなっていなかったかもしれないが、もう後の祭り。「廃棄文書発見」という「事件」は今後も続くと考えた方がよさそうだ。


加計文書 「ゼロ回答」にいら立ち 愛媛知事明言避ける
 加計学園が愛媛県今治市に岡山理科大獣医学部を新設した計画を巡る政府と地元自治体のやりとりを記録した文書の存在について、中村時広知事は10日、記者会見で、内容の詳細については「コメントできない」と明言を避けながらも、「職員の書類は信頼している」と暗に認めた。国に対しては「県は県の立場で自分たちのことはオープンにする。(国は)国の方で丁寧に説明してほしい」と要請した。一方、今月に開学した同学部の1期生や地元市民からは憤りや不安の声が聞かれた。
 午後5時、記者会見場となった愛媛県庁本館3階の知事会議室。集まった約50人の報道陣の前に現れた中村知事は会見冒頭、硬い表情で獣医学部の設置の経緯を語り始めた。「大学の誘致は今治市にとって長年の悲願だった」と強調した上で、文書については「職員が備忘録のために作った」と明かした。会見中、知事はメモなどを見ずに終始顔を上げて質問に応じた。
 柳瀬唯夫首相秘書官(2015年4月当時)が「首相案件」と述べたことに質問が集中したが、それを記した文書に関しては「中身についてはコメントできない」などと答えるにとどめた。ただ「県庁の職員は本当に真面目で、上げてきた書類は全面的に信頼している」と強調。「報告のために記述したのは間違いない」と断言した。
 文書について国から非公表を求める働きかけや調整があったかと問われると、「ない。全くない」と語気を強めた。
 地元今治では、文書の存在や知事の説明に憤りの声も上がっている。これまで県に同学部誘致関連の公文書を情報公開請求してきた市民団体「今治市民ネットワーク」の村上治共同代表(71)=同市=は「僕たちがうそをつかれていたということだ」。情報の開示に際し、同県の担当者から3月末、「(15年4月2日の出張復命書は)軽易なものなので廃棄した」と説明を受けたといい、「隠れていたものがいよいよ姿を現した。ほとんどのことはちゃんと記録されているはずで、もはや公開しない理由は何もない」と改めて情報公開を求める考えだ。
 獣医学部のある今治キャンパスでも、女子学生(19)は「ツイッターでいろいろ書かれると思うと怖い。こうして騒がれると浪人した方がよかったのかなとも思ってしまう」と動揺を隠せないでいた。一方、神奈川から来た女子学生(18)は「小学生の時から獣医になることを目指してきたので自分の意志を貫きたい」と力強く話した。
 市民の受け止め方も複雑だ。元教師の女性(77)は「忖度(そんたく)のある、なしは推測でしか言えないが、責任を取るべき人が口を開かないと決着しないのでは」と話す一方で「獣医学部は開学しているので、学生に影響のないことを願う」と話していた。【花澤葵、松倉展人、山口桂子】
文科省職員「ご意向と符合」
 文部科学省も対応に追われた。専門教育課はコンピューターの同課の共有フォルダーを調査したが、見つからなかった。さらに当時の課長と課長補佐から聞き取りをしたが、「記憶にない」との回答だったという。松永賢誕課長は報道陣に「当面は共有フォルダーを調べ、必要に応じて(調査対象を)広げたい」と話した。
 省内には困惑した空気が広がる。ある幹部は「今さら『首相案件』と言われても、大学の認可は覆らない。特区のプロセスで何があったのかは内閣府が検証すべきだ」。別の中堅職員は「文書の文言は(文科省内で発見された文書の)『総理のご意向』と符合している。文科省と愛媛県が似たような記録を残したのは、単なる偶然では説明がつかない」と憤る。
 野党6党は午後5時から国会に内閣府や文科省などの担当者を呼んでヒアリングし、「安倍晋三首相の主導だったことは明らか」「官邸を守らず、真実を明らかにして」と厳しく批判。愛媛県の中村時広知事が文書の存在を認めたと伝わると、野党側は「(首相秘書官だった)柳瀬唯夫氏との面会があったことは間違いない」「反論できないなら事実と等しい」などと攻勢を強めた。希望の党の今井雅人衆院議員が「11日の衆院予算委員会では『確認中』との答弁は許されない」と詰め寄ると、内閣府の塩見英之参事官は「精いっぱい確認作業を進めたい」と言葉少なだった。
 元文部官僚で京都造形芸術大の寺脇研教授は「秘書官が面会を認めなかったのは首相の関与を隠すため。一般的に首相が関与していなければ面会するはずがない。秘書官が獣医学部新設を後押ししていたことを昨年からごまかし続けてきたことになり、獣医学部の正当性が揺らぐ。今の状況に官僚たちはうんざりしている。安倍首相は総辞職を選択するか、首相を支える今の体制を抜本的に見直さなければ、官僚機構は崩壊するだろう」と憤った。【伊澤拓也、飯田憲、杉本修作】


加計獣医学部新設 柳瀬首相秘書官が「首相案件」と発言
「本件は首相案件だ」――学校法人加計学園の獣医学部新設をめぐり、愛媛県と今治市の職員、学園幹部が2015年4月2日、柳瀬唯夫首相秘書官(当時)らと首相官邸で面会。その際の具体的な発言内容を記載した記録文書が存在することが分かった。10日の朝日新聞が報じた。
 愛媛県が作成したとされるこの文書には、柳瀬氏の発言として「本件(獣医学部新設)は首相案件となっている」「内閣府藤原次長の公式ヒアリングを受けるという形で進めていただきたい」「国家戦略特区でいくか構造改革特区でいくか、実現すればどちらでもいい」「現在は国家戦略特区の方が勢いがある」「自治体が死ぬほど実現したいという意識を持つことが最低条件」などと、生々しいやりとりが記されている。
 さらに、10日の東京新聞によると、愛媛県の職員らは同じ日、文書に名前が挙がっている藤原豊内閣府地方創生推進室次長(現経済産業審議官)にも面会。その際に藤原氏が「要請の内容は首相官邸から聞いている」などと発言していたことも分かった。
 面会で藤原氏は「政府としてきちんと対応しなければならない」「国家戦略特区の手法を使って突破口を開きたい」などと発言。学部開設の申請書の書き方まで指示したという。実際に県と市は約2カ月後、藤原氏の指示に沿った申請書を内閣府に提出した。
 藤原氏はその後、内閣府審議官に出世。翌16年9月、獣医学部新設について文部科学省の担当課長に「平成30年4月開学が大前提。これは官邸の最高レベルが言っていること」「早くやらないと責任を取ることになる」などと圧力をかけたとされる人物だ。
 安倍首相の“腹心の友”である加計孝太郎氏が運営する加計学園の獣医学部新設について、首相官邸と内閣府が結託して事をゴリ押ししたのは明らかだ。
 また一つ、安倍“お友達優遇”政治の実態が暴露された形だ。


今度は「加計」で安倍首相関与を決定づける朝日のスクープ! 首相秘書官と関係者の面会記録に「本件は首相案件」
 安倍首相がついにチェックメイトだ。朝日新聞が今度は加計学園問題で、安倍首相の関与を決定的にする証拠をスクープした。
 今回、朝日が確認・掲載したのは、かねてより焦点とされてきた愛媛県や今治市の職員と加計学園幹部が官邸を訪問した「2015年4月2日」の面会記録。実は昨晩、NHKもこの記録が愛媛県で見つかったことだけを伝えていたのだが、その報道によると、同記録は〈国家戦略特区の説明資料として愛媛県が内閣府や文部科学省、それに農林水産省に配った〉ものという。
 昨年の国会では、菅義偉官房長官をはじめ、萩生田光一官房副長官や山本幸三地方創生相(ともに当時)らがそろって、この日の面会記録について「保存されていないので確認できない」「破棄する取り扱い」などと答弁してきたが、愛媛県はこれを配っていたのである。
「ない」と言い張っていたものが突如見つかる──。森友問題しかり日報問題しかり、もはや国民はこの異常事態に驚かなくなっているが、しかし、この面会記録が衝撃的なのは、その中身だ。
 この面会記録のタイトルはずばり「獣医師養成系大学の設置に係る内閣府藤原次長・柳瀬首相秘書官との面談結果について」。柳瀬唯夫首相秘書官(当時・現経済産業審議官)は昨年7月に官邸で対応した人物として「週刊朝日」(朝日新聞出版)に報じられ、同年7月24日の閉会中審査において「私の記憶するかぎりはお会いしていない」「(会った)記憶はございません」などと何度も否定したが、やはりこの日に対応していたのだ。その上、加計学園獣医学部の早期開学を文科省に迫ったとされる内閣府の担当者、藤原豊・前審議官まで同席していたとみられるのである。
 この面会は、今治市が国家戦略特区に獣医学部新設を申請する約2カ月前のこと。そんな段階から首相秘書官や国家戦略特区を担当する内閣府の職員が特定の学校法人幹部らと面会する……。これだけでもすでに“本件の特殊性”が浮かび上がってくるようだが、決定的なのは、この面会記録に記された柳瀬首相秘書官の発言録だ。そこには、なんといの一番に、こう書かれているのである。
 〈《柳瀬首相秘書官の主な発言(総理官邸)15:00》
・本件は、首相案件となっており、内閣府藤原次長の公式のヒアリングを受けるという形で進めていただきたい。〉
首相秘書官が露骨なバックアップを明言、面談の日、安倍首相や下村文科相も
「本件は首相案件」──つまり、加計学園獣医学部新設は国家戦略特区で議論される以前から「安倍首相マター」として特別扱いを受けてきた、出来レースだった。そのことがあらためてこれで証明されたのだ。
 しかも、このほかにも柳瀬首相秘書官は〈国家戦略特区でいくか、構造改革特区でいくかはテクニカルな問題であり、要望が実現するのであればどちらでもいいと思う。現在、国家戦略特区の方が勢いがある〉などと解説し、獣医師会への対応も〈自治体等が熱意を見せて仕方がないと思わせるようにするのがいい〉など、かなり具体的な指示をおこなっている。また、柳瀬首相秘書官は〈農水省・厚労省も歓迎する方向〉〈文科省についても、いい大学を作るのであれば反対しないはず〉などと発言。このように安倍官邸は、加計学園獣医学部新設を「首相案件」として、はっきりとバックアップしていたのである。
 朝日の記事ではこの柳瀬首相秘書官の発言部分だけが紹介されているが、これにはまだつづきがあるのか。そもそも、柳瀬首相秘書官が対応したことや加計学園幹部が同席していたことを昨年7月にスクープしていた「週刊朝日」は、この面会時、当時の文科相で、加計学園から200万円のヤミ献金疑惑が取り沙汰されている下村博文議員がやってきて、「やあ、加計さん。しっかりやってくれよ」と挨拶したと書いていた。
 さらにもうひとつ付け加えれば、この日、加計学園幹部らの官邸訪問は15時から16時30分までだったと記録には示されているが、同日の首相動静を確認すると、安倍首相は15時35分から、ほかでもない下村文科相と面談をおこなっていた。はたして、こんな偶然があり得るのだろうか。
 ともかく、「本件は首相案件」という首相秘書官による発言が判明したこのスクープによって、森友と同時に加計学園問題の真相を求める声が高まることは必至だ。そして、安倍官邸は今度は「柳瀬首相秘書官のスタンドプレー」などと佐川氏と同様にトカゲの尻尾切りをおこなうかもしれない。
 だが、柳瀬首相秘書官が加計学園幹部らと独断で面会し、特別扱いする理由などどこにもない。特別扱いをする理由は、それは「首相案件」だからであり、言うまでもなく総理の「腹心の友」の学校だからだ。
 昭恵夫人が関与した森友に、安倍首相が関与した加計。あとはすっぱりと、総理も国会議員も辞めてもらうほかない。(編集部)


内閣府が戦略特区提案 加計側に「官邸から聞いている」 
 学校法人「加計(かけ)学園」(岡山市)が愛媛県今治市に国家戦略特区で開設した獣医学部を巡り、県と市が特区を申請する前の二〇一五年四月、自治体や学園の担当者らと面会した内閣府の幹部が「国家戦略特区の手法を使いたい」と持ちかけていたことが政府関係者への取材で分かった。特区事業を所管する内閣府から自治体に申請を持ちかけることは極めて異例とされ、獣医学部の新設計画は当初から「加計学園ありき」で進められた疑いが鮮明になった。
 政府関係者によると、この幹部は藤原豊・内閣府地方創生推進室次長(現経済産業審議官)。藤原氏は当時、内閣府で特区事業を事実上取り仕切っており、面会の際、「要請の内容は総理官邸から聞いている」と発言したとされる。官邸側が内閣府に加計学園の獣医学部開設を働きかけた可能性が出てきた。
 大学誘致を目指していた県と市は〇七年から一四年まで計十五回、小泉政権が導入した構造改革特区で獣医学部開設を申請してきたが、毎回却下されていた。
 藤原氏は一五年四月二日に内閣府で県と市の担当課長、学園の事務局長らと面会した際、「政府として、きちんと対応しなければならない。知恵を出しあって進めていきたい」と述べ、国も獣医学部の新設を支援する方針を伝えたという。
 具体的な方策として「これまでの事務的な構造改革特区とは異なり、国家戦略特区の手法を使って突破口を開きたい」と自ら提案。「インパクトのある形で、二、三枚程度の提案書を作成していただき、早い段階で相談してほしい」と助言したとされる。
 また、新設に反対する日本獣医師会を念頭に「獣医師会との真っ向勝負にならないよう、既存の獣医学部と異なる特徴を書き込んでほしい」と助言。具体例として「公務員獣医師や産業獣医師の養成などカリキュラムの工夫」を挙げたという。二カ月後、県と市は国家戦略特区での学部開設を内閣府に申請。提案書には「これまでの国立大学、私立大学と異なり、公共獣医事を担う第三極の獣医学部を新設する」との記載があり、助言に沿った内容になっていた。
 内閣府のある職員は「こちらから自治体に特区の申請を指示することは、通常はない。提案書の内容をこちらが指示することもあり得ない」と証言している。
 藤原氏は本紙の取材に「役所のルール上、内閣府に聞いてほしい」と答えた。
 内閣府地方創生推進事務局は「事務局からどちらか(の特区)に切り替えるといったアドバイスは行っていないと認識している。当時の担当者に確認したところ、『要請の中身は首相官邸から聞いている』との発言はしていないと聞いている」とコメントしている。
 <国家戦略特区> 国が指定した地域に限り規制を緩和する制度。第2次安倍政権の目玉政策として2013年に創設され、これまでに「東京圏」「関西圏」など全国で10地域が指定されている。自治体からの提案を国が認証する流れの構造改革特区と異なり、事業を所管する官庁の関与を少なくし、国主導でテーマや地域を決めるのが特徴。
 <加計学園問題> 学校法人「加計学園」の獣医学部新設を巡り、「(早期開学は)総理のご意向」などとする文書が昨年5月、文部科学省から流出した。学園の加計孝太郎理事長は安倍晋三首相の四十年来の友人。国家戦略特区を活用して学部新設を認める過程で、首相周辺や内閣府が働き掛けた疑いが浮上し、「行政手続きがゆがめられたのではないか」と指摘されている。


今度は「加計」で安倍首相関与を決定づける朝日のスクープ! 首相秘書官と関係者の面会記録に「本件は首相案件」
 安倍首相がついにチェックメイトだ。朝日新聞が今度は加計学園問題で、安倍首相の関与を決定的にする証拠をスクープした。
 今回、朝日が確認・掲載したのは、かねてより焦点とされてきた愛媛県や今治市の職員と加計学園幹部が官邸を訪問した「2015年4月2日」の面会記録。実は昨晩、NHKもこの記録が愛媛県で見つかったことだけを伝えていたのだが、その報道によると、同記録は〈国家戦略特区の説明資料として愛媛県が内閣府や文部科学省、それに農林水産省に配った〉ものという。
 昨年の国会では、菅義偉官房長官をはじめ、萩生田光一官房副長官や山本幸三地方創生相(ともに当時)らがそろって、この日の面会記録について「保存されていないので確認できない」「破棄する取り扱い」などと答弁してきたが、愛媛県はこれを配っていたのである。
「ない」と言い張っていたものが突如見つかる──。森友問題しかり日報問題しかり、もはや国民はこの異常事態に驚かなくなっているが、しかし、この面会記録が衝撃的なのは、その中身だ。
 この面会記録のタイトルはずばり「獣医師養成系大学の設置に係る内閣府藤原次長・柳瀬首相秘書官との面談結果について」。柳瀬唯夫首相秘書官(当時・現経済産業審議官)は昨年7月に官邸で対応した人物として「週刊朝日」(朝日新聞出版)に報じられ、同年7月24日の閉会中審査において「私の記憶するかぎりはお会いしていない」「(会った)記憶はございません」などと何度も否定したが、やはりこの日に対応していたのだ。その上、加計学園獣医学部の早期開学を文科省に迫ったとされる内閣府の担当者、藤原豊・前審議官とも面会をしていたのである。
 この面会は、今治市が国家戦略特区に獣医学部新設を申請する約2カ月前のこと。そんな段階から首相秘書官や国家戦略特区を担当する内閣府の職員が特定の学校法人幹部らと面会する……。これだけでもすでに“本件の特殊性”が浮かび上がってくるようだが、決定的なのは、この面会記録に記された柳瀬首相秘書官の発言録だ。そこには、なんといの一番に、こう書かれているのである。
 〈《柳瀬首相秘書官の主な発言(総理官邸)15:00》
・本件は、首相案件となっており、内閣府藤原次長の公式のヒアリングを受けるという形で進めていただきたい。〉
首相秘書官が露骨なバックアップを明言、面談の日、安倍首相や下村文科相も
「本件は首相案件」──つまり、加計学園獣医学部新設は国家戦略特区で議論される以前から「安倍首相マター」として特別扱いを受けてきた、出来レースだった。そのことがあらためてこれで証明されたのだ。
 しかも、このほかにも柳瀬首相秘書官は〈国家戦略特区でいくか、構造改革特区でいくかはテクニカルな問題であり、要望が実現するのであればどちらでもいいと思う。現在、国家戦略特区の方が勢いがある〉などと解説し、獣医師会への対応も〈自治体等が熱意を見せて仕方がないと思わせるようにするのがいい〉など、かなり具体的な指示をおこなっている。また、柳瀬首相秘書官は〈農水省・厚労省も歓迎する方向〉〈文科省についても、いい大学を作るのであれば反対しないはず〉などと発言。このように安倍官邸は、加計学園獣医学部新設を「首相案件」として、はっきりとバックアップしていたのである。
 朝日の記事ではこの柳瀬首相秘書官の発言部分だけが紹介されているが、これにはまだつづきがあるのか。そもそも、柳瀬首相秘書官が対応したことや加計学園幹部が同席していたことを昨年7月にスクープしていた「週刊朝日」は、この面会時、当時の文科相で、加計学園から200万円のヤミ献金疑惑が取り沙汰されている下村博文議員がやってきて、「やあ、加計さん。しっかりやってくれよ」と挨拶したと書いていた。
 さらにもうひとつ付け加えれば、この日、加計学園幹部らの官邸訪問は15時から16時30分までだったと記録には示されているが、同日の首相動静を確認すると、安倍首相は15時35分から、ほかでもない下村文科相と面談をおこなっていた。はたして、こんな偶然があり得るのだろうか。
 ともかく、「本件は首相案件」という首相秘書官による発言が判明したこのスクープによって、森友と同時に加計学園問題の真相を求める声が高まることは必至だ。そして、安倍官邸は今度は「柳瀬首相秘書官のスタンドプレー」などと佐川氏と同様にトカゲの尻尾切りをおこなうかもしれない。
 だが、柳瀬首相秘書官が加計学園幹部らと独断で面会し、特別扱いする理由などどこにもない。特別扱いをする理由は、それは「首相案件」だからであり、言うまでもなく総理の「腹心の友」の学校だからだ。
 昭恵夫人が関与した森友に、安倍首相が関与した加計。あとはすっぱりと、総理も国会議員も辞めてもらうほかない。(編集部)


安倍首相の逆ギレが止まらない!「こんな人たち」再攻撃につづき、国民の抗議行動に「左翼は人権侵害が平気」
 安倍首相が例の「こんな人たちに負けるわけにはいかない」発言を再び口にして、ちょっとした話題になっている。9日の参院決算委員会のなかで、昨年の都議選での応援演説中、聴衆に向けて放ったあの暴言について質され、こう言い放ったのだ。
「あきらかに選挙活動の妨害行為であります。3000人、4000人の人たちが私の演説を聞きに来ているなかにおいてですね、私の演説をかき消すかのような、集団的なこの発言をする。これは何か政策を訴えるのではなくて、『安倍やめろ』ということを単に言っている」
「こういうことをする人たちには私たちは負けるわけにはいかない」
「こんな人たち」を「こういうことをする人たち」に言い換えただけ。安倍首相は都議選の惨敗後、「私に批判的な国民の声に耳を傾けない、排除すると受け止められたのなら私の不徳の致すところだ」と陳謝していたが、あれはなんだったのか。
 しかし、追い詰められると、被害者ヅラをして逆ギレするというのは安倍首相の得意技。きっと今回も、文書改ざん問題発覚で「ヤバイ」と焦るあまり、いつもの思考パターンに陥ってしまったのだろう。
 そういえば、最近、安倍首相はもうひとつ、自分と昭恵夫人を被害者に見立てて、こんなトンデモ被害妄想発言をしたらしい。
「左翼は人権侵害が平気だから」
 この発言を紹介したのは、産経新聞の阿比留瑠比論説委員の連載コラム(「阿比留瑠比の極言御免」4月5日付)。阿比留氏といえば、“安倍首相に一番近い記者”のひとりと言われる名物記者。なりふり構わぬ安倍政権擁護はもちろん、ときにデマまで交えた“反安倍バッシング”でネトウヨから熱い支持を受けている御仁だが、このコラムでもお得意のリベラル叩きを展開していた。
 阿比留記者はまず、世論や野党が求める昭恵夫人の証人喚問を「現代の魔女狩り」と呼ぶ。続けて〈人権重視をうたい、弱者や被害者を尊重する姿勢を強調し、売りにしてきた〉野党と「多数派メディア」が一変して〈相手の人権も立場も諸事情もおかまいなしに、大罪人であるかのように石を投げつけ〉ていると主張。「リベラル」のせいで日本が「息苦しい社会」になっていくのを〈断固拒否したい〉と締めている。
 まあ、コラムの趣旨自体は、いつもの陰謀論パターンで、正直、取り上げるレベルですらないのだが、しかし、そのなかにシレッとこう書かれていたのだ。
〈実際、安倍首相が慰めているものの、昭恵夫人はかなり落ち込んでいると聞く。首相官邸の目の前には、もうずっと首相の似顔絵とともに「売国奴」と書かれた横断幕が掲げられているが、こんな嫌がらせをして何がうれしいのか。
 安倍首相は周囲に「左翼は人権侵害が平気だから」と漏らす。〉
人権侵害政策を強行した安倍が自分の批判者に「左翼は人権侵害が平気だから」と
 前述のように、安倍首相と阿比留記者の関係を考えれば、安倍首相が〈周囲に「左翼は人権侵害が平気だから」と漏ら〉したのは、おそらく事実なのだろう。しかも、阿比留記者は、わざわざ〈ここでいう「左翼」とは、日本では「リベラル」を自称している〉人たちのことを指すと注釈まで加えていた。
 一国の首相がこんなネトウヨみたいなセリフを口にすること自体、ありえないが、もっと唖然とするのはあの安倍首相が「人権侵害」などという言葉で、他人を攻撃したことだ。戦後日本で、もっとも人権を抑圧する法案を通し、人権を踏みにじる政策を断行した政権の責任者がいったいどの口で言っているのか。
 たとえば、多くの反対をよそに強行成立させた共謀罪。昨年5月には、国連の特別報告者であるジョセフ・ケナタッチ氏(マルタ大学教授)が「プライバシーや表現の自由を不当に制約する恐れがある」と指摘する書簡を安倍首相宛てに送付した。そこでは英語でこのようにはっきり指摘されていた。
〈いわゆる「共謀罪」法案は、その広範な適用範囲がゆえに、もし採決されて法律となれば、プライバシーに関わる諸権利と表現の自由の不当な制限につながる可能性がある。〉
〈プライバシー権は、この法律が広範に適用されうることによってとりわけ影響を被るように見える。さらに懸念されるのは、法案成立のために立法過程や手順が拙速になっているとの指摘から、人権に有害な影響を与える可能性だ。この極めて重要な問題について、より広い公共的議論が不当に制限されている。〉
 つまり、国連の特別報告者が、共謀罪法案は人権侵害を招く法案だと警告したのである。ところが、政権は聞く耳をもたず、あろうことか国会で安倍首相自らが「教授による今回の言動は著しくバランスを欠き、客観的であるべき専門家の振る舞いとは言い難く、また信義則にも反するものです。日本政府の説明を無視した一方的なものである以上、政府のこれまでの説明の妥当性を減ずるものでは全くないと考えております」と個人攻撃まで繰り出した(17年5月29日参院本会議)。
 また、特定機密保護法についても、「表現の自由」に関する国連特別報告者であるデービッド・ケイ氏が報道の萎縮がみられると報告書でまとめ、是正が勧告されている。なお、昨年11月の国連人権理事会の作業部会では、日本政府に対して死刑廃止など200項目超の勧告が各国からなされた。
 ほかにも、安倍政権が躍起になっている原発再稼働や、負担押し付けを固定化する沖縄米軍基地関連など、安倍政権の政策はもののみごとに人々の生存権や生活権を脅かし続けている。その極めつけが改憲だ。
改憲論議でも「人権否定」思想を全開していた安倍首相と側近たち
 事実、2012年の自民党改憲草案では、基本的人権を《侵すことのできない永久の権利》と定めた憲法97条を全面削除。しかも、自民党が公開しているQ&Aでは〈人権規定も我が国の歴史、文化、伝統を踏まえたものであることも必要だと考えます。現行憲法の規定の中には、西欧の天賦人権説に基づいて規定されていると思われるものが散見されることから、こうした規定は改める必要があると考えました〉と恥ずかしげもなく記している。ようするに、なん人たりとも生まれながらにして人権をもっているという天賦人権説を否定しているのである。
 ちなみに、この自民党改憲草案は谷垣禎一総裁の野党時代に発表されたものだが、その中身は完全に“安倍マター”でつくりあげられたものだ。
 そもそも自民党は、小泉首相時代に「新憲法制定推進本部」を立ち上げて05年に新憲法草案をまとめたが、09年に「憲法改正推進本部」と改組。このとき、安倍氏は最高顧問として参加している。
 しかし、当時は麻生内閣がガタガタの状態で、自民党内も改憲議論を行うような雰囲気ではなかった。そんななかでひとり息巻いていたのが安倍氏であり、安倍氏は集団的自衛権の行使容認を自民党のマニフェストに掲げるよう強固に主張していた。
 そして、ついに政権交代が起こり野党に下野し、自民党内の保守本流が弱体化する一方で、右へ心おきなく振り切れた安倍氏は、稲田朋美氏や加藤勝信氏、礒崎陽輔氏などといった現在の右腕となった腹心たちを束ねて、憲法改正を声高に叫びはじめるのである。
 実際、当時の安倍氏および周辺の発言は、憲法改正草案に通じる物騒なものばかりだ。たとえば当時、安倍氏が会長となった創生「日本」の研修会(12年5月10日)では、稲田氏は「国民の生活が大事なんて政治はですね、私は間違ってると思います」と言い、第一次安倍内閣で法務大臣を務めた長勢甚遠氏は「国民主権、基本的人権、平和主義、これをなくさなければ本当の自主憲法ではないんですよ」とさえ言い切っている。
 この目眩がするほどの人権敵視の憲法観こそ、安倍首相の本質だ。現在、自民党は9条改正を中心とした4つに改憲項目を絞っているが、9条を改悪して「戦争のできる国」にするのは論外なのはもちろん、ひとつでも改憲をゆるしてしまえば、そこから雪崩のように人権抑圧改憲の二の矢、三の矢を放ってくるだろう。
「こんな人たち」再攻撃と「人権侵害」被害妄想の根っこにある独裁体質
 いずれにしても、そんな安倍首相が、自らの人権侵害政策を棚にあげて「左翼は人権侵害が平気だから」などとのたまっているというのだから、その自らを省みない厚顔にはただただ、呆れるしかない。
 しかし、考えてみれば、これこそが安倍首相やその応援団の典型的な手法なのだ。ふだん、人権を徹底攻撃しながら、いざ、自分や政権が攻撃されると、「人権侵害」だと言い出す。本来は、権力を持つ側と持たない側の圧倒的な差を埋めるために、国民やメディアは権力を批判する「表現の自由」が保証され、権力の側が権利を制限されるのは民主主義国家として当たり前のことだ。ところが、連中はそれを完全に逆転させて、自分の人権だけを守り、国民の表現の自由をさらに制限しようとするのである。
 今回、国会で繰り出した「こんな人たち」の再現、「あきらかに選挙妨害」の暴言も根っこは同じだ。安倍首相は市民に対して「何か政策を訴えるのではなくて、『安倍やめろ』ということを単に言っている」とがなりたてていたが、これほど馬鹿げた話もない。森友、加計問題をみてもわかるように、最高責任者である安倍首相の政治の私物化が原因で、政治不信と政治の停滞が起きており、その退陣を求めることも、政党な政治的な意思表示そのものではないか。それをあたかも不法行為のように言い立てるとは、まさに国民に政治的自由を認めない独裁者の発想というしかない。
 世間の批判の声に耳を塞ぎ、ひたすら被害妄想を膨らませて、批判者を排除しようと暴言を連発し始めた安倍首相。いつまでもこんな“民主主義の妨害者”を総理の椅子に座らせていていいわけがないのである。(編集部)


カジノ与党合意 国民の懸念に応えたのか
 ギャンブル依存症をはじめカジノ解禁に向けた国民の懸念に正面から向き合った−とは、とても言えない安易な決着だ。
 カジノを含む統合型リゾート施設(IR)実施法案に関する自民、公明の与党協議が決着した。今国会での成立を目指す自民党と、慎重論が根強い公明党の合意を最優先にした妥協の産物にほかならない。
 一例を挙げたい。日本人や国内在住外国人が対象の入場料について、政府原案は1人1回につき2千円だった。公明はシンガポール並みの8千円を主張し、自民が5千円と譲歩した末に両党は6千円で歩み寄った。
 2千〜5千円だと依存症の心配があるが、8千円では高額過ぎて入場が見込めない−ということで中間にしたのだろうか。なぜ、6千円なら適切か。説得力のある説明は聞かれない。
 一事が万事だ。IR設置数の上限は、自民が4〜5カ所、公明が2〜3カ所を挙げ、3カ所で落ち着いた。とはいえ最初の設置認定から7年後に見直すという。まさに玉虫色の決着だ。
 カジノを巡ってはギャンブル依存症の増加だけでなく、暴力団の介入、犯罪資金の流入や資金洗浄(マネーロンダリング)、青少年への悪影響、周辺地域の治安悪化など、さまざまな疑念を国民は抱いている。
 そもそも賭博行為を禁ずる刑法との整合性について疑問は消えない。共同通信社の先月の世論調査によると、カジノ解禁に反対は65・1%で、賛成の26・6%を大きく上回った。
 そうした不安や疑問について本質的論議を深めた形跡が与党協議にはほとんどない。日本人と在住外国人の入場回数制限は政府案の「連続7日間で3回、28日間で10回まで」をそのまま通した。あきれるばかりだ。
 2016年に、実施法案の国会提出を政府に義務付けるIR整備推進法が成立した際の付帯決議に「カジノには厳格な入場規制を導入」などと明記したことを与党はもう忘れたのか。
 政府、与党は今月中にも実施法案を国会提出の予定だが、森友学園を巡る決裁文書改ざんなど政府の相次ぐ不祥事や国会日程の関係で、法案審議の先行きは見通せないという。
 ならば、なおさら成立を急ぐ必要はない。整備推進法は国会延長のどさくさに紛れるような形で論議不足のまま成立したが、実施法案ではカジノの是非も含めて今度こそ時間をかけて徹底的に論議する必要がある。
 長崎県と同県佐世保市などIR誘致に取り組む全国の地方自治体も、カジノが本当に地域振興につながるか。数々の疑念は払拭(ふっしょく)できるのか。地域住民を交えて再検討してはどうだろう。


瀬戸内寂聴 不倫はしょうがない、世間は過敏に反応しすぎ
 京都・嵯峨野。桜を求める観光客の喧噪も届かないほど奥まった場所に「寂庵」はある。門をくぐり、草木が生い茂る庭の石段を上った先で笑顔で迎えてくれたのは、その寺院の庵主、瀬戸内寂聴さん(95才)だ。
 新聞や週刊誌は隅々まで目を通し、政治、経済から芸能スキャンダルにまで精通する。元外交官の小池政行さん(67才)が、瀬戸内さんが今の世の中に抱く思いに迫った。
――森友問題で、国会は空転を続けています。瀬戸内さんは、選挙の出馬の打診を受けたことがあるそうですね。
「もう何度もお誘いはありました。でも、政治には気が乗らないんです。とにかく“派閥”に縛られているといいますから。政治家になって何か改革しようとか、いっぱい夢があっても、いざなった途端に、派閥の考え方と違うからと、自由にものが言えなくなるのです。
 そもそも私が政治を嫌いになった理由は、別れた夫にあるの。彼が政治好きでしたからね」
――いちばん最初の夫?
「『最初』って、私結婚は1回しかしてないわよ! そのあとのは不倫!(笑い)その夫からいわれて選挙応援をしたことがあります。うんと昔のことです。立候補者の演説の原稿を書いて、私も応援演説に立ったこともあったんですけど、そのとき政治の内実っていうものを知りました。それで嫌になってしまったんです。
 国を思って頑張っている政治家なんて、本当に一握りです。見渡してみなさいよ(笑い)。でも本当は、もっと女性の政治家に活躍してほしいと思っています」
――自衛隊の日報問題に揺れた稲田朋美さん、二重国籍疑惑の蓮舫さん、弁護士とのW不倫疑惑を報じられた山尾志桜里さん然り、男性に比べて女性のほうが叩かれやすい世の中になっている気がします。政治家ではありませんが、安倍昭恵さんもSNSに何か書き込めばすぐに“炎上”しています。
「不倫というのは、しょうがないの、避けられないの。恋愛というものは理屈じゃないんですから。急に雷が落ちてくるようなものなのです。それに当たっちゃったら、もうどうしようもないじゃない。
 女性芸能人の不倫だって、世間はちょっと過敏に反応しすぎだと思います。『女性セブン』さん、あなたのところも不倫をネタにしてるでしょう。でも、あなたたちはどうなの?(笑い)悪いことしてない男性なんて、どこ探してもなかなか見つからないものです」
――私は潔白ですが(苦笑)。
「不倫とはいえ、結局のところ、恋愛なんです。相手に奥さんがいても、それでも好きっていうのは抑えられない。でもね、奥さんを追い出して、自分がそこに収まろうなんて思うのはずうずうしい。他人の不幸の上には、決して自分の幸せは成り立たないものなのです」
――どうすれば女性の立場は変わっていくのでしょう。ハリウッドでは、女優がハラスメントを告発する「#MeToo」運動などが広まりを見せました。
「そもそも日本は、男性に対して寛容な社会。“男性は何をしてもよろしい”ということになっています。『源氏物語』だってそうでした。平安時代にはすでに、女より男のほうが上という考え方があり、DNAの記憶みたいにずっと続いてきています。
 戦後、市川房枝さんなどの女性の政治家が少しずつ増えましたけど、しばらくしたら勢いが衰えてしまいました。戦争っていう時代の節目が終わっても、女性が通用する社会になるにはまだまだ時間が必要だったんでしょうね。
 それは今でも続いていると思います。まだまだ女性が弱い。じゃあどうしたらいいか。女性がみんな一致団結して、“セックスしてやらない!”って男性に宣言してみればいいんですよ。そうしたら、どんな男も平身低頭です。断固たる覚悟が必要だけど、それくらいしなくちゃ、女性は強くなれないわよ」
【聞き手】小池政行さん 元外交官。青山学院大学法科大学院客員教授(国際法)。日本赤十字看護大学教授や聖路加看護大学客員教授を歴任した。聖路加国際病院名誉院長だった故・日野原重明さんとの対談をまとめた『医師のミッション 非戦に生きる』(藤原書店刊)などの著書がある。


仙台市長「女性と土俵 議論を」
大相撲の土俵に女性が上がることをめぐり、毎年8月に夏巡業が行われている仙台市の郡市長は、記者会見で、「なぜ女性が土俵に上がれないのか議論を進めるべきだ」と述べました。
大相撲をめぐっては、京都府舞鶴市で行われた春巡業で、土俵上で倒れた市長の救命処置のため土俵に上がった観客の女性に対し、行司が下りるようアナウンスしたり、兵庫県宝塚市の中川智子市長が、市内で行われた春巡業で日本相撲協会側から土俵上でのあいさつを断られるなど、女性が土俵に上がることが議論となっています。
こうした中、毎年8月に夏巡業が行われている仙台市の郡市長は、先に中川市長が「土俵に上がることを断られ、とても悔しかった」と電話で述べていたことを明らかにしました。
このとき、中川市長から、仙台市で行われる夏巡業でのあいさつについて尋ねられたものの、夏巡業の詳細がまだ分からないため、明確な返答はしなかったということです。
そのうえで、郡市長は、「伝統もあるのかもしれないが、相撲大会で力士として土俵に上がる女性もいる。あいさつなどでなぜ女性が土俵に上がれないのか議論を進めてほしい」と述べました。
仙台市で行われる夏巡業での市長あいさつをめぐっては、奥山恵美子前市長は出席したことはなく、当時の男性の副市長が代理で行ったということです。


ブラジル人弁護士、難関越え誕生へ 出稼ぎ母子家庭・言葉 負けず猛勉強
 愛知県の日系三世ブラジル人青年、照屋レナン・エイジさん(26)が難関の司法試験に合格し、早ければ年内の弁護士登録に向け司法修習を続けている。ブラジルの母子家庭に育ち、八歳で母の出稼ぎに伴い来日。苦しい生活、言葉の壁を猛勉強で越えた。外国人の権利を支えようと意気込む。公式統計はないがブラジル国籍の弁護士が誕生すれば異例の存在になる。
 ▼母がやつれていく
 学校から帰っても、工場で働く母レジナさん(45)は家にいない。子ども時代の照屋さんはテレビを見て過ごし、ドラマで弁護士という存在を知る。「強きをくじく」仕事ぶりにしびれた。「どちらかというと弱者側にいたので」と振り返る。
 無償のはずの公立校で、給食費、修学旅行の積立金、制服、体操服と支出がかさむ。家計を支えるレジナさんは「子どもの目にもはっきり分かるほどやつれていった」。
 小三のとき「休」と「体」の違いに気付かず「夏体み」と書いていた。中学の成績は下位グループ。高校に進み「名古屋大法学部に行き、弁護士になる」と高い望みを打ち明けたとき「先生がちゃんと受け止めてくれた」ことに今も感謝する。
 大学入試前の半年は放課後五時間、週末は一日八時間勉強。現役で名古屋大法学部に入学、同大学法科大学院を経て司法試験も一回で合格した。
 ▼若者たちに勇気
 このニュースは在日ブラジル人社会に、あっという間に広がった。外国人社会に密着して人権問題を調査してきた愛知淑徳大の小島祥美准教授にも情報が届いた。
 「ブラジル人の教員や地方公務員などが少しずつ出て、そんな中で弁護士になる人が現れた。生き方の先例としてブラジル人の若者たちが勇気、元気をもらえる意味は大きい」と喜ぶ。
 一方で厳しい現状も指摘する。「資格に挑戦する外国籍の若者は非常に多い。就職差別が根強く、能力だけでは認められない実情がある」
 照屋さんが気になるのは、世間に「○○人はこうだ」と決めつける言説があること。そして考えをうまく言えず権利を使えない外国人のことだ。
 弁護士として外国人たちの力になりたい、若い世代に日本で羽ばたく夢を持ってほしいと願う。「いろんな道がある。将来を貪欲に見て、いっちょうやってみようと思ってもらえたら。別の言葉が使えるのは、どの分野でも武器になる」
<外国人と弁護士資格> 日本で弁護士になるには司法試験に合格し司法修習を受けなければならない。司法試験は国籍を問わず受けられるが、司法修習は戦後長く日本国籍者に限られ、これがネックで外国籍のまま弁護士の道には進めなかった。1976年に司法試験に合格した在日韓国人の金敬得さん(故人)は不当だと訴え司法修習生の任命を取り扱う最高裁と交渉。最高裁は77年、規則を変え外国籍の司法修習生を認める方針に転換した。


SMAP5人の再結集あるか 中居正広が「雨上がりのステップ」に愛のダメ出し!!
 4月7日放送の『中居正広 ON & ON AIR』(ニッポン放送)で、香取慎吾(41)、草なぎ剛(43)、稲垣吾郎(44)の楽曲「雨上がりのステップ」がフルコーラスで流された。同ラジオのMCを務めているのは、番組名からもわかるように中居正広(45)。昨年9月に二手に分かれた元SMAPの“ジャニーズ事務所残留組”だ。そんな彼が決して円満とは言えない形でジャニーズ事務所を去った3人の曲を自身のラジオ番組で放送したことで、視聴者は一時騒然。さらに中居正広は、曲の終了後「なんだこの歌? これは売れないな」「僕も以前に音楽に携わることがあったんで……詳しいわけじゃないんですけどもこれはダメですね」「かすれ声とかもうちょっと雑な声が入ってないと売れないですね」と楽曲にコメントしている。ジャニーズ所属タレントとして、新しい地図に触れること自体がタブーと見られる中、中居はどのような意図で「雨上がりのステップ」を流したのだろう。
 これまでも、中居正広の“SMAP”を匂わせるような発言は多数あった。例えば3月25日放送の『行列のできる法律相談所』(日本テレビ系)で、中居正広は「Yeah、Yeah、What’s up みたいなのがあるの?」と木村拓哉(45)のラジオ番組『木村拓哉のWhat’s UP SMAP!』(TOKYO FM)を彷彿とさせる発言をしている。しかし今回ほど直球で元メンバーに言及する機会はなかったように思う。そもそも木村はジャニーズ残留組であり、その名前はタブーでもない。
 今回ラジオで中居がした「かすれ声とかもうちょっと雑な声が入ってないと」というコメントは、どう考えても「中居正広の声」のことであり、「入ってないと売れない」は「自分も歌いたかった」ともとれる発言。「なんだこの歌?」から始まった一連の“ダメ出し”は、元SMAPファンの間で「3人への愛情を感じる」と受け止められ、「次の曲では“雑な声”を入れてほしい!」と新しい地図への中居合流を期待する声が相次いでいる。
 4月7日の生放送『CDTV祝25周年SP』(TBS系)でも、司会の中居正広が“SMAP”に触れる場面があった。番組に登場した堂本光一(39)が、“KANZAI BOYA”というユニット名で活動してた頃を振り返りながら、司会の中居に「SMAPで良かったって思ってたでしょ?」と質問。中居は「それはそうでしょ! SMAP BOYA? KANZAI BOYA? 冗談じゃない!」と笑いながら答えていた。
 そしてもうひとりのジャニーズ残留組・木村拓哉も、冠ラジオ番組『木村拓哉のWhat’s UP SMAP!』(TOKYO FM)ではSMAPの楽曲をしょっちゅうかけている。3月には主演ドラマ『BG〜身辺警護人〜』(テレビ朝日系)の打ち上げで、SMAPの楽曲「SHAKE」を歌っていたと報じられもした。さらに4月6日の『木村拓哉のWhat’s UP SMAP!』では、SMAPの名曲「ススメ!」をオンエア。この日は新しい地図の映画『クソ野郎と美しき世界』の公開日であり、木村から三人へのエールと見る向きもある。
 SMAPの解散劇、そして三人だけが退所となったことをめぐり、五人の心は分裂したと散々マスメディアに報じられた。しかしやはりファンは、再結集を望んでいる。彼らが発するひとつひとつのメッセージからは、不仲など信じられないからだ。
 中居・木村がエールを送る一方で、退所組の三人も想像以上の活躍ぶりを見せている。独立前後には、ジャニーズ事務所の影響力が強い日本の芸能界において完全に干されるだろうと懸念されていたが、結果的にジャニーズが業界全域を支配しているかといえばそうではなかったことが明らかになった。稲垣吾郎と香取慎吾はサントリービールのノンアルコール飲料「オールフリー」のCMキャラクターに就任。単独で稲垣吾郎は最先端収納サービス「サマリーポケット」、香取慎吾はネットショップ作成サービス「BASE」、草なぎ剛はサントリー「伊右衛門」・アサヒグループ食品株式会社「1本満足バー」・ウェアラブル翻訳デバイス「ili(イリー)」にて各自CM出演やイメージキャラクターを務めている。また、キヤノンのCMには、竹内結子が草なぎ剛の愛犬・くるみちゃんと共に出演。同CMは、香取慎吾と草なぎ剛のユニット“SingTuyo”の「KISS is my life.」という楽曲が採用され流れているのだ。香取と草なぎが長く続けてきたバラエティ番組こそ終了したが、三人の仕事が途絶える気配はない。ちなみにabemaTVでスタートした番組『新しい別の窓』は、先日終了した草なぎの『ぷっすま』(テレビ朝日系)と同じ制作スタッフが手がけている。
 今すぐには難しいとしても、SMAPが五人揃う日がそう遠くない未来にあるのではないか。また五人で歌う姿を見ることも出来るのではないか――そう期待せずにはいられない流れが来ている。(ボンゾ)


京都・木屋町 小学校跡地にミニ図書館 風俗店ブロック
 京都市の繁華街・木屋町にあり、1993年に閉校した市立立誠(りっせい)小学校(同市中京区)の跡地に今月、地域住民らが小さな図書館をオープンさせた。観光客らへ情報発信を目指すとともに、周辺の風俗営業の規制がもう一つの狙いだ。規制範囲を最大にするため、歩道に面した敷地の隅に「飛び地」の閲覧スペースも設けた。住民主体の街づくりの試みとして注目される。【国本ようこ】
 住民らでつくる一般社団法人「文(ぶん)まち」=山本国三理事長(78)=が新設した「立誠図書館」。旧立誠小は古都の風情を伝える高瀬川沿いにあり、旧校舎は昭和初期の建築。図書館は旧校舎南側の仮設建物1階に入っている。
 街歩きなど「京都歩きの本棚」▽地域の歴史に関する「立誠小学校DNAの本棚」▽食をテーマにした「食べる本棚」−−に分けて計約500冊が並び、約30席の閲覧席は誰でも利用可。カフェも併設し、川面を眺めてゆったり本が読める。
 一帯は京都随一の繁華街で、住民らは夜間の風紀の乱れに頭を悩ませてきた。歯止めは学校や図書館から200メートルの範囲で性風俗店やラブホテルなどの新規出店を禁じた風俗営業法だ。立誠小の閉校後に規制が外れて性風俗店が増え、2005年から住民の要望で市は敷地を市立高倉小(中京区)の第2教育施設として使い、規制を復活させた。
 ところが、小学校跡地に複合文化施設「ザ・ゲート立誠京都」(仮称、20年完成)を造ることになり、状況が変わった。市が今月から東京の不動産会社に敷地を貸し、規制が外れる事態になったためだ。自治会、市、不動産会社が知恵を絞った結果が、図書館を造って規制を続けるアイデアで、設置費用を会社が負担して実現にこぎ着けた。
 図書館は、仮設建物の約70平方メートルのほか、敷地の北東、北西、南西の角にも閲覧場所「図書館ボックス」を設けた。歩道に面して小さな書架、椅子が数脚あり、歩行者が自由に本を手に取れる。敷地の角を図書館とみなすことで、従来の学校敷地と同様の規制範囲を保てる。複合施設の完成後も図書館は存続する予定だ。
 この地域で街づくりに関わってきた石原一彦・立命館大教授は「廃校を拠点に住民が街のイメージや治安を自ら守る活動は全国的にも珍しい。繁華街に保存された校舎が地域のシンボルとなり、住民の活動が続いてきた」と指摘する。山本理事長は「可愛らしい図書館だが、皆さんにふらりと立ち寄ってもらいたい」と期待した。
 開館時間は午前11時〜午後8時。不定休。本の貸し出しはしていない。問い合わせは立誠図書館(075・585・5561)。