ブログネタ
フランス語 に参加中!
konya2

Qui sont les "Hikikomoris", ces jeunes Japonais qui vivent reclus dans leur chambre ?
ULTRA-MODERNE SOLITUDE - Une jeune personne qui reste cloîtrée chez elle pendant plus de six mois sans aller à l'école ou au travail et avec pour tout contact humain les relations avec des membres de sa famille. Ce phénomène a un nom : les "hikikomoris". Il a émergé au Japon à la fin des années 90 et se répand désormais partout dans le monde, y compris en France.
Romain LE VERN
Kezako "Hikikomori" ? Ce terme, qui signifie "se retrancher" en japonais, est utilisé pour désigner un "mal contemporain", un "trouble de conduite" qui frappe les adolescents comme les jeunes adultes. Que font-ils pour susciter une telle appellation ? Ils se retirent, ils se cloîtrent, le plus souvent dans leur chambre, pendant plusieurs mois ou plusieurs années, et n'en sortent pas, ou si peu. Dans cet espace solitaire, ils s'exilent sur Internet, jouent à des jeux vidéo, rompent leurs liens avec les autres, avec l'école, avec le monde du travail. Pour faire quoi ? Pour ne rien faire.
Un phénomène déconcertant de "néantisation existentielle" manifestant un désintérêt total pour le monde réel, ayant émergé dans les années 90 au Japon, touchant près d’un adolescent sur cent et prenant aujourd'hui une nouvelle dimension avec le vieillissement de ces centaines de milliers de reclus. Ainsi, dans une étude parue en 2016, plus d'un tiers des personnes "hikikomori" interrogées disaient s'être mises en retrait de la société depuis plus de sept ans, contre 16,9 % en 2009.
Comment devient-on "hikikomori" ?
Si l'on en parle de plus en plus ouvertement, si même des films (De l'autre côté de la porte, de Laurence Thrush) l'ont mis en lumière, le phénomène "hikikomori" reste mal compris, souvent lié à des "relations difficiles à l'école" (soit ce que l'on appelle au Japon "l’ijime", le harcèlement scolaire), à la peur du "monde professionnel", ou à une difficulté à trouver sa place dans le monde.
Pourtant, il s'avère bien plus complexe qu'une simple dépression, prenant les atours d'un rejet radical des normes sociales, s'exprimant en réaction à la figure de l'individu autonome et performant dans une société japonaise vieillissante ayant brutalement évolué d’une société traditionnelle à une société occidentalisée : "Les Hikikomoris ne sont pas armés pour le passage entre l’enfance et l’age adulte, ils s’enferment pour se détacher des modes et des injonctions de la société", affirme Kayo Ikeda, psychologue clinicienne. "Ils ne pensent à rien, n’ont aucune ambition, aucune préoccupation vis-à-vis de l’avenir et s’affirment par une absence totale d’idéal de vie. Ils questionnent notre rapport à la reconnaissance sociale. Ils interrogent les fondements même de notre société moderne."
フランス語
フランス語の勉強?
Nobuyo Yagi 八木啓代 @nobuyoyagi
おっと、6月14日はチェのお誕生日だったではありませんか。
時差の関係で、いまごろ私のTwitterやFacebookのラテンアメリカ人がお祝いをしていて
思い出しました。


朝早く鹿児島空港から関空へ.途中でおにぎりを食べたけどとてもおいしいです.
昼過ぎから出勤ですが,いきなりヒョーシ問い合わせがあってうれしいです.

<岩手・宮城内陸地震10年>亡き人への思いずっと 栗原で追悼「風化させぬ」
 岩手・宮城内陸地震は14日、発生から10年となった。宮城県栗原市内の慰霊碑前では遺族らが鎮魂の花をささげ、手を合わせた。市主催の追悼式もあり、関係者が地震の教訓の継承を誓った。
 土石流にのまれ7人が犠牲になった同市栗駒耕英の駒の湯温泉。市の観光アドバイザーで宿泊客だった麦屋弥生さん=当時(48)=と親交が深かった同市一迫のユリ園経営黒沢征男さん(74)と妻征子さん(73)は、慰霊碑に自宅のユリを手向けた。
 征男さんは「長女も世話になった。麦屋さんのまいた種が実を結んでほしい」と話した。
 同市花山地区の慰霊碑では、同市に渓流釣りに出掛けたまま行方不明になった七ケ浜町の会社員池端桂一さん=当時(44)=の妻志津江さん(55)が子ども3人と献花した。
 志津江さんは「当時のいろんなことを思い返した。支えてくれた人たちに感謝したい」と目頭を押さえた。長女(27)は「今も父が亡くなったという実感がない。父を思う気持ちはずっと同じだと思う」と語った。
 市栗原文化会館であった市主催の追悼式に、遺族や関係者約300人が参列。千葉健司市長が「教訓を風化させず次の世代に伝えていく」と誓った。前市長の佐藤勇さん(75)は「遺族の思いは生涯忘れることができない」と振り返った。
 内陸地震と同じ年に生まれた栗駒小4年の児童42人による発表もあった。栗駒山麓の復興の歩みや耕英地区開拓の歴史などを語り「魅力ある栗原をつくっていきたい」と声を合わせた。


河北春秋
 映画監督大林宣彦さん、詩人谷川俊太郎さん、評論家白井佳夫さん、俳優斎藤工さん…。来館した人々のサインがロビーの壁を埋める。赤いシートのこぢんまりした館内は銀幕との距離も近く、映画が一層濃密になった▼仙台市内で39年間、映画ファンから親しまれた「仙台セントラルホール」が今月末閉館する。赤字で親会社やスポンサーが撤退する危機を乗り越え、9年前から地元の合同会社が運営。ロードショーに乗らない話題作、名作の上映が魅力だった▼東日本大震災の後、被災地発の記録映画の上映にも取り組んだ。宮城県南三陸町の集落の被災前後を撮り続けた『願いと揺らぎ』や、広島の被爆者を治療した医師を追った『ヒロシマ、そしてフクシマ』−。筆者も昨年末、力作と出合った▼山田徹監督(34)の『新地町の漁師たち』。福島県の浜の人々が原発事故から再起する姿を5年間撮った。「震災、原発事故は終わらない。東北の映画館として伝えたい」と遠藤瑞知支配人が当時語った▼「上映館を探す中で『震災の映画など、もう見る人はいない』と断られたこともある」と山田監督。作家の思いに共感してくれたのがセントラルホールだった。赤字や老朽化が閉館の理由というが、惜しまれてならない。「さよなら上映」が23日から。

<福島第2廃炉>「安心して暮らせる」 地元歓迎 評価と不安
 「少しは安心して地元に暮らせるようになる」。東京電力が福島第2原発(福島県楢葉町、富岡町)の廃炉方針を福島県に伝えた14日、住民から歓迎の声が上がった。地域経済の行方や福島第1原発(大熊町、双葉町)の廃炉作業への影響を懸念する地元関係者もおり、東電の突然の方針表明に評価と不安が交錯した。
 「第2原発が廃炉になれば安心できる。もし再稼働となれば、住民の帰還のさらなる妨げになっていた」。楢葉町の竹本忠雄さん(67)はほっとした表情だ。
 町の避難指示は2015年9月に解除された。翌年に帰町した竹本さんは「望みは第1原発を含む完全な廃炉。安全に作業を進めてほしい」と求めた。
 同町議会は13年12月、第2原発廃炉を求める意見書を可決。町も東電や国に廃炉を重ねて要請してきた。
 松本幸英町長は「東電にようやく一歩踏み込んだ発言をしてもらったが、遅きに失した感もある。廃炉の時期をいつにするかなど、できるだけ早い判断を求めたい」と話した。
 廃炉には課題が山積する。富岡町から郡山市に避難する高橋四男さん(80)は「富岡は雇用などで原発に頼っていた。今は町に企業が少なく、経済面で不安だ」と今後を心配する。
 第1原発の廃炉作業への影響を懸念する声も。富岡町の宮本皓一町長は「第2原発が後方支援をすることで、第1原発の廃炉が早期に進めばいいと考えてきた。影響のないようにしてほしい」と注文を付けた。
 第1原発が立地する双葉町の伊沢史朗町長も「廃炉を同時に進めると作業員の確保も厳しくなると予想される。最優先すべきは第1原発だ」と述べた。
 今後の東電の動きに警戒感も広がった。焦点は第1原発にたまり続ける放射性物質トリチウムを含む処理水の処分方法の行方だ。
 福島県浪江町を拠点に試験操業を続ける相馬双葉漁協の高野一郎請戸地区代表は「第2原発の廃炉に異論はないが、トリチウム水の海洋放出は絶対にあってはならない」と強調。「廃炉で汚染水や廃棄物がどうなるのかの説明もしっかり聞きたい」とくぎを刺した。


<福島第2廃炉>小早川社長「曖昧な状態復興の妨げ」
 東京電力ホールディングスの小早川智明社長は14日、福島第2原発の全4基を廃炉にする方向性について、福島県庁で報道各社の取材に応じた。
 −廃炉の方向で検討に入ることを決めた理由は。
 「内堀雅雄知事や県議会、地元首長から再三の廃炉要請を受け、曖昧な状態を続けていることが(福島第1原発事故からの)復興の妨げになると考えた」
 −決断まで時間を要した。
 「もう少し早くできたらと考えるところもあるが、これ以上は延ばせないと判断した。福島の復興に向けた責任を果たすことが当社の経営の最大命題だ」
 −廃炉に向けた計画は。
 「これからさまざまな関係者に説明する。その上で課題を抽出して検討し、社内で正式に決定したい」
 −今回の判断に至る社内での議論は。
 「ごく最近、全号機廃炉の方向で検討したいと取締役会にも相談し、大きな方向性として賛意を得ている。具体的な検討や正式決定はこれからだ。(廃炉作業中の)福島第1原発を含めて廃炉計画をどう作るかがポイントになる。地元の意見も反映させていきたい」
 −経済産業省の有識者会議が5月、二酸化炭素(CO2)抑制などを強く打ち出した新たなエネルギー基本計画の素案を取りまとめた。今回の判断に影響しているのか。
 「私どもとしては低廉でCO2が少ない安定した電源から電気を調達してお届けするという意味で、原子力発電所は一定の役割を果たす重要な施設と考えている。当社として、どういう電源構成にしていくべきかは今後、社内で検討していく」


<福島知事選>「内堀氏に追い風」 近く出馬表明 支援政党は評価
 東京電力が福島第2原発の廃炉方針を示した14日、福島県知事選(10月11日告示、28日投開票)に向け準備を加速していた県政界にも波紋が広がった。廃炉方針は近く再選立候補を表明する内堀雅雄知事(54)への「手土産」との見方もあり、支援政党は「追い風になる」と評価。対立する政党からは「表明が遅すぎる」と辛辣(しんらつ)な意見も出た。
 14日正午すぎ、国民民主党県連や社民党県連など5者協議会は県庁で、内堀知事に再選に向けた立候補を要請した。
 東電が廃炉方針を内堀知事に伝えたのは同日午前。5者協の関係者は「選挙でアピールできる実績になる」と指摘した。
 内堀知事には政権与党の自民、公明両党に加え、非共産の国政野党も支援に回る。盤石の体制だが、共産党などからは「脱原発の政策などで国にものが言えない」などの批判もあった。
 「県内原発の全基廃炉」という1期目の公約を果たしたことで、「脱原発」を求める有権者にも支持を広げられる可能性がある。内堀知事は同日の記者会見で「原発事故に伴う風評払拭(ふっしょく)に向けた大切なスタートにつながる」とも述べた。
 これに対し、独自候補の擁立を目指す共産などの見方は冷ややかだ。
 同党県議の一人は「廃炉を表明させるまで7年は遅すぎる。他県の廃炉も要求して当然なのに訴えず、東電と全く対峙(たいじ)していない」と語り、候補擁立に影響がないことを強調した。


福島第2原発廃炉/遅すぎた決断 信頼は失墜
 福島第1原発の事故後も、存続か廃炉かずっと曖昧にされてきた福島第2原発(楢葉町、富岡町)について、東京電力が14日、4基全てを廃炉とする方針を福島県の内堀雅雄知事に伝えた。
 「原発事故からの復興の障害になる」という地元からの廃炉要請にようやく応えたことになるが、なぜここまで遅くなったのか、福島県民には理解不能だろう。
 東電は炉心溶融(メルトダウン)を引き起こした第1原発の事故だけでなく、第2原発の問題でも福島県民の信頼を大きく損ねたことを反省すべきだ。
 遅すぎる決定になったが、今後はできるだけ早く廃炉までの具体的な計画を策定し、県民の理解を得なければならない。第2原発は「運転開始から40年」を機に、廃炉を決めていくつもりではないかという観測もあったが、そんな悠長なことは許されない。
 第2原発1〜4号機(いずれも出力110万キロワット)が運転を開始したのは、1982年から87年にかけて。第1原発のおよそ10年後になり、東電は計10基の原子炉を福島県の浜通り地方に集中立地させる結果になった。
 東日本大震災の際、第2原発は4基とも運転中だった。津波で多くの非常用ディーゼル発電機や配電設備が使用不能になり、危機的な状況に陥ったが、懸命の復旧作業によって4日後には全て冷温停止にこぎつけた。
 第1原発のような重大事故は免れたものの、運転停止は7年3カ月に及んでいる。
 第1原発と第2原発はわずか12キロしか離れていない。一方の原発が破滅的な損害と放射能汚染をもたらしたのに、もう一方の原発が再稼働するなどということは到底理解を得られないだろう。
 東日本大震災から3カ月後の2011年6月には、当時の佐藤雄平知事が「脱原発」を明言、その4カ月後に県議会が「県内全原発の廃炉」を求める請願を採択した。
 原発事故によって第2原発の命運は尽きていたのに、東電は廃炉を言い出さないまま、ずるずると時間ばかりが過ぎてきた。
 内堀知事らが事あるごとに「第2原発廃炉」を求め、東電が曖昧な返答を繰り返すのは、まるで年中行事のようになっていた。
 極めて重大な原発事故を引き起こしてもなお、「第1原発の廃炉作業のバックアップに必要」「発電部門全体を考えてから結論」などと、理由にならない理由を並べ立てる東電に反発が強まっていたのは当然のことだ。
 福島県の被災者らにとっては、不当に待たされた揚げ句の廃炉決定になる。県は廃炉スケジュールの策定を東電に急がせなければならないし、政府も影響力を行使していくべきだ。東電任せにしておいては、またも振り回される事態になりかねない。


<福島第2廃炉>震災時冷却機能、一時失う
 東京電力が廃炉の方針を明らかにした福島第2原発は、2011年3月11日の東日本大震災で炉心溶融(メルトダウン)を起こし大量の放射性物質が放出された福島第1原発(双葉町、大熊町)と同様、原子炉の冷却機能を一時失い、危機にひんした。一部の外部電源が使えるなどしたため最悪の事態を回避できた。
 第2原発は4基あり、震災発生時は全て運転中だった。地震直後の原子炉の自動停止には成功したが、その後津波に襲われ1、2、4号機の原子炉が冷却機能を失った。原子炉格納容器の圧力も上昇し、放射性物質を大量に含む蒸気を外部に放出する「ベント」の準備も進めた。
 政府は第1原発に続き、同12日に第2原発も「原子力緊急事態」の対象に追加。半径3キロ圏の住民に避難指示を出し、10キロ圏の住民に屋内退避を求めた。
 ただ第1原発と比べて襲来した津波が低かったことや、外部電源の一部が使えたことなどから、震災4日後までに全4基の原子炉の安定的な冷却に成功。ベントも実施されなかった。
 事故収束後、原子炉内にあった核燃料は順次、使用済み燃料プールへ移送し、15年3月までに全4基で取り出しが完了、それぞれのプールで冷却を続けている。
 第2原発は現在、第1原発の廃炉作業の後方支援拠点として汚染水タンクの組み立てなどに活用されている。4基は運転開始から30〜36年が経過し、原則40年の運転期間に近づきつつある。


<福島第2廃炉>再建に不確定要素 人材や費用課題山積
 東京電力が福島第2原発(福島県楢葉町、富岡町)の廃炉を検討する方針を福島県に伝えた。事故を起こした福島第1原発と並行し、廃炉作業を進めるには人材確保に課題が残る。費用が想定より膨らむ可能性があり、経営再建に向けた不確定要素が増えるのは必至で、他の大手電力との提携強化を迫られそうだ。
 東電の小早川智明社長は福島第2の廃炉を検討することを近頃開かれた取締役会で伝達。東電関係者は「福島の復興を考えると、電源の確保や経済性という観点だけでは福島第2をどうするか判断できない。社内の位置付けが明確になった」と明かした。
 福島第2の4基は出力は各110万キロワットといずれも大型炉に分類される。経済産業省によると、廃炉費用は1基当たり580億〜870億円かかる見通しだ。電力各社は廃炉に必要な費用を解体引当金として積み立てており、電気料金に織り込まれている。
 東電は福島第2の4基の廃炉費用を計2766億円としており、国内の各原発に適用される制度に基づいて2017年度末時点で1975億円をすでに積み立てている。未引当金は791億円と巨額だが、廃炉決定後も一定期間は電気料金に反映し、経営への影響を抑えるとみられる。ただ廃炉によって生じる放射性廃棄物の処分などで、負担が増える恐れがある。
 福島第1の廃炉には30〜40年かかり、廃炉や賠償など事故対応費用は約16兆円かかる見込みだ。損益改善への貢献を期待する柏崎刈羽原発(新潟県)は、地元の強い不安から再稼働の時期は見通せていない。
 東電は福島第1に原発専業の日本原子力発電から技術者の派遣を受けている。原発事業の人材確保と経営効率化を狙って、他の電力大手との提携や協力関係の拡大が予想される。


<福島第2廃炉>東北各地の声「避難者の支援優先に」「風評残る、東電反省を」
 福島第1原発事故から7年3カ月余り。事故を起こした東京電力が14日、ようやく福島第2原発の廃炉を表明した。東北各地で暮らす原発事故の被害者らは遅すぎる判断を批判し、今もなお収束しない未曽有の被害に対する怒りや不満をあらわにした。
 原発事故後、南相馬市小高区から親族9人で避難し、米沢市で暮らす上野寛さん(53)は「廃炉の判断は遅いとすら思う。なぜ今なのか、第2原発でも大きな問題があったのではという疑念もある」と東電への不信感をにじませた。
 政府が福島第1原発の汚染水対策などに国費を投入する現状に対しても「第2原発にも国費が使われないか心配。避難者支援の予算確保を優先すべきではないか」と指摘した。
 福島市から米沢市に自主避難した武田徹さん(77)は「今も放射線量が心配な場所がある。福島県内の全原発廃炉が避難者の帰還促進につながるというのは早計だ」と冷ややかに見る。
 農産物直売所が閉鎖を余儀なくされるなど、原発事故の被害を受けた宮城県内丸森町の筆甫地区。自治組織の会長を務める引地弘人さん(70)は「廃炉は当たり前。今更という思いだ」と怒り、「風評被害はまだ残る。東電は反省してほしい」と強調した。
 反原発運動を続ける宮城県女川町議の阿部美紀子さん(66)も「放射性廃棄物を最終処分する方法のめども立っていない原発は、福島に限らず廃炉を進めるべきだ」と訴えた。
 東電の原発新設計画に翻弄(ほんろう)され続ける地域もある。東電は2011年1月、青森県東通村で東通原発の新設工事に着手したが、東日本大震災以降は中断したままだ。村内の40代主婦は「工事再開は絶望的。原子力産業にとって厳しい時代が続きそうだ」と地域の先行きを不安視した。


福島第2原発の廃炉 計画の具体化は速やかに
 福島第1原発の重大事故から7年余り。東京電力が、ようやく福島第2原発を廃炉にする方針を明らかにした。実現すれば、福島県内に10基あった原発はすべてなくなる。
 福島第2の存在は、避難生活や風評被害に苦しむ県民の心を逆なでしてきた。東電は、円滑な廃炉に向けた工程表づくりを急ぐ必要がある。
 福島第2は東日本大震災の際、第1と同様に津波をかぶった。それでも一部の外部電源が残ったため、重大事故は免れた。
 その後も停止したままだが、大量の核燃料は残っている。安全性や将来の再稼働を巡る県民の不安は根強く、県は東電や事実上の筆頭株主である国に、早期廃炉を求めてきた。
 再稼働には立地自治体の同意が必要だ。第2の再稼働はもともと、政治的にはあり得ない選択肢だった。
 また、第2の4基はいずれも運転開始から30年を超えている。原則40年のルールを延長して稼働するためには巨額の安全投資が必要となる。経営的にも存続させるメリットは乏しかったわけだ。
 それにもかかわらず、東電は廃炉決定を先延ばしにしてきた。
 廃炉を決めると原子炉や核燃料などを資産に計上できなくなるため、財政基盤が悪化する。東電はそれに耐えられる経営体力が整うのを待っていたとも思われる。
 しかし、そんな台所事情があったとしても、十分な説明もせず、うやむやな態度に終始してきたことは誠実さに欠けると言わざるを得ない。
 今回、福島県の内堀雅雄知事に廃炉の方針を伝えた東電の小早川智明社長は、第2が「復興の足かせになっている」と認めた。そうであれば、廃炉に向けた準備に早急に着手すべきだ。
 東電は福島第1の廃炉という極めて困難な作業を抱えている。重ねて第2の廃炉を円滑に進めるには、資金や人員などの経営資源の配分にも知恵を絞る必要がある。国とも連携し、計画の具体化を急いでほしい。
 福島第2が廃炉となれば、東電の原発は柏崎刈羽(新潟県)だけになる。再稼働に向け、地元への働きかけを一段と強めることも予想される。しかし、肝心なのはあくまで安全の確保と地元の納得であることを忘れてはならない。


福島第2廃炉/風評払拭し復興の加速を
 東京電力ホールディングスの小早川智明社長が、福島第2原発の全4基を廃炉の方向で検討すると表明した。東日本大震災で過酷事故を引き起こした第1原発はすでに廃炉が決まっており、実現すれば10基あった福島県内の原発はゼロになる。
 第2は震災で冷却機能が一時止まったが、再稼働が可能な状態だ。福島県や立地自治体は廃炉を求め続けていた。東電は明確な姿勢を示さず、政府も「他の原発とは違う」としながら判断を東電に委ねていた。
 県は脱原発依存を掲げ、自然エネルギーや農林水産業、観光を軸に復興を目指す。その動きを加速するため、根強い風評被害を払拭(ふっしょく)する弾みにしたい。
 原発の廃炉は東電の経営を大きく圧迫する。発電収入が得られなくなるだけでなく、設備や核燃料などの資産価値がゼロになるからだ。
 だが事故発生から7年を過ぎても、多くの県民が風評被害や避難生活に苦しむ現状を見れば、加害者である東電が福島第2の再稼働を目指しても認められる可能性は低い。決断が遅すぎたといえよう。
 廃炉が決まっても、福島の二つの原発には難題が山積する。
 第2では原子炉内から使用済み燃料をすべて取り出し、プールで冷却しているが、2016年11月に発生した地震では1時間40分にわたり冷却停止に陥った経緯がある。安全対策の徹底が求められる。
 さらに深刻なのは第1だ。燃料を冷やした後の汚染水は浄化処理後も処分のめどが立たず、敷地内に約105万トンを保管する。日々増え続けており、数年もせず満杯になるとみられる。
 微量のトリチウムが残っているが問題はないとして、原子力規制委員会は東電に海洋放出の実施を求めている。しかし、漁業者らの反発は必至だ。
 東電は「福島第1の廃炉とトータルで地域の安心に沿いたい」とコメントを出した。ただ廃炉の具体的なスケジュールは未定で、小早川社長は「これから考える」と述べた。
 東電は廃炉に向けた工程を速やかに公表し、県民に理解を求める必要がある。その上で帰郷を促せるよう、廃炉作業に全力を注がなければならない。


福島第2廃炉 原発依存の経営脱却を
 東京電力ホールディングスの小早川智明社長はきのう、内堀雅雄福島県知事に、福島第2原発の全4基を廃炉とする方向で検討すると伝えた。
 第1原発は廃炉が決まっており、第2原発も廃炉となれば、福島県の原発はなくなる。
 2011年の第1原発の事故後、地元は一致して第2原発の廃炉を求めていた。そもそも過酷事故を起こした東電が、福島で再び原発を動かすことは許されない。
 4基とも運転開始から30年を超えて老朽化が進み、廃炉の判断はむしろ遅すぎたと言えよう。
 第1原発の廃炉作業は困難を極めている。東電は第2原発について、早急に説得力のある廃炉工程を示す必要がある。
 原発を巡り、東電は柏崎刈羽原発(新潟県)を再稼働させる考えだが、新潟県の住民の多くは反対している。東電は原発頼みの経営から脱却する道を探るべきだ。
 福島第1原発では炉心溶融が起きる一方、第2原発の方は大惨事を免れた。
 小早川社長は、第2原発が「このままあいまいでは復興の足かせになる」と理由を述べたが、とうに分かっていた話ではないか。
 福島県議会と県内の市町村議会は決議や意見書で全10基の廃炉を求めている。第2原発の再稼働は事実上、不可能な状況だった。
 事故から7年以上も経過した今になって、唐突に廃炉の方針を表明したのは不可解だ。
 東電は柏崎刈羽原発を再稼働させる姿勢を変えていない。
 先の新潟県知事選で、原発再稼働に前向きな与党が全面支援する花角英世氏が当選した。これで柏崎刈羽が再稼働に前進したと判断し、福島第2の廃炉に踏み切ったとすれば、間違っている。
 知事選で有力2候補はいずれも再稼働に慎重だった。
 出口調査では、再稼働に「反対」と「どちらかといえば反対」が計60%を超えている。
 新しい花角知事は、前知事が進めた、福島の事故原因と、柏崎刈羽原発の事故時の住民避難計画の実効性を調べる検証委員会を引き継ぐと主張した。
 その言葉通り、徹底した検証を行わなければならない。
 柏崎刈羽原発は、07年の新潟県中越沖地震で想定を超える揺れを受け、機器が損傷し、屋外変圧器で火災が発生するなどした。新潟県民の不安は当然だ。
 与党も東電も地元の意向を尊重すべきだ。


福島第2原発  廃炉の道筋明確に示せ
 東日本大震災に伴う津波被害で停止したままの東京電力福島第2原発(福島県楢葉町、富岡町)の全4基を廃炉にする方針が、東電から福島県に伝えられた。
 第2原発は炉心の損傷は免れたものの、再稼働に向けた地元の同意が得られる見通しはなく、事実上廃炉以外の選択肢はなかった。
 一昨年11月に福島県沖で発生した地震では、3号機の使用済み核燃料プールの冷却が一時的に止まった。稼働していなくても、事故につながるリスクは存在する。
 同県は大惨事を招いた第1原発も含めて県内にある原発10基の全基廃炉を目指しており、繰り返し廃炉を求めていた。廃炉方針表明は遅きに失したというほかない。
 東電ホールディングスの小早川智明社長は「(廃炉について)あいまいでは復興の足かせになる」と語ったが、廃炉の工程については明らかにしなかった。
 廃炉には数十年単位の年月がかかる。その工程は、地域の復興計画にも影響しよう。東電は具体的なスケジュールを早期に示し、理解を得るよう努めてほしい。
 原発の廃炉は、使用済み核燃料を搬出し、原子炉を解体して更地にする。通常は約30年かかるとされる。炉心溶融に至った第1原発は事故発生から30〜40年での廃炉完了を目標に掲げている。
 燃料デブリ取り出しなど難度の高い作業が必要な第1原発と状況は異なるが、第2原発の廃炉には見通せない部分が多い。
 特に、高レベル放射性廃棄物などの埋設処分先の確保は、難航が予想される。見つからなければ廃炉計画の大幅な遅れにつながる。
 第1原発事故で出た汚染土などの中間貯蔵施設が本格稼働したのは事故から6年半もたった昨秋のことだ。処分地確保を東電だけで進めるのは難しい。国や県の適切な支援が求められる。
 廃炉費用も問題だ。東電は第2原発4基で計2800億円と見積もるが、前例のない作業だけに増える可能性がある。第1原発事故では当初2兆円だった試算が8兆円に膨らんでいる。
 賠償なども含めた費用約22兆円のうち東電の負担は約16兆円に上り、東電の経営にも大きくのしかかる。安易に国民負担に付け替えることがないよう、国も関与して十分な資金計画を練ってほしい。
 廃炉作業の安全性や作業員確保、第1原発の廃炉作業と同時並行できるかも課題だ。東電は、廃炉に向けた明確な道筋をしっかりと説明しなくてはならない。


【県内原発の全廃】課題ごとの道筋を探れ
 半世紀を超える本県の原子力の歴史は大きな節目に差し掛かる。東京電力は福島第二原発の4基全ての廃炉を検討する方針を明らかにした。福島第一の6基と合わせ、県内の原発は東日本大震災を契機にした廃炉の道をたどる。
 風評払拭[ふっしょく]や住民帰還などの復興の加速に一定の効果が見込めよう。しかし、着手や完了の時期を明確に見通すには、東電、国、県、立地地域がそれぞれの立場で課題に向き合う必要がある。
 東電は今後、廃炉工程を具体的に検討する。事故を起こした第一は優先度も難度も高い。第一と第二の両面作戦で作業の並行が可能か、それとも、時間差をつけるのか、といった基本的な考え方を早めに示す努力が大切だ。
 経済産業省は、電力会社が原発の廃炉を進めやすくするために電力会社の負担を少なくする電気事業の会計規則を変更した。ただ、東電は第一の廃炉や賠償、除染に当たり、国からさまざまな支援を受けている。厳しい経営が続く上、柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働への対応もある。第二の廃炉に充てる資金や人材の確保が欠かせない。
 第一と同じく、第二にも核燃料が保管されている。発電所と周辺地域の防災対策の徹底とともに、核燃料や放射性廃棄物の運び出しの道筋を明らかにしてほしい。
 県や立地地域への影響も予想される。原発の建設や運転に伴い、県にも地元にも東電からの税金、国からの交付金などの収入がある。国の復興関係交付金が年々、減少する見込みの中、廃炉に伴って原発関係の税金や交付金も減り続ける場合には財政運営の見直しを迫られる。廃炉関係の産業が、事故前の原発関連産業と同様に住民の働く場の確保に十分、つながるのかも見極めが必要だ。
 本県は全国有数の発電地域として、明治時代以来、電力の安定供給を支えてきた。2カ所の原発の発電設備量は震災前、日本の原発全体の2割を占めた。原発がなくなっても、火力、水力、再生可能エネルギーによる電力を県外に送る本県の役割は変わらない。新しい火力発電施設の建設も始まった。発電所の立地と地域振興の在り方、国のエネルギー政策との関わり方を改めて探る機会といえよう。
 国は第二の廃炉について「東電が県民の声にしっかりと向き合いながら判断すべき」との見解を示し続けてきた。国が話し合いの前面に出ることを避けたように地元には映った。国は廃炉に伴う立地地域の課題を的確に受け止めるべきだ。(安田信二)


第2原発廃炉へ/肝心なのはその先の道筋だ
 東京電力福島第1原発事故から7年余り。全基廃炉を繰り返し求めてきた本県からすれば、ようやくの感が否めない。具体的な道筋を示して実行に移すべきだ。
 東京電力ホールディングスの小早川智明社長が県庁を訪ね、内堀雅雄知事に、福島第2原発(停止中、楢葉町、富岡町)を廃炉する方向で検討すると伝えた。東電が第2原発の廃炉について方針を明言したのはこれが初めてだ。
 東日本大震災で事故を起こした福島第1原発は、既に6基全ての廃炉が決まっている。第2原発の4基が廃炉されれば、県内の原発は全てなくなることになる。
 小早川社長は「これ以上、曖昧な状況を続けるのは復興の足かせになる」と理由を説明した。根強い風評や住民の帰還が進まない状況を踏まえ「足かせ」を解消しようと考えるのであれば、廃炉の正式決定を含めスピード感を持って今後の作業を進めるべきだ。
 第2原発は、震災で原子炉の冷却機能を一時失ったが、炉心溶融を免れた。現在は使用済み燃料プールに約1万体の核燃料が保管されている。4基とも運転開始から30年以上が過ぎており、再稼働の審査に合格するためには多額の投資が必要という状況にある。
 その上、県や県議会などが原発事故の被害や住民感情などを踏まえ、第2原発の「全基廃炉」を求めてきた。しかし東電はこれまで国のエネルギー政策の動向などを理由に、廃炉するかどうかの判断を先送りしてきた。今回の方針表明について、地元自治体の首長が「むしろ遅すぎた。もっと早く判断できたのではないか」と指摘するのはもっともだ。
 小早川社長は今後について「廃炉の具体的なスケジュールはこれから考える」として工程などは明らかにしなかった。「しっかり対応し、形として全基廃炉を進めてほしい」という内堀知事の注文を真摯(しんし)に受け止めて廃炉計画の具体的な検討を進めてもらいたい。
 第2原発は震災後、第1原発の廃炉作業の後方支援や原子力人材の育成拠点としての機能を担ってきた。一方で、廃炉に着手することになれば作業で出る放射性廃棄物の処分などの難題を抱える。
 今回の方針表明は大きな前進だが、本県が復興を遂げていく課程の一里塚にすぎない。東電には山積する懸案を一つ一つ丁寧に解決していく努力が求められる。
 第1原発に目を移せば廃炉の前途は険しく、汚染水の処理も喫緊の課題となっている。原発を推進してきた国も高みの見物を決めることなく積極的に関与すべきだ。


福島第2原発 廃炉方針は当然として
 東京電力がようやく方針を示した。
 きのう福島県庁に内堀雅雄知事を訪ねた小早川智明社長が、福島第2原発について「廃炉とする方向で検討する」と伝えた。
 当たり前の判断に7年もかかったのは、東電が3・11後も、経営再建の柱に原発再稼働を据え続けてきたからだ。
 福島第1原発の事故の影響が及んだ自治体では、避難指示解除後も住民が戻っていない。地域の復興を継続して支援するためにも、東電は抜本的に経営構造を見直す必要がある。
 福島第2原発は第1から南に12キロ、楢葉町と富岡町にまたがって立地する。大震災発生時、4基の原子炉は稼働していた。幸い炉心溶融は免れ、冷温停止した。
 3カ月後、当時の福島県知事は脱原発を表明した。県議会も県内原子炉の全基廃炉を求める請願を採択。その後も再三、東電や国に廃炉判断を迫ってきた。
 東電は、第1の廃炉作業を支える拠点にする、火力や水力を含む全発電所の役割を整理したい、と曖昧な回答を繰り返した。
 この時期に方針を示したのはなぜか。第2の廃炉を公約した内堀氏が再選を目指す知事選が近いことが考えられる。第1でたまり続ける汚染水処分に県側の理解を得たい思惑もあるのだろう。市民団体は「新潟では必ず運転を再開するとの意思表示」とみる。
 柏崎刈羽原発の6、7号機は原子力規制委員会の審査を通り、与党が推した花角英世氏が新潟県知事に就いたばかりだ。
 原発利用は程度問題ではない。
 福島第1の事故処理費用は、当初見込んだ11兆円から22兆円に倍増している。廃炉作業も何十年かかるか分からない。原発依存から早く脱却し、廃炉や賠償、除染に最後まで責任を果たすことを、国民は東電に求めている。
 柏崎刈羽原発では、立地自治体の柏崎市長が1〜5号機の廃炉を決めなければ6、7号機の再稼働を認めないと言明している。花角知事も安全性の検証に2、3年を要すとしており、再建を託すにはどだい無理がある。
 原発の収益性が下がっているからこそ、東電は「他の電力会社との提携」を持ち出しているのだろう。原子力技術の蓄積を生かすのなら、廃炉や「核のごみ」減容化に道を探るのも手だ。
 東電はいまも国の管理下にある。国民の理解を得られる事業転換を図らなければ、経営の立て直しはおぼつかない。


放射性物質、東京湾奥部に集積 原発事故で放出
 東京電力福島第1原発事故で放出され、首都圏に降り注いだ放射性物質のセシウムが河川を通じて東京湾奥部に集積し、現在でも汚染が続いているとの長期観測結果を、近畿大の山崎秀夫・元教授らのグループが米科学誌プロスワンに、15日までに発表した
 山崎さんは「蓄積した放射性物質が人の健康に悪影響を及ぼす可能性は低いが、放射性物質が集まっている場所でのしゅんせつなどによって汚染を拡散させないような注意が必要だ」としている。
 グループは2011年8月から16年7月まで、東京湾と流れ込む河川の計約90カ所で土壌などを採取。セシウム濃度などを分析した。


<瑞巌寺 輝き新たに>観光資源を磨く好機
 日本三景の一つ、宮城県松島町の国宝・瑞巌寺は「平成の大修理」を終え、落慶法要を24日に行う。約10年に及ぶ修理により、仙台藩祖・伊達政宗が造営した名刹(めいさつ)は桃山文化の粋と輝きを再び放ち始めた。事業を振り返り、落慶を待つ地元を見つめる。
(塩釜支局・松田佐世子)
◎(下)お披露目
<花火で祝う>
 瑞巌寺の修理工事自体は109カ月かけて2017年11月に終わった。御成門や中門より早く修理された本堂は16年4月に拝観を再開。同6月の落語家桂歌丸さんの落語会を皮切りに、本堂での落慶記念行事が続く。今年5月に東大寺主催の東日本大震災犠牲者供養が行われ、今月17日は狂言師野村萬さんと能楽師友枝昭世さんによる人間国宝の競演がある。
 大半を主催するのが、落慶記念行事を担うため発足した地元・宮城県松島町の任意の官民組織「瑞巌寺慶讃(けいさん)会」。志賀寧(やすし)事務局長は「国宝・瑞巌寺は町の宝だ」と準備に奔走する。
 慶讃会はメイン行事として、落慶法要(24日)の前夜祭を22日に瑞巌寺周辺で催す。中でも国道45号を初めて通行止めにして行う武者行列は、寺を造営した仙台藩祖・伊達政宗役が伊達家18代当主泰宗さん、2代藩主忠宗役は父親が町出身の俳優千葉雄大さんだ。
 夜に花火大会があり、約4000発を打ち上げる。かつて観客でにぎわい、震災で中止となった松島灯籠流し花火大会の規模には及ばないが「震災後初めてお祝いの花火を上げられる」と志賀事務局長は言う。
<五輪見据え>
 震災は松島町の観光を直撃した。2000年から年間341万〜373万人で推移した町入り込み客は、震災発生の11年に223万人に激減。12、13年に290万人台に回復した後は減り、300万人の大台に届かない。14年のマリンピア松島水族館の閉館も響いている。
 「瑞巌寺落慶を好機としなければならない」。慶讃会会長も務める町観光協会の磯田悠子会長は力を込める。100〜150年に一度の大修理と落慶を体感できる巡り合わせに「貴重であり大きな感動だ。人々を巻き込み、他の観光資源も磨いていきたい」と話す。
 桜井公一町長も「落慶が観光復興の発火点になれば」と願う。尽力する最寄りのJR松島海岸駅のバリアフリー化も動きだした。「インバウンド(訪日外国人旅行者)にとって瑞巌寺は見てみたいターゲット」と2020年東京五輪を見据え観光誘客を思い描く。
 24日は瑞巌寺が行う落慶法要の後、寺の参道で町内4神社のみこし5基によるパレードがある。地元も熱を帯び、祝いのときを待つ。


袴田事件で再審取り消し 鑑定評価の仕組み検討を
 科学的とされる鑑定結果でも、その評価は難しい。
 1966年に起きた「袴田事件」で、死刑が確定した袴田巌元被告の再審決定を東京高裁が取り消した。
 焦点になったのは、犯人のものとされる着衣に付いていた血痕のDNA型鑑定だ。再審を決めた静岡地裁は「袴田元被告のものと一致しない」との弁護側鑑定の信用性を認めたが、高裁は信用性を否定した。
 鑑定の評価がなぜ正反対になったのか。高裁では、検察側が申請した鑑定人が、弁護側鑑定の手法を検証した。その中で、DNAの抽出に当たり、試薬を使った独自の方法を取ったことを「不適切だ」とする報告書をまとめた。他にも批判的な法医学者の意見書が出て、高裁はそうした意見をくんだ形だ。
 静岡地裁の決定から4年がたつ。専門家が別の専門家を否定する科学論争のためにいたずらに時間が経過した感は否めない。鑑定を科学的に突き詰めて事実解明することは重要だが、最先端の科学でも場合によってはあいまいな部分は残る。そこをどう考えるかだ。
 弁護側、検察側双方の鑑定人が意見をぶつけ合うだけでは限界がある。今回は極めて古い試料でのDNA型鑑定の信頼性が問われた。そのような難しい事案の場合、裁判所の主導下で、第三者的な立場の専門家を集め、鑑定や検証を担ってもらう仕組みが築けないだろうか。
 もちろん、鑑定結果が全てではない。その上で全証拠を総合して結論を出すのは司法の責任だ。
 事件発生から半世紀がたつのに、なぜ再審の決着がつかないのか。主な原因は、再審段階での証拠開示が検察の判断に委ねられていることだ。袴田事件で検察が衣類発見時の写真などを開示したのは第2次再審請求後の2010年だった。再審での証拠開示のルール作りが必要だ。
 この事件では1審段階で45通の自白調書のうち44通が証拠採用されなかった。捜査は自白偏重だった。
 「疑わしきは被告人の利益に」という刑事裁判の原則は再審でも例外ではない。弁護側は週明けにも最高裁に特別抗告する。最高裁は鑑定結果を含め十分かつ迅速な審理をし、その上で検察の立証が合理性を欠くならば再審の扉を開くべきだ。


袴田さん
 強盗殺人事件の裁判で被告の犯行時の着衣は事実認定を左右する証拠になる。付着した血痕や汗などが犯行を裏付けることがあるからだ▼だが、裁判開始後に衣服が別の物だったとなれば話は違う。52年前の「袴田事件」ではそれが起きた。起訴された袴田巌さんの衣服は当初パジャマだったが、途中で別のシャツなどになった。起訴状にも自白にもないのに検察は「途中で着替えた」と主張した▼不自然なことが多い袴田事件で、静岡地裁の再審決定を東京高裁が取り消した。地裁はシャツなどの証拠を「捜査機関の捏造(ねつぞう)の可能性がある」と指摘したが、高裁は「根拠に乏しい」と退けた。地裁が採用したDNA鑑定も「信用できない」と突っぱねた▼弁護団に「捏造なら証拠を出せ」「DNA鑑定が信用できるなら証明しろ」と言わんばかりである。疑いがあれば被告人の利益に、という刑事裁判の原則はどこにいったのか▼死刑判決を出した最初の裁判は、供述調書45通のうち、44通を不採用にした。強引な取り調べが明白だったからだ▼東京高裁は死刑と拘置の停止は取り消さなかった。裁判官は自信がなかったのだろう。弁護団はそう指摘する。再審は何としても認めたくない。そんな国家のメンツが、82歳の袴田さんの人生より優先されたのだろうか。

公文書管理 不正の背景解明してこそ
 改ざんしない、隠蔽(いんぺい)しない、勝手に廃棄しない−。公文書管理で国や地方自治体に求められるのは至極当然のことだ。
 「公文書は民主主義を支える国民共有の知的資源であり、適正な管理と適切な保存で現在及(およ)び将来の国民に説明する責任を全うする」
 そんな公文書管理法の規定を理解して守れば済むことだ、ともいえるだろう。
 安倍晋三首相が全閣僚に公文書管理の見直しを指示し、「行政全体の信頼が損なわれたことは痛恨の極みだ」と述べた。
 なぜ公文書管理を見直すか。言わずもがなである。政権を揺るがす疑惑に公文書のでたらめな扱いが絡んでいるからだ。
 森友学園問題では、首相の妻昭恵氏の名前も登場する財務省の決裁文書改ざんと交渉記録廃棄が発覚した。加計(かけ)学園問題では「総理のご意向」などと書かれた文書が、当初は怪文書扱いされたのに、よく調べたら文部科学省で見つかった。
 防衛省が「廃棄済み」としていた陸上自衛隊イラク派遣部隊の日報も、改めて捜したら発見された。そこには、政府見解とは異なる緊迫した現地情勢が記されていた。
 どれも人目に触れさせたくない文書だったのだろう。政府に絡む疑惑を裏付けかねないような公文書は「なかったこと」にしようとしたのが、一連の不祥事ともいえよう。
 ほぼ同時期に起きたのはなぜか。別々の官庁の無関係な問題では済まない。共通の土壌があるなら、それこそが出し切らねばならない「うみ」だろう。
 政権は1カ月をめどに見直しの具体策をまとめる。文書管理監視ポストの新設▽人事院の懲戒処分指針に公文書の改ざんなどを加える改定▽電子決済システムへの移行促進‐などが検討されているという。
 有識者による政府の公文書管理委員会でも、懲戒処分の基準明確化など、厳格な管理態勢を求める意見が相次いだ。
 官僚に対する厳しい戒めは当然、必要である。だが、官僚が公文書の不適切な扱いに走った動機や背景にメスを入れなければ、問題の核心に迫れないのではないか。
 改ざんや隠蔽、廃棄を誰が判断し指示したか。府省庁の幹部人事を差配する内閣人事局など政権中枢に官僚が忖度(そんたく)して不祥事に手を染めたのか。それとも別の理由や背景があるのか。そうした点が判然としないままでは見直しの方向も定まるまい。
 公文書を作成する公務員の規範意識を高めるだけでなく、「政と官」の適切な関係や情報公開の在り方などにも踏み込んで議論を深めるべきだ。


2市民グループ検審に申し立て…森友問題不起訴
 学校法人「森友学園」への国有地売却問題で、大幅値引きで国に損害を与えたとする背任容疑で告発された当時の財務省幹部らを不起訴とした大阪地検の処分を不服として、告発人の大阪、東京の二つの市民グループが14日、大阪第1検察審査会に審査を申し立てた。
 決裁文書の改ざんや学園との交渉記録の廃棄も含む一連の問題で、申し立てが判明したのはこれで5件となった。不起訴となった38人のうち佐川宣寿・前国税庁長官(60)ら29人が対象で、いずれも同審査会が審査する。


孤立するアメリカ 破壊のつけは我が身に
 今や米国は世界の深刻な不安要因である。トランプ大統領がいそしむ秩序破壊の後には混乱が広がる。そのつけは自身に返ってくることを悟るべきだ。
 米国の威信低下が著しい。米ギャラップ社が昨年、百三十四の国・地域で実施した世論調査によると、米国の指導力を評価する人は30%と、オバマ政権時の二〇一六年から18ポイントも下落した。
 しかも同盟国・友好国で評価しない人が多い。ノルウェーは評価しない人が83%と最も高く、カナダとメキシコも七割を超えた。
◆同盟国も「敵国」扱い
 自由、人権、民主主義という共通の価値観で結ばれた同盟国・友好国とのあつれきは、カナダで先週開かれたG7サミットを引き裂いた。米国の金利上げに伴う新興国の通貨安、イタリアの政治不安による欧州市場の動揺、中東情勢の混迷−。リスク要因に事欠かない状況を前にG7は結束できなかった。
 はらわたが煮えくり返る思いだったのだろう。議長国カナダのトルドー首相は総括記者会見で「第一次大戦以来、われわれは米軍兵士と肩を組んで異国の地で戦ってきた。米国が安全保障を理由にすることを軽く見るわけにはいかない。これは侮辱だ」と述べた。
 トランプ政権がカナダはじめ欧州連合(EU)や日本という同盟国に導入した鉄鋼・アルミニウムの輸入制限の理由に、よりによって安全保障を挙げたことを批判した発言だ。
 敵国同然の扱いをされたと怒るカナダと欧州は報復する構えだ。貿易戦争に発展しかねない雲行きである。
 第二次大戦の欧州戦線の先行きが見え始めた一九四四年七月、米国東部のブレトンウッズに連合国が集まり、米ドルを基軸通貨とする国際経済の仕組みを固めた。国際通貨基金(IMF)と世界銀行の創設も決まり、ブレトンウッズ体制は産声を上げた。
 米ホワイトハウスの西側にはIMFと世銀の両本部が付き従うように立つ。米国が事実上支配した戦後の世界経済体制を象徴する光景である。
 四八年には関税貿易一般協定(ガット)ができた。二九年の大恐慌によって各国が保護主義に走り世界経済のブロック化が進んだ。それが第二次大戦の遠因になったという反省から生まれた自由貿易推進のための協定だ。九五年にガットは発展的に解消し、世界貿易機関(WTO)が発足した。
 米国自身が大きな恩恵を受けたこうした経済体制を、トランプ氏は壊しにかかっている。
◆大国に求められる自律
 輸入制限には米国内でも、鉄鋼の大口消費者である機械メーカー、アルミ缶を必要とするビール業界などが反対を唱える。コスト上昇や雇用喪失につながるからだ。米製品の競争力もそがれ、世界経済も混乱する。貿易戦争に勝者はいない。
 独善と身勝手で米国を孤立に追いやるトランプ氏。それでも最近、支持率は持ち直し四割台に乗った。
 大国が身勝手な振る舞いをすれば、他国とのあつれきを生む。誰も国際規範を守ろうという気をなくす。混乱が広がり、そこにつけ込んで自分の利益を図る者が現れる。だからこそ大国は自ら律する意思が求められる。
 超大国の米国であっても力には限界があり、難しい国際問題には他国との協調対処が必要となる。昨年、北朝鮮に最大限の圧力をかけるよう各国に呼び掛けたのは、トランプ氏ではなかったか。
 一方、G7サミットと同時期に開かれた上海協力機構(SCO)の首脳会議。ホスト国の習近平中国国家主席がロシアや中央アジアなどの各国首脳らを前に、SCOは「世界の統治を完全なものにする重要な勢力だ」と述べた。国際舞台では米国の退場で生じた空白を中国やロシアが埋めにかかっている。
 G7サミットに出席したトゥスクEU大統領は「ルールに基づく国際秩序が試練に立たされている。その元凶が秩序の保証人たる米国であることにはまったく驚かされる」と語った。
◆秩序の保証人のはずが
 そのうえで「秩序を損ねるのは無意味なことだ、と米国を説得する。民主主義も自由もない世界を望む連中の思うつぼになるからだ」と力を込めたが、トランプ氏は耳を貸さなかった。
 破壊した後にどんな世界をつくる考えでいるのか。トランプ氏の場当たり的で一貫性に欠ける言動からは、そんなビジョンはうかがえない。
 責任あるリーダーの座から降りた米国。この大変動を乗り切るために、日本も選択肢をできるだけ増やして外交政策の可能性を広げる必要がある。


トランプと金正恩「9月再会談」浮上 核弾頭搬出の“密約”か
 トランプ大統領と金正恩委員長はいつ再会するのか――。早くも2回目の会談の開催時期が注目されている。12日の会談後の記者会見で、トランプは「(2回目について)まだ何も決まっていない」と語ったが、「おそらく必要だ」と明言。急浮上しているのが“9月再会談説”だ。すでに、トランプ・正恩は、“9月再会”に合意している可能性がある。
 6・12の米朝会談が行われる前から、今年秋に「2回目」の会談が行われる可能性が取り沙汰されていた。
 今月6日付の米ブルームバーグ通信は米政府高官のコメントを引用しながら、両首脳のウマが合えば「秋に後続会談を提案するとトランプ大統領が考えている」などと報じていた。
 会談場所とウワサされているのが、米フロリダ州パームビーチの「マールアラーゴ」。トランプの別荘地で、安倍首相との“ゴルフ会談”でおなじみの場所だ。
「トランプ大統領と金正恩委員長が一緒にゴルフをするとの話も出ており、その可能性はゼロではありません」(外交関係者)
 米朝会談後の会見でトランプは、「適切な時期に金委員長をホワイトハウスに招待するつもりだ」とも口にしている。ホワイトハウスになるか、別荘になるかはともかく、正恩との再会に前向きな姿勢を見せているのだ。実は、両首脳にとって、今年9月は特別な意味を持っているという。元韓国国防省北朝鮮情報分析官で拓大主任研究員の高永テツ氏がこう言う。
「11月には、米国の中間選挙があります。トランプ大統領はそれまでの間に、北朝鮮に『完全で検証可能かつ不可逆的な非核化』(CVID)への具体的な姿勢を示してもらいたいと考えているでしょう。北が保有しているとみられる核弾頭は約60発で、一説には、そのうち約20発を国外に搬出させるシナリオを描いているといいます。その時、非核化への一歩を示した見返りとして、9月か10月に金委員長を米国に招待する可能性があります。報道陣を前に金委員長と並んで、『核弾頭20発を廃棄した』と大々的にアピールすれば、トランプ大統領には格好の選挙運動になります」
 一方、北朝鮮にとっても、9月会談の実現が重要だという。
「9月9日は北朝鮮の建国記念日で、今年は70周年の節目です。米国との協議がうまくいって、経済支援を受けることになれば、核開発によって貧困に喘いでいた国民の反発を抑えられる。北朝鮮が歴史的に目標としてきた思想大国、軍事大国から一転して、経済大国を目指すというターニングポイントになるでしょう」(高永テツ氏)
 目に見える成果として、核弾頭の国外搬出だけでなく、再会談前に長距離大陸間弾道ミサイル(ICBM)を解体する可能性もあるという。米朝会談で非核化に向けた「密約」が交わされたとの見方もある。来週にも、ポンペオ国務長官とボルトン大統領補佐官が、北朝鮮の金英哲党副委員長と協議する予定だ。
 どこまで本気なのか、正恩は非核化に向けて迅速に取り組むとの認識を示したという。アッと驚くことが起きるかもしれない。


米軍機窓落下から半年…子供たちはヘリが飛ぶたび授業中断
 昨年12月、普天間第二小学校(沖縄県宜野湾市)の運動場に、米軍普天間基地所属の大型輸送ヘリCH53Eが重さ7・7キロの窓を落下させてから、13日で半年が経った。運動場の使用は再開されているが、子どもたちは毎日毎日、避難に追われて授業にならない状況が続いている。
 万一のことを考えて、小学校の上空を米軍機が飛ぶたびに避難しなければならないからだ。
 市教育委によると、事故で中止していた運動場使用を再開した2月13日から6月8日までの間の避難回数は何と527回。1日あたり5〜6回も避難していることになる。1日で23回も避難したこともあった。45分の授業時間で2〜3回避難することはザラ。プールの授業中でも水から上がり、ひさしの下に逃げるという。
「結果的に上空を飛ばなくても、こちらに向かって飛んでくると避難せざるを得ません。上空を常時、チェックしている監視員が子どもに声をかけて避難させています。いつまでも避難を続けるわけにもいかないので、沖縄防衛局とも協議を続けています」(市教育委・指導課)
 平穏な小学校生活は取り戻せないのか――。伊波洋一参院議員(沖縄県選出)が言う。
「2004年の沖縄国際大への米軍ヘリ墜落事故を受けて、07年に飛行ルートについての日米合意がされました。合意では、離陸も着陸も普天間二小からはかなり離れたルートになっています。米軍が合意を遵守すれば、本来、小学校での避難は必要ないはずです。例えば、着陸は小学校よりもっと前で旋回することになっているのに、直前の旋回が今でも続いています。安倍政権が、合意を守らない米軍に対して、しっかり守らせれば済むことなのです」
 どうして、安倍政権は米軍にルートを守らせないのか。


米軍F15飛行再開 撤去こそ有効な安全対策
 米軍の安全宣言は何度も聞いた。だが、事故は後を絶たない。墜落原因さえ解明されないままの飛行再開はあり得ない。強く抗議する。
 米空軍嘉手納基地所属のF15戦闘機が飛行訓練中に那覇市の南方約80キロの海上に墜落してから2日後、米軍は同型機の飛行訓練を再開した。
 県などは原因究明までの同型機の飛行中止、実効性ある再発防止策などの実施を沖縄防衛局を通して米軍に要求していた。防衛局は米軍にしっかりと伝えたのだろうか。伝えても無視されたならば、防衛局の存在意義を疑う。
 嘉手納基地を管理する第18航空団副司令官のリチャード・タナー大佐は「24時間でわれわれのF15全てを点検した結果、機体は安全に飛行再開できることを確信した」としている。
 信用できない。米空軍は、死傷者を出す重大事故が相次いでいることを受け、全ての航空機の飛行を1日停止し、安全点検を5月に実施したばかりある。点検したにもかかわらず、墜落事故は起きたのである。事故原因が分からないままでは、墜落の危険性は解消されない。
 事故原因は嘉手納基地の点検体制の不備、操縦士のミス、もしくはF15の欠陥などが考えられる。
 時間をかけて事故原因を徹底的に究明し、有効な再発防止策を講じない限り、県民の安全だけでなく、操縦士の安全も守れない。米軍はそのことを深く認識し、飛行訓練をやめるべきである。
 許せないのは日本政府の対応だ。防衛省は墜落事故が起きた際、原因が判明していないのに飛行停止を米側に求めなかった。それだけではない。飛行再開についても小野寺五典防衛相は「(米側が嘉手納基地に)今ある全機を確認した上で、飛行を再開したという判断だと思う」と述べた。まるで傍観者である。
 県民の安全が保障されていない中での飛行再開を問題視せず、米側の判断を追認する小野寺氏には、国民の安全を守る強い意志が一切ないと断じるしかない。
 墜落事故を重く受け止めず、事故原因が明らかになっていない中、飛行訓練を再開する米軍に異議を唱えず、追認することに終始する日本政府の責任は極めて重い。日本政府の主体性のなさが米軍機墜落事故の遠因にもなっていることを知るべきである。
 当事者意識のない日本政府の対応が米軍の訓練激化を招き、外来機の暫定配備を常態化させ、県民生活に重大な影響を与えている。
 F15は1979年に配備されて以降、今回を含めて県内で10件11機が墜落事故を起こしている。日本復帰後に県内で起きた米軍機の墜落事故は49件を数え、2割をF15が占め、機種別では最も多い。ここまできたら欠陥機だろう。
 最も有効な安全対策は、老朽化も進む危険なF15を全て撤去することである。


[米朝会談と沖縄]歴史の転換促す対策を
 4カ月で500回以上、多い日は1日20回も避難を繰り返す。あまりに異常である。
 米軍普天間飛行場に隣接する普天間第二小学校の運動場に、8キロ近い米軍ヘリの窓が落下してから13日で半年がたった。運動場の使用は2カ月後に再開されたが、児童は今も米軍機が近づくたびに、学校の方針に従い屋根のある場所へ避難する。
 飛行機が落ちてくるかもしれないと、授業や遊びが中断される小学校が一体日本のどこにあるのか。日常的な避難は憲法が保障する「教育を受ける権利」をも侵害する。
 再開された米軍F15戦闘機の飛行も、住民の安全への懸念を置き去りにするものだ。
 嘉手納基地所属のF15が本島近海に墜落してから2日しかたっていないにもかかわらず、米軍は13日、同型機の飛行を強行した。
 原因究明まで飛行停止を求める県の申し入れは無視され、再発防止策の説明さえない。米軍に追随するように「安全を確認した上での判断なのだろう」と話す防衛省。当事者能力を欠いた対応は子どもの使いのようだ。
 名護市辺野古の新基地建設を巡って12日、沖縄防衛局は海域の一部を埋め立てる土砂を8月17日から投入すると県へ通知した。
 透けるのは秋の知事選をにらんでの既成事実化だ。県が指摘する「留意事項違反」に丁寧に答えることなく、投入を急ぐのは政治的理由からだろう。
 国家の安全保障のために住民の暮らしが脅かされ続ける基地沖縄の状況は、公平・公正に明らかに反している。
■    ■
 史上初の米朝首脳会談で、トランプ米大統領と北朝鮮の金(キム)正恩(ジョンウン)朝鮮労働党委員長が約束したのは「新たな米朝関係の確立」だった。米朝の敵対関係を解消し、朝鮮半島の非核化促進を確認し合ったのである。
 非核化の具体的手順には触れていないが、共同声明で両国首脳が約束した共通の目標を確実に前へ進め、東アジアに唯一残る冷戦構造に終止符を打つべきである。
 トランプ氏は会談後の記者会見で、「将来、在韓米軍を縮小したり撤収させたりする可能性がある」とも語っている。
 今のところ不確定要素が多いものの、北朝鮮の脅威が大幅に緩和されれば、基地沖縄を取り巻く事情は大きく変わる。
 東アジアの変化のうねりを、沖縄の基地問題の解決に結び付けていく取り組みが必要だ。
■    ■
 県に求めたいのは、新基地建設に反対するだけの受け身の対応ではなく、大局観に立った基地対策である。
 今年2月、県議会は相次ぐ米軍ヘリ事故に抗議し、「普天間飛行場の即時運用停止」「在沖米海兵隊の国外・県外移転」を全会一致で決議した。
 名護市長に就任した渡具知武豊氏も「海兵隊の県外・国外移転」を公約に掲げての当選だった。
 与野党で一致するこれら要求をよりどころに、県民全体が納得できる基地対策を早急に打ち出すべきだ。


米朝会談でもトランプ任せの安倍首相に蓮池透が怒りの告白!「安倍首相は本気で北朝鮮と向き合う気がない」
 歴史的な米朝首脳会談が終わった。既報のとおり、安倍首相はこの間、「米朝会談は拉致問題解決の千載一遇の機会」と喧伝してきたが、蓋を開ければ米朝の合意文書では拉致問題は一言も触れられず、トランプ大統領も「提起した」と述べただけで、具体的な内容は一切明かされなかった。
 にもかかわらず、安倍首相は「拉致問題について明確に提起していただいたことについて、トランプ大統領に感謝したい」と尻尾を振りながら、「やり取りについては、今の段階では詳細について申し上げることはできません」と煙に巻いた。
 すでに拉致被害者の曽我ひとみさんがマスコミ向けのコメントで「とても残念としか言えません」と失望を表明しているが、拉致被害者の家族はいま、どのように感じているのか。
 米朝会談から一夜明けた13日、本サイトは元「北朝鮮による拉致被害者家族連絡会」(家族会)副代表・蓮池透氏にインタビューを行った。周知のように蓮池透氏は、2002年に帰国した拉致被害者の蓮池薫さんの兄であり、近年では、安倍首相らによる拉致問題の政治利用と圧力一辺倒を真っ向から批判している。
 米朝会談は蓮池氏の目にどう映ったのか。日本政府はどのようにして北朝鮮と向き合うべきか。安倍首相の言う「拉致問題の解決」は可能なのか。蓮池氏は「批判のための批判」ではなく、具体的方策を示しながら、現状の問題点を鋭く指摘した。ぜひ、最後まで読んでいただきたい。
(編集部)
……………………………………………………
●米朝会談の揚げ足取りばかりのNHKはじめマスコミはどうかしている
──まず、米朝会談について率直な感想を聞かせてください。
蓮池透氏(以下、蓮池) 米朝会談自体は評価していますよ。マスコミは揚げ足とりばかりしていますが、平和を望んでいないんですか、と言いたくなってしまう。だいたい、昨年まで戦争が勃発するとまで言われたんですよ。それなのにわずか1年足らずで、両国トップが握手をして、これから平和を目指そうという、そうした外交的にもダイナミックな合意のはずなのに、まったく評価しないなんてどうかしています。
 とくに驚いたのが、米朝会談の後、NHKで過去の核合意破綻の歴史をVTRで繰り返し流していたこと。結局、あなたがたは、また破綻させたいのか。いや、本当に破綻を望んでいるとしか思えない。合意についても「譲歩しすぎだ」とかのイチャモンばかりです。トランプ大統領を手放しで支持する気はないけれど、こと今回に関しては「これが始まりとなる」と言われている。だったら、一定の評価をしたうえで、これから合意の具体化に向けて関係各国、とくに日本はどのような役割を演じなければならないのか、例えば後押しをするとか、監視をするとか、を前向きに論じること、そういう誠実な態度をとるべきでしょう。
 むしろ、マスコミが批判すべきは、米朝首脳会談はそもそも拉致問題を議論する場ではなく、それを必死でごまかそうとしている安倍首相の態度です。
──たしかに、安倍首相が拉致問題の進展がなかったのをごまかしていたのはミエミエでしたね。
蓮池 前回の日米会談の時と同様、今回も安倍さんはトランプ大統領からの電話報告について「詳細について申し上げることができない」と言っていましたが、言うことがなかっただけでしょう。何もないから。
 それなのに、「拉致問題をトランプ大統領は提起してくれた」などと胸を張っている。
 だからなんなんでしょうか。ようするに「トランプ様、拉致問題を取り上げてくれてありがとう」と言っているだけ。いつまで他人事にしているのか、と呆れました。
 会談前からそうでしたよね。「トランプさんから『100%保証する』と言われた」なんて自慢して。
 トランプ氏も「自分でやれ」って思っているのではないですか。実際、トランプ氏は日米会談の時、拉致問題については「安倍総理のグレイト・パーソナル・インポータンス」と言っている。当然でしょう。その言葉の裏は「お前、自分のことは自分でやれ。俺に頼るなよ」ということですから。だいたい、日本が当事者なんだから、拉致問題をアメリカに頼むなんて筋違いだし、ありえない話で、大変恥ずかしいことです。そういう意味では、米朝会談は「安倍外交」の敗北なのだと思います。しかも、安倍さんや政府は、ただのアメリカ頼みなのに、家族や国民に過大な期待を与えている。ほんとうに罪作りだと思います。
──しかし、マスコミはそのことはほとんど追及しません。
蓮池 一昨日のトランプ氏の会見だって、日本のメディアは拉致問題についてほとんど質問していないでしょ、質問したのは上杉隆さんの「ニューズ・オプエド」ですよ。安倍首相が拉致問題で語ることがないから、質問しないという忖度でもしたのでしょうか。
 マスコミはアメリカ任せの安倍首相に対してもっと「日本のことは日本でやれ」と突っ込まければならないんです。トランプ氏任せの日本政府はおかしいと思わないのならば、もう、日本は独立国家じゃなくて従属国家ではないですか。でも、テレビも新聞もそれを指摘しない。NHKなんて「トランプ大統領が日本の拉致問題を取り上げた」などと嬉々としてニュース速報を打っていた。言及しただけで何もわからない。ましてや合意文書に一言も入っていなかったのに、ですよ。
 マスコミは結局、安倍首相の宣伝をしているだけ。ネットでも話題になっていましたが「会場をシンガポールにセッティングしたのは安倍総理」なんていう話を流したり、番組でもトランプ大統領の中継の最中に突然、安倍さんの会見へ切り替えたり。本当に露骨すぎます。
安倍首相は今頃「北朝鮮と向き合い」って臆面もなく言っているのか
──そういえば、マスコミはこの間、日本が米朝の橋渡しをしたなんていう報道も繰り返してきました。
蓮池 そんなこと言ってるのは、国内の御用メディアだけ。国際社会では逆ですよ。ただただトランプ氏にべったり、それが「安倍外交」と言われているもののすべてではないですか。上杉さんは「フェイク外交」と呼んでいましたが、その通りだと思います。
 しかも、安倍・トランプの関係は完全に安倍さんの「片思い」ですからね。片思いだから、結局、相手の都合がよいときにうまく利用されてしまう。会談の際の金委員長とトランプ大統領の握手を見ましたか。手厚い握手でしたけど、対等な感じがあった。それに比べて、トランプと安倍さんの握手って、なんなんですかね、あれ。まるで犬がご主人さまに「お手」をするような感じ。トランプ氏が手のひらを広げて、そこに安倍さんが「ポン」と手を置く。びっくりするぐらい情けない。まあ、握手はともかく、今回のことで、日本は完全にアメリカの従属国家だということが、あらためてわかりましたよね。
──トランプ大統領は「非核化費用は日本と韓国が払う」と言っていましたが、結局、その従属関係で、日本は金を払わされるだけになってしまうのではないかという懸念もされています。
蓮池 いや、お金を出すのはいい、と思います。ただし、別の名目でですが。つまり、私は北朝鮮に対する戦後賠償が拉致解決のために日本が切れる唯一の交渉カードだと主張してきました。しかし、それは日本が独自に北朝鮮と交渉する過程で切るべきカードであって、金正恩委員長の請求書をトランプ大統領が預かってきて安倍首相に渡すなんてことになったら、そのカードが使えなくなる。それがいちばん怖かった。今回、トランプ大統領からの請求書が非核化費用で、戦後賠償カードが残ったことは救いですが、こういうかたちでは、関係の改善には繋がらないでしょう。つまり北朝鮮が「お金を出したのは日本。だから日本を評価します」とはならない。あくまで金委員長が約束を交わしたのはアメリカのトランプ大統領とですから。
──この調子だと、今後、拉致問題が解決に向かうか不安ですね。安倍首相はようやく「日本が直接、しっかりと北朝鮮と向き合い、二国間で解決していかなければならない」などと言い始めましたが。
蓮池 「北朝鮮と向きあい」という言葉を聞いたときは、一瞬、進歩なのかな、圧力だけでなく少しは対話の必要性がわかったか、と思ったのですが、でも、すぐに思い直しました。たぶん、トランプ大統領に自分でやれ、と言われたからオウム返しに言っただけで、安倍さんは本気でそんなこと考えてない。圧力から対話へ路線転換した、と明言しない。
 だいたい今頃になって「北朝鮮と向き合い」って、臆面もなく言っているのか、という話でしょう。だったら、最初からなぜ向き合わないのか。小泉訪朝から16年も経って、ようやく北朝鮮と向き合うってどういうことですか、この態度の豹変は。だったら最初から向き合ってください、としか言いようがない。
 結局、安倍さんには、北朝鮮への圧力一辺倒でこの状況になり、そのツケがまわってきたという自覚がないんです。それで、トランプ氏が動いたから、ポチよろしく北朝鮮と向かいあう? あなたのバカの一つ覚えのような圧力が拉致被害者、そして家族の現在の惨状を招いているんですよ。その自覚がまるでない。その姿勢が変わらないかぎり、安倍首相が北と向き合って首脳会談をやったとしても、同じことの繰り返しですよ。
圧力一辺倒で北朝鮮との交渉カードをもっていない安倍政権
──たしかに、北朝鮮は基本的に「拉致問題は解決済み」という姿勢を崩していない。交渉はかなり難航しそうです。
蓮池 そもそも北朝鮮は拉致問題の再発防止を約束した2002年の平壌宣言に基づいて「解決済み」としているわけですね。一方、安倍首相はここにきて「平壌宣言に立ち戻る」というキーワードをしばしば持ち出していますが、それにのっとれば、日本政府は北朝鮮のいう「5人生存、8人死亡」を認定せざるをえない。安倍首相が「全員の即時帰国」を要求するのなら、これは矛盾です。
 だから重要なのは解決済みと言わせない情報をいかにもっているかなんです。インテリジェンスですよね。拉致被害者の誰がどこにいるのかという情報を独自に掴み、水面下で北朝鮮に突きつけて「これで解決済みと言えますか?」と迫る。それが外交というものでしょう。こうした情報を突きつける以外に、方法はない。それができないのなら、元の木阿弥です。
 ところが、日本はその突きつけるべき情報を全然もってない。特に安倍政権は圧力一辺倒で、そういう努力をまったくしてこなかった。
──ほんとうに日本政府は情報をもっていないんですか?
蓮池 弟は日本政府がインテリジェンスをもっているはずだと言いますが、わたしは経験上、そうは思えない。日本政府が誰から情報収集をしているかといえば脱北者、韓国国家情報院関係者、中朝国境の朝鮮族、その程度ですよ。そのような人たちから、情報が取れるわけがないじゃないですか。ガセネタつかまされるだけです。海外への多額の経済支援の一部を使えば、十分に可能だと思うのですが。それと、情報を取るためには、官僚が動くしかないのですが、その官僚が安倍政権下では機能していないですからね。財務省や経産省だけでなく、外務省も「忖度官僚」ばかりになってしまった。しかも、拉致問題については、「下手に動いたら、田中均さんの二の舞になる」という恐怖がある。
──たしかに、独自ルートを使って小泉訪朝を実現させた田中均・外務省アジア大洋州局長(当時)は、そのあと、当時の官房副長官で反北の急先鋒だった安倍氏の扇動によって「北朝鮮の手先」「国賊」という大バッシングを受けました。
蓮池 いまでは日本はもっと安倍支配が進んだから、それ以上のバッシングになるのが目に見えている。とにかく、安倍首相が圧力、圧力と言っているときに、忖度官僚が水面下で対話して情報を取るなんてやりっこない。そんな状態で時が経って、今頃になって、急に情報もってこいといわれて、取れるはずもないですしね。
──じゃあ、このまま、安倍首相が金正恩と首脳会談をやったとしても、日本が「全員返せ」、北朝鮮が「解決済み」と水掛け論で終わる可能性が高い、ということですか。
蓮池 というか、それ以前に、安倍首相が日朝首脳会談を本気でやる気があるかどうかも疑わしいですよね。金正恩氏に解決済みと言われて帰ってきたら、それこそ政権がもたない。いま6月でしょ、総裁選を控えて大胆なことはやらないのではないでしょうか。
 だいたい、安倍首相が本気で拉致被害者を取り戻そうとしていないのは、日本政府の準備体制をみてもわかりますよ。日本政府には、いまも被害者がもし帰国したらというシミュレーション、受け入れ態勢すらない。それでただ拉致被害者の帰国と言っている。弟が帰ってきたときと受け入れ体制は変わっていないんです。月額十何万円出すから自立しろって、その方針は変わっていない。そんなことで、帰ってきますか? 帰れますか? 
 もう一点は、拉致されて40年以上も経って、むこうでファミリーが構成されているわけですよね、子どもや孫もいるし。家族の誰かが北朝鮮の人と結婚していたりしたら、ファミリーのなかから、被害者だけをピックアップして、「あんただけ帰ってください」と言われて帰れますかね?
 そこまで考えてないんですよ。受け入れ態勢やバックアップの問題を、これを前回の被害者帰国からまったく学んでいない。「帰国したら一生面倒みます」くらいのことをしないと駄目だし、ファミリー全員連れ帰るのは無理でしょう。当事者が「わたしは家族と北朝鮮で曲がりなりにも暮らしているんで、生活が不安な日本には行きたくない」と言うかもしれない。子どもや孫の環境、語学、学校の問題だって発生する。そういう場合、どうするのですか? 国交があれば行ったりきたりできるけど、それがない。拉致問題を本当に解決しようと思えば、ピンポイントで被害者だけ帰ってこいというだけではなく、国交正常化や被害者とその家族が行き来できるような特別措置とか、よく考えておかなければならない問題なんですがね。
「外交の安倍」は嘘、「口だけ外交」「フェイク外交」の正体が明らかになった
──安倍首相はずっと「拉致被害者を全員取り戻す」と言ってきましたが、結局、ただのパフォーマンスにすぎなかったということですね。
蓮池 だから「外交の安倍」なんて大嘘なんです。安倍さんの外交というのは「かっこつけ外交」「口だけ外交」「フェイク外交」にすぎない。
 ロシアの(フィギュアスケート女子金メダリスト)ザギトワ選手に秋田犬を贈ったときの一件も呆れましたよ。あれは、ザギトワ選手が秋田犬を気に入ったことを知った民間団体がプレゼントしたものですが、安倍首相はわざわざロシアでの贈呈式に参加して、まるで「私があげたんだよ」って感じでしたよね。いや、それは違うでしょ(笑)。
 安倍さんはこういうふうになんの実体もないのに自分の手柄のように見せてきたわけですが、それが今回の米朝会談であらためて露わになった。
 いま、やらなければならないのは、そうした安倍首相の欺瞞を批判して、パフォーマンスでない、ほんとうに拉致問題の解決に向けた戦略、行動を後押しすることなんです。
 ところが、マスコミはそうした肝心なことを指摘しないで、2人の身長差ではハグは難しいとか、金委員長のシークレットブーツ疑惑だとか、そんなことを堂々と報道している。どうでもいいでしょ、そんなことは。とりわけ北朝鮮の話になると日本のマスコミは幼稚化するんですね。
 いや、幼稚だけならいいですが、安倍政権を忖度して、あいかわらず北朝鮮がいかにこれまで裏切りを続けてきて、信用できないか、金正恩氏がいかにとんでもないかだけをがなりたてている。わたしも金正恩氏の政治体制を支持するつもりはまったくないですが、それで、何か解決するんですか? しないですよ。
 結局、日本国中が、安倍首相とその忖度マスコミに煽られて、北朝鮮を普段の不平不満のはけ口にしているだけなんじゃないですか。安倍さんもマスコミもまあひどい。心の底からがっかりしました。
──かなり悲観的な状況であることはよくわかりましたが、それでも拉致問題を少しでも前に進めるためには、どうしたらいいんでしょう。
蓮池 安倍首相に辞めてもらって、もっとプラグマティックな外交戦略を持った総理大臣に就任してもらうのが一番早道でしょうが、それができないなら、現政権できちんと情報を入手する努力をしてもらって、国交正常化を同時並行して進めていくことを期待するしかない。安倍さんには、一縷の望みと最大限の皮肉を込めて、「“外交の安倍”というなら、その手腕をいまこそ発揮してください」と申し上げたいですね。(聞き手、構成・リテラ編集部)


対北朝鮮外交 日本の主体性問われる
 米朝首脳による完全非核化の合意を受け、政府は日本人拉致問題解決を目指し、安倍晋三首相と金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長による早期の首脳会談実現に動きだした。
 金氏は、拉致問題を提起したトランプ大統領に、会談実現を排除しない意向を示したという。
 朝鮮半島の緊張緩和は日朝対話の好機だ。拉致問題が置き去りにされることがあってはならない。
 ただトランプ氏から首相に伝えられた情報だけで、「拉致問題は解決済み」としてきた北朝鮮の姿勢が変化したと即断はできない。
 功を焦って首脳会談を行っても拉致被害者が帰国しなければ成功と言えない。金氏の真意を探り、周到な準備を重ねる必要がある。
 首相はきのう拉致被害者家族会と面談し「あとは北朝鮮と直接向き合い、解決していく決意だ。日本が主体的に責任を持って解決しなければならない」と述べた。
 だが、主体性が問われているのは首相自身ではないか。
 朝鮮半島の平和と安定に隣国として積極的に関与する中で、拉致問題を解決に導く―。本来は、日本にもそんな重層的な外交戦略があってしかるべきだった。
 しかし圧力一辺倒の日本は緊張緩和の流れに乗り遅れた。トランプ氏に追随するしかない首相は拉致問題の提起を委ね、自身も対話路線へと軌道修正した。
 これが、ここまでの経過だ。
 家族会側からは、解決への期待感の表明の一方、成果を見通せない会談に臨むことがないよう首相に念押しする発言もあった。十分に踏まえておきたい。
 金氏が日朝対話に前向きだとすれば、狙いは経済協力だろう。
 経済協力は拉致被害者の全員帰国に加え、非核化と弾道ミサイルの廃棄を確実に実行することが条件となる。その上で国交正常化交渉を進め協力の規模を協議する。
 日朝平壌宣言の趣旨に基づくこの原則は、譲ってはならない。
 日米韓の外相はきのう、非核化実現に向け引き続き緊密に連携することを確認した。だが、懸念されるのは米朝で認識のずれが早くも表面化していることだ。
 北朝鮮国営の朝鮮中央通信は「段階的非核化」で米朝が一致したと一方的に報じた。これは米国が掲げる「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」(CVID)を保証するものではない。
 米朝会談の成果を誇示する楽観的発言が目立つトランプ氏が安易に妥協しないよう、日韓は今後もくぎを刺していかねばならない。


拉致問題の解決 日朝首脳会談へ正念場だ
 この機を逃さず、日朝首脳会談の実現につなげ、拉致問題の解決を図ってほしい。
 政府は9月にロシア・ウラジオストクで開かれる経済会議や米ニューヨークの国連総会に北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長が出席する場合、安倍晋三首相との首脳会談実現を目指し、調整に入る方針を固めた。
 金氏は先の米朝首脳会談で安倍首相との会談に前向きな考えを示した。拉致問題解決への取り組みを促したトランプ氏に金氏から否定的対応はなかった。
 拉致問題を解決するための首脳会談を実現できるか。本格化させる北朝鮮との交渉が正念場だ。難しい局面だが、政府は全力を挙げてもらいたい。
 米朝首脳会談でトランプ氏は拉致問題が解決しない限り、日本は北朝鮮に経済支援を行わないとの安倍首相の立場を金氏に説明した。金氏は「首相と会う可能性がある。オープンだ」と述べたという。
 北朝鮮は拉致問題について「解決済み」との主張を繰り返してきた。今月初めにも日本が米に拉致問題提起を働き掛けていることを非難していた。
 こうした中、金氏の発言は大きな変化にほかならない。狙いは経済支援とみられるが、政府高官は北朝鮮が対日交渉を拒否することはないとみる。外務省の担当者は14日、モンゴルで北朝鮮の当局者と接触した。
 北朝鮮の真意は読み切れない。金氏に拉致問題解決の意思があるかどうか、慎重に見極める必要がある。
 とはいえ日本側は交渉の中で生存情報を突き付け、支援の条件を示すなど硬軟取り混ぜて説得してほしい。金氏に被害者の帰国を決断させるよう、粘り強い取り組みを求めたい。
 横田めぐみさんが1977年11月に新潟市で拉致されてから、40年が経過した。
 2002年10月には蓮池薫さん、祐木子さん、曽我ひとみさんら5人の被害者が帰国した。しかしそれから1人の被害者も帰って来ていない。15年以上、何の進展もないままだ。
 めぐみさん、曽我ミヨシさんら日本政府が認定した拉致被害者は12人を数える。さらに拉致の可能性を排除できない特定失踪者は400人を超える。
 被害者家族の高齢化は深刻だ。「一刻も早い帰国を」との訴えは切実だ。
 最重要の政治課題と安倍首相が位置付ける拉致問題に結果を出すことは、等しく国民の願いだといえよう。
 安倍首相は14日、家族会と面会し「日本の問題として北朝鮮と向き合い解決する。日朝首脳会談は拉致問題が前進しなければ意味がない」と述べた。
 家族会の飯塚繁雄代表は面会後「期待は膨らむが、焦らず的確な対応をお願いしたい」と話した。
 首相のトランプ氏への働き掛けは奏功し、膠着(こうちゃく)状態にあった日朝関係が久々に動き出す兆しが見えた。一歩踏み出し、これをどう問題解決に結び付けるか。首相の手腕が問われる。


日本人拉致問題 北の真意見極め打開図れ
 北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長が、先の米朝首脳会談で拉致問題を巡り「安倍晋三首相と会う可能性がある。オープンだ」と述べたという。政府は、日朝会談に前向きな考えを示したと受け止め、9月にロシア・ウラジオストクで開かれる東方経済フォーラムでの日朝首脳会談実現に向け、調整に入る方針を固めた。
 金氏の発言が事実なら大きな転機に違いない。だが、首相はトランプ大統領との電話会談のやりとりを「詳細は言えない」として明確にしていない。示したのは、金氏が拉致問題を「解決済み」とは言及しなかったということだけだ。解決には国民理解が欠かせない。米側の報告をきっちり説明するのが筋ではないか。
 北朝鮮の真意を見極めた上で9月といわず、あらゆるチャンネルを駆使するなど戦略を練り、膠着(こうちゃく)状態にある拉致問題の打開につなげるべきだ。
 トランプ氏は会見で拉致問題は「安倍首相の最重要事項であり、確かに取り上げた」としたが、北朝鮮が「問題に取り組むだろう」と述べただけで、どう議論されたかは示さなかった。
 北朝鮮メディアは米朝会談を報じる中で、拉致問題には触れなかった。米朝の共同声明では人権問題に関し、朝鮮戦争の戦没米兵の遺骨収集などが盛り込まれただけで、拉致問題は扱われなかった。米国以外は眼中にない北朝鮮らしい対応ともいえよう。
 北朝鮮は拉致問題を「解決済み」と主張してきた。米国追従、圧力一辺倒に傾いてきた日本に対して、不信感があることは否めない。首相は14日の拉致被害者家族会のメンバーとの面会で「日本の問題として北朝鮮と向き合い解決する」と述べた。日朝間の隔たり、確執をどう乗り越えていくか。金氏が「オープンだ」と述べたとされる、この機会を前向きに捉え交渉を前進させる以外にない。
 政府は、モンゴルで開催中の国際会議に外務省幹部を派遣し北朝鮮側と接触を図ったとされる。8月にシンガポールで開催される国際会議では、外相会談も模索するという。9月のフォーラムでの首脳会談実現につなげる努力を求めたい。
 非核化交渉を巡り、ポンペオ米国務長官は2021年1月のトランプ氏の1期目任期内にほぼ達成したいとの考えを明らかにした。そのためには米朝協議を加速化させるだろう。拉致交渉の足がかりとする手もあるのではないか。
 トランプ氏は北朝鮮の経済支援に関し「韓国と日本が大いに助けてくれる」と述べた。日朝には02年の平壌宣言というベースがある。過去の植民地支配で与えた損害や苦痛に「反省とおわび」を表明。その上で拉致や核・ミサイル問題などを包括的に解決、国交正常化後に経済協力を実施するとの内容だ。
 制裁と支援のバランスをどう図っていくか、難しさもあるが、北朝鮮も日本の支援を無視はできないはずだ。「自らの政権で完全に解決する」と強調してきた首相の覚悟が問われる。


[拉致問題] 機を逃さずしたたかに
 北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長が先の米朝首脳会談で、日本人拉致問題について「解決済み」と発言していなかったことが明らかになった。
 さらに「安倍晋三首相と会う可能性がある。オープンだ」と述べたことも分かった。いずれもトランプ米大統領から拉致問題を提起された際に言及した。
 これまでの北朝鮮の主張を撤回したのか見極めが必要だが、膠着(こうちゃく)状態にある拉致問題が動きだす好機とみていいだろう。日本政府は北朝鮮側と交渉を進め、解決への一歩となる日朝首脳会談を実現してほしい。
 当面、両首脳が会う可能性があるのは、9月にロシア極東ウラジオストクで開かれる東方経済フォーラムだ。ロシアは安倍首相と正恩氏を招待しており、日本政府は接触の機会を探ることになる。
 それまでに戦略を入念に練る必要がある。交渉の土台となるのは2002年9月、当時の小泉純一郎首相と金正日(キムジョンイル)総書記が署名した日朝平壌宣言だ。
 日本はこの中で植民地支配への「おわび」を表明、国交正常化後の経済協力に言及した。宣言に基づき、拉致・核・ミサイル問題を包括的に解決した上で、国交正常化を目指すのが、日本の一貫した方針である。トランプ氏は正恩氏に日本の立場を伝え、拉致問題への取り組みを促したとされる。
 一方、北朝鮮は14年のストックホルム合意で拉致問題再調査の特別委員会を設置したが、16年には特別委解体を発表、その後「解決済み」との主張を続けてきた。
 米朝首脳会談後、北朝鮮の朝鮮中央通信は拉致問題を一切報じていない。北朝鮮にとって拉致問題は重要度が低いのかもしれないが、この機を逃す手はない。
 双方の主張の隔たりは大きく、北朝鮮が手ごわい交渉相手であることは間違いない。だが、拉致被害者全員の帰国と真相解明は譲れない一線である。
 米朝関係が進展しつつある中、これまでの方針を見直す必要はないのか。国交正常化をまず優先し拉致問題解決につなげるべきだとの意見もある。北朝鮮を動かすには、したたかな戦略を立てて交渉に臨む必要がある。
 安倍首相はきのう、拉致被害者家族らと面会し「北朝鮮と向き合い解決する」と決意を述べた。被害者やその家族も高齢化し、残された時間は長くない。
 安倍首相は「自らの政権で完全に解決する」と強調してきた。朝鮮半島の平和と安定に積極的に関わり、拉致問題を解決に導く責任を果たすべきである。


「車いすの天才科学者」ホーキング博士の遺灰埋葬 ニュートン眠る英寺院に
 「車いすの天才科学者」として知られ、3月に76歳で死去した英科学者スティーブン・ホーキング博士の埋葬式が15日、ロンドンのウェストミンスター寺院で行われる。ニュートンやダーウィンら著名科学者らが眠る墓のそばに博士の遺灰を埋葬。
 式には抽選で選ばれた一般市民ら1000人以上が参列。病と闘いながら、ブラックホールなどに関する独創的な宇宙論を発表し続けた博士を追悼。
 英国会議事堂近くにあるウェストミンスター寺院は英国国教会の教会で世界遺産。多くの英国王や著名な政治家、作家らの墓があるほか、エリザベス女王の戴冠式も行われた。
 博士の葬儀は3月末、博士が長く在籍した英南部のケンブリッジ大の教会で行われ、友人や同僚ら約500人が参列した。


日大アメフト問題 法学部有志が要望書を提出「問題がうやむやになる」 田中理事長の説明責任などを要望した。
Takumi Harimaya 播磨谷拓巳 BuzzFeed News Reporter, Japan
日大アメフト部の悪質タックル問題で、日大法学部の学生有志が6月8日、大学に対し、早急な対応と学生への説明など5項目を求める要望書を提出していたことが、BuzzFeed Newsの取材で分かった。
5月6日にあった日本大学と関西学院大学のアメフト定期戦で日大の選手が関学の選手に悪質な反則行為をしたことが、社会問題に発展した。
これを受けて内田正人監督をはじめコーチ3人が辞任したが、いまだ日大当局の対応には疑問の声が上がっている。
「怠慢で危機感が欠けている」法学部有志が要望書提出
日大の対応を疑問視した学生有志が、田中英壽理事長、大塚吉兵衛学長に送った要望書は、以下のように始まっている。
「日本大学本部は一連の問題に対し、真摯に批判を受け止め、問題について真相解明を行い、説明責任を社会に対し果たすべきでした」
「しかし、現在の対応は風化することを望んでいると受け取られかねないような、非常に怠慢で危機感に欠けているものです」
学生が静観することは大学の問題ある態度を追認するに等しいと考え、要望書を出すことを決めたという。
「私たちは日本大学の一員である学生としての立場で、組織の中から改革を促していきたいと考えており、過激で暴力的な運動を行って大学と敵対することを目的にしているわけではありません」
「学生に課せられた役割と責任を放棄せずに日本大学本部に対し意見を伝えるために、私たちは要望書という形で意思表明を行うことにしました」
学生が要望した5事項
学生らが要望した項目は以下の5つ。
1.早急に対処を
「7月の第三者委員会の調査結果を待つという大学本部の態度は不適当で、大学全体の社会的信頼を損ねている。早急な対処を求める」
2.学生に説明を
「反則タックル問題への不誠実な初動対応と、記者会見や第三者委員会の設置が遅れた原因について、学生に説明することを求める」
3.田中理事長は公の場に
「社会に対する謝罪と説明責任を果たし、学内にも謝罪と説明を行うことは、最高責任者である田中英壽理事長の責務だ。速やかに公の場で、その義務を果たすことを求める」
4.学生や教職員の意見反映を
「今回の問題への対処と大学の将来に向け、学生と教職員の意見を集め、大学運営に反映される仕組みをつくることを求める」
5.あるべき姿に戻す改革を
「日本大学は、学問よりも経営を最優先にし、学問がないがしろにされている。大学のあるべき姿に戻すための改革に取り組むことを求める」
これらに対する回答を日大ホームページ上に、6月14日まで公開するように求めた。
「大学が問題をうやむやにする」
学生の一人は、要望書を出した経緯をBuzzFeed Newsにこう話す。
「大学に疑問を持ち出したのは、不誠実な記者会見を見たときからでした。そして、友人たちと『これはいけない』と考え始めました」
「そして日本大学の一員として、なにか行動をしなければと思ったのです。今回、要望書を出すに至ったのは、このまま学生がなにもしなければ大学が問題をうやむやにする恐れがあったからです」
日大当局の回答は
この要望書に対し、大学当局はホームページ上ではなく学生有志に直接、学生課長と課長補佐が回答を口頭で伝えてきたという。
以下がその内容だ。
1.早急に対応を
日本大学には就業規則があり、それを無視して直ちに対処するのは難しい。大学としては第三者委員会か警察の結論を待ち、それから就業規則に則って対処する。動きが小出しになっていることについて批判を受けていることは理解している。
2.学生に説明を
第三者委員会の設置が遅れたのは、身内ではない弁護士を探していたため。しっかり調査するには2カ月はかかる。時間稼ぎではない。
3.田中理事長は公の場に
教学のトップである学長は、保健体育審議会のトップでもある。大学のルールとしては、学長が出てくることは間違っていない。いずれ理事長が出て話すことになる。
4と5.将来に向けて改革を
大学としては学生のことを考え、問題解決に向け取り組んでいる。組織が大きいため改革は遅れるが、できることからやっている。
日大は今後の方針について随時、ホームページ上に掲載していくという。
一連の問題については、日大アメフト部選手たちが謝罪する旨の声明文を発表したり、日大教職員組合が内田正人前監督の全役職を解任を求める要求書を提出したりしている。
今回の問題で、日大の学生が大学側に要望書を出すのは初めて。


日本から「児童虐待」が絶対なくならない理由といま必要な10の対策 結愛ちゃんと家族が求めていたもの
井戸 まさえ
児童虐待はなぜ解決しないのか
東京都目黒区で虐待を受けたとされる船戸結愛(ゆあ)ちゃん(5)が3月に死亡した事件を受け、東京都の小池知事は6月8日、都内の児童相談所の体制強化を指示。
具体的には都内11ヵ所にある児童相談所の児童福祉司、児童心理司や一時保護所の職員の人数を増やし体制を強化すること、また、東京都が警視庁と共有する虐待情報の範囲を広げる方向で、連携を強化するとの方針を示した。
小池知事だけではなく、国民民主党の玉木雄一郎共同代表は以下の5点を【必要な対応策】として明示している。
1. 児童相談所の人的拡充と機能強化
2. 親権の制限をより容易に
3. 児童相談所と警察の全件情報共有
4. 里親や特別養子縁組の支援
5. 児童養護施設やファミリーホームなど、一時保護施設の拡充
読んで考え込む。これらは虐待事案が起る度に言われてきたことだからである。
問題は、なぜ今また同じことを言わなければならないか、政治の側の対応の遅滞にある。
一方で長年、子どもたちへの虐待や暴力が行き交う現場で活動している筆者としては、この内容では何年やっても虐待事案は止まないだろうとも思う。
つまり虐待現場は政治の想像を越えるもので、その認識の乖離こそ抜本的な解決策に至らない主因であるとも実感する。
公的機関をさける虐待親たち
まず、虐待家庭のほとんどは公的機関を「敵」だと思っているということを認識しなければならない。
実際に今回の船戸容疑者も「児童相談所がうるさかった」と香川県から東京とへの引っ越しの理由のひとつになったことを示唆している。
行政の目も手も入らない死角で、虐待は深刻化し、死に至る悲劇を生むのである。
ただし、当事者たちは最初から行政を敵視しているわけではない。むしろ助けを求めて市役所や区役所に何度も足を運び、窮状を訴えているケースが多い。
そこで彼らが経験するのは「たらい回し」である。
あちこちの窓口に行かされては何度も同じ話をさせられたあげく、上から目線の言葉を浴びせられ、望む支援は拒絶される。まるで「厄介者」扱い。
「人としての尊厳を傷つけられる」「二度と味わいたくない」屈辱の時間なのだ。
もちろん行政や福祉の現場で働く人々の多くは、相談者の状況を改善しようと努力しようとしていることも重々知っている。
しかし、それはあくまで法律や条例、過去の運用等に照らして一定の基準をクリアした、言わば「一次予選」を通過した人たち。最も助けを必要としている人々はその支援の網からも外れる(無戸籍者はその典型的な事例である)。
危機を目前とした人々でも「助けを求めること」は恥ずかしいことだという意識がある。
それでも勇気を出して役所に出向いたにも関わらず、冷笑され、結局は支援も受けられないとなったならば、その絶望は深い不信感になる。
彼らが二度と行政とは関わりたくないと思うのも無理はないのである。
そうした中で事態が深刻化するのだ。
父親が耐えられなかったこと
「ママ、もうパパとママにいわれなくても しっかりとじぶんからきょうよりか もっとあしたからは できるようにするから。もうおねがいゆるして ゆるしてください。おねがいします。ほんとうにもうおなじことはしません」
結愛ちゃんが残したメモは衝撃をもって受けとめられた。
「きょうよりか もっと あしたからは」……就学前の子どもが書いた内容としては切なすぎる。
しかし船戸容疑者夫妻はなぜこれほどまで執拗に結愛ちゃんに字を教え、勉強させようとしたのか。
児童虐待に詳しいルポライターの杉山春氏は以下のように指摘をしている。
「結愛ちゃんが書いた反省文を読むと、家族から強いコントロールを受けていたと感じます。社会的な力を失った親が、家族の中でも最も弱い者を標的にするという家族病理が現れたように思います。父親は、香川では虐待で通報され、書類送検されています。逮捕当時、無職でした。
そうした状況は、父親にとって、耐えられないほどのマイナス評価だったのではないかと想像します。この家族はそうした評価を下された場所から逃げ出したようにも見えます」(AERA.dot「結愛ちゃん虐待死「ひどい親」と批判しても事件は減らない 「評価」に追い詰められる親たち」)
連れ子がいる女性と再婚することは今ではそう珍しい話ではない。婚姻は人生を新たに出発するという意味ではリセットである。良き父、良き母としての評価は、子どもの振る舞いにかかっている。
これは船戸容疑者だけでなく、たとえばお受験に夢中になる親の中にも垣間見える場合がある。つまり世間の評価と自分の位置に著しい相違を見た場合、それを否定するために子どもを使う。注目すべきはそれが「学力」という点だったということだ。
それはこの夫婦がコミュニティから抜け出てしまうきっかけになったものなのかもしれない。だからこそ、年齢にそぐわない度を越した「しつけ」を行い、それができないと謝らせる。
「親」としての威厳が、彼にとっては最後に残ったプライドを唯一満たすものだったかのように。
欠損した「親」という役割を演じること
結愛ちゃんと船戸雄大容疑者との関係を考える時、昨年12月、拙著『無戸籍の日本人』の文庫化に伴う対談を収めるために行なった是枝裕和監督との対談内容が思い出される。文庫化の中には収められなかった『海街diary』に関してのやりとりである。
『海街diary』は脚本等全て手がける是枝作品には珍しく、吉田秋生の漫画を原作とした作品である。
綾瀬はるか、広瀬すず等、人気女優が登場する映画としても注目されたが、実は是枝監督はこの作品で「家族の欠損と、欠損した役割を補うよう変化して行く個人を描きたかったのだ」と言った。
「欠損した役割」とは何か。
『海街diary』の姉妹で言えば、父もいなくなり、母も家を出た後、長女が母の役割を担い、一家の仕切り役となる。また末っ子として甘えて来た三女は、父の再々婚相手との間に生まれた四女が同居することで「姉」を演じるようになる。
四女は異母妹である。通常の物語であれば「シンデレラ」のように確執が起るはずだが、『海街diary』の登場人物はそれぞれの「役割」を当たり前に受け入れて行く。
そこに衝突や葛藤がない。是枝監督はそれを「豊かだと感じた」と言う。
結愛ちゃんの養育環境について欠損した「父」という役割を船戸雄大容疑者は補おうとしたのであろうか。
母である船戸優里容疑者はそれまでのつらい記憶を封印して、欠損を埋めた新しい「家族」として再生して行くことを願ったのかもしれない。
「母」として空白となっている結愛ちゃんの「父」、家族の欠損を埋めることがまるで役割のように。
その気持ちは、子連れ再婚の経験者として想像に難くない。
しかし、期待された役割を自分の思い描いたようには果たすことができないと知ったとき、どうしたらよいのであろうか。
是枝監督は、自身の体験として、父が死に、自分に子どもができ「父」のポジション、役割を自分が担うことでしか、家族の中での自分の立ち位置が、役割が先へ進まなくなったとも吐露している。
自分の中に全く父性なんてないと思っていたが、子どもが生まれたらそんなこと言ってる場合じゃなくなり、父性があるなしの問題ではなく「そう振る舞わないといけなくなる」。別に自分の中の父性を探さなくても、子に手を引っ張られれば出てくるものだと。
それは「血縁」があるから、あると信じているから、なのだろうか。
血がつながらない子どもと自他ともに自覚し、それでも「父」として育てる葛藤。手を引っ張られても出てこなかったならば「父」としての振る舞いを単純化し先鋭化させて表さねばならない。それが暴力、虐待として暴走したとしても。
妻であり、母である船戸優里被告も、彼の葛藤に寄り添ったとは言えないだろう。前述の杉山氏の指摘通り、「父」として否定されることへの反証は小さな子どもを傷つけ、謝罪や懇願を得ることで得られないものだったのかと思うと胸が痛む。
家族と社会との接点は「仕事・職場」
結愛ちゃんとこの家族を救うために何ができたのであろうか。
あらためて考える。
政治の現場で出る施策に欠けているのは「雇用」という視点である。
報道でもある通り、船戸雄大容疑者は以前は仕事ぶりも認められ、退職時には慰留される人材でもあった。しかし、事件前後は失業中であった。
是枝監督の最新作『万引き家族』でも描かれたように、行政ともつながりたがらない複雑で深刻な問題を抱えた家族と社会との接点は「仕事」であり「職場」である。
必然的にそれぞれが抱えた「事情」は見え隠れすると同時に、何より経済的な自立は親自身の自己肯定にもつながる。
小さな子どもを抱えた家族が暮らしていくに十分な収入を仕事から得ていくことはとても大事であると思うし、ある程度の将来見通しが得られるか否かで、子育てに向き合う上での精神的な余裕は全く違う。
雇用のマッチングは難しい。しかし、児童手当や就学費援助といった子育て支援策に留まるのではなく、雇用の観点からも子育て中の失業家庭等についてのインセンティブを持たせる他の雇用施策は打てないものだろうか。
船戸雄大容疑者が香川県からの引っ越し先に東京都を選んだのは、東京で大学生活を送っていて土地勘もあったという報道がなされていた。
東京に行けばなんとかなると思っていたかもしれない。しかし、自分の不遇は改善されず、職もなく、明日が見えない暮らしを続けることは、理不尽だと思っていたに違いない。
5点の追加対応策
こうしたことを踏まえながら、私は玉木国民民主党共同代表の5点に加えてさらに5点を提案したい。
6. 役所の窓口の対応に対して対抗できる知見を持った民間団体との連携
7. 子どもを持つ家庭の失業対策
8. 地方自治体が独自で施策を行なうことを国や都道府県が妨げないこと
実は、地方自治体が独自判断で相談者を救おうと思っても、国や都道府県に確認を取った段階で「NO」となるケースがあるのだ。
例えば現在筆者が関わる荒川区に在住する7月で50歳になる無戸籍者のケースはその典型でもある。先般NHKの「おはよう日本」でその姿が放映されたので見た方もいるであろう。
両親が出生届を出さないまま死亡し、49歳に至るまで無戸籍のまま、建設現場等で働きながら生き延びてきた男性に対して、当初相談に行った足立区では区内に空きがなく荒川区の施設を紹介し、男性はそこに住むこととなった。
しかし、荒川区は住民であることを認識しているにもかかわらず男性を住民登録しない。マイナンバーカードが導入され、番号の提示がなければアルバイトさえ難しい現状を踏まえ、住民登録を望む当事者に対して、総務省の回答や東京都が示す問答集にはそうした手続きを可としていないというのが理由である。
総務省に聞けば、区は独自判断して住民登録をしてもなんら違法ではない、と言う。しかし荒川区はそれが明文化されて示されない限り、独自で判断はできないと言う。
総務省は明文化するまでもなく、地方分権一括法が成立以来「通知」は単なる指導的意味があるだけで、あくまで判断は自治体。そもそも法律にそう明記してあると言い張る。
だが、現実には国の通知や、東京都が定めた施行マニュアルを飛び越えて、福祉現場の担い手である地方自治体が動くことはなかなか難しい。
現場の人がいくら手助けをしたくとも、管理職が揃った会議では「前例がない」と言ったことで、支援は見送られるのだ。
そして死亡事故が起ってはじめてこうしたことも可視化される。
逆に、事前に、未然に最悪の事態が回避されていれば、死者が出ていなければ「大したことはない」と問題は見て見ぬ振りをされ、解決策も示されない。
つまりは解決したかったら、「死ね」ということとも取れる。
9. 「個別ケース」こそ大事。この困窮者ひとりをいかに助けられるかを考える
役所は「原則」と「例外」を持ち出し、この人だけの「個別ケース」で対応はできないと言う。しかし、実は「個別ケース」は問題の典型であり、それを解決できれば多くの人が救われることは多い。
10. 「家族」の再生のための周辺縁者をつくる
行政の目から「今日生きるため」に逃れようとする家族。
彼らには「役職」で接する以外の、ある意味濃厚な人間関係を築ける「家族」的存在が必要だったりす。
支援をしていてつくづく感じることだが、相談者と「遠い親戚」的な関係を築けたら、その支援は成功である。つまりは「本当に困った時に至る一歩手前で相談できる」という関係だ。
「家族」の再生は夫婦や親子といった成員だけで可能となるわけではないことを見て来た。ちょっとした距離を持った周辺縁者がいることがポイントでもある。
逆に言えばその周辺縁者がいないと、家族の再生はまず成功しない。
縁者は血縁には閉じていない。ある意味誰でもやろうと思えば関われるとも言える。
つまりはそれこそ「社会」。
結愛ちゃんと家族が求めていたものかもしれない。


河北抄
 病気や災害で親を亡くした遺児を支援する「あしなが育英会」(東京)から1冊の作文集が届いた。タイトルは『父の日にお父さんはいない』。
 同会が東京などで運営する心のケア施設「レインボーハウス」に通う遺児たちが書いた作文だという。「父の日」や「母の日」の体験談、亡き親への思いなど17編を寄せている。
 父親を病気で失った小学5年の男子は父の日にしたいことがある。「お父さんのことを忘れないように思い出して泣きたいです。(中略)そのありがたみを忘れたくないからです」
 5歳で父親を亡くした中学1年の女子は父の日、手紙を書いて仏壇に供えるのが「大事な大事な行事」だ。誰にも言えない悩み、友達や部活、家族のことなどをたくさん書く。「お父さんが見られなかった私の成長を、知ってほしい」
 17日は父の日。作文集からは、この日を複雑な気持ちで過ごす子どもの姿も伝わってくる。希望者には無料で配布する。連絡先はあしながレインボーハウス042(594)2418。