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都城ぼんちくん180614

Japon: un blogueur assassiné après une dispute en ligne
Un blogueur japonais, connu sous le nom de Hagex, a été assassiné dimanche par un internaute avec lequel il s'était disputé en ligne, après avoir donné une conférence sur ≪les querelles sur internet≫ et la façon de les gérer.
Le meurtre de Kenichiro Okamoto, salarié d'une société de Tokyo, spécialiste de la sécurité en ligne qui avait fait quelques apparitions à la télévision, était prémédité, a indiqué la police, selon les médias locaux.
D'après son blogue, M. Okamoto (41 ans) donnait dimanche une conférence à Fukukoa sur ≪les querelles sur internet≫, disant vouloir ≪partager son expérience découlant des différends rencontrés en ligne, et sur la façon d'y répondre≫.
Il a été retrouvé mort dans les toilettes, atteint de plusieurs coups de couteau, selon les médias japonais.
Le tueur présumé a été arrêté et aurait reconnu les faits, a rapporté la chaîne de télévision publique NHK, justifiant son acte par le fait qu'il ≪détestait≫ le blogueur.
L'internet nippon est le théâtre de très nombreuses disputes, de harcèlement, émanant de personnes qui agissent souvent en masquant leur identité réelle.
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のぼりの件返事がやっと来ました.よく見るとイラストレーターでデザインしてくださいという.しかもMacで.どうしたらいい?
キソキソで次回のヒント忘れてしまいました.それくらいに何かと焦っていたということです.
一方で,区役所に行って書類よろしくとのメールが.金曜日に行きますと返事しました.

「防潮堤対応策30日に提示」
宮城県議会の一般質問が行われ、村井知事は、気仙沼市の防潮堤が県のミスで計画より高く整備された問題について、今月30日に、地元住民に対し、県の対応策を示す考えを明らかにしました。
気仙沼市魚町地区の防潮堤が県のミスで計画より22センチ高く整備された問題をめぐっては、高さを修正しない県に対して地元住民は強く反発し、対応策を求めています。
26日行われた県議会の一般質問で、自民党の議員は「住民からつくり直しの要望が出ている中で、このまま建設を進めるとした村井知事の方針は、これまでの協議の積み重ねをなかったことにするものだ。住民の要望を最大限考慮して取り組むべきだ」と質しました。
これに対し、村井知事は「県の施工ミスやその後の対応で地域の人たちに心痛を与え、心からおわびする」と改めて陳謝しました。
その上で、「海の見える生活がしたいという地元住民の思いに最大限応える新しい案を示せるよう検討を進めている。対応策の案を取りまとめ、住民に理解してもらえるよう、丁寧に説明していきたい」と述べ、今月30日に、地元住民に対し、県の対応策を示す考えを明らかにしました。


大川小児童遺族 県議と意見交換
東日本大震災の津波で犠牲になった石巻市の大川小学校の児童の遺族が訴えた裁判に関連して、26日、遺族が県議会議員と意見を交わし、教訓の発信や安全対策を学校に働きかけることなどを求めました。
県議会の6月定例会では、大川小学校の裁判で村井知事が上告を決めた専決処分の承認を求める議案が提出されていて、26日の会合には、児童の遺族や県議会議員など、およそ40人が出席しました。
この中で、遺族側から「学校で早急に命を守る対策をとるよう、働きかけてほしい」とか、「大阪の地震でブロック塀の倒壊により子どもが亡くなり、宮城県沖地震の教訓が伝わっていなかったことが分かった。同じようなことが二度と起こらないよう、大川小の教訓についてみんなに考えてほしい」といった意見などが出されました。
これに対し、議員側からは「真相が究明されずに訴訟に至ったことは非常に残念だ」とか、「市と県には当然、賠償の責任がある」といった意見などが出されました。
会合のあと、原告団の今野浩行団長は、「命に関わる重要な問題を議員の意見を聞かずに専決処分で行うことに疑問を感じる。大川小で起きたことが風化しないよう、こうした会を開いて伝えていきたい」と話していました。


<サン・ファンパーク>初の結婚式 復興支援 2人の縁
 石巻市渡波の宮城県慶長使節船ミュージアム「サン・ファン館」に隣接する市サン・ファンバウティスタパークで今月、1996年の開園以来初の結婚式が開かれた。挙式したのは東日本大震災直後に出会ったボランティア同士。大勢の祝福を受けた2人は地元食材を使った料理を提供する飲食店を市内に構え、街の復興とともに歩んでいく。
 2人は今村正輝さん(37)と妻由紀さん(30)。式はパークの広場で9日にあり、復興支援に携わった友人や由紀さんの出身地、渡波地区の住民ら約250人が出席。料理人仲間が腕を振るい、夜は約100発の花火が打ち上げられた。
 今村さんは千葉県出身で2013年に和食店「四季彩食いまむら」を開いた。オーナーシェフを務め、昨年7月に入籍した由紀さんと切り盛りしている。
 今村さんが石巻市を訪れたのは震災後間もない11年5月。壊滅的な津波被害を受けた渡波地区でがれき撤去に携わった。由紀さんの母親が地元で営んでいた美容室の再建に今村さんが関わったのが2人の出会いだった。美容室は2カ月ほどで再開。同様にボランティアをしていた由紀さんは今村さんの人を引き付ける力にひかれていったという。
 料理人だった今村さんは自分の店を持つ夢を石巻でかなえようと決意し、移住した。復興支援を通じて知り合った漁師や農家との人脈を生かし、地元の旬の食材を仕入れた。
 由紀さんは開店早々からおかみとして支えた。常連客は順調に増え、昨年7月出版の「ミシュランガイド宮城2017特別版」で紹介されるまでになった。
 パークでの式は由紀さんが「小さな頃からよく遊んだ場所。(老朽化した)サン・ファン・バウティスタ号も見納めになるかもしれない」と考え、提案した。
 今村さんは式の会場で「石巻が好きで移住した上、2人の縁がある渡波で式を挙げられた。支えてくれた多くの仲間に感謝したい」と感慨深げに話した。
 店は現在、秋の再開に向けて改修中。2人は全国のシェフ仲間や食材の仕入れ先などを巡る旅に出た。各地でイベントなどを開き、石巻の食材を持ち込んでPRするという。
 「わざわざ石巻まで来てくれる店を目指す。レベルアップして帰ってきたい」と今村さん。これからも夫婦で石巻を盛り上げるつもりだ。


東松島 ゲンジボタルの舞い
東松島市の山あいにある水田地帯でゲンジボタルが淡い黄緑の光を発光させながら飛び交い幻想的な世界を醸し出しています。
ゲンジボタルが見られるのは東松島市根古の今泉地区を流れる用水路や周辺の田んぼで今年は例年よりも一週間ほど早く6月中旬ころから姿を見せ始めました。
25日夜は8時過ぎから1匹2匹と淡い黄緑の光を発光させながら飛び始め用水路の周辺一帯で飛び交う様子が見られました。
周辺には地区の親子連れなどが訪れて歓声を上げながら飛び交うホタルを眺めたり草の葉に止まって光を放つホタルを熱心に見たりしていました。
また、手に止まったホタルを大切に両手で囲いながら光が付いたり消えたりする様子を見つめる男の子もいました。
近くに住む佐々木忠男さんは「この風景がいつまでも見られるように自然を守らなければならないですね」と話していました。
このゲンジボタルは例年通りであれば7月上旬まで見られるということです。


被災の気仙沼職安、再出発 仮設庁舎から駅前に移転
 東日本大震災の津波で被災し、宮城県気仙沼市東新城のプレハブ仮設庁舎で業務を続けてきた気仙沼公共職業安定所が25日、JR気仙沼駅前にある複合施設「駅前プラザ」に新設移転し、業務を始めた。
 新庁舎は駅前プラザ2階にあり、面積約600平方メートル。仮設庁舎より約60平方メートル広い。職業紹介窓口や全国の求人票を閲覧できる検索機がある。7月中旬に同市八日町の気仙沼商工会議所内に入居する石巻労働基準監督署気仙沼臨時相談窓口も移転する予定。
 同安定所は気仙沼市朝日町の気仙沼合同庁舎に入居していた。震災9日後に気仙沼市役所で業務を再開。1カ月後に市内のホテルに臨時窓口を設けた。2011年9月に仮設庁舎に移り、22日まで業務に当たった。
 関係者約30人が出席した開所式で、本田聡一郎所長は「震災から7年以上たち、ようやく新たな一歩を踏み出すことができる。地元住民に親しまれる施設を目指したい」と話した。
 開所は平日午前8時半〜午後5時15分。連絡先は0226(24)1716。


<宮城県沖地震40年>仙台卸商センター 社屋の3割耐震不足
 1965年に設立された仙台市若林区卸町の流通団地「協同組合仙台卸商センター」で、加盟業者の社屋老朽化が課題となっている。センターのアンケートによると、78年の宮城県沖地震以前に建てられ、81年導入の現行耐震基準を満たさない築40年超の社屋は回答分だけで約3割に上るが、建て替えの計画は1割以下の18社にとどまった。
 アンケートは昨年9、10月に全250社(当時)を対象に実施し、217社が回答した。
 築年数(グラフ)は「50年超」が4棟「40年超〜50年以下」が64棟「30年超〜40年以下」が19棟だった。107社が築年数について無回答で、老朽化した建物の総数はさらに多いとみられる。
 現段階で建て替え計画がないのは162社。社屋の課題が「ある」と答えた100社への個別質問(複数回答)では、「老朽化」(81社)と「耐震性」(45社)が突出して多かった。
 卸商センターは約17万坪に現在、食品や繊維、雑貨など252社が集積する。宮城県沖地震で3社が全壊し、241社が一部損壊。東日本大震災では30社が建て替えを迫られた。
 センター事務局は「2度の地震でダメージが蓄積した社屋も少なくなく、老朽化と建て替えの問題が浮き彫りになった。流通団地の使命をこれからも果たせるよう、対策を進めたい」との考えを示す。


<宮城県沖地震40年>仙台卸商センター 震災など契機 建て替え少数
 設立から半世紀以上たつ協同組合仙台卸商センターでは、被災などを契機に社屋を建て替えた業者は一部にとどまる。資金を工面する難しさに加え、経営や事業継承などの先行き不安が足かせになっている。
 計測器販売の仙台測器社は2012年、鉄筋2階の新社屋を完成させた。東日本大震災で築約40年の旧社屋が半壊し、隣接の関連会社も全壊。震災特例で国から金利なしの資金を借り入れ、基礎部分にコンクリートを敷き、柱を増やして耐震性を強化した。
 協同組合常務理事を務める社長の高橋栄一さん(53)は「社員が安心して働ける環境が重要」とした上で「建て替えの必要性を分かっていても資金面のハードルがあり、踏み切れない業者も多いようだ」と語る。
 事務・作業用ユニホームを製造、販売するイシイは関連会社などを含め団地内に13棟を所有し、大半が築40年以上という。震災後は修繕で対応したが、社長の石井吉雄さん(75)は「建物が古いので傷みは残っているだろう」と説明する。
 卸町地区は15年の仙台市地下鉄東西線卸町駅の開通を契機に、新たな街づくりを見据える。石井さんは「単なる建て替えではなく、人が行き交うエリアの創出を想定した開発を考えたい」と話し、周辺との一体整備も念頭に置く。


危険なブロック塀/点検と安全対策の徹底急げ
 最大震度6弱を観測した大阪府北部地震で、高槻市の市立小学校でブロック塀が倒壊し、登校中の4年生女児(9)が犠牲になった事故は、人災の側面が強まっている。塀は建築基準法に違反した建築物だったが、点検にもかかわらず見過ごされてきた。
 全国には他にも危険なブロック塀が少なくない。悲劇が二度と繰り返されないよう点検を徹底し、安全対策を速やかに講じる必要がある。
 事故のあった小学校では、3年前に仙台市の防災専門家から危険性が指摘されながら、市教育委員会は資格のない職員による目視などの簡易検査で「安全」と判断していた。3年に1度の法定点検もすり抜け、違法な塀が放置されてきた。
 適切な措置がなされていれば、防げた事故だった可能性もある。子どもの命を預かる学校、教育行政がずさんな安全管理を続けてきた責任は重いと言わざるを得ない。
 倒壊したブロック塀は、市が認めるように明らかに違法状態だった。基礎部分の上にブロックが積み上げられ、全体の高さは3.5メートル。建築基準法施行令が定める上限2.2メートルを超えていた。1.2メートルを超す塀には後ろから補強する「控え壁」が必要だが、設置されていなかった。鉄筋の長さも不足していた。
 文部科学省は今回の事態を受け、幼稚園や小中高校を設置する全国の自治体などに塀の緊急点検を要請した。
 学校は、子どもだけでなく災害時には住民ら避難者の命も預かる。安全対策に万全を期してほしい。
 学校や通学路に限らない。国土交通省も、ブロック塀の所有者に安全点検の実施を周知するよう、全国の自治体に通知した。所有者は官民を問わず、危険性を確認した場合は、通行者への注意表示や補修・撤去などをするよう注意喚起している。
 国交省は、所有者が安全点検する際に活用できるチェックポイントをまとめ、ホームページ上での公開も始めた。所有者にはぜひ参考にしてもらいたい。
 ブロック塀は倒れると、人の命を奪う凶器となる。災害時の安全な避難や救助活動を妨げる障害にもなりかねない。所有者は対応を急ぐことが大切だ。
 ブロック塀の危険性は、1978年に起きた宮城県沖地震の教訓の一つだ。犠牲者28人のうち、ブロック塀や石塀、門柱の倒壊による死者は18人に上った。
 教訓を踏まえ、宮城県や仙台市は先進的な取り組みをしてきた。学校周辺などでブロック塀を調査し、危険箇所については繰り返し取り壊しや改修を促してきた。
 そうした取り組みは、他自治体の参考になるだろう。県や仙台市はもっと積極的に情報発信するべきではなかったか。それは「被災地責任」でもある。


都市防災の視点/反省と教訓を次に生かす
 最大震度6弱を記録した大阪府北部地震の発生から1週間が経過した。5人の尊い人命が失われ、400人超が避難所生活を続けているものの、電気、水道に続きガスがほぼ復旧し、被災地は落ち着きを取り戻しつつある。
 しかし発生からしばらくは京阪神を中心に近畿全域に混乱が続いた。より強い直下型地震や近い将来の発生が予測される南海トラフ地震を想定すれば、十分な対応ができるのか。
 阪神・淡路大震災から23年を過ぎても、都市防災に特有の課題が山積している実態が突き付けられた。緊急時には直ちに災害対応モードに切り替えて臨む重要性を、社会全体で共有しなければならない。
 今回混乱が拡大した最大の要因は人の流れだ。鉄道網は完全にまひしたが、朝のラッシュ時とあって多くの人が車などで職場に向かった。その結果、道路渋滞を引き起こして鉄道復旧の人員確保などが手間取った。
 大型台風の接近時には鉄道が早めに止まり、事業所なども休業する対応が定着している。同じように一定規模以上の震災時には、人の流れを最小限にするために、事業所を休業にするルールが必要ではないか。
 途中で行き場を失った人たちを受け入れる避難所などの準備も欠かせない。道路交通が確保でき、人命救助やインフラ復旧への迅速な対応にもつながることになる。
 今回の地震では建物の全壊などの被害は少なかったが、倒れたブロック塀や家具などで死傷者が出た。身近な危険を点検し、なくす努力が求められる。
 都市部は独り暮らしの高齢者や、高齢夫婦だけの世帯など安否確認の作業が求められる対象者も多い。住民同士のコミュニティーが希薄になる中で、さらに大規模な災害も想定し、要支援者の状況を把握できる仕組みを整えておくことが重要だ。
 帰宅困難者対策も、十分機能したとは言いがたい。都市直下型地震は、発生時間帯によって必要な対応も異なる。命と暮らしを守るため、行政や企業は専門家やNPOなどと連携し、反省と教訓を防災計画の見直しに生かしていきたい。


大阪の活断層の脅威 新大阪駅、通天閣、道頓堀の真下にも
 今回の大阪北部地震は、大都市の地下に存在する「活断層」の脅威を、改めて認識させた。地中の岩盤が割れ、ずれが生じた場所が「断層」であり、そのうち、今後もずれ動いて地震の発生源となり得ると考えられているものが「活断層」と呼ばれる。東洋大学の渡辺満久教授(変動地形学)が説明する。
「6月18日に起きた大阪北部地震は、発生に至るメカニズムが複雑とみられているため現時点で断定はできませんが、活断層が原因の地震の可能性が高いと考えられています」
 掲載した地図では、大阪北部地震の震源地とその周辺の活断層の位置を示した。一見、震源と活断層は離れた場所にあるように見えるが、渡辺氏はこう説明を続ける。
「断層は地下に向かって垂直に延びているとは限りません。今回の震源の近くには、大阪・高槻市から兵庫・神戸市北区に至る『有馬―高槻断層帯』(全長約55km)と、大阪の東部の枚方市から羽曳野市を南北に走る『生駒断層』(全長約38km)という2つの大規模な活断層が走っています。特に『有馬―高槻断層帯』の動きが原因となって、今回の地震が起きたと疑われています」
 M(マグニチュード)6.1の大阪北部地震による死者は5人、負傷者は300人を超えた(21日時点)。とくに被害の大きかった大阪府茨木市や高槻市では、寸断されたライフラインの復旧作業に加え、大雨による二次被害への対策に追われている。
 また、地震発生直後から大阪市内の鉄道会社はすべて運転中止を迫られた。主要な街道は会社や自宅へ向かう人の波で埋め尽くされ、大都市の地震への脆弱性を改めて見せつけられた。
 加えて、活断層地震には、一つの地震がさらに大きな揺れを誘発するリスクが存在する。
 2016年に50人の死者を出した熊本地震がその一例だ。同年4月14日、熊本県益城町から八代海に延びる「日奈久断層」を震源とするM6.5の地震が発生。その揺れが近くを走る「布田川断層」に影響を及ぼし、同16日、同断層を震源とするさらに巨大なM7.3の“本震”が発生したという説がある。
 今回の大阪北部地震の直後にも、政府の地震調査委員会が会見で「さらなる大きな地震が起きる可能性もある」と警告を発している。震源の周囲にある活断層で、多くの専門家が「未曾有の大災害を引き起こしかねない」と警戒するのが「上町断層帯」だ。
 地図を見てもわかるように、全長約42kmに及ぶ上町断層帯は、豊中市から大阪市のまさに中心部を南北に横切り、堺市から岸和田市に至る。その真上には新大阪駅や通天閣、道頓堀が位置し、梅田や難波、天王寺といった関西圏でも有数の繁華街のすぐ側を走っているのだ。
「こうした都心部の真下を走る活断層での地震は、震源が10km台と浅いため、地震波が減衰しないまま地表に到達して、甚大な被害につながることが懸念されます。地震の発生から揺れに襲われるまでの時間も短く、地震速報が役に立ちにくいという特性もあるだけに、被害が拡大しやすいのです」(島村英紀・武蔵野学院大学特任教授)


大阪地震1週間  大都市の備えにもろさ
 阪神大震災以来23年ぶりに、関西の大都市を震度6級の揺れが襲った大阪府北部地震。地震の規模(M6・1)が阪神より小さく、人命や建物の被害は限定的だった半面、鉄道・ライフラインの再開に時間がかかるなど都市の備えのもろさを浮き彫りにした。
 発生から1週間の昨日、被災地では5人の犠牲者に静かに手を合わせる人や、引き続き避難所に身を寄せる人、壊れた家財を片付ける人の姿があった。京滋でも余震への警戒を怠らず、課題にしっかり向き合う決意を新たにしたい。
 平日朝のラッシュ時に起きた今回の地震では、駅間に緊急停止した車内に一時閉じ込められた人が20万人に上った。近畿一円の鉄道網のまひは深夜に及び、主要駅は終日、通勤・帰宅困難者であふれた。
 乗客の誘導を最優先に、線路や電気設備の係員も動員したため、安全点検が遅れたとJR西日本は説明する。致し方ない面はあったにせよ、時間がかかっても複数の路線をまとめて再開させようとした判断は妥当だったか、他の交通機関との連携協力に工夫の余地はなかったかなど、疑問は残る。
 閉じ込めはマンションやオフィスビルでも起きた。大阪府内を中心に数万基のエレベーターが停止し、技術者が駆け付けて内部の人を救出するのに長時間を要した。復旧の人手が回らなかったのは都市ガスなどのライフラインも同じだった。
 技術者や作業員の数には限りがあり、災害時は道路が渋滞して現場に到着できない可能性も考えられる。それらを前提に、大都市での救助・復旧をスムーズにする現実的な備えと工夫が必要だろう。
 企業の中には、従業員に早い段階で休業や自宅待機を指示した社があった一方、判断を個人任せにした社もあったようだ。たとえば災害発生直後の行動を事前に取り決め、日常の訓練を通じて従業員に周知していれば、通勤・帰宅困難や渋滞の拡大を抑えられるのではないか。
 被災自治体では水道管の破裂が相次ぎ、高度成長期に埋設された管の老朽化が改めて指摘されている。耐震管に切り替える流れにあるものの、自治体の財政難がネックとなって遅れ気味だ。京都府、滋賀県の耐震化率は30%前後と、全国平均を下回る。
 独り暮らしのお年寄りや障害のある人の安否確認、外国人への災害情報提供にも課題がみえた。市民の参加と理解を広げ、改善策を見いだしたい。


沖縄と米朝会談 負担軽減につなげたい
 東アジアの情勢変化にもかかわらず、なぜ二十年以上前の新基地建設計画に固執するのか。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への「県内移設」は強行せず、計画を見直すべきだ。
 太平洋戦争末期、住民を巻き込んだ凄惨(せいさん)な地上戦の舞台となり、当時、県民の四人に一人が犠牲になった沖縄県。旧日本軍の組織的な戦闘が終結したとされる「慰霊の日」の二十三日、沖縄全戦没者追悼式が沖縄県糸満市で開かれた。
 翁長雄志県知事は平和宣言で、普天間飛行場の辺野古移設について「まったく容認できない。『辺野古に新基地を造らせない』という私の決意は県民とともにあり、これからもみじんも揺らぐことはない」と強調した。
 翁長氏の平和宣言での辺野古移設反対表明は二〇一四年十二月の就任以来四年連続だが、今年、特筆すべきは今月十二日の米朝首脳会談に言及したことだろう。
 翁長氏は「米朝首脳会談で朝鮮半島の非核化への取り組みや平和体制の構築について共同声明が発表されるなど緊張緩和に向けた動きがはじまっている」と指摘し、「辺野古新基地建設は、沖縄の基地負担軽減に逆行するばかりか、アジアの緊張緩和の流れにも逆行する」と、辺野古移設を唯一の解決策とする政府を指弾した。
 そもそも沖縄県には在日米軍専用施設の約70%が集中する。日米安全保障条約体制の負担を沖縄により重く負わせることで成り立ついびつな構造だ。住宅地などに隣接して危険な普天間飛行場の返還は急務としても、同じ県内に移設するのでは、県民にとっては抜本的な負担軽減にはならない。
 さらに、東アジアの安全保障環境は大きく変化しつつある。安倍晋三首相が「国難」に挙げていた北朝鮮情勢は「安全保障上の極めて厳しい状況はかつてより緩和」(菅義偉官房長官)された。
 冷戦終結間もない国際情勢下に策定された米軍の配置は見直されて当然だ。首相は「沖縄の基地負担軽減に全力を尽くす」というのなら、なぜ米朝会談後の情勢変化を好機ととらえないのか。
 政府は八月中旬に辺野古海域への土砂投入を始めるという。原状回復が難しい段階まで工事を進め既成事実化する狙いなのだろう。
 しかし、県民の民意を無視して工事を強行すべきではない。政府は辺野古移設を唯一の解決策とする頑(かたく)なな態度を改め、代替案を模索すべきだ。それが県民の信頼を回復する「唯一の道」である。


遠のく日朝会談…北は安倍首相を“蚊帳の外”“卑しい”と批判
 2004年以来となる日朝首脳会談の実現を模索する安倍首相の足元を見透かすように、北朝鮮がアベ批判を強めている。朝鮮労働党機関紙「労働新聞」が週末にかけて立て続けに論評を掲載。ボルテージは上がりっ放しだ。このままでは、会談実現は遠のくばかりだ。
 労働新聞が21日付で掲載したのが、〈蚊帳の外から抜け出そうという術策〉と題した論評だ。米朝首脳会談が行われた12日、来日したマレーシアのマハティール首相やラオスのトンルン首相に対し、安倍首相が対北圧力への協調を求めたと言及。〈蚊帳の外に置かれている者の卑しい物乞い行為だ〉〈不安感に襲われた安倍は、朝鮮半島情勢を悪化させようという不純な策動に東南アジア諸国を引き込もうと愚かに画策している〉と断じる一方、安倍政権が配備を急ぐ「イージス・アショア」もこうヤリ玉に挙げた。
〈日本の防衛相は、ミサイル迎撃システムを拡張すると発表しながら、良い方向に流れている朝鮮半島の雰囲気に冷や水を浴びせている〉
 昨年11月に初来日したトランプ米大統領から「バイ・アメリカン」と迫られ、北朝鮮の脅威を理由に購入を前倒しした陸上配備型のミサイル迎撃システムだ。1基1000億円弱で、搭載に向けて日米で共同開発中の新型迎撃ミサイル「SM3ブロック2A」4発と関連装備品は計約150億円。2基で2000億円もする代物である。米朝対話が進む中、配備予定地の秋田と山口からもその必要性を疑問視する声が上がる。そして、安倍政権のやり方をこう総括していた。
〈安倍勢力の総的目標は、日本を戦争国家にすることである。今まで日本は周辺情勢、特に朝鮮半島情勢悪化を口実に、武力増強に拍車をかけ、軍事訓練を頻繁に行ってきた。侵略戦争に出られる準備をほとんど整えた日本に今残っているのは、現行憲法を書き換え、法的名分を作ることだけである。だから、朝鮮半島情勢緩和ではなく、激化を望んでいる〉
 指摘はごもっともで、子細に分析したものである。元韓国国防省北朝鮮情報分析官の高永テツ氏(拓大主任研究員)はこう言う。
「北朝鮮は米国との融和ムードに水を差し、足を引っ張ろうとする安倍政権にイラ立ちを募らせています。金正恩党委員長と本気で向き合う覚悟があるのなら、刺激するような態度は改めろ、というメッセージだと受け取るべきでしょう」
 22日付の〈日本は誠実に過去を清算せよ〉と題した論評も痛烈だった。従軍慰安婦に関する日韓合意を巡り、日本の反対にもかかわらず、少女像が米議会で巡回展示されたことに言及。〈「合意」なるものを前面に掲げて、凶悪非道な性奴隷犯罪が全部清算されたかのように宣伝している〉と非難し、〈過去の罪悪を率直に認めて徹底的に賠償することだけが、日本が生きる道である〉と主張した。
 拉致問題の解決を前面に押し出す安倍政権にまたもクギを刺してきたわけである。
「外交というものは血こそ流さないものの、頭脳を駆使する戦争です。国民感情を考えれば、日本が拉致問題を最重要課題とするのは理解できますが、国際社会が大きく動く局面では、世論の反発を恐れず、本音を隠す外交の知恵を絞った方がいい」(高永テツ氏=前出)
 事態を1ミリも進展させず、“拉致の安倍”で高ようじだったツケが一気に回ってきた。


カジノ事業者の金融業務 胴元が賭け金貸す危うさ
 カジノを解禁するための統合型リゾート(IR)実施法案が、延長国会の対決法案となっている。参院の審議が近く始まるが、衆院段階で新たに論点になったのが、カジノ事業者による金融業務だ。事業者が賭け金を貸す仕組みが許されるのか徹底的に詰めてほしい。
 法案によると、カジノ施設内では、現金自動受払機(ATM)の設置や貸金業者による営業が禁止される。ところが、外国人と一定の預託金をカジノ事業者に預けた日本人に対し、事業者が賭け金を貸せる。
 ギャンブルにのめり込んでいる人は、負けを取り返すためさらに賭ける。カジノで賭け金を貸すことは、胴元が利用者の勝ちたいとの心理につけ込むことにつながる。依存症を生み出す恐れがある危うい行為だ。
 預託金の額は、法成立後にカジノ管理委員会規則で定めるという。政府は、富裕層を想定した制度で、日本の実情に合った金額にすると説明するが、額の設定次第では、借金ができる層が広がる懸念がある。
 貸金業法は、返済能力を考慮し、利用者の借入金額を年収の3分の1に制限している。カジノの貸し付けが、こうした規制の対象にならないのも大きな問題だ。カジノ事業者は貸金業者ではないためだ。
 事業者は信用機関を通じ利用者の資産などを調査し、返済可能とみられる額を個々に設定できる。しかも、貸付金の額は預託金の額とは無関係に決められる。
 政府はカジノを外国人観光客の増加に結びつけたいと説明するが、日本人の利用が多くを占めるとみられている。ターゲットと目されているのが富裕高齢者の余剰資金だ。仮に年金収入しかない高齢者でも、退職金などのまとまった資産があれば、事業者が多額の賭け金を貸し付ける可能性はあるだろう。
 当初1万5000平方メートル以下だったカジノ面積の数値制限がなくなり大規模カジノの設置が可能だ。こうした点を含め、法案が事業者の利益を優先している実態が読み取れる。
 他国のカジノでも、条件付きで利用者に賭け金を貸す制度がある。ただし、日本は世界最高水準の規制をうたう。手持ち以上の資金で賭博を可能とする仕組みは、ギャンブル依存症対策に逆行する。


カジノ法案参院へ 地域振興につながらない
 カジノを含む統合型リゾート施設(IR)整備法案は自民、公明両党と日本維新の会などの賛成多数で衆院を通過し、審議は参院に移る。
 安倍政権が成長戦略に掲げ、一部の自治体が誘致に動くカジノだが、真の地域振興につながるのだろうか。
 カジノのビジネスモデルは単純に言えば、賭博場を設けて客を賭け事に興じさせ、手数料を取って収益とする。客が多く入り、賭け金を積むほどもうかる仕組みである。
 ラスベガスを典型とする統合型リゾートは展示会や国際会議で人を集め、宿泊費を抑えるなどして長く滞在させてカジノへ誘導する。日本の案と同様に国内客などから入場料を取る韓国やシンガポールではカジノ内の飲食を無料または安価にして集客する。海外のカジノ事業者は誘客戦術でしのぎを削る。
 これを日本国内に置き換えればどうなるだろうか。IRの展示場やホテルがカジノへの誘客のために価格を安く設定すれば、周辺に波及し、廉売競争が始まるかもしれない。カジノが飲食を無料化すれば、客は周辺の飲食店から流れるだろう。いずれにしても、地域経済に悪影響を与えることは否めない。
 安倍晋三首相はIRについて「世界中から観光客を集める滞在型観光を実現する」と述べた。しかし、IR誘致に積極的な大阪府や北海道などの自治体は7割5分から9割を日本人客が占めると試算する。外国人観光客がそれほど伸びないとなれば、成長戦略にはつながらない。2017年の訪日外国人観光客は推計2869万人で、6年連続で過去最多を更新した。IRがなくとも、日本観光は伸びている。
 加えてカジノ事業者に利用者への貸し付けを認めている点も問題だ。「負けが込んだ」利用者が金を借りてさらに深みにはまる。ギャンブル依存症を助長しかねない。刑法が禁じる賭博を合法化するIR法案であるが、衆院では依存症対策一つでも十分な審議がなかった。
 日本のIR導入には外資系企業が熱い視線を注ぐ。カジノの運営ノウハウを持つ外資系企業にとって、日本は未開拓市場だ。県内でも昨年、中国のカジノ企業がシンポジウムを開くなど動きを活発化させている。
 国はカジノ収益の30%相当を納付金として徴収し、入場料収入と合わせて立地自治体と折半することで税収増をうたう。
 しかしギャンブル依存症の増加やマネーロンダリング(資金洗浄)の恐れ、暴力団の関与、治安悪化、青少年への悪影響など数々の課題への具体的対策は示されないままだ。地域経済へのメリットが見えない中で、弊害だけを背負わされる懸念がある。
 このままでは民衰え、益は海外に流れ、地域振興につながらない。良識の府は悪法を成立させるべきではない。


参考人へのやじ 厳重注意では済まされぬ
 国会が自ら招いた参考人にまで無神経なやじを飛ばすとは−。あきれてものが言えない。
 異論を遮ろうとしたのか。そもそも国民の意見に耳を傾ける意思がないのなら、議員バッジを着ける資格が疑われる。
 やじの主は自民党の穴見陽一衆院議員(大分1区)である。受動喫煙対策を強化する健康増進法改正案を審議する衆院厚生労働委員会で、日本肺がん患者連絡会代表の長谷川一男さんに「いいかげんにしろ」と耳を疑うような言葉を飛ばしていた。
 長谷川さんはステージ4の肺がん患者で、自らが使うコルセットを示しながら受動喫煙の実態について語った。なのに、患者の立場をいたわるどころか、参考人に対する敬意も感じられない暴言に等しいやじだった。
 厚労委員長は穴見氏を厳重注意した。穴見氏も「不快な思いを与えたとすれば、心からの反省とともに深くおわびする」などと、自身の公式サイト上で謝罪した。
 それで済むのか。穴見氏は「喫煙者を必要以上に差別すべきではないとの思いでつぶやいた」と釈明したが、長谷川さんは喫煙者の立場にも一定の理解を示しながら発言していた。
 長谷川さんは「招かれて行った場でやじを浴びせられて、悲しく残念な気持ちになった」と語ったという。当然だろう。
 穴見氏には登院停止など厳しい懲罰が必要ではないか。
 国会で飛び交う機知に富んだやじは「議会の華」とも呼ばれてきた。それも今は昔である。このところ国会では低レベルで直接的なやじが目立つ。
 沖縄県で続いた米軍ヘリコプター不時着について、衆院本会議で内閣府副大臣だった松本文明氏は「それで何人死んだんだ」とやじり、辞任に追い込まれたのは記憶に新しい。
 受動喫煙対策を巡っては、大西英男衆院議員が自民党の会合で「(がん患者は)働かなくていい」とのやじを飛ばした。
 穴見氏や大西氏ら2012年初当選組はトラブルが多く「魔の3回生」とも呼ばれる。しかし、それだけが非常識なやじを生む理由ではあるまい。
 4月には経済産業省出身の首相秘書官が野党議員にやじを飛ばして、一時審議が止まった。やじではないが、長谷川さんには「死ね」など心ない嫌がらせメールが届いているという。
 そもそも安倍晋三首相や麻生太郎財務相が閣僚席からやじを飛ばす。そうした姿勢が若手議員や官僚らの非常識な言動を助長していないか。自らが国会の権威と社会のモラルをおとしめていることに気づくべきだ。首相を含めて国会議員にこそ「いいかげんにしろ」と言いたい。


[参院選挙制度改革]自民案は評価できない
 自民党は、「1票の格差」や「合区」問題に対処するため、公職選挙法改正案を国会に提出した。
 国会の会期が7月22日まで延長されたことを受け、今国会での成立をめざす。
 来年夏の参院選に向け制度改革は待ったなしだが、内容といい与野党協議の進め方といい問題が多く、評価できるものではない。
 自民党の参院選挙制度改革案は(1)比例代表の定数を「4増」する(2)議員1人あたりの有権者数が最も多い埼玉選挙区の定数を「2増」する(3)2016年参院選から導入された「鳥取・島根」「徳島・高知」の二つの「合区」は維持する−というものだ。
 これによって参院の定数は現行の242から248に増えることになる。なぜ比例の定数を四つも増やすのか。
 現行の参院選比例区は、候補者の得票数に従って当選者が決まる「非拘束名簿式」を採用している。これに対し自民党案は、「合区」を維持する代わりに、比例代表の名簿の一部に「拘束名簿式」の特別枠を新設する。
 「拘束名簿式」はあらかじめ政党が定めた順位に従って当選者が決まる仕組みだ。
 もともと拘束式だった制度を非拘束式にあらため、今また一部に拘束式を導入しようというのである。
 合区で候補者を出せない県に比例代表の指定席を与え、優先的に当選させる、という発想である。
 党利党略が露骨なうえに、ただでさえ複雑な選挙制度をますます複雑にする内容である。
■    ■
 最高裁が13年参院選を「違憲状態」だと判断したことを受け、15年に公選法が改正された。改正法の付則は、来年の参院選までに「選挙制度の抜本的見直しについて必ず結論を得る」と明記している。
 自民党は当初、憲法を改正して「合区」や「1票の格差」に対応する考えだった。だが、改憲による抜本的な対策をめぐっては、野党だけでなく与党の公明党からも異論が出た。
 自民党の見通しの甘さに加え、国会は森友・加計学園問題をめぐって混迷を深め、改憲による選挙制度改革の動きは急速にしぼんだ。
 自民党の改革案は小手先の対応に終始し、抜本的な見直しからは、ほど遠い。
 自民党案には、将来のあるべき参院像が前提にされていない。来年の参院選や秋の自民党総裁選をにらんだ、理念なき改革案というしかない。
■    ■
 国会議員を選ぶ選挙制度は民主主義の土台である。選挙制度の見直しは、各党の思惑が入り乱れるため、合意形成を図るのは容易でない。
 だからこそ、法案提出前の丁寧な与野党協議と、国会での時間をかけた審議が必要なのである。
 与党が十分な審議もせず、数の力で改正法案を強行採決するようなことがあれば、大きな禍根を残すことになるだろう。
 来年夏の参院選までに与えられた時間は極めて限られている。各党の隔たりを埋めていくための真剣な努力を与野党双方に求めたい。


文化庁50年 発足の原点を忘れまい
 文化庁が発足して今月でちょうど半世紀を迎えた。今国会では、地域の文化財の活用を支援する「改正文化財保護法」も成立した。これまで保護に軸足を置いていた政策の転換とも言える。文化庁の今後のかじ取りはより重要になったと言えよう。
 発足した1968年は高度経済成長の真っただ中だった。開発によって伝統的な建造物や町並みは次々失われ、地方の過疎で担い手も減って民俗芸能も衰退した。守り伝えられてきた有形無形の文化財がなくなり、文化が継承されなくなることへの危機感は大きかったのだろう。
 芸術を所管していた旧文部省文化局と文化財保護委員会が統合し、新組織となった。伝統的な文化を継承しつつ、新しい文化を創造する―。そのために、社会の変化に機敏に反応し、文化行政を一体的に推し進めることを目指した。その原点をいま一度思い起こしたい。
 以来、文化財の指定や保護に地道に取り組んできた。75年には開発で発見された遺跡などを守るため、長官が工事の停止を命令できるよう法改正。弥生時代の大規模集落、吉野ケ里遺跡(佐賀県)など多くの文化財を消失から救った。
 町並みを守る制度の創設など手厚い政策も展開してきた。これまで重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)に選定したのは全国97市町村で117地区に上る。中国5県でも、福山市鞆町など16カ所が選定され、往時の風情を伝えている。
 文化財以外にも、音楽や美術、映画といった芸術振興、宗教法人の認証や著作権の保護など幅広い業務を担ってきた。
 2001年に制定された文化芸術振興基本法(現・文化芸術基本法)に基づき、芸術活動支援にも力を入れる。新たな表現活動を育て、未来につなぐ上で大切なことだろう。
 一方で気になる動きもある。政府は昨年末、文化は「経済成長を加速化する原動力にもなる」とうたう「文化経済戦略」を策定した。文化は、経済活性化の起爆剤という位置付けだ。金銭的価値だけで計れない文化を、経済成長と結び付けることに違和感を覚える国民は少なくないのではないか。
 そうした流れの中で成立したのが今回の改正法だ。市町村の教育委員会が保存活用の地域計画を作り、国が認めれば、市町村の判断で一般公開や改修などできるようになる。
 背景には、20年の東京五輪・パラリンピックに向け、インバウンド(訪日外国人客)を対象とした観光資源として文化財の活用を進める現政権の「観光立国」の戦略がある。
 文化庁や都道府県レベルでなく、文化財に最も近い市町村で保護の仕組みを作るというのは筋が通る。だが、保護あっての活用だ。財源や人材不足で観光振興どころか補修もままならない市町村も少なくない。また文化財が観光資源になるかならないかで、序列化されかねないとの批判もうなずける。
 文化庁は、現在の東京・霞が関から21年度までに京都へ移転する。それに向け、今年の10月には、新たな組織体制を整えて「新・文化庁」としてスタートするという。国民の関心を喚起しながら、時代を見据えた文化行政を担う発足の原点に、立ち返る契機にせねばならない。


市民の声聴き市政運営を/新五所川原市長決まる
 任期満了に伴う五所川原市長選は、新人でタクシー会社役員の佐々木孝昌氏が、同じく新人でガス会社経営の平山敦士氏を破り、初当選を果たした。市民は、引退する現市長・誠敏氏の長男で現市政を継承する形となる平山氏より、市政刷新を掲げた佐々木氏を選んだ。
 佐々木氏は昨年8月にいち早く立候補を表明し「箱もの行政」や「しがらみの市政」からの脱却・転換を強調。告示後も党派や組織に頼らない草の根選挙で訴えを浸透させ、誠敏氏の強固な支持基盤を生かし組織戦を展開した平山氏を接戦の末に下した。
 ただ五所川原市は人口減少対策など課題が山積している。佐々木氏の政治手腕は未知数だが、経営者としての経験や理念も生かしながら「市政を市民の手に取り戻す」という言葉通り、市民の声にしっかりと耳を傾け市政運営に力を尽くしてもらいたい。
 同市の人口は2018年4月末で5万5199人。旧五所川原市、金木町、市浦村が合併した05年3月は6万4539人だったから、約13年間で1万人近く減少した。選挙戦で両氏とも人口減少対策を最重要課題に位置付けたのは当然で、佐々木氏は子育て支援の具体策として「学校給食を19年10月をめどに無料化する」と訴えた。
 子どもの医療費無料対象が小学校入学前までにとどまるなど、同市の子育て支援は他自治体に比べ立ち遅れており、市民からは「このままでは市の人口がどんどん減ってしまう」という声が上がる。
 最大の理由は市の財源不足だが、人口減少の現状を見れば子育て支援の拡充は待ったなしと言える。佐々木氏が掲げる「行財政改革の徹底」などで財源確保へ知恵を絞ってもらいたい。
 課題はまだある。基幹である1次産業の振興や雇用の拡大は言うまでもない。立佞武多(たちねぷた)や太宰治の生家・斜陽館、津軽鉄道などを中心とした観光面のさらなる整備、PRも必要だろう。
 金木地区や市浦地区では「旧市部に比べ恩恵が少ない」という不満が合併以来くすぶる。「市浦・金木地区の『地域発』振興プランの策定」を公約に掲げた佐々木氏はどう具体策を打ち出すのか注目したい。さらに五所川原市は五所川原圏域定住自立圏の中心市であり、佐々木氏にはあらゆる面でリーダーシップが求められる。


骨太方針 将来不安な成長一辺倒
 安倍政権の経済運営は成長一辺倒の色合いが濃い。日本の社会・経済構造を抜本的に改革していく視点に乏しいと指摘せざるを得ず、将来不安を抱かせる。
 閣議決定した、経済財政運営の指針となる骨太方針からも国民生活の基盤を改善していくために欠かせない安定的な社会保障制度の再構築や、規律ある財政健全化に真剣に取り組む熱意は伝わらない。
 日本経済は「デフレ脱却」という課題を抱える。だからこそ政府は成長を優先させた政策を講じ「経済再生なくして財政健全化なし」と強調するが、経済は生きものである。
 経済成長によって税収が増加していけば、確かに財政の健全化にもつながるが、もくろみが外れれば、財政の悪化を増幅させる。後世に負担のつけを回すだけになる。
 骨太方針では、過度の国債発行など借金に頼らずに税収などの歳入によって政策的経費を賄うことを示す基礎的財政収支(プライマリーバランス)黒字化の目標時期を2020年度から25年度に先延ばしにした。しかも目標達成には名目で3%程度を上回る経済成長率を前提とする甘い見通しに立つものだ。
 一方で社会保障改革については政権の本気度に疑問を抱く。
 団塊世代は22年度以降、75歳以上の後期高齢者になる。医療や介護の費用が急増するため、現在の制度のままでは社会保障の仕組みは破綻しかねない。
 社会保障費を抑制する数値目標の設定は骨太方針に盛り込まれず、経済界からは歳出抑制に取り組む政府の姿勢を疑問視する声が相次いだ。
 骨太方針には19年10月に消費税率を10%に引き上げる方針が明記されているが、増税分は借金返済に回されず幼児教育と保育無償化などの施策への支出に充てられる。
 また、年末に経済対策を取りまとめ19年度予算に盛り込むほか、自動車や住宅の減税政策も実施する。消費増税や20年東京五輪・パラリンピック後の需要減退による景気の腰折れを防ぐためとしているが、来年の統一地方選や参院選をにらんでのばらまきと見て取れる政策だ。
 骨太方針の目玉の一つとしている外国人労働者の積極活用にしても、目先の人手不足の穴埋めであり、日本人社会との共生の在り方という根本的な政策理念は見えない。
 安倍政権は、政治的な思惑や場当たり的な対応で成長一辺倒の政策に傾斜することなく、構造改革に取り組まなくてはならないだろう。


参院集中審議 今後の論戦大丈夫なのか
 目立ったのは、安倍晋三首相の強気ともいえる姿勢である。国民の疑念に応える審議がこれからきちんと展開されるのか。そんな懸念が膨らむ。
 会期が1カ月超延長された通常国会の審議が、25日の参院予算委員会集中審議から再開された。27日の党首討論まで3日連続で、首相が出席する審議が開かれる。
 ただ、延長後初の本格論戦となった参院予算委の集中審議でも、首相は野党の追及をかわし続けることに終始した。
 学校法人「加計学園」の愛媛県今治市での獣医学部新設を巡り、野党が求めている学園の加計孝太郎理事長の証人喚問に関して、首相は応じる考えがないと表明した。
 加計氏は、学部新設を巡る首相との面会が愛媛県の文書に記載されていた。先日やっと記者会見を開いて「記憶にも記録にもない」と否定したが、具体的な根拠は示していない。唐突な会見にも批判がある。
 自民党総裁である首相は証人喚問に関し「私は何の権限もない。自民党に指示を出すのは越権行為で、あってはならない」と述べたが、立場を都合良く使い分けているだけではないか。
 加計氏の会見について「学園と愛媛県や今治市とのやりとりに関して行われたもので、政府として内容や評価についてコメントする立場にない」とした首相答弁も納得し難い。
 学園側は、首相との面会は実際にはなく、事務局長が愛媛県に虚偽の情報を伝えたとしている。加計氏は会見で、「事を前に進めるためと報告を受けた」と説明した。
 計画の進展を狙って、学園側がうそをでっち上げて首相を使ったということだろう。にもかかわらず「コメントする立場にない」というのは、不自然としか思えない。
 加計、森友問題をはじめ一連の不祥事を受けた「うみを出し切る」との首相の決意表明はその場しのぎの方便だったのか。
 集中審議では、野党側も迫力を欠いた印象が強い。個々に加計、森友問題を取り上げたものの、核心に関わる議論が深まったように見えないからだ。
 審議再開に至る経緯では野党側の足並みの乱れが露呈した。
 再開の流れができたのは、参院で野党第1会派の国民民主党が自民党と、集中審議と党首討論開催で折り合ったからだ。立憲民主党など他の野党側からは異論も出ていた。
 衆院では、加計氏の証人喚問の実現を強く求めた。こちらは衆院野党第1会派の立憲民主が主導した。それを思えば、衆参の隔たりは大きい。
 延長国会では、働き方改革関連法案やカジノを含む統合型リゾート施設(IR)整備法案、参院定数6増の公選法改正案の審議の行方も焦点だ。
 いずれも政権、与党が成立にこだわる一方、国民の間には根強い疑問がある。真に国民生活に資する論戦を行うためにも結束が不可欠であることを、野党は肝に銘じてもらいたい。


森友、加計論戦/具体的根拠示し反証を
 参院予算委員会の集中審議で、野党は一斉に安倍晋三首相を攻め立てた。学校法人・加計学園の加計孝太郎理事長が先に獣医学部新設を巡る疑惑の発覚以来初めて記者会見し「記憶にも記録にもない」と愛媛県文書に記載された2015年2月の首相との面会を否定したが、疑惑は払拭(ふっしょく)されなかったと批判。加計氏の証人喚問を要求した。
 森友学園への国有地売却問題でも、会計検査院が8億円余りの値引きについて異例の再検査を進めており、財務省が改ざんした決裁文書を会計検査に際して提出したのは違法とする中間報告をまとめている。秋ごろになるとみられる最終報告では、値引きの根拠となったごみ撤去費算定の適否を判断する見通しだ。
 直近の共同通信の世論調査では森友、加計問題などで「政権を信頼できない」と答えた人が5割を超えている。しかし首相は野党の質問に正面から答えようとはせず、もっぱら自らの潔白を主張することに時間を割いた。一連の疑惑解明に背を向けたままで、与党も幕引きを急ぐことしか考えていない。
 いつまで、こんなことを続けるのか。政府は「丁寧な説明」を強調するが、さしたる根拠も示さず否定を重ねることしかしてこなかった。数々の疑問が今なおくすぶる中、具体的な根拠を示して反証する必要がある。
 加計氏が記者会見で説明責任を果たしたと思うかと問われ、首相は「政府として、その内容や評価についてコメントする立場にない」と答弁。証人喚問については「国会で自主的に決めることだ」とし、消極的な姿勢を示した。15年2月の面会を巡っては、報道機関がまとめる首相動静にも記載がないと従来の説明を繰り返し、否定した。
 だが国民の疑念は晴れない。加計学園は「獣医学部を何とか形にしたいという気持ちで言ったと思う」と愛媛県に謝罪した事務局長について「誤った情報を伝えた」として減給処分にした。とはいえ事務局長の説明はあいまいな部分が多い。加計氏も詳しい経緯は明らかにしていない。
 愛媛県文書にある通り、加計氏が獣医学部新設構想を語り、首相が「いいね」と話したのが事実なら、17年1月まで学部新設計画を知らなかったとする首相答弁と大きく食い違う。首相動静にないから会っていないという程度では反証として成り立たない。面会したとされる日の双方の記録をかき集め、突き合わせる必要があるだろう。
 会計検査院が昨年11月の検査報告に影響したとする森友学園への国有地売却に関する決裁文書改ざんや学園側との交渉記録廃棄の経緯も集中審議で取り上げられた。財務省は「私や妻が関わっていれば首相も国会議員も辞める」とした昨年2月の首相答弁と、安倍昭恵首相夫人に関する記述の削除とは関係ないと強調した。ただ、この答弁直後に財務省が夫人付政府職員から照会があったことを官邸に伝え「問題ない」としていたのに、なぜという疑問は残る。
 また野党は証人喚問した佐川宣寿前国税庁長官の証言と財務省の調査結果に矛盾があるとし、議院証言法に基づく告発を求めるとした。首相は「うみを出し切る」と述べた。そのために何をすべきかは明らかだろう。


参院集中審議 首相は加計氏喚問から逃げるな
 焦点となっている安倍晋三首相と加計学園の加計孝太郎理事長との面談は本当になかったのか。真偽が明らかになったとは言い難い。
 今治市への獣医学部新設などを巡り、参院予算委員会の集中審議があった。愛媛県文書に、2015年2月に加計氏が首相と面会し、学部新設を説明したとの記載があることについて、首相は「(新聞の)首相動静にも載っておらず、自宅も含めて会っていない」との従来の説明を繰り返した。証拠を示さないままの否定は、先日会見した加計氏と同様で説得力を欠く。
 水掛け論に終止符を打つためには、加計氏ら当事者の証人喚問しかない。加計氏は喚問に対して「お待ちしております」と述べており、実現への障害は何もないはずだ。首相には自らの問題を解明する義務がある。喚問を「国会が決めること」と、いつまでも人ごとのように述べるのではなく、陣頭に立ち責任を果たさねばならない。
 加計氏は会見で、県文書の内容を否定。学園の渡辺良人常務理事兼事務局長が「事を前に進めるため」、県と市に誤った情報を伝えたとして減給とした。加計氏は謝罪し、監督責任を取り給与を自主返納するとしたものの、自らの指示は否定した。
 集中審議で首相は、加計氏の会見について「学園と、県と市とのやりとりに関して行われたもので、コメントできない」として内容への言及を避けた。だが、首相は学園から架空の面会話で名前を利用された格好になり、それに対して憤ることはおろか、コメントさえしようとしないのは不可解だ。学部新設を17年1月に知ったとする首相の国会答弁は、もはや政府の命運を握る生命線とも言え、その日付を正当化するために、周囲を巻き込みつじつま合わせをしようとしている疑いが尽きない。
 加計氏の会見には、過去の首相答弁と矛盾する点がある。加計氏は、首相と仕事の話はしないと説明したが、首相は昨年7月、「(加計氏から)新しい学部や学科の新設に挑戦したいという趣旨の話は聞いたことがある」と述べている。学園の職員が首相周辺の人物と会ったことがないとも断言したものの、柳瀬唯夫元首相秘書官は学園関係者との面会を認めており、これも整合性が取れない。
 こうした点を挙げて喚問への考えを問われても、首相は「私から指示を受けた人は誰もいない。民間議員も『一点の曇りもない』と述べている。行政プロセスには全く問題がなかったことは明確だ」と決まり文句を繰り返すのみだ。「うみを出し切る」との言葉がどれほど本気なのか極めて疑わしい。
 首相と加計氏がともに面会を否定していることに、国民の多くは納得していない。政府は幕引きを急ぐが、このままでは政治不信が深まるばかりだ。真実を求める国民の声に応えることこそが、今国会の最重要課題であると認識せねばならない。


外国人労働者 待遇改善が欠かせない
 政府が外国人の人材を活用するため、新たな在留資格を創設することを決めた。
 これまでは原則、専門知識がある人材に限って受け入れてきた。新資格は国内では人手を確保できない分野に限定し、技能試験などを課した上で単純労働分野での就労を事実上、容認する。
 具体的には農業、建設、造船、宿泊、介護の5分野を想定している。これらの業界は人手不足が深刻で、外国人活用の要望が出ていた。2025年までに50万人以上の受け入れを見込んでいる。
 見過ごしてはならないのは、国内の人口減少に伴う労働者不足を口実に、低賃金で働く外国人を確保しようとしていることだ。
 人手不足の原因は待遇の悪さにある。人手を確保するには生産性を高め、賃金などの労働環境を改善することが必要だ。介護分野では国の役割も大きい。それができないからといって、外国人労働者を求めるのは安易ではないか。
 労働力の調整弁として利用し、景気が悪くなれば解雇になる懸念も拭えない。低賃金で働く外国人の増加が国内の賃金水準の足を引っ張る可能性もある。
 外国人労働者は昨年10月時点で約128万人いる。このうち4割はアルバイトや、技術の習得を名目とした技能実習生である。
 実習生を巡っては、制度を悪用して実質的に低賃金の単純労働者として雇用することが社会問題化している。実習生の受け入れ機関が研修生の賃金を中間搾取したり、受け入れ先の企業が研修生に暴力行為を繰り返したりするなどの人権侵害も相次ぐ。
 新資格では、業界ごとの技能試験などに合格すれば、最長5年の在留資格を得ることができる。技能実習を3年以上経験した人は試験を免除される。技能実習から新資格に移行すれば、計10年間の滞在が可能だ。
 現状を放置したまま、新資格を創設しても問題が拡大するだけだ。待遇改善を図るための仕組みや制度が必要だ。家族同伴を認めないのも人道上問題がある。
 民間の研究所の試算では、女性や高齢者の労働参加率が現状のままだと仮定すると、16年からの10年間で15歳以上の労働力人口は7%減少する見通しである。
 労働力の不足は、移民の受け入れを含めた国のあり方を問う問題だ。欧州や米国などでは移民を巡る問題が深刻化している。外国人労働者を受け入れるメリットやデメリットを明らかにして、社会全体で議論していく必要がある。


小泉純一郎と志位の新しいお友達関係
 ★先の新潟知事選挙の野党候補の敗因はいくつか挙げられるが、野党候補支援に連合を入れたことで新潟県の原発をどうするかという最大の争点を、陣営内で電力労組や原発推進派労組の無駄に大きい声で矮小(わいしょう)化させたからだ。その中で脱原発を訴えたのが元首相・小泉純一郎と元建設相・中村喜四郎だ。「当時は正しいと思っていたが、それは間違いだった」となかなか人は認めることができない。まして元首相ともなれば、自己否定には勇気が必要だ。それを乗り越えるのも政治家としての国民を思う責務があるからだろう。 ★その意味では連合右派は自民党よりも過激でかたくなだ。共産党は嫌いだから付き合わない。原発は必要だから続ける。今どき、こんな原理主義の政治勢力は皆無だろう。その連合にすがることを野党はやめない限り国民の支持など得られない。何より連合から「票」など出てこないのだから。その意味では国民民主党や立憲民主党もかたくなで柔軟性に欠ける政党ということになる。 ★24日、前橋市での演説で共産党委員長・志位和夫は脱原発において小泉純一郎を「筋が通っている。協力してやっていきたい」とし連携していく考えを示した。今年の春先、志位・小泉という異例の会食があり、クラシックの音楽談議に花が咲き、脱原発で意気投合したという。今までの価値観ではあり得ない組み合わせだけに、また2人とも勇気を持っての会食だったと思うと政界がいかに動いているかがしのばれるとともに、ひとつのお友達グループとだけ付き合うことが増えている政界では新鮮な関係だ。政権はお友達内閣。野党は連合とお友達野党。この新しいお友達関係に注目だ。

室井佑月が元官僚の古賀茂明に聞く!「なぜ佐川氏や柳瀬氏ら官僚は安倍首相をかばい続けるのか」
 財務省による森友文書改ざん、加計「首相案件」文書と、決定的な不正が次々と発覚したのに、いまも権力の椅子に座り続けている安倍首相。こんなことが許されているのは、疑惑のキーマンだった佐川宣寿・財務省前理財局長や柳瀬唯夫・元首相秘書官ら官僚が、自分に責任を被せられてもなお、「安倍首相からの指示はない」とかばい続けたからだ。
「なぜ官僚たちは、自分たちがこんなに追い詰められても安倍首相をかばい続けるの? 安倍ちゃんなんて、自分たちよりずっと頭も悪いのになんでへこへこ言うことを聞いてるの?」 
 こんな疑問を抱いた室井が、今回、「教えを乞いたい」と対談相手に指名したのは古賀茂明氏。周知のように、古賀氏は経済産業省の元エリート官僚でありながら、退官後は政治権力や官僚の失政、腐敗を徹底批判し続けている稀有な存在だ。安倍政権に対してもその対米追従政策や原発政策を真っ向から批判し、官邸からの“圧力”で『報道ステーション』(テレビ朝日)のコメンテーターを降板させられた。
「古賀さんなら、霞が関の不可解な言動の理由を一切の忖度なく、解説してくれるよ、きっと」
 そう期待して対談に臨んだ室井だったが、実際、古賀氏からは、佐川氏や柳瀬氏ら官僚に対する的確な分析はもちろん、「安倍さんはものすごく怖い人なんです」という安倍政治の本質をつく指摘も飛び出した。
 いったい安倍首相の「ものすごい怖さ」の正体とはなんなのか。戦慄さえおぼえるような対談、まずは前編からお届けしよう。(編集部)
●新宿の焼き鳥屋で「I am not ABE」と言ったら、「イエーイ!」と盛り上がった!
室井 昨日、新宿の焼き鳥屋で飲んでいたら、隣に韓国語を喋っている2人組がいて。それで「文在寅大統領は、弱腰とか言われたり、日本ではあまりいいように報道されないけど、どんな悪口を言われても東アジアの平和のためにちゃんとやって立派だと思いました」と日本語で言ったら、たぶん半分だけ伝わって。最後に「I am not ABE」と言ったら、「イエーイ!」と盛り上がりました。古賀さんの「I'm not ABE」運動は続いています。でも、古賀さんって変わってますよね。官僚だったのに反権力で安倍さんを一貫して批判して。ってか、今日ぜひ聞きたかったのはなぜ森友加計問題で安倍首相は追い詰められたはずなのに佐川さん(宣寿・財務省前理財局長)や柳瀬さん(唯夫・元首相秘書官)たち官僚はなぜあんなに必死こいて安倍さんをかばうのか、忖度するのか。元官僚の古賀さんにぜひその心理分析を教えて欲しいんです。
古賀 それにはまず安倍首相の特異性から語らなければならないでしょうね。安倍さんは“目を合わせてはいけない”というたぐいの人なんです。たとえば、街に暴力団がやってきて「俺が仕切るぞ。逆らったらただじゃおかねえからな」という怖い顔をしていたとします。しかし、みかじめ料を払っておけば難癖もつけられないし、この前まであった喧嘩やゴタゴタもなくなる。商売が順調にできるようになったなと町人は錯覚するわけです。ただ、安倍さんが「この店、俺のものにしたいな」「ここに何か作りたいな」となったとき、「そんなのはダメです!」と反対したり抵抗する人がいると、バッサリやられる。だからなるべく、安倍さんとは目を合わせたくない。官僚もそうした安倍首相の特殊体質を熟知しているんです。そもそも安倍首相と闘おうなんて思っている官僚はいないと思いますよ。
室井 安倍首相は官僚にとっては、怖いヤクザみたいなもんなのか。でも、闘おうという官僚がいないなんて。
古賀 そもそも政治家は官僚から見ると“使うもの”なんだから。
室井 でも第二次安倍政権発足以降、「安倍政権がやりすぎたから俺たちがやっつけないと」と思わないんですか。
古賀 もともと官僚は、正義を実現しようだなんて思っていませんから。正義のためじゃなく、自分たち、または自分の省庁の利益のために働いているんです。
「優秀な俺が、タダ同然で働いてやってる」!? 古賀茂明が分析する官僚たちの本音
室井 素朴な疑問なんですけど、官僚って本来、国のため、国民のために働くものでしょ? 官僚自身にそういう意識はないんですか?
古賀 大義名分として表向きはあるし、みんな「自分は国のために働いている」と信じていますけど、でもそれは嘘です。自分でそう信じようとしているけれど、自分たちが本当は何を求め、考えているのかちゃんと自覚できてない。そして本当はみんな、自分のために働いている。
室井 じゃあ公務員の中で、自衛隊の人が一番純粋かもしれませんね。国のためって思っていそうですもの。
古賀 役人を理解するには3つのタイプを分けて考えるとわかりやすいでしょう。ひとつは、消防士型。たとえば自衛隊だと「統合幕僚長になりたい」という野心がある人もいるだろうけど、消防士にそういうのはあまりない。「消防士になって偉くなりたい」「消防士になって金儲けしたい」という人はいないでしょ? 彼らに「火の中に飛び込んで、火を消して、何が嬉しいの?」と聞くと、「それで人の命を助けたり、家を守ったことで感謝されることが嬉しい」と。これが公務員の原点なんです。金や名誉、地位のためでもなく、「ただ国民・市民のために働きたい」というのが働く動機です。そういう人が報酬として何を求めるのかというと、「ありがとう」の言葉で、こういう公務員は市民から「困っているんです。助けてください」というお願いがあると、一生懸命考える。
室井 そんな人たちに私たちの血税、給料をあげたいです。
古賀 役所の窓口の人や、派出所のおまわりさんでもそうですよね。そういう人がいたら本当に市民は助かります。2つめは、中央エリート官僚型です。その典型が財務省のキャリア官僚です。なぜ公務員になったのか。それは「自分が一番優秀で頭がいいことを証明したい」から。小さいときからずっと、小学校で1番、中学校で1番で、高校も優秀な成績で、東大法学部に入れて勉強して優秀な成績を修めて、一番難しそうな「財務省に行くか」と。それで「財務省に入ったら次官を目指すぞ」というタイプです。そういう人たちは、給料は外資系のコンサルタント会社に行ったほうが高いですが、それよりも「すごーい!」と言ってもらうことが嬉しいんです。それが報酬なんです。上から目線でいられれば嬉しいし、「自分が一番」という思いが強烈だから、「自分たちはタダ働きしている」と思っています。
室井 は?
古賀 要するに、「俺たちは一番優秀で、こんなに国のために働いてやっているのに給料は安い」「だから天下りがあって当たり前だ」と。逆に「天下りをなくせという方がおかしい」と、それは不公平だ、という考え方です。特に財務省は強烈で「天下りは自分たちの権利」という感じなんですね。だから市民が「あれやってください」「これやってくれないと困ります」と来ると、どう思うかというと、「タカリだ」「またたかってきた」という思考回路になる。俺たちはこんなにいろいろ考えて、難しいことも調整してやっているのに、それでも、まだ、あれが欲しいとか言うのか!またタカってくるのか! と。
室井 でも柳瀬さんや、佐川さんは正義や真実解明ではなく、自分のために国会で堂々と嘘をついたってことですか? 
古賀 官僚はみんなそう思ってますよ。そして、「よくそんな細かいことでぐちゃぐちゃ言ってくるよな」という気持ちが根底にあると思います。「こんなことくらい別にどうってことないよ」と。それは麻生さん(太郎・財務相)も同じでしょう。
室井 わたしたちの税金で食わせてもらっているという感覚はないんですか?
エリート官僚は上から目線で国民を見下してるってことですよね。
古賀 そうです。こんな安月給で働いて「やってる」、という感覚だから、ありがたいなんてこれっぽっちも思っていないですよ。こんなはした金でこれだけ働かされて。俺たちがちょっと本気になればどれだけもらえると思っているんだ、と。
室井 こっちからすると、はぁ!?って言いたくなりますよね。「ありがとうございます」と思うのが普通なのに、「働いてやってる」って。じゃあ3つ目は?
古賀 凡人型です。なぜ公務員になったかというと「食いっぱぐれがないから」。このタイプは多くて、一番大事なのは安定した収入と天下りが確保されていること。そこしか関心がない。
古賀茂明「安倍さんはものすごく怖い人物。執念深くて残虐」
室井 なんか普通の人や民間のサラリーマンと感覚が違いますね。
古賀 だから面倒なトラブルからは逃げるし、新しいことには関わりたくない。財務省の文書改ざんにしても、官僚からみると、「情報は国民のもの」ではなく「俺たちのもの」なんです。
室井 だから、モリカケでも、安倍さんをかばうという以上に、自己保身なんですね。国民なんてみんなバカなんだから、情報を与えてもしょうがないって意識が。ムカムカしてきた。
古賀 国民に情報を与えることは「危ない」とさえ思っているのでしょう。危険物だと。●●●に刃物、みたいな(笑)。
室井 安倍さんのほうが危険物だと思いますけど。しかも柳瀬さんや佐川さんって、みんな一生懸命勉強して東大を出て官僚になり偉くなった人でしょ。それなのに生まれた家柄だけで首相になった安倍さんのコマ、いいなりになって悲しいと思わないんですか?
古賀 確かに柳瀬くんも佐川くんも着々と上り詰めてきた。だけど、ここで安倍さんに逆らったらどうなるかというと、すべてが潰えてしまうわけです。次の人事で「あなたは勇退です」と簡単に切られる。いや、それで済めばまだいいけど。というのも安倍さんはものすごく怖い人物なんです。執念深くて残虐。これが安倍政権の異常性です。
室井 ……古賀さん、それを知っていて歯向かったんですか……!? テレビの生放送(『報道ステーション』)で「Iam not ABE」って……。それとも、歯向かってから残虐だと知ったんですか?
古賀 そうですね。安倍さんの残虐性は最近わかったかもしれない。
室井 怖い! ちょっと、この対談、やめようかな。


森友学園 立憲民主党、佐川氏の偽証9カ所を指摘
 立憲民主党は26日、佐川宣寿前国税庁長官が3月の衆参の予算委員会での証人喚問の際に、計9カ所で虚偽の証言をした疑いがあると発表した。森友学園への国有地売却を巡る財務省の決裁文書改ざん問題の調査報告書と比較し、衆院で5カ所、参院で4カ所に偽証があったとしている。立憲など野党側は、佐川氏を議院証言法違反容疑で告発するよう与党に呼びかけたが、与党は否定的だ。
 立憲は告発状の文案も作成。証言の際、佐川氏が売却を知った時期を「昨年2月上旬の新聞報道」としていたのに対し、報告書では理財局の担当部署が2月初旬に当時局長だった佐川氏に概略を説明した、との記述があるとした。ほかに8カ所を挙げて「国民の行政に対する信頼を失墜させた」と佐川氏を批判している。
 予算委での告発議決には出席議員の3分の2以上の賛成が必要。立憲など野党4党派の衆院予算委理事らは26日、菅原一秀・与党筆頭理事(自民)に告発状を届けた。公明党の山口那津男代表は同日の記者会見で「根拠が希薄なら、告発自体が逆に問われることもある。慎重に丁寧に議論すべきだ」と慎重な姿勢を示した。【立野将弘】


検証・森友文書 (2)国有地8億円値引きの裏側 財務省異例の謝罪「ゼロに近い金額まで努力」
 2015年9月4日の会合で、国有地から出てきたゴミを埋め戻す「場内処分」の方針が決まってから約半年後の16年3月11日。小学校建設のくい打ち工事でゴミが発見され、建設業者から連絡を受けた森友学園理事長の籠池泰典被告は激怒し、すぐに行動に出た。交渉記録には、“タフネゴシエーター(手ごわい交渉相手)”と呼ばれる籠池夫妻の交渉術が克明に刻まれていた。
 まず、3月14日に財務省近畿財務局と国土交通省大阪航空局の担当者を建設現場に呼びつけた。手には、土木会社社員が作っていた9月4日の議事録が握られていた。
 籠池理事長はこの場で「6月には棟上げ式を行う予定であり、内閣総理大臣夫人も来ることとなっている。スケジュールを現在調整中であり、工期が遅れたら大変なことになる」と安倍晋三首相の妻昭恵氏の名を挙げる。
 昭恵氏が学園の名誉校長に就任したことは近畿財務局も把握していた。担当者に重圧がかかった可能性はある。
 学園が運営する幼稚園副園長の妻諄子被告はさらに怒りのボルテージを上げた。「実際にゴミがあるんだろう。これは刑事事件だぞ」。交渉記録には諄子副園長が近畿財務局の担当者に手渡したとみられる自筆の手紙も添えられていた。
 「財務局の○○さん(本文は実名)。あなたを私は信じようとしましたが、またしてもうそをつく。やはりあなたの人相通り裏の顔がみえました。9月4日の記録を聞き、本当にあなたもひどい人です」。文面からは諄子副園長の憤りがにじんでいた。
 籠池夫妻の訴えは国有地取引を所管する財務省理財局にも向けられた。3月15日、夫妻で上京し、理財局の国有財産審理室長に直談判。上京の事実は近畿財務局にも伝えられ、3月16日には担当者が異例とも言える謝罪をする場面へとつながっていった。
 ところで、3月16日の録音データには、近畿財務局や大阪航空局の担当者が退席した後、残った籠池夫妻と設計士が今後について話し合う場面も記録されていた。夫妻から怒りは消え、勝利を誇示するように語り合う。
 諄子副園長「面白うなってきたわ」「ぎゃふんと言わせたる」
 設計士「今日の(近畿財務局の)解釈すごいと思う。予算の体裁だけで、結局全部やりますって話ですから」
 籠池理事長「特例を決める権限は本省(理財局)や」
 設計士「世の中すべて特例があります」
 諄子副園長「政治家2回使って、本省に言うてもらったりしたけど、証拠がなければ、本省も動かれへん。政治家なんて全然アカンで。まずは自分でぶつかることや」
     ◇    ◇
 財務省近畿財務局の異例の謝罪から、交渉はどのように進んでいったのか。近畿財務局が作成した交渉記録には16年6月20日、国有地がゴミ撤去費用として約8億2000万円値引きされ、学園に1億3400万円で売却されるまでのやり取りも残されている。ただ、この時期の記録には、不自然な記述が目立ち、あったはずの重要なやり取りが残されていない。
 国有地の売却に向けた話し合いが始まった16年3月以降、籠池理事長が財務省とのやり取りを記録したとみられる録音データは、これまでに4件明らかになっている。そのひとつ、5月18日の会合の録音に、近畿財務局の担当者からの驚くべき発言が残されていた。
 「理事長がおっしゃるゼロに近い金額まで努力する作業をやっている」。ただ同然で売却することを迫る籠池理事長の要求に屈した形で、事実であれば、「売却価格は適正」としている財務省の主張が完全に崩れることになる。一方の近畿財務局作成の交渉記録では、「ゼロに近い金額まで」と発言したのは籠池理事長のみで、近畿財務局側が「そのような金額にはならない。(不動産の)鑑定は適正にやらなければならない」と、要求を拒否したような表現になっていた。
 録音ではさらに、約8億円値引きの根拠となった国有地のゴミについて両者が「口裏合わせ」したと取られかねない場面もあった。3月30日の協議では、近畿財務局の職員がゴミが見つかった地中の深さについて「3メートルより深いところ」と主張するやり取りがあった。
 近畿財務局担当者「前の土壌改良工事のとき、3メートルまでは国も試掘をしている。その下は何もやっていない。下にあるゴミは国が知らなかった事実。3メートル以下は国がきっちりやるというストーリーはイメージしている」
 小学校建設業者「ちょっと待ってほしい。語弊がある。3メートル以下からゴミが出てきたかどうかは分からない」
 近畿財務局担当者「設計業者からもどこの層からゴミが出ているか判然としないと聞いている。そういう(3メートル以下という)方向で話し合いができたらありがたい」
 建設業者「虚偽を我々は言うつもりはない。ただ、事実を伝えることが、土地(の価値)を下げることに反するなら、そちらに合わせることはやぶさかではない」
 近畿財務局担当者「虚偽にならないように、混在していると。ある程度、3メートル以下も一定あると」
 近畿財務局が、当初に想定していたより深い地層からゴミが出たという方向に、学園側の発言を誘導している様子がうかがえる。
 近畿財務局が、15年9月4日の会合で地下のゴミを把握していながら、籠池理事長に伝えていなかったことは既に述べた。自ら招いたこの失点を交渉の焦点から外し、「予測不能の新たなゴミ」が見つかったというストーリーを組み立てる――。近畿財務局の思惑が透けて見える。
 値引きの実現が最優先の学園側にとっても、ゴミが深くにあるほど、それだけ撤去費が増える可能性が高くなる。売却価格の正当性を骨抜きにするやり取りだが、近畿財務局作成のこの日の交渉記録には、このやり取りは記載されていない。
 録音と交渉記録との違いについて、財務省は「交渉記録は要旨であり、会話をすべて記載したものではない」と説明する。しかし、交渉記録に記載されなかったやりとりを見ると、「不都合な真実」を隠蔽(いんぺい)しているのではないかとの疑問も湧いてくる。
 同様の疑問は国交省にもある。財務省が決裁文書改ざんの調査結果を公表した今年6月4日、国交省も国有地取引の交渉記録を公表した。だが、この記録には、16年4月に国交省がゴミの撤去費を試算するため、小学校建設業者にゴミを試掘させるやり取りが含まれていなかった。
 業者は大阪地検特捜部の取り調べに対し、試掘の結果について「虚偽の報告書を作成し、国に提出した」と証言。野党側は国会で「国交省が指示したのではないか」と追及したが、国交省は否定している。記録が残されていないために、なぜ虚偽の報告書が作られたのか真相はやぶの中だ。
 両省はこの期に及んで何を隠しているのか、いまだに解明されていない点は多い。ただ、交渉記録や録音データは、約8億円という値引き額が「不適正」だったことを物語っている。(肩書は当時)


ゲーム障害 ネット依存どう脱却する
 深刻化する依存対策に国を挙げて取り組みたい。世界保健機関(WHO)が、オンラインゲームやテレビゲームのやり過ぎで日常生活が困難になる「ゲーム障害」を新たな疾病に認定した。
 依存症の一つとして「国際疾病分類」に加えた。ゲーム依存は世界各国で広がり、問題化している。病気として扱われることで障害がもっと認知され、治療法の確立などが進むことを期待したい。
 ゲームをしたい衝動が抑えられなくなり、日常生活よりゲームを優先する。健康を損なってもやめられず、家族や学業、仕事などに重大な支障が起きる。少なくともこうした症状が1年以上続くことをゲーム障害と定義づけた。
 社会生活が破綻する依存状態は、以前から「ネトゲ廃人」などと呼ばれ、不登校や引きこもりの要因の一つにもなってきた。ゲームが必ずしも依存症に結びつくものではないが、WHOは「ゲームをする人の2〜3%はゲーム障害」と推定している。
 薬物などに比べて研究の歴史が浅く、重症になると年単位の長期的な治療が必要になることもある。
 とりわけ心配なのは、特に子どもたちが依存症になりやすい点だ。
 2013年に厚生労働省が発表した全国調査では、中高校生のうち約52万人にネット依存が疑われると推計している。睡眠や食事を削ってネットにはまり、体調を崩したり、勉強に手がつかなくなったりする。ネット依存外来を設ける専門家によると、受診する患者のうち約9割をオンラインゲームへの依存が占めるという。
 スマートフォンがここまで普及し、若者や子どもの多くがスマホや携帯を手放せないとなると、誰もがネット依存やゲーム依存に陥る危険性がある。親がおもちゃ代わりにスマホを未就学児などに渡すケースも増え、依存の低年齢化も懸念される。会員制交流サイト(SNS)への過度な熱中を含め、本人や親の自覚も必要だろう。
 一方、ネット依存はギャンブル依存などと同様、国内ではまだ十分な相談・治療体制がない。研究も始まったばかりと言える。
 政府は早急に実態調査を進めるとともに、専門医の拡充やネット依存外来のような医療機関の整備に努めてもらいたい。事態が深刻な韓国ではネット依存の青少年を山間部の施設に集めて合宿し、治療しているという。オンラインゲームなどの業界団体とも連携し、依存症対策をきちんと打ち出すべきだ。
 予防のためスマホ・携帯とどう向き合うかを、家庭や学校で考えることも大切だろう。岡山県では14年から子どもたち自らが適正な利用ルールやネットトラブルの解決策を探る「OKAYAMAスマホサミット」を展開している。こうした取り組みを学校や地域へ広く浸透させたい。