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Mondial 2018 : les Japonais nettoient leur vestiaire après leur défaite
Battus 3 - 2 par la Belgique, éliminés du Mondial 2018 en huitième de finale, les joueurs japonais ont quitté la compétition en laissant un vestiaire immaculé. Un sens aigu de l'ordre et de la propreté, salué par les internautes.
Ils menaient 2 - 0. Mais les Japonais n'ont pu résister au fabuleux retour des Belges, qui ont annihilé les espoirs des "Blue Samourai" lundi 2 juillet 2018, en huitième de finale de la Coupe du monde de football. Après leur défaite 3 - 2, les joueurs de l'équipe japonaise ont préféré la rigueur au laisser-aller : ils ont nettoyé à fond leur vestiaire, provoquant l'admiration de l'organisation et des internautes.
"Quel exemple pour toutes les équipes, c'est un privilège de travailler avec eux" a tweeté Priscilla Janssens, coordinatrice générale de la Fifa, avant de supprimer son tweet – sans doute pour ne pas favoriser une équipe au détriment d'une autre. Mais d'autres tweetos ont choisi de partager, eux aussi, la photo du vestiaire des Japonais, immaculé.
Si l'on zoome sur le meuble situé au milieu du vestiaire, on aperçoit un message de l'équipe japonaise sur lequel il est écrit, en russe, "merci". Les joueurs ont également laissé, délicatesse extrême, un origami. Un "orizuru", ou grue en papier, symbole de paix.
Les Japonais se sont déjà illustrés par leur politesse et leur éducation durant la compétition après que des images représentant les supporters nettoyant leur tribune, à l'issue d'une rencontre, ont été diffusées. Ils ne sont pas les seuls à avoir agi de la sorte, les Sénégalais les ont imité, quelques heures plus tard.
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木曜日は皮膚科の日.もしかしてこのできものあの人からもらった?という疑惑が生じてきましたが,皮膚科に行かないわけにはいきません.予想通り痛いです.歩くのシンドイです.
その後別の病院で黄色の薬10もらいました.病院めぐり?もなかなか大変です.
のぼり再修正です.しんどいなぁ〜

デスク日誌 現場に思う
 人に会うため宮城県南三陸町を訪ねたが、先方に急用ができた。観光気分が頭をもたげ、復興商店街に車を走らせた。
 早めの昼食に海鮮料理をいただき、大満足で顔を上げると、川向こうに赤い鉄骨が見えた。はっとした。東日本大震災の津波で多くの人が亡くなった防災対策庁舎の骨組みである。
 ここは、被災地だった。何日か前の本紙宮城県版に、町の有志が、津波で失われた鳥居の再建に乗り出したという記事が載ったのを、反射的に思い出した。
 その荒嶋神社がある荒島は車で数分の距離だと聞き、行ってみた。島の神社へ続く階段の上り口に、鳥居の土台と赤い脚部が残っていた。引きちぎられた鉄筋が、津波の破壊力を物語る。
 住宅や役場などは高台に移転し、被災の痕が残る低地に生活感は希薄だ。防災対策庁舎の周辺は震災復興祈念公園として整備されるが、開園は来年秋の話。復興の度合いを絵にたとえるなら、下塗りの終わった画布に多少の色彩が重ねられたくらいだろうか。
 間もなく震災から7年4カ月。新聞が伝えるべきことはまだいろいろあると、現場が教えてくれている。 (整理部次長 野村哲郎)


集団移転跡地 事業者を再募集
東日本大震災の津波で被災した仙台市沿岸部の集団移転跡地のうち活用が決まっていない区画について、市は再び事業者の募集を行い、今年度中にすべて決定したいとしています。
仙台市は、震災の津波で被災して災害危険区域に指定された集団移転跡地について、5つの地区の29区画43.5ヘクタールを民間の事業者に貸し出すことにしています。
このうち11区画34.1ヘクタールはすでに事業者が決定し、若林区の荒浜地区では野球場やサッカー場、観光果樹園などが、宮城野区の南蒲生地区にはドッグランが設けられることになっています。
一方、残りの18区画9.4ヘクタールは活用が決まっていないことから、市は年内に再び事業者の募集を行い、今年度中にすべて決定したいとしています。
津波跡地をめぐっては、土地が点在して一体的な活用が難しいことや災害危険区域のため用途が制限されていることなどが課題となっています。
仙台市復興まちづくり課は、「活用を考えている事業者に対して、借地料の減免や土地の造成など市の支援策を周知し、応募につなげていきたい」と話しています。


<おのくん>ファンが集う新たな交流拠点、気仙沼に誕生 福岡、栃木に続き3ヵ所目
 東日本大震災で被災した宮城県東松島市発祥の靴下人形「おのくん」を縁にファンらが集う交流拠点「空の駅スポット」が、気仙沼市に誕生した。福岡、栃木両県に続き3カ所目。おのくんは見た目のかわいさに加え、気負わず震災と関わりを持てることから人気で、今回の新拠点誕生でさらに活躍の幅が広がりそうだ。
 新たなスポットは気仙沼市のゲームセンター「遊楽館ジョイフル」。人とのつながりを大切にするおのくんの活動に共感した気仙直樹店長(46)が5月、ゲームセンターを複合施設「おのくんのあそびば」にリニューアルした。
 従来の客層は20〜40代の男性が中心だったが、家族連れや女性が気軽に入れるようにするのが狙い。店内に絵本やダーツケースなどおのくんの関連グッズを置いたり、子どもの遊び場を用意したりしたほか、手芸など趣味の作品を展示できる貸しスペースを設けた。
 気仙店長は「おのくんをコンセプトにすることで誰でも来やすい雰囲気にしたい。気仙沼に足を運んでもらうきっかけにもなってほしい」と話す。
 空の駅スポットは約2年前、おのくんを通じた縁がきっかけで福岡県朝倉市と宇都宮市に開設。「里親」と呼ばれるファンが訪れ、会員制交流サイト(SNS)で発信している。県外からの来客も多いという。
 おのくんプロジェクトの共同代表新城隼さん(47)は「スポットは里親が気軽に立ち寄り、おのくんについて会話ができるコミュニティーの場。おのくんが縁でできた人とのつながりを大切にしたい」とさらなる広がりに期待を寄せる。
 おのくんは、東松島市の小野駅前仮設住宅に身を寄せた女性が作り始めたサルの人形。10万個以上が作られ、注文は半年〜1年待ちの人気商品になった。昨年9月末に仮設住宅が閉鎖され、現在は同市のJR小野駅前の空の駅を活動拠点にしている。


<福島・モニタリングポスト>「撤去強行しない」規制委員長が見解
 東京電力福島第1原発事故後に福島県内に設置した放射線監視装置(モニタリングポスト)を一部撤去する原子力規制委員会の方針に関し、更田豊志委員長は4日の定例記者会見で「強行しようとする気はもとよりない」と述べ、地元と十分議論して結論を出す考えを示した。
 更田氏は「(東日本大震災の)復興特別会計と関係する部分が大きく、財源上の制約があるのは事実」としながらも「当然いろんな意見があると思う。丁寧に話を伺い、丁寧に説明するプロセスを今年、来年と積み重ね、適正な配置を見いだしていく」と語った。
 規制委は県内約3600台のうち避難区域となった12市町村以外の約2400台を2020年度末までに撤去するとして、住民説明会を6月に始めた。
 県内では市民団体が設置継続を求め、西郷村議会は撤去反対の意見書を可決した。


<大川小津波訴訟>宮城県議会、県の上告承認 与党は賛否分かれる
 宮城県議会6月定例会は4日の本会議で、石巻市大川小津波訴訟で仙台高裁判決を不服として上告した村井嘉浩知事の専決処分の承認を求める議案を採決し、賛成多数で承認した。
 議長と欠員1を除く57人のうち、自民党・県民会議と21世紀クラブの計32人が賛成。旧民進党系会派「みやぎ県民の声」、共産党県議団、公明党県議団など5会派の計25人が反対した。
 採決に先立つ討論で、県民の声の遊佐美由紀氏は「専決処分は議会制民主主義の無視」と臨時会を開かなかった県の対応を批判。共産の三浦一敏氏は「子どもや先生の命は守れた。判決を理解せず、上告するのはとんでもない」と訴えた。
 与党の賛否は分かれた。公明の庄子賢一会長は「犠牲者の多さや遺族の気持ちを考えれば、自民との統一した行動を優先すべきではない」と強調。会派拘束を掛けなかった自民の菊地恵一会長は「各議員が裁判にさまざま思いがあるが、全員で一致した」と述べた。
 石巻・牡鹿選挙区選出の自民県議は「知事には『上告しない方がいい』と伝えた。反対の考えは変わらないが、トップとして重い決断を下した知事を支持する」と明かした。野党会派からは「反対なのに議場で意思を示さないのはおかしい」との不満が漏れた。
 訴訟原告団は6月26日、県議らと意見交換会を開いたばかりだった。今野浩行団長(56)は「一審に続き専決処分を認めたのは大問題。議会で真剣に議論してほしかった。思いが伝わらなかったのは非常に残念だ」と話した。
 知事による専決処分を経て、県は5月10日に上告した。


<放射能と闘う保育者たち 原町聖愛こども園の7年>(3)異変/消えた子どもらしさ
<遊び方分からず>
 東京電力福島第1原発事故による放射能汚染で、原町聖愛こども園(南相馬市)の園児たちは、自然との触れ合いや外遊びの経験を絶たれた。保育者たちは、次第に異変を感じるようになった。
 2013年4月、宮城県大河原町の第一光の子保育園に誘われ、同園に年長児を連れて遊びに行ったときのこと。子どもたちの様子を見て、遠藤美保子園長(66)はがくぜんとした。
 砂場で遊び始めた子どもたちが、乾いた砂を入れたバケツを何度もひっくり返す。水を加えていない砂は当然、サラサラと崩れるだけで、バケツの形に固まらない。見かねた保育者が「どうしたらいい」と聞くと、男児が「石ころを入れる」と言ったという。
 当時の年長児は11、12年と外遊びが存分にできなかった。遠藤園長は「以前は当たり前のようにやっていた型抜き遊びなのに、この子たちは水を入れることを知らず、思い付きもしなかった」と振り返る。
 仙台市若林区の卸町光の子保育園に行ったときは、同園の3歳児が上手に土を丸めて泥団子を作るそばで、聖愛こども園の5歳児は、指を丸める手つきすらできなかった。
 「保育者が教えなくても、子どもは上の子の遊び方をまねて、自然と遊びは継続されていく。それが失われてしまったのだとショックだった」と遠藤園長は話す。
<運動機能が低下>
 妙におとなしいことも気になった。本来のわんぱくでいたずら好きな姿が見られない。「『これやりたい』という自発的な行動がなくなった。全てが制限され、遊ぶ意欲がそがれた」(遠藤園長)。
 何でもないところでつまづき、転ぶ姿も目に付いた。15年度に子どもたちの足形を採ったところ、土踏まずがない子が多かった。作業療法士に相談すると「足を使って遊び込んでいない。運動機能の低下の現れ」との評価だった。
 遠藤園長は今まで見たことのない子どもたちの異変に、大きな決断をした。「駄目と言って子どもを放射能から守るのではなく、安全に遊べる場所をつくって守ろう」。15年に保護者の了解を得て方針を転換、園庭の整備を徹底し、外遊び制限を完全になくした。自然に触れさせようと岩場を流れる小川を造り、はだしで遊ぶことも解禁した。
 今年4月、3月に卒園した小学1年生も招き、一緒に園庭で砂遊びをした。ブルーシートを広げて大量の砂を投入、自由に遊べる空間を用意した。
<恨めしい空白期>
 子どもたちの様子を見ていた主幹保育教諭の高田公恵さん(57)は、心を痛めた。「山を作ってトンネル掘って、水を流す。そんな遊びが出てこなかった。みんなで知恵を出し合って砂で遊び尽くす姿がなく、発展しなかった」。外遊びの空白期間を恨めしく思う。
 「幼児期には幼児期にしか得られない感覚、体験がある。原発事故はそれを奪った。子どもたちへの影響は今も継続していることを決して忘れてはいけない」。遠藤園長は力を込める。


デスク日誌 現場に思う
 人に会うため宮城県南三陸町を訪ねたが、先方に急用ができた。観光気分が頭をもたげ、復興商店街に車を走らせた。
 早めの昼食に海鮮料理をいただき、大満足で顔を上げると、川向こうに赤い鉄骨が見えた。はっとした。東日本大震災の津波で多くの人が亡くなった防災対策庁舎の骨組みである。
 ここは、被災地だった。何日か前の本紙宮城県版に、町の有志が、津波で失われた鳥居の再建に乗り出したという記事が載ったのを、反射的に思い出した。
 その荒嶋神社がある荒島は車で数分の距離だと聞き、行ってみた。島の神社へ続く階段の上り口に、鳥居の土台と赤い脚部が残っていた。引きちぎられた鉄筋が、津波の破壊力を物語る。
 住宅や役場などは高台に移転し、被災の痕が残る低地に生活感は希薄だ。防災対策庁舎の周辺は震災復興祈念公園として整備されるが、開園は来年秋の話。復興の度合いを絵にたとえるなら、下塗りの終わった画布に多少の色彩が重ねられたくらいだろうか。
 間もなく震災から7年4カ月。新聞が伝えるべきことはまだいろいろあると、現場が教えてくれている。 (整理部次長 野村哲郎)


九州北部豪雨1年、犠牲者追悼 仮設で避難生活1100人超
 福岡、大分両県で死者40人、行方不明者2人を出した昨年7月の九州北部の豪雨から1年となった5日、被災地では住民らが犠牲者を悼み、古里再生への思いを新たにした。壊滅的な打撃を受けた山間集落は復旧の見通しが立たず、なお1100人超が仮設住宅などで避難生活を余儀なくされている。早期の生活再建とともに災害への備えが課題になっている。
 最も被害が大きかった福岡県朝倉市は午前10時半から多目的施設で追悼式を開催。遺族のほか林裕二市長や小川洋県知事が参列しあいさつ。3人が亡くなった同県東峰村も追悼式。大分県日田市役所では正午のサイレンに合わせて職員が黙とうした。


九州豪雨1年 警戒緩めず「復興」さらに
 福岡、大分両県を襲った九州豪雨からきょうで1年になる。
 折しも台風7号が今週、九州地方に接近した。九州豪雨の被災地にも避難勧告が出されるなど、昨年7月の惨禍を思い出した人も多かったのではないだろうか。
 九州豪雨は「数十年に1度」とされる大雨をもたらした。山はえぐられ、河川は決壊し、道路は寸断された。死者・不明者は42人に上った。農林業をはじめ被災地は甚大な被害を受け、被災者の生活再建への道のりはなお険しい。
 ●仮設で続く避難生活
 九州はここ数年、豪雨にとどまらず、熊本地震(一昨年4月)や大分県中津市耶馬渓町の山崩れ(今年4月)など、立て続けに大きな災害に見舞われている。
 火山の噴火を含め私たちは自然の猛威を改めて実感した。被災地では官民を挙げた復旧・復興活動をはじめ、被災者に寄り添う息の長い支援がこれまで以上に重要になる。それぞれの教訓をかみしめて防災・減災に努めていきたい。
 九州豪雨の被災地は九州一の大河、筑後川沿いに広がる。平行して走る国道386号は、被害の大きかった大分県日田市から福岡県朝倉市を抜け、福岡都市圏へつながる交通の動脈だ。
 昨年7月5日午後、大雨は突如降りだした。おびただしい量の土砂と流木が山間部から押し流され、国道386号の一部をのみ込みながら筑後川に向かった。
 一帯に広がる日田梨、志波(しわ)柿などブランド品を育む大地は泥流に埋まった。支流でつながる福岡県東峰村の小石原焼の窯元も多くが豪雨に直撃された。
 今、国道沿いを車で走れば一見、元の姿を取り戻したかのように見える。だが、奥へ一歩足を踏み入れると、被災した民家や農地は土砂にまみれたままだ。森林はなぎ倒され、山は巨大な引っかき傷のような地肌をさらしている。
 豪雨による家屋被害は4500件を超えた。今なお1100人余が仮設住宅などで不自由な避難生活を強いられている。
 気象庁によると、平成に入って以降、災害をもたらした大雨や台風は九州豪雨を含め100件を超す。年平均で3件以上となる。台風は年平均で25個程度が発生する。これからが本格シーズンだ。
 九州では既に豪雨をもたらしやすい梅雨の後期に入っている。たとえ晴れ間が多くても、一度降りだすと大雨になる可能性が高い。九州の梅雨は、平年で北部が7月19日ごろまで、南部が同14日ごろまでだ。特に台風と重なることには注意したい。
 九州豪雨で朝倉市は24時間雨量が約千ミリに達した。7月の月間平均雨量の3倍近くである。
 1時間雨量をみると、7月5日午後4時からは106ミリに達した。一体どれほどの雨なのか。
 気象庁は雨の強さを1時間雨量により5段階に分類している。最高段階の80ミリ以上を「猛烈な雨」と呼び、人の受けるイメージは「息苦しくなるような圧迫感がある」としている。106ミリとは、まさに想像を絶する猛威だった。
 豪雨をもたらしたのは、積乱雲が次々に生まれてできる線状降水帯だったとみられる。福岡、佐賀県境にまたがる脊振山の斜面を上って上昇気流が生まれ、積乱雲が発生した。大雨は地形と密接な関係で発生する。過去の経験も踏まえ、長い目で警戒していきたい。
 ●「次への備え」確実に
 日本は災害列島ともいわれるが、とりわけ平成以降は地震など災害の活性期に入ったとされる。
 将来起き得る災害の被害を最小に抑え込みたい。そのため特に重要な作業の一つは、教訓の「伝承」である。学校や地域での防災教育をいかに充実させていくか。伝承作業は直ちに「次への備え」ともなる。熊本地震などの被災地が修学旅行先に選ばれているのも、そうした狙いからだ。
 朝倉市の寺では昨夏、保管していた古文書に江戸中期の1720年に発生した大雨被害が記されていたことが分かった。時を超えて同じ場所で災害が繰り返し起こり得る現実を改めて直視したい。
 九州には筑後川など1級河川だけで20水系があり、支流は約1500に上る。大規模な洪水対策工事を重ねてきた筑後川でも、九州豪雨では一部で氾濫危険水位を超えた。決壊していれば、被害はさらに甚大になっていただろう。
 自治体が作成したハザード(被害予測)マップなどで、危険箇所や避難場所を改めて確認しておきたい。想定以上の雨が降ることが十分あり得るという前提に立ち、まずは命を守る行動を最優先に−という意識を徹底したい。


【九州の豪雨1年】防災の原則 改めて意識を
 福岡、大分県境の山間部に壊滅的被害をもたらした昨年の九州北部の豪雨災害から、1年を迎えた。
 関連死も含め40人が犠牲になり、いまも2人が行方不明のままだ。約1100人がなお避難生活を続けており、豪雨禍の傷痕は深い。
 折しも日本列島は台風7号の北上に伴い、大雨に見舞われている。梅雨明けへ期待が膨らんでいた四国も一転、警戒が怠れない状況だ。
 梅雨の末期であり、台風シーズンも本格化する。早めの情報提供や避難を心掛けるなど、防災の原則を改めて意識したい。
 九州の豪雨で被害が大きかったのは福岡県朝倉市と東峰村、大分県日田市の筑後川支流域だ。前線に湿った空気が流れ込み、積乱雲が次々に生まれる「線状降水帯」が発生し、大雨が長時間続いた。
 各地で土砂崩れが発生し、戦後に大量に植林されたスギやヒノキも川に流れ込んだ。その量は想定された約20倍にも及び、家屋をつぶし、川をせき止めて河川氾濫を助長した。私たちの自然災害への見立てがいかに甘いかが分かる。
 被災したのは過疎化や高齢化に悩む地域だ。1年たっても復興の見通しが立たない集落もあり、地域が存亡の機にあるといってよい。
 現代の大規模災害は地域の消滅を招きかねない。東日本大震災でも浮き彫りになった。高知県も例外ではなく、強い危機感が必要であろう。
 雨に予断は禁物だ。今回の台風7号も日本海を進んだが、湿った空気が四国に次々に流れ込み、断続的な大雨をもたらしている。直撃を受けなくても、気象条件によっては豪雨になることを示す。
 降り方が昔と変わってきたと感じることも多くなった。気象庁によると、1時間50ミリ以上の大雨が発生した回数は、約40年間で約1・4倍になったという。
 九州の豪雨では、50年に1度の災害の恐れがある「大雨特別警報」が発表された。この警報は2013年に運用開始になって以降、発表が相次いでいる。鬼怒川の堤防が決壊した15年の関東・東北豪雨も記憶に新しい。
 特別警報が出なくても危険なケースはある。16年に岩手県で高齢者施設の9人が犠牲になった台風災害がそうだ。避難指示も出されず、問題になった。高齢者などの避難には時間がかかる。避難準備情報などを的確に生かすことが求められる。
 一方で、国土交通省によると、数年来、土砂災害訓練への参加者が全国的に増えているという。豪雨災害への意識が高まっている証しではないか。
 こうした動きを防災の強化に確実につなげるべきだ。それには情報を提供する気象庁や自治体も、観測網の充実や避難の呼び掛けの工夫や強化が必要だろう。
 今年は県都の広い範囲が「水没」した’98高知豪雨から20年でもある。警戒が怠れないのは市部も同じだ。気を引き締めたい。


[九州北部豪雨] 教訓くみ取り備えたい
 福岡、大分両県を中心に甚大な被害をもたらした九州北部豪雨から、きょうで1年になる。
 関連死を含めて死者・行方不明者は42人に上り、大雨の怖さをあらためて示した。
 被災地は復旧作業が進められているが、被害の爪痕はなお深い。自宅が被災し、避難生活を強いられている住民は少なくない。
 一日も早く通常の暮らしに戻れるよう手厚い支援が必要だ。
 九州各地は毎年のように大規模な土砂災害に襲われている。雨の降り方は年々激しくなっているという。教訓をくみ取り、梅雨末期の豪雨に備えたい。
 被害が集中した福岡県朝倉市は今も土砂崩れの跡が残る。土砂の撤去や土のうの設置など応急工事が続いているものの、土砂などが流れ込んだままになっている住宅も多い。
 九州北部を襲った昨年の豪雨は南下した梅雨前線に向かって湿った空気が流れ込み、積乱雲が連続して発生する「線状降水帯」が原因だったとみられている。
 気象庁は50年に1度の豪雨災害を意味する「大雨特別警報」を発表し、福岡県で「記録的短時間大雨情報」が出た回数は15回にも上った。
 大雨特別警報は長時間降り続けた雨による危険性を考慮したものだ。2013年の運用開始以降、全国各地で出され、被害は後を絶たない。
 1時間50ミリ以上の大雨が起きる頻度も右肩上がりの傾向にあり、約40年間で約1.4倍になっている。激しい雨が狭い範囲に集中して降れば、災害が起きる可能性が高まる。一層の警戒が必要だ。
 九州北部豪雨災害の特徴は、山林に植樹されたスギやヒノキなどが土砂崩れで川に流れ出し、流木となって押し寄せたことだ。
 流木が橋に引っかかって集積し、近くの集落に水があふれ出したという。九州大学の矢野真一郎教授は、水流だけを考慮した河川整備では対応できないと指摘する。
 河川改修や砂防ダムなどハード面の対策は必要でも、それだけで住民を守ることは難しいということだろう。
 高齢者が多い山間部の避難は特に時間がかかる。最新の気象データを集めて災害を予測し、早めに安全な場所に身を寄せることが重要だ。関係機関と地域が一体となって対応を急ぎたい。
 鹿児島県内で、自治会などが地域の防災計画を作る事例が増えつつある。4月末までに10市町の17地域が策定を終えた。地形など地域の特性を反映した計画を作り防災に生かしてほしい。


<大阪北部地震>同世代支援したい 多賀城高生が街頭募金
 大阪府北部地震の被災地を支援しようと、多賀城高生徒会は5日、JR仙石線多賀城駅前で街頭募金を実施した。
 午前8時から生徒会と災害科学科の生徒9人が、被災当時の写真パネルと募金箱を手に持ち、協力を呼び掛けた。通勤客らが足を止めて「よろしくね」と話しながら募金に応じ、1万円札を投じる人もいた。
 生徒会長の3年小畑友哉さん(17)は「初めて街頭に立ったが、予想より多くの協力を得られた。被災地の同世代の人たちを支援したい」と語った。街頭募金は6日朝にもJR下馬駅前で行い、来週にも被災地の学校に送る。


<大阪北部地震>発生約3時間後に渋滞2倍 ヤフーがアプリで分析
 6月18日に最大震度6弱を記録した大阪府北部地震で、発生約3時間後の午前11時をピークに、府内の道路渋滞が平時の2倍近くに達していたとの分析をインターネット検索大手ヤフー(東京)がまとめた。
 同社のカーナビゲーションアプリの利用実績に基づいて走行速度から道路状況を判定。デジタル地図用に区分けされている道路のうち、渋滞していた本数を発生日と同じ月曜日の6月4日、11日と比較した。
 地震は午前7時58分に発生。午前9時ごろから渋滞道路数が増え始め、ピークとなった午前11時には平時の約1・9倍まで増えた。平時は渋滞しない比較的規模の小さい道路にも及んでいた。


<清月記>家族葬専用の邸宅型斎場 仙台に1号店
 冠婚葬祭業の清月記(仙台市)は、家族葬専用の新ブランド葬儀場「みおくり邸宅」の第1号店を、仙台市泉区にオープンした。邸宅型ゲストハウスを貸し切り、自宅のような空間で故人と別れの時間を過ごす。
 施設は鉄筋平屋、床面積約160平方メートル。閉店したコンビニを住宅メーカー北洲(富谷市)が改装し、祭壇のある家族葬スペースや会食場、キッチン、寝室などを備えた。
 一般料金は会館使用料、位牌などのサービスを含むセット価格38万円から。棺や遺影写真の費用が別途かかる。利用人数は最大30人。
 清月記によると、近年は家族だけで行う葬儀が増加傾向にある。少ない参列者に合わせた規模の施設を用意し、より安価な葬儀を提供しようと新ブランドを立ち上げた。同社の従来の葬儀場は市街地や幹線道路沿いの立地が多かったが、みおくり邸宅は住宅地などに展開する方針。
 菅原啓太取締役本部長は「故人や遺族それぞれに葬儀の形があり、さまざまなタイプの施設を選べるようにしたい」と話した。


<広瀬川灯ろう流し>仙台の夏の風物詩、資金難で開催の危機 頼みの綱のCFも苦戦
 先祖や故人をしのぶ仙台の夏の風物詩「広瀬川灯ろう流し」が開催の危機に直面している。警備態勢の強化で関連経費がかさみ、従来の収入源だけでは運営費を賄えない状況だ。主催する実行委員会は、インターネットで資金を募るクラウドファンディング(CF)に望みを託す。
 「灯ろう流し」は江戸時代から続く伝統行事。1990年に花火の打ち上げやコンサートを伴う現在の形となり、仙台の昔の送り盆とされる8月20日に仙台市若林区の広瀬川河川敷でこれまで28回開かれた。東日本大震災があった2011年の開催を機に知名度が上がり、その後は毎年約4万5000人が訪れる。
 実行委によると、1個1800〜3000円の灯籠販売が収入の柱だが、近年は灯籠を流さず、花火目当ての客が増えたという。ピーク時に約2500個だった販売数は昨年、2000個を割り込んだ。
 一方、警備費は増加の一途で、昨年は開催に必要な約1300万円に対して100万円以上が不足し、赤字となった。
 CFは資金不足に悩むSENDAI光のページェントや仙台七夕花火祭でも導入。昨年はいずれも目標額の100万円を大幅に上回る寄付金を集めた。
 実行委は80万円を目標に、灯籠引換券や公式ホームページへの氏名掲載を返礼品として用意。1口3000円から募っているが、4日現在で計2万2000円と苦戦している。
 大友克人実行委員長は「灯ろう流しはお盆の意味を考える良い機会。伝統を絶やさないよう支援してほしい」と呼び掛ける。
 CFの応募方法や詳細は公式サイトhttps://readyfor.jp/projects/hirosegawatourouに掲載。31日まで受け付ける。
 連絡先は実行委事務局022(304)2321=平日午前10時〜午後6時=。


野口英世の解剖記録 古里に ガーナから福島・猪苗代記念館に寄贈、展示へ
 世界的な細菌学者、野口英世(1876〜1928年)が黄熱病の研究で滞在したガーナで、自ら黄熱病にかかり亡くなった際の解剖記録が、福島県猪苗代町の野口英世記念館で公開されている。1979年にガーナで発見され、日本で修復後、現地で何度も所在不明になった。再び見つかり、野口の古里で保管、展示されることになった。
 展示されているのは「野口英世博士剖検所見記録」。他の記録も記載されたノートの一部で、同僚の英国人病理学者が遺体を解剖して記した。臓器の状況などが生々しく書かれている。
 記録は福島県立医大の調査団がガーナで発見。傷みが激しかったため、野口英世記念会が修復し、99年にガーナ側に返却した。
 その後、何度か所在不明になり、昨年11月、現地のガーナ大野口記念医学研究所の金庫で再度発見。記念会が日本での保管を申し出て寄贈が決まった。
 贈呈式は先月9日、記念館隣の施設であり、アブラハム・クワベナ・アナン・ガーナ大野口記念医学研究所長が、八子弥寿男記念会理事長に現物を手渡した。
 八子理事長は「博士の自殺説もあったが、黄熱病にかかり亡くなったことを証明する資料。日本で永久保存したい」と話した。
 来年1月中旬まで開催の没後90年特別展で公開している。


<羽生結弦>国民栄誉賞授与式で着用「仙台平」に熱視線 製造元や百貨店に問い合わせ多数
 仙台伝統の絹織物「仙台平(ひら)」に改めて注目が集まっている。平昌冬季五輪のフィギュアスケート男子で66年ぶりの五輪2連覇を達成した羽生結弦選手(23)=仙台市出身、東北高出=が、国民栄誉賞授与式ではかま姿を披露したのがきっかけ。製造元や百貨店には財布や名刺入れなど、仙台平の問い合わせが相次いでいる。
 仙台平は仙台藩4代藩主伊達綱村の時代に作られ始め、はかまの最高品とされる。現在は合資会社「仙台平」(太白区)だけが製造している。同社代表で技術伝承者の甲田綏郎(よしお)さん(89)は2002年に重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定された。
 2日にあった授与式で羽生選手が着たはかま、帯は甲田さんが手掛けた。同社によると、6月上旬に受賞決定を知った甲田さんが仙台市を通して「仙台を代表する羽生選手に立派な装いで臨んでほしい」と打診。夏の正装の生地で仕立てたはかまを贈った。
 同社や百貨店などでは既に「ユヅ効果」が出つつある。同社のホームページの閲覧数は授与式直後から急増。「はかまと同じ柄の小物はないか」などの問い合わせが多数あった。藤崎(青葉区)では2万7000円の財布や1万円近い風呂敷が売れたという。
 テレビなどで授与式の様子を見たという甲田さんは「スマートに着こなしてくれた」と感激。「羽生選手が『仙台平をはいていて快適』と話した。仙台平の特長が評価されてうれしい」と語った。


<放射光が照らす未来>次世代型施設仙台へ(上)宿願/産業構造転換 熱意実る
 「放射光」という強力な光でナノ(10億分の1)の世界を解析し、あらゆる物質を原子レベルで観察できる次世代型放射光施設が東北に誕生する。文部科学省は3日、放射光施設を官民で整備運営するパートナーとして宮城県内の産学官を選んだ。東北の産業構造を変える可能性を秘める施設が仙台に選定される経緯をたどり、今後の課題を探る。(報道部・高橋鉄男)
<世界リード>
 「企業が利用しやすい地域だ」
 今年5月、東北大青葉山新キャンパス(仙台市青葉区)を訪れた文科省小委員会の審査担当者が感嘆の声を上げた。次世代型放射光施設建設用地の同キャンパスはJR仙台駅から市地下鉄で10分。アクセスの良さが際立った。
 施設は建設費の約360億円を国と産業界、地域が共同で賄う。民間資金を取り込み、主目的が学術研究ではなく産業利用となる国内初のケースでもある。
 全国に9カ所ある既存施設に比べ、次世代型は物質の機能を分析する光の明るさが100倍超。新材料開発や創薬への期待がさらに高い。それを裏付けるように構想を主導する産学連携組織、光科学イノベーションセンター(仙台市)には大手メーカーなど約50社が1口5000万円の出資要請に賛意を示す。
 センターの理事長を務める高田昌樹東北大総長特別補佐は「大企業がこぞって使い、世界をリードする研究開発拠点になる」と自負する。
 東北の産学官が次世代型施設の誘致を目指した契機は東日本大震災にある。2011年末、東北7国立大が「復興の研究拠点に」と構想を提言。14年に宮城県の村井嘉浩知事が6県の産学官組織を設け、誘致に動きだした。
 当初の計画では建設費の全額を復興予算で賄う算段だったが、文科省が巨額の地方負担を示唆。15年に村井知事は「とても負担できない」と退き、構想はしばらく棚上げになった。
 「諦めきれない」「企業で資金を集めることはできないか」。東北大や東北経済連合会は16年から、水面下で三菱重工業や日立製作所など大手30社以上のトップと面会を重ねた。
 この場で「企業は建設を待望している」との感触をつかみ、財源を国丸抱えでなく企業からも募る仕組みに転換した。経済産業省OBは「東北の熱意が文科省の背中を押した」と語る。
<下請け脱皮>
 財源スキームの転換には別の狙いもあった。企業が資金を負担して産業利用が主目的となれば、研究開発拠点の集積や新商品開発を通じた地場の中小メーカーの急成長につながる可能性が大きい。
 東北の政財界は長年、大企業の業績に左右される下請け型から自立型の産業構造への脱皮を目指し、実現できなかった。
 07年には次世代スーパーコンピューター誘致競争で仙台市が神戸市に敗れ、大卒の人材が首都圏に流出し続けた。今回は宮城県と仙台市が文科省に「若者の定着につながる」と財政支援を表明し、産学官の一体感を強くアピールした。
 16年の就任から次世代型施設誘致に取り組んできた東経連の海輪誠会長は「産学官で産業構造を転換する東北の宿願をかなえ、多様な波及効果をもたらさなければならない」と語る。正念場はこれからだ。
[次世代型放射光施設]リング型の加速器を光の速さで回る電子が、方向を曲げた時に発する光(エックス線)を使い、ナノレベルで物質を分析する。次世代型は物質の構造を解析する軟エックス線領域に強みがあり、円周は325〜425メートル、ビームラインは当初10本造る。官民共同で整備運営し、国側は量子科学技術研究開発機構(千葉市)、民間側は光科学イノベーションセンターと宮城県、仙台市、東北大、東北経済連合会が5者連名で提案した。2019年度着工、23年度の運転開始を目指す。


<ILC>「短縮案でも科学的意義」文科省有識者会議、学術会議に審議求める提言
 岩手、宮城両県にまたがる北上山地が建設候補地の超大型加速器「国際リニアコライダー(ILC)」構想を検討する文部科学省有識者会議の最終会合が4日あり、加速器全長を短縮して建設費を削減した新計画案について「科学的意義がある」と評価する報告書を了承した。
 誘致の可否に関しては「科学者の代表機関である日本学術会議の見解を踏まえ、最終判断すべきだ」と結論付け、学術会議に審議を求めるよう提言した。
 文科省は報告書を公表するとともに、誘致の是非について日本学術会議に審議を依頼する。いずれも時期は未定。
 報告書は、国際将来加速器委員会(ICFA)が示した新計画案を「物質に重さを与えるヒッグス粒子を精密測定し、素粒子物理学の課題解明の端緒となる」と評価した。
 総事業費は7355億〜8033億円と試算。「国際協力の主導役を期待されているが、過度な経費分担がないよう留意すべきだ」と強調した。人材育成や技術上の課題解決の必要性も指摘した。
 文科省は2013年、日本学術会議にILC計画の審議を依頼。学術会議が「実施は時期尚早で2〜3年かけて検討すべきだ」と答申したことを受け、同省が有識者会議を設置した。
 有識者会議は、加速器全長を31キロから20キロにして本体建設費8300億円を5000億円に削減するとしたICFAの新計画案を検証していた。


<戊辰戦争150年>勤皇派に暗殺された仙台藩士悼む 秋田で慰霊祭
 戊辰戦争で奥羽越列藩同盟からの離脱を図った秋田藩の説得に訪れ、勤皇派の秋田藩士に暗殺された仙台藩の使者12人の慰霊祭が、命日に当たる4日、秋田市寺内の西来院であった。
 仙台藩志会の主催。宮城県から参加した藩士の子孫と、秋田宮城県人会の会員ら10人が参列。読経と焼香の後、同院近くにある仙台藩殉難碑の前で手を合わせた。
 参列者は暗殺された藩士の首がさらされた同市大町の五丁目橋にも足を運び、藩士をしのんで2000年に地元有志が橋のたもとに建てた「川反観音像」の前で冥福を祈った。
 藩士志茂又左衛門の子孫、榎戸通夫さん(78)=仙台市若林区=は「こうした不幸な出来事が二度と起きないよう歴史を語り継ぎたい」と話した。


河北春秋
 「パチンコで、働いた給料を1日でなくすような生活をした」という女性の経験を聞いた。ストレス解消が快感で「勝てば取り戻せると、勝つ方法ばかり考えた」。仙台市で自死予防の活動をする団体「みやぎの萩ネットワーク」の講演会▼消費者金融の貸出機などが身近にあり、借金も膨らんだという。本人も気付かぬギャンブル依存症は多重債務、家族崩壊や自死につながりやすい。「公営ギャンブルも含め日本ほど、お金をたやすく使える場所が多い国はない」▼厚生労働省によると、国内でギャンブル依存症の疑いある人は320万人に上る。民営カジノを日本に導入しようと、政府は今国会で統合型リゾート(IR)整備法案の成立を目指す。依存症対策法案も審議中だが、当事者の声は生かされるのか▼依存症の啓発週間や教育、医療提供や相談支援などを羅列する法案に「まず現場との連携を」と訴えるのが田中紀子さん。自らも経験者で社団法人「ギャンブル依存症問題を考える会」(東京)代表だ▼家庭を壊し、暴力を振るい、自死も図る人々を病院や施設につなぎ、本人の回復と家族を助ける。そんな活動を重ね、「電話相談では解決しない」と、国会の参考人招致で直言した。カジノ解禁へ前のめりになる政府に現実は見えているか。

近畿地方で非常に激しい雨、避難勧告も
 4日夜からまとまった雨が降り始めた近畿地方。京都市右京区の京北では、5日未明に1時間の降水量が52.5ミリとなるなど、広い範囲で激しい雨が降っています。
 先月、震度6弱の地震の被害を受けた大阪府高槻市には、大雨洪水警報が出ています。
 「被害の大きかったこちらの地域では、ずれた瓦の上にブルーシートを敷いて、雨をしのいでいます」(記者)
 隣接する茨木市では、土砂災害警戒区域などで9324世帯2万1318人に避難勧告が出ています。
 また、JR西日本によりますと、大阪と北陸方面を結ぶサンダーバードなどの特急列車が終日運転を見合わせるということです。
 6日朝までの24時間で予想される降水量は、近畿南部で350ミリで、依然、大雨への警戒が必要です。


再び花火計画に被害者ら困惑 京都・福知山爆発事故の河川敷
 2013年の花火大会で露店が爆発事故を起こし58人が死傷した京都府福知山市の河川敷で、地元のNPO法人が8月18日に花火の打ち上げを計画していることが4日までに分かった。同法人はこのほど、河川敷や火薬類の使用許可を関係機関に申請した。2年前に実施した千発程度の打ち上げを今回も予定しているが、事故による心身の傷がいまだ癒えない中で、被害者からは困惑の声も上がる。
 市内の会社経営者らでつくるNPO法人「E grows(イーグローズ)」(石坪弘眞理事長)が計画。現在、警備や安全面について福知山署などと協議を進めており、石坪理事長は「まちを明るくし、若い人たちに夏の楽しい思い出を作ってもらえれば」と話す。
 16年8月にも地域の活性化や犠牲者の鎮魂などを目的に「花火花」と題して、同市猪崎の由良川右岸から約千発の花火を打ち上げた。今回も同程度の規模を予定しているという。
 2年前の打ち上げでは約2500人が訪れた一方、被害者らから「時期尚早」との声も上がった。事故の被害者家族会は昨年、民間団体が主催する花火大会開催の許認可について、市の意向が反映される仕組みづくりを府に要望した。
 5月には、花火の打ち上げの是非について会員31人に調査を実施。賛成5人、反対25人、保留1人となり、会の総意として今年も計画に反対する意向だという。
 今回の計画に対して、被害者家族会の盛本英靖会長(51)は「花火自体を否定するわけではないが、いまだにけがに苦しむ被害者も少なくなく、現時点では容認できない」と話す。
 市や福知山商工会議所などの実行委が主催する花火大会は露店爆発事故以降、中止している。


大飯原発控訴審 司法は判断を放棄した
 住民の「人格権」を尊重し、関西電力大飯原発3、4号機の運転差し止めを認めた一審の判断は、いともあっさり覆された。「原発の是非は政治に委ねる」という裁判所。一体誰のためにある? 「福島原発事故の深刻な被害の現状に照らし、原発そのものを廃止・禁止することは大いに可能であろうが、その当否を巡る判断はもはや司法の役割を超え、政治的な判断に委ねられるべきだ」と名古屋高裁金沢支部。結局は判断の放棄であろう。
 福島の悲惨な現状を認めた上で、判断を放棄するのであれば、「司法の役割」とは何なのか。
 二〇一四年の福井地裁判決は、憲法一三条の幸福追求権などに基づく人格権を重んじて「具体的危険性が万が一でもあれば、差し止めが認められるのは当然だ」と言いきった。
 福島原発事故のあと、初めて原発の運転差し止めを認めた画期的な判断だった。
 高裁はこれを「内在的な危険があるからといって、それ自体で人格権を侵害するということはできない」と一蹴した。
 内在する危険に対して予防を求める権利は認められないということか。あまりにも不可解だ。
 控訴審では、耐震設計の目安となる揺れの強さ(基準地震動)の妥当性、すなわち、原発がどれほどの揺れに耐えられるかが、最大の争点とされていた。
 元原子力規制委員長代理で地震学者の島崎邦彦東大名誉教授は法廷で「基準地震動は過小評価の可能性があり、大変な欠陥がある」と証言した。
 それでも高裁は「高度な専門知識と高い独立性を持った原子力規制委員会」が、関電側がまとめたデータに基づいて下した判定をそのまま受け入れた。そして「危険性は社会通念上無視しうる程度にまで管理・統制されているといえるから、運転を差し止める理由はない」と断じている。
 ここでも規制委と関電の主張を丸のみにした判断の放棄である。
 それにしても、今や原発の危険性を測る“ものさし”になってしまった「社会通念」。その正体は何なのか。
 避難計画の不備や核のごみ問題などどこ吹く風と、政府は再稼働に前のめり。司法が自らの責任を棚に上げ、政治に委ねるというのなら、もはや「追従」と言うしかない。
 「内在する危険」に対する国民の不安は一層、強まった。


大飯原発控訴審/「安全神話」が生きていた
 関西電力大飯原発3、4号機の運転差し止めを周辺住民らが求めた裁判で、名古屋高裁金沢支部は一審の福井地裁判決を取り消し、訴えを棄却した。
 2014年の一審判決は、関電の地震対策に「構造的な欠陥がある」として差し止めを命じ、関電側が控訴した。原子力規制委員会は結審を待たず、再稼働を認めた経緯がある。
 控訴審では規制委の審査を指揮した前委員長代理が、住民側の証人として関電の地震想定は過小評価の可能性があると、安全性に疑問を呈した。
 しかし高裁は「新規制基準や規制委の判断に不合理な点は認められない」とした。高度な技術が結集した原発の判断は専門家に委ねるとする判例から、踏みだそうとしなかった。現状を追認した印象だ。
 高裁段階で原発差し止めの仮処分が出された例はあるが、差し止めを求めた裁判での運転容認は初となる。今後、各地の訴訟にも影響を及ぼすことになりそうだ。
 控訴審判決で内藤正之裁判長は「原子力発電そのものを廃止することは可能だろうが、その判断は司法の役割を超えており、政治的判断に委ねられるべきだ」と述べた。
 確かに原発政策の可否は、国民の声にていねいに耳を傾けながら政治判断すべきだろう。
 しかし個々の原発について司法が踏み込んだ判断を避ければ、再稼働や運転の継続が既成事実化しかねない。
 行政から独立した立場で原発の適法性と安全性を厳しく審査する。相次ぐ原発訴訟で、民主主義の原則である三権分立に国民が期待を寄せていることを自覚してもらいたい。
 原発の安全性を専門家に委ねる考え方は、1992年に最高裁が示した伊方原発訴訟判決に基づいている。国の審査基準や調査過程に著しい過ちがある場合に限り違法とした。
 原発の「安全神話」が信じられていた時代の発想を踏襲した今回の判決には驚く。
 7年前の福島第1原発事故以降、原発に対する国民の意識は大きく変わり、原子力施策も修正を迫られた。裁判所も過酷な事故を引き起こした教訓に正面から向き合わねばならない。


大飯控訴審判決 住民の不安、直視したか
 大地震がきっかけとなって起きた福島第1原発事故の教訓を軽視していないだろうか。
 関西電力大飯原発3、4号機(福井県)の運転差し止めを周辺住民らが求めた訴訟の控訴審で、名古屋高裁金沢支部はきのう、差し止めを認めた一審判決を取り消し、住民側の請求を棄却した。
 一審の福井地裁は4年前、大飯原発の地震対策に構造的欠陥があると指摘し、運転差し止めを命じた。関電側が控訴したため、この判決は確定せず、3、4号機は今春相次いで再稼働した。
 今回の高裁判決は、再稼働の根拠となった原子力規制委員会の新規制基準について「不合理な点は認められない」とし、安全対策の欠陥も否定した。
 具体的な危険性が万が一でもあるかを検証すべきだとした一審判決とはあまりに対照的だ。
 高裁は規制委の判断を追認するだけで、住民の不安に向き合ったとは言い難い。
 控訴審では、関電が大飯原発の耐震設計の目安として算定した揺れ(基準地震動)の妥当性が最大の争点となった。
 住民側証人として出廷した元規制委員で地震学者の島崎邦彦東大名誉教授は、算定に用いた計算式を検証し、基準地震動が過小評価された可能性を指摘した。
 関電側は「震源となる活断層の面積を詳細な調査で適切に把握した上で、より大きな面積を設定して算定した」と反論。判決はこの主張を採用し「過小だとは言えない」と結論づけた。
 島崎氏は規制委員時代に大飯3、4号機の地震対策の審査を担当した専門家である。2016年の熊本地震のデータも参考にした指摘は傾聴に値する。
 最新の科学的知見を取り入れ、安全基準を不断に補強していくことが、福島第1原発事故の教訓だったはずだ。
 これを正面から取り上げずに「(大飯原発の)2基の危険性は社会通念上無視し得る程度に管理・統制されている」とまで言い切ったのは大いに疑問である。
 福島の事故から7年が過ぎても、なお約5万人が避難生活を強いられている。またこの間にも熊本地震や大阪府北部地震など大きな地震が各地で発生した。
 原発に対する国民の不安が増す中、取り返しのつかない過酷事故を「想定外」で済ますことはもはや許されない。
 こうした厳格な姿勢こそ、司法に求められていたのではないか。


大飯原発控訴審  住民の不安膨らむ判決
 関西電力大飯3、4号機(福井県おおい町)の運転差し止めを周辺住民らが求めた訴訟の控訴審判決で、名古屋高裁金沢支部は、差し止めを認めた福井地裁判決を取り消した。
 住民側の逆転敗訴である。
 判決は原子力規制委員会が定めた新規制基準を「最新の科学的、専門的知見を反映した」と評価、「危険性は社会通念上無視できる程度まで管理・統制されている」とし、2基が新基準に適合するとした規制委の判断を追認した。
 「社会通念上」とは何を示すのか。どの程度なら危険を許容できるというのか。住民の不安はかえって膨らむのではないか。
 「具体的な危険性があれば運転の差し止めは当然」とした福井地裁の判断とは対照的な考え方だ。
 原発を巡る司法判断では、一審で差し止めの判断が出ても、上級審などで覆る事例が少なくない。
 隣接する福井県高浜町の高浜原発3、4号機について、運転差し止めを命じた2015年4月の福井地裁の仮処分決定は同年12月に同じ福井地裁で取り消された。16年3月には大津地裁が運転差し止めの仮処分決定をしたが、17年3月に大阪高裁が取り消している。
 今回の控訴審も「高裁の壁」に阻まれた。原発の稼働を止めるハードルは上がったように思える。
 最大の争点は、関電が設定した耐震設計の目安となる揺れ(基準地震動)の妥当性だった。原告側は算出に用いた計算式を検証し、過小評価となっている可能性を指摘したが、高裁はこれを退けた。
 すでに営業運転していることをふまえ、関電側の主張を追認したかのようにみえる。
 気になるのは、「福島原発事故に照らし、原子力発電そのものを廃止することは可能だろうが、その判断は司法の役割を超えており、政治的な判断に委ねられるべき」と述べていることだ。
 原告の主張を退ける判断をしておきながら、原子力発電の存廃について深入りを避けようとするのはなぜなのか。司法の役割を放棄したと思われても仕方ない。
 大飯、高浜両原発は14キロしか離れておらず、災害時に同時に被害を受ける可能性がある。
 しかし、政府と福井県はそれぞれの原発で事故が起きた場合の避難計画はまとめたが、両原発が同時被災した際の計画は作成していない。
 原発に関する施策が貧しい現状があるからこそ、司法には根拠のある判断をしてほしかった。


大飯原発控訴審判決 安全の過大評価は禁物だ
 関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)運転差し止め訴訟の控訴審で名古屋高裁金沢支部(内藤正之裁判長)は、一審の福井地裁判決を覆し、関電に運転を認める判決を下した。一審判決は地震対策に「構造的な欠陥がある」と断じたが、控訴審判決では関電の主張を全面的に受け入れた形だ。
 運転差し止めの仮処分では、これまで高裁決定は4件あり、うち広島高裁は昨年12月に四国電力伊方3号機の運転を禁じた。今回の判決で高裁レベルでは国策を後押しする流れが強まったといえよう。30件以上に上る係争中の原発訴訟にも影響が出そうだ。
 差し止め訴訟は、仮処分を求める訴訟とは違って、判決が確定しなければ差し止めにはならず、関電は今春、3、4号機を相次いで再稼働させている。運転が容認されたからといって、不断の安全対策が求められるのは当然だ。今夏に実施予定の高浜、大飯2原発を対象にした総合防災訓練や、モデル事業として行う避難道路の改修なども国が前面に立って実効性の高いものにしていく必要がある。
 控訴審で最大の争点となったのは耐震設計の目安となる揺れ「基準地震動」が妥当かどうか。大飯原発の地震対策を審査した元原子力規制委員長代理の島崎邦彦氏が「過小評価になっている」と証言。これに対し内藤裁判長は「詳細な調査に基づき、震源断層の長さ、幅などを保守的に評価している」などとする関電の主張を認め、「過小であるとはいえない」とした。
 一審判決で「福島原発事故のような事態を招く具体的危険性が万一でもあれば、差し止めが認められる」としていた審査過程の「判断枠組み」に関して、控訴審判決は新規制基準に違法、不合理な点はないとし「原子力規制委員会の判断にも不合理な点は認められず、発電所の危険性は社会通念上無視しうる程度にまで管理されている」とした。火山灰対策や使用済み核燃料なども同じ論理を繰り返すにとどまった。
 原告の住民側は、島崎氏の証人尋問で「歴史的な一日」と評するなど、流れを引き寄せたかに見えた。しかし、その後、専門家らの尋問を求め弁論再開を5度申し立てたが、いずれも認められず結審。この段階で今回の判決は予想されていたといえる。
 結局、最高裁が1992年の四国電力伊方原発行政訴訟判決で示した国の裁量権、国や電力事業者の立証責任といった考え方を踏襲した格好だ。原発廃止は可能としながら「もはや司法の役割を超える」と裁判所として科学的判断を回避したことは禍根を残さないか。
 一審判決は原発から250キロ圏の原告人を適格とするなど確かに注目すべき判断だったが、使用済み核燃料事故まで想定した辺りは福島事故を感情的に捉えた印象が拭えなかった。一方、高裁判決は規制委などの専門性に重きを置いた。ただ、その規制委が絶対の安全を保証したわけではないとした経緯がある。「安全」の過大評価は禁物だ。


大飯原発控訴審判決 安全追求の使命感が欠けている
 東京電力福島第1原発事故の重い教訓を顧みず、安全に対する意識が大幅に後退した司法判断と言わざる得ない。
 関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)を巡り、周辺住民らが起こした訴訟の控訴審判決で、名古屋高裁金沢支部は地震対策に欠陥があるとして運転差し止めを命じた4年前の一審判決を取り消した。
 原子力規制委員会の新規制基準や、関電が設定した基準地震動に理解を示し「安全」と結論づけた。原発の潜在的な危険性をくみ取り、安全技術や設備を脆弱(ぜいじゃく)とまで言い切っていた一審判決とはあまりにもかけ離れている。住民の不安を置き去りにした判断であり、原発の危険性に正面から向き合わない姿勢を強く危惧する。
 控訴審でも耐震設計の目安となる基準地震動の妥当性が争点となり、元規制委員で大飯原発の地震対策の審査を指揮した島崎邦彦氏が「地震想定が過小評価の可能性がある」と訴えた。
 判決は規制委の新規制基準に不合理はなく、その基準に適合した関電の基準地震動は「過小ではない」との論理で退けた。規制委は正しく、その基準を満たしさえすれば「問題ない」とは言えない。規制委自体が「新規制基準を満たしても絶対的な安全が確保されているわけではない」と認めている。適合だけでは安全性への担保にはなり得ないはずだ。
 島崎氏の証言は2年前に発生した熊本地震を受けて得られた観測結果が基になっており、審査の当事者が誤りを認めて証言した事実は重い。熊本地震は震度7の激しい揺れが短期間に連続する前例のないものだった。最新の科学的知見として反映を求めるのは、原発に不安を持つ多くの国民にとっても当然の感情であり、島崎氏の主張を退けたことは納得しがたい。
 そもそも判決は「2基の危険性は社会通念上無視し得る程度にまで管理・統制されている」としており「万が一」に備えるという使命感が欠如している。福島原発事故は、自然の脅威に対し、人間の能力の限界を示した。あらゆる事態を想定しても「想定外」は起こる。安全の追求を放棄し、現状を追認するばかりでは司法に対する信頼は揺らぐ。
 福島県では、事故から7年が過ぎてもなお5万人が避難生活を続け、多くがまだ帰還のめどが立っていない。復興は途上で「いまだ有事の状態」(内堀雅雄知事)であることを忘れてはいけない。
 電力会社や国は、今回の決定を再稼働への「お墨付き」と捉えるべきではない。先月には関電管内の大阪府北部で震度6弱の地震も起きた。大飯原発の14狙召任蝋睇邑業も稼働しており、同時に過酷事故が起きた場合の避難体制は整っていない。地震大国での原発のリスクは大きく、限られた知見を頼りに再稼働を進めることは厳に慎まなければならない。


エネルギー計画 見せかけだけの原発低減
 中長期のエネルギー政策の指針となる「エネルギー基本計画」を政府が閣議決定した。原子力発電については、2014年の前計画同様、可能な限り依存度を低減させる―とうたいながら、エネルギー供給の安定性に寄与する「ベースロード電源」と位置付けている。
 11年3月11日の福島第1原発事故によって明白になったのは原子力の制御技術に重大な不備があることだ。事故はいまなお収束に至らず、避難指示の対象は約2万4千人に上る。
 原発周辺住民の多くは「絶対安全」と力説する政府や東京電力の宣伝を信じた揚げ句、住まいや生活の糧を奪われ、健康を脅かされた。「国策詐欺」の被害者と言っていい。
 原発の安全性に対する不信感がある中で、政府は30年度の電源構成比率を15年に決定、原発は20〜22%とした。エネルギー基本計画は、その実現を目指す方針を盛り込んでいる。
 原発の発電割合を見ると、東日本大震災前の10年度は25・1%だったが、原発事故を機に急落し16年度は1・7%にすぎない。20〜22%の目標値は現状から比べると大幅な増大になる。
 経済産業省資源エネルギー庁がホームページに公開した資料「新しいエネルギー基本計画の概要」には、震災前と30年度(目標)の電源構成比率が記され、16年度の数値には触れていない。
 「依存度を低減させる」というのは表向きで、実際は、原発事故以前の水準に近づけようとしている。まるで「羊頭狗肉(ようとうくにく)」だ。
 政府は、原子力規制委員会の新規制基準に適合した原発について再稼働を進める方針だが、目標の実現には30基程度を稼働させる必要があり、非現実的との指摘がある。本音では、原発の新増設も視野に入れているのだろう。
 もともと10年のエネルギー基本計画では30年までに14基以上の原発を増設すると明記していた。
 原発の運転に伴い生成される猛毒のプルトニウムは「地獄の王の元素」と呼ばれる。プルトニウム239の場合、放射能が半分になる半減期は約2万4千年。気が遠くなるほどの年月だ。これほどの長い間、どうやって核のごみを管理できるのか。
 原発は、短期的には経済上のメリットをもたらすかもしれないが、放射能を完全に制御する技術が確立されていない中では、子々孫々に災いの種を残すだけだ。
 新たなエネルギー基本計画が、太陽光、風力、バイオマス、水力、地熱などの再生可能エネルギーを「主力電源化」すると明記したのは当然の流れと言えよう。
 日本の再生エネへの取り組みは欧州などに比べて立ち遅れている。集中的に研究開発を進めることで、真の意味で「原発依存度の低減」を実現すべきだ。


エネルギー計画 針路を示さない無責任
 エネルギー政策の中長期的な枠組みとなるエネルギー基本計画を政府が閣議決定した。
 4年ぶりの改定である。福島第1原発事故を踏まえた原発依存度の引き下げや再生可能エネルギーの利用拡大、地球温暖化対策など、重要課題への踏み込みがいずれも中途半端で、惰性に任せた内容になっている。方向性が明示されておらず、問題が多い。
 原発について、依存度を可能な限り低減させるとする一方、安定供給に寄与する「ベースロード電源」の位置付けは変えなかった。2030年度の発電割合を20〜22%とする目標も据え置いた。
 16年度の割合は1・7%だった。目標を実現するなら、30基程度の稼働が必要になる。現在ある原発の老朽化を考慮すると、再稼働に加えて新増設が欠かせない計算だ。それなのに、新増設は計画に盛り込まなかった。
 脱原発を求める世論が強いことを意識した政府が論議を避け、新増設が必要だという本音を封印したとの見方が有力だ。無責任な対応といわれても仕方ない。
 太陽光や風力などの再生エネについては、発電コストが世界的に急速に下がっており、火力発電などと比べた割高さが解消されつつあると分析。「主力電力化」すると初めて明記した。
 ならば、発電割合に高い目標を設定するべきではないか。22〜24%という従来目標を据え置いている。本気度が疑われる。
 日本に技術的な強みがある石炭火力は、高効率化を進め、輸出も推進するとした。だが石炭は温室効果ガスの排出量が多く、各国で削減が進む。パリ協定の目標達成に向け、英国やカナダは廃止を打ち出した。石炭への依存は国際的にも批判の的となっている。
 原発の使用済み燃料を再処理して取り出したプルトニウムについては、「削減に取り組む」と初めて書き込んだ。表だった議論のないまま、計画決定の直前に盛り込んでいる。核兵器に転用できる核物質である。大量保有を懸念する米国への配慮がうかがえる。
 実効性のある削減策は明記されていない。削減を掲げる一方で核燃料サイクルによる再処理は従来の方針に沿って推進するとしており、本質的な議論を欠く。
 欧州などは将来性のある再生エネに特に力を入れている。めりはりのない計画で日本が出遅れを挽回することはできない。エネルギー政策は経済や暮らし、社会のあり方に広く関わる。議論の仕切り直しが必要だ。


エネ計画改定 どっちつかずで何目指す
 原発推進の姿勢は維持したまま、再生可能エネルギーの主力電源化を掲げた。どっちつかずの内容である。これでは変化を期待することは難しい。
 政府は中長期的なエネルギー政策の枠組みを決める「エネルギー基本計画」を4年ぶりに改定し、閣議決定した。
 特徴は、太陽光や風力などの再生エネの主力電源化を明記したことだ。そのために政策を結集するという。
 改めて疑問を覚えるのは、意気込みとは裏腹に、再生エネの2030年度の発電割合については22〜24%とする従来の目標を維持したことだ。
 原発については依存度低減をうたうものの、安定的なエネルギー供給源として「ベースロード電源」との位置付けはそのままだ。30年度の発電割合も20〜22%に据え置いた。
 ちぐはぐな印象が際立つ。
 東京電力福島第1原発事故が突き付けた教訓を思えば、原発依存度のさらなる低減に踏み込んでもいいはずだ。各種世論調査を見ても、脱原発を求める声が多数を占める傾向にある。
 再生エネについても、普及推進への強力な動機づけになる政策誘導にもっと力を入れるべきだろう。今回の計画は「主力電源化」のスローガン先行で、具体的な道筋が見えない。
 看過できないのは、原発が再稼働した場合は電気料金値下げを目指すとした努力目標が基本計画に盛り込まれたことだ。
 自民党からの要望を受けたもので、東電柏崎刈羽原発の再稼働に慎重な世論が根強い本県などの立地地域を念頭に置いているという。
 立地地域に「アメ」をぶら下げて再稼働を迫るような、旧態依然とした発想だ。原発に不安を抱いている地域住民との乖離(かいり)は大きい。
 4日には、日本原子力発電が再稼働を目指す東海第2原発(茨城県)が、原子力規制委員会の再稼働に関する審査で事実上の合格となった。福島第1と同じ沸騰水型炉では柏崎刈羽6、7号機に続き2例目だ。
 政府の決めた基本計画で「再生エネ主力化」や「原発依存度の低減」を言いながら、一方で再稼働の動きが進む。国のエネルギー政策に対し、国民が疑念を募らせても仕方がない。
 こうした中で、柏崎刈羽原発の再稼働に慎重な姿勢を訴えて当選した花角英世知事には、重ねて「県民最優先」を貫くよう求めたい。
 知事は先月行った初の所信表明で、「多くの県民が持っている原発に対する不安は私も共有している」「将来的には原発に依存しない社会の実現を目指したい」と述べた。
 再稼働問題に関し知事は「三つの検証」の結果を受けて結論を県民に示し、判断を仰ぐとする。注目したいのは知事自身が明確にした「原発に依存しない社会」というゴールだ。
 そこに向けて県民の納得と共感が得られる結論を示すことこそ、「県民最優先」を約束した知事の責務に違いない。


メキシコに新興左派大統領 懸念拭えぬ米国との関係
 メキシコ大統領選で新興左派政党「国家再生運動」のロペスオブラドール氏が地滑り的勝利を収めた。中南米でもポピュリズム(大衆迎合主義)が台頭した。12月に就任し、メキシコ初の左派政権が誕生する。
 同氏は既成政党による歴代の保守政権が、政治腐敗と治安悪化、貧困をもたらしたと批判し、不満が鬱積する国民の支持をつかんだ。
 ペニャニエト現政権下で汚職の逮捕者は相次ぎ、麻薬組織が絡む殺人事件も絶えない。国民の約4割を貧困層が占めるメキシコで、変化を求める声が強まったのは不思議ではないだろう。
 ロペスオブラドール氏は同時に、トランプ米大統領の「米国第一主義」に対抗するように「メキシコ第一主義」を訴え、共感を得た。気がかりなのは就任後の両国関係となる。
 トランプ氏は一貫してメキシコに対し強硬路線を取ってきた。麻薬や犯罪対策として不法移民の流入を防ぐため国境に「壁」を建設し、費用をメキシコに支払わせようとする。
 メキシコ側は麻薬などの対策の必要性を認めつつ、メキシコ人移民すべてが悪くはないと反発している。ロペスオブラドール氏は選挙運動中、トランプ氏によるメキシコ批判を激しく非難したこともあった。
 もう一つの大きな不安材料は米国、メキシコ、カナダの3カ国による北米自由貿易協定(NAFTA)の扱いだ。トランプ氏はこれが米製造業のメキシコへの工場移転と貿易赤字につながったとして再交渉を進めている。望む合意ができなければ離脱する可能性も示唆している。
 ロペスオブラドール氏は当選後、現政権と共同で再交渉にのぞむ姿勢を見せているが、かつてはメキシコ農業保護の立場から批判的だった。両氏は電話協議で友好的に応じたが、互いに自国第一主義を唱えるだけに対立を深める懸念は拭えない。
 メキシコと米国は長年、協力関係を培ってきた。特に1994年に発効したNAFTAは3カ国間の貿易を増大させた。メキシコには日系企業1100社以上も進出し、自動車メーカーなどの対米輸出の拠点となっている。貿易を制限するような見直しはどの国の利益にもならない。
 次期大統領には安定した対米関係に留意してほしい。


「合区」骨抜きの自民案 参院の「私物化」に等しい
 参院「合区」の現職救済を目的とした公職選挙法改正案を自民党が国会に提出し、野党の反対を押し切って成立させようとしている。
 改正案は来年の参院選から比例代表定数を「4増」としたうえで、各政党の比例名簿上位に「特定枠」を設けるのが柱だ。
 合区となった「鳥取・島根」「徳島・高知」の候補者調整であぶれる現職を救済する狙いがある。
 参院選挙区が都道府県単位を基本とする中で、人口の少ない県に限って2県を1選挙区とすることに問題があるという主張は理解できる。
 しかし、憲法に基づき投票価値の平等を重視する最高裁の要請を受け、「1票の格差」を是正する暫定措置として合区を導入したはずだ。
 その結果、立候補できなくなる現職がいるからといって、比例代表で優先的に当選させるという考え方は筋違いも甚だしい。それでは「裏口入学」だと私たちは言ってきた。
 合区を否定するのであれば、1票の格差を是正する抜本的な制度改正に取り組むのが筋だ。来年の参院選までに結論を得ると公選法の付則に定めておいて、その努力を怠り、自分たちでつくった合区制度の骨抜きを図るご都合主義は許されない。
 そもそも、あらかじめ政党が比例名簿に順位をつけておく「拘束名簿式」を、候補者の得票順に当選者が決まる「非拘束名簿式」に変更したのも自民党の党利党略だった。
 それをまた部分的に拘束名簿式に戻すというのは、合区を骨抜きにすることと併せ、二重の意味で選挙制度をねじ曲げる。民主主義の土俵となる選挙制度を与党の数の力でそこまで私物化してよいはずがない。
 野党では国民民主党が1票の格差を最大3倍未満に抑える暫定措置として、議員1人当たりの人口が最も多い埼玉選挙区の定数を2増やし、その代わりに比例定数を2減らす「2増2減」案を主張している。埼玉の2増は自民案にも盛り込まれているが、合区救済が入っていない国民民主案の方がましだと言えよう。
 伊達忠一参院議長は野党の仲介要請を拒み、対案を出して法案の審議に入るよう求めた。多数決で自民案が可決されるのを見越したもので、事実上、自民案を後押ししている。三権の長としての見識を疑う。


モリカケの線ではなくスパコンの闇か?
 ★文科省に衝撃が走った。4日、東京地検特捜部は自分の子供を大学に合格させてもらう見返りに文部科学省の支援事業の対象校とするよう取りはからったとして、受託収賄容疑で文科省科学技術・学術政策局長・佐野太容疑者を逮捕した。当然、政界もすわ森友・加計疑惑関連の延長線上の話かとなったが文科省関係者が言う。「旧科学技術庁出身なのでラインは違うが、場合によっては次の次の次官候補の1人だった。それでもこんな事件は、最近では相当珍しいのではないか」。 ★該当する大学は東京医科大。別の政界関係者が言う。「今、同大は経営陣の内紛を抱えていて、そのラインから広がった話ではないかとの見方がある。日大や加計学園ではないが、少子化の今、私学はいろいろあるよ」と解説する。その一方、全く別の事件ではないかとの指摘もある。昨年12月のスーパーコンピューター開発企業の幹部らが「新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)」の助成金約4億3100万円をだまし取った容疑で「ペジーコンピューティング」社長・斉藤元章被告が逮捕された事件、いわゆるスパコン詐欺事件につながるのではないかとの指摘がある。 ★スパコン開発の第一人者といわれた斉藤被告が元TBSワシントン支局長だった山口敬之を顧問に迎え、官邸とのパイプを強調しながら、一方で詐欺事件とはアンバランスな話だと思うが、その時の家宅捜索で、この事件や佐野容疑者の関与が明るみに出たのではないかとの説だ。そこからこの事件の見方が分かれる。たまたま発覚した単独事件の線と、もう1つはスパコンと助成金の闇がいまだに多くあり、その闇を熟知しているのが佐野容疑者だったとの線。いずれにせよ、東京地検は官邸に具申したのちの逮捕だとすると、後者か。

東京医科大幹部ら入試加点に関与 受託収賄
文部科学省の前局長が、東京医科大学に便宜を図る見返りに、自分の息子を合格させてもらったとして逮捕された事件で、東京医科大学の幹部らが点数の加算に関わっていたことがわかった。 文科省の科学技術・学術政策局長だった佐野太容疑者は、東京医科大学が支援事業の対象校に選ばれるよう便宜を図る見返りに、自分の息子を合格させてもらったとして東京地検特捜部に4日、逮捕された。 その後の関係者への取材で、東京医科大学のトップクラスの幹部ら複数人が、幹部としての裁量で佐野容疑者の息子の点数を加算していたことがわかった。特捜部は大学関係者への聴取を行い、全容解明を進めている。 一方、5日朝に開かれた自民党の文部科学部会に出席した文科省の戸谷事務次官は今回の事態について謝罪した上で、経緯を説明した。 文科省・戸谷一夫事務次官「今回の事案に関しましては文部科学省としての信頼をまさに失墜させることでありまして、社会を本当にお騒がせ申し上げたことについて改めて深くおわびを申し上げます」 出席した議員からは文科省事務方トップの責任を追及する声も上がったという。 文科省は、補助事業が採択された経緯などについて精査し、一日も早い事態解明に向けて捜査に全面的に協力していくとしている。

血税使い我が子を裏口入学 “収賄逮捕”文科省局長の素性
 これで「道徳」の教科化とは噴飯モノだ。4日、文科省の科学技術・学術政策局長の佐野太容疑者(58)が受託収賄の疑いで東京地検特捜部に逮捕された。
 昨年5月、東京医科大の関係者が、同省の官房長だった佐野容疑者に、私立大などを対象とする支援事業に選ばれるよう便宜を図って欲しいと依頼。その見返りに今年2月、佐野容疑者は同大を受験した自分の子供の点数を加算させて合格させてもらった疑いだ。
■もはや教育を司る資格なし
 許し難いのは、“裏口入学”に、国民の血税が使われたことである。同大医学部医学科は倍率16倍の狭き門。佐野容疑者はわが子をねじ込むために自分の懐を痛めず、特色ある研究を支援する「私立大学研究ブランディング事業」で便宜を図ったのだ。
 この事業の予算規模は年間約55億円で、選ばれた大学は3〜5年にわたり、事業内容に応じて年額2000万〜3000万円程度の補助金をもらえる。昨年度、応募した188校中、60校が選ばれた。
「私大と文科省はズブズブですよ。人口減少で学生数が減っても、大学側は従来通り助成を受けたい。官僚に口を利いてもらう代わりに、大学側は教授のイスなど“天下り先”を用意する。官僚側から何らかのポストを要求することも珍しくなく、見返りに応じない大学の風当たりは厳しい」(私大関係者)
 そんな癒着の“権化”ともいえる佐野容疑者は、早大大学院理工学研究科を修了後、1985年、旧科学技術庁に入庁。01年の省庁再編後は、高等教育局私学部参事官や大臣官房審議官を歴任した。
「官房長だった昨年、天下りあっせん問題で厳重注意を受け、同年7月に現在のポストに就任。省内では『将来の次官候補』と目されていました」(文科省関係者)
 しかも、文相経験のある自民党の元代議士の娘婿との情報もあり、「本人も政界進出に色気があって、結婚したのではないか」(文科省関係者)と囁かれている。
 今回の事件で、出世も政界進出の思惑も全てパー。林文科相は佐野容疑者の逮捕を受け、「何らかの措置を速やかに取りたい」と語ったが、部下の処分だけで収まる話じゃない。監督責任を負って辞任がスジだ。
 それにしても、教育を司る省庁トップ候補が裏口入学とは……。天下りや加計問題、局長逮捕で汚れた“三流官庁”に、もはや教育を語る資格はない。
 倫理観ゼロの政権下で、この国のモラルは地に落ちるばかりだ。


東京医科大学長も関与疑い 前局長息子の合格指示か
 私立大支援事業を巡り受託収賄容疑で文部科学省の前局長佐野太容疑者(58)が逮捕された事件で、東京医科大の鈴木衛学長も入学試験の不正に関与した疑いがあることが5日、関係者への取材で分かった。臼井正彦理事長が関与した疑いが既に判明しており、東京地検特捜部は大学の首脳2人が前局長の息子の点数を加算し、合格させるよう入試の実務担当者に指示したとみて実態解明を進める。既に医科大から資料の任意提出を受けた。
 臼井理事長と鈴木学長は聴取に不正を大筋で認めているとみられる。特捜部は証拠隠滅の恐れはないとみて、在宅のまま捜査を続け、贈賄罪での立件の可否を検討する。


大阪市 水道記念館で飼育のイタセンパラ"全滅"
 大阪市東淀川区の市水道記念館で飼育されていた国の天然記念物で、絶滅が心配される淡水魚「イタセンパラ」が全て死に、市は飼育を終了した。橋下徹前市長時代の予算削減に伴って繁殖事業が中止され、「全滅」は時間の問題だった。【真野敏幸】
 イタセンパラはコイ科に分類されるタナゴの仲間で、日本固有の淡水魚。体長は10センチほどで二枚貝の体内に産卵する特徴がある。淀川水系、富山平野、濃尾平野の3カ所に分布。国の天然記念物で、環境省のレッドデータブックでは「絶滅危惧1A類」に指定されている。
 市は2005年、水道記念館で保護繁殖事業を開始。当初の50匹から1000匹以上にまで繁殖させた。だが12年、市の経費削減の一環で記念館は一時休館。水生生物の展示も中止され、繁殖事業は凍結されて飼育だけとなった。
 その後、市はイタセンパラの譲渡先を探したが、飼育が難しいこともあって見つからなかった。生態系への影響から川に放流することもできないまま、飼育を続けていたという。今年5月、最後の1匹が死んだのを職員が確認した。
アユモドキも
 また、同館で飼育していた絶滅危惧種のドジョウ「アユモドキ」が全滅しているのも確認した。市は文化庁あてに「天然記念物滅失届出書」を提出した。


前川氏講演会の後援拒否 広島県・市教委のおかしな言い訳
 広島県のNPO法人が9月30日に県内で開催する前川喜平前文科次官の講演会の後援申請に対し、広島県と広島市の両教育委員会が共に拒否していた。
 講演会を企画したのは教育支援を行うNPO法人「フリースクール木のねっこ」。「対談講演 前川喜平さんと語る!〜今変わりつつある教育と法〜」と題し、不登校や憲法・道徳教育について、前川氏と教育関係者や弁護士が対談する予定だ。
 市教委は後援拒否の理由について、4月に山口県下関市教委が前川氏の講演会の後援を拒否したことを挙げ、「各自治体によって判断が分かれているので、積極的に後押しすることはできない」とした。
 県教委は教育長を含めた幹部で協議し、後援拒否を決定した。「内規で特定の宗教や政党を支持する事業は後援しないこととなっており、前川さんの場合、講演内容が政治的でなくても、メディアに政治的に切り取られる恐れがあるため」と説明。その場の発言を聞く前から、前川氏が講演会に出るだけで「政治的でNG」と判断するとはオドロキだ。
 元文科官僚で広島県教育委員会の教育長も務めた寺脇研氏はこう言う。
「政治的な内容だと後援できないというのはおかしな話です。広島では原爆に関する講演は政治的な内容であろうと後援してきた。原爆がOKで前川氏がダメというのはダブルスタンダード。政権からにらまれたり、ネット右翼から嫌がらせを受けるのが面倒だったのでしょう。自治体が政権に忖度してしまっている」
 いい加減、政権に忖度する役人の風潮はもうウンザリだ。


BBCドキュメンタリー「日本の秘められた恥」で世界に晒された日本社会の構造的な恥 変えるも変えないも、私たち一人一人の日々の行動と選択にかかっています。
6月28日イギリス時間21時から「日本の秘められた恥」というドキュメンタリー番組がBBC Twoで放映されました。丁度ワールドカップの予選試合でイングランドが負けた直後からの放映だったので、「お口直し」として何となくチャンネルを回して見たイギリス人もいたようです。放送が終わり次第、地元の友人だけでなく地球の裏側からも私のところにコメントが飛んで来ました。 
「日本の現状はこんなにヒドイのか!?」、「今まで先進国だと思っていたけど、日本女性がこんなに虐げられているなんて驚愕だ!」、「日本の性犯罪対策がここまでなってないって本当なのか?!」などが代表的な反応でした。世界における反応の一部は、Twitterで#JapansSecretShameというハッシュタグを辿っていくと見ることもできます。
イギリス人の友人からの反応は、この番組のきっかけとなった伊藤詩織氏に関する個別事件についてではなく、日本における性犯罪対策や女性蔑視に関してがほとんどでした。また当該個別事件の刑事訴訟については一定の司法的判断が下り、現在は民事訴訟が係属中との理解ですので、このブログは(個別事件についてではなく)日本における性犯罪対策政策と女性蔑視の一般的問題に絞って議論したいと思います。
番組内では、
・日本の警察官のうち女性は8%
・日本でレイプ被害を訴えると、通常は複数の男性警官の前で等身大の人形を使ってレイプを再現させられる
・日本の半数程度しか人口がいない英国で、政府が性犯罪被害者対策にかける国家予算は日本の40倍
・日本ではまだ性犯罪被害者支援センターが各都道府県に1カ所以上設置されていないが、世界基準で言えば最低でも全国に635カ所あるべき
・昨年まで、強姦罪(現:強制性交等罪)は、強盗罪よりも軽い刑となる可能性があった
など、日本における性犯罪対策が極めて後進的であることを示す具体的なデータが紹介されました。最後の点など、まるで日本では女性の尊厳はモノよりも軽視されているかのようです。
在英邦人の私としては「何とか日本を擁護したい」との立場から、何か間違いや誇張、誤訳などが無いか番組を集中して見ていたのですが、残念ながら番組内で紹介された上記のデータや友人達からの反応に対して、有効的に反証できるだけの客観的なデータとエビデンスが私には一切ありませんでした。
残念なことに、日本における男尊女卑・女性蔑視の酷さは、ネットで簡単に検索できる国際的データにも如実に現れてしまっています。例えば世界経済フォーラムが毎年発表する「ジェンダーギャップ報告書」2017年で、144ヵ国中日本は114位という例年通り低いランキングで、(韓国を除けば)日本より下位にはいわゆる途上国かイスラム教国しかありません。とりわけ日本の女性の政治参加は、先進国としてはあり得ないほど低い世界123位。時々これらの指標や方法論を批判する意見を目にしますが、それらに代替する枠組みとして世界各国が納得できる指標や方法論を提示できないのであれば、単なる「負け犬の遠吠え」でしかありません。
このような客観的なデータとエビデンスがある限り、BBCドキュメンタリーを見て驚愕した世界各地の視聴者も「あらあら、こんなデータがあるんじゃね、さもありなん」と益々納得して終わってしまうだけです。逆に読者の方々の中で、(基礎教育レベルでの就学率・識字率と平均余命以外の分野で)日本が男女平等の面で国際的に比較して秀でているというデータやエビデンスをご存知の方は、出典と指標と方法論を併せてぜひコメント欄で教えて頂けませんか?日本の名誉挽回を目指して、世界に向けて英語で発信させて頂きたいです!
実を言うと、これらの一般的なデータや事実だけでなく、私自身が日本で又は日本人男性から受けてきた経験に基づいても、番組の内容に有効的に反論する材料が全くありませんでした。
私は22歳まで日本の私立の女子校で教育を受けましたが、ロリコン男性が好むような「カワイイ」制服だったことと、片道1時間半以上かけて満員電車で通学していたので、ほぼ毎日ずっと痴漢行為を受けていました。あまりに日常的に起きるので、満員電車に乗る際には大きめの安全ピンを手に用意することが当たり前になり、電車のどの位置に立ってカバンをどういう風に持つと痴漢されにくいのかをマスターしてしまうほどでした。
大人になった今、特に国際社会の常識を踏まえて振り返ってみれば、そのようなサバイバル術の習得を少女に強いる日本社会は完全に異常としか言いようがありません。
社会人になってからも、日本人の男性先輩職員から仕事関連を口実あるいは脅迫に近い形で性的に迫られたことも幾度としてあります。このブログを読んで下さっている女性のほとんどが少なくとも一度はこのような経験をしたことがあるはずですが、これらの痴漢行為や性的脅迫について、報復への恐怖や世間体から今まで黙っていた私自身についても、番組を見て反省させられました。
日本語では殆ど目にしませんが、英語では「不正義が行われいる時に黙っていたり中立を保とうとするのは、不正義に加担しているのと同罪」という名言がよく引用されます。 
「沈黙は金」ではなく「沈黙は悪」なのです。
その一方で、極めて残念ながら完全に間違った方法、日本の国際的評判を更に貶めるような方向で「沈黙を破っている」人達がいます。
番組内でとりわけ印象に残ったのが杉田水脈議員の発言です。まだ司法府において民事訴訟係属中の個別案件の原告について、立法府の議員が公共の場で具体的かつ否定的なコメントを述べたばかりでなく、何ら国際比較指標に基づかないまま「日本の警察は世界で一番優秀です!」と主張する様子は、一言一句、番組制作側の思う壺、完全なオウンゴールでした。杉田議員によれば「発言が部分的に切り取られた」そうですが、この手のドキュメンタリー番組で制作側がインタビュー中の発言を全て流さないのはいわば当然。(私自身もメディアには度々インタビューを受けていますが)杉田議員ご自身のロジックに則れば、発言のどこの部分を切り取られても問題ないように発言するのが「公人としてスキルの一つ」でしょう。
せっかく日本における非常に数少ない女性国会議員が世界トップレベルのメディアに登場し、日本の性犯罪対策や男女平等政策の素晴らしさについて世界に向けて宣伝する絶好の機会だったのに、全く逆の効果しかもたらせなかったのは、「日本の国益の推進」という観点から私自身非常に悔しく感じました。
更に墓穴を掘っているのが、番組放映後の一部の反応です。上で紹介した#JapansSecretShameというハッシュタグやBBC Japanのtwitterアカウントにぶら下がっているコメント欄を見ると明らかなのですが、このドキュメンタリーを紹介するツイート、それを支持するツイートに対して、一部の日本人とみられるアカウントから「フェイクニュースだ!」とか「日本に対する侮辱だ」とか「名誉棄損で訴える!」とか、番組制作者を個人的に攻撃するような感情的で非論理的な反応が多数送られているのです。
このBBCドキュメンタリーに対する唯一の有効な反論は、番組内で紹介された日本の性被害犯罪対策や男女平等が立ち遅れていることを示すデータが間違っていること、あるいはそれが急激に改善されていることを証明する数値とエビデンスを示すことです。感情的な反応は「あらあら、こんな酷いコメントがあるんじゃね、さもありなん」と、かえってBBC番組制作側の意図するドツボにはまっていくだけ。もっと言えば、そのような反応をしている人自身が知性も教養も品位もないということを自己証明するだけです。
日本にとって「恥の上塗り」でしかありません。
今回のBBCドキュメンタリーは、日本の性犯罪対策が著しく立ち遅れていることだけでなく、もっと根本的で構造的な「日本の恥」を鋭く指摘し暴露したように思います。
日本のジャーナリストには、このような筋骨あるドキュメンタリーを作る能力も気力も無いのでしょうか?
日本は「ガイアツ」が無いと自律的には何も変われないのでしょうか?
日本人男性は、女性に対する蔑視・差別・抑圧の上に胡坐をかき続けないと自分達の立場を守れないのでしょうか?
日本社会は、強者におもねり、弱者を虐げることが当たり前なのでしょうか?
日本はいつまでこのような構造的な恥を世界に晒し続けるのでしょう?
変えるも変えないも、私たち一人一人の日々の行動と選択にかかっています。


性被害 BBCの詩織さん番組で「女として落ち度」言及 杉田水脈議員に批判
 実名で性暴力被害を訴えているジャーナリストの伊藤詩織さんを描いた英国の公共放送BBCの番組が反響を呼んでいる。番組内で自民党の杉田水脈(みお)衆院議員=比例中国ブロック=が、伊藤さんについて「女として落ち度があった」などと語り、多くの批判がソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)に投稿されているのだ。【大村健一、中村かさね/統合デジタル取材センター】
 番組は「Japan's Secret Shame(日本の秘められた恥)」という約1時間のドキュメンタリーで、6月28日に放送された。伊藤さんが現場のホテルを再訪した時の様子、性暴力被害者の話を聞いたり、被害者の支援体制について内閣府男女共同参画局の担当者と話し合ったりする場面などを取材した上、関係者にインタビューして日本の性暴力被害者やその支援の現状を伝える内容だ。
 放送やインターネットでの配信は英国内に限られ、日本では未公開だが、概要がBBCの日本語サイトに掲載されている。
 伊藤さんは2015年4月、TBS記者だった山口敬之さん(現フリージャーナリスト)と飲食中に意識を失い、ホテルで性的暴行を受けたと主張。刑事告訴したが、東京地検は16年、山口さんを不起訴処分とし、伊藤さんの申し立てを受けた検察審査会も昨年9月に不起訴相当と議決した。現在は山口さんを相手取り、1100万円の損害賠償を求める民事訴訟を起こして東京地裁で争っている。
 一方の山口さんは「法に触れることは一切していない」と主張している。月刊誌「Hanada」の2017年12月号に寄稿した手記では、伊藤さんは泥酔しており、意識を失ったのではなく「アルコール性健忘」で、「(伊藤さんの)勘違いと思い込みが行政と司法に粛々と退けられただけ」などと記している。
「意図と違う」と杉田議員
 BBCの番組は、伊藤さんへの中傷がネット上で広がったことを紹介した後、杉田議員のインタビューに移った。批判が集中しているのは、杉田議員が次のように語った部分だ。
 「彼女の場合は明らかに女としての落ち度があった。男性の前でそれだけ飲んで記憶を無くした」
 「社会に出て女性として働いていれば嫌な人からも声をかけられる。それを断るのもスキル」
 「(伊藤さんが)うその主張をしたために、山口氏の方がひどい被害を受けたのではないか」
 これに対してツイッターには「レイプやセクハラが横行する日本社会を変えようと思わないのか」「日本は男尊女卑が当たり前と宣伝しているも同然」などの批判が多数投稿された。また、「#JapansSecretShame」というハッシュタグをつけて感想を発信する人もおり、海外からの「日本で性的な被害を受けた女性が直面する現実はショッキングなものだった」など、英語の投稿も多い。
 こうした反響に、杉田議員も6月30日にツイッターで「なぜ私が伊藤氏の証言よりも山口氏の証言が正しいと思うのか? それは、政治の利害が一致するとか友達だからではなく、司法の判断に従ってのことです」と説明した。ただ、一般的には司法とは裁判所のことを指す。検察は司法手続きを担うとはいえ、行政の一機関だ。
 毎日新聞が改めて杉田議員に見解を求めたところ「今回のインタビューは2時間以上の長時間にわたるもので、その全体像を見ていただければ意図と違うことをご理解いただけると思います」と事務所を通じてメールでコメントした。公式サイトには「インタビューの映像はこちら側で全て記録しています」と記し、公開も検討しているという。
「被害者の素行を問うような態度は問題」
 ただ、批判の的になったのはそれだけではない。
 BBCの番組には、杉田議員が長尾敬(たかし)衆院議員=自民党、大阪14区=らとネット配信の番組に出演し、「枕営業大失敗」と書かれた伊藤さんをモチーフにしたと思われる女性のイラストを大笑いするシーンも出てくる。
 これも「あそこまで喜々としてセカンドレイプを加えるのは恐ろしい」などとSNSに投稿された。セカンドレイプとは、性暴力の被害を訴えた人に、重ねて精神的な苦痛を与える行為のことだ。
 これについて杉田議員は毎日新聞の取材に「イラストを見て笑っているように編集されていますが、実際には違う部分で笑っている映像をつなげたものです」と反論した。
 しかし、記者がそのネット番組を確認したところ、杉田議員が笑ったのは確かにイラストが出された直後ではなかったが、その後、別の出演者が「実際は(この件で伊藤さんは注目を集めたので)枕営業は失敗ではなく大成功」などと伊藤さんを揶揄(やゆ)し、それについての会話が続く中でのことだった。
 東京大政策ビジョン研究センター講師の三浦瑠麗(るり)さんも杉田議員の発言をツイッターで批判した一人だ。三浦さんは6月30日に「仮に財布がズボンのポケットからはみ出て気をつけてないうちにスられたとしても、窃盗は窃盗です」と投稿している。
 「立法に携わる国会議員の発言として問題がある」と毎日新聞の取材に三浦さんは話す。「酒で意識を失った女性が性交させられれば、準強制性交等罪(旧準強姦=ごうかん=罪)に当たる。加害者ではなく被害者の素行を問うような態度は『女性が男性の前で酔っぱらったら何をされても仕方ない』という誤解を広めてしまう。杉田さんの発想の根底には、男性に対して強く自己主張する女性への嫌悪感があるように思います。女性によるミソジニー(女性嫌悪)と言えるかもしれません」