ブログネタ
フランス語 に参加中!
svo61

Japon Non, la ville d'Iga n'a pas besoin d'apprentis ninjas
Une ville japonaise croule sous les candidatures après une fake news affirmant qu'elle recherche des combattants pour attirer les touristes.

La ville japonaise d'Iga a démenti mercredi être à la recherche d'apprentis ninjas, ces fameux combattants nippons, après avoir été submergée de candidatures découlant d'une ≪fake news≫ circulant sur internet. Bien que souffrant d'une baisse de population, à l'instar de nombreuses localités régionales nippones, Iga (ouest) n'est pas en mal de ninjas.
Le quiproquo découle de la diffusion d'un reportage sur la radio américaine NPR expliquant qu'Iga, qui tente d'attirer les touristes en vantant son passé de cité des ninjas, avait du mal à trouver du personnel pour le nouveau musée qu'elle veut leur consacrer, y compris des artistes capables de réaliser les prouesses de ces fins tacticiens du combat.
≪Fausse information≫, répond la municipalité, qui s'est fendue d'un communiqué en plusieurs langues démentant catégoriquement non seulement un plan de recrutement de futurs ninjas mais aussi les salaires mirobolants présentés sur internet.
Au moins 115 individus de 14 nationalités différentes avaient déjà postulé, emballés par cette fausse annonce qui a fait comprendre au maire d'Iga que le mot ≪ninja≫ avait à lui seul déjà beaucoup de pouvoir. (afp/nxp)
フランス語
フランス語の勉強?
伊地知紀子 @chejusaran
昨夜都内の大学に勤める友人によると、文科省は各大学に、2020年東京オリンピックへの学生ボランティア供出用に年間スケジュール(授業開講も含めて)の変更要請しているとのこと。すでに嬉々として応じている大学があるらしい。都内だけかもしれないが、何を目指しているのか、大学は自問してほしい。
盛田隆二 @product1954
◆BBC、アルジャジーラに続き、CNNも大きく報じた
杉田水脈議員は「LGBTは非生産的。税金を使うのは適切ではない」と雑誌に寄稿し、批判を招いたこと。安倍首相の出身派閥に属していること。さらに彼女のヘイト発言も過去に遡って批判している。日本のメディアは範とすべし!
想田和弘@KazuhiroSoda
それにしても、涼しい秋ではなく灼熱の真夏にオリンピックを行わなくてはならない理由が、「秋だと米大リーグなどスポーツイベントが目白押しで、テレビ放映権を買った米テレビ局NBCが放送枠を確保しにくいから」というのは現代社会の転倒ぶりを象徴しすぎているな。何かがおかしいよ。

1日券で磯まで出かけました.要するに海です.でも水着は持ってこなかったので足だけ.気持ちいいです.でも砂浜は熱い.ガマンして歩きました.
今度は天文館.いきなりあのお店に行ってみました.なんと6ちゃんがありました.ちょっと悩んで買うことにしました.ランチはグルメ通りでステーキ.テーブルに塩コショウだけでなくワカモトとかあってビックリですが確かに食べ過ぎてしまいますね.
中央駅のビックカメラに行って買い物をして,気になる書店まで移動.歩いてすぐかと思いきや結構あってクタクタ.晩はパエリアでおいしかったです.

<気仙沼向洋高>「仮」の学びやに感謝、別れ 校舎閉校式
 東日本大震災の津波で被災し、気仙沼市九条の仮設校舎で授業を続けてきた気仙沼向洋高(生徒354人)で24日、校舎の閉校式があった。宮城県内の高校のうち仮設校舎で全授業を行っていたのは、同校が最後。生徒たちは夏期休暇後、同市長磯牧通の新校舎に学びの場を移す。
 体育館であった閉校式で佐藤浩校長は「愛着ができた校舎での生活も今日が最後。校舎、地域への感謝を胸に刻んでほしい」とあいさつ。3年で生徒会長の鈴木勇汰さん(17)が「数々の思い出ができた校舎で過ごした日々を忘れず、新しい校舎で勉強や部活に励みたい」と誓った。
 式終了後、生徒たちは校舎周辺の住民に別れと感謝を伝えるためのあいさつ回りをし、道路の清掃活動も行った。
 同市波路上にあった旧校舎は最上階の4階まで浸水。生徒たちは2011年11月から、約8キロ離れた気仙沼高第2グラウンドに建てられたプレハブの仮設校舎で学んできた。旧校舎は市が震災遺構として保存する。新校舎での授業は8月24日に始まる。


<気仙沼向洋高>仮設校舎閉校式 プレハブの苦労思い出に
 気仙沼向洋高の仮設校舎の閉校式があった24日、生徒たちは不便さを感じながらも青春の一ページを刻んだ学びやとの別れを惜しみ、世話になった地域住民に感謝の思いを伝えた。
 6年8カ月に及んだプレハブ仮設校舎での学び。授業を受けた生徒は計1150人、仮設校舎だけで学校生活を送った生徒は計577人に上る。
 生徒たちは苦労を重ねてきた。3年の前田悠寿(ゆうじ)さん(17)は「壁が薄く、隣の授業が聞こえてきた。黒板にチョークで書く音もうるさかった」と語る。夏は暑く、冬は寒い。壁や机にカビが発生することもしばしばあったという。
 大半の運動部は、他校や公共の施設などを借りて活動してきた。約3キロ離れた気仙沼西高(気仙沼高と統合)のグラウンドで練習を重ねた野球部3年の千葉凜平さん(18)は「移動は大変だった。みんなで励まし合って頑張ることができた」と振り返る。
 閉校式後、生徒たちは校舎周辺の約250戸を訪ね、実習で作ったサンマの缶詰を配った。「九条地区の皆さまが温かく迎えてくれたことは絶対に忘れません」とメッセージを添えた。
 学校から70メートル離れた場所に自宅と事務所がある行政書士の熊谷功さん(74)は同校の卒業生。登下校時にあいさつをしてくれる後輩たちを頼もしく思ってきた。「生徒たちが地域を明るくしてくれた。新校舎で羽ばたく姿を期待したい」とエールを送った。
 新校舎での授業は8月24日に始まる。2年の白幡有菜さん(16)は「文化祭に来て、盛り上げてくれたりした地域の方々には本当にお世話になった。仮設校舎の生活は快適ではなかったけど、この場所を離れるのは寂しい」と話した。


津波から無傷で生還 奇跡の馬元気な姿再び 馬術場再開し7年4ヵ月ぶり
 仙台市若林区の海岸公園馬術場で、東日本大震災の津波から無傷で生還した馬2頭が元気な姿を見せている。被災後は奈良県の乗馬クラブなどにいたが、今月8日の馬術場再開に合わせて7年4カ月ぶりに戻ってきた。管理責任者の木幡良彦さん(53)は「復興のシンボル。多くの市民と触れ合ってほしい」と願う。
 帰ってきたのはキャンディ(15歳)とフォレスト(22歳)。震災前と同じく初心者向けの乗馬体験、子どもを乗せる引き馬として活躍している。
 2011年3月11日、10メートルを超える津波が厩舎(きゅうしゃ)、管理棟などを破壊した。スタッフと利用客は間一髪で内陸部へ逃れたが、厩舎に残した馬54頭の生存は絶望的とみられた。
 翌12日、木幡さんは若林区下飯田の仙台東部道路西側で1頭の馬を発見。顔や特徴的な金色のたてがみから、すぐにキャンディと分かった。「無事だったのか」と思わず抱き寄せた。
 木幡さんは、津波で体が浮いたキャンディは2、3キロ先の東部道路まで流されたと推測する。道路の下をくぐり抜け、がれきで負傷することもなく奇跡的に生還した。
 フォレストは13日に厩舎近くで発見された。「津波が引くまで、ずっと浮いていたのかもしれない」と木幡さんはみる。スタッフ総出で周辺1、2キロの範囲を捜索し、2頭を含む計35頭を救い出した。
 津波で犠牲になったのは19頭。大量の流木や土砂に埋もれて身動きが取れなくなったり、ひづめの幅より狭い柵の間に足が挟まれたりしたケースがあった。
 馬術場を指定管理する「乗馬クラブクレイン」(大阪府)は、震災で死んだ全ての馬の「哀悼の碑」を場内に建立し、仙台市に寄付した。
 木幡さんは「生死を分けたのは『運』としか言いようがない。生き残った35頭は奇跡の馬。その象徴がキャンディとフォレストだ。ぜひ馬術場に遊びに来て、触れたり乗ったりしてほしい」と語った。
 開園は午前9時〜午後5時。火曜定休。連絡先は022(349)5038。


転換期の被災地経済/ポスト復興へ柔軟な支援を
 東日本大震災の発生から7年が過ぎ、東北の被災地経済が転換期に入っている。復興需要はほぼ収束し、小康状態が続いていた企業倒産は増加に転じた。ポスト復興をどう乗り切るか。被災地の企業は正念場に立っている。
 東北の上場企業の2018年2、3月期決算は明暗が分かれた。製造業は好調な輸出を背景に堅調、小売業も持ち直しの兆しを見せた。一方、被災地経済をけん引してきた建設業は復興事業がピークアウトし、次期予想で減収や減益を見込む企業が相次いだ。
 東京商工リサーチ東北支社がまとめた17年度の企業倒産状況(負債額1000万円以上)によると、倒産件数は前年度比1.2%増の334件。300件台という12年度から続く記録的な低水準は維持したものの、2年連続で前年を上回った。
 東北支社は「復興需要の収束や人手不足で経営環境は変化している。特に中小企業は影響を受けやすい。倒産が緩やかに増加する不安がある」と警鐘を鳴らす。
 企業の休廃業・解散も目立つ。帝国データバンク仙台支店の調べでは東北6県の17年度の件数は1674件で、倒産の5倍に上った。386件で最多だった福島県は倒産の約7倍。建設業が3分の1を占め、東京電力福島第1原発事故に伴う除染作業の縮小が影響したとみられる。
 仙台市を除く被災地はいま、本格的な人口減少局面にある。需要の先細り感は強く、新規投資に二の足を踏む中小・零細企業は多い。加えて人手不足は改善の見通しが立たない。業界内の競争は激烈で、賃金上昇圧力が企業の体力を奪っている。
 震災前から被災地は高齢化と人口減で需要が減退し、地域経済は縮小の一途をたどっていた。復興特需という特殊要因が企業を生きながらえさせたことは否めない。中小企業への返済猶予など手厚い金融支援もまた、カンフル剤になってきた。
 6月にあった宮城県内の被災企業の株主総会では、株主が復興需要や補助金頼みの経営を批判し、経営者の認識をただす場面があった。被災地に漂う行き詰まり感は、企業の持続戦略と政策の限界の表れとも言える。
 ポスト復興を見据えた産業政策と経営戦略の再構築は喫緊の課題だ。産業構造の転換、新産業の創出といった中長期的なテーマは既に語られている。いま必要なのは、需要減と人手不足に対応する労働生産性の向上や事業承継の促進といった、企業が個別に抱える難題に柔軟に対応した政策支援だろう。
 好調が続く国内景気は踊り場にあるとの指摘がある。後退局面に入れば最初に影響を受けるのは地方であり、体力の乏しい被災地だ。自助には限界がある。経済を含む復興政策に死角はないか。早急な検証と実行が求められる。


<西日本豪雨>職員派遣早期復旧に貢献 仙台市長 支援「対応スムーズ」
 郡和子仙台市長は24日の定例記者会見で、西日本豪雨で被災した岡山県総社市、愛媛県宇和島市、広島県海田町への職員派遣に関し「東日本大震災の経験で導き出した知見を伝えるのは責務の一つ。被災地の早期復旧に一定程度貢献できたと評価している」と述べた。
 市は3月に策定した災害時応援計画に基づき応援本部を設置。罹災(りさい)証明発行や災害ごみ処理の支援で24日までに計68人、延べ307人を派遣した。
 郡市長は「先遣隊の派遣や被災地の支援ニーズ把握、応援職員の人選をスムーズに進められた」と語り、応援態勢を素早く築けたとの認識を示した。
 総務省の応援職員確保システムで、支援先を決めた対口支援(カウンターパート)方式に対し「被害が広範で遠方からの支援も必要だった。道筋を作ってもらったのはいいことだ」と評価した。
 20日に成立したカジノを含む統合型リゾート施設(IR)整備法に関連し、市内へのIR誘致は「庁内では議論していない」と述べた。ギャンブル依存症への対応や住民の合意形成などについて「十分だったのか」と疑問を呈した。


記録的猛暑  「災害」レベルの対応を
 災害と認識している−。気象庁の異例の警告と言ってもよいだろう。このところの猛暑である。
 23日に埼玉県熊谷市で国内最高の41・1度を観測した。
 7月中旬(11〜20日)の平均気温は平年に比べ、関東甲信で4・1度、近畿で3・4度高くなっている。統計を取り始めた1961年以降では最も暑い10日間だ。
 記録更新はこれだけではない。
 総務省消防庁によると、16〜22日の1週間に熱中症による全国の救急搬送者は約2万2千人にのぼり、集計を始めた2008年以降では最多となった。このうち死亡したのは65人で、昨年(5〜9月)の48人を1週間で上回った。
 気が重くなるのは、この暑さがさらに続きそうなことだ。気象庁は「命の危険がある暑さ」と言っている。厳重な警戒が必要だ。
 日常生活にも影響が出ている。観測史上初の40度超えした東京都内では、夏休みに小学校の屋外プールの使用中止を決めた自治体もある。高温の中での運動と、登下校の安全を考えたという。
 工場の従業員に氷やスポーツ飲料を支給したり、猛暑を理由にした在宅勤務を認める企業もある。
 京都では祇園祭の花傘巡行が暑さを考慮して取りやめになり、高校野球の地区大会も気温のピーク時を避け、試合開始を遅らせた。
 もはや異常事態である。当たり前と思っている習慣も状況に応じて見直し、体調を崩す人が出ないよう万全の配慮をしてほしい。
 この猛暑は、日本上空に太平洋高気圧とチベット高気圧が居座って雲ができにくく、直射日光が地表を熱しているためという。
 異常な高温が続いているのは日本だけではない。7月に入り、米国カリフォルニア州で52度、ロサンゼルス郊外で48・9度に達したほか、アルジェリアのサハラ砂漠では51・3度を観測した。
 北欧の北極圏でも30度超えを記録し、スウェーデンでは約50カ所で森林火災が報じられている。
 世界気象機関(WMO)は、個別の異常気象がすべて気候変動の結果とはいえないとしながらも「温室効果ガスの濃度上昇による長期的な傾向に合致している」と述べている。だとすれば、夏の猛暑はこれからも続く可能性がある。
 暑さ対策を念頭に、まちづくりを見直す時期ではないか。特に市街地では、路面温度を抑制する舗装や、日差しを和らげる街路樹を大幅に増やしてはどうだろう。
 猛暑を「災害」と言うなら、地震や台風に準じた備えが必要だ。


西日本豪雨・避難情報 行動につながる伝達を
 政府はきのう、西日本豪雨を激甚災害に指定することを閣議決定した。被災自治体の復旧事業への国の補助率を通常より引き上げる。被災者が一刻も早く元の生活に戻るためにも、土砂で寸断した道路などインフラの復旧作業は急務である。
 同様に急がねばならないのが災害時の情報伝達についての検証だ。台風が来れば、地盤の緩んだ被災地では少しの雨でも土砂崩れや河川の氾濫、ため池の決壊が懸念される。国や自治体はインフラ復旧と併せ、情報を住民の命を守る行動にどうつなげるか知恵を絞る必要がある。
 西日本豪雨で、最も多くの犠牲者が出た広島県では、亡くなった人の6割以上が自宅や敷地内で被災していたことが判明した。避難の準備をしていた際に土砂崩れや浸水に遭って命を落としたようだ。自宅以外でも、避難の途中に巻き込まれ、犠牲になった人が少なくない。広島では4年前の土砂災害でも避難情報の伝達が課題に挙がった。教訓は生かされたのだろうか。
 近年、国内では多数の犠牲者が出る豪雨災害が相次いでいる。警報や避難勧告などの情報は、結果的に空振りになってもできるだけ早めに―との意識は高まっている。ただ余裕を持って発信されたとしても、それがきちんと住民に届いていたのか。もし届いていたとしても命を奪うような差し迫った危険がどれほど伝わっていたのか。きちんと検証すべきだ。
 大規模浸水した倉敷市真備町では「避難指示を伝える防災無線が複数のスピーカーで流れ、音が重なり聞き取れなかった」との声も上がる。ほかの被災地でも、無線が聞こえなかった、気付かなかったという住民の声が多数報じられている。スマートフォンなどを持たない高齢者は緊急情報などを把握できていなかった可能性も指摘される。
 沼田川の氾濫で広域浸水した三原市本郷町では、上流にある広島県営の二つのダムで放流量を増やしていた。県から市へ事前連絡はあったが、住民には伝わらなかったようだ。愛媛県の肱川(ひじかわ)のダム放流でも、浸水被害で犠牲者が出た大洲市が住民に避難指示を出したのは、放流の5分前という。伝達に不備があったとすれば看過できない。
 国は、避難勧告や指示の判断基準となるガイドラインを見直す方針という。だが見直すだけでは意味がない。「伝えた」と「伝わった」は違う。防災無線、ラジオ、テレビ、インターネットといった多様な媒体を駆使し、情報を受け取る住民の視点に立った伝達方法を考えなくてはならない。
 昨年の九州北部の豪雨で甚大な被害が出た福岡県朝倉市では気象や河川水位など複数の災害情報を、モニターに一覧表示できる最新鋭のシステムを導入した。リアルタイムで建物ごとの危険度まで分かる。高齢者や妊婦ら支援を必要とする人がいる家を地図上に表示し、市が直接電話して避難誘導することも可能という。こうしたシステムを全国で共有できないだろうか。
 被災地では、気象庁が「災害」と表現する猛暑が続く中、今も行方不明者の捜索や大量の土砂を取り除く作業が続いている。政府は、このような災害がほかでも起き得ることを念頭に、情報伝達の精度を上げる対策に力を注ぐべきである。


新たな災害として備えを/熱中症対策
 日本列島で続く記録的な猛暑は、気象庁が「命の危険がある暑さ。災害と認識している」と表明する水準に達した。未体験の暑さは、高齢者や子どもなど、体温調節機能が弱い「熱中症弱者」にはまさに命取りとなる。厳重な警戒が必要だ。
 長期的には地球温暖化の影響で、異常な高温の増加が予想されている。その上日本は世界でも例のないスピードで高齢化が進む。今年の猛暑を一過性の異常気象と受け止めるのではなく、深刻な健康被害をもたらす新たな災害と捉え、社会の継続的な備えを強化すべき時期に来ている。
 気象庁によると、連日の暑さは、日本上空に重なるように張り出した太平洋高気圧とチベット高気圧が居座っていることによる。内陸部ではフェーン現象も加わり、23日には埼玉県熊谷市で41.1度と国内最高気温を記録した。この暑さは、少なくとも8月上旬まで広い範囲で続くと同庁はみる。県内も、25日ごろから最高気温が30度以上の日が続くとみられている。
 熱中症の救急搬送数も記録的だ。総務省消防庁によると今月16〜22日の1週間に全国で過去最多の2万2647人(速報値)が搬送された。死者は28府県で65人。昨年の死者数を1週間で上回った。
 本県は、死者こそ出ていないものの、同期間の救急搬送数64人のうち高齢者が34人。発生場所別では30人が住居内だった。また、2017年6〜9月の救急搬送数でも、341人のうち7月だけで277人と突出し、しかもその半数以上が高齢者だった。
 一方、救急搬送されるのは熱中症患者の一部だ。日本救急医学会がかつて、全国の医療機関の診療報酬明細書を分析したところ、夏季4カ月間の熱中症による救急搬送者数が約5万9千人だった2013年には、約40万人が熱中症関連の症状で受診していたことが明らかになった。今年の患者数がこれを大きく上回ることは確実だろう。
 高齢者は全身に占める水分の割合が低く脱水になりやすい上、暑さや喉の渇きを自覚しにくく、体に熱をため込みやすい。自ら予防する力に限界がある熱中症弱者の発症を防ぐには、周囲の見守り力が問われている。1人暮らしの高齢者が増え、高齢世帯の孤立化も加速する中での熱中症の増加は、社会が抱える弱点を私たちに突き付けているとも言える。


猛暑災害 犠牲者出さないために
 記録的な猛暑が日本列島を覆っている。熱中症で死亡する例が後を絶たない。
 気象庁は高気温に関する異例の記者会見を開き、「命の危険がある暑さ。災害と認識している」と表明した。8月上旬まで猛暑が続く見通しとなっている。
 異常な暑さは、人命に関わる深刻な自然災害に当たると受け止めていく必要がある。学校、職場、地域など、あらゆる場面の活動で暑さ対策の発想を災害対応に切り替え、犠牲者を出さないよう本腰を入れたい。
 総務省消防庁がまとめた速報値によると、22日までの1週間に熱中症で搬送された人は全国で2万2647人。2008年の統計開始以来、最多となった。うち65人が死亡した。県内では425人が運ばれ、3人が亡くなった。
 学校での活動中に熱中症になるケースが相次いでいる。愛知県豊田市では、校外学習から戻った小学1年の男児が熱中症の中でも重い熱射病で死亡した。宮城県名取市では、小学校の校庭で人文字の航空撮影を終えた児童が相次いで救急搬送された。
 子どもは体温調節機能が未発達で大人より熱中症になりやすい。前例が通用しない気象条件と考えて、学校行事には中止も含めた慎重な対応が求められる。中学や高校の部活動なども同様だ。
 開幕まで2年となった2020年東京五輪は、猛暑への懸念が深まっている。競技時間の前倒しや涼む場所の整備といった対策が挙がっている。十分かどうか。生命に関わる状況下で競技はできない。入念な検討が必要だ。
 7月中旬の平均気温は関東甲信地方で平年より4・1度高く、1961年の統計開始以来、最高だった。埼玉県熊谷市では最高気温が41・1度を記録し、国内最高を5年ぶりに更新した。
 気象庁によると、今年の暑さは、偏西風が平年より北のコースをとったため、太平洋高気圧とチベット高気圧が日本付近に重なって張り出したことが理由という。
 猛暑は今年に限らない。長期的な地球温暖化と関係があるとの見方が有力だ。環境省などが今年2月に出したレポートは、日本の平均気温は最悪の場合、今世紀末には20世紀末と比べ3・4〜5・4度上昇すると予測している。猛暑日も増えるとみている。
 温暖化は、水蒸気量の増加を通じ大雨の多発をもたらすとの指摘もある。7月は西日本豪雨にも見舞われた。気候変動がもたらす深刻な影響を再認識すべきだ。


猛暑列島  “災害”ととらえ対策練れ
 「一つの災害と認識している」。日本列島で続いている猛烈な暑さについて、気象庁はこう警鐘を鳴らす。熱中症の疑いで救急搬送される人が相次ぎ、多くの死者も出る深刻な事態となっている。暑さはさらに続く見通しだ。一人一人が体調管理に努めて乗り切りたい。
 日本の上空では太平洋高気圧と、中国大陸から張り出したチベット高気圧が居座ってきた。ダブル高気圧にすっぽり覆われた形で、高気圧からの下降気流や直射日光で気温が上昇した。
 23日には埼玉県熊谷市で、国内最高気温を更新する41・1度を観測。東京都内も初めて40度超えとなった。24日も多くの地点で最高気温が35度以上の「猛暑日」となり、岡山市では38度を超えた。
 総務省消防庁が公表した速報値によると、16〜22日の1週間に熱中症の疑いで救急搬送されたのは、全国で2万2647人に上る。集計を開始した2008年以降では最多で、60人以上が死亡した。
 熱中症は、暑さで体温を調節する機能が働かなくなって起きる。重症になれば意識障害などをもたらし、死に至ることもある。防止策としては炎天下での運動を避け、こまめに水分や塩分を補給する。エアコンの活用も有効だ。
 目につくのが、高齢者が亡くなるケースである。体温調節機能が低下し、暑さやのどの渇きを感じにくいから本人が知らない間に重症化することもある。体を冷やすことへの抵抗感や、エアコンを節約するなどの節電意識が悲劇をもたらしたとすれば残念なことだ。
 炎天下でも作業せざるを得ない西日本豪雨の被災地も心配だ。頑張ろうとする意識が熱中症を引き起こしやすい。被災者もボランティアも無理をせず、休憩をきちんと取りながら作業を進めてほしい。
 今月中旬には愛知県豊田市の小学校で、校外学習から戻った1年生の男児が熱中症の中でも最も症状が重い熱射病で死亡した。身長の低い子どもは路面からの照り返しの影響を受けやすく、体温調節も十分でない。大人が細かく注意を払い、異変を見逃さないことが重要だ。
 夏場の屋外活動や部活動などがある学校現場では、これまでにない危機感を持って対策に取り組む必要がある。小中学校などへのエアコン設置促進が望まれる。
 異常気象が、もはや“まれ”でなく、“常態化”している現状では、こうした気象のリスクに対応する柔軟なライフスタイルの見直しが求められよう。
 異常気象の背景にある地球温暖化への対処も欠かせない。国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告書では、21世紀末には熱波や洪水などが世界を脅かす主要リスクになるとされている。温室効果ガスの排出削減へ向けた取り組みも進め、命を守る備えにしたい。


熱中症対策/新たな災害と捉え備えを
 日本列島で続く記録的な猛暑は、気象庁が「命の危険がある暑さ。災害と認識している」と表明する水準に達した。未体験の暑さは、高齢者や子どもなど、体温調節機能が弱い「熱中症弱者」にはまさに命取りとなる。厳重な警戒が必要だ。
 長期的には地球温暖化の影響で、異常な高温の増加が予想されている。その上日本は世界でも例のないスピードで高齢化が進んでいる。今年の猛暑を一過性の異常気象と受け止めるのではなく、深刻な健康被害をもたらす新たな災害と捉え、継続的な備えを強化すべき時期に来ている。
 気象庁によると、連日の暑さは、日本上空に重なるように張り出した太平洋高気圧とチベット高気圧が居座っていることによる。晴天が続いて強い日差しが照り付けたことに加え、2層構造になった高気圧からの下降気流が地表付近の空気を圧迫し高温をもたらした。
 内陸部ではフェーン現象も加わり、23日には埼玉県熊谷市で41.1度と国内最高気温を記録し、5年前に高知県四万十市で観測された41.0度を上回った。東京でも観測史上初の40度超えとなった。この暑さは、少なくとも8月上旬まで広い範囲で続くと同庁はみる。
 熱中症による救急搬送数も記録的だ。総務省消防庁によると、今月16〜22日の1週間に全国で過去最多の2万2647人(速報値)が搬送された。死者は28府県で65人。昨年の死者数を1週間で上回った。
 救急搬送されるのは熱中症患者の一部だ。日本救急医学会がかつて、全国の医療機関の診療報酬明細書を分析したところ、夏季4カ月間の熱中症による救急搬送者数が約5万9千人だった2013年には、約40万人が熱中症関連の症状で受診していたことが明らかになった。専門家はこの時点で既に「災害と呼ぶべき規模だ」と指摘していたが、今年の患者数がこれを大きく上回ることは確実だろう。
 炎天下での肉体労働や学校の集団行事、スポーツなどが危険なことはかなり知られてきた。熱中症への注意が呼び掛けられているときには活動を中止する、比較的涼しい時間帯に変更するなどの柔軟な対応が必要だ。また大人よりも身長が低い幼児は、地面から反射される熱の影響を受けやすいことも意識したい。
 高齢化が進む日本で特に注意を要するのは、住宅内での発症だ。高齢者では住宅での発症が半数を超えるという。
 高齢者は全身に占める水分の割合が低く脱水になりやすい上、暑さや喉の渇きを自覚しにくく、体に熱をため込みやすい。また、持病があることも多いため、日常生活の中で徐々に熱中症が進行し、周囲の人が異変に気付いたときには既に症状が悪化していることも多い。都市部では夜も気温が低下しにくいため、夜間も熱中症のリスクがあることを知っておきたい。
 熱中症は、高温を避け、水分と塩分をこまめに取ることなどで予防可能だが、自ら予防する力に限界がある熱中症弱者の発症を防ぐには周囲の見守り力が問われる。1人暮らしの高齢者が増え、高齢世帯の孤立化も加速している。地域や社会で効果的な予防策を考え、高温時の暮らし方を見直していく必要がある。


東京五輪開幕まで2年 “酷暑マラソン”に不参加続出の懸念
 日本列島はこの夏、「命に危険が及ぶ暑さ」が続いている。東京都心で5年ぶりに38度を超えた昨23日は青梅で40.8度。都内で40度以上を観測したのは初である。埼玉・熊谷ではついに、国内観測史上最高の41.1度に達した。各地で熱中症による死亡者が相次ぐ異常な事態である。
 BBCやワシントンポスト、ロイター通信などが、この殺人的な暑さを海外に伝え、きょうでちょうど2年後に迫った東京五輪(7月24日〜8月9日)を目指すアスリートたちが恐怖心を抱き始めている。想像を絶する暑さに関する情報をインターネットなどで収集しているそうだが、それも当然だろう。
 例えば、マラソンや競歩、トライアスロンなどの屋外競技の選手にとって、気温30度以上、湿度80%前後でのレースは命懸けといっても過言ではない。日本陸連強化委員長や専務理事、副会長を歴任した澤木啓祐氏(順大大学院スポーツ健康科学研究科特任教授)は、本紙にこう語っていた。
「リオ五輪を見ていて、8月の東京でマラソンや50キロ競歩をやったらどうなるのかということを考えました。死者は出なくても体へのダメージが大きく、競技生活に支障を来すことはあるかもしれない。例えば1995年8月の福岡ユニバーシアード大会のマラソンは気温29度、湿度90%、無風という条件で行われ、完走率は男子55%、女子70%でした。この結果、次のユニバーシアード大会から、ハーフマラソンに種目変更がなされた。95年の大会で病院に担ぎ込まれた選手は2リットルの点滴を受けて1日入院。退院後に聞いたのですが、レース中は湿度が非常に高く、体表の水分がまったく蒸発しないと言ってました」
 18日にスイスのローザンヌで開催された国際オリンピック委員会理事会で承認された五輪の競技日程は、男女マラソンのスタート時間を午前7時30分から7時に、競歩の男子50キロも午前7時30分から6時に変更された。
 が、男女マラソンがスタートする午前7時の東京都心の気温は30度を超える日がザラ。昨23日も6時40分の時点で30.6度あった。猛暑の現状を知った海外選手が、「メダルよりも命が大事」と不参加を表明することは十分に考えられる。
■「競技生活に支障をきたす」
 04年東京国際女子マラソン2位などの実績を持ち、07年世界陸上大阪大会6位の嶋原清子氏(現SWACスペシャルアドバイザー)も昨年、本紙のインタビューでこんな意見を述べていた。
「東京五輪ですから、世界の人に東京を知ってもらう良い機会です。でも、一番大事なことは選手の体です。秋以降の賞金レースが頭にある外国選手は厳しい夏の東京で健康を害することを懸念し、来てくれない可能性もある。そうなるとレースのレベルは下がります」 
 嶋原氏が言うように、海外選手の最大の狙いは賞金だ。例えば、夏季五輪直後の9月に開催されるベルリンマラソンの優勝賞金は7万ユーロ(約910万円)。世界記録更新なら5万ユーロ(約650万円)のボーナスが出る。1月に行われるドバイマラソンの優勝者は20万ドル(約2220万円)、世界記録で25万ドル(約2775万円)。世界最高峰シリーズ「ワールド・マラソン・メジャーズ」(東京、ボストン、ロンドン、ベルリン、シカゴ、ニューヨークシティー、五輪および世界陸上)の総合優勝者は50万ドル(約5550万円)を手にする。
 東京五輪でメダルを取れば一流ランナーなら契約スポンサーからボーナスも出るが、それで体を壊してしまえば競技人生はおしまいだ。「危険な東京五輪は回避して、秋からのレースに備える」という選手が続出しても不思議ではないのだ。
■「死人が出るかもしれない」
 酷暑の中でレースをする危険性に加えて、日本のマラソン界の今後を危惧するのはスポーツライターの武田薫氏だ。
「陸連関係者の間でも死人が出るかもしれないという声があるほど。例えばケニアの選手は具合が悪くなれば、その時点でレースを棄権するでしょう。けれども、日本の選手はそうはいかない。沿道は日の丸だらけ。頑張れ、頑張れという大声援の中、走るのをやめるわけにはおそらくいかないでしょう。91年9月に行われた世界陸上東京大会のマラソンは6時スタートでしたが、それでもレース後の選手たちはゲッソリしていた。レース自体が危険を伴ううえに、そもそもマラソンは夏の競技ではない。東京五輪の優勝タイムは2時間15分前後と予想されていますが、現在、2時間切りが注目されている競技です。陸連もマラソンが本来、夏の競技でないことは百も承知している。実際、世界陸上の83年ヘルシンキ大会、87年ローマ大会には当時、脂の乗っていた瀬古利彦も中山竹通も派遣していませんから。夏場のマラソンでは本来の力を出せるはずがないと分かっていたからです。なのに東京だからといって、目標を五輪に置くことはマラソン界の動きに逆行している。東京五輪が終わった後の日本のマラソンが心配です。場所も時間も決まった以上、その危険性やマラソン界の今後の問題点をいまから議論しておくべきだと思いますね」
 いずれにしても、東京五輪のマラソンは別の意味でかつてない注目を浴びるレースになる。


西日本豪雨 災害ごみ処理難航 長期化必須、広域対応も
 西日本豪雨で生じた大量の災害ごみは被災自治体の処理能力を超えており、問題解決の長期化は避けられない見通しとなっている。路上や学校、公園に山積みになったままの地域もあり、環境省も全容を把握できていない。2年かけて県外で処理した2016年4月の熊本地震などと同様に、環境省は自治体の枠を超えた広域処理を検討する。
 岡山県倉敷市真備町地区では、地区の27%にあたる約12平方キロが浸水し、泥水につかった家具や家電、生活用品、異臭を放つ生ごみなど、あらゆるごみが空き地や道路脇に積み上げられた。総量は7万〜10万トンと推定され、同市の伊東香織市長は記者会見で「市全体の1年分の家庭ごみに匹敵する」と表現した。
 市内や他自治体からごみ収集車計約70台が集まり、自衛隊も重機とダンプカー計約150台を投入。幹線道路の脇に積まれたごみは地区内6カ所の「1次仮置き場」に運び込まれた。このうち4カ所は学校の校庭。市や環境省は同市内の公園などを2次仮置き場とし、搬入を進めるが、全量を移す時期のめどは立っていない。
 災害ごみの処理を巡っては、大量の災害廃棄物(がれき)が生じた11年3月の東日本大震災でも問題になった。環境省は14年、想定する災害ごみの発生量や仮置き場候補地などを盛り込んだ「災害廃棄物処理計画」を作るよう全国の自治体に求めたが、全国の市区町村の計画策定率は昨年3月末現在で24%にとどまる。倉敷市は計画を策定していたものの、仮置き場については具体的に定めておらず、被災後に対応に追われた。
 災害ごみは、東日本大震災(約3100万トン)では東京都や大阪府などで3年かけて処理し、熊本地震(約300万トン)でも他県の協力を得て2年かかった。今回も数百万トンに及ぶとみられ、被災自治体だけでは解決は困難。自治体をまたいで最終的な処理場所を探す必要があり、環境省職員が岡山、広島、愛媛の各県に入り、県や市町村などに助言している。環境省は「他自治体との調整や、ごみ収集車の追加投入などで、できるだけ早くごみを処理したい」としている。【山口知】


西日本豪雨 災害ごみ量 広島県全体で約200万トン
 広島県は25日、西日本豪雨による廃家財や流木など災害ごみの量が県全体で約200万トンに上るとの推計を明らかにした。4年前の広島土砂災害時(約53万トン)の約4倍で、処理費用は約430億円が見込まれるという。
 県によると、市町別では大規模な土砂崩れが起きた呉市が最も多く、約72万トンで全体の37.2%を占めた。続いて坂町約31万トン(同16.2%)、広島市約24万トン(同12.3%)、東広島市約20万トン(同10.6%)−−の順で、3市1町で約76%を占めた。県はごみを仮置き場に一時保管後、来年12月までに広島港などに埋め立てたり焼却したりして県内で処分を終える方針。【東久保逸夫】


西日本豪雨 手話でも助けたい ろうあ連盟、ボランティア
 西日本豪雨で甚大な被害を受けた広島県で、耳が聞こえず手話で会話する聴覚障害者を、同じ障害がある人が支援する活動が始まった。県ろうあ連盟が運営するボランティアセンターが参加希望者を募り、被災者宅に出向いて片付けなどをしている。言葉の壁で支援が及んでいない被災者に、「聞こえなくても聞こえても、何かしたい気持ちは同じ」との思いが届き始めた。
 自宅が床上浸水に見舞われた坂町坂西の生田(おいた)照彦さん(70)方に24日、県内からボランティアの女性3人が集まった。互いに耳が聞こえない。「一度使ったタオルは消毒液の中に戻さないで」。手話での説明に、手のひらで胸をなで下ろす動作で「わかった」と答えた。
 この日、初めてボランティアに参加した宮本明三(あけみ)さん(49)は「何かしたかったけど、逆に邪魔になってしまうと、今まで踏み出せなかった」と明かす。「やってみると、作業は本当に少しずつしか進まない」と汗を拭った。
 豪雨の夜、生田さんは雨の音が聞こえなかった。携帯電話にメールで入る避難情報を気にかけてはいたが、7日午前5時ごろ、気がつくと自宅前の道路は川のようになっていた。近くに住む兄に避難を促され、膝まである水の中、妻功(のり)子さん(68)を支えながら高台の保育所まで歩いた。
 水が引いた9日、見にいくと、45年暮らした家が80センチほどの土砂に埋まっていた。「もうだめや」。避難所では会話ができるのは夫婦2人きり。生活支援情報を伝える防災無線は聞こえない。そんな中、連盟から派遣された手話通訳者が頼りになった。「きれいにすれば、気分も変わるかもしれん」と家の片付けを始めることにした。
 県ろうあ連盟によると、連盟の会員は県内に約700人おり、そのうち坂町と三原市で計3世帯が浸水被害に遭った。豪雨被害の実態が明らかになるのと同時に、会員から「ボランティアをしたい」とメールが届くように。だが、一般のボランティアセンターでは言葉の壁がある。連盟は18日からソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)でボランティアの希望者を募り、手話通訳者も同行させて現場に送ることにした。
 24日、手話で会話しながら片付け作業を進める坂町の生田さん宅。ボランティアが床下を消毒する間に生田さんは庭の土砂をかき出していた。同行した手話通訳者が、一度は土をかぶったアジサイから緑の芽が出ているのを見つけて指さすと、生田さんの顔がほころんだ。「もう捨てようと思ったけど、元気やね。慌てず、頑張ろうと思う」
 週末の21、22の両日には、坂町の別の被災者宅に県内外から計53人の聴覚障害者や手話ができる人が集まった。連盟の横村恭子さん(60)は「困ったことがあったら障害の有無にかかわらず助け合うのが当たり前」と支援の思いを強くする。今後は、相手の障害のあるなしにかかわらずボランティアを派遣し、支援の輪を広げていく。【蒲原明佳】


<山形大パワハラ>減給1万円 学生 保護者「軽すぎ」「前例になる」懸念の声
 山形大xEV飯豊研究センター(山形県飯豊町)のパワーハラスメント問題で、同大が加害側のセンター長の50代男性教授を1日分給与半減(減給額約1万円)とした処分について24日、学生、保護者から「軽すぎる」「再発防止にならない」と批判が相次ぎ、専門家には「久しぶりに聞いた」と驚きが広がった。パワハラでの懲戒処分は同大初となるだけに「前例となっていいのか」と疑問視する声もあった。
 「処分が軽く、同じことが繰り返されかねない」と心配するのは、人文社会科学部1年の男子学生(20)。工学部2年の女子学生(19)は「ハラスメント事案全般で、大学は極力隠そうとしている印象がある。父からも被害に遭ったら黙っていないで相談するよう言われている」と話した。
 センターは、成長分野のリチウムイオン電池の研究開発拠点。工学部1年男子学生の50代の父親は「大学は、研究をリードしてきたセンター長を手放したくないのでは」と推測した。
 「1日分給与半減の処分は最近、聞いたことがない」。広島大ハラスメント相談室の横山美栄子教授(社会学)は首をかしげ、「被害者が退職や心身の不調を訴えるまでになった場合はもっと重い処分となるのが普通。大学が踏み込んだ事実認定を行っていない印象だ」と話した。
 教職員間のパワハラによる懲戒処分は、教員から学生、大学院生へのアカデミックハラスメント(アカハラ)やセクシュアルハラスメント(セクハラ)に比べかなり少ない。
 同大では一昨年までの過去10年間で女子学生に肩をもませたり、性的な発言をしたりしたセクハラ行為などを理由に男性教員計5人を減給10分の1(3カ月)〜停職6カ月としている。
 複数のパワハラ訴訟を受任した経験がある長沼拓弁護士(仙台弁護士会)は「人格権の侵害という点でパワハラはセクハラと同じ類型」と説明。「今回の処分が前例になる影響も国立大学として考慮すべきだ」と指摘した。


君が代判決 強制の発想の冷たさ
 卒業式で君が代を歌わなかったから定年後に再雇用されない。その不当を訴えた元教諭の裁判は一、二審は勝訴でも、最高裁で負けた。良心か職かを迫る。そんな強制の発想に冷たさを覚える。
 もともと一九九九年の国旗国歌法の成立時には、当時の小渕恵三首相が「新たに義務を課すものではない」と述べた。野中広務官房長官も「むしろ静かに理解されていく環境が大切だ」と。さまざまな思いへの理解と寛容があったのではないだろうか。
 だが、実際には異なった。東京では教育長が二〇〇三年に「校長の職務命令に従わない場合は服務上の責任を問われる」と通達を出した。強制の始まりである。
 入学式や卒業式は儀式であり、式典としての秩序や雰囲気が求められるのは十分に理解する。一方で国旗国歌に対し、「戦時中の軍国主義のシンボルだ」と考える人々がいることも事実である。教室には在日朝鮮人や中国人もいて、教師として歌えない人もいる。数多くの教員が処分された。
 憲法が保障する思想・良心の自由との対立である。強制の職務命令は違憲でないのか。しかし、この問題は一一年に最高裁で「合憲」だと決着している。間接的に思想・良心の自由を制約するが、法令上の国歌の位置付けと公務員の職務を比較衡量すれば正当である。そんな理由だった。
 仮にその判断を前提にしても、重すぎる処分には断固として反対する。最高裁も一二年に「減給以上の処分には慎重な考慮が必要だ」と指摘した。思想信条での不利益だから当然である。
 今回の原告二十二人は〇七〜〇九年に定年で再雇用を求めたが拒否された。現在の希望者全員が再雇用される制度の前だった。
 その点から最高裁は「希望者を原則として採用する定めがない。任命権者の裁量に委ねられる」とあっさり訴えを退けた。
 失望する。一、二審判決では「勤務成績など多種多様な要素を全く考慮せず、都教委は裁量権の逸脱、乱用をした」とした。その方が納得がいく。
 再雇用は生活に重くかかわる。君が代がすべてなのか。良心と職とをてんびんにかける冷酷な選別である。日の丸・君が代は自発的に敬愛の対象となるのが望ましいと思う。
 自然さが不可欠なのだ。高圧的な姿勢で押しつければ、君が代はややもすると「裏声」で歌われてしまう。


沖縄県民投票 あなたならどう投票?
 沖縄県名護市辺野古への米軍普天間飛行場(宜野湾市)移設の是非を問う県民投票が早ければ年内にも行われる公算だ。沖縄に新基地が必要なのか、全国民が「わがこと」として考える機会にしたい。
 翁長雄志知事に県民投票条例制定を直接請求するため市民有志が始めた署名集めは二十三日まで行われ、二十二日時点で必要数の三倍に迫る約六万六千筆に達した。
 沖縄で県民投票が実施されれば一九九六年以来。前回は「日米地位協定の見直しと米軍基地の整理縮小」を争点とし、投票者の九割が賛成した。今回は、新基地建設のための辺野古の海の埋め立てについてのみ賛否を問う。
 新基地を巡る沖縄の民意は、二〇一四年知事選で建設阻止を掲げた翁長氏が当選したのをはじめ直後の衆院選の県内四小選挙区、一六年の参院選県選挙区で反対派が勝ち明確に示されたはずだった。
 しかし、政府は現地の反対運動を排除し、一七年四月から護岸工事を強行している。来月中旬には土砂投入を始める構えだ。
 政府側には、幅広い政策や人柄を選ぶ選挙で新基地賛否の民意は測れない、との言い分がある。前知事による埋め立て承認は違法だったとして承認の「取り消し」に打って出た翁長氏と政府との訴訟も「民意がいかなるものかは明らかではない」などの判断により最高裁で知事側敗訴が確定した。
 翁長氏は近く、環境保全などの条件を国が守らないとして、取り消しより重い承認の「撤回」に踏み切る方針で、再び政府との法廷闘争が予想される。県民投票に法的拘束力はないとはいえ、埋め立て反対が多数を占めた場合、政府は「(普天間の移設先は)辺野古が唯一」との主張を貫けるのか。
 沖縄では十一月に知事選も行われる。翁長氏は再選出馬への態度を保留しているが、対抗馬擁立を目指す自民党などは、推薦候補が勝利した二月の名護市長選の再現を目指して新基地の是非を争点から外そうとするかもしれない。その場合でも、県民投票で辺野古移設の是非が問われることになる。
 朝鮮半島情勢の変化で日米安保の意義が問い直されている。なぜ沖縄に基地が集中しているのか、今後も必要なのかは国民全体で考えねばならない問題だ。安保の現状維持を前提とするのなら、今回の県民投票の結果次第で、普天間の国外・県外移設を本格的に検討することも必要となる。そんな覚悟を持って推移を見守りたい。


辺野古問う県民投票 6万5千人の署名は重い
 名護市辺野古の新基地建設の是非を問う県民投票が実施される公算が大きくなった。「辺野古」県民投票の会が、2カ月の期限内に法定数を上回る6万5926人(22日午後9時現在)の署名を集めたからだ。
 6万5千を超える署名には重みがある。翁長雄志知事や県議会はその点を十分に踏まえ、県民投票条例の制定に取り組んでもらいたい。
 県民投票を実施するには投票の目的、投票者の資格などを定めた条例を制定しなければならない。県知事か議員が条例案を提案する以外に、住民が署名を集めて直接、知事に求める方法がある。
 今回は、学生、弁護士、企業経営者らさまざまな立場の住民有志でつくる「辺野古」県民投票の会が5月23日から署名活動に乗り出した。
 県民投票条例の制定を請求するには有権者の50分の1に当たる約2万3千人分の署名が必要だ。周到な準備を経て実施した1996年の県民投票に比べると、見切り発車の感もあった。
 結果的に、動員力のある政党や団体が当初から積極的に取り組んだわけでもないのに、有権者の6%近くが署名している。「辺野古」県民投票の会が目標に掲げた11万5千人には届かなかったが、県民投票の実現を望む声が決して小さくはないことを示した。
 県民投票の会は今後、各市町村選管に署名簿を提出する。不備がなければ条例制定を請求することになる。知事は請求から20日以内に県議会を招集し、条例案や関連予算案を提出する必要がある。県議会で多数を占める与党会派は県民投票を支持しており、条例は可決される見通しだ。
 ただ、条例が制定されたとしても実際に実施されるかどうかは不透明な要素が残る。辺野古への新基地建設を推進する安倍政権に近い首長が協力しない可能性もあるからだ。県が市町村に投開票事務を強制することはできない。
 県民投票は、米軍基地の整理縮小の是非を問うた96年以来、行われていない。今回は辺野古への新基地建設に対する民意を初めて全県的に問うものだ。
 住民投票には代表民主制の短所を補う機能がある。法的拘束力がないとはいえ、基地建設に賛成する側、反対する側の双方にとって、県民の意向を直接確認する意味は大きいはずだ。手続きが順調に進めば、遅くとも来年4月ごろには県民投票が行われる。条例が制定されたあかつきには、全市町村が協力する態勢を取ってほしい。
 96年の県民投票は投票率が59・53%で、米軍基地の整理縮小などへの賛成は89・09%だった。
 実施される以上は、できるだけ多くの人が意思を示すことが大切だ。辺野古の埋め立て承認を撤回する知事判断の正当性にとどまらず、沖縄の基地問題の行方を大きく左右する機会になる。


ビキニ訴訟/被ばく船員の救済を急げ
 米国が太平洋・ビキニ環礁で行った水爆実験により日本漁船が相次いで被ばくしたのは1954年のことだ。
 漁船のうち、静岡県焼津市のマグロ漁船「第五福竜丸」の元船員らには、米国から見舞金が支払われた。死者が出て大問題になったためである。
 だが、800隻を超える他の漁船については、国は2014年まで検査結果を公表せず、放置してきた経緯がある。
 そのため同じ海域で操業していた元漁船員と遺族らが国に損害賠償を求める訴訟を高知地裁に起こしたが、地裁は先日訴えを退けた。時間がたって既に請求権が失われているという理由だ。しゃくし定規の判決という印象が拭えない。
 確かに損害賠償の請求権が消滅する除斥期間は20年と定められている。一方、国は「第五福竜丸」以外については被ばくの事実を開示せず、公表したのは60年もたってからだった。
 原告側は「国が事実を隠したため補償が請求できなかった」として賠償権存続を主張した。これに対して、地裁は「意図的に隠蔽(いんぺい)したとは断言できない」と国に有利な見方を示した。
 元船員は高齢で、多くはがんや白血病などに苦しみ、亡くなった人もいる。広島、長崎の被爆者のための被爆者援護法から除外され、「労災認定」に代わる船員保険も適用されない。
 初めて司法救済を求めた訴えの重みを考えれば、柔軟な法解釈をすべきではなかったか。
 裁判所も被害が長く放置された理不尽さを看過できなかったのだろう。判決は原告ほぼ全員の被ばくの事実を認めた。
 その上で被ばく調査の資料が政府内でずさんに管理されていた可能性に言及し、「国が米核実験の問題を狭く限定して沈静化させようとした意図がうかがえる」とも指摘した。
 さらに「救済の必要性は改めて検討されるべき」「立法や行政での検討を期待する」と、司法の場以外の対応を促した。
 旧優生保護法下の強制不妊手術問題では、議員立法による被害救済策が超党派で議論されている。広島、長崎に続く「第三の被ばく」とされるビキニ被ばくの被害回復にも、国会や政府は真剣に向き合うべきだ。


熱中症への備え 北海道も油断できない
 道外では猛暑が続き、熱中症による救急搬送が増え、亡くなる人も出ている。気象庁は「命の危険があり、災害と認識している」と警鐘を鳴らす。
 近年、夏の異常な暑さが常態化しつつある。道内は比較的過ごしやすいとはいえ、油断は禁物だ。
 そもそも暑さに不慣れな道民が少なくない。一人一人が熱中症に対する正しい知識を身につけ、予防を心掛けてもらいたい。
 今週は全道的に高温の地域が多くなると予想されている。フェーン現象で気温が急上昇する恐れもあり、警戒が欠かせない。
 自治体や気象台は、きめ細かな情報提供に努める必要がある。
 消防庁によると、今月16〜22日、道内で搬送された人は183人に上り、昨年同期に比べて6割超増えている。
 熱中症は、高温多湿の環境下で体内の水分や塩分のバランスが崩れて、体温の調節が困難になり、熱がこもって起きる。
 めまいや体のだるさ、手足のしびれ、吐き気などを生じ、重症化すると、意識障害やけいれんを招く。最悪の場合は死に至る。
 のどが渇かなくても、こまめに水分や塩分を補給し、外出する際は、涼しい衣服を身に着け、日傘や帽子で直射日光を避けたい。
 北斗、滝川両市などの高校では先週、体育祭で生徒が熱中症とみられる症状を訴えて搬送された。
 対策に不備はないか、全学校で入念な点検が求められる。
 高齢者には特段の配慮が必要だ。年をとると、体温の調節機能が低下し、暑さやのどの渇きを感じにくくなる。
 独居の高齢者を中心に、隣近所や町内会での見守りが重要だ。
 熱中症の発生場所としては、住居が最も多い。
 道内の住居は気密性が高くて熱がこもりやすく、クーラーの設置率も低い。窓を開け扇風機を回して風通しを良くしたり、冷房のある公共施設などで過ごすといった工夫をしたい。
 乳幼児は、暑さや体調不良を訴えられない上、背も低く、ベビーカーに乗ることで地面の熱の影響を受けやすい。
 車内に子どもを残すのは極めて危険だ。気温が23度でも車内は50度近くになるとのデータもあり、重大な事故につながる。
 環境省が、地域別に熱中症の危険度を示す「暑さ指数」を発信するなど、役立つサイトもある。
 さまざまな情報を取り入れ、熱中症の事故を防ぎたい。


[猛暑と熱中症]侮らず「災害」の認識を
 東日本や西日本を中心に日本列島を猛暑が襲っている。日本上空に二つの高気圧が居座って雲ができにくく、直射日光が照りつけているためである。猛暑の期間が長いことが今年の特徴だ。
 23日には埼玉県熊谷市で41・1度を観測、国内最高気温を更新した。東京都内でも観測史上初めて40度を超えた。気象庁が「命の危険がある暑さ。災害と認識している」と最大級の表現で熱中症予防を呼び掛けた。
 熱中症で搬送される人も最多を記録している。
 総務省消防庁の発表によると、熱中症のため16〜22日の1週間に全国で2万2647人(速報値)が搬送された。集計を始めた2008年以降で最多である。死亡者は28府県で65人に上った。昨年の死者数を1週間で上回った。
 西日本豪雨で大きな被害を受けた広島県でも5人の犠牲者が出た。愛知県では校外学習から戻った1年男児(6)が意識不明となり、病院で死亡した。命の危険を伴う猛暑であることを肝に銘じたい。
 熱中症は、気温や湿度の高い場所で作業や運動をして体内の水分や塩分のバランスが崩れ、体温調整ができなくなって起きる。発汗機能が衰えているお年寄りや体温調整が未発達の子どもは「熱中症弱者」である。
 列島の猛暑は8月上旬まで続きそうだ。炎天下の運動は控え、室内ではエアコンを使う。水分や塩分をこまめに補給するなど万全を期してほしい。特に西日本豪雨からの復旧を急ぐ被災地では猛暑の中での作業に注意が必要だ。
■    ■
 県内で熱中症で搬送された人は44人で、全国で最も少なかった。ただし油断してはならない。
 沖縄気象台は24日も、予想最高気温が33度を超え、熱中症の危険が高いとして沖縄本島と八重山地方に高温注意情報を出している。
 県内の熱中症の発症で特徴的なのは10代が最も多く、働き盛りの20〜50代も目立つことだ。発生場所は建設・工事現場がトップで、運動場も少なくない。スポーツ指導者や現場責任者には、暑い時間帯を避けてスケジュールを調整したり、適度な休憩を入れたりするなど熱中症対策を徹底してほしい。
 体育館や自宅など室内でも発症することを忘れてはならない。1人暮らしの高齢者はエアコンを使わない人が多い。周囲の人が見守り、声掛けすることが重要である。
■    ■
 県内の学校のエアコン設置状況は県教育庁によると、17年4月現在、公立小中学校が74・3%、県立高校が84・9%。いずれも全国平均を上回っているが、地域によってばらつきがあるのが実情で、早急な対応が求められる。
 防衛省は16年度から制度を改正し、米軍と自衛隊基地の騒音対策として実施していた小中高校や幼稚園などに対するエアコン維持費の助成を一部打ち切っている。騒音で窓を閉じざるを得ない教育環境は正常ではなく、維持費の助成を復活してもらいたい。
 エアコンは教育現場に必須の設備である。国は全学校施設に設置補助を急ぐべきだ。


進む人口減 持続可能な社会へ知恵を
 人口減少が一段と進んでいる現実を示すデータがまた発表された。今年1月1日現在の住民基本台帳に基づく総務省の人口動態調査である。
 人口減少と少子高齢化の深刻な同時進行も改めて裏付けられた。取り組むべき多くの難題が待ち構えているが、悲観しすぎるのも禁物だろう。
 人口減少や高齢化に歯止めをかけるのが簡単ではないとすれば、それをある程度前提にしながら、持続可能な社会を構築する知恵と決断が求められよう。
 国内の日本人は1億2520万9603人で、前年に比べて37万人余り減った。9年連続の減少で、減少幅は過去最大を更新した。出生数は過去最少の94万8396人で、100万人割れは2年連続となった。
 減少や最少のオンパレードである。増えたのは65歳以上の高齢者の割合を示す高齢化率で0・49ポイント増の27・66%に達した。
 人口減少と少子高齢化で何が困難になるか。経済力が落ち、税収が減る。医療や介護など社会保障費が膨らむ。国力低下を憂える声もある。
 大都市と地方の不均衡も深刻だ。都道府県別にみると、九州7県を含む41道府県で前年に続き人口が減った。増えたのは東京、沖縄、埼玉、千葉、神奈川、愛知の6都県だけである。
 東京圏(東京、埼玉、千葉、神奈川)は計3544万人で、全人口の28・31%を占めた。前年比0・15ポイント増と、東京一極集中は加速している。
 その東京都にしても、国立社会保障・人口問題研究所の将来推計人口によると、2035年までには人口減に転じる見通しだ。九州の一極集中都市として人口増が続く福岡市も35〜40年の間にピークを迎えるという。
 大都市でも人口減少や高齢化は避けられない時代である。それでも安倍晋三首相は「50年後も人口1億人を維持する」と語る。高度成長期までは人口増や経済成長が国力に直結した。その体験が首相にも私たち国民にも染み付いているのだろう。
 だから人口減少や高齢化を過度に恐れるのかもしれない。だが自民党の杉田水脈(みお)衆院議員のように「子どもをつくらない」人たちを「生産性がない」と短絡して主張すれば人権問題だ。
 むしろ人口減少や高齢化を前提に組み込んだ社会の在り方を模索する選択もあるのではないか。豊かさや幸福度は国内総生産(GDP)などの経済指標だけでは一律に測れない。
 人口減少と高齢化にどう向き合っていくか。どうすれば持続可能な社会をつくれるか。国はもちろん、各自治体や地域もそれぞれの歴史や特徴を生かして知恵を絞りたい。


杉田水脈のような議員は大勢いる “弱者排除”蔓延の戦慄
 こんな主張を容認するようでは、自民党はヘイト政党として国際社会から白眼視されても仕方ない。
 自民党の杉田水脈衆院議員の寄稿文に批判が殺到している。問題になっているのは、18日に発売された「新潮45」(8月号)に掲載されている「『LGBT』支援の度が過ぎる」というタイトルの論考。杉田の主張は、L=レズビアン、G=ゲイ、B=バイセクシュアル、T=トランスジェンダーなど性的マイノリティーに対する差別感情ムキ出しで、こう書かれている。
<LGBTのカップルのために税金を使うことに賛同が得られるものでしょうか。彼ら彼女らは子供を作らない、つまり「生産性」がないのです。そこに税金を投入することが果たしていいのかどうか>
 子どもをつくらない国民のために使う税金などないというのだ。信じがたい発想である。同じことを、子どもがいない安倍首相夫妻に対しても言えるのか。あの夫妻がどれだけの税金を浪費してきたと思っているのだ。
 杉田は「支援の度が過ぎる」というが、“LGBT助成金”みたいなものがあるわけでもない。性的マイノリティーも普通に生きている有権者であり、納税者であることに変わりはなく、特段、優遇されているわけではない。
 そもそも、生産性という視点で選別されるのは、家畜や機械の類いである。人間に対して、しかも国会議員が国民を生産性という尺度で切り捨てる。こんなことが許されるのか。障害や人種を理由に大量虐殺に及んだナチスの「優生思想」そのものではないか。
■障害者施設の殺傷事件に通じる危険な思想
「杉田議員の主張は、2年前に相模原で起きた障害者施設での殺傷事件に通じます。犯人は『障害者は役に立たない』『生きている価値がない』と決めつけて、入所者19人を殺害した。偏見と思い込みの暴論です。子どもを産むことを『生産性』という言葉で表していることも、おぞましい。国民は子どもをつくる機械ではないのです。それに、同性婚を認めた国ではLGBTと出生率に何の関係もないことが統計からも明らかになっている。社会的弱者やマイノリティーに手を差し伸べるべき政治家が、率先してヘイトをまき散らしているのだから話にならない。議員辞職ものの差別発言ですよ。自民党としてもケジメをつけるべきですが、おとがめなしで終わりそうで、そういう人権意識のない政党が国政を担っていることに危機感を覚えます」(高千穂大教授・五野井郁夫氏=国際政治学)
 二階幹事長は24日の会見で、「多様性を受け入れる社会の実現を図ることが大事」と正論を言いながら、「自民党は右から左まで各方面の人が集まって成り立っている」「いろんな人生観、考えがある」と、杉田の主張を事実上容認した。
 二階自身も、6月に都内で開かれた講演会で「子どもを産まないほうが幸せじゃないかと勝手なことを考える人がいる」と言って大問題になったくらいだから、人権は右、左の問題ではなく、ヘイトと人生観は別の話だということも分からないのかもしれない。二階に限らず、今の自民党は、上から下まで狂った優生思想に毒されている。杉田は寄稿文が炎上した後、自身のツイッターにこんな投稿をしていた(現在は削除)。
<LGBTの理解促進を担当している先輩議員が「雑誌の記事を全部読んだら、きちんと理解しているし、党の立場も配慮して言葉も選んで書いている。言葉足らずで誤解される所はあるかもしれないけど問題ないから」と、仰ってくれました。自民党の懐の深さを感じます>
<「ネットで叩かれてるけど、大丈夫?」とか「間違ったこと言ってないんだから、胸張ってればいいよ」とか「杉田さんはそのままでいいからね」とか、大臣クラスの方を始め、先輩方が声をかけてくださる>
 このツイートが事実なら、杉田の主張は安倍自民のホンネなのだろう。
自分たちの失策を棚に上げて弱者を叩く選民意識
 思えば、第2次安倍政権の発足当初から、イヤな兆候はあった。トリクルダウンというヒエラルキー理論に立脚したアベノミクスは結局、富裕層を儲けさせただけで、庶民は負担増を押し付けられただけだ。そういう失策を恥じるどころか、経済的な弱者を叩く風潮。片山さつき参院議員らによる生活保護バッシングも横行した。
「自分だけが儲かればいいという利益至上主義、弱肉強食の新自由主義が蔓延して、人の価値を生産性や経済効率性で捉えるようになってしまった。本来は弱者も安心して生活できるようにするのが政治の役割なのに、セーフティーネットをどんどん外してきたのが安倍政権の5年半です。杉田議員が言う『生産性』の理論で、高齢者や弱者に税金を使う気はないと、福祉や社会保障費を削ってきた。新自由主義を突き詰めれば、弱者は邪魔者扱いされ、マイノリティーを差別し排除する全体主義になる。権力者が思い描くスタンダードから外れた人が生きづらい世の中になっています」(政治ジャーナリスト・山田厚俊氏)
 芥川賞作家の平野啓一郎氏も、日刊ゲンダイのインタビューでこう話していた。
<今は経済的苦境にある人は見捨てられるだけでなく、批判される。社会保障という面で国に「迷惑をかけている存在」だと、糾弾の対象になってきている>
<社会的風潮そのものが新自由主義から全体主義へと変わりつつある危惧を覚えます>
■沖縄差別も根底は同じ差別意識
 安倍政権下で、自民党議員による弱者や女性への暴言、偏見は枚挙にいとまがない。
 がん患者は「働かなくていい」とヤジを飛ばした大西英男衆院議員。衆院厚労委の参考人として招聘したがん患者に「いい加減にしろ!」と執拗にヤジを浴びせた穴見陽一衆院議員。「子どもは3人以上、産み育ててほしい」と発言した加藤寛治衆院議員。「子どもを4人以上産んだ女性を表彰する」と言い出した山東昭子参院議員、天皇・皇后主催の晩さん会に国賓が同性パートナーを伴って出席することに反対だと嫌悪感を示した竹下亘総務会長、高齢者の終末医療を「政府のお金でやってもらっていると思うと、ますます寝覚めが悪い。さっさと死ねるようにしてもらわないと」と言い放った麻生財務相……。
 選民意識なのか、ナチスばりの優生思想なのか。古い価値観を押し付け、弱者を差別し、国民は黙ってお上の方針に従えという態度。政府の方針と違う意見は力ずくでも排除する。これが安倍政権の国民に対する向き合い方だ。
 強引に推し進める沖縄・高江の米軍オスプレイ離着陸用ヘリパッド建設でも、機動隊員が抗議活動の住民に「土人」と罵声を浴びせた。当時の鶴保庸介沖縄担当相は、これを「差別と断じることは到底できない」と吐いてのけた。 
「現場や国民に思いを馳せることなく、自分たちの方針を上から押し付けるのが安倍政権のやり方です。『女性活躍』と口では言いますが、ひと皮むけば、女性は子どもを産んで家庭を守るべきだと考えている。税収を増やしたいというような生産性の問題で、女性も働いて納税しろと言っているだけです。多様性を認めるなんて口先ばかりで、本音では戦前の家父長制と富国強兵を理想としているのでしょう。杉田議員の暴論も新自由主義のなれの果てであり、弱者を排除する全体主義がこの国を覆っている。国民は、いつ自分が攻撃対象にされるか分からない。恐ろしい社会です」(山田厚俊氏=前出)
 そういえば、次から次とスローガンだけはブチ上げてきた安倍が「生産性革命」とか言っていた時もあった。この政権が言う「生産性革命」「人づくり革命」とは、どういうことなのか。狂った政権に家畜や奴隷のように扱われるのはゴメンだ。


再審請求
 まさに「死者に鞭(むち)打つ」である。1984年の「日野町事件」で大津地裁が11日に示した再審決定に対し検察が即時抗告をした▼再審請求中に75歳で亡くなった阪原弘さんは取り調べで脅され、殴られ、自供した−。大津地裁は新たに開示された証拠を基に、こう断定した。検察は抗告審でどう覆すのか▼逮捕や有罪の決め手は自供だけ。それも任意の取り調べ段階だ。阪原さんは逮捕後、否認を貫いた。有罪確定判決となった95年の一審判決ですら「自白は信用できないが…」と書いている▼再審請求審で開示された捜査側資料では、奇妙な経緯も判明した。滋賀県警は一度取った逮捕状を執行していなかった。異例のことだ。弁護団は「初めから自白頼みで、捜査が甘かった証拠ではないか」と指摘する▼それにしても、再審の扉は重すぎないか。最高裁は「疑わしきは被告人の利益に」という刑事裁判の原則が、再審にも適用されるとの判断を示している。なのに、検察の抗告で再審の開始決定は度々覆る▼検察の抗告が認められていない国も少なくない。ジャーナリストの江川紹子さんは、再審を開くかどうかの審議に市民が関わるべき、と指摘している。再審の裁判員裁判である。開かれた刑事司法を目指すなら、いま最も必要な制度の一つではないか。

公文書管理  弥縫策では再発防げぬ
 森友学園を巡る財務省の決裁文書改ざんなどを受け、政府は公文書管理の在り方を見直す再発防止策をまとめた。
 決裁済み文書の事後修正を認めず、改ざんに懲戒免職などの厳しい措置で臨む方針を打ち出した。一定の効果が見込めるとはいえ、弥縫(びほう)策との印象は否めない。安倍晋三政権は一連の不祥事の幕引きを図りたいのだろうが、これでは抑止効果に疑問符が付く。
 公文書に関わる不正の監視強化のため、内閣府の独立公文書管理監の権限を拡大し、各府省庁にも公文書監理官室を置く。ただ特定秘密を扱う管理監が一般文書の不正監視も兼ねる形では片手間となりはしないか。
 さらに公文書担当幹部らへの研修を今夏から実施し、公文書管理への取り組み状況を人事評価にも反映する。変更履歴が残る電子決裁への移行も加速させる。
 公文書管理の適正化で国民の信頼回復を図るというが、外部のチェックが入らない仕組みでは効果を疑問視せざるを得ない。
 加えて公文書の定義を広げる公文書管理法改正に踏み込まなかった。各府省庁とも保存や公開の対象になる行政文書の範囲を狭く捉える傾向が強い。メールの扱いも含め、恣意(しい)的な運用ができないように制度を改めるべきだ。
 刑事罰の導入を見送っては官僚らの責任が曖昧になりかねない。財務省の改ざんでは大阪地検が関与した官僚らを不起訴としたが、改ざん文書により国会を冒瀆(ぼうとく)した悪質な行為は許されまい。刑事罰新設の議論を求めたい。
 2011年に施行された公文書管理法は、公文書を「健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源」と位置付け、適正な管理・保存を求めてきた。
 公文書は政策決定や歴史的事実の記録であり、国民全員のものでもある。適正に管理、保存、公開されてこそ、国民が権力の行使をチェックできる。だが財務省による国有地売却交渉記録の改ざんばかりか、獣医学部新設に関する政府の内部文書発覚や自衛隊の日報隠蔽(いんぺい)といった公文書管理のずさんさが露呈する不祥事が相次いだ。
 不都合な文書は極力隠し、廃棄した方が無難という考えは国民への裏切りである。一連の不祥事の背景には政権への忖度(そんたく)があったことも否めず、それを招いた政治家の責任は重い。政府は民主主義の根幹を揺るがす重大事と受け止め、専門家の知恵も借りて抜本的な公文管理改革を急ぐべきだ。


財務省文書改ざん 福田元首相「トップリーダーの責任」
「公務員、初任者研修が重要」インタビューで強調
 福田康夫元首相(82)は毎日新聞のインタビューに応じ、財務省の決裁文書改ざんなどについて、安倍晋三首相を念頭に「トップリーダーには全体的な責任がある」と述べ、事実関係の究明徹底と再発防止に向け指導力を発揮するよう求めた。また、公文書管理を巡って政府が20日に発表した再発防止策の検討段階で、公務員に対して初任者時から研修を徹底するよう政府に注文したと明らかにした。
 2009年成立の公文書管理法の制定を主導した福田氏は、公文書として記録を残す意義について「国を客観的に判断できる材料になる。民主主義とは国民が真実を知ることだ」と強調。そのうえで、改ざんについて「書いたものは取り消すことはできない。改ざんは国家公務員法に抵触する犯罪だと考えるべきだ」と批判し、首相を念頭に「上に立つ人は『全く関係ない』ではすまない」と指摘した。
 政府の再発防止策に関しては、初任者を対象に、公務員の中立性などを教育する研修を徹底する必要性を強調。財務省の福田淳一前事務次官のセクハラ問題なども踏まえ「役所でも偉くなると権力者になってくる。一般国民とは違うという特権意識を持つようになっているのではないか」と幹部職員の意識改革も必要との認識を示した。
 一方、野党などが求めた公文書管理法改正による罰則規定の新設については、職員の萎縮を懸念し「罰則を意識し文書そのものができなくなることを恐れた方がいい」と慎重な姿勢を示した。省庁横断で公文書管理をチェックする独立公文書管理監を中心に、適切な公文書作成を促すことへの期待感を示した。【野間口陽】


介護保険料 支え合いを保つために
 65歳以上の人が払う介護保険料が上がり続けている。この春から3年間の月額は全国平均5869円で、負担が350円余り増えた。
 2000年に介護保険制度が始まった時の保険料は3千円に満たなかった。介護を受ける高齢者が急激に増えるとともに、負担も2倍を超えたことになる。
 団塊の世代が全て75歳以上になる25年以降も、高齢者の数は増え続ける。厚生労働省はおよそ20年後、保険料は平均9200円まで上がるとの推計を示した。
 保険料は介護サービスの量などにより地域差が著しい。岩手でも最低の奥州市、金ケ崎町5200円に対し、最高の西和賀町は8100円と大きな開きがある。
 やがて月1万円を超える自治体も出てくるだろう。保険料は原則として年金から天引きされるため、高齢者世帯の家計は厳しくなる。
 介護保険は40〜64歳、65歳以上の人がそれぞれ払う保険料と税金で運営する。給付額は10兆円を超えて当初の3倍になり、制度そのものの存続が危ぶまれている。
 家族に任せていた介護を社会全体で支え合う。制度の理念は色あせていない。身近な問題だけに、望ましいサービスと負担の在り方に住民の関心を再び高めたい。
 費用の膨張に歯止めをかけようと、従来も対策が行われてきた。軽度者への給付が財政を圧迫したため、要支援1、2の人向けのサービスは昨年度までに介護保険から市町村事業に移された。
 ヘルパーを使いすぎるとの批判も根強く、政府は今秋からサービス回数に基準を設ける。制度の見直しは「給付抑制」という形で進む。
 家政婦代わりの利用はなくすべきだが、軽度でもサービスが欠かせない場合は多い。認知症で1人暮らしの人は投薬にも訪問が必要で、「抑制」には限界がある。
 そうなると負担増の議論になりがちだ。一律1割だった自己負担は既に一定の所得があると2割になり、8月から高所得者は3割に上がる。財務省は2割負担を原則とするよう求めている。
 ある程度の負担増はやむを得ないとしても、その前にすべきことはないか。上がり続ける保険料だが、自治体によっては下げた所もある。金ケ崎町は本県で唯一、今春から月200円下げた。
 長野県御代田町は、住民を巻き込んだ介護予防の取り組みで知られる。要介護認定率が低くなり、保険料を月550円引き下げている。
 「予防」に力を入れることで元気な高齢者を増やす。支え合いを保つために、先進的な自治体を参考にして、できることから取り組みたい。


安倍首相の誤算…岸田氏が出馬断念で「アンチ票一本化」も
 案の定、自民党の岸田文雄政調会長(60)が総裁選への出馬を断念した。これで9月に行われる総裁選は、安倍晋三首相VS石破茂の一騎打ちになる可能性が高くなった。岸田氏が“安倍支持”を表明したことで、首相周辺は「総裁3選は確実」とニンマリしている。しかし、本当に“安倍3選”は確実なのか。岸田氏断念によって、むしろ総裁選は波乱が起きてもおかしくない状況になったのではないか。
■自民党員の中にも「安倍さんはもういいよ」の雰囲気
 24日記者会見を開き、総裁選に立候補をしないことを表明した岸田氏。表向き、断念した理由を「安倍首相を中心に政治課題への取り組みを進めることが日本の安定にとって重要と判断した」としているが、本当は出馬しても2位になれないことがハッキリしたからだ。
「総裁選は最大、安倍晋三、岸田文雄、石破茂、野田聖子の4氏の争いになると予想されていました。もし、総裁選に手を挙げるとしたら、岸田さんに課せられたノルマは、最低でも2位になることでした。なにしろ、岸田さんが率いる名門派閥“宏池会”は、議員数48人を抱える第4派閥です。20人しかいない弱小派閥を率いる石破さんに負けるわけにはいかない。石破さんに負けたら、政治的な影響力を失ってしまう。でも、どうシミュレーションしても、石破さんに勝てそうにない。それどころか、党員票は、野田聖子さんにも負けて4位になりかねなかった。世論調査では毎回、野田さんに負けていますからね。党員投票で最下位になったら、国民に不人気な政治家のレッテルを貼られてしまう。出馬したくても手を挙げられなかったのが実情です」(岸田派事情通)
 なにがなんでも出馬を諦めさせ、岸田派から“安倍支持”を取りつけようとしていた首相周辺は大喜びだ。最大派閥の細田派(94人)、第2派閥の麻生派(59人)、第4派閥の岸田派、第5派閥の二階派(44人)を結集し、石破氏にトリプルスコアの差をつけて圧勝するつもりだ。 
 しかし、岸田氏断念が裏目に出る可能性が囁かれている。
「秋の総裁選は、安倍首相と石破茂氏の戦いになるはずです。スキャンダルが噴出した野田聖子さんは、出馬できないでしょう。一騎打ちになったら、なにが起きるか。“反安倍票”が石破さんに集中することになります。自民党内に“アンチ安倍”は、潜在的に3分の2はいる。少なくても、地方を中心に自民党員の中に『もう安倍さんはいいよ』『あと3年も続くのか』という雰囲気が広がっています。地方にはアベノミクスの恩恵もありませんからね。党員票は、6対4で石破さんの方が多くなるかも知れない。その時、国会議員が党員の声に反して安倍首相を3選させられるのか。やはり、岸田さんにも立候補してもらって“反安倍票”を分散した方が良かったのではないか」(自民党関係者)
 岸田氏が出馬を断念したことで、宏池会の実質的オーナーである古賀誠元幹事長が派閥議員を“石破支持”でまとめる可能性も出ている。
 古賀氏の安倍嫌いは有名だ。
 安倍首相VS石破氏の一騎打ちとなったら、あっと驚く展開になるかも知れない。


「日本人は不憫」…北の機関紙が赤坂自民亭を猛口撃のワケ
 南北首脳会談以降、日朝首脳会談に意欲を見せる安倍首相をせせら笑うかのように、北朝鮮がアベ批判を続けている。23日は西日本豪雨を巡る後手後手対応を非難。〈退廃的な安倍政権の統治下で生きなければならない日本人の立場が実に不憫だ〉とまで冷笑される始末だ。
 朝鮮労働党機関紙「労働新聞」(23日付)は「再び露呈した安倍政権の反人民的正体」と題した論評を掲載。俎上に載せたのは、赤坂自民亭だった。平成に入って最悪の被害をもたらした西日本豪雨の最中、安倍首相をはじめとする政権中枢の面々が赤坂自民亭と称する酒盛りでドンチャン騒ぎしていたアレである。
 論評は〈昔から火災は始末できても、水害は始末できないという。それほど洪水による被害はとてつもないものである〉と指摘。モリカケ問題で国民不信が高まる現状を繰り返し、こう糾弾した。
〈暴雨が降っているとき、被害地域住民が受けた苦痛は考えずに飲み会を開いたことで、安倍首相一味は大変腐敗し、反人民的な政権であるということを再び赤裸々に露呈した。私利私欲にだけ明るい政治家たちが政治をする日本社会に一体、未来があるのだろうか〉
 その通りではあるが、「人権無視」の北朝鮮にここまでコキ下ろされるとは……。北の言論は金正恩朝鮮労働党委員長の許しなく動かない。一体どんなもくろみなのか。
 朝鮮半島情勢に詳しい国際ジャーナリストの太刀川正樹氏は言う。
「北朝鮮にとって安倍首相は最低最悪の政治家です。小泉訪朝時に拉致問題を認めて謝罪した金正日総書記の顔に泥を塗り、拉致被害者を戻さなかったばかりか、北朝鮮を国難と呼んで事あるごとに政権浮揚に利用してきた。安倍首相が3選を狙う自民党総裁選が本格化する中、反安倍キャンペーンを張って延命を阻む狙いでしょう。北朝鮮には5454部隊と呼ばれる専門組織があり、1日3交代で日本のテレビをチェックし、世論を分析しています。その動きを読んで、ますます攻勢を強めていくのは必至です」
 安倍首相は一昨年の国連総会一般討論演説で、北朝鮮をこう指弾していた。
「人権を蹂躙し、権力に対する抑制と均衡が何ひとつ働かない国、国民の困窮を一顧だにせず、軍備増強に邁進する国だ」
 まさにブーメラン。北朝鮮に言われるまでもなく、鉄槌を下す時だ。


エネルギー政策は支離滅裂で…カジノが成長戦略の安倍政権
 先週で通常国会が閉会した。しかし、これほど議会制民主主義の劣化をあらわにした国会はなかった。
 モリカケ疑惑は、決定的な証拠が次々に出てきたのに、昭恵夫人、加計孝太郎氏らの証人喚問は拒否され、安倍政権は虚偽答弁に終始した。誰が見ても事件の中心は安倍夫妻なのに、安倍首相は「膿を出す」と言い続けているのだからどうかしている。
 会期末は、豪雨が西日本を襲っていたのに、安倍首相は被災地を放置し、40人の自民党議員と酒宴を楽しんでいた。犠牲者は200人を超えたが、被災地救援よりも、カジノ法案の成立を優先したのだから常軌を逸している。おまけに、十分な審議なしに自分たちに都合の良いように選挙制度を変えてしまった。
 一方、大手メディアはほとんど報じないが、野党4党が提出した「原発ゼロ法案」は、ほとんど審議されなかった。野党も国民の代表だ。野党の共同提案を審議しないのは議会制民主主義の否定にも等しい。
 しかも、安倍内閣が7月3日に閣議決定した新たな「エネルギー基本計画」は支離滅裂だ。経産省は、2030年の電源構成について、約30基もの原発を稼働させて原発比率を20〜22%にするとしている。原発の新設なしには不可能な数字だ。40年で原発を廃炉するルールを守るとすると、すべての原発を60年稼働させねばならないことになる。
 再生可能エネルギーについても、ドイツは50%以上、フランスも40%としているのに、日本は目標を最大24%としている。そのうち、すでにある水力9%が含まれている。「主力電源」と言いながら、やる気がないのだ。既存の電力会社の地域独占を残し、少しでも多く原発を再稼働させようと考えていることは明白だ。
 世界中で再生可能エネルギーが急速に伸び、IoTによるグリッドシステム開発を競い合っている。エネルギーをどうするかは国家戦略の中核であり、成長戦略のコアになるテーマだ。
 なのに、安倍政権は、カジノを成長戦略の柱に位置づけているのだ。原発建設同様、外国ではカジノが次々に破綻している。完全に後ろ向きなのだ。
 いずれ日本は、見るも無残なガラパゴス状況に陥ってしまうだろう。


“食べ放題”はご飯やめん類、スープで客の胃袋を膨らませる
「食べ放題」「飲み放題」という惹句は、とても魅力的です。90分、120分といった時間制でも、好きなモノを好きなだけ食べられるビュッフェやバイキング形式は、ネット検索してもあまたのバリエーションが見つかります。
 旅行会社の国内ツアーでは、「海鮮&3種のカニ食べ放題」などが定番人気ですし、街には「焼き肉」「寿司」「スイーツ」「野菜総菜」「しゃぶしゃぶ」といった限定メニューでの食べ放題から、全品メニューが食べ放題・飲み放題の店も多く見かけます。
 変わりダネでは、男女の出会い目的の相席居酒屋なども「食べ飲み放題」形式で、男性30分1500円の課金制、女性が無料となっています。
 飲食店の原材料費は30%前後に抑えるというのが定石ですが、こうした「食べ飲み放題」の店では、原価率が5割を超える食材も多く、お客サイドにとってはコスパがかなりオトクといえます。
 とりわけ、一流シティーホテルのランチビュッフェなどは、顧客誘引の宣伝効果も兼ねているため、高級食材がふんだんに使われ、最高のコスパの良さと言っていいでしょう。
「食べ飲み放題」の店側のメリットは、いくつかあります。お客が直接並んだ料理を取りにいく形式が多いため、ホールスタッフの人件費が抑えられること。一括大量調理で効率が上がり、時間制で確実な客席回転が見込めること。原材料の大量発注で仕入れ価格が抑えられることなどです。
 また、目玉となる肉やカニ、野菜、スイーツなどは原価が比較的かさむものですが、お客はそれらだけを食べ続けるわけではありません。
 原価の低いパスタや麺類、ご飯、カレー、焼きそば、チャーハンなどの炭水化物メニューを増やしたり、スープやデザート類でお客の胃袋を膨らませれば、食べ放題といっても限度があります。
 飲み放題でも同じこと。ビールの原価は中ジョッキ1杯160円前後と税金分だけ高いですが、ビールだけを飲み続ける客ばかりではありません。酎ハイやサワー類を飲めば、こちらの原価は20〜40円と格安です。
 ソフトドリンクに至っては、1杯20円程度で済み、コーヒー、紅茶に砂糖やミルクを加えても25円程度。一番高い果実ジュースでもせいぜい30円ぐらいです。「食べ飲み放題」といっても、お客の胃袋コントロールは店側主導なので元を取るのは容易ではありません。(マネーコンサルタント・神樹兵輔)


アメフット 日大、悪質タックル「内田前監督に責任ある」
チーム改善報告書で認める
 日本大が関東学生アメリカンフットボール連盟に提出したチーム改善報告書で、悪質タックルは内田正人前監督(62)に責任があると認めていたことが24日、関係者への取材で明らかになった。5月6日の関西学院大との定期戦以降、日大が責任の所在を明確にしたのは初めて。これまで日大は「選手の受け止め方との乖離(かいり)」などと曖昧にしていた。
 日大が設置した第三者委員会(委員長、勝丸充啓弁護士)は6月29日に公表した中間報告書で悪質タックルをした選手に内田氏が「やらなきゃ意味ないよ」と指示したと認定した。これを受けて作成された日大の改善報告書は、第三者委の事実認定を「真実として尊重する」と内田氏の責任を認めた。そのうえで悪質タックルが起きた原因として、内田氏による勝利至上主義や、内田氏を含めた指導者らのルール順守や暴力への批判に対する意識が鈍かったことなどを挙げた。
 また、内田氏が大学常務理事の要職を兼任して強大な権力を握っていたことから、具体的な再発防止策として、大学運営を担う常務理事や学長らの運動部の部長や監督、コーチなどの兼職を認めないことを盛り込んだ。
 日大は17日、関東学連に改善報告書を提出すると同時に監督候補として立命館大元コーチの橋詰功氏(54)を報告した。関東学連は報告書の公表を認めていないが、要望のあった1部リーグ15校の監督会に対し、24日に内容を示した。【田原和宏、村上正】


ゲイ暴露「一橋大アウティング事件」で証人尋問 大学の責任めぐり遺族ら6人が証言
同級生からゲイであることを暴露(アウティング)された一橋大の法科大学院生(当時25)の転落死をめぐり、遺族が大学側の相談対応の不備などを訴えている「一橋大アウティング事件」の証人尋問が7月25日、東京地裁で開かれた。
学生の父親は、裁判を起こした理由について、事件の経緯を尋ねたのに、大学から回答を拒まれたからだと説明。「何の返答もなく、隠蔽するようなことをされた。腹わたが煮え繰り返る」と不信感を語った。
この日、証言したのは、大学側から学生が被害を相談した教授、ハラスメント相談室長、学校医。遺族側から学生の父・母・妹の合計6人。ただし、学生ともっとも密にやり取りしていた相談室の専門相談員は、事件後に退職しており、証人として呼べなかったようだ。
●個人情報保護で、連携がうまくいかなかった?
裁判で、遺族側は、専門相談員がアウティング被害に悩む学生に対し、同性愛者であることに悩んでいるかのような対応をとったことを問題視している。加えて、ゲイの学生に対し、性同一性障害の治療で有名なメンタルクリニックをすすめており、性的指向と性自認を混同していたのではないかと指摘している。
この点について、相談員に請われて、このクリニックを紹介した校医は、「個人情報の関係で、セクシャリティによる悩みとしか聞いていなかった」と語った。
一方で、性的指向の問題だったとしても「精神医学の対象ではない」ものの、通常のクリニックに比べれば、「手厚く対応してくれる」と思っていたそうだ。
●亡くなった翌日「ショックなことを申し上げます。息子さんは同性愛者でした」
一方、遺族側は、事件後の大学の対応について証言した。
父親は、学生が亡くなった翌日、大学側との面談の中で「ショックなことを申し上げます。息子さんは同性愛者でした」と言われ、「(息子が亡くなったのに)何を言っているのだろう」と憤慨したという。
学生がハラスメント相談室に行っていたことは知っていたため、相談内容を教えてほしいと伝えたが、「守秘義務」を理由に拒まれたとも語った。
後日、学生の遺品から相談内容の写しが出てきたので、大学側に説明を求めたがやはり回答は得られなかった。
49日を過ぎて、改めて説明を求めたところ、大学側が報告に来ることになったが、「弁護士を同席させる」と伝えたところ、予定はキャンセルになり、以来、大学からの連絡は途絶えた。
「息子のことを知りたかったが、大学側に拒否されて、裁判するしかなかった」(父親)
●「同性愛ではなく、アウティングを苦にしていた」
母親は、学生の死後、彼が高校時代にも同級生の男性生徒に告白し、断られていたことを知った。しかし、その相手とは亡くなる直前まで一緒に遊ぶなど、親しい関係が継続していたという。「同性愛を苦にしていたのなら、高校のときに自殺していた」(母親)
学生の妹も「兄は同性愛を苦にしていたのではなく、アウティングを苦にしていた」と述べた。
大学側は、遺族側に対し、反対尋問を行わなかった。裁判の次回期日は10月末で、最終準備書面を提出する。終結は間近だ。


林眞須美死刑囚「四面楚歌の日々、自分に負けず」 和歌山カレー事件20年、長男に手紙
1998年7月、和歌山市園部で夏祭りのカレーの鍋に猛毒のヒ素が混入され、4人が死亡、63人が負傷した「和歌山カレー事件」は25日で発生から20年になる。その節目を前に、再審(裁判のやり直し)を求め続けている林眞須美死刑囚(57)が長男(30)に手紙を出し、改めて無実を訴えていたことがわかった。
母からの手紙を息子はどう受け止めたのだろうか。(ルポライター・片岡健)
●「離されて、20年目の夏です」
林死刑囚が収容先の大阪拘置所から7月19日消印で長男に発信した封書には、差出人の名前や住所が一切書かれていない。
長男によると、「母は、自分からの手紙だということが配達の人などにわからないように、と思っているようです」。そんな林死刑囚の手紙は普段、逮捕前の楽しかった思い出や近況のとりとめもない話が綴られ、事件への言及はないという。
だが、今回は違った(以下、〈〉内は引用。断りがない限りは原文ママ)。
〈離されて、20年目の夏です〉
そんな書き出しで始まる便せん7枚の手紙は、事件から20年の節目の時期だということを強く意識した内容となっていた。
〈20年の日々、4人の子供や健治パパ1人1人にとり、大変な時間、日々を1人1人が、大変厳しい試練に耐え乗り越えてきました。
愛しい愛しい愛しい4人の子供の成長に力強いパワーをもらい、日本中、いや世界中にての報道にも負けず「死刑」宣告にても3畳1間室四方セメント壁室の厳正独居室四面楚歌の日々にても、自分に負けず、すごしてこれました〉
死刑囚は通常、親族や弁護人、教誨師らごく一部の者以外との面会や手紙のやりとりを許されないが、林死刑囚も例外ではない。独房でほとんど誰とも話せない孤独な日々を強いられてきた中、4人の子供や夫の健治さん(73)ら家族の存在を心の支えにしてきたことが窺える。
●カレー事件は「やってない。やる意味がない」
今も和歌山で暮らす長男は年に1回、大阪拘置所まで林死刑囚の面会に訪ねている。これまでも母の無実を信じていたが、先月21日に面会した際に改めてカレー事件について、「本当にやってないの?」と問いかけてみたという。
「母はその時、眉間にシワを寄せ、『まだそんなことを聞くの?』というようなイラっとした表情になりました。しかし、僕のことをまっすぐ見て、『やってない。やる意味がない』と言っていました」
林死刑囚は、保険金目的で夫の健治さんや知人の男性にヒ素を飲ませたという容疑でも有罪とされている。それについても、「確かに保険金詐欺はやっていたし、反省している。でも、人にヒ素は飲ませていない。私がやっていないことまで、やったことにされている」と訴えたという。
そんな面会中のやりとりもあったからか、手紙には、裁判の争点への言及もあった。
〈私が鍋の回りをウロウロして、道路の方を気にしていた、クマのように、鍋のフタをあけては、白い湯気が上がり、のけぞり、首に巻いたタオルで顔を拭い、タオルを口に当てていた。鍋のフタの段ボールのようなものを手にして地面を引きずっていた。白いTシャツだった。
このようなことは全くありません。6月に3回目の手術をしており、イスにすわってました〉
これは、園部の住民の1人が裁判で、「林死刑囚が、カレーの調理場所だった民家のガレージでカレーの鍋のフタをあけるなどの不審な行動をしていた」と証言していることへの言及だ。
林死刑囚は裁判で、「その人が見たのは、私がカレーの鍋の見張り番をしていた時、一緒にいた次女が鍋のフタをあけ、カレーの味見をしたところだ」と主張していたのだが、そのことを改めて長男に訴えたようだ。
長男はこの手紙を読み、改めて母の無実の訴えを受け入れられたという。
「事件当日のことを振り返ると、母が着ていたTシャツの色は、確かに白ではなく黒でした。それに、当時の母は(筆者注・保険金詐欺をするために)足にすごいヤケドをしていて、立っていられず、すぐに座っていました。手紙に書いてあったことは、自分の当時の記憶と合致するものでした」
●「気の休める時間はありません」
手紙には、〈6/21面会で、これ歌うの時間切れでした。歌うつもりでした。××(筆者注・長男の名前)へ愛をこめてネ!〉と安室奈美恵のヒット曲「Hero」の歌詞も綴られていた。
〈君だけのためのヒーロー いつもそばにいるよ どんな日もそばにいるよ〉〈どこまでも全て君のために走る 永遠に輝やくあの星のように〉などと実際の歌詞とは微妙に違うところもあるが、末尾には〈ママより 眞須美〉と綴られ、子供への思いをあふれさせている。
「事件の時に僕は小5でしたが、それまで一緒に過ごしていた母のイメージは、世間で思われている凶悪犯のイメージとは一致しないんです。昔の記憶をたどっても、幸せだったことしか思い出せないですからね」(長男)
20年前、事件で亡くなった4人の中には子供も2人いた。長男が面会した際、「早く死刑執行を」と願う被害者遺族たちへの思いを聞いたところ、林死刑囚は「子供を持つ母親として、事件で子供が亡くなった人が犯人の死刑を望む気持ちはわかる。でも、それを私に向けられても困る」と語っていたという。
一方、手紙には、死刑への恐怖も率直に綴られていた。
〈「死刑」が確定したら、再審請求中でも、法務大臣が執行を命じれば、私も、ここ大阪拘置所で殺されてしまいます。「いつ、殺されるかもしれない」という思いは、46時中、頭、体、心につきまとい、襲ってくる毎日です。気の休める時間はありません。「私は犯人ではないのに国に殺される理由はありません」〉
林死刑囚は昨年3月、和歌山地裁に再審請求を棄却されたが、現在は大阪高裁に即時抗告中だ。手紙の末尾では、裁判で検察側の主張に沿う証言をした人物の名前を複数挙げ、こう訴えている。
〈真実を歪めて隠しとおすのですが? 「死刑」ですヨ! 亡くなられた方のためにも真実をお話下さい〉
事件から20年が過ぎた今も無罪を勝ち取り、子供たちのもとに帰ることを諦めていないのは間違いない。
【ライタープロフィール】 片岡健:1971年生まれ。全国各地で新旧様々な事件を取材している。編著に「絶望の牢獄から無実を叫ぶ ―冤罪死刑囚八人の書画集―」(鹿砦社)。広島市在住。


死刑制度の世論調査「回答する選択肢を見直すべき」、日弁連が意見書「時代変わった」
日本弁護士連合会(日弁連)は7月25日に開いた定例会見で、死刑制度に関する政府世論調査について、意見書をまとめ明らかにした。法務省など関係機関に説明していくという。
政府は近年では5年に1回のペースで、調査機関を使って死刑制度に対する国民の認識を調査している。直近の2014年度調査(日本国籍を有する満20歳以上の3000人が対象)では、死刑制度の存廃について「死刑は廃止すべきである」と答えた人の割合が9.7%で、「死刑もやむを得ない」は80.3%だった。
●国民の認識、より正確に把握を
国民の認識をより正確に把握するため、日弁連は意見書で、回答する選択肢を見直すよう指摘。「死刑は廃止すべきである」「どちらかと言えば、死刑は廃止すべきである」「どちらとも言えない」「どちらかと言えば、死刑は残すべきである」「死刑は残すべきである」の5つから選べるようにすべきだとした。
死刑廃止を可能にするような条件や手続きに関する質問も追加すべきと主張。さらに、死刑が凶悪犯罪を抑止する効果があるか検証するため、一定の期間は試験的に死刑を取りやめ、それにより凶悪犯罪が増えるか見極めた上で存廃を決めるという方法への賛否も質問すべきだとした。
日弁連の資料によると、死刑制度に関する調査の回収率は長期的に低下傾向にある。1956年度の初回調査で84.5%だったものの、2014年度調査では60.9%にとどまった。また、死刑廃止国は1956年当時は8カ国だったが、2016年12月末時点では141カ国(事実上の廃止国を含む)だという。
日弁連は意見書で、「時代は変わった。主質問の構成を踏襲する必然性はない。死刑に関する多種多様な国民の意識をより正確に把握するためにはどのような質問構成がふさわしいのかを考える必要がある」と訴えた。


トップレス抗議の権利団体「FEMEN」創設メンバーが死亡、自殺か 仏パリ
トップレスによる抗議行動で知られるウクライナの女性権利団体「FEMEN」の創設メンバー、オクサナ・シャチコ(Oksana Shachko)さん(31)が23日、亡命先の仏パリのアパートで死亡しているのが見つかった。同団体が発表した。遺体の傍らには遺書があったという。
 FEMENは2008年にフェミニスト活動家4人がウクライナで結成した女性権利団体。「私は来た、私は脱いだ、私は勝利した」のスローガンの下、胸をあらわにした活動で性差別に抗議し、瞬く間に世界の注目を浴びた。その後、抗議の矛先を権威主義や人種差別に向けるようになり、特にロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領やフランスの極右政党、国民戦線(FN)を標的とするようになった。
 しかし近年、グループは内輪もめやメンバーに対する法的措置などに苦慮していた。
 2011年にFEMENは、強権的なベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ(Alexander Lukashenko)大統領をからかうトップレス抗議を行った後、亡くなったシャチコさんら女性メンバー3人が治安当局の職員らに「誘拐」され、森の中で全裸になるよう強要されたと主張。当局職員らは3人に石油をかけ、火をつけるぞと脅し、髪を切ったという。
 また、シャチコさんはプーチン大統領のウクライナ訪問の際にも、正体不明の襲撃者によって拉致されたという。FEMENの弁護士によると、シャチコさんはこの時、ひどく殴られ、短期間入院した。
 シャチコさんは2013年にフランスへ亡命。以降、グループを離れ、アーティストとして活動していた。