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Japon : un puissant typhon progresse vers la région dévastée par les récentes intempéries
Les autorités ont appelé à des évacuations préventives avant son arrivée prévue en soirée ou dimanche.
Un puissant typhon progressait rapidement ce samedi vers l’ouest du Japon, déjà durement touché début juillet par des intempéries catastrophiques. Les autorités ont appelé à des évacuations préventives avant l’arrivée du typhon prévue en soirée ou dimanche.
Le typhon Jongdari, avec des vents de plus de 180 km/h, avance vers Honshu, la principale île de l’archipel nippon, a annoncé samedi l’agence météorologique japonaise.
Des images de télévision montraient de hautes vagues s’écrasant déjà sur les rochers sur la côte à Shimoda, au sud-ouest de Tokyo, et des arbres secoués par le vent et la pluie.
Évacuations de precaution
Jongdari devrait atteindre le Chugoku, la région occidentale où des pluies d’une ampleur exceptionnelle ont provoqué début juillet des inondations et des glissements de terrain qui ont fait environ 220 morts.
Avant l’arrivée du typhon, les autorités ont averti la population du risque de pluies torrentielles, de glissements de terrain, de vents très violents et de grosses vagues. Elles ont appelé à des évacuations de précaution.
≪ Nous voulons que les gens, spécialement dans les régions frappées par les pluies début juillet, soient très attentifs aux conseils d’évacuation ≫, a déclaré à la presse une responsable de l’agence météorologique, Minako Sakurai.
Les autorités de Shobara, dans la préfecture d’Hiroshima (ouest), ont ordonné l’évacuation de quelque 36 400 résidents par précaution. A Kure, également dans la préfecture d'Hiroshima, environ 6 380 habitants ont reçu l'ordre d'évacuer, selon des médias japonais.
Plus de 370 vols intérieurs supprimés
Plus de 410 vols intérieurs ont été supprimés jusqu’à présent en raison de l’arrivée du typhon et les liaisons par ferry entre Tokyo et les îles voisines ont été suspendues en raison des hautes vagues, selon des informations des médias japonais.
Les inondations dans le Chugoku ont été le pire désastre provoqué par des intempéries qu’ait connu le Japon depuis des décennies, et de nombreux habitants des zones affectées vivent toujours dans des abris ou dans des maisons endommagées.
Les autorités se montrent dorénavant particulièrement prudentes car nombre d’habitants étaient alors restés bloqués faute d’avoir suivi les ordres d’évacuation, émis tardivement selon des critiques.
フランス語
フランス語の勉強?
内田樹 @levinassien
党は杉田議員にいかなる処罰も与えないというのが僕の予測です(外れて欲しいけど)。首相の意向に添う言動には「必ず」報奨を与え、意に反する言動は「必ず」処罰を以て報いるという「安倍マイレージシステム」の驚異的な安定性が政権の求心力を支えているからです。
布施祐仁 @yujinfuse
これだけ大きな問題になっても自民党総裁として何も動かないのであれば、指導力が問われるし、安倍首相自身の認識が問われる。何も動かないし言わないところをみると、杉田議員の発言に内心同意しているか、大した問題ではないと思っているのだろう。そうじゃないとしたら、全く無能なリーダーだ。
日本の科学と技術 @scitechjp
ベネッセがつくったCEESのトップに、文科省出身の人間がいるのが不自然に感じる。公教育に対する国民の信頼を裏切る行為じゃないのか?G-TECの中身や採点の現状を見たら、センター試験のかわりになるとは到底思えない。
想田和弘 @KazuhiroSoda
自民党の改憲案を読んできちんと分析すれば、杉田議員の考え=自民党の考えであることが分かると思います。だから首相も幹事長も杉田発言を否定できない。今の自民党は、要はそういう党なんです。
異邦人 @Beriozka1917
国が教育機関に五輪期間中の授業や試験を控えるよう「通知」を出しているあたり、自由意志を建前としてタダボラへの事実上の強制動員を掛けようとしているのは明白だし、これは戦時中の特攻隊における「志願」の実態と似ている。参加せざるを得ない環境を作り上げて「自由意志」という日本的意地汚さ。
高橋 幸美 @yuki843003
終わった
まつり
ごめんね
かたきうちできなかった
何も変わらなかった
#電通 も
法律も国も
働く人の意識も
雇用契約書にサインしたら何されても文句言えない
死ぬまで働くんだ
社員より利益が大切なんだ
国も法律も守ってくれない
これが日本の職場なんだよ
これでも法治国家なんだよ
#高橋まつり

NHKスペシャル「ニッポン“精子力”クライシス」
男性の精子に危機が!?卵子と受精して、妊娠を成功させる力が衰えているのだ。欧米人の精子の数は40年で半減。日本は欧州4か国と比較しても最低レベルだった。検査をすると「動きが悪い」「DNAが傷ついている」などと指摘される人も。子供を望むカップルだけの問題ではない。精子の状態が悪いと、不妊だけではなく健康のリスクがあるという指摘もある。何が原因なのか?どうすれば改善できるのか?ポイントを徹底解説! YOU,徳井義実,鈴木おさむ,獨協医科大学医師…岡田弘, 武田真一, 小倉久寛

昼ご飯をゆっくり食べて中央駅によって空港行きのバスの切符を買ってふと気がつきました.間に合わない.25分前までにチェックインしないといけないのですが,うっかりしていました.しかたないので新幹線で行くことにします.チケットショップには新大阪までの切符がなくて残念.
九州新幹線はだらだら.新水俣には停まらなかったけどそんな感じです.博多で乗り換えついでにお土産を買いました.せっかくなので?広島でも乗り換えてお土産を買いました.
無事大阪に帰ってきたけれどクタクタ.

千キロ縦断リレー 南三陸町到着
震災からの復興を後押しし、再来年に迫った東京オリンピック・パラリンピックを盛り上げようと被災地と東京までをたすきでつなぐ、「1000キロ縦断リレー」のランナーたちが、28日、岩手県から宮城県内に入り、夕方、南三陸町に到着しました。
このリレーは青森から東京まで1300キロ余りの道のりをランニングや自転車でたすきをつないで走るものです。
28日はおよそ60人のランナーが参加して岩手県陸前高田市から南三陸町までの75キロあまりのコースに挑みました。
ゴール手前付近では時折、強い風が吹くコンディションでしたが、参加者たちが元気よくゴール地点のさんさん商店街に到着すると、集まった人たちから大きな拍手が送られていました。
ランナーの1人でアテネオリンピック・アーチェリーの銀メダリスト、山本博さんは、「震災からの復興がまだ道半ばだと思います。このイベントをきっかけに震災のことをもう一度考えてもらいたい」と話していました。
また、家族3人で参加した千葉県の44歳の男性は「被災地の今の姿を見ることができ良かったです。震災の記憶を風化させないよう、この目で見たことを他の人たちに伝えたい」と話していました。
ランナーたちは、29日は南三陸町から松島町まで走る予定で、東京には来月7日にゴールする予定です。


河北春秋
 夏のにぎわいが砂浜に戻った。東日本大震災と福島第1原発事故を挟み、8年ぶりの海開きをした相馬市の原釜尾浜海水浴場。親子連れや高校生らが水しぶきを上げ、イカを焼く海の家には行列。待ちかねた人々の歓声が「風評」の懸念など吹き飛ばした▼震災後の浜は寂しかった。活気ある漁村や港は津波で壊され、美しい松林も根こそぎ流された。45キロ南にある原発事故の影響で漁業者はほそぼそとした試験操業を強いられ、復旧した旅館街も観光客の不在で苦境が続いた▼「客を呼び戻そうと一丸になった」と海産物店主の小野芳征さん(59)。旅館主たちと合同で海の幸の季節料理を競作、発信してきた。「海開きで中通りや宮城県の客も目立ち、宿泊客が増えた」。旬のミズダコが土産によく売れている▼福島県では、いわき市の三つの浜に続く海水浴場復活。被災3県では震災の年の海開きが久慈市の1カ所だった。各地の努力で海のがれきが片付き、安全な環境も回復し、今年は24カ所になった。被災地の子どもの笑顔が何よりもうれしい▼相馬市などでは28日から、伝統行事の相馬野馬追が催される。騎馬武者たちが出陣し市内を練り歩く同日、浜の旅館街は見物客の予約も加わり、どこも満室だそうだ。にぎわいの夏が毎年続いてほしい。

<東京五輪>復興ホストタウンに気仙沼など3市町 岩手、宮城、福島各県の計19市町村に
 2020年東京五輪・パラリンピックに向け、鈴木俊一五輪相は27日の閣議後記者会見で、東日本大震災の被災地を対象にした「復興『ありがとう』ホストタウン」に、新たに岩手県山田町、宮城県気仙沼市、福島県喜多方市を選んだと発表した。参加自治体は岩手、宮城、福島各県の19市町村となった。
 山田町は震災後に支援を受けたオランダの選手の応援ツアーを企画。気仙沼市はインドネシアの子どもや選手団を招待し、交流会などを開催する。
 喜多方市は米国のウィルソンビル市と姉妹都市で、米国を応援するパブリックビューイングを実施する。


地場産ホヤをブランド化、復興後押し みやぎ生協が商品2種販売
 東京電力福島第1原発事故後、禁輸措置などで販路が失われた宮城県産ホヤの消費拡大にみやぎ生協(仙台市)が尽力している。新たにブランド商品を開発して通年提供することで、水産業の復興を後押ししている。
 商品は「むきホヤ」(100グラム)と「ホヤ酢」(120グラム)の2種類。産直ブランド「めぐみ野」として扱う。むきホヤは6月下旬から同生協全店舗、ホヤ酢は今月上旬から東北6県の共同購入(宅配)で販売し、計約6600個を売り上げた。
 石巻市谷川、寄磯の両地区と女川町竹浦地区で養殖されたホヤを水揚げ当日にむき身にし、パック詰めした。殻付きホヤの購入に抵抗があった顧客のニーズに応えている。
 新寺店(若林区)の大友亮店長は「殻付きホヤに近い食感と味わいで、生産者の支援に貢献できる」と話す。価格(税抜き)はむきホヤ298円、ホヤ酢398円。


海風浴びて楽天応援 宮城・南三陸の海水浴場でPV
 プロ野球の東北楽天−ソフトバンク戦(福岡市・ヤフオクドーム)のパブリックビューイング(PV)が27日夜、宮城県南三陸町志津川の人工海水浴場「サンオーレそではま」で実施された。
 町民ら約150人が海風を浴びながら、砂浜の近くに設置された約170インチの大型ビジョンで試合を楽しんだ。0−3の五回に東北楽天が5点を奪う猛攻で逆転すると、会場は盛り上がった。
 先発した塩見貴洋投手のファンという同町歌津の会社員阿部淳さん(33)は「球場で応援するような雰囲気を味わうことができた」と喜んだ。
 楽天野球団が海水浴場でPVを開催するのは今回が初めて。地域連携部の松野秀三副部長は「南三陸の夏の風物詩になるようなイベントにしていきたい」と語った。


<東松島市>私立高の誘致へ推進チーム設置 市長が方針
 宮城県東松島市の渥美巌市長は27日、東京の学校法人タイケン学園が市内に計画する全日制の私立高に関し、8月1日付で庁内に誘致推進チームを発足させる方針を明らかにした。
 副市長2人と部長級、課長級各6人の計14人で構成。経済効果の調査や関係機関、団体などとの調整を行う。リーダーを務める加藤慶太副市長は「知恵を出してスピード感を持って取り組みたい」と述べた。
 私立高誘致を巡り、立地予定の小野地区の住民団体が誘致を求める請願を市議会に提出。市議会は27日の臨時会で同請願を審査する特別委員会を設置した。
 渥美市長は「タイケン学園の誘致は創造的復興につながる。実現に向けて進めていきたい」と話す。
 計画では、鳴瀬未来中の旧校舎と移転予定の鳴瀬桜華小の現校舎を校舎や生徒寮として利活用する。タイケン学園は9月末までに県に認可申請する見通し。


ドローン使い密漁監視 岩手・大槌で実証試験
 ドローン(小型無人機)を使った密漁監視システムの実証試験が、岩手県大槌町で進められている。情報収集力や抑止力に優れ、遠隔監視で漁業者の安全も確保できる。実用化は最終段階に差し掛かっており、8月中旬には製品の発表を予定している。
 ドローンスクール運営などを手掛けるセベック、ICT(情報通信技術)サービスのミツイワ、NTTコムウェア(いずれも東京)の3社が共同開発する。新おおつち漁協の協力で試験を重ねてきた。
 ドローンには夜間でも撮影できる赤外線カメラを搭載。海に潜った密漁者が吐き出して海面に放出された呼気も感知できる。
 AI(人工知能)技術で映像を瞬時に解析し、不審船や不審者を発見した場合は漁協や警察に自動でメールで通報する仕組みだ。設定した複数のルートをランダムに自動飛行し、監視エリアの特定を防ぐ。
 漁協の担当者向けに操縦やシステム利用の研修プログラムも用意するという。
 海上保安庁によると、2017年度に摘発した密漁は2629件。東日本大震災で監視船を流失した新おおつち漁協では現在、漁師らが人海戦術で見回りしており、限られた範囲しか監視できないのが実情だ。
 大槌町出身の小豆嶋(しょうずしま)和洋セベック社長は「密漁監視を省力化し、燃料費なども大幅に削減可能。養殖棚の見回りや海難救助にも応用できる。新技術による『スマート漁業』を提案したい」と話す。


<山形大パワハラ>センター長の減給1万円、山形大が適用理由示さず 職員組合要求書に回答
 山形大が職員へのパワーハラスメント(パワハラ)を理由に同大xEV飯豊研究センター(山形県飯豊町)のセンター長を1日分給与半減(減給額約1万円)とした処分が軽過ぎるとして、同大職員組合が処分決定の根拠などを求めた要求書に27日、小山清人学長が回答した。より重い「職場の上下関係に基づく影響力を用いた行為(停職以上)」の条項を適用しなかった理由には触れなかった。
 減給処分の根拠となる具体的な規定や条項についての質問に対し、大学側は回答書で、今回のパワハラは学内規程のうち「被害者側の意に反し、繰り返し行われた行為(減給以上)」の条項に当たるという趣旨の見解を示した。
 組合の仁科辰夫執行委員長は河北新報社の取材に「一つ一つのパワハラの事実が規定とどう対応するか回答しておらず、あまりにひどい。規程の恣意(しい)的な運用が疑われる」と話した。
 組合は週明けにも回答に対する正式な意見表明をする方針。


減給たった1万円 山形大“パワハラ処分”の信じられない軽さ
 甘すぎるんじゃないのか。山形大の研究施設「xEV飯豊研究センター」のパワハラ問題で、大学側が23日に発表した加害者である50代のセンター長(教授)の処分内容に批判が噴出している。
 この問題は、2016年4月〜17年2月、センター長が職員4人に対して「偏差値40」「小学生以下」などの暴言を浴びせたり、不適切なメールを送信したりしていたことが発覚。大学の調査で、一連の言動がハラスメントに認定された。ところが、発表された処分内容はナント! 「1日分給与半減(減給額約1万円)」というから仰天だ。
 同大の矢作総務部長は「減給額は労働基準法が定める上限で、法律と就業規程に基づき、適正に処分しました」と説明するが、駐車違反の反則金並みの「1万円」なんて痛くもかゆくもないだろうし、パワハラ再発防止につながるとは到底、思えない。ちなみに、16年度の山形大教授(平均年齢55・9歳)の年間給与額は約720万〜約1370万円だ。
「(さすがに)解雇はないものの、停職3カ月かと思っていたが、その予想を超える処分だった。あまりにもひどすぎる数字です。大学側に加害者を守らざるを得ない何らかの意図があるのではと疑わざるを得ません」(山形大学職員組合執行委員長の仁科辰夫氏)
 あちこちの大学でパワハラがなくならないワケだ。


<20億円寄付>青森県中央病院にも 青森市と同じ昨年末 本人の意向で詳細明かされず
 青森県は27日、県立中央病院(青森市)に昨年末、20億円の寄付があったと発表した。個人名義か法人名義かを含め、寄付者の強い要望があって詳細は明らかにされていない。青森市にも同時期に市内の個人から20億円の寄付が寄せられており、さまざまな臆測を呼びそうだ。
 県病院局によると、寄付の申し出があったのは昨年11〜12月ごろで、12月28日に20億円が振り込まれた。その際「病院の医療の充実、発展に使ってほしい」との意向が伝えられたという。
 寄付金の使途について同局は「施設の整備や医療機器の購入、人材育成などが考えられるが、今後検討する」と説明した。
 青森市に寄付金20億円が振り込まれたのも昨年末。小野寺晃彦市長が当人から直接「市民の短命の返上に役立てて」との要望を受け、市はスポーツ施設の建設を決めた。
 吉田茂昭県病院事業管理者は「県民の命をしっかり守るため、有効に活用させていただく」との談話を発表した。


都賀川水難10年/教訓風化させず伝えたい
 神戸市灘区の都賀川で、子どもら5人が亡くなる水難事故が起きて10年がたった。現場では追悼行事が行われ、子どもへの安全学習や訓練など都市河川の増水時の恐ろしさを伝える取り組みが続いている。
 それでも危険に対する意識が年月とともに薄れていることは否めない。再び犠牲者を出さないため、風化を防いで教訓をしっかりと伝えていきたい。
 事故は2008年7月28日に起こった。突然の大雨で、川の水位がわずか10分で1・3メートルも上昇し、逃げ遅れた5人が流されて亡くなった。
 上流の鶴甲地区では10分間の雨量が24ミリと一気に雨が降った。雨は住宅街に整備された排水路網の雨水幹線を通って都賀川へ流れ込んだ。都市化がもたらした急速な水量の増加が、事故原因の一つになった。
 兵庫県は事故後、大雨や洪水の注意報が出れば、回転灯が作動して危険を知らせる「増水警報システム」を設置した。しかし、その意味を正しく理解している人は少ないのが実情だ。
 事故後も急な大雨によって短時間に50センチ以上の急激な水位の上昇が、10回以上起きている。普段は川辺を散策したり、水遊びを楽しんだりする子ども連れが多い。注意していなければ、逃げ遅れる可能性がある。
 同様のシステムは、神戸・阪神間の河川に100カ所以上導入されている。効果を上げるには、回転灯への理解を広げる努力が欠かせない。
 近年は都市部でゲリラ豪雨が多発する。「西日本豪雨」のような記録的な集中豪雨による被害も目立っている。その要因として、地球温暖化の影響が指摘されている。
 対策として科学技術を駆使した予測が重要度を増している。ゲリラ豪雨に備えるため、国は高性能の気象レーダーを整備した。スーパーコンピューター「京(けい)」を使ったシミュレーションの開発にも取り組んでいる。だが、発生前の正確な予測はまだ難しいという。
 「防災意識を高めることしか命を救う道はない」
 10年前、急流に遭いながら救助された男性が述べた言葉だ。これを胸に刻み、地道な努力を継続していきたい。


観光への影響 風評被害の拡大を防ごう
 西日本豪雨から3週間がたち、岡山、広島県内の被災地では懸命の復旧や支援活動が続いている。
 一方で、被災を免れた観光地では宿泊キャンセルなどが相次ぎ、飲食店の客足も遠のいている。風評被害が心配される。被災地の支援のためにも地元経済が元気でいることが何より大事だ。官民挙げて払拭(ふっしょく)に努めたい。
 岡山県によると、豪雨が発生した6日から18日までの間、県内宿泊施設の予約キャンセルは推計で10万人、宿泊料の減収額は10億円になるという。倉敷市美観地区の人通りが減り、市内7文化施設の入場者は前年同期比でほぼ半減、岡山市の後楽園も約40%減となった。県北の温泉地でも予約や日帰り客が減るなど、主要観光地が軒並み打撃を受けている。
 甚大な浸水被害を受けた倉敷市真備町地区のニュースが全国的に報道され、「観光地も被災した」と誤解されていることもあろう。被災した県への観光を遠慮する自粛ムードも影響したとみられる。ホテルなどでの会議や宴会のキャンセル・延期も目立っているという。
 広島県も豪雨以降の宿泊施設のキャンセルが約12万件あり、土産代などを含めた観光への影響額は約45億円に上るとの推計を明らかにした。鞆の浦(福山市)や宮島(廿日市市)などの観光地にも影を落としている。
 夏休みに入り、観光や関連産業は本来かき入れ時だ。イメージ回復を急ぎ、風評被害がこれ以上拡大しないよう手を尽くしたい。誤解を解くためには主要な施設などは平常通り営業していることをホームページやSNS(会員制交流サイト)を活用し、積極的に情報発信することが効果的だろう。
 被災した県での観光に心苦しさを感じる人がいるかもしれないが、観光地や被災地以外がにぎわうことも復興への手助けになる。
 東日本大震災や熊本地震でも、県外からの観光客の激減という風評被害に直面した。大震災では、その年の夏に東北の代表的な祭りを集結させた「東北六魂祭」を開くなどのキャンペーンを展開。熊本地震の際も復興支援として、宿泊料金が最大7割引きになる旅行商品「ふっこう割」が国の補助で発行され、観光の回復につながった。
 岡山、広島両県は瀬戸内海沿岸や山陰などの自治体とも連携し、1人でも多くの観光客を呼び戻す施策を展開してもらいたい。影響がインバウンド(海外からの誘客)にも出ないよう、国外旅行会社へのPRも強化したい。
 ただ、高速道路網は復旧したとはいえ、JRは岡山と山陰を結ぶ津山、伯備線や四国の予讃線、広島県内の山陽線などがまだ全面復旧していない。周遊観光やビジネスで中四国の結節点の強みを見せる岡山県にとっては、交通網の完全復旧も急がれる。


豪雨被災地、二次災害の恐れ 土砂撤去、避難呼び掛け
 台風12号の接近を受け、西日本豪雨の被災地では28日、土砂や流木が堆積している河川が増水すれば二次災害が起きる恐れがあるとして、緊急の防災対策を展開した。早めの避難を呼び掛ける自治体も出ている。
 山の斜面などで土砂崩れが多く発生した広島県坂町の総頭川では、国土交通省中国地方整備局が複数のショベルカーを展開させ、すくい上げた土砂を川岸に積み上げた。車や流木が見つかると、水の流れをせき止める恐れがあるとして優先して撤去。国交省職員は「台風が来る前に水の流れを確保したい」と話した。


森友問題と財務省人事 ゆがんだままの「政と官」
 ゆがんだ「政と官」の関係をどう正常化していくかが問われているのに、その答えになっていない。
 麻生太郎財務相は、森友学園関連の文書改ざん問題を起こした財務省の新しい幹部人事を発表した。セクハラ問題もあり、事務方トップの事務次官と国税庁長官が3カ月以上不在という異例の事態が続いていた。
 麻生氏は財務省の組織改革も発表した。民間出身者を起用し、法令順守を強化するという。人事と併せ不祥事に区切りをつけたいのだろう。
 だが組織をいくらいじっても、根源的な問題は何も解決しない。
 そもそも官僚が改ざんに手を染めたのは、森友への国有地売却を巡り安倍晋三首相の妻昭恵氏の関与を隠そうとしたことだと考えられる。
 背景には、政治主導の名の下、首相官邸が内閣人事局を通じ官僚人事を支配している政権構造がある。
 選挙で選ばれた政治家が官僚を制御する政治主導は民主主義にとって重要だ。ただ、まっとうに機能するには、専門的見地を生かし「国民全体の奉仕者」という立場から進言する官僚の役割を、政治家がきちんとわきまえることが前提である。
 安倍政権は官邸への権力集中を極端に進めた。官僚が立場を踏み外して、政権におもねる状況を生み出した。公文書改ざんも官僚の過剰な防衛意識が働いたためとみておかしくない。なのに首相は改ざんの責任を官僚に押しつけてしまった。
 加計学園の問題も構図は同じだ。経済産業省が次官級の柳瀬唯夫経産審議官を退任させた人事である。
 柳瀬氏は首相秘書官時代に加計関係者と面会しており、首相の関与があったかという疑惑のかぎを握る。
 世耕弘成経産相は加計問題の影響を否定し、「世代交代」を理由に挙げた。だが後任の入省年次は柳瀬氏と同じだ。世耕氏の説明と矛盾する。今後も火種になりそうな人物を遠ざけたとみられても仕方がない。
 森友・加計問題について、首相は「行政のトップとしてうみを出し切る」と明言している。だが麻生氏は財務相に居座り、首相も辞めさせようとはしない。加計問題は首相が納得できる説明をしようとしない。
 政治が責任を明確にしない限り、「政と官」のいびつな関係を生み出す構造は変わらない。


特区申請前「今ごろ遅い」 内閣府幹部が京産大批判
 国家戦略特区を活用した「加計(かけ)学園」の獣医学部開設を巡り、学園と競合した京都産業大の大槻公一元教授(76)=三月に退職=が本紙の取材に応じ、二〇一六年一月、内閣府幹部に特区の申請を相談した際、「今ごろ持ってくるなんて遅い」と批判されたと証言した。この幹部は学園には当初から「国家戦略特区で突破口を開きたい」と強力支援を表明しており、「加計ありき」の疑いを裏付ける証言の一つとして注目される。 (池田悌一)
 京産大は一九八〇年代から獣医学部開設につながるライフサイエンス(生命科学)研究を本格化。二〇〇六年には鳥インフルエンザ研究で世界的権威の大槻氏を招き、学部開設に向けた準備を進めていた。
 国家戦略特区制度は安倍政権が一三年に創設。愛媛県と今治市が一五年六月、加計学園グループを念頭に獣医学部の新設を申請していた。大槻氏と京都府の担当者らは翌一六年一月、内閣府で特区を取り仕切っていた藤原豊・地方創生推進室次長(当時)と面会したが、藤原氏から「今治はずっと前から努力している。あなた方、今ごろ持ってくるなんて遅いんじゃないか」と批判されたという。
 内閣府は特区の申請期限を設けていないが、加計学園の学部開設が既定路線であるかのような発言だった。だが、大槻氏は「加計学園より提案時期が遅いのは事実。中身で勝負すればいい」と受け止め、京産大と京都府も特区を申請した。
 しかし同年十一月、安倍首相が議長の特区諮問会議は、獣医学部の新設エリアは他に獣医学部が「広域的に存在しない地域」に限定した。京産大は大阪府立大に獣医師養成学部があるため、事実上排除された。
 さらに内閣府と文部科学省は一七年一月、獣医学部の新設は「一八年四月に開設する一校に限り」認めると共同告示したため、京産大は断念に追い込まれた。
 愛媛県の文書によると、藤原氏は学園や県の幹部らに「総理官邸から聞いている。かなりチャンスがあると思ってよい」と伝え、申請書類に何を書けばよいかアドバイス。柳瀬唯夫首相秘書官(当時)も「本件は首相案件。藤原次長のヒアリングを受ける形で進めてほしい」と助言するなど、学園厚遇が際立っている。
 大槻氏は「当時も『うちの計画がふたをされた』と思ったが、なぜ外されたのか分からなかった。学園の加計孝太郎理事長と安倍首相が旧友なのは獣医師界でよく知られていたが、友達だけ面倒見るとは夢にも思っていなかった」と憤る。
 「愛媛県文書を見ると、藤原氏の対応には明らかに差がある。京産大は首相案件じゃなかったから外されたんですね。ようやく符合した。国がえこひいきしていたとすれば、あってはならないことだ」
 本紙は内閣府に藤原氏の発言の確認を求めたが、期限までに回答はなかった。


[文科省また汚職] 解体的出直しが必要だ
 文部科学省の前国際統括官、川端和明容疑者が収賄の疑いで東京地検特捜部に逮捕された。
 出向していた宇宙航空研究開発機構(JAXA)で理事だった2015年から17年にかけ、コンサルタント会社の業務に便宜を図った謝礼として同社元役員から約140万円相当の飲食接待を受けた疑いが持たれている。
 文科省では、私大支援事業を巡って東京医科大に便宜を図る謝礼に息子を不正に合格させてもらったとして、前科学技術・学術政策局長の佐野太被告が受託収賄罪で24日に起訴されたばかりだ。
 昨年は組織的天下りが発覚し、文科行政への信頼を著しく傷つけた。今度は、中枢幹部が相次いで逮捕される異常事態である。
 信頼は地に落ちた。文科省は汚職を生んだ背景を洗い出し、解体的出直しが必要だ。
 調べによると、川端容疑者は元役員から頼まれ、東京医科大で16年に開かれた式典への宇宙飛行士の出席に関わったとみられる。そのためだけだったかは不明だが、元役員からの飲食接待は10回以上に及んだという。
 元役員は、私大支援事業を巡る汚職事件で在宅起訴された東京医科大の前理事長と佐野被告との会食の場を設けるなどしたとして、受託収賄ほう助の罪で起訴されている。
 省を担う幹部職員が、二つの汚職事件を巡って同じ人物とつながっていたことになる。
 気になるのは、川端容疑者と佐野被告が共に旧科学技術庁の出身で、それぞれ「エース」と評されるエリート官僚だったことだ。
 宇宙開発など科学技術分野の事業予算額は大きく、巨額の金が動く。そこに利権を見込んで、業者が接近するのだろうか。
 01年の省庁再編で旧文部省と旧科学技術庁が一緒になった文科省である。構造的な問題がないか検証する必要があろう。
 こうした中、中堅幹部や若手職員らが早急な改革を訴え、事務次官らに異例の文書を提出した。
 文書は「一人一人の職員が透明性や公平性を意識して、職務に取り組むことでしか信頼回復の糸口は見いだせない」と強調している。度重なる不祥事に対する職員らの危機感は深刻である。
 林芳正文科相は、私学支援事業を巡る汚職事件を受けて予定していた第三者委員会設置を延期した。時期尚早と言うが、再発防止へ主導力が見えないのは残念だ。
 手をこまねいていては信頼回復は遠のくばかりだろう。組織のうみを出し切り、文科行政の再出発を期してもらいたい。


辺野古埋め立て工事 知事選を待った方がよい
 米軍普天間飛行場の移設問題は再び国と沖縄県の法廷闘争に発展する見通しとなった。
 沖縄県の翁長雄志知事が名護市辺野古沿岸部の埋め立て承認を撤回すると表明したからだ。
 国側は埋め立て海域を囲う護岸工事を進めており、実際に埋め立てるための土砂の投入を8月17日にも始めると県側に通知している。
 撤回によっていったん工事は止まるが、国側は裁判所に撤回の執行停止を申し立てるなどの対抗措置をとる構えで、撤回の効力は一時的なものになりそうだ。
 そもそも埋め立て承認は仲井真弘多前知事が2013年に行ったものだ。14年の知事選で仲井真氏を破った翁長氏が承認を取り消したが、16年の最高裁判決で承認取り消しは違法とされた経緯がある。
 撤回が裁判で認められる勝算があるとはいえず、県庁内にも消極論がくすぶっていた。それでも翁長氏が撤回に踏み切る決断をしたことは、11月の知事選を前に移設反対派の置かれた苦しい状況を物語る。
 政府は土砂投入によって埋め立ての既成事実化を進め、移設阻止を掲げる翁長氏を支持してきた側のあきらめムードを誘いたいのだろう。
 翁長氏自身が健康不安を抱え、移設反対派の知事選候補が定まらない中、土砂投入の開始を遅らせることで求心力を保つ狙いもあるようだ。
 知事選前に工事を再開するかどうか、国側も難しい判断を迫られる。強引に進めれば県民の反発を招き、自民、公明両党の支援する候補に不利に働くかもしれない。
 普天間飛行場の危険性は誰の目にも明らかなのに、辺野古への移設をめぐって国と県の関係がここまでこじれた原因は安倍政権の強権的な姿勢にあるといわなければならない。
 4年前の知事選で示された民意と向き合うどころか、移設反対派を抑えつけ、県との対立をエスカレートさせてきた。今年2月の名護市長選では現職を落選させるため、補助金を使って住民の分断をあおった。
 こうした政権側の姿勢を翁長氏は「傍若無人」と批判している。
 分断と対立をできる限りなくすのが政府の務めではないか。そのためには知事選の結果を待ったうえで土砂投入の是非を判断した方がよい。


辺野古承認撤回 工事阻止への重い決断
 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設を巡り、翁長雄志(おながたけし)知事はきのう、前知事による辺野古沿岸部の埋め立て承認を撤回すると表明した。
 対象の海域に軟弱地盤が存在していることが新たに判明したことなどが理由だ。
 政府はこれまで移設反対の地元の声を退け、力ずくで基地建設を推し進めてきた。「あらゆる手段で阻止する」と公言してきた翁長知事としてはやむを得ない決断だったのだろう。
 政府は重く受け止めるべきだ。
 基地建設のプロセスをいったん止め、県側と真摯(しんし)に話し合いを進めながら解決の道を探らなければならない。
 辺野古沿岸部の埋め立ては2013年12月、当時の仲井真弘多(なかいまひろかず)知事が承認した。
 翌年11月の知事選では、新基地建設の阻止を掲げた翁長氏が当選し、この承認は法的瑕疵(かし)があるとして取り消した。政府はこれを違法だとして提訴し、16年12月に県の敗訴が確定した。
 県は憲法が保障する地方自治の侵害だと訴えていたが、最高裁判決は手続きに論点が絞られ、辺野古移設の是非にも触れなかった。
 辺野古沿岸部の海底の岩礁破砕を巡り県知事の許可が必要かどうかを国と争った別の訴訟でも、3月の那覇地裁判決は、実質的な中身に入らないまま、県が求めた工事差し止めを認めなかった。
 埋め立て承認の撤回は、沖縄の現状に背を向けた判決が続く中で、翁長氏が取り得る数少ないカードの一つだったと言える。
 沖縄では11月の知事選を前に、辺野古移設の是非を問う県民投票を求める6万筆を超す署名が集まっている。
 地元の反対がこれほど強い中で、政府は早ければ来月17日から辺野古沿岸部に土砂を投入する方針を示している。そうなれば原状回復は困難になる。対立はさらに深まるだろう。
 安倍晋三首相は1月の施政方針演説で「沖縄の方々の気持ちに寄り添う」と言っていたはずだ。政府は承認撤回を不服とし、再び法廷闘争に持ち込む考えも示している。これが寄り添う姿勢なのか。
 そもそも「基地のたらい回し」とも言える辺野古移設ありきの対応に問題がある。
 政府は沖縄の声にしっかりと耳を傾けた上で、米軍基地集中の解消や日米地位協定の改定などについて米側とも話し合い、解決策を見いだすべきだ。


埋め立て撤回表明 新基地建設断念求める
 翁長雄志知事が辺野古埋め立て承認の撤回を表明した。新基地建設を強行してきた政府はさまざまな対抗措置を準備しているとみられ、再び司法の場での争いになると予想される。政府がやるべきことは、長年基地の過重負担に苦しんでいる沖縄の状況を是正することである。知事が民意を背に決断したことを尊重し、辺野古新基地建設を断念すべきだ。
 2014年知事選で勝利した翁長知事は、仲井真弘多前知事による辺野古埋め立て承認を取り消した。代執行訴訟や和解、国地方係争処理委員会(係争委)の審査などを経て、最後は国が提起した不作為の違法確認訴訟で県が敗訴した。知事が「取り消し」を取り消したため、承認の効力が復活し現在に至っている。
 承認に違法性がある場合に承認時にさかのぼって効力を失わせる「取り消し」に対し、承認後に生じた違法行為を根拠にする「撤回」は、その時点で効力を失わせる。いずれも公有水面埋立法で定められた知事の権限であり、事業者である国は埋め立ての法的根拠を失う。国の姿勢が変わらなければ、事業者の言い分を聞く聴聞を経て、知事は撤回を行うことになる。
 国と県が裁判で繰り返し争うのは正常な姿ではない。政府の一方的な姿勢が県を訴訟に追い込んできた。岩礁破砕を巡っても、政府が県の許可を一方的に不要と主張し強行した。県は差し止め訴訟を起こし、現在も係争中だ。
 15年の承認取り消し後の代執行訴訟では、裁判所が勧告した和解が成立した。しかしすぐに国が是正指示を出したため県は係争委に審査を求めた。係争委委員長は法的判断を回避した上で「国と沖縄県は真摯(しんし)に協議し、双方がそれぞれ納得できる結果を導き出す努力をすることが、問題解決に向けての最善の道である」と述べた。しかし、ほとんど協議せず国は新たな提訴に踏み切る。裁判所や係争委の意向を国は無視した。
 そもそも国土の0・6%にすぎない沖縄県に全国の米軍専用施設面積の約70%が集中していることが問題の根本だ。基地の過重負担を強いながら、基地縮小を求める県民大多数の民意を無視し、貴重な自然を破壊する工事を強行する。このようなことが沖縄以外でできるだろうか。
 辺野古に新基地を建設することについて自民党の石破茂元幹事長でさえ「ベストでもベターでもない。ワーストではないという言い方しかできない」と述べた。ワーストでない所なら沖縄以外にいくらでもあるはずだ。普天間飛行場の代替施設がどうしても必要と言うなら、沖縄以外に求めるべきである。他県には決して振りかざさない強権を沖縄には突き付ける。二重基準であり、差別そのものだ。
 知事の決断を多くの県民が支持している。その民意に向き合うよう改めて政府に求める。建設強行に未来はない。


[辺野古撤回手続き]正当性を内外に訴えよ
 法廷で再び国と争うことになる重い決断であるが、国は勝訴を見越して平然としている。
 本来問われるべきは、問答無用の姿勢で工事を強行し、知事をここまで追い詰めた国の行政の公正・公平性であり、あまりにも理不尽な基地の恒久的押しつけである。
 負担軽減と言いながらその自覚すらないことに深い危惧の念を覚える。
 翁長雄志知事は27日会見し、前知事が行った辺野古沿岸部の埋め立て承認を撤回するため、事業者である沖縄防衛局への聴聞手続きに入ることを明らかにした。
 「撤回」は、埋め立て承認後に違反行為が確認されたり、公益を損なうような問題が浮上したときに、承認の効力を失わせるものである。
 「撤回」のハードルは高い。それ相当の理由づけが必要だ。県庁内部では、技術的な理由から土木建築部などが「撤回」に二の足を踏み、意見集約が遅れた。
 辺野古現地で反対行動を展開する市民からは「撤回」を求める悲鳴にも似た声が日に日に高まっていた。知事不信さえ広がりつつあった。
■    ■
 国は6月の段階で県に対し、8月17日から土砂を投入する、と通知している。その先に控えているのは11月18日の知事選だ。
 知事の決断は、埋め立て予定地への土砂投入が迫る中、時間的にも、支援団体との関係においても、県庁内の調整という点でも、ぎりぎりのタイミングだった。
 記者会見で翁長知事は「撤回」の理由として、埋め立て承認の際に交わされた留意事項に反して工事が進められていることを挙げた。
 事業全体の実施設計も環境保全策も示さないまま、事前協議をせずに工事を進め、県の再三の中止申し入れにも応じてこなかった。
 大浦湾側に倒壊の危険性がある軟弱地盤が存在すること、新基地建設後、周辺の建物が米国防総省の高さ制限に抵触することなども、埋め立て承認後に明らかになった問題点だ。
■    ■
 個々の問題に対する国と県の見解は、ことごとく異なっている。
 国が「撤回」の効力停止を求め、裁判に訴えるのは確実である。その場合、「撤回」が妥当かどうか、その理由が大きな争点になるだろう。
 翁長知事の埋め立て承認「取り消し」は2016年12月、最高裁によって違法だと見なされ、県側の敗訴が確定した。「撤回」を巡る訴訟も楽観論は禁物だ。
 米軍基地を巡る行政事件だけに、なおさら、厳しいものになるのは確実である。
 沖縄県はどこに展望を見いだすべきなのか。
 県が埋め立て承認を「撤回」した場合、国と県のどちらの主張に「正当性」があるかという「正当性」を巡る議論が一気に高まるはずだ。
 国は、普天間飛行場の早期返還のためと言い、負担軽減を確実に進める、と言う。「最高裁判決に従って」とも強調するようになった。
 菅義偉官房長官の定例会見で国の言い分は連日のように茶の間に流れ、ネットで拡散される。
■    ■
 国の主張する「正当性」が日本全体を覆うようになれば、沖縄の言い分はかき消され、「安全保障は国の専権事項」だという言葉だけが基地受け入れの論理として定着することになる。
 「国の専権事項」というお決まりの言葉を使って、普天間飛行場の代替施設を九州に持って行かないのはなぜなのか。
 日米地位協定が優先される結果、情報開示は不十分で、事故が起きても基地内への立ち入り調査ができず、飛行制限に関する約束事も抜け穴だらけ。沖縄の現実は受忍限度を超えている。
 「『沖縄県民のこころを一つにする政治』を力の限り実現したい」と翁長知事は言う(『戦う民意』)。知事の苦悩に満ちた決断を冷笑するような日本の政治状況は危うい。
 沖縄の主張の「正当性」を幅広く内外に発信していくことが今ほど切実に求められているときはない。


辺野古承認の撤回表明 強行する国の責任重い
 沖縄県の翁長雄志(おなが・たけし)知事はきのう、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設を巡り、前知事による辺野古沿岸部の埋め立て承認の撤回に向けて手続きに入ると表明した。撤回は、承認後の情勢の変化を理由に許認可などの行政処分を取り消しできる法的措置である。移設反対の立場を取る翁長県政にとって、残された「最後の一手」といえよう。
 政府は8月17日にも本格的な埋め立て工事に着手すると、既に県に通知している。辺野古海域への土砂投入が始まれば、原状回復は困難になる。翁長知事は「あらゆる方法を駆使して、新基地はつくらせないとの公約実現に全力で取り組む」と強調した。12月の任期満了が迫る中、不退転の決意で阻止しようとしているのだろう
 ▽民意に耳傾けよ
 県をここまで追い込んだのは、国のなりふり構わぬ姿勢にほかなるまい。菅義偉官房長官はきのうも「移設工事を進める考え方に変わりがない」と述べた。その上で、2016年に県が敗訴した最高裁判決を挙げ、「判決の趣旨に従い、国と県の双方で互いに協力し、誠実に対応し、埋め立て工事を進めていくことが求められる」などと説明した。
 「誠実に」というならば、しゃにむに工事を進めるべきではなかろう。いったん立ち止まって県との協議を再開するなど、地元の民意にも耳を傾けるべきではないか。
 沖縄には今も在日米軍専用施設の70・3%が集中している。戦後も米軍の軍事作戦に協力させられただけでなく、基地がある故の事件や事故は絶えない。住民は常に危険と隣り合わせにあるといってもいい。第2次大戦時の沖縄戦同様、「捨て石」にされ続けているのが現実だ。
 翁長知事は承認撤回を表明した会見の冒頭で、朝鮮半島の非核化と緊張緩和に向けた米朝の努力が続けられていることに触れた。その上で「20年以上も前に決定された辺野古新基地計画を見直すことなく強引に推し進める日本政府の姿勢は容認できるものではない」と政府の姿勢を批判した。正論だろう。
 そもそも普天間返還について日米両政府が合意した当時、構想されたのは撤去可能な海上施設だった。今計画が進む恒久的な新基地とは異なるではないか。「平和を求める大きな流れから取り残されているのではないか」との指摘もうなずける。外交や安全保障政策は、情勢に合わせ更新すべきである。
 ▽環境面でも問題
 政府が辺野古移設の大義名分として強調する「普天間飛行場の危険性除去」についても疑義を唱えた。昨年6月、稲田朋美防衛相(当時)は国会答弁で、米側との調整が整わなければ普天間は返還されないと述べている。「返還のための辺野古建設という理由が成り立たなくなった」という翁長知事の言い分はもっともだ。
 埋め立て工事は、安全性や環境保全の面から見ても問題が大きい。海域に生息するジュゴンやサンゴへの影響も問題視され続けている。県は、撤回の理由として、沖縄防衛局が環境保全策を示さずに着工したことや、地質調査で辺野古の地盤が極めて軟弱であると判明したことを挙げた。これまで工事中止の行政指導もしてきたが、同局は「問題ない」との一点張りで従わなかったという。
 ▽県民投票も視野
 一方、沖縄では、辺野古の海の埋め立ての是非を問う県民投票の実施が、現実味を帯びてきた。県民投票条例制定を直接請求するために市民有志が23日まで集めた署名は、法定必要数を大きく上回る7万7千筆に上っている。翁長知事は会見で「政府もこれだけ多くの県民が署名を行った重みにしっかり向き合ってほしい」と訴えた。
 しかし国は撤回の無効化を求め、直ちに取り消し訴訟の提起など、法的措置で対抗する構えである。今国に求められているのは、対立を先鋭化することではあるまい。最後の一手で抵抗せざるを得ない沖縄の民意をくみ取る姿勢こそ必要である。


[辺野古撤回へ] 政府は沖縄の声を聞け
 沖縄県の翁長雄志知事はきのう、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への県内移設計画を巡り、前知事による辺野古沿岸部の埋め立て承認の撤回に向け、手続きを始めると表明した。
 環境保全対策を示さずに工事に着手するなど、承認の条件となる事業者の義務に違反しているというのが、その理由である。
 撤回により国の工事は一時中断し、早ければ8月17日にも予定される辺野古沖での土砂投入が遅れる可能性がある。
 国は撤回の無効化を求め、直ちに取り消し訴訟の提起など法的措置で対抗するのは必至だ。
 辺野古移設を巡る国と県の対立は続き、対話すら見通せない。政府に求められるのは、沖縄県の訴えを真摯(しんし)に聞く姿勢である。
 移設を巡っては2013年、仲井真弘多前知事が予定地の埋め立てを承認したものの、計画阻止を掲げて当選した翁長知事が15年10月に取り消した経緯がある。
 16年12月に最高裁が取り消し処分は違法と結論付けたため、政府は工事を再開した。
 今回の撤回は、行政処分そのものの違法性を理由とする「取り消し」とは違い、承認後の事情の変化を理由に許認可などの行政処分を取り消す措置だ。
 翁長知事にとっては、土砂投入を阻止するための「最後のカード」を切ったといえる。11月の知事選を前に、県民世論を喚起する狙いもあるに違いない。
 菅義偉官房長官は会見で「移設工事を進めるという考え方に変わりはない」と述べ、移設計画を堅持する方針を示した。
 沖縄県が1972年に本土復帰してから46年。復帰当時、衆院は速やかに米軍基地の整理縮小を進めるべきだと決議した。
 しかし、今も国土面積の約0.6%しかない県土に在日米軍専用施設の約70%が集中する。
 基地建設は、日本を取り巻く安全保障環境を理由に進められてきた。だが、北朝鮮は非核化の意思を表明し、朝鮮半島の平和と安定に向けた関係各国の協議が続く。日本と中国の間も関係改善へと動きだしている。
 今後の情勢を楽観視することはできないが、政府と与野党が議論すべきなのは、変化の兆しがある北東アジア情勢に対応する安保政策ではないか。
 その中で、在日米軍の在り方や沖縄の米軍基地の整理縮小も再検討すべきだ。思考停止のように既定路線を突っ走るべきではない。
 政府が、かたくなな姿勢を見直す。そこから沖縄とともに考える未来が開かれるはずだ。


辺野古承認撤回 移設は「唯一の解決策」ではない
 沖縄県の翁長雄志知事は、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設を巡り、前知事による辺野古沿岸部の埋め立て承認の撤回に向け、手続きを開始する意向を表明した。これに対し政府は、法的措置で「撤回の無効化」を図り、引き続き工事を進める構えだ。
 工事は、土砂投入の工程が目前に控えている。埋め立ててしまえば、自然環境を元に戻すことは困難だ。承認撤回は、移設阻止に向けた県の最終的な手段といえる。この切実な訴えに向き合おうとしない政府の態度には憤りを禁じ得ない。
 東アジアでは、史上初の米朝首脳会談が行われるなど安全保障環境が大きく変化している。平和体制の構築へ、基地の必要性を含めて安保政策の見直しを米国と協議することこそが「沖縄の基地負担軽減」を掲げる政府の責務だ。
 臨時会見で翁長知事は「あらゆる手法を駆使し、新基地は造らせないとの公約の実現に向け全力で取り組む」と決意した。2014年の知事就任以降、埋め立て承認取り消しや、工事の差し止めを巡る法廷闘争で県の敗訴が続く。それでも抵抗を続けるのは、県内に在日米軍専用施設の7割が集中し、負担と危険が一向に解消しないことへの抗議にほかならない。
 だが、菅義偉官房長官は「移設工事を進めるという考え方に変わりない」と、従来の方針を繰り返した。さらに「(移設を巡る)16年の最高裁判決の趣旨に従い、国と県が互いに協力して埋め立て工事を進めることが求められる」と述べた。県の意見を十分くみ取らないまま、県の敗訴を引き合いに、工事を強行しようとする姿勢は看過できない。
 承認撤回への対抗策として防衛省沖縄防衛局は、処分取り消しの行政訴訟を起こす考え。効力を即時に停止させる「執行停止」を同時に申し立てることも想定される。だがこうした「敵対措置」では、県との溝をさらに深めるだけだ。政府がすべきことは、県と真摯に向き合い、対話による「政治的解決」に粘り強く取り組むことだ。
 辺野古への移設が決まってから約20年たち、基地の必要性も改めて見直す時期に来ている。6月には、トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が会談を行い、朝鮮半島の完全な非核化が約束され、将来的な在韓米軍撤退の可能性にまで言及した。武力によらない平和体制の維持を進めようとする中辺野古への基地移設は東アジアの安定に逆行することにもなりかねない。
 住民にとって、沖縄の美しい海が失われることへの危機感は強い。海域に生息するジュゴンやサンゴなど、環境への懸念の指摘に対しても、政府は不誠実な対応をとってきた。辺野古移設は、「唯一の解決策」ではない。今、立ち止まらなければ、将来に大きな禍根を残すことになると政府は認識すべきだ。


杉田議員の暴論/なぜ自民は不問に付すか
 国民の選良と呼ばれる人の人権意識がこの程度かと驚かされる。自民党の杉田水脈(みお)衆院議員が月刊誌に寄稿した内容だ。
 性的少数者(LGBT)のカップルは子どもをつくらない、つまり生産性がない。そうした人たちの支援に税金を使うことに賛同が得られるのか−。
 問題提起のつもりなのだろう。しかし暴論としか言いようがない。偏見に苦しむ人たちに思いを寄せる感性がうかがえない。子どもを産まなければ支援は不要との考えは、LGBTだけでなく多くの人を傷つける。
 自民の二階俊博党幹事長が「いろんな人生観、政治的立場がある」と、不問に付す姿勢であることも理解に苦しむ。
 杉田氏は2012年に、兵庫6区で日本維新の会から立候補して比例で復活当選した。前回衆院選は自民党の中国ブロックの比例単独で当選した。政党票のみで議席を得た以上、誤った言動は党がチェックし、厳正に対処するべきではないか。
 寄稿の中で杉田氏は、LGBTのうち性同一性障害には医療行為の充実などの必要性にも言及する。他方で、同性愛などの性的嗜好(しこう)まで認めると「歯止めが利かなくなる」とした。
 欧米では同性婚を合法化する国が増えている。安倍政権の「1億総活躍プラン」もLGBTへの理解を促し、多様性を受け入れる環境整備が明記された。携帯電話各社が家族割引を同性パートナーにも認めるなど、企業の動きも進み始めた。
 「常識を見失っていく社会は秩序がなくなる」とした杉田氏の意見は個人の尊厳を踏みにじり、世界の潮流にも逆行する。
 2年前の7月、神奈川県の障害者施設で入所者19人が殺害された事件を思い起こす。元施設職員の容疑者は「障害者は不幸だから」と動機を供述した。
 独善的な価値観を持ち、不要とみなす存在は排除しようとする。偏狭な考えは、憎悪や差別をあおり、社会を分断する。
 偏見を正し、多様な人が共生できる社会をつくるのが、与野党を超えた政治家の責務だ。
 一方、杉田氏に危害を加える内容のメールが届いたという。今回の寄稿との関連は不明だが、暴力で対抗するという考えならば絶対に賛同できない。


自民・杉田議員「LGBT生産性ない」発言に4000人が猛抗議
 自民党の杉田水脈衆院議員がLGBT(性的少数者)のカップルは「『生産性』がない」との見解を月刊誌に寄稿したことに反発して27日夜、地方議員や市民らが自民党本部前で抗議集会を開いた。
 約4000人(主催者発表)の参加者は性の多様性を意味するレインボーカラーの旗やプラカードを手に「差別をやめろ!」と抗議。さらに「人権無視する議員はいらない」と杉田議員の議員辞職を訴えた。
 集会には性同一性障害を公表している上川あや世田谷区議らLGBT自治体議員連盟のメンバーも参加。杉田議員の寄稿は「根強い差別や偏見を助長するものであり、決して許されない」とする抗議声明を発表、党本部の警備員に手渡した。


杉田水脈議員の辞職を求める抗議運動に約5000人。「人権無視する議員はいらない」と声が上がった
自民党本部へ持っていった声明文は、警備員が受け取った Shino Tanaka
自民党の杉田水脈衆院議員が、月刊誌で性的少数者(LGBTなど)に対し「生産性がない」などといった差別的な文章を寄稿した問題をめぐり、7月27日、杉田議員の辞職を求める抗議活動が自民党本部前で行われた。LGBT法連合会の事務局は、抗議には約5000人が参加したと発表した。
今回の抗議活動には、LGBTについて国内で最大級のイベントを主催する「東京レインボープライド」も加わった。東京レインボープライドは、「特定の政党に偏ることなく、各政党横並びでの関係づくりに努めて」いるといい、こうした抗議活動などに参加することは珍しかった。
しかし今回は「『Pride』という歴史的にも重みのある言葉を冠する団体であるならば、ここで抗議の声をあげなければ、その存在価値を見失うのではないか。そんな怒りや危機感から、今回、このような形で抗議行動をすることにしました」と共同代表の山縣真矢さんは言う。
参加者は、午後7時の開始から、杉田議員に対し「人権無視する議員は辞めろ」「差別をするな」などと一斉にコール。また、性的少数者の当事者団体や、LGBT自治体議員連盟の議員などがマイクを握り、リレートークをした。
トークでは、LGBT法連合会・共同代表である原ミナ汰さんが「向けられる暴言は、顔に唾を吐かれていることに等しい。私はいつかはやむだろうと、黙ってその唾を何度も拭ってきた。だけど、暴言はボディーブローなんです。だんだん効いてくる。だから、こうやって唾を吐きかけてくる人に、『やめてください!』と言いに行かないといけないんだ」「敬意を払ってほしい」と訴えた。
また、連合会の山下昴さんは、杉田議員の寄稿文にある「LGBTだからといって、実際そんなに差別されているものでしょうか」という文言について抗議をした。
「20代の当事者の立場から話したい。異性を好きになることが当たり前だと思いこまされていた僕は、(同性を好きだということは)人に言っちゃいけないことだと、心を閉ざすようになった。友達にも家族にも、仮面を被り、自分を偽り、壁を一つ隔てたようななかで、孤独感に苛まれるようになった。自分は自分のままで生きていけるのか。僕のこの苦しみを分かってくれる人はいるのか。あの言葉に、絶望と怒りを覚えた」
そしてLGBTなどの子どもたちに対して「私たちは、こんな思いを子どもたちにさせていいのか。差別はいまだ、根強くあります。差別に悩み苦しむ人がいると、分かってきた段階だ。それをあたかも差別はないなどと発言する。そんなことを政治家がやってのける。それを許す社会であっては絶対にならない。一人一人の苦しみを受け止めて、1日でも早くこの差別をなくすための責任を果たして。私たちは自民党を見ています」と声を枯らした。
LGBT自治体議員連盟の声明文を自民党本部へ
この抗議活動では、人権擁護のための条例制定や施策の推進などに取り組む、LGBT自治体議員連盟も参加。議員らは安倍晋三総裁に宛てた抗議声明を渡すために、自民党本部へ向かった。
だが、自民党本部への立ち入りを拒否されたため、警備員に託したという。
声明文では、杉田議員の寄稿文について「事実誤認と偏見に基づいて」いると抗議。全国の地方議員が党派を超えて支援や制度設計を始め、LGBTに関する請願・陳情が可決される動きが出ている中での発言は、「自治体の動きを否定するばかりでなく、根強いLGBTへの差別や偏見を助長するとともに、子どもを産まない人、産めない人、障がいや病気などによって経済的な自立が難しい人をも否定するもの」で、「決して許されるものではありません」とした。
杉田議員の寄稿文とは
杉田議員は「新潮45」8月号に、「『LGBT』支援の度が過ぎる」と題した文章を寄稿。LGBTのカップルに対し「彼ら彼女らは子供を作らない、つまり『生産性』がないのです」などと記し、「税金を投入することがいいのかどうか」と主張。事実誤認の指摘や、差別的だという批判が相次ぎ、物議を醸している。


自民・杉田議員 「生産性ない」はナチの優生思想 識者ら批判 海外メディアも報道
 人の価値を「生産性」で語ることが、はたして許されるのか。自民党の杉田水脈(すぎた・みお)衆院議員(比例中国ブロック)が、月刊誌への寄稿で、性的少数者(LGBTなど)を「子どもを作らない、つまり生産性がない」とおとしめた問題。国会議員が性的少数者への差別意識をむき出しにしたことが波紋を広げ、自民党本部前で市民らが杉田氏の議員辞職を求め抗議する事態に発展した。海外メディアも競ってこの問題を報じ、その中で複数のメディアが「生産性がない」の部分を強調している。「生産性」の観点から人を選別するのは、優生思想ではないのか。杉田氏の「生産性がない」という表現を、識者たちとともに掘り下げて考えてみたい。
海外メディアが引用符で強調
 杉田氏の寄稿は「『LGBT』支援の度が過ぎる」(「新潮45」8月号)。その中で「なぜ男と女、二つの性だけではいけないのか」「多様性を受けいれて、様々な性的指向も認めよということになると、同性婚の容認だけにとどまらず、例えば兄弟婚を認めろ、親子婚を認めろ、それどころかペット婚や、機械と結婚させろという声も出てくるかもしれない」などと独自の見解を展開した。全体として性的少数者蔑視に貫かれている。
 この寄稿がネット上で批判を浴びる中、自民党の二階俊博幹事長は7月24日の記者会見で、杉田氏の「生産性がない」という主張について「右から左まで各方面の人が集まって自民党は成り立っている。別に大きな驚きを持っているわけではない」と述べ、問題視しない姿勢を示した。これがさらに批判を呼び、27日に党本部前であった抗議集会に主催者発表で4000人が集まった。
 海外メディアも関心を寄せている。カタールの衛星テレビ局アルジャジーラの運営するオンラインニュースメディア「AJ+」は24日、英語版の公式ツイッターに杉田氏の写真をあしらい、
<日本の立法府の議員が、子供を「生産」しないLGBTは社会福祉を受けるに値しないと考えている>
と投稿した。<……not“producing”children>と「生産」の部分を強調。過去に問題視された杉田氏の発言を紹介する動画も添え、4600件以上もリツイート(拡散)されている。
 一方、英国のインディペンデントは26日、ニュースサイト上で<日本の政治家がLGBTの人々を「非生産的」と呼んで批判を浴びている。同性愛の関係を容認する社会は潜在的な崩壊の危険性がある、と杉田氏は主張している>と報じた。やはり、引用符で‘unproductive’(非生産的)を強調している。このほか、米CNNテレビなども報じている。
 杉田氏は安倍晋三首相の出身派閥である細田派に所属し、国会でも右派的な発言を繰り返してきた。海外メディアでその発言が問題視されるのは、今回が初めてではない。6月に英国公共放送BBCのドキュメンタリー番組でインタビューを受けた杉田氏は、性暴力被害を訴えたフリージャーナリストの伊藤詩織さんについて「女として落ち度があった」と述べ、批判を浴びている。
大学構内にも抗議の貼り紙
 日本でも、杉田氏の「生産性がない」に対する批判が噴出している。
 京都大学では最近、名物だった学生の立て看板が撤去されニュースになったが、大学キャンパスの石垣に
 <杉田水脈議員の優生思想的発言に抗議する。人は「生産性」のために生きているのではない>
と大書した抗議の貼り紙が登場した。その写真がツイッターに投稿され、3000件以上も拡散している。
 ネット上では、
 <「生産性」のあるなしで人間の価値を判断し、差別するのは、人の能力に優劣をつける「優生思想」に基づいてユダヤ人や障害者、同性愛者などを大量に虐殺したり収容所に送ったりしたナチスの蛮行と「地続き」です>
 <国民を生産性の有無で分別し、後者を抑圧するのはナチスの優性思想と同じことではないか>
など、杉田氏の主張とナチスドイツの優生思想との類似性を指摘する批判が目立つ。杉田氏の問題を巡る毎日新聞25日朝刊社説の一部を引いた<特定の少数者や弱者の人権を侵害するヘイトスピーチの類いであり、ナチスの優生思想にもつながりかねない>という指摘も、多数拡散されている。
 一方、7月26日で相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」での殺傷事件から丸2年が経過したことを踏まえ、「障害者は生産性がない」などと語ったとされる植松聖被告と杉田氏を比較するツイッターの投稿も少なくない。
 <植松(聖被告)の優生思想と(杉田水脈氏の)「生産性がない」は地続きである>
 <(杉田氏の「生産性がない」は)「役に立たない非国民は排除する」という意味の発言だよ。それは相模原事件の被告の考えと同じだよ>
                   ◇
 改めて問いたい。人の価値を「生産性」で語ることが許されるのか。歴史学者や障害者福祉の専門家ら4人に意見を聞いた。
「生産性ない」はナチと全く同じ
 歴史学者で成城大名誉教授の木畑和子さんの話
 LGBTの人たちについて「生産性がない」と断じた杉田水脈氏の主張には、驚かされた。彼らを問題視する姿勢が、ナチと全く同じだからだ。
 ナチ時代のドイツでは「健全な民族共同体」をつくるために出産奨励策が実践された。そして、子を「生産」しない男子同性愛者はこの政策に反するとして約10万人が逮捕され、その約半数が刑務所や強制収容所に収監された。こうしたナチの政策の背景には、ドイツの世界支配のために強健な兵士の大量育成が不可欠だったという理由があった。
 出産奨励に際しては、20世紀初めに欧米で成立した優生学のもとで遺伝的に「劣等」とされた障害者たちの出生を防止する断種法が作られ、出産抑制政策も同時に実行された。その犠牲者数は約40万人に上る。
 優生学自体は各国で社会改良の重要な手段と考えられ、自由主義者から保守主義者まできわめて幅広い人びとに支持されていた。しかし、実際に断種法が成立したのは、ナチ・ドイツ以外では、アメリカ合衆国の多くの州と北欧などいくつかの国だけであり、また断種手術をこれほどの規模でおこなったのはナチだけであった。
 また、杉田氏のLGBTに対する税負担を巡る議論は、ナチ体制が成立するきっかけとなった大恐慌の時代から、障害者を対象とする福祉政策の経済的負担を軽減する目的で断種政策が模索されていたことを想起させる。
 ナチ時代になると、きわめて安易な診断基準のもとで精神障害者とされた人びとに、強制的断種不妊手術が行われていった。その際、「不幸な子ども」が生まれないように、と人びとの同情心や不安を利用したキャンペーンも積極的に展開された。
 ナチ時代に人の「生産性」の有無という考え方は、療養施設などに収容されていた障害者たちを「労働可能」な患者かどうかで選別する政策にも表れた。労働ができず「生産性がない」とされた患者たちは、開戦後秘密裏に始まった「安楽死」政策の犠牲となった。その犠牲者数はドイツ占領地区も含めるとおよそ30万人となる。
 今日では優生思想と「安楽死」やホロコーストを直接的に結びつける研究者は少ない。とはいえ、ナチの優生思想は人権を全く無視したものであり、「安楽死」への道を開いたといえよう。
 ドイツは戦後、ナチによる戦争犯罪を厳しく追及してきたが、医師たちが深く関わった断種手術や「安楽死」の問題は長くタブーとされてきた。医師たちの一部やジャーナリストによってそれに光が当てられたのは、80年代前半からであり、そんなに昔のことではない。しかしその後、このナチ犯罪の過酷さに対する関心が非常に高まり、「過去」との取り組みが積極的におこなわれるようになった。
 そのようなドイツでも最近、反移民を旗印に差別発言を繰りかえす極右政党「ドイツのための選択肢」(AfD)が国会で野党第1党になった。世界的に自国第一主義や排外主義が強まる中、日本も例外ではなく、「生産性がない」といった差別的発言にはいっそう敏感になる必要がある。【聞き手・井上英介】
■きばた・かずこ 70歳。成城大文芸学部ヨーロッパ文化学科教授を4年前に退職し、現職。専攻はドイツ現代史で、ナチズムと医学を巡る論文多数。著書に「ユダヤ人児童の亡命と東ドイツへの帰還:キンダートランスポートの群像」(ミネルヴァ書房)など。ウォルター・ラカー「ホロコースト大事典」(柏書房)の翻訳に従事した。
他者を「不要」と決めつける暴力
 政治学者で東京工業大教授の中島岳志さんの話
 性的少数者に対する杉田水脈氏の「生産性がない」「不幸」という言葉は、勝手な価値判断で他者を「不要なもの」と決めつける暴力的な発想が透けて見える。私はこれに接して石原慎太郎氏が東京都知事だった2001年に暴言を吐き、批判を浴びたケースを想起した。
 石原氏は女性誌のインタビューで「女性が生殖能力を失っても生きているというのは無駄で罪」「男は80、90歳でも生殖能力があるが、女は閉経してしまったら子供を産む能力はない。そんな人間が生きているのは地球にとってあしき弊害」などと述べた。
 石原氏は後年、インタビューで脳梗塞(こうそく)の後遺症による悩みを打ち明け、自身に迫る肉体的な衰えにおびえ、繰り返し「怖い」と語った。「不要なもの」とみなしてきた存在に自らがなろうとし、自身の思想に自らが殺されているように見えた。人は誰もが少数者や弱者になり得る。誰かを「不要」と断じることは、未来の自分を殺すことでもあるのだ。
 しかし、石原氏のような存在に「ざまあみろ」という言葉を投げては、暴力的な発想を加速させるだろう。僕らの社会は、彼らも救いながら、自己責任論の悪循環を避けていかなければならない。
 杉田氏が政権与党の国会議員だという点も看過できない。杉田氏は、家父長的な家族観に強いこだわりを持つ右派団体「日本会議」に近い人物だ。今回の発言は杉田氏個人の発想というより、日本会議の発想に連なるものだろう。この日本会議のイデオロギーに近い安倍晋三首相が、杉田氏を選んで立候補させたということを忘れてはならない。安倍首相も潜在的に杉田氏と同じ発想を持っている可能性がある。
 前近代の社会は個人の性的指向におおらかだった。一方、労働力の確保と管理を重視する近代国家が誕生すると、「産まない性」は指導・矯正の対象とされ、同性愛は「特殊な存在」として排除された。「夫婦の健全な性のあり方」が規定され、それ以外の性がタブー視されるようになったのは近代国家の人口政策が要因だ。杉田氏の「生産性がない」という発言を極右勢力に限った極端な考え方だと片付けてしまえば、本質を見失うだろう。【聞き手・宇多川はるか】
■なかじま・たけし 43歳。北海道大准教授を経て東京工業大教授。専門は近代日本政治思想など。気鋭の論客として知られる。「中村屋のボース」で大佛次郎論壇賞受賞。他にも「秋葉原事件」「『リベラル保守』宣言」など多数。
相模原殺傷事件の被告と重なる
 障害者通所施設の運営に長年関わってきた日浦美智江さんの話
 杉田水脈氏の「生産性がない」という言葉が引っかかっていた。性的少数者はもちろんのこと、障害がある人やその家族が大勢傷ついたに違いない。何ということを言うのかと思う。だが、杉田氏の主張を肯定する人も一定数いるのだろう。自分たちの考える枠や基準でしか人を認めようとしない感覚が社会を覆っていると感じる。
 杉田氏の言葉に、やまゆり園事件の植松聖被告を想起した。2人の言葉に同じものを感じる。植松被告は知的障害者を「心失者」と呼び、殺害を肯定していると報じられた。人の心を勝手な基準で「ない」と決めつけた。杉田氏の主張もまた、自分の狭い枠に当てはまらない相手を、否定しているのではないだろうか。
 私は重症の心身障害を持つ大人や子供と関わる中で「命ある限り人には心はある」と確信している。植松被告が「心失」と言うからには、「心」は「失う」前にもともとあったのだろう。心を失わせた、奪ったのは誰なのか−−と私は問いたい。
 重症の心身障害を持つ人たちは、生活の全てを他人に委ねざるを得ない。それでも、地域の中で喜怒哀楽を表しながら近隣の住人たちと交流を重ね、人と人とを結んでくれた。経済的な生産活動だけではない「働き」をたくさんしてくれた。
 私自身、そんな人たちとの人間関係の中で、自分の未熟さや想像力の乏しさを自覚することができた。言葉が話せなくても、私が笑うとケラケラッと笑う女性は、一緒に暮らす中で、障害を持つ人も同じ世界に生きているということを私に気付かせてくれた。その時、彼女にいとおしさを感じた。
 自分と考えが異なっている人、想像を超えた生き方をする人と出会い、交わることは、生きる楽しみを与えてくれるのではないか。そういう関係の積み重ねが人の世界を豊かにするのだと思う。
 自分の狭い枠に当てはまらない相手を否定し、他者を心の中で殺すような社会では、豊かに生きていけない。異なる価値観を持って異なる生き方をする他者と交わり、生を実り多きものにするような社会を願っている。【聞き手・宇多川はるか】
■ひうら・みちえ 80歳。1986年、重度心身障害児・者の通所施設「朋」を全国に先駆けて横浜市に開き、最重度とされる障害があっても地域活動に参加しながら社会生活を送る取り組みが注目された。これを題材に2002年にドキュメンタリー映画が作られ、04年には障害者福祉に尽力した人に贈られる「糸賀一雄記念賞」を受賞した。
「優生保護の犯罪」と表裏の関係
 「優生手術に対する謝罪を求める会」世話人で、立命館大生存学研究センター客員研究員の利光恵子さんの話
 杉田水脈氏は寄稿で、子どもを産む可能性がないとして、性的少数者のカップルへの行政支援に反対し、子を産まないことを否定するところまで踏み込んでいる。こんな発言をする国会議員が存在していることに、大きな驚きと憤りを禁じ得ない。
 戦時中の「産めよ増やせよ」のごとく、子を産まない人は国家の役に立たないという思想の持ち主なのか。杉田氏の発言は性的少数者を差別し、傷つけるにとどまらない。子を産めない人をおとしめ、子をもうけない性行為や子を産まないという生き方の選択を排除するものだ。
 世界では「性と生殖に関する健康・権利」(リプロダクティブ・ヘルス/ライツ)という考え方が登場している。1995年に日本政府も参加して北京で開かれた国連世界女性会議の「北京宣言」に盛り込まれた。内閣府も現在、推進している。
 「性と生殖の権利」について言えば、差別や強制、暴力を受けることなく出産するかしないかを自由に決められる権利を指す。人口政策と結びつけ避妊や中絶の権利を制約することに反対している。
 子を産み育てる権利だけでなく、産まない選択も尊重する。生殖だけでなく、あらゆる「性」を認める。そこには「性的な指向」も含まれている。杉田氏はこの権利を理解せず、人に「生殖」の義務だけを負わそうとしている。
 私は、日本で戦後も続いてきた旧優生保護法下の強制不妊手術問題について取り組んでいる。今年に入って被害者から訴訟が提起され、実態が明らかになってきた。
 この問題は、差別意識に基づいて障害者から産む選択を暴力的に奪った国家の犯罪で、子を産まない性的少数者を攻撃する杉田氏の主張とは一見かみ合わないように見える。だが、性と生殖に関する個人の自己決定権を侵害している点で共通し、コインの裏表の関係にある。
 敗戦後の食糧難や人口増を背景に、国は旧優生保護法で障害者を減らして人口の「質」を高めようとし、「どんな子を誰がどんな形で産むか」を管理しようとした。いま、その人権侵害の歴史を掘り起こし、罪と向き合うことを通じて、障害者を含むすべての人の性と生殖の権利を守るために考え、行動すべき時だ。それに逆行する今回の杉田氏の発言は許し難いものだと感じている。【聞き手・日下部元美】
■としみつ・けいこ 64歳。薬剤師として働くかたわら1990年ごろから旧優生保護法下の強制不妊手術問題に取り組み、「優生思想を問うネットワーク」などのグループで活動。2016年に「戦後日本における女性障害者への強制的な不妊手術」を出版。「グループ生殖医療と差別」会員。


LGBT当事者ら「価値を決めるな」 杉田議員発言で抗議
 子どもをつくらない性的少数者(LGBT)は「『生産性』がない」とする文章を自民党の杉田水脈(みお)衆院議員が月刊誌に寄稿したことを巡り、東京・永田町の党本部前で27日、当事者や市民らが抗議の声を上げた。
 抗議行動には、当事者団体の全国組織「LGBT法連合会」などが賛同。同連合会の森谷佑未事務局次長(23)は「公人の差別発言は問題。性的指向や性自認に関する差別をなくすためには法整備が必要だ」と訴える。
 参加者は、LGBTの社会運動の象徴である6色のレインボーフラッグなどを手に、「他人の価値を勝手に決めるな」とシュプレヒコールを上げた。
 同性パートナーと参加した松木宣子さんは「自民党もLGBT施策に取り組んでいると聞いていたのでショックだった」と話す。「差別と偏見をあおる国会議員はいらない」と書かれたプラカードを掲げた編集者の川名真理さん(54)は「誰かの存在意義を、別の誰かが決めることはできない」と憤った。 (藤川大樹)


抗議 杉田議員辞職を 自民党前、LGBTなど5000人
 自民党の杉田水脈(みお)衆院議員(比例中国ブロック)が月刊誌への寄稿でLGBTなど性的少数者について「子どもを作らない、つまり生産性がない」などと主張した問題で、当事者や支援者らが27日、東京都千代田区の自民党本部前で杉田氏の辞職を求める抗議活動をした。参加者は性の多様性を意味するレインボーカラーの旗やプラカードを手に「差別をするな」「人権無視する議員はいらない」と訴えた。
 午後7時からの抗議行動には主催者発表で約5000人が参加し、次々にマイクを握って訴えた。支援活動を長年続ける原ミナ汰さんは「差別的な暴言は顔に唾を吐かれるのに等しい。今までは唾を吐かれても、いつかやむと思って黙ってきたが、暴言はボディーブローのように効いてくる。やめてくださいと言わないといけない」とアピールした。
 レズビアンの増原裕子さん(40)は「杉田氏の寄稿はヘイトスピーチで、本当にひどい。発言を容認する自民党の姿勢にも失望した」。当事者の子どもや若者を支援している団体の代表を務める遠藤まめたさん(31)は「寄稿で当事者の子どもや若者がショックを受けており、非常に憤りを感じた」と話した。
 ゲイであることを公表している明治大の鈴木賢教授は「日本は同性カップルに何の法的保障もなく、いないことにされている。国民を生産性の有無で分別する差別主義者に議員の資格はない。私たちはもう黙らない」と力を込めた。発生から2年がたった相模原市の障害者施設殺傷事件などに触れてマイノリティーへの差別を指摘した登壇者も多く「苦しむ声に向き合ってほしい。私たちは生きていていい」などと訴えた。
 抗議活動は北海道や福岡県の自民党支部前でも行われた。当事者を支援しているNPO北海道レインボー・リソースセンターL-Portの工藤久美子代表(43)は「当事者にとって、殺されるようなレベルの暴言。『死にたい気持ちになっている』『夜に一人でいられなくなった』という相談が増えた。何人死ねば分かるんだろうという気持ちだ」と憤った。
 杉田氏は「新潮45」8月号の「『LGBT』支援の度が過ぎる」と題した寄稿で、「生産性のない」LGBTのカップルに「税金を投入することがいいのかどうか」と主張。不正確な内容を盛り込みながら、差別的な持論を展開した。【藤沢美由紀、源馬のぞみ】


日弁連 「障害者差別解消法に国会も対象に」意見書公表
 日本弁護士連合会は、障害者差別解消法に国会も適用の対象とする規定を速やかに設けるよう求める意見書を公表した。2016年5月の国会審議で、筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者の参考人招致が「質疑に時間がかかる」などとして実現しなかった問題が発生し、日弁連が対応を協議していた。
 同法は16年4月施行。内閣の行政機関や地方自治体に障害者への「合理的配慮」などを義務付ける一方、国会や裁判所については「三権分立の観点から自律的に必要な措置を講じることとすることが適当」として適用対象外とされている。
 これに対し、意見書は「国会の自律的措置に任せていたのでは、差別を根絶することが困難」と指摘。「国会における差別禁止を明記する法的手当てが必要」と訴えている。
 さらに「障害のある人もない人も共に被選挙権が実質的に保障され、議員活動が保障されるよう国会議員に対する差別禁止が法令上規定されるべきだ」との見解も示した。意見書は17日付で衆参両院議長に提出された。
 日弁連は13年、「裁判所の合理的配慮義務」の規定を民事訴訟法に設けることなどを求める意見書も公表したが、立法化には至っていない。【武本光政】


自転車の事故 潜む危険を理解しよう
 自転車は手軽な乗り物だが、事故は起き続けている。利用法を誤ると人を傷つける凶器にもなる。便利さにばかり目を向けず、潜む危険をしっかり理解して安全に快適に利用したい。
 まず申し上げたいのは、自転車は道路交通法上は「軽車両」、つまり車の仲間だ。決して歩行者の延長にある乗り物ではない。
 その思いを強くしたのは元大学生が起こした事故の裁判である。
 検察によると、被告の元大学生は両手を自転車のハンドルに添え右手に飲み物、左手にスマートフォンを持ち、左耳にイヤホンをしていた。少なくとも五〜六秒はスマホを見て脇見運転をしていたという。高齢者と衝突し二日後に死亡させてしまった。元大学生は重過失致死罪に問われ検察は禁錮二年を求刑した。
 自転車の速度は一般的に時速十五キロ程度といわれる。仮にそうだとすると二十メートル近く前を見ないで移動していたことになる。事故を起こせば自分だけでなく相手方も死傷させる乗り物だということを再認識してほしい。
 自転車が関係する事故は減少傾向だが、それでも二〇一七年には九万件を超えている。自転車の通行区分は車道の左側だ。信号や標識を守り夜間はライトを点灯する。携帯電話やイヤホンの使用、二人乗り、傘差し運転は違反行為になる。安全運転を心掛けることは自動車運転と同じである。
 自転車の事故でも五千万円を超えるような高額な損害賠償を認める判決が度々出ている。自転車向けの保険は種類が増えた。こうした知識の周知も進めたい。
 事故防止には車と歩行者と通行する空間を分けることだ。自転車の活用が盛んなスウェーデンのストックホルムでは三者を分離した通行帯を設けている。ヘルメット姿の自転車利用者が快適に走っている。
 最近は東京都内を自転車で巡る外国人観光客が増えた。道の狭い日本でも、見直せるところはあるはずだし、見直すべきである。自転車レーンは少しずつ増えてきている。


国のJR支援 抜本改革には不十分だ
 経営難で路線見直しを進めるJR北海道に対し、石井啓一国土交通相はきのう、2019、20年度の2年間で400億円台の財政支援を行うと表明した。
 これまで「地域の問題」として距離を置いてきた国が支援に転じたことは前進と言えよう。
 とはいえ、2年という短期の枠組みでは、資金が枯渇しているJRの抜本改革は困難だ。
 国は早期に21年度以降の支援態勢を明確にし、道や沿線自治体とともに長期的な視点で地方の鉄路を支えていくべきだ。
 JRは、単独では維持困難とする13区間中8区間について存続に向けた支援を国に求めている。
 今回の財政支援では、路線維持のための経費を地元自治体と折半するほか、青函トンネルの維持管理や、快速エアポート増強といった増収策などにもお金を出す。
 一方でJRと道が求めていた30年度までの長期支援は見送った。
 財政支援の根拠となる国鉄清算事業団債務等処理法は20年度で期限切れを迎え、21年度以降の支援継続は法改正が前提となる。
 その前に、JRが経営改善の成果を示し国民を納得させる―というのが見送りの理由だ。
 国はJR会社法に基づく監督命令を出し、経営改善の進展を厳しくチェックしていくという。
 JRが支援にこたえて経営努力をすべきなのは当然だ。
 だが、改正案の審議が見込まれる20年の通常国会までの2年足らずで目に見える成果を求めることが、現実的と言えるだろうか。
 経営効率を重視するあまり、赤字路線が切り捨てられる事態は何としても避けるべきだ。
 現在のJRは慢性的に資金が不足し、細切れの支援で経営が上向く状況にはない。
 国鉄時代から使い続ける古い車両の置き換えさえ満足に進まず、地方路線を走る約160両の更新は手つかずのままだ。
 新製車両の投入は安全、サービス両面の向上につながるが、設計から完成まで数年かかる。
 こうした長期的な資金の裏付け抜きには実行できない計画こそ、国が下支えする必要がある。
 そもそも、JRが資金難に陥った責任の一端は国にあることを忘れてはならない。
 国鉄分割民営化の際に導入した経営安定基金の運用益は、低金利の影響で当初想定を大きく下回った。民営化31年間の制度疲労を正すには、それに見合うだけの腰を据えた関与が求められる。


外国人労働拡大  共生へ議論を深めたい
 政府が、新たな在留資格の創設による外国人労働者の受け入れ拡大策の検討を始めた。
 原則として認めてこなかった単純労働に事実上、門戸を開くもので、高度な専門人材に限っていた受け入れ政策を転換させる。
 一定の技能と日本語能力を持つと判断した人に最長5年間の在留を認める方向だ。中小企業や介護、農業など人手不足が深刻な業種での受け入れが想定されている。
 少子高齢化に伴う労働力不足が背景にあり、産業界の切迫した要望も踏まえ、安倍晋三首相が関係閣僚会議で指示した。
 これまで外国人の受け皿となってきた技能実習制度は、低賃金や給与の不払いなどが社会問題化している。劣悪な労働環境や差別的処遇も見られるが、国は実態調査や検証作業をしていない。
 現行制度を維持した上で新資格をつくるなら、国は現行制度の総括を、きちんと行う必要がある。
 今回の受け入れ拡大について政府は「移民政策とは異なる」と強調している。確かに新資格の滞在期間は原則5年で帰国を前提とし、家族帯同も認めていない。
 しかし専門分野の試験に合格すれば期間が撤廃され、家族帯同も認められる可能性がある。将来的な定住の容認も検討しており、そうなれば移民との境界は一段と曖昧になる。
 本当に必要な制度なら、新資格創設が移民とどう違うのか政府は真正面から国民的論議を喚起し、明確に説明すべきだ。
 外国人の受け入れには医療や社会保障、教育、治安など社会コストが増える。不況になれば排除するようなことは許されず、外国人労働者自身の人権が守られるよう丁寧な制度設計を求めたい。
 気になるのは働く外国人の生活を守る視点が欠けていることだ。
 実習制度と同様、家族帯同を認めていないが、5年間も家族と離れて暮らすのは酷な話だ。実習生から新資格へ切り替えた場合、10年間は別居生活を強いられる。人道上も問題だ。
 日本で働く外国人労働者は過去最多の約128万人に上る。新資格は来年4月に運用を始める予定で、数十万人規模の受け入れが見込まれる。
 日本社会はもはや外国人の支えなしに成り立たない状況となっている。現実を見据え、働く外国人が地域に溶け込める共生社会の構築を急がねばならない。
 外国人労働者の受け入れ拡大は国の在り方を問う政策転換だけに冷静に議論を深めたい。


相模原事件2年  社会に潜む差別を絶て
 相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で19人が犠牲になった殺傷事件から2年がたった。
 「障害者はいなくなればいい」と語った植松聖被告の差別的な主張は私たちに衝撃を与えた。
 だが、障害者など社会的弱者・少数者に対するゆがんだ差別意識は、いまだに社会に根強く潜んでいるのではないか。
 どう乗り越えていくのか、重い課題が突き付けられたままだ。
 事件は、全国の障害者に大きな不安を与えた。共同通信が6〜7月に障害者216人から回答を得た調査では、事件によって心や体に不調を訴えた人が3割にのぼり、不眠や外出への恐怖感を訴える人もいた。「病気がうつる」「国の税金を使っている」などと言われた経験を持つなど、差別や偏見に苦しむ姿もうかがえる。
 障害者を普通の人とは異なる存在として見下す社会の意識は、今に始まったことではない。
 今年に入り、旧優生保護法下で知的障害がある人たちへの強制的な不妊手術が各地で行われていた問題が次々と報じられた。障害者を社会から排除する考え方が連綿と続いてきたことを意味する。
 この非人道的な措置について国の謝罪は行われておらず、救済策が政治の場でようやく検討され始めた段階だ。相模原事件を生み出した背景には、障害者に関するこうした社会全体の感度の鈍さがあったように思える。
 最近、自民党の杉田水脈衆院議員が性的少数者(LGBT)カップルに関し「子どもをつくらない」「『生産性』がない」と月刊誌に寄稿し、批判を浴びた。
 「障害者は不幸をつくることしかできない」「生きる価値がない」とした植松被告の主張と底流でつながっていないだろうか。
 このような問題が繰り返されていては、社会的弱者・少数者は堂々と生きられない。世の中にはますます閉塞(へいそく)感が漂うだろう。
 23日に行われた神奈川県主催の追悼式では、亡くなった人たちのエピソードが読み上げられたが、氏名は伏せられたままだった。ネットなどで攻撃されるのを懸念する家族が多いことを物語る。
 事件を繰り返さないためには、犯行に至った動機を解明し、その過程や対応を社会全体で共有することが重要だ。それには刑事責任を追及する裁判では限界がある。
 県などを中心に、専門家の協力も得て調査・検証を行う組織をつくれないか。事件を風化させず、語り伝えていく知恵が必要だ。


最低賃金 持続的に引き上げてこそ
 厚生労働相の諮問機関、中央最低賃金審議会が、2018年度の地域別最低賃金の「目安」を答申した。
 全国平均で時給を前年度から26円(3%)引き上げ、平均874円にする。これを受けて各地方審議会が地域の実情を踏まえ、近く都道府県ごとに実際の引き上げ額を決める。
 最賃は、企業が働き手に支払わなければならない最低限の賃金だ。引き上げはパートやアルバイトなど非正規で働く人の賃金底上げに欠かせない。
 26円の上げ幅は過去最大だが、先進国水準の「全国平均時給千円」にはまだ遠い。持続的な引き上げと同時に、就労形態間や地域間の格差是正も進めたい。中小・零細企業が賃上げを継続できる環境整備も必要だ。
 今年の中央最賃審議会では、来年までに時給800円以下の地域をなくすべきだとする労働側と、中小企業労働者の全国平均賃金上昇率(1・4%)を踏まえての検討を求める経営側の主張が対立した。
 その結果、深刻な人手不足を背景に政府が昨年の「働き方改革実行計画」で掲げた3%程度の引き上げ目標に沿って決着した。官主導だが3年連続の3%相当の引き上げを評価したい。
 17年度の厚生労働省の調査では、民間企業で最低賃金の近傍で働く人は全体の4・9%、小規模事業所に限れば11・8%いる。これらの人たちの賃金引き上げは火急の課題である。
 そこで着目すべきは最賃の水準の低さだ。最賃が全国平均の874円になり、フルタイムで働いても、年収は180万円ほどだ。これで安定した生活に足る金額とは言い難い。
 地域間の格差も問題である。現在、審議会は所得や物価などをもとに都道府県をA〜Dの4ランクに分け、目安額を示している。今回も上げ幅は東京を含むAが27円、福岡などのCは25円、残りの九州6県などが入るDは23円となった。
 現在の最賃が最も高い東京(958円)と九州6県(737円)の差は時給で221円もある。目安通り改定されれば差はさらに拡大する。「同一労働同一賃金」を掲げ、地方創生をうたうなら、ランク制の再検討も必要ではないか。
 最賃アップの継続には経営体力の弱い中小・零細企業への適切な支援も必要だ。
 18年度の税制改正では、中小企業の賃上げ支援のため減税措置が拡充された。うまく活用したい。その上で国は、人件費上昇を販売価格に転嫁できるよう企業の取引条件の改善支援や、大企業が中小企業に過度な値下げを要求する不公正取引の監視なども怠ってはならない。


空白の66時間に「秘密会合」が発覚 被災者から批判高まる
「空白の66時間」の一部が明らかになった。
 西日本豪雨により188万人に避難勧告が出され、すでに多数の死者が出ていた6日の晩。安倍首相が総裁選の地盤固めのために、無派閥議員と「極秘会合」を開いていたことが発覚し、「被災者より総裁選か」と批判が噴出し始めている。24日放送の日本テレビ系のニュース番組「news every.」が「極秘会談」をスクープした。
 7月6日の首相動静は、安倍首相が午後8時まで公邸で規制改革推進会議のメンバーと会食したという内容で終わっている。しかし番組では、首相のいる公邸に無派閥議員を乗せた車が入っていく様子を捉えていた。さらに別カメラは、菅官房長官の車からある人物が公邸に入る様子を写している。映像が暗いためハッキリしないが菅長官と考えるのが自然だろう。菅長官が安倍首相と無派閥議員の間を取り持って、総裁選への協力を要請していた可能性がある。「news every.」は「無派閥議員の“とりこみ”」と報じている。
 しかし、安倍首相は前日の5日に「赤坂自民亭」と称する酒宴で酒盛りし、批判されたばかりだ。その次の日に、また総裁選のために動いていたとしたら、被災者が怒るのも当然だ。
 さすがに、ツイッター上では「いくらなんでも酷い」「アベらしいといえばアベらしい、自分のことしか頭にない」「西日本豪雨災害で犠牲者が増えていってるなか、安倍総理は総裁選にむけて、自身の3選のために黙々と動いていたのです。こんな安倍総理に3選を望みますか?」といった投稿が殺到している。
 いったい6日夜、何をやっていたのか、安倍自民党は明らかにすべきだ。


昭和と同じ…国会は一度狂えばどこまでも狂う人の集まりだ
 酷暑が人の命を脅かし続けている。そんな中、我らはうな丼でもホルモン焼きでも冷やし中華でも何でも食らい、無頼の徒たちの昭和史の映画撮影準備に追われている。資料を調べてると、いつの時代も、人は生き残ろうとするか諦めてしまうか、どっちかだと気づいた。
 73年前の7月末も、さぞかしクソ暑かったことだろう。沖縄では6月の末、日本軍は兵も弾も尽き果て、島の住民も巻き込み、米軍に壊滅させられた。それでも日本は本土決戦のために戦争はやめなかった。絶句してしまうが「2000万人特攻をして米軍に和平交渉をしかけたら、日本は全面降伏せずに済む」という、気の狂ったことを平然と言う将官がいたらしいが、いったい、どこまで国民の命を奪い、どんな国を残すつもりでいたのか想像もつかない。
 連合軍の本土侵攻が迫った6月22日「義勇兵役法」を公布し、徴兵を拡大した。これにもゾッとさせられる。15歳から60歳の男、17歳から40歳の女に戦闘を仕向け、17歳未満の少年まで召集した。先の沖縄玉砕戦で14歳から17歳の少年は“鉄血勤皇隊”に入れられ、多くが戦死していたので、この兵役法も当然のことで、「一億玉砕」の法律だった。国会議員どもが制定した。「国会」は一度狂えば、どこまでも狂う人の集まりだ。これは今も言える。豪雨災害の復旧策もままならないのに、デタラメなカジノ法を通した。ふざけた話だ。
 狂っていた昭和の夏。当時の国民のそれぞれの気持ちはどうだったか、必死で生き残ろうとしたか、疲れて諦めたのか。老い果てる最後の戦争体験者に教えてもらいたいのはそこだ。今の10代の若者にそんな好奇心があるかは疑問だが、自分の曽祖父や曽祖母に今からでも聞き取るのが平成世代の最後の仕事かもだ。
 合点がいかないのは73年前の7月27日、つまり本日、米英中から降伏勧告「ポツダム宣言」を受けた翌日、日本の新聞社が書き立てた、まるで酔っぱらいが書いたような見出しだ。「笑止、何が降伏条件だ! 米英よ自惚れるな! 聖戦あるのみ!」と。当時の鈴木首相も「そんな宣言は重要でない。今は黙殺して戦争に邁進する」と記者会見したら、世界中に、「日本は宣言を拒絶した」と報じられてしまった。
 首相以下、戦争指導者の面々は本当はどう思っていたんだか。「もう終結させよう。和平交渉だ」となんで皆で声を上げなかったのか。軍部の玉砕戦の執着に気おされたとしても、なんで、国民、政治家、学者、文学者、ジャーナリストは最後の原爆の悲劇を回避できなかったのか、生き残ろうとしたのか諦めたのか。政府はアメリカの原爆の悪だくみをほんとに知らなかったのか。ポツダム「拒絶」の日に、改めて疑問が湧いてくる。


石破の思いは自民の劣化を食い止めるか
 ★自民党の劣化に自分たちは気づかないのか、それとも目先の利益を求めるあまり、勝ち馬に乗りたいだけなのか。森友・加計学園疑惑の時もそうだ。常識的に見て首相夫人が名誉職として冠を与えられることはあるだろう。だが、それは出来上がった「もの」に対しての「称号」である。これから作ろうとする学校の名誉校長を引き受ければ、それに関係する土地取引、学校設立の動きに名誉校長の名前がついて回り、官僚の忖度(そんたく)が始まることを想像できないのか、知らないふりをしていたのか。 ★そしてそれをたしなめたり、首相の名前に傷がつくと注意する首相側近も官僚もいなかったとすれば確信犯と思うほかない。安倍政権は一連のモリ・カケ疑惑で民主主義の根幹を破壊し、政治家のみならず、官僚にもうそをつき通すようにして、公文書改ざんにまで手を染めさせた。それでも安倍の3選を党内の大半が支持し始めるのは、気づかないのではなく、知っていながら目先の利益を求めた結果だろう。その目先の利益とは何か。党や政府の役職欲しさか。だが官房、財務、国交、幹事長は指定席だから譲れない。それ以外から選べということだ。次の内閣改造は劣化の象徴になるだろう。 ★このありさまを元幹事長・石破茂はあきれて「全ての人に公正な政策や条件づくりに努めているかが問われる総裁選でなければならない。間違っても同じ党の同志をさげすむ党であってはならない。一部の人たちのために自民党はあるのではない。すべての国民に対し自民党はある。謙虚で誠実で正直な自民党、私たちはそれを作っていかなければならない」とけん制した。劣化は食い止められるのか。

原発の「再稼働阻止」には小泉元首相の力が欠かせな
 日本の政治は今、権力者、とりわけ首相は何でもできるという空気がある。その風潮を作ったのが小泉元首相だ。それまでの自民党は幅広い主張を認める政党だった。しかし、小泉氏は、郵政民営化に反対する自民党議員を公認せず、その議員の選挙区に「刺客」の候補を送り込んだ。以降、日本の政治では、権力を持つ者が何をしても許される空気が蔓延し、今の安倍政権へとつながっている。こうした政治背景を生み出した小泉氏の責任は重い。
 一方で、今の小泉氏は脱原発に力を注いでいる。朝日新聞は、小泉氏が「来夏の参院選では『原発ゼロ』が争点になるよう、野党共闘への期待感を表明した。自民党の首相経験者としては異例の主張だ」と報じた。
 脱原発をめぐる小泉氏の主な発言は次の通りだ。
▽私が「原発ゼロ」と言った時に、直ちにゼロなんて無理だと言われたが、2013年9月から15年9月の2年間は、全くゼロだった。
▽(推進を求める勢力が)強いんだな。原子力産業の裾野は広い。原発1基造るだけで今、1兆円かかる。それにつながる企業がたくさんある。労組も押さえているから、野党もはっきり言えない。
 日本は地震国であり、現在の原発は大規模地震には耐えられない。日本より事故の危険のはるかに少ないドイツは原発ゼロに踏み切った。ドイツは自然エネルギーへの新たな投資や、雇用機会の創造、費用面などを勘案して、脱原発が国益にかなうと考えたのである。
 しかし、今の日本では、国全体の利益を考えるのではなく、自分たちの利益だけを優先する勢力が政財界のあちこちで目立っている。安倍政権も原発再稼働に向けて着々と動いている。国会で反対派が多数を占めない限り、国益に大きく反する原発の再稼働は進むだろう。原発利権を狙う勢力は、再稼働に反対する個々の力よりも圧倒的に強いため、再稼働の反対を主張する力の結集が不可欠だ。革新的な意見を持つ反原発の人々の声はなかなか自民党支持者の耳に届きにくいが、そこにこそ小泉氏が果たすべき役割がある。


三反園・鹿児島県知事 就任2年 「脱原発」トーンダウン
 「脱原発」を掲げて2016年7月の鹿児島県知事選で初当選した三反園訓(みたぞのさとし)知事は28日、就任から2年を迎えた。就任直後こそ九州電力に川内(せんだい)原発(同県薩摩川内市)の即時停止を要請するなどしたが、わずか半年後には稼働継続を容認。1期目の折り返しを迎えても「脱原発」への姿勢はトーンダウンしたままで、県民からは厳しい視線が向けられている。
 「会う必要がある内容があり、公務が空いていればお会いする」。27日に鹿児島県庁であった定例記者会見で、6月末に就任した九電の池辺和弘社長と面会していない理由を問われると、三反園知事は表情を硬くした。
 九電では社長が代替わりすると原発立地自治体の首長らと顔合わせするのが慣例だが、両者の面会はまだない。玄海原発がある佐賀県の山口祥義知事は池辺社長と面会しただけに、関係者は「原発政策のスタンスをはっきりさせずに逃げているのでは」といぶかる。
 就任直後の16年8月には当時の九電の瓜生道明社長(現会長)と面会。「熊本地震で県民の不安が高まった」として川内原発の一時停止を厳しく迫った。しかし、九電に拒否されると一転。昨年2月には川内原発1号機の運転継続を容認した。
 原発の運転期間は原則40年とされるが、電力会社の申請が認められれば最長で20年延長できる。川内原発1、2号機はいずれも運転開始から30年を経過。九電が延長申請すれば三反園知事の対応が注目される。しかし、三反園知事は27日の会見で「再生可能エネルギーを推進し、原発に頼らない社会をつくるのが私の脱原発です」と述べるにとどめた。
 2年前の知事選で三反園知事を支援した県民からは「明らかな変節。『脱原発』は選挙のための方便だったとしか思えない。最後まで公約を守るべきだ」との声も聞こえる。【田中韻】