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Jeux asiatiques : scandale de prostitution pour la délégation du Japon
Quatre basketteurs japonais soupçonnés d’avoir payé des prostituées à Jakarta pour des relations sexuelles ont été renvoyés des Jeux asiatiques qui se déroulent en Indonésie.
Quatre basketteurs de l'équipe nationale japonaise, engagée aux Jeux Asiatiques en Indonésie depuis ce week-end, ont été vus dans la nuit de mercredi à jeudi dans un quartier chaud de Jakarta portant des maillots de l’équipe nationale, a indiqué le Comité olympique japonais (COJ) lors d’une conférence de presse dans la capitale indonésienne, ce lundi, précisant que les quatre basketteurs avaient été priés de quitter le pays pour rentrer immédiatement au Japon.
≪J’éprouve simplement un sentiment de honte. Nous présentons nos plus sincères excuses et avons l’intention de donner à partir de maintenant des conseils détaillés aux athlètes≫, a déclaré le chef de la mission japonaise, Yasuhiro Yamashita.
≪Je voudrais présenter mes sincères excuses au public japonais, au COJ et à tous ceux qui soutiennent le basket pour cet incident déplorable. Nous allons décider de la sanction appropriée pour les quatre joueurs une fois que nous aurons eu connaissance de l’ensemble des faits. Nous devons nous appliquer davantage pour faire en sorte que ce genre de scandale ne se reproduise plus≫, a déclaré de son côté le président de la fédération japonaise de basket, Yuko Mitsuya, dans un communiqué.
Les basketteurs japonais avaient dîné en ville après avoir quitté le village des Jeux Asiatiques dans le centre de Jakarta et auraient été sollicités dans la rue par des racoleurs les incitant à se rendre dans un hôtel où se trouvaient des femmes, a ajouté M. Yamashita.
L’annonce du renvoi des quatre basketteurs -- Yuga Nagayoshi, Takuya Hashimoto, Takuma Sato et Keita Imamura -- est embarrassante pour le Japon qui avait déjà été contraint de renvoyer un nageur des précédents Jeux Asiatique en 2014 à Incheon, en Corée du Sud. Le nageur japonais Naoya Tomita avait alors été expulsé après s’être fait prendre, vidéo à l’appui, en train de voler l’appareil photo d’un journaliste.
≪Je suis profondément désolé pour notre attitude négligeante qui va porter le déshonneur non seulement sur le basket-ball mais aussi sur le peuple japonais≫, s’est excusé lundi Takuma Sato, l’un des joueurs incriminés, lors d’une conférence de presse avec ses trois coéquipiers à Tokyo. Costume et cravate noire, Yuga Nagayoshi a pour sa part reconnu avoir été ≪un peu en panique": ≪je ne peux même pas imaginer que je vais rejouer au basket-ball à l’avenir≫.
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フランス語の勉強?
M. Nakanishi @nakany
中国の某大学が求人活動に来たので話を聞いたのだが、一番良い枠(テニュア教員)で採用されると、給料約1100万円 + 移転手当約4000万円 + 研究始動費約7000万円に加え、配偶者の就職と子供の教育支援付き。応募者は40歳未満かつ3年以上の海外経験が必須とのこと。なかなか魅力的だわなこりゃ。
Paul🏳️‍🌈 @WallsCome
国費で派遣されているバスケの代表選手がアジア大会期間中にやらかして選手資格を失い帰国させられましたね。ところで、安倍側近の西村康稔内閣官房副長官、ベトナムで国費で同じことやらかしてんのに、何かお咎めを受けるどころか、寧ろ順調に出世してますね。この機会に蒸し返しておきましょうか。
ミケ猫ちよちゃん @CalicoCat_Chiyo
#名古屋国際音楽祭 で全盲の母が受けた #障害者差別 とその後の主催者側の誠意の無い対応。本人はもちろん家族も本当に嫌な気分になってしまう。主催者の #名古屋市 #CBCテレビ はこの障害者差別を公表しない。以下の記事にあるように人権感覚を疑います。

国道3号線からうきうきロードで宇土市.国道57号線に沿って西に向かいます.JR三角線と並行しています.9時過ぎに道の駅の宇土マリーナ おこしき館で小袖餅を買いました.いきなり団子も.自販機に小西行長のゆるキャラがありました.うとん行長しゃん.キリシタンだったそうです.10時前に三角西港.世界遺産だって.それに宮城県の野蒜築港,福井県の三国港とともに明治の三大築港というのでビックリ.
少し進むと天草1号橋ですぐに藍のあまくさ村.サンダルを買ってソフトクリームを食べてさらに西へ.愛の鐘の前で写真を撮ってもらい,天草四郎メモリアルホールはパスして道の駅上天草さんぱーるをぐるっと見ました.
天草有明タコ街道に来たときにはもう12時半.リップルランド.とりあえずお寿司屋さんで日替わりランチ.ヒトデのことを聞くと別のお寿司屋さんということでした.
2時半から イルカウォッチングで少し時間があるので本渡のほうに行って祇園橋を見て天草キリシタン館に立ち寄りました.
国道324号線を西に向かうと苓北(れいほく)町です.おっぱい岩があるとのことでしたが,干潮ではないので見ることができませんでした.富岡城の跡がありましたが,なかなか林芙美子文学碑の場所がわかりません.地元のおじさんに聞いてやっとわかりました.民家の前のようで家の中から「だれ?」と声が聞こえてきたので碑を見ています,と返事しました.日が暮れてきましたので389号線を南下して旅館に向かいます.すごく暗いです.だいぶ頑張って旅館についてさて晩ごはんと思って誓うの居酒屋に行こうとするとお休みとのことでした.仕方ないのでスーパーで果物やお刺身を買って食べました.ヤーというおさかなおいしかったです.

気仙沼←→宮崎 カツオ漁と震災支援がご縁、食と産業の交流深まる
 東日本大震災の復興支援を機につながった気仙沼市と宮崎県の住民団体が、地元の産業や食を互いの地域の子どもたちに知ってもらおうと連携を強めている。元々カツオ漁を通じて縁が深い両地域。給食への食材提供による「食育」や、遊び場への木材供給による「木育」を計画中だ。
 協力しているのは気仙沼市の水産会社などでつくる「気仙沼の魚を学校給食に普及させる会」と、地域で文化イベントを企画する宮崎県のNPO法人「宮崎文化本舗」(宮崎市)。
 今年2月下旬、宮崎文化本舗が宮崎県日南市の小学校で開いた食育授業に、普及させる会が協力した。
 普及させる会の臼井壮太朗代表(46)が日南市を訪ね、カツオ漁を通じた両地域のつながりや東日本大震災からの復興状況などを説明。気仙沼市に水揚げされたメカジキを使ったコロッケを給食に提供した。
 宮崎県のカツオ一本釣り船が気仙沼にカツオを水揚げする機会は多く、震災前からつながりは深かった。震災直後、宮崎本舗の石田達也代表理事(55)がボランティアとしてがれきの撤去活動などをしていた際、臼井代表と知り合った。
 その後、2012年に普及させる会が発足。15年に東京であった環境省主催の会合で石田代表理事と臼井代表が再会して意気投合し、子どもたちに気仙沼、宮崎に伝わる漁業や農業を知ってもらう仕掛けづくりをしようと約束した。臼井代表の日南市訪問は、連携事業の第1弾だった。
 7月下旬には臼井代表が仲介役となり、石田代表理事が気仙沼市役所を訪問した。石田代表理事は宮崎特産の飫肥(おび)杉を気仙沼の子どもたちに知ってもらおうと、杉で作った遊具を同市の公共施設に寄贈する考えを市に提案した。
 また、食を通じた地域間交流を深めるため、日南市の名物で宮崎に水揚げされた魚を使った加工品「魚うどん」を気仙沼市の給食で提供する計画も明かした。
 石田代表理事は「震災の風化を防ぐためにも宮崎の子どもたちに気仙沼のことを知ってもらうことは大事」と強調。臼井代表は「互いの地域に誇れる産業があることを次代を担う子どもたちに知ってもらいたい」と話している。


<西日本豪雨>被災地で活動した学生ら石巻で報告「震災の復興過程を伝えることが支援に」
 東日本大震災の経験を次世代に語り継ぐ活動を続ける大学生2人が19日、石巻市の震災伝承施設「つなぐ館」で、西日本豪雨の被災地で復旧支援に取り組んだ経験を報告した。 2人は、大川伝承の会メンバーで石巻市の永沼悠斗さん(23)と、女川1000年後の命を守る会で活動する仙台市の鈴木元哉さん(19)=女川町出身=。
 震災伝承活動の連携組織3.11メモリアルネットワークの「若者班」として今月8〜10日、愛媛県西予市へ出向き、現地で泥かきなどに汗を流した。
 永沼さんは、地元住民に自身の被災体験を語り、「先のことが想像できなかったが、話を聞いてイメージできるようになった」と声を掛けられたエピソードを紹介。「自分たちが歩んでいる復興過程を伝えることが、支援の一つになるのだと感じた」と力を込めた。
 鈴木さんは「自分の無力さを感じたが、震災を経験したからこそ被災者の気持ちを理解し、関係を築くことができた」と話した。
 報告会は3.11メモリアルネットワーク主催。関係者約20人が参加した。


広島土砂災害4年 危機感持ち備え確かに
 猛烈な雨に襲われて土砂崩れが相次ぎ、関連死を含め77人の犠牲者を出した広島土砂災害から、きょうで4年となる。広島市安佐南区の県営緑丘住宅ではきのう、追悼式典があった。被災者の生活支援や心のケア、防災対策の拡充が急がれる。
 多くの教訓をどう生かしてきたのか。先月の西日本豪雨で深刻な被害を受けた私たち自身がまずは問い直したい。
 災害はいつ、どこで起きるか分からない。つまり誰もが被災者になり得るのだ。実際、西日本豪雨では雨が広範囲で激しく降り、被害も広域に及んだ。
 豪雨や地震自体の発生は食い止められない。万一の際、いかに被害を少なくするか、「防災力」を高めることが必要だ。
 まずは、自分たちの住む地域や職場のある場所が防災上どんな特徴があるか把握しておきたい。土砂災害警戒区域(イエローゾーン)か、備えがより必要な土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)か、またはその近くか。知っていれば、起き得るリスクへの理解も深まるはずだ。
 自治体が避難勧告や避難指示をいかに早く出すかも重要である。土砂災害を教訓に、たとえ「空振り」になっても危険があれば躊躇(ちゅうちょ)なく出すことの必要性が広く浸透しつつある。ただ、今まで被害の少なかった自治体は切迫感が不足しがちだ。改めて徹底してもらいたい。
 いくら迅速に情報発信しても届かなければ効果はない。サイレンによる注意喚起でも、雨が激しく降っていたら聞こえないケースもある。今回の豪雨でも呉市天応地区の住民から「当日はサイレンの音が聞こえなかった」との声が漏れる。
 スマホに加え、防災無線やラジオの活用など多重的な情報伝達の仕組み作りを急ぎたい。日本語が十分理解できない外国人が地方でも増えている。自治体として対策を考えるべきだ。
 情報を受け取る私たちも、迅速に対応できるよう心積もりをすることが欠かせない。
 土砂災害で11人の犠牲者を出した安佐南区緑井7丁目の例が参考になる。今回の豪雨では、地元の民生委員らがいち早く住民に避難を呼び掛けた。電話や自宅訪問までした障害者や高齢者らの中には「直接声を掛けてもらって逃げる決心がついた」と話す女性もいた。地道な地域の支え合いを広げていきたい。
 自宅の周辺地域に「大雨注意報」が出たら準備を始め、「大雨警報」が出たら躊躇せずに避難する―。防災気象学が専門の佐藤丈晴岡山理科大准教授が勧める対応策である。分かりやすく、実践的ではないか。
 どの道を通りどこに避難するかなど、家庭や職場であらかじめ話し合うことが求められる。
 被害や危機感をどう継承するかも課題だ。広島県坂町の小屋浦地区は111年前にも大水害があり、44人が犠牲となった。石碑はあるが、教訓として住民に浸透しているとは言い難い。
 土砂災害では2016年春、住民グループによる復興交流館が安佐南区にできた。被災者の運営で継承につなげている。
 今週には台風が相次いで西日本に接近する。豪雨による被害をわがこととして捉え、備えを確実にしておきたい。地域住民が日頃から協力し合うようになれば、絆も深まり、防災力アップにもつながるはずだ。


原発賠償措置額 引き上げ見送りは無責任
 東京電力福島第1原発事故の教訓をまったく受け止めていないのではないか。
 原発の事故に備える「保険金」を引き上げずに再稼働を進める国と電力会社の姿勢は余りにも無責任に映る。
 原子力損害賠償法の見直しを議論してきた政府の専門部会が、保険や政府補償で賄う最大1200億円の賠償措置額の引き上げを見送る報告書案をまとめた。
 専門部会は引き上げの必要性を指摘したが、政府や電力会社の調整が付かなかった。
 政府は秋の臨時国会に賠償措置額を据え置いた改正法案を提出する方針だ。事故への備えが不十分なままで、原発再稼働だけが進むことになる。
 2019年末で原賠法で定められた賠償の政府補償契約の期間が終わるため、それまでに法改正が必要となっていた。
 原賠法は電力会社に最大1200億円の保険加入や同額の政府補償契約を義務付けし、超える場合は国が必要な援助を行うと規定した。
 福島第1原発事故では、賠償資金は原賠法の枠組みで賄えず、東電を事実上国有化し、国が資金援助する仕組みを窮余の策として整備した。賠償金は7月時点で8兆円超になる。
 事故が起きれば巨額賠償が必要となることが明確となった。このため専門家らから賠償措置額を引き上げるべきだとの意見が出ていた。
 専門部会も引き上げの必要性を再三指摘し、1月に出された報告書の素案では「引き続き検討」とし、調整を促していた。
 ところが、財政出動による世論の反発を恐れる国は政府補償の増額に難色を示した。
 電力業界も電力自由化の競争にさらされ、再稼働に必要な安全対策費がかさむ中、補償料の負担増を嫌った。
 両者の思惑が重なり、最終的に現状維持にとどまったのだ。
 国は原発の利用を今後も続けるのなら事故の備えにどれだけの負担が必要か、きちんと国民に説明しなければならない。
 電力会社も、万一に備える保険金を抑えつつ、事故が起きれば巨額な賠償を生じるリスクを抱えて原発を運転するのは健全経営とは言い難い。
 これでは無保険で車を運転しているようなものだとの指摘もあながち大げさではない。
 事故のつけはドライバーたる電力会社や、推進した政府ではなく、結局、国民に回されることになりはしないか。
 備えができないものは、やめるのが合理的な判断だ。
 報告書案では電力会社の賠償責任に上限を設けない「無限責任」を維持するとした。電力会社が過失の有無にかかわらず賠償責任を負う「無過失責任」も残すべきだとした。被害者保護の観点から当然といえよう。
 とはいえ、将来の事故のリスクから目をそらし、国民の不安を置き去りにしたままの原子力政策では決して理解は得られまい。賠償措置額の据え置きに強く再考を求めたい。


金足農応援 宮城でも
東北勢で唯一勝ち残った金足農業の選手たちを応援しようと、NHK仙台放送局の1階にある、280インチの大型モニター「4K8K定禅寺シアター」にも大勢の人が集まりました。
秋田県出身で東北大学に通う女子大学生は、「準決勝に進出したのが信じられない。秋田出身の友達がみんなで応援しているので盛り上がっている」と話していました。
また、仙台市内の男性は、「100回目の深紅の優勝旗を東北に持ってきてほしい」と話していました。
試合終盤は昼休みの時間と重なったこともあり、周辺で働く人など110人を超える人が集まり、金足農業の勝利が決まると、歓声や拍手で選手たちをたたえていました。
1回戦で浦和学院に敗れた仙台育英高校に通う3年生の女子生徒は、「手に汗握る試合だった。あすは仙台育英のぶんもがんばってくれると思う。東北初の優勝旗を待っている」と話していました。


八代と天草結ぶ新観光航路を検証
海外からのクルーズ船の観光客を増やそうと、熊本県の八代市と上天草市を結ぶ新たな観光航路の魅力について検証する事業が20日から始まりました。
この事業は、熊本市の観光マーケティング会社、「くまもとDMC」が、国や県などと連携して行っています。
今回はあいにく台風19号の接近の影響で、クルーズ船が八代港への寄港を中止したため、熊本県内に住む中国人やドイツ人フランス人など12人が参加しました。
テープカットのあと、参加者たちは用意されたチャーター船に乗り込み、八代港から上天草市の前島港までおよそ30分の船旅を楽しみました。
前島港に到着した一行は、港のそばにあるレストランで、天草の食材を使った料理を味わったり、土産物店で特産の真珠などを見たりして、観光を楽しんでいました。
八代市と上天草市を結ぶ観光船の運航は八代港へのクルーズ船の寄港日にあわせて、ことし11月まで毎月数回、実施され、実施日には1日に4往復が運航される予定です。
参加した、熊本市に住む50代の中国人女性は「これまで天草へは陸路でしか行ったことがなかったので、船での旅は新鮮でした。天草の美味しい食べ物を味わえてとても嬉しいです」と話していました。


【サマータイム】導入する必要があるのか
 2020年東京五輪・パラリンピックの暑さ対策として、安倍首相が自民党に対し、国全体の時間を夏の間だけ早めるサマータイム(夏時間)制度の導入の可否を検討するよう指示した。
 東京五輪・パラリンピック組織委員会の要請を踏まえた対応で、日本標準時間を現在より2時間早める案が浮上している。今夏のような猛暑への対策は重要だが、全国を巻き込むサマータイムの必要が果たしてあるのか。大きな疑問だ。
 日本でも、かつてサマータイムを実施していたことがある。1948年、電力不足を背景に連合国軍総司令部(GHQ)の指示で導入されたが、国民の間に労働時間が長くなったなどの不満が高まり、わずか4年で廃止となった。
 その後も導入の動きが何度かあった。理由の一つとして上げられたのが省エネによる地球温暖化対策だ。今回も組織委会長の森元首相は「政府が地球環境保護に取り組むという観点で進めてほしい」と求めた。
 ただし、2006年に全面実施した米国インディアナ州では家庭の電力消費が1〜4%増えた。照明用は減少したものの、冷暖房用が増加したためとみられ、日本でも省エネに逆行する可能性がある。
 コンピューターの対応なども課題となる。自治体や企業のシステム改修、鉄道や航空のダイヤ変更などには膨大な費用と時間がかかる。五輪本番まで既に2年を切る中、社会的な混乱を招きかねない。
 見逃せない問題は健康との関わりだ。過去の導入議論ではほとんど触れられなかったが、日本睡眠学会は08年、健康に悪影響を及ぼす恐れがあるとしてサマータイム制度に反対する声明を出している。
 同学会によると、夏時間への変更後、数日から2週間程度は睡眠時間の短縮や、眠りが浅くなるなど睡眠の質の低下、抑うつ気分や自殺の増加などが起こる恐れがあり、医療費の増加など経済的損失をもたらす可能性があるという。
 ほぼ全域でサマータイムを実施している欧州では、欧州連合(EU)が廃止の是非について本格的な検討を始めた。利益よりも不利益が大きいとして廃止を求める声があるためだ。ロシアは健康への悪影響などを理由に7年前に廃止している。
 こうした問題点や欧州の動きを踏まえるなら、五輪の暑さ対策といった理由で導入を軽々に認めるわけにはいかない。社会全体に大きな影響を及ぼすという意識があまりにも乏しいといわざるを得ない。
 むろん、選手らの体調に配慮した対応は不可欠だ。男女のマラソンは午前7時スタートだが、単純に2時間繰り上げて同5時にすればよいのではないか。それでも不十分なら、競技開始をさらに早めるなど工夫の余地はあるはずだ。
 大会組織委や安倍首相の姿勢は、五輪名目なら社会の負担増は許される、といったおごりの表れとみることもできるだろう。


サマータイム 拙速な判断許されない
 政府、与党は2020年東京五輪・パラリンピックの暑さ対策として、国全体の時間を夏の間だけ早めるサマータイム(夏時間)制度の導入の可否について検討に入った。大会組織委員会の森喜朗会長の要請を受けて、安倍晋三首相が指示していた。
 サマータイムは日照時間が長くなる夏季の時間を有効活用しようと標準時より時間を早める制度。早朝の涼しい時間帯に社会活動がスタートして、就寝時間も早まることで空調や照明で省エネ効果が期待される。余暇の時間が増えるとして消費拡大も見込まれている。09年の調査では欧米を中心に約70カ国が採用している。
 日本では戦後間もない1948年、電力不足のため連合国軍総司令部(GHQ)の指示で始まったが、労働過剰や寝不足になるなどとして評判が悪く、52年に廃止された。90年代以降には超党派議連などで法案提出を目指す動きがあったが実現していない。多くの難点が指摘されたことによる。
 関係者によると、2020年7月24日に開幕する東京五輪に合わせた時限措置として、夏季限定で標準時より2時間早める案が浮上している。東京五輪に合わせて実施するためには、日程上、この秋の臨時国会に関連法案を提出する必要があるとみられ、検討する時間はあまりに限られている。
 確かに近年、暑さは厳しさを増しており、今夏も熱中症が続出するなど記録的な暑さに見舞われた。組織委ではマラソンや競歩など屋外競技では選手や観客が熱中症になる恐れもあるとして、マラソン開始時間を午前7時に決めたが、これでも不安だとして苦慮した森氏が夏時間に飛びついた格好だ。
 五輪の暑さ対策を万全にするというのであれば、競技開始時間をさらに前倒しするなど、組織委内で調整するのが第一義的であろう。五輪対策の名の下に、社会生活全体にまで拡大するのには違和感があると言わざるを得ない。
 導入となれば、コンピューターシステムの変更に多大な労力と費用を要することになる。来年は5月1日の新天皇即位に伴う改元、10月には消費税率10%への引き上げが控えている。こうした状況の中で対応は可能だろうか。企業も相当の負担を強いられることになる。
 健康面への影響も懸念される。日本睡眠学会は慣れるまでに時間がかかり睡眠時間が減るという弊害を指摘している。夏時間を長年続けている欧州連合(EU)は、健康への悪影響などを理由に廃止を検討しているほどだ。
 導入の可否についてはメリット、デメリットを整理した上で、慎重に議論して判断することが求められる。導入は国民の理解と協力なくしてはあり得ない。拙速な判断は決して許されない。


サマータイム 導入の利点が見えづらい
 現状では導入の利点は見えづらく、弊害の方が大きいのではないかと懸念を抱かずにはいられない。
 夏場に日本の標準時間を早めるサマータイム(夏時間)制度の導入の可否について、安倍晋三首相が自民党に検討するよう指示した。2020年夏の東京五輪・パラリンピックに向け、大会組織委員会の森喜朗会長が首相に要望したのを受けたものである。
 今夏の酷暑もあり、2年後の東京五輪でもマラソンなどの屋外競技の暑さ対策が課題となっている。組織委は屋外競技の開始時間を早朝に設定しているが、まだ不十分との指摘があり、夏時間を対策の切り札と考えているようだ。マラソンは今のところ午前7時スタートの予定だが、時計を2時間早める夏時間を導入すれば、実質的に午前5時に前倒しされる。
 夏時間は夏と冬で日照時間の差が大きい地域で採用されることが多く、欧米を中心に約70カ国で導入されている。
 実は日本でも夏時間が導入されたことがある。戦後の電力不足を受け、連合国軍総司令部(GHQ)の指示で1948年から実施された。だが、労働時間が長くなったなどと国民の間で不満が高まり、4年で廃止された。その後も省エネ対策の一環として何度か検討されたが、導入は見送られてきた。
 これまでの議論や経緯をみると、夏時間のメリットとしては、明るい時間を有効に使うことで照明などの使用時間が短くでき、省エネや温室効果ガスを減らせることなどが挙げられている。終業後の余暇時間が増え、消費拡大も期待されている。
 一方、戦後の導入時に経験したように、労働時間が前倒しされるだけで残業が増えるとの懸念もある。日本睡眠学会などは標準時間を年2回、前後させることで体内時計が乱れ、睡眠不足が健康に悪影響を与えると警告している。
 夏時間の先進地、欧州では注目すべき動きがある。欧州連合(EU)の加盟各国は1970年代ごろまでに夏時間を採用したが、健康への悪影響が大きいことや、想定されたほどの省エネ効果が得られないとの指摘が出るようになり、EU欧州委員会が存廃の検討を始めている。
 自民党は近く議員連盟を発足させて夏時間の検討を始めるという。来年中に試験実施を始める案もあるようだが、準備期間が短すぎよう。最大の問題は企業のコンピューターシステムの設定変更に多大の労力と費用を要することだ。来年は5月の新天皇即位に伴う改元、10月の消費税率10%への引き上げへの対応もあり、企業の負担は大きい。
 そもそも五輪の暑さ対策のためというなら、国全体の時計の針を進めなくても、競技の開始時間を早めれば済むのではないか。夏時間は国民生活に大きな影響を及ぼす。政府、自民党には現実を踏まえた冷静な判断を求めたい。


サマータイム/悪影響が大き過ぎる
 夏場だけ時計の針を1〜2時間進めるサマータイム制度導入について安倍晋三首相の指示を受け自民党が検討に入った。2020年東京五輪・パラリンピックの暑さ対策が狙いで、省エネルギーや消費拡大の効果も期待される。しかし、システム変更のコストなど悪影響が大き過ぎる。別の方策を考えるべきだ。
 大会組織委員会の森喜朗会長が導入のための法整備を首相に要望した。組織委員会は、暑さを避けるために路上競技の時間を早朝に設定しており、さらに前倒しするのは難しいためと説明している。しかし、日程上、秋の臨時国会に関連法案を提出する必要があるとみられ、検討の時間は限られている。あまりに唐突な提案である。
 サマータイムは戦後の1948年から51年まで4シーズン実施されたが、寝不足になるとして評判が悪く、廃止された。近年は何度か導入しようとする動きがあったものの、実現していない。多くの難点が指摘されたからだ。
 勘違いされがちだが、時間がサマータイムに切り替わって時計を2時間早めても、一日の生活パターンが変わるわけではない。起床、出勤、退社、就寝などの時間割はこれまで通りである。電車や航空機のダイヤも変更されない。
 変わるのは日照時間が後ろに2時間ずれることだ。今は日の出が午前5時、日の入りが午後6時半なら、午前7時に起きる場合、日の入りまで11時間半。サマータイムでは時計の上で日の出が午前7時、日の入りが午後8時半だから、午前7時に起きてから日の入りまで13時間半になる。
 これにより照明や冷房などの電力使用量が減り、余暇活動が活発になってお金を使うようになるというのだが、極めて疑わしい。サマータイムで明確な省エネ効果が表れたという調査結果はない。終業後にスポーツをする人が大幅に増加するとは思えない。
 最大の問題は、コンピューターなどのシステム変更に多大の労力と費用を要することだ。五輪までの準備期間が2年しかないことを考えると、万全の対応ができず、切り替え時に多数のトラブルが発生する恐れがある。「五輪を狙ったサイバーテロになる」という冗談すら聞かれる。
 健康への影響も心配だ。日本睡眠学会は、慣れるまでに時間がかかり睡眠時間が減るという弊害を指摘している。サマータイムを長年続けている欧州連合(EU)は、健康への悪影響などを理由に廃止を検討している。
 大会組織委員会が掲げる五輪の暑さ対策なら、競技の開始時間を2時間早めるだけでよい。マラソンはスタートを午前7時から5時に繰り上げるだけ。こんな分かりやすい対策を退け、国民に負担を強いるサマータイムを導入しようとするのは理解できない。
 64年の東京五輪は涼しい10月10日の開会。そもそも五輪を猛暑の時期に開催することに無理がある。しかし、国際オリンピック委員会(IOC)が好ましい開催期間として「7月15日〜8月末」を設定した経緯があり、いまさら日程は変更できない。
 暑さ対策に知恵を絞るしかないが、国民生活に混乱をもたらす対策では本末転倒である。自民党には慎重な検討を求めたい。


サマータイム/国民に負担強いるだけだ
 猛暑が懸念される東京五輪・パラリンピックのために、全国にサマータイム(夏時間)を導入してほしい。組織委員会の森喜朗会長がそんな提案を安倍晋三首相に持ち掛け、自民党で検討することになった。
 マラソンや競歩選手の体調に配慮して、日本標準時間を夏季限定で2時間早めるという。
 サマータイムは1948年に日本でも採用されたことがある。労働の長時間化などで国民の反発を招き、52年に廃止されている。過去に学ぼうという意識はないのだろうか。あまりに乱暴な発想で理解に苦しむ。
 現代の日本に導入する場合、さまざまな問題点が指摘されている。選手の健康に配慮するなら、競技時間を早めればいいのではないか。森会長は速やかに提案を取り下げるべきだ。
 まず健康に及ぼす悪影響の懸念が極めて大きい。
 サマータイムのメリットとして、余暇増加と経済効果が挙げられる。2時間前倒しになれば退社が午後3時半や4時になる想定だ。しかし、終業時間に緩い日本の職場では残業が2時間長くなるだけとの声は多い。
 ただでさえ先進諸国で最短の日本人の睡眠時間が削られ、さまざまな病気を引き起こす要因となりかねない。生活のリズムを変えることは、高齢者や持病を抱える人の負担となる。
 またシステムの大規模改修が、全国の自治体や交通機関、流通など各方面で必要となる。社会全体でIT化が進んだ現在、導入するリスクの大きさはかつてとは比べものにならない。
 開幕まで2年弱ではとても時間が足りない。システム障害などで国民生活を混乱に巻き込む恐れがある、と批判の声が全国で上がっている。
 省エネ効果も疑問だ。朝から30度を超える日も珍しくない日本の夏では、逆に冷房使用時間が長くなって電力消費を増やすと指摘されている。
 サマータイムが定着している欧州連合(EU)でさえ、不利益が大きいとの声が強く、廃止が検討されている。
 五輪のため国民に負担を強いる案を安易に打ち出すようでは、組織委のマネジメント能力に疑問を持たざるを得ない。運営への不安は高まるばかりだ。


猛暑こそ太陽光発電 最高気温更新でも安定
 記録的な猛暑が続いたこの夏、冷房を使う機会が増える一方で、東京電力管内の電力需給は、深刻な逼迫(ひっぱく)に陥った日がまだないことが分かった。太陽光発電の発電量が増え、節電の浸透で電力消費自体も減っていることなどが要因だ。東電管内で稼働している原発はゼロでも猛暑の日を乗り切っており、「電力の安定供給には原発が不可欠」とする政府や電力業界の主張はその根拠が薄らいでいる。 (伊藤弘喜)
 電気の使用可能量(供給)に占める実際の使用量(需要)を示す「使用率」について、東電は安定的(93%未満)、やや厳しい(93〜95%未満)、厳しい(95%以上)、非常に厳しい(97%レベル)の四段階に区分する。一般的に暑い日ほど冷房が使われ使用率は上昇。97%を超えると停電の可能性も生じるとされる。
 だが、この夏の使用率は、埼玉県熊谷市の気温が四一・一度と国内最高記録を更新し、東京(千代田区)で史上三位の三九・〇度に達した七月二十三日でも92%と「安定的」だった。ほかの日をみても、94%となって「やや厳しい」となった七月二日以外は、すべて「安定的」だ。
 電力不足が避けられているのは、「気温が高い」との予報がある日に、東電が火力発電の発電量や他の電力会社から融通してもらう電力を増やしていることが要因になっている。さらに午前十時〜午後三時ごろに増える太陽光の発電量が、電気の使用がピークになる午後二時ごろと重なることも大きい。太陽光発電は、再生可能エネルギーで発電した電気をすべて電力会社が買い取る制度が二〇一二年に導入されてから増加。東電管内でも供給力の一割超を占めるようになっている。
 節電や省エネで、電力の消費量自体も減っている。七月二十三日には、東電管内の電力使用量が午後二〜三時に五千六百万キロワットと震災後最大を更新。それでも〇一年七月二十四日に記録した過去最大量よりも13%少なかった。
 事前に契約した企業への一時的な節電要請や、他の電力会社に電力を融通してもらう仕組みが整備されたことも、供給安定の要因に。日没以降も高温が予想された八月の一日と二日、東電は夕方にかけて大口顧客に節電を要請した。今年一月も厳しい寒さで暖房の利用が急増したが、電力会社間の融通によって電力不足は回避された。


貧困が生む健康格差 深刻さが知られていない
 所得が低かったり、非正規労働者だったりする人は、そうでない人より健康を害しやすい。いわゆる「健康格差」の問題が指摘されている。
 これを裏付けるデータの報告は相次いでいる。全日本民主医療機関連合会(民医連)が、生活習慣が原因といわれる「2型糖尿病」について2011〜12年に40歳以下の782人を調査したところ、年収200万円未満が6割近くを占めた。バランスのいい食事を取ることが少ないためとみられる。
 また、低所得層は高所得層に比べ、うつ状態の割合が5倍に上るという調査もある。経済的・社会的なストレスを抱えると心身の健康がむしばまれやすいとされる。
 経済的・社会的要因が健康状態まで左右する深刻な実態に、政府や自治体はもっと目を向けるべきだ。
 世界保健機関(WHO)は09年、加盟国に対し、健康格差是正に向けた取り組みを推進するよう勧告した。厚生労働省も12年、生活習慣病などを予防する13〜22年度の「国民健康づくり運動プラン」に、所得や地域差などを要因とする「健康格差の縮小」を初めて明記した。
 中でも子供の健康格差は深刻だ。東京都足立区は15年、区立小学校に在籍する全ての小学1年生5355人を対象に健康状態や家庭の状況を調査した。
 それによると、世帯収入が300万円未満など「生活困難」の条件に該当する家庭の子供は、虫歯が5本以上ある割合が、そうでない家庭の子供の約2倍に上った。麻疹・風疹の予防接種を受けていない割合も、生活困難世帯の子供が同様に約2倍だった。
 区の報告書は「子供の医療費が公費負担であることを踏まえると、経済的な理由だけでなく、保護者が子供の健康に関心があるか否か、そのための時間を確保できるかなどの要因も考えられる」と指摘する。
 健康格差対策は医療面だけでなく、雇用や社会保障、貧困家庭への支援など多岐にわたる。英国では首相官邸や各省庁から企業、ボランティア組織まで含め、社会全体でこれらに取り組んでいる。
 日本政府も子供の健康格差をはじめとして、実態把握をした上で総合的な対策を打ち出すべきだ。


全国学力テスト ゆがんだ競争が度を超している
 ついにここまできたかと暗たんたる思いがする。
 大阪市の吉村洋文市長は、小学6年と中学3年を対象とした全国学力テストの結果を教員の給与に反映させる方針を表明した。2018年度の成績が政令指定都市で最下位だったのを受け「結果に責任を負う制度」に改革するのだという。来年度、最下位から脱することができなければ、自らの夏の賞与も全額返上するとした。
 学力テストは何のためにするのか。国は「教育政策の成果や課題の検証、改善に役立てる」と目的を説明してきた。授業や教育環境の足りない点を知る一つの資料であり、改善への手段となるはずのテスト。だが、点数が独り歩きして、自治体間のいびつな競争を招き、その揚げ句、市長が給与を盾に教員に圧力をかけている。異常事態と言わざるを得ない。
 大阪市だけの問題ではない。全国平均正答率と下位の差はごくわずかしかないにもかかわらず、過去問題を解かせて特訓させるなどの現状に、教員からも問題視する声が上がっている。そもそも、テストの点数は学力の一部しか評価できない。点数だけで教育を評価し、児童生徒にじっくり向き合って可能性を引き出すべき教育本来の姿をゆがめては本末転倒だ。弊害の大きいテストの実施そのものを見直す時機が、とうに来ている。
 学力テストの歴史を顧みればこうした事態が起こり得ることは容易に想像できたはずだ。1960年代に行われていた際、点数の低い子をテスト当日に欠席させたり、教員が答えを教えたりするなど学校ぐるみの不正が横行した。その反省から中止されたことを思い出さなければならない。このままでは早晩同じ過ちが繰り返されかねない。
 一方、テスト後の分析を見ると、毎年どの教科も「知識の活用が苦手」との状況に変わりがない。教育改善のためのデータ収集が目的なら、もう学力テストの役割は終えている。国は、具体的な教育環境の改善にこそ早く本腰を入れるべきだ。
 例えば本年度の理科の分析結果を見ると、知識の活用力が育たないばかりか、理科嫌いの改善もされていない。現行学習指導要領は、小中学校の理科の授業時間を大幅拡充し、実験や自然体験を重視したはずだが、効果が表れていない。
 教育課程全体で授業が増え、多忙に拍車が掛かっていることも要因とみられる。実験で失敗したり、予想と違う結果が出たりしても、じっくり納得させ、好奇心を呼び起こすまでの余裕がなく、教科書の記述を示して終わるケースも珍しくないという。教育課程をスリム化し、現場に創意工夫するゆとりを持たせることも必要だ。
 文部科学省は、次期指導要領で児童生徒の主体的な学びを打ち出している。点数で計る学力観から脱却するためには、学力テストの取りやめも重要な一歩である。


教室にエアコン 子どもを猛暑から守れ
 猛暑のたびに熱中症の危険性がいわれる。命を守るための適切な室温調整は今や常識だ。だが、小中学校の教室のエアコン導入はまだ不十分で、自治体間の設置率の差も大きい。早急に改善したい。
 先月十七日、愛知県豊田市で、校外活動に参加した市立小学校一年生の男子児童が重い熱中症で死亡した。体調不良を訴え、学校に戻った男児が休息をとった教室にはエアコンはなかった。
 午前中だったが、市内の気温は既に三〇度を超えていた。
 この事故がきっかけになったといえよう。保護者や専門家から、学校の教室にエアコン設置を求める声が広まった。
 文部科学省の二〇一七年度の都道府県別調査では、全国の公立小中学校の普通教室のエアコン設置率は、平均で49・6%だった。
 北海道(0・3%)など涼しいとされる地域も含む値だが、実際に都道府県の格差は大きい。公立小中学校の設置者である市町村の設置率の差も同様だ。
 たとえば、男児の事故が起きた豊田市がある愛知県の設置率は全国平均を下回る35・7%。このうち当の豊田市の市立小中学校の設置率は、一部を除いてほぼ0%。
 愛知県に隣接する静岡県は相当低く7・9%。岐阜県は55・2%だが、“暑い町”としてよく知られ、今年も四〇度超えなど猛暑続きの多治見市は0%である。
 ただ豊田、多治見両市ともに、エアコン導入の方針や計画を今春までに既に決めている。
 設置率の高い自治体としては、たとえば東京都が99・9%。一〇年の猛暑を機に、国の補助金に上乗せして都が財政支援した。愛知県内でも名古屋市が一三〜一五年度にかけ、全校に配備した。
 気象庁が今年七月の天候を「異常気象」と総括し、あえて地球温暖化にも触れ、高温傾向などは今後も増えると警鐘を鳴らす中、設置率が半分に満たない状況は何とか改善しなければなるまい。
 教育現場の一部にはなお、部活動中に過度に走らせるなど高温の危険性を甘く見るケースもあるようだ。「我慢は美徳」という精神論は、この異常な猛暑の前ではナンセンスと言うほかない。そんな空気が空調整備の障害になっているなら、あらためたい。
 文科省はエアコン設置費の三分の一を補助しているが、自治体から引き上げの要望もある。やはり格差解消を進めるには、補助率アップなど現行制度の見直しに踏み切ることも必要ではないか。


障害者雇用 理念裏切る国の水増し
 中央省庁が長年にわたり、障害者の雇用割合を水増ししていたことが分かった。障害者手帳を持たない対象外の職員を算入する偽装を続けていたという。
 労働意欲を高める障害者、雇用に努める企業への裏切り行為だ。開いた口がふさがらない。
 厚生労働省が全省庁の調査を始めている。33の行政機関の多くが同じ手法を用いたのなら、共通の“手引”があった可能性も否定できない。各機関で誰が、どんな基準で障害認定をしていたのか。徹底解明を求める。
 働く人の一定割合を障害者とする「法定雇用率」の考え方は、1960年制定の身体障害者雇用促進法で採用された。76年に雇用が義務付けられた後、障害者雇用促進法に変わり、対象も知的障害、精神障害に広がった。
 法定雇用率は今年4月から、国と地方自治体が2・5%に、従業員45・5人(短時間雇用者は0・5人)以上の企業は2・2%に引き上げられている。
 国は76年の義務化当初から水増しを繰り返してきたとみられ、国土交通省、総務省などが事実関係を大筋で認めている。
 行政改革に伴って業務の外部委託が進み、障害者の仕事を確保しづらかった。国会対応をはじめ省庁には突発的な業務が多い―。そんな声が聞かれるものの、言い訳にはならない。
 子会社を設けたり、職場外で働く「テレワーク」を活用したりして、雇用増を図る企業や自治体が増えている。都内では、企業の主催で障害のある人を対象にした合同面接会も開かれている。
 薬の影響や体調の波が大きい人向けに、雇用率に算入できなくても、超短時間で働ける場を提供する企業がある。まだ不十分とはいえ、民間企業で働く障害者は昨年6月時点で50万近くに達し、労働者全体に占める割合も1・97%といずれも過去最多となった。
 国の行政機関で採用が広がらないなら、その事実を明らかにし、企業の取り組みに倣って改善の道を探るのが筋だろう。
 障害者雇用促進法は、障害者が労働者の一員として能力を発揮できる機会の確保を理念に掲げる。水増しからは、数値さえ満たせばいいと、政府自体が理念をないがしろにした姿勢が透ける。
 厚労省は調査結果を公表する方針でいる。政府は雇用率の数合わせをするのではなく、障害のある人が働く価値を見いだせる仕組みをいかにつくるか、原点に返らなければならない。


スポーツ界の不祥事 旧態依然の体質、改善を
 不祥事が相次ぐスポーツ界で、また新たに居合道での不正行為が発覚した。レスリングのパワーハラスメント、アメリカンフットボールの悪質タックル、ボクシングの不正疑惑に次ぐ不祥事だ。
 スポーツ界にはびこるうみを出し切り、絶対服従の古い体質を改善しなければならない。2020年の東京五輪に向けて、健全な組織づくりが急がれる。
 全日本剣道連盟は、居合道の昇段審査で、審査員らに現金を渡す行為が長年にわたり慣例化していたことを認めた。12年に受験者が審査員ら7人に計100万円を配っていたことや、16年に審査員に渡す約200万円を指導者に預けていたことを明らかにした。
 精神を尊ぶべき武道で悪弊が横行していたことは衝撃だ。他の競技にも広がってはいないか、スポーツ界は根深い問題を抱えている。
 レスリングでは、伊調馨選手に対して日本協会の栄和人強化本部長がパワハラ行為を繰り返していた。
 アメリカンフットボールでは、日本大の内田正人監督が選手に悪質な反則タックルを指示していた。
 ボクシングでは、日本連盟の山根明会長が助成金の流用や審判員への不正判定圧力、公式戦グローブの独占販売、暴力団組長との関係などの疑惑で批判を浴びた。
 いずれにも共通するのは、トップがリーダーシップをはき違えて独裁的に組織を運営し、強権支配で選手や関係者に物を言えない状況を強いている点だ。
 スポーツの世界では、指導者が絶対、上意下達という意識が強い。一連の不祥事が内部告発によって明るみに出たのは、その前近代的な体質に対する批判が高まっている証しと言えよう。
 鈴木大地スポーツ庁長官は「前々からあったこと。僕らも声を上げようという人が増えたのではないか」と語る。
 20年東京五輪を前に、スポーツ界の浄化作用の動きと見る有識者もいる。告発の連鎖で関心が高まっている今なら、声を上げることが改善につながるとの期待感だ。
 問題が表面化していない競技団体はまだあると思われる。五輪まで待たず、組織のうみは完全に出し切ってほしい。不祥事が発覚した団体も、トップが辞任すれば即解決とはいかない。内からの抜本的改革が不可欠だ。
 スポーツ界全体のコンプライアンス(法令順守)強化のためには、行政による環境整備も必要だ。
 不祥事などに対応できる第三者機関を、日本スポーツ振興センター(JSC)かスポーツ庁に設置することも検討していい。調査や指導に加え、選手の相談窓口や駆け込み寺の役割も持たせるべきだ。
 旧態依然の体質から早く脱却し、選手が自らの力を存分に発揮できるようにするのが競技団体の役割だ。大事なのは選手第一主義である。


[介護ハラスメント]現場の悲鳴が聞こえる
 訪問介護や看護の現場でのハラスメント被害を浮き彫りにする調査結果が相次いで公表された。女性が多い職場であり、特にセクハラ被害は深刻だ。
 介護業界で働く人たちでつくる労働組合「日本介護クラフトユニオン」の発表では、介護職員の7割以上が利用者やその家族からセクハラやパワハラを受けていた。
 セクハラでは「不必要に体に触れる」「性的冗談を繰り返す」などの回答が多く、犯罪に近い被害もあったという。
 全国訪問看護事業協会が実施した調査でも、回答者の約半数が訪問先で心身の暴力やセクハラを受けた経験があると答えていた。
 介護現場同様、「体を触られた」や「アダルトビデオを流された」といった訴えが目立つ。
 介護職員が自宅を訪ね、食事や入浴、排せつなどの介助をする訪問介護は、お年寄りの生活を支える大切なサービスだ。ただ仕事の内容上、利用者と二人きりになることが多く、被害に遭いやすい。
 自宅で最期まで暮らせるよう療養生活を支援する訪問看護師の役割も拡大しているが、常に密室のリスクを抱える。
 これまで被害が表に出にくかったのは「病気に伴う症状だから仕方がない」「相談しても変わらない」と泣き寝入りするケースが多かったからだろう。
 「#MeToo」運動の流れの中で顕在化してきた被害でもある。女性の人権を侵害するこれら言動は到底許されない。
■    ■
 男女雇用機会均等法は、職場におけるセクハラ対策を雇用主に義務づけている。均等法が規定する「職場」には、取引先の事務所や顧客の自宅も含まれる。
 声を上げられず我慢を強いられてきた状況にピリオドを打つためにも、業界全体で「セクハラは悪質な人権侵害だ」というメッセージを発信することが大切だ。利用者や家族への周知・啓発はもちろん、相談窓口の設置など体制づくりも不可欠である。
 この問題を巡って、厚生労働省は実態調査を実施し、本年度中に事業者向けの対策マニュアルを作成することを決めた。
 労組側は2人体制で訪問介護ができるよう国の補助などを要請しており、前向きに検討すべきである。介護保険制度の再構築も含め、実効性のある対策を求めたい。
■    ■
 団塊の世代が全員75歳以上になる2025年度には、全国で約34万人の介護職員不足が生じると推計される。
 一方、介護職員の離職率は、ここ数年16%台で推移し、他産業より高い状態が続く。セクハラなどの問題と定着率の悪さは無縁ではない。
 余生はできるだけ住み慣れたわが家でと思い描いている人は多いが、医療や介護サービスが行き届かなければ自宅には居続けられない。
 介護や看護といった尊い仕事へのやりがいを持続させるためにも、社会全体で問題に向き合い、現場で働く人の尊厳を全力で守る必要がある。


豊洲の安全宣言  継続的な監視欠かせぬ
 築地市場(東京都中央区)から移転する豊洲市場(江東区)について小池百合子東京都知事が「都民や市場関係者に、豊洲市場は安全であり、安心して利用していただけると伝えたい」と安全宣言した。農相の認可を受け、10月11日に開場する見通しだ。
 建物下の盛り土が行われず、有害物質の検出もあって、市場の移転は当初の予定から2年近くずれ込むことになった。信頼回復のためには、これからも安全性を確認する作業を欠かしてはならない。
 豊洲の敷地は東京ガスの工場跡地で、土壌汚染対策を検討した都の専門家会議は敷地全体で土壌を入れ替え、その上に盛り土をするよう提言していた。ところが、小池知事が2016年8月に移転延期を表明した直後、都が盛り土をせずに地下空間としていたことが発覚した。
 さらに問題となったのは、敷地内の地下水から飲み水の環境基準の100倍を超える有害物質ベンゼンが検出されたことだ。生鮮食品を扱う市場関係者から不安視する声が上がったのは当然といえよう。
 都は専門家会議の提言に基づいて昨年12月から、揮発性の有害物質の侵入を防ぐため、地下空間の床をコンクリートで覆い、換気設備を設けるなどの追加対策工事を進めてきた。先月には専門家会議が「安全性が確保されたことを確認した」との評価を公表し、これを受けて小池知事が宣言した形だ。
 しかし、会議座長の平田健正放送大和歌山学習センター所長がベンゼンの検出について「最終的には基準を下回ると信じているが、5年10年で考えていく必要がある」と指摘しているように、長期的な視点で豊洲の地下水や空気をしっかりと監視していくことがきわめて重要だ。
 豊洲市場へは築地市場と同様に全国各地から水産物や農産物が出荷され、国内外の観光客が多く訪れるスポットとしても注目されている。新たな風評被害を生み出さないために、監視結果は広く情報開示してほしい。
 移転の延期に伴い、築地跡地を通って都心と臨海部を結ぶ東京五輪のアクセス道路は工事が遅れ、このままでは混雑に拍車がかかる事態が懸念される。豊洲で整備予定の観光拠点「千客万来施設」は着工が20年の五輪後となった。小池知事はこれらの影響についても説明を尽くし、必要な対策を講じてもらいたい。


翁長氏が後継指名 玉城氏出馬でどうなる沖縄知事選の行方
 沖縄県知事選は大きく動くのか――。8日に亡くなった翁長雄志知事が死去前、後継候補を指名した音声テープを残していたことが分かった。指名されたのは自由党の玉城デニー衆院議員(沖縄3区)と、地元財界人の呉屋守将氏だ。
 県政与党や労組、企業などでつくる翁長陣営の「調整会議」は19日、2人のいずれかを知事候補として擁立する方針を固めた。最後は、玉城議員が出馬する可能性が高い。
 玉城氏は記者団に「(翁長氏の指名は)これ以上ない光栄だ」と語った。
「沖縄では『玉城議員出馬、呉屋氏支援』の構図が出来上がっているのでは、とみられています。玉城さんは自由党の小沢一郎共同代表とも相談している。2人とも長らく翁長知事を支えてきた。タイミングを見て“共闘”を表明する可能性があります」(在沖ジャーナリスト)
■「弔い選挙」様相がより鮮明に
 もともと地元ラジオのパーソナリティーだった玉城氏は、沖縄では保革を問わず幅広い支持を集めている。呉屋氏も沖縄経済界の重鎮。2人がタッグを組めば“オール沖縄”の体制が整う。
 玉城氏が出馬したら、知事選はどうなるのか。自公が推薦する佐喜真淳・宜野湾市長に勝てるのか。ジャーナリストの横田一氏はこう言う。
「翁長氏が遺言で指名した2人が動けば、自公が警戒する『弔い選挙』の様相はさらに色濃くなります。佐喜真陣営は、翁長氏の経済政策を批判する戦略を取るつもりでしたが、『死者にムチ打つ』ようなやり方を、特に公明党の支持層が嫌がっているようです。もともと沖縄公明党の支持層は米軍基地の新設に慎重ですから、強引な選挙戦略を取れば、公明票の一部がオール沖縄に流れる可能性もあるでしょう」
「9・30」の投開票日へ向けて、候補者選定のタイムリミットは着々と近づいている。もし、玉城氏、呉屋氏の2人が出馬を拒否すれば、オール沖縄は苦戦必至だ。


翁長知事の後継候補に玉城デニー議員! 一方、自民候補の佐喜真淳・前宜野湾市長は沖縄ヘイトの極右団体と関係
 翁長雄志知事の急逝を受け、9月30日の沖縄県知事選に向けて「オール沖縄」の後継候補が誰になるのか注目を集めてきたが、自由党幹事長である玉城デニー衆院議員が出馬する見通しが高まった。
 翁長知事は死去する数日前に、自身の後継者について玉城議員と「オール沖縄会議」前共同代表である金秀グループの呉屋守将会長の名を挙げていたといい、その音声も残っていると報道されている。さらに、翁長雄志後援会の国吉真太郎会長によると、翁長氏は玉城議員について「戦後沖縄の歴史を背負った政治家なので、今後沖縄を象徴する政治家になっていくのではないか」「デニーさんは立派な政治家だ」と語っていたという(琉球新報8月20日付)。そんななか、玉城議員は本日、「出馬の方向性を限りなく探る」と前向きな姿勢を示した。
 玉城議員の父は沖縄に駐留していた米兵で、伊江島出身の母の妊娠中にアメリカに帰国。母が渡米を断念したため、父の消息は知らないという。2002年にラジオパーソナリティから沖縄市議となり、2009年には国政へ進出。その後は「辺野古への基地移設反対」を訴え、2012年には消費増税に反対して民主党を離党、昨年の総選挙でも希望の党への不参加をいち早く表明し“ぶれない姿勢”を打ち出して当選を果たした。──強権的に辺野古新基地建設を推し進める安倍政権に対して公約を曲げることなく闘いつづけた翁長知事だったが、玉城議員のそうした“ぶれなさ”を評価し、沖縄を守りたいという遺志を託したのかもしれない。
 一方、自民党は宜野湾市長の佐喜真淳氏を擁立。今月14日に正式な出馬表明をおこなった際、佐喜真氏は辺野古新基地建設の是非については「政策発表の際に発表したい」と明言を避け、「対立や分断から無縁な沖縄を取り戻すために全身全霊をかける」と語った。
「対立や分断から無縁な沖縄」──。いやはや、まったくよく言ったものである。そもそも、佐喜真氏は明言を避けるが、氏が辺野古容認派であり、露骨な基地反対派いじめで沖縄分断をはかってきた安倍政権とベッタリの関係を築いていることは疑いようがない事実だ。
 実際、佐喜真氏は2012年の宜野湾市長選でも、まったく同じ詐欺的手口を使っていた。じつは佐喜真氏はこの選挙の公開討論で「県内移設は極めて厳しい。県外を求める」と発言し、当選後も「(辺野古移設は)民意が示されており、不可能」と言い、オスプレイ配備についても「政府に配備反対を訴えていく」と語っていた。
 それが2013年11月に菅義偉官房長官が「県外移設はあり得ない」「普天間が限りなく固定化する」と辺野古移設への恫喝を強め、沖縄自民党県連の議員たちに転向を迫るなか、佐喜真氏は首相官邸にまで出向いて「どのような形であれ返還を」などと発言。ついには辺野古移設を容認する姿勢を打ち出した。この佐喜真氏の言動については〈政府と気脈を通じていたとしか思えず〉〈辺野古移設に執心する政府のお先棒を担いだと批判されても釈明できまい〉と指摘されている(琉球新報2013年12月6日付)。
 しかも、このとき官邸が沖縄に辺野古を容認するよう圧力をかけていたのは国会議員や自民党県連に対してであり、首長である佐喜真氏には〈露骨な圧力はなかった〉(同前、琉球新報)。ようするに、佐喜真氏は圧力をかけられて辺野古容認へ転向したわけではなく、最初から出来レースで市民を騙した可能性が高い。
自公候補の佐喜真氏は極右イベントで沖縄ヘイトの論客と仲良く名前が
 そもそも佐喜真氏は、2012年の宜野湾市長選に立候補した時点ですでに沖縄県議としては唯一、「日本会議」のメンバーとして同会のHPでも紹介されるなど(しんぶん赤旗2012年1月21日付)、極右思想の持ち主だった。
 たとえば、2012年5月に宜野湾市でおこなわれた日本会議系のイベント「沖縄県祖国復帰40周年記念大会」にも市長として出席。しかも、佐喜真氏も出席した2014年に開かれた同42周年記念大会では、那覇市首里にある「わかめ保育園」の園児らが日の丸のワッペンを胸に付けた出で立ちで登場し、「教育勅語」を唱和。佐喜真氏は閉会の辞のなかで「日本人として、日本人として、誇りをもつ。まさにその一言に尽きると思います。この42周年を機に、日本人としての誇りをもたなければならない」と述べている。
 県民が捨て石にされ多大な犠牲を強いられた沖縄という場所で、園児に《一旦緩急アレハ義勇公ニ奉シ以テ天壤無窮ノ皇運ヲ扶翼スヘシ》と唱和させることのグロテスクさ。これに首長として疑問をもたないばかりか「日本人の誇り」を語る佐喜真氏。これだけでも氏がいかなる人物であるかがよくわかるが、さらに驚くのは、佐喜真氏が、沖縄へのヘイトスピーチを繰り出すネトウヨ・極右団体のイベントに参加しようとしていたことだ。
 そのイベントとは、2016年1月に宜野湾市民会館でおこなわれた「宜野湾と沖縄の未来を考えるシンポジウム「日本一早い桜祭り」」。このイベントを共催したのは極右団体「頑張れ日本!全国行動委員会」(以下、「頑日」)で、同団体のHPには、「頑日」の幹事長で「日本文化チャンネル桜」代表取締役社長の水島総氏や、あの『ニュース女子』沖縄ヘイト回でVTR出演したほか数々のデマを垂れ流しつづけている“沖縄ネトウヨ”の代表格・我那覇真子氏や手登根安則氏らが登壇予定者として発表されていた。
 が、なんとこの登壇予定者のなかに、佐喜真氏の名前が筆頭に挙げられていたのだ。
 これは、佐喜真氏がネトウヨのイベントに参加しようとしていたというだけの問題ではない。じつは同イベントの共催である「頑日」は、2013年1月にオスプレイの配備撤回を訴えて沖縄の市町村長や議員らが東京・銀座をデモ行進した際、「「オスプレイ配備反対」に見せかけた亡国集団パレード糾弾!抗議街宣行動」を実施。このとき、沖縄の市町村長らがデモ行進するなか、沿道では日の丸や旭日旗を掲げた者たちが「売国奴!」「琉球人は日本から出て行け!」「中国のスパイ!」などという罵声を浴びせていた。
 つまり、佐喜真氏はオスプレイ配備に反対して市長選に当選したはずが、オスプレイ配備反対デモを「売国奴」と攻撃する連中のイベントに参加しようとしていたのだ。結局、批判が集まったために参加を見送ったのか、イベント当日の模様を確認すると佐喜真氏の姿はなかった。だが、参加を予定していたことは、宜野湾市民に対する裏切り、沖縄県民への冒涜と言っていいはずだ。
米軍基地、オスプレイ配備に反対するふりをしながら安倍政権、ネトウヨと
 このようなネトウヨ政治家が沖縄県知事選に出馬、しかも自民党と公明党が全面的に支援するというのだから、県知事選は沖縄が瀬戸際に立つ選挙になることは間違いない。だが、最大の懸念は、ネトウヨ候補者の佐喜真氏が、一体、県知事選でどんな選挙活動を展開するのか、という点だ。
 佐喜真氏は前述した“沖縄デマ常習者”である手登根氏と懇談する様子が撮影されるなど、親しい仲であることが噂されているが、この手登根氏は今年の南城市長選や名護市長選でも、「オール沖縄」候補者や基地反対派のデマを喧伝して自公候補者をなりふり構わず応援してきた。今回の県知事選では、さらにこうしたデマが大量に出回ることは確実だろう。
 とくに今回、佐喜真氏と一騎打ちとなると見られる玉城デニー議員は、以前、当時国会議員だった現・東京都知事の小池百合子氏から「日本語読めるんですか? 分かるんですか?」と差別ヤジを飛ばされた経験もある。相手がネトウヨであることを考えれば、差別的なデマが飛び交う選挙戦になることも十分予想される。
 ともかく、「対立や分断から無縁な沖縄を取り戻す」と謳いながら、そのじつ、沖縄の対立と分断に加担し、官邸と歩調を合わせてきた佐喜真氏が県知事となれば、いよいよ安倍政権は沖縄を“植民地”扱いし、あらゆる負担を強いることは間違いない。
 実際、安倍政権はすでに沖縄県知事選に向け、県民の「対立や分断」をはかろうと露骨な作戦に出ている。翁長知事は亡くなる直前、辺野古埋め立て承認を撤回する手続きをとろうとしていたが、これに対して、政府が〈県が名護市辺野古の埋め立て承認を撤回した場合、工事の遅延損害金が1日約2000万円発生するとの見積もりをまとめ〉ていたことを、今朝の毎日新聞が報道したのだ。これは単純計算で100日間延期すれば20億円を請求するぞという脅しそのもので、県知事選を控えて県民の対立・分断を狙っての作戦であることは明白だ。
 県知事選は沖縄だけではなく、日本の民主主義の行く末を占う大きな分岐点となるだろう。


森達也氏が危惧 オウム以降の日本社会は「集団化」が加速
 1995(平成7)年のオウム真理教信者による「地下鉄サリン事件」から23年。今年7月、元教祖の麻原彰晃(本名松本智津夫、63=執行時)はじめ、死刑囚13人全員の刑が執行された。ドキュメンタリー映画「A」シリーズで信者たちの日常を追い続けた映画監督・森達也氏(62)に、「オウムを通じて見えた日本」について聞いた。
■官邸の「指示」ならそれだけ力が強くなった証拠
  ――麻原の口から何も聞けないまま、死刑が執行されました。
 最初の頃は雄弁にしゃべっていたけれど、裁判が進行するにつれて英語交じりの不規則な発言が増え、やがて口を閉ざし、弁護団と意思の疎通ができなくなった。1審判決の時は大小便たれ流し状態だった。最初は「詐病」を疑ったが、その後に関係者などから話を聞き、彼の心神が喪失状態にあったと確信しています。今も麻原は「詐病」だったと断言する人はたくさんいる。でも詐病であるからには動機、理由が必要です。裁判の遅延と死刑逃れですね。結果としてどちらも裏目に出ている。麻原法廷は1審だけで死刑が確定し、2審も3審も行われていません。最後の高橋克也の裁判が終わってすぐに、死刑囚の移送など処刑準備が進み始めた。もし僕が麻原なら、これは逆効果だと考えてとっくに「詐病やめます」って言ってますよ。
  ――執行のタイミングを含め、腑に落ちない人は多いと思う。
 執行や死刑囚の情報を開示しない理由として法務省は、死刑囚の命の尊厳を守るためなどと言ってきた。その法務省が、平成で起きた事件だから平成で終わらせるとのロジックを本気で言っているのなら、とても強い違和感がある。「在庫一掃セール」みたい。罪人とはいえ人の命です。上川法相は会見で「個々の事案で」との理由からほとんど質問に答えなかった。個々の事案であることは当たり前。答えられない理由になっていない。でもメディアはそれ以上の追及をしない。この機会を逃すと自民党総裁選後は新たな内閣だから、新任の法相では処刑できなくなる可能性がある。さらに今年後半から天皇の退位絡みでいろんな式典があり、再来年は東京五輪が開催される。逆算すれば、今しかないという判断だと思います。
  ――今回、死刑執行の情報を政府がメディアに流し、テレビが「ショー」のように扱った。
 少し前まで法務省は、誰を処刑したかすら発表しない密行主義でした。それがコペルニクス的に変わって、処刑情報の「大盤振る舞い」でしたね。法務省が単独でこれをやるとは思えない。一説には「官邸の指示」と言われていますが、そうであればよほど官邸の力が強くなったんだなと思う。支持率回復やある意味での目くらましだったとか、そんな説を唱える人が少なくない。そこまでやるだろうかと思いつつも、何らかの戦略が背景にあったのでは、との思いは払拭できません。
  ――麻原はこれだけ悪いヤツだから、処刑して見せしめにしてやろうと。
「戦争」と「死刑」は究極の「国家の暴力性の発動」であり、公権力の行使です。ならばメディアが監視しなければならない。でもその機能を大手メディアは果たしたのか。「極めて異例な処刑である」「なぜこの間隔で同じ月に13人も」という報道一色ですごく違和感があった。7人を処刑した時、すぐに6人もやるだろうと思った。理由は「同一事件の同罪者は同じように罰を受けなければいけない」という原理原則があるから。間隔が空いたら不平等になる。本来であれば一挙にやらないといけない。でも日本の拘置所の体制では13人同時処刑は物理的に不可能。だから2回に分けた。それは何の問題もない。一人も殺害していないのに処刑された横山真人も含めて、オウムに対しては罰が異常に重いことを問題視すべきだった。
  ――問題は同じ月に13人の処刑があったということではないと。
 本来なら間を置かずに処刑を行うべきなのに、処刑後に西日本の豪雨災害が起きて赤坂自民亭の問題が発覚した。安倍政権が国民から批判され、続けて処刑できないという判断で延びた。ならば自分たちの都合です。なぜメディアはこれを指摘しないのか。「こんな異例な処刑」って処刑そのものは異例じゃない。批判するならもっと前の段階で、20日間も間隔が空いたことを追及すべきです。
民衆は「号令」が欲しいから強い政治家を求める
  ――オウムとIS(イスラム国)に共通点は感じられますか?
 似て非なる部分はたくさんある。でも共に宗教で原理主義であり、宗教の一番危ない側面を露呈したという意味では共通している。どんな宗教も「死後の世界」を担保する。天国であり、浄土であり、輪廻転生であり、教義によって違うけれど「死んだら終わり」という宗教はない。人は自分が死ぬことを知ってしまったから、消えてしまうことが怖い。だから「宗教」という装置が必要になる。でも死と生を転換するわけですから、非常に危険です。今のこの人生がつまらなかったらリセットしようという発想に短絡する。自分の命を軽視するならば、他者の命も軽視できる。この人は周りに迷惑をかけて本人にとっても良くないからリセットしてあげようと本気で思う。これがポアです。決して悪ふざけでもなく、邪悪で凶暴でもない。宗教的に純粋すぎる。イスラム武装派の人たちが簡単に自爆テロができる理由は死後に天国に行けるからです。だからこそ、宗教は虐殺や戦争などと相性がいい。こうした宗教のリスクをもっと知るべきです。
  ――オウム事件以降、政治の面でも社会は変わったと考えますか。
 社会が「集団化」した。皆ひとりが怖くなって、連帯したくなった。連帯は「同質」であることが前提です。だから皆で「異質」なものを探して排除したくなる。異質であることの理由は何でもいい。その典型がヘイトスピーチ。同時に集団は、より強い連帯を求めて敵を探したくなる。集団で同調すると力が強くなる。一緒に行動したくなる。そうすると号令が欲しくなり、「強い政治家」を求め始める。米同時多発テロ以降、世界に広がった現象です。トランプにしてもプーチン、エルドアン、ドゥテルテや習近平にしても、かつてであれば独裁的な政治家として批判されていた指導者が高い支持率を持つようになった。安倍政権も同じ。外敵を探す為政者が支持される。だからこそ北朝鮮や中国に対して強気に振る舞う。
■国内の集団化が高まれば外敵を探して攻撃する
  ――オウムのときに起きた集団化が、日本で着々と進んでいるわけですね。
 政治は国民がどちらを向いているかで変わります。つまり市場原理。これはメディアも同じですが、国民の衝動や欲望に合わせる。国内の集団化が高まれば外敵を探して攻撃する。9・11以降のブッシュ政権が典型だけど、その意識は日本も同じ。だから北朝鮮に対して攻撃的になる。国難だと言って不安や恐怖をあおる。だから日本だけ浮いてしまう。最後は戦争ですよ。この構図が進めばね。安倍政権はそういう連中を利用しようとしている。都合がいいし、支持層だから。「モリカケ」でも何度も「もうこれでゲームオーバー」だとか言われたが、1年以上その状態が続いても終わらない。支持率が2割以下には下がらない。何があっても強硬に安倍政権を支持する人たちです。北朝鮮をやっつけろとか、アジアの安全保障よりも拉致問題解決が最優先だとか、そういう人たちと重なるんじゃないかな。
  ――そうした集団化を止めるためには、どうしたらいいでしょうか?
 リテラシーですね。メディアの情報に対しても、真実か虚偽かって二分化が進んだが、本来は二分できない。グラデーションがある。どこから見るかで変わる。ISだってもし僕が今、カメラで撮れば普通のおじさん、お兄ちゃんだと思いますよ。確かにISの組織自体は邪悪で凶暴です。でもだからといって、そこにいた人が全員邪悪かというと、そうではない。人間は単面的な存在ではないという意識を持ったうえで対処する。そうしたキャパシティーを持たないと、オウムによって始まった社会の善悪二分化がさらに進行する。その危惧をずっと持っています。(聞き手=佐賀旭/日刊ゲンダイ) 
▽もり・たつや 作家、明治大学特任教授。1956年広島県生まれ。立教大卒。テレビ番組制作会社などを経てフリー。98年映画「A」を公開。ベルリン映画祭に正式招待。11年「A3」で講談社ノンフィクション賞受賞。16年佐村河内守のゴーストライター問題を題材にした映画「FAKE」を公開。


権力VSメディア 日本の場合
 ★米国では大統領とメディアの対立が激化している。米トランプ大統領が政権の政策を支持しないメディアを「国民の敵」と呼び「フェイク(偽)ニュース」と呼ぶことに対して全米の350紙以上の新聞社が16日付社説で一斉に「ジャーナリストは敵ではない」と報道の自由を論説で訴えた。それに対抗するようにトランプは同日、「フェイクニュースを流すメディアは野党だ。偉大な国にとってとても悪いことだ。だが我々は勝利する」とツイートした。 ★口火を切ったボストン・グローブ紙の社説は「米国の偉大さは権力者に対して真実を語る自由な報道の役割によっている」「メディアを『人々の敵』と決めつけることは危険なことであり、アメリカ的ではない」とし、ニューヨーク・タイムズ紙は「新聞のない政府か政府のない新聞か、どちらかを選べといわれたら、迷わず後者をとる」と書いた。350紙の中には16年の大統領選挙でトランプを支持したメディアも参加した。 ★ところが米共和党支持者の51%がトランプの主張に同調していることが分かった。「メディアは国民の敵」だというのだ。一方、米上院議会は報道の自由が持つ「有権者に情報を与え、真実を暴き、権力を監視する死活的な役割」があり、「メディアは国民の敵ではない」と宣言する決議を満場一致で採択した。米国世論は異様な空気に包まれているといっていいだろう。 ★さて我が国はどうだろう。権力はメディアを敵と味方に分け、味方には情報を流し敵には教えない。メディアは自分の社だけが知らないのではないかと不安になり、多くが権力の顔色を見るようになる。どうやらそれでいいと思っている記者と、それは不健全だと思っている記者がいるようだが、メディアとして毅然(きぜん)と対峙(たいじ)しているとは言い難い。米メディアの状況は遠い話か、明日の我が身か。

甲子園決勝は本当に明日でいいのか。 金足農業・吉田輝星の投球数が……。
 過去に何度も見た光景だった。
 表現としては“末恐ろしいピッチャー”だ。
 秋田県大会からすべてのイニングを1人で投げぬいている金足農のエース・吉田輝星がまた、快投を見せた。
 準決勝の日大三戦では、2点を先行すると、そのアドバンテージを最大限に生かすピッチングを展開。ピンチに陥ってもしっかりと間を取り、走者のスタートを一歩ずつ遅らせ、打者に対しては変化球を低めにコントロールして、ギアを上げたストレートで強力打線を黙らせた。
 5試合連続完投勝利は見事というしかない。
 限界を超えていてもおかしくない心身の状態でありながら、それでも快投をみせる。
 しかし、吉田のような投手をみたのは過去に1度や2度ではない。
「投げないという選択肢はなかった」
 2006年の斎藤佑樹(早稲田実)しかり、2008年の戸狩聡希(常葉菊川)、2010年の島袋洋奨(興南)、2013年の高橋光成(前橋育英)……。筆者が取材現場に立つ以前では、松坂大輔(横浜)、本橋雅央(天理)、大野倫(沖縄水産)などもいた。
 彼らはどんな苦境であっても、最高のパフォーマンスを見せたものだった。
 連投を重ねた後でもストレートは最速に近い球速をマークし、変化球は低めに決まった。甲子園という舞台を前にして、彼らは出場を避けることはしなかったし、どこからそんな力が湧き出てくるのか、というピッチングをした。
「投げないという選択肢は僕の中にはなかったです。なぜって、なんでこの日まで練習したのか。優勝するためにやって来たんですからね」
 今から10数年前、そう語っていたのは天理の本橋さんだった。
 甲子園という舞台では、そう思わざるを得ないというのが球児の心理だろう。
 しかし……話を吉田に戻すと、投げすぎだ。
球数制限の障害は「不平等」。
 彼が今大会で投じた投球数は700球を超えた。秋田大会を含めると、おそらく1000球を超えているはずだ。たった1カ月余りでのこの投球数は限度を超えている。と同時に、登板間隔も試合を勝ちあがるたびに、短くなっている。17、8歳の高校生に課していいものではないだろう。
 球数制限などのルール化を推奨する声は多いが、日本高校野球連盟は二の足を踏んでいる。
 その理由は「不平等」が生じるからだ。
 日本高校野球連盟の竹中雅彦事務局長がタイブレークの導入を決めた際に、こんな話をしている。
「タイブレーク制度の導入は再試合の防止であって、投手の負担軽減のための次善策だと思っています。本腰を入れていくのであれば、投球回数制限、球数制限に踏み切ることが必要だなと思います。
 ただ、甲子園に出てくるような潤沢な部員数を誇る学校は一握りしかない。9人をそろえるのに必死な学校が多いんですね。そこにスポットをあてるべきだと思います。そういったチームのことを考えると、すぐに導入するのは難しい」
 確かに、球数制限は複数の投手を揃えることが難しい公立校には不利なのかもしれない。
 私学のように何人もの部員を抱えるキャパを有していないし、たとえたくさんの部員を獲得することができても、それを鍛え上げるだけの環境が整っている学校は少ない。高野連の言い分には一理あるのだ。
 しかし、では今の甲子園の日程は平等といえるのだろうか。
複数の投手を育てられない学校もある。
 決勝戦に進出した大阪桐蔭や、日大三、近江などのように複数投手を用意して戦いに挑むチームは増えている。高野連も複数投手制を推奨しており、公立校でも複数の投手を育てるべきだという意見は分かるが、全チームにそれが現実的だろうか。
 そもそも、高校野球の年間スケジュールが複数投手の育成を促す環境になっていない。
 周知のように、高校野球の多くの大会はトーナメント制で行われている。一発勝負ではない大会もあることはあるが、勝ったり負けたりを繰り返しながら成長していく、という状況ではない。
 負けられない試合が続けば、複数の投手を育てるのは容易ではない。
負けたら終わりでは、エースを下げづらい。
 金足農を例にとると、三塁手の打川和輝が2番手の投手を務め、続くのは1年生投手だったが、甲子園を前に1年生投手は体調を崩し、ベンチ入りを断念せざるを得ない状況だという。3年生部員はたった10人しかいない。
 そうなると、投手の負担を軽減する方法は、指導者の良識ある起用法か、日程しかない。
 今大会の吉田は1試合140球を超す投球をしたケースが続いたが、試合展開上、継投が難しかったのも事実だろう。
 地方大会から甲子園と、ずっと負けたら終わりのトーナメントを勝ち抜いてきたのだから「指揮官の良識」に訴えるのにも限界がある。
 済美の山口直哉が星稜戦で184球を投げた試合は、大量失点していたこともあって交代させるべきだと思ったが、基本的に投手交代を決断するのは簡単ではない。
 となると、考えるべきは日程しかないのだ。
「自分たちの戦ってきた形で挑みたい」
 球数制限を導入できないなら、できることは試合の間隔を空けることしかない。
 しかし、決勝戦は明日開催される。
 明日の結果は分からない。しかし、勝敗がどちらに転ぼうとも、明らかなのは、金足農の吉田には多大なる負担がかかるということだ。大阪桐蔭にしても、吉田ほどではないにしろ全5試合に登板し、準決勝戦で完投した柿木蓮がおそらく連投するはずだ。彼にも負担はある。
「勝つために吉田を登板させたいということではないんです。自分たちの今まで戦ってきた形で勝負に挑みたい。その結果として吉田1人の登板になっているだけなんです。吉田が打たれてダメだと判断されたり、投げている姿がどうもおかしいとなれば、監督はすぐに交代させると思います」
 金足農に帯同しているコーチの1人はそういっていた。
 エース吉田で勝負に行って勝ってきた。その結果の登板過多というわけだ。
土曜日の開催なら中4日が空くのだが……。
 過去の大投手たちも、どれほどの逆境でも投げてきた。
 おそらく吉田も、柿木も、明日の決勝戦では泣き言を1つも言わずマウンドに立つだろう。それが高校球児の心理だからだ。
 明日、決勝戦を開催するのは妥当なのか。
 登板過多や過密日程で、被害を受けるのはいつも“末恐ろしいピッチャー”たちなのだ。
 甲子園を本拠地とする阪神タイガースは、週末、ビジターの巨人戦に挑む。
 土曜日の開催なら、中4日が空くのだが……。