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Japon: La ville de Fukushima retire la statue d'un enfant en combinaison anti-radiations
Exit ≪ Sun child ≫. Face aux critiques, Fukushima a décidé de retirer la statue d’un enfant revêtu d’une combinaison de protection contre la radioactivité. ≪ Il m’est apparu impossible de continuer à exposer une statue censée être ≪ un symbole de reconstruction ≫ alors que les citoyens sont divisés à son propos ≫, a expliqué le maire Hiroshi Kohata dans un communiqué, tout en s’excusant si cette statue a pu ≪ blesser les sentiments de certains ≫.
≪ Sun child ≫ porte un casque dans une main, signifiant que l’air est désormais sain, et un soleil dans l’autre, symbole d’espoir. Sur son torse, un écran affiche ≪ 000 ≫ pour souligner l’absence de radiations. Mais cette oeuvre haute de plus de six mètres, placée début août près de la gare de la tristement célèbre ville japonaise, sera ≪ enlevée dès que possible ≫.
L'artiste a dit ≪ regretter ≫ la décision de retirer la statue
Fukushima est le chef-lieu de la préfecture éponyme, qui abrite la centrale dévastée par un tsunami le 11 mars 2011. L’accident nucléaire, le pire depuis Tchernobyl en avril 1986, a entraîné l’évacuation de centaines de milliers d’habitants. Et sept ans après, les agriculteurs sont encore confrontés à la suspicion des consommateurs même si leurs produits sont soumis à de stricts contrôles de radioactivité.
Alors si tôt ≪ Sun child ≫ dévoilé, des internautes ont jugé que la statue, ≪ sinistre ≫, n’aidait pas à restaurer la réputation de Fukushima. L’artiste Kenji Yanobe a, lui, expliqué avoir voulu transmettre un message positif en créant cet enfant aux grands yeux tournés vers le ciel. Sur son site internet, il a dit ≪ regretter ≫ la décision de retirer la statue, mais ne plus vouloir que son travail soit source de polémique.
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タクシー運転手 約束は海を越えて
1980年5月。韓国現代史上、最大の悲劇となった光州事件――
あの日、真実を追い求めたひとりのドイツ人記者と彼を乗せたタクシー運転手がいた。
ソウルのタクシー運転手マンソプは「通行禁止時間までに光州に行ったら大金を支払う」という言葉につられ、ドイツ人記者ピーターを乗せて英語も分からぬまま一路、光州を目指す。何としてもタクシー代を受け取りたいマンソプは機転を利かせて検問を切り抜け、時間ぎりぎりで光州に入る。“危険だからソウルに戻ろう”というマンソプの言葉に耳を貸さず、ピーターは大学生のジェシクとファン運転手の助けを借り、撮影を始める。しかし状況は徐々に悪化。マンソプは1人で留守番させている11歳の娘が気になり、ますます焦るのだが…。

キイス @niehidoom
ヒカリ座でタクシー運転手。何者でもないただの中年男を主人公に据え、主人公とシンクロする観客ごと光州事件の地獄に突き放す演出は高知戦に通底する臨場感で、地獄の道行を-100から+100までの演技の幅をフル動員するソン・ガンホがグイグイ引っ張ってく大傑作でした。ユ・ヘジンの古い顔も最高
バナナの皮 @banana_no_kawa
色んな体操選手が宮川紗江選手の記事をリツイートしてること。高須院長のツイートを白井健三がリツイートしてること。齊藤優佑選手の「大人の権力争いに選手を巻き込むのは絶対にしてはいけない」「選手はみんな味方だよ」発言。これ答え出てるよね。体操協会が何と言おうが、私は選手の発言を信じる。

水曜日は1100円で映画が見れる日♪最近忙しくて全然映画館に行けてないので2本見に行きました.
まずは昼過ぎにタクシー運転手〜約束は海を越えて〜.光州事件のことをコミカルにそしてシリアスに扱った作品.韓国で大ヒットというのも納得.
夕方はフランス映画.映画館を間違えて慌てて移動してギリギリ間に合いました.フランソワ・オゾンの2重螺旋の恋人.よくわかりませんでした.

経験生かし心のケア 仙台市教委が岡山へ教職員派遣
 西日本豪雨で被災した岡山県総社市の学校再開支援や児童生徒の心のケアに当たるため、仙台市教委は30日から10日間、現地の小中学校などに教職員3人を派遣する。28日に市役所で出発式があり、佐々木洋教育長が東日本大震災の経験を発揮することを期待した。
 総務省の対口支援(カウンターパート)方式で支援先となった総社市の要請を受けた。派遣されるのは学校教育部の佐藤淳一参事、教育相談課の遠藤雅範指導主事、高砂中(宮城野区)の遠藤智美養護教諭。学校の夏休み明けの31日から、被災した小中学校を中心に回る。
 3人はそれぞれ震災当時、避難所運営や子どもの心のケアに携わるなど、豊富な経験を持っている。出発式で佐々木教育長は「子どもたちが再び笑顔で学校に通えるよう、温かく励ましてほしい」と訓示した。
 佐藤参事は津波で甚大な被害を受けた石巻市雄勝中校長として、学校の移転再開などに奔走した。取材に「子どもの心のケアが最重要課題だが、学校再開に向けて教職員も不安を抱えていると思う。私たちの経験とノウハウを少しでも役立てたい」と語った。


災害公営住宅の家賃軽減を 宮城・塩釜の考える会、市に署名簿提出
 宮城県塩釜市の「災害公営住宅家賃問題を考える会」は28日、入居6年目からの段階的な引き上げが迫る災害公営住宅の家賃の軽減を求める要望書と被災者ら389人分の署名を市に提出した。
 市内の災害公営住宅は来春以降、順次6年目を迎える。要望書は(1)国に「特別家賃低減事業」の交付期間(10年)の撤廃を働き掛け、引き上げを行わない(2)基準月収を超えた世帯に割り増し家賃を強要しない−ことなどを求める内容。
 考える会のメンバーが市役所を訪れ、松浦誠世話人が「ぜひ入居者の心を真摯(しんし)に受け止めて(家賃補助を)延長してほしい」と述べた。内形繁夫副市長は「重みを受け止めたい。近隣の2市3町で協議しており、しっかり対応したい」と答え、12月ごろまでに一定の方針を出す見通しを示した。
 考える会は市内9地区の災害公営住宅の入居者(約380世帯)を対象に、署名活動を1カ月間実施した。


温泉が出た! 観光復興に弾み
東日本大震災の津波で大きな被害を受けた名取市閖上地区で、観光の復興に向けて続けてきた温泉の掘削が成功したと、市が発表しました。
交流人口の増加につながるとして、名取市は2年後のオープンを目指すことにしています。
これは名取市の山田司郎市長が、29日に開かれた記者会見で明らかにしました。
温泉の掘削は、震災前に閖上地区にあった1周4キロのサイクリングコースを備えた観光宿泊施設「サイクルスポーツセンター」の再建事業として続けられていました。
施設は震災前、競技団体や市民など年間5万人以上が利用していましたが、市はより集客力のある施設に再建しようと、クラウドファンディングを募って去年8月から温泉の掘削を続けてきました。
市によりますと、温泉はことし3月に地下およそ1100メートルから湧き出てきて、5月から県が指定する分析機関で検査した結果、アルカリ性で、乾燥肌や冷え性、疲労回復などの効能が期待できることが分かったということです。
市は「名取ゆりあげ温泉」と名付け、入浴施設のほか宿泊室、自転車コースを備えた新たな観光施設として、2年後の秋のオープンを目指しています。
山田市長は、「私も実際に源泉に触れたが、つるつるとして美肌の湯になるのではないかと感じた。人が集まるような施設にして、地元の海産物の朝市などとも連携して、交流人口の増加を図りたい」と話していました。
名取市の「サイクルスポーツセンター」は昭和50年にオープンし、1周4キロの自転車コースや宿泊室、それにレストランを備え、震災前は自転車の競技団体のほか、一般の市民も自転車の練習やサイクリングに利用していました。
また、家庭用の自転車で行う8時間耐久レースなど、さまざまなイベントも開かれ、市によりますと、年間5万人以上が利用していたということです。
東日本大震災で浸水し、直後に取り壊されましたが、市は閖上地区の観光を担う拠点の一つとして再建することを決め、2年後のオープンを目指しています。
「サイクルスポーツセンター」の再建にあたっては、インターネットを通じて、かつての利用者などから1100万円以上の寄付が寄せられ、事業を後押ししました。
市が再建資金の一部について、「クラウドファンディング」と呼ばれる手法でインターネットで協力を呼びかけたところ、およそ5か月で280余りの個人や団体から寄付が寄せられ、目標金額の1000万円を超す、1100万円余りが集まりました。
寄付した人の中には、応援メッセージとしてかつて利用した時の思い出などを寄せる人も多く、ネット上には、「子どものころ、初めて自転車に乗れるようになったのがサイクルスポーツセンターでした。再び閖上海浜がレクリエーションの場になりますように応援しています」とか、「ずっと乗りたいと思っていたタンデム自転車に、娘とふたりで乗ることができた思い出の場所です。復活を心待ちにしています」、「今は名取を離れて生活していますが、閖上地域のみなさんがまた新たな1歩を踏み出せるように応援しています」などの声が紹介されています。
市は施設がオープンしたあと、寄付した人に入浴券を配る予定で、山田市長は、「全国のみなさまにお礼を申し上げたい。施設がオープンしたら、復興を果たした閖上に来ていただきたい」と話しています。
名取市の元競輪選手、星進一さん(55)は、現役時代に練習でサイクルスポーツセンターを利用していたほか、市民とともに自転車を楽しむイベントなどにも参加していました。
星さんは、「震災で施設がなくなり、さみしく感じていたので、温泉が出たと聞いてとてもうれしいです。競技者にとっても練習の後に疲れを癒やせることは魅力で、多くの人が来てくれそうです。かつてのにぎわいを取り戻してほしいです」と話していました。


<原発事故避難者集団訴訟>「手順従わず炉心溶融」専門家が証言
 東京電力福島第1原発事故で宮城県などに避難した福島県浜通りの住民が東電と国に損害賠償を求めた訴訟で、日本原子力研究開発機構の元研究者で社会技術安全システム研究所(茨城県ひたちなか市)の田辺文也所長の証人尋問が28日、仙台地裁であった。田辺氏は「東電が手順通りに対応せず炉心溶融が起こり、事故が深刻化した」と証言した。
 津波で原子炉の冷却機能が失われた同原発2、3号機に関し、東電は2011年10月に原子力安全・保安院(当時)に報告書を提出。想定事象に対応する「事象ベース」と、炉心損傷時の「シビアアクシデント」の各手順書のみを使ったと明記している。
 田辺氏は、東電が原因不明の原子炉の状態に対応する「徴候(ちょうこう)ベース手順書」を参照しなかった点を問題視。同手順書に従わず、原発内の現地対策本部が格納容器のベントを優先させた結果、「原子炉を減圧し(原子炉水位の異常低下時に行う)低圧注水に切り替えるタイミングが遅れた」と強調した。
 訴えでは、福島県から避難を余儀なくされた93人が原発事故で古里を失い、精神的苦痛を受けたとして、慰謝料など計39億2460万円の支払いを求めている。


<モニュメント問題>福島市長が早期撤去の方針表明 「賛否割れ、復興の象徴としての設置継続困難」
 福島市が恒久展示したモニュメント「サン・チャイルド」に対する批判がインターネット上で相次いだ問題で、木幡浩市長は28日、早期に撤去する方針を表明した。市役所で記者会見し、「賛否が分かれる作品を(東京電力福島第1原発事故からの)復興の象徴として設置し続けることは困難と判断した」と述べた。
 サン・チャイルドは防護服のヘルメットを外した子どもの立像。線量計を模した胸の表示「000」が「線量ゼロでないと安全でないと見える」などと批判されていた。
 木幡市長は「心を痛めたり不快な思いをされたりした方々には深くおわびする」「設置に当たり合意形成のプロセスを欠いたことは反省している」と陳謝。市長給与を減額する条例改正案を市議会9月定例会に提出する考えを示した。
 市は設置したJR福島駅近くの教育文化複合施設「こむこむ」で18〜27日に実施したアンケート結果を公表。回答110件の内訳は設置継続22件、移設・撤去75件、その他13件だった。木幡市長は「いろいろな人の意見も聞き、大勢の把握に努めた」と話した。
 モニュメントは近く解体し、市が保管する。その後の取り扱いは未定。
 木幡市長は「移設するなら、見たくない人は見られない場所がいい。市に美術館などはなく、市としての移設・展示は困難」と説明。サン・チャイルドの10分の1模型を展示中の福島県立美術館(福島市)への移設は「要請があれば可能と思うが、時間がかかる。まず撤去し、さまざまな検討をする」と述べた。
 サン・チャイルドは、現代美術作家ヤノベケンジさんが原発事故後の2011年10月に初公開し、一般財団法人ふくしま未来研究会(同市)を通じて市に寄贈した。今月3日に除幕式があったばかりだった。


大ぶりサンマ銀の輝き 宮城・気仙沼で初水揚げ
 宮城県気仙沼市の気仙沼漁港に28日、県内のトップを切りサンマが初水揚げされた。銀色に輝く秋の味覚を仕入れようと、魚市場は仲買人で活気を帯びた。
 初入港したのは長崎県雲仙市の第3太喜丸(199トン)。土砂降りの雨の中、午前5時過ぎから北海道根室沖で捕れた約66トンを水揚げした。130〜160グラムの中型が6割を占め、入札価格は1キロ当たり351〜500円だった。
 全国的に歴史的不漁だった昨年、気仙沼市魚市場の水揚げは9667トンと初めて1万トンを割った。地元の「海の市サンマまつり」は中止になり、東京都内の「目黒のさんま祭」には前年の冷凍サンマを提供した。
 水産庁は今年のサンマ漁獲量が昨年を上回ると予測している。太喜丸の井上太喜漁労長(34)は「昨年よりも大ぶりなサイズが多く、漁場でも大きな群れがあった。今年は期待できる」と話した。


秋の味覚が躍る夏 宮城・女川でサンマ初水揚げ
 宮城県女川町の女川魚市場に28日、今季初めてサンマが水揚げされた。記録が残る2009年以降、8月の水揚げは初めて。例年より早い秋の味覚の到来に、全国有数のサンマの水揚げを誇る市場は活気づいた。
 気仙沼市の第8千代丸(199トン)が北海道沖合で漁獲した約58トンを水揚げした。浅野正二漁労長(56)は「大きさも良く、漁場が増えればもっと取れるようになる」と期待する。
 初水揚げされたサンマは120〜140グラムの中型が中心で、1キロ当たり300〜450円で取引された。歴史的な大不漁となった昨年よりもやや安かった。地元の飲食店や鮮魚店などに並ぶという。
 女川魚市場の加藤実社長は「今年は魚体も大きく、脂乗りもいい。約1万トンだった昨年の倍は水揚げしたい」と話した。


放射光施設の経済効果は?
物質の構造や性質を原子レベルで分析できる「放射光施設」と呼ばれる実験施設が、仙台市の東北大学に建設されることが決まりましたが、その経済効果は10年間で1兆9000億円あまりになることが、東北経済連合会の調査で明らかになりました。
「放射光施設」は高いエネルギーをもつ光を物質にあててその構造や性質を原子レベルで観察、分析できる実験施設で、国は先月、仙台市の東北大学に建設する方針を決めました。
これを受けて東北経済連合会が、その経済効果を調べたところ、医療や情報通信、それに食品などの分野で技術開発が進むことによって新たな市場が生まれ、国内の生産額を10年間で1兆6200億円あまり押し上げる効果があると推計しています。
さらに宮城県では、施設の建設や、関連産業の誘致が進むことなどで新たに1万9000人あまりの雇用が生まれ、10年間で2800億円近くの経済効果を生むとしていて、国内の生産額を押し上げる分とあわせて10年間で1兆9000億円あまりの経済効果があると推計しています。
調査の結果について、東北経済連合会は、「実験施設が整備されることで企業や研究所が宮城県に集まるようになり、地域のインフラ整備が進む効果も期待できる」と話しています。


デスク日誌 感動 金農
 夏の甲子園で金足農が秋田県勢として1世紀ぶりの準優勝に輝いた。もともと高校野球熱が高い秋田が、沸きに沸いた。「金農ハンパねえ!!」「最高!!」…。JR秋田駅の改札口前に設けられた応援ボードは書き込みで埋め尽くされた。
 一つ一つのメッセージが心に響く。朝から夜中まで、通り掛かった人の多くが立ち止まってボードに見入り、写真に収めていく。
 決勝戦翌日にナインが秋田に戻り熱烈な出迎えを受けてから3日たった25日夕、秋田駅からJR奥羽線に乗って追分駅に向かった。金足農の最寄り駅だ。
 駅前にある商店の2枚並びのガラス戸に、準優勝をたたえる大きな張り紙があった。縦書きで右側の戸には朱色で「感動」、左側にはスクールカラーの紫色で「金農」と書かれていた。
 筆で手書きした1文字60センチ四方もある大文字だ。金農ナインの獅子奮迅の活躍がどれほど地元を勇気づけたかが伝わってきた。
 地域に根差し愛されている学校だと改めて感じた。全国の頂点に迫った感慨と学校を包み込む温かなまなざしへのうれしさが入り交じり、幸せをお裾分けしてもらった気分になった。(秋田総局長 松田博英)


河北春秋
 お盆休み、懐かしい同級生と集った方も多かろう。狭い田舎から飛び出したい、と念じた10代から人生を重ねると、いつしか古里が自分の血肉になっていたと気付く。作家にとっては創造の根っこになるのだろう▼青森県出身で芥川賞に決まった高橋弘希さん。受賞作『送り火』に津軽の景色と暮らし、送り火の祭りを濃密に描き、そこで起こる若者の暴力事件を幻想的な物語に包んだ。執筆に詰まった時、少年期の「記憶の津軽」を思い出した途端に筆が進んだという▼漫画家さくらももこさんの『ちびまる子ちゃん』には、富士山が見える古里、静岡県の旧清水市(現静岡市)の風景がある。自身をモデルに小学3年の女の子と家族、同級生の日々を滑稽に、しみじみと描き、アニメが大ヒット。国民的と評される人気のさなか、53歳で逝った▼八百屋の父は「超呑気(のんき)」、母は「心配性で怒りんぼう」、祖父は「ズルくてイジワルで怠け者」−。自著『もものかんづめ』の家族評は辛口だ。が、さくらさんは小さな出来事にも笑いを見つけ、誰でも日常を愛すべき物語に変えられると漫画で伝えた▼静岡の友人によると、地元名物は昔「お茶、次郎長、サッカー」だったが、「ちびまる子」が加わった。永遠に終わらぬ古里の物語に生き続けるのだろう。

政府の障害者雇用率調査 義務果たす計画を早急に
 国の行政機関の8割が障害者手帳を持っていない人を障害者雇用率に算入し、その数は計3460人に上ることを政府が公表した。
 昨年のまとめでは、国の行政機関で雇用している障害者は約6900人とされている。その半数がうそだったことになる。制度の根幹を揺るがす深刻な事態だ。
 厚生労働省のガイドラインでは、雇用率に算入できるのは障害者手帳を持っている人か指定医の診断書のある人だけだ。企業や省庁は障害者雇用数を厚労省に報告する際、手帳を確認することが定められている。
 「ガイドラインの解釈の仕方が違っていた」「手帳を確認する必要性を認識していなかった」などと各省庁の大臣らはコメントするが、そうした言い訳は素直に受け取れない。
 地方自治体でも障害者雇用の水増しがあることが報道で明らかになっている。その中には手帳を持っていないことを知りながら虚偽報告していた例もある。国の行政機関の8割が解釈や認識の違いだけで恒常的な水増しをしていたとするのは不自然だ。詳しく検証すべきである。
 省庁の雇用率は、水増し分を差し引くと平均1・19%になり、法律で義務づけられた2・5%を大幅に下回る。1%未満の省庁は半数以上ある。国税庁に至っては1000人を超える水増しが行われてきた。
 公的機関や企業で働くことを希望しながら、よい仕事に就けていない障害者は多い。中央省庁の水増しの分だけ、就労からはじき出された障害者がいるということだ。
 政府は加藤勝信厚労相を議長に省庁の官房長らで構成する連絡会議を設けて対策を検討するという。だが、新たに3500人もの障害者を雇用するのは容易ではない。官邸主導で具体的な行程を定めた行動計画をすみやかに策定すべきだ。
 障害者差別解消法では障害者が働きやすくなるための合理的配慮が公的機関に義務づけられている。民間企業は努力義務にとどまっているが、優れた合理的配慮をしている企業は多い。各省庁は民間を参考にして真剣に取り組むべきである。
 もともと中央省庁は民間企業に範を垂れるべき存在として雇用率も高く設定されている。これ以上の背信や怠慢は許されない。


障害者「水増し」 解明なくして信頼なし
 政府が公表した中央省庁の障害者雇用の実態には、あらためてあきれる。障害者の働く場を奪う暴挙と言わざるを得ない。共生社会の実現へ向け、実態の解明と再発防止を徹底すべきだ。
 最初に指摘しておきたい。
 中央省庁の障害者雇用の数字水増しは単なる算定ルールの認識不足ではない。障害者を働く仲間と見ていないということだ。差別ではないか。
 調査結果によると中央省庁の八割で、計三千四百六十人が不正に算入されていた。昨年雇用していたとした障害者の半数に上る。障害者雇用促進法で求められる雇用率を大幅に下回った。雇用をリードする厚生労働省もわずかながらあった。省庁ぐるみと受け取られかねない不正である。
 民間には法定雇用率に達しないと納付金を求めるのに、行政機関が報告だけで済むのは雇用の旗振り役として責任を果たしているとの前提があったからだろう。それだけに不正を放置した責任は重い。猛省すべきだ。
 なぜ不正が行われたのか。厚労省のガイドラインでは、身体障害者手帳などを持つ人などが対象だが、多くがそれに従っていなかった。ガイドラインの理解不足などという理由は通用しない。そもそも障害者を働く仲間と見ていれば、ガイドラインを確認し適材適所の雇用を考えたのではないか。
 不正が故意かどうか加藤勝信厚労相は「今、把握することは困難だ」と述べた。水増しの経緯や詳しい実態は依然、不明だ。政府には地方自治体も含め真相を究明する責任がある。
 野党各党は国会の閉会中審査を求めている。行政機関全体の不正でしかも長年続けられてきたからには、政府任せにせず国会もチェック機能を果たしてほしい。
 この問題を取り上げた本欄(八月十八日付)で大分県杵築(きつき)市の永松悟市長から聞いた話を紹介した。永松市長は精密機器メーカーの下請け企業で働く二人の知的障害者のことも紹介してくれた。
 −二人は新入社員の教育係を務める。多くの失敗を経験しているからこそ、新人が失敗しても丁寧に繰り返し教えてくれるのだそうだ。現場の管理職も必要な人材だと断言しているという。
 障害者だけでなく育児・介護中の人、高齢者など誰もが能力を生かしやりがいを感じられる職場にできるはずだ。政府は不正の再発防止は当然、その環境整備こそが重要課題だと肝に銘じるべきだ。


障害者雇用調査/働く機会奪う背信行為だ
 「障害者雇用支援月間」である9月を前に、行政機関のあまりに罪深い背信行為が改めて明らかになった。
 政府は、中央省庁など国の33行政機関のうち8割の27機関が障害者雇用数を水増ししていたとする調査結果を公表した。
 昨年、国は計約6900人の障害者を雇用していると発表していた。ところが、これは厚生労働省のガイドラインを都合よく解釈して積み上げた数字で、半数近い3460人は障害者雇用の対象外だった。
 国や地方自治体に義務づけられた障害者の「法定雇用率」は、当時2・3%(今年4月から2・5%)だった。厚労省は「行政機関は2・49%を達成した」と誇っていたが、実際は1・19%にすぎなかった。
 共生社会の推進役となるべき国が障害者の働く機会を奪っていたことに、強い憤りを感じる。差別がまかり通っていた事実は深刻といわざるを得ない。
 水増しは恒常化していたとの指摘がある。各省庁は判で押したように「故意ではない」と釈明するが、納得しがたい。過去にさかのぼって調べ、なぜ長期間続いたのかを明らかにし、厳しく責任が問われるべきだ。
 自治体の調査も急がれる。これまでに25県と5政令都市で不正が明らかになった。兵庫県内では県教育委員会がガイドラインの定める障害者手帳の確認を怠り、自己申告に任せていた。
 ガイドラインの徹底が再発防止の第一歩となるが、民間企業と同様に、行政機関も定期的なチェックを受ける必要がある。法定雇用率を満たさない企業には、事実上の罰金が科せられる。行政にはより厳しい罰則があってもおかしくない。
 政府は障害者の雇用を急ぐという。しかし、行政の現場には障害者に能力を発揮してもらうノウハウに乏しいところも少なくない。障害に対する理解を深める研修など、職場へのきめ細かな支援も求められる。
 毎年、障害者雇用支援月間には障害者の職場定着や登用に実績を上げた企業が表彰される。障害者の自立的な生活を後押しするのが制度の理念だ。その実現のため、拙速な数合わせに終わらせないよう、まずは民間の実践例に学んではどうか。


障害者雇用不正 「共生」への姿勢を疑う
 障害者雇用促進法が定める障害者の雇用割合(法定雇用率)を中央省庁が水増ししていた問題で、政府が調査結果を公表した。
 昨年雇用した障害者数を約6900人と発表していたが、不正に算入していた人数は、全体の半数の3460人に上る。
 2・49%の雇用率は1・19%に半減した。33行政機関の8割に当たる27機関が水増しを行い、17機関は0%台にまで落ち込んだ。
 多くの障害者の働く機会を国が奪ったのも同然だ。
 加藤勝信厚生労働相は「故意か誤解に基づくものか今の段階で判断するのは困難」と述べたが、無責任な言い訳に聞こえる。
 「共生社会」の理念に向き合う政府の姿勢自体が疑われても仕方あるまい。
 政府は、第三者の検証チームを設置し、10月中に再発防止策と、法定雇用率の達成に向けた取り組みをまとめるという。
 障害者や民間企業の信頼回復を図るためにも、不正が横行した背景を徹底的に解明し、当事者の責任を厳しく問うべきだ。
 厚労省の指針は、身体障害者手帳や知的障害者の療育手帳、精神障害者保健福祉手帳を持つ人や、知事が指定した医師の診断書のある人などを雇用率に算入できるとしている。
 この条件を満たしていない人も含めたことについて、指針の理解不足との声が上がっているが、認識が甘すぎる。
 民間を指導する立場にありながら、これほど多くの中央省庁がルールを無視していた実態の深刻さに変わりはない。
 雇用率を単なる数値目標とみなし、体裁を取り繕って済まそうとしたのではないか。
 雇用率を達成した上で、障害者が働きやすい環境を整えるためにどんな施策が必要か、民間と協力して工夫を重ねるのが、行政に求められる姿勢だろう。
 一連の不正を受け、障害者からは「差別があるのでは」と不信の声が上がるのも当然だ。障害者団体など当事者の声に真摯(しんし)に耳を傾け、実効性のある対策を早急に打ち出す必要がある。
 野党は、衆参厚生労働委員会の閉会中審査を求めている。
 障害者を支援する制度の根幹が揺らいでおり、国会も実態解明に乗りだすべきだ。
 気になるのは、水増しが地方自治体にも広がっていることだ。各自治体は、不備はないかチェックを急いでもらいたい。


民間なら罰金1.7億円 障害者水増し“死者”も算入の悪質実態
 国の33行政機関の約8割にあたる27機関で、実際には障害者ではない職員3460人が障害者として水増し算入されていた問題で、中には、過去に死亡した職員を障害者として算入していたケースもあったというから悪質もここに極まれりだ。
 29日の毎日新聞によると、ある省の幹部は「水増しは(障害者雇用促進法が定める)法定雇用率を満たすためだった。死者を参入した以外にも、強度近視の職員を参入したり、健常者の管理職が自分も障害者に含めるよう指示したケースもあった」と証言したという。
 ほかにも「糖尿病」「緑内障」「腎臓がん」「左耳が聞こえない」など、単なる病気でしかない職員を障害者としてカウントしていた。
 民間企業は、毎年6月1日時点で障害者雇用数の報告を求められ、雇用率が達成できなければ、不足者1人につき月額5万円の“罰金”を取られる。民間企業でこんな不正を行えば、企業名を公表され、担当者は当然クビだ。
 27行政機関全体で3460人だから、毎月1億7300万円、年間20億7600万円にのぼる。過去にさかのぼれば、どれだけの“罰金”が累積しているか分からない。下っ端役人のクビだけではすまない事態だ。


障害者雇用半減  不正の背景に迫るべき
 中央省庁が雇用する障害者数を水増ししていた問題で、政府の調査結果が、きのうの関係閣僚会議で報告された。
 昨年雇用したと発表していた約6900人のうち、国のガイドラインに従わず、不正に算入された水増し分は3460人に上る。
 法定雇用率(当時2・3%)を上回る2・49%を達成したと公表していたが、実際は半分以下の1・19%だった。あまりにも、ひどすぎる実態である。
 33ある国の行政機関のうち、8割を超える27の機関で不正が見つかった。実際の雇用率が、0%台に落ち込んだところも多い。
 財務省の文書改ざんなどの不祥事に続き、またもや公的機関への信頼が失墜したといえよう。
 国、自治体、企業などには、一定割合以上の障害者を雇うことが、法で義務付けられているのを、改めて思い起こしたい。国は旗振り役でもある。
 対象者となるかどうかは、原則として障害者手帳で確認しなければならないとガイドラインに定められているが、水増し分は医師の診断書などをもとに障害者数に算入された。チェック機能が、まったく働いていなかったようだ。
 水増し行為は、中央省庁にとどまらず、今月27日までに29府県と7政令指定都市に広がっていたと分かった。滋賀県と県教育委員会も、不適切な算入があったと発表した。
 政府は、中央省庁の幹部らで、秋の臨時国会までに再発防止策をまとめるが、自治体を対象にした全国調査も行う方針だ。
 この際、不正の全容を明らかにして、対策を急ぐべきだろう。
 所管官庁の厚生労働省によると、今年5月に財務省からあった算定方法についての問い合わせを端緒に、問題が発覚した。省庁の一部からは「算定に関する理解不足が原因で、故意ではない」との声も上がっているという。
 しかし省庁には、長時間労働や突発事故の対応などで、自分たちの職場は障害者に適さないとの見方もあり、そうした意識が障害者雇用を軽んじ、安易な水増し行為に及んだともみられる。対策を講じるに当たっては、不正の背景にも迫ってもらいたい。
 法定雇用数を達成できなかった場合、民間企業には納付金の徴収や、企業名の公表などのペナルティーがある。今回の件では、障害者の就労の機会が奪われた可能性もあることを重く受け止め、公的機関でも厳正な対処が必要だ。


障害者雇用水増し調査 国は根本的に姿勢正せ
 こんなことをして、良心が痛まなかったのだろうか。政府がきのう公表した調査で、中央省庁の8割が障害者の雇用率を不正に水増ししていたことが明らかになった。民間の事業者には厳しい指導をしながら身内には甘い「お役所」の姿勢が、浮き彫りになったと言えよう。
 昨年、厚生労働省のガイドラインに反して障害者手帳などを確認せず、雇用率に算入した数は全体のほぼ半数に当たる3460人に上る。実際の雇用率は公表の2・49%の半分にも満たない1・19%になるという。
 障害のある人が働く機会を広げ、自立を支えるのが障害者雇用促進法の理念である。率先して範を示すべき政府が、自らの実態を隠して帳尻を合わせていたことになる。
 障害者雇用率の達成が義務付けられた40年余り前から、こうした運用は常態化していたようだ。本来就業できるはずだった障害者から働く機会を奪った背信行為とも言える。長年放置してきた責任は重い。真剣に障害者雇用の拡大に取り組む気があったのかと疑いたくなる。
 調査によると、国の33行政機関のうち公表より雇用率が下がるのは27機関に上る。うち17機関では雇用率が0%台まで落ち込む。実際の障害者の雇用数が最も大きく減るのは国税庁で千人以上。国土交通省、法務省でも500人以上が不正に加えられていたことが分かった。
 厚労省のガイドラインでは、原則障害者手帳を持つ人を雇用率に算入するよう求めている。ところが実際には「健康診断で異常を指摘された」といった自己申告でカウントするなど担当者が勝手な解釈で算入していたらしい。各省庁は「故意の操作ではない」などと説明している。しかし不正を認識しながら「暗黙の了解」として、省庁全体で目をつぶってきたことが、本当になかったのだろうか。
 同様の水増しは地方でも次々と明らかになっている。菅義偉官房長官は全国の地方公共団体にも調査を指示したが、既に29府県7政令市で不適切な算入が判明した。中国新聞の取材では広島県教委や島根県・県教委などで自己申告を基に数えるなど、ガイドラインに沿わない運用が確認された。調査が進めばさらに広がるだろう。
 障害者の就労機会を保障するという法制度の目的を十分に理解して達成しようとしていれば、こうした運用が常態化することはなかったはずだ。
 日本障害者協議会の理事が「ガイドラインの理解不足や拡大解釈といった理由は通用しない」と批判するのも当然だ。当事者から「深い差別があぶり出された」との声も聞こえる。社会が障害者雇用に消極的であることの表れではないか。
 政府はきのう加藤勝信厚労相をトップとする関係府省庁の連絡会議を開き、再発防止の議論を始めた。秋の臨時国会までに対策を取りまとめるという。だがまずは、不正な算入が長年見過ごされた原因の早急な究明が求められる。その上で水増しによって働く機会を奪われた障害者の雇用を急ぐべきだ。
 政府は法の理念にいま一度立ち返る必要がある。法定雇用率を達成するための数字合わせに終わらず、障害のある人が働きやすい環境をどう整えていくのか考えるのが先である。


障害者雇用 水増しは背信行為だ
 障害者雇用促進法で義務付けられている障害者の雇用割合を国の省庁のほとんどが水増ししていたことが、厚生労働省の調査で分かった。水増しは多くの地方自治体でも発覚している。模範にならなくてはならない公的機関のずさんな対応にはあきれるばかりだ。
 国や自治体に障害者の一定割合以上の雇用を求める制度ができたのは1960年だ。法定雇用率は段階的に引き上げられ、現在2・5%(今年3月までは2・3%)。厚労省は昨年6月時点で、国は約6900人の障害者を雇い、平均雇用率は2・49%で達成しているとしていた。
 だが、調査ではなんとそのうち半数の3460人が対象外だったというから驚く。雇用率も1・19%にすぎない。調査は昨年分だけだが、水増しが長年にわたって常態化していたことは間違いないだろう。
 厚労省は雇用率に算入できる障害者は、原則として障害者手帳を持っている人や医師の診断書がある人と指針で定めている。ところが、各省庁や自治体は、指針はあくまで原則だと拡大解釈し、該当しない軽度の人まで勝手に含めていた。
 障害者の法定雇用率は76年から民間企業にも義務付けられた。現在2・2%(同2・0%)だが、達成していない場合は厳しい指導を受ける。従業員100人超の企業では未達成の人数に応じて納付金が課せられ、悪質な場合は企業名を公表されることもある。
 国や自治体にこうした罰則がないのは、旗振り役として率先して取り組むことが当然視されているからだ。民間より高い雇用率が設けられているのも同じ理由だが、今回の事態は信頼を裏切る行為だと言わざるを得ない。
 厚労省の責任も重い。4年前に所管の独立行政法人で法定雇用率の虚偽報告が分かった際、他の独立行政法人に対しては適正な運用を行っているかを確認したものの、各省庁や自治体については調べなかった。
 障害者雇用促進法の理念は、障害があるかどうかにかかわらず、希望や能力に応じて働ける「共生社会」の実現だ。障害者の活躍の場を広げることは、誰にとっても安全で安心な働きやすい職場環境への改善につながる。
 政府は今後、第三者による検証や自治体への調査も実施し、再発防止策などを検討するという。障害者の法定雇用率はさらに引き上げられる予定だ。改めて法の理念をかみ締め、徹底してもらいたい。


障害者雇用水増し あまりにひどい実態だ
 政府は中央省庁で障害者雇用の水増しが3460人に上るとする調査結果を公表した。昨年雇用したとする約6900人の半数が国のガイドラインに反して不正に算入されていたという信じ難い実態が明るみに出た。国の33行政機関の8割に当たる27機関で不正が行われていたというから驚く。国民を愚弄(ぐろう)する行為であり、行政への信頼は地に落ちたと言わざるを得ない。
 障害者雇用促進法に基づく雇用率制度は、行政機関や企業に一定割合以上の障害者を雇うよう義務付けている。中央省庁の昨年の雇用率は2・49%だったと公表されていた。しかし実態は、知事が指定した医師以外の診断書を基に対象外の人をカウントするなど極めてずさんなものだった。
 実際の雇用率は1・19%に落ち込み、当時の法定雇用率2・3%を大きく下回る結果となった。障害者団体関係者が「ここまでひどかったとは」と憤慨するのは当然だ。日本の障害福祉の歴史に大きな汚点を残すものであり、関係閣僚の謝罪で済む問題ではない。
 省庁の算定の誤りについては「故意か誤解に基づくものなのか、現段階での把握は困難」としている。水増しは身体障害者の雇用が義務付けられた1976年当初から行われていたとみられる。厚生労働省作製のガイドラインを参照すれば該当者かどうか容易に把握できるだけに、誤解だったという言い訳が通用するはずはない。
 詳しい実態を明らかにしない限り国民の不信感は増幅するばかりだ。政府は、各省庁の障害者の雇用率を法定目標値まで引き上げることはもちろん、なぜ不正が常態化してしまったかなど全容を解明し、速やかに説明する必要がある。
 社会の一員として活躍することを目指して努力している障害者たちへの背任行為でもある。不正行為により、本来は就業できるはずだった多くの障害者の働く機会が奪われていたことになる。率先して雇用を進めるべき国が犯した罪はあまりにも重い。
 現在、国の行政機関だけでなく、多くの県や市町村などの地方自治体でこうした水増しが行われていたことが表面化している。秋田県でも手帳や指定医の診断書を確認しないまま障害者雇用数に計上していた。手帳の有無は本人の申告に基づいたという。現在、本年度雇用している障害者73人(知事部局)全員について算入該当者かどうか調査している。
 障害者の雇用を義務付ける民間企業についても、障害者の雇用状況を報告書として提出させる仕組みだ。障害者雇用に該当するかどうかを確認する作業は行政、企業任せというのが実態といえる。雇用制度の仕組み自体に大きな欠陥があることは明らかであり、不正が起きないよう適正に運用させるため抜本的な見直しが求められる。


障害者雇用水増し 国の「差別」徹底解明を
 国が率先して障害者を差別してきたと言うほかない、深刻な事態だ。中央省庁の障害者雇用水増し問題で28日、政府が調査結果を公表。昨年6月時点で雇用していた約6900人のうち、水増しは半数以上の3460人に上った。
 千人以上を水増ししていた国税庁をはじめ、国の33行政機関のうち27機関で不正。当初公表していた雇用率は2・49%だったが、実際は1・19%で、当時の法定雇用率2・3%を大きく下回った。
 国は率先して障害者を雇用し、民間企業に雇用を働きかける立場。厚生労働省のガイドラインでは、原則として障害者手帳を持つ人を雇用率に算入するよう求め、例外は都道府県知事が指定した医師らが作成した身体障害の診断書など一部に限られる。
 だが、手帳の確認をせず雇用率に算入するなど、実態は極めてずさんだった。背景には拘束時間の長さや国会対応など、突発的な仕事が多い特性があったとされる。
 水増しは、1976年に身体障害者の雇用が義務化された当初から40年以上にわたり繰り返されてきた。雇用されるはずの多くの障害者の夢を奪い、真面目に雇用増に取り組んできた民間企業の努力を裏切り続けた国の罪は重い。一連の経緯の徹底検証を抜きに、地に落ちた信頼回復はあり得ない。
 水増しは採用担当部門だけの問題か、上層部の関与はあったのか。厚労相は「算定の誤りが故意か誤解に基づくものなのか、現段階での把握は困難」と述べたが、そもそも厚労省は何をしていたのか。2014年に独立行政法人「労働者健康福祉機構」が雇用率を偽って国に報告していたことが発覚した時点で、各省庁を調査していれば、水増しをチェックできたはずだ。
 雇用率水増しに限らず、障害者雇用施策全般にわたる検証も必要だ。業務中に介助が必要だったり、自力での通勤が困難な障害者に対し、配慮できていたのか、怠っていたのかも調べる必要がある。
 中央省庁に端を発した水増し問題は、地方にも波及。各地の自治体で、障害者手帳や診断書を確認せずに雇用率に算入していたことが次々に明らかになっている。
 国は再発防止に向けたチェック機能の強化、法定雇用率の速やかな達成のため、厚労相を議長に、省庁の官房長らで構成する連絡会議を設置し、10月をめどに対策を取りまとめる方針を示した。だが、内輪の会議で取りまとめる対策に、どれだけの実効性があるか疑問だ。
 障害当事者を交えた協議の場を設け、再発防止策を講じるべきだ。障害者を抜きに、障害者のことを決める愚を繰り返してはならない。


障害者数水増し 活躍の場奪った罪は重い
 あまりのずさんさに、改めてあきれるばかりである。
 ごまかしによって、障害者の雇用の機会を奪った罪は極めて重い。再発防止に向け、さらに詳しい経緯や実態の解明を急がなければならない。
 中央省庁が雇用する障害者数を水増ししていた問題で、政府が調査結果を公表した。
 昨年雇用したと発表した約6900人のうち3460人が、国のガイドラインに反して不正に算入されていた。2・49%としていた雇用率は1・19%と半減した。
 不正を行っていたのは、国の行政機関の8割に当たる27機関に上る。障害者雇用の旗振り役であるはずの行政機関がそろって、その自覚を欠いていたと言っていい。
 安倍晋三首相が掲げる「1億総活躍社会」とは到底相いれない、足元の省庁の重大な失態といえる。
 今回公表されたのは、昨年の数字だ。水増しは長年にわたって続けられてきたことが判明している。これまでに働く機会を奪われた障害者の数は、一体どれほどになるのか。
 雇用の水増しは中央省庁にとどまらず、全国の自治体でも発覚している。
 本県でも湯沢町で障害者手帳などを確認せず、職員の障害の程度を勝手に判断して雇用率に算入していた不適切な対応が、新潟日報社の取材で分かった。
 水増し問題を受け、障害者団体からは「対象でない人を都合のいいように障害者としてカウントし、結果として本来雇われるべき人の権利を奪った」などと、障害者軽視を憤る声が上がっている。
 政府をはじめ行政機関全体が真摯(しんし)に受け止め、反省を深く胸に刻んで改善に取り組んでもらいたい。それなくして信頼の回復はあり得ない。
 疑問が拭えないのは、なぜ中央、地方を問わず行政機関で、似たようなやり方の不正が行われてきたかだ。
 障害者雇用促進法は、働く人のうち一定割合以上を障害者とするよう義務付けている。対象は原則として、障害者手帳を持つ人らである。厚生労働省は制度を周知するため、ガイドラインを作っていた。
 基準の確認は、それほど難しい作業であるとは思えない。むしろ省庁や自治体は、法律やルールを順守することに対して敏感な組織のはずだ。「なぜ」の疑念が募る。
 政府は雇用水増し問題を巡る関係閣僚会議の下に、中央省庁幹部でつくる連絡会議や弁護士ら第三者による検証チームを設置し、問題の検証などに当たることにしている。
 10月までに、再発防止策や障害者の雇用確保策を取りまとめる方針だ。
 障害者雇用をけん引すべき省庁や自治体の不正は、障害者や関係者に大きなショックを与えた。不正の根本的な原因はどこにあるのかを徹底的に調査し、実効性を伴った対策を構築するよう求める。


障害者雇用水増し/真相究明し再発防止策を
 中央省庁が法律で義務付けられた障害者の雇用割合(法定雇用率)を偽っていた問題で、国税庁や国土交通省など国の行政機関の8割、27機関で雇用水増しが行われていたとの調査結果を政府が公表した。昨年時点で雇っているとされた約6900人のうち3460人は水増しで、実際の雇用率は法定を下回る1.19%だった。
 働く喜びを通じ、障害のある人の自立を支えるのが障害者雇用促進法の理念だ。「経済社会を構成する労働者の一員として、職業生活で能力を発揮する機会」の実現をうたうが、率先して範を示すべき「官」の背信に、条文がむなしく響く。
 雇用水増しは地方自治体でも発覚が相次ぎ、全容はつかめていない。意図的に数字を操作したのか、法令解釈の誤りなのかも判然としない。政府は第三者の検証チームで調べる方針だが、役所任せにせず、国会での閉会中審査で真相究明に当たるべきだ。
 水増しの陰で働く機会を失った障害者は怒りで言葉もないに違いない。雇用率達成に努めてきた民間企業にすれば、冷や水を浴びせられた思いだろう。国の不祥事が民間の雇用意欲をそぐことにつながってはならない。
 1960年に身体障害者雇用促進法が制定。76年、事業主に雇用が義務付けられた。対象は知的障害に広がり、今年4月には精神障害が加わった。法定雇用率も徐々に引き上げられ、現在は国や地方自治体で2.5%、民間企業で2.2%だ。
 雇用率に算入できる障害者は、厚生労働省のガイドラインでは、身体障害者手帳、知的障害者の療育手帳、精神障害者保健福祉手帳で確認することが原則で、例外的に指定医による診断書も認めている。だが手帳所持の確認を怠っただけでなく、「視力が弱い」などの場合でも算入していたケースが判明している。
 一部の省庁からは「厚労省のガイドラインが分かりにくい」との言い訳が漏れ聞こえ、誤った拡大解釈がまかり通っていたようだが、法令に基づいて業務を執行する公務員の弁とは思えない。一方で、雇用政策をつかさどる厚労省が他省庁を詳しく調査した形跡も見られない。「お上」同士のなれ合い意識はなかったか。障害者団体が「根底に差別意識があったのでは」と疑うのも当然だ。
 民間企業の場合、雇用率に届かないと1人当たり原則月5万円を納付する決まりがあるが、中央省庁にはこうした仕組みはない。省庁の雇用実態をチェックし、不正にはペナルティーを科す仕組みを整えるべきだ。
 そもそも法定雇用率の制度は現状のままでよいのか。例えば難病患者らは手帳の取得が難しく、制度の枠から外れてしまう不備が指摘される。同様の制度を持つドイツでは5%、フランスは6%と日本より高い目標を掲げている。
 宅配便事業の生みの親でヤマト運輸会長を務めた故小倉昌男さんは、障害者福祉にも尽力した。生前、政府の会議に呼ばれ「障害者は能力が劣ると経営者は思いがちだが、実際に雇ってみると、社員に思いやりが生まれ、本業にもいい影響が出た」と語っていた。障害者雇用の理念に立ち返り、真相の究明と再発防止策の確立が急がれる。


障害者雇用水増し 働く機会奪った国の責任は重い
 中央省庁の障害者雇用水増し問題で、政府が、国の行政機関の8割に当たる27行政機関で3460人を不正に雇用率に算入していたとの調査結果を公表した。2.49%としていた雇用率は1.19%に大幅に減り、観光庁など17行政機関では0%台に落ち込んだ。
 これほど大規模な不正算入が常態化していたことにがくぜんとする。算入対象外の人を加えることで、本来働けるはずだった障害者の雇用機会を奪った国の責任は極めて重い。地方自治体でも水増しは少なくとも愛媛県など29府県と7政令指定都市で発覚している。実態解明を急ぐとともに、障害にかかわらず希望や能力に応じて働ける場所を確保する「共生社会」の理念に立ち返り、制度を一から見直さなければならない。
 不正算入は、原則として必要な障害者手帳の確認をしていなかったり、指定医ではない医師が作成した診断書を基にしたりと、厚生労働省のガイドラインに反した手法で行われていた。制度の理解不足を原因に挙げる省庁が多いが、釈然としない。障害者手帳の取得要件に該当しない「視力が弱い」といった職員を算入していた例もあった。法定雇用率を達成するための故意の操作や、粉飾の疑いは拭えない。
 加藤勝信厚労相は、「故意か理解不足によるものか、今回の調査では判断しきれない」として、弁護士ら第三者による検証チームなどを設けることを表明した。なぜ、これほど多くの省庁で不正が行われたのか。経緯や背景を含めて原因究明が急務だ。法定雇用率を達成できなかった一定規模以上の民間企業のみに課せられていた「納付金」を、国や自治体に導入することも検討が必要だろう。各省庁の報告に対するチェック機関の設置も欠かせない。
 障害者が働く環境についても改めて点検したい。厚労省は、職場で雇用主や上司から虐待された障害者が、2017年度は597事業所で1308人に上り、13年度以降、最多となったとの結果をまとめた。虐待の種類別では、最低賃金を下回る時給で働かせるなどの経済的虐待が千人を超えて最も多く、暴言などの心理的虐待が続いた。これでは障害者の働く意欲をそいでしまう。
 また、企業間では障害者の採用競争が激しさを増し、健常者と同様にパソコンの事務作業ができる車いすの障害者が取り合いとなるなど、障害種別の雇用に偏りが出ているとの指摘がある。数値目標達成ありきの弊害を、政府は認識すべきだ。
 重要なのは、障害の特性に応じて力を発揮することができる環境の整備だ。公務員の場合、障害者だからこそ、弱者に寄り添った町づくりなどにアイデアを出すこともできよう。いまだに根強い障害者に対する先入観を取り除き、誰もが活躍できる社会をつくることが、真の目的であることを再確認したい。


【障害者雇用不正】「理解不足」は通用しない
 障害者を軽視したずさんな実態にあきれる。あきれるばかりではなく、障害のある当事者や民間企業は怒りが大きいに違いない。
 中央省庁が雇用する障害者の数を水増ししていた問題で、政府が調査結果を公表した。
 昨年6月時点の雇用を発表していた約6900人のうち、不正に算入していた人数は半数を超える3460人に上った。2・49%としていた障害者雇用率も、実際は1・19%と法定雇用率(当時2・3%)を大幅に下回った。
 水増ししていたのは国の行政機関の8割に上る。障害者雇用率制度を所管する厚生労働省から法務省、会計検査院などにも広がり、問題の根深さをうかがわせる。
 障害者団体の役員は「国は多くの障害者の雇用の機会を奪い、人生を左右してしまった可能性がある」と言う。憤りは当然である。
 長年にわたって水増しが行われてきた背景には、政府内には不正はないという認識でチェック機能を設けなかった身内への甘さがある。
 各省庁は毎年6月の雇用者数を厚労省に報告する義務はある。だが、報告内容の真偽を確認する仕組みがないというずさんさだった。
 厚労省のガイドラインでは、制度の対象者は障害者手帳での確認が原則で、指定医の診断書や意見書で確認できる場合もある。ところが、指定医以外の無効な診断書が使われたり、健康診断で異常が見つかった職員を障害者と見なしたりしたケースが既に分かっている。
 各省庁は、「意図的な不正ではない。法令解釈の誤りが原因」という釈明を繰り返している。発覚が広がった高知県など地方自治体でも「水増しの意図は全くなかった」と同じような説明が行われている。
 しかし、法制度の趣旨に基づき、率先して範を示すべき公務職場である。制度の理解不足という言い訳は通用するものではあるまい。
 国は制度の理念について、事業主向けの資料で「障害者がごく普通に地域で暮らし、地域の一員として共に生活できる共生社会の実現」を掲げている。民間企業には納付金や企業名公表という罰則もちらつかせ、雇用を促してきた。
 民間企業の法定雇用率は今年4月から2・2%に拡充された。各企業にとってもよい人材を確保し、適材適所に配置するための努力や工夫が求められている。
 高知県内の中小企業も、単独では希望者が集まらず、ハローワークの合同面接会で数十人を面接して雇用している。それでも雇用者の勤務時間が不足する場合などは、1人不足するごとに月5万円の罰金を厳しく科せられてきたという。
 失墜した「旗振り役」の信用を取り戻すのは容易ではない。
 国は民間に示してきた理念を自らに突き付け、原点に戻るしかあるまい。水増しの経緯や実態を徹底して検証し、チェック機能の強化と真の雇用率達成を急ぐべきだ。


[障害者水増し] なぜ放置し続けたのか
 障害者雇用の水増し問題で、中央省庁が昨年雇用したと発表していた約6900人のうち、国のガイドラインに反して不正に算入されていた人数が3460人に上ることがわかった。
 きのう開かれた関係閣僚会議で報告された。半数以上が不適切な計上であったことに、あらためてがくぜんとする。
 政府は問題の検証やチェック機能の強化のため、中央省庁の官房長ら幹部で構成する連絡会議を開催。弁護士ら第三者による検証チームも設置する。
 なぜこのようなずさんな運用が放置されてきたのか。信頼回復のためには、実態解明と責任の所在を明らかにすることが欠かせない。早急に雇用率に満たない人数を雇用する努力をするべきだ。
 厚生労働省は昨年6月1日時点の障害者の雇用状況について国の33行政機関全体で、当時の法定雇用率2.3%を上回る2.49%と発表していた。
 しかし、実際は大幅に低い1.19%だった。障害者の支援団体などから「ここまでひどいとは」と憤りの声が上がるのも当然だ。
 不正算入があったのは8割に当たる27機関。最多は、1000人を超える国税庁で、17の機関で実際の雇用率が0%台まで落ち込んだ。
 障害者雇用促進法は、働く人のうち一定割合以上を障害者とすることを義務付けている。
 厚労省は制度を周知するためガイドラインを作成し、原則として障害者手帳を持つ人を雇用率に算入するよう求めてきた。
 だが、実態は指定医以外の診断書などを基に算入していた。ガイドラインに沿って運用すればあり得ない事態だ。身勝手な解釈だったといわれても仕方あるまい。
 加藤勝信厚労相は原因について「故意か誤解に基づくものなのか今の段階で判断するのは困難だ」と述べた。40年以上も不正を正せなかった厚労省の責任は重い。
 障害者雇用水増しの大きな問題点は、本来就業できるはずだった多くの障害者の労働機会を奪った可能性が高いことだ。
 日本障害者協議会は「法を順守しなければならない行政による国民への背信行為だ」と非難する声明を出した。
 水増し問題は地方自治体にも拡大しており、政府による実態調査の結果が待たれる。行政による不正が民間企業に悪影響を及ぼしかねないという点でも、罪が深いと言わざるを得ない。
 国は、障害者の自立的な生活を後押しするという制度の原点に立ち返り、労働、雇用政策の改善に取り組んでもらいたい。


防衛白書 地上イージスありきだ
 今年の防衛白書は、北朝鮮の脅威は米朝首脳会談後も変わらないと記した。脅威をことさら強調することで、安倍政権が推し進めている地上イージス導入を正当化しようとしているのではないか。
 六月のシンガポールでの米朝首脳会談後、菅義偉官房長官が「日本にいつミサイルが向かってくるか分からない、安全保障上の極めて厳しい状況はかつてより緩和された」と述べた政府の公式見解と明らかに矛盾する。
 二〇一八年版防衛白書がきのう閣議に報告された。特に注目すべきは、北朝鮮に関する記述である。
 昨年の白書で、北朝鮮が発射した弾道ミサイルを「大陸間弾道ミサイル(ICBM)級」と分析した上で「新たな段階の脅威になっている」としていた認識を、今年は「これまでにない重大かつ差し迫った脅威」とさらに強めた。
 米朝首脳会談後、非核化実現に向けた動きは停滞しているとはいえ、かつては敵意をあらわにしていた米朝首脳同士が、完全な非核化に向けた意思を文書の形で、明確に約束した意義は大きい。
 だからこそ日本政府も会談後、ミサイル飛来の可能性は低いと判断して迎撃部隊を撤収し、住民避難訓練も中止したのではないか。
 にもかかわらず白書はなぜ「米朝首脳会談後も北朝鮮の核・ミサイルの脅威についての基本的認識に変化はない」と強弁したのか。
 それは、脅威を認めなければ、地上配備型迎撃システム(イージス・アショア)を導入する根拠を失うからにほかならない。
 政府は米国から購入する地上イージスシステム二基を秋田、山口両県の陸上自衛隊演習場に配備して日本全土をカバーする計画で、地元との調整に入っている。
 しかし、導入経費は三十年間の維持・運営費を合わせて二基で約四千六百六十四億円。ミサイル発射装置や用地取得費を含めればさらに膨れ上がる。強力な電磁波による健康被害も心配され、攻撃対象になる可能性も否定できない。緊張緩和の流れの中、白書の説明はとても納得できるものではない。
 地元の懸念を顧みず、地上イージス導入を急ぐ背景に、日本など同盟国に対して米国製武器の購入と軍事費の増額を求めるトランプ米政権への配慮があるとしたら見過ごせない。
 高額の防衛装備品を購入するために、地域情勢を政府に都合よく変えることなど許されない。情勢認識を正し、地上イージスは導入を見合わせるべきである。


防衛白書 文民統制、徹底欠かせぬ
 自衛隊に対する国民の信頼は、文民統制(シビリアンコントロール)が徹底されてこそ得られる。
 しかし防衛省・自衛隊にその意識は乏しい。きのう公表された今年の防衛白書は、それを反映した内容だった。
 昨年以降、文民統制を揺るがす事案が次々発覚した。陸上自衛隊の海外派遣を巡る日報の隠蔽(いんぺい)や、幹部自衛官による国会議員への暴言である。
 白書ではその反省が十分に触れられていない。日報問題は末尾に約4ページ記載しただけで、暴言自衛官の記述はまったくない。
 文民統制への懸念を生じさせた背景の分析と改善策をしっかり説明するのが白書のあるべき姿ではないのか。これでは失った信頼を取り戻す気があるのか疑わしい。
 防衛省・自衛隊は文民統制をどう徹底するのか、明確な形で国民に提示しなければならない。
 防衛省は南スーダンとイラクに派遣した部隊の日報について、当初存在しないと説明していたが、後に見つかったり、データが消されたりしていたことが判明した。
 白書では再発防止策として、日報の保存期間を10年と定め、情報公開査察官の新設によるチェック機能の強化などを列挙した。だが、職員の意識向上といった抽象的な項目も少なくない。
 安倍晋三政権は2015年に防衛省設置法を改正し「制服組」と、「背広組」と呼ばれる内部部局の官僚を対等に位置付けた。
 この制服組の権限強化で組織のチェック機能が低下していないか、改めて検証する必要があろう。
 白書はまた北朝鮮の核・ミサイル問題に関し「これまでにない重大かつ差し迫った脅威」と昨年より表現を強めた。
 その上で地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」導入の必要性を強調している。
 しかし、北朝鮮問題はこの1年間で大きく動いた。米朝は首脳会談で北朝鮮の非核化で合意した。一方で、核開発は継続しているという情報もあり、状況を断定するのは難しいのが実態だ。
 にもかかわらず「危機」を強調するのはイージス・アショア導入ありきの言い分と見られても仕方ない。
 白書では中国の海洋進出も詳述し、防衛力強化の必要性を指摘した。しかし、防衛省に最優先で求められるのは襟を正すことだ。
 自衛隊の最高指揮官である首相は、そのための指導力が問われている。


防衛白書 ご都合主義の危機強調
 装備増強を正当化しようという狙いが見て取れる。
 2018年版防衛白書は、北朝鮮の核・ミサイルの脅威を強調した。危機感をあおることで防衛力の強化を図るやり方は認められない。
 「わが国を取り巻く安全保障環境は一層厳しさを増している」と指摘した。北朝鮮の弾道ミサイル発射などについて「これまでにない重大かつ差し迫った脅威」と記している。17年版の「新たな段階の脅威」より表現を強めた。
 米朝首脳会談で北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が非核化に向けた意思を「明確に約束した意義は大きい」とする一方、日本のほぼ全域を射程に収めるミサイルを数百発保有するなどとして「脅威についての基本的な認識に変化はない」としている。
 背景に、地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」があるのは間違いない。北朝鮮の「差し迫った脅威」に対し、防衛能力を向上させる必要があるとして昨年12月に導入を決めた。
 小野寺五典防衛相は先月、取得費が1基当たり約1340億円になると発表した。当初の約800億円から大きく膨らんでいる。さらに土地造成費や建物の建設費などが加わる。
 搭載が予定される日米共同開発の改良型迎撃ミサイルは迎撃実験の失敗が続いた。必要不可欠な装備か、費用に見合った効果を望めるのか、疑問が拭えない。
 米朝会談後の対応は、ちぐはぐさもある。ミサイル発射に備えるイージス艦の日本海での常時展開をやめ、中四国や北海道の陸上自衛隊駐屯地に展開した地対空誘導弾パトリオット(PAC3)部隊を撤収させた。脅威を強調するのは、ご都合主義ではないか。
 安保政策の転換を進める安倍晋三首相の下、防衛費は年々増えている。19年度予算の概算要求も過去最大となる見込みだ。年末までには新たな防衛力整備の指針「防衛計画の大綱」と、5年間の装備品などを示す「中期防衛力整備計画(中期防)」も決まる。
 敵の射程圏外から反撃できる長距離巡航ミサイルの関連費用が予算計上され、戦闘機が発着できる空母を持つ構想もある。戦後、基本方針としてきた「専守防衛」がますます揺らぐ。野放図に拡大を続けるわけにはいかない。
 安全保障は外交と防衛の両輪で成り立つ。防衛力ばかりが突出してはバランスを欠く。軍拡競争も助長しかねない。対話による事態打開にもっと力を注ぐべきだ。


総裁選めぐり自民党がマスコミにまた圧力文書! 「安倍と石破を同じ分量で出せ」と迫り、石破の露出を潰す卑怯作戦
 一体、何様のつもりだ。なんと、自民党の総裁選管理委員会が昨日、新聞・通信各社に対し、総裁選での「公平・公正な報道」を求める文書を配布したのだ。
 言っておくが、総裁選は一党の代表を決める選挙であり、公職選挙法は適用されない。むしろ総裁選報道で懸念されるのは、自民党だけをクローズアップすることが国政選挙の“事前運動”になりかねないことで、現に過去には総裁選のテレビ報道について「野党の動向も報道すべき」「各政党を公平に」という声があがってきた。
 だが、今回の自民党が求めた「公平・公正な報道」とは、そうしたことではない。実際、毎日新聞の記事によれば、自民党側は〈テレビ局には個別の出演交渉の際に同趣旨の要請をしている〉〈インタビューを含む記事、写真の掲載面積などについて「必ず各候補者を平等・公平に扱ってくださるようお願いいたします」と求めている〉という。
 ようするに、これは安倍首相の対抗馬である石破茂・元幹事長単独のメディア露出を潰すため、新聞・テレビに圧力をかけているのだ。
 これまでの安倍首相のメディア出演といえば、読売新聞や産経新聞、日本テレビ、フジテレビといった御用メディアに登場し、鋭い指摘や疑問が投げかけられない状況で自分の主張を一方的に垂れ流してきた。それが今回の総裁選では出馬表明を引っ張り倒し、さらには告示後には外交日程を入れることで公開討論や演説会の回数も減らさせた。すべて石破氏との論戦から逃げるためだ。
●自民党がテレビ・新聞の総裁選報道に不当介入!「公平・公正」圧力
 党内の代表選とはいえ、今回の総裁選は実質的に次期総理大臣の座を競う選挙だ。しかも、安倍首相は出馬表明で昨年の総選挙の結果をもち出し、「国民のみなさまの負託に応えていくことは私の責任」と述べた。だが、その総選挙後に森友公文書改ざんや加計学園の「首相案件」文書といった大きな疑惑が出てきたのだ。そうであるかぎり、現職の安倍首相は国民の疑問に答え、対抗馬の石破氏と討論して方針を説明する義務がある。
 にもかかわらず、そうした場をもつことなく党内の会合にばかり出席し、国民に向かっては「新たな国づくりを進めていく」などという中身のない薄っぺらな出馬表明しかしていない。そればかりか、立候補者として安倍首相の政策を批判する石破氏を口封じしようと言うのだから、恥知らずにも程がある。
 そもそもこの総裁選では、約6年にわたる安倍首相の政権運営や政策などについてあらためて広く検証される必要があるのは当然の話だが、この調子だと、そうした当たり前の検証さえ「石破氏を利する報道だ」などと不当な横やりを入れてくる可能性は高いだろう。
 しかも、最大の問題は、メディアに圧力をかけて石破氏が主張する場を潰そうという、そのやり口だ。
 ご存じの通り、安倍首相は2014年の総選挙前に出演した『NEWS23』(TBS)での街頭インタビューに対して「厳しい意見を意図的に選んでいる」と陰謀論まがいの主張をまくし立て、その2日後、在京テレビキー局の編成局長、報道局長宛てに〈公平中立、公正な報道〉を要求する文書を送りつけた。「自民党に批判的な報道をするな」と圧力をかけたのだ。
 実際、この脅しは効果てきめんで、その後、選挙以外でも安倍政権に対する批判はどんどんと影を潜めていった。こうした状況に、国連特別報告者であるデイヴィッド・ケイ氏(米・カリフォルニア大学教授)は「政府による『中立性』と『公平性』への絶え間ない圧力が、高いレベルの自己検閲を生み出しているように見えます」(「国際連合広報センター」ウェブサイト2016年4月19日付より)と警鐘を鳴らしている。
6年も政権に居座り続け、一切の批判も検証も許さない安倍首相の異常
 そして今回、公職選挙法も適用されない党代表選挙で、相手候補の露出を抑え込むために、放送法があるテレビだけではなく新聞にまで、なんの根拠もない不当な圧力をかけた。──もしこれでメディア側が露出しない安倍首相に合わせるかたちで石破氏の主張を取り上げないようなことになれば、約6年にも及ぶ安倍政権に対する批判や検証が一切封じ込められることになりかねない。
 それは、安倍首相が3選を果たした場合の近い将来を先取りするものだ。すでに安倍陣営は石破氏に対し支持者を含めて「党内で干す」ことをちらつかせているが、社会の公器であるメディアを恫喝によって言いなりにする選挙となれば、今後、安倍首相に楯突いて総裁選に出馬しようという議員はいなくなるだろう。このままでは3選どころか、安倍首相の体力が尽きるまで総裁の座に居座りつづけることになってもおかしくはない。
 さらに、こうやってメディアに圧力をかけ、批判的な報道を封じたかたちで、憲法改正の国民投票を迎えることは容易に想像できる。
 権力を笠に着て、自分の欲望のためにはどんな汚い手でも平気で繰り出す安倍首相。こんな人物を総理大臣にのさばらせていていいわけがないだろう。


SNSで大拡散 安倍首相「#ケチって火炎瓶」で総裁選窮地に
 安倍首相が総裁選への出馬を正式表明。それを伝える26日の産経新聞政治面に「だから安倍晋三政権は強い」という新刊広告がデカデカと載っていた。著者は同紙政治部の阿比留瑠比編集委員。安倍の総裁選出馬に合わせたかのようなタイミングだ。
 今月に入り、内閣官房参与の谷口智彦氏が書いた「安倍晋三の真実」、「月刊Hanada」の特別特集「安倍総理と日本を変える」など、安倍礼賛本が次々と出版され、本屋の店頭に平積みされている。
 6年前の総裁選直前もそうだった。12年8月に安倍首相と親しい文芸評論家の小川榮太郎氏の著書「約束の日 安倍晋三試論」が出版され、新聞広告や電車の中吊り広告で大々的に宣伝されていた。
「こういう時期にヨイショ本の刊行が相次ぎ、広告がバンバン打たれるのは、党員・党友に向けたあからさまな選挙活動と見られても仕方ない。総裁選は公選法の適用外とはいえ、特定候補の選挙活動に加担する新聞社の姿勢には疑問を感じますが、幹部が首相と頻繁にゴルフや食事を共にしている大メディアは、完全にコントロール下に置かれているということでしょう」(政治ジャーナリスト・山田厚俊氏)
■SNSの拡散は止められない
 もっとも、麻生財務相が「新聞を読まない世代は全部自民党(支持)」と言っていたくらいだから、新聞広告を使って「安倍スゴイ」をアピールしたところで、効果は限定的かもしれない。それに、既存のメディアはコントロールできても、SNSの拡散を止めることは不可能だ。
 総裁選を機に、安倍首相の古傷が蒸し返され、ツイッター上ではお祭り騒ぎになっている。99年の下関市長選で、安倍事務所が暴力団に対立候補の中傷ビラまきを依頼して選挙妨害、500万円の報酬を300万円に値切ったため、自宅に火炎瓶を投げ込まれたとされる事件だ。
 今年7月17日の参院内閣委で、自由党の山本太郎共同代表もこの事件について“暴力団との関わり”を追及。火炎瓶を投げ込まれたことは、公判記録もある揺るぎない事実だ。「#ケチって火炎瓶」のハッシュタグも誕生し、SNS上で大流行している。
 安倍首相が出馬表明した直後の26日夜も、「#ケチって火炎瓶」の一斉ツイートが行われ、トレンド入りしていた。党員・党友の目にも飛び込んでいるはずだ。火炎瓶は消火できても、ネットの炎上はなかなか鎮火しそうにない。


携帯電話料金  見直しは利用者第一で
 利用者第一の視点で論議すべきではないか。
 野田聖子総務相は、携帯電話やインターネットに関する規制や政策を包括的に見直すよう、情報通信審議会に諮問した。
 格安スマートフォンを含めた携帯電話市場の競争を促し、値下げなど利便性の向上を図ろうという狙いがある。
 審議会は来年12月に最終答申をまとめる予定だ。それを受け、総務省は電気通信事業法の改正を検討することにしている。
 総務省はこれまで格安スマホ事業者の市場参入を後押ししてきたが、そのシェアは約1割という。
 要因は、NTTドコモなど大手3社が市場の9割を占め、価格競争が起きにくいことにある。
 日本の携帯電話は3社の寡占で外国に比べ、料金が高止まりしたままとされる。総務省は2015年に引き下げを求め、各社は割安プランを導入したが、業界全体では大きな値下げに至っていない。
 携帯電話は今や1人1台超の時代となり、生活に欠かせない機器だ。ただスマホの急速な普及で家計負担は増している。総務省の調査では昨年の世帯当たりの通信料は年10万円を初めて超えた。
 菅義偉官房長官が先ごろ、「4割程度下げる余地がある」と発言したことで、政府として大幅な値下げを促す可能性も指摘される。
 とはいえ通信料金は自由化されており、政府に強制力はない。
 大手3社は値下げに消極的だ。
 毎年、基地局の維持などに数千億円の設備投資をしており、今後は次世代通信規格「5G」への投資も控える。
 だが各社とも高い利益を上げているのは確かで、利用者にもっと還元できないか改めて検討すべきだ。別々に行っているインフラ整備の共同化などで投資を抑えれば値下げに回す余地もあろう。
 自らの企業活動が強い公共性を帯びていることを自覚してほしい。来年は楽天が市場参入する。健全な価格競争を期待したい。
 料金の見直しでは利用者の利便性の観点を重視し、サービスの多様化が進むよう方向性を探るべきだ。政府は競争環境を整え、寡占の是正に取り組むことが求められる。
 中古端末の利用促進や格安スマホ業者の振興策、スマホの使える回線を制限する「SIMロック」の在り方も検討課題だ。
 新規参入を促すため、格安業者が大手に支払う接続料を見直すなど、関係する制度の透明化を一層図る必要がある。


枝野の「薩長同盟」批判は間違ってない、安倍首相の薩長びいきのほうが異常だ! 賊軍差別の影響は現在にも…
 26日に自民党総裁選への出馬表明をした安倍首相。本サイトでもお伝えしたように、鹿児島でNHK大河ドラマ『西郷どん』を意識したお寒いシロモノだったが、つくづく呆れるのはこの宰相の“薩長史観プロパガンダ”だ。
 安倍首相はこの出馬表明の直前、党の会合で「ちょうど今晩のNHK大河ドラマ『西郷どん』(のテーマ)は『薩長同盟』だ。しっかり薩長で力を合わせ、新たな時代を切り開いていきたい」と講演していたという。
 周知の通り、安倍首相は長州藩の末裔であり、晋三の“晋”の字が長州藩士・高杉晋作に由来するというのは有名な話。本人も幾度となく“長州の血統”を誇示しながら明治政府を礼賛してきたが、それにしても、総裁選に『西郷どん』を利用したうえで「薩長で力を合わせ、新たな時代を切り拓いていきたい」って、薩長を中心とした討幕側が幕府側を蹂躙した日本の近代史を知っていれば、そんなことを軽々しく口にはできないはずだ。一国の首相として恥ずかしすぎるだろう。
 当然、すぐさま反発の声が上がった。たとえば立憲民主党の枝野幸男代表は27日、安倍首相の「薩長で切り拓く」発言についてこう指摘したのだ。
「わが党には鹿児島選出もいる一方で、(薩長と対峙した)福島の人間も、奥羽越列藩同盟の地域だった人間もいる。わが国を分断するような、国全体のリーダーとしては間違った言い方だ」
 内戦に勝って「官軍」と呼ばれた長州の末裔が「薩長で新たな時代を切り開く」と宣言すれば、大勢の戦死者を出した会津ら幕府側の存在を完全にネグることになるのだから、当然の批判だろう。
 ところが、こう批判した枝野代表に対して、ネット右翼や安倍応援団メディアは猛バッシング。たとえば夕刊フジは〈あきれるような低レベルの攻撃〉と枝野氏をなじり、〈これは、NHK大河ドラマ「西郷どん」を意識しながら、幕末に国家の危機に目覚めて手を組んだ長州と薩摩のように、現代の世界やアジアの危機に日本人も目覚めて、協力してほしいという思いを込めたとみられる〉なる安倍首相擁護を展開した。
●安倍首相が礼賛する薩長は、残虐行為で国家転覆を果たしたテロリスト集団
 まったく、お話にならないとはこのことだ。だいたい「幕末に国家の危機に目覚めて手を組んだ長州と薩摩」なるイメージ自体が“薩長史観”そのものだろう。言っておくが、これは明治政府が自分たちの正当性を主張するためにつくりあげたフィクションにほかならない。
 いい機会だから説明しておくが、そもそも明治維新は「薩長を中心とした維新志士たちが、守旧派の幕府側に権利を奪われていた庶民を解放し、日本を西洋諸国と並び立つ近代国家へと導いた」という認識で語られがちだが、事実に即して言えば、薩長とは国家転覆(暴力革命)を成功させたテロリスト集団なのである。
 実際、幕府要人(大老井伊直弼など)の暗殺はもちろん、幕府に協力的とみた商人に対しても略奪や放火などの犯罪を尽くし、さらに戊辰戦争で江戸に攻め入った際にはときに面白半分で庶民まで斬殺していた。これは当時の記録からも明らかになっている。そして、明治新政府以降も薩長ら「官軍」は会津ら「賊軍」を差別し続けた。あの靖国神社がいい例だろう。
 周知の通り、靖国神社の起源は、戊辰戦争での戦没者を弔うために建立された東京招魂社であり、この時に合祀されたのは「官軍」側の戦死者だけだ。西郷隆盛もまた、西南戦争で新政府に刃向かって「賊軍」とされたがゆえに祀られていない。
 もっとも、靖国神社が大好きな安倍首相が、この事実を知らないはずがないだろう。それでも、長州出身の総理大臣が「薩長で新しい時代を切り拓いていきたい」と抵抗感なく嘯いてしまえるのは、まさに安倍首相が国民を「敵」と「味方」に峻別する政治をしているからではないのか。その意味でも枝野氏の「日本を分断するような間違った言い方」という指摘はまったく正しいと言うほかないだろう。
安倍首相は1月の施政方針演説でも薩長礼賛、賊軍差別をなかったことに
 今回だけのことではない。安倍首相による今年1月の施政方針演説を思い出してほしい。安倍首相は冒頭から「150年前、明治という時代が始まったその瞬間を、山川健次郎は、政府軍と戦う白虎隊の一員として迎えました」と、会津藩出身で東京帝国大学の総長を務めた山川健次郎を持ち出し、こう述べた。
「しかし、明治政府は、国の未来のために、彼の能力を活かし、活躍のチャンスを開きました」
「官軍」側の安倍首相が、わざわざ「賊軍」の山川健次郎を持ち出して「明治政府は賊軍の人間にもチャンスを与えてやった」と極めて上から目線で演説をぶったのである。
 印象操作も甚だしい。たしかに、山川は戊辰戦争後、長州藩士・奥平謙輔のもとに身元を預けられ(ちなみに奥平謙輔はのちに萩の乱の首謀者の一人として斬首された)、国費でアメリカへ留学、名門イェール大学で学んだ帰国後は、科学者として研究や後進育成に励んだ。だが、“明治政府は賊軍を受け入れてやった”と言わんばかりの安倍首相の主張は明らかに欺瞞だ。少なくとも、山川ら会津が薩長らから受けた仕打ちを考えれば、そんなことは口が裂けても言えないはずだろう。
 薩長を中心とした討幕軍と明治新政府軍が、実のところ残忍なテロ集団であったことは前述した。そして、戊辰戦争において熾烈を極めたのが、「最大最悪の戦闘」と語り継がれる会津戦争だ。
 なかでも鶴ヶ城では会津藩の非戦闘員を含めた多数が約1カ月間に及ぶ籠城戦を展開。当時10代だった山川も家族とともにこの籠城戦に参加した。新政府軍からの苛烈な攻撃と食料や医療品の困窮で、城内は壮絶な状況となった。山川も編集に携わった史書『會津戊辰戰史』にはこのように記されている。
〈(前略)戦酣(たけなわ)なるに及び病室は殆んど立錐の地なきに至り、手断ち足砕けたる者、満身糜爛したる者、雑然として呻吟す、然れども皆切歯扼腕敵と戦はんとするのを状を為さざる者なし、而して西軍の砲撃益々劇烈なるに及びては、榴弾は病室又は婦人室に破裂して全身を粉砕さられ、肉塊飛散して四壁に血痕を留むる者あり、その悲惨悽愴の光景名状すべからず。〉(引用者の判断で旧字体を新字体に改めた)
 壁に肉片までが飛び散っているとは、まさに惨烈と言わざるをえないが、新政府軍は城内から逃れてくる兵士や民間人を捕まえ、場内の様子を聞き出しており、その危機的状況を知りながら交渉を閉ざして、砲弾を撃ち続けた。そして、会津が降伏した後も、新政府軍は「賊軍」の遺体の埋葬を禁じ、一種の見せしめとして放置した。城下には、会津人の朽ち果てた亡骸が散乱していたという。
 しかし、会津にはさらに過酷な運命が待っていた。新政府軍の戦後処理は、会津藩領を没収し、ほぼ全員を青森の下北半島へ流刑に処すというものだった。不毛の地で寒さや貧窮にあえぎ、子どもや老人が次々と亡くなったという。その後の薩長閥中心の明治でも、会津は辛酸を舐めさせられつづけた。
原発の立地は賊軍地域に集中! 現代もなお色濃く残る賊軍差別の影響
 言うまでもなく、明治政府の中心は薩長閥が占め、一般的に「賊軍」出身者に対する差別的扱いがあったという。近代史家・作家の半藤一利氏によれば、「賊軍」とされた藩は明治になってから経済的に貧窮しており、旧士族の子弟の多くは学費のいらない軍学校や師範学校へ行った。しかし、その軍学校を出て軍人になってからも苦労したようだ。
 たとえば健次郎の兄である山川浩は戊辰戦争後に陸軍軍人になったが、大佐から少将に昇進した際には長州閥の山県有朋が「山川は会津ではないか」と不満をあらわにし、以降、「会津人は少将までしか出世させない」という不文律ができたともいわれる。
 いまだ会津若松で長州や薩摩に対してわだかまりがあると感じる人々がいるというのも頷ける話だ。
 また、「賊軍」に対する差別は廃藩置県にも表れているとされる。半藤氏は「東洋経済オンライン」のインタビュー(2018年1月27日配信)で、宮武外骨の『府藩県制史』を紹介しながら、県名と県庁所在地名が違う17の県のうち「賊軍」とされた藩が14あることなどを例に、県庁所在地を旧藩の中心都市から別にされたり、県名を変えさせられるという「賊軍」地方への差別・ハラスメントを指摘。そのうえでこうも述べている。
〈また、公共投資で差別された面もあります。だから、賊軍と呼ばれ朝敵藩になった県は、どこも開発が遅れたのだと思います。
 いまも原子力発電所が賊軍地域だけに集中しているなどといわれますが、関係あるかもしれません。〉
 実際、現在国内にある17カ所54機の原発のうち、13カ所46機が「賊軍」とされた地域にあるという。この事実について検証した「SAPIO」(小学館)17年9月号の記事では、柏崎刈谷原発が位置する新潟県柏崎市役所防災・原子力課の担当者が「明治維新政府の首脳の地元(官軍地域)が発展して、他は開発から取り残されたと考えられなくはない」などとコメントしている。
 いずれにせよ、こうした「官軍」による「賊軍」差別は、明治政府による「正史」の形成によって正当化されてきた。そしてこの歴史観は、明治から戦前にかけての天皇絶対主義、万邦無比の国体思想と混ざり合いながら、グロテスクに“味方”と“敵”を峻別したのだ。
 こうして歴史を紐解けば、「薩長で力を合わせ、新たな時代を切り拓いていきたい」という安倍首相の言葉の軽さが浮き彫りになる。また、施政方針演説で山川健次郎だけを都合よく持ち出し、「明治政府は、国の未来のために、彼の能力を活かし、活躍のチャンスを開きました」と嘯くペテンも明らかだ。何度でも繰り返すが、「長州の血」を誇る安倍首相が嘯く薩長同盟の礼賛は、まさしく国民を敵と味方に峻別し分断する政治的志向の表れとしか言いようがない。


選択を迫られる秋 アベ政権が目指すおぞましい4つの近未来
 アベ政権が目指す近未来の日本が、この夏、ハッキリと全貌を現した。おぞまし過ぎて悲しくなるが、無知は罪なので、あえて書く。当面のゴールが2020年、東京五輪と新憲法の施行のセットに設定されているのは自明として――。
 ̄卆吋廛祖觜饉腟繊事実上の宗主国たる米国の世界戦略の一翼を担うと同時に、軍事力を用心棒とするインフラシステム輸出の国策で外需の開拓・獲得を急ぐ。「強い日本を」と叫ぶアベ政権が10月23日に開く“明治150年”記念式典は、富国強兵・殖産興業の再現宣言の場になるはずだ。
階級社会の徹底。明治礼賛キャンペーンが称揚するのは大日本帝国のアジア侵略だけではない。アベが幾度も演説で引いてきた福沢諭吉の実像は社会ダーウィニズム(優生思想の源流)信奉者に他ならず、長州士族の世襲による藩閥支配を当然視し、百姓町人をブタ呼ばわりさえしていた(筆者の近刊「『明治礼賛』の正体」、岩波ブックレット参照)。アベ自身も15年8月に地元で、明治50年も100年も150年も、節目の年の総理は常に山口県≒長州出身だと発言している(順に寺内正毅、佐藤栄作、アベ)。
0豌総動員体制。“一億総活躍”や“働き方改革”の実態は周知の通りだ。アベ政権にとって国民など己らの野心を満たすための道具でしかない。五輪絡みでは、就職や進学のエサで釣るブラックボランティアに続いて、サマータイムの導入まで検討され始めた。海外では残業の増加や健康被害が報告されており、日本でもそれで断念した経緯がある(1952年)にもかかわらず、だ。
ぅ瓮妊アをフル活用したアベ絶対王朝の確立。サッカーW杯、100回目の甲子園と続いて、一般紙のスポーツ・娯楽新聞化はほぼ果たされた。もはやモリカケ問題など影も形もない。アベ政権の意向とメディア側の金儲け優先が一致した結果だ。権力にオネダリして消費税の軽減税率をゲットした営利企業にまっとうな言論は望めない。いざ憲法改正国民投票となった場合、テレビも新聞も権力側の主張一色に染まるのだろう。いちいち書名は挙げないが、総裁選を控えた最近はアベの個人崇拝を促すヨイショ本も乱発されている。それらの石破茂批判を眺めると、私たちが求められているのは隷従だけなのだとわかってくる。
 いかがだろう。私たちは人間らしく生きたいのか、ただ支配されるだけの人生を望むのか。選択を迫られる秋である。


<問う論じる 改憲の行方>(4完)9条 世界に誇れる考え/芸人 松元ヒロさん
 9月の自民党総裁選は、9条を中心に憲法改正の在り方が争点に浮上している。創作の現場から憲法の今について発言する人々に論議の問題点を聞いた。
 −約20年前から憲法を人間に見立てた一人芝居「憲法くん」を演じている。
<次々と上演依頼>
 「1997年の日本国憲法施行50周年記念のイベントが初演だった。憲法についてコントで分かりやすく伝えてほしいというので、擬人化してみたら面白いんじゃないかと思いついた」
 「『こんにちは、憲法くんです』とあいさつしたり、憲法改正を求める声があることを『リストラされそうなんです』と表現したり。堅苦しくならず、できるだけ分かりやすく台本を作った。一度演じたコントを二度三度と繰り返し上演する機会は少ない。『憲法くん』はなぜか評判がよく、全国各地から上演依頼が来るようになった」
 −コントでは憲法前文をそらんじている。
 「ちょうど台本を考えていた時に、憲法特集のテレビ番組で役者さんが前文を朗読しているのを見た。目で読むと難しく感じるが、音で聴くと意味がよくのみ込める。前文にこそ憲法の魂がこもっているんじゃないかと思い、暗唱して『憲法くん』が訴えかけるスタイルにした」
 −演じ続けて憲法に対する認識は変わったか。
<国民が権力縛る>
 「当初は憲法の何たるかもよく分からず演じていた。ただの法律の親玉ぐらいだと思っていた。一般の法律は刑罰で国民を縛るが、憲法は国民が国や権力を縛るものだ。そこが決定的に違う」
 −自民党が主導する改憲論議の現状をどう見る。
 「冗談じゃない。縛られる側の立場の人が改正を主張するのはおかしい。時代に合わなくなっていると改正の必要性を主張しているが、現実を理想に近づける努力こそが必要。変えるべきなのは、憲法の趣旨に合わない政府だ」
<平和考える時期>
 −3月に改憲4項目が示された。
 「9条に自衛隊を明記することが盛り込まれた。戦争ができる国になってしまうのではないかという危機感が一番強い。平和とは何か、幸せとは何か、破滅の方向に向かわないようにするには何が必要か、一人一人が考えることが必要な時期を迎えている」
 「米国やコスタリカでも『憲法くん』を演じた。9条の条文を読み上げると、聴衆から日本にはこんなに素晴らしい憲法があるのかという反応がある。9条は理想論でも机上の空論でもなく、世界に誇れる考え方だ。自信を持って世界に示すべきだ」
 −今後の活動は。
 「上演を始めた頃は、自分も周りの人々も憲法が改正されることはないと思っていた。昔から常に改憲論はあるが、まさか(改正は)ないだろうと。それがこの20年で現実味を帯びてきたと感じる。人にはそれぞれ役割があり、自分は面白おかしく伝えるのが役目。世界中で『憲法くん』をアピールしたい」(聞き手は東京支社・山形聡子)


持ち家81%の回答から「生活満足」
★今年6〜7月に内閣府が18歳以上の男女に対して行った「国民生活に関する世論調査」によると、現在の生活に「満足している」と答えた人は74・7%と、昨年に比べて0・8ポイント上昇した一方、「不満だ」と答えた人は24・3%と、0・7ポイント減少した。つまり国民は、自身の生活にほぼ満足しているという結果だ。それを裏付けるように、調査を開始した1957年(昭32)以来、最も高い数字という。★少し現実離れした結果に戸惑う。また、「生活はこれから先、どうなっていくと思うか」の問いに「良くなっていく」が9・8%、「同じようなもの」が64・4%、「悪くなっていく」が23・7%と、将来への期待も膨らんでいない。表層的に見れば満足度の高い結果だが、よく読むと、回答者の住まいは持ち家が81・7%、雇用形態も役員が5・8%、正規の職員・従業員が58・3%、非正規の職員・従業員(契約社員、労働者派遣事業所の派遣社員を含む)が35・6%と、サンプルは実体経済というより、少々裕福な印象を持つ。★「月刊日本」9月号で、自民党元幹事長・石破茂はこう言っている。「現在の日本には、平均年収186万円の人たちが929万人もいます。いったい年収186万円でどうやって結婚し、どうやって子供をつくるのか。この中には就職氷河期を経験した人たちもたくさんいます。彼らはすでに40代にさしかかっています。いまはご両親と同居しているから何とかやっていけていますが、ご両親が亡くなったらどうするのか。ここに目を向けないで、何が政治だと言われても仕方がない」。野党議員からはもう何度も指摘されていることだが、初めて自民党の中の声として出てきた。この議論は総裁選では封印されてしまうのか。

国連でロヒンギャ支援訴え 危機1年、親善大使女優ら
 【ニューヨーク共同】国連安全保障理事会は28日、イスラム教徒の少数民族ロヒンギャが迫害され、難民となって国外へ逃れる危機が始まって約1年が経過したミャンマー情勢を協議した。グテレス事務総長や国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)親善大使の女優ケイト・ブランシェットさんらが、ロヒンギャへの支援を訴えた。
 グテレス氏は、ロヒンギャが自発的かつ安全に帰還できる条件はまだ整わないと指摘。迫害の責任追及やロヒンギャ差別の解消が欠かせないとし、「この危機を永遠に継続させてはならない」と呼び掛けた。


ロヒンギャ難民 一日も早く帰還の道筋を
 ミャンマーのイスラム教徒少数民族ロヒンギャとミャンマー治安部隊の衝突が昨年8月下旬に起こってから1年が過ぎた。隣国バングラデシュに逃れた70万人を超えるロヒンギャ難民は、今も命の危険にさらされる状況に置かれたままだ。
 ミャンマー政府がロヒンギャを国民と認めていないため、難民には国籍がない。それが帰還を阻んでいる。国際社会は難民の支援を強化するとともに、ミャンマー政府の説得に力を注ぐべきだ。
 長く軍事政権が続いたミャンマーで2016年にアウン・サン・スー・チー氏が率いる国民民主連盟(NLD)の政権が成立し、民主化の途上にある。当初からロヒンギャ問題は難問とみられていた。ロヒンギャ迫害は宗教や言葉の違いによる差別だけではなく、歴史的背景があるからだ。
 18世紀以前からイスラム教徒は仏教徒と共存していたとみられる。19世紀にインドを植民地支配していた英国との戦争の結果、英国領インドの一部になる。そこへインド東部ベンガル地方から多くのイスラム教徒が入り、定住した。英国はイスラム教徒と仏教徒を反目させる分割統治を進めた。その反発からミャンマー人のナショナリズムがロヒンギャ敵視につながり、独立後に受け継がれている。
 ミャンマーには135の民族が住む。しかし、ミャンマー政府はロヒンギャを英国との戦争以後に入ってきたとして「不法移民」として扱っている。12年には仏教徒による襲撃事件をきっかけにロヒンギャの移動を禁じて隔離し、劣悪な環境に追いやった。そして昨年の衝突が起きたのである。
 東南アジア諸国連合(ASEAN)外相会議は、2日に発表した声明でロヒンギャ問題について「避難民の安全、確実で遅滞のない自発的な帰還」「対立の根本的な原因を解決する必要性」を強調した。内政不干渉を原則としたASEANとしては踏み込んだものだった。
 こうした国際世論を受けて、ミャンマー政府はロヒンギャ迫害を調べる独立調査委員会を設置した。4人のうち2人が外国人で、議長はフィリピンのマナロ元外務副大臣が務め、日本の大島賢三・元国連大使も委員だ。
 複雑な歴史と根深い差別の中で、根本的解決は容易ではない。まずは、危機的状況が続く難民の生活と命を守ることである。そして、ミャンマー国内で人権が保障されるようにすることが必要だ。一日も早く帰還への道筋を付けなければならない。
 日本政府は国際機関を通して難民への財政支援をしている。しかし、それだけでは不十分である。日本は軍事政権時代にも多大な経済援助をしてきた。ミャンマーを投資先として見るだけではなく、人権を尊重する民主国家となるよう促すことも日本の重要な責務である。


さくらももこさん死去
 突然の訃報にショックを受けた方も多いだろう。国民的人気漫画「ちびまる子ちゃん」の作者、さくらももこさんが53歳で亡くなった▼ショックと言えば「顔に縦線」である。まる子が落胆したり、びっくりしたりするときにおでこや目の下に出てくる縦線。昔からある漫画表現だが、さくらさんの描くまる子の表情はとくに印象的だった▼昭和50年頃の地方都市、3世代同居の家族の何でもない日常のやりとりが面白かった。だれにでもありそうな子ども時代の話。それが多くの人に愛されたのは目のつけどころが抜群に良かったからに違いない▼学校の場面ではクラスで目立つ子どもだけでなく、地味な子も欠かせないキャラクターだった。いろいろな友達に囲まれていた子どもの頃を思い出し、笑いながらちょっと切なくなった人もいたのではないか▼一方で詞を手掛けたテレビ主題歌「おどるポンポコリン」はバブル時代を象徴するような楽しさだった。死去は早すぎるが、平成最後の夏の巡り合わせのようでもある▼人前に出ることは少なかったさくらさんだが、1992年に京都でトークイベントがあった。漫画雑誌に入賞して好きなことをして生きていけると分かり「18歳からだったの。それが今でも持続してるんだよね」。まる子そのものだった。