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七夕サンモール商店街180806

Japon: dans un hôtel déshumanisé, des dinosaures en guise de réceptionnistes
Dans cet hôtel de la banlieue de Tokyo, l'ambiance est de prime abord étrangement calme: personne pour souhaiter la bienvenue quand on franchit la porte, puis quand le visiteur approche, le voilà accueilli par une voix grave et métallique.
Deux dinosaures qui semblent tout droit sortis de Jurassic Park, coiffés d'un képi de bagagiste, s'animent soudain, avertis par le détecteur de mouvements, et invitent le client à s'enregistrer sur un écran tactile.
L'interaction est très limitée et l'objectif surtout ludique dans l'établissement opportunément nommé Henn na, littéralement "bizarre", où les poissons de l'aquarium sont aussi... des robots, enfin plutôt des gadgets articulés bardés de petites lumières clignotantes.
"Nous ne voulons pas d'un hôtel où simplement dormir, nous souhaitons divertir", assure le gérant Yukio Nagai.
Situé dans la préfecture de Chiba, près de Tokyo Disneyland, pour environ 130 euros la nuit, l'hôtel attire de nombreuses familles avec enfants, en quête de divertissement, même après la fermeture du parc.
"Mon fils est vraiment content. Il y a un robot en forme d'oeuf dans notre chambre et il joue beaucoup avec", témoigne Chigusa Hosoi, touriste japonaise venue avec son petit garcon de trois ans.
Le premier Henn na Hotel, reconnu par le Guinness des records comme le premier hôtel géré par des robots au monde, a ouvert en 2015 à côté d'un parc d'attractions de Nagasaki, dans le sud-ouest du Japon.
Aujourd'hui, on en compte huit, tous gérés par l'agence de voyage HIS qui prévoit d'en ouvrir cinq autres dans l'année.
Mais tous ne sont pas aussi excentriques que celui de Chiba. Dans les quatre hôtels situés au coeur de Tokyo, dont la clientèle est majoritairement composée d'hommes d'affaires, les dinosaures à l'accueil sont remplacés par de jolies humanoides.
Pour Yukio Nagai, les robots, en plus d'être divertissants, représentent une aide non négligeable alors que le Japon fait face à une pénurie de main d'oeuvre.
"Il est difficile de trouver du personnel hôtelier", explique le responsable. "Normalement, pour gérer un hôtel de 100 chambres comme le nôtre, il faut 30 à 40 personnes. Ici, nous n'avons que sept à huit employés", vante-t-il fièrement.
Des robots réceptionnistes aux robots aspirateurs en passant par le robot concierge dans la chambre, les machines parviennent à combler en partie les désirs des clients.
Leurs capacités d'adaptation limitées irritent cependant quelques visiteurs, reconnaît M. Nagai. "Il y a des choses que seuls les êtres humains peuvent faire, par exemple répondre à des situations inattendues ou à des questions compliquées", dit-il.
Visiblement, même le simple processus d'enregistrement à l'arrivée pose des problèmes, si l'on en croit les commentaires d'internautes. "Un vrai bordel", peste un client sur le site de réservation d'hôtels en ligne, Booking.com.
フランス語
フランス語の勉強?
阿部公彦 @jumping5555
さて、東大の民間試験。話し合いの決着までもう少しです。現状、民間試験導入に賛成の教員はほぼゼロ。また、英語関係教員の意見を結集した「答申をしっかり反映させようぜ〜!」との声明も出ました。上層部への応援です。これで活用となったら、よほど「不思議な力学」が働いた証拠だね。
KIT Speakee Project @KITspeakee
「不思議な力学」が働く余地などないはず。現時点でも,多くの国立大学が2020年度からの民間試験利用の判断を先延ばしにしている。新英語入試制度の危うさを認識し,東大の英断に期待しているからだ。日本の教育史に残る(公教育の将来を左右する)重大な判断。ここで東大の功績を残していただきたい。
ここで東大がNOを突きつければダイナミズムは一気に逆転し,メディアは入試問題だけでなく,公正を欠く公教育の民営化,官民の癒着(天下りや政治献金問題),文科省・大学入試センターの無責任態勢などを報じやすくなる。ここで立ち止まらなければ,あとはなし崩し。「さすが東大」と思わせてほしい


お腹がゴロゴロしてなんか変です.トイレが近くてう〜んん.
今日はロッカーの整理を頑張りました.かなり処分できたと思います.
夜,カイトの印刷.ですが時間がなくて印刷半分で止めました.明日頑張らなくては.

初秋の便り ノリの種付け本格開始 震災前の8割生産見込む 石巻・渡波
 宮城県石巻市渡波で30日、初秋の風物詩、ノリの種付けが本格的に始まった。
 宮城県漁協石巻湾支所の生産者ら約60人が万石浦鮮かき工場の敷地内で作業した。網を巻き付けた直径2.2メートルの水車10台を用意。胞子の入ったプールに網を浸し、回転させて種を付けた。
 9月10日ごろまで約3万枚の網に種付けし、同20日ごろに松島湾に移して育苗。10月に石巻湾に移入して成育させ、11月上旬の収穫開始を目指す。
 丹野一雄支所運営委員長(70)は「暑い日が続いたが、ようやく気温が落ち着いて例年通り作業ができそうだ。台風の発生が多く心配だが、おいしいノリを作りたい」と話した。
 同支所は東日本大震災前の2009年に約7200万枚のノリを生産。震災で落ち込んだが、昨年は震災前の8割に当たる約5700万枚まで回復した。今年も同程度の生産を見込む。


河北春秋
 30カ国で展覧会を開き、世界の70以上の美術館に作品が収蔵されている現代美術家宮島達男さん(61)=東北芸術工科大客員教授=。東日本大震災の被災地で取り組む作品がある。プールにLEDの数字が点滅する装置を多数浮かべた『時の海−東北』だ▼数字は9から1までカウントダウンを繰り返す。数字が点滅する時間は「生」、暗闇になる0の時間は「死」。生死を繰り返す仏教の輪廻(りんね)転生、震災犠牲者の「永遠の命の光」を表現した▼昨年、牡鹿半島であった「リボーンアート・フェスティバル」でLED装置300個を使って展示。最終的に3000個にし、太平洋を望む場所に設置する計画だ。LED一個一個のカウントダウンの速度を設定するのは被災者ら。先日、仙台市で好きな数字を選んで速度を設定する催しがあった▼震災後、宮島さんは石巻市で泥かきのボランティアをした。この時、印象に残ったのが海を恨む人がいないこと。鎮魂し、記憶を伝え、未来へ希望をつなげるため海に思いをはせた作品を作ろうと決意した▼10月に東京・森美術館で始まる「カタストロフと美術のちから展」に出品し制作資金を募る。「東北が今どんな状況か見てもらう契機にしたい」。世界の人々に呼び掛け、「東北応援団」をつくるつもりだ。

<福島第1>トリチウム水、海洋放出大半が反対 福島・富岡で初の公聴会
 東京電力福島第1原発の敷地内にたまり続けている放射性物質トリチウムを含む水の処分方法を巡り、政府の小委員会が国民の意見を聞く初の公聴会が30日、福島県富岡町であった。原子力規制委員会が「唯一の方法」とする海洋放出に、登壇者の大半が反対した。
 公聴会は町文化交流センターであり、約100人が傍聴。公募に応じた県内外の14人が意見を述べた。海洋放出には13人が反対や慎重な姿勢を示した。
 福島県漁連の野崎哲会長(64)は「国民的な議論を経ていない現状では強く反対する」と断言。「試験操業で地道に積み上げてきた安心感をないがしろにし、県漁業に致命的な打撃を与える。まさに『築城10年、落城1日』だ」と訴えた。
 ただ一人、海洋放出を容認した大阪大招聘(しょうへい)教員の大槻宗司さん(70)は風評被害対策として、「放射性物質濃度をサンプル測定から全量測定に変え、結果を公開すべきだ」と提案した。
 汚染水を浄化する多核種除去設備(ALPS)で、トリチウム以外の放射性物質も除去しきれず、ヨウ素129などが残っている問題も取り上げられた。
 富岡町からいわき市に避難する司法書士渡辺和則さん(44)は「トリチウム以外は含んでいないという前提で考えていた」と強調。「(2016年11月の)小委員会初会合で説明していた」との国側の言い分に釈然としない様子だった。
 原子力規制委の更田豊志委員長がトリチウム以外も希釈すれば海洋放出を認める考えを示していることに、発言者から「そもそもALPSなど要らないことになる」と批判が出た。
 小委員会委員長の山本一良名古屋大名誉教授は取材に「意見を重く受け止め、検討を続ける」と説明。トリチウム以外の放射性物質に関しては「残っているものは確実に取るべきだと思う」と、ALPSでの再処理の必要性に言及した。
 公聴会は31日、郡山市と東京都で行われ、それぞれ14人、16人が意見を述べる。


<福島第1>トリチウム水公聴会に批判続出「なぜ平日に」「広く聴取を」陸上保管継続求める声も
 東京電力福島第1原発の敷地内で保管している放射性物質トリチウムを含む水の処分方法を巡り、福島県富岡町で30日にあった初の公聴会では、意見聴取や合意形成の在り方に対する不満や注文が相次いだ。陸上での保管継続が選択肢にないことにも批判が出た。
 「なぜ土、日にやらないのか」。同県新地町の漁師小野春雄さん(66)は木曜午前という開催の設定にかみついた。
 「漁師は午前は仕事。平日の午前では、来たくても来ることができない」と強調。海洋放出の影響を最も受ける現場への配慮を欠いた対応だと憤りをあらわにした。
 公聴会は公募に応じた参加者が5分以内で意見を述べ、委員の質問に答える形式。委員への質問や傍聴者の発言機会は設けられていない。
 同県楢葉町の政党役員佐藤龍彦さん(66)は「若干名の意見を聞く形式的な公聴会は取りやめ、各市町村や行政単位の説明会で、広く意見を聴取すべきだ」と指摘。いわき市議の佐藤和良さん(64)は「双方向型の公開討論会を実施すべきだ。欧米のように長期間の公聴会を積み上げて決めるべき問題」と述べた。
 いわき市の弁護士菅波香織さん(42)は「第三者機関が運営し、いろんな立場の人が話し合う場を設けるのも一つのアイデアではないか」と提案した。
 国の作業部会が2016年に評価結果をまとめた処分方法は「海洋放出」「水素に変化させての大気放出」「蒸発」「地層注入」「地下埋設」の5通り。
 公聴会では、大型タンクを新たに設けるなどして陸上保管を継続し、処理技術の開発を見極めるよう求める意見も複数あった。
 いわき市の市民団体筆頭代表の伊東達也さん(76)は「トリチウムの危険性について十分説明されていない。海洋放出が最も安上がりとしているが、被害額は最も大きくなる可能性がある。大型タンクでの保管も検討対象にすべきだ」と語った。


<福島第1事故>宮城産ホヤ補償 20年末で終了 県漁協と東電、大筋合意
 東京電力福島第1原発事故に伴う韓国の禁輸措置で供給過剰となっている宮城県産の養殖ホヤを巡り、東電が生産者への補償を2020年末で終了する見通しとなったことが30日、分かった。
 県漁協と東電が同日までに、逸失利益分の補償を段階的に廃止する方向で大筋合意した。19年は現行の枠組みを維持し、20年に補償額を現在の半分に削減。21年以降は補償しない。
 世界貿易機関(WTO)の紛争処理小委員会が韓国の禁輸措置を不当と認めて是正勧告を出すなど、輸出再開に向けた機運の高まりが背景にあるとみられる。
 県漁協幹部は「反対する漁業者もいたが、早期輸出再開を望む声は多い。補償が長期に及んだ影響は大きく、終了するまでに生産体制を整えたい」と話した。
 東電は14、15年の国内販売価格の下落分を補填(ほてん)したほか、県漁協が供給過剰分を焼却した16、17年は処分に伴う減収分を補償した。今年は16、17年の水揚げ実績を基に各漁業者の生産規模を算定し、全体で約6900トン分を上限に逸失利益を補償対象としている。
 韓国は原発事故前、県産養殖ホヤの約7割を消費していたが、事故を理由に禁輸措置を発動。養殖ホヤは供給過剰となり、16年は約1万3000トンの水揚げのうち約7600トン、17年は約1万1700トンのうち約6900トンを処分した。
 今年は初の生産調整を実施し、出荷サイズに換算して約1500トン分に相当する若いホヤを4月までに処分した。


<台風10号豪雨2年>「楽ん楽ん」の悲劇繰り返さぬ 高齢者施設、安全確保へ試行錯誤続く
 「楽ん楽ん」の悲劇の後も、全国各地では大規模自然災害が相次ぐ。「悲しみを繰り返してはならない」と高齢者施設の試行錯誤が続いている。
 「運転手さん、避難経路はルート1でお願いします」。岩手県久慈市のNPO法人「ファミリーサポートおひさま」が運営するグループホーム「ひだまり」で21日、大雨による河川の増水を想定した避難訓練があった。
 施設は久慈川の北約200メートルに立地する。防災体制などを盛り込んだ「避難確保計画」は6年前に策定済みだが、「楽ん楽ん」では避難のタイミングを逸したことで人的被害が発生している。自分たちも避難の開始基準が曖昧だったとして早速、計画の見直しに着手した。
 理事長の村田美幸さん(48)は「岩泉で被害が出るまで油断があった」と打ち明ける。
 新計画では避難の開始を「避難準備・高齢者等避難開始」発令時点か久慈川の上流域にある観測所の水位が3メートルを超えた時点のどちらかとした。施設周辺の道路は冠水しやすいため、市指定避難所までの経路も1本から3本に増やした。
 計画を見直した後の15日、大雨が市一帯を襲った。久慈川は想定していた上流ではなく下流で水位が上昇。避難の判断に迷いが生じた上、下流に向かう避難経路を使えば立ち往生してしまう危険性があった。
 災害や福祉の専門家から助言を得て改定した計画だったが、それでも新たな課題が浮上する。村田さんは「雨の降り方で逃げるタイミングをもっと早くし、避難場所も変える必要がある」と実感。今後も計画の見直しと避難訓練を続けていくという。


<台風10号豪雨2年>9人犠牲「楽ん楽ん」 跡地で職員が献花、冥福祈る
 岩手県岩泉町の高齢者グループホーム「楽(ら)ん楽(ら)ん」で入所者9人が犠牲になった2016年の台風10号豪雨から2年となった30日、グループホームを運営していた社団医療法人「緑川(りょくせん)会」は、施設の跡地に献花台を設けて職員約60人が冥福を祈った。
 佐藤弘明常務理事は「2年たっても、申し訳ないという気持ちは変わらない」と語った。被災当時、施設にとどまって唯一生き残った女性所長が昨年末に退職したことを明らかにした。
 豪雨災害を教訓に、緑川会が運営する介護老人保健施設(岩泉町)では年2回の避難訓練を実施している。今後は毎年数人ずつ、職員に防災士の資格を取得させるという。
 「楽ん楽ん」の被害を巡っては、亡くなった入所者6人の遺族が、緑川会に計1億1145万円の損害賠償を求める訴訟を起こしており、慰霊碑の建立計画も宙に浮いたままだ。
 佐藤常務理事は「遺族側弁護士から『説明に納得していない』と言われており、話し合いの場が持てない。何年たったとしても手を合わせる場所を作りたい」と話した。


<台風10号豪雨2年>宮古署、今も行方不明の65歳男性を捜索「発見につながる何か見つけたい」
 岩手県警宮古署は30日、台風10号豪雨で行方不明になっている宮古市小国、沢田和利さん=当時(65)=の手掛かりを求め、市内を流れる小国川周辺を捜索した。
 捜査員7人が豪雨災害の犠牲者に黙とうした後、沢田さんの車が見つかった「深戸下の橋」の下流域約1.7キロに展開した。川底を確認したり、河川敷の雑草をかき分けたりして遺留品などを捜した。
 沢田さんは、豪雨災害に巻き込まれたとみられる最後の不明者。大坂克久地域課長は「発見につながる何かを見つけたい。家族の気持ちに寄り添い、今後も捜索を続けたい」と話した。


<台風10号豪雨2年>岩手県、洪水時のみ作動する新型水位計設置 県内の河川に順次配置、監視強化
 岩手県は30日、台風10号豪雨で氾濫した岩泉町の小本(おもと)川に、洪水発生時のみ作動する「危機管理型水位計」を設置した。県内250河川に計約300台を順次設置し、監視を強化する。
 今回設置したのは、9人が犠牲になった高齢者グループホーム「楽ん楽ん」の跡地近くに架かる「ふれあい橋」。水位が75センチに達すると自動で観測を開始し、10分ごとにデータを送信する。
 観測した水位情報は国土交通省と自治体が共同運営するウェブサイトで、9月上旬から誰でも閲覧できるようになる。
 県河川課の杣(そま)亨総括課長は「生活圏に隣接するほぼ全ての県管理河川で監視態勢が整う。データを迅速な避難行動に役立ててほしい」と話した。
 危機管理型水位計の開発は、台風10号豪雨などを教訓に国交省が主導した。本体価格は1台100万円以下で、水位を常時観測する従来型(約1000万円)に比べて初期費用を大幅に抑制できる。東北では本年度、6県に約1000台が設置される予定だ。


<台風10号豪雨2年>災害に強い町、誓う 岩手・岩泉で慰霊式
 岩手県内だけで関連死を含め26人が犠牲となり、今も1人が行方不明になっている2016年の台風10号豪雨から30日で2年を迎えた。24人が亡くなった岩手県岩泉町では町主催の追悼慰霊式が営まれ、犠牲者の冥福を祈った。
 町民会館での慰霊式には、遺族20人をはじめ280人が参列。中居健一町長は「自然のすさまじい力で多くを失ったが、これからも自然と共存し、町民一丸で災害に屈しない強い町をつくる」と復興を誓った。
 町にある高齢者グループホーム「楽(ら)ん楽(ら)ん」では入所者9人が犠牲になった。兄繁喜さん=当時(77)=を亡くした町職員千葉利光さん(61)は「あっという間の2年だった。全国の施設は楽ん楽んの教訓を生かしてほしい」と話した。
 台風10号は、観測史上初めて東北の太平洋岸に直接上陸した。岩手県では河川の氾濫で沿岸部を中心に4550戸が被災し、今も144世帯が仮設住宅に入居している。県の被害総額は1428億7000万円で、大雨災害では過去最大。
 北海道でも2人が死亡、2人が行方不明になっている。


被災と子どもたち 心のケアに対策強めたい
 西日本豪雨から間もなく2カ月。大きな被害を受けた岡山県内では多くの小中学校で9月3日に2学期の始業式がある。学校の再開は日常生活を取り戻す一歩だが、自宅の被災を機に転校する子もおり、子どもたちの心労も大きくなる。心のケアに関わる対策を強化したい。
 岡山県内では公立の小中学校約50校で浸水や土砂流入などの被害があった。広範囲が浸水した倉敷市真備町地区(小中8校)など、1学期の終業式を行えないまま夏休みに入ったところもあった。同県内で自宅が被災した小中学生は公立校だけでも1700人程度いるとみられ、真備町地区が8割を占める。
 被災直後から県内で進められたのが夏休み中の子どもたちの居場所づくりだった。被災した自宅の片付けなどに追われる保護者のニーズが高かったのに加え、東日本大震災や熊本地震など過去の災害での教訓でもあった。避難生活の中でも、素直な感情を表して遊べる居場所を設けることは子どもたちのストレス軽減に有効と指摘されている。
 真備町地区では放課後児童クラブ(学童保育)も被災したことから、倉敷市内のほかの学童保育が連携して受け入れた。それまで学童保育を利用していなかった子どもの利用も目立ったという。各避難所でも遊びや学習のためのスペースが設けられた。ほかの地域でも地域住民や民間団体が居場所を提供し、県も県立大(総社市)に一時預かり所を開設した。
 多くのボランティアの協力もあり、居場所づくりは一定の成果をあげたといえるだろう。被災した児童を受け入れた、倉敷市内の学童保育の支援員によると、児童はふとした時に避難生活の不便さを打ち明けながらも、のびのびと遊ぶ姿がみられたという。
 夏休みが終わり、学校が再開する9月からは新たな段階を迎える。真備町地区では小中4校の早期復旧が難しく、当面は地区から離れた学校の空き教室などにバスで通うことになる。通学先が変わることに加え、親しい子ども同士でも自宅の被災の程度は異なり、転校する子もいる。これまで以上につらい思いを心の中にため込む可能性もある。
 強いストレスを長く抱えたり、行動に変化がみられたりする場合はカウンセリングが有効で、状況によっては専門機関へつなぐ必要もある。子どもたちは自分の言葉でSOSを発するのが難しい。周囲の大人ができるだけ早く変化に気づくことが大切だ。
 岡山県はスクールカウンセラーの増員など心のケアに関する予算措置を講じた。倉敷市は真備町地区のスクールカウンセラーを増やして全校に各2人を配置。夏休み中から家庭や避難所を訪問し、保護者や教員への支援もしている。被災を免れた地域でも被災地からの転校生を受け入れるケースがある。各地で丁寧に子どもたちを見守りたい。


熊本地震で被災した益城幼稚園に通園バス 女性団体が贈呈
 益城町木山の益城幼稚園に30日、新日本婦人の会(中央本部・東京)から新しい通園バスが贈られた。2学期が始まった同日から運行を開始。園児たちは「きれい」「かっこいい」と大満足だった。
 前のバスは25年間走行。買い替えの検討中に熊本地震が起きたため、園舎の復旧などが優先されてきた。事情を知った同会が募金などを通じ、買い替え費用約700万円を集めた。
 園庭で贈呈式があり、同会の笠井貴美代会長(64)が「たくさんの人が応援していることを忘れないで」とあいさつ。園児たちはお礼としてバスの絵や手作りの首飾りを同会の会員に渡した。
 ピカピカのバスを前に早道康介ちゃん(4)は「うれしい」、藤本理子ちゃん(4)も「早く乗りたい」と目を輝かせた。津田美保園長(55)は「いつまた故障するかという不安もあったので、ありがたい」と胸をなで下ろしていた。(立石真一)


東北、北陸で大雨 住民孤立、新幹線見合わせ
 前線の影響で東北と北陸では31日、断続的に非常に激しい雨が降った。前線は9月1日にかけて東日本や西日本に南下し、西日本の日本海側でも大雨になる見通し。気象庁は土砂災害や浸水への警戒を呼び掛けた。
 山形県戸沢村では31日、土砂崩れで村道がふさがり、一時は2世帯5人が孤立。JR東日本は、山形新幹線の新庄―山形間の上下線で終日運転を見合わせると発表。
 山形県最上町では同日午前、最上小国川が氾濫し、つり橋が崩落。石川県七尾市でも大雨で熊木川が氾濫した。
 気象庁によると、31日午前、石川県輪島市で1時間に77・0ミリ、山形県金山町で56・0ミリの激しい雨が降った。


福島の日本酒、米へ攻勢 NYのワイン店に専用コーナー
 米ニューヨーク中心部にあるワインショップ2店舗に、福島県産日本酒の専用コーナーが設けられた。県が5月、販路拡大に向けて両店舗と開設で合意していた。当面は来年3月まで設置される。
 県県産品振興戦略課によると、開設は8月25日。ほまれ酒造(喜多方市)や大七酒造(二本松市)など六つの蔵の21銘柄を扱う。「日本一の酒 福島」を英語表記したパネルも設置した。
 初日は1店舗で試飲会もあり、約130人が来店した。注文も含めて100本程度を販売するなど、反応は上々だったという。
 県は今秋、ニューヨークに県産日本酒を販売するアンテナ店「ふくしまの酒チャレンジショップ(仮称)」を開設する。県産品振興戦略課の担当者は「小規模の蔵元の酒も取り扱い、海外輸出を支援していきたい」と話す。


【智恵子没後80年】さらに魅力発信を
 今年は二本松市出身の洋画家・高村智恵子の没後八十年に当たる。詩人で彫刻家の夫高村光太郎が詠んだ「智恵子抄」の朗読大会をはじめ各種記念事業が市内で企画されている。智恵子が表現した芸術、文化の世界に改めて思いを巡らせ、魅力を県内外にさらに発信する機会としたい。
 智恵子は一九三八(昭和十三)年に五十二歳で亡くなった。病気療養中、千数百点に上る紙絵を残した。愛と芸術に生きた先駆的な女性と評価され、多くの人々を魅了している。
 朗読大会は全国から参加者を募り、十一月十八日に開かれる。夫妻への思いを込めたスピーチと詩の朗読を通じて二人の世界を感じてもらう。十月には智恵子に関する知識を問う「智恵子検定」や、智恵子抄を題材にしたスケッチ展示が行われる。十二月にはカフェを予定している。市内で販売されている智恵子にちなんだ菓子を味わいながら、二人の人生を語り合う。多くのファンが訪れる場となろう。
 紙絵や油絵が並ぶ記念館と生家は一九九二(平成四)年四月に開館した。一九九五年度には約八万三千人が訪れたが、減少傾向が続き、二〇一七年度は約一万六千人だった。展示物配置の刷新や生家を使った各種企画など来場者増を図る対応が待たれる。すぐ近くの鞍石山には「樹下の二人」の詩碑があり、「あれが阿多多羅山[あたたらやま]、あの光るのが阿武隈川…」を実感できる光景が広がる。記念館と生家を見た後、立ち寄れば、詩の世界をより身近に感じられる。整備されている遊歩道をもっと活用する手だてを探る必要がある。見学者の満足度向上を図り、観光ルートとして一層の売り込みに力を入れてほしい。
 九月九日からは福島現代美術ビエンナーレが「重陽の芸術祭」として二本松市で開幕する。切り絵や絵画の斬新な作品が市内に飾られる。生家も会場となる。新進気鋭の女性作家も多く出品する。若手女性作家を対象に智恵子の名前を冠した賞を創設する考えが実行委員から示されている。どう継続していくかなど課題はあるだろうが、実現へ向け検討してもらいたい。芸術家としての智恵子の魅力を広く訴える契機になる。
 二本松市は、おいしい日本酒、多彩な菓子、霞ケ城や二本松少年隊といった歴史、「ほんとの空」が広がる安達太良山、伝統の祭りなど観光資源に恵まれる。さらに誘客を目指すために全国的な知名度を誇る智恵子抄を生かしてほしい。(吉田雄一)


障害者雇用不正 実態解明し再発防止図れ
 到底許されるものではない。中央省庁の障害者雇用水増し問題を巡り、国の33行政機関のうち27機関で不正算入が判明した。
 昨年雇用したと発表していた約6900人のうち、国のガイドラインに反して不正算入していたのは3460人に上るという。
 2・49%としていた雇用率は1・19%に半減し、法定雇用率を大きく下回ることになる。障害者への差別を禁じ、就労機会を広げるのを目的にした障害者雇用率制度をないがしろにするものだ。
 中央省庁のずさんさにあきれ返る。障害者らから、怒りや落胆の声が上がったのは当然だろう。
 制度を所管する加藤勝信厚生労働相は「故意か誤解に基づくものなのか今の段階で判断するのは困難だ」と述べたが、このような水増しはいつから始まり、なぜ放置されてきたのか、解明しなければならない。
 原因究明は、弁護士ら第三者による検証チームに委ねられるが、チェック体制の構築も求められよう。
 今回の問題では、国税庁と国土交通省、法務省の3省庁だけで全体の6割に当たる約2160人の水増しが分かった。障害者手帳の確認を原則とする厚労省のガイドラインを、担当者らが理解しないまま運用していたようだ。
 不正算入は地方自治体にも広がっている。37府県でも雇用数の不適切な算定があったことが判明。多くの自治体では自己申告や面談結果などを基に、担当者らが判断していたが、認識の甘さやプライバシーへの配慮から手帳の提示を求めづらく強制できなかったなどの理由が目立った。
 徳島県教委でも、水増しが明らかになっている。
 こうした状況を受け、厚労省は全国調査に乗り出すとしたが、制度について理解してもらう取り組みを強化する必要がある。
 拡大解釈などを招く要因となったガイドラインや通知の在り方も、十分に見直すべきだろう。
 障害者雇用促進法によって一定割合以上の障害者を雇うように義務付けられた企業の多くは、就労機会の拡大に向けて努力を重ねている。
 企業は法定雇用率を下回れば納付金を徴収されるが、国や自治体は「率先して雇用する立場」との考えから納付制度はなく、チェックを受けることもない。
 こうした点が、認識の甘さとともに、ずさんな運用につながったのではなかろうか。「共生社会」は名ばかりであり、数値目標を達成するだけに腐心していたとみられても仕方あるまい。
 政府は、再発防止に向けた緊急対策を10月に取りまとめる。国家公務員の採用に障害者枠を新たに設けることを検討するが、単なる数合わせに済ませてはならない。障害者雇用を推進する立場にあることを、しっかりと自覚してもらいたい。


パラリンピック開く資格すらない
★ご記憶の方も多いだろう。駆け出しの記者の頃は日比谷公園前の合同庁舎のエレベーターには障がい者のエレベーターガールがいた。その時の感想は政府の中央官庁が率先して障がい者雇用を守り推進するという断固たる覚悟だった。中央省庁による障がい者雇用の水増し問題は国の33の行政機関のうち、障害者手帳などの証明書類を確認せずに職員を雇用率に算入していたのは、昨年6月時点で27機関の計3460人に上る。★障害者手帳を持っている人か医師の診断書で障害が認められた人に限られるが、各省庁は厚労省による制度の周知が不徹底だったとか、「個人情報ということで手帳を確認しづらかった」と姑息(こそく)な言い訳で自らの不作為を肯定化している。だがこれらの対応は我が国の障がい者の雇用のチャンスを妨げ障がい者への理解に目を背けたに他ならない。この国は2年後にパラリンピックを主催する。障がい者スポーツと障がい者雇用は一体だ。彼らは仕事をしながらパラリンピックを目指す。その彼らから雇用を奪い、大臣の言い訳と陳謝で事が済むと思っているのか。公文書を改ざんすることも昔からやっていたとうそぶく中央官庁の腐り具合はパラリンピックを開く資格すらない。★09年。第173回国会における首相・鳩山由紀夫は所信表明演説で「『人と人が支え合い、役に立ち合う『新しい公共』の概念』、あるいは『人を支えるという役割を、『官』と言われる人たちだけが担うのではなく、教育や子育て、街づくり、防犯や防災、医療や福祉などに地域でかかわっておられる方々1人1人にも参加していただき、それを社会全体として応援しようという新しい価値観』ということになる」と訴えた。その時にはまだ官がここまで堕落しているとは思っていなかった国民も、今、鳩山の指摘に理解を示すのではないか。公の崩壊が止まらない。

あきれた障害者雇用水増し問題 背景に潜む差別の意識
 中央省庁の障害者雇用水増し問題には、あきれ返る。国の33行政機関を対象とした政府の再調査結果によると、8割にあたる27機関で計3460人の水増しが判明。これまで雇用していると言い張った障害者約6900人のうち、水増しは実に半数に上り、平均雇用率は従来の2・49%から1・19%に半減した。
 国や地方自治体、企業などには従業員の一定割合(法定雇用率)以上の障害者を雇用する義務がある。昨年の法定雇用率は2・3%。32の行政機関が法定雇用率を満たしていたはずが、水増し分を差し引けば、たった6機関にとどまる。
 厚労省が定めたガイドラインでは、雇用率に算入できるのは原則、障害者手帳を交付された人か、医師の診断書で障害が認められた人に限られる。しかし、障害者雇用の旗振り役である中央省庁の大半が率先してガイドラインを無視。40年以上にわたって、手帳交付に至らない軽度の障害者を合算し、水増しが常態化していたのだ。
 国の行政をつかさどる中央省庁が、法で定められたルールを守れないとは言語道断だ。水増しの理由について、麻生財務相は「(ガイドラインの)解釈の仕方が違っていた」と弁明したが、にわかには信じがたい。法定雇用率をしっかり守ると、障害者にどう働いてもらうべきか、職場の扱いが難しくなる。そんな雇用差別に結びつく意識が、中央省庁にはびこってはいなかったのか。
 いずれにしろ、障害者雇用の水増しがここまで常態化していれば、民間企業を指導する説得力を失う。このところ、公文書の改ざん、隠蔽、捏造、破棄が相次ぎ、上へ上へとヘーコラへつらう忖度行動も蔓延。中央省庁内の目を覆うような実態が、どんどん表面化し、日本の行政府への信頼は地に落ちたも同然だ。
 今こそ行政府のあり方や中央官庁そのものを見直し、出発点から立て直すしかない。それこそが内閣を挙げての大仕事にすべきだが、その大役を任せるのに最もふさわしくないのが、安倍首相なのである。
 忖度の蔓延は内閣人事局の創設以降、安倍政権が常軌を逸した人事権を乱用したことが元凶だ。公文書の改ざんなどは言うまでもなく、安倍夫妻が中心にいるモリカケ疑惑に端を発する。
 行政府を腐敗させた張本人が、モリカケ疑惑を幕の後ろに隠したまま、勇壮な桜島をバックに自民党総裁選への出馬を表明。「薩長同盟」を訴え、すっかり維新の英傑気取りで、やりたい放題なのである。
 これ以上、かような人物を行政府の長に就かせるのは危うい。総裁選で一騎打ちに挑む石破元幹事長がベストとは決して思わないが、少なくとも安倍首相には即刻、お引き取り願いたい。


石破茂は愛妻家 安倍晋三・昭恵は“仮面夫婦説”は本当か
鈴木 慶大法学部に入った石破は、第2外国語(ドイツ語)の授業で妻・佳子と出会います。第一印象は「こんなにきれいな人がこの世にいるのか!」だったそうで、「高根の花だった」と回想しています。
野上 森友問題で安倍の妻・昭恵は日本中の注目を集め、メディアにさまざまな形で取り上げられましたが、石破の奥さんのことはあまり知られていませんね。
鈴木 石破は学期末試験の前に、出題を予想する「ヤマかけ講座」を開いていました。そこに彼女がやってきた。しかも、その時に石破のヤマが見事に当たったそうなんです。彼女から「ありがとう」とお礼を言われ、付かず離れずの関係が始まった。その後も、彼女に気に入られたい一心で必死に勉強したそうです。石破は「慶応の他の同級生と違って、高級車があるわけでもないし、ナンパのテクニックもない自分は勉強しか武器がなかった」と話していました。
野上 真っ赤なアルファロメオを乗り回していた安倍とは正反対の学生生活ですね。安倍が森永製菓の社長令嬢だった昭恵と知り合ったのは84年、父・晋太郎の外務大臣秘書官を務めていた時代になります。当時、電通勤めの昭恵との初デートをセットしたのは安倍の友人でした。ところが、昭恵が待ち合わせ時間に30分も遅刻してきたため、安倍は「第一印象は良くなかった」と振り返っています。後に昭恵も「政治家の家は大変そうだから気乗りしなかった」と語っていますが、3年間の交際を経て、87年6月に華燭の典を挙げました。同年5月に兄・寛信もウシオ電機会長令嬢と挙式していますが、名門・名家の家柄だと、結婚相手も自分で選べないのでしょう。古参秘書は「一種の政略結婚だった」と述懐しています。石破の結婚までの経緯は?
鈴木 三井銀行に就職が決まっていた石破は、慶大卒業式の日に「結婚を前提に付き合ってほしい」と佳子に告白します。生まれて初めての恋の告白でしたが、木っ端みじんにフラれた。転機は石破が24歳の時、自治大臣に就任したばかりの父・二朗が病に倒れ、81年に亡くなったことでした。その葬儀に、音信不通だった佳子から弔電が届いたのです。これを機に再び連絡を取り合うようになりました。
野上 夫婦そろって慶応卒というのも、エスカレーターで成蹊と聖心の安倍夫婦とは対照的ですね。
鈴木 父の死後、田中角栄に「政治家になれ!」と言われた時のエピソードもふるっています。角栄から結婚について聞かれた石破が「同級生の彼女がいる」と話すと、角栄は「その同級生はどこに勤めているんだ?」と。佳子は当時、丸紅に勤めていたんですよ。ロッキード事件の関係で、角栄にとっては耳にするのも嫌な会社です。案の定、「俺に恨みでもあるのか!」と激高するのですが、そこで奇跡が起きた。実は佳子の両親が新潟出身なんですね。それを伝えると、角栄も「新潟か。それならいい」と収まったそうです。鳥取の地元でも、佳子の評判はすこぶるいいですよ。石破も「自分が政治家を続けられるのは妻のおかげ」と公言している。本当に愛妻家ですね。安倍夫婦は仮面夫婦とも言われていますが、実際のところ、どうなんですか?
野上 そう見る向きもありますね。ファーストレディーが居酒屋を経営するなんて前代未聞ですし、「家庭内野党」と公言して夫の安倍がやることに異を唱えるなど、破天荒なのは間違いない。苦労知らずの似た者夫婦なのかもしれません。(敬称略)
▽野上忠興 1940年東京生まれ。64年早大政経学部卒。共同通信社で72年より政治部、自民党福田派・安倍派(清和政策研究会)の番記者を長く務めた。自民党キャップ、政治部次長、整理部長、静岡支局長などを歴任後、2000年に退職。安倍晋三首相のウォッチャーでもあり、15年11月発売の著書「安倍晋三 沈黙の仮面 その血脈と生い立ちの秘密」(小学館)が話題。他に「気骨 安倍晋三のDNA」(講談社)など。
▽鈴木哲夫 1958年福岡県生まれ。早大卒。テレビ西日本報道部、フジテレビ政治部、日本BS放送報道局長などを経て13年からフリーに。25年にわたる永田町の取材活動で与野党問わず広い人脈を持つ。著書に「政党が操る選挙報道」(集英社新書)、「安倍政権のメディア支配」(イースト新書)など多数。またテレビ・ラジオでコメンテーターとしても活躍。


大チョンボ安倍政権 “お忍び日朝会談”1カ月でバレるお粗末
 28日付の米紙ワシントン・ポスト(WP=電子版)は米国に内緒で、7月に日朝当局者がベトナムで極秘会談を行ったと報じた。拉致問題について話し合ったとみられる。首相も外相も一向に金正恩委員長に会えないことに焦った安倍政権が仕掛けたお忍び会談だが、“寝耳に水”の米国はカンカンだ。
 菅義偉官房長官は29日の会見で「報道された事案にいちいち政府がコメントするのは控えたい」と語り、極秘会談を否定しなかった。 WPによると、日本側は内閣情報調査室トップの北村滋内閣情報官、北は金聖恵統一戦線部統一戦線策略室長が参加した。
 統一戦線部は“北版CIA”ともいえる工作機関。6月の米朝首脳会談も、統一戦線部が事前交渉に奔走し実現した。金聖恵氏は実務責任者だ。4月の南北会談、6月の米朝会談にも随行している。北の最高学府「金日成総合大学」出身の50代のエリート官僚で、金正恩の妹・金与正の側近とされ、権力基盤もしっかりしているという。日本相手にそれなりの責任者が対応した格好だ。
■秘密工作のプロ中のプロがあっさりと
「日本政府高官は、拉致問題の交渉のためにはトランプ政権だけに頼るわけにはいかないと認識している」とWPは伝えている。安倍首相は「拉致問題は日朝間で解決しなければならない」と言っているから、そのための一手だったのだろうが、国際ジャーナリストの太刀川正樹氏がこう言う。
「3月から6月までに、中国・習近平国家主席、韓国・文在寅大統領、ロシア・ラブロフ外相、米トランプ大統領が金正恩委員長と会談しました。6カ国協議の構成国でトップや外相が正恩に会えていないのは日本だけ。安倍政権内には焦りがあった。とはいえ、外務省も官邸も北とのパイプがない。そこで、7月に安倍首相側近の北村氏が、苦し紛れの“直談判”に乗り込んだのでしょう」 極秘会談について日本が事前に米国に伝えなかったとして、米政府高官が不快感をむき出しにしたとも報じられている。元韓国国防省北朝鮮情報分析官で拓殖大主任研究員の高永抻瓩言う。
「外交交渉において、密談や密約は必要不可欠なことです。日本政府が米国に通知しないで北と高官会議を開くのだって、交渉手法としてはあってもいい。ただし、密談、密約の類いは、数十年経過して情報公開などでやっと明らかになるのが通常です。極秘会談後、わずか1カ月そこらでオープンになるとは、なんともお粗末だと思います」
 北村情報官は、官邸の“アイヒマン”と呼ばれている。東大法卒業後の1980年、警察庁に入庁。公安畑を歩み、95年には海外工作員などによる諜報活動の捜査などを行う外事課に配属され、2010年には外事情報部長に就いた。秘密工作のプロ中のプロが、あっさり密談をリークされたわけである。どうやら、安倍政権に拉致解決はムリなようだ。


「正直、公正」が個人攻撃? どんだけ首相はおっかないの
「人を批判するものではなく、変えることはございません」(石破茂自民党元幹事長)
 28日付の日刊スポーツによると、石破さんは27日、国会内で開いた政権公約発表の会見で、そう言って自民党総裁選に向けた「正直、公正、石破茂」というキャッチフレーズは変更しないと明言したとか。
 その2日前、25日には、自民党内から「正直、公正」ってのは安倍首相への当てつけみたいだ、そういう批判の声が上がって、変更もあり得ると、石破さんは言ってたんだよ。
 なにしろ、石破さんを支持する参院竹下派の吉田博美参院幹事長までが、
「個人的な攻撃には違和感がある」
 とか言って石破さんを牽制しおった。どんだけ、安倍さんておっかないの。
 でもさ、自民党内で「正直、公正」が安倍さんへの個人攻撃だと声が上がったのなら、つまり、安倍さんが嘘つきで、仲間ばっかりえこ贔屓する不公平な男だってこと、党内認識として一致してるわけでしょう?
 一般人より襟を立てて生きなきゃならない政治家にとって、「正直、公正」は常識だっていう常識くらい、分かって政治家を目指してくれよ。
 分かってないのか、分からないフリをしているのか?
 それって自分も嘘つきで不公平でいてもいいと思っていることの暴露だな。それでも、国民は黙って従えといってるようなもの。腐敗臭漂っておる。
 いやぁ、しかし、たまげたわい。まさか「正直、公正」という、政治家として最低限そうであるべきシンプルな言葉が、ジャブとして決まってしまうとは。
 もうこうなったら、
「正直、公正、暴力団との付き合いもなく、暴力団のように人を脅したりもしない、ポツダム宣言もつまびらかに読んでいて、エンゲル係数の意味も当然知ってる、そして嫁は常識人の、石破茂」
 とまでいってしまえ。


総裁選の報道めぐり 自民党「公平・公正」要求の支離滅裂
 “圧力バカ”を絵に描いたような話だ。自民党が総裁選の扱いについて、新聞・通信各社に「公平・公正な報道」を求める文書を配布した。その注文の仕方は非常に細かい。
 総裁選管理委員会の野田毅委員長名で配った文書は、記事内容や写真の掲載面積にいたるまで「必ず各候補者を平等・公平に」扱うように要求。各候補のインタビューの掲載日が異なる場合は、別の候補の名前も書けとまで注文を付けた。
 配布は28日で前日と当日に読売、日経、共同通信、産経が世論調査の結果を発表。いずれも「次の総裁にふさわしい人」で、石破元幹事長の支持率が安倍首相を猛追し、差は全て1桁台だ。安倍応援団の大新聞でも「僅差」の結果に、またも周辺が圧勝戦略を描く安倍首相に忖度。石破猛追は報じ方のせいだとの難クセで、圧力文書を突きつけたのは想像に難くない。
 4年前の総選挙でも、自民党は安倍首相の意向をくみ、放送局に関連番組のゲストやテーマ選び、街の声の扱い方など詳細に項目を挙げ「公正な報道」を求める文書を送りつけた。当時も「前代未聞の報道圧力」と批判されたが、懲りていない。
 そもそも「公平・公正」を求めるほど、この総裁選で安倍首相は報道に値する行動を取っているのか。石破氏が連日のように記者会見を重ねる一方、安倍首相は“逃げ恥”作戦を徹底。石破氏が求めた政策テーマごとの討論会を拒み、記者会見を含め質問に答える形式を極力避け続けている。
■「器が小さすぎる」
 最優先の地方行脚も「講演は当たり障りのない話だけの“独演会”」(ある地方の党員)で、中身ゼロ。地方議員の要望に珍しく耳を傾けると、「ピンと来ないのか、『そうだよね』と漏らす程度の反応」(自民党関係者)というありさまだ。
「安倍さんは総裁候補以前に一国の首相です。一挙手一投足がメディアに注目されるのは当然。討論から逃げ、露出を控え、考えもロクに伝えずに『公平・公正』な扱いだけを求めるのは器が小さ過ぎます。トランプ米大統領に『真珠湾攻撃を忘れないぞ』と伝えられたとする米紙報道も、総裁選中のロシア訪問も、大きく扱えば不平等なのでしょうか。支離滅裂な政治介入を突き返すべきなのに、メディアの批判報道は少ない。だから、自民党にナメられるのです」(法大名誉教授・須藤春夫氏=メディア論)
 へそで茶を沸かす圧力文書は日刊ゲンダイには届いていないが、当然これまで通りの姿勢で総裁選を報じさせてもらう。


総裁選報道 自民の要請は筋が違う
 自民党が総裁選挙に関連して、「公平・公正な報道」を求める文書を新聞・通信各社に送った。
 公平・公正は報道各社の自主的な判断により確保されるべきものだ。政党が要請するのは筋が違う。文書は直ちに撤回すべきだ。
 総裁選管理委の野田毅委員長名で送った。取材は規制しないと断った上で、インタビューや取材記事、写真の内容、掲載面積などに関し「必ず各候補者を平等・公平に扱ってくださるようお願いいたします」と記している。
 自民は2014年の衆院選の際在京テレビ各局に対し、選挙報道では「中立公平」にするよう求める文書を出している。その直前には民放テレビに出演した安倍晋三首相が、アベノミクスに批判的な街の声が番組の中で多く紹介されたことについて、「選んでますね」「おかしいじゃないですか」とかみついた経緯がある。
 今回も、首相の意向が働いていると思われても仕方ない。
 選挙報道の公平・公正については、報道機関の自主、自律を尊重する司法判断が定着している。代表例が1983年に行われた東京都知事選を巡る判決だ。
 12人の立候補者のうち有力2氏の動向を重点的に伝えたテレビ報道は不公平で違法、とする候補者の一人の訴えを、東京高裁は退けた。テレビ局には放送法により番組編集の自由が保障されている、との理由だった。
 総裁選は自民党の選挙である。公選法は適用されない。その一方、事実上次の首相を選ぶ選挙であり、国民にとって重要な意味を持つ。新聞やテレビが国民の関心に沿って自由に報道するのは当然のことだ。それぞれの判断でニュースの扱いに軽重を付けたり、一方の主張を批判的に報じたりしても問題は生じない。
 これまでのところ、石破茂元幹事長が候補者同士の論戦の機会を多くするよう求めるのに対し、安倍首相の側は消極的なままだ。
 首相は討論会については党選管の判断に委ねる姿勢に終始した。その結果2回とすることが決まっている。首相は論戦を避けようとしている、という趣旨の石破氏の批判に、首相は説得力ある反論ができていない。
 首相はロシア極東ウラジオストクで開く会議に出席するため、選挙期間中に日本を5日間留守にする。首相の外遊は当然ニュースになる。論戦から逃れて自分に注目させる一石二鳥狙いの外交日程ではないかと勘繰りたくもなる。


追及者が不審事故 安倍首相“#ケチって火炎瓶”が世界に拡散
 国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団(RSF)」が28日付で〈日本は、首相とヤクザの関係を調査するジャーナリストの不審な転落事故を捜査しなければならない〉との声明を出した。過去の山口県下関市長選を巡る安倍事務所の“火炎瓶騒動”を取材するジャーナリスト・山岡俊介氏が遭った不審な転落事故について、当局による捜査を要請。安倍首相の過去の重大疑惑は、いよいよ世界の知るところとなった。
 火炎瓶騒動とは、1999年の市長選で、安倍事務所が支援候補を当選させるため、暴力団に対立候補の中傷ビラまきを依頼し、500万円の報酬を300万円に値切ったため、自宅に火炎瓶を投げ込まれたとされる事件だ。国会でも指摘され、「#ケチって火炎瓶」のツイートが話題を呼び大炎上している。
 この事件を長年追及する山岡氏は8月7日夜9時ごろ、東京・新宿アルタから地下鉄駅に通じる階段上から転落。肩を骨折し、額を7針縫う全治1カ月の大ケガを負った。山岡氏に当時の状況を聞いた。
「後ろから押された感覚はありませんが、当時、私は酔っていたわけでも、体調が悪かったわけでもありません。体力には自信がある方ですから、普通なら踏ん張ったり何かにつかまろうとするはず。ところが、救急車を呼んでくれた方によると、前転するように上から下まで真っ逆さまに転げ落ちたといいます。私は過去に脅迫状を自宅に送り付けられたこともありますから、今回の一件も何かしらの力が働いたと疑わざるを得ません」
 RSFは声明で〈(山岡氏が)取材していた対象を考慮すると、このような不自然な転落は本格的な捜査に値するが、現在行われていない〉と指摘。〈日本のジャーナリストは、安倍首相が12年に政権を取って以来、自分たちに対する不信と敵意の雰囲気があると不満を抱いている〉と、安倍政権の報道に対する姿勢まで批判している。世界に拡散しつつある「#ケチって火炎瓶」疑惑。このまま放置していいのか。
「『報道の自由度ランキング』を年1回、公表するRSFは、第2次安倍政権の発足以降、日本のランク急落を憂慮しているのでしょう。十数年前の事件とはいえ、安倍首相はキチンと釈明しなければ、国際社会に不信感を与えるだけです」(高千穂大教授の五野井郁夫氏=国際政治学)
 総裁選前だからと、ダンマリは許されまい。


沖縄知事選の構図固まる 「辺野古」の膠着に道筋を
 沖縄県知事選(9月13日告示、30日投開票)の構図が固まった。
 知事在任中に死去した翁長雄志(おながたけし)氏の後継候補として自由党の玉城(たまき)デニー衆院議員が出馬を表明した。安倍政権の支援する佐喜真淳(さきまあつし)前宜野湾市長と事実上の一騎打ちとなる。
 最大の争点は2014年の前回と同様、米軍普天間飛行場を名護市辺野古へ移設する計画の是非だ。
 沖縄知事選は長らく保守系と革新系の対決構図が続いてきたが、前回は翁長氏が「辺野古新基地反対」を唱えて保守系の一部と革新系を結びつけることに成功し、「オール沖縄」態勢を構築して当選した。
 国による手厚い沖縄振興策と引き換えに翁長氏の前任知事が受け入れた辺野古移設だが、県民は「ノー」の審判を下した。
 しかし、安倍政権はその民意と向き合うことなく、辺野古沿岸部の埋め立て工事を強行してきた。この4年間、国の方針に反対しても仕方ないというあきらめムードが広がるのを待っていたようにも見える。
 その結果、今年に入って名護、石垣、沖縄の3市長選で翁長氏の支援した候補の敗退が続き、辺野古反対の一点で結集していたオール沖縄態勢のほころびがあらわになった。
 裏返せば、辺野古をめぐり県民の分断が進んだことになる。玉城、佐喜真両氏はそれぞれ出馬表明で「分断」に言及した。その原因を玉城氏は国に、佐喜真氏は翁長県政に求めたが、分断を解消する必要性は共有されているのではないか。
 翁長氏の生前最後の記者会見が辺野古埋め立て承認の撤回表明だった。県はきょう撤回に踏み切る構えで、これにより国はいったん埋め立て工事を止めざるを得なくなる。
 ただ国は、撤回がなくても、知事選が終わるまで埋め立て海域への土砂投入を見送る姿勢を見せていた。
 「国対沖縄」の構図を際立たせることでオール沖縄態勢を再構築し、翁長氏の弔い合戦と位置づけたいのが玉城氏側だ。辺野古問題から関心をそらし、従来型の「保守対革新」の構図に持ち込みたい佐喜真氏側とのせめぎ合いが激しくなっている。
 日米政府間の普天間返還合意から22年が過ぎた。いずれが勝つにせよ、膠着(こうちゃく)状態の打開へ道筋をつける知事選になることを願う。


沖縄県知事選 辺野古の是非を語れ
 沖縄県知事選は、九月三十日の投票まで一カ月を切った。国政の与野党それぞれが推す候補が激突する構図。翁長雄志知事が最期まで問い掛けた辺野古新基地の是非を正面から論争してほしい。
 翁長氏を支えた「オール沖縄」勢力が擁立する自由党幹事長の玉城(たまき)デニー衆院議員(沖縄3区)は二十九日、立候補を表明し、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設について「翁長知事の遺志を引き継ぎ、新基地建設阻止を貫徹する」と明言した。
 これに対し、自民、公明両党などの支援を受け既に出馬表明した佐喜真淳(さきまあつし)前宜野湾市長は「街のど真ん中にある(普天間)飛行場を一刻も早く返すことが(政策の)原点」と語り、辺野古の賛否を明らかにしていない。前回の自主投票から佐喜真氏推薦に回る公明党との政策協定でも触れなかった。
 賛否の分かれる問題について語ろうとしないのは、二月の名護市長選で、基地反対派の現職を破った自公陣営の戦術と同じだ。
 これにならって「争点隠し」を得策と考えているのだとすれば、あまりにも無責任ではないか。
 沖縄県知事は、公有水面埋立法に基づき、辺野古新基地建設に伴う沿岸埋め立ての認可権を持つ。
 仲井真弘多(なかいまひろかず)前知事が二〇一三年に埋め立てを承認したが、翁長氏は死去前、国の工事の進め方に不備があるとして承認の「撤回」を表明。県はきょうにも決定する。
 誰が知事に就いても直面せざるを得ない問題であり、玉城氏は撤回を「全面的に支持」する意向を表している。佐喜真氏も対応を明らかにするのは当然だろう。
 県政には、経済活性化や子どもの貧困対策など、基地以外の課題が多いのも事実だ。だが政府は、これらを後押しする沖縄関係予算を知事の辺野古への賛否によって加減してきた。翁長県政では削減を続け、安倍晋三首相は翁長氏とまともに会おうともしなかった。
 理不尽なやり方で県民の中に対立と分断を持ち込んでいるのは政府側であり、これに従うのか、敢然と声を上げるかは、沖縄のみならず日本の民主主義と地方自治の根幹に関わる問題だ。
 辺野古新基地建設地では、軟弱な海底地盤や極めて危険な活断層の存在も判明した。日本周辺の安全保障情勢も変化する中、移設計画自体、抜本的な見直しが必要な段階に来ているのではないか。
 沖縄の矛盾を巡る真摯(しんし)な論争を抜きに、沖縄の未来は開けない。


知事選すでに前哨戦 候補者の主張が聞きたい
 9月30日投開票の県知事選挙は、県政与党などが擁立する衆院議員の玉城デニー氏(58)が正式に出馬を表明した。自民などが推す前宜野湾市長の佐喜真淳氏(54)が先に立候補を表明しており、第8代の沖縄県知事を決める前哨戦が始まった。
 現職の知事の急逝に伴い任期満了を待たない異例の選挙だが、県民の将来を左右する極めて重要な選挙であることは間違いない。
 有権者は候補者の人柄をよく吟味し、政策の実現性、先見性、ひいては指導力もしっかり見極め、貴重な1票を投じたい。候補者は公開討論会や紙上座談会を含め、あらゆる機会を利用して積極的に互いの政策を戦わせ、有権者に判断材料を提供してほしい。
 今選挙は4年前に続き、米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古への新基地建設問題が最大の争点になる。前回知事選は辺野古新基地建設反対を訴えた翁長雄志氏が圧勝した。翁長知事は前知事が承認した辺野古の海の埋め立てを取り消し、国との法廷闘争となったが、最高裁で県の敗訴が確定した。国は近く土砂を投入し埋め立てを本格化させる方針だ。対して県は埋め立て承認を撤回する方針で対立している。
 一方で、前知事が辺野古の埋め立てを承認した際に政府が約束した、普天間飛行場の「5年以内の運用停止」の期限も2019年2月に迫るが、政府は具体的な動きを見せていない。17年12月には普天間飛行場に隣接する普天間第二小学校にヘリの窓が落ちる事故が起きた。普天間の危険除去は喫緊の課題だ。
 第5次となる沖縄振興計画は次期知事の任期中に期限切れを迎える。日本復帰50年の節目に、沖縄の将来像をどう描くか。候補者の口から聞きたい。
 子どもの貧困対策や全国一高い失業率の解消も課題だ。活況を呈する県内経済を県民生活の向上に取り込んでいく策も求められている。
 投票に当たって、判断基準になるのは候補者の言葉だ。
 辺野古新基地建設に関して玉城氏は「翁長知事は『あらゆる手段を尽くして辺野古新基地建設を止める』と言っていた。私も受け継いでいく」と述べた。佐喜真氏は考えを明示せず「普天間飛行場をどうやって、誰が、どういう形で返還を実現できるのかを県民に問いたい」と述べた。
 辺野古問題を含め、まだまだ候補者の考えは見えていない。主張の違いを明確にし、県民に訴えていく必要がある。ポスト振興計画や経済政策なども考えを知りたい。
 マックス・ウェーバーは著作「職業としての政治」で「どんな事態に直面しても『にもかかわらず』と言い切る自信のある人間。そういう人間だけが政治への『天職』を持つ」とした。沖縄のさまざまな課題に対して自身の主張を堂々と論じ、有権者に示してほしい。


携帯電話料金 値下げ議論は不可避だ
 携帯電話の料金問題が急浮上している。菅義偉官房長官が値下げを促す発言を行った。国の口出しは慎むべきだが、公共の電波に関することでもある。料金のほかにも課題は山積し改革は急務だ。
 菅官房長官は、携帯大手三社の通信料金について「四割程度下げる余地がある」と述べた。
 政府高官が個別の製品の値段について言及するのは本来の経済ルールに反する。料金設定は事業者の自由が原則で政府の口先介入には「民業圧迫」との批判も出よう。ただ携帯料金をめぐる消費者の不信感があるのも事実だ。
 国内の通信市場はNTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクの三社がほぼ独占。菅官房長官は、日本の料金が経済協力開発機構(OECD)加盟国平均の二倍であると指摘し、さらに市場独占を念頭に公正な競争原理が働くよう促した。
 携帯料金の国際比較は難しい。サービス体系や事業者のあり方のほか生活水準そのものがまちまちだからだ。だが日本では消費者が、異様なほど複雑な料金体系に不満を抱き、料金水準にも疑問を抱いているはずだ。ようやく改善が図られる他社への乗り換えを抑制する「四年縛り」など、誠実とは言い難い販売手法も消費者の不信に拍車をかけた。一方、三社は今年三月期の連結純利益が合計二兆円を超え、売上高に対する営業利益率も14〜20%とほぼ2〜3%で推移する主要産業平均よりかなり高く、もうけすぎ批判さえ出ている。
 三社側からは、基地局の維持や、車の自動運転などに利用できる「5G」という次世代の技術への投資などで今後、多額の費用がかかるとの反論も出よう。また官房長官発言自体が政権浮揚を狙ったとの見方もできる。
 しかし固定電話が激減する中、携帯は唯一の「電話」になりつつある。生活に欠かせない機器で災害時には命を守る手段だ。それゆえに携帯事業者は公共の電波を使用している。その機器の料金が家計の負担になっているのなら改善するのは当然だ。
 情報通信審議会(総務相の諮問機関)では携帯電話のあり方について議論が二十三日スタートした。そこでは料金引き下げはもちろん、販売手法や市場の寡占化などさまざまな課題を消費者の立場で議論する必要がある。同時に三社は議論を通じ、「携帯電話は公共のためにある」ことを再認識すべきだ。


島根原発3号機/30キロ圏の同意得るべきだ
 中国電力が、建設中の島根原発3号機の稼働に向けた審査を原子力規制委員会に申請した。審査にパスしても、実際に動かすには立地自治体の島根県と松江市の同意が必要になる。
 一方で事故時の避難計画策定が必要な半径30キロ圏には、ほかにも鳥取県米子市や境港市など5市があるが、同意を求める対象になっていない。
 原発の安全性に向ける視線は厳しくなっている。稼働への意向を聞かれないまま自治体は事故対策を練らねばならず、どれだけ住民の理解や協力が得られるだろうか。
 東海第2原発(茨城県東海村)の再稼働申請では、設置者の日本原電が同意対象を30キロ圏の自治体に拡大した。鳥取県知事は経済産業省に、周辺自治体も同意対象に含めるよう求めた。
 原発稼働の判断には、避難リスクを抱えるすべての自治体の意向を反映させるべきだ。
 2006年に本工事が始まった島根原発3号機はすでに9割方完成しているが、東日本大震災の福島原発事故を受け稼働のめどが立たなくなっていた。
 「既設原発」とみなした旧民主党政権の判断を踏襲し、新設には該当しないというのが政府の見解だが、国民から見れば新しい原発と考えるのが自然だ。
 原発新増設に関して政府は明確な方針を示していない。3号機が稼働すれば新増設への機運を高める契機になると、電力業界は期待をかけている。
 中国電力は3号機の稼働理由に、老朽火力発電所の置き換えによる経済性などを挙げている。だが地元自治体の首長の中には「具体性に欠けている」と納得していない声もある。
 過酷事故が起これば、風向き次第で周辺自治体も立地自治体と同等かそれ以上の被害を受ける恐れがある。30キロ圏の住民は県境を越えて岡山市や広島市まで避難を強いられる。
 太陽光発電など再生可能エネルギーもある中で、多大な被害を度外視して実現を目指す。その理由をどう説明するのか。
 原発が動けば、最終処分のめどが立たない核のゴミが増える。そうした問題も無視できない。十分な情報を提供し、反対の声にも耳を傾けるのが、国や電力会社の責務だ。


デスク日誌 「米内は嫌い」
 社会面に、と思った原稿を、総合面のデスクに持っていかれた。今月14日付の朝刊3面に載った米内光政(盛岡市出身、1880〜1948年)の証言録。
 米内は太平洋戦争終結時の海軍大臣。終戦工作に関わり、「良識派」といわれた。しかし、終戦に至る内幕を米調査団に証言した中に、兵や国民の犠牲に触れた言葉はなかった。記事にコメントした歴史学者は「天皇制維持のため、国民の犠牲もいとわなかった当時の戦争指導者の無責任さ」を指摘した。
 「山本五十六も米内光政も嫌いです」。旧海軍を代表する戦闘機乗りの一人で、特攻隊の生き残りでもある角田和男さん(1918〜2013年)の言葉を思い出す。02年春、茨城・霞ケ浦の北岸にあるお宅に伺った際、旧海軍のカリスマ2人を痛烈に批判した。
 「米内さんは昭和天皇の信任が厚かった。開戦の非、戦争継続の非を命懸けで説けば、あんなにも人が死なずに済んだはずです」
 世を見渡せば、罪なき人々を泣かせる事象が今もあちこちで起きている。組織防衛が先で、責任の所在はあいまい。われわれは、もっと怒るべきなのだ。(整理部次長 野村哲郎)


ハーバード大が差別と認定 米司法省、アジア系入学で
 【ワシントン共同】米ハーバード大が入学選考でアジア系米国人に他の人種より厳しい基準を設けていたのは違法な人種差別として学生らの団体が訴えている訴訟で、米司法省は30日、学生団体の主張を支持し、大学側が差別したと認定する見解を発表した。
 司法省は、ハーバード大がアジア系を差別したことを示す説得力のある証拠を学生団体は示したが、大学側は違法な差別ではないことを証明できなかったとしている。
 セッションズ司法長官は声明で「全ての米国人は人種を理由に入学を拒否されてはならない。ハーバード大は人種差別のない入学選考を行う責任がある」と非難。


熱中症で死亡か 病院の対応、徹底究明を
 患者の命を預かる責任の重みを十分に自覚していたのだろうか。
 岐阜市の病院で、高齢の入院患者5人が相次いで死亡した。酷暑が続いていたにもかかわらず、エアコンが故障した病室で療養していたという。
 病院側は死亡との因果関係を否定するが、警察は熱中症の疑いもあるとみて、当時の状況や管理体制を調べている。
 今年の夏の暑さは「災害並み」と言われる本州で、エアコンが効かない病室は極めて危険だ。
 体温の調節機能が衰えている高齢者については、なおさら手厚いケアが不可欠である。
 警察や関係機関は捜査や調査を尽くして、原因や背景の究明に努めてもらいたい。
 病院のエアコンは20日に壊れたという。修理に1カ月かかると言われて放置し、26日から28日にかけて患者が死亡した。
 岐阜市では20日以降、最高気温が30度以上の真夏日が続き、「病室の暑さは外とほとんど変わらなかった」と話す見舞客もいる。
 エアコンの壊れた病室には扇風機を置いていたというが、涼しい病室への速やかな移動や、他の医療機関への一時的な転院などが考慮されてしかるべきだった。
 高齢者は暑さを感じにくく、熱中症になりやすい。全国で4月下旬から8月下旬までに熱中症で救急搬送された約9万人のうち、半数近くが65歳以上であることを忘れてはならない。
 事実関係の解明は始まったばかりなのに、院長は「病院の管理体制に問題はなかった」と主張している。加えて「暖かい部屋がいい人もいる」といった発言からは、緊張感がうかがえない。
 5人の患者が立て続けに死亡した重大性や、家族の無念をどう受け止めているのだろうか。
 異常な事態にもかかわらず、警察や自治体に届けなかった対応も理解に苦しむ。
 保健所は病院に対して、エアコン代替機の設置や患者に転院を促すこと、新患の受け入れの自重などを要請した。
 こうした機関への通報や連絡が早めになされ、外部の人間が関与して適切な指導が行われていれば、これほどの死者を出さずに済んだ可能性もある。
 エアコンは故障に限らず、不意の停電でも止まる。室内の温度管理に気をつけている医療機関や老人ホームであっても、危機管理対策を万全にしておきたい。本州より冷涼な道内も油断は禁物だ。


スポーツ不祥事 自浄の努力が欠かせない
 高潔にして健全、そして公明正大であることは、スポーツに絶対に欠かせないはずだ。にもかかわらず、なぜ、これほど無残な不祥事が続くのか。
 最近の例で言えば、ジャカルタ・アジア大会に参加していたバスケットボール男子日本代表の4選手が、買春行為で代表認定を取り消された。
 買春という行為自体が許されない上に、国費を投じて派遣された国際大会のさなかである。選手団の公式ウエアを着たまま夜の歓楽街に繰り出したというから、あきれるほかない。
 本来、健全性を保つべき各種競技団体や指導者側のコンプライアンス(法令・社会規範順守)の欠如も目に余る。
 助成金流用や不正判定疑惑で揺れる日本ボクシング連盟は、過去に暴力団員と交際があった会長を含め、理事全員が辞任届を提出した。9月の臨時総会で新理事を選任する方針だ。
 急ぐべきは、第三者委員会による疑惑の全容解明である。独断専横が指摘された前会長の体制が抱えていた問題点をあぶり出した上で、組織の立て直しに進むことが望ましい。
 全日本剣道連盟では、居合道の段位と称号の審査で受験者が合格目的で審査員らに現金を渡す不正が慣例化していたという。人格を磨き道徳心を高める武道の精神を汚す行為である。
 日本大アメリカンフットボール部の監督とコーチは、選手に危険タックルを指示したとして除名処分を受けた。日本レスリング協会は、前強化本部長によるパワハラを認め、被害者である五輪4連覇の伊調馨選手に正式に謝罪した。ここにきて日本体操協会では、まだ詳細は不明だが、有力選手を巻き込んだトラブルが表面化している。
 背景には、行き過ぎた勝利至上主義に加え、指導者と選手の間の絶対的な上下関係、競技団体のガバナンス(統治機能)の甘さといった、旧弊なスポーツ文化があるとみるべきだろう。
 こうした事態を受け、スポーツ庁の鈴木大地長官は、競技団体に対する指導の在り方を見直す可能性に言及している。競技団体の健全化やガバナンス改善は、スポーツ庁の役割だ。国際大会への選手団派遣や選手強化に国民の税金を投入しているという現実もある。
 とはいえ、行政の介入は必要最小限が原則である、まずは、競技団体や運動部、大学当局などが、主体的に自浄の努力に取り組むことこそ肝要だ。閉鎖的運営を打破するには、理事などへの外部人材登用も広げたい。
 東京五輪・パラリンピックの開催は2年後に迫る。スポーツ界は、世界から厳しい視線が注がれていると自覚すべきだ。


防衛白書 脅威一辺倒でいいのか
 2018年版の防衛白書がまとまった。北朝鮮の核・ミサイルの脅威を前面に打ち出したことが際立つ。巨費を投じて進める防衛力強化の理由を裏付けようとする狙いが透ける。
 この1年間の朝鮮半島情勢を「これまでにない重大かつ差し迫った脅威」と明記した。「新たな段階の脅威」とした昨年版の白書より一段と表現を強め、危機感を強調した形だ。
 6月の米朝首脳会談で、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長がトランプ大統領に「完全な非核化」を文書で約束した意義は大きいと評価した。一方で、その後も「脅威についての基本的な認識に変化はない」とした。
 米朝による非核化交渉は進展が見られず、日本をほぼ射程に収める中距離弾道ミサイルも実戦配備されたままである。ただ北朝鮮は今年に入り、これまで繰り返してきたミサイル発射と核実験を自制している。
 緊張が和らいでいる面は確かにある。その影響にはほとんど言及せずに、ことさら脅威をあおる言い回しには強い違和感を覚える。
 背景には、北朝鮮の「脅威」への備えを急ぐためとして、防衛装備の強化を進める狙いがあるのは間違いなかろう。
 とりわけ山口、秋田両県が配備候補地に挙がっている地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の導入をスムーズに進めたいとの思惑がにじむ。
 米国と約束し、来年度予算に関連費の一部を計上する予定でいる。ところが、当初想定では800億円だった1基当たりの本体取得費は1340億円に高騰し、2基で2680億円になる。30年間の維持費など含めると4664億円まで膨れる。
 これほど巨額な費用を投じることが本当に必要なのか、疑問が拭えない。候補地の住民から「朝鮮半島情勢が変わったのに必要があるのか」と反対意見が出るのも当然だろう。
 安全保障政策の転換に前のめりな安倍晋三首相の下、防衛費は年々増え続けている。来年度予算の概算要求も過去最大の5兆3千億円になる見通しだ。
 年末に見直す防衛力整備の指針「防衛計画の大綱」を巡り、有識者の議論も始まった。5年間の防衛装備品などを示す「中期防衛力整備計画(中期防)」も決まる。今後も防衛費を増やそうとする中、脅威の評価を変えれば、朝鮮半島情勢を理由にした防衛力強化に水を差しかねないと考えたのだろうか。
 北朝鮮の脅威と並んで、白書では軍備増強を続ける中国についても強い警戒感を表している。東シナ海や南シナ海への進出について、力を背景にした現状変更など高圧的な対応を継続していると指摘した。
 尖閣諸島を含む南西諸島を防衛する備えとして、今年3月に新設した陸上自衛隊の離島防衛専門部隊「水陸機動団」にも言及している。
 だが、防衛費を増やし続けて防衛装備の増強で対抗していくにはおのずと限界がある。安全保障には、冷静に情勢を把握し、柔軟に対応する外交力も欠かせない。
 順調とはいえないものの、米朝の対話局面は続いている。緊張緩和に向けた対話が後戻りしないよう、日本は非軍事的なアプローチで地道に働き掛けを続けていくべきである。


「杉田氏は謝罪会見を」署名提出 LGBTへの表現問題で自民に
 自民党の杉田水脈衆院議員が月刊誌の寄稿で性的少数者(LGBT)を「『生産性』がない」と表現した問題で、当事者や親族ら5人が31日、東京・永田町の自民党本部を訪れ、杉田議員に謝罪会見を開かせるよう求める署名約2万6千筆を提出した。
 署名はインターネット上で約1カ月前から集めていた。杉田議員の態度が変わらなければ党から除名することや、差別を許さない法律の制定も求めている。
 署名を提出後、当事者の母親(66)は「杉田議員の発言は忘れられないし、忘れてはいけない。渡した自民党の職員に『2万6千人の重みを感じてください』と伝えた」と話した。


【県立大の蔵書】県民の「なぜ」に答えよ
 舞台は尾県政がうたう「知の拠点」である。判断を下したのは、本にこだわりがあるべき研究者の組織だ。なぜこんなことが起きるのか。解せないことはいまだに多い。
 高知県立大学が、永国寺キャンパスの図書館が昨春新設される際、約3万8千冊の図書や雑誌を焼却していた問題が波紋を広げている。高知新聞報道への反響も大きい。
 新しい図書館は、旧館の蔵書全てを収蔵する能力がなかった。それを理由に焼却された蔵書の中には、戦前戦中の本、古書店でも入手が難しい絶版本、価値が高い辞典や図鑑類なども多く含まれていた。県立大には1冊しかない図書も6659冊が燃やされた。
 狭い館内に置けないのならば、処分自体はやむを得ない面もあっただろう。ただ、県立大の蔵書は県費で購入された県民の財産である。
 図書館の司書らは処分候補リストを作成、全教員に打診し、引き取りを促すなど入念に作業してはいる。しかし、そこから外れた本を県内の別の図書館に譲渡し、学生や県民に引き取りを求めて、再び活用する発想がなかったのは残念だ。
 焼却という結論に至るまでに、深い議論が行われた形跡が見えない点も気になる。
 一部の教職員は焼却への疑問が少なからずあり、学生や県民への提供を求める意見を述べている。しかし提案は結局受け流され、継続的な議論にはならなかったという。
 大学の図書館を束ねる責任者が繰り返す「(学生に)ただであげちゃうの?」「大学のはんこを押した本が外部に出回るのはよろしくない」という説明には、困惑するばかりである。
 県は、高知市のオーテピア高知図書館が開館する直前に、県図書館振興計画をまとめている。
 計画策定時のデータでは、県内では公立図書館が10町村でないほか、蔵書数、書籍購入費に充てる資料費で全国平均を上回ったのは高知市などわずかだった。
 住民に図書サービスを十分に提供できていない市町村からは「くれたら良かったのに」という率直な声も出ている。県内の図書行政にちぐはぐさを感じざるを得ない。
 尾県政が設立した県公立大学法人で、同じ法人下にある高知工科大との距離感にも驚く。
 県立大側は、法人は同じでも大学は別々として工科大に本を持って行く発想がなく、相談もしなかった。一方の工科大側は焼却処分に「あり得ない」と絶句している。
 県公立大学法人の理事長は、図書館行政にも深く関わってきた県の元教育長だ。調整し、改善する余地はあるだろう。
 なぜ、こんなことになるのか。県民は疑問が解消できていないに違いない。県立大は問題発覚の直後、公式サイトに学長名でおわびのコメントを発表したのみである。
 県立大は早急に背景を検証し、県民の疑問に答えるべきだ。


「りぼん」のフェミニズムマンガ『さよならミニスカート』が話題! 主人公はファンに切りつけられた元アイドル
「りぼん」(集英社)2018年9月号から始まった牧野あおいによる新連載『さよならミニスカート』が話題を呼んでいる。まだ、1話がはじまったばかりだが、ツイッターにはこんな声が広がっているのだ。
〈さよならミニスカートをちらっと読んだけど面白かった‥す、すごい、、、りぼん、、、〉
〈1話の時点で自分自身の価値とは何なのかに示唆を与えてくる凄さに感嘆した。しかもこれをりぼんで連載するという大胆さ。応援していきます〉
 読者だけではない。「りぼん」編集部の意気込みも尋常ではない。『さよならミニスカート』の連載を始めるにあたり、「りぼん」の相田聡一編集長はホームページ上にこんな紹介文を載せた。
〈このまんがに関しては、何があろうと、読者のみなさんに面白さが伝わるまで、連載をし続けていきます。それくらいの覚悟を示せるまんがと出会ってしまったのです。〉
 さっそく1話を読んでみたが、たしかにすごかった。まず、驚いたのは少女マンガの王道である「りぼん」連載作品としては、これまで読んだことのないフェミニズム的視点を含んだ内容だったことだ。
 主人公は高校1年生の神山仁那。神山は髪を男のようにも見えるショートカットで、制服もスカートではなく、スラックスを着ている(現在、制服を採用している学校で、女子はスカートかスラックスどちらも着用化とする学校が増えており、この学校もそうだと思われる)。見た目はほとんど男の子で周囲の生徒からは変わり者として見られているが、彼女には隠された過去があった。
 彼女は半年前まで「地球最後のミニスカートアイドル」というキャッチフレーズで人気の5人組アイドルグループ・PURE CLUBで不動のセンターポジションを張るメンバー雨宮花恋として活動していたが、握手会の最中にファンから刃物で切りつけられ、おそらくはそれが原因でグループを離れたという過去をもっているのだ。
 このあたり、2014年に起きた入山杏奈と川栄李奈のAKB48握手会傷害事件や、昨年に欅坂46の平手友梨奈を狙って起きた傷害未遂事件を想起せずにはいられないが、神山がスラックスをはき、髪を短くしているのは、この体験がきっかけのようだ。元アイドルという正体を隠すため、さらに事件がトラウマになり、社会が一方的に求めてきた性的な存在としての「女性」のあり方に嫌悪を感じているようにも思われる。
 一方、物語のなかで神山と180度真逆の存在として描かれるのが、クラスメイトの長栖美玖。彼女は色白でスタイルも抜群。そのプロポーションを活かしたオシャレを楽しむためスカートもミニ丈で学校に通っている。女子内でのスクールカーストは最上位で、男子からも憧れの存在である。
 そんな長栖にとって毎日ズボンを履いている神山のファッションは理解不能で、あるとき「どうしてスカート履かないの? 神山さんって実はスタイルいいよね!? もったいないよ」と話しかける。これに対して、「自分にはそれ以外無いってこと?」と皮肉を返す神山。
 ところが、そんなときに長栖が変質者に襲われるという事件が起きる。太ももを触られるという“程度で済んだ”と教師は説明するが、それでも痴漢被害を受けたという事実は変わらない。
 しかし、クラスの男子の口から飛び出した言葉は、ありえないくらい無神経なものだった。
第1話では性的被害にあった女子が受ける理不尽な視線への批判が…
「いやーあんな短いスカート触りたくもなるだろ」
「結局さぁー男に媚び売るために履いてんだろ? スカートなんかさー 説得力無ェんだよ そんなの触られて当たり前」
 これを聞いて神山は激怒。男子のうちのひとりに詰め寄り、ネクタイを引っ張り上げながら、憤怒に燃えた冷たい表情でこう言い放つ。
「スカートはあんたらみたいな男のために履いてんじゃねえよ」
 ところが、被害者である長栖は、まったく逆の行動をとる。男子生徒の手を握りながら「ホントに恐かったんだからぁ〜っ 今度そういう事言ったらおこるよっ」と笑顔で語りかけ、周囲にも努めて明るい表情で「もーっみんな大げさっ! たかが太ももだよぉ!?」と愛想を振りまいたのだ。
 そして、対照的な二人を見ていた男子からは「さっすが美玖ちゃん優しーっ どっかの男女さんとは大違いっスわ やっぱモテるのはあーいう子だよなーっ」という声が上がる。
 このシーンは、日本の女性がいま、おかれている状況を象徴しているといっていいだろう。セクハラや痴漢などにあった女性は被害者であるはずなのに、その被害を告発すると、とたんに日頃のおこないや服装をあげつらわれ、「そんな格好をしているからだ」「そんな夜に出かけるからだ」など攻撃を受ける。そして、セクハラや痴漢を受け流して、やり過ごすことのできる女性が「できる女」「性格のいい子」としてもてはやされる。
 しかし、受け流している女性たちもけっして「たいしたことがない」と思っているわけではない。同じ怒りが渦巻いているにも関わらず、男社会のなかで生きていくにあたり、男の論理を内面化してしまったにすぎない。ある意味、ストレートに怒りを告発できる女性よりも、心の奥底ではもっと深く傷ついているケースもある。
 ところが、現実には、女性のなかで “男を告発する女”と“男に媚びる女” に二分化、“女と女の戦い”に矮小化され、分断と対立だけがどんどん進んでいっている。
『さよならミニスカート』はたった1話で、そうした女性の生きづらさをみごとに表現したのだ。
「りぼん」編集長は「このまんがに無関係な女子はいない」と
 しかも、このマンガは、フェミニズム的な価値観を啓蒙するだけ、というような単純な作品ではない。
 前述したように、主人公の神山は、アイドルグループのセンターをつとめていたが、握手会の最中にファンから切りつけられるという過去をもっている。しかし、第1話では、その「アイドル」を、たんに男の性的欲望のはけ口ではなく、むしろ女性を性的抑圧から自由にする存在でもあることを示唆している。
 つまり、『さよならミニスカート』は、「男社会の論理に踊らされていることに気づく」だけのストーリーでなく、まさに「女子のなかで無理やり進行させられている分断」を乗り越える物語ではないのか、そういう予感がするのだ。
 前出の「りぼん」相田編集長はホームページ上にこんな言葉も載せていた。
〈このまんがに、無関心な女子はいても、無関係な女子はいない。今こそ、読んでください。今こそ、すべての女子に捧げたい〉
 これからどのようなかたちで物語が展開されていくのか。注目の連載である。


EU、夏時間廃止の方針=市民調査で84%希望−欧州委、加盟各国に提案
 【ブリュッセル時事】欧州連合(EU)欧州委員会は31日、EUが採用している現行の夏時間制度の廃止をEU加盟各国と欧州議会に提案すると発表した。欧州委が実施したEU市民への意見調査で、約460万件の回答のうち、夏時間の廃止希望が84%に上ったことを踏まえた。
 ユンケル欧州委員長は同日、ドイツの公共放送ZDFに対し、「何百万人もの市民がもう時間を変更したくないと言っており、欧州委は彼らの言う通りにする」と語った。
 EUは現在、3月の最終日曜日に時計を1時間進め、10月の最終日曜日に元に戻す制度の実施を加盟28カ国に義務付けている。
 欧州委が31日公表した調査結果(速報)では、84%が廃止を要望。76%が夏時間制度による年2回の時間変更を「非常に悪い」あるいは「悪い」経験だと回答した。廃止を希望する具体的な理由としては、健康への悪影響や交通事故の増加、省エネ効果がないことなどを挙げた。
 調査結果や欧州委の判断は、2020年の東京五輪・パラリンピックの暑さ対策として夏時間導入を検討している安倍政権の議論にも影響を与えそうだ。


狭山事件 再審求め弁護団が新たな鑑定結果を提出
55年前、埼玉県狭山市で女子高校生が殺害された「狭山事件」で無期懲役が確定し、再審・裁判のやり直しを求めている男性の弁護団が、有罪の有力な証拠の1つとされた万年筆は事件とは関係がないとする専門家の鑑定結果を裁判所に提出しました。
55年前の昭和38年、埼玉県狭山市で、女子高校生が殺害された「狭山事件」で無期懲役が確定し、仮釈放された石川一雄さん(79)は無実を訴えて、再審・裁判のやり直しを求めています。
狭山事件の裁判では、石川さんの自白に基づき、自宅から見つかった万年筆が、被害者が持っていたものと同じタイプだったことが有罪の有力な証拠の1つとされました。
弁護団は万年筆で文字が書かれた紙がおととし、検察から証拠開示されたため、インクの成分の鑑定を専門家に依頼したところ、被害者が事件の直前に学校で書いた文字からは金属の「クロム」という成分が検出されたものの、石川さんの自宅で見つかった万年筆で書かれた文字からは検出されなかったということです。
この万年筆をめぐって弁護団は被害者の万年筆のインクとは色が異なるとする鑑定書もおととし、提出しています。
弁護団は、有力な証拠とされた万年筆は事件とは関係ないことが、改めて明らかになったとして、30日、再審について審理している東京高等裁判所に鑑定結果を提出しました。
弁護団は「今回の鑑定結果は有罪判決を突き崩す決定的な新証拠だ。1日も早く、再審を開始すべきだ」と話しています。石川さんの再審の訴えはこれまでに2回、退けられています。