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Japon: transgenre et mariée, l’insoluble équation
Un inextricable imbroglio administratif: c’est ce à quoi est confrontée Elin McCready depuis que cette Américaine transgenre, qui vit à Tokyo, tente de faire reconnaître son nouvel état civil au Japon, où le mariage homosexuel n’est pas autorisé.
Enregistrer son identité féminine sur sa carte de résidente permanente au Japon a d’abord semblé facile. Les fonctionnaires n’ont pas tiqué quand elle a présenté son nouveau passeport américain.
C’est après que les choses se sont gâtées, car les modifications apportées aux cartes de séjour doivent également être enregistrées auprès des autorités locales, en l’occurrence une mairie d’arrondissement de Tokyo.
Et là, problème: le fait de devenir femme avait aussi pour conséquence pour Elin de la faire devenir épouse d’une autre femme, celle avec laquelle elle s’était mariée il y a 19 ans.
Lorsque les responsables locaux se sont rendu compte du ≪ hic ≫, que Mme McCready était mariée à une autre Mme McCready, le processus a été interrompu. Un cas comme ça, la machine bureaucratique japonaise ne le prévoit pas et ne l’accepte pas, parce que c’est contraire à la loi qui n’autorise pas le mariage homosexuel.
≪ Nous sommes mariés depuis presque 20 ans déjà, notre mariage est dans les règles, il est légal. Mais c’est devenu un mariage entre deux personnes de même sexe et c’est donc un problème pour eux ≫, explique Elin McCready à l’AFP.
≪ Ils ont envoyé le dossier à la municipalité de Tokyo, laquelle n’a pas non plus voulu prendre de décision et l’a envoyé au gouvernement national. Notre cas est étudié en commission depuis plus de trois mois ≫, ajoute cette femme de 45 ans, professeure de linguistique à l’Université Aoyama Gakuin de Tokyo.
≪ Les options envisageables pour le gouvernement japonais à l’heure actuelle sont soit de dire: d’accord, nous permettons votre mariage, ce qui reviendrait à créer un précédent pour le mariage entre personnes de même sexe, soit dire: non, nous ne permettons pas votre mariage. Et dans ce cas, ils doivent annuler unilatéralement l’enregistrement de notre mariage sans notre consentement ≫, résume Elin. ≪ Il n’est pas certain non plus qu’ils aient même la possibilité légale de le faire ≫, précise-t-elle.
Combat pour les autres
Contacté par l’AFP, un responsable du registre des résidents étrangers du ministère des Affaires intérieures indique que ≪ les autorités continuent de discuter de ce cas, en sollicitant les ministères concernés ≫, mais sans livrer de détails sur l’avancée du débat.
Elin est la première personne à avoir présenté aux autorités japonaises un tel dilemme, dû au fait qu’elle est étrangère et a changé de sexe hors du Japon.
La loi japonaise, elle, précise qu’une personne transgenre ne peut modifier son état civil que si elle remplit certaines conditions, dont celles d’être célibataire, de ne pas avoir d’enfant mineur et de ne pas avoir la capacité de procréer.
Une décision de la Cour suprême a récemment confirmé ces conditions, qui peuvent obliger les personnes transgenres à subir une stérilisation afin de changer leurs documents.
Elin McCready, en tant que résidente permanente au Japon, ne court pas le risque de l’expulsion même au cas où son union maritale serait annulée. Elle veut néanmoins se battre, car ce combat peut profiter à d’autres.
- Politiques en retard -Elle et sa femme japonaise Midori ont trois fils âgés de 17, 16 et 9 ans. La famille se dit toujours très unie, en dépit du changement de sexe du père, qui ne s’est pas cependant fait sans remous.
≪ Cela a été compliqué, comme vous pouvez l’imaginer ≫, confie Elin, qui assure que le couple a trouvé un mode de vie pour préserver leur relation et affronter les regards extérieurs.
≪ Heureusement, mes parents sont plutot ouverts d’esprit et nos amis aussi ≫, précise Midori.
Leurs fils ont, disent-elles, rapidement accepté la transition et corrigent maintenant les personnes qui utilisent l’ancien prénom d’Elin.
≪ Ce qui n’a pas changé, c’est l’importance de notre famille pour nous deux et le fait qu’aucun de nous n’a le moindre désir de partir et de former un nouveau foyer ≫, assure Midori.
Le mois dernier, un sondage a montré que 78 % des personnes âgées de 20 à 59 ans au Japon étaient favorables à la reconnaissance du mariage homosexuel. Mais le soutien diminue avec l’âge des personnes interrogées. Quant à la classe politique, elle est très en retard sur ce plan et ne manifeste pas la moindre envie de changer la législation.
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法円坂で福島の写真展があるというので出かけました.大阪城公園の南で意外に遠いです.暖かくいこともあって汗かきました.
夜スープ作りの動画見ました.びっくりです.

被災地から王者を 仙台の元ボクサー 南蒲生にジムオープン
 東日本大震災で大きな被害を受けた仙台市宮城野区南蒲生地区に、ボクシングジムがオープンした。元プロボクサーの阿部忠彦さん(46)が、震災後に建て替えた生家の敷地内に開いた。幅広い年代層にボクシングの魅力を伝えるとともに、被災した地域のにぎわい創出拠点として地元の期待も高まっている。
 「SENDAI新港ボクシングジム」の名称で1月中旬、宮城県道塩釜亘理線沿いに開設された。鉄骨平屋の建物のうち約100平方メートルにリング、サンドバッグ、筋肉トレーニング機器を置いた。開設1カ月で20代から60代まで市内外の12人が入会し、日々汗を流している。
 阿部さんは仙台育英高時代、元日本ウエルター級王者の佐藤仁徳さん(宮城県七ケ浜町出身)らを輩出した仙台ジム(現・新日本仙台ジム)に入会。ハードパンチャーとして佐藤さんとほぼ同時期にプロの世界で活躍し、10回戦でけがなどを理由に引退した。
 「王者にはなれなかったが、競技を通じて生きる力や人生の方向性を学んだ。ボクシングの楽しさを後進に伝え、愛好者を少しでも増やしたい」とジム開設の理由を説明する。
 当面は希望に応じたフィットネスの利用やアマチュア選手の育成に力を入れる。将来は市内で2カ所目となるプロ養成ジムを目指すという。
 ジム周辺は津波で被災した。若林区に住んでいた阿部さんは震災を機に妻、3人の娘と郷里に戻り、全壊した生家を再建。沿岸漁業やレストランを営みながらジム開設の準備を進めてきた。
 南蒲生町内会長の松岡和雄さん(76)は「住民の減った地域を若い発想で盛り上げてほしい。いつの日か被災地からチャンピオンが誕生することを願っている」とエールを送る。
 阿部さんは「東北、宮城の競技レベル底上げに貢献し、いつかは(格闘技の聖地と呼ばれる)東京・後楽園ホールを満員にする選手を育てたい」と話す。
 ジムは午後3〜9時。毎週火曜と祝日が休み。連絡先は阿部さん090(3367)8345。


<震災8年>人口減少 想定以上 市町村4割 展望見直し
 東日本大震災で被害を受けた岩手、宮城、福島3県の計42市町村の約4割に当たる17市町村が、人口の将来展望を示す地方人口ビジョン=?=の見直しに着手したか、検討を進めていることが河北新報社の調査で分かった。間もなく震災から8年。被災地で人口減少が想定以上に進み、最新の推計とのズレが生じていることなどが理由だ。
<最新推計と開き>
 河北新報社は42市町村を対象に実施した首長アンケートで、ビジョンについて尋ねた。「改訂に着手」が改訂済みの1町を含めて10%(4市町)、「改訂を検討」は31%(13市町村)で、合わせて約4割に上った。
 宮城県南三陸町は昨年4月にビジョンを改訂。2040年の目標を9386人としていたが、15%減の8000人に引き下げた。佐藤仁町長は「ありのままの姿で推計した」と説明する。
 42市町村は大半が15年度末までにビジョンを策定し、40年時点の目標人口を試算した。ただ、国立社会保障・人口問題研究所(社人研、東京)が18年3月に公表した最新の人口推計に比べ、多くの市町村が人口減の推計を緩やかに見積もっている(グラフ)。
 石巻市の場合、ビジョンで40年の目標を約12万人と想定する一方、社人研の推計は9万7000人にとどまり、2万人以上の開きがある。
<出生率改善頼み>
 市町村、社人研とも、震災後の転出や住まい再建など短期的な人口移動については加味しており、目標と推計の開きは前提とする出生率の差が大きく影響している。
 多くの市町村は、女性1人が生涯に産む子の数・合計特殊出生率が1.43(13年)から2.07(40年)に上昇する目標を掲げる国に従い、2以上に改善する前提で推計を出している。
 社人研は「東北は出生率が上昇する傾向がほとんどみられない」として、現実に即した数値を地域ごとに適用。市町村策定のビジョンより人口減が加速する推計値となった。
 社人研の小池司朗・人口構造研究部長は「盛岡、仙台両市から遠い地域ほど落ち込みが激しい。復興後のまちづくり次第で、流入人口が増えて人口減が緩和する可能性はある」と話す。
 社人研は、原発事故避難者の帰還動向が見通せないとして、福島県内の市町村の推計は出していない。
[地方人口ビジョン]日本の人口の将来展望を示す国の長期ビジョンを参考に、都道府県と市区町村が2016年3月末までに作成。各自治体が同時にまとめる人口減少対策の5カ年計画「地方版総合戦略」の基礎資料となる。長期ビジョンは合計特殊出生率が40年に2.07程度に上昇すれば、60年に人口1億程度を維持できると想定。多くの自治体の地方人口ビジョンは国と同様の出生率向上に加え、移住者や定住者を増やすなどして人口流出を食い止めることを前提にしている。


<震災8年>被災地の人口推計 沿岸部 減少幅大きく
 東日本大震災の被災地が深刻な人口減少に直面している。子どもを生み育てやすい環境を整え、魅力あるまちづくりを進め、いかに減少を食い止めるか。被災地のリーダーたちは想定を上回る人口減少に危機感を強めている。
 国立社会保障・人口問題研究所(社人研)による2045年までの岩手、宮城両県沿岸部の人口推計はグラフ、大型表の通り。福島県については市町村別推計を行っていない。
 岩手県沿岸部は震災前年の10年の約27万4000人に対し、45年の推計は約13万人少ない約14万4000人とほぼ半減する。10年を100とした場合、45年の県全体の人口は66%だが沿岸部は53%で、減少幅は13ポイントも大きい。
 仙台市を除く宮城県沿岸部は10年は約66万3000人だったが、45年は34%減の約43万9000人。県全体の減少幅(23%減)より11ポイント高い。
 河北新報社が実施した首長アンケートで人口減少対策を尋ねたところ、厳しい意見が相次いだ。陸前高田市の戸羽太市長は「現状ではなかなか打開策を見いだせない」と吐露。宮城県南三陸町の佐藤仁町長は「財政への影響や地域の活力が衰退する懸念がある」と将来への不安を記した。
 大船渡市の戸田公明市長は「復興の根本に関わる生産年齢人口の減少にどう立ち向かうか。いかに少子化に歯止めをかけるかといった課題に取り組む必要がある」と指摘。結婚支援や子育て支援などを重視し、出生数を増やして自然増を目指す。
 「出産、子育て分野は国の積極関与が必要」と訴えるのは気仙沼市の菅原茂市長。「各自治体による地方創生の切磋琢磨(せっさたくま)が望ましい」とも主張し、地域の魅力を高めて人口流入を促す社会増を視野に入れる。
 福島県広野町の遠藤智町長は「ファミリー世代の増加を図ることが最重要課題」と強調。住宅施策や企業誘致、子育て支援に重点を置く。
 仙台圏は45年の人口減少率が県全体より小さい。名取市、利府町は100万都市仙台のベッドタウンとして、逆に人口が増える見通しだ。七ケ浜町の寺沢薫町長は「このエリアは都市部への人口回帰が進むと思われる」と推測する。
 仙台市の郡和子市長は、東京圏への人口流出を懸念。「雇用の確保につながる地域経済の活性化、若者の地元定着に結び付く取り組みを進める」と回答した。


テディベア 復興の一助に 試作第1号をオークション 落札額は岩手県に寄付
 ドイツの老舗縫いぐるみメーカー「シュタイフ」の東北唯一の取扱店「シュタイフ盛岡」(盛岡市)が、2011年に発売したテディベアの試作品をオークションに出品した。落札額は岩手県に寄付し、東日本大震災の復興支援に役立てられる。入札は28日まで。
 出品したのは「テディベアレプリカ1906キャラメル」の試作第1号。シュタイフ社が製造するテディベアの中でも特に人気の1906年製の復刻版で、震災発生の年に世界中で販売された。
 所蔵していたドイツ本社から昨年「震災復興のために」とシュタイフ盛岡に届けられた。代表の岩渕公二さん(61)は「世界に一つしかない縫いぐるみ。テディベアを愛し、被災地に思いを寄せる人に応募してほしい」と話す。
 入札は10万円から。所定の用紙に必要事項を記入し、郵送または持参する。連絡先はシュタイフ盛岡019(625)1880。


SDGsと被災地/事業手法を転換する契機に
 国連が掲げる「持続可能な開発目標(SDGs)」を推進する機運が全国の自治体で高まっている。貧困の解消、健康、衛生の確保、気候変動への対策といった地球規模の困難に対応していくのが狙いだ。こうした枠組みは地域の持続可能性を探る自治体、とりわけ東日本大震災の被災地の課題解決に通じる。
 SDGsは2015年の国連サミットで採択された。世界が直面する17分野の課題に対し、計169の具体的目標を設定。「われわれは地球を救う機会を持つ最後の世代になるかもしれない」という各国共通の危機感の下、「誰一人、取り残さない」とうたい上げた。
 津波で市街地の65%が浸水し、1000人を超す人的被害に見舞われた東松島市は昨年6月、内閣府が選定する「SDGs未来都市」として全国29自治体の一つに選ばれた。同市の最大の課題は、震災で加速した少子高齢化と人口減少への対応だ。
 全庁の施策に反映させる「SDGs未来都市計画」を策定。30年の地域目標を「人口減を食い止め、地域社会・経済を成長軌道に乗せる」と明示した。コミュニティーの再構築、雇用や暮らし、教育の市民満足度、再生可能エネルギー導入など達成すべき11の数値目標を設けている。
 自治体にとって、SDGs推進の意義は政策の立案と遂行の手法にある。
 現状の課題を「経済」「社会」「環境」の三つの側面から捉えることで、それぞれを統合し、最適化させる政策が立案できる。地域戦略と地球規模の優先課題を結び付ければ、施策の方向性が先々の社会情勢とずれていくリスクを抑制できるメリットも見込まれる。
 裏返すと、過去の施策の反省が見えてくる。震災後に展開されたがれき処理、防潮堤建設、災害公営住宅の整備といった巨大事業、コミュニティー形成などソフト施策は、時間とともに欠陥や欠点が次々と露呈している。
 リサイクルの視点を欠いたがれき処理は経費の巨額化を招き、迅速さを優先したインフラの復旧はまちづくり・観光振興との齟齬(そご)を生んだ。仮設住宅や災害公営住宅での孤立などコミュニティー問題を含め、持続可能性と相いれない実態がある。
 震災の混乱という特殊事情はあるものの、直線的、あるいは縦割りという従来型の事業手法のひずみが、ここにきて顕在化したとも言える。
 理想主義とも言われるSDGsだが、「地球を救う」手だては政治、行政、企業などの当事者による一つ一つの行動の総和でしかない。
 被災地は新たなまちづくりが進み、既存の事業手法を転換する好機にある。被災地の復興で見いだす持続可能性の新たな答えは、地球規模の社会課題解決に通じることをかみしめたい。


河北春秋
 山形新幹線に乗ると、楽しみな弁当がある。JR米沢駅の手前で車掌が注文を聞き、同駅で積んだ弁当を売り子さんが届ける。名物の甘じょっぱい牛肉の弁当にささやかな旅情を味わった。それら弁当の車内販売が東北、北海道などの新幹線で来月15日を限りに終わる▼JR東日本によると、車内販売のワゴンから沿線の土産品も消え、飲み物や菓子、つまみ、雑貨類のみに。「やまびこ」では販売そのものがなくなる。「車内の売り上げが減った。人手不足の折、販売員の確保も厳しい」▼弁当が不人気なのか。いや、東京駅では全国の名物駅弁を並べる店が繁盛し、米沢の牛肉の弁当も人気と聞く。テークアウトの弁当店も増え、客が品比べをして買える。そうした「『駅ナカ』の充実も車内販売に響いた」と同社▼今、新幹線で仙台−東京間は最速1時間半。あっという間の便利さだ。出張の帰路など「晩飯は家に帰ってからゆっくり」と、余裕ができたことも、車内で弁当を食べる習慣を変えたのでは。変化はまだある▼「隣で弁当の臭いを漂わせないで」。こんな苦情を言われた経験はないが、最近ネットなどで、新幹線も含め「列車内の食事はマナー違反」との意見が多いことに驚く。相席の客に弁当やミカンをお裾分けした旅ははるか昔だ。

東京五輪パートナーである新聞大手4紙がやるべきこと
 東京五輪をめぐる事件や不祥事、暴言・妄言のたぐいが後を絶たない。今度はサクラダなる手合いが、白血病を公表した水泳選手に、「本当にガッカリ」「盛り上がりが下火にならないか心配」だと。
 選手を己の野望を満たすための手駒としてしか見なしていないゆえのゴミ発言だ。つくづくアベ政権とはカスの集団である。もちろん、そんなものに支配者面を許している日本国民というのも下等の極みではあるのだが。
 バカげた連鎖に歯止めをかける最善の選択は、当然、五輪の返上である。が、この状況では叫びにくい。池江選手を悲しませたくはないし、すでに現実的でなくなってしまっているのも確かだ。
 そこで提案する。どうせ3等国のゲス五輪なら、まだしも“よりよく悪くする”よう仕向けさせることはできないか。実際、そうすべき責任を負っている連中がいるのだ。
 朝日、読売、毎日、日経の全国紙4社である。彼らはJOCとの間でオフィシャルパートナー契約を締結。報道機関であることを放棄して、今や五輪ビジネスの当事者以上でも以下でもない。
 だからこそ、一から十まで嘘まみれの五輪をまともに批判することもなく、政府の下僕として、国民を操ることに専心してきた。権力にオネダリして消費税の軽減税率をゲットした経緯もあり、読者の信頼は地に落ちた。
 五輪商売で濡れ手で粟の大儲けを果たしたとしても、大会が終わり、軽減税率のエサに釣られて国民を改憲バンザイへと誘った後は用済みだ。片っ端から潰れていくのは目に見えている。
 だからこの際、せめて五輪だけでもまともになるよう努力していただく。具体的には、サクラダも贈賄容疑のJOC会長も辞めさせる。会場建設に伴うゼネコン利権をぶち壊す、五輪と“愛国心”と絡めた教育ならぬ調教を止めさせる。ブラックボランティアに対価を支払う等々、商売の当事者ならではの取り組みが、いくらでもできるはずだから。
 そこまでやったとしても、読者の信頼は容易には回復すまい。だが、この程度のことさえ試みず、ただ今のまま、ヒトラーのベルリン五輪もどきの東京五輪でプロパガンダ役を担い、アベ政権が夢見る“米国とともにある戦争大国”に向けた国威発揚の片棒を担ぎ続けるのであれば、もはや新聞には存在意義など皆無だと覚悟しておいてほしい。
 私は新聞を愛している。だから言わずにはいられない。誇張でも何でもなく、正念場なのである。


官邸文書申し入れ問題 記者イジメなぜ内閣記者会ダンマリ
 これは戦前の治安警察法の「弁士注意」や「弁士中止」命令と同じ――。首相官邸が昨年12月、東京新聞記者の質問を「事実誤認」などとして、内閣記者会に対して「正確な事実を踏まえた質問」をするよう文書で申し入れた問題。弁護士や法律家、ジャーナリストが19日、参院会館で会見し、申し入れは「取材の自由、報道の自由への侵害」「文書をただちに撤回するよう要求する」とした緊急声明を読み上げた。
 呼び掛け人となったのは、梓澤和幸弁護士(東京弁護士会)、田島泰彦早大非常勤講師、服部孝章立大名誉教授の3人で、趣旨の賛同者は19日までで346人に上っているという。
「(官邸の申し入れは)12月28日。それが2月のアタマまで内閣記者会が沈黙していたのはなぜなのか」
 出席者が安倍政権の政治姿勢を批判する中で、内閣記者会の在り方に疑問を投げかけたのが服部氏だ。申し入れに対し、新聞労連は5日に「決して容認できない」と抗議する声明を発表したものの、“現場”となった肝心要の内閣記者会はダンマリを決め込んでいるからだ。
 会見の場で菅官房長官に脅し、スカシまがいの対応をされ、上村報道室長には質問を制限される。そんな状況にジワジワ追い詰められる東京新聞記者を目の前で見ていれば、菅氏や上村氏に向かって「おかしいだろう」と詰め寄るのがジャーナリストというものだろう。
 ところが、内閣記者会の記者たちは見て見ぬフリ。文句を言うどころか、東京新聞記者を冷ややかな目で黙って眺めているだけ。学校でイジメを受けている被害者の様子を傍観している卑怯な連中と何ら変わらない。
 1月25日の首相動静には〈東京・赤坂の中国料理店「赤坂飯店」。内閣記者会加盟報道各社のキャップと食事〉とあるが、誰かひとりでも安倍首相に向かって「あの申し入れはおかしい。撤回しろ」と迫った記者はいるのか。恐らくいないだろうが、内閣記者会が政権ベッタリだから、安倍政権がツケ上がるのだ。


【検証と見解/官邸側の本紙記者質問制限と申し入れ】 (上)国、投入土砂の検査せず 「辺野古工事で赤土」は事実誤認か
 首相官邸にある記者クラブの内閣記者会に上村(うえむら)秀紀・官邸報道室長名の文書が出されたのは昨年十二月二十八日。その二日前に行われた菅義偉(すがよしひで)官房長官の定例記者会見で、本紙社会部の望月衣塑子(いそこ)記者が行った質問に「事実誤認」があったとしていた。
 「東京新聞側にこれまで累次にわたり、事実に基づかない質問は厳に慎むようお願いしてきた」。会見はインターネットで配信されているため「視聴者に誤った事実認識を拡散させることになりかねない」とし、「記者の度重なる問題行為は深刻なものと捉えており、問題意識の共有をお願いしたい」とあった。
 記者会側は「記者の質問を制限することはできない」と官邸側に伝えた。
 官邸側が「事実誤認」としたのは沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設工事に関する質問で、本紙記者が「埋め立ての現場では今、赤土が広がっている。琉球セメントは県の調査を拒否し、沖縄防衛局が実態把握できていない」「赤土の可能性が指摘されているにもかかわらず、国が事実確認をしない」と述べた部分。
 官邸側は(1)沖縄防衛局は埋め立て材(土砂)が仕様書通りの材料と確認している(2)琉球セメントは県の立ち入り調査を受けている−として「質問は事実に反する」と指摘。「赤土が広がっている」という部分も「汚濁防止措置を講じており、表現は適切でない」と批判した。同じ日付で長谷川栄一・内閣広報官から臼田局長に抗議文書も送られてきた。
 実際はどうなのか。十二月十四日に土砂投入が始まると海は一気に茶色く濁り、県職員や市民が現場で赤土を確認した。県は一週間後に「赤土が大量に混じっている疑いがある」として、沖縄防衛局に現場の立ち入り検査と土砂のサンプル提供を求めたが、国は必要ないと応じていない。
 代わりに防衛局は過去の検査報告書を提出したが、検査は土砂を納入している琉球セメントが二〇一六年三月と一七年四月の計二回、業者に依頼して実施したものだった。
 そのため県は「検査時期が古く、職員が現場で確認した赤土混じりの土砂と異なる」として、埋め立てに使われている土砂の「性状検査」結果の提出を求めているが、これも行われていない。
 このような状況から本紙記者は「現場では赤土が広がっているのに、発注者の国は事実を確認しない」と発言したのであり、官邸側の「事実誤認」との指摘は当たらない。
◆「表現の自由」にまで矛先 内閣広報官名など文書 17年から9件
 長谷川広報官の申し入れ文書は「事実に基づかない質問は慎んでほしい」という抗議だけでなく、記者会見は意見や官房長官に要請をする場ではないとして、質問や表現の自由を制限するものもある。
 本紙記者は昨年一月の質問で、国連人権理事会のデービッド・ケイ氏が二〇一五年十二月一日から特定秘密保護法や報道の自由度の調査で来日を予定していたが、外務省が三週間前に面会を一年延期したことに触れ、「ケイさんが菅さん(官房長官)や高市(早苗)総務相(当時)に面会したいというときも、政府側がドタキャンしたという経緯があった」と述べた。
 官邸側は、ケイ氏は菅氏に面会を要請した事実はなく、高市氏も日程が整わなかったとして、ドタキャンしたとの質問は事実に基づかないと指摘してきた。
 臼田局長は「官房長官の面会予定があったと受け取れる箇所など、一部で事実誤認があった」と誤りを認める一方、「『政府側がドタキャンした』という表現は論評の範囲内だと考える」と回答した。ケイ氏の来日中止は当時、本紙や毎日新聞、共同通信も「日本政府の要請で突然延期になった」と報じていた。
 今月十二日の衆院予算委員会で、菅氏はケイ氏に関する質問を例に挙げ、「内外の幅広い視聴者に誤った事実認識を拡散させる恐れがある」と答弁した。だが、会見では菅氏も「ドタキャンなんかしてません」と即座に回答しており、記者の言いっ放しにはなっていない。
 昨年十一月、外国人労働者を巡る入管難民法改正案の国会成立について、本紙記者が「短い審議で強行に採決が行われましたが…」と質問したのに対し、長谷川氏から「採決は野党の議員も出席した上で行われたことから、『強行に採決』は明らかに事実に反する」と抗議がきた。
 採決の状況から本紙や他の新聞や通信社も「採決を強行した」と表現していた。それにもかかわらず本紙記者の発言を「事実に反する」と断じており、過剰な反応と言わざるを得ない。
 森友学園に対する国有地払い下げを巡る決裁文書の改ざん問題で、本紙記者が昨年六月、財務省と近畿財務局との協議に関し「メモがあるかどうかの調査をしていただきたい」と述べると、長谷川氏から「記者会見は官房長官に要請できる場と考えるか」と文書で質問があった。
 「記者は国民の代表として質問に臨んでいる。メモの存否は多くの国民の関心事であり、特に問題ないと考える」と答えると、「国民の代表とは選挙で選ばれた国会議員。貴社は民間企業であり、会見に出る記者は貴社内の人事で定められている」と反論があった。
<官房長官会見> 原則、月−金曜日の午前と午後に1回ずつ、首相官邸で開かれる。主催は内閣記者会。金曜日午後の会見は、内閣記者会に所属していなくても一定の要件を満たしたジャーナリストが参加できる。官邸のホームページで会見の動画を見ることができる。
<内閣記者会> 記者クラブの一つで、所属記者は首相官邸などの取材を担当している。記者会の常駐会員は新聞、テレビ、通信社の計19社。非常駐会員やオブザーバー会員として地方紙や海外メディアも所属していて、全会員数は185社に及ぶ。


【検証と見解/官邸側の本紙記者質問制限と申し入れ】 (中)1分半の質疑中 計7回遮られる
 記者会見の進行役を務める上村報道室長が、質問の途中で本紙の望月記者をせかすようになったのは一昨年秋から。「簡潔にお願いします」「質問に移ってください」と繰り返し、そのたびに質問は遮られてぶつ切りとなる。聞き取りにくく、時間がかかる結果となっている。
 本紙は今年1月22日、長谷川広報官に文書を送り、18日の沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設を巡る県民投票に関する二つの質問で、上村氏から途中に計8回、せかされたと伝えた。「お互いが落ち着いて質疑をするために、事務方の催促は最小限にしてほしい」と要請したが、その後も続いている。
 例えば安倍晋三首相がNHK番組で「(辺野古沖の)土砂投入にあたって、あそこのサンゴは移植している」と語った「サンゴ発言」などを巡る1月24日の二つの質問では、開始からわずか数秒で「質問は簡潔に…」とせかされ、以後も数秒おきに続いた。1分半ほどの短い質疑で、質問は計7回も遮られた。
 官邸側は本紙編集局長宛てに文書で、会見は記者が意見や政府への要請を述べる場ではないと主張、上村氏が質問を遮る理由にもなっている。ところが他社の記者の質問では、意見が交じって時間がかかっても遮ることはほとんどしない。
 沖縄の県民投票を巡り、今月14日にあった他社の記者の質問では、本紙記者よりもかなり長く質問し、最後に「そういうことがあってもいいのかなと思うんですけど、いかがですか」と意見を述べた上で、菅氏の見解を求めている。
 この記者は3問質問したが、本紙記者の場合、当てられるのは常に最後で、1問目が終わるといつも上村氏が「次の質問、最後でお願いします」と宣言するため、2問に限定されている。上村氏が本紙記者に質問妨害や制限を行っているのは明らかだ。
 望月記者は一昨年から森友・加計学園疑惑などで官房長官らに質問してきた。最近では「税を追う」キャンペーンに関連し、増大し続ける防衛予算や沖縄・辺野古の埋め立て工事などの質問を多く行っている。
 森友学園への国有地売却を巡る財務省の決裁文書改ざんのように、政府側の説明にはうそや誤りがあることがあり、それをスポークスマンである官房長官に質問するのは記者の重要な仕事だ。特定の記者に対する質問妨害に、政府側が嫌う記者を封じ込めようとする意図はないのか。
 本紙記者の質問制限を巡る山本太郎参院議員の質問主意書に、政府は「今後もやむを得ない場合には、司会者がこれまで同様に協力呼びかけを行う」と回答した。だが、比較検証したように本紙記者の質問は特別長いわけではない。狙い撃ちであることは明白だ。


【検証と見解/官邸側の本紙記者質問制限と申し入れ】 (下)会見は国民のためにある 編集局長・臼田信行
 官房長官会見での望月記者の質問を巡り、官邸から九回にわたり「事実に基づかない質問は慎んでほしい」などと申し入れがありました。一部質問には確かに事実の誤りがあり、指摘を認めました。
 しかし、多くは受け入れがたい内容です。昨年十二月に辺野古の工事を巡り、「赤土が広がっている。沖縄防衛局は実態を把握できていない」と質問したことに対し、官邸は事実に基づかない質問であり、赤土の表現も不適切だと申し入れてきました。
 本紙は今年一月、防衛省が沖縄県に無断で土砂割合を変更した事実や赤土投入が環境に悪影響を与えている可能性を報じました。記者の質問は決して「事実に基づかない」ものではなかったと考えます。 取材は、記者がそれまでに知った情報を会見などで確認していく行為です。官房長官は本紙記者の質問を「決め打ち」と批判しましたが、「決め打ち」なら会見で聞くことなどないでしょう。正しい情報を基に質問することが必要ですが、不正確な情報で問いただす場合もあり得ます。
 そんな時でも取材相手がその場で修正したり否定したりすれば済む話で、一般的には珍しくありません。権力が認めた「事実」。それに基づく質問でなければ受け付けないというのなら、すでに取材規制です。
 短い質問の途中で事務方が何度も質問をせかし、終了を促すのも看過できません。会見時間は限りがあり、「質問は簡潔に」との要請は理解できますが、こんなに頻繁に遮る例は他に聞きません。批判や追及の封じ込めとも映ります。
 記者会見はだれのためにあるのか。権力者のためでもなければメディアのためでもなく、それは国民のためにあります。記者会見は民主主義の根幹である国民の「知る権利」に応えるための重要な機会です。
 だからこそ、権力が記者の質問を妨げたり規制したりすることなどあってはならない。私たちは、これまで同様、可能な限り事実に基づいて質問と取材を続けていきます。


自衛官募集/首相の自治体批判に驚く
 筋が通らず、言い掛かりに等しい。このような発言が国のトップや与党内から飛び出すことに、改めて驚く。
 「都道府県の6割以上が自衛官の新規募集への協力を拒否している悲しい実態がある」。安倍晋三首相が先日の自民党大会でこう発言した。
 持論である憲法9条への自衛隊明記にも触れ、「この状況を変えよう」「(自衛隊の)違憲論争に終止符を打とう」などと呼び掛けた。
 歩調を合わせるように、自民党が所属国会議員に対し、募集対象者の名簿提出を地元市町村に促すよう、通達を出した。
 これでは多くの自治体が背を向けているように聞こえる。しかし実際は、約9割の市区町村が何らかの形で名簿作成に協力している。残りも大半は防衛省が情報提供を求めてないケースとされ、拒否しているのは全国で5自治体だけだ。
 首相は後に「都道府県」を「自治体」に訂正したが、そもそも発言が事実に即していない。「自衛隊を違憲とする勢力が阻害している」という印象操作の狙いがあったようだが、与党からも「憲法とは関係ない」との指摘が相次いでいる。
 自民党の通達も「地方への政治的圧力」となる恐れがある。どちらも撤回すべきだ。
 住民基本台帳を管理する自治体には個人情報保護義務がある。生命などにかかわる緊急事態や、法令の定めなどがなければ、同意なしに氏名、住所などの情報は提供できない。
 一方、自衛官募集は自衛隊法で「一部を自治体が行う」とされ、同法施行令に基づき防衛相が「必要な報告、資料」を求めることができる。ただし名簿提出の義務はなく、自治体は個人情報保護との整合性を考えて要請と向きあってきた。
 結果的に、名簿を提出する、名簿閲覧を認める、など市区町村の対応は分かれている。それでも事実上、ほぼ全ての対象者に関する情報入手が可能だ。
 高齢者など災害時の要援護者の名簿作成も、自治体は本人の話を聞くなどして慎重に進めている。プライバシーに関する議論を抜きに「名簿を出せ」という姿勢には、多くの人が違和感を覚えるのではないか。


いじめ自殺判決 悲劇招かぬ想像力を
 大津市の中学二年男子生徒=当時(13)=のいじめ自殺について、大津地裁は「いじめが自殺の原因。加害者は生徒の自殺を予見できた」という判断を下した。悲劇を招かないような想像力を育てたい。
 いじめをめぐる訴訟で「予見可能性」が認められたのは、一九九四年に神奈川県で起きた中二男子生徒いじめ自殺の判決などがあるものの、立証へのハードルは高く、否定される判例が多かった。
 大津の生徒は二〇一一年十月、自宅マンションから飛び降りた。大津市教育委員会は当初、生徒が元同級生からいじめを受けていたとしつつ「自殺との因果関係は不明」と説明した。
 遺族は一二年、市と元同級生三人を提訴。市の第三者調査委員会(弁護士や学識者)が「自殺の直接的要因は、いじめ」と結論付けると、市は一転因果関係を認め、一五年に遺族と和解した。
 元同級生側は、生徒の口の上にハチの死骸を乗せるなどの行為は「遊びの延長で、いじめとの認識はない。自殺の原因は別にある」と主張して裁判を続行、判決を迎えた。刑事捜査で滋賀県警は三人を暴行などの容疑で書類送検。大津家裁は二人を保護観察処分、一人を不処分としている。
 この日の判決は「元同級生二人の連日の暴行から、生徒は死にたいと望むようになった。他の原因はない」といじめの存在や自殺との因果関係を認めた。
 その上で「こうした行為の積み重ねは、一般に自殺の予見が可能な事態だったといえる」とも指摘し、元同級生三人のうち二人に損害賠償約三千七百五十万円の支払いを命じた。生徒の父親は、判決を評価し「被害者が司法救済を受けられる仕組みづくりを急いでほしい」と語った。
 この事件をきっかけに制定された「いじめ防止対策推進法」は、心身への重い被害や長期欠席を「重大事態」とし、「国や地方自治体への報告」を学校に義務付けた。インターネットを通じたいじめの監視強化も盛り込んだ。
 しかし、法律ができても、いじめはなくならない。文部科学省によると一七年度、全国の小中高などでのいじめ認知件数は四十一万余件で過去最多。「人が集まればいじめは起きる」という前提に立った方がいい。「根絶」を唱えるのではなく、いじめ被害が深刻な悲劇にまで発展しないように「被害を隠されない仕組み」や「いじめからの逃避を認める社会」づくりへの知恵を絞りたい。


大津のいじめと自殺 因果関係を明確に認めた
 いじめは人の命を危険にさらし、いじめた側は重大な賠償責任を負う。いじめの根絶に向けた司法の強い決意が表れた判決だ。
 2011年に大津市の中学2年男子生徒がいじめの末に自殺した事件について、大津地裁が元同級生2人の暴行が原因だったと、因果関係を明確に認めた。
 市が設けた第三者委員会はすでにいじめが自殺につながったと認め、市は遺族に和解金を支払っていた。だが、元同級生らは「遊びの延長だった」と否定したため、遺族が訴えていた。
 判決によると、最初は友人関係だった元同級生らがいじる側に、男子生徒がいじられる側になる関係が固まり、男子生徒に対する暴行が次第にエスカレートしていった。そして男子生徒は次第に孤立感・無力感を感じるようになったという。
 判決は「暴行の積み重ねで、元同級生から逃れられないという心理状態に陥り自殺することは、一般に予見可能といえる」との判断を示した。
 通常、いじめと自殺との関連については、どのくらいの程度なのかや、要因が複合的に重なる点などがあり、認められにくい。
 だが今回の裁判では、第三者委員会の報告書や、2人が保護観察処分となった家庭裁判所の事件記録など膨大な証拠が提出された。そうした事実を積み上げて、いじめが引き起こす重大性を認定した今回の司法判断には大きな意義がある。
 一般に、遺族は学校で何が起こっているのか知るすべがない。加えて、早く沈静化しようとする学校や教育委員会は資料を出し渋ることが多い。大津市も当初はそうだったが、反響の大きさが市の姿勢に風穴を開けた。
 認められた賠償額は、男子生徒が生きていた場合の将来の利益や慰謝料などで、ほぼ請求通りの約3750万円だった。20代の被告にそれだけの支払い能力があるのか、他の事件被害者と比べて妥当なのか、などの議論を呼ぶだろう。
 警察まで乗り出し、「いじめ防止対策推進法」制定のきっかけとなった事件である。何が問題点なのかを把握して再発防止につなげるためには、学校や教委が事実の解明に全面的に協力する姿勢が欠かせない。


大津いじめ判決  悲劇繰り返さぬ社会に
 大津市の中学2年の男子生徒がいじめを苦に自殺した問題で、大津地裁はいじめと自殺の因果関係を認め、元同級生2人に約3700万円の賠償を命じた。
 遺族の提訴から7年余り。問題は社会に大きな波紋を広げ、いじめ防止対策推進法成立のきっかけとなった。いじめと自殺の因果関係が認められる例はまれだという。
 判決を重く受け止めたい。命令を受けたのは元同級生だが、悲劇を繰り返さない社会をどうつくるのか、厳しく問われているのは大人である。
 判決は「自殺はいじめが原因で、予見可能だった」とした。「友人関係を上下関係に変容させて固定化し、男子生徒を精神的に追い詰めた」と判断。いじめではなく遊びの認識だったという元同級生側の主張を退けた。
 近年は「いじり」と呼ばれる行為があり、外部から見るといじめとの境界があいまいだ。被害者は笑っていても、内面では深く傷ついているともいわれる。
 当事者の子どもはもちろん、学校や保護者ももっと被害に敏感になるべきだ。判決はそう問いかけているようにも思える。
 大津の問題を受けて、さまざまないじめ対策が取られるようになったが、いじめを苦にした自殺は後を絶たない。
 全国の小中学校、特別支援学校の2017年度のいじめ認知件数は過去最多の41万4378件だった。被害の掘り起こしが進んでいるともいえるが、ようやく実態把握の緒に就いたとみるべきだ。
 今回の問題では学校・市教委の隠蔽(いんぺい)体質が批判を受けた。重大ないじめの調査のため全国の教委が設置する第三者委員会についても、文部科学省は「特別な事情がない限り、調査結果は公表が原則」との立場だが、報告書が公表されないケースが少なくない。
 具体的な事例から学ばないと、教訓は生かせない。子どもを守ることより、組織防衛や事なかれ主義が前に出る現状を変えない限り、いじめは根絶できないと認識するべきだ。
 施行から5年が過ぎたいじめ防止対策推進法は、超党派の国会議員が改正に向けた議論を進めている。より実効性のある対策が求められる。
 近年はパワハラやセクハラなど個人を傷つける事案に、社会が厳しい目を向けるようになった。体罰や虐待も含め、子どもを取り巻く環境だけが旧態依然であってはならない。今回の判決を、いじめをなくす契機としたい。


レオパレス不正 住宅業者たる資格を疑う
 賃貸住宅業者として、体を成していないのではないか。
 賃貸大手のレオパレス21が建てたアパートに建築基準法違反や、その疑いのある物件が多数見つかり波紋が広がっている。
 石井啓一国土交通相がきのう記者会見し、同社が昨年4月と5月に公表した施工不良について、173自治体が1895棟の建築基準法違反を先月末時点で認定したと発表した。
 同社はこれとは別に今月、福岡、佐賀、熊本、大分の九州4県を含む33都府県の1324棟で外壁や天井などの耐火性能や遮音性での施工不良を公表し、最大で1万4千人に転居を求める異常事態を招いている。
 入居者の安全や生命を軽視した言語道断の事態だ。補修・修繕に全力を挙げるとともに、なぜ、ずさんな建物が建設されたのか原因解明が急務だ。
 レオパレスでは昨春、延焼防止や遮音のための天井裏の仕切り壁が設置されていないなど法令違反の疑いのある物件が見つかり、現在、手掛けた4万棟近くの物件を調査している。
 次々に発覚する不正はお粗末極まりない。建築基準法が定める耐火基準に反して外壁の内部に耐火性能の劣る部材を使っていた▽天井材を二重に張るべき所を一重にしていた▽部屋と部屋を仕切る壁部分に遮音性能の劣る部材を使用していた−など法令順守意識、そして社業への誠実さを根底から欠いている。
 同社は施工不良の原因を「現場が納期を急いだため」などと説明しているが、不良物件は全国に広がり、数も多過ぎる。会社ぐるみの組織的な不正だったのではないか。徹底的な真相の究明を求めたい。
 同時に、なぜ施工不良が見過ごされてきたのかも検証すべきだ。一般に建物を建築する場合、建築確認に始まり中間検査、完了検査が行われる。着工前と完成後の検査も重要だが、こうなると工事が適切に行われているのか点検する施工途中の中間検査をより重視する必要がありはしないか。国土交通省はきのう、再発防止策などの策定に向け有識者検討会設置を決めた。コストや労力の面で課題はあろうが、行政によるチェック機能強化も検討してほしい。
 レオパレスは、地主(オーナー)から賃貸アパート建築を受注し、完成後に一括で借り上げ、家賃保証した上で入居者に転貸しする「サブリース」を武器に成長してきた。一連の不正は入居者に大きな不安を広げ、家賃収入減額などでオーナーとのトラブルも多発させている。
 入居者、オーナーに誠実に向き合わねば、住宅業者としての資格を欠くと言わざるを得ない。当然、出直しも望めない。


平和賞にトランプ氏推薦 政治利用の度が過ぎる
 お追従にもほどがある。そう言わざるを得ない。昨年、安倍晋三首相がトランプ米大統領側からの依頼に応え、同氏をノーベル平和賞の候補に推薦していたことが分かった。トランプ氏自身が先週、記者会見で自慢げに語って明らかになった。おととい国会で真偽を問われた首相は言葉を濁したが、複数の日本政府関係者が認めている。
 トランプ氏は北朝鮮との緊張をある程度緩和したと言えるかもしれない。だが核兵器削減に背を向けているばかりか、人権意識の欠如や排外主義は、国際社会から批判を浴びている。にもかかわらず平和賞に推薦したのでは、日本の国際的な信頼を失いかねない。
 「リーダーシップを高く評価している」。おととい衆院予算委員会で、首相はトランプ氏をそう持ち上げた。北朝鮮の核・ミサイル問題の解決へ果断に対応し、歴史的な米朝首脳会談も果たしたという認識を述べた。
 しかしその会談も、成果を上げたとまでは言えない。核・ミサイル問題も拉致問題も解決には至っていない。
 立憲民主党会派の議員からの批判に、首相はこうも答えた。「御党も政権を奪取しようという考えなら、同盟国の大統領には一定の敬意を払うべきだ」。政権の座に就けば、対米従属はやむなし、と言うのだろうか。
 高く評価しているというのなら、なぜ推薦したと認めないのか。国民の納得が得られるように説明すべきだ。
 推薦者と被推薦者を50年間明かさない―というノーベル賞委員会のルールを持ち出し、事実関係を認めない理由としたが、各国に義務はあるまい。実際、推薦されたトランプ氏本人が明かしているのだ。その「暴露」に抗議しないあたり、やはり米国には物が言えないのか。
 10年前、前大統領のオバマ氏は「核なき世界」を提唱して平和賞を受けた。そのスローガンこそ尻すぼみになりはしたが、トランプ氏はどうだろう。
 中距離核戦力(INF)廃棄条約の破棄をロシアに通告し、イラン核合意からの離脱も表明した。小型核弾頭の製造も進めるという。核兵器削減という世界的な流れに逆行するものだ。
 やはり平和賞受賞団体の核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN=アイキャン)が国連の採択に道を開いた核兵器禁止条約にも反している。被爆国として決して容認するわけにはいかない。
 さらに地球温暖化防止に向けたパリ協定からの離脱表明で、国際協調を揺るがしてもいる。一体どこが平和賞にふさわしいというのか。
 このところ日本政府はトランプ氏のいいなりになっているように映る。地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」や最新鋭ステルス戦闘機F35を言い値で購入するなど、いずれも米側の意向に沿うものだ。
 さらにトランプ氏の来日を、5月26日で調整していることが分かった。新天皇が即位した後の最初の国賓として迎え、機嫌を取る意図がうかがえもする。
 トランプ政権としては同盟国による平和賞推薦を功績として大統領再選に弾みをつけたいのだろう。だが日米両国ともノーベル平和賞を政治利用しようとの思惑が強過ぎる。真にふさわしい人物、団体に贈られることを願うばかりである。


ノーベル平和賞 トランプ氏推薦 本気か
 本当ならば驚きを禁じ得ない。
 トランプ米大統領が安倍晋三首相からノーベル平和賞候補に推薦されたと明らかにした。
 昨年の米朝首脳会談を機に「上空を飛来する(北朝鮮の)ミサイルへの懸念が消え去り、安心感を得るようになったからだ」という。
 首相は国会で、推薦については言葉をにごし「拉致問題の解決にも積極的に協力していただいている。リーダーシップを高く評価している」と持ち上げた。
 北朝鮮が核実験やミサイル発射を止めたのは事実だが、肝心の非核化のめどは全くついていない。
 そもそもトランプ氏は自国第一主義を推し進め、世界を不安定にしてきた。首相はトランプ氏に取り入るのではなく、平和に資するよう方向転換を促すべきだ。
 平和賞選考の補佐機関、ノルウェーのノーベル研究所によると、主に4分野で功績のあった個人、団体が受賞している。
 《1》軍備管理・軍縮《2》和平交渉《3》民主主義、人権《4》秩序ある平和な世界の創出―である。近年、これらに気候変動や環境危機への対応が加わった。
 トランプ氏は中距離核戦力(INF)廃棄条約の破棄、イラン核合意からの離脱を打ち出した。
 難民、移民政策ではたびたび人権侵害が指摘され、地球温暖化防止の枠組みであるパリ協定からの離脱も表明した。
 とても平和賞受賞の資格があるとは言えまい。
 首相はノーベル委員会が50年間、候補者と推薦者を公表しないことを理由に、推薦したか否か明言していない。しかし、推薦者がその事実を明かすことまでは禁じられていない。
 米大統領が日本の首相の言動について公の場で語ったことを認めるのか否か。人ごとのように口をつぐむのは筋が通らない。事実関係を説明すべきだ。
 米政府から依頼を受け、首相は「日本を代表して謹んで推薦する」と伝えたとされる。国民こぞって推薦に同意しているという誤った印象を与えかねない。
 露骨なこびへつらいが日本にとって何の利益になるのだろうか。
 首相は唯一の戦争被爆国の指導者でありながら、核兵器禁止条約に背を向けている。
 条約採択に貢献し、平和賞を受賞した核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)の事務局長らが来日しても、日程を理由に面会に応じなかった。首相自身が平和賞の意義を思い起こす必要がある。


トランプ氏推薦 お追従に国民巻き込むな
 露骨なご機嫌取りである。日本国民全体がトランプ米大統領に感謝し、ノーベル平和賞授賞を望んでいるかのような誤解が国際社会に広がっていくことを強く懸念する。
 トランプ氏が15日の記者会見で、安倍晋三首相から平和賞に推薦されたと明らかにした。首相からは「日本を代表して敬意を表し、あなたに平和賞が与えられるよう求めている」と伝えられたという。
 首相は18日の衆院予算委員会で事実関係を問われたが、「トランプ氏は北朝鮮の核ミサイル問題の解決に果断に対応し、昨年は歴史的な米朝首脳会談を行った」と語り、質問に直接答えなかった。
 ただし複数の日本政府関係者が認めた。米国の要望を受け、昨年6月の米朝首脳会談後に推薦状をノーベル賞委員会の関係者に送ったとされる。推薦理由は、北朝鮮の非核化に向けた取り組みへの評価とみられる。
 首相はこれまで、トランプ氏との蜜月関係をアピールしてきた。今回推薦の依頼に応じたのも、関係を維持するためだと指摘されている。
 首相には、拉致問題打開に向けた日朝首脳会談実現のため、トランプ氏の後押しが不可欠との思いがあるのだろう。
 だが、相手の望みを唯々諾々と受け入れるような態度には疑問を覚えるばかりだ。
 トランプ氏は米朝首脳会談を自賛するが、米国第一主義を唱え、国際社会の分断を増幅するような方針や政策を打ち出し続けてきた。パリ協定離脱、エルサレムの首都認定、イラン制裁などである。
 最近では、自らの公約であるメキシコ国境の壁建設を実現するため、国境地帯の非常事態を宣言して「権力乱用」との非難を浴びている。
 こうした指導者が平和賞にふさわしいと推薦することは、首相の見識が厳しく問われよう。
 そもそも、北朝鮮の非核化に向けた取り組みといっても、今後の具体的な道筋は明らかになっておらず、実効性は不透明なままだ。
 首相がトランプ氏に「日本を代表して」とメッセージを伝えたとされることも、見過ごすわけにはいかない。
 国全体が後押ししているように取られれば、先の戦争の反省に立ち、「平和」を旗印に戦後を歩んできた日本への信頼が損なわれかねない。
 首相による平和賞への推薦については、トランプ氏が公にした。日本側は、推薦者と非推薦者を50年明らかにしないノーベル賞委員会のルールに従うとして公表していない。
 にもかかわらず、日本政府内ではトランプ発言を問題視するような動きはうかがえない。機嫌を損ないたくないためだという。過剰とも映る米国への従属ぶりが浮かび上がる。
 国民の見えないところでトランプ氏へのお追従に勝手に国民を巻き込んでおきながら、明確な説明もない。安倍外交の秘密主義を危ぶむ。


【平和賞に推薦】米国への露骨なへつらい
 それほどまでして米国にへつらわなければならないのか。
 トランプ米大統領が安倍首相からノーベル平和賞に推薦されたと表明し、日本政府関係者も事実関係を認めた。安倍首相も否定していない。昨年6月の初の米朝首脳会談後、米側から依頼され、安倍首相が推薦書簡を送ったという。
 「(日本国民らは)安全だと感じている。私のおかげだ」。トランプ氏は北朝鮮との非核化交渉で、ミサイル発射が止まっていると強調し、安倍首相から「日本を代表して敬意」を表されたと明かした。
 米朝首脳会談で「朝鮮半島の非核化」の取り組みが合意され、その実現が期待されている。だが、実効性のある具体的な進展はない。日本を射程に入れる核・ミサイル兵器まで北朝鮮が完全に放棄するかも全く不透明だ。
 北朝鮮の核・ミサイル開発の脅威はまだ払拭(ふっしょく)されていない。日本は「安全」を得られているとは言えないのが現実だ。平和賞推薦が「北朝鮮、国際社会に対し間違ったメッセージになる」という、野党の指摘は的を射ていよう。
 そもそもトランプ氏の大統領就任以来の言動から、平和賞推薦にふさわしい政治家なのかという根本的な疑問を抱かざるを得ない。
 地球温暖化防止の枠組み「パリ協定」や国連人権理事会などからの離脱・脱退、東西冷戦の終結につながった米ロの中距離核戦力(INF)廃棄条約の破棄通告など、国際協調を分断し、和平のプロセスを逆行させている。
 「米国第一」を公然と振りかざし、世界に軍拡競争さえ広げかねない。人種差別や排斥主義の政治姿勢を色濃くする。その人権意識や攻撃的な主張に国際社会から批判が高まっていることは、安倍首相も認識しているはずだ。
 それでも、米側の無理筋の要請に応じる日本側の姿勢は、トランプ氏への機嫌取りとしか映らない。難題を抱える北朝鮮や中国、韓国との交渉で、その後ろ盾を米国に頼る安倍外交の思惑が透ける。トランプ氏の歓心を買い、対日重視を引き出す狙いだろう。
 安倍政権の米国配慮が強まっている。「核の傘」に頼るあまり、2017年採択の核兵器禁止条約に参加せず、国連に毎年提出している核兵器廃絶決議案も後退させた。唯一の被爆国として掲げてきた「核兵器なき世界」の看板に反するような姿に、国内外から「米国にすり寄りすぎだ」との反発が向けられた。
 日本政府はノーベル賞委員会が推薦者などを50年間は非公開とするルールを理由に、推薦を公式に認めていない。だが、被推薦者側のトランプ氏が公言している。首相は国民に説明し、推薦が民意に沿うのか聞いてみてはどうか。
 「歴史のエピソード」などと軽く扱って看過できることではない。日米関係が基軸だとしても、日本の外交の節度や矜持(きょうじ)が問われる。


[平和賞推薦] 対米追従にも程がある
 断ったら見放されると思ったのか、それとも機嫌を取りたかったのか。いずれにしても、事実ならここまで追従する必要があるのか、日本の首相としての姿勢が厳しく問われる。
 トランプ米大統領が、安倍晋三首相からノーベル平和賞の受賞候補に推薦されたことを記者会見で公表した。北朝鮮の非核化に向けた取り組みを評価したことが推薦理由とみられる。
 首相はトランプ氏の発言を否定せず、日本政府筋は事実関係を認めた。日本国民として、まさに驚きである。
 日米同盟の重要性は理解するが、北朝鮮の核ミサイルや拉致の問題は何ら解決していない。現状での推薦はあり得ないだろう。
 政府筋によると、昨年6月の米朝首脳会談後、米政府から依頼を受けた首相がノーベル賞委員会にトランプ氏を平和賞に推薦する書簡を送付。トランプ氏にもコピーを送ったという。
 首相は衆院予算委員会で「トランプ氏は北朝鮮の核ミサイル問題の解決に果断に対応し、昨年は歴史的な米朝首脳会談を行った」と評価した。米国が唯一の同盟国だとして、「その国の大統領には一定の敬意を払うべきだと思う」とも述べた。
 暗に推薦の事実を認めたとも受け取れる発言である。
 だが、排外主義や米国第一主義でトランプ氏が国際社会の批判を浴びていることを知らないわけではあるまい。
 地球温暖化防止の枠組み「パリ協定」からの離脱表明やロシアとの中距離核戦力(INF)廃棄条約の破棄通告など、国際協調や軍縮に背を向ける場面も目立つ。
 肝心の北朝鮮問題も、昨年の米朝会談で朝鮮半島の非核化に合意したものの、目立った進展はない。平和賞に推薦するならば、今後の会談を経て非核化が確実に実現したのを見届けてからだろう。
 ノーベル平和賞は各国政府の閣僚や議員、大学教授らに推薦資格があり、誰が推薦し、候補になったかなどの選考過程は50年間秘匿される。
 トランプ氏本人からの突然の暴露は、首相にとっても想定外だったに違いない。
 トランプ氏は首相から「日本を代表して敬意を表し、あなたにノーベル平和賞が与えられるよう求めている」と伝えられたという。
 50年間秘密にするのはノーベル賞委員会の方針であって、推薦者に課されているわけではない。「日本を代表して」と言うならば、首相は国民に推薦の経緯と理由を明らかにするべきだ。


「安倍がトランプをノーベル賞に推薦」を海外メディアはどう伝えたか? 世界に恥さらすも開き直る安倍首相
 いったいどこまで世界に恥を晒せばいいのか。安倍首相が、トランプ米大統領をノーベル平和賞候補に推薦していた件だ。各メディアが報じているように、トランプ米大統領は昨年8月22日の日米電話協議の際、安倍首相に推薦してくれるよう要請。安倍首相はへこへこと快諾、わざわざノーベル委員会に「とっても美しい手紙」(トランプ談)を送り、差別主義をふりまいて世界を混沌に陥れている米国大統領をノーベル平和賞に推薦してしまったのである。
 そもそもこの問題が発覚したのは、トランプが先日、ホワイトハウスの演説で自慢げに語ったことがきっかけだった。
「これ言っちゃいますけど、日本の安倍首相から、彼がノーベル委員会に送ったとっても美しい手紙のコピーをもらったんです。ノーベル平和賞をトランプ大統領に授与するように日本を代表して推薦したと。私は『ありがとう』と言った」
 思わぬ暴露に当初、国内外のメディアでは「韓国の文在寅大統領と間違えているのでは」「トランプがホラを吹いているのでは」と見る向きもあったが、その後、朝日新聞や読売新聞など各社の取材に匿名の政府関係者や外交筋が事実を認めた。そして、安倍首相も国会で追及され、「ノーベル賞委員会は推薦者を50年明かさない」などしながらも「事実ではない、と申し上げているのではない」と事実上、トランプをノーベル平和賞に推薦したことを認めたに等しい。
 だいたい、これは18日の『NEWS23』(TBS)がノーベル委員会に取材して確認したことだが、同委員会は推薦者自身がそれを公表することは禁止していない。安倍首相が「ノーベル賞委員会は推薦者を50年明かさない」というのは、子どもでもわかる苦し紛れのごまかしだ。
 本当に、こんな政治家が日本の総理大臣を務めている現実が悲しくなってくるではないか。はっきり言うが、この国と生活する人々の国際的評価を貶める“カス”である。実際、欧米メディアも安倍首相によるトランプのノーベル賞推薦を次々と報じ、この“国辱行為”は世界中の人々の知るところとなっている。
 たとえば米紙ワシントン・ポストは18日、「日本の安倍はトランプのノーベル賞推薦を認めようしないがメディアは次々に事実だと報じた」(Japan’s Abe won’t confirm Trump Nobel Prize nomination, but media reports say he made it)と伝えた。
 そして、安倍首相がトランプ推薦の話を認めたがらない理由として、こう解説する。
〈トランプのエゴをおだてることと、有権者の目に従順すぎると映ることの間の微妙なラインを、安倍はうまくしのごうとしている。日本の世論は、1970年代から1980年代に北朝鮮に拉致されたといわれる十数人の帰還に、強いこだわりがある。拉致問題の進展もないのに、あるいは北朝鮮の核放棄で確かな進展もないのに、拙速にトランプを推薦などしても、何もいいことなどない、国内で批判にさらされるだけだ。〉(編集部訳・以下同)
「安倍にマイナス」、偽造推薦騒動と並べて皮肉を放つ海外メディアも
 また英紙ガーディアン(電子版)は18日、「日本の総理大臣はトランプのノーベル賞推薦を否定することを拒否できない」(Japan PM refuses to deny nominating Trump for Nobel prize)と題して報道。テンプル大学のジェフリー・キングストン教授による「安倍は世界の指導者のなかでもトランプともっとも親しくなろうとしているが、それは安倍自身にとって、まったくいいことではない」とのコメントを紹介している。
 米ハフィントン・ポストも17日、「ワシントンが促して日本の指導者がトランプをノーベル賞に推薦した」(Japan’s Leader Nominated Trump For Nobel Prize At Washington’s Urging)とレポート。記事の最後は〈トランプは2017年と2018年にノーベル平和賞にノミネートされたが、両者の推薦文はともに「偽造されたもの」と認定されている。ノルウェーのノーベル委員会のあるスポークスマンは昨年、ワシントン・ポスト紙に“同じ人物がトランプの名前を推薦するために、推薦人の資格を持つ人物を偽ったものとみられる”と語っていた〉と締め、偽造推薦騒動と並べられる始末。安倍に頼んで推薦させるなど、偽造推薦と同レベルという皮肉だろうか。
 ブルームバーグは18日、「日本の安倍はトランプのノーベル賞受賞へ後押ししたか明言を避ける」(Japan's Abe Declines to Say If He Backed Trump for Nobel Prize)と伝えた。記事では〈トランプと1対1の関係を築こうという安倍の努力は、限界を見せている。日本はトランプから重要産業である自動車の追加関税によって脅され、アメリカとの二国間貿易協議の受け入れを余儀なくされた〉などと安倍首相が外交的ディールでもトランプに辛酸を舐めさせられてきたことをあげ、その力関係をはっきりと指摘している。
 他にもニューヨーク・タイムズやロイター、AFPなどが報じた英字記事が世界中に拡散されているが、いずれにしても、世界中に“日本の恥”を発信していることは間違いない。
 ところが、当の安倍首相ときたらなんら悪びれず、むしろ開き直ってすらいる。
国会質問に「政権を奪取するつもりなら、米国大統領に敬意を払え」
 18日の衆院予算委では、元民主党で無所属(立憲会派)の小川淳也議員が、中距離核戦略全廃条約からの離脱の打ち出しやパリ協定からの離脱、移民排斥の壁の建設など具体的にトランプの暴挙をあげたうえで、「ノーベル平和賞に推薦するなんてことはありえないし、日本国として恥ずかしいことだと思いますが、総理はどう思われますか」と質問。すると、安倍首相はいつもの苛立ったときの調子で、こんな答弁を展開したのだ。
「いま、同盟国の大統領に対して口を極めて批判をされたわけでございますが、米国は日本にとって唯一の同盟国であり、その国の大統領に対しては一定の敬意を払うべきだろうと、私はそのように思うわけであります」
 この後に及んでまだトランプに媚びを売るのかと呆れるが、さらに安倍首相はこう続けた。
「まあ、御党も政権を奪取しようと考えているんであれば、ですね」
 ようするに安倍首相は“日本国の政治をやりたいなら米国大統領の言うことは何でも聞くのが当たり前”と、国会で宣言しているのである。まさに対米ポチ、いや、トランプの奴隷だろう。
 本サイトでもなんども批判してきたように、安倍首相は対日貿易で利益を得たいトランプに要請され、戦闘機やイージス・アショアなどの兵器を大量購入するなど、完全に言いなりになってきた。そして、次はノーベル平和賞である。ジャイアンとスネ夫でもここまで酷い関係ではない。しかも、安倍首相も政府幹部も「トランプ大統領は推薦を秘密にしてくれるはず」との腹づもりだったのだろうが、見事に裏切られたかたちだ。
 これは舐められているというだけではないだろう。商売人のトランプは安倍首相の“ポチ犬根性”を試したのだ。そして、安倍首相はやっぱり、国会で「トランプ大統領に敬意を表せ」といきり立ったように、そのとおりの忠誠心を示した。いやはや救い難い。
 もう一度言おう。こんな人種差別の扇動者でエゴイズムむき出しの人間に頼まれ、「日本の首相」として、あろうことかノーベル平和賞を受賞させるため手紙まで書いて送るその神経。しかもトランプ曰く「日本を代表して推薦した」のだ。保守派は「日本の名誉を傷つける」と見なした者や行為を「反日」と呼ぶ。だったら、目の前にいるこの宰相こそが最大の「反日」として怒るべきではないのか。疑いなく“カス”である。


医師不足と偏在/解消へ実効性ある対策急げ
 医師不足と地域格差を解消するために実効性ある対策を急いで講じなければならない。
 厚生労働省が、都道府県や地域ごとの医師の充足状況を示す「医師偏在指標」を公表した。
 本県の指標は177・4で、全国平均の238・3を大きく下回り、47都道府県中で4番目に低かった。そのため本県は、人口や診療需要に対して適正な医師数を確保できていない「医師少数県」に位置付けられた。
 厚労省は、本県の2036年時点の医師の不足数についても推計した。最も医師の確保が進んだ場合で804人、医師の確保が進まない場合は3500人に上るとした。一方で、東京や大阪では多くの余剰人員が出ると見込む。
 医師不足は、住民の健康に関わる深刻な問題である。「人生100年時代」を健やかに過ごしていくためにも地域医療の充実は欠かせない。国と県は連携を強め、小手先ではない根本的な手だてを打っていく必要がある。
 偏在指標は、県内における医師の偏在もあらためて浮き彫りにした。複数の市町村がまとめて指定される2次医療圏について、県内6地域のうち「会津・南会津」「県南」「相双」の3地域は、全国(335カ所)の下位3分の1に入ったため「医師少数区域」に指定された。一方で「県北」は全国上位3分の1に入り、「医師多数区域」となった。
 県は、国による医師の適正配置を求めるとともに、新年度には医師確保計画を策定し、具体的な目標や対策を盛り込むなどして改善を目指す考えだ。本県の医師不足と偏在は震災前から続く課題である。容易ではないが、本県の未来を切り開くためには乗り越えなければならない課題であることを再認識し、全力で改善に取り組まなければならない。
 県内の医療機関で新年度から臨床研修に臨む新人医師の数は、現在の研修制度が導入された04年度以降で最多になるなど、増加する傾向にある。
 研修医は3分の2程度が研修後も県内にとどまるとされており、医師確保の大きな柱となる。地域医療に意欲がある医学生が大勢集まるよう研修制度をさらに拡充させることが重要だ。
 厚労省の調査では、地方で働く意思がある20代の勤務医は6割に上る。こうした若手を呼び込むためにも地域医療のやりがいや喜びを伝える取り組みも必要だ。併せて本県で仕事をすることによるキャリアアップの仕組みづくりや、労働環境の充実も欠かせない。


医師の偏在 深刻な状況放置できない
 都市部に医師が偏在し、地域の医療を支える医師が足りない深刻な状況があらためて浮き彫りになった。厚生労働省が公表した「医師偏在指標」である。
 医療圏ごとに充足状況を示す新たな目安だ。人口10万人当たりの医師数に、住民の男女比や年齢、近隣の医療圏との患者の行き来などを加味して算出した。
 199・6の長野県は全国平均の238・3を下回り、都道府県別で38位だった。下位16県の「医師少数県」の一つである。
 県内でも地域による偏りが目につく。広域圏ごとの2次医療圏で見ると、木曽、上小など4地区が全国下位3分の1の「少数区域」になっている。その一方で、松本、佐久、諏訪は上位3分の1の「多数区域」に入った。
 厚労省は、偏在解消の目標とする2036年の時点でも、長野を含む12道県で計5千人を超す医師が不足すると推計している。その数すら、医師の確保が最も順調に進んだ場合だ。確保が進まない場合は34道県でおよそ3万5千人が不足するという。
 医師の総数は32万人近くに達し、過去最多である。にもかかわらず、多くの地域で確保が難しい状況が続く。住民を支える医療態勢が細れば、地方の疲弊はさらに進む。政府は自治体と協力し、地域の実情を踏まえた根本的な是正策を探らなくてはならない。
 長野県は、拠点となる病院を指定して周辺地域へ医師の派遣を促す独自の事業を18年度から始めている。一定の成果は表れているものの、拠点病院も医師確保は思うに任せないのが現実だ。
 偏在が進んだ背景には04年から始まった臨床研修制度がある。大学医学部の医局が若手医師を地方に送り出してきた仕組みが崩れ、都市部への集中が強まった。
 その是正策として08年度から導入されたのが医学部の「地方枠」だ。都道府県が奨学金を貸与し、卒業後に一定期間を地元で働けば返済を免除する。
 ただ、所期の目的は果たせていない。多くの大学で欠員が出ているほか、その分が一般枠の定員増に使われた実態も明らかになっている。数合わせのような仕組みで卒業後の進路を縛ることへの批判もある。見直しが欠かせない。
 厚労省の調査では、地方で働く意思がある20代の勤務医は6割に上る。どうすればそれを生かせるか。医師の過重労働が地域の医療を支えている現状を変えると同時に、女性医師が力を発揮できる環境を整えることも重要になる。


混迷深める英EU離脱 進出企業に情報支援急げ
 欧州連合(EU)離脱を巡り、英国のメイ政権が袋小路に陥っている。3月29日の離脱期日までに合意案の議会承認が得られる可能性は極めて低い。日本政府は「合意なき離脱」の現実化を想定し、企業への影響を最小限に抑えるため備えに万全を期すべきだ。
 離脱に向けた英国内の議論は、迷走の度を深めている。離脱をスムーズに行うため英政府とEUの間で昨年11月にまとめられた合意案を英下院が1月15日に大差で否決。メイ首相が約1週間後に下院に説明した代替案も批判を浴び、合意案の修正を余儀なくされた。
 メイ氏が掲げた合意案修正の目標は2月13日。しかしEU側から再交渉を拒否され、「2月下旬までの交渉の猶予」を認めるよう下院に要請したが、この方針が否決された。
 メイ氏の国内調整やEUとの協議が後手に回っているのは明らかだ。ただ下院の強硬派とされる議員たちは、合意なき離脱による混乱のリスクを軽視しているかのように映ることも確か。政府方針の拒否を繰り返し、メイ氏は身動きが取れなくなっている。
 合意をまとめ直すには時間が足りず、離脱延期も英国内の政治情勢から困難さが増す。合意なき離脱の可能性が高まる中で、日本企業の英国脱出の動きが加速し始めた。
 日産自動車は2月上旬、英中部の工場でのスポーツタイプ多目的車の次期モデル生産計画を中止すると発表。ホンダが南部の工場での生産終了を発表したことも、離脱問題と無縁ではない。ソニーも、ロンドン郊外の家電部門欧州統括会社をオランダに移すことを決めている。このほか製造業や金融業などで昨年来、人材や資産の移転が相次いでいる。
 企業が最も必要としているのは情報だ。日産の生産縮小では「不確実な状況が続き、計画が立てにくい」ことが理由に挙げられていた。
 日本貿易振興機構(ジェトロ)が昨秋行った欧州進出企業対象の調査では、離脱が今後の事業に「マイナスの影響」との回答は前年比12ポイント増の38%、「影響ない」は7ポイント減の20%。一方、合意なき離脱に至った場合の対応策は「策定済み」「策定中」に「策定予定」を合わせて17%、在英企業に限っても26%にとどまる。
 欧州進出企業はすでに悪影響を感じているものの先行きを見通せず、手をこまねいている―そんな状況が浮かび上がる。
 しかし日本政府は、合意なき離脱へどれほどの危機感を持っているだろうか。1月の経済財政諮問会議では▽迅速な情報提供▽英、EUへの働き掛け―を行う、との対応を経済産業省側が説明したものの、それ以上の突っ込んだ議論が交わされた様子はない。
 少なくとも、進出企業に対して、対応策の早急な策定支援が必要だ。目前に迫った経済リスクにどう対応するか、国会にも政府の姿勢をただす務めを果たしてもらいたい。


[精神科身体拘束] 妥当性の検証が必要だ
 精神科病院で手足をベッドにくくりつけるなど身体拘束を受けた入院患者が2017年度、全国で1万2000人以上に上ることが厚生労働省の年次調査で分かった。うち6割を高齢者が占めている。
 日本の精神医療は過去の隔離収容政策の影響もあり、国際的な遅れや人権侵害が指摘される。不要な身体拘束はないかなど妥当性を検証できる態勢づくりが必要だ。
 調査によると、拘束を受けた人は全体で1万2528人だった。点滴を抜かないよう手指の動きを制限するミトン型手袋の着用なども含まれるとみられる。
 施錠された保護室に隔離された患者も1万3000人近くに上った。この10年間で拘束が1.8倍、隔離は1.6倍に増え、いずれも最多を更新した。
 なぜ、拘束や隔離が急増しているのか。厚労省は「要因は分析できていない」とするが、詳細な調査で実態を把握し、少しでも減らせるよう対策を打ち出すべきだ。
 拘束や隔離が認められるのは、精神保健福祉法によって本人や他人を傷つける恐れなどがあり、指定医が「ほかに方法がない」と判断した場合に限られている。
 だが、安易に拘束されているのではないかという疑問の声が以前から相次いでいた。拘束の要件を満たしていなかったなどとして病院を訴える動きも広がっている。
 拘束は患者が精神的に一層不安定になったり、重大な健康被害を引き起こしかねない。長期間の拘束によってエコノミークラス症候群を発症するなど13年以降、少なくとも10人が亡くなっている。
 このため、各地の市民団体は情報公開制度を利用して病院ごとの調査結果の開示を自治体に求めてきた。患者数や入院期間のほか、拘束や隔離されている人数を知り医療の質を高めるのが目的だ。
 しかし、これまで開示してきた自治体が一転して非開示になったり、一部の開示だけになったりしたケースが増えているという。
 厚労省が「個々の調査票の内容の公表は予定していない」と自治体に通知したり、日本精神科病院協会が「調査は個人情報保護の観点から問題が多い」との声明を出したことが影響したとみられる。
 市民団体は「精神科病院の閉鎖性が進みかねない」と懸念する。患者の尊厳を守るためにも、個人情報に十分配慮した上で、公開を原則とすべきではないか。
 日本は人口当たりの精神科のベッド数が先進国最多で、平均入院期間も突出して長い。情報の公開によって精神障害や医療への関心を高め、患者を地域で支える受け皿づくりにつなげていきたい。


たかまつなな「なにも言えない社会になってしまう前に」 明文化されたルール、は可能か
伊藤 達也 ライター・編集者
最近、バラエティ番組、「お笑い」の世界がたびたび物議をかもしている。
「バラエティ番組での“いじり”はイジメとなにが違うのか」「女性芸人への“ブスいじり”はセクハラじゃないのか」「芸人は政治的発言をしてはいけないのか」――。
セクハラ、パワハラに対する世間の目が厳しくなるなか、議論が活発になっている。一方で、その状況を「笑いが分かっていない」「空気を読め」と嘆く人達もいる。
今年に入ってからも、ダウンタウン・松本人志がフジテレビ「ワイドナショー」(1月13日放送)内で、NGT48のアイドルへの暴行事件の話題になった際、HKT48の指原莉乃に「お得意の体を使って」と発言。「セクハラだ」と批判の声が多数上がった。
指原が後日Twitterで「松本さんが干されますように」とイジるように返し、フジテレビサイドも「問題があった」と謝罪した。
そんな状況について、積極的な発言を続けるのが芸人のたかまつななだ。お笑いを通じて政治に関心をもってもらうことを目指す会社・笑下村塾を立ち上げ、日本で数少ない「社会風刺ネタ」を行う彼女。松本の発言についても自らのブログに、「松本人志さんのセクハラ発言を真剣に考える」と題したエントリーをアップした。
「芸能界はセクハラの温床だった」としたうえで、
「松本さんが干されますように」とtwitterで指原莉乃さんが発言した件。「よく噛み付いた」「オチをつけた」意見が別れる。どちらからも嫌われないよう確信犯的に指原さんがやってるから凄い。けどなんか違和感。両者の捉え方の溝は深い。交わらない気がする。女芸人の私は、どちらの感覚も分かるから悲しい。こうやって社会は分断されていくのかな。
 差別をなくそうとしすぎると、自虐ネタも許されず、沈黙の社会が訪れる。女芸人には、ブスと言われて「おいしい派」と「怒る派」がある。ブスと言われて、報われる人もいる。自分のコンプレックスや短所を笑いに変えた瞬間の喜びは大きい。でも、嫌な人を執拗にいじるのは違う。(私はおいしい派)
 「笑い」という名のもと、何でもやって言い訳ではない。大御所が言ったから許されることは絶対にない。そんな時に下のものが抗える技術、それは「ルール」(法律や就業規則)と、「笑い」なのだと思う。自分の意見を笑いで伝える技術も大切。私はセクハラが多い芸能界を笑いで交わしてきた。
とつづったその内容に、さらに多くの声が寄せられたのだが、その反応そのものが、いまの芸能界やテレビの世界、いや、日本を覆う問題を考えさせるものだった。
たかまつは「なんでもかんでもダメと言っては、議論が止まってしまう。一方で、私たちは自らを守るためにも、明文化されたルールを作る必要がある」という。くわしく話を訊いた――。
自分にしか言えないことがあるんじゃないか
――松本さんの発言はどう知ったんですか?
たかまつ:Twitterのタイムラインでたくさん話題が回ってきたので、それで知りました。放送をリアルタイムで見ていたわけではないです。そして指原さんのツイートを見て、「ああ、これはすごい対応だな」と思ったんです。それはたぶん、多くの人が感じたのと一緒で。
でも、指原さんの対応にすごく共感する部分もありながら、一方で違和感も覚えたんですよね。というのも肯定派・否定派の「両者」がまんまとそのツイートに引っかかっている感じがしたから。つまり、松本さんに対してあれはセクハラだと訴え怒っている人は“よくやった”と言うし、お笑いが好きで松本さんを庇いたい人は“オチを付けた”と言う。これでは両者のあいだの溝は埋まらず、社会が分断されてしまうな、と。
だから、なにかこの問題について発言すべきだろうなと思いました。女性であり芸人であり、また事務所に所属していない身である自分にしか言えないことがあるんじゃないかと。
私が言いたかったのは、芸能界を変えていかないとダメだけど、むやみに発言の自由を封じる流れになってほしくない、ということ。だから、どちらかというと松本さんを擁護したかったんです。
――たかまつさんの発言は、「松本人志に異を唱える」という文脈でネットニュースになりましたね。
たかまつ:ネットニュースで取り上げられたら、「松本批判」みたいな真逆の論調になっちゃって、「ん?」となりました。「不謹慎も差別も全部ダメだ!」と議論を狭めていくと、なにも言えない社会になると思うんです。
「笑い」でかわし、「ルール」で身を守る
――言い方は難しいですが、松本さんの発言は、お笑いの「ルール」で回収できなかったのでしょうか。ブログでたかまつさんは「ルール」の話もされていました。
たかまつ:私が言いたかったは、その「お笑い的なルール」じゃないんですよね。それは「カルチャー」に近い。
私がブログで書いたルールは、憲法や就業規則、労働契約のような「明文化されたもの」です。一時的に回避する手段としての笑いは有用ですが、自分たちを守るためにはルールを作っていかないといけないと思うんです。
それは、政治の世界の「憲法」と同じです。憲法は、権力者を縛るためにある。それがないと、政治家の人はいくら「いい人」だとしても、憲法がないと暴走することもできる。反対に、私達の生活は法律というもので縛られている。だからこそルールに対して無頓着であってはいけないし、ルールを知っていれば、自分自身を守ることもできる。
だから、セクハラやパワハラにあった時に必要なのは、一時的にかわす方法としての「笑い」と、最終的に身を守る「ルール」の2つ。「ルールが足りない」と女性陣が感じるなら、どういう制度があればいいのかをみんなで考えなければいけない。
最近では男性の側も、セクハラの疑いをかけられたくないから、会社の飲み会に行きたくない人が多いと聞きます。なんだか、すごく悲しい社会ですよね。
――お互いに不幸になっていると。
たかまつ:たぶん、本当にセクハラをしている人は、その行為が問題だと気づいていない。対して、普通の感覚をもっている人は、セクハラを疑われるから飲みに行きたくない。みんながみんな不幸ですよね(苦笑)。
ブスって言われていい人は、まわりからブスいじりを否定されると、やりづらい。「誰が得するんだよ、この状況」って思っちゃいますよね。
――ただ、ルールを明文化すると、ギスギスするのではないかという懸念があります。もっとマナーレベル、現場の努力で防げるんじゃないか、という意見も出てくると思います。
たかまつ:それではルールが守られないと思います。たぶん、働き方で考えるとわかりやすいかと。たとえば、いま、教員の働き方が問題になっています。過重な労働で、しかも部活の顧問をしていても、時間外労働の手当がないんです。そこでタイムカードを導入する話が出ても、「教員としての働き方はそういうものじゃない」という現場の声もある。働き方という意味で、すごく遅れています。
民間企業でも、数年前にそういう動きがあったと思います。「タイムカードを導入しても嘘をついて押せと命じられれば意味がない」と、ルールによって生身の信頼関係がなくなったり、現場のフレキシブルさがなくなるような話になりました。
でも、明文化されていたら管理者の責任を問うことができる。現在の「働き方改革関連法」だと、月に45時間以内と残業時間の制限がと決まっています。仮に60時間働いたとしたら、会社を訴えたら勝てるわけです。
――ただ、実際にそういうことがあっても、なかなか訴えるところまでいくのは難しいですよね。
たかまつ:訴えなかったとしても、「アレ、そういえば法律で45時間しか残業ダメって聞いたんですけど、大丈夫ですかね?」と言ったら経営側はめちゃくちゃビビると思うんですよ。私がもし従業員の人からそう言われたら、「やばいやばい、ちゃんと管理しなきゃ」となる。そういう効力は、やはりあると思うんです。
自分の常識や感覚が違うんじゃないかと迷ったとき、そういった外部の指標があるとすごく楽だと思います。そういう意味で、ルールを明文化することは自分を守るためにすごく大事。もっと学校の授業で自分の生活に則したルールを学べる場があればいいと思うんです。なかでも労働の教育は本当にやったほうがいい。最低賃金の話とか、ブラックバイトで働いたらどうすればいいか、とか。
事務所を変えただけで「問題のある人」に
――話を戻すようですが、芸能界も同じ問題を抱えていますよね。
たかまつ:そうですね。まず組合が機能していない。「タレント組合」がないですからね。
――たかまつさんの目から見て、今までお話されていたような状況は変えていけそうですか?
たかまつ:正直、肌感覚としては難しいと、身を投じていて思います。何でも海外と比べようとは思いませんが、アメリカだと今の日本の状況はありえないですよね。マネジメント会社を自分で選ぶのも当たり前だし、マネージャーも弁護士も自分で決める。マネージャーを変えたからってそのタレントがわがままだとは誰も思わない。むしろ自己プロデュースがしっかりしていると思われる。
でも日本だと、タレントが芸能事務所を変えれば「問題のある人なのか」となる。それってすごくおかしいことです。
その感覚の遅れは、芸能界だけではありません。世界の感覚を受け入れられない面がすごく多いと思います。移民や難民、外国人労働者の受け入れについても、法律や現場の対応は間に合っているでしょうか。
日本は「外圧」に弱いと思うんですけど、芸能界など、外圧が機能しない分野は特に遅れていますよね。
2つの世界観のあいだで悩む30〜40代
――芸能界もそうですし、その「外圧」であるべきマスコミもでしょうね。世界の潮流やハラスメントについて発信しながらも、その足元ではセクハラ・パワハラが横行し、長時間労働も蔓延している。
たかまつ:たぶん、新聞社も芸能界もテレビ局も、遅れているということに気づかずに、自分たちをマッチョな集団だと思いこんで、そこから抜けられないんですよ。大学時代の先輩や同級生に人気ユーチューバーや、Twitterで人気者になった人が何人かいるんですが、私なんて、その人たちよりぜんぜん稼いでいないんです。でも、彼らを羨む一方、芸能界で「長くいる人たちに認められなきゃ」という感覚も私のなかにあります。
私はいま25歳ですが、20代でクリエイティブな可能性を持っている人は今後ますます、別の世界で自由に活躍していくでしょうね。50代の人は古い世界でそのまま逃げ切れるのでしょうが、30代と40代は2つの世界観のあいだで悩んでいる人は多いと思います。
お笑いの世界を見てもわかりやすいです。YouTubeやTwitterで若い子の人気も得ているのは20代の芸人たち。30代は、たとえばピースの綾部(祐二)さんがニューヨークへ行ったり、又吉(直樹)さんが小説を書いたり、西野(亮廣)さんが「テレビ出ない宣言」をし、中田(敦彦)さんも(自身のファッションブランドの)お店をはじめ、村本(大輔)さんもスタンダップコメディをやりはじめました。テレビの場だけだと、これから先なにかと限界を感じている人たちだと思うんですよね。
――「30代問題」は根深いですよね(苦笑)。たぶん他のどの業界でお同じようなことが起きている。
たかまつ:たとえばマスコミ業界も、20代はどんどんウェブに流れていますよね。ジャーナリズムを志す若者が新聞社ではなくウェブメディアに行く、というのも増えている。
30代の人たちは問題意識がはっきりしていても、裁量も増えて、そのまま続けていくほうが楽だったりする。そのまま40代になると、管理職。で、管理職でようやく楽になると思ったら、「働き方改革」で自分の仕事が増えていたりする……。芸能界に限らず、日本全体がそうなっているわけですよね。
――古い世界の慣習から解き放たれようとしている人が増えていくなかで、今後、セクハラ・パワハラ、労働時間のような問題は解決していくと思いますか?
たかまつ:そこはやっぱり、それを防ぐためのルールができるかどうかだと思います。松本さんの発言のきっかけになったアイドルの暴行事件も、その背景にはアイドルグループが縛られるルールや規定の問題がある。アイドルたちを守るルールって、労働契約にしろ、すごくウヤムヤですよね。ルールをきっちり作って、しかもルールを当事者たちが知るようにならないといけない。
一般的な会社にしても、例えば二次会がハラスメントの温床になっているなら「二次会禁止」にするとか、もっと明文化されていかないとダメなんじゃないかと思います。
芸人にしたって、不思議な慣習や掟が多いんです。先輩の単独ライブの手伝いを無料で引き受けるとか。そこで「契約を結んだ方がいいんじゃないですか」なんて話をすると、もちろん煙たがられます。「先輩のライブの手伝いをしたら、お前にとっても勉強になるから」と言われて正当化しようとするんですが、とりわけ勉強になることもなかったりするし(笑)。でも、お笑い界という狭いコミュニティにとらわれていると、そこで浮くこともできない。
「容姿いじり=いじめ」は短絡的すぎる
――たかまつさんはブログの中でブスいじりについても言及されていましたが、バラエティにおける容姿いじり自体が、時代の感覚と合わなくなってきているという考えもあります。
たかまつ:たしかに、文化人と呼ばれる人と飲みに行っても、「お笑い、バラエティ番組は本当にけしからん」「海外では容姿や性差を笑いにすることはない」という話になります。でも実際、日本のお笑いの世界では、ブスを笑いに昇華できて嬉しいという人もいる。私もそうですが、ブスと言われておいしいと思う人もいる。
どうしても自虐芸をやりたいなら、いっそ、自分から言えばいいという人もいます。でも、「ブスだろ」「ブスじゃない!」と、他人から言われることで生まれる笑いがある。他人に容姿についていじられて、それを言い返しているからいじめだとするのは、あまりに短絡的な考えかな、と。
――今クールのドラマ「ちょうどいいブスのすすめ」(現タイトル「人生が楽しくなる幸せの法則」/日本テレビ系)が炎上してタイトルが変更になった一件がありましたが、それについてはどう捉えますか?
たかまつ:あれは制作側がダサいですよ。今の時代なら、議論喚起するくらいのつもりでやらないと。やるならやれ、と。炎上すると分かってなくて炎上するのは、そもそも浅はかだなと思いますが。
私も炎上しがちに思われますけど、基本的には狙って炎上させています。炎上の大きさがどれぐらいのものになるのか、は読めないところがありますけど、どんな意見がくるかはわかっていて、だいたい予想通りになります。だから、「ちょうどいいブス」で、世の中のブスというものへのイジリとか、考えるきっかけにするメッセージ性があればよかったのに、それがなくて中途半端な気持ちであのタイトルで放送したなら、ダサいなって思います。
自分の名前、会社の名前を背負うというのは、それくらい覚悟をするということだと思うんですね。それは厳しいことだと思うけど、そのほうが絶対にいい。
――テレビは炎上を恐れるあまり、議論喚起する力を失っている?
たかまつ:いまのテレビは「失敗しちゃいけない」という気持ちが強すぎると思います。それが首を締めている。すべてを製作側の問題にもできないし、タレントの責任にもできないとは思いつつ、「問題発言」を抑え込んでばかりでもいけないと思います。
政治問題にしても、たとえばアイドルが領土問題について発言しても、放送される時にはまるまるカットされたりする。でも、その指摘が鋭くて、議論が広がりそうなことがあるわけです。そんな時、発言を一律にカットするのではなく、どう展開すれば面白いか、制作側も考えるべきだと思うんですよね。
――そもそも情報番組にお笑いが必要なのか、という議論もありますよね。
たかまつ:お笑いという異質なものがあるからこそ、すごく興味深い論点の提示ができるかもしれない、と思います。いろんな可能性があっていいと思うんです。だから、芸能人の政治的な発言だって、もっとあっていい。
ストレートな言葉しか伝わらないことに危機感
――「炎上を恐れるな」「自分や会社の名前を背負う覚悟をもて」といった言葉に、芸能界のなかで孤軍奮闘されているたかまつさんの強さを感じました。
たかまつ:さきほど炎上は予測できると言いましたが、じつは最近不安なんです。それこそ松本さんについて書いたことも、私としてはどちらかというと擁護のつもりだったのに、真意が伝わっていない人がけっこういて。「アホ、ゴミ」と罵ってくるだけの人には、さすがに「もっとよく読んで」と言いたくなりました。
言葉の裏にあるものを読み取ってもらえないというか、ストレートじゃないと伝わらない。それって、世の中、お笑いとか、芸能とか、表現するという行為すべてを考えても、つまらないことだと思うんですね。
私自身としては、それでも自分の信じることを言っていくし、お笑いをやっていくしかないと思っています。ジャーナリストとして、社会風刺や権力への眼差しを持ち続けて、「お笑いで世直し」を目指していきたいです。
※たかまつは、日常生活やビジネスシーンにおいて「お笑い」の力でコミュニケーション力を高める「笑活」も行っている。
<笑活コーディネーター認定講座>
3月24日 東京(きゅりあん 品川区立総合区民会館 第3講習室)
5月19日 東京(目黒区中小企業センター 第1集会室)


閲覧禁止の「壬申戸籍」ネットオークションで出品・落札 明治初期、初の全国的戸籍
 初の全国的な戸籍として、1872年から編製された「壬申戸籍」とみられる文書が、インターネットのオークションに出品され、法務省が急きょ回収する事態があった。壬申戸籍は「華族」「平民」といった当時の身分や犯罪歴も記載され、差別につながる恐れがあるため閲覧禁止となっており、同省が出品の経緯などを確認している。
 法務省によると1月末、オークションサイト「ヤフオク!」に「明治戸籍」と題された文書が出品され、2月7日に13万3千円で落札された。
 文書は内容から、現在の浜松市あたりの戸籍とみられる。


声明 死者をも冒涜する日本政府の言動に抗議する!!
 1月28日、人権運動家・金福童さんが亡くなった。5日間に亘る葬儀には文在寅大統領をはじめ6000人が弔問し、日本大使館前の告別式に向かう行列には1000人が連なり粛々と行進した。
金福童さんの死を悼む声は世界各国から上がった。
「第二次大戦中に日本軍の性奴隷とされ、粘り強い闘いを繰り広げて、自身と同様の経験をした何千人もの女性の苦しみに国際的関心を向けさせることに貢献した金福童さんが亡くなった。92歳だった。……金さんと他のサバイバーたちは、(日韓)合意は日本の公式賠償と法的責任の認定が不足していると主張した。金さんは入院後に(和解・癒し)財団の前で車椅子に乗って一人デモを行った。金さんは2016年、ラジオのインタビューで『今まで私たちが闘って来たのはお金のためではない』とし、『私たちが望むのは、私たちの名誉を回復する、日本の心からの謝罪と法的な賠償だ』と述べた。……」(1月30日付『ニューヨークタイムズ』)。
この記事に、日本政府が噛みついた。「正義を訴えた戦時性奴隷、金福童さん(92歳)死去」(1月30日付)への返答と題して編集者宛に外務省報道官が送った手紙は、「日本政府は第二次世界大戦中の慰安婦問題は、多くの女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題だということを認めている。日本は、様々な機会を通じて元慰安婦に心からのお詫びと反省の気持ちを伝えてきた。日本と韓国の間の財産及び請求権に関する全ての問題は、慰安婦問題を含めて法的には解決済みだが、日本は全ての元慰安婦の名誉と尊厳を回復し、心の傷を癒す取り組みを行って来た」とし、その例としてアジア女性基金と2015年日韓合意について述べ、「生存者47名中34名が(和解・癒し)財団からの支援金を受け取り、取り組みを歓迎した。これは否定できない事実である」と締め括っている。(2月7日付同紙)。
この投稿には、かつて日本軍の「慰安婦」とされた金福童さんに対する加害国政府としてのお詫びや反省の言葉はおろか、悔やみの言葉すらない。金福童さんの死後に日本政府が述べた言葉としては、ソウルの日本大使館前で行われた告別式について、西村康稔官房副長官が「在韓国大使館の安寧を妨害、または威厳を侵害するものであれば、外交関係に関するウィーン条約の規定に照らして問題がある」と述べたものしか伝えられていない。
「心からのお詫びと反省の気持ち」を持っているならば、まずは金福童さんの死を悼む言葉を述べるべきなのではないか。「お詫びと反省」「名誉と尊厳を回復し心の傷を癒す取り組み」がいかに空虚なものか、日本政府は再び露呈させた。まさに、金福童さんが最期まで、日本政府の謝罪を心からのものと認めず、日韓合意に反対し続けた理由がここにある。
そして、日本軍「慰安婦」問題が未だ解決されていない原因も、日本政府のこのような姿勢にあるのだ。「心からのお詫びと反省の気持ち」は、その言葉を述べれば被害者に伝わるものではない。この言葉を述べた同じ口で「強制連行はなかった」「性奴隷ではない」「法的には解決済み」と主張することによって、その言葉は口先だけのものと被害者らに受け止められてきた。そして今回また、哀悼の言葉も述べずに「他の人たちは歓迎した」と、死者に鞭打つお門違いな反論を展開することで、日本政府はその本音と本質を余すところなくさらけ出した。
私たち日本の市民は、このような政府の言動を心から恥ずかしく思う。日本政府が国際世論対策だと勘違いしている言動は、むしろ国際的に恥をさらすことにしかなっていない。日本政府はこれ以上、死者の名誉と尊厳を冒涜する言動を止め、口先だけではない、被害者に信じてもらえる謝罪を態度で示し、加害国政府としての責任を即刻、果たすよう強く求める。


モー娘。佐藤の「写真集で水着を着たくない理由」が話題「私達には売上の7割も入らない。そんな安い対価では嫌」
モーニング娘’19の佐藤優樹さん(19)がラジオで発言した持論がネットで話題になっている。佐藤さんは2月16日、ラジオ番組『ヤングタウン土曜日』(MBS)にゲスト出演。司会を務める明石家さんまさんや、メンバーの横山玲奈さん、昨年グループを卒業した飯窪春菜さんと水着を巡って意見を交わした。
佐藤さんは昨年、1冊目の写真集を発売しているが、写真集の中に水着のカットがなかった。さんまさんから水着になるのが嫌な理由を聞かれると、
「じゃあすっぽんぽんで原宿の竹下通りを歩いてくださいって言われたら歩けます?」
と、逆に質問を投げかけた。
水着になることについて「軽く考えている脳みそをどうにかしたほうがいい」
さんまさんから「100万貰ったら出来る」と言われると、
「私達が水着を出します、3000なん円ですってなっても、私達には7割も入ってこないとスタッフさんから言われたんです。(中略)そんな安いのは嫌。(水着になることを)軽々しく考えている脳みそをどうにかしたほうがいいんじゃないかなって思っちゃう」
と答え、出演者を騒然とさせた。
アイドルが自身の写真集に水着のカットを入れるのは、そう珍しいことではない。そのためか、さんまさんは佐藤さんが水着にならないことについて「それはお前の間違いや」と諭すが、「そう。まさ(編注:佐藤さん自身のこと)は間違いだらけ」とけろっとしている。
佐藤さんはさらに、
「だって裸なんて好きな人にしか見せないものでしかないんですかそもそも。水着も下着とほぼほぼ変わらなくないですか?」
とも投げかける。海やプールに行ったときにも、水着になるのが嫌で、パーカーとズボンで過ごしているという。
「仕事なら私に1億8000万円欲しい。ヌードなら600億円必要」
写真集で水着になるのが恥ずかしいという気持ちは、他のメンバーも同じだ。飯窪さんは、佐藤さんから水着になることに抵抗はなかったか聞かれると、「恥ずかしかったよ嫌だったよ。だから私、水着は一着だけだったよ」と即答。同じく横山さんも「撮りましたけど、嫌ですね」と答えている。
ただ、飯窪さんも横山さんも、嫌な気持ちは持ちつつも撮影はした。さんまさんの「仕事やからな。ファンが見たいねんから」という言葉に頷いていたように、仕事なのだから水着になるのは仕方ない、と自分を納得させていたのかもしれない。
しかし、佐藤さんは「仕事だから仕方ない」論に真っ向から反論。
「仕事なのは分かります。仕事なら私に1億8000万円欲しい。ヌードは600億円」
と述べ、スタジオ全員を驚かせた。さんまさんから「600億円も見んのお前の裸。そんな値打ちあんの?」と問われても、
「ひとりひとりみんなありますよ。さんまさんだってそうだし横やんだってそうだしスタッフさん全員に」
と回答。さんまさんが100万円で原宿を歩くと言ったことに対しては、「だから、さんまさんはそれを軽々しく言ってるから『どうぞ』って言ってるだけ」と突き放していた。
ネットでは、佐藤さんの発言を、
「やりたくない子にはやらせんでいいと思うね 」「さすまーとしか」
「まーちゃんは立派だね新時代アイドルの先頭に立つべき人だ」
と好意的に受け止める人も多いが、「お仕事だから頑張って水着になってるハロメンもいるのに無神経すぎませんかねぇ」と疑問を持つ人も散見されている。


袴田事件<後編>姉・秀子さんは人生を弟のために捧げた
「私と亡くなった母親は、ずっと巌が無実だと信じ続けてきましたよ」
 そう語るのは、1966年に起きた一家4人の強盗殺人放火事件で逮捕され、2014年に東京拘置所から釈放された袴田巌さんの姉・秀子さんである。2人は現在、浜松市内の自宅マンションで暮らしている。
 巌さんは、48年にわたり拘置所での生活を強いられ、さらには不当な死刑判決により拘禁反応を起こし、満足に会話ができない。そのため、直接話を聞くことはできないが、以前は家族に手紙を送り続けていた。その一部分を紹介する。逮捕から約1年がすぎた頃、1968年9月の死刑判決が出る前のものだ。
〈昨日兄の実さんが来てくれました。兄は前より肥って元気なようでした。身内というものは好いものですね、別れが名残り惜しく思いました。(中略)検事は自供調書と言うているが、調書は拷問によるもので真実性がありません。検事が言うような事実はありません。考えてみれば、今僕は生死が賭かっている訳ですから、真剣に考えて法廷に出たいと思う〉(筆者により一部送り仮名など訂正)
 これ以外にも巌さんが書いた手紙を読んでいくと、検事が提出した証拠のいい加減な点を訴えるものも多いが、自分の無実を最後には裁判所が分かってくれるはずだという思いが随所に感じられる。
「裁判では、血のついたズボンが検察側から証拠として提出されましたけれど、その時、巌は減量していて、事件当時より痩せていたのに、そのズボンをはくことができませんでした。あまりにずさんな裁判だったと思います」
 死刑判決の確定は青天の霹靂だったのだろう。奈落の底へ突き落とされ、拘禁反応が表れた。
「私は静岡だけではなくて、東京に移ってからも毎月欠かさず会いに行っていました。死刑が確定するまでは、本当に元気でした。死刑が確定してから面会を拒絶するようになったんです。それでも毎月東京には行きました。面会拒否は10年ぐらい続いたんじゃないでしょうか。生きているのか確認したくて、代議士の方にお願いして巌を呼び出してもらったんです。私の顔を見て巌は言いました。『これは偽物だ。メキシコのババアだ』って。おかしなことを言うようになってしまいましたけど、私からしたら、生きていてくれて本当によかったって思いが強かったです」
 秀子さんは自分のことはさておき、人生を弟のために捧げてきた。
「22歳の時に結婚して、1年ほどで別れて、それからはずっとひとりだったんです。家族ができたら、巌のために使える時間というのが削られてしまうじゃないですか。それと、母親が無実を信じて一生懸命でしたから、その思いを継いでいきたかったんです。親孝行をしているつもりなんです」
 14年に刑が執行停止になったものの、18年6月には東京高裁が再審開始を取り消した。今後の判断は最高裁に委ねられるが、最悪の場合に再収監される可能性も否定できない。
 現在、巌さんは、秀子さんや支援者に支えられ日々を過ごしている。彼の家族が強いられた苦しみの年月を思うと、平穏な日々がこれからも続いていくことを心から願わずにはいられない。(ルポライター・八木澤高明)


京都大吉田寮の退去問題 寮生会見「話し合いに応じる」
 京都大が老朽化した学生寮「吉田寮」旧棟(京都市左京区)からの寮生退去を求めている問題で、吉田寮自治会は20日、旧棟の維持管理を自治会が担うなどの条件が認められれば「5月末をめどに現棟(旧棟)の居住を取りやめる」との声明を出した。
 京大執行部が、新旧両棟からの全員退去を求めた従来の方針から、新棟の居住容認へ転換したことを受け、寮生側も歩み寄った。
 自治会の声明では、執行部が批判していた入寮募集について、2019年度春季の旧棟については募集しないと表明。一方、旧棟を維持するための清掃や管理を自治会が担うことなどを求めている。
 旧棟前で会見した自治会代表の文学部4年生(23)は「安全性を鑑み、現棟(旧棟)からの退去という譲歩をした」と説明。その上で、12日に大学側が示した方針で、新棟への寮生募集を行わないよう求めている点に触れ「自治の根幹に関わり即座に飲めない。しかし話し合いには応じる」と話した。
 自治会はこの日、大学側に対して寮生の立場を説明する要求書を提出。3月13日までの回答を求めた。


京大吉田寮自治会側が譲歩の提案
京都大学の学生寮、「吉田寮」について、大学側が老朽化を理由に学生に退去するよう求めている問題で、寮生で作る自治会側は、古い建物からの退去を条件付きで認める提案を大学側に提出したことを明らかにしました。
京都大学の吉田寮をめぐっては、大学側が老朽化などを理由に退去を求めているのに対し、一部の寮生がこれを拒否してきました。
今月、大学側は、新たな寮生の募集をしないことなどを前提に4年前にできた新しい建物への入居を認めるとして、古い建物からは直ちに退去することを求めていました。
これに対し、20日、寮の自治会側が記者会見を開き、新たな提案を大学側に提出したことを明らかにしました。
それによりますと、古い建物については、この春、寮生の募集を行わず、古い建物を自治会が維持管理することや耐震補強工事が終わっている食堂の使用を認めるなら、ことし5月末をメドに全員が古い建物から退去するとしています。
自治会の代表で文学部4年生の松本拓海さんは、「危険性が指摘される建物で新たな寮生の募集を続けたことが、信頼関係を壊した一因でもあり責任は自分たちにもあるので大学側との話し合いを再開したい」と述べました。
一方で、新しい建物も含めて寮生の募集を行わないよう求める大学側の提案は寮の自治のあり方を問う問題で現時点では受け入れられないとしています。
自治会は、来月13日までの回答を大学に求めています。