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可憐なカモミール

Au Japon, un professeur faisait fabriquer de l'ecstasy à ses étudiants
par Melanie Bonvard
Tatsu¬nori Iwamura, un enseignant de l'université de Matsuyama, au Japon, a été arrêté parce que, durant ses cours, il montrait à ses étudiants comment fabriquer de l'ecstasy.
"Parfaire leur éducation", c'est ce qu'a expliqué un professeur de l'université de Matsuyama quand il a été interrogé par les forces de l'ordre après avoir fait fabriquer de l'ecstasy à ses élèves en cours de classe. Les faits remontent à 2013 et le ministère de la Santé au Japon a récemment affirmé que l'enseignant a reconnu les faits en expliquant qu'il s'agissait de "parfaire l'éducation" de ses étudiants... Drôle de méthode vous nous direz. Mais ce n'est pas tout, le professeur qui enseigne la pharmacologie avait aussi fait produire, l'an dernier, de la 5F-QUPIC, une drogue similaire au cannabis, à une de ses classes. Cette drogue est interdite au Japon.
Bien évidemment, il est difficile de ne pas faire un parallèle avec la série américaine Breaking Bad où Walter White, un professeur de Chimie, se transforme en baron de la drogue pour payer le traitement de sa chimiothérapie et subvenir aux besoins de sa famille. Si dans la série, Walter s'alliait avec un de ses élèves pour fabriquer de la drogue, la réalité semble donc avoir carrément dépasser la fiction puisque Tatsu¬nori Iwamura, 61 ans, faisait fabriquer l'ecstasy à tout ses étudiants durant ses cours. Or, la loi exige qu'un chercheur doit obtenir une autorisation pour fabriquer des stupéfiants à des fins académiques. Ce qui n'a pas été le cas du professeur japonais. Suite à cela, le président de l'université, Tatsuya Mizo¬gami, a présenté ses excuses auprès des familles des étudiants "Nous présen¬tons nos sincères excuses aux parents et aux étudiants pour la grande inquié¬tude que cela a causé. " rapporte l'AFP. Le professeur est passible de 10 années de prison.
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フランス語の勉強?
エクセルホビー @EXCEL_HOBBY
おはようございます。
小池一夫先生がなくなられたとのことで、ご冥福をお祈りいたします。
先生の作品と言えば同棲時代。
中学の頃にすこしだけ読んだけど……
猿のような中学生にはひたすら「セリフ無ぇ〜〜〜」な理解出来ないものでした。

GENJI @innerlife_pro
上村一夫(uemura kazuo)
同棲時代
皆んな大好き、上村一夫の絵をご紹介。大正の浮世絵師と呼ばれた竹久夢二を連想させる女性像と独特の劇画タッチの画風を確立し、その作風から「昭和の絵師」とも呼ばれた!代表作の映画「同棲時代」のテーマ曲もお聞き下さい。https://youtu.be/wzeZlCNa12E #上村一夫

おわてんねっと @zzOMecpIvqvy9G9
たった今衝撃の一報
反天ウィークのために業者に発注をかけた横断幕が、文言の確認段階で「公序良俗に反する」という理由でキャンセルされました
これは、ひどい
なんということだ
公序良俗・・・えっーーー
ちなみに書いてもらう予定だった内容は、普通に「終わりにしよう天皇制!」でした って、このアカウント自体が公序良俗違反かい! もう天皇制の是非を表明することは、公序良俗に反するんですね。 次の公序良俗違反人間は、君だ! (ヤケクソ)


3月に約束していたskype会議.お互い声が聞こえたりそうでなかったりと少しトラブルがありましたが,無事にネット会議できました.なんだか面白いです.ちょっとお酒飲みながらでしたが…
ユニクロでチノパン.
質問に関連して新人のKoさんから資料がほしいとの声があったので,Toさんにお願いしました.Myさんにお願いしてもらいました.

津波に耐え今年も満開 気仙沼・神山川沿いの桜
 東日本大震災の津波に耐えた宮城県気仙沼市神山川沿いにある桜並木が、見頃を迎えている。県の河川堤防工事で震災前より本数は減ったが、地元の住民らは散歩をしたり、写真を撮ったりして楽しんでいる。
 満開となったのは神山川左岸の約190メートルにあるソメイヨシノ17本。ここ数日、暖かい日が続いたことで一気に開花した。
 神山川沿いには震災前、約60本の桜があった。地元の住民が40〜50年前に植え、手入れを続けてきた。震災の津波が押し寄せた後も大半が花を咲かせ、住民を励ました。
 県は当初、河川堤防を建設するため、全ての桜を伐採する方針だったが、地元の反対を受け、一部を残した。


<山元・旧中浜小遺構>屋上の倉庫内部 公開へ
 宮城県山元町教委は東日本大震災の遺構として保存する旧中浜小について、児童ら90人が避難して助かった校舎屋上の屋根裏倉庫を、内部から見学できるよう整備する方針を決めた。津波から命を守った場所を体感してもらう。
 約50平方メートルの倉庫は鉄筋2階の校舎屋上にある。避難時にコンクリートの床に敷いて児童らが寒さをしのいだ段ボール、保管していた学芸会や運動会の道具、タイムカプセルなどが、散乱した状態のまま置かれている。
 倉庫内部に一方通行の通路を設置し、両側に手すりを設ける。できる限り現状を保存するため、物を避けてルートをつくる。
 当初は倉庫壁面に窓を設置し、外側から見学する計画だったが、ガラスの反射で内部の様子が見えにくくなることが判明。ライトで照らすことも検討したが、暗闇で一夜を過ごした避難時の様子と異なり、防火面の問題もあった。
 町教委の担当者は「実際に内部に入って見ることで、児童が身を寄せ合った状況を肌で感じてほしい」と語る。
 町は本年度当初予算に保存工事費など約4億6000万円を計上。年度内に完成し、2020年度の展示開始を予定する。


震災から8年余 遺体の身元判明
東日本大震災の発生翌月に石巻市の海で見つかった身元不明の遺体が、女川町に住んでいた当時60歳の女性と確認されました。
決め手となったのは生前、弟に送った手紙だったということで、震災から8年余りたって、遺族のもとに戻ることになりました。
身元が確認されたのは、震災当時、石巻市の隣の女川町女川浜に住んでいた平塚眞澄さん(当時60)です。
平塚さんの遺体は震災の発生翌月の平成23年4月に、石巻市泊浜の漁港の防波堤近くの海で見つかり、身元が分からないまま、石巻市に引き渡されました。
親族からは行方不明届が提出され、警察がDNA鑑定などを行って調べていましたが、近い親族がいなかったため、特定できませんでした。
しかし、ことし3月、気仙沼市の女性から、「ことしの命日に、女川町に来た平塚さんの異母きょうだいの男性が、警察が公開している身元不明者の似顔絵に似ている」と情報が寄せられました。
警察が、平塚さんがきょうだいの男性に10年ほど前に送った手紙の封筒の切手からDNAの型を検出して照合したところ一致し、身元の特定に至ったということです。
遺体は今月24日に、遺族に引き渡されるということです。
県内で、震災で行方が分かっていない人は今も1200人余りいます。
警察によりますと、東日本大震災に関連して身元が確認されていない遺体はこれで9人となりました。


門脇小保存の回答書を手渡す
一部を取り壊した上で、震災遺構として保存することが決まっている石巻市の旧・門脇小学校について、校舎全体の保存を求めていた住民グループに、石巻市は19日、決定は地域の住民や関係者の合意を得て行ったものであり、再度、住民アンケートを行うことは考えていないなどとする回答書を手渡しました。
旧・門脇小学校について、石巻市は、津波と火災で被害を受けた3階建ての校舎の両端を取り壊した上で、震災遺構として保存する計画です。
地元の住民グループは、「独自に行ったアンケートで、回答者の8割が校舎の全体保存を望んでいる」などとして、先月22日、校舎の一部保存を決めたいきさつの説明などを求める要望書を石巻市に提出しました。
市が19日に住民グループに手渡した回答書では、一部を取り壊す案は保存派・解体派の双方の意見を取り入れた最善案として決定したもので、住民や関係者の合意が得られているとして、再度、住民アンケートを行うことは考えていないなどとしています。
住民側は、「それでは経緯がわからない。建物のすべてを保存して震災遺構として成り立つ」とか、「再度アンケートを行うと結果がひっくり返るためにやらないだけなのでは」などと訴えていました。
石巻市復興政策部の久保智光部長は、「これまで議論を積み重ねてきた経緯を踏まえると、これから再スタートするというのは難しい」と話していました。
また、住民グループ代表の本間英一さんは、「予想通りの回答書だ。市議会で今後についてはかってもらう」と話していました。


河北春秋
 福島県大熊町大川原は「調練原(ちょうれんばら)」と呼ばれた。町の郷土史家鎌田清衛さんの著作『残しておきたい大熊のはなし』(歴史春秋社)によると、江戸時代、馬の調教訓練の野原があったことにちなむ。相馬藩の南の国境を守る要衝だった▼多くの領民が餓死した天明の飢饉(ききん)の際、作物栽培のため開墾。昭和以降は豊かな田園風景が広がった。東京電力福島第1原発事故で姿は一変し、除染土を詰めた黒い袋が山積みされた▼大川原は他地区より放射線量が低く、全町避難した町の再生の中心的役割を担った。この地で新しい町をつくる計画が進む。先日、大川原、中屋敷の両地区で避難指示が解除された▼原発立地自治体では初の解除で、対象住民は全町民のごく一部。「移転先に生活基盤ができた」「自宅が中間貯蔵施設の建設地になった」。そんな理由で多くの町民は帰還を諦めた。しかし、どんなに姿を変えても、町民にとって唯一のかけがえのない古里であることに変わりはない▼大川原の坂下ダムにある500本の桜は今年も華やかに咲いた。原発事故後、樹勢を回復させたのは、町職員OBら6人による「じじい部隊」。町民に美しい故郷を思い出してもらおうと一本一本手入れをした。平成最後の桜。町民はそれぞれどんな思いで眺めたのだろう。

大熊町避難解除/早期帰還ありきは見直せ
 東京電力福島第1原発が立地する福島県大熊町全域に出ていた避難指示が、一部地域で解除された。内陸部で森林が多いが、政府は除染が終了したとしている。一方、中心部など町民の96%が住んでいた6割の地域は、「帰還困難区域」で原則立ち入り禁止が続く。
 新設した役場の開庁式が開かれ、6月には災害公営住宅への入居も始まる。しかし住民帰還の動きは乏しい。町のアンケートでは帰還の意向があるのは14・3%、戻らないとの回答は55%に上る。
 隣接する富岡町は2年前に避難指示が一部解除され、商業施設や医療機関の充実を図ってきたが、居住者数は事故前の7%にすぎない。「安全」を打ち出し施設整備を急ぐ国と、放射線を懸念する住民との意識の開きを示している。
 国はより多くの住民が古里に戻れるよう、手厚く支援しなければならない。同時に早期帰還ありきの政策を見直し、戻れない住民の声に正面から向きあう必要がある。
 原発立地自治体で初の避難解除には、来年の東京五輪に向け復興をアピールしたい安倍政権の思惑がうかがえる。一方、多くの住民は、廃炉が進まない原発や、森林に残る放射性物質への恐れを訴える。
 避難解除に伴う支援打ち切りなどを巡り、被災者が国や東電を訴える裁判の増加も、根本的な認識の違いの表れと言える。
 忘れてならないのは、住民の帰還は第1原発の廃炉が大前提であることだ。
 30〜40年とされてきた廃炉工程の行方が怪しくなっている。メルトダウンで溶け落ちた核燃料は取り出す見通しが立たず、使用済み核燃料の搬出も想定通り進んでいない。
 汚染された物を全て撤去して更地にするという計画の実現性を疑問視する声も上がる。8年間あいまいにしてきた工程を巡る議論の先送りはもう許されない。賠償や被災者の人生設計に大きく影響するからだ。
 事故で壊れ、劣化が進む原発からの核燃料取り出しは、前例のない厳しい作業となる。その近くに暮らすことへの不安に耳を傾けねば、被災地に寄り添う政策は描けない。


釈迦堂320年経て大修復 仙台・榴岡 伊達騒動と深い関わり
 仙台藩4代藩主伊達綱村(1659〜1719年)が母三沢初子の冥福を祈って建立し、東日本大震災の影響などで劣化が進んだ仙台市宮城野区榴岡の市登録文化財・釈迦堂が全面修復されることになり、解体工事が始まった。約320年前の創建以来初めての大修復で、完成当初に近い姿に復元する。2021年の作業完了を目指す。
 釈迦堂は仙台藩を揺るがした寛文事件(伊達騒動)と関わりが深く、母子愛を象徴する歴史的建造物として知られる。高さ11.8メートル、幅・奥行きは7メートル。当初は現在のみやぎNPOプラザ(宮城野区榴ケ岡)付近にあったが、1973年、宮城県図書館の建設に伴って初子の菩提(ぼだい)寺である日蓮宗本山・孝勝寺の境内に移った。
 さらに本堂の建設などに伴って境内で移築を繰り返し、震災では壁などが破損して倒壊の恐れが生じた。元は瓦屋根で白木造りだったとされ、周囲に縁側が張り巡らされていたが、移築を繰り返すうち縁側は外され、屋根は銅板に替わるなど大幅に改変された。
 孝勝寺は昨年、綱村の300回忌に合わせて修復を計画。総工費約1億3000万円のうち、6000万円の寄付を募っている。寄付者には税の優遇措置を適用する指定寄付金制度を活用する。
 今月初旬、施工業者が小山祐司東北工業大教授(日本建築史)の指導を受けて屋根の銅板などを外す作業を始めた。約2カ月かけて解体し、仙台藩が残した建築物に関する記録などと照らし合わせて作業する。
 孝勝寺の谷川海雅(かいげ)貫首(80)は「親子愛や慈悲の心を象徴する文化財として後世に受け継ぎたい」と意気込む。寄付に関する連絡先は同寺022(256)5402。
[釈迦堂]1695年建立。伊達騒動に巻き込まれた綱村の命を守ろうと、母初子が懸命に祈りをささげたことに感謝して建てられ、母子愛を象徴する。初子が身に付けていたとされる約5センチの仏像が守り本尊。綱村が釈迦堂周辺に多数の桜を植え、榴岡公園は桜の名所となった。近くに初子の墓「政岡墓所」がある。


青森・八戸の沖合で珍魚を発見 世界4例目のアンコウか
 青森県八戸市の沖合の太平洋で、世界でこれまで3匹しか確認されていないキタチョウチンアンコウとみられる魚が水揚げされたことが19日、分かった。関係者は「4例目なら非常に珍しく、貴重なデータだ」と話している。
 東北区水産研究所八戸庁舎によると、魚の体長は約25センチ、重さは906グラム。全身が黒く、獲物をおびき寄せるための突起の先端が、複数に分かれている。
 11日に水揚げされ、京都大や米国の専門家に調査を依頼した結果、突起の形などからキタチョウチンアンコウの可能性が高いことが分かった。
 これまでに日本の沖合で3匹が確認されただけの貴重な魚という。


尼崎JR脱線14年 遺族が組織罰実現を訴え「事故を風化させない」
 尼崎JR脱線事故の発生から14年になるのを前に、遺族らでつくる「組織罰を実現する会」主催の公開講演会「信楽事故と事故調査 そしてTASKの活動」が20日、兵庫県川西市栄町のアステホールで開かれる。同会代表で、長女を脱線事故で亡くした大森重美さん(70)は「事故を風化させないためにも、多くの人に関心を持ってほしい」と参加を呼び掛ける。(田中真治)
 同会は、死亡事故などを起こした企業・団体の刑事責任を問う「組織罰」創設を訴え、2016年4月に発足。山梨・笹子トンネル天井板崩落事故や長野・スキーバス転落事故などの遺族らもメンバーとして活動する。昨年10月、法制化を求める約1万人分の署名を法相に提出した。
 講演会では、同会顧問の安部誠治・関西大教授(交通政策論)が登壇。1991年5月に信楽高原鉄道(滋賀県)とJR西日本の列車が衝突して42人が犠牲となった事故を取り上げ、遺族らの結成した「鉄道安全推進会議」(TASK、6月解散予定)が鉄道事故の調査機関設置を実現させた活動をたどる。
 組織罰を実現する会メンバーで、脱線事故で長女を亡くした女性(79)はこれまで信楽事故の追悼法要にも出席してきた。「信楽の反省をきちっとしていれば、尼崎の事故もなかった」と話す。大森さんは「事故を繰り返さないため、組織罰について知ってもらい、法制化につなげたい」と訴える。
 午後2〜4時。無料、予約不要。同会事務局TEL0798・68・3161


外国人労働者 共生の保障はあるか
 外国人労働者を拡大する新制度が始まった。新組織である出入国在留管理庁も発足した。外国人への賃金不払いや長時間労働など人権侵害が問題となっただけに共生の保障はあるかと問いたい。
 「特定技能」と呼ばれる在留資格が創設されるのが、新制度の目玉であろう。今後五年間で最大約三十四万五千人にのぼる外国人労働者の受け入れを想定している。
 業務にあたる法務省の入国管理局を「庁」に格上げした。出入国在留管理庁である。出入国審査などのほか、在留外国人の生活支援なども行うことになっている。
 既に各国で日本語能力などの試験が始まり、やがて大勢の外国人が入国することになろう。ただ、福島第一原発の廃炉作業に就く予定であることも判明した。受け入れ業種の「建設」「電気」などに該当すると判断したからだ。
 廃炉作業にはむろん被ばくの恐れがあり、線量管理などが欠かせない。日本人作業員との意思疎通も不可欠だ。「慢性的に人手不足。喉から手が出るほど労働者がほしい」という現場だ。しかし、語学力の壁などで事故が起きる危険もまたある。外国人を使い捨てにするような仕組みではいけない。
 そんな懸念が生じるのは、外国人技能実習生の悲劇があるからだ。失踪した実習生五千二百十八人に関する調査結果を法務省は公表している。二〇一二〜一七年に事故や病気などで実習生百七十一人が死亡している。足場からの転落などの事故死が二十八人、レジャーなど実習外の事故死が五十三人、病死が五十九人、自殺が十七人、殺人や傷害致死による死亡が九人などだった。
 つまり新制度に盛り込まれている外国人労働者への支援構築が適切でないと、悲劇の二の舞いになる恐れもあるのだ。
 必要なのは法務省など関係する役所が外国人労働者の支援や保護、受け入れ企業の監督の強化を図ることだ。一定技能が必要な「特定技能1号」には、かなりの技能実習生が移行するとみられる。
 相談窓口設置や送り出し国との協力態勢など課題はなお残っている。人手不足解消の労働力としてのみ期待するなら人権侵害は続きかねない。外国人労働者の人権を重く見て、その保障がなされなければならない。
 法案成立から四カ月弱。準備不足の感があるままスタートした。目指すべきは共生社会である。悲劇の連鎖だけは避けたい。


【外国人材と原発】受け入れ態勢は大丈夫か
 4月から始まった新たな在留資格「特定技能」の外国人労働者が、東京電力福島第1原発の廃炉作業に携わる公算が大きくなった。東電が受け入れ方針を明らかにした。
 建設業界の人手不足が背景にあるが、福島第1原発は普通の作業現場ではない。放射線による健康被害が懸念される厳しい作業を伴う。
 外国人を受け入れるなら、十分な環境を整えなければならない。日本語の理解や日本人との意思疎通は最たる課題だろう。
 福島第1原発事故関連では昨年、日本の技術を学びに来ている外国人技能実習生に、本来対象ではない野外の除染や原発内の作業をさせていたことが判明。大きな問題になったばかりだ。
 新制度によって外国人を原発作業員として受け入れることが可能になったからといって、安心して働くことができるわけではない。まずは課題を整理し、十分な受け入れ環境を整えることが重要だ。
 東電によると、実際に外国人を雇用するかどうかは協力会社の判断になる。採用規模も決まっていないという。
 対象職種は、特定技能制度で定める職種のうち、廃炉作業に直接関わる「建設」が主になる。他に「電気・電子情報関連産業」や事務棟などで作業員を支える「ビルクリーニング」「外食業」がある。
 東電は再稼働を目指している新潟県の柏崎刈羽原発の工事でも受け入れる意向だ。
 原発作業では放射線の被ばく線量に上限が定められている。油断すれば発がんリスクが高まる。
 外国人も日本人と同様に適切な教育を受け、しっかりとした作業ルールの中で働く必要がある。線量測定はもちろん、作業の時間や内容も踏まえた徹底した放射線管理が求められよう。
 スタートした新在留資格「特定技能1号」は、求められる日本語能力を「ある程度日常会話ができ、生活に支障がない程度」と定める。
 これで安全は確保できるのだろうか。日本語が理解できなければ、本人の意に反して危険な現場で働かされる事態も起きかねない。現状ではこうした課題への東電側の対応は全く見えてこない。
 福島第1原発の廃炉作業は、下請け、孫請けといった協力会社が担う複雑な構造になっている。どこまで放射線管理や安全管理が徹底されるか気掛かりだ。東電も協力会社に任せきりにせず、責任ある対応が求められる。
 特定技能制度を導入した改正入管難民法は、十分な国会審議を経て成立したとは言い難い。外国人労働者の権利の保障や日本人社会での共生についても準備不足のままスタートした。
 技能実習制度を悪用し、外国人を安い賃金で長時間働かせる事例が相次いだ経緯もある。性善説に立つことはできまい。門戸を開いた政府には指導や監視の責任がある。


他国地位協定調査 政府は不平等に向き合え
 日米地位協定の抜本的な見直しに、政府は真剣に向き合うべきだ。
 県は2017年度と18年度に行った現地調査を基に、日本や欧州4カ国と米国との地位協定を比較した他国地位協定調査報告書をまとめた。報告書は、欧州各国では米軍基地への立ち入り権や米軍機の飛行などで、受け入れ側の国内法を米軍に適用していることを明らかにしている。
 在日米軍には原則として国内法が適用されないとする日本政府との違いが改めて浮き彫りになった。ところが県の調査報告に河野太郎外相は「何かを取り出して比較するということに全く意味はない」と開き直りとしかいいようのない態度を取った。
 国際的な事例比較を通じて課題を国民に分かりやすく示し、交渉によって改善に導くことは本来、外務省が率先して取り組む仕事のはずだ。
 幕末に欧米列強と結んだ不平等条約の改正まで約半世紀の歳月を要した明治政府の歴史を、河野氏が知らないはずはあるまい。国民の利益を損なう不平等から目をそむけ、現状を容認し続けるのなら、外相の資格はない。
 県によると復帰から18年12月末までに、米軍人等による刑法犯が5998件、航空機関連の事故が786件起きている。近年も米軍ヘリ沖国大墜落事故、名護市安部沿岸へのMV22オスプレイ墜落、東村高江の米軍ヘリ不時着・炎上など、民間地域で事故が多発している。
 そのたびに県警は事故現場に立ち入ることができず、米軍は機体を持ち去った。環境調査の立ち入りも認められていない。それにもかかわらず日米地位協定は1960年の締結以来、一度も改正されていない。米軍に裁量を委ねた運用の改善では歯止めがかからず、県民の安全や人権を守れないことはもはや明白だ。
 イタリアでは98年に米軍機によるロープウエーのケーブル切断事故で20人の死者が出たことをきっかけに、米軍機の規制をさらに強化することとなった。本紙記者の報告による連載「駐留の実像」は、米側に低空飛行訓練の見直しを迫るイタリア側代表の言葉を紹介している。
 「これは取引や協議でもない。米軍の飛行機が飛ぶのはイタリアの空だ。私が規則を決め、あなた方は従うのみだ。さあ、署名を」
 これこそが主権国家として取るべき態度だ。
 日米地位協定の不条理は沖縄に限った話ではない。日本の首都東京の空でさえも、米軍横田基地が管制を握っている。全国知事会は18年7月に「米軍基地負担に関する提言」を全会一致で採択し、その中で日米地位協定の抜本的な見直しを求めた。
 県の問題提起に無視を決め込む政府の態度からは、主権国家としての気概が全く感じられない。米国に追従するだけの卑屈な態度を改め、協定の抜本改正を要求すべきだ。


[米兵 女性殺害事件]米軍は説明責任果たせ
 米海軍兵が日本人女性を殺害した後に自殺したとみられる事件で、被害女性との接触を禁止する「軍事保護命令」(MPO)を適用されていた同海軍兵に対し、米軍が事件当日、外泊許可を出していたことが分かった。
 衆院外務委員会で赤嶺政賢氏(共産)の質問に、外務省審議官が答えた。
 海軍兵は事件前夜から女性と一緒にいたことが確認されており、翌朝に2人は遺体で発見されている。外泊許可が出ていなければ事件は防げた可能性がある。
 関係者によると女性は、海軍兵にMPOが適用されたことを知り、これ以上の被害を受けないで済むと安心していた。そんな最中に事件は起きた。海軍兵が目の前に現れた時の、女性の驚きと恐怖は察するに余りある。
 MPOは、DV(ドメスティックバイオレンス)の訴えや男女間のトラブルがあった場合に、憲兵隊(MP)や軍の上司が適用を決める。適用された場合は接触したり、電子メールや電話で連絡したりすることが禁止される。例えば、買い物先で偶然居合わせたとしても、後から来た方が店を出なければならないなど細かくルールが決められ、破れば罰則も科せられる。深刻なケースの場合は、外出禁止などの行動制限と並行して発令されることもあるという。
 今回、女性に対するMPOが発令されている海軍兵に、米軍はなぜ外泊許可を出したのか。許可を出せば、海軍兵が女性宅へ行く懸念は当然あったはずだ。
    ■    ■
 海軍兵の女性に対するストーカー行為や嫌がらせは昨秋ごろ始まった。女性は当時から友人たちに「米軍や県警に何度訴えてもやまない」と話し悩んでいた。昨年10月には女性宅で海軍兵による器物損壊の訴えを受けて沖縄署員が現場へ。今年1月に入ると海軍兵が女性宅に押し入り暴行するなど、事件に至る経緯はエスカレートしていくDVそのものだ。
 MPO適用後いったんは姿が見えなくなった海軍兵だが3月下旬、再び女性宅周辺で目撃されたといううわさを聞き女性はおびえていたという。
 米軍は事件直前の4月上旬、女性に対する暴行について県警が捜査を終えた後もNCIS(米海軍犯罪捜査局)による捜査を続けていたとする一方、今回、事件当日に海軍兵に外泊許可を出していた。米軍の説明は矛盾しており到底納得できない。
    ■    ■
 他方、県警は事件後、女性からの訴えについて「わいせつ事案はあったものの、DVがあったかどうかは分からない」との見方を示している。度重なる嫌がらせや、自宅に押し入り暴行されたなどの訴えを「DVかどうか分からない」とする県警の判断にも大いに疑問が残る。
 日米双方の捜査機関が関わりながら、事件を防げなかった責任は重い。
 大切な命が失われた今、事件はなぜ防げなかったのか、同様の悲劇を防ぐにはどうすればいいのか。
 米軍は、事件に対しての説明責任を果たすべきだ。


辺野古取材の池上彰さんを撮影 「マスコミ特定」反対派リスト作成の警備会社が指示
「撮影は警備目的」とする政府答弁と矛盾
 沖縄県名護市辺野古沖で2016年、国が発注した海上警備業務の下、取材中だったジャーナリストの池上彰氏が撮影されていたことが明らかになった。毎日新聞は画像を入手。関係者は、警備を委託された会社側から取材者を撮るよう指示があったと証言した。この会社を巡っては、米軍普天間飛行場の辺野古移設に反対する市民らの顔写真付きリストを作っていたことが判明している。「撮影は警備目的」とする政府答弁との矛盾が鮮明になった。


普天間爆音訴訟/司法の限界を認めるのか
 米軍普天間飛行場(沖縄県名護市)の周辺住民ら約3400人が米軍機の飛行差し止めと騒音被害の賠償を国に求めた訴訟の控訴審判決で、福岡高裁那覇支部は国に約21億円の支払いを命じた。しかし差し止めは一審と同じく認めなかった。
 過去の騒音被害は違法だが、生じさせているのは米国であり、日本政府が制限できる立場にない−。約390人の住民による第1次訴訟でも、那覇地裁と福岡高裁は同じ内容の判決を下している。司法の限界を自ら認めたような内容だ。
 1996年に日米両政府が返還に合意してから20年以上を経ても、多くの住民にとって、事故と背中合わせの安心できない状況が続く。政府は普天間の危険性除去の責務を改めて認識し、沖縄県民が納得できる対策を講じなければならない。
 判決は、睡眠妨害など住民の苦痛が「受忍限度を超えている」と指摘した。さらに日米間の協定に反する早朝や深夜の飛行が確認されたとして、「協定の履行を求める実効的措置を取っていない」と国を批判した。
 ところが賠償基準額は一審判決より3割以上も減額し、根拠を明確に示さなかった。国の不作為を認定しながら、「不当に高額」とする国の主張に沿うような判断は理解に苦しむ。
 米軍基地の騒音問題は各地で訴訟が起こされ、国に賠償が命じられている。原告側は被害の深刻さや国の無策を訴えて賠償を勝ち取ってきた。大幅削減はそうした流れに逆行する。
 一方で判決は、普天間での米軍の活動が国民全体の利益に寄与するとしながらも、周辺住民に「特別の犠牲」を強いる不公平は「正当化できない」と指摘した。
 普天間の負担解消へ政府が「唯一の解決策」とする辺野古移設は、県民の反発が根強い。沖縄に集中する基地負担のあり方を、日本全体で考えねばならないのは確かだ。
 厚木基地(神奈川県)の騒音訴訟で、横浜地裁が差し止めを認めた例もある。違法な騒音と認め、賠償を命じるのなら、さらに踏み込んで現状を直ちに改善するよう政府に強く迫るのが筋である。それが司法に求められる役割ではないか。


橋下徹が岩上安身リツイート裁判で矛盾を追及され逆ギレ!「こんな質問は無意味」「あなたにはわからない」と
 3月27日、大阪地方裁判所。原告本人として証言台に立った橋下徹氏は、被告席へ向けて、吐き捨てるようにこう言った。
「こんな質問は無意味。あなたには組織を運営したことがないからわからないですよ」
 4月7日に投開票された大阪W首長選は、大阪維新の会の松井一郎と吉村洋文が立場を入れ替えて当選、同日の地方選議会選でも維新の会は議席を伸ばした。その選挙のまっただ中、“維新の生みの親”である橋下氏が起こした裁判がハイライトを迎えていたことをご存知だろうか。
 橋下氏に訴えられたのは、インターネット報道メディア「IWJ」を主宰するジャーナリスト・岩上安身氏だ。以前、本サイトでもお伝えしている(https://lite-ra.com/2018/01/post-3754.html)ように、この裁判は2017年12月、橋下氏が、Twitter上で第三者のツイートをリツイート(RT)した岩上氏を相手取り、名誉を傷つけられたとして100万円の損害賠償等を求め提訴したものだ。
 そしてこの3月27日に大阪地裁で行われた第6回口頭弁論で、いよいよ橋下氏と岩上氏本人が出廷。法廷での全面対決が行われたのである。本サイト記者も裁判を傍聴した。
 当日10時頃、大阪地裁の大法廷にあらわれたスーツ姿の橋下氏は、時折、小声で代理人と話したり、憮然とした表情を浮かべていた。午前中に行われた証人尋問から、弁護士でもある橋下氏が代理人を通さず、自ら尋問を行うという“異例”の光景が随所で見られた。
 さらに、午後の本人尋問では、岩上氏に対し直接「(取材メモ等を)出すんですか!出さないんですか!」などと声を張り上げる場面も。一方で橋下氏への反対尋問では、被告側弁護団が橋下氏の主張の“矛盾”を追及するなど、両者が火花を散らす展開となった──。
 こうした法廷での模様は後に譲るとして、訴訟の経緯を簡単におさらいしておこう。
 この裁判で注目すべき主なポイントは、(1)第三者のツイートを単純RTする行為が名誉毀損に当たるのか、(2)元ツイート内容の真実性ないしは真実相当性、(3)訴訟自体が批判言論の萎縮を狙った「スラップ裁判」と認定されるかどうか、だ。
 訴状などによると、岩上氏は2017年10月29日、自身のTwitterアカウントで〈橋下徹が30代で大阪府知事になったとき、20歳以上年上の大阪府の幹部たちに随分と生意気な口をきき、自殺にまで追い込んだことを忘れたのか!恥を知れ!〉との第三者のツイートをRT。岩上氏自身はコメントを一切つけず単純にシェアする形のRTだった。岩上氏は「検証報道の必要性を感じ」て「すぐに取り消した」というが、RTから約1カ月半後、橋下氏側は内容証明等の事前通告を一切せぬまま、いきなり訴状を送りつけた。
 原告・橋下氏側は「リツイートの摘示する事実は全くの虚偽」であり、岩上氏のRTによって「社会的信用性を低下させられた」「精神的苦痛を受けた」などと主張している。他方の被告・岩上氏側は、「意見表明を名誉毀損と一方的に決めつけ、意見表明を止めなければ金銭請求する」ものとして、相手の言論を封殺することが目的の典型的なスラップ訴訟(訴権の濫用)の「手口」であると反論している。
 たしかに、橋下氏側の訴状や陳述書には不可解な点が多い。たとえば、原告側は元ツイートの内容について、「他者を自殺に追い込むまでのパワーハラスメントを行う人物であるとの印象を与える」として社会的信用性の低下を訴えているのだが、一方で、名誉回復措置としての謝罪訂正文掲載などは一切求めず、100万円と弁護士費用のみを要求している。
 また、元ツイートの内容を巡っては、橋下氏が府知事時代の2010年10月、府職員(当時、商工労働部経済交流促進課の参事)が水死体で見つかったことが深く関係しているのだが、「橋下府政下での複数職員の自殺」という事実自体は、これまで週刊誌や新聞等いくつものメディアが報じてきたものだ。
 それらの報道によると、自殺した参事は2009年9月5〜8日の日程で行われた橋下府知事の台湾訪問に携わっており、残された遺書には「仕事上の課題・宿題が増え続け、少しも解決しません」「もう限界です。疲れました」などと書かれていたとされる(裁判のなかでは、岩上氏側が大阪府による参事自殺に関する調査報告書の開示を求めるも、裁判所は大阪府に開示を認めない決定を下した)。
 また、当時の橋下府知事自身も記者団に対し「ご遺族の方には本当に申し訳ない。職員が責任感を持ってもらったがゆえに、全部背負ってしまったと思う」「(日程変更の)判断は間違ったとは思わないが、こまやかな配慮にかけていたことは否めない」(読売朝日新聞大阪版10年12月15日付)などと語っていた。そうしたことから、複数のメディアが、参事の自殺に橋下知事訪台をめぐる府庁内トラブルが影響を与えているのではないかとの見方をしたのである。
 ゆえに、元ツイートの真実性・真実相当性が争われたこの裁判でも、当時の知事訪台をめぐる「方針決定の過程」が問題となった。そして、被告側弁護団が橋下氏の主張の“矛盾”を追及したことから、冒頭の場面へと繋がる。
台湾訪問決定をめぐる橋下徹の主張と議事録に大きな矛盾
 もともと、裁判所に提出した陳述書のなかで橋下氏側は“訪台中に台湾政府要人とは会わない”という「方針」は、大阪府の意思決定機関である「大阪府戦略本部会議」で事前に機関決定されていたことであり、「大阪府戦略会議において、副知事や幹部たちと協議を重ねてきました」「私は大阪府戦略本部会議において入念に時間を重ね、大阪府知事の台湾訪問の方針をつくったのであり、その方針を、現場の一職員の判断で覆すということを認めるわけには絶対にいきませんでした」などと繰り返し述べてきた。
 橋下氏の申述書によれば、訪台時に初めて台湾の経済担当大臣との面会がセッティングされていることを知り、「ありえない」「絶対に認めるわけにはいかない」との心境になったという。また、帰国後に開かれた「大阪府部長会議」において「大阪府戦略本部会議で決めた方針について、担当部局の細部にまで意思共有ができていないことの問題点を指摘」し、「叱責と言われれば、そうかもしれませんが、それは組織上の注意として当然の範囲です」と述べている。
 ところが、である。裁判の被告側反対尋問のなかで、岩上氏はこの主張の矛盾を暴露した。岩上氏側は、橋下氏が議論のうえ機関決定したと主張してきた「戦略本部会議」と「部長会議」の議事録を丹念にチェックし、そこにまったく議題として取り上げられていないことを確認したと発言。それだけでなく、提訴後には大阪府へ直接取材し、府の担当者から「戦略本部会議で訪台について話し合われたことは一度もなく、決定もされていません」「非公開にしている議事録などなく、すべて公開しています」「部長会議についても同様です」と、橋下氏の主張を根底から覆す回答を大阪府から得たというのだ。
 本サイトも後日、あらためて大阪府に取材した。たしかに岩上氏側が言うように、「戦略本部会議」にかんしてHPで公開しているもの以外の「議事録」は存在せず、「台湾訪問について、戦略本部会議および部長会議で意思決定されたという実績はない」(政策企画部企画室政策課担当者)との回答だった。なお、当時の訪台方針の決定の過程についても確認を求めたが、「知事の海外出張の関連文書については、所定の保管期限5年を過ぎたものは廃棄されるため当時の詳細はわからない」(商工労働部成長産業振興室国際ビジネス・企業誘致課担当者)とのことだった。
 当然、橋下氏への反対尋問では、この決定過程をめぐる主張の“矛盾”が厳しく追及された。すると、橋下氏は訪台方針の決定時期は「はっきりしない」と言葉を濁し、さらに“訪台記載がない議事録”についてこう煙に巻いたのである。
「これは外交マターなので、非公開になっているのかはわからない」
「議事録には残っているはず。ただ、公開されているかはわからない」
 しかし、繰り返すが、こうした橋下氏の曖昧な発言は、岩上氏側が取材の上、確認をとった大阪府の回答とまったく矛盾するものだ。
矛盾を追及された橋下徹は「こんな質問は無意味」と逆ギレ
 そこで再度、岩上氏側の代理人から「方針を決定した会議」の正式名称を訊かれ、橋下氏が吐いたのが「あなたには組織を運営したことがないからわからないですよ」とのセリフだ。その姿はまさに、マスコミの記者を「勉強不足」「わかっていない」などと面罵した首長時代を彷彿とさせるものだった。
 さらに、閉廷の直前には、橋下氏は「岩上氏から謝罪があれば訴訟しなかった」「知事権限で(訪台は)やった」などとこれまでとは違う発言を口にした。前述の通り、訴状において原告は岩上氏に謝罪を求めていなかったにもかかわらず、である。
 結局、被告原告双方の本人尋問はかみ合うことなく、参事自殺をめぐる真相も明らかにならなかったが、この裁判ではもうひとつ、看過できない証言が橋下氏本人の口から飛び出した。
 実は、裁判所に提出した書類によれば、橋下氏は元ツイートの投稿主に対しては提訴していない。また前述のように、参事自殺と橋下知事訪台時のトラブルを結びつけた記事はいくつも存在している。たとえば「フライデー」(講談社)2011年10月28日号は、「大阪府幹部職員が爆弾証言「私の同僚は橋下徹府知事に追い込まれて自殺した!」」なる見出しで掲載。同じ記事は講談社のニュースサイト「現代ビジネス」にも転載され、2019年4月現在でも公開されたままになっているが、これに対しても裁判も起こしていなければ、削除要請もしていないのだ。
 であれば、なぜ橋下氏は単純RTした岩上氏をだけを提訴したのか。明らかに不可解だ。傍聴メモから、岩上氏側による橋下氏への尋問中のやり取りを紹介しよう。
岩上側「2011年10月23日の『現代ビジネス』には『橋下徹府知事に追い込まれて自殺した』とあります」
橋下氏「僕に『追い込まれて自殺した』は虚偽ですね」
岩上側「講談社に削除要請はされているのですか。提訴は」
橋下氏「してません。裁判もないです」
岩上側「岩上さんへの対応と講談社への対応が違う」
橋下氏「その記事は2011年のものですよね。僕が政治家時代の話。政治家時代にはいろいろ書かれましたが、公人ですから、よほど限度を超えていたもの以外は法的対応を控えてました」
岩上側「インターネット上で今も公開されていますが、放置するのですか」
橋下氏「しかたがない」
岩上側「仮に岩上さんが『現代ビジネス』の記事をRTしたとしたらどうなりますか」
橋下氏「(その記事は)匿名の関係者に取材するなどしている。問題のツイートとは違う」
 二重基準にしか聞こえないが、「政治家を辞めた今となっては私人」であり、「自分はなんの権力ももたない」などと強弁を続ける橋下氏。 念のため事実を補足しておくと、橋下氏は政治家時代に「新潮45」(新潮社)2011年11月号に精神科医でノンフィクション作家の野田正彰氏が寄せた「大阪府知事は『病気』である」という記事に対し名誉毀損で提訴している(2017年2月に最高裁が上告を棄却し、橋下氏の敗訴が確定)。
橋下徹は“リツイートを岩上自身のツイートと勘違い”していたと自ら証言
 だが、さらに呆れたのは、提訴のタイミングをめぐって尋問されたときのことだ。橋下氏は自らに関して“名誉毀損に当たりそうなツイートを事務所がリサーチしている”と証言したのである。
岩上側「ネットメディアもチェックしているのですか? そのなかにIWJも含まれていますか」
橋下氏「メディアは全部チェックしているはずです」
岩上側「事務所からの報告というのは、元ツイートが岩上さんにRTされたということの報告?」
橋下氏「いや、岩上氏のツイートとして(報告を受けた)」
岩上側「第三者のRTだということは、実際に見た段階でわかったということですか」
橋下氏「(そのときは)岩上さんのツイートだと思いました」
 ようするに、事務所のスタッフに橋下氏に関するツイートを随時チェックさせ、報告を上げさせているというのだ。しかも、橋下氏が言うには、理解しがたいことに、当初はRTではなくツイートだと誤認していたらしいが、もし、単純なRT行為に対して名誉毀損が成立するとすれば、同じRTをした複数のアカウントのなかから恣意的に選ぶことが可能となる。実際に今回、橋下氏はそのようにして岩上氏だけを提訴した。それもRTを削除した後に、だ。
 いずれにせよ、批判勢力を吊るし上げ、言論人やメディアを名指しながら罵倒して大衆を煽動するやり方は、もともと橋下氏が政治家時代から繰り返してきた手法である。しかも、橋下氏は「政界引退」を表明した後も、大阪維新の会の法律顧問を務め、安倍首相や菅義偉官房長官と会食を繰り返している。依然として、橋下氏が強い政治的影響力を有しているのは衆目の一致するところだ。
 これでは、政治的影響力を持つ人物に対する批判的な報道だけでなく、一般の人々の表現の自由までもが相当に萎縮してしまうだろう。裁判所には慎重な判断を望みたい。


労基署が大手に是正勧告…芸能プロはやはりブラックなのか
■裁量労働制の抜け穴
「現場」のスタッフほど、改善など期待できないようだ。
 原則月45時間とされる時間外労働(残業)の上限を超えさせたとして、サザンオールスターズなどが所属のアミューズ、お笑いの吉本興業、EXILEなどのLDH JAPANが労働基準監督署から是正勧告を受けていた件である。月に500時間働いたスタッフもいたというから、月平均80時間とされた「過労死ライン」など、どこ吹く風。いつスタッフが倒れてもおかしくないような酷使状態が見え隠れしている。
 この是正勧告に各社は労働環境の整備に乗りだす姿勢を公にした。だが某芸能プロデューサーはこう言うのだ。
「例えばタレントがある程度売れてきたとする。専任のマネジャーのほか、さらに付き人もいる場合、とても労基法の時間内で終わるような仕事じゃない。それでどうするか。この専任マネジャーをチーフマネジャーにして、さらに子会社の社長にして、この子会社がマネジメントをしていることにすると、マネジャーは労基法の対象とする被雇用者ではなくなる。法的には経営者ですから、残業代とか、最低時給とかの縛りはない。合法的に残業代を支払わないで済む裏技を熟知しているプロダクション経営者はいくらでもいますよ」
 今回是正勧告の出た3社のことではないだろうが、悪徳プロダクションになると「頑張っているから役員にしてやる、子会社の社長にしてやる」などと甘い言葉で誘い、年間一律の定額役員報酬だけでスタッフを酷使したりするケースもあるというから悪質だ。
「実態が雇用に近ければ、仮に裁判で争えば、こうしたマネジャーも会社にリベンジできます。しかし、現実には目の回るような激務で労基署や弁護士に相談する時間もなければ、過労や睡眠不足で心身共にいっぱいいっぱい。だいたい弁護士に仕事を委任する金銭もないでしょう。つまりは、悪徳プロが労基署から指導を受けたとしても、スタッフの処遇や書類などを触って、実態はそのままということは十分あり得る。裁量労働制は、ブラック企業が残業不払いを合法化するものでしたが、役員にするなどまだまだ逃げ道はある」(前出のプロデューサー)
 芸能界の仕事は人気で、有名プロダクションの求人倍率は今も高いが、一方で短期間で辞めてしまうケースも少なくない。
■売れた時の喜びは…
 不規則な労働時間、タレントの送迎にスケジュール管理、営業の他、打ち合わせという名の飲み会、マスコミや一部ファンからの護衛役、果ては私生活の雑事にまで及ぶこともあるというから、時間が不規則で長時間なのも致し方ない部分はある。それでも、担当するタレントがブレークした時の喜びは何物にも替えがたいという声も一方ではある。
「担当した新人が大ブレークして会社から数百万のボーナスをもらい、20代でベンツのEクラスを買ったなんて話はこの業界にはゴロゴロしています。でも、最近ではマネジャーとタレントの関係も、現地集合、現地解散だったり、現場に顔を出さないで何人ものタレントを担当するようなタイプも出てきている。本当にケース・バイ・ケース」と、某大手芸能プロダクション幹部は言う。働き方改革と芸能界が折り合いをつけるのは難しそうだ。


“安倍最側近”萩生田光一が批判されるべきは消費税延期論でなく「ワイルド」改憲発言と『虎ノ門ニュース』の身内化だ
 やっぱり出たか──。昨日、自民党の萩生田光一幹事長代行がフェイクデマ拡散ネトウヨ番組である『真相深入り!虎ノ門ニュース』(DHCテレビ)に出演。「消費増税の延期」に言及し、波紋を広げている。本日午後に萩生田氏は「政治家としての私個人の見解を申し上げた」と釈明したが、これはそんなレベルの話ではない。
 というのも、本サイトが先週、伝えたように、5月20日に公表される四半期別のGDP速報値がマイナスになる公算が強まっていることから、安倍政権では参院選に対する危機感が大きくなり、消費増税延期と衆院解散の「衆参ダブル選挙」を検討する動きが起きていたからだ(https://lite-ra.com/2019/04/post-4660.html)。
 今回、安倍首相の最側近である萩生田氏が消費増税延期の可能性を口にしたのだ。これは単なる「個人の見解」などではなく、安倍首相に代わって観測気球を上げたということではないのか。
 もっとも、消費税については、そもそも実質賃金が上がらないこんな状況下で逆進性の高い増税を実施しようとしていること自体がおかしいのであって、延期は当然とも言える(消費増税を前提にした予算を強行した政権が、いまさら選挙目的で、それをひっくり返そうという無節操さには呆れるが)。
 むしろ、問題なのは、萩生田氏のもうひとつの発言、憲法改正についてふれた部分のほうだろう。
 まず、萩生田氏は、今国会で憲法審査会がまだ1度も開かれていないことについて、「国会の一部の人たちが国民の主権を奪っている」「誰も国民は望んでいない」と憲法審査会の開催に反対する野党を批判した。
 あたかも国民が憲法改正に前向きであるかのような言い方をしているが、1月におこなわれたNHKの世論調査でも、国会での憲法改正に向けた議論について「早く進めるべき」と回答したのは23%にすぎず、「急いで進める必要はない」が50%、「憲法改正の議論をする必要はない」が14%という結果だった。つまり、国民は憲法改正の議論について喫緊の必要性をほとんど感じていないのだ。
 にもかかわらず、萩生田氏はこう明言したのである。
「ここまで丁寧に我慢してきた。令和になったらキャンペーンを張るしかない」
「ご譲位が終わって新しい時代になったら、少しワイルドな憲法審査を自民党は進めていかなければならない」
 国民から不信感が高まっている「忖度道路」をはじめとする問題についての予算委員会の開催を拒否しながら、国民から強い要請も緊急性もない憲法審査会を「ワイルドに」進めると明言するとは──。これは看過できない大暴言だ。
 憲法審査会はその名の通り、憲法という国の基礎となる最高法規を議論する場であるため、他の委員会とは違い与野党協調を重視し、与党と野党の合意の上で開催してきた。だが、与党は憲法審査会の開催を強引に迫り、野党がこれを拒否したところ、昨年には自民党の憲法改正推進本部長であり憲法審査会の幹事に就任する予定だった下村博文・元文科相が「職場放棄だ」とテレビ番組で暴言を吐くという問題が勃発。これを受けて自民党は下村元文科相を幹事と委員から辞退させた。さらに、同じく昨年には、衆院憲法審査会の開催を野党の合意なく自民党・森英介会長の職権を濫用して強行するという掟破りに出た。今国会でも、与野党の合意がないまま森会長が職権での幹事懇談会開催を決定するなど、自民党の暴走はつづいている。
消費税延期論と「ワイルドな憲法審査」発言が物語る安倍首相と側近の思惑
 よくこれで「丁寧に我慢してきた」などと言えたものだが、その上、飛び出した「ワイルドな憲法審査」なる発言。これはまさに、憲法審査会をすっとばして安倍改憲案を国会に提出し、強行採決を繰り返して国会発議にもっていくという暴挙さえ想像してしまうような乱暴な発言ではないか。
 そして、気になるのは、この発言が消費増税延期論と同時に出てきたことだ。
 安倍首相にとって、もっともプライオリティが高いのは、任期中に憲法改正を実現させることのほうだ。ところが、前述したように、5月20日に公表される四半期別のGDP速報値がマイナスになる可能性はかなり高く、萩生田氏が警戒する6月の日銀短観と合わせ、「アベノミクス失敗論」が出てくることは必至。もし、そのまま参院選に突入すれば、憲法改正勢力が3分の2割れし、憲法改正が不可能になるのは必至だ。 
 そうならないためには、消費税増税を延期するか、憲法審査会を強行して参院選前に改憲ムードを盛り上げるかしか、選択肢はないのである。
 政治状況を考えると、両方とも現実味があるとは思えないが、それくらい安倍首相とその側近たちが憲法改正に執着しているということだろう。
 しかも、暗澹とさせられるのは、萩生田氏が「消費増税延期論」と「ワイルド改憲」を口走った場がフェイクデマ拡散ネトウヨ番組である『真相深入り!虎ノ門ニュース』だったということだ。
ネトウヨ番組『虎ノ門ニュース』に5度出演し、今回は重大発言
 先日も、同番組の出演陣である百田尚樹や有本香、ケント・ギルバート、竹田恒泰、上念司などといったネトウヨ安倍応援団が安倍首相主催の「桜を見る会」にこぞって参加し、「税金を使ってお友だちの接待か」と問題となったばかりだが、じつは萩生田氏、昨日は5度目の出演。そこで飛び出した「増税延期論」にマスコミ各社が飛びついたのだ。
 もっともこの発言が『虎ノ門ニュース』での発言であることに大手マスコミはまったくふれておらず、曜日レギュラーの百田氏は、〈(発言がなされたのが)『虎ノ門ニュース』の中と報じているところはどこもない。他の番組の中の発言をニュースにするのはいいけど、名前くらい書けよ、クソメディア!〉と激怒していた。
 たしかに、本サイトも、萩生田氏の発言が『虎ノ門ニュース』でおこなわれたことをきちんと報じられるべきだったと思う。ただし、それは百田氏とは正反対の意味で、だ。マスコミは、安倍首相の最側近で政権与党幹部である人間が、フェイクデマを垂れ流しているネトウヨ視聴者しかいないような極右ネット番組で政局を左右するような発言をしたことを、もっと厳しく批判すべきだったのだ。
 しかも、萩生田氏は同番組で、日韓関係について「常軌を逸した反日行動がつづくのであれば党としては覚悟をもって望まなければならない」などと経済的な対抗策をとる可能性にふれ、「韓国から買うもので入ってこなくて困るものってあんまりないんですよね。JINROと焼肉とキムチだから」などと発言。日本にとって韓国は第4位の輸入相手国(2017年)であり、その内訳は石油製品や鉄鋼板、半導体などなのだが、そうした事実も無視して萩生田氏はネトウヨ全開のトークを繰り広げていた。
 一国の総理大臣の最側近がネトウヨフェイク番組に“身内”感覚で出演し、首相の意を受けた観測気球をぶちあげ、国の重大政策をひっくり返すコメントを平気で口にする。もっとも恐ろしいのは、安倍政権のなんでもありの傲慢さだろう。


自民・萩生田氏「消費増税延期」発言に隠された姑息な狙い
 自民党の萩生田光一幹事長代行が18日のネット番組で、10月予定の消費税率10%への引き上げについて、「6月の日銀短観次第で増税延期もあり得る」との考えを表明した。庶民にとって消費増税は論外。本来は歓迎すべき話だが、この萩生田発言にはウラがあると考えた方がいい。
  ◇  ◇  ◇
「景気はちょっと落ちている。6月の日銀短観で、この先は危ないと見えてきたら、崖に向かってみんなを連れて行くわけにはいかない。違う展開はあると思う」
 安倍首相の側近とされる萩生田幹事長代行が、日銀短観を名指しして消費増税回避の可能性を示唆したのだから新聞・テレビが大騒ぎするのも当然だ。
 これを受け、日本商工会議所の三村明夫会頭は「信じられない」と言っていたが、何だかデキレースのにおいがプンプンする。
「今年のGWは10連休もあり、経済波及効果は2兆円超との民間試算もあるため、身の丈を超えた出費をしてしまう人も多いでしょう。しかし、連休後は節約志向で景気が低迷するともみられている。日銀短観の調査は、ちょうどその頃に行われるため、消費増税に反対する経営者が続出する可能性が十分にあります」(経済ジャーナリスト・井上学氏)
 要するに、すでに6月の「日銀短観」の悪化は予想されているわけで、そのタイミングで「増税延期」を言い出せば、野党から「アベノミクスは失敗」と“口撃”されかねない。それを避けるため、今から増税延期をにおわせているのではないかというのだ。
「増税を推してきた麻生財務相の影響力が低下し、政権内は延期論が広がっています。16年は〈世界経済〉を口実に、伊勢志摩サミット後に安倍首相が増税延期を表明し、今回も大阪G20を踏まえての延期を考えていましたが、米中とも景気が盛り返しつつある。G20で世界経済を〈危機的〉とは言いづらいため、萩生田さんに日銀短観の結果という布石を打たせた。6月短観の発表は7月1日。通常国会は閉幕しているため、国会で野党からアベノミクスの失敗と追及されることもありませんからね」(官邸担当記者)
 立正大客員教授の浦野広明氏(税法)がこう言う。
「野党が準備不足なうちに、安倍政権は〈増税延期〉を手柄に選挙を勝ちにいくつもりなのでしょう。萩生田氏の『みんなを連れて行くわけにはいかない』という言い方が“英断”ぶっています。増税見送りは当然ですが、そういう日本経済にしたのは、アベノミクスが失敗したからです」
 消費増税を延期する本当の理由はアベノミクスの失敗を糊塗するため。失政すら政権浮揚に利用する悪辣政権を許してはダメだ。


「寺院守ってくれてありがとう」 パリの消防隊員たたえ式典
 【パリ共同】パリのノートルダム寺院(大聖堂)の火災で、懸命な消火活動で寺院の貴重な文化財を救出、鐘楼などへの延焼を食い止めたパリ市の消防隊員らの活躍をたたえる式典が18日、パリ市庁舎前の広場で開かれた。「勇敢さに感動した」「寺院を守ってくれてありがとう」。謝意を伝えようと数百人の市民らが会場に駆け付けた。
 火災では約500人の隊員が活動に参加。式典で、消防隊の代表者らが登壇し紹介されると、広場は割れんばかりの拍手に包まれた。
 パリのイダルゴ市長は「命を危険にさらし、私たちの一部(である寺院)を救ってくれた」と隊員らをたたえ、寺院再生への希望を訴えた。


ノートルダム寺院炎上 あるべき修復 腰を据えて議論を
 フランス・パリ中心部にある世界遺産ノートルダム寺院(大聖堂)が炎上し、尖塔(せんとう)に加え屋根の大部分が崩落した。同国だけでなく世界にとっての宝が大きく傷つき、非常に残念だ。
 この事態に国や宗教を超えて支援の動きが広がっている。寄付の申し出が相次ぎ、既に総額1千億円に達したという。世界中の連携で「私たちの貴婦人」の意味を持つ大聖堂が着実に修復され、元の美しい姿を取り戻してほしい。
 大聖堂は14世紀の完成以降、歴史の証人となってきた。ゴシック様式を代表する建築として知られ、ステンドグラスや彫刻などを含めフランス美術史上の至宝とされる。年間訪問者は1300万人に上り、首都随一の名所で、日本からの観光客も多い。閉館後で亡くなった人がいないのは不幸中の幸いだった。
 大聖堂は改修工事中で、捜査当局は作業のため設置されたエレベーターの電気回線がショートした可能性があるとみて調べている。原因を徹底究明して再発を防止し、他の貴重な文化遺産の保護にもつなげていくのがフランスの使命である。
 修復についてマクロン大統領は「5年以内の完了を目指す」と表明している。2024年に夏季五輪が開かれるパリの市長も同様の考えだ。一方で、少なくとも10〜15年かかるとの専門家の見方もある。完成から700年近い歴史を誇るフランスの象徴を再建する大事な事業であり、政治的スケジュールを優先すべきではない。
 今回の火災では、屋根や梁(はり)などに大量の木材が使われていたことが火勢を増した一因とみられる。以前から危険性は指摘されていたが、対策に膨大な費用がかかる上、建築的な価値に傷が付く恐れもあった。歴史と安全性をいかに両立するか、難しい問いが改めて投げ掛けられている。世界中の支援者に納得してもらうためにも、政府は広く意見を募って英知を結集し、今後のモデルとなるような修復の形をじっくりと議論すべきだ。
 歴史的建造物の焼損は世界各地で相次いでいる。昨年9月のブラジル・リオデジャネイロの国立博物館の火災は記憶に新しい。全ての関係者は「対岸の火事」とせず、自らの対策を再点検し改善する機会にしたい。
 日本に目を向けると、歴史的建造物の多くが木造であり、戦後も法隆寺金堂壁画の焼損、金閣寺全焼などがあった。愛媛でも13年、一遍上人ゆかりの松山の宝厳寺が全焼した。歴史的建造物は単に地域の歴史を伝えるだけでなく、文化や暮らしのよりどころでもある。後世に残すのは私たちの責務だ。
 国は、国宝や重要文化財の建造物に火災報知機の設置を義務付けているが、放水銃や消火栓などの設置は所有者の判断に任されている。フランスの火災を受け、文化庁は防火対策を近く緊急調査する。対策はまだまだ道半ばであり、国の後押しで強化しなければならない。


中高年のひきこもり/孤立と困窮を防ぐ支援策を
 社会参加を避け、半年以上にわたって自宅にいる40〜64歳のひきこもり状態の人が、全国で推計約61万3000人に上る。内閣府がそんな調査結果を公表した。
 中高年を対象にした調査は初めてだ。ひきこもりが若者だけの問題ではなく、長期化し高年齢化している実態が浮き彫りになった。根本匠厚生労働相は「大人のひきこもりは新しい社会的問題だ」との認識を示した。
 だが、中高年のひきこもりは以前から、多くの関係者が指摘してきた問題だ。歳月がたてば、ひきこもる若者は年を重ねる。自明の理なのに、国は対応をおろそかにしてきた。国や自治体は深刻な状況と受け止め、有効な対策を打ち出す必要がある。
 ひきこもりは不登校の延長などによる若者の問題と捉えられてきた。従来、調査や対策の対象は15〜39歳で、2015年の調査では推計約54万人だった。今回の調査で、若年層より中高年の方が多いという実態が分かった。合わせると100万人を超える。
 今回の調査は無作為抽出した全国5000世帯を調査員が訪問し、ひきこもりの人がいる場合、家族などから生活状況を聞き取った。
 目を引くのは、ひきこもる期間の長さだ。7年以上という人が46.7%に上り、このうち20年以上が19.1%、30年以上も6.4%いた。
 父親か母親が家計を支える世帯は3割を超え、親の年金が頼りという人もいる。就職氷河期世代の40代が約4割を占め、就職活動の失敗や職場になじめなかったことがひきこもる契機になっていた。
 80代の親、50代の子の家族が孤立し困窮する事例は「8050問題」と呼ばれる。今のままでは問題のさらなる深刻化が危惧される。「親亡き後」の生活も避けて通れない切実な問題だ。
 行政は、中高年のひきこもり解消に向けた施策を早急に検討するべきだ。本来は会社や地域の中核をなす年代の人々がひきこもっているのは、社会的にも大きな損失と認識しなければならない。
 中高年を含めた幅広い層のひきこもり支援については、東北でも一部の自治体や民間団体に先行例がある。
 住民約3300人の秋田県藤里町では、社会福祉協議会が地元企業と連携し、ひきこもりの人を地域社会の担い手として就労を支援する。10年ほど前に100人以上だった当事者の多くが仕事に就き、活動は成果を上げている。
 仙台市のNPO法人「わたげの会」は、家庭訪問などで家族を支えている。ひきこもりの人たちが語り合える居場所を提供し、段階的に就労につなげていく支援メニューを用意する。中高年に特化した寮の整備も進めている。
 そうした取り組みを参考にしながら、行政や地域、支援団体などが連携し、問題解決に向けた仕組みを築きたい。


ひきこもり支援/高年齢化への対応急がねば
 ひきこもりは若者特有の現象という従来のイメージを覆す結果である。背景を丁寧に分析し、有効な支援を打ち出す必要がある。
 内閣府が、半年以上にわたり家族以外とほとんど交流せず、自宅にいる40〜64歳のひきこもりの人が全国に61万3千人いるとの推計値を公表した。中高年の実態が明らかになったのは初めてだ。
 団塊ジュニアを含む40代以上はバブル崩壊後の就職氷河期を経験した人もいる。思うように仕事が見つからなかったり、職場でつらい経験をしたりして、ひきこもったケースもあるとみられる。
 2000年代初頭にはニートという言葉が登場し、国は30代までの就労支援を強化した。ただ半年以内の就労という性急な目標を掲げたため、さまざまな困難を抱えたり、年齢制限を超えたりした人が取り残され、今に至る可能性も捨てきれない。個別の事情をくんだ支援ができていたのか。国や自治体、関係機関は省みて今後の対応に生かさなければならない。
 課題は、就労にとどまらない。ひきこもりが長期化すると、同居の親も高齢化し、病気や介護、経済的困窮といった複合的なリスクが生じる。調査では3人に1人が高齢の親に経済的に依存していることも判明した。福祉の現場では親が80代、本人が50代で生活が困窮する「8050問題」も指摘されている。
 15年施行の生活困窮者自立支援法で、ようやく40歳以上が支援対象になったが、相談窓口を設置しているだけという自治体も多い。県内でひきこもりの人を支援する民間団体の担当者は「親が子を支えきれなくなってきている」と厳しさを増す現状を指摘する。きめ細かな支援が急務だ。
 ひきこもりの長期化や高齢化が調査によって裏付けられたが、県には、中高年のひきこもりを担当する部署がないのが現状だ。今回の調査結果を受けて、就労支援や生活保護など関連する部署の連携強化について検討を始めたというが、担当部署が明確でなければ、実効性のある対策を講じることは難しいのではないか。
 また、今回の調査で判明したのは全国の推計値であり、県内の状況は分からないままだ。秋田県藤里町では社会福祉協議会が2010年から1年半をかけて戸別訪問による実態調査を行い、自立を後押しした結果、8割以上が社会復帰した例もある。参考にしたい。
 ひきこもりの背景は十人十色だが生きづらさの原因は社会の側にもある。本人の視点に立った支援の形を社会も考えるべきだ。


高齢ひきこもり 親子の共倒れを防ぐには
 ひきこもり支援の現場では近年、当事者の高齢化がささやかれてきた。とはいえ、この数字には驚くほかない。
 ひきこもり状態にある40〜64歳の中高年の人は、全国で61万3千人に上るという。内閣府が昨年、5千人を対象に初めて実施した調査に基づく推計値だ。
 国はこれまで、ひきこもりを若年層(15〜39歳)の問題と位置付け、調査と支援に取り組んできた。2015年度調査に基づくこの層の推計値は54万1千人だったので、幅広い年齢層にわたって100万人規模の当事者がいることになる。国は対策を抜本的に見直す必要がある。
 今回調査では、ひきこもり状態の人の約8割が男性だった。期間は「5年以上」が約5割を占め、30年以上の人もいた。
 きっかけで目立つのは「退職」「職場になじめなかった」「就職活動がうまくいかなった」など仕事に関するつまずきだ。調査対象世代のうち40代が社会に出た時期は、バブル経済崩壊後の就職氷河期と重なる。非正規雇用が増え始めた頃でもある。ひきこもりの増加や高齢化には、こうした社会的要因が影を落としている側面もあろう。
 ほかに、小中高校での不登校や受験の失敗、病気や妊娠がきっかけになった人もいる。ひきこもりの端緒は、人それぞれであることがよく分かる。
 当然ながら、個々の当事者の実情に即した、多様な初期対応や支援が求められる。
 中高年の場合、期間が長引くほどに、就労は難しくなる。段階的に仕事になじむためにトレーニング期間を設けるなど、きめ細かな支援が欠かせない。
 支援は家族や本人の相談から始まることが多いが、孤立して問題を抱え込むケースも少なくないという。長期化した場合、当事者も家族も深い疲労感と無力感に陥り、身動きが取れなくなっている可能性もある。
 窓口で相談を待つだけではなく、行政と支援団体などが連携し、積極的に地域の当事者を見つけ出して、訪問支援などにつなぐ努力を重ねてほしい。
 今回の中高年対象の調査は規模が小さく、実態の一端を示したにすぎないと考えるべきだ。大分県のように、地域住民と接する機会が多い民生委員などの協力を得ながら、より丁寧な実態調査に乗り出している自治体もある。国も本腰を入れて実態調査を進め、要因や背景の分析を踏まえた総合的対策を打ち出すべきだろう。
 80代の親が50代の子どもを支える事態に至れば、生活は困窮し、親子共倒れの危機も高まる。いわゆる「8050問題」への対応は、もはや待ったなしの状況と考えるべきだ。


アサンジ容疑者 メディア規制を恐れる
 国家の暗部を暴く権力の監視人なのか、それとも機密を盗んだ犯罪者なのか−。英当局に逮捕されたウィキリークス創設者のアサンジ容疑者の評価は分かれる。その功罪を冷静に見極めたい。
 内部告発サイトのウィキリークスは、二〇一〇年に米陸軍の情報分析官から提供を受けたイラク戦争やアフガニスタン戦争の関連文書をはじめ機密指定された大量の資料を公開した。
 とりわけ、イラクで活動する米軍ヘリが一般市民やジャーナリストを武装勢力と誤認して殺害した映像は、世界に大きな衝撃を与えた。
 米司法省の起訴状によると、アサンジ容疑者の罪状は、この情報分析官が米当局のネットワークにハッキングで侵入するのをほう助するために共謀したことだ。
 憲法が保障する「報道の自由」に抵触しないように、機密漏えいに関わる罪状を適用したとみられる。
 合憲性が問われる関門を巧みに迂回(うかい)したとも言えるこの手法に対して、メディア規制に悪用されるという懸念が広がっている。ヒューマン・ライツ・ウオッチはじめ人権団体などは、アサンジ容疑者の身柄を米当局に引き渡さないよう英当局に求めている。
 権力監視の役割を持つメディアを黙らせるとともに、不正を内部告発しようという人を萎縮させる危険性があるからだ。公共の利益に資する情報の提供・公開に二の足を踏む風潮が広がり、国民の知る権利が侵害されるようなことがあってはならない。
 ただ、アサンジ容疑者には不透明感がつきまとうのも事実だ。
 ロシアが二〇一六年の米大統領選に介入したロシア疑惑を捜査したモラー特別検察官は、ロシアがクリントン陣営へのサイバー攻撃で大量のメールを入手し、ウィキリークスに提供したと断定した。
 選挙中は「ウィキリークスを愛している」と繰り返したトランプ大統領は、アサンジ容疑者が逮捕されるや、「私はウィキリークスについて何も知らない」と手のひらを返した。
 だが、トランプ氏の元側近はウィキリークスのメール暴露の計画をトランプ氏も事前に知らされていた、と議会証言している。
 トランプ陣営とロシア、それにウィキリークスの三者の関係は、全容が解明されたわけではない。ジャーナリズムを逸脱する行為はなかったのか、アサンジ容疑者には説明する責任がある。


トランプ氏「これで私は終わりだ」 司法妨害の疑い言及 米ロシア疑惑報告書
 【ワシントン古本陽荘】米司法省は18日、2016年米大統領選へのロシアの介入とトランプ陣営との癒着疑惑に関する捜査報告書を公表した。報告書では、司法省が疑惑捜査のためモラー特別検察官を任命した際、トランプ大統領が「これで私の大統領としての地位は終わりだ」と漏らし、モラー氏解任を側近に指示したことなどを指摘。トランプ氏が捜査を妨害した司法妨害については「犯罪行為がなかったと結論づけることはできなかった」として、疑惑が晴れていないことにあえて言及した。
 報告書公表に先立つ記者会見で、バー司法長官は「司法妨害を構成するには不十分」と主張したが、野党・民主党は反発し、モラー氏を議会の公聴会に招致し、証言を求める方針。ロシア疑惑を巡る与野党攻防の主戦場は議会に移る。
 捜査報告書は付属文書も含めて448ページ。継続中の捜査に関わる情報や第三者のプライバシーを侵害する恐れがある情報などは黒塗りとなっており、情報が伏せられた理由も示された。
 焦点のトランプ氏が一連の捜査を妨害した疑いについては、連邦捜査局(FBI)のコミー前長官の解任、モラー氏の解任要求、ロシアとトランプ陣営との接触に関する証拠開示を止めようとした動きなど計10件の行為について、司法妨害の罪に問えるか検証した結果を説明した。
 報告書は「捜査に影響を与えようという大統領の行為はほとんど成功しなかった」と指摘。理由について「主に大統領周辺が大統領の指示や要求に従わなかったため」とした。大統領の行動の意図が明確でないことなどから、司法妨害の罪を構成するまでには至らなかったが、「大統領が司法妨害の罪を犯さなかったと自信を持って言えるならそうするが、事実や法的基準に基づけば、その判断には至らない」と結論を留保したことを明らかにした。
 一方、ロシアがソーシャルメディアによる世論操作やハッキングを通じて米大統領選に介入したと認定。トランプ陣営の幹部らとロシア側が接触した経過も詳細に示したが、トランプ陣営関係者や米国人がロシアと共謀した証拠は見つからなかったと明確にした。
 トランプ氏は18日、ホワイトハウスであった会合のあいさつで「今日はいい日だ。共謀も司法妨害もない。こんなでっち上げが二度と大統領に起きてはいけない」と述べ、ロシア疑惑の捜査を改めて批判した。


ロシア疑惑の報告書 モラル逸脱した米大統領
 目に余る職権の乱用と言わざるを得ない。トランプ米大統領が必死になって身に降りかかる捜査をつぶそうとした実態が浮かび上がった。
 2016年米大統領選でトランプ陣営を勝たせようとロシアが介入した疑惑を捜査していたモラー特別検察官の報告書が公表された。
 トランプ陣営とロシアの「共謀」は認定しなかったが、トランプ氏による司法妨害の判断は見送り、「犯罪行為がなかったと結論づけることはできなかった」と疑念を残した。
 驚くのは、報告書に詳述されたトランプ氏による妨害工作の数々だ。
 報告書によると、トランプ氏はコミー連邦捜査局(FBI)長官に元側近への捜査を中止するよう要求し、「大統領は捜査対象ではない」と公言することも求めた。コミー氏が応じないと更迭した。
 司法省がモラー特別検察官を任命すると、トランプ氏は「私の大統領の地位は終わりだ」と焦り、マクガーン法律顧問にモラー氏解任の書簡を作成するよう指示した。しかし、マクガーン氏は拒否し、辞任した。
 セッションズ司法長官には捜査を監視するよう本人や側近を通じて要請したが、捜査に関与しない立場を貫いたため、やはり更迭された。
 これらの事実を確認しながら司法妨害の判断を見送ったのは、トランプ氏の意図を立証するのが困難なうえ、現職大統領は訴追できないという伝統的な憲法解釈によるという。
 だが、たとえ犯罪と認定されなくても、公正であるべき大統領としてモラルを欠き、その権威を傷つけたのは事実だ。トランプ氏の道義的、政治的責任はまぬがれない。
 マクガーン氏は、ウォーターゲート事件を捜査したコックス特別検察官をニクソン大統領が解任し、司法長官らが辞任した1973年の「土曜日の夜の大虐殺」になぞらえた。
 法律を順守し、過去の教訓に学んで命令や指示に従わなかった政権幹部がいたことは、せめてもの救いだ。モラー氏の解任にも捜査の中止にも至らなかった。
 報告書は「大統領の職権乱用」を監視する議会の役割にも言及した。トランプ氏は「ゲームオーバー」と決着を強調するが、野党・民主党はモラー氏の議会証言を求めており、これで幕引きとはならないだろう。


ロシア疑惑報告 大統領、潔白でしょうか
 トランプ米大統領は潔白どころか、限りなくクロに近い。公表されたロシア疑惑の捜査報告書の印象である。真相が不透明のままでは禍根を残す。モヤモヤを晴らす役目は議会と世論が担っている。
 よほど後ろめたいことがあったのだろう。報告書によると、トランプ氏はモラー特別検察官の任命を聞いて「なんてことだ。これで私の大統領の地位は終わりだ」と動揺した。
 報告書はトランプ氏の司法妨害疑惑の事例を十例に上って列挙。そのうえで「大統領は司法妨害をしていない、とわれわれが確信できたなら(報告書に)そう記した」とトランプ氏の潔白を否定した。
 これに対しバー司法長官は、トランプ氏には捜査への不満や怒りがあったが「不正の意図を持っていなかったとの証拠の方が重い」と、証拠不十分とした理由を説明した。
 だが、トランプ氏の事情聴取も実現できなかったのに、なぜ不正の意図はなかったと判断できるのか。説得力に欠ける説明だ。
 一方、報告書はロシアの米大統領選介入では、ロシアはトランプ氏の当選が自国の利益になると判断し、トランプ陣営もロシアの介入が有利に働くと期待したと指摘した。それでも証拠不十分で共謀の事実は立証できなかった。
 すっきりしない結論になったのは、トランプ氏が事情聴取を拒否したことも大きく響いただろう。自分に降りかかった疑惑である。トランプ氏は進んで事情聴取に応じて疑いを晴らすべきだった。これでは「逃げ得」と批判されても仕方がない。
 司法妨害疑惑をめぐるトランプ氏と同様の行動を、以前の大統領がしたら国民は許さなかっただろう。それがトランプ時代に入って、底が抜けたように政治から倫理性が薄れ、社会もそれを許容している。ロシア疑惑とその捜査結果は、「法の下の平等」という民主国家の支柱が揺らぐ危機に、米国が直面していることを示してはいないだろうか。
 モラー氏は報告書で、司法妨害の判断を見送った理由に、司法省が現職大統領を訴追しない方針であることを挙げ、最終判断は議会に委ねる姿勢を示した。
 米国は来年の次期大統領選に向けて政治の季節に入りつつある。ロシア疑惑を政争の具にすることは慎まねばならないが、議会は行政監視の機能を持つことを忘れてはならない。


ロシア疑惑/真相究明を議会に委ねた
 2016年の米大統領選を巡る「ロシア疑惑」で、モラー特別検察官による捜査報告書が公表された。すでにバー司法長官が4ページの概要版を公開しているが、今回は450ページ全文だ。
 全体の構図に大きな相違は見られない。トランプ氏が捜査を妨害した疑いについても「大統領が犯罪を行ったとは結論づけないが、潔白ともしない」との判断は変わっていない。
 トランプ氏は「共謀も司法妨害もなかった。ゲームオーバーだ」とネット上に投稿し幕引きを図ろうとしている。
 しかし報告書は、トランプ氏が捜査介入を画策したことを詳細に示した。疑惑は決して解消していない。徹底した真相究明が必要だ。
 報告書によると、司法省が2年前、モラー氏を特別検察官に任命した直後、トランプ氏は「これで大統領として私は終わりだ」と当時の司法長官に伝え、「捜査は不公正だ」と公言させようとした。
 ホワイトハウス法律顧問にはモラー氏の解任を命じている。いずれも拒否され実行されなかったが、あの手この手で捜査への介入を試みた実態が浮かび上がった。
 疑問を抱くのは、バー氏がなぜこうした点を概要版に盛り込まなかったかである。
 トランプ氏に配慮したのなら、公正に法をつかさどる司法長官の立場を逸脱している。単に政権への信頼を損ねるにとどまらず、民主主義政治の根幹である「法の支配」を揺るがしかねないことを認識するべきだ。
 一方、報告書は、大統領選に介入したロシアとトランプ陣営の共謀については立証できないとしながら、陣営幹部らがロシア政府関係者と数多くの接触を持っていたと言及した。
 ネット情報を利用して世論の誘導を図る動きが広がる中、来年の大統領選に向け警鐘を鳴らす中身だ。「大統領の犯罪」はくすぶり続けている。
 報告書は、大統領の権力乱用を阻止する憲法上の権限が議会にあると指摘する。
 刑事責任の追及が事実上壁に当たり、捜査の進展は見通せない。そのため真相究明を議会の手に委ねたと言えるだろう。米国政治の自浄能力が試される。


アイヌ新法成立 民族復権へ不断の改善を
 法律に初めて、アイヌ民族を「先住民族」と明記した。その意義は大きい。
 アイヌ民族の誇りを尊重し、共生社会の実現を目指す新法がきのう、参院本会議で与野党の賛成多数で可決、成立した。
 しかし、新法成立はゴールではない。今なおアイヌ民族への差別は残り、肝心の先住民族の権利を巡っては、国際水準に大きく後れを取っているからだ。
 政府と国会は、新法を第一歩と位置づけ、今後も権利保障に向け不断の改善を図る必要がある。
■主体的意思を第一に
 新法は、従来の文化、福祉施策から、地域振興を含めた総合施策へと踏み出す根拠法となる。
 特例措置として、文化伝承を目的とした国有林の林産物採取やサケ捕獲、アイヌ文化関連の商品に関する商標登録の手数料軽減を盛り込んだ。
 また、アイヌ文化の保存や継承、観光や産業振興、交流促進を含む地域計画を市町村が作成し、国が認定すれば交付金が出る。
 重要なのは、新法がこうした計画について、「アイヌの人々の自発的意思の尊重に配慮しつつ行わなければならない」と定めていることだ。
 計画の内容に、アイヌ民族の主体的な意思が確実に反映されなければ、復権にはつながるまい。
 国や自治体はこの点を常に念頭に置き、計画づくりを後押しするべきだ。
 胆振管内白老町に2020年4月開設予定の「民族共生象徴空間(ウポポイ)」は、アイヌ文化振興拠点と位置づけられている。
 ただ、政府の姿勢は観光に偏りすぎてはいないか。
 政府は、ウポポイ開設を20年の東京五輪前にこだわり、「年間来場者100万人」の目標を設定した。安倍晋三首相も1月の施政方針演説で、ウポポイを「観光立国」の項目の中で触れている。
 ウポポイは、アイヌ民族の権利と尊厳を発信し、息長く復権活動を支えていく場である。この基本を忘れてはならない。
■歴史を直視すべきだ
 アイヌ民族が求めた生活・教育の支援策は明文化されなかった。
 道が道内に住むアイヌ民族を対象に17年度に行った生活実態調査によると、その地域平均と比べ、生活保護率は4ポイント高く、大学進学率は12・5ポイント低かった。
 「差別を受けたことがある」と答えた人も2割を超える。
 新法は、基本理念でアイヌ民族に対する差別や権利侵害を禁じたが、実効性を確保する具体策が欠かせない。支援策の明文化に向けた再検討も求められよう。
 明治以降、政府は狩猟漁労によるアイヌ民族の生業を奪い、同化政策を進め、土地や文化、言葉などを奪ってきた。
 格差や差別がなくならない背景には、こうした歴史的経緯があるのは明らかだ。
 ところが、新法には法制化を必要とした理由が記されなかった。このため、「アイヌ民族にだけ特権を与えている」といった偏見を生むとの懸念も出ている。
 アイヌの人々が虐げられてきた歴史を考えれば、「特権」批判などできないはずだ。政府は過去を直視して心から謝罪し、国民に丁寧に説明を尽くす責務がある。
■国際水準へ高めたい
 権利保障に関し、衆参両院の国土交通委員会は、07年に国連総会で採択された「先住民族の権利に関する国連宣言」の趣旨を踏まえることを付帯決議に盛り込んだ。
 国連宣言には、自治権や教育権、土地やサケなど自然資源の利用権などが含まれており、日本も賛成票を投じている。
 これを受け、08年に衆参両院は「アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議」を採択し、新法を制定する流れができた。
 この過程を振り返れば、付帯決議を空文化させることがあってはならない。政府は国連宣言に沿って、施策の充実を図るべきだ。
 日本の先住民族政策の貧弱さは国連などで指摘されてきた。
 カナダは、儀式や文化伝承だけでなく、自家消費のためのサケの漁業権を認めている。
 米国は自治権や居留地での狩猟や漁業を認め、ノルウェーは先住民族の言語を公用語化し、独自の大学や議会を設けた。
 2000年のシドニー五輪では、オーストラリアの先住民族アボリジニが先住権などの問題を提起して復権が進んだ。
 これを参考に、オーストラリア国立大のテッサ・モーリス・スズキ名誉教授は、東京五輪をアイヌ民族による発信の機会とすることを提言している。
 アイヌ民族の声に真摯(しんし)に耳を傾け、国民一人一人が先住民族の権利に関する理解を深め、権利回復を前進させなければならない。


GAFA問題 日本のデジタル課税は?
★18日、自民党競争政策調査会(会長・伊藤達也)はGAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)と呼ばれる巨大IT企業を巡るルール整備に向けた提言をまとめ、取引の透明性を確保するため契約条件の明示を義務付ける「デジタル・プラットフォーマー取引透明化法(仮称)」の制定や、独占禁止法違反に対する公正取引委員会の取り締まりを強化する新指針の策定などを求めた。★同調査会は3月にGAFA幹部を党本部に呼び、3回にわたりヒアリングを行った。だがこのヒアリングの出席は議員本人のみしか認めず、党政調会長・岸田文雄の冒頭あいさつもマスコミシャットアウトで行われ、いわゆる記者のカベ耳、立ち聞きも許されない厳しいもの。GAFAサイドが条件付きで出席したのではないかと党内外でうわさになったほどだ。3月28日の参院財政金融委員会では共産党の大門実紀史が「日本が受け取るべき巨額の税収が海外に流出している。まとめ役としても、日本独自でも両面の努力が必要だ」とG20でも議題とし、日本独自のルールも定めるべきとしており、GAFA問題は自民党から共産党までの共通テーマだ。★国際課税のルールでは、外国企業が支店や工場などの拠点を置かずにビジネスを行っている場合、当該国では法人税を課すことができない。つまりIT企業は税金逃れの温床になりやすい。一方、IT企業は新自由主義の先端企業。規制を嫌い自由を求めるが、世界中がGAFAにのみ込まれかねない状況でもある。既に英国では来年から売上高の2%のデジタル課税が決定。フランスでは課税が始まっているものの、EUでは一律課税の合意には至らなかった。そこでG20の議長国である日本に期待が寄せられたが、米中の反対で俎上(そじょう)には載らない可能性が高い。自民党はせめて国内法で課税化したいとの意欲を示したのだろう。

「美味しんぼ」原作者が鼻血問題の騒動後をブログで告発
〈私の鼻血問題を通じて言えることは、この国では真実を語ってはいけないと言うこと〉
〈一番悲しいのは、腐敗した支配者を糾弾することはせず、逆に支配者にとって不都合な真実を語る人間を、つまはじきにする日本の社会の姿です〉
 人気漫画「美味しんぼ」の原作者の雁屋哲氏がこう書きこんだブログが話題騒然だ。雁屋氏は「週刊ビッグコミックスピリッツ」(2014年4月28日発売号=小学館)に「美味しんぼ 福島の真実編」を掲載。東京電力福島第1原発を訪れた主人公らが鼻血を出す描写を巡り、安倍首相から「政府としては、根拠のない風評を払拭をしていく」などと痛罵され、世論の批判にさらされた。
「奇怪なこと」と題した今月15日付のブログには、騒動後の出来事が詳細につづられている。
 当時のスピリッツ編集部には抗議電話が殺到し、午前10時から午後10時近くまで電話が鳴りやまず、20回線が塞がって業務に支障をきたしていたという。15年に著書「美味しんぼ『鼻血問題』に答える」(遊幻舎)を発売後、対談したジャーナリストからは開口一番、「僕は雁屋さんに反対です」と非難され、今年3月中旬にテレビ番組のディレクターから「美味しんぼ」関連の出演依頼を受けて快諾するも、「上司からの進言で番組内容がガラッと変わった」などと告げられ、見送られたという。
 雁屋氏は安倍首相に「風評」扱いされて以降、〈おかしな感じ〉を抱くようになったという。
〈テレビ、雑誌、などのジャーナリズム関係の人が、妙に私に対して白々しい態度を取ることが気になり始めたのです〉
 メディアが政権を忖度し、雁屋氏の封じ込めに動いているのだとしたら、トンデモないことだ。


アメトーークが謝罪、大阪・西成に差別的表現 「トイレットペーパー盗まれる」
 テレビ朝日は19日、バラエティー番組「アメトーーク」(2月14日放送分)で大阪市西成区と同区の高校について、事実と異なる内容を伝え、差別的な表現があったとして同番組内で謝罪、番組公式サイトにも謝罪文を掲載した。
 テレビ朝日によると「高校中退芸人」と題するトークの中で、同高校について「椅子を投げる人がいるので鉄パイプで机とつながれている」「トイレットペーパーも盗まれるから、職員室に行かないとくれない」などと放送。これらを「不良生徒対策」だとしたが、「番組側の確認が足りず事実と異なっていた」と謝罪した。大阪府教委などによると、実際には他校でも同様の机・椅子が使われている。トイレットペーパーの予備を置かないのも紙資源節約のためという。
 また、西成については「『行かない方がいい地域』といった差別的な表現」があった。テレビ朝日は「問題のある学校や地域であるとの印象を与え」、学校関係者や住民らに「多大なるご迷惑と不快の念をおかけした」と謝罪している。
 テレビ朝日には、同校や府教委、部落解放大阪府民共闘会議から、正式な謝罪などを求める抗議文が届いていた。同局広報部は「勉強会の開催、研修の改善などを通じ、差別・人権問題について啓発に取り組む」としている。【最上聡】


NHKが「皇室の祖先は天照大神」と報道→「現人神宣言か」と疑問の声
神話と史実を混同するような伝え方だとして、疑問の声が出ている。
Kei Yoshikawa吉川 慧
退位を控えた天皇皇后両陛下は4月18日、伊勢神宮(三重県伊勢市)に参拝された。このニュースをめぐって、NHKが皇室の祖先は「天照大神」と報道。神話と史実を混同するような内容だとして、批判の声が出ている。
退位に伴う儀式をめぐる報道だった
天皇皇后両陛下は18日、退位を報告するため伊勢神宮の「外宮」と「内宮」を参拝された。退位に伴う一連の儀式の一つで、両陛下にとっては在位中最後の地方訪問となった。
この儀式について、NHKニュースは18日に「皇室の祖先の『天照大神』がまつられる伊勢神宮の内宮」と報道。その後に記事は更新され、「皇室の祖先をまつる伊勢神宮の内宮」と記されている。
NHKは、同日夜の「ニュースウォッチ9」でも「伊勢神宮の内宮は皇室の祖先の天照大神がまつられています」とナレーションで紹介した。
こうしたNHKの報じ方について、Twitterでは「NHKによる現人神宣言」「NHKは神話と現実を統合することにしたらしい」などと、批判や疑問の声があがっている。
漫画プリニウスの公式Twitterは、「NHKのニュースが『皇室の祖先とされている』ではなくて『皇室の祖先のアマテラスオオミカミ』と言った…』と、戸惑った様子で報告している。
「皇室の祖先とされる」などの表記が通例
皇室と天照大神の関係について説明する際、報道では「皇室の祖先とされる」「皇室の祖先神」などと表記し、天照大神はあくまで宗教上の存在であることを示すのが通例だ。
こうした表記がされる背景には、神格化した天皇を中心に構築された戦前の国家体制への反省がある。
戦前は「現人神」とされた天皇
戦前、天皇は「現御神(あきつかみ)」「現人神(あらひとがみ)」として神格化され、その存在は絶対的なものであった。大日本帝国憲法では「神聖ニシテ侵スヘカラス」とされ、国家神道の中心的な役割を担った。
教育現場では建国神話は史実として教えられ、国家神道は軍国主義と結びつき、利用され、当時のマスコミもその一翼を担った。やがて「天皇」の名のもとに、日本は戦争へと至った。
敗戦後、天皇の地位は大きく変わった。1946年1月1日、昭和天皇は詔書を発し、現人神であることを否定した。いわゆる「人間宣言」だ。
戦後、日本を占領統治した連合国軍総司令部(GHQ)は、1945年12月に神道指令を発し、国家神道の解体と宗教・国家の分離を促した。日本国憲法で、天皇は「象徴」として定義された。政治と宗教の分離も明記された。
今回の伊勢神宮への参拝は、国事行為ではなく皇室行事と位置づけられている。天皇陛下はモーニングコート、皇后陛下は参拝服で、馬車は使わない簡素なものとなった。これは天皇陛下の意向だという。儀式に参加する両陛下の交通費などは、私費である「内廷費」を充てる。
他社はどう報じた?
・朝日新聞「天照大神をまつる内宮」
・読売新聞「皇室の祖神とされる天照大神をまつる伊勢神宮」
・毎日新聞「天照大神を祭る内宮」
・産経新聞「皇祖神の天照大神を祭る内宮」
・日経新聞「皇祖神の天照大神がまつられている内宮(皇大神宮)」
・共同通信「皇室の祖神とされる天照大神を祭る伊勢神宮の内宮」
・時事通信「天照大神を祭る内宮」
・日本テレビ「皇室の祖先とされる天照大神をまつる伊勢神宮」
・TBS「皇室の祖先神である天照大御神を祀る伊勢神宮」
・フジテレビ(FNN)「天皇家の祖先とされる天照大神をまつった内宮」
・テレビ朝日(ANN)「皇室の祖とされる「天照大神」が祭られている内宮」
・テレビ東京「皇室の祖神とされる天照大神を祭る伊勢神宮」
NHK広報局「丁寧さを欠いた」
NHK広報局はBuzzFeed Newsの取材に対し、「伊勢神宮の内宮についての説明で、一部、丁寧さを欠いた表現がありました。今後はより丁寧な表現での報道につとめていきます」と文書で回答した。


櫻井よしこ氏は「慰安婦」を「日本軍強制説」で報じていた
『朝日新聞』の日本軍「慰安婦」の記事を「強制連行を捏造した」と非難している櫻井よしこ氏が、自身も「日本軍によって強制的に従軍慰安婦にさせられた女性たち」とテレビ、雑誌で報道していたことがわかった。
自身の報道を棚にあげ、他者を「捏造」呼ばわりするのはアンフェアではないだろうか。
櫻井よしこ氏がキャスターを務めていた日本テレビのニュース番組「NNNきょうの出来事」と見られる動画がある。1992年12月9日、東京で開かれた「日本の戦後補償に関する国際公聴会」を櫻井氏にうり二つの女性はこう放送した。「第2次世界大戦中に、日本軍によって強制的に従軍慰安婦にさせられた女性たちが、当時の様子を生々しく証言しました」。画面では「韓国人元慰安婦」の字幕とともにチマチョゴリ姿の元「慰安婦」が公聴会の壇上で叫ぶ。「私の一生を台無しにして! 日本政府は隠さないでしっかり謝罪したらどうなの!」
男性アナウンサーの声。「これは元従軍慰安婦らから事情を聴き日本政府に謝罪と戦後補償を求める公聴会です。今回初めて名乗り出たオランダや北朝鮮の元従軍慰安婦8人が当時の様子を生々しく語りました」
壇上では元「慰安婦」たちが泣いている。字幕の説明。「感極まって、韓国と北朝鮮の元慰安婦が抱き合った」。中国の元「慰安婦」、万愛花さん(64歳、当時)のインタビューもある。「私は15歳でした。日本軍に襲われて両手両足を押さえられ、乱暴されました」。約3分弱の動画だ。
フェイクの時代だ。万が一にもと日本テレビに動画の確認をお願いした。「放送したものがすべて。答えられない」。櫻井氏からも「裁判中なので」と取材を断られた。
「責任痛感すべき私たち」
しかし、櫻井氏は92年7月18日号の『週刊時事』(時事通信社)でも次のように書いている。〈東京地方裁判所には、元従軍慰安婦だったという韓国人女性らが、補償を求めて訴えを起こした。強制的に旧日本軍に徴用されたという彼女らの生々しい訴えは、人間としても同性としても、心からの同情なしには聞けないものだ〉〈売春という行為を戦時下の国策のひとつにして、戦地にまで組織的に女性達を連れていった日本政府の姿勢は、言語道断、恥ずべきであるが、背景にはそのような政策を支持する世論があった。とすれば、責任を痛感すべきは、むしろ、私たち一人ひとりである〉
櫻井氏は、この記事などを再録し『櫻井よしこが取材する』(ダイヤモンド社)を94年に出版した。少なくともこの年まで、櫻井氏は、日本が国策として強制的に「慰安婦」にしたと伝えていたことになる。ちなみに、手元にある本は櫻井氏のサイン入りだ。フェイク本ではおそらく、ない。(徃住嘉文・報道人、2019年4月19日号)
※編注:元『朝日新聞』記者の植村隆氏が、元日本軍「慰安婦」に関する記事を「捏造」とされ名誉を傷つけられたとして、櫻井氏を訴えた札幌訴訟について、4月19日(金)発売の『週刊金曜日』4月19日号が詳しく報じている。同誌は書店などで販売する紙版のほか、アプリを使った電子版でも購読できる。


帰化決意の白鵬が狙う理事長の座 相撲界を待つ暗黒時代
 日刊ゲンダイがこれまで何度も報じてきたように、横綱白鵬(34)が日本国籍取得に動いていることが17日、明らかになった。白鵬は母国モンゴルに同国の国籍離脱を申請したという。つまり、帰化の準備が整い、正式に動きだしたということだ。当の本人は巡業先で、「今の時点でどうこう言うのはまだ早い」と話したものの、「あとは結果を待つだけ」とも言っている。事実上、帰化申請を認めたような発言だ。
■国籍取得前から内弟子集め
 白鵬はかねて、「引退後は親方になりたい」と公言。銀座に相撲部屋を持つ夢を語ったこともある。しかし、親方になるには日本国籍を取得しなければならない。これは相撲協会の規約にも記載してあることだ。
 白鵬はこれを不満に思い、協会にさまざまな働きかけを行っていた。そのひとつが一代年寄制度。現役時代、特に功績のあった横綱は四股名のまま親方を名乗れる。貴乃花や北の湖が、その代表例だ。協会に105ある年寄名跡を取得する必要がないので、国籍を変える必要はない――というのが白鵬の主張だった。
 帰化もまだなのに石浦、炎鵬、山口と内弟子を3人も抱えたのは、なし崩しに親方になるための布石だ。
 そんな企みも協会にあえなく一蹴された。親方になるためには国籍を変更するしかなかったというわけだ。
■太いタニマチ
 もっとも、白鵬はすでに引退後の準備に向けて、余念がない。内弟子を集めたのも、前述の理由に加えて、将来的な独立を見越してのこと。さらに協会理事長のイスを狙って、さまざまな“根回し”を行っているという。
「理事長になるためには、まず理事にならなければいけない。理事選で勝つには、票が必要不可欠。つまり、選挙で自分に投票してくれる親方を今から増やそうというのですよ。白鵬が考えているのは、同郷のモンゴル人力士を中心とした外国人親方閥をつくること。すでに、数人の親方が年寄名跡を取得するためのバックアップを受けていると聞いている。金銭的な援助もしているとか……」(角界OB)
 白鵬は史上最多の42回優勝という実績もそうだが、カネという武器もある。なにせ、夫人の父親、つまり義父は「四国の山林王」と呼ばれる大金持ち。徳島県に莫大な不動産を所有しているという。太いタニマチも多い。
「そのひとりが、建築業界の大物です。もともとは別の横綱出身親方のタニマチだったが、白鵬はジジ殺しですからね。コロッとやられてしまった。白鵬もこの人物が外出する際は自分が迎えに行くなど、平身低頭ですよ」(前出のOB)
■醜いだけの過剰演出
 もちろん、白鵬が親方になりたいと思うのは勝手だ。しかし、まかり間違って野望を成就――理事長にでもなろうものなら、とんでもないことになる。
 白鵬は3月場所の優勝インタビューで、館内に三本締めを促した。本人は「盛り上げたかった」と話しているが、あまりに場違いな行動に相撲協会は激怒。すでに協会のコンプライアンス委員会に3度も呼び出しを食らい、近日中に処分が言い渡される見通しだ。
 白鵬は日馬富士による暴行事件直後の2017年11月場所でも、優勝インタビューで「日馬富士と(被害者の)貴ノ岩をまた土俵に上げたい」と言い、さらに万歳三唱を観客に要求した。
 当時、暴行事件はまだ警察が捜査をしていた時期。しかも、白鵬は暴行現場の酒席に居合わせた張本人だ。
 相撲取材歴50余年、評論家の中澤潔氏は「白鵬は横綱としての在り方を勘違いしている」と、バッサリやる。
「盛り上げたいならば、相撲で勝つことで盛り上げたらいい。過剰な演出は不要。醜いだけです。土俵入りや懸賞を受け取るオーバーなしぐさも鼻につく。相撲は礼に始まり、礼に終わるもの。そこでなぜ、これ見よがしに自己流を振りかざすのか。白鵬は『勝ってるオレが好きにやって、何が悪いんだ』くらいの考えでしょう。注意したところで聞く耳を持たないから厄介です」
 さらに中澤氏はこう続ける。
「横綱は全力士の手本となる存在。だからこそ、謙虚でなければいけないんです。歴代の横綱は『番付トップの人が、こんなに謙虚に振る舞うのか』と、周囲に尊敬されていた。他の力士もそんな横綱を尊敬し、『自分もああ在るべき』と見習う。そうやって相撲界は続いてきた。それがやりたい放題では誰も尊敬しない。手本不在ですよ。まして、白鵬をマネする力士が出てきたらどうするのか。そうした意味でも白鵬は横綱としてはもちろん、力士の本分を外れているとしか言いようがありません」
 白鵬親方の誕生は、終わりの始まりとなりかねない。